1 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/04(金) 23:13:45.45zaoAiUXvo (1/2)

このスレは安価で

乃木若葉の章
鷲尾須美の章
結城友奈の章
  楠芽吹の章
―勇者の章―

を遊ぶゲーム形式なスレです

目標

生き抜くこと。


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2
期間は【2018/07/30~2019/08/14】※増減有

戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%
※ストーリーによってはHP0で死にます

wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに


前スレ

【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【1頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1601649576/
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1608299175/
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1615811898/


2以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/04(金) 23:17:13.27nI0VOlHNO (1/1)

立て乙


3 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/04(金) 23:43:29.09zaoAiUXvo (2/2)


陽乃「上里さんを呼んで貰える?」

『上里様……ですか』

陽乃「前にも要望があったと思うけど」

許可してもらえるとは思っていないが、

せっかくだから言うだけ言ってみようと陽乃は要望を出してみる。

陽乃「話、聞いていないの?」

『そのような要望があったことはうかがっております。
 しかし、上里様は巫女の中でもとても重要な役目を担っており、このような場にお連れすることは出来かねます』

陽乃「神託の件で話があっても?」

『私が承ります』

通信担当の男性は、言い切る。

取り付く島もない

陽乃は歌野の方に目を向けてみるが、歌野は肩をすくませて首を振る。

陽乃が言おうが歌野が言おうが

これに関しては対応に変わりがないらしい


4 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 00:02:58.70upSXl/jbo (1/16)


陽乃「上里さんじゃないと話にならないのだけど」

『お伝えいたします』

陽乃「そう……」

陽乃はため息交じりに呟く。

話を伝えて貰ったところで、ひなたがここに来てくれなければ話にならない。

九尾の力を一部明け渡されているひなたを九尾が操れたら話が早いのにと考えたけれど、

大社に匿われている……軟禁されている状況では、

操ろうがどうにもならなかっただろう。

陽乃「なら、問題はないのね?」

『上里様でしたら、ご健康に問題はないと伺っております』

陽乃「嘘だったら大変なことになるけど」

『偽りなく、真実でございます』

陽乃「ならいいけど」

『久遠様は、上里様と親しいのですか?』

陽乃「まさか」


5 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 00:13:02.65upSXl/jbo (2/16)


向こうでは、ほかの人に比べればかかわった方であることは間違いがないが、

親しいのかと言われると、陽乃は思わず鼻で笑ってしまう。

陽乃「あの子が無事じゃないと、面倒なことになるから気遣ってあげないといけないのよ」

『乃木様の件でしたら、問題はございません。ご了承いただいております』

親しさから考えれば、

ひなたを傷つけた時に一番怖いのは若葉。

だが、陽乃が知る中で一番恐ろしいのは九尾だ。

九尾はひなたを気に入ってしまっている。

それこそ、力を貸し与えて庇護下に置くくらいに

そのひなたが害されたとなれば、九尾が黙っていない。

けれど、それを正直に言うわけにもいかず、

陽乃は「それならいいけど」と話を終わらせた。

『神託の件については、お伝えいたします』

陽乃「期待はしないわ」

信じて貰えるなんて思っていないから。

陽乃の冷たい返しに、通信担当に男性は何も言わなかった。


6 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 00:13:41.74upSXl/jbo (3/16)


↓1コンマ判定 一桁

0、9 九尾

※他 終了


7以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 00:14:48.36UQ7ZuEOgO (1/1)




8 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 00:18:15.71upSXl/jbo (4/16)


√ 2018年 9月2日目 夕:諏訪

05~14 歌野
41~50 九尾
52~61 水都

↓1のコンマ

※それ以外は通常


9以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 00:20:12.87uf8zXkz0O (1/2)




10 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 00:22:10.73upSXl/jbo (5/16)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


11以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 00:31:24.40uf8zXkz0O (2/2)


通信関係はやっぱり期待できなさそうだな
というかひなたはずっと軟禁されたままだったとは…若葉のメンタルも大丈夫だろうか


12以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 06:33:48.31uR4PqQCXO (1/1)


後は諏訪を出発するタイミングを考えないとだな


13 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 21:04:46.99upSXl/jbo (6/16)

√ 2018年 9月2日目 夕:諏訪


夕方になると、神社に来ていた人々もすっかり姿が見えなくなって、

諏訪大社には静寂が戻ってきていた。

杏と球子が四国へと戻って行ったからか、

いつも以上の寂寥感を感じる雰囲気に包まれる中、

陽乃はいつもと変わらずにみんなの部屋から離れた部屋にいた。

陽乃「……」

出来る限り広範囲をつぶせるように力を使って殲滅した。

その前から、陽乃の力に連れて集まってきていたから、

当初の予定よりも大きく被害を与えることが出来たはずだ。

だけど、二人はその安全圏から離れていく道のり。

無事にたどり着いたとして、

すぐに戦線復帰が可能だろうか。

陽乃「……馬鹿みたい」

これは別に、心配ではないと陽乃はぼやく。

寝起きのような、薄い目で暗がりの窓を見つめる。


1、伊邪那美命について
2、九尾を呼ぶ
3、共用の部屋へ
4、イベント判定


↓2


14以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 21:07:32.184m9EtVhK0 (1/3)

1


15以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 21:08:07.94Tp1E0mgYO (1/1)

1


16 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 21:24:54.90upSXl/jbo (7/16)


伊邪那美命が結局どのような存在か認識できなかった。

九尾から、死の力を最も強く神だと言われ、

事実、陽乃は初めての召還において、死にかけた。

そして今回も、

地力が底上げされ、諏訪の神々による恩恵が与えられていてもなお、気を失うほどの消耗

安易に使える力ではないのは、間違いない。

以前見た姿は女性だった。

イザナミ様は、イザナギ様と共に国生みを行ったとされる神世七代に属する、

日本神話においては、原初とも言える天地開闢の代に誕生した神である。

曰く、彼女はカグツチ様を産んだ後遺症で亡くなり、黄泉国に行くことになって

そこで起こったイザナギ様とのトラブルによって、その死の力を強めたという。

陽乃「……なるほど、うってつけなわけね」

だとしたら、これ以上ないほどに彼女の側の人間だと、陽乃は思わず笑ってしまう。

イザナギ様は身内で、陽乃は他人という、決して同列に語れるものではないが、

それでも、反故にされたこと、あまつさえ殺されかけたことは、

強く、イザナギ様の顰蹙を買ったことだろう。

それがまた、より彼女の力を強めている可能性は否定できない。


17 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 21:30:34.04upSXl/jbo (8/16)

>>16 誤字修正


伊邪那美命が結局どのような存在か認識できなかった。

九尾から、死の力を最も強く神だと言われ、

事実、陽乃は初めての召還において、死にかけた。

そして今回も、

地力が底上げされ、諏訪の神々による恩恵が与えられていてもなお、気を失うほどの消耗

安易に使える力ではないのは、間違いない。

以前見た姿は女性だった。

イザナミ様は、イザナギ様と共に国生みを行ったとされる神世七代に属する、

日本神話においては、原初とも言える天地開闢の代に誕生した神である。

曰く、彼女はカグツチ様を産んだ後遺症で亡くなり、黄泉国に行くことになって

そこで起こったイザナギ様とのトラブルによって、その死の力を強めたという。

陽乃「……なるほど、うってつけなわけね」

だとしたら、これ以上ないほどに彼女の側の人間だと、陽乃は思わず笑ってしまう。

イザナミ様は身内で、陽乃は他人という、決して同列に語れるものではないが、

それでも、反故にされたこと、あまつさえ殺されかけたことは、

強く、イザナミ様の顰蹙を買ったことだろう。

それがまた、より彼女の力を強めている可能性は否定できない。



18 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 21:45:39.32upSXl/jbo (9/16)


九尾の力に対してそうであるように、いずれは耐えることが出来るようになる?

正直に言うと、陽乃は無理だと思っている。

イザナミ様の力に耐えられるようになる頃には、すでにこの世にいない。

勇者の力と、諏訪の神々の恩恵

それによって、傷はすぐに癒える。調子もいい。元気が有り余ってもいる

だけど、蝕まれた感覚はなくならない。

最低でも、力の放出後に意識を失うことは避けられないだろう。

九尾の力、伊邪那美命の力

どちらであっても陽乃は体を傷つけている。

陽乃「早死に、するわよね……」

杏はもちろん、水都も薄々と感じているに違いない。

だから水都はあんなに必死に止めたがるのだ。

人を憎んでいなければ、境遇が違っていれば

イザナミ様の力はもう少し、陽乃にやさしいものだっただろうか。

今からでも、それは変わるだろうか。

陽乃「……変わったって」

蝕む力に相違はない。

陽乃「それに、ありえないわ」

人を信じることも、頼ることも。

損得勘定抜きには、そんなことは起こり得ないと、陽乃は首を振る


19 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 22:07:37.51upSXl/jbo (10/16)


陽乃は、テーブルに伏せって目を瞑る。

静かだ。

まるで、自分以外には誰もいないのではないかと思うほどの静けさ。

寂しいとは思わない。

人のぬくもりが欲しいとも思わない。

辛いとも感じない。

陽乃「貴女も、そうじゃなかったの?」

だれもいなくていい。

だれもいらない。

だれも信じられない。

そうやって、黄泉国でただ一人でいたわけではなかったのかと。

陽乃「……」

彼女には、別に、何もいなかったわけではなかったはずで。

陽乃にも、別に、誰もいないわけではなかった。


1、今後はイザナミの力は使わない
2、今後もイザナミの力を使う
3、イザナミを呼ぶ

↓2





20以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 22:13:45.05mPJ964ygO (1/2)

2


21以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 22:14:05.024m9EtVhK0 (2/3)

2


22 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 22:30:02.47upSXl/jbo (11/16)


陽乃「……ひとまずは」

このまま寿命を縮める結果になってしまうとしても、

最悪の事態を乗り越えるためなら、この力は使っていこうと陽乃は決める。

水都には悪いが、

切り札として、この力はあまりにも優秀だ

周りの勇者にも影響があり、

陽乃自身にも強い副作用があるという問題はあるが、だからこそとも言える。

陽乃「もう少し、お力をお貸しください」

九尾のように答えてくれるわけではないが、

耳には届いているはずだから、願いだけは口にする。

叶えて貰えるとも限らないが。

陽乃「はぁ……」

陽乃は、少し気怠そうなため息を漏らす。

体はいたって健康、力も余っている。

だが、変に脱力感がある。

明らかに、伊邪那美命の力の影響だろう。


23 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 22:49:20.21upSXl/jbo (12/16)


今後は、本当に気をつけて使わなければいけない。

水都にせよ、歌野にせよ

力を使う場合は事前に報告は間違いなく必要だ。

何も言わずに力を使って、倒れ、そのままバーテックスに襲撃を受ける可能性も0とは言えないからだ

そうならないくらいの力はあるが、それでも。

陽乃「また、あの子達を喜ばせるんでしょうけど」

信頼されてるだの、頼られているだの

勝手にそう考えて、喜ぶ。

面倒だ。

だけど、自分の身を護るためには、ひと声かけておく必要がある。

陽乃「仕方がない……けど」

二人の喜々とした反応が目に浮かんで。

陽乃は嫌なものを見てしまったように顔を顰める。

陽乃「出来るだけ、使わないようにしたいわ」

声をかけずに済むように

自分の命を削らなくて済むように


24 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 22:57:33.06upSXl/jbo (13/16)


√ 2018年 9月2日目 夜:諏訪

01~10 歌野
56~65 九尾
89~98 水都


↓1のコンマ

※それ以外は通常


25以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 22:58:54.75mPJ964ygO (2/2)




26 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 23:18:14.60upSXl/jbo (14/16)


√ 2018年 9月2日目 夜:諏訪


水都「広くなっちゃいましたね」

陽乃「もともと広かったじゃない。2人減ったところで大差ないわ」

水都「そんなことないですよ。大きいです」

水都は、もう懐かしむような顔で2人がいた場所を眺める。

杏は比較的静かだったが、球子は賑やかだった。

それが、この部屋には満ちていた。

けれどそれは昨日で終わってしまったから、

見た目以上に、部屋は物寂しい感じがする。と、水都は困ったように笑みを浮かべた。

2人は生きている。

これからのために、ここを出て行った。

だけど、ここにはいないから。

歌野「そうね。寂しくないと言えば、嘘になっちゃうわね」

歌野は、水都にほほ笑んで

余った2組の敷布団の上にある枕を手に取る。

片付けるべきだったのに、片付けなかった。


27 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 23:24:41.71upSXl/jbo (15/16)


歌野「だから、こうしましょう」

歌野は、ばらけていた3組の布団、陽乃達の分を、すべて並べる。

歌野、陽乃、水都

3人分が、横並びになると、部屋はさらに余りを多くするが、

密着しているその空間は、少し切り離されているように見える。

陽乃「なにしてるのよ」

歌野「良いじゃない。せっかくだから」

陽乃「はぁ?」

せっかくだからとは何なのか。

これだけ部屋を広々と使えるのだから、

2人分くらいの距離を開けて寝るとかならまだ理解もできる

だが、歌野がしたのはその真逆。

歌野はニコニコとしているが、陽乃はそれを睨む。


1、2人でくっついてなさい。私は嫌よ
2、9月とはいえ、まだ暑いのに馬鹿じゃないの
3、勝手にして……もう、面倒だわ
4、何も言わない


↓2


28以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 23:27:02.064m9EtVhK0 (3/3)

4


29以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 23:31:53.46w+A/sZz3O (1/1)

1


30 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/05(土) 23:37:22.56upSXl/jbo (16/16)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


31以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/05(土) 23:56:25.1950cJMsNqO (1/1)


常に死がつきまとうけど陽乃さんにとっては現状頼れるのは力だけだしなぁ…
陽乃さんの性格が変わるような出来事がないと色々厳しそう


32以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 00:22:06.31PxyFczcWO (1/2)


くっついて寝ればいいのに


33以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 00:29:19.84EcGsAtRP0 (1/1)


天乃先輩お誕生日だね


34以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 09:30:21.80y1d5oF/NO (1/1)

陽乃さん、天乃先輩お誕生日おめでとう
たまには天乃先輩にも会いたくなるな


35 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 18:39:35.48OiFwquz1o (1/19)

では少しだけ


36 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 18:40:13.56OiFwquz1o (2/19)


陽乃「2人でくっついてなさい。私は嫌よ」

冗談でしょ。とでもいうかのように、

やや引いた目をしながら、陽乃は手で払うような仕草をする。

杏と球子には許していたのに? と言われても困る。

あれだって別に好きでやっていたことではない。

歌野「そんな嫌がらなくたっていいじゃない」

陽乃「嫌なものは嫌」

歌野「……もうっ、久遠さんってば」

陽乃「冗談で言ってるわけでもないんだけど」

歌野は距離を置く態度にめげていない

出会ってから、まだ1年も経っていないのに

半年でさえ経っていないし、無理に言って半月位の関係なのに。

陽乃「私は、できるなら一人になりたいの」

水都「私達とは逆ですね」

陽乃「……」

歌野「久遠さんが一人になりたいのと同じように、私達は久遠さんと一緒にいたいと思ってる」

歌野はそう言って

歌野「一人にしたくないって思ってる」

歌野は陽乃の手を掴もうとして、逃げる手を目で追う。

けれど、距離を詰めても陽乃は後退りして離れて行く。


37以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 18:43:50.17MzYyhuXJO (1/1)

来てたか


38 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 18:59:32.05OiFwquz1o (3/19)


歌野「だって、久遠さんすっごく、傷つくじゃない」

陽乃「何言ってるのよ。私は独りになりたくて――」

歌野「違う。戦いの話……バーテックスの攻撃じゃなくて、自分の力で傷ついてる。
    だれかを守るために、何かを守るために、何かのために、私達以上に命を懸けてくれてる」

歌野は、悲しそうな顔をする。

陽乃の今は綺麗な手を見て、驚きに戸惑いながら嫌悪感のにじむ顔に目を向けて

陽乃に触れようとしていた手を引っ込めて、自分の胸に当てる

歌野「今日、久遠さんの痛みが私にまで届いたわ。胸の奥に杭を打ち込まれたみたいに、息が止まっちゃうんじゃないかってくらい痛かった」

陽乃「まさか」

否定する陽乃に歌野は首を振って上塗りする。

そんなはずがないと思う気持ちはわかるが、事実痛みがあった。

陽乃から歌野へと力のつながりがあるため、それが伝わったのかもしれない。

歌野「久遠さんはそれ以上の痛みを感じてると思う。なのに、見て見ぬふりなんてできない」

陽乃「私が望んでいても? あんまりにも、独善的だって思わない?」

歌野「だって、久遠さん優しいじゃない。本当に孤独になりたい人は、こんなに優しくないはずだわ」

陽乃「私は優しくなんて」

歌野「じゃぁ、どうしてここにいてくれてるの? 命を懸けてまで諏訪を守ってくれたの? 伊予島さん達の道を作ってくれたの?
    おかしいじゃない……本当に自分だけでいいなら、こんな場所なんて放って四国に帰ってるはずでしょう?」


1、勘違いしないで。余計な争いを避けたかっただけよ
2、ここでしか使えない力を使っておきたかっただけよ
3、ただの気まぐれよ
4、何も言わない


↓2


39以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 19:02:23.94bYfkhjBh0 (1/1)

2


40以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 19:24:29.690pwl/MY/0 (1/3)

4


41 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 19:33:25.89OiFwquz1o (4/19)


陽乃は、ぐっと唇を噛んで黙る。

論破できるほどの理由があるだろうか。

無理を通したって争いになるだけだったから?

ここに来た意味そのものを失うことになるから?

ここにはまだやり残したことがあったから?

それが最善策だと思っていたから?

どれもこれも "母親より大事なこと" ではない。

陽乃「別に、守りたいとか、そんな思いは……」

歌野「だけど、結果は守ってくれたの」

陽乃の思惑が何であれ、陽乃の行動の結果は歌野達にとって良いものだった。

守りたかったわけじゃないと言われようが、守ってもらったことに変わりはないし、

見捨てるのを躊躇ったわけじゃないと言われても、見捨てずにいて貰ったことになる。

歌野「……はっきり言うわね? 貴女は私たちの命の恩人よ」

陽乃「……」

歌野「意図したことじゃないとしても、私たちは救われてる。そんな人を、放っておけるわけがないじゃない」


42 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 19:47:24.98OiFwquz1o (5/19)


辛くて苦しい過去がある

普通にはありえない闇を抱えている

だから、誰も信じたくないし近寄られたくもないし、独りきりでいたいと思っている。

その気持ちをわかるだなんて歌野は言わない。

その言葉は嘘でしかない。

だけど、思う。

その過去があってもまだ、勇者として結果的にとはいえ人を守っているのに報われないなんてあんまりじゃないかと。

言葉通りに命を懸けて、傷ついて

なのに、感謝の言葉さえも許されないなんて酷いじゃないかと。

裏切られたトラウマは、一生涯その根を絶えることはないかもしれない。

だけど、だからって、傷も、闇も、何もかもをそのまま膝と一緒に抱えている姿を、見て見ぬふりなんてしたくはない。

歌野「嫌いになってくれて構わない。鬱陶しいと思ってくれても構わない。
    それでも私は、いつか久遠さんがこちら側に踏み込んできてくれると信じて近付き続けるわ」

陽乃「……貴女まで」

歌野「久遠さんの行動の結果よ……そうね。因果応報、自業自得かしら」


43 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 20:13:57.47OiFwquz1o (6/19)


陽乃「……そんなの、私は貸しだと思わないし、見返りを与えるつもりもなければ、恩返しなんてする気もない。費やした全てが無駄になるとは思わないわけ?」

歌野「思わない」

歌野は考えるまでもないとすぐに答えて首を振った。

歌野「言ったでしょ。私ってば、自分勝手なの」

水都「私も」

ね。と、2人揃う

どうあっても、2人は陽乃をひとりにはしないだろう。

満面の笑みを浮かべて顔を見合わせる2人から、陽乃は一歩引いた位置にいる。

この一歩、遥かな距離のある一線を、構うことなく突き抜けてくる。

歌野「あ、そうだ」

俯きかけた陽乃の顔を上げさせる歌野の明るい声

歌野「もう一つあったわ。一蓮托生! 私達、そうでしょ?」

陽乃の力が歌野の力になる。

陽乃がダメになれば、歌野もダメになる。

その逆は、ないけれど。

歌野「だから、私達をそばにいさせてくれないかしら?」



1、……嫌よ
2、嫌って言ったって、聞く耳持ってくれないじゃない
3、得られるものは何もないわ
4、馬鹿じゃないの


↓2


44以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 20:15:25.14ku+SLSLZO (1/1)

2


45以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 20:17:39.97EDgtTiXmO (1/2)

2


46 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 20:30:50.61OiFwquz1o (7/19)


陽乃「嫌って言ったって、聞く耳持ってくれないじゃない」

歌野「ええ」

陽乃「……最悪だわ」

歌野「でも、もう取り返しなんてつかないんだから」

歌野は、嫌がらせのように笑顔で言う。

力のつながりができている。

もちろん、絶とうと思えば絶つこともできるだろう

だけど、それで陽乃が得られるのは苦労だけだ。

歌野と水都はきっと変わらない。

歌野「過去にどれだけのことがあっても、それで未来まで台無しにするなんて私が許さない」

水都「ごめんなさい。でも、譲れないものもあるんです」

陽乃「死ぬわよ」

歌野「勇者だもの。命がけでしょ」

2人は引かない。

どれだけ深い溝があっても、諦めよう。なんてことは言わない。

どれだけ遠回りすることになるとしても、いつかは、その先に行くことが出来ると信じて疑っていない。


47 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 20:44:25.77OiFwquz1o (8/19)


陽乃「どうなったって、知らないから」

責任なんて取れない

約束を破ったとか、信じていたのにとか

そんなこと言われても陽乃は何にもする気はない。

人を殺してしまったことも、

向こうでは散々に嫌われていることも、

何もかもを知ったうえでこれなのだから、

その果てに何があろうと、自己責任というものだ。

陽乃「……」

陽乃は自分の腕をぎゅっと抱きしめて、2人から顔を背ける。

信じない、信じられない

頼らない、頼りたくない

陽乃「自己責任で、自衛しなさい。私は関与しないから」

歌野「久遠さんの力を借りてるのよ? 何も問題ないわ」

陽乃「そう……そう、思っていればいいと思うわ。保証はしないけど」

歌野「ええ。思わせて貰うわねっ」

歌野はそれでも嬉しそうで、一瞥するだけで陽乃はため息をつく。

結局、布団の距離が開くことはなかった。


48 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 20:55:27.79OiFwquz1o (9/19)


1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(作戦決行、通信代行、何も言わない、聞く耳を持たない)
・ 藤森水都 : 交流有(作戦前、一緒に、不履行、調子に乗らないで、怒らせたい、特殊1、間違いない、作戦決行、大丈夫だと思った、歌野のところへ)
・ 土居球子 : 交流有(作戦決行)
・ 伊予島杏 : 交流有(作戦決行)
・   九尾 : 交流無()

√ 2018/09/02 まとめ

 白鳥歌野との絆 63→67(良好) ※特殊交流3
 藤森水都との絆 78→81(良好) ※特殊交流8
 土居球子との絆 70→70(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 86→86(良好) ※特殊交流4
   九尾との絆 70→70(良好)


49 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 20:57:48.68OiFwquz1o (10/19)


√ 2018年 9月3日目 朝:諏訪

01~10 歌野
24~43 神託
56~65 九尾
89~98 水都

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※ぞろ目で特殊


50以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 20:58:40.71EDgtTiXmO (2/2)




51 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 21:00:26.79OiFwquz1o (11/19)


では少し中断いたします
21半頃に再開予定


52以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 21:02:48.052JypsLNKO (1/4)

一旦乙


53 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 21:42:22.17OiFwquz1o (12/19)


√ 2018年 9月3日目 朝:諏訪


変わることのない、鳥の声

天井のシミも、傷のような跡も何も変わらない。

なのに、両隣に見える寝顔が違う。

陽乃「……」

昨日までは杏と球子だったのに、今日は、歌野と水都になっている。

陽乃の方に向いている歌野と、普通に仰向けになったままの水都

陽乃は一瞥して、また仰向けに戻る。

5人いた空間も3人になって、やはり、静けさは増したかもしれない。

陽乃「……ん」

時間は、6時頃

歌野達もあと三十分くらいしたら目を覚ますことだろう。


1、沐浴
2、いつもの部屋へ
3、少しお散歩
4、特に何もしない


↓2


54以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 21:50:57.932JypsLNKO (2/4)

3


55以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 21:52:13.280pwl/MY/0 (2/3)

1


56 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 22:40:45.59OiFwquz1o (13/19)


陽乃「……」

ゆっくり、布団の中から足を引き抜いて、

2人を起こさないようにと一応は気遣って部屋を出る。

日課の沐浴のために、参集殿の通路を歩いて、いつもの場所へ向かう。

途中の窓から見える景色は、晴れ渡っている空が見えた。

陽乃「天気は良好……ね」

襲撃なんて悪いことが置きそうもないが、その通りになるとは限らない。

陽乃が昨日命がけだったので、今日は歌野が襲撃に備えていることだろう。

とはいえ、陽乃が昨日のうちに神託も何も受けなかったから、ない可能性が高い

けれど、警戒は必要だ。

陽乃「……向こうは、どうなのかしら」

結界の外、もう県は跨いだだろうか。

そこは曇っているのか、晴れているのか

それとも、晴れのちバーテックスなのか。

陽乃「貴女達がたどり着かなかったら、私の立場がないのよ」

四国側に送り返したことを伝えてしまったから、

もし、途中で力尽きたりなんかしたら、大変なことになってしまう。

やっぱり、あれは早計だったのかもしれない。

陽乃「はぁ」

着替えの場所にたどり着いて、タオルなどがあるのを確認してから服を脱いで、中へと入る


57 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:00:03.46OiFwquz1o (14/19)


温度を確認し、まずは浴槽に溜める分の水を出してから、今度はシャワーの方の水栓を開く

シャワーヘッドから勢いよく吐き出される水をそのまま体で受けると、熱が奪われていくのを感じる。

陽乃「ん……っ」

嫌なことも、悪いことも

何もかもが一緒に奪われていくような感覚

体が冷たくなっていって、一線を超えそうなところからまた熱を持ち始めた。

陽乃「……」

沐浴は、陽乃にとって一番心地のいい時間だ。

水都がいることもあるが、

昨日を除いて、水都は基本静かに取り組んでいるため邪魔になっていないから、

2人だけど1人でいるかのようなこの時間だけは、まっさらで居られるのだ。

今は特に、1人きりだからより安らぐことが出来る。

――はずだった

陽乃「っ……ぅぁっ……」

急に胸の奥がズキズキとした痛みに喘ぎながら力なく頭を垂れると、

排水溝の方に流れていく水に赤みが混ざり始める。

真っ赤になったりはしないが、少しずつ、赤いのが流れていくのを目で遡って。

陽乃「ぅ……げほっ……こほっ」

せき込んだ口を覆った手に血が残って、水で流れる。

陽乃「っ……はぁ……」

諏訪の恩恵があっても、あの力の代償は半日で治りきるのは無理だったようだ。

幸い、痛みはすぐに引いて、水に血が混じることが無くなった。


58 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:18:43.72OiFwquz1o (15/19)


陽乃「……ん」

水の溜まった浴槽に移って、体を浸す。

水を浴びすぎて温まっている体からまた少し熱が奪われて、

もう一度熱を取り戻していく感覚に目を瞑る。

頭の中に浮かんでくる、これからのことや今までのこと

昨日の2人のことだとか。

何もかもを次から次へと、頭の片隅へと追いやって無になっていく

今は何も考えない

考えたくない。

陽乃「……」

離れてと言っても離れてくれない

こびり付く2人のことなど、身を削ってでもどこかへと追いやってしまおう。

陽乃「……やめてって、言ったのに」

陽乃は、独り言ちる。


59 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:19:37.48OiFwquz1o (16/19)


↓1コンマ判定 一桁

0,6 水都
2,5 歌野

ぞろ目特殊

※他はなし


60以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 23:20:25.630pwl/MY/0 (3/3)




61以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 23:20:36.12PxyFczcWO (2/2)




62 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:38:43.71OiFwquz1o (17/19)


沐浴の時間は、静かに過ぎていく。

昨日は陽乃が邪魔する形になったが、

その逆に水都が入ってくることはなく、

ひとりで穏やかに、ひっそりと体を清めることが出来た。

陽乃「……」

もし、水都がいたら吐血するのを見られていただろうから、

イザナミ様の力を使うのは絶対にダメだと念押しされていたに違いない。

今は痛みもないし、体の調子はいいから、

イザナミ様の力を借りた反動の穢れのような何かが、

体から排出されたという感覚だろうか。

陽乃「……大丈夫」

手も足も力が入る、めまいもない

ある程度体の動きを確かめてから出て行こうと、

少しだけストレッチ

広いとはいえ、浴室でのストレッチはいささか異質だったけれど、

2人の目の前で大惨事よりは、マシだと陽乃は切り替えた。


63 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:40:17.96OiFwquz1o (18/19)


√ 2018年 9月3日目 昼:諏訪

01~10 歌野
23~32 水都
45~54 襲撃
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※ぞろ目で特殊


64以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 23:41:36.212JypsLNKO (3/4)




65 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/06(日) 23:46:01.34OiFwquz1o (19/19)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


天乃の方のおまけを出したかったですが、出せなかったので余裕があるときに詰めて今年中には出せればと思います


66以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/06(日) 23:59:37.402JypsLNKO (4/4)


陽乃さん次にイザナミ様の力使ったら死にそうなくらいボロボロだけど大丈夫だろうか…

あと久々に天乃先輩主役の三周目のおまけ二本立て楽しみに待ってます


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 00:10:22.99AQR3NJBAO (1/1)


あんま使わん方がいいなやっぱこれ


68 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 22:32:08.28RWlYliwno (1/6)

では少しだけ


69 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 22:32:51.96RWlYliwno (2/6)


√ 2018年 9月3日目 昼:諏訪


特にこれといった異常もないまま、時間が過ぎていく。

雲の少ない空の青さも、照らす太陽の眩しさも、飛ぶ鳥の影も、

何も変わらない。

朝は吐血したけれど、今はそんな胸の奥の痛みもなく、平穏だった。

陽乃「……」

このままでいいのだろうか。

平和であるのは良いことだと、普通なら思うかもしれないが、

陽乃が昨日行ったのは、陽動作戦だ。

バーテックスを引き付け、あえて諏訪を襲撃させようというもの。

なのに諏訪は襲撃の予兆もなく平和な時間が流れていくだけ。

陽乃は、テーブルに突っ伏したまま顔を横に向ける

陽乃「もう一度、外に出た方が良いかしら」

間違いなく、二人に止められるだろうけれど。



1、外出
2、2人のところへ
3、九尾を呼ぶ
4、イベント判定


↓2


70以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 22:34:33.76q4yJmBXIO (1/1)

1


71以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 22:37:47.48OSGjlVdaO (1/2)

1


72 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 22:51:16.92RWlYliwno (3/6)


陽乃「じっとしていても仕方がないし……」

結界の外にまで出るかは別として

このまま参集殿の中で呆けているのは違うと、陽乃は思い立って体を起こす。

暫く突っ伏していたせいか、わずかに固まってしまっていた感覚のある体をぐっと伸ばしていく。

体の中に溜まっている活力が仄かに騒めいて、

体中にその熱が染み渡る

陽乃「……こういう時に、土居さんがいればよかったんだけど」

結局一度もすることがなかった模擬戦。

約束して間もなく四国に戻ることが決まってしまったから、仕方がないことではあるのだが、

球子がいれば、気軽に全力を出せるとまではいかないけど、

それなりに力をぶつけてしまえるから、いい運動にはなっただろうに。

陽乃「役立たず……」

どうせ聞かれもしないからと、ボソッと呟いて立ち上がる


73 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 23:19:34.60RWlYliwno (4/6)


参集殿の外に出ると、参道にはぽつぽつと人影が見えた。

おみくじを買ったりはしていないが、お参りをしているようだ。

中には絵馬を書いている人までいるみたいで、

昨日の陽乃の力による不安がここに足を運ばせたのは確認するまでもないだろう。

陽乃「……」

地震があったと、水都は言っていた。

その影響で残っていた前宮の御柱まで倒壊してしまったとのことで、

人々の不安と恐怖は最高潮になっていたに違いない。

水都達の努力の甲斐あって、

今すぐに結界が壊れてしまうことはないと納得して貰えているとは思うが。

「あら、もう外に出てきて平気なの?」

陽乃「……はい。大丈夫です」

参拝に来ていた高齢の女性に声をかけられて、陽乃は努めて笑みを返す。

陽乃「私が誰だか知っているんですね」

「あまりお顔を見せない勇者様だってお話は聞いていたの。タマちゃんが、貴女は人見知りだから。なんて笑いながら話していたから、声をかけるか迷ったのだけど、でも昨日、頑張ってくれたって歌野ちゃん達から聞いたから」

女性は思い返した笑みを携えて穏やかに語ると、ありがとう。と頭を下げる。

陽乃「お礼を言われるようなことをしたつもりはありません」

「そう? どうして?」

陽乃「事情があるからです」


74 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 23:42:52.75RWlYliwno (5/6)


諏訪を守ったつもりはない。

むしろ、危険にさらすようなことをしたつもりだった。

運悪く平穏な時間となってしまっているが、

本来なら今、歌野が勇者としてバーテックスと戦っているべきだ。

自然災害が起き、結界が揺らぎ、

住民はいつ壊れるともしれない不安に震えているのが望ましい結果でさえある。

それを引き起こすことを選んだ陽乃は、やはり、首を横に振る。

陽乃「本当に危機が去ったわけでもないのに、救われたわけでもないのに、感謝されても困ります」

「けれど、貴女の頑張りがあったから、今日があると思わない?」

陽乃の否定を聞いても、女性は優しく諭すように言う。

その瞳もまた優しく、温かいものだった。

「明日には滅ぶかもしれないし、今日の夜に人知れず消えてしまうかもしれないけれど、そんな中でも貴重な1日を守ってくれたのよ」

陽乃「……」

「間違いなく、貴女はこの場所とここで生きている人を救ってくれたわ」

きっと、この人は聞く耳を持ってはくれない。

だとしても救われたのだと、また笑顔で言うのだろう。

そんなつもりはないと言っても、首を横に振っても、ここを襲わせるためだと暴露しても

今日という日があることで、守られたという事実が出来上がってしまっているからだ。


1、地震と御柱倒壊の原因が私であってもですか?
2、蝶のような蛾がいるように、勇者のような別の存在もいるんです
3、煽てても、私は守る気なんてありません
4、こんな世界になった原因が、私にあると言ったらどうしますか?
5、何も言わない

↓2


75以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 23:43:50.87cC6nSwNz0 (1/1)

2


76以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 23:44:50.88OSGjlVdaO (2/2)

5


77 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/07(月) 23:47:31.59RWlYliwno (6/6)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


78以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/07(月) 23:56:56.5485jV2BRJO (1/1)


諏訪の人たちがこれだけ好意的だと四国に避難したら陽乃さんの扱いの悪さにショック受けそう


79以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/08(火) 01:17:42.40OfSfpUlfO (1/1)


こうなってくると諏訪の人たちなんとかしてあげたいよなホント


80 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/08(火) 23:03:52.1603k9jCpNo (1/4)

遅くなりましたが、少しだけ


81 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/08(火) 23:04:19.8403k9jCpNo (2/4)


陽乃がそれに答えることなく半歩後ろへと下がると、

女性は思い出したように笑みを浮かべる

「ごめんなさいね。あんまり好きじゃないって言われていたのに、ついつい。嬉しくなっちゃって」

手招きしているかのようなジェスチャーを交えながら、

困ったものだわと独り言ちる女性

慌ただしかった手が、落ち着いて。

「貴女に会ってみたいって人がいっぱいいたのよ? もちろん、私もすっごく会ってみたかったの。
 タマちゃんたちで言うことが全然違ってたりするんだけど、でもね。みんな、貴女は優しい子だって言ってたのよ」

陽乃「ふざけて言ってるだけです」

「そう?」

陽乃「……そう思ってなさそうですね」

陽乃が伏し目がちに指摘すると、女性はやっぱり、笑い声を挟む。

心底嬉しそうに。

「それはそうだと思わない? だって、みんな貴女の話を聞くことしかできていなかったんだもの」

陽乃「全部信じているんですか?」

「みんなが嘘を言っていたのかしら? それとも言わされてたのかしら? そうは思わなかったけどねぇ」


82 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/08(火) 23:28:46.8003k9jCpNo (3/4)


女性はニコニコとしていて、まるで疑っていない。

陽乃は普段から引きこもりだったから、

周りから聞いた人物像しか抱くことが出来なかった。

めったに会うことのできない勇者様。

見かけた人もいないわけではないが、

どれもこれもが、陽乃が苦しんでいる時期のもの。

陽乃は歌野達と外食に出たこともあるけれど、見られたのはごく少数。

それでいて、昨日は意識不明で運び込まれる始末。

バーテックスとの戦いによるものという話はすでにされていたため、

結局、陽乃はほとんど見ず知らずの人々を守った勇者様だった。

「もう少し、寛容になってもいいと思うわ。もしかしたら、完璧じゃないといけないと思っているのかもしれないけれど、
 歌野ちゃんたちも、貴女も、十分にお役目を果たしてくれていると思っているわ」

陽乃「……」

「……とても、悲しそうな顔をするのね」


83 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/08(火) 23:56:19.9003k9jCpNo (4/4)


言われて、顔を上げる。

そんな顔をしたつもりはなかった。

褒められても、煽てられても、

一喜一憂もなく、淡々と受け流しているつもりだったのに。

陽乃「……」

目の前にいる女性は打って変わって、やや深刻そうな顔をしていて

陽乃は、女性の方が悲しそうな顔をしているはず。と、眉を顰めた。

「私達なんかよりもずっとずっと若い子たちが、命を懸けてくれていることが、申し訳ないわ」

陽乃「そうしないと生きていけないだけです。白鳥さん達はともかく、私は誰かを守っているつもりなんてありません」

「……そうなのね」

女性はそれを否定しなかった。

ただ、表情は口よりも雄弁にその心の内を語っている。

「ええ。それでいいのよ」

陽乃「……」

「私達と貴女達。どっちが長生きするべきかなんて、言わなくても分かっているから」

自分のためでいい

そのついで、その偶然

たまたま取りこぼされなかっただけの命であるとしても自分は構わないと、女性は穏やかに言う。

「もし、私たちのことを守るために昨日のようになっていたんだとしたら……ごめんなさいでもありがとうでも、言葉が足らなくなっちゃうじゃない?」

女性は、陽乃の頬に手を伸ばす。

皴のある、年季を感じる手が頬にざらざらと触れる。

「だから、ここに置いて行って頂戴」

陽乃「まだその話は――」

「いいえ。もう何度も聞いたお話だもの。もう十分。老い先短いものに、いつまでも付き合っていくことはないのよ」



1、楽には死ねないとしてもですか?
2、同情を誘おうなんて無駄です
3、知りません。私には関係のない話です
4、その責任を問われるんです。私達は
5、何も言わない

↓2


84以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/08(火) 23:57:00.92eiCoQ0Cb0 (1/1)

5


85以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/08(火) 23:57:33.21KGHyZOXDO (1/1)

5


86以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/08(火) 23:57:42.30p/aLmk710 (1/1)

3


87 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/09(水) 00:05:40.11fLKCy/U9o (1/2)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


88以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/09(水) 00:16:32.46kloZvpoYO (1/1)


これは素直な気持ちで助けたいんだと伝えないと諏訪の人たちを死なせてしまうのでは…
陽乃さんもそろそろ変わらないといけない時が来るのかも


89以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/09(水) 00:48:54.459p8ZJvXsO (1/1)


みーちゃんや諏訪の人たちがいい影響与えてくれればいいけど


90 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/09(水) 23:57:32.13fLKCy/U9o (2/2)


すみませんが、本日はお休みとなります
明日は可能であれば通常時間から


91以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/10(木) 05:14:10.48yyn2+BLFO (1/1)




92 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 21:50:15.21yRpJCu7to (1/8)

では少しだけ


93 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 21:51:01.99yRpJCu7to (2/8)


「……あぁ」

女性は感嘆に似た声を漏らす。

悲しく、温かい。

そんな表情を浮かべながら、陽乃の頬に触れる。

「貴女は、優しいのね」

陽乃「……」

「優し過ぎるのね……救うことが出来ないことを、何よりも恐れているのね」

女性は見透かしたように囁く

陽乃は心の内をさらけ出すような表情を浮かべたつもりはなかったのに。

ただ、言葉を選ぶために口を閉ざしただけだったはずなのに

「ごめんなさいね……あんまりにも、酷いことを言ってしまったみたい」

陽乃「私は……」

「……でも、だからこそ、置いていった方が良いわ」

女性は陽乃から手を離して、少しだけ後ろに下がる。

悲しさばかりだった顔には笑みが浮かぶ。

「間違いなく、負担になってしまうわ」


94 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 22:21:08.87yRpJCu7to (3/8)


「貴女は命を懸けてくれる」

陽乃「……自分のためです」

「そうね。でも、それが結局は私達のためになるんでしょう?」

会話をしたこともない人がいる

顔を合わせたことがない人もいる

もちろん、名前も知らず、性別さえも知らず

そんな何一つ知らない人のことですら

目の前でその命が奪われかねないとなったら、救おうとしてしまうだろうから。

「普通には歩けない人がいるの。長くは歩けない人もいるの。そんな人たちを連れてはいけないでしょう?」

陽乃「そうですね」

「……嘘ばっかり」

女性は、ほほ笑む

陽乃がそうではないと確信しているかのように。

「"いきたい"と言ったら、絶対に見捨てられない顔をしていたのよ?」

陽乃「気のせいです。私はそんな、立派な勇者ではありません」


95 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 22:41:54.76yRpJCu7to (4/8)


女性は何も言わずに笑みを浮かべて見せた。

仕方のない子ね。とでもいうかのようなそれを、

陽乃は一瞥するだけで、視線から外す。

「貴女は勇者だわ。間違いなく、勇者様よ」

陽乃「……」

女性と話す陽乃に気づいた人々が、近づいてくる。

自然には見ることのできない、桜色の髪の少女

ひとたび視界に入ってさえしまえば、

あの子がそうなのかと、悟られてしまう。

「勇者様!」

一人、また一人。

近付いてくる。

その誰もが陽乃を嫌悪せず、昨日のことを案じてさえいる。

「貴女は、勇者様ですよ。久遠陽乃さん」

女性はあえて、そう繰り返した


96 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 22:43:12.15yRpJCu7to (5/8)


√ 2018年 9月3日目 夕:諏訪

01~10 水都
23~32 九尾
56~65 歌野

↓1のコンマ

※それ以外は通常


97以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/10(木) 22:44:26.02pXQI7MYNO (1/3)




98 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 23:18:55.58yRpJCu7to (6/8)


√ 2018年 9月3日目 夕:諏訪


陽乃の周囲の人が集まりだし、

抜け出すこともできないまま、お忍びのアイドルが身バレしたかのような状態にまで発展したが、

通信が終わって出歩こうとしていた水都がその騒ぎに気付いて、

どうにか参集殿へと引き戻された。

今までずっと会うことが出来なくて

なのに、昨日には命がけで戦ってくれた少女のことを、人々は称賛していた。

――のだが。

水都「いいことじゃないですか」

陽乃「……何が」

水都「みんな、会うことが出来なくても思っていてくれたってわかったんですよね?」

陽乃「そんなこと言われても困る」

陽乃がいつも個人的に使う部屋

テーブルに突っ伏す陽乃の耳元で、カチャりと茶器が音を立てる

8割ほど注がれたお茶は、さすがに湯気立っていない


99 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 23:47:55.78yRpJCu7to (7/8)


水都「どうして一人で出かけようとしたんですか? 声さえかけて貰えれば……」

陽乃「私が一人になりたいって知ってるでしょう?」

水都「……無理だと思いますよ」

顔を伏せったままの陽乃のぼやきに、

水都は少し考えたように溜めて、笑み交じりに答えた。

水都「外に出てわかったと思いますけど、今は参拝のお客さんも多いですし。
    それに、今日からは久遠さんに会えるって言うことも伝わってしまったでしょうから」

陽乃「……最悪」

水都「そういわなくても」

陽乃「窮屈だわ」

不貞腐れているような陽乃のそばで、水都は一口お茶を含む

水都「少し休みますか? お夕飯の時には起こしますよ?」



1、そうするわ
2、置いて言って欲しいと、言われたわ
3、諏訪を出る予定は決めてあるの?
4、出て行って


↓2


100以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/10(木) 23:49:51.07pXQI7MYNO (2/3)

3


101以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/10(木) 23:51:03.46nuyPcImZ0 (1/1)

3


102 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/10(木) 23:53:00.90yRpJCu7to (8/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


103以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/10(木) 23:59:09.82pXQI7MYNO (3/3)


諏訪の人たちを救えないとまたトラウマが増えそうだし多少神様の力使ってでもなんとかしたいな


104以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/11(金) 01:24:29.413JJGrMgd0 (1/1)


うたのん陽乃で護衛しながらゆっくり行けるといいな


105 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/11(金) 22:48:02.464MX87F1qo (1/4)

遅くなりましたが少しだけ


106 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/11(金) 22:50:38.844MX87F1qo (2/4)


陽乃「諏訪を出る予定は決めてあるの?」

水都「え?」

陽乃「聞き返さないで欲しいのだけど」

水都「すみません……話を振ってもらえるとは思っていなくて」

小さな笑い声をこぼす水都は、

手に持っていたお茶の入った茶器をテーブルに置く。

水都「そうですね……元々は9月末付近を考えていました。陽乃さんが諏訪の神様の力を受け取る前ですけど」

陽乃「今は?」

水都「出来る限り早い方がいいとは思ってますが……」

陽乃「私の意見がないと決められない?」

水都「そうですね。最終的な決定は陽乃さんじゃないとできません」

陽乃「……でしょうね」

結界の要である陽乃がどうするか

それがなければ、いつまでには……という要望くらいしか出せない

水都「陽乃さんとうたのんの二人がいれば、たぶん、ここを守りきることは可能だと思います。
    すごく、傷ついてしまうかもしれないけど、どうにかなると思いますし……だから、待つことも、できると思っています」

陽乃「何それ」

水都「……よければ、残りませんか?」


107 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/11(金) 23:07:28.854MX87F1qo (3/4)


陽乃「本気で言ってる?」

水都「うたのんは、それも悪くないって言ってました」

水都はそういって笑みを浮かべる。

いつ話したのか知らないが、

球子たちがいなくなってからのことだろうから、最近、そう話し合ったのだろう。

陽乃を除いて。

陽乃「また勝手なこと決めたのね」

水都「それもいいなって、思っただけです」

陽乃「そんなに残らせたいの?」

水都「……可能なら」

水都は嘘なんてないと示すように柔らかな表情で頷く

辛いことばかりの向こう

大事な人がいるとは言うが、

戻れなければどうにもならない。

なにより、向こうには5人の勇者がいる

道中の安全が確保され、

向こうから本格的な救援が来るのを待つのも、選択肢の一つだろう


108 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/11(金) 23:49:07.194MX87F1qo (4/4)


陽乃「勇者の負担が途方もないと思わなかったの? 私なんて、結界の維持をしているのに」

水都「結界の維持に関しては、そこまで影響ないって陽乃さんが言っていたので……」

伺うように言った水都はお茶を一口飲んで、陽乃を見る

歌野とは、ちゃんと話した。

でも、むしろ切り出したのは歌野の方だった。

待とう。なんて、強く言ったわけじゃない

ただ、独り言のように「いっそ待つのもありじゃない?」と、笑っていただけ。

水都「うたのんは、陽乃さんさえいいなら頑張るって言ってました」

陽乃「そう」

だろうなと、陽乃は飲み込む。

歌野は、そう言っていたから

残れるなら残った方が良いと。

そうして欲しいと。

母親が向こうにいると言ったから引いたはずだけれど、

諦めたわけではないらしい



1、お断りするわ
2、救援なんていつになるかわからないわ
3、何考えてるのよ
4、考えておいてあげるわ


↓2


109以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/11(金) 23:50:45.22O98pocOEO (1/1)

1


110以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/11(金) 23:51:02.51g2I4Kz7o0 (1/1)

2


111 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 00:00:39.46UJhl3x3So (1/10)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


112以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 00:07:19.61p+GSL4gjO (1/1)


四国からの再救援か…
大社が派遣してくれる気がしないけど


113以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 09:29:38.44FyzgrFbVO (1/1)




114 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 21:32:36.10UJhl3x3So (2/10)

では少しだけ


115 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 21:35:07.07UJhl3x3So (3/10)


陽乃「救援なんていつになるかわからないわ」

水都「それはそうですけど、でも、結界の要が陽乃さんになった今、以前みたいに期限があるというわけでもないんですよね?」

陽乃「だからって」

水都「だからこそです」

二人にとって、何が一番負担にならないか。

四国にたどり着いてさえしまえば、歌野と陽乃は一般人の警護から解放されるが、

その道のりは険しく長い。

距離は最低でも500km以上

大雑把な計算でも、平均的な時速は3~5kmだろうから、

それが続けられたとして、100時間で300~500km

早ければ休みなし約4日、遅ければそれでも半分程度しか進めない。

当然、休みなしなんて不可能だろうし、

持ち物だって、食料などで重くなるだろうから、移動速度はその遅い計算のさらに半分を前提で考えた方が良い。

それを、勇者である二人は常に気を張って、場合によっては戦い、傷つき、ちゃんとした治療も行えず、

まともな休息をとれないまま、進まなければならない。

水都「はっきり言います……無謀ではなくても無茶です。全員が助かるとは思えませんし……最悪、うたのんか陽乃さんのどちらかが死ぬ可能性さえあります」

陽乃「私が死んだら、白鳥さんも死ぬのは確定だけど」

というよりも、全滅ね。と、陽乃は冗談めかしたように、笑った。


116 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 22:03:33.95UJhl3x3So (4/10)


水都「土居さん達がいるなら、2人1組で対応できるのでまだ考える余地がありましたけど、
    2人しかいないなら、私は反対です。それでも行くと言われたら従うほかないですけど……でも、考えて欲しい」

陽乃「本気で言ってる?」

水都「本気です」

陽乃「……」

水都「お母さんが心配なのは当然だと思います。でも、私は陽乃さん自身のことも考えて欲しい」

考えて欲しい。

二回繰り返されたそれは、

たぶん、どちらも後者につながっているのだろう。

水都はとても真剣な表情をしている。

きつく当たられることも恐れていない。

水都「駄目ですか?」

陽乃「駄目かと聞かれてもね」

水都「陽乃さんのことなのにですか?」

陽乃「だって、それが何に対して駄目なのかが分からないし」



1、無謀なのは間違ってないかな
2、そんなに私が心配?
3、本当にそれだけ?
4、帰るわよ。向こうに


↓2


117以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 22:05:46.84bT4MS3H0O (1/1)

2


118以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 22:06:10.09A6VBWPDb0 (1/2)

4


119 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 22:26:43.10UJhl3x3So (5/10)


陽乃「帰るわよ。向こうに」

水都「それがどれだけ危険だとしてもですか?」

陽乃「私は、絶対にたどり着ける自信があるから」

水都「……そうですね」

場合によっては陽乃が死ぬ可能性もあると、水都は考えていたが、

確かに、陽乃ならたどり着くことは簡単だと思う。

半日程度でこの距離を走破できる力があるから。

でも。

水都「そうですけど」

それは、陽乃が一人の場合だ

陽乃はきっと、

水都たちがいたら、そのすべてを引き上げられないとしたら、

その、最も安全な手段を使わない。

諏訪の人々に囲まれているのを見てしまった。

その人々が、笑顔なのを見てしまった。

欠けられる言葉が、優しいものであると聞いてしまった。

それが、向けられてしまったとしたら、陽乃は――

水都「……」


120 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 22:28:06.68UJhl3x3So (6/10)


↓1コンマ判定 一桁

0,3,7 水都「でも、見捨てられないじゃないですか」
ぞろ目 特殊

※その他 通常


121以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 22:28:18.61mX/01jiEO (1/1)




122 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 22:50:29.09UJhl3x3So (7/10)


水都は、一度開きかけた口を閉じて、

茶器の底にわずかに残ったお茶で濁す。

水都「本当に、絶対ですか?」

陽乃「ええ」

水都「向こうからこっちに来た時、倒れたのに?」

陽乃「あの時と今では違うもの」

今の体なら、九尾に乗り続けたって

暫く戦っていたって、気を失うほどの影響はないはずだ。

イザナミ様の御力を借りてしまうとその限りではないが、

それを使うのはたぶん、他に誰もいないときに限定するから。

陽乃「なに? 私が死ぬとでも思ってるわけ?」

水都「……思ってると言ったら、怒りますか?」

陽乃「醜態を晒した以上、怒ることは出来ないと思ってるけど」

陽乃はそう言って、水都をじっと見る

陽乃「思われてるのは心外だわ」

水都「仕方がないじゃないですか。今まで、そうだったんですから」


123 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 23:08:04.39UJhl3x3So (8/10)


水都「……」

だから無理をして欲しくない。

そう言ったところで、陽乃は止めたりはしてくれない

無理に帰るか、

救援を期待して待つか

どちらが楽かなんて、考えるまでもないことのはずなのに、

陽乃は迷わず、向こうに帰ることを選んだ。

水都「陽乃さん」

陽乃「なに?」

水都「だったら、全員は諦めるしかありませんね」

陽乃「貴女……」

陽乃が目を見開いたのを見て、水都はぐっっと噛んだ唇を放す。

水都「話、聞いたんですね」

水都は、悲し気な笑みを浮かべがら言う。

住民のみんなはもう、四国に行くかどうかの話を聞いている。

何度も話して、考えて貰って、答えを出してくれている。

そこに陽乃のあの姿を見てしまっては、水都達が避けたかった方向で決心してしまう人も少なくなかったはずだ。

水都「以前にもお話しましたけど、ここに残るつもりの人はいました。
    でも、それ以上の人たちまで、自分たちはここに骨を埋めたいんだって、答えを変えて……」

陽乃「……」

水都「無理矢理連れ出しても足を引っ張るだけになると思うので……安全を考えるなら置いていくしかありません」


124 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 23:29:47.85UJhl3x3So (9/10)


水都「さっき、囲んでいた人達はみんなそう……陽乃さんとうたのんのことを考えて、ここに残ることを決めた人たち」

陽乃「そう。だから?」

水都「諦められますか?」

陽乃「諦めるの意味が分からない」

陽乃は、まっすぐ水都を見る。

何を言いたいのかと、やや、不機嫌になっているように感じるそれを、

水都は避けることなく、受け止めて。

水都「出て行くってことは置いていくってことなんです。あそこで、話していた人たちを――」

陽乃「本人が望んでるならそれでいいじゃない。諦めてる人達を助けてあげるほど、私は勇者じゃないし」

水都「本当にいいんですか?」

陽乃「……私に聞かないで」

いいかどうか聞かれても困る。

その決定は陽乃にはできない。

本人がそうすると言っているのなら、それまでだ

陽乃「駄目だと思うなら説得したらいいじゃない。任せるわ」

水都「……なら。いつ。戻るつもりなんですか?」


1、9月半ば(9月8日目)
2、9月後半(9月14日目)
3、10月前半(10月1日目)
4、10月半ば(10月8日目)
5、10月後半(10月14日目)
6、その他


↓2


125以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 23:31:36.11A6VBWPDb0 (2/2)

3


126以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 23:38:17.90Qag9kqp0O (1/2)

4


127 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/12(土) 23:43:00.96UJhl3x3So (10/10)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから


128以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/12(土) 23:54:42.30Qag9kqp0O (2/2)


住民についてはもう説得次第か…
あといつの間にかみーちゃんが陽乃さんを名前で呼ぶようになってるな


129以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 02:48:56.29dyBkTphUO (1/1)


今まで耐えてようやくここまでいい方向に向かってきてて後味の悪い結果になるのは嫌だなあ


130 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 15:50:44.26mpTeSUYQo (1/22)

では少しずつ


131 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 15:51:39.34mpTeSUYQo (2/22)


陽乃「10月半ば(10月8日目)には、四国に向けてここを発つわ」

水都「1ヶ月の猶予をくれるんですね」

陽乃「実に好意的な解釈ね」

水都「正直、9月中に発つって言うと思ってました」

今はまだ、9月初め

来週、再来週……9月末

今週末と言われる可能性だって、水都は考えていた。

だけど、陽乃は一月後を指定した。

それだけの時間、救援を待つことが出来る

人々を説得することが出来る。

決して長くはないけれど、短くもない。

陽乃「準備する時間だって必要でしょう? 今すぐ発つだなんていわれても困るじゃない」

水都「置いていく気は、ないんですね」

陽乃「言葉の綾よ」

水都「ふふっ……そうですね。言葉の綾です」


132 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 16:41:41.46mpTeSUYQo (3/22)


水都「陽乃さんの考えは解りました。うたのんにも、その予定で話します……というか、陽乃さんも一緒に話した方が良いですよね? うたのんはたぶん、文句を言ったりはしないと思いますけど、念のため話し合いしましょう」

陽乃「どうせ貴女と変わらないんだから、私が話す意味なんてないんじゃない?」

水都「駄目です」

大雑把に手を振って払う素振りを見せる陽乃に、水都は強く言い返す。

確かに、歌野も水都と考えは似ている。

水都から報告したって、歌野が気を悪くすることもない。

だけど、

ただでさえ話す機会を葬ろうとする中で、

一応は重要な話なのだからと、引っ張り出せるこの話は大事だ

水都「うたのんだって、何か言いたいことがあるかもしれないので」

陽乃「それを聞くのが億劫だって私の気持ちを酌んではくれないのね」

水都「大事な話ですから」

陽乃「……そう」

水都は、相変わらず笑みを浮かべている。

突き放し、拒絶し、

そして今、多くの人々を見捨てる決断をした陽乃を、

しかし、水都は穏やかに見ている。

その好意的な視線を、陽乃は不快に思う。


133 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 16:47:45.17mpTeSUYQo (4/22)


陽乃「気が向いたら話すわ」

水都「お夕飯の時で良いじゃないですか」

陽乃「嫌よ。食事が美味しくなくなる」

水都「なら、お風呂の時はどうですか?」

陽乃「1人で入るから」

水都「広いんですから、いいじゃないですか」

最低でも、5人6人は入れるような広さの浴室。

1人独占できるというのも気持ちは良いけれど、

仲良く入るのも、修学旅行みたいで楽しいと言ってたのは、球子だったか。

陽乃「貴女ね……私が何も言わないからって、調子に乗らないで」

水都「言われてはいますよ……ただ、めげても仕方がないと思っただけです」

どさくさに紛れて、陽乃さん。と呼び始め、

特に何も言われないから、

そのまま変えていない水都。

それが誤解を生んでいるならと目を鋭くさせた陽乃に、やはり、水都は笑みを浮かべた。

水都「私は、陽乃さんと親しくなりたいです」


134 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 16:56:03.47mpTeSUYQo (5/22)


√ 2018年 9月3日目 夜:諏訪

01~10 歌野
23~32 水都
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常


135以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 17:00:10.05NVrC0iHcO (1/2)




136 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 17:12:45.55mpTeSUYQo (6/22)

√ 2018年 9月3日目 夜:諏訪


陽乃「はぁ……」

陽乃のため息が、湿気に圧し潰されて広い空間に小さく木霊する。

1人で使うには広すぎる浴室。

朝と違って、温かさに包まれているからか、

湯気と湿気に満ちている空間は、

ほんのりと息苦しさを感じさせるが、体に大きな異常は感じられない。

今朝のように、血を吐くことはないだろう。

――だけど。

陽乃「どうしてついてきたのよ」

歌野「良いじゃない。たまには」

陽乃「……確かに貴女が来るのは珍しいけど」

広い浴室に、大きな浴槽

建築資材に詳しくはないので、これが実際にそうなのかは知らないが、

木製の……檜でできているかもしれない縁の部分に、陽乃は爪を立てながら、歌野を一瞥する。

歌野「みーちゃんばっかり相手にして……狡いわ」

陽乃「何言ってるのよ」


137 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 17:25:04.90mpTeSUYQo (7/22)


歌野「良いじゃない。相手にしてくれたって」

陽乃「……知ってるでしょ。私はそういうの好きじゃないの」

歌野「残った二人の勇者だから、仲良くした方が良いと思うわ」

そうでなくても、力のつながりがある。

歌野が陽乃に依存しているような力関係だが、

陽乃の身体的ダメージの感覚の一部が歌野に伝わっていたりと、

その制御は陽乃自身にもしきれていない節がある。

歌野「久遠さんが人にどれだけ嫌な思いをしたかは知らないけど、でも、私達は二の轍を踏まないって約束する」

歌野はそう言って、

疲れを癒すかのような溜息をこぼしながら、

ずるずると浴槽の中に体を忍ばせていく

歌野「一蓮托生って、言ったじゃない」

陽乃「私は言った覚えないわ」

歌野「そうね」


138 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 17:41:11.03mpTeSUYQo (8/22)


歌野「10月半ばで、本当にいいの?」

陽乃「遅すぎるって言いたいの?」

歌野「そうじゃないけど、行こうと思えば今月中だって可能だわ。聞いてたとは思うけど、9月末ごろに出る予定で準備していたから」

かなりの規模の行進予定だったから

その分、準備だって早々に始めておく必要があった。

持ち運び出来て、保存も利く

賞味期限に目をつぶるとして、消費期限に重視した携帯食料だとか。

持っていく総量も減少したから、

最悪、今週末と言われてもどうにかなる状態ではあったのだ。

歌野「なのに、一ヶ月も時間をくれたじゃない? 期待はしていないみたいだけど、みーちゃんと私の意を酌んでくれたみたい」

陽乃「……私が準備をしたいだけよ」

歌野「体の調子が悪い?」

陽乃「違うわ」

陽乃の迷わない否定に、歌野は小さな笑い声を上げる。

ばしゃんっと音がしたかと思えば、

歌野の上半身が湯船から出ているのが見えた。

歌野「今朝、ちょっとだけ痛みを感じたの……残念だけど、久遠さんの体について、嘘は通用しないわ」

陽乃「自分のことだとは、まったく思っていないのね」


1、そうよ。まだ少し残ってる
2、気のせいよ。私じゃないわ
3、貴女は聞いたの? 残留希望者の話
4、貴女、鍛練する気はある?
5、そんな話のためについてきたの?


↓2


139以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 17:44:42.43oVVv1fNY0 (1/4)

3


140以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 17:45:03.56NVrC0iHcO (2/2)

1


141 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 17:54:33.11mpTeSUYQo (9/22)


陽乃「そうよ。まだ残ってる」

陽乃は諦めて、答える

つながりがあって、それが実際に伝わってしまっている以上

ここで嘘をついたところで、何の得にもならない

陽乃「今は平気だけど、朝は血を吐いた」

歌野「どうして、何も言わなかったのよ」

陽乃「いう必要なんてないじゃない。気を失ったわけでもないんだから」

歌野「だけど、体が」

陽乃「今更でしょ」

一応は回復しているし、どこかが壊れたままというわけじゃない。

ただ、まだ残っていた穢れのようなものが、

神聖な儀式によって排出されたようなものだった。

だから、別に、報告が必要なほどのものではないと、陽乃は思って。

歌野「やめて」

陽乃「……」

歌野「そういうの、隠さないで」

陽乃「なによ。能天気な笑顔はどうしたの?」


142 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 18:07:03.40mpTeSUYQo (10/22)


歌野「久遠さんは私のことをポジティブで、土居さんみたいに快活だって思ってるかもしれないけど。怒るときは怒るし悲しむときは悲しむし、怖いものは怖いし……嫌なものは嫌だって言うのよ」

陽乃「それが今?」

歌野「久遠さん、どこまで自分をないがしろにしているのよ……昨日だってそう、あんな大きな力使って!」

陽乃「必要だから使ったのよ。ないがしろにしてるわけじゃない。現に、こうして無事――」

歌野「血を吐くような体を、無事とは言えないわ!」

歌野が叫び、いきり立つ

湯船が大きく乱れ、波立って、浴槽のふちからお湯が一気に流れていく

どこか後ろめたさを感じたのか、視線をさまよわせながらもう一度湯船につかった歌野は

言えないから。と、小さな声で言う。

陽乃「なに?」

歌野「みーちゃんの気持ちがよーくわかったわ」

陽乃「そう……自覚できてよかったじゃない」

歌野「それはそれ。これはこれだわ。久遠さんは自分をもっと大事にした方が良い」


143 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 18:19:46.84mpTeSUYQo (11/22)


歌野「だから、もう少し私達を頼って頂戴」

歌野は自分の胸に手をあてて、ぐっっと張って見せる。

陽乃の持っている力に比べれば、確かに他は頼れるものではないかもしれない。

だが、歌野は特に、陽乃とのつながりがある上に、

戦闘の経験でははるかに上回っている。

力の底上げとなる九尾達の力を除いたら、陽乃は歌野に勝ち目がないだろう。

戦力としては申し分ない

むしろ、それに値するから、ここに来たのだ。

だけど、歌野の申し出はその限りではない。

戦力としてはもちろん、

それを関係なく、人として頼って欲しいということだろうと、陽乃は黙る。

少しでも傷つかずに済むために、

少しでも落ち着くことが出来るように

信じ頼って欲しいと歌野は言っている。

そして、水都は言っていた。

歌野「そうしてくれるまで、私達は何度だって繰り返しちゃうんだから」

歌野は、ご要望の笑顔よ。とでもいうかのように笑顔を見せた。



1、お断りよ
2、考えておいてあげる
3、不幸になるわよ
4、何も言わない

↓2


144以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 18:26:50.57C3Bt1bQwO (1/3)

2


145以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 18:27:26.43oVVv1fNY0 (2/4)

3


146 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 19:32:39.17mpTeSUYQo (12/22)


陽乃「不幸になるわよ」

歌野「あら。壺でも買わないとダメかしら」

陽乃「冗談じゃないのだけど」

今はまだいい。

だけど、向こうでも今と同じように陽乃のそばにあり続けるということは、

大衆の意志に反する行為に等しい。

そんな勇者は反感を買う

そんな人々は迫害を受けるかもしれない。

だから、不幸になるのは間違いがないはずなのに。

歌野「知らない」

陽乃「……」

歌野「不幸になんてならない。だって、久遠さんのそばにいられるだけで幸せだもの」

陽乃「馬鹿じゃないの? 分かってるでしょう? 私の境遇」

歌野「私達を連れ帰った実績があれば、久遠さんを守れる。だれにも文句は言わせない。貴女が勇者であることを、誰にも否定させないわ」


147 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 19:57:38.67mpTeSUYQo (13/22)


陽乃「無理よ」

歌野「だとしても、押し通すわ」

無理だというなら無理かもしれない。

だけど、だからってその歩みを止める気はないと、歌野はきりっとしている。

陽乃が諏訪から人々を連れ帰ってきたという実績さえあれば、

そんな無理など押し通せると信じて疑っていないようだ。

陽乃「……馬鹿みたい」

歌野「馬鹿で良いじゃない。その方が、気が楽になるから」

歌野は楽しいことでもあったかのような笑顔で言って、

ぐぐっと、体を伸ばす。

歌野「久遠さんは真面目過ぎるのよ。たまには、もう知るかーっ! って、叫んでふて寝しちゃったって良いんだから」

陽乃「土居さんを参考にされても困るわ」

歌野「あはははっ土居さんだなんて言ってないのに」

声のトーンは確かに、それっぽくしたけれど。

なんて、歌野は笑う

歌野「私は久遠さんの半身みたいなものよ。だから、頼って頂戴」


148 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 20:19:22.26mpTeSUYQo (14/22)


明るい雰囲気のままに、

歌野はもう一度、まじめなことを言う。

歌野「その信頼に報いると誓うわ。だって、この力は久遠さんから与えられているものだもの」

陽乃「信頼って言われてもね」

歌野「してくれてないの? こんな裸の付き合いだってしてるのに」

陽乃「したくてしてるわけじゃないから」

勝手についてきて、

勝手に一緒に入っているだけ。

だから、付き合いをしているわけじゃないと陽乃は否定をしたが、

歌野は「ふぅん」と、含みのあるつぶやきを漏らす

歌野「なら、みーちゃんとはしてるってことで良いわよね? 勝手について行ってるわけじゃないんだから」

陽乃「それとこれとはべつよ」

朝の沐浴のことだろうと判断して、陽乃は首を振る

陽乃「あれはそういう考えで行うことじゃないから、関係ないわ」

歌野「もう……またそうやって受け止めてくれないんだから」

歌野はちょっぴり残念そうに、こぼした


149 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 20:20:26.03mpTeSUYQo (15/22)


↓1コンマ判定 一桁

1,4,9 歌野「嫉妬しちゃうわ」
ぞろ目 特殊


※その他終了


150以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 20:24:15.43oVVv1fNY0 (3/4)




151 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 20:52:10.17mpTeSUYQo (16/22)


1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(身体ダメージ、不幸になるわよ)
・ 藤森水都 : 交流有(諏訪を出る予定、救援なんて、帰る、10月半ば)
・   九尾 : 交流無()

√ 2018/09/03 まとめ

 白鳥歌野との絆 67→69(良好) ※特殊交流3
 藤森水都との絆 81→83(良好) ※特殊交流8
   九尾との絆 70→70(良好)


10月8日目 諏訪→四国


152 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 20:54:09.08mpTeSUYQo (17/22)


√ 2018年 9月4日目 朝:諏訪

01~10 歌野
23~32 水都
45~60 襲撃
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常


153以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 20:55:51.18C3Bt1bQwO (2/3)




154 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 21:17:51.51mpTeSUYQo (18/22)

√ 2018年 9月4日目 朝:諏訪


陽乃は敷布団に横になったまま、天井の木目をじっと見つめて

静寂の中の微かな寝息に目を細める

お風呂にまで一緒してきた歌野も、

布団の中にまではさすがに一緒してくることはなかった。

それでも、変わらず横に並んでいる。

陽乃「……」

タイムリミットは、残り約一ヶ月

歌野は解らないが、水都は住民を説得して四国に連れていくつもりだろう

だが、昨日の話をおもえば、たぶんそれは無理だ

陽乃「……」

みんな足を引っ張りたくないと思っている。

少しでも人が減れば楽になるだろうと決心している。

あれは、説得でどうにかなるものではない

陽乃は、寝返りを打って横を見る

水都の眠る、布団。

枕の上にある頭は横を向いていて、

陽乃には顔を見ることは出来なかった


155 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 21:30:25.60mpTeSUYQo (19/22)


そろそろ二人も起きる時間だろうか。

陽乃は基本的に二人よりも早く起きて沐浴に向かったり、

いつもの部屋でのんびりと過ごしている

陽乃「……」

今日も、どちらかで良いだろうかと少し考える。

昨日は沐浴に向かった結果吐血してしまったが、

さすがに二日目にもなれば、そうならないはずだろうから。

沐浴などの不浄を祓うような行為ではなかったものの、

歌野と入浴した際は問題なかったので、きっと大丈夫

陽乃「ん……」

ただ、相変わらず襲撃も神託も何もないのが気になる

とはいえ、結界の外に出るのはさすがに危険だろうか



1、もうひとやすみ
2、沐浴
3、いつもの部屋
4、外出


↓2


156以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 21:34:53.75C3Bt1bQwO (3/3)

3


157以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 21:36:30.23M1OgaI2eO (1/3)

3


158 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 22:02:15.31mpTeSUYQo (20/22)


陽乃は、静かに体を引っ張り出す。

わずかに布団がずれて行ったが、

両隣の二人は気づいてはいないようで、陽乃はこっそりと部屋を抜け出した。

別に気づかれても害はないけれど、

確実についてくるからだ

あとで気づいたら、どうせ近づいてきてしまうけれど。

陽乃「……はぁ」

通路の窓から見えるのは、曇天

打って変わって天気が悪いのは襲撃の前触れのように感じるが、

神託は来ていないから、そうではないはず……と、

陽乃は足を止める

陽乃「神託自体が失われている可能性もないとは言えないわよね……」

陽乃が代理となった影響で、

それを発する効力が失われた可能性もあると、

陽乃は考えを改めて、また奥へと進む。


159 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 22:20:51.25mpTeSUYQo (21/22)


いつもの部屋にたどり着いて、さっそく窓を開ける

極力虫が入ってこないようにと、虫よけ用のプレートを吊るして

ついでに、蚊取り線香を焚いて……

陽乃「……やっぱり、トラウマになってるのかな」

体中を虫が張っているような感覚

飛び回る羽虫の音

ぽとりぽとりと、落ちていく何か。

陽乃「っ」

びくんっと体を震わせた陽乃は、総毛立った腕を抱き寄せながら摩る。

嫌な過去だ

陽乃「バーテックスくらい大きければ、トラウマも何もないのに」

たかだか、小さい虫なんかに身震いしているなんて、

球子が知ったら笑うだろう。

陽乃「はぁ……」

窓から風が吹き込んでくる。

まきあがる蚊取り線香の香ばしい匂いを感じる

1人だと、本当に穏やかだ



1、九尾を呼ぶ
2、白鳥歌野について
3、何もしない


↓2


160以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 22:22:57.65M1OgaI2eO (2/3)

1


161以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 22:23:25.32oVVv1fNY0 (4/4)

1


162 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/13(日) 22:26:06.84mpTeSUYQo (22/22)


では少し早いですが、本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


163以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/13(日) 22:58:17.36M1OgaI2eO (3/3)


三年間生き延びただけあって諏訪の二人のメンタル本当に強いなぁ
この一ヶ月で陽乃さんの心をどこまで癒せるかが重要だな


164以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/14(月) 06:42:56.42gRzGWTw5O (1/1)


歌野や水都が本気で陽乃のことを心配してくれててありがたいな


165 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/14(月) 21:59:55.218qpvOPsEo (1/5)

では少しだけ


166 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/14(月) 22:04:02.828qpvOPsEo (2/5)


陽乃「……九尾、いる?」

九尾はいつも陽乃の影に潜んでいるように現れる。

本当に潜んでいるのか、そう見せているだけなのか

それは、九尾に聞かなければわからない。

『何用じゃ主様』

陽乃「出てこないのね」

『必要がなかろう』

陽乃「まぁ、そうね」

九尾とは直接会話ができる。

最初のころは慣れなかったが、

今ではもうすっかり、常習化していて

不意に声をかけられても、声を上げるようなこともなくなった。

陽乃「……状況は?」

『ふむ……諏訪の周囲に主様の影響が出ておる。きゃつらが近寄らぬのはそれが理由じゃろう』


167 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/14(月) 22:44:07.958qpvOPsEo (3/5)


陽乃「……なら、残りが全部あの子たちの方に行っている可能性があるの?」

『主様の力はある種の結界のようなものじゃ。諏訪を守護しているような、生の力などではないがのう
 その悪しさゆえ、きゃつらも捨て置くことは出来ぬじゃろうて』

陽乃「つまり……なに? どっちなの?」

『何もせぬよりは意味もあったということじゃ』

諏訪に手を出してくることはないけれど、

その周囲にはまだ、バーテックスがいるということらしい

陽乃は窓縁に腕を敷いて、ふっと息を吐く。

蚊取り線香の煙が、体に入ってくる

陽乃「ならいいけど」

『不安かや?』

陽乃「大社にあの子たちのことを伝えてしまった以上、無事にたどり着かなかったら私の責任になるわ。どうせ、無理矢理に連れ出したせいだとか、分かっていかせたとか」

『分かって行かせたのは事実じゃろう』

陽乃「そういうことじゃないってば」


168 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/14(月) 23:22:09.798qpvOPsEo (4/5)


くつくつと九尾が笑う。

陽乃一人なはずの部屋に響く声

はたから見れば不気味だが

よく見ると陽乃から延びる影が、少女のそれではなくなっている。

『本当に戻るのかや?』

陽乃「そのつもりよ。なに? 都合が悪い?」

『妾は構わぬが、よいのか?』

陽乃「良いのよ。いずれはそうすべきだもの」

いつまでもここにはいられない。

陽乃の力で結界の維持は可能だが、

この隔離された土地では限界があるだろう。

向こうだって、広いとはいいがたいけれど、まだ余裕がある。

『……ならよいが』

陽乃「何か気になるの?」

『ゆくならば、一人が良いと思うが』

陽乃「それはできないわ。それをやるわけにはいかないの」





169 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/14(月) 23:49:23.768qpvOPsEo (5/5)


誰も連れて行かない

全てを見捨てる

それは、陽乃が一番嫌いな裏切りに等しい。

確かに足かせになるが、

だとしても、陽乃はそれをできない。

陽乃「白鳥さん一人だから、強行突破はできるけど、でも、それをしたらすべてが台無しになるじゃない」

『そうじゃな』

陽乃「言い訳じゃないわよ」

『何も言うてはおらぬ。言わずとてわかる。白鳥歌野もそうじゃな』

陽乃「白鳥さんに痛みが筒抜けになるのね」

『妾と主様のような関係をおもえばよい。あの娘が主様ほどの素質があれば、余計なことまで知られておったやも知れぬぞ』

陽乃「……私、白鳥さんのこと何もわからないのだけど」

陽乃が退屈そうに言うと、

狐の形の影がうごめいて、陽乃に並ぶ

『主様が何も知ろうとしておらぬだけじゃろうて』


1、どういうこと?
2、白鳥さんのことなんて別に知りたいとは思ってないもの
3、今だって少しは知ろうと思ってるわよ?


↓2


170以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/14(月) 23:51:09.25Pjt9B1/D0 (1/1)

1


171以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/14(月) 23:51:24.57SeLpwqS00 (1/1)

1


172 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 00:05:03.95BUe/2PgFo (1/6)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


173以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/15(火) 00:16:22.07E0ipF+LJO (1/1)


結局どうあがいても見捨てることができそうにない陽乃さん
うたのんとの信頼関係が色々左右しそうだな


174以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/15(火) 00:22:06.93Hge2U4T3O (1/1)


四国の人たちみたいな態度ならまだしもこれは見捨てられんよかあ


175 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 22:33:22.78BUe/2PgFo (2/6)

では少しだけ


176 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 22:37:43.63BUe/2PgFo (3/6)


陽乃「どういうこと?」

『娘が言うておったであろう? 主様のことを考えておったと。勇者として選別される程の素質を持ち、加えて、主様の力は異質で強固な縁となっておるがゆえ、主様から流れ出る力を感じ取れておると見える』

陽乃「それが私にも出来るって言ってるように聞こえたけど」

『うむ。主様ならばたやすいことじゃろうて』

だが、まったくそんな気配がない。

言われてみて、歌野のことを考えてみても感じ取れた様子はなく、

しんっと静まった参集殿のどこかで、かすかに声がしているかな……という程度である。

半信半疑な陽乃の目を見て、九尾はくつくつと喉を鳴らす。

『主様はあの娘に興味がない。知を拒んでおろう? それでなにゆえ、知を得られようか』

陽乃「だって……」

『あの娘は真に主様の知を求めているからこそ、最も強き痛みを共に感じておる。主様も、拒まず受けてみればよかろう。白鳥歌野との間に結ばれた縁を、否定することなく受け入れてみよ』

陽乃「そんなこと言われたって、私は別にそんな変なところにまで気を配ってなんていないわよ」

言葉で拒絶し、態度で拒んでいる

けれど、目に見えないところにまで神経をとがらせているつもりはなかった。

『主様自身が拒もうとしておるのならば、裏も変わらぬ。あの娘どもは、主様の忌み嫌う人間と同じものかや?』


177 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 22:57:16.93BUe/2PgFo (4/6)


陽乃「忌み嫌ってるわけじゃ……」

あの人たちにだって、

守ってあげたなんて、恩を売ったつもりはなかった。

ただ、自分にはそれをするだけの力があって、

そうしたかったから、そうするべきだと思ったから、

陽乃は人々を守って戦ったし、

それでもなお、救うことのできなかった人々には申し訳ないと思った。

だけど、それさえも塗りつぶすほどに、彼らの行いには絶望したのも事実だ。

そういう家系だから。

だから、問答無用で死んでくれと外に放り出されたあの日。

それを生き延びてなお、親友だと思っていた者にまで忌避され

果てには武器を持って襲い掛かってくる人までいる始末

陽乃「……」

それらと、歌野達は同じか否か。

それはもちろん、考えるまでもないことなのかもしれない。

――けれど

陽乃「色々困るのよ。私が」


178 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 23:08:34.25BUe/2PgFo (5/6)


陽乃「……守らないといけなくなるじゃない。あんな経験、したくないから」

陽乃は多くのものを失った。

他人、知人、友人、親戚、肉親。

奪われる瞬間のあの声、瞳、音、におい。

何もかもをまだ、鮮明に覚えている。

忘れられない、忘れることが出来ない。

だけど、それがなかったとしても、陽乃は人々の怨嗟の的になっている。

お前が生きているからと、

お前が死ななかったからだと、

ついこの前、人を殺めることになったのだってそれがきっかけだった。

陽乃に味方した人々は、容赦なく押さえつけられていたし、

それは勇者だろうと一般人だろうと関係がなかった。

だから、不幸になる。と、陽乃は嘘みたいなことを本気で言うし、拒む。

陽乃「良いのよ……このままで。その方が気が楽だわ」

『良いのかや?』



1、仕方がないじゃない
2、分かってるのよ。あの子たちは違うって
3、良いのよ
4、良くなかったらどうにかなるの?


↓2


179以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/15(火) 23:10:38.551O+LCUogO (1/2)

2


180以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/15(火) 23:11:18.47omIKqyfq0 (1/1)

2


181 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/15(火) 23:19:18.15BUe/2PgFo (6/6)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


182以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/15(火) 23:32:55.421O+LCUogO (2/2)


改めて見るとここまでの陽乃さんの境遇がトラウマしかないな…


183以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/16(水) 06:44:14.74Ujwh8ss2O (1/1)


そろそろ心を開く時か


184 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/16(水) 22:36:33.16sRvJekNRo (1/5)

では少しだけ


185 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/16(水) 22:37:08.03sRvJekNRo (2/5)


陽乃「分かってるのよ。あの子たちは違うって」

『ほう……?』

考えに耽るような九尾の吐息交じりの声

陽乃は流し気味に目を向けるが、

そこに見えるのは形の変わった自分の影だ

陽乃「なに?」

『理解していながら、主様はあの態度だったというわけか』

陽乃「笑ってもいいわよ」

『くははっ』

すぐ隣から聞こえてくる笑い声を聞きながら、黄昏る。

九尾は聞かずとも分かっていたことだろうし、

そもそも言われたから笑っているだけで、

本当なら、彼女にとっては一笑の価値もないはずだ。

『主様が望むがままにするがよい。妾は聊か尾が多いゆえ、時折尻尾を挟むこともあるが、主様の望みに反するつもりは、今はない』

陽乃「今は?」

『主様は妾の主様じゃからのう』


186 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/16(水) 23:07:25.90sRvJekNRo (3/5)


陽乃「あの子たちは良い子だわ。私からしたら、面倒くさいけれど、間違いないと思う」

今の陽乃にとっては厄介極まりない人たちだが、

以前の陽乃として思えば悪い子だなんて思うところはない。

積極的で、周りを引っ張って行ってくれるような性格。

杏や水都は今の陽乃あってこその行動力なのだろうけれど、

でも、個人として元空であっても陽乃は否定はしない。

誰にだって弱いところはあるし、マイナスな部分は存在する。

自分がそうだったように、ほかの人だってそうなのだと思えば、

それが強く表に出ているからと言って悪しざまに扱う気も言う気も昔はなかっただろう。

陽乃「こんな私よ? あんなに突き放したのよ? それでもまだいるんだもの」

『だからどうと?』

陽乃「……でも、だから、どうにもならないって思わない?」

『ふむ……そうじゃな』


187 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/16(水) 23:37:36.61sRvJekNRo (4/5)


『今の主様は身に纏う汚れが多すぎる。なのに、それを祓おうものなら怪我をする棘がある。ただではすまぬであろうな』

陽乃「……でしょう?」

ここは良い。

九尾も言っていたが、ここでなら陽乃は生きていきやすい。

わざわざ周囲を拒んで、距離を置こうとする必要なんて、まったくないだろう。

だけど諏訪は永遠に続くような場所ではなく、

いつかは、崩れ去ってしまう可能性のある期間限定の安寧の中にある。

加えて、向こうに置いてきてしまった母親の件もある。

陽乃に残された、唯一の肉親である母を見捨ててのうのうと生きていくことなんて出来ない。

陽乃「向こうに戻ったら今のようにはいられない。針の筵になる。私だけじゃないわ。周りもよ」

みんなはそれを分かっているだなんて言うけれど、

誰も何もわかっていない。

場合によっては、殺されることもある。

そんな環境に置かれるのだ。

全員が全員そんな暴走しているわけではないけれど、少なからずいることに変わりはない。

『いかようにするつもりかや?』


1、変わらないわ
2、そうね。考えておくわ
3、もう任せるわよ。知らないわ


↓2


188以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/16(水) 23:39:59.27OpIyqdJSO (1/1)

2


189以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/16(水) 23:44:55.08ASgDacmsO (1/2)

2


190 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/16(水) 23:53:27.27sRvJekNRo (5/5)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


191以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/16(水) 23:58:42.01ASgDacmsO (2/2)


はたして陽乃さんは歩み寄れるのか


192以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/17(木) 01:31:34.24p9cAtZcoO (1/2)


諏訪の人たちが住む地域みたいなの設けなきゃ行けなくなっちゃうのかな


193以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします2021/06/17(木) 02:50:36.96WLcc52ns0 (1/1)

VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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194 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 22:46:07.07q8ehS9Z5o (1/6)

では少しだけ


195 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 22:49:31.69q8ehS9Z5o (2/6)


陽乃「そうね。考えておくわ」

『戻るのじゃろう? ならば、あまり猶予はなかろう』

陽乃「向こうに戻るのに、最低でも一週間はかかるから」

連れて行くのが元気な若者だけであったとしても、

ほんの数日なんて時間では絶対に足りない。

最低の一週間という期間だって、

頑張りに頑張って最も早くてという話だ。

『戻るまでに、多くが死ぬことになると思うが』

陽乃「……そうならないように、時間をかけるのよ」

可能な限り早く進むのが安全な場合もあるが、

今回に限って言えばそれは適用されない。

陽乃「とはいえ、移動中はそんなこと考える余裕がないのも、事実よね」

『主様』

陽乃「分かってるわよ」

陽乃の持っている力がどれほど強力であろうと

陽乃の気が抜けていては、持ち腐れ

あっという間にバーテックスに嬲り殺されてしまう。

陽乃が自分で設けた一ヶ月の猶予

その間に答えを出すしかない


196 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 23:16:52.46q8ehS9Z5o (3/6)


陽乃「……こんなことになるなら、来るべきじゃなかった」

『どうあっても、主様はここにきておったであろう』

陽乃「そう思う?」

『そうだからこそ、主様は今、悩んでおるのじゃろう?』

ここへ来たのは、

向こうで事件を起こしてしまったことが大きい。

だけど、陽乃はそれ以前から諏訪行きを考えていたし

諏訪の勇者……歌野達の身を案じてもいた。

他の子たちだって気にかけてはいただろうけれど、

あの危険な道のりを、場合によっては単身でも抜けていくというほどではなかったはずだ。

『よいではないか。主様はもともと、人を救うために妾を求めたのだから』

陽乃「……そうだったわね。結局、あの場にいた人も、私の周囲の人も。ほとんど何にも守ることは出来なかったけど」


197 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 23:34:05.09q8ehS9Z5o (4/6)


陽乃は嘲笑交じりに零して、九尾に乗っ取られた自分の影から目を背ける。

本当に、取りこぼしてばっかりだ。

守れたものもあったけれど、

それは手の中から逃げ出していった。

親族は母親1人になってしまったし、

残ったのは、ほんの少し。

陽乃「……自信なんて、もてるわけがないじゃない?」

他の勇者に比べれば、代償が大きい分力が強いのは当然だと言える。

だけど、それだけだ。

陽乃「まぁ、できる限りやるしかないことも分かってはいるから」

『難儀なものじゃな』

陽乃「仕方がないわ。受け入れれば楽なものを、そうしていないんだから」

陽乃は窓の外を眺めながら、呟く。

本当にそう。

いいや、本当にそうなのか。

受け入れないほうが、楽な道なのではないだろうか。

陽乃はそう考えて、目を瞑る。

特に風のない、9月の諏訪は……まだ蒸し暑く感じた


198 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 23:36:27.98q8ehS9Z5o (5/6)


√ 2018年 9月4日目 昼:諏訪

01~10 歌野
12~21 水都
34~50 襲撃
78~83 歌野
91~96 水都

↓1のコンマ

※それ以外は通常


199以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/17(木) 23:37:24.60uDzBADDrO (1/1)




200 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/17(木) 23:57:23.27q8ehS9Z5o (6/6)


√ 2018年 9月4日目 昼:諏訪


昼になると、歌野は通信のために設備の方に向かう。

同じ参集殿の中にあるため、

どこか遠くに行くわけではないけれど、

その間は、陽乃は近くに控えておく必要がある。

それは、陽乃が待機番だろうとそうでなかろうとだ。

どちらにせよ、陽乃はこの近隣から出て行くことは滅多にないけれど。

水都も、今までは歌野と一緒に通信に参加していたが、

球子たちが出て行ってしまって人でも足りなくなったからか、

参集殿の中にいるが、通信に参加はしていないようだ。

陽乃「………」

出かけられないから、出かけたくはないから、

いつもの部屋で、一人黄昏る。

これではただの時間の浪費だろうか。



1、九尾を呼ぶ
2、イザナミ様を呼ぶ
3、水都のところへ
4、歌野のところへ
5、イベント判定

↓2


201以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/17(木) 23:57:54.89p9cAtZcoO (2/2)

5


202以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/18(金) 00:20:05.16Gd+3482zO (1/1)

3で


203 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 00:33:07.03NdMeXgrxo (1/7)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


204以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/18(金) 04:29:33.176H9tkD6nO (1/1)


困ったときのみーちゃん
陽乃のメンタルを支えてやってくれ


205以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/18(金) 05:46:27.97zIEMUYSoO (1/1)


素直になれるかな


206 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 22:07:58.97NdMeXgrxo (2/7)

では少しだけ


207 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 22:10:47.63NdMeXgrxo (3/7)


陽乃「はぁ……」

『何じゃ主様、出かけるのかや?』

陽乃「違うわ。ちょっとね」

1人になれる貴重な部屋を出た陽乃は、

共用で使っている大広間の方に向かう。

今は布団も畳まれているので、

夜に来る時よりもずっと、広く感じるだろう。

球子と杏までいなくなって人気の薄れた参集殿の中出その部屋に向かうのは、

そこに1人分の気配を感じるからだ

諏訪の神々の代役となったことで、

陽乃は、諏訪の勇者である歌野と、水都の居場所くらいならなんとなくつかむことが出来る。

歌野がしているような、

感覚の共有とは無関係な部分だ

部屋の襖を開くと、中にはやはり水都がいた。

水都「陽乃さん?」


208 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 22:26:24.12NdMeXgrxo (4/7)


水都「どうかしたんですか?」

陽乃が自分から、歌野や水都のいる場所に来るのは珍しい。

一週間に一度でも来たら良い方で

基本的にはいつもの部屋にこもっていることが多い

だからか、水都は驚いた表情を見せたが、

すぐに嬉しそうにほほ笑む。

水都「お茶淹れますね」

陽乃「構わなくていいわ」

水都「お茶菓子、あるんですよ。水ようかん……戴いたんです」

陽乃「そう」

興味なさげに答え、部屋の中に入る。

襖を閉めると、すぐ横でかたんっと箱が崩れたのが見えた。

箱は一つ二つではなく、十個は、積み重なっている。

陽乃「何かあったの?」

水都「陽乃さんの快気祝いだそうです。みんな、会いたがってますよ」


209 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 22:49:54.39NdMeXgrxo (5/7)


陽乃「快気祝い、ね」

陽乃が外に出て、直接姿を見せてしまった影響だ

あの場で会話した人たち、陽乃の姿を見た人たち。

そこから、あの場にいなかった人たちにまで伝わって

諏訪を守ってくれた勇者様に……都でもなったのだろうか。

ただでさえ余裕がないのにと、以前なら思ったかもしれないが、

今は、陽乃の力の一つのおかげで四国ほどに諏訪は潤っている。

誰かにこうやって大量に送るくらいの余裕も、あるのだろう。

陽乃「……これ、全部私宛なの?」

水都「うたのんの分もあるにはあるけど……ほとんど陽乃さんの分です。あの時、意識不明で運び込まれたのが大きいんだと思います」

諏訪を守ってくれた勇者様。

早く目を覚まして欲しいと、元気になって欲しいと参拝に足を運び、

そこで元気な姿を見ることが出来たから喜びも余っているのかもしれない。

水都「どうぞ」

切り取られた羊羹が三切れ乗った小皿と、湯気の立っていない、冷茶の入った茶器が一つ

水都の分も、一応は用意してある。

陽乃「……」



1、いただく
2、こんなことしている余裕があるの?
3、貴女は、私のことを感じる?
4、四国は諏訪とは違うわ


↓2


210以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/18(金) 22:52:52.92tZ9PtGPlO (1/1)

2


211以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/18(金) 22:53:19.19YccMm6nU0 (1/1)

2


212 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 23:25:00.66NdMeXgrxo (6/7)


陽乃「こんなことしている余裕があるの?」

水都「ない……かもしれません」

水都はそういいつつも、お茶を口に含む。

ゆったりとした所作は、

余裕がないという言葉とはかけ離れていて、

とても、落ち着き払っていた。

水都「でも、焦っても仕方がないんです。もう一度お話させてほしいって集会の依頼は出したので、出欠席の確認が取れてからどうにかしたいと思ってます」

陽乃「説得の言葉も考えているように見えないけど」

水都「……ここまで頑張ったから、最期まで諦めないべきだから、希望はあるから、うたのん達が抱え込んじゃうから。
   もう、言えることは言いつくしたかなとは、思ってたりもするんです」

ここまで頑張ったのに諦めるのなんてもったいない。

確かにそう。だけど、それが周りを危険にさらすなら……と、身を引かれたのだろう。

希望があるのだって、それに縋った結果、

その希望さえも奪う結果になってしまうかもしれない。

陽乃「だから、こんなところでお茶を啜ってるのね」

水都「これは、陽乃さんとお茶がしたかっただけです」


213 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/18(金) 23:46:34.53NdMeXgrxo (7/7)


水都「……難しいですね」

本当は死にたくないけど、

そうするしかないって思っているだけなら、

どうにか説得も可能だったかもしれない。

だけど、自らがそうすべきであると決心して

託そうとしてくれている人々。

水都「どれだけ声をかけても、良いんだよ。って、優しく笑うんです」

陽乃「……今日も声をかけたの?」

水都「参拝に来てくださっている方には声を掛けました。けど、大丈夫って」

陽乃「その人達がそう言ってるなら、いいじゃない」

水都「ダメです!」

水都は声を荒げてすぐに首を横に振ると、ダメなんです。と、小さな声で繰り返す。

水都「そんなことになったらうたのんは、なりふり構わなくなっちゃう。陽乃さんだって、気にしていないふりしているだけで、忘れられないはずです」

陽乃「……」

水都「だから、どうにかしたいって……思ってるんですけど」


214 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/19(土) 00:10:32.68MBP92rAHo (1/5)


水都「もちろん、諦めるつもりはないです。どうにかして、説得するつもりです」

陽乃「だったら、考えたら?」

自分は関係ないとでも言うような陽乃の返し。

のんびりしているのはおんなじだが、

悩ましさのある水都とは違って、陽乃は落ち着いている。

そんな態度に、水都はちょっぴりむっとしてしまう。

歌野以外には、あまり見せない表情だ

水都「……あの」

陽乃「嫌よ」

水都「まだ何も言ってないじゃないですか」

陽乃「何を言うか分かってるから言ったのよ」

水都「………」

水都は、押し黙ってパッと顔を上げた

水都「一緒に考えて貰えませんか?」



1、嫌よ
2、私には関係ないことだわ
3、任せたはずだけど?
4、私に人の説得なんてできるわけないじゃない


↓1


215以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/19(土) 00:12:26.17cjT1taAoO (1/1)

1


216 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/19(土) 00:14:11.29MBP92rAHo (2/5)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


217以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/19(土) 00:14:19.08vkMOubiCO (1/1)

3


218以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/19(土) 00:22:38.07F9tp01yxO (1/1)


相変わらずびっくりするくらい落ち着いてるみーちゃん
でも説得が難しいとなると四国に避難しながら諏訪の神様の力でなんやかんやするしかなさそう…?



219以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/19(土) 03:23:21.28gmU5klHZO (1/1)


まあ牛歩でいいならなんとかなりそうな気するんだよな
うたのんとの二人体制だし


220 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/19(土) 22:55:18.14MBP92rAHo (3/5)

遅くなりましたが、少しだけ


221 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/19(土) 23:00:01.40MBP92rAHo (4/5)


陽乃「嫌よ」

水都「考えるくらい……駄目ですか?」

陽乃「貴女、私がそんなことすると思ってる?」

水都「……冷たいですね」

陽乃「冷茶だもの」

水都「そういうことじゃないです」

適当なことを言ってそっぽを向く陽乃に、

水都は困ったようにつぶやいて、お茶を飲む。

水都「陽乃さんは、みんなが笑顔で送り出してくれても、平気なんですか?」

陽乃「その人たちが望んだことなら、私には何も言えないわ」

水都「聞きたいのは陽乃さんが、平気かどうかです」

水都は、少しむっとする。

何も言えないというより

何も言いたくないというのは、もうすでに拒絶で分かっている。

水都「さっきも言いましたけど、うたのんは絶対に割り切ることなんて出来ないと思うんです」

陽乃「だったら、白鳥さんと考えたらいいじゃない」

水都「……もう、考えました」


222 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/19(土) 23:57:11.99MBP92rAHo (5/5)


水都「久遠さんは平気なんですか?」

陽乃「……平気よ」

水都「本当に、平気ですか?」

陽乃「私の意志なんて関係ないじゃない」

水都のことなど見ずに、陽乃はぼやく。

陽乃が平気だろうと、そうでなかろうと

水都は歌野のために説得を続けるだろう。

だから無関係、だから無意味。

答えなくたって、何も変わらない

陽乃「私が平気だったらどうなるの? 平気じゃなかったらどうなるの? どっちにしたって、貴女は説得を辞めないでしょう?」

水都「辞めません」

陽乃「だったら、答える気はないわ」


223 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 00:24:23.23QqyVvuglo (1/23)


陽乃「事前に言っておくけれど、解釈は自由で構わないわ」

沈黙を肯定と取る人もいる。

平気か否かそれを陽乃が黙秘したからと

水都がやっぱり平気じゃないんだと判断しても

それが自分の意志とは限らないと、陽乃は否定する。

陽乃「私は説得する気はない。本人が、自分の意志でもう生きたくないと言っている以上、生きて欲しいなんて言わない」

水都「陽乃さん」

陽乃「私は、私が生きていたいから戦うの。それを危険にさらすような人たちを、連れて行く気はないのよ」

水都「それで、良いんですか? 悩まずにいられるんですか?」

人々は、笑顔で送り出してくれる。

感謝を述べて、希望を託して、そして、

陽乃が離れていくにつれて弱まっていく諏訪とともに、バーテックスに飲み込まれることだろう。

目の前ではない。

だけど、自分の意思で人々を見殺しにしたようなもの――なんて。

考える人は多くはないかもしれないが。

少なくとも、目の前にいる人は考えてしまうと、水都は思って。

水都「守れなかったこと、今も悔やんでいるんじゃないですか?」


224 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 00:42:58.14QqyVvuglo (2/23)


陽乃「はぁ?」

水都「……伊予島さんが、言ってたから」

水都は、少し申し訳なさそうに言う。

水都「陽乃さんが、出て行った後に……伊予島さん達と話す時間があったので」

もちろんちょっとだけですよ。と、

後追いで笑った水都は、人差し指と親指で小さな隙間を作って見せる

陽乃が命がけで陽動に出ていた時間

裏で長話をするわけにはいかなかったから。

陽乃「勘違いよ」

水都「でも、久遠さんは守ることに全力じゃないですか」

生きるために全力で力を使っているだけだというかもしれないが、

それにしては、自傷が過ぎている。

水都「血を吐いて、苦しんで、傷ついて、気を失って……それを生きるためというには、あんまりにも無理だと思いませんか?」

陽乃「……」


1、解釈は自由よ
2、誰も頼れないだけよ
3、だから何なの? 生きる気のない人を生かしてあげるほど、余裕はないわ
4、何も言わない


↓1


225以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 00:46:15.34/8lhBAtKO (1/1)

4


226以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 00:52:23.034HCmZxDFO (1/1)

1


227 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 01:04:23.52QqyVvuglo (3/23)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


228以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 02:00:43.791pqWMyOfO (1/1)


みーちゃん本当に根気よく粘るなぁ


229以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 07:33:26.55Sp38Qg52O (1/1)




230 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 15:29:32.55QqyVvuglo (4/23)

では少しずつ


231 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 15:31:50.58QqyVvuglo (5/23)


水都「……どうして」

陽乃「……」

水都「別に、何も言ってくれなくても構いませんけど……」

水都は顔を顰めて、陽乃から目を背ける。

テーブルががたんっと揺れて、

陽乃の分のお茶が、少しだけ跳ね飛ぶ。

水都の表情は影に埋まっている。

俯いていて、見えなくて、

けれど、何か悩んでいるのは感じる空気

陽乃「……」

何? と、聞けば答えるかもしれない。

だけど、聞く理由がない

慣れ合う気がないのなら。

このまま、今まで通りつかず離れずなままでいるつもりなら。


232 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 15:44:09.74QqyVvuglo (6/23)


↓1コンマ判定 一桁


0,5,9 水都「ダメですよ……」

ぞろ目 特殊


233以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 15:48:43.38g9PhhFLlO (1/1)




234 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 16:19:24.14QqyVvuglo (7/23)


水都「陽乃さんは、もう少し自分に優しくした方が良いと思います」

陽乃「十分、優しくしているつもりだけど」

水都「どこが、優しいんですか」

陽乃「……分からない?」

水都が言うように、

血を吐いたり、傷ついたり、気を失ったり、死にかけたり

虫にまみれながら野宿をしたり。

かなりハードな経験をしてきているが、それでも生きている。

陽乃「私は私のために、死ぬほど辛い思いをしてでも生きることを諦めていないわ」

水都「っ……」

陽乃「それ以上の優しさがあると思う? それを諦めるほど酷い話があると思う?」

水都「でもっ、だったら……」

陽乃「頼って欲しいだなんて、言われても困るわ」

先を言われ、水都は顔を上げる

水都も何度も言ったし、

杏達からも何度か言われているだろうから、察して当然かもしれないけれど。

なら、だからこそ……と、水都は言いたそうな顔をして。

陽乃「自分の命を誰かに委ねるなんて、それこそ自分に厳しい話だわ」


235 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 16:41:05.84QqyVvuglo (8/23)


水都「でも、伊予島さん達とはここにまで一緒に来る関係で、うたのんとは、もう、同じ力を共有してるような関係じゃないですか」

陽乃「2人は無理矢理付いてきただけよ。白鳥さんは……その通りだけど」

水都「なら、どうして」

陽乃「でも結局、私とは違うから」

同じ力……のようなものだが、

陽乃が受け取った諏訪の神々の力というだけで、

元から有していた力とは相違がある

陽乃を通したことで、多少は陽乃の力が混じって送られることはあるかもしれないけれど

同様の力、能力を扱えるわけではない。

最も、そうなってしまうと困ってしまうが。

陽乃「伊予島さんも、土居さんも、白鳥さんも。みんな勇者であるとは思うし、力を合わせれば私でさえも殺すことが出来る位だろうとは思ってるわ。だけど、それとこれとは話が変わってくるのよ」

手加減ありの模擬戦とはいえ、球子は陽乃に一撃を与えられたし、

向こうに残してきた若葉だって、九尾に切り替わっていたとはいえ撃退した。

だから、集まれば自分でも敵わないだろうことは認めるほかない。

全力で力を使った場合を考えなければだが。

陽乃「なんて言ったら良いのかしら……そうね。語弊が生じるのを承知で簡潔に言うなら、私、臆病なんだわ。きっと。だから、無理なの」

水都「っ……そんな、そんなのっ……」

ごめんなさい。と、陽乃が続けたわけじゃない。

だけど、続いてしまったかのようなその空気を、水都は耐えられなかった。

陽乃「だから、いつだって私は独りになりたいのよ」


236 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 16:48:44.91QqyVvuglo (9/23)


√ 2018年 9月4日目 夕:諏訪

01~10 歌野
67~76 歌野

↓1のコンマ


237以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 16:50:43.31ONxNrn3mO (1/2)




238 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 16:59:09.29QqyVvuglo (10/23)


√ 2018年 9月4日目 夕:諏訪


陽乃はまた、いつも通りに自分の部屋のように自由に出入りしている個室で黄昏る。

陽乃「はぁ……」

今日も襲撃はなく、平和だった。

九尾曰く、陽乃の力の影響で二重の結界のようなものが発生してしまっており

それで近づくことが出来ていないということらしいが。

警戒しているだけならいいが、

後回しにされて、向こうに向かわれていたら大変なことになっているかもしれない。

それでも、当初のバーテックスの数よりは減らせているだろうけど。

問題があったとしたら、昼間のことだろうか。

水都と言い争い、喧嘩別れしたわけではないが、

だとしても、あの場の空気は酷く陰鬱なものとなっていた。

陽乃「言い過ぎた……わけでもないし」

今までに比べれば、だいぶ優しく答えてあげた方だ。

突っ撥ねたのは変わらないが、ただそうするのではなく、理由を語ってあげたのだから。


239 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 17:12:39.71QqyVvuglo (11/23)


陽乃は窓際に伏せって、蚊取り線香の煙の流れを追いかける。

網戸の外に向かったかと思えば、風に押し返されて、

白い煙はあっという間に霧散して見えなくなって、鼻に来る。

そんな、流されるがままの煙。

陽乃「臆病は、さすがに簡単に言い過ぎたかも……」

失うのも怖ければ、裏切られるのも怖い

守ってやったと恩着せがましく言う気はなかったにしても

それをそのままそっくり仇で返されてきた3年間

あの日、学校の防衛だけに努めていたら、どれだけの非難を受けずに済んだだろうか。

いや、それだったら母親すら失っていただろう。

だけど、人間の悪意に身を焼かれるような思いをせずに済んだかもしれない。

考えることは、暗いことばかり。

起きて忘れる夢は、きっとちっとも良いことではない

陽乃「……生き残ることが優しさだなんて、馬鹿なこと言うものね」

むしろ、死んでしまうのが一番ではないか。と、

陽乃は太陽の見えなくなった空を眺めながら、思う。

死は何も考える必要がなくなる。

善意も悪意も、過去も未来も、

一瞬の激痛を味わうことさえ忘れてしまえば、それ以上に辛いことも苦しいことも何もなくなる。

自分の手を掴む、体を抱く、何かしらの温もりさえなければ……あっという間だ。



1、何もしない(イベント判定)
2、九尾を呼ぶ
3、イザナミ様を呼ぶ
4、外出する

↓2


240以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 17:14:10.19ONxNrn3mO (2/2)

1


241以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 17:14:42.08la5tPMsq0 (1/3)

3


242 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 17:55:26.85QqyVvuglo (12/23)


陽乃「……」

日本において死を司る神とも呼ばれることのある、イザナミ様。

彼女は、死はどういうものであると考えるのか

逆に、生きるとはどういうことなのか。

九尾も人間とは変わった答えを出してくれるかもしれないが、

それを司る神の答えはどのようなものになるのだろう。

好奇心で手を出していいことではない

だけど、今の体の状態で、

そして、戦闘という大きく力を消費するようなものでなければ、

呼んで会話をするだけなら体は持つかも知れない

イザナミ様が、赦されるかは別として。

陽乃「……怒られたら、最悪死ぬけど」

怒りに触れ、祟りなどを返されたら死んでもおかしくない。

さすがに、神々の力を借り受けているため、即死することはないが

寿命が縮むくらいはある。

だけど、愛しいとしてくれていた神だ。

お呼びするくらいは許可してくださるだろうと、

陽乃は深く息を吐いて、神降ろしの儀を行う。

勝手に出てくる九尾とは違って、正式に、正確に、儀式を通して、呼び起こす


243 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 18:02:09.84QqyVvuglo (13/23)


↓1コンマ判定 一桁

0,3,4,9 成功

ぞろ目 成功


244以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 18:15:28.6197HqSo/vO (1/1)




245 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 18:33:14.44QqyVvuglo (14/23)


反応はない。

九尾のように姿を現してはくれない

呼ばなくても出てきたことのあるかの神は、

大きな戦いの場には力を貸し与えてくれたが、

彼女は、こんな場にまで姿を見せてくれるほど軽くはないようだ。

陽乃「正式な手順を踏んだって、関係ないのね」

神様の気分次第。

それは当然であり、人類は受け止めるべき事柄だろうから

今更、それに文句はなかった。

だけど、叶うなら姿を見せて欲しかった。

今なら、もう少しまともに言葉を交わすことが出来たはずだから。

彼女の生死についての考えを聞きたかったというのもあるし、

以前言葉を交わした際の、九尾以上の容赦なさが気になるからだ。

彼女は、そうと決めたら容赦なく人々を殺めてしまう危険がある。

それこそ、

勇者だろうと巫女であろうと関係なく。

そのうえで、陽乃の命まで奪いかねない。

今は、陽乃だけは死なずに済みそうだが。


246 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 19:07:23.34QqyVvuglo (15/23)


「無駄じゃぞ。主様」

どこからともなく、陽乃ではない女性の声が部屋に残る。

段々と影が伸びる部屋の暗がりが盛り上がって、

ひたりひたりと、人の形をしたものが陽乃に寄り添うように腰を下ろす。

陽乃「貴女は呼んでない」

九尾「くふふっ、主様の寂寥な姿を見て、寄り添う優しい狐じゃぞ」

陽乃「……どこが」

狐と言いつつ、女性の姿をしている九尾は、

陽乃にまとわりつくように体を密着させる。

花でも果物でもない、甘い香りがする。

九尾「主様、かの神に何を尋ねようというのかや?」

陽乃「人生観というか……生死観」

九尾「くふっ……ふふふっ、そのようなことをかの神に問うてどうする。何が得られる。主様、問答次第では、死ぬぞ?」

陽乃「……」


247 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 19:36:37.67QqyVvuglo (16/23)


陽乃が生きるのが辛いと言えば、彼女は陽乃を殺すだろうし

陽乃にそれを思わせたすべてを葬り去ろうとするだろう。

なぜ、生死観を問いたいのか。

その答えが迷いであっても、

場合によっては、殺めていたかもしれない。

九尾「もしや、その命、捨てようと思うてるわけではあるまい?」

陽乃「まさか」

九尾「主様、かの神は安く呼んで良い存在ではない。あの娘のように言うつもりはないが、主様とて、手に余る」

陽乃「分かってるわよ……でも。知りたいじゃない。神様にとっての生と死を」

九尾「あの娘との戯れが、それほどまでに辛いかや?」

陽乃「辛くはないわ」

九尾「ならば何故、思い悩む」


1、臆病だからよ
2、守れると思う?
3、どうにもならないのよ。私の3年間は
4、なら答えて。貴女にとって、どちらの方が楽?


↓2


248以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 19:40:27.828YgrKgN90 (1/2)

4


249以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 19:41:12.6656wOi/lDO (1/1)

1


250 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 19:46:02.54QqyVvuglo (17/23)


少し中断いたします
再開は21時ころから


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 19:49:50.76zLWJ0nHEO (1/1)

一旦乙


252以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 20:02:21.798YgrKgN90 (2/2)




253 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 21:38:24.58QqyVvuglo (18/23)


陽乃「臆病だからよ」

九尾「小娘にも言うておったな」

陽乃「ええ。だって、それが一番わかりやすいじゃない?」

九尾「ふむ……」

あの日の光景と、苦痛と、絶望

いまだに忘れることが出来ないそれらに、怯えている

陽乃「取りこぼすのが怖い。でも、何よりも裏切られるのが怖い……だって、ただの人に裏切られるのと、一緒に戦う勇者に裏切られるのとじゃ、わけが違うじゃない?」

九尾「ならば、あの小娘はなんじゃ」

陽乃「白鳥さんが言ったじゃない。あの子もまた勇者だって」

陽乃は、笑みを浮かべて九尾に向き合う。

藤森水都に、バーテックスと戦う力はない。

陽乃なら、故意に与えることは出来るが、

その場合、彼女は死ぬだろうから。

だけど、陽乃は首を振る

陽乃「あの子は勇者よ。だって、人々が恐れるこの私に、何度突き放されようと無力な身一つで向かってきたんだもの」

九尾「ほう?」

陽乃「だから、確信できる。あの子は私を裏切らない。私が守れずに失う側の子だって」


254 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 21:52:45.87QqyVvuglo (19/23)


かつて、親友だと思っていた少女は陽乃のことを突き放した。

あの日、彼女だって同じく学校で襲われ目の前で戦う陽乃を見ていたはずなのに、

そんなことがなかったかのように、拒絶を受けたのだ。

だから必要以上の親しさなんていらないと思った。

どうせ何も変わらないと

場合によっては後ろから刺殺される可能性もあると。

だけど、水都は陽乃の悪い側面ばかりを言い聞かせても、

突き放しても、

それでも、陽乃のそばを離れようとしていない。

だから

九尾「あの娘にそれを言うてやればよい」

陽乃「言ってどうにかなると思う? なるわけがないじゃない」

陽乃は、呆れたことを言うものね。と、

苦笑して、九尾から目を背ける。

陽乃「あの子は、きっとこう言うわ。陽乃さんなら大丈夫です信じてますって」

ありえないとでも言うかのように、陽乃はため息をつく


255 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 22:46:59.06QqyVvuglo (20/23)


陽乃「冗談じゃないわ……私が、どれだけのものを失ってきたと思ってるのよ」

力を信じられたって、命を任されたって、

多くを取り逃してしまった

どうせ残るのはほんの一握り。

九尾「ゆえに、主様は命を懸けておるのじゃろう?」

陽乃「……」

自分のためというのも嘘ではない。

何一つ頼らず

何一つ巻き込まず、

ただ、自分の全力の力でそれを解決してしまえば、

何一つ、失うことはない。

九尾「主様は人を救うに足る力がある」

陽乃「私の過去がそれを否定してしまうのよ」

いつまでも、どれだけそれが昔のことになっても。


1、私、あの子が嫌いだわ
2、私、あの子のことを気に入ってしまったのね
3、だから、私は生きることを諦めた人を連れて行きたくないのよ
4、この気持ちまで、あの子たちに伝わってしまうのかしら


↓2


256以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 22:48:41.62la5tPMsq0 (2/3)

1


257以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 22:48:53.39nm05ygBoO (1/3)

4


258 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 23:07:50.28QqyVvuglo (21/23)


陽乃「この気持ちまで、あの子たちに伝わってしまうのかしら」

九尾「ふむ……無理じゃろうな。それほどの力はあるまい」

陽乃「そう」

九尾「伝えることは出来るが?」

陽乃「余計なことをしなくていいわ」

伝わってしまったら困る。

これが伝わってしまったら、

彼女たちは、余地もなく、諦めることをしなくなる。

九尾「ふっ……もう、あの娘は諦める気などなかろう」

陽乃「……でしょうね」

九尾「良いのかや?」

陽乃「どうにもならないと、思うけど」


259 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 23:35:38.12QqyVvuglo (22/23)


陽乃がどちらであろうと、人々の説得を諦めることがないように、

陽乃が拒んだって、水都達は諦めてくれない。

陽乃「だからやっぱり、ここに来るんじゃなかったって思う」

九尾「そうか」

二度目の言葉

繰り返すにはやや早いけれど、でも、それ以外にはなくて

陽乃「嫌ね、怖いわ」

手が震える

握った手から、すり抜けて行ったことはない。

だけど、手を取ることが出来なかったものが多い記憶

陽乃「私、きっと束縛すると思う」

九尾「言うてみればよいではないか」

陽乃「片時も離れず傍にいてって? ずっと手を握っていてって? 馬鹿じゃないの? 言うわけないじゃない」

あくまで、そう思うだけだもの。と、

陽乃は、九尾に見せた震える手を、もう一方の手で抑え込む

九尾「主様は、あの娘共を受け入れるのか?」


1、受け入れない
2、受け入れる
3、さぁ? まだ答えは出せないわ


↓2


260以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 23:39:48.39nm05ygBoO (2/3)

3


261以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 23:41:31.07la5tPMsq0 (3/3)

3


262 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/20(日) 23:43:37.93QqyVvuglo (23/23)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


263以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/20(日) 23:50:34.82nm05ygBoO (3/3)


陽乃さんの心の弱さを諏訪でいかに克服できるかが今後重要だな


264以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/21(月) 03:26:07.396QCk6ECKO (1/1)


もうはよ受け入れればいいのに


265 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/21(月) 22:25:50.25htxH1Mh1o (1/3)


陽乃「さぁ? まだ答えは出せないわ」

九尾「主様」

陽乃「……なに?」

振り返った陽乃はうっすらとした笑みを浮かべて、九尾を見る。

その言葉は必要ないわ。と、

拒絶するようなその表情に、九尾はため息をつく

九尾「主様がそれでよいならばよいが」

陽乃「良いから、言ったのよ」

九尾「あの小娘に悟られておってもか?」

陽乃は眉をピクリと動かして、九尾から目を背ける

水都の表情、雰囲気、仕草

あれは陽乃から感じ取ったからこそのものだ

その場で無理に付きまとって来なかったのも、だからこそだろう。

陽乃「だとしてもよ」

九尾「主様はなかなかに、正直なものじゃな」


266 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/21(月) 22:53:33.23htxH1Mh1o (2/3)


くつくつと喉を鳴らす、少し小ばかにしたような笑い声を溢れさせる九尾をよそに、

陽乃は机に突っ伏して、目を瞑る。

瞼の裏に浮かぶのは、部屋に1人でいる水都の姿。

テーブルのそばに座ったまま、

丸い饅頭を水ようかんの櫛で突いて、小動物にでも分け与えるのかと思うほどにちいさく切り取っている。

陽乃「……ねぇ、九尾」

九尾「なんじゃ」

陽乃「私って、強い?」

九尾「弱い」

陽乃「そっか」

さっきは認めるようなことを言ってくれていたのに、

一度断ったからと、否定する九尾。

やっぱり、彼女は妖狐だ。

陽乃「まぁ、自覚があるからいいわ」

自分だけで手一杯

だから、いつだって、命がけ。

それは変わらない

陽乃「……ままならないものね。勇者になっても」


267 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/21(月) 23:06:58.16htxH1Mh1o (3/3)


√ 2018年 9月4日目 夜:諏訪

01~10 歌野
12~21 水都
56~65 歌野
89~98 水都

↓1のコンマ

※それ以外は通常


268以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/21(月) 23:08:24.75x2TelBwUO (1/1)




269 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 00:00:37.48te3DXU5fo (1/10)


√ 2018年 9月4日目 夜:諏訪


気付けば、外は真っ暗。

少し離れたところに見えていた木々も、すっかり見えなくなって、

雨が降りそうなにおいだけが、外から流れ込んでくる。

陽乃「……」

夕食の時にも、

水都や歌野が呼びに来ることはなかった。

待っていたわけではないから、自分から向かったけれど、

そのあとも、水都があんまりにも無口だったからか、

歌野もうまく話を見つけられなくて、

今までで一番、暗い夕食になってしまっていたような気がする。

陽乃「……白鳥さんに、何も話していないのかしら」

陽乃がこの部屋にいる間、

2人には話すだけの時間はあったはず。

今だって、陽乃がいないから、内緒話も簡単なはずだけど、

それをしていないのか、しているのか。

感じる気配は近いが、深くは解らない。


270 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 00:11:11.73te3DXU5fo (2/10)


さすがに、今回は深く関わりすぎてしまったかもしれないと、

今更、少しだけ後悔する。

水都には、知られ過ぎてしまった。

過去も、今も。

陽乃「……」

過去のほとんどは、杏達からのリークもある。

やっぱり、あの二人は意地でも連れてくるべきではなかったのか。

だが、あの時の陽乃は満身創痍

どうにかできる状態ではなかった。

だからやっぱり、ここに来るべきではなかった。のだけど。

陽乃「後悔も、堂々巡りね」

九尾はいずれにしろ来ていたと言っていたし、

確かに、以前からここに来ることを目標の一つとしていたから、

来るべきではなかった。なんて後悔はたとえ過去に戻ろうとしていただろう。

陽乃「はぁ……」


1、何もしない(イベント判定)
2、共用の部屋に戻る


↓2


271以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 00:12:31.13TyewsrFkO (1/1)

2


272以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 00:14:12.58pPU4kp99O (1/2)

2


273 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 00:19:16.03te3DXU5fo (3/10)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


274以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 00:27:36.16pPU4kp99O (2/2)


今回ばかりはみーちゃんにも精神的ダメージが…
さすがに謝罪くらいはしとくべきか


275以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 02:16:28.24wHgiJ6QvO (1/1)


そろそろ一回うたのん達と腹割って話さないと


276以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします2021/06/22(火) 02:56:15.753nCoybOM0 (1/1)

VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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277 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 22:18:21.69te3DXU5fo (4/10)

では少しだけ


278 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 22:18:58.31te3DXU5fo (5/10)


そろそろ時間も時間だろうかと、体を起こす。

どれだけ動かなかったのか、

筋肉が固まったような感覚を覚え、ぐぐっと体を伸ばしていく。

夕食は、食べる時間があるからどうしても気まずさを持続させることになるが、

今は、部屋に戻って寝るくらいだ。

と言っても、憂鬱で。

陽乃はため息をついて、一度は上げた腕を、畳の上に戻す。

陽乃「……布団、こっちに持ってきちゃおうかしら」

私は向こうで寝るから。とでも言って、

さっさと荷物を持って逃げてくる。

バーテックスとも戦うのに、人間からは逃げるというのは聊かひっかりもあるが、

殺すことが出来ない以上、逃亡も致し方ない

なんて思って、顔を顰める

九尾がいたら嘲笑の一つでもあったかもしれない

陽乃「……人を殺すなんて、今更なのにね」

その代わりに、自分で嘲笑する。

あれだけ突き放しておきながら、見る影もないほどに哀れだと。

陽乃は観念したように首を振って、部屋を出て行く


279 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 22:40:45.99te3DXU5fo (6/10)


静まり返った参集殿は、夜の帳を纏ってどこかおどろおどろしい雰囲気を感じさせる。

恐らくは檜の、床板がほんの少し軋む。

俗に言われていた、ラップ音のようなそれに、陽乃は怯えることもなく小さく笑う。

陽乃「……」

かつて、陽乃の神社で肝試しをしたいなんて言い出した友人がいた。

神職に携わる身としては、そんな不敬なこと許せないと思ったが、

子供心に増幅された好奇心は思いのほか強く、両親に相談して色々と条件付きで許可を貰ったことがある。

友人数人で泊まり込んだその日、

夜になると、どこからともなく今のようなきしむ音が聞こえて、とても騒がしかったのを、まだ覚えている。

その中で、あの日、生存を確認できたのは1人だけだ。

陽乃「……駄目ね」

変に感傷的になってしまっている。

知らず知らずのうちにぴたりと止まっていた足をもう一度前に進める。

歌野『デッドorアライブ……そうね。みーちゃんも久遠さんも間違ってないと思うわ』

水都『うたのんは、どう思うの?』

歌野『ん~……私だったら "DEAD" その方が優しいって思っちゃうかもしれない。だけど、死んじゃったら終わりでしょう?』


280 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 22:59:56.04te3DXU5fo (7/10)


陽乃「……」

まだ話し終わってなかったようで、部屋から声が聞こえてくる。

歌野の答えは陽乃とは逆のようだが、陽乃の答えも分からなくもないと言う。

歌野『その人の命……魂かしら? それに優しいかどうかで久遠さんは考えているのね』

水都『でも、私には……分かりようもないけど、死んだ方がマシな苦しさってあると思う。それが優しさなことだって――』

歌野『みーちゃんは、久遠さんに死んでほしいの?』

水都『ち、違うよっ……違うっ、けどっ……』

歌野『ごめんなさい、意地悪なこと言ったわ』

部屋の中から聞こえてくる声が、歌野のものだけになる。

ごめんねと。何度も繰り返して、

抱いているのか、ただ摩っているだけなのか

寄り添っているのを感じる

水都『私はただ、一人で頑張ってほしくないだけだよ……』

陽乃「……」


1、部屋に入る
2、もうしばらく外にいる
3、別の部屋に戻る


↓2


281以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 23:03:29.319rDhL/c1O (1/2)

1


282以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 23:03:38.72LoP6U5JmO (1/1)

1


283以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 23:04:03.82tMm1JvtI0 (1/2)

1


284 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 23:17:46.19te3DXU5fo (8/10)


少し、迷いはしたものの、

床板を少し強く踏み込んでから、襖を開く。

足元がきしんだとたんに、ほんのちょっぴり慌ただしい音が聞こえたが、

気付かなかった風を装って、そのまま中に入る。

歌野「あら、もう戻ってきたの?」

陽乃「何? 戻ってこない方が良かった?」

歌野「そういわけじゃないけど」

陽乃「私は別に、二人が恋愛関係にあろうがなかろうが、看過しないから心配しないで」

歌野「こっ」

さっきまでの話、振り返らない水都の雰囲気

きっと、見られたくない状況にあって、慰めるために寄り添っている。というのは察しがついているが。

ぴたりとくっついている二人を一瞥して、適当に嘯く。

歌野「恋仲って、久遠さん早とちりが過ぎるわ!」

陽乃「別に良いってば、どっちだって」

歌野「その、なんか、否定するほど怪しいみたい言い方止めてっ」


285 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 23:26:57.04te3DXU5fo (9/10)


水都はいつも通りではない。

けれど歌野はいつも通り……でもなさそうだ。

返答は明るく、普段の明るさを感じさせるけれど、

壁の境目に残るわずかな影のような暗さが、表情に見えている。

陽乃「気にしないで。もしあれなら、別の部屋に布団を持っていくから」

歌野「久遠さんっ!」

陽乃「……冗談よ」

ちょっぴり声を大きくした歌野だが、

はっとして水都を一瞥すると咳払いをして、少し距離を取る。

水都は相変わらず陽乃に背を向けたままで、

袖でぐっと目元のあたりを拭って、ようやく振り返る

水都「もうお休みになられますか?」

陽乃「そうと言ったら困るのかしら」

水都「そんなことはないですけど……」


1、なによ。はっきりして
2、もう休むわ
3、なに? 別室で良いって言うならそうさせて貰うけど
4、何も言わない


↓2


286以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 23:28:31.01tMm1JvtI0 (2/2)

1


287以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/22(火) 23:28:51.849rDhL/c1O (2/2)

1


288 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/22(火) 23:52:31.15te3DXU5fo (10/10)


陽乃「なによ。はっきりして」

水都はそれでも少しためらいを見せて、

歌野が動こうとしたのが見えたのか、首を振って、陽乃を見上げる。

水都「もし、陽乃さんがそうしたいなら別室でもいいと思います」

歌野「みーちゃん?」

水都「その方が、安心できるならその方が良いと思うから」

水都は、そう言って

だけど、少しばかり名残惜しそうな表情を見せる。

陽乃「貴女達が、わざわざ3人並べてたと思うんだけど」

水都「それはそうですけど、でも、すみません」

歌野「久遠さんがその方が良いなら、そうしてもいいんじゃないかって話し合ったの。今は二人しか勇者がいないから、少しでも落ち着けた方が良いと思って」

歌野のとっさのフォローが入る。

少し焦った冷や汗が頬に浮かんでるのが見えたが、

陽乃はそっと視線を横に逸らす。

陽乃「そう」


289 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/23(水) 00:00:21.38DXT78G+/o (1/2)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


290以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/23(水) 00:11:01.25zg3n8ec0O (1/1)


みーちゃんすっかり落ち込んじゃってるな…
うたのんと同じく慰めてあげたい


291以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/23(水) 00:26:08.42BYDVV7EwO (1/1)


喧嘩しないでー


292 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/23(水) 23:58:05.26DXT78G+/o (2/2)

すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


293以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 06:08:08.33HRvQGhnlO (1/1)




294 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 21:38:23.32qyMrDeLRo (1/8)

では少しだけ


295 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 21:42:04.05qyMrDeLRo (2/8)


ここに来る前に、

少しそんなことを考えていたけれど、

考えを読まれていた……わけではないはずだ。

2人で話し合ったのが本当かどうかはわからないが。

陽乃「話し合ったのね」

歌野「別に、久遠さんが邪魔だとかそういったことは考えていないから安心して頂戴。ただ、それぞれが望むようにした方が良いって思っただけだから」

陽乃「だとしたら、白鳥さん達も、私とは別室が良いって考えてるってことで良い?」

歌野「本音を言えば、このままが良いわ」

歌野はそこで、言葉を止める

……だけど。と、続きそうに思えたけれど、続かなかった。

陽乃「部屋は、いつものあの部屋を使ってもいいのよね?」

水都「そうですね。大丈夫だと思いますよ」


1、なら、そうするわ
2、いいわ。面倒だから


↓2


296以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 21:44:49.04FRY8Af2r0 (1/2)

2


297以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 21:45:08.59tQO5yCrDO (1/1)

2


298 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 22:20:11.47qyMrDeLRo (3/8)


陽乃「いいわ。面倒だから」

歌野「布団とかを持っていくの確かに面倒よね。もしあれなら手伝っても……」

陽乃「良いってば」

それ以外の時間をあの場に使うからいいのであって、

夜まであそこで過ごすことになったら、

あの部屋は自室のようなものであって、息抜きの場ではなくなる……なんて。

陽乃「今更、生活の場を変えても不都合だから」

歌野「そう……なら、いいけれど」

水都「本当に良いんですか?」

陽乃「……」

水都の伺うような視線とまっすぐ向かい合う。

あんなこと言った後だ。

1人きりになれる話を拒むのは矛盾が生じてしまうかもしれない。

陽乃「良いわよ。手間を増やしたくないから」

だけど、やっぱり。という気にはなれなくて首を振る。

余計に悩ましく乃は、目に見えているから


299 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 22:36:39.55qyMrDeLRo (4/8)


陽乃「別に変な気遣いなんてしなくていいから」

一人になりたければ、勝手に一人になる。

今回みたいに、無理に一人にしようとされるのは逆に気にかかる

どうせ、放っておけない二人だ。

そうやって気遣うのはかなりの無理をしているように感じる。

陽乃「そんな……」

歌野「?」

陽乃「……なんでもないわ」

水都は、強く顔に出ている。

あの話が影響しているのは間違いがなくて、

恐らくきっと、あの瞬間の自分も似たような顔をしていたのだろうと。陽乃は思って。

顔を顰める

陽乃「もう休むわ。明日だって、朝から襲撃がないとも限らないんだから」

歌野「そう、よね」

九尾は、しばらくバーテックスが近づくことは出来ないと言うようなことを言っていたが、

それが絶対とは、限らない。

なんて、それも、建前かもしれない。


300 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 22:44:41.96qyMrDeLRo (5/8)


1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(部屋に入る、はっきりして、断る)
・ 藤森水都 : 交流有(余裕、嫌よ、解釈は自由、部屋に入る、はっきりして、断る)
・   九尾 : 交流有(状況、諏訪組とのつながり、分かってる、考えておく、臆病、心まで、答えは出せない)

√ 2018/09/04 まとめ

 白鳥歌野との絆 69→70(良好) ※特殊交流3
 藤森水都との絆 83→83(良好) ※特殊交流8
   九尾との絆 70→73(良好)


301 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 22:56:24.25qyMrDeLRo (6/8)


√ 2018年 9月5日目 朝:諏訪

01~10 歌野
12~21 水都
45~54 歌野
78~87 水都
89~98 襲撃

↓1のコンマ

※それ以外は通常


302以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 23:00:07.16axih7zJwO (1/1)




303 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 23:33:53.82qyMrDeLRo (7/8)


√ 2018年 9月5日目 朝:諏訪


朝になると、体中に力が満ちていくのを感じる

もうすっかり、回復したようで、

胸の奥につっかえるような違和感などもない。

それはたぶん、昨日イザナミ様を呼ぶのに失敗したからで

もしも呼ぶことが出来てしまっていたらと、少し思う。

あれは聊か、早まっていた。

陽乃「……ん」

いつもは聞こえる二つの寝息

けれど、今日はまた、1人分で、

もう一方……水都の方からは寝返りを打つ音がした。

水都「……」

言葉はないけれど、でも、起きている。


1、別室へ
2、沐浴へ
3、……昨日のは、忘れてくれていいわ
4、あんなふうに気遣えと言ったつもりはないわよ。
5、少し、付き合いなさい


↓2


304以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 23:37:21.02t3bnJpkaO (1/1)

3


305以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/24(木) 23:38:10.17FRY8Af2r0 (2/2)

4


306 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/24(木) 23:54:10.25qyMrDeLRo (8/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


307以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/25(金) 00:06:33.93Lr10+OhIO (1/1)


なんだかんだ孤独になりきれない陽乃さん
みーちゃんとの仲直りできるかな


308以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/25(金) 04:20:49.276qOzxduvO (1/1)


みーちゃん許して


309 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 21:42:33.18bX5/QU9no (1/6)

では少しだけ


310 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 21:44:19.00bX5/QU9no (2/6)


陽乃「あんなふうに気遣えと言ったつもりはないわよ」

水都「……」

陽乃「一周回って迷惑だった」

水都の反応はなかったが、わずかに呼吸が遅れたのを感じた。

やはり、起きているのだろう。

陽乃「なによ、今更」

諏訪に来てから今まで、

何度、突き放してきたと思っているのか。

それに対して、どれだけ粘り強く突っかかってきたのか。

覚えていないわけがないはずだ。

なのに、今更。

陽乃は、天井で波打つ木目を何の気なしに見つめて、ため息をつく

陽乃「私が、貴女に何を見せたって言うのよ」

微かに、水都側の方から布団が動く音がする。


311 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 22:20:10.79bX5/QU9no (3/6)


暫く何も言わないでいてみると、また少しだけ動く音がする。

横を見れば、もしかしたらこっちに目を向けているのかもしれないと陽乃は思ったが、

目を向けることなく、瞼を閉じる。

そうして、ふと、小さな声が聞こえた。

水都「……すみませんでした」

陽乃「なにが」

水都「あんな顔、するとは思っていなくて」

陽乃は苛立ちを堪えるように顔を顰めて、目を開く。

何一つ変わりようのない天井には、

窓から差し込む光のせいで、ほんの少しだけ歪んだ影が映っていた。

水都「本当に、凄く……辛そうだったから」

陽乃「気のせいよ」

水都「そう、なんですか?」


312 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 22:49:53.70bX5/QU9no (4/6)


寝起きだからなのか、

それともまだ引き摺っているのか、水都の声は沈んで聞こえる。

水都「……そうですか」

陽乃が答える前に、水都はつぶやく。

本当にそうだなんて、ちっとも思っていな声。

陽乃「不満そうね」

水都「不満なんて、ありません」

陽乃「だったら――」

水都「でも、気のせいだなんて思えなくて」

どこか、笑みを感じる水都の声色は、

けれど、まったく喜びの感じられないもので

水都「……」

水都はそこで、言葉を切ってしまう


1、なのに、一人で頑張ってほしくないだなんて言ったの?
2、だったら、なんなの?
3、言ったでしょう。私は臆病だって
4、赤の他人に、入れ込み過ぎよ
5、何も言わない


↓2


313以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/25(金) 22:53:09.30rxyN3yCm0 (1/1)

4


314以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/25(金) 22:53:20.742/GWtPQTO (1/1)

1


315 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 23:23:05.83bX5/QU9no (5/6)


陽乃「なのに、一人で頑張ってほしくないだなんて言ったの?」

水都「え……」

陽乃「聞こえたわ」

昨日の夜、歌野と水都の話だ。

ほとんど何にも聞いていないに等しいが、

割り込む寸前の数回交わされた言葉は聞こえてしまった。

あんな表情と言い、今も引き摺っている

1人になりたいならなってもいい。いまさらそんなことさえ言い出したくせに、

それなのに、一人で頑張ってほしくはないと。

陽乃「矛盾しているわ。一人で頑張って欲しくないって言うってことは、まだ、諦めていないのでしょう?」

水都「でも、迷惑ですよね」

陽乃「そう思うなら、諦めるべきだわ。きっぱりと」


316 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/25(金) 23:45:18.59bX5/QU9no (6/6)


でも諦められない。

それは明白だ。だって、諦められるのなら、ここまで付き合ってはいなかった。

もっと早く、

この約半月の時間もかけずに、そばからいなくなっていたはずなのだ。

だけど、今もいる。

陽乃「……愚かだわ」

陽乃の視界に水都は映っていないけれど、

でも、どんな表情を浮かべているのかがなんとなく分かってしまう。

分からないのは、

泣いているのか、いないのか。

そこに心の強さは関係ない。

水都が、どれだけ……心を許してしまったか。

許せる要素なんて、大して与えた覚えはなかったが。


317 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 00:04:01.51avdXbNcro (1/12)


陽乃「……初めから、私の言った通りにしておけばよかったのよ」

最初から、陽乃は拒絶していた

好きにしたらいいと、自由にさせておいたこともあるし、

それを考えれば、全部が全部水都が悪いというわけではない。

陽乃「不快だわ」

水都「……ごめんなさい」

対面での会話らしい会話ではないから、

呟きも、それとして持っていかれる。

水都の、無理矢理に引っ張り出したような謝罪に、陽乃は本当に不快そうな顔を浮かべて

体を起こして、隣に目を向ける。

歌野はまだ、悠長に眠っていて、

水都は背中を向けたまま

布団を引っ張り上げて、顔を隠している。

陽乃「別に、謝って欲しいだなんて言ってないから」

そう言って、こぼれそうなため息を飲み込んだ


318 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 00:05:37.90avdXbNcro (2/12)


↓1コンマ判定 一桁

1,5,8 水都「……場所を変えませんか?」
ぞろ目特殊

※そのほか、終了


319以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 00:06:33.39hZf5ItInO (1/2)




320 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 00:09:53.53avdXbNcro (3/12)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から


321以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 00:14:17.92HQKjWS6DO (1/2)


うまいこといかないなあ


322以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 00:19:36.83hZf5ItInO (2/2)


みーちゃんにはこの辛い状況でも諦めずにうたのんと共に頑張って欲しいなぁ


323 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 20:18:24.00avdXbNcro (4/12)

では少しだけ


324 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 20:19:55.83avdXbNcro (5/12)


√ 2018年 9月5日目 昼:諏訪

01~10 歌野
78~87 歌野
89~98 襲撃

↓1のコンマ

※それ以外は通常


325以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 20:27:41.22RTIvL6yvO (1/2)




326 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 21:10:58.27avdXbNcro (6/12)


√ 2018年 9月5日目 昼:諏訪


いつもの部屋で、いつものように窓を開け、一人きりの時間に興じる。

朝に部屋から逃げるように出てきてから、水都は結局追ってくることはなかった。

その説明を、歌野が求めてくることもなく、

何事もなかったかのような時間が、流れていく。

陽乃「……」

歌野は今頃、通信を行っている頃だろう。

水都はどうしているだろうか。と思ったが、2人は近しい距離にあるようで、

通信用の部屋に一緒にいるのかもしれない。

陽乃「……別に」

2人の存在感知に対して、ぼやく。

知りたくて感じ取ったわけじゃない。

勝手に、向こう側から伝わってくるだけだ。

力の繋がりによる、存在感知

どこに二人がいるのか、分かってしまうのはプライバシーの侵害にもあたるのでは。

なんて、無駄なことを考える


327 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 21:49:33.17avdXbNcro (7/12)


水都には、聊か冷たく当たりすぎただろうか。

昨日のことでさえ引き摺っているような状態で、

より突き放すようなことを言ったのだから、思い悩んでいるかもしれない。

陽乃「言った通りにしていればよかったのよ」

繰り返す。

初めから自分はそう言っていたのだと。

それを突っ撥ねてきたのは水都で、

だから、自業自得でしかない。

だけど。

陽乃「馬鹿よね……」

水都が傷ついたことにに、心の一部を明け渡してしまっている。

自分のことを、何度も話してしまったからだろうか。

自分が臆病だなんて、言うつもりはなかった。

あれは冗談ではなかったし、嘘でもない。

紛れもない自分自身のことだったから。


328 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 22:13:21.75avdXbNcro (8/12)


自分の行動が、自分のためというのは無理ありませんか? と、問われた時もそう。

口も含めた顔自体が、モノを言ってしまっていたようで、

水都はそれに悩んでいたし、

そのあとはまた、陽乃を気遣うようなものだった。

陽乃「……っ」

自分の頬をつねる。

どれだけ、気を許しているのか。

信じることも、頼ることも。

自分は絶対にしないと思っていたのに、

いつの間にか、ここまで来ている。

陽乃「はぁ……」

水都のことも悩ませているが、陽乃もまた、悩ませている。

やはり、自業自得なのだろう。


1、通信部屋へ
2、外出する
3、九尾を呼ぶ
4、藤森水都について
5、イベント判定

↓2


329以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 22:14:32.75upqaf0rx0 (1/2)

1


330以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 22:15:02.59RTIvL6yvO (2/2)

1


331 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 22:24:50.19avdXbNcro (9/12)


↓1コンマ判定

01~10 56~65 89~98 球子、杏
34~43 襲撃

※一桁奇数の場合、被害判定


332以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 22:28:11.23HQKjWS6DO (2/2)




333 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 22:44:39.95avdXbNcro (10/12)


杏達が出てから、約3日

勇者のみの移動ということもあって、そろそろ着いていてもおかしくはない。

着いていたら

あるいは、九尾が言うように危機的状況下にあって襲撃の一つでも起きていれば、

今回の通信でそれに関する連絡があるはず。

陽乃「……別に、藤森さん達に会う目的じゃないけど」

誰への言い訳になるのか。

そんなことを呟いた陽乃は、首を横に振ってため息をつく。

正直、顔を合わせるのは気まずい。

水都も恐らく、そうだろう。

だけど、通信の件は気になるところで、

やはり、行かないわけにはいかないだろうと動く。


334 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 23:33:28.38avdXbNcro (11/12)


いつもの部屋から、通信設備の置いてある部屋へ移動する。

途中の通路から見える神社の境内には、

まだ、まばらに人の姿が見える。

陽乃に会いに来ている……わけではなく、ただの参拝だろう

歌野『では、まだ伊予島さん達は到着されていないんですか?』

部屋に近づくにつれて、

通信相手の声は聞こえないが、歌野の声だけははっきりと聞こえてくる。

歌野『すみません、もう一度……』

通信の状態はあまりよくないようで、歌野は何度か相手に聞き返す。

陽乃「駄目そうね」

襖をを開いて、中に入る。

出入り口のすぐそばにいた水都は驚いて顔を上げたが、

すぐに顔を伏せる。


1、通信を変わる
2、通信設備に力を使う
3、なによ。避けてるの?


↓2


335以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 23:41:00.3620GK3MkkO (1/1)

2


336以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 23:41:29.56upqaf0rx0 (2/2)

2


337 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/26(土) 23:42:27.93avdXbNcro (12/12)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であれば、お昼ごろから


338以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/26(土) 23:51:40.21COV6AudyO (1/1)


陽乃さんも凄く罪悪感を感じてるみたいだしなんとかしたいけど…
あと杏たちもだんだん心配になってくるな


339以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 08:06:23.64k9/1vm+8O (1/1)




340 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 15:02:18.36Gvrzn9Xqo (1/16)

では少しずつ


341 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 15:07:31.94Gvrzn9Xqo (2/16)


歌野「久遠さん?」

陽乃の入室に気づいて、歌野が振り返る。

近付いたからか、通信用のマイクを手放そうとしたのを制して、通信機器に手を触れる。

陽乃「……そのままでいいから」

相手側から、久遠さん? という声が聞こえたが、

無視して通信設備の補強に気を回す。

触れている手から、機械へ

指先に力を籠めるようなイメージで、力を流し込んでいく。

『白鳥様?』

歌野「あ、はい。すみません」

『そちらに彼女がおられるのですか?』

歌野「久遠さんのことなら、ついさっき合流しました」

話を再開する歌野に向かって、

自分の耳をゆびさして、ちゃんと聞こえるのかとジェスチャーする。

声には出さず、頷くのを見て少し下がって座る

一応、試みはうまくいったようだ


342 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 15:38:39.15Gvrzn9Xqo (3/16)


『先ほどの件ですが、伊予島様、土居様はまだお戻りになられておりません』

歌野「バーテックスの襲撃に関しても起きていないのでしょうか?」

『……そうですね。襲撃の方も確認できておりません』

相手側の声には、

陽乃からの情報に対する、猜疑心のようなものが織り込まれているように感じる。

杏と球子を送ったことも含めて、

真実ではないのではないかと。

言葉にはしていないが、疑われているように感じたのだろう、歌野の顔つきが少し厳しくなる。

歌野「伊予島さんと土居さん両名に関しては、私が見送ったので間違いなくそちらに向かってます」

『そのように伺っておりますが、現在は確認ができておりません』

歌野「襲撃に関しては、調査の方は行われたのでしょうか?」

いつにもまして……というべきか、

明らかに普段とは違う話し方に、少し変なものを覚えつつ耳を傾ける。


343 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 15:57:18.63Gvrzn9Xqo (4/16)


『調査は致しましたが、周辺の目視確認のみです。また、異常は確認されませんでした』

陽乃「……」

周辺の目視確認のみ

それでも、バーテックスの一体二体は視界に入る可能性がある。

しかし、辺り一帯が焼け野原ならともかく、

そうではなく、数多くの建物が現存しているため、

どこにでも姿を隠せてしまう。

そうなったら、四国周辺

例えば、大橋の辺りから周辺を見渡した程度だったりでは、

異常なしとなる可能性の方が高いだろう。

歌野「目視確認だけでは、不十分なのでは?」

『しかし、こちらには勇者様は3名しかおりませんので、調査に出て頂いている間に、別方面から襲撃を受けるなどがあった場合、被害が出る可能性があります』

水都「3人……」

3人しかいない。

なら、今までの諏訪の三年間は何だったのか。

そう言いたげな水都の呟きは、向こうには伝わっていない。


1、歌野に任せる
2、上里ひなたについて
3、陽乃の母親について
4、乃木若葉について

↓2


344以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 15:58:55.46FLIj4zULO (1/1)

3


345以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 16:02:24.073fKz0gTNO (1/1)

4


346 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 16:32:40.38Gvrzn9Xqo (5/16)


陽乃「ねぇ」

通信相手の方には聞こえないくらいの小声で呼びかけて、

歌野の袖のところを引く。

陽乃「乃木さんのことも確認しておいて」

歌野「……」

驚いた表情を浮かべた歌野だったが、

すぐに笑みを浮かべて、わかったわ。と、頷いて。

歌野「乃木さん……乃木若葉さんはどうしてますか?」

『乃木様に関しましてはリーダーの任を一時解かせて頂き、以降は通常の勇者様と同等に行動して頂いております』

歌野「では、今はだれが勇者のリーダーを? 高嶋さんと郡さんのどちらかですよね?」

『暫定的に、郡様に担って頂いております。郡様は四国に残られた勇者様の中で最も、勇者というものに対しての意欲が高いと認められておりますので』

陽乃「……」

意欲があるからと、リーダーを任せるとは考えにくい。

なにより、千景では友奈との関係性は悪くないが若葉とは絶望的と言ってもよく

多勢に無勢であろうバーテックスとの戦いにおいて重要なチームワークが全く機能しないことさえ、ある

若葉は陽乃達の件で解任

友奈も、どちらかと言えば若葉側……陽乃の味方をしかねないから、任せられなかったと言うだけだろう。


347 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 17:00:00.51Gvrzn9Xqo (6/16)


歌野「なら、ぜひ郡さんとお話がしたいのですが。四国と諏訪でリーダー同士、まったくの面識がないというのはどうかと思いますし」

歌野はそう言って、陽乃に目配せをする。

若葉やひなたは難しいが、

もう一度、勇者と対話する機会が得られるかもしれないと。

けれど、千景は駄目である。

いや、いつかは壊すべき壁なのかもしれないが、

正直言って、今は打開策など見えてこない

若葉やひなたじゃなくても、友奈ならまだよかった。

だけれど、千景は無理だ。

『その可否は私には判断できかねますので』

歌野「でも、伝えることくらいは可能ですよね?」

『それが私の担当になりますので。しかし、お約束は出来かねます』

歌野「勇者同士の交流は必要ないのでしょうか」

冷静に、

けれど、今まで以上に詰め寄っていく姿勢を見せる歌野の返答の速さに、

相手側からの声が途絶える。

『……そのことも含めて、ご確認いたします』


348 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 17:50:46.73Gvrzn9Xqo (7/16)


歌野「……はぁ」

通信を終えて一息つくと、歌野は仰け反るように体を動かして

歌野「伊予島さん達、大丈夫かしら」

陽乃「さぁ? 途中でおやつになったかもしれないわね」

歌野「おやつって……さすがに不謹慎だわ」

陽乃「実際の問題、到着していないならその可能性は十分あるのよ」

歌野「だとしても、それはあんまりだわ」

歌野は通信に使っていたマイクの頭を軽く撫でて、呟く。

2人も大切な仲間だ。

それほど深くかかわりになりたくなかったとしても、

寝食を共にし、死線を潜り抜けてきた友人だから。

歌野「心配していないの?」

陽乃「心配って」


1、そんなことより、郡さんの件、迷惑なんだけど
2、あの二人がたどり着かなかった責任、誰が背負わされると思ってるのよ
3、郡さんは貴方に任せるから
4、襲撃がないなら、二人の方に向かってる可能性はあるわね


↓2


349以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 17:53:59.014i05YI05O (1/1)

2


350以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 17:55:22.47jkEsSzY/O (1/1)

4


351 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 18:41:13.77Gvrzn9Xqo (8/16)


陽乃「襲撃がないなら、二人の方に向かってる可能性があるわね」

歌野「っ……どうにか」

遥「どうにもできないわよ」

ここから、2人に対してできることなんて何一つない。

今の2人が、諏訪からどれだけ離れた距離にいるのか、

それさえも分からないし、

出発前に話し合っていたルートの通りに進んでいるとも限らない。

できる限り発見されないように。

2人はそう言っていたが、

一度でも見つかってしまったら、芋づる式にバーテックスが出てくる

そうなったら、殲滅以外で逃げ切るのは難しいはずだ。

陽乃「2人、もしくはどちらか1人は死んでるか負傷しているかもありえるわね」

水都「どうにか、できないのかな……」


352 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 18:55:07.75Gvrzn9Xqo (9/16)


陽乃「どうにもできないって、言ったはずだけど」

水都「でもっ」

陽乃「2人を助けたいって? 立派な勇者ね」

陽乃は呆れたように言って、首を振る。

どうにもできないものは、できないのだ。

と、言いはしたができることが全くないわけではない。

2人を救うために力を送るとか、

ここから何かして、バーテックスを引き付けるとか、倒すとか

そういうのは無理な話になってしまうけれど。

歌野「向こうに無事着けるように、祈っておくことしかできないのかしら」

陽乃「あら、私に祈ってるの? 残念だけど無理よ」

歌野「久遠さんってば……」

真面目な声色の歌野に対し、

冗談めかして手で払う素振りを見せる陽乃は、どこか自棄になっているようにも見える

陽乃「……」


1、今すぐ諏訪を出るって手もあるけど?
2、どうにもならないものはならないのよ
3、死にはしないわよ


↓2


353以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 19:06:53.13r7UppCbEO (1/1)

1


354以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 19:07:27.80q7FPHbGL0 (1/1)

3


355 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 19:13:27.66Gvrzn9Xqo (10/16)

少し中断します

再開は21時ころから


356以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 19:20:40.81i8J6phhqO (1/1)

一旦乙
無事であって欲しい…


357 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 21:38:58.49Gvrzn9Xqo (11/16)


陽乃「死にはしないわよ」

歌野「そうね……そうよねっ。あの二人だもの」

不安を隠しきれないながらも、

努めて明るい声の歌野

心配そうに曲がった眉を見て見ぬふりをして、陽乃は目を背ける。

球子は一応、陽乃に一手を与えて勝利した勇者だ。

球子と杏は、とても仲のいい二人で、

連携だってうまくとることが出来るはず

問題があるとしたら、二人はどちらも中遠距離で戦う勇者ということくらいだろうか。

その為に、近づかれたらひとたまりもない。

球子が防ぎ、杏が迎撃する

至近距離にまで近づかれた場合の対処法は、それか逃げるかだ。


358 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 22:15:17.38Gvrzn9Xqo (12/16)


陽乃「本当なら、模擬戦の1回や2回はしてあげる予定だったんだけど、それもできなかったから不安はぬぐえないけど」

水都「でも、大丈夫だって信じてるんですよね?」

陽乃「まさか」

陽乃は鼻で笑う。

意味もなくどこぞに流れていた目を水都へとむけて、小さな笑みを浮かべる

陽乃「そうじゃないと、困るってだけの話よ」

歌野「確かに、久遠さんが送ったって伝えたから、責任は久遠さんに行くかもしれないけど……」

陽乃「そういうこと」

水都「でも……」

水都は何か言いたげだったが、

けれど、その先のことは言わなかった。

陽のも、追及をしようとはしない。

言わないなら、それまでだ。

言われたところで、大して変わることもないだろうけれど。

陽乃「そもそも、あの子たちだって勇者なんだからそう簡単に死んだりしないわよ」

少なくとも、

自分についてくるような勇者は。と、陽乃はため息をついた


359 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 22:19:26.57Gvrzn9Xqo (13/16)


√ 2018年 9月5日目 夕:諏訪

01~10 歌野
12~21 水都
45~54 歌野
78~87 水都
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常


360以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 22:19:50.66IauBxol90 (1/1)




361 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 22:52:58.22Gvrzn9Xqo (14/16)

√ 2018年 9月5日目 夕:諏訪


日が傾き、過ぎて月がより明確に見え始める夕方。

雲が多く、夕日も陰ってしまっているのが、どこか不穏な空気を感じさせる。

陽乃「……」

それでも、陽乃は変わらずいつもの部屋に来ている。

静かな部屋

1人きりになることが出来る部屋。

考え事をするには、これ以上ないほどに最適だ。

時々、影の中から姿を見せるモノもいるけれど。

陽乃「悪い想像ね」

歌野達にも話したが、

四国にバーテックスが出現しない理由のことだ。

九尾がでたらめなことを言っただけの可能性もあるが、

そうではないのなら、本当に二人に集中している可能性がある。


362 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 23:12:28.00Gvrzn9Xqo (15/16)


陽乃はテーブルに突っ伏しながら、中身の入っていない茶器を指で弾く。

諏訪の周囲にいたバーテックスは、

まず間違いなく陽乃の力で殲滅することが出来た。

その力を呼び水としてバーテックスを集める算段だったが、

陽乃の力の影響があまりにも大きかったために、

バーテックスは諏訪には近づくことが出来なくなっている。

だが、それはそれで問題はない。

驚異的な力がそこにあると、向こうに印象付けることは出来るから。

けれど四国は、陽乃のように神と人とに殺意の高い力による結界を張ることは出来ないはず

諏訪と同じ原因であるとは考えにくい

だから、あの二人の可能性が高く、

そのうえで四国に襲撃がないということは、まだあの二人を仕留められていないとみていい。

もちろん、それも希望的観測に過ぎないが。


1、歌野達のところへ
2、九尾を呼ぶ
3、外出する
4、イベント判定


↓2


363以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 23:13:58.50keYamH/tO (1/1)

1


364以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 23:16:12.22rJq3WGIcO (1/2)

1


365 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/27(日) 23:19:11.63Gvrzn9Xqo (16/16)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


366以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/27(日) 23:26:28.19rJq3WGIcO (2/2)


イザナミ様の力が強すぎて裏目に出た感じか…
杏たちを助ける方法を考えないとだな


367以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/28(月) 01:20:40.79Ghxe+ocfO (1/1)


不安だな……
仲直りもできないししんどい展開が続く


368 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/28(月) 22:40:20.61/M0KFMWOo (1/3)


九尾「また、娘のところに行くのかや?」

陽乃「……九尾」

部屋を離れようとした陽乃の背後に、人の形を持った九尾が姿を見せる。

金色の髪に、赤い瞳

陽乃よりも大きな大人の女性としての姿

どこか冷ややかな空気を感じさせる九尾の、鋭い視線を陽乃は仕方がなく見下ろす。

陽乃「やめておいた方が良い?」

九尾「主様があの娘共と深くかかわる気がないのならば、やめておくべきじゃな。情が移っては、切り捨てることもできまい」

陽乃はそれにすぐ答えることは出来ず、目を逸らす。

そんな陽乃の姿に呆れたような吐息を漏らした九尾は、

瞳を細めて、自身の長い髪を手に取る。

九尾「主様がそれでよいならば、妾は構わぬが」

陽乃「……」

九尾「主様の望む結果は得られぬぞ。あの娘共が飽きぬ限りはのう」

陽乃「分かってるわよ……」

九尾「そうか」

九尾は淡々と言って姿を消してしまう。

陽乃「……不満そうね」


369 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/28(月) 23:18:19.19/M0KFMWOo (2/3)


九尾の態度も仕方がないものだろうと割り切って、陽乃は部屋を後にする。

2人がいるのは、共用の部屋。

以前は、朝に畑に出ていることもあったが、

最近はここにいることが多い。

昼は定期の連絡

そして、夕方は部屋

2人は基本的にそんな生活だ。

いつものように通路を進むと、二人の声が聞こえる

歌野『電話とか、できるようにならないかしら』

水都『出来たら嬉しいけど、無理だよ……』

歌野『久遠さんの力で、びびびってなったり

水都『いくら久遠さんでも、無理だよ』

本当に、それは不可能である。

ひなたの件は、あくまでひなたに九尾が恩恵を与えているからに過ぎない

それを、諏訪と四国とをつなぐ通信機器を用いて接触しようというだけ。

単体ではどうにもならない


370 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/28(月) 23:51:26.79/M0KFMWOo (3/3)


陽乃はそんな無駄話をする二人がいる下手の襖に手をかけ、

少し勢いをつけて開く。

陽乃「残念だけど、不可能よ」

襖の開く音と、陽乃の声

2人は驚いて同時に振り返って、さっと口元を隠す。

隠したって、今までの話は聞こえている。

聞こえていなかったとして、

その仕草はあまりにも怪しいだろうと、陽乃は眉を顰める。

陽乃「私の力はだって、そこまで万能じゃないんだから」

歌野「そう、よね……それは解ってるけど、久遠さんならなんだかできそうな気がして」

陽乃「無理よ」

陽乃は顔を顰めて、首を振る。

陽乃「変な期待しないで」

歌野「ごめんなさい、悪かったわ。つい……」

歌野は本当に申し訳なさそうに言って

歌野「ところで、どうしたの? なにかあった?」


1、早めにここを出れば、途中で合流できる可能性もあるわよ
2、白鳥さん、私と戦う気あるかしら
3、ねぇ、どうして郡さんを呼ぼうだなんて思ったの?
4、私、期待されるのは大嫌いなのよ


↓2


371以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/28(月) 23:55:14.16+FkSwbj4O (1/1)

3


372以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/28(月) 23:57:12.06F+iG9urI0 (1/1)

1


373 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 00:06:33.92x830QSlVo (1/9)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


374以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 00:16:50.18imOe0e0ZO (1/1)


大分危険な賭けになるけどこのままだと杏たちが…
もし出るようなら死ぬ気で守り抜かないといけないな


375以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 00:20:15.54RpzYOzU/0 (1/1)


早めに出るとしても諏訪の人たち説得しないと


376 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 21:20:33.64x830QSlVo (2/9)

では少しだけ


377 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 21:23:01.52x830QSlVo (3/9)


陽乃「さっきは言わないでおいたけど……」

陽乃はそう前置きをすると、一息挟んで

陽乃「早めにここを出れば、途中で合流できる可能性もあるわよ」

歌野「それは、私も考えなかったわけじゃないわ。でも」

陽乃「住民を置いていくことになっちゃうって?」

水都の説得に応じていない、多くの人々

体が弱かったり、どこかに障害を持っていたり

そもそも、年老いてしまった人達で、

それが他の住民や、勇者である歌野や陽乃の足を引っ張って生存率を下げてしまうのではと危惧し、

自分から、救われる道を辞退したのだ

陽乃「生きることを諦めたのなら、もう、それでいいじゃない」

水都「っ」

歌野「久遠さん。それはさすがに言ったらだめなことだわ」


378 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 21:46:58.33x830QSlVo (4/9)


歌野「みんなだって、諦めたくて諦めたわけじゃない。ううん、諦めてるわけじゃないのよ。でも、私たちのために――」

陽乃「そんなの、余計なお世話だわ」

歌野「……」

歌野の視線が、やや厳しくなる。

声を荒げたりはしていないが、陽乃に対して不快感を覚えているのだろう。

陽乃が見捨てようとしている人々は、

この三年間、歌野とともに生きてきた人々だ。

最初は、そうじゃなかったかもしれない。

けれど、今はついてきてくれている人たち

優しく、温かく、可能な限り力になってくれている存在。

それを、無碍にされたのなら、それだけ心根が優しくても

いいや、優しいからこそ、苛立つだろう。

けれど。

陽乃「私は諦めてだなんて頼んでない。気遣って欲しいとも言ってない。勝手に、自分から無理だって諦めただけじゃない」

歌野「どうして、そんな言い方するの? みんな、久遠さんに嫌われるようなこと……していないのに」


1、私は期待されるのが嫌いないのよ
2、私は自分の命を諦めてるような人が世界で一番大嫌いなのよ
3、それを言って、何が変わるのよ
4、怒りたければ怒ればいいじゃない。私は、答えを変えることはしないけど
5、何も言わない


↓2


379以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 21:49:16.67i4laT+y20 (1/2)

2


380以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 21:49:55.62kiaThns70 (1/1)

2


381以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 21:50:01.94BlGSXGOrO (1/1)

2


382以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 21:50:09.30yXmvv6LEO (1/1)

2


383 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 22:23:50.58x830QSlVo (5/9)


陽乃「私は自分の命を諦めてるような人が世界で一番大嫌いなのよ」

歌野「だから、それは」

陽乃「違わないわよ」

違うと言いたがっていた歌野を遮る。

歌野や水都はそうと思っていないのかもしれない。

だけど、陽乃にとっては、

彼らの気遣いなんて余計なお世話でしかないし、

気遣いだなんて優しさはただの建前で、本心は諦念によるものだと思っている。

陽乃「生きるのを諦めているから、私達に守られることしか考えていないのよ」

歌野「仕方がないでしょう? 鍬でバーテックスを殴ったってどうにもならないのよ?」

素手でバーテックスを殴ることもできる陽乃とは、わけが違う。

同じようなスペックを期待しているのかと問いたそうな歌野を、陽乃は睨む。

陽乃「当たり前でしょう? そんなことしたって死ぬだけよ。けれど、バーテックスから逃げることくらいはできるじゃない」

悲鳴が聞こえても、おぞましい音が聞こえてきても

悲しくて、辛くて、息苦しくて、体中が痛んでいても

それでも。

陽乃「死にたくないなら、生きたいなら、諦めていないのなら……たった一歩でも前に進もうとすることが出来るはず」

陽乃は怒りを、握り拳におしとどめる。

怒鳴ったって、意味がない。労力の無駄だ

陽乃「少なくとも、私は、そうやって生きた」


384 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 22:35:49.90x830QSlVo (6/9)


歌野「久遠さん、貴女……」

水都「陽乃さんっ」

陽乃の右方にいた水都が腰を上げて、陽乃の右手を手で包む。

なにを。と、振り払おうとした陽乃の手は、

水都の体ごと引き上げられるだけだった。

陽乃「放して」

水都「待って、お願い……」

水都の弱い力での精一杯が、陽乃の手首をぎゅっと捉える

陽乃が本気で振り払えば、水都の体を跳ね飛ばすこともできるだろう。

とはいえ、その理由がない。

陽乃「何?」

水都「手、凄いことになってるから」

言われてようやく、水都の手首に赤い流れが出来ていることに気づく

その流れのもとは、陽乃の手を包む水都の手の内からだった。

陽乃「とにかくそれすらもしようとしないで、ただ、私たちの足を引っ張るからなんて言い訳をするなんて、諦めてるとしか思えない」

歌野は、悲痛に顔を歪めて息を吐く。

それでも、表情は大して変わらない。

歌野「久遠さんの考えは、わかった……って、言っていいのかしら。いいえ、だめね」


385 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 22:59:31.18x830QSlVo (7/9)


自問自答のように、歌野は勝手に否定して首を振る。

陽乃の手を握って放さない水都の姿を一瞥すると、

もう一度、陽乃へと顔を向けた。

歌野「受け取る人次第だって、よく言うけど、まさにその通り。私にとっては気遣いでも、久遠さんにとってはただの諦めでしかない」

歌野はふっと……息を吐いて、

ゆっくりと、優しく笑みを浮かべる。

歌野「言われてみれば、生きるのを諦めてるから、辞退してくれたとも言える」

陽乃「だったら、わかるでしょ? そんな人たちなんて置いていくべきよ」

歌野「いいえ、違うわ」

歌野は、はっきりと言い切る

歌野「諦めさせなければいい」

陽乃「その説得が、無駄だったって藤森さんからは聞いているけど?」

歌野「ええ。でも、久遠さんに諦めさせたくないわ」

陽乃「私は、諦めてないわよ」

歌野はちょっぴり困った顔をして

歌野「久遠さんが諦めてるのは、自分じゃなくてほかの人のことよ」


386 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 23:16:38.22x830QSlVo (8/9)


歌野「久遠さんは、諦めてるから諦める。でも、逆に諦めていなければ諦めない。でしょう?」

年老いた人々が、

自分の命を諦め、生きようとしていないから陽乃も諦めざるを得ない。

けれど

彼らが命を諦められず、生きるために一歩でも前に進もうとするのなら、

陽乃はその命を、諦めない。

奪われてしまうその瞬間まで、決してあきらめることはない。

と、歌野は考えているのだろう。

歌野「救いましょう。一緒に。久遠さんが、また、そんなに苦しまなくて済むように」

陽乃「これは、違うわ」

水都に簡易的に手当てされた右手

包帯には、またうっすらと血が滲み始めている。

歌野「久遠さんの気持ちが分かるなんて、言えない。だけど……私も、取りこぼした命は少なくないの」

たった一人で守った3年間

当然、外部から逃げてきた人々の中で、救いきれなかった命だって、ある。

歌野「あんな思いはしたくない。二度と、嫌。それはたぶん、久遠さんだって……だから、一緒に説得してくれないかしら?」


1、無理よ。私にはできないわ
2、そんな悠長なことをしていていいの?
3、一度だけよ。それでだめだったら諦めて

↓2


387以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 23:19:55.74i4laT+y20 (2/2)

3


388以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 23:20:26.93/CNVH6NRO (1/2)

3


389 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/29(火) 23:24:12.12x830QSlVo (9/9)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


390以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/29(火) 23:38:32.90/CNVH6NRO (2/2)


諏訪の人たちの生きる気力を復活させられれば巡りめぐって陽乃さんの心を救える可能性も出てくるのか
苦しい状況だけどうたのんの精神面のタフさがありがたいなぁ


391以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/30(水) 00:12:34.72a/kBMAanO (1/1)


見捨てちゃうと陽乃さんもう本当にとことん落ち込んじゃいそうだしな


392以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします2021/06/30(水) 02:58:17.91dRjo3Ew10 (1/1)

VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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393 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/30(水) 22:39:53.378005gKawo (1/5)

では少しだけ


394 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/30(水) 22:47:28.638005gKawo (2/5)


陽乃「一度だけよ。それでだめだったら諦めて」

歌野「久遠さんっ!」

いつもなら拒絶する陽乃の承諾に、

歌野は思わず飛びついて手を取ってしまって、陽乃は顔を顰めた

陽乃「痛っ……」

歌野「あっ、ごめんなさい」

陽乃は自由になった右手をかばって、歌野から距離を取る。

傷ついたばかりの手は、

さすがに、まだ治ってはいない。

歌野「1回で良いわ。それだけで、十分よ」

陽乃「言っておくけれど、私の方針は変えるつもりないから」

歌野「ええ。何を言うかは久遠さんに任せる。私達の言葉はもう、出尽くしてるから」

陽乃「そう。ならいいわ」

説得して欲しいとは言われたが、

期待されるようなことは、絶対に言いたくない


395 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/30(水) 23:21:50.828005gKawo (3/5)


水都「陽乃さん。予定していた話し合いは明後日です」

陽乃「明後日? 明日じゃなくて?」

歌野「できる限り全員に参加してもらうために、事前に通知して空けておいてもらわないといけないのよ」

いいのか悪いのか

隔離されたこの世界では畑の世話さえしてしまえば、

何よりも優先しなければならない仕事というものがない

とはいえ、投げだしていいわけでもなく。

だから、急にみんなに話を聞いて貰うなんてことはできないのだ。

陽乃「それは、そうよね」

歌野「明後日なら、みんなが話を聞いてくれるはずだから。久遠さん、頼んだわよ」

陽乃「頼まれても困るわ」

陽乃は歌野の言葉が見えるとでも言うかのように、手で振り払う。

陽乃「私、期待されるの嫌いだから」


396 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/30(水) 23:31:06.638005gKawo (4/5)


↓1コンマ判定 一桁

0、3,9 歌野「ちょっと、付き合って貰えるかしら」

※そのほか終了


397以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/30(水) 23:33:28.189y2Ea2/CO (1/1)




398 ◆QhFDI08WfRWv2021/06/30(水) 23:35:59.668005gKawo (5/5)


√ 2018年 9月5日目 夜:諏訪

01~10 歌野
78~87 水都
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常


399以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/06/30(水) 23:44:57.69HJYAiLPWO (1/1)




400 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/01(木) 00:11:17.40l2oKQOrBo (1/3)

√ 2018年 9月5日目 夜:諏訪


水都達の元を離れた陽乃は、いつもの部屋に引きこもる

話し合いが予定されているのは明後日

杏達がここを発ってから数日

今日はまだ未着だったが、

明日になれば到着している可能性もある。

それならそれで構わない。

それでも明後日の話し合いは一応、行うし

それでだめだったなら、やはり、置いていく。

陽乃「……深入りしすぎ、かしら」

一応、来月半ばと期限は設けていたが、

きっとらちが明かない

陽乃「良いのよね、これで」

陽乃はテーブルに突っ伏して、ため息をつく。

右手はもう、血は止まっている。


1、九尾を呼ぶ
2、共用の部屋に戻る
3、この部屋で寝る
4、イベント判定


↓2


401以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/01(木) 00:14:30.10rEsUpaThO (1/1)

4


402以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/01(木) 00:15:51.69yA76A8jTO (1/1)

2


403 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/01(木) 00:17:34.46l2oKQOrBo (2/3)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


404以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/01(木) 00:22:07.16whpfnaC4O (1/1)


陽乃結構幸薄いから心配だわ


405以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/01(木) 00:22:39.40lv4+z+g5O (1/1)


陽乃さん、冷たくし過ぎたのが余程後ろめたかったのかこの日は二人によく絡んでいくな


406 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/01(木) 23:24:39.88l2oKQOrBo (3/3)

すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


407以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/01(木) 23:30:00.508Dx/2H9zO (1/1)

乙ですー


408 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/02(金) 23:10:11.69Ovniwisvo (1/3)

遅くなりましたが、少しだけ


409 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/02(金) 23:12:47.37Ovniwisvo (2/3)


これ以上ここにいても、

今日はもう、何か出てくることはないだろうと陽乃は突っ伏していた顔を上げる。

諏訪への襲撃は陽乃の力の影響もあって、起こることはないはず。

とすれば、

直近で重要なことは、引き受けてしまった説得の件くらい。

それも明日ではなく、明後日。

明日の通信で四国に二人が到達していればよし

していないまま、襲撃があったとしたら悪い知らせ。

陽乃「……私できることなんて」

説得の言葉を考えてあげるだけ。

それだって別に、陽乃は話をするだけで、

どうしてもついてきて欲しいだなんて懇願する気はなく、

いつものように、自分の考えを言うだけだ

これといって、考える必要はない

だから、と、まだ早いが、陽乃は部屋に戻ることにした


410 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/02(金) 23:45:39.28Ovniwisvo (3/3)


歌野「久遠さん、もう布団は敷いておいたわ」

陽乃「……早いわね」

歌野「そろそろ戻ってくるんじゃないかと思って」

いつもなら、寝るのはもう少し遅い時間。

布団を敷くためのスペースは確保してあるものの、

布団の準備はまだいいか。と、ちょっぴりずぼらなこともあったが

今日は早かった。

陽乃「私の居場所、精確に掴めるようになったの?」

歌野「ううん。でも、近づいてる、離れてるっていうのは分かる……というか、なんて言ったら良いかしら」

歌野は悩まし気な顔をして、

ん~……と、あからさまに唸ると、陽乃から少しだけ目を逸らす。

歌野「火に手を近づけたり、離したりしているような感じね。久遠さんが近づいてくると、そんな風に力を感じるわ」

陽乃「そう……特に、力を漏らしている気はないのだけど」

歌野「だって、常に送ってくれているでしょ? そのおかげだと思うわ」


411 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 00:06:47.59NpTDh1uDo (1/9)


歌野「ただ、屋内だと誤差の範囲ね。集中していないと、まったく違いが感じられない」

陽乃「そういうものなのね」

歌野「そこはきっと、久遠さん自身の力の強さのせいだと思うけど……」

陽乃の力が強いため、

屋内では、常に火に手をかざしているような状態らしい。

それでも陽乃が来ていることに気づいたのは、

陽乃のことを考えていたから……と、歌野はアピールしたいのかもしれないが、

陽乃は気づいていないかのように、流す。

陽乃「それは仕方がないわ。これはどうにもならないし。精確な居場所まで特定されても困るし」

歌野「確かに、お手洗いとか――」

陽乃「単純に、プライバシーの問題よ」


1、もう休むわ
2、藤森さんはどうなの?
3、こっちに襲撃が来る心配はないから、明日は自由で良いわよ
4、明日、力の件で少し時間貰えるかしら


↓2


412以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 00:10:41.31Jwp3Ou+2O (1/1)

4


413以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 00:11:52.14yq89q+n7O (1/2)

4


414以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 00:12:05.26/2QRnx+qO (1/1)

4


415 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 00:18:06.92NpTDh1uDo (2/9)


では短いですが本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


416以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 00:26:59.36yq89q+n7O (2/2)


うたのんとはある意味一心同体な感じなのだろうか
尚更仲良くなっておかないとだな


417以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 01:09:53.06pU4jrgjQO (1/1)


お互いリンクし始めるのかな?
陽乃はあんまり何も感じてないみたいだけど


418 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 21:34:11.40NpTDh1uDo (3/9)

遅くなりましたが、少しだけ


419 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 21:36:18.62NpTDh1uDo (4/9)


陽乃「明日、力の件で少し時間を貰えるかしら」

歌野「ええ! 大丈夫!」

陽乃からの誘いだからか、歌野の声は妙に張り切っている。

歌野「ちゃんと話しておかなくちゃいけないことだものね」

陽乃「それもあるけど、いろいろ気になることもあるから」

陽乃が感じた痛みを、感じてしまったり

陽乃もそうだが、互いの居場所を精密さには欠けるものの把握できていたり、

力の繋がりは、その是非はともかくとして、恩恵がある。

今分かっていること以外にも、何かある可能性だってないとは言えなかった。

水都「なら、私はここで待機しておくね」

陽乃「貴女もよ。勇者ではないにしても、巫女なんだから」

水都とだって、繋がりはある。

戦いに加わる歌野と違って

水都とは大して強いつながりを持ってはいないけれど、

諏訪の神々の神託を受ける巫女だったのだから、

いて貰う必要はあるのだ


420 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 22:04:25.32NpTDh1uDo (5/9)


陽乃「明後日の結果がいずれにしても、いつかはここを出て行くことになるから、時間のあるうちに試しておきたいことがあるわ」

歌野「そうね。今のところ、久遠さんの力を借りた状態でってのは未経験って言ってもいいし」

陽乃「この前、私が気を失ったときは?」

歌野「あの時は、普通に力を使えたわ」

陽乃が失神していても命を落としてさえいなければ、

歌野に力の供給は出来るということなのか、

それとも、歌野に力が蓄積されていたのか

それとも、力の供給にはラグがあって、その分を使っていたのか。

最後のは、おそらく違うだろう。

陽乃「その理由も含めて、確認しておきたいわね」

水都「神託も試すんですか?」

陽乃「できるかどうか知らないけど」


421 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 22:16:44.43NpTDh1uDo (6/9)


最初は出来るかもしれないと考えたが、

今のところ、陽乃自身に神託のような何かが起こったことがない。

それが、直接水都に流れていくかもしれないし

陽乃が、自分の意思で水都に神託を与えるのかもしれない。

そこもやはり、確認しておくべきだろうか。

陽乃の意思ならば、

知らなければ、水都には何一つ伝わらないままになってしまう。

それこそ、巫女がいる意味がなくなる。

陽乃「ただ、私の痛覚が白鳥さんに伝わっているなら、神託も無意識で共有されそうな気はするけれど」

歌野「私も、みーちゃんみたいな巫女になるのかしら」

水都「そしたら、私いらなくなっちゃうよね」

歌野「そんなことないわ。みーちゃんは必要不可欠よ!」

巫女と勇者兼任

それと、巫女専門

勇者が巫女も兼任できれば、確かに巫女は不要になるかもしれない。

神託をいちいち、連携される必要もなくなるから、

便利でもある。

けれど、もしそれが可能だとしても

あくまで、神々とつながりのある陽乃と繋がっている歌野の特権だ

他の人には無理な話で、やはり、巫女は必要だろう


422 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 22:57:06.30NpTDh1uDo (7/9)


歌野「明日は朝から時間作るわ」

陽乃「あら、畑は?」

歌野「ん~……久遠さんが手伝ってくれたり」

陽乃「しないわよ」

すぐさま答えを返され、歌野は笑って冗談よ。と首を振る。

別に本気ではなかったようで、ショックを受けている様子はなかった。

歌野「畑はほかの人も手伝ってくれるから、すぐに終わるわ」

陽乃「そう」

水都「お昼は通信もあるし、その内容次第ではほかにやらないといけないこともあるから……やっぱり、朝が良いよね」

歌野「明日は早起きしなきゃ」

いつも早いが、いつも以上に。

そんな歌野達はいつもよりも早く、布団に入る。

陽乃はそれから少し遅れて、電気を消すと

水都と歌野の間、自分の分の布団に入った。

明日は、少しだけ忙しい一日になるだろう。


423 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 23:27:20.39NpTDh1uDo (8/9)



1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(通信設備、乃木若葉について、襲撃について、死にはしない、早期出立、命を諦めている人、一度だけ、明日の予定)
・ 藤森水都 : 交流有(気遣い、1人で、通信設備、乃木若葉について、襲撃について、死にはしない、早期出立、命を諦めている人、一度だけ、明日の予定)
・   九尾 : 交流無()

√ 2018/09/05 まとめ

 白鳥歌野との絆 70→73(良好) ※特殊交流3
 藤森水都との絆 83→85(良好) ※特殊交流8
   九尾との絆 73→73(良好)



424 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/03(土) 23:32:52.51NpTDh1uDo (9/9)


√ 2018年 9月6日目 朝①:諏訪

34~43 歌野
78~87 水都
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は①終了


425以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/03(土) 23:34:04.581JTAviiyO (1/1)




426 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 00:34:43.60GJfNRgS+o (1/23)


√ 2018年 9月6日目 朝:諏訪


陽乃「ここなら、平気そうね」

歌野「なにも、わざわざこんな場所じゃなくてもよかったんじゃない?」

陽乃「前とはわけが違うのよ」

以前なら、参集殿の裏だとか、

人気のない場所を適当に選べば、模擬戦の一度や二度くらい問題はなかったが、

今は、参拝に来る人が多すぎるのだ。

出かける時だって、行先に付き添いたがる人もいる。

その為、近づかないようにお触れを出し、

力の調査については、万が一何かが起きてもいいように、諏訪湖の畔で行うことになった。

陽乃「私の力は有毒なの。外に私を助けに来た時に見たはずよ」

歌野「そうね」

陽乃「一般の人は、最悪即死する。私だって別に、無駄に人殺しになる気はないんだから」

体力的に衰えている高齢者なんかは、

陽乃の力の余波で死んでもおかしくはない。

陽乃「それに、屋内だと、貴女がどれくらい私を感知できるか調べようもないじゃない」

歌野「それもそうだわ」

陽乃「まずは、私が対岸に行くから。貴女はここで待っていて」


427 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 00:35:18.04GJfNRgS+o (2/23)


↓1コンマ判定 一桁

0,3,8 水都「私もついて行っていいですか?」


428以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 00:47:15.37qbhPCS/tO (1/1)

うい


429 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 00:52:15.13GJfNRgS+o (3/23)


遅くなりましたが、本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


430以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 00:55:58.01usStMBUDO (1/1)


説得もしないといけないし忙しくなるな


431以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 07:06:23.13ytasYa5uO (1/1)


陽乃さんのトラウマを克服するためにもここできちんと能力を検証するのは大事だな


432 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 15:28:01.47GJfNRgS+o (4/23)

では少しずつ


433 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 15:33:33.65GJfNRgS+o (5/23)


水都「陽乃さんっ」

陽乃「なに?」

水都「あ、その……気を付けてください」

何か、別のことを言いたかったような表情。

少し前の……陽乃の心根を聞かされる前の水都であれば、

一緒に行っても良いですか。とでも言っていたに違いないと、陽乃は目を細める。

だからと言って、一緒に来る? なんて声をかけることはない。

水都が言わないのなら、何も言う必要はないだろう。

もしかしたら、水都はもっと別のことを考えているかもしれないし、

そもそも、陽乃はそこまでの意欲が喪失している。

陽乃「別に、戦いに行くわけでもないし、気を付けることなんてないと思うけど」

それともない? と、陽乃は諏訪湖の緑がかった水面を見つめる

陽乃「ワニかサメでもいるのかしら。それとも、水棲バーテックス?」

水都「いえ、そういうわけじゃないですけど……」

陽乃「冗談よ」

歌野「大なり小なり力を使うから、また倒れないでってこと」

陽乃「そこまで虚弱じゃないわよ」


434 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 16:00:49.21GJfNRgS+o (6/23)


水都の代わりに答えた歌野に手で払う素振りを見せて、つま先で地面をつつく。

ここから対岸までの距離は、どの程度だろうか。

目測で測れるほどの知識は陽乃にはないけれど、

向こう岸は見えているから、かなり遠いというほどでもないと陽乃は判断して。

陽乃「九尾」

『よかろう』

普段の女性の姿ではなく、

九尾本来の、九つの尾を持っている狐の姿。

足を折って伏せていても、陽乃よりも高さのある体

陽乃は九尾の体を優しく撫でて、一つ跳びで乗る

陽乃「少し待ってて」

歌野「なら、これ。無線機」

陽乃「玩具じゃないの?」

歌野「玩具だけど、使えたらいいなって思って」

陽乃「使えたら使うわ」

歌野から渡された、小型の無線機。

玩具だとわかりやすい、簡素なつくり。

それをポケットに突っ込んで、九尾と一緒に空へと駆けた


435 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 16:26:02.92GJfNRgS+o (7/23)


陽乃「……そこまで、遠くなさそうね」

一番距離がありそうなところでも、、五キロあるかどうかという程度

数十キロあるとは思っていなかったが、

聊か物足りないのではと、目を凝らす

陽乃「九尾、向こうの一番遠い方選んで頂戴」

九尾「妾に羽があるとでも思うておるのかや?」

陽乃「できるでしょ。貴女なら」

九尾「……主様が望むならば」

九尾は、ゆっくりと落下していく流れに逆らうことなく、

諏訪湖の水面に足をつけ、そうして、また跳びあがる。

まるで、そこに氷があったかのような動きにも、陽乃は驚かない。

九尾「良いのか? 妾を信じても」

陽乃「貴女はともかく、貴女の力は信じられるわ」

人柄というか、なんというか

九尾のそれは信じられないが、能力だけは本物だ

九尾「そうか」


436 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 16:48:03.56GJfNRgS+o (8/23)


出発から数分かけて、ようやく対岸へ

歌野達の姿は当然見えず、

けれど、いるであろう方角はしっかりと感じられる。

九尾「主様、その、無線機とやらは繋がっておるのかや?」

陽乃「ん……繋がってる感じしないけど」

電源は入れているが、

歌野からの通信は来ていないし、

陽乃から通信をしてみようとしても、反応がない。

無線機と一緒に貰った、歌野か水都の手書きの説明書

それが間違っていなければ、無線機は使えないようだ。

陽乃「……これにも、力を通せば繋がるのかしら」

九尾「さて、どうかのう」

四国との通信には、

向こう側からも神々の助力がある

だが、これにはそれがない。

陽乃「………」


1、無線機を試す
2、歌野への供給を強める
3、水都への神託を試す
4、九尾にお使いを頼む


↓2


437以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 17:02:36.91Xs/FRa4MO (1/1)

2


438以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 17:04:43.54LENtA5EAO (1/2)

1


439 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 17:49:54.00GJfNRgS+o (9/23)


陽乃「……昨日みたいに、したらいいのかしら」

無線機を右手に持って、左手をかざす

昨日のように、無線機に力を送っていく。

いつだったか、何だったか。

どこかで見た超能力者のようなものみたいだと、陽乃は内心、自分のことを嘲笑する。

ほんとかうそか。

学校でも話題になったことがある。

あれの一部も、実は本物だったのではないか。なんて、

今更思いながら、力を籠める。

陽乃「……聞こえる?」

ボタンを押しながら、声をかける。

歌野からの返事はない。

陽乃はもう一度、無線機に手をかざす。

ほんの数キロの距離

歌野に力が伝わっているのは今も感じている。

だから、力が届かないなんてことはないはずなのだ。

足りないとしたらそれは、陽乃の技量だろう。


440 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 17:59:15.46GJfNRgS+o (10/23)


↓1コンマ判定 一桁

1,4,7,9 通信
ぞろ目 通信

※そのほか、失敗


441以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 18:01:19.96LENtA5EAO (2/2)




442 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 18:27:56.85GJfNRgS+o (11/23)


陽乃「駄目ね。繋がらないわ」

九尾「その機械がダメなのかや?」

陽乃「どう思う?」

陽乃は、答えが分かっているとでも言うかのようにほくそえんで、

傍らに伏せる九尾へと問いかける。

諏訪湖の水面が、風に揺られているのを目で追う九尾

興味なさげな様子ではあったが、

鼻を鳴らすと、陽乃に目を向ける。

九尾「妾は機械など知らぬ。問題があるとすれば、主様じゃろう」

陽乃「……やっぱり?」

九尾「気を落とすことはあるまい。扱い方を知ったばかりの娘が、それを容易に使えてはおかしかろう」

陽乃「それはそうなんだけど」

九尾はくつくつと笑って、

その大きな体を、女性――いいや、少女の姿に変える。

久しく見ていない少女、上里ひなただ

ひなた「少し、それを貸していただけますか?」


443 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 18:48:11.75GJfNRgS+o (12/23)


陽乃「なんでまた、上里さんなのよ」

ひなた「まぁまぁ、いいじゃないですか」

ひなたらしい……と言えるほどの付き合いはないが、

それでも、普段の九尾とはまるで違う、品を感じる笑い方

ひなた「そんなことよりも、その機械を使えるようにしましょう」

陽乃「できるの?」

ひなた「ええ、おそらくは」

言い切らない。

できるかもしれないしできないかもしれない。

そんな言い方だが、九尾ならできる可能性の方が高い。

断言しないのは、九尾ではなくひなただからだろうか。

ひなた「私がいつも、久遠さんに力を与えているのは存じているかと」

陽乃「もちろん」

ひなた「それができるのは、私がいつも久遠さんの存在を知覚しているからです。そして、四国にいる私と繋がるために、私が通信に出てくれないと困るのは、それが理由でもあります」

陽乃「上里さんで私って言わないでよ」

ひなた「ふふっ。つまりですね、正確に相手を掴む必要があるということですよ」

ひなたはそういって、陽乃に手を出す

ひなた「貸してください」


1、貸す
2、貸さない


↓2


444以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 18:55:37.05ql0X0KU70 (1/3)

1


445以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 18:56:10.617xO5M0zEO (1/2)

1


446 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 19:11:57.62GJfNRgS+o (13/23)


陽乃「壊さないでよ?」

ひなた「任せてください」

ひなたに扮した九尾の手に、無線機を手渡す。

無線機を受け取って、少し悩まし気な顔をしたひなただったが、

すぐに、対岸へと目を向ける。

ひなた「私は久遠さんと繋がっていますが、白鳥さんとは繋がっていません」

陽乃「それでどうにかできるの?」

ひなた「久遠さんを中継します」

九尾から陽乃、陽乃から歌野。

力の流れは、そのような形になっている。

九尾から直接歌野につながりはないが、

陽乃を中継器としてつながることは可能なのだという。

ひなた「私が無理矢理、久遠さんと白鳥さんの繋がりを強くします。少し、違和感があるかと思いますが、我慢してください」

陽乃「違和感って、どんな?」

ひなた「それは自分で感じ取ってください。大事なことなので」


447 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 19:33:43.48GJfNRgS+o (14/23)


ひなた「いいですか?」

陽乃「良いわよ。好きにして」

ひなた「では」

ひなたは、無線機をそのままに

陽乃が感じる歌野の方角をじっと見つめる。

そして――急激に、力が抜けていくのを感じて、よろめく

陽乃「っ」

ひなた「少し我慢してください」

抜けて行った力が、

全て、歌野の方に向かっていくのを感じる。

際限なく

それこそ、ストッパーの壊れてしまった機械のように、垂れ流しになっていて

歌野とのつながりを強くする分、不快感が強い。

陽乃「なに、これ……」

ひなた「無理矢理ですから。久遠さんがいけないんですよ。気を許す気がなさすぎます」

つながりが深くなるにつれて、不快感は強い倦怠感に切り替わり、

立っていられなくなった陽乃はその場に崩れるように膝をつく。

頭痛がして、耳鳴りがして、目を開けば視界が歪むような状況に陥って……

自分ではない誰かが、悲鳴のような声を上げたのを感じた。


448 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 19:52:55.84GJfNRgS+o (15/23)


陽乃「ぅ……ぉぇ……」

ひなた「大丈夫ですか?」

答える前に、ひなたを睨む。

こみあげてきたものを吐き出した不快感と、痛み

どうにか唾を飲み込んで、手の甲で口元を拭う。

自分が自分ではないような感覚、

俯いているのに、空を見上げている。

ひなたは自分に触れていないのに、誰かに体を支えられている感覚

陽乃「うっ……」

瞬きした瞬間

景色は変わって、水都の姿が見えたかと思えば

またすぐに、視界が陽乃のものになる。

陽乃「きゅ……」

ひなた「大丈夫です。混乱しているだけですから、すぐに落ち着きますよ」

だんだんと、痛みが治まり始めて視界が揺らがなくなる

陽乃「なんて、こと……」

ひなた「無理矢理した反動で、繋がりすぎてしまったんです。白鳥さんは痛覚のみでしたが、今回は五感が一時的に繋がったかと」

やろうと思えば操ることだってできるかもしれません。と

ひなたは九尾のように笑って、そこまではさすがにできませんけど。と首を振る

ひなた「どうぞ。無線機は繋がってるはずですよ」


449 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 19:53:36.50GJfNRgS+o (16/23)


少し中断
再開は21時ころを予定しています


450以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 20:02:58.577xO5M0zEO (2/2)

一旦乙


451 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 21:28:45.89GJfNRgS+o (17/23)


陽乃「……繋がってる?」

無線機を持つのも億劫で、地面に置いたままボタンを指先で押し込む。

喉が辛い。

けれど、話すには申し分なさそうだ。

陽乃「白鳥さん、聞こえてるかしら」

言うだけ言って、ボタンから指を放す。

1分ほどの沈黙を経て、無線機から乱れた音が聞こえ

水都『聞こえてます』

音が途切れる。

数秒待って、返答していいのかと、ボタンを押す。

陽乃「白鳥さんは? 何かあった?」

白々しいとは思いつつ、問いかける。

陽乃と無理矢理つながったことによる反動で、歌野も陽乃と似たようなことになったのだろう。

であれば、出られないのも無理はない。

水都『うたのんは、今ちょっと……えっと。出られそうにないので』


452 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 21:58:52.91GJfNRgS+o (18/23)


陽乃「気持ちは分かるわ」

今は、酷く不快な気分だ

痛みが引いたとはいえ

頭痛と眩暈の余韻はまだ残っている

言葉だって、できれば控えたい状態だ。

陽乃「休憩しましょ」

一言伝えてボタンを放すと、

手慣れてきたのか、すぐに水都からの返事が返ってきた

水都『こちらに戻ってきますか?』

休憩するなら、離れている必要はない

だが、向こうに戻る理由もない。

陽乃「そうねぇ……」


1、合流する
2、合流しない

↓2


453以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 22:03:08.35ql0X0KU70 (2/3)

1


454以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 22:04:31.38qMucKXDbO (1/3)

1


455 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 22:28:18.87GJfNRgS+o (19/23)


陽乃「いいわ。合流しましょ」

無線機を使って伝えて、電源を切る。

この無線機は、太陽光発電なんてご立派なことはしていないので、

有限である電池を消費しきってしまったら、無線機が使えなくなってしまう。

陽乃「九尾」

ひなた「はい」

陽乃「……九尾?」

ひなた「どうぞ?」

九尾は、呼びかけてもひなたの姿のまま。

理由なんてわかっているだろうに、そんな少女の姿のまま、陽乃の前でかがんでいる。

おんぶしてあげる。とでも言っているかのようだ。

陽乃「冗談やめて」

ひなた「良いじゃないですか。この姿だって、久遠さんを背負うくらい造作もありませんよ」

陽乃「怖い話ね……いいから、戻って」


456 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 22:47:39.74GJfNRgS+o (20/23)


ひなたらしくなく、ぶつくさと何か零した九尾は、

肩をすくめて笑うと、瞬く間に妖狐の姿へと変わる

九尾「乗れ」

陽乃「……悪いけど、ちょっと待って」

九尾の大きな体に、体を預ける。

痛みは引いたし、不快感も薄まった

けれど、まだ、九尾の背中に跨るのは気怠い

九尾「情けないのう」

陽乃「ほんと……こんなに消耗するだなんて思わなかった」

九尾「主様が扱わなかったことを強制的に行った影響じゃ。本来ならば、こうはならぬ」

陽乃「説明してよ。こんなの……最悪失神してたわ」

九尾「してないならばよいではないか」

よくないが、そう言い返すのも面倒だと陽乃は目を瞑る。

すぐに戻るとは言っていないからいいだろう

陽乃「5分だけ。そしたら起こして」

九尾「随分と、扱いが悪くなったものじゃ」

九尾は喉を鳴らして笑ったものの拒否はせず、

しっかりと、5分後には陽乃の支えをなくして、叩き起こした


457 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 23:11:00.99GJfNRgS+o (21/23)


√ 2018年 9月6日目 昼:諏訪


歌野「酷い目に遭ったわ」

水都「うたのん、しっかり」

水都に寄り添われ、背中を摩られる歌野

陽乃は直接見ていなかったが、

分かれる前と比べると、やつれて見えることから察するに、

やはり、陽乃の想像通りだったのかもしれない。

歌野「久遠さんは大丈夫だったの?」

陽乃「貴女とは出来が違うもの」

歌野「そう……ならいいけど、あれは何をしようとしたの?」

陽乃「無線が使えなかったから、使えるようにしたのよ」

歌野と水都は、驚いた様子で無線機を見る。

使えなかったのは想定内だが、

それを使えるようにした結果の反動が、衝撃的だったのだろう。

歌野「そんな、ことで?」


458 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 23:41:08.42GJfNRgS+o (22/23)


陽乃「そんなことってわけでもないわ。無線機を使えるようにするのに別の要素が必要だったのよ」

その結果だ。

陽乃が力を扱ううえで技量不足だったこと

歌野に対して気を許すつもりがなかったこと

色々と原因はあるが、それを強引に素通りした結果である。

陽乃「どう? 私のことを感じるかしら?」

歌野「そうね。感じてるわ。すっごく強く」

胸を押さえて、少し苦しげな表情をする。

歌野「正直、吐きそうなくらい」

陽乃「そこまで?」

歌野「栄養過多な野菜の気分だわ」

栄養を与えられすぎた野菜は、枯れてしまうことがある

人のそれは、死だ。

陽乃「……」


1、やっぱり、毒ね
2、九尾を呼ぶ
3、戦いましょ
4、大げさよ


↓2


459以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 23:42:27.91qMucKXDbO (2/3)

1


460以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 23:42:56.47ql0X0KU70 (3/3)

1


461 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/04(日) 23:48:24.54GJfNRgS+o (23/23)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


462以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/04(日) 23:55:45.20qMucKXDbO (3/3)


シンクロし過ぎるとうたのんに来るダメージが大きくなりそうで心配だな…
あんまり無理させない方がいいかも


463以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/05(月) 01:09:16.59AWPGBLF4O (1/1)


結びつき強くなったけど色々リンクするのかなこれから


464 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/05(月) 22:54:20.14lywd9hFSo (1/5)

では少しだけ


465 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/05(月) 22:54:45.67lywd9hFSo (2/5)


陽乃「やっぱり、毒ね」

歌野「毒ってわけじゃ、ないと思うわ」

過ぎれば毒と言うだけでそれ自体が毒なわけじゃない

今回は、歌野の許容量を超えるほどの力が流れこんでしまったせいで、

歌野が酷く苦しむことになった。

陽乃「そんな顔で言われてもね」

歌野「ふふっ……いつもと逆ね」

青ざめた顔、力ない笑み

気を抜けばまた、嘔吐しそうだとでも言うかのような唇の動き

明らかに弱っている

歌野「でも、久遠さんだって使い方を間違えなければ大丈夫よ」

陽乃「今まさに間違えたばっかりなんだけど」

間違えたというか、

九尾に任せたらこうなってしまったのだ。

陽乃「九尾に任せない方が良かったわ」

元々は無線機のための行為

結果的に、歌野とのつながりも試すことが出来たが……散々である


466 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/05(月) 23:20:21.77lywd9hFSo (3/5)


陽乃「眠ったら死ぬと思ってなさい」

歌野「それは、怖いわね」

水都「死んじゃうんですか……?」

陽乃「運が悪ければね。それでも運が良い方だわ」

一言で矛盾させた陽乃は、困ったように苦笑する。

九尾が言うことが間違いないなら

いや、陽乃の地下を受けた結界の外の状態が人にも適用されるなら

間違いなく死ぬ。

だから陽乃の力を過剰に受けて即死していないのは本当に運がいいのだが、

それでも運が悪ければ死んでしまう。

陽乃「どうにかして力を発散させないといけないんだけど……動けるの?」

歌野「ん……勇者としての力を使えば動けるかもしれないわ」

寄りかかっていた体を起こそうとした歌野を、水都が止める

水都「だ、駄目だようたのん!」


467 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/05(月) 23:52:42.54lywd9hFSo (4/5)


歌野「みーちゃん……」

水都「さっきまで何回も吐いたりしてたのに、今、体動かしたら失神しちゃうっ」

歌野「けど」

けどじゃないよ。と、水都に怒られる歌野は苦悶の表情を浮かべながら、

また、水都の肩に頭を乗せる。

歌野の額には汗が浮かび、呼吸も荒い

歌野「はっ……ふぅ……」

陽乃「今なら、私のことも全部分かるんじゃない?」

歌野「残念だけど、そんな余裕がないのよね……」

繋がりは深い

歌野も一応、通常状態でも陽乃の痛覚を感じ取れたりするくらいには力がある

死にかねないほど太いつながりがあるなら、

陽乃のこと分かってしまう。かもしれないが。

歌野は残念そうに、弱弱しく首を振る


1、さっきはどんな状態だった? 私のことは分かった?
2、なら、今度は藤森さんに神託を試す番ね
3、良いから、今すぐ力を使いなさい


↓2


468以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/05(月) 23:54:31.49qNSUGcTQO (1/1)

1


469以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/05(月) 23:54:59.04r2rmgTWM0 (1/1)

2


470 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/05(月) 23:58:48.37lywd9hFSo (5/5)


では短いですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


471以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/06(火) 00:12:01.2444gsgucWO (1/1)


うたのん思ってた以上に辛そうだな
こうなってくるとみーちゃんの神託も大丈夫だろうか


472以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/06(火) 06:40:14.29JFThyWxLO (1/1)




473 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/06(火) 23:08:36.90U9Fnp3two (1/3)

遅くなりましたが少しだけ


474 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/06(火) 23:14:37.10U9Fnp3two (2/3)


陽乃「なら、今度は藤森さんに神託を試す番ね」

水都「私、ですか? でも、うたのんが回復してからじゃ駄目ですか?」

陽乃「明日は別のことやる予定があるでしょ」

歌野に対して追加で力を使うわけにはいかないし、

安静にしておかないと今にも死にそうな感じだ。

水都は歌野よりも適性がない。

もっとも、それが高ければ勇者になれるとも限らないが、

高いに越したことはなく、しかし、残念ながら水都は歌野ほどではないのだ。

陽乃「……明日はうまくやれる保証なんてないわよ」

歌野とのつながりは、九尾の助力によるものだ。

それがなければここまでの被害はなかったし

それがなければ力を与えるという感覚をつかむことは出来なかった。

それを忘れないうちに、試しておきたい。

特に、歌野と違って即死しかねない水都に対しては。

陽乃「貴女が死にたければ明日でも構わないけど」


475 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/06(火) 23:44:37.61U9Fnp3two (3/3)


水都「そ、そんなこと言われたら……断れないじゃないですか」

陽乃「あら、死なないかもしれないでしょ?」

水都「久遠さんの力は冗談になりません」

むっとした水都は自分に寄りかかる歌野の笑い声を聞いて、照れくさそうに気迫を失う。

水都「うたのんでもこれだけ苦しむことなら、私はたぶん……本当に死ぬこともあると思います」

陽乃「だから、そうならないように早い段階で確かめましょうって言ってるのよ」

やりたくないならやりたくないでもいいが、

やるなら早くやりましょう。と、陽乃は肩をすくめる。

水都は思案顔で歌野を一瞥する

水都「分かりました。やってみます」

歌野「大丈夫?」

水都「うたのんには言われたくないよ」

水都は笑みを浮かべて、歌野の体に手を添えると、

近くの段差を枕代わりに横に寝かせる。

水都「寝心地悪いだろうけど、我慢して。同じことになったら、うたのん倒れちゃうから」


476 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/07(水) 00:03:23.55t2NR23Zso (1/4)


死ぬかもしれないのに、水都は落ち着いている。

歌野の惨状を目の当たりにしたはずなのに。

陽乃の力に怯えている様子がない。

陽乃「なら、やるわよ」

陽乃はその水都の覚悟には何も言わず、ただ促す。

目の前にいるのだから、水都の体に触れてしまう方が確実だろう

けれど、それでは離れているときでも伝わるとは限らない

陽乃「目は……別に閉じなくてもいいわ」

水都「神託の時は、こうして祈るようにしていた方が感度が良いんです」

陽乃「そう。ならそのままで」

目の前で膝をつき、手を合わせ、頭を垂れて祈る水都。

それが自分に向いているのは、少し、嫌な気分になる。と、陽乃は顔を顰める

陽乃「死ぬときは死ぬって言いなさい」

水都「無理です」


477 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/07(水) 00:04:34.61t2NR23Zso (2/4)


↓1コンマ判定 一桁

0,2,3,5,7,8,9 神託
ぞろ目 特殊

※そのほか、失敗


478以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/07(水) 00:04:48.070Ux5kQUXO (1/2)




479 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/07(水) 00:14:50.52t2NR23Zso (3/4)


では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


480以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/07(水) 00:28:32.690Ux5kQUXO (2/2)


とりあえず成功でよかった


481以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/07(水) 06:05:40.240poPuQtPO (1/1)


確率高めだけどみーちゃんのコンマは基本安定してるな


482 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/07(水) 22:51:24.92t2NR23Zso (4/4)


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から


483以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/07(水) 22:55:20.26Ik6+ftR3O (1/1)

いつも乙です


484 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 21:25:07.147buqnYrwo (1/9)


では少しだけ


485 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 21:30:55.047buqnYrwo (2/9)


どこかも分からない世界の中で、2人きり。

諏訪湖の畔にいたはずなのに、すぐ傍らにいた歌野の姿さえ見えない。

感じるのは、火よりも熱い身を溶かすような熱

見えるのは、太陽の輝きにも似た瞳を奪うほどの光

それは襲来の神託ではない

新たな敵の誕生を意味する、神託

凶悪な輝きには細々とした星のような光が次々に取り込まれていき、

次第にその輝きはさらに強大なものとなっていく

不意に、水都が自分の体を抱きしめながら、膝から崩れ落ちる

水都「う……」

段々と呼吸が荒くなって、喘いで、体中から汗を噴き出して

そして、倒れこむ。

陽乃「ちょっと!」

力の流入は大したことではなかったはずだ。

歌野に行っていた最小限

九尾が行った最大限

その力の流入の幅から、適切であろう程度に、陽乃は調節したはずだったし、

そもそも、陽乃自身はまだ神託を受けていなかったため、

正式な神託が行われるはずはなかったのだ。

なのに。

これはきっと、陽乃の意思が介入していない神託だ


486 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 21:39:46.887buqnYrwo (3/9)


陽乃「っ!」

力の流入を弱め、切り離す。

その瞬間に光は瞬き、

やがて爆発を起こしたようにすべてが白色に飲まれ、そして、暗闇に包まれる

風を肌に感じ、やや不慣れな水のにおいを感じ

歌野の声が聞こえて、はっとする。

陽乃「ぅ……」

歌野「みーちゃ……みーちゃんっ」

横になっていた歌野は体を起こし、座っていたはずの水都が倒れている。

弱弱しい力で揺さぶられる水都は苦し気に呻いて、頬には汗が浮かんでいた。

陽乃「……ちょっと、待って」

歌野と違って、これは力が過剰に流れたせいではない。

神託を受けたことによる、精神的な部分に強い負荷がかかったからだろう。

歌野「久遠さん、みーちゃんがっ」

陽乃「神託を受けたのよ……それが、ちょっと、重かっただけだわ」

頭痛を感じて額に手を添えると、じっとりとした汗が手のひらに吸い付く。


487 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 21:56:18.707buqnYrwo (4/9)


白い球体に似たものが一つ

それが集結し、別の形をとったものが一つ

バーテックスは、複数種類の形態を持っているとされている。

実際、陽乃も白い球体ではない形状のバーテックスと対峙したことはあるし、

物理的な攻撃から、杏のように遠距離から攻めてくるようなバーテックスとも戦った経験がある。

だが、今回の神託は、またそれらとは別のもが来るだろうことを予見させた。

陽乃「……」

恐らく、陽乃の力が影響している。

バーテックスの側が、陽乃の力は手出しが難しい脅威だと判断し、

今までのものでは力不足であると判断した可能性がある。

歌野「……久遠さんは平気なの?」

陽乃「私は、そんなやわじゃないから」

ようやく呼吸の落ち着いてきた水都のそばで、歌野が心配そうに陽乃を見る。

水都は今眠ってしまっているし、歌野はまだ少し不調を感じさせる。

それと比べれば、軽い偏頭痛くらいで済んでいる陽乃は大したことはない。

歌野「神託、そんなに大変なものなの?」

陽乃「内容? それとも神託の負荷? 負荷なら、比較出来るほどの経験はないわ」

歌野「なら、内容は?」


1、新しい敵よ
2、今はまだ確証がないから言えないわ
3、そういう話は藤森さんが起きてからの方が良いわ


↓2


488以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/08(木) 22:00:55.56IRVND0quO (1/1)

1


489以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/08(木) 22:17:32.98o54UMIPoO (1/1)

1


490 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 22:50:36.247buqnYrwo (5/9)


陽乃「新しい敵よ」

歌野「新しい、敵?」

いつもなら声が上がる場面でも、

疲弊した二人と一人では、何でもないように静かだ。

陽乃「ええ。残念だけど、どんな姿なのかまでは解らなかったけど」

歌野「それが、攻めてくるの?」

陽乃「攻めては来ない。と、思う」

断言できない。

あれがもし、本当に陽乃を討つべく生み出されたものなのであれば

陽乃の力の余波でしかない諏訪の結界の外側を乗り越えてくる可能性がある。

それが出来なくても、

できる可能性はある。と、攻めてくるかもしれない

陽乃「……」

歌野「来たら来たで、今まで通りに追い返すだけよ」


491 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 23:00:36.317buqnYrwo (6/9)


断言しない、断言できない

そんな様子の陽乃に、歌野は囁くような声で言う。

できるなら元気よくしたいが、そうできないもどかしさがあるのだろう。

わずかに顔を顰めて、喉を摩った。

歌野「こんな状態で言っても、信じられないと思うけど」

陽乃「元から信じる気はないわ」

歌野「……もう」

呆れた様子でため息をつく歌野

隣にいる水都はまだ、目を覚まさない

歌野「そろそろ信じて欲しいわ」

陽乃「嫌よ」

考えもせずに拒絶する陽乃だが、

それにも歌野は怒ったりせずに、小さく笑って

歌野「残念……」

落ち込んだように、呟く


492 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 23:11:16.297buqnYrwo (7/9)


陽乃「ただ、信頼は抜きにしても簡単に追い返せるとは思えないわ」

歌野「久遠さんでも?」

陽乃「未知の敵を見下すほど、自分を信じてないもの」

力が強いのは分かっているし、

それが勇者やバーテックスに特化していて、より有効的なのは事実だ

だとしても若葉達が弱いと過小評価はしないし、

初期個体の白く丸い形状のものや、

今思えば未完成にも思える形状のバーテックスなら勝ち目は優にあると思える。

けれど、新たな敵にはそう思えない。

歌野「慎重ね」

陽乃「臆病なだけよ」

歌野「……それを、慎重だって言うのよ」

歌野の言葉に陽乃は目を背ける。

そういうならそうでもいい。相手がそう思うだけなら、関係のないことだ。

そんなことよりも、

その新型が多くの個体が合わさって生み出される存在であることが問題である。


493 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 23:20:50.197buqnYrwo (8/9)


過去に生まれていた、芯の細い進化体のバーテックス

それもまた初期個体の集合体であるが、

今回のさらに上位の進化体は、より多くの初期個体を利用して生み出されるに違いない

だとしたら――

陽乃「……」

歌野「久遠さん?」

陽乃が無口に、神妙な面持ちになっていることに気づいて、歌野が声をかける。

歌野「何かあるなら、話して」

信頼できない以上、抱える秘密もあるだろう。

しかし、

だとしても話すべきことは話して欲しいというような歌野を、一瞥して。


1、何でもないわ
2、ソレが二人の方に出た可能性もあるわ
3、確証が持てたらね


↓2


494以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/08(木) 23:24:10.28FBoyWT/C0 (1/1)

2


495以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/08(木) 23:25:11.032T3G9qoHO (1/2)

2


496 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/08(木) 23:25:55.087buqnYrwo (9/9)


では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から


497以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/08(木) 23:33:57.842T3G9qoHO (2/2)


陽乃さんの強さが逆に仇になってマズい状況に…
早く説得して出発しないと二人が危ないな


498以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/09(金) 06:11:37.22gktjV13eO (1/1)




499 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/09(金) 23:07:51.48FrU9Ntg8o (1/3)

遅くなりましたが、少しだけ


500 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/09(金) 23:11:00.35FrU9Ntg8o (2/3)


陽乃「ソレが二人の方に出た可能性もあるわ」

歌野「!」

歌野もそれの危険性は分かっているのだろう

驚いて、辛そうに歯噛みする。

歌野「もしその場合、伊予島さん達に勝算はあると思う?」

陽乃「さあ?」

その新たな敵がどのような戦いをするのか

そもそもどのような姿かたちなのかでさえ、まだあやふやな状態だ。

二人が勝てるかどうかなんて、陽乃には判断できない

陽乃「……」

歌野「なら、久遠さんから見て、二人は進化体に苦戦する実力なの?」

陽乃「一人ならともかく、二人でなら苦戦はせずに済むかもしれない……けど」

けれど。

それは進化体のみとの戦いの場合だ。

それ以外に初期個体だったり、他の進化体だったりがいたら苦戦は免れない可能性が高い。


501 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/09(金) 23:42:35.75FrU9Ntg8o (3/3)


歌野「だったら、新しい進化体には、勝ち目がない可能性もある?」

陽乃「それ以上は、言ったってどうしようもないことだわ」

問い続けようとする歌野を遮るように陽乃は言う。

二人に勝ち目がない。だとして、ここからは何もできない。

今はお昼ちょっと過ぎだから

今すぐに外に出て行くことも可能ではあるが……なんて、これでは同じ話を繰り返すことになる。

陽乃「二人が、諏訪の人と伊予島さん達を天秤にかけて見捨てられるなら別に構わないけど」

歌野「意地悪なこと言うのね」

陽乃「分かっていることでしょ」

陽乃はそう吐き捨てて、水都を見る。

巫女である水都だけは連れていく必要がある

でも、それ以外の一般人は置いて行っても大きな害にはならない。

むしろ連れて行く方が足手まといになる。

だからといって、置いてはいけない。

陽乃「明日の説得次第ね……連れていきたいなら頑張りなさい。もう、猶予はなさそうだから」


502 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 00:01:06.89KFT8/L/6o (1/8)


歌野「久遠さん次第でもあるわ」

陽乃「……なら、諦めて」

陽乃は、説得できるとは思っていない。

彼らが聞く耳を持たないとかではなく。

歌野「諦めないわ」

歌野は、あえて笑みを浮かべる。

状況は悪い

時間もない。

だけど、それでも。

歌野「諦める気は、ないわ」

陽乃「そう」

あえて宣言する歌野だったが、

しかし、陽乃は素知らぬ顔で振り払う。

歌野「とりあえず……通信があるから帰らないといけないんだけど」

歌野はまだ回復していないし

水都はまだ目を覚ましてすらいない。


1、藤森さんは見といてあげる
2、いいわ、。今日は私が対応してあげる
3、九尾。手伝って


↓2


503以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 00:04:55.67+0W4bWLqO (1/1)

2


504以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 00:07:02.91+GKtnyJvO (1/2)

3


505 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 00:13:41.95KFT8/L/6o (2/8)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から


506以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 00:19:54.97C/w6LF80O (1/1)


ドキドキしてきた


507以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 00:23:08.33+GKtnyJvO (2/2)


そんな気はしてたけど10月半ばまでのんびりしてる暇はなさそうだな…
杏たちは今頃どうなってるんだろうか


508 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 22:23:47.00KFT8/L/6o (3/8)

遅くなりましたが、少しだけ


509 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 22:27:51.30KFT8/L/6o (4/8)


陽乃「九尾。手伝って」

陽乃が声をかけると、どこからともなく妖狐の姿で九尾が姿を現す。

九尾「捨て置けばよかろうに」

陽乃「できるわけないでしょ」

歌野達は陽乃と違って命を狙われるような子ではない

この場に置いていっても何かされる心配はないと思う。

だが、二人の代理として陽乃が通信に出れば、

向こうからまた変な言いがかりをつけられるかもしれない。

陽乃「連れ帰るわ」

九尾「ふむ……よかろう」

九尾は呆れたもの言いながら、姿を人の姿に変える。

ひなたではなく、その相方とも言える人、若葉

歌野「……誰?」

若葉「定期連絡があるんだろう? 時間もないし早めに戻ろう」

陽乃「また、変なことするんだから」


510 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 22:58:24.50KFT8/L/6o (5/8)


若葉「彼女は私が抱えて行こう」

困惑する歌野に触れた九尾は、

まるで物でも扱うように……とはせず、優しく抱き上げる。

歌野「ちょ、ちょっと!」

若葉「名も知らない人間に、あの娘は委ねたくないだろう?」

歌野「そ、そうじゃなくてっ」

陽乃「方法の問題でしょ」

若葉は、何の躊躇もなく歌野をお姫様抱っこしている。

恐らく、背負ったりするよりはその方がやりやすかっただけなのだろうが、

歌野はそれが気恥ずかしいようだ。

陽乃「少しだけだから我慢しなさい」

歌野「少しって……」

陽乃「藤森さんも、同じようにしてあげるから」

まだ意識のない水都に触れ、少しだけゆする

それでも起きない水都の体を、陽乃は抱き上げて。

陽乃「通信まで時間がないから、さっさと行くわよ」


511 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 23:17:52.66KFT8/L/6o (6/8)


おとなしい水都と、やや不満そうな歌野

二人を無理矢理に参集殿にまで連れ帰り、水都は部屋に寝かせて

歌野だけを通信用の部屋へと連れ込む。

向こうからの連絡が入っている点滅が、機械には出ていた。

陽乃「どうぞ」

歌野「もう……酷いわ」

道中に、何人もの人に見られたからか

すっかり疲弊した様子の歌野は、通信機を手に取って応答する。

歌野「すみません。遅れました」

『何か問題が?』

歌野「少々、遠くに出かけておりまして」

歌野は一応、嘘をつかずに答えて。

歌野「諏訪には襲撃等はありませんでした」

歌野はそこで、陽乃を見る。

神託の件はどうするかだろうか。


1、伝える
2、伝えない
3、先に四国の状況を聞く


↓2


512以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 23:20:16.443JfAIJyl0 (1/1)

3


513以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 23:21:08.775diqULBnO (1/2)

3


514 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 23:49:27.95KFT8/L/6o (7/8)


陽乃は少し考える。

すぐにでも神託のことを言うべきかどうか。

だが、それを水都ではない人物が言ったとして向こうは取り合ってくれるだろうか。

いや、そこは歌野なら問題はないだろう。

水都に対し詳細確認をするだろうから、そこが問題になるかもしれない。

陽乃は首を振ると、通信機をつつくようなそぶりを見せる。

向こうはどうなのかという合図だ。

歌野は思案顔で頷いて。

歌野「そちらの状況は? 伊予島さん達は到着しましたか?」

一番気になる情報を訪ねる

杏達が到着していれば、

神託の新しい敵はともかく、二人の安否についてはある程度安心ができる

そして……襲撃を受けているか否か。


515 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/10(土) 23:52:44.34KFT8/L/6o (8/8)


↓1コンマ判定 一桁

0,3 到着

1,4 襲撃

7,9 両方

※被害判定追加


516以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/10(土) 23:53:55.745diqULBnO (2/2)




517 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 00:07:59.91SMoMu87Lo (1/21)

01~65 被害なし 
66~80 被害小
81~95 被害中
96~00 被害大


↓1のコンマ


518以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 00:09:26.18wINirsPqO (1/2)




519 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 00:11:11.09SMoMu87Lo (2/21)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


520以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 00:17:09.13wINirsPqO (2/2)


被害が出なかったのは良かったもののますます杏たちが心配になるな…

お姫様抱っこされるうたのんは新鮮で可愛いかったけど


521以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 00:30:31.95w5KyB8yMO (1/1)


修行した甲斐があったな


522 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 17:13:54.16SMoMu87Lo (3/21)

では少しずつ


523 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 17:18:50.88SMoMu87Lo (4/21)


『いいえ、お二方は未だ確認できておりません。ですが、襲撃が行われました』

歌野「被害は?」

『幸いにも乃木様、高嶋様、郡様によって被害なく撃退することが出来ました。問題はありません』

歌野「久遠さん……」

四国に被害がなかったのは、幸いだ。

だが、問題は四国に襲撃が行われたこと

四国と諏訪の間に杏達がいることで襲撃が行われていないのではないかと陽乃達は考えていた。

それに加えて連絡を取ることが出来なかった二人の安否を、

襲撃が行われない=まだ二人は生きている。というものにしていたからだ。

もし、それが確かな話なら、

四国に襲撃を行われたということは、二人はすでに、殺されたことになる。

けれどそれは、あくまで推測

2人が隠れ、やり過ごした可能性もある

歌野「その際に、近くに何か反応があったりは?」

『いいえ、そのような話は伺っておりません』

歌野「……何か変わったことは?」

『そのような話も、聞かされておりません』


524 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 17:52:08.42SMoMu87Lo (5/21)


二人はまだ、四国の周辺地域にすらたどり着いていないのか。

それとも気づかなかっただけなのか

いくつかの可能性を考えていると、向こうの通信手が口を開く

『本当に、お二人をこちらに送ったのですか?』

歌野「ええ」

『では、お二人は……』

歌野「どちらかにたどり着くまで、確認はできません。誰かが見つけるまで、確認はできません」

生きているとも死んでいるとも言える

可能性としては、圧倒的に後者に傾いてしまった

だが、それでも。

歌野「私は二人が生きていると信じてます」

『お二人がそちらを発たれてから何日目ですか?』

陽乃「約4日ね」

陽乃は横から口を挟んで

陽乃「勇者なら、普通は到着しているような時間だわ」

多少の襲撃はあっても……

いいや、襲撃に遭っていればそれこそ不眠不休で移動し、

それ以上に早く到着していてもおかしくはない


525 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 18:28:03.83SMoMu87Lo (6/21)


陽乃の半日での到着は異常だが、

球子と杏でも2、3日での到着は可能だったはず。

なのに、4日目の今でも影も形もない

歌野が無事を信じたいのは分かる

しかしながら、陽乃は信じていない。

陽乃「最悪、死んだわね」

歌野「……でも」

陽乃「言いたいことは分かる。けど、向こうが襲撃されたならそれを前提としておいた方が良いわ」

希望は、無駄に傷つくだけだ

信頼は、余計に苦しめられるだけだ

『つまり、貴女がこちらに送ったことでお二人が亡くなったと』

陽乃「ええ、そうなるわね」

否定はできない。

行かせたのも事実だ。そう思いたいなら思って貰って構わない

歌野「久遠さん!」


526 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 19:10:15.12SMoMu87Lo (7/21)


通信の機械を横に、歌野は陽乃を見る。

怒りか、失望か、悲しさか

複雑そうな表情を見せ、その目を逸らすことなく唇を一瞬だけ噛む。

歌野「諦める人は、嫌いなんでしょう?」

陽乃「結果をありのままに受け止めるのは、諦めとは違うわ」

歌野「久遠さん、二人はまだ生きているはずよ」

『襲撃が二人に際限なく行われていた場合、その可能性は限りなく低い話です』

二人に口を挟んできた通信手。

陽乃の力のおかげで乱れのない言葉は、まだ続く

『そして、勇者様曰く、諏訪から四国までは三日と経たずに到達できるという話でした。1日の猶予を持っても、まだたどり着かない現状、殺されてしまった可能性が非常に高いです』

歌野「でも、誰も確認できていません」

『バーテックスに殺められた人が、確認できると?』

歌野「……」

陽乃「そうよ。確認することなんて出来ないわ」

歌野「少しは否定してっ」

立場が悪くなる一方の向こうからの言葉を肯定する陽乃に、歌野はやや怒った様子で口をとがらせる。



1、そんなことより、神託があったでしょ?
2、二人を捜索に出る気は?
3、私達も、近日中にここを発つわ
4、否定したって無駄だもの


↓2


527以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 19:17:56.49DI1UM5H40 (1/3)

1


528以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 19:18:31.32KSBK2fz3O (1/1)

3


529 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 19:43:34.21SMoMu87Lo (8/21)


陽乃「私達も、近日中にここを発つわ」

『どういう、ことです?』

陽乃「諏訪だって長くはないもの。いつかはそっちに行かなければならなかった」

『安全が確保できてもいないのに、人々を連れ出すつもりですか?』

暗に、また人を殺すのか。

そう問われているかのようで、陽乃は小さく笑う。

陽乃「逆に聞くわ。貴女達が確保してくれるの?」

『……』

陽乃「無理でしょう? 少なくとも、もうしばらくは」

いずれは出来るかもしれない。

だが、陽乃はそれを信じて待つような勇者ではない。

なにより、出なければならない理由がある。

陽乃「そもそも、大社はここに救援を出す気なんてなかったじゃない」

『そのようなことは……』

陽乃「馬鹿にしてるの?」

否定をするなとは言わないが、

否定をされるのは、気に喰わなかった。

陽乃「呪い殺すわよ」


530 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 19:54:09.21SMoMu87Lo (9/21)


陽乃「高嶋さんは頑張るかもしれないし、乃木さんは快く活路を開いてくれるでしょうね。けれど、大社が阻むでしょう?」

若葉は今どうなっているのか。

ひなたは大社の本部に連れていかれたままだろうし、

リーダーの任は完全に解かれ

そして、最悪の場合には軟禁されている可能性もある。

なにせ、捕らえるべき陽乃を捕えなかったどころか、

味方していたのだから。

陽乃「良いわよ。別に。私は期待なんてしていなかったから。信じてもいなかった。だからこうして、今ここにきているんだもの」

阻むものを突っ撥ね、あるいは引き連れ

陽乃は強行突破で諏訪へとやってきた。

力のある勇者を救い、バーテックスとの戦いにおける生存率を高めるために。

なんて……それは建前なのか本音なのか。

陽乃は苦笑して。

陽乃「だからこそ……貴女達には何も言われたくないわ」

『……』

陽乃「道中で何人死んで何人生還しようが。元々、0のつもりだった貴方達にそれを非難する権利はないものね」


531 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 20:01:52.63SMoMu87Lo (10/21)


歌野「みんなの意見を聞いて、志願者だけを連れていくつもりです。でも、だけど、可能な限り全員を生存させるつもりです」

歌野は、陽乃の言葉を訂正するように言う。

陽乃は偽りなく、希望さえなく、

ただ、ありうる結果だけを述べた

しかし、それではあまりにも心象が悪すぎる

歌野「……私達は限界が近かった。久遠さん達が来てくれなければ今月まで耐えられていたのか、今もこうして通信できていたのかもわかりません」

安全が確保されていないから、危ない。

それは当たり前だ。

自分たちのことを優先して、救助に来ることが出来ない

それは仕方がない。悔しいけれど、理解はできる。

けれど。

歌野「私達の決定を咎められるだけのことを……」

貴方達はしてくれなかった。

そう、歌野は言いかけて首を振る。

その批判は、理不尽だ。

歌野「とにかく、そういうことになります。明日の定期連絡で改めて詳細をお伝えします」

陽乃「あら。明日のお昼にもここにいるつもりなの?」

歌野「……一応、通常より3時間早くを予定して頂ければ」

『……承知いたしました』


532 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 20:05:12.73SMoMu87Lo (11/21)


√ 2018年 9月6日目 夕:諏訪

34~43 歌野
78~87 水都
89~98 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常


533以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 20:09:05.01Pusrzcv3O (1/5)




534 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 20:42:21.85SMoMu87Lo (12/21)


√ 2018年 9月6日目 夕:諏訪


陽乃「……」

若葉「良いのか? 藤森さんを放っておいて」

いつものように、部屋で一人物思いにふける陽乃のそばに姿を見せた若葉――九尾は、

その顔を覗くように体を揺らして、息をつく

若葉「どうした」

陽乃「どうもしてないわよ……何にも変わってない」

向こうに襲撃があった。

けれど、それだけ。

杏達は到着していなかった。

歌野が諦めたくない気持ちも陽乃は理解できないわけではないが

さすがに、4日目ともなると生存は絶望的である。

杏と球子は、連携すれば陽のも圧倒できる力はあるかもしれない。

だが、やはりそれでも限界はある。

それこそ、陽乃のように広範囲をせん滅することが出来るような力がない限りは。


535 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 20:54:06.71SMoMu87Lo (13/21)


陽乃「九尾から見て、二人の生存確率は?」

若葉「限りなく低いな。ここまでくると」

若葉の声で、不安そうに答える。

その声も、表情も、感情も

きっと、若葉がそうするだろうというものでしかなく

九尾自身にその心はないだろう。

若葉「四国が襲撃されたこともそうだが、さすがに時間がな。今はまだ生きているとしても、負傷している可能性がある」

陽乃「動けないほど?」

若葉「ああ」

どれほどの怪我か。

片腕でも吹っ飛ばされたか

片足でも食いちぎられたか

それとも、腹に穴でもあけられたか。

陽乃「そう……不味いわね」


1、歌野達のところへ
2、近付けば、貴女でも居場所を察知できる?
3、遅れたら、死ぬわね
4、何も言わない


↓2


536以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 20:55:32.52Pusrzcv3O (2/5)

2


537以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2021/07/11(日) 20:57:10.45DI1UM5H40 (2/3)

2


538 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 21:36:02.39SMoMu87Lo (14/21)


陽乃「近付けば、貴女でも居場所を察知できる?」

若葉「そうだな……できないとは言わないが、久遠さんや白鳥さん、ひなたのように正確に把握することは出来ない」

陽乃はもちろんのこと、

歌野やひなたについては、何らかのつながりがあってこそ正確に察知することが出来ている。

九尾からの干渉や、

陽乃から通じているものがない以上、

その存在を確実に捉えることはいくら九尾とは言え、できないらしい。

陽乃「なら、二人を見つけるにはしらみつぶしにする必要があるってこと?」

力を使い、騒ぎを起こせば向こうからも何か返答があるかもしれない

だが、その場所はごく限られる。

若葉「とりあえず、目的は四国として、伊予島さん達が話し合っていたルートを通るしかないな」

陽乃「そうね……」


539 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 22:01:50.97SMoMu87Lo (15/21)


若葉「救いたいのか?」

陽乃「それを目的とするつもりはないわ」

若葉「だが、そうするのだろう?」

若葉はもの知り顔で言う。

それが若葉ではなく九尾だと分かっているせいか、

陽乃は少し、眉を顰める

陽乃「……」

若葉「私も、可能ならそうしたいしそうするべきだと思っているが、諏訪の人々を連れて行くなら無理だ」

陽乃「そうね」

若葉「二人を諦めるか、諏訪の人々を諦めるかだ」

陽乃「言われなくても分かってる」

二人を救うなら、足の速さが重要だ

勇者の行動の自由さが重要だ

だが、それを優先しては諏訪の人々を連れていけない。

彼らを置いていくしかない。

陽乃「言われなくても、分かってるのよ……」


540 ◆QhFDI08WfRWv2021/07/11(日) 22:30:00.50SMoMu87Lo (16/21)


どちらも諦めないのは、不可能だ。

九尾に言われなくても分かっている。

どちらも救うのはついでだ。

向こうに帰るついでに連れて帰る

その道中にいるかもしれないから、見つける。

それだけ。

若葉「久遠さんは、どちらを諦める?」

陽乃「私に諦めろって言うの?」

若葉「それ以外のなんといえばいい?」

切り捨てるも、見捨てるも

どちらも同じ

勇者を諦めるか、人々を諦めるか。

今後を考えるなら、勇者を優先するべきだが


1、私が決めることじゃないわ
2、なるようになるわよ
3、目の前にあるもの以外、どうにもならないわ
4、私は、諦めるのは嫌いよ


↓2