1 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 16:10:56.420JgQDisSo (1/13)

このスレは安価で

乃木若葉の章
鷲尾須美の章
結城友奈の章
  楠芽吹の章
―勇者の章―

を遊ぶゲーム形式なスレです

目標

諏訪から四国への撤退
生き抜くこと。


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2
期間は【2018/07/30~2019/08/14】※増減有

戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%
※ストーリーによってはHP0で死にます

wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに


前スレ

【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【1頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1601649576/
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1608299175/
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1615811898/
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/


2 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 16:28:05.870JgQDisSo (2/13)


陽乃「勇者が女の子かどうかなんて、今更気にしてられるものでもないし」

そんなことを気にしているなら、

筋肉がついてしまうとか、体が傷ついてしまうとか、顔に傷が出来てしまうとか、

そう言ったことを気にして、戦いに対しての積極性に欠けているのではないかと、陽乃は思う。

だからこそ、そんなことを気にも留めないような人が選ばれた。とか。

「じゃぁ、今この場で勇者装束に着替えてって言われても出来ちゃうの?」

陽乃「必要なら、できるけど……」

「えぇっ!? 男の人もいるのに!?」

陽乃「別に関係ないわ」

男性が居ようが居まいが、

陽乃の装束への着替えは、歌野が行っていたような着替えそのものとは形がまるで異なる。

その中身を見ることもできずに終わるので

人がいても関係ないし、

それが外であろうと関係もない。

陽乃「着替えを見ることは出来ないもの。大丈夫」


3 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 16:35:33.640JgQDisSo (3/13)


「見れないって、どういう……こう、一瞬でぱって着替えれるってこと?」

陽乃「そうね」

「……神様技術?」

陽乃「まぁ……そう。でしょうね」

杏達はそうだろうけれど、

陽乃はそうと言ってもいいのかどうか迷う。

本来の四国の勇者たちは、大社が用意した端末を行使しない限り、

勇者装束を身に纏うことが出来ない。

だけれど、陽乃は違う。

その端末がなくても装束に着替えることができるし、

そもそも、その助力をしているのは神様ではなく、大妖怪ともされている九尾だ。

陽乃「だから平気」

「そうなんだ……あ、ですね」


4以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 16:36:48.36Xs9hJNA3O (1/1)

遅れたけど立て乙


5 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 16:54:06.460JgQDisSo (4/13)


些細な会話をとても楽し気にする女子高生

少しだけ怒った様子を見せたり、笑ったり、

心配そうな顔をしたり、驚いた顔を見せたり。

あと少しで表情を全部見ることが出来るのではないかと思うくらいに、感情が豊かだ

このバスが、ただの観光バスだと見紛うほどのそれに、

陽乃は目を細めて、顔を背ける。

陽乃「それで? どうして中に戻った方が良いだなんて言ったの? 何かあった?」

「勇者様、休憩の時も見回りに行ってて全然休んでなさそうだったから……」

陽乃「勇者が休んでいたら、いざというときに対処が遅れるわ」

「それはそうだと思うけど……でも、まだ、私達だって起きてるし」

陽乃「だから?」

「……」

少女は、結んだ唇を少しだけきつくする。

「力は、無いし……戦うことなんてできないけど。でも、見張りくらいは、できると思う……」


1、私が信じられない?
2、見ても平気なの? あの怪物を
3、無理をする必要はないわ
4、結構よ。力を借りる気はないわ


↓2


6以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 17:08:18.151mdYxscRO (1/1)

1


7以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 17:10:12.79nqcSZWHpO (1/1)

3


8 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 17:31:46.330JgQDisSo (5/13)


陽乃「無理をする必要はないわ」

「無理してるのは勇者様の方だよ」

陽乃「見ることが出来る? あの日の光景を」

「……」

陽乃「そのうえで、冷静でいることが出来る? 叫ばず、騒がず、それを見て勇者を呼ぶことが出来る?」

普通の人に、それは無理だと陽乃は思っている。

抗う術のない人々が、

あの日の絶望を思い起こさせるようなものを見て、正常でいられるなんて、そうあることではないと。

でなければ、天恐なんてものを発症することはない。

もちろん、人によって強弱はある。

少なからず発症してしまう人もいるだろうけれど、その割合は決して低くはなかった。

だから、難しい。

陽乃「嫌いなものは嫌い。それと同じように、無理なものは無理で構わないし、それを押し退けてまですることを信用できるほど、私は優しくはないのよ」


9 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 17:49:29.390JgQDisSo (6/13)


無理をしてまで頑張ることを認める人もいることだろう。

それを信じて、託す人だって。

多分、歌野であれば信じたはずだ。

無理をすることを案じるだろうけれど、

その意志があるならと、頷いてくれたかもしれない。

けれど、陽乃は違う。

無理を案じることはあっても

その意志を信じることはない。

結局無理かもしれないと、疑ってしまう。

陽乃「その誰でもできるようなことが、最も命取りになるのよ」

「それは、分かってる」

陽乃「だったら、無理してまでやるべきことではないことも分かってると思うのだけど」


10 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 18:22:02.830JgQDisSo (7/13)


見張りが正しく機能してくれなかった場合、対処が遅れる。

その場合、被害は大きくなってしまうのだ。

最悪の場合、被害が出てから対応が始まることになる可能性だってある。

そうなって、責任は取れるのか。

陽乃は、顔を顰めて息をつく。

責任を取らせる気はない。

被害が出るまで気を緩ませた勇者が悪いのだ。

陽乃「一番大事なことよ。一瞬だって気を抜いてはいけないの。その目が見えればできる。そんな簡単な話ではないのよ」

「でも、だって、そうしたら勇者様はずっと気を張ってるってことで、休む暇なんてないってことで、それは……」

陽乃「私は勇者だもの。その程度でくたびれるほど弱くはないわ」

「でも、勇者様……何度か倒れてるって」

陽乃「それは」

「理由があるとしても、勇者様だって倒れることがある。違いますか?」

陽乃「それは誰だって――」

「そう。誰だって。誰だってそう……だったら、勇者様だって同じじゃないですか」


11 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 18:50:45.230JgQDisSo (8/13)


少女は、隣に座る陽乃に詰め寄っていく。

観光用の大型バスとして作られているこのバスは、

座席は比較的広く大きく作られているけれど、

それでも、隣り合った座席だ。

窓際なら逃げ場もないに等しいので、陽乃は追い詰められるばかり。

陽乃「だとしても――」

「だから、困るんです。休めるときに休んでもらわなきゃ。手伝えることは手伝えって言ってくれなきゃ、嫌なんです」

陽乃が倒れても歌野がいる。

けれど、ここは結界の中ではない。

一般の人々を守ってくれるのは歌野だけになったら、ただでさえ難しことがより難しくなって、

守りきることは出来なくなってしまうことだろう。

「出来ることはしたい。それで、少しでも……安全になるなら。それで、力になれるなら」

外に出てまで、何もできないままでいるのは嫌だと彼女は言う。



1、勝手にしなさい
2、それが出来ることならね。
3、結構よ
4、なるほど、自分の身のためにってことね


↓2


12以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 18:59:06.60Qd0I7x90O (1/1)

2


13以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 19:02:36.68TIPTNNu60 (1/1)

2


14 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 20:13:27.560JgQDisSo (9/13)


陽乃「それが出来ることならね」

「ぅ……」

陽乃「出来ることなら何も問題ないとは思うけれど、出来るとは思えないもの」

「そんなことないよっ」

陽乃「口だけなら何とでも言えるわ」

出来ないことをできると言えるし、

信じていなくても信じていると言えるし、

嫌いでも好きだと言える。

なんとだって言うことは出来てしまうのだ。

そこに結果が伴う保証なんてないのに。

陽乃「実際に惨状を目の当たりにしたのなら……それに、何か嫌なことがあったのなら平常心でいることは出来ないわ」

今平気なのは、バーテックスが表れていないからだ。

歌野が散々頑張ってきたことは見ていただろうけれど、

傷ついて帰ってくる歌野を見ただけで、結界の外でどのようなものが集まり、何が起きていたのか

その目撃をしたわけではない。

陽乃「無理をしてもいいことは何もないわ」


15 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 20:21:48.330JgQDisSo (10/13)


今は平気だからと言って、バーテックスが来るかどうかの見張りをする。

その心意気が悪いとは陽乃も思わない。

けれど、彼女が自分で言っていたように、

それは酷く、気を使う役割だ。

常に緊張感をもって、精神をすり減らしながら対応しなければならない。

バーテックスによる被害を受けたトラウマを持ち、

そして、抗う力のない人々がその役目を担えるとは思えない。

陽乃「病むわよ」

「……でも」

陽乃「他人の為だなんて、高尚な理念は捨ててしまった方が良いわ。世界はもう、変わったのだから」

「だけど、勇者様はみんなのことを守ってくれているじゃないですか」

陽乃「それは白鳥さんであって私ではないわ」

「今だって、私たちのことを考えて……」

陽乃「ないわ」


16 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 20:22:21.230JgQDisSo (11/13)

少し中断いたします

再開は21時半ころから


17以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/04(土) 20:29:09.90fbNRB8NoO (1/1)

一旦乙
女子高生の人のヒロイン感すごいな


18 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 22:53:55.520JgQDisSo (12/13)


陽乃「悪いけれど、考えてないわ」

「ううん……勇者様は考えてくれてる。だって、そうじゃなかったら、おばあちゃん達を置いていくのを癒そうな顔しなかったはずだよ」

陽乃「余計な隙を与えることになったからよ。それ以上でも以下でもない」

勇者を責める口実

いや、陽乃個人を責める口実とでもいうべきか

それを与えることになってしまったからだと陽乃は言うが、少女は首を振る

「私達が見てきたようなことを、勇者様だって見てきたはずだよ」

陽乃「だから?」

「私達よりもずっと、立ち向かう怖さを知ってると思う」

あの化け物が降り注いだあの日のできごと

良いことなんて、生きているくらいしかなくて、

何もかもが悪いことでしかなかったあの日

そこからの3年間は、生きながらえたことを喜べるのなんてほんの一握りで、不安ばかりだったことだろう。

そして勇者はそれを、最前線で見てきたのだろう。

なまじ抗う力を得られてしまったばっかりに、

辛い役目を押し付けられて、責任を負わされて、

怖くても不安でも何があっても自分だけが助かればいいと、逃げ出せるようなものではなかったはずだ。

「勇者様には戦う力があるけど、でも、それだけ。だよね? それ以外は、私達と同じはずだよ」


19 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/04(土) 23:32:42.660JgQDisSo (13/13)


「私は怖い、不安でもある。諏訪にいた時も、今も。ずっと不安で、怖いよ」

彼女は、小さく笑う。

それを恥じるでもなく、堂々としているように感じる表情だ。

「だって、仕方がないじゃない、あんな化け物が襲ってくるんだから」

陽乃「……そうね」

「でも、私達はただ逃げればいい。怖いって言って、助けてって叫んで、一心不乱にそこから逃げ出せばいい。そうしたら、勇者様が助けてくれるから」

彼女は不快そうな表情を浮かべる。

彼女達には、誰かを助ける力はないし、

自分自身の身さえ守れるほどの力がない

けれど、勇者は違う。

そして、そのたった一つの違いから、全てを委ねられる。

「けど、勇者様は違うと思う。怖いって言えないし、一目散に逃げだせるわけでもない。それどころか、立ち向かわなきゃいけない」

その怖さは分からないと、彼女は首を振る

不安も恐怖も緊張も、何一つ……きっと、分かると言ってはいけないと思うとさえ、言う。

「そんなの、あんまりだと思わない? 理不尽だって思わない? 私だったら思っちゃう」


20 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 00:18:15.43NJeaNZcOo (1/30)


私だったらね。と、繰り返すように言う彼女は、

申し訳なさそうな笑みを零しながら、陽乃を見つめる。

「勇者様……久遠さんは違うかもしれない。そうじゃないかもしれない。でも、だとしたらそれは、誰かを助けたいから勇者になったってことでしょ?」

むしろ、そうなりたくて自ら望んだのであれば、

勇者にされたのではなく勇者になったということだし、

そしてきっと、それは誰かを助けるためだろう。

「自分だけを助けようって人が勇者になんてなれないって私は思う」

3年間で、心変わりをした可能性もあるだろう。

でもだとしたらそれこそ、理不尽な何かがあったからで、

本来は自分ではなく誰かを助けようとしていた勇者という名に偽りのないものだったはずで。

陽乃「そうとは限らないでしょうに」

「そうだけど、でも、私の知ってる勇者様はそうだった」

彼女の知っている勇者というのは、歌野のことだろう。

「私達は、ただ助けてもらうばかりじゃいけないと思う。戦う以外の、努力でどうにかできることはするべきだって思う。トラウマを乗り越えるのだって、その1つなんだよ」

彼女はそう言って、自分があまりにも恥ずかしいことを言っているとでも思ったのか、

熱くなりすぎちゃったけど。と、照れくさそうに笑って。

「戦えないけど、頑張れることは頑張りたいから……だから、手伝ってって一言言ってくれたら私は何だってするよ」


21 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 00:31:33.51NJeaNZcOo (2/30)


√ 2018年 9月8日目 夕:移動②

↓1コンマ判定 一桁

2 7 8  バーテックス

22 88 進化型①
  77 進化型②


22以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 00:32:10.19BMRe69x1O (1/1)




23 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 00:49:20.05NJeaNZcOo (3/30)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから


24以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 01:14:18.07ntIVbYIUO (1/1)


不意にくる判定でドキドキする
どれくらいでつくのかな


25以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 03:59:54.504jxM10o2O (1/1)


一般人である女子高生の言葉が暖かくて精神的に助かるなぁ


26 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 13:49:34.06NJeaNZcOo (4/30)

では少しずつ


27 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 13:51:25.87NJeaNZcOo (5/30)


√ 2018年 9月8日目 夕:移動②


陽乃「やっぱり……」

まだ出発してから半日程度。

休憩もはさんでいるし、バスをゆっくりと走らせているというのもあって、

まだ、長野を出てさえいない。

そんな中でも、休憩は取らなければならない。

歌野「今、どの辺りかしら」

陽乃「運転手が言うに、岐阜との県境まで約半分……ほら、木曽町って書いてあるでしょ」

近くの、半ばでへし折れた電柱に付けられていた、どこかのお店の案内表示

そこに書かれている町名だ。

陽乃「岐阜までは……」

陽乃達に取ってはなじみの薄い、紙媒体での地図

検索欄に文字を打ち込むだけで検索してくれるわけではなく、

索引などを使ってようやく見つけた木曽町の付近を指さす。

歌野「まだまだ先は長いわね」

陽乃「そうね。ただ、バーテックスがまるで出てこないのが少し気がかりだわ」


28 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 14:19:18.74NJeaNZcOo (6/30)


歌野「四国の襲撃に向かったのかしら」

陽乃「その可能性が高いけど、伊予島さん達を追いかけた可能性もあるし、集結して進化型に変わってるのかもしれない」

どちらにせよ、

良い話とは言えないことだろう。

一般人を連れている陽乃達が襲撃を受けるのも良くないことではあるけれど、

それが一切ないことも、勇者としては良いとは言えないのだ

歌野「進化型……」

陽乃「白鳥さんも、丸いバーテックス以外の形も見たことはあるのよね?」

歌野「え、ええ。まぁ……1度だけだけど」

陽乃「それのもう一つ上の段階、場合によっては完成型のバーテックスが出てくる可能性もあるわ」

歌野「……私一人では対応できそうにないわね」

陽乃「心配しなくても、私でもできるとは思ってないわ」


29 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 15:03:34.72NJeaNZcOo (7/30)


進化型ならともかく、完成されたバーテックスに自分の力が今まで通りに通用するとは思ってない。

多少であれば、効果はあるだろうけど、

一撃で屠れるかと言われれば、無理だと言っておきたいところだ。

陽乃「正直、未知数なのよ」

歌野「そうね……」

陽乃「邪魔がなければ一度くらい戦っておきたいところだけど」

歌野「その時は、私もちゃんと呼んでね」

陽乃「少なくとも、四国に着くまでは縁のない話でありたいわ」

物量で押しつぶされるのも困るけれど、

完成型に遭遇するというのも、嫌な話だ。

その場合、下手に逃げ惑って、広範囲攻撃で丸ごと消し炭にされる可能性もある。

いや、そんなものがあったとしたら、逃げても逃げなくても同じだろうか。

歌野「なんか、嫌な予感がしたのは私だけかしら」

陽乃「そうでしょうね」


1、杏達について
2、2号車の状況
3、見回りに行く
4、人々のところへ
5、水都のところへ


↓2


30以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 15:06:55.62wa2LdAoT0 (1/5)

1


31以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 15:07:20.01sRF9UJ4xO (1/1)

1


32 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 15:46:28.62NJeaNZcOo (8/30)


陽乃「伊予島さん達、どこまで進んでいると思う?」

歌野「そう、言われても」

歌野は難しい顔をして、地図を見つめる。

小さく描かれている日本地図。

それで見れば、四国までの道のりはあっという間に見えるが、見えるだけだ。

歌野「正直、伊予島さん達だけならついていてもおかしくないのよね」

陽乃「そうね」

けれど、昨日の時点でまだ到着していなかった。

約1週間、それはあまりにも長い時間だ。

一般人を率いている陽乃達だって、

バスで移動しているのなら、四国に辿り着くことは可能かもしれない時間だ。

歌野「勇者の足なら、1日でどこまで行けるかしら」

陽乃「私なら半日で着くけど」

歌野「でも、普通なら2日3日……でしょ? 警戒してゆっくり移動したり、何かがあって時間が余計にかかっても、1週間もかからないと思う」


33 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 16:20:15.49NJeaNZcOo (9/30)


そこには陽乃も同意する。

かかっても、5日程度だったはずだ。

なのに、それを超過している上に、四国への襲撃の開始。

気にしすぎだとは思うけれど、

何かがあって四国にたどり着けない状況にあるというのが陽乃達の考えだ。

歌野「とはいえ、ここに立ち寄った様子はなさそうだわ」

陽乃「あの子たちなら、私達みたいに何もない状態なら、岐阜……愛知にまで入ってる可能性はある」

歌野「途中で休憩を挟んでも?」

陽乃「立ち止まって休憩というより、速度を落として休みながら移動すると思うわ」

正直に言えば、立ち止まっての休憩はリスクが生じる

今回はバス移動であり、

ずっと座ったままというのも逆に酷なために、外に出て休憩する必要があるが、勇者にはその必要はない。

とすれば

陽乃「1日でここまで来ているかもね」

愛知県の、やや北部

その部分を指さした陽乃は、目を細める

この速度差を考えると、追いつくことはまず不可能だ


34 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 16:52:24.21NJeaNZcOo (10/30)


歌野「今日、着いてると思う?」

陽乃「さぁ? そうだと良いけど」

残念ながら通信手段がないため、

杏達が向こうについていても分からない

襲撃を受けていても分からない。

たどり着いていればいいが、

1週間で到着していなかったのだから、

今日もまだ、到着できていないことを前提としておいた方が良いだろう。

下手に楽観視していると、

そうではなかった時、傷つきやすいからだ。

陽乃「ひとまず、現状ではこのルートを通る予定だから……道中で戦闘の形跡があるかを確認しましょ」

歌野「そうね……あと、休憩場所は」

陽乃「そこは何か確証がない限り時間通りで良いと思うわ。じゃないと、都度止めることになるから」

何時間走ったら休憩する、基本はそれで変わらない。

何か異常が有ったり、杏達がいると確証があったときくらいしか、特例は必要ない。

歌野「2人に会えるかしら」


35 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 17:16:56.82NJeaNZcOo (11/30)


陽乃「この調子では、難しそうね」

正直に言ってしまうと、無理だ。

諏訪から四国まで向かうルートはいくつかある。

一応、このルートで行くと事前に決めていたものはあるし、

陽乃達は杏達の決めたそのルートを可能な限り負うようにしているが、それだけ。

バーテックスから襲撃を受けたりして、ルート変更するのはあることだ

それがどこで行われたのか

その手掛かりになるのが、戦闘痕やバーテックスの存在だ。

その地点から、ルートが変わっている可能性がある……けれど、

それがまるで見られない。

だから、情報がない

だから、会える可能性も皆無。

陽乃「主要な大きい施設か、病院があったら立ち寄ってみましょ」

今も薬などが使えるとは思えないが、

贅沢は言っていられないと、清潔そうな包帯などを取りに行っているかもしれない。

歌野「そう、ね。そうしましょ」


36 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 17:17:50.38NJeaNZcOo (12/30)


↓1コンマ判定 一桁

1,4,9 追加イベント

※それ以外は終了


37以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 17:20:37.56Ajjo6uYtO (1/2)




38 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 17:42:40.77NJeaNZcOo (13/30)


√ 2018年 9月8日目 夜:移動①

↓1コンマ判定 一桁

1 5 0 バーテックス
   2 戦闘痕

11 55 進化型①
  00 完成型


39以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 17:43:33.71wa2LdAoT0 (2/5)




40 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 17:49:04.83NJeaNZcOo (14/30)


規模判定

↓1コンマ

01~00 ※低~高

※進化型はなし


41以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 17:51:40.96Ajjo6uYtO (2/2)




42 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 18:02:04.64NJeaNZcOo (15/30)

√ 2018年 9月8日目 夜:移動①


『主様!』

陽乃「っ」

夜になってからも、屋根上に留まっていた九尾の大きな声が響く。

急いで窓側から身を乗り出し屋根に上がっていくと、

人の形をしている九尾が進行方向を指さして、目を細める。

九尾「このままいけば、あの群れに囲まれることになるぞ」

陽乃「……良く見えるわね」

あの群れと言われても、

陽乃には点々とした、それこそ星のようにしか見えない

だが、目を凝らせばそれがうようよと漂い、生き物のように動いているのが分かる。

それは間違いなく、バーテックスだ。

九尾「主様と白鳥歌野ならば、あの程度なら蹴散らすこともできるやもしれぬが、避けるのが得策じゃろうて」

陽乃「そう……」


43 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 18:09:27.94NJeaNZcOo (16/30)


勇者しかいないなら気にすることはないし、

四国襲撃の知らせも来ているから、

あれらを掃討して少しでも数を減らしていくというのは間違いではない

けれど、今は一般の人々がいる。

仮に、彼らをどこかに隠れさせ、勇者だけで行くとしても、

護衛の一人も置かずに行くわけにはいかないため、

歌野か陽乃のどちらかだけで戦うことになる。

陽乃「あそこに伊予島さん達がいる可能性は?」

九尾「ふむ……ないとはいえぬが、可能性は低かろう」

見れば、完成型どころか進化型もいないと見える。

であれば、留まっていては摩耗するだけだろうし、

杏達なら突破は可能なはずだからだ。

陽乃「なら……」

九尾「生存者はいるかもしれぬぞ。結界はなくとも、上手く息を潜めていたやも知れぬ」

陽乃「っ」

陽乃はゆっくりとバスを止めるように指示を出して停車させると、

2号車の方から降りてきた歌野を手招きする。


44 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 18:15:59.68NJeaNZcOo (17/30)


歌野「……なるほど」

他の人々には聞かれないように、バーテックスの群れがいることを歌野に伝え、

それが進行方向であること、そこに杏達がいる可能性は低いが、

生存者がいてもおかしくはないことを話す。

ここからルートを逸れていけば、

あの群れに害されることはないかもしれないが、

大きく逸れることになるだろう。

歌野「生存者がいるなら、救ってあげたい……けど、ここにいるみんなを危険には晒せない」

陽乃「でしょうね。ルートを変えるのが得策だわ」

歌野「けれど、それで良いと言えるかしら。あそこに誰かがいる可能性があって、それを無視したとしたら、私達は、胸を張って勇者と言えるかしら」

陽乃「私は言う気ないけど」

自分が勇者だなんて、胸を張って言えないのは百も承知

そもそも、そんな肩書なんて捨てられるなら捨ててしまいたほどだ。


1、助けたいの? 助けたくないの?
2、いない可能性もあるんだから、気にすることはないわ
3、1人ここに残って、1人戦いに行く。そんな名案もあるのだけど
4、良いじゃないそれでも。勇者だって、救えないものくらいあるでしょう


↓2


45以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 18:35:33.90wa2LdAoT0 (3/5)

3


46以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 18:36:42.862VQaoovdO (1/1)

3


47 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 19:28:53.70NJeaNZcOo (18/30)


陽乃「1人ここに残って、1人戦いに行く。そんな名案もあるのだけど」

歌野「そんな!」

陽乃「普通なら思いつかないいい案だと思わない?」

歌野「普通なら考えないわ!」

茶化すような笑い声を零す陽乃に、歌野は少し強い語気で否定する。

ほんの数匹程度なら考えることもあるだろうが、

群れ……大群と言われるほどの数を相手にそれはただの自殺行為でしかない

普通であれば考えもしないことだろう。

歌野「久遠さんは人を救う気なんてないんでしょう? 自分が大事なんでしょう? なのにどうして」

陽乃「そんな考えがあるのかって?」

陽乃は見透かして答え、また笑みをこぼす。

陽乃「物語に登場する勇者は、得てしてそういうものだからよ。身を粉にして、誰かを助けようとしてくれる」

自分はそうなる気はないと陽乃は首を振って。

陽乃「貴女はどうなの? 白鳥さん」

歌野「私は……」

陽乃「私に、彼らを守って欲しいとお願いをして一人で戦いに行く? それとも、私に行って欲しいってお願いをする?」


48 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 19:41:48.11NJeaNZcOo (19/30)


歌野「……行って欲しいなんてお願いは、したくない」

陽乃「なら、行く?」

自分も勇者なのに、

陽乃を死地へと送るなんて、あまりにもあんまりだ。

もちろん、陽乃なら何とかしてくれるという信頼はある。

けれど陽乃の力は自分自身をも傷つけてしまう諸刃の剣

使い過ぎれば、倒れてしまう。

歌野「……あそこに生存者がいるかもしれない」

陽乃「ええ」

歌野「だったら」

歌野はゆっくりと目を閉じて、そして、息をつく。

歌野「私が行くわ」

陽乃「無事では済まないわよ」

歌野「だとしても、みんなを置いていけないし、それに、久遠さんの力は温存しておきたいわ」


49 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 19:59:40.62NJeaNZcOo (20/30)


生存者がいる可能性がある以上は放置できない。

かといって、一般人を連れていくことは出来ないし、

だからと言って、2人しかいない勇者が2人ともバーテックスの群れに突っ込むわけにもいかないだろう。

そして、陽乃は完成型や進化型にも有効な力を持っている。

それを大群だからと言って通常のバーテックス相手に消費してしまうのは勿体ない

――と、考えているのだろう。

歌野「生存者がいるなら助けたい。いなかったとしても、あの大群は放置できない」

だから、私が行く。と、

歌野は覚悟を決めている。

2人で行くのは無理だ。それは絶対である。

今この周囲にバーテックスの気配は感じられないが、

だからと言って絶対に安全とは限らないからだ。

2人が居ない間に襲われでもしたら、ひとたまりもない。


1、良いわ。行ってらっしゃい
2、だったら藤森さんを説得することね
3、でも残念ね。あそこに一番早くたどり着けるのは、私なのよ
4、貴女は、勇者なのね

↓2


50以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 20:02:51.67edM7AYJSO (1/2)

4


51以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 20:03:16.60wa2LdAoT0 (4/5)

3


52 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 20:34:25.31NJeaNZcOo (21/30)


陽乃「でも残念ね。あそこに一番早くたどり着けるのは、私なのよ」

歌野「久遠さん?」

陽乃「貴女が、私を温存したいとしても。貴女があの場所にいるとも限らない生存者を救いたいのだとしても」

困惑する歌野の隣で、陽乃は素知らぬ顔で続ける。

陽乃「貴女は、ここに置いて行かれてしまうのよ」

歌野「何を言って……」

陽乃「悔しかったら力をつけることね。その理想を貫き通したいのなら、文句を言わせないほどに強くね」

陽乃は困ったように言って、歌野の体をぐっと押し退ける。

陽乃「九尾!」

九尾「阿呆め!」

どこからともなく、現れる九つの尾を持つ大きな狐。

陽乃に寄り添うように現れたそれを見てしまった人々は悲鳴をあげたり、腰を抜かしたりとやや阿鼻叫喚となって

陽乃はため息をつき、顔を顰めて歌野に微笑む。

陽乃「私は狐だから、跡を濁していくわ。フォローしておいてね」

歌野「待っ――」

歌野をその場に残し、

九尾の力を借りて陽乃は全速力で大群の方へと向かう。

生存者を救いたいのなら、少しでも早くたどり着ける手段を講じるべきである。

ならば最も最良なのは、陽乃が向かうことに他ならない


53 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 20:57:08.98NJeaNZcOo (22/30)


九尾「主様は救いようのない人間じゃのう」

陽乃「最も確実な手段を取るだけ」

九尾「それが主様が無駄に力を使うことだと?」

陽乃「私は、白鳥さんの力を信用していない。無事で済むとは思えない」

だから。と、陽乃は九尾の首元にしがみついて振り落とされないようにする。

陽乃「私はこんな無駄なことに勇者の1人を使う気はないのよ」

陽乃なら、確実に屠ることが出来る

例え、大群が集結して進化型になったりしてもだ。

陽乃「貴女だって、力を貸してくれるもの」

九尾「……どうなっても知らぬぞ」

陽乃「結果なんて、出てからでしかわからないものだわ」

屁理屈だ。

九尾はやや不満げに鼻を鳴らしたものの、
それ以上は何も言わずに、バーテックスの大群へと向かう。


54 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 21:23:10.20NJeaNZcOo (23/30)


バーテックスの群れがいるのは、比較的都市部に近い住宅街

多くの建物が無残に崩れ落ちているが、

まだどうにか残っているものも多いといった状態。

人が手を入れているような様子は見られない。

生存者はやはり、いないのかもしれない。

九尾「主様!」

陽乃「分かってる――わよっ!」

九尾の声に引きはがされるような形で飛び降りた陽乃は、

その勢いを残したまま、道路を転がって、

半分崩れた外壁を足場として跳び上がり、向かい来る一匹のバーテックスを殴り飛ばす。

陽乃「来たからにはやるわよ」

九尾「主様……」

怪訝な声を漏らす九尾を横目に、陽乃は息を吐く。

多勢に無勢。

バーテックスは目視できる限りを埋め尽くしかねないほどだ


1、九尾の力
2、イザナミの力


↓2


55以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 21:26:40.59edM7AYJSO (2/2)

1


56以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 21:28:32.89oeJuKuLuO (1/2)

1


57 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 21:51:54.83NJeaNZcOo (24/30)


陽乃「貴女の力を貸して頂戴」

九尾「妾では力不足やも知れぬが」

陽乃「問題ないわ。貴女が戦うんじゃない。貴女の力で私が戦うんだもの。力は十分よ」

九尾「くふふっ、口先だけではないと見せて欲しいものじゃ」

イザナミ様の力を使えば一瞬だけれど、

あれはハイリスクだ。

神様の力を借りている今の陽乃でさえ、

気を失ってしまうほどに。

だから正直なところ、あれは使いたくない

白黒の巫女装束めいた衣装

それを一瞬にして身に纏った陽乃は深く、息を吐いて。

陽乃「さぁ、おいで」

陽乃はバーテックスへと挑発するように、手を向ける。

陽乃「憂さ晴らしさせて貰うわ」


58 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 22:07:13.61NJeaNZcOo (25/30)


↓1コンマ判定 一桁

01~10 無傷 全滅
11~20 軽傷 全滅
21~30 軽傷 
31~40 無傷 全滅
41~50 中傷 全滅 ※特殊
51~60 無傷 
61~70 軽傷 全滅
71~80 軽傷
81~90 無傷 全滅
91~00 無傷

※全滅ではない場合は、もう一度判定


59以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 22:08:24.10wa2LdAoT0 (5/5)




60 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 22:34:21.35NJeaNZcOo (26/30)


『憂さ晴らしかや?』

陽乃「そうよっ!」

九尾の問いに答えながら、

また一体のバーテックスを蹴り飛ばす。

陽乃「バスで散々絡まれちゃったから」

バーテックスは、無数と呼べるほどの数がいる

これらがすべて集まれば進化型になるのか、完成型になれてしまうのか

いずれにしろ、脅威になる。

だから――

陽乃「八つ当たり」

陽乃を食い殺そうと集まってくるバーテックスを容赦なく殴り、蹴飛ばし、踏みつぶして、

地面へと叩き落していく。

陽乃の力はバーテックスに対して特効で、その体を一撃で粉砕させてしまう。

ただの白餅なら、本当に容易い敵だ。


61 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 22:54:48.14NJeaNZcOo (27/30)


陽乃「九尾! 力を少しだけ大きく使うわよ」

体の中に満ちる、九尾の力を体の外側へと広げていき、

それと合わせて、右手に流し込む。

目に見えない力をかき集めた握り拳

開けばすべてが抜けて行ってしまうのではと思っているかのように固く握り込んだ手は、

血が流れそうなほどで。

陽乃「ふぅ……」

息を吐く。

握り拳を解いて、力を抜く。

陽乃に襲い掛かろうとしていたバーテックス達が軒並み、動きを止めて引き返す。

目には見えないけれど、

その肌……と言っていいのかは分からないが、

その表面に感じるものがあるのだろう。

だけれど、離れたところで……だ

陽乃「来ないのなら、私から行くわよ」


62 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 23:29:06.70NJeaNZcOo (28/30)


力強く地面を踏みこむ。

ひび割れたアスファルトが砕け散り、陽乃は射出されたように跳びあがって、

拳が、バーテックスを射ち貫く。

その勢いは止まることなく複数のバーテックスを吹き飛ばし、

頂点に逃げていたバーテックスを足蹴にして、

今度は大地めがけて雷のように、落ちる。

勢いよく道路を転がり、

跳びあがって、もう一度。

その身を銃弾として――バーテックスの軍勢を屠る。

力の消耗は激しいが、

イザナミの力を借りるほどの疲労は感じない。

何より、ちまちまと殴る蹴るよりはずっと、楽だ。

『主様、加減を怠るでないぞ』

陽乃「問題ないわッ!」

息を吐く。

体が熱を帯びている。

けれど大丈夫だ。意識ははっきりとしている

陽乃「あと1回……ううん、2回。それで片が付く!」


63 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 23:43:15.62NJeaNZcOo (29/30)


周囲のバーテックスを殲滅した陽乃は、

バーテックス以上に陽乃が叩き割ったでこぼこのアスファルトの上で、膝をつく。

陽乃「はっ……はぁ……っ、けほっ、けほっ」

燃え尽きそうな体の熱がゆっくりと引いていく。

一時的に爆発するかもしれないとさえ思ったけれど、

どうやら、死なずには済みそうだ。

九尾「無茶をする」

陽乃「無茶ではないわ。使える力を使っただけよ」

ちょっと、見誤ったけど。と、

陽乃は苦笑して、肩の辺りを払って立ち上がる。

疲労感はあるが、体にダメージはないし、

血を吐いたり、意識を失いそうな感覚もない。

陽乃「バーテックスは?」

九尾「ここにはもうおらぬ」

陽乃「そう。よかった」

戦闘前に残っていた建物は傷つけないように戦った。

生存者がいたなら、きっと、無事なはずだけれど。


64 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/05(日) 23:49:50.44NJeaNZcOo (30/30)


↓1コンマ判定 一桁

2、5、7 生存者あり

ぞろ目 特殊


65以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/05(日) 23:51:18.14oeJuKuLuO (2/2)




66 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/06(月) 00:00:26.23nY+Yos2So (1/2)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/06(月) 00:07:38.46wvQw7LlUO (1/1)


陽乃さんがここまで圧倒的な強さだと戦闘は陽乃さんに任せてうたのんは護衛に専念すればむしろ安全な気がしてきた
あとは杏たちと何処で合流できるかだな


68以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/06(月) 00:12:32.26QzdW+t1OO (1/1)


生存者はいなかったか……


69 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/06(月) 23:58:38.85nY+Yos2So (2/2)


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


70以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/07(火) 06:01:21.40ek79amnvO (1/1)




71 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 21:39:25.884iCFVrHUo (1/7)

では少しだけ


72 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 21:44:09.514iCFVrHUo (2/7)


バーテックスが狙い定めているように見えた民家に、人はいなかった。

周辺の建物にも人の気配はなく、

バーテックスは殲滅済みだからと、人がいるかどうか少し大きな声をかけてみたが、

返事はなかった。

九尾「無駄足じゃな」

陽乃「アレが集まって完成型にでもなられたら厄介だったし、無駄ではないわよ」

あえて嫌味を言っただけで、

そのくらい分かっているだろう九尾には見向きもせず、陽乃は民家の一室の扉を開く

生存者は、いない。

けれど、いたのだ。生きていた人は。

部屋の中に " いる " それらに目を向けて、腰を下ろす。

陽乃「辛かった? 苦しかった? 悔しかった? それとも……最期は、幸せを感じられた?」

いくつか欠落し、床に散らばっている2人分の生きていた証。

陽乃はそれを1つ1つ、丁寧にまとめながら、声をかける。

九尾「主様、何をしておる」

陽乃「見つけちゃったし、せっかくだから埋葬してあげるのよ」

九尾「ふむ……そうか」


73 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 22:19:58.804iCFVrHUo (3/7)


陽乃「何? 不満?」

九尾「いいや、主様がそうすべきと思うのならば構わぬ」

陽乃「……そうすべきと思う。わけではないけど」

霊感なんて常人には眉唾な感覚を多少持っていると自覚する程度には気配に敏感だが、

別に、ここで放置したからってこの人たちが化けて出るなんてことはないだろう。

むしろ、こうして2人の領域に足を踏み入れたことに対しての恨み言が囁かれてもおかしくない。

けれど、いくつかの骨が欠落していることから察するに、

息絶えた後、まだ残る血肉を荒らしに来た何かがいる。

それらがまた来ることはないと思うけれど、そんな場所に置き去りは、気分が悪い。

陽乃「神社の娘としては、どうにかしたいと思っちゃうのよ」

九尾「念仏でも唱えるかや?」

陽乃「冗談止めてよ」

適当なことを言う九尾を睨んで、

集め終えた骨を持ってゆっくりと立ち上がる

陽乃「庭に埋めるわ」

九尾「あまり時間かけると、より強く叱られるぞ」

陽乃「分かってる……それと、ここの家主に化けないで」

写真でも見たのだろう。

見知らぬ人の姿をしている九尾に一言言って、陽乃は埋葬するために庭へと向かった。


74 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 22:34:26.584iCFVrHUo (4/7)


民家の庭先に、綺麗に包んだ遺骨を埋める。

様々なことが不本意だったとは思うけれど、

これで少しは、救われるだろうか。

陽乃「……はぁ」

九尾「くふふっ、滅入っておるのう」

陽乃「別に、白鳥さんが明らかに怒ってるとか、そういうのはどうでもいいのよ」

これだけの距離が離れていると、

さすがに、心の声が伝わってくることはないようだが、

その感情はひしひしと伝わってくる

だが、陽乃のため息の理由はそれではない。

陽乃「貴女とは言え、使えばやっぱり疲れたのよ。血の味はしないし、まだ意識があるし、大丈夫ではあるけど」

九尾「ふむ……体に異常がないならば問題はなかろう。じゃが、あの規模を連日続ければ」

陽乃「分かってるから」

イザナミ様の力を借りるよりはずっと燃費がいいけれど、

それでも力を使い過ぎれば、負荷が蓄積していくことになる。

九尾「言う必要はないと思うが、休んだ方が良かろう」

陽乃「言われなくても、休まされるでしょうね」


75 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 23:10:36.174iCFVrHUo (5/7)


九尾の力をもう一度借りて戻ると、

バスは元の場所から動いてはおらず、エンジンもかかってはいなかった。

歌野「久遠さん!」

バスの屋根で周囲を警戒していた歌野が陽乃に気づき、叫ぶ。

陽乃「そんな怒鳴らなくたって、聞こえるから」

歌野「どうして、久遠さんはそうなの!? 助けに行ったりしないって様子だったのに、急に……」

陽乃「貴女に何かあったら私が恨まれるじゃない。嫌よ。私、逆恨みとかそういうの」

かなり心配していたといった様子の歌野に対して、

陽乃は飄々と答えて、小さく鼻で笑う

陽乃「適材適所だったと思うけど」

歌野「久遠さんってば、もう……」

彼らは元々諏訪の住民だ。

長年守ってくれていた歌野の方が、傍にいて心強く感じられるはずである。

歌野「だとしても、あんまりだわ……あんな、さも自分は行かないみたいな口ぶりだったのに……」


1、生存者はいなかったわ
2、何もなかったんだからいいじゃない
3、行かないとは言ってないし、貴女が遅いのよ
4、こっちは何もなかったの?
5、何も言わない


↓2


76以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/07(火) 23:13:47.50yLtU39W7O (1/1)

1


77以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/07(火) 23:14:25.342Qtpewtv0 (1/1)

2


78 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 23:31:46.494iCFVrHUo (6/7)


陽乃「何もなかったんだからいいじゃない」

歌野「なにもって……」

陽乃「ほら、怪我もないし」

生存者もいなかったけれど、それはそもそも可能性の低い話だった

だからあれだけの大群を相手に無傷で帰ってきただけで十分ではないかと、陽乃は誤魔化す。

歌野だってそれなりに戦える。

もしかしたら同じように無傷で生還できた可能性もある。

けれど、そうではなかった可能性もあるのだ。

陽乃「良かったとは言いたくないのかもしれないけど、悪くはなかったでしょ」

歌野「だとしても……危ないことは止めて」

陽乃「貴女がしようとしていたことなのに?」

歌野「それは……でも、あれじゃ話し合う意味がなくなっちゃうわ」

陽乃「確かにね」

陽乃は頷いて、逡巡する。

陽乃「次からは善処するわ」


79 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/07(火) 23:32:44.054iCFVrHUo (7/7)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


80以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/07(火) 23:47:58.83hIjGEGxPO (1/1)


とはいえ行きの時よりは力の消費は少なくなってるみたいだな
まだ諏訪の神様の補正が残ってるのだろうか


81以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/08(水) 01:41:07.22X20CRiBKO (1/1)


まあまだ先は長いしな
うたのんに頼ることもあるよ


82 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/08(水) 22:31:22.82yepGYjRpo (1/5)

では少しだけ


83 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/08(水) 22:36:39.32yepGYjRpo (2/5)


歌野「絶対よ? 本当、お願いね」

歌野は心配そうに言って、陽乃の手をぎゅっと握る。

バーテックスを殴り飛ばしたり、

朽ちた建物の一部に触れたりとして汚れてしまっているそれを、

歌野はごしごしと拭って。

歌野「向こうではともかく、ここでは久遠さんも大切に思われてるんだから」

1人で無理している姿を見て、

それが当たり前だなんて思われたりしないし、

そうする責任があるだなんて言われたりしない。

むしろ、そこまでしないでと……断られることもあるだろう。

水都「陽乃さん!」

陽乃「うっ……」

バスから降りてきた水都の、怒鳴るような声

後退りしようとした陽乃の手は歌野が掴んでいるので、逃げられない

水都「今度は、私も一緒に1号車に乗りますっ!」


84 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/08(水) 22:57:26.99yepGYjRpo (3/5)


陽乃「別にその必要は――」

水都「陽乃さんがなんて言おうと、乗ります」

サポートが私の役目なのでと水都は陽乃を見つめる。

出てきたときと比べれば落ち着いて感じる声色だが、

表情には強い不服が表れているので、怒ってはいるのだろう。

歌野「目を離したら、また、勝手にどこかに行っちゃいそうだから」

苦笑いを浮かべる歌野

それとは対照的な表情で詰め寄ってくる、水都

陽乃は歌野に掴まれたままの手を振って、振りほどこうとするが、

存外に、歌野の力は強い。

歌野「農作業で鍛えたこの握力、久遠さんでも簡単には振り解かせないわ」

陽乃「そういうのは農作業にだけ使って頂戴……」

歌野だけでなく、水都にも捕まってしまった陽乃はため息をついて肩を落とす。

本気で振り解こうとすればどうにかなるだろうけれど

陽乃「やることはやったから、逃げないわよ」

諦めて、肩の力を抜く。

逃げ出したい気分ではあるが、それで状況が好転するわけではないのだ


85 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/08(水) 22:59:20.09yepGYjRpo (4/5)


√ 2018年 9月8日目 夜:移動②

↓1コンマ判定 一桁

2 8 バーテックス
  5 戦闘痕

22 進化型①
88 完成型


86以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/08(水) 23:01:09.41cjcauO++O (1/1)




87 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/08(水) 23:37:27.46yepGYjRpo (5/5)


√ 2018年 9月8日目 夜:移動②


夜、人工的な光がすべて失われた真っ暗な世界を、バスのライトが照らす。

みんなが寝静まるような時間になっても運転手を交代しただけでバスは走り続ける。

そうしなければ、一向に四国にたどり着かないし、

同じ場所に長く留まれば留まるほど、襲撃を受ける可能性が高まってきてしまうからだ。

陽乃「ねぇ、ちょっと……席は余ってるんだから移動したら?」

時折、がたりと揺れる静まり返ったバスの中に、陽乃の小さな声が漏れる。

すぐ隣にいる水都

そして、最初から隣の席だった女子高生の二人からは、首を横に振られてしまう。

わざわざ、補助席まで引っ張り出しての3人席

何が妥協なのか

本来は窓際だったはずの陽乃が真ん中で、その両隣を2人が陣取っている形だ

水都「目を離したら、どこか行きそうなので」

陽乃「この状況でどこに行くって言うのよ……」

「バスの屋根上とか」

陽乃「……」


88 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 00:02:24.27lzF7Z55Eo (1/8)


窓から出て行こうとしたり、逆に乗り込もうとしたり。

何でもありだという女子高生に、

水都も「陽乃さんはあんまり自分を大切にしてくれないんです」と、知ったように言う。

その言い方はあんまりだ……なんて、陽乃は思わない。

残念でもなく、間違っていないのだ。

陽乃「窓から出た方が効率良いじゃない」

水都「……」

「……」

陽乃「2人して見つめてこないで」

あり得ない。と、

口にはせずにじっと見つめてくる2人

向こうでなら、忌避されるだけだった陽乃としては、

この距離感は、気味が悪くも感じてしまう。

2人が悪いわけじゃない。

陽乃が、その距離感に嫌悪感を覚えてしまっているだけだ。

水都「今日はうたのんが担当してくれるので、陽乃さんはゆっくり休んでください」


1、別に、疲れてないのだけど
2、私、こういう感じ嫌いなのよ
3、そうね
4、貴女は、補助席なんて使ってないで、普通に休みなさい


↓2


89以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 00:13:35.69GbiKB8r4O (1/1)

2


90以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 00:16:07.08i9yCDehvO (1/1)

2


91 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 00:18:03.38lzF7Z55Eo (2/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


92以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 00:57:03.5921Hg5FdnO (1/1)


久々にみーちゃんのターンが来たな
陽乃さんはまだまだツンツン気味だけど


93以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 06:48:03.83QsRaK9zOO (1/1)


みーちゃんたちがまるで保護者みたいだな


94以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 08:04:23.9303JEHBr/O (1/1)


この距離感に居心地の良さを感じたくないのか


95 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 21:59:29.16lzF7Z55Eo (3/8)

では少しだけ


96 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 22:09:29.41lzF7Z55Eo (4/8)


陽乃「私、こういう感じ嫌いなのよ」

水都「陽乃さんが、危ないことしたからです」

陽乃「危ないことって、あれは必要だからしたことだって言ったじゃない」

絶対に必要だったわけじゃないと言われてしまうと、そうではあるのだが、

生存者がいる可能性もあった以上、

陽乃が行かなくても歌野が行ったのは、その時の話からも伺える。

そして、

陽乃が行くにせよ、歌野が行くにせよ

どちらか一人しか行くことが出来なかったのも、避けられない。

その中で、

陽乃が行くことにしただけのことだ。

歌野の隙をついて専行したのは非があるかもしれないけれど、

危ないこと。と言われるような行動については、歌野ではなく陽乃が行ったと言うだけ。

陽乃「白鳥さんが行ってても、同じようにしてるわけ?」


97 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 22:24:45.80lzF7Z55Eo (5/8)


水都「うたのんは、大丈夫じゃないですか……」

力を使ったことによる反動

歌野は今まで、それによって入院が必要になったり、

その場で気絶したりとか、血を吐いたりだとか、

明らかに危険と言えるようなことが起きたことはなかった。

しかし、陽乃は違う。

毎回毎回、そんなことばかり。

歌野とは単純に比較することは出来ない。

水都「陽乃さんは力が強い分、何があるか分からないじゃないですか」

目を離したすきにまた無理を重ねる可能性もあるし、

そうではなく、

時間差でなにかしらの症状が出ないとも限らない。

水都「心配なんです」


98 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 22:40:23.12lzF7Z55Eo (6/8)


「勇者様がかなりの虚弱体質って噂は本当だった……?」

陽乃「嘘よ」

陽乃が弱いのではなく、力が強すぎるのだ。

しかも、

適性があるからその程度で済んでいるのであって、

歌野達が力を使ったとしたら、その程度では済まない。

水都「陽乃さんの力が強いだけですよ。陽乃さん自身は、凄く強いんですけど」

陽乃「そこまででもないわよ。強いなら、そうはならないもの」

「つまり、つよわいってことね」

良く分からないことを言う女子高生を無視して、

陽乃は小さく息を吐く。

今のところ体の調子はいいので、

水都が心配しているようなことにはならないはずだが……

陽乃「だから2人?」

水都「私はそうですけど」

「私は、ゆ……陽乃ちゃんがお疲れだから休むと思って」

休んでいる間に何かが起きたらすぐに知らせる係。と、彼女は笑う


99 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 23:15:52.52lzF7Z55Eo (7/8)


陽乃はわずかに顔を顰めて、彼女を一瞥する。

勇者様と呼ばれるのも好きではないが、

距離感が一気に縮められたかのような"陽乃ちゃん"というのは、少し不愉快だ

陽乃「勇者様はどうしたのよ」

「陽乃さんって呼ばれてるから、良いのかなと思って」

水都に好きにしていいと許したのが悪かったのか、

それが、ここにきて引っかかったようだ。

その時に想像できるわけがないので、仕方がないが。

水都は巫女としての責務を理由にはなれないだろうし、

隣の女子高生は、妹云々を理由に離れたがらないだろう。

なら、陽乃が離れるという手がまだ残されているが、

そこまで避けるべきだろうか。


1、陽乃ちゃんは止めて。嫌いなの
2、勝手にしていいわ。もう。
3、私が別の席に移るわ
4、疲れたから休むわ。邪魔しないでね


↓2


100以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 23:18:51.46rfpR+9z5O (1/2)

4


101以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 23:21:00.673LMQS2X30 (1/1)

1


102 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/09(木) 23:22:11.65lzF7Z55Eo (8/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


103以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/09(木) 23:38:41.64rfpR+9z5O (2/2)


陽乃さんの根深いトラウマのせいで周りの優しさがかえってストレスと化して逆効果になってるな
ある程度一人の時間も必要か?


104以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/10(金) 00:37:48.57u0qnDbEwO (1/1)


相変わらずツン99%だな陽乃


105 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 22:09:02.00o3ZWFcr4o (1/7)

では少しだけ


106 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 22:14:45.75o3ZWFcr4o (2/7)


陽乃「陽乃ちゃんは止めて。嫌いなの」

水都「はる……っ」

驚いて目を見開いている女子高生

ちゃん付ではないものの、名前で呼んでいる水都も慌てて口を閉ざす。

陽乃が勝手にしろと放っておいてくれているだけで、

正しく許可を貰えているわけではないからだろう。

「……そっか」

やがて、少女が口を開く。

「巫女様だったら、私も呼んでいいのかな?」

陽乃「そういうわけではないわ」

陽乃はすべての人にそれを拒んでいるわけではない。

実際、

おばあちゃん達が呼ぶことには苦言を呈することはなかったし、

水都が呼ぶのだって、放置している。

陽乃「貴女は特に……親しみを込めているのが嫌なの」


107 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 22:32:09.91o3ZWFcr4o (3/7)


本人が実際にそういう意図で使っているかは別として、

陽乃からしてみれば、陽乃 " さん " というのは、まだ敬意があってのものと言えなくもない。

けれど、陽乃ちゃんというのはまるでそれが感じられない。

親しい友人に対してのような呼びかけ。

陽乃は、それが嫌なのだ。

「そう、なんだ」

勇者様だから? と、彼女は聞こうとしたのかもしれない。

しかし、それを実際に問うことはなく飲み込んで、頷く。

「わかった。じゃぁ……勇者様」

彼女は素直に諦める。

「今は、勇者様で我慢しておきます」

いや、素直ではない。

陽乃「今はって何よ」

「だって、いつかは、呼べるかもしれないし……」


108 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 22:56:13.01o3ZWFcr4o (4/7)


陽乃「無理よ」

陽乃は、その楽観的な言葉をバッサリと切り捨てる。

今のところそれを許すつもりは毛頭ないし、

そもそも、四国と諏訪では勇者の扱いが違う。

陽乃が勇者というよりも化け物……バーテックスに近い敵対勢力のような扱いを受けていることは差し引いても

常に身近に感じることが出来ていた諏訪と違い、

四国での勇者は崇敬の対象となっていて、丸亀城のところで共同生活をすることになっている。

陽乃がそうなるとは限らないけれど

いずれにせよ、

陽乃と彼女達が近くで過ごしたり、簡単に会うことが出来るような場所ではない。

陽乃「勇者はその重要性から、大社が管理している場所で共同生活を送るんだもの。貴女が立ち入れるような場所じゃないから」

「……巫女様は?」

陽乃「藤森さんは、どうかしら。でも、巫女ならだれでもというわけではないのは間違いないわね」


109 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 23:14:44.89o3ZWFcr4o (5/7)


今は、誰が担当しているのだろうか。

それさえ分からないけれど、水都は恐らく歌野のそばにいさせて貰えるのではないかと陽乃は目を細める。

たどり着ければの話だが、

歌野は諏訪から来たばかりの勇者。

まだなじみの薄い環境下で、

巫女とさえ切り離されるというのは精神的に辛いだろうと考慮してくれれば。

陽乃「だから無理よ。諦めて頂戴」

「そっかぁ……」

彼女は、残念そうに言いつつも、

その瞳はまだあきらめてはいないようだった。

「なら、この移動中が期限ってことだね……案外、吊り橋効果とか――」

陽乃「寝るわ」

「え、ちょっと――」

解放して貰えないならと、陽乃は会話を一方的に切り上げて目を瞑る。

眠気はないが、目を瞑っていればいつか、眠れるだろう。


110 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 23:16:27.19o3ZWFcr4o (6/7)


√ 2018年 9月9日目 朝:移動①

↓1コンマ判定 一桁

0 戦闘痕
6 バーテックス 発見
9 バーテックス 襲撃

66 進化型
99 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


111以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/10(金) 23:18:34.14LixaHTW3O (1/2)




112 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/10(金) 23:23:59.64o3ZWFcr4o (7/7)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


1日のまとめは明日の再開時


113以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/10(金) 23:31:49.29LixaHTW3O (2/2)


もし無事にたどり着けても陽乃さんの扱いはどうなるか分からないのも気がかりだなぁ…


114以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 02:54:28.03v5m/gIVWO (1/2)


ここまでは順調過ぎるくらいだな


115 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 21:16:14.33NbqnR38vo (1/8)

では少しだけ


116 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 21:24:12.87NbqnR38vo (2/8)


1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(出発、杏達、名案、独断専行、何もない)
・ 藤森水都 : 交流有(出発、独断専行、嫌い、陽乃ちゃん)
・   九尾 : 交流無(力を借りる)

√ 2018/09/08 まとめ

 白鳥歌野との絆 81→82(良好) ※特殊交流4
 藤森水都との絆 88→89(良好) ※特殊交流8
   九尾との絆 75→76(良好)

鬱積 0%


117 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 21:51:59.75NbqnR38vo (3/8)


√ 2018年 9月9日目 朝:移動①


昨日も夜もまた、大した問題が起きることもなかったようで、

帰路としてはとても順調に四国へと向かうことが出来ている。

バーテックスの軍勢を発見したことはあっても、

襲撃を受けたわけではないこと。

まだ初日だったこともあってか、

連れ出した住民たちの様子にはそんな大きな変化は感じられない。

陽乃「……」

「……あ、勇者様起きてる」

陽乃「まだ寝てても問題はないわよ」

時間としては、まだ早朝

運転手が頑張ってくれているものの、

それ以外の住民たちはぐっすりと眠っている。


118 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 22:01:49.46NbqnR38vo (4/8)


陽乃も、いつの間にか休むことが出来ていたようで、

昨日の疲れはあんまり残っていない。

体から少しずつ力が抜けていくような感覚は、諏訪を守る結界のものだ。

今はまだいいが、

離れれば離れるほど、その消耗は激しくなっていく。

神樹様が神々の集合体であるように

陽乃も、その体を依り代として、諏訪の神々を宿している。

その陽乃が諏訪から離れた今、

陽乃が結界の維持を放棄すれば、諏訪はあっという間に結界が消失することだろう。

「勇者様は、もう起きるの?」

陽乃「無駄に寝ても疲れるだけだから」

もう1つ隣の水都はまだ、眠っている。


1、外に出る。
2、九尾と話す。
3、歌野に声を送ってみる
4、貴女は、四国でどうするの?


↓2


119以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 22:04:01.25WSbbyVGt0 (1/1)

1


120以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 22:04:25.132jLlaiVEO (1/1)

2


121 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 22:38:42.95NbqnR38vo (5/8)


寝てても良いって言うくせに。と、

何か聞こえた気がしたが、無視して目を瞑る。

九尾は車内にはおらず、

昨日と同じように屋根の上にいるようだ。

『何用じゃ』

陽乃『どう?』

『ふむ……見通しは悪くない。この様子ならまたしばらくバーテックスとやらはまた現れぬやもしれぬな』

陽乃『そう……』

九尾が言うなら、

本当にこの周辺にバーテックスの気配がないのだろう。

ということは、四国の方に向かったのだろうか。

『小娘共が争ったとも思えぬからのう。主様の力の余波を警戒しておるとも言えよう』

陽乃『私の……?』


122 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 23:02:48.29NbqnR38vo (6/8)


いくら陽乃とて、

諏訪からこの辺りまで力の影響を広げることは出来ない。

なのにこの辺りのバーテックスまで逃げるのは違和感がある。

陽乃はそう思ったが、

九尾は喉を鳴らすような笑い声を零して。

『主様の力を感じることは出来たじゃろう』

それに、

陽乃は力を使った際にかなりの数のバーテックスを一緒に消滅させた。

その情報がバーテックス側で共有されている可能性もある。

であれば、これ以降のバーテックスも何らかの理由がない限りすでに四国側に向かっている可能性は高い。

『じゃが、おらぬとは限らぬ』

陽乃『そうね……』

昨日もいたのだ。

今日もいるかもしれない。

そして、

その塊の1つに、杏達がいる可能性もある。


123 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 23:22:01.97NbqnR38vo (7/8)


昨日は歌野達にいろいろと言われてしまったが、

やはり、放置することは出来ないだろう。

出来る限りその数が少ないことを願うばかりだ。

陽乃『伊予島さん達が居そうだったりする?』

『知らぬな』

今のところはその様子は全くないらしい。

諏訪を出て1日

ほんの少し通る愛知までも、まだ距離がある。

今日1日で名古屋の辺りにまで行ければ、だいぶ良い方だろうか。

恐らく、行けてその半分だろう。


1、今日も様子を見ててくれるの?
2、ねぇ、四国はどうなってると思う?
3、上里さんを感じることは出来ないの?
4、そろそろ、諏訪の結界を解くべきかしら
5、四国に着いたら、逃げないとね


↓2


124以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 23:26:52.59U6UEADWSO (1/2)

2


125以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 23:26:55.48v5m/gIVWO (2/2)

3


126 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/11(土) 23:41:50.57NbqnR38vo (8/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


127以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/11(土) 23:54:01.83U6UEADWSO (2/2)


ここまでずっと行方不明の杏たちは本当に何処にいるのだろうか…
あとまとめに新しい要素が追加されてるけどやはり周りと仲良くしないとこの先厳しそうだな


128以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 03:42:17.69XbzSIUlQO (1/3)


なんだかんだで心配してる陽乃さん


129 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 15:59:48.935EU/mS9Uo (1/19)

では少しずつ


130 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 16:04:32.225EU/mS9Uo (2/19)


陽乃『上里さんを感じることは出来ないの?』

『出来るわけがなかろう』

諏訪は通信機というつながりがあったが、

今は完全にそう言ったものが喪失している状態だ

四国内部にいるならともかく、

そうではない今は、いくら、力を貸し与えていようとひなたのことを感じ取ることは出来ないようだ。

『じゃが、あの娘が害されることはなかろうて』

ひなたは若葉を見出した巫女として、一般の巫女とは扱いが違っているし、

それだけでなく、元から素質が高かったとされている。

切り離されているため

力が常に供給されているようなことにはなっていないが、

そこに九尾の力が加わっているのだから、巫女としての力は飛躍的に上がっていることだろう。

それなら、きっと、下手な扱いは受けないだろう。

『主様は、身を案じておるのかや?』

陽乃『まさか……私と白鳥さんみたいに状況を知ることが出来ないかと思っただけ』


131 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 16:32:15.275EU/mS9Uo (3/19)


ひなたから状況が伝わるようになれば、

四国の被害や、杏達が運良くたどり着いているのかどうか

それらの情報を得ることが出来る。

前者は知らされても、バスの速度をあげたりするくらいしかできることはないが、

後者は、余計なことを気にする必要がなくなる

そのメリットは陽乃達にとっては大きい。

だが、やはり、難しいのだ。

陽乃『でも、そうよね。いくら貴女でもそこまでは難しいのよね』

『無論じゃ。妾とて神ではない』

陽乃『そうね。できないことだってあるのよね』

陽乃は笑い交じりに零す。

それはそうだ。

出来たらいいなという程度の話。

元々の計画からは何も変わらない。

陽乃『仕方がないわ。それなら、予定通りあの二人を探しながら進むしかない』


132 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 16:58:19.175EU/mS9Uo (4/19)


『ふむ……じゃが、この様子じゃと見つけることは叶わぬやもしれぬぞ』

陽乃『そう?』

『あまりにも、何もないのが問題じゃな』

バーテックスがいないから気にせず直進した可能性もあるが、

杏達の時もここまでもぬけの殻だったとは考えにくいのだ

少しはバーテックスもいたはずで、

それであれば、少しくらい何かしらの痕跡があってもいいのに、

それが一切感じられない。

となれば……

陽乃『ルートがすでに変わってる可能性もあるのよね』

『うむ』

2人が別ルートで進んだ場合、

その先のどこかに滞在していても、

陽乃達はそれに気づくことなく素通りしてしまう。

その場合は、やはり、諦めるしかない。


133 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 17:01:38.645EU/mS9Uo (5/19)


√ 2018年 9月9日目 朝:移動②

↓1コンマ判定 一桁

9 戦闘痕
2 バーテックス 発見
7 バーテックス 襲撃

22 進化型
77 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


134以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 17:03:15.63byfzZh/YO (1/4)




135 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 17:55:09.345EU/mS9Uo (6/19)

√ 2018年 9月9日目 朝:移動②


道中、道や建物の倒壊によって数回のルート変更は必要になったが、

やはり、バーテックスが姿を見せることはなく、

戦闘痕のような形跡も全く見られないまま、

暫くバスを走らせて、次の休憩予定地点に到着する。

歌野は徹夜もあって、まだバスの中で眠っているようだ。

水都「うたのんの方に行ってきますね」

陽乃「好きにしていいわ」

休憩時間だし、

そもそも、唯一の巫女である水都はそのあたり自由だ。

何も問題はない。

「勇者様は任せて!」

陽乃「……」

「へへっ」

陽乃に睨まれても、彼女は笑って誤魔化そうとする。

水都「陽乃さんに無理について言ったりはしないでください。危ないので……ただ、陽乃さん」

陽乃「なによ」

水都「せめて、何をするか。どこに行くのかくらいは伝えてください」


136 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 18:27:44.055EU/mS9Uo (7/19)


陽乃が彼女に従うとは思っていないようで、

なら重要な連絡は怠らないようにと水都は願っているようだ。

だが、陽乃とてそこまで無鉄砲ではない。

陽乃「ちゃんと伝えるわよ」

水都「約束ですよ」

水都はそう言って、2号車の中に入っていく。

1号車の人々や、

2号車の中で外に出たいと求めた人たちは外に出て、各々休憩している。

窓を開けてはいても、

バスの中にずっといるのと、

外に出てくるのでは、そのストレスも大きく変わってくるだろう。


137 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 18:45:38.465EU/mS9Uo (8/19)


「勇者様、どこか行きますか?」

陽乃「ついて来る気?」

「出来る限りは」

遠くへの見回りとかならさすがについていけないけど。と、

彼女は窺うように言う。

出来たらそれはなしでお願いしたいといった様子だけれど

しかし、近くならついてくる気のようだ。

陽乃「貴女も暇ね」

「それはそうだよ……まぁ、こんな状況だからね」

休憩するくらいしかやることがない。

だったら、着いていきたいところについていく

それは何らおかしくはない。


1、見回り(近く)
2、見回り(遠く)
3、邪険にされて、良くも離れないわね
4、私の力にあてられて早死にするわよ
5、イベント判定


↓2


138以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 18:56:02.43Vo86pQ9Q0 (1/3)

2


139以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 18:56:09.36XbzSIUlQO (2/3)

5


140 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 19:50:04.885EU/mS9Uo (9/19)


↓1のコンマ

01~10 女子高生①
11~20 バーテックス
21~30 痕跡
31~40 九尾
41~50 少年
51~60 子供(良)
61~70 九尾
71~80 女子高生②
81~90 子供(悪)
91~00 痕跡


141以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 19:50:58.31XbzSIUlQO (3/3)

はい


142以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 19:51:48.27byfzZh/YO (2/4)




143 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 20:17:25.485EU/mS9Uo (10/19)


「あら、2人で逢瀬でもするのかしら」

立ち止まっている2人のもとを訪れる、長身の女性。

いつものように透き通るような金色の長髪、

妖艶さを漂わせる赤い瞳……九尾だ

陽乃「何しに来たの?」

「逢瀬……?」

九尾「勇者様がいたので、これからどうなさるのかと思って」

くすくすと、やや上品さを感じさせるような素振りで笑い声を零す九尾は、

その目を細めて、陽乃の傍らにいる少女を見下ろす。

「……?」

女子高生は不思議そうに首を傾げる

九尾が化けている女性をまじまじと見つめて、

陽乃へと振り返る

「こんな人、いたっけ……」

九尾「何を言っているの――ずっと、いたでしょ」


144 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 20:41:41.145EU/mS9Uo (11/19)


九尾の赤い瞳が光ったようにも見えた一瞬

はっとした少女は雰囲気をがらりと変えて、照れくさそうに微笑む。

「そうだった! 思い出した……ごめんなさい、勇者様のことばっかり考えてたから……」

ついつい度忘れしちゃった。と、彼女は言う。

陽乃「はぁ……」

九尾「良いのよ。気にしないで」

九尾の力による、改変

いたかもしれないと思わせる程度なら、たやすいことらしい。

陽乃「それで?」

九尾「そうそう。少しお話がしたいの。お時間を頂けないかしら」

陽乃「……それは、彼女がいたらだめな話?」


145 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 21:03:09.665EU/mS9Uo (12/19)


陽乃はすぐ隣の女子高生を一瞥する。

彼女がいないと内緒話になって

どうせ後で聞き出そうとしてくるだろう。

あとであしらえばいいだけではあるのだが、それは少し、煩わしい。

九尾「ふむ……」

九尾は少し考えるようにして、

少女を見下ろす。

彼女は一般人で、

陽乃の事情も、今話しているのが昨日姿を見せた化け物のような生物ということも知らない。

その阿鼻叫喚が、九尾によってなかったことにされているのも。

九尾「いない方が良いと思うけど」

陽乃「そう……ということだから」

陽乃はそう言って、

女子高生に離れるように言う。

「……分かった」


146 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 21:12:48.105EU/mS9Uo (13/19)


彼女は離れてくれたが、

陽乃達のことを心配そうに見つめている。

そこからさらに2人で距離を取って、陽乃は九尾へと振り返る。

陽乃「それで?」

九尾「単刀直入に言うけれど、諏訪はもう諦めた方が良いわ」

陽乃「その話なら――」

九尾「今は良いけれど、進めば進むほど力を消耗することになる。今日だって、完全に疲れを取れていなかったでしょう」

昨日、九尾の力を借りて戦闘したのが影響しているが、

だとしても、疲れが残っているのは、勇者としては少し厳しいものがある。

九尾「これからもっと、結界の維持に力を必要とするようになる」

陽乃「だから、絶てって?」

九尾「四国まで持たせるつもり? また、倒れるわ」


1、ええ。やって見せるわ
2、明日までは、続けるわ
3、辛くなるまではつづけるわ
4、そうね。そろそろ、諦めるべきかもしれないわね


↓2


147以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 21:16:29.74Vo86pQ9Q0 (2/3)

1


148以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 21:16:41.90byfzZh/YO (3/4)

1


149 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 21:55:55.745EU/mS9Uo (14/19)


陽乃「ええ。やって見せるわ」

九尾「……本気?」

陽乃「私はいつだって、そうだったじゃない」

陽乃は少しも悩まず

そして、九尾へと笑みを浮かべる。

陽乃「諦めるのが嫌いなのよ。出来ることがあるならやり通す。それが、私」

九尾「死ぬとしても?」

陽乃「死ぬ気はないわ。それも、いつも言っていることだと思うけど」

陽乃はそういうと、近くの石ころを踏みつぶす。

陽乃「……私はたぶん。この世界で一番、諦めの悪い女だわ」

九尾「馬鹿め」

陽乃「そんな私を選んだ貴女が悪いのよ」

女性の姿に似つかわしくない言葉を吐いた九尾

陽乃はいつも九尾がする喉を鳴らすような笑い声を聞かせて

陽乃「貴女が諦める必要のない力をくれたんだから」

九尾「妾には限りがある」

陽乃「ええ。でも、あの瞬間の私には諦めるしかなかった」


150 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 22:15:44.545EU/mS9Uo (15/19)


3年前のあの日、陽乃には抗う力がなかった。

諦めない力がなかった。

けれど、そこに九尾が力を与えてしまった。

諦めなければ、どうにかなるかもしれない力を与えた。

だから、諦めずにここまで来た。

死んでいたはずの母を守りぬいて、

周囲にどれだけ煙たがられようと、貫き通してきた。

諦める気はないと。

陽乃「諏訪に置いてきた。諦めるしかなかった。でも、こうして結界の維持が出来るのなら、私はまだ諦めなくて済む」

その力を与えてくれたのは九尾ではないけれど、

でも、最初は九尾だったのだ。

陽乃「諦めなくたって、失ってしまうものはあるんだもの。努力でどうにかなるものだけは、どうにかしたいじゃない?」

九尾「そうか」


151 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 23:04:05.005EU/mS9Uo (16/19)


陽乃「なによ……珍しく、私が本心を教えてあげたって言うのに」

素っ気ないじゃない。と、

陽乃は本気で思っていないような声色で言う。

九尾「それを小娘ども……あの子達にしてあげる気はないの?」

陽乃「ないわ」

歌野にはもう、ほとんど隠し事が出来ない状態になってしまっているため、

その中では特別な立ち位置になるが、

だとしてもそこまで言う気はない。

九尾「信じられない?」

陽乃「信じたくない。特に、勇者でもない人はね」

九尾「そう。なら、白鳥さんは良いの?」

陽乃「ある程度はね」

筒抜けである以上、そこを無理に閉ざす気はない。

その分、力の譲渡が出来て強化が出来ている。

なら、それはそれでいい。

歌野が強くなれば、生存率が高まるからだ


152 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 23:09:14.725EU/mS9Uo (17/19)


九尾「主様がそれでいいならばいいが……主様と似たような人間もいることを忘れるでないぞ」

陽乃がそうであるように、

陽乃との関係を諦めないような人がいることだってある。

水都も、歌野も、杏達だって

どちらかと言えば完全に陽乃側の人間だ

そしておそらく、

陽乃のそばにいた彼女も。

陽乃「分かってるわよ」

九尾「ならば良い」

九尾は息を吐いて、長い髪を払う。

九尾「そろそろ戻りましょうか。あの子に、変に勘繰られても面倒だもの」

陽乃「ええ」

もう遅いだろうけど。と、陽乃は眉を潜める。

バスでは根掘り葉掘り聞かれそうだ。


153 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 23:11:13.905EU/mS9Uo (18/19)


√ 2018年 9月9日目 昼:移動①

↓1コンマ判定 一桁

1 戦闘痕
3 バーテックス 発見
8 バーテックス 襲撃

33 進化型
88 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


154以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 23:11:41.20Vo86pQ9Q0 (3/3)




155 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/12(日) 23:44:07.375EU/mS9Uo (19/19)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


156以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/12(日) 23:52:02.24byfzZh/YO (4/4)


諏訪の結界を維持しつつ杏たちを見つけて四国まで犠牲なく守りきるか…
どんどん陽乃さんの負担が多くなっていくなぁ


157以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/13(月) 06:11:50.56HkpxWAwGO (1/1)




158 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/13(月) 23:34:39.97WJSVkGkpo (1/1)

すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


159以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/13(月) 23:35:13.07HoFdcVyBO (1/1)

乙ですー


160 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 21:50:26.62bDst9yMxo (1/6)

では少しだけ


161 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 22:03:26.50bDst9yMxo (2/6)

√ 2018年 9月9日目 昼:移動①


九尾は比較的若い女性の姿に化けていたため、

理由がない限り1号車に乗ることになっている立場にあったのだけれど、

いつものようにバスの上にいたこともあって、

女子高生は例の女性がいないことを気にしていたが、

陽乃に深く聞いてくるようなことはなかった。

陽乃「……」

陽乃は、車内から外を眺めて息をつく。

本当に何もない。

九尾が言うようにバーテックスが居なければ、杏達も別のルートなのかもしれない。

もちろん、バーテックスに襲撃されないのは助かる。

が、戦闘の痕跡も何もないというのは、困ってしまう。


162 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 22:23:29.37bDst9yMxo (3/6)


この調子だと、本当にルートから逸れているということになる。

戦闘痕がないということは、

襲撃を受けて殺されたりしたわけではないはずなので、自分からルートを変えたということになる。

2人が大幅にルートを変えなければならなかったほどの理由があったということだ。

そうなってくると、嫌な予感しかしない

「……何か、心配事?」

陽乃「別に」

「ずっと、外を見てて疲れない?」

陽乃「そんなに弱くはないから」

彼女からの言葉には、素っ気なく返して目を細める。

外は、元々は市街地だったであろう場所に入っていて、

バスは、荒れた車道を走っている。


163 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 22:33:38.52bDst9yMxo (4/6)


場所的に、休憩するには悪くないタイミングだろうか

路上にある案内をいくつか目で追ってみると、

近くには小学校や、病院などもあるようだ。

2人がいるとは思えないが、

休憩するニは良い場所ということは、

2人が休憩に選んだ可能性もあるということ。

予定よりは少し早いけれど、休憩を入れてしまう方が良いだろうか。

「勇者様?」

陽乃「……」

陽乃は少し考える。

毎回予定を変えるのは得策ではないが

少しくらいなら、別に、問題はないはずだ。


1、休憩を入れる
2、車内の様子を確認する
3、彼女と話す
4、九尾と話す


↓2


164以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/14(火) 22:37:45.88R0I3E3VC0 (1/2)

1


165以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/14(火) 22:38:08.59vfXlanI2O (1/2)

1


166 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 23:10:31.77bDst9yMxo (5/6)


陽乃「この辺りで休憩にしましょ」

「えっ?」

予定よりは早いことを気にする彼女だが、駄目とは思っていないようだ。

「勇者様、疲れてる?」

陽乃「違うわ。場所がちょうど良さそうだからよ」

市街地というのは、

バーテックスが隠れ潜みやすい場所も散見されるけれど、

人が隠れるのにもちょうどいい

……というのは、建前で。

陽乃「大丈夫よ。何か異常があったわけではないわ」

むしろ怖いくらいに順調だ。

陽乃は、運転手と住民に順調に進めていることを話したうえで、

場所も良さそうなので休憩にすることを伝える。

まだ、みんなのストレスは大きくないようで、

すんなりと、受け入れてもらうことが出来た


167 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/14(火) 23:49:02.32bDst9yMxo (6/6)


歌野「そう……大丈夫だったならよかった」

陽乃「本当に何もないわ」

バーテックスの出現も、襲撃も、

杏達の痕跡も、住民たちの不和も。

歌野が眠ってからのことを簡潔に話した陽乃は、

休憩が予定よりも早かったことについて、

歌野は問題ないといった様子だった。

歌野「久遠さんが必要だと思ったならそれでいいと思うし……それに、理由があるんでしょ?」

陽乃「まぁね」

学校や病院など

今でも十分に雨風を凌げるような建物があり、

もしかしたら、太陽光発電などで、電力がわずかにでも残っていたりする可能性だってある。

2人がそう言った場所を休憩地点に選ばないとも限らないのだ。

「勇者様、見回りに行くの?」

陽乃「……」


1、そうよ。ついてこないで
2、……来る?
3、藤森さんと行くから問題ないわ
4、確認に行くだけよ
5、白鳥さんに任せるわ


↓2


168以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/14(火) 23:52:58.82vfXlanI2O (2/2)

4


169以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/14(火) 23:53:12.52R0I3E3VC0 (2/2)

1


170 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 00:01:59.89eGjh7hFio (1/9)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


171以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/15(水) 00:07:58.16G2X7eKkdO (1/1)


とりあえず探せる余裕があるなら早めに杏たちの痕跡の一つくらい見つけたいところだけどなぁ


172以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/15(水) 02:14:56.90wxjRT4wXO (1/1)


ここまで何もないと心配になるな


173 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 22:37:45.14eGjh7hFio (2/9)

では少しだけ


174 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 22:39:55.65eGjh7hFio (3/9)


陽乃「そうよ。ついてこないで」

「ぅ……」

歌野「えっと……何があるか分からないか仕方がないわ」

陽乃の突き放す言葉にしゅんっとした女子高生に歌野のフォローが入る。

どこに行くにしても、

バーテックスが突然現れないとも限らないし、

そうでないにしても、

安全を確認していない建物を確認する場合は、倒壊などの危険性もある。

陽乃や歌野なら、足場が崩れて落下したとしても

対応することは可能だけれど、そんな力のない彼女達はそれだけで命にかかわってくる。

陽乃「私、バーテックスは倒すけれど、それ以外は知らないわよ」

「そうだよね……足手まといになっちゃうよね」

彼女はそう言って、

少し、尾を引いたまま笑みを浮かべる。

「分かってる。ちゃんと帰ってきてね」

陽乃「私が戻らないとバスが出られないし、時間までには戻るわ」


175 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 22:58:51.36eGjh7hFio (4/9)


歌野「そういうことじゃないような……」

多分だけどと呟く歌野に、陽乃は目を細める。

ちゃんと帰ってきてねと言った彼女の表情を見れば、

それがバスの出発を心配してではないことくらい、陽乃は気づいている。

けれど、だからどうだというのか

ええ。分かってるわ。と、笑顔で返してあげればいいのか

大丈夫よ。心配しないで。とでも言ってあげればいいのか。

そうだろうけれど、陽乃がそう返してあげる理由がない。

むしろ、積極的に避けるべき言葉だ。

親しさや気遣いを感じさせるような言葉なんて、不要なのだ。

陽乃「病院の方に行ってくるわ。時間までに戻ってくるけど……来なかったら察して頂戴」

歌野「駄目よ。必ず戻ってきて」

はっとした歌野は目力を強めて陽乃を見る。

歌野「私には……私達には久遠さんが必要よ」

陽乃「そうね」

陽乃が命を落とした場合、

歌野が勇者として戦えなくなってしまう可能性がある。

それはつまり、全滅を意味するようなものだ。

歌野「そういう意味じゃ、ないわ」

渋い顔をする歌野の突っ込みを聞き逃したふりをして、陽乃は病院の方に向かった。


176 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 23:14:48.84eGjh7hFio (5/9)


01~10 痕跡A
23~32 生存者
45~54 痕跡B ※杏達以外  
56~65 野犬
67~76 痕跡A
89~98 遺骨 

↓1のコンマ

※ぞろ目特殊
※それ以外はなし


177以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/15(水) 23:19:44.12vqVkuj6jO (1/2)




178 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 23:40:43.69eGjh7hFio (6/9)


飛び散ったガラス片

風で運ばれてきただろう砂粒や枯葉などが降り積もっている足場

建物自体はまだ崩れそうにはないが、

どう見ても、人が立ち入った形跡は感じられない。

陽乃「……こういう場所になら、来てると思ったんだけど」

この近辺ではとても目立つ建物だ。

屋上からなら、周囲一帯を見渡すことだってできる。

しかし、1階はもちろん、

九尾の力を借りて上がった屋上にも痕跡はない。

陽乃「素通りしたのかしら」

九尾「ふむ……あ奴らは勇者として行動しておるのじゃろう? ならば、必ずしも都市部で休息を取ったとは限るまい」

陽乃「でも、これまでもまるで何もなかったじゃない」

九尾「主様ではなく、白鳥歌野が移動する場合どこまで進めるのかを確認した方が良いのやもしれぬな」


179 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 23:48:26.05eGjh7hFio (7/9)


陽乃であれば、九尾の力を使えば半日で到着できてしまう。

九尾に乗らないままでも、

力が飽和状態にあるとあまり眠れない体質に陥っている陽乃であれば、

みんなよりも大幅に距離を稼げてしまうだろう。

だから、陽乃基準ではなく歌野基準で考えてみるといいと九尾は言う。

陽乃「……一理あるわね」

大きな狐の姿を曝け出している九尾

九つの尾がパタパタと動くたびに、背中を押す強い風が生まれる。

陽乃「とはいえ、問題はその勇者の足でたどり着いていないことなのよ。どこかで足を止めていると思うんだけど」

長期滞在したのか、

移動はしていたがゆっくりだったのか

どちらにしても、その痕跡がどこかに残されているはずなのだ

九尾「学校の方も行くのかや?」

陽乃「当たり前でしょ」


180 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 23:49:32.32eGjh7hFio (8/9)


23~32 遺骨  
56~65 痕跡A
89~98 痕跡B ※杏達以外 

↓1のコンマ

※ぞろ目特殊
※それ以外はなし


181以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/15(水) 23:51:46.537UYHMY+e0 (1/1)




182 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/15(水) 23:54:10.42eGjh7hFio (9/9)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


183以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/15(水) 23:58:14.23vqVkuj6jO (2/2)


痕跡がちっとも見つからないなぁ
もう諏訪を出発した直後に到着してたのを祈るしかないか…?


184以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/16(木) 06:49:58.39LZ6utgYUO (1/1)


陽乃だけでなくみんなにも多少は探すのを手伝ってもらうのはありかな


185 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 22:30:27.69R7lR9/Tbo (1/6)

では少しだけ


186 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 22:37:53.48R7lR9/Tbo (2/6)


陽乃は学校の方にも確認に出てみたが、

そこにも、杏達が来たような痕跡は見られなかった。

陽乃「……分かってはいたけど、全然ね」

杏達の痕跡、生存者の痕跡

何一つ残されていない。

九尾「致し方あるまい」

杏達の痕跡はどこかにあって貰いたいものだが、

生存者に関しては絶望的だ。

3年前のあの襲撃で多くの命が失われてしまったし、

こんな荒れた土地で、守ってくれる存在もないまま生きていくことは不可能に近いからだ

九尾「主様。あ奴らがおらぬならばここにはもう用はなかろう」

陽乃「そうね」

振り返れば自分の足跡が見える。

長く誰も来ていなかったであろう学校。

陽乃が、途中から通うことのできなかった学校。

陽乃「……」

九尾「主様?」


187 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 23:20:45.34R7lR9/Tbo (3/6)


九尾「何かあるのかや?」

陽乃「ううん。何にもないわ」

この場所にも、

陽乃の記憶にも。

小学校は途中までで、中学校はもう、中学と呼べるような状態ではなくて。

陽乃の学生時代は、嫌な思い出ばかりだ。

それもまだ、終わってはいないけれど

陽乃「ちょっと、感傷に浸りそうになっただけよ」

陽乃は嘲笑気味に言って、辺りを見回す。

倒れた下駄箱、朽ちた壁、黒板

そして、

きっと、一瞬は立てこもることも考えたのだろう。

バリケードになりかけの机や椅子がある。

陽乃「戻りましょ」

九尾「主様」

陽乃「なに?」

九尾「早死にするぞ」

陽乃「でも、少なくとも今日は死なないわ」


188 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 23:45:36.95R7lR9/Tbo (4/6)


陽乃が腑抜けているように感じたからなのか、

九尾は唐突に死の宣告をしてきたが、

陽乃はそれをさらりと受け流して、息をつく。

陽乃「なによ……白鳥さん達にでもあてられた?」

九尾「いいや、主様は主様じゃ。その身を失うことは好まぬ」

陽乃「そう……」

九尾の目が細められる。

何かを言いたげで……けれど、

九尾はそれを口にすることなく大きな鼻から勢いよく風を送って陽乃を躓かせる

陽乃「ちょっと!」

九尾「主様、あまり力は使うでないぞ」

陽乃「それは、イザナミ様の話?」

九尾「妾でもじゃ。結界の維持を継続するのであれば、負担は軽い方が良かろう」

陽乃「まぁ、そうだけど」

九尾「……うむ」

九尾の妙な雰囲気に、陽乃は怪訝な表情を浮かべながらも、

追及しても答えてはくれないだろうと、学校の外へと歩き出す。


189 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 23:50:09.69R7lR9/Tbo (5/6)


√ 2018年 9月9日目 昼:移動②

↓1コンマ判定 一桁

5 戦闘痕
7 バーテックス 発見
0 バーテックス 襲撃

77 進化型
00 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


190以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/16(木) 23:51:06.60l4KoCYYIO (1/1)




191 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/16(木) 23:59:59.81R7lR9/Tbo (6/6)


規模判定

↓1コンマ

01~00 ※低~高

※進化型はなし


192以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/17(金) 00:00:53.30pnHR3lV6O (1/2)




193 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/17(金) 00:02:23.27tGJDZTbso (1/4)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


194以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/17(金) 00:10:56.13VRf0mLF/O (1/1)


逆にこれが何か手掛かりになればいいが


195以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/17(金) 00:13:56.72pnHR3lV6O (2/2)


早速フラグ回収するかのようなタイミングの襲撃だな
ただやや小規模だし前回よりは消耗しなさそうなのが救いか


196 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/17(金) 22:59:05.86tGJDZTbso (2/4)

遅くなりましたが少しだけ


197 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/17(金) 23:11:11.35tGJDZTbso (3/4)


√ 2018年 9月9日目 昼:移動②


九尾『主様』

陽乃『……来たわね』

バスの上にいる九尾からの呼びかけに、陽乃は目を細める。

何かが近づいてきている気配を感じる

何か……とはいうが、それが何者なのかは、ちゃんとわかるくらいに今の陽乃の感覚は鋭敏だ。

陽乃『進化型はいないようね』

九尾『迎撃するのかや?』

陽乃『それ以外に出来ることがあるの?』

陽乃と歌野、あとは水都くらいだったなら

隠れてやり過ごすことも可能だったかもしれないが、

一般人を連れている以上、それは無理だ。

「ば、化け物が来るぞ!」

バスの右窓際の席にいた男性が叫ぶ

それを皮切りに、全員が声を上げ……ブレーキが力いっぱいに踏み込まれた感覚が乗客を大きく揺らがせる


198 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/17(金) 23:40:39.52tGJDZTbso (4/4)


陽乃「落ち着きなさい!」

騒がしくなっていく人々に向かって、怒鳴る。

騒いだって、悲鳴を上げたって、怖がったって、

出来ることは変わらないし、何も変わらない。

その騒がしさが紛らわせてくれるわけではなく、それを聞いてヒーローが駆けつけてくれるわけでもない。

陽乃「貴方達に出来ることが、そうやって叫んで囮になることなら止めないわ。続けて」

静まった車内に陽乃の冷たい声が残る。

みんなが黙って陽乃を見る。

迫りくる化け物……バーテックスに唯一対抗できる勇者の一人

陽乃は、勇者とは認めていないが。

陽乃「生きたいなら、このバスからは一歩も出ないことね」

バーテックスの数は、昨日に比べて明らかに少ない。

数十程度だろうか。

これなら、たやすいことだ


199 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 00:12:44.44PrMcSf8zo (1/8)


陽乃がバスから出るのと同時に、

後ろに控えていた2号車からも歌野が降りてくる。

歌野「久遠さん!」

陽乃「見えてるわ」

バーテックスはもう寸前のところまで迫ってきているが、

歌野も、陽乃も

大きく慌てているような素振りも見せない。

陽乃「白鳥さん、頭は平気なの? 目は覚めてる?」

歌野「ええ。問題ないわ」

陽乃「そう……」

陽乃は小さく息をついて、歌野への力の供給を少しだけ強める

歌野「んっ……」

陽乃「貴女1人でも十分だろうけど、余計な荷物があるから私もやるわ。さっさと片付けるわよ」


200 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 00:21:45.58PrMcSf8zo (2/8)


↓1コンマ判定 一桁

1 歌野
3 九尾
5 水都
7 少女
0 少年


201以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 00:23:28.557FlfGSRyO (1/2)




202 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 00:33:11.85PrMcSf8zo (3/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


※戦闘に関しては、陽乃と歌野2人のため無傷で勝利しています


203以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 00:41:31.597FlfGSRyO (2/2)


前回と違って迎撃のときはちゃんとうたのんと共闘してくれる陽乃さんにちょっと安心した
そしてみーちゃんのコンマ久々に出てきたな


204以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 00:48:43.941Z0on9o+O (1/2)


みーちゃんのターン楽しみ


205 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 22:29:46.24PrMcSf8zo (4/8)

遅くなりましたが少しだけ


206 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 22:49:54.53PrMcSf8zo (5/8)


戦力差が圧倒的な戦闘を終えた陽乃と歌野は、すぐにバスへと戻って、

場所を変えることにした。

殲滅したため、すぐに攻め直してくるとは限らないが、

結界もなしに襲撃を受けた場所に留まり続ける気にはなれない。

陽乃「……」

次から次へと流れていく景色

最初よりも少しだけスピードを上げたのは、早急に離れるためだ。

隣には当たり前のように、水都がいる。

水都「久遠さん……何か気になることでもあるんですか?」

陽乃「……」

戦闘を終えてからというもの

ずっと窓の外を見ていたからだろう。

水都が心配そうに声をかけてくる。

陽乃「別に、ただバーテックスに知能があるのか、少し疑問に思えただけよ」

水都「バーテックスにですか?」

陽乃「だって、こっちに攻めてきたんだもの。貴女なら攻める?」


207 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 22:55:25.87PrMcSf8zo (6/8)


陽乃の嘲笑交じりの問いかけに、水都は首を横に振る

攻めてきたバーテックスは、

僅かでもバスに近づくことは出来ずにすべて叩き落され、

払い除けられ、殴り飛ばされて殲滅されるに至った。

たった2人に対しては過剰戦力とも言える軍勢ではあったが、

相手は、陽乃と歌野だ。

神の創造物に対する特効を持つ陽乃と、その恩恵を与っている歌野

それを相手にするには、力不足が過ぎた。

もちろん、だからと言って手を抜かなかったのだから

無傷で凌ぐのは容易かった。

水都「ただ群れていたところに陽乃さんが襲撃したことへの意趣返しだったとか……」

陽乃「バーテックスが私を恨んでるって? 面白い冗談ね」

陽乃は口元でさえ笑みを作らずに呟く。

陽乃「先に恨ませたのは……ううん。まぁ、それは分かったものじゃないわよね」

水都「陽乃さんは人類が先に人類に恨みを抱いたって考えているんですか?」

陽乃「さぁ? 始まりが恨みだとは限らないし」


208 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 23:18:31.37PrMcSf8zo (7/8)


>>207訂正 下から2行目



陽乃の嘲笑交じりの問いかけに、水都は首を横に振る

攻めてきたバーテックスは、

僅かでもバスに近づくことは出来ずにすべて叩き落され、

払い除けられ、殴り飛ばされて殲滅されるに至った。

たった2人に対しては過剰戦力とも言える軍勢ではあったが、

相手は、陽乃と歌野だ。

神の創造物に対する特効を持つ陽乃と、その恩恵を与っている歌野

それを相手にするには、力不足が過ぎた。

もちろん、だからと言って手を抜かなかったのだから

無傷で凌ぐのは容易かった。

水都「ただ群れていたところに陽乃さんが襲撃したことへの意趣返しだったとか……」

陽乃「バーテックスが私を恨んでるって? 面白い冗談ね」

陽乃は口元でさえ笑みを作らずに呟く。

陽乃「先に恨ませたのは……ううん。まぁ、それは分かったものじゃないわよね」

水都「陽乃さんはバーテックスが先に人類に恨みを抱いたって考えているんですか?」

陽乃「さぁ? 始まりが恨みだとは限らないし」


209 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/18(土) 23:41:54.60PrMcSf8zo (8/8)


陽乃「なんにせよ、少し疑問は残るわ」

水都「戦力を確認に来たとか」

陽乃「ええ。可能性はあると思う」

陽乃がいることはすでに知られていただろうけれど、

それ以外にいないか、いるのか

そして、それらはどれほどの力を持っているのか。

その確認をしに来たと考えれば、

無謀な襲撃も頷ける

特に、人間のように死んだら終わりというわけではないバーテックスは、

あるかもわからない命を捨てやすい。

陽乃「だとしたら、次はより多く攻めてくるかもしれないわよ」

水都「攻めずに、進化体を出してくる可能性もありますね」

陽乃「全力で足止めしてくることもね」

考え得る可能性はいくつもある。

そのいずれにしても、四国へは極力急いだ方が良いだろう。

なにより、

バーテックスが現れ始めたとなると、いよいよ、杏達の生存率が低くなる

水都「そういえば、今回はうたのんと協力したんですね」


1、それが?
2、そこにいたから利用しただけよ
3、それが確実だったから
4、力を見ておきたかったのよ


↓2


210以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 23:43:22.83DEM439IE0 (1/1)

1


211以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 23:43:36.521Z0on9o+O (2/2)

4


212以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/18(土) 23:43:37.29XFaSMch1O (1/1)

3


213 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 00:12:43.84iFBw/A+xo (1/12)


陽乃「力を見ておきたかったのよ」

水都「うたのんの戦い、見たことないんでしたっけ」

陽乃「私、病弱だから」

水都「……そうですね」

水都は少し悩んでから、小さく笑う。

諏訪にいる間、

陽乃は死ぬ一歩手前まで行ったことでさえあり、

ほとんどを療養に費やした。

その間も襲撃はあったが、

対応したのは歌野と杏達で陽乃は参戦していなかったため、

歌野の戦い方は聞いただけでしかなかったのだ。

陽乃「強いとは聞いていたけれど、3年間守ってきただけはあったわ」

やはり、

九尾などの補助を除いた単純な戦闘能力では歌野に分があるとみて間違いない。

もっとも、対バーテックス戦と対人戦では違いが大きく、

歌野の性格からして、その差を埋めるほどの躊躇いがあるかもしれないが。

陽乃「私の力を送っても何も問題なく戦えていたから、戦力としては十分すぎるほどね」


214 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 00:20:48.05iFBw/A+xo (2/12)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


215以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 00:29:15.07E3dmieu3O (1/1)


とりあえずうたのんと二人で戦えば安全に進めそうだな
力の供給がどれくらい負担になるかは気になるけど


216以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 08:02:28.17okzX9y7RO (1/1)




217 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 21:00:49.01iFBw/A+xo (3/12)

ではすこしだけ


218 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 21:08:08.74iFBw/A+xo (4/12)


水都「うたのんに影響は?」

陽乃「今のところはなさそうね」

今回は特に、戦闘に置いて称することを前提とした供給を行っていたため、

供給されるそばから消費し続けることで、

歌野の体への影響は極最小限にとどめられたことだろう

陽乃「この様子なら、戦闘でしっかりと消費してくれれば問題はないと思うわ」

水都「そう……ですか。陽乃さんも本当に体は大丈夫なんですよね?」

陽乃「今回は大して力を使ってないから」

今回は本当に、歌野が頑張っていた。

昨日は陽乃が戦ったということもあったが、

陽乃が力を使うことで倒れることを危惧しての部分が大きいだろうか。

陽乃「使える勇者がいるって言うのは便利ね」

水都「そういうこと言うのは、そろそろなしにしませんか?」


219 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 21:50:36.06iFBw/A+xo (5/12)


陽乃「そういうこと?」

水都「とぼけないでください」

文句があると顔を顰める水都を陽乃は一瞥する。

確かに言いたいことは分かっているが、

とぼけるような言葉が、その意味しか持たないわけでもないだろう。

聞かなかったことにしておく……とだって、取れるはずだ。

水都「もっとこう、優しい方した方が良いですよ」

陽乃「意外に役立つとか?」

水都「……」

陽乃「冗談よ」

意外だったのは事実だが、

そう言われるべきはむしろ自分の方ではないかとすら思う状態だった。

歌野は頼れる。

それは間違いない。

戦力面で頼れば、陽乃の生存率は飛躍的に高まるはずだ。

陽乃「白鳥さんは優秀よ。絶対に、向こうに連れ帰らないといけないわ」


220 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 22:21:02.41iFBw/A+xo (6/12)


歌野なら、四国でもみんなからの信頼を得られるはずだ。

諏訪を3年間一人で守ったという実績もある。

それに対する信頼と期待は、もしかしたら若葉達以上のものになる可能性さえある。

それを考えれば、やはり、優しい言葉は不要だ。

陽乃「だからこそ、というのもあるわ」

水都「どういうことですか?」

歌野にとって陽乃と密接な関係があるというのは、

その功績を無に帰すほどの汚点にでさえなりかねない

四国に着いてからのことは、そろそろ決断すべきだろう。

歌野達が見逃してくれるとは思えないが、

だとしても逃げ出すか、

彼女達の愚かな覚悟に従ってあげるべきか。

陽乃「わざわざ傷を負う必要はないってことよ」

陽乃はそう言って、笑みを浮かべる。

歌野は、陽乃が独占していい人間ではない。


221 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 22:26:49.01iFBw/A+xo (7/12)


√ 2018年 9月9日目 夕:移動①

↓1コンマ判定 一桁

1 戦闘痕
4 バーテックス 発見
9 バーテックス 襲撃

44 進化型
99 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


222以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 22:27:14.80jSyjBCAGO (1/1)




223 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 22:48:38.38iFBw/A+xo (8/12)


√ 2018年 9月9日目 夕:移動①


バーテックスが再度攻めてくることも警戒していたが、

幸いにも、それは杞憂だったようだ。

ひとまず、バーテックスの気配が途絶えたところで、休憩に入る。

無傷で問題なく処理で着たとはいえ、

バーテックスによる襲来を受けたため、

住民たちの中には、強い不安を抱いてしまった者もいる。

今回は大丈夫だったが、次も無事だとは限らない

それを考えるなというのは、

力のない一般人には無理な話だからだ。

「勇者様、凄く強かったんだけどな……」

陽乃「……見てたの?」

「出るなとは言われたけど、見るなとは言われなかったから」

へへっと笑う女子高生から目を逸らして、

陽乃は目を細める


224 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 23:08:21.68iFBw/A+xo (9/12)


陽乃「おぞましいものを見ることになるとは思わなかったの?」

「まさか」

陽乃「偉く自信があるのね」

「だって、勇者様たちは負けないから」

あの時とは違って勇者が、戦っているだけだ

人々が逃げ惑っているわけではないし、

それが、襲われているわけでもなかった。

「勇者様が負けさえしなければ、私達はその悍ましい光景は見なくて済む。むしろ……」

女子高生は、口を閉ざす。

浮かべていた笑みは陰って、少し、ためらいを感じる表情を見せる。

「勇者様って、私達以上に……」

陽乃「なに?」

「……ううん。何でもない。清々したよ。ちょっとだけね」



1、周辺調査に向かう
2、言いたいことがあるなら言ったらどうなの?
3、歌野と合流
4、九尾と話す
5、水都と話す


↓2


225以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 23:10:17.08W2oq15JWO (1/2)

2


226以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 23:10:38.08DHurNXci0 (1/1)

2


227 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 23:29:59.05iFBw/A+xo (10/12)


陽乃「言いたいことがあるなら、言ったらどうなの?」

「えっと……別に、勇者様を悪く思ってるとかそういう話じゃないよ」

陽乃は言葉こそ不機嫌さを感じさせるものの、

そこには何ら心が籠っているわけではなかった。

けれど、

まだそこまで親しいわけでもない彼女は少しばかり怯えた様子を見せた。

「ただ……これ、見て貰った方が早いかな」

彼女はそう言って、携帯端末を陽乃に向ける。

画面には陽乃の姿が写っていた。

戦闘中の陽乃の姿を、動画と動画から切り取っただろう画像が数枚保存されているようで、

丁度バーテックスを殴り飛ばしている瞬間は、まさかの壁紙になっている。

陽乃「なに? ストーカー宣言?」

「違う……これ。ここ。この勇者様」

彼女は数枚の中にある一枚、陽乃の表情が見えるものを表示させる。

「勇者様、凄い顔してる……まるで、映画で見た復讐に駆られた人みたいな顔」


228 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 23:40:38.31iFBw/A+xo (11/12)


「だから、もしかしたら勇者様はここにいる誰よりもバーテックスを憎んでるんじゃないかって」

陽乃「……なるほど」

自分で見ることは出来ない瞬間

言われてみれば確かに、

彼女が凄い顔をしていると言うだけあるなと、陽乃は小さく笑う

復讐に駆られているとは、言い得て妙だ

陽乃「復讐なんて空しいから止めるべきとでも?」

「まさか……そんなことを言えるほど、私の人生は深くはないし長くもないし」

復讐したくなる気持ちは、僅かにでも理解がある。

けれど、それを止める理由にはなり得ない。

空しいと断じられる根拠がない。

これが空想であるなら、そんな主人公めいた言葉も言えるだろう。

何かよくわからない理論と勢いで押し切れるだろう。

けれど、これは現実で、意味不明な理論も勢いもない。

「……燃え尽きたりはしないでね」

陽乃「……」

「気が済んだからもう悔いはないとか……そういうのは、止めて欲しいなって」


229 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/19(日) 23:41:10.68iFBw/A+xo (12/12)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


230以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/19(日) 23:53:20.08W2oq15JWO (2/2)


陽乃さんや女子高生の子の発言が何だか不穏な感じが…
あと復讐といえば初期の若葉を思い出すけど陽乃さんとはあらゆる意味で雰囲気が違うな


231以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 00:03:39.53z+WjWwAvO (1/1)


心配だな……


232 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 18:00:39.26K1N07dtao (1/11)

では少しずつ


233 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 18:09:07.51K1N07dtao (2/11)


陽乃「私がそうするって?」

「するかもしれないし」

復讐に駆られて、それをやり遂げた人の話なんて、

身近にあるわけもなく、

空想の中でのものでしかない。

けれど、全てを失った虚無感というものは、彼女も経験がある。

それは酷く、形容しがたい感覚だった。

考えるという当たり前のことが出来ない、体を動かすという当たり前のことが出来ない。

自分が呼吸をしているかどうか、それさえも分からない。

それと同じかは分からないが、

似たようなことになるかもしれない。

「……あ、もしかして、私のために生きて。とか言ったら、勇者様頷いてくれたりする?」

陽乃「馬鹿なこと言わないで頂戴」


234 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 19:01:14.89K1N07dtao (3/11)


親しくもない人にそんなことを言われたって、顔を顰めるくらいだ

間違っても頷いたりはしない。

そもそも、陽乃は死ぬ気がないのだ。

陽乃「貴女に言われなくたって、私は死なないわ」

だが、全てを成し遂げた後、

気力を失って燃え尽きないとは限らないし、

それだけの間力を使い続けて生きていけるとも限らない。

陽乃「勝手なこと言わないで」

陽乃は冷たく突き放す。

下手に付きまとわれても困る。

歌野も水都も

そして、この人も。

誰だって、近づくべき人間ではないのだから。


235 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 19:02:01.24K1N07dtao (4/11)

↓1コンマ判定 一桁

7 ぞろ目 特殊

それ以外終了


236以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 19:03:41.69sR+bElqVO (1/1)




237 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 19:16:56.22K1N07dtao (5/11)


「ごめんね」

陽乃「……別に、謝って欲しいとも思ってないから」

陽乃は彼女からそっぽを向く。

彼女がそれを二度としないわけではないだろうから、

謝られたところで……と陽乃は思う。

杏達がそうだし、水都と歌野もそう。

女子高生は勇者や巫女ではなくただの人間だが、

その執拗なまでの行動は似たものがある。

きっと、まだ諦めない。

陽乃「変なことをしたり言ったりさえ、しなければね」

「……うん」

陽乃「……」

彼女は、自分の腕に付けているミサンガを、軽く撫でる。

それ以上は、何も言わなかった。


238 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 19:18:22.93K1N07dtao (6/11)


√ 2018年 9月9日目 夕:移動②

↓1コンマ判定 一桁

8 戦闘痕
5 バーテックス 発見
3 バーテックス 襲撃

55 進化型
33 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


239以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 19:21:06.94391Bwpxg0 (1/2)




240 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 20:24:33.49K1N07dtao (7/11)


√ 2018年 9月9日目 夕:移動②


陽乃「体の方は問題なさそうね」

歌野「ええ。すこぶる調子がいいわ」

陽乃の力を受けて戦っていた歌野だったが、

それから時間が経っても、特別な問題は起きていないようだ。

それどころか、調子がいいと言う。

陽乃は歌野の体をじっくりと観察するように眺めて、目を細める。

陽乃「だいぶ、馴染んだのかしらね」

歌野「久遠さんの力?」

陽乃「戦闘中にずっと力を受け続けていたから、体中に循環したのかも」

歌野「何か、悪いことがある?」

陽乃「さぁ? 最終的には私みたいに死ぬこともあるんじゃないかしら」


241 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 21:15:12.00K1N07dtao (8/11)


陽乃のようにイザナミの力に強く侵されているわけではないため、

死ぬようなことはきっと、無い。

しかし、歌野の体は陽乃の力……所謂、穢れに侵されている。

少なからず何らかの影響が出てくるはずだ。

つながりが強くなったことによる、思考の共有

それとはまた別に、何かがある。

しかし、今は分からない。

歌野「私、久遠さんよりも先に死ぬのかしら」

陽乃「私の力で死ぬのは、私が先よ」

歌野「……嫌な冗談は、止めて欲しいわ」

歌野の心配そうな表情に、陽乃は笑みを浮かべる。

バーテックスとの戦いや、病気などを除いて

単純に陽乃の力だけで考えるなら、

先に死ぬのは、陽乃だろう。

陽乃「冗談だと良いわね」


1、影響を一番強く受けるのは私だから
2、九尾に聞いてみる?
3、ねぇ。私って復讐に駆られているように見えた?
4、伊予島さん達の捜索に向かいましょ

↓2


242以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 21:18:24.35391Bwpxg0 (2/2)

4


243以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 21:18:32.77Gc88K7UzO (1/2)

4


244 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 21:58:54.54K1N07dtao (9/11)


陽乃「伊予島さん達の捜索に向かいましょ」

歌野「でも、1人は残らないと」

陽乃「そうね……なら、貴女は近場で良いわ」

ある程度、使える場所がないかの確認は行っているが、

使える場所を見つけた段階でそこを休憩所として使うようにしている。

その為、周辺全てを調査しているわけではない。

陽乃「距離のある場所は私が調べに行ってあげるから、近くくらい調べられるでしょ?」

歌野「それくらいなら、やれるわ。というか、いつもやってるけど……」

陽乃「そう?」

歌野「ただ……全く」

陽乃「仕方がないわ。駄目で元々よ」

見つからないこと前提と言ってもいい状態だ。

運が良ければすでに四国に到着しているし、

運が悪ければ、死んでいる


245 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 23:01:38.22K1N07dtao (10/11)


陽乃「ただ、何かしらの痕跡でも見つけたら教えて頂戴」

歌野「ええ。もちろん」

現在、

戦域から離れるためにスピードを上げたこともあって、

想定よりも距離を稼げているため、

愛知県と岐阜県の県境までもう少しと言った場所にまで来ている。

何か問題が起きなければ今日中に愛知県に入って、

明日には琵琶湖の辺りにまで行けそうだ。

これだけ進んでいれば、

そろそろ杏達の痕跡の1つでも見つかったっていいはずだ。

歌野「生存者がいたら?」

陽乃「本人が望むなら連れてきなさい」

歌野「……望まなかったら、置いていくの?」

陽乃「生き残る気のない人なんて、連れて行っても荷物にしかならないもの」


246 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/20(月) 23:09:22.07K1N07dtao (11/11)


12~21 痕跡A
34~40 生存者   
56~65 痕跡B ※杏達以外
78~87 痕跡A
89~98 遺骨 

↓1のコンマ

※ぞろ目特殊
※それ以外はなし


247以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/20(月) 23:12:04.13Gc88K7UzO (2/2)




248 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/21(火) 00:08:19.90Vtco2hmOo (1/3)


陽乃「……」

住宅街のはずれにある図書館

一部崩壊してしまっているが、

残りはまだ崩れる心配はなさそうで

雨風を凌ぐくらいなら出来そうな状態だった。

球子は忌避するだろうけれど、

杏なら、ここには喜んで行くかもしれない。

先を急いでいるため、移動するときは諦めるだろう。

しかし、休憩場所に選んでもおかしくない。

陽乃「九尾、どう?」

九尾「ふむ……」

図書館を崩しかねないため、

大きな妖狐ではなく、大人の女性の姿をしている

彼女は、鋭い瞳をより細めながら、

真っ赤な瞳を光らせる。

九尾「僅かに人間の匂いが残っておるな。少し、見てみた方が良かろう」


249 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/21(火) 00:10:04.19Vtco2hmOo (2/3)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


250以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/21(火) 00:16:33.958As4zz71O (1/1)


やっと何か手掛かりになりそうな痕跡がきたか
どうにか杏たちが無事だといいな


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/21(火) 01:24:04.42EJN6yddU0 (1/1)


四国までの道のり半分くらいでようやく杏たちの手掛かりが
ワクワクしてきた


252以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/21(火) 01:34:23.77D2T/1zD1O (1/1)




253 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/21(火) 22:58:49.99Vtco2hmOo (3/3)

すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は可能であれば通常時間から


254以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/21(火) 23:00:33.62Oejq97+EO (1/1)

乙ですー


255 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 22:33:39.86XP1Xe9Rso (1/8)

では少しだけ


256 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 22:37:15.72XP1Xe9Rso (2/8)


九尾に言われ、中を進んでいく

棚が崩れて、散らばっているほんの一冊を手に取った陽乃は、顔を顰める

陽乃「……まるで地獄ね」

九尾「そうかや?」

陽乃「伊予島さんが見たら気絶しそうだわ」

殆どの本が風化したようにボロボロになってしまっていて、

中には……というより、ほぼ全ての本には敬遠されるような小虫が蠢いていたりして。

読書が好きだと言っていた杏には刺激が強いのではないかと、考えてしまう。

思えば、彼女の部屋にはそう思わせるほどの本があったのだ。

九尾「……」

陽乃「どれも読めそうにはないわね」

九尾「そうじゃな」

利用者が使うテーブルの多くもダメになってしまっていて使い物にならなそうで

杏達に限らず、誰かが使ったような形跡はない。


257 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 22:52:31.29XP1Xe9Rso (3/8)


九尾「主様、こっちじゃ」

九尾の導きに従って進むと、

関係者以外立ち入り禁止の扉を通って、貴重な蔵書などが保管されている部屋に通じている部屋に入る。

扉がしっかりと残っているからか、

部屋の中は余所に比べて、綺麗に整っている。

九尾「ここじゃな」

陽乃「……そう。みたいね」

つい最近、ひとの手が加わっただろう、不可解な小ぎれいさ。

出したら出しっぱなしの本などもなく、

しかし、一部の棚は開けられたことを示すように、手形が残っている。

陽乃「ねぇ、九尾なら指紋とか分かったりする?」

九尾「さすがに、そのような力は持ち合わせておらぬ」

指紋鑑定

過去の透視……なんて

そこまでする力はないと九尾は呆れたように言って、

その姿を、杏へと作り替える。


258 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 23:24:09.98XP1Xe9Rso (4/8)


杏「こうして手を合わせてみれば分かりますよ」

陽乃「少し手が小さいと思う。これ、伊予島さんじゃなくて土居さんの方じゃない?」

杏「ならこっちで」

最初に合わせた手形と比べて、少し大きい手形

そこに、杏の姿を模した九尾が手をかざしてみると、

ぴたりと合う。

陽乃「土居さんの方もやってみて」

杏「……仕方がないなぁ」

面倒くさそうに言いながら、

九尾は一応、球子の姿を使って、もう一方の手にも合わせる。

それも、ぴったりだ。

陽乃「2人が来たのね」

球子「そうみたいだな」

陽乃「そう……」

少なくとも、ここまでは問題なくたどり着いた証

そして、杏達のたどった道を今のところは陽乃達も追えているという証明

陽乃「血のにおいはしない?」

球子「ああ。問題ない」


259 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 23:28:39.46XP1Xe9Rso (5/8)


九尾は淡々と答える。

球子の姿を模しているため声色は球子なのだが、

抑揚のないそれはなんだか、球子のように聞こえない。

陽乃は杏が取ったであろう本を手に取る。

3年前の時点でだいぶ古ぼけていたであろう本

外国の言葉で書かれているので、

翻訳もされていない、貴重な一冊だろうか。

陽乃「何か……残していたりするかしら」

球子「そうだなぁ」

杏達は、陽乃達がこんなにも早く後を追ってくるとは考えていなかっただろうから、

陽乃達に対してのメッセージは何もないだろう。

しかし、いるかもしれない生存者に対して何らかのメッセージは残しているかもしれない。

球子「少しだけ見てみるか」


260 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 23:29:29.70XP1Xe9Rso (6/8)


↓1コンマ判定 一桁

0,9 メッセージ
ぞろ目 特殊


261以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/22(水) 23:33:07.42F08wvjHRO (1/1)




262 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 23:55:01.21XP1Xe9Rso (7/8)


集合時間までのわずかな時間を使って探してみたが、

杏達が残したと思われるメッセージは何も見つからなかった。

陽乃「そろそろ戻るわよ」

九尾「うむ」

見つからないなら見つからないでそれまでだ。

そもそも、駄目で元々だったのだから、

杏達と同じルートを通れていることが分かっただけでも、良いだろう。

陽乃「何日前にここを通ったのか分かればよかったんだけど……」

九尾「そこまでは測りかねるが、1日2日ではあるまい」

陽乃「ええ」

それは、分かっている。

だが、そうだったら……とは、少し思ってしまう

陽乃「まぁいいわ。早く戻りましょ」

送れたらうるさいし。と、

陽乃は嫌そうに呟いて、来た道を戻っていく


263 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/22(水) 23:55:53.02XP1Xe9Rso (8/8)


√ 2018年 9月9日目 夜:移動①

↓1コンマ判定 一桁

0 戦闘痕
7 バーテックス 発見
9 バーテックス 襲撃

77 進化型
99 完成型

※それ以外のぞろ目は特殊


264以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/22(水) 23:57:44.29yW8/PDy00 (1/1)




265 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 00:05:54.19exa1iwFio (1/8)

規模判定

↓1コンマ

01~00 ※低~高

※完成型はなし


266以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 00:07:14.15wzjRfWQLO (1/2)




267 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 00:26:13.35exa1iwFio (2/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


268以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 00:30:40.40wzjRfWQLO (2/2)


杏たちと同じ道を進めてるなら早く追いつきたいけど襲撃もだんだん増えてきたな…
幸い数自体は減ってきてるのが救いか


269以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 06:53:00.56XTiU+IUYO (1/1)


なるべく手早く片付けたいな


270 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 21:20:35.34exa1iwFio (3/8)

では少しだけ


271 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 21:45:33.12exa1iwFio (4/8)


陽乃『九尾……何か不穏なんだけど』

九尾『うむ。主様の想像している通りじゃ』

九尾の、普段と変わらない声

しかし、陽乃の感覚に引っかかる何かの気配はバーテックスのものだと九尾は言う。

九尾から見て気にするほどのものではないような

容易く対処できる程度の戦力なのかもしれないけれど、

その気の抜き方は、危険だ

陽乃『襲撃なら襲撃だって言って頂戴』

九尾『じゃが、この程度なら――』

陽乃『程度の問題じゃないのよ。大事なことだから』

陽乃は少し怒ったように言って、窓を開ける

「勇者様?」

陽乃「襲撃が来たから行くわ。大人しく待ってて」

外は、バスのライトしか明かりがなく真っ暗で、

しかし、遠くの方から、白い何かが向かってくるのが見える。

陽乃「バスを停めて!」

陽乃の指示に、眠っていた人々が目を覚ます。

寝ぼけ眼な彼らに、「騒がず、出てこないように」と言って真っ先に窓から飛び出す。


272 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 22:14:02.95exa1iwFio (5/8)


陽乃「……確かに、少ないみたいだけど」

向かい来るバーテックスを遠くに眺めながら、

陽乃達のいる1号車の後ろ、2号車の中にいる歌野へと声をかける

声をかけると言っても、

勝手に伝わる本心を利用したものなので、声には出さない。

『私も行くわ!』

陽乃「……」

襲撃が来たことを伝えると、

歌野の心が大慌てで飛び込んでくる。

窓が開いて歌野が飛び出そうとしてくるが、

後から延びた手に引き戻されていく

九尾「主様一人でも十分だと思うが」

陽乃「そうね……」

目に見える範囲と、感覚に引っかかる気配で大体の数は分かる。

歌野は昨日も夜間警戒でしっかりと休息を取れていない上に、

昼間には戦闘もあったばかりだ。


1、陽乃単独
2、歌野と協力


↓2


273以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 22:20:41.70N453tZHbO (1/2)

2


274以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 22:21:02.90KvOjoj2y0 (1/1)

1


275 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 22:46:56.22exa1iwFio (6/8)


陽乃「九尾、行くわよ」

九尾『良いのか?』

陽乃「小言は後で聞くわ。白鳥さんを浪費するわけにはいかないの」

昨夜の警戒

今日の昼間の戦闘

その時に陽乃の力を流したこともあって、

しっかりと休ませないと、今後に響く可能性が高い。

規模が大きいなら、それでも運用を検討するが、

そうではなく小規模であれば陽乃一人の方が今後のことを考えれば、良い。

……はずだ。

陽乃「イザナミ様の力も借りられないから、貴女で行くわ」

九尾「うむ。そもそも過剰じゃろう」

歌野「久遠さん!」

バスから出てきた歌野に手を向けて、止まるようにジェスチャーする。

陽乃「私が対処するから貴女は控えてて」

歌野「でも!」

陽乃「無理する必要はないわ」


276 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 23:45:07.86exa1iwFio (7/8)


歌野「本当に、大丈夫なの……?」

陽乃「駄目だと思ったら出てきたら良いじゃない」

陽乃は歌野へと目を向けることなく、

そう言い捨てて、九尾の力を借りて装束を身に纏う。

陽乃の体調のこともあって気がかりなのは分かるが、

敵は白餅の形をしたもののみで、

進化型や、その上位型のようなバーテックスは見られない。

これなら、力を強く使わなくても問題なく対処できそうだ

昼に襲撃を受けて、夜に襲撃を受けて。

1日で2回目というのが、不安ではあるけれど。

陽乃「……はぁ」

イザナミ様ではなく、九尾の力だ

きっと、問題はない。


277 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/23(木) 23:46:39.22exa1iwFio (8/8)

↓1コンマ判定 一桁

01~10 軽傷 
45~54 軽傷
78~87 軽傷

それ以外は無傷


278以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/23(木) 23:47:23.23N453tZHbO (2/2)




279 ◆QhFDI08WfRWv2021/09/24(金) 00:09:24.75pwOQ3vIRo (1/1)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


280以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/24(金) 00:14:40.41LunWLeGJO (1/1)


ひとまずは怪我なくてよかったな


281以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/09/24(金) 00:22:21.08T/ib/pKLO (1/1)


あとは陽乃さんの力がどの程度余裕あるかだな
諏訪からは大分離れてきて諏訪の神様の力がどうなるか分からないし