1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:25:00.66:g2DVH8wF0 (1/21)

モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」

絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」

タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」

玲音「風邪を引いてしまったようだ…」

苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:25:53.31:g2DVH8wF0 (2/21)
目が覚めた瞬間、胸の奥が少しだけそわそわしていた。
理由はわかっている。
枕元のスマホを手に取って、画面を点ける。
通知がずらりと並んでいた。
「……わぁ」
思わず声が漏れる。
メッセージアプリの未読件数が、とんでもない数字になっている。
今日は私の誕生日だ。
おめでとうのメッセージに一つずつ返信していく。
短い言葉ばかりなのに、ひとつひとつがちゃんと嬉しい。
胸の奥が、あったかくなる。
スクロールしていくと、見慣れた名前で指が止まった。
李衣菜ちゃん。
メッセージを開く。
『誕生日おめでと。帰ったら出かけよう』
それだけなのに、心臓が少し跳ねた。
「……うん」
小さく頷いて、すぐに返信する。
『ありがとう。うん、行こ』
送信ボタンを押してから、画面を見つめたまま、ちょっとだけ笑ってしまう。
何をするのかも聞いていない。
でも、約束があるってだけで、今日が特別になる気がした。
目が覚めた瞬間、胸の奥が少しだけそわそわしていた。
理由はわかっている。
枕元のスマホを手に取って、画面を点ける。
通知がずらりと並んでいた。
「……わぁ」
思わず声が漏れる。
メッセージアプリの未読件数が、とんでもない数字になっている。
今日は私の誕生日だ。
おめでとうのメッセージに一つずつ返信していく。
短い言葉ばかりなのに、ひとつひとつがちゃんと嬉しい。
胸の奥が、あったかくなる。
スクロールしていくと、見慣れた名前で指が止まった。
李衣菜ちゃん。
メッセージを開く。
『誕生日おめでと。帰ったら出かけよう』
それだけなのに、心臓が少し跳ねた。
「……うん」
小さく頷いて、すぐに返信する。
『ありがとう。うん、行こ』
送信ボタンを押してから、画面を見つめたまま、ちょっとだけ笑ってしまう。
何をするのかも聞いていない。
でも、約束があるってだけで、今日が特別になる気がした。
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:26:54.25:g2DVH8wF0 (3/21)
身支度を整えて廊下に出ると、まだ朝の空気が残っている。
スマホはポケットの中で時々震える。返信は、あとでまたまとめて返そう。
食堂に入ると、アーニャちゃんが先に座っていた。
「おはよう、アーニャチャン」
「おはようございます、みく」
向かいに腰を下ろす。
温かい匂いがして、少し落ち着く。
「今日は、なんだか嬉しそうですね」
そう言われて、思わず頬がゆるむ。
「……ちょっとね。メッセージ、いっぱい来てて」
「そう。みく、愛されていますね」
その言い方が、くすぐったい。
「大げさだよ」
そう言いながらも、否定する気にはなれない。
何気ない朝。
いつもの食堂。
でも、胸の奥だけが、いつもより少し軽い。
ポケットの中で、またスマホが震えた。
今日は、まだ始まったばかりだ。
身支度を整えて廊下に出ると、まだ朝の空気が残っている。
スマホはポケットの中で時々震える。返信は、あとでまたまとめて返そう。
食堂に入ると、アーニャちゃんが先に座っていた。
「おはよう、アーニャチャン」
「おはようございます、みく」
向かいに腰を下ろす。
温かい匂いがして、少し落ち着く。
「今日は、なんだか嬉しそうですね」
そう言われて、思わず頬がゆるむ。
「……ちょっとね。メッセージ、いっぱい来てて」
「そう。みく、愛されていますね」
その言い方が、くすぐったい。
「大げさだよ」
そう言いながらも、否定する気にはなれない。
何気ない朝。
いつもの食堂。
でも、胸の奥だけが、いつもより少し軽い。
ポケットの中で、またスマホが震えた。
今日は、まだ始まったばかりだ。
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:28:03.27:g2DVH8wF0 (4/21)
部屋に戻って、ベッドの上に腰を下ろす。
スマホの画面には、まだ返信していない誕生日メッセージがずらりと並んでいた。
誕生日メッセージ。ひとつひとつに返信していく。
画面に集中していた、そのとき。
「何これ!」
突然、廊下から悲鳴が聞こえた。
続けて、何かがばさっと散らばる音。
指が止まる。
――なに?
さらに。
「待て、止まれ、今止めるから!」
晶葉チャンの声。
いつもの落ち着いた調子じゃない。
胸がざわっとして、みくは立ち上がる。
ドアを開けて、廊下に出た。
部屋に戻って、ベッドの上に腰を下ろす。
スマホの画面には、まだ返信していない誕生日メッセージがずらりと並んでいた。
誕生日メッセージ。ひとつひとつに返信していく。
画面に集中していた、そのとき。
「何これ!」
突然、廊下から悲鳴が聞こえた。
続けて、何かがばさっと散らばる音。
指が止まる。
――なに?
さらに。
「待て、止まれ、今止めるから!」
晶葉チャンの声。
いつもの落ち着いた調子じゃない。
胸がざわっとして、みくは立ち上がる。
ドアを開けて、廊下に出た。
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:28:45.22:g2DVH8wF0 (5/21)
視界に入ったのは、床一面のゴミ。
紙くずや、ほこり、色んなものが散らばっている。
その間を、掃除ロボがふらふらと動き回っていた。
「……何にゃ、これ」
思わず声が漏れる。
ロボは一定の方向に進まず、少し進んでは向きを変え、また進む。
そのたびに、周囲のゴミが広がっていく。
晶葉チャンが端末を操作しながら追いかけている。
その周りで、何人かが様子を見ていた。
「急におかしくなったみたい」
「制御が効かないって」
声が耳に入る。
どうやら、掃除ロボが暴走しているらしい。
みくは状況を理解しきれないまま、ただ立ち尽くす。
――壊れたってこと?
ロボは煙を吹いているわけでも、何かにぶつかっているわけでもない。
でも、明らかにおかしい動きだ。
そのうち、自然と話がまとまっていく。
「みんなで掃除しよう」
「晶葉はロボを止めて」
みんな、迷いなく動き始める。
みくもほうきを持ってこようとした、その瞬間。
「みくちゃんはいいよ」
顔を上げる。
「今日は誕生日なんだから。こういうのは任せて」
え。
一瞬、言葉が出ない。
誕生日だからって、掃除くらい普通にやるのに。
そう思うけど、もうみんな動き出している。
「外でゆっくりしてきなよ」
軽く背中を押される。
――え、もう決まり?
少しだけ戸惑いながらも、強く断る理由が見つからない。
「じゃあ、行ってくるね」
そう言って、みくは廊下を離れる。
後ろでは、ゴミを拾う音と、ロボの駆動音が続いている。
視界に入ったのは、床一面のゴミ。
紙くずや、ほこり、色んなものが散らばっている。
その間を、掃除ロボがふらふらと動き回っていた。
「……何にゃ、これ」
思わず声が漏れる。
ロボは一定の方向に進まず、少し進んでは向きを変え、また進む。
そのたびに、周囲のゴミが広がっていく。
晶葉チャンが端末を操作しながら追いかけている。
その周りで、何人かが様子を見ていた。
「急におかしくなったみたい」
「制御が効かないって」
声が耳に入る。
どうやら、掃除ロボが暴走しているらしい。
みくは状況を理解しきれないまま、ただ立ち尽くす。
――壊れたってこと?
ロボは煙を吹いているわけでも、何かにぶつかっているわけでもない。
でも、明らかにおかしい動きだ。
そのうち、自然と話がまとまっていく。
「みんなで掃除しよう」
「晶葉はロボを止めて」
みんな、迷いなく動き始める。
みくもほうきを持ってこようとした、その瞬間。
「みくちゃんはいいよ」
顔を上げる。
「今日は誕生日なんだから。こういうのは任せて」
え。
一瞬、言葉が出ない。
誕生日だからって、掃除くらい普通にやるのに。
そう思うけど、もうみんな動き出している。
「外でゆっくりしてきなよ」
軽く背中を押される。
――え、もう決まり?
少しだけ戸惑いながらも、強く断る理由が見つからない。
「じゃあ、行ってくるね」
そう言って、みくは廊下を離れる。
後ろでは、ゴミを拾う音と、ロボの駆動音が続いている。
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:29:28.38:g2DVH8wF0 (6/21)
女子寮の玄関を出ると、朝の空気がひんやりと頬に触れた。
さっきまで廊下で聞こえていた騒がしさが嘘みたいに、外は静かだ。
今日は外でゆっくりしてきていいと言われたばかりだ。行き先は決まっていないけれど、特に困ることもない。そんなことを考えながら、敷地の外へ歩き出す。
「おっはよー、みくちゃん!」
少し離れたところから、聞き慣れた明るい声が飛んできた。
振り向くと、駐車場の端で友紀チャンが手を振っている。
「友紀チャン? どうしたの、こんなところで」
「いやー、たまたま見かけてさ。ちょうど出てくるのが見えたから」
そう言いながら、友紀チャンは軽い足取りで近づいてくる。
「それよりさ、誕生日でしょ。おめでとう!」
「ありがとう。朝からちょっとバタバタしてたけど」
そう答えると、自然と口元が緩んだ。改めて言われると、やっぱり少し照れる。
「実はね、茄子さんに用事があって寮に来たんだけど」
友紀チャンは建物の方を親指で示した。
「仕事でいないって言われちゃってさ。完全に空振り!」
「そっか。今日は朝から出てたみたいだね」
「だよねー。じゃあさ」
そこで、友紀チャンはぱっと表情を変える。
「このまま帰るのもなんだし、どっか行かない?」
「どっかって?」
「それはこれから決める!」
あまりにも即決な言い方に、一瞬だけ考えてから頷いた。
「まあ、いいかな。今日は特に予定ないし」
「よし、決まり!」
女子寮の玄関を出ると、朝の空気がひんやりと頬に触れた。
さっきまで廊下で聞こえていた騒がしさが嘘みたいに、外は静かだ。
今日は外でゆっくりしてきていいと言われたばかりだ。行き先は決まっていないけれど、特に困ることもない。そんなことを考えながら、敷地の外へ歩き出す。
「おっはよー、みくちゃん!」
少し離れたところから、聞き慣れた明るい声が飛んできた。
振り向くと、駐車場の端で友紀チャンが手を振っている。
「友紀チャン? どうしたの、こんなところで」
「いやー、たまたま見かけてさ。ちょうど出てくるのが見えたから」
そう言いながら、友紀チャンは軽い足取りで近づいてくる。
「それよりさ、誕生日でしょ。おめでとう!」
「ありがとう。朝からちょっとバタバタしてたけど」
そう答えると、自然と口元が緩んだ。改めて言われると、やっぱり少し照れる。
「実はね、茄子さんに用事があって寮に来たんだけど」
友紀チャンは建物の方を親指で示した。
「仕事でいないって言われちゃってさ。完全に空振り!」
「そっか。今日は朝から出てたみたいだね」
「だよねー。じゃあさ」
そこで、友紀チャンはぱっと表情を変える。
「このまま帰るのもなんだし、どっか行かない?」
「どっかって?」
「それはこれから決める!」
あまりにも即決な言い方に、一瞬だけ考えてから頷いた。
「まあ、いいかな。今日は特に予定ないし」
「よし、決まり!」
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:30:06.47:g2DVH8wF0 (7/21)
そのまま助手席に乗り込み、シートベルトを締める。
エンジンがかかり、車はゆっくりと動き出した。
「そういえばさ」
信号待ちのタイミングで、友紀チャンがちらっとこちらを見る。
「今日のみくちゃん、なんか雰囲気違わない?」
「そう?」
「……あ、ネコミミつけてないんだ」
「ああ、今日はオフだから。目立たないようにしてるにゃ。『にゃ』も使わないって決めてて……アレ?」
二人で軽く笑い合う。
行き先はまだ決まっていない。
けれど、車はそのまま前へ進んでいった。
そのまま助手席に乗り込み、シートベルトを締める。
エンジンがかかり、車はゆっくりと動き出した。
「そういえばさ」
信号待ちのタイミングで、友紀チャンがちらっとこちらを見る。
「今日のみくちゃん、なんか雰囲気違わない?」
「そう?」
「……あ、ネコミミつけてないんだ」
「ああ、今日はオフだから。目立たないようにしてるにゃ。『にゃ』も使わないって決めてて……アレ?」
二人で軽く笑い合う。
行き先はまだ決まっていない。
けれど、車はそのまま前へ進んでいった。
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:31:02.64:g2DVH8wF0 (8/21)
「でさー、せっかく時間あるし、バッティングセンターとかどう?」
ハンドルを握ったまま、友紀チャンが軽い調子で言う。
「……それ、友紀チャンが行きたいだけでしょ」
「えー、ダメ? バット当たったときの感触、気持ちいいよ?」
「今日はちょっと……そういう気分じゃないかな」
正直に言うと、今は汗をかいたり叫んだりする気分じゃない。
友紀チャンは少しだけ前を見たまま考えて、それからすぐに切り替えた。
「じゃあさ、猫カフェは?」
「え?」
思わず、変な声が出た。
「みくちゃん、猫好きでしょ? オススメのとことか、ある?」
「あるに決まってるにゃ! 今から行こ! えっと猫カフェにも色々あるんだけど、ちゃんと猫チャンの事を考えてくれてるお店がいいところにゃ。無理に抱っこしたりとか猫チャンがケンカしないようにとか、オヤツのあげすぎとかを店員さんが見てくれて、その中でも人懐っこい子が多くて――」
……と。
「あ」
言葉が、ふっと落ちた。
「どうしたの?」
「その……このお店……今改装中にゃ……」
「そっか。じゃ、ダメだね」
「うん……ごめん。ちゃんと確認してればよかった」
さっきまで勢いよく話していたぶん、急に力が抜ける。
楽しい想像をしていた反動で、余計に落差を感じてしまう。
「いや、みくちゃんが悪いわけじゃないでしょ」
「でも……」
友紀チャンはウインカーを出しながら、軽く言った。
「じゃあ別のとこ行こ。まだ時間あるし」
車は、そのまま次の交差点へ向かっていく。
窓の外を眺めながら、少しだけ息を整えた。
(まあ……今日は成り行きでも、いいか)
そう思うことにして、スマホを膝の上に戻した。
「でさー、せっかく時間あるし、バッティングセンターとかどう?」
ハンドルを握ったまま、友紀チャンが軽い調子で言う。
「……それ、友紀チャンが行きたいだけでしょ」
「えー、ダメ? バット当たったときの感触、気持ちいいよ?」
「今日はちょっと……そういう気分じゃないかな」
正直に言うと、今は汗をかいたり叫んだりする気分じゃない。
友紀チャンは少しだけ前を見たまま考えて、それからすぐに切り替えた。
「じゃあさ、猫カフェは?」
「え?」
思わず、変な声が出た。
「みくちゃん、猫好きでしょ? オススメのとことか、ある?」
「あるに決まってるにゃ! 今から行こ! えっと猫カフェにも色々あるんだけど、ちゃんと猫チャンの事を考えてくれてるお店がいいところにゃ。無理に抱っこしたりとか猫チャンがケンカしないようにとか、オヤツのあげすぎとかを店員さんが見てくれて、その中でも人懐っこい子が多くて――」
……と。
「あ」
言葉が、ふっと落ちた。
「どうしたの?」
「その……このお店……今改装中にゃ……」
「そっか。じゃ、ダメだね」
「うん……ごめん。ちゃんと確認してればよかった」
さっきまで勢いよく話していたぶん、急に力が抜ける。
楽しい想像をしていた反動で、余計に落差を感じてしまう。
「いや、みくちゃんが悪いわけじゃないでしょ」
「でも……」
友紀チャンはウインカーを出しながら、軽く言った。
「じゃあ別のとこ行こ。まだ時間あるし」
車は、そのまま次の交差点へ向かっていく。
窓の外を眺めながら、少しだけ息を整えた。
(まあ……今日は成り行きでも、いいか)
そう思うことにして、スマホを膝の上に戻した。
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:32:01.41:g2DVH8wF0 (9/21)
次の行き先をどうするか考えていた車内で、友紀チャンが前を向いたまま言った。
「じゃあさ、映画とかどう?」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で、さっきまでの猫カフェの余韻がすっと引っ込んだ。
映画、という単語自体は嫌いじゃないけれど、今日はそこまで想定していなかった。
「映画?」
「うん。この近くにシネコンあるし。今からでも入れそうなのがあってさ」
そう言いながら、友紀チャンは特に迷う様子もなくハンドルを切る。
深く考えている感じはなくて、思いついたから言ってみただけ、という印象だった。
駐車場に車を停めて、エンジンが止まる。
友紀チャンがスマホを取り出して操作し、画面をこちらに向けてきた。
「これなんだけど」
表示されていたタイトルを見て、一瞬だけ言葉を失う。
『マクラノネコン』
カタカナの並びが、どこか力が抜けていて、少し間の抜けた響きに見えた。
ポスターも、ぱっと見では内容が想像しにくい。
(……ちょっとB級っぽいにゃ)
正直な感想は、それだった。
嫌ではないけれど、期待していたわけでもない。
けれど、その感想をそのまま口に出すほどの理由も見当たらなかった。
友紀チャンは上映時間を確認しながら、「時間もちょうどいいし」と軽く言う。
その調子だと、絶対にそれが見たいというわけでもなさそうだ。
「……いいんじゃない?」
そう答えると、友紀チャンはすぐに表情を明るくした。
「よし、決まり!」
決断が早い。
もう少し悩む余地はあった気もするけれど、今さら言うほどでもない。
車を降りて、並んで歩き出す。
映画館の入口が近づくにつれて、外の明るさが少しずつ遠ざかっていく。
自動ドアの向こうに、独特の静けさと、ひんやりした空気が待っていた。
そのまま流れに身を任せるように、館内へ足を踏み入れる。
次の行き先をどうするか考えていた車内で、友紀チャンが前を向いたまま言った。
「じゃあさ、映画とかどう?」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で、さっきまでの猫カフェの余韻がすっと引っ込んだ。
映画、という単語自体は嫌いじゃないけれど、今日はそこまで想定していなかった。
「映画?」
「うん。この近くにシネコンあるし。今からでも入れそうなのがあってさ」
そう言いながら、友紀チャンは特に迷う様子もなくハンドルを切る。
深く考えている感じはなくて、思いついたから言ってみただけ、という印象だった。
駐車場に車を停めて、エンジンが止まる。
友紀チャンがスマホを取り出して操作し、画面をこちらに向けてきた。
「これなんだけど」
表示されていたタイトルを見て、一瞬だけ言葉を失う。
『マクラノネコン』
カタカナの並びが、どこか力が抜けていて、少し間の抜けた響きに見えた。
ポスターも、ぱっと見では内容が想像しにくい。
(……ちょっとB級っぽいにゃ)
正直な感想は、それだった。
嫌ではないけれど、期待していたわけでもない。
けれど、その感想をそのまま口に出すほどの理由も見当たらなかった。
友紀チャンは上映時間を確認しながら、「時間もちょうどいいし」と軽く言う。
その調子だと、絶対にそれが見たいというわけでもなさそうだ。
「……いいんじゃない?」
そう答えると、友紀チャンはすぐに表情を明るくした。
「よし、決まり!」
決断が早い。
もう少し悩む余地はあった気もするけれど、今さら言うほどでもない。
車を降りて、並んで歩き出す。
映画館の入口が近づくにつれて、外の明るさが少しずつ遠ざかっていく。
自動ドアの向こうに、独特の静けさと、ひんやりした空気が待っていた。
そのまま流れに身を任せるように、館内へ足を踏み入れる。
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:33:00.10:g2DVH8wF0 (10/21)
映画館を出て、外の明るさに目を細める。
少し歩いてから、友紀チャンが口を開いた。
「面白かったね」
「うん、面白かった」
そのまま終わるかと思ったけれど、自然に話は続いた。
「あと、レタスの煮っころがし」
「やっぱり、あそこだよね」
「あんな伏線になってるなんて思わないよね」
そこまで話したところで、ポケットの中が震えた。
スマホを取り出すと、表示されている名前に一瞬だけ視線が止まる。
――李衣菜ちゃん。
通話に出る前に、友紀に軽く合図する。
「もしもし?」
『みくちゃん?』
『高速で事故があってさ。ちょっと渋滞に巻き込まれちゃって』
「えっ……大丈夫なの?」
思わず声が強くなる。
『うん、大丈夫。事故に巻き込まれたわけじゃないから』
「……ほんと?」
『ほんとほんと』
少し間があって、続けて声が届く。
『午前中には戻るつもりだったんだけど、遅れそうで』
『帰ったら出かけようって言ってたのに、ごめん』
「そんなの気にしなくていいよ」
「無理しないで。ほんとに」
自分でも、少し急いで言ったと思う。
『ありがとう。正直、何時に戻れるかもわからなくて』
「そっか……」
「安全第一だよ」
『うん。また連絡する』
通話が切れる。
スマホを下ろして、ひと息ついた。
「……事故だって」
友紀チャンがすぐに反応する。
「大丈夫そう?」
「うん。李衣菜ちゃんは平気。でも、戻る時間はわからないって」
「心配だね」
「うん。でも、大丈夫って言ってたから」
少し歩いてから、友紀チャンが言った。
「じゃあさ」
「なに?」
「お昼にしよ。ちょうどいい時間だし」
空を見上げて、頷く。
「……うん、そうだね」
そうして、二人で駐車場の方へ向かった。
映画館を出て、外の明るさに目を細める。
少し歩いてから、友紀チャンが口を開いた。
「面白かったね」
「うん、面白かった」
そのまま終わるかと思ったけれど、自然に話は続いた。
「あと、レタスの煮っころがし」
「やっぱり、あそこだよね」
「あんな伏線になってるなんて思わないよね」
そこまで話したところで、ポケットの中が震えた。
スマホを取り出すと、表示されている名前に一瞬だけ視線が止まる。
――李衣菜ちゃん。
通話に出る前に、友紀に軽く合図する。
「もしもし?」
『みくちゃん?』
『高速で事故があってさ。ちょっと渋滞に巻き込まれちゃって』
「えっ……大丈夫なの?」
思わず声が強くなる。
『うん、大丈夫。事故に巻き込まれたわけじゃないから』
「……ほんと?」
『ほんとほんと』
少し間があって、続けて声が届く。
『午前中には戻るつもりだったんだけど、遅れそうで』
『帰ったら出かけようって言ってたのに、ごめん』
「そんなの気にしなくていいよ」
「無理しないで。ほんとに」
自分でも、少し急いで言ったと思う。
『ありがとう。正直、何時に戻れるかもわからなくて』
「そっか……」
「安全第一だよ」
『うん。また連絡する』
通話が切れる。
スマホを下ろして、ひと息ついた。
「……事故だって」
友紀チャンがすぐに反応する。
「大丈夫そう?」
「うん。李衣菜ちゃんは平気。でも、戻る時間はわからないって」
「心配だね」
「うん。でも、大丈夫って言ってたから」
少し歩いてから、友紀チャンが言った。
「じゃあさ」
「なに?」
「お昼にしよ。ちょうどいい時間だし」
空を見上げて、頷く。
「……うん、そうだね」
そうして、二人で駐車場の方へ向かった。
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:33:40.03:g2DVH8wF0 (11/21)
昼どきのファミレスは混んでいて、少し待ってから二人席に案内された。
向かいに座り、メニューを見て、どちらも無難なセットを選ぶ。
料理を食べ終えたころ、友紀チャンが何気なく言った。
「このあと、ちょっと買い物頼まれててさ。つきあってもらっていい?」
一瞬だけ考えてから、頷く。
特に理由を聞くこともなく、「いいよ」と答えた。
会計を済ませて店を出て、そのまま次の目的地へ向かった。
昼どきのファミレスは混んでいて、少し待ってから二人席に案内された。
向かいに座り、メニューを見て、どちらも無難なセットを選ぶ。
料理を食べ終えたころ、友紀チャンが何気なく言った。
「このあと、ちょっと買い物頼まれててさ。つきあってもらっていい?」
一瞬だけ考えてから、頷く。
特に理由を聞くこともなく、「いいよ」と答えた。
会計を済ませて店を出て、そのまま次の目的地へ向かった。
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:35:40.06:g2DVH8wF0 (12/21)
ファミレスを出たあと、車で商店街まで来た。
駐車場に停めて、そこからは歩き。
友紀チャンはスマホを見ながら進んでいて、私はそれについていくだけだ。
しばらくして足を止めた友紀チャンが、ひとり言みたいに言った。
「このへんのはず……あ、あった。葵ちゃんに頼まれてる魚屋さん」
――魚屋。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が少しだけ重くなる。
店の前に立っただけで、鼻に魚の匂いが届いた。
もう逃げ場はない。そう思いながら、仕方なく中に入る。
「いらっしゃい! 今日はいいの入ってるよ!」
声が大きい。
それと同時に、匂いも一段階強くなった気がする。
できれば長居はしたくない。早く出たい。それが正直な気持ちだ。
「今日のオススメは真鱈!」
「寒ブリもいいし、イワシも今は脂が乗ってるよ」
「時間あるなら三枚おろし、サービスしちゃうから!」
止まらない。
魚の名前が次々に出てくるけど、頭にはあまり入ってこない。
匂いのほうが気になって、それどころじゃない。
「へぇー」「おいしそうだね」と、友紀チャンは素直に相槌を打っている。
(……本当に楽しそう)
ファミレスを出たあと、車で商店街まで来た。
駐車場に停めて、そこからは歩き。
友紀チャンはスマホを見ながら進んでいて、私はそれについていくだけだ。
しばらくして足を止めた友紀チャンが、ひとり言みたいに言った。
「このへんのはず……あ、あった。葵ちゃんに頼まれてる魚屋さん」
――魚屋。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が少しだけ重くなる。
店の前に立っただけで、鼻に魚の匂いが届いた。
もう逃げ場はない。そう思いながら、仕方なく中に入る。
「いらっしゃい! 今日はいいの入ってるよ!」
声が大きい。
それと同時に、匂いも一段階強くなった気がする。
できれば長居はしたくない。早く出たい。それが正直な気持ちだ。
「今日のオススメは真鱈!」
「寒ブリもいいし、イワシも今は脂が乗ってるよ」
「時間あるなら三枚おろし、サービスしちゃうから!」
止まらない。
魚の名前が次々に出てくるけど、頭にはあまり入ってこない。
匂いのほうが気になって、それどころじゃない。
「へぇー」「おいしそうだね」と、友紀チャンは素直に相槌を打っている。
(……本当に楽しそう)
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:36:06.80:g2DVH8wF0 (13/21)
店主さんはさらに調子に乗る。
「ビールに合わせるならこれだね」
「焼くだけでいいし、間違いないよ!」
(色々話は聞いてるけど……)
ふと、疑問が浮かんだ。
(そもそも、何を買いに来たんだっけ?)
「ねえ」
「うん?」
「何を買いに来たの?」
「あ、そうだった。アジの干物ください」
「はいよっ!」
「……魚屋で干物?」
思わず、そのまま口に出していた。
さっきまで店員さんの話を聞いていたのは何だったのか。
会計はすぐに終わった。
干物は袋に入れられて、はいどうも、で終わり。
店を出た瞬間、外の空気を吸って、私はほっとする。
(魚屋は、やっぱりイヤだな……)
それだけが、はっきりと残った感想だった。
店主さんはさらに調子に乗る。
「ビールに合わせるならこれだね」
「焼くだけでいいし、間違いないよ!」
(色々話は聞いてるけど……)
ふと、疑問が浮かんだ。
(そもそも、何を買いに来たんだっけ?)
「ねえ」
「うん?」
「何を買いに来たの?」
「あ、そうだった。アジの干物ください」
「はいよっ!」
「……魚屋で干物?」
思わず、そのまま口に出していた。
さっきまで店員さんの話を聞いていたのは何だったのか。
会計はすぐに終わった。
干物は袋に入れられて、はいどうも、で終わり。
店を出た瞬間、外の空気を吸って、私はほっとする。
(魚屋は、やっぱりイヤだな……)
それだけが、はっきりと残った感想だった。
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:36:44.56:g2DVH8wF0 (14/21)
魚屋を出た瞬間、鼻につく魚の匂いが薄れていく。
それだけで、少し肩の力が抜けた。
そのまま商店街を歩いていき、最初に入ったのは八百屋さんだった。
「リンゴ、山形県産でお願いします」
はっきりした指定。思わず顔を見る。
「……あかりチャンから?」
「うん」
短いやり取り。
袋に入れられたリンゴが手渡されるのを見て、みくは小さく頷くだけだった。
次は和菓子屋。
豆大福とお団子。
(周子チャンかな……いや、菜帆チャンかも)
せんべいの専門店では歌舞伎揚げ。
袋が増えるたび、腕にかかる重みが確実に増していく。
(……芳乃チャン、だよね)
商店街を抜けて、車に戻る。
休む間もなく、また次のお店へ。
魚屋を出た瞬間、鼻につく魚の匂いが薄れていく。
それだけで、少し肩の力が抜けた。
そのまま商店街を歩いていき、最初に入ったのは八百屋さんだった。
「リンゴ、山形県産でお願いします」
はっきりした指定。思わず顔を見る。
「……あかりチャンから?」
「うん」
短いやり取り。
袋に入れられたリンゴが手渡されるのを見て、みくは小さく頷くだけだった。
次は和菓子屋。
豆大福とお団子。
(周子チャンかな……いや、菜帆チャンかも)
せんべいの専門店では歌舞伎揚げ。
袋が増えるたび、腕にかかる重みが確実に増していく。
(……芳乃チャン、だよね)
商店街を抜けて、車に戻る。
休む間もなく、また次のお店へ。
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:37:38.49:g2DVH8wF0 (15/21)
ホビーショップで、ぴにゃこら太。
ドラッグストアで、栄養ドリンクとスポーツドリンク、それから湿布。
(まだ、あるんだ……)
友紀チャンはメモを見ながら、次々と買い物を進めていく。
迷っている様子はなく、淡々としているように見えた。
(お人好しすぎるよ)
最初は、それだけの感想だった。
頼まれたら断れないんだろうな、という程度。
でも――。
(いつまで続くの)
終わりが見えない。
一つ済めば、また次。
「これで最後」という雰囲気が、どこにもない。
大勢から、少しずつ、細切れに頼まれて。
それを全部、引き受けて。
理由はわかっているつもりだった。
でも、回る店が増えるたび、胸の奥に溜まるものが確実に増えていく。
「えーっと、次はフルボッコちゃんグッズを買いに――アルファルファってお店だね」
その言葉を聞いた瞬間、みくの中で何かが弾けた。
「それ、さっきぴにゃこら太を買ったお店にゃ!さっき買えばよかったのに!」
自分でも驚くほど強い声だった。
友紀チャンがこちらを見る。
その表情を見て、言いすぎたかもしれない、という思いが一瞬だけ浮かぶ。
でも、口は閉じたままだった。
今、何か言えば、もっと荒れてしまいそうだったから。
視線を窓の外に向ける。
知らない街並みが、ただ流れていく。
車内は静かだった。
エンジン音だけが、一定の調子で続いている。
そのまま、車は来た道を戻り始めた。
ホビーショップで、ぴにゃこら太。
ドラッグストアで、栄養ドリンクとスポーツドリンク、それから湿布。
(まだ、あるんだ……)
友紀チャンはメモを見ながら、次々と買い物を進めていく。
迷っている様子はなく、淡々としているように見えた。
(お人好しすぎるよ)
最初は、それだけの感想だった。
頼まれたら断れないんだろうな、という程度。
でも――。
(いつまで続くの)
終わりが見えない。
一つ済めば、また次。
「これで最後」という雰囲気が、どこにもない。
大勢から、少しずつ、細切れに頼まれて。
それを全部、引き受けて。
理由はわかっているつもりだった。
でも、回る店が増えるたび、胸の奥に溜まるものが確実に増えていく。
「えーっと、次はフルボッコちゃんグッズを買いに――アルファルファってお店だね」
その言葉を聞いた瞬間、みくの中で何かが弾けた。
「それ、さっきぴにゃこら太を買ったお店にゃ!さっき買えばよかったのに!」
自分でも驚くほど強い声だった。
友紀チャンがこちらを見る。
その表情を見て、言いすぎたかもしれない、という思いが一瞬だけ浮かぶ。
でも、口は閉じたままだった。
今、何か言えば、もっと荒れてしまいそうだったから。
視線を窓の外に向ける。
知らない街並みが、ただ流れていく。
車内は静かだった。
エンジン音だけが、一定の調子で続いている。
そのまま、車は来た道を戻り始めた。
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:38:17.01:g2DVH8wF0 (16/21)
車内は時間が止まったみたいだった。
怒りはもう残っていない。ただ、さっきまでの空気が、そのまま沈殿しているだけだった。
謝るほどでもない。
でも、何事もなかった顔で話しかけるのも、違う気がする。
(……気まずいな)
それだけ思って、みくはそれ以上考えるのをやめた。
友紀チャンも、何も言わない。ラジオもつけないまま、車は淡々と進んでいく。
気づけば、もう女子寮の前だった。
「着いたよ」
「……うん」
「あたしも寄っていくね。頼まれた買い物を渡すし」
短いやり取りだけで車を降りる。
それ以上、何かを言う必要はなかった。
エントランスを抜けたところで、聞き慣れた声がした。
車内は時間が止まったみたいだった。
怒りはもう残っていない。ただ、さっきまでの空気が、そのまま沈殿しているだけだった。
謝るほどでもない。
でも、何事もなかった顔で話しかけるのも、違う気がする。
(……気まずいな)
それだけ思って、みくはそれ以上考えるのをやめた。
友紀チャンも、何も言わない。ラジオもつけないまま、車は淡々と進んでいく。
気づけば、もう女子寮の前だった。
「着いたよ」
「……うん」
「あたしも寄っていくね。頼まれた買い物を渡すし」
短いやり取りだけで車を降りる。
それ以上、何かを言う必要はなかった。
エントランスを抜けたところで、聞き慣れた声がした。
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:38:44.89:g2DVH8wF0 (17/21)
「みくちゃん、おかえり」
美波チャンだった。その隣に、未央チャンがいる。
「おかえりー、みくにゃん! ちょっと来てほしいんだけど!」
「え? なに?」
「いいからいいから。ほら、こっち!」
未央チャンが、ぐいっと腕を引く。
美波チャンは苦笑いしるだけで、説明してくれない。
「食堂のほうなんだけどね」
「食堂?」
意味がわからないまま、みくは二人に挟まれて進む。
廊下の景色はいつも通りで、特別なことなんて、何も見えない。
食堂の前で2人が立ち止まった。
「はい、じゃあ――」
言い終わる前に、扉が開く。
その瞬間。
「……え?」
目の前いっぱいに広がった光景に、言葉が出なかった。
(……なに、これ……?)
「みくちゃん、おかえり」
美波チャンだった。その隣に、未央チャンがいる。
「おかえりー、みくにゃん! ちょっと来てほしいんだけど!」
「え? なに?」
「いいからいいから。ほら、こっち!」
未央チャンが、ぐいっと腕を引く。
美波チャンは苦笑いしるだけで、説明してくれない。
「食堂のほうなんだけどね」
「食堂?」
意味がわからないまま、みくは二人に挟まれて進む。
廊下の景色はいつも通りで、特別なことなんて、何も見えない。
食堂の前で2人が立ち止まった。
「はい、じゃあ――」
言い終わる前に、扉が開く。
その瞬間。
「……え?」
目の前いっぱいに広がった光景に、言葉が出なかった。
(……なに、これ……?)
18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:40:02.39:g2DVH8wF0 (18/21)
食堂に足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできた光景に言葉を失った。
飾り付け。テーブルの上の料理。見慣れた顔ぶれが、揃ってこちらを見ている。
「……え?」
頭が、追いつかない。
さっきまでの沈黙も、気まずさも、一気に置き去りにされた。
「サプライズ、成功……かな」
そう言って、前に出てきたのは李衣菜ちゃんだった。
「みくの誕生日パーティー。企画したの、私」
一瞬、息が止まる。
誕生日――そうだ。今日は私の誕生日だった。
「え、じゃあ……」
視線が、自然と晶葉に向く。
「掃除ロボは壊れてないぞ。あれは、わざとだ」
「ゴミを散らかすように、ちょっと挙動をおかしくしただけだ」
「みくが出かけたあとで元に戻して、掃除はロボがやった」
「……」
朝の混乱が、頭の中で組み替えられていく。
「じゃあ……寮を出たとこで会ったのも……?」
みくの問いに、友紀チャンは苦笑して頷いた。
「たまたま、じゃないよ。最初から予定通り」
食堂に足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできた光景に言葉を失った。
飾り付け。テーブルの上の料理。見慣れた顔ぶれが、揃ってこちらを見ている。
「……え?」
頭が、追いつかない。
さっきまでの沈黙も、気まずさも、一気に置き去りにされた。
「サプライズ、成功……かな」
そう言って、前に出てきたのは李衣菜ちゃんだった。
「みくの誕生日パーティー。企画したの、私」
一瞬、息が止まる。
誕生日――そうだ。今日は私の誕生日だった。
「え、じゃあ……」
視線が、自然と晶葉に向く。
「掃除ロボは壊れてないぞ。あれは、わざとだ」
「ゴミを散らかすように、ちょっと挙動をおかしくしただけだ」
「みくが出かけたあとで元に戻して、掃除はロボがやった」
「……」
朝の混乱が、頭の中で組み替えられていく。
「じゃあ……寮を出たとこで会ったのも……?」
みくの問いに、友紀チャンは苦笑して頷いた。
「たまたま、じゃないよ。最初から予定通り」
19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:40:32.60:g2DVH8wF0 (19/21)
「午前中は友紀さんと一緒にいてもらって、その間に準備するつもりだったんだ」
「私もお昼前には戻れる予定だったんだけど……渋滞で帰れなくなっちゃって」
「それで、友紀さんは追加の時間稼ぎをお願いしたってわけ」
「買い物に付き合ってもらって、ってリスト送られてね」
「正直、参ったよ」
胸の奥で、カチリと音がした気がした。
「じゃあ……魚屋に行ったのも?」
「買い物で、あんなにアチコチ回ったのも?」
「全部、頼まれた通り。時間稼ぎ」
「……最後に、アルファルファに戻ろうとしたのも?」
一拍置いて。
「ごめん、それはただのミス」
思わず、力が抜けた。
イライラして、怒って、ちょっと後悔して。
全部が、今になって、ひとつの線につながる。
「……そっか」
小さくそう呟いたとき、李衣菜ちゃんがはっとしたように周囲を見回した。
「……あ、話してばっかりで始まらないじゃん」
そして、ぱん、と手を叩く。
「じゃあ、改めて――」
「前川みく、誕生日おめでとう!」
その宣言と同時に、パーティーが始まった。
「午前中は友紀さんと一緒にいてもらって、その間に準備するつもりだったんだ」
「私もお昼前には戻れる予定だったんだけど……渋滞で帰れなくなっちゃって」
「それで、友紀さんは追加の時間稼ぎをお願いしたってわけ」
「買い物に付き合ってもらって、ってリスト送られてね」
「正直、参ったよ」
胸の奥で、カチリと音がした気がした。
「じゃあ……魚屋に行ったのも?」
「買い物で、あんなにアチコチ回ったのも?」
「全部、頼まれた通り。時間稼ぎ」
「……最後に、アルファルファに戻ろうとしたのも?」
一拍置いて。
「ごめん、それはただのミス」
思わず、力が抜けた。
イライラして、怒って、ちょっと後悔して。
全部が、今になって、ひとつの線につながる。
「……そっか」
小さくそう呟いたとき、李衣菜ちゃんがはっとしたように周囲を見回した。
「……あ、話してばっかりで始まらないじゃん」
そして、ぱん、と手を叩く。
「じゃあ、改めて――」
「前川みく、誕生日おめでとう!」
その宣言と同時に、パーティーが始まった。
20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:42:49.44:g2DVH8wF0 (20/21)
以上です。
みくにゃん誕生日おめでとうございます。
以上です。
みくにゃん誕生日おめでとうございます。
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2026/02/22(日) 21:55:00.85:g2DVH8wF0 (21/21)
私には文章力がないので、このSSには生成AIを使用しています
私には文章力がないので、このSSには生成AIを使用しています























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