1名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:17:41AqV (1/22)

(俺なりの)甘い話です。やはり美優さんには冬が合うと思いませんか? という思いを趣味全開で書きました。
作品のタイトルは頂きものです。本当にありがとうございます。
よろしければぜひ。よろしくお願いします。


2名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:18:00AqV (2/22)

【entropy】



 目を覚ますと真横に景色が流れていくのが見えた。半ば夢心地でその現実を消化し、ぽわりとした頭をなんとか作動させる。「起きましたか」という綺麗で澄んだ女性の声がする。その声があまりにも心地良くて微睡に後ろ髪を引かれるが、なんとか「はい」とだけ返事をする。

「おはようございます美優さん。今は明け方ですよ。」
「……ぁ、すみません……」
「いえいえ、むしろここまでお付き合いいただきありがとうございました。タクシー代は私が持ちますので、どうかこの後はゆっくり休んでください」
「───はい、ありがとうございます、楓さん……」


3名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:18:13AqV (3/22)



 再び気づいた時、私は昨日の服のまま、コートすら脱がずに自室のベッドの上に倒れ伏していた。

 電源をつけっぱなしにして寝てしまったのだろう、スマートフォンの充電は残り数%を切っている。慌てて充電器を探すも、充電コードを差し込む一瞬前に電源は完全に落ちてしまった。
 空っぽになったスマートフォンを枕元で充電しながら昨日の夜を思い返す。わからないことも多かったけど、なぜか「彼女」のある言葉が強く心に残っている。
 そんな寝ぼけた頭を整理するために、というわけでもないけれど、シャワーを浴びるために力を込めて立ち上がる。少し体を冷やしてしまったので温まる時間を取ろう。今日は夕方から地方でのお仕事だから、今のうちは少しゆっくりしても大丈夫のはずだ。

 シャワーを終えて寝室に戻ると、スマートフォンに最低限の電力が供給されたようで再び画面の火が灯る。そこには現在の時刻と日にちが簡潔に表示されている。

 7時17分。12月25日。

 ───That is, today is the very next day after the holy night.


4名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:18:42AqV (4/22)



12月24日 19時17分。

「美優ちゃん、本当に残念だったわね……」
「い、いえ……あの人も忙しいですから……わがままばかり、言っていられませんし。」
「美優ちゃん、ほんと良い子よねぇ……! 今日はしょうがないにしても、美優ちゃん悲しませたら承知しないんだから! なんか嫌なことあったら、いつでも言いなさい、言いに来なさい!」


5名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:18:57AqV (5/22)

 その日、私はクリスマスパーティーに出席していた。クリスマスパーティーとは言うけどもなんのことはない、いつものメンバーによる少し豪華な飲み会だ。
 本当は私がこのパーティーに参加する予定はなかった。それもそのはずだ。ずっと、ずぅっと恋焦がれた男性とついに結ばれてから、初めてのクリスマス・イブなのだから。その記念すべき聖夜にも関わらず、恋人のサンタクロースは仕事で地方に出向いているのである。

 そんな予定が明らかになったのは一昨日。事務所アイドル総出で行われる冬のスーパーライブの全日程が終わった翌日。筋肉痛を節々に感じながら事務所に出社すると、ホワイトボードの日程表、彼の12月24日の部分には「出張」のマグネットが二つ掲げられていた。

 驚きでできた空隙が彼の「ごめんなさい」という彼の声で埋められたのを覚えている。「すいません」でも「申し訳ありません」でもなく、「ごめんなさい」という言葉で。
 私はそれを聞いただけで大体の事情は察せられてしまったが、一応確認のために「お仕事ですもんね」と小さく聞き返した。それは彼に対する質問ではなく、言葉にして自分の中の感情と折り合いをつけるための動作。
「はい」と苦虫を噛み潰したような表情を見せる彼に、「───ちゃんのこと、ちゃんとプロデュースしてあげてくださいね」と少しお姉さんぶった一面を演じてしまった。その言葉は当然本心から来るものだが、ちくりと胸の奥が痛んだことは、でも、許してほしい。

 その後、楓さんや心さんがぼんやりする私に声をかけてくれて今に至る、というわけだ。


6名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:19:15AqV (6/22)

 クリスマスパーティーとはいってもその実態は飲み会、しかもこの時期ともなれば忘年会であるのと変わらない。最初の話題は先日行われたライブの話であったが、酒と時間が進むに連れ、各々のプライベートの話題へと遷移していく。

 皆が私を手を変え品を変え慰めてくれる中、志乃さんは一人マイペースにワインを飲み続けていた。話題の中心が私から心さんにずれ始めた頃、私はワイングラスを持って志乃さんの隣へと座る位置を変えた。

「ここ、いいですか」と声をかけると、志乃さんは妖艶な笑みを携えたまま無言で首を縦に振る。私が腰掛けると、彼女が手近にあるワインを注いでくれた。一口、ワインを口に含み舌の表面で軽く香りを味わったあと、全身へとワインを巡らせる。
 その美味しさはあまりに感動的で、思わず「美味しい……!」と声が出てしまう。志乃さんは満足したかのように少しだけ表情を柔らかくし、また一定のペースでワインを飲み続ける。


7名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:20:04AqV (7/22)

「美優ちゃん、幸せ?」

 咄嗟の言葉は彼女の口から発せられたものだった。しかし彼女の目は私を捉えてはいない。窓奥にあるはずの闇街通りを眺めながら、しかし彼女はもう一度同じ質問を繰り返す。

「美優ちゃん、幸せ?」

「は……はい、こんな日に皆さんといられて……こんな美味しいワインまでご馳走になって、いいんでしょうか……?」

「ふふ。ワインというのは恋人だから、人によって味が変わるのよ。……このワイン、美味しく飲んでくれて私も嬉しいわ。」

「は、はぁ……?」

「前ね、志希ちゃんにこう聞いたことがあるの……『志希ちゃんは、宇宙ってなんだと思う?』って。美優ちゃん、彼女、なんて答えたと思う?」

「え、ええっと……酸素がなかったり、とか星で満ちていたり、とか……ビッグバン、とかそんな感じですか……?」


8名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:20:24AqV (8/22)

「……ふふ。はずれ。……彼女ね、『グラス一杯のワインに過ぎない』って言ったのよ。」

「宇宙が、グラス一杯のワイン……」

「そうね……もちろん私の問いに正解なんてないのだけど……すごく、志希ちゃんらしい答えだと思ったのよ。」

「志希ちゃんらしい……?」

「そう。宇宙って果てしなく広いとみんなは思っているし、実際その通りなのだけど、でも『どうしてそんなに広いのだろう』って思ったことはない?」

「い、いえ、思ったことはありませんが……でも、言われてみれば確かに……不思議ですね。どうして、なのですか?」

「ふふ。美優ちゃんは優しいわね。……一説によるとね、昔の宇宙は『とても秩序だった』状態だったらしいの。それが、なんらかの原因により───ごめんね、ここは私も知らないのだけど───とにかく、なんらかの原因によりその秩序だった状態が無秩序な状態へと転移した。」
「つまりね、宇宙が広がり続けているというのはその名残───秩序から無秩序への転移の継続、そう言い換えられるの。」

「は、はい……? わ、わかったような、わかっていないような……?」

「いいのよ。私だってわかっているようで、わかっていないのかもしれないのだし。……悪酔の戯れ程度に気にしてくれればいいわ。」


9名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:20:45AqV (9/22)

「それでね、『秩序から無秩序へ』ということは、このワインだって同じことなの。ブドウのDNA情報はもう明らかにされているし、その情報を用いて品種判別なども現実に行われている。」
「でもね、そんな「秩序だった」ブドウのタネが育ち、いくつもの果実をつける。何房ものブドウを一緒くたに潰し、発酵させる。こうなると、「完全にわかっていた」一つのブドウの情報なんて消えて無くなってしまうじゃない?」

「ああ、それが『秩序から無秩序への転移』……!」

「そう。だからね、スケールが違うだけで、その裏にある『カラクリ』というか『法則』は宇宙にしたって、このグラスの中のワインにしたって変わらないの。だから志希ちゃん曰く、『宇宙はグラス一杯のワインに過ぎない』。まあ、みんな志希ちゃんの受け売りなんだけどね。」

「な、なるほど……でも、どうしてそれを私に……?」

 志乃さんの口角がわずかに上がり、口の先だけが、小さく開く。その口から紡がれる言葉はまるで連綿と続く世界の理を表しているかのように感じられた。

「恋人だって、同じだからよ。」


10名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:21:13AqV (10/22)



 そうこうしているうちに時間が経ち、新幹線移動のために駅へと向かう。

 プロデューサーさんは昨日のお仕事から帰ってきて、そのまま直接駅で待ち合わせの予定だ。私より少しだけ早く到着していたみたいで、待ち合わせ場所で私を見かけるや否やどこまでも可愛らしい笑みを顔いっぱいに浮かべて走り寄ってくる。

 無事に合流できたため、二人揃って新幹線の指定席へと座る。席に着くと、「昨日はすいませんでした」という謝罪の後、プレゼントです、と言い鞄の中からラッピングされたプレゼントを手渡してくれる。私も同じタイミングで彼にプレゼントを手渡す。

 お互いのプレゼントを開封すると、彼からのプレゼントは有名ブランドのストール。彼へのプレゼントは、同じブランドの同じ色の同じ柄のストール。何の示し合わせもしていないのに全く同じものを選んだことがおかしくて、二人して笑ってしまう。

 電車の中だというのに、私たちはストールを首に巻く。彼はどうか知らないけど、私はそうしていないと惚けた顔を隠せないから。口元までストールに顔を埋めると、呼気が少し暖かい。そして、彼の匂いがする。それがどうしても嬉しくて、目を瞑って深呼吸を繰り返す。

 そして昨夜の志乃さんの言葉を思い出す。

 ああ、確かにそうだ。

 彼に会ってから、彼に愛されてから、彼を愛してから。
 ざわめきの中で静かに佇んでいた着の身着のままの少女の物語は陽光の中へと歩き出す。それは羽化と言ってもいいくらい軽やかに、そして劇的に。
 音のない世界にピアノの音が鳴るように。
 黒白の世界に赤が一閃と差し込まれたように。
 包むものが無い世界に蜂蜜の甘い匂いが満ちるように。
 
 愛しく恋しく傾いていく。私というひとりから、あなたというふたりへ。


11名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:21:35AqV (11/22)



 トンネルを抜けると外は薄い雪に覆われている。窓の向こうに走る車のライトが赤い光りを見せるが、やがて後ろに消えていく。間もないうちに新たな車が現れるが、一台、二台。そのまた一台、また一台と追い抜いていく。

 その赤い光はどこからやってきて、どこへ帰っていくのだろうか。きっと向かう先はバラバラに違いない。しかも今の一つの光すらやがて解けて、また新たな光となって走るのだろう。

 叶うなら、私たちは一緒に。そう願って、私は目を閉じた。



12名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:21:58AqV (12/22)

【だから一歩を踏み出して】



 空気は冷たく、乾いている。息をするたびに胸の奥が物理的に冷えるため体の温度もそれに伴い自然と低水準を保っている。道行く路は氷り、その肩には雪が山のように積まれている。
 今日はよく知る雪の街でのお仕事だ。駅に降りた後はスタジオまで徒歩で向かう。傍らには信頼している男性の姿がある。

 同じストールを首に巻き横に並んでいる姿は、控えめに見ても恋人同士の睦事(むつみごと)に他ならなかったが、その実彼彼女たちにそんな実感はなかった。ただ相手の姿ばかりが目に入り、それに並ぶ自分の姿まで気にする余裕などなかったからだ。

 歩幅を揃えて、静かに歩く。しゃくしゃくと進んでいるうちに大きい通りにぶつかり、ひと時の信号待ち。横にいる彼ははあ、と一息つく。その呼気は白く色づき、間も無く中空の彼方へと消えていく。


13名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:22:13AqV (13/22)

 横目でちらりと顔を覗くと、どうやらそれを待っていたかのように彼と目が合う。やられた、と思いパッと目を逸らすが、いたずら心に火がついたのか、彼は右手で私の体を抱き寄せる。

「な」……にをするんですか、という抗議の声を上げることはしなかった。だってそうしたら彼は勘違いして私の背中に回した手を引き上げてしまうかもしれないから。
 その反応に満足したのか安心したのか、彼は正面を見ながら私に話しかける。……私の方を向いてくれてもいいのに、なんて幼稚な考えは心の奥底に仕舞い込んでしまおう。


14名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:22:33AqV (14/22)

「寒くなりましたねぇ。」

「そうですね……もう、冬ですから。」

「……冬といえば、三船さんは何を思い浮かべますか? ……クリスマスとかですか? やっぱり。」

 信号が赤になると音が随分と消えてしまう。この道は真っ直ぐ進む車ばかりが多くて、脇道に逸れる車は少ないからだ。
 住みなれた街であっても、自分のよく使う道路を曲がった先に何があるかを知らないことが多い。忙しく前に進むばかりで、横に目を向けることは意識の奥底であったとしても、実際に行ってみよう、と決意したことはほとんどないからだ。
 あるいはしかし、曲がった道の先に何があるかを夢想しないことすらあるかもしれない。誰しもが自分の袋小路を持っているはずなのにそれを忘れているのかもしれない。それだけのことなのかもしれない。もちろん、そうではないのかもしれない。
 要するに、客観的な事実は別にして、他人の事情などほとんど全てが憶測なのだ───誰かが私のことを見てくれることはあっても、理解してくれることを求めてはいけない。もしそれを求めるのならば、自らも相応の対価を払う覚悟がなければいけない。


15名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:22:44AqV (15/22)


それは例えば、自分が一歩を踏み出すということだ。


16名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:23:01AqV (16/22)

「……たに…え…ことでしょうか……」

「……ん、すいません、聞こえなかったのでもう一度いい……」

「あ」

 一言目が、不必要に大きくなってしまった。ああ、どうして私はこんなことを言おうと思ったのだろうと少しだけ後悔をする。そして残り全部の気持ちを勇気に変えて、肺の中の空気を全部出し切るかのような勢いで言い切る。

「なたに、会えたこと、です……」

 ……彼はどういう表情をしているだろうか。驚いているだろうか。笑っているだろうか。それとも少し、恥ずかしがってくれているだろうか。私ばかりこんな恥ずかしい思いをするのはちょっと不公平だから、少しは彼もそう思っていい気がする。

 彼のコートを左手の親指と人差し指で、弱くつまむ。それが私の精一杯。
 ああ、前が見えない。上が向けない。真横のあなたの顔が見れない。喉の奥が熱い。顔からは火が出るかのようだ。そんなごうごうと燃えるような体を冷ますように雪が降っているけれど、いつになったらこの熱を吐き切ることができるだろうか。


17名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:23:11AqV (17/22)

 きっとそんなこと、起こらないけど。


18名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:23:24AqV (18/22)

 ……しかし待てども待てども、反応は帰ってこない。このままの体勢では私の方が余計に恥ずかしい。勇気を出したのは今度こそこちらなのに、少しずるい気がする。

「ぷ、プロデューサー、さん……?」

 目に涙が浮かんでいるのが自分でもわかる。こんないじわるをしなくてもいいのに、という気持ちと、もしかしたら、という少しばかりの期待を抱え、意を決して彼の顔を覗き込む。

 ───もしかしたら、という期待に関して。どうやら私は自身の行動に対するリスク───この場合では、心構えと言い換えられるのだが───それが決定的に欠けていることをまじまじと見せつけられた。

「~~ー~っっ───!!!!」

 雪の白の上に、恋の紅が浮かぶ。
 どくん、と鼓動が跳ね頭の中が真っ白になる。その中で、テキストとしての思考だけが浮かび上がる。


19名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:23:34AqV (19/22)

 もしかして、プロデューサーさん。
 私の一言で。


20名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:23:47AqV (20/22)

「───っい、行きましょうか美優さん! ね!」
「えっえっ……プロデューサーさん……!?」

 彼は彼のコートを掴んでいた私の手をやや乱暴に掴む。今この世界に、私たち二人しかいないかのように大胆に。少し痛くて、熱い。それが何より、愛しい。

 目の前の信号はすでに青だ。彼は足早に横断歩道へと足を踏み出す。先程よりもだいぶ大股で。私はそれに引かれる───惹かれるように、少し遅れて小さく一歩を踏み出す。
 幾台もの車が横を通り過ぎていき、そのたびに踏み締めた水の跳ねる音がする。車の顔には二つの丸い光が並んでいて私たちを照らしては消え、また照らしては消えていく。

 彼の背中に光が重なる。その背中に光と熱とを感じて、私はもう一歩、彼に近づいて歩いていく。


21名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:27:54AqV (21/22)

以上です。もう年末ですね。
今年からssを書き始めてようやく1年に経ちました。来年以降ももし良ければ読んでいただけると幸いです。

他には最近こんなものを書いていました(最近の3つです)。
これらも含め、過去作もよろしければぜひ。
よろしくお願いします。


【シャニマスss】FMTU【三峰結華】
https://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1576156315/l10
【モバマスss】あい、くるしい
https://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1575806767/l10
【モバマスss】腹ペコシスターの今日の一品;カップスープ・リゾット
https://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1574529569/l10


22名無しさん@おーぷん19/12/22(日)14:40:03AqV (22/22)

それと完全に蛇足ですが『秩序から無秩序』という点についての補足をいくつか(全然読まなくて良いです)。
ssの中ではそれとなくボカしましたが、この問題は熱力学第2法則を語るときによく引き合いに出されます。参考文献として岩波のファインマン物理学という(超!)有名な教科書を挙げておきます。
また、物語中の台詞の一部に20世紀最も人気の高かった物理学者と言っても良いであろうファインマン博士の言葉を引用しています。
これらの問題は『時間の矢』の問題にも関係し、魅力的ですがなかなか解決と解釈が難しい問題です。量子力学と統計力学、そして熱力学の分野の知識を総動員して戦わねばならない分野ですから。それと、最近は情報学もかなり重要な位置を占めていますね。

以上、ss中で書かれた「秩序から無秩序」という説明に関しては結構深淵な問題を含んでおりますので、その点だけご留意ください。ほんまもんの蛇足でした。