1Yatsuhashi2020/02/08(土) 01:09:22.11cYa6zWdt0 (1/3)

魔人「むー、人間なんて見るの何年振りかなあ」

赤ちゃん「うゃぁああ!ぁぁぁああ!」

魔人「泣いてるけど僕に何しろってんだよ」

魔人「とりあえず抱っこしてみるか、よいしょ」

赤ちゃん「う」

魔人「う?」

赤ちゃん「?ぁあああああ!!!!!」

魔人「そりゃそーだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1581091761



2Yatsuhashi2020/02/08(土) 01:21:04.40cYa6zWdt0 (2/3)

赤ちゃん「うぎゃぁぁぁぁああああ!!!」

魔人「本当にうるせーな、何したら泣き止むんだコイツは」

魔人「ああー、イライラする」

赤ちゃん「あぁ、ぃゃあぁあああ!!!」

魔人「……」

赤ちゃん「ううぅうぅぁあああ!!!!」

魔人「チッ、付き合ってらんねー。僕だって暇じゃ無いんだ。強く生きろよ、そんじゃな」

赤ちゃん「ぅわぁあああぁぁ……」

魔人「……」スタスタ…


3Yatsuhashi2020/02/08(土) 01:33:55.23cYa6zWdt0 (3/3)

魔人「……」スタスタ…

『……ぁ……』

魔人「?」

魔人「何だ?」

赤ちゃん「あぁ……ぅあうぅ……」

魔人「……何で、お前居るんだ?」

赤ちゃん「えうーぅ……」

魔人「僕、一回も引き返してねーし、何ならまっすぐ来たんだぞ?」

魔人「どうやって先回りして来た?いつそんな時間があった?」

赤ちゃん「あー?」


4Yatsuhashi 2020/02/09(日) 02:03:41.99kUVEREU30 (1/2)

魔人「何なんだコイツ、普通の人間じゃないのか?」

赤ちゃん「うーやー」

魔人「見た目は単なる赤ん坊なんだがなあ。まぁ僕も老若男女、外見くらいなら変えられるし」

魔人「魔法やら超能力が使えるってんなら、不思議じゃない、のか?」

赤ちゃん「うにゅ」

魔人「……泣き叫んでなけりゃあ、そこそこ可愛いな」

赤ちゃん「……」ジ-

魔人「そこそこ、な」


5Yatsuhashi2020/02/09(日) 02:12:07.59kUVEREU30 (2/2)

魔人「暇じゃない、っては言ったものの」

魔人「普通に暇なんだよね、僕」

魔人「他に誰が居るわけでもないし。まぁ僕が飽きるまで、お前の面倒見といてやるよ」

魔人「これはただの僕の気紛れだからな、いつ捨てられてもお前は文句言えねーし、言わせねーからな」

魔人「あと間違っても俺を親だなんて思うんじゃねーぞ」

赤ちゃん「ぁーんばあ」

魔人「随分と肝が座って来たな。まだ会って2日も経ってねぇぞ、僕たち」


6Yatsuhashi2020/02/10(月) 05:22:26.39+IPglaJEO (1/1)

【訂正】

魔人「暇じゃない、っては言ったものの」

魔人「普通に暇なんだよね、僕」

魔人「他に誰が居るわけでもないし。まぁ僕が飽きるまで、お前の面倒見といてやるよ」

魔人「これはただの僕の気紛れだからな、いつ捨てられてもお前は文句言えねーし、言わせねーからな」

魔人「あと間違っても僕を親だなんて思うんじゃねーぞ」

赤ちゃん「ぁーんばあ」

魔人「随分と肝が座って来たな。まだ会って2日も経ってねぇぞ、僕たち」


7 ◆Sm/z0iVnhE2020/02/10(月) 05:36:32.21mfZ6ISg80 (1/4)

魔人「まず言葉を覚えないとな。言葉が分からなきゃ、何も伝わらねー」

魔人「まあ、人間の中には言葉を話せるのに、何も伝えたがらない変わりモンもいるらしいが」

魔人「そんなのは見習わなくて良いんだ」

赤ちゃん「んば」

魔人「とりあえず、……そうだな、#〆*%☆っていってみろ、僕の名前だ」

赤ちゃん「?」

魔人「あれ、こんなだったかな。自分の名前の確認なんて久しくやってねーからなあ。#♪∃∵%……いや、#¥〒☆∈……?」

魔人「……ああ、そうだそうだ。思い出したぜ」

魔人「僕の名前はだな……」


8 ◆VGWTc1qMns2020/02/10(月) 05:39:18.67mfZ6ISg80 (2/4)

IDがコロコロ変わりますが全て作者です。
SSは不慣れなのでお見苦しいレスが多くなると思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
引き続きSSをご覧ください。


9以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/02/10(月) 07:02:49.87LiajoPUgo (1/1)

おつ


10◇Sm/z0iVnhE2020/02/10(月) 21:38:32.07mfZ6ISg80 (3/4)

赤ちゃん「うー♪」ペタペタ

魔人「おい、這って動けるようになったからって、あんまり遠くに行くんじゃねーぞ」

赤ちゃん「だーうあ」ペタペタ

魔人「まったく聞き分けの無い……ほら、抱っこしてやるからこっち来な」

赤ちゃん「!あー」

魔人「うわっ、ちょ、暴れるんじゃねーよ!あぶねーだろ!」

魔人「うおっ」グラッ

ごんっ

魔人「!!だ、大丈夫か!!?」


11Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/10(月) 22:06:16.37mfZ6ISg80 (4/4)

赤ちゃん「ぅ」

赤ちゃん「わああああああん!!!」

魔人「うわ、ごめん!ごめんな…」ナデナデ

魔人「……で、でも、元はと言えば、お前が勝手に動き回るからだ」

魔人「素直に僕の言うこと、聞いてれば良かったんだぞ!」

赤ちゃん「うわあああ、ああーー!!」

魔人「~~~~!!!」

魔人「……」

魔人「……赤ん坊に言っても意味ないか。うん、痛かったな、ごめんな……」ナデナデ

赤ちゃん「うー、あぅー」グスン


12Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/12(水) 02:02:44.25LCzyij4G0 (1/1)

魔人「寝た……」

赤ちゃん「ス-ス-」

魔人「そりゃそうだな、人間は寝るよな」

魔人「そんで、人間は夢を見るんだ」

魔人「どんな夢見てんだ、おい」ツンツン

魔人「……僕にも、夢を見ていた時があったんだ」

魔人「……覚えてねーな」

魔人「……目が覚めると、どんな夢見てたかなんて、大抵忘れちまうんだ」

魔人「お前はたくさん、良い夢見とけよ……」

赤ちゃん「ス-ス-」

魔人「おやすみ」


13Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/13(木) 01:51:59.564uw/cSIB0 (1/1)

赤ちゃん「う」ペチペチ

魔人「何だ、僕のツノが気に入ったのか?」

赤ちゃん「きゃー」

魔人「まー確かに、退屈な僕の肩の上で弄って遊び倒すには、ぴったりの代物だ」

魔人「ただな、僕に片方しかツノが無いからといってだな」

魔人「手持ち無沙汰な左手で、僕の顔をベシベシ叩かんで欲しいな」

赤ちゃん「おぅ」ブス

魔人「ぎゃあああああああああ!!!!!目があああああああああ!!!!!」


14Yatsuhashi ◆jqOSXHN/kw2020/02/14(金) 01:03:07.9090sozWFI0 (1/3)

魔人「大丈夫だよな、俺の目潰れちゃいねーよな」

赤ちゃん「う!」

魔人「ならよかった」

魔人「そういや、お前の目ってすげえ綺麗な紫色だな」

魔人「宝石でも埋め込まれたのかってくらいキラキラしてんぞ」

魔人「僕の目は……うーん……なんか青とか黄色とか、色んな色が混じって好きじゃないんだよなあ」

赤ちゃん「あんまーあー」ニコニコ

魔人「まあ何でか知らんが、お前は気に入ってるみたいだけどさ、僕の目」

魔人「……好きにはなれねぇな」


15Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/14(金) 01:45:18.3590sozWFI0 (2/3)

【訂正】
魔人「大丈夫だよな、僕の目潰れちゃいねーよな」

赤ちゃん「う!」

魔人「ならよかった」

魔人「そういや、お前の目ってすげえ綺麗な紫色だな」

魔人「宝石でも埋め込まれたのかってくらいキラキラしてんぞ」

魔人「僕の目は……うーん……なんか青とか黄色とか、色んな色が混じって好きじゃないんだよなあ」

赤ちゃん「あんまーあー」ニコニコ

魔人「まあ何でか知らんが、お前は気に入ってるみたいだけどさ、僕の目」

魔人「……好きにはなれねぇな」


16以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/02/14(金) 06:18:53.42NdikxltWo (1/1)

紫の瞳……?


17Yatsuhashi ◆jqOSXHN/kw2020/02/14(金) 21:31:46.1290sozWFI0 (3/3)

魔人「……よく聞け。今から大事な話をするぞ」

赤ちゃん「?」

魔人「食料が、尽きそうだ」

魔人「食料は、食った分は勿論どこかでまた補給しなければいけない」

魔人「僕一人ならその辺の草とか、狩った獣でも食っとけば、全く問題無かったんだが」

魔人「お前はそうはいかんだろ」

魔人「つーことで……実に、……気乗りしないんだが……」

魔人「人里に降りて、食料調達、情報収集、etc.に行きたいと思います……」パチパチ…

赤ちゃん「??」パチパチ


18Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/16(日) 04:28:27.68zp2pMa5P0 (1/1)

魔人「人間とはそんなに背丈も変わらねーから、割と自由に変身出来んだけど」

魔人「結構集中してないと、すぐ魔人の姿に戻っちまうんだよ」

魔人「僕たちが行く村が、まだ魔物とかの差別が残ってる村かもしれねーからな」

魔人「まあ、それは僕が頑張れば良い話として」

魔人「……お前どーすっかな」

赤ちゃん「?」

魔人「置いてくワケにはいかねーし、お前に合わせて二人して白い髪と紫の目にするのって」

魔人「……めっっっちゃ目立つし……」


19Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/17(月) 03:41:20.10efqks0Nz0 (1/1)

魔人「うーん……あ、そっか。お前にも変身の魔術使えば良いんだ」

魔人「他人を変身させた事なんてねーけど、まあ何とかなるだろ」

魔人「単純に僕の魔術の負担が2倍になっちまうけど」

魔人「まぁ良いや、早速試すか。うーんえいっ」ボワン

赤ちゃん「……」

魔人「あれ、もう一回」ボワワン

赤ちゃん「あー?」

魔人「効かねぇ……何でだ……」



20Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/18(火) 04:12:13.05nvrxBYBi0 (1/1)

魔人「……一通り試してみたけど、お前に僕の魔術は効かねーっぽいな」

魔人「弾かれてるっつーか、無効化されてるっつーか」

魔人「何かの加護でも受けてんのか?いや、能力上昇系の魔術も効かないってことは呪いの線も……?」

魔人「ダメだ、わからん」

魔人「ま、適当に布でも被せて連れていけば怪しまれないだろ」

魔人「ぜってー騒ぐんじゃねぇぞ」

赤ちゃん「あーおぅー」

魔人「不安だ……」


21Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/19(水) 04:33:05.29ViyYI91S0 (1/1)

魔人「(どうだ?ターバンで頭をぐるぐる巻いただけでも、結構人間っぽく見えるもんだろ)」コソコソ

魔人「(人間と魔人の違いなんて、ツノがあって魔術が使えるかどうか、くらいなモンだし)」コソコソ

運転手「なーに赤ん坊にコショコショ話してんだ?」

魔人「うわっ!いえ、何でもない、です」

運転手「ははは、べーつに構いやしねぇけどな」

運転手「たーだでさえこの辺は閑散としててよお」

運転手「めーったに来ねえ客が現れたと思えば、足腰立たねえ赤ん坊連れた未亡人と来たもんだ」

運転手「怖ーくて口数も少なくなっちまうわな!」ガハハ

魔人(変な人間……)


22以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/02/19(水) 21:56:36.761OZTfb+aO (1/1)

えっ?魔人って女性だったの?


23Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/21(金) 00:44:08.98Cx0khsv/0 (1/2)

運転手「そーれじゃお客さん、どちらまで?」

魔人「?あーこの近くだと、ラマニザ辺りが丁度いいかもですね」

運転手「ラマニザ……?俺ぁ結構長くこの仕事してるけど、そーんな名前のお店やら地名やらは聞いた事ねえなあ」

魔人(げ、そりゃそうか。何十年、何百年経てば町の名前も変わっちまうよな)

魔人「あ、いや、別にお構いなく。人気がありそうな町に着いたら、適当に降りますので」

運転手「ふーん?ま、何でも良いけどな!料金さえ払ってくれれば、地の果てでも海の底でも、どこまでだって乗せてやんよ!」

魔人「え?お金??」

運転手「へ?」


24以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2020/02/21(金) 06:35:03.88sE6lBPx+o (1/1)

金ないんかい


25Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/21(金) 22:33:27.86Cx0khsv/0 (2/2)

運転手「ガハハ!!そーれじゃお客さん、金がねーのに辻馬車に乗ったのか!世間知らずもここまで来れば大したモンだ!」

魔人「し、知らなかったんだよ!ホント!!」

魔人(というか、歩き疲れてちょっと伸びをしてたら、半ば強引に車に入れられただけだし!)

魔人(通貨もしばらく見ない間に、見慣れた金貨から訳のわからんモノになってた、なんだあの紙)

運転手「さーて、お客さん、いや金払わねえってんなら客じゃねえよなあ」

魔人「」

運転手「こーのままいくとアンタ無賃乗車で犯罪者だ」ガハハ

魔人「ちょ、ちょっと!!」

運転手「赤ん坊もかーわいそうだなあ、ママが貧乏で世間知らずなばっかりに……」オヨヨ

赤ちゃん「あぅぅ……」オヨヨ

魔人「誰がママだ!!お前もちょっと乗るな!!!」


26Yatsuhashi ◆Z1TfuKbFDU2020/02/23(日) 04:30:07.65Ib90FrAq0 (1/1)

運転手「……ガハハ!じょーだんじょーだん」

運転手「仕ー方ねーから、今回のところは見逃してやるよ。商売上がったりだわな!」

魔人「……ぐ、悪かったって……」

運転手「でーもアンタ、金もねーのに町に行って何する気だったんだ?」

魔人「僕の持ってるカネがもう使い物にならなかった、ってのが誤算だったな。まー、最悪メシはかっぱら、じゃなくて自力で調達すれば良いし」ジャラジャラ

運転手「……いーつの時代で、どーこの国の硬貨だよ、こりゃ」

魔人「どっちかってーと、僕がしばらく見ねーウチに、どれだけ世の中が変わってんのか、僕とこのガキが適応できんのか知るのが主な目的だな」

魔人「そしたら万が一僕に何かあって、このガキ一人になっても、どうにかやっていけんだろ」