◆b0M46H9tf98h さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16952728.html
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620: ◆b0M46H9tf98h:2022/10/21(金) 01:39:08.09:vgqRftdI0 (1/1)
…内務省…
役人「おい、この書類を急いでタイプしてくれ!」
タイピスト「分かりました」
郵便係「こっちは内務卿の執務室……こっちは次官宛て、こっちは……」
下級官吏「済みません、ミスタ・ペパンズ。この手紙には六ペンスの切手を貼っていただかないと……」
役人B「そうだった……構わんから君が貼り直しておいてくれ」
…官庁街の一角にある王国内務省では、朝から役人たちがせわしなく活動していて、数多くの書類や情報が行き来する中、多くの人々がそれを見て、サインをし、タイプを叩き、封をしている……くたびれた役人たちは時折休憩を取るために庁舎の休憩室や近くの屋台で紅茶やパイを腹に入れつつ、しばらくするとまた机に戻っていく…
役人C「聞いたか? なんでも共和国の諜報網が一網打尽になったそうだ……紅茶とベリージャムのパイを二つずつ」
役人D「ああ、噂になってるな……昨日の深夜だって?」小銭をカウンターに置いて大きな紅茶のマグカップを受け取ると、しばし噂話に興じる……
役人C「そうらしい。きっと内務卿(ノルマンディ公)子飼いの部下だろうよ」
役人D「あり得る話だな……どうもごちそうさん」温かい紅茶を飲み終えると、また庁舎に戻っていく……
屋台のオヤジ「へい、毎度どうも……」
…夜・とある邸宅…
内務省官僚「ふぅ……今日は散々だった。 内務卿が共和国スパイのアジトを「手入れ」したもんだから、スコットランド・ヤードには「うちの管轄に手を出すな」とばかりに嫌味を言われるし、陸軍省だの外務省だのがしゃしゃり出て来るし……」
官僚の妻「お疲れでしたわね、あなた。 それにしても、そろそろ休暇をいただいたらいかが?」
官僚「そうしたいのは山々だがね、内務卿であるノルマンディ公もうちの局長も休みを取らないのに、まさか局長秘書の私だけ休むというわけにはいかないよ……そうだ、せめて君だけでも気分転換してきたらどうだ?」
妻「でも、私だけお出かけだなんて……よろしいの?」
官僚「ああ、いいさ。 美容室にでも行って流行の髪型にでもして、ついでにドレスでも見繕えば退屈もまぎれるだろう? レスター次官夫人のティーパーティもあるし、ちょうどいいじゃないか」
妻「そうね、それじゃあそうするわ」
官僚「ああ、それがいいよ」
…別の日・とある花屋…
花屋「いらっしゃいまし、どのようなお花にいたしましょう?」
おしゃべりな婦人「そうねぇ、まずは赤いバラを中心にした花束を……」
花屋「はいはい」
おしゃべり婦人「それから食卓に飾る白い花が欲しいの……そうそう、ところでさっき美容室で聞いたのだけれどね……秘密の話よ?」
花屋「おや「秘密のお話」ですか?」
おしゃべり婦人「ええ、だから皆には内緒よ? あのねぇ、一昨日の話なのだけれど、共和国のスパイが摘発されたんですって……しかもなんとかいう貴族を壁の向こうに連れて行こうとしたんだそうよ」
花屋「そりゃあまた……スパイだなんておっかないですね」
おしゃべり婦人「ええ、本当にね。ああそれから、こっちの緑のも入れてちょうだい……」
…次の晩・とある社交クラブ…
貴族令嬢「……まぁ、お久しぶりですわね♪ そのドレスも大変お似合いでいらっしゃいます♪」
ドロシー「よせよ、照れるじゃないか……君の方こそトロイのヘレン(※ギリシャ神話の美女)もかたなしってところだ」
貴族令嬢「あら、お上手ですこと♪」
ドロシー「ふふふ……もっと言ってあげようか?」耳元に口を寄せてささやきかける……
貴族令嬢「ええ、ぜひお願いしたいですわ……///」唇を半開きにし、濡れた瞳でドロシーを見つめる令嬢……
ドロシー「おいおい、まだ飲み物も飲んでないんだぞ……シャンパンでいいかな?」
貴族令嬢「ええ。でもわたくし、お酒はあんまり……」
ドロシー「なーに、そんなに量を過ごさせるようなことはしないよ♪」
貴族令嬢「……でも、貴女とでしたら少しくらい飲み過ぎても……構いませんわ///」
ドロシー「そうか? まぁ、ほどほどにしておこうか。 焦らなくたって私は逃げないんだから……さ♪」
貴族令嬢「ええ/// ……ところでさっき、共和国スパイが捕まったという噂話を耳にしましたわ」
ドロシー「へぇ、世の中には色んなやつがいるもんだねぇ……ま、私だったら国家機密なんかよりもこっちが欲しいけどな♪」ちゅっ♪
貴族令嬢「あんっ……///」
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…内務省…
役人「おい、この書類を急いでタイプしてくれ!」
タイピスト「分かりました」
郵便係「こっちは内務卿の執務室……こっちは次官宛て、こっちは……」
下級官吏「済みません、ミスタ・ペパンズ。この手紙には六ペンスの切手を貼っていただかないと……」
役人B「そうだった……構わんから君が貼り直しておいてくれ」
…官庁街の一角にある王国内務省では、朝から役人たちがせわしなく活動していて、数多くの書類や情報が行き来する中、多くの人々がそれを見て、サインをし、タイプを叩き、封をしている……くたびれた役人たちは時折休憩を取るために庁舎の休憩室や近くの屋台で紅茶やパイを腹に入れつつ、しばらくするとまた机に戻っていく…
役人C「聞いたか? なんでも共和国の諜報網が一網打尽になったそうだ……紅茶とベリージャムのパイを二つずつ」
役人D「ああ、噂になってるな……昨日の深夜だって?」小銭をカウンターに置いて大きな紅茶のマグカップを受け取ると、しばし噂話に興じる……
役人C「そうらしい。きっと内務卿(ノルマンディ公)子飼いの部下だろうよ」
役人D「あり得る話だな……どうもごちそうさん」温かい紅茶を飲み終えると、また庁舎に戻っていく……
屋台のオヤジ「へい、毎度どうも……」
…夜・とある邸宅…
内務省官僚「ふぅ……今日は散々だった。 内務卿が共和国スパイのアジトを「手入れ」したもんだから、スコットランド・ヤードには「うちの管轄に手を出すな」とばかりに嫌味を言われるし、陸軍省だの外務省だのがしゃしゃり出て来るし……」
官僚の妻「お疲れでしたわね、あなた。 それにしても、そろそろ休暇をいただいたらいかが?」
官僚「そうしたいのは山々だがね、内務卿であるノルマンディ公もうちの局長も休みを取らないのに、まさか局長秘書の私だけ休むというわけにはいかないよ……そうだ、せめて君だけでも気分転換してきたらどうだ?」
妻「でも、私だけお出かけだなんて……よろしいの?」
官僚「ああ、いいさ。 美容室にでも行って流行の髪型にでもして、ついでにドレスでも見繕えば退屈もまぎれるだろう? レスター次官夫人のティーパーティもあるし、ちょうどいいじゃないか」
妻「そうね、それじゃあそうするわ」
官僚「ああ、それがいいよ」
…別の日・とある花屋…
花屋「いらっしゃいまし、どのようなお花にいたしましょう?」
おしゃべりな婦人「そうねぇ、まずは赤いバラを中心にした花束を……」
花屋「はいはい」
おしゃべり婦人「それから食卓に飾る白い花が欲しいの……そうそう、ところでさっき美容室で聞いたのだけれどね……秘密の話よ?」
花屋「おや「秘密のお話」ですか?」
おしゃべり婦人「ええ、だから皆には内緒よ? あのねぇ、一昨日の話なのだけれど、共和国のスパイが摘発されたんですって……しかもなんとかいう貴族を壁の向こうに連れて行こうとしたんだそうよ」
花屋「そりゃあまた……スパイだなんておっかないですね」
おしゃべり婦人「ええ、本当にね。ああそれから、こっちの緑のも入れてちょうだい……」
…次の晩・とある社交クラブ…
貴族令嬢「……まぁ、お久しぶりですわね♪ そのドレスも大変お似合いでいらっしゃいます♪」
ドロシー「よせよ、照れるじゃないか……君の方こそトロイのヘレン(※ギリシャ神話の美女)もかたなしってところだ」
貴族令嬢「あら、お上手ですこと♪」
ドロシー「ふふふ……もっと言ってあげようか?」耳元に口を寄せてささやきかける……
貴族令嬢「ええ、ぜひお願いしたいですわ……///」唇を半開きにし、濡れた瞳でドロシーを見つめる令嬢……
ドロシー「おいおい、まだ飲み物も飲んでないんだぞ……シャンパンでいいかな?」
貴族令嬢「ええ。でもわたくし、お酒はあんまり……」
ドロシー「なーに、そんなに量を過ごさせるようなことはしないよ♪」
貴族令嬢「……でも、貴女とでしたら少しくらい飲み過ぎても……構いませんわ///」
ドロシー「そうか? まぁ、ほどほどにしておこうか。 焦らなくたって私は逃げないんだから……さ♪」
貴族令嬢「ええ/// ……ところでさっき、共和国スパイが捕まったという噂話を耳にしましたわ」
ドロシー「へぇ、世の中には色んなやつがいるもんだねぇ……ま、私だったら国家機密なんかよりもこっちが欲しいけどな♪」ちゅっ♪
貴族令嬢「あんっ……///」