316以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:23:19.25mAizz4Zt0 (6/18)

――横浜市(戦闘跡地)

有香「シマトクの小規模戦争、もう随分前……あたしも、まだ小さかった頃」

有香「第一次産業コロニーの施設に入っていた企業に務めている両親に会いに行こうと、友達とみんなでシマトクに行った日が……」

奈緒「そうか……」

輝子「……ま、あの時は突然だったし、幸子ちゃんたち……私の、友達も・……だ、だけど共和国の仲裁が入って半年も経たないで停戦になったし」

有香「だけど、その時に連合の人間はたくさん死にました。死んだ人たちはもう戻ってこない。シマトクもコロニーとしての機能は復旧できずに破棄されて……」

有香「あの戦いの結果は、連合がただ奪われただけのもの……もし、連合があの時、もっと力があったら……」

有香「無くしたものはもう取り戻せない。ゆかりちゃんも、法子ちゃんも……もう、奪われるわけにはいかない。連邦にも、共和国にも負けるわけにはいかなかった。だから……」

奈緒「それで、選んだ結果がこれ、か……」

有香「……連合が、これ以上負けない為に……犠牲となったのは、私たちだった」

奈緒「虚しいな。これ以上奪われない為に、共和国から靴を奪おうとして、最後は自分たちの命が奪われる」

有香「ええ、本当にそう思います。もう……それに気付くのも、遅いのでしょうね」

有香「だけど、こんな世界でも……NEX-USだけは、綺麗で……でも、みんながアイドルなのに、こうして戦いに身を投じて……やはり、虚ろは虚ろなんですね」

有香「奪う、奪われるだけの世界がどんなに醜くても、せめてあの場所だけは真実であってほしかったのに」

輝子「み、みんな……同じ、じゃないか? NEX-USは、綺麗だから……表で、こんな私でも……NEX-USの中は、綺麗だから……自分も、そうなれたらいいなって、思った」

輝子「死んだみんなの代わりのつもりで、アイドルになってみて……いい世界だって、思ったよ。こんな自由な世界が、もし自分たちでもっと綺麗に出来たら、どれだけいいんだろうなって、思って」

奈緒「……あたしが加蓮と出会って、色々なことを知った。この世界の深いところで、争いは続いていることも」

奈緒「だから、アイドルでいたいって思った。あたしたちは、違う場所にいたけど、同じ願いを持っているから、ここに来たんだと思う」

……
…………




317以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:25:07.70mAizz4Zt0 (7/18)

――横浜市、みなとみらい

P「みく……いた!」タタタタッ!


みく「……なんで来たの」

P「俺は……」

みく「みくのこと、知ってて……ずっと、言ってくれなくて……それに、フェアリーの肩持って……」

P「……俺は、俺自身が戦おうと決めた理由が、アーニャと同じだと気付いたからだ」

P「フェアリー……アーニャも、誰かを守る為に戦おうとしていた」

みく「だったら――」

P「だから、俺はみくを守りたかった」

みく「……っ! それって……みくが、キャットだからって、気付いたから……?」

P「最初はそうだった。だけど、もうそれだけじゃない。一緒にいたから、そう思えた。みくだから、守りたい……何としてでも、俺が守るんだって」

P「その気持ちに、プロデューサーとしての俺の心は……もう、なくなっているのかもしれない」

みく「……P――」

ピピピッ! ピピピッ!

P「端末……俺だ」ピッ!

晶葉『おお、今大丈夫か。加蓮が情報を採取してきたんだが、少し……いや、正直かなりマズイ話になってきた。すぐ戻ってこれるか?』

P「何があったんだ?」

晶葉『全員が戻ってきたら話す。もう靴や機体がどうのという話ではない。急いでくれ』

ピッ!

P「……」

みく「どう、したんだろう……」

……
…………




318以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:26:23.95mAizz4Zt0 (8/18)

――オート・クレール本社(開発室)

奈緒「全員集まったか……何があったんだ、加蓮」

加蓮『もうNEX-USにも広まっているし、報道もすぐされるだろうけど、これを見て』

ピピッ!

アーニャ「NEX-USのニュース……これは!?」


『こちらを見てください! たった今地球連邦からの発表があった映像です。宙域の艦隊を展開し、木星圏の共和国管轄のコロニー、ハマヨコを制圧したとのことです!』

『また、そこから同宙域の連合管轄コロニーであるオカシズへの武力攻撃が行われております! こちらについては現在も続いているとのことで、宙域の映像データが送られています!』


みく「ええっ!?」

P「何だって、ハマヨコを!?」

輝子「お、おいおい……」

有香「ガーワカナから展開した部隊か……!? だけど、オカシズを……!」

奈緒「事実上の開戦直後とはいえ、連合に対しての連邦のカウンターが早すぎる……どういうことなんだ」

晶葉「今回のアラスカ、横浜の侵攻速度、対応を見るとカウンターが早いのも納得は出来る。既に計画されていた可能性が高い、が……」

奈緒「共和国を巻き込んだのは、シマトクの時のように停戦の仲介をさせない為……防衛戦闘をせざるを得ない状況に持ち込ませる為か」

麗奈「……ホント、救いようのない世界」

……
…………




319以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:28:04.93mAizz4Zt0 (9/18)

――太平洋海上、コロニー連合戦艦(ブリッジ)

ちひろ「上で連邦の攻撃が……! くっ!!」ガンッ!

艦長「幸いだが宇宙に上がる手段を抑えられているわけではない。本部の対応もそう遅くないうちにこちらに回ってくるだろう」

ちひろ「……上に戻る準備を。今回の侵攻に合わせて降下した部隊はすべて宇宙に戻します」

艦長「さて……地上は上手くいかず、靴も無し……となれば、オペレーションも次の段階に移る、か」

ちひろ「……シマトクへの部隊派遣は始まっているようです。となれば、こちらも急いで月軌道を抜けて、せめて火星圏までは戻らないといけませんね」カタカタカタッ!!

艦長「そうなるだろうよ。墓を落とすのは心苦しいが、こちらの戦闘で地上部隊を消耗させている今しかないだろう」

ちひろ「こんな……ここまで来て……!」

……
…………



320以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:30:03.05mAizz4Zt0 (10/18)

――オート・クレール本社(開発室)

晶葉「何はともあれ、共和国もこうして大々的に攻撃を受けたとなれば、対応するしかない。共和国としては、まずは制圧されたハマヨコをどうにかすることが優先だろう」

ピピッ!

晶葉「……ほれ、さっそく軍からお声が掛かった。こちらで生産しているOMDA、及び保管中のOMDをコンバージョンさせてOMDAへと改修、部隊への配備に使いたいとさ」

泉「地上部隊も宇宙に上げるとして……いえ、地上の防衛も視野に入れなければならないのよね。その為のOMDAの配備……」カタカタカタッ!

奈緒「今回の連邦のカウンターを受けて、連合がどう対応するか……どの道、戦火の拡大は免れないのか……」

アーニャ「……博士」

晶葉「なんだ」

アーニャ「アーニャは……もう、帰る場所がありません。マナミも……オグマも、無くなりました」

アーニャ「だから、もうドコにもいけない……アーニャを助けてくれた、ここを……アーニャは、守りたい、です」

輝子「……わ、私たちは、どうしよっか……なあ、元……中尉?」

有香「……奪う、奪われるだけの戦いの行きつく先が……自身の破滅に繋がったと知りました。だから、このままでいいはずがありません」

P「このまま、奪い合うだけの世界になってしまえば、何も残らない……いつかは、ここも……」

みく「守らなきゃ……! それに、もし連邦と連合の間で決着が付いたら、次は靴を持ってる共和国が……!」

泉「そうね。まさかこんな事態にまでなるとは思っていなかったけど」



321以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:33:00.58mAizz4Zt0 (11/18)

奈緒「横浜を攻撃したことを考えると、そうなるだろうな……あたしたちも、行くしかない。いいよな、晶葉」

晶葉「……私のほうから軍には話をしておく。民間協力のライセンスがあるニューウェーブがここにあるなら、支援要請を貰えば私たちも自ら動くことが出来る」

奈緒(やっぱり・……やっぱり、こうなるのか・……!)

麗奈(……そろそろ、潮時か……いや、まだ)

みく「ここまで好き勝手されて、こっちだって黙っているわけにはいかないもん! そうだよね、みんな!」

アーニャ「はい。アーニャが軍にいた意味……居場所は、無くなりましたけど、その意味だけは、無くしたくありません」

P「……」

晶葉「よし、それならこちらも早いうちに動くか。OMDAの追加分についてはうちの部署の者に対応させておくとして、ニューウェーブを出すならそれなりに準備をしておく必要がある」

晶葉「麗奈、奈緒、悪いが駐屯地まで付いてきてくれ。向こうも戦闘後と、宇宙の件で慌ただしいだろうが靴の件と併せて話を付けておかなければならん」

麗奈「そうね。まあ、好き勝手暴れる準備はしておきましょうか。行くわよ、奈緒」

奈緒「ああ……」

P「……」


パシュンッ!


みく「……にゃ?」

……
…………




322以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:36:01.92mAizz4Zt0 (12/18)

――横浜市、みなとみらい

P「……」


みく「お兄さーん……あ、いた。お兄さーん! どうしたの、またこんなところに来て……」

P「みく……」

みく「晶葉チャンたちは軍に行っちゃったし、みんな機体の整備に行っちゃったよ。みくたちも……」

P「みく、お前は……ここに残ってくれ」

みく「え……」

P「ここは本社があるから、また戦闘になる可能性もある……ここじゃない場所なら、北海道辺りが――」

みく「イヤ!!」

P「みく……」

みく「みくだけ行かないなんて、絶対にイヤだよ! お兄さん……Pチャンと一緒に行く!!」

P「そんなことを言わないでくれ。もう、俺たちだけの話じゃない」

みく「そんなの、最初からそうだったよ! ナシヤマのときも、地球に来てからも……色んなところで戦って、苦しんで、死んだ人たちも……たくさん見てきたから……」

P「だから、俺はみくを危険な場所に立たせたくなかった」

みく「こっちだって同じだもん! Pチャンにそんな場所に行ってほしくないから、みくも守られてばかりなんてイヤだから……みんなが、戦っているって、知ったから……」

みく「みくが戦えるなら、Pチャンを守れるなら……絶対に、みくは死なないんだから……約束、したもん。みくも、絶対に行く……から……」

みく「Pチャンのこと……好きだから……だから、そばにいたい……ずっと……だから、全部、全部終わったら……一緒に、帰ろう?」

P「みく……俺は……」

ギュッ!!

みく「もう……内緒にするのとか、そんなのやめて……みくは、Pチャンと一緒に、帰りたいから……」ギュッ……

P「……ああ、帰ろう。みく……一緒に」ギュッ……

みく「……」スッ

P「……」


……
…………




323以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:39:58.54mAizz4Zt0 (13/18)

――翌日、横浜市、市内ホテル(Pの部屋)

P「……」

ピピピッ!

P「……博士か?」ピッ!

晶葉『ああ、起きていたか。一晩掛かってしまったが、こちらも軍との話が付いた。軍からの派遣も決まったし、今後の対応について話がある』

P「わかった。準備してオート・クレールに行く。他のみんなは?」

晶葉『仮眠室で寝かせている。泉もこっちに泊まったみたいだし、少し寝かせているが……お前たちが来る頃合いに起こしておく』

P「ああ、わかった。後でな」

ピッ!

P「……」


みく「……ん……P、チャ……」


P「……ああ、必ず守る」


……
…………




324以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:40:57.37mAizz4Zt0 (14/18)

――早朝、横浜市(戦闘跡地)

P「……」

みく「……何も、なくなったね。あんなに、綺麗な町だったのに」

P「残った物もある。建物も、施設も、復旧出来るんだから」

みく「宇宙でも、おんなじことが、起きてるんだよね」

P「ああ、ハマヨコだけじゃなくて……いつか、ナシヤマも……」


……
…………




325以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:42:36.17mAizz4Zt0 (15/18)

――オート・クレール本社(開発室)

パシュンッ!

P「博士、遅くなって悪い」

晶葉「いや、こっちも急かして悪かったな。新しい情報も入っていたんだ」

みく「ん……」

アーニャ「……」

有香「……」

輝子「……」

みく「……き、昨日」

アーニャ「?」

みく「昨日は……ゴメン、ね。変なこと言って、みんなだって、色々あるの……分かってるから」

アーニャ「……いえ、アーニャも、プロデューサーとキャット……みくを巻き込ませてしまってすみません」

有香「あたしたちの争いに、巻き込ませてしまった立場です。謝らなければならないのは、あたしたちのほうで」

輝子「ふ、フヒッ……そうだよな、ゴメン」

みく「う、ううん! そりゃ最初は怒ってたけど……だけど、いまはそんなこと言ってる場合じゃないもん!」

P「連邦と連合同士で争うだけなら、最悪共和国が仲介して終わりだったのかもしれない。だけど、共和国も攻撃されるなら……俺たちも戦わなければならない」

有香「はい。あたし自身が、無意味なことだと分かった今……共和国にまで被害が及ぶのを見過ごすことは出来ません」

アーニャ「ダー、戦いましょう。守る為に……たとえその場所が変わったとしても」

輝子「お、表でも……よろしくな」



奈緒「……」



326以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:43:37.97mAizz4Zt0 (16/18)

ピピピッ!

奈緒「ん、どうした加蓮。ここにいるのに端末に繋げてくるなんて」ピッ!

加蓮『ううん……ちゃんと、みんながああしているなら、もっと早くに伝えればよかったって、みんなのこと……そうすれば……』

奈緒「そう判断したのは加蓮だ。たとえAIだったとしても……そう判断したのは加蓮だ。だから、これでよかったんだと思う」

加蓮『奈緒……』


有香「セカンドブルー……ああいえ、セカンドドライバー……いや、えっと……」

奈緒「奈緒でいいよ。今さら名前隠しても仕方が無いし。どうした?」

晶葉「なんだ聞いてなかったのか。ニューウェーブは共和国の防衛部隊として再登録されるが、扱いとしてはオート・クレール所有の輸送艦になる」

晶葉「監督として軍から数名、オペレーター業務も兼ねて派遣されてる部隊がいるらしいが、こちらもOMDXで出撃するメンバーがいるんだ、部隊として編制を用意するべきかと思ってな」

麗奈「編成するなら、レイナサマの下っ端にするにしても邪魔くさいし、アンタたちだけで固まっておきなさいって話よ」

アーニャ「それで、軍歴としては奈緒と、有香が長いです。部隊という形を取るなら、お2人のうちどちらかが、リーダーであったほうがいいと思います」

有香「形だけとはいえ、防衛部隊として扱われるのであれば正規軍となります。外部から来たあたしたちよりは、奈緒さんがリーダー……部隊長になったほうがいいかと思いまして」

奈緒「あ、あたしか……とはいえ、NEX-USでアイドルしてたときは、有香がまとめ役になってたからなぁ……ちょっと複雑なんだけど」

奈緒「それなら、Pさんじゃダメか? NEX-USでも表でも、Pさんが頭ならみんなも違和感ないと思う」

輝子「まあ、プロデューサーなら慣れてるしな、私たちの上に立つの」

P「いやそういう立場として慣れているわけじゃないんだが……気持ちは嬉しいけど、情けないが純粋に能力で見るなら軍人としてのノウハウの無い俺が頭になるのはマズイと思う」

P「俺自身は出来る限りみんなのサポートはするが、立場と能力を考えると、やっぱり奈緒が部隊長でいたほうが最終的には間違いが無いと思う」

奈緒「あたしが部隊長、か……あたしが……」

奈緒(あたしに、上手く出来るだろうか、菜々さん……Pさん……)

麗奈「ほれ、どうすんのよ」

奈緒「……分かった。どこまでできるか分からないけど、やってみるよ」


【to be continued......】


……
…………
………………
……………………



327以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:48:31.44mAizz4Zt0 (17/18)

※キャラクターシートが更新されます
キャラ名:前川みく
操縦技術:99
親愛度 :63→83

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:67→77
親愛度 :60

キャラ名:中野有香
操縦技術:81→91
親愛度 :13

キャラ名:星輝子
操縦技術:77→87
親愛度 :20

キャラ名:セカンドドライバー(神谷奈緒)
操縦技術:-
親愛度 :-



328以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:51:26.73mAizz4Zt0 (18/18)

今回で区切りになるので、本日はこれで終了します。
次のパートが五部扱いになるのて予定通り次でパートで終わりになります。
何も無かったら6/30(日)から更新します。あと、今回までの分で安価処理は一通り終わりましたので以降は積み立てた結果からシナリオが分岐されます。



329以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/25(火) 22:52:41.46mAmmvWaK0 (1/1)


やはりみくにゃんルートか


330以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/06/26(水) 00:07:19.514fglRBMc0 (1/1)

>>329
とりあえず今の周が終わったら仕組み周りちょっと話します


331以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:04:54.52KwRklWbB0 (1/16)

――神奈川県、横浜市、オート・クレール本社(開発室)

ピピピッ!

泉「はい、こちらオート・クレール開発部……はい、池袋はただいま留守で……はい、かしこまりました。折り返しご連絡します」

ピッ!

パシュンッ!!

整備長「おーい艦長、ニューウェーブ、一通り整備終わったぜ」

泉「あら、整備長。ありがとう、今回はかなり掛ったわね」

整備長「そりゃそうだぜ。日本海まで長距離航行してから戦闘でボロボロ、足で新潟からこっちまで来て整備出来ると思ったら1週間でまた戦闘ってきたもんだしよ」

整備長「OMDXの改修と並行して作業してたし、こっちもようやく手付けらたし酷い目に遭ったぜ」

泉「そうね……横浜も戦闘が終わって2週間、宇宙だと連邦のオカシズへの攻撃は一度は収まったけど……」

整備長「オカシズは連合の拠点コロニーだし、連合は攻められている間はガーワカナにも軍は送れねえだろうしな……こっちのハマヨコが制圧されたのがどうにも」

泉「今のところ連邦の目的は連合の打倒だし、ハマヨコは侵攻の為の踏み台になったと考えて、後々ナシヤマ攻略に使う……てところかしらね」

泉「公開文書だとハマヨコに対する武力制圧は一部の軍施設のみで、一般区画への攻撃はほとんど無かったからコロニー住民への被害もほとんど無し……共和国の立ち入りもさせたみたいだから一応は大きな問題になっていないみたいだけど」

整備長「共和国のコロニーが武力制圧されたのが大きな問題だっての……ま、連合優先だから今のところは大きな被害を出さないようにしてるってところか」

泉「OMDA部隊も引き揚げさせたから、ハマヨコのコロニー住民は全員人質に取られたと言ってもいいけれど……どうするつもりなのかしらね」

ピピピッ!

泉「はい」



332以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:05:51.84KwRklWbB0 (2/16)

晶葉『泉か。軍から連絡が来てなかったか?』

泉「さっき来ていたわよ。人員派遣の件と、ニューウェーブの編成の件、後で連絡しておいて」

晶葉『あの戦闘から2週間経ったし、地上からの防衛部隊の派遣準備も終わったからそろそろだと思っていたが』

泉「2週間は長かったわね。連邦との交渉、上手くいかなかったのね」

晶葉『ウチ……共和国としてはとりあえずハマヨコを返してもらえばよかったんだがな。3国条約としては連邦と連合の仲介役もあるし、ハマヨコ返還だけではなく連合との話が上手くいかなかったんだろうよ』

整備長「オカシズの戦闘が停止しているのもそれが原因だとして、こっちの派遣が決まったならまた戦闘に戻るってことか」

晶葉『私たちがぼやいても仕方が無いがな。後で軍のほうにはこちらから話しておくよ』

泉「そういえばみくたちは? まだ格納庫?」

晶葉『麗奈の遊び相手になってるよ。酷いもんだけど』

泉「あ、そう……」

整備長「はぁ~、んじゃ俺はちょっと休んでから格納庫戻るかぁ……」

……
…………




333以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:07:02.86KwRklWbB0 (3/16)

――仮想戦闘宙域空間

奈緒『左、グラース小隊が2来ている。アンサラーは弾幕、クラウソラスとイーリアスは先行、前衛2機の援護、あたしが先行して数を分断させる』

輝子『アンサラー、花火行くぜえええええ!!』ガションッ!!

ボボボボボボボボボッ!!

ドガガガガァンッ!!

奈緒『ネオジオじゃないが、この数なら……!』ギュンッ!!

アーニャ『奈緒が切り込みました、有香』

有香『イーリアスⅡ、近接戦闘に切り替えます。クラウソラス、戦闘ポイントに!』ガションッ!

奈緒『2機引き離した! 6機対応は任せたぞ!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

アーニャ『クラウソラス、マルチブレイドを展開……いきます!』ガションッ!

有香『1機撃破……2機……いえ、各機、奥からラプター部隊が来ています。2小隊です!』ピピッ!

みく『残り3機はみくと輝子チャンで抑えるよ! 先頭の2人はラプターのほう行って!』

奈緒『こっちも2機対処した。アーニャと有香の――』ピピピピピッ! ピピピピピッ!

輝子『レーダーに反応……こっちか!』ガションッ!

ズドォォンッ!!

麗奈『ハッ!! そんなビームランチャーなんて当たるわけないでしょ!!』

みく『ヤバいの来たにゃ!』

有香『お待ちかねの……混戦状態になると話になりません。急いで対処を!』



334以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:09:13.24KwRklWbB0 (4/16)

麗奈『遅い遅い!!』ギュオオオオオオッ!!

ドシュシュシュシュッ!!

アーニャ『くぅっ……! こ、このっ!』ドシュゥッ!!

麗奈『残念!!』ギュンッ!!

有香『輝子さん!』

輝子『軌道予測……こっちだ!!』ズドォォォンッ!!

麗奈『なーにが予測よ! こっちは――』ガションッ!

奈緒『さすがに何度も変則軌道やられたら慣れるさ!!』ギュンッ!!

みく『こっち!』ジャキンッ!!

シュパアアアンッ!!

麗奈『チッ……散々見せてるし奈緒は対応早いわね……! だけど!』ヒュカカカッ!!

みく『んにゃにゃっ!?』ビビビッ!

奈緒『みく……がっ!!』ビビビッ!

アーニャ『撃墜判定……くっ!』ギュンッ!!

有香『いけません! この状態では――』

麗奈『甘い甘い!!』ドシュシュシュッ!!

有香『ぐぅっ……!!』ビビビッ!

アーニャ『しまった……!』ビビビッ!

輝子『こ、今回もダメだな……』

……
…………




335以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:11:17.76KwRklWbB0 (5/16)

――オート・クレール本社(工場)

ピピピピピッ!

パシュンッ!

麗奈「はいおしまい」

パシュンッ!

輝子「……何敗目だっけ、これで」

有香「……ここに来て72敗です」

みく「オーバーワーク承知でやってるのにとんでもないにゃ……」ハーッ! ハーッ! ハーッ!

アーニャ「みく、大丈夫ですか?」

奈緒「いやいやいくら機体が違うからってここまでなのか……」

麗奈「なーによ奈緒、アンタと条件一緒でしょうに」

奈緒「うぐぐ……」

みく「ていうか、みくはアレ使いたいんだけどアレ、加蓮チャンのヤツ!」

麗奈「バカ、あんまりNEX-USの同調アテにしてると肝心な時に役に立てないわよ。もう少し地力付けなさい」

有香「ワイルドキャットの戦闘力は通常でも中々の物でしたが、NEX-USに接続できなかった場合のことも考えると今のうちに訓練を積んだほうがいいですしね」

みく「うぐぐ……」




336以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:12:03.36KwRklWbB0 (6/16)

輝子「い、いや……でもみく……正直私よりよっぽど強い気がする……」

アーニャ「ダー、みくは正規軍だったアーニャたちと、これまで戦闘を行って十分に戦えていました。そういう意味では、安心していますが」

みく「まーみくは? Pチャンと2人で今まで頑張ってきてたし? 当然といえば当然かもしれないけど?」ドヤァ……

奈緒「そのドヤ顔はなんなんだよ」

ピピピピッ!

奈緒「ん、あっちも終わったか?」


パシュンッ!

P「よっと……」

晶葉「ん、終わったか? どれどれ、シミュレーターの結果は……」カタカタカタッ!

P「おいおい、乗せといて見てなかったのかよ」

晶葉「泉から連絡が来ていたんだ。途中までは見ていた……お、1つ前の計測より良くなっているな」

P「今さら航空機で戦闘に出るって、本当に大丈夫か?」

晶葉「通常のラプターに乗るよりは全然マシだ。NEX-USへの接続は無いが、クラウソラスの強化装備の目的もあって基礎性能は十分だ」

P「だといいんだが……まあ、宙域で戦闘するならラプターよりは色々出来て良いかもしれんが」



337以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:14:58.36KwRklWbB0 (7/16)

麗奈「そっちも終わった?」

晶葉「ああ、何度か乗ってもらったし、後は調整しておしまいだな」

有香「プロデューサーの機体……支援機ですか」

晶葉「HCU-01Pヒューリーだ。元々はOMDXのベース機となっているクラウソラスの強化装備として開発していた機体だ」

みく「えー……クラウソラスだけなの?」

晶葉「OMDXのフレームストリーム実装から武装実験のベースに利用していたから、開発機体の中だと性能的にもあまり余裕が無かったんだ」

晶葉「今回は他の機体に合わせて改修しているが、それでも基礎性能の向上の点で見ると残りの3機に後れを取っているし、使わない手はない」

アーニャ「機動性と遠距離用装備の拡張ですね……フフッ、いざというときは頼りにしています、プロデューサー?」

P「上手くやれるといいけど……出来る限りサポートはする」

みく「むー……」

奈緒「ま、Pさんなら心配はしてないけど……もう4時間近くシミュレーター回したのか……今日はそろそろ終わりにするか」

晶葉「っとそうだ、軍から連絡が来ていたんだったか。麗奈、少し外に出るから付いてきてくれ」

麗奈「ああ、編成の話? まあいいケド」

有香「召集命令ですか?」

晶葉「そんな大した話じゃない。防衛部隊の編成と、出向に来てくれる部隊の話だよ」

奈緒「そっちは晶葉に任せるか……それじゃ、あたしたちは休んでおくか」

……
…………



338以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:15:30.83KwRklWbB0 (8/16)

――オート・クレール本社(食堂)

『地球連邦軍の第2次防衛部隊が地上から低軌道ステーションへと上がりました。MBG共和国に関しても先行の防衛部隊がステーションに配置されている部隊と合流し、ステーションの防衛を――』

みく「……共和国も先行部隊、動いたんだ」

有香「進展が無かったとはいえ、交渉の場で何事も無かったのが信じられないくらいです。地上では連合が宇宙に上がる連邦の部隊を一部抑えている状況ですし」

輝子「他の国だと小競り合い起きてるしな……戦闘が起きている近くの共和国も被害出てるし」

有香「ええ、近いうちにオカシズの戦闘も再び起きるでしょう。数で勝る連邦に、連合がどれだけ対応できるか……」

アーニャ「宙域の部隊規模であれば、連邦と連合、ほぼ変わりはありません。連合であれば土星圏からの援軍もありますし」

奈緒「あたしたちが宇宙に上がる頃に、戦況がどれだけ変わっているか……」

奈緒(ちひろさんも、戻っているのか……)

みく「……」

P「不安か?」

みく「え? うん……ナシヤマも近いし……」

P「ナシヤマも共和国の拠点コロニーだ。オカシズへの侵攻もあるし、連邦も迂闊に手を出してくるようなことはしないさ」

みく「だといいけど……」



339以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:16:25.14KwRklWbB0 (9/16)

有香「……」

アーニャ「……」

輝子「わ、悪い、な……共和国まで、巻き込んで」

みく「別に輝子チャンたちのせいじゃないけど……やっぱり気になるっていうか」

奈緒「まあ、仕方がない、か……」

P「……よし、今日は早いうちにシミュレーターも回したし、後は1日休むか」

有香「ですがプロデューサー、今日予定していたフォーメーションの確認が終わっていません。訓練分のフィードバックをしませんと」

P「防衛部隊の編成が決まったならニューウェーブもすぐ宇宙に上がることになるだろうし、今のうちじゃないと十分休めないだろう。休めるうちに休まないとな」

有香「ですが……」

奈緒「……ま、横浜戦から休みも無しでこうして訓練しているし、休むのも必要だな」

アーニャ「いいのですか、奈緒?」

奈緒「必要なら仕方がないこともあるけど、根詰めすぎて良いことなんてないしな。あたしも似たようなことして酷い目に遭ったことあるし」

P「部隊長もこう言っているし休もうか。ほれ、それじゃ早く飯食べて各々休もう」

……
…………




340以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:17:32.73KwRklWbB0 (10/16)

――火星圏宙域、コロニー連合管轄コロニー『マシクフ』(管制塔)

パシュンッ!

「お疲れ様です、千川少佐」

ちひろ「お疲れ様です。オカシズの状況は?」

「連邦艦隊に動きがあります。ムーンまで上がってきている艦隊も侵攻を続けていますが、宇宙での主戦上に火星圏を巻き込むわけには……」

ちひろ「木星圏から先のコロニー群へのインフラを考えると、連邦は火星圏では戦闘する気は起きないでしょう。シマトクの部隊は?」

「オカシズの戦闘が良いカモフラージュになったようです。シマトク周辺には連邦の艦は確認されていません」

ちひろ「今さら廃棄コロニーに近付くわけはない、か……好都合です。手向けの準備が出来るまでは悟られないようにしてほしいものです」

「少佐は今後どうするおつもりで?」

ちひろ「オカシズを制圧されたら土星圏の足掛かりにされます。本部のあるホクドウまで戦火を伸ばすわけにはいきませんし、私も木星圏に向かいます」

ちひろ「調整が終わっていませんでしたが、オペレーションFのタイミングと併せてこちらまで運ばせていた物もあります。報告では完成したようなのでそれを使う予定です」

「しかしこうなってしまうとは、やはりアラスカを攻めたのは早計だったとしか思えませんね」

ちひろ「オペレーションβの情報を一部連邦に流していたからこそこのタイミングまで引き延ばせた部分もあります。今回の対応の早さから見て、靴の回収に躍起になっていたこちらを見て攻める準備をしていたのでしょう」

「まあ、お互いに欲しいものは手に入らなかったということですが」

ちひろ「思っていた以上に共和国の軍備が整っていました。あそこまで粘られたのはこちらも想定外でしたが……」

「こちらもやるだけやってみましょうか。どの道ここまで来て、墓を落とせなければどうにもならないでしょう」

ちひろ「ええ、そうですね……」

ちひろ(恨みがあるなら……これで晴らすことが出来れば、良いんですけどね)

……
…………




341以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:20:13.86KwRklWbB0 (11/16)

――地球、日本、神奈川県横浜市、オート・クレール本社(仮眠室)

P「……」ピッ、ピッ、ピッ……


ピピッ!

P「……ん?」

パシュンッ!

みく「……」

P「みく……どうかしたのか?」

みく「……むー」

P「な、なんだよ……アーニャたちと外に出なかったのか?」

みく「不安になってるみくを放っておく薄情者が何をやってるんだろうって思って」

P「いや別に放っておいたわけじゃ……みくにも大事なことだよ」

みく「にゃ?」

P「I@LPからの通知を処理しててな。ダミーでもいいからみんなの活動連絡も少しは報告しておかないと、後々面倒な申請しておかないとダメだからな……」

みく「あ、そ、そっか……ゴメン」

P「いや、これ終わったらみくのところに行こうかと思っていたから……ま、こんなもんでいいか」ピッ!

みく「もういいの?」




342以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:21:17.20KwRklWbB0 (12/16)

P「一通り片付けたし、外に出るか? 無事な施設もあるし」

みく「……いい」スッ

ボフッ!

P「……どうした?」ドサッ

みく「ここ、ベッドあるし」ギュッ……

P「……え」

みく「へ、変な事しないから! 別に……ただ……」

みく「いま、外を見ちゃうと……ナシヤマも、こうなっちゃうんじゃないかって思って……だから……」

P「大丈夫だよ、きっと。そうだな……それじゃ、疲れたし少し寝るか」

みく「……うん」

P「あまり寝すぎると夜がしんどいし、少しくらいなら――」

みく「ねえ、Pチャン」

P「なんだ?」

みく「あのね、思ったんだ。NEX-USで一緒だったみんなと、表でもこうやって同じ場所にいるのが……すごく不思議だなって」

P「……示し合わせて会ったわけでもないから、そりゃあ凄い偶然だよな。俺だって、驚いた」

みく「だけどね、みんながいるから、いまは大丈夫かもしれないって思うんだ。Pチャンは、どう思ってる?」

P「俺も、よかったって思っている。皆とこうして出会えて……みくと出会えて」

みく「……」

P「……」

……
…………



343以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:22:56.42KwRklWbB0 (13/16)

――数日後、オート・クレール本社前、ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「成り行き……ですけど、この艦の艦長をやらせてもらっています。大石泉です」

楓「MBG共和国……って長い挨拶は面倒くさいですよね。横浜基地から来ました、第十七防衛部隊の高垣楓中尉です。ブリッジの管制と民間協力艦の動向監視に来ました」

美優「三船美優少尉です……同じくブリッジ管制の業務と……高垣中尉の監督補佐をさせてもらいます」

泉「い、いえ、そんな私のほうが民間なのであまり気を使わないでもらえると……」

晶葉「んな挨拶を長々と続けても仕方がないだろう。2人は麗奈の伝手で来てもらったし、こちらの事情もある程度話している」

楓「麗奈ちゃんからは色々聞かせてもらっていますけど、とりあえず上手く出来たらいいなって思っています。あ、整備部隊についても後でご紹介しますので」

麗奈「ま、適当に使ってやって頂戴」

P(随分適当だな……)

みく(軍の人ってこんなに適当なのかな……)

奈緒「よろしく頼む」

楓「あ、ええと……こちらの方たちは?」

奈緒「この艦の前線部隊を任されている。オート・クレール社所属だが編成に合わせて一時的にだが階級を割り当ててもらっている。私は部隊長のセカンドドライバーだ」

楓「そうですか。あ、そのお面、かっこいいですね」




344以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:24:33.94KwRklWbB0 (14/16)

麗奈「ああ、奈緒なら一応諸々の実績も込みで大尉相当扱いで軍にデータ渡してるから、楓も美優もとりあえず信用していいわよ」

奈緒「ばっ! ちょっ、おまっ! 名前バラすとか仮面の意味ないだろ!」

麗奈「だーいじょうぶよ、とりあえずここでその変なの付けてなくていいから」

美優「な、奈緒さんのお話もお聞きしていましたので……えっと、セカンドドライバー……?」

奈緒「……まあ、奈緒でいいや。無駄話するより、他のメンバーを……中野有香中尉、星輝子少尉、アナスタシア少尉、前川みく特別准尉だ」

楓「訳あり部隊って聞いていますけど、大変そうですね」

有香「まあ……あまり詮索しないで頂けると助かります」

アーニャ「今は、お世話になる身ですので」

輝子「よろしく……頼む、な」

みく「え、ていうかみく准尉? 出世してない?」

P「下士官すっ飛ばして准尉相当なのか……ここにいるならあんまり階級の意味がないからとはいえいいのかそれ」

晶葉「NEX-USの秘匿領域に関係する人員として軍から指示を受けている。みくについては元が民間人だから扱いに少々困ってはいたが、まあこんなもんだ。というかP、お前もみくと同じで准尉だぞ」




345以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:25:45.78KwRklWbB0 (15/16)

楓「へえ……」ズイッ

P「よ、よろしく……」

楓「ブリッジは若い子が多いって麗奈ちゃんが言っていたけど、私たちと同じくらいの年代の方もいらしたんですね。どうせ宇宙に上がるまでは手持ち無沙汰ですし、歓迎会の席でちょっと飲みませんか?」

P「えっ、あ、いえ……」

美優「ちょ、ちょっと楓さん……」

みく「デレデレすんにゃ!!」ドガッ!!

P「いってっ!? け、蹴るなよ……」

泉「はあ……もう、とりあえず分かりました。ニューウェーブは重粒子圧縮加速は搭載しているけど、宙域用輸送艦だから単独での大気圏突破は出来ないわ」

泉「これから軍の打ち上げ施設に向かって宇宙に上がります。今日打ち上げ予定の地上からの防衛部隊の編成に入ってムーンを通過し、火星圏まで向かうことになっているわ」

泉「火星圏から先……木星圏に入れば戦闘になる可能性は十分にあるし、以降は軍からの指示を待つことになるからひとまずは火星圏に戻ることが第一ね」

楓「わかりました。それまでには艦システムについても一通り抑えておきますね」

泉「よろしくお願いします」

晶葉「さて、それじゃ解散するか。搬入したOMDXのチェックもあるし、奈緒たちも手伝ってくれよ」

……
…………




346以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/01(月) 20:35:33.96KwRklWbB0 (16/16)

もうちょっと進めようかと思ったけど区切りが良いのでここまでで。5分割くらい?
次回は7/7(日)予定です。


347以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:38:57.22o0zKFXeC0 (1/17)

――地球圏宙域、低軌道上、ニューウェーブ(ブリッジ)

楓「防衛部隊、全て宙域に上がったみたいです。進行確認、予定通りステーションへの立ち寄り後にムーンへ向かいます」

泉「主力艦のマーハね。投入数も多くて打ち上げも時間が掛かったけど」

P「ナシヤマにいたときはマーハを見る機会はほとんど無かったけど、こうして見ると壮観だな」

楓「自国領土防衛の為ではありますけど、これだけ大規模な遠征は過去にも無いかもしれませんね」カタカタカタッ!

ピピピッ!

泉「それにしても、地上から上がるときも連合の妨害が無かったのは幸いね。こっちの進行もスムーズだし」

美優「アラスカでの連合のオペレーションの失敗、横浜への侵攻も連邦と共に失敗してから、連合の艦隊が一足早く宇宙に上がっていきましたから……」

P「……想定内の部分もあったか、だな」

楓「どうでしょうね。連邦側の各地の打ち上げ施設も、連合の妨害により戦闘に発展したケースはそれほど多くありませんでしたし」カタカタカタッ!!

ピピッ!

泉「地図でも見ても、地域的に三国が入り組んでいるEU側は戦闘による妨害が多いとして……他はそれなりかしら」

楓「オカシズ程規模の大きい戦闘にはなっていないみたいですけど、ハマヨコの件もありますし悩ましいですね」


……
…………




348以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:39:23.73o0zKFXeC0 (2/17)

――ニューウェーブ(格納庫)

晶葉「シミュレーター、次に移るぞ。データ更新……」ピッ、ピッ



麗奈「はあ? 悪意を感じる?」

奈緒「ああ……いや、戦争なんだからそりゃ悪意なんてあるだろって思うんだけど……」

麗奈(……)

奈緒「なんか、こう、違うんだ。ニューヨークに行ったときや、横浜で戦闘したときともっと別の……なんていうのかな」

麗奈「……そうね。連合が杖欲しさにアラスカに仕掛けたなら撤退も早い、靴を破壊しに来たにしても連邦と鉢合わせしたとはいえこっちも早い……となると、本命があるんでしょ」

奈緒「それは、戦闘が続いているオカシズなのか?」

麗奈「んなわけないでしょ。そっちは連邦が攻めてるほうだし、ハマヨコについても連邦が侵攻の拠点にしているだけだから関係ないとして」

奈緒「連邦としては土星圏の連合本部があるホクドウかもしれないけど……だとすると連合は……」

麗奈「裏でコソコソと杖や靴を嗅ぎ回ってからの開戦となると、やっぱり目的はその2つであることには間違いない、とすれば……攻め方を変えてくるだけよ」スッ

ピピッ!

奈緒「ん、宙域マップ? これは……」




349以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:40:03.32o0zKFXeC0 (3/17)

麗奈「少し前に木星圏の観測班から回ってきたものよ。NEX-USが引っこ抜いてきたデータも一緒だけど、まだ公式に出回っていないからオフレコよ」

奈緒「時間経過の内容はぶつ切りになっているけど……これ、廃棄コロニーか……? もしかして……」

麗奈「通信妨害やら色々仕掛けられていたけど、恐らく当たりよ。連合は落とすつもりよ、廃棄コロニーになったシマトクを」

奈緒「そんな……でも、このルートじゃ木星圏のチューブ群にぶつかるだけだろ? いや、チューブ群にぶつかったらオカシズやハマヨコだけじゃない、ガーワカナやナシヤマ、他のコロニーも……」

麗奈「これはただの切欠にするだけよ。木星圏のコロニー1基動かしただけで地球まで落とせるわけないとしても……1つ落としたら、もう止まらないでしょ」

麗奈「国際連合が分裂する前までに開発されて放棄されたコロニーが月軌道前後にいくらでもあるし、先に木星圏をやるのは、連邦の土星圏へのインフラを断つ為よ」

奈緒「そんな……そんなことしたら、杖や靴どころの話じゃなくなる……なんで、こんなこと……」

麗奈「だからバカしかいないのよこの世界は。救えないバカの集まり……ホント、あそこと随分違うんだから」

奈緒「そんな……」

麗奈「シミュレーターで遊んでるバカたちにはまだ黙っておきなさい。どうせそのうち分かるんだし」

奈緒「でも……」

麗奈「今話しても仕方ないでしょう……ほら、アンタもシミュレーターさっさと入りなさい。レイナサマも入ってやるから」

……
…………




350以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:41:03.05o0zKFXeC0 (4/17)

――数時間後、共和国低軌道ステーション、ニューウェーブ(Pの部屋)

P「……」ピッ、ピッ、ピッ

P(ここから加速して高軌道ステーション、ムーンを越えて火星圏か……)


『自国防衛の目的で連邦と連合間の戦闘に介入するという点については、国際条約の点においても問題があるということで各コロニーの防衛に留まっているのが現状とのことです』

『ですがハマヨコが連邦に制圧されてしまった状況でそれは……艦隊の派遣が開始されたばかりで、まだ木星圏に到着するまではかなりの時間を必要としますし……』


P(火星圏を越えたら木星圏に駐在する防衛部隊とハマヨコを奪還するのか、それとも……)

P「……よし」ピッ、ピッ


ピピピッ!


P「はい」

みく『Pチャン? もうすぐで機体整備始めるけど格納庫来ないの?』

P「ああゴメン、別件で作業していたんだ。いま行くよ」

みく『もー……みんな待ってるから早く来てよね』


……
…………




351以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:42:10.80o0zKFXeC0 (5/17)

――ニューウェーブ(格納庫)

晶葉「フラガラッハの改修もすべて完了してアンサラーに移行出来たからな。横浜にいたときからシミュレーターは回してくれていたが、どこかのタイミングで試験飛行しておいてくれよ」

輝子「い、移動中にあるか……?」

晶葉「ムーンはほぼ素通りするみたいだし、火星圏で再補給するタイミング当たりか、もしくは移動中に済ませるかだな。装備も中遠距離の物に統一したから連携も確認してくれよ」

有香「イーリアスⅡみたい近接装備の増設はしなかったんですか?」

晶葉「最低限のビームブレイドは積んでるけど機体コンセプト的にな……ワイルドキャットも仕様変えて中距離装備を多めに積んでしまったし」

奈緒「前に出るのはクラウソラスとイーリアスだからな。元々はキャットウォーカーの時点で指揮官機にするつもりだったんだっけか」

晶葉「頭部の大型センサーやNEX-USの受信領域拡大機能も中遠距離で動いてもらう為に付けたんだがなぁ……まあみくが乗ったから仕方がないといえば仕方がないが」

みく「ちょっと! なんかみくのこと悪者にしてない!?」

晶葉「してないしてない。

有香「機体運用の話をしていただけですよ」

輝子「ま……私たちが盗んだからみくが大変なことになったんだよなって話だ……」

みく「もう……」




352以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:42:38.83o0zKFXeC0 (6/17)


アーニャ「プロデューサー……クラウソラスの改修も終わりました、ヒューリーの試験飛行するときに、ドッキングの確認もしますか?」

P「やっておくか。シミュレーター回したとはいえ、実戦でいきなりは難しいだろうし」カタカタカタッ!

アーニャ「……」

P「直線の加速は奈緒が乗るネオジオといい勝負できるレベルか……ドッキングした場合のことも考えると、あまり消耗する装備を使うのも……」カタカタカタッ!

アーニャ「プロデューサー」

P「ん、どうした?」

アーニャ「アーニャは……きっと、大丈夫です。有香も、輝子も、奈緒も……だけど、いざというときは、みくのことは、お願いします」

P「……皆と違って、みくは元々民間人だからな。それを言ったら俺もだけど……ああ、大丈夫だよ」

アーニャ「はい。アーニャも、安心できます」

P「でも、俺は同じくらい皆のことが大事だ。俺は、皆といたいから」

アーニャ「……」

P「だから戦うことに決めた。俺も、みくも……多分、皆と同じだ……よし、調整はこんなもんだな」ピッ!


P「よし皆、作業終わったか?」

奈緒「ん?」

輝子「ど、どうした?」

有香「機体の改修内容も確認しましたし、設定も一通りは……何かありましたか?」

P「地上から上がって休憩も無しだったから、明日会議室に集まってくれ」

みく「明日? 何かあるの?」

P「ステーションからはしばらく移動だけだし、泉から場所を借りる話もしているから、全員10時に来てくれ」

アーニャ「ミーティング、ですか?」

P「いや、アレだよアレ。期限過ぎたけど、向こうも今回の開戦で一時的に運営停止していたみたいだったし」

みく「……あっ!」

……
…………




353以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:44:59.27o0zKFXeC0 (7/17)

――翌日、NEX-US、ムーン・フィフス、ネットワーク内、セントラルタワー(ステージ上)



『こちらのブースからM01に合わせて各企業が出展した新型モービルの展示になります』

『モービルを彩るスタントガールにはNEX-US所属のアイドルを始め、企業アイドルも多数参加しています!』



キャット「にゃにゃ~っ! こちらはミナセの新型、ガルーンシリーズのUU014-ガルーンになるにゃ!」

キャット「小柄なボディはそのまま、加速性の向上を始め改良ポイントが多くてUU-008以上のモンスターマシンに変貌しているにゃ!」

キノコ「おいおいおいおい……! 化け物勝負ならこっちも負けてないぜええええええ!!!!」

キノコ「オート・クレールの新車、OCMX-125!! フレームの再設計で車体の状況によってフレキシブルに走行に最適なフォルムを保つこの機能!」

キノコ「そんなチビのマシンなんて足元にも及ばねえぜええええええ!!!!」

キャット「ぐぬぬぬぬぬ……そこまでいうにゃら、勝負!!」


『あーっとアイドル同士の乱闘が始まったぞ! これはバーチャルレースに発展するかー!?』


セカンド「アドリブでよくやるな……」

雪妖精「次のブース開放まで、アレでもたせるんでしょうか……?」



354以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:45:49.08o0zKFXeC0 (8/17)

ツインテ「レースパフォーマンスの前ですよまだ……」

P「どっかでストップ掛けたほうがいいんだろうかあれ」

セカンド「他に来てるアイドルも混ざってきているし……まあ、いいんじゃないか、あれで」

ツインテ「それにしてもプロデューサー、よく今回のお仕事実施できましたよね。開戦でイベントが中止になったところも多かったはずですけど」

P「ん? ああ、前に話したギチトーの仕事は中止になったけど、こっちは延期って話だったからな」

雪妖精「この前、事務所でお話頂いたお仕事でしたし、予定していた期間も過ぎていたので中止になったと思ってました」

セカンド「1週間後って話だったからな。もうだいぶ過ぎてるけど」

P「ムーンまで戦闘の影響が出ないなら実施ってことだったらしいし、俺たちもギリギリ都合付けれたからな。こういう時にって気はするけど」

ツインテ「いえ、あたしたちのお仕事でもありましたし……こういう時ですから、久しぶりにお仕事が出来て良かったです」

雪妖精「ふふっ、キャットもキノコも、楽しそうにしています」

P「いい話もあまりなかったしな。こういうことが出来るうちは、やっておきたいと思っていたし」

ツインテ「そうですね……っと、そろそろ次のブースを開けるタイムスケジュールですね。それではプロデューサー」

セカンド「あたしたちも仕事だ。あそこの2人よりは大人しくしてようか」

雪妖精「盛り上げるのは、パフォーマンスの時……ですね」

P「おう、お前たちも頑張って来いよ」

……
…………




355以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:46:41.90o0zKFXeC0 (9/17)

――同時刻、ニューウェーブ(ブリッジ)

楓「あの子たち、お仕事ですか?」

泉「NEX-USでアイドルやっているのよ。みくは知っていたけど、他の4人もっていうのは最初は驚いたけど……今は自動航行中ですし、許可は出しましたから」ピッ、ピッ

美優「大変、ですね……こんな時に……」

麗奈「こんな時だから、楽しめるなら楽しませておけばいいのよ。木星圏に着いたらどうあっても戦闘なんだし、コロニーの話だってあるんだから」

美優「そう……ですね……シマトク、どうするんでしょうか……」

楓「破砕作業をすることになるんでしょうけど、戦闘の状況と併せてどうなるかですよね。オカシズからは離れていますし」

泉「軍からの展開、明日ですよね? みくたち、大丈夫かしら……」

麗奈「なるようにしかならないわよ。腹括ってもらってやるしかないし、それはアンタたちだって一緒でしょ」

泉「そうね……私はナシヤマがコロニーの衝突ルートに入っているのを見て、もう決心するしかなかったけれど」

楓「私たちはお仕事ですからね。まあハマヨコの奪還も破砕作業も、仕事こなせなかったら多分死んじゃいますし」

美優「そ、そんな明るく暗いことを言われても……」

麗奈「そんなもんでしょ。楓くらいの能天気さが一番いいわよ」

楓「え……私、能天気……?」

美優「そ、それは・……その、ええと……」


……
…………




356以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:47:15.67o0zKFXeC0 (10/17)

――ニューウェーブ(会議室)


『接続を終了しました。端末を外し、体調が優れない場合はメンタルチェックオプションを実施してください』



みく「……ん、んんんん……終わったぁ」ピッ!

有香「ふう……良いお仕事でした」ピッ!

輝子「……な、なんだか……変な感じだな」

奈緒「何がだ?」

輝子「いや……NEX-USでみんなと仕事した後に、接続切ってからみんなの顔見るの」

アーニャ「……今までは、表で会ってからお仕事をするなんて、していませんでしたからね」

みく「んー、まあ表で会うメンバー同士じゃなかったし、他にそういうことやってるユニットとかにも入ってなかったもん」

ピッ!

P「……っと、終わったか。全員接続切ったか?」

みく「うん、みんな戻ってきたよ」

アーニャ「プロデューサーも一緒にいると、余計にそう思いますね」

P「何の話だ?」




357以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:47:50.68o0zKFXeC0 (11/17)

奈緒「NEX-USで会った後に表でも顔合わせるのが不思議って話だよ」

P「そういえばそうか。表で会うメンバーじゃなかったしなぁ。どうせ表でも話聞けるからいいかと思っていたけど、今回の仕事はどうだった?」

みく「ひっさし振りだから楽しかったにゃ!」

輝子「久し振りのわりには……け、結構デカかったけどな……」

有香「企業参加がメインのイベントでしたから少し緊張しましたけど、キャットとキノコの2人が盛り上げてくれたのであたしたちもいい流れに乗れましたね」

奈緒「まあ、上手くできたと思うよ。一般公開用のイベントに出れないのは残念だなって思ったけど」

アーニャ「いつものNEX-USのお仕事と同じで、とっても賑やかでした。表で、戦争が始まっていると思えないくらい……」

輝子「……」

有香「……」

奈緒「……」

P「そう、だな……いつもと変わらなかった」

みく「……えいっ! ネコパンチ!」

アーニャ「あぅっ……な、なんですかみく……」

みく「ネコパンチネコパンチ……って、NEX-USがイイ場所なんてずっとそうだったでしょ。だからみくたちも戦っていた最中でもあそこに来ていたんだし」

みく「もしこのまま戦争が続いたら、NEX-USも楽しい場所じゃなくなるかもしれないし、NEX-USが無くなるかもしれない」

みく「どうやったら戦争が終わるのかとか、ハマヨコを取り返したあとはどうなるのかとか、みくは良く分かんないけど……」

みく「でも、今がダメだってことだけは分かるから、戦わないとって決めたんだから……Pチャンも、そうでしょ?」

P「……ああ。ここにいるっていうことは、皆同じ気持ちだ」

奈緒「……」

……
…………




358以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:48:29.77o0zKFXeC0 (12/17)

――木星圏宙域コロニー『ノナガ』(港)

「シマトクへの派遣部隊も次で最後です。オカシズの迎撃艦隊も一部移動準備は済ませている状態ですね」

ちひろ「こういう時にNEX-USが煩わしい……共和国には嗅ぎ回られていたみたいなので、あまり時間もないでしょうね。コロニーの移動ルートは?」

「最新版はこちらになります。移動ルートと衝突ポイントから、破片による被害がこちらのコロニーに出ないようには考慮していますが……」

ちひろ「まあ共和国も妨害に来るとして、連邦も同じ対応をしてくるでしょう。地上と火星圏からの来る共和国の防衛艦隊がこちらに到着する時期を考えると、あまり猶予はないでしょうけどね」

「木星圏の防衛部隊が出てくることは?」

ちひろ「それはないです。こちらの誘導で戦闘宙域の区画も広がっていますし、共和国としてはまずコロニーの防衛が最優先でしょう」

ちひろ「NEX-USから情報が抜かれてから1週間程経過していますし、今日まで木星圏の動きが鈍いところを見ると方針に困っているのか……」

ガコンッ!!


「千川少佐! ディーレの積み込みが完了しました!」

ちひろ「あら、ご苦労様です。移動中にでも試験飛行はしておきます」

「お願いします。無線誘導砲塔の導入も出来ましたし、かなりいい状態に仕上がっているみたいですよ」

ちひろ「共和国から手に入れたフレーム技術のおかげですね。あの部隊もそれくらいは役に立ったけど……分かりました、新規格ということですしそちらについても確認しておきます」

ちひろ「さて……こちらも急いで行動しないと、シマトクを落とすなら落とすで、やるしかありませんね」

……
…………




359以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:49:59.53o0zKFXeC0 (13/17)

――火星圏宙域、ニューウェーブ(休憩所)


『木星圏宙域で発生している戦闘による被害がチューブ区の他コロニーにも広がっている現状ですと、やはり共和国も直接戦闘に参加せざるを得なくなるのではないかと……』

『自国防衛の目的で連邦と連合間の戦闘に介入するという点についてはやはり難しく、国際条約の点においても問題があるということで各コロニーの防衛に留まっているのが現状とのことです』

『ですがハマヨコが連邦に制圧されてしまった状況でそれは……艦隊も木星圏へと向かっているようですが、現状の木星圏の防衛戦力と併せてハマヨコをどう奪還するのかも気になりますが』


有香「オカシズ付近の戦闘も再開されたようですし、他コロニーの被害も気になりますね」

奈緒「さすがに区画内は3国のコロニーが入っているから全部が全部、戦闘宙域になることは無いだろうけど、どうなるんだろうか」

加蓮『連邦の初動から今日までの戦闘宙域の拡大状況はこんな感じだけど』

ピピッ!

アーニャ「4区まで広がっているんですね……連合の防衛艦隊も出撃したみたいですし、艦隊戦による被害も出始めています」

奈緒「共和国のコロニーへの被害がハマヨコだけで収まっているのは気にされているのか、どうなんだろうな」

加蓮『連邦の初動から今日までの戦闘宙域の拡大状況はこんな感じだけど』

ピピッ!

みく「でもこれだと、そのうちナシヤマにも被害が出るにゃ……避難とか、しないのかなぁ」

有香「難しいでしょうね……ブロックシェルターに逃げるとして、戦闘宙域が拡大しているのであればどこにシェルターを飛ばすかという話にもなりますし」

輝子「シェルター飛ばすのも、い、今のうちだとは思うけどな……」

アーニャ「火星圏に入って、宙域の艦隊と合流してから木星圏へ向かうとなると1週間以上は掛かります……木星圏の防衛部隊をどう使うつもりなんでしょうか……」

ピピピッ!

奈緒「ん、加蓮ちょっと端末切るぞ。どうした?」ピッ!

晶葉『5人揃っているか? すまんがブリッジに来てくれ』


……
…………




360以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:56:28.74o0zKFXeC0 (14/17)

――ニューウェーブ(ブリッジ)

輝子「え……」

有香「そんな……シマトク、が……」

晶葉「NEX-USが採取した情報と、観測班からの報告と併せても事実だ。加蓮、スクリーンに出してくれ」

加蓮『ちょっと待ってて』ピピッ!

奈緒「……」


P「シマトクと、木星圏宙域図か」

晶葉「廃棄コロニーであるシマトクの軌道ルートはこれだ。通常はこの状態となっているが……」ピッ!

晶葉「ここ最近、通常ではありえない軌道でシマトクが移動している。まだ距離はあるが、この状態が続くと遅かれ早かれ木星圏のチューブ区画と衝突する」

麗奈「ルート上の移動速度から見ても、連合の奴らがシマトクを弄ってあえて移動させているしかないでしょうね」

楓「綺麗にスーッと移動してますね。これ、どうなるんでしょうか?」

美優「移動ルート上のコロニー群と衝突の角度から……主に被害が大きいのは連邦のコロニー群ですね。衝突によるコロニーの破片の飛散によって出る被害もあります」カタカタカタッ

アーニャ「連邦の地上部隊を戦闘で消耗させてからの動き……ここまで想定していたのでしょうか」

加蓮『廃棄コロニーの情報自体は、NEX-USで採取できる範囲外だった』

加蓮『連邦側のデータを探って、今回のオペレーション情報を辿って行ったらシマトクの情報と宙域上の移動ルートをデータが見つかって……』

泉「だから、観測班に調査させてみたら……ってことね」




361以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:57:08.42o0zKFXeC0 (15/17)

晶葉「戦争とはいっても、やり合っているだけなら共和国が介入することでまだ解決の余地はあったかもしれないが、こうなるとどうだろうな」

奈緒「コロニーを使って、しかもこのやり方なら民間人の被害だって……戦争って、こんななのか?」

麗奈「逸脱した行動まで取り始めると、もうこっちとしてはお手上げよ。目が覚めるまで待つか、ぶん殴って目を覚まさせることができるならそれでいいんだけど」

楓「そこはこちらの今後の対応次第というか、シマトクの破砕作業も出てくると思いますし……あとは連邦と連合の戦闘がどうなるかですね」

みく「そんな……こんなの、こんなことやろうとするなんて、頭おかしいよ!」

P「……おかしいから、戦争なんてやってるってことか」

泉「そう、かもしれないわね……」

有香「違います!!」

P「有香……」

有香「連合は……あたしたちは、オカシズの被害があったから……ゆかりちゃんも、法子ちゃんも、みんな、死んで……だから、もうそうならないように、あたしたちが、これ以上奪われたくないから……!」

輝子「墓参りだって偉いさんが年1でやってたんだぜ……と、とんでもないぜ……これ……」

麗奈「……上の連中が決めていたことなら、アンタたちが知らないのも当然よ。アタシは連合のことなんて知らないけど、普通はアンタみたいに思うでしょう」

有香「……」

晶葉「とりあえず、もう少しで火星圏の防衛部隊と合流する。今後の対応方針については間違いなく変更になるが、それも木星圏へ向かう間にどうなるか……ウチも対応が変わってくるだろうからそのつもりでいてくれ」

P「……」

……
…………




362以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:57:55.22o0zKFXeC0 (16/17)

次回は7/14(月)か7/16(火)予定です。


363以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/08(月) 03:58:49.10o0zKFXeC0 (17/17)

>>362
7/14(月)→7/14(日)


364以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:32:24.41TOOwgp6+0 (1/21)

――火星圏宙域、ギチトー港、ニューウェーブ(ブリッジ)

美優「整備班、ニューウェーブの整備状況について報告をお願いします……」カタカタカタッ!

ピピピッ!

整備長『戦闘も無かったし定期メンテで終わってるよ。今は兵装追加作業で手一杯だ』

泉「戦闘が起きた場合、OMDXも出るから私たちも前線に出なければならないから気を付けないと……」

整備長『輸送艦を前線に出すってのもどうなんだよ……墜とされるわけにはいかねえし、積載出来る分OMDAのパーツも積まされてるしでたまったもんじゃねえな』

楓「戦闘中に緊急整備が必要な他部隊の機体の受け入れもやってもらいますから、ゴメンなさいね」

整備長『へいへいっと……』

P「悪い、整備長。俺たちの機体まであるのに」

整備長『別にいいけどよ、シマトク落としの話も出てるし、戦闘になるのは間違いねえし……それよりP、しばらく嬢ちゃんたちがシミュレーター回しに来てないけど大丈夫なのか?』

P「……大丈夫だ、皆分かっている」

整備長『ならいいけどよ……お、博士戻ってきたのか』

晶葉『ああ、軍の招集も大した話じゃなかったよ。ハマヨコに向かう部隊とシマトクの破砕作業を行う部隊の割り振りの件だったし』

P「そりゃ大した話だろ……」

麗奈『これまでも連邦は交渉に応じなかったし、木星圏の防衛部隊と併せて一気に動くわよ』

晶葉『少しこっちでも話しておこうか。P、すまんがみんなを集めて来てくれ』


……
…………




365以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:32:53.95TOOwgp6+0 (2/21)

――ニューウェーブ(休憩所)

P「みく、アーニャ!」

みく「ん、Pチャンどうしたの?」

アーニャ「招集、ですか?」

P「ああ、すまんが会議室に集まってくれ……輝子と有香は?」

みく「……多分、部屋」

P「……そうか」

アーニャ「シマトクのことは、2人にとって、とっても辛い……です。アーニャたちよりも」

P「わかってるよ。だけど、シマトクをチューブ区画に落とされたら大勢の人が死ぬ。それこそ、連邦のコロニーだけじゃなくて、共和国のコロニーも……」

みく「……」

P「2人は先に行っててくれ、俺もすぐに向かうから」

……
…………




366以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:33:35.92TOOwgp6+0 (3/21)

――ニューウェーブ(有香と輝子の部屋)

ピッ!

有香「……」

輝子「ん」

P『2人ともいるか? 入るぞ』

パシュンッ!

P「部屋にいたか、よかった」

輝子「ど、どうした、P……」

P「軍の方針が決まったらしい。ハマヨコに向かう部隊と、シマトクの破砕作業を行う部隊とで分かれて行動する。俺たちも編成が決まったみたいだから、これから会議室に集まって話をすることになった」

輝子「そ、そうか、それじゃあ……いかないとな」

有香「……」

輝子「……な、なあ、行こう……?」

有香「……」

P「輝子、先に行っててくれ」

輝子「あ、ああ」

パシュンッ!




367以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:34:19.05TOOwgp6+0 (4/21)


P「……有香、大丈夫か?」

有香「……」

P「シマトクのこと、何があったのか、詳しいことは俺は聞かない。だけど、このままだとどうなるか、分かっているんだよな?」

有香「……第一次産業コロニーのシマトクは当時、連合の工業系の企業が集まっていたコロニーでした」

有香「あたしの友人と、星少尉の友人の中には、それぞれ参画していた企業に勤めていた子がいたんです」

有香「小さい頃、みんなで遊びに行ったんです。第一次産業コロニーは一般開放をしていませんが、丁度参画企業の見学会があって、3人で行こうねって」

P「……そうか、分かった。輝子のほうも、同じようなことがあったんだろうな」

有香「連邦から独立したはずなのに、どうしてあたしたちは奪われなきゃならないんだろうって、どうしてゆかりちゃんも法子ちゃんも死ななきゃならないんだろうって……」

有香「みんな、みんなあの時死んで、みんな悲しんで、廃棄コロニーになったからって解体しないで、慰霊碑だって立てて……それなのに……」

P「有香」

有香「プロデューサー……」

P「俺は、大したことは言えない。当時の小規模戦争の頃だって、俺はモービルに乗りたいとか、そういうことしか考えていなかったし、有香たちがどれだけ辛かったかとか、分かるって言えない」

P「戦争の中で起きたことを割り切れる人もいれば、割り切れないまま引き摺る人だっている。俺だったら……多分、引き摺るかもしれない。有香がずっとその時のことを思っていることだって、普通な事なんだと思う」

P「だけど、俺は有香が強いってことを知ってる。奪われないように、奪う為に戦っていた有香が、アイドルとしてみんなに与えていた笑顔……俺は見ていた。だから、これだけは言える」

P「失った命が大切なものだって分かっていて、与えることも出来ている有香だから、俺たちが今こうしていることに間違ったことは無いんだって。だから輝子も、何も言わなかったんだと思う」

有香「あたしは……」

P「だから、一緒に戦ってくれ。有香の思い出を失くしてしまうかもしれない。だけど俺だけじゃない、みんなが有香のことを待っている。輝子も、みくも、アーニャも、奈緒も」

有香「……!」

……
…………




368以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:35:28.10TOOwgp6+0 (5/21)

――ニューウェーブ(会議室)

晶葉「――から、木星圏の防衛部隊が動く」

パシュンッ!

P「すまん、遅れた」

みく「Pチャン!」

麗奈「遅い」

有香「……」

アーニャ「有香……」

有香「……遅れて申し訳ありません、木星圏到着後の部隊の編成についての話だと聞いています」

輝子「お……おお……!」

奈緒「……そうだな、それじゃあ晶葉、悪いけどPさんと有香も戻ってきたし、もう1回話してもらっていいか?」

晶葉「……まあ、構わんが。ギチトーでの会議で決まった内容としては、私たちの増援部隊と木星圏に駐在している防衛部隊とで大きく2手に分かれて行動することになった」

晶葉「まず地上から上がってきた私たちと火星圏の防衛部隊の一部を含めた増援部隊だ。艦隊を3分の2はハマヨコがあるチューブ区画には向かわず直接シマトクへ向かう」

晶葉「残りの部隊は木星圏の防衛部隊と共にハマヨコの奪還任務にあたる。ただし、木星圏側の防衛部隊の数は殆ど無いと思っていい」

P「それはどうしてだ?」

晶葉「まずシマトクをチューブ区画に落とす連合の作戦については、NEX-US側で情報を遮断して一般公開されていない。ここで公開してしまうと木星圏コロニー群全体が混乱してしまうだろう」

泉「シマトクの軌道についてはスクリーンに出すわ。現状だと私たちが木星圏に到着する頃には……シマトクがチューブ区画に到達するまで後28時間ってところね」カタカタカタッ!

アーニャ「到着してから1日の猶予……ですが、1日しかないとも、取れますね」




369以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:35:54.43TOOwgp6+0 (6/21)

晶葉「ああ。なので、まずハマヨコ以外の各コロニーに駐在している防衛部隊は民間人をブロックシェルターに避難させる」

晶葉「避難理由についてはオカシズの戦闘規模が拡大していき、他コロニーに被害が出てきているから、とでもしておけばいい」

楓「各コロニーでブロックシェルターをほぼ全基使用する予定です。避難先は共和国の中継監視コロニーになりますけど、シェルターの射出タイミングはギリギリまで待ちますね」

麗奈「チューブ区画の共和国コロニーだけでも17あるわ。そこに住んでいた民間人を全て受け入れられるコロニーなんてあるわけが無いし、こればかりは仕方がないわ」

奈緒「ブロックシェルターを射出しての避難は最悪の事態のときだけってことか……」

晶葉「ハマヨコ奪還については内部に駐在している部隊が、掌握された管理センター、港、基地を奪還してから宙域の部隊で外周の連邦部隊を殲滅する」

晶葉「ハマヨコの住民については連邦からの奪還後、迅速に避難させる。こちらに関しては避難までの猶予時間は少ないだろうから、時間との勝負でもある」

みく「みくたちは何処に行くの? ハマヨコ?」

楓「ニューウェーブはシマトクの破砕作業に割り当てられています。中野中尉、星少尉とアーニャちゃんは特殊任務に従事していたと聞きましたけど、OMDXの戦力は破砕作業に割り当てたほうが良いと判断されました」

有香「妥当かと思います。みくちゃん、周辺コロニーのナシヤマのことは気になるとは思いますけど……」

みく「ううん、そもそもシマトクが落とされたらナシヤマだって……どっちにしてもコロニーぶっ壊すところからやるしかないにゃ」

美優「では、木星圏……シマトク軌道ルート上に到着した後の部隊展開を説明します。スクリーンに……マップを表示しましたので、こちらを確認してください」

P(そうだ……ここで何とかしなければ、俺もみくも、帰る家を失くしてしまう……何としても……!)

麗奈(ちひろ、ここまで来てアンタが何もしないわけがないわよね。アタシが何とかしてやりたい気もするけど……)チラッ

奈緒(麗奈……)

麗奈(この仕事までは、レイナサマがやることじゃないのかもしれないわね。まあ、出来る範囲でやるケド)

……
…………




370以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:38:43.03TOOwgp6+0 (7/21)

――ニューウェーブ(通路)

パシュンッ!

楓「それじゃあ私たちはブリッジに戻っていますね。出航準備もしませんと」

晶葉「私は格納庫に戻るよ。OMDXの調整もしておかんとな」

アーニャ「私たちは、どうしてましょうか?」

有香「シミュレーターでも回していましょう。実際の破砕作業は専用の部隊や戦艦が実施するとしても、露払いをするのはあたしたちの役目です」

有香「防衛戦を十分に行えるように、フォーメーションの確認もしておいて損はありません」

みく「それじゃみくたちも格納庫いこ。Pチャンも輝子チャンも行こいこっ」

P「ああ、分かった」

麗奈「それじゃ暇潰しにレイナサマが一緒にシミュレーター回してあげるわ。有難く思いなさい」

みく「ゲェッ……」

麗奈「ゲェッて何よ、ゲェッて」





371以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:39:11.64TOOwgp6+0 (8/21)

P「まったく……」

輝子「な、なあ……」

P「ん?」

輝子「ち、中尉のこと……あ、ありがとうな、プロデューサー……」

P「なんだよ。有香は俺のアイドルだし、何かあったらフォローするのは当然だろ。輝子だって一緒だ」

輝子「そ、そうか……私たちのこと、聞いたか……?」

P「まあ、それとない話は……だけど、そんなに聞きはしなかった」

輝子「あ、そうだったのか」

P「確かに、皆に昔何があったのか知っておくのも悪くはないとは思う。だけど、無理に聞こうとは思わないし、俺にとっては今どうしたいかっていうのが重要だからさ」

P「だから、今でも皆が俺のところでアイドルをやってくれているのは嬉しい。俺にとって、今はそれだけでいいんだ」

輝子「う、うん……そう、か……そっか……」

P「ほら、俺たちも行こう。やれることはやっておかないとな」




372以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:39:50.01TOOwgp6+0 (9/21)

奈緒「……」

ピピピッ!

加蓮『奈緒? どうしたの?』

奈緒「いや……」

加蓮『混ざりに行けばいいのに。同じアイドルなんだから』

奈緒「……同じアイドルか。そうだな……だけど」

加蓮『だけど?』

奈緒「今は……やらなきゃならないことがある。終わらせて帰らなきゃならない。本当にアイドルをやるなら、それからなのかもしれない」

加蓮『……そっか』


……
…………




373以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:40:23.85TOOwgp6+0 (10/21)

――木星圏宙域、木星圏宙域コロニー『オカシズ』周辺宙域(戦闘区域)

ピピピッ!

ちひろ「はい」ピッ!

『千川少佐、ディーレの挙動は問題ありませんか?』

ちひろ「十分です。少し連邦を突いたら戻りますので」ピッ!

ピピッ!

ちひろ「オカシズの防衛ラインが下がってきている……共和国は動いているでしょうけど、連邦にはなるべく長い時間、チューブ区画で暴れてもらわないと……」ピピピピピッ!

ちひろ「1基あたり最大ロック数8機の無線誘導砲塔……さあ、NEX-USから拾上げたデータがどの程度なのか……ガンダルヴ!」ガションッ!

ドシュシュシュシュッ!!

『レーダーに反応!? 敵の増援部隊――』

『がっ――』

ドガガガガァンッ!!!!

ちひろ「砲塔の制御が……友軍を巻き込むわけにはいかない……!」ピピピッ!

『そこの所属不明機! 識別コードが無いがどこの部隊の者だ!』

ちひろ「ホクドウ本部から来た千川少佐です。場面としては邪魔になるかもしれませんが、新型を慣らしに来ました」

『千川少佐……オペレーションβのところか……!』

ちひろ「あら、βの件を知っているのであれば話は早いです。間もなくシマトクに向かっている部隊も撤収します。オカシズの防衛も大変だとは思いますけど、戦闘区域の拡大も忘れずにお願いします」

『わかっている。部隊を誘導して第6区まで戦闘区域を広げているところだ』

ちひろ「了解です。それでは私ももう少し遊んでから引き揚げますので」ピッ!

ガションッ!!

ちひろ「横浜で戦闘をしたあの機体……アレもこちらに来るのであれば、この程度は使いこなしておかないと……!」ギュンッ!!

……
…………




374以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:41:27.15TOOwgp6+0 (11/21)

――木星圏宙域、ニューウェーブ(ブリッジ)

楓「艦隊、進行停止しました。連合、及び連邦によるステルス部隊も確認されません」カタカタカタカタッ!!

美優「ハマヨコに向かうマーハ艦隊、移動開始するみたいです。こちらも第一艦隊から順次移動を開始します」ピッ、ピッ、ピッ!

泉「私たちは第二艦隊と併せて動きます。加蓮、シマトクの軌道ルートを出して」

加蓮『はいはいっと』ピピッ!

楓「想定通りのルートで進行していますね。こちらは観測班から転送されたデータを見れていますけど、連邦は気付いているんでしょうか?」

泉「相手も馬鹿じゃないし、いい加減気付いているでしょう。オカシズ付近の戦闘もチューブ区画の7割にまで広がっているし、連邦側も何かしら対処をすると思うけれど……」

ピピピッ!

加蓮『シマトクの周辺に反応あるよ。連合のケーレス艦隊』

泉「ここから約14時間程度の移動でシマトクの軌道ルートに乗る……戦闘はそれからね」カタカタカタッ!

ピピピッ!

泉「整備長」

整備長『ん、どうしたよ』

泉「みんな、まだシミュレーター回している?」

整備長『ああ、Pも一緒に麗奈に揉まれてるよ』

泉「これから14時間後、戦闘になる可能性があるわ。訓練もいいけど、そろそろパイロットたちには一度休んでもらわないと」

整備長『もうそんなタイミングか……分かった。今やってるのが終わったら機材も片付けちまうよ』

泉「ええ、お願い」ピッ!

美優「木星圏に着くまでも長かったですけど、ここまで戦闘にならなくてよかったです……連合も、木星圏周りで他に手が回らなかったのでしょうか……」

泉「いえ、恐らくは以前麗奈が話してくれた通り、シマトクを落とすことに成功したら次は火星圏なり月軌道なりの廃棄コロニーで同じことをするでしょうね。私たちに勘付かれないように、素通りさせたんでしょう」

楓「赤信号、みんなで渡れば怖くない……なんて、1人が危ないことしたら、みんなも平気になってやっちゃいますからね」

泉「コロニーを落とすなんて、平気でやってほしくはないんだけど……私たちも、艦制御をオートメーション機能に任せて交代で休みましょう」

……
…………




375以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:42:02.12TOOwgp6+0 (12/21)

――ニューウェーブ(食堂)

みく「っはー! 食べた食べた!」

アーニャ「ふふっ、みく、口の周りが汚れてます」

みく「んにゃにゃ……」

奈緒「一休みしたら戦闘だ。今のうちにしっかり食べておかないとな」

P「あんまり食いすぎて腹壊すなよ」

みく「成長期だから大丈夫にゃ……そうだ、ずっと気になってたんだけど」

有香「どうしましたか?」

みく「今回の戦闘って……その、なんだろ、みくも今まで戦ってきたけど、どうなるんだろうって」

有香「……シマトクの破砕作業が最優先ですが、こちらの動きも向こうは分かっています。シマトクの防衛部隊も配備されています」

輝子「お、落とす物に守るってのも、変な気もするけどな……」

アーニャ「確かに、アーニャたちも戦っていました。ですが……それは、自国の紛争鎮圧や、テロの対応ばかりでした」

有香「あたしたちが従軍した頃には、戦闘自体は一度無くなっていますからね。正直、横浜の戦闘も今までの中だとかなりの規模でしたが、今回の宙域戦闘はそれとは比べ物になりません」

奈緒「事実上の開戦の切欠になったアラスカの戦闘はあたしたちは知らないし、そういった意味だと今回の戦闘が初めての大規模戦になる。自由に立ち回るのも難しくなるし、気を引き締めないとな」

みく「うええええ……聞かなきゃよかった」



376以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:42:32.00TOOwgp6+0 (13/21)


輝子「ま……心構えは、しておかないとな……」

アーニャ「奈緒は、落ち着いていますね」

有香「私たちと比較して、奈緒さんの戦闘技術は凄まじいものがあります。麗奈さんと勝るとも劣らないくらい……直接的な戦闘もかなり経験しているんですか?」

奈緒「いや麗奈みたいな化け物と比べられるのは……そう、だな」

奈緒「……」

奈緒「……ああ、戦闘ならたくさんした。もう戦わなくてもいいんじゃないかって思ったことも、ある」

奈緒「だけど、あたしが戦わないとって思うことも、同じくらいあった。それ以上かもしれない。それに……」

奈緒「守れたものがあるなら、あたしにとって戦うことに意味があるなら、やるしかないんだって……だから、戦っている」

P「……そうか」

奈緒「まあ戦う必要が無いならそれが一番なんだけど、そうも言ってられないからな」

ピピッ!

奈緒「ん……もうご飯食べて結構時間も経ったか。それじゃあみんな、いったん解散して休んでおこうか」

……
…………




377以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:43:31.54TOOwgp6+0 (14/21)

――ニューウェーブ(Pの部屋)

P「……」ピッ、ピッ、ピッ

ピピッ

P「よし、I@LPの申請も済ませたし……」

ピピピッ!

P「ん、はい」

みく『Pチャン、まだ起きてた?』

P「みくか。ちょっと作業していたけど、どうした?」

みく『今入ってもいい?』

P「ああ」

パシュンッ!

みく「……」

P「どうした、寝れないのか?」

みく「……」

P「ん?」

みく「……な、何かないの! こう、みくに声掛けるとか」

P「え……あっ、いやお前……さすがに戦闘前だぞ……余計疲れることしてどうすんだ」

みく「ばっ……な、なに言ってんにゃ!! エッチなことしか頭の中にないとか!!」

P「えええ……誘導したのはそっちだろ……じゃあ、なんだよ」

みく「な、何って……その……」

P「まあ、別にいいんだけどさ。寝れないなら、一緒に寝ようか」

みく「……うん」

……
…………



378以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:45:08.38TOOwgp6+0 (15/21)

P「……」

みく「……ねえ、Pチャン。もう寝ちゃった?」

P「……なんだ」

みく「みくが来るまで、何してたの?」

P「I@LPに申請出してた」

みく「それって、みくたちのお仕事?」

P「ああ。みくも、アーニャも、有香も、輝子も、奈緒も……5人でやる仕事だ。丁度、リストに上がってたんだ」

みく「お仕事の日、いつ?」

P「再来週頃……だったかな。収録の仕事だから、時期はもう少し調整できるみたいだけど」

みく「そっか……」

P「5人でって条件だったから、1人でも欠席だと仕事はキャンセルだからな」

みく「……それじゃあ、みんなでちゃんとお仕事しないとね」

P「ああ、1人でも欠けたらダメだ」

みく「Pチャン、みく……絶対にPチャンと一緒に帰るから」

P「約束、したからな」

みく「うん。だけどね、その約束にちょっとだけ足して……みんなで帰りたい」

みく「みんなで帰って、ちゃんとアイドルやるんだ。今度は……ちゃんとユニットでやりたいな……」

P「帰ったら色々やろう。俺も、もっとみんなと色んな事をしたい。みくとも……」

みく「Pチャン……」ギュッ

P「……」

みく「……」

……
…………




379以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:46:50.38TOOwgp6+0 (16/21)

――木星圏宙域、シマトク軌道ルート上、ニューウェーブ(ブリッジ)

ピピピピッ!

美優「防衛艦隊……配置に着きました」

楓「シマトク軌道ルート上の連合艦隊、距離7200です。こちらもOMDAが順次出撃しています。第一艦隊、及び第三艦隊の破砕作業班については状況を見て出撃するみたいです」

加蓮『戦闘状況については私のほうでも収集解析するから、必要なデータがあったらこっちに渡して』

楓「あら、NEX-USがあると便利ですね。それじゃお願いしようかしら」

泉「ニューウェーブは戦闘開始後、第二艦隊の左翼に位置取ります。OMDX、ヒューリーを出撃させます」

ピピピッ!

P『出撃か』

みく『任せるにゃ!』

泉「ええ、みんなお願いします。シマトク……コロニーも、やっぱりここまで近くで見ると大きく見えるわ。いつも見ているコロニーの大きさのはずだけど」

アーニャ『アー……壊す、ことなんて考えたこともありませんでしたから』

輝子『さ、最後に……花くらいは、添えたほうがよかった、か?』

有香『……いえ、この先の為に、ここでシマトクを落とさせてはいけません。今のあたしたちに出来る手向けは、未来に進むことです』

奈緒『ここで落とさせたら戦争は止まらなくなる……まずは、最初の1歩だ』

晶葉「よし、お前ら気を付けて行けよ。NEX-USのバックアップがある、存分に使え」

麗奈『ま、せいぜい死なないことね』

……
…………




380以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:47:19.25TOOwgp6+0 (17/21)

――シマトク軌道ルート上、ケーレス(ブリッジ)

ちひろ「共和国も数を用意してきましたね……」

「チューブ区画からこちらに向かってくる連邦艦隊もあります。オカシズ、ハマヨコでの戦闘は継続していますが、こちらに来る連邦艦隊の数も結構な物ですよ」

ちひろ「2対1の状況になるとこちらが不利です。共和国にはこれ以上手を出したくはありませんでしたが、止むを得ませんね」

「ラプター部隊、順次出撃しています。各ケーレス艦、艦隊戦闘の準備を開始しています」

「D13ポイント、シマトク軌道ルート再計算されます。目標ルートポイント更新」

ちひろ「チューブ区画まで後27時間……ここでシマトクを破砕されたら破片すらコロニーに届かないですね。こちらの艦もラプター部隊を出撃させてください。後はディーレの準備を」

「少佐も出撃されますか?」

ちひろ「厄介なのも来ているでしょうし、こういう時の為の機体です。艦は任せましたよ」

「了解です」

「共和国の防衛艦隊よりOMDAが出撃されています。識別コード不明の機体も確認できます」

ちひろ「スクリーンに出してください」

ピピッ!

ちひろ「あれは……日本で戦闘した機体と、形状が変わっているけれどイーリアスとフラガラッハ……? ということは、βで捨てた部隊の誰かか……」

パシュンッ!

ちひろ「まあいいでしょう。では、私も出撃します」


……
…………




381以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:48:52.85TOOwgp6+0 (18/21)

――ニューウェーブ(カタパルト)

奈緒『各機、出撃後は艦隊の進行ルート確保が優先だ。初動を見て、手薄な方面から切り込んでいくぞ』

有香『了解です。麗奈さんはどうされますか?』

麗奈『アタシ? 遊んでるからアンタたちは勝手にやっておいて』

輝子『い、いいのかそれで……』

奈緒『別に麗奈だし……アーニャとPさんは必要なタイミングがあったらドッキングしてくれ。判断は任せるから』

P「わかった。それまでは支援に回る」

アーニャ『プロデューサー、気を付けてくださいね』

みく『みんなで固まって動くから大丈夫大丈夫。Pチャン1人だけ航空機だし無理しないでね』

P「上手くやるさ……っと皆、一応言っておくぞ」

奈緒『ん?』

アーニャ『はい……?』

P「I@LPに申請しておいた。次の仕事、入れておいたから終わったら頼むぞ」



382以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:49:45.47TOOwgp6+0 (19/21)


輝子『そ、そうか……それじゃ、頑張らないとな』

有香『はい、元より墜ちるつもりはありませんしね』

アーニャ『またみんなでお仕事、楽しみです』

みく『……うん、みくたち、本職はアイドルなんだからね』

ピピピッ!

楓『ハッチ開放しました。各機、出撃してください』


有香『はい、OMDCF-212ASXイーリアスⅡ、中野有香が出撃します!』

輝子『OMDX-22AE-Tアンサラー、行くぜええええ!!』

アーニャ『OMDX-02ASクラウソラス、行きます!』

みく『前川みく、OMDX-152CXワイルドキャット、行くよ!』

P「HCU-01Pヒューリー、出撃する!」




383以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:51:09.23TOOwgp6+0 (20/21)


麗奈『さーて、アタシたちも行きますか。ほら奈緒、さっさと行くわよ』

奈緒『分かってる。今準備している』カタカタカタッ!

ピピピッ!

加蓮『奈緒……』

奈緒『加蓮、どうした?』

加蓮『……』

奈緒『あたしは大丈夫だ。加蓮は……みんなのこと、頼む』

加蓮『うん』

奈緒『よし、それじゃああたしも行くか。起動チェック、システム疎通完了』ピッ、ピッ、ピッ!

ピピッ!

『N-eo』
『G-eneration.Exchange.Origin』
『F-rontier』

奈緒『セカンドドライバーだ。ジーオーフロンティア、出撃する!』


……
…………




384以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:55:40.27TOOwgp6+0 (21/21)

次回は7/21(日)か7/29(月)予定です。


385以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/15(月) 22:59:23.47yI+GLc4b0 (1/1)




386以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:34:49.92hg6q+sai0 (1/32)

――戦闘宙域

ピピピッ!

奈緒「各機、あたしたちの小隊コードはNX-01だ。初動はOMDA部隊が先行するから、あたしたちはフォーメーションを維持して支援から入る」

有香『了解です。奥にラプターワイルドの部隊が確認できます。砲撃支援部隊のはずです』

ピピピピッ!

輝子『砲撃来るぞ……』

ズドォォォォンッ!!

アーニャ『こちらのOMDA部隊が動いた……戦闘、開始ですね』

P『戦闘のラプター部隊が接近している。奈緒、先行して数を減らそう』

奈緒「あたしとPさんが先行する。4人はフォーメーションを組んで迎撃だ!』ガションッ!

ギュオオオオオッ!!

麗奈『アンタたち、レイナサマも付いてってあげるからしっかりやんなさいよ!』ギュンッ!!

P『追いつくほうの身にもなってくれ……やってやるよ!』

奈緒「ネオジオの加速も十分だ、これなら……航空機に変形、行くぞ!」


連合兵『共和国の連中が! 邪魔はさせんぞ!!』


有香『衝突する……各機、フォーメーションを維持して迎撃! クラウソラス、あたしと前に!』

アーニャ『はい! みく、ショーコ!』




387以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:35:19.64hg6q+sai0 (2/32)

みく『18連装マイクロミサイルと、ビームキャノン、行くよ!』

輝子『マッシュルームスペシャルくれてやるぜえええええ!!!!』ズドドドドドドッ!!

ドガガガガガァンッ!!

有香『Pさんと奈緒さんだけに負担はさせません、あたしも……やああっ!!』

アーニャ『前のラプター部隊、散開……有香、左は任せます……!!』ガションッ!!

ズドォンッ!!

連合兵『がっ――』

ドガアアアアアアンッ!!

アーニャ『戦線を維持してもこちらが有利ですが、押し切るつもりで……!』ピピピピピッ!!

連合兵『死ねえ!!』ガションッ!

アーニャ『このっ!!』ギュンッ!

みく『あーにゃん!』ギュオオオオオッ!!

シュパアアアアンッ!!

連合兵『く――』バチバチバチッ!!

ドガアアアアアンッ!!

アーニャ『ありがとうございます、みく!』

みく『焦っても仕方ないにゃ、Pチャンたちが先行してくれている分、みくたちも焦らないで行こ!』

……
…………




388以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:36:19.51hg6q+sai0 (3/32)

――ニューウェーブ(ブリッジ)

加蓮『前線、MB-14部隊方面のラプター部隊が後退しているよ。ディーレ艦隊、前進するみたい』

泉「こちらも前進します。シールドを左舷に展開、ミサイル発射管の再装填を急いでください!」

美優「再装填準備進めています……シールド展開開始……艦速度上げます」カタカタカタッ!!

楓「この艦、泉ちゃんが指示出しているのも凄いですよね。戦術指導官も一緒に来ればよかったのに」

加蓮『ああそれ、私が泉のコンソールからプラン提示してるから大丈夫だよ。宙域解析してからの提示だから少し遅れてるけど』

泉「私だって素人だもの……ホント、何でこんなこと引き受けちゃったのかしら……」

ピピピッ!

奈緒『泉、こっちの前線部隊も押し込んできている。あたしたちも前進するぞ』

泉「了解。みんなの位置は……あれ、麗奈は?」

P『あっちのほうが面白そうって言ってMB-06部隊のほうに飛んでった』

泉「あ、そう……」

ピピピッ!

晶葉『麗奈は好きにやらせておけ。前線を押し込んでシマトクまでのルートを確保するのが最優先だ。加蓮、皆には連合部隊の展開予測を随時転送してやってくれ』

加蓮『NEX-USの同期はみんなのタイミングに任せてるから、そっちは別でやっておくよ』

ピピピピピッ!

泉「もう一方で前線が上がった場所がある……MB-06から09の部隊……あとOMDX-FS……麗奈が向かった場所……!」

……
…………




389以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:36:58.37hg6q+sai0 (4/32)

――戦闘宙域

麗奈「ハッ、そこの部隊! ちんたらやってるんじゃないわよ!!」ガションッ!!

ギュオオオオオオッ!!

連合兵『なんだあの赤い機体は……ぐああああっ!!』ドガアアアアアンッ!!

『小関大尉! 持ち場はどうなされたので!』

麗奈「レイナサマは適当にやってていいのよ! アンタたちはもう少し真面目にやりなさい! 前線、上げるわよ!」

『了解!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

麗奈「反応……!? レイナサマ相手だけじゃない……アンタたち、避けな!!」ギュンッ!!

『何を……がっ――』

ドガガガガァァァンッ!!

麗奈「複数……いや、全方位攻撃……コイツは!!」ピッ、ピッ、ピッ!

ピピッ!!

麗奈「いた、あの機体……ふざけてんじゃないわよ!」ギュオオオオオオッ!!



ちひろ『押されている前線の支援に来たら……あの機体は!!』ガションッ!!

ギュオオオオオオッ!!!!

麗奈「ちひろ! アンタね!」ズドォンッ!!

ちひろ『横浜で遇った赤い機体!! ここで暴れられるわけには!!』ギュンッ!!

ガショショショションッ!!

麗奈「あの兵装は……!!」

……
…………




390以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:37:52.76hg6q+sai0 (5/32)

――戦闘宙域

奈緒『こっちで相手しているラプターの数を減らした! あたしとPさんもそっちまで後退する!』

有香『ルート空けます! 今のうちに戻って!』

P『みく、輝子!』

みく「ガッテンにゃ! 輝子チャン、フレーム同期するよ!」

輝子『頼むぜぇ……NEX-US接続……!』ドクンッ!

加蓮『ワイルドキャットとアンサラーのフレームストリーム同期開始……エネルギー共有準備出来たよ!』

輝子『ビームランチャー照準……い、行くぜえええええ……!』ピピピピッ!!

みく「射線データ転送するよ、みんな離れて!!」

連合兵『うおおおおおお!!』ギュオオオオオオッ!!

アーニャ『させません!』ギュンッ!

ドシュゥンッ!!

連合兵『ぎゃっ――』ドガアアアアアアアンッ!!

ピピピピッ!!

輝子『撃つぜ撃つぜ撃つぜええええええヒャッハアアアアアアアアッ!!!!』

ズドドドドドドドドドドドドッ!!!!

みく「照射……おしまい! レーダーは……!」

ピピピピピッ!

奈緒『射線上の敵は一掃出来た。連合の戦線の穴になったからここから進行するぞ!』

有香『周辺の前線部隊、及びディーレ艦、進行ルートを確保しました、こちらからお願いします!』

ピピピッ!

『了解した! そちらに合流する!』



391以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:38:46.52hg6q+sai0 (6/32)

有香『シマトクまでは距離3800……もう少し……!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P『レーダーに反応……なんだ!?』

アーニャ『ラプター部隊とOMDA部隊の反応が消えて……こちらに向かって来ています!』

奈緒『OMDX-FS……麗奈か! てことは……』

ピピピッ!

麗奈『アンタたち! 死にたくないなら離れなさい!』ギュンッ!!

P『麗奈か! 相手の機体が……あれは、ラプターじゃない……!?』

ちひろ『あれはβで対象だった機体たち……丁度いい、まとめて墜ちてもらいましょうか。ガンダルヴ!』ガショショショションッ!!

奈緒『あれは……まさか、みんな回避だ!!』

ドシュシュシュシュシュシュッ!!!!


※ステータス判定が入ります。

判定値:50

・前川みく
操縦技術:99→回避

・アナスタシア
操縦技術:77→回避

・中野有香
操縦技術:91→回避

・星輝子
操縦技術:87→回避


P『なんだ!?』ギュンッ!!

みく「にゃっ!?」ギュンッ!!

有香『あの兵装は!?』ギュンッ!

輝子『し、新兵器か……!?』

アーニャ『全方位からの砲撃……くっ! 連合、まだこんな戦闘機を……!』

加蓮『あれは……もしかして!』

ピピピッ!

晶葉『無線誘導砲塔だと!? 連合側もまだ戦闘機に搭載するほどの実用化された技術があるはずが……!』

麗奈『なんでもいいわよ! パクられたんならそれはそれでぶっ潰せばいいだけよ!』ギュンッ!!



392以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:39:24.63hg6q+sai0 (7/32)

奈緒『加蓮、みんなをNEX-USに! そのまま戦闘に巻き込まれたらマズイ!!』

ピピピッ!

ちひろ『OMDX……ここで私が全機まとめて……!!』

有香『千川少佐!?』

ちひろ『生き延びてるとは思いませんでしたよ! あそこで靴の情報を知っている部隊も潰しておくはずだったので!』

輝子『分かっちゃいたけど、私たちは捨て駒かよ……ナメんじゃねえええええ!』ボシュシュシュシュッ!!

ちひろ『そんなミサイル!』ドシュシュシュッ!

ドガガガガガァンッ!!

アーニャ『貴方が、有香と輝子を!!』ギュオオオオッ!!

ガキィィィィンッ!!

ちひろ『おや、自軍の作戦としても想定内だったので特に問題は無いんですけど……連邦のほうとも、それで手打ちしていましたので』

アーニャ『っ!? 貴方が、マナミたちを……!!』

ちひろ『ふんっ!!』ブォンッ!!

アーニャ『ぐっ……』

ちひろ『仲介役の共和国が靴のデータを秘匿して、今さらこちらに言うことなんて!!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!!

みく『ビームクローのリフレクターフィールド……! あーにゃん!』カタカタカタッ!

バシュゥゥゥンッ!!

アーニャ『みく!』

P『お前が皆にナシヤマを襲わせた張本人か!!』ギュオオオオオオッ!!

奈緒『例えちひろさんでも、ここであたしたちの邪魔をするなら……!!』ガションッ!!

ちひろ『航空機……いや、1機は違う……!?』ギュンッ!!

P『連邦と連合を戦争へ誘導したのはお前か!』ズドォォォンッ!!

ちひろ『知りませんよ! 偉い人たちが決めたことです、靴は切っ掛けに過ぎなかったんですから!』ドシュゥンッ!!




393以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:39:58.25hg6q+sai0 (8/32)

麗奈『他所から拾ったもんが何だっていうのよ! これだからバカしかいないのよこの世界は!』ドガガガガガッ!!

ちひろ『ちっ、この赤い機体……!!』ピピピピッ!

『千川少佐! 共和国の部隊がこちらの前線を抜けて来ています!』

ちひろ『チッ……ワイルド隊を一部フォローに回して! こっちは抑える……!!』ドシュシュシュシュッ!!

奈緒『マズイ、チャンスなのにこのままだと進行を止められる……!!』

P『5人は先に行け! シマトクへ近付くには輝子のアンサラーの突破力が必要だ!』

有香『ですがプロデューサー! 千川少佐の相手は……!』

P『最優先はシマトクの破砕だ! 麗奈、奈緒も5人に付いてやってくれ!』

麗奈『奈緒、行くわよ!!』

奈緒『麗奈!? でもPさんだけじゃあ!!』

麗奈『バカ言ってんじゃないわよ! そこのバカも言ったでしょ、今のアタシたちがやらなきゃならないことはシマトクの破砕で、ここで手抜いて進行中に破砕部隊を潰されるわけにはいかないでしょ!』

アーニャ『プロデューサー! それならアーニャが――』

みく『みくが残るにゃ! みんなは先に行って!』




394以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:40:40.98hg6q+sai0 (9/32)


輝子『みく……!』

みく『アンサラーとのエネルギー共有はみくの機体じゃなくてもいいし、Pチャンを1人にはしたくないから!!』ボシュシュシュッ!!

ドガガガガガァンッ!!

ちひろ『分散する気か……させるわけには……!』ドガァンッ!!

奈緒『みく!』

麗奈『行くわよ奈緒! アタシたちが出しゃばってどうするの!』

奈緒『……くっ、Pさん、みく……任せたぞ!』ガションッ!

アーニャ『必ず戻ります!』ギュンッ!

ちひろ『先行される……逃がすか……!』

P『お前の相手は俺だ!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

ちひろ『航空機ごときに……ガンダルヴ!』ドシュシュシュシュッ!!

P『当たるかよおおおおおお!!』ヒュカカカッ!!

ちひろ『避けられた……!?』

みく「にゃああああああ!!』ギュオオオオオオッ!!

ガキィィィィィンッ!!

ちひろ『くうっ!? この機体は……!!』

みく『お前がファクトリー襲った黒幕なら、絶対に許さないから! 絶対……絶対に!!』ググググッ……!

……
…………




395以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:42:28.07hg6q+sai0 (10/32)

――ニューウェーブ(ブリッジ)

楓「ワイルドキャット、ヒューリー、識別コード不明機と交戦しています。他のみんなは先行部隊と共にシマトクへのルートを進行しています」カタカタカタッ!

泉「私たちも進行したら2人のバックアップが……ニューウェーブは下がって2機を……」

楓「ダメです。ここでニューウェーブが下がったら戦艦によるシマトクへの砲撃数が足りなくなります。破砕機でシマトクを砕いた後の破片の処理もあります」

泉「もう……みく、P、無理しないで! 危なくなる前に後方の待機部隊まで下がって!」

ピピピッ!

みく『大丈夫! コイツだけは許さないんだから!』

P『俺たちだけじゃなくても、今回の戦争の原因の一端がコイツなら……!』

美優「無理は、しないでください……」

P『大丈夫です。死ぬわけにはいきませんから……!』

みく『デレデレすんにゃ!』

P『してないっての!』

ピピピッ!

奈緒『泉、ディーレの破砕部隊が準備をし始めたら連絡をくれ。少し強引にでも前線のラプター部隊の対処をして道を作る!』

泉「楓さん、破砕部隊の準備は!」

楓「ちょっと待ってください……進行中の第一艦隊が準備を始めています。第三艦隊の破砕部隊は別ルートから向かっているみたいですが、このまま進行できればこちらのほうが早いですね」カタカタカタッ!

奈緒『なら今のうちに道を作る……!』

泉「気を付けて、ラプターの防衛部隊も艦隊から順次投入されているわ」

奈緒『ああ、任せろ!』

……
…………




396以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:43:40.72hg6q+sai0 (11/32)

――戦闘宙域

アーニャ『ケーレス艦隊が見えてきました……ここが、防衛ラインのようです』

麗奈『奈緒、行くわよ! ラプターを追加されちゃ溜まったものじゃないわ!』

奈緒『戦艦を直接叩くしかない……3人はアンサラーのビームランチャーを!』ギュンッ!!

有香『了解です! あたしたちもNEX-USに接続を……!』ドクンッ!

アーニャ『有香、準備まではアーニャが前に……アンサラーへのエネルギー共有をお願いします』ギュンッ!

輝子『よ、よし、次行くぜ……』ガションッ!

有香『フレーム同期、加蓮さんお願いします!』

加蓮『イーリアスとアンサラーのフレームストリーム同期開始……エネルギー共有……』


麗奈『遅い遅い!!』ギュオオオオオオッ!!

奈緒『ネオジオ……このまま行くぞ!』ガションッ!

連合兵『先行してくる2機がいるぞ! 撃ち落せ!!』

ズドォンッ! ズドォンッ!!

奈緒『当たるか! 高出力ビーム砲照準……!!』

麗奈『ケーレス艦3隻は墜とすわよ、奈緒!』

奈緒『うおおおおおおっ!!』ズドォォォォンッ!!!

ドガガガガガァンッ!!!!

連合兵『ケーレス艦沈黙! 防衛ラインに共和国のOMDAが来ています!!』

奈緒『輝子!』

加蓮『準備完了! いいよ!』

輝子『ビームランチャー照準……ヒャッハアアアアアアアアア!』ズドドドドドドドドドッ!!!!

ドガガガガガガァンッ!!

ピピッ!

アーニャ『OMDAも入ってルート確保……ブリッジ、シマトクへのルートを確保しました。破砕作業を実施する部隊の投入を!』

楓『わかりました。みなさんはルートの確保を継続してお願いします』

麗奈『ちひろのほうも気になるけど……さすがに今はこっちが優先ね』ピピッ!

アーニャ『プロデューサー……みく……!』

……
…………




397以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:44:51.33hg6q+sai0 (12/32)

――戦闘宙域

ちひろ『防衛ラインが……!』

みく『悪いことする奴は痛い目見るにゃ! このっ、アンカー!!』ビシュシュシュッ!

ちひろ『こんなものっ!』ブォンッ!

みく『うげっ、アンカー全部切られた……ええいっ!』ボシュシュシュッ!

ちひろ『ミサイルで止められるわけないでしょう!』ドシュシュシュッ!!

ドガガガガガァンッ!!

みく『あ、あの浮いてるビーム砲反則すぎる……』

P「みく! 無理はするな!」ギュオオオオッ!!

ちひろ『航空機がちょこまかと!!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!!

P「ぐっ!?」ドガァンッ!!

みく『Pチャン!』

P「防御用に増設したサイドバインダーが潰された……! エネルギーを食うからシールドユニットは使いたくないが……!」カタカタカタッ!

ちひろ『フンッ、ナシヤマにいたならそこにずっといれば良かったのに!』

みく『他人事みたいに言って! みくだってNEX-USでいつもどおりアイドルやっていたかったんだから!!』ギュンッ!

ちひろ『アイドル……? アイドルが戦場に出るとは面白いですね!』

みく『出たくて出たわけじゃないから! みんな……みんな表だと色んなことを考えて、本当は、NEX-USの中みたいに楽しいことだけやっていたいのに!』

ちひろ『そんな現実逃避……こんな世界だからNEX-USがあるんですよ!』ズドォォォンッ!!

みく『にゃっ!?』ドガァァンッ!

P「みく!」



398以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:45:26.25hg6q+sai0 (13/32)

みく『そうだよ……あーにゃんも、有香チャンも、輝子チャンも、奈緒チャンも、みんな戦ってた……アイドルなのに……』ギュッ……

みく『……だけど!』ガションッ!

ドシュゥンッ!

ちひろ『チッ!?』ドガァンッ!

みく『みんなアイドルは一生懸命で、だけど表がこんな世界だから、戦わなきゃならなくて……お前みたいなのがいるから!』

ピピピッ!

加蓮『みく!』

みく『加蓮チャン!』


『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』

『Connect』

みく『これって……!!』ドクンッ!


『索敵データ共有、拡散粒子ミサイル、フローティの発射準備、ガンダルヴ・ミニオンを射出……!』

『ガンダルヴ、予備機のガンダルヴ・ミニオンも射出、高圧縮粒子砲リンドヴルム照準! ―――――、高機動形態に移行しますよ!』


みく『この記憶……あの機体が使ってる武器の……!』ガションッ!




399以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:46:53.07hg6q+sai0 (14/32)

ちひろ『墜ちろ! ガンダルヴ……!』ドシュシュシュッ!!


※ステータス判定が入ります。

判定値:70

・前川みく
操縦技術:99→回避



みく『やああああああっ!!』ヒュカカカカッ!!

ちひろ『避けた!?』

みく『このおおおおお!!』ブォンッ!

シュパアアアアンッ!!

ちひろ『ぐあっ……! 近づかれたところで……!』ブォンッ!

ドガアアアアアンッ!!

みく『ああああああっ!! み、右腕が……』ビビビビビッ! ビビビビビッ!

加蓮『いけない……NEX-USの記憶の共有にみくの体が追いついてない!』

P「みく!」ガションッ!

ドガガガガガッ!!

ちひろ『航空機……!』ピクッ!

P「うおおおおおおお!!」ズドォンッ!!

ちひろ『ちょこまかと!』ズドォンッ!!

P「っ!!」

ドガアアアアアアアアアアアアンッ!!

みく『P……Pチャン!!!!』

……
…………




400以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:47:46.82hg6q+sai0 (15/32)

――戦闘宙域、廃棄コロニー『シマトク』外壁

『破砕準備、完了しました!』

『コロニー内部への起爆装置の配置できました! 突入部隊もすべて退避しています!』

有香『破砕準備が完了した……! もう少しです!』

連合兵『やらせるかよおおおおお!!』ギュオオオオオオッ!!

輝子『うるせええええ!!』シュバババババッ!!

ドガガガガガァンッ!!

連合兵『ぐおおおお……こ、コイツを落とす為に……ここまで……!』バチッ、バチバチッ……!

有香『なぜみんなのお墓を落とすなんてことを! あたしたちは、もうこんなことにならないように……二度と同じことが起きないように願ったのに!』

連合兵『同じことが……起きない為にも……落と――』

ドガアアアアアアアアアンッ!!

輝子『……私だって、そう思ってた……けど、これは、ち、違う……から、きっと……』

ガションッ!

奈緒『輝子、ビームランチャーの準備は!』

輝子『あ、ああ……次の準備も出来てる』

アーニャ『露払いは終わりました、後は破砕だけです!』

麗奈『ブリッジ、退避指示は!』

ピピピッ!

泉『艦隊の砲撃準備が出来たわ! みんな離れて!!』

奈緒『後退だ! アンサラーとイーリアスは砲撃体制を維持だ!』




401以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:48:21.51hg6q+sai0 (16/32)


アーニャ『破砕の衝撃はアーニャと奈緒でシールドを展開します、2人は後退しつつ砲撃を!』

楓『起爆カウント、開始されています。3、2、1……』


ドガアアアアアアアアンッ!!!!!!


有香『シマトクが……』

輝子『みんな……ご、ゴメン、な……でも、私たちは……!』ガションッ!

アーニャ『破砕の衝撃が……くっ!』ビビビビビッ! ビビビビビッ!

麗奈『想定通りの砕けたわね……楓!』

楓『各艦、砲撃体制を取っています。破砕対象の大型の破片に照準……泉ちゃん、ニューウェーブも準備完了です』

泉『ディーレの砲撃と合わせて……撃て!!』

ズドドドドドドドドッ!!

奈緒『有香、輝子!』

有香『……輝子さん!』

輝子『い、行くぜええええええ!!!!』ピピピピピッ!

ズドドドドドドドドッ!!


麗奈『後は……アイツら……!』


……
…………




402以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:49:00.15hg6q+sai0 (17/32)

――戦闘宙域

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P『ぐっ、この・……!』ハァ、ハァ……

ドシュウウウウウンッ!!

ちひろ『こ、コイツ……! このっ!! 離れろ!!』ガコンッ!

ギシッ、ギシッ……

P『ビ、ビームブレイドでも……出して、みやがれ……腕までワイヤーで縛ってやったぞ……!』ハァ、ハァッ!

みく「Pチャン!!」

P『みく、撃て!』

みく「今撃ったらPチャンも一緒に……! イヤだよ! 出来ないよ!!」

加蓮『ヒューリーごと突っ込んでワイヤーで自分ごと……これじゃあヒューリーも離脱出来ない……!』

P『俺を信じろ、みく! 一緒に帰るって……約束しただろ!』バチッ、バチバチッ……

みく「っ!!」

ちひろ『は、離せ……コイツ、主翼も撃ち抜いたのに……死ぬ気!?』ギシッ、ギシッ……!

P『俺は死なない……お前みたいに皆を食い物にして戦争するようなヤツとは、気合が違うんだよ!』ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P『終わらせて一緒に帰るぞ、みく! 撃て!!』

加蓮『みく!』




403以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:49:28.69hg6q+sai0 (18/32)


みく「……Pチャン!!」ガションッ!

ドシュウウウウウウンッ!!



ちひろ『み――』

P『ああ、それで――』



ドガアアアアアアアアアンッ!!!!


――ピーッ!

みく「Pチャアアアアアン!!!!」


……
…………



404以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:49:59.95hg6q+sai0 (19/32)

――ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「後方で爆発……!」

ピーッ!

美優「これは……ヒューリーの反応が……」

楓「そんな……P、さん……」

パシュンッ!

晶葉「どうした、破砕作業に入ったから上がってきたが、何があった」

泉「みく……P、が……」

ピピッ、ピピッ……


……
…………




405以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:51:36.71hg6q+sai0 (20/32)

――Cast

前川みく   アナスタシア
中野有香   星輝子

……
…………


『シマトクの破砕確認、大型の破片もディーレ艦隊の主砲で順次破砕しています』

ガションッ!

輝子『……こっちも、打ち止めだ。機体負荷が……結構、キてるぜ……』ビーッ! ビーッ!

有香『ええ……後は、共和国に任せましょう』

ピピッ!

アーニャ『……後方から、連邦の艦隊が近付いてきています』

奈緒『シマトクの破砕で、連合の戦闘行動も停止している……後は、停戦信号が上がれば、ひとまずは終わり……か』

有香『……連合は、今後どうなるんでしょうか』

麗奈『廃棄コロニーをチューブ区画に落とそうとしたってだけで、国際問題としては最大限にヤバい話だけど……黙って開戦したのも連合だし、どうかしらね』

ピピッ! ピピッ!

輝子『……連合のケーレスから、停戦信号……上がったな』

有香『今後は、連合は辛い立場になるのでしょうか。それなら、過去のように国際連合に戻ってしまえば……』

ピピピッ!

泉『そう上手い話しになれば、お互いに苦労はしないわ』

楓『私たちじゃあ分かりようがないですからね。停戦条約、どうなるんでしょうね』




406以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:52:37.80hg6q+sai0 (21/32)

大石泉      持田亜里沙  木場真奈美
早坂美玲     池袋晶葉   高垣楓

……
…………


アーニャ『……みくは、プロデューサーは……!?』

美優『それが……ヒューリーの反応が……』

アーニャ『そんな……!』

有香『プロデューサー……!』

麗奈『……ちひろの感覚が消えた。アイツら、やったみたいね』

奈緒『Pさん……』

――ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ!

美優『……ワイルドキャットからの、信号?』

泉『映像を……これは……みくに、P……!』

輝子『お、おお……!』

有香『プロデューサー……!? プロデューサー、無事なんですか!』

楓『よかった……どうやら、そうみたいです。ワイルドキャットが拾ったみたいで……でも、ワイルドキャットも満足に動けないみたいですね』

アーニャ『アーニャ……迎えに行きます!』ガションッ!

輝子『……た、頼んだ……こっちも、機体負荷が酷くて、動けないぜ』

有香『アーニャさん、お願いします』

アーニャ『はい!』

ドシュウウウウウウンッ!!


奈緒『よかった……』

麗奈『アンタ、行かなくていいの?』

奈緒『そう、だな……あのプロデューサーには、待っている人がいるみたいだから、な』

麗奈『そうね……アイツとみく、ちひろ相手によくやったわ』

奈緒『ちひろさん……』

……
…………




407以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:53:21.55hg6q+sai0 (22/32)

三船美優     速水奏    城ケ崎美嘉
宮本フレデリカ  塩見周子   千川ちひろ

……
…………

P「う……ワイルドキャット……? 停戦信号が飛んでいる・……俺は、助かったのか……」

ガコンッ!

みく「Pチャン!」

P「みく……」

みく「バカ!! バカ、バカ……みくに、何させるの・……!」グスッ、グスッ……

P「悪かった……撃たせて」

みく「Pチャンのこと、撃ちたくなんてないのに……バカ、バカ……バカ……もう、こんなことさせないでよ……」

P「ああ、俺は馬鹿だったな……だけど、約束は守った」

みく「え……」

P「これで、一緒に帰れるな。一緒に……」

みく「……うん」

ピピピッ! ピピピッ!

加蓮『お2人さん、通信来てるよ。勝手に出ちゃうよ?』ピッ!

みく「も、もー! 加蓮チャン、今大事な――」

アーニャ『プロデューサー! みく!』

P「アーニャ……」

みく「あーにゃん……! そっちも大丈夫だった?」

アーニャ『はい、みんな無事です……みくも、プロデューサーも……よかった……』

みく「にゃふふ、みくとPチャンが一緒なら無敵にゃ。あーにゃんたちも……みんな、無事でよかった」

アーニャ『今迎えに行きます! 待っていてくださいね!』



408以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:54:53.89hg6q+sai0 (23/32)

神谷奈緒   小関麗奈


……
…………


みく「あーにゃんたちも……よかった」

P「……なあ、みく」

みく「なーに? どこか、痛いところあるの?」

P「いや……帰ったら、何をしようか」

みく「何って……もちろん、アイドルに決まってるでしょ?」

P「そうだな……たまった仕事も、消化しないとな……」

みく「……でもね、やりたいこと、まだあるから」

P「なんだ?」

みく「……みくね、ずーっとPチャンと……一緒に……いたいから。キャットじゃなくても、みくが、みくのままで、ずっと、ずーっと」ギュッ……

P「みく……ああ、俺も――」

……
…………
………………
……………………




409以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:55:34.02hg6q+sai0 (24/32)

【エピローグ】

――1年後、木星圏、ナシヤマ、オオイシファクトリー(ガレージ)

泉「もう……またみくは勝手にパラメータ弄って……ウイング交換するからそのままにしてって言ったのに……」カタカタカタッ!

パシュンッ!

有香「お疲れ様です。ガレージの定期点検に来ました」

泉「あら……そういえば今週はこの時間だったかしら。お疲れ様」

輝子「さ、作業するから……ちょっとそこらへん、モービルも、片付けておいてくれ……」

泉「ごめんなさい、いま片付けるから……今日は2人が担当なのね」

有香「今日はバーニアのテストで午前は終わりですし、この定期点検が終わればあたしたちも上がりですから」

輝子「楽でいいぜ……」

泉「……結構時間が余ってるなら、カレッジのほうに入ってもよかったのに。アーニャは入校したけど」

有香「兵に志願して任務に出てからは勉学から離れたので、それもいいかと思いましたけど……その、やっぱりご迷惑を掛けたこともありますし」

輝子「お、表の仕事も回してくれたし……それだけでも、十分だ……」

泉「まあ、2人はアイドルもあるし勤務数減らしているけど……カレッジ、入りたくなったら言っていいわよ。私とみくはもう少しで卒業しちゃうけど」

有香「ここでお仕事をさせてもらえると、機体周りにも触れますし、何かあればオート・クレールに繋いでもらって池袋博士とも連絡が取れますからね。カレッジのお話は……そうですね、もう少ししたら考えさせてもらいます」

泉「……そういえば今日、みくが仕事あるって言ってたわね。2人が早上がりなのはそれもあるの?」

輝子「そうそう……今日は、ナシヤマのランドマークポイントのリニューアルキャンペーンがあるからな……」

有香「アーニャさんとみくさんも、準備はしていると思いますけど……」

……
…………




410以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:58:24.67hg6q+sai0 (25/32)

――オオイシ工業カレッジ(通路)

亜里沙「あっ、アーニャちゃんアーニャちゃん、待って待って!」タタタタッ!

アーニャ「アリサ? アー、何かありましたか?」

亜里沙「ごめんねー、今日お昼にみくちゃんのトコ行くってお話、してたわよね? ファクトリーの入場マニュアル、更新されたから渡しておいてほしくて」

アーニャ「アップデート、されていましたね。分かりました、みくは渡しておきます」

ウサコ『生徒は今さら紙のマニュアル渡されて大変そうウサ! 職員はデータで良いから楽でいいウサ!』

亜里沙「次の授業の時にマニュアルは返してねって言っておいてね? あと……はいこれ」ピッ!

ピピッ!

アーニャ「端末にデータ転送……これは?」ピッ!

亜里沙「ほら、NEX-USで更新されたナシヤマのランドマークポイント、モールも併設されたけど入場規制で入れなかったでしょ? 入場パスようやく取れたから、ありさせんせいと一緒に行かない? 明後日の午後からだけど」

亜里沙「アーニャちゃん、この前ここの話してたから行きたいのかなーって思って」

アーニャ(今日のお仕事先……)

アーニャ「……はい、それじゃあ、行きたいです。アーニャと、アリサだけですか?」

亜里沙「あ、そうそう。6人用パス当たっちゃったからまだ誰か声掛けようかなぁって思ってたけど、アーニャちゃん一緒に行きたい子いる?」

アーニャ「6人……えっと、それじゃあ……」

……
…………




411以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:59:04.38hg6q+sai0 (26/32)

――ナシヤマ、Pの家

みく「起きろー!!!!」

P「……」

みく「ぉぉぉおおおきろー!!!!!!」

P「……ハッ!?」ビクッ!

みく「Pチャン! 後1時間で準備しないと仕事間に合わないよ! 今日はI@LPの手続きあるから役所からNEX-US繋げるって言ったのPチャンでしょ!」

P「……今、何時」

みく「もう14時にゃ! 16時から仕事だって昨日から散々言ってたのもPチャンでしょ!」

P「……だったら、夜はもう少し……早く寝かせてくれ。体痛い」

みく「あっ……ばっ、ば・……ね、ネコチャンは夜行性だから仕方ないの!! 明るいうちから何言わすにゃ!!」フシャーッ!!

P「お前は人間だよ……ふぁ……荷物用意してるし、シャワー浴びるからちょっと待っててくれ」モゾモゾ

みく「もー……着替え置いとくから早くしてよ」

P「誰のせいだと思ってるんだ誰の……」

……
…………




412以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 22:59:54.78hg6q+sai0 (27/32)

――地球、日本、横浜市、オート・クレール本社(開発室)

加蓮『データ更新……チェック完了。秘匿階層の一部データの破棄、おしまい』

晶葉「ようやく片付いたな。開発が遅れていたからとはいえ、NEX-USに溜め込んでいた分もようやく終わったか」

奈緒「悪いな。あたしが文句言って吸い上げたデータ、使わないままにして」

晶葉「ま、いいんだがな。現物を見て模倣したのも、こちらとしてはかなり良いデータが取れたし。というか、靴もそうだが外部技術の貯蔵なんて怖くてずっと抱えてられん。というか、抱えてたから連合にすっぱ抜かれたしな」

奈緒「靴持ったままでよく言うよ……そういえば、麗奈は?」

晶葉「新型乗り出しに行くと格納庫に行ったよ。お前用に作ったんだがな……」

奈緒「まあ、あたしより麗奈のほうが操縦上手いし」

加蓮『そういえば2人とも、吸い出しデータは破棄したけど現物はどうするの?』

奈緒「ん、そうだな……どうしようか」

晶葉「まだ使うだろう? さすがに今破棄したらお前が困るだろ」カタカタカタッ!

ピピッ!

奈緒「まあ、システムが直ればいいんだけどな……」

晶葉「いつか完成させてみせるさ。技術的にも進歩はしている。私に出来て、私に出来ないはずはない」カタッ……


『Next』
『Gleipnir』
『Format』
『3rd』
『Numbers』
『eXtension』


ピピッ!

加蓮『あ、時間だ。奈緒、そろそろ準備しなくていいの?』

奈緒「ん? あ、もうこんな時間か……悪い晶葉、ちょっと出て行くよ」

晶葉「仕事か?」

奈緒「ナシヤマのNEX-USで仕事。キャンペーンガールの仕事だけど、ステージもやるってさ」

晶葉「……楽しそうだな」

奈緒「そうか? そりゃあ、アイドルなんだし……戦ってるよりは楽しいさ。ナシヤマにいる皆とも会えるし」

晶葉「それもそうか。しっかりやってこいよ」

奈緒「ああ、行ってきます」

……
…………




413以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:01:23.61hg6q+sai0 (28/32)

――NEX-US(事務所ルーム)


「お、そろそろ時間か。それじゃお前たち、しっかりやってこいよ」


「はい、それでは行ってきます」


「ま……う、上手くやってくる……」


「今回はあたしたちも時間あって、結構リハやったろ? 練習通りやれば大丈夫だ」


「ダー、そうですね。いつも通り、みんなで頑張りましょう」


「やってやるにゃー! みんな、行こいこっ!」




414以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:02:16.59hg6q+sai0 (29/32)


「……よし、俺はとりあえずウインドウ開いてみんなの動きでもチェックして――」



「ねえ、Pチャン」


「ん、どうした? 何か忘れていたことでもあったか?」


「ううん、そうじゃないんだけど……」


「なんだ? ほら、みんなも待ってるぞ」


「……ちゃんと、見ててね。これからも……ずっと」


「ああ、ちゃんと見ているよ。ずっと、ずっと」


「……うん! それじゃあ、行ってくるにゃ!!」



……
…………
………………
……………………



415以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:04:25.13hg6q+sai0 (30/32)

【【安価】NEX-USの世界でアイドルたちが戦うようです】

                 完


                to be......


            ――――――――
              ――――
                ――



416以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:15:01.01hg6q+sai0 (31/32)

おしまい

今回は『みくルート』『死亡者0人』の結果でした。
ルート入りの判定”だけ”はクッソ早い段階で決まっていました。
安価に付き合ってくださった方々、ありがとうございました。

HTML化依頼出して終了


417以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:23:39.05oiFCSa3E0 (1/1)


いつか他ルートも見たい


418以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/07/17(水) 23:27:14.27hg6q+sai0 (32/32)

>>417
これ終わったから言うんですが今回クッソ面倒な作り方して自分でも物凄く後悔しながら組み立ててたんですよね
前までやってたのと違って、これは5周してようやく1本の話って作り方にしてしまったせいで