1以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:12:093ac0lzx6 (1/8)






クロが冷たくなっていた。





ある朝、いつも起きているはずの愛猫は、側に横たわったまま動かなくなっていた。
触れた手が冷える。
体毛の下は既に硬い。

そうして、2分間だけ亡骸に触れた自分はワイシャツのボタンを留める。
勝手にネクタイを締め、スーツを着ている。
カバンを持つと、その中のPCと図面に意識が飛ぶ。
昨日の打ち合わせの内容が頭に流入してくる。


弔うことすらできない自分の心は完全に擦り切れてしまった。

もう、ダメだ。

喪失感が絶望に変わる。


まだ陽も昇らない早朝の闇の中。
古く硬質な部屋の鍵を閉める音と、心の支えが折れる音は似ていた。


2以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:17:133ac0lzx6 (2/8)








その日の帰りは午前0時。
一日はとても短かった。
辛かった仕事も、これで最後と思えば何も辛くなかった。

頭は真っ黒。
空っぽで何もない。
今夜死のう。

仕事中、うわの空だった自分の真ん中には自殺のことだけが横たわっていた。
クロの……愛猫の傍らで共に眠りたい。
それだけだった。


部屋の鍵を開ける。


3以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:25:253ac0lzx6 (3/8)



「…?」


部屋に戻る。
朝、枕元にいたクロが居ない。
そのまま横たわっていたはずなのだが、どうしたことか。

実は今朝、まだ息があって、主人に愛想を尽かしたのか。

詳細が気にはなるが、それを知る必要はないように思えた。
自分には、もうクロを看取ることも看取られることも許されないらしい。
当然だ。自分は劣っているし、使えない。

なんにせよ、全部これで終わりだ。


会社で使っている長いケーブルを、自分の首と物干し用のフックに結ぶ。


4以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:30:413ac0lzx6 (4/8)


あとは倒れ込むようにしてケーブルをピンと張れば、それで終わり……のはず。

終わりのはずだった。







愛猫の匂いが、ふと恋しくなった。
あの黒猫と一緒に寝ていた、布団の上を見やる。

もし……許されるなら。あの子の優しい香りと一緒に。



距離がちょっと遠くなるだけだ。死ぬのに支障はない。

葛藤はなかった。
人生を捨てる実感と共に、膝と、腰と、足の力を抜いた。


5以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:37:523ac0lzx6 (5/8)


「……っ、ぁ゛ぅ」

首に強い圧力を感じて苦しい。
だが、俗世への関心を捨てるとそれも他人事のように思えた。


暗い視界に枕が映る。
塞がれた気道を無視するかのように、頭に愛猫の香りが蘇る。


それも、錯覚だと思うと薄れていく……
薄れて………
薄く………………
きえ、て…………………………





……
闇の中。
何かをかじるような。
そんな音を聞いたような気がした。

そのまま自分の意識は途絶えた。


6以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:41:563ac0lzx6 (6/8)



Day 1
Sat









「……すー……すー」

「……んん……」

冬に、布団をかけず寝るのは寒かった。


7以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:44:163ac0lzx6 (7/8)




……

「……すー……すー」

寒い。


…………

「……すー……すー」

寒い?


………………

「……すー……すー」

あれ、自分は……



自分は一体!?


8以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/21(土) 23:49:153ac0lzx6 (8/8)


ガバッ!!!
「しまっ、遅刻する……!!!!!!」

ビシッ!!!

「いて!」

急激に起き上がり、時間を確認する。外が明るい。頭が痛い。首になんか付いてて、振り回した表紙にまぶたをぶった。午前10時。遅刻だ。

……

「あ……」

ああ、土曜日だった。しかも珍しく休みだ。あれ、でも……





「自分……生きてる……?」

生きていた。
首に付いていたケーブルは何故か切れている。
自分は、そのケーブルの元に繋がっていた方に振り向いた。


9以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 00:01:52o6IP7knE (1/12)




自分の布団に、見知らぬ少女が眠っていた。



長く、つややかな黒髪。
丸く、小さな身体。
白く、眩しい肌。

目の前ですうすうと寝息を立てる少女を事実と認めた。
疑問が生まれるより先に、どこかでストンと腑に落ちた。

この少女は……。



「クロ……」

衝動的に、鼻を彼女のからだに寄せていた。
すぐに、慣れ親しんだ優しい香りが漂ってきた。

「クロ……クロなのか……!」




どうかこのことが、自分の見た夢でありませんように。
そう思った瞬間、自分はクロを得難い存在だと、失いたくない存在であったと認めたのだった。


10以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 00:12:32o6IP7knE (2/12)



損耗しきった心に、ごく、ごくわずかな活力が戻る。


「自分は……」
愛猫の死を悼まないような、そんな酷い人間じゃない。
そこまで落ちぶれていない……!

【習慣:人道を獲得】



「……すー……すー」

寝所のぬしとも言えるクロの香りと、自分に対するわずかな安心が、空っぽで傷ついた心に沁みてゆく。

いまは休んでいい。きっとだいじょうぶ。




小さな少女を胸の前に置き、二度寝を始めるのにそう時間はかからなかった。


11以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 00:22:33o6IP7knE (3/12)


つんつん
「……」
「くぅ……くぅ……」


つんつんつん
「……」
「んん……」


てしっ、てしっ
「……」
「んんっ、ん……?」


何やら、こめかみに刺激がある。
目を開ける。


「ん……ん?????」
「……」

【能力:ねこパンチを獲得】

目の前に、なんかすっぱだかの美少女がいた。


12以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 00:38:09o6IP7knE (4/12)


――

情けなくも二度寝して、完全に目が覚めた。

「……」

少女はぼーっと座っていて布団から動かない。
毛布を雑に被せただけなので、生脚がにゅっと出ている。



まあいい。今までのことも頭に戻ってきた。
さあ、現状を整理しよう。


まず、昨日の朝クロが死んでいた。これは間違いないと思う。拾ってから享年14歳と……9ヶ月か。大病はなかったが、休むには充分な歳だったろう。

その晩クロは消えていた。傷心の自分が無自覚に投げ捨てたなんてことは無いと思いたい。

自分は絶望して首吊り自殺を図ったが、失敗して普通に寝付いた。ケーブルが切れたことがおそらくの原因。

そして今朝、クロの匂いがするこの少女が、自分の後ろで寝ていた。


……直感を信じるなら、この少女はクロと何かの関係がある。
もし彼女がクロ自身であったとして、どうして人間の少女になってしまったのかという疑問が残るが。


13以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 00:49:27o6IP7knE (5/12)


生活の辛さは何ひとつ変わっていないが、自分の心に突き刺さっていた喪失感はなくなっている。

生きたいとまでは言えないが、死にたいとは思わない。
この少女を残して逝くのは何だか気が引けるのだ。

来週も生きていくのなら、問題が色々ある。



この……中高生相応の少女はどうやら喋ることができないのだ。
日本の義務教育を考えると、ワケありなのは間違いないだろう。

外部に保護してもらうにも、出自不明の裸乙女を捕まえたと言えば後ろに手が回るだろう。
そして、どうにも失い難く感じる。

「……よし」

この子を匿おう。マンションに一人暮らしなんだ、ある程度は何とかなる。
決めてしまえば早いもので、衣装ケースから自分の肌着一式を探していた。


14以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 05:18:56Zl69Uo6w (1/1)

きたい


15以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 06:20:04wHH5N5AY (1/1)

このうえなくとこのうえ


16以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 09:21:32o6IP7knE (6/12)


……

結論から言うと、肌着をひとりでは着てくれなかった。なので、自分が着せた。
身体を掴めば素直に動いてくれるのはありがたい。
少女の肢体は綺麗だったが、変な気を起こすわけにはいかないのだ。


よし。次だ。
衣と住があるなら食も揃えなければならない。

時間や金銭の問題で自分は身を削っていたが、そうとばかりもいかないだろう。
人と同じ食生活をするのであれば、やはり食費や用意する時間を捻出する必要がある。
そういえば、今日は自分も食事をとっていない。

……チーン!

持つべきものはレンジでご飯。
醤油とかつ節を振りかけて、立ち昇る湯気に負けじとかき混ぜた。

「えーと」

彼女は布団の上から出ようとしない。
仕方なく、茶碗とスプーンを持って彼女のもとへ。

「クロ」
「……!」
「あっ」

つい、黒猫の名を呼んでしまう。彼女は首をコチラに向け、明らかに反応した。


17以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 09:35:03o6IP7knE (7/12)


「クロ、その……ごはん」
「!、!、」

目を輝かせ、自分の肩にほほをすり寄せる少女。
飼い主だったから分かる……それはクロの仕草とまったく同じで、正直嬉しかった。

「ふー、ふーっ……はい」
「んっ、んぐ、む」

スプーンのねこまんまを口元に寄せていく。
彼女は、自分に遠慮して身を預けているように見えた。思えば目覚めてから、ちゃんと声を掛けていなかった。

この子はきっとクロなんだ。だったら……

「その、クロ。おはよう」
「……んー!」

スプーンを咥えたまま、にんまりと目を細める。彼女の瞳に残っていたわずかな不安が消える。
待つべき声を聞き届けた彼女は、嬉しそうに頬を擦って次の一口を急かす。
程なくして、綺麗にそれを平らげた。


18以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 10:08:31o6IP7knE (8/12)


台所に食器を戻し、彼女のもとへ戻る。
クロはすぐに反応し、自分の足元へすり寄ろうとしていた。

が。


バチチ……

「ひうっ!!」

布団から大きく離れようとした時、何かに押し戻されるようにしてひっくり返った。

「クロ。大丈夫」
「???」

毛が……髪の毛が少し逆立っている。
そんなところまで猫なのか。

毛を寝かしつけるようにして撫で付けると、すぐに落ち着いたみたいだった。



「クロは布団から離れられないのか……?」

不可思議な現象であったが、負担がありそうなので何度も検証するものじゃない。
まずは自分の空腹を満たそう。バナナ1本と野菜ジュースを求め、台所へと向かった。


19以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 10:39:08o6IP7knE (9/12)


……
さて。

夜 20:00

(朝と夜に行動を選ぶことが出来ます)
(行動には一定の時間を消費します)
(定刻の夜0:00、朝6:00を過ぎて行動する場合、後の行動に影響が出ます)
(選択肢の番号が消えている場合は選択できません)

(5つのパラメータ「体力」「健康」「安心」「財力」「精力」のどれかひとつでも損耗しすぎると、男は死亡します)
(パラメータは表示されませんが、異常をきたしている場合、文調や文量に変化が起こります)
(一見効果のない行動も、【習慣】や【能力】の獲得に繋がる場合があります)

(クロと共に、日々を生き延びましょう。)

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓2


20以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 10:40:34o6IP7knE (10/12)

糞雑魚寝落謝罪
小少女珍珍苛苛同意求
不定期更新


21以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 11:03:49Y6RcaRzQ (1/2)

1


22以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 18:30:17o6IP7knE (11/12)


1【触れ合い】

「クロ」
「!」

猫が元だったのか、人が元だったのか。
彼女の正体は分からないが、今まで一緒に暮らしてきた存在には違いない。

この頼りない身で、改めて彼女を守っていかなければならない。

「おいで」
「ん……」


ヘーゼルの美しい瞳がスッと閉じられる。
広げた腕に招かれるようにして、薄着の少女は身を預けてきた。


肌はすべすべして柔らかいはずなのだが、撫でた感覚は猫っぽくもある。
髪の毛もさらさらで、指を抜ける感触が気持ちいい。

猫であった時と同様、静かにしている。嫌がる素振りはない。試しに顎をごろごろしてみる。

「う、なー……」

嫌がるとも喜んでいるとも取れない、微妙な表情。
なんとなく、色っぽくも見える……。

しばし、頭や肩などの無難なところを、慈しむように撫でていた。


23以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 18:46:20o6IP7knE (12/12)


「……?」

しばらくクロを撫でていると、触れている側の腕に怠さを感じてくる。
……妙な感覚だが、昨日の今日で疲れていたのだろう。
大切な存在が、再び腕の中で息をしている。それに勝る安心はない。



20:00 → 20:45

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


24以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 19:21:035Cf5U.ek (1/1)

5


25以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 22:42:35jlDjet5c (1/3)


5【家事】

平日に溜めていた洗濯を片付けよう。

下着や肌着の類いを片っ端から洗濯機に放り込み、続いてタオルを、ワイシャツは襟に漂白剤を付けてそのまま。



ゴウンゴウンと景気良く洗濯機が回る間、クロの衣服をどうするか考えた。
いつまでも男物の、サイズの合わない肌着では、毛皮のない彼女は風邪をひいてしまう。
下着の有無はともかく、寝間着に相当する女物の衣類が必要だ。

通販サイトを開き、大きさに融通の効きそうな寝間着を見繕う。
丁度あつらえたような、白地に猫のワンポイントが入った、暖かそうなパジャマが見つかった。
そう高いものではなかったので、迷わずに購入する。

下着などもそのうち選ばなくてはいけないだろうが、今はこれでも何とかなるはずだ。


26以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 22:47:16jlDjet5c (2/3)


洗濯機が止まり、所狭しと部屋干ししてゆく。
臭いが気にならないわけではないが、日中こまめに洗濯物を干す時間を作るより圧倒的に楽だ。

クロのパジャマは、明日の夜には届いているだろう。


20:45 → 21:45

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


27以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 22:47:32Nha8CExA (1/1)

6


28以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 22:51:55jlDjet5c (3/3)


6【外出】

さて、少し遅いが買い出しでもするか。

「! ーっ!!」
「大丈夫だよ、ちゃんと帰ってくる。」



身支度を感づかれてしまった。さっさと出ないと可哀想だな。

今の時間だと……


1【近くのコンビニ】
2【夜間空いているスーパー】

↓1


29以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/22(日) 23:23:45Y6RcaRzQ (2/2)

2


30誤字謝罪。射爆2019/12/23(月) 17:24:50o7IQ9Sdw (1/8)


2【夜間開いているスーパー】

少し距離はあるが、食料以外にも買い揃えたいものがある。
0時まで開いているスーパーへ向かう。

……

『いらっしゃいませぇ!えい!えい!えい!はぁーっ!』

ラジカセから流れる、よく分からないお囃子を聞き流して店内へ。
時刻は22時。休日だというのに、この時間帯でも人がポツポツと居る。


遅くなっても仕方ない。
目的のものを探して帰ろう。


……
…………


31以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 22:46:52o7IQ9Sdw (2/8)


……
ガチャッ。

「……」

あれ、電気つけっぱ……ああ、そうだ。


「ただいま、クロ……っおわ」
「、、!! ! !」

布団の方に行くとズボンの裾をすごい勢いで掴まれ、切実そうな顔で頬擦りされた。
なかなか離してくれそうにない。

「ごめんな、ちゃんと居るよ、ほらほら」
「…………。」



クロが落ち着いてから、ひとまずの食料とクロ用の携行食、いざという時の栄養食をしまい込む。
そして、クロの為に買った食器や歯ブラシ、マグなどをテーブルに並べた。

「クロ。クロの為に一応いろいろ揃えてきたけど……分かるかな」
「……?」

使い方どころか、自分の所有物であるかどうかも、ちんぷんかんぷんのようだ。

これらを扱うには相応の【能力】が必要だろう。


32以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 22:50:36o7IQ9Sdw (3/8)


さて……寒い中、荷物を持って歩き回るのはそれなりに堪えた。
平日の疲れが残っていると足が訴えている。


21:45 → 23:15

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


33以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 22:59:31cLBrRAXQ (1/2)

4


34以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 22:59:33zmD6HiKI (1/1)

1


35以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:13:51o7IQ9Sdw (4/8)


4【入浴】

さて。そろそろいい時間だし、お湯でも浴びて……

「!」
「あー……」

立ち上がった時、見えないところに離れる場合だけ何故か反応するのは……どういう理屈なんだろうか。

クロか……クロもか……そうだよな。
でも、布団からは大きく離れられないし……困った。



↓1 (ふたつ選ぶ場合があります。今回は実質ひとつですが)

自分は……
1【シャワー】
X【お風呂】

クロは……
A【クロを濡らしたバスタオルで拭く】
B【クロを蒸らした蒸しタオルで拭く】
C【布団ごと洗面所に運び、洗う】
D【肌を見るのはどうかと思う】


36以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:16:34T/PnpZuI (1/1)

B


37以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:31:39o7IQ9Sdw (5/8)


【シャワー】【蒸しタオル】

「……ふー」

熱いお湯を顔から浴びる。ホコリやら脂やらが削げ落ちていくようで気持ちいい。

どうあっても全身は温まらないので、縮こまるよりサッサと洗って着替えよう。

……

クロは、家を出てないと分かれば大人しくしているようだった。さて、綺麗になってもらおう。
手ごろなタオルを濡らし、軽く絞ってレンジの中へ。


……チーン!

「っおわ、あつつつつあつ、あつ、あつっ」

温めすぎた。右手と左手がなすりつけあい、湯気を叩き付ける。頃合いになる前にクロの元へ。

「クロっ、身体拭くよっ」
「?」
「ちょっと熱いから……っ」
「!!!!!」

蒸しタオルがお腹に触れた瞬間、その熱さに身を竦める。クロには悪いが、この隙に肌着の隙間から拭かせてもらおう。


38以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:40:07o7IQ9Sdw (6/8)


「っ、っ、」
「急がないと……」

脇を抜けて背中、首……ああ、もう蒸しタオルがぬるい。身体を冷やしてもしょうがない。温め直そう。
タオルをすすいで再びレンジへ。

チーン!

「っとととと、クロー」
「……っ」


少し怯えている気もするが、今はこれが一番身体に障らないはず。
飼い主の責務と思って、一気にやってしまおう。

チーン!

チーン!

チーン!

「はい、おしまい。お疲れさま」
「………………」

クロは複雑そうな表情。それなりにスッキリしていると良いが。
途中から、もう猫を世話するのと同じような感覚で拭き回っていた為、あまり肌や裸は気にならなかった。


39以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:44:48o7IQ9Sdw (7/8)


さて。クロはこれで良かったのだろうが、自分の身体が少し冷えてしまった。
蒸しタオルは時間も掛かるし、毎日やるには大変かもしれないな。

23:15 → !0:15!

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
X【入浴】
5【家事】
X【外出】
X【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


40以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:51:22cLBrRAXQ (2/2)

9


41以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/23(月) 23:58:42o7IQ9Sdw (8/8)

今日終休
明日聖夜今年中止求


(定刻のオーバーは夜の場合、1~2時間くらいならそこまで大きな影響にはなりません。)
(対し、朝の6時を逃して出社すると、始業少し前あたりに着く形になります。)
(抱えた仕事の具合を考えて家を出ましょう。)

(そして、出る時間までに起きられるようにしましょう。遅刻は精神的大ダメージ、無断欠勤は大変なことに繋がります。)


42以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/24(火) 21:54:22z1c5mzrc (1/3)


9【就寝】

もう日付も変わった。寝支度もした。

……昨日はもう来ない。
今日はちゃんと休んで、

「クロ」
「! 、、」

……明日を迎えよう。


さて。
布団はひとつしかないが、クロの身体は大きくない。
寝ようと思えば一緒に寝ることのできる広さ。

迷うことなく、既に温かい布団へ足を入れる。
猫であった時と同じように、それが毎日当たり前であったように、そっと温もりが寄り添う。
そして、温もりは肩を昇り、首を抱き、耳を塞ぎ……

頭をお腹に包むように、枕元へ移動した。


43以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/24(火) 22:15:43z1c5mzrc (2/3)


「これは変わらないのな」
「~…」

これは、クロを飼い始めた当初からの習慣。
クロは何故か枕元へ来て、自分の頭を抱き包むようにして寝る。
両親が上手いこと言うには【クロ電話】……確かに自分の頭とクロは、黒電話と受話器に似ている。

その習慣は、人の身体を得ても変わらないらしい。

「クロ、冷えないか」
「。。。」
「そうか」

猫の時とは大きさも感触も違う。
だけど、いつもの温もりに包まれるだけで、すぐに目蓋が落ちる。
自分にとって安息を象徴する香りが降り注ぐ。

膝が、顎と首を優しく支える。ももが、頬を柔らかく受け止める。お腹から、命が動く音だけが伝わる。二の腕が、もう一方の耳を匿う。
心地よい腕の重みが右肩から力を抜いてゆき、すねの程良い硬さが左肩の姿勢を正した。



……幸せだ。



「ぉゃ…み……クロ……」
「…♪」


44以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/24(火) 22:44:21FHS/wubQ (1/2)


……い
…………さい
…………………なさい

んん?

「起きなさい。」


微睡みから無我に落ちると、待っていたのは朝ではなく闇だった。

暗闇の中にぼう、と灯る肌。
ばさりと投げられた黒い翼、血肉のように赤い唇。
いわゆるボンテージとやらに身を包んだ、悪魔の格好をした女。

地面も地平もない、頼りない闇の中に浮かぶカタチ。

……あー、これ、夢か。
それも、明晰夢なんて言ったっけ。

「意識ははっきりしているかしら?」
「……一応。夢にしては」
「そうね。よろしい」


45以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/24(火) 22:53:04FHS/wubQ (2/2)



「私は、端的に言うと悪魔。今はそれで良いわ」


「悪魔って……マジで言ってますか」
「人ではないわ。それくらいの認識で十分よ」

悪魔にしては面倒見の良さそうな顔で、サバサバと用件を連ねてゆく。

「時間に限りがあるから、簡潔に話すわ。今夜は、貴方の側で眠っているあの子。猫だった子のことを話してあげる」
「! クロの事を知っているのか」
「ええ。彼女を猫から人の形へと蘇らせたのは、他ならぬ私だから」

これは、本当にただの夢なのだろうか……?
彼女の話す言葉、声は、とても現実味を帯びているように感じる。


「まずは一昨日のことから話してあげるわ。……」

……


46以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/24(火) 23:26:44z1c5mzrc (3/3)


……

話を要約しよう。

クロは一昨日、自身が老衰で力尽きることを前から悟っていたらしい。
しかし、クロにはどうあっても逝けない理由があった。自分のことだ。
クロは、自身が居なくなったあと……日々に苦しむ主人が支えを失って倒れてしまうことを予見していたらしい。

情けないが、事実そのものである。


クロは死の間際、主人を護りきれない無念に叫ぶ。
その一際荘厳な声が、この悪魔の耳に止まったらしい。

悪魔は朽ちて散りゆく魂を留め、クロと対話し……クロはそれを承諾し、契約を結ぶ。
それは、悪魔の一種へと魂を固着し、再び自我と肉体を得るというもの。

……もう、サラリーマンにはファンタジーな単語ばかりで頭が痛いが、現在クロの種族は夢魔。
悪魔によると、手持ちの器の中でもっとも扱いやすい種族だったとか。

そうして、クロは自分のことを護るために悪魔として生を受け、傍らに蘇ったのである。


47以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/25(水) 06:47:41tef5yuW. (1/2)


しかし、契約とは取引。対価が付き物なのは人も魔も変わらない。
クロの契約とは「精力を世界へ捧げ続ける限り、生まれ出た肉体の外で魂を固着させる」というもの。

契約に必要な精力……?というものは、老衰を迎えた猫の身体を焚べたことと、布団に刻まれた無数の想いを変換したことで何とか間に合わせた。

そうして何とか新生した矢先、目の前で首を吊り始める主人を見つけて大慌て。即座にケーブルを噛みちぎって救出完了。



というのが事の次第。
いや、あのケーブル太いし、シールド付きなんだけど……夢魔の牙が鋭いのか、クロの愛情が規格外なのか。

「それで、クロが布団から離れられないのは契約に布団が関係していたからなのか?」
「ええ。ただ、これからもずっと離れられないわけではないの。いずれ話すわ」

「あと、貴方はその布団に長年刻まれてきた想いを一応知ることも出来るわ。今はまだ、私の手元にあるから。」
「……正直、おすすめはしないけれど。貴方にとって彼女が、主従や恋慕の関係に無いというのなら、あるいは」

↓1 (クロには大きく、猫・人・夢魔のルートがあります)

1【知る】
2【知らずにおく】


48以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/25(水) 07:45:12QtfVtOng (1/1)

1


49以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/25(水) 08:16:560.bBiAC. (1/2)


1【知る】

「いや、知っておきたい」
「……気が触れるわよ。要は、頭がオカシクなる。それでも良いなら、この光に手を入れなさい」

クロは自分にとって単なる飼い猫というわけではない。支えであり、理解者だ。
躊躇なく掌をかざす。やがて、声が聞こえてくる。


「守ってくれた……いい人」
「大事にしてくれてる。いい人」「この人は、私のご主人」
「ご主人、気をつけて行ってきてね」「ご主人、お腹すいたよ」
「今日ご主人帰ってこない……えんそくってナニ……?」「ご主人、頑張ってる……静かにしなきゃ」「ご主人!ご主人ご主人!血が出てるよ!ペロペロする!!」「ご主人……寒いよう。一緒に寝ようよう」

クロとの思い出が流れ込んでくる。

「ご主人、泣いてる」「ご主人、ぐったり」「ご主人、つらそう」「ご主人、起きる?起きて?いつもの時間だよう」

「ご主人、帰ってくるとつらそう」「ご主人が困らないようにしなきゃ」「ご主人……!暴れないでよう……!」「ご主人、私いい子にするから」「ご主人、私と居るとホッとする?」「ご主人、嬉しそう」「ご主人、一緒に居てあげるね」「ご主人、こわくないよ」「ご主人、護ってあげるね」「ご主人が守ってくれた時みたいに」

ま、待った……


「ご主人、ご主人 ご主人、大好き ご主人、泣かないで ご主人、あったかい? ご主人、撫でて撫でて ご主人、今日も護ってあげる ご主人、おつかれさま ご主人、私、ご主人大好き ご主人、お布団に来て ご主人、早く帰ってきて」


「あ ぁ……」
あまりにも眩しく、純粋で鮮烈な想いが、異常なスピードを持って脳裏で炸裂し始める。
処理が追いつかない。心がトぶ。


50以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/25(水) 18:00:580.bBiAC. (2/2)





「ご主人、あったかい?ご主人、かまってかまってご主人、いつもありがとうご主人、今日暑いようご主人、今日は疲れたの?ご主人、元気ないご主人、お酒の匂いすごいご主人、帰ってきて……ご主人、私もう眠いようご主人、いつも朝早くに行っちゃうご主人、一緒にご飯食べたいよご主人、私のこときらいになった?ご主人家にいてもずっと寝てご主人大丈夫最近ヘンだよご主人顔真っ赤なのに外出ちゃダメだよご主人あの黒い服着るとこわい顔するご主人帰ったら休もう休もうよご主人今日寝てないよ大丈夫なの行かないでご主人ごめんねご主人がつらいのにごめんね





「あ、が、ぅぁ、ぅあぅぁうぁぅ……!」

壊れる、こわれる、あたまこわれる

「――ここまでね。歯を、食いしばりなさい!!」


バチン!!

……悪魔は平手をブチかまし、倒れた自分の手は光から離れていた。
ヒリヒリとした痛みが頬を刺し、段々と意識が、自我が、戻ってくる。

「言わんこっちゃないわ。でも、それが貴方の覚悟なのね」
「面目、ない」
「そうね。一応言っておくけれど、彼女はここまで四六時中、想い続けてきたわけではないわ。強い想いのみが布団に染みついていて、それを短時間に回想しただけ」


51以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/25(水) 23:53:23tef5yuW. (2/2)


「……」

先ほど聞いた、クロの声を思い出す。
自分はこんなにもクロに想われていたのか。
言葉が通じないとはいえ、心配も掛けたし苦労も掛けた……

「さて、今夜はここまでにしておくわ。私の準備もあるし」
「準備?」

「あとで分かるわ。貴方が目覚めた後、彼女はそのまま寝かせておいてくれる?」
「いや。いつもクロは先に起きてるんだが」
「いいえ、寝ているわ。まあ、楽しみにして頂戴」



悪魔が得意そうに指を鳴らすと、自分の身体と意識が闇に包まれ、夢のカタチがほどけてゆく。

「お休みなさい。きっとまた会うわ」
「待ってくれ、君はどうしてクロと自分を助けた?」

「……。悪心をもって、貴方達を利用するつもりはない。それだけ分かってくれれば良いわ」

悪魔は微笑むと、この夢を閉じた。


52以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 00:08:02avETvkN6 (1/1)





【能力:一般教養Ⅰを獲得】




(睡眠評価が「熟睡」の時にのみ会える悪魔は、クロの大きな能力の獲得に関わっています。)

(クロの成長や行動半径に行き詰まりを感じたら、彼女を訪ねることが出来る様に生活しましょう。)





(また、健康状態・精神状態が良くて早寝しても、体力が減りすぎている場合は最高評価の「爆睡」となり、悪魔には会えません。)


53以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 21:18:21uwoNDDok (1/4)


「くぅ……くぅ……」
「すー……すー……」




Day 2
Sun



「く……う、ん」

目が覚める。
時間は……いや……休みか。
頭はあまり痛くない……身体の疲れは、少しか。

「すー……すー……」

枕元に、いつもと違う温もり。

「クロ……」

その身は少女のようにしか見えない。だが例の悪魔が言うには、夢魔という人ならざる存在。
だが、自分を案じ、天寿を超えてまで追ってきた彼女を疎むことなどできない。

クロを守り、クロに護られる。
それだけだ。


54以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 22:16:02uwoNDDok (2/4)


……

ひとまずは洗濯物を片付け、朝食を済ませる。
クロが目を覚ましていた。

こちらに気付くと、そのまますっくと立ち上がり


「――おはよ、ご主人!」
「……は?」


鈴が転がるような声でそう鳴いたのだった。




「んふっ、やっとお話しできた」
「クロっ」
「悪魔のお姉さんに、日本語教えてもらったの」

すごい、ペラペラじゃないか……朝寝してた、あの短時間で?

「ね、どう? ヘンじゃない?」
「ああ、ああ、すごいぞ。驚いた」
「わ!んふふふ」

思わず、頭をわしわしと撫でる。黒髪の少女は嬉しそうに息を漏らした。


55以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 23:03:28uwoNDDok (3/4)


クロは猫の生活で得た記憶を基に、一般に聞いたことのある日本語を習得したらしい。
理屈は不明だが、悪魔の手引きだ。細かいことは気にしても仕方ないだろう。

猫の生活が15年ほどだから、そのまま15歳児相応と言うことだろうか。

「ご主人、ご主人っ!」
「はは、どうした」

伝えたい言葉……いや、気持ちが色々あるようだ。
首に回る腕を受け入れ、小さな身体を抱きとめる。



「ご主人っ、私ご主人が生きててっ……んん? どうしたの? ヘンな顔」
「……」

クロ、真剣なところすまない。
15歳「児」と呼ぶには、些か女性への免疫が不足しているんだ。

………………
……



56以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 23:13:00uwoNDDok (4/4)

チュートリアルなげーんだよ謝罪。一区切り。

妄想するのは歓迎だ。
脳内でいい匂いしろ。
だが妄想は必ずBカップでしろ。良いな。
それ以外はレギュレーション違反だ。


57以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/26(木) 23:15:3524ibkhsA (1/1)

はい!
ちんぽであります!


58以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/27(金) 11:26:51BtG2mtxc (1/1)

追い詰められた先の妄想で鬱って事はなさそうでよかった


59以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 12:27:45OEP4rj9. (1/6)



「ご主人、今日はどうするの?」


今日は休日を自由に使うことができる。
普段、予定のない日は仕事を片付けながら体力の回復に努めていたが……


↓1

1【昼寝】
2【くつろぐ】
3【簡単な仕事】
4【手のかかる仕事】


60以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 12:44:510dKKYwVM (1/1)

1


61以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 13:38:10OEP4rj9. (2/6)


平日の疲れが少し残っている。
少し午睡を取ろう。

「ご主人、寝るの?」
「ああ」

上着を脱いで布団に潜り込む。
毛布に座っていたクロも、すぐに隣へ入ってきた。

「ご主人、クロ電話する?」
「いや、そのまま隣に居てくれ……ふぁ」
「うん。……あったかい」

肌着から伝わる柔らかさ、温かさ。
猫の時も変わらず側に居てくれたとはいえ、今のクロは人とほとんど変わらない。ひとりの女の子だ。
そんな彼女が、主人と呼び、慕い、肌を寄せてくれる。
男として喜ばしくないわけがない。

「おやすみ、ご主人」
「ん……」


62以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 15:03:39OEP4rj9. (3/6)


「くぅ……くぅ……」
「すー……すー……」

……






「ん……」

十分に休み、意識が戻ってくる。
クロの身体からはまだ動きが感じられない……まだ眠っているだろうか。
一目見たくなり、目を開ける。

「えへへ、ご主人」

ただ瞼を開けただけのことを、こんなにも嬉しそうな顔で迎えてくれる……クロの笑顔が目の前にあった。

「起きてたのか」
「……。ご主人が起きた気がしたから、起きたんだよ」

そんなことも、嬉しそうに首を振って否定するのだった。


63以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 18:30:48OEP4rj9. (4/6)


「ご主人、すっきりした?」

もうしばらく寝なくて良いだろう。
日が沈むまで、まだまだ時間はある。

↓1

X【昼寝】
2【くつろぐ】
3【簡単な仕事】
4【手のかかる仕事】


64以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 18:33:43YZRLn.SU (1/1)

2


65以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 20:20:55OEP4rj9. (5/6)


2【くつろぐ】


冷蔵庫から麦茶を出し、自分のコップに注いだ。
ああ、そういえば……

「クロ、お茶飲む?」
「お茶……そっか、飲めるんだ」

なんとも言えないが、まずはクロのマグカップにお茶を注いで持っていった。


「えと、ご主人と同じようにすれば良いの?」
「ああ。一緒にね」

ふたりでコップに口をつける。自分は液面を注視することなく嚥下できるが……

「……」
「……」
「んぼっ、クロ! こぼれてる!こぼれてるから!」
「つめたい」

……


66以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/30(月) 20:36:25OEP4rj9. (6/6)


「……っくん」

まずはスプーンでひと口ずつ、飲み込み方を掴んでもらう。

「……っくん」

無防備な白い喉が動く。

「……っくん」



そうして、ようやくマグカップを持たせる。

「そう。それで、ひと口分」
「……っくん」

これで、黒色のコップを自分の持ち物として扱うだろう。

……




【能力:嚥下Ⅰを獲得】


67以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 18:56:46PlOpnP2o (1/15)


ピーンポーン!

「っ!?」
「お。はーい」

……

ネコパジャマ(白)が届いた。



夜 19:00

1【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
X【就寝】

↓1


68以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 19:02:391kCQaNQU (1/3)

2


69以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 19:31:29Sxam.tcg (1/2)


2【食事】

……

今夜はトマトソースのパスタ。
クロにはソース部分を使った簡素なリゾットを。

「クロ、玉ねぎとかは、塩分の多いベーコンやチーズとかは、食べられるのか?」
「うっ。う、うー……ごめんね、分かんない」

……未だに猫の食べられないものが入ってないか、気を遣ってしまう。食べること自体は大丈夫でも、敏感な鼻には辛いものもある。
今度悪魔に会ったら、夢魔の生態について聞かなければ。



……

「ごちそうさま! ご主人、ありがとう!」
「っ……ああ、ごちそうさま」

ご飯作るだけで、こんなにニッコリとお礼言われるなんて……いや、いつも伝えたかったんだろうけど。

この分だと、食器の扱いも問題なさそうだ。


70以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 19:37:00Sxam.tcg (2/2)


さて、お腹も膨れた。
食器を洗い終わって戻ると、クロが自分を見つめている。

……

19:00 → 19:45


1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
X【就寝】

↓1


71以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 19:40:39xTOebyBM (1/1)

1


72以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 19:56:09PlOpnP2o (2/15)


1【触れ合い】


物欲しそうな眼差しに応えて、クロとの時間を設けることにする。

「クロ、おいで」
「! はい、ご主人」

布団に腰を下ろすと、自分のももに頭を乗せてきた。艶やかな黒髪を梳く。


指が気持ちいい……ああ、そういえば。

「クロ、着替えようか」
「?」

先ほど届いたパジャマを手繰り寄せる。
真っ白な綿に、黒猫の刺繍が映える一着だ。

「……脱げばいい?」
「っ」

……着替えは一度しているし、やり方も分からないだろうが、どうしたものか。

↓1

1【気にならないぞ。順序良く教える】
2【気になるが、我慢して教える】
3【着替えられるまで、席を外す】


73以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 20:00:101kCQaNQU (2/3)

2


74以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 20:23:57PlOpnP2o (3/15)


2【気になるが、我慢して教える】

「クロ。えっと……その、やり方は教えるから、その通りにお願い」
「んー? 私、ひとりで脱げるよ……?」

言うが早いか自分のトランクスに手を掛け、片手で無作為に引き下ろす!
この分では、脱ぎ掛けることは出来ても身体から外せないだろう。

「わーっ!! 待った、待った!」
「っっ! ご、ご主人、おどかさないで」

「……一緒に動かして。まず、ここを掴んでね」
「うん」
「身体を……前に倒して……膝まで、下げて……」
「……んっ。うん」

ちゃんと出来てるか見ないといけないけど今は絶対もう守るものがなくて剥き出しででで!
綺麗なつま先から視線を上に少しずつズラしていあああふくらはぎ細いっ、見えた、脱ぎかけパンツ見えた!出来てるね次!

「右脚、あげて」
「はぁい」
「あし、ぬいて」

とんっ……

「もう片方、も……」
「……んふ。うん」


75以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 20:39:37PlOpnP2o (4/15)


「脱げた、よ……?」

クロの声、おかしくないか……?
細いし、高いし、甘い、し。

膝から外れた布きれが、元の持ち主の前で踊る。
射竦められたように、視線が上げられない。

先に続くものがないってだけで、こんなに輪郭を目でなぞるように追ったり、足首が綺麗に見えたり、動悸が止まらなかったり、したっけ。

「クロ 脱いだの 腰の前で、ぶら下げて」
「えへ……♪」


太ももの白さにクラクラしながら、隠されてることを確認しつつ、視線を上げる。
つい、と灰色の布地を持ち上げ、知らない顔で微笑んでるクロがいる。

「あの、な。そういう顔は 」
「ご主人……」

自分のトランクスで隠しているのか、自分のトランクスの裏を見せつけているのか。
間違いが許されてしまいそうな雰囲気を、彼女は漂わせている。

↓1

1【落ち着け。逆の順序で履かせる】
2【自分が、履かせる。】


76以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 20:48:27a3jRX0FA (1/2)

1


77以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 20:58:17PlOpnP2o (5/15)


1【落ち着け。逆の順序で履かせる】


深く息を吸い、より深く吐き出す。
熱が身体から逃げていく。

「クロ、これ。ここから脚を入れて、逆の順序で履いて」
「っ、ごしゅじん」
「できる?」
「……はい」

飼い猫として飼い始めた頃、去勢が終わるまでは大きな声で鳴き続けることもあった。
それの名残りがあるのかもしれないが、付き合ってやることだけが主人の責務じゃない。


「上も、私ひとりで出来るよ」
「そっか。ボタンは?」
「たぶん……出来る。毎朝見てたから」

視線を壁に向ける。しばらくして、着替えは終わっていた。


78以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:06:28PlOpnP2o (6/15)


「どうかな?」
「おー」

くるんと一回転してくれる。
ふわりと舞った長髪を、白地の綿がさらりと受け止めた。

足首はキュッと窄まっていて、暖かそうだ。
下着がまだ無いとはいえ、風邪を引くこともないだろう。
ゆったりとしたシルエットが愛らしい、共寝が気持ち良さそうなピッタリのパジャマだった。

「うん。似合ってる」
「えへへ。ご主人、ありがとうっ!」

……

19:45 → 20:15

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


79以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:12:46pxZUFH4c (1/2)

7


80以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:21:55PlOpnP2o (7/15)


7【息抜き】


「クロ、テレビ見る?」
「テレビ……テレビ!? う、うん! 見る!」

TVを点け、カジュアルなニュースを適当に流しておく。
ようやく人語を解せるようになったクロが、今までの疑問を解消するかの如く食レポに見入っていた。
まあ、こういうのもいいだろう。


自分はデスクトップを立ち上げ、趣味で弄っているソフトを起動する。
柿の種を一袋持ってきて、デスクにセット。

よし、やるか。


…………
……



81以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:40:14PlOpnP2o (8/15)


……

「ご主人、この赤いのホントに美味しいの……?」
「どれ? あー、ありゃめちゃくちゃ辛い。やめとこう」

……

「ご主人、あれ、氷?」
「そういや家では見たことなかったな。あれはかき氷って言って……」

……

「ご主人! クロちゃんのご飯ってなに!?」
「あれはタレントさんだな。クロちゃんって人が居るんだよ」

…………
……



82以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:46:57PlOpnP2o (9/15)


自分が作業していたのは趣味で作っているプログラムだ。仕事を楽にするために始めたものだが、単純に面白くて簡単な形のエディターを時折弄っている。

ちょうど、つまんでいた柿の種が最後のひとつになった。

「ご主人、安田さんの食い倒れ、終わった!」
「はは、そっか。それじゃ、これ」
「ん、んむ?」

かり。

「……。。。」

瞳がうるうるしている。辛かったか。

……

20:15 → 21:15

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


83以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 21:49:22a3jRX0FA (2/2)

1


84以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:07:51PlOpnP2o (10/15)


1【触れ合い】


パジャマに着替えたクロが可愛い。
愛猫だか、愛娘だか、愛妻……いやそれはないか。

「クロ」
「んふっ。ご主人?」

とにかく、優しく頭を撫でて、眺めていたい気分。
キョトンとした様子の瞳を見つめる。


猫の時と変わらない、美しいヘーゼル。
明るい室内で細くしている、縦長の黒目。
非の打ち所がない、長く艶やかな睫毛。


「目が綺麗だよね」
「……綺麗かな? 人の目と同じ?」
「ううん。綺麗な猫の目で、いつも見てきたクロの目だよ」
「ぅ……」

クロは顔を伏せる。猫の時も、可愛がりすぎるとそっぽ向いてたっけ。
本当、自慢したくなるほどに可愛い……と思うのは愛猫家が過ぎるか。


85以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:21:56PlOpnP2o (11/15)


「う……にゃ」
「おいで」

頭頂を撫でているとクロの身体がだらんとしてきた。
両腕に迎え入れ、背中から抱き包むように布団へ。

「ごひゅじん……」

頭を撫でるのをやめ、細い体躯に腕を回し、抱え込む。
優しいクロの香りが立ち上り、柔らかい体温と重みが感じられる。

「ごしゅじん、すき……」
「うん」

ああ……この感触、この声だけで、もう生きていける気がする。

【習慣:破滅的思考の脱却を獲得】

↓1

1【頃合いで起こす】
2【寝落ちする】
3【寝かしつける】


86以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:28:17S0fmAibY (1/1)

3


87以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:37:19PlOpnP2o (12/15)


3【寝かしつける】


クロは完全に夢うつつのようだ。
自分も色々あったが、クロにも色々あった。
きっと自分と同じく安心できたのだろう。
そーっと布団から抜け出て、頭の下に枕をずらす。

「うん……?」
「おやすみ、クロ。大丈夫だよ」
「……ん」

クロの目蓋が落ちる。
布団の上からポンポンと触れているうち、規則正しい呼吸に変わる。



「くぅ……くぅ……」

……


88以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:40:52PlOpnP2o (13/15)


「ふう……」

しかし、クロに触れていた部分が……やはり少し気怠い。手だけではなく胴体も。
どういった理屈なのか?



カチッ、カチ。

部屋の照明を小さくした。


21:15 → 22:00

X【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
X【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


89以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:50:381kCQaNQU (3/3)

3


90以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:58:04PlOpnP2o (14/15)


3【仕事】


この週末は少し弛みすぎたところもある。
少しでも仕事を進めておこう。
暗い部屋でノートPCを開き、部署内で頼まれていた定期的な雑務の処理を進めていく……

……

日中休んだ分、頭が冴えている。
良いペースで進んでいる。普段の5割増しで捗っているといっても良いくらいだ。

……

この場で出来る仕事を完了した。

22:00 → 23:30

X【触れ合い】
X【食事】
X【仕事】
4【入浴】
X【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


91以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 22:59:47pxZUFH4c (2/2)

9


92熟睡判定です。良いお年を2019/12/31(火) 23:13:05PlOpnP2o (15/15)


9【就寝】


明日からは仕事だ。
固まった身体を伸ばすと、血流と一緒に眠気が全身を回る。
シャワーは明日の朝でも良いだろう。



寝間着に着替え、そっと布団の端をめくる。
足先から忍び込むと、先客の体温が出迎えてくれた。

「ん、ぅ……?」

濡羽のように広がる黒髪にうずまり、クロの肩に額を付ける。

「♪」

反対側の手が、自分の手に添えられていた。
温かい。

「すー……すー……」
「くぅ……くぅ……」

闇に入るふたりは、頼みの綱を手に無我へと落ちてゆく……


93以下、名無しが深夜にお送りします2019/12/31(火) 23:44:45Ltv8mI76 (1/1)

優しい世界


94あけけおめ。今年もよろろ。2020/01/03(金) 20:16:48Gh8RnuGs (1/2)



……い
…………さい
…………………なさい

これは……

「起きなさい。」


微睡みから無我に落ちると、待っていたのは朝ではなく闇だった。

暗闇の中にぼう、と灯る肌。
ばさりと投げられた黒い翼、血肉のように赤い唇。
いわゆるボンテージファッションの似合う、不思議な女悪魔。

地面も地平もない、頼りない闇の中に浮かぶカタチ。



「意識ははっきりしているかしら?」
「……ああ。慣れないけど」
「そうでしょうね。よろしい」

顔の強張りを解いて、女悪魔はくすりと笑った。


95以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 20:22:38Gh8RnuGs (2/2)


「さて、いかにも用がありそうな顔をしているわね」

それくらいは分かっているだろうに。
嬉しそうな顔すらしてこちらを待っている。




「うふ、良いわ。私の話の前に聞いてあげる」

「用件は……」

↓1

1【クロの事について】
2【女悪魔の事について】
3【クロの能力について】


96以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 20:26:16HC/jcTEE (1/1)

3


97機嫌が良いと色々な事を話してくれます。適度なリップサービスを。2020/01/03(金) 22:03:30UxidiF8I (1/6)


3【クロの能力について】


「クロの能力について教えてほしい。急に喋れるようになったり……」
「あら、それなの? とっくに察しが付いているものだと思ってたけど」

「もちろん、私が手引したことよ。でも、こういったこともタダでは出来なくてね。……」



……要約するとこうだ。
自分がクロと【触れ合い】をする時、クロは夢魔として無自覚に自分の身体から精力を奪っているらしい。妙な気怠さはこれが原因か。
クロが得た精力を使って、女悪魔は能力を手引きを出来る。
何をさせるかについても、今度からは自分が好きにして良いらしい。



「あと、クロちゃんと貴方との契約の維持にも同じく精力が用いられてるわ。こちらについては、クロちゃんが自分で補給しようと動くでしょうから、あまりほったらかしにしなければ気にしないで良いわ」
「分かった。ありがとう」
「ふふ、殊勝ね。それじゃあ、今晩の取引を致しましょう」


98以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 22:14:46UxidiF8I (2/6)


「ちなみに、深く触れ合うコト。それで、大きな精力を与える事もできるわ。……貴方たちふたりの関係がどうなるか、貴方が腹上死しないかは別として……ね」
「腹上死って……」
「冗談よ。でも、可愛いでしょう? あの子。私に気を遣うことはないわ。貴方の意思次第よ」



取得精力:2(能力の後ろにある数字だけ消費されます)

1【契約書換・行動域Ⅰ】2
2【夢干渉Ⅰ】1
X【念話Ⅰ】3
4【集中治癒Ⅰ】2
X【一般教養Ⅱ】5
X【運動能力Ⅰ】3
X【魔術基礎】3

↓1


99以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 22:29:28HmVcfkkw (1/2)

1


100以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 22:37:59UxidiF8I (3/6)


1【契約書換・行動域Ⅰ】


「クロの行動域を広げてほしい。布団の上だけじゃ、何かと不便だ」
「契約の書き換えね。大した内容でもないし、すぐに終わるわ。貴方が目覚めて、少ししたら起きるでしょう」

【能力:契約書換・行動域Ⅰを獲得】




「……私、今日は機嫌が良いわ。貴方が望むなら、もう少しだけ居てあげる」

↓1

1【クロの事について】
2【女悪魔の事について】
X【能力の獲得】


101以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 22:40:07cYJGJYk6 (1/1)

2


102以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 22:52:49UxidiF8I (4/6)


2【女悪魔の事について】


「君の事が知りたい。君は一体何者で、自分たちの事をどう思っているんだ?」

「あら……? ふふ、それは口説き文句かしら」
「そうじゃない」
「分かってるわ。いくら貴方にとって超常の存在でも、信頼できるかは別の話だものね」


「私は……悪魔。その中で、淫魔として生を受けた種族」
「淫魔……」
「貴方たちの伝承や、創作物にもあるわね。人の精を啜り、惑わせ、陥れる者。色々あるけれど、おおよそ知っている通りの認識で構わないわ」

淫魔、サッキュバス。しばしば性に都合の良い存在として描かれながらも、多くの伝承で命を奪う者として扱われている。

「でも、この場で断言させて貰うわ。私は精のために力を貸しているわけではないと」


……信じていいものか。甘言に乗って、まだ倒れるわけにはいかない。

「じゃあどうして」
「ごめんなさい……まだ、教えられないの。私の、名前も……」

告げる女の表情は何かを抱え込んでいるようであり、辛そうである。


103以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 23:01:08UxidiF8I (5/6)


「私は精を得るどころか、クロちゃんとの契約において貯めてた精を大量に切り崩して、何とか形を保てる状態にまで、」
「分かった、すまない。じゃあ、それはそれで仕方ない」



「……有難う。それと、貴方たちの事だったわね。正直に言うと、とても興味深い観察の対象として見ているわ」
「観察?」

聞こえは良くない。

「人形扱いしているわけではないわ。ただ、人と動物の間に、貴方たち程の強い絆を見るのはとても稀なことだから」
「見ていたくなった、と?」
「……え、え。いい趣味では、なかったかしら」

……なんと答えよう。


1【悪くはない】
2【いい根性だ】

↓1


104以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 23:03:04HmVcfkkw (2/2)

1


105以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/03(金) 23:14:00UxidiF8I (6/6)


1【悪くはない】


「いや、悪くはない。物珍しさとしても、褒められているんだから構わない」

どころか、それが理由で助けてくれたのだ。
機嫌を損ねることはない。



「飼い主として、鼻が高いよ」
「有難う。でも、今は飼い主と言える状態なのかしら?」
「クロとは、今まで通りだよ」

「……余計なお世話かもしれないけど。失礼」

女悪魔は自分に掌をかざす。


「黄色……緑色……桜色……」
「?」

「貴方はクロちゃんを、守り合い支え合う飼い猫のようにも、向かい合える友人や娘のようにも、刺激や安寧をくれる恋人のようにも感じているみたいだわ」
「!」
「不愉快だったらごめんなさいね。でも、きっと貴方が望まなくても、クロちゃんは貴方の心を感じ取っているわ」


106以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/05(日) 23:02:181YmfIS.s (1/1)


確かに、今の自分たちは様々な付き合い方ができる可能性を秘めているだろう。

「……だからといって、急にどうこうできるわけでもない」
「ええ。だから、ほんのお節介」



「そういえば、君の話は?」
「ああ、そうだったわね。夢魔の身体について、人とは大きく違うから教えておこうと思って。まず……」

……
夢魔の身体は、実体を持つ外側だけを除けば全てはイメージで出来ている。
例えば消化器系などは最たるもので、クロが意識して食事をエネルギーに変換する想像さえできれば、実際に食事をせずとも活動可能なのである。
逆に、その器の中には実体を受け入れる事が出来ず、飲食物などは全てイメージ、夢想的な概念に変換される。

またその体質上、人の想像や気分、夢などに干渉する魔術も得意とする。
猫としての経験が新生に戸惑ってはいるものの、少しの訓練で習得できるらしいとも。

「……例えば、お手洗いなんかは?」
「不要ね。表層から生まれる唾液なんかを除いて、クロちゃんの体内から排出されるものは無い」
「その……要らないものの概念は溜まっていかないのか?」
「人が物事をよく忘れるように、イメージ次第よ。そして、概念から実体を産むことは相当の力量がなければ出来ないわ」


107生存2020/01/11(土) 17:03:266K2C59n6 (1/1)



「さて」


凡百の人間より知識人めいた、聡明な眼をスッと閉じる。
面倒見の良さそうな、掴みどころのないような、少し意地の悪そうな、不思議な印象のある顔つきに戻る。

「今夜はここまでね。契約の書換えをするから、クロちゃんのところに行くわ」
「一緒には居れないのか?」
「やだ……また平手して欲しいのね?」

平手というと、想いが流れ込んでくるアレか。人の夢に入るというのはそういうことらしい。

「それは困る」
「脳は一応休んでても、貴方の精神にも休息は必要よ」


淫魔がパチンと指を鳴らす。自分の意識が闇に包まれ、夢のカタチがほどけてゆく。

「お休みなさい。また会いましょう」
「ああ……また」

心を開き切るのはどうかと思って、何となく無愛想な挨拶になってしまった。
しかし、クロを正しく理解しようと思う限り、彼女とはまた会うことになるだろう。

淫魔は慈しむように微笑み、この夢を閉じた。


108以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/14(火) 20:31:15zw6tEB4I (1/1)

クロの移動範囲はどの位まで広がったのかな


109そりゃもちろん「いってらっしゃい!」してもらいたいですよね?2020/01/14(火) 23:31:56TBnZKa0A (1/1)

待たせていてごめんなさい、日曜までお待ちを


110以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/15(水) 00:13:23LKeqCL62 (1/1)

やったぜ。


111以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 11:23:16CaypvaJc (1/6)


「くぅ……くぅ……」
「すー……すー……」




Day 3
Mon



「く……う、ん」

目が覚める。
時間は……午前5時。
心身共に、快調である。

「すー……すー……」
「……」

体温を共有していた温もりの塊は、今なお安らかに寝息を鳴らす。
静かに抜け出て、乱れた布団を直し、小さな額に掌を乗せる。

ありがとう。
もう少し良く寝ててくれな。


112以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 11:26:34CaypvaJc (2/6)


クロはまだ寝ている。
洗濯機を動かすなど、あまり大きな物音は立てたくないな。

5:00

X【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出社】

↓1


113以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 11:30:18yZocn.Hg (1/1)

7


114以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 11:51:36CaypvaJc (3/6)


7【息抜き】

テレビを何となく点け、お茶を飲みながらぼんやりとする。
……ニュースから特に目を引くような情報は得られない。

5:00 → 5:15

X【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出社】

↓1


115以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 12:42:21SdfyxQCE (1/1)

4


116以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 13:36:30CJR/IU2. (1/1)

6時前までに出社だったかそれとも6時台ならいいのか


1176:00が基本の出社時間です。15分単位です2020/01/19(日) 17:28:17CaypvaJc (4/6)


4【入浴】


シャワーを浴びると、熱い滴りが強制的に目を覚ます。
頭と身体をゴリゴリ流し、髭を剃って出る。




「おはよ、ご主人!」
「……」

洗面所に……クロが居た。
屈託のない笑顔で、一日の始まりを告げている。
自分は全裸だ。

「おはよう……クロ」
「うん」
「まだ裸だから……一度待って」
「うん」

まるで忠犬のように構えて待つクロ。そもそも何を待たせているんだろうか。

「……外で」
「はーい」


118以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 19:52:36CaypvaJc (5/6)


スーツに着替えている間、淫魔から教えてもらった契約の内容を聞き出す。

様子見も兼ねて、クロの行動範囲は家の中に留めたらしい。
クロにあまり頼み込むのも忍びないが、留守の間に簡単な家事を頼むことも出来るだろう。

色々と勝手を教えなくちゃいけないから、自分が家事をしたところに一緒に付いてもらってからにしよう。



「だけど……」

……自分はマンションの管理人や周囲の住人からは一人暮らしと思われている。
短期なら誤魔化せても、日中に年頃の娘が部屋から出てこないことを知れば黙ってはいないだろう。


「しばらくはカーテン閉めておいて。電気は点けてて大丈夫だから」
「えーと、見られたくないから?」
「そういうこと。」


119以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 19:58:41CaypvaJc (6/6)


「もうそろそろ行く?」
「いや、まだ少し余裕があるよ。飯も食べてないし……」

5:15 → 5:45

1【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
X【入浴】
5【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出社】

↓1


120以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 20:00:15Q7fBFGwQ (1/1)

2


121以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/19(日) 23:35:493D3KXbC6 (1/1)


2【食事】


時間がないので食パンを野菜ジュースで流し込み。

「むぐ、んぐ」
「……」
「んぐ、っ」
「ねえ、ご主人」
「んむ?」

いつの間にかクロが後ろから覗いていた。

「ご主人、昔よりご飯食べなくなったね」
「ん……そうかな。食費掛からないし、そんなに困ってないけど」
「うーん」
「むぐ……ん。後で、クロも食べられそうなやつは食べていいからね?」
「……うーん」


とりあえず腹は膨れた、歯を磨いて支度しよう。
それとも、1本目の電車を逃してやることが何かあっただろうか?

↓1

1【ない。行こう】
2【そういえば……】


122以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 00:00:53ducK5zQg (1/1)

1


123朝は催促を入れます。6時を跨ぐような行動も中断できます2020/01/20(月) 21:07:0139fNEFr. (1/8)


1【ない。行こう】


「よし……それじゃ、出てくる」

褪せた革鞄を拾い上げ、しわくちゃのコートを羽織る。

ガチャッ。

「……とりあえず鍵は閉めておくね。チャイム鳴っても、そのままで良いから」
「ご主人っ」

艶やかな黒髪をはためかせ、真っ白なパジャマが駆けてくる。クロはそのまま戸の外へ手を伸ばす……
すぐ、静電気に触れたように細い指先が竦んだ。


「……ご主人」
「クロ」

その顔を見て 玄関へ走り すぐ抱きしめる。

「……。いってきます」
「! うんっ」



「いってらっしゃい!」


124以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 21:18:1139fNEFr. (2/8)


……
…………
………………

電車に揺られる。

シャツはよれてるし、コートも入社した時からずっと使ってるやつだ。カバンも底が擦れて芯材が出ている。
全体的にちょっとみすぼらしいが、顔は生気たっぷりじゃないだろうか。

始業前に進める仕事を考えながら、町を離れてゆく……




……

「先週指摘のあった図面訂正、と」

「サービスからメール来てる……実機は?」

「図訂処理終わり。外注への再送指示、と」


125以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 21:35:2039fNEFr. (3/8)


一日が始まる……


「打ち合わせは、10時ね」
『これクレーム1件。こないだ納入の○○事業所』
「あ……はい」
『おーいこないだ電話した特殊仕様の出図まぁだ?』
「お昼明けで大丈夫でしょうか……」
「打ち合わせ……これの検査って今手戻りしてるマシンだよな?間に合うのか?」
「クレーム処理のメールは……これでいいか。ん……というか対応自分っ?明日?なんで?」
「図面、受注仕様書……あれ、ここ剛性大丈夫か……?部品の購入先は……」

キーンコーン……

「……飯無理か。オプション追加における追加工図はこれで大丈夫、なはず」

キーンコーン……

「あ、掃除自分か」
「んでサービスの質問対応は……もしもし自分です。展示の実機いつ頃借りられます?」
「……」
『これさあ、現場から指摘来てるんだけどさあ、これ分かる?図面描く前に気付かなかったの?ねえ』
「いや……その……すみません」
『あの、俺質問してるんだけど。ねえ、これは図面を描く前に気付かなかったん で す か ?』
『ま、いいやすぐやって。』

キーンコーン……


126以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 21:47:1239fNEFr. (4/8)


(ふー……小休止しないと……)

「はい、ええ、ええ、はい。直しました。よろしくお願いします」
「………………。最優先はクレームの……あの県って、どんくらいかかるかなコレ」
「もしもし。はい。値がドリフトする?見に行きます」
「……腹へった。カロリー棒」
「もしもし、自分です。遅くなってすみません、今展示機を同じ条件で動かしたところ……」
「あ、リーダー。クレーム対応で明日行くのってホントに自分じゃなきゃダメなんですか? え? サービスで良かったって?」
「…………。はあ。来週中までに自分の開発の進捗報告があるからそっちもボチボチ」
「……。……。……人いないな」

……パチン。

「閉めは……オッケ。消灯」


ガタンゴトン……


127以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:00:5439fNEFr. (5/8)


「……」

ガチャッ。


「!っ!っおかえり!」

タタタ……!

「ごしゅじんっ!」
「っわ! ただいま、クロ」

くたびれた身体も、飛び込んできたクロの衝撃で蘇る気がする。
女の子の身体って、軽くて細くて柔らかくて気持ち良い……


自分が抱きつくだけじゃない、誰かの腕が不随意に締め付けてくる柔らかさが……なんというか、すごい、感動する。

「……。……」
「ご主人? 大丈夫?」
「大丈夫。もうちょっとこのまま」
「……うんっ。えへへ」


128以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:01:5639fNEFr. (6/8)



「……クロ、ありがとう。さ、明日は早いから片付けさせてくれ」
「うん。お疲れさま!」

名残惜しい温もりを床に下ろし、ネクタイを解いた。

23:00

1【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


129以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:03:32kauZxH16 (1/1)

2


130以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:12:0639fNEFr. (7/8)


2【食事】


「待たせてごめんな、ご飯にしよう」
「うんっ」

待ってましたとばかりに頬を擦り付けるクロ。……さては、日中食べてなかったなこいつ。
今日はレンチンご飯とインスタントのおでんで雑炊。
まあまあ値は張るが、それなりの献立を早く作れるのがウリ。

……

チーン!

「ほら熱いぞ、どいたどいた」
「あれ、お皿ひとつ?」
「一緒に食べよう。自分のと、クロのスプーン持ってきて」
「うんっ!」


131以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:19:3039fNEFr. (8/8)



熱と、胃に負担を掛けないエネルギーが身体の中心を満たしていく。
肩にすり寄る餌付け待ちの視線がくすぐったい。

……

「……はー。ごちそうさま」
「ごちそうさま!」

食べたお皿を、クロが台所へ運んでいく……ああ、なんというか色々信じられない。嬉しい。

「そういえば、洗い物は初めてだよね。こうやって……届く?」
「んふふ、できるよ」


23:00 → 23:30

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


132以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:24:286OfGx8tY (1/1)

7


133以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:41:57W0gZLJEs (1/3)


7【息抜き】


「さて」

明日は早いから少しでも仕事を……と思ってカバンを取ろうとした瞬間、冷たい猫目が下から突き刺さった。

「……また仕事するの?」
「う」

確かに明日は出張だが、その分の仕事を今夜にやる必要はそもそもない。
一度始めると2時過ぎコースだ。クロが咎めてくれなかったと思うと、危ない危ない。

「テレビって気分でもないし、パソコン点けるか」
「……ううう、ふにゃぁぁん!!」
「ちがう!仕事じゃないから!怒るな怒るな!」

スタートアップを確認して、手早く通販サイトを開いた。


134以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:57:23W0gZLJEs (2/3)


「何か買うの?」
「クロの服を、ね」

クロのパジャマは現在替えが無い。
あと、下着もない。

意識しないように心がけてはいるが、元は男一人暮らしなのだ。不意のことで、邪な情動に振り回されるのも良くないだろう。

「……」
「ふーん……」

正直、今のパジャマが自分としても気に入ってるので黒の色違いをもう1着注文。
あと、ショーツは2枚ぐらい……ブラは……


↓2

1【測る】
2【パジャマの上から測り、概算】
3【婦人服売場で選ぼう。見送る】


135以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/20(月) 22:59:10W0gZLJEs (3/3)

脇の下あたりを少女にぎゅうぎゅう抱きしめられてお腹あたりで小さいおっぱいを感じた瞬間に爆散したい人生でしたお疲れさまでした


136以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/21(火) 00:17:387oYg8Qzw (1/1)

1


137以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/22(水) 00:32:1187yiTtnc (1/1)


1【測る】


測る、か。長い間身につける大事なものだし、合わなかったらかわいそうだし。

早くなってきた鼓動と関係のない言い訳をしながら、 その気 でクロの身体に向き直る。

「クロ」

寝ている時は流れ落ちて、微かな面影のみを残していた上半身のライン。
身体を起こしてる今、見ると……なめらかな輪郭を持つくらいには、布地を押し上げている。
直に触れて 指を沈めたら、確実に柔らかいと解るくらいに。


もう何をしたいと言うよりも
その少女の魅力に
原始的に近付きたい欲求が抑えられなくなっていた


「…。……。サイズ測るから パジャマ めくって」



悟り、微笑む
猫の目がニィと細められる



「うん いいよ」


138以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 16:55:20KTFSz1NU (1/5)


少し聞きかじった程度の知識だと、女の子のブラジャーは胸の下……アンダーバストを基準にしてベースの大きさを決めているという。

そして、もっとも全周の長い……その部分との長さの差が、容量を決める、と。
いわゆる、何カップかというやつ。


採寸用のメジャーを持ち、息を飲む。
普段自分の腰を巻いていたそれが、こんな、肌の上を這うことになるなんて。


「お腹まで めくって」
「うん」


クロはぐいっとまくらない。
しなやかな指先が、中に隠すものへ引き込むように、布地を釣り上げる。

まるで、なにかの姫君のように。
とばりの中へ誘われる男。

「えへ 」

なんだ この雰囲気はふざけているのか。
わかっているのか。
そんな歳の子がしていいことじゃないだろ。

頭の声とは裏腹に
視界と意識は そのお腹と同じく真っ白になっていた


139以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 18:59:56WBJ6ERvw (1/2)

これは淫魔


140以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 19:39:55KTFSz1NU (2/5)


きめやかな白。

危うげな曲線。

柔らかな肉。


「ひゃん……!」

メジャーを背中から回すと、クロが冷たさに竦んだ。
一際高く、か細い鳴き声に、脳が異常事態だと警鐘を鳴らす。
だけど止まれない。カチカチ伸びるメジャー。
測ってるだけだから。測ってるだけだから。


そうして、あ胸の下って思わない方が良い おへその遥か上で、ようやく、メジャーの端が繋がる。
少し緩んでるから、間をつめて測っ

あ キュッと締まって


ぷにっと柔らかさが 肉が盛りあがって 身体あったか いい匂いすごいする メジャー食い込んで これ やば

「……ご主人、いくつ?」

……

耳に入ってから声が聞こえるまで2秒くらいかかった。


141きめこまやか です 謝罪2020/01/26(日) 21:44:31KTFSz1NU (3/5)


目盛に視線を移すと……職業柄の理性が戻ってくる。

「えっと、70……いかないくらい。コンマ5」
「そっか。」

だから欲が少し途切れて、かえって、心の準備が遅れていた。
ぷるんっ、と。




「ねえ――こっちも。」
完全に 釘付けにされた




「ふふ、ご主人」

小さくて 幼くなくて 女の躰
お腹から 境のない ふくらみ

「見て いいんだよ」

ふやけた焦点が合う
ふくらみの頂点に ふるえる薄紅
興奮を突き抜けて 魅入られる
ずくん ずくん と流れ込む 疼きだけが鮮明で
「そういう目」で見る対象だと 五感が認識してしまった。


142以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 22:22:33KTFSz1NU (4/5)


眼前には、つついたら破れそうなくらい
優しくて柔らかそうなおっぱい

知らない彼女を鳴らす呼び鈴のような
ぷっくりと膨らみきった乳首


いまどこか動かしたら 彼女をどうしてしまうか分からない
壊してしまうかも 喰らってしまうかも 溺れてしまうかも
そんな勝手な怯えが 湧き上がる欲求を濁す

メジャーを持ったことも忘れて震える手。

「ご主人……」
「ぁ」

クロの片手がパジャマをぱさりと離し、自分の頭に乗せられた。
なでなで、と。
安心して欲しいと語りかけるクロ。

「ご主人は、やさしいね」

……ああ。えっちでも、クロはクロだ。


143以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 22:42:45KTFSz1NU (5/5)


……
手の震えが止まっていた。

「えっちでごめんね」

目の前に映る蠱惑的な肢体と、長く過ごしてきた愛猫が繋がって、いまのクロをようやく理解する。

理解して、強く強く惹きつけられる。

「でも ご主人が 望むなら」

すると
頭に置かれた あたたかな手のひらが
首筋を怪しく這い下りる 細い指先に変わる


「えっちな こと しよう?」



↓1

1【悩殺まっしろえっち】
2【戸惑いはあるけれど】
3【まだぶつけられない】


144以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 22:43:50WBJ6ERvw (2/2)

2


145以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/26(日) 23:28:22nCBPu42A (1/1)


2【戸惑いはあるけれど】


オサソイ。
生まれて初めて、そんなこと言われた。

言葉だけで クラッ と堕ちた。
理性が ジュワッ と融ける感覚があった。
腰が甘く、重く、痺れるように疼いた。

正直 クロとのえっちなことしかもう考えられない


………………だけど。



「 ク ロ」
「えっちなことは したい」
「でもっ……クロに優しくできない時は、したくない」

それだけは……失くせないんだ。
矜恃としてなのか、クロを想ってなのか、今は分からないけど。



「っ……!」

首を這っていた指先が止まった。


146以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/27(月) 00:01:52W0kFeF3w (1/3)


「……うん。ご主人、メジャー、下ろして」

指先からメジャーの端が離れ、クロの周りでパラリとほどける。
メジャーそのものも、床に転げた。


「私ね」
「ご主人が 私でえっちな気持ちになってくれるのも」
「ご主人が 私を大切にしてくれるのも」

「ぜんぶ うれしくて 大好きだよ」


首に回ったクロの手が 自分の頭を吸い寄せる




「だから 私がえっちなこと するね?」

クロがそれを どこまで知ってるかどうかとか
そんなことは 間近に迫るクロの眼差しで吹き飛んだ


147以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/27(月) 00:34:42W0kFeF3w (2/3)



「 ん」
「っ!」


花びらが触れる みたいな

「……ふ」

肩を寄せあう みたいな

「ちゅ う」

両腕で抱きしめる みたいな

「にゅ…… ぷ、ぁ……」



初めての 口付けを した。


148以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/27(月) 00:38:14W0kFeF3w (3/3)

もう今日はダメだすまねえ
関係ないけどこういうの良いよね
https://www.pixiv.net/artworks/67539589


149以下、名無しが深夜にお送りします2020/01/27(月) 03:31:075KtOMxOk (1/1)

乙。展開が丁寧でとても良い


150ブロリー [RV7a6IIEk0] 2020/01/31(金) 17:47:23yMtCR.iQ (1/1)

、、、、、


151以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/09(日) 17:19:407aPBjD16 (1/1)

これからって所で焦らしプレイか


152謝罪2020/02/15(土) 20:41:58ywCsjtiI (1/1)


唇に、一瞬だけ糸が繋がって 切れた。

「え、へ」

しばらくぶりに目が合う。


……キスしたんだ。この女の子と。


ぶわっと、胸が熱くなって。
「大切にしたい」と思う気持ちが、かつてなく膨れ上がる。

「ご主人」
「うん……?」
「いまの私は、夢魔だからね」

「ご主人の、おおきな心の声は聴こえちゃうんだよ」
「……え」


「はっ、んちゅ」
「ク、んむっ」

クロの両腕が首に回ると、肩から引き寄せられ身体がしなだれかかり柔らかく唇が躊躇なく距離を詰めて押し付けあい、大きな心の声が聞こえる?考えてた事がバレていた?

思考が瞬時にパンクする。

唇が内側が濡れていて良い匂い腰、お腹、先端に擦れて痺れる、おなか気持ちいいっ 舌がぬるると唇を這い目を開くああ、かわいい 可愛い……!!


153以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/16(日) 00:41:18HfjGsfq. (1/5)


「ん にゅ える……れぇ」
「はっ、ん、くっ、ぅ」

キスが続く。ハグが強く。止まらない。終わらない。

キスには区切りがあるはずだ
それが訪れない
伝える口付けは知らぬ間に終わっていて
口を使ってこすりあう肉の交わりになっている

「ん んふ ん んん んぅ――」
「――、――――っ!!!」

乱れていた唇同士が閉じられた
閉じ込められた
動いている 舌が
にゅるにゅるにゅるにゅる動いて
首筋と股間に電撃が流れる


154以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/16(日) 00:51:02HfjGsfq. (2/5)


「! んふふふ……」

ビクンと硬直した自分を笑うクロ
今のが良いんだ と脳裏をくすぐる声
ああ、続けるんだ 終わらないんだ 耐えないといけないんだ

「んんっ、ん れるれるれる っ」
「――っ!! っ っ っっ」

あ これダメだ 過ぎる――

すがるように目を瞑ってクロの身体にしがみついていた。
柔らかい。気持ちいい。痺れる。
色々ありすぎて色々あるはずなのに全部を認識できない。

口が熱い
柔らかすぎる舌がくにくにと形を変える
這い、のたうち、絡み付く
舌先がなぞる 舌全体がうねる
後頭部を突き抜けて背筋をつまびく快感が
許容を超えて全身に波紋を立てる

身体が嘘みたいに、他人事みたいに、ビクビク跳ねていた
下肢がガクガク震え出すのに時間はかからなかった


155以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/16(日) 01:31:41HfjGsfq. (3/5)



……
………

「――ん。ぷ はぁ」
「  、  、  、  、」


舌が抜けていった。
思考が快感で焼き尽くされて、可愛いとか大切にしたいとか、そんなものはどっか行っていた。
ただ……エッチに積極的になったクロがどんな少女なのか。
夢魔の身体がどういうものなのか。

その、予想を超える体験が、クロからもたらされている事に、心はただ戸惑っていた。
心は。



「っと……ごしゅじん?」
「ぁ……」

身体はというと、クロの支え無しには立っていられないほど虚脱し。
脳は、腕の中の少女を性的強者だと認め屈服していた。

快楽で犯す、だなんて概念は物語の中だけと思っていた。


156以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/16(日) 18:07:29HfjGsfq. (4/5)


メジャーを伸ばしていた時からずいぶん経っている気がした。
長く弄ばれて疲弊すると、何でもいいから解放してくれ……解放させてくれ、と思うもので、犯されるのは怖いなぁと人ごとのように思う。
クロ、分かったから、ほどほどで、



「……ふふ。ごしゅじんのここが、触って って言ってる」

耳元が ゾワって



カリ。
「――――っっあ!!?」
「えへ カーリ カリ……」

指の先端と
自分の先端が
カリ、カリ、と。

行為の先において、もう何も行使できる権限はなかった。


157以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/16(日) 18:15:51HfjGsfq. (5/5)


クロを抱きしめ
クロに支えられ
髪にうずまり
溺れ 耐え 震え
指先で弾かれる
硬質で甘い爪先が
カリカリと電撃を流す

「ごしゅじん、びくびく……」
「あ、ぁぁぁあぁぁあっ、う わぁぁ……!!」

ほんの少しの面積しか触れてないのに
指先がどう動いているか全部わかってしまう

優しく 規則正しく
しなり こね 滑り
ズボンの上から 裏筋をこしゅこしゅと。

「ごしゅじん、きもちいい……?」
「きもち、ぃっ、う、良いっ」
「えへ よかった」

とぷとぷと こんこんと
先端から涙が溢れていくのが
止められなくて 恥ずかしい


158以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/17(月) 07:03:4854MPN3fA (1/1)

まだ?


159ごめんってばよ せわしいの2020/02/17(月) 20:47:53XFD9ywKs (1/4)


ただただしがみつく自分の腰に、クロの細い腕が回る。
ベルトの端が抜き取られ、バックルが持ち上げられていた。

「……出しちゃうね?」

吐息混じりに、ひそかに、囁く。
出しちゃうね なんて。

衣類の下ではなく、溜まりに溜まっている性欲を……こともなげに搾ろうと、そう聞こえてしまう。
それはほんの数日前まで心の支えだった愛猫の誘いで、倒錯感に戸惑う。


「……っく」
「あは……いい、におい」

ずるりと。
スラックスと下着が一緒に下げられ、太ももまで露出して



「気持ちよくなってね ごしゅじん」

手の温もりが 近付く気配がした


160以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/17(月) 21:05:57XFD9ywKs (2/4)


きゅっ …

「!!ぁ」

ぬる ぬる
きゅうっ……!

「あはぁ……さきっぽ、ぬるぬるしてる……♪」



くちっ

くちっ、くちっ、くちっ、
「あ、クロ、それ、あああう!」
くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、

柔らかくて小さな体温が何度も動く
早まらず 遅れず 強まらず 弱まらず
規則正しく 何度も 何度でも

くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、
「あ、ああっ、それ、あああっ」

腰の奥がすぐに「ドクン」と重くなった。

気持ち良いけど、気持ち良すぎなくて、身体がどうしようもなく堪えられなくなる、屈服の往復運動。
愛情を込めて自分だけに向けられる、最福の往復運動……!!


161以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/17(月) 21:27:12XFD9ywKs (3/4)


くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、
くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、くちっ、
「あ ああ だめ ダメだ、クロ……!!」
「えへへ……ごしゅじん」

あらゆるところが鋭敏になり、

甘い甘い性感が膨れ上がる。

もう絶対に我慢させてくれない。

でもっ

「――ね、ご主人」



この子はっ、 大切な女の子で……ッ!!








「 私はずうっと……  あなたのメスだよ 」


162以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/17(月) 21:37:30XFD9ywKs (4/4)


「ば――――!!!?」
「え、へ……♪」


くちっ…くちっ…くちっ…くちっ…♡


「っっっ、っああああ……!!」
そんなのどこで覚えやがったお前っ……ああああああ!!!!





どぷっ!!
「あ……♡ 嬉しい……♡」
ぬちゃ、ぬちゅ、くちゅ、こぷっ、ちゅく、にゅぐ、
「いっぱい、だして……♪」
どぷっ!
どぷっ!
どぷっ、
びゅく、
びゅく、

びゅる、

びゅ…

……


163以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 01:59:19uDIDAnJc (1/3)


「あ……れる。ん」

吐精が止むころ……
いつの間にか、クロが自分の精液で汚れた指を舌で拭い取っていた。
半ば固体のような白濁を口に含んで……嚥下している。

「なんで、舐めて」
「美味しいから……」

嘘だと思っても……正直それはクる。
まだ握られている片手に、反応を悟られただろうか。
いや、思い出した。クロへの精力供給は情事を介しても出来ると。


そんな、最もらしい理由の対価がこの快感だなんて。

『 私はずうっと……  あなたのメスだよ 』

しばらく……殺し文句の誘惑が、脳裏をチラついて離れなさそうだ。

【習慣:オスの誘惑 能力:性技術Ⅰを獲得】


164以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 02:05:04uDIDAnJc (2/3)



「ご主人……べとべとしない? 舐めてもいい?」
「もう勘弁して……」

(疲れた。精魂を抜かれた)


23:30 → !0:30!

1【触れ合い】
X【食事】
X【仕事】
4【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓2


165以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 02:10:18uDIDAnJc (3/3)

いちいちなげえんだよカス性癖だだ漏れチンポ野郎が
あとこんな15歳が居てたまるかよふざけんな
健気儚げな従順美少女がえちちだけ魔性帯びて一転攻勢するの最高なんだよね分かる君たち?


166以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 02:18:51WVvoS9IY (1/1)

4
もっと垂れ流せ


167以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 07:30:49etHQNyt. (1/2)

4
そうだ


168以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 07:43:30Esu9ioD6 (1/1)

おつおつ
まだ漏らせ


169以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 21:54:41etHQNyt. (2/2)

まだ?


170以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/18(火) 22:22:56v1Y7d2Ko (1/1)

寝ないと時間がヤバそうだけど大丈夫かね


171取り急ぎこれだけ 土曜までお待ちを2020/02/19(水) 08:08:35hMmTe55g (1/1)


4【入浴】


いい時間だし、大したことをする気力も無い……お湯でも浴びて、さっさと寝よう。

タオルと髭剃りを用意すると、クロはパジャマに手をかけて付いてきた。

「ご主人、お風呂?」
「そこで脱がないの」

しかし、どうしようか。
お風呂を沸かしている時間は無いし、シャワーだと一緒に浴びるには寒すぎる。
なんだったら、クロには日中浴びてもらってもいいかもしれない。


↓1

1【シャワー】
X【お風呂を沸かす】

X【一緒に入る】
B【自分が先に入る】
C【クロが先に入る】
D【クロには改めて入ってもらう】


172以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/19(水) 08:18:25wWQCKizE (1/1)

1-C

この書き方でいい?


173以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/19(水) 16:41:37020bZeqc (1/1)

X


174分かる形であれば何でも大丈夫です。ありがとうございます2020/02/22(土) 10:57:12784Rf3YY (1/1)


【シャワー】【クロが先に入る】


「クロ、先にシャワー浴びておいで。汚れちゃったでしょ」
「え、ご主人……寝るの遅くなっちゃう」
「どうせ一緒に寝るつもりだったからいいよ……ふぁ」
「ダメだよご主人。早く休もう?」

この様子は譲らなそう。
本当に、もったいないくらい優しい。

「じゃあ、クロには大事な仕事をあげよう。先に布団をあっためる仕事だ」
「う……わかった」

こういう転がし方はどうかと思うが、クロは基本的に頼まれ事が好きなのかもしれない。


……

「お湯の出し方分かるー?」
「うん!」
「出しっぱなしで良いからね」
「はーい!」

クロが猫の頃、一緒に身体を流した時もあったな。
おおよそ分かっているようで一安心。


175以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/22(土) 17:40:19I9NINq2g (1/1)

どこまで続くかな?


176以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 05:28:371EwOtYeQ (1/4)


「ご主人、空いたよ」
「お……頭もう少しちゃんと拭くの」
「わぷっ……」

タオルドライ用にフェイスタオルを投げ渡す。
クロの長髪は好きだから、あまり傷んで欲しくない。

「これドライヤーね。髪を乾かすやつ」
「い、いいから。早く入ってきてよう」

…………

身綺麗にしてシャワーから上がった。
布団の中で濡羽色の塊がもぞもぞと動いている……

0:30 → !1:15!

1【触れ合い】
X【食事】
X【仕事】
X【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


177以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 06:38:31PnDQQcSs (1/1)

9


178以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 12:21:041EwOtYeQ (2/4)


9【就寝】


こんもりとふくれた布団をまくり上げる。
敷布団の中央にでかいネコが転がっていた。

「……はいる?」
「うーん、片側あけてくれるかな」

あけてくれたスペースに寝転び、一緒に布団をかける……
慣れ親しんだクロの香りと、ほのかにシャンプーの匂いがくすぐる。

「うわ、あったかい……ありがとね、クロ」
「んふふふ……♪」




「明日は5:30に出るから、4:30には起きるよ」
「うん、わかった!」

さて、明日は出張だ。しかもクレーム対応ときたもんだ。必要な道具は揃えてきたが、さて……

「むー」
「ん?」


179以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 12:38:101EwOtYeQ (3/4)


もぞもぞと、隣の温もりが登ってくる。

「難しい顔しないで、ご主人」
「あ……」

【クロ電話】だ。
膝にあごを乗せると、自然にまぶたが重くなる。
頭を受け止める太ももがとてもあったかくて、思考力が抜ける。

「今日はいろいろあったけど。明日に行くときは、私が一緒だよ」
「!」

そういえば、エッチなこともしてしまった。うあー……いろいろあったわ。
それに比べれば、出張なんて些末なもんだ。



「あー、おもいだしてる。えっち」
「もう……おやすみ、クロ」
「うん。おやすみなさい、ごしゅじん……」

耳をクロの掌が塞ぐ。
今だけはどんなことからも護ってくれる気がした。
疲れた身体が、意識の海に溶けていく……


180以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 12:46:321EwOtYeQ (4/4)

非常に性癖に刺さりまくったのでダイマさせてほしい
ttps://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ271502.html
はやくしあわせになれよ
はよ


181以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/23(日) 13:31:24hkkZNHpE (1/1)

うん


182鯖復活~2020/02/25(火) 12:17:03iVo5xXq. (1/3)


……

つんつん
「……」
「くぅ……くぅ……」


つんつんつん
「ご主人……」
「んん……」


てしっ、てしっ
「ご主人」
「んんっ、ん……?」



Day 4
Tue


クロのねこパンチで目が覚めた。時間は……4時45分。

「おはよう、クロ。ごめんね、ありがとう」
「おはよう、ご主人! えへへ、少しでも休めた?」

まだ眠い。身体は少し疲れてるけど……それ以上に腰がだるい。
入ってない感覚。エンプティーを感じる。


183以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/25(火) 12:46:26iVo5xXq. (2/3)


寝起きで回らない頭を軽く振る。
5:30には確実に出よう。


4:45

1【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出張】

↓1


184以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/25(火) 13:23:16uSemAlDk (1/1)

2


185以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/25(火) 20:36:09iVo5xXq. (3/3)


2【食事】


「朝ご飯にしよっか」
「!」

今朝は安売りしていたハムでこしらえるハムエッグトースト……と野菜ジュース。

「クロ、手伝ってくれる?」
「うん!」

トーストをオーブンに投げ入れてもらう間、熱した油でハムをパチパチと炒め、火の通り始めるあたりで卵を、あっ。


「あー……収拾付かないやつだ」
「どうしたの?」
「崩れた。炒っちゃえ」

古い卵だったから仕方ないか。これからは、買ったものがはけていくのも二倍速だ。

……


186ダークマリオ2020/02/25(火) 21:00:55xKaWEinQ (1/1)

腐腐腐•••いいぞ!!このまま安価を増やしてしまえー!!ピピピピピピピピ


187以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/26(水) 21:43:40Vpdz53GU (1/3)


「いただきます!」
「うん、どうぞ」

クロは少しの醤油で、自分はゆず風味のポン酢で。

クロが小さな口を目一杯開き、かぶり付くのを見届ける。自分も続いてひと口。




「――ご主人。食べちゃだめっ」


「え?」
「味が、すこしおかしい」

ひと口分、飲み込んでしまった。
……しまった。卵、そんなに古かったか。加熱さえすれば問題ないと思ったが。

何より、クロにそれを出してしまった事が申し訳ない。
その程度の生活能力も無いのか、自分は。

「ごめん、クロ」
「ううん」


188以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/26(水) 21:53:40Vpdz53GU (2/3)


「夢魔の身体はたぶん大丈夫だよ。ご主人の作ってくれたご飯だもの、どんなものでも美味しいって思えるし、大事に食べたい」
「あっ、クロ!」

ひとしきり言い終えたクロが、自分の分のトーストを手元から奪ってしまった。
胸の締め付けられるような心地と……なんとも言えない嬉しさ。キュンとするなんて、柄にもない言葉が浮かぶ。
失敗したお菓子を意中の人に食べられるヒロインって、こんな気持ちなんだろう。




「だいじょぶだいじょぶ。それよりご主人、パンとっちゃったから、ご主人の分のパンも」
「ああっ、流石にそれは自分でやる! 座ってて!」

パン焼くくらいはさせてくれ。


189以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/26(水) 22:07:11Vpdz53GU (3/3)


……

「ごちそうさま! ご主人っ、全部食べたよ! 美味しかった!」
「ふもむ、ふむ、うむむぐむ」
「ふふ、なんて言ってるか分からないよ~」

「……っく。ごめん、クロ。ありがとね」
「そんな気にしないでよう。あと、なんでそんな急いで食べてるの?」
「時間が少し……」

トーストを焼き直したせいで余裕がない。
歯は磨くが、爪切って鼻毛も切って、もみあげ整えて眉剃って、なんで時間はなくなった。


野菜ジュースと口中調味して、2枚の小麦を詰め込むのだった。

【能力:毒味を獲得】


190以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/26(水) 22:21:08YuB6Gt8w (1/1)

RPGwwww


191以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 18:39:05ADsdN.BI (1/8)


忘れ物のないよう支度をしていると、すぐに時間が来た。
スマホで路線案内を確認する。



「よし……それじゃ、出てくる」

褪せた革鞄を拾い上げ、しわくちゃのコートを羽織った。

ガチャッ。

「……出張済んでも会社戻るから、遅くなるよ」
「ご主人っ」

艶やかな黒髪をはためかせ、真っ白なパジャマが駆けてくる。
大切な少女を、惜しむように抱きしめた。

「えへへ。大好きだよ」
「……。いってきます」




「いってらっしゃい!」


192以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 18:42:19ADsdN.BI (2/8)


……
…………
………………

電車に揺られる。

シャツはよれてるし、コートも入社した時からずっと使ってるやつだ。カバンも底が擦れて芯材が出ている。
あんまり他所行きとは言えないが……正装なんだから仕方ない。


現地での段取りを考えながら、町を離れてゆく……


193以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 19:31:37ADsdN.BI (3/8)


一日が始まる……



「おはようございます、××工業の自分と申します。……」

「こちらが実機ですね。カバーを開けてよろしいですか?」

「……はい。はい。図番968115開けますか? はい。……ええですから至急でお願いします。……ですから、そこはどうだった、じゃなくて図面見ないと分からないんですよ。自分が説明できないんです。」

「申し訳ございません、お待たせいたしました。今回の件につきまして……」

「はい。はい。はい。ええ、後日、補修部分再送の形です。そこからは担当にも継いであります」

「構成に都度手配品あるので、先に手配頼めますか? どうせ営業から話上がるの遅れますから今日のうちによろしくお願いします。……いや、あの、今から帰りますし来歴は提出しますが確実に定時回りますよ。」

「それ、ほんとに自分がやらなきゃいけないんですか? 至急なんですけど」

「はぁぁぁ……昼抜いちゃった。夕飯くいたい……」

ガタンゴトン……


194以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 19:42:12ADsdN.BI (4/8)



「自分です。ええ。ただいま戻りました。」
「……机の上なにこれ? 何この量? 全部自分宛て?」
「出張報告はあとで、先に来歴飛ばして製作命令大至急でっ、」
『お前何してんの……出張報告書は?』
「こっちも大至急です……別に先輩に出すわけじゃないですし出張先から連絡はしましたよ」
「………………課長と喫煙所行きよった。はぁぁ……なんて吹聴されるかな」

……

『おーい……自分。今日キツかったろ、俺はもう上がるぞ』
「課長……お疲れ様です」
『時間掛けるのも良いが、ほどほどにな。んじゃ』
「……。半分も減ってないんですよねえ」

「ひとまず消灯……っと」
「……」
「はぁ……どうせまた遅れたらごねられるし」

……


195以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 19:50:46ADsdN.BI (5/8)


ガタンゴトン……

ガーッ!!!!!


「……行きの、最終電車が到着します。……」


プシュー……




「クロ……」

1人分の座席に擦り切れた鞄を投げる。ちょうどその様子に自分は似ていた。

「なんか腹痛いし、寒い……」

そういえば、朝の卵、たくさん食べなくてよかったな……危なかった……


ガタンゴトン……


196以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 20:00:35ADsdN.BI (6/8)



「――」

ガ、チャ……


「!!!!」

ダッダッダ……!
パッ!!

暗かった部屋の明かりが急に点いた。

「ごしゅじんっ!!!」
「………………ただいま」
「ぁぁ、ご主人、しっかりっ」

顔を見るなりクロの表情が歪む。
手から鞄をさらわれ、半分肩を預かられるような状態で部屋の中へ。

「部屋あっためといたから、ご主人、すごい冷えてるよ、んしょっ、」
「……なんだクロ……起きてたのか……」
「うんっ。気にしないでっ」
「あー……」

あったかい……


197以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 20:05:52ADsdN.BI (7/8)


……

気がつくと、ソファに座っていて、クロに頭を撫でられていた。

「……スーツ、しわになっちゃうから、脱ぐよ。ありがとう」
「っ、ぅぅ……だいじょうぶ……?」
「大丈夫、ありがとう。トイレ行ってくる」

少し震えている指先でネクタイを解くと、寄りかかる温もりが離れていった。



!0:45!

1【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


198以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 20:23:44QT6vs4Dg (1/2)

4


199以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 20:44:54ADsdN.BI (8/8)


4【入浴】



……身体が冷えている。特に膝とつま先。
身体を流そう。


「ご主人?」
「シャワー……」



↓1

1【シャワー】
X【お風呂を沸かす】

X【一緒に入る】
B【自分が先に入る】
C【クロが先に入る】
D【クロには改めて入ってもらう】


200ベジータ2020/02/27(木) 21:53:207Xs0sKWo (1/3)

x いっしょに入る


201以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 21:59:26KeTcnRlQ (1/1)

それは選べないんだよ…


202以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 22:00:15vdRAG2Gs (1/1)

1-B


203ベジータ2020/02/27(木) 22:14:357Xs0sKWo (2/3)

ダニィ!?もう駄目だ••••


204以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 22:33:34Wa0c34pg (1/1)

初めからちゃんと見ろよ…


205ベジータ+ブロリー2020/02/27(木) 22:49:437Xs0sKWo (3/3)

「クズがぁ•••」「ニャメロン!!」  「ふおぉ!?」ヒュ-ンドガ-ン
「クズがすいません•••ここからは俺がやるロットー!!!!」


206以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/27(木) 22:50:56QT6vs4Dg (2/2)

流石にうぜえよ


207すまんの坊主2020/02/28(金) 00:09:118NfPhmPM (1/3)


【シャワー】【自分が先に入る】


「ごめん……先に浴びるね」
「うん。あったまってきてね」


……


ジャー……

「……ねむい」

湯を浴びても、気怠さと眠気が少ししか抜けない。
頭の脂をこそぎ落とし、肌の汚れを削ぎ取っても、復調せず全身が今日の活動を終了しようとしている。
血行や体温や睡眠サイクルの話ではなく、身体が堪えているらしい。

朝から何も食べてなくてお腹も多分減ってるけど、お腹は緩くて痛くて何も作る気がしない。
消化器系がが循環した血液に熱され、忘れてた朝の過ちを呼び起こす。

あぁ……やっぱり収拾がつかない。こういう時どうしてたっけな。
夜食にせんべいかじってたっけ。



ジャー……


208誤字が多くてすみません2020/02/28(金) 00:13:408NfPhmPM (2/3)


「ねむ……」

クロは入れ替わりでシャワーを浴びている……
待つか……待てるかな……
髪も乾かさなきゃだし……ねむい……


0:45 → !1:00!

X【触れ合い】
2【食事】
X【仕事】
X【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓2


209以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/28(金) 00:17:12J8TrqCik (1/1)

9


210以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/28(金) 00:19:568NfPhmPM (3/3)

ローカルルールにアンダー18の記載もないし放置放任で、気になるなら専ブラから消えてもらってください
安価下の気遣いありがとうございます

若いうちからエロに触れるのは良い事だから別に構わないが、Bカップでしか勃たない大人に育っても責任取らないので悪しからず


211以下、名無しが深夜にお送りします2020/02/28(金) 00:21:24dq3cgo4k (1/1)

9
おつおつ


212以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 21:53:25dSa8PcWY (1/8)


9【就寝】


視界が閉じたり開いたり。

意識が明滅している。

「まず……い」

身体が持たない。

寝落ちは良くない。

床で寝ると身体が軋む。

転がるようにして布団へ。

感覚の遠い手で毛布を引っ張る。



「……ぁ」




ふわりと届いた休息の香りが、

以降の思考をシャットダウンした。


213以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 21:58:33dSa8PcWY (2/8)


「ご主人、出たよ……あ」

「……うん。ご主人、お疲れさまでした」



パチッ。



「起こさないように……っと」



「あれ……ご主人? 大丈夫?」

「なに、これ……知らない人の、気持ち……?」

「や、やだ、くっつかないで……取れない。ご主人をいじめないで……!」

「ご主人は休まなくちゃ、休まなくちゃダメなのに……!」


214以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:07:26dSa8PcWY (3/8)



……ルルルル

…ルルルルルル

トゥルルルルルル!!


ピッ!
「はい自分です。申し訳ございません」
「すぐ伺います。あれ?」
「仕事、あれ?夢?」

そういえば、こないだの摺動板に図訂依頼来てたな。やらなくちゃ。

無能だから。早くしないと後輩に追い付かれるし、もう追い抜かれてる。使えない。クズだ。

『あいつホント時間だけかかるよな』
『給料泥棒。帰れよマジ』
『業績もアレだし、ほいっと整理解雇されねーかな』

声が聞こえる。絶対言ってる。そう言われてる。

もう無理だ。死ぬか。心臓を握り潰そう。

…………………


215以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:15:37dSa8PcWY (4/8)



……………………ッッッア゛ァ!!!!!??!?

ビクン!!!

…………
……


胸に激痛、血は……出てない。
ここは……布団? 時間は……見えにくい。
4時か。

なにも思い出せないけど……辛い……怖い。
何か夢を見ていた気がする……。

「……ごしゅじん」
「あ――」

クロを起こしてしまったみたいだ。
けど、それ以上に悲痛な顔で、潤んだ瞳で、抱きつかれている事が……申し訳ない。

「クロが、そばにいるよ……」

あたたかい。
あたたかいけど……ごめん、クロ。
心配かけてごめん。ごめんな。

「ごしゅじん……」


216以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:22:49dSa8PcWY (5/8)


「護れなくて、ごめんなさい」
「分かってるのに、助けられなかった……」

クロが……謝ってる。悪いのはたぶん自分の方なのに。

「気にしないで」
「……っ」

胸にすがり付かれた。

「……、……、っく……、」

胸に熱い感触がある。……泣くこと無いと思うんだけど。
それに、少し目が覚めてきた。
二度寝したら起きられるか分からないし、クロをなだめて起きてしまおうか?
変に寝直すよりは体も回復するかもしれないし。


↓1

1【寝る】
2【起きる】


217以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:25:33RMVXwPlg (1/2)

2


218以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:35:43dSa8PcWY (6/8)


2【起きる】


「クロ……せっかく早く起きられたし、クロは寝かせといてあげるから一旦離して」
「……っ、――……――」
「え、何?」
「~~~ッ」

顔がガバッと上げられる。
白く美しい肌の、目元だけを真っ赤に腫らして。

「ごしゅじんのばか」
「どうせ仕事する気でしょ」
「ばか……」



「…」

頭をガン、と殴られたような気がした。
変な夢なんてどうでも良いくらい心に刺さった。
クロに拒絶された。
ごめん。
何かしたか? したんだよな。ごめん。

クロの涙がパジャマに染みてて、胸が冷たい。
しばらく、布団の中で呆然と動けないままだった。


219以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:40:40dSa8PcWY (7/8)




トイレに行く。腹痛は治っていた。
腰が痛い。
寒い。だるい。
なんとなく吐きそうな感じがする。
会社に行きたくない。


4:30

X【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
X【出社】

↓1


220以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:45:026SjTDbas (1/1)

7


221以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:52:34dSa8PcWY (8/8)


7【息抜き】




TVを点ける。
真っ暗な部屋の壁にチラチラした薄明かりがついた。








4:30 → 4:45

X【触れ合い】
2【食事】
3【仕事】
4【入浴】
X【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出社】

↓1


222以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/01(日) 22:54:46RMVXwPlg (2/2)

2


223以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/03(火) 11:36:37AN6Bv8Z6 (1/2)


2【食事】


「……」

キャベツと玉ねぎを炒める。

昨日の朝から何も食べてなかった事を思い出した。
油の香りを感じると、突き抜けていた空腹感が蘇ってくる。
身体は現金なものだ。
よしウインナー投下。

チーン!

レンチンご飯が炊けた……今ある分はこれで最後だな。





「ご主人、おはようっ」
「クロ」

Day 5
Wed


あのあと突っ伏していたクロが起きてきていた。
……自分としては気まずい。


224以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/03(火) 11:58:19AN6Bv8Z6 (2/2)


「ご主人、作りながらで大丈夫だから聞いて」
「……。どうしたの?」
「ご主人、今のお仕事してるところで、イヤな気持ちを向けられてるみたいなの」

イヤな気持ちか……心当たりは…………複数。

「ご主人が弱ってると、そういう悪いのが夢に出て、ご主人を休ませてくれないみたい」


「でも、私が一緒に眠れるなら……うん。 ――――絶対、大丈夫だよ。ご主人がどんなに弱っててもきっと護るから」
「クロ――」

「もしも怖い夢見て、起きちゃったら……私を頼って欲しいな。少しの間だけでも、一緒に寝よ」



「だから……その…… さっきは酷いこと言って、ごめんね?」

……ごめんだなんて、とんでもない。護りたい相手に頼られなくては、やりきれなくもなる。
クロの好意も厚意も、自分は無下にしていた。
自分は、クロに……

↓1

1【礼を言う】
2【抱き付く】
3【謝る】


225以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/03(火) 12:05:27GTZD2CDY (1/1)

2


226以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 12:48:14EtkRX6V6 (1/5)


2【抱き付く】


気が付けば、菜箸を放り投げ、その小さな体躯余すところなく抱き付いていた。


「……」
「えへへへ……うん。いいよ」


腕を深く回し、クロの肩を締め付け、子供のように。
言葉が出てこない。

「自分は、……」
「ごしゅじん。だいじょうぶだよ」
「……」
「だいじょうぶ」

自分という布人形を押し洗いするみたいに。
胸の奥底にある、辛苦や恐怖からなる染みを……押し潰すみたいにして、ふわふわの優しさの塊に吸ってもらえるように。

みっともなくて、情けなくて……それを、受け入れてくれる存在が居て。
押し潰した胸から滲んだ滴が、目頭からこぼれていた。


【習慣:依存Ⅰを獲得】


227以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 21:47:19EtkRX6V6 (2/5)


……

「いただきます」
「いただきます」

少し焦げた炒め物と、半分のご飯と、野菜ジュースと、幸せそうな笑顔。

「……うーん。香ばしい」
「ちょっとだけね」


ふさぎ込みそうな心がほどかれて、言葉少なく、自然に振る舞える。
ありふれて優れたところのない食物を、穏やかに無心で口に運び、味わう。


「ごちそうさま! 運んじゃうね」
「ごちそうさま。……ありがとう、クロ」


恥ずかしくて言えなかったけれど……実はそんなものが美味しかった。


228以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 21:51:36EtkRX6V6 (3/5)


……

しかし、こっちはダメだなこれ。
頭は痛いし腰も痛い。飯を食べて吐き気は治ったが、身体が全体的に重い。
せっかく気分はすっきりしたというのに、困ったものだ。


4:45 → 5:30

1【触れ合い】
X【食事】
3【仕事】
4【入浴】
5【家事】
X【外出】
7【息抜き】
X【】
9【出社】

↓1


229以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 21:57:108mLSBmNc (1/1)

7


230以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 23:07:50EtkRX6V6 (4/5)


7【息抜き】


スーツに着替え、ソファーに腰を降ろす。
つい、掌で腰を押すように伸ばしていた。

「ご主人、腰痛いの?」
「ああ……」

のけぞるようにぐいぐいと伸ばす。

「私がやろっか?」

時間も充分にある。快く了承し、フローリングに寝そべった。

……

「ど、どうかなっ、ご主人っ」
「うーん」

正直に言ってしまえば、クロは見た目通り非力であった。
本職のようなマッサージは望むべくもないが、小さな手が背中をおずおずと押し揉んでくれるのも……まあ。
……残念ながら痛みは取れそうに無い。

「それなら、手首を後ろに引いてみてくれる?」
「う、うん」
「そうそう、両方の手首を後ろに……」


231以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/11(水) 23:47:40EtkRX6V6 (5/5)


「――えいっ」

ゴキィ。

「あ」
「……ぁ」

体重をかけて手首を後ろに引かれた瞬間……肩と背骨と腰と首となんか繋がってるところが全部イった。
痩身とはいえ、女の重みを持ったそれなりの衝撃が意識をぶっ飛ばした。

……


「ごめんねっ、ごめんねご主人っ!!」
「うん……」

幸いにも……大事はなさそうだ。
クロに【相応の運動能力】があれば、人並みのマッサージを頼めるかもしれない……


とりあえず落ち着いた。歯を磨いて支度しよう。
それとも、1本目の電車を逃してやることが何かあっただろうか?

↓1

1【ない。行こう】
2【そういえば……】


232以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/12(木) 00:07:19i./UrMHM (1/1)

1


233以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:13:56ErvNKOWs (1/6)


1【ない。行こう】


「よし……それじゃ、出てくる」


褪せた革鞄を拾い上げ、しわくちゃのコートを羽織る。

「ご主人っ」

艶やかな黒髪をはためかせ、真っ白なパジャマが駆けてくる。

「クロ」

惜しむように抱き締める。

「えへへ。大好きだよ」
「……。いってきます」



「いってらっしゃい!」


234以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:18:52ErvNKOWs (2/6)


……
…………
………………

電車に揺られる。

いつものシャツ、いつものコート、いつものカバン。
やつれた男たちに溶け込んで、騒がしい箱に押し込まれる。

始業前に進める仕事をぼんやり思い浮かべながら、町を離れてゆく……




……

「定例会に向けたクレームの資料は……少し掛かりそうだな」

「……性に合わない。終わらせよう」

「っと、始業か……こんなもんかな」


235以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:42:30ErvNKOWs (3/6)


一日が始まる……


「打ち合わせは……11時か」
「メールメール……あ、昨日のお礼」
『これ組図通りだと現合で合わないんだけどさ、見てくんね?』
「えーと……あった。いやいやいや、出図は△△さんですし、検図の▽▽さんじゃ駄目なんですか?」
『またまた、とか言ってどうせやってくれるんでしょ?』
「……。頼むだけ頼んで違うところ行くし。PHS置きっぱなしって、報告される気無いでしょ……」
「あ、やべ、打ち合わせっ! ……っ、……っ、は、すいません、遅くなりました」
『ちょっとー、やりっぱなしは無いんじゃないの? 流石に。責任持って最後までやるのが技術でしょ?』
「ごめんなさい、私も打ち合わせで……」
『そういうのは普通さぁ、行く前に連絡するでしょ? 社会人として常識でしょ?』

キーンコーン……

『あー、待った待った切らないで。それとは別に図面訂正して欲しいのあるからさ、注釈入れといたの現場の机に置いとくから。よろしくね』
「……。…………眠い。食う気にならないし、寝るか」

キーンコーン……

「っ。ねむ……」
「――この組図改善前のじゃん! 合わないわけだよ」
「というわけで、これは管理部にお願いします。ですから、おねがいしますっ!」
「……はぁ。頭働かない」
「机片付けるか……開発の進捗報告もまとめないとな……」
「…………。ねむい」

キーンコーン……


236以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:48:28ErvNKOWs (4/6)


(ふー……小休止しないと……)

「……図訂めんどくさい」
「これの留めネジ図面指示ないのか……あの人は何をやってんだ……」
「腹へった。カロリー棒」
「ねむ、っ……トイレトイレ」
「……」
「出来たけど……▽▽さん午後不在か。また明日、検図頼むか」
「…………駄目だ。もう頭働かない」

……パタン。

「……お先です」


ガタンゴトン……


237以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:57:05ErvNKOWs (5/6)


「……」

ガチャッ。


「あ、おかえり。ご主人」

トテトテトテ……

「お疲れさま。カバンちょうだい?」
「ただいま……クロ。ありがとうね」

幾分慣れた様子で、クロが出迎えてくれる。
半開きの視界に、にゅっと黒い頭が入ってきた。

「……。……」
「ご主人、眠い?」
「うん」
「少しだけ休む?」
「……うん」


238以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 22:59:50ErvNKOWs (6/6)


「っ。」
「……起きた? すっきりできた?」
「水……」

22:00 → 22:30

1【触れ合い】
2【食事】
X【仕事】
4【入浴】
X【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


239以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/19(木) 23:00:45ppygL67E (1/1)

2


240以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/20(金) 01:48:04MeTTDvoo (1/3)


2【食事】

米を炊いておらず、レトルトご飯も無い。
仕方なく袋麺を開ける。

弾ける湯だまりに2人前の麺と、カット野菜が投げ入れられた。

……

「いただきます」
「いただきます!」

流石に出来上がるのは早い。
用意された塩気の香りが、まさしくインスタントな欲求を満たす。

「また買い物行かなきゃな……」
「ふーっ、ふーっ、」

もう2回もこれを食べたら、まともな夕食は家に残っていない事になる。
そんな事を悶々と考える横で、猫舌の同居人は滑る麺の熱さに悪戦苦闘しているのだった。


241以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/20(金) 07:47:24MeTTDvoo (2/3)


……

「ごちそうさま」
「えへへ、ごちそうさま! 運んじゃうね!」

片方に汁を移されたお椀が重ねて運ばれていった。
そのまま洗い物に勤しむクロの背中を眺める。


22:30 → 22:30

1【触れ合い】
2【食事】
X【仕事】
4【入浴】
X【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


242ねぼけてました。時よ止まれッ2020/03/20(金) 08:11:44MeTTDvoo (3/3)


22:30 → 23:00

1【触れ合い】
2【食事】
X【仕事】
4【入浴】
X【家事】
6【外出】
7【息抜き】
X【】
9【就寝】

↓1


243以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/20(金) 08:29:05Ew2nhkCY (1/1)

1


244以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/22(日) 02:38:50TzBggWEk (1/3)


1【触れ合い】


「クロ、おいで」
「はぁい、ご主人」

ソファから手招きすると、クロは猫であった時のように飛び乗り、頭を腿へ預けてくる。
昔からずっと変わらない、するりと抜ける美しい毛並みへ指を通す気持ち良さ。
無機質で安普請な昼光色の下でも、清水を湛えたような輝き。

「んふふ……」

何度も何度も、飽くことなく濡羽を梳く。


「……むかーしね」

撫でる手に促されるように、クロはぽつぽつとこぼし始める。

「ご主人が、私を連れてきてすぐのころね。私、自分が黒色なの、好きじゃなかったんだ」

「黒いせいで子供の悪戯に遭うし、ご主人のお母さんも、黒猫なんてやめておきなさいよって言うし。黒い色は悪い色なんだって思ってた」
「その時のこと、おぼえてる?」

自分は記憶を辿り……首を横に振った。


245以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/22(日) 02:59:26TzBggWEk (2/3)


「その時ね、ご主人なんて言ったと思う?」

嬉しそうに喉を鳴らす同居人の上で……やっぱり覚えていない。


「どうしてウチのクルマも黒いのに、このテレビも黒いのに、おばあちゃんが大事にしてるタンスも黒いのに、この子はダメなの、って」
「その当時、私には人の言葉の意味は分からなかったよ? でもね」

「 黒は綺麗だよ って」

「そう言って、怯える背中を撫でてくれたの。言葉は分からないけど、私を肯定してくれたの」

クロがうっとりした様子で、自分の腰に腕を回す。

「……えへへへへ。私、その時、オチちゃったなぁ。」

「その時から、ご主人が呼んでくれる『クロ』って言葉が……ご主人だけが呼んでくれる時は特別で、大好きになった」
「私を見つめて、まっすぐ認めてくれるみたいで。」
「毎日、綺麗なクロになれますように、って願った」
「黒も、そのうち好きになれた」

「今も……えへへへ。」

手に取ったその黒髪に、不快でない……とても大切な重さを感じた。


246以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/22(日) 03:16:53TzBggWEk (3/3)


「これからも、クロを、大事にしてね?」
「ああ……大事にするよ」

「……あう」

流石に恥ずかしかったのかもしれない。
クロは回した腕をぎゅうっと強め、自分の身体に顔をうずめる。

ぐりぐりと眼前のものへ額をこすり付けて……って、ちょっと。

「クロ、そこは」
「んぅ……んん?」





「……あはぁ。いいにおい」


直感的に、『スイッチ』を入れてしまったことを察した。


247以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/22(日) 03:17:03yX8bN4A2 (1/2)


「これからも、クロを、大事にしてね?」
「ああ……大事にするよ」

「……あう」

流石に恥ずかしかったのかもしれない。
クロは回した腕をぎゅうっと強め、自分の身体に顔をうずめる。

ぐりぐりと眼前のものへ額をこすり付けて……って、ちょっと。

「クロ、そこは」
「んぅ……んん?」





「……あはぁ。いいにおい」


直感的に、『スイッチ』を入れてしまったことを察した。


248まちがえました2020/03/22(日) 03:28:27yX8bN4A2 (2/2)


上げた顔はにんまりと。
頬は赤らんでいる。

まるで獲物になったような感覚に強張って……その一方で期待が心臓を打つ。
心臓に押し流された血流はぴくん、と。
一拍だけ。
それでも、顔を押し付ける彼女が感じ取るに充分な、かすかな反応を示してしまった。

「……んふふ。」
「クロ、っ」
「なんですかぁ……?」

記録として、昨日のことは覚えている。
記憶として思い出してしまえば……クロの眼前で形になるくらい、膨れ上がってしまうだろう。


「ご主人」
「う……」
「――いいの?」


この柔らかくて美しくて愛しい少女に、自分は。


↓1

1【ああもうお前ってやつはもう】
2【おねがいします】
3【だめです】


249以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/22(日) 03:45:18M9BntW3. (1/1)

1


250以下、名無しが深夜にお送りします2020/03/24(火) 02:37:491f5lduJ2 (1/1)


1【ああもうお前ってやつはもう】


いいの、とは。
私からシても……いいの? だなんて。

クロは確かに前から綺麗だったが、その他にも仕草や振る舞いだって可愛いし、一途なところも優しいところも魅力的だし。
近日に至っては、よりストレートに想いを伝えてくる上、女の魅力まで纏うようになって。

……惚れない方が難しいってものだ。
これでされるがままなんて、まるで自分はクロに夢中じゃないみたいじゃないか。

「クロ」

頭を撫でていた掌に力がこもる。
やり方なんて浮かんで来ないけど、長らく眠っていた自発的な意思が沸いてくる。



愛してくれて、嬉しくて。
なら自分からも愛したい。

「……しよう」
「!」

その意思を相手に示すこと。
小さい一歩で、確かな前進だった。


251某ロナで仕事が減ったぜ! おせーよ2020/04/06(月) 20:32:17RTDnGeRI (1/3)


言い切った自分は、もうこの高揚を隠さないでいい。
腰に重なる温かさと柔らかさから、存在を感じる。

愛でたい。
愛したい。


触れて、撫でて、抱きしめて。
心も身体も幸せにしたい。
自分を信じて、クロを信じて、思うままに。



ふたりで、はだかになりたい。



「クロ」

想いを込めて、肩に触れる。
置いた自身の掌から、どことなく熱を感じる。

もう片方の掌で、大好きな黒髪を撫でつける。
情愛を込めて、たっぷりと、優しく。




……


252以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/06(月) 20:55:16fTEh67sc (1/1)

まってたぜ!
クリロナサンキュー!


253以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/06(月) 21:15:48RTDnGeRI (2/3)


時間をかけて、彼女の形をなぞる。
感情を解き放つように、熱を加えていく。


……ふつふつと。
少しずつ、物足りなくなっていく。


頭から、わき腹へ。
腰から、太ももへ。

熱以外のものを加えたくなって、指先でなぞる。


「……」
「……」


同時に、目が合う。
確認、同意。





「クロ、っ」
「ごしゅ、じん……!」

……パジャマの中は、嘘みたいに熱かった。


254以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/06(月) 22:25:52RTDnGeRI (3/3)


「――」

ぐぐっと視野が狭くなって、背中まで一気に手を回して、抱きしめる。
頭が、耳が熱い。

「ク、ロっ!」
「きゃっ! う」

腕を差し込んだ勢いのまま……自分じゃ信じられないくらいの勢いで上のパジャマを脱がせた。
黒髪がばさっと舞う。
まどろっこしくて、自分もワイシャツと肌着を脱ぎ捨てた。
服が首を通る時、クロに触れられなくて、見つめられなくて、寂しい。


服を放り投げ、少女を抱きしめる。
色気も何もなく、胸と胸を突き合わせるようにして。


けれども、強く滾る愛情を、両の腕に込めて。


255以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/07(火) 02:03:31.fdMWcRI (1/1)


大好きな少女
大好きな存在
大好きなクロ。

愛しい
それを、伝えたい
俺だって、クロが、好きなんだって



「ごしゅ、じん」
「……ん?」
「ご主人のきもち、つたわってるよ……」


見れば、自分の腕が震えている。
らしくなかった……かも。

誰よりも自分のことを案じてくれてたんだ。知らないわけがない。
誰に張り合う必要だってない。
きっと、乱暴に気持ちをぶつけたら、後悔する男だって事も知ってる。

「……ありがとう」
「うん」
「キスしよう」
「ん」


256以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/09(木) 17:34:52SDwLYJIk (1/1)


「……」
「んふ」

胸の高さにある、クロのもとへ顔を寄せる。
嬉しさを隠さない微笑みが迎えてくれた。

「んっ」

手も添えず、微かに震えた唇をそっと合わせた。
思うようにいかず、離れてしまう。


……自分から、もう一度。

「ん……」

クロが身体を委ねてくれる。
上手くいかなくても大丈夫だと教えてくれる。
寄り掛からせるようにして、折れないように上を向かせ、さっきより深く口を付ける。

しっとりと吸い付いた、上と下の唇が微かに開き……温かく柔らかく、ぬめった舌がつんつん、と。
自分も……舌を出す。


257以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/10(金) 03:29:55ogGsZFks (1/2)


「ん……っ」
「ふふ……」

前にクロからしてもらった時とは比べるまでもなく、稚拙で緩慢で臆病な口づけ。
キスって想像以上に難しい。

「!」

舌の先が胡麻ほどに触れて……驚いてまた少し戻る。
クロは腕の中で力を抜き、ゆるやかに自分を待っている。


……自分から、もう一度。

触れ合った舌を臆せずに動かすと、ぬるりとした感触が遅れてやってくる。
心地良くてもう一度。気持ち良くてもう一度。
次第に深く、強く、大きく。
舌をより前に出し、左右にこすって味わって。

「ん……ふ、っ、く」
「ふ、にゅ……んん……」

キスは難しいけど、ディープキスへ進むのは自然と出来るものみたいだ。


258以下、名無しが深夜にお送りします2020/04/10(金) 03:56:06ogGsZFks (2/2)


「ん……っ!」
「う、にゅ……!」

唇の距離はゼロの先へ。
自分の舌がクロの口内へ侵入するのと同時に、クロの舌が自分の歯茎をなぞり上げていた。
互いの味で満ちた粘膜が、ひとつの空間で繋がる。


あ やっと、こないだと同じに。
あとはもう考えなくてもいいし、考えられない。

……愛する少女と口で交わる幸せ。
ひとつずつ先に進んで、初めて解る、唇の深い悦楽。
今夜は犯されることなく、流されることなく、自分の意思で、溺れる。



「ん……」
「……。んん」

口の中が熱くて、半裸のふたりは身震いする。
意図を察してくれたクロが、口づけを続けたまま引き寄せる。
腰を支え 覆い被さり 膝を付き 押し 前へ 背中を支え 肘を付き

深いキスをやめないままクロを布団に押し倒す。
これからセックスをすると告げたような体勢で、更に唇を擦り合わせた。


259以下、名無しが深夜にお送りします2020/05/30(土) 02:14:27bpm.SGNs (1/1)

待つ