1 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:42:40.39Nxbdv+tR0 (1/54)

本スレは

凛「めざせポケモンマスター」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397994922/

凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402064241/

凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407859621/

【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1572703190/

【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1585495721/

の5スレの続きです

・ポケットモンスター×アイドルマスターシンデレラガールズのクロスSSです
・アイドルたちがポケモン世界を冒険します
・本SSの舞台は架空のガラル地方です。地名は同じですが、ホップやダンデ等は出てきません
・各世代から色々なポケモンが登場します
・ゲームともアニメとも異なるオリジナル設定が存在する可能性があります
・基本デレマスの子が出てきますが、稀にゲストが混ざる場合もあるかも
・メガシンカ、Zワザ、ダイマックス全てが登場する予定です
・ときどき安価あり
・本SSは4スレ目より作者が変更しています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1600443760



2 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:43:44.26Nxbdv+tR0 (2/54)


≪あらすじ≫
新たな冒険を求めてガラル地方へ降り立った凛は、ひょんなことから新人トレーナー、藍子と出会う
そして彼女のコーチになり、共にガラルのジムチャレンジに挑戦することになった
時に挫折こそすれど、充実した旅を送っていた二人。しかし時期を同じくして、ガラル各地ではポケモンが突然暴れだすという奇怪な事件も発生していた
やがて元シンデレラ団員と再会した凛は、この事件の裏にもシンデレラ団のような犯罪集団が暗躍していると推測する
不穏な空気は消えないまま、一行は6つ目のジムがあるキルクスタウンへ向かっていた



3 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:44:13.47Nxbdv+tR0 (3/54)


凛 手持ちポケモン

・ゲッコウガ ♂ Lv.70 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/みがわり
やんちゃなせいかく まけずぎらい

・ムクホーク ♂ Lv.68 いかく
ブレイブバード/インファイト/とんぼがえり/おいかぜ
いじっぱりなせいかく うたれづよい

・ドリュウズ ♀ Lv.67 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/じしん
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

・サンダース ♀ Lv.67 はやあし
シャドーボール/かみなり/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

・サザンドラ ♂ Lv.69 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/かえんほうしゃ/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい

・チャーレム ♂ Lv67 ヨガパワー
とびひざげり/しねんのずつき/ほのおのパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv39
むじゃきな性格 血の気が多い
ドラムアタック/アクロバット/ちょうはつ/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv38
おだやかな性格 のんびりするのが好き
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv37
わんぱくな性格 うたれづよい
アクアブレイク/げんしのちから/いのちのしずく/こらえる

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv34
さみしがりな性格 すこしおちょうしもの
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり


4 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:46:06.12Nxbdv+tR0 (4/54)



キルクスタウン
古い建物が立ち並ぶ温泉町

ザッザッザッ

都「……」

藍子「……」

凛「……」

一同「寒いっ……!」



5 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:46:40.99Nxbdv+tR0 (5/54)


藍子「ガ、ガラルにこんな寒い場所があったなんて……」ブルブル

凛「……都、その、助手との待ち合わせ場所は……?」

都「は、はい……ええと、町の北側にあるステーキ屋さんとのことですが――」

都「い、いえ、それよりポケモンセンターです! とにかく室内にーっ」


テンテンテレテン♪



6 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:47:33.98Nxbdv+tR0 (6/54)


都「……あの、凛さん、藍子さん」

凛「どうしたの、都。そんなに落ち込んで」

都「……も、申し訳ありません。実はさくらさんから先ほどメールが来まして……」

サッ

さくら『ふえぇ……都さん、ごめんなさい……道に迷っちゃいましたあ……』

さくら『到着するの、何時になるかわからないですぅ……ごめんなさい……』

都「……とのことです」



7 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:48:51.46Nxbdv+tR0 (7/54)


凛「……道に迷ったって、この雪道で迷ったってこと?」

藍子「そ、それってけっこう危なくないですか?」

都「むむ……たしかにそうですね」

都「私、ちょっと電話をかけてきます。お二人はもう少しここで休んでいてください」

ウィーン

藍子「そうだ、凛さん」

凛「ん?」



8 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:49:31.79Nxbdv+tR0 (8/54)


藍子「さっき、ポケモンセンターの隅からちらっと見えたんですが、この町にもブティックがあるみたいです。都ちゃんが戻ってきたら、まず暖かい服を買いませんか?」

凛「そうだね。……さすがに今の服装じゃまともに歩き回れないよ」

凛「こんな雪の町を薄着で歩ける人なんて――」

ウィーン

凛「……いた」

藍子「しかもホットパンツ……!」ドキリ

藍子「……あれ? もしかして……聖來さん!?」



9 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:50:05.36Nxbdv+tR0 (9/54)


聖來「……あらっ。凛ちゃん! 藍子ちゃん!」

タタタッ

聖來「久しぶりだね! 私のこと、覚えてる?」

藍子「はい、もちろん! ワイルドエリアで会った時以来ですね!」

凛「聖來さん、久しぶりだね」

ワンパチ「イヌヌワンッ」ブルブル

藍子「ふふっ、ワンパチも久しぶりだね!」



10 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:51:13.46Nxbdv+tR0 (10/54)


凛「……って聖來さん、そんな格好で寒くないの……?」

聖來「全然! 動き回ってたら案外寒くならないものだよ」

凛「そ、そうなんだ……」

聖來「そうだ。二人とも、この前は本当にありがとう。ちゃんと女の子を連れて帰ることができたよ」ペコリ

聖來「ささやかだけど……お礼、受け取ってほしいな」

凛と藍子はステーキ屋のクーポンを手に入れた!

聖來「キルクスタウンの北側にあるお店、『おいしんボブ』のクーポンだよ。そこのステーキ、すごく美味しいんだって!」



11 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:51:54.31Nxbdv+tR0 (11/54)


凛「ありがとう。私たちも今から向かうところだったんだ」

藍子「ありがとうございますっ!」

聖來「いえいえ! あ、それからもう一つ」

凛・藍子「?」

聖來「ねえ藍子ちゃん、今から私とバトルしない?」

藍子「え、ええっ?」

聖來「実は私もジムチャレンジ真っ只中でさ、バッジはまだ3つしか集めれてないんだけど……自分のバトルを、誰かに見てもらいたいなって思って」



12 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:52:55.45Nxbdv+tR0 (12/54)


聖來「私、ずっと一人で旅してたからさ。バトルを見てもらって、誰かに批評してもらうっていうの? ほとんど経験がないんだ」

聖來「だから、そういうのも含めて、お願いできないかな?」

藍子「そういうことでしたら! 私でよければ、ぜひバトルしましょう!」

聖來「藍子ちゃん……ありがとう! 恩に着るよ!」

凛「じゃあ私はここで都を待ってるよ。えっと、ポケモンセンターの隣にバトルフィールドがあったはず」

聖來「よし、じゃあそこで!」



13 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:55:04.34Nxbdv+tR0 (13/54)


バトルフィールド

聖來「そういえば藍子ちゃんもジムチャレンジ、やってるんだっけ?」

藍子「はい! 今から6つ目のバッジに挑戦しようと思っていたんです」

聖來「ってことはもう5つも集めたんだ! すごいなあ。それじゃ……センパイ、胸、借りますっ!」

藍子「や、やめて下さいよ~」

聖來「あははっ! いけー、デルビル!」ポンッ

デルビル「デルッ!」

藍子「いくよ、サニーゴ!」ポンッ

サニーゴ「サニッ!」

デルビル ダークポケモン あく・ほのおタイプ
様々な鳴き声を使い分け、仲間とコミュニケーションしながら狩りをおこなう
チームワークの見事さはポケモン随一だ



14 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:55:38.01Nxbdv+tR0 (14/54)


聖來「あちゃー、相性が悪いなあ……でも頑張ろうね、デルビル!」

聖來「まずはかみなりのキバ!」

デルビル「デルッ!」

サニーゴ「サニ!」ガキンッ

聖來「避けないなんて度胸あるね! さすがですセンパイ!」

藍子「だ、だからセンパイ呼びはやめてくださいってば~」



15 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:56:03.59Nxbdv+tR0 (15/54)


ゴゴゴ……

聖來「!」

藍子「お返しです! げんしのちから!」

サニーゴ「サニ!」ビュン

デルビル「デルッ……!」ドドドド

聖來「あはは! やるなあ藍子ちゃん!」



16 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:56:33.96Nxbdv+tR0 (16/54)


藍子「追撃です! アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!」バシュゥ

聖來「躱して!」

デルビル「デルッ!」ヒョイ

聖來「いい感じに体力を減らしてくれてありがとね! デルビル、きしかいせい!」

デルビル「デルッ!!」バッ

サニーゴ「!!」ズドンッ



17 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:57:22.23Nxbdv+tR0 (17/54)


藍子「サニーゴっ!」

聖來「もらった! かみなりのキバ!」

デルビル「デルッ!」ガキンッ

サニーゴ「ッ……」

サニーゴ「サニッ……!」ズザァ

聖來「……そんな!」

藍子「『こらえる』です。私のサニーゴは簡単には倒れませんよ!」



18 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:57:51.57Nxbdv+tR0 (18/54)


藍子「アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!!」バシュゥ

ズドォンッ

デルビル「デルッ……」

バタンキュー

聖來「ああっ、デルビルっ!」



19 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:58:20.64Nxbdv+tR0 (19/54)


藍子「よし……サニーゴ、頑張ったね!」

サニーゴ「サニッ!」

聖來「やるなあ藍子ちゃん! でも私もここからだよ!」

聖來「ワンパチ、ゴー!」ポンッ

ワンパチ「ワパッワパッ!」

藍子「ワンパチ……だったら交代ですね」シュゥゥ



20 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:58:54.07Nxbdv+tR0 (20/54)


藍子「マホイップ、いくよ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」

聖來「おお、マホイップ! 可愛いなあ!」

聖來「よし、行くよワンパチ!」

ワンパチ「ワパッ――」



21 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 00:59:31.20Nxbdv+tR0 (21/54)


キャァァァァァァ

藍子「えっ!?」

聖來「な、なに? 今、向こうから悲鳴が……」

ガラッ

都「何事っ!?」

凛「今の悲鳴は!?」



22 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 01:00:13.11Nxbdv+tR0 (22/54)


藍子「凛さん! 都ちゃん! 私の後ろの方から聞こえてきたみたいなんですけど……」バッ

都「あっちは……ジムがある方角です!」

都「これは事件の予感……!」ダッ

藍子「あっ、都ちゃん! 待ってください!」

凛「藍子、追いかけよう!」ダッ

聖來「私も行くよ!」ダッ



23 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 01:01:29.80Nxbdv+tR0 (23/54)

次回は20時間後くらいに投下します。ここまでありがとうございました


24以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/19(土) 02:24:09.84dTEjuXCG0 (1/2)

乙 結構戦ってるぽいのに凛の手持ちポケモンレベル上がってないのね...


25以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/19(土) 07:04:18.41X2tx/JN9O (1/1)

こりゃ初期レベルが高過ぎて1レベル分の経験値が大量すぎるんだなきっと


26以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/19(土) 20:17:36.76wcV7/IhLO (1/1)

レイドでラッキー狩りや!


27 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:09:14.42Nxbdv+tR0 (24/54)

失礼、ちゃんとしぶりんも成長してますよ
以下訂正版↓

・ゲッコウガ ♂ Lv.75 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/みがわり
やんちゃなせいかく まけずぎらい
・ムクホーク ♂ Lv.74 いかく
ブレイブバード/インファイト/とんぼがえり/がむしゃら
いじっぱりなせいかく うたれづよい
・ドリュウズ ♀ Lv.74 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/みがわり
せっかちなせいかく ものおとにびんかん
・サンダース ♀ Lv.73 はやあし
かみなり/シャドーボール/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする
・サザンドラ ♂ Lv.74 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/かえんほうしゃ/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい
・チャーレム ♂ Lv73 ヨガパワー
とびひざげり/しねんのずつき/れいとうパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい

続き投下します




28 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:10:27.33Nxbdv+tR0 (25/54)



キルクスタウン ジム前


マケンカニA「マケーン!」ブゥン

ジグザグマ「ジグッ……」ドサッ

男性「あ、ああ……! オラの可愛いぐぅちゃんがっ!」

マケンカニB「マケマケー!」ドドドド

女性「ちょ、ちょっと……! 勝手に家に入ってこないでー!」

藍子「こ、これは……」

*マケンカニ けんとうポケモン かくとうタイプ
ハサミで弱点をガードしつつ隙をうかがい、パンチを放つ
マケンカニ同士の戦いはボクシングのようだ



29 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:11:17.11Nxbdv+tR0 (26/54)


聖來「マケンカニの群れ……!?」

都「そんな……マケンカニは暖かいアローラ地方にしか生息していないはずのポケモンです」

都「こんなに大量のマケンカニがなぜ町中に……」

凛「みんな、とにかくあのポケモンを止めよう!」チャキッ

藍子「そうですね。これ以上被害が出る前に抑えないと……!」

聖來「何がどうなってるのかわからないけど……わかった!」



30 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:11:48.65Nxbdv+tR0 (27/54)


凛「都、怪我人やポケモンをポケモンセンターに!」

都「はいっ!」タタタッ

凛「ムクホーク!」

藍子「マホイップ!」

聖來「ワンパチ!」



31 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:12:23.32Nxbdv+tR0 (28/54)


マケンカニC「マケーン!」ブウンッ

ムクホーク「ムクホー」ヒョイ

凛「後ろの分も一気に蹴散らすよ、ムクホーク!」

凛「ブレイブバード!!」

ムクホーク「ムクホー!!」ギュン

マケンカニC「!!」

ズドォンッ



32 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:13:04.16Nxbdv+tR0 (29/54)


聖來「ワンパチ、エレキフィールド!」

ワンパチ「イヌヌワンッ!」バリリリリ

マケンカニD「マケ……」ビリリ

マケンカニE「ケケケ……!」ビリリ

聖來「藍子ちゃん!」

藍子「はい! マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホ~」シャキーン



33 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:13:42.21Nxbdv+tR0 (30/54)


藍子「そしてマジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァァ

ドッカァァァン

聖來「……! すごい威力……さすがだね、藍子ちゃん!」

聖來「! 藍子ちゃん、後ろ!!」

藍子「っ……!」バッ

マケンカニF「マッケー!」ブウンッ

藍子「しまっ――」



34 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:14:13.78Nxbdv+tR0 (31/54)


ワンパチ「イヌヌワンッ!」

ドンッ

聖來「! 藍子ちゃん! ワンパチ!」

藍子「ううっ……ワンパチ、庇ってくれんたんだね。ありがとう!」

ワンパチ「ワパッワパッ」

マホイップ「マホ!」パァァァ

マケンカニF「!!」ズドンッ

聖來「ワンパチ、ナイスプレー!」



35 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:14:48.03Nxbdv+tR0 (32/54)


聖來「……それにしても、わざわざ死角から襲ってくるなんて、かなり賢いポケモンだね」

藍子「そうですね。……」

凛「……」

ムクホーク「ムクホー!」ズドンッ

マケンカニG「マケンッ」

マケンカニH「マケ」ガシッ

凛(! 吹っ飛ばしたマケンカニを、別のマケンカニがキャッチした……?)



36 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:15:36.02Nxbdv+tR0 (33/54)


マケンカニH「マケ!」ブウンッ

凛「!」

凛「ムクホーク!」

ムクホーク「ムクホー!」ドガガガ

マケンカニH「マケン……!」ドサッ

凛(……やっぱり。違和感の正体がやっとわかった)

凛(このマケンカニの集団は……ただ暴れていただけのタマゲタケやベロバーの群れとは違う)

凛(明らかに、統率された動きをしている……!)



37 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:16:10.69Nxbdv+tR0 (34/54)


凛(……前に森で麗奈と会ったとき。アイツはギルガルドを使って操っていたと言っていた。でもあの時のベロバー達はこんなにまとまった動きはしていなかった)

凛(なら、原因は一つ)

凛「藍子! 聖來さん!」

藍子「は、はい!」

聖來「凛ちゃん、そっちは大丈夫!?」

凛「なんとかね。それよりも……」



38 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:16:55.80Nxbdv+tR0 (35/54)


凛「このまま群れの相手をしていてもキリがない。どこかにいる、群れのリーダーを叩かないと!」

藍子「リ、リーダー?」

聖來「そんなのどこに――」

ズズッ

凛「! あそこだ!」

ドンッ

ケケンカニ「ケケーン」

*ケケンカニ けがにポケモン かくとう・こおりタイプ
アローラの頂点を目指し、雪山に迷いこんだマケンカニが進化した
ハサミの中に冷気を溜めてぶん殴る



39 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:17:24.80Nxbdv+tR0 (36/54)


藍子「す、すごい大きさ……!」

凛「協力して叩くよ!」

聖來「オーケー!」

凛「ムクホーク!」

ムクホーク「ムクホー!」ギュンッ

ケケンカニ「ケケーン!」ブウン

ムクホーク「ムクホー」ヒョイ



40 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:17:50.45Nxbdv+tR0 (37/54)


凛「よし……スキができた! 聖來さん!」

聖來「了解! ワンパチ、エレキフィールド!」

ワンパチ「イヌヌワンッ!!」バリリリリ

ケケンカニ「ケケーン!」ビリリ

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァァ

ズドォンッ



41 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:18:23.19Nxbdv+tR0 (38/54)


凛「よし……効いてる!」

凛「リーダーを無力化すれば、自然にチームワークも乱れるはず……」

聖來「! そうだ、後ろのマケンカニ達は――」

マケンカニI「ケンカ!」ブウンッ

聖來「ワンパチ!」

ワンパチ「ワパッ!」ドンッ

マケンカニI「ケンカ――」



42 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:18:54.23Nxbdv+tR0 (39/54)


マケンカニJ「カニー!」バッ

聖來「!? 仲間を盾にして……!?」

マケンカニJ「カニー!!」ブンッ

ワンパチ「ワパッ!?」

ドゴオッ

藍子「……! ワンパチ!」

ドサッ



43 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:19:31.68Nxbdv+tR0 (40/54)


ワンパチ「ワパッ……」

聖來「ワンパチッ!!」ダッ

凛「……!?」

凛「聖來さん、危ないッ!」

聖來「えっ――」

ワンパチ「ワパパパパ」ピヨピヨピヨ

ワンパチ「……」



44 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:20:21.72Nxbdv+tR0 (41/54)


ワンパチ「イヌヌワーーンッ!!」バリリリリ

聖來「うあっ……」ビリリ

凛「……!」ビリリ

藍子「エレキフィールド……!? か、身体が……!」ビリリ

凛(しまった……さっきワンパチが喰らったのは相手を混乱させる『ばくれつパンチ』だ)

凛(あのパンチを当てるために、わざと味方の後ろに隠れていたのか……!)



45 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:20:47.75Nxbdv+tR0 (42/54)


マホイップ「マホ……」ビリリ

藍子「マホイップっ……」

ムクホーク「ムクホー!!」バサッバサッ

凛(……そうだ、ムクホークだけは飛んでいたから痺れていない)

凛「ムクホーク……とにかくケケンカニを抑えて!」

ムクホーク「ムクホー!」バサッ

凛「イン……ファイト!!」



46 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:21:19.03Nxbdv+tR0 (43/54)


ムクホーク「ムクホー!!」

ガキンッ

凛「!?」

ケケンカニ「ケケーン」キィン

凛「しまった、『まもる』……!」

ケケンカニ「ケケーン!!」

ブウンッ



47 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:21:54.65Nxbdv+tR0 (44/54)


ムクホーク「!!」

ズドォォォォン

ムクホーク「ムクホッ……」

凛「ムクホーク!!」

藍子「ああっ……!」

聖來「うっ……お願い、ワンパチ……目を覚まして!」

ワンパチ「ワパパパパ」ピヨピヨ



48 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:22:36.34Nxbdv+tR0 (45/54)


マケンカニK「マケマケ!」

マケンカニL「マケーン!」

ドドドドド

凛(しまった、挟み撃ちにされてしまった……)

ケケンカニ「ケケーン」ズゥン

凛(……! ケケンカニが、目の前に……)

聖來「いけない……凛ちゃん、逃げて!!」

凛「……うっ……」ビリリ



49 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:23:19.65Nxbdv+tR0 (46/54)


ケケンカニ「ケケーン」ググッ

藍子「……!!」

藍子(だ、だめだ……このままだと、凛さんが……)

藍子(でも私も……痺れて動けない……)

藍子(他のポケモンを出せば……いや、凛さんのポケモンが倒されたばかりなのに、私に止められるかどうか――)

ケケンカニ「ケケーン!!」ブウンッ

聖來「いやああっ!!」



50 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:23:52.10Nxbdv+tR0 (47/54)


藍子「!!」

藍子(……なんとか……しないと……)

藍子(なんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないと――)

藍子(……でも、どうすれば――)



51 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:24:19.96Nxbdv+tR0 (48/54)


カタカタカタ

藍子(……?)

藍子(……サニーゴ……?)

藍子(……!)

藍子(……そうだ。もう、こうするしか……)

チャキッ

藍子(……これだ!!)



52 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:24:47.98Nxbdv+tR0 (49/54)


藍子「聖來さん、伏せてください!」

聖來「えっ……!?」バッ

藍子「お願い……凛さんを助けて!」

藍子「タイマーボール!!」



53 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:25:15.42Nxbdv+tR0 (50/54)


ブンッ

ケケンカニ「!!」ボムッ

凛「……!?」

ボサッ

コロン……コロン……コロン……


カチッ



54 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:25:43.81Nxbdv+tR0 (51/54)


マケンカニ達「……!?」ハッ

マケンカニM「マケンカ……?」

マケンカニN「マケ……」

マケンカニO「マ、マケーッ」

ザザザザ

聖來「……マケンカニ達が散り散りに……」



55 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:26:57.34Nxbdv+tR0 (52/54)


ワンパチ「……ワパッ?」ケロッ

聖來「!! ワンパチ、混乱が解けたんだね!」

藍子「あ……」

藍子「……っ」ドサッ

聖來「あ、藍子ちゃんっ!」

凛「藍子っ!」

ガバッ



56 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:27:51.86Nxbdv+tR0 (53/54)


藍子「あ……凛さん……ごめんなさい、震えが……止まらなくて……」ガタガタ

凛「藍子……」

藍子「わ、私……凛さんが、凛さんがいなくなっちゃうと、いなくなっちゃうと思って……!」

藍子「……こ、怖かった……!!」ブワッ

凛「ううん……もうしゃべらなくていい」

凛「藍子……助けてくれて、ありがとう」ギュッ

藍子「うっ……うっ……!」


ケケンカニが手持ちに加わった!



57 ◆7P/ioTJZG.2020/09/19(土) 21:30:01.75Nxbdv+tR0 (54/54)

騒動の末、ケケンカニを沈めたことで難を逃れた一行
はたしてこのポケモン達はどこからやって来たのか――まさかジムから――?

藍子を咄嗟の閃きに導いたのはあの時ゲットしたサニーゴでした、ということですね
そしてまさかのケケンカニゲット。しかし凛のポケモンを屠るほどの実力、藍子に使いこなせるか
それとも……?

次回からは毎週週末に更新します。早ければ金曜の夜には更新できるかも
ここまでありがとうございました



58以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/19(土) 21:41:14.73dTEjuXCG0 (2/2)

乙 意外と凛って群れバトルに慣れてないね...エレキフィールドで麻痺になるのは仕様?


59以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/19(土) 23:20:19.594ZeXVWqnO (1/1)

これキョダイレイド来たらどーするの(あれ基本的四人必要)


60以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/20(日) 13:38:33.95PTa4VrED0 (1/1)


ケケンカニ加入で藍子のパーティー完成間近かラストは何が加入するんかね


61 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:29:52.28uTWeRgtP0 (1/39)

エレキフィールドは本気を出せば広範囲型でんじはみたいな応用が利くんじゃないかという解釈ですね
レイドはまあまだまだ先の話ですのでお楽しみに

投下します


62 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:31:07.28uTWeRgtP0 (2/39)


ポケモンセンター

藍子「ふうっ……」ストン

都「藍子さん、検査は大丈夫でしたか?」

藍子「……はい。異常なしって言われました。ありがとうございます」

藍子「凛さんと聖來さんは?」

都「先ほど治療室に呼ばれました。ポケモンの技……しかもでんき技を受けたのですし、あちらも慎重な検査が行われるのでしょう」

都「まさか私が離脱している間にこんな事態になっていたとは……とにかく、藍子さんは無事で何よりでした」



63 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:31:48.33uTWeRgtP0 (3/39)


藍子「……」

都「……町の人たちから聞き込みを行った結果、いくつかの事実が判明しました」

都「やはりあのマケンカニの群れは、ジムの目の前から急に現れたそうです」

都「ただ……現れたといっても、トレーナーが放ったのか、どこかに隠れていて飛び出してきたのか、そこまではわかりませんでした」

都「はっきりとしていることは、マケンカニはガラル地方には生息していないということです。どう考えても、野生のポケモンである可能性はゼロに近いでしょう」



64 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:32:43.30uTWeRgtP0 (4/39)


都「そしてもう一つ。ジムリーダーの泉さんについて、です」

都「どうやら今日はジムの公休日だったらしいのですが、そんな時でも泉さんはあまり町で見かけることはないそうです。ジムに篭って、ポケモンの訓練をしたり趣味に没頭しているとのことでした」

都「つまり、あの時泉さんはジムの中にいた可能性が高いです」

藍子「ジムの、中に……」

都「……藍子さんが仰りたいことはわかります。ならどうして、ジムの外での事態に気づかなかったのか……」

都「そしてこんな騒ぎが起きてもなお、なぜ町の人の前に出てこないのか……ですよね?」

藍子「……はい」



65 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:33:22.51uTWeRgtP0 (5/39)


都「……たしかにそれは気になるところです」

都「ただ……藍子さん。これだけは断言させて下さい。泉さんは、決して困っている人を放っておくような人ではありません。何か事情があったはずなんです」

藍子「……」

藍子「……都ちゃん」

都「は、はい」

藍子「私、今からジムに行ってきます」

都「!? ちょ、ちょっと待ってください……!」



66 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:34:26.13uTWeRgtP0 (6/39)


都「泉さんは、以前もこの町でポケモンが暴れたとき、すぐに駆けつけてくれたと聞いています。今回だってそうしたはずなんです!」

藍子「……都ちゃんの言うことはわかります。私だって、簡単に誰かを疑いたくない」

藍子「でも……頭でわかっていても、抑えられないことだって……私にはあるんです」グッ

都「藍子さん――」

藍子「だって……凛さんが、私たちの目の前から……いなくなっていたかもしれないんですよ……!?」キッ



67 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:34:55.17uTWeRgtP0 (7/39)


都「……!!」

ダッ

都「……藍子さんっ……!」

都(……止められなかった)

都(いや、あの目は……止めても無駄だったのかもしれない)

都(……)



68 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:35:38.10uTWeRgtP0 (8/39)


キルクスジム

藍子(……)チャキッ

藍子(ケケンカニ……あなたは、いったいどこから来たの……?)

藍子(本当に、ジムリーダーの元にいたポケモンだったの……?)

ガラッ

藍子「やっぱり無人だ……灯りもついていない」

藍子「人がいないジムって、こんなに寂しいんだ……」



69 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:36:16.38uTWeRgtP0 (9/39)


藍子「……?」

藍子「奥から……灯りが漏れてる?」

藍子「あの扉の奥って……」

ガラッ

藍子「!」

コンピューター『……ヨウコソ、チャレンジャー。ココハキルクスジムデス』



70 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:37:39.10uTWeRgtP0 (10/39)


コンピューター『当ジムデノチャレンジ内容ヲ、簡潔ニ説明イタシマス』

ピピッ

コンピューター『タダ今ヨリコノ画面ニ、様々ナ図形ガ表示サレマス。その図形ヲ素早ク正確ニ――『ヒトフデガキ』シテクダサイ』

藍子「ヒトフデガキ……?」

コンピューター『問題ハ全40問デス。ナオ、開始カラ5分ゴトニポケモントノバトルモゴザイマス』

コンピューター『ソレデハ……用意、スタートッ』ピピッ

藍子「え、ええっ?」

藍子(そもそもどうしてジムが開いていないのに課題に挑めるの……?)

藍子(……でもこれをクリアしないとジムリーダーの所へは行けない……)

藍子「よしっ……!」グッ



71 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:38:29.76uTWeRgtP0 (11/39)


スタジアム

藍子(……)ザッザッ

パッ

藍子(! スタジアムに灯りが……)

ザッザッ

泉「……誰?」



72 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:40:11.03uTWeRgtP0 (12/39)


泉「今日はジムは休みなのよ。それなのに課題もクリアして、ここまで来るなんて……」

藍子「……あなたが、キルクスタウンのジムリーダーですか」

泉「ええ、そうよ。私はキルクスのジムリーダー、泉。……あなたは?」

藍子「私は藍子です。ジムチャレンジャーです」

泉「……はあ。さっきも言ったけど、今日は休日なの。ロビーだって誰もいなかったでしょ?」

泉「コンピューターはこの後点検する予定だったから、電源は点けていたんだけど……それにしても、どうして引き返さなかったの?」

藍子「聞きたいことがあるからです」



73 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:40:59.96uTWeRgtP0 (13/39)


泉「聞きたいこと?」

藍子「さっき、ジムの前でマケンカニの群れが暴れていました。ケガをした人やポケモンもいましたし……私の大切な人も、危険な目に遭いました」

泉「……」

藍子「答えてください。あれは、あなたの仕業ですか?」

泉「……」

泉「違うわ」

藍子「!」



74 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:41:36.42uTWeRgtP0 (14/39)


泉「……だけど、なぜ違うと言えるのか証明できるものを、今の私は持っていない。だからあなたが私を疑うことは、何もおかしくないわ」

藍子「……それなら……」

藍子「なぜジムの中から出てこなかったんですか……? なぜ街の人を助けようとしなかったんですか……!?」

泉「……」

泉「ところであなた、ジムチャレンジャーだったよね?」

藍子「え……?」



75 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:42:50.14uTWeRgtP0 (15/39)


泉「そうね……私に勝てたら、その理由、教えてあげるよ」チャキッ

藍子「……!!」

藍子「どうして……どうして戦わなきゃいけないんですか! 私はただ真実を知りたいだけで――」

泉「あなた、チャレンジャーなんでしょ?」

泉「どんな事情があったにせよ、今のあなたと私の関係はチャレンジャー対ジムリーダー……このスタジアムに立っている限りは、そうなのよ」

藍子「……!」

泉「さあ、いくよ」


ジムリーダーの泉が勝負をしかけてきた!



76 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:43:44.34uTWeRgtP0 (16/39)


泉「ルールはシンプルに、使用ポケモン3匹。全滅したら終了だよ」

泉「そうそう、ダイマックスも使っていいよ。まあ、私は使う予定はないけど」

泉「それじゃ……いくよ、デリバード!」ポンッ

デリバード「デリ!」

デリバード はこびやポケモン こおり・ひこうタイプ
巣で待つヒナたちのため、1日中エサを運んでいる
ジョウト地方では伝説のポケモンと対峙したデリバードが語り継がれている

藍子「っ……マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」



77 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:44:18.38uTWeRgtP0 (17/39)


藍子(……どうやらここのジムリーダーはこおりタイプ専門みたいだ)

藍子(デリバード……いったい何をしてくるんだろう。まずは様子見……かな)

藍子「マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホ」シュシュシュシュ

マホイップ「マホ~♪」シャキーン

泉「へえ……自分自身をデコレーションするんだ。面白い戦い方だね」



78 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:44:46.93uTWeRgtP0 (18/39)


泉「デリバード、あられ!」

デリバード「デリ!」パァァ

ヒュォォォォォ

藍子(……相手も様子見をしてきてるのかな)

藍子「よし、マホイップ! 攻めるよ!」

藍子「マジカルシャイン!」



79 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:45:35.77uTWeRgtP0 (19/39)


マホイップ「マホ~」ピッカーン

泉「デリバード、オーロラベール!」

デリバード「デリ!」

バシィィィ

藍子「!? 攻撃が止められてる……!」

泉「オーロラベールはあられが降っているときにしか出せない……その代わり、強力なファイアウォールを生み出せる技だよ」

泉「これで最初の役目は終わりだね。デリバード、戻って」シュゥゥゥ



80 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:46:21.46uTWeRgtP0 (20/39)


藍子「……交代……?」

泉「ありがとう。そっちが攻めてこなかったおかげで、私の理想のフィールドが完成したよ」

泉「……次、いくよ! ウオチルドン!」ポンッ

ウオチルドン「ウオオー」

ウオチルドン かせきポケモン みず・こおりタイプ
頭が上下逆さで口が頭の上にあり、獲物を食べづらい
この姿が本来の姿であったかどうかは未だ疑わしい

藍子(あ、頭が上下逆さ……!? なんでそうなっちゃったんだろ……)

藍子(……って考えてる場合じゃない!)



81 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:47:33.21uTWeRgtP0 (21/39)


藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァ

バシィィィ

藍子「……! またオーロラベールに弾かれた……!」

ウオチルドン「ウオオー」ケロッ

泉「どうしたの? 攻撃、届いてないみたいだね」

藍子「くっ……」



82 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:48:10.42uTWeRgtP0 (22/39)


藍子(さっきの反応からして相手はマホイップの戦法を見るのは初めてだったはず)

藍子(なのに全く動揺せず対策を仕掛けてくるなんて……さすがジムリーダーだ)

藍子(……だけど、私は諦めない!)

藍子「マホイップ、もう一度デコレーション!」

マホイップ「マホ!」シュシュシュシュ

泉「懐ががら空きだよ! ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー」バッ



83 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:48:45.01uTWeRgtP0 (23/39)


藍子「!」

泉「つららおとし!」

ウオチルドン「ウオオー!」ヒュォォォォォ

ガチンッ

藍子「! あんな巨大な氷柱を一瞬で……!」

ウオチルドン「ウオオー!」ブンッ

ドゴオッ



84 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:49:19.97uTWeRgtP0 (24/39)


マホイップ「マホ……!」ドサッ

藍子「マホイップ!」

泉「驚いた? ウオチルドンは周囲の空気を凍らせることで、すぐに巨大な氷柱を作り出せる。たとえあられが降っていなくてもね」

マホイップ「マホ……!」バシバシ

藍子「っ……そうだ、あられのダメージも……」

藍子(でもこれで……攻撃が通るはず!)



85 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:49:48.77uTWeRgtP0 (25/39)


藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

泉「受け止めて!」

ウオチルドン「ウオオー」

藍子「!」

バシィィッ

ウオチルドン「ウオオー」ケロッ



86 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:50:35.82uTWeRgtP0 (26/39)


藍子「そんな……顔に直撃したのに!」

泉「逆ね。この頑丈な顔面だからこそ攻撃を受けることができた。正面からの攻撃は、ウオチルドンには通用しないよ」

ウオチルドン「ウオオー」パァァ

泉「それに『アイスボディ』の特性もあるから、ウオチルドンは実質無傷に近いわ。マホイップにはもう手出しはできない」

泉「……さあ、この状況、あなたならどうする?」

藍子「っ……」



87 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:52:18.93uTWeRgtP0 (27/39)


藍子(頑丈な顔、オーロラベールの守り、それにアイスボディ)

藍子(泉さんの言うとおり、あのウオチルドンを攻略するには、何とかして正面以外から攻撃を当てていかないと……)

藍子(……)

藍子「……泉さん、マホイップには手出しはできないって言いましたよね」

藍子「その言葉……今からひっくり返してみせます!」



88 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:52:58.30uTWeRgtP0 (28/39)


泉「へえ、そう。なら……やってみせてよ」

泉「ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」

藍子「あれは……またつららおとしだ!」

藍子「マホイップ、マジカルシャインで氷柱を砕いて!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

バシィィィ



89 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:54:13.49uTWeRgtP0 (29/39)


ウオチルドン「ウオッ……」

バキィッ!!

ウオチルドン「!!」

藍子「よし、スキができた!」

藍子「マホイップ、横に回り込んで!」

マホイップ「マホ!」バッ

泉「向き直ってアクアブレイク!」

ウオチルドン「ウオッ」クルッ



90 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:54:45.58uTWeRgtP0 (30/39)


ウオチルドン「ウオオー!!」バシュゥ

マホイップ「!!」ドゴオッ

藍子「マホイップッ!」

マホイップ「マホ……!」ズザァ

泉「追撃よ! つららおとし!」

藍子「マホイップ、避けて!」



91 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:55:32.52uTWeRgtP0 (31/39)


マホイップ「マホッ……!」サッ

バシバシ

泉「逃げ続けてもいずれはあられのダメージで力尽きるだけだよ!」

藍子「っ……」

藍子「私たちは逃げてなんかいません……そうだよね、マホイップ!」

マホイップ「マホッ!」



92 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:56:10.09uTWeRgtP0 (32/39)


泉「……虚勢を張るのは得意なんだね。ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」バシュゥ

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

ズドンッッ

ウオチルドン「ウオッ……」ズザァ



93 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:56:38.76uTWeRgtP0 (33/39)


泉「……さすがに2回もデコレーションをかけているだけあって、相当なパワーね」

泉「でもこれで終わり。ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」ヒュォォォォ

泉「つららおとし――」

泉「!?」

ヒュォォォ……ォォ……



94 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:57:29.52uTWeRgtP0 (34/39)


泉「うそ……!? 氷柱ができるまで、こんなに時間がかかるなんて……!」

藍子「マホイップ!」

マホイップ「マホッ!」

泉「しまっ……」

藍子「懐ががら空きですよ! マホイップ!」

藍子「マジカルシャイン!!」



95 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:58:33.20uTWeRgtP0 (35/39)


マホイップ「マホ~」ピッカーン

ズドンッッ

泉「この香り……そうか。攻撃を避けている間にも『あまいかおり』をたっぷり嗅がせて、ウオチルドンの集中力をすり減らしていたんだ」

ウオチルドン「ウオオー……」バタンキュー

泉「……なるほど、逃げていなかったのは本当のことだったんだね」

藍子「はいっ!」



96 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 22:59:30.53uTWeRgtP0 (36/39)


泉「……一本取られたよ。ちょっとあなたのこと、甘く見すぎていたみたいだね」

キッ

泉「……デリバード!」ポンッ

デリバード「デリ!」

フッ

藍子(……オーロラベールが消えた!)

藍子(そしてこのタイミングでデリバード……またオーロラベールを張ってくるんだろう)

藍子(なら、その前に……倒す!)

藍子「マホイップ、マジカルシャイ――」



97 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 23:00:07.39uTWeRgtP0 (37/39)


泉「おきみやげ!」

藍子「……!?」

デリバード「デリ」ポーイ

マホイップ「!!」シュゥゥゥゥ

デリバード「デリ」バタンキュー

藍子「そんな、おきみやげって……!」

泉「さすがに今度のは耐えられなかっただろうしね……いい活躍だったよ、デリバード」



98 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 23:00:45.17uTWeRgtP0 (38/39)


泉「これで私は最後の一匹……でも関係ないね。勝機は見えてる」

泉「さあバリコオル、出番だよ!」ポンッ

バリコオル「バリヴァーリッ」

バリコオル コメディアンポケモン こおり・エスパータイプ
氷でできたステッキを振り軽やかなステップを披露する
お腹の模様からサイコパワーを放出する



99 ◆7P/ioTJZG.2020/09/25(金) 23:03:40.35uTWeRgtP0 (39/39)

思わせぶりな態度で勝負をけしかけてきた泉に対抗する藍子
ここまで3対1と善戦し、残すはエース・バリコオルのみだが……?

泉は唯一ダイマックスを使わないジムリーダーです
理由はまあネズさんと同じ感じだと思ってくれれば
ダイマックスなぞ使わなくとも十分強いトレーナーもいるんだぞということを藍子にたっぷり叩き込んでもらいます

デリバードの図鑑説明文はポケスペ知ってる人なら心当たりがあるはず

次回はまた来週。お疲れさまでした



100以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/25(金) 23:07:15.21osZ+AI9N0 (1/1)

乙 ウリムーも語り継がれてそうね...


101以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/26(土) 00:02:20.14O4Fe9KCiO (1/1)

でもこれだとスパイクタウンにダイマックススポットが存在することになってしまうぞよ


102以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/26(土) 00:13:20.21llvFCxYj0 (1/1)

メガ進化をたまちゃんがやってたからたまちゃんもダイマックスを使わないジムリーダーなんじゃねと思ったがね
あと未登場のZ技の使い手っていないんかね?


103以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/09/27(日) 11:51:02.77pfWVWKKg0 (1/1)


躊躇なくおきみやげ使用するとか泉は作中にあまりいないタイプのトレーナーだな
以前登場したのはダブルバトルで周子のゾロアークが使ってた位か


104 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:12:05.47rhbLUZGX0 (1/35)

>>102 一応珠ちゃんもダイマックスバンドは所持していますが、あくまでメインはメガシンカという設定ですね
今後登場予定のZワザ使いもそんな感じです

投下します


105 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:12:36.75rhbLUZGX0 (2/35)


藍子(バリコオル……あれが最後の一匹……!)

藍子(とにかくまずは、おきみやげで下げられた能力を戻さないと)

藍子「マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホッ――」



106 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:13:05.40rhbLUZGX0 (3/35)


泉「計算通り! バリコオル、まねっこ!」

バリコオル「バリヴァーリッ!」

シュシュシュシュ

マホイップ「マホ!?」

藍子「!?」

藍子(デ、デコレーションをまねっこ……!?)



107 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:13:50.21rhbLUZGX0 (4/35)


バリコオル「バリヴァーリ」シャキーン

藍子「……! 雪の結晶で自分を着飾った……!」

泉「ふふっ。まねっこは直前に相手が出した技をコピーする技」

泉「あなたのことだから、次のターンはおきみやげで崩れた体勢を必ず立て直そうとする……そう思ったわ」

藍子「……!」



108 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:14:19.31rhbLUZGX0 (5/35)


泉「おかげでバリコオルも能力を上げられたよ、ありがとう」

泉「……せめて最後は、派手に打ちのめしてあげるわ。バリコオル、ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!!」

ビュォォォォォ

藍子「っ……! マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ――」

ビュォォォォォ

藍子「! マホイップ……!!」



109 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:14:50.13rhbLUZGX0 (6/35)


マホイップ「」カチーン

泉「アイスクリームの出来上がり、ね」

藍子「マ、マホイップ、戻って下さい!」シュゥゥ

藍子「……サニーゴ!」ポンッ

サニーゴ「サニー!」

藍子(……サニーゴは受けてから攻める戦い方だけど、今はそんな悠長なことをしている暇はない……!)



110 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:15:22.31rhbLUZGX0 (7/35)


藍子「サニーゴ、アクアブレイク!」

サニーゴ「サニ!!」バシュゥ

泉「……単調な攻撃ね。バリコオル!」

バリコオル「バリヴァーリ!」

タンッ

サニーゴ「サニ!?」

藍子(! ステップで躱された……!)



111 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:16:36.18rhbLUZGX0 (8/35)


藍子「サニーゴ、もう一度!」

泉「何度やっても無駄よ」

バリコオル「バリヴァーリ!」タンッ

サニーゴ「!!」スカッ

藍子「……攻撃が当たらない……!?」

泉「……バリコオルは常に独特のステップを踏んでいるポケモンよ。今立っている場所に、1秒後も立っているとは限らない」

泉「バリコオル、さっさと終わらせるわよ」

藍子「それならこれはどうですか……サニーゴ、げんしのちから!」

サニーゴ「サニ!」ゴゴゴゴ

サニーゴ「サニー!」バッ



112 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:17:11.61rhbLUZGX0 (9/35)


泉「……そんなの、目を閉じていても躱せるわ」

バリコオル「バリヴァーリッ」ヒョイッ

ズガンッ

藍子「サニーゴ、そこです!」

サニーゴ「サニー!」バシュゥ

ガンッ

グイッ

泉「!」

藍子「今度こそ! アクアブレ――」



113 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:17:53.26rhbLUZGX0 (10/35)


泉「サイコキネシス!」

バリコオル「バリヴァーリ!」グワンッ

サニーゴ「サ……サニ!?」グググッ

藍子「!!」

泉「反射を利用して速度を上げる……咄嗟にしてはいい作戦だったと思うよ」

泉「……バリコオル!」

バリコオル「バリヴァーリ!」ブゥン

サニーゴ「!!」

ドゴオッ

サニーゴ「サ、サニ……」

泉「……ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!!」

ビュォォォォォォォ



114 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:18:41.46rhbLUZGX0 (11/35)


藍子「っ……!」

サニーゴ「サ、サニ……!」

サニーゴ「」カチーン

藍子「そ、そんな……!」

藍子「サニーゴ、戻って!」シュゥゥ

藍子(……あっという間に追いつかれた……!)

藍子(……強い。しかも今までのジムリーダーとは違う。ただ強いだけじゃなくて、相手の戦法すらも取り込む強さがある……)

藍子(……)



115 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:19:48.17rhbLUZGX0 (12/35)


泉「……どこを見ているの? まだ勝負は終わっていないよ」

藍子「……」

藍子(……いつも、ピンチの時にこうしてスタジアムの客席に目を向けたら)

藍子(そこには凛さんが座っていて……大丈夫、ってサインを送ってくれていた)

藍子(思えば凛さんは、いつも私の正面の席に座ってくれていた。私がキョロキョロしなくても見つけられるように。私が迷ったときの、道標になるように)

藍子(……今日は、凛さんはいない。だから……私だけの力で、乗り越えないと)

チャキッ

藍子「……最後の一匹、相性は悪いですけど……まだ諦めません! ゴリランダー!」ポンッ



116 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:20:40.95rhbLUZGX0 (13/35)


凛「……クシュンッ」

聖來「凛ちゃん、大丈夫?」

凛「……う、うん。誰かが噂してるのかな……なんて」

凛「……だいぶ長いこと検査されたけど、たいしたことはなかったね。今も腕は少し痺れてるけど」

聖來「凛ちゃん……ごめんね。私がもっと周りを見ていればよかったんだけど」

凛「ううん、もういいよ。それより……藍子は?」



117 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:21:32.61rhbLUZGX0 (14/35)


都「藍子さんなら、ジムに向かわれました」

凛「ジム?」

凛(まさかジムチャレンジに? いや、でもこの状況でチャレンジに挑むなんて……あり得ないか)

凛(それに私の記憶が正しければ、今日はジムは開いていなかったはず)

凛「……そうだ、この町のジムリーダーは? 今どこで何をしているの?」

聖來「……! たしか、マケンカニ達はジムの前を陣取っていたんだよね」

都「ええ、実は――」

カクカクシカジカ



118 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:22:07.10rhbLUZGX0 (15/35)


凛「……じゃあ藍子は、ジムリーダーに直接問い質しに行ったってこと?」

都「はい。私は止めたのですが……」

凛(……藍子がそんな感情的な行動をとるなんて)

凛「でも、確かに妙だね。どうしてジムリーダー……泉は、どうしてまだ姿を見せていないんだろう」

聖來「町の人たちから不審に思われるかもしれないのにね……」

凛「ただ……都。さっきマケンカニ達は野生のポケモンじゃないって言ったけど、それは違うと思う」

都「どうしてですか?」



119 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:22:59.35rhbLUZGX0 (16/35)


凛「藍子はリーダー格だったケケンカニをゲットしたんだ」

都「!! では、やっぱり野生のポケモンだということですか……!?」

凛「かもね……とにかく、私たちもジムに行ってみよう。泉を疑っているわけではないけど、このままじゃ釈然としない」

聖來「うんっ」

都「は、はい……」

??「……あ、いたいたっ! 都さあーーんっ!!」

都「!? あ、あなた……!」



120 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:23:30.48rhbLUZGX0 (17/35)


藍子「ゴリランダー、力を貸して!」シュゥゥ

グンッ

藍子「っ……キョダイ、マックス……!!」

ブゥンッ

カッ

ズドォォォォォォン

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ」



121 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:24:30.06rhbLUZGX0 (18/35)


泉「……へぇ、キョダイマックスするゴリランダーなんて初めて見たよ」

泉「怖気ないで、バリコオル。これはむしろ私たちには好都合なんだから」

バリコオル「バリヴァーリッ」

藍子「……?」

フッ

泉「ちょうどあられが止んだね。普通ならふぶきの命中精度が落ちてしまうけど」

泉「的が大きくなったんだから、外す方が難しいわ。……バリコオル、フルパワーでいくよ」



122 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:25:35.16rhbLUZGX0 (19/35)


バリコオル「バリヴァーリッ」

藍子「! ゴリランダー、気をつけて!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

ボコッ

泉「遅い! ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリ!!」

ビュォォォォォォォ

ゴリランダー「ゴリィィィィ……!!」

藍子「ゴ、ゴリランダー!」

藍子「負けないで、ゴリランダー! キョダイコランダ!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

グワッ



123 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:26:36.95rhbLUZGX0 (20/35)


泉「……これは避けられそうにないか」

泉「バリコオル、サイコキネシスで浮上して!」

バリコオル「バリヴァーリ!」フワワッ

泉「足元にふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリ!!」ビュォォォォ

ゴゴゴゴゴゴ

藍子「!! そんな……根っこが!」

ゴゴ……ゴゴ……

ガチンッ

藍子(そんな……キョダイマックス技が止められた!?)

バリコオル「バリヴァーリ」ズンッ

泉「……これで勝負あった、かな。攻撃は最大の防御……もうあなたはバリコオルを攻撃することはできない」



124 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:27:47.08rhbLUZGX0 (21/35)


藍子「……まだ、まだ……諦めません!」キッ

泉「! ……あなた、どうしてそこまで……」

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

グワッ

泉「無駄よ、バリコオル! ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!」ビュォォォォォ

藍子「ゴリランダー、根っこで壁を作って!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ゴゴゴゴゴゴ

バチィィィィ

泉「なるほど、その根っこ、守りにも使うんだね」

泉「でも……」

カチーン



125 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:28:22.02rhbLUZGX0 (22/35)


泉「あらかた凍りついてしまったようね。これじゃ――」

藍子「ゴリランダー、叩き割って!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィ!!」ズガンッ

……ビキッ

ビキビキビキビキ

泉「……!」

ズガァァァァァン



126 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:29:06.02rhbLUZGX0 (23/35)


バリコオル「バリ……!?」

泉「! 砕けた氷の破片が降り注いでくる……!」

バリコオル「バリッ……!!」ドドドドド

泉「バリコオルっ!」

藍子「今です……ゴリランダー!」

藍子「キョダイコランダ!!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

グワッ

バリコオル「……!!」

ズガァァァァァン

泉「っ……」

バリコオル「バリヴァーリ……」バタンキュー



127 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:29:47.70rhbLUZGX0 (24/35)


泉「……負けたわ」

藍子「……なら」

藍子「泉さん……教えてください。あなたはここで、一体何をしていたんですか……?」

泉「……それは」


「いずみちゃあああーーーんっっ!!」



128 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:30:45.48rhbLUZGX0 (25/35)


藍子「!?」バッ

泉「……さ、さくらっ!」

さくら「いずみちゃあああーーんっ!!」ダダダダダ

ガバッ

泉「わっ……」

さくら「わ、わたし、あのまま雪だるまになっちゃうと思って……」

さくら「こ、怖かったよおおーー!!」ビエエエン



129 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:31:14.75rhbLUZGX0 (26/35)


泉「……よかった、ちゃんと町に着いたんだね。ていうか痛いよ、さくら」

泉「……よかった……」ギュッ

藍子「え……え……?」

凛「藍子!」

聖來「藍子ちゃんっ!」

都「藍子さん!」

藍子「あ……皆さん」

藍子「あの、これは一体どういう……」



130 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:31:59.37rhbLUZGX0 (27/35)


さくら「……藍子さん」

藍子「は、はいっ」

さくら「全部……わたしが悪かったんです。ごめんなさいっ!」ペコッ

藍子「……?」

泉「……ごめん、混乱してるよね。順を追って説明するね」

泉「その前に、この子はさくら。今は都ちゃんの助手をやっている、私の親友」

泉「この子がちょっと訳ありでこの町に向かってて……って、都ちゃんがいるなら事情はだいたい知ってるか」

藍子「……はい。例の事件のことですよね」



131 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:33:35.65rhbLUZGX0 (28/35)


泉「うん。……ただ、町に来る途中に迷ってしまったみたいで。さくらは方向音痴だし、雪の中を長時間歩くのは危険だから、私がずっとビデオ通話で道案内をしていたの」

都「おそらく、私が電話をかけた直後だったのでしょう。私は『道が分かりそう』と言われたので、一度通話を切っていたんです」

さくら「ぜ、全然わかっていなかったですぅ……」

泉「……正直、外が騒がしくなっていることは気づいていた。どういう状況だったのかすごく気がかりだったし、出ていかなきゃって思っていた」

泉「でもあそこで通話を切ってしまったら、さくらは取り残されてしまっていた。独りにするわけにはいかなかったんだ」

聖來「……さくらちゃんのことを、優先していたんだね」



132 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:34:20.30rhbLUZGX0 (29/35)


泉「……うん。さくらが無事と分かった時には、もう外の騒動は収まっていた」

泉「ニュース速報で町の様子が流れたとき、私は取り返しのつかないことをしてしまったと気づいたんだ。……正直、外に出て誰かと会うのも怖かった」

泉「それで、とにかく何があったかを他のジムリーダーに報告しようと準備していたら、あなたがスタジアムに来たってわけ」

凛「私と聖來さんと都は検査が終わった時にさくらと合流したんだ。そこでさくらが泉に道を聞いていたこと、藍子がジムに行ったことを聞いて、もしかしたら藍子は勘違いをしているんじゃないかって、追いかけてきたんだ」

藍子「……そうだったんですか」



133 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:34:55.36rhbLUZGX0 (30/35)


泉「仕方がなかった……なんて、無責任な言い訳だよね」

泉「誤解が生まれるのは当然のことだったと思う。……本当に、ごめんなさい」

藍子「……ちょっと待ってください。それじゃあ」チャキッ

藍子「このケケンカニは、さっきジムの前で暴れていたポケモンです。このポケモンは……あなたのジムのポケモンではないんですか?」

泉「ケケンカニ……? いいえ、違うわ。そのポケモンは、私のもとにはいない」

藍子「じゃあ、いったい――」



134 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:35:40.20rhbLUZGX0 (31/35)


泉「暴れていたポケモンは私とは無関係だよ。……だけど、そのポケモン達が一体どこから来たのかは説明できない」

泉「ジムの前から現れたんだから関係あるんじゃないかって思うかもしれないけど、本当に私は何も知らないんだ。『ジムの前にいたけどジムのポケモンじゃない』なんて言っても、皆をさらに混乱させるだけだと思った」

泉「さっき、『私はやってないって証明できない』って言ったのはそういうこと。それもジムから出られなかった理由の一つ、かな」

藍子「……」

凛「泉なら、信用してもらえるよ」

泉「!」



135 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:36:24.34rhbLUZGX0 (32/35)


凛「たしかに証拠はないかもしれないけど、前に一度、同じことがあったときにみんなを助けていたんでしょ?」

凛「それに、優先順位がどうだったかはわからないけど……こうして親友のピンチを救ったんだ。誠実に話せば、きっとみんなわかってくれる」

泉「……そうね。私は逃げていたのかもしれない」

泉「勇気を出して、町の皆に真実を打ち明けることにするわ」

凛「うん、きっとそうした方がいいよ」

聖來「……ふう、よかったっ」

都「? 聖來さんどうかしました?」



136 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:37:59.66rhbLUZGX0 (33/35)


聖來「だって、都ちゃん言ってたじゃない。泉ちゃんは困っている人を放っておくような人じゃないって。その言葉、本当だったんだもの」

都「……それもそうですね!」

都「そうだ、本題がまだありました。泉さん」

泉「うん、わかった。今回の事件について、私の知っている範囲でよければ話すよ」

泉「その前に……さっきは試すような真似をして、ごめんなさい」

藍子「……そうだ、泉さん。自分が犯人じゃないと確信していたのなら、どうしてあんなことを言ったんですか?」

泉「……」



137 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:39:02.62rhbLUZGX0 (34/35)


泉「これは私の直感だけど……もし私が先に全てを話していたら、優しいあなたは踵を返して立ち去るだろうと思ったから」

藍子「!」

泉「このジムの仕掛け、厳しかったでしょ?」

藍子「え、あ……はい。一筆書き、でしたよね」

泉「あれをもう一度やるくらいなら、ジムへ来た理由は何にせよここで勝負を引き受けなきゃならないと思ったんだ」

泉「さっきも言ったけど、このスタジアムに立っている限りは、あなたと私はチャレンジャーとジムリーダーの関係だから、ね」

藍子「……」

泉「でもおかげで、あなたの人柄や信念を知ることができた。あなたはこのバッジを受け取るのに相応しいトレーナーだったよ」



藍子はチルバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「フリーズドライ」を手に入れた!



138 ◆7P/ioTJZG.2020/10/02(金) 22:43:46.48rhbLUZGX0 (35/35)

泉に辛勝した藍子は漸く彼女の無実を知る
ではいったい誰が――6人は情報を交わすべく、待ち合わせの店へと向かった

泉の手持ち、本当はモスノウや波平ペンギンも組み込みたかったのですが、あまりにメロンさんと被ってても面白くないなと思ってこういうメンツになりました
ところで冠の雪原は今月末ですね。正直年末ぐらいに配信開始だと思ってたので嬉C。SSに反映できそうなものがあればどんどん採用していきます

次回はまた来週。お疲れ様でした


139以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/02(金) 22:47:05.58jB/fBy7X0 (1/1)

乙 特性パッチでゴリランダーがさらに強化されちゃうな...


140以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/04(日) 12:13:11.76OsfVFmHp0 (1/1)


凛に警戒心持たれそうなフレンドリィショップのオーナやってる亜子も近々登場かな?


141 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:26:26.70gLsUExtW0 (1/29)

投下します。今回でキルクスタウン編はおしまい
最後には藍子の5匹目の安価もあります……ん?5匹目?


142 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:27:03.33gLsUExtW0 (2/29)


ステーキ専門店 おいしんボブ


泉「……さてと」

泉「あの事件のことだっけ。本当は一般人、ましてやチャレンジャーには話しちゃいけないってジムリーダー同士でも言ってたはずなんだけどな……」

凛「李衣菜もそんなことを言ってた。やっぱり、皆を必要以上に混乱させたくなかったんだね」

泉「李衣菜さんにも話を聞いたんだ。うん、その通り」

都「……ですが、私たちは真実を知りたいんです。いや、知るだけじゃなく、知ってからどうすべきか、力を合わせていきたい」



143 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:27:53.37gLsUExtW0 (3/29)


泉「真実、ね……でも先に断っておくと、私にもわからない事象が多すぎるわ。むしろ、私が解消できていない疑問をぶつけるだけになるかもしれない」

都「構いません。それをこれから考えて、一緒に乗り越えていきましょうよ!」

さくら「ひょうですひょぉ……わひゃしひゃひは泉ひゃんの味方でひゅから~」モグモグ

泉「さくら、飲み込んでから話してよ……それで、まずは何か質問はある?」

都「はい。今回町に現れたポケモンですが……マケンカニも、その進化系であるケケンカニも、本来ガラルには生息していないはずのポケモンです」

泉「……」



144 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:28:55.07gLsUExtW0 (4/29)


都「町の人の目撃証言によれば――はっきりとどこから出てきたかを見ていない人はいないのですが――やはり全員が、ジムの前から出現したと語っていました」

都「当初はトレーナーが放ったという線も考えましたが、藍子さんはリーダーだったポケモンをボールに収めることができたそうです。つまり、あの軍団は野生のポケモンであった、と考えるのが妥当でしょう」

聖來「ジムの近くには草むらなんてなかったよね……そしたら、何もないところからいきなりパッとポケモンが出てきたっていうの?」

都「はい。そう信じられる話ではありませんが……一つの可能性としては、エスパーポケモンのテレポートで一気に移動してきた、とも考えられます」

聖來「そんなこと、できるの?」

都「いえ、そこまでは……あれだけの数のポケモンを一挙にテレポートさせるほどのポケモンなんているのでしょうか……」



145 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:29:39.47gLsUExtW0 (5/29)


凛「……どうだろう。私たちが知らないだけで、そういう強力な能力を持つポケモンが相手側にいるという可能性もあるかも……」

泉「あるいは、ポケモンじゃなくマシンである可能性もあるね。ポケモンを一気に一か所へ転送する……いうなれば、ボックスシステムの応用、みたいな」

凛「ボックスシステム……」

凛(……まさか、ね)

泉「って、仮定の話ばかりしても意味がないね。都ちゃん、それで?」

都「……もう一度確認しておきたいのですが、あのマケンカニ達は泉さんのポケモンでは――」



146 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:30:51.73gLsUExtW0 (6/29)


泉「ないわ。たしかに私のジムはジムトレーナーの代わりに特訓用のポケモンを住まわせているし、ゲットしようと思えばできるけど」

泉「まあもちろん、チャレンジャーがそんなことをしたら失格だけどね」

都「……うーん、ジムから飛び出してきて町を襲った、というのなら事件の展開は噛み合うのですが……」

聖來「そうだね……町の人たちも、そう思っているだろうし」

泉「言い逃れはできないし、私にも落ち度があったのは認めるけど、このことに関しては私は潔白だよ」



147 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:31:40.65gLsUExtW0 (7/29)


泉「そうだ。マケンカニ達は本来ガラルには生息していない、って言ったよね」

都「ええ、はい」

泉「実は、前に町に現れたクリムガンってポケモンも、ガラルには生息していないポケモンだったんだ」

一同「……!!」

泉「……改めて説明すると、事件が起きたのは二か月前くらい、かな。本当に何の変哲もない日だった。ジムに町の人が飛び込んできて、ポケモンが暴れているって報せに来たんだ」

泉「どうやって町に現れたのかはわからなかったけど、クリムガンは寒さに弱いポケモンだから、そもそもキルクスにいること自体がおかしな話でさ。だから私は何かあると踏んで、クリムガンを無力化させて捕獲した」



148 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:32:22.25gLsUExtW0 (8/29)


泉「で、傷を癒して精神を落ち着かせた状態で、どこから来たのか調べてもらうことにしたんだ。ポケモン専門の鑑識の人に依頼してね」

都「……それで?」

泉「クリムガンの皮膚に、イッシュ地方のものと同じ土が付着していた」

さくら「土が……?」

泉「ええ。皮膚だけじゃなく、全身にイッシュ地方で住んでいた形跡を刻んでいたわ。鑑識の人が言うには――『まるでイッシュから直接やって来たみたいだ』、って」



149 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:33:36.50gLsUExtW0 (9/29)


藍子「……!?」

凛「ということは……そのクリムガンも、野生のポケモンだったってこと?」

泉「うん。明らかに野生の環境下で生きていた個体だって言っていた」

都「それも直接って……別地方のポケモンが、どうして……」

聖來「じゃあ、今回の事件はイッシュ地方の人が起こしたものなの……?」

泉「ううん、私は違うと思う。……その次に暴走したポケモンが現れたのは、シュートシティだった」

藍子(! もしかしてあの時の……!)

泉「同じように、どこから飛び出してきたのかは不明だったんだけど――駅で暴れて、取り押さえられたザングースの身体からは、アイマス地方の草や土が見つかった」



150 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:34:51.67gLsUExtW0 (10/29)


凛「……アイマス地方……!?」

凛(じゃあ私が戦ったザングースは……私と同じアイマスからガラルに来ていたんだ……)

都「じゃあそのザングースも、やはり――」

泉「そう。アイマス地方の自然の名残を残したままだった」

聖來「イッシュ、アイマス、アローラ……全部、ガラルとはかけ離れた地方だね」

さくら「いったい誰がそんなこと……」

泉「そうね。ポケモン単体の力で別の地方にいきなり現れるなんて不可能。確実に裏で誰かが動いていて、ガラルを混乱させようとしている――そう考えるのが妥当だけど」

さくら「けど?」



151 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:35:43.02gLsUExtW0 (11/29)


泉「肝心なことがわからないんだ。そもそも暴走したポケモン達は、誰かの指示で動いていたわけじゃなかった。クリムガンだってそうだったし、実際にどの現場でも怪しい動きをしていた人は目撃されていない」

聖來「手段がわからないってことか……」

聖來「ねえ、野生で捕まえたポケモンを一度もボールから出さずにガラルまで持ってきて、逃がしたっていうのは考えられないの?」

泉「それも考えたけど、そもそもイッシュで捕まえたポケモンをガラルで逃がす、みたいな行為は法外だわ」

泉「それに、その場で逃がしたのだとしたら誰かが必ず目撃して通報しているはず。隠れて逃がしてから時間が経っている場合でも、たいていは姿を見た時点で自治体に保護されているはずなんだよ」

聖來「うっ、そっか……」



152 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:36:16.80gLsUExtW0 (12/29)


凛(……思い返せばそうだ。マケンカニの群れを指揮していたのは、トレーナーでも変な電波を出す機械とかでもなくて、ケケンカニだった)

凛(……そうだ。前に戦ったベロバーの群れはただ暴れさせられていただけだった。でも今回は違う……自分の意思で暴れていた)

凛(じゃあ麗奈たちは関係なくて、あのマケンカニ達は自分たちの意思でガラルまで来て、ガラルを荒らそうとしていたっていうの……?)

凛(もしそうだとして……何がポケモン達をそう動機づけたの……?)

凛(……いや)



153 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:36:51.43gLsUExtW0 (13/29)


都「……暴走ポケモンはいずれも別地方からそのままやって来たみたいだった。でもポケモン自身の力で別地方からいきなりやって来るなんて無理だから、やっぱり誰かが持ち込んできた……でもどうやって野生のままの個体を――」

都「……ああ! 頭がパンクしそうですっ」

泉「同感ね。ジムリーダーたちも毎日頭を悩ませているわ」

凛「……あのさ」

泉「ん?」

凛「さっき、怪しい動きをしていた人は目撃されていないって言ったけどさ」



154 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:37:30.71gLsUExtW0 (14/29)


凛「私たち、実際に会ったことがあるんだ。ポケモンを操っていた張本人に」

泉「ポケモンを操っていた……?」

凛「うん。ルミナスメイズの森でベロバー達が暴れていた事件……あの現場に、私と藍子と都は鉢合わせていたんだ」

聖來「えっ……!?」

藍子「……」コクッ

凛「ベロバーの群れを操っていたのは、麗奈というトレーナーだった。ギルガルドを使って一斉にポケモンを操って、森に入り込んだ人を襲っていたんだ」



155 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:38:19.14gLsUExtW0 (15/29)


凛「私は、麗奈とはあそこで会うのが初めてじゃなかった。アイマス地方でも会っていたんだ」

凛「アイマスでは、彼女はシンデレラ団という犯罪集団の一員だった。シンデレラ団は色々あって空中分解したって思っていたんだけど……残党が残っていて、さらに新しい企みを進めているってことも知った」

泉「その新しい企みが、この事件ってこと?」

凛「うん。だから手段はどうあれ、よくないことを考えている連中がいることは確実だと思う」

凛「ただ……今回に関しては、麗奈は関わっていないかもしれない。ポケモンの暴れ方が、以前とは全然違っていたから」

凛「なんで関わっていなかったのかは説明できないけどね」

泉「……」



156 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:39:23.67gLsUExtW0 (16/29)


泉「貴重な意見をありがとう。もう一度、ジムリーダー同士で検討してみる」

泉「本当に誰かの所為だというなら、どこかに証拠が残っているはずだから」

凛「うん。それと……麗奈たちの集団は、涼が襲われた事件とも関連していると私は思ってる。今回もそうだったけど、暴走ポケモンはいずれもパワースポットの近くに出現していたみたいなんだ」

泉「そういえばそうだね」

凛「……きっと、連中の狙いはジムリーダーか、もしくはパワースポットそのものかもしれない」

凛「だから泉には、今まで通り町を守り続けてほしい。この町を一番に思いやれて、守ることができるのはジムリーダーだと思うから」

泉「……李衣菜さんが言ってたことってそういう意味だったんだね。わかった、任せて」



157 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:39:57.59gLsUExtW0 (17/29)


都「……」

聖來「……」

さくら「……」

藍子「あ、あのー、皆さんっ」

一同「……?」

藍子「あの、こんなこと言うのは場違いかもしれませんけど……せっかくおいしそうな料理があるのに、暗い話ばかりだったらもったいないなあ……って思うんです」



158 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:40:48.43gLsUExtW0 (18/29)


藍子「ええっと、その、そろそろ楽しいお話をしませんか? 私、ずっと気になってたんです。さくらちゃんと泉さんがどうやって仲良くなったのか、とか」

泉「そ、それは話そうと思えば話せるけど……長くなるよ?」

藍子「いいんですいいんです! すいませーん、このステーキ盛り合わせ、くださいっ!」

聖來「えっ……それってこの店で一番高いやつじゃ……」

藍子「えっ? だって今日のお支払いは聖來さんがしてくれるって話だったはずじゃ……」

聖來「は、はぁっ!? いつそんなこと言ったっけ!?」

藍子「あ、じゃあこうしましょう! 皆が一斉に年齢を言っていって、一番年上だった人が支払うってことで!」



159 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:41:31.73gLsUExtW0 (19/29)


泉「そんなムチャクチャな……」

藍子「じゃあ私からいきますね。えっと、私は今年で16歳です!」

聖來「じゅ、16!?」

都「あ、私も同じです!」ビシッ

凛「私は……15歳、かな」



160 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:42:17.80gLsUExtW0 (20/29)


さくら「わあ、凛さんって同い年だったんだぁ!」

さくら「泉ちゃんも私と同級生なんだよ!」

泉「……!」

泉「藍子……さん、年上だったんだ。もしかしたら私、どこかで失礼なこと言ってしまっていたかも……ごめんなさい」

藍子「あ、いえいえ、気にしないで下さい! 聖來さんは?」

聖來「……」

聖來「……に、23……」

一同「ええ~~!?」



161 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:43:31.54gLsUExtW0 (21/29)


藍子「わ、私、てっきり10代かと思ってました……!」

凛「私も……年上だろうとは思ってたけど、せいぜい2、3歳くらいしか変わらないと……」

聖來「そ、そういうフォローはいらないってば……」

聖來「……ああ、もう! わかったよ! 私が払えばいいんでしょっ! クーポンもあるんだし、痛くも痒くもないもんね!」

聖來「……ぷっ」

アハハハハ・・・・・・



162 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:44:09.89gLsUExtW0 (22/29)


翌朝

聖來「二人はまだこの町に居座るんだよね」

凛「うん。今日はちゃんとジム戦をしてくれるって約束してくれてたから」

聖來「そか。じゃ、ここでお別れだね。私はこの先の9番道路に行って、もっとポケモンと自分を鍛えることにするよ」

聖來「藍子ちゃん! 次に会ったときは、絶対負けないからね!」

藍子「はいっ! 私も負けるつもりはありませんから!」

聖來「ふふっ。じゃあね、若者たち!」



163 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:45:08.31gLsUExtW0 (23/29)


さくら「さよーならー!」

タタタッ

都(……聖來さんも若いはずなんだけどなあ)

都「……さて、では私たちも戻りましょうか」

さくら「そうですねっ。わたし、もう寒いのはイヤですぅ……」

都「では、凛さん、藍子さん。私たちは一度情報を整理するために、事務所へ戻ります」

都「短い間でしたが、三人での旅、とても楽しかったです。ありがとうございました!」ペコッ



164 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:45:41.57gLsUExtW0 (24/29)


藍子「私こそ、すごく楽しかったです!」

凛「元気でね、都」

都「はい。お二人も、どうかお気をつけて! ではそろそろ電車の時間ですので……」

タッタッタッタッ

凛「……」

藍子「……寂しくなっちゃいますね。昨日は夜遅くまでみんなと一緒だったから、余計にそう感じます」



165 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:46:51.98gLsUExtW0 (25/29)


藍子「では凛さん、ジムに行きましょう!」

凛「……藍子」

藍子「はい?」

凛「昨日はありがとう。藍子がいなかったら、せっかくおいしいステーキも充分味わえなかったと思う」

凛「藍子は場違いかもって言ってたけど、藍子が明るく振る舞ってくれたから、こうして楽しく過ごすことができたんだよ」

藍子「い、いえ、そんな……」

凛「藍子には、きっと不思議な力がある。周りにいるみんなを幸せにする魔法をかけられる……そんな力があると思うな」

藍子「みんなを……幸せに……」



166 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:48:07.08gLsUExtW0 (26/29)


藍子「……そんなこと、気づきもしませんでした。今まではあんなこと、絶対に言えなかったです。横槍を入れるようなこと……言う勇気がなかったです」

藍子「だけど、なぜでしょう……あの場では、自然と言葉が出てきたっていうか……」

凛「……前にも言ったけど、藍子はもうとっくに強くて優しいよ。自分が知らないうちに、藍子は藍子が思うよりずっと成長してるんだ」

凛(……そう。たった一人でジムに挑んだことだって、私を助けようとしてくれたことだってそう。藍子は、もう十分に立派なトレーナーだ)

凛(……それはつまり……)



167 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:48:45.40gLsUExtW0 (27/29)


??「おおーい!」

藍子「?」

??「アンタだよアンタ。やーっと見つかったよ」

藍子「わ、私に何か用でしょうか?」

ヤナセ「やあ。オレはヤナセ。トレーナーだ。アンタ……ケケンカニ、持ってるだろ」

藍子「……え?」



168 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:50:02.63gLsUExtW0 (28/29)


ヤナセ「見てたのさ、バッチリ。アンタがケケンカニをゲットするところをさ」

ヤナセ「実は……うちの娘が大のカニ好きでな。ガラルに住んでいないケケンカニを見せたら、きっと喜んでくれると思うんだ」

ヤナセ「もしよければ、アンタのケケンカニ、俺のポケモンと交換しないか?」

藍子「交換……ですか」

藍子「……」チャキッ

藍子(……いいのかな。でも、悪い人じゃなさそうだし……)

藍子「……私でよければ、ぜひ! ケケンカニも、きっとその娘さんが可愛がってくれると思いますので!」

ヤナセ「おお! 恩に着るよ! そんじゃあさっそく……」



169 ◆7P/ioTJZG.2020/10/09(金) 21:51:47.09gLsUExtW0 (29/29)


ケケンカニをヤナセに送ります! バイバイ、ケケンカニ!

ヒュンッ

コォォォォォォ……

パッ

藍子「!」パシッ

ヤナセから>>171を受け取った!

>>171
自由安価
幻・伝説・準伝説・化石・御三家・捕獲済みを除くすべてのポケモンから1匹



170以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/09(金) 23:49:34.26QEzo5k+x0 (1/1)

ロトム


171以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/10(土) 00:04:29.66LuUsKvqD0 (1/2)

ヤドン(ガラル)


172以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/10(土) 00:11:08.81Y3v/b0faO (1/1)

ネギガナイト


173 ◆7P/ioTJZG.2020/10/10(土) 00:47:11.42kFHMjzsn0 (1/4)


ヤナセからヤドンを受け取った!

ヤドンを可愛がってあげてね!

ヤドン まぬけポケモン エスパータイプ
ガラルのすがた
ガラナツというスパイスを食べ続けたことで独自の姿や能力を持つようになった
とても間抜けで動きも鈍いが、たまにものすごいことを思いつくらしい

ヤナセ「あとこれもやるよ。ガラナツブレスっていってな、これを使えばヤドランに進化させられるんだ」

藍子はガラナツブレスを手に入れた!

藍子「ええっ、いいんですか?」

ヤナセ「アンタは町を守ってくれたんだ、これぐらいのお礼はさせてくれ」



174 ◆7P/ioTJZG.2020/10/10(土) 00:48:05.83kFHMjzsn0 (2/4)


ヤナセ「ただ、別の道具を使えばヤドキングに進化させることもできる。どっちも強力なポケモンだから、よく考えて使った方がいいかもな」

ヤナセ「ともかく、ヤドンのこと、大事にしてくれよな!」

藍子「はいっ! ありがとうございます!」


ヤドンが手持ちに加わった!

ヤドン(マイペース) Lv36
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/なまける/かなしばり



175 ◆7P/ioTJZG.2020/10/10(土) 00:49:30.81kFHMjzsn0 (3/4)


凛「へえ、リージョンフォームのヤドンか……」

凛「ところで藍子、ちょっと迷ってたみたいだけど……本当によかったの?」

藍子「はい。ケケンカニも、その方が幸せだと思いますし」

藍子「……やっぱり、どうしても思い出しちゃうんです。ケケンカニが悪くないってことはわかっていますけど」

凛「……そっか」

藍子「私、もっと強くなります。強くなって、凛さんや聖來さんや都ちゃんたちを守れるくらい強くなりたいんです」

凛「いい心意気だけど……私はまだ守られるようなお姫様になるつもりはないよ」

藍子「ふふっ。ヤドン……これからよろしくね!」



176 ◆7P/ioTJZG.2020/10/10(土) 00:54:13.43kFHMjzsn0 (4/4)

キルクスタウン編 終幕
次回>>>バウタウン編

というわけでどうせ手持ち増やすならやってみたかった交換イベント、ようやくできました
ヤドンの進化先はまた安価になりそうですね

次回もまた大事な安価があります。よろしくお願いします
お疲れさまでした


177以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/10(土) 17:15:38.06LuUsKvqD0 (2/2)

乙 男性の「ヤナセ」で誰だろうと考えちゃったが美由紀ちゃんの父親か


178以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/11(日) 13:45:40.54gU4l0nLo0 (1/1)


藍子パーティーあと何入れたらバランスいいかね?伝説だがガラルで珍しいだけだしダクマ→ウーラオス (いちげき)なら
バランスいいしヨロイじま修行編もできるかな?と思った


179 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:09:18.92SchLONZR0 (1/32)

投下します


180 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:09:55.08SchLONZR0 (2/32)


凛「サザンドラ、あくのはどう!」

サザンドラ「サザ!!」バッ

バリコオル「バリ――」

ズドォンッ

バリコオル「バリ……」バタンキュー

泉「……!」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』

ドワァァァァァ

泉「……完敗だわ。ポケモンの能力、トレーナーの的確な指示、戦術……苦手なタイプでも物怖じせず挑んでくる大胆さ。これまで戦ってきたチャレンジャーの中でもナンバーワンかも」

泉「いい刺激をもらったよ、ありがとう。これ、受け取って」

凛はチルバッジを手に入れた!



181 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:10:44.35SchLONZR0 (3/32)


凛「……さて」

凛「あと挑んでいないのは……珠美がいるナックルシティと」

藍子「バウタウンですね。エンジンシティの東にある町です」

凛「エンジンシティか……それじゃあ一度ナックルシティまで戻って、電車を使うかワイルドエリアを通って南下しないといけないね」

藍子「そうですね。それにしても遠いなあ……」

凛「……そうだね。電車に乗ればそうでもないんだろうけど」

??「あら、お二人さん。久しぶりね」

藍子「?」



182 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:11:26.73SchLONZR0 (4/32)


凛「……! 奏……」

奏「覚えててくれたのね、凛。会えて嬉しいわ」

奏「この町には何か用があったの?」

藍子「ジムチャレンジです。奏さんもですか?」

奏「いいえ。私、ジムチャレンジには興味がないの。なんだかステレオタイプを押し付けられているみたいで窮屈なのよね」

奏「そう、私はただ偶然ここに来ただけ……それなのにこうして出会えたなんて、なにかの巡り合わせかしらね」

凛「……それで、アンタは私たちに何の用?」スッ

奏「そんなの一つだけよ。前にも言ったでしょ、次こそはあなたを倒すって」



183 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:12:08.19SchLONZR0 (5/32)


藍子「……サニーゴが目当てなんですか?」

奏「それはもうどうでもいいわ。今の私はただ貴方を上から見下したい。それだけなのよ」

凛「……」

奏「ふふ、そんな怖い顔しなくてもいいじゃない。前はキスしかあげられなかったけど、今回はちゃんと有意義なプレゼントを用意しているわ」

凛「……プレゼント?」

奏「そう。貴方たち、そらとぶタクシーは使ったこと、ある?」

藍子「い、いえ」

奏「なら一度乗ってみることを薦めるわ。空から見下ろすガラル地方というのも、なかなか粋なものよ」



184 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:13:39.60SchLONZR0 (6/32)


奏「……で、実は今、そらとぶタクシーがあるキャンペーンを開催しているの」

奏「あれは基本的には行ったことのある場所にしか連れて行ってくれないシステムなんだけど、今回は一度だけ、行ったことのない町にも行くことができる。そういうキャンペーン。あなたたち、バウタウンへ行きたいんでしょう?」

凛「……」

奏「ただ残念なことに、そのキャンペーンは先着順でね。あと1組しか乗せることができないみたいなのよ」

奏「本当は私も行ってみたい場所があるんだけど、せっかくだし貴方たちにその権利を譲るのも悪くないかなって」

凛「じゃあアンタが乗ればいいじゃない。私たちは歩いて向かうからさ」

奏「ふふっ、強がりね。一度味わえばやみつきになるかもしれないのに。食わず嫌いは価値観を狭めるわよ」

凛「……そうまでして、私と戦いたいわけ?」

奏「ええ。でもただ戦うだけじゃないわ。私の目的は貴方を倒すこと」

奏「その気じゃないなら別にいいわよ。私に背中を向けたって」

凛「……いいよ。なら受けて立とうじゃない」

奏「ふふっ、そうこなくちゃ。今度こそあなたの悔しがる顔を見られるのが楽しみだわ」



185 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:14:14.43SchLONZR0 (7/32)


藍子「り、凛さん……」

凛「……すぐに終わらせる。下がってて、藍子」

奏「いくわよ、ルージュラ」ポンッ

ルージュラ「ルージュ」

ルージュラ ひとがたポケモン こおり・エスパータイプ
踊るような腰つきでリズミカルに歩く
鳴き声は人間の言葉のように聞こえるが、意味はまったく理解できない

凛「いくよ、ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ



186 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:14:56.03SchLONZR0 (8/32)


奏「かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ!」フッ

シャッシャッシャッシャッ

凛「囲まれたか……ゲッコウガ、つばめがえし――」

奏「させないわ。くろいまなざし!」

ルージュラ「ルージュ!」カッッ

ゲッコウガ「!!」ビタッ

藍子「ゲ、ゲッコウガ!」

奏「優しくいたぶってあげるわ。ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」バッ

チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコォォ……!」



187 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:15:31.59SchLONZR0 (9/32)


凛「くっ……」

奏「ふふ、ファーストキスは私のもの、ね」

凛「……やるじゃん。実力は口先だけじゃないんだね」

奏「あら、私は貴方と違ってそんな安っぽい挑発には乗らないわよ?」

凛「だったら乗せてあげるよ……ゲッコウガ! かげぶんしん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ヒュンヒュンヒュン

奏「……今度は逆に囲まれちゃったわね」

凛「一斉にみずしゅりけん!」

奏「でも、ルージュラには当てられないわ」



188 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:16:13.98SchLONZR0 (10/32)


ルージュラ「ルージュ」ユラッ

ヒョイ ヒョイ ヒョイッ

藍子「!? そんな、みずしゅりけんを全部避けたんですか!?」

奏「そうよ。ルージュラには攻撃の軌道が見えていたんだもの。『よちむ』でね」

奏「そして行き場を失った攻撃は……」

ゲッコウガ「……!」

フッ フッ フッ

藍子「! 分身がかき消されて……!」

奏「そこよ! ルージュラ、ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコ……!」

奏「どう? 激しいキスも悪くないでしょ」

凛「っ……」



189 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:17:03.35SchLONZR0 (11/32)


奏「これでフィニッシュね……ルージュラ、かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ」ヒュンヒュンヒュン

凛「かかったね! ゲッコウガ、つばめがえし!」

奏「何のつもりかしら? ルージュラ、くろいまなざし――」

ズバッ

奏「……!」

奏「な、なぜ……ゲッコウガは動けなかったはずじゃ――」

奏「!!」

藍子(ゲ、ゲッコウガが……目を瞑りながらルージュラを攻撃した……!?)

凛「目を合わせちゃいけないなら、見なければいい。簡単なことだよ」



190 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:18:30.78SchLONZR0 (12/32)


奏「っ……」

藍子(そんな……すごすぎる。目を閉じたまま分身の本体を見抜くなんて、どうやったらそんなことが……)

ルージュラ「ルージュ……」グラッ

凛「つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

スパッ

ルージュラ「……!」ドサッ

凛「まずは先制だね」

奏「……この程度でいい気にならないで」ギリ

奏「次はこうはいかないわ。ブリムオン!」

ブリムオン「ブリム」



191 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:19:03.58SchLONZR0 (13/32)


奏「パワーウィップ!」

凛「躱して!」

ブリムオン「ブリム!」ブゥン

ゲッコウガ「ゲコ」フッ

凛「背後に回り込むよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」グルッ

凛「つじぎり!」

奏「パワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

ブリムオン「ブリム!」

ガキインッ



192 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:20:03.98SchLONZR0 (14/32)


凛「もう一発!」

奏「今度のは耐えられるかしら?」

ブリムオン「ブリム!」グワッ

凛「……二発同時のパワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ……!」バシイッ

グググ……

奏「押し切るわよ、ブリムオン!」

凛「くっ……ゲッコウガ、後ろに飛び退いて!」

ゲッコウガ「ゲコ!」バッ

ゲッコウガ「ゲコ」シュタッ

奏「そこよ! じゃれつく!」

凛「つばめがえし!」

ドガッ ドガッ ドガッ



193 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:20:43.01SchLONZR0 (15/32)


藍子(す、すごい……パワーとパワーの押収だ)

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

凛「そこだ! つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

奏「……!」

凛「みずしゅりけん!!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」シュババババ

ブリムオン「ブリムッ……!」

ドサッ



194 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:23:08.31SchLONZR0 (16/32)


奏「……負けたわ」

凛「これで満足した?」

奏「……ええ、今日のところはね」

奏「意気揚々と自分から挑んでおいてこの結果、本当に滑稽ね……次こそこうはいかないから」

奏「……早くタクシーの発着所に行ってきなさい。誰かに先を越されるわよ」

スタスタスタ……

藍子「……行っちゃいましたね」

凛(……行ったことのない町にも行ける、か。たしかに便利そうだけど……)

凛「藍子、どうする? せっかくだし、そらとぶタクシー、乗ってみる?」

藍子「うーん……」



195 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 20:26:31.57SchLONZR0 (17/32)


乗らない→9番道路を経由してナックルシティに戻り、ワイルドエリアを通過します。その分手持ちのポケモンを大いに鍛えられるでしょう。
また、道中にはシャッターで閉ざされた怪しげな町があるようですが……?

乗る→そらとぶタクシーに乗り込み、バウタウンへひとっ飛びします。
レベルアップは見込めませんが、どうやらタクシーの運転手は物知りのようで、ガラル地方の伝説にも詳しいそうです。

※この行動が未来を決める……

>>196 乗るor乗らない




196以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/17(土) 20:59:10.73P67Z6vJh0 (1/2)

乗らない


197 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:50:28.69SchLONZR0 (18/32)


藍子「いえ、この先はバトルも厳しくなると思いますし、やっぱりワイルドエリアで手持ちを鍛えていきたいです」

藍子「それに、凛さんの調査も一緒にできますし!」

凛「わかった。藍子がそう言うなら、私もいいよ」

凛「じゃあまずはナックルシティに戻らないとだね」

藍子「はい! ではさっそく――」

藍子「――へくちっ!」

凛「……」

凛「まずは服、買おうか……」

藍子「は、はい……ふふっ」

アハハハ……



198 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:51:16.61SchLONZR0 (19/32)


9番道路

ザパアッ

凛「ありがとう、ゲッコウガ」

藍子「サニーゴ、寒い中お疲れさま!」

凛「……海は抜けたみたいだね。あの先は雪が積もっていないし、少しは寒さも和らぐかな」

藍子「そうですね。えっと、もう少し歩いたらルートナイントンネルがあって……7番道路を抜けた先がナックルシティですね!」

凛「よし、日が暮れるまでにはナックルシティに着けそうだね」

凛「……ん? あれは……」

凛(目の前に物々しいシャッターがある。あの先は……なにかの施設だろうか)



199 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:52:12.92SchLONZR0 (20/32)


藍子「凛さん、どうかしました?」

凛「あ、いや。あのシャッター、なんだろうと思って」

藍子「……あっ、私、聞いたことがあります」

藍子「たしかこの辺りにはスパイクタウンっていう町があるみたいです。……ただ、もう人は住んでいなくて、近づく人もあまりいないそうですけど」

藍子「町の中には恐ろしい怪物がうろついているとか……」

凛「怪物って……ポケモンのこと?」

藍子「うーん、そこまでは……」

凛「……つまりゴーストタウンってことか」

凛(たしかにこのシャッター……どんな立ち入り禁止の看板よりも効果がありそうな、異様な雰囲気がある。見た人を遠ざけるというか、あの先に何があるのかって好奇心すら削ぐような――)

藍子「? あれ、あそこにいるのは……」



200 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:53:08.64SchLONZR0 (21/32)


藍子「あっ、つかささん!」

つかさ「!!」

凛「つかさ。久しぶりだね」

つかさ「……おう、久しぶりだな。こんなトコで何してるんだ?」

凛「今ナックルシティに向かっている途中なんだけど、このシャッターを見つけて立ち止まっていたところだよ」

つかさ「へえ。って、わざわざあの海を渡ってきたのか。そりゃお疲れさんだな」

藍子「あ、あはは……つかささんは?」

つかさ「アタシはこの町に用があるのさ」

藍子「!」

凛「……ここってスパイクタウン、だよね。誰も住んでいないんじゃないの?」



201 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:53:51.44SchLONZR0 (22/32)


つかさ「そうさ。ここには誰もいない。だが、アタシが求めている情報はあるかもしれない」

凛「情報……?」

つかさ「もしかしてアタシのこと、怪しんでる?」

凛「……正直ね」

つかさ「……まぁそうか。確かにそうかもな。ま、見られてちゃしょうがないか」

つかさ「わかった、洗いざらい話すよ。でもこの話は絶対に口外するなよ。ホントはアタシ一人で秘密裏にやる予定だったんだからな」

藍子「……」ゴクリ

つかさ「最近各地で頻繁に発生している事件――アタシ達は便宜的にポケモン凶化事件と呼称しているんだが、それはもう知っているよな?」

凛「うん。ポケモン凶化事件――そんな呼び方だったんだ」

つかさ「どの現場でもポケモン達は理性を失って暴れていたからな。そう名付けさせてもらった」



202 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:54:51.23SchLONZR0 (23/32)


つかさ「で、この件の裏にはでかい陰謀が絡んでいるとアタシは推測している。ガラルを根本からひっくり返そうとしている、凶悪な思想を持った奴らがな」

凛「……うん、間違っていないと思う。私たちも、ポケモンを操っているトレーナーと出会ったことがあるから」

つかさ「……へえ。じゃあアタシの推測は、ほぼ確信の域に達しているんだな」

つかさ「で、やっぱマクロコスモスとしてはこの事態は放って置けないわけ。下手すりゃ自分らのビジネスの基盤すら奪われかねない状況だからな」

つかさ「だからいついかなる時も、あらゆる状況に対応するために、アタシはある対抗手段を手に入れようと考えた」

藍子「対抗手段……?」

つかさ「前にダイマックスの話をしただろ、覚えてるか? あの時、ダイマックスバンドにはガラル粒子の凝縮体であるねがいぼしの力が蓄えられてるって説明したよな」

藍子「は、はい」

つかさ「実はそのねがいぼしっつーのは――あるポケモンの身体の一部だったんだ」



203 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:55:37.18SchLONZR0 (24/32)


凛「ねがいぼしが、ポケモンの一部……?」

つかさ「ああ。この地でダイマックスができるのは地方特有の何とかのおかげじゃない。全ては、かつてこの地方に降り立った一匹のポケモンが発端だったんだ」

つかさ「ポケモンの名は、ムゲンダイナ」

藍子「ムゲン……ダイナ」

凛「そのポケモンが、ダイマックスの力の源ってこと?」

つかさ「そうだ。ムゲンダイナはガラルの大地から湧き出てきたエネルギーを糧に活動していたみたいなんだが、それと同時に吸収したエネルギーをガラル粒子に変換し、この地に送り込んでいたらしい」

つかさ「つまりムゲンダイナこそが、この地に宿るエネルギーを明確化させた直接的なファクターであるというわけだ」

凛「……そんなポケモンがいたんだ」



204 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:57:01.29SchLONZR0 (25/32)


つかさ「だけど今やムゲンダイナは伝承にのみ語り継がれる存在だ。実際にその目で見たことのあるヤツはもう生きていないだろうし、ムゲンダイナ自身すら現世に生きているのかわからない。もちろん図鑑にも登録されていない」

つかさ「わからないからこそ、アタシは今、それを確かめようと動いてる。ヤツを見つけた暁には、共にこの地方を守るためにアライアンスする。力を貸してもらうってことだな」

つかさ「で、このスパイクタウンにヤツの手がかりがあるんじゃないか、そう思って立っているわけ。以上」

凛「……なるほど。事情は分かったよ」

藍子「そんな強大なポケモン……私たちの手に負えるんでしょうか」

つかさ「はは、その言葉はもう聞き飽きたわ。アタシは何度でもこう返す。そんなのやってみなきゃわからねえってな」

つかさ「どっちにしろ、このまま指を咥えて誰かが解決するのを待っていたら、アタシたちに待ち受けるのは破滅だ」

凛「……」

つかさ「……というわけで。よかったらアンタたち、アタシの手伝いしてくんない?」



205 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:58:02.38SchLONZR0 (26/32)


藍子「……え!?」

凛「手伝い……それって、スパイクタウンに入れってこと……?」

つかさ「ああ。今から行う調査の手伝い。アウトソーシングだ」

藍子「その、中は危険なんじゃ――」

つかさ「なんだよビビッてんのか? 何かあっても自分の身は自分で守れるだろ。なんたってアタシが直々にダイマックスバンドを授けたトレーナーなんだからな」

つかさ「アタシはアンタたちを信じてマクロコスモスの重要機密を話した。もう後戻りはできない。もはやアタシたちはガラルを守る共犯関係だ」

藍子「共犯関係だなんて、そんな……」

藍子「……どうしますか、凛さん?」

凛(……)



206 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 22:58:49.87SchLONZR0 (27/32)


凛(さっきの話……ダイマックスの源であるポケモンがいるって話はまだ信じがたいけど)

凛(つかさは元々一人でこの町に入る予定だった。そんな危険を冒してまでそうしたのは、ガラルのみんなを守るため……)

凛(そのためにつかさは私たちを信じてくれた。なら、きっと私たちも協力すべきなのだろう)

凛(……やってみなきゃわからない、か)

凛「わかった。私も同行するよ。藍子はどうする?」

藍子「り、凛さんが行くなら、私もついていきます!」

つかさ「……ありがとな、お二人さん。いつかこの礼は必ずさせてもらう」

つかさ「じゃ、さっそく乗り込んでみようか」



207 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 23:00:08.27SchLONZR0 (28/32)


スパイクタウン
かつて栄えたアーケード街は今や誰も住んでおらず、廃墟と化している

凛(……へえ。町全体がアーケード街になっているんだ)

凛(だけどどこを見渡しても人が住んでいる気配がない。窓ガラスも所々割られていて不穏だ……)

凛(アーケードの奥にはこぢんまりとしたバトルフィールドがある。昔はあの場所でたくさんのバトルが繰り広げられていたんだろうか)

つかさ「……スパイクタウンはこの通り、大きなスタジアムもなければ娯楽施設もない。そもそもここはパワースポットじゃないからな」

つかさ「それに9番道路が近いから町はかなり寒い。対策として町をアーケード化したんだが、するとガラル交通が町中には着陸できなくなり、交通の便が悪くなった。結果、町を訪れる足も遠のいていって、町はみるみる寂びていった」

つかさ「マクロコスモスも何とかこの町の活気を取り戻せないかと奮闘したんだが、アタシが目を付けた頃にはもう遅すぎた。結局何もできず後回し後回しにされて、今じゃこうして町だけ置いてけぼりにされている――ってわけだ」



208 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 23:00:47.26SchLONZR0 (29/32)


藍子「……そうだったんですね。だからゴーストタウンに……」

凛「町に怪物がいるっていう噂も、そういう治安の悪さが尾ひれをつけたんだろうね」

つかさ「かもな。まあ実際は怪物どころかポケモンの一匹も見かけてないわけだけど」

凛「本当だ……どうしてポケモンすらもいないんだろう」

つかさ「……」

凛「……つかさ?」

つかさ「……変だ」

藍子「えっ?」

つかさ「実はここに来る前に、部下の一人に予め町を調査させていたんだ。報告書には……『人影は見当たらなかった』って書かれていたはず」

つかさ「けど……感じないか? 誰かの視線を……」

藍子「視線……ですか?」

凛「別に感じないけど――」



209 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 23:01:19.21SchLONZR0 (30/32)


凛「……!!」ビクッ

凛(な、なに、この背筋が凍るような感覚……!?)

藍子「凛さん!?」

つかさ「……やっぱり。この町、誰かが居座っている……ゴーストタウンなんかじゃねえ」

凛(……誰かが私を見ている。それも3人全員じゃなく、私だけ……)

凛(でもどうして私だけ……?)

凛(……いや、この感覚……覚えがある。このまとわりつくような、そんな感じの不気味な気配っていうか……)

凛(殺気。……そうだ。この視線の主は、私に殺気を向けている……)

凛(こんな殺気の持ち主は、一人しかいない……!)



210 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 23:02:44.58SchLONZR0 (31/32)


つかさ「アイツ……なんで報告書を偽装しようとしたんだ? 何を隠そうとしていたんだ?」

つかさ「っておい、凛! どうしたんだ、顔が真っ青だぞ!?」

藍子「凛さん、しっかりしてくださいっ!」

凛「あ……うん、大丈夫……」

つかさ「ったく……本当に大丈夫ならそんな顔しねえよ。言動が矛盾してるっつーの」

つかさ「とにかくヤバい気配がする。一度町を出よう」

凛「う、うん……」

凛「!?」ハッ

凛(藍子の後ろに落ちている、あれは……)

藍子「? 凛さん、どうかしました? 私の後ろに、なにか……」

ヒョイ

藍子「これは……赤い、リボン?」



211 ◆7P/ioTJZG.2020/10/17(土) 23:10:05.12SchLONZR0 (32/32)

今回はここまで

しぶりん久々のバトル、奏さん再登場と色々ありましたが乗らないルート選択で判明した情報は
・つかささんは味方ポジション
・スパイクタウンは寂れている
・なのにしぶりんに殺気を向ける誰かが潜んでいる
でした

そして今後、藍子がジムチャレンジを制覇するまでポケモン凶化事件関連の事象は登場しません
来週からはしばらく楽しいパートが続きます

ここまで読んでいただきありがとうございました


212以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/17(土) 23:14:53.97P67Z6vJh0 (2/2)

乙 うわぁ...ここでまゆ登場か...
あれ?って思って見直してスパイクタウンはジムから除外されてたのに今更ながらに気付いた...


213以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/10/18(日) 12:16:43.15YEUhR8EH0 (1/1)


乗った場合はザシザマの情報入手かな?あと凛の手持ちもちょっとずつ技構成とか変わってるのね