330 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:38:05.462HvOXjB50 (30/59)


【千雪に聞き込み】

千雪「……」


千雪さん、かなり思いつめた表情をしているな。
事件が起きたのは偶然にも彼女がパーティ会場を後にしたとき。
今この島にいる人間の中では年長者の部類にあたる彼女からすれば何か思うところがあるのかもしれない。


にちか「あの、千雪さん! 今ちょっと話聞いてもいいですか?」

千雪「あら? うん、大丈夫だけれど……どうしたの?」

にちか「えっと……千雪さんがパーティを途中で抜けた時の話をちょっと伺いたいんですけど……」

千雪「……! ええ、そうよね……停電中に姿を消してたんだもの、疑われても仕方ないよね」

にちか「え、ええ?! そ、そういうわけではなくてですね!」

美琴「みんなの花飾りを集めて作ったっていう花束について聞きたかったの。私はその花束づくりを知らなかったし、にちかちゃんも千雪さんが旧館を出てからのことは知らないから」

千雪「なんだ、そうだったの……でも、特に話せるようなことは何もないかなぁ……」



331 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:39:03.422HvOXjB50 (31/59)


千雪「あさひちゃんの思い付きでルカちゃんに花束を渡すことになって……会場に居合わせた灯織ちゃん、美琴ちゃん、ルカちゃん以外の全員の花飾りで花束を作ったわ」

千雪「それを私が代表してルカちゃんに渡しに行った……でも、結局ルカちゃんは見つからずにそのまま今の状態に至るの」

にちか「午後11時30分ごろはどのあたりにいましたー?」

千雪「えっと……ロケットパンチマーケットのあたりかしら? でも誰もアリバイを証明してくれる人はいないな」

美琴「大丈夫、旧館から出ていく千雪さんは私が見ているし、戻ってくる千雪さんは見ていない。停電の最中に事件に関与できないのは私が把握してる」

千雪「そ、それならいいんだけど……」


千雪さんは灯織さんを刺すことはできなかった。
それよりも重要なのは花束周りの話だよね。
誰の花飾りが使われてなかったのか、それが結局ルカさんの手にはわたっていないこと。ここら辺を押さえておく必要がありそう。


コトダマゲット!【花束】
〔パーティの参加者が身に着けていた花飾りを使って作った花束。あさひがパーティの最中に思い付いたものであり、灯織・美琴・ルカ以外でその場に居合わせた参加者全員の花飾りを使って制作した。ルカに渡す予定だったが、結局渡すことはできなかった〕

-------------------------------------------------

にちか「大広間での捜査はこんなところですかねー……」

美琴「そうだね……上面図ができるまでには時間もかかりそうだし、ほかのところを調べておこうか」

にちか「それなら倉庫を見といたほうがいいかもです、廊下の奥まったところだし、何かを調達するにはもってこいですから!」

美琴「わかった、倉庫に行ってみようか。時間もあまり残っていないようだから、急がないとね」

にちか「はい!」




332 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:40:28.412HvOXjB50 (32/59)


【倉庫】

みんなの掃除のおかげか朝には蜘蛛の巣まみれだった倉庫も、今は見違えたように綺麗になり、備品も基本的には整然と並べられている。
コンセントの前の不自然なアイロン台を除いては。


美琴「……あれ? これ、出しっぱなしみたいだね」

にちか「ですねー、コンセントにも刺しっぱなし……これ電気代めっちゃかかるやつですよ」

美琴「アイロン……みたいだね。しかも三台も」

にちか「まさか誰かがシャツを三つもしわ伸ばしした―とかじゃないですよね。これ」

美琴「……それか三台ぶんくらい大きなシャツを着ていたとか」

にちか「あはは! そんなの巨人じゃないですかー!」

美琴「でも、これはおそらく意図的なものなんだろうね」

にちか「そうですよねー……何もなしにこんなことするわけないし」

美琴「……何を狙っているのかな」


挿しっぱなしのアイロンか……
いつからこのままなのかは正確にはわからないけど、挿した時から数えると相当に旧館内の電力を食っていたはずだよね。
そこから見える狙いって……?


コトダマゲット!【倉庫のアイロン】
〔旧館倉庫でコンセントに挿しっぱなしになっていたアイロン三台。いつからそのままかはわからないが、相当に旧館の電力を消費していたものと思われる〕



333 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:41:18.172HvOXjB50 (33/59)


【棚】

倉庫の棚も、はじめのゴミ屋敷のようなありさまとは見違えたように綺麗に整列されている。
確かここも風野さんが整理整頓していたっけ。彼女の性格、その「らしさ」が前面に押し出された寸分の乱れもない並べ方。


美琴「すごいね、こういうビニールひもとかって散乱しやすいのに。よくまとめてある」

にちか「真ん中に押し込んだりしてもすぐ撓んじゃいますよねー、わかります!」

美琴「専用のケースも使わずに……縁側を紐自身で結んであるんだね。器用な整理の方法」

にちか「にしても他のものもほとんど乱れてないし……流石は血液型A型ですよね!」

美琴「ふふ、そうかも。……あれ、これは誰かが使用したのかな」

にちか「美琴さん?」

美琴「この缶だけ蓋がちゃんとしまってないから……これって、夜光塗料?」

にちか「夜光塗料って言うと暗闇でもほんのり光るやつですよね?」

美琴「うん、そう……バミる時とかでも使うことがたまにあるかな。暗所でも位置とか場所が確認できる便利な塗料なの」

にちか「ふーん……それを、誰かが使ったんですよね」

美琴「……私は特に使用先にピンとくることはないかな」


誰かが使った夜光塗料か……
暗所で用いるには効果的、今回の停電とも何か関係があるかもしれないよね。


コトダマゲット!【夜光塗料】
〔倉庫に備蓄してあった塗料。暗闇の中でもほのかに発光し、大体の位置などを確認することができる。何者かが使用した痕跡がある〕



334 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:42:48.172HvOXjB50 (34/59)


他に倉庫にはとくにみるべきものも何もない、そう考えて部屋を出ようとした。


にちか「あ、あれ……? 美琴さん……どうしました、何か気になるものでもある感じです?」

美琴「えっと……そうだね、ちょっとだけ」


美琴さんの視線の先にあったのは段ボールの山。数段にわたってずっしりと積み上げたそれはおいそれと簡単には運べなさそう。
でも、美琴さんが目を付けたのは段ボールそのものではなく、その下。


美琴「ここ……なんだか妙な跡がついてるの」

にちか「跡ですか……?」

美琴「昼の掃除で全体的にきれいにした後だけど、ここの一部分は色が少しほかの床と違って……何か物を引きずったように埃がつぶれて引きずられてる」

にちか「……わ、ほんとですね! 多分この段ボールを引きずった跡ですよこれ!」

美琴「すこし、どけてみようか」

にちか「はい!」


美琴さんの指示に従っててきぱきと段ボールを他所にどかす。
最後の段ボールを持ち上げた時、私たちの目に飛び込んできたのはこれまでに見たことのない取っ手付きの区画。
引き上げればパカっと外れてしまいそうな……


美琴「……扉?」





335 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:44:01.902HvOXjB50 (35/59)


そういえばこの旧館は床が高く作られている。玄関から入る時でも数段階段を上って入館する設計だったはずだ。
実際、扉を引き上げてみるとそこは収納ではなく、明確な床下としての空間があるようだった。


美琴「入ってみようか」

にちか「み、美琴さんは入っちゃダメです! こんなとこ、絶対ばっちいですから! 私が代表して入るので……美琴さんは待っててください!」

美琴「そう?」


少し扉を開けただけでも埃が舞い上がった。
昼の掃除でもだれも手をつけてない空間なんだろう。
こんなんじゃゴキブリやネズミが住み着いている可能性もある。
そんなところ、美琴さんに入ってもらう訳にはいかない。
慌てて私は名乗りを上げて、美琴さんの代わりに飛び込んだ。


にちか「うーわ、暗……」


ただ、床下空間はほとんど真っ暗。床板の隙間から部屋の光が多少差し込んではいるものの、ほとんど見えてないのと同じ。
這いつくばって進むにしても、前後すら怪しいみたいな空間だ。


美琴「……何か怪しいものはあった?」

にちか「いや、全くって感じです……そもそも物があるかどうかすら見えないし、こんなの誰も入れないですって」


目立った成果も上がらず、私たちは床下の調査を引き上げた。


美琴「残念。せっかく新発見だと思ったんだけどな」

にちか「い、いや! 発見は発見ですよ! 事件に使うのは難しそうですけど……何か別の方法があったのかもしれないですし……!」

美琴「一応、覚えておくだけ覚えておこうか」

にちか「はい!」




336 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:45:29.322HvOXjB50 (36/59)


____
______
________

にちか「大体捜査はし終えましたかね、美琴さんも状況はつかめました?」

美琴「うん……大体は。でも、まだ時間が残っているのなら、もう一つだけ調べておきたいところがあるの」

にちか「どこですか?」

美琴「灯織ちゃんの部屋。……彼女がパーティの直前まで何を考えていたのか、それを知りたいの」


思えば、パーティの最中の彼女はいつもとは様子が違っていた。
どこか気弱だけど、責任感は強くて、なんでも一人で背負いこんでしまう。
そんな彼女の性格の起伏の上振れと下振れとが同時に顔を出したような、そんなチグハグとした振る舞いが見て取れた。
何が彼女にあんな行動の数々を取らせたのか、確かにそれはこの島にいる全員が知っておくべきことだろう。

私は美琴さんに賛同の意志を示した。



337 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:48:08.982HvOXjB50 (37/59)


【灯織のコテージ前】


にちか「来ちゃいましたけど……でも、どうやって入りましょう」

美琴「そっか……鍵もないもんね……どうしよっか」


美琴さんはあたりをきょろきょろと見渡すも解決の方法が見つからないとみるやいなや、すぐに口に手を添えて呼びかけ始めた。


美琴「モノクマ! 力を貸してもらえるかな」

にちか「そ、そんなスマホのAIアシスタントじゃないんですから……」

バビューン!!

モノクマ「およびですか!」

にちか「で、出た!?」

美琴「うん、灯織ちゃんの部屋の鍵を開けてほしいの。頼めるかな」


特に驚く様子もなく淡々とモノクマに開錠を要求して見せる美琴さん。
モノクマの音速レスポンスとか、色々と私としては気になるところではあったんだけど……美琴さんのお邪魔をしてはならない。
その手はすぐに引っ込めた。




338 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:49:15.002HvOXjB50 (38/59)


モノクマ「えっ?! 女子高生の部屋の鍵を開けてしまうなんて……そ、そんな破廉恥な!」

にちか「は、ハレンチって……死語ですよ、おじさんくさすぎます!」

モノクマ「死語とはなんだ死語とは! 温故知新という言葉を知らないのか!」

にちか「もうそのキレ方がおじさんなんですって……!」

美琴「二人で楽しくおしゃべり中のところ悪いけど……扉は結局開けてもらえるのかな」

モノクマ「だから言ってるでしょ! 教育者としてはそんなインモラルな企てには協力できないよ!」

にちか「美琴さんがそんなことするわけないじゃないですか!」

モノクマ「いや、分からないよ……案外その澄ました表情の裏はとんでもない野獣が潜んでいるのかもしれないよ……?!」

美琴「ううん、やましいつもりがあるわけじゃないの。これも捜査のためだから」

(うわぁ……モノクマの発言とかガンスルーだよ美琴さん……)

モノクマ「なんだよノリ悪いなぁ……まあいいですよ、例えハレンチ目的でも許可してましたし」

モノクマ「死人に口なし、プライバシーなし! 思う存分隅から隅まで調べていいよ。彼女相当ため込んでたみたいだしさ」

美琴「……ため込んでた?」

モノクマ「クックックッ……まあそれは自分の目で見たほうが早いよ。あのパーティの裏に隠された彼女の葛藤はきっとすぐに感じ取れるからさ」

バビューン!!

にちか「い、行っちゃいましたね」

美琴「あのパーティの裏に隠された葛藤……か。にちかちゃん、見てみよう」

にちか「は、はい!」


モノクマは言葉通り開錠を済ませておいてくれたようで、扉はすんなりと開いた。



339 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:50:32.542HvOXjB50 (39/59)


【灯織のコテージ】

持ち主を失った部屋はどこか空虚な雰囲気が漂っていた。
それは風野灯織という人間の人柄によるところもあっただろう。
本やスリッパなどすべての並びがきっちりと揃えられ、ベッドの布団ですら折り目正しく整えられたそこは、もはや未使用と言われても気が付かない。
生活感をうかがい知れるのは、シャワールームの壁についたわずかな水滴。

そして、机の上に広げられた、少しだけ縁にくしゃっとしたゆがみのある紙一枚ぐらい。


美琴「この紙……」


すぐに私たちはその紙を手に取って広げてみた。


340 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:51:22.312HvOXjB50 (40/59)







『今夜必ず誰かが死ぬ
 夜を一人で過ごさぬようご用心』








341 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:52:26.082HvOXjB50 (41/59)


乱雑な字体で、まるで殴りつけたかのように刻まれた文字。
その文面は忌まわしい予言のような文言で、目に入れた瞬間に肩を冷たいものが撫でた。


にちか「こ、これって……」

美琴「脅迫文……みたいだね」


思い返せば、あのパーティの朝に風野さんは何か紙を隠し持っていた。
レストランに入ってきた私を見るなり、その紙を隠して誤魔化してたけど……あの時に持っていた紙がこれだったんだ。
そうでもないと、すぐにその後にパーティを開こうなんて言い出さない。


美琴「彼女、これをみたからパーティなんか……」

にちか「全然そんなこと言ってなかったのに……」

美琴「……言わなかったし、言えなかったんだろうね。自分の言葉で全員を不安にさせてしまうぐらいなら、自分一人で抱えたほうがいい。そういう子だから」


確かに、『今夜必ず誰かが死ぬ』なんて言われたら全員その『誰か』が自分のことを指しているんじゃないかとパニックになってしまうだろう。
でも、それは風野さん自身も同じはず。それなのに彼女は自分一人で引き受けて、それを防ぐために動くという選択を取った。
……やっぱり彼女は、私がこれまでに見てきた通り【強い】人だったんだ。その強さが、良くも悪くもある。



342 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:53:22.352HvOXjB50 (42/59)


美琴「……でも、もしかしたらこの脅迫文の主からすればパーティを開かないにせよ、灯織ちゃんが全員を同じ場所に集めることもある程度見越していたのかもね」

にちか「……『夜を一人で過ごさぬようご用心』、要は誰も一人にするなってことですもんね。風野さんに脅迫状を渡しておけば、きっと人を集めようとするのは想像も余裕です!」

美琴「集団の目の前ではなから灯織ちゃんを殺す予定だったってこと……かな」

にちか「もしかして、ほかの誰かに罪を擦り付ける目的だったんですかねー」

美琴「そうかもしれないね。現に今はほぼ全員が容疑者として間違いなさそうだし」


この脅迫状がすべての引き金になった。
風野さんの不安を煽って、パーティ開催を焚きつけて、その悉くを利用して。
犯人の手のひらの上で踊らされたとは言わないけど、風野さんの心を利用した狡猾で凶悪な犯行……しかもよりにもよって命を落としたのは風野さん本人。
流石にやるせないよ。


美琴「筆跡から送り主の特定は……難しそうだね」

にちか「犯人はここからじゃわからないですけど……風野さんの心情を知る上ではこれ以上になく重要な証拠です!」

美琴「そうだね。……彼女の気持ちは、ここにいる全員が知っておくべき情報だと思うから。必ず、伝えてあげようね」

にちか「はい!」


コトダマゲット!【脅迫状】
〔事件の発生前に灯織のもとへ送られていた脅迫状。『今夜必ず誰かが死ぬ 夜を一人で過ごさぬようご用心』との文言で、にちかたちを一か所に集めようという意図が垣間見える〕




343 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:54:36.662HvOXjB50 (43/59)


キーンコーンカーンコーン…


『オマエラは【はじめて】についてどう思う? ボクは【はじめて】ほど価値のあるものもないと思うな』


『はじめてフグを食べた人、はじめて納豆を食べた人、はじめてカニ味噌を食べた人。食一つとってもこれだけたくさんの【はじめて】を持つ勇敢な偉人たちがいるんだから』


『さて、今から始まるのはオマエラにとって、歌姫計画にとって、このコロシアイ南国生活にとっての【はじめて】の学級裁判。さあ、そこにはどんなドラマがあるんでしょうね』


『さあ、オマエラの【はじめて】を見せてチョーダイ! 【1の島・モノクマロック前】に全員集合だよー!』


プツン……




344 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:56:09.302HvOXjB50 (44/59)


にちか「時間……みたいですね」

美琴「うん、もう行かないとダメみたい」


モノクマのアナウンスを聞いた私たちは顔を見合わせた。


いつも、ステージに上る前は美琴さんの表情を見ていた。
アイドルとしての歴も浅く、場数も踏んでいない私はどんな時でも大概緊張し腐って体も震えていたけど……美琴さんはいつだって冷静だった。
むしろ次のステージでどんなことをするのか、何をすればより魅せられるのか、その『次』をよくするためにいつも思考を巡らせている様子だった。


……今。
あの美琴さんでさえも、少し顔がこわばっている。眉にはわずかに力がこもり、口元を結ぶその溝はいつもより深い。
これから私たちを待ち受けているのは、生きるか死ぬかの瀬戸際。全員の命を懸けてクロとシロが争いあう『学級裁判』。
それでもきっと、美琴さんは死ぬことが怖くて緊張しているんじゃない。
多分美琴さんは、これで負ければもうステージに上れなくなることに恐怖している。
私の恐怖とはわけが違う。私の、こんな身勝手な恐怖と一緒じゃない。


美琴「……不安だとは思うけど、ここにいても仕方ないから」

にちか「は、はい……!」


美琴さんの言うとおりだ。
裁判に負けるどうこう以前に、きっとモノクマに従わなければもっと急速に一方的な死を迎える羽目になるだろう。

私たちに選択権はない。


____行くしか、ない。



345 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:57:48.632HvOXjB50 (45/59)


【モノクマロック】

中央の島の海岸沿い。妙に開けた空間には、これまた妙に堂々と鎮座する奇妙な岩肌がある。
まるで山一個を切り出したような規模感のそれは、何十年という歴史をかけて作り上げた彫刻のように、表面がモノクマの顔で彫り込まれている。

その光景が、とてつもなく異様だった。……だって、


愛依「な、なんこれ……こんな岩、昨日までなかったよね……?」

あさひ「はいっす、この島って公園以外に行くところなんてなかったはずっすよ」

冬優子「ひ、一晩のうちにこんな大きな岩ができちゃったの……?」

ルカ「……ったくどうなってやがんだ……?! 混乱してきやがる……」

美琴「……ルカ、来たんだ」

ルカ「当たり前だ。私の命だってかかってる、283プロの連中に任せてなんかいられねーからな」

雛菜「それにしても、どうしてこんなところに雛菜たちは呼び出されたんですかね~?」

透「いないね、モノクマ」

摩美々「呼び出しておいて本人はだんまりだなんて、いい御身分ですねー」


と口々にモノクマへの不満を声に出し始めた頃。タイミングを見計らったようにそれは始まった。




346 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 22:59:27.382HvOXjB50 (46/59)


ゴゴゴゴゴゴ…

恋鐘「じ、地震~~~~~!?」

千雪「ううん、これは地震じゃないわ……あれ!」


千雪さんが指さした方向、岩壁に切り出されたモノクマの顔の一つが激しく振動していた。
この揺れはその地響きといったところなのか、お腹の臓物までグラグラと揺らすその波動がなんとも心地悪くて耐え難い。

その不快な横揺れを耐えきったかと思うと、今度目に飛び込んできたのは……そのモノクマの口から射出されるエスカレーターだった。


果穂「す、すごいですーーーー! 悪の秘密結社の秘密基地みたいですーーーーー!!」

夏葉「驚いたわね……なんて技術力なの……?!」

智代子「か、感心してる場合じゃないよね!?」

透「……あー」

結華「と、とおるん!? 危ないって、そんなノータイムで乗り込んじゃ……!」

透「えっ……でも、行くしかなくない?」

雛菜「雛菜もついてく~~~~!」

結華「ひ、ひななんまで?!」

摩美々「……多分透たちが正解、学級裁判ってのはこのエスカレーターの先でやるんだろうねー」

にちか「じゃあ、これ乗らなきゃな感じですか……?」

摩美々「多分ねー」


エスカレーターの先を見た。
モノクマを模した岩像の口の中へと伸びているエスカレーター、それに乗ってしまえばまるで自分から捕食されに向かうよう。

きっと、あの中が【学級裁判場】。
その意味では捕食というのもあながち間違いじゃない。
これから私たちはモノクマに殺される人間をみんなで選ぶんだから。
モノクマにとっては私たちの絶望が糧になる……今から始まるのは、そのための晩餐のようなもの。


(……最悪だ)


私たちは次々とエスカレーターに乗り込んだ。
エスカレーターはゆっくりと時間をかけて一人一人を丁寧に丁寧に口の中へと運んでいき……そして最後の一人が無事口の中に収められたその時。

ガシャーン!

地鳴りのような音を立ててエスカレーターを収縮させ、私たちは、次なる旅へと駆り出された。



347 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:02:12.622HvOXjB50 (47/59)


【モノクマロック内部】

智代子「今度はエレベーターみたいだね……」


エスカレーターに迎え入れられたモノクマの口蓋。
それは私たちを乗せたまま下へと動き出す。ゴウンゴウンというけたたましい機械音とともに、ゆっくりと下っていく。


摩美々「あの岩の中身はこんな大きなエレベーターだったってことみたいだねー」

ルカ「ちっ……あんなゴテゴテの演出やる必要あったのか? 岩とか挟まず直でエレベーターでいいだろ」

愛依「あはは……それはそーかも」

はじめこそ、ここまでの道中の仰々しさに雑談めいた独り言を零していたけれど。

あさひ「でも、すごい勢いで下に向かってるっすね。どこまで行くんだろ……」

果穂「はい……地下でもものすごくおく深くに向かってる気がします……!」


段々とその道のりが長く、深くなっていくごとに____


「…………」


____エレベーターの中の会話は少なくなっていった。


多分、モノクマはこれも見越してエレベーターの速度を緩慢にしていたんだろう。
私たちが気持ちを紛らわせるために交わす言葉を無理やりにでも底をつかせて、そこから生まれる自分との自問自答の時間。
無理やりにでも不安と恐怖がせりあがってくるその時間を作り出そうとしている。

実際、私の目の前にも広がってくるものがあった。
それまで凪いでいた水面に、一滴の絵の具を落としたように。
複雑で実体のない軌道を描きながら、それは広がっていく。
取り除こう、掴もうと手を伸ばしてもがけば水流が生まれ、濁りは一層波及する。
不安というのは少しでも混ざってしまえばすべてを飲み込んでいく。

もう、元の色には戻れない。




348 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:03:57.612HvOXjB50 (48/59)


美琴「……怖い?」


ふと美琴さんに肩を触られて、肝を冷やす。
飛び上がったような反応をする私に、美琴さんは変わらず優しいまなざしを向けた。


にちか「こ、怖くなんか……! ___いや、怖い……です。流石に」

美琴「大丈夫。隠さなくていいから」

にちか「す、すみません……体、どうしても震えちゃって」

美琴「……奈落」

にちか「え……?」

美琴「こうやってエレベーターで下ってると、ステージを出る前のことを思い出すんだ」

にちか「ああー……!! そっちの奈落なんですね、私てっきり___

美琴「奈落の底から見える景色……どのステージでも同じものが見えるんだ」

美琴「ステージを照らすライト、たくさんの観客、その手に握りしめられたペンライト……ううん、もっとその向こうにはスタッフさんや会場を設営してくれた人たちだって」

美琴「……そのために、私たちは最高のパフォーマンスをしなくちゃ……感動させなくちゃいけない」

美琴「奈落」

美琴「ここを出た時のためにすべてがある」

美琴「……にちかちゃん、まだここに【すべて】を置いていくわけにはいかないの」

にちか「美琴さん……!!」


美琴さんはそれ以上は口にしなかった。
私への励まし然として始めたその語り口だったけど、その結びは違っていた。
美琴さんが口にしたのは【決意】の言葉。
今自分が沈んでいく学級裁判場という奈落、そこから迫り出た時のことを思い描いた【決意】。
このどん底からも美琴さんはせり出して、その先でまた最高のパフォーマンスを披露しようとしている。




349 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:05:25.292HvOXjB50 (49/59)


……私は美琴さんみたいになりたい。
違うんだ、私は美琴さんとは。
奈落にいるときに考えていたのは、いつもそこを出た後の孤独感。
あのライトの下では、私を支えてくれる人はもう近くにはいない。
そう、考えていた。


美琴「……私は、にちかちゃんの【すべて】もまだ見れていないと思っているから」


……なれるかな、私も。
言えるかな、同じことを。


____いや、今だけは言わせてもらう。

不格好でなんの裏付けもない、ただの虚勢でも、今だけは。


にちか「私にとっても、奈落は……奈落を出た時のために【すべて】があるので!」

にちか「絶対、這ってでも出てみせますよ!」


嘘から出た実、なんてことわざを引用したらなんだかおばさんくさいけど、この虚勢が私に本当の力をくれると、信じた。


長い長い降下の果てにエレベーターはついにたどり着く。
私たちの命を懸けた舌戦の舞台、地の底の奈落……学級裁判場へと。



350 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:07:29.472HvOXjB50 (50/59)


【地下裁判場】

モノクマ「ようこそお越しくださいました! 我が学級裁判場へー!」


エレベーターの扉が開くと目に飛び込んできたのは、ギラついた配色とはミスマッチなほどにきっちりと柱や垂れ幕の整えられた荘厳さすらある裁判場。
その中央には被告人席、検察席、弁護席などなく、その代わりと言わんばかりに、円形に並べたてられた席が16ほどある。


にちか「ここが裁判場……なんですか」

モノクマ「そう! ここでオマエラにはクロとシロとで真実と嘘をめぐる、血沸き肉躍る学級裁判を繰り広げてもらいまーす!」

モノミ「何が血沸き肉躍るでちゅか! これ以上のコロシアイだなんて、あちしが許しまちぇんよ!」

モノクマ「うるさいなあ……オマエは連れてきてもらえただけでも感謝しろよ!」

千雪「まあ……モノミちゃん、あんなしばりつけられて……かわいそう」

モノミ「ミナサン……申し訳ないでちゅ、学級裁判だなんて野蛮なこと……なんとしても阻止したかったんでちゅが……うぅ……あちしのマジカルステッキが無事ならこんなことには……」

ルカ「安心しろ、誰もお前には期待しちゃいねえから」



351 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:08:22.632HvOXjB50 (51/59)


結華「そうだ、裁判が始まる前にみんなに渡しておくものがあるんだよね!」

にちか「もしかして、できたんですか?」

結華「なんとか! 全員用意しておいたから、裁判に役立ててもらえると助かる!」

ルカ「あ? なんだよ、この紙きれ……」

結華「これは事件現場の上面図! 停電の前後で写真を撮ってたから、その情報をもとにどこに誰が立っていたのかを大まかにまとめておいたんだよ」

美琴「ありがとう……すごく助かる」

千雪「うん、当時現場にいることができなかったから……これを頼りに考えさせてもらうね」

結華「ふー、これで三峰も貢献できたかな!」

摩美々「裁判はこれからなんですケドー」

(パーティ会場の上面図……停電当時の状況はこれで大体が掴めそう)

(よし、これをもとに推理するぞ……!)


コトダマアップデート!【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる(https://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/172)〕



352 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:09:06.232HvOXjB50 (52/59)


あさひ「ねえ、いつになったら裁判始まるっすか? クロを早く当てたいっすよ!」

モノクマ「おっ、いいねえ! 芹沢さんのように自主性のある生徒は先生大好きなんです!」

モノクマ「芹沢さんの要望もありましたし、さっさと始めちゃいましょうか! オマエラはそれぞれ自分の名前の書いてある席についてくださーい!」


モノクマの指示を受けて、私たちはそれぞれ自分の席とされている証言台の上に立つ。

円形に並べられたこの証言台からは、全員の顔がよく見える。
不安、動揺、焦り、緊張、切迫、混乱……その全てがここでは暴き出されてしまうだろう。
でも、今この瞬間にもこの場所ではそれら感情をベールにして真実を隠している殺人犯の【クロ】が存在している。
私たちは、それを暴き出さなくちゃいけない。



353 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:10:44.552HvOXjB50 (53/59)


超高校級の占い師、風野灯織。
人一倍責任感が強くて、正義感も強かった彼女は本来気弱な性格なのにそれを押してまで私たちを守るために最後の最後まで動いてくれた。
思えば、このコロシアイ南国生活が始まった時だって私たちを冷静に戻してくれたのは彼女だった。

疑念と信頼、その両方を否定することなく、プラスの方を多くできるように。そうやって一歩ずつ踏み出していけばいい。
彼女がそう言ってくれたおかげで救われた人が何人いるだろう。
彼女がかつて陥った疑心暗鬼、その詳細を聞くことは適わなかったけど……私たちはかならずこの疑心暗鬼の学級裁判も乗り切ってみせる。


____それが彼女の意志のはずだから。




354 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:11:29.222HvOXjB50 (54/59)


私たちは進む。
どれだけ絶望的な真相が待っていたって、そこに希望が微塵も残っていなくたって。
進むしかない、進むことしかできない。
後戻りしたってなにもない。
私たちのすぐ背後にでも死神はその鎌を振り上げて迫っている。
ちょっとでもこの歩みを止めてしまえば、待っている結末は……死。

だから、行くしかない。
それが学級裁判、それが私たちの生きる道。



355 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:12:39.062HvOXjB50 (55/59)






____それが私たちの命の在り方なんだから。








356 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:14:45.602HvOXjB50 (56/59)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆学級裁判について
さて、次回より学級裁判が本格的に始まりますが、ここでアナウンスでございます。

前作にあたる風野灯織主人公のお話では特に報酬まわりのシステムについては言及をしておりませんでしたが、ノンストップ議論や反論ショーダウンなど『安価・コンマを利用する問題数×2』を基本として、そこから誤答の分メダルを差し引いたものが報酬になっていました。
今回はシステムをがらりと変えて、『裁判ごとに報酬数は一定に設定』し、クリアさえすればそれがそのままもらえる形になります。

ただ、大きな変更点として【発言力】と【集中力】を導入します。
【発言力】はいわば体力、これがゼロになればゲームオーバー。クリア報酬は一気に半減してしまいます。
【集中力】は戦闘アイテムのようなもの。ゲージを使用するたびに、コトダマの数が減少したり、ロンパポイントが減少したり、ゲームを有利にする効果が発動します。
どちらも初期状態は『5』でのスタートです。これら二つのゲージに効果を持つスキルもございますので、是非ご検討ください。

併せて、毎章裁判前には自動販売機・希望のカケラのスキル交換を可能とします。
裁判中に発動できる消費アイテムや、裁判を有利に進めるスキルを習得して是非とも報酬を満額そのままお受け取りくださいませ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



357 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:19:33.882HvOXjB50 (57/59)


というわけで本日はここまで。捜査パートをすべて投稿できました、よかった。
次回より裁判パートとなりますが、前シリーズとの変更点は上記を参照ください。進行の流れ自体は基本的に変化はないです。

今回の裁判自体は割と簡単なものです、犯人もすぐに分かってしまう方もおられるかもしれませんが具体的な言及は避けることをお願いします。
また、今回コトダマとして試験的に上面図を採用しています。あまり画像のアップロードなど慣れていないので、確認できない場合は仰ってください。

裁判パートの更新は11/28夜からを予定しています、安価コンマをこれまで以上に利用することとなるので積極的なご参加お待ちしております。
後に裁判前準備パートのテンプレを書き込みにまいります。

一旦、お疲れさまでした。



358以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/27(土) 23:24:08.98QFqYBZKM0 (9/9)

お疲れです。盛り上がってきましたね!
なぜか上面図が閲覧できなかったです。


359 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:38:05.762HvOXjB50 (58/59)


こちらなら多分閲覧できるはずです
上面図(https://imgur.com/a/9eVfvnk


360 ◆zbOQ645F4s2021/11/27(土) 23:39:04.992HvOXjB50 (59/59)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
 何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
 指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。

‣にちかの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…10枚】
【現在の希望のカケラ…18個】


【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕

【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕

【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕

【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕


≪希望のカケラ交換≫
【花風Smiley】必要な希望のカケラの数…20個
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕

【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕

【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕

【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕

【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕

【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



361以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 04:29:01.43uvx71tAz0 (1/16)

Imgur の上面図のリンク先をクリックするとネットワーク接続エラーになってしまいます。恐れ入りますが、pixivなどの外部サイトに投稿することは可能でしょうか?重ね重ね申し訳ありません。


362 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 06:49:39.10zANooWfn0 (1/43)

URLの後に.jpgをつけても見れないでしょうか?
外部サイト投稿はできる限り避けたいのですが…


363以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 12:47:12.68vFP3QZsHO (1/1)

申し訳ありませんが、今回は諦めます。ご足労をおかけしました。


364 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:48:49.68zANooWfn0 (2/43)

こちらこそ申し訳ないです!
何分画像のアップロードなど不心得で……
今回の事件において上面図は必ずしも必須ではなく、序盤は上面図の出番も無いのでひとまず今日はこのまま再開します。

では、前シリーズ同様コトダマのコピペを貼るところから始めます。


365 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:50:13.37zANooWfn0 (3/43)

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
〔被害者は風野灯織。死亡推定時刻は午後11時30分ごろ。旧館で行われていたパーティ中に発生した停電の中で襲われたものとみられる。死体は胸部を千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している、これが直接の死因となったと思われる。臓器損傷によるショック死並びに失血死。ほぼ即死だったものと思われる〕

‣【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる〕

‣【胸元の花飾り】
〔パーティの参加者が胸につけていた花飾り。被害者となった灯織もその胸につけたままになっている〕

‣【テーブルクロス】
〔果穂に死体を見せないようににちかが死体にかぶせたテーブルクロス。灯織の血によって真っ赤に染まっている〕

‣【あさひの証言】
〔あさひは旧館が停電になった時の反応を正確に聞き取っていた。発言は以下の通り。
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」〕



366 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:51:33.17zANooWfn0 (4/43)


‣【床に散乱した料理】
〔シュラスコやチャーハン、ラザニアなど和洋折衷の品目の並んだ恋鐘特製料理。停電中のパニックで床に食べかけの料理がぶちまけられている〕

‣【暗視スコープ】
〔死体付近に落ちていた暗視スコープ。通常なら暗闇でも物を見ることができるが、レンズ部分が塗りつぶされて使用不可〕

‣【エアコンのスイッチ】
〔大広間のエアコンは事件発生直前の午後11時30分に起動するようにタイマーがセットされていた。なお、停電が起きたのはその直後〕

‣【美琴の証言】
〔美琴が旧館の玄関に出てからは、千雪が出て行ったのみで他に誰も来ていない〕

‣【倉庫のアイロン】
〔旧館倉庫でコンセントに挿しっぱなしになっていたアイロン三台。いつからそのままかはわからないが、相当に旧館の電力を消費していたものと思われる〕

‣【蛍光塗料】
〔倉庫に備蓄してあった塗料。暗闇の中でもほのかに発光し、大体の位置などを確認することができる。何者かが使用した痕跡がある〕

‣【花束】
〔パーティの参加者が身に着けていた花飾りを使って作った花束。あさひがパーティの最中に思い付いたものであり、灯織・美琴・ルカ以外でその場に居合わせた参加者全員の花飾りを使って制作した。ルカに渡す予定だったが、結局渡すことはできなかった〕

‣【脅迫状】
〔事件の発生前に灯織のもとへ送られていた脅迫状。『今夜必ず誰かが死ぬ 夜を一人で過ごさぬようご用心』との文言で、にちかたちを一か所に集めようという意図が垣間見える〕

‣【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる(https://imgur.com/a/9eVfvnk.jpg)〕



367 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:52:29.74zANooWfn0 (5/43)

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【学級裁判 開廷!】






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368 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:54:44.36zANooWfn0 (6/43)


モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「うぅ……聞けば聞くほど残酷なルールでちゅ……」

にちか「本当にこの中にクロが……?」

美琴「ねえ、議論を始める前に一ついいかな?」

美琴「……あれ、何かな。空席のところに灯織ちゃんの写真を張り付けた看板が立っているけれど」

モノクマ「死んだからって仲間外れはかわいそうでしょ? オマエラがいつでも風野さんのことを思い出せるように腕によりをかけて遺影をこしらえました!」

愛依「その割に顔にバッテンされてるんだけど……」

雛菜「脱落者って感じですね~」



369 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:56:17.71zANooWfn0 (7/43)


ルカ「まあいい、さっさと始めるとしようぜ」

ルカ「私はこの事件とは一切無関係だけどよ。議論でミスれば死ぬのは私も一緒だ。283プロと道連れなんてのはごめんだからな」

夏葉「ルカの言うとおりね、議論を始めることにしましょう。今は少しのタイムロスでも惜しいもの」

果穂「……」

夏葉「果穂……怯えなくていいわ、私たちで正しい正解を導き出してみせる。あなたの命も、絶対に守り抜いて見せるから」

果穂「あ、あの……! そうじゃなくて……!」

智代子「果穂……?」

果穂「あたしにも……あたしにも、いっしょに戦わせてください!」

果穂「灯織さんはいつもあたしにやさしくしてくれた……大事な大事な人なんです! そんな人が死んじゃった……その真そうを考えるのを人まかせにしたくないんです!」

夏葉「……果穂、あなたはやっぱり強い子ね」

夏葉「ええ、こちらからもお願いするわ。果穂の力を貸してちょうだい!」

果穂「……はい!」

智代子「といっても、どこから議論を始めればいいのかな?」

千雪「殺人事件なんて、初めてのことだもの……私にもサッパリ」

冬優子「まずは状況を整理するところから始めませんか? ふゆたちは現場にいたけど、事件当時現場にいなかった美琴さん、千雪さん、ルカさんには確認が必要だと思います」

美琴「うん、そうだね。ある程度は聞いてはいるけど……まだ分からないところもあるから」

透「ん、それじゃそこからだ」

(ついに始まる……学級裁判が)

(私たちはこの裁判で正しい犯人を見つけ出さなくちゃいけない)

(そうじゃなければ……)

(……そのためにも、議論の流れを見極めるんだ。正しい推理の流れを、私が導かないと!)




370 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 20:59:49.16zANooWfn0 (8/43)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】

ルカ「被害者は風野灯織……」

ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」

夏葉「パーティには【ルカ以外の全員が参加していた】わ」

千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」

恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」

果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」

結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」

結華「その直後ぐらいに【停電が起きた】んだよね」

愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」

愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」

恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」

【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



371以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:16:41.85uvx71tAz0 (2/16)

2


372以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:18:24.13tAw6oySa0 (1/1)

【包丁か何かで胸を刺されて】に【モノクマファイル1】


373 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:18:27.54zANooWfn0 (9/43)

2 選択

【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】

ルカ「被害者は風野灯織……」

ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」

夏葉「パーティにはルカ以外の全員が参加していたわ」

千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」

恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」

果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」

結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」

結華「その直後ぐらいに停電が起きたんだよね」

愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」

愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」

恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)

↓1


374以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:18:28.22uvx71tAz0 (3/16)

包丁 に モノクマファイル


375 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:21:31.23zANooWfn0 (10/43)


にちか「それは違くないですかー?!」論破!

【BREAK!】(集中力ゲージ:☆4→4.5)

にちか「ちょっと待ってください愛依さん! 風野さんを刺した凶器は、包丁じゃないです!」

愛依「え? そ、そうなん……?」

冬優子「愛依ちゃん、モノクマファイルを見てみようか?」

冬優子「ほら、灯織ちゃんの命を奪った傷についてこう書いてあるの。『千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している』、これって包丁じゃありえないよね?」

愛依「そっか……千枚どーし……!」

愛依「……って何なん?」

摩美々「アイスピックとかそういう形状のやつのことだよー」

果穂「ソードじゃなくて、サーベルってことですね!」

千雪「でも、そんな凶器現場にはなかったよね……?」

にちか「犯人がどこかに隠したのか、持ち出したかってとこですね。多分」

透「じゃ、マジックとかだ」

透「種も仕掛けもございません……ってやつ」

あさひ「えっ! マジックっすか!? 見てみたいっす!」

美琴「……犯人はよほどの使い手だったのかな」

美琴「ほら、暗闇の中で一突きで命を奪うなんてなかなか難しいから」

結華「それは確かにそうなんだよね……あの時の真っ暗闇でわざわざそんな方法を選ぶものかね、普通」

摩美々「……じゃあ次はその現場の状況についてでも話そうかー」

摩美々「あの時現場で何が起きていたのか、灯織はいつ死んだのか。それを明らかにする時間だよー」




376 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:23:07.42zANooWfn0 (11/43)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4.5

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【エアコンのスイッチ】
‣【胸元の花飾り】


冬優子「事件が起きたのは停電中」

冬優子「結華ちゃんの集合写真を撮った直後に停電が起きたんです」

雛菜「犯人はあの【真っ暗の中で殺した】んですね~?」

雛菜「随分と目がいい犯人なんですね~」

愛依「うちが気づいてれば、灯織ちゃんは死ななくて済んだんかな……」

結華「めいめい、正直あの時はみんなパニックだししょうがないよ」

摩美々「摩美々の足踏んだ犯人、ずっと捜してまーす」

恋鐘「あんとき、確か机が倒れる音がしとったばい」

恋鐘「やけん、きっと灯織は【犯人と争った】とよ」

恋鐘「抵抗むなしく灯織は胸を刺されて死んでしまったばい……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



377以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:26:09.28uvx71tAz0 (4/16)

犯人と争った モノクマファイル1


378 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:28:27.69zANooWfn0 (12/43)


にちか「それは違くないですかー!?」論破!

【BREAK!】(集中力:☆4.5→5)


にちか「恋鐘さん、確かにあの暗闇の中では机が倒れる音がしてました」

にちか「でも、風野さんは犯人と争うことなんかできなかったはずです」

恋鐘「ふぇ?」

摩美々「恋鐘もモノクマファイルをちゃんと読んでよねー。しっかり書いてあるじゃん、灯織は【即死】だったって」

あさひ「ピンポイントで心臓を貫かれていたら動くこともままならないと思うっす」

夏葉「犯人と争うことはできなかった……灯織は何がどうなっているのかもわからないままに命を落としたということね」

透「突然真っ暗になって、さらに突然刺されて。それで、死んだ……」

透「怖いね、めっちゃ」

ルカ「ハッ! 闇討ちだなんて随分とこすいクロなんだな」

智代子「ん……? ちょっと待って? それじゃああの時机を倒したのって誰なの?」

智代子「灯織ちゃんが犯人と争って倒したんじゃなかったら、別に倒した人がいるってことだよね?」

美琴「聞いてみればいいんじゃないかな、倒したのが誰なのか」

夏葉「それもそうね……ついうっかり倒してしまっただけなんだろうし、倒した本人はその心当たりがあるはずよ」

摩美々「じゃあ机を倒してしまったうっかりさんは挙手―」




「「「……」」」



379 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:29:37.43zANooWfn0 (13/43)


愛依「あ、あれ……?」

結華「あはは、机を倒した時にこがたんの料理もぶちまけちゃったからそれで言いづらい感じだったりする?」

恋鐘「うちは別に料理をぐちゃっとされたことを怒っとらんけん名乗り出て~!」


「「「……」」」


美琴「……誰も名乗り出ないね」

ルカ「おい、どうなってんだよ。この中の誰かが机を倒したんじゃないのか?」

あさひ「……」

あさひ「名乗り出ないんじゃなくて、名乗り出れないんじゃないっすかね」

愛依「あ、あさひちゃん?」

あさひ「机を倒したことに犯人に繋がる証拠があるとか……」

あさひ「もしくは、今その人がどうしても話せない状況にあるかのどっちかっす」

(え……? その人がどうしても離せない状況にある……?)

果穂「まさか、悪の怪人につかまってるんですか……?!」

千雪「犯人に脅されて言えない……ってこと?」

あさひ「そうじゃなくて、この場所にいない人が机を倒したってことっす」

にちか「芹沢さん……それってもしかして……」

(今この場所にいない人……? そんなのって一人しかいないよね……?)

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1



380以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:36:26.37uvx71tAz0 (5/16)

ひおり


381 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:38:48.91zANooWfn0 (14/43)


にちか「お前だー!」

【解!】

にちか「もしかして、風野さんのことを言ってる……?」

あさひ「はいっす。倒した本人が死んでるんじゃ名乗り出ることはできないっすよね?」

雛菜「え~? 今さっき否定したばっかりじゃないですか~?」

雛菜「被害者は即死だったから犯人と争うことはなかったって」

夏葉「ええ、今さっき否定したのは犯人と争ったこと」

夏葉「でも、それ以前に灯織が単独で机を倒していた可能性は依然として残ったままよ」

愛依「灯織ちゃんが……?」

恋鐘「じゃああん机の音は事件とは無関係に起きたものだったってこと~?」

摩美々「事件そのものに無関係かはわからないケド、犯人と灯織の二人のやり取りに関わるものではなかったんだよー」

摩美々「だって即死、だったんだからねー」

恋鐘「だとしたら、灯織はどうして机を倒したりなんかしたばい?」

冬優子「じゃあ、次はそこについて話し合ってみようか♡」

冬優子「灯織ちゃんはどうして停電中に机を倒しちゃったのか!」




382 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:41:10.71zANooWfn0 (15/43)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】

夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」

夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」

愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」

結華「どうしても何も暗闇で≪パニック状態だった≫からじゃないの?」

結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」

冬優子「倒して≪音を立てることが目的だった≫とかはないかな?」

冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」

ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」

ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」

ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



383以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:42:16.59uvx71tAz0 (6/16)

2


384 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:44:52.15zANooWfn0 (16/43)

2 選択

【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減ります】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4

コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】

夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」

夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」

愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」

結華「どうしても何も暗闇でパニック状態だったからじゃないの?」

結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」

冬優子「倒して音を立てることが目的だったとかはないかな?」

冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」

ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」

ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」

ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


385以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:46:54.01uvx71tAz0 (7/16)

あさひの証言


386 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:48:38.63zANooWfn0 (17/43)


にちか「それは違くないですかー!?」論破!

【BREAK!】(集中力:☆4→4.5)


にちか「確かに普通真っ暗闇なら動こうとはしないはず……停電なら停電が治るまでその場で待ち続けますよね」

ルカ「あ? お、おう……」

にちか「でも、芹沢さんは聞いてたんです。あの真っ暗闇でも何かをしようとしている風野さんの声を!」

あさひ「あー、アレのコトっすね」


≪灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」≫


あさひ「確かに灯織ちゃんは何かをやろうとしてたっす。暗闇の中でも安全を確保するための準備があったっぽいんっすよね」

透「あー、じゃあその途中でやっちゃったんだ」

透「がしゃーんとごろごろ、って感じで」

結華「ひおりんなら何か対策をしててもおかしくはないよね……」

結華「それこそあの入場時のボディチェックだって、そこまでやるかって感じの厳重さだったしさ」

にちか「風野さんはその何かのために動き出したところで、足を引っかけて机を倒してしまった可能性があります!」




【千雪「その推理、ほつれちゃってます!」】反論!






387 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:50:42.74zANooWfn0 (18/43)


千雪「ちょっと待ってくれるかな? それ、少しおかしいと思うの」

にちか「え……? な、何がですか……?」

千雪「灯織ちゃんがあの暗闇の中で机を倒してしまった」

千雪「机を倒した張本人が名乗り出ない今、その説は有力に見えちゃうけど……やっぱり灯織ちゃんが倒したとは思いづらいかな」

千雪「それに、あさひちゃんの聞いた灯織ちゃんの暗闇での安全対策……それもわかってるんだから」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4.5

コトノハ
‣【胸元の花飾り】
‣【暗視スコープ】
‣【エアコンのスイッチ】


千雪「やっぱり灯織ちゃんが机を倒したとは考えづらいよ」

千雪「今その根拠を裏付けるのは誰も名乗り出ないという状況証拠だけ」

千雪「灯織ちゃんが倒したっていう直接の証拠はないよね?」

千雪「でも反対に机を倒していないことを証明することはできるの」

千雪「推理の軌道修正をすべきじゃないかな」

◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】

にちか「待ってください! 机を倒していない証拠……?」

にちか「そ、そんなものがあるっていうんですか?!」

◇◆◇◆◇◆◇◆

千雪「簡単なことなの」

千雪「灯織ちゃんの死体のそばに落ちていた暗視スコープ」

千雪「あれを使えば【暗闇の中でも見通すことができる】わ」

千雪「わざわざ見えている机にぶつかって倒しに行く必要もないよね?」

千雪「死体のそばにスコープが落ちていた以上」

千雪「机を倒したのは灯織ちゃんとは思えないな」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】

↓1



388以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:52:00.62uvx71tAz0 (8/16)

暗闇 に 暗視スコープ


389 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:54:54.04zANooWfn0 (19/43)


にちか「その矛盾、斬っちゃいますからね!」

【BREAK!】(集中力:☆4.5→5)


にちか「死体のそばに落ちていた暗視スコープ……あれ、実は使えなかったんです」

千雪「使えなかった……?」

にちか「はい、レンズの上から黒い絵の具か何かで塗りつぶされてて、暗闇どころか向こう側も見えないぞって感じなんですよ。だから逆にあれをつけちゃえば見えてるものも見えなくなるぐらいで……」

にちか「暗視スコープがあったからって風野さんが辺りを見えてたとは限らないんじゃないですかね!」

千雪「たしかにそれはそうかも……でも、なんでスコープのレンズが塗りつぶされてたのかな?」

美琴「それこそ犯人の策略なんじゃないかな」

美琴「犯人が灯織ちゃんの暗視スコープの準備を知ったうえで、それに黒い絵の具を塗りつけたのだとしたら……意図的に隙を作ることができるよね」

美琴「灯織ちゃんは見えるようになると思って装着したスコープ、それが機能しなかったら相当に焦るはずだよ」

あさひ「そういえば……わたしが聞いた灯織ちゃんの声もそうだったっすね」

あさひ「灯織ちゃんは何か予定していたはずのことがうまくいかなかった。そんな感じの声を出してたっす」



390 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 21:56:43.94zANooWfn0 (20/43)


夏葉「なるほど、つまりはこういうことね」

夏葉「突然の停電でパニックに陥る私たち。それを律して安全を確保するために灯織はスコープを片手に動き出した」

夏葉「でもスコープは実際は機能せず、それに動揺した灯織は机をうっかり倒してしまった」

果穂「す、すごいです! 灯織さんの動きが目にうかぶようですー!」

智代子「じゃあ灯織ちゃんはそれでうっかり転んじゃったところを殺されたんだ!」

智代子「転んだ状態だと、抵抗しようにもできないもんね!」

ルカ「けっ……どこまでもこすい犯人だな」

冬優子「……ってことは、犯人は停電することまで織り込み済みだったってことですか?」

冬優子「暗視スコープに細工をしたところで、停電が起きなきゃ意味がないですよね?」

透「いいんじゃない、電気消せば」

結華「いやいや……パーティ中に突然照明を落とすような奇行、三峰たちも流石に見逃さないって」

恋鐘「あれはれっきとした『停電』だったばい。ブツンって感じで唐突に起きたことやったけんね!」

果穂「じゃあ、犯人はてい電が起きるように細工をしていたってことですか?」

にちか「うん、犯人はあのタイミングで停電が起きるように仕掛けをしていたんだと思う」

結華「三峰が写真を撮った直後を狙って?」

にちか「というよりは……あの時間を狙って、ですかね」

(犯人が午後11時30分に停電が起きるように狙って細工を仕掛けた証拠……)

(捜査の時に現場で私たちも見つけていたはずだ)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>365~>>366

↓1



391以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 21:58:15.36uvx71tAz0 (9/16)

エアコンのスイッチ


392 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:00:55.59zANooWfn0 (21/43)


にちか「これだー!」

【解!】

にちか「大広間のエアコン、皆さんもあれの音を聞きましたよね?」

結華「そういえば! 三峰がちょうどこがたんに写真を見せようとしたタイミングで……」


≪恋鐘「結華、写真どがん感じになったばい? ちょっと見せてくれんね?」

結華「オッケー、ちょっと待って……今アルバム開くから……」

ピピッ≫


恋鐘「何かが起動したような電子音がしとったばい!」

にちか「美琴さんと一緒に確認したんですけど、旧館中のエアコンが午後11時30分に作動するようにタイマーが設定されてたんです」

にちか「旧館中のエアコンが同時に起動して、それが停電の引き金になったんだと思います!」

雛菜「そっか~、それなら狙ったタイミングで停電を起こせますね~」

愛依「でも、そんなにうまくいくもんなの?」

愛依「確かにそれなら停電を起こすタイミングは選べたかもしんないけどさぁ……? 停電になるぐらい、ブレーカーが落ちるぐらいの電力の消費にはならなくない?」

にちか「はい、これだけだと不十分です! だから、犯人はその前段階の仕込みもやってたと思うんですよね!」

果穂「仕込み……ですか?」

夏葉「どういう意味か説明してもらえるかしら?」

(エアコンの起動で停電を引き起こすのに必要なこと……)

(つまりはあの起動で、ブレーカーの耐えられる電力消費の臨界点を超えさせる必要があるんだよね)

(それなら犯人のやっていた仕込みとはあれのことになる……!)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>365~>>366

↓1



393以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:02:14.73uvx71tAz0 (10/16)

倉庫のアイロン


394 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:03:42.71zANooWfn0 (22/43)


にちか「これだー!」

【解!】

にちか「倉庫にあったアイロンですよ! あれ、三つも電源に刺しっぱなしになってて、あっっつあつの状態になってたんです!」

にちか「アイロンってコンセントに刺してたら基本点きっぱなしじゃないですか。それが三つも重なってたら相当な負荷なはずですよ!」

にちか「それでブレーカーが落ちないぎりぎりのところを保っておいて……」

あさひ「エアコンのスイッチが入った瞬間にブレーカーが落ちる仕組みなんっすね!」

千雪「確かにアイロンってよく電気を食うものね……」

透「おー、停電の時限爆弾じゃん」

夏葉「そのトリックが行われたのは間違いなさそうね……アイロンもエアコンも、それ以外で使う理由もないもの」

果穂「あれ……? でも、だとしたら犯人がしぼり込めませんか?」

果穂「倉庫でアイロンを使ってたなら、倉庫に入った人が犯人です!」

千雪「どうかなぁ……お昼にやった掃除はルカちゃん以外みんなが参加して、どこを誰が掃除しているのか分からない状態だったもの」

恋鐘「うちも倉庫には出入りはしたけど、アイロンの状況はよく知らんたい」

透「できるね、誰でも。トリックは」

ルカ「いや、それは違うな」

美琴「……ルカ?」



395 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:05:36.32zANooWfn0 (23/43)


ルカ「私はそもそもその掃除に参加していないんだ。なら、その倉庫のアイロンとやらを仕掛けることもできねえだろ」

あさひ「いや、そうはならないっす」

ルカ「あ?」

あさひ「だって、掃除は昼には終わったんすよ? そこからパーティまでの時間は十分あるっす。ルカさんも旧館に忍び込んで停電のトリックを仕込むこと自体は可能だったはずっす!」

ルカ「なっ……!」

冬優子「誰かがずっと入り口を見張ってたわけでもないし……確かに誰にでもアイロンとエアコンのトリックを仕込むこと自体は可能みたいですね」

ルカ「ちっ……わざわざ旧館でパーティなんて面倒なことしやがって!」

雛菜「そういえばすごく今更なんですけど~、どうして急にパーティなんかやろうって言いだしたんですかね~?」

にちか「え?」

雛菜「だってそうじゃないですか~? どっちかっていうのそういうやるタイプのキャラっぽくないし~、決起集会ならもっと早くにやるべきだったんじゃないですかね~」

夏葉「それは……灯織なりに気を回したんじゃないかしら」

美琴「あのパーティは決起集会なんかじゃなかったんだよ」

美琴「彼女はもっと別の理由があって、私たちをあの場に集めたかった。そうだよね、にちかちゃん」

にちか「は、はい!」

結華「別の理由……? 三峰たち全員を集めるほどの理由が、あったっていうの?」

夏葉「それなら聞かせてもらおうかしら。どうして灯織はパーティを開こうと思ったの?」

(彼女が突然にパーティを思い立った理由、それはあれしかない……)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>365~>>366

↓1



396以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:09:32.88uvx71tAz0 (11/16)

脅迫状


397 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:11:27.27zANooWfn0 (24/43)


にちか「これだー!」

【解!】

にちか「実は風野さんのもとには脅迫文が届いていたんです」

夏葉「嘘……?!」

にちか「『今夜必ず誰かを殺す』……ちょっと字が汚くて、どこの誰が書いたかまではわからないですけど。これが風野さんの部屋に置きっぱなしになってました」

にちか「そしてあのパーティの日の朝……レストランで私は見たんです」

にちか「彼女が何か紙を懐に隠すのを。きっとあの時の彼女は、この脅迫文を見たばかりだったんじゃないですかね」

智代子「それもあって全員が一堂に会するパーティを開こうとしたんだね!」

美琴「一つの場に全員を集めてしまえば、監視もできる……」

美琴「それに入場の時にも厳重なボディチェックをしていたし、あれは私たちを守るためにやっていたんだね」

夏葉「灯織はそれを誰にも打ち明けることなく、誰かを不安にすることもなく……黙って一人で立ち向かっていたのね……」

果穂「灯織さんは、ヒーローです……あたしたちみんなのことを守ろうとしてくれた、ヒーローです!」



398 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:13:10.50zANooWfn0 (25/43)


摩美々「実際、あの現場に武器を持ち込むのは不可能だったはずだよー」

摩美々「摩美々のジョークグッズのナイフですら許さないで回収してた。少しでも危険のあるものは全部あのジュラルミンケースの中だからねー」

恋鐘「うちも料理が終わり次第調理道具はほとんど全部回収されてしまったばい! まだちゃんと洗ってもなかったやつもあって……多分あのケースの中はギトギトになっとるとやろ」

あさひ「えー、わたしのドライバーもギトギトなんすか?」

智代子「でも、そこまで警戒してたのに灯織ちゃんは殺されちゃったんだよね……?」

愛依「千枚どーしみたいな細くとがった凶器……でも、その正体はわかってないんだったよね」

夏葉「犯人はどうやって凶器を持ち込んだのかしら……」

あさひ「……」

あさひ「……あ、わかった」

にちか「せ、芹沢さん? わかったって何が?」

あさひ「全部っすよ、全部」

ルカ「はぁ? それってどういう……」



399 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:14:26.35zANooWfn0 (26/43)






あさひ「灯織ちゃんを殺したのは、ルカさんだったんすね」








400 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:15:19.84zANooWfn0 (27/43)


(……え?)

ルカ「は、はぁ?! 何を言い出してるんだよ、お前……」

あさひ「だってそうじゃないっすか。現場に凶器を持ち込むことができたのはルカさんだけっすよ」

ルカ「ら、埒が明かねえ……話が飛躍しすぎだろ」

ルカ「今の話ってパーティの参加者は全員武器の持ち込みが不可能だったってだけで……私はそもそもパーティに参加してないから無関係……」

あさひ「だからっすよ。パーティに参加していないルカさんしか持ち込むことはできなかったはずっす」

あさひ「灯織ちゃんはかなりの厳戒態勢だった。厨房の調理道具も使った後はすぐに回収するほど……おそらく凶器そのものを旧館に隠しておくのは困難だったはずっす」

あさひ「そうなるとどこかのタイミングで持ち込む必要がある……で、それができたのはルカさんだけっす!」

(……パーティの参加者は全員ボディチェックを受けていた)

(だからルカさんしか凶器を持ち込めない……?)

(それってどういうことなの……?)

(考えろ、考えるんだ……! 芹沢さんの推理、その道筋を……!)



401 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:17:13.12zANooWfn0 (28/43)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×5

Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能

Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前

Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1
-------------------------------------------------



402以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:18:45.73uvx71tAz0 (12/16)

Aca


403以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:18:46.46H+U046K80 (1/2)

BAB


404 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:22:29.20zANooWfn0 (29/43)

>>402

(いや……そうじゃない)

(ボディチェックは私自身がこの目で確認したし、自分の手で行った)

(あれをスルーして武器を持ち込むことなんかできるはずない)

(なら、芹沢さんの発言の意図は……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×4

Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能

Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前

Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1
-------------------------------------------------


405以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:32:03.37uvx71tAz0 (13/16)

Baa


406 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:34:31.92zANooWfn0 (30/43)

>>405

(いや、あと少し……あとちょっとなんだけど……!)

(芹沢さんはルカさんをクロとして告発するつもりだ)

(ルカさんは……パーティには参加してなかったよね!)

(そうなると……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×3

Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能

Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前

Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1
-------------------------------------------------


407以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:36:20.56uvx71tAz0 (14/16)

Bab


408 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:38:20.66zANooWfn0 (31/43)


にちか「推理、繋がっちゃいましたよ!」

【COMPLETE!】

にちか「もしかして、そういうことなの……?」

にちか「私たちパーティの参加者は全員……ボディチェックを受けている。全身くまなく手で触ってまでのチェック、見落としがあったとは考えづらい」

にちか「でも逆に言えば、パーティの参加者じゃない人はボディチェックを受けていない。現場に凶器を持ち込むことは可能だった……?」

ルカ「お、おい待てって……パーティに参加してないってことは、現場にもいないってことだろ?」

あさひ「いや、必ずしもそうとは限らないっす。灯織ちゃんより先に旧館にやってきて、どこかに隠れておけば問題ないはずっす」

あさひ「わたしたちは全員パーティに参加しているから、パーティ中はルカさんに鉢合わせる心配もない。それこそ倉庫なんかに隠れておけばいいっすね」

千雪「倉庫もお昼に掃除してからは誰も立ち寄ってないみたいだもんね……だからこそ、誰もアイロンのトリックに気づけなかった」

ルカ「待て、そうはさせねえぞ! あのホクロ女が厳戒態勢だったのはさっきも確認したよな? だったらあいつはちゃんと倉庫まで確認したはずだ。倉庫じゃ隠れ場所としては不十分だろうが!」

あさひ「え? 別に倉庫の部屋そのままとは言ってないっすよ?」

ルカ「はぁ? ど、どういうことだよ。まさか段ボールとかワゴンとかの中に隠れてたとでもいうつもりか?」

(いや、きっと芹沢さんが言っているのはあそこのことだ……)

(この旧館の中で、唯一誰の目にもつくことがなく、隠れ場所に最適だった空間が倉庫にはある……!)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】


た/ゆ/か/し


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1



409以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:40:26.628bNXmz4V0 (1/2)

ゆかした


410 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:42:54.97zANooWfn0 (32/43)


にちか「閃いちゃいました!」

【解!】

にちか「倉庫自体は隠れ場所として不十分……それは間違いありません。でも……倉庫から行くことのできる、床下なら話は別ってことです?」

愛依「ゆ、床下……?! そんなとこ行けんの?!」

美琴「他の荷物の陰に隠れてて分かりづらいけど……倉庫の床には扉が付いていて、そこから床下に行けるみたい。特に部屋ごとの仕切りもない空間で、旧館ならどの部屋の床下にもそこから移動可能だったみたいだよ」

ルカ「ま、まさか……私がそこに隠れてたっていうのか?!」

結華「さすがのひおりんでもわざわざ床下までは覗かない……ていうかそもそもその存在すら知らなかった可能性もあるよね」

結華「現にめいめいをはじめとした大多数は気づいてなかったみたいだしさ」

ルカ「わ、私も知らないってそんなとこ……」

あさひ「でも、この方法なら灯織ちゃんにバレずに凶器を持ち込むことができるっす!」

千雪「それが可能なのもルカちゃんだけ……」

雛菜「パーティ中にわざわざ床下を覗き込むこともないですしね~」

あさひ「どうっすか? ルカさん、違うっすか?」

ルカ「違うか? だと……?」

ルカ「違う違う! 大間違いに決まってんだろ!」

ルカ「大体私はパーティなんかそもそも知らねえし旧館に近寄ってもいない! 床下も何も、部屋の構造すら知らないんだよ!」

あさひ「そんなの口でならなんとでも言えるじゃないっすか」

ルカ「ざけんな! そんなこじつけで犯人にされてたまるかよ!」



411 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:44:35.55zANooWfn0 (33/43)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトダマ
‣【胸元の花飾り】
‣【暗視スコープ】
‣【脅迫状】


ルカ「私がホクロ女より早く会場入りして」

ルカ「【床下に凶器を持ち込んで隠れてた】ぁ?!」

ルカ「そんなのあるわけねーだろ!」

果穂「でも、ルカさん以外の全員……」

果穂「【ボディチェックを受けている】ので凶器はもちこめないです!」

千雪「旧館の設備も灯織ちゃんは入念にチェックをしてたし……」

千雪「≪凶器の見落としがあった≫とは思いづらいかな」

恋鐘「ルカは【床下で停電の起きる午後11時半まで待っとって】……」

恋鐘「停電が起きたら灯織を刺し殺したとよ!」

ルカ「そんなのそもそも不可能だ!」

ルカ「暗闇で動けないのは【潜んでた犯人も同じ】だし」

ルカ「ライトでも使おうもんなら参加者連中にもろ分かりだろうが!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



412以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:49:07.43uvx71tAz0 (15/16)

潜んでた犯人 暗視スコープ


413以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 22:50:06.14zIbPVHbx0 (1/1)

【潜んでた犯人も同じ】に花飾りかな


414 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:56:47.56zANooWfn0 (34/43)

>>412

にちか「それは違くないですかー?!」論破!

【BREAK!】

にちか「いや、暗闇で行動自体は犯人なら可能だったかもしれない……それこそ、風野さんより先に会場に入って、姿を隠していた犯人なら」

ルカ「ど、どういう意味だよ……」

にちか「だってボディチェックを受けていないんですから……凶器の他にも物を持ち込むことは可能だったはずです」

千雪「……もしかして、それって!」

あさひ「暗視スコープっす! 灯織ちゃんのは使えない状態だったかもしれないっすけど、犯人が別で持ち込んでいれば暗闇でも見ることはできたはずっす」

愛依「暗視スコープは別に光ったりするわけじゃないもんね……! 確かにこれなら停電中でも灯織ちゃんを狙って刺すことができたんじゃん?!」

智代子「じゃあ、あの時……私たちの目の前にルカちゃんはいたんだ……」

智代子「あの暗闇の向こうで、灯織ちゃんを刺し殺そうとスコープを装着して……」

夏葉「……ルカ、あなた」

ルカ「違う、何もかも違う……! バカ言うなって……!」



415 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:58:20.76zANooWfn0 (35/43)


ルカ「そ、そもそも! 暗視スコープをつければ動けたかもしれねえけど……そんな時間があるのかよ?!」

夏葉「……確かにそうね、確かに理論上犯行は可能だとしても停電の実際の時間はせいぜい一分や二分。倉庫から大広間に移動して、灯織を刺殺して脱出となるとかなり慌ただしくなるわ」

愛依「そういえば、うち……停電を直すために途中で大広間を出て事務室に行こうとしたけど、誰にも出くわさなかったよ?」

にちか「……!」

愛依「大広間の扉も開いてなかったし……ルカちゃんが部屋を出入りしたっていう推理は違和感あんだよね……」

ルカ「ほ、ほら! そうだろ! 私がたとえ床下に隠れていたとしても、犯行は不可能なんだって……」

あさひ「それは違うっすよ」

ルカ「……!!」

あさひ「別に、わざわざ大広間を出入りしなくたって灯織ちゃんを刺すことはできるっす」

結華「ちょい待ちちょい待ち! ひおりんは大広間で死んじゃってたんだよ?!」

結華「大広間に行かずに殺害なんて、そんなの不可能では?!」

あさひ「それはそうっすね」

冬優子「それはそうって……あさひちゃん、どういうことなのかな?」

あさひ「だから、犯人は大広間には行ったんすよ。でも、大広間の扉を出入りはしてないっす!」

雛菜「ん~? なにそれ~、なぞなぞですか~?」

透「あ、じゃあテレポートだ」

果穂「す、すごいですー! ルカさんはエスパーなんですかー!?」

摩美々「事態を余計ややこしくしないー」

(大広間の扉を出入りせずに、大広間に行く……?)

(そんな魔法みたいな方法が本当にあるのかな……)



416 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 22:59:36.97zANooWfn0 (36/43)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×3

Q1.犯人はどうやって風野灯織を殺害した?
A.絞殺 B.毒殺 C.刺殺 D.撲殺

Q2.犯人は事件当時どこにいた?
A.大広間 B.床下 C.旧館の外

Q3.殺害した瞬間、風野灯織の体制は?
A.直立 B.座位 C.転倒 

Q4.犯人はどうやって風野灯織を刺した?
A.床下から突き上げた B.凶器を罠として仕掛けておいた C.ボウガンで射出した


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1
-------------------------------------------------



417以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 23:00:14.02aSAPK3mP0 (1/2)

cbca


418 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:02:15.14zANooWfn0 (37/43)


にちか「推理、繋がっちゃいましたよ!」

【COMPLETE!】

にちか「そうか、芹沢さんは床下のことを言ってるんだ……」

結華「ま、また床下……?!」

美琴「旧館の床下は人が一人はいるには十分な空間があって、部屋ごとの仕切りもなく移動ができる。大広間の真下になら床下から移動は可能だね」

愛依「で、でも……床下からじゃ灯織ちゃんは刺せないじゃん?」

あさひ「なんでっすか?」

愛依「な、なんでって……旧館でやってたのって立食パーティじゃん? 立ったままの灯織ちゃんじゃ刺そうにも凶器が届かないっしょ」

あさひ「……? だから、犯人は刺すことができるっすよね?」

夏葉「……! ついさっき、机の倒れる音の議論で結局倒したのは灯織だという結論に至った。机を倒した際に灯織が転倒していた可能性はかなり高いわ……!」

ルカ「お、おい……それじゃまさか……」




あさひ「転んだところをめがけて、犯人は床下から思いっきり凶器を突き上げたんすよ!」







419 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:03:36.84zANooWfn0 (38/43)


千雪「パーティ会場の床、結構板と板との間は空いてたし……細くてとがった凶器なら使うこともできるかもしれないよね」

智代子「しかもこれなら愛依ちゃんと出会わなくても犯行が可能……!」

摩美々「途中で停電がなおったとしてもその姿を見られることもない……ノーリスクな方法だねー」

果穂「それが可能だったのは、ルカさんだけ……なんですよね」

結華「パーティの参加者は全員そもそもの前提が通らないからねー」

結華「できるのはパーティ中に姿を目撃されてないルカルカだけってことかな!」

ルカ「ふ、ふざけんな……あくまでそれは可能ってだけの話で……」

透「でも、ないじゃん。それ以外の方法」

ルカ「……ちっ!」

あさひ「やっぱり灯織ちゃんを殺せるのはルカさんしかいないっすよ!」



420 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:05:07.70zANooWfn0 (39/43)




……いいのかな。




今この議論の場は明確に一つの終着点に向かって動いている。

_____【風野灯織を殺害したのは斑鳩ルカである】。

確かに彼女はこのコロシアイ南国生活が始まる際に、『私は殺せる』とそう啖呵を切った。
それからもルカさんは私や美琴さんと何度も衝突を繰り返し、憎まれ口を叩き、とても信頼関係を築くなんてしてこなかった。
誰かを手にかける人間、候補で言えば最有力であるだろう。


でも、そんな彼女でも一つだけわかっているものがある。

本人がそう言ったわけでもない、ましてやそれを彼女は否定すらした。
でも、私には確信がある。
私だから確信の持てる、ただ一つだけの真実。




彼女は、今も美琴さんを________。




そんな確信があるからこそ、私はこう胸を張って言うことができる。

【斑鳩ルカは人を殺さない】



421 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:06:30.57zANooWfn0 (40/43)


殺せるはずが、無いんだ。
自分自身の胸の内をずっと押し殺したままで、自分だけ逃げ去ることなんかきっと彼女はできやしない。
そこで逃げられるほど淡泊な人間であるなら、とっくに彼女はアイドルなんてやめているはずだ。
彼女が“カミサマ”に身を堕としてまで芸能界にい続けている理由。
そんなもの、分かり切ってる。

私は、本当にこのままでいいのかな。
違ったことを正しいと言って。
正しいことを違ったと言って。

真実を嘘に捻じ曲げた果てにたどり着くそれに、【希望】なんてあるの?


……それなら、もう一度捻じ曲げてやる。


歪みを元通りにすることは難しいけど、似た形に歪みなおさせることはできる。
それができるのは、私だけなんだ……!!




422 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:07:34.55zANooWfn0 (41/43)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆偽証について

さて、これより新しいノンストップ議論・『偽証ミスディレクション』がはじまります。
本家ではv3にて登場したシステムですね。
現在七草さまがお持ちのコトダマの情報を捻じ曲げて相手に打ち込むことで、議論の流れもまた捻じ曲げてしまおうという中々にゆがんだ議論なのでございます。
要は、『この情報がああだったらいいのにな』というポイントにぶつけてやれということです。
偽証ミスディレクションは通常の議論と異なり、嘘をつくという新たなリスクを背負うことになります。そのため、誤答で受けるダメージは通常よりも高くなりやすく、間違えるごとにダメージは増していきます。
なお、通常のノンストップ議論では偽証を行うことはできません。
【偽証ミスディレクション】という名前の議論が行われたときのみ適用されるシステムとお考え下さい。

それでは、よい二枚舌ライフを!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



423本日はこちらの議論でおしまいにします ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:10:07.08zANooWfn0 (42/43)

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【美琴の証言】
‣【あさひの証言】

あさひ「灯織ちゃんより先に旧館に入れば」

あさひ「【凶器を持ち込むこともできる】っす」

千雪「倉庫の床下にずっと隠れておけばその姿が見つかることもないし…」

千雪「後はパーティ中に【停電が発生する】のを待つだけ」

智代子「停電が起きたら【暗視スコープ】で床下を移動して」

智代子「転んでいる灯織ちゃんを刺せばいいんだもんね!」

摩美々「それが可能なのは、パーティに参加していなくて」

摩美々「パーティ中の【アリバイがない】唯一の人物であるルカだけなんだよねー」

ルカ「違う……違うんだよ……!」

ルカ「私は、私は……!」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



424以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 23:16:27.73aSAPK3mP0 (2/2)

アリバイがない に 美琴の証言


425以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 23:16:34.028bNXmz4V0 (2/2)

2


426以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 23:16:36.24H+U046K80 (2/2)

【アリバイがない】に【美琴の証言】


427 ◆zbOQ645F4s2021/11/28(日) 23:19:36.53zANooWfn0 (43/43)


正解が出たので本日はここで終了にします。
次回また続き、美琴の証言を偽証してルカのアリバイを無理やり作り出すところより再開します。
裁判自体は半分近く進んだので、おそらく次の更新で最後まで行けるものかと思います。

次回更新は明日11/29の夜を予定しています。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いします。


428以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/28(日) 23:27:19.03uvx71tAz0 (16/16)

お疲れ様でした!


429続きから再開します ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:35:00.13YOXWFtRz0 (1/54)


にちか「この嘘で、真実を!」偽証!

【BREAK!】


(正直なところ……これは文字通りの賭けだ)

(今から私が言うのは完全な嘘だし、これを口にすることをきっと美琴さんは良しとしない)

(そのうえで、美琴さんが私の意図に気づいて……)

(そして、ルカさんを、想ってくれないと……!)

恋鐘「にちか、どげんしたと?」

にちか「……実は、ここまでずっと黙っていたことがあるんです」

夏葉「黙っていたこと……? 何かしら」

にちか「パーティの最中に、退室したのは美琴さん、千雪さん、風野さんの三人。そのうち風野さんは旧館内で少し休んですぐに戻ってきて、千雪さんはルカさんを探してホテルを出た」

にちか「でも、美琴さんはずっと旧館の入り口で監視をしていたんです」

美琴「……にちかちゃん?」



にちか「言ってましたよね、美琴さん。見張りをしているときに……一度ルカさんが様子を見に来たって」






430 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:35:45.56YOXWFtRz0 (2/54)


美琴「えっ……?」

ルカ「はぁ……?!」

にちか「美琴さん……!」

美琴「……」

(もはやこれしか手はない。アリバイの一切が存在しないルカさんを守るためには、無理やりでもアリバイを作らないと……)

(この嘘さえ通れば……芹沢さんの推理は根底から瓦解する……!)

夏葉「ちょ、ちょっと待って頂戴! 美琴はこれまで一度もそんなことを口にしていないでしょう? ルカのアリバイがあるというならもっと早くに言うべきタイミングはあったはずよ!」

にちか「言えなかったんです……美琴さんはルカさんのことをよく思っていませんから」

結華「いやいや! だ、だとしてもでしょ?! 今は全員の命がかかってるんだし、恨み嫉みなんかにとらわれてる場合じゃ……」


(お、お願いです……美琴さん……!)


美琴「……」


(ルカさんを救えるのは美琴さんだけ……)


(そして、ルカさんは絶対に犯人じゃないから……!)


美琴「私は……」




431 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:36:52.09YOXWFtRz0 (3/54)






美琴「……確かに、一度だけルカと会ってるよ」








432 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:38:20.69YOXWFtRz0 (4/54)


ルカ「み、美琴……!?」

美琴「確か千雪さんと入れ替わりぐらいだったかな。どこでパーティの話を聞いたのか知らないけど、ちょっかいを出してきて」

美琴「そんな暇があるなら脱出方法の一つでも探したらどうだ、なんて……嫌になっちゃうよね」

(み、美琴さん……!)

(わかってくれたんだ……!)

あさひ「ふーん……それ、本当っすか?」

美琴「うん、本当だよ」

愛依「じゃ、じゃあどういうこと……? あさひちゃんの今までの推理は……」

透「間違ってた、全部」

結華「そ、そんな……?!」

にちか「パーティ中は全員がその存在をほかの誰かに一度は確認されている……風野さんがボディチェックをする前から隠れる、なんて不可能なんですって!」

ルカ「緑チビ……お前、どういうつもりだよ」

にちか「どういうつもりも何も、みんなで生き残るためですよ! 間違った人をクロにするわけにはいかないんです!」

ルカ「お前……!?」

結華「で、でも待ってよ……そうなると、凶器はどうなるの?! ひおりんのボディチェックがあるから持ち込むのは不可能って話だったんでしょ?!」

千雪「ルカちゃんが灯織ちゃんより先に旧館に入る方法が、一番持ち込むうえではやっぱり確実に思えるんだけどなぁ……」

あさひ「……やっぱり、納得いかないっす」

(とりあえず議論が決着する事態は防げたはず。あとはこの議論を本来あるべき流れに戻さなきゃだよね……!)

(もうちょっとだ、気合入れてくぞ……!)




433 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:39:55.34YOXWFtRz0 (5/54)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床に散乱した料理】
‣【花束】


冬優子「灯織ちゃんは細くて長い鋭利な刃物で刺されちゃったんですよね……」

美琴「胸部を貫通したって書いてあるから……それなりの長さと強度のあるものだよ」

摩美々「ボディチェックをスルーしてそんなの持ち込むって無理じゃないー?」

あさひ「やっぱり、先に旧館に入って待機しておく方法が一番確実っす」

恋鐘「何個かに分割して運ぶ方法はどがんね?」

恋鐘「旧館に入ってから≪組み立てて武器を作る≫ばい!」

夏葉「元から≪現場に凶器があった≫と考えてみるのはどうかしら」

夏葉「私たちが何気なく見落としたものが、案外凶器かもしれないじゃない?」

愛依「灯織ちゃんが脅迫文を受けて≪用意していた武器を逆に利用されちゃった≫、とかは?!」

摩美々「そんなの、持ってたっけー?」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1



434以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 20:41:03.65kR8WzFmv0 (1/18)

現場に凶器 に 料理


435 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:44:35.54YOXWFtRz0 (6/54)


にちか「それなんじゃないですかね!」同意!

【BREAK!】


にちか「そうですよ、元から現場に武器があったとすれば……別にボディチェックを突破する必要もないんです!」

にちか「なんなら手ぶらで旧館に入っちゃって……そのままふらっと現場にある武器を使っちゃえばいいんですから!」

結華「だから、何度も言ってるじゃん! ひおりんは厳戒態勢で、ありとあらゆる危険物を回収してたって」

にちか「基本的には、です! 月岡さん、厨房の調理器具を風野さんが回収したタイミングって全部料理が完成してからでしたよね?」

恋鐘「え? た、確か……そうやったと」

千雪「料理をするのに包丁も何もなしじゃできないもんね……でも、料理が大広間に並んだらすぐにそれも回収されたんでしょ?」

千雪「どっちみち武器を確保することは難しいんじゃないかしら」

愛依「確かに……持ち出す隙なんか無い感じじゃん?」

にちか「だから、凶器として持ち出す必要はなかったんです。もっと別の形で……凶器は堂々と私たちの前にあったんですよ」

冬優子「ふゆたちの前に……?」

冬優子「……あっ、それってもしかして……テーブルの上の料理のこと?!」

恋鐘「ふぇぇぇぇぇ?! うちん料理~~~~~~~!?」

美琴「単純に灯織ちゃんも見落としたんだろうね。あれだけ厳戒態勢だった灯織ちゃんも目の前の料理を見て、毒を入れられてる可能性は考慮したものの……それ自体が殺害に使われるとは思わなかった」

摩美々「あー、それであの暴食だったんだぁ……」

摩美々「摩美々をはじめ全員ドン引きで食べるどころじゃなかったもんねー、自分一人で毒見を引き受けてたってわけなんだぁ」

智代子「で、でも……いったいどの料理を使って灯織ちゃんを刺したの?!」

智代子「どれも美味しくて……殺人級の味だったけど、本当に命を奪った料理はどれなんですか?!」

(風野さんの死因は胸部を細長い凶器で貫かれたこと)

(それなら、あの時の料理で凶器になりうるのは一つしかない!)

-------------------------------------------------

・ちゃんぽん
・チャーハン
・シュラスコ
・フライドチキン
・ラザニア

【正しい選択肢を選べ!】

↓1



436以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 20:47:59.54p/L/z85Y0 (1/7)

シュラスコ


437 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:49:07.75YOXWFtRz0 (7/54)


にちか「これだー!」

【解!】


にちか「もちろんシュラスコですよ、肉を貫いてる鉄串……これを使ったんです」

美琴「実際現場に散乱していた肉の一部には貫かれたような跡があったの。これはもともと鉄串にささっていたものなんだろうね」

美琴「わざわざシュラスコの肉を引き抜いてから食べてた人がいるなら、話は別だけど」

ルカ「しかしこうやって見るとこれ以上なく凶器って感じの面構えの鉄串だな」

夏葉「床板の合間を縫って通せる貫通力のあるもの……ええ、本当にうってつけね」

にちか「刺した後は床下にでも落としてしまえばいい。隠滅も簡単です!」

透「逆に言えば、これを使えたのって大広間にいた人だけだよね。だって、ほかだとシュラスコ触れないし」

にちか「そ、そうなんですよ! だから、そうなるとルカさんには絶対不可能でー……」




恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね!」




冬優子「恋鐘ちゃん……? どうかしたの?」

恋鐘「こん鉄串を犯人が使ったからって大広間の人間が犯人とは限らんばい!」

ルカ「なんでだよ! 鉄串は大広間にしかないもんだろ? 料理を作った後は備品も全部ホクロ女に回収されたって……」



438 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:50:16.46YOXWFtRz0 (8/54)






恋鐘「だって、この鉄串はうちが厨房入った時には既にもう一本無くなっとったけん!」








439 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:51:38.25YOXWFtRz0 (9/54)


にちか「う、嘘……!?」

恋鐘「厨房には備品リストがあって、スプーンから鍋までなんでも数が書いてあるんよ。それに照らし合わせたら、確かに鉄串が一本足り取らんかったばい」

(そ、そんな……!)

(せっかくルカさんの容疑を完全に晴らせると思ったのに……!)

あさひ「それじゃ、ルカさんが鉄串を持ち出していた可能性は普通にあるっすね」

ルカ「なっ……お、お前しつこいな……」

果穂「さっきまでのお話といっしょですよね! 灯織さんより先に旧館に入ってかくれていた方がずっと安全でかくじつな方法です!」

雛菜「え~? でもアリバイがあるって言ってますよ~?」

結華「そんなに急にルカルカのアリバイを信じるなんてできないって!」

美琴「……今まで黙っててごめんね」

千雪「でも……床下のトリックを使えば疑問はほとんど消えるんだよね」

夏葉「それもあくまであさひが立てた推論に過ぎないわ、確たる証拠もないもの」

あさひ「わたしはやっぱりルカさんが犯人だと思うっす」

にちか「違う、ルカさんは犯人じゃないって……!」




【モノクマ「真実は二つに一つ!」】意見対立!






440 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:55:24.81YOXWFtRz0 (10/54)


にちか「な、何?! モノクマ!?」

モノクマ「いやあ、やっぱり学級裁判ってのはこうじゃないとね。クロの思惑とシロの推理とがぶつかり合う、この瞬間が脳汁つゆだくドバドバなんですわ!」

モノミ「コラー! また何かよからぬことを企んでまちゅね!」

モノクマ「いやいや! ボクはあくまで裁判を公平に進行したいだけさ! だからこういうときはオマエラの味方、オマエラが思う存分意見をぶつけ合えるように、お手伝いをしてやるよ!」

にちか「て、手伝い……?」

モノクマ「思う存分オマエラの意見を正面からぶつけ合ってくれればいいんだよ! いざ! サイエンスが未来を切り開くとき! 変形裁判場・オーーーーン!」

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は床下にいた!」vs【犯人は大広間にいた!】


果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」

冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」

結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」

千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」

あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」

恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」

摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【行動】
【停電】
【転倒】
【鉄串】
【アリバイ】
【嘘】
【凶器】
-------------------------------------------------

発言力:♡×3
集中力:☆×5

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1



441以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 20:57:05.10p/L/z85Y0 (2/7)

停電


442以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 20:57:33.70p/L/z85Y0 (3/7)

失礼、誤送信しました


443 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 20:59:32.10YOXWFtRz0 (11/54)

一応再安価出しておきますね

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は床下にいた!」vs【犯人は大広間にいた!】


果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」

冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」

結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」

千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」

あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」

恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」

摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【行動】
【停電】
【転倒】
【鉄串】
【アリバイ】
【嘘】
【凶器】
-------------------------------------------------

発言力:♡×3
集中力:☆×5

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1


444以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:02:40.18p/L/z85Y0 (4/7)

停電
転倒
凶器
アリバイ

鉄串
行動


445 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:05:41.46YOXWFtRz0 (12/54)

-------------------------------------------------
【停電】
【転倒】
【凶器】
【アリバイ】
【嘘】
【鉄串】
【行動】
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

【にちか「生きて帰る、そのために……!」】

果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
【にちか「浅倉さん!」
 透「わけわかんなかったじゃん、停電。パニックだったし」】


冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
【にちか「園田さん!」
智代子「でも、灯織ちゃんが転んだのっていわば偶然だし……狙って殺すにはリスクが高いよ!」】


結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
【にちか「夏葉さん!」
夏葉「いえ、凶器は現場で調達すればいいの……パーティの料理に使われていた鉄串を使うのよ!」】


千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
【にちか「ここは私が!」
にちか「美琴さんがルカさんのパーティ中のアリバイも証明してます!」】


あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
【にちか「美琴さん!」
美琴「私がそんな嘘をつくメリットはないよね。大丈夫、安心して」】


恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
【にちか「愛依さん!」
愛依「で、でもそれがいつなくなったのかもわからないし……事件に関係してるかはビミョーじゃん?!」】


摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
【にちか「市川さん!」
雛菜「ほかにもなにか方法はあったかもしれないし~、決めつけるには早くないですか~?」】

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値210以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より七回連続でコンマ判定




446以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:07:14.18kR8WzFmv0 (2/18)




447以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:11:55.91kR8WzFmv0 (3/18)

ああ


448以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:11:59.78p/L/z85Y0 (5/7)

真乃・・・めぐる・・・!


449以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:13:09.71kR8WzFmv0 (4/18)

あああ


450以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:15:50.32JjT0JyMiO (1/2)

せい


451以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:15:57.00p/L/z85Y0 (6/7)

灯織・・・!


452以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:18:45.01kR8WzFmv0 (5/18)

ああああああ


453以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:18:55.04JjT0JyMiO (2/2)

つよい


454 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:21:02.91YOXWFtRz0 (13/54)

【コンマ判定:18+91+78+71+32+100+01=391】

【全論破】

「「「「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」」」」

【BREAK!】


にちか「確かに、床下にルカさんが潜んでいたことにしていろんな可能性をぶん投げちゃえば話は楽かもしれないですけど……それじゃダメなんです!」

にちか「そもそもルカさんには美琴さんとのアリバイがありますし……それに、床下の方法にも疑問点がないわけじゃないです!」

にちか「まだ……ルカさんが犯人だって断言するには早いんですよ……!」

夏葉「この裁判には私たち全員の命がかかっている。だからこそ、ありとあらゆる可能性を検討すべきだと思うの。もちろんルカが床下に潜んでいた可能性も含めてね」

夏葉「だから次はほかの可能性も検討するべきじゃないかしら。そのうえでルカへの疑念を新たにするのなら、それは健全な議論の流れだわ」

にちか「夏葉さん……!」

ルカ「なんなんだよ……お前ら……」

美琴「……私は今もルカのことは疑ってるよ」

美琴「でも、それ以上に……にちかちゃんのことを信じているの」

にちか「美琴さん……あ、ありがとうございます!」

あさひ「……わたしはやっぱりルカさんが犯人だと思うっす」

愛依「あさひちゃん……」

あさひ「でも、ほかに何か灯織ちゃんを刺す方法があるならそれも聞いてみたいっす。なんだか面白そうっす!」

結華「お、面白そうって……はは、あさたんはやっぱりあさたんだなぁ」



455 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:22:11.33YOXWFtRz0 (14/54)


透「でもさ、ほかの人は暗視スコープ持ってないよ。どうやんの」

透「鉄串は誰でも持てるけどさ。暗闇で心臓めがけてあんな長いの、無理じゃん」

千雪「そこでどうしても止まっちゃうよね……あの停電の暗闇は、暗視スコープでもない限りは動けそうにないし……」

あさひ「暗闇で動く方法っすか……」

美琴「……前に一度、ナイトパフォーマンスをしたことがあるの」

にちか「美琴さん?」

美琴「海外のダンスユニットの凱旋パフォーマンスでね、照明を全部落として手足にLEDをつけて真っ暗闇の中で踊ったの」

愛依「え?! く、暗闇の中で踊ったって……それ危なくない?! だって隣で踊ってる人見えないんでしょ?!」

美琴「うん、見えてない。でも……パフォーマンスはみんなの分も把握してるし、手足につけたライトが大体の目安にはなっていたから」

あさひ「……大体の、目安」

美琴「どうかな、それと同じ考え方なら……なんとかならない?」

結華「そうか、真っ暗闇の中で全部が見えなくてもいい……何か目安になるものがあれば、それで動くことはできる……!」

摩美々「でも、そんな目安になるものなんてあったー?」

摩美々「停電中は摩美々たちもその場にいたけど、特に何も目立ってなかったと思うケドー」

(……そう、逆に目立ってしまったらいけないんだ)

(だって、犯人がすべて見えるように、明るくしてしまったら停電の意味がない)

(必要最低限だけ照らしてくれる、そういう目安で十分)

(だから犯人は、あれを使ったんだ……)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>365~>>366

↓1



456以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:23:33.69kR8WzFmv0 (6/18)

蛍光塗料


457あ、今更ですが蛍光塗料→夜光塗料ですね…修正出来てなかった… ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:25:46.71YOXWFtRz0 (15/54)


にちか「これだー!」

【解!】


にちか「犯人はこれを使ったんです!」

あさひ「それって……ペンキっすか?」

にちか「ペンキはペンキでも……夜光塗料なんです、これ! 暗闇になるとほんのりと光って、その場所を照らしてくれる便利物! これを犯人は近くのものに塗り付けておいて……その光を頼りに風野さんまでにじり寄ったんですよ!」

雛菜「でも、そんな光なんて使ったら雛菜たちパーティの参加者にバレちゃいません~?」

美琴「……いや、そうでもないと思うよ」

美琴「所詮塗料の発光なんてそこまで大した光でもないし……注意して探さないとわからないぐらいのほんのりとした光。あのパニック状態の中なら、視界に入ってもそれほど気にも留めないんじゃないかな」

千雪「……」

夏葉「あら? どうしたの、千雪?」

千雪「夏葉ちゃん……うーん、勘違いかもしれないんだけど……なんだかあの塗料に見覚えがあるような気がして……」

果穂「……」

智代子「どうしたの、果穂? なんだか静かだね」

果穂「ちょこ先輩……その、あたしも、あのペンキに見覚えがあるんです……なんででしょう……」

(……え?)

恋鐘「ライブの設営かなんかで使ったことでもあるとやろか?」

摩美々「だったら摩美々たちにも見覚えがあってもおかしくないよねー。あいにく摩美々は見おぼえないですよー?」

(果穂ちゃんと千雪さんの二人が見覚えがある……?)

にちか「もしかして……二人は、あれにこの塗料を使ってたんじゃないですか?」

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>365~>>366

↓1



458以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:27:28.68kR8WzFmv0 (7/18)

蛍光塗料


459あ、今更ですが蛍光塗料→夜光塗料ですね…修正出来てなかった… ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:29:51.55YOXWFtRz0 (16/54)


発言力:♡×3→2


結華「に、にっちゃん!? お、落ち着いて……今はその塗料を二人がどう使ったかって話だよ!?」

にちか「え……あ、わああああ!! す、すみません……間違えました!」

美琴「にちかちゃん、大丈夫。きっと考え方は間違ってないはずだから」

にちか「は、はい!」

(果穂ちゃんと千雪さん……あの二人が関わって、塗料を使うようなものって……)

(……あれしかないよね!)

にちか「もしかして……二人は、あれにこの塗料を使ってたんじゃないですか?」

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>365~>>366

↓1


460以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:31:28.27p/L/z85Y0 (7/7)

胸元の花飾り


461 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:34:56.62YOXWFtRz0 (17/54)


にちか「これだー!」

【解!】


にちか「パーティの入り口で配ってた花飾り……これじゃないですか?」

千雪「……! うん、それ……! それに色を付けるのに使ったの……!」

千雪「突発的な思い付きで作ったものだったから……ただ布をまとめるだけじゃ寂しくて、倉庫においてあったものを使わせてもらったの」

果穂「千雪さんのアイデアでお花も二色でぴかぴかの花かざりになったんです!」

雛菜「パーティでつけるには妙にギラギラだと思ってたんですよね~」

千雪「いいアイデアだと思ったんだけどなぁ……」

結華「い、いやいや! 実際この花飾りでパーティは華やかになってたし、ナイスアイデアだと思うよ!?」

冬優子「花飾りの着色に夜光塗料が使われていた……」

冬優子「ということは、犯人はその花飾りを頼りにして殺人を行ったってことですか?」



【愛依「そんな推理じゃキメらんないって!」】反論!






462 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:36:12.74YOXWFtRz0 (18/54)


愛依「ま、待って?! それってばおかしくない?!」

にちか「愛依さん……? ど、どうしたんですか、急に大きな声を出して……」

愛依「確かにその夜光塗料で停電中でも犯人は大体の位置を把握できたかもしんないけどさ……それってなんかヘンじゃない?」

にちか「ヘン……ですか?」

愛依「夜光塗料を頼りに殺人なんかできないんじゃん? にちかちゃんの推理は大事なところが抜けてるし、うちが教えてあげる!」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×5

コトノハ
‣【花束】
‣【暗視スコープ】
‣【美琴の証言】


愛依「犯人は停電中の暗闇でも」

愛依「灯織ちゃんの位置が分かって」

愛依「凶器を持って行動できた」

愛依「暗視スコープがあれば話は早いけど」

愛依「現場じゃ見つかってない系」

愛依「でも、夜光塗料を目印にしたってのはやっぱムリ!」

愛依「チメー的な矛盾ってのがあるっしょ!」

◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】

にちか「蛍光塗料を塗りつけておけば暗闇でも位置が把握できるのは確かです!」

にちか「暗視スコープも何も必要ないですってー!」

◇◆◇◆◇◆◇◆

愛依「それはそうなんだけど、大事なのは花飾りも夜光塗料を使ってたってとこ!」

愛依「参加者は全員花飾りをつけてたんだよ?!」

愛依「そんなんで停電になったら……【そこら中が光っちゃって】本当の目印がわかんないよ!」

愛依「どれが正解かもわからないんじゃ行動なんてできない」

愛依「犯人は殺害不可能になっちゃう系!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】

↓1



463以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:38:32.63kR8WzFmv0 (8/18)

そこらじゅうが光って 花束


464 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:41:57.98YOXWFtRz0 (19/54)


にちか「その矛盾、斬っちゃうので!」

【BREAK!】


にちか「花飾りに夜光塗料が使われていた、その状況なら確かに停電になってもどれがどれかサッパリだと思います」

愛依「だよねだよね?! ルカちゃん以外の全員が入場の時にもらってたんだから!」

夏葉「ええ、確かに私ももらったわね」

夏葉「でも、その後に……果穂とあさひに渡したわ」

愛依「……え?」

愛依「あ、あああああ!! そ、そうじゃん……うちも渡したんだった!」

にちか「気づきました? あのパーティを途中で退席した美琴さんと風野さん以外の全員はあの場で突然始まった花束づくりに協力して、みんな花飾りを手放してるんですよー!」

千雪「全員の花飾りで花束を作ってルカちゃんに渡してあげようと思って」

千雪「パーティは来たくないのかもしれないけど……私たちの思いだけでも知ってほしかったの」

ルカ「……そうかよ」

あさひ「でも、その結果大広間から夜光塗料の使われた花飾りはすべて撤去されたっす。これなら犯人が何かに塗り付けておいた夜光塗料も判別が簡単っすね!」

冬優子「暗くなった室内で光る唯一のポイント、それを頼りにすればいいんだね!」





465 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:43:00.76YOXWFtRz0 (20/54)


透「……あれ」

雛菜「どうしたの~? 透先輩~?」

透「……夜光塗料が使われた花飾り、停電の時には全部なくなってたって話」

透「引っ掛かるんだよね、なんか」

にちか「あ、浅倉さん……」

透「……あ、そっか。灯織ちゃんだ」

透「灯織ちゃんは花束を作った後で合流したから……胸につけっぱだったよね、確か」

あさひ「あー、そういえばそうっすね。灯織ちゃんからはもらってないっす」

摩美々「それは摩美々たちも確認したよー。灯織は胸に花飾りをつけっぱなしだった」

摩美々「その花飾りごと、凶器が貫いてたよねー」

夏葉「……【花飾りごと】、ですって?」

摩美々「そう、花の上からブスリって感じの跡だったねー」

智代子「ど、どうしたの夏葉ちゃん……何か思いついた?」

夏葉「……私も、何かが引っ掛かるような気がするのだけど」




466 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:43:43.17YOXWFtRz0 (21/54)


(…………)


(……………………)


(…………………………………………)


愛依「……あれ? ど、どうしたの……にちかちゃん」

にちか「えー? 愛依さんこそどうしたんですかー? そんな急にー?」

愛依「い、いや……どうしたも何もさ……」

果穂「にちかさん……何かあったんですか?」

にちか「え? 果穂ちゃんまで急にどうしたのー?」

美琴「にちかちゃん……? どうして……?」



467 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:44:21.93YOXWFtRz0 (22/54)






美琴「どうして、にちかちゃんは……泣いているの?」







468 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:45:19.61YOXWFtRz0 (23/54)








(……あー、やっぱり無理だ。しんどい)








469 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:46:19.71YOXWFtRz0 (24/54)


(こういうの慣れてないんだって。だって私ってただの一般人なんだよ? ちょっとばかりほかの人よりもアイドルとかに興味が強いだけの一般人)


(生まれ持ったものなんて、何も無い。ただ貧乏な家族の不幸な子供ってだけ)


(度胸も勇気も持ち合わせてない、そりゃ不安にも負けるし、緊張にだって弱い)


(さっきから心臓もバックバクだし、今からでもすぐにゲロ吐いちゃいそう)


(……でも、【あなた】は違うよね)


(私よりもずっと早くに美琴さんの隣に立って、私よりもずっと長い間美琴さんと一緒にいたんだもん)


(体力だってメンタルだって私とは大違い。そうでしょ?)




470 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:47:31.53YOXWFtRz0 (25/54)



「……おい、どういうつもりなんだよ」


(……どういうつもりって言われてもなー、私だって最初はこんなことになると思ってなかったんだよ?)

(だって、こうなるって分かってたら手紙をわざわざ送り付けたりなんかしない)

(犯行計画なんか、立てたりなんかしないって)


「ふざけんな……お前は、お前は……ほかの全員を裏切ろうとしたってのか……?」


(……あはは、確かに結局はそうなっちゃいますね)

(そっか……美琴さんのことも、騙そうとしたんだ。私)


「救いようもないバカヤローだよ、お前は」


(ですよねー、自分でもドン引きですよ)

(どこまで生きたいんだー!って思います、惨めにもほどがありますよね!)


「……なぁ、お前はどうしたいんだよ」

「なんで、さっき私を助けた?」


(……あー、さっきの)

(なんでなんですかね、ルカさんがクロだと勘違いされたまま投票タイムになれば、私の勝ちでしたよね)



「……なんで」

「なんで……?!」




471 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:48:30.83YOXWFtRz0 (26/54)






「なんで生きるのを諦めちまったんだよ……七草にちか……!」


(……あはは)








472 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:49:36.92YOXWFtRz0 (27/54)


私の目からあふれ出ていたそれは、ある分では彼女の言うとおりだった。
もうこれ以上は隠しきれない、すべてが明らかになる。
私の出番はここまでだという自分の命そのものに対する諦観の涙。

でも、それが全部じゃない。
他のみんなを裏切ってしまったことに対する罪の意識?
仲間の命を奪ってしまったことに対する虚しさ?
多分挙げてたらキリがない。
でも、一番は……きっと、【悔しさ】。

齢16程度の人間でも、こういう時は昔とやらを思い出すらしい。
“現在”から観測して10年程度の昔、まだお姉ちゃんと仲が良かったころの記憶。
別に今が不仲ってわけじゃないけど、感情を素直のありのままに吐き出せて、それを受け止めてもらえてた時期の記憶。


___もう二度と、会うことのできないお姉ちゃんとの記憶。

ちゃんと謝りたかったな。
お姉ちゃんのお弁当に焦げた肉を押し付けたこと、テストの点数をずっと黙って遊びまわってたこと。バイト代が足りないときは、スーパーの買い物ケチって趣味に充ててたこと。
こんな出来の悪い妹で、ごめんね。お姉ちゃん。



473 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:50:53.65YOXWFtRz0 (28/54)


でも、何よりも謝らなきゃなのは美琴さんだ。
こんなポンコツとユニットを組んでくれて、私のことを目にかけてくれて、アドバイスもしてくれたし練習も面倒見てくれた。
数えきれないの恩があって、まだ返すこともできていなかったのに……

私は、逃げた。

美琴さんと向き合うことから逃げた。

まだ、夢をかなえることもできていなかった。その道の途中だった。
隣を走るってそう決めたのに……逃げた。

本当に、ごめんなさい美琴さん。
最高のパフォーマンスで最高のステージに立つ、その夢……叶えられませんでした。


裏切ろうって気持ちがあったわけじゃない。
むしろ私は、みんなを助けたかった。
助けるために武器をとって、思いっきり振りかざして……


_____いや、これも言い訳だよね。





474 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:52:45.31YOXWFtRz0 (29/54)


私はエゴで事件を引き起こしたんだ。
それを今更取り繕っても仕方がない。
殺人犯に許されるのは、自分の罪を悔いて首を垂れることだけ。
そして、死に行く者に許されるのは、遺される人に思いを託すことだけ。

私は、私のこの思いを託さなくちゃいけない。





____他でもない、【あの人】に。







475 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:53:53.54YOXWFtRz0 (30/54)


(……ねえ、ルカさん)


「なんだよ」


(どうせ私、これから死ぬんだし……一生のお願いってやつ使ってもいいですか?)


「……好きにしな」


(……美琴さんのこと、お願いします)


「……お断りだ」


(あはは、だと思ったー!)


「……お前の願いなんか背負って生きていくつもりは毛頭ねえよ。私はただ、私のやりたいようにやる」

「……その過程でお前の願いが叶ったんなら、そん時はお前自身の幸運を喜びな」


(……ちょっとかっこいいって思っちゃいました)


「お前に言われても嬉しくないんだよ」


(……ははっ、ですよね!)


「……だから、私はお前とは一切関係なく……この裁判を終わらせる」

「このイかれた学級裁判を終わらせて……私が私のために、未来を切り開く……!」



476 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 21:54:41.94YOXWFtRz0 (31/54)






【ルカ「生き残るのは……私だ!」】





-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1



477以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 21:58:38.41Pau9SU5i0 (1/3)

にちか


478 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:01:27.66YOXWFtRz0 (32/54)


ルカ「……お前だ」

【解!】


ルカ「……そうかよ」

ルカ「お前がその気なら、乗ってやる。ただ、それだけだ。私はその後の保証はしない」

ルカ「てめェの気持ちはてめェ自身で伝えろ、人に任せるんじゃねえ」

ルカ「……私だって、絶対……そうするからよ」

にちか「はは……約束ですよ!」

美琴「……何を話しているの?」

ルカ「悪いな、美琴。……私は、私の正しいと思う道を選ぶ」

ルカ「風野灯織を殺した犯人は七草にちか、てめェなんだろ」

にちか「……」

愛依「え、えええええええええええ?!」

結華「に、にっちゃんが……!?」



479 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:02:30.53YOXWFtRz0 (33/54)


ルカ「犯人はあの停電の中で見事に被害者の心臓を一突きで貫いてみせた。それならそれ相応の準備が必要だ」

ルカ「確かに暗視スコープを使えば一発かもしれない。ただ、そんなのボディチェック以前に旧館に忍び込む以外で持ち込みようがないし、持ち込めた人間はいない」

ルカ「ならどうやって犯人は風野灯織の心臓を刺したのか……それはさっき言った通り夜光塗料を使ったんだよ」

ルカ「問題はその夜光塗料を犯人が何にどう塗ったのか、なんだけど……その答えを指し示すのが死体の状況なんだよ」

恋鐘「死体の状況……?」

夏葉「やっぱり、そういうことなのね……!」

(風野灯織の死体にはある一つの特徴があった)

(それが犯人が夜光塗料をどう使っていたのかを表す唯一絶対の証拠になる……!)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

発言力:♡×2

・死体は床に倒れていた
・死体は花飾りの上から胸部を貫かれていた
・直前に暗視スコープを使っていた

↓1



480以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:08:41.10kR8WzFmv0 (9/18)

花飾り


481以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:09:00.24ChgQgZZzO (1/1)

死体は花飾りの上から胸部を貫かれていた


482 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:09:35.49YOXWFtRz0 (34/54)


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「死因になった胸部の貫通痕。これは花飾りごと貫かれたものだったろ?」

ルカ「花飾りには夜光塗料が使われていた、つまり暗闇でもこれだけは光ってたんだよ。要は犯人はそれを目標にして凶器を振りかざしたんだ」

智代子「そ、そっか……だから胸につける花飾りだったんだね!」

智代子「必然的に心臓の前につけることになるから、それを目標にして貫けば絶対致命傷になるはずだよ!」

夏葉「……いえ、智代子。そうではないの」

智代子「あ、ありゃ?」

夏葉「思い返してちょうだい。もともとこの花飾りは千雪と果穂の思い付きで始めたものだったでしょう?」

恋鐘「ふぇ~~~!? それやったら、千雪と果穂が犯人ばい?!」

千雪「え、ええ?! ち、違うわ……!?」

夏葉「もちろん二人は犯人なんかじゃない。もし二人が犯人ならすべての花飾りに彩色をする必要がない、むしろ混乱するだけなんだもの」

冬優子「それこそ暗闇の中であちらこちらが光って狙いが付けられなくなっちゃいますもんね……!」

夏葉「だからおそらく、犯人にとってあの花飾りは不測の事態だったはずよ。まさか自分が犯行用に用意していた夜光塗料をそんな風に使われるとも思っていなかった」

雛菜「じゃあ犯人は花飾りとは別で夜光塗料を使ってたんですね~?」

あさひ「それこそ犯人は直接殺す予定の対象の胸元に塗料を塗りつけてたんじゃないっすかね。自分だけが分かるぐらいに少量で」

あさひ「で、停電が起きたらそこを刺すようにしてたんっすよ!」

摩美々「……ちょっと待ってよ、それってつまりー」



483 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:10:10.55YOXWFtRz0 (35/54)






摩美々「犯人は標的を勘違いして灯織を刺しちゃったってワケー?」








484 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:11:22.41YOXWFtRz0 (36/54)


にちか「……!」

夏葉「……そう考えるのが妥当だわ」

夏葉「犯人を含めて千雪と果穂以外にあの塗料が花飾りに使われていたことを知っていた人間はいない。そして、灯織以外の花飾りはすべて花束にして持ち出されている」

夏葉「暗闇の中で犯人のつけた目印ともう一つ、灯織の花飾りだけが光っていた……」

透「犯人は自分の目印と勘違いしちゃったんだ」

智代子「そ、そんな……」

ルカ「そして、そんなもともとの目印を付けられるタイミングなんてそうそうあるもんじゃねえ。胸元を触るなんて不自然な行為、同性でも普通は拒否するはずだ」

ルカ「でも、それが唯一自然に行えたタイミングがあるんだよ」

愛依「そ、それって……」

あさひ「ボディチェックのタイミングっすよね」

ルカ「……参加してない私からすれば聞きかじった情報でしかないけど、なにやら相当に丁寧にやってたらしいじゃねえか」

摩美々「それはもう丁寧ってレベルじゃなかったよー」

摩美々「頭の先からつま先まで、ありとあらゆるところをまさぐられちゃいましたからー」

雛菜「どこにも隠し物ができないように、隅々まで見られちゃったよね~!」

冬優子「確かに、このタイミングなら違和感なく塗料を塗ることができるかも……」

ルカ「そしてこのボディチェックをやってたのは、被害者の風野灯織と……七草にちか、てめェなんだよ」



【美琴「そんな推理じゃ魅せられない」】反論!




485 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:12:28.50YOXWFtRz0 (37/54)


美琴「……ルカ、少し黙って」

ルカ「み、美琴……!?」

美琴「犯人が夜光塗料を使って胸元に塗り付けた。そしてそれが可能なのはボディチェックのタイミングだけ?」

美琴「そんなのただの推測でしょ、ルカの妄想を押し付けないで」

ルカ「も、妄想って……違う、私は……!」

美琴「にちかちゃんが犯人なわけない……そんなの、認められない……!」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル1】
‣【テーブルクロス】
‣【夜光塗料】


美琴「犯人が夜光塗料を胸元に塗り付けて」

美琴「それを目印にして凶器を突き刺そうとした?」

美琴「そんなのただの推測でしょ?」

美琴「ボディチェック以外にも、うっかりぶつかった体を装うとか」

美琴「塗料を塗りつけるタイミングはいくらでも生み出せる」

美琴「にちかちゃん以外にもチャンスはあったんじゃない?」

◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】

ルカ「そんな不自然なことをしてたらほかの連中の目にもとまるだろ……!」

ルカ「違和感なく塗料を塗れる機会なんて、ボディチェックぐらいのもんだろ!」

◇◆◇◆◇◆◇◆

美琴「パーティに参加もしていないルカに何が分かるの?」

美琴「大体あの大広間で刺殺なんてしようものなら」

美琴「服に【返り血が付着する】はずでしょ?」

美琴「にちかちゃんは全身綺麗なまま」

美琴「床下に犯人が潜んでいた節の方が有力に感じるけど」

美琴「もう……ルカは黙ってて」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】

↓1



486以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:14:36.49JRwVEyrw0 (1/2)

【返り血が付着する】←テーブルクロス


487 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:15:51.81YOXWFtRz0 (38/54)


ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」

【BREAK!】


ルカ「確かに七草にちかの服には返り血なんて付いてねえ。でも、だからといって犯行を否定する証拠にはならないと思う」

美琴「灯織ちゃんは心臓を貫かれてた。出血量も相当なものだと思うけど」

ルカ「ああ、そうだろうな。だからこそ、そいつは返り血を防ぐための道具を使ったんだ」

ルカ「パーティ会場の机の全部に敷かれていたテーブルクロスだよ。これを頭からかぶっておけば返り血も受け止めてくれるはずだ」

美琴「……」

結華「ちょ、ちょっと待って! でも、あの会場にはそんな予備のテーブルクロスなんかなかったよ?!」

摩美々「何も予備のテーブルクロスなんか用意する必要はないでしょー?」

果穂「もしかして、あのたおされてたテーブルのテーブルクロスですか?!」

智代子「え? で、でもあれって灯織ちゃんが倒したんじゃ……」

冬優子「その前提からして違ったんだね……!」

冬優子「シュラスコのお肉が鉄串から抜かれていたのも含めて不自然な細工が為された痕跡を隠すために犯人が机を倒した……」

冬優子「灯織ちゃんが暗視スコープを使おうとしてふらついたわけじゃなかったんですね!」



488 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:16:47.56YOXWFtRz0 (39/54)


美琴「……まだだよ。たとえそれで返り血を防ぐことができたとしても、今度はそのテーブルクロスが不自然になる」

美琴「偶然たまたま血にぬれたテーブルクロスがあったとでも言い訳するの?」

ルカ「……ぐっ!」

果穂「……あ、あの! そんな言い訳は必要ないと思います!」

ルカ「小学生……? お、お前……」

果穂「ルカさんはその時、まだきてなかったので知らないと思うんですけど……にちかさんは、あたしが死体を見ないように、近くのテーブルクロスで死体をかくしてくれたんです」

果穂「もし、そのテーブルクロスに返り血がついていたとしても……そのときについたものだとみなさん思うはずです!」

夏葉「果穂……あなたの言うとおりだわ!」

あさひ「あの時、真っ先に灯織ちゃんの死体を隠したのも……にちかちゃんだったっすよね」


≪智代子「灯織ちゃん! 灯織ちゃん?!」

あさひ「これ……!!」

果穂「……ひお、り……さん……?」

夏葉「……!! 果穂、見ちゃダメよ!」

にちか「……!! と、とりあえず、テーブルクロスでもかけて隠します!」

小学生が見るにはあまりに刺激が強すぎる。
とっさに私は【近くにあったテーブルクロスを】死体の上からかぶせた。≫





489以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:16:50.04kR8WzFmv0 (10/18)

返り血 に テーブルクロス


490 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:18:12.46YOXWFtRz0 (40/54)


美琴「嘘……」

にちか「……」

ルカ「美琴……お前の気持ちは察して余りある」

ルカ「だけど……ここで選択を間違えたら、私と美琴だけじゃねえ……ここにいる全員の命が奪われちまうんだ……!」

ルカ「お前はそれでいいのかよ……!」

美琴「……認めない」

美琴「ルカなんかにはわからない……にちかちゃんは、誰かを殺すような人じゃない」

にちか「美琴さん……」

美琴「それ以上言うなら、許さない……絶対に」

ルカ「……わかったよ」

ルカ「たとえ美琴に一生憎まれることになろうとも……私はこの道を譲るつもりはない。絶対に正しい真実にたどりついてみせるからな!」

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】

発言力:♡×2

美琴「ルカに何が分かるの?」【防御力20】
美琴「違うの」【防御力25】
美琴「ルカは黙ってて」【防御力30】
美琴「にちかちゃんを守れるなら」【防御力35】
美琴「……死んだっていいの」【防御力40】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より五回連続判定


491以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:18:38.09kR8WzFmv0 (11/18)




492以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:19:16.28kR8WzFmv0 (12/18)




493以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:20:12.41kR8WzFmv0 (13/18)

ありがとうございます。


494以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:21:00.24kR8WzFmv0 (14/18)




495以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:21:28.91kR8WzFmv0 (15/18)

dee


496 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:25:05.00YOXWFtRz0 (41/54)


(チッ……! あと少し……!)

(私の進む道だ……美琴だろうと、この歩みは止めさせねえ……!)

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】

発言力:♡×2→1

美琴「ルカに何が分かるの?」【防御力11】
美琴「違うの」【BREAK!】
美琴「ルカは黙ってて」【BREAK!】
美琴「にちかちゃんを守れるなら」【防御力11】
美琴「……死んだっていいの」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より二回連続判定


497以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:26:14.74Pau9SU5i0 (2/3)




498以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:31:49.39Pau9SU5i0 (3/3)

はい


499 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:32:37.87YOXWFtRz0 (42/54)

-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】

ルカ「美琴……!」


【美琴「にちかちゃんが犯人だという決定的な証拠でもあるの?」】


上面図/ティ/会場の/パー


【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でとどめをさせ!】

↓1



500以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:37:09.02JRwVEyrw0 (2/2)

パーティ会場の上面図


501以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:37:52.64kR8WzFmv0 (16/18)

パーティー会場の上面図


502 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:40:16.30YOXWFtRz0 (43/54)


【発言力がゼロになりました】

(届かない……)

(まだ、まだだ……私は戦える……!)

-------------------------------------------------

【美琴「にちかちゃんが犯人だという決定的な証拠でもあるの?」】


上面図/ティ/会場の/パー


【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でとどめをさせ!】

↓1


503以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 22:47:04.74kR8WzFmv0 (17/18)

パーティ会場の上面図


504 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:49:14.81YOXWFtRz0 (44/54)


ルカ「これで終わりだ!」

【BREAK!】


ルカ「美琴……今回の事件の犯人は犯行に使った凶器も、返り血を防ぐ防御も……どっちも現場で調達している」

ルカ「パーティ会場のテーブル、あそこには凶器の鉄串を使ったシュラスコもあったし、返り血を防げるテーブルクロスも乗っている。だから、それを使うには机を倒す必要があったんだ」

美琴「……だから何?」

ルカ「メガネ女、パーティ会場で撮った写真を見せてくれ」

結華「メガネ女って……三峰のことだよね? え、えっと……はい! これ!」

結華「一応集合写真を撮った時、事件が起きた後と二枚撮って……そこから現場の見取り図的なのも作ってたんだよね」

恋鐘「さすがは結華! よう気が回っとるね!」

ルカ「これを見れば一目瞭然なんだよ。停電の中で倒されたテーブル、その向きを見てくれ」

美琴「……向き?」

ルカ「被害者の風野灯織の方に頭を向けてぶっ倒れてるんだよ、このテーブルは。もともとの推理である、被害者本人がテーブルを倒したって話ならこれは妙だろ?」

ルカ「だって、わざわざ回り込んで倒したことになるんだからな」

摩美々「反対ににちかの位置関係はというとー……」


愛依「にちかちゃん……【脚側】にいるじゃん……!」




505 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:52:42.63YOXWFtRz0 (45/54)


ルカ「脚側にいるのは勿論こいつだけじゃねー。でも、ボディチェックの件にテーブルクロスの件、総合して考えると……犯人の候補として最有力なのはこいつしかいねーだろ」

にちか「……」

美琴「……違う」

ルカ「美琴……お前……」

美琴「……違う、これもまだあくまで可能性でしかないから。決定的な証拠じゃない」

にちか「もうやめてください!」

美琴「……にちかちゃん」

にちか「美琴さん、これ以上は……もういいんです。風野さんを殺しちゃったの、私なんですよ」

美琴「嘘……だよ、ね」

にちか「いやー、もう嘘は吐きつかれちゃいましたよ。だってキツくないですか?! 始まってからずーーーーーーっと! 犯人はわかり切ってるのにわかってないみたいな演技して!」

冬優子「本当に、にちかちゃんなんだね……?」

にちか「あはは……ごめんなさい、私です。私が夜光塗料を使って、暗闇の中で人を殺したんです。まあ……もともとの狙いとは外れちゃったんですけどね」

果穂「あたしたちの花飾りのせいで、灯織さんは死んじゃったんですか……?」

にちか「ちがう、それは違う! 私がいなければそもそも殺しなんか起きてないんだから! 果穂ちゃんが自分を責める必要はまっったくないから!」



506 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:54:43.42YOXWFtRz0 (46/54)


にちか「……全部全部、私が悪いんです。誰にも相談しないで、勝手に突っ走って」

美琴「……本当にね」

にちか「美琴さんにはいくら謝っても足りないです。この裁判の中で、私のことを信じて嘘までついてくれたのに」

摩美々「やっぱりルカのアリバイは嘘だったんだー」

にちか「ああでもしないとルカさんが犯人扱いされちゃってましたから」

あさひ「……? それ、変っすよ。だってにちかちゃんが黙ってれば、にちかちゃんは裁判に勝てたんすよね?」

にちか「……最初はね、私も勝とうとしたんだ」

にちか「だから芹沢さんの推理に便乗したし、机を倒した人の時にも名乗りを挙げなかった」

にちか「でも……ほかのみんなが必死に議論をして、生き残ろうとしている中で自分だけみんなを欺こうとして……」

にちか「私が生き残るってことは、その全員を殺すことになるから……それはできないなって途中で思ったんだ」

にちか「こんなので一番になったからって……私は、うれしくない」

にちか「きっともうイヤだって! めちゃくちゃに後悔して……そんで、呆れるくらいに死にたくなるに決まってる」

にちか「だから、もう……終わらせてください。これ以上は、もう」

ルカ「……」

ルカ「……言っとくけど、これは美琴のためでも、ましてお前のためでもない」

美琴「……!」

にちか「……!」

ルカ「私が私として生き抜くため。そのために……初めから事件を振り返って真実を確かめる。その結果導き出される犯人に、投票する。それだけだ……!」




507 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:55:47.61YOXWFtRz0 (47/54)

-------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】

【act.1】

「今回の事件の犯人が最初に行ったのは脅迫文の作成だ。風野灯織のもとに送り付けた手紙、あれはきっと……もともと狙っていた標的含めて全員を一か所にまとめたかったんだろうな。犯人がどこまでを想定していたのかはわからないけど、その集めた先で犯行を行った。全員の目の前で、堂々と、な」

「脅迫文を受けて風野灯織はすぐに全員を集めてのパーティを企画した。パーティの最中なら全員を監視下に置けるし、参加時のボディチェックということで不安材料も除去できる。なんとかこの一晩をしのぐ、その上ではこれ以上ない画期的な作戦だったと思う」

「そして会場に選んだのはホテルの旧館。これまで誰も出入りしてこなかったとこだ。閉鎖的な空間ってのは監視の上では都合がいい。だけど、これまで誰も出入りしてこなかった場所なもんで想像以上にその建物は汚かった」

「そこで風野灯織は掃除をしたわけだが……ここで私以外の全員が掃除に参加した。283プロの仲良しムード、いい子ちゃんムードからすればこれを抑止することはできなかっただろうが……結果としてそのムードのせいで犯人に仕掛けを作る隙を与えてしまった」

「掃除の最中、ほかの連中の目を盗んで犯人が行ったのは停電のための仕掛けづくり。まずはこっそりと倉庫のコンセントにアイロンを挿しておき、常に三台が稼働している状態にする。そのうえで、旧館中のエアコンにタイマーを設定。午後11時30分になると同時に電源が入り、停電が発生する仕組みだ。この停電が犯人にとっては犯行のネック。他の参加者たちの目の前で犯行を行うため、自分自身を真っ暗闇で隠してしまう必要があったんだ」


◇◆◇◆◇◆◇◆
【act.2】

「そしていよいよパーティ本番。何食わぬ顔で参加者になった犯人はそこで、風野灯織にボディチェックの協力を求められた。多分これももともとの想定のうちじゃない、どこか別のタイミングで夜光塗料は使う予定だったんだろうが……むしろ犯人にとっては好都合。より違和感のない形で標的の胸部に塗料を塗りつけることができるんだからな」

「でも、ここで想定外がもう一つ。それはパーティを始めるにあたって小学生と手芸女が二人で花飾りをこさえてたってことだ。しかもそれの彩色に使ったのは犯人も用意していた蛍光塗料。まさか犯人も同じ塗料が使われてたとは思わなかったんだろうな、風野灯織に言われるがまま、その花飾りを参加者の全員に渡してしまったんだ」

「いざパーティが始まると、風野灯織は警戒をより一層強めた。料理も真っ先に自分が口にして、料理に使った調理器具も全部没収。万全には万全を期すつもりだったんだろう。……でも、見落としがあった。それは料理そのものだ。シュラスコに使われていた鉄串……まさかそれが犯行に使われるとは思わなかったんだ」

「そしてはじめの毒見で慣れない早食いをした風野灯織は一度離席、会場の外へ。他にも会場を離れた人間は二人いる。夜風にあたりながらモノクマと私が近づかないよう監視をするために出た美琴と、ほかの連中の花飾りを集めて花束を作った手芸女だ。だが、この手芸女が花束を作ったタイミングが厄介なことを引き起こしやがった。花束を作ったのはちょうど風野灯織の離席中。風野灯織が再びパーティに戻った時、唯一こいつだけが胸に花飾りをつけている状況を引き起こしちまったんだ」



508 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:57:07.42YOXWFtRz0 (48/54)

◇◆◇◆◇◆◇◆
【act.3】

「風野灯織が戻ってきて、メガネ女が集合写真を撮った直後。ちょうど時間が午後11時30分になったタイミングで昼に仕込んでおいた仕掛けが作動。エアコンの起動とともに旧館中が停電した。それと同時に行動を開始したのが犯人。周りのパニックに紛れて、まずはシュラスコから鉄串を抜き取った。この一本が風野灯織の命を奪った凶器……その心臓を貫いたんだ」

「そして次に必要なのが返り血を防ぐためのテーブルクロス。その調達の意味もあって犯人は堂々とその机を蹴り倒した。大きな音を立てて倒れる机に、ほかの人間の注意を引き寄せる効果もあったかもな。でも、犯人の本当の狙いはそこじゃねえ。凶器と防御策とを手に入れた犯人はいよいよ犯行の時」

「昼間につけておいた標的の塗料めがけて鉄串を振りかざす。……その予定だった。あの会場では犯人のつけた塗料のほかにもう一つ光るものがあった。それは……風野灯織の花飾りだ。同じ塗料を使われていた花飾りを、風野灯織ただ一人だけが身に着けていたせいで……犯人は殺害する相手を間違えてしまったんだ」

「そして停電がなおった時、犯人は相当に焦ったと思う。本当に殺す予定だったのはこいつじゃない、なんでこいつが死んでいるんだ? ……ってな、それでもまだ犯人は冷静だった。そりゃそうだ、こいつだって命がけなんだからな。手元に残った返り血の付着したテーブルクロス、これを見られるわけにはいかなかった。だからこいつは大胆にもそのテーブルクロスを死体にかけやがった。小学生には刺激が強いから、死体を隠さなきゃ……その名目でな」


◇◆◇◆◇◆◇◆

「花飾りのことがなければ、犯行はバレなかったかもしれない。傷口から漏れ出した血液で胸元の塗料なんかは隠れてしまうだろうしな。でも、犯人は間違って花飾りの上から刺してしまった。深紅の血の色に染まった花弁が、犯人に繋がる証拠になったんだ」



「……七草にちか。お前がやったんだろ……?!」



【COMPLETE!】





509 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 22:59:18.36YOXWFtRz0 (49/54)


ルカ「これが事件のすべて……お前らの目の前で起きた、その全貌だよ」

にちか「ありがとうございます、ルカさん。全部言った通りですよ」

ルカ「……けっ」

夏葉「……本当に、これで間違いはないのよね」

にちか「はい、もうじゃんじゃん私に投票しちゃってくれて大丈夫ですので!」

結華「……そんな」

愛依「うち、嫌だよ……」

あさひ「……にちかちゃん、結構面白かったっすよ」

にちか「芹沢さん……?」

あさひ「まさかあの真っ暗闇でわたしの目の前で犯行に及ぶなんて、考えもしなかったっす。その発想はすっごくおもしろかったっす」

冬優子「あ、あさひちゃん……!!」

あさひ「でも……にちかちゃんと灯織ちゃんとお別れは……したくないっす」

にちか「……!!」

あさひ「なんなんすかね、これ。二人ともう会えない、もうしゃべれないって思うと……胸のあたりが重く、冷たく感じるんすよ」

美琴「……ごめんね、あさひちゃん」

あさひ「どうして美琴さんが謝るっすか……?」

美琴「……本当に、ごめんね」



510 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 23:00:52.58YOXWFtRz0 (50/54)


にちか「美琴さん……美琴さんも、ちゃんと私に入れてくださいね」

美琴「……」

にちか「美琴さんは私がいなくなった後も、芸能界に残ってトップを目指してもらわないと! むしろ足を引っ張る私がいなくて身軽~!みたいな________

ルカ「くだらねえ真似はやめろ」

にちか「……!!」

ルカ「お前が言ったんだろ、自分の本当の気持ちに嘘をつくなって」

ルカ「今のお前の口から出てる言葉のどこが本当なんだよ、どこが美琴のことを思ってるんだよ」

ルカ「死に際を綺麗に飾ろうとするんじゃねえ、もっと惨めに醜く……一生の別れを悔め。そこにしかお前の本当の気持ちはないだろ」

にちか「……ホント、自分じゃできないことを人に要求して身勝手ですよね!」

ルカ「……そんで美琴、お前もだよ」

美琴「……私?」

ルカ「お前も、正面から向き合ってやらねえと……こいつだって本音が言えないだろ。いい加減見てやれよ、お前の隣に立ってくれてたやつのことぐらいな」

美琴「……」

ルカ「……私相手にはできなかったこと、こいつ相手ならできんだろ」



「「「…………」」」






511 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 23:02:25.52YOXWFtRz0 (51/54)


モノミ「うぅ……うぅ……緋田さんとのユニット経験がある二人同士の会話は……涙なしには見られまちぇんね……」

モノクマ「ぐー……ぐー……」

モノミ「って寝てるー!」

モノクマ「むにゃむにゃ……もうお腹いっぱい……」

モノミ「使い古されまくってこの令和の時代にもうネタとしても扱われないレベルの古典的な夢を見てるんでちゅか?!」

モノクマ「……はっ! ボクは一体……? ここはどこ……?」

モノミ「アンタはモノクマ、今は学級裁判中でちゅよー!」

モノクマ「ああ、そうだったそうだった。確か途中までは起きてたと思うんだけど、ついうっかり寝ちゃってたよ!」

モノミ「ったく……しっかりしてくだちゃいね。アンタは仮にもこの南国生活を率いる立場なんでちゅよ! どこから記憶がないんでちゅか? あちしが教えてあげまちゅ!」

モノクマ「えっと確か……緋田さんが斑鳩さんにできなかったことを七草さん相手にはできるとかどうこう」

モノミ「ついさっきじゃないでちゅか! 全部見てたんじゃないでちゅか!」

モノクマ「はい! というわけで議論も出尽くしたようですし……そろそろ行っときますか!」

モノクマ「投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」

モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」

モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」



512 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 23:03:36.72YOXWFtRz0 (52/54)

-------------------------------------------------


     【VOTE】
〔にちか〕〔にちか〕〔にちか〕

 CONGRATULATIONS!!!!

   パッパラー!!!


-------------------------------------------------


513 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 23:04:26.07YOXWFtRz0 (53/54)







【学級裁判 閉廷!】








514 ◆zbOQ645F4s2021/11/29(月) 23:09:33.27YOXWFtRz0 (54/54)


というわけで本日はここまで。
主人公交代、なかなか思い切ったことをやらせていただきました。
ルカのキャラに関しては自己解釈をかなり含みます、公式供給なかなか来ないから…
一応明日感謝祭で多少明かされるのかな……?
今後のシナリオ展開によって、物語の展開も変わる可能性があることをご了承ください。

最後のPTAで発言力はゼロになってしまいましたが、メダル半減ペナルティは今回はいいかな……と思ってます。
本当に最後の最後ですし、現状メダル全然足りてない感じがしますしね。
厳格にやった方がよければ報酬半減にしますが…

次回はおしおきから1章完結まで駆け抜けます。
11/30夜から、安価はありません。

それではお疲れさまでした。



515以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/29(月) 23:15:33.64kR8WzFmv0 (18/18)

お疲れ様でした。面白かったです!


516以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/30(火) 00:10:17.74amOImD8n0 (1/2)

視点キャラが最初に殺されるのは見たことあったけど視点キャラが最初の殺人者ってのは流石に斬新だな…自由行動でルカだけ会えなかったのはそれもあってのことか
集中力も0まで使えるんであれば、発言力も0まで使える(=マイナスになった時点でペナ)仕様でいいと思うなー


517以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/30(火) 00:25:17.15amOImD8n0 (2/2)

そういえば
・にちかが集めたアイテム、好感度は引き継がれるのか
・にちかが殺そうとしてたのは誰だったのか
が気になるね
前者はchapter2入った時点でわかることだけど


518以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/30(火) 00:35:45.15Iw46JQw1O (1/1)

読み返すと、にちかもそこそこ怪しげな言動してるんだね
にちかの当初の標的が誰だったかは俺も気になる
あんま重要じゃないのかな


519以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/30(火) 01:47:13.11cFVfej660 (1/1)


メタ的にはにちかクロ確定だったけど作中視点だと自白まで込みで投票に踏み切っていいかだいぶ際どかった感じあるな
停電の瞬間に倒れたテーブルの目の前にいないと鉄串とテーブルクロスの調達難しそうだしあさひとの2択から絞れる証拠残してないように見える


520 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 10:53:16.21BBrd2CUc0 (1/66)


更新は夜からですが、いくつかいただいている質問などに返信させていただきます。

>>516
ロンパ本編だと発言力ゼロになった瞬間ゲームオーバーではあるのですが、今回はとりあえずナシの方向で行きます
そこらへんしっかりと定義していなかった部分でもあるので、次章以降は厳格にゼロになった瞬間報酬半減で行こうと思います
まあ次章は当分先になるとは思いますが……

>>517
メダル・アイテムは引き継ぎます。
ただし、親愛度はその人同士の友好のパラメーターであるため、前の主人公がこれまでいくらか上げていたとしても続く主人公が引き継ぐことは考えていません。

シナリオ関連の話は後にシナリオ内で語られる部分もあるので、詳細はそちらをご確認ください。


521 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 19:58:23.68BBrd2CUc0 (2/66)


再開時刻本日は少し遅くなります。


522 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 21:57:48.32BBrd2CUc0 (3/66)

-------------------------------------------------


CHAPTER 01

MIDNIGHTのせいにして

裁判終了


-------------------------------------------------



523 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 21:58:52.91BBrd2CUc0 (4/66)


モノクマ「大正解! みんなを率いるリーダー、希望の象徴だった風野灯織さんを殺害した極悪非道なクロは七草にちかさんなのでしたー!」

結華「本当に、にっちゃんが……ひおりんを……?」

果穂「にちかさん……!」

にちか「……投票してくれてありがとうございます」

美琴「……」


投票結果は正解。
風野灯織を殺害したのは七草にちか。
モノクマのやたらハイトーンな声とは魔反対に押し黙っている連中はうつむいて、文字通り葬式の参列のような空気が漂っている。
七草にちかが本当に人を殺していたこと、そしてその人間を自らが殺人犯だと告発し次なる犠牲者に差し出したこと。
そのどちらに気を沈めているのかは私には測りかねる。
ただ、その悉くが絶望という言葉で表現するに足る表情を浮かべていることは事実だ。



524 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 21:59:58.93BBrd2CUc0 (5/66)


モノクマ「みんなが楽しくパーティの準備をしていた中で一人別の人間を殺す準備をしていたなんて、なんとも殊勝な殺人犯ですね!」

千雪「さ、殺人犯だなんて……」

モノクマ「殺人犯でしょ。だって七草さんは明確な殺意を抱いていた、これは神様にだって否定できない事実だよ!」

(……その“神様”ってのは、私のことじゃないな)

摩美々「……ねえ、ルカの言ってた推理って全部正しかったのー?」

にちか「はい……何から何まで言ってた通りです」

摩美々「だとしたら……にちかは本当は誰を殺そうとしてたのー?」

美琴「え……」

摩美々「だって灯織はその誰かと勘違いされて殺されちゃったんでしょー、にちかが塗料を直接塗り付けた……本当は殺されるはずだった人物がいるはずじゃーん」

にちか「……言いたく、ないです」

愛依「にちかちゃん……?」

にちか「言いたくない、言えない……! 今この場所で、私が殺そうとした人間なんて言っちゃったら……!」

千雪「摩美々ちゃん、そっとしておこう……? にちかちゃんが可哀そうよ」




あさひ「わたしはハッキリさせておくべきだと思うっす」







525 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:01:26.80BBrd2CUc0 (6/66)


愛依「あ、あさひちゃん……!」

あさひ「にちかちゃんだって、灯織ちゃんを殺しちゃったのは不本意だったはずっす。本当に殺したかった相手への思いを隠したまま死んじゃって、にちかちゃんはそれでいいっすか?」

にちか「違うの……私が殺したかった相手には、恨みとか妬みとかがあったわけじゃなくて……」

モノクマ「ああ、もうまどろっこしいなあ! そんなに気になるなら手っ取り早い方法があるじゃない!」

モノミ「ちょっと、今はミナサンが七草さんとお話しているんでちゅから余計な口出しをして邪魔しないでくだちゃい!」

モノクマ「だからこんなうだうだ言ってる無駄な時間を使うくらいなら、もっと一発ですっぱりとターゲットが分かる方法があるじゃない!」

モノミ「え?」




モノクマ「こういうことだよ!」




バンッ!

俄かに暗闇に包まれる裁判場。


モノクマ「七草さんは殺したい相手に夜光塗料を塗りつけてたんだよ? 裁判場ごと真っ暗にしちゃえばおのずと浮かび上がってくるじゃない!」

モノクマ「それこそ暗闇を仄照らす明かりのようにね!」



526 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:03:12.41BBrd2CUc0 (7/66)


私は参加をしていなかったけど、きっと風野灯織が命を落としたのはこんな暗闇だったんだろうな。
手足の所在もわからなくて、すぐ近くに人がいることはわかっているはずなのに、心がざわつく。

その心のざわつきが目線を走らせる。首を振って、目を凝らし、明かりと呼べる元を探し求める。
そして、その右往左往はある一点で収束した。ちょうど人間の胸のあたりの高さに、わずかに光るものがある。
ほんの一点ほどで、言われなければなかなか気づかない。それぐらいの光量が顔をのぞかせ、私を見つめている。


ルカ「……てめェだったんだな、七草にちかの本当のターゲットってのは」


暗闇の中、私はそのターゲットに近づいていく。
まだそのターゲットは自分のことを指されているのに気づいていないのか、夜光塗料もぼんやりとして動かない。

でも、そんなことは知ったことではない。
たとえ無自覚だったとしても、他者に殺意を抱かれていたその事実は知るべきだし、知られるべき。私はそう思う。

だからそいつの肩に、手をかけた。

丁度この位置に立っていたのはアイツのはずだ。
この裁判の間、終始涼しい顔して、まるで自分は無関係ですともいわんばかりの表情を浮かべていた……【あの女】。




527 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:04:11.20BBrd2CUc0 (8/66)






ルカ「【浅倉透】……お前の代わりに風野灯織は死んだんだよ」








528 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:06:13.94BBrd2CUc0 (9/66)


瞬間、裁判場に明かりがともった。
私が手を乗せている肩の持ち主は案の定浅倉透で、自分が選ばれたことに戸惑っている様子だった。
口をまごつかせて、柄でもなくよろけて見せた。


透「え、私……?」

雛菜「透先輩~~~?! なんで~~~!?」

あさひ「にちかちゃんが夜光塗料を塗りつけることができたのはボディチェックのタイミング。誰を標的にしても夜光塗料を塗るチャンスはいくらでもあったはずっす」

雛菜「そういえば……透先輩のボディチェックをしたのって」


≪灯織「市川さん……いえ、まだ始まっていません。その前に身体検査をしてもよろしいでしょうか? ……七草さん、浅倉さんをお願いします」

にちか「は、はい!」

透「厳重じゃん、めっちゃ」

にちか「ここまでやる必要はあるんですかねー……」

とはいえ一度引き受けてしまった仕事。風野さんに言われるがままに浅倉さんの身体検査を行った。全身をパンパンと叩いていき、不審なものはないか確かめて、さらには【胸元も襟を掴ませてもらって】一応は確認。

透「えー、恥ず……」

にちか「す、すみません……」≫


透「あの時かー」

にちか「……これ以上ないチャンスだと思ったんです。浅倉さんを殺すなら今しかない、って」

冬優子「ちゃ、チャンスって……」



529 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:07:04.74BBrd2CUc0 (10/66)


智代子「な、なんで……なんで透ちゃんを殺そうと思ったの?!」

ルカ「どういうことか、説明してもらえるよな」

にちか「……」


七草にちかはなおも俯いていた。
本当にこいつはどこまで苛立たせる。美琴の隣でいつまでもうじうじうじうじと……自分を口にすることに怯えてばかり。


ルカ「……ッ!」


その苛立ちが、私に七草にちかの胸倉をつかませた。


夏葉「ルカ……! そんな乱暴な真似は……!」

にちか「夏葉さん……いいんです」

ルカ「言えよ」

にちか「……わかりましたよ」


私の顔をその間近にとらえた七草にちかは、観念した様子でその口を動かし始めた。


にちか「……発端は、モノクマの提示したあの動機でした」

恋鐘「漫才に託けて、うちらの記憶が長い間にわたってトンどることを示した、あん動機ばい?」



530 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:08:57.55BBrd2CUc0 (11/66)


≪モノクマ「でもな、おかんはそのマスコットはみんなの記憶を奪っとるって言うんよな」

モノミ「それは……!」

モノミ「あ、あれ……?」

モノクマ「コロシアイ南国生活に参加しているみんなの記憶を奪っちゃってるあくどいマスコットがいるんだってさ。全く、ひどいマスコットもいたものだよね!」

モノミ「あ、あはは……ほ、本当でちゅね……いったい誰のことやら……」

モノクマ「ほんでおかんが言うにはな、そのマスコットってピンク色のウサギみたいな見た目らしいんや!」

モノミ「……い、今のあちしはツートンカラーの愛らしいウサギでちゅ……人畜無害なウサギさんでちゅ……」

モノクマ「でもな、おかんが言うには最近そのウサギは色を変えられた挙句、お兄さんができたらしいねんな!」

モノミ「いやあああああああ! それ以上はやめてくだちゃい!」

モノクマ「で、オトンが言うにはな、それってモノミちゃうか?って!」

モノミ「……」

モノクマ「もうええわ! どうも、ありがとうございました~~~!」≫


にちか「私の家って貧乏なんですよ。片親だし、母は入院中だし……おかげさまで安アパートにおじいちゃんおばあちゃんとお姉ちゃんとで暮らして」

にちか「お姉ちゃんは毎日バイトを掛け持ちして全部生活費にして、私もアルバイトしながらアイドルやって」

にちか「……とてもじゃないけど、何年も持つような生活じゃないんですよ」

にちか「それなのに、記憶が飛んでる? 私の知らない時間が流れてる?」

にちか「じゃあそれはどれくらい? 数時間や数日ならまだしも、もし数か月……数年なんか経っていたとしたら……」



にちか「家族は、どうなってるんですか……?」






531 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:11:17.12BBrd2CUc0 (12/66)


冬優子「にちかちゃん……あの漫才を、本当に信じちゃったんだね……」

千雪「仕方ないわ……今私たちの身に起こってることはどれも信じがたいことばかり。どれが本当か嘘かなんて、もう誰にも分らないもの……」

にちか「だから確かめなきゃって……この島を早く出て確かめなきゃって……」

にちか「でも、それでもぎゅっと抑え込もうとしたんです。だって、不安に感じているのはみんな同じだし……私以外の人にも家族だっていますから」

美琴「じゃあ、どうして……?」

にちか「浅倉さんです」

透「……え」

にちか「殺しちゃダメ、殺すなんてもってのほか。そう思ってたのに……浅倉さんは、浅倉さんは……!」

(……っ!)


七草にちかが浅倉透を見つめるその瞳はこれまでの生活の中で見た七草にちかのどの表情よりも鋭く、尖っていて……それは、以前私が七草にちかにぶつけた視線と全く同じだった。

___敵意、そして【殺意】。

今にもその咽喉元を掻っ切って命を奪い去ろうかという剣幕がそこにはあった。




532 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:13:30.71BBrd2CUc0 (13/66)


夏葉「にちか……お願い、あなたに透に対する敵意と殺意を抱かせたその原因と理由を教えてもらえないかしら」

夏葉「……私たちも、何もわからないままにすべてを終えたくはないのよ」

雛菜「……」

(いつもの能天気女も今回ばかりは頭にキてるみたいだな……)

にちか「……あれは、この島に来て四日目の朝の話です。前の日に私はルカさんと喧嘩みたいになって……なんだか気も立っていて、寝れなくていつもより早く起きちゃったんです」

ルカ「……そうだったな」

美琴「……」

あさひ「四日目ってことは、あの漫才があった日の朝っすね」

果穂「それじゃあにちかさんは……動機がはっぴょうされるよりもはやくに透さんをころそうと思っていたんですか……?」

(……七草にちかは首を縦には振らなかった)

にちか「落ち着けなくて、私は本当になんとなく……なんとなくの気持ちで散歩をしに外に出たんです」




にちか「その結果、私は見てしまったんです……浅倉さんの、【裏切り】の証拠を……」




ルカ「……う、【裏切り】……だと……?」

冬優子「う、裏切りってことは……透ちゃんが……モノクマ側ってこと……?」

愛依「と、透ちゃん?! う、ウソだよね!?」

透「……」

雛菜「と、透先輩……?」

にちか「……浅倉さんが何も言わないなら私が全部言いますよ」



533 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:14:51.83BBrd2CUc0 (14/66)




=========
≪island life:day 4 moring time≫
=========






534 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:16:32.35BBrd2CUc0 (15/66)

【牧場】


私の中の『なんとなく』は静けさを求めていたのか、コロシアイという言葉からイメージされる人由来の脅威から身を置きたかったのか。
気が付けば私は人ではなくむしろ家畜たちがのびのびと過ごす穏やかな牧場に足を運んでいた。

獣の放つ、ありのままの臭いが鼻について煩わしい。
けれど、誰もいない、なにも無い、ただそこにあるだけの牧場の景色は存外私の気持ちを落ち着かせた。


「……はぁ」


私もあの牛みたいに何も考えずだらだらと過ごすだけの一日を送りたい。
あ、でも乳しぼりとかは嫌だな。生理的に無理。
それに家畜って最終的には食べられるんでしょ……最悪じゃん。
どうせなら食べられないし、人に触られないような動物が……


なんてとりとめもないことをひたすらに考えていた、その時だった。

私の視線の先にうっすらと人影が見えた。
その人物はあたりの様子を慎重に伺って、誰にも見つからないように姿を隠しているようだ。

まさかルカさんが何か犯行を企てているんじゃ……?
そんな危惧がふっと湧き上がり、私もスニーキングよろしく身を隠し、慎重に慎重にその人物との距離を詰めていく。


……その人物と背中合わせぐらいの距離までやってきた。
小説とかだと、こういうときでも肝心のその人物はピンとこないとかありがちだけど……
これは現実だ。非現実っぽいだけで、現実だ。

現実というのは、嘘をつかない。



535 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:18:52.23BBrd2CUc0 (16/66)






透「……あー、うん。大丈夫、今のところは」








536 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:20:48.55BBrd2CUc0 (17/66)


(……浅倉さん?)


浅倉さんは誰かと会話していた。とはいえほかの人物の気配はない。
彼女が何かしらの方法で外部と連絡を取っているのは明らかだ。
もしかして、助けを呼んでくれている?
そう思うと声が飛び出そうだったが、ぐっと堪えた。


(……信用してばかりじゃ、ダメだ。疑いながらの信用じゃないと……)


浅倉さんは悪い人じゃない。それは私だってわかってる。
でも今、ここではコロシアイ南国生活が行われている。
悪い人じゃなくたって、何か間違いは起こってしまうかもしれない。
そのリスクを検討しないと、足元をすくわれるのは私。
必死に自分を押さえつけて、息を殺した。


透「バレてない、平気だって」

透「あー……うん、多分、覚えてない。何も言ってこなかったし」

透「……計画通りだから」

(……浅倉さん?!)



537 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:22:55.67BBrd2CUc0 (18/66)


浅倉さんの言っている言葉はところごころが歯抜けだ。
元から多くを語る人ではないけど、この欠落は電話口の相手がそれを語っているから殊更語らないということに由来する。
ただ、その抜けた中身とやらが、私に疑念を抱かせるには十分すぎる要因であることは確かだった。


透「こっちから仕掛けるよ、黙ってたら……やられるのはこっち」

(……!!)

……『仕掛ける』?
その言葉の意図するところはわからない。ただ、彼女の通話相手が、そして何より彼女自身が何かを『仕掛ける』……その言葉に何か良からぬものを感じ取るのは当然のことだった。


透「……うん、それじゃあまた」


戸惑いと驚きで勝手に出てしまう声を抑え込んで、必死に口を押える私の背後でその通話は終わった。
浅倉さんは深く息を一つつくと、あたりをきょろきょろと見まわし始めた。どうやら今の話を聞いた人間がいないか、点検に動き出したらしい。

(……まずい!)

すぐ背後には壁を挟んで私がいる。
このまま見つかったら、私は彼女に何をされるかもわからない。
すぐに私はその場を離れて走り出した。
多分……見つかりはしなかったはず。



538 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:23:49.37BBrd2CUc0 (19/66)





透「……」

透「……まだ、間に合うから」







539 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:25:10.56BBrd2CUc0 (20/66)

◇◆◇◆◇◆◇◆


にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」

にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」

透「……」

夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」

透「あー……」



透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」



摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」

透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」

結華「と、とおるん……? それ、本気……?」

透「え、うん」

智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」

透「マジ」

愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」

愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」

透「……言えないんだよね、トップシークレット」




540 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:26:17.61BBrd2CUc0 (21/66)


夏葉「あなた、状況を理解しているの? あなたは私たちをこのコロシアイに巻き込んだ、この企てを行った人間の一人と目されているのよ?」

透「違うよ」

(……!)

透「それは、違う。……けど、言えないから……ごめん」

摩美々「何を言えないことがあるのー? 摩美々たちにとってプラスなら、言えばいいじゃんー」

透「……」

摩美々「黙秘権を行使します……ってコト?」

雛菜「なんで……?」

雛菜「透先輩……? 雛菜には話してくれるよね……?」

透「……雛菜」

雛菜「透先輩……!」

透「……ごめん」

雛菜「……そん、な」

(……チッ)

夏葉「……透のことは一旦、後に置いておきましょう。ともかく、にちかはこの透に対する疑念を拭い去ることができなかったのね?」

冬優子「そして、その疑念から……犯行を決意しちゃったってことなんだね……」


にちか「私は……浅倉さんなら殺してしまってもいい、むしろ殺すべきだって……私たちのことをコロシアイの標的に選んだ黒幕の側の人間なら、許しておけない……死んじゃえって……!」



541 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:26:54.49BBrd2CUc0 (22/66)






モノクマ「何被害者ぶってんの?」







542 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:27:59.45BBrd2CUc0 (23/66)


ルカ「……ッ!?」

モノクマ「さっきから黙って聴いてればさぁ……七草さんの話って要は『自分が帰りたいから、比較的怪しい人間を狙って殺しました』ってだけだしさ」

モノクマ「しかもそれも黙って自分自身のうちにしまっておかずに直ぐにみんなに言えば良かったじゃん!」

モノクマ「それなのにこんな結末って……」

モノクマ「一番仲間のことを信じてなかったのは七草さんなんじゃーん!」

ルカ「……ッ!」

(こ、こいつ……塗り替えるつもりか?)

(七草にちかへの同情を、もっと別の……どす黒い感情で……!)

にちか「それ、は……」

モノクマ「それとも……もしかして、唾をつけておいたのかな? 後でこいつは私が殺す、そのための正当な名目は自分だけのものだ……ってね!」


七草にちかに向けられる視線が少しずつその色合いを変えていく。
悲哀の別れを演出する、冷たくも温かい視線から、疑いの籠った純然たる熱を帯びた視線。
肌を灼くようなその視線を前にして、七草にちかの体はまるで凍えるかのように振動を始めた。




543 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:29:02.13BBrd2CUc0 (24/66)


モノミ「ち、違いまちゅ! 七草さんは……疑心暗鬼を食い止めようとしただけなんでちゅ!」

モノミ「こんなみんなが不安に感じて日々を過ごしている中で、浅倉さんの不審な行動を共有すればみんながきっと暴走してしまうって……」

モノクマ「だからそれが七草さんの不信なんじゃん!」

モノクマ「お互いが仲良しで、本当に信じ合えるんだったらその疑心暗鬼だって生じない!」

モノクマ「どれだけ取り繕っても七草さんが283プロ同士の信頼と絆を信じていなかった事実は覆らないよ!」


わざとらしく仰々しく、その声を張り上げるようにして私たちに呼びかけるモノクマ。反論の言葉を返すものはいなかった。
信頼なんてもの、証明のしようが無い。
手を繋いで、隣でニコニコ笑っていても、その腹の中はその本人にしかわからない。
自分が信頼していたって、相手はそうじゃない。

私も、その信頼の脆弱さを誰よりも一番理解している。



____だから、この酷く沈んだ膠着状態で口を開いたのもまた、【脆弱さを一番理解している人間】だった。







544 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:29:33.32BBrd2CUc0 (25/66)






美琴「少し黙って」








545 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:31:16.09BBrd2CUc0 (26/66)


にちか「み、美琴さん……」

美琴「にちかちゃんは確かに私たちにその疑念を打ち明けようとはしなかった。でもそれが信頼していなかったことと同じかどうかはわからないでしょ?」

美琴「信じているからこそ、言えないことだってある。相手のことを思うからこそ、黙っていることがある」

美琴「だって、にちかちゃんが本当に私たちのことを信じていないなら……自分から罪の告白なんてしないでしょ?」


《にちか「……最初はね、私も勝とうとしたんだ」

にちか「だから芹沢さんの推理に便乗したし、机を倒した人の時にも名乗りを挙げなかった」

にちか「でも……ほかのみんなが必死に議論をして、生き残ろうとしている中で自分だけみんなを欺こうとして……」

にちか「私が生き残るってことは、その全員を殺すことになるから……それはできないなって途中で思ったんだ」

にちか「こんなので一番になったからって……私は、うれしくない」

にちか「きっともうイヤだって! めちゃくちゃに後悔して……そんで、呆れるくらいに死にたくなるに決まってる」

にちか「だから、もう……終わらせてください。これ以上は、もう」》


美琴「少なくとも、今のにちかちゃんは私たちを利用しようという気持ちじゃない。それにきっと……ずっと苦しみ続けてきたんだろうと思うから」

美琴「私たちのことを信頼していない自分と、私たちのことを信頼している自分。その鬩ぎ合いに」



546 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:32:57.97BBrd2CUc0 (27/66)


ルカ「……ケッ」

ルカ「おい、そろそろ腹を括るタイミングらしいぜ、七草にちか。お前が死ぬ前に私たちに、美琴に届けたい言葉……聞かせてみろよ」

ルカ「ただし、それを変に取り繕うようなことがあれば……分かってるな?」

にちか「……ルカさん」

にちか「それじゃ、見といてくださいよ。今からやるのはルカさんにとってのお手本なんですからね!」

(ハッ……)


クソ生意気に私に向かって拳を向けた七草にちか。いつの間にかその体の震えはひいていた。
ブレることないその拳を引っ込めて、意を決したように向き直る。
それに正対するのは、美琴だ。



547 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:33:52.15BBrd2CUc0 (28/66)


にちか「……まず第一に、私のやったことは間違いじゃないと思ってます。私が動かなくちゃ浅倉さんが何をしていたか分からない、それに家族のことだって一生わからないまま。そんなのでどうやって生きていくんですか」


にちか「でも、それとは別に。後悔をずっとしてます。どうしてそれを打ち明けられなかったのか、皆さんに……そして、美琴さんに」


にちか「ずっと、ずっっっと思ってたんです。私は美琴さんのことが大好きで、憧れで……でも、美琴さんはきっとそうじゃない」


にちか「美琴さんにとって私はきっとただのお荷物。歌もダンスも足元にも及ばない。経験だってない」


にちか「そんな年下のお守りを無理やりさせられて……私のことをよく思うはずなんかない」


にちか「……私なんかいらないんじゃないかって」


にちか「だから、話せなかった。話したくなかった。言ってしまえばきっと、美琴さんに余計なものを背負わせてしまうから」


にちか「重たすぎる荷物を、下ろされるのが怖かったんです」


美琴「……ッ!」





548 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:34:48.21BBrd2CUc0 (29/66)


正直言って、妬けてしまう。
私の時に、そんな表情でもして見せたかよ。
私の時に、そんな涙を流したかよ。
私の時に、そんなに優しく抱きしめたりなんかしてくれたかよ。

……嗚呼、きっと私という失敗例があるからこそお前はその一歩を踏み出せたんだよな。
一度掴み損ねた“ソレ”をお前は思ってくれてたんだよな。




【もう、二度と離したくない】……って。






549 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:36:33.64BBrd2CUc0 (30/66)


にちか「み、美琴さん……!?」

美琴「ごめんね……」

にちか「美琴さんが謝ることないですよ……私が、私が……」

美琴「違う……自分の気持ちを伝えていなかった私が悪いから」

美琴「にちかちゃん……さっき、エレベーターに乗っている時にした話、覚えてる?」

にちか「奈落……ですか?」

美琴「うん……ステージに出る前、いつも考えているの。この先にある、一瞬のパフォーマンスのために私の【すべて】はある。その【すべて】のために、私はある」



美琴「でもね……その【すべて】は私一人じゃ作れないの」



にちか「……!!」



550 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:37:49.46BBrd2CUc0 (31/66)


美琴「隣で歌ってくれる、踊ってくれる。ちょっと遅れちゃっても一生懸命についてきてくれる」

美琴「そして、私のことを気にかけて無理やりにでも笑顔を見せてくれる」

美琴「ごめんね、少しだけ嘘をついた」

美琴「私のとっての奈落はもう一つ」

美琴「奈落」

美琴「ステージの下。私は一人になる。誰の助けもない、誰も隣にいない。出番を待つその時間に、自分自身を顧みる」




美琴「……でも、ここを出れば私は孤独ではなくなる。私を待ち構えてくれる人が、ファンが、スタッフが、プロデューサーが」

美琴「……そして、隣に立ってくれるパートナーがいる。その人たちのために、【すべて】がある。私の【すべて】はそのためにある」

美琴「……なんて」

にちか「美琴さん……あはは、美琴さんは……ずっと見てくれてたんですね」

にちか「それなのに、私ってば、本当に救えないなー!」

にちか「バカ、バカ、バカ……本当に私って……」

にちか「バカすぎじゃないですか……」




551 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:38:52.38BBrd2CUc0 (32/66)


誰も言葉を挟み込みはしなかった。
まるで姉妹であるかのように抱きしめ合う二人の姿をただ傍観していた。
283プロでは唯一の二人ユニット、その二人の間に横たわる関係性……絆とも言い換えられるそれは、他の人間のそれとは違っていたからだ。

もともと歪な関係性だった。かたや一度解散を経験した曰く付きの物件、かたやただの一般人上がりの没個性な小娘。
……それが今や、これだ。

ここ島に来てからもずっと、私は考えていた。
どうして美琴は私ではなく、こんなガキを選んだのか。

人間というのは面倒な生き物だと思う。
感情をすべて素直に伝えられれば丸く収まるというのに、その口は、手は、足は……思うように動かないことの方が多い。

その意味では、やっとこいつは救われたんだ。
ずっとその胸に押し込んでいた感情を吐き出すことができた。
それに、その感情を相手にも返してもらえたんだから。
七草にちかはこれ以上なく幸せ者で、



552 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:39:41.08BBrd2CUc0 (33/66)







___________私がなれなかった“私”だ。



ルカ「ハッ……」








553 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:40:55.24BBrd2CUc0 (34/66)






____だけど、そんな感慨に耽る時間は唐突に終わりを告げる。


モノクマ「さて、そろそろ始めちゃいましょうか!」








554 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:42:11.82BBrd2CUc0 (35/66)


ルカ「……おい、始めるってまさか」

冬優子「おしおき……処刑……!?」

美琴「……!」

愛依「た、タンマタンマ! べ、別にいいじゃん! にちかちゃんも反省してるし、灯織ちゃんもにちかちゃんのことを恨んでなんか……!」

モノクマ「何か勘違いをしてるようだけど、処刑ってね。誰かの溜飲を下すわけにやるんじゃないんだよ?」

モノクマ「許されざる大罪を背負った人間に、然るべき罰を下す! ただそれだけのことなんだから!」

夏葉「大罪って……あなたがいなければにちかはこんな人を殺めたりなんかしなかったのよ?!」

モノクマ「うぷぷ……だからって罪が消えるわけじゃないよね? 他の誰かに唆されたら無罪だってんなら、戦争はなんになるの?」

モノクマ「お国のために他の国の人間を山ほど殺しても仕方ないことで終わらせるの?」

夏葉「そ、それは論点のすり替えだわ……!」

モノクマ「小宮さんの大好きなヒーロー特撮でも、悪いことをした悪役は必ずその報いを受けますよね?」

果穂「そ、そうじゃない怪人だっています……! 反省した怪人は、まちの平和のためにヒーローを助けてくれることも……」

モノクマ「……」

モノクマ「ま、どうあれおしおきを止めるなんてあり得ないので止めるだけ無駄ですよー!」

智代子「む、無視なんて酷すぎるよ!」

モノクマ「うるさいうるさい! ボクがクロといえばクロ、シロといえばシロ! それがすべてだよ!」

摩美々「モノクロツートンの存在がそれ言うー……?」

モノクマ「キッチリカッチリ、七草さんには死んでもらいますからね!」

にちか「……死ん、で……」

モノクマ「おしおきのないコロシアイなんて、お魚抜きの海鮮丼ですからね!」

(……くそッ!)


血の気が引く、とはまさにこのことを言うんだろう。
手足の力が地面に吸い取られるように抜けていき、体温が急速に冷めていく。
反対に込み上げてくるのはむせ返るような嫌悪感。嘔吐感にも近しい衝動が私の喉元を襲った。



555 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:43:45.21BBrd2CUc0 (36/66)


モノクマ「今回も、超高校級の幸運である七草にちかさんのためにスペシャルなおしおきを用意しました!」


にちか「美琴さん、最後に本当のことを言えて、本当のことを聞けて良かったです」

にちか「えっと……その……私はこれから死んじゃうみたいなんですけど……頑張ってください!」

にちか「美琴さんは絶対絶対ぜっったい! 一番のアイドルになれるので!」

にちか「【SHHisの緋田美琴】として……一番になってください!」


モノクマ「それでは張り切っていきましょう! おしおきターイム!」




556 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:44:48.55BBrd2CUc0 (37/66)






にちか「【奈落】の底からでも、応援してますから!」








557 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:46:46.70BBrd2CUc0 (38/66)

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GAMEOVER

ナナクサさんがクロにきまりました。

おしおきをかいしします。


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558 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:48:08.59BBrd2CUc0 (39/66)


あまり恵まれた家庭環境ではないお家に生まれた七草さん。
そんな彼女がアイドルとしてデビューして、もうそれなりの月日が流れました。
憧れの緋田さんとタッグを組んでスターダムを上り詰める彼女の姿には本当に勇気をもらえますね。

でも、そんな彼女は……今本当に輝いているのでしょうか。

今彼女の履いている靴は……


___一体誰の【靴】なんでしょう?

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ヴぇりべりいかレたサいゴ

超高校級の幸運 七草にちか処刑執行


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とある敏腕プロデューサーがこんな言葉を口にしたことがあります。

「足に合わせるんじゃない、靴に合わせるんだ」

そう、トップアイドルならどんな靴でも華麗に着こなして、そのレッテルに見合うだけのパフォーマンスを披露できるはず!



559 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:50:02.12BBrd2CUc0 (40/66)


七草さんもこれから上を目指していくなら、ありとあらゆる靴を履きこなせるはずですよね。
玉座に手や膝をベルトで固定された七草さん、そんな彼女に今回用意された靴はこちら!


編み込みの決まったお洒落なブーツ!……ただし、【鉄製】の物ですが。

でも、まだこのブーツは七草さんには少し大きいみたいです。足を入れてもまだブカブカ。
なら、キチンとサイズに合わせないとですよね!

せっかくなら、その隙間はファンからのプレゼントで埋めてしまいましょう。
ファンレターに寄せ書き、花束にプレゼント、スタミナドリンクやチョコレートまで。
ドンドンドンドンファンからの愛がブーツに詰まっていきます。
やがて七草さんの足とブーツとに空いていた隙間は無くなり、ギチギチに。

……でも、まさかファンからの想いを受け取らないなんて言いませんよね?
まだまだファンからのプレゼントはたくさんありますよ〜!
監視カメラに盗聴器、GPSなんかも貰っちゃって! 愛されてますね〜!

え? 靴にはもう入らない?
それもそうですね、これは七草さんのためだけに職人が作り上げた鉄製のブーツ!
強固な作りのブーツはそう簡単には形も変わりません。




でもでも……「足に合わせるんじゃない、靴に合わせるんだ」でしたよね!






560 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:51:34.75BBrd2CUc0 (41/66)



バキッ ボキッ グシャッ


七草さんの足をバキバキに押し潰しながらでもプレゼントは受け取ってもらいます。
それがファンからの愛、そしてトップアイドルになる上での痛みなのですから。
自分自身を変えずにトップになれる存在なんていません、今一度の苦しみを受け入れないで何だと言うんですか。

……あれ?
もしかして、足の骨がバキバキに砕かれた痛みで気を失ってます?

あーもう、仕方ないなぁ!
その程度の覚悟しかない「灰被り」にはシンデレラストーリーなんか似合わないってことで!

七草さんの頭上にあったカボチャのくす玉からは大きな大きなガラスの靴が落ちてきて。




……グシャァ

アイドルになる心構えもなってない只の一般人は、自分の身の丈に合わない【靴】に押しつぶされて死んでしまいましたとさ。



561 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:52:17.44BBrd2CUc0 (42/66)






___七草にちかが死んだ。








562 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:54:38.39BBrd2CUc0 (43/66)


美琴の周りをブンブン飛び交う煩わしい蝿のような女が死んだ。
そんな願ってもない事態を前にして、晴れやかな感慨を……抱けなかった。
想定外に私の膝は支柱を失ったかのように崩れ落ち、気がつけば両の掌を地面にくっつけて、体を戦慄かせるようにしていた。

一言言葉を吐き捨ててやりたかった。
されども私の喉は何かに打ち震えたようで、口から出るのはそれこそ羽虫の羽音のように聞くに耐えない弱々しい絞り出したような声だった。


私が、七草にちかの死を前にして抱いているこの感情はなんだ?
奴は憎しみ、嫉み、煩わしいだけの存在だったはずだ。
私と美琴の間に横たわる軋轢を土足で踏み荒らして、図々しくも自分の了見で食ってかかってきた余所者でしかなかった。
なら、この上体を支えている両腕を上げて万歳でもしてやればいい。
あいつの死に為るべきは歓喜じゃなかったのか。
その掌は、溶接されたように地面から離れない。


「……畜生」


私の口から出てくるのは、その一言だけだった。



563 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:56:41.04BBrd2CUc0 (44/66)


モノクマ「ヒャーッホウ! 久しぶりのおしおきで思わず昂っちゃうね!」

モノクマ「ビンッビンだぜ! これが……生の悦び?」

千雪「……」

恋鐘「……」

愛依「……」

モノミ「うぅ……七草さん……モノクマ、なんて酷いことをするんでちゅか……」


モノクマの品性のかけらも無い煽り文句。
本来なら激昂しそうな連中も、その拳は垂れ下がったまま。言葉一つ出てこない様子を見るに、相当キているらしい。

そして、言うまでもなく一番、そういう状態なのは……


美琴「……」

ルカ「……美琴」


美琴はまるで魂が抜けたみたいに動かなかった。
さっきまで手に抱き抱えていた相方が奪われ、その先で惨たらしい死を遂げた。
尊厳を踏み躙られて、人生そのものを嘲笑うような、そんな最悪の方法だった。
もう、今の美琴に言葉は届きそうもない。


(……何が『美琴さんは任せましたよ』だ)

(私に出来ることなんか、何にもない……お前の穴を塞ぐことなんて、お前にしかできねえだろ……)



564 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 22:58:33.60BBrd2CUc0 (45/66)


果穂「夏葉さん……夏葉さんの手で何にも見えないです……にちかさんは、どうなったんですか……?」

夏葉「……」

果穂「にちかさんは……しんじゃったんですか……?」

夏葉「……っ!」

夏葉「モノクマ! もういいでしょう! あなたの目論見通り、仲間同士でコロシアイが起きて、あなたの私刑でにちかも……!」

夏葉「あなたの目的は果たされたはずでしょう?! 私たちを解放しなさい!」

モノクマ「うぷぷぷ……目的が果たされた? バカを言っちゃいけないよ」

モノクマ「これはまだ第一歩、スタートラインから一歩踏み出しただけに過ぎないんだよ。まだまだゴールテープは遠く先さ」

夏葉「あ、あなたは何を目的にしているの……?!」

モノクマ「それはオマエラも知っての通りさ! これはあくまで希望ヶ峰学園歌姫計画なんだからさ」

モノクマ「このコロシアイを生き抜いて勝利する……そんな最高の希望の象徴たるアイドルを作り出すこと、それが目的なんだよ」

モノクマ「だから、まだまだ終われない。むしろここからが本番だよ! 最初のコロシアイを経たオマエラがどうするのか……目が離せないよね!」

摩美々「……モノクマの狙い通りになんかさせませんケド」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ! この惨状を前にしてそんなこと言われても説得力ないんですけど!」




565 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:00:42.74BBrd2CUc0 (46/66)


恋鐘「うちらはもうこれ以上間違えんよ……今度こそ、ちゃんとお互いを信用して……全部全部共有するばい」

恋鐘「秘密も不安も、全部仲間で分かち合えば何も怖いことなんかなか……!」

モノクマ「……? やれやれ、カーカー喧しいから何かと思えば、月岡さんは人間じゃなくてカラスさんなの?」

恋鐘「な、なん……!?」

モノクマ「だって、ついさっきのことを忘れちゃって……それって丸っ切り鳥頭じゃん!」

モノクマ「秘密を共有するも何も、浅倉さんがダンマリじゃんかー!」

透「……」

(……そうだ、こいつは)

結華「ま、待ってよ……とおるんは確かに三峰たちに秘密を抱えてるけど、敵対してるわけじゃないんだしさ……」

モノクマ「そうだね、浅倉さんはそう言ってたね!」

摩美々「何ぃ? その言い方ぁ?」

モノクマ「別にー? 浅倉さんはそう言ってたなーってそれだけだよ?」



モノクマ「ま、ボクが内通者だとしても同じように言い訳するかもなーなんて思わなくもないけどさ!」






566 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:01:59.04BBrd2CUc0 (47/66)


透「……ちが」

モノクマ「そりゃ素直に黒幕と繋がってますなんて普通は言わないよ、そんなの針の筵になりにいくようなもんだからね!」


……やられた。
こいつがやったのは、疑念をほんの僅かに後押しするだけの一言。
でも、そのほんの一言は真っ白なシーツに一滴こぼれただけのコーヒーの染みのように気になって仕方がない。

浅倉透という人間を前にした時に、脳裏にその僅かな可能性がよぎってしまう。
私たちに、そういう呪いをかけてきやがった。

そして、タチが悪いのが最初に浅倉透への疑念を口にしたのが、今もうこの場所にはいない七草にちかだということ。
その事実を前にした時、【あいつ】はまともじゃいられなくなる。


美琴「……にちかちゃんはあなたのことを疑っていたけど、あくまで答える気はないの?」

透「……」

美琴「……そう」

(美琴……)


字面だけ言えば淡白に尋ねただけ。
ただ、私にはわかる。その瞳に仄かに灯っているワインレッドの火種、これがある時の美琴は大抵碌でもないことをしでかす。



____そして、その予感はやっぱり的中した。





567 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:03:35.38BBrd2CUc0 (48/66)



パンッ


透「……痛ッ」

美琴「……私はあなたを信用できない。本当のことを話さない限りはね」

ルカ「……美琴ッ!」


慌てて美琴を羽交い締めにした。
誰かを引っ叩くなんて今まで見たこともない。
美琴自身も、自分自身の感情の向け所を見失っているのだ。
私の腕に収まった美琴は抵抗するでもない、ただ静かにその肩を震わせていた。


千雪「落ち着いて……何も透ちゃんが敵だと決まったわけじゃないでしょう?」

あさひ「でも、味方とも言えないっすよ?」

智代子「だからって、手をあげたりしちゃダメだよ……!」


緊張の海に美琴が投じた一石が、水面を揺らし、波は畝り、そして決壊したように溢れ出た声が一つ。



568 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:05:04.91BBrd2CUc0 (49/66)


雛菜「うるさ〜〜〜〜〜〜い!」

雛菜「透先輩のことを信じられない人は好きにすればいいですけど、雛菜はどうだって透先輩のことを信じてるもん〜〜〜!!」

冬優子「ひ、雛菜ちゃん……落ち着いて……」

雛菜「もう知りませ〜ん!」


浅倉透の腕を引ったくるように掴んだかと思うとズイズイと私たちの間を通り過ぎて、二人そのままエレベーターに乗り込んでその姿は見えなくなった。


果穂「雛菜さん……」

愛依「行っちゃった、ね……」

モノミ「い、市川さん! 浅倉さん! 待ってくだちゃい!」

モノクマ「うぷぷぷ……何だっけ、信頼? 友情? それって今のオマエラに使う権利のある言葉なのかな?」

モノクマ「この、空中分解寸前のオマエラの間に絆なんかあるのかな?!」



最悪の捨て台詞を吐き捨ててモノクマはその姿を消した。




569 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:06:26.38BBrd2CUc0 (50/66)


「「「……」」」


また、不信の果てに大切なものをその手から溢してしまった。
残された私たちには、そういう退廃的かつ諦観的な重たい空気が漂っている。


(……知ったことかよ)


でも、私にはそれは関係ない。
私はこいつらとは違う。
自分が生きるために七草にちかという人間を切り捨てて、はなから信用なんかもしていない。
私は私、ただそれだけで生きていけばいい。
美琴をその手から離すと、踵を返して背を向け、私もエレベータへと向かう。


知ったこっちゃない。
勝手に意気消沈してればいい。
私は巻き込まれただけの部外者だ。
信じるだの信じないだの、決めるのはお前たちの仕事だろ。



570 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:07:52.50BBrd2CUc0 (51/66)


(……あ?)

でも、何故かその足が動かない。
エレベーターに乗り込もうとするその一歩が踏み出せない。
こいつらの状況を見かねて、後ろ髪を引かれているとでもいうのか?
そんなわけない、私は慈善主義でも博愛主義でもなんでもない。
神様なら救いの手を差し伸べるかもしれない、でも生憎私はカミサマだ。
そんな選択肢は毛頭持ち合わせちゃいない。

___私に出来るのは、その背中を見せることだけだ。



ルカ「……死にたくないんだよ」





571 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:09:57.21BBrd2CUc0 (52/66)


ルカ「こんなところで、283プロの連中に足を引っ張られて死ぬなんか最悪だ。勝手に内輪揉めして内部分裂しかかってる間抜けな連中、死ぬなら勝手にそっちで死んでくれ」

ルカ「でも、今は私もお前らと一蓮托生らしいからな。この学級裁判とやらで負ければ私も一緒に死ぬ……本当に、どこまで行っても最悪だよ」

夏葉「ルカ……あなたね……!」

ルカ「だから、いつまでそんなしょうもないとこにいるんだよ。一生そのまま不信を嘆いてるつもりなのか?」

恋鐘「……!」

愛依「……!」

ルカ「信じられなかったんだったら今から信じればいいんだろ? 七草にちかが、そうやって信じ直してくれたから私たちは今生きてるんじゃ無かったのか?」

美琴「……ルカ」


あいつの死に様を利用するのは癪だけど、今のこいつらにはあいつが必要だ。
283プロの間にある信頼を、絆を、証明したままに死んでいった【あいつ】の力が。


ルカ「七草にちかのことを信頼してるんなら、エレベーターに乗れよ。……こんな所にいるより、さっさと帰ったほうがいいだろ」





572 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:11:01.09BBrd2CUc0 (53/66)


私の言葉にも明確な返答はしてこなかった。
憎まれ口の私に対する敵対心なのか、それともまだ踏ん切りをつけられていないからなのか。
ともかく、言葉では何も返ってこなくとも、行動は正直な連中だ。
一人、一人と私の横を通って、エレベーターへと乗り込んでいく。
まあ、中には何を勘違いしたのか感謝の言葉を投げてくる奴もいたけど。
それは当然ながら無視してやった。
感謝される謂れはひとつもない、するとしても相手は私じゃないだろ。


そして、最後の一人。


美琴「……」


美琴も無言で歩き出し、私の隣へ。
表情はまだずっと暗いまま、口もギュッと結ばれていた。
それなのに、すれ違うその一瞬の間に……美琴の声を聞いた気がした。



573 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:11:50.03BBrd2CUc0 (54/66)






「……信じてた」








574 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:13:56.85BBrd2CUc0 (55/66)


それは、その言葉は……
『私は七草にちかのことを』?『283プロのみんなのことを』?


それとも________


いや、どうでもいい。
今の私に大切なのは、私自身が生き延びることだ。
間違っても、絆を改めて見定めることなんかじゃない。
それにきっと今のは幻聴だ。
私も長時間の議論で疲れていただけなんだろう。
そう思って眉間を指で押さえて、息を一つ。


何故だか、次はその一歩を踏み出せた。




575 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:15:07.21BBrd2CUc0 (56/66)

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【第1の島 ホテル】


裁判が終わった後の感想戦なんかに付き合ってる暇はない。
地上へと戻った私は他の連中とは行動を一緒にせず、そのままホテルへと戻ることにした。

疲れている。
ホテルに帰る道中でも手や足には倦怠感を覚えたし、頭はずっとキリキリと痛む場所がある。胸には何かがつっかえたようでどことなく息苦しい。
ゆっくりと寝でもしたら少しは回復するだろうか。
そんなことを考えながらホテルに帰った私。

だがその私の考えは他所に、体と本能とは、別の場所に私を運んだ。

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576 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:22:29.63BBrd2CUc0 (57/66)


【旧館】

……ハッ。
どういうつもりだよ、自分が参加していなかったパーティで人が死んだ。
今更そのことを悔やみにきたってのか?
まさか風野灯織の死を悼みにきたってのか?
いや、そんなちゃちな感慨ならこんな所には来ない。

私がここにきたのはもっと別な理由だ。
それは言うなれば、一つの好奇心。
私には、どうしても知りたいことがあった。

その答えがここにはきっと眠っている。


「……そうだよな、この事件はまだ終わってなんかない」

「風野灯織を殺したのは七草にちかだった。ただ、それだけのことなんだよ」

「まだ、出てきてないものがある。顕在化していない悪意がある」




「七草にちかの裏に姿を隠した、【狸】が紛れ込んでるんだよ」






577 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:23:51.20BBrd2CUc0 (58/66)


≪にちか「死体のそばに落ちていた暗視スコープ……あれ、実は使えなかったんです」

千雪「使えなかった……?」

にちか「はい、レンズの上から【黒い絵の具か何かで塗りつぶされてて】、暗闇どころか向こう側も見えないぞって感じなんですよ。だから逆にあれをつけちゃえば見えてるものも見えなくなるぐらいで……」

にちか「暗視スコープがあったからって風野さんが辺りを見えてたとは限らないんじゃないですかね!」

千雪「たしかにそれはそうかも……でも、なんでスコープのレンズが塗りつぶされてたのかな?」

美琴「それこそ犯人の策略なんじゃないかな」

美琴「犯人が灯織ちゃんの暗視スコープの準備を知ったうえで、それに黒い絵の具を塗りつけたのだとしたら……意図的に隙を作ることができるよね」≫


「……風野灯織が停電中に仕様を試みた暗視スコープは何者かにレンズ部分が黒塗りにされる細工をされていた」

「でも、七草にちかはそんなの犯行計画には入れていなかった。それも当然だ、あいつは風野灯織を狙ってなんかいなかったんだからな」

「しかも、それだけじゃない」


≪恋鐘「こん鉄串を犯人が使ったからって大広間の人間が犯人とは限らんばい!」

ルカ「なんでだよ! 鉄串は大広間にしかないもんだろ? 料理を作った後は備品も全部ホクロ女に回収されたって……」

恋鐘「だって、この【鉄串はうちが厨房入った時には既にもう一本無くなっとった】けん!」

にちか「う、嘘……!?」

恋鐘「厨房には備品リストがあって、スプーンから鍋までなんでも数が書いてあるんよ。それに照らし合わせたら、確かに鉄串が一本足り取らんかったばい」≫


「旧館の鉄串は風野灯織殺害に使われた一本以外にももう一本、その所在が分からなくなっていた。しかもそれを持ち出した人間はいまだにわかっちゃいない」

「私たちがこの島にくる以前になくなってた……そんなことがあるってのか?」

「私たちの中に潜む【狸】は何を考えてやがる……?」



578 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:25:00.39BBrd2CUc0 (59/66)






「あはは、やっぱり気づいてたんっすね」








579 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:26:09.04BBrd2CUc0 (60/66)


思わず振り返った。
今のは、幻聴じゃない。
確実に私の後ろにいた、【何者か】の声だ。

でも、視界には何の姿も捉えることはできなかった。
人気もない物静かな夜にプールの水音がするだけ。

波ひとつない水面には、満月が綺麗にそのまま象られている。


「ハッ……あんな事件があったってのに嘘みたいだな」


月光というのは不思議なものだ。
月そのものが光っているわけでもないのに、太陽の光を我が物顔で地球に押し付けてくる。
満月ともなると虎の威を借る狐っぷりにも拍車がかかる。
闇に姿を紛れさせようとしても、その光の元に晒される。
夜だというのに、満月の元では隠れることすらままならないのだ。



580 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:28:15.62BBrd2CUc0 (61/66)


「……ん?」


そこで漸く、気づいた。
今私の目の前で、プールの水面に写っているのは紛れもない月だ。満月だ。
東京に居たんじゃなかなか見ることのできない、立派なまでの満月だ。


「どうなってる……?」


でも、それはおかしい。
私が満月を見れるはずがない。


「なんで、なんでだよ……」


月というのは一ヶ月の間に満ち欠けを繰り返す。
先の二週間で満ちた月は、後の二週間でその姿を欠いていく。




……じゃあ、なんでこの月はずっと変わらない……【満月のまま】なんだ?







581 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:29:05.18BBrd2CUc0 (62/66)


この島に来た、はじめの夜。


≪煌々と輝く【満月】の月光の元、沈黙だけが流れた。
伏目がちに猜疑の視線を送る人、仲間をかばうようにして背を向ける人、狼狽えた様子で口をパカパカさせる人……その反応はまちまちだが、恐怖と不安というマイナス感情の鎖には全員が全員縛り上げられている。≫


あの時も変わらず満月が出ていたはずだ。

途端に全身の毛が逆立つような感覚を覚えて飛び上がった。


「……気色悪い」


もう私の目の前にあるそれを、私の知るそれとは思えなかった。

……目眩がするような感覚だ。
千鳥足のようになりながら、ヨタヨタと私は自分の部屋へと戻っていった。




582 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:30:24.14BBrd2CUc0 (63/66)

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【???】


「やっぱり、話してくれないの?」

「……」

「そっか~……」

「……」

「ううん、気にしないで~。それでも、もう信じるって決めたから」

「……でも」

「何があっても、雛菜は透先輩の味方だよ。他の全員を敵に回しても、雛菜だけは絶対に透先輩を見放さない」

「……」

「……そう約束したからね~~~~~!」


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583 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:31:20.29BBrd2CUc0 (64/66)

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CHAPTER 01

MIDNIGHTのせいにして

END

残り生存者数
14人

To be continued…


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584 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:32:22.75BBrd2CUc0 (65/66)



【CHAPTER 01をクリアしました!】


【クリア報酬としてモノクマメダルを60枚獲得しました!】


【アイテム:割れた名盤を手に入れました!】
〔CHAPTER01を生き抜いた証。かつて流星のごとく姿を現し、そして短い活動期間のもとに消えていった伝説的なアイドルのレコード。ある少女の胸を打ち、夢を抱かせた伝説的なサウンドは、レコード自体が割れてしまった今となっては聞く術もない〕




585 ◆zbOQ645F4s2021/11/30(火) 23:38:36.29BBrd2CUc0 (66/66)


というわけで第一章はこれにて終了です。
次章からは主人公を新たにルカに替えて物語が進行していきます。

丁度今日シーズの感謝祭イベントシナリオが追加されましたね。
新規ユニットということもあり、原作シャニマスのシナリオ次第で軌道修正も視野に入れていましたが……
とりあえず今回は大丈夫そうかな……?
ルカのメンタル面がちょっと本作では強すぎな感じもしますが。

さて、第二章なのですがまだまだ書き溜めは出来ておりませんので、しばらくお待ちいただくこととなります。
恐らく年内更新は難しいと思います……来年の一月に公開できればいいな、ぐらいに考えています。
それにシャニは年末年始クソ長シナリオ君が追加されるのは確定事項みたいなものですしね……

それではひとまずお疲れさまでした。
またよろしくお願いいたします。




586以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/11/30(火) 23:39:40.86StSRVgT70 (1/1)

お疲れ様でした!楽しみにしてます!


587以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/12/01(水) 00:02:28.85rRyB3Fs1O (1/1)

乙です
キャラの魅力をちゃんと発揮させつつダンガンロンパしてるのがすごいです
1月まで楽しみに待ってます


588以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/12/01(水) 14:41:53.88bT3LiANj0 (1/1)

お疲れさまです あさひが狛枝ポジになるのかな?あそこまで壮絶なキャラにはならなそうだけど不思議と納得できてしまう


589以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2021/12/26(日) 23:17:48.78w+a1yeTg0 (1/1)

今追いつきました乙


590以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/09(日) 00:44:24.78Sa0eRoC10 (1/1)

前作のその後の詳細がわかんなかったり、死んだはずのキャラが出てたりして、原作の2やった時ぐらいワクワクしてる。



591 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:37:43.10VIg00xsT0 (1/6)

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GAMEOVER

カザノさんがクロにきまりました。

おしおきをかいしします。



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592 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:38:30.08VIg00xsT0 (2/6)


かつてこの国を席巻した大予言、ご存知の方も多いでしょう。

来る世紀末、空から恐怖の大魔王がやってくる。
地上は等しく滅ぼされ、人類も滅亡し、新しい世界がそこから始まるとかなんとかかんとか。

よくもまあこんな突拍子もない話をメディアやマスコミで持て囃し、終わりの時がやってくるなんて喚いていたんだからお笑いですよね!
子供世代はそんな話があったこともつい知らず、すくすくと育っとりますがな!


……でも、その予言は本当は外れてなんかいなかったんです。


滅亡の時は、今この時。

神殿の祭壇、その上で空を仰ぐ風野さん。
その眼前には今にも地上に降り注ごうとしている流星群の数々が……!




593 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:39:02.83VIg00xsT0 (3/6)

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落下予測地点

超高校級の占い師 風野灯織処刑執行



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594 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:40:09.40VIg00xsT0 (4/6)


神仏の怒りを鎮めるにはお供物と昔から相場が決まってますよね!
恐怖の大魔王だって、きっと捧げものをすれば鎮まってくれますよ!

風野さんも粛々とそのための儀式を執り行います。
トライアングルを象った魔法陣を描き、その四隅にはパリパリに焼いた餃子を並べていきます。
そして捧げるのは彼女の歌声。
イルミネーションスターズのアイドルとして活躍する彼女の歌声は聞く者すべてを魅了しますね。
清流のように澄んだハミングが空に響き、魔法陣もそれに共鳴するように輝き始めます!
トライアングルの三頂点から発せられたピンクと黄色と蒼の光は空で交わり一つの閃光に。


さあ、届けよう!
私たちの希望、そして私たちの祈りを!



天に打ちあがる輝きを、恐怖の大魔王は受け入れてくれるのか________!





595 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:41:33.32VIg00xsT0 (5/6)


*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*

さあ、今日の運勢一位は獅子座かそれとも魚座かどっちなんでしょう〜?

ごめんなさーい、今日一番悪い運勢なのは魚座のあなた!
神様にお願いしても、聞いてもらえないかも!
どれだけ頑張っても無理なものは無理だと諦めるのも一つ選択肢ですよ!

ラッキーアイテムは傘、空から降り注ぐ隕石もこれで防げちゃうかも?

それでは今日も1日張り切っていきましょう!
いってらっしゃ〜い!

*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*


……あ、いってらっしゃいも何ももう、風野さんは隕石が祭壇に直撃して瓦礫の下でペシャンコでしたね。
せっかく綺麗に焼いた餃子もこれじゃ台無しだよ!

ラッキーアイテムをちゃんと持ち歩かないからこういうことになるんですよ?
皆さんはちゃんと朝の占いを聞いてから出かけるようにしましょうね♪



596 ◆zbOQ645F4s2022/01/09(日) 17:49:40.40VIg00xsT0 (6/6)


というわけでお久しぶりです、そしてあけましておめでとうございます。
前回の更新から丸一か月以上空いて、その間にシーズ・斑鳩ルカ周りに色々と供給がありましたね。
今後が気になるところです。

2章更新の準備があらかた整いましたので、事前の告知に参りました。
更新は1/12(水)の21:00~を予定しています。
自由行動パートも含まれると思いますので、どなたでも参加していただけますと幸いです。


※あらかじめ申し上げておきますと、主人公交代で親愛度がリセットする都合上二章は大目に自由行動パートを用意しています。


597以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/10(月) 18:49:26.89GeYZp9L8o (1/1)

了解です!


598以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/12(水) 01:11:46.27CUAq4iRJ0 (1/1)

あけましておめでとうございます!楽しみにしてます!


599更新前に現在の状況を整理します ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:00:35.72Gmun8+E70 (1/50)

現在の主人公の情報
【超社会人級のシンガー】斑鳩ルカ

‣習得スキル…特になし
‣現在のモノクマメダル枚数…70枚
‣現在の希望のカケラ…18個
‣現在の所持品
【キルリアンカメラ】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【トイカメラ】
【表裏ウクレレ】
【バール】



600 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:01:23.31Gmun8+E70 (2/50)


‣親愛度
【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…0
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…0
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…0
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0
【超高校級の???】 浅倉透…0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0



601それでは2章スタートです ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:02:40.82Gmun8+E70 (3/50)






_____みんながどう思うのか気になるんすよ!








602 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:03:59.34Gmun8+E70 (4/50)


だって、こんなコロシアイだなんて外の世界じゃまずありえないじゃないっすか?
明日自分が生きているかもわからない、そんな状況映画でしか見たことがないっす!

わたしもすごい毎日ドキドキして、夜になると体が意味もなく震えたりするんっす。
多分これって「怖い」って事だと思うんっすけど、それって本当にみんな同じなんすかね?

だって、今から人を殺すって人が「怖い」って思ってたら殺すこともできないじゃないっすか。
だからきっと、わたしたちと違った気持ちの人がいると思うっす。
今はいなくても、やがて「怖い」じゃなくて別の気持ちになる人が出てくると思うんすよね。

そういう人が何を考えて、何を感じて、何を思って人を殺すのか。
そして、人を殺した後、学級裁判に挑んでる時はどんな気持ちになるのか。

わたしはそれがすっごく気になるっす。



……だって、わたしはそんなこと今まで考えたこともなかったっすから!






603 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:05:07.75Gmun8+E70 (5/50)

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CHAPTER 02

厄災薄命前夜

(非)日常編


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604 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:05:55.30Gmun8+E70 (6/50)




《美琴「奈落」

美琴「ステージの下。私は一人になる。誰の助けもない、誰も隣にいない。出番を待つその時間に、自分自身を顧みる」

美琴「……でも、ここを出れば私は孤独ではなくなる。私を待ち構えてくれる人が、ファンが、スタッフが、プロデューサーが」

美琴「……そして、隣に立ってくれるパートナーがいる。その人たちのために、【すべて】がある。私の【すべて】はそのためにある」》







605 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:07:06.35Gmun8+E70 (7/50)

【ホテル ルカの部屋】


「……クソッ」


ベッドから見上げた天井はシミひとつなく真っ白で、忙しなくファンだけが回り続けてブンブンと音を立てる。
その音が妙に煩わしく感じると同時に、喉に渇きを覚えた。
備え付けの冷蔵庫には一応の飲料はあるが、そういう気分じゃない。


……一応は私も成人している身だ。
こういう気分の時には【その力】に頼ることが許される。


「……行くか」




606 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:08:32.90Gmun8+E70 (8/50)

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【ロケットパンチマーケット】


さっきの今で、月明かりが薄気味悪い。
背中を突き刺す光の一つ一つに嫌悪感を覚えながら、足早に目的を果たすためだけに向かう。


道中特に人影はなし。誰ともすれ違わなかったのはラッキーだ。
どうせ283プロの連中は七草にちかの一件でまだ立ち直ってもないだろうし、煩わしい会話もしなくて済む。
用件だけ済ませてさっさと個室に戻ってしまおう。
あのスーパーの棚の並びはなんとなくは頭に入っている。

と、私はまるで無警戒に店内に踏み入ってしまった。




……もっと慎重になるべきだったという後悔を、私は数分の後にすることになる。





607 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:09:49.46Gmun8+E70 (9/50)






千雪「……あら? ルカちゃん……?」

(……!)








608 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:11:59.67Gmun8+E70 (10/50)


高校生以下が半数以上の283プロ、まさかこんなところにいるとは思いもしなかった。
手芸女は口をポカンと開けて間抜けに私の姿に驚いている。


ルカ「……帰る」

千雪「ま、待って! 大丈夫……その、誰にも言わないから……」

(誰にも言わないってなんだよ……私が気恥ずかしさから逃げようとしてるとでも思ってるのか?)

ルカ「……私は誰かと話をしに来たんじゃない、そこの棚のそれに用があるだけ」

千雪「ここの棚って……お、お酒……?」

ルカ「……悪いかよ」

(学校の先生にでもなったつもりか?)

千雪「……ううん、ルカちゃんの気持ちはわかるから」


そういうと手元の籠を少し揺らして、私に中身を見せてきた。
なるほどこいつの籠にも酒瓶の影が見える。
裁判の疲れと心に追った傷とを癒すためにそのはけ口を探しにやってきたらしい。
何もこちらから言葉は送らなかったが、手芸女は何を思ったのか自嘲気味に口を開いた。



609 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:13:02.25Gmun8+E70 (11/50)


千雪「大人ってずるいよね、こんな時でも逃げ道があるんだもの。……でも、今この島にいるみんなはそんな逃げ道もなく現実に向き合うしかない」

ルカ「卑怯者って言いたいのか?」

千雪「ち、違うの! えっと……その……」

(なんでこいつはこんなあたふたしてまで私を呼び止めるんだ? 話題もちゃんと用意してすらいないくせに……)

(……チッ、七草にちかに限らず283プロの連中はこんなのばっかかよ)


いつまでたっても理由なく会話を続けようとする手芸女に業を煮やした私は語気を強めて言葉を吐き捨てる。


ルカ「悪いけど、お前の無駄話に付き合うつもりはない。イラつくんだよ」

ルカ「言いたいことがあるなら、もっとスパッと言ったらどうなんだよ」

千雪「……!」


針で刺すような私の言葉に手芸女は面食らった様子で、左足を少し後ろにやった。
私はこういう交渉には慣れっこだ。相手が少しでも下手に出る様子があるなら、圧で押し通してしまえば相手は臆して勝手に引っ込んでいく。
今回もその範疇。普段からほんわかした雰囲気を巻き散らかしているような、奥手で弱気な相手なら私が御しきれない道理がない。



610 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:14:27.08Gmun8+E70 (12/50)





____そう、思った。




千雪「……わかった」

ルカ「……あ?」

手芸女は一度は引いたその左足を、今度はもっと図々しく私の方に向かって踏み込んできた。
逃避の防御姿勢とは魔反対、臨戦態勢といったところ。

不安で揺れる瞳を私のもとに矯正して、奥歯で何かをぎりぎりと噛み潰している。
手芸女は生唾をひとつごくりと飲み込むと、口を開いた。



千雪「ルカちゃん、本当にありがとう」






611 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:17:02.41Gmun8+E70 (13/50)


「ありがとう」その五文字が理解できず、一度目の前の宙に描いてみた。
やっぱり違う。裁判の終わりにも283プロの連中が私たちに投げかけてきたその言葉は、何度確かめようとも私には不適切な言葉だと思う。
何かを施してくれた相手に、その謝意を示すために使われるその言葉は、もっと善人で、もっと余裕綽々として、もっと背筋の伸ばした日の当たる人間に向けられるべき言葉だ。
少なくとも、私が受けていい言葉なんかじゃない。
だから私は強い言葉でその五文字を拒絶した。


ルカ「……裁判終わりにも言ったはずだ、私は何も礼を言われる謂れはない」

ルカ「不愉快なんだよ、押し付けてくんじゃねー」


それでも、手芸女はその身を揺らがせることもせず、正対したままだ。


千雪「ルカちゃん、あなたが言っているのは私たちを立ち直らせたにちかちゃんの言葉についてのこと……だよね?」

ルカ「じゃあ……違うのかよ?」

千雪「うん……私はルカちゃん自身が美琴ちゃんと向き合ってくれたことに対する感謝をしたいの」

ルカ「美琴と……?」

千雪「私たちと美琴ちゃんとの間にはまだ隔たりがある……そして、それを真に理解してあげられるのはルカちゃんだけだもの」

(……! こいつが言ってるのは、美琴と私との【解散】のことか……)


何を理解した風な口ぶりで、本来ならそうやって言葉を返すところだが、手芸女にその言葉はぶつけられない。
こいつからにじみ出ているものは、そういう表面的なものではない。
もっと奥底にしみついた、海泥みたいなドロドロとした淀んだ感情。私もよく知るそれが透けて見えている。



612 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:18:02.31Gmun8+E70 (14/50)


千雪「裁判の時……ルカちゃんが美琴ちゃんと正面からぶつかり合ってくれたおかげで、最後の最後にシーズの二人はお互いの素直な感情を打ち明けられたんじゃないかなって思うの」

ルカ「……」

千雪「美琴ちゃんが納得していなくても、多数決の投票できっと間違った道にはなっていなかった。でも……それじゃダメなんだよね」

千雪「本当の気持ちを押し殺したままなんて……辛いもの」

ルカ「……お前、それって」

千雪「……」

(こいつも、そういう経験があるってことか……?)


私に手芸女のことはわからない。
所詮美琴と同じプロダクションに所属しているだけの存在で、それ以上の興味も関心もない。
だが、こいつが持っているそれは、近からずも遠からずという距離感で私と美琴の間の溝と類するものらしい。



でも、だからと言って……受容するわけにはいかない。





613 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:19:58.87Gmun8+E70 (15/50)


ルカ「……手芸女、お前の言いたい事はわかった。わかったけど……それでも違うんだよ」

ルカ「私は……まだ向き合えちゃいない」


情けない話だけど、私はまだ七草にちかのように一歩を踏み出す事ができていない。
私が裁判でやったのは、ただの癇癪のぶつけ合い。
シーズの二人が、死の間際にいつかの私たちのような道に向かおうとしていたから、それが見苦しくて足掻いただけ。
実際、七草にちかもそれはよくわかっていた。

じゃないと、【私の手本】なんてクソ生意気な口を叩くわけない。
あいつは、私に美琴のことを託そうとした。
あいつの願いを受け入れるつもりは全くない。

でも……私がここで生きていくのなら、それと同じことをしなくては生きては行けないだろう。
今この瞬間も、美琴のことを思うだけで胸が張り裂けそうだ。



千雪「____別に、いいんじゃないかな」






614 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:21:28.06Gmun8+E70 (16/50)


ルカ「……はぁ?」

千雪「まだ向き合えていない……きっとそれでもいいと思うの」

ルカ「お前……他人事だからって適当なこと……!」

千雪「適当なんかじゃないわ。……私たちは、にちかちゃんに生かされた。生きている私たちには時間がある、悩んで、つまづけるだけの時間があるんだもの」

ルカ「……!」


『七草にちかに生かされた』。
とんでもないことを口にしてくれたものだ。あんなに憎くて恨めしくてたまらない存在だったあいつに恩義を感じろとでも言うのか?


千雪「ゆっくりでいいの、ゆっくりとでもルカちゃんの答えが見つけられればそれでいいんじゃないかな」

ルカ「……知ったような口利きやがって」

千雪「ごめんね、お節介焼いちゃって」


正直なところ、手芸女の論法は非常に癇に障った。
自分の中の経験と勝手に類似を見出して推し量り、分かったような気になる。それでいて臆面もなく教訓じみたくさい言葉で諭してくる。
ドラマに出てくる『理想の教師』みたいなそれは、私が一番苦手とする相手だ。



615 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:22:32.23Gmun8+E70 (17/50)


ルカ「本当、メーワクこの上ねーよ」



でも、だからこそ……こいつのその腹の内を見てやりたいと思った。

たった数年ごとき年上だからって、よき理解者ぶった余裕を見せびらかしてくる、その面の皮の厚さを検証してやりたいと思った。
無駄に透き通ったその言葉に、一点の濁りもないのか、明かりに透かして見てやりたいと思った。
……幸いにも、今日は月光夜だ。
夜を利用して、それを検証するにはもってこい。


ルカ「……だから、迷惑料。付き合ってくれんだろ」


千雪「……! ふふ……ええ、喜んで」

ルカ「言っとくけど、まだ成人したばっかなんだよ。酒の良し悪しなんか知らないから、任せる」

千雪「それじゃあ熱燗なんか挑戦してみる? 日本酒もコンロも揃ってるから……案外おいしいの」

ルカ「……おう」

千雪「やった! それじゃあおつまみも選んじゃおうかな~」

ルカ「……好きにしな」




616 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:23:41.20Gmun8+E70 (18/50)

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【千雪のコテージ】


千雪「ごめんね、少し散らかっているけど……好きなところに座ってくれていいから」

ルカ「……おう」

(なんだ、この部屋。やたらといい匂いっつーか……雰囲気が違うっつーか……)

千雪「さっそく始めちゃいましょ! ……ふふ、誰かと飲み交わすなんて久しぶりだからなんだかテンション上がっちゃうな!」

ルカ「……そうかよ」

千雪「よし、それじゃあ早速ルカちゃんには私のとっておきの飲み方を伝授しちゃうぞ!」

ルカ「……」


スーパーを出た私たちはそのまま手芸女の部屋へ。
薄桃色でファンシーな雰囲気ある部屋はなんとも収まりが悪くてはじめソワソワしていたが、
その中で飲み交わす日本酒のミスマッチさが妙に滑稽ですぐに部屋の空気は気にならなくなった。



617 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:25:01.53Gmun8+E70 (19/50)


はじめこそ無言だったものの、酒を入れ始めるとアルコールが口元の緊張をほぐしていき、自然と口から言葉が継いで出た。
私の口から出る愚痴や妬み嫉みも、手芸女は文句ひとつ言わず受け止めて、真剣に話を聞いていた。
そんな手芸女に気をよくしたのか何なのか、私も自然と守ろうとする領域の防衛線を徐々に徐々に無自覚に下げ始めていた。


ルカ「……別に七草にちかに嫉妬してたわけじゃねえんだよ、それより____」

千雪「……それより?」

ルカ「美琴を失ったことが辛くて……この島で美琴を見た時に、嬉しさと辛さが同時に湧き上がってきて、さ……」

千雪「そっか……」


裁判を終えた疲れからか酔いは思ったよりも早く回って……正直記憶もしっかりしない。
酒の勢いに任せて余計なことも口走った気がする。




618 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:26:00.44Gmun8+E70 (20/50)


ルカ「美琴のやつはさぁ! 放って置いたらすぐに食事をゼリーとかで済ませようとするからさぁ! 私は、私は毎回お弁当作ってやったりさぁ!」

千雪「確かに美琴ちゃんの食生活はちょっと心配かも……」

ルカ「だろぉ?! あいつやっぱ変わんないんだな……!!」

◇◆◇◆◇◆

ルカ「美琴の家すごいんだぞ?! マジで家具なんかも全くないから……どういう生活してんだって話だ!」

千雪「そういえばこの前家電を新しくするとかで、事務所に美琴ちゃん用の荷物が届いてたのをちらっと見かけたなぁ」

ルカ「ま、マジか……?! あいつ、家電とか使えんのか!?」

千雪「ふふっ、それはちょっと美琴ちゃんに失礼よ」

◇◆◇◆◇◆

ルカ「あいつ、寝るときはやけに寝相がよくてよ……子供みたいな顔して眠るんだ」

千雪「ふふっ、美琴ちゃん普段は大人っぽいから意外ね」

ルカ「そう! そうなんだよ! 寝息も静かでさ、だからついつい構いたくなっちまうっつーか……!」

千雪「あら、美琴ちゃんのがお姉さんでしょ?」

ルカ「そうなんだけど、そうなんだけどさ……わかんだろ? な?!」


というか、もはや酒のせいで体裁を取り繕うことすらもおざなりになっていたはずだ。
本当、酒というものは恐ろしい。自分の中の知らない自分を曝け出し、本人はそれすらも無自覚なのだから。

何時間話し続けていたのかもわからないが、手芸女はずっと表情豊かに私の話に耳を傾け続けて、
それが心地よくて心地よくて、気がつけば私は机に突っ伏して眠ってしまっていた。



619 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:27:07.02Gmun8+E70 (21/50)

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≪island life:day 6≫
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【千雪のコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も前回気分で張り切っていきましょう~!』


「……はっ?!」

酒に完全に呑まれていた私は目を覚まして困惑。私の部屋とは雰囲気が180度違う、ファンシーな空気感。
まさに『知らない部屋』というやつだ。そして傍には手芸女が幸せそうに口元を緩めて机に涎を垂らしながら眠りこけている。



620 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:28:42.52Gmun8+E70 (22/50)


「なんで私がこんなところに……」


スーパーでこいつと言葉を交わした事はなんとなく覚えている。ただ、そこからここに来るまでの経緯の記憶は朧げだ。
283プロの連中のことだ、どうせ余計な世話を焼いて無理矢理にでも私を連れ込んできたんだろう。


(……チッ)


余計な真似をしやがって。
顔を見た瞬間虫唾が走り、私を立ち上がらせた。足早に扉へと向かい、そのドアノブを掴む。


「……」


手首を少し下げるだけ、それだけのことなのに扉は開かなかった。
どうも手に力が入らないらしい、苦笑混じりのため息をつくと、私は踵を返してそのまま近くのベッドに座り込んだ。


「……ったく」


確かこいつらは8時から朝礼をやってるんだったか。30分前に起こせば用意も間に合うだろう。
……私が付き合うのは、それまでだ。



621 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:29:57.05Gmun8+E70 (23/50)


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千雪「……! や、やだ……寝ちゃってた……」

ルカ「みたいだな、アホ面晒してよく眠ってたよ」


なんて軽口を叩くと手芸女は途端に顔を赤くして自分の手で覆った。
おいおい、私より年上なのになんだその『花も恥じらう乙女』風な反応は。


千雪「ごめんね……ルカちゃん、私恥ずかしいところ見せちゃったかな」

ルカ「……お互い様だと思う、私も大概だったよ」

千雪「じゃあ……今日のことは二人だけの秘密にしよっか」


そういって手芸女は右手の小指を私に向かって突きつけてきた。
おいおい、今度は『指切りげんまん』ってか……? 流石にそいつは勘弁だ。
私は手の甲で適当にそれを跳ね除けると、背を向けて再度扉の前に立った。今度こそこの部屋を出ていく。




622 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:31:28.74Gmun8+E70 (24/50)


千雪「あら? どこに行くの?」

ルカ「どこって……自分の部屋に決まってるだろ」

千雪「……朝ごはんは?」

ルカ「こっちで適当に済ませる、放っとけ」


こいつとの晩酌はほんの一晩の気まぐれ。この先交わることのない平行線が、たまたま掠めた程度のこと。

そのはずなのに、私じゃないもう一方の平行線は、突如として折れ曲がり、私の行く先を塞いだ。


千雪「ダメ、通しません」

ルカ「は、はぁ? なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ」

千雪「ダメったらダメなんです! こうなったら私、結構しぶといんだから」

ルカ「答えになってねー……」


頬を風船みたいに膨らませて、手をブンブンと振り回して私の行く先を塞ぐこいつはとても年上には見えない。
それなのに、その振る舞いの先にある空気感が妙に幅を利かせてきて、私はしどろもどろになる。



623 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:33:53.98Gmun8+E70 (25/50)


千雪「朝ごはん、今日からルカちゃんにも一緒に食べてもらいます!」

ルカ「……嫌だ」

千雪「食べてもらいます!」

ルカ「嫌だっつってんだろ!」

千雪「めっ! ちゃんと年上の言うことは聞きましょう!」


……ダメだ、こいつ本当に譲る気ないみたいだぞ。


千雪「ずっと皆心配してたんだから……ルカちゃん、私たちを殺すなんて大見得切って、一人で行動してばっかりで」

ルカ「……それは、その言葉は……まだ生きてるかんな?」


せっかくの脅しの言葉もこいつの前ではすっかり鈍刀だ。
語尾が妙にうわずって様子を伺うようじゃ、むしろ逆効果。ここぞとばかりに手芸女は詰めてくる。




624 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:35:35.78Gmun8+E70 (26/50)


千雪「……気持ちはわかるわ、でもね。このままずっと一人でいたんじゃ、生き残れるものも生き残れなくなっちゃうかもしれないわ」

ルカ「余計なお世話だ、私は自分のやりたいようにやって生き延びる……」

千雪「ううん、それじゃルカちゃん、いつか一人で抱えきれなくなって倒れちゃうかもしれないじゃない?」

ルカ「だからそんなのしないって……」

千雪「どうして言い切れるの?」


……クソッ、どこまで纏わりつくんだよ。

正直なところ、こいつの言うところは所々で私の急所をついてきている。
誰かを殺す、なんて宣言をしたもののその所在は今や私にも分からない。
元々そんな勇気があったのか、七草にちかの顛末を見届けてからはそれすらも確証を持てなくなっていた。

そして、一人で過ごすことのリスクをこの前の裁判で嫌と言うほど思い知らされた。
七草にちかとあの中学生の猛追。七草にちかが心変わりしていなかったなら、私の方が骸になっていた可能性は十分ある。


千雪「ねえ、ルカちゃん。今日だけでもいいの。私たちと一緒に朝ごはんを食べてくれないかな?」


……クソッタレ。




625 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:36:30.70Gmun8+E70 (27/50)


ルカ「……った、わかったよ! 行けばいいんだろ!」

千雪「わぁ! よく言えました!」

ルカ「お、おちょくってんじゃねー……」


いつもの威勢がまるで出やしない。こんなんじゃ、『カミサマ』も聞いて呆れる。


千雪「じゃあちょっと待ってて、私もすぐ支度するから」

ルカ「……は?」

千雪「え? 行くんだよね、朝ごはん」

ルカ「いや行くけど……おい、まさか一緒に行くとか言うつもりじゃねーよな?! それは流石に受け入れられねーから!」

千雪「もう、ルカちゃんさっきと言ってることが違うぞ?」

ルカ「いや、だから! ちゃんと朝食会には顔出すから! 一緒に行くとかそれは流石に……ない!」

(小学生でもそんなのやんねーって!)

千雪「ふふ……じゃあ、ちゃんと朝食会に顔を出してね? 信頼してますからね」

ルカ「はいはい……」


ったく……あいつが起きるのを待ってたせいでひどい約束を取りつけられてしまった。
なんとか一緒にレストランに行くなんて脳内お花畑な約束だけは退けたが、こりゃ顔出さないとしつこいだろうな……

私は一度自分の部屋に戻って身なりを整えるだけ整えて、重い足取りでレストランへと向かった。



626 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:37:44.01Gmun8+E70 (28/50)

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【ホテル レストラン】


ここに来るのは、島に来た初日。探索段階の時に来たっきりだ。
食事はスーパーのレトルトで済ませていたし、283プロの連中が集まる空間は自分から避けていた。
そしてそれは283プロの連中も知ってのことで。


結華「おはよー……ってルカルカ?! な、なんで?!」

ルカ「なんで……って」

(クソッ……どこから説明すればいいんだ)


メガネ女の向こう側にはすでに283プロの連中が何人も集まっており、須く全員が私に向かって驚愕の表情を浮かべている。
そんなに私が来るのが意外……まあ、そりゃあ意外だよな……



627 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:38:55.32Gmun8+E70 (29/50)


メガネ女への申し開きが思いつかず、説明しあぐねていると、私の後ろで扉が開いた。


千雪「ごめんなさい、遅くなっちゃって……」

結華「あっ、ちゆきち姉さん! 見て! ルカルカが今日は参加してくれるみたいで……」

ルカ「……よぉ」

千雪「わぁ! 本当に来てくれたのね、ありがとう!」

(お前が無理矢理来させたんだろうが……)

千雪「よくできました!」

ルカ「な、バッカ……頭を撫でんのはやめろ!」

結華「えーと……これは、ルカルカの反抗期が終わったとかですか?」

ルカ「調子乗んなメガネ女!」

結華「……そういうわけじゃなさそうだね」


私の朝食会参加というイレギュラーは手芸女が代わりに経緯を説明してくれた。
とはいえ二人きりで飲み交わした、なんてところは暈しながらだったけど。



628×ちゆきち姉さん 〇千雪姉さん ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:40:12.10Gmun8+E70 (30/50)


結華「えーっと席は……」


メガネ女が座席を探しに見やると、それに応えるようにして美琴が美琴の隣の席を引いた。


ルカ「美琴、い、いいのか?!」

美琴「ここ以外に座れないでしょ、早く座って」

ルカ「お、おう!」


意気揚々と美琴の隣に腰掛ける。
美琴のやつ、相変わらず最低限しか食べてないんだな……また料理作ってやりたいけど……今はまだ食べてくれないだろうな……

久しぶりに相方の隣に座ってソワソワしていたが、すぐ後に違和感を感じとる。この場にいる全員の視線が私に注がれている。
殺せる宣言をしておいて朝食会に突然参加してきた人間への好奇の視線……というだけではない。
むしろ、そんな表面的な部分じゃなくて、もっと奥底のものを覗いているような。

(……ああ、そういうことか)

気づいた。
この席は、元々使っていた人間がいたんだ。
そして、この席は美琴の隣の席。ともなると、元の持ち主は言うまでもない……



____七草にちかの席だったんだ。





629 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:41:18.68Gmun8+E70 (31/50)


智代子「なんだか……ちょっとだけ、寂しくなっちゃったね」

千雪「ルカちゃんが来てくれたけど……灯織ちゃんとにちかちゃん……それに透ちゃんと雛菜ちゃんも来なくなっちゃったから……」

美琴「……浅倉、透……」

結華「ま、まあ、今まで来なかったルカルカが来てくれた方に目を向けようよ! これからは協力してくれるってことなんでしょ?!」

ルカ「え? いや、別にそんなつもりじゃ……」

あさひ「……」


始まった朝食会はまるでお通夜のような雰囲気だった。
私がいることもあるんだろうが、裁判自体が昨日の今日で誰も立ち直れてなんかいない。

会話をまともに交わすこともなく、淡々と食事を口に運んでいる。
なんとも居心地が悪くて、料理もまるで味がしない。
さっさと食べ終えてこの場を後にしたい。

そんな想いが込み上げてきていたところで、それは始まった。



630 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:42:35.53Gmun8+E70 (32/50)


バビューン!!

モノクマ「この度はお悔やみ申し上げます!」

ルカ「モノクマ……出やがったな」

美琴「……!」


すっかり意気消沈している283プロの連中を嘲笑いに現れたかのようなタイミング。
そしてそれは当たらずも遠からず、お通夜のような雰囲気に合わせたのか何なのか、モノクマのやつは喪服の格好をしていやがった。


恋鐘「こげんタイミングでなんの用たい?! うちらはまだ、二人のことを……」

モノクマ「えーっとどうするんだっけな……」

冬優子「あのー……聞いてますか?」

モノクマ「わっかんねぇな……」

愛依「馬の耳にナントカってカンジだね……」



631 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:44:00.79Gmun8+E70 (33/50)


モノクマ「ホラ、モノミ! 先に行ってこいよ」

モノミ「えぇ……? あちしが先なんでちゅか……? あちしもやり方わかんないでちゅよ……」

モノクマ「いいからいいから、焼香なんて大体皆毎回適当にやってんだから! 適当にちぎって握ってポイしてこい!」

モノミ「ぼんやりしすぎでちゅ! 更年期のおふくろさんじゃないんでちゅから!」

モノクマ「じゃあ灰を全部握り込んで、死体の上から振りかけるんだっけ?」

モノミ「そんなアウトローな焼香聞いたことないでちゅよ! おおうつけでちゅ!」

モノクマ「じゃああれだ、灰を枯れた木に振りかけて……」

モノミ「それじゃ花咲か爺さんじゃないでちゅか! このお葬式はペット葬じゃないんでちゅよ!」

モノクマ「もうええわ!」

モノミ「それはあちしの台詞でちゅ!」

夏葉「……そんなくだらないやりとりを見せつけるためだけに現れたのなら帰ってもらえるかしら」

夏葉「まして喪服なんて着込んで……灯織とにちかの死を踏み躙るなんてこの上なく不愉快だわ」

モノクマ「ちぇー、オマエラがすっかりお通夜だから葬式ごっこしたら乗ってくれると思ったのになー」

摩美々「やるわけないじゃーん……ほら、さっさと撤収てっしゅー」

モノクマ「はいはい、分かりましたよ! ノリ悪いんだから、ったくもう……」


ただただ不快なショートコントを繰り広げたモノクマはすぐにその姿を消した。
本当にこのためだけにやってきたってのか……なんなんだ、あいつ。


不味かった食事が更に不味くなって、手をつける気力も失いかけたところで、モノクマに取り残されたモノミの姿が目についた。



632 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:46:01.33Gmun8+E70 (34/50)


ルカ「お前は帰んねーのかよ」

モノミ「……」

千雪「……モノミちゃん?」

モノミ「違うんでちゅ、あちしは……あちしは……ミナサンのお役に立ちたいんでちゅ!」

ルカ「よく言うぜ……この前の事件の時だってお前はただ指を咥えて見てただけ。裁判で私たちを助けようともしなかったじゃねーか」

モノミ「指を咥えようにも全身縄で縛り上げられてまちたし……管理者権限は全部モノクマに奪われてまちゅから……」

(……管理者権限?)

モノミ「でも、それでも! あちしの想いはミナサンと常に共にありまちゅ!」

摩美々「口だけなら何とでも言えるケドー、今のモノミの信用度って相当に低いよー?」

モノミ「分かってまちゅ……だから今回はミナサンのために、ちゃんとした成果をもってきまちた!」

美琴「……成果?」


モノミ「はいっ! ミナサンのために、モノケモノを一体倒して、第2の島への入口を解禁してきまちた!」




633 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:47:31.89Gmun8+E70 (35/50)


愛依「第2の……島?! ま、マジで?!」

果穂「たしか中央の島からわたれるゲートの前に、ずっとモノケモノがいたはずです……あれをモノミさんが、たおしたんですか?!」

モノミ「はい! マジカルステッキが無い分苦戦しまちたが、ステゴロでどうにか倒してきまちた!」

果穂「すごいですーーーーーーー!!」

冬優子「じゃあ……新しいところに行けるんですね?」

美琴「もしかしたら……この島では見つからなかった手がかりも、その新しい島なら見つかるかもしれない」

智代子「脱出の方法もあったりしないかな?!」

摩美々「まあ過度な期待はしないほうがいいかもだけどー、調査はしないとダメだねー」

(新しい島、か……)

夏葉「モノミ、まだあなたを完全に信用することはできない……」

夏葉「あなたに対する信頼は、今後じっくりと時間をかけて検討していくわ、ごめんなさいね」

モノミ「有栖川さん……いいんでちゅ。ミナサンに罪は無いんでちゅからね、あちしはあちしの働きで、いつかミナサンからの信頼を勝ち取ってみせまちゅ!」

結華「それじゃあ今日は朝食食べ終わったらすぐにそっちに移動かな?」

ルカ「まぁ、そうするしかねーな」

千雪「透ちゃんと雛菜ちゃんはどうしようか……」

モノミ「それならあちしにお任せくだちゃい! ミナサンと違って、あちしは元々信頼されてないでちゅから、拒絶もされにくいはずでちゅ!」

冬優子「それ、自分で言っちゃうんだね……」

結華「ここはモノミの言う通りにしようか! とにかくさっさと朝ごはん食べて、調査に出かけましょー!」


さっきまでのカタツムリみたいな速度が嘘のように、私たちは咀嚼もそこそこに食事をかっ込んだ。
脱出の方法があるかもしれない。そんな希望が薄いことは全員わかってはいた。ただこの不安に満ちた鬱屈した空気の中に投げ込まれた明確な行動理由、それに飛びつかないわけがなかった。

何かをして気を紛らわせたい、そういう後ろ向きかつ前向きな感情で私たちは島を渡った。




634 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:48:37.73Gmun8+E70 (36/50)

-------------------------------------------------
【第2の島】


「ここが第2の島……」


第1の島とは少し雰囲気が違う。
南国めいた陽気は少しばかり息を潜め、どこか原生風な空気感とも言うべきか。
とにかくやたらと目を引く大樹がこの島の一角を占めているらしい。


結華「さ、調査は分担して行おうか!」

(……まあ、そうなるか)


朝食会の流れのまま来てしまったために、283プロの連中と一緒だ。
こいつらとわざわざ一緒に捜査なんてしたくないし、手芸女との約束は朝食会の参加までだ。

……ここから先は自由にさせてもらう。


千雪「ルカちゃん、一緒に捜査しない?」

ルカ「……嫌だ」




635 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 21:50:32.06Gmun8+E70 (37/50)


千雪「もう……つれないなあ。私たち、一緒に朝ごはんを食べた仲じゃない?」

ルカ「それなら283プロの連中の方がよっぽどだろ、なんでわざわざ私なんだよ」

千雪「ルカちゃんと一緒にやりたいから、それが理由です」

ルカ「理由になってない……さっきもこんなやり取りしなかったか?」

千雪「ふふ……ホントね! でも、それならもう分かるんじゃない?」

千雪「こうなった時の私は、しぶといんだって」

(……チッ)

ルカ「わかったよ、好きにしろ」

千雪「はーい♪」

(283プロの連中ってのはどいつこいつもこうなのかよ……!)


さて、とりあえず電子生徒手帳でマップの確認をしておくか。

パッと目につく大樹の纏わりつくそれは【遺跡】と呼ばれるものらしい。
ジャバウォック諸島というのはそれなりに歴史のあるものだと風野灯織が言っていた。それにまつわるものなんだろう。

この島にも【ビーチ】があるようだけど、規模は第1の島より大きいな。
【シャワールーム】と【ダイナー】も併設されていて、海水浴場といった方が正確かもしれない。

【ドラッグストア】……スーパーマーケットにはなかった医薬品が手に入るのか?
確かにこの島で病気でも拗らせようもんならたまったもんじゃないな。

【図書館】……まあ、私は基本は用事はないだろうけど、一応見ておくだけは見ておこう。


千雪「ルカちゃん、どこから探索する?」

ルカ「……黙ってついてこい」


【探索開始】

-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.遺跡
2.ビーチ
3.ドラッグストア
4.図書館

↓1



636以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/12(水) 22:09:44.61iGbaLVHo0 (1/1)

2


637 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:14:43.06Gmun8+E70 (38/50)

2 選択

【コンマ 61】

【モノクマメダル1枚を獲得しました!】

-------------------------------------------------
【ビーチ】

ビーチに行くにはこの駐車場付きの【ダイナー】を抜けていく必要があるらしい。
ダイナーなんて日本じゃそうそう見かけない、洋画なんかでは割とポピュラーなジャンクなレストランといったところだ。


千雪「……」

ルカ「……何ボーっとしてんだよ」

千雪「え? ううん、別に……なんでもないの」

(そんな物欲しそうな顔しておいて何でもないことはないだろ……)

ルカ「ついでだ、ちょっと腹ごなししてから行くぞ」

千雪「えっ、う、うん……! ありがとう……!」

ルカ「チッ……」




638 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:15:54.48Gmun8+E70 (39/50)

-------------------------------------------------
【ダイナー】


ボックス席とカウンター席がそれぞれいくつか設けられており、入店するとすぐにジャンキーな香りが鼻をくすぐる。
ジュークボックスに南国風な観葉植物があちらこちらに見受けられ、まるで異世界のような空気感だ。
大きな窓は開けた視界からの陽光を余すところなく店内に取り入れ、日中なら照明をともす必要もないだろう。


千雪「う~ん、いい香り! なんだかお腹が空いてきちゃうかも!」

ルカ「……おう、そうだな」

智代子「あっ! 千雪さん、ルカちゃん! せっかくだから一緒に食べない?」

果穂「ハンバーガー、すっごくジューシーでおいしいです! 二人もいっしょにどうですか!?」

千雪「せっかくだしいただいちゃおうか、ね?」

ルカ「……おう」

智代子「すぐそこのカウンターにハンバーガーのセットは揃ってるから温めたらすぐに食べられるよ!」

ルカ「このパティとか誰が用意してるんだよ」

千雪「わぁ、トッピングも自由にできるのね! せっかくだから色々詰め込んじゃおうかな?」

(……いつだったか、美琴とファストフードの店に行った時)

(あいつはハンバーガーなんか目もくれずにサラダを貪り食ってやがったな……)



639 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:17:09.84Gmun8+E70 (40/50)


智代子「はい、ボックス席だから四人掛けで座れるよ! ルカちゃん隣どうぞ!」

ルカ「……っす」

果穂「千雪さんはこっちにどうぞ!」

千雪「ふふっ、お邪魔します!」

智代子「せっかくだし食べながらでいいから、ここまでの調査の共有でもしませんか!」

果穂「はい! あたしたちは放クラのみんなと……【美琴さん】といっしょに調さをしてました!」

ルカ「……っ!? み、美琴と?!」

智代子「うん……前回はにちかちゃんと一緒に調べたみたいだけど、もういなくなっちゃったから。仲のいい夏葉ちゃんと一緒に行動することにしたみたい」

(……美琴)

ルカ「二人は今、どこにいるんだよ」

果穂「今はビーチのシャワールームのほうにいると思います……ルカさん?」

智代子「す、すごく鼻息荒いよ……?!」

ルカ「うっせえ……なんでもないっての」

(さっさとこれを食べ終えてシャワールームに行かねーと!)


バクバクバクバク


千雪「まぁ! ルカちゃん、よっぽどお腹が空いてたのね……それじゃあ私も」

ルカ「……さっさと食わねーと置いてくからな」

千雪「いただきまーす!」


ボトボトボトボト


ルカ「!?」

果穂「ち、千雪さん……! 中身がいっぱいおちちゃってます!」

智代子「あはは、ハンバーガーって食べるの難しいよねー!」

千雪「ごめんね……なかなか慣れてないから」

(こいつ……急がないといけないってのに……!)




640 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:20:03.82Gmun8+E70 (41/50)

-------------------------------------------------
【シャワールーム】

海水浴場の手前のそこそこの大きさの平屋。
扉はダイナー側と海水浴場側の二か所で、海水浴場側は砂浜と直結している。
内装はと言うとシャワールーム兼更衣スペースの他に倉庫とそこそこ大きな休憩スペース。
備え付きの冷蔵庫には飲料水をはじめとした飲み物が所狭しと並んでいる。


夏葉「水泳は全身を扱う運動として、トレーニングにはもってこいだわ。運動の後のエネルギーチャージにうってつけの飲料も揃っているし、ここはいい環境みたいね」

美琴「水泳か……ちょっと興味があるな。教えてもらってもいいかな」

夏葉「ええ、もちろんよ」

(……美琴)


美琴は小金持ちと一緒にトレーニングを話のタネに談笑していた。
もともとストイックなところがある者同士、意気投合するのは納得はいく。

だけど、緋田美琴という人間を知っている私からすれば、二人の交流の様子はどこか寂し気で、見ているだけで空虚なものがこみあげてくる印象だ。




641 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:22:22.45Gmun8+E70 (42/50)


ルカ「……美琴」


思わず言葉が口を継いで出た。


美琴「……何?」


美琴と最後にちゃんとした言葉を交わしたのはあの裁判きり。今朝の朝食会で隣に座ったものの、会話という会話はしていない。


ルカ「……」


私が美琴に言うべき言葉とは何なのだろうか。解散した時からずっとそれを悩んでいた。
美琴という存在が私のそばを離れてから、ずっと私の人生は無価値だった。
何をしたって、感じるものはない。誰に応援の言葉をかけられても胸に響かない。
名前が売れて、アイドルとして成功を重ねても達成感も何もない。

今の私は、がらんどうだ。
斑鳩ルカ、カミサマという器でしかなくて、その中には何も入っていない。
これを満たすことができるのは、美琴だけだ。


ルカ「……あ、あのさ」


だから、私が言うべき言葉は本当は、分かり切っている。
七草にちかが死の間際にぶちまけたように、惨めに、図々しく、泣き縋って、自分の存在を無理やりにでも美琴に刻み付けるべきなんだ。
言葉らしい言葉なんて本当は必要じゃない。


____七草にちかに、ならなきゃいけない。




642 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:24:09.56Gmun8+E70 (43/50)


美琴「……」

ルカ「……ッ」


わかっているのに、何も出てこなかった。
必死に水面にそれを持ち出そうとしても、上から強い力で押し込められる。
顔を出して呼吸することもできない息苦しさに悶えるだけ。
肩で呼吸をすることが抑えられない。

私はまだ、七草にちかにはなれない。


ルカ「……」

千雪「ルカちゃん……」

美琴「……ごめん、夏葉ちゃん。もう大丈夫、行こうか」

夏葉「美琴……あなたはそれでいいの?」

美琴「……今はまだ、私も前に進めそうにないから」

夏葉「……ええ」


砕けそうな膝を抑えながら、二人の背中を見送ることしかできなかった。




643 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 22:25:20.71Gmun8+E70 (44/50)


千雪「……一回、深呼吸しよっか」

ルカ「……あ? お、おう……」


手芸女が私の背中をさする。それに合わせてゆっくりと息を吸い込み、吐いた。


千雪「……ルカちゃん、ゆっくりでいいの。私たちはまだそれだけの時間がある」

千雪「……そばにいるからね」


うざったい。鬱陶しい。
そういう言葉が沸き上がってきたけど、それは口には出さなかった。

ただ黙って立ち上がって、シャワールームを出た。
手芸女もまた、それに黙ってついてきた。


____本当に283プロの連中ってのはおせっかいなもんだ。


-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.遺跡
2.ドラッグストア
3.図書館

↓1



644以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/12(水) 22:57:14.31UB6NHFZE0 (1/1)

1


645 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:14:25.50Gmun8+E70 (45/50)

1 選択

【コンマ31】

【モノクマメダル 1枚を手に入れました!】

-------------------------------------------------
【遺跡】


島に入った時から嫌でも目に付くのがこれだ。数千年という時が流れでもしない限り、こんな風に木の根っこが建造物に絡みついたりはしないだろう。
天高く聳え立つそれは麓からでは全貌が見えない。


ルカ「とりあえず近づいてみるぞ」

千雪「あっ……待って!」


近づいてみたが、あるのは私の身長を優に超す大きさの扉。
しかもドアノブがあってそれをひねって開けるような単純な扉ではなく、もっと電子的で近未来的な……全く見なれない扉だ。


ルカ「……これ、なんなんだ?」


しかもその扉の表面にはデカデカと『未来』の二文字。
私たちの良く知る漢字で掘られている……ということは、この遺跡は私たちと同じ文化圏のものだということになる。それもまた妙な話だ。


千雪「扉を開けるには、そっちのパネルでパスワードを入力するみたいね」

ルカ「……なるほど、なんか適当に入力してみるか?」

千雪「ま、待って! それはやめた方がいいと思う……ほら」


手芸女が指さした先、そこには洋画に出てくる武装組織が振り回しているようなマシンガン銃、その銃口が私へと向けられていた。


ルカ「おいおい……マジかよ」

千雪「下手に失敗しちゃうと、その後がわからないから……皆にも近づかないように言った方がいいかなぁ……」

ルカ「遺跡だっつーのに電子盤だのマシンガン銃だの近未来なのか古代なのかどっちなんだよ……」


少なくともこの扉は今は開けられそうにない、立ち去るほかないか……。
そう思って振り返った直後。



646 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:15:24.43Gmun8+E70 (46/50)


透「えっ」

ルカ「……て、てめェ……!」


浅倉透とそのお仲間の登場だ。
ここにまさかいるとは思っていなかったのか、虚を突かれた様子で間抜けに口をポカンと開けている。
掴みかかって詰問の一つや二つやってやろうかと思ったが、反応が早かったのは向こう側。
能天気女が浅倉透の服の裾を強引につかみ、そのまま引っ張り去ろうとした。


雛菜「透先輩、別のところ行こ~?」

千雪「ま、待って……! 二人とも!」

雛菜「え~、雛菜たちは何の用もないし、話したくもないんですけど~」

ルカ「待てよ、何もこっちだってただ疑おうってんじゃねー。話せる範囲でいいからそいつから話を聞きたいだけなんだっての」

透「……」

雛菜「何も透先輩から話すことなんてありませ~ん!」

千雪「雛菜ちゃん……」

雛菜「別に雛菜たちも他の人の邪魔するつもりはないから、もう放っておいてください」

雛菜「雛菜たちは雛菜たちで何か別の道を探しますから~」



647 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:16:14.26Gmun8+E70 (47/50)







雛菜「もし邪魔してきたら、こっちだって手段は考えますけど」








648 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:17:44.93Gmun8+E70 (48/50)


ルカ「……ッ!」

(こ、こいつ……今何考えてやがった……!?)


能天気女のこちらに向けた視線は、この島に来てから何度か私たちの間に存在したそれだ。
かつて私が七草にちかに向けたもの、そして死の間際七草にちかが浅倉透に向けたもの。
研ぎ澄まされた、冷たくて鋭利で、淡々としたもの。


____【殺意】だ。


雛菜「じゃ、雛菜たちはまだ調査の途中なので~」

千雪「行っちゃった……」

ルカ「……チッ」


私からすれば傍目に見る仲たがいというだけで、この状況には少しばかりの居心地の悪さで済む話だが、283プロの連中は違う。
仲良しごっこが生き甲斐みたいな連中の間で起きた裏切り行為について、こいつらの受けている衝撃は私が思うよりも大きいみたいだ。
手芸女は何か大切なものを失ってしまったといった表情で、俯いて言葉を発さない。




649 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:18:23.11Gmun8+E70 (49/50)


ルカ「……」

かといって私も励ましの言葉なんてかけたりはしない。
別にこっちからすれば本当にどうでもいい話だ。
ただ重要なのは浅倉透という人間が敵なのか味方なのかがわからないという一点のみ。
私はこの島で生き残ると決めた、その障害となるかどうかだけは見定める必要がある。


……それにはこいつらの力が必要だというのも確かだろう。


ルカ「……行くぞ」

千雪「え、う、うん……」

ルカ「……止まっててもしょうがない、違うか?」

千雪「……ふふ、ありがとう。ルカちゃん」

ルカ「……チッ」


しかし課題は山積だ。浅倉透に話を聞こうにも、あの能天気女が遮ってくるんじゃどうしようもない。
梃子でも動きそうにないあいつをどうにかする必要があるな……



650 ◆zbOQ645F4s2022/01/12(水) 23:20:00.96Gmun8+E70 (50/50)


申し訳ない、今日の所はこれでいったん終了です。
また明日、探索パートの途中から再開します。
安価だけ出しておくので、どなたか書き込んでくださると幸いです。
それではお疲れさまでした。

-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.ドラッグストア
2.図書館

↓1


651以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 00:27:05.19WuUBTWhl0 (1/3)

1


652 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:07:14.16IfDtM3Tz0 (1/31)

1 選択

【コンマ判定19】

【モノクマメダル9枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…81枚】

-------------------------------------------------
【ドラッグストア】

ドラッグストアなんて最近だといろんな物を取り扱っているイメージだが、ここは文字通り【ドラッグ】の【ストア】らしい。
目に入るのは薬品類のみ。鼻を突くのはツンとした化学系の香り。思っていたよりディープな意味でのドラッグストアのようだ。


ルカ「……おい、これって毒薬じゃねーのか?」

千雪「う、嘘……毒薬……?」

ルカ「コトキレルX……これなんかモロだな。飲んだら遅効性の毒で呼吸困難だってよ」

千雪「そ、そんな……本当に?」

ルカ「本当も何も、今の私たちの状況はそういうもんだろうがよ」

千雪「……」

(……警戒はしておいた方がいいだろうな)

摩美々「霧子がいれば、色々聞けたかもねー。正直こんな薬だけ見せられても何が何だかサッパリじゃない―?」

結華「あはは、確かに……風邪薬とかの見慣れたやつ以外は何が何だか……」

恋鐘「なんね、このラムネみたいな薬……?」

摩美々「えっ、ちょっ……それって……法的にまずいやつじゃないのー……?」

恋鐘「ふぇ、ふぇ~~~~~~?! こ、これってそげんまずかもん~~~~~?!」

ルカ「学校で習うだろ……間違っても服用なんかすんじゃねーぞ」

(……まあ、この島で司法なんか機能していないような気もするけど)

(ていうか、そもそもどこの国なんだ? ここ……)

-------------------------------------------------
【残り選択肢が一つになったので自動で進行します】

【コンマ判定によりモノクマメダルの獲得枚数を決定します】

↓1


653以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 21:21:14.43ZoTUtcTX0 (1/3)

ほわっ……


654 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:25:59.85IfDtM3Tz0 (2/31)


【コンマ判定 43】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…84枚】

-------------------------------------------------
【図書館】

これまたとんでもない図書館があったもんだ。
四方八方を本棚という本棚が埋め尽くし、空間には本特有のどこかかびたような匂いが立ち込めている。
その脇には悪趣味なモノクマの銅像も添えて。
まあ……私がここに世話になることはそうそうないだろう。


あさひ「すごいっす! 見たことない国の言葉の本もあるっす!」

愛依「あさひちゃん、それ読めるの?」

あさひ「読めない!」

愛依「アハハ、それでも楽しめちゃうんだからやっぱあさひちゃんすごいわ~!」

ルカ「……図書館にはおおよそ似つかわしくないやかましい連中だな」

千雪「そうかなぁ? あさひちゃんにはこの図書館はうってつけだと思うけど」

あさひ「わっ! 世界殺人鬼名鑑!? 変わった本がいっぱいっす!」

冬優子「あさひちゃん、本を持ち出すときにはこのカウンターに書いておかないとダメみたいだよー?」

あさひ「了解っす! ……ありゃ、本によっては持ち出せない本とかもあるっすね」

愛依「キンオビ……デ?」

千雪「禁帯出じゃないかな、持ち出しちゃいけない本にはこのマークがついているみたいよ」

冬優子「あさひちゃん、本を借りるときは注意してみるようにしようね」

あさひ「……」

(……おいおい、あいつの集中力どうなってんだ……? さっきの今でまるで聞いてないぞ……?)


まあここに来ることはそうそうないだろうけど、本の貸し借りにはカウンターを経由する必要があること、
なかには禁帯出の本もあるってことぐらいは覚えておいた方がいいだろうな。



655 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:26:53.90IfDtM3Tz0 (3/31)

◇◆◇◆◇◆

ルカ「大体調査はこんなところか……」

千雪「脱出の方法は見つからなかったね……」

ルカ「そんなもん期待するだけ無駄だってことだよ。わかり切ってたことだろ」

千雪「うん……」

ルカ「……」

ルカ「じゃあな、お疲れさん」

千雪「えっ、ル、ルカちゃん?! どこ行くの?」

ルカ「あ? 調査は終わっただろ、帰るんだよ。自分の部屋に」

千雪「ダメよ、この後はみんなでまた調査結果の報告をしなくちゃ」

ルカ「おいおい……まさかそれにまで付き合えって言うんじゃねーだろうな」

千雪「人と一度交わした約束を破っちゃダメなんだぞー」

ルカ「そんな約束なんかした覚えもないんだけど……」

千雪「……」

(……すごい圧を感じる)

ルカ「はぁ……わかった、わかったよ。いけばいいんだろ」

千雪「やったぁ!」

(……やれやれ)



656 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:28:44.69IfDtM3Tz0 (4/31)

------------------------------------------------
【第1の島:ホテル レストラン】


夏葉「皆、とりあえず調査お疲れさま。さっそく情報の共有と行きましょう!」

結華「う、うん……そうしよっか」

(……ほかの連中の反応も芳しくはない、どこも同じようなもんか)

あさひ「図書館にはすごいたくさんの本があったっす! 気になったんで、ちょっと持ってきてみたっす!」

冬優子「本を持ち出すときには、ちゃんとカウンターで手続きをしなくちゃいけないみたいで……一部本は持ち出し出来ないものもあるみたいです」

果穂「あさひさん! どんな本を借りたんですか!?」

あさひ「これ! 世界殺人鬼名鑑!」

智代子「えっ、ええっ!? あ、あさひちゃん!?」

(……おいおい、この状況じゃ洒落になんねーぞ)

あさひ「世界のいろんな殺人事件について書いてあるんだけど……これとか面白いよ! ライスボール・ダイナソー!」

愛依「ら、ライスボール……? ダイナソー……?」

摩美々「直訳すればおむすび……恐竜……?」

千雪「え……?」

あさひ「なんか殺した相手の口におにぎりを詰め込んだことからついた名前らしいっす、事件自体は未解決みたいっすね」

果穂「そんな……ゆるせません! そんな悪がのさばってるなんて、ゆるせません!」

夏葉「あさひ……その本が興味深いのは理解したわ、ただ今この場で共有するコトは控えてちょうだい。私たちは人の生き死にの少し敏感になっているの、人によっては刺激に感じてしまうわ」

あさひ「え……ごめんなさいっす」

愛依「あさひちゃん、今じゃなくて後でうちと一緒に読も~!」




657 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:30:14.36IfDtM3Tz0 (5/31)


◆◇◆◇◆◇◆◇

摩美々「第2の島ではドラッグストアもあったケド、どっちかと言えば薬品保管庫っていう方が正しいかもー」

恋鐘「薬の中には人の体によくない毒もあったばい……持ち出されないように警戒したほうがよか!」

結華「うん……図書館と違ってこっちには持ち出しに制限とかもなさそうだから、目を光らせておいた方がいいかもね」

美琴「ただちゃんと有用な薬も入ってはいたよね」

摩美々「それはそうー、ちゃんと風邪薬とか解熱剤はあったからぁ、病気しても大丈夫にはなったねー」

冬優子「いくらか使えそうなものはまとめてこの救急箱に入れておいたので……千雪さん、預かってもらっていてもいいですか?」

千雪「まぁ、ありがとう。うん、責任をもって預かっておこうかな」

果穂「千雪さんなら安心です!」

(……まあ、おせっかいなこいつが持っているのが一番だろうな)

◆◇◆◇◆◇◆◇

果穂「第1の島より大きな海水浴場がありました!」

夏葉「ダイナーとシャワールームが備え付けられていた、本格的なレジャー施設といった様相だったわ」

美琴「倉庫にはウエットスーツやカヤックも入っていたから、興味があれば覗いてみるといいと思う」

智代子「なんだか色々できそうだよね! せっかくだし何かイベントでもやってみるといいかなー!」

愛依「ダイナーもだし、このレストランも出し、食材はマジでどっから補充されてんだろうね?」

あさひ「モノミが補充してるって最初は言ってたっすけど、やっぱり魔法なんっすかね?」

(得体も知れねー方法だけど、とりあえずはそれに肖るしかねーんだよな……)




658 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:31:42.74IfDtM3Tz0 (6/31)


◆◇◆◇◆◇◆◇

ルカ「……島の一角にあった遺跡は見たか? あの建物自体は謎だが……立ち寄らないほうがよさそうだ」

千雪「扉にはパスワード式の認証モニターがついていたけど、その脇にマシンガンがついていたから……下手に刺激してほしくはないかな」

智代子「ま、マシンガン?!」

夏葉「ブローニングM2式機関銃……今もアメリカをはじめとした世界中で量産されていているごく一般的なマシンガンだったわ」

(マシンガンにごく一般的も何もないだろ……)

あさひ「やっぱりパスワードを間違えて入力したらそれで撃たれちゃうんすかね?」

果穂「そ、そんな……マシンガンでうたれちゃったら、しんじゃいます!」

摩美々「基本的には無視するしかなさそーだねー……」

結華「パスワードがこれだ!って分かるものとかあれば使えるけど……流石に確証もない状態で使う訳にはいかないなぁ……」




659 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:33:09.75IfDtM3Tz0 (7/31)


全員が全員同じような報告をし終えて、進展は当然何もなし。
こうなると改めて八方ふさがりだという現実に直面せざるを得ない。
息の詰まるような閉塞感がまたやってきた。


結華「……とりあえずは、それぞれ警戒しながらまたここで過ごすしかないってこと……なんだよね」

摩美々「来るかもわからない助けを待って、ね……」

冬優子「大丈夫です、きっと誰かが来てくれますよ……ふゆたちのことを心配して皆動いてくれているはずです!」

智代子「そう思うしかない……いや、そう信じるしかないもんね……!」

(……どこまで行っても空元気、か)


椅子を引いて立ち上がった。
報告会も終わり、これで手芸女からの要求もすべて満たしてやった。
ここまでするつもりもはじめはなかったのに、我ながら人が良いことで。




660 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:34:31.73IfDtM3Tz0 (8/31)


ルカ「……じゃ、とりあえず私は行くぞ。もう今日は何もないだろ?」

結華「あっ……え、うん! ルカルカ……今日はありがとう!」

冬優子「うん! ルカちゃんと一緒に行動できて、今日はすごくうれしかったな!」

ルカ「……チッ」

果穂「ルカさん! またいっしょに調べましょう!」

あさひ「ルカさん、明日の朝ごはんも待ってるっすよ!」


ただ退出する、それだけのことなのに283プロの連中はいつまでも声を張って私の背中に呼びかけ続けていた。
言葉を返しもしない、振り返りもしない、悪態をつくだけの存在に、だ。

本当に、理解しがたい。
でも、その理解できなさは不思議と不快じゃなかった。



……いや、こういうと情にほだされたみたいで気持ちが悪いな。

訂正する。正確には、『もっと気になるものがあって283プロの連中どころではなかった』、だ。




661 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:35:21.11IfDtM3Tz0 (9/31)

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『ただいま、午後十時になりました』

『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』

『ではでは、いい夢を。グッナイ…』


一日ぶりに自分の部屋に戻った私はすぐにシャワーを浴びて、楽な格好でベッドに横になった。
酒に呑まれるままの睡眠では精神の疲弊を解消しても、体の疲れはとれちゃいない。
やっと得られた休息に歓喜するように足はすぐにどろっと蕩けていき、マットレスから離れられなくなってしまった。
手足をそこに投げ出して、頭だけを働かせる。

今日は手芸女のせいで散々な目にあった。
出たくもない朝食会に顔を出して、したくもない共同調査をして、最終的には報告会までも参加してしまった。
……この島に来てから久しぶりの交流、完全に嫌だったとは言わない。
言わない……が、ずっと脳裏にあるもののせいで満足に楽しめない節はあった。



662 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:37:36.32IfDtM3Tz0 (10/31)


浅倉透の存在、それが気がかりなのは間違いないが、あいつよりもよっぽどの危険分子が私たちの中には存在している。
七草にちかと風野灯織の事件、その裏で動いていた何者かの存在。
平気な顔して私たちの中に潜んで仲間面して、二人の死に涙を流して見せた【狸】。


≪「私たちの中に潜む【狸】は何を考えてやがる……?」

「あはは、やっぱり気づいてたんっすね」

思わず振り返った。
今のは、幻聴じゃない。
確実に私の後ろにいた、【何者か】の声だ。≫


……あの時私が聞いた声は、確かに【超中学生級の総合の時間 芹沢あさひ】だった。
あいつが、本当に【狸】なのか……?
だとすれば、あいつと一緒に行動しているストレイライトの連中は……?


食事会では口にしなかったが、このまま私たちが何かの進展を見いだせない限りは【狸】は必ず仕掛けてくる。
コロシアイの連鎖を絶やさないために、事件を起こしに来るはずだ。
【狸】自身が手を汚すにしろ、汚さないにしろ。



663 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:38:59.98IfDtM3Tz0 (11/31)


私は、あいつらが仲間割れをする分には別に問題ない。
むしろ今の仲良しムードには反吐が出るくらいだ。
ただ、その仲間割れの結果私の命まで脅かされるというのなら、それは阻止しなくちゃいけない。


「……チッ」


【狸】を見極めるために、やらなくちゃなんねーか……


【斑鳩ルカの自由行動において交流が解禁されました!】


□■□■□■□■□■□■□■□■
☆斑鳩ルカの交流について

新主人公におきましても自由行動で他のアイドルの皆さんと交流をすることができます。
前章で惨たらしい死を遂げた前主人公から受け継ぐものは、アイテムと希望のカケラ、そしてモノクマメダルの三つになります。
わずかばかりに上がっていた親愛度は引き継がれてはおりませんが、ご了承くださいませ。

なお、現在のシナリオの状況として【浅倉透】【市川雛菜】【緋田美琴】の三人とは親愛度を上げる交流ができないことをあらかじめご了承ください。
シナリオの進展によって彼女たちとの交流が解禁されるかも、一生そのまま解禁されないかも……?
□■□■□■□■□■□■□■□■




664 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:40:37.70IfDtM3Tz0 (12/31)

____
______
________

=========
≪island life:day 7≫
=========

【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』


耳障りなアナウンスとともに目を覚ます。今日は、傍らに手芸女の姿はない。一晩ぶりの穏やかな夜に、疲れは十分とれたみたいだ。
ただ、気分は晴れない。ずっと【狸】の影が頭をチラついて、吐く息はどっしりと重たい。

今日から私がするべきなのは、この【狸】の動きを封じるための監視。
万が一にも私が巻き込まれて死なないように、学級裁判なんて博打に挑まされないように、そのための安全確保。


「……気は進まないな」


手っ取り早いのは毎朝の朝食会への参加。そこに顔を出せば嫌でも他の連中と顔を突き合わせる。
……行くしかないだろうな。


そう思って扉を開けた途端。


千雪「おはよう、ルカちゃん」

ルカ「……うわ」


……手芸女が満面の笑みで待ち受けていた。



665 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:41:25.53IfDtM3Tz0 (13/31)


千雪「ルカちゃん、生活習慣はしっかりしているのね。えらいえらい」

ルカ「……っせえ」

千雪「ルカちゃん、これからどうするの?」

ルカ「どうするこうするも……朝食会だろ、わざわざ迎えに来なくても行くから」

千雪「えっ!?」


よほど私の口から参加の意志が出たことが意外だったらしい。
わざとらしいほどに口を開けて、それを手のひらで覆い隠す。


ルカ「……5分だ。5分経ってからレストランに来い。私と同じタイミングで来たら殺す」

千雪「もう、冗談でもそんな言葉使っちゃダメよ」

ルカ「……じゃあ、殴る」

千雪「及第点かな」

ルカ「……ハッ!」

(……あ?)

(……私、何笑ってんだ? いや、嘘だろ……気持ち悪い)


私は自分の気色の悪い笑い声に戸惑いながら、足早にレストランへと向かった。



666 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:43:04.00IfDtM3Tz0 (14/31)

-------------------------------------------------
【レストラン】

ルカ「……」

結華「る、ルカルカ……おはよう! 今日も来てくれたんだ!」


流石にまだ私の存在には全員慣れていないらしく、入室と同時にどよめきが起きる。
そんなこと気にしていても仕方ないので、目も向けず、耳もくれずに美琴の隣に腰かける。


美琴「……」

ルカ「……」


……相変わらず、私たちは無言だ。




667 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:44:22.42IfDtM3Tz0 (15/31)


結華「今日でこの島に来て一週間かぁ……」

恋鐘「もうそがん経つと? ……はぁ、助けも全く来んねぇ……」

夏葉「ダメよ、気を落としては。ここはジャバウォック島……日本から遠く離れた異国の地。助けが来るまでにはそう……時間がかかるのよ」

あさひ「そういえばジャバウォック島ってどこにあるっすか? これだけ温かいし、南半球っすか?」

夏葉「ええ……確かそうだったような……」

夏葉「……あれ、おかしいわね。正確な情報が思い出せないわ……」

あさひ「……?」

ルカ「……ったく」


毎日毎日同じような会話をして気を紛らわして、生産性なんかなにも無い。
得るものも何もないし、監視という役目がない限りは御免こうむりたい空気感だ。
私は誰とも会話をすることなく、淡々と食事を口に運びながら他の連中の様子を伺っていた。


___そんな中、突然。


果穂「ルカさん、ルカさん! お話、きいてみてもいいですか?!」

ルカ「……あ?」

果穂「この島に来てから、ルカさんとお話したことまだあんまりなくて……ルカさんのこと、もっと知りたいと思ったんです!」


私の返答も確かめぬまま、小学生は近くの椅子を引いてきたかと思うとそこにチョコンと腰かけた。
背丈こそ成人女性並みのこいつだが、その表情と素振りと内面は幼いらしい。
私の苛立ちには鈍感な様子で、首を傾げて返答を待つ。
一言激烈なものをぶつけて退けようとも思ったが、ここは283プロの連中の目がある。
下手なことはできやしない、観念して小学生と会話してやることにした。


千雪「……ふふっ」


……遠くに手芸女の影が見えたのが、ひどく目ざわりだった。




668 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 21:46:56.39IfDtM3Tz0 (16/31)

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】

ひどいパッションのごり押しを受けた。
質問にどれだけ適当に返してもやたら食いついてきやがって、無理やりに話を引き延ばされた。
逃げよう逃げようとしても食いつかれて、いい迷惑だ。
あの小学生がテンションを上げれば、周りの連中もそれに呼応して盛り上がって、いつの間にか私もその輪の中に入れこまれたかたち。
手芸女はそこまで見越して、あのガキを差し向けてきやがったんだろう。

本当におせっかいで鬱陶しい女だ、次あったら文句の一つや二つ言ってやらねえと気が済まない。
それで……また迷惑料を取り立ててやるのも悪くないかもしれない。


「……は?」


前言撤回、流石に今のはない。
違う、違うんだって。


【自由行動開始】


気を取り直して、監視の再開だ。
怪しい行動をしている人間、変な腹積もりを抱えた人間がいないかどうかのチェックの時間だ。

……気は進まないけど、やるしかない。


1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1




669以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 21:54:06.68WuUBTWhl0 (2/3)

1 果穂


670 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 22:03:59.71IfDtM3Tz0 (17/31)

1 果穂選択

【第2の島 図書館】


最初の監視の対象には、小学生を選んだ。
さっきの今で話をしたばかりだし、こいつなら他の連中のように色眼鏡をかけてくることもない。
取っ掛かりとしては一番気楽だ。
……まあただ、こいつと絡んでいるのを他の連中に見られるのはどことなく気恥ずかしい。


ルカ「……こんなとこで何してんだ」

果穂「あっ、ルカさん!」

果穂「……あ、大きな声出しちゃいました……えっと……ジャスティスファイブの本をさがしてるんですけど……」

ルカ「ジャス……なんだ?」

果穂「ジャスティスファイブ、すっごくかっこよくてつよい、正義のヒーローです!」

ルカ「……はぁ」


正義だのなんだの、やっぱり中身はただのガキだな。
でも、この年頃の女って、もっと普通……ヒロイン物とかを見るんじゃねえのか……?

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【キルリアンカメラ】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【トイカメラ】
【表裏ウクレレ】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1


671以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 22:14:06.93Yd+mBBEn0 (1/3)

2


672 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 22:16:29.90IfDtM3Tz0 (18/31)

2 選択

【プレゼントを渡しませんでした】

-------------------------------------------------

……しかし、全く持って謎だ。
私は芸能界に飛び込んでから、組んだのは美琴ぐらいのもので解散して以来はずっと孤独の身。
ただ一人での立ち回りばかりだった私からすれば、この小学生の活動は完全に理解の外だ。
5人もの大人数のユニットで、更には年齢もバラバラ。
そしてそれを率いているのがこの最年少の小学生だという。


果穂「……ルカさん? あたしの顔に、なにかついてますか?」

ルカ「いや、別に……よくわかんねーと思ってよ」

果穂「え?」

ルカ「いや、お前は確か……ユニットのセンターなんだろ? あんな年上ばっかりのユニットで、やりづらかったりしねーのか?」

果穂「しません!」

ルカ「即答だな……」

果穂「夏葉さんも樹里ちゃんも凛世さんもちょこ先輩も、みんなみんなすっごくすっごくたよりになるんです! あたしがちょっとこまることがあったら、すぐに気付いて声をかけてくれますし……」

果穂「何かできてないことがあったら、ちゃんと教えてくれて、あたしも勉強になります!」

(……こいつはよく懐いてるみたいだが、まあそんなものか)

(ユニットのセンターなんて所詮はお飾り、別にだれがなろうと変わんねえんだろ)

果穂「それに、そんなみなさんが、あたしにセンターをまかせてくれているから……あたしも、みなさんに恥じないような最高のリーダーになろうってがんばってます!」

ルカ「あ……?」

果穂「放クラのみなさんが、センターは小宮果穂ってどうどうと言えるように、夏葉さんみたいにかっこよくて、凛世さんみたいにやまとなでしこで、樹里ちゃんみたいにやさしくて、ちょこ先輩みたいに明るいセンターになるのをめざしてるんです!」

(……ハッ、殊勝なこった)

(まだ、こいつは芸能界って言うのがどんな世界か知らねえ。この世界が救いもない非情な世界だってことを知らねーから、目を輝かせていられる)

(……こんなやつも、いつかはこの世界の澱みと汚れを知る時も来るんだ)


1.……まあ、せいぜい頑張りな
2.あんまり夢見んじゃねーぞ
3.自由安価

↓1


673以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 22:25:35.63WuUBTWhl0 (3/3)

1


674 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 22:37:53.75IfDtM3Tz0 (19/31)

1 選択

283の連中はいけ好かねえが、わざわざ小学生を泣かすような真似はすることもない。
この場は適当に流しておくとするか。


ルカ「……まあ、せいぜい頑張りな。お前の周りにいる年上連中も、それなりに期待してるからこそ託してるんだろうしな」

(ユニットの中がどうあれ、結果を決めるのはその外側の人間社会だ)

(……じきに思い知るだろ、そう甘い世界じゃないってのは)

果穂「はい、ありがとうございます!」

果穂「放課後クライマックスガールズが最強最上、銀河一のアイドルになる日までがんばります!」

(……ここまで来たらもういっそお笑いだな)

果穂「ルカさんにも負けない、かっこいいセンターになって見せます!」

ルカ「……私? かっこいいって、そんな風に見えてんのか」

果穂「……? ルカさんって、カミサマって言われててすごくたくさんの人に応えんされてますよね?」

果穂「それって、ルカさんがすごくかっこいいからですよね……?」

ルカ「……お前は銀河一になるんだろ、私なんかに目くれてる暇があったら、もっと別のやつをライバル視しとけ」

果穂「どういう意味ですか……?」

ルカ「……悪い、邪魔したな。私はもう行く」

果穂「あ、ルカさん……!」


私があいつらに応援されてる……?
流石は小学生、なんにもわかってねーんだな。
あいつらはただ無責任に、思考停止に、私に自己を投影して悦に浸ってるだけの存在でしかない。


……【応援】なんて、今までもらったこともねーのに。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【小宮果穂の親愛度レベル…1.0】


675 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 22:43:38.07IfDtM3Tz0 (20/31)

【ルカのコテージ】

なんというか、事務所の気風を体現しているような奴だったな。
自分たちの未来が明るいものだと信じて、仲間とともに突き進む。

今の私からしてみれば対極ともいえるような存在だ。

……私にもかつて、あんな時があったのだろうか。

自分の幼少期の思い出を掘り起こそうとしたが、やっぱりやめた。
記憶の奥底に潜ろうとしても、その手前で躓いてしまうのだ。

きっと、私がそうだったであろう……あいつと組んだ当初の記憶を見るのが怖くなる。

【自由行動開始】

-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…84枚】
【現在の希望のカケラ…18個】

1.交流する【人物指定安価】※美琴、透、雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1


676以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 22:44:42.17ZoTUtcTX0 (2/3)

1 千雪さん


677 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 22:51:44.53IfDtM3Tz0 (21/31)

1 千雪選択

【第1の島 牧場】


(……うわ)

千雪「あら、ルカちゃん……お散歩?」

ルカ「お前と一緒にすんな、これは……その、偵察だ」


誰でもいいから適当に監視しようと思ったら蛇が出た。
よりにもよっての相手は、私と出会えたことがよっぽど嬉しいらしく、今朝も見たあの胸やけがしそうな程の笑顔を浮かべている。


千雪「今朝は果穂ちゃんとお話してたみたいだけど、どう?」

ルカ「どう……って言われてもな」

千雪「……」ニコニコ

ルカ「……ンだよ」

千雪「……」ニコニコ

ルカ「そ、それやめろ……マジで!」

千雪「はーい、ごめんなさーい」

(こいつ……ホントに年上かよ……)

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【キルリアンカメラ】
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【トイカメラ】
【表裏ウクレレ】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1


678以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 23:05:49.45ZoTUtcTX0 (3/3)

連投ですが
1 家庭用ゲーム機


679人も多くないですし連投大丈夫です ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:13:56.78IfDtM3Tz0 (22/31)


【家庭用ゲーム機を渡した……】

ルカ「これ、使わねーから貰っとけ」

千雪「あら、プレゼント……?」

ルカ「廃品回収だ。……なんか、てめェはガキ連中の面倒を見る機会も多いみたいだからな、それでも使えば時間つぶしにはなるんじゃねーのか」

千雪「あら、ゲーム? ……ふふ、こうみえて、私甜花ちゃんに鍛えられてるから結構強いんだぁ」

ルカ「あっそ」

千雪「ルカちゃんも今度やってみましょう! 負けないんだから!」

ルカ「……やらねーよ」

【PERFECT COMMUNICATION】

【いつもより親愛度が多めに上昇します】

-------------------------------------------------

千雪「ルカちゃんが朝食会に出席してくれるようになって、私すごく嬉しいなあ」

ルカ「お前が無理やりに出席させてんだろうが……」

千雪「一人で食べるご飯より、みんなで食べるご飯の方がちょっとだけ美味しかったりしない?」

ルカ「別に、味は何も変わんねーよ」

千雪「……でも、食べるものの栄養価もずっと良くなってるのよ?」

ルカ「……は?」

千雪「ずっと、レトルトしか食べてなかったでしょ。ダメなんだぞー、若いうちからそんな食事してちゃ」


手芸女はむすっと頬膨らませて私の食生活を非難した。
実際、手芸女の言うとおりだ。283プロの連中を避ける目的から、食事はもっぱらスーパーのレトルト食品。
でも、別に我慢してまでやっていたわけではなく、この島にくる以前から私の食事はそういう傾向にあったのだ。
ライブパフォーマンスをすればするほどすり減る精神とともに食欲も減るようで、旨いまずいも気にしなくなっていた。
時間のかからない食事を、適当に済ませれられればそれでいいと思っていた。


千雪「ちゃんとお野菜を取らないと、美容にも悪いわ。せっかくのすべすべのお肌も荒れちゃったら勿体ないでしょう?」

ルカ「私はそういうのは別にどうでもいいんだよ」

千雪「どうでもよくない、お姉さんが許しません」

ルカ「お前一体いつから私の姉貴になったんだよ……」


別に私は一人でいいってのに、こいつは何かにつけて付きまとおうとしてくる。
そこまでして283プロの気色の悪い仲良しの輪に取り込みたいのか。

……ここで一発、ガツンと言ってやるか。
私は馴れ合いはしねえ。ただ自分が生き残ることしか頭にないってことを分からせてやる。


1.うるせえ、ほっとけよ
2.そういうの迷惑なんだよ
3.自由安価

↓1


680以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 23:31:43.41Yd+mBBEn0 (2/3)

1


681以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2022/01/13(木) 23:33:01.26Yd+mBBEn0 (3/3)

1


682今日は7日目までにしておきますね ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:40:26.23IfDtM3Tz0 (23/31)

1 選択

ルカ「うるせえ、ほっとけよ……てめェは善意でやってるのかもしれねーが、それが相手にとって迷惑になるとか考えたことはないのかっての」

千雪「えっ……」

かましてやった。
実際これは自分の本意。
裁判の後、確かに一時の疲労から心を許してしまった瞬間こそあったが、別に私はこいつに信頼も何も抱いているわけじゃない。
むしろそれで調子づいて面倒役を買って出ているこの状況は鬱陶しくて仕方がない。

それに、私と一緒に行動すればこいつが283プロの連中と過ごす時間も減る。
それは私以外の連中からしても望ましいことじゃないだろう。

残念なことだが、水と油という言葉は覆せないのだ。
私と連中とでは、どうやっても入り混じることなどできやしない。

私の強い拒絶を前に、流石に手芸女も口をポカンと開けてショックに打ちひしがれていた。
あんな生ぬるい環境にいれば、衝突らしい衝突も今までまともになかったんだろう。
だが、そんなことは私の知るところではない。


ルカ「じゃあな、二度と顔見せんなよ」


これで終わり、そう思った。


千雪「確かにあなたからすれば迷惑かもしれない……けどね、だとしても引いちゃいけない局面があるって思うの」

ルカ「はぁ?! お、お前……」

千雪「ルカちゃん、あなたをこのまま一人にして……後悔だけはしたくないの」


手芸女はなおのこと食い下がる。
そして、それは……無性に私の癇に障った。


ルカ「……ざけんな」


一気に手芸女に詰め寄って、どすの利いた声を放つ。
これ以上寄り付くな、そういうメッセージを込めて、睨みつけた。



……それでも。


千雪「私は真剣です」


手芸女は私の目を見て、少しも億す様子すら見せなかった。


ルカ「……チッ」


気が付けば私は背を向けて走り出していた。
手芸女の据わった肝を前にして、敗北を認めたのか、こちらが恐怖したのか。
その答えは知らない、知りたくもない。
ただ、私は『二度と顔を見せるな』という言葉の効力を失う形でその場を離れてしまったことだけは事実だった。


千雪「……私、あきらめは悪い方なんだから」

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【桑山千雪の親愛度レベル…2.0】

【絆のカケラを手に入れました!】

【現在の絆のカケラの数…19個】



683今日は7日目までにしておきますね ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:41:48.60IfDtM3Tz0 (24/31)

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『ただいま、午後十時になりました』

『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』

『ではでは、いい夢を。グッナイ…』


当然と言えば当然だが、目立って怪しい人間はいなかった。
まあここでボロを出すようじゃこっちも苦労していない。
前回の事件では私たちも気づかぬうちに工作をし終えていて、その暗躍に気づいている人間すら、そう多くはない。
私の関知しないところで、【狸】の化かしは既に始まっているのかもしれない。

……ダメだ、手掛かりも確証も何もない。


「……チッ」


そう思うとなんだか気が立って、眠る気にはならなかった。





684 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:42:54.41IfDtM3Tz0 (25/31)

-------------------------------------------------
【第1の島:ビーチ】


眠れないままに身を任せて、島を歩いていた。
相変わらず空には全く様相の変わらぬ満月が照り付けており、肌に張り付くような嫌悪感を抱かせた。
夜風に当たれば気分がよくなるなんて、まやかしだと思う。
そうして歩くうちに、自然と足は私をまたあの海岸へと運んでいた。

いつだか、美琴と七草にちかがレッスンをしていた……あの海岸。

もう時計はとっくに十時を回っている。
流石の美琴もレッスンを切り上げて自分のコテージに戻っていることだろう。
そう思っていた。


美琴「……はぁっ……はぁっ……」

(み、美琴……?!)


満月の月光しか明かりのない、暗闇の中で美琴はそのすらりとした手足を相も変わらず振り回していた。
それはダンスの練習というにはあまりにも余裕がなく、自傷行為というにはあまりにも美しいものだった。
シャツは汗で全身にぺたりと貼りつき、息をするたびに全身が浮き沈みを繰り返す。


____はっきり言って、異常だった。




685 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:44:48.58IfDtM3Tz0 (26/31)


ルカ「……バカ野郎!」


気づけば私の体は美琴を無理やりにその場に突き崩していた。
美琴の体はまるで紙のように軽く、無抵抗なままに砂浜に倒れ込んだ。
たった一瞬の接触だったのに、私の手には美琴の汗がべたりと付着した。


ルカ「お、お前……いったい、いったいいつからやってんだよ……!」

美琴「……はぁ……はぁ……」


私の問いかけに美琴は答えない。というよりも、答えることができない。
さっきの今で呼吸が収まっちゃいないのだ。


ルカ「なんで……こんな真似を……お前……」


島に来た時から毎晩のようにレッスンをしていたことは知っていた。
それでも、ここまでのことはしていなかったはずだ。
地に付す美琴の体は引きつり痙攣すらも引き起こしており、水分をまともにとっていないことが一目に見て取れた。
すぐに美琴の口にミネラルウォーターを当てて無理やりにでも流し込む。


美琴「……げふっ!」


呼吸が上がったままの美琴は苦しそうにそれを吐き出した。




686 ◆zbOQ645F4s2022/01/13(木) 23:46:59.11IfDtM3Tz0 (27/31)


ルカ「……おい、美琴……? 何やってんだよ……」

美琴「……はぁ……ルカ、離して……私は、やらなくちゃいけないの……」

ルカ「は、はぁ?! バカ言うなよ……そんな体でこれ以上やったら、お前が死んじまうって!」

美琴「……それでも、やらなくちゃ」


介抱する私の腕を跳ね除ける美琴の力は、異常なまでに強かった。
その細腕のどこにそんな力があるのか、私をそのまま突き飛ばすようにしたかと思うと、すぐに立ち上がってその身を乱暴に捩り始めた。


美琴「……はぁ……はぁ……」

ルカ「美琴……お前、何やってんだよ……!」


その時の光景は、あの日によく似ていた。

私の手から美琴が離れてしまった『あの日』。
あの日も確か、月が嫌味なほどに綺麗に照りついていた。
私の言葉に無機質に返事をして、そのままレッスンを再開した時の美琴の姿。
私がいくら言葉を投げかけても美琴は聞こうとせず、一心不乱に自分の体を無理に動かしていた。