メンヘラハゲ怖い…

僧侶(♂)

村長「勇者どの、この村を救ってくれてありがとうございました…何とお礼をしたらよいものか」

勇者「いえそんな、お気持ちだけで結構ですから」

村長「旅の最中であるのは承知ですが、ぜひ少しでもこの村でゆっくりしていって下され」

村長「娘も、勇者どのと話がしたいそうじゃ」

村娘「あ、いえそんなっ…で、でも旅が終わりましたらその……」

村娘「…また必ず、会いに来て下さいね…待ってます……」

勇者「ははは、約束するよ」

僧侶「……」

勇者「よし、出発しようか」

僧侶「あれ？良かったんですか？村娘さん、勇者様とお話がしたかったみたいですけど…確かに姫様も待ってますけど、少しくらいならゆっくりしてもバチは当たらないんじゃないですか？この村を救った英雄なんですから。それにしても可愛らしい方でしたね～良かったですね勇者様」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

勇者「何も言ってないのに…」

僧侶「…ふん」

https://i.imgur.com/h8M63fY.jpg

女船長「船を貸してほしい？タダで貸すワケにはいかねぇなぁ…ウチの連中と勝負して勝ったら貸してやるよ」

女船長「野郎ども！相手してやりな！」

・・・

女船長「へぇ～…あんた強いんだな、惚れ惚れしちまったよ」

女船長「約束通り船を貸そう！どうだい、この後は船室でアタシと勝負してみるかい？なんてな、ガッハッハ！！！」

勇者「ｺﾞｸﾘ…」

僧侶「……」

勇者「よし、出航しよう」

僧侶「あれ？船長と勝負しないんですか？あんなに鼻の下伸ばしてる勇者様、初めて見ましたけど…別にいいと思いますよ？勇者様だって男の子ですもんね、何の勝負か知りませんけど。大丈夫ですよ、それで勇者様を見る目が変わったりしませんし姫様にも黙っててあげますから」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

勇者「俺は悪くないのに…」

僧侶「…ふん」

バニー「お兄さぁ～ん、ぱ・ふ・ぱ・ぷしていかなぁ～い？♪」

勇者「そ、そういうのはちょっと」

バニー「あらぁ？そういうのはキライ？」

勇者「い、いや…」

僧侶「……」

～その後宿屋へ～

勇者「よし、消灯しよう」

僧侶「あれ？結局ぱ・ふ・ぱ・ふはいいんですか？行かないんですか勇者様？ぱふぱふが何か知りませんけど、男の子の人はたいていぱふぱふが好きと聞きますが…てっきり勇者様もぱふぱふが好きだと思ってましたけど。そういえばこの前は船長との勝負もできなかったみたいですしぱふぱふくらいいいんじゃないですか？世界を救う使命があろうとぱふぱふには興味がありますよね、私は何とも思いませんよ？」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

勇者「じゃあそんなに言うなら行くけどいい？」

僧侶「……」

勇者「おやすみ」

僧侶「…ふん」

幼女「あっ、勇者様だ～！！勇者様～！！」

勇者「こらこら、抱きつかないでくれよ」

幼女「えへへ～…わたし、大きくなったら勇者様とケッコンするんだぁ～」

勇者「そうかそうか。よしよし、楽しみに待ってるよ」

勇者（……はっ！）ﾁﾗｯ

僧侶「？」

勇者（そこは怒らないんだ…）

僧侶「子供には優しく接するべきです」

勇者「あ、はい…」

かわいい

僧侶「勇者様、傷の手当を」

勇者「あ、ああ…ありがとう僧侶」

僧侶「……」

勇者（別に普通にしてれば普通なんだよな）

僧侶「…勇者様？手当は終わりましたけど」

勇者「あ、ああごめん！ちょっと考え事しててぼーっとしてた」

僧侶「ふーん…誰のことを考えてたんですか？姫様ですか？」

勇者「いや、僧侶のことだけど」

僧侶「へっ？」

勇者「いやいや別に変なこととかじゃなく！回復してくれて助かるなって思ってただけ」

僧侶「…ふん」

エルフ「やあ、ここに人間が来るなんて珍しいね。案内するよ」

勇者「ああ。助かる」

エルフ「あそこが族長の家で、あっちはボクの家だよ。実は魔法屋をやってるからさ、よかったら買い物してってね。それでこっちが――」

僧侶「……」

勇者「よし、次の町へ進もう」

僧侶「あれ？エルフさんとずいぶん仲良さそうにしてましたけど、もう後にしちゃうんですか？そもそもエルフ族って人間を嫌う種族ですよね？実際私はまるで見向きもされませんでしたよ…さすが勇者様ですね、その人望の厚さの前には種族も関係ないんですね。エルフ族は魔術にも長けていると聞きますから、仲間にしたほうがいいんじゃないですか？私よりも回復役に向いているかもしれませんね」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

勇者「あのエルフ、男の子らしいけど」

僧侶「……」

勇者「……」

勇者「うわっ、すごい風だ…！」ｺﾞｫｫ

魔法使い「きゃあぁっ！」ﾋﾟﾗｯ

勇者「あ……」

魔法使い「……み、見た？」

勇者「……ごめん、悪気はなかった」

僧侶「……」

勇者「はぁ…」

僧侶「どうしたんですかため息なんてついて。いいもの見れたじゃないですか、純白の。ラッキーでしたね、勇者様？私はこの服装ですから残念ながら勇者様のご期待には添えませんけど。今からでも魔法使いに転職したほうがいいですかね…だいたい勇者様は正直すぎるんですよ。見てないって言えば良かっただけの話ですよね？まあ、いつまでも二人が気まずいままだと困るので私からも話をしておきます」

勇者「…怒らないのか？」

僧侶「…ふん」