638 ◆z4l4K/HkZ22020/05/06(水) 23:58:48.08d2BdRMho0 (18/18)

つかさ「……ッ!」

つかさ(……まさか……もう嗅ぎつけられて……!)

「……」

つかさ「……!お前は……」

つかさ「……ビリー・カーン、か……」

ビリー「……」


639 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:03:21.78B7CxciAl0 (1/19)

都内
ホテルの一室

つかさ「ふう……それにしても……なんでこのホテルだとわかった?」
トス

ビリー「……別にピンポイントでこのホテルを当てた訳じゃねぇ」

ビリー「以前お前が仕事で手配した事があるホテルをピックアップして……その内の一件ずつに張ってたらお前が来ただけだ」

つかさ「なるほどな……確かに幾つかのホテルを切り替えながら生活をしてるが……何にせよ、お前にすぐ行きつかれるようじゃもう替え時かもな」

ビリー「……」


640 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:06:48.08B7CxciAl0 (2/19)

つかさ「……いや、本来のお前の仕事はこういう事の方が多かったのか?」

ビリー「……」

つかさ「ビリー・カーン……本当に釈放されてたんだな」

ビリー「……その口ぶりじゃ……もう誰かに聞いてたのか?」

つかさ「ああ……お前の本来の会社の……ハワード・コネクションの男から一応報告しとくっつてな」

ビリー(リッパーか、ホッパーのどっちかか)


641 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:09:04.06B7CxciAl0 (3/19)

ビリー「まぁ……色々裏で手が回されたらしいが」

ビリー「だが、ンな事はどうだっていい」 

つかさ「……何?」

ビリー「ある野郎に、あんたが事務所を本体から切り離してるっつう話を聞いた」

つかさ「……」

ビリー「あんた、事務所を畳む気なのか?」



642 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:12:12.52B7CxciAl0 (4/19)

つかさ「……」

ビリー「傘下の事務所を全部切り離して……本体は潰しちまうのか」

つかさ「……RUNWAYは悪評が付きすぎた。芸能界でやっていくのはもう無理だ」

つかさ「独立させた事務所もしばらくは苦労するだろう。だが、本体を畳んだと世間に示せば、世間は納得して、やがて記憶から消えていく」

つかさ「そうすりゃ独立した奴らはちゃんとやれば立て直せる……まぁそこは心配してない。アタシが独自経営を任せた時点であいつらは立派にやっていけると判断してるからな」


643 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:15:25.48B7CxciAl0 (5/19)

ビリー「……ンな事聞いてんじゃねえ、あんたはそれで良いのかよ」

つかさ「良い悪いの話じゃない。そういう結果だ」

ビリー「……」

ビリー「なぜ、俺に文句の一つも言わねえ」

つかさ「……」

ビリー「今日俺は元々そのつもりでここへ来た。てめェを待ってる時から、どんな罵詈雑言を浴びせられるかってな。ブッ刺されたって文句を言うつもりは無かった」


644 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:21:04.47B7CxciAl0 (6/19)

ビリー「わかってんだろ。こうなったのは俺が来たからだ。俺が来たから、山崎なんてクソ野郎に事務所が目をつけられた」

ビリー「俺が来たからてめェが築き上げた事務所が、全部が、水の泡だ。ざまァねえ」

つかさ「……」

ビリー「今まであんたが積み上げて来たモノが、俺みてェな訳のわかんねえヤツのせいでパーだ。ムカつくだろ?許せねえだろ?」

つかさ「……」


645 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:24:32.00B7CxciAl0 (7/19)

ビリー「……何を黙ってやがる?オラ、いつものように俺を罵倒してみろよ。どうしようもねえヤツだとか、救い難ェクズだってよ」


つかさ「……ふぅ」

ビリー「……!」

つかさ「……で、お前を罵って、何になんだよ?」

ビリー「……なに?」

つかさ「お前はどうしようもねぇクズだ、お前のせいでアタシの人生メチャクチャだ……それを口にして、事務所が元に戻んのか?世間が忘れてくれんのか?」



646 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:27:33.04B7CxciAl0 (8/19)

ビリー「……!」

つかさ「今までお前に嫌事言ってきたのは、それで結果が、未来が変わる可能性があったからだ。けど、もうこうなったらお前に何言ったって何も変わらないんだよ」

ビリー「……」

つかさ「……それに、全部がお前のせいだとも思っちゃいない」

ビリー「……なんだと?……」


647 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:30:35.67B7CxciAl0 (9/19)

つかさ「お前が初めて事務所に来た時、お前の事は全部調べた。そうだ、アタシと口論してお前が悪態ついて出ていった時にはお前の素性は全部分かってた」

ビリー「……」

つかさ「表に出てきている事、裏の顔、全部だ。お前がどんだけ危ねえヤツかってのは、調査してたんだ」

ビリー「……」

つかさ「ビリー・カーン……ギース・ハワードの右腕、歩く凶器……とにかく全部だ」


648 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:36:33.72B7CxciAl0 (10/19)

ビリー「……そこまで分かってて、何故俺を雇った?なんでテストなんか受けさせた?確かにメチャクチャなテストだったが、本当にやるとは思わなかったか?」

ビリー「だが、アンタは別にどうとでも理由を付けて俺を落とせたハズだ。なんでだ?」

つかさ「……アタシも本当はお前を迎えるつもりは無かった。そもそも危険人物だ、普通に考えたら絶対にNOだ」

ビリー「だったら……!」

つかさ「だが、なんでだろうな。お前が連れてきた佐藤が面白いヤツだったからか、妹と話してるお前を見たからか……」



つかさ「……それとも、アイツが……ギース・ハワードが一番信用した仲間だったから……かもな……」

ビリー「……!」


649 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:40:53.97B7CxciAl0 (11/19)

つかさ「……とにかく、アタシはお前の過去とかをひっくるめた上で事務所に置く判断をした。それには当然こういう事になるリスクも含めた上での判断をな」

ビリー「……じゃあ、何か?この結果はてめェの判断ミスだと?」

つかさ「……ん、まぁ、そういう事だな」

ビリー「……!」
ガタッ


650 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:45:10.70B7CxciAl0 (12/19)

ビリー「ふざけんな……!てめェ、ちょっと前までボロクソ言ってきてた癖になんだその……!」
グイッ

つかさ「……離せよ」

ビリー「うるせえ!言えよ!事務所を潰したのは全部お前の所為だってよォ!」

つかさ「……カーン」
スッ

ビリー「あァ……ッ!?」



つかさ「アタシを、この桐生つかさ様を甘く見んじゃねェぞ!!」

ビリー「……!」


651 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:48:40.06B7CxciAl0 (13/19)

つかさ「事務所を潰したのは俺の所為!?ハッ、自惚れてんじゃねえぞチンピラ風情が!」

つかさ「この『RUNWAY』は!アタシとアタシの仲間が人生掛けて立ち上げて作ってきた事務所だ!それをここ最近ノコノコ現れたお前が潰しただって?舐めんな!」

つかさ「RUNWAYを作ったのがアタシなら潰すのもアタシだ!これだけは他の誰にも奪えやしねえ!お前にも、山崎にも、ギースにもな!」

ビリー「……ッ」
スッ

つかさ「……」
トスッ


652 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:52:07.84B7CxciAl0 (14/19)

ビリー「……」

つかさ「……ただ」

つかさ「ただ一つ、申し訳ない事があるとすんなら」
ジワ

つかさ「このRUNWAYに夢を賭けてくれたアイドル、プロデューサー、スタッフ達……みんなには、謝っても、謝り切れねえ」
ポロッ

ビリー「……!」


つかさ「……」
グスッ


653 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:56:02.12B7CxciAl0 (15/19)




つかさ「……お前、これからどうする気だ?」


ビリー「……」

つかさ「……もしアメリカに帰るんなら、その前に、お前がスカウトしたアイドル達にきっちりケジメだけは付けていけ」

つかさ「別に直接会うんじゃなくてもいい……ただ、何も言わずに消えるのだけは止めてやってくれ」

ビリー「……」


654 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 00:59:37.98B7CxciAl0 (16/19)

つかさ「お前が捕まって以来……アタシもマスコミ対応や事務所の手続きがあったせいで、あの娘達とはまともに会えていない」

つかさ「電話で少し話はしたが……明るく振る舞うヤツ、顔は見れてないが明らかにふさぎ込んでるヤツ……ただ、皆大なり小なりショックは受けてる」

つかさ「もちろん、あの娘達の今後は、アタシが責任を持ってなんとかする。別の事務所に移籍させてもらうか、独立させる事務所に編入させるか……とにかくなんとかする」


つかさ「だがあいつらは……あれでもお前、ビリー・カーンという人間にスカウトされたからこそ集まった連中だ。お前が本質的にどういう人間であれ、それは変わらない」

ビリー「……」


655 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 01:03:22.65B7CxciAl0 (17/19)

つかさ「だから、傷になったって良い、悲しい記憶になったって良い。ただ、あの娘達が踏ん切りを付けて、前に進めるようにしてやるのがお前のプロデューサーとしての責任だ」

ビリー「……」
スッ

スタスタ

ガチャ
バタン


つかさ「……」


656 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 01:07:50.54B7CxciAl0 (18/19)


つかさ(……なんだよ。今更になってアイツに恨み言言ってんのかアタシは)


つかさ(分かってる。踏ん切りを付けて前を向くのは他人にさせてもらう事じゃない……自分自身でやらなきゃいけないことなんだ)

つかさ(アタシだ。アタシだけなんだ――――それが出来ていないのは)



つかさ「……」

つかさ「……馬鹿みてぇ。結局、18のあの頃から何も成長しちゃいねぇんだ」


つかさ(……なぁ、アンタ、見てんのか?もし見てたらアンタは……今のアタシになんて言うんだ?)






ビリー「……ケジメ、か」


657 ◆z4l4K/HkZ22020/05/07(木) 01:08:21.97B7CxciAl0 (19/19)

今日はここまで


658以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/07(木) 01:15:59.42TjR3+Q5m0 (1/1)

乙です!
マリーも登場していよいよ物語がラストに向かってる感じですね
香港の刑事は来るのかな?


659以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/07(木) 13:40:05.14L6yM8iD2O (1/1)

ビリーこれからどうすんだろ
帰るのか残るのか
残ってなにかやれることあるのかというのもあるが


660以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/07(木) 22:22:26.63rMzYpED70 (1/1)

ヤマザキは何とかしとかなきゃいかんわな


661以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/08(金) 12:45:54.31pN86xHbd0 (1/1)

本当餓狼のキャラもアイマスのキャラも違和感なく動いていて面白いわ
この先龍虎の時の師範みたいなおまけ的外伝も見てみたい(まずは無事に完結が前提だけど)


662 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:13:32.853/ppUle20 (1/29)



マリー「————まず、ビリー・カーンは今もう釈放されてるわ」

心「……え、ええ!?あんだけやらかして逮捕されたのに……!?」

マリー「……裏でハワード・コネクションが手を回したみたいね。1週間前に勾留を解かれて、留置場から出ているわ」


心「……ハワード・コネクション……?」


663 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:16:20.953/ppUle20 (2/29)

マリー「ええ、ハワード・コネクション……名前くらいは知ってるでしょ?」

心「そりゃあ世界的にも有名な企業だし名前は知ってるけど、ただ大きいってだけでどんな事をやってる会社かってのはよく知らないし……」

マリー「どんな事、と言われれば、何でもよ。物流、サービス産業からカジノ経営、そして軍事まで。莫大な資金力を背景にして、アメリカ……いえ、世界で見ても指折りの影響力を持つ巨大複合企業……」

心「……」
ゴクッ

マリー「そしてその資金力以上にコネクションの力を高めていたのは、総帥であるギース・ハワード……この男の支配だった」


664 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:20:20.393/ppUle20 (3/29)

心「……え?でもその人って、ちょっと前に確か事故死したって……ニュースですっごい大騒ぎしてたもん」

マリー「ええ。ギース・ハワードは確かに今から約10か月前……自身の居城とも言うべきギースタワーから転落死してる。コネクションは世界への影響力に若干翳りが見えている」


心「……ね、ねえ、さっきから……そのコネクションとか社長とか……ビリーさんと一体何の関係があるの?その会社と社長がすごいってのはわかったけど……そんなすごい会社が……どうして捕まってたビリーさんを助けるの!?」


マリー「……ビリー・カーンはそのハワード・コネクションで、ギースの側近を務めてた。名実ともに組織のナンバー2をね」


665 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:24:18.123/ppUle20 (4/29)

心「……はあ!?う、ウソウソウソ!無理でしょ!あんな社会不適合者がそんな立派な企業のナンバー2だなんて!」

マリー「……まぁ貴女の言ってることも正しいけどね。けど、事実よ」

心「そ、そんな……大体、ビリーさんがそんな所にいて何の仕事すんの!どう見たってあの態度で営業が上手いとは思えないし、あの短気さで人の管理なんて出来るとは思わないし……!」

マリー「さっきも言った通り、ハワード・コネクションは何でもやってるの。そしてその『何でも』の中には、表の社会のは出せない事も含まれる。所謂、裏の仕事もね」


666 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:28:30.893/ppUle20 (5/29)

心「な、なにそれ……マンガとか映画とかで見るような仕事って事?」

マリー「まぁ概ねそういうイメージで間違ってないわ……それが表に出てこないのは、豊富な資金による買収、癒着……そして武力による邪魔者の排除」

心「……まさか」

マリー「そう、ビリー・カーンは組織内でその『武力』を担っていた。ある時は格闘大会でコネクションの力を喧伝するように派手に暴れ、そしてある時は秘密裏に敵対する者を暗殺したり、ね」

心「……あ、暗……さ……!」


667 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:32:08.333/ppUle20 (6/29)

マリー「そう。ビリー・カーンの手によってから消された人間は両手の指じゃ足りない……もちろん、表面に出ている数だけでもね。着いた仇名が『歩く凶器』」

心「歩く、凶器……!」

マリー「ハワード・コネクションはそういった側面から、表社会だけでなく裏社会にも強い影響力を持っていた。ビリー・カーンを筆頭に、血生臭い事もやっていたからね。……そしてそれはギース・ハワード本人も時に先頭に立って手を汚した」

心「……」


668 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:35:50.143/ppUle20 (7/29)

マリー「けど、さっき言った通りギースは死んだ。ビリー・カーンは荒事専門で、ギースのような支配力は持っていなかったから……コネクションは急激にその影響力を失った……特に裏社会の方のね」

マリー「それからというもの、ビリー・カーンは本拠地であるサウスタウンに居て、特に目立った動きは無かった。けど、突然姿を消したと思えば、この日本で目撃された。しかもアイドルのプロデューサーとしてね」

心「……」


マリー「ねえ貴女、どう思う?ビリー・カーンは一体何が目的で……ちょっと、佐藤さん。貴女……大丈夫?」

心「……そんな……ビリーさん……暗殺……凶器だなんて……」


669 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:39:44.163/ppUle20 (8/29)

マリー「……正直言って、貴女がそんなにショックを受けている事に私は驚いてるわ。私は暴力の象徴としてのビリー・カーンを知ってるから……けど貴女のその様子を見ると、貴女は私の知らないビリー・カーンの顔を知っているようね」

心「……」

心「カーンさんは……確かに短気で自分勝手で、妹大好き人間だけど……」

心「それでも、悪態つきながら、憎まれ口叩きながらもはぁと達の事を心のどこかで気にかけてくれてる……そういう人だった」


670 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:45:28.413/ppUle20 (9/29)

心「そう思ってるのははぁとだけじゃない、李衣菜ちゃんだって、智絵里ちゃんだって……忍ちゃんも周子ちゃんも、それこそ社長だって、そう思ってたと思うよ」

心(けど、人殺しだけは……それだけは……)

マリー「……あの男がいたこの約半年間……随分と信頼を勝ち取ったようね……それは私にとっては想定しなかった事だわ」

マリー「まぁビリー・カーンという男の評価を決するのは今必要な事じゃない……認識を改める必要はあるかもしれないけどね、貴女も私も」


671 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:47:45.633/ppUle20 (10/29)

心「……」
ガタッ

マリー「……佐藤さん?」

心「……もう、帰る」

マリー「……この写真の男の事は、聞かなくていいの?」

心「……今はちょっと何も考えたくないかも」
フラフラ
カランカラン


672 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:50:47.483/ppUle20 (11/29)

マリー(……いつの間にか、私の方があちらに話をする側になってたわね)

マリー(特に目新しい情報は得られなかった……恐らくこれ以上聞いても同じだったでしょうけど……しかし)

マリー(ビリー・カーン……あの男の私が知り得なかった新たな人物像を伺い知ることはできた)


マリー(ただ……例え仕事だとしても……彼女のような辛そうな顔を見るのは……やっぱり胸が痛むわね)


673 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:53:17.143/ppUle20 (12/29)





コツコツコツ

男「(……お呼びですか)」


山崎「(オウ、呉、来たか)」

男「(私を呼んだという事は……何かアクションを?)」

山崎「(ああ。俺ァ追い詰めりゃあの社長サンはきっと大人しく事務所を譲ってくれると踏んでたんだが……どうやらあの女、事務所を処分しちまいそうなんだ)」


674 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:56:51.673/ppUle20 (13/29)

男「(……我々に渡すぐらいなら、自分の手で潰す、と?)」

山崎「(俺ァ多少傷物になっても良いと思って工作を掛けさせたが……全く嫌われたモンだぜ。所詮アイドル上がりだと舐めてたが……クク、大した反骨精神だぜ)」

男「(……では、事務所が畳まれる前にこちらに譲るように圧力を掛けると?)」

山崎「(まぁそういうこった。別にアイドル事務所に興味はねえが、それでも事務所事畳まれりゃあそこに隠してあるであろうブツが全部パーになる。それじゃあ何しにわざわざ日本まで来たのかわからねェ)」



675 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 22:59:51.063/ppUle20 (14/29)

男「(しかし、今はあちらに仕掛けようにも事務所及び社長やアイドルの周辺には常にマスコミという衆目があります。その中で事を起こすのは多少リスクが……)」

山崎「(イヤ……いるだろ?この騒動の中マスコミに追い回されてねェ面倒な護衛も着いてねェ当事者が……クク、地味ってのは得な事もあるんだなァ)」

男「(……!なるほど)」

山崎「(オウ。それじゃあ『協力者』を確保出来次第、改めて社長サンと交渉だ……クク、今度こそ社長サンが優しくしてくれると良いんだがなァ?)」




676 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:03:02.503/ppUle20 (15/29)





都内
某所


ブーン
キキッ
李衣菜「あ、領収書ください……宛名は、ラ……いや、やっぱ空白でいいです、はい、どうもありがとうございました」

ガチャ
バタン
ブーン

李衣菜「……っふう、ここのビルで合ってるよね……?」


677 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:07:09.863/ppUle20 (16/29)

李衣菜(『RUNWAY』が活動停止になってから約ひと月……未だに世間のバッシングは止まないし、事務所の近くにはマスコミの人がうろついてる)

李衣菜(プロデューサーさんは捕まっちゃって……桐生社長は色んな対応に追われててんてこ舞い……私たちは自宅待機になってたけど……そんな中今日久しぶりに社長から集合が掛かった)
スタスタ


李衣菜(わざわざ変装して、事務所から遠く離れたこのビルにタクシーを使って……しかもビルの前で鉢合わせないように時間をずらして集合)

李衣菜(私が一番ビルから遠くに住んでたから、私が最後に集合って事だったけど、みんなちゃんと来てるのかな……アレ以来声は聞いてても顔を見るのは久しぶりだし)


678 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:11:58.013/ppUle20 (17/29)

李衣菜「えーっと……会議室の609号室だから……6階に上がらなきゃ」

李衣菜(そもそも集合が掛かったのも何か重要な伝達事項があるってことなのかな……もしかしたら……プロデューサーさんの事……とか)


チーン
ウィーン

スタスタ

李衣菜「609号室……ここか」


679 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:15:55.913/ppUle20 (18/29)

李衣菜(静かだな……)
コンコン

ガチャ

李衣菜「おはようございま~す……リーナで~す……」

つかさ「多田、来たか」

周子「あ、リーナちゃん。おひさ~」
ハタハタ


680 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:19:54.613/ppUle20 (19/29)

李衣菜「あ……」

忍「あ……良かった、元気そう、だね」

智絵里「……」
ペコリ

李衣菜(良かった、皆来て……ん?)

李衣菜「……あれ?心さんは?」


681 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:23:02.283/ppUle20 (20/29)

智絵里「……」

忍「……」

李衣菜「……え?ど、どうしたのみんな……」

周子「……あー、心さんは……」

李衣菜「……ま、まさか」


李衣菜「心さんの身に何かあったんじゃ!」



682 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:27:06.543/ppUle20 (21/29)

スッ
???「……うわあッッッッッ!!!!」
ドン

李衣菜「きゃあああああああああ!!!!!」
ビクゥッ

李衣菜「だ、だだだだだ……って」

心「よっ☆李衣菜ちゃん久しぶり☆」


683 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:32:46.653/ppUle20 (22/29)

李衣菜「……心さん!?え、ふ、普通にいるじゃないですか!?」

心「え?そりゃいるよ?トイレ……じゃなくて、お花摘みに行ってただけだし」

周子「あっはっはっはははは!『きゃあああああ!』やって!かわいっ」

李衣菜「な、なに笑ってんの!ていうか心さんなんで脅かすんですか!」

心「いや~、戻ろうとしたらちょうど李衣菜ちゃんが部屋に入ってくのが見えたからさ☆ちょっと久しぶりに会うあいさつ代わりと思って☆」

李衣菜「もおおおお!!」



684 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:36:09.263/ppUle20 (23/29)



つかさ「……まぁとにかく全員集まる事ができて何よりだ」

心(……確かにみんな集まってくれてそれはホント良かった……けど、今に至るまで智絵里ちゃんも忍ちゃんも……全然笑ってないな……さっきのでくすっとくらい笑ってくれるかなって思ったけど)

智絵里「……」

忍「……」

心(ビリーさんの事を知ってるのも……多分はぁとだけだよね……)


685 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:39:18.523/ppUle20 (24/29)

李衣菜「それで桐生社長、今日集まったのは……」

つかさ「ああ、まぁ騒動が起こって以来忙しくてお前たちと顔合わせも出来なかったが……少し余裕が出来たのでこうして集まってもらった。お前らに伝えなきゃいけないこと、確認したいこともあるしな」

工藤「伝えたいこと、ですか……」


つかさ「ああ……まず最初に、この『RUNWAY』はアイドル事業から撤退する」


心「!」

智絵里「……!」

忍「え……!?」

周子「……」


686 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:42:46.283/ppUle20 (25/29)

李衣菜「そ、そんな!?」

つかさ「みんな知っている通り……連日事務所にはマスコミが張り付き、世間はほぼほぼバッシング一色……こんな状態で人様の前に出る芸能活動なんて出来るわけがない」

心「そ、それじゃあ……はぁと達は……」

つかさ「いや、お前らの今後についてはアイドルを続けられるようにする。先に独立させた元傘下の事務所に受け入れてもらうか、もしくはお前らが望むなら別の事務所に移籍でも良い。こう見えて業界にはツテが多少あるから、それくらいは出来る」


687 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:48:54.393/ppUle20 (26/29)

忍「で、でも……『RUNWAY』は……」

李衣菜「そ、そうですよ!桐生社長は、事務員さんやリリィさんはどうなるんですか!?」

つかさ「……その事だが、その二人は退職してもらう方向で動いてる」

智絵里「……え……?」

李衣菜「た、退職って……!」

つかさ「現状あの二人はマスコミにも追われていないが……それでももう沈みかけてる船に付き合ってもらう必要はない」


688 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:51:32.203/ppUle20 (27/29)

忍「そ、そんな……あの二人はそれで納得してるんですか……?」

つかさ「納得する、しないの話じゃない。雇ってるのはアタシ……それを続けるかどうかはアタシが決める。リリィとはまだ話し合い中だが……」

李衣菜「……ってことは事務員さんとはもう話がついてるんですか……」

つかさ「……まぁそういう事だ」

周子「……」


689 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:53:51.793/ppUle20 (28/29)

つかさ「……まぁそれよりもお前らの事だ。今後どうするかだが……」


智絵里「……ま、待ってください……」

つかさ「……緒方?」

智絵里「……プロデューサーさんは、どうなったんですか……?」


心「……!」



690 ◆z4l4K/HkZ22020/05/15(金) 23:57:25.293/ppUle20 (29/29)

忍「……ち、智絵里ちゃん……」

つかさ「……その様子だと、カーンから特に連絡はなかったようだな」

李衣菜「……え?連絡も何も、プロデューサーさんは逮捕されてるんじゃ……」

つかさ「……」
フゥ


つかさ(カーン……あいつやっぱり……ケジメはつけられなかったか……)


691 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:00:53.26ttr9mHfV0 (1/7)

つかさ「……ここから話す事は他言無用だ。いいな」


李衣菜「……え、な、なんですか……」


つかさ「カーンはもう留置場にはいない。釈放された」

智絵里「え……」

忍「な……!」

周子「……!」

李衣菜「え、ええ!?」

心「……」


692 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:03:05.06ttr9mHfV0 (2/7)

つかさ「釈放されたのは今から10日くらい前か……その後アタシにわざわざ会いに来た」

李衣菜「プ、プロデューサーさんが……」

忍「釈放……」

周子「……けど、釈放されたなら何であたしらに会いに……ていうか連絡してくれないの?電話の一本くらいあってもいいと思うんだけど」

つかさ「……本当にそう思うか?」


693 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:04:41.90ttr9mHfV0 (3/7)

周子「……」

つかさ「お前らはあの事件の現場で……その、カーンを見たんだろ?現場にいたカーンを……」

忍「……そ、それは……」

智絵里「……ッ!」
ブルッ




694 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:08:27.38ttr9mHfV0 (4/7)


『見るな!見るんじゃねえ……!?あれは……!?』


『これは、テメエがやったのか!ビリー、おい!!』

『ひッ……いや……!』

『いや……来ないで……!』

『……あ……ああ……』


『……』





智絵里「……いや……!」
ガクッ

李衣菜「ち、智絵里ちゃん!」
ガシッ


695 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:12:35.68ttr9mHfV0 (5/7)

つかさ「……やっぱり見たんだな。アイツの、ビリー・カーンのもう一つの顔を……」

忍「な、なんですか、もう一つの顔って……」

つかさ「……本来なら、カーン本人の口から聞くべきだと思うし、アイツにもそうしてもらいたかったが……アイツはお前らにケジメをつけられなったようだしな」

つかさ「もうアイツは二度とお前らの前に現れないだろうが……それでも何も知らないよりはお前らも区切りが付けられるだろう……アイツは……」



心「ま、待って!」


696 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:15:54.63ttr9mHfV0 (6/7)

李衣菜「……心さん?」

心「社長、すみません……それから先ははぁとに話させてほしいって言うか……」

つかさ「……なに?佐藤、お前……」

心「みんな、ゴメン……その、はぁとはついこの前……その、とある情報筋から偶然ビリーさんの話を聞いたの……ホントはすぐに皆にも知らせるべきだと思ったんだけど、その、はぁとも色々整理できなくて」

心「だから……今みんなに聞いてほしいの……又聞きだけど、ビリーさんの事……はぁとが聞いた事を……」


つかさ「……」


697 ◆z4l4K/HkZ22020/05/16(土) 00:16:39.05ttr9mHfV0 (7/7)

今日はここまで


698以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/16(土) 02:31:40.62kNqtn3o2o (1/1)


なにも言わなかったビリーも気になるが事務員の安否が気になる……


699 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 22:52:21.33+xq2CPsf0 (1/23)

同時刻
事務員宅


事務員「……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


1週間前
都内ホテル



事務員「……解雇、ですか……?」

つかさ「……ああ」


700 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 22:56:10.45+xq2CPsf0 (2/23)

事務員「そんな……!事務所が大変なこの時に……!」

つかさ「さっきも言ったろ。事務所は分割の上で本体は清算、アイドル事業から撤退するって」

事務員「だから……!アイドル事業からは撤退するにしても、完全に廃業する訳じゃないんでしょう!だったら私にだって出来ることが……!」

つかさ「わかってる。お前はデキるヤツだ、お前が居てくれてどれだけ助かってる事か」

事務員「……ッ!だったら……!」


701 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 22:57:24.37+xq2CPsf0 (3/23)

つかさ「だからこそ、だ。もしお前が何にも出来ないヤツだったら、放り出す事なんてできない。けど、お前は優秀だ。どこにだって行けるし、どこでだって活躍できる」

事務員「……それはっ……就職もしないで、大学にもいかないで、途方に暮れてた私を社長が拾ってくれたから……人よりも覚えの悪い私を、辛抱強く育ててくれたから……ッ」

つかさ「辛抱強かったのはアタシじゃなくてお前だろ?他に事務員で雇ったヤツはみんな半年持たないで辞めてったからな……まっ、口が悪いしな、アタシは」



702 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:00:20.33+xq2CPsf0 (4/23)

つかさ「……懐かしいな。お前がこの事務所に来てくれてもう6年……最初は頼りなかったが、立派に成長して、今じゃアタシの右腕だ。お前がいなきゃ、この事務所は成り立たなかったよ」

事務員「……子供の頃……Reppuの……桐生社長のアイドル姿に憧れて……」

事務員「それ以来アイドルになりたかった……中学からは色んな事務所に応募して、養成所にも行って……けど、芽は出なかった……私には、華が無かったから……」

つかさ「……」

事務員「正直、それは自分でも分かってました……事務所や養成所の子……みんな私なんかより可愛くて輝いてる子ばっかりで……私なんて地味だし、ビビリで度胸もないし」


703 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:03:30.34+xq2CPsf0 (5/23)

事務員「それで気付いた頃には19歳……周りの友達はみんな進学か就職してて……けどそんな時、RUNWAYでアイドル募集してるのを知って」

つかさ「ああ……」

事務員「社長は、私をオーディションまで進めてくれた。社長の前で全力で歌って……そこで社長がはっきり無理だって言ってくれたお陰で、私はアイドルの道を諦めることが出来たんです」

つかさ「……」

事務員「そして社長はアイドルとして、じゃなくて事務員として働かないかって連絡してくれましたよね。……今更ですけど、事務の仕事なんて全くしたことがない私をなんで誘ってくれたんですか?」


704 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:07:40.30+xq2CPsf0 (6/23)

つかさ「……オーディションをした結果だよ。あの時点でお前の歌を聴いて、アイドルとして活躍するのは無理でも……お前は努力を続ける事が出来る、根性が座ったヤツだって、わかったからだ」

事務員「……全部、社長のお陰なんですよ。アイドルを目指して努力出来たのもアイドル桐生つかささんに憧れたからだし、事務員にしてもらって頑張ってこられたのも、社長が見捨てないでいてくれたからです」


つかさ「……」


事務員「……お願いです、桐生社長……お給料がなくたって良いです、お休みがなくたって良いです……私も、社長についていかせてください……!」


705 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:11:56.47+xq2CPsf0 (7/23)

つかさ「……」
ギュッ

事務員「……!」


つかさ「……ごめんな。お前の気持ちは何より嬉しい……けど、アタシがこれから歩く道は酷いもんだ。そんな道にお前を引き込む訳にはいかない」


事務員「……どうして、ですか」

事務員「……どうして、社長がそんな道を歩まなきゃいけないんですか……」


事務員「悪いのは、こんな状況を持ち込んだプロデューサー……いえ、カーンさんじゃないですか……!」


706 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:14:42.88+xq2CPsf0 (8/23)

つかさ「……お前……」

事務員「私は、知ってます……!あの人が初めて事務所に来た時……名刺を預かったのは私だったし、最初からあの人は怖かったから……」

事務員「調べれば調べるほど出てくるのは怖い噂ばっかり……それは社長だって知らないはずはないのに……どうしてこんな人事務所に置いとくんだろうって、私ずっと思ってました……」


つかさ「……だが、奴は……」



707 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:18:03.96+xq2CPsf0 (9/23)

事務員「確かに……リリィちゃんと話してる時は優しいお兄さんだったかもしれません。佐藤さん達や李衣菜ちゃん達にも慕われてたかもしれません。私が思ってたよりかは悪い人じゃなかったのかもしれません」

事務員「……けど」

事務員「けど、結局はあの人はあんな事件を起こして、苦しむのは周りの人たちじゃないですか……!」

つかさ「……」


708 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:21:10.69+xq2CPsf0 (10/23)

つかさ「……結局、あいつの素性を知った上であいつを雇うと決めたのはアタシで、アイツを御せなかったのもアタシに力が無かったからだ」

つかさ「退職金は十分に出す。必要なら次の仕事の斡旋もする」

つかさ「だから……アイツを、他人を恨みながら生きていくようなマネはしないでくれ」

つかさ「それが……アタシからの、最後のお願いだ」

事務員「……社長……」


~~~~~~

~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~


709 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:24:31.82+xq2CPsf0 (11/23)

事務員(……)

事務員(私は、お金なんかよりも、新しい職場よりも……社長と一緒にお仕事が出来ればそれで良かったのに……)
グ~

事務員「……」
フラフラ
ガチャ


事務員(あ……もう食べるものない……もう何日も外出てないし……)

事務員「……買い物行かなきゃ」


710 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:27:37.31+xq2CPsf0 (12/23)

RUNWAY事務所

事務員「……」
フラフラ

マスコミ「……ハァ~、今日もどうせ誰も来ねえのに事務所張っとかなきゃいけねえのか」

マスコミ2「な、いい加減警戒されて関係者はこの事務所に近づかねえだろうに……上の命令だから仕方がねえけどさ」


事務員(……なんとなく事務所の近くに来てみたけど未だに報道関係の人がいる……)


711 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:30:46.58+xq2CPsf0 (13/23)

事務員(けど、誰も私がここの事務員だったなんて気づかない……別に気付かれたい訳じゃないけど)

事務員(……帰ろう。いつまでも未練がましくこの場所に来て……こんな所誰かに見られたら……)
スッ



マスコミ「……ったく、何でもいいけどさあ、ヤクザでもチンピラでも良いからさっさと新しい特ネタ出してほしいよな」


事務員(……!?)



712 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:34:19.39+xq2CPsf0 (14/23)

マスコミ2「全くだぜ。もうなんならでっち上げて勝手に記事書いちまうか?どうせ真っ黒な事務所なんだし案外適当に書いても当たるんじゃねえの?ははは!」


事務員「……!」

スタスタスタ

マスコミ「……ん?」


事務員「あ……あなた達が、この事務所の何を知ってるって言うんですか!」



713 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:36:12.25+xq2CPsf0 (15/23)

マスコミ「は?」

事務員「こ、この事務所を作っていくのに、社長が……色んな人達が、どんな思いで……!」

マスコミ2「……お姉さん、誰?この事務所の関係者?」

事務員「……!わ、私は……!」

事務員(……もう、今は……)


714 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:39:00.48+xq2CPsf0 (16/23)

事務員「……違います」

マスコミ「……んだよ、だったらあっち行けよ。こっちゃ仕事なんだよ」
シッシ

マスコミ2「……いや、待てよ。あんた……ちょっと話聞かせてくれる?全くの無関係者が事務所の近くで俺らマスコミに噛みつくってこたぁ無いよね?」
ザッ

事務員「……あ……!」
ジリ


715 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:41:07.82+xq2CPsf0 (17/23)

事務員「……ッ!」
ダッ

マスコミ「あっ、逃げたぞ!」

マスコミ2「追え追え!絶対関係者だ!」




事務員「……!ハァッ……!」


事務員(最悪……!私なんかが出しゃばって……結局社長たちの足を引っ張っちやう……!)
グスッ


716 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:43:34.34+xq2CPsf0 (18/23)

事務員「ハァ、ハァ……ハァ……」

マスコミ「ハァ……ハァ……最近走らされてばっかりだな俺ら……」

マスコミ2「ハァ……ハァ……けどまぁ、前は逃げられちまったけど今回は大丈夫だ……真昼間だが人通りもない路地裏……もう逃げられねえ」

事務員「……ッ」


マスコミ「おいおい、泣かないでよ。まるで俺らが犯罪者みたいじゃん」


717 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:46:56.20+xq2CPsf0 (19/23)

マスコミ2「そうそう、ちょこっと話を聞かせてくれれば……ん?」

ザッザッザッザ

男たち「……」

ザッザッザ

事務員「……!?」

マスコミ「お、おいおい!?なんだアンタら!?」

マスコミ2「ヒッ……な、何だ!な、何人いるんだ!?」

男たち「……」


718 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:48:53.96+xq2CPsf0 (20/23)

スタスタスタ

男「……」

事務員「……あ……!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

事務員『ど、どどどど、どこのどなた……きゃあっ!』
ドン

男2『……點做?』

男1『劫持人質』

男3『畀邊個?』

男1『唔理係邊個.所有好』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


719 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:51:25.44+xq2CPsf0 (21/23)

男「……」

事務員(あ、あの人は……!間違いない……前に事務所に襲ってきた怖い人達の……リーダーらしき人……!)
ガタガタ


男「(……ようやく姿を見せてくれたと思ったが、これは中々どうして。想定外と言うべきか、手間が省けたと言うべきか……)」

マスコミ「な、何語だ……?中国語……?」



720 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:55:16.40+xq2CPsf0 (22/23)

男「(君たちマスコミは我々の期待以上にあの事務所を追い詰めてくれたが……やり過ぎたな。まさか廃業寸前まで追い込むとは思わなかった。それでは困る)」

マスコミ2「な、なんだ……?なんて言ってるんだ……!?」

男「(お前たちの役割は終わった。役目の終わった駒には舞台から消えてもらわねばならない……おい)」

男2「(はい)」

ゾロゾロ

男「(殺しはするなよ。少しばかり痛い目に遭って頂け)」

マスコミ「ひ……や、やめろ……」

マスコミ2「うわ、うわああああああ!!」


721 ◆z4l4K/HkZ22020/05/17(日) 23:58:52.78+xq2CPsf0 (23/23)




男「(……さて、本題だ)」

事務員「あ……あ……」
ガタガタ

男「(どうやら俺の顔を覚えているみたいだな。なら、言葉は通じずとも状況はなんとなくわかるだろう……連れていけ)」

男2「(はい)」

ゾロゾロ



722 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:01:55.774Ikvf85u0 (1/6)

事務員「……!」

事務員(……社長……!ごめんなさ―――)

ヒュッ
スタッ


男たち「……!?」

男「(……お前は)」


事務員「……あ、ああ……」



「……やっぱりこっちに来やがったか。あのクソ野郎の考えそうなこったぜ」


723 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:03:57.604Ikvf85u0 (2/6)



事務員(どうして、あなたが……)

事務員「—————プロデューサー、さん……」


ビリー「……」
ザッ


男「(ビリー・カーン……まさかお前が出てくるとはな……その女の護衛をしていたのか?)」

ビリー「……おい、アイツ何喋ってんだ」




724 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:06:17.224Ikvf85u0 (3/6)


事務員「……えっ!?あ、あのすみません……私もわからなくて……ただ、あの人……以前事務所を襲ってきた人で……美波さんは、たぶん中国語で……」

ビリー「……なに?おい、お前今なんつった」
ピク

事務員「ヒィっ!?み、みみみ、美波さんはたぶんちゅ、中国語で……!」
ビクゥ

ビリー「違ェ!ンな事はどうでもいい、あの野郎が以前事務所を襲った野郎だと……そう言ったのか」
ギロリ

事務員「ヒィィィィ!そ、そそそそそ、そうですぅぅ!!」
ビクビクビクゥ


725 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:10:04.674Ikvf85u0 (4/6)

ビリー「……そうかよ」
スッ


ビリー「へっ……意外な所で運が回ってくるもんだなァ……」


ビリー「おい、地味女。お前は出来るだけ隅っこの方でうずくまってろ」

事務員「あ、あああああ……」
ガタガタ

ビリー「……へっ、そうだ、それで良い……」


男「(……総員、戦闘態勢。銃を持ってる者は抜け)」


726 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:14:14.984Ikvf85u0 (5/6)

男2「(……は?それでは人質が……)」

男「(……わからないか。全力で掛からないとこっちが喰われると言ってるんだ)」

ビリー「俺の妹を危険に晒してくれた礼だ……てめェら全員、生まれた事後悔させてやるぜ……!」
スッ

男2「……!」

男「(総員、構え!良いか、確実に殺しに行け!死にたくなければな!)」

ビリー「全員、ブッ殺してやるぜオラァァァァ!!」
ズバッ


男「(……掛かれ!!)」


727 ◆z4l4K/HkZ22020/05/18(月) 00:15:37.524Ikvf85u0 (6/6)

今日はここまで


728以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/18(月) 00:19:39.616fQwnlJW0 (1/1)


マスゴミざまあw


729以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/18(月) 00:42:57.78ewwss+l9o (1/1)


ビリーお前また暴れて……ちゃんと揉み消せるんだろうな?


730以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/18(月) 00:45:10.62uZMg4e2AO (1/1)

そのおそれが生じない意味も含めたマスコミの粛正っしょ


731以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/18(月) 08:33:23.76pK9SJVtnO (1/1)

マスコミより警察だろ対策必要なのは


732以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/18(月) 11:38:25.75kdYPmc1a0 (1/1)

警察は山崎が動いていると分かったら何とかしそうな奴が2人香港にいるからね
クライマックスだし餓狼サイドもオールスターで活躍しそうで楽しみ


733以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/05/21(木) 20:58:39.434t7NR+KZO (1/1)

このSSでも目立ちまくりの社長、ボイス実装おめでとう!
どんな声がつくのかな


734以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/23(火) 17:26:52.77zUPK1qDr0 (1/1)

ギース様、ナイトメアモードあるだろ。何とかフォローしてやれよ、ビリーもつかさも…


735以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/23(火) 18:05:19.08nd4hZCAPO (1/1)

ボヒョー化という最終手段


736 ◆0OJWmFhdKk2020/06/28(日) 21:59:06.57pGK0bJfa0 (1/35)

都内
会議室


心「……ここまでが、はぁとが聞いた話……本人に直接聞いた訳じゃないけど……」


李衣菜「そ、そんな……」

智絵里「……うっ、うう……」

忍「プロデューサーさんが……そんな……」



737 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:00:40.41pGK0bJfa0 (2/35)

おっと、酉間違えちゃった……


738 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:02:00.34pGK0bJfa0 (3/35)

都内
会議室


心「……ここまでが、はぁとが聞いた話……本人に直接聞いた訳じゃないけど……」


李衣菜「そ、そんな……」

智絵里「……うっ、うう……」

忍「プロデューサーさんが……そんな……」


739 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:02:55.07pGK0bJfa0 (4/35)

周子(……なんか訳アリっぽそうな人とは思ってたけど……そっち側の人だったとは……)


つかさ「……佐藤、その話は誰から聞いたんだ?……いつ?」

心「……1週間くらい前です。その……サウスタウンに居た頃のビリーさんを知ってるって女の人から」

つかさ「……」

つかさ「……今佐藤が言っていたことは……事実だ」


740 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:06:55.44pGK0bJfa0 (5/35)

李衣菜「!」

智絵里「……ッ!」

忍「……プロデューサーさんは……どんな気持ちでアタシたちをプロデュースしてたのかな……」

心「……」

つかさ「……アイツの素性に関しては、アタシは最初から把握していた」


741 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:10:01.37pGK0bJfa0 (6/35)

忍「……え……?」

つかさ「アイツがどうしてプロデューサーをさせろとやってきたのか……そして先日のあの事件が起こるまでプロデューサーを続けていたのか……それはアタシもわからない」

周子「けど……今までに何度もビリーさんは危ない橋っていうか、問題を起こしてたんでしょ?それをクビにしなかったのは?」

つかさ「……」

つかさ「それは、お前たちを見てたからだ」

周子「……!」


742 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:13:12.89pGK0bJfa0 (7/35)

つかさ「確かにアイツはガラも悪いし揉め事も起こした……さっさとクビにした方が良かったんだろうが……」

つかさ「それでも……佐藤……多田……緒方……工藤……塩見……」


つかさ「アイツが連れてきたお前たちが頑張ってるのを見る度……アタシはアイツを信じたくなっちまったんだ……」

心「……」

李衣菜「……」

智絵里「……」

忍「……」



743 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:17:11.09pGK0bJfa0 (8/35)

つかさ「……だが、結果としてアイツは事務所を去り、お前たちは傷付いた。それは他でもない、アタシの責任だ」

李衣菜「な、なんで……そんな事……」

つかさ「この事務所はアタシの事務所……アタシの人事で起こった事はアタシの責任」

つかさ「……みんな、すまなかったな」
スッ

忍「そんな……頭を上げてください桐生社長……」


心(……ビリーさん……)


744 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:19:47.81pGK0bJfa0 (9/35)

都内
路地裏


パンパンパン

ビリー「ハッ!」
チュンチュン
キン

男3「(ば、バカな!?弾かれた!?)」

男4「(なんだあの棍は……!)」


745 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:24:13.84pGK0bJfa0 (10/35)

男5「(ええい……!」)
パンパンパン

ビリー「ハァーッ!」
ブン
キンキンキン

ビリー「へッ……!ライフルの弾ならいざ知らず、チャカ程度で俺の棍をブチ貫けると思うな……よッ!」
ダン

男3「(飛んだ!?)」

男4「(げ、迎撃を……!)」

ビリー「遅え!kill you!」
ドガガ

男3「グハッ!」
ドッ
男4「ギャアアア!」
グシャ


746 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:28:26.76pGK0bJfa0 (11/35)

ビリー「アアァーーーッ!!」
ギュン

男5「ガッ……」
ズド

男「(バラバラに撃っても当たらん、引き付けて、一斉に撃て!弾幕が増えれば奴も捌き切れん!)」

男6~12「……ッ!」
ザザザザザ

ビリー「ヒァーッハッハッハ!」
ドドドドドド

男6「……ヒ……!」


747 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:31:56.26pGK0bJfa0 (12/35)

男「(竦むなッ!……撃てーッ!)」

パンパンパンパンパンパン

ビリー「ハァーッ!」
グルグルグルグル
キュンキュンキュン


男「(棍を回転させて、弾いた……!)」


男6「(ひ、ヒィィィィ!)」

男7「(ば、化け物だ!!)」



748 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:35:24.65pGK0bJfa0 (13/35)

男「(チ……!散開しろ!あらゆる角度から同時に撃ち込めばヤツとて捌き切れん!)」

男6~12「……!」
ザザッ

ビリー「おっとォ……!バラけるつもりか……!そうは……」
ダッ

男6「……!ヒ……!」

ビリー「いくか、よ!」
パンッ

男6「……!」
ドサ


749 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:39:38.82pGK0bJfa0 (14/35)

ビリー「次ィッ!」
タン

男7「(うわ、うわああああああ)」
パン パン パン

ビリー「もっと良く、狙えや!」
スッ
ヒュン
バキィ

男7「ガ……ハ……」
ドッ

ビリー「次ィ!」
タン


750 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:42:42.09pGK0bJfa0 (15/35)


事務員「す、すごい……!」

事務員(こ、この人ただ怖い人じゃなくて、本当にやばい人だったんだ……!ていうか人間じゃない……!)
ブルブル




男8「ぎゃああああ……!」
ドサァ

ビリー「……あと5人。大分少なくなってきたなァ?」
ザッ


751 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:45:49.20pGK0bJfa0 (16/35)

男12「(な、なんだこの男は……!)」

男11「(け、獣だ……!銃もまるで効かない!)」

男9「(無理だ!いくら銃を持っててもこいつは!)」
ダッ

男10「(あっ……逃げ……!)」



男「……」
スッ
パァン

男9「」
ドサッ


752 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:48:51.57pGK0bJfa0 (17/35)

男12「(あ……!)」

男10「(な……!)」

ビリー「……!」


事務員「ひ、ひィ~~~~~!!」

事務員(う、撃った……!じ、自分の仲間の人の、頭を……!うっ……!)

事務員「うぇぇ……」
ビチャビチャ


753 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:52:07.73pGK0bJfa0 (18/35)

男10「(ウ、呉!な、何を……!気でも狂ったか!)」


男「(黙れ。逃げる者は撃つ)」
スチャ

男11「(な……!)」

男「(それにどうせここで失敗すれば、全員ボスから追手を差し向けられて殺される。お前らに残された道は、ビリー・カーンをここで仕留めて女を連れて帰るか、死ぬかだ。選べ)」

男12「(く……!)」
ジリ

男「(範は俺に撃たれて幸運だった。脱走して捕まれば、待っているのは拷問による極限の苦痛の後の死だ。お前らも楽に死にたいのなら逃げてみるか?)」

男11「……」
ゾク


754 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 22:58:17.32pGK0bJfa0 (19/35)

男10「(く……クソが……!殺ってやる……殺ってやらァ!)」

男12「(……!)」
ザッ


ビリー(……チ、このまま総崩れになりゃ楽だったが……何話してたかわかんねえが、全員決死兵の眼になりやがったか……)

ビリー「————だったらよ」
ザッ

ビリー「まとめてぶっ飛んでもらうしかねェな」
スッ

男「(———何を……)」


755 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:03:04.85pGK0bJfa0 (20/35)

男11「(クソ!死ね!)」
パン

男10、12「!!」
パンパンパン

ビリー「……!」
グルグルグル
キンキンキン

男11「(くっ!また棍を回転させて……!)」

男12「(だが、撃ち続ければヤツはああやって防御に回り続けるしかない!交代で撃って、そのスキに次弾を装填して……)」


男「(……!いや、これは……!)」

事務員(な、なんか暑い……え……これってまさか……)

男10「……火……?」


756 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:07:36.36pGK0bJfa0 (21/35)

ビリー「……」
グルグルグル
チッ
ボッ

男11「(……火だ!ヤツの棍から、火が、火輪が……!)」

ビリー「トゥルララァーーーーー!」
ズゴゴゴゴ


事務員「……!!」

事務員「ゆ、夢……じゃない……」



男10~12「(うわ、うわあああああ!!)」
ダッ



ビリー「……FIRE!」
ゴッ

男「……!」


ズドォォォン


757 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:13:29.84pGK0bJfa0 (22/35)

ビリー「……へっ」
ザッ

事務員「ありえないありえない……」
ブツブツ

男たち「……」
プスプス

ビリー「……」
スタスタ

パン

ビリー「!」
キン



758 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:17:25.18pGK0bJfa0 (23/35)

男「(……チッ)」
ムクリ

ビリー「へっ、やっぱり死んだふりしてやがったか。手下どもを盾に使ったみてェだがバレバレだぜ。ンな三文芝居で俺の不意を突けると思ってんのか」

男「(……まさかお前が出てくるとは本当に想定外だった。女一人を攫うには大袈裟すぎる人数を動員したにも関わらず、結果的にそれを全員お前に潰されるとはな)」

ビリー「だから何言ってんのかわかんねえんだよ!……だが、てめぇは俺の妹を危険な目に遭わせやがったんだ。無事に帰れると思うなよ……!」
ズチャ

男「(……だが、如何に想定外の事があろうと、俺は俺の役目を果たす……!)」
スチャ
チャッ


事務員「……!ヒッ……!」

事務員(懐からナイフを……!)


759 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:20:59.67pGK0bJfa0 (24/35)

ビリー「……右手に拳銃、左手に逆手のナイフ……」

ビリー(以前リッパーに聞いたような……軍隊式の近接戦闘術か)

ビリー「ってこたあコイツは軍人崩れか……あの手下どもへの指揮もまぁそれならある程度合点がいく」

ビリー(……ギース様も確か軍人崩れは侮るなと仰ってたな……まぁ手下どもは軍人じゃなくてただのチンピラだったのが幸いってか)


男(……この男の棍はその射程も威力も最早拳銃と遜色ない)

男(ならば……相手が銃を持っている想定、それ相応の方式で制圧し、この男の首を掻き切る……!)
ジリ


760 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:24:34.46pGK0bJfa0 (25/35)

ビリー「……」
ジリ


事務員(ふ、二人ともほとんど動かない……)



男(本物の拳銃を持っている分、単純な射程は俺の方が勝る……だが正面から撃っても奴の棍に弾かれる……そして装填した弾が無くなれば後はナイフの間合いの外より喉を突かれてジ・エンドだ)

ビリー(……だが、こいつの銃の中に弾が入ってる限り、俺は常にそれの防御を念頭に置いとかなきゃいけねぇ……コイツはまさか他の三下のように銃の照準が下手ってこたァねえだろう)

ビリー(そうなると迂闊に棍を打ち出すことが出来ねえ……一発で仕留められりゃいいが、よく見りゃコイツは俺に対して身体を半身に構えてる。自信がねえとは言わねえが、躱される可能性もゼロじゃねえ)


ビリー(……チッ、如何にもシステマチックで面倒なモンだな、軍隊格闘術ってのは)



761 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:28:41.74pGK0bJfa0 (26/35)

男(もし奴が先に棍を打ち出せば、これを半身でなんとしても躱し銃の発砲とともに一気に懐に入る……懐に入ってしまえば弾が当たっていようがいまいが、ナイフのワンアクションで確実に殺れる)

ビリー(何にせよ勝負は一瞬……確実に取れる間合いまで詰める)



ジリ……

ビリー「……」

男(こちらからは間合いは詰めない……銃で牽制しながらヤツの攻撃の瞬間を見極め、一撃を躱すことに全神経を集中させる)

ビリー「……」
ジリ

男「……」
パン


762 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:32:20.63pGK0bJfa0 (27/35)

ビリー「……!」
キン

ビリー(チ……間合いを詰めりゃその分銃弾のスピードも威力も強くなる……集中してなきゃ弾き損なっちまう)

男(奴の棍の間合いまで後一歩……)

男(しかしこの男、如何に弾く自信があるとは言え、こうも躊躇なく銃の前に立っていて近づいてくるとは……)

男(こいつもボスと同じ……肝が据わっているなどという次元じゃない、狂っていやがる)

ビリー「……」
ジリ……

男(……入った!)


763 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:36:59.07pGK0bJfa0 (28/35)

ビリー「……」

男「……」

ビリー「っらァッ!」
ボッ

男「……ッ!」
ズァッ

ヂッ

ビリー「……!」

事務員(か、躱された……!?)


764 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:40:08.53pGK0bJfa0 (29/35)

男(なんという突き……!だが、躱したぞ……!)

男(後は身体の伸び切った奴を……何!?)


ビリー「……」


男(馬鹿な……何故ヤツの棍が、手元に……)

ビリー「ヒャアアアア!」
ドドドドドドド

男「ガッ、グッ、ッハァ……ッ!」
ガガガガガ

ドッ

ドサァ


765 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:46:12.70pGK0bJfa0 (30/35)

男「……」



事務員(な、何……?何が起こったの……?)

ビリー「……集点連破棍。まぁ狙いは悪くなかったが、俺の棍を単発の拳銃程度と見積もったのがテメエの運の尽きだ」

ビリー「アサルトライフル程度に見積もってりゃ、せめて俺と殺り合おうなんて思わずに済んだのかもしれねえのにな」



事務員(……ほ、本当に銃を持ってる大人数の相手を全員やっつけちゃった……こ、この人は……やっぱり―――)


ビリー「……よォ。怪我はねえかよ」
ザッ

事務員「ヒッ!」
ビクビクゥ


766以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/28(日) 23:46:16.86I9S+lbt+O (1/1)

ドラゴンフレイムか
ドラゴンバスターかどっちだ


767 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:49:51.20pGK0bJfa0 (31/35)

ビリー「……」

事務員(う……最低だ私……この人は私を助けてくれたのに……)

事務員(それなのに、怖くて、顔が見れない……!)
キュッ


ビリー「……まぁ良いさ。俺も元々アンタを餌に使ったんだからな」

事務員「……え?」



768 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:53:23.02pGK0bJfa0 (32/35)

ビリー「致命の一手を打ったつもりだったんだろうが、中々しぶとく事務所は潰れねェ……そんな状況に痺れを切らしたあのクソ野郎が次に打つだろう手を考えりゃ、アンタを狙うであろう事は俺も予想がついた」

事務員「……ちょっと待ってください、それって……」

ビリー「ハッキリ言や、アンタが襲われるであろう事は分かってた。分かってた上で……奴らを釣る為に泳がしてた。影ではアンタをマークしながらな」

事務員「……!」


ビリー「結果は御覧の通りだ。へっ、あの野郎……策士を気取ってやがったようだが、所詮は雑魚の浅知恵だ。こうも俺の狙い通りに動いてくれるたァな。ハハハハ!」


769 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:56:26.18pGK0bJfa0 (33/35)

事務員(やっぱりこの人……最低だ……!こんな人の為に……つかさ社長の夢は……!)
ギリッ

ビリー「……へっ。そうだ、恨みな。そうじゃねえと、俺の頭がどうにかなっちまう」
ザッザッ

事務員(……?倒れてる人の傍に……?)


ビリー「……オラ、いつまで寝たフリしてんだ。テメエは特別ビビってんのがバレバレだったから、殊更に手ェ抜いて撫でてやったんだぜ?」
ゲシ

男6「ガッ……ヒ、ヒイ……!」


770 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:58:04.46pGK0bJfa0 (34/35)

事務員(やっぱりこの人……最低だ……!こんな人の為に……つかさ社長の夢は……!)
ギリッ

ビリー「……へっ。そうだ、恨みな。そうじゃねえと、俺の頭がどうにかなっちまう」
ザッザッ

事務員(……?倒れてる人の傍に……?)


ビリー「……オラ、いつまで寝たフリしてんだ。テメエは特別ビビってんのがバレバレだったから、殊更に手ェ抜いて撫でてやったんだぜ?」
ゲシ

男6「ガッ……ヒ、ヒイ……!」


771 ◆z4l4K/HkZ22020/06/28(日) 23:59:38.83pGK0bJfa0 (35/35)

ビリー「よし、思った通り元気そうだな……だったら案内してもらうぜ、テメエのボスのアジトによ」
グイ

男6「……!」

ビリー「おっとォ……何言ってるかわかんねェってのは通用しねえぜ?テメェのその顔色見りゃ、俺が何言ってんのか分かってるハズだ」

男6「唔、唔得……!喺頭領地佢哋會殺咗我嘅……!」


ビリー「何言ってんのかわかんねえよ。グダグダ言うようなら案内したくなるようにしてやろうか……?」
メキ…



772 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:03:21.21Zu86H3Fa0 (1/12)

男6「好、好囉好囉!佢哋引導你!停下!」

ビリー「だからわかんねーよ何言ってんのか」
メキメキ

男6「哦,哦……!」
ビクビク

事務員「……」

事務員(……何でも暴力で解決して……それが結局新しい暴力を呼び込んで)

事務員(その結果泣くのは本人じゃない……力のない、周りの人じゃないですか……)


ビリー「オラ……そろそろ案内したくなってきただろ?ククク……」
ギリギリ


事務員(この人と私たちは同じ世界の人じゃない……いや、いちゃいけない)

事務員(……逃げよう。あの人の眼には私は映ってないし……)
スッ


773 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:06:41.63Zu86H3Fa0 (2/12)

男「……」
ピクッ

事務員「……え?」

男「……」
プルプル
チャキッ

事務員「……あ」

事務員(———嘘。なんで―――)

事務員「あ――――」

ビリー「———ッ!」

ビリー(あの野郎、女を――――)


774 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:09:44.80Zu86H3Fa0 (3/12)

男「————死吧」
パン

パン

事務員(————)



ビリー「……!」



775 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:15:36.26Zu86H3Fa0 (4/12)


事務員「……」



事務員「……あれ?痛く……」


事務員(私……あ……)


事務員(どこも痛くない事が不思議で、恐る恐る目を開けた私は)


事務員(倒れた態勢のまま何度も引き金を引いて恐らく弾の入っていない銃をカチカチと鳴らす男の人と)

事務員(私の目の前で壁に突き刺さっている真っ赤な棒と)

事務員(苦痛に顔を歪めるプロデューサーさんの、右の脇腹から流れる止めどない赤色を見ました)


776 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:20:35.11Zu86H3Fa0 (5/12)

ビリー「チッ……!」
ガクッ

男「(ハハ、ハハハ……!やはり、女を庇って棍を手放したな……!)」

ビリー「……この、死にぞこないが」
スタ…スタ…

男「(馬鹿な男だ……!女を無視すれば正面からくる弾丸など、問題ではなかったろうに……!」)

ビリー「……」
ザッザッ
ポタポタ

男「(だが、貴様は他人を守る方を選んだ!フッ、歩く凶器が笑わせる……!いくら貴様が人を守る素振りを見せようと、所詮は貴様も俺も、まともな『人』にはなれん!使い捨ての暗殺者(ヒットマン)に過ぎん!)」


777 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:24:16.35Zu86H3Fa0 (6/12)

ビリー「……」
ザッ

男「(戦いの中では或いはボスに、山崎竜二に匹敵する狂気の持ち主かとも思ったが、やはり貴様はあの人には及ばん!あの人ならばもし撃たれれば、例え女でも子供でも……いや、もし家族だったとしても、眉一つ動かさずに盾にしただろう!)」

ビリー「……うらァァァァァ!」
ブオン

男「(だからこそ、貴様はあの人には勝てん!例えアジトに乗り込もうとも返り討ち―――)」


グシャ


ビリー「……だから、何言ってんのかわかんねェんだよ、クソが」


778 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:29:33.98Zu86H3Fa0 (7/12)

事務員「プ、プロデューサーさん……血、血が……きゅ、救急車……」

ビリー「いらねえ。俺が向かうのは病院じゃねえ……オラ、早く案内しな」

男6「ヒ……!」

事務員「……!?な、何言ってるんですか!?じゅ、銃で撃たれたんですよ!?」

ビリー「銃が怖くてこの稼業が務まるかよ。こんなもん……どうってこたねえ」

事務員「……!」

事務員「……」


事務員「……どうして……どうして私を庇ったんですか……?」


779 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:31:37.44Zu86H3Fa0 (8/12)

ビリー「……」

事務員「どうして、そんな酷いケガを負ったのにまだ進もうとするんですか……?貴方はもう事務所とは関係ない……だったら、山崎って人の事も放っておいていいじゃないですか……!」

ビリー「……チッ」

ビリー「……俺だって元々はそのつもりだった……いや、本来この日本に来た時から、深入りする気なんてこれっぽっちもなかったんだ」

ビリー「……だが、嫌々ながらもあのガキ共と曲がりなりにも一緒に仕事をして……面倒を見て……」


ビリー「……それで、あの事件」


780 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:34:11.82Zu86H3Fa0 (9/12)

ビリー「別に、関係ねえ。事務所が潰れようが、ガキ共がアイドルじゃ無くなろうが……俺と、妹さえ無事なら、別に」

ビリー「……そう思ってた、ハズだった」

ビリー「アレ以来、ふと目を閉じると浮かびやがる。血に塗れた俺を見るガキ共の怯えた目。桐生のあの何もかも諦めたようで、何も諦めきれねえ悔いに満ちた目……情けねえ話だぜ。寝覚めが悪いってのはこの事だ」


ビリー「だが、俺にはできねえ。事務所を立て直す事も、ガキ共をステージに立たせる事も。俺に出来る事は……今も昔も、他人をブチのめす事だけだ」


ビリー「だったら、その唯一出来ることで何が成せる?どうすりゃ俺は楽になれる?」


ビリー「そう考えた時……ヤツを、山崎をブチのめす事だけが、唯一今の俺に出来る事だった」


781 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:38:50.68Zu86H3Fa0 (10/12)

事務員「……」

ビリー「だったら俺は、やらなくちゃならねえ。凶器には凶器の……出来る事をやらねえと、俺はいよいよ存在価値のねえ男になっちまう」
スッ

事務員「あ……!」

ビリー「お前はもうしばらくじっとしてろ。もうすぐ事前に連絡していた俺の仲間がここに着く。そうすりゃ保護してもらえる」

事務員「……!」


782 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:40:39.24Zu86H3Fa0 (11/12)

ビリー「……」


ビリー「……俺が言えた義理じゃねえが……もしガキ共や桐生に会ったら伝えとけ。山崎は必ず俺がブッ殺す。お前らも……どうにかして立て直せってな」
ザッ

事務員「……プロデューサー、さん――――」


ビリー「……オラ、案内してもらおうか」

男6「……」

ビリー「山崎竜二……あのゴキブリ野郎のアジトによ……!」


783 ◆z4l4K/HkZ22020/06/29(月) 00:42:59.72Zu86H3Fa0 (12/12)

今日はここまで


784以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/29(月) 00:47:50.64okTMstw40 (1/1)


ようやく追いついた再会を待ってたんでまさかこうして続きが見れてうれしい
次回楽しみにしてます


785以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/29(月) 00:47:54.87UkWrEU/t0 (1/1)

おつでした
最終決戦か…
秘伝書とかの件も絡んでくるのかな


786以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/06/30(火) 07:14:18.13953UkoZ3O (1/1)


拳銃並ってよくよく考えるとおっかないということを再認識させられた


787以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/08/21(金) 01:25:05.91LKXmZ7xM0 (1/2)

昔ビリーの声してた山西淳さんが半沢に出てたね
しかもボコボコにされてたね


788以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/08/21(金) 01:25:44.02LKXmZ7xM0 (2/2)

昔ビリーの声してた山西淳さんが半沢に出てたね
しかもボコボコにされてたね