1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:49:53.302:UjS04WL6H.net (1/12)
執事「魔王様!魔王様!起きてください!
ヒロシのやつが攻めてまいりました」
魔王「ムムム…。またか、今日は有給取ってるからまた今度って伝えてくれ…」
執事「ふざけないでください。ヒロシはもうそこでセーブ中ですよ」
魔王「ああぁ…。しょうがない二日酔いだが…」
執事「魔王様、寝起きの口臭が最悪です。歯ブラシをどうぞ」
バーーン!
勇者ヒロシ「ついにここまで来たぞ!!魔王!!今日がお前の命日だ!」バーン
魔王「ングゥ~ガババ、ボブボビババ(うがいするからちょっと待って)!!」シャカシャカ
ヒロシ「なっ!歯磨きしてやがる…。なめやがってぇぇぇぇ!!」
魔王「ガラララ…。ペッ」
ボワァァァァァァ!!!
ヒロシ「うわぁぁぁぁぁ」HP0
魔王「あっ」
執事「魔王様!魔王様!起きてください!
ヒロシのやつが攻めてまいりました」
魔王「ムムム…。またか、今日は有給取ってるからまた今度って伝えてくれ…」
執事「ふざけないでください。ヒロシはもうそこでセーブ中ですよ」
魔王「ああぁ…。しょうがない二日酔いだが…」
執事「魔王様、寝起きの口臭が最悪です。歯ブラシをどうぞ」
バーーン!
勇者ヒロシ「ついにここまで来たぞ!!魔王!!今日がお前の命日だ!」バーン
魔王「ングゥ~ガババ、ボブボビババ(うがいするからちょっと待って)!!」シャカシャカ
ヒロシ「なっ!歯磨きしてやがる…。なめやがってぇぇぇぇ!!」
魔王「ガラララ…。ペッ」
ボワァァァァァァ!!!
ヒロシ「うわぁぁぁぁぁ」HP0
魔王「あっ」
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:50:27.070:UjS04WL6H.net (2/12)
---------
執事「今日も圧勝でございましたね。魔王様」
魔王「圧勝も何も歯磨きしてただけなんだが…」
魔王「しかし、あやつも懲りんなぁ…。何度目だ」
執事「正確には16回目ですね。仕方ありません。この地区は勇者の過疎化が起こっておりますからね」
魔王「魔王城を大きくするにはもっと資金が必要なんのだが…」
執事「魔王様が、城から出ないのがあの貧乏勇者しかこないのならその野望もまた夢の夢ですな」
執事「そこで私から提案なのですが。魔王城を大きくする為には資金が必要。その為には、強い勇者に狙われなくてはいけません」
執事「こんなボロボロの風吹けば壊れそうな魔王城(二階建て)では、強い勇者からは狙われないでしょう」
魔王「ふむぅ…」
執事「そこでまず、人員を雇ってみては?魔王城の規模を大きくし、果ては世界を統べる城にするのです!」
---------
執事「今日も圧勝でございましたね。魔王様」
魔王「圧勝も何も歯磨きしてただけなんだが…」
魔王「しかし、あやつも懲りんなぁ…。何度目だ」
執事「正確には16回目ですね。仕方ありません。この地区は勇者の過疎化が起こっておりますからね」
魔王「魔王城を大きくするにはもっと資金が必要なんのだが…」
執事「魔王様が、城から出ないのがあの貧乏勇者しかこないのならその野望もまた夢の夢ですな」
執事「そこで私から提案なのですが。魔王城を大きくする為には資金が必要。その為には、強い勇者に狙われなくてはいけません」
執事「こんなボロボロの風吹けば壊れそうな魔王城(二階建て)では、強い勇者からは狙われないでしょう」
魔王「ふむぅ…」
執事「そこでまず、人員を雇ってみては?魔王城の規模を大きくし、果ては世界を統べる城にするのです!」
3:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:51:01.502:UjS04WL6H.net (3/12)
---------
ポスター:共に勇者を返り討とう!今なら衣食住付き!!
魔王「これで本当に人が来るのか…」
執事「とりあえず、応募を待たなくてはいけません」
コンコン
ガチャリ
「あのぉ~、求人表をみてきたのですが…」
執事「お待ちしておりました」
魔王「貴様、名をなんという」
ザコボン「ザコボンと言います。魔王様と共に世界を統治する夢に憧れまして」
魔王「ふむ…。そしてその後ろの者たちは…」
ザコボン「はい、私の妻子たちでございます。先日リストラに会いまして…。魔王様のために全身全霊を込めて働くため、一緒に住まわせてくれないかと」
「パパーお腹すいたよ~」
「パパ。ここ凄くあったかいね!」
「お外寒かったからね~」
魔王「……」
執事「全く、図々しいことです。今日のところはお帰りを…」
魔王「まて、仕方ないがしっかり全員働いてもらうぞ」
魔王(正直このキャラクター達めちゃめちゃ、可愛い)
---------
---------
ポスター:共に勇者を返り討とう!今なら衣食住付き!!
魔王「これで本当に人が来るのか…」
執事「とりあえず、応募を待たなくてはいけません」
コンコン
ガチャリ
「あのぉ~、求人表をみてきたのですが…」
執事「お待ちしておりました」
魔王「貴様、名をなんという」
ザコボン「ザコボンと言います。魔王様と共に世界を統治する夢に憧れまして」
魔王「ふむ…。そしてその後ろの者たちは…」
ザコボン「はい、私の妻子たちでございます。先日リストラに会いまして…。魔王様のために全身全霊を込めて働くため、一緒に住まわせてくれないかと」
「パパーお腹すいたよ~」
「パパ。ここ凄くあったかいね!」
「お外寒かったからね~」
魔王「……」
執事「全く、図々しいことです。今日のところはお帰りを…」
魔王「まて、仕方ないがしっかり全員働いてもらうぞ」
魔王(正直このキャラクター達めちゃめちゃ、可愛い)
---------
4:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:51:35.170:UjS04WL6H.net (4/12)
---------
ヒロシ「うをぉぉぉ!!魔王!!今日こそはお前を討ち、この村に安寧をもたらす!!」
魔王「来たか。それではザコボンのお手並み拝見といこうか」
ザコボン(来たな!勇者!!家族のみんな、俺頑張るからな!!魔王様と共に世界を征服する、世界一カッコイイ父ちゃんを見とけよ!)
ヒロシ「1UP」
ポイーン
ザコボン「ぐへぇ!」
魔王「よわすぎぃ!」
魔王「……如何にもRPG最初に出てきそうな見た目のザコキャラだからな。仕方あるまい。私が相手をしよう。…んっ??」
「……ちゃーーん」
「とうちゃーん!がんばれぇぇぇ!」
「とうちゃん!負けないでぇ」
「あなた…、無理はしないで」
魔王(ザコボンの家族!!めちゃくちゃ可愛いぃ)ズキューン
ザコボン「ゆ、勇者よ…。愛する家族を守るため。魔王様の野望を叶えるため。お前を…、お前をこの先には行かせん!!」
ザコボン「うをぉぉぉ!!!」
ヒロシ「向かってくるなら立ち向かうまでだ!でりゃぁぁ!」
ザコボン(たとえこの身が滅びようとも…)
ガキィィン
ザコボン「……………」
ザコボン「…えっ?」
魔王「そこまでだ。ザコボンよ。お前の覚悟は伝わった。後は我に任せよ」
ヒロシ「でたな魔王!」
魔王「っふ…。今日こそは、所持金をたんまりもってきたんだろうな」
to be continued
---------
ヒロシ「うをぉぉぉ!!魔王!!今日こそはお前を討ち、この村に安寧をもたらす!!」
魔王「来たか。それではザコボンのお手並み拝見といこうか」
ザコボン(来たな!勇者!!家族のみんな、俺頑張るからな!!魔王様と共に世界を征服する、世界一カッコイイ父ちゃんを見とけよ!)
ヒロシ「1UP」
ポイーン
ザコボン「ぐへぇ!」
魔王「よわすぎぃ!」
魔王「……如何にもRPG最初に出てきそうな見た目のザコキャラだからな。仕方あるまい。私が相手をしよう。…んっ??」
「……ちゃーーん」
「とうちゃーん!がんばれぇぇぇ!」
「とうちゃん!負けないでぇ」
「あなた…、無理はしないで」
魔王(ザコボンの家族!!めちゃくちゃ可愛いぃ)ズキューン
ザコボン「ゆ、勇者よ…。愛する家族を守るため。魔王様の野望を叶えるため。お前を…、お前をこの先には行かせん!!」
ザコボン「うをぉぉぉ!!!」
ヒロシ「向かってくるなら立ち向かうまでだ!でりゃぁぁ!」
ザコボン(たとえこの身が滅びようとも…)
ガキィィン
ザコボン「……………」
ザコボン「…えっ?」
魔王「そこまでだ。ザコボンよ。お前の覚悟は伝わった。後は我に任せよ」
ヒロシ「でたな魔王!」
魔王「っふ…。今日こそは、所持金をたんまりもってきたんだろうな」
to be continued
5:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:52:39.376:UjS04WL6H.net (5/12)
正直続ききになる?
正直続ききになる?
6:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:52:50.952:sLarC9Wdd.net (1/1)
なんだっけ?
人間の女が魔王の秘書になる漫画思い出した
なんだっけ?
人間の女が魔王の秘書になる漫画思い出した
7:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:53:08.152:RBcDtiFm0.net (1/5)
「やめてくれぇ~~~~っ」
赤堀は情けない声を出し、自らの排泄物でまみれた床の上を転がるように逃げ惑う。
「名前を、奪ったことは謝る、だから、だから許して、やめてくれ」
赤堀には見えているのだろう。彼に迫る姿無き『襲撃者』の姿が。
「ロンベルなんだろ? お前はロンベルなんだろ? グラディオラスなんて名前にして悪かった――ひっ!」
小便を漏らす。小便は川となり、堆積した大便を流す。この部屋には赤堀の小便と大便による無秩序な山河ができていた。
彼に何が見えているのかは分からない。ただ、この部屋、正確に言えば閉鎖病棟のこの施錠された一室には、赤堀ただ一人しか居ない、それが事実であった。
彼にその兆候が出始めたのは閉鎖病棟に隔離させられ、12時間目。
虚ろな目をした赤堀は真っ白な床の上に寝そべり、真っ白な天井をただ見つめ、ただ茫然と「――グラディオラス、ヒースケ――」と呟き始めた。
医師は統合失調症の症状と判断し、赤堀の尻の穴から試験中の薬物AKHR0721を投薬――そこからだった変化が始まったのは。
赤堀は見えない何かから逃げ惑い、糞尿をまき散らし、ひたすらグラディオラスとヒースケに助けを求め続けた。
彼は壊れてしまったのだ。
状況は次第に悪化していった。彼には見えない物が見え、それから逃げるように部屋の中で狂ったダンスを踊り続ける。
グラディオラスもヒースケも助けに来ない、ここは彼だけの世界。
「やめてくれぇ~~~~っ」
赤堀は情けない声を出し、自らの排泄物でまみれた床の上を転がるように逃げ惑う。
「名前を、奪ったことは謝る、だから、だから許して、やめてくれ」
赤堀には見えているのだろう。彼に迫る姿無き『襲撃者』の姿が。
「ロンベルなんだろ? お前はロンベルなんだろ? グラディオラスなんて名前にして悪かった――ひっ!」
小便を漏らす。小便は川となり、堆積した大便を流す。この部屋には赤堀の小便と大便による無秩序な山河ができていた。
彼に何が見えているのかは分からない。ただ、この部屋、正確に言えば閉鎖病棟のこの施錠された一室には、赤堀ただ一人しか居ない、それが事実であった。
彼にその兆候が出始めたのは閉鎖病棟に隔離させられ、12時間目。
虚ろな目をした赤堀は真っ白な床の上に寝そべり、真っ白な天井をただ見つめ、ただ茫然と「――グラディオラス、ヒースケ――」と呟き始めた。
医師は統合失調症の症状と判断し、赤堀の尻の穴から試験中の薬物AKHR0721を投薬――そこからだった変化が始まったのは。
赤堀は見えない何かから逃げ惑い、糞尿をまき散らし、ひたすらグラディオラスとヒースケに助けを求め続けた。
彼は壊れてしまったのだ。
状況は次第に悪化していった。彼には見えない物が見え、それから逃げるように部屋の中で狂ったダンスを踊り続ける。
グラディオラスもヒースケも助けに来ない、ここは彼だけの世界。
8:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:53:19.331:RBcDtiFm0.net (2/5)
「将貴は良くなるんでしょうか」
憔悴しきった父親が医師に問う。
医師はカルテに目を通し「現代の医学では難しいでしょう」と簡潔に告げた。
初老を過ぎた父の顔には疲れが見えていた。妻は刑務所へ行き、息子は精神病院に入院。近所から『次はあの男も何かしでかすんじゃないか』そう言われていた。
「将貴を助けてください、将貴を助けてください……」
それは必死の懇願だった。白衣を精一杯の力で掴み目からこぼれる涙がそれを濡らす。医師は父親を易々と振り払い落ち着いた声で言った。
「我々とて最善を尽くしているんです――彼を助けたい気持ちは同じです」
そう、医師も焦っていたのである。どれだけの治療行為を行っても改善されないこの状況に。
その日は父親は赤堀の顔を見ず帰っていった……いや見るのが苦痛だったのだろう。
「なにがグラディオラスだ、なにがヒースケだ、助けてやれよ、助けてやってくれよ」
一部の病室に設置されている監視カメラの映像越しに赤堀を眺める医師の顔には無力感に近い何かが浮かんでいるようであった。
「将貴は良くなるんでしょうか」
憔悴しきった父親が医師に問う。
医師はカルテに目を通し「現代の医学では難しいでしょう」と簡潔に告げた。
初老を過ぎた父の顔には疲れが見えていた。妻は刑務所へ行き、息子は精神病院に入院。近所から『次はあの男も何かしでかすんじゃないか』そう言われていた。
「将貴を助けてください、将貴を助けてください……」
それは必死の懇願だった。白衣を精一杯の力で掴み目からこぼれる涙がそれを濡らす。医師は父親を易々と振り払い落ち着いた声で言った。
「我々とて最善を尽くしているんです――彼を助けたい気持ちは同じです」
そう、医師も焦っていたのである。どれだけの治療行為を行っても改善されないこの状況に。
その日は父親は赤堀の顔を見ず帰っていった……いや見るのが苦痛だったのだろう。
「なにがグラディオラスだ、なにがヒースケだ、助けてやれよ、助けてやってくれよ」
一部の病室に設置されている監視カメラの映像越しに赤堀を眺める医師の顔には無力感に近い何かが浮かんでいるようであった。
9:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:53:28.149:17x89e930.net (1/2)
漫画で読みたい
漫画で読みたい
10:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:53:30.012:RBcDtiFm0.net (3/5)
それから6か月の時が経った。
赤堀は良くならない。いや、むしろ状況は悪化していた。
やがて食事を拒むようになって無秩序に暴れるようになった彼は、強制的にベッドに固定され栄養補給や排泄用のチューブに繋がれたままになっていた。
それでもまだ彼の目にはロンベルの姿が見えていた。いや、彼にこの世界はもう見えていないのだろう、今の彼の目に見える光景はもはや別の世界なのであろう。
彼は時折、うわ言のようにロンベルやグラディオラス、ヒースケの名前を呟く。
そしてそれもやがて無くなり、赤堀は死んだような目で天井を見つめ続ける。いや、彼が見つめているのはこの世界なのだろうか。それすらも定かではない。
医師にとって決断の時は近いようだった。
「……尊厳死?」
赤堀の父は医師から聞かされたその言葉に軽くはない衝撃を受け次の言葉を待つ。
「彼の状況は極めて特殊なケースです。実を言うと事例が無い、彼は現在終わらない夢を見続けている、そしてそこから醒めない状況にあるのですよ」
「では夢から醒めれば」
そう、父親は希望を捨てていなかった。だが、医師の返答は残酷だった。
「既に不可能です」
医師は父親に説明した、既に脳の大部分の機能が停止しつつあること、臓器の殆どがただ生きる為だけに動いていること、このまま人間としてまともに生きる可能性は無いこと。
「彼がこのまま健常者に戻る可能性は0%です。体を動かす脳の機能が一度死んだ以上、仮に回復したとしてももう二度とまともな生活は送れないでしょう」
そして、医師は告げる、決定的な言葉を。
「これ以上彼が苦しむ前に、医療行為を中止しましょう。重度の精神病患者に尊厳死が適用された例は少なくとも国内ではありませんが、彼の為を思えば大丈夫です」
「将貴……あぁっ、将貴……」
父親は医師の前で嗚咽を漏らす。
「こればかりは、奥様と相談して決めてください」
医師の言葉は最後まで残酷だった。
その日、一人の男が死んだ、姓は赤堀。妻は刑務所に服役中、息子は精神科に入院中。
帰宅中にF県F市内の駅構内で飛び込み、自殺だった。
それから6か月の時が経った。
赤堀は良くならない。いや、むしろ状況は悪化していた。
やがて食事を拒むようになって無秩序に暴れるようになった彼は、強制的にベッドに固定され栄養補給や排泄用のチューブに繋がれたままになっていた。
それでもまだ彼の目にはロンベルの姿が見えていた。いや、彼にこの世界はもう見えていないのだろう、今の彼の目に見える光景はもはや別の世界なのであろう。
彼は時折、うわ言のようにロンベルやグラディオラス、ヒースケの名前を呟く。
そしてそれもやがて無くなり、赤堀は死んだような目で天井を見つめ続ける。いや、彼が見つめているのはこの世界なのだろうか。それすらも定かではない。
医師にとって決断の時は近いようだった。
「……尊厳死?」
赤堀の父は医師から聞かされたその言葉に軽くはない衝撃を受け次の言葉を待つ。
「彼の状況は極めて特殊なケースです。実を言うと事例が無い、彼は現在終わらない夢を見続けている、そしてそこから醒めない状況にあるのですよ」
「では夢から醒めれば」
そう、父親は希望を捨てていなかった。だが、医師の返答は残酷だった。
「既に不可能です」
医師は父親に説明した、既に脳の大部分の機能が停止しつつあること、臓器の殆どがただ生きる為だけに動いていること、このまま人間としてまともに生きる可能性は無いこと。
「彼がこのまま健常者に戻る可能性は0%です。体を動かす脳の機能が一度死んだ以上、仮に回復したとしてももう二度とまともな生活は送れないでしょう」
そして、医師は告げる、決定的な言葉を。
「これ以上彼が苦しむ前に、医療行為を中止しましょう。重度の精神病患者に尊厳死が適用された例は少なくとも国内ではありませんが、彼の為を思えば大丈夫です」
「将貴……あぁっ、将貴……」
父親は医師の前で嗚咽を漏らす。
「こればかりは、奥様と相談して決めてください」
医師の言葉は最後まで残酷だった。
その日、一人の男が死んだ、姓は赤堀。妻は刑務所に服役中、息子は精神科に入院中。
帰宅中にF県F市内の駅構内で飛び込み、自殺だった。
11:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:53:40.469:RBcDtiFm0.net (4/5)
『父親の死から数日後、赤堀将貴に対する延命行為が中止された』
これは医師の日記からの引用である。
医師は『意図的に延命行為を怠り患者を死なせた』とされ、殺人罪が1審、2審にて求刑された。
しかし、出所した赤堀の母親の「これ以上息子のせいで不幸になる人間を増やしたくない」との意見、人権団体の運動から最高裁にて逆転無罪が確定した。
裁判から数日後。F県F市のとある墓所に母親は訪れていた。
「将貴……お母さんは何もしてやれなかったよ、あんたが苦しんでる時、何もしてやれなかったよ、ごめんね」
赤堀家之墓。そこに赤堀はいた。一度は一族から墓に入れるのを拒否されたが、母親の懇願もあり、父親と共に同じ墓に入ることができた。
「それじゃ、将貴、お母さんパートがあるから、ヒースケたちと仲良くするんだよ」
墓前には赤堀が描いたヒースケたちの絵が置かれていた、それは初期症状の頃の赤堀が描いたものである。それはとても巧いとは言えないが、どこか暖かさがあった。
ヒースケと、グラディオラス、それに並んで自分。この絵は誰かに見せるものではなく彼が夢見た世界そのものだったのかもしれない。
それは風に舞い、遠く天高く飛び去って消えて行った。まるで今は別の世界に居る赤堀の所へ飛んで行くように。
完
『父親の死から数日後、赤堀将貴に対する延命行為が中止された』
これは医師の日記からの引用である。
医師は『意図的に延命行為を怠り患者を死なせた』とされ、殺人罪が1審、2審にて求刑された。
しかし、出所した赤堀の母親の「これ以上息子のせいで不幸になる人間を増やしたくない」との意見、人権団体の運動から最高裁にて逆転無罪が確定した。
裁判から数日後。F県F市のとある墓所に母親は訪れていた。
「将貴……お母さんは何もしてやれなかったよ、あんたが苦しんでる時、何もしてやれなかったよ、ごめんね」
赤堀家之墓。そこに赤堀はいた。一度は一族から墓に入れるのを拒否されたが、母親の懇願もあり、父親と共に同じ墓に入ることができた。
「それじゃ、将貴、お母さんパートがあるから、ヒースケたちと仲良くするんだよ」
墓前には赤堀が描いたヒースケたちの絵が置かれていた、それは初期症状の頃の赤堀が描いたものである。それはとても巧いとは言えないが、どこか暖かさがあった。
ヒースケと、グラディオラス、それに並んで自分。この絵は誰かに見せるものではなく彼が夢見た世界そのものだったのかもしれない。
それは風に舞い、遠く天高く飛び去って消えて行った。まるで今は別の世界に居る赤堀の所へ飛んで行くように。
完
12:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:54:54.500:XzYNBCNt0.net (1/2)
小説って普通賞レースに入選した作品を読むから、こんな冒頭張られても困らないか?
小説って普通賞レースに入選した作品を読むから、こんな冒頭張られても困らないか?
13:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:55:41.024:UjS04WL6H.net (6/12)
>>6 わからん
>>9 本当は漫画で描きたいんだけど絵が描けないのよね
でも嬉しいありがとう
>>6 わからん
>>9 本当は漫画で描きたいんだけど絵が描けないのよね
でも嬉しいありがとう
14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:56:23.001:UjS04WL6H.net (7/12)
冒頭も冒頭ですまん
こっから肉付けしまくっていくつもり
冒頭も冒頭ですまん
こっから肉付けしまくっていくつもり
15:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:57:42.130:17x89e930.net (2/2)
>>13
あとはRPGツクールで短編ものつくれそうやね
>>13
あとはRPGツクールで短編ものつくれそうやね
16:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 15:58:38.402:UjS04WL6H.net (8/12)
ちなあらすじは魔王が城の規模をどんどん大きくしていく話
勇者ヒロシがいろんな仲間を連れてきて、それを倒した資金で魔王城を大きくしたり、人員を雇ったりしていくギャグ小説にする
ちなあらすじは魔王が城の規模をどんどん大きくしていく話
勇者ヒロシがいろんな仲間を連れてきて、それを倒した資金で魔王城を大きくしたり、人員を雇ったりしていくギャグ小説にする
17:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:00:32.845:UjS04WL6H.net (9/12)
>>15 ひたすら自分に技術力があればぁぁあと思うね
>>15 ひたすら自分に技術力があればぁぁあと思うね
18:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:02:13.112:9CLlm3cC0.net (1/2)
小説じゃないじゃん
小説じゃないじゃん
19:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:03:05.328:cui5r4VXd.net (1/2)
SSやん
SSやん
20:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:03:48.474:UjS04WL6H.net (10/12)
>>18
>>19
たしかに、でも面白いだろ?
>>18
>>19
たしかに、でも面白いだろ?
21:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:05:12.617:UjS04WL6H.net (11/12)
構想はできてるんだよなぁ
書くならオススメの場所ある?
構想はできてるんだよなぁ
書くならオススメの場所ある?
22:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:05:21.852:9CLlm3cC0.net (2/2)
ブログにでも書いとけ
ブログにでも書いとけ
23:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:06:50.770:QE0y+ryX0.net (1/2)
作者のザコポン推しがキモかった
こっちそんなに感情移入してないから糞寒いで
作者のザコポン推しがキモかった
こっちそんなに感情移入してないから糞寒いで
24:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:07:54.274:cui5r4VXd.net (2/2)
どこが面白いと思って書いたの?
どこが面白いと思って書いたの?
25:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:08:35.264:UjS04WL6H.net (12/12)
は、お前らにはわからんか
は、お前らにはわからんか
26:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:09:07.910:QE0y+ryX0.net (2/2)
真面目に感想書いたのにこの仕打ち
真面目に感想書いたのにこの仕打ち
27:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:09:48.155:RBcDtiFm0.net (5/5)
書くのは作者だけど読むのは読者
書くのは作者だけど読むのは読者
28:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:12:56.179:gb7kReuTd.net (1/1)
どっかのチラシの裏
どっかのチラシの裏
29:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:17:01.111:1DBtj9cyK.net (1/1)
書き上げもせずに発表する時点で向いてない
書き上げもせずに発表する時点で向いてない
30:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:21:11.283:XzYNBCNt0.net (2/2)
>>25
なるほど、これは小説家になろうとかいうところに投稿するやつか?
なら解る
>>25
なるほど、これは小説家になろうとかいうところに投稿するやつか?
なら解る
31:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:26:16.366:MRlWW9yu0.net (1/1)
一読したけど続きはどうでもいいやと思った
一読したけど続きはどうでもいいやと思った
32:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:28:13.415:MpqBXlOu0.net (1/1)
執事「魔王様が、城から出ないのがあの貧乏勇者しかこないのならそのまで読んだ
執事「魔王様が、城から出ないのがあの貧乏勇者しかこないのならそのまで読んだ
33:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/06/24(月) 16:28:39.628:gx6ZT4c3M.net (1/1)
果たしてト書きがないものは小説と言えるのだろうか
果たしてト書きがないものは小説と言えるのだろうか
コメント 0