◆7P/ioTJZG. さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/21868596.html
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509: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:49:06.24:9Uxtkrax0 (4/22)
珠美「シュートシティでしたら、今のところ大きな被害は起きていません」
藍子「! 珠美さん……」
珠美「現在、夏美殿が指揮をとってダイマックスポケモン達を鎮めてくれています。他のジムリーダー達も同じく交戦中のようですが、幸いにも戦力は確保できているようです」
藍子「よ、よかった……」
珠美「……原因はあの光のようですね。あれはガラル粒子が充満した時に現れる光の柱です」
凛「あの光、見覚えがある。ワイルドエリアで変な穴から伸びていた光だよね」
珠美「ええ。それはワイルドエリア各地に点在するポケモンの巣ですね。あの中にはダイマックスした野生のポケモンが住み着いています」
珠美「シュートシティでしたら、今のところ大きな被害は起きていません」
藍子「! 珠美さん……」
珠美「現在、夏美殿が指揮をとってダイマックスポケモン達を鎮めてくれています。他のジムリーダー達も同じく交戦中のようですが、幸いにも戦力は確保できているようです」
藍子「よ、よかった……」
珠美「……原因はあの光のようですね。あれはガラル粒子が充満した時に現れる光の柱です」
凛「あの光、見覚えがある。ワイルドエリアで変な穴から伸びていた光だよね」
珠美「ええ。それはワイルドエリア各地に点在するポケモンの巣ですね。あの中にはダイマックスした野生のポケモンが住み着いています」

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510: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:50:09.23:9Uxtkrax0 (5/22)
珠美「しかしあの方角にあるのはスパイクタウン……あそこはパワースポットではありませんし、あのような光が出現するのはおかしいです」
凛「スパイクタウン……」
凛「前に訪れたときも妙な空気の町だと思っていたんだ。もしかして……」
凛「とにかく、行ってみよう。藍子」
藍子「は、はい!」
珠美「待ってください。藍子殿、念のためポケモン達を回復させておきます」
パァァ
珠美「できれば珠美も向かいたいのですが、この町に何かあれば珠美が対処しなければなりません。口惜しいですが、どうかお気をつけて」
藍子「ありがとうございます!」
凛「そっちも気をつけてね」
珠美「しかしあの方角にあるのはスパイクタウン……あそこはパワースポットではありませんし、あのような光が出現するのはおかしいです」
凛「スパイクタウン……」
凛「前に訪れたときも妙な空気の町だと思っていたんだ。もしかして……」
凛「とにかく、行ってみよう。藍子」
藍子「は、はい!」
珠美「待ってください。藍子殿、念のためポケモン達を回復させておきます」
パァァ
珠美「できれば珠美も向かいたいのですが、この町に何かあれば珠美が対処しなければなりません。口惜しいですが、どうかお気をつけて」
藍子「ありがとうございます!」
凛「そっちも気をつけてね」
511: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:50:59.56:9Uxtkrax0 (6/22)
そらとぶタクシー発着所
ガラッ
凛「お願い! スパイクタウンまで乗せてほしいんだ」
運転手「お、おいどうした、そんな勢いで」
運転手「それにスパイクタウンだって? あそこは発着所がないから行けねえよ。それに今は奇妙な光が出ているし――」
凛「今は一刻を争う事態なんだ……適当なところで降ろしてくれていい!」
運転手「そんなこと言われても――」
凛「お願い……」
藍子「お願いします……!」
運転手「お、おいおい……ったく、何なんだよアンタら」
運転手「……あー、わかった、乗せるよ。ただし、会社には言うんじゃねえぞ」
そらとぶタクシー発着所
ガラッ
凛「お願い! スパイクタウンまで乗せてほしいんだ」
運転手「お、おいどうした、そんな勢いで」
運転手「それにスパイクタウンだって? あそこは発着所がないから行けねえよ。それに今は奇妙な光が出ているし――」
凛「今は一刻を争う事態なんだ……適当なところで降ろしてくれていい!」
運転手「そんなこと言われても――」
凛「お願い……」
藍子「お願いします……!」
運転手「お、おいおい……ったく、何なんだよアンタら」
運転手「……あー、わかった、乗せるよ。ただし、会社には言うんじゃねえぞ」
512: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:51:35.63:9Uxtkrax0 (7/22)
バサッバサッ
凛(見えてきた……スパイクタウン)
凛(やっぱり、光の源は町の中のようだ)
凛「……よし、ここで大丈夫。ありがとう!」ガラッ
運転手「お、おい!? 運転中だぞ、勝手に扉を開けるな!!」
凛「藍子!」ガシッ
藍子「えっ」
バッ
バサッバサッ
凛(見えてきた……スパイクタウン)
凛(やっぱり、光の源は町の中のようだ)
凛「……よし、ここで大丈夫。ありがとう!」ガラッ
運転手「お、おい!? 運転中だぞ、勝手に扉を開けるな!!」
凛「藍子!」ガシッ
藍子「えっ」
バッ
513: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:52:10.66:9Uxtkrax0 (8/22)
藍子「えっちょっと凛さ――えええっ!?」
運転手「んなあっ!? 飛び降りたぁ!?」
凛「ムクホーク!」ポンッ
ムクホーク「ムクホー!」
ドサッ
藍子「あ、あわわ……」
凛「よし、ムクホーク、降下していくよ」
ムクホーク「ムクホー!」
藍子「えっちょっと凛さ――えええっ!?」
運転手「んなあっ!? 飛び降りたぁ!?」
凛「ムクホーク!」ポンッ
ムクホーク「ムクホー!」
ドサッ
藍子「あ、あわわ……」
凛「よし、ムクホーク、降下していくよ」
ムクホーク「ムクホー!」
514: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:52:47.68:9Uxtkrax0 (9/22)
運転手「……なんだよまったく……」
運転手「っておい! アンタ!! 運賃!!」
凛「そこに置いてる!」
運転手「そこ……?」
運転手「ってこれ、おだんごしんじゅじゃねえか!?」
運転手「……なんだよまったく……」
運転手「っておい! アンタ!! 運賃!!」
凛「そこに置いてる!」
運転手「そこ……?」
運転手「ってこれ、おだんごしんじゅじゃねえか!?」
515: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:53:49.23:9Uxtkrax0 (10/22)
スパイクタウン
凛(……前よりも町全体がピリピリしている。この中に誰かが……いる)
凛「光は町の奥から差しているみたいだ。藍子、気をつけて進んでいこう」
藍子「わかりました」
ザッザッザッ
凛「……」
藍子「……」
凛(! あれは――)
スパイクタウン
凛(……前よりも町全体がピリピリしている。この中に誰かが……いる)
凛「光は町の奥から差しているみたいだ。藍子、気をつけて進んでいこう」
藍子「わかりました」
ザッザッザッ
凛「……」
藍子「……」
凛(! あれは――)
516: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:54:40.34:9Uxtkrax0 (11/22)
??「フン、ノコノコとやって来たようね」
??「うふふふふ……あなたたちだったんですね。私たちのこと、色々と嗅ぎまわっていたのは」
凛「まゆ……やっぱりここにいたんだ」
凛「それに、時子まで……」
藍子「な、なんなんですか、あなたたちは……この町で、何を……」
凛「藍子、こいつらは前に話した、私がアイマスで戦った犯罪組織の連中……しかも幹部だった奴らだよ」
藍子「え……!?」
??「フン、ノコノコとやって来たようね」
??「うふふふふ……あなたたちだったんですね。私たちのこと、色々と嗅ぎまわっていたのは」
凛「まゆ……やっぱりここにいたんだ」
凛「それに、時子まで……」
藍子「な、なんなんですか、あなたたちは……この町で、何を……」
凛「藍子、こいつらは前に話した、私がアイマスで戦った犯罪組織の連中……しかも幹部だった奴らだよ」
藍子「え……!?」
517: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:56:04.56:9Uxtkrax0 (12/22)
凛「アンタ達、こんなところで何をしているの? まさか……シンデレラ団の再興でも企んでいるわけ!?」
時子「シンデレラ団? なんだそれは」
凛「……は?」
まゆ「凛ちゃんこそ、どこで私たちの名前を聞いたんですか? 私たち、初対面じゃないですか……♪」
凛「な、なにを言ってるの……?」
凛(二人とも、様子がおかしい……初対面なはずないじゃないか)
凛(シンデレラ団のことだって……まさか、記憶をなくしているの?)
時子「不気味なトレーナーね……でも、今さらここに来たところで私たちの計画は止められないわ」
まゆ「そうですよ。もうすぐガラル地方はまゆ達のものに……うふ、うふふふふ♪」
凛「アンタ達、こんなところで何をしているの? まさか……シンデレラ団の再興でも企んでいるわけ!?」
時子「シンデレラ団? なんだそれは」
凛「……は?」
まゆ「凛ちゃんこそ、どこで私たちの名前を聞いたんですか? 私たち、初対面じゃないですか……♪」
凛「な、なにを言ってるの……?」
凛(二人とも、様子がおかしい……初対面なはずないじゃないか)
凛(シンデレラ団のことだって……まさか、記憶をなくしているの?)
時子「不気味なトレーナーね……でも、今さらここに来たところで私たちの計画は止められないわ」
まゆ「そうですよ。もうすぐガラル地方はまゆ達のものに……うふ、うふふふふ♪」
518: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:57:12.20:9Uxtkrax0 (13/22)
凛「計画……?」
ザッ
??「あら、凛ちゃんに藍子ちゃん。久しぶりねー、元気してたかしら?」
藍子「えっ……!?」
凛「……レナさん……!?」
藍子「ど、どうしてここに……」
レナ「そりゃあビックリするわよね。――そう、アタシもこの計画に加担させてもらっていたの」
レナ「時子ちゃんはマクロコスモスにスパイとして潜入、まゆちゃんはボスの補佐。で、麗奈ちゃんとアタシで外回り。少ない人数だったけど、ここまで順調に事を進められたわ」
レナ「……頭の悪いみんなのおかげでね」
凛「計画……?」
ザッ
??「あら、凛ちゃんに藍子ちゃん。久しぶりねー、元気してたかしら?」
藍子「えっ……!?」
凛「……レナさん……!?」
藍子「ど、どうしてここに……」
レナ「そりゃあビックリするわよね。――そう、アタシもこの計画に加担させてもらっていたの」
レナ「時子ちゃんはマクロコスモスにスパイとして潜入、まゆちゃんはボスの補佐。で、麗奈ちゃんとアタシで外回り。少ない人数だったけど、ここまで順調に事を進められたわ」
レナ「……頭の悪いみんなのおかげでね」
519: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:57:49.58:9Uxtkrax0 (14/22)
藍子「そんな……レナさん、冗談ですよね……? レナさんが、悪いことを、企んでいるなんて」
レナ「そうだ、せっかくここまでたどり着いたんだもの。少しは種明かしをしてもいいわよね、まゆちゃん?」
まゆ「ええ。いまさら真実を知ったところで、まゆ達には関係ないんですもの」
藍子「レナさんっ!」
レナ「そうね、どこから話そうかしら」
レナ「……ガラル各地で起きたポケモン暴走事件。あれ実は、全部アタシが起こしたものなのよ」
藍子「そんな……レナさん、冗談ですよね……? レナさんが、悪いことを、企んでいるなんて」
レナ「そうだ、せっかくここまでたどり着いたんだもの。少しは種明かしをしてもいいわよね、まゆちゃん?」
まゆ「ええ。いまさら真実を知ったところで、まゆ達には関係ないんですもの」
藍子「レナさんっ!」
レナ「そうね、どこから話そうかしら」
レナ「……ガラル各地で起きたポケモン暴走事件。あれ実は、全部アタシが起こしたものなのよ」
520: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:58:33.08:9Uxtkrax0 (15/22)
凛「……!!」
レナ「どういう原理か、この場で説明した方が早いかしら。はい、時子ちゃん、これ持って」
時子「……しかたないわね」パシッ
凛(あれは……金のリング?)
レナ「じゃあ今からとびきりの手品を見せてあげるわ。このモンスターボールを、時子ちゃんの手元まで移動させまーす!」
レナ「はいっ」
ヒュン
凛「……!!」
レナ「どういう原理か、この場で説明した方が早いかしら。はい、時子ちゃん、これ持って」
時子「……しかたないわね」パシッ
凛(あれは……金のリング?)
レナ「じゃあ今からとびきりの手品を見せてあげるわ。このモンスターボールを、時子ちゃんの手元まで移動させまーす!」
レナ「はいっ」
ヒュン
521: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 01:59:33.45:9Uxtkrax0 (16/22)
レナ「実はこのリング、あるポケモンの力を宿していてね。どんな空間とも自由に繋げることができるの。こんな風に」
パシッ
藍子「え……?」
藍子(リングの中に入れたモンスターボールが、時子って人の持つリングから出てきた……これって、瞬間移動……)
藍子(それにあのリング、どこかで見たような――)
藍子「……!!」ハッ
凛「じゃあ、まさか……ジムの前に置いていたあれは」
レナ「ええ、そのまさか。全部これと同じリングよ」
レナ「ただのオブジェに見せかけて、こんな驚きのギミックが仕掛けてあったなんてねー」
凛「……!!」
レナ「実はこのリング、あるポケモンの力を宿していてね。どんな空間とも自由に繋げることができるの。こんな風に」
パシッ
藍子「え……?」
藍子(リングの中に入れたモンスターボールが、時子って人の持つリングから出てきた……これって、瞬間移動……)
藍子(それにあのリング、どこかで見たような――)
藍子「……!!」ハッ
凛「じゃあ、まさか……ジムの前に置いていたあれは」
レナ「ええ、そのまさか。全部これと同じリングよ」
レナ「ただのオブジェに見せかけて、こんな驚きのギミックが仕掛けてあったなんてねー」
凛「……!!」
522: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:00:22.10:9Uxtkrax0 (17/22)
レナ「今各地で暴れているポケモン達は、全てリングを通して世界中から送り出されたポケモンよ。ま、何も知らない人からしたらジムからポケモンが出てきたって思うでしょうけど」
レナ「思ったより大変だったのよー、全てのジムにあれを設置する作業って」
時子「全て? 一ヶ所だけ断られた場所があったらしいじゃない」
レナ「ああ、ナックルジムね……あそこのジムリーダー、かなり意固地だったから、アタシが先に折れちゃった」
レナ「ま、一ヶ所くらいいいじゃない。今頃、パワースポット周辺の地域は大パニックに陥っているはずよ」
まゆ「そうですねえ。『ねがいのかたまり』、ちょっと与え過ぎちゃったかしら」
藍子「……そ、そんな……」
レナ「リングなら他にもたくさん持っているわ、ほら」ジャラジャラ
レナ「今各地で暴れているポケモン達は、全てリングを通して世界中から送り出されたポケモンよ。ま、何も知らない人からしたらジムからポケモンが出てきたって思うでしょうけど」
レナ「思ったより大変だったのよー、全てのジムにあれを設置する作業って」
時子「全て? 一ヶ所だけ断られた場所があったらしいじゃない」
レナ「ああ、ナックルジムね……あそこのジムリーダー、かなり意固地だったから、アタシが先に折れちゃった」
レナ「ま、一ヶ所くらいいいじゃない。今頃、パワースポット周辺の地域は大パニックに陥っているはずよ」
まゆ「そうですねえ。『ねがいのかたまり』、ちょっと与え過ぎちゃったかしら」
藍子「……そ、そんな……」
レナ「リングなら他にもたくさん持っているわ、ほら」ジャラジャラ
523: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:01:26.54:9Uxtkrax0 (18/22)
レナ「こっちの小さいのは携帯用。あんまり大きな物量は運べないけど、ポケモン一匹くらいなら通せるわ。まずはこれを使って、色んな場所でデモンストレーションを行った」
レナ「最初に町中で実験したのは……キルクスタウンだったっけ? いや、シュートシティだったかな」
凛「!! それって、駅でザングースが暴れていた……!」
レナ「あら、よく覚えているわね。ま、アタシはそんなの一々覚えていないけど」
レナ「思惑通りだったわ。突然見知らぬ場所にワープさせられたポケモンはみな、戸惑って我を忘れて暴れまわった。そして、その町の実力者――主にジムリーダーがそれらを抑えてくれた」
藍子「どうして、そんなことを……」
レナ「こっちの小さいのは携帯用。あんまり大きな物量は運べないけど、ポケモン一匹くらいなら通せるわ。まずはこれを使って、色んな場所でデモンストレーションを行った」
レナ「最初に町中で実験したのは……キルクスタウンだったっけ? いや、シュートシティだったかな」
凛「!! それって、駅でザングースが暴れていた……!」
レナ「あら、よく覚えているわね。ま、アタシはそんなの一々覚えていないけど」
レナ「思惑通りだったわ。突然見知らぬ場所にワープさせられたポケモンはみな、戸惑って我を忘れて暴れまわった。そして、その町の実力者――主にジムリーダーがそれらを抑えてくれた」
藍子「どうして、そんなことを……」
524: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:03:06.87:9Uxtkrax0 (19/22)
レナ「しばらくは一匹だけしか呼び寄せられなかったんだけど、コツを掴むうちに複数のポケモンを呼び出せることにも気づいたわ。それがターフタウンだったかな」
レナ「ま、そんな感じで、アタシはうまくジムリーダーたちを言いくるめてオブジェを置いていった。それと並行してリングの試運転もやりながらガラルを巡っていたの」
レナ「で、その実験の集大成が今日という日ってわけね」
凛「……つまりそのリングを使えば、ガラルに生息していないはずのポケモンも一瞬で連れてくることができるってこと?」
レナ「ええ。世界中、どこにいてもどんな状態でも、ね」
凛「……いや、待って。今、『最初に町中で実験したのは』、って言ったよね?」
レナ「それがどうかしたの? たしかにワイルドエリアとかでもデモンストレーションは行ったわ」
凛「! じゃあ……」
レナ「しばらくは一匹だけしか呼び寄せられなかったんだけど、コツを掴むうちに複数のポケモンを呼び出せることにも気づいたわ。それがターフタウンだったかな」
レナ「ま、そんな感じで、アタシはうまくジムリーダーたちを言いくるめてオブジェを置いていった。それと並行してリングの試運転もやりながらガラルを巡っていたの」
レナ「で、その実験の集大成が今日という日ってわけね」
凛「……つまりそのリングを使えば、ガラルに生息していないはずのポケモンも一瞬で連れてくることができるってこと?」
レナ「ええ。世界中、どこにいてもどんな状態でも、ね」
凛「……いや、待って。今、『最初に町中で実験したのは』、って言ったよね?」
レナ「それがどうかしたの? たしかにワイルドエリアとかでもデモンストレーションは行ったわ」
凛「! じゃあ……」
525: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:04:30.20:9Uxtkrax0 (20/22)
藍子「私が出会ったサニーゴは、そのリングでむりやりガラルに連れてこられた……!?」
レナ「サニーゴ、ねえ。さて、どうだったかしら」
藍子「……!」
藍子「ど、どうして……あのサニーゴは、本来ガラルでは生きていけない体質なんですよ!?」
藍子「そうまでして、あなたたちの目的は、いったい何なんですかっ!?」
レナ「目的? それはアタシの目的のことかしら。それとも組織としての目的かしら」
レナ「まあ、お姉さんは優しいから両方に答えてあげるわね。組織としての目的はポケモンを暴れさせることではないわ。それよりもっと先を見据えたものよ」
レナ「で、アタシの目的は一つだけ。アナタ達が普段からバトルに明け暮れているのと同じ理由」
レナ「楽しくて面白いからよ」
藍子「私が出会ったサニーゴは、そのリングでむりやりガラルに連れてこられた……!?」
レナ「サニーゴ、ねえ。さて、どうだったかしら」
藍子「……!」
藍子「ど、どうして……あのサニーゴは、本来ガラルでは生きていけない体質なんですよ!?」
藍子「そうまでして、あなたたちの目的は、いったい何なんですかっ!?」
レナ「目的? それはアタシの目的のことかしら。それとも組織としての目的かしら」
レナ「まあ、お姉さんは優しいから両方に答えてあげるわね。組織としての目的はポケモンを暴れさせることではないわ。それよりもっと先を見据えたものよ」
レナ「で、アタシの目的は一つだけ。アナタ達が普段からバトルに明け暮れているのと同じ理由」
レナ「楽しくて面白いからよ」
526: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:05:47.42:9Uxtkrax0 (21/22)
藍子「……!!」
凛「そんな理由でポケモンの自由を奪って、ガラルのみんなを脅かしていたんだね。レナ……アンタは絶対に許さない!」チャキッ
レナ「あら、アタシはあいにくポケモンは持っていないの。二人とも、よろしくー」スッ
時子「……仕方ないわね」チャキッ
まゆ「別にいいじゃないですか。いずれは粛清する予定だったんですから」チャキッ
藍子「……」
凛「藍子。気持ちはわかる……でも怒りに身を任せちゃダメだ。まずはあの二人を倒すよ!」
藍子「……はい……!」キッ
時子「フン。どうせならここで完膚なきまで打ちのめして、二人まとめて私の犬にでもなってもらおうかしら」
まゆ「それはいい考えですねぇ……まゆも、賛成です……♡」
元シンデレラ団幹部の時子とまゆが勝負を仕掛けてきた!
藍子「……!!」
凛「そんな理由でポケモンの自由を奪って、ガラルのみんなを脅かしていたんだね。レナ……アンタは絶対に許さない!」チャキッ
レナ「あら、アタシはあいにくポケモンは持っていないの。二人とも、よろしくー」スッ
時子「……仕方ないわね」チャキッ
まゆ「別にいいじゃないですか。いずれは粛清する予定だったんですから」チャキッ
藍子「……」
凛「藍子。気持ちはわかる……でも怒りに身を任せちゃダメだ。まずはあの二人を倒すよ!」
藍子「……はい……!」キッ
時子「フン。どうせならここで完膚なきまで打ちのめして、二人まとめて私の犬にでもなってもらおうかしら」
まゆ「それはいい考えですねぇ……まゆも、賛成です……♡」
元シンデレラ団幹部の時子とまゆが勝負を仕掛けてきた!
527: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/03(日) 02:07:43.04:9Uxtkrax0 (22/22)
次回
「黒幕」
お疲れさまでした。
次回
「黒幕」
お疲れさまでした。
528:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/04(月) 21:47:35.37:ys8yDg1y0 (1/1)
乙 既にフーパーを捕らえてるとはね...そういえば藍子ってダブルバトル初か?
乙 既にフーパーを捕らえてるとはね...そういえば藍子ってダブルバトル初か?
529: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:01:57.53:aJwQ2aFi0 (1/10)
生存本能ヴァルキュリア編 〇二 「黒幕」
まゆ「いきますよ、ニンフィア!」ポンッ
ニンフィア「フィア!」
時子「やれ、アマージョ」ポンッ
アマージョ「アマ」
ニンフィア むすびつきポケモン フェアリータイプ
リボンのような触角から敵意を削ぐ波動を放つ
大好きなトレーナーには腕に触角を巻き付け、一緒に歩く習性がある
アマージョ フルーツポケモン くさタイプ
すらりと伸びた脚と残忍な心を持ち、恐れられているポケモン
倒した相手を足蹴にして高笑いで勝利をアピールするという
凛「いくよ……サンダース!」ポンッ
藍子「マホイップ!」ポンッ
生存本能ヴァルキュリア編 〇二 「黒幕」
まゆ「いきますよ、ニンフィア!」ポンッ
ニンフィア「フィア!」
時子「やれ、アマージョ」ポンッ
アマージョ「アマ」
ニンフィア むすびつきポケモン フェアリータイプ
リボンのような触角から敵意を削ぐ波動を放つ
大好きなトレーナーには腕に触角を巻き付け、一緒に歩く習性がある
アマージョ フルーツポケモン くさタイプ
すらりと伸びた脚と残忍な心を持ち、恐れられているポケモン
倒した相手を足蹴にして高笑いで勝利をアピールするという
凛「いくよ……サンダース!」ポンッ
藍子「マホイップ!」ポンッ
530: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:02:50.98:aJwQ2aFi0 (2/10)
凛(まゆはニンフィア……そして私はサンダース。前回と同じ対面だ)
凛(時子の手持ちは初めて見るポケモン……しっかり様子を見ていかないと)
凛「サンダース、ニンフィアにでんじは!」
サンダース「ダース!」バリリリ
ニンフィア「フィア!?」バリリリ
まゆ「っ……ニンフィア、構わずハイパーボイス!」
ニンフィア「フィア……!」ビリリ
時子「何してるんだか。アマージョ、マホイップにトロピカルキックよ」
アマージョ「アマ!」バッ
凛(まゆはニンフィア……そして私はサンダース。前回と同じ対面だ)
凛(時子の手持ちは初めて見るポケモン……しっかり様子を見ていかないと)
凛「サンダース、ニンフィアにでんじは!」
サンダース「ダース!」バリリリ
ニンフィア「フィア!?」バリリリ
まゆ「っ……ニンフィア、構わずハイパーボイス!」
ニンフィア「フィア……!」ビリリ
時子「何してるんだか。アマージョ、マホイップにトロピカルキックよ」
アマージョ「アマ!」バッ
531: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:03:35.60:aJwQ2aFi0 (3/10)
凛「サンダース、庇って!」
サンダース「ダース!」
ドガッ
時子「ちいっ、ちょこまかと……!」
藍子「凛さん!」
凛「藍子! こうしてタッグを組んでのバトルは初めてだけど」
凛「私はいつもの藍子を想定して動く。だから藍子も、普段通り戦って!」
藍子「普段通り……わかりました!」
藍子「マホイップ、デコレーション!」
マホイップ「マホ」シュシュシュシュ
凛「サンダース、庇って!」
サンダース「ダース!」
ドガッ
時子「ちいっ、ちょこまかと……!」
藍子「凛さん!」
凛「藍子! こうしてタッグを組んでのバトルは初めてだけど」
凛「私はいつもの藍子を想定して動く。だから藍子も、普段通り戦って!」
藍子「普段通り……わかりました!」
藍子「マホイップ、デコレーション!」
マホイップ「マホ」シュシュシュシュ
532: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:04:08.43:aJwQ2aFi0 (4/10)
まゆ「今度こそ……ハイパーボイス!」
凛「かみなりで迎撃!」
ニンフィア「フィア!」ォォォン
サンダース「ダース!!」
ズドォォォン
時子「とびひざげりよ」
アマージョ「アマ!」
サンダース「ダース……!」ドガッ
まゆ「今度こそ……ハイパーボイス!」
凛「かみなりで迎撃!」
ニンフィア「フィア!」ォォォン
サンダース「ダース!!」
ズドォォォン
時子「とびひざげりよ」
アマージョ「アマ!」
サンダース「ダース……!」ドガッ
533: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:04:47.51:aJwQ2aFi0 (5/10)
凛「っ……藍子!」
マホイップ「マホ♪」シャキーン
藍子「凛さん、ありがとうございます! 一撃で決めます!」
藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ~!」ピッカァ
アマージョ「アマ……!」ズバァン
ニンフィア「フィア……!」ドサッ
凛「よし、決まった!」
凛「っ……藍子!」
マホイップ「マホ♪」シャキーン
藍子「凛さん、ありがとうございます! 一撃で決めます!」
藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ~!」ピッカァ
アマージョ「アマ……!」ズバァン
ニンフィア「フィア……!」ドサッ
凛「よし、決まった!」
534: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:06:03.05:aJwQ2aFi0 (6/10)
テーテレテー テーレテレテー
凛(! こんな時に電話……?)
凛(いや、そんな場合じゃない!)
凛「これで決める……かみなり!!」
サンダース「ダース!!」ゴロゴロゴロ
ドガァァァァン
時子「ぐはっ……!」
まゆ「……つ、強い……!」
テーテレテー テーレテレテー
凛(! こんな時に電話……?)
凛(いや、そんな場合じゃない!)
凛「これで決める……かみなり!!」
サンダース「ダース!!」ゴロゴロゴロ
ドガァァァァン
時子「ぐはっ……!」
まゆ「……つ、強い……!」
535: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:06:47.24:aJwQ2aFi0 (7/10)
アマージョ「アマ……」
ニンフィア「フィア……」
時子「……立ちなさい、アマージョ。くたばるのは許さないわよ」
まゆ「ニンフィア、勝負はまだまだこれからですよねぇ……?」
「もういい、そこまでにしろ」
凛・藍子「?」
アマージョ「アマ……」
ニンフィア「フィア……」
時子「……立ちなさい、アマージョ。くたばるのは許さないわよ」
まゆ「ニンフィア、勝負はまだまだこれからですよねぇ……?」
「もういい、そこまでにしろ」
凛・藍子「?」
536: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:07:44.83:aJwQ2aFi0 (8/10)
まゆ「……! ボス……」
時子「……チッ」
レナ「あら、ボス。わざわざ出てきたってことは、準備が整ったということね?」
「ああ。時間稼ぎとしてはまあ及第点だろう」
凛「……アンタが、こいつらのボス……?」
「そうだ。……改めて名乗らせてもらおうか」
「我々は『クローネ』。この世界を正すために立ち上がった革命家集団……いや、お前達にとってはテロリストも同然か」
まゆ「……! ボス……」
時子「……チッ」
レナ「あら、ボス。わざわざ出てきたってことは、準備が整ったということね?」
「ああ。時間稼ぎとしてはまあ及第点だろう」
凛「……アンタが、こいつらのボス……?」
「そうだ。……改めて名乗らせてもらおうか」
「我々は『クローネ』。この世界を正すために立ち上がった革命家集団……いや、お前達にとってはテロリストも同然か」
537: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:08:12.66:aJwQ2aFi0 (9/10)
美城「そして私が、『クローネ』のリーダーだ」
美城「そして私が、『クローネ』のリーダーだ」
538: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/06(水) 20:11:17.25:aJwQ2aFi0 (10/10)
次回
「絶望を撃て」
完全悪かつガチパだったちっひを超えるにはこの人しかいなかった
今週末の投下はお休みです。みんなで新年ライブ見ような
ではまた来週
次回
「絶望を撃て」
完全悪かつガチパだったちっひを超えるにはこの人しかいなかった
今週末の投下はお休みです。みんなで新年ライブ見ような
ではまた来週
539:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/06(水) 20:19:34.35:M13RTehz0 (1/1)
乙 目的は「世界をすべて白紙に戻す」かな?
乙 目的は「世界をすべて白紙に戻す」かな?
540:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/10(日) 11:49:14.22:q14B9hrM0 (1/2)
乙
人とポケモンの心から自制心を取り除いたうえで世界を創り直しそのうえで世界を征服しようとした
ちっひ以上とか流石にアイドルにさせられないしな...てか専務はガラルの王族かな?
乙
人とポケモンの心から自制心を取り除いたうえで世界を創り直しそのうえで世界を征服しようとした
ちっひ以上とか流石にアイドルにさせられないしな...てか専務はガラルの王族かな?
541:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/10(日) 11:49:14.27:q14B9hrM0 (2/2)
乙
人とポケモンの心から自制心を取り除いたうえで世界を創り直しそのうえで世界を征服しようとした
ちっひ以上とか流石にアイドルにさせられないしな...てか専務はガラルの王族かな?
乙
人とポケモンの心から自制心を取り除いたうえで世界を創り直しそのうえで世界を征服しようとした
ちっひ以上とか流石にアイドルにさせられないしな...てか専務はガラルの王族かな?
542: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:27:52.95:U8fhI6VW0 (1/22)
生存本能ヴァルキュリア編 〇三 「絶望を撃て」
藍子「……じゃあ、あなたが……」
美城「ああ。各地でポケモンを暴走させたのも、今こうしてダイマックスポケモンを送り込んでいるのも、全ては私の指示によるものだ」
凛「……!!」
美城「憎いか。そうだろうな」
美城「だが同様に、私もお前達が憎い。いや、この世界が憎い。だから我々は世界を覆そうと立ち上がった」
美城「……所詮この世は、力あるものが全てを手にすることができる。この地方に根付くバトルの文化がそれを物語っているだろう」
美城「故にガラルを支配するには、全てを超える力を示すのが手っ取り早い」
凛「違う! 強さは誰かを支配する道具じゃない! ポケモンバトルは……ガラルの文化は、そんなことのために存在しているんじゃない!!」
生存本能ヴァルキュリア編 〇三 「絶望を撃て」
藍子「……じゃあ、あなたが……」
美城「ああ。各地でポケモンを暴走させたのも、今こうしてダイマックスポケモンを送り込んでいるのも、全ては私の指示によるものだ」
凛「……!!」
美城「憎いか。そうだろうな」
美城「だが同様に、私もお前達が憎い。いや、この世界が憎い。だから我々は世界を覆そうと立ち上がった」
美城「……所詮この世は、力あるものが全てを手にすることができる。この地方に根付くバトルの文化がそれを物語っているだろう」
美城「故にガラルを支配するには、全てを超える力を示すのが手っ取り早い」
凛「違う! 強さは誰かを支配する道具じゃない! ポケモンバトルは……ガラルの文化は、そんなことのために存在しているんじゃない!!」
543: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:28:50.63:U8fhI6VW0 (2/22)
美城「何を言っても無駄だ。……さあ出てこい、魔神よ」
カッ
……ズッ ズッ ズッ!!
藍子「な、なんですか、あれは……」
凛「リングの中から、ポケモンが出てくる……?」
美城「これがクローネの掲げる圧倒的な力……魔神フーパだ」
ズンッ!!
美城「何を言っても無駄だ。……さあ出てこい、魔神よ」
カッ
……ズッ ズッ ズッ!!
藍子「な、なんですか、あれは……」
凛「リングの中から、ポケモンが出てくる……?」
美城「これがクローネの掲げる圧倒的な力……魔神フーパだ」
ズンッ!!
544: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:29:16.39:U8fhI6VW0 (3/22)
フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ!!!」
凛「何、あれ……ポケモン、なの?」
藍子「あんなポケモン、見たことがない……」
藍子「!? 凛さん、ポケモン図鑑をかざしてみたんですけど……!」
データ不明
凛「図鑑に登録されていないポケモン……?」
美城「……せっかくだ。ここまでたどり着いた褒美として、少し話をしてやろう」
フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ!!!」
凛「何、あれ……ポケモン、なの?」
藍子「あんなポケモン、見たことがない……」
藍子「!? 凛さん、ポケモン図鑑をかざしてみたんですけど……!」
データ不明
凛「図鑑に登録されていないポケモン……?」
美城「……せっかくだ。ここまでたどり着いた褒美として、少し話をしてやろう」
545: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:30:05.04:U8fhI6VW0 (4/22)
美城「我々の目的は武力によるガラルの支配。だがその上で厄介な存在がいる。各地のジムリーダーだ」
美城「奴らはいずれも大衆と強い結束関係にある。そして大衆はジムリーダーに対して全幅の信頼を寄せている。余所から見れば崇拝とさえ取れるほどにな」
美城「我々はまずフーパの力を宿した小さなリング……レナが所持しているものだな。それを利用して各地に外来種のポケモンを送り込んだ」
美城「そしてそれらをジムリーダー達にわざと始末させた」
藍子「わざと……?」
美城「大衆はジムリーダーが町を守ってくれたと認識し、両者の結束はより深まる。……だが、仮にジムリーダーが敗北したならどうだろうか」
美城「我々の目的は武力によるガラルの支配。だがその上で厄介な存在がいる。各地のジムリーダーだ」
美城「奴らはいずれも大衆と強い結束関係にある。そして大衆はジムリーダーに対して全幅の信頼を寄せている。余所から見れば崇拝とさえ取れるほどにな」
美城「我々はまずフーパの力を宿した小さなリング……レナが所持しているものだな。それを利用して各地に外来種のポケモンを送り込んだ」
美城「そしてそれらをジムリーダー達にわざと始末させた」
藍子「わざと……?」
美城「大衆はジムリーダーが町を守ってくれたと認識し、両者の結束はより深まる。……だが、仮にジムリーダーが敗北したならどうだろうか」
546: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:30:41.38:U8fhI6VW0 (5/22)
美城「強者の存在に心酔しすぎた大衆は、自らを守る盾が壊れたことで混乱し、絶望する。やがて彼らは自らの無力を悟り、我が身可愛さのまま、より大きな力に従属しようとするだろう」
美城「そう仮定した我々は、レナが設置したリングから段階的に強力なポケモンを送り込むよう計画した」
凛「じゃあ……ジムリーダー達は、いずれ倒されるとも知らずに泳がされていたってわけ……?」
美城「その通りだ。希望の最中から突き落とされて味わう絶望の味は深い」
美城「……一人、その計画を探ろうとしていた女がいたな。奴は我々を知ろうとしすぎた」
美城「だからその場に居合わせていた私が始末した。見せしめの意味合いも兼ねてな」
藍子「それって、涼さんのこと……」
美城「強者の存在に心酔しすぎた大衆は、自らを守る盾が壊れたことで混乱し、絶望する。やがて彼らは自らの無力を悟り、我が身可愛さのまま、より大きな力に従属しようとするだろう」
美城「そう仮定した我々は、レナが設置したリングから段階的に強力なポケモンを送り込むよう計画した」
凛「じゃあ……ジムリーダー達は、いずれ倒されるとも知らずに泳がされていたってわけ……?」
美城「その通りだ。希望の最中から突き落とされて味わう絶望の味は深い」
美城「……一人、その計画を探ろうとしていた女がいたな。奴は我々を知ろうとしすぎた」
美城「だからその場に居合わせていた私が始末した。見せしめの意味合いも兼ねてな」
藍子「それって、涼さんのこと……」
547: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:31:14.07:U8fhI6VW0 (6/22)
凛「……」
凛「……許さない。絶対に、許さない」
凛「アンタは……ここで倒す!!」
美城「なぜ私がここまでべらべらと話したかわからないのか? 君たちを生きて帰すつもりは微塵もないからだ」
フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ」
グググググ
美城「フーパはリングから呼び出したポケモンを操ることができる。ガラル粒子を大量に注ぎ込んだ今のお前なら、いかなる存在も指揮下におけるだろう。……やれ」
凛「……」
凛「……許さない。絶対に、許さない」
凛「アンタは……ここで倒す!!」
美城「なぜ私がここまでべらべらと話したかわからないのか? 君たちを生きて帰すつもりは微塵もないからだ」
フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ」
グググググ
美城「フーパはリングから呼び出したポケモンを操ることができる。ガラル粒子を大量に注ぎ込んだ今のお前なら、いかなる存在も指揮下におけるだろう。……やれ」
548: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:31:57.15:U8fhI6VW0 (7/22)
フーパ「オオォォォデエエェェマアアァァシイィィ!!!」
藍子(あれは……フーパの身体についたリングが光って……)
グワッ
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
凛「……!!」
藍子「……な、なんですか、あれは……」
フーパ「オオォォォデエエェェマアアァァシイィィ!!!」
藍子(あれは……フーパの身体についたリングが光って……)
グワッ
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
凛「……!!」
藍子「……な、なんですか、あれは……」
549: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:33:05.26:U8fhI6VW0 (8/22)
時子「……!」
まゆ「まあ……」
レナ「やったわフーパ……ついに伝説のポケモンも呼び出せるようになったのね!」
レナ「ううっ、昔はコイキングしか呼び出せなかったのに……フーパちゃん、成長したわね……!」グスッ
時子「……何に感動しているんだか」
凛(リングの中から見たことのないポケモンが……)
凛(しかも何だ、あのオーラ……普通のポケモンじゃない!)
藍子「あ……あ……」
凛「藍子、落ち着いて! まずはあの2匹を倒すよ!」
時子「……!」
まゆ「まあ……」
レナ「やったわフーパ……ついに伝説のポケモンも呼び出せるようになったのね!」
レナ「ううっ、昔はコイキングしか呼び出せなかったのに……フーパちゃん、成長したわね……!」グスッ
時子「……何に感動しているんだか」
凛(リングの中から見たことのないポケモンが……)
凛(しかも何だ、あのオーラ……普通のポケモンじゃない!)
藍子「あ……あ……」
凛「藍子、落ち着いて! まずはあの2匹を倒すよ!」
550: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:33:47.14:U8fhI6VW0 (9/22)
凛「サンダース、シャドーボール!」
サンダース「ダース!」ボッ
美城「ゼクロム」
ゼクロム「……」バシッ
藍子「そんな、サンダースの攻撃を片手で弾くなんて……」
凛「藍子、相手は見た目からしてドラゴンタイプだ! マホイップの攻撃なら効くはず!」
藍子「は、はいっ! マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ!」
美城「レシラム、焼き尽くせ」
レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオッ
藍子「そ、そんな……!!」
凛「サンダース、シャドーボール!」
サンダース「ダース!」ボッ
美城「ゼクロム」
ゼクロム「……」バシッ
藍子「そんな、サンダースの攻撃を片手で弾くなんて……」
凛「藍子、相手は見た目からしてドラゴンタイプだ! マホイップの攻撃なら効くはず!」
藍子「は、はいっ! マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ!」
美城「レシラム、焼き尽くせ」
レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオッ
藍子「そ、そんな……!!」
551: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:34:22.61:U8fhI6VW0 (10/22)
美城「葬り去れ。げきりん」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」グワッ
サンダース「……!」
ドゴォォォォン
凛「うわああっ!!」
藍子「凛さん!!」
まゆ「うふふ……よそ見している場合じゃなさそうですよぉ?」
藍子「……!」
ゴオッ
マホイップ「マホ……!」ゴォォォォォォォ
藍子「マホイップっ!!」
マホイップ「マ……ホ……」ドサッ
美城「葬り去れ。げきりん」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」グワッ
サンダース「……!」
ドゴォォォォン
凛「うわああっ!!」
藍子「凛さん!!」
まゆ「うふふ……よそ見している場合じゃなさそうですよぉ?」
藍子「……!」
ゴオッ
マホイップ「マホ……!」ゴォォォォォォォ
藍子「マホイップっ!!」
マホイップ「マ……ホ……」ドサッ
552: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:35:04.17:U8fhI6VW0 (11/22)
凛「く……サンダース……」
サンダース「ダース……」フラフラ
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
ドゴォォォォン
凛「うああっ――」
凛「――サンダース!!」
サンダース「ダース……」バタッ
まゆ「まあ……凛ちゃんたち、成す術もなさそうですね……♪」
レナ「これがイッシュ建国の歴史に伝わる、理想と真実の英雄……絶対に敵に回したくないわね」
凛「く……サンダース……」
サンダース「ダース……」フラフラ
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
ドゴォォォォン
凛「うああっ――」
凛「――サンダース!!」
サンダース「ダース……」バタッ
まゆ「まあ……凛ちゃんたち、成す術もなさそうですね……♪」
レナ「これがイッシュ建国の歴史に伝わる、理想と真実の英雄……絶対に敵に回したくないわね」
553: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:35:39.90:U8fhI6VW0 (12/22)
藍子(そ、そんな……凛さんでも歯が立たないなんて)
美城「ようやく気づいたようだな。いかなる強者であっても、このフーパの前では矮小な存在でしかない」
凛「……まだだ……サザンドラ!」ポン
サザンドラ「サザ!」
凛「あの2匹を止めて……りゅうせいぐん!!」
サザンドラ「サザ!!」ボッ
美城「無駄なことを」
藍子(そ、そんな……凛さんでも歯が立たないなんて)
美城「ようやく気づいたようだな。いかなる強者であっても、このフーパの前では矮小な存在でしかない」
凛「……まだだ……サザンドラ!」ポン
サザンドラ「サザ!」
凛「あの2匹を止めて……りゅうせいぐん!!」
サザンドラ「サザ!!」ボッ
美城「無駄なことを」
554: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:36:15.03:U8fhI6VW0 (13/22)
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
ズドォォォォォォン
凛「……!!」
サザンドラ「サザ……!」ガクッ
凛「……そんな……」
まゆ「うふ、うふふふふ……♡」
時子「虫は虫らしく無様に踏みつぶされるがいいわ」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
ズドォォォォォォン
凛「……!!」
サザンドラ「サザ……!」ガクッ
凛「……そんな……」
まゆ「うふ、うふふふふ……♡」
時子「虫は虫らしく無様に踏みつぶされるがいいわ」
555: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:37:18.32:U8fhI6VW0 (14/22)
美城「消えろ。クロスフレイム、クロスサンダー」
ギュォォォォォォ!!
バリリリリリリリ!!
凛「……!!」
凛(さっきの攻撃よりも強大なパワー……あれを喰らってしまったら……)
凛(くそっ……ここまで、なのか……)
藍子「り、凛さん……」
凛「藍子、ごめん……」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
凛「……!!」
美城「消えろ。クロスフレイム、クロスサンダー」
ギュォォォォォォ!!
バリリリリリリリ!!
凛「……!!」
凛(さっきの攻撃よりも強大なパワー……あれを喰らってしまったら……)
凛(くそっ……ここまで、なのか……)
藍子「り、凛さん……」
凛「藍子、ごめん……」
レシラム「ジルアァァァァ!!」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」
凛「……!!」
556: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:38:04.42:U8fhI6VW0 (15/22)
ズバァァァァァァン
凛「…………」
凛「……?」
凛(なに……何が起きたの……?)
シュゥゥゥゥゥゥゥ……
レナ「!! あれは……!」
ズバァァァァァァン
凛「…………」
凛「……?」
凛(なに……何が起きたの……?)
シュゥゥゥゥゥゥゥ……
レナ「!! あれは……!」
557: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:38:31.57:U8fhI6VW0 (16/22)
「ガブリアス、押し返してください!」
ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」グワッ
レシラム「ジルア……!」
ゼクロム「グルォ……!」
「よかった、間に合ったみたいですね」クルッ
藍子「!! あなたは、もしかして……!!」
「ガブリアス、押し返してください!」
ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」グワッ
レシラム「ジルア……!」
ゼクロム「グルォ……!」
「よかった、間に合ったみたいですね」クルッ
藍子「!! あなたは、もしかして……!!」
558: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:39:21.47:U8fhI6VW0 (17/22)
楓「遅くなってごめんなさい。凛ちゃん、藍子ちゃん、たった二人で立ち向かってくれて本当にありがとうございます」
凛「か、楓さん……!?」
楓「とにかく、まずはこの場を離れましょう。今はまだ、相手にするときではありません」
ポンッ
楓「アーマーガア、2人を運んでラテラルタウンへ!」
アーマーガア「ガァー!」バサッバサッ
藍子「2人……?」
凛「ちょっと待って、楓さんは……!?」
楓「すぐ追いつきますから。大丈夫」
アーマーガア「ガァー!」ギュンッ
藍子「そんな、楓さん!」
凛「楓さんっ……!」
楓「遅くなってごめんなさい。凛ちゃん、藍子ちゃん、たった二人で立ち向かってくれて本当にありがとうございます」
凛「か、楓さん……!?」
楓「とにかく、まずはこの場を離れましょう。今はまだ、相手にするときではありません」
ポンッ
楓「アーマーガア、2人を運んでラテラルタウンへ!」
アーマーガア「ガァー!」バサッバサッ
藍子「2人……?」
凛「ちょっと待って、楓さんは……!?」
楓「すぐ追いつきますから。大丈夫」
アーマーガア「ガァー!」ギュンッ
藍子「そんな、楓さん!」
凛「楓さんっ……!」
559: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:40:24.61:U8fhI6VW0 (18/22)
楓「……さて」ニコッ
まゆ「あの方は? ただ者ではなさそうですが」
レナ「……あれはガラルのチャンピオン、楓よ」
時子「フン、チャンピオン自らお出ましとはね」
美城「何の用だ。チャンピオンなら最後のメインディッシュとして泳がせておくつもりだったが」
美城「まあいい、ここで始末してやる。……ゼクロム、レシラム、やれ」
楓「メインディッシュだなんてそんな。でも私、ここで倒れる気はさらさらありませんよ?」
ガブリアス「ガブ!!」ギュンッ
楓「ガブリアス、ドラゴンダイブです!」
ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」
ゼクロム「グルォ――」
ズドォォォン
楓「……さて」ニコッ
まゆ「あの方は? ただ者ではなさそうですが」
レナ「……あれはガラルのチャンピオン、楓よ」
時子「フン、チャンピオン自らお出ましとはね」
美城「何の用だ。チャンピオンなら最後のメインディッシュとして泳がせておくつもりだったが」
美城「まあいい、ここで始末してやる。……ゼクロム、レシラム、やれ」
楓「メインディッシュだなんてそんな。でも私、ここで倒れる気はさらさらありませんよ?」
ガブリアス「ガブ!!」ギュンッ
楓「ガブリアス、ドラゴンダイブです!」
ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」
ゼクロム「グルォ――」
ズドォォォン
560: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:41:14.29:U8fhI6VW0 (19/22)
レシラム「ジルァ――」
ズドォォォン
時子「なんだと……!?」
まゆ「あのゼクロムとレシラム相手に、互角以上に戦うなんて……!」
美城「……何をしている。数でも能力でもこちらが上回っているんだぞ」
ゼクロム「グ……グルオォォ……!」グググ
レシラム「ジルアァァ……!」グググ
レシラム「ジルァ――」
ズドォォォン
時子「なんだと……!?」
まゆ「あのゼクロムとレシラム相手に、互角以上に戦うなんて……!」
美城「……何をしている。数でも能力でもこちらが上回っているんだぞ」
ゼクロム「グ……グルオォォ……!」グググ
レシラム「ジルアァァ……!」グググ
561: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:41:49.54:U8fhI6VW0 (20/22)
ゼクロム・レシラム「「!!」」
ギュルルルルル
レナ「二体が巻き込まれた……あの技、もしかしてすなじごく!?」
まゆ「そんな、すなじごくにしては大きすぎますよ!?」
楓「これで身動きは封じましたが――」
楓「ガブリアス、右です!」
ガブリアス「ガブ!」ヒョイッ
ゼクロム・レシラム「「!!」」
ギュルルルルル
レナ「二体が巻き込まれた……あの技、もしかしてすなじごく!?」
まゆ「そんな、すなじごくにしては大きすぎますよ!?」
楓「これで身動きは封じましたが――」
楓「ガブリアス、右です!」
ガブリアス「ガブ!」ヒョイッ
562: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:42:38.23:U8fhI6VW0 (21/22)
フーパ「フゥゥゥパァァァ……!!」
楓(あのポケモン……まさか)
楓「……潮時ですね。ガブリアス、帰りますよー」
ガブリアス「ガブー」
パッ
ギュゥゥゥゥン
時子「……逃げられたか」
美城「……ちっ……」
フーパ「フゥゥゥパァァァ……!!」
楓(あのポケモン……まさか)
楓「……潮時ですね。ガブリアス、帰りますよー」
ガブリアス「ガブー」
パッ
ギュゥゥゥゥン
時子「……逃げられたか」
美城「……ちっ……」
563: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/13(水) 23:43:44.03:U8fhI6VW0 (22/22)
次回
「残された希望」
お疲れさまでした
次回
「残された希望」
お疲れさまでした
564:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/13(水) 23:49:12.97:0VvxmGwV0 (1/1)
乙 理想と真実の英雄登場に楓さんの正体判明と熱い回だったな
乙 理想と真実の英雄登場に楓さんの正体判明と熱い回だったな
565: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:07:43.78:dkqkfvYo0 (1/13)
生存本能ヴァルキュリア編 〇四 「微かな希望」
ラテラルタウン郊外
バサッバサッ
藍子「……助かったんでしょうか」
凛「そうみたいだね。……っ!」
藍子「! 凛さん、身体中がアザだらけですよ!?」
凛「派手に吹っ飛ばされたりしたからね。でも大丈夫だよ……いたたっ」
藍子「無理はしないでくださいね。それにしてもトレーナーを直接狙うなんて……」
凛「あれがアイツらのやり方なんだろうね。っていうか、楓さんってチャンピオンだったんだ……そりゃあんなに強いわけだよ」
藍子「楓さん……大丈夫なんでしょうか。さすがにあの2匹を同時に相手して、無事でいられるなんて――」
楓「何か言いましたか?」
生存本能ヴァルキュリア編 〇四 「微かな希望」
ラテラルタウン郊外
バサッバサッ
藍子「……助かったんでしょうか」
凛「そうみたいだね。……っ!」
藍子「! 凛さん、身体中がアザだらけですよ!?」
凛「派手に吹っ飛ばされたりしたからね。でも大丈夫だよ……いたたっ」
藍子「無理はしないでくださいね。それにしてもトレーナーを直接狙うなんて……」
凛「あれがアイツらのやり方なんだろうね。っていうか、楓さんってチャンピオンだったんだ……そりゃあんなに強いわけだよ」
藍子「楓さん……大丈夫なんでしょうか。さすがにあの2匹を同時に相手して、無事でいられるなんて――」
楓「何か言いましたか?」
566: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:10:14.30:dkqkfvYo0 (2/13)
凛「うわ!?」
藍子「い、いつの間に……!?」
楓「約束したじゃないですか。すぐに追いつくって。ガブリアス、お疲れさまです」シュゥゥ
楓「凛ちゃん、お久しぶりですね。以前アイマスで会った時よりも、顔つきが凛々しくなったような」
凛「ひ、久しぶり。そう……かな」
楓「藍子ちゃんは初めましてですね。改めまして、ポケモントレーナーの楓です」
藍子「い、いや……あれ、どうして私の名前を?」
楓「ふふっ。一度だけ、藍子ちゃんのバトルを観戦させてもらったことがあったんです」
凛「うわ!?」
藍子「い、いつの間に……!?」
楓「約束したじゃないですか。すぐに追いつくって。ガブリアス、お疲れさまです」シュゥゥ
楓「凛ちゃん、お久しぶりですね。以前アイマスで会った時よりも、顔つきが凛々しくなったような」
凛「ひ、久しぶり。そう……かな」
楓「藍子ちゃんは初めましてですね。改めまして、ポケモントレーナーの楓です」
藍子「い、いや……あれ、どうして私の名前を?」
楓「ふふっ。一度だけ、藍子ちゃんのバトルを観戦させてもらったことがあったんです」
567: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:11:20.72:dkqkfvYo0 (3/13)
楓「……さて、大変なことになってしまいましたね。まさか向こうがあれほど強力なポケモンを従えているなんて」
藍子「楓さん、あの人たちのことを知っているんですか?」
楓「いいえ。ですが交戦したポケモンたちについてなら、少し聞きかじったことがあります」
楓「白と黒のドラゴンポケモンの名前は、それぞれレシラムとゼクロム。イッシュ地方で英雄と語り継がれている、伝説のポケモンです」
楓「そして後ろにいた巨大なポケモンの名前はフーパ。空間を歪ませるリングを使いこなす、幻のポケモンです」
凛「幻のポケモン……だから図鑑が反応しなかったんだ」
楓「……さて、大変なことになってしまいましたね。まさか向こうがあれほど強力なポケモンを従えているなんて」
藍子「楓さん、あの人たちのことを知っているんですか?」
楓「いいえ。ですが交戦したポケモンたちについてなら、少し聞きかじったことがあります」
楓「白と黒のドラゴンポケモンの名前は、それぞれレシラムとゼクロム。イッシュ地方で英雄と語り継がれている、伝説のポケモンです」
楓「そして後ろにいた巨大なポケモンの名前はフーパ。空間を歪ませるリングを使いこなす、幻のポケモンです」
凛「幻のポケモン……だから図鑑が反応しなかったんだ」
568: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:13:31.28:dkqkfvYo0 (4/13)
楓「あの姿はフーパが本来のパワーを全て解放した姿……ときはなたれし姿、と呼ばれています」
楓「フーパはリングを使って、世界中のあらゆる空間を繋げることができると言われています。物質や人も移動させられるそうですし、先程の様子だと、ポケモンの意識を奪って操ることもできるようですね」
凛「あいつらのリーダーもそんなことを言っていた。ゼクロムもレシラムも、フーパの持つリングの中から出てきたんだ」
楓「ええ。おそらく、ガラル地方の各地で起きた事件も、その力で……」
藍子「……じゃあ、レナさんが言っていたあるポケモンの力って、フーパのことだったんですね」
藍子「あの、ところで楓さん。どうして私たちをラテラルタウンまで運ばれたんですか?」
楓「それは――」
楓「あの姿はフーパが本来のパワーを全て解放した姿……ときはなたれし姿、と呼ばれています」
楓「フーパはリングを使って、世界中のあらゆる空間を繋げることができると言われています。物質や人も移動させられるそうですし、先程の様子だと、ポケモンの意識を奪って操ることもできるようですね」
凛「あいつらのリーダーもそんなことを言っていた。ゼクロムもレシラムも、フーパの持つリングの中から出てきたんだ」
楓「ええ。おそらく、ガラル地方の各地で起きた事件も、その力で……」
藍子「……じゃあ、レナさんが言っていたあるポケモンの力って、フーパのことだったんですね」
藍子「あの、ところで楓さん。どうして私たちをラテラルタウンまで運ばれたんですか?」
楓「それは――」
569: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:14:17.14:dkqkfvYo0 (5/13)
ドゴォォォォ
凛「!!」
楓「説明は後ですね。きっとまだ李衣菜ちゃんがダイマックスポケモンと戦っています。援護しに行きましょう」
ラテラルジム前
ジュラルドン「ジュラアアアアアア」
ズバァァン
ストリンダー「ストッ……!」ドサッ
ドゴォォォォ
凛「!!」
楓「説明は後ですね。きっとまだ李衣菜ちゃんがダイマックスポケモンと戦っています。援護しに行きましょう」
ラテラルジム前
ジュラルドン「ジュラアアアアアア」
ズバァァン
ストリンダー「ストッ……!」ドサッ
570: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:15:21.27:dkqkfvYo0 (6/13)
李衣菜「ぐっ……ストリンダー……!」
ジュラルドン「ジュラアアアアアア」ズンッズンッ
李衣菜「ダメだ、あっちは市街地……町のみんながいる。絶対に行かせちゃいけない」
李衣菜「なのに……もう戦えるポケモンがいないなんて……」
李衣菜「ごめん、みんな。私……守りきれなかっ――」
ズバァァァン
チャーレム「チャー」スタッ
楓「李衣菜ちゃん、諦めないでください」
李衣菜「!! 楓さん……助けに来てくれたんだ」
李衣菜「ぐっ……ストリンダー……!」
ジュラルドン「ジュラアアアアアア」ズンッズンッ
李衣菜「ダメだ、あっちは市街地……町のみんながいる。絶対に行かせちゃいけない」
李衣菜「なのに……もう戦えるポケモンがいないなんて……」
李衣菜「ごめん、みんな。私……守りきれなかっ――」
ズバァァァン
チャーレム「チャー」スタッ
楓「李衣菜ちゃん、諦めないでください」
李衣菜「!! 楓さん……助けに来てくれたんだ」
571: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:16:20.02:dkqkfvYo0 (7/13)
凛「李衣菜、大丈夫!?」
藍子「助けに来ました!」
李衣菜「!? 凛ちゃん、藍子ちゃんまで……!」
楓「よく頑張りましたね。あとは私たちに任せて下さい」ポンッ
ボルケニオン「ボルッ!」
楓「チャーレム、ボルケニオンに乗ってください!」
チャーレム「チャー」バッ
凛「楓さん、何を……?」
楓「いいですか。ジュラルドンは全身が金属で覆われた、守りの硬いポケモンです。ですが突破口はあります」
凛「李衣菜、大丈夫!?」
藍子「助けに来ました!」
李衣菜「!? 凛ちゃん、藍子ちゃんまで……!」
楓「よく頑張りましたね。あとは私たちに任せて下さい」ポンッ
ボルケニオン「ボルッ!」
楓「チャーレム、ボルケニオンに乗ってください!」
チャーレム「チャー」バッ
凛「楓さん、何を……?」
楓「いいですか。ジュラルドンは全身が金属で覆われた、守りの硬いポケモンです。ですが突破口はあります」
572: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:17:02.68:dkqkfvYo0 (8/13)
楓「藍子ちゃん、一瞬でいいのでジュラルドンの動きを止めてください。できますか?」
藍子「や、やってみます! ドロンチ!」ポンッ
ドロンチ「ドローン!」
藍子「りゅうのはどう!」
ドンッ
ジュラルドン「ジュラッ……」
楓「ボルケニオン、いきますよ。 3……2……1……」
ボルケニオン「ボルッ!!」ズドンッ
凛「跳んだ!?」
楓「藍子ちゃん、一瞬でいいのでジュラルドンの動きを止めてください。できますか?」
藍子「や、やってみます! ドロンチ!」ポンッ
ドロンチ「ドローン!」
藍子「りゅうのはどう!」
ドンッ
ジュラルドン「ジュラッ……」
楓「ボルケニオン、いきますよ。 3……2……1……」
ボルケニオン「ボルッ!!」ズドンッ
凛「跳んだ!?」
573: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:17:56.84:dkqkfvYo0 (9/13)
楓「弱点は目元です! 凛ちゃん、指示を!」
凛「! チャーレム、とびひざげり!」
チャーレム「チャー!!」ドゴォッ
ジュラルドン「ジュラアアアァァ……!」
バシュゥ
ジュラルドン「……」バタンキュー
楓「はがねタイプだけに、弱点は目たる、でしたね。これで一件落着です」
凛「楓さん、今のは……?」
楓「このポケモン、ボルケニオンは蒸気を噴射して攻撃するんです。それを応用すれば、さっきのように特大のジャンプだってできるんですよ」
ボルケニオン「ボルッ」プシュー
楓「弱点は目元です! 凛ちゃん、指示を!」
凛「! チャーレム、とびひざげり!」
チャーレム「チャー!!」ドゴォッ
ジュラルドン「ジュラアアアァァ……!」
バシュゥ
ジュラルドン「……」バタンキュー
楓「はがねタイプだけに、弱点は目たる、でしたね。これで一件落着です」
凛「楓さん、今のは……?」
楓「このポケモン、ボルケニオンは蒸気を噴射して攻撃するんです。それを応用すれば、さっきのように特大のジャンプだってできるんですよ」
ボルケニオン「ボルッ」プシュー
574: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:19:34.25:dkqkfvYo0 (10/13)
李衣菜「……助かったよ。本当にありがとう」
李衣菜「こんな危機一髪の時に来てくれるなんて、みんなロックなトレーナーだね」
楓「李衣菜ちゃん、街の様子はどうですか?」
李衣菜「うん、これで暴れていたポケモンはだいたい抑えられた。ジムトレーナーと、どういうわけかマクロコスモスから来たってトレーナーもいたから」
藍子「マクロコスモス……?」
楓「つかさちゃんが手配してくれていたトレーナーですね。彼女、この状況を予期して、各町に精鋭のトレーナーをこっそり向かわせていたみたいなんです」
李衣菜「そうだったんだ……さすがつかささんだ。私たちだけじゃ確実に町を守り切れなかった」
凛「そういえば、つかさは?」
李衣菜「……助かったよ。本当にありがとう」
李衣菜「こんな危機一髪の時に来てくれるなんて、みんなロックなトレーナーだね」
楓「李衣菜ちゃん、街の様子はどうですか?」
李衣菜「うん、これで暴れていたポケモンはだいたい抑えられた。ジムトレーナーと、どういうわけかマクロコスモスから来たってトレーナーもいたから」
藍子「マクロコスモス……?」
楓「つかさちゃんが手配してくれていたトレーナーですね。彼女、この状況を予期して、各町に精鋭のトレーナーをこっそり向かわせていたみたいなんです」
李衣菜「そうだったんだ……さすがつかささんだ。私たちだけじゃ確実に町を守り切れなかった」
凛「そういえば、つかさは?」
575: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:20:46.09:dkqkfvYo0 (11/13)
楓「それが……彼女とは連絡が取れていません。それに、マクロコスモス本社は敵に占拠されてしまいました」
藍子「占拠……!? どうして!?」
楓「おそらく、社内にスパイがいたのでしょう。そのスパイが募っていた謀反チームによって、守りが薄かった本社はあっという間に乗っ取られてしまったんです」
凛「スパイ……そうか、さっき時子がマクロコスモスに潜入していたって……」
楓「それ以来、追っ手を振り切るためでしょうか。つかさちゃんとは音信不通の状態が続いています」
楓「ですがつかさちゃんは少し前に、ようやく対抗手段の手がかりを見つけた、とも言っていました。おそらく今は、身を隠しながらその手がかりに迫ろうとしているはずです」
楓「それが……彼女とは連絡が取れていません。それに、マクロコスモス本社は敵に占拠されてしまいました」
藍子「占拠……!? どうして!?」
楓「おそらく、社内にスパイがいたのでしょう。そのスパイが募っていた謀反チームによって、守りが薄かった本社はあっという間に乗っ取られてしまったんです」
凛「スパイ……そうか、さっき時子がマクロコスモスに潜入していたって……」
楓「それ以来、追っ手を振り切るためでしょうか。つかさちゃんとは音信不通の状態が続いています」
楓「ですがつかさちゃんは少し前に、ようやく対抗手段の手がかりを見つけた、とも言っていました。おそらく今は、身を隠しながらその手がかりに迫ろうとしているはずです」
576: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:21:36.74:dkqkfvYo0 (12/13)
楓「李衣菜ちゃん。もう少しだけ、この町を守ることに尽力してくれませんか」
李衣菜「わかった。ここは私たちの町だもん。絶対に守ってみせるよ……!」
楓「心強いです。よろしくお願いしますね」
凛「そうだ、楓さん。私達をここに降ろした理由……まだ聞けてなかったよね」
楓「はい。歩きながら話しますね。まずは町の西部にある遺跡に向かいましょう」
楓「李衣菜ちゃん。もう少しだけ、この町を守ることに尽力してくれませんか」
李衣菜「わかった。ここは私たちの町だもん。絶対に守ってみせるよ……!」
楓「心強いです。よろしくお願いしますね」
凛「そうだ、楓さん。私達をここに降ろした理由……まだ聞けてなかったよね」
楓「はい。歩きながら話しますね。まずは町の西部にある遺跡に向かいましょう」
577: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/17(日) 01:22:20.02:dkqkfvYo0 (13/13)
次回
「剣と盾の英雄」
お疲れさまでした。
次回
「剣と盾の英雄」
お疲れさまでした。
578:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/17(日) 01:30:30.67:HgGKCq5z0 (1/1)
乙 楓さんボルケニオンまで持ってるのかww流石ガラルのチャンピオンしかし藍子の超えるべき壁は高いな...
乙 楓さんボルケニオンまで持ってるのかww流石ガラルのチャンピオンしかし藍子の超えるべき壁は高いな...
579:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/19(火) 23:52:20.75:PRJSx35nO (1/1)
580: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 00:59:04.96:SbTP+M3U0 (1/15)
生存本能ヴァルキュリア編 〇五 「剣と盾の英雄」
……………………………………
楓「ゼクロムとレシラムはいったん抑えましたが、倒しきれたわけではありません。傷を癒したら、必ずまた私たちを襲ってくるでしょう」
楓「それに、仮に倒せたとしても……あの様子だと、フーパは次々と新たなポケモンを呼び出してくると思われます」
楓「伝説のポケモンすらも呼び寄せる力……何度も使われてしまっては、いずれガラルは本当に支配されてしまうでしょう」
凛「……つまり大元を絶たないといけないんだね」
楓「はい。私たちがいま必要としているのは、ゼクロムやレシラムに対抗しつつ、フーパも倒すための力です」
楓「今向かっている遺跡には、それに関係する建築物があります。お二人にもぜひ見てほしいんです」
生存本能ヴァルキュリア編 〇五 「剣と盾の英雄」
……………………………………
楓「ゼクロムとレシラムはいったん抑えましたが、倒しきれたわけではありません。傷を癒したら、必ずまた私たちを襲ってくるでしょう」
楓「それに、仮に倒せたとしても……あの様子だと、フーパは次々と新たなポケモンを呼び出してくると思われます」
楓「伝説のポケモンすらも呼び寄せる力……何度も使われてしまっては、いずれガラルは本当に支配されてしまうでしょう」
凛「……つまり大元を絶たないといけないんだね」
楓「はい。私たちがいま必要としているのは、ゼクロムやレシラムに対抗しつつ、フーパも倒すための力です」
楓「今向かっている遺跡には、それに関係する建築物があります。お二人にもぜひ見てほしいんです」
581: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 00:59:43.47:SbTP+M3U0 (2/15)
ザッ
藍子「……!」
凛「これは……ポケモン?」
楓「はい。かつてガラル最強といわれた、伝説の英雄を象った像です」
楓「左の剣をくわえたポケモンは、ザシアン。右の盾のような顔を持つポケモンは、ザマゼンタと呼ばれています」
凛「ザシアン……」
藍子「ザマゼンタ……」
ザッ
藍子「……!」
凛「これは……ポケモン?」
楓「はい。かつてガラル最強といわれた、伝説の英雄を象った像です」
楓「左の剣をくわえたポケモンは、ザシアン。右の盾のような顔を持つポケモンは、ザマゼンタと呼ばれています」
凛「ザシアン……」
藍子「ザマゼンタ……」
582: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:00:52.74:SbTP+M3U0 (3/15)
楓「……かつてこの2匹は、真の意味でガラルの頂点に君臨する存在でした。実は昔のジムチャレンジは、チャンピオンを倒せば終わり、ではなかったんです」
凛「どういうこと?」
楓「チャンピオンを倒したトレーナーには、さらにもう一つ上の戦いが待ち受けていました。それを乗り越えて初めて、新たなチャンピオンを名乗ることが許されたんです」
楓「その年最強のトレーナーの前に立ちはだかった存在こそが、ザシアンとザマゼンタでした」
楓「凄まじい攻撃力を誇るザシアンと、無敵の守りを誇るザマゼンタ。あまりにも強すぎる力を持つため、人々は彼らを英雄と讃え、崇めていました」
楓「……かつてこの2匹は、真の意味でガラルの頂点に君臨する存在でした。実は昔のジムチャレンジは、チャンピオンを倒せば終わり、ではなかったんです」
凛「どういうこと?」
楓「チャンピオンを倒したトレーナーには、さらにもう一つ上の戦いが待ち受けていました。それを乗り越えて初めて、新たなチャンピオンを名乗ることが許されたんです」
楓「その年最強のトレーナーの前に立ちはだかった存在こそが、ザシアンとザマゼンタでした」
楓「凄まじい攻撃力を誇るザシアンと、無敵の守りを誇るザマゼンタ。あまりにも強すぎる力を持つため、人々は彼らを英雄と讃え、崇めていました」
583: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:01:48.60:SbTP+M3U0 (4/15)
凛「そんなポケモンがいたんだ……」
藍子「……こうして像まで建てられているなんて、たくさんの人に愛されていたんですね」
楓「しかし、いつからか2匹は私たちの前から姿を消してしまいました。残念ながら、彼らの力を悪用しようとした人が現れたからです」
楓「今となっては、こうして伝説として語り継がれるだけの存在になってしまいました」
楓「……ですが、私は思うんです。彼らは今もどこかで生きている。生きていて、ガラル地方の人々やポケモンの営みを見守ってくれている」
楓「そしていつの日にか、私たちを赦して、また姿を現してくれる……と」
凛「そんなポケモンがいたんだ……」
藍子「……こうして像まで建てられているなんて、たくさんの人に愛されていたんですね」
楓「しかし、いつからか2匹は私たちの前から姿を消してしまいました。残念ながら、彼らの力を悪用しようとした人が現れたからです」
楓「今となっては、こうして伝説として語り継がれるだけの存在になってしまいました」
楓「……ですが、私は思うんです。彼らは今もどこかで生きている。生きていて、ガラル地方の人々やポケモンの営みを見守ってくれている」
楓「そしていつの日にか、私たちを赦して、また姿を現してくれる……と」
584: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:02:56.31:SbTP+M3U0 (5/15)
凛「その2匹が、楓さんのいう対抗手段なんだね」
楓「はい。ザシアンとザマゼンタが味方になってくれれば、これ以上のことはないでしょう」
楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。なにか、この2匹について知っていることはありませんか。どんな些細な情報でも構いません」
藍子「……いえ、知りません」
凛「ごめん……私たちも初めて名前を知ったんだ。何も情報は持ってない……」
楓「そう、ですよね。いえ、いいんです。謝らないでください」
藍子「!」
藍子「そうだ、凛さん! あの人なら、なにか知っているかもしれません!」
凛「その2匹が、楓さんのいう対抗手段なんだね」
楓「はい。ザシアンとザマゼンタが味方になってくれれば、これ以上のことはないでしょう」
楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。なにか、この2匹について知っていることはありませんか。どんな些細な情報でも構いません」
藍子「……いえ、知りません」
凛「ごめん……私たちも初めて名前を知ったんだ。何も情報は持ってない……」
楓「そう、ですよね。いえ、いいんです。謝らないでください」
藍子「!」
藍子「そうだ、凛さん! あの人なら、なにか知っているかもしれません!」
585: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:04:11.21:SbTP+M3U0 (6/15)
prrrrrr
『藍子さん!? 藍子さんなんですか!?』
藍子「都ちゃん! お久しぶりです!」
都『こちらこそ! それより藍子さんはご無事ですか!? あ、それと凛さんは!?』
凛「私も無事だよ、都。そっちは」
都『ほっ、よかった……。私の事務所付近では特に変わった様子はありません』
凛「そっか……よかった」
藍子「都ちゃん、実は聞きたいことがあるんです」
都『なんでしょう? あ、でもダイマックスに関することは私もあまり詳しくは――』
prrrrrr
『藍子さん!? 藍子さんなんですか!?』
藍子「都ちゃん! お久しぶりです!」
都『こちらこそ! それより藍子さんはご無事ですか!? あ、それと凛さんは!?』
凛「私も無事だよ、都。そっちは」
都『ほっ、よかった……。私の事務所付近では特に変わった様子はありません』
凛「そっか……よかった」
藍子「都ちゃん、実は聞きたいことがあるんです」
都『なんでしょう? あ、でもダイマックスに関することは私もあまり詳しくは――』
586: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:05:02.14:SbTP+M3U0 (7/15)
藍子「いえ。都ちゃんは、ザシアンやザマゼンタといったポケモンについて、何か知っていることはありませんか?」
都『ザシアン……? ザマゼンタ……?』
凛「お願い。どこかで聞いたりした覚えはないかな。私たちは今そのポケモンを探しているんだ」
都『……………………』
都『すみません。私もそのポケモンの名前は初耳です』
藍子「……そうですか」
都『ただ……』
凛「ただ?」
藍子「いえ。都ちゃんは、ザシアンやザマゼンタといったポケモンについて、何か知っていることはありませんか?」
都『ザシアン……? ザマゼンタ……?』
凛「お願い。どこかで聞いたりした覚えはないかな。私たちは今そのポケモンを探しているんだ」
都『……………………』
都『すみません。私もそのポケモンの名前は初耳です』
藍子「……そうですか」
都『ただ……』
凛「ただ?」
587: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:06:18.46:SbTP+M3U0 (8/15)
都『私の探偵事務所は2番道路にあるんですが、そこよりもっと南……ハロンタウンの近くには、深い霧に包まれた森があるんです』
都『その森には、未知の力を持つポケモンが棲息している、と聞いたことがあります』
凛「……楓さん」
楓「おそらく、『まどろみの森』のことでしょう」
都『まどろみの森……そう、たしかそんな名前でした!』
楓「ですが、あの森は……」
都『ええ。とても霧が深く、一度入ったら戻ってこられないとも言われています。事実、一度調査団が派遣されたことがありましたが、誰一人として帰ってきませんでした』
藍子「!! それって、数年前のあの……!」
楓「ええ。あのニュースには心が痛みました。それ以来、まどろみの森は誰であろうと立ち入ることは禁じられているんです」
都『私の探偵事務所は2番道路にあるんですが、そこよりもっと南……ハロンタウンの近くには、深い霧に包まれた森があるんです』
都『その森には、未知の力を持つポケモンが棲息している、と聞いたことがあります』
凛「……楓さん」
楓「おそらく、『まどろみの森』のことでしょう」
都『まどろみの森……そう、たしかそんな名前でした!』
楓「ですが、あの森は……」
都『ええ。とても霧が深く、一度入ったら戻ってこられないとも言われています。事実、一度調査団が派遣されたことがありましたが、誰一人として帰ってきませんでした』
藍子「!! それって、数年前のあの……!」
楓「ええ。あのニュースには心が痛みました。それ以来、まどろみの森は誰であろうと立ち入ることは禁じられているんです」
588: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:07:48.14:SbTP+M3U0 (9/15)
都『未知の力を持つポケモン……それがザシアンやザマゼンタといったポケモンと関係があるのかはわかりませんが、私が知っている情報はこの程度です』
凛「そっか……ありがとう、都」
都『いえ。私こそ力になれなくてすみません』
都『……ところで、まどろみの森の名前を出してくれた方……なんとなく声に聞き覚えがあるような気がするのですが……』
楓「ああ、どうも初めまして。ポケモントレーナーの楓です」
都『未知の力を持つポケモン……それがザシアンやザマゼンタといったポケモンと関係があるのかはわかりませんが、私が知っている情報はこの程度です』
凛「そっか……ありがとう、都」
都『いえ。私こそ力になれなくてすみません』
都『……ところで、まどろみの森の名前を出してくれた方……なんとなく声に聞き覚えがあるような気がするのですが……』
楓「ああ、どうも初めまして。ポケモントレーナーの楓です」
589: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:09:05.16:SbTP+M3U0 (10/15)
都『へっ!? ま、まさか、チャンピオンの楓さんですか!?』
さくら『……あーっ、都さん、見つけましたあっ!』
さくら『ちょっと来てください~!都ちゃんが積み上げっぱなしだった本の山が崩れちゃったんですよぉ! いい加減お片付けしてくださいっ!』
都『あ……ちょっと~!』
プツッ
凛・藍子「……」
都『へっ!? ま、まさか、チャンピオンの楓さんですか!?』
さくら『……あーっ、都さん、見つけましたあっ!』
さくら『ちょっと来てください~!都ちゃんが積み上げっぱなしだった本の山が崩れちゃったんですよぉ! いい加減お片付けしてくださいっ!』
都『あ……ちょっと~!』
プツッ
凛・藍子「……」
590: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:09:55.00:SbTP+M3U0 (11/15)
凛「まどろみの森……か」
楓「凛ちゃん、もしかして……」
凛「うん。行くつもりだよ」
楓「ですが、あの森には何があるかわかりません。もしも凛ちゃんの身に何か起きたら……」
凛「……前につかさと会った時に言われた言葉があるんだ。『やってみなきゃわからない』って」
凛「今は行動あるのみだと思う。行ってみる価値はあるんじゃないかな……って私は思うんだけど」
藍子「それなら、私もついていきます! 凛さんが危険な目に遭いそうになったら、盾になるくらいなら役に立つかもしれません」
凛「藍子、物騒なこと言わないでよ。それに藍子を盾にするつもりは端からないから」
藍子「……凛さん……」
凛「まどろみの森……か」
楓「凛ちゃん、もしかして……」
凛「うん。行くつもりだよ」
楓「ですが、あの森には何があるかわかりません。もしも凛ちゃんの身に何か起きたら……」
凛「……前につかさと会った時に言われた言葉があるんだ。『やってみなきゃわからない』って」
凛「今は行動あるのみだと思う。行ってみる価値はあるんじゃないかな……って私は思うんだけど」
藍子「それなら、私もついていきます! 凛さんが危険な目に遭いそうになったら、盾になるくらいなら役に立つかもしれません」
凛「藍子、物騒なこと言わないでよ。それに藍子を盾にするつもりは端からないから」
藍子「……凛さん……」
591: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:10:35.79:SbTP+M3U0 (12/15)
凛「今の藍子なら、安心して背中を任せられる。何か起きたら、二人で戦おう」
藍子「……はい!」
楓「……そうですか」
楓「では私のアーマーガアを貸します。そらとぶタクシーよりは速く移動できると思うので」ポンッ
楓「アーマーガア。森に着いたら、凛ちゃん達の護衛についてください。よろしくお願いします」
アーマーガア「ガァー!」
藍子「楓さん……ありがとうございます」
凛「楓さんはどうするの?」
楓「私はこれからやるべきことがあるので、そちらに赴きます」
楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。どうか気をつけて」
凛「今の藍子なら、安心して背中を任せられる。何か起きたら、二人で戦おう」
藍子「……はい!」
楓「……そうですか」
楓「では私のアーマーガアを貸します。そらとぶタクシーよりは速く移動できると思うので」ポンッ
楓「アーマーガア。森に着いたら、凛ちゃん達の護衛についてください。よろしくお願いします」
アーマーガア「ガァー!」
藍子「楓さん……ありがとうございます」
凛「楓さんはどうするの?」
楓「私はこれからやるべきことがあるので、そちらに赴きます」
楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。どうか気をつけて」
592: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:11:24.72:SbTP+M3U0 (13/15)
一方その頃
カンムリ雪原 マックスダイ巣穴最奥部
つかさ「……やっと見つけたぜ」
ゴゴゴゴゴ……
つかさ「まさかこんな雪原の奥深くに居座っていたなんてな。そりゃ誰も近寄ろうとしないわけだ」
つかさ「でもこの異常なまでのガラル粒子の濃度……アンタがここを選ぶのも納得できるよ」
一方その頃
カンムリ雪原 マックスダイ巣穴最奥部
つかさ「……やっと見つけたぜ」
ゴゴゴゴゴ……
つかさ「まさかこんな雪原の奥深くに居座っていたなんてな。そりゃ誰も近寄ろうとしないわけだ」
つかさ「でもこの異常なまでのガラル粒子の濃度……アンタがここを選ぶのも納得できるよ」
593: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:12:12.72:SbTP+M3U0 (14/15)
つかさ「……アタシはガラルを守りたい。そのために力が欲しい。それだけなんだ。そのためなら……自分の身に多少のガタがきたっていい」
つかさ「だから頼む、起きて力を貸してくれ。ムゲンダイナ」
ゴゴゴゴゴ……
グワッ!!
つかさ「!!」
つかさ「……なるほどな、まずはこっちの力を示せってか」
つかさ「上等だ。寝ぼけているヤツに後れを取るほど、アタシの腕はなまっちゃいねえ」
つかさ「ほら、かかってこいよ!」
つかさ「……アタシはガラルを守りたい。そのために力が欲しい。それだけなんだ。そのためなら……自分の身に多少のガタがきたっていい」
つかさ「だから頼む、起きて力を貸してくれ。ムゲンダイナ」
ゴゴゴゴゴ……
グワッ!!
つかさ「!!」
つかさ「……なるほどな、まずはこっちの力を示せってか」
つかさ「上等だ。寝ぼけているヤツに後れを取るほど、アタシの腕はなまっちゃいねえ」
つかさ「ほら、かかってこいよ!」
594: ◆7P/ioTJZG.:2021/01/21(木) 01:12:47.05:SbTP+M3U0 (15/15)
次回
「まどろみの森へ」
次回
「まどろみの森へ」
595:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/01/21(木) 01:20:35.59:evuzBP/q0 (1/1)
乙 社長が見方で良かった...
乙 社長が見方で良かった...
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http://s2-d2.com/archives/21868596.html
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