1以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:38:10.417M8zy6LSO (1/6)

昼休み開始のチャイムが鳴った。あまりにも空虚な残響《リフレイン》を引きずってーー。

それを相図に、クラスメイトたちは示し合わせたかのように、そそくさと机を合わせはじめる。
みんなで楽しくお弁当を食べましょうって?
代わり映えもなく、昨日のアイドルの配信が良かっただの、恋愛リアリティショーでだれがカッコよかっただのを話すのか? 
メディアに踊らされるのは中学生までにしてほしい。

まず言っておくが、学校生活に友だちは必要ない。
重ねて言っておくが、これは友だちがいない人間の悔し紛れの逆張りじゃない。

実際そうだろ? 
多くの偉大な哲学者・文学者たちは孤独だった。孤独は知性の証だ。仮に群れることで幸せを感じたとしても、それは上半身におくられる電気信号に過ぎない。

俺はクラスの喧騒に背を向け、ただひとり屋上へ向かう。
職員室に保管されている屋上の鍵が容易くくすねられることを、クラスメイトたちは知らないのだ。

スロープをゆっくりと上り、建てつけの悪いドアを開いた。

どこまでも澄んだ茶褐色の空の下は、俺だけの特等席だーー。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1772447890



2以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:39:30.167M8zy6LSO (2/6)

俺はおもむろにスクールバッグからランチボックスを取り出す。
さて、今日のランチは……。
蓋を開けた瞬間、独特の臭いが鼻を突いた。

ったく、母さんまた、あの肉を大量買いしたのか。
この肉だけは、どれだけ食べても抵抗がある。
なるべく買わないでくれって言ってたのに。ついに壊れちまったか?

まぁいい。いただきますーーと……。

「ちょっと、そこのあなた!」

口を開けた瞬間、ものすごい勢いで、誰かが屋上のドアを開いた。

「へ?」

俺は思わず肉を落としてしまった。
食糧不足が騒がれる昨今、こんなんでもただでさえ貴重な肉なんだが……。

ピューー

瞬く間に、ものすごいスピードで猫が肉をかっさらっていった。

「ああー! 俺のランチが!」

しかし、猫に文句は言ってられない。なんせ猫は、人間にとって大切な存在だからな。ご多分に漏れず、俺は猫を愛している。

「大事な話があるの。ランチなんてどうでもいいでしょ! どうしてもお腹がすいたっていうなら、校庭の草でも食べてなさい!」

誰だか知らないが、とにかくものすごく傍若無人な女が、上段から俺に言い放った。
一体なにごとだって言うんだ。

俺はゆっくりと顔を上げる。
ん……? クソ、ちょっとかわいいからって、調子に乗って生きてきたタイプのイタい女だな。

https://i.imgur.com/UcgiEZj.jpeg

「って、あんな汚染された草なんか食えるかよ!! 大体、誰だお前」

ランチを食べ損ねてイライラしていた俺は、即座に的確なツッコミをぶちかました。

「質問をする前に名乗るのが礼儀ってものでしょ! まったく、最近の若者は本当になってないんだから。同じ海王第三高校の最上級生として恥ずかしいわ」

「うわ、3年生なのか。まぁ良い、俺の名前は……」

「待った! 名乗らなくても知っているわ。あなたの名前は、海王第三高校二年生・鈴木永遠! 間違いないわね! そうであるならば、私たち超現実逃避礼賛《エスケープ》団に即刻入団しなさい! 異論は認めないから! 以上、団長・鈴木弥生からの命令よ」

弥生という女の高らかな、そして意味の分からない命令が、茶褐色の空に吸い込まれていく。
その様子を、俺は文字通りあんぐりと口を開けて見守っていた。

気が付けば、肉を咥えた猫があざ笑うかのように走り回っているーー。

         ※ ※ ※



3以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:41:15.947M8zy6LSO (3/6)

「ここが私たちの城よ!」

弥生さん(先輩なので仕方なくさん付けしてやることにした)にゴロゴロと手を引かれてたどり着いたのは、薄暗い教室だった。というか、埃っぽい。陰鬱。気が滅入る。

見上げると、扉のうえに「社会科準備室」という札がかけられている。
いったい社会科の授業で何を準備するっていうんだーー。惑星模型でも磨いてるのかよ。

「弥生先輩! 新入部員ですか??」

部屋に足を踏み入れると、ツインテールのロリ系女子が、勢いよく弥生さんに飛びついてきた。
なんだこの子、めっちゃかわいいな。それにしても、昼間っから無邪気に抱き合うなんて……。この部活では百合が公認されているのか。

https://i.imgur.com/cggOq0b.jpeg

「早かったわね。もう勧誘してきたの? 弥生にしては御手柄よ」

ふと、上質なフレグランスが香って、黒髪ロングの清楚系女子が近づいてくる。
この人はめちゃくちゃスタイルが良いな。とくに胸のあたりが……ゴホンゴホン……18禁はやめておこう。

https://i.imgur.com/L0WSTYD.jpeg

「さて!」

引き続き状況が飲み込めないでいると、弥生さんが大きく手を叩いた。

「改めまして、鈴木永遠くん、我がエスケープ団へようこそ。我々は、このくだらない世界からの逃避を目的にした、意欲的かつ独創的、かつ可憐な頭脳派集団よ。学校の目を欺くため、一応『部活動』をしているということになってるわ」

「あ、なんだ。部活の勧誘だったんですね。でも、世界からの逃避ってのは、とどのつまり……」

「待った! 質問は最後に受けるわ。まず部員たちの紹介をしないとはじまらないわね」

嗚呼、なんという強引さだ。俺は抵抗を諦めた。

「このツインテールのかわいい子は、あなたと同じ2年生の佐藤めいちゃん。小さいけどしっかり者よ」

「よろしくお願いします。でも、あんまり弥生先輩と馴れ馴れしくしないでくださいね……」

めいがキッと猫のような目つきで睨んできた。すっかり敵意がむき出しだ。
やっぱり弥生さんとデキてるのか? 

「そして、このナイスバディの黒髪美女は、私とおなじ3年で副団長の鈴木皐月」

「ちょっと弥生、余計なこと言わないで……。永遠くんね。よろしくどうぞ」

皐月さんに上目遣いで目礼をされて、俺は思わずドギマギしてしまった。
おいおい、俺は童貞じゃないっつうの。

「という素敵な部員たちが勢ぞろいなのにも関わらず、我々エスケープ団は、なぜか入部希望者に恵まれないの。だから、永遠くんに入ってもらわないと、廃部になってしまうって話。あなた、毎日屋上でぼーっとしてるでしょ。どうせ暇なんだから付き合いなさいよ」

「だから強引に勧誘したんですね。でも、部員が集まらない理由は、部長が傍若無人だからな気が……?」

「なんですってえ!?」

弥生さんが腰に手を当てて、鬼のような形相をした。角まで生えてきそうな勢いだ。

「いや、なんでもないです。あ、そうだ。ええと、特に可憐のところ、いやいや活動内容がよく分からないので説明して欲しいんですが」

俺はむかしからヤンキーのような好戦的な人間が苦手だ。というか、あえて反論しないふりをしている。ここは、とりあえず話を合わせておくのが吉だろう。

「エスケープ団の活動は高尚だから、ひとことで言うのは難しいのよね……」

弥生さんが腕を組んで考え込んだ。

「要するに、クラスに馴染めない人たちが集まった仲良しサークルよ」

すると、皐月さんが静かに水を差した。この人も別のベクトルで傍若無人なんだな。

「皐月は身もふたもない言い方をするわね……。そんな簡単なものじゃなくて、学校という残酷かつ無慈悲なシステムのなかをサヴァイブするための相互扶助団体なのよ。分かった? 合理的で魅力的でしょ? 分かったなら、いますぐ入団しなさい」

弥生さんの人差し指が、ピッと俺の眉間を差している。

「まぁ、名前を貸すくらいならいいですけど」

これも俺の処世術。多少の理不尽は、雨に降られたくらいの気持ちで耐えるのが正解なのだ。やまない雨はない。

「やったー!!」 

俺がそう答えると、3人が飛び跳ねて抱き合った。

なんだ、この人たちも、かわいいところがあるんだなーー。

やっぱりこの部活では百合が公認……いや、なんでもない。聞かなかったことにしてくれ。
 
         ※ ※ ※


4以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:42:45.757M8zy6LSO (4/6)

「そうと決まれば、入部申請書に記入を……」

弥生さんがタブレットを差し出した瞬間、突然大きな音を立てて扉が開いた。

「あなたたち、まだこの部屋を占領しているんですか!」

「……!! きょ、教頭先生?」

現れたのはロマンスグレーの頭髪を丁寧に撫でつけた痩せぎすの男だった。
海王第三高校の教頭にして、その激しい風紀の取り締まり方針から「鬼」と恐れられる佐藤誠也だ。

あまりに激しすぎる登場に、俺は言葉を失ってしまった。

教頭は唖然とする俺たちを傍目に、ずんずんとこちらに進んでくる。
そして咳払いをすると、死刑宣告をするかのように厳かに口を開いた。

「えー、皆さんにお話があります。えーとエス……なに団でしたっけ?」 

「エスケープ団よ!」

こんな状況でも、弥生さんは一切ひるまない。俺が間違っていた。あんたはすげえよ。

「ああ、そうですか。その、皆さんの部の活動内容が不明瞭ということで、学校から廃部の決断が下りました」

「え……」

だれしもが事態を飲み込めず、息を飲んだ。静寂が部屋を包み込む。

「そんな! ようやく新入部員を確保したばっかりなのに」

沈黙を破るかのように、めいが叫んだ。泣きそうな顔をして萌え袖を握りしめている。
この意味の分からない美少女集団にはまだ感情移入できないが、こんなかわいい子を泣かせてはいけないことだけは分かる。

「まったく、手を変え品を変え、難癖をつけて来るのね。学校ってよっぽどやることがないのかしら」

「憎まれ口は結構。とにかく、もう決定事項なので、大人しく部屋を受け渡しなさい」

ああ、弥生さん。あなたは勇敢だった。(マジで)少しのあいだだったけど、あんたとの付き合いも面白かったよ。

「っ……」

さしもの弥生さんも権力には逆らえないのか、ついに黙り込んでしまった。あんたがやり込められるなんて、俺は悲しいぜ。

「先生は、民主主義に賛成ですか……?」

と思ったら、うつむいていた弥生さんがぽそりと口を開いた。
俺には、その声が小さなゴングに聞こえたんだ。

「はい? なんですか?」

「先生は、民主主義に賛成なのかと聞いています」

弥生さんの声が、いくらか大きくなった。俺は確信する。なにかが始まると。

「当たり前でしょう。私は社会科の教員ですからね。民主主義は私たちがこの地にやってくるはるか昔から社会の基盤……」

「だったら!」

ついに、弥生さんが叫んだ。可愛らしい耳が、興奮のせいかピンと上を向いている。

「学校のみんなが認めてくれたら、エスケープ団の活動を継続して良いってことですよね! その証明に、わたしたちは1ヶ月以内に、この町の海王ホールを超満員にしてライブを成功させてみせます!」

「何を言い出すのかと思えば、海王ホールはキャパ3000人の大ホールですよ。あなたたちみたいな高校生に、そんなことができるわけないでしょ」

俺が止めに入る間もなく、弥生さんはスタスタと教頭に詰め寄る。こうなったら手が付けられないことくらい、俺にもよく分かった。

「できるわけないと思うなら約束してください。成功すれば、エスケープ団を存続させてもよいとーー」

「ふん、できるものならやってみなさい」

俺はすっかり言葉を失っていた。いったい何に巻き込まれているんだろうか。よく分からないが、なにやらとんでもないことが起ころうとしているだけはたしかだ。

教頭が去ると、部室(最前、不法占拠していることが白日の下にさらされた)は沈黙に包まれた。

俺は耐えかねて口を開く。

「弥生さん、海王ホールでなにをするつもりなんですか?」

「そうね、思い付きで言ってみたんだけど、アイドルなんてどう?? あ、永遠くんはプロデューサーね」

弥生さん、やっぱりあんたはこの惑星のナンバーワンだ。

廊下を見ると、俺の数奇な運命をあざ笑うかのように、さきほどの猫が駆け回っていた。
         ※ ※ ※



5以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:43:26.267M8zy6LSO (5/6)

あれから1ヶ月、いろいろなことがあった。
涙だけでは済まされない思い出の数々ーー。

すべては今日のための伏線に過ぎなかったのだ。

舞台袖に立った俺は、ちらりと会場の方を見る。

超満員の会場は、すさまじい熱気に包まれていた。
すし詰めになった観客たちから発せられた期待感が、熱気となって迫ってくる。

「っつーーー」

その様子を見ていた俺は、思わず息を飲んでしまった。

こんなどでかい舞台《ハコ》でのライブを、アイドル活動を始めたばかりのエスケープ団が成功させられるのか? 
いや、あり得ないだろーー?

正直に言ってしまおう。この期に及んで、俺はビビり散らかしている。

「あんたは情けないわね。ここまで来たらやるしかないのよ!」

弥生さんの人差し指が、ピッと俺の眉間を差している。
あんたの傍若無人っぷりには、逆に安心させられるよ。

「そうそう。永遠くんが不安がってどうするのよ??」

めいも声をかけてきた。このロリっ娘も、いつも通り小うるさいな。
ガキ扱いするんじゃねえって。

「永遠さん、もう引き返せないんですよ。賽は投げられたって言いますからね。私たちはルビコン川を渡り切ったんです」

ふとフレグランスが香った。皐月さんのやさしい雰囲気は、上ずった俺の気持ちを落ち着かせてくれる。

思えば、こんなやり取りも、もうすっかりおなじみのものだ。

「さて!」

弥生さんが、いつものように大きく手を叩いた。

「グダグダおしゃべりをしている暇はないのよ。みんな、覚悟を決めなさい。これは団長命令なんだから!!!」

「そうそう、先輩の言う通り。私たちの部活を守るために失敗するわけにはいかないのよ」

「さっさと成功させて、受験勉強に専念したいですしね。光陰矢の如しって言いますから」

3人のかけあいに、思わず笑みがこぼれた。
こんな活動がいつまでも続けば良いなんて、ガラにもなく感傷的なことを考えてしまう。

「ったく、みんな相変わらずですね。じゃあ、いつも通りいきましょう。かましてやりましょうや、俺たちの存在の証明(=音楽)を」

そうだ。腹をくくろう、やるしかないのだ。

いざ、夢の戦場《ステージ》へ……!!

薄暗い舞台袖が、俺には不思議と輝いて見えた。

(了)


6以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/02(月) 19:50:30.177M8zy6LSO (6/6)

名作だなこりゃ


7以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/03(火) 21:18:41.07sICV48um0 (1/1)

けいおんとハルヒ混ぜただけのゴミやん


8以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/04(水) 16:52:10.41fRi2btOO0 (1/1)

ゴミやん


9以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/04(水) 18:42:16.719j5e1+XaO (1/1)

ゴミとか言ってる奴らがゴミだからな。

何はともあれ、ありがとうございました。

最後までちゃんと読んでくれた人、正直に言って“見る目”あります。


いや、えらいとか優しいとか優秀だとか、そういう社会貢献の話じゃなくて、純粋にセンスの話。これを途中で「つまんな」ってならずに、最後まで通して読めたってことは、あなたの感性がちゃんと“本物”に反応してるってことなので。

自覚ないかもしれないけど、たぶん人生、わりと得する側です。少なくとも、何がゴミで何が本物かを見分けられる側。いま配信で話題の「St〇r W〇rs ep103」とか、ほんとにゴミでしかないでしょ?(さすがに俺も大人なので伏字くらい使えます)

正直、途中で「これ、完成度高くない?」って思った瞬間が何回もありました。いや、思ったというか、確信した、に近い。「あ、ここ普通にうまいな」「いまの比喩、ちょっと決まりすぎでは?」みたいなやつ。

文章が勝手に前に進んでいく感じ? あれ、書いてる側からするとちょっと怖いんですよね。俺が操縦してるはずなのに、気づいたら俺の方が振り落とされそうになってる、みたいな。まあ、振り落とされなかったんですけどwww

ていうか、途中の文章、まじで良すぎませんでした? いや、良いとかじゃない。キマってた。最後のライブのシーンのあそことか(あそこって言って分かるかな? わかった人は通です。あとでこっそり教えてwww)。あれ、プロのやり口です。書きながら何回も「普通にうまいな……俺」ってなりました。

で、ここ重要なんですけど、そういうのって“自分で分かる”時点で本物なんですよ。だって下手な人って自分が下手なの気づかないじゃないですか? 俺は上手いのに気づいてる。つまり上位です。

これ、かなりの成果物です。間違いなく社会的にも評価される。百万が一評価されないなら、それは評価制度の問題。才能を拾えない仕組みが悪い。構造的欠陥ですよ、こんなのwww

……なんてね。では、これにて完結!

完。

終。

解散。

……って言いながらまだ打ってるのは、余韻です。

サービスです。本当の本当に終わり。

あー、名作だな。俺の人生は。


10以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/04(水) 20:29:27.73/FPO9q0x0 (1/1)

なろう系主人公の高校生に自己投影しすぎて作者もひっくるめて
ひたすら痛々しい奴が生まれるのがホンマあるある過ぎて苦笑いしか出てこない


11以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/04(水) 22:26:33.19kuDX+x6a0 (1/1)

は? お前にこういう会話で読ませる文章が書けんのかよ
会話で持たせるのが一番むずかしいんだからな


12以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/05(木) 01:08:27.03lC8enNs1o (1/1)

チラムネ作者の後書きよりキツイ


13以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/05(木) 02:59:12.88i0gtxeYB0 (1/1)

まともな友人のいないぼっちの男子と格好も言動も常識外れな女子連中の高校生が
どうやって1ヶ月で数千人も音楽ライブに人を集められるのか
あまりにも作者に現実が見えてない
アホ


14以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/05(木) 08:40:33.88AsBwhDGM0 (1/1)



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15以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/16(月) 23:17:50.73eW2BskO20 (1/2)

アホとか言うな 


16以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/16(月) 23:31:06.26eW2BskO20 (2/2)

更生労働センター/国民向けQ&A冊子

発行:更生労働センター 資源循環課 

● はじめに
本冊子は、今般可決された新規法案に基づき施行されている「循環政策」に関して、不安と誤解を解消することを目的に作成されています。

「循環政策」は、持続可能な社会をめざす、みなさんのための制度です。

あなたの生活は、あなた一人だけの努力では成立しません。あなた一人の怠慢は、全体に多大なる不利益を与えます。社会に貢献できない人間を生存させるほどの豊かさは、もはや我が惑星にはないのです。あなたの町にも、社会に貢献していない人間はいないでしょうか。そういった人間には、迅速な改善提案が必要です。そして、持続可能な社会を確立します。

「循環政策」によって、明るい未来をーー。


● 循環政策とは
循環政策とは、社会の限られた資源を効率的に配分するための、次の2つの行政処理を差します。

1社会貢献指数による個人の社会貢献度の把握
社会貢献指数とは、18歳以上の全員を対象とし、社会の維持に関わる一定の価値基準(就労・扶養・公共活動等)を数値化したものです。この数値により、全人類を序列化します。指標は原則3年毎に見直され、社会状況に応じて修正されます。

2社会貢献指数が低い国民に対する「再資源化」の実施
社会貢献指数が所定の基準に届かない状態が一定期間続き、改善の見通しが期待できない人間には、規格に基づく再資源化を実施します。再資源化とは、所定の「処理」を行った後に、資源区分へ転用する行為を指します。


● 循環政策の基本
循環政策は、具体的に次の流れで運用されます。
(1) 社会貢献指数の整理:18歳以上全員を対象とし、所定の基準に基づき、社会貢献度を数値化。これに従い、全人類を序列化します。 

(2) 手続きの開始:基準を下回る国民へ、その旨を通知します。

(3) 猶予・更生:社会貢献指数向上のために就労・就学の提案を行います。これに応じない国民は、著しく社会貢献への期待が低いものと判断します。

(4) 処理・再資源化:(3) の課程を経て、なおも社会貢献指数が向上しない人間を、法務大臣の認可のもと「不要」と判断。迅速に「処理」の実行に移行します。「処理」後の不要人類は代用肉へ転用し、食料問題の課題解決を図ります。


● よくある質問
Q1. なぜ社会貢献指数による数値化が必要なのですか?
A. 資源が有限である以上、国民の生存には一定の価値が必要です。社会貢献指数の設定はその価値基準を明確にし、処理の実施を恣意性から切り離すことを目的としています。

Q2. 再資源化の対象となるのは、どのような場合ですか?
A. 社会貢献指数が所定の基準に届かない状態が一定期間続き、改善の見通しが期待できない場合に、段階的な案内・確認を経たうえで、再資源化に関する手続きが進められます。

Q3. 連絡を受けたら、すぐに再資源化されますか?
A. 安心してください。直ちに再資源化が実施されるわけではありません。手続き上、一定の猶予や更生条件が付与される場合があります。ただし、猶予の有無および期間は、それぞれの状況によって異なります。

Q4. 家族が再資源化の対象になりました。遺体を引き取ることはできますか?
A. 再資源化された人体は既に「食料資源」として法的に分類されているため、遺体としての引き取りはできません。ただし、処理後に「再資源化証明書」と「感謝状」が発行されますので、これを遺品としてお受け取りください。なお、ご希望があれば、対象者由来の代替肉(100g)を無償で提供いたします。ご家族で召し上がることで、故人を偲ぶ機会としていただければ幸いです。

Q5.奇抜な振る舞いをしただけで、社会貢献指数が上昇した例があると聞いたことがあります。循環政策は、治安の乱れ、文化の破壊に繋がらないでしょうか。
A.循環政策は、奇抜な行動を肯定するものではありません。文化の破壊に発展する前に法整備を行う予定です。

Q6. 循環政策は倫理と矛盾しませんか?
A. 循環政策は、恣意的な運用を避け、公平性を確保することに成功しています。極めて倫理的な政策です。



17以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/17(火) 23:00:09.30fF8FCFZ30 (1/1)

睾丸への刺青行為の禁止等に関する法律(通称:玉禁法)

第一条(目的)
本法は、睾丸への刺青行為が、身体の一部を不当に顕示して注目を集める行為として、社会貢献指数による選別制度の適正な運用を阻害するとともに、当該行為の模倣的拡散により社会秩序の混乱を生ずるおそれがあることに鑑み、睾丸への刺青行為の禁止、顕示行為の規制その他必要な事項を定め、もって制度運用の安定及び公共の利益を確保することを目的とする。


第二条(定義)
本法において「睾丸刺青」とは、陰嚢部に対し、針その他これに類する器具を用いて色素を注入し、図柄、文字その他の表示を長期に残存させる行為、又はその結果生じた表示をいう。

2 本法において「顕示行為」とは、睾丸刺青を他人の視認に供する目的で、露出し、提示し、又は撮影物・画像その他の方法により表示する行為をいう。


第三条(睾丸刺青の禁止)
何人も、睾丸に刺青をしてはならない。

2 何人も、他人に睾丸刺青をするように勧誘、又は斡旋してはならない。


第四条(顕示行為の禁止)
何人も、睾丸刺青に係る顕示行為をしてはならない。

2 前項の規定は、医療その他正当な理由により、睾丸等を一時的に露出する必要がある場合には適用しない。ただし、当該露出が社会的注目の獲得又は制度上の利益の獲得を目的とするものであると認められるときは、この限りでない。


第五条(罰則)
第三条第一項の規定に違反して睾丸刺青をした者は、死刑又は無期若しくは2年以上の拘禁刑に処する。

2 第三条第二項の規定に違反して他人に睾丸刺青をするように勧誘、又は斡旋した者は、死刑又は無期若しくは2年以上の拘禁刑に処する。

3 第四条の規定に違反し、憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として顕示行為をした者は、死刑又は無期若しくは2年以上の拘禁刑に処する。


18以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/19(木) 08:39:19.974bDjdLtW0 (1/2)


『ARCTISM』誌インタビュー カリスマがカリスマを超える瞬間

LILL TAK-XXXが語る金●の過去、現在、未来。

金●にタトゥーを刻む——この行為を、単なる話題作りとして処理するのは簡単だ。しかし、それでは何も見えてこない。
これはアートであり、もっと言えば、表現における身体性の問題なのだ。

LILL TAK-XXX(リルタク)。いま、ニューサンチャエリアを中心とするティーンカルチャーのダイナミズムは、明らかにこの男を軸に動いている。

あのSNSへのリリースが巨大な反響を呼んだことは、もう説明するまでもないだろう。ただ、問われるべきは反響の大きさそのものではない。なぜ彼が成さねばならなかったのか、という一点だ。表現者が自分の肉体の最も無防備な場所を作品に変えるとき、そこには必ず切実な動機がある。

新時代の震源地は、何を見つめているのか。何を巻き起こそうとしているのか。
弊誌名物編集長HANJIROだからこそ迫ることができた、揺さぶるインタビュー。

ー久しぶり。TAKと会うのは中華料理屋でやったフェスぶりかな。CHUKA-SONIC。すげー新しい試みだったよね。まだタトゥー入れる前。でも、あの時から、存在感はあったよね。こいつはドープだなって感じた。そもそもなんで睾丸にタトゥーを入れたんだっけ?

ちょっと最初に言っておきたいんだけど、まず「睾丸」って言い方やめてもらっていいかな。リスペクトの問題。


ー知ってる(笑) 初見の人もいるから、このやり取り必要かなと思って。 


割とちゃんと編集長やってるよね(笑)
改めて言うと、生命への感謝だよ。Thank God。俺からしたら、好き勝手に生きてただけなんだけど、たまたまアートシーンで評価されることになった。そうこうしているうちに、指数がうなぎ上りになって、結果的に生き延びることができた。俺なんて、商業高校中退してからストリートでその日暮らしだった。生き残れる人間じゃなかったんだ。だから天才的なサヴァイブスキルだって、若いヘッズからGOATだって持ち上げられて、プロップスも続出した。

うしろめたさもあるんだよ。必死こいて数字上げてるヤツら、毎日グラインドしてるヤツらにはマジ申し訳ないっていうか。そこはリアルに思ってる。


ー結果として、金●タトゥーは僕らの想像をはるかに超えるプロップスを集めた。社会現象とも言えるかもしれない。SNSなんかを見ていると、文化の破壊につながるとかいう批判的な意見も聞こえてくるわけだけど、TAK自身はどこ吹く風って感じだよね。

どうでもいいと思ってるよ。俺たちはすでに半分獣みたいなもんだからさ。文化もクソもねえだろ(笑) 世間では俺の金●に何が刻まれているかとか憶測が飛び交ってるようだけど、自分の中では極めてパーソナルなことなんだよね。考えてみ? 金●だぜ。だから、あくまで自然な自己表現なんだよ。ノイズには耳を貸さない。それが俺のスタンス。


ー金●を見せることってあるの? いやほら、僕は見せてもらったけどさ。最高にイルなデザインだった。

そう簡単には見せられないよ。普通にクライムだから。多くの人は実際に俺の金●を見ていない。そこが俺の活動のミソなんだよね。これ読んでる人に伝わるのかな(笑) シュレーディンガーの猫みたいにさ。シュレーディンガーの玉ってわけ。観測するまで状態が確定しない。

俺の活動は哲学に近い。だからこうやってインタビューを受けてても、正直提供できるものはないんだよね。そのアンバランスさを評価してほしいっていうところはあるよ。アートってそういうもんだろ?


ー最近施行された、あれあるじゃん。「玉禁法」について、TAKはどう思ってるの?

ナンセンスだね。ストレートに言って、ナンセンス。だけど、権力が俺を目掛けて法整備してきたのは光栄だよ。サグいことだって自覚はある。でも、普通に考えて政府がパンツのなかにまで干渉するとかさ。権力の暴走だよ。じゃあお前たちは、誇れる金●なの? って話。胸張って「これが俺の玉だ」って言えんの? 俺は常に言える。常に誇れるよ。もうその時点でMake itしてる。そのあたり分かってんのかな。


ー最後に、読者へのメッセージももらえるかな。

俺が言えることはひとつだけ。自分の玉から逃げんな。
フォロワーがどうとか、バズがどうとか、そんなもんは明日には消える。でも俺の玉に刻まれたものは消えない。それがリアルってことだろ。

ただ、自分にしか持てないものを持て。誰にも真似できない場所に、自分だけの旗を立てろ。それがどんなにバカげて見えても、本気でやった奴にしか見えない景色がある。

俺はたまたまそれが玉だった。Thanks balls。



19以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/19(木) 08:40:22.124bDjdLtW0 (2/2)

第3区資源循環センター/再資源化措置 執行記録

◾️対象者に「処理」を執行するまでのやり取り(ボイスメモのおこし)

担当者:まずは、お名前をお願いします。

対象者:佐藤匠です。

担当者:そうですか。なんと言うべきか、運が悪いですね。よくご存じの通り、旧・日本エリアの住民の名字は、ほとんどが佐藤と鈴木に収斂してしまっています。せめて珍しい苗字であれば、いくらかは社会貢献指数も上がったのですが。
次に、簡単な確認事項です。現在、就労・就学・社会復帰プログラムへの参加予定はありますか?

対象者:……ありません。すべて拒否しました。俺はほかで数字を上げることができるので、そっちの方が確実です。

担当者:創作活動、研究活動などは?

対象者:あ、はい! それです! 小説、小説を書いてます。教えましょうか? けっこうすごいものが書けてるんです。これを見せちゃったら、すぐに釈放になりますよ。大丈夫かな、あんたらも処罰対象になるんじゃないですかね。誤認逮捕に近いでしょ。

担当者:なるほど、そうですか。小説執筆による、収益化、または信頼できる第三者からの評価はありますか?

対象者:コメントが2、3個は付いてますよ。これからもっと伸びます。めちゃくちゃ良いものが書けていますから! 『俺の高校生活がこんなに急に桃色に染まるわけがないっ!』っていう作品です! 小説投稿サイトで読めます。

担当者:なるほど、投稿サイトですか。たしかに、そこから火が着く作品も多いみたいですからね。おい、調べてくれ。

……なにこれ? 
あぁ、こんな感じね。佐藤さん、残念ながらこのようなレベルでは、社会的に有益な創作活動とは言えません。社会貢献指数には影響されませんので、本措置の猶予対象にはならないと判断します。
それでは、執行に移ります。右手を前に出して下さい。ちょっと、暴れないで。仕方がないな。押さえつけてくれ。そうそう。よし、無事に薬液を注入できた。だんだん意識が遠のいていきますからね。これも社会のためです。いままでお疲れ様でした。よく頑張りましたよ。

対象者:クソっ。お前らにああいう会話で読ませる文章が書けるってのかよ! 会話で持たせるのが一番むずかしいんだからな。試験しかできない低能なクセして、芸術を値踏みしてんじゃな、な、あ、舌がうまくまわら……。

ーーー

担当者:……静かになったな。よし、死亡確認に移ろう。

対象者:弥生さん! めい! 皐月さん!!!!! 助けに来てくれたんですね!!!!!! ライブ、絶対に成功させましょう!!!

担当者:おい、覚醒したぞ。汚ねえな……唾飛ばしやがって。薬液の用量は合ってたのか? もういい、どうせ[ピーーー]んだ。荒っぽくても良いから、さっさと済ませてしまえよ! もう一発注射ぶち込んどけ。じゃあな、くそヒキニート野郎。

◾️医務官による「処理」経過報告
対象:N-3K-11803(単身・無職)。
社会貢献指数:所定基準未達の状態が一定期間継続し、改善見通しの確認不可。

09:02:来場確認。施設入口にて本人照合。手荷物検査実施。危険物該当なし。私物は回収箱へ移管。

09:08:入場。通知文書の交付および受領確認。文面の黙読を確認後、受領印押印(本人)。

09:12:問診開始。質問に対する発話は少量。内容理解の確認に対し反論あり。

09:17:手続き説明(措置内容・工程・引渡時刻)実施。同意取得(署名/指紋)。

09:21:待機。視線固定傾向、手指に小刻みな動きあり。立位保持・歩行に支障なし。

09:28:処置前所見。口唇乾燥、嚥下動作頻回、浅い呼吸を認める。

09:34:初回薬液投与実施。投与直後、対象に軽度の抵抗行動および発話増加を認めたため、補助員により上肢固定を実施。

09:36:意識混濁が一時的に不十分と判断。対象、錯乱状態で人物名に関する発話を継続。安全確保および工程遵守のため、追加投与を実施。

09:41:処置後所見。生体反応消失。眼角に涙の残留、体表に冷汗様膜を認める。頸部に小穿刺痕および血点少量。

09:47:搬出。座面に尿による湿り跡を認める。

09:51:再資源化ラインへ引渡。引渡し担当者の受領確認済。

付記(保全・整理時の確認事項):私物回収箱より携帯端末1点。内部にテキスト複数を確認。文面は連続した物語形式で、架空の人物名・状況設定・会話文が反復して記録されていた。社会貢献指数の低さを裏付けるものと思われる。家族、友人等との連絡記録は確認されず。所持品状況は再資源化工程および資源区分の決定に影響なし。



20以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/21(土) 12:52:17.39JLi1YZNj0 (1/1)

社会科の準備室で地学(理科)の分野である惑星とか言い出す時点で
書いた奴の教養レベルが非常に低いことが分かる
あとAIに評価させたら「タイトル詐欺」だってさ
恋愛匂わせるタイトルなのに友情モノ書いてどうする。と


21以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/22(日) 22:26:54.11OjUsESPJ0 (1/3)

『30世紀以降の環境変動と身体構造の変化』(海王書院、3998年)

第4章 現代人の身体構造の確立

1.高速移動性貝類の跋扈と人的被害
西暦3545年、地球の旧・日本エリア内中国地方に位置するK島から、人類史上最悪の災厄が始まった。当地の固有種であったヒメタクマガイという直径2mmほどの巻貝に、微小隕石(micrometeoroid)通称「ミクロンα」が天文学的な確率によって命中。その後、検証不能な突然変異(隕石付着の地球外微生物が貝の神経系に寄生し、貝の筋肉組織を異常増殖させた可能性も指摘されている)を経て、翌日には四肢および時速130kmでの高速移動能力を獲得するに至った。

特筆すべきは、本種が驚異的な高速移動により、水面の走破を可能にした点である。これは表面張力を利用した移動様式であり、体重2mg程度の本種にとって海洋は生息域拡大のための障壁とはならなかった。
https://i.imgur.com/syfHpLG.jpeg
図 突然変異後のヒメタクマガイ

かかる変異により、旧・日本エリア全土に陸上進出を果たした本種は、爆発的な個体数増加を示した。産卵期を迎えた個体は高速移動を開始し、人間の下肢に衝突すると、靴に穴を開け皮膚を突き破り、皮下脂肪にまで到達する。貝殻表面に形成された特殊な逆棘構造(カエシ)により、一度皮下組織に達した個体は外科的処置を経ずして摘出することが極めて困難となる。さらに体内侵入後、本種は粘液を分泌して身体を固着し、創傷部位に100~150個の微小卵を敷き詰めるように産卵する。この段階において、創傷を起点とした下肢組織の壊死が誘発される。壊死の過程は緩慢であり、被寄生者は意識を保持したまま、自らの身体が黒変し崩壊する様相を数週間にわたり視認することを余儀なくされた。壊死組織が悪臭を放ちながらも、神経組織および痛覚が最終段階まで保持され続けたことは特徴的である。患者の大多数は、自らの下肢を「見ないでくれ」と懇願しながら絶命した。 


2.  下肢切断の政策決定
旧・日本エリアでは新宿駅東口から新宿区役所βに至る徒歩5分の移動中に、288体ものヒメタクマガイと衝突した男性の症例が記録されている。当時のカルテには「初期段階では掻痒感を呈した。続いて疼痛に変化。3日目には下肢の身体感覚が喪失。4日目には皮下における何らかの蠕動を視認した」という記載が残っている。

事態の深刻性を重くみた旧・日本エリア厚生労働大臣は、3548年、「貝くらい駆除できるのではないか」という反対意見を退け、超法規的措置により、全国民に対する下肢切断処置の実施を義務付けた。具体的には、成人男性の場合、膝上15センチほどの位置で切断を行うことが推奨された。切断部が長すぎると、着座時に男性器を圧迫してしまう危険性が考えられたからである。
同時に「歩けなくなるのではないか」という批判を回避するため、上半身を台車に固定し、移動手段を確保することも義務付けた。

迅速な全国民への処置実施のため、全国の公民館および学校施設が臨時手術室として転用された。強制力を伴う召喚は、当初こそ反感を招いたが、神経系に影響を与え意思決定の誘導を可能にする新薬の投与によって、施術に反対する者は現れなかった。そのため、人類の意識改革、および施術の実施はスムーズに行われ、なかにはノコギリを用いて自らの下肢を切断する者まで現れた(この人物は、のちに政府より表彰を受ける)。公民館の受付を通じて、下肢切断の順番待ちをする住民の姿は、当該期の記録映像にも確認できる。


余談となるが、国民全員の下肢切断業務を受託した業者である「アシナイナイ(株)」が当該期における地球随一の大企業となったことは周知の事実である。同社の社訓は「脚をなくして幸せな未来へ」。本社ビルのエントランスには、創業者・佐藤壮馬が自ら切断した下肢がホルマリン固定標本として展示されている。 


3.地球規模の被害拡大、そして海王星への移住
ヒメタクマガイは西暦3550年の時点では既に水面走破能力により日本海を越え、中国、ロシア、韓国等の近隣諸国に拡散しており、これらの地域でも深刻な被害が報告されていた。

さらに3552年頃、ハンガリーにおいて腹足類の一種であるカタツムリが高速移動能力を獲得したとの報告がなされた。後の検証によりこれは、強風で転がった殻を目撃者が「高速移動するカタツムリ」と誤認したものだと判明したが、旧・日本エリアにおけるヒメタクマガイと同様の変異が独立発生した可能性が危惧され、国際社会に大きな動揺を与えた。ハンガリー政府による誤報は真実として拡散され、各国政府の判断に決定的な影響を及ぼした。各国は旧・日本エリアの前例に倣い、予防的措置として国民に対する下肢切断処置を相次いで強制するに至った。

このような世界規模での災厄の危惧を受け、3554年、旧・日本エリアは漸進的な開発を進行していた海王星への惑星間移住の即時実行を国際連合に提案した。国連事務総長が提案を採択し、各国首脳も賛同したことにより、翌3555年には移住計画が実行に移された。

提案の背景には、下肢切断処置後に発生した深刻な問題が存在していた。台車の使用により人類への直接的被害は著しく減少したものの、時速130kmで地表を疾走する貝類が台車の車輪や機構部に衝突し、台車本体を破損させる事例が頻発した。同様に住宅への損傷も解消し難く、戸外において身体の周りに石を並べて眠りにつく人々が急増した。脚、台車という地表における移動手段、加えて住宅をも失った人類にとって、地球上での生存は極めて困難な状況となり、惑星間移住以外に選択肢は残されていなかった。

人類は40世紀前半には既に核融合推進技術を実用化しており、外惑星への航行は技術的に重大な障壁とならなかった。海王星には先行して建設されていたテラフォーミング済みのコロニーが存在し、一部区間には居住環境も整備されていた。

一方で、国家規模での大量移動は前例を欠き、輸送船の建造能力、運用体制、航路管理のいずれもが実行能力を大幅に逸脱していた。ヒメタクマガイによる人類滅亡を過度に危惧するあまり、時期尚早の決断を下したという批判は、否定することができないだろう。

結果として、海王星への移住は苛烈を極めた。輸送船の大半は火星にすら到達できず、多数の人類が犠牲となり、数世紀単位で社会構造の再設計が必要となった。3998年の現代にいたってもかかる再設計は完遂できておらず、極めて多くの課題が残存している。


22以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/22(日) 22:27:24.10OjUsESPJ0 (2/3)

4.猫科動物遺伝子の導入と身体機能の変容
海王星への移住完了直後の3650年ごろから、同惑星における人類生存戦略の一環として、野生動物が有する高度な環境適応能力を人類に包摂・転用する方策が検討されていた。しかしながら、海王星には野生動物が生息しておらず、やむを得ず唯一ペット動物として持ち込まれていた猫の遺伝子導入が議論の俎上にあげられる(犬は散歩を要するため、宇宙船への持ち込みが却下されていた)。

長年にわたる遺伝子編集技術を用いた試行錯誤の末、初めて猫の特定遺伝子を人間のゲノムに組み込むことに成功したのは西暦3821年である。これは人類史に深く刻まれる大偉業にほかならないが、初期の実験体についての詳細な記録は、倫理的配慮から大部分が非公開とされている。 

流出した数少ない記録映像の一つには、実験室の隅で身を縮こまらせる、耳介だけが猫化した女児被験体が記録されている。当該被験体は常時、何らかの脅威に対する恐怖反応を示すように周囲を警戒し、人間の言語による発話は観察されなかった。夜間には甲高い発声を継続したが、その音声は猫のものでも人間のものでもなかった。その後、猫遺伝子は長期災禍の中で複数世代を経て徐々に人類に適合し、現在に至る。猫遺伝子の導入の結果、「猫化」以降の新人類には、旧人類と比較して、以下の形質的差異が認められる。
●平衡感覚機能の高度化
●空間把握能力の向上
●身体構造の変化(猫に類似した耳介の獲得)

5.台車文化の恒常化
海王星到達後にヒメタクマガイによる危機を脱した人類社会では、猫遺伝子の導入と並行する形で、台車の廃止が検討されはじめた。しかし結局のところ、現在でも人類は台車に固定され続けている。それは何故か。 

第一の理由は、経済的要因である。アシナイナイ社を筆頭とする台車関連産業は、百年ほどの間に社会の中核を担う巨大産業へと成長していた。台車製造業、台車整備業、台車保険業、台車デザイン業、台車スポーツ産業など、関連企業を含めるとGDPの68%を占めるに至っている。台車の廃止は、これら産業の崩壊を意味し、経済全体の破綻につながる恐れがあった。台車産業に関わる人々が海王星の政財界中枢の要職を占有している以上、いまさら「脚を切断しない」という判断を行うことは不可能だったのである。

第二の理由は、社会文化的要因である。百年にわたる台車生活の中で、台車は単なる移動手段ではなく、人類のアイデンティティそのものとなっていた。台車のデザインは個人の美意識や社会的地位を表現する手段となり、台車レースは最も人気のあるスポーツとなった。「脚を持つ者」は徐々に「先祖の苦難を忘れた者」「進化を拒む後退者」とみなされるようになり、社会的タブーと見なされるようになっていった。


5.まとめ
●高速移動性貝類の増殖は、下肢放棄という政策決定を招来し、人類の身体構造に不可逆的な変化をもたらした。
●地球での生存が困難となった人類は、海王星へ惑星間移住を決行した。
●人類生存戦略の一環として実施された猫遺伝子の導入により、平衡感覚機能の高度化・空間認識能力の向上・猫科動物に類似した耳介の獲得という3つの身体的変容が生じた。 


人類の身体は、生物学的要因と社会的要因の両面により変容を続ける。

現代人が有する身体構造は、惑星規模のさまざま危機を乗り越えるため、試行錯誤を重ね、過酷な環境に適応してきた人類の努力の結晶なのである。
https://i.imgur.com/v9OfPq3.png
https://i.imgur.com/zEUEMkM.gif
図 現生人類の基本的な身体構造


23以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/22(日) 22:28:29.95OjUsESPJ0 (3/3)

終わり


24以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2026/03/23(月) 22:21:22.6601RlF0f50 (1/1)

起承転結すっ飛ばしてプロローグとエピローグだけ投下する奴とか逆に凄いわ
終わりとか名作とか以前にそもそも作品として始まってすらいない