1 ◆UEqqBEVZVY2025/04/26(土) 18:52:37.00zpNkn2bb0 (1/2)

~前回までのあらすじ~
異世界に転生した男は仲間を募り、
世界を救うことを目標に行動する
仲間が突如救世主や魔王の力に目覚めたり、
彼も多くの神を奉ずる教団を創立したりしているが、実際に神の奇跡を代行することができる
ある魔王の仕事を受けて帝国領に突入した男は、紆余曲折の果てに勇者から魔神を信奉する教団の主導権を譲られる
複雑な事情を抱えた関係者や教徒と向き合う一方で、
男は教団の主神である白狼の神から課された修行に耐えることとなる

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1745661156



2 ◆UEqqBEVZVY2025/04/26(土) 18:57:41.07zpNkn2bb0 (2/2)

雷撃の轟音がやや遠ざかり、
ノイズのようになにかの声が聞こえ始める
途切れ途切れなため、
苦痛と合わさって不明瞭でしかなかったそれが、
だんだんとはっきりとしてくる


白狼「もう限界か?」

男「が……がががっ……!」


>>下1……聞こえてきた声


3以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/04/26(土) 21:47:04.09zsC7UgEi0 (1/1)

『白狼。今少し加減してやったらどうだ?』


4 ◆UEqqBEVZVY2025/04/27(日) 01:55:32.32YTAOsXYY0 (1/1)

??『白狼。今少し加減してやったらどうだ?』


と、白狼のものよりは優しい声が聞こえた
明瞭でない視界でも、
そこには見えるものなどいないことは分かるが、
確かに声が聞こえるのだった


男「誰……っ!でっ……!」

白狼「……ほう」


男がその声を聞いたことを察したか、
白狼はこれまでで一番満足そうに微笑んで、
雷撃を打ち切った


5 ◆UEqqBEVZVY2025/04/27(日) 20:06:51.45fRCH4/9VO (1/1)

すみません遅れました


男「はぁーっ……はぁ……!」


未だ痺れの残る四肢をゆっくりと動かし、
どうにか男は立ち上がった


白狼「貴様にも聞こえたか」

男「いっ……今の声は……?」

白狼「>>下1だ」


6以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/04/27(日) 22:46:01.38phu2v7M00 (1/1)

私とは違う神の御使。ケツァルコアトルだ


7 ◆UEqqBEVZVY2025/04/28(月) 02:10:16.86EmpJefC80 (1/3)

白狼「私とは違う神の御使。ケツァルコアトルだ」

男「そ、そうですか……」

白狼「感じてみろ」


そう言葉を投げかけられる
ここにケツァルコアトルがいるのだ、
という意味と理解するのに男は数秒を要した


男「……っ……」


8 ◆UEqqBEVZVY2025/04/28(月) 02:13:18.06EmpJefC80 (2/3)

雷撃がなければ、より集中することができる
地獄の中で見いだした極限の感覚を、
全力で再現しにいくことができるのだ


白狼「感じたか?」


次第に、雷だけでなく風も逆巻いていることを感じられるようになった
その中心に意識を凝らせば、
龍のような神がそこに姿を現した


男「あなたが……」

コアトル「目論見は、為ったようだな」


9 ◆UEqqBEVZVY2025/04/28(月) 02:55:19.20EmpJefC80 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


10 ◆UEqqBEVZVY2025/04/28(月) 19:26:01.424Pd3Q+abO (1/1)

白狼「加減などせずとも、こうして上手くいく。先代の託した男だからな」

コアトル「乱暴にすぎるような気もしするが……よかろう」

男「これが、修行の成果なんですね」


これまでは感じられなかった、
気配のようなものを男は感じ取ることができるようになっていた


白狼「いかにも。隠れんとする神々や、小さく消え入りそうな神であっても、それを知覚できるだけの感覚を貴様は身に付けた」


11 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 02:13:34.58EsbLkpyl0 (1/6)

男「なるほど……」

白狼「だが、これではまだ不完全だ。分かるな?」

男「神々の声を聞けるようにはなりましたが……行使には関係していませんね」

白狼「そうだ。そこでこやつの出番というわけよ」


白狼は顎をくいと動かして、
ケツァルコアトルを指した


コアトル「面倒だな」

白狼「だが、我は叩きつける以外に力の使い道を知らぬでな」


12 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 03:27:49.63EsbLkpyl0 (2/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


13 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 19:05:08.74EsbLkpyl0 (3/6)

男「どうにかお願いできませんか?」


男がケツァルコアトルに頼み込むと、
彼は眉間に皺を寄せて軽く唸り、
それから口を開いた


コアトル「仕方ないな」

男「ありがとうございます」

白狼「こいつも暇しているからな」


14 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 23:45:02.01EsbLkpyl0 (4/6)

コアトル「ふん……白狼よりは穏便に済ませてやる。いくぞ」


彼はそう言うと、男に向かって風の刃を飛ばした
どうにか避けることはできる速度だ


男「おおっ!?」

コアトル「避けてどうする。今貴様がすべきことは、これを相殺することだ……はぁっ!」


15 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 23:47:20.14EsbLkpyl0 (5/6)

男「ぐぅっ!」


どうしたらいいのかも分からず、
刃をその身で受けてしまう男


白狼「使え、神の力をな」

男「神の力を……?」

コアトル「ふんっ、そら!」

男「そ、そうか!」


男は飛んでくる風の刃に向けて、
強く意識を集中させ始める


16 ◆UEqqBEVZVY2025/04/29(火) 23:58:26.63EsbLkpyl0 (6/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


17 ◆UEqqBEVZVY2025/04/30(水) 19:29:08.394f2DC9Ff0 (1/1)

白狼「理解したか」

男「そりゃあああっ!」


がむしゃらに叫び、イメージを集中させる
すると、向かってくるものと同じような刃が現れ、
見事相殺に成功したのだった


コアトル「……うむ、成功だ」

男「はぁっ……はぁ……」


18 ◆UEqqBEVZVY2025/05/01(木) 01:00:18.48+U0Sqx4r0 (1/4)

コアトル「貴様ができたことであり、そしてこれから上達させていかなければならないこと……それは二つ」

白狼「神が望むと望まざるにかかわらずその力を引き出すこと。そして、それを効率的に使うことだ」


男は、目の前にいるコアトルの力を適合体質によって強引にトレースし、
不恰好ながらもそれを行使したのだった


男「わ……分かりました……」

コアトル「呑み込みが早くて助かるな」


19 ◆UEqqBEVZVY2025/05/01(木) 03:27:24.42+U0Sqx4r0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


20 ◆UEqqBEVZVY2025/05/01(木) 19:24:53.96+U0Sqx4r0 (3/4)

しかし、そこで男は精神の限界を迎えた
神の世界とのコネクションが強引に断ち切られ、
現実世界へと帰還させられる


男「ぐおぉぉ……」

気弱少女「わっ……!?どうしたんですか?」


熱心に祈っていたはずの男が突如苦しみ出したので、
隣にいた彼女もひどく驚いた


21 ◆UEqqBEVZVY2025/05/01(木) 20:37:28.89+U0Sqx4r0 (4/4)

男「な、なんでもない……心配してくれてありがとう」

気弱少女「顔色が大変悪いですが……」

男「少し腹を痛めたのさ、気にするな……」


彼はそう言って、一旦教会の外に出た
深呼吸して空を見上げれば、太陽は頂点にいた

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価


22以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/01(木) 20:45:16.26t/Gso1Ng0 (1/1)

9


23 ◆UEqqBEVZVY2025/05/02(金) 02:23:49.14v6L9IXG00 (1/3)

男は新鮮な空気を吸ってリラックスし、
多少安らいだ状態で再び教会に戻った


気弱少女「あ……大丈夫でしたか……?」

男「心配はいらないさ、それより……」

気弱少女「どうかなさいましたか?」

男「お目通ししてきたよ、ここの神様に」


そう告げると、彼女は目を見開いたが、
一体どうして驚いたのか、彼には分からなかった


24 ◆UEqqBEVZVY2025/05/02(金) 02:50:38.32v6L9IXG00 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


25 ◆UEqqBEVZVY2025/05/02(金) 19:20:59.78v6L9IXG00 (3/3)

気弱少女「どうでしたか……?」

男「ひどい目に遭った……でも、得るものは確かにあったよ」


意識を集中すれば、
今までには感じられなかったものを森羅万象の中に感じることができるようになったのだ


気弱少女「よかったです、その……怖いお方ですから」

男「全くだよ、はぁ……本当に死ぬかと思った」


26 ◆UEqqBEVZVY2025/05/03(土) 01:28:20.58Yq3Lm9Ye0 (1/4)

教会に備えつけられている長椅子に、
ため息をつきながら男は腰かけた


気弱少女「それで、どのように言われたのですか?」

男「俺はまだまだ未熟者らしい、気長に精進するよ」

気弱少女「男さんが?」

男「極端な話、自立した精神と十分な力があれば、神様を拝まずとも生きていける」


27 ◆UEqqBEVZVY2025/05/03(土) 01:33:36.21Yq3Lm9Ye0 (2/4)

気弱少女「……そうかもしれませんね」

男「だが、少なくとも俺はそうじゃない。弱いし、誰かを頼りたい」

気弱少女「私もそうですよ」

男「君ほど純真でもないさ」


そう男が言うと、彼女は黙り込んでしまった
しばらく逡巡するような素振りを見せたあと、
気弱少女は決心したように口を開く


28 ◆UEqqBEVZVY2025/05/03(土) 02:54:23.58Yq3Lm9Ye0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


29 ◆UEqqBEVZVY2025/05/03(土) 18:27:26.17Yq3Lm9Ye0 (4/4)

気弱少女「みんな、そう言います。私に会った人は、みんな。神様だってそうです」


ただ儚く、庇護すべき対象であるかのように見えていた彼女
しかし、
今の彼女からはどこか恐ろしいものすら感じる


男「……え?」

気弱少女「なんですか、純真って。純粋って……それが偉いんですか……!?」

男「それは……」

気弱少女「私は……弱いです!……愚かで……非力で……なにも守れやしません……!それを……勝手に正当化しないで下さい!」


30 ◆UEqqBEVZVY2025/05/04(日) 02:07:10.78AuO18+F60 (1/3)

男「……ごめん」

気弱少女「……はぁっ……はぁ……すみません……こんな……」


爆発した自分の感情に、
気弱少女本人も驚きを隠せていない


男「俺は、君の抱えているものに気付いてやれなかった」

気弱少女「気にしないで下さい……今のは……」

男「なら、今度は俺が……君を鍛えようか?」


31 ◆UEqqBEVZVY2025/05/04(日) 02:10:10.22AuO18+F60 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


32 ◆UEqqBEVZVY2025/05/04(日) 19:36:35.31AuO18+F60 (3/3)

気弱少女「えっ?」

男「まぁ、本当はうちにもっと適任がいるんだけど……みんなそれぞれ、やりたいこともあるだろうし」

気弱少女「いいんですか?」

男「あぁ、強くなりたいんでしょ?」

気弱少女「はい……」

男「じゃあまずは>>下1からだ!」


33以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/04(日) 20:50:35.54mGEiBf270 (1/1)

精神修行


34 ◆UEqqBEVZVY2025/05/05(月) 02:24:02.60TJWeRmpb0 (1/3)

男「じゃあまずは精神修行からだ!」

気弱少女「精神……ですか?」

男「ぶっちゃけ、メンタルが一番大事」

気弱少女「そうでしょうか……?」


彼女にとってその説明は、
いまいち呑み込み難かったようだ


男「体鍛えるのなんて、トレーナーがついてるかどうかぐらいしか違いはなくて……結局、沢山動くのが大切」


35 ◆UEqqBEVZVY2025/05/05(月) 02:27:34.22TJWeRmpb0 (2/3)

気弱少女「そうですか」

男「そして、それを続けるためには、やはりメンタルが大事なんだ!集中を続けなければ、運動も疎かになる」

気弱少女「なるほど……?」

男「なんでも大切なのは量と質だ。そして、精神修行は鍛練における『質』を担保してくれる……さぁ、精神修行だ」


そう言って男は笑い、教会にあった儀礼用のナイフを気弱少女に渡した


気弱少女「これを、どうすれば?」

男「そいつで、俺を刺せっ!」


36 ◆UEqqBEVZVY2025/05/05(月) 02:35:15.13TJWeRmpb0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


37 ◆UEqqBEVZVY2025/05/05(月) 19:27:57.406wIv4Dw0O (1/1)

気弱少女「ええぇぇっ!?」

男「嫌だろう?」

気弱少女「はい……!」

男「普通だったら、もっと度胸試しみたいなことをするべきなんだが……君は優しすぎるので、とりあえずこれでいい」

気弱少女「……どうして、こんなこと……」

男「たとえ力を手に入れたとしても、誰かを傷つけることができなければダメだ。最後には保護するとしても、一時的には傷つける覚悟がなければ戦うことはできない」


38 ◆UEqqBEVZVY2025/05/06(火) 03:15:38.16sbRQziuR0 (1/3)

気弱少女「それでも、私は……」

男「……やるんだ」

気弱少女「っ……!」

男「来い!」

気弱少女「……っわぁぁぁぁっ!!」


彼女は悲痛な表情のまま、
ナイフを持って男の体へと突貫した


39 ◆UEqqBEVZVY2025/05/06(火) 03:31:23.94sbRQziuR0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


40 ◆UEqqBEVZVY2025/05/06(火) 19:03:47.03sbRQziuR0 (3/3)

男「そうだ!」


気弱少女はなるべく男の顔を見ないようにしながら、
ナイフを持った腕を先に出して走る


気弱少女「!」


そして、その刃は確かに彼に突き刺さった
肉を引き裂く感触を、彼女は初めて味わったのだ


>>下1……刺された男の傷
1.かすり傷
2.それなりの手傷
3.そこそこ重傷
4.なぜかノーダメージ


41以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/06(火) 19:33:38.20PqvVoJyi0 (1/1)

4


42 ◆UEqqBEVZVY2025/05/07(水) 01:55:27.101FRBDuuX0 (1/4)

男「……あれ?」


だが、血は流れなかった
どうしたことかと男が傷口を覗き込めば、
確かに深々とそのナイフは刺さっている


気弱少女「……な、なぁんだ……おもちゃのナイフとすり替えていたんですね……」

男「い、いや……これ本物なんだけどなぁ」


43 ◆UEqqBEVZVY2025/05/07(水) 01:57:29.771FRBDuuX0 (2/4)

彼女はそのナイフを腹から離す
男は服をめくって傷口を再び見たが、
やはり血は出ていなかった
だが、少しだけ肌の色合いが違うような気もした


気弱少女「……どうしたんですか?」

男「その、なんだ」

気弱少女「はい?」

男「君には、もしかしたら神様と仲良くできる以上のとんでもない力があるかもしれない!」

気弱少女「えぇ……っ!?」


44 ◆UEqqBEVZVY2025/05/07(水) 02:00:37.021FRBDuuX0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


45 ◆UEqqBEVZVY2025/05/07(水) 19:50:29.931FRBDuuX0 (4/4)

男「多分、確かに君は俺を傷付けた」

気弱少女「はい……」

男「だが、これは……治っている状態だと思う」

気弱少女「えっ?」

男「君は自分で俺のはらわたをえぐり、自分で治療したんだ」

気弱少女「そんなっ……私、魔法なんて使えませんよ?」


46 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 00:51:17.12dVDqkRQ10 (1/7)

ただただ困惑する気弱少女だったが、
そのようにしたとしか考えられなかった


男「もしかしたら、君は戦うことはできないのかもしれないな」

気弱少女「そんな……」

男「……だが!それよりも価値がある力が君にはある……!今は鬱陶しく思うかもしれないけど、どうかそれを誇りにしてくれ」

気弱少女「……はい」


47 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 02:22:29.07dVDqkRQ10 (2/7)

男「むしろ、そっちを鍛えたほうがいいかもしれないな」

気弱少女「どのようにすればよいのでしょうか」

男「分からない……うちに回復魔法が得意なやつはいないからな」

気弱少女「そうですか……」


結局どうしたらいいのか分からず、
気弱少女は己の無力をまたも恨んだ


男「念のため、炎魔と突き合わせてみるか」

気弱少女「あの方ですか」

男「回復というか、再生なんだけど……なにか掴めるかもしれない」


48 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 02:24:34.11dVDqkRQ10 (3/7)

本日はここまでです
ありがとうございました


49 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 18:34:20.49dVDqkRQ10 (4/7)

男は炎魔を探すため、外に出た


気弱少女「どこにいるのでしょうか……?」

男「うーん、まだあいつの行動パターンは把握できてないんだよな」

気弱少女「そうなんですね」

男「自由だし、飛べるからね」


男たちは教会の周りを歩き回り、
森の中も探索して炎魔の姿を探し、
ついに彼女を発見した


>>下1……炎魔はなにをしていた?


50以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/08(木) 19:18:16.10+TU6d5V/0 (1/1)

底なし沼にはまっておぼれそうだった


51 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 20:26:12.66dVDqkRQ10 (5/7)

炎魔「うぉぶぶぶぶぶぶ!!!」


突如炎魔の絶叫が聞こえ、
駆けつけるとそこには沼があった


気弱少女「ここは……!」

男「炎魔!?どこだ!?」

炎魔「んん!んん!」

気弱少女「下です、ここは底なし沼なんです!」


ずっと辺りと上を見回していた男だったが、
気弱少女に言われて足元を確認する


52 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 23:20:26.65dVDqkRQ10 (6/7)

そこには沼に脚を取られてもがき、
だんだんと沈みつつある炎魔がいた


男「お、おい炎魔!」

炎魔「んん!」

気弱少女「待って下さいっ……」

男「なっ……ああ!」


だが、炎魔を助けようと躍起になった男もまた、
底なし沼にはまってしまう


53 ◆UEqqBEVZVY2025/05/08(木) 23:23:30.63dVDqkRQ10 (7/7)

気弱少女「そんな!どうしたら……」

男「今か……今、やるしかない!」


溺れる炎魔、慌てる気弱少女
男はこの場をどうにか切り抜けるため、
精神を研ぎ澄ませていた


気弱少女「わ、私……どうすればっ」

男「祈れ!」


先ほど神々に教わったことを、
早速男は生かすつもりでいた


54 ◆UEqqBEVZVY2025/05/09(金) 00:59:45.38NQ+vTI6y0 (1/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


55 ◆UEqqBEVZVY2025/05/09(金) 19:34:34.54NQ+vTI6y0 (2/2)

沈みゆく恐怖の中で、
その感覚はより鋭敏になっていく


炎魔「んんん……」

男「見えた!」

気弱少女「えっ!?」


うっすらと、沼の中にその姿を見た
彼は必死にそれへと助けを求める


男「沼の神よ!我々を助けてください!」

沼の神「>>下1」


56以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/09(金) 21:17:49.95328pVmuZO (1/1)

ごはんくれるならいいよ


57 ◆UEqqBEVZVY2025/05/10(土) 01:07:25.80tZZpc8jR0 (1/3)

沼の神「ごはんくれるならいいよ」

男「分かりましたっ!」


男は即座にバッグを漁り、
中から牛スライムとそのケースを見つけた
男はその体の一部を引きちぎって、
沼の神に投げつけた


沼の神「お肉だ!」


それが牛スライムにかぶりつくのと同時に、
沼にハマっていた炎魔と男は弾き出されるようにして解放された


58 ◆UEqqBEVZVY2025/05/10(土) 21:49:46.20tZZpc8jR0 (2/3)

すみません遅れました


炎魔「ひぃ、ひぃ……死ぬかと思いました」

男「あれだな、死ねないから閉じ込められたら永遠に苦しむやつだ」

炎魔「怖いこと言わないでください!」

気弱少女「……な、なにがあったんですか?」

男「沼の神様に捧げ物をして助けていただいた」


59 ◆UEqqBEVZVY2025/05/10(土) 21:53:24.14tZZpc8jR0 (3/3)

気弱少女「……すごいですね」

男「それより、泥で全身がべちょべちょだ……泉がどこにあるか分かったする?」

気弱少女「あっちです……」

男「ありがとう。じゃあ炎魔と離しててくれ」


男は、身を清め服を洗うためにその場を去った
残されたのは炎魔と気弱少女だけである
実際には沼の神も近くにいるが、
二人には感知できない


60 ◆UEqqBEVZVY2025/05/11(日) 03:57:27.13hsl+9LYH0 (1/3)

炎魔「話……?」


炎魔は不思議そうな顔をしている
未だ、彼女も泥まみれである


気弱少女「えっと、それより……炎魔さんもお体をすすいだほうがよろしいのでは?」

炎魔「あ、大丈夫大丈夫」


爽やかに応えると、彼女は全身を力強く燃やした
泥が渇きひびのような模様が見えた次の瞬間、
それも不死鳥の炎に飲み込まれて、
きれいなままの肉体が再び現れる


61 ◆UEqqBEVZVY2025/05/11(日) 03:59:37.83hsl+9LYH0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


62 ◆UEqqBEVZVY2025/05/11(日) 19:44:40.69hsl+9LYH0 (3/3)

気弱少女「すごい……!」

炎魔「ふふん、私にかかればこんなものです……それで、なんの話があるの?」

気弱少女「えっと、実は私……傷つけたものを再生してしまう体質があるようなんです」

炎魔「えっ!?すごい!」

気弱少女「それが炎魔さんの再生に似ているので……もしかしたら、なにか分かるんじゃないかと思って聞きにきたんです」


63 ◆UEqqBEVZVY2025/05/12(月) 02:45:19.53IMP1wRXI0 (1/3)

彼女がそう自信なさげに告げると、
炎魔は笑顔で回答した


炎魔「私には分からないですね!」

気弱少女「そんな気はしてました……」

炎魔「でも、気になりますね……魔力で回復しているのか、特殊な力で回復しているかは確かめたいところですかねー」

気弱少女「というと?」

炎魔「魔力ってすぐ枯れるんだよ、でも私の再生能力は知る限り枯れたりしない」

気弱少女「あの力が有限かということですか?」

炎魔「そう。誰かを癒すことにその能力を使いたいとき、どこまで自分が無茶できるのかは分からないとね」


64 ◆UEqqBEVZVY2025/05/12(月) 04:24:17.60IMP1wRXI0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


65 ◆UEqqBEVZVY2025/05/12(月) 19:37:16.58IMP1wRXI0 (3/3)

気弱少女「そうかもしれませんね……でも、どうやったら分かるんでしょう?」

炎魔「まぁ、大抵のことは氷魔さんが知ってるよ」

気弱少女「すごい信頼感ですね」

炎魔「冒険者としては一番リスペクトしてるからね。じゃ、会いに行こうか」


二人はその場を離れ、
氷魔のいる場所へ歩き出した


>>下1……氷魔はなにをしていた?


66以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/12(月) 21:19:11.23SMQBPGmD0 (1/1)

川で魚釣りしていた


67 ◆UEqqBEVZVY2025/05/13(火) 02:31:59.59eiqjNcoe0 (1/4)

気弱少女「ここにいるんですか?」

炎魔「そのはずですが……氷魔さーん!」

氷魔「……んっ……!?」


そこは清流であった
氷魔はどこで用意したのか、
釣具を使ってそこで魚釣りを楽しんでいたのだ


気弱少女「あわわ……」


68 ◆UEqqBEVZVY2025/05/13(火) 02:34:28.91eiqjNcoe0 (2/4)

とてつもなく集中していた氷魔は炎魔の大声に驚き、
体から魔力を洩らしてしまった
川の一部が凍りついているのだ


炎魔「わかさぎ釣りですか?」

氷魔「……そんなわけないでしょう……一体どうしたんですか……?」

気弱少女「あっ、えっと……気になることがあって」

氷魔「……なにか……重要そうな雰囲気ですね……」


69 ◆UEqqBEVZVY2025/05/13(火) 02:41:08.44eiqjNcoe0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


70 ◆UEqqBEVZVY2025/05/13(火) 18:15:24.29eiqjNcoe0 (4/4)

ややうんざりした表情の氷魔だったが、
気弱少女の様子を見て真剣な雰囲気を纏った


炎魔「実は気弱少女ちゃん、誰かを傷つけても再生させちゃうらしいんですよ」

氷魔「……どういうことですか……?」

気弱少女「ナイフで刺した場所が……ナイフを引き抜いた瞬間には綺麗に治ってるんです」

氷魔「……すごい力ですね……」


71 ◆UEqqBEVZVY2025/05/14(水) 00:51:54.7495bJBJ+n0 (1/3)

不思議そうな顔をして、彼女は釣竿を近くに置いた
そして、気弱少女の近くまで歩み寄る


気弱少女「ど、どうしましたか?」

氷魔「……今のところ……魔力は感じませんね……」

炎魔「そう、それなんですよ!この力が私のものみたいな感じなのか、魔法なのか!それを確めたいんです」

氷魔「……魔法じゃないような気がしますが……無詠唱で回復なんて……夢物語ですよ……」


72 ◆UEqqBEVZVY2025/05/14(水) 00:56:04.8995bJBJ+n0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


73 ◆UEqqBEVZVY2025/05/14(水) 19:18:41.64YPZ+ssDvO (1/1)

気弱少女「そうですか……」

氷魔「……やってみなければ……分かりませんがね……」


彼女はまだ息のある魚を取り出した
さばくための小刀を気弱少女に手渡し、
それに刺すよう促す


炎魔「人間じゃないから、ちょっとだけ気分が楽ですね!」

気弱少女「え、えぇ……じゃあ失礼して……」


74 ◆UEqqBEVZVY2025/05/14(水) 21:02:08.7595bJBJ+n0 (3/3)

氷魔「……どうぞ……」

気弱少女「えいっ……!」


彼女はナイフで魚を突き刺し、
そしてそれをすぐに引き抜いた
男にしてみせたように、その傷は塞がっている


炎魔「どうですか!?魔力感じましたか!?」

氷魔「>>下1」


75以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/14(水) 22:38:36.33clR+Rlq00 (1/1)

全く感じませんね


76 ◆UEqqBEVZVY2025/05/15(木) 01:54:19.39PmUSazyK0 (1/3)

氷魔「全く感じませんね」

気弱少女「そうですか」

炎魔「なんなんでしょう、この能力?」

氷魔「……仮説はありますが……理論立てて説明できる分野の話ではありません……あるいは……」


と言って彼女は考え込んでしまった
ひどく難しそうな顔をしている


77 ◆UEqqBEVZVY2025/05/15(木) 01:57:50.98PmUSazyK0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


78 ◆UEqqBEVZVY2025/05/15(木) 19:56:31.46PmUSazyK0 (3/3)

男「ふぃー……」


所変わって男のいる泉
たまたま道中で会ったやる気に洗濯魔法で服まで洗ってもらっていたところである


やる気「底なし沼なんてあるんすねー」

男「ほんとビビったよ」

やる気「でも俺っちは底なし沼から抜けるレクチャーも受けたことがあるっすよ」

男「野戦するもんな……」


79 ◆UEqqBEVZVY2025/05/16(金) 01:47:01.81rc+h3FRD0 (1/2)

やる気「まず、懇切丁寧に抜け出し方を説明されたっす」

男「へぇ」

やる気「横になって掴めそうな場所を探せってことなんすけど……まぁ入念に説明されたっすね」

男「そんなに底なし沼で死ぬやつが多いのか?」

やる気「いや、その後俺っちとか同期が一人ずつ底なし沼にぶち込まれるからっす」

男「え……?」


80 ◆UEqqBEVZVY2025/05/16(金) 01:52:35.66rc+h3FRD0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


81 ◆UEqqBEVZVY2025/05/16(金) 18:47:21.59jXkbJthpO (1/1)

衝撃的な話の尽きない彼に、
男はいつも驚かされてばかりだった


やる気「もう夕方っすね」


彼にとって今日は、
夕方までが長かったような気がした
いつもよりゆっくりとした気分で一日を過ごしたからであろう


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価


82以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/16(金) 18:52:04.17gNrmJs620 (1/1)

5


83 ◆UEqqBEVZVY2025/05/17(土) 02:23:41.363xYfTJeL0 (1/4)

男はその場を離れると、森を駆ける影を見つけた
木々の間を飛び回るそれは、
だんだんと彼に近づいてくる


怪盗「こっちでした!」

男「おおっと……」


男の後ろにある木から、
枝に足をかけてぶら下がった怪盗が声をかけてくる


84 ◆UEqqBEVZVY2025/05/17(土) 02:27:27.333xYfTJeL0 (2/4)

怪盗「私の動きを追おうとは、百年早いですよ?」

男「流石に速いな……で、なにしてたんだ?」

怪盗「よっと」


彼女は幹の窪みに置いていた籠を持ち、
そのまま下に降りてくる


男「果実か」

怪盗「夕飯で使うらしいので、運動がてら集めてたんですよ」


そこには色とりどりの実が入っていた
この森でどれも採られたものだろうが、
かなりの量がある


85 ◆UEqqBEVZVY2025/05/17(土) 02:35:02.883xYfTJeL0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


86 ◆UEqqBEVZVY2025/05/17(土) 19:36:34.083xYfTJeL0 (4/4)

男「……これ、ちゃんと食べられるやつなんだろうか?」

怪盗「禁域の食べ物じゃないんですから、多分大丈夫だと思いますよ?」

男「それもそうか」


そう男が納得すると、
彼女は果実のうち一つを差し出した


怪盗「食べます?」

男「小腹も空いたし、いただこうかな」


>>下1……果実の味


87以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/17(土) 19:40:10.38hJvJmRqI0 (1/1)

滅茶苦茶甘い


88 ◆UEqqBEVZVY2025/05/18(日) 02:46:01.14tNNb0Y2C0 (1/3)

男は自然な動作でそれにかぶりついた
一拍置いて、それからどんどん表情が険しくなっていく


怪盗「どうしたの?」

男「……あっっっまい!」

怪盗「へぇ、これ甘いんだー」

男「ヤバいなこれ、甘すぎる」

怪盗「そんなに?」

男「あぁ、甘いのが好きな人は……:うん……?」


89 ◆UEqqBEVZVY2025/05/18(日) 03:01:23.96tNNb0Y2C0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


90 ◆UEqqBEVZVY2025/05/18(日) 19:40:09.19tNNb0Y2C0 (3/3)

怪盗「どうしました?」


男はしばらく考えこんだ後、あることに気付いた


男「これ、異邦人たちの街で食べた……あのお粥に似てる」


サイケデリック粥のことを思い出したのだった
その強烈すぎる甘みは、確かにそれと似ていた


91 ◆UEqqBEVZVY2025/05/19(月) 19:45:47.97ZszaLTEX0 (1/1)

怪盗「ということは、この果物から作られてたんですね、あの食べ物」

男「うん……中華には大丈夫なのか確認したほうがいいな」


男は齧ったままのその果物を全部食べきった
一度粥で舌が慣れているので、
次に食べるときには耐性が多少できていたのか


怪盗「そうですね、食べるのは私たちだけじゃないですから」


92 ◆UEqqBEVZVY2025/05/20(火) 01:11:00.718aiVqZvg0 (1/3)

男「ほんじゃ行くかね」

怪盗「ほいー」


男は怪盗が持っていた籠を持ち、
二人で教会へと帰っていくのだった


中華「あっ、お帰り!」


彼は教会の外にいた
まだ教会の中では料理ができる状態ではないのか、
と二人は思った


93 ◆UEqqBEVZVY2025/05/20(火) 01:21:24.188aiVqZvg0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


94 ◆UEqqBEVZVY2025/05/20(火) 19:43:51.718aiVqZvg0 (3/3)

男「中華、この果物すっげぇ甘いけど大丈夫なのか?」

中華「うん、どうにかこれを抑えて甘だれを作るんだ」

怪盗「相当薄めないとヤバそうですが……」


彼はそれらをいくつか取り出して、
即席の調理台の上に置いた


95 ◆UEqqBEVZVY2025/05/21(水) 02:17:31.81RR723IJj0 (1/4)

中華「まさしくその通りでね……ちょっと手伝ってくれるかい?」

男「もちろん構わないが、教徒のみんなは?」

中華「厨房にいるよ」

怪盗「……?」

男「どうして中華は外にいるんだ?」

中華「スペースが結局の所足りなくて。結局一部の調理は外でやることになったんだよね」


96 ◆UEqqBEVZVY2025/05/21(水) 02:18:57.67RR723IJj0 (2/4)

男「なるほどなぁ」

中華「よし、とりあえず果物をすりおろす所から始めよう。色んな果物があるから、ちゃんと種別ごとに分けて置いてね」

怪盗「了解っ!」


怪盗は応答するや否や、
もの凄い速度ですりおろし始めた
中華たちが石を削って作った即席のすりおろし器だが、使い心地は悪くなさそうだ


男「俺も負けていられないな!」


97 ◆UEqqBEVZVY2025/05/21(水) 02:22:05.99RR723IJj0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


98 ◆UEqqBEVZVY2025/05/21(水) 19:46:36.86RR723IJj0 (4/4)

中華「て、丁寧にやってね……?」


不安そうな彼をよそに、
二人は凄まじい勢いでこなしていく


怪盗「手に果汁の匂いが付いてきたーっ」

男「俺もだ、トロピカルハンドになってきた」

中華「ふふっ……僕もよく、手に香辛料の匂いが染み付いて取れなくなることがあるよ」


99 ◆UEqqBEVZVY2025/05/22(木) 01:59:56.85guG7Ypoz0 (1/3)

それから数十分ほどして、
三人は全ての果実をすりおろしきった


怪盗「手ぇぱんぱんですよ……」

男「そうだな……」

中華「力みすぎだね……こればっかりは数をこなさないとダメだけど」

怪盗「なんでも、できるようになったら適度に脱力しながらやれるようにしないといけませんからね」

男「怪盗のスリなんかは力みすぎても気付かれるだろうしなぁ」


100 ◆UEqqBEVZVY2025/05/22(木) 02:22:14.82guG7Ypoz0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


101 ◆UEqqBEVZVY2025/05/22(木) 19:08:42.61guG7Ypoz0 (3/3)

中華「それじゃあ、次のステップに移ろうか」


すりおろされた後のフルーツを整理しながら、
中華はフルーツごとにボウルへと入れていった


怪盗「っていうか……そもそも、なに作ってるんですか?今日」

中華「あぁ、このフルーツに関しては>>下1だよ」


102以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/22(木) 22:04:43.29DN83jedM0 (1/1)

ドリンクとスイーツをメインにして見ようと思うんだ


103 ◆UEqqBEVZVY2025/05/23(金) 01:46:39.49oMqbVLly0 (1/3)

中華「ドリンクとスイーツをメインにして見ようと思うんだ」

男「へぇー……珍しいアプローチだね?」

怪盗「確かに、中華料理じゃまずありえないことですし」

中華「まさしくその通りだよ、でもそういうのもできるようにすべきな気がしたんだ」

男「これかな?」


男は、あの異常に甘いフルーツのすりおろしが入ったボウルを持ち上げてみせた


104 ◆UEqqBEVZVY2025/05/23(金) 01:49:23.71oMqbVLly0 (2/3)

中華「そう。あの街でまったく自分の常識にない料理を食べて……自分の世界をもっと広げたいと思ったんだ」

怪盗「ってことは、中華料理以外も極める感じ?」

中華「うぅん……あくまで僕が極めるのは中華料理だけのつもりだよ」

男「その道を歩むために、必要な知識や技能に過ぎないって感じかな」

中華「そんなとこ。ただ勉強するだけでもいいけど、折角料理ができるんだから実践しないとね!」


105 ◆UEqqBEVZVY2025/05/23(金) 01:57:43.16oMqbVLly0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


106 ◆UEqqBEVZVY2025/05/23(金) 19:52:46.26KZ5SYpIkO (1/1)

怪盗「なんて立派なんでしょう……」

男「あぁ……俺も精進しないとな」

中華「そんな大げさな話じゃないって……もう。それより、もう二人に手伝える工程はないからわざわざここに残らなくてもいいよ」

怪盗「そうなんですね、じゃあご飯までぶらついてましょう」


そして、男もまた一旦彼の元を離れるのだった


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価



107以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/23(金) 20:04:58.12CViDRTiu0 (1/1)

8


108 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 00:38:02.07vg5iDxIc0 (1/5)

男が教会の内部に戻ると、
椅子に座っている少年がいた


男「よっ」

少年「……あぁ」

男「元気ないな、どうした?」

少年「あいつさ、ものを治す力を持ってるらしいじゃん」

男「……気弱少女のことか」


109 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 00:49:20.77vg5iDxIc0 (2/5)

少年「正直さ、羨ましいよな」

男「……どうだろう」

少年「羨ましくないのか?」

男「これまで俺は、なにかを傷つけることでしたいことを成してきたし、これからもきっとそうだから」

少年「……それでいいのかよ?」

男「……正直なところ、心苦しいな。でも、俺は俺にできることをするしかないも思ってる」


110 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 01:33:21.54vg5iDxIc0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


111 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 19:36:15.68Dt6k9fLlO (1/1)

少年「綺麗事だな」

男「それを貫くのが一番難しいことぐらい分かってるだろう?」

少年「俺には……人を傷つけることしかできない。それが俺の力だから」

男「後天的に与えられた力に振り回されちゃいけないぞ」

少年「お前になにが分かるっ!」


男の隣を火柱が掠めた
知られたくないことを知っている、
そんな人間に自分の苦しみをえぐられる辛さは想像だにできないだろう


112 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 23:57:16.97vg5iDxIc0 (4/5)

男「……教会を燃やす気か?」

少年「それも悪くないかもな……」

男「お前、本気で言ってるのか?」

少年「村一つ焼いたんだ、今さら……っ!」


男は少年に掴みかかり、一発殴った


男「バカ野郎っ!ここが気弱少女にとってどれだけ大切な場所か分かってるのか!?」

少年「どいつもこいつもあいつの話ばっかり……!」

男「違う!彼女が……あの子が、誰よりも君のことを信じているんだぞ!?」


113 ◆UEqqBEVZVY2025/05/24(土) 23:58:21.24vg5iDxIc0 (5/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


114 ◆UEqqBEVZVY2025/05/25(日) 19:35:52.78WFMMZhbw0 (1/1)

少年「……だからなんだってんだよ!」


今度はきちんと男を狙って火柱が伸びたが、
彼はちゃんとそれを見切って躱した


男「……お前がそんなことをしたら悲しむ。きっと、お前にも……あいつしかいない。お互い、本当に心を許せるのは……」

少年「………………」

男「……だが、お前がお前の意志で、その力を使って破壊の限りを尽くすというのなら……俺はその意志を止めることなどできない。どうしたいかは、結局……お前が決めることだ」

少年「>>下1」


115以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/25(日) 19:59:52.21+cIVAf130 (1/1)

あいつを護れるに相応しい人間になりたい


116 ◆UEqqBEVZVY2025/05/26(月) 03:09:32.58p8ma5B2l0 (1/4)

少年「あいつを護れるに相応しい人間になりたい」


彼も本心では気弱少女のことを大切だと思っている
むしろ、その想いは男や集ってきた教徒たちよりも大きいはずである


男「……そう思えたなら、それで充分だろ」


そう言って、男は彼の頭を撫でた


117 ◆UEqqBEVZVY2025/05/26(月) 03:29:51.37p8ma5B2l0 (2/4)

少年「……こんな俺でも、強くなれば……誰かを守れるのかな」

男「あぁ、もちろんそうだ。断言できるぞ」


危うく燃やされそうだった男
冷や汗が引いてきたところで教会の椅子にどっかりと座った


少年「ふぅん」

男「俺は強い仲間にめちゃくちゃ守ってもらってるからな」


118 ◆UEqqBEVZVY2025/05/26(月) 04:44:48.76p8ma5B2l0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


119 ◆UEqqBEVZVY2025/05/26(月) 19:32:35.53p8ma5B2l0 (4/4)

少年「……今の話は、内緒にしてくれよ」

男「約束できないなぁ、俺は口が軽いから」

少年「なにぃ!?」

男「気弱少女が不安そうにしてたら、今のこと話しちゃうかも」

少年「一番知られたくない相手なんだが……!?」

男「でも、一番知るべき相手でもあるぞ。まぁ……よっぽどのことがなければ話さんよ」


120 ◆UEqqBEVZVY2025/05/27(火) 01:08:53.73hnZevf8G0 (1/3)

少年「頼むぞマジで……」

男「はは……そろそろ夕飯だ、食べに行こうぜ!」

少年「そうだな、久しぶりに能力使って腹が減っちまった」


二人は教会の扉を開けると、
外では既に夕飯の準備が始まっていた
教会の中にある厨房から外に料理を運び出すにあたって、
二人がやりあっているホールを経由されなかったのは幸運だっただろう


121 ◆UEqqBEVZVY2025/05/27(火) 01:11:03.61hnZevf8G0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


122 ◆UEqqBEVZVY2025/05/27(火) 19:52:17.15hnZevf8G0 (3/3)

中華「ちょうどいい所に来たね、これから夕飯だよ」


彼はやってきた二人に向かってそう声をかける
急造されたテーブルが運び込まれていたようで、
そこにいくつもの料理が並んでいる
本人がドリンクやデザートをいじっていたことからも予想されたことであるが、やはりメインディッシュは彼の作ではなかった


男「こっちは中華が作ったわけじゃないのか」


123 ◆UEqqBEVZVY2025/05/28(水) 02:14:47.74YDleJI4w0 (1/3)

中華「そうだね、まぁドリンクとかの製作以外にも理由はあるんだけど」


彼は楽しそうに微笑んだ


男「へぇ、なにか狙いが?」

中華「教徒のみんながどういう食文化をしていて、どういう料理を作っているのか知りたくてね……」


男が彼の口元から目元に視線を向けると、
その眼はギラついていた


124 ◆UEqqBEVZVY2025/05/28(水) 02:18:17.90YDleJI4w0 (2/3)

男「筋金入りだな」

中華「褒め言葉として受け取っておくよ」


いつもと違うジャンルに挑戦したり、
他人の料理をじっくり分析したり
中華はより貪欲さを増している


氷魔「……そろそろいただきたいですね……」

やる気「確かに腹減ったっすねー」


誰かが夕食開始の音頭を取るべき状態になっていた


125 ◆UEqqBEVZVY2025/05/28(水) 02:25:51.16YDleJI4w0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


126 ◆UEqqBEVZVY2025/05/28(水) 18:59:23.08d8cWWbvnO (1/1)

男「じゃ、俺が行くかな!」


男は教会の屋根によじ登り、声を張り上げる


ぶりっ子「わざわざそんなとこ行かなくても……」

男「これから夕食だ!みんな席に着いたな!?」

怪盗「はーい!」

男「そんじゃ、いただきまー______」


127 ◆UEqqBEVZVY2025/05/29(木) 01:34:55.21AU5tvOB40 (1/3)

男が『す』と言い終えた瞬間、
雷光が晴れているはずの空を駆け巡った


狙撃少女「っ!?」


次の瞬間、男はその雷撃に打ちすえられ、
黒焦げになって屋根から放り出された


男「げほっ……げほ……なんだよ、ちょっとぐらい屋根に登ってもいいじゃないすか……」

炎魔「大丈夫ですか!?」

男「おお、大丈夫だ。ちょっとだけ雷に耐性が付いたみたいでな、向かうも分かってやってると思うぞ」


128 ◆UEqqBEVZVY2025/05/29(木) 02:25:24.36AU5tvOB40 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


129 ◆UEqqBEVZVY2025/05/29(木) 18:29:29.71AU5tvOB40 (3/3)

なんだか締まらない音頭となったが、
三々五々夕食を摂り始めた


少年「口封じになるかと思ったんだが」

男「はっはっは、まだ死ねんよ」


男はそう言って自分の席に着いた
今日の夕食は教徒たちが作ったものであり、
メインディッシュは>>下1だ


130以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/05/29(木) 19:39:32.85vabTKpcq0 (1/1)

ブイヤベース


131 ◆UEqqBEVZVY2025/05/30(金) 00:46:26.84iwrt4Ixp0 (1/3)

出されたのはブイヤベースだった
魚介の豊潤な香りが、
口内に入れる前から既に漂ってきている


中華「なるほど……ブイヤベースか……」

氷魔「……すごい集中力ですね……」


神妙な顔で彼はブイヤベースを口に運んでいく
魚を丁寧に口に放り込み、低く唸っている


132 ◆UEqqBEVZVY2025/05/30(金) 01:01:29.33iwrt4Ixp0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


133 ◆UEqqBEVZVY2025/05/30(金) 20:05:05.68eUxxBcxPO (1/1)

すみません遅れました


やる気「どうすか?」

中華「……むむ……」


彼はそれからスプーンでスープを掬って飲み始める
確かめるように何度も口に運ぶ


ぶりっ子「すごい集中してますねぇ……」


134 ◆UEqqBEVZVY2025/05/30(金) 23:57:52.28iwrt4Ixp0 (3/3)

何度か頷いたのち、彼は小さく呟いた


中華「うまい……」

怪盗「よかったですね~」

中華「……うまいっ!!」


今度は感動のあまり椅子から立ち上がり、
そう叫んだのだった


狙撃少女「なんで二回も……?」


135 ◆UEqqBEVZVY2025/05/31(土) 00:16:34.92pS0e4LiR0 (1/3)

少年「当たり前だけどさ、なにかを作ろうと思うやつって……よっぽどそれが好きなんだよな」

男「中華はその中でもちょっと特別かも」

炎魔「そんなに美味しいんでしょうか」


中華の様子に感化され、
どんどん食欲の湧いてきた一行は、
次々にブイヤベースを食べ始める


氷魔「……あ……本当に美味しいです……舌がじんわりと幸せになるような味がします……」


136 ◆UEqqBEVZVY2025/05/31(土) 01:36:54.40pS0e4LiR0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


137 ◆UEqqBEVZVY2025/05/31(土) 19:15:00.18pS0e4LiR0 (3/3)

やる気「そういや、こんな森の中でどうやって魚料理なんて作ったんすかね?」

氷魔「……私たちが釣りました……」

ぶりっ子「へぇー……」

炎魔「だから魚釣りしてたんですね」

氷魔「……そんなところです……」

怪盗「確かに、冷凍できる人がいればがんがん釣れますしね」


138 ◆UEqqBEVZVY2025/06/01(日) 01:22:57.15CLQXlB/70 (1/3)

わいわいがやがやと、
教徒たちも男たちも色々と話しながらメインディッシュを平らげた


中華「じゃ、デザートの時間だよー」


彼は予め用意していた、
フルーツを加工したデザートを運んできた
それから金属の容器に入れられていたジュースを、
一つ一つ木製のコップに注いでいく


139 ◆UEqqBEVZVY2025/06/01(日) 01:33:21.82CLQXlB/70 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


140 ◆UEqqBEVZVY2025/06/01(日) 19:26:15.36CLQXlB/70 (3/3)

狙撃少女「シャーベット状になっていますね」

炎魔「すっごく甘い匂いがします!」


大根おろしのようなデザートも、
コップに入ったドリンクも、
いずれも非常に甘い香りを放っている


少年「食べてみるか……」


彼はデザートを優しくフォークで突き刺し、
ゆっくりと口内へと運んだ


男「味はどうだ?」

少年「>>下1」


141以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/01(日) 19:45:00.916V8nqEX90 (1/1)

悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする


142 ◆UEqqBEVZVY2025/06/02(月) 02:21:06.13fW46pXTR0 (1/3)

少年「悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする」


彼はしゃぷしゃぷと咀嚼し、そう述べた


男「まぁ、元の果実が相当だからな」

中華「なるほど……よし、他の手を試してみるよ」

少年「一応言っておくけど、俺は甘党じゃない。他の人の意見も聞いたほうがいい」


143 ◆UEqqBEVZVY2025/06/02(月) 02:29:09.64fW46pXTR0 (2/3)

ぶりっ子「そうですねぇ、私はいくら甘くてもいいですしぃ」

氷魔「……ぶりっ子さんは……ちょっと規格外すぎますね……」


そう冗談めかして話しつつも、
氷魔は本当にシャーベットにしてしまったデザートを一部ドリンクに溶かし、
スプーンで混ぜて飲んだ


やる気「すげぇ食べ方してるっすね」


144 ◆UEqqBEVZVY2025/06/02(月) 02:53:13.69fW46pXTR0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


145 ◆UEqqBEVZVY2025/06/02(月) 18:57:48.95MgHhmzBMO (1/1)

怪盗「これはこれでいいと思いますよぉ」

男「そうだな、中華料理屋を出すにしても、こういうのを置いておくと結構頼まれそうだ」

中華「……そうかなぁ?」

男「あぁ、自信あるぞ」


男は回想しながら答える
彼がまだ元の世界にいた頃、
メインは中華系の料理だがデザートが充実している店に通っていたことを思い出したのだ


146 ◆UEqqBEVZVY2025/06/03(火) 01:51:48.171r2qktuC0 (1/3)

狙撃少女「いっぺんには頼みませんよね?」

男「あぁ、そうだ。一旦メインの料理を食べてもらって、それからデザートを食べるかどうかを委ねる形だな」

中華「はぁなるほど……」

男「でもアレだな。大衆店のやり方だから、本格中華でまっすぐ売っていきたいならまた別だ」

中華「僕としては、色んな人に食べて欲しいと思ってるよ」


この世界においては、
多くの地域で中華料理はマイナーである


147 ◆UEqqBEVZVY2025/06/03(火) 02:04:18.961r2qktuC0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


148 ◆UEqqBEVZVY2025/06/03(火) 19:28:06.831r2qktuC0 (3/3)

あれこれと話しながら、一行は夕食を終えた
それぞれが緩やかに後片付けを行い、
賑やかだった教会前もおとなしくなりつつある


男「いい夜だなぁ……」

狙撃少女「えぇ、昔行ったキャンプの夜を思い出します」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価


149以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/03(火) 19:46:29.34RxB9hhMJ0 (1/1)

9


150 ◆UEqqBEVZVY2025/06/04(水) 01:04:15.23n4U8Z6e00 (1/4)

気弱少女「えいえいおー……」


教会の脇の森から声が聞こえた男は、
ふとそちらに足を運んだ
そこにいたのは、
一人でなにか口走っている気弱少女であった


男「……なにしてるんだ?」

気弱少女「へっ!?」

男「な、なんだよ……」


151 ◆UEqqBEVZVY2025/06/04(水) 01:07:01.40n4U8Z6e00 (2/4)

彼女はかつてなく慌てた顔をして、男の方に振り返った


気弱少女「あ、その……聞いてました?」

男「いや、なんか言ってるなとは思ってたけど……内容までは」

気弱少女「はぁー……よかったです」

男「……女の子だし、秘密ぐらいはあるか」


152 ◆UEqqBEVZVY2025/06/04(水) 01:22:14.41n4U8Z6e00 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


153 ◆UEqqBEVZVY2025/06/04(水) 19:45:15.43n4U8Z6e00 (4/4)

気弱少女「……なんか、おじさんみたいですね」

男「ぐっ」


その言葉はしかとその心を抉った
まだ若いつもりでいる彼にとって、
その言葉は凶器なのだ


気弱少女「ふふっ……」

男「まだ脂っこいもの食えるし……」


154 ◆UEqqBEVZVY2025/06/05(木) 00:53:50.74v3h+Qx6G0 (1/3)

気弱少女「……なんだか、隠し事をするのがばからしくなっちゃいました」

男「へぇ?」

気弱少女「私、みんなのために頑張りたいなって思えるようになりました」

男「元からじゃないのか?」

気弱少女「頼られたら……あるいは、それが使命なら私はそうしますよ……でも、それじゃいけないと思ったんです」

男「自分の意志で、ということか」


155 ◆UEqqBEVZVY2025/06/05(木) 02:10:13.82v3h+Qx6G0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


156 ◆UEqqBEVZVY2025/06/05(木) 19:48:43.81v3h+Qx6G0 (3/3)

気弱少女「はい!私……これまで色んなことがありすぎて、自分についてよく考える時間がありませんでした」

男「そうだな、その年頃にはよくそういうことを考えるべきだ」

気弱少女「ずっとおじさんモードですね……」

男「君には人をそうさせる魔力のようなものがあるんだよ……」

気弱少女「……まぁいいです。それで、私……目標ができたんです」

男「目標?」


そう男が聞けば、彼女は優しく微笑んだ


気弱少女「>>下1」


157以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/05(木) 20:04:52.869Wy4FjavO (1/1)

身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです


158 ◆UEqqBEVZVY2025/06/06(金) 00:55:32.08Umrmv9vO0 (1/4)

気弱少女「身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです」

男「……いい夢だなぁ」


しみじみ男は感じ入った
運命に翻弄された彼女らしい夢である


気弱少女「そうでしょうか」

男「あぁ!ぶりっ子や狙撃少女なんかは泣いちゃうかもしれないな」


159 ◆UEqqBEVZVY2025/06/06(金) 02:20:18.84Umrmv9vO0 (2/4)

気弱少女「そんなにですか……?」

男「あぁ。……それなら、もっと教会のリフォーム手伝えばよかったなぁ」

気弱少女「あんまりべたべた教会いじってると、また雷に打たれてしまうかもしれませんよ」

男「はは……アレ、マジで痛いんだよね」


ご飯を食べているときも暫くびりびりしていたのを彼は思い起こす
実は、金属製のフォークに手を付けたときも彼に帯電したままの電気が静電気のようにフォークに飛び出して痛みを覚えていたりしたのだ


160 ◆UEqqBEVZVY2025/06/06(金) 02:22:34.82Umrmv9vO0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


161 ◆UEqqBEVZVY2025/06/06(金) 21:03:57.68Umrmv9vO0 (4/4)

すみません遅れました


気弱少女「それじゃあ、そろそろ寝ましょうか」

男「あぁ、そういえば君は朝が早くて夜も早いタイプだったね」

気弱少女「やることが多いと、どんどん遅くなっていきますよね」

男「あぁ、お陰で昔は……」

気弱少女「どうしました?」

男「いや、なんでもない」


162 ◆UEqqBEVZVY2025/06/07(土) 01:26:16.33H4WymkTu0 (1/2)

それからみんなはキャンプをするなり、
教会の椅子で眠るなり、
思い思いの方法で夜を明かした


~翌日・陰週火曜日~


炎魔「んぁ……」


木にひっかかった状態で彼女は目覚めた
寝相は悪いがどうにか大空に飛び立たずに住んだようだった


163 ◆UEqqBEVZVY2025/06/07(土) 19:59:11.93H4WymkTu0 (2/2)

すみません寝落ちしました


それから一行と教徒たちは再び教会に集まった
男は彼らに問いかける


男「俺たちについてくる決心はついたか?」


教徒たちは顔を見合わせ、
この前のようにそのうち一人が歩み出る


教徒「>>下1」


164以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/07(土) 20:46:50.40Xml6CoA/0 (1/1)

はいついていきます


165 ◆UEqqBEVZVY2025/06/08(日) 01:33:41.48uJJHKYD80 (1/4)

教徒「はいついていきます」


多くの教徒たちはもう決意を固めたようだった


中華「なら、行こうか」

氷魔「……はい……」


氷魔は教会から地下に繋がっているハッチを開いた
男たちが梯子を降りていき、
次いで教徒たちも降りていく


166 ◆UEqqBEVZVY2025/06/08(日) 01:35:57.59uJJHKYD80 (2/4)

やる気「じゃ、真っ直ぐ進むっすよ!」


一行は大所帯で地下を進んでいく
こんな場所があることは、
教徒たちもほとんどが知らなかったようだ


ぶりっ子「こんな大所帯で戻ってきたら、あの魔王さんなんて言うんでしょうねぇ?」

怪盗「……あんまりぞろぞろ連れていかないほうが賢明かもしれませんね。そこまで狭量な方ではないと思いますけど」


167 ◆UEqqBEVZVY2025/06/08(日) 01:38:41.02uJJHKYD80 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


168 ◆UEqqBEVZVY2025/06/08(日) 19:56:33.99uJJHKYD80 (4/4)

それからしばらく歩いて、
一行はあの花畑へと戻ってきたのだった


気弱少女「きれい……!」

少年「なんだ、ここ……!?」

狙撃少女「魔王の居城ですよ。あそこに宮殿が見えるでしょう?」


彼女はそれを指し示したが、
にわかには信じがたいようだった
この美しき花畑を統べるものが、
魔王であるなどとは考えづらかったのだろう


169 ◆UEqqBEVZVY2025/06/09(月) 02:36:36.13hdhgHNHP0 (1/3)

炎魔「実は、あそこに住んでいるオネエ魔王さんに頼まれて私たちは帝国領にいたんですよ」

男「そう。届けなきゃならないもんがあってね……で、それが終わったから報告しに行くんだ」


一行はひたすら花畑の道を歩き、
その宮殿へと近づいていく
どこかから見られているような感覚を多くの人は感じており、そわそわしている


170 ◆UEqqBEVZVY2025/06/09(月) 03:01:54.28hdhgHNHP0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


171 ◆UEqqBEVZVY2025/06/09(月) 20:52:58.55hdhgHNHP0 (3/3)

すみません遅れました


それから一行は宮殿の前へとたどり着いた
ドリアードが何人かで警備をしている


中華「ここから先は、僕らだけで行こうか」

氷魔「……そうですね……」

ぶりっ子「みなさん!絶対にここの花畑を荒らしたり花をむしったりしないでくださいねぇ!」

怪盗「これだけの支配領域のある魔王の怒りは買いたくないですからね」


172 ◆UEqqBEVZVY2025/06/10(火) 01:20:33.53gw90xoQ/0 (1/4)

それから警備するドリアードたちの前に一行は歩み出た


狙撃少女「すみません、通していただけますか?」

ドリアード「確かあなた方は……」

炎魔「オネエ魔王さんから受け取ったバラを届けて参りました」

ドリアード「なるほど、それはそれは……大変だったでしょう」


173 ◆UEqqBEVZVY2025/06/10(火) 01:23:23.66gw90xoQ/0 (2/4)

彼女が合図をすると他のドリアードも門の前をどき、
紅い金属製の門がゆっくりと開かれた


やる気「ご丁寧にどうもっす」

ドリアード「あなた方は気に入られていますから」

男「そうだったんだ?」

氷魔「……まぁ……気まぐれで捻り潰されていないだけ……確かに気に入られているのかもしれませんね……」


174 ◆UEqqBEVZVY2025/06/10(火) 01:42:46.86gw90xoQ/0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


175 ◆UEqqBEVZVY2025/06/10(火) 19:49:29.62gw90xoQ/0 (4/4)

それから流れるようにオネエ魔王の部屋へと向かうのだった


やる気「双子さんにバラ届けてきたっすよ~」

オネエ魔王「あらそう、思ったより早かったね」

中華「そういえば、あの双子は何者だったんですか?自分の領域も持っていたようですが……」

オネエ魔王「>>下1」


176以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/10(火) 21:59:01.53clKRyCzI0 (1/1)

……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。


177 ◆UEqqBEVZVY2025/06/11(水) 01:55:00.0990gK5azs0 (1/3)

オネエ魔王「……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。」


彼は物憂げな眼差しを虚空へと向ける
その先にあるのはあの二人なのか、
それとも『女性』なのかは本人にか分からなかった


ぶりっ子「………………」

オネエ魔王「ちょっと湿っぽくなっちゃったわ」


彼女はカップに口をつけ、
残っていた一杯を飲み干すと立ち上がった


178 ◆UEqqBEVZVY2025/06/11(水) 01:58:32.9290gK5azs0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


179 ◆UEqqBEVZVY2025/06/11(水) 19:48:11.8390gK5azs0 (3/3)

怪盗「聞いたのは私たちですから……すみません」

オネエ魔王「いいのいいの。それで……頼み事を聞いてくれたんだし、子供たちをここに連れてきてもいいわ」

狙撃少女「ありがとうございます……」

炎魔「子供の頃にこんなところで過ごせたら、きっといい経験になるんじゃないでしょうか」

オネエ魔王「そう?そういうふうに庭を見たことはなかったわ……でも、褒められるのは嬉しいことね」


180 ◆UEqqBEVZVY2025/06/12(木) 01:14:25.59+eODO/6s0 (1/4)

男「それじゃあ行きますね」

オネエ魔王「……体力は大丈夫?」

中華「お気遣いなさらず。まぁ、向こうに行って戻ってきたら分かりませんが」

オネエ魔王「じゃ、お部屋の用意はしておくわね」


そうして一行は彼と別れ、
宮殿を出て外の教徒たちの所へと戻るのだった


氷魔「……さて……ここからが長いですよ……」


181 ◆UEqqBEVZVY2025/06/12(木) 01:24:08.92+eODO/6s0 (2/4)

教徒たちはそう告げられると、やや不安そうにした


ぶりっ子「またハッチを開けて地下に戻り……移動します」

怪盗「で、次の目的地まで結構かかるんですよね」

狙撃少女「私たちが全力で走るのと同じくらいのスピードで滑走して……二時間?」

炎魔「歩きなら6時間はかかるでしょう!」


彼女が計算すれば、一部の教徒たちは遠い目をした
滑走移動ができるメンバーだけで行ったほうがよさそうだ、と男は感じた


182 ◆UEqqBEVZVY2025/06/12(木) 01:25:12.71+eODO/6s0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


183 ◆UEqqBEVZVY2025/06/12(木) 19:26:59.46+eODO/6s0 (4/4)

少年「その滑走ってのはどうやるんだ?」

男「氷魔に地面を凍らせてもらって、そこを滑っていく。結構コツがいるんだ」

気弱少女「へぇ……」

中華「君たちがやって転んだら怖いし、僕たちだけでいくよ」


一行は花畑に教徒たちを残して、
ハッチの中へと向かっていった


184 ◆UEqqBEVZVY2025/06/13(金) 00:01:23.509x4fkrAa0 (1/1)

一行は急いで地下を滑走し、
図書館の街まで戻ってきた
そして、市長がいるオフィスに入っていく


氷魔「……ただいま戻りました……」

市長「予想はしていましたが、かなりかかりましたね」

やる気「えっと……期待に添えなくて申し訳ないんすけど、まだ極東には着けてないっす」

市長「なんと……」


185 ◆UEqqBEVZVY2025/06/13(金) 19:10:17.14YakJd4+aO (1/1)

すみません寝落ちしました


ぶりっ子「あっ、でもぉ、帝国に繋がるハッチがありましたよぉ」

市長「そうなのですか?それはとても有益な情報ですね」

怪盗「そういえば、帝国で市長の妹さんに会いました!」

市長「あぁ、確かに今潜入していますね」

狙撃少女「一体なんの目的であそこにいたんでしょう?ものすごい怪力で甲冑の人も連れてましたが……」

市長「>>下1」


186以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/13(金) 19:45:58.806Bzh8jvH0 (1/1)

…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています


187 ◆UEqqBEVZVY2025/06/14(土) 00:02:44.45lBc6hn850 (1/4)

市長「…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています」

炎魔「少女……?」

男「多分あの連れてた子じゃないの?」


全体主義者のような雰囲気を纏っていた彼女だったが、
実際には誰か個人のために戦える存在だったのだ


中華「やっぱり、いい人だったんだ」

氷魔「……帰すために行動しているとなると……異なる世界線から来た人々が住むあの街にいたのも頷けるところです……」


188 ◆UEqqBEVZVY2025/06/14(土) 00:16:39.19lBc6hn850 (2/4)

市長「彼女、私についてなにか言っていませんでしたか?」

やる気「や、特には……」

市長「そうですか。私はかなり彼女に迷惑をかけているので……」

ぶりっ子「そうなんですかぁ?」

市長「私が帝国と対立しているせいで、彼女の調査にも影響が出てしまっています」

怪盗「そりゃどっちも正しいことますから、市長さんか気に病むことはないです!」


189 ◆UEqqBEVZVY2025/06/14(土) 00:39:56.87lBc6hn850 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


190 ◆UEqqBEVZVY2025/06/14(土) 18:26:53.55lBc6hn850 (4/4)

市長「そうですか?それならいいのですが」

狙撃少女「それと、子供たちを一時預かってくれる方を見つけました」

市長「つまり……子供たちを連れてまっすぐ歩くには極東は遠すぎるおそれがあるということですね?」


何段階か思考を飛ばして質問をしてくる
実際合っているので、一行は頷くことしかできない


炎魔「そうですね……」


191 ◆UEqqBEVZVY2025/06/15(日) 02:15:46.81dfZbS8bT0 (1/3)

市長「ちなみに、どんな方なのでしょうか」

男「魔王だよ」

市長「……魔王?」


市長は首を傾げた
魔王がそれほど慈悲深い存在だとは思っていないようだ


中華「それだけじゃ伝わんないでしょ?」

男「あぁ、そうか……」

中華「市長さん、オネエの魔王だよ」

市長「オネエの魔王??」


192 ◆UEqqBEVZVY2025/06/15(日) 02:17:13.89dfZbS8bT0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


193 ◆UEqqBEVZVY2025/06/15(日) 18:58:45.06dfZbS8bT0 (3/3)

より訳が分からないという顔をする
確かにそうだろう


氷魔「……はい……オネエの魔王です……」

市長「そうですか……信頼できるのですか?その……魔王は」

やる気「気品のある方っすし、節度を持って接していれば相手も優しくしてくれる感じっすね」

市長「……魔王らしくないですね」

ぶりっ子「そんなんばっかじゃないですかぁ?」


194 ◆UEqqBEVZVY2025/06/16(月) 01:08:56.92r5n0A3+r0 (1/3)

実際、ここにいる二人の魔王もあまり物騒なタイプではない
時折その片鱗が見えることもあるが、
よほど追い詰められなければ、
邪悪な魔王らしい態度を取ることは少ないだろう


市長「……そうですね」

怪盗「ま、そういう訳で……子供たちを連れていくために戻ってきました」

市長「分かりました。では出発の支度をさせますね」


195 ◆UEqqBEVZVY2025/06/16(月) 19:02:29.04zy2W8hlnO (1/2)

すみません寝落ちしました


それから三十分ほど待てば、子供たちは全員揃った


狙撃少女「それじゃあ行きましょう!」

炎魔「ハッチを降りるのが怖かったら、私が支えますからね!」

子供A「あ、ありがとう……」


196 ◆UEqqBEVZVY2025/06/16(月) 19:05:15.67zy2W8hlnO (2/2)

それから地下水道に降りて、
一行と子供たちは歩き始めた


男「ううん……」


だが、暗くじめじめとしたその道は、
まだ小さな子供たちにとっては不気味すぎた
何人かは足がすくんでおり、
このまま歩くのは彼らの精神をただ磨耗させることにほかならないと何人かは気付いた


中華「よし!なにか楽しい話をしようか!」

子供B「楽しい話……?」

中華「あぁそうさ!どうかな、なにか極東での楽しい思い出とかないかい?」

子供B「え、ええっと……>>下1」


197以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/16(月) 19:22:19.18OOsBsIGZ0 (1/1)

働く石像さんの話

昔、村々を作る際にその村の御神体を奉納する決まりがあった時代に、人々のお願いを聞いて働く石像が祀られていた村の逸話


198 ◆UEqqBEVZVY2025/06/16(月) 23:50:51.04r5n0A3+r0 (2/3)

子供B「昔話でもいいですか……?」

中華「もちろん!」


そう言うと控えめに子供は笑って、
それから話し始めた


子供B「昔……極東には働く石像さんがいたの」

氷魔「……働く……石像……?」

子供B「うん、昔……極東では新しい村を作るときに、その村に大きな社を作ってたんだ」


199 ◆UEqqBEVZVY2025/06/16(月) 23:57:26.97r5n0A3+r0 (3/3)

ぶりっ子「へぇー、村ごとに神様がいるんですかねぇ?」

子供B「そうだと思う……それで、社には御神体を奉納することになってるんだ」

怪盗「聞いたことありますね、東国の社には神様を象徴するものが置かれていると」

子供B「それで、そこの社で祀られていたのは……働く石像さんだったんだ」

狙撃少女「働く、とはどういうことなんでしょう?農作業とかしてくれるんでしょうか?」


200 ◆UEqqBEVZVY2025/06/17(火) 00:53:08.73Ixl9d9AQ0 (1/1)

本日はここまでです
ありがとうございました


201 ◆UEqqBEVZVY2025/06/17(火) 19:44:18.46x29GDB3NO (1/1)

子供B「あんまりそういうことはしないみたいだよ。大きくて邪魔な岩をどかしたりとか」

狙撃少女「へぇ……」

やる気「誰かが操作してるんすか?」

子供B「ううん、みんなのお願いを聞いて動くんだ。命令する人がいるわけじゃないんだよ」

氷魔「…………?……変わってますね……まるでゴーレムのようですが……マスターがいないのでしょうか……?」

子供B「ごぉれむ?」


202 ◆UEqqBEVZVY2025/06/18(水) 02:02:14.27W1sbw4Zk0 (1/3)

男「魔法使いのために働いてくれる、石とかでできた像だね」

子供B「働く石像さんに似てるね」

やる気「そっすねぇ」

中華「でも、御神体として備えられてたってことは神様なの?」

子供B「うーん……石像さんは神様じゃないと思う」


そこまで話すと、別の子供が声を上げた


203 ◆UEqqBEVZVY2025/06/18(水) 02:33:49.41W1sbw4Zk0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


204 ◆UEqqBEVZVY2025/06/18(水) 19:48:25.94W1sbw4Zk0 (3/3)

子供C「みんなが神様にお願いすると、石像さんが働いてくれるんだよ!」

氷魔「……なるほど……」

ぶりっ子「ところで、その石像さんって今もいるんですかぁ?」

子供B「いない」

怪盗「えぇ、どうしてなくなっちゃったの?」

子供B「>>下1」


205以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/18(水) 20:10:08.78L2h9eRmo0 (1/1)

大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……


206 ◆UEqqBEVZVY2025/06/19(木) 00:37:08.17lzYOll0P0 (1/4)

子供B「大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……」

狙撃少女「なんと……」

炎魔「ってことは、地の底にはまだ石像さんがいる可能性があるんですね!」


彼女は悲しそうな顔を一瞬したが、
すぐにそう言って明るいいつもの顔になった


男「極東に行ったら助けたいとか、そういうこと考えてるでしょ」


207 ◆UEqqBEVZVY2025/06/19(木) 00:39:29.29lzYOll0P0 (2/4)

炎魔「分かってるじゃないですか」

男「どこにいるか分かったらやろうか」

炎魔「話が分かりますね!」


それからも、一行と子供たちは極東のお話や、
その他種々の楽しい話をして歩き続けた
暗さも恐怖を呼ぶものではなく、
余計な視覚を遮断して話の世界に入り込むための、
ある種の暗幕のような効果を果たした


208 ◆UEqqBEVZVY2025/06/19(木) 00:43:32.34lzYOll0P0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


209 ◆UEqqBEVZVY2025/06/19(木) 19:52:54.88lzYOll0P0 (4/4)

お陰で進むのも少し早くなったのか、
予定より一時間ぐらい早く目的地に着いた


中華「それじゃ、梯子を昇っていってね」

やる気「落ちたら俺っちがキャッチするっすから、安心して上るっすよ!」


子供たちは心配をよそに、
するするとみな梯子を上っていった


氷魔「……すごいですね……私……小さいころはどうしても梯子がダメで……」


210 ◆UEqqBEVZVY2025/06/20(金) 00:38:59.64h5n81TFH0 (1/3)

一方、地上に上った子供たちはその光景に目を奪われた


子供A「わぁぁ……!」

子供D「きれい……!」


どこまでも続く花畑と地平線
そこに呑み込まれていく太陽
世界の終わりがこんな感じだったらいいのに、
と思う者もいるほどの美しさだった


ぶりっ子「確かに、これは綺麗ですねぇ」


211 ◆UEqqBEVZVY2025/06/20(金) 00:43:40.34h5n81TFH0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


212 ◆UEqqBEVZVY2025/06/20(金) 21:00:40.54h5n81TFH0 (3/3)

すみません遅れました


怪盗「それじゃ、着いてきてくださいね!」


彼女は子供たちを先導して歩き始める
向かうは魔王の居城であった


狙撃少女「まるでピクニックみたい」

炎魔「ふふ、確かにそうですね!」


213 ◆UEqqBEVZVY2025/06/21(土) 01:17:20.44/KC2STWn0 (1/4)

男「見えてきたぞ、あれが目的地だ」


彼が指し示す先にある魔王の宮殿
子供たちは初めて見る西洋風巨大建造物に目を奪われた

子供E「すげー……」

子供D「あんなところに住みたいな……」

中華「住むのは無理だけど、しばらく君たちはあそこで暮らすことはできるよ」


214 ◆UEqqBEVZVY2025/06/21(土) 01:27:29.83/KC2STWn0 (2/4)

近付けば、待たせていた信徒たちが反応する


氷魔「……みなさん……待っていてくれたんですね……」

やる気「いやぁ、時間かかって申し訳ないっす!」


子供たちはおびただしい数の人に少し怯んだが、
一行が仲良くしているのを見て悪い人たちではないのだろうと安心した


215 ◆UEqqBEVZVY2025/06/21(土) 01:40:32.34/KC2STWn0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


216 ◆UEqqBEVZVY2025/06/21(土) 19:06:45.54/KC2STWn0 (4/4)

少年「俺と同じくらいじゃないか」

気弱少女「なんだか懐かしい気分になりますね」


完全なる合流を果たし、
みんなで宮殿の中へと入っていく


ドリアード「みなさんお揃いのようですね」


と、ロビーで待機していたドリアードが礼をする


217 ◆UEqqBEVZVY2025/06/22(日) 05:46:36.16pQKnCM1b0 (1/3)

ぶりっ子「随分待たせちゃいましたねぇ」

ドリアード「構いませんよ、それでは着いてきて下さい」


彼女に先導され、
これまで入ったことのない廊下へと通される
その天井はとても高く、
なにやら抽象的な絵も描かれている


怪盗「芸術、お好きですよねー……ここの魔王さま」

ドリアード「えぇ、本当に好まれるのは芸術であることを自覚している芸術ではなく、自ずから芸術になってしまうものなのですが」


218 ◆UEqqBEVZVY2025/06/22(日) 05:47:40.37pQKnCM1b0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


219 ◆UEqqBEVZVY2025/06/22(日) 19:51:12.67pQKnCM1b0 (3/3)

狙撃少女「雪の結晶みたいな感じですかね?」

ドリアード「そうですね。生きているとなおよいそうです」

炎魔「生きて……?」


あれこれと話しているうちに、
一行は一つの部屋の前に到着した


ドリアード「ここが、子供たちに案内するように言われている部屋です」


彼女は扉の隣に立つと、
ツタを伸ばして横から開け放った


>>下1……部屋の内装


220以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/22(日) 23:33:33.01j4O7hR630 (1/1)

ホテルの一室と思わせる程広く綺麗で、草原かと思わせる色の壁、家具も大人数で使える程にはおおきかった
窓から見る景色も明るくて見晴らしも良い
ただ…七基程気になる石像…と言うか恐らくガーゴイルと言うのだろう、半人半魔の女性を模った石像があった


221 ◆UEqqBEVZVY2025/06/23(月) 02:14:32.60ebg3c3o60 (1/4)

子供A「わぁ……!」


誰もが、そこから青く清浄な空気が吹き抜けたかのように錯覚した
ほぼ夜なのに、その部屋の壁は昼の晴天のようだった
どこまでも広がっていくような草原が、
壁全面に表現されていたのだ


男「圧倒されるな……」


子供たちは吸い込まれるように部屋に入っていく
一行や教徒たちも、
その内装が気になる一心で入室した


222 ◆UEqqBEVZVY2025/06/23(月) 02:21:02.46ebg3c3o60 (2/4)

中華「うひゃあ、すっごいねこれ」


とにかく部屋が広く、
だがそれに応じて家具の一つ一つが大きかった
まるで縮尺の違う世界に迷い込んだような感覚を受けるが、
そのおかげで沢山の子供たちが使用できるようになっている


氷魔「……ちゃんと……窓もありますね……」


かちゃり、と音を立てて氷魔は窓を開いた


223 ◆UEqqBEVZVY2025/06/23(月) 02:55:26.38ebg3c3o60 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


224 ◆UEqqBEVZVY2025/06/23(月) 19:45:35.87ebg3c3o60 (4/4)

外側の窓枠の上にある壁面には、
魔力で発光するライトが取り付けられていた
外の眩しすぎる夕陽は、
どこまでも続く草原に差し込んで、
存在しないはずの郷愁を誘う


やる気「最高の部屋っすね!」

ぶりっ子「そうですねぇ!」

怪盗「私もここに泊まりたいです!」

狙撃少女「えっ……もしかして、この石像が見えてないんですか……?」


225 ◆UEqqBEVZVY2025/06/24(火) 02:04:07.54KrOyFRWx0 (1/3)

彼女は部屋内に安置されている石像たちを指した


炎魔「まぁ……これは魔王らしいセンスだよねー」


その姿は一見すればヒトのようであったが、
その背には翼が生えていた
しかも、天使の持っているような柔らかな見た目のものではない
魔族に特有の、蝙蝠のような翼だった


男「男の子はこういうの好きなんじゃないか?」

少年「女の像じゃなけりゃなぁ」


226 ◆UEqqBEVZVY2025/06/24(火) 02:26:58.25KrOyFRWx0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


227 ◆UEqqBEVZVY2025/06/24(火) 19:54:16.35KrOyFRWx0 (3/3)

その像は全て女性を象っている
しめて七基のそれが部屋の各所に置かれているのだ


氷魔「……これは……恐らく……ガーゴイルでは……ないでしょうか……?」

中華「ガーゴイル?」

やる気「あぁ、でっかい屋敷の前とかに置いてある、魔物っぽい像のことっすね」

ぶりっ子「ですねぇ」


228 ◆UEqqBEVZVY2025/06/25(水) 01:32:03.85Vd8W6bsW0 (1/4)

氷魔「……あれは……ああ見えて邪なものを退けるために置かれているのです……」

怪盗「なるほど、つまり……」

氷魔「……これらの像も……子供たちを守るという気概で置かれているのではないかと……」

狙撃少女「な、なるほど……だからみなさん言葉に出さなかったんですね」

中華「いや、触れたらまずいかと思って言わなかっただけだよ」

やる気「そっすよ」

狙撃少女「……………………」


229 ◆UEqqBEVZVY2025/06/25(水) 01:35:44.88Vd8W6bsW0 (2/4)

炎魔「落ち込まないでください!私はあなたの味方ですよ!」


なんとも言えない顔の彼女を、
炎魔は優しく抱き締めた


男「……ん、よし。子供達もこの部屋を楽しんでるみたいだし、俺たちは出るかな」

気弱少女「あ、はい……」

少年「おう!」


230 ◆UEqqBEVZVY2025/06/25(水) 01:55:57.38Vd8W6bsW0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


231 ◆UEqqBEVZVY2025/06/25(水) 19:46:10.98Vd8W6bsW0 (4/4)

そうして、一行と教徒たちは部屋を出た


ドリアード「気に入っていただけたようでなによりです。主にも伝えておきます……」

ぶりっ子「えぇ、ここが美にこだわってらっしゃる魔王の居城でよかったですねぇ」

中華「ちなみに、教徒たちの部屋もあるよね?」

ドリアード「はい、ご用意しております。ただ、子供たちの部屋に比べると見るもののない部屋でございますが」


232 ◆UEqqBEVZVY2025/06/26(木) 00:02:44.65GBE0IiIl0 (1/3)

教徒G「はっはっは、そりゃ楽しみですな」

教徒F「ええ、きっとここの主なら……」


一行の話や花畑の様子、
子供たちに与えられた部屋などから、
謙遜していてもオネエ魔王ならば、
きっと素晴らしい部屋が用意されているのだろうと彼らは思ったのだった


氷魔「……そうですね……私も気になります……」


233 ◆UEqqBEVZVY2025/06/26(木) 01:09:22.57GBE0IiIl0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


234 ◆UEqqBEVZVY2025/06/26(木) 19:48:41.45GBE0IiIl0 (3/3)

それから、皆はドリアードに案内されて、
別の部屋へと向かうのだった


ドリアード「こちらになります」

やる気「どれどれ……」


部屋に入り込むと、そこはまるで教会のようだった
面積が広く、天井はアーチになっている
神の像は置かれていないが、
部屋の中央には大理石でできた祭壇が置かれているのだった


235 ◆UEqqBEVZVY2025/06/27(金) 01:56:17.78kV8pA9HJ0 (1/1)

ぶりっ子「うわぁ、すごいですねぇ~!」


部屋の両隅には全員が眠れるだけのベッドがずらりと並べられており、
それらに飛び込んで転がることができたら、
どれほど気持ちよいかを考えずにはいられないほどだ


怪盗「ここに住みたいぐらいですね」

狙撃少女「そうですね……あぁ、透き通るような部屋です」


236 ◆UEqqBEVZVY2025/06/27(金) 19:32:31.98WdB0zNAKO (1/1)

すみません寝落ちしました


それから一行と教徒たちは、
その部屋でくつろぎ始めた


炎魔「部屋なのに飛び回れます!」


ホテルや旅館ではしゃぐ子供のように、
炎魔は部屋を動き回って興奮している


男「さて……」


まだ夕食までには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価


237以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/27(金) 19:39:16.37VHm2QsZz0 (1/1)

6


238 ◆UEqqBEVZVY2025/06/28(土) 02:51:51.07c5vbXFCK0 (1/2)

狙撃少女「………………」


彼女は部屋の片隅、
ベッドに乗って手帳になにかを書いていた


男「よっ」

狙撃少女「っ……あ、男さんでしたか」

男「おう。大丈夫か?」

狙撃少女「はい、まったく平気ですよ」


手帳を懐にしまいながら、
彼女は男に優しく笑いかける


239 ◆UEqqBEVZVY2025/06/28(土) 02:52:29.95c5vbXFCK0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


240 ◆UEqqBEVZVY2025/06/28(土) 19:11:52.11ET5JgiB4O (1/1)

男「書いてたのか?小説」

狙撃少女「はい。最近はなかなか刺激的ですから」


ベッドに両脚を投げ出して、彼女ははにかんだ


男「……幸せそうな顔してるな。俺も嬉しいよ」

狙撃少女「……あの、お願いがあるんですけど」


241 ◆UEqqBEVZVY2025/06/29(日) 05:08:25.48pHecaM740 (1/4)

男「なんだ?」

狙撃少女「もし私が死んだり、失踪したら……必ずこの手帳は燃やして下さいね」


彼女は使い込まれたそれを取り出した
ところどころ縁がボロボロになって、
革製の装丁の中身が見えてしまっている


男「気持ちは分かるがな、縁起でもないこと言うもんじゃないぞ」

狙撃少女「本当に恥ずかしいんですよ」


242 ◆UEqqBEVZVY2025/06/29(日) 05:10:21.28pHecaM740 (2/4)

男「じゃあ、そうだな……逆に見てやろうかな」

狙撃少女「えっ!?」

男「そんとき俺にコネがあったら出版までしてやる」

狙撃少女「えぇっ!?」

男「……くくく、これで狙撃少女はもう死ねまい」

狙撃少女「お、おのれぇ……」


243 ◆UEqqBEVZVY2025/06/29(日) 05:13:02.63pHecaM740 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


244 ◆UEqqBEVZVY2025/06/29(日) 20:00:04.93pHecaM740 (4/4)

男「……まぁ、半分冗談だ」

狙撃少女「半分だけなんですか……」


彼女は顔を引きつらせている


男「最近どうだ?……これだけじゃ答えづらいな。今の、このみんなで移動する環境……どうかな?」

狙撃少女「楽しいですよ。子供たちと一緒にいると」

男「ふぅん……子供、好きなのか?」

狙撃少女「>>下1」


245以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/06/29(日) 20:16:19.09Kf7WRLi4O (1/1)

将来多くの子供達と関わる仕事に就くのも悪くない程度には好きですね


246 ◆UEqqBEVZVY2025/06/30(月) 01:19:49.52Dbw0Fbkb0 (1/5)

狙撃少女「将来多くの子供達と関わる仕事に就くのも悪くない程度には好きですね」

男「へぇ……いいかもね」

狙撃少女「まぁ、なれるかは別の話ですけれど」

男「なれるよ。優しいし、面倒見いいし」

狙撃少女「……でも、物騒すぎませんか?」


彼女は自分の獲物を一瞥して、不安げにそう述べた


247 ◆UEqqBEVZVY2025/06/30(月) 01:44:59.93Dbw0Fbkb0 (2/5)

男「はは、そりゃ無用な心配だ」

狙撃少女「そうでしょうか……?」

男「子供はそういうの好きだぞ。まぁ、親御さんには隠したほうがいいかもしれないけど」


いつも優しくしてくれるお姉さんが、
実は凄腕の狙撃手だった……
非常にロマンのある展開である


狙撃少女「少しだけ自信が付きました」

男「そりゃあいい。……子供向けのお話も、狙撃少女なら作れそうだしな」


248 ◆UEqqBEVZVY2025/06/30(月) 01:49:08.02Dbw0Fbkb0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


249 ◆UEqqBEVZVY2025/06/30(月) 19:41:07.93Dbw0Fbkb0 (4/5)

それから夕食の時間になった
部屋にドリアードが入ってきて、
ダイニングホールに案内されるのだ


中華「なるほど……」


そこはまるでテラス席のようであった
屋外との仕切りがない場所に、
椅子とテーブルが遠くまでずっと連なっている


250 ◆UEqqBEVZVY2025/06/30(月) 21:02:15.62Dbw0Fbkb0 (5/5)

それぞれ案内されて、一人一人席についていく


ドリアード「ここにどうぞ」

男「ありがとうございます」


男もまた、ドリアードから案内された席に座る
なぜか目の前の席には誰も案内されなかったが、
しばらくするとそこにオネエ魔王がやってきた


オネエ魔王「失礼します」


251 ◆UEqqBEVZVY2025/07/01(火) 03:06:34.37bBHLIwD80 (1/1)

本日はここまでです
ありがとうございました


252 ◆UEqqBEVZVY2025/07/01(火) 18:56:09.45Rv45Yw7jO (1/1)

男「これはこれは……」


盛大にもてなしてくれている、
その主が登場したのである
男は感謝と畏れをこめてうやうやしく頭を下げた


オネエ魔王「ほほ……そうかしこまらないで。ちょっとお話がしたくてきただけなの」

男「話、ですか」

オネエ魔王「ええ、>>下1」


253以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/01(火) 18:59:21.286xGgfZDCo (1/1)

この先に待ち受けるものについてちょっとね


254 ◆UEqqBEVZVY2025/07/02(水) 01:08:35.237iBXuF8v0 (1/4)

オネエ魔王「この先に待ち受けるものについてちょっとね」

男「この先に待ち受けるもの……?」


そう聞けば、答えが来るよりも先に料理が出てきた
パスタやステーキなどが並ぶ、
非常にボリューミーな夕食だ


オネエ魔王「食べながら話しましょうか」


255 ◆UEqqBEVZVY2025/07/02(水) 01:14:38.457iBXuF8v0 (2/4)

男「そうですね……」


数分無言で美食を楽しんだあと、
やはりオネエ魔王から声を発した


オネエ魔王「あなたたちは、非常に多くの因果の中にいるの」

男「そうかもしれませんね」

オネエ魔王「えぇ。あなたたちを助けてくれるような存在は沢山いる。けれど……その逆もいる」

男「帝国とか、ベリアルの一派とか……そういう感じですね」

オネエ魔王「そう。運命はね、花のようなものよ……それも、つる植物ね」


256 ◆UEqqBEVZVY2025/07/02(水) 01:50:45.847iBXuF8v0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


257 ◆UEqqBEVZVY2025/07/02(水) 19:43:04.347iBXuF8v0 (4/4)

男「つる植物……アサガオなら育てたことがありますよ」

オネエ魔王「ならお分かりでしょうけど、アレには支柱がいるの」

男「そうですね、巻きついて育ちますから」

オネエ魔王「運命もそう。あなたたちも真っ直ぐだから、運命が絡みつくの」

男「なるほど……」

オネエ魔王「綺麗な花を咲かせればいいけど、運命は時に獰猛よ。支柱が折られてしまうかもしれない」


258 ◆UEqqBEVZVY2025/07/03(木) 00:19:04.92dWoI7idb0 (1/5)

男「……しかしながら、俺たちは貪欲です。全ての花を手にしたい」

オネエ魔王「ふふ、他の支柱が折られるのを見たくないだけでしょう?」

男「そうですね、否定できません」

オネエ魔王「だからね、つるに締め潰されないうちに、きちんと花は咲かせてあげないとダメ」

男「……風情のない言い方をすれば、『片付けられる問題から一つ一つ片付けていけ』ということですね」


259 ◆UEqqBEVZVY2025/07/03(木) 00:23:03.98dWoI7idb0 (2/5)

ナイフでステーキを切り分けて、
男は一つずつ口へと運んだ


オネエ魔王「ふっ……それがあなたの見つけた花ならば、否定しません」

男「あなたの言の葉は、きちんと花をつけましたよ」

オネエ魔王「あら……今のあなた、とっても素敵。そこいらの酒場に行ってみなさいな、いい思いができることでしょうね」

男「生憎、興味が薄いんです」


260 ◆UEqqBEVZVY2025/07/03(木) 00:35:13.55dWoI7idb0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


261 ◆UEqqBEVZVY2025/07/03(木) 19:53:07.21dWoI7idb0 (4/5)

オネエ魔王「まぁ、辛気臭い話ばかりしていても美食に悪いし……食べましょう」

男「はい、折角こんなにいい日なんですからね」


二人は談笑をしながら、夕食を食べ終えるのだった
大量の皿をドリアードたちが回収しにやってくる


オネエ魔王「それでは、私はこの辺りで」

男「えぇ、お気遣いなく……」


262 ◆UEqqBEVZVY2025/07/03(木) 23:32:50.42dWoI7idb0 (5/5)

男が伸びをして、席から立ち上がると、
同じく食事を終えた仲間が集まってきた


氷魔「……随分楽しそうに……話してらっしゃいましたね……」

男「内心どきどきだったよ」

やる気「おかわりしなかったっすもんねぇ」

男「言われてみればそうか……」


263 ◆UEqqBEVZVY2025/07/04(金) 01:04:52.62BRdvWxyO0 (1/1)

本日はここまでです
ありがとうございました


264 ◆UEqqBEVZVY2025/07/04(金) 21:32:48.607lUf3qd3O (1/1)

すみません遅れました


それから、一行と教徒たちは部屋へと戻った
ご丁寧に、部屋を開けている間に掃除がされていた


ぶりっ子「なんか、行き届きすぎてて逆に怖いですねぇ」

怪盗「ここの贅沢に慣れたら危険かもしれませんね」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.海神教団の神に祈る
9.白狼に祈る
10.自由安価


265以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/04(金) 21:34:18.08AFGB5jDK0 (1/1)

9


266 ◆UEqqBEVZVY2025/07/05(土) 04:55:54.60lZaySmZ40 (1/5)

男は、折角なのでここの祭壇でも祈りを捧げることにした


男「………………」


暴風と雷撃の只中へと飛び込んでいく
二度目の体験ゆえに少しは慣れた面持ちで眼を開ければ、そこにはやはり白狼がいた


白狼「……貴様は遠慮がないな」


267 ◆UEqqBEVZVY2025/07/05(土) 04:58:54.88lZaySmZ40 (2/5)

男「え、遠慮ですか?」


突然苦言を呈されたので、
男もただ言葉を返すことしかできなかった


白狼「あの娘はわざわざこの領域まで来ずに意思を交わせるというのに、貴様はどうしても入ってきたいらしい」

男「いやぁ、そうしない方法が分からなくて……」

白狼「であろうな。貴様の魂は磁石のようなものだからだ」


268 ◆UEqqBEVZVY2025/07/05(土) 05:03:03.74lZaySmZ40 (3/5)

男「磁石……引かれあってしまうんですか?」

白狼「あぁそうだ。一方の極の磁石に、もう一方極を持つ磁石に付くなと言い聞かせても無理だろう」

男「……つまり、これはコントロールできないと」


望むと望まざるとにかかわらず、
男は神の世界へと侵入してしまう


白狼「あぁそうだ。……貴様、肉体のある生き物でよかったな」

男「は、はぁ……」

白狼「貴様がもし死んだとして、その魂がどこへ行くかは我にも分からぬ。あるいは……」


269 ◆UEqqBEVZVY2025/07/05(土) 05:21:28.82lZaySmZ40 (4/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


270 ◆UEqqBEVZVY2025/07/05(土) 19:55:57.72lZaySmZ40 (5/5)

男「あるいは?」

白狼「……いや、止しておこう」


と、なにやら不穏なことを言われてしまった
だが、本人がこれ以上話すつもりがないなら、
追及するべきではないのだ


男「ああそうだ、聞きたいことがあったんですよ」

白狼「言ってみろ」

男「>>下1」


271以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/05(土) 20:15:41.00RjgQv8pM0 (1/1)

此処の魔王殿って人間くさいと言うか友好的と言うか魔王というには敵意が無いんだけど、何か知らない?


272 ◆UEqqBEVZVY2025/07/06(日) 02:32:27.62uxXE3S940 (1/2)

男「此処の魔王殿って人間くさいと言うか友好的と言うか魔王というには敵意が無いんだけど、何か知らない?」

白狼「ふむ……」


彼はいつも寄っている眉間の皺を、
さらに強く引き絞って思索を始めた
そして、しばらくしてそれが弛む


男「どうです?」

白狼「正確なことは言えん。だが、出自に答えがあるのではないか?」


273 ◆UEqqBEVZVY2025/07/06(日) 02:33:50.52uxXE3S940 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


274 ◆UEqqBEVZVY2025/07/06(日) 18:45:27.75bkAKkx4NO (1/1)

男「出自、というと……」

白狼「魔王を名乗る者の全てが好戦的なわけではない。大抵、その者の出自によって魔王としての性質も変わってくる」


男は、中華ややる気のことを思い出した
人間として産まれ、育っている二人だ
それゆえに魔王となっても平和的でいられるのだろうか、そう考えた


男「元人間、なんですかね」

白狼「可能性としてはあるだろうな。……だが、魔族でも人族でもない者も世界にはいる。だから、確実はことは言えんのだ」


275 ◆UEqqBEVZVY2025/07/07(月) 00:55:25.1707YTaoV10 (1/3)

男「なるほど……」

白狼「我も、かつては魔王の力を欲していた」

男「なんか、そんな感じはしますね。どうするつもりだったんですか?」

白狼「聞かずとも分かっておろう?」


正確なところは、彼にも分からなかった
ただ、その力で全てをねじ伏せるつもりであったことだけは、なんとなく理解できた


男「今はもう、いらないんですね」


276 ◆UEqqBEVZVY2025/07/07(月) 02:26:34.7307YTaoV10 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


277 ◆UEqqBEVZVY2025/07/07(月) 19:56:18.3007YTaoV10 (3/3)

白狼「そんなものがあろうとなかろうと、強き者は強き者たりえるからな」

男「……ふふ」

白狼「なにがおかしい!」

男「ほあ"ーっ!!」


油断していたところ、
彼の頭上から極太の落雷が降った


白狼「………………」

男「い、いや……そっちのほうが平和的でいいと思って……」


278 ◆UEqqBEVZVY2025/07/08(火) 01:00:17.10q+msYjhz0 (1/4)

白狼「我は平和など望んでおらん」

男「そ、そうですか……」

白狼「逆らうものがあれば、その肉を裂き、臓物を引きずり出して、魂ごと喰ろうてやるわ」


と、白狼は唸るように述べた
それが本気であるかどうかは、
痺れたままの男に判別することはできなかった


男「はい……」

白狼「では、去れ!」


279 ◆UEqqBEVZVY2025/07/08(火) 01:02:49.84q+msYjhz0 (2/4)

白狼が一つ大きく吼えると、
男は衝撃波を受けて現実へと叩き戻された


男「おおっと!」


現実の肉体も小さく吹き飛ばされ、
どういうわけか、
その肉体からはわずかに放電もしていた


狙撃少女「な、なんですか!?」

男「あ、あぁ……なんでもない。安心してくれ……」


280 ◆UEqqBEVZVY2025/07/08(火) 01:17:46.01q+msYjhz0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


281 ◆UEqqBEVZVY2025/07/08(火) 19:59:23.32q+msYjhz0 (4/4)

炎魔「ほ、本当ですか……?」

男「ああ、問題ない。むしろ、いいことがあったってくらいだ」


そう言って、身を休めるために彼は横になった
あのオネエ魔王は一体何者なのか、
その疑問が解決することはなかったが、
それをぐるぐると考えているうちに、
あっさりと夢の世界へと入っていくことができた


282 ◆UEqqBEVZVY2025/07/09(水) 01:13:08.950x4NpX3M0 (1/3)

~翌日・陰週水曜日~


中華「………………」


男が目覚めると、中華が祈っているのが見えた
彼は毎日朝早いので、
今日のようなしなければならないことがない日は、
いつも手持ち無沙汰を感じている


男(折角だから祈ろう、ということか……)


283 ◆UEqqBEVZVY2025/07/09(水) 01:23:56.550x4NpX3M0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


284 ◆UEqqBEVZVY2025/07/09(水) 19:45:57.250x4NpX3M0 (3/3)

中華「……ふぅ」


しばらく祈っていた彼だが、
無事に祈り終えたようだった


男「珍しいな。神に祈る神なんて」

中華「あ、起きてたんだ」

男「まぁな、途中からだが……それより、なにを祈ってたんだ?」

中華「>>下1」


285以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/09(水) 20:05:18.72dzEZMHWb0 (1/1)

今未だ迷っている信者さんたちの安寧と初心忘れぬ意志のために、かな(ニコッ


286 ◆UEqqBEVZVY2025/07/10(木) 00:41:16.86oX/m2zWv0 (1/3)

中華「今未だ迷っている信者さんたちの安寧と初心忘れぬ意志のために、かな(ニコッ」

男「………………」

中華「ど、どうかした?」

男「……なんか腹立つなぁ」

中華「え!?」

男「いや、言ってることは全部素晴らしい。中華のことだから絶対本心だと分かるし」


287 ◆UEqqBEVZVY2025/07/10(木) 00:43:25.39oX/m2zWv0 (2/3)

中華「ど、どうして……」

男「一周回ってすごい怪しい。中華じゃなかったら正気を疑うか、嘘をついていると断定しているところだ」

中華「えぇ……」

男「あとイケメンがそうやって優しげな笑顔を浮かべているとすごくコンプレックスだ!」

中華「そ、そんな!僕はイケメンじゃないよ!?」

男「うちだと一番イケてるんだよおぉぉぉ……!!」


288 ◆UEqqBEVZVY2025/07/10(木) 01:20:21.20oX/m2zWv0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


289 ◆UEqqBEVZVY2025/07/10(木) 19:00:21.28tP5oA1tYO (1/1)

そうやってあれこれと言っていると、閃光が走った


中華「っ!?」

男「ぐわああぁぁぁっ!」


小さな雷が落ちたのだった
一生懸命祈ってくれている人に、
あれこれと文句を言ったのだから、
白狼が怒るのも当然のことであった


290 ◆UEqqBEVZVY2025/07/11(金) 01:21:07.877/l4mmBM0 (1/2)

中華「だ、大丈夫?」

男「慣れてきたよ……」


男はゆっくりと起き上がった
すると、すぐ後ろになにかが落ちてきた


炎魔「ふおぉぉ……」

男「やべ、巻き込んじまった」


寝相の悪さによって部屋を飛び回っていたため、
たまたま雷を食らってしまったようだった


291 ◆UEqqBEVZVY2025/07/11(金) 02:15:24.137/l4mmBM0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


292 ◆UEqqBEVZVY2025/07/11(金) 19:57:30.47M+1Rk4dYO (1/1)

それから、教徒たちもギルドの仲間たちも起きてきた


氷魔「……今日からは……安心して……東を目指せますね……」


とにかく東を目指す必要がある一行は、
教徒たちは魔王の居城に残して地下へと戻った


やる気「よし……がんがん進むっすよ!」


293 ◆UEqqBEVZVY2025/07/12(土) 02:31:37.86CknOal3S0 (1/3)

地下道にやる気の声がこだまする


ぶりっ子「しっかし、この道不思議ですよねぇ」

怪盗「まぁ、そうですね」

狙撃少女「誰か作った人がいて、それを知っている人がいるなら、文献がありそうなものですけどね」

炎魔「市長が知らないってことは、多分文献すらないんでしょうね……」


294 ◆UEqqBEVZVY2025/07/12(土) 02:33:58.95CknOal3S0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


295 ◆UEqqBEVZVY2025/07/12(土) 19:56:05.44CknOal3S0 (3/3)

そして、前回やったように、
ひたすらに地下道を滑走していく


男「おっ、あれは……」


それから一時間ほどが経って、
また見たことのないはしごを見つけたのだった


中華「またハッチだね。どこに繋がってるんだろうか……」


みな慣れた様子でブレーキをかけて、
その梯子の前で止まるのである


296 ◆UEqqBEVZVY2025/07/13(日) 02:38:06.03ZU3UvXNx0 (1/3)

氷魔「……上ってみましょう……」


もはやこの工程にも慣れたものであり、
誰も違和感を抱くことなく、
ハッチを開けて外に出るのだった


やる気「ここは……?」


どうやらそこは室内のようであった
見回せば、小屋の中であると推察できることだろう


297 ◆UEqqBEVZVY2025/07/13(日) 03:16:35.41ZU3UvXNx0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


298 ◆UEqqBEVZVY2025/07/13(日) 19:56:52.97ZU3UvXNx0 (3/3)

ぶりっ子「小屋みたいですねぇ」


ほとんどものが置かれておらず、
やはりというべきか、
人の出入りは少なそうな雰囲気が漂っている


怪盗「誰かいたらいたで気まずいですしね」


そして、一行は扉を開けて外を窺う
謎の建物から一歩出れば恐るべき世界が広がっている、という経験はいくらでもあるからだ


>>下1……外の様子


299以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/13(日) 21:36:25.66lnY7qifH0 (1/1)

青々とした森に聳え立つ岩壁、巨大な泉に奥行きのある田圃、その隣にこの家屋よりも大きい家屋があり、時折獣の鳴き声が聴こえる


300 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 01:57:56.43fwOtceKI0 (1/6)

開けた扉の向こうからは日光が力強く差し込む
その陽光を照り返して青々と繁る森が目の前にはあった


狙撃少女「うわぁ……」


広大に見えるその森の奥の奥には、
銀色の岩壁が聳え立っていた
それは山よりも大きく感じるような迫力だ


301 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 02:01:55.52fwOtceKI0 (2/6)

炎魔「すごい光景ですねぇ」

男「……おっ、こっちからは文明の気配を感じるぞ」


小屋の前ではなく、その後ろを男は恐る恐る覗く
そこには巨大な泉があり、
よく澄んだ水が湛えられている


中華「探せば誰か居そうだね」


そして、その泉からは水が引かれており、
その先には田圃が広がっている
これもまたとても大きく、水を効率的に引くためにダイナミックな棚田が形成されている


302 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 03:17:51.94fwOtceKI0 (3/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


303 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 19:50:30.14fwOtceKI0 (4/6)

一行がそこに近付いていくと、
棚田の隣に家があるのが視認できた
遠くからでもはっきり見えるため、
それなりには大きい家であるということが言えるだろう


氷魔「……あそこを目指しましょうか……」


一行はその家を目指そうと、
棚田を迂回して降りていこうとする
そのときのことだった


やる気「……っ!」


304 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 23:56:41.19fwOtceKI0 (5/6)

彼は反射的に宙返り
武器を構えながら反対向きに着地した


ぶりっ子「な、なんですかぁ?」


確かに、背後から獣の声がしたのだ
勇猛な野生動物の中には、
魔物に引けをとらないようなものもいる
経験からそれを知っているやる気が、
もっとも鋭敏に反応したのである


305 ◆UEqqBEVZVY2025/07/14(月) 23:58:11.18fwOtceKI0 (6/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


306 ◆UEqqBEVZVY2025/07/15(火) 19:49:34.06fnOUK2tyO (1/1)

やる気「……来てはないっすね」


それから、安全を確認して一行は大きな家を目指した
小屋と同じく木造の、シックな色合いの家だった


怪盗「ごめんくださーい」


ドアベルがついていなかったので、
声をかけながら優しくドアをノックしていく


>>下1……反応はあったか(あるなら、どのような反応があったか)


307以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/15(火) 20:17:59.26N0eI6b/Q0 (1/1)

突然の来訪者に驚いたのか中からは何かが倒れた音や何かが割れた音、動物の絶叫、誰かが転倒した音から布が千切れた音まで聞こえて来た


308 ◆UEqqBEVZVY2025/07/16(水) 01:21:13.226KIRWdbp0 (1/3)

次の瞬間、家の中からなにかものが動いた音がした
その次にはより大きな音が鳴り、
家具が倒れたことが分かるだろう


狙撃少女「え……?」


なにごとかと一行が身構えるも、
獣の鳴き声のように止むはずもなく、
割れ物が破壊された音やそれこそ動物の叫びまでもが聞こえてくる


炎魔「な、なにかただならぬ事態が起こっているのでは!?」


309 ◆UEqqBEVZVY2025/07/16(水) 02:23:54.196KIRWdbp0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


310 ◆UEqqBEVZVY2025/07/16(水) 19:58:29.236KIRWdbp0 (3/3)

それだけではなく、明確に人間が倒れたような音やなにか繊維質のものが千切れたような音までもが鳴っている


男「な、なにかまずいかもしれない!突入しよう!」

中華「い、いいのかなぁ?」

男「怪我してる人がいるに違いない!助けに行かないと!」


男は玄関にドアノブを取り付け、強引に開いた


311 ◆UEqqBEVZVY2025/07/17(木) 00:37:46.16IJV7pX9i0 (1/4)

引き戸のはずの玄関は強引に手前へと開かれ、
家屋への入り口を作り出す


氷魔「……さて……」


そこに突入した瞬間、
全ての強烈な物音は鳴りを潜めた
どこからあの音がしていたのかも、誰にも分からなかった


やる気「どっから行くっすか?」



312 ◆UEqqBEVZVY2025/07/17(木) 00:39:26.74IJV7pX9i0 (2/4)

すぐそこに上階へと続く道があったが、
一行はひとまず一階を探索することにした


ぶりっ子「大丈夫ですかぁ~?」


ぶりっ子は声を張り上げて探すも、
これといって返事はなかった
少なくとも廊下には誰もいないのだ


狙撃少女「部屋に入るしかなさそうですね」


313 ◆UEqqBEVZVY2025/07/17(木) 00:46:01.30IJV7pX9i0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


314 ◆UEqqBEVZVY2025/07/17(木) 19:33:01.41IJV7pX9i0 (4/4)

男「この部屋な気がするな」


部屋を区切るものはドアではなく、全て襖であった
男が目を付けたのは、
廊下から確認できる範囲ではもっとも大きな襖である


炎魔「よし、じゃあいきましょうか!」


炎魔は他のメンバーが身構える前に、
素早くその襖を開いた


>>下1……襖の向こうの様子


315以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/17(木) 19:40:42.349k4TNsJm0 (1/1)

かなり散らかった部屋で、大きいちゃぶ台の下に震えながら隠れている少女や小動物達がいる


316 ◆UEqqBEVZVY2025/07/18(金) 01:45:23.017qcIskWY0 (1/2)

中華「うわ、すっごい荒れてる……」


その部屋はとても散らかっていて、
種々の紙や日用品が散乱している有様だった


氷魔「……ぬ……」


そう声を漏らして突如氷魔はかがむ
彼女の視線は部屋に置かれている大きなちゃぶ台の下へ向いていた


317 ◆UEqqBEVZVY2025/07/18(金) 01:53:56.427qcIskWY0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


318 ◆UEqqBEVZVY2025/07/18(金) 20:50:35.77X8HU2+wLO (1/1)

すみません遅れました


少女「……ぁ……」


彼女はちゃぶ台の下に隠れている少女を発見したのだ
見つかったことを悟った彼女は恐怖に瞳孔を震わせ、
吐息を漏らしてしまう


やる気「ん、なんかあったっすか?」

氷魔「……ええ……ここに人が……」


319 ◆UEqqBEVZVY2025/07/19(土) 01:18:26.35IBElbORE0 (1/5)

少女「……た……助けて……」

動物「ピピィーッ!!」


少女が命乞いをすると同時に、
一緒に隠れていた小動物が飛び出してくる


怪盗「おっと、ダメですよ?噛みついたりしたら」

ぶりっ子「なっ……なんですかその生き物?」


怪盗が掴んだ小動物は、
あまり見かけないような姿形をしていた


320 ◆UEqqBEVZVY2025/07/19(土) 01:21:03.65IBElbORE0 (2/5)

狙撃少女「あ……下にまだまだいますね」


少女と一緒に、それは沢山隠れていた


炎魔「けっこう可愛いですね!」


怪盗の手から抜け出したそれは、
ちゃぶ台の下へと戻っていった
それは蛇のように長く、
しかしながら毛皮を備えていた


男「イタチか?……いや、流石にもっとバランスの取れた体型をしてるよな……こいつは細長すぎる」


321 ◆UEqqBEVZVY2025/07/19(土) 01:21:47.86IBElbORE0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


322 ◆UEqqBEVZVY2025/07/19(土) 19:47:43.23IBElbORE0 (4/5)

中華「そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?」

男「……そ、そうだった……おーい、俺たちは別に悪いことをしにきた訳じゃないんだ」


男は這いつくばって少女と目線を合わせる
だが、彼女はまだ怯えたままだった


少女「……ひ……!」

氷魔「……どうします……?」


323 ◆UEqqBEVZVY2025/07/19(土) 19:49:58.51IBElbORE0 (5/5)

やる気「こういう時は、一発ギャグで和ませるのが一番っすよ」

ぶりっ子「そ、そうですかねぇ?」

男「やる気、それだ!一発ギャグだ!俺に任せろ!」

怪盗「えぇ……?」


困惑している女性陣をよそに、
男は一発芸を行おうとする


>>下1……一発芸の内容


324以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/19(土) 20:37:02.49Z6EIUXKw0 (1/1)

動物のモノマネ


325 ◆UEqqBEVZVY2025/07/20(日) 01:01:37.7040BUtHSm0 (1/3)

男「ぐぐ……わぉーん!わぉーん!」


恥というものを感じさせない、
伸びやかな声での犬の鳴き真似だった


狙撃少女「うわ……」

少女「……あ……」


だが、彼女は男がそうしているのを見て、
少なくとも恐怖とは異なる感情を抱いたようだった


326 ◆UEqqBEVZVY2025/07/20(日) 01:17:00.1540BUtHSm0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


327 ◆UEqqBEVZVY2025/07/20(日) 19:33:47.5740BUtHSm0 (3/3)

男「わん!わん!わ……っ……!?」

少女「そんなに吠えないで……」


彼女はなんと男に手を伸ばし、
本物の犬にするかのように喉元を撫で始めたのだ


炎魔「おっ!物真似が精巧すぎて本物の犬と間違えてますね!」

ぶりっ子「流石にそんなわけないでしょぉ!?」


328 ◆UEqqBEVZVY2025/07/21(月) 01:40:18.17mJqQRWa40 (1/3)

男「……俺は人間だが」

少女「ひっ……」


男が物真似をやめると、
また少女の表情には恐怖が浮かんだ


中華「……いや、いやいやいやいや……」

氷魔「……動物だと思っているなら……交流ができるみたいですね……」


329 ◆UEqqBEVZVY2025/07/21(月) 01:46:47.06mJqQRWa40 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


330 ◆UEqqBEVZVY2025/07/21(月) 19:48:14.31mJqQRWa40 (3/3)

炎魔「それなら私に任せてください!」


炎魔は男と入れ替わりでちゃぶ台の下に体をねじ込む


やる気「なるほど、翼っすね」

炎魔「ほら、見てください!私は鳥ですよ!」

少女「と……鳥さん……?」


331 ◆UEqqBEVZVY2025/07/22(火) 03:31:28.51tIqI583J0 (1/2)

炎魔「そうですよ、翼だって生えてるんですから」

少女「確かに……」


少女はまたちゃぶ台の下から少し体を出して、
炎魔の体を撫でた


ぶりっ子「それでいけるんですねぇ……」

少女「あ……なんだかぽかぽかする……」


332 ◆UEqqBEVZVY2025/07/22(火) 19:58:39.69tIqI583J0 (2/2)

炎魔「実は私たち、この家からすんごい音がしたから心配になって突入してきたんですよ」

少女「そうなんですね……」


少女は炎魔を撫で、炎魔は撫でられながら喋っている
異様な光景だが、牧歌的だった


炎魔「この家、他にも誰かいるんですか?」

少女「>>下1」


333以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/22(火) 20:16:16.74zdxE4HOh0 (1/1)

面白いメイクをした少年と給仕さん!
あとたくさん!


334 ◆UEqqBEVZVY2025/07/23(水) 01:01:45.19Q+T9MyUm0 (1/5)

少女「面白いメイクをした少年と給仕さん!あとたくさん!」

炎魔「面白いメイク?」

少女「うん、会えばわかるよ」


彼女は無邪気に微笑んでいる


氷魔「……面白いメイク……ですか……」

怪盗「どうしました?」

氷魔「……いえ……なんでもありません……」


335 ◆UEqqBEVZVY2025/07/23(水) 02:23:34.95Q+T9MyUm0 (2/5)

狙撃少女「では、他の人にも会いに行きましょう」

炎魔「ですね!」

少女「もう行くの……?」


少女の瞳は悲しげで、
だが優しく動くその手は止まらなかった


炎魔「明らかに、ここからだけじゃない音がしましたから」

男「もし大事が起こってたらまずいからな」

少女「ひっ……」

男「なんで俺にはいちいち怯えるんだ……」


336 ◆UEqqBEVZVY2025/07/23(水) 02:32:32.67Q+T9MyUm0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


337 ◆UEqqBEVZVY2025/07/23(水) 19:12:18.04Q+T9MyUm0 (4/5)

中華「給仕さんがいるのはどこ?」

少女「部屋を出て……左にまっすぐです……」


名残惜しそうな少女に別れ、一行はその部屋を出た
彼女に言われたとおりに進めば、
そこには両開きの扉があった


やる気「あぁ、確かにダイニングの入り口って感じっすね」


338 ◆UEqqBEVZVY2025/07/23(水) 20:00:01.96Q+T9MyUm0 (5/5)

一行はその扉を開けて、ダイニングへと突入した


ぶりっ子「すみませ~ん……」


ダイニングに入れば、
そこは一見すると誰もいないようだった
だが、粘っこい視線を感じることだろう


怪盗「……誰かいますよね?出てきてくださいよ。私たち、悪人のつもりはないんですけど」


怪盗がそう述べると、
死角から>>下1が飛び出してきた


339以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/23(水) 20:22:18.77jac3hKLH0 (1/1)

コック、庭師、画家、彫金師、仕立て屋、占い師、メイド(魔女)


340 ◆UEqqBEVZVY2025/07/24(木) 01:35:03.54zNeSCeoi0 (1/3)

狙撃少女「む……」


懐にパチンコを隠し、彼女は気配の方向に向き直った
キッチンに続く扉が開かれており、
その扉の脇からコックが現れたのだ


コック「あ、あぁ、助かった。悪い人じゃないんですね?」

炎魔「はい!もちろんですよ!」

男(実際危害を加えるつもりはないが……よく信じるな)


341 ◆UEqqBEVZVY2025/07/24(木) 02:07:46.65zNeSCeoi0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


342 ◆UEqqBEVZVY2025/07/24(木) 19:54:25.01zNeSCeoi0 (3/3)

すると、続々と人が出てきた
キッチンにこれだけの人がいたのか、
と驚いてしまうほどだった


庭師「いやぁ、なにごとかと思いましたよ」

画家「えぇ、筆もなにもかも取り落としてしまいましたなぁ」

彫金師「いやほんと、肝を冷やしました……」

中華「この屋敷、大所帯だね」


343 ◆UEqqBEVZVY2025/07/25(金) 19:05:20.76YJpX6OW20 (1/4)

すみません寝落ちしました


氷魔「……大きな屋敷なら……普通これぐらいはいるかと……」

やる気「むしろ、今まで俺っちらが行った屋敷はかなり人が少なかったっすね」

仕立て屋「私のような仕立て屋は勤めてる人が多くないと仕事になりませんし、一定の人数を越えると膨れ上がるものだと思います」

占い師「占いを外しましたかね……」


344 ◆UEqqBEVZVY2025/07/25(金) 21:57:52.28YJpX6OW20 (2/4)

怪盗「占い?」

占い師「えぇ、今日は災厄がこの屋敷に訪れると……凶兆が出たのです」


誰も彼もが怯えていたのには、
そういうわけがあるようだ


メイド「なにもないなら、それが一番ですよ!」

炎魔「む……」


炎魔はメイドに対して鋭い視線を向けた
彼女の聖なる力がメイドからなにかを感じ取ったのだ


345 ◆UEqqBEVZVY2025/07/25(金) 22:00:03.25YJpX6OW20 (3/4)

メイド「な、なんですか?」

炎魔「…………いや、なんでもないです」

メイド「ふ、不安にさせないでくださいよぉ~!」

ぶりっ子「私の同類ですねぇ……」


ぶりっ子がそう溢せば、
今度はメイドがぶりっ子のほうを一瞬じろりと見た


メイド(もしかして、こいつも魔女……!?)


346 ◆UEqqBEVZVY2025/07/25(金) 22:08:24.41YJpX6OW20 (4/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


347 ◆UEqqBEVZVY2025/07/26(土) 19:47:07.68yXvKknor0 (1/1)

狙撃少女「しかし、災厄ですか……」

男「不穏だな」


誰もかれもが怯えているのだから、
その占い師の的中精度は高いであろうことが窺える


占い師「あなた方でないとなると……ううむ……」

中華「なにか手がかりはないの?」

占い師「>>下1」


348以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/26(土) 21:12:21.18556dUMbV0 (1/1)

今出払っている『王子殿』か執事が、知っているか持ち帰って来るか


349 ◆UEqqBEVZVY2025/07/27(日) 00:51:17.37vFNTvVTa0 (1/2)

占い師「今出払っている『王子殿』か執事が、知っているか持ち帰って来るか」

氷魔「……王子……?」

メイド「この屋敷の主人ですよ!」

やる気「へぇ……随分な肩書きっすね」

コック「その名に違わぬ、お優しい方ですよ」

庭師「そうですね」


350 ◆UEqqBEVZVY2025/07/27(日) 18:44:04.28vFNTvVTa0 (2/2)

すみません寝落ちしました


ぶりっ子「他の人の誤解も解いてこないといけませんねぇ」

画家「となれば、後は王女様ですな」

怪盗「王女様?」

彫金師「えぇ、動物と大層仲がよろしいお方です」

狙撃少女「あ、じゃあ多分もう会ってますね」


351 ◆UEqqBEVZVY2025/07/28(月) 01:38:10.30geUiIFLW0 (1/5)

仕立て屋「それはそれは……」


これからどうしたものか、
と一行が考えながら雑談していると、
天井からなにかが動き回る音が聞こえた


炎魔「二階?」

メイド「誰かいるんでしょうか?」

男「確認しにいこう。混乱させたお詫びといってはなんだが、面倒ごとは引き受ける」


352 ◆UEqqBEVZVY2025/07/28(月) 01:40:22.23geUiIFLW0 (2/5)

廊下に出た一行は来た道を引き返し、
階段を昇って二階へと向かう


中華「んっ……」


昇り終えたタイミングで、
彼らの体を優しく風が撫でた
吹き込む方角を見れば、
バルコニーへと続く扉が開いていたのだ


氷魔「……常に開いているのでしょうか……?」


353 ◆UEqqBEVZVY2025/07/28(月) 01:46:10.32geUiIFLW0 (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


354 ◆UEqqBEVZVY2025/07/28(月) 19:52:46.86geUiIFLW0 (4/5)

やる気「うーん……あっ」


やる気はなんとなく導かれるようにバルコニーへ出る


王女「あっ……」

ぶりっ子「炎魔ちゃん!」


そこに例の少女がいるのを確認したぶりっ子は、
すぐさま炎魔を呼んだ


355 ◆UEqqBEVZVY2025/07/28(月) 19:59:31.11geUiIFLW0 (5/5)

炎魔「ぴよぴよぴよ~」


状況を察して、すぐに彼女も飛び出した
脚で踏み切り翼で翔ぶため、瞬発力は高いのだ


王女「……飛べるのに、ぴよぴよ言ってる……」

炎魔「ふふ、ジョークですよ」

王女「そう」

炎魔「バルコニー、好きなんですか?」

王女「ううん、ほら……王子と執事が帰ってきたから、見てた」


王女が指さす先には、森から現れた二人の姿があった

>>下1……王子と執事の姿


356以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/28(月) 20:12:02.66JVV+mz+20 (1/1)

『王子』は道化師のメイクや道化師衣装をしてジャグリングをして、執事は礼装をして荷物を軽々と運んでいる


357 ◆UEqqBEVZVY2025/07/29(火) 04:31:49.32Hzy61v4P0 (1/3)

狙撃少女「どれ……」


狙撃少女はその優れた眼で向こうを見た
そこにいたのは、道化師のメイクをした少年と、
礼装を纏った筋肉質な男性だった


怪盗「あのメイク……」

男「あぁ、警戒したほうがいいかもな」

中華「そうだね……」


358 ◆UEqqBEVZVY2025/07/29(火) 04:34:06.90Hzy61v4P0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


359 ◆UEqqBEVZVY2025/07/29(火) 19:45:26.88Hzy61v4P0 (3/3)

氷魔「……しかし……随分器用ですね……」


彼は歩きながらひたすらジャグリングをしている
手慰みにしてはアクロバティックだ


やる気「そっすけど……どうするっすか?」

ぶりっ子「少なくとも、ここのみんなからは慕われてそうじゃないですかぁ?」

怪盗「そうですね、あんまりおおっぴらに疑いたくはないです」


360 ◆UEqqBEVZVY2025/07/30(水) 02:48:34.31apPWzScB0 (1/3)

狙撃少女「出迎えにいきましょうか?」

炎魔「一応客人ですけど……客人が出迎えるというのも変ですよね」

男「しかも、相手が家主で俺たちが勝手に上がり込んでる側だからな」

中華「お詫びする筋を通したほうがいいかもねー」

氷魔「……そうですね……こちらから行きましょう……」


361 ◆UEqqBEVZVY2025/07/30(水) 03:07:38.51apPWzScB0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


362 ◆UEqqBEVZVY2025/07/30(水) 19:58:03.69apPWzScB0 (3/3)

一行は一階まで急いで降りて、
それから玄関を開けて外に出た


やる気「すみませーん!」

執事「む……」


近くで見るととてつもなく筋肉質な執事が、
小さく声を漏らした


363 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 00:54:27.38TLvAUlwr0 (1/6)

王子様は張り付いたような笑顔を浮かべたままである


ぶりっ子「うわっ……思ったより威圧感あるぅ……」


いくつものバッグに入った荷物を持つ執事だが、
それを支えるだけあって肉体が大変鍛えられている
執事服を着てこそいるが、
ぴっちりとしたフォーマルな服装ゆえに破れそうなほど内側から筋肉が主張しているのだ


364 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 00:56:14.60TLvAUlwr0 (2/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


365 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 18:06:49.30TLvAUlwr0 (3/6)

執事「いかがなさいましたかな?」

怪盗「あ、あの、ちょっとした手違いで屋敷に先ほど上がり込んでしまいまして……」

執事「ははぁ、なるほど」

狙撃少女「その折、今日は災厄が屋敷を訪れると占い師の方からお話を聞きまして」


王子様は相変わらずジャグリングを続けている


炎魔「私たち、そういう問題ならこれまでも取り組んできましたから!なにか不安なことがあればなんでも言ってください!」


すると、不気味なほどに反応がなかった彼が口を開いた


王子様「>>下1」


366以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/07/31(木) 19:56:11.96vLJ7oodg0 (1/1)

帝国軍の一派が図書館都市に宣戦布告を通達したよ。魔神の少女と館長が結託したとか有る事無い事が帝国内で噂になってる


367 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 21:26:57.41TLvAUlwr0 (4/6)

王子様「帝国軍の一派が図書館都市に宣戦布告を通達したよ。」

男「え"」

王子様「魔神の少女と館長が結託したとか有る事無い事が帝国内で噂になってる」

中華「は、はぁ……そ、それは大変だ」

氷魔「……しかし……あなた方にそれが……関係あるのですか……?」

執事「あるのですよ」


368 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 21:28:42.14TLvAUlwr0 (5/6)

やる気「な、なんでっすか?」


突然、自分たちの協力者が危険に曝されようというのだから、一行も動揺を隠せない


執事「それはお伝えできかねます」

王子様「君たちのほうが焦っていないかい?」

ぶりっ子「えぇ、私たちにとってはまさに災厄の如き状況ですからねぇ」

王子様「ふぅん……」


369 ◆UEqqBEVZVY2025/07/31(木) 22:15:26.85TLvAUlwr0 (6/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


370 ◆UEqqBEVZVY2025/08/01(金) 19:35:24.98PQwk8jb90 (1/2)

怪盗「一回戻らないとまずいんじゃないですか?」

狙撃少女「なにかお手伝いできることがあれば、市長の助けにもなりたいですしね」

炎魔「いつ攻め始めるのかは分かりませんが……早くしたほうがいいですね」


そうして、一旦あの街の様子を見に行く方針で固まったのだった


男「あ、そうだ」


371 ◆UEqqBEVZVY2025/08/01(金) 19:39:07.11PQwk8jb90 (2/2)

中華「どうしたの?」

男「いや、一応聞いておこうと思って」

中華「え?」


それまでがやがやと会議をしていた男は、
王子様たちの方に向き直った


男「俺たちは極東を目指して旅をしているんですが、ここは大体どの辺りなんでしょうか?」

王子様「>>下1」


372以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/01(金) 20:51:18.56Wv8BPqil0 (1/1)

言わば極東と極北東の中間あたりかな


373 ◆UEqqBEVZVY2025/08/02(土) 03:17:04.65vJVY7Joh0 (1/3)

王子様「言わば極東と極北東の中間あたりかな」

氷魔「……大分近づきましたね……」

やる気「そ、それじゃあ俺っちらはここで失礼するっすよ!」


彼に頭を下げて、一行は来た道を戻った
遠くにある小屋へと戻り、ハッチを開ける


ぶりっ子「宣戦布告と同時に電撃作戦……とかじゃないといいんですけどねぇ」


374 ◆UEqqBEVZVY2025/08/02(土) 04:12:47.96vJVY7Joh0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


375 ◆UEqqBEVZVY2025/08/02(土) 19:46:13.71vJVY7Joh0 (3/3)

怪盗「片道三時間、滑れますか?」

狙撃少女「それ以外の選択肢はありませんから……!」

男「ちょっと屋敷でのんびりできてよかったな」

炎魔「疲れたら言ってくださいね、一人までなら運んで飛びますから……!」


どこまでも続くような暗闇に、
決意を持って一行は突貫していくのだった


376 ◆UEqqBEVZVY2025/08/03(日) 03:19:52.31z6VIHDMl0 (1/2)

中華「大丈夫かな、みんな……」

氷魔「……子供たちを……別の場所に移せたのは……幸運でしたね……」

やる気「しっかし、なんで今更になって宣戦布告してきたんすかね」


宣戦布告などせずとも、
ちまちまと小競り合いをしてきたことは市長から知らされている
わざわざ宣戦布告をする理由があるのだろう


377 ◆UEqqBEVZVY2025/08/03(日) 03:21:38.73z6VIHDMl0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


378 ◆UEqqBEVZVY2025/08/04(月) 00:14:13.10MrNFe2PM0 (1/3)

すみません飛行機に乗ってました


ぶりっ子「なにか、勝算があるんでしょーけどぉ……」

怪盗「あちこちに喧嘩を吹っ掛けてるらしいですし、戦力を集中させられるだけでまずいですよね」

狙撃少女「どうしても、あそこをまず攻め落とさなきゃならない理由もあるんじゃないですか?」

炎魔「そりゃ……魔神の力じゃないですか?」


379 ◆UEqqBEVZVY2025/08/04(月) 02:33:29.01MrNFe2PM0 (2/3)

男「魔神ねぇ……」


男はふと平成少女のことを考えたが、
彼女を利用してどうこうするのは、
些か難しいことのように思えた


中華「とはいえ、あそこにはものすごい数の蔵書もある」

氷魔「……市長は……本を人質にできるような方ではないので……帝国は……勝てば知識も手に入る……ということですね……」


380 ◆UEqqBEVZVY2025/08/04(月) 02:42:04.52MrNFe2PM0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


381 ◆UEqqBEVZVY2025/08/04(月) 20:45:05.75uuBeOaaPO (1/1)

すみません遅れました


やる気「とにかく、急ぐしかないっすね」


一行はひたすらに進み続けた
ただただ無心で進み続け、
不安な心を吐露するようにときおりなにかを呟く
そうして一時間半ほど進み続けたとき、水路の向こうになにかが見えた


ぶりっ子「うん……!?」


>>下1……そこにあった(あるいは、いた)ものとは


382以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/04(月) 21:26:18.62d+U1zzA20 (1/1)

ユニコーンとペガサスが合体したような馬


383 ◆UEqqBEVZVY2025/08/05(火) 01:17:16.83z7IcCARE0 (1/2)

怪盗「な、なんなんでしょうか、あれ」


そこにいたのは、馬であった
だが、その頭部には一本角があるのだ


狙撃少女「ユニコーン、というやつではないでしょうか?」

炎魔「ユニコーンって翼生えてましたっけ」


そして、その馬には翼すら生えていたのだった


384 ◆UEqqBEVZVY2025/08/05(火) 01:18:42.81z7IcCARE0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


385 ◆UEqqBEVZVY2025/08/05(火) 20:20:54.51PZaiQgpbO (1/1)

すみません遅れました


男「じゃあペガサスだな」

中華「ペガサスって角生えてたっけ」

氷魔「……じゃあ……なんなんでしょう……?」

やる気「さぁ……?」

ぶりっ子「どんどん近づいてますがぁ……?」


386 ◆UEqqBEVZVY2025/08/06(水) 01:04:49.45+6xFXcQq0 (1/2)

一行は止まることなく滑走を続けているため、
向こうにいるそれにどんどんと接近していく


謎の馬「!?」


そして、馬もまた一行に気付き、
その速度に気付いて走り出した


怪盗「衝突すると思ったんですかね」


387 ◆UEqqBEVZVY2025/08/06(水) 01:09:38.32+6xFXcQq0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


388 ◆UEqqBEVZVY2025/08/06(水) 18:38:41.304tj1nWG+O (1/1)

狙撃少女「でも、こっちのほうが早いですね」


凍結した地下水路の中では、
その馬よりも一行のほうが早かった


炎魔「うまく走れないですからね」

男「ちょっと乗ってみなよ」

炎魔「いいですね!」


炎魔はさらに爆発的に加速し、その馬に跨がった


謎の馬「>>下1」


389以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/06(水) 20:07:45.04mqFnx/ry0 (1/1)

(やめろ! 乗るな! 翼が傷付く!!)

と男に聞こえる
その間、なんとか振り下ろそうとロデオしている


390 ◆UEqqBEVZVY2025/08/07(木) 00:48:16.43lLOVpxdi0 (1/4)

謎の馬(やめろ! 乗るな! 翼が傷付く!!)


と、高慢そうながらも悲痛な叫びがこだました
ただし、それが耳に届いたのは男だけである


男「おおっ!?」

中華「どうしたの?」


391 ◆UEqqBEVZVY2025/08/07(木) 00:50:53.22lLOVpxdi0 (2/4)

炎魔「ふおぉぉっ!?」

謎の馬(降りろっ!このっ!)

炎魔「よっ!よよっ!」


そして、その馬はどうにか炎魔を振り落とそうとロデオしていた
だが、その気になれば飛べる存在を振り落とすというのは、途方もなく難しいことであった


男「炎魔ー!一回降りて!」


392 ◆UEqqBEVZVY2025/08/07(木) 01:01:53.02lLOVpxdi0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


393 ◆UEqqBEVZVY2025/08/07(木) 20:06:51.69lLOVpxdi0 (4/4)

すみません遅れました


炎魔「ふべっ!」


降りようとした炎魔だったが、
馬もロデオしてくるため、上への勢いが合成され、
そのまま彼女は天井に突き刺さった


謎の馬(ふん!)


394 ◆UEqqBEVZVY2025/08/08(金) 02:32:57.20V+WM3SHB0 (1/3)

氷魔「……大丈夫ですか……?」

炎魔「んっ……なんとか」


彼女は天井から頭を引き抜くと、また浮遊し始める
そうこうしているうちに、
謎の馬はどこかへと走り去ってしまうのだった


やる気「あ、あいつ行っちゃったっすね」

ぶりっ子「さっさと逃げないとなにされるか分からないですしねぇ」


395 ◆UEqqBEVZVY2025/08/08(金) 02:49:00.65V+WM3SHB0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


396 ◆UEqqBEVZVY2025/08/08(金) 18:41:37.34V+WM3SHB0 (3/3)

怪盗「でも、行く方向おんなじなんですよねー……」


一行はまた滑走を始めた
唯一飛行をする炎魔は、
先ほど頭を打ったせいで軌道がややふらふらしている


男「おーい!なんかよく分からない馬さーん!」

謎の馬「!?」

男「さっきは悪かった!俺は君の言葉が分かるから安心してくれー!」


397 ◆UEqqBEVZVY2025/08/09(土) 03:16:50.59DcrMk0r+0 (1/4)

謎の馬(勘弁してくれ!!)


大きく嘶くと、その馬はさらに加速した


狙撃少女「速っ……」

中華「氷のフィールドに対応し始めてるね」

氷魔「……どうします……捕まえますか……?」


398 ◆UEqqBEVZVY2025/08/09(土) 03:17:45.67DcrMk0r+0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


399 ◆UEqqBEVZVY2025/08/09(土) 18:24:15.31DcrMk0r+0 (3/4)

男「いや、無理に捕まえなくてもいいけど……」

やる気「そっすか?折角なら捕まえたいっすけどね」

怪盗「私のプライドのために捕まえてきます。スピード負けは認められないっ!」


怪盗は体力を使わずに滑るためのフォームを崩し、
スピードスケートのような動きで迫っていく


男「………………」


男はそれを止めるでもなく、
なにかを考えてぼうっと眺めていた


400 ◆UEqqBEVZVY2025/08/09(土) 18:27:02.68DcrMk0r+0 (4/4)

そして、怪盗はあっという間に謎の馬を追い抜いた
だが、スピードが高まりすぎているために制御ができず、捕まえようとすると転んでしまうことに気付き、結局スピードを落とした


謎の馬(私より速く走る者がいるとはな)

男「あなたは、何者なんですか?多分、神様かその関係者な気がするんですが」


結局はっきりしていなかったので、
男は加速してから改めてその馬に問うた


謎の馬(>>下1)


401以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/09(土) 18:38:05.21apftBH4z0 (1/1)

私は世界を救う者に仕える為に派遣された御使いである


402 ◆UEqqBEVZVY2025/08/10(日) 02:45:55.94k7PT8or70 (1/2)

御使い(私は世界を救う者に仕える為に派遣された御使いである)

男「へぇー……」

御使い(どこの馬の骨とも知らぬ奴らに構っている暇はないのだ)

男(馬の骨はお前だろ……)

中華「男、話せるんだ?」


男が御使いと話していると、中華も話しかけてきた
それは、男にとってありがたいことだった


403 ◆UEqqBEVZVY2025/08/10(日) 04:29:51.53k7PT8or70 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


404 ◆UEqqBEVZVY2025/08/10(日) 19:03:25.52d5U+TVupO (1/1)

男「……あ、そうだわ」

中華「え?」


男は中華をハンドサインで呼んだ
彼も加速して、すぐ近くにまで来る


男「ここにいる優男は救世主の資格を持ってるが、御使いさん的にはどうなんだ?」

中華「な、なんの話をしてるの?」

御使い(>>下1)


405以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/10(日) 21:11:53.44yar5CFivO (1/1)

悪くはないが、おなごで素質のある者はいないか?


406 ◆UEqqBEVZVY2025/08/11(月) 03:41:28.75uJYLsIwaO (1/2)

御使い(悪くはないが、おなごで素質のある者はいないか?)

男「すー……残念ながら……」

御使い(そうか……)


と、男と御使いはなんとも言えない空気になった


中華「あの?僕なんにも分かってないんですけど?それなのになんか残念がられてることだけは確定してるんですけど?」


407 ◆UEqqBEVZVY2025/08/11(月) 03:44:05.29uJYLsIwaO (2/2)

可哀想な中華や残りのメンバーに事情を説明し、
一行と御使いはひたすら滑走した


氷魔「……なんか……嫌ですね……女の子だけ対象なんですか……」

やる気「まぁ、ユニコーンってそういうもんすよ」

ぶりっ子「私が救世主だったらなぁ~」

怪盗「そういうのに憧れるタイプなんですね、ぶりっ子さん」

ぶりっ子「そりゃあまぁ」


408 ◆UEqqBEVZVY2025/08/11(月) 19:39:33.11hTYXamzxO (1/1)

すみません寝落ちしました



そして、最終的に一行は図書館のある街の場所まで移動したのだった


狙撃少女「よし、ここですね」

御使い(なんの目的で、こんなに移動したのだ?)

男「この上にある街が、近くの帝国に宣戦布告されてね。ひとまず様子を見に行くんだ」

御使い(なんと!)


409 ◆UEqqBEVZVY2025/08/12(火) 02:16:27.54xyG8dAChO (1/2)

炎魔「早速行きましょ……うあっ!?」


御使いは突如飛び上がり、
ハッチの入り口を押し開けていく


御使い(いかにも世界を救う者と巡り遭えるチャンスではないか!)


そして、大空へと飛び立っていくのだった


中華「行っちゃった……」

男「ま、放っといても大丈夫だろう」


410 ◆UEqqBEVZVY2025/08/12(火) 02:26:45.05xyG8dAChO (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


411 ◆UEqqBEVZVY2025/08/12(火) 19:54:08.22PaawkkGl0 (1/1)

御使いを名乗るほどの存在なら、
ちょっとやそっとのアクシデントで死んだりはしないだろう、と男は思ったのだ


氷魔「……そうですね……」

やる気「気にせず、さっさと行くっすよ!」


一行は地上へと昇っていき、
ハッチを開いて図書館のある街に出た


>>下1……街の様子


412以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/12(火) 20:30:15.573M4xwrN/0 (1/1)

かなり荒だたしく『重装備』を着込んだ兵士たちが編隊を組んでいる
そのほかの住人たちは既に退避を済ましてるようだ


413 ◆UEqqBEVZVY2025/08/13(水) 01:26:45.76RAd1zc9c0 (1/4)

そこにはいつも聞くような、
穏やかな人々の声はなかった


隊長「これより、哨戒を行う!隊列用意!」


と、軍服の男性が命令すれば、
重装備を纏った兵士たちが隊列を揃え、
すぐさまどこかへと向かっていった


ぶりっ子「こりゃあ、大変そうですね」

怪盗「でも、少なくとも街が戦地ってわけじゃなさそうです」


414 ◆UEqqBEVZVY2025/08/13(水) 01:28:27.40RAd1zc9c0 (2/4)

そこら中に兵士がいたが、
彼らは皆一様に重装備を着ており、
また帝国との兵力差がありすぎるにしては士気が低くもなかった


狙撃少女「とにかく、市長さんに会いにいきましょうか」

炎魔「はい、私たちもお手伝いしないと!」

中華「そうだね……!」


415 ◆UEqqBEVZVY2025/08/13(水) 01:33:59.36RAd1zc9c0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


416 ◆UEqqBEVZVY2025/08/13(水) 19:43:06.60RAd1zc9c0 (4/4)

市長「その必要はありませんよ」


一行が彼女をオフィスを目指そうとしていたところ、
本人のホログラム体がやってきた


氷魔「……あ……こんにちは……」

市長「私のオフィスは今、警備を限界まで固めておりますから、中に入るには非常に時間がかかりますよ」

やる気「無理に侵入しようとして、揉めても嫌っすね」


417 ◆UEqqBEVZVY2025/08/14(木) 01:17:46.36OjYqpHA90 (1/2)

ぶりっ子「今、この街はどうなってるんですか?」

市長「その様子ですと、宣戦布告をされたことはご存知のようですね」

怪盗「はい、心配になって戻ってきました」

市長「見てのとおり、まだ市街地での戦闘は始まっておりません」

狙撃少女「そのようですね」


多くの兵士たちが動いているが、
戦闘に伴う声や音は聞こえないのだ


418 ◆UEqqBEVZVY2025/08/14(木) 01:28:52.19OjYqpHA90 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


419 ◆UEqqBEVZVY2025/08/14(木) 20:34:28.01LL6Qii4B0 (1/1)

すみません遅れました


炎魔「勝算はあるんですか?」

市長「向こう次第ですね、どの程度戦力を投入してくるか……」


そう述べる彼女の姿は、不安げであった
勝てる見込みは比較的薄いと判断しているのだろう



420 ◆UEqqBEVZVY2025/08/15(金) 04:37:54.87k/I4PCuG0 (1/2)

男「俺たちもぜひ手伝いたいんです」

市長「……兵よりは死にづらいでしょうが……」


彼女は迷っているようだ
だが、一行はいずれもその役に立ちたいと思っている


中華「もし、大した仕事がないのであれば、仕方ないですが……」

市長「いえ、我々の兵力は帝国に比較すれば非常に限られています」


421 ◆UEqqBEVZVY2025/08/15(金) 04:38:21.04k/I4PCuG0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


422 ◆UEqqBEVZVY2025/08/15(金) 18:41:29.68PIPglNpS0 (1/1)

氷魔「……でしたら……手伝わせてください……」

やる気「俺っちらにとっては恩もあるし、守りたいものもあるっすよ」

市長「そう、ですか……分かりました」


彼女はしばらく考えたのちに、
どうするべきなのかを考えついたようまった


ぶりっ子「なんでも任せてくださいよ」

市長「それでは、>>下1」


423以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/15(金) 20:19:50.98eFV0r5I8o (1/1)

帝国の将軍の移動ルートに先行して奇襲を行ってもらいたい


424以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/15(金) 20:22:57.94MFUG3aB10 (1/1)

『妹』には注視しててください。あの子はこの『世界』の人間に対してはよく思ってはいません

おそらくは『帝国』側に多大な被害を与える筈です


425 ◆UEqqBEVZVY2025/08/16(土) 03:07:07.99eS9cWYMq0 (1/3)

市長「帝国の将軍の移動ルートに先行して奇襲を行ってもらいたい」

怪盗「おお、重要そうな仕事ですね!」


将軍を叩くというのは、まさに花形の遊撃である


狙撃少女「ちなみに、移動ルートについての情報はあるのですか?」

市長「まだ憶測の域を出ません」


426 ◆UEqqBEVZVY2025/08/16(土) 03:11:12.13eS9cWYMq0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


427 ◆UEqqBEVZVY2025/08/16(土) 19:57:30.29eS9cWYMq0 (3/3)

炎魔「でも、そこに向かってみる価値はありますね」

市長「はい、ですが時間がかかります」

男「そうなんですか?」

市長「みなさんには地下水道がありますが、これはハッチの間隔が広い都合上、かなり大雑把にしか移動できないのです」

中華「地道に徒歩……かな?」

市長「まだ馬車が使えるかと思います。常に向こうの待ち伏せを警戒するほどの戦況でもありませんから」


428 ◆UEqqBEVZVY2025/08/17(日) 04:51:08.04rVudXzvz0 (1/3)

氷魔「……なるほど……」

やる気「早速出るっすか?」

市長「そうですね、お願いします。今馬車を喚びますね」


市長は連絡を取って、
一行がいる場所へと馬車を向かわせる


ぶりっ子「ここで相手の旗色を悪くすれば、戦いもあっさり終わるかもしれませんねぇ」


429 ◆UEqqBEVZVY2025/08/17(日) 04:53:33.44rVudXzvz0 (2/3)

怪盗「こういう遊撃部隊みたいなの、憧れてたんですよね!」

狙撃少女「分かります、その気持ち……!」


楽しみそうにしている二人は、
まさに戦場に『いるかもしれない』と思わせるだけで強力なタイプだった


炎魔「……魔物がいるならまだしも、人間同士の戦いとは……心苦しいですね」


430 ◆UEqqBEVZVY2025/08/17(日) 05:04:06.19rVudXzvz0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


431 ◆UEqqBEVZVY2025/08/17(日) 19:17:35.94qd9QTpO4O (1/1)

しばらくしていると、馬車がやってきた
見れば、その御者は人間ではなくゴーレムである


男「よし、乗るか」

市長「危ない、と思ったら無理せず退却してくださいね」

中華「うん、心配ありがとね」

市長「心配?ふっ……私はAIですよ。貴重な戦力を浪費しないための、打算的な忠告です」


432 ◆UEqqBEVZVY2025/08/18(月) 04:28:07.42CAvB4HoC0 (1/3)

氷魔「……その感じも……久しぶりですね……」


そう言うが早いか、
ホログラムの彼女は消えてしまった
一行は行き先が予め登録された馬車に乗り、
目的地へと向かっていくのだった


やる気「ああいう素直になれないところが、一番人間らしいんすよね」


433 ◆UEqqBEVZVY2025/08/18(月) 04:43:58.57CAvB4HoC0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


434 ◆UEqqBEVZVY2025/08/18(月) 19:50:17.51CAvB4HoC0 (3/3)

ぶりっ子「ゴーレムさーん?」


道の途中、ぶりっ子がゴーレムに声をかけた
それは首を180度回転させて、
彼女のほうに向き直った


ゴーレム「ナンデショウ?」

ぶりっ子「怖っ……」

ゴーレム「?」

ぶりっ子「えっと……この馬車、どこに向かってるんですかぁ?」

ゴーレム「>>下1」


435以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/18(月) 20:06:22.37BAF63/rg0 (1/1)

今は『峡谷』となっている活火山の麓まで
なんでも数十年前までは『渓谷』として休火山だったのが、近年活動してることが観測された


436 ◆UEqqBEVZVY2025/08/19(火) 00:50:50.14JIHWZ2qI0 (1/4)

ゴーレム「今は『峡谷』となっている活火山の麓まで」

ぶりっ子「はぁ、前は違ったんですかぁ?」

ゴーレム「なんでも数十年前までは『渓谷』として休火山だったのが、近年活動してることが観測された」

ぶりっ子「へぇ~、それで地形が変わっちゃったんですねぇ」

ゴーレム「まぁ、そんなところか」


まるで前方を見ていないゴーレムだったが、
馬車は問題なく進んでいく


437 ◆UEqqBEVZVY2025/08/19(火) 00:53:26.35JIHWZ2qI0 (2/4)

ぶりっ子「敵将は、そこに行くんですねぇ」

ゴーレム「恐らくは……」

ぶりっ子「しかし、なんでそんな場所を?」

ゴーレム「峡谷の内側をくりぬいて、人員が隠れられる場所を作っていたようだ」

ぶりっ子「そこに潜んで、指示を出すというわけでしょうかぁ」

ゴーレム「それもあるだろう、だが、指示を出すだけなら別の場所でもいい。なにか戦略的な理由があるのだろう」


438 ◆UEqqBEVZVY2025/08/19(火) 02:10:18.66JIHWZ2qI0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


439 ◆UEqqBEVZVY2025/08/19(火) 19:30:23.11JIHWZ2qI0 (4/4)

あれこれと話しながら、
馬車はひたすらに進んでいく
森を越え、川を越え、目的地に近づいていく


怪盗「はぁー、ずっと長閑な風景ですね。誰もいないんじゃないですか、こんなところ」

狙撃少女「いえ、先ほど外を見たときに古いですが足跡がありましたよ」

やる気「よく聞けば、なんか自然っぽくない音も環境音に紛れてるっすよ」

怪盗「どういう感覚してるんですか、お二方……」


440 ◆UEqqBEVZVY2025/08/20(水) 05:37:49.26y8dAHYnp0 (1/2)

炎魔「ま、襲われないならいないのと同じですよ」

男「気付かれてないといいけど……」


と、流石に男も不安であった
少数で敵の懐へ潜り込もうとするのだから、
そのリスクについても、
否応なしに考えさせられるものだ


中華「全員倒して逃げる!いつもそうしてきたじゃないか」


441 ◆UEqqBEVZVY2025/08/20(水) 05:41:06.59y8dAHYnp0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


442 ◆UEqqBEVZVY2025/08/21(木) 19:17:46.44AXiRYLi40 (1/3)

すみません書き込めてませんでした


男「そうだな、ありがとう」


そして、馬車はだんだんと目的地に近づいてきた
勢いがある川の隣をひたすらに走る


氷魔「……結構乗りましたね……」

やる気「そっすね、もう四時間は乗ってるんじゃないすか?」

ぶりっ子「動かないなら動かないで、なんだか落ち着かなくて疲れちゃいますねぇ」


443 ◆UEqqBEVZVY2025/08/21(木) 19:20:45.86AXiRYLi40 (2/3)

ゴーレム「ここからは、馬車を降りて移動してくれ」


一行は馬車を隠すための茂みの中で、
馬車を降りることになった


怪盗「お世話になりました」

ゴーレム「なにかあったらすぐに戻ってきてくれ」

狙撃少女「はい、そうします」


444 ◆UEqqBEVZVY2025/08/21(木) 19:28:39.07AXiRYLi40 (3/3)

それから、一行は徒歩で川を上っていった
川といっても、岸は高く、
落ちれば陸に戻るのは簡単ではない


炎魔「さて、なにかあるんでしょうか」

男「……お、あれじゃないか?」


岸壁に横穴がくり貫かれている場所があった
簡易的な桟橋のようなものもついている


中華「あっ……中から誰か出てきたよ」


>>下1……横穴から現れたのは


445以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/21(木) 20:17:48.37tUbKO8M0O (1/1)

大剣を背負った全身鎧騎士


446 ◆UEqqBEVZVY2025/08/22(金) 04:32:03.84nAU+Z9c90 (1/2)

一行は身を屈めて様子を窺った
そこから現れたのは鎧を纏った騎士であった


氷魔「……騎士ですね……」

やる気「あの剣を見る限り、ただのパトロールって感じでもなさそうっすよ?」


その騎士の背には大剣が負われていた
鎧の下の素顔は見えないが、いずれにせよ、
それを使っていつでも戦える体勢だろう


447 ◆UEqqBEVZVY2025/08/22(金) 04:46:43.24nAU+Z9c90 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


448 ◆UEqqBEVZVY2025/08/22(金) 18:12:01.23Gbkg0NBtO (1/1)

騎士は横穴の中に立て掛けてあった筏を浮かべ、
川を下っていった


ぶりっ子「とりあえず、穴の中の戦力は一つ減りましたね」

怪盗「どのぐらいで戻ってくるとも分かりません。とりあえず、入ってみませんか?」

狙撃少女「そうですね、行動を起こさなければ成果は得られません」


449 ◆UEqqBEVZVY2025/08/23(土) 06:42:09.72NUgPpwYE0 (1/3)

氷魔「……では……行きましょう……」


彼女は迷わず水に降り立つと、
足元から川が氷って横穴への道が開けた


炎魔「かっこいー!」

男「ロマンだよな……」


続いて仲間たちもその上に降り、
岸壁の横穴へと侵入していく


450 ◆UEqqBEVZVY2025/08/23(土) 06:48:31.05NUgPpwYE0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


451 ◆UEqqBEVZVY2025/08/23(土) 19:31:04.69NUgPpwYE0 (3/3)

中にはときおり松明があり、
奥に向かって続く通路がある


中華「……部屋だ」


通路はまだまだ奥に続いているが、
そこから枝分かれして部屋ができていた
隣にあるそれを、一行は注意深く覗き込んだ


>>下1……部屋の中の様子


452以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/23(土) 19:44:43.39+jTZ+x5Ro (1/1)

いつぞやの重騎士の女がまた迷っている


453 ◆UEqqBEVZVY2025/08/24(日) 06:08:58.65dBtjwcg00 (1/2)

重騎士「あれ……?ここじゃなかったっけ……?」


がしゃがしゃと金属の擦れる音
そこにいたのは、何度も一行と邂逅した、
あの重騎士であった


氷魔「……なんでここに……」

重騎士「……ほぇ?」


彼女は聞き覚えのある氷魔に振り向く
相変わらず素顔は見えないが、
間の抜けた表情をしていることは想像に難くない


454 ◆UEqqBEVZVY2025/08/24(日) 06:12:21.39dBtjwcg00 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


455 ◆UEqqBEVZVY2025/08/24(日) 18:51:05.96PtyeU0gWO (1/1)

やる気「またAI妹さんを探してるんすか?」

重騎士「いえ、今日は単独行動です」


この横穴は、意図的にたどり着こうとしない限り来られない場所にある
つまり、彼女の目的もまたここにあると考えられる


ぶりっ子「私たちもたまたまここに用があって来たんですよねぇ」


456 ◆UEqqBEVZVY2025/08/25(月) 05:54:13.50qYCY9se50 (1/4)

重騎士「へぇー……面白いですね」

怪盗「なにがですか?」

重騎士「姉妹で考えることって、やっぱり似るんだなぁって」

狙撃少女「なるほど、AI妹さんの指示でここに来たのですね」


一行が市長の命で動いていることを、
重騎士は察知しているようだった
情報網があったのではなく、感覚によるものだ


457 ◆UEqqBEVZVY2025/08/25(月) 06:07:50.98qYCY9se50 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


458 ◆UEqqBEVZVY2025/08/25(月) 18:49:36.21qYCY9se50 (3/4)

炎魔「利害は一致していそうですし、一緒に行きましょう」

重騎士「そうですねー」


小部屋をうろうろしていた重騎士を連れて、
一行は元の道に戻った


男「力強い味方だ」

中華「物理的にね」


459 ◆UEqqBEVZVY2025/08/25(月) 20:25:18.24qYCY9se50 (4/4)

それから、一行と重騎士はひたすらに進んだ
小部屋はいくつかあったが、いずれも人がいなかった


氷魔「……あっ……」


他の部屋と変わりない無機質なドアだったが、
その奥からは人々の声が聞こえる


やる気「覗いてみるっすよ」


軋まないように注意を払いながら、
ゆっくりと部屋の扉を開いて中を見る


>>下1……部屋の中の様子


460以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/25(月) 21:24:03.81WuyOFkFlO (1/1)

警備兵のような軽装の兵士達がテーブルを囲んで盛り上がっている


461 ◆UEqqBEVZVY2025/08/26(火) 03:12:05.71+gm+fxVq0 (1/2)

兵士A「よし、こりゃ一抜け間違いなしだな!」

兵士B「いやー厳しいな……」


警備兵のような服装の兵士たちが、
テーブルを囲んでカードに興じている


兵士C「俺もしんどいわ」

兵士D「ビリの罰ゲームって、なんだったかな?」

兵士A「そりゃあ、初恋の思い出を洗いざらい話すのさ!」


462 ◆UEqqBEVZVY2025/08/26(火) 03:16:48.72+gm+fxVq0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


463 ◆UEqqBEVZVY2025/08/26(火) 19:15:29.27ew4DZ+5mO (1/1)

やる気は静かに扉をしめた


やる気「……どうするっすか、これ?」

ぶりっ子「うーん、向こうで騒ぎを起こしたら挟撃されそうですけどぉ……」

怪盗「肝心のあいつらが、別に脅威じゃなさそうですね?」

狙撃少女「制圧して、ここのことを洗いざらい喋ってもらうのもアリですが……」

炎魔「騒ぎになりそうですよねー……」


464 ◆UEqqBEVZVY2025/08/27(水) 04:49:20.04a7BTXYgi0 (1/4)

男「とりあえず、あいつらは武装してるし……警備の必要がある場所だってことは分かるな」

中華「あるいは、ここに詰めてるのかもね」

氷魔「……前にも……こんなことがあったような……気がしますね……」

やる気「ここの探索は、なんにせよ続けることになりそうっすね」

ぶりっ子「迷うような場所でもないですしぃ、無理に叩きのめして情報を聞かなくても大丈夫そうですねぇ」


465 ◆UEqqBEVZVY2025/08/27(水) 05:05:46.29a7BTXYgi0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


466 ◆UEqqBEVZVY2025/08/27(水) 19:51:10.20a7BTXYgi0 (3/4)

怪盗「じゃ、行きましょうか」


一行は再び奥へと歩みを進めようとした
しかし、そこで異変に気付く


狙撃少女「……あれ、重騎士さんは?」

炎魔「どこに行ったんでしょう……あ……」


彼女は無言で兵士たちのいる部屋に入っていってしまったのだ



467 ◆UEqqBEVZVY2025/08/27(水) 20:29:30.16a7BTXYgi0 (4/4)

重騎士「なに楽しそうなことやってるんですか~?」

兵士B「んぁー……?」


とても自然に入っていくので、
ほとんどの兵士はまさか敵ではないだろうと思った


兵士C「こんな奴いたっけ……?」

兵士D「まぁいいだろ、一緒にやろうぜ」


と彼が述べたところで、
兵士Aがなにかに気付いたように声を上げた


兵士A「あっ!お前もしかして……>>下1か!?」


468以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/27(水) 21:56:40.79tZXO1DDr0 (1/1)

元隊長の娘さん?


469 ◆UEqqBEVZVY2025/08/28(木) 03:37:55.40fuYMw3Om0 (1/2)

兵士A「元隊長の娘さんか?」

重騎士「………………」


彼女は黙ってしまった


兵士B「別人じゃないすか?」

重騎士「いえ、その通りですよ~」

兵士A「ほらな、随分立派になったもんだ」

兵士C「あぁ、そんな重い鎧を着ていられるなんて、相当の鍛練をしたはずだぜ」


470 ◆UEqqBEVZVY2025/08/28(木) 03:40:19.65fuYMw3Om0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


471 ◆UEqqBEVZVY2025/08/28(木) 19:01:24.54m+ymT5NwO (1/1)

一方、部屋の外にいる一行はただただ困惑していた


男「……え、どうするよコレ」

中華「彼女の作戦かもしれない、なにか情報を引き出そうとしているのかも」

氷魔「……そうでしょうか……?……あの方……相当の天然であるように思えるのですが……」

やる気「俺っちもそう思うっす、ありゃあ素じゃないすか?」


472 ◆UEqqBEVZVY2025/08/29(金) 04:14:52.46Spe4qNfn0 (1/3)

ぶりっ子「え、どうしますぅ?」

怪盗「放っておいて進んでもいい気がしますが」

狙撃少女「……適当に話を合わせているんじゃなくて、本当に元団長の娘という可能性はありませんか?」

炎魔「実際、あの子の本当の目的は分からないしね」


彼女は器用にも鎧を纏ったままカードをいじっている


男「そういえばそうだったな、あいつ嘘つけるタイプなのか分からないし」


473 ◆UEqqBEVZVY2025/08/29(金) 04:17:15.09Spe4qNfn0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


474 ◆UEqqBEVZVY2025/08/29(金) 19:58:59.84Spe4qNfn0 (3/3)

中華「手分けする?」

氷魔「……そうですね……この狭い場所を……大所帯で動くのも……あまりよくない気がしますし……」

やる気「じゃあ、どう分かれるっすか?」

ぶりっ子「私はここに居たいですぅ」

怪盗「もちろん私は奥に行きますよ!」

狙撃少女「私は待たれるより待つほうが好きなので、ここにいます」


475 ◆UEqqBEVZVY2025/08/30(土) 05:55:03.57QW+b2tGz0 (1/3)

炎魔「私は……ここにいましょうかね」

男「俺は奥に行くぞ」

中華「僕も行こうかな」

氷魔「……では……私もいきます……」

やる気「じゃ、俺っちは残るっすよ」


そうして、役割が分担された
敵地で戦力を分けるのは危険なことだが、
それほど広くない場所だと目されることや、
そもそも敵が強くはないだろうも判断しているためそうなったのだ


476 ◆UEqqBEVZVY2025/08/30(土) 05:56:55.95QW+b2tGz0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


477 ◆UEqqBEVZVY2025/08/30(土) 18:07:39.49QW+b2tGz0 (3/3)

それから、男たちは穴の奥へと進んでいった


怪盗「もしここにいるのが帝国の奴らなら、ちょっとぐらい略奪したってバレやしませんよね」

男「そういうところだぞ」

怪盗「なんですか、正義の義賊になったつもりですよ私は」

中華「つもりかぁ……」


478 ◆UEqqBEVZVY2025/08/31(日) 05:07:21.15lPrelKrZ0 (1/2)

氷魔「……しかし……見た目よりは大きいですよね……ここ……」

男「そうだな、かなり曲がってるし、上下にも傾斜がある」

中華「どうしてこんな形にしたんだろうね?」

氷魔「……単純に……入れる人数を増やすだけの工夫なら……よいのですが……」

怪盗「なにかあるんですか?」

氷魔「……いえ……考えすぎです……」


479 ◆UEqqBEVZVY2025/08/31(日) 19:16:18.40lPrelKrZ0 (2/2)

すみません寝落ちしました


男「……お」


四人の目の前に、扉が現れた
それは穴の横に通じるものではなく、
メインの穴についているのだ


中華「一番奥っぽいね」

氷魔「……では……開けましょうか……」

男「じゃあ、この中だと丈夫な部類の俺が行くぞ」


男はドアノブに手をかけ、ゆっくりと回した


>>下1……その先の様子は


480以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/08/31(日) 19:59:05.83so6HGLyN0 (1/1)

中はガラガラ。「空城の計を
仕掛けられた」と主人公らは
警戒する


481 ◆UEqqBEVZVY2025/09/01(月) 04:09:04.23VUBR6tA10 (1/4)

そこは大きな部屋で、
座りやすく藁の敷かれた床がある
そして、武器をかけるための設備まで壁面に付けられていることから、そこが兵の詰所であると分かる


中華「……あれ?」


だが、そこには誰もいなかった
司令官はおろか、一般兵ですらいないのだった


氷魔「……これは……」


482 ◆UEqqBEVZVY2025/09/01(月) 04:11:01.43VUBR6tA10 (2/4)

怪盗「とりあえず探索しますか?」

男「こりゃ困ったな……」

中華「なにか分かったの?」


ため息をつく男に、中華は素朴に聞く


男「なにも分からないことが分かった。こうしてがらんどうの本拠地を用意して、不可解さを与えることが作戦のようだ」

氷魔「……そうなのでしょうか……」


483 ◆UEqqBEVZVY2025/09/01(月) 04:25:12.17VUBR6tA10 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


484 ◆UEqqBEVZVY2025/09/01(月) 19:13:32.14VUBR6tA10 (4/4)

男「単に出払っている、という可能性が薄いからね、ほら、見てくれ」


武具をしまうための箱にはまだ武具が入っており、
防具をかけるための台にはまだそれらがかかっている


怪盗「出撃してるなら、着ていかないはずがないですからね」

中華「……ということは、どこかに隠れている?」

男「そう思わせて、ここで時間を浪費させるのが目的の可能性もあるんだ」


485 ◆UEqqBEVZVY2025/09/02(火) 04:21:02.39n2KzV4LI0 (1/2)

氷魔「……困りましたね……」

怪盗「貰えるものは貰っていきましょうよ」

中華「これだけの武器、どうやって持って帰るのさ」


部屋に置かれた武器は多く、箱や樽複数個ぶんがある


男「……そうだな、そうかもしれない」

氷魔「……どうか……したのですか……?」


486 ◆UEqqBEVZVY2025/09/02(火) 19:29:59.25n2KzV4LI0 (2/2)

すみません寝落ちしました


男「この穴に、これだけの数の武器を持てる人間は入りきらない」

怪盗「確かに、長さはそれなりですが、人間を待機させておけるような面積はあんまなかったですね」

中華「ってことは、これは見せかけの武器?」

男「か、あるいは見つけてない抜け道があるか。二択には絞れるな」


487 ◆UEqqBEVZVY2025/09/03(水) 03:53:37.34Wv8HScPc0 (1/3)

氷魔「……さて……どうしましょうか……」

怪盗「抜け道があるとするなら、これまで見てきた部屋全部巡らないといけませんね」

男「だから、多分期待値としては大人しくここを出たほうがいいような気がするんだけど……」

中華「もう片方のチームが、なにか掴んでいればいいんだけどね」


と、そこで視点は切り替わり、
重騎士について部屋の前に残ったチームになる


488 ◆UEqqBEVZVY2025/09/03(水) 04:01:50.68Wv8HScPc0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


489 ◆UEqqBEVZVY2025/09/03(水) 18:20:20.85Xz5/pqLeO (1/1)

やる気「やー……ずっと遊んでるっすね」

ぶりっ子「そうですねぇ……」


時折部屋を確認するが、
重騎士はただ和気あいあいとトランプに興じているのみだった


重騎士「……あれ」

兵士A「どうした?」

重騎士「そういえば、どうして私ここにいるんでしょう?」

兵士B「……酔ってんのか?もしかして」

兵士C「なんにせよ、この穴ぐらに呼ばれたっちゅうことは……>>下1じゃないか?」


490以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/03(水) 18:36:28.26Hnx7sSWQO (1/1)

極秘作戦の実行部隊メンバーに選ばれた


491 ◆UEqqBEVZVY2025/09/03(水) 19:42:25.85Wv8HScPc0 (3/3)

兵士C「極秘作戦の実行部隊メンバーに選ばれたんじゃないか?」

重騎士「へぇ、そうなんですね」

兵士D「……それすら知らずに来たのか?」

兵士A「俺たちは、極秘作戦に参加するってことは伝えられたが……内容までは伝えられてないんだ」


と、重騎士は知ってか知らずか、
重要な情報を聞き出すことができた


492 ◆UEqqBEVZVY2025/09/04(木) 05:50:23.26gPTkwka+0 (1/4)

狙撃少女「なるほど……これは大きな手がかりですよ」

炎魔「極秘任務に選ばれるということは、あそこの彼らももしかしてかなり精鋭なのでは……?」

やる気「とすると、安易に戦力を分断したのは失策だったかもしれないっすね」

ぶりっ子「ど、どうしますぅ?今からでも合流しますかぁ?」

やる気「……まだ、なにか分かるような気がするっす。ここで待つっすよ」

狙撃少女「そんなにやわじゃないでしょう、あの四方は」


493 ◆UEqqBEVZVY2025/09/04(木) 05:53:06.14gPTkwka+0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


494 ◆UEqqBEVZVY2025/09/04(木) 19:13:23.92gPTkwka+0 (3/4)

兵士B「まぁともかく、ここで待機していれば任務の内容も分かるはずなんだ」

兵士C「そうだな」

重騎士「そうですか」


と、お気楽な雰囲気で重騎士と兵士たちはゲームに戻っていった


やる気「……いいこと聞いたっすね」

炎魔「はい、ここで待ちましょう」


495 ◆UEqqBEVZVY2025/09/04(木) 19:16:18.87gPTkwka+0 (4/4)

やる気「いや、もうここは離れるっすよ」


地面に置いていた荷物を広い上げ、
やる気は聞き耳を立てる姿勢から戻った


ぶりっ子「え、なんでですかぁ?」

やる気「俺っちもこういう任務の経験があるっすけど……待ってて指令が届くことは正直稀っすね」

狙撃少女「トラブルですか?」

やる気「違うっす、大体どっかに指令書が隠されてるんすよ。おそらく、この穴ぐらのどこかに……指令書があるはずっす」


496 ◆UEqqBEVZVY2025/09/05(金) 18:39:13.25N9C5XUxf0 (1/1)

すみません寝落ちしました


炎魔「おぉ……プロフェッショナルって感じですね」

ぶりっ子「手がかりがあるといいんですかぁ……」

やる気「もしかしたら、先に行った男たちがなにか見つけてるかもしれないっす、一旦合流するっすよ」

狙撃少女「確かにそうですね、では行きましょうか」


やる気たちもまた、穴ぐらの奥へと進んでいくのだった


497 ◆UEqqBEVZVY2025/09/06(土) 05:39:40.31H78mB8WY0 (1/3)

中華「……おっ」


やる気たちが進んでいくと、
彼らの方向へとまっすぐ向かってくる中華を発見した


炎魔「お一人でどうしたんですか?」

中華「一番奥の部屋……武器とかはあるんだけど、それ以外なにもなくて。この状況事態が罠の可能性があるみたいなんだよね」

やる気「なるほど……その部屋は充分に探索したっすか?」


498 ◆UEqqBEVZVY2025/09/06(土) 06:12:33.19H78mB8WY0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


499 ◆UEqqBEVZVY2025/09/06(土) 18:31:10.39H78mB8WY0 (3/3)

中華「今、男たちが調べてるところだよ」

ぶりっ子「それはいいですねぇ」

中華「なにかあったの?」

狙撃少女「ここに集められた例の四人は……極秘任務に参加するようなのです」

炎魔「そして、その密命が記された指令書がここにあるのではないかと、疑っているんですよ」

中華「なるほど……」


500 ◆UEqqBEVZVY2025/09/07(日) 05:22:39.88iMi/jbVD0 (1/3)

やる気「あいつらは、いずれ指令書が届くものと思っているようっすから、こっそりやれば問題ないっすね」

中華「……本当にあるのかな」

やる気「え?」

中華「一番の奥の部屋を見て、時間稼ぎや考えすぎを狙っているんじゃないかって、男は……」

やる気「あぁ……あの四人もただ利用されてるだけの可能性があるっすね」


501 ◆UEqqBEVZVY2025/09/07(日) 05:25:49.15iMi/jbVD0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


502 ◆UEqqBEVZVY2025/09/07(日) 18:34:22.08iMi/jbVD0 (3/3)

ぶりっ子「ど、どうしましょう?」

狙撃少女「ここは、引き返しながら再び部屋をさらっていくのが丸いと思われますが」

やる気「そっすね」

炎魔「じゃあ、そういう感じで動くので……悪いんですが、男さんに伝えておいて下さい」

ぶりっ子「もし急いで戻らないといけないなら、そうしますからねぇ」


503 ◆UEqqBEVZVY2025/09/08(月) 04:54:53.40SoBji1H20 (1/4)

そうして、中華は男たちの元へと戻り、
交換した情報について伝えた


男「なるほど……それなら、きちんと調べるべきだろう」

氷魔「……ええ……私もそう思います……」

男「なにせ、やる気の言うことだからな。あいつはこういう事態の経験者だから……俺の勘よりも信頼できる」

怪盗「そうと決まれば、別の部屋も調べましょう!」


504 ◆UEqqBEVZVY2025/09/08(月) 05:07:08.52SoBji1H20 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


505 ◆UEqqBEVZVY2025/09/08(月) 18:55:25.61SoBji1H20 (3/4)

そうして、全員が別れて部屋の一つ一つを見て回ることになった


怪盗「私の鼻が、この部屋が怪しいと言っていますよ」


なにもないと思い、一行が通り過ぎた部屋の内には、
食料あるいは飲料が溜め込まれているとおぼしき、
樽が大量に置かれた部屋があった


506 ◆UEqqBEVZVY2025/09/08(月) 18:58:23.05SoBji1H20 (4/4)

怪盗はその部屋を調べる担当となった
こういう探索の手際に関しては抜きん出ているため、
調べなければならないものが多そうな部屋を選んだのだ
そして、そこにはなにかがありそうだ、
という打算もまたあった


怪盗「おっ、これは……」


小さな円形の蓋がついた樽______ビールが入っているようなそれ______の中に、
一つだけ蓋が開いているものを見つけたのだ
彼女はその樽の上部を開き、中身を確認する


>>下1……樽の中身


507以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/08(月) 19:36:10.38jCA0lc2To (1/1)

爆薬


508 ◆UEqqBEVZVY2025/09/09(火) 04:16:26.32ydAktqIl0 (1/3)

怪盗「……?」


そこに入っていたのは、無色透明の液体であった
ほんの少し、誤差程度に甘い香りがするが、
それ以外に水と異なる点はなかった


怪盗「なんでしょう、これ?水飴……?」


それは爆薬であるが、
幸いにも彼女は警戒心の強い性質であるため、
それを不用意に刺激することはなかった


509 ◆UEqqBEVZVY2025/09/09(火) 04:39:08.30ydAktqIl0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


510 ◆UEqqBEVZVY2025/09/09(火) 18:26:36.49ydAktqIl0 (3/3)

そして、部屋の中全てを調べたが、
それ以外特に気になるものも見られなかった
怪盗は早々に部屋を抜け出して、
別の部屋に向かうことにしたのだった


怪盗「……ん?」

重騎士「………………」


穴ぐらを歩いていると、
正面から平然と重騎士が歩いてきたのだ


511 ◆UEqqBEVZVY2025/09/10(水) 04:44:22.333580p4+30 (1/2)

怪盗「ちょっとちょっと、何してるんですか?」

重騎士「ちょっとおトイレに……」

怪盗「そうじゃなくて!あなたの仕事って、兵士たちとカードゲームすることだったんですか!?」


普段は比較的自由そうにしている彼女だが、
もっと自由な人間の前では制御を試みてしまう


重騎士「……あっ、違う」


512 ◆UEqqBEVZVY2025/09/10(水) 04:52:09.993580p4+30 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


513 ◆UEqqBEVZVY2025/09/10(水) 18:14:32.67YjH6Yk9IO (1/1)

狙撃少女「なにか話していると思えば、重騎士さんもいたんですね」


別の部屋を探索し終えたとおぼしき彼女が現れる


怪盗「ええ、はい……」

重騎士「調べものをしてるんですね」

狙撃少女「そうですよ、ここにあるものが隠してあると疑っているんです」

怪盗「あ、そういえば……私が調べた部屋に妙な液体があったんだけど」


514 ◆UEqqBEVZVY2025/09/11(木) 18:53:40.56LpuhXOt90 (1/1)

すみません寝落ちしました


怪盗は二人を連れて、透明なその液体を見せた


重騎士「なんでしょうね、水じゃないんですか?」

狙撃少女「……これは……まさか」

怪盗「分かるんですか?」

狙撃少女「爆薬ですね、こういうものについて調べたことがあるので……恐らく合ってるはずです」


515 ◆UEqqBEVZVY2025/09/12(金) 04:11:16.30wxcvfATz0 (1/3)

重騎士「ば、爆薬……!?じゃあここって……武器庫?」

怪盗「いえ、調べた感じでは普通に食糧庫でした」

狙撃少女「……嫌な予感がします」

重騎士「え?なにかあったんですか?」

狙撃少女「わざわざこんなところに爆薬を、独立して置いている意味……この部屋を吹き飛ばす予定があるということでしょう」

怪盗「なにかまずいことがあったときに丸ごと消し去るため……というのも考えられそうですね?」


516 ◆UEqqBEVZVY2025/09/12(金) 04:25:57.26wxcvfATz0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


517 ◆UEqqBEVZVY2025/09/12(金) 19:37:44.20wxcvfATz0 (3/3)

重騎士「ってことは、私たち吹っとばされちゃうんですか!?」

狙撃少女「かもしれません。機密情報を消すためかもしれませんが」

怪盗「どうしましょう……?」

重騎士「嫌だなぁ、逃げたいなぁ……」

狙撃少女「あなたはそれでいいんですか?」

重騎士「え?」

狙撃少女「あなたにも、ここに来た理由があるはずです……一体どうしてここに来たんですか?」

重騎士「>>下1」


518以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/12(金) 20:21:33.88fkL+lgpwo (1/1)

守りたいものがあるから


519 ◆UEqqBEVZVY2025/09/13(土) 05:09:37.866s9ucnC30 (1/4)

重騎士「守りたいものがあるから」


そう語る彼女の声は、
いつものどこか間延びしたような声ではなく、
はっきりとしたものだった


怪盗「なら、きちんとやらなきゃいけませんよ」

狙撃少女「私たちも、守りたいと思うもののためにここにいるのですから、気持ちは同じです」


520 ◆UEqqBEVZVY2025/09/13(土) 05:29:07.196s9ucnC30 (2/4)

男「ふー……」


所変わって、男の担当する部屋
そこはなんの変哲もない簡易的なダイニングだった


男「どこから調べるか……」


迷ったような言葉を呟きながらも、
彼はすぐにテーブルをずらしてその下にある床を確認した


521 ◆UEqqBEVZVY2025/09/13(土) 05:35:42.946s9ucnC30 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


522 ◆UEqqBEVZVY2025/09/13(土) 18:27:25.736s9ucnC30 (4/4)

男「……ないな」


小さなカーペットまでもを剥がして確認したが、
そこにはなにもなかった


男「あとは……」


キッチンのスペースが足りなかったのか、
ダイニングに食器棚が置かれていた


523 ◆UEqqBEVZVY2025/09/14(日) 03:20:41.45nIxdFpTj0 (1/3)

男「どうにか動かすとしようか」


男は床に膝をつき、
ゆっくりと棚に両手を添えて動かし始める
その気になれば無理やりどかせるが、
そうした場合には轟音が鳴るので、
兵士に気付かれないためにゆっくりと動かす


男「……おぉっ……」


その下には、蓋があった


524 ◆UEqqBEVZVY2025/09/14(日) 03:23:46.99nIxdFpTj0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


525 ◆UEqqBEVZVY2025/09/14(日) 19:57:01.56nIxdFpTj0 (3/3)

男「……なんだ、これ」


それは木製だった
当然開けることもできるが、
まずこの情報を共有すべきではないか、
とも男は思った


男「……もう少しだけ情報を得よう」


だが、男はそうはしなかった
とりあえず床に付いていたその蓋を開けて、
中身あるいはその下をを確認しようと考えたのだった


>>下1……蓋の中身、またはその下に隠されていたもの


526以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/14(日) 20:40:48.07Uw3VaiHJ0 (1/1)

地下通路


527 ◆UEqqBEVZVY2025/09/15(月) 02:45:48.65rKXNQbGK0 (1/4)

その向こうには、地下通路があった
降りていくための梯子や綱はないが、
確かにそこには通路があるのだ


男「……よし、みんなに伝えなければ」


彼は部屋の外に出て、廊下を歩き始める


重騎士「………………」

男「……んん?」


528 ◆UEqqBEVZVY2025/09/15(月) 02:49:36.03rKXNQbGK0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


529 ◆UEqqBEVZVY2025/09/15(月) 18:28:23.71rKXNQbGK0 (3/4)

なぜか、そこには一人で重騎士がいた


重騎士「……あ、どうも」

男「おう……カードゲームからは離脱したのか?」

重騎士「はい」


男は、彼女の雰囲気がさっきと変わったのを感じた
会話の成立度は上がっているが、
どこか危ういものをそこに覚えた


男「……実はな」


530 ◆UEqqBEVZVY2025/09/15(月) 18:34:37.28rKXNQbGK0 (4/4)

重騎士「?」

男「俺がさっきまでいた部屋に、兵士が沢山いる本物の詰所に通じる抜け道を見つけたんだ」

重騎士「……!」


そう聞くと、彼女は男が出てきた部屋へと駆け出す
だが、それを見越していた男は全力でそれを止める
尋常ではない馬力を持つ彼女を抑えておけるのはせいぜい十数秒だが、それで充分だった


男「っく!」

重騎士「なぜ止めるんですか……!?」

男「今の話、半分嘘だからだ……!」


531 ◆UEqqBEVZVY2025/09/16(火) 03:35:51.23aKVPFwSw0 (1/3)

重騎士「どういうことですか……!」


重騎士は勢いよく男を突き飛ばした
彼はどうにか壁にぶつからないように身を逸らし、
普通よりも体力を使って元の態勢に復帰した


男「まさかと思って言ってみたんだが、まさか重騎士さんが思い詰めているとは……」


そう話していると、
さらに廊下の向こうから向かってくる音がした


532 ◆UEqqBEVZVY2025/09/16(火) 03:42:01.53aKVPFwSw0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


533 ◆UEqqBEVZVY2025/09/16(火) 19:57:45.98aKVPFwSw0 (3/3)

狙撃少女「あっ、いた……!」

男「どうしたんだ……!?」


廊下の向こうからやってきたのは狙撃少女だった
彼女もまた深刻な表情である


重騎士「!」

狙撃少女「すみません、私が彼女に強く言ってしまったせいで……思い詰めさせてしまいました」

男「そ、そうなのか……」


534 ◆UEqqBEVZVY2025/09/17(水) 04:02:22.952oIqNE4/0 (1/3)

重騎士「あ……」

狙撃少女「ご、ごめんなさい……あなたにも、あなたのペースがあるはずなのに」


彼女は重騎士の前に出て謝罪する


重騎士「……ううん、いいの。気にしないで」

狙撃少女「………………」

重騎士「あなたの想い、よく伝わってるから」


535 ◆UEqqBEVZVY2025/09/17(水) 04:08:42.292oIqNE4/0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


536 ◆UEqqBEVZVY2025/09/17(水) 19:54:41.242oIqNE4/0 (3/3)

男「……美しい友情だなぁ」

狙撃少女「もう、からかわないでくださいよ……」


彼女は恥ずかしそうにしながら頭を軽く振った


男「じゃあ、今から伝えるべきことを伝えるぞ」

重騎士「そこの部屋のこと?」

狙撃少女「なにかあったんですか?あの部屋に」


537 ◆UEqqBEVZVY2025/09/18(木) 02:07:02.11TVh3nNNT0 (1/3)

男「どこかに通じる地下通路があった」

重騎士「それはほんとなんだ」

男「だが、どこに繋がってるかなんて分からない。そこで……戦力を集中して潜り込みたい」

狙撃少女「それが無難でしょう」

男「俺がみんなを呼んでくるので、それまでその通路の入り口を見張っていてほしいんだ」

重騎士「分かったよ」


538 ◆UEqqBEVZVY2025/09/18(木) 02:13:07.45TVh3nNNT0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


539 ◆UEqqBEVZVY2025/09/18(木) 19:19:05.42TVh3nNNT0 (3/3)

それから男は、部屋に全員を呼んできた


中華「やはり、隠された場所があったんだね」

氷魔「……なにが……あるのでしょうか……」


その暗闇を覗き込んで、
あれこれとみな思案をする


やる気「……!」

ぶりっ子「どうしましたぁ?」


540 ◆UEqqBEVZVY2025/09/19(金) 03:18:40.67BvjJCnjV0 (1/3)

突如彼が目を見開いたので、
それに気付いた者は困惑する


やる気「……誰か、この部屋に向かってるっす。廊下から……」

怪盗「ば、バレましたかね……」

狙撃少女「すみません、私がさっき焦って動き回ったからかも……」

重騎士「……私がお手洗いに行くって言ってからもう30分経ってるもんねぇ」


541 ◆UEqqBEVZVY2025/09/19(金) 03:23:23.66BvjJCnjV0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


542 ◆UEqqBEVZVY2025/09/19(金) 19:35:10.16BvjJCnjV0 (3/3)

炎魔「とにかく、対処を考えなきゃですよ?」

男「だったらここに、おあつらえ向きの穴があるじゃないか」

中華「ふふ、そうだね」


そうして、彼らは部屋の外にある気配から逃れるために、
地下通路へと逃げ込んだのだった


>>下1……地下通路の様子


543以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/19(金) 20:41:56.06xTXmTVcZo (1/1)

全体的に埃っぽいが誰かがつい最近通った形跡がある


544 ◆UEqqBEVZVY2025/09/20(土) 04:28:52.73i4+JqcYb0 (1/4)

氷魔「けほっ……けほ……」


そこは思いの外埃っぽかった
元々そうした場所であったうえ、
無理に駆け込んだので土煙が立った形だ


ぶりっ子「はぁ……ん?」

怪盗「どうかしました?」

ぶりっ子「足跡がまだ残ってますよぉ」


545 ◆UEqqBEVZVY2025/09/20(土) 04:30:42.54i4+JqcYb0 (2/4)

狙撃少女「……本当ですね、結構新しいです」


靴で歩かれた跡がそこにはあった
ひたすらその通路を進み、奥へと向かっている


重騎士「誰かいるのかな……」

炎魔「いたとすれば、そいつが鍵を握っていそうです。捕まえましょう!」


546 ◆UEqqBEVZVY2025/09/20(土) 04:41:30.00i4+JqcYb0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


547 ◆UEqqBEVZVY2025/09/20(土) 19:29:11.56i4+JqcYb0 (4/4)

地下通路は当然狭く、
また、一行が予想していたよりは長かった


男「……この感じ、外のどこか地上なんかに繋がっててもおかしくないな」

中華「でも、繋ぐからには移動で使うよね」

氷魔「……戦略的な重要性は高そうです……」


548 ◆UEqqBEVZVY2025/09/21(日) 02:27:20.804JFqBg2N0 (1/3)

怪盗「そういえば……」

やる気「どうしたっすか?」

怪盗「私、飲み物に混じって液状の爆薬が置いてある部屋を見たんですよね」

狙撃少女「はい、あれは確かに爆薬でしたね……」

ぶりっ子「へ?」


突拍子もない報告なので、
それを予め知っていない者は不思議そうにしている


549 ◆UEqqBEVZVY2025/09/21(日) 02:48:19.044JFqBg2N0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


550 ◆UEqqBEVZVY2025/09/21(日) 19:33:39.754JFqBg2N0 (3/3)

炎魔「こんなところで爆薬なんか使われたら、崩壊まっしぐらですよ」

重騎士「うん……」

男「さっきの足音を迎え撃って、大事にしなくてよかったな……」


安堵しながら、一行は暗闇の中を進んでいく
しばらく進めば、そこに梯子が現れた


中華「ここから上に行けそうだね」

氷魔「……まるで……普段使っている……地下通路のようですね……」


551 ◆UEqqBEVZVY2025/09/22(月) 19:02:13.65jOrhrgPt0 (1/1)

すみません寝落ちしました


やる気「そんじゃ、ちょっくら上見てくるっすよ」


彼はするすると梯子を上り、
その上部に付けられている蓋を外して外を見る


ぶりっ子「どうですかぁ?」

やる気「>>下1」


552以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/22(月) 19:16:43.175sVTN86QO (1/1)

テントの詰所っぽい場所に繋がってて、奥の方に最初に出ていった大剣騎士が見えたっす


553 ◆UEqqBEVZVY2025/09/23(火) 01:37:36.63m9mZgebq0 (1/4)

やる気「テントの詰所っぽい場所に繋がってて、奥の方に最初に出ていった大剣騎士が見えたっす」


やる気は蓋をそっと閉めて降りてきた
どうやら向こうは完全な敵地のようだ


ぶりっ子「なるほどぉ……見つかりづらい拠点と、テントで作った仮の拠点を繋いでいるんですねぇ」

怪盗「とにかく奇襲です!そいつらをぶっ倒しましょう!」


554 ◆UEqqBEVZVY2025/09/23(火) 01:39:53.34m9mZgebq0 (2/4)

狙撃少女「そうですね……どうにかして倒せれば、戦果でしょう」

重騎士「でも、あの蓋から出ていけるのは一人ずつだよね」


普通の扉とは違い、狭い梯子の蓋であるために、
複数人で一気に乗り込むのが難しい


男「奇襲を仕掛けるのは規定路線だが、隊列に関しては慎重にならざるを得ないな」


555 ◆UEqqBEVZVY2025/09/23(火) 01:47:33.10m9mZgebq0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


556 ◆UEqqBEVZVY2025/09/23(火) 19:58:46.86m9mZgebq0 (4/4)

中華「うーん、どうしよう?」

氷魔「……誰か一人が飛び出して……そこで……周囲をある程度制圧できるか……あるいは……態勢を整える時間を……確保できるか……でしょうね……」


向こうもおそらく正規の軍隊であり、
悠長な手段はとっていられない
魔物とは違って、目的意識と連携があるのだ


やる気「……じゃあ、話し合って決めるっすよ」


一行は先頭を決める会議を行った
二分ほど話して、>>下1が先頭になった


557以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/23(火) 20:14:26.58Qo9lOfd50 (1/1)

重騎士「では、私が『密書』を持って来たって体で先頭に立ちます」


558 ◆UEqqBEVZVY2025/09/24(水) 00:51:39.75bHhaXOJy0 (1/4)

重騎士「では、私が『密書』を持って来たって体で先頭に立ちます」


と名乗りを上げた彼女の意見が通った


やる気「実際、なんか元隊長の娘だって言われてたっすもんね」


本当にそうなのかは分からないが、
ともかく騙せうることは確かだった


559 ◆UEqqBEVZVY2025/09/24(水) 00:54:07.69bHhaXOJy0 (2/4)

男「妙な責任を感じてるんじゃないだろうな……」

重騎士「いやいや、実際適任です!」

ぶりっ子「そうなんですかぁ?」

重騎士「この分厚い鎧があれば、もし失敗しても重傷にはならないでしょう」


彼女は自信ありげにそう述べた
実際彼女の筋力を基準に作られているものならば、
相応の堅さがあるはずだった


怪盗「確かに、そうかもしれません」


560 ◆UEqqBEVZVY2025/09/24(水) 01:01:11.32bHhaXOJy0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


561 ◆UEqqBEVZVY2025/09/24(水) 18:41:19.81bHhaXOJy0 (4/4)

重騎士「すぐに助けに来てくれれば、ですけどね」

男「俺たちは仲間を見捨てたりしない。たとえ死ぬことになったとしても、俺は行く」


冗談を言ったつもりの重騎士だったが、
意外にもシリアスに返されて一瞬驚いた様子を見せた


重騎士「じゃ、行きますねー」


彼女はそう言ってはしごを上っていく





562 ◆UEqqBEVZVY2025/09/25(木) 02:22:07.656q3QjgZA0 (1/3)

狙撃少女「……大丈夫でしょうか」

炎魔「あの子を見ていると、なんとかなる気がしてきませんか?」

中華「……そうだね、やっぱりマイペースっていうのは悪くない」

狙撃少女「私ももうちょっと、余裕を持ちたいですね」

氷魔「……真面目なことも……美徳ですよ……」


563 ◆UEqqBEVZVY2025/09/25(木) 02:24:07.666q3QjgZA0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


564 ◆UEqqBEVZVY2025/09/25(木) 20:16:05.57MYa2IdlMO (1/1)

すみません遅れました


重騎士は梯子を上りきり、ふたを外して外に出た
そこには報告通り、詰所のような場所があった
何人かの兵がおり、大剣を持った者が奥にいる


重騎士「こんにちはー」

兵士A「ん?なんだ?」


565 ◆UEqqBEVZVY2025/09/25(木) 22:35:30.666q3QjgZA0 (3/3)

重騎士「密書を届けに参りましたー」

兵士A「おお、それはありがたい……」


と兵士の一人が心を許そうとしたときに、
大剣を持った兵士が声をかけてきた


大剣兵「待て」

重騎士「……はい?」

大剣兵「……お前、何者だ?」

重騎士「元隊長の、娘ですよー」

大剣兵「>>下1」


566以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/25(木) 23:01:44.170hhai7S8o (1/1)

顔を見せろ


567 ◆UEqqBEVZVY2025/09/26(金) 04:32:59.95B6qC6lI+0 (1/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


568 ◆UEqqBEVZVY2025/09/26(金) 19:19:46.70B6qC6lI+0 (2/2)

大剣兵「顔を見せろ」

重騎士「え?」

大剣兵「顔を見せろと言っている。一応、確認しておきたくてな」


彼女はそれに対してどうしたものかと逡巡したが、
一行が助けに飛び出してこないのを察して、
まだいけると考えた


569 ◆UEqqBEVZVY2025/09/27(土) 19:57:35.89P4/7H3/f0 (1/1)

すみません寝落ちしました


重騎士「あんまり外したくないんですけどね、この兜」

大剣兵「だが、確認しないことには我々も心から安心はできないのだ」

重騎士「はぁい」


残念そうな声を上げて、
重騎士はその重量感たっぷりの兜を脱いだ


>>下1……重騎士の素顔


570以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/27(土) 20:02:38.78xaK5BFLW0 (1/1)

純情可憐なお嬢様系


571以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/27(土) 20:05:44.28rSfdshEf0 (1/1)

何処となく、あの屋敷の『王女』に似ている。
大剣兵も納得して「すまんな。密書の運搬を感謝する」


572 ◆UEqqBEVZVY2025/09/28(日) 02:51:25.53O2z4USCX0 (1/3)

その素顔は、
重厚な格好にはとても似合わないものだった
温室育ちなのではないかと思うほど、
可憐で細やかな雰囲気をしていたのだ


大剣兵「………………」

重騎士「あの、どうしました?」

大剣兵「……いや、なんでもない」


573 ◆UEqqBEVZVY2025/09/28(日) 03:05:53.27O2z4USCX0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


574 ◆UEqqBEVZVY2025/09/28(日) 19:07:27.01O2z4USCX0 (3/3)

重騎士「それじゃあ戻しますね」


彼女は恥ずかしそうに兜を被り直した


大剣兵「……それで、機密文書はどこに?」

重騎士「それはですね……」


と、そこまで時間を稼いだところで、
梯子から一行が飛び出してきた


575 ◆UEqqBEVZVY2025/09/29(月) 03:30:45.10e+r7FSg10 (1/3)

やる気「さぁ、行くっすよ!」

氷魔「……極大……氷魔法っ……!!」


氷魔を抱えて飛び出したやる気が彼女を地面に投げつけ、両手で着地するとともに詠唱を完了


ぶりっ子「相変わらず……ですねぇ!」


次の瞬間には、一行と重騎士を中心とした円の外側全体をテント中丸々凍らせてしまった


576 ◆UEqqBEVZVY2025/09/29(月) 03:35:58.97e+r7FSg10 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


577 ◆UEqqBEVZVY2025/09/29(月) 18:03:33.03e+r7FSg10 (3/3)

大剣兵「くそっ……!!」


しかし大剣兵は他の兵とは異なり、
その場で氷漬けにされることはなかった
巨大な剣を盾にして身を守りつつ、
跳び跳ねることによって、
足元からの凍結を防いだのだった


怪盗「おお、ただ者じゃないですね」

大剣兵「なぜここに敵が……!」


578 ◆UEqqBEVZVY2025/09/30(火) 03:43:51.53FvN81Sjc0 (1/3)

狙撃少女「いろいろ苦労したんですよ」

炎魔「ええ、そうですね」


そして、一行の目的はここに来るはずの将軍に奇襲を仕掛けることであった


男「だからこそ、下手は打てない。俺たちはここから、誰も逃がすわけにはいかない」

大剣兵「勝手なことを!」


579 ◆UEqqBEVZVY2025/09/30(火) 03:46:15.50FvN81Sjc0 (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


580 ◆UEqqBEVZVY2025/09/30(火) 19:58:24.74FvN81Sjc0 (3/3)

中華「この人数差じゃ逃げ切れないと思うよ」

大剣兵「そもそも、あなたがなぜ……!」

重騎士「……ごめんなさい」


なにやら事情ありげな重騎士は、
そう一言だけ謝ったのだった


氷魔「……どうしますか……?……降伏しますか……?戦いますか……それとも……逃げようとしてみますか……?」

重騎士「>>下1」


581以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/09/30(火) 20:44:43.93cD77ji3Io (1/1)

少しだけ話させてください


582 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 00:34:33.89P/R4u2g/0 (1/6)

重騎士「少しだけ話させてください」


誰もが殺気を迸らせていたが、
彼女だけはそうではなかった


やる気「……なにかあるんすか」

重騎士「はい」

ぶりっ子「なら、止めませんよぉ」


583 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 00:36:32.62P/R4u2g/0 (2/6)

彼女はさらに前へと歩み出て、
大剣兵との距離を詰めた


大剣兵「く……来るな……」

重騎士「すみません、本当は私も、後ろのみなさんも戦いたくなんてないんですよ」

大剣兵「散々やっておいて、勝手なことだ」

重騎士「ごめんなさい……けれど、あなたも分かっているはずですよね?」


584 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 00:39:36.35P/R4u2g/0 (3/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


585 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 18:07:05.56P/R4u2g/0 (4/6)

大剣兵「なんのことだ……」

重騎士「この戦争に利はない……そうですよね?」

大剣兵「うるさい!」


彼は足元をなぎ払い、近づいてきた重騎士から逃れた


重騎士「……どうして」

大剣兵「俺は、帝国のために戦うだけだ。それが仕事だ」


586 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 22:04:50.73P/R4u2g/0 (5/6)

重騎士「だめです」

大剣兵「あなたが決めることじゃない」

重騎士「だめなものはだめです」

大剣兵「……ちっ!」


強硬な重騎士の態度を見て、
大剣兵はそこから逃げ出すことを選択した
凍りついたテントの入り口を破壊し、
外へとかけていく


587 ◆UEqqBEVZVY2025/10/01(水) 23:22:25.61P/R4u2g/0 (6/6)

本日はここまでです
ありがとうございました


588 ◆UEqqBEVZVY2025/10/02(木) 18:27:55.39CL+T/b8I0 (1/1)

怪盗「逃がしませんよ!」


そして、誰よりも速く怪盗が飛び出し、
彼の進行方向へと先回りする


大剣兵「速いな……だが!」


彼の背後、遠くから走ってくる何頭かの馬が見えた
そう、増援がやってきたのだ


怪盗「あ、あの部隊は……!?」

大剣兵「>>下1だ」


589以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/02(木) 19:22:04.34KYLBgTDWo (1/1)

将軍の直轄部隊


590 ◆UEqqBEVZVY2025/10/03(金) 00:37:25.39Zpj1q3oM0 (1/3)

馬のいななきを聞いて、
他のメンバーも飛び出してくる


大剣兵「将軍の直轄部隊だ」

怪盗「なんと!」

狙撃少女「ま……っずいですね……!」


少しでも戦力を減らそうと、
狙撃少女はライフルを構える


大剣兵「俺は逃げさせてもらう!」


591 ◆UEqqBEVZVY2025/10/03(金) 00:49:28.16Zpj1q3oM0 (2/3)

重騎士「彼は……私に任せて!」


近くの森へと入っていく大剣兵を追いかけて、
重騎士もまた茂みへと消えていく


炎魔「ちょっとぉ!?」

男「いずれにせよ、あいつらの相手はしなきゃならないんだ……!備えろ!」


一行は改めて迫る直轄部隊へと向き直り、
戦う意志を固めるのだった


592 ◆UEqqBEVZVY2025/10/03(金) 01:01:24.71Zpj1q3oM0 (3/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


593 ◆UEqqBEVZVY2025/10/03(金) 18:19:18.80xhwfJDWiO (1/1)

狙撃少女「……来ます!」


迫る騎兵の何人かを落馬させることができたが、
それでも勢いは止まらなかった


中華「テントの裏に!」


凍りついたテントの裏へと一行は走る
直線的にしか突っ込んでこれない騎兵を撹乱するためであった


594 ◆UEqqBEVZVY2025/10/04(土) 19:21:27.78WAFQeH5q0 (1/1)

すみません寝落ちしました


そして、馬の群れはテントに突進してくる
氷の割れる音が響きめちゃくちゃな起動で幕を破ってそれらが現れる


氷魔「……いない……?」

やる気「上っす!気をつけて!」


騎兵たちはテントに衝突する直前に高く飛び上がり、
逆に破壊されたテントを利用して撹乱しながら、
一行に強襲を仕掛けたのだった


595 ◆UEqqBEVZVY2025/10/05(日) 02:33:02.21jSvTAwF90 (1/4)

直属兵A「どうやってここを探り当てたかは知らないが……」

直属兵B「生きては帰せんな!」


テントの破壊に伴う場の混乱と、
計画的な強襲によって一行は分断されてしまった


男「ち……お前らを倒さないと助けに行けないのか」

炎魔「二対二ですね、やったことはないですが……」


596 ◆UEqqBEVZVY2025/10/05(日) 02:37:52.02jSvTAwF90 (2/4)

男と炎魔だけでなく、他のメンバーも少人数で直属兵と戦う羽目になっている


直属兵A「将軍が来られる前に、露払いをしなくてはな!」

男「露だって?なめられたものだ」

直属兵B「安心しろ、獅子は兎を狩るにも全力を尽くす……本気で相手をしてやる」

炎魔「兎ぃ?私は鳥ですよ!」


炎魔は炎でより大きな翼を象って、戦闘態勢に入った


597 ◆UEqqBEVZVY2025/10/05(日) 03:30:16.36jSvTAwF90 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


598 ◆UEqqBEVZVY2025/10/05(日) 19:57:00.16jSvTAwF90 (4/4)

男の【素早さ】203
直属兵Aの【素早さ】120


男「炎魔、俺たちも空中から攻撃だ!」

炎魔「分かりましたぁっ!」


男は彼女に掴まれ、大空へと共に飛び上がる
そしてその聖なる炎を纏い、
それを己の剣から放たれる炎と合わせて増幅
天から勢いよく叩きつけるのだった


男「聖閃火炎斬!」


>>下1コンマ下一桁×7.5+6……二人の攻撃のダメージ


599以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/05(日) 19:57:41.53MRXpOGmj0 (1/1)

そらっ


600 ◆UEqqBEVZVY2025/10/06(月) 02:54:29.25faK5iNio0 (1/4)

22ダメージ!


直属兵A「ぬぅぅっ……!!」


重い一撃を槍で受け止めきることができず、
苦悶の声を上げたものの、まだ彼は戦えるようだった


炎魔「一筋縄ではいかないみたいですね」


601 ◆UEqqBEVZVY2025/10/06(月) 04:05:43.69faK5iNio0 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


602 ◆UEqqBEVZVY2025/10/06(月) 19:09:40.63faK5iNio0 (3/4)

直属兵A「反撃させてもらうぞ!」


彼は槍を振り回して突撃する
リーチの都合上、密着した男よりも炎魔のほうが狙いやすいようだった


炎魔「あはっ!」


しかし、その腹を貫かれても彼女は笑うだけだった
不死鳥の力を得た肉体は、
通常の攻撃では再生されるだけである


603 ◆UEqqBEVZVY2025/10/06(月) 19:12:36.64faK5iNio0 (4/4)

直属兵A「な、なんなんだ貴様はっ!?」

炎魔「人間のつもりですよ」


その様子を見て、もう一人の直属兵は攻撃対象を変更することにした


直属兵B「なら貴様だっ!食らえっ!」


飛びかかるように槍を突き出して、
男へと攻撃を繰り出したのだった


>>下1コンマ÷4……直属兵Bの攻撃のダメージ


604以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/06(月) 19:20:14.07n+oUmEgzo (1/1)

むん


605 ◆UEqqBEVZVY2025/10/07(火) 00:39:32.86maE/sy7Z0 (1/5)

男に2ダメージ!
防具によってダメージがカットされる!


男「はっ……!」


鎧を槍が突き破らんと迫ったが、
丁度それが触れたタイミングで男は自分から槍を掴み、
押し返して直属兵を転倒させたのだった


直属兵B「なにっ!?」

男「ただの槍なんて今さら怖くない。見えてるし、触れる。……つまり、雷に撃たれるほうがよっぽど恐ろしいからな」


606 ◆UEqqBEVZVY2025/10/07(火) 00:42:14.61maE/sy7Z0 (2/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


607 ◆UEqqBEVZVY2025/10/07(火) 19:59:16.53maE/sy7Z0 (3/5)

炎魔「もう一発打ち込みますよ!」

男「おう!」


炎魔は掌から思いっきり自分の腕に男の剣を突き刺し、
お互いの炎をそれに込める
そして男がそれを引き抜くと同時に、
先ほど炎魔に斬りかかった手負いの男に向かって振り抜く


炎魔「かませーっ!!」


>>下1コンマ下一桁×7.5+6……連携攻撃のダメージ


608以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/07(火) 21:42:55.351H+V0owh0 (1/1)




609 ◆UEqqBEVZVY2025/10/07(火) 23:30:57.76maE/sy7Z0 (4/5)

44ダメージ!


男「そらああぁぁぁっ!!」


空気との摩擦を起こしてさらなる炎を纏ったその剣は、
直属兵の鎧を両断し、
その内側を燃やすと同時に彼を斬り伏せた


直属兵A「かっ……!」


倒れた相手には目もくれず、
男はもう一人の直属兵に剣を向けた


610 ◆UEqqBEVZVY2025/10/07(火) 23:49:06.17maE/sy7Z0 (5/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


611 ◆UEqqBEVZVY2025/10/08(水) 19:33:09.18dC81zS5A0 (1/1)

男「次はお前だ!」

直属兵B「まずはこいつを耐えてから言うんだな!」


彼は攻撃の反動を逃がしきれていない男に向けて、
槍を持って突撃してきた


炎魔「だ、大丈夫ですかね……?」


>>下1コンマ÷4……直属兵Bの攻撃のダメージ


612以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/08(水) 19:42:36.39ag2t5bC40 (1/1)

でやっ


613 ◆UEqqBEVZVY2025/10/09(木) 01:25:26.926vvCiT570 (1/4)

男に10ダメージ!
ミレニアムアーマーがダメージの一部をカット!


男「っと!」


全力で突き出されたその槍は、
鎧こそ突き破らなかったものの、
強い衝撃で男に少しのダメージを与えた


直属兵B「貫けなかったか……!」


614 ◆UEqqBEVZVY2025/10/09(木) 01:27:57.346vvCiT570 (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


615 ◆UEqqBEVZVY2025/10/09(木) 18:26:57.546vvCiT570 (3/4)

炎魔「ナイスです!」

男「ぶっとばすぞ!」


男は先ほどの攻撃の終わりに剣を鞘に納めていた
炎魔が鞘に触れて念ずると、
それは聖なる炎の力を帯び始めた


直属兵B「居合っ……!」

男「そらあぁぁぁっ!!」


叫びとともに、彼は斜めに勢いよく斬り上げた


616 ◆UEqqBEVZVY2025/10/09(木) 18:31:06.476vvCiT570 (4/4)

すみません安価付け忘れました

>>下1コンマ下一桁×7.5+6=……連携攻撃のダメージ

です


617以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/09(木) 18:47:43.61jNfF8Car0 (1/1)

せいや


618 ◆UEqqBEVZVY2025/10/10(金) 00:30:19.17pZ+F+u3W0 (1/2)

13ダメージ!


直属兵B「見切った!」

男「なにぃ!?」


直属兵の鎧は燃え盛り、
火傷によるダメージを与えることができたものの、
刃自体は見事な槍さばきで完全に逸らされてしまった


炎魔「うそっ……」


619 ◆UEqqBEVZVY2025/10/10(金) 00:35:12.83pZ+F+u3W0 (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


620 ◆UEqqBEVZVY2025/10/10(金) 18:57:53.67TgZIkv3GO (1/1)

直属兵B「これ以上は無理そうだ……」


彼はそう言って逃げ出そうとする


炎魔「お、追わないと!」

男「いや、待て。他のみんなの状況を確認しなければ!」


他の直属兵たちと仲間がどうしているのかを確認しなければならなかった
もし不利ならば、まず助けるべきだからだ


621 ◆UEqqBEVZVY2025/10/11(土) 01:43:01.97mjRWOf+V0 (1/4)

時間は少し遡って、強襲の直後


中華「大変なことになったね」

ぶりっ子「いつもみんなで戦ってますけど……こりゃ助けを求められる状況でもなさそうですねぇ」

直属兵C「だが、我々はいかなる組み合わせでもベストな連携ができるように訓練している」

直属兵D「我らのコンビネーションの前に膝を屈するがいい!」

狙撃少女「……ふっ、訓練しないと連携できないような方々には負けませんよ」


622 ◆UEqqBEVZVY2025/10/11(土) 01:59:50.86mjRWOf+V0 (2/4)

直属兵E「面白い、仲良しごっこでどこまで我々とやり合えるかな!?」


三人の兵士はそれぞれ剣、フレイル、手弓を持っている
そして、剣を持ったものを戦闘に斜めに直列な陣形を組んだ


中華「来るよ!」

ぶりっ子「や、やっちゃいます!」


623 ◆UEqqBEVZVY2025/10/11(土) 02:04:36.57mjRWOf+V0 (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


624 ◆UEqqBEVZVY2025/10/11(土) 19:57:09.48mjRWOf+V0 (4/4)

中華の【素早さ】197
直属兵Eの【素早さ】170


中華「先手を打つ!」

ぶりっ子「はっ、はいぃ!」


前線にいる直属兵Cに向かって、
中華は槍を突き出す
避けようとする先からぶりっ子が剣を振り回し、
足止めして両方を食らわせた


>>下1コンマ下一桁×11……連携攻撃のダメージ


625以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/11(土) 20:00:18.17qoshpXUuo (1/1)

ぬん


626 ◆cUhskXlNTw2025/10/12(日) 03:31:42.51F0N8YF6ao (1/2)

書き込みの方法が変わるので多分トリップが変わります

77ダメージ!


直属兵C「かっ……」

中華「あぁ、本当にこの感覚は嫌いだよ……!」


中華の突きは直属兵の腹を性格に撃ち抜き、
一撃でとどめを刺した


ぶりっ子「ご、ごめんなさい……なんかぁ、辛いことだけ押しつけたみたいです……」


627 ◆cUhskXlNTw2025/10/12(日) 03:32:43.14F0N8YF6ao (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


628 ◆cUhskXlNTw2025/10/12(日) 18:38:06.67RZPJ+v/vO (1/1)

中華「気にしないで、誰かがやらなきゃいけないことなんだからさ」


滴る血を地面に擦り付けて、中華は槍を構え直した

直属兵D「なんてことだ……」

直属兵E「くそっ、こうなれば……」

狙撃少女「あなたの相手は、私がします」


手弓を構えた直属兵に、
同じく遠距離からの攻撃を得意とする狙撃少女がパチンコを発射した


>>下1コンマ下一桁×5.5……狙撃少女の攻撃のダメージ


629以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/12(日) 18:45:07.74bpmdQ0eNo (1/1)

ヌッ


630 ◆cUhskXlNTw2025/10/13(月) 02:24:31.37hGCLwt+Oo (1/2)

22ダメージ!


直属兵E「くっ!」


見事に急所を撃ち抜いたが、
威力はそこまで出なかった


狙撃少女「……残念、仕留めきれませんでしたか」


装填する暇もないし、
そもそも熱を持ちすぎているライフルをちらと見て、
それが使えたらと思うのであった



631 ◆cUhskXlNTw2025/10/13(月) 19:17:58.13hGCLwt+Oo (2/2)

すみません寝落ちしました


直属兵D「よくも仲間を殺したなっ!」


直属兵Dは力強く獲物を振り回し、
フレイルの一撃で中華を粉砕しようとしている


中華「くっ」

ぶりっ子「ここは私がっ……!」


ぶりっ子はそこで中華の前に躍り出て攻撃を引き付けた


>>下1コンマ÷3……直属兵Dの攻撃のダメージ


632以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/13(月) 19:34:27.65qWhfERYT0 (1/1)




633 ◆cUhskXlNTw2025/10/14(火) 01:50:00.24e61VR3IGo (1/3)

ソードブレイカーでダメージをカット!
ぶりっ子に7ダメージ!


直属兵D「随分頑丈な女だな」

ぶりっ子「っくぅ?……」

中華「ぶりっ子さん、大丈夫!?」

ぶりっ子「か弱い女の子をしたたかに打ちすえやがってぇ……許しませんよぉ!」

直属兵D「お前から当たりに来たんだろう!」


634 ◆cUhskXlNTw2025/10/14(火) 02:17:49.11e61VR3IGo (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


635 ◆cUhskXlNTw2025/10/14(火) 19:55:47.53e61VR3IGo (3/3)

ぶりっ子「次はあなたです!覚悟してくださいねぇっ!」


ぶりっ子は自分から突貫した
仲間がこれ以上心に咎を負わないように、
やるなら自分がやると決めたのだ


中華「合わせるよ!」


>>下1コンマ下一桁×12……連携攻撃のダメージ


636以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/14(火) 23:43:32.66vqeRFvWpO (1/1)

はい


637以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/15(水) 01:36:16.24FIj6y0Mu0 (1/1)

ゾロ目ボーナス!


638 ◆cUhskXlNTw2025/10/15(水) 02:20:33.817SQifvOlo (1/3)

72ダメージ!


ぶりっ子はフレイルを持った彼の喉元を、
中華との連携でさばいた


ぶりっ子「……っ!よしっ!」

中華「お見事!」


そして、残るはあと一人のみになった


639 ◆cUhskXlNTw2025/10/15(水) 02:28:17.117SQifvOlo (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


640 ◆cUhskXlNTw2025/10/15(水) 19:36:12.077SQifvOlo (3/3)

直属兵E「くそっ、なんて馬鹿力だ」

狙撃少女「あなたが最後ですね」


手負いの直属兵Eだったが、
前線の兵たちがやられている最中で、
反撃する準備を整えていた


直属兵E「これでも食らえ!」


彼は手弓を引き絞り、狙撃少女に向けて放ったのだ
鋭く風を裂く音とともに、矢が向かっていく


>>下1コンマ÷4……直属兵の攻撃の威力


641以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/15(水) 19:36:33.26BG69BaLA0 (1/1)

せいや


642 ◆cUhskXlNTw2025/10/16(木) 19:14:22.93B87JAFZuo (1/2)

すみません寝落ちしました


6ダメージ!


狙撃少女の体を矢がかすった
確かなダメージを受けており、血が噴き出してしまう


狙撃少女「くっ!」

中華「だ、大丈夫!?」


643 ◆cUhskXlNTw2025/10/16(木) 19:16:58.46B87JAFZuo (2/2)

狙撃少女「ええ、問題ありません」


顔は苦痛に歪んでいるが、
その声に震えはまるでなく、
確実に仕事をやり遂げるという意志に満ちていた


ぶりっ子「無理しないでくださいねぇ……?」

狙撃少女「大丈夫です、あと一発で終わらせますから……!」


そう言って、彼女は自身を射った兵に向かってパチンコを発射した


>>下1コンマ下一桁×5.5……狙撃少女の攻撃のダメージ


644以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/16(木) 19:24:16.59VtVaAZ/1o (1/1)

ヌッ


645 ◆cUhskXlNTw2025/10/17(金) 00:40:44.47JR0ctrtjo (1/2)

まさに狩人の眼だった
血走ったそれが描いた弾道は完璧になぞられ、
ターゲットの眉間を撃ち抜いた


直属兵E「………………」


哀れな標的は言葉もなく倒れるのみ
親しいはずの仲間でさえ、
狙撃少女の殺気と凄みに当てられて背筋が冷えるほどであった


646 ◆cUhskXlNTw2025/10/17(金) 00:42:46.15JR0ctrtjo (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


647 ◆cUhskXlNTw2025/10/17(金) 19:13:24.22I6j0O56OO (1/2)

ちなみに50ダメージでした


中華「……た、倒したね。全員」

ぶりっ子「ええ、そうですねぇ」

狙撃少女「男さんたちは……まだ戦っていますね」


男と炎魔がいまいち決定打に欠ける戦いをしていたため、実はこのの三人の方が早く勝っていたのだ


648 ◆cUhskXlNTw2025/10/17(金) 19:16:55.75I6j0O56OO (2/2)

中華「あ、やる気たちは……?」

ぶりっ子「それが……いないんですよねぇ」

狙撃少女「いない……?」


見れば、氷魔・やる気・怪盗が戦っていたはずの場所には誰もいないのである
だが、ものの見事に兵たちが一掃されている


中華「……まぁ、あの三人なら一瞬か」

ぶりっ子「か弱い私でも勝てましたからねぇ」

狙撃少女(か弱い……?)


649 ◆cUhskXlNTw2025/10/18(土) 02:38:34.86T5fYhWOpo (1/1)

本日はここまでです
ありがとうございました


650 ◆cUhskXlNTw2025/10/18(土) 19:50:53.067PNRnOurO (1/1)

今回は成長から始めます

男が1・炎魔が2レベルアップです

>>下1コンマ……男の成長
>>下2コンマ……炎魔の成長

?男の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+3
41?60でMP+3
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?炎魔の成長テーブル?
01?20で筋力+2
21?40でHP+3
41?60でMP+4
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


651以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/18(土) 20:05:54.92keSyLIXX0 (1/1)

せいや


652以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/18(土) 21:08:45.83OCVm+in40 (1/1)




653 ◆cUhskXlNTw2025/10/19(日) 04:24:48.30axlv6VwKo (1/4)

炎魔の【筋力】??+4【MP】??+4【素早さ】157

男はリロールです!
続きの成長は後日行います


怪盗「突撃ーっ!」


早々に直属兵を倒した三人だったが、
怪盗はさらに、直属兵が向かってきた方角へと向かおうとしているのだ


やる気「ちょ、なにやってんすか!?」


654 ◆cUhskXlNTw2025/10/19(日) 19:44:36.45axlv6VwKo (2/4)

すみません寝落ちしました


氷魔「……そちらには……まだ敵がいるかもしれませんよ……」

怪盗「だから行くんですよ!きっと将軍はお宝とかいい武器持ってます!」

やる気「え、ぶんどるためだけに行くんすか!?」

氷魔「……かなりリスクがありますが……さらに援軍が来るなら……奇襲して叩けるかもしれませんね……」




655 ◆cUhskXlNTw2025/10/19(日) 19:48:34.58axlv6VwKo (3/4)

怪盗「リスク上等!オケツに入らずんばオジを得ずって言うでしょう!」

やる気「オとコが入れ替わって最悪なことになってるっすけど……」

氷魔「……いずれ……他の方々も来るでしょう……危険そうなら……退いて合流ですね……」

怪盗「分かりましたっ!」


森に踏み荒らされた道があり、
そこを通って直轄部隊がやってきたのだと推察できる
三人はそこを突き進み、茂みをかきわける
すると、そこに>>下1があった


656以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/19(日) 21:15:08.22gvAye9hI0 (1/1)

補給部隊らしき一団


657 ◆cUhskXlNTw2025/10/19(日) 22:24:19.01axlv6VwKo (4/4)

茂みの先は小さく開けていて、
小規模なキャンプがあった


やる気「物資があるっすね」


戦闘用のものではない馬に、
物資が入っているとおぼしき袋やバッグが多数装備されている


氷魔「……補給部隊の……キャンプかもしれませんね……」


658 ◆cUhskXlNTw2025/10/20(月) 01:02:48.41/rtaor72o (1/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


659 ◆cUhskXlNTw2025/10/20(月) 18:59:16.43/rtaor72o (2/2)

今日はレベルアップの処理から行います

下1コンマ……男の成長
下2コンマ……炎魔の成長

?男の成長テーブル?
01?40で全能力+9
41?60で習得『食いしばり』
61?80で習得『降神コスト1/2』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?炎魔の成長テーブル?
01?20で筋力+2
21?40でHP+3
41?60でMP+4
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


660以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/20(月) 19:54:34.85jzs0uGQJo (1/1)

ぬん


661以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/20(月) 20:45:50.00r5/d+foY0 (1/1)




662 ◆cUhskXlNTw2025/10/21(火) 01:58:16.77bVNl52a1o (1/5)

男の【筋力】137【素早さ】213【MP】133
男は『食いしばり』を習得しました
一日に一度までHPが0になるとき1で耐えます
さらに『降神コスト1/2』を習得しました
神を呼ぶにあたって必要な人数やMPを半分ほどにすることができます

そして炎魔はリロールです!


663 ◆cUhskXlNTw2025/10/21(火) 01:59:58.61bVNl52a1o (2/5)

怪盗「うーん……」

やる気「不服そうっすね、戦略的価値はかなりあるっすよ?」


目の前に盗めそうなものが沢山あるにもかかわらず、
彼女はあまり興味を示していない様子だった


怪盗「いや、食べ物を盗むのはなんか違うんですよね」

氷魔「……へぇ……」


664 ◆cUhskXlNTw2025/10/21(火) 02:03:32.57bVNl52a1o (3/5)

やる気「じゃあ、ここ無視するっすか?」

怪盗「それも不誠実かな、市長さんとかに」

氷魔「……難しいですね……」


むしろやる気や氷魔こそ、
そうした行為への抵抗は薄いほうだった
特にやる気はそういうこともするように教育されてきた側の人間である


やる気「じゃ、脅かして帰すっすか?」

氷魔「……いずれ……直轄部隊の連絡が途絶え……我々の存在は露見します……致命的な悪手にはならないかと……」


665 ◆cUhskXlNTw2025/10/21(火) 02:48:59.00bVNl52a1o (4/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


666 ◆cUhskXlNTw2025/10/21(火) 19:11:08.48bVNl52a1o (5/5)

成長の続きをします
中華がレベルアップ!

>>下1コンマ……炎魔の成長
>>下2コンマ……中華の成長

?炎魔の成長テーブル?
01?40で全能力+9
41?60で習得『大いなる炎翼』
61?80で習得『イモータル・ギビング』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?中華料理人の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+3
41?60でMP+2
61?80で素早さ+4
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


667以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/21(火) 19:12:17.23V6XBr1/go (1/1)

ぬん


668以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/21(火) 21:10:19.42G78rib8h0 (1/1)




669 ◆cUhskXlNTw2025/10/22(水) 01:31:08.92DoVdEYHVo (1/5)

炎魔の【筋力】??+13【MP】??+13【素早さ】162
中華の【MP】83


やる気「ほんなら、行くっすかね」

怪盗「あ、ちょっと!」

氷魔「…………」


やる気は早速茂みから出て、
補給部隊とおぼしき一団の前へと躍り出た


670 ◆cUhskXlNTw2025/10/22(水) 01:33:14.50DoVdEYHVo (2/5)

彼らは突然のことにどよめいているが、
わずか三人で出てきたので、
まさか一団を倒せるような敵であるとは認識していないようだった


やる気「さぁて、脅かしてやるっすかね……」

氷魔「……ついでに……情報も出せればいいですね……」

怪盗「すっごい悪人のオーラが出てます……」


やる気は魔法を一撃空撃ちして、
彼らを威嚇するつもりでいるようだ


671 ◆cUhskXlNTw2025/10/22(水) 02:13:26.02DoVdEYHVo (3/5)

本日はここまでです
ありがとうございました


672 ◆cUhskXlNTw2025/10/22(水) 19:49:50.70DoVdEYHVo (4/5)

兵A「な、なんだ……!?」

やる気「はぁっ!」


彼は片手をかざすと、上級闇魔法を行使した
直径2mほどの闇の塊を出現させ、
それを地面に叩きつけたのだ


兵B「うわあっ!」

やる気「俺っちらも補給兵から食糧を奪い取るほど鬼じゃないっす……ここいらを通る、将軍の移動ルートについて教えてくれれば、無事に帰してやるっすよ」

兵C「>>下1」


673以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/22(水) 20:09:39.15RcIaurXyo (1/1)

やめてくれ俺達は何も知らない
命令に従ってるだけなんだ


674 ◆cUhskXlNTw2025/10/22(水) 22:08:19.83DoVdEYHVo (5/5)

兵C「やめてくれ俺達は何も知らない」

怪盗「本当ですかー?」

兵C「命令に従ってるだけなんだ」


蚊の鳴くような声で絞り出された言葉に、
嘘を感じることはできなかった


氷魔「……それは……困りましたね……」

兵A「ひっ……」


675 ◆cUhskXlNTw2025/10/23(木) 00:36:28.20hiA35QOzo (1/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


676 ◆cUhskXlNTw2025/10/23(木) 18:12:04.78hiA35QOzo (2/2)

今日は成長から始めます
ぶりっ子が2レベルアップ!

>>下1・2コンマ……ぶりっ子の成長

?ぶりっ子の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+2
41?60でMP+5
61?80で素早さ+4
81?90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


677以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/23(木) 21:22:49.98a8SzmWIq0 (1/1)




678以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/23(木) 21:29:02.26qs/UpKjkO (1/1)

はい


679 ◆cUhskXlNTw2025/10/24(金) 00:02:07.97SWDN5S4vo (1/4)

ぶりっ子の【HP】??+40
さらにリロールですがそれは後日行います


補給兵たちは恐怖している


怪盗(これ、メンツ的に止めにかかる人がいないから延々と悪人ムーブ続けますね……)

やる気「はぁ、しょうがないっすね」


やる気は気の抜けた声を出した
それは油断したからではなく、
これ以上脅す必要はないと判断したからだ


680 ◆cUhskXlNTw2025/10/24(金) 00:04:45.05SWDN5S4vo (2/4)

氷魔「……どうしますか……?」

やる気「帝国で家族が待ってる人、いるっすか?」

怪盗「な、なんですかその質問……?」


彼の問いに、部隊のうち数人が手を挙げた
過半数を越えてはおらず、
それは完全な雇われや、あるいは想像したくないような境遇のものが多いことを暗示していた


681 ◆cUhskXlNTw2025/10/24(金) 00:16:30.30SWDN5S4vo (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


682 ◆cUhskXlNTw2025/10/24(金) 22:47:50.42SWDN5S4vo (4/4)

すみません遅れました


やる気「じゃ、そいつらはさっさと帰るっすよ」

怪盗「え、残りの方は?」

やる気「そりゃ捕虜っすよ」


あまりに思いきったことをするので、
怪盗は言葉を失ってしまった


683 ◆cUhskXlNTw2025/10/25(土) 02:57:50.50p8esibuFo (1/3)

それから、補給部隊のうち、
捕虜にならなかったものは、
自分たちが食べる文の食糧だけを回収して引きあげていった


捕虜A「……どうなるんだろう、俺たち」

氷魔「……あなたたちが……食糧です……」

捕虜B「ひっ!」

氷魔「……冗談です……」


684 ◆cUhskXlNTw2025/10/25(土) 03:08:43.57p8esibuFo (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


685 ◆cUhskXlNTw2025/10/25(土) 19:39:57.42p8esibuFo (3/3)

怪盗「なんか嘘に感じないんですよね」

氷魔「……ちょっと傷つきますね……」


そう楽しげに会話しているのを見たことによって、
補給兵たちの不安は少しだけ取り除かれた


やる気「あ、そうだ」

捕虜C「………………」

やる気「君たちが物資を届けようとしていたのは、将軍の直轄部隊っすか?」

捕虜C「あ、自分ですか」

やる気「そっすよ、あんたに聞いてるんす」

捕虜C「>>下1」


686以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/25(土) 20:23:10.09YhtVc53C0 (1/1)

「谷底で助けを求めている」
という情報が入ったんです


687 ◆cUhskXlNTw2025/10/26(日) 01:52:33.26aZBf8y4No (1/3)

捕虜C「「谷底で助けを求めている」という情報が入ったんです」

氷魔「……谷底……?」

怪盗「近くに谷があるんですかね?」

捕虜D「あぁ、確かそのはずで……」


となれば、帝国側も苦境に立たされているのかもしれないだろうと三人は考えた
谷底にいるのが将軍のような重要人物であれば、
好都合なのだ


688 ◆cUhskXlNTw2025/10/26(日) 03:01:25.07aZBf8y4No (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


689 ◆cUhskXlNTw2025/10/26(日) 19:26:29.95aZBf8y4No (3/3)

今日は成長から行います
ぶりっ子がリロールし、狙撃少女がレベルアップしました!

>>下1コンマ……ぶりっ子の成長
>>下2コンマ……狙撃少女の成長

?ぶりっ子の成長テーブル?
01?40で全能力+6
41?60で習得『魔翌力回路』
61?80で『蠱惑』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?狙撃少女の成長テーブル?
01?20で筋力+5
21?40でHP+2
41?60でMP+5
61?80で素早さ+2
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


690以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/26(日) 19:32:41.35FMyjoRMwo (1/1)

ヌッ


691以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/26(日) 20:46:41.770Ub/Vdip0 (1/1)




692 ◆cUhskXlNTw2025/10/27(月) 02:27:14.34kAtdE6PTo (1/4)

ぶりっ子の能力上昇はレベル的に+9でした

ぶりっ子の【筋力】134【MP】159【素早さ】111
狙撃少女もなんとリロールが起きました



やる気「ともかく、こりゃ一旦態勢を整えるべきっすね」

氷魔「……情報も共有して……行動をしなければなりません……」

怪盗「目論見通りとはいきませんでしたけど、仕方ありませんね!」


693 ◆cUhskXlNTw2025/10/27(月) 02:29:29.31kAtdE6PTo (2/4)

視点は変わって、男に戻る


男「みんな、もう敵は倒したみたいだな」

炎魔「じゃあ、逃げたほうの直属兵を倒しましょう!」

男「ああ、そうだな……っ!」


男がその背中を追おうとすると、
彼はあっさりと倒されてしまった


狙撃少女「すみません、いい的だったので」


694 ◆cUhskXlNTw2025/10/27(月) 02:42:11.19kAtdE6PTo (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


695 ◆cUhskXlNTw2025/10/27(月) 19:44:45.52kAtdE6PTo (4/4)

男「いや、気にしないでくれ。手間が省けた」

中華「残りの三人は森の中に突貫していっちゃったみたいだけど、どうする?」

ぶりっ子「追いかけるべきだとは思いますけどぉ……」

狙撃少女「そうですね、重騎士さんもいつ帰ってくるか分からないですし」

炎魔「じゃあ行きましょうか」


696 ◆cUhskXlNTw2025/10/28(火) 02:37:13.61Cv5NoSEVo (1/2)

意見を固めたところで、
森から怪盗が飛び出してきた


男「うわっ!?」

怪盗「おお、やっぱりまだここにいたんですね!」

中華「なにかあったの?」

怪盗「やる気さんと氷魔さんがこっちに戻ってきます、捕虜を連れて」

ぶりっ子「ほ、捕虜ぉ!?」


697 ◆cUhskXlNTw2025/10/28(火) 03:35:29.31Cv5NoSEVo (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


698 ◆cUhskXlNTw2025/10/28(火) 19:34:18.22vPDH3BS6O (1/1)

今日はレベルアップの処理から始めます
狙撃少女の成長がリロールされました

>>下1コンマ……狙撃少女の成長

?狙撃少女の成長テーブル?
01?40で全能力+9
41?60で習得『隠れ蓑』
61?80で習得『ストーリーテラー』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


699以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/28(火) 20:07:53.61FjXzQkTR0 (1/1)

良いのこい


700 ◆cUhskXlNTw2025/10/29(水) 00:03:52.05/XGtC2mGo (1/4)

狙撃少女は『ストーリーテラー』を習得しました
本系統のアイテムを製作できるようになります


狙撃少女「随分派手に暴れたのですね」

怪盗「いや、補給兵だったんで……対して暴れてないですよ」

炎魔「しかし、捕虜にしてどうするんですかね?」

男「……確かに、あんまりそういうことするタイプじゃないよな」


701 ◆cUhskXlNTw2025/10/29(水) 00:17:55.50/XGtC2mGo (2/4)

そうこうしていると、
やる気と氷魔が捕虜を連れて森から出てきた


やる気「やー、お待たせしたっすね!」

氷魔「……連れてきましたよ……」

中華「どうして捕虜なんて連れてきたんだい?」


彼がそう問えば、言いづらそうに怪盗が口を開いた


怪盗「そのー……放置もできないけど……ご飯奪うのも忍びなくて……」


702 ◆cUhskXlNTw2025/10/29(水) 01:41:00.14/XGtC2mGo (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


703 ◆cUhskXlNTw2025/10/29(水) 19:55:19.73/XGtC2mGo (4/4)

ぶりっ子「はぁ、そうですかぁ」

怪盗「すみません……」

狙撃少女「いえ……それも立派な判断だと思いますよ」

怪盗「いや、私悩んでただけで……判断したのはやる気さんですし……」

やる気「とりあえず動くのが俺っちの仕事なんで!」


704 ◆cUhskXlNTw2025/10/30(木) 01:39:22.09FdQYaaNco (1/4)

男「いずれにせよ、捕虜を連れて動き回るのはリスクが高いな……将軍も現れないし、帰るべきか?」

やる気「や、それがっすね……」


やる気たちは谷底での救難要請について、
それを知らなかった者たちに伝えた


炎魔「えぇっ!?大変じゃないですか!」

中華「敵だとか味方だとか言っている場合じゃないかもね、助けにいこう」


705 ◆cUhskXlNTw2025/10/30(木) 02:42:50.67FdQYaaNco (2/4)

氷魔「……それで……谷はどこにあるのですか……?」

捕虜A「それはですね……」


彼らの目的地でもあった、
ある谷へ向かう道を一行は教えてもらえた


ぶりっ子「じゃ、早速向かいましょう!」

怪盗「重騎士さんが戻ってませんけど、どうしましょうか」


706 ◆cUhskXlNTw2025/10/30(木) 02:54:50.38FdQYaaNco (3/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


707 ◆cUhskXlNTw2025/10/30(木) 19:18:40.16FdQYaaNco (4/4)

狙撃少女「書き置きでも残しておきましょうか」


彼女は持っていた白紙のメモを、一枚割いた
そして、そこに伝えたいことを記したのだ


やる気「うし、じゃあその紙もらうっすよ」


倒れた兵からナイフを一本回収していたやる気は、
それと紙を勢いよく地面に突き刺した


708 ◆cUhskXlNTw2025/10/31(金) 02:57:13.82veWWxkPIo (1/3)

それから、一行は谷を目指した
そう遠くないところにあったそこは、
非常に深く、そして底の付近には霧が立ち込めていた


炎魔「こりゃ助けも求めますね……」


大地が裂けたかのような、あまりにも大きな谷だった


男「ああ、こういう場所には来たことがあるけど……なかなか面倒だった」


709 ◆cUhskXlNTw2025/10/31(金) 03:26:33.36veWWxkPIo (2/3)

本日はここまでです
ありがとうございました


710 ◆cUhskXlNTw2025/10/31(金) 19:54:47.73veWWxkPIo (3/3)

中華「なんでこんな場所に来たんだろう?」

氷魔「……確かに……不可解ですね……」


幸いにも、谷底に続いていく坂道があった
決してやさしい道ではなかったが、
一行が下っていくぶんには苦にならないほどだった


捕虜B「そういえば、この谷にまつわる噂を聞いたことがあります……」

やる気「噂?」

捕虜B「なんでも、>>下1」


711以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/10/31(金) 23:24:57.598wjvuddA0 (1/1)

この谷底の何処かに死にかけのドラゴンが最期に集まる「墓場」があるらしい


712 ◆cUhskXlNTw2025/11/01(土) 03:15:06.46Ai3BJ9Z5o (1/2)

捕虜B「この谷底の何処かに死にかけのドラゴンが最期に集まる「墓場」があるらしい」

ぶりっ子「そ、そんな場所が……」

怪盗「じゃあ、ドラゴンの骨とか集められるんですかね!?」

狙撃少女「そうかもしれません、ですが……」

怪盗「なんですか?」

狙撃少女「……いえ、なんでもありません」


713 ◆cUhskXlNTw2025/11/01(土) 03:45:56.33Ai3BJ9Z5o (2/2)

本日はここまでです
ありがとうございました


714 ◆cUhskXlNTw2025/11/01(土) 20:00:34.91iYzhCtOBO (1/1)

その知らせは、怪盗のような野心ある者にとっては魅力的だったが、捕虜たちのような者にとっては、谷底を包む霧への恐怖を増大させるものだった


男「……まぁいいさ、下っていこう」

炎魔「灯りは任せてくださいね!」


すると一陣の風が吹き、
風なりとも龍のいななきともつかない音がした


捕虜A「ひぃ!」


715 ◆cUhskXlNTw2025/11/02(日) 03:01:14.85PyYfJ1OPo (1/4)

中華「怯えるのも分かるなぁ、ここ不気味だもん」

やる気「まぁ安心するっすよ、俺っちらはドラゴンも倒したことがあるっすからね」

氷魔「……とはいえ……ドラゴンもピンキリですが……」

ぶりっ子「そうですねぇ、みんな強いですけど、ただ強いだけのやつと強いのなんて前提に過ぎないってくらいのやつがいますからねぇ」

捕虜C「でも、ここに来るのは死にかけみたいですし、大丈夫でしょう?」

狙撃少女「病気なり……手傷なり……そういうものに冒されているのならば、確かに問題ないかもしれません」


716 ◆cUhskXlNTw2025/11/02(日) 04:10:00.43PyYfJ1OPo (2/4)

本日はここまでです
ありがとうございました


717 ◆cUhskXlNTw2025/11/02(日) 18:18:19.37PyYfJ1OPo (3/4)

怯える者を勇気づけながら、
一行は谷に滞留する霧の中へと入っていく


怪盗「足元、気をつけて」

炎魔「はい、転んだら大変ですからね」

男「なにかに見られているような……」


神経が尖りすぎているだけなのか、
あるいは霧に紛れてこちらを窺うものがいるのか……
と男は考えている


718 ◆cUhskXlNTw2025/11/02(日) 20:50:22.36PyYfJ1OPo (4/4)

中華「ううん、視界がよくないし……見られてたら、というのも懸念だね」

氷魔「……晴らしてみましょうか……?」

やる気「どうするんすか?」

ぶりっ子「あ、それなら私がやりますよぉ」


彼女はそう言うと魔法を唱えはじめた


捕虜B「うわっ……!?」

ぶりっ子「ぴゅん太郎っ!」


彼女は必殺技を地面に叩きつけ、
周囲の霧を一瞬晴らした


>>下1……霧が晴れてなにか見えたか


719以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2025/11/02(日) 20:57:21.83Zi4szA1V0 (1/1)

緑色のドラゴン


720 ◆cUhskXlNTw2025/11/03(月) 02:39:46.488n6fY6JIo (1/2)

本日はここまでです
ありがとうございました