1 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 19:09:28.68wcKdG0Rio (1/10)


このスレは安価で

乃木若葉の章
鷲尾須美の章
結城友奈の章
  楠芽吹の章
―勇者の章―

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的

東郷家、犬吠埼家への挨拶と伊集院家の説得
元気な子供を産む
進路決定
結婚式
全員生存


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2
基本的には9月14日目が最終

※勇者の章に関しては、9月以降も続きます


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%
※ストーリーによってはHP0で死にます


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1477053722/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481292024/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1488104860/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1491918867/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1495544664/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499086961/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1503148550/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1507900727/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1512897754/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1517577349/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十五輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1523885099/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1532355674/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1543739820/


2 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 19:39:26.81wcKdG0Rio (2/10)


「母乳は出るのよね? あげて見る?」

天乃「ええ……」

元々、それが理由で来たようなものだ

天乃の赤ちゃんは天乃の力を継承しているため、

力を暴走させたり、自傷するようなことにならないようにする必要がある

そのためには、普通のミルクではだめだ

天乃「二人同時にあげたほうが良いですか?」

「それは天乃ちゃんによるわね。必ず同時じゃないといけない。なんてことはないわ」

ただ、一人ずつだと授乳のリズムが崩れることや、

偏りが出てきてしまうなどのリスクもある

もちろん、一人ずつの方が上げやすいということもあって、

必ずしも悪いわけではないと看護師は言う

「母乳は左右どっちから出てる?」

天乃「両方」

「今も?」

天乃「見えてはいないけれど……」

少なくともほんの十数分前はそうだったから、頷く

流石に夏凜に吸われた時なんて話はできない


3以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 19:45:28.97yGDbVNyzO (1/3)

立て乙


4 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 19:56:50.77wcKdG0Rio (3/10)


「それなら……ちょっと脱がすわね」

母乳用のパッドの為に脱がせ易くしてある胸元のボタンをはずし、パッドも外す

友奈と夏凜に吸われてもまだ、十分な貯えのある乳房

飲まれてもしぼむどころか

さらに膨らんでいるようにさえ感じる胸を、子供へと向ける

「ちょっと待って、クッションを持ってきてあげる」

天乃「ありがとう」

二人に母乳を上げる際に役立つ、大きなクッション

あらかじめ用意しておいてくれたのか、

管理用の棚にしまわれていた明らかに新しいクッションを看護師は取り出して、

天乃の膝上に置く

赤ちゃんをその上に下ろして頭を支えても、無理な体制にはならない

そこに、もう一人が並ぶ

「サポートはするから、支えてあげてね」

天乃「う、うん……」


5 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 20:14:13.10wcKdG0Rio (4/10)


天乃「………」

夏凜と友奈

二人は自分の意志で体を動かし

赤ちゃんにはないちゃんとした力で母乳を飲んでくれた

でも、赤ちゃんは違う

確かに自分の意志で動いてはいるけれど、

夏凜達のように動いてはくれない

ただ、本能のままに、吸おうとしてくる

天乃「……えっと」

二人のことを思い出す

どのようにしていたか

どのように、乳房に触れ、乳頭を咥えていたか

天乃「こう……よね」

「あら……やり方知ってるの?」

天乃「ええ、みんなが調べてくれたの」

嘘じゃない。

本当のことでもないが嘘でもない

そう思いながら、赤ちゃんに集中する

天乃「良いわよ、飲んで」


6 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 20:29:54.14wcKdG0Rio (5/10)


天乃「清潔にしすぎてるとか、ないわよね?」

「天乃ちゃんは母乳が溢れ出ちゃう傾向にあるから洗う頻度も多いからね」

嫌がるようならやめたほうが良いかもしれない。と

余り近づこうとしない赤ちゃんを見つつ看護師は答える

でも、それを言われたからなのか

興味を持ち始めたのか

赤ちゃんの手が求める様に動いたのを見て、微笑む

「大丈夫そうね」

天乃「ええ」

母乳……ではなく。

赤ちゃんじゃない二人が吸ったからこその消毒等なのだが、

子供たちは気にせず咥えようとして、鼻先を乳首にぶつける

天乃「ふふっ、こっちだよ」

子供たちの頭を支え、咥えやすいように近づけていく

開いた小さな口に、乳頭を差し入れる

友奈がしていたように咥えられるように

二人の動きをしっかり確認しながら、咥えさせて――

天乃「っ」

ようやく、授乳をすることが出来た


7 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 20:34:00.09wcKdG0Rio (6/10)


√ 12月16日目 昼(病院) ※火曜日


01~10 風
11~20 園子
21~30 樹
31~40 
41~50 友奈
51~60 九尾
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00  東郷

↓1のコンマ

※コンマ一桁判定付与
 →1~0  判定+1 
※ただし、例外有


8以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 20:40:49.10nlWhkeBA0 (1/1)




9以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 20:42:44.52yGDbVNyzO (2/3)

あれ、これ大丈夫か…?


10 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 21:31:50.91wcKdG0Rio (7/10)


√ 12月16日目 昼(病院) ※火曜日


夏凜「へぇ、それじゃクッション使えば二人同時にもできるのね」

天乃「ええ、ちょっと……痛いけど」

夏凜「授乳の体位は都度変えたほうが良いって話よ」

天乃「慣れたほうが良いんじゃなくて?」

夏凜「それはそうだけど、ちゃんと調節しないと乳腺炎になるって話よ」

乳房の全体的に広がっている乳腺

一部ばかり吸われ、一部が吸われないままだと詰まってしまったりして

乳腺炎になってしまうのだと、夏凜は調べたことをそのまま語る

夏凜「ま、詳しい話は病院の人に聞くのが一番だけどね」

天乃「それはそうでしょうね。でも、ありがと」

夏凜「と、とうぜ――」

千景「久遠さん!」

天乃「千景?」

千景「悪いけれど――最悪だわ」

何の前触れもなく唐突に姿を見せた千景は、

深刻な表情で、告げる

千景「犬吠埼さんがやられた……」

夏凜「!」

千景「……二人は急いで病室に戻って」


11 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 21:51:46.34wcKdG0Rio (8/10)


天乃「病室に風がいるの?」

千景「危険だから戻って、と、言っているのよ」

何が起こるか分からない

だから、今すぐにでも病室に戻れと言う

夏凜「風はどこにいんの?」

千景「その説明は病室に戻ってから」

夏凜「……ただ事じゃなさそうね」

千景の表情が一切崩れず険しいのを見て、

夏凜は天乃を一瞥すると、車いすの持ち手を握る手、

床を踏みしめる足に力を籠める

何か一つでも緩めてしまったら大変なことになるのではないか

そんな不安を感じてしまう

天乃「風のところに連れて行って……とは、言わない方がよさそうね」

いえばどこにいるのかが分かる

そして、その答え次第では……いや

そんなのは聞くまでもなく分かっている

それで連れていくのが病室だというのだから

もはや、余計な会話一つの時間すら無駄にはできない

天乃「夏凜、病室に戻りましょ」

夏凜「分かった」


12 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 22:14:45.26wcKdG0Rio (9/10)


樹「……っ」

友奈「……風先輩」

千景「一緒にいた乃木さんも巻き込まれて、今は出てこられないわ」

天乃「病院の人たちは何か言ってた?」

千景「点検はしたばかりだそうよ」

だが、その点検時に何らかの見落としがあったのかもしれないと

自分たちの非を認めるようなことも言っていたが、

それは違うと、千景は首を振る

千景「ただの偶然なら、乃木さんの力を抜いた理由に説明がつかない」

東郷「若葉さんがいて、きっと、犬神もそこにいたはず」

樹「それでも、ダメだった」

夏凜「………」

二階から天乃たちがいる病室のある階に移動するためのエレベーター

それが、落ちたのだ

落下の衝撃によって酷い怪我を負っており、風は今もまだ手術室

病院中に響くほどの轟音を生んだ落下は人命を運ぶ鉄の箱を残骸のように変形させ、

引きちぎれたロープ、火花を散らす電線、半開きの血に塗れたドア……と

千景は自分の目に移した凄惨な光景を語るか迷う

園子「エレベーターはもう一つあるけど、使わないほうが良いね」

沙織「それ以前に、この部屋から出るべきじゃないと思うよ」


13 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 22:24:36.76wcKdG0Rio (10/10)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



風「そろそろ子どもの名前考えなきゃ」

若葉「それで本を見たいと……なるほど」

風「双子だから似た名前とか、そういうのもあるかもしれないし」

若葉「……嬉しそうだな、風」

風「若葉こそ」

若葉「ふふっ、あぁ……そうだな。嬉しいよ。だから、いい名前が考えられるように本を探しに行こう」


14以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 22:35:49.85yGDbVNyzO (3/3)


全然大丈夫じゃなかった…
風先輩が原作以上の重傷で久遠さんのせっかく回復しかかったメンタルが…


15以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 01:01:48.05Uy5/vsM9O (1/1)


風が大変なことに……


16以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 12:31:25.70OyP0VaxTO (1/1)

ほんとこの良いことあった次の瞬間に蹴り落とすの止めようぜ
誕生日に一家崩壊とか付き合ってすぐ記憶喪失とかさぁ…


17 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/18(月) 20:45:00.83AGFZWG+Ao (1/5)


では少しだけ


18以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 20:49:57.74thPBXQGnO (1/3)

よしきた


19 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/18(月) 21:28:52.97AGFZWG+Ao (2/5)


沙織「この病室の中なら、何か起こるとしてもそんなに危険なことにはならないはず」

樹「でも、エレベーターが落ちたんですよ? この中でも何が起こるか……」

ベッドが壊れる? 天井が崩れる? 床が抜ける?

外から何かが飛んできて窓ガラスを突き破ってくる?

なんでも考えられる

友奈「樹ちゃん……」

樹「ありがとうございます、友奈さん」

でも、大丈夫です。と、樹は言う

ネガティブな雰囲気に呑まれてしまいそうな樹だったが、

友奈の心配そうな声には、笑みを見せる

大好きな姉の凄惨な事故が起きて、

まだ手術中の手術室の前にすらいくことのできない危険な状態

それでも、樹は折れない

樹「こういう時に、何もできないのはもう嫌なんです」

似たような状況だとは言いたくない

でも、両親が亡くなったときに姉の背中に隠れていることしかできなかった自分にはもう、なりたくない

樹「沙織さんは、ここに居れば絶対に大丈夫だって言えますか?」


20 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/18(月) 21:59:44.21AGFZWG+Ao (3/5)


沙織「確証はないかな」

ここに居れば、

サポートできるメンバーが多くいるというだけであって、

絶対に安全だとは言うことが出来ない

それこそ、歌野や水都、沙織の力などを使い続け

病室を絶対的なテリトリーなどにして守らない限り、不可能だ

だが、そんなことをすれば力が枯渇する

室内のパワーバランスの傾きによって、

天乃の体調が崩れてしまうかもしれない

園子「風先輩が狙われたのはなんでだろう?」

東郷「そのっちは理由があるって考えてるの?」

園子「不謹慎だけど狙われる理由がわかれば、今回のような事態は避けられるかもしれない」

友奈「でも、風先輩だけ特別なことはなかったと思う」

天乃「どちらかと言えば、夏凜と友奈の方が特別よね」

夏凜「まぁ……それは言えてるかもね」


21 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/18(月) 22:37:49.51AGFZWG+Ao (4/5)


東郷「だとしたら、無差別……ということになるわ」

夏凜「完全に無差別ってわけでもないけどね。ある程度は絞られる」

祟りを受けた勇者部

その周囲にいる人が対象になっている

今回の場合は若葉だったが、一般人がいても関係なく巻き込んでくることだろう

若葉と犬神

精霊の加護を二つ重ねてなお、風は重傷に陥った

一般の人だったらどうなっていたか

その人を守るために力を費やしていたらどうなっていたか

考えるだけでもおぞましい

沙織「久遠さんは隔離したほうが良いかな」

夏凜「天乃を離したからってどうにかなる問題でもないでしょ」

むしろ、近くにいてくれた方が安心できるまである

夏凜「ベッドが壊れるとか床が抜けるとか……不安は確かにあるけど、そんなことばかり考えてたって仕方がないでしょ」


1、そうよ、。みんなでいたほうが良いわ
2、みんなが安心できる方で良いわ
3、無責任だとは思うけれど、もう少しだけ……頑張って
4、みんなは祟り、平気なの?


↓2


22以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 22:42:49.59thPBXQGnO (2/3)

1


23以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 22:44:45.333d0kvTYV0 (1/1)

4


24 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/18(月) 22:52:21.50AGFZWG+Ao (5/5)


ではここまでとさせていただきます
巣もできれば通常時間から


東郷「それはそうと、友奈ちゃんたちのした特別なことを私にもさせてください」

天乃「今はそれどこ――」

東郷「風先輩がこんな目に遭った可能性を探るためです」

東郷「もしかしたら、二人がしたことで風先輩が被害に遭う可能性が高くなった。というのもあるんです」

東郷「つまり、久遠先輩との特別なことが被害に遭う可能性さらには、被害を軽減できるかもしれないんですよ」

東郷「なので、お願いします」


25以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 23:02:39.87thPBXQGnO (3/3)


やっぱりお乳飲んだことで耐性がついた分、風先輩にしわ寄せがきたってことなのかなぁ
そしてオマケの発言は果たして東郷さんなのかとーごーせんせーなのか…w


26以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/18(月) 23:29:41.98oo3pyFmgO (1/1)


風もだけど若葉も心配だなあ


27 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/20(水) 21:18:00.21yTMfjXsgo (1/5)


では少しずつ


28以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/20(水) 21:25:22.79xtWnj+BXO (1/2)

よっしゃ


29 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/20(水) 22:00:13.15yTMfjXsgo (2/5)


天乃「みんなは祟り、平気なの?」

夏凜「………」

東郷「久遠先輩、それはあまり口にすべきことじゃないんです」

祟りは情け容赦なく伝播する

その苦しみを語ろうとしただけでも、悪影響を与える

それは、祟りに蝕まれる人を追い詰めるための悪夢

救いはないという明示

自分たちがどれだけの大罪を冒したのかという戒め

沙織「久遠さん自身は、穢れの力の影響とかその耐性もあってそこまで害にはならないだろうけどね」

東郷「そんな油断していたら寝首をかかれてしまいますよ」

園子「そうだね……試しに。と言ったら語弊があるかな……連絡する必要もあったから大赦に一言言ってみたんよ」

そしたら。と、

園子は申し訳なさそうに眉を顰める

園子「連絡相手の大赦の人は怪我したって」

沙織「幸い、軽傷だったけどね」

千景「怪我をしたとか、何があった。という程度の話なら問題はなさそうに思うけれど……祟り自体の話をするのは控えたほうが良いわ」

天乃「言葉自体にその力があるのね」


30 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/20(水) 22:59:44.96yTMfjXsgo (3/5)


樹「言霊みたいなものでしょうか」

沙織「神様だからね……まぁとにかく、みんなに対しての祟り自体は大したことじゃない……はずなんだよね」

実際は、風が大怪我をした

いや、怪我なんてものではない

園子「風先輩が重症になったのは、祟りなのは間違いないと思うんよ」

友奈「問題はやっぱりその原因かな?」

東郷「……そうね。結局そのっちに同意することになるわ」

夏凜「って言っても、さっき言ってたけど風は特に何もやってないでしょ」

沙織「なら、消去法で考えてみたらどうかな」

天乃「消去法?」

沙織「そう。犬吠埼さんが特別なことをしたんじゃなく、ほかの人が特別なことをした」

その特別なことが、

天の神の怒りを買ったか、何かで祟りが増幅し風を襲った

そんな可能性を沙織は口にして

沙織「もちろん、二人を責めるわけじゃないよ」

友奈「………」

夏凜「……現状の可能性で言えば私たちのせいってことになるわよね」


31 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/20(水) 23:29:06.19yTMfjXsgo (4/5)


天乃「二人は私の我儘に答えてくれただけなんだけど……」

樹「天の神にとっては許せない我儘だったと思いますか?」

友奈「えっ? えっ……っとぉ……」

話を振られた友奈は

自分に来るのかと驚いた様子で目を逸らすと、モジモジと声を消してしまう

東郷「大丈夫よ友奈ちゃん! 授乳行為は淫らなことじゃないわ」

友奈「はっきり言われたっ」

夏凜「別に恥じることでもないでしょ」

天乃「母乳が出るかどうかの確認と、出るようにしてほしいって願いだったんだもの。平気よ」

友奈「うぅ」

ちょっぴり羽目を外してしまったことを悔いてか

恥ずかしそうにする友奈を見て、微笑む

樹は特別なことをした二人を責めるような様子はない

樹「久遠先輩の母乳に触れる……? 飲むことが天の神の怒りを買う行為というのは良く分からないですね」

園子「赤ちゃんの分が無くなるだろー! みたいな?」

千景「久遠さんの母乳に天の神が好ましくない力があるとかじゃないかしら」

沙織「……なるほど」

天乃「何がなるほどなのよ……あと胸を見ないで」


32 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/20(水) 23:29:43.09yTMfjXsgo (5/5)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


33以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/20(水) 23:53:28.99xtWnj+BXO (2/2)


久遠さんの母乳が本当に祟り回避の鍵になってたとは…


34以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/21(木) 00:30:49.85eGb7/UKA0 (1/1)


回避どころか原因になってんだよなぁ


35 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 20:10:13.15toHVDiJUo (1/7)


では少しだけ


36以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/21(木) 20:11:03.24hIyexV9bO (1/3)

あいよー


37 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 20:30:55.24toHVDiJUo (2/7)


夏凜「それが、風にのしかかる原因だっていうのは間違ってないかもしれない」

東郷「でも、こうも考えられるわ」

恥ずかしさに小さくなっている友奈を見つつ、

天乃を一瞥した東郷は真剣な声色で切り込む

東郷「天の神の祟りから逃れるための手段」

園子「わっしーはやっぱりそう考えるよね」

友奈「私と夏凜ちゃんに被害が出なかったから?」

樹「でも、それだけだと理由にはできないと思います」

話すだけで他人に伝播する祟り

自分に被害があるよりも、他人に被害を与えたほうが絶望するだろう

そういう考えのもとに断罪が行われているのであれば、

友奈と夏凜が逃れられた理由にするのは難しい

むしろ、風の被害が大きくなった原因。と、考えるべきだ


38 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 20:52:14.86toHVDiJUo (3/7)


樹「ただ、久遠先輩の母乳に力があるのは事実……なんですよね?」

天乃「どう?」

夏凜「あー……そういえば、九尾に聞くって話だった」

天乃「聞いてないの?」

夏凜「……ごめん。まだ聞けてないわ」

聞くと言ってからまだ数日

その間にもいろいろあったし、聞けていなくても仕方がない

大丈夫よ。と、天乃は宥めて自分の胸に触れる

友奈と夏凜、そして赤ちゃん

授乳をある程度行ったからか、多少触れた程度で溢れ出てくるようなことはない

天乃「でも、力があることはあると思うの」

沙織「そうだね……母乳って血でできてるらしいし」

天乃「そうなの?」

東郷「そうらしいですよ。調べたのと、看護師さんが言っていたので間違いありません」

友奈「看護師さんにまで聞いたんだね」

東郷「確実な情報が欲しかったの。専門家がすぐそこにいるんだから、聞かない手はないわ」


39 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 21:18:22.71toHVDiJUo (4/7)


友奈「それはそうだけど……うん、そうだね」

夏凜「母乳は成人でも飲めるかって話の流れで聞いたでしょ。それ」

友奈「あっ」

暴露する夏凜と、口を押える友奈

あはは。と、笑い声をこぼす園子と呆れる千景

視線の集まった東郷は「それがなにか」と言いたげな表情を浮かべる

東郷「大事なことだから聞いただけよ」

樹「でも久遠先輩の血でできてるなら、九尾さんが言っていた対策になるんじゃないですか?」

夏凜「……確かに」

天乃「九尾が干渉してこないのって、母乳が血でできているから力があるのは当然。言うまでもないってこと?」

千景「無きにしも非ずね」

樹「とにかく、原因が分かったなら対処したほうが良いと思います」

園子「赤ちゃんプレイが必須?」

天乃「えー……」

夏凜「血を抜かれるよりいいでしょ」

友奈「血を飲むよりもいいと思います」


40 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 21:48:59.56toHVDiJUo (5/7)


東郷「体験者の言葉を尊重します」

沙織「えーあたしも欲しい」

千景「貴女は祟り関係ないでしょう」

園子「ちーちゃんも吸ってよかとーよ?」

千景「遠慮しておくわ」

風が被害に遭った恐ろしさ

けれど、それに挫けるだけではない勇者部の面々

風のことは心配だ

でも、心配して不安になって怯えているだけではどうにもならない

樹「じゃぁ、九尾さんに確認したほうが良いですね」

友奈「うん、それで問題がなければ久遠先輩のおっぱい……だね」

天乃「……赤ちゃんのためだってことを忘れないでね?」

沙織「溢れるほど出てたのはもしかしたらみんなの分があるからかも」

東郷「そこも含めて九尾さんに確認してみますか?」

夏凜「九尾もさすがにそこまでは分からないんじゃないの?」

園子「とにかく確認。だね」

風のような被害を出さないために、

勇者部は対策を考え、最優先にすべきことを決めた


41 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 21:52:24.57toHVDiJUo (6/7)


√ 12月16日目 夕(病院) ※火曜日


01~10 樹
11~20 
21~30 
31~40 九尾
41~50 悪いこと
51~60 風
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00 千景

↓1のコンマ


42以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/21(木) 21:53:40.03hIyexV9bO (2/3)




43 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/21(木) 22:18:47.96toHVDiJUo (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


友奈「言わないほうが良いと思ったんだけどなぁ」

夏凜「東郷はあれくらいで折れるメンタルじゃないから」

樹「久遠先輩も受け入れてくれてますし」

園子「私達も天さんのそういうの受け入れないとね」

東郷「久遠先輩の……性癖?」


風「ぐっ……ツッコミ……しないと……」

千景「大丈夫、私が何とかするわ」


44以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/21(木) 22:27:57.75hIyexV9bO (3/3)


早めに残りのメンバーにもお乳を飲ませたいところだけど風先輩がいつ復活するかがネックになりそうだな


45以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/22(金) 08:04:22.353rzMzDOMO (1/1)


これ夏凜も飲んでなかったら友奈すごく責任感じてただろうなぁ


46 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/22(金) 21:35:46.983ru/pZ0Lo (1/4)


では少しだけ


47以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/22(金) 21:41:57.32suKDjZpLO (1/1)

いえす


48 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/22(金) 22:16:32.683ru/pZ0Lo (2/4)


√ 12月16日目 夕(病院) ※火曜日


樹「久遠先輩……」

天乃「良いわよ。入ってきて」

樹「すみません、ゆっくりしなくちゃいけないのに」

天乃「ただ黙って休んでいるだけじゃ逆に疲れちゃうからね」

残念ながら体を起こすのは難しいが

眠くもなかったし。と

負い目を感じているような樹に微笑んで、手招きする

天乃「風は?」

樹「手術は終わったみたいですけど、まだ目は覚ましてません」

祟りに怯えているわけにはいかない

そう、決心して風のいる病室に向かったのだが

半身が包帯に覆われ、ピクリとも動かない

声の代わりのような心電図の音が、嫌だった

天乃「……友奈と、夏凜は責めないでね」

樹「………」

天乃「あの二人は、あくまで私の我儘を聞いただけだから」


49 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/22(金) 22:49:18.053ru/pZ0Lo (3/4)


樹「責めるなんて、そんなっ」

天乃「樹がそういうことできる子じゃないっていうのは分かってるわよ。もちろん」

信じてさえいる

けれど

ポジティブである友奈がネガティブな考えを持ってしまうことがあるように、

どうしようもないことがある

天乃「今って、精神的に辛い状況でしょう? だから、心のどこかで燻ってるかもしれない」

樹「…………」

天乃「だから、これは私からの意地悪」

樹「久遠先輩のことは、責められないからですか?」

天乃「ううん、私なら責めやすいんじゃないかなって」

何もしてあげられない

我儘を言うだけで、何も返せない

無理難題を押し付ける、悪い人

そんなことを天乃は笑いながら言って「ね?」と、同意を求める

だが、樹にはむしろそれこそ不評だったようで

困った表情で天乃を見る

樹「……何言ってるんですか」

天乃「怒った?」

樹「呆れます」


50 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/22(金) 23:27:17.203ru/pZ0Lo (4/4)


樹「怒れると思いますか?」

天乃「別に怒ってほしいとは思ってないわよ?」

樹「怒った? なんて聞いてきたのにですか?」

天乃「ふふっ……ちょっと怒ってるでしょ?」

樹「……」

楽しそうに、笑う

からかっている表情

怒っていなくても、やり返したくなる

樹「……あの、久遠先輩」

天乃「なぁに?」

樹「久遠先輩は、もう少し気を付けたほうが良いと思います」

天乃「祟りのことなら大丈夫よ。幸い、耐性もあるみたいだから」

樹「本気か冗談か、分からないんですよ」

樹は困ったように言うと、

相変わらずな天乃を見つめて、苦笑する

二つ上の先輩

大人な時もあれば、子供の時もある

格好いいけど、可愛らしい人

樹「祟りのことをってるわけじゃないって、本当は分かってますよね?」


1、さぁ? どうかしら
2、ええ、もちろん
3、さっきの今だと、何があるか分からないから気を付けてって話じゃないの?

↓2


51以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/22(金) 23:54:59.63Tu3q0fu2O (1/1)

これは1


52以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/23(土) 00:40:06.90YTOkPigM0 (1/1)

1


53以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/23(土) 00:40:18.73FZ0bXaH00 (1/1)

2


54以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/23(土) 04:57:56.45A7olUqPaO (1/1)

ここで乙かな?
久遠さんが久々に先輩っぽさを見せてる気がする


55以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/23(土) 12:27:37.30WKVkTbBhO (1/1)


樹ちゃんもケアしておかないとな


56 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/23(土) 21:14:10.64+3BhqJl6o (1/4)


では少しだけ


57以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/23(土) 21:31:48.99Awqb0D3fO (1/1)

やったぜ


58 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/23(土) 21:55:19.15+3BhqJl6o (2/4)


天乃「さぁ? どうかしら?」

樹「………」

天乃「ふふふっ」

樹「そういう、態度だから。友奈さんまで手を出すようになっちゃうんですよ」

友奈の場合は、興味はあっても手を出していいのか迷う

だから、誘われてしまえばその奥手だった分

全力で取り組んでしまうし、やりすぎてしまう

そして、東郷たちは

きっと余裕そうな表情を、崩してみたくなる

いや、崩す自信があるから、やってやろうと意気込む

特に東郷と沙織の二人はそれを楽しむタイプだ

樹「……そういえば、久遠先輩の母乳は飲んだほうが良いって話でしたよね」

天乃「まだ、九尾には確認してないんだけど」

樹「力があるのは事実。久遠先輩はそういってましたよね?」

天乃「ええ、言ったわ」

樹「なら、確認するまでもないんじゃないですか?」


59 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/23(土) 22:49:03.93+3BhqJl6o (3/4)


天乃「……あら、その気になられても、今は相手できないわよ?」

樹「何言ってるんですか?」

樹はくすくすと笑う天乃の視線を自分へと留めるように、

天乃の頬に手を当てて、向けさせる

樹「友奈さん達の代わりに責めろっていたのは久遠先輩じゃないですか」

天乃「似たようなことは言ったけど、今すぐだなんて言ってないわ」

樹「誘ったのは、久遠先輩ですよね?」

天乃「……もしかして、本気で言ってる?」

樹「さっきと、逆ですね」

樹は本気かウソかわかりにくい笑顔を浮かべながら、

横たわる天乃に跨るようにして、ベッドへと上がっていく

降りた髪の影のできた表情は

どこか、恐ろしさも感じられるような気がした

天乃「樹……?」

樹「久遠先輩……」

だが、樹は淫らな雰囲気などまったく感じさせずに、

天乃の体へと折り重なっていく

身体の触れる割合が大きくなっていっても、

下心のある触れ方はしない


60 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/23(土) 23:29:08.79+3BhqJl6o (4/4)


樹「少しだけ、こうしててもいいですか?」

天乃「少しだなんていわなくてもいいわよ」

エッチなことをする体力こそないが

こうして抱いてあげることくらいはできる

抱かれておくこともできる

大切な姉が重傷を負っても

樹は大丈夫だと気丈さを見せた

ここでまた、泣いているわけにはいかないのだと強さを見せた

でも、限度はある

強いからと言って弱さがないわけではない

完全になくなるわけではない

天乃「……大丈夫」

樹「………」

天乃「風には、貴女がいるんだもの」

自分の頼れる存在が急にいなくなってしまうこと

その絶望感を、痛みを

彼女は誰よりも知っていることだろう

だから、その生きたいという意志はとても強い

生か死か

それの最終決定が己の意志にあるのだとしたら、風が死ぬことはない


61 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 00:06:56.36KQkorgkIo (1/18)


天乃「でしょう? 風」

樹を抱きながら、問いかける

風に届かないことは分かり切っているけれど

問わずにはいられなくて、苦笑する

思えば最初ハ仲がいいとは言えなかったシ

天乃。と、呼んでくれるような仲でさえなかった

それが今では、付き合っていて名前も呼んでくれている

信頼もしあっている

天乃「樹、頑張りすぎたらダメよ」

樹「分かってます」

天乃「そっか……」

樹「頑張りすぎた人を、知ってますから」

自分なら大丈夫、心配いらない

そう言い聞かせて擦り切れるまで頑張ろうとした人を知っている

だからこうして、少しでも甘える

頑張りすぎないように、壊れないように

そう思って、樹は少しだけ強く天乃に縋った


62 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 00:19:47.54KQkorgkIo (2/18)


√ 12月16日目 夜(病院) ※火曜日


01~10 樹(継続)
11~20 
21~30 九尾
31~40 
41~50 悪いことは続くもの
51~60 風
61~70 
71~80 沙織
81~90 
91~00 東郷

↓1のコンマ


63以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 00:23:44.54ehY7qT2zO (1/1)




64以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 00:25:33.90HYKTJ4peO (1/2)

風先輩…!


65以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 00:54:35.50S1vESvP+O (1/2)

悪いことが続かなくてよかったよこれ


66 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 00:57:30.36KQkorgkIo (3/18)


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 01:04:33.08HYKTJ4peO (2/2)


あの大事故から一日経たずに風先輩復活の兆しが見えそうでなんとかなりそうだな


68以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 01:08:38.12S1vESvP+O (2/2)


まあなんとか風が復活してくれればこの重苦しい空気もなんとかなるな


69 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 14:44:32.05KQkorgkIo (4/18)


では少しずつ


70以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 14:59:58.21dJTwcwgKO (1/2)

あいよ


71 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 15:18:08.78KQkorgkIo (5/18)


√ 12月16日目 夜(病院) ※火曜日


夜になって、風が目を覚ましたという一報が精霊を経由して、伝わってきた

目を覚ましただけで怪我は治っておらず

まだ話すことはままならないけれど

でも、そのまま亡くなってしまうなんてことは無かったという安堵があった

もちろん、まだ予断を許さない

祟りがここで何らかのミスを引き起こさせることで

復活の希望から急転直下させてくることもあり得るのだから

天乃「でも、一先ずは安心して良いわね」

東郷「そうですね……とりあえずは山場を越えたと考えていいと思います」

友奈「どうしよう? 誰か行ったほうが良いよね?」

天乃「一人ではいかせられないわよ?」

複数人いても容赦のない祟り

それに怯えて外出制限するなんてことは止めたけれど

だからと言って、単独行動まで許すわけにはいかない

夏凜「風のことだし、樹は行くべきだと思うけど」

樹「それなら、久遠先輩も候補にするべきだと思います」


72 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 16:02:13.53KQkorgkIo (6/18)


沙織「流石に自力で動けない久遠さんを連れ出すのは危険だよ」

園子「天さんには力があるから。だね?」

樹「園子さんの言う通りです」

天乃が絶対に襲われないという保証はないが

今ここにいるメンバーでもっとも襲われない可能性があるのが、天乃の精霊と天乃自身だ

そして、天乃が想定通りであるのならば

たとえ母乳を与えなくても

その力で、風に手を出せなくする程度の抑止力になる可能性がある

樹「可能性ばかりで不安はあるけど、でも、何もしないよりはいいと思います」

夏凜「行動しようがしまいが事態は動くか……」

天乃「少なくとも、じっとしていては好転することはあり得ないんでしょうね」

沙織「だからって……」

東郷「そうですね。では、私もここはあえて、伊集院先輩の側につかせて貰うわ」

友奈「東郷さん?」

東郷「夏凜ちゃん、樹ちゃん、友奈ちゃん、そのっちは久遠先輩を連れ出すということで良い?」

夏凜「んな議論なんてしてる余裕あるの?」

園子「メリットとデメリットを把握しておくことは重要だと思う」

夏凜「風のところには千景がいるんだっけ?」

天乃「球子も一緒よ」

夏凜「なら、少しは平気ね」


73 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 17:02:11.90KQkorgkIo (7/18)


天乃「私はどうしたらいい?」

沙織「久遠さんは犬吠埼さんに会いたい? 会いたくない?」

樹「……久遠先輩がどっちかですね」

天乃が行きたいと言えば、話す必要があるだろう

だが、行きたくない―行かない―そういうのなら、

この天乃を連れていくことのメリットデメリットの話はいったん置いておくことが出来る

天乃「そういわれると困るのだけど」

夏凜「アンタはまぁ、そうでしょうね」

天乃「………」

もう夜だし、風も目を覚ましたばかりだ

明日にしよう。と、

少しだけ延期させることもできると言えばできる

もっとも、ただの先延ばしだが。

その間に夏凜達と話してもいいだろう


1、行く
2、行かない
3、連れて行ってもらうのよ? メリットがあるのなら、連れて行って頂戴
4、風もまだ休む必要があるだろうし、明日にしましょう?

↓2


74以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 17:03:38.55dJTwcwgKO (2/2)

1


75以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 17:17:20.88tC5qokNu0 (1/1)

1


76 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 18:11:46.24KQkorgkIo (8/18)


天乃「お世話にならないといけない立場で言うべきか分からないけれど、行きたいわ」

東郷「お世話になっているのは私達も一緒なので、気にしないでください」

夏凜「なら、天乃を連れて行きましょ」

沙織「でも久遠さんは自力で動けないんだよ? 何かがあったとき、危険じゃないかな?」

樹「そこは、同行する人でサポートするべきです」

友奈「何かがあるかもしれない。だからって、何もしないのはダメだと思います」

沙織はそれでも納得がいかない。というような表情を浮かべる

何かがあるかもしれないということにおびえてるだけで良いわけではない

それは沙織も分かっていることだろう

だが、自力で動ける―受け身も取れる―はずの風と樹が大怪我をした

風に至っては、精霊に守られてなお。だ

そんなことがもしも起きたら?

その最悪は、最悪ということでは言い表せないほどの惨劇となる

少なくとも、天乃は……

東郷「そうね友奈ちゃん。畏れていてはいけないわ。でも、恐れから目を背ける蛮勇であっていいわけでもない」


77 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 19:10:00.54KQkorgkIo (9/18)


東郷「樹ちゃん、久遠先輩はエレベーターで連れて行くしかないわ。それがどういうことか分かってる?」

樹「……はい」

厳しいけれど、そうだ

エレベーターが使えないならエスカレーターを使おう

それもダメなら天乃を抱えて階段を降りよう

そんなことをしようものなら悪化してしまう

どうしても移動にはエレベーターが必要になるが

そこでもしも

周囲を巻き込む風のような事故が起きたら

まず、助からないだろう

樹「でも、久遠先輩を連れて行くことが出来ればお姉ちゃんを助けられます」

沙織「絶対に助けられるという保証もない」

夏凜「天乃の力があれば、祟りの影響を最小限に抑えられる可能性はあるんじゃない?」

東郷「どうしてそう言えるの?」

夏凜「天乃の力が祟りを抑えられるなら、力を完全に制御しきれず漏れてる今はその周囲も救われるはず」

東郷「……歌野さん達の力は久遠先輩の力。それに守られている病室では被害が軽微」

天乃の周囲にいるだけで、それと同等の効果が得られる可能性はある

もちろん、血を与えられるなどと言った直接的なことに比べれば

抑止力としての効果はそこまで得られないかもしれないが


78 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 19:33:04.03KQkorgkIo (10/18)


東郷「久遠先輩のいるエレベーターを領域とすれば……」

沙織「確かに、犬吠埼さんにやったほどのことは出来ないかもしれないね」

あれほどのことを起こすには

祟りの力を最大限―であってほしい―使わなければならないはず

だとしたら、天乃の力に妨害されれば不可能

よって、多大な被害を出す事故は防げる

そして、それが事実ならば

天乃を風の病室に連れて行くことは大正解だ

みんなの病室と風の病室二つの病室を領域とするには、

歌野達の力の消耗が激しすぎるため、どちらかが手薄になる

天乃のがいるだけで病室全体とは言えなくとも、二人分の被害を軽減できるなら

連れて行ったほうが良い

少なくとも、今の風をそのままにしておくのは無しだ

夏凜「どうする? 天乃を連れて行くメリットは大きいと思うけど?」

沙織「……それでも、個人的なことを言わせて貰えば、嫌だね」

風を見捨てたいわけではない

だが、どちらかを危険に晒せという状況を考えれば

沙織は即断で天乃を危険に晒さない方を選ぶ

沙織「薄情だね……うん、分かってるけどね……でも、メリットは理解してるから、良いよ。久遠さんを連れて行こう」


79 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 20:00:49.96KQkorgkIo (11/18)


沙織は自己完結させて、天乃へと目を向ける

心配と不安を感じさせる瞳

でも口元は笑みを浮かべていて、仕方がないね。と、言う

東郷「伊集院先輩も納得してくださったことですし、久遠先輩」

天乃「……うん」

樹「眠くないですか? 大丈夫ですか?」

天乃「ええ、大丈夫よ」

少し眠気は感じるものの今すぐ眠りたいほどではない

今行くことが、風の為になる

だったら、行かないという選択はない

天乃「悪いけれどお願いね」

樹「任せてください」

天乃「それと、夏凜もね?」

夏凜「ん……? あぁ、そっか無理だったわね」

歌野達はこの病室の守護、千景と球子は風の病室

若葉は力の消耗によって休養中

精霊で出てこれるのはいない

夏凜「分かった任せなさい。何があっても守ってやるわ」

天乃「なにもないために、私が行くんだけどね」

夏凜の宣言に、天乃は悪戯っぽく笑って返した


80 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 20:10:46.97KQkorgkIo (12/18)


√ 12月16日目 夜(病院) ※火曜日


01~10 
11~20 
21~30 九尾
31~40 
41~50 
51~60 大赦
61~70 
71~80 
81~90 千景
91~00 

↓1のコンマ



81以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 20:14:50.20GmDYV+EEO (1/1)

ほい


82 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 20:44:56.77KQkorgkIo (13/18)


風のいる集中治療室は薄暗かった

外からの光が入ってこない、電気がつかない

だからではなく、風の弱った目に強い光が入らないようにするためだ

目を逸らすこと、首傾ける事

何もできないのが、今の風だった

天乃「……生きてて、良かったわ」

風「…………」

樹から聞いてはいたが、実際に見てその重みを感じる

骨折しているからだろう、固定された両足と両腕

包帯から少しはみ出て見える縫い糸

打撲によって色の変わった肌

半開きの瞳に、動かすことのできない口

きっと呼吸をする事さえ、辛いのだろう

酸素マスクが曇るたびに、辛そうな表情が見える

樹「お姉ちゃん……良かった」

風「っ……」

樹「無理に、喋らなくていいから」

動かない手を優しく握る

握らなくていい、答えなくていい

でも、体温がしっかりと伝わってきてくれればそれでよかった


83 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 21:27:01.44KQkorgkIo (14/18)


樹「お姉ちゃん、心配しないで」

風「…………」

樹「お姉ちゃんの言いたいことは分かるよ」

自分がこんな目に遭ったのだ

心配するななんて無理な話

出歩くことすら危ないことだ、大人しくしてて欲しい

そう言いたいのも分かる話

けれど、大丈夫だと樹は言う

心配していると知りながら、笑顔を見せる

それは天乃がみんなにしていたのと似ているようで違う

樹「私はもう、昔の私じゃないから。夏凜さん達も、いてくれるから」

夏凜「あんたはゆっくり休んでなさい、風」

天乃「私は……ふふっ、メンタルケアは任せなさいな」

夏凜「天乃は何でもさせてくれるらしいし、そこは信じていいわ」

天乃「えっ?」

夏凜「何がえ? なのよあんた」

どうせ何も言わなくても受け入れるくせに。と

夏凜は部屋の空気を払拭するように苦笑する

夏凜「だから、心配しなくていいわよ」


84 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 22:17:06.83KQkorgkIo (15/18)


風「…………」

樹「それで、久遠先輩の力があれば祟りによる影響を軽減できるって話があってね」

暫くお姉ちゃんの傍に居て貰うことにしたんだ。と、樹は今後の方針を伝える

少なくとも、風の怪我が治るまでは傍に居るほうが良い

祟りのせいで医療ミス……だなんてことがあってはいけない

樹「えっと……手を出したくなるかもしれないけど、我慢してね?」

風「…………」

天乃「そんなことないって言ってない?」

夏凜「何言ってんの? って感じだと思うけど」

ほんとは分かってるでしょ。と

夏凜の呆れた声を背後に受けて、

天乃は「さぁね」と苦笑する

まだ辛さは残っているが、風の精神面に問題はなさそうに感じたからだ

これなら、後は表面的な怪我の問題だけになる

天乃「頑張りましょう、風」

風「…………」

天乃「私が傍に居るから。ね」


85 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 22:21:54.15KQkorgkIo (16/18)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(祟り、行く)
・   犬吠埼風:交流有(事故、病室)
・   犬吠埼樹:交流有(祟り、行く、さぁ? どうかしら)
・   結城友奈:交流有(祟り、行く)
・   東郷美森:交流有(祟り、行く)
・   三好夏凜:交流有(あかちゃん、母乳、祟り、行く)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(祟り、行く)
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()


12月16日目 終了時点

乃木園子との絆  99(高い)
犬吠埼風との絆  120(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  107(とても高い)
結城友奈との絆  134(かなり高い)
東郷美森との絆  138(かなり高い)
三好夏凜との絆  164(最高値)
乃木若葉との絆  107(かなり高い)
土居球子との絆  54(中々良い)
白鳥歌野との絆  52(中々良い)
藤森水都との絆  44(中々良い)
  郡千景との絆  54(中々良い)
   沙織との絆  140(かなり高い)
   九尾との絆  77(高い)
    神樹との絆   ??(低い)


86 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 22:41:26.97KQkorgkIo (17/18)


√ 12月31日目 夜(病院) ※水曜日


01~10 
11~20 復帰
21~30 
31~40 
41~50 悪いこと
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 復帰
91~00 

↓1のコンマ

※空欄:風は回復しているが、戦闘復帰は不可


87以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 22:47:52.54Hb43eipfO (1/2)




88 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/24(日) 23:00:06.90KQkorgkIo (18/18)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


日付は飛んで12月最終日
その後に、1月


89以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 23:03:51.78Hb43eipfO (2/2)


これまた急に時間が進んだなー
久遠さんの種を使うタイミングは何時になるんだろう?


90以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/24(日) 23:29:28.34Luv7ZX7xO (1/1)


細かくやってたら死人出るからね仕方ないね
いやマジで


91以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/25(月) 01:09:16.57ZneFJD7C0 (1/1)


わるいこと怖いよー


92 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 20:21:08.02/72BgDQMo (1/6)


では少しずつ


93以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/26(火) 20:42:40.448PaMi8ajO (1/2)

来てたか


94 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 21:19:13.24/72BgDQMo (2/6)


√ 12月31日目 朝(病院) ※水曜日


風が大きな事故に遭ってから約半月

気が付けば年末だった

あれ以降、祟りによる被害は小さくなっている

もちろん、天の神が温情を与えてくれているわけではなく、

病室の結界と、天乃の抵抗力

それに守られていること

そしてなにより、登校を諦めたからだ

エレベーターが落ちるのだから車の一つや二つは衝突してくるだろう

天乃の母乳との関係を聞いた際に、

九尾がおまけのように言ったその言葉が切っ掛けだった

風「そろそろ、通常の病室に戻れそう」

天乃「大分話せるようにもなったものね」

風「ん……まぁ、まだ……」

言葉が止まる

困ったように眉を顰めた風は、何とか動かせる右手で顎のあたりに触れる

風「長く話そうとすると、骨が痛いけど」


95 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 21:54:13.16/72BgDQMo (3/6)


天乃「痛む程度で済むようになってよかったじゃない」

風「痛いって言える程度にまで来たのは良かったけどね……」

喜んでいいのか何なのか

ため息もつけずに顔半分を覆う包帯をなぞる

ちゃんと治っている

けれど、とても遅い

半月経ってもまだ満足に動けない

いや、それほど重かったのか

風「……正直、最初のころは全く分かってなかったのよ」

天乃「………」

風「身体が動かないとか、目が見えないとか、口が動かないとかもうめちゃくちゃで」

樹たちの言葉も、はっきりと聞こえていたわけではない

でも、危ないことをしようとしているような気がして、心配だった

風「揺れて、若葉が叫んで、犬神が出てきて……それで、アレ? ってなった」

天乃「記憶までなくならなくて本当に良かったわね」

あのダメージなら、物理的に記憶が消されてしまう可能性だってあった

祟りによる影響でそこまで重度であってもおかしくなかったけれど、

幸いにも記憶は無事だった

それは、素直に喜ぶべきだろう


96 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 22:19:45.33/72BgDQMo (4/6)


風「クリスマスは結局潰れちゃったし、この分だと初詣も無理よねぇ」

天乃「……うん」

風「神樹様の神社でも、5人分の祟りが集まってきたらさすがに辛いだろうし」

天乃「私のところなら平気かもね」

久遠家の力に満ち満ちている天乃の神社

そこならば、祟りに対して抵抗があるはず

建物が崩れたりすることはないだろうし、

天乃たちが被害に遭うこともないかもしれない

天乃「あるいは、私の母乳をみんなに飲んでもらうか」

風「神樹様の種を使ってからって話なんでしょ?」

天乃「ええ。でも、今日は調子が良いのよ」

風「だからって無理をしたらダメなんじゃないの?」

天乃「無理まではしないわ。でも、このままいくなら、夜にでも使おうかなって考えてるの」

神樹様の種

体内のパワーバランスを整えるために大赦から奪ったキーアイテム

それゆえに天乃の体調も良くなければいけない


97 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 23:03:01.32/72BgDQMo (5/6)


年末ということもあり、

人々の神樹様への信仰心がより強固なものとなったことで

天の神による影響が最小限に抑え込まれている

神樹様の力が強くなるものの、

神樹様と天の神

両方からの干渉がなくなる分、扱いやすい

力を整えるには好条件だ

天乃「……きっと、これから大変なことが起こると思う」

風「…………」

天乃「でも、私はきっと戦いに出る事は出来ない」

ここまで衰えてしまった以上、

特別な力だけで補うなんてことは難しい

だからこそ。と、天乃は言う

天乃「私は、出来る限りのことをしたいのよ。今このチャンスを、逃したくない」

神樹様の種を取り込み、

穢れの力と勇者の力を整えて、自分自身の崩壊を防ぐとともに

みんなへの力の供給ができるようにする


1、そうしたら、風を一番最初に相手してあげるからね
2、貴方こそ、無理はしないでね
3、でも……覚悟は、しておかないとね
4、そろそろ、負け続けはごめんでしょう?


↓2


98以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/26(火) 23:04:33.348PaMi8ajO (2/2)

4


99以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/26(火) 23:06:32.21P2BxFeUn0 (1/2)

3


100 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/26(火) 23:20:17.34/72BgDQMo (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「久遠先輩、もし最後の戦いがあっても出たらダメですよ?」

天乃「大丈夫、私にはそんな力ないから」

九尾「じゃがお主、満開は使えるじゃろう?」

九尾「もっとも、それはやはり……代償を伴うがのう」

友奈「なら、絶対にダメです」

九尾「そううまくゆけばよいがな」


101以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/26(火) 23:30:44.16P2BxFeUn0 (2/2)


久遠さん、種をもってしても戦えないのか…?
その分サポートに回るようだけど風先輩も大ケガで動けないし大きな戦闘が起こったら心配だなぁ


102以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/26(火) 23:46:36.14KaVd/pnrO (1/1)


久遠さんはみんなの心の柱だからしょうがない


103以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/27(水) 08:01:43.41St0/Fxd7O (1/1)


戦いの後でもいいから色々あって潰れたイベント(文化祭やクリスマスとか)の埋め合わせもしたいな


104 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 20:58:55.91t2UEmLqyo (1/8)


では少しずつ


105以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/27(水) 21:07:08.80ZrD7W5juO (1/3)

かもん


106 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 21:33:16.04t2UEmLqyo (2/8)


天乃「でも……覚悟は、しておかないとね」

風「覚悟?」

天乃「そう。私も貴女も命運を分ける戦いには間に合わないかもしれない」

風「………」

今日来るか、明日来るか

それとも、来月? 再来月?

天乃「私は力を取り戻したから戦います。とはいかないし、貴女だって体が治ってすぐに動くわけにはいかないでしょう?」

風「それは、ね」

精霊の力すら乗り越えてくるほどの天の神の力

それが呪詛としてではなく戦いに用いられたら

衰えた神樹様の力による補助など意味をなさないだろう

天乃「祟りによる影響は、私達で何とかできる。でも、手の届かない場所ではどうにもならない」

風「っ」

願うしかない、祈るしかない

それは、神の不条理に対して最も無力である

ゆえに……

天乃「覚悟をしないといけないのよ」

風「諦める気?」

天乃「ふふっ……まさか」


107 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 21:52:14.97t2UEmLqyo (3/8)


天乃「諦めることに、覚悟はいらないわ」

諦めないからこそ人は祈る、願う

そして、諦めない人々

その待ち人たちにこそ、覚悟が必要なのだ

天乃「貴女は覚悟をする側になるか、させる側になるか……どっちかしらね」

風「前は、覚悟をする側だった」

沢山の覚悟をしていた

樹の将来を背負う覚悟

世界の未来を担う覚悟

みんなを巻き込むという覚悟

だが、気付けばそのどれもが自分の手元にはない

風「その全部は、天乃がしてくれてるのよね」

樹のこと、みんなのこと、世界のこと

世界を左右する力を持ち、世界を守る勇者達を救う力を持ち、

樹だけでなく、みんなの生涯の伴侶となっている

風「……背負わせすぎ、のような気もするのよねぇ」

天乃「諦めるの?」

風「そろそろ、卒業の季節だから」


108 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 22:19:46.14t2UEmLqyo (4/8)


風「あたしたちは退くことも考えないといけないのかもしれないって思うのよね」

ここまでボロボロになってしまった今、復帰は難しい

ならば、足手纏いになるよりも座して待つべきなのかもしれないと。

中学からの卒業、勇者部からの引退

退かなければならないことがあるから、

今から待つ側に回ってしまうのもありなのではと思う

風「出来るなら……っていう気持ちもあるのよ? でも、天乃が言うように厳しい」

話すことさえ難儀する現状

戦いに行くなどと言ったところで、ドクターストップはもちろんのこと

戦力が欲しいであろう樹たちにでさえ、止められるような状態だ

風「だったら、お姉ちゃんが頑張るから。じゃなくて、頑張って。って、見送るべきだと思うのよ」

天乃「なるほどね」

風「天乃もいるし」

天乃「私、介護はする方じゃなくてされる方だから。ごめんね」

冗談で返した天乃は小さく笑って、困った表情の風へと目を向ける

ボロボロの体は、引退させるべき状態

だが、本人の心はまだまだ戦う意志を見せている

それは天乃も……同じだ

天乃「待つか待たせるか。まだ、貴女があなたが決めるには早いわよ」

諦めずに祈りましょう

諦めずに待ちましょう

来るべき戦いの日に、万全の状態であれることを。

天乃はそう、諭した


109 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 22:27:10.69t2UEmLqyo (5/8)


√ 12月31日目 昼(病院) ※水曜日


01~10 東郷
11~20 
21~30 夏凜
31~40 
41~50 
51~60 樹
61~70 九尾
71~80 
81~90 大赦
91~00 

↓1のコンマ


110以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/27(水) 22:28:15.77ZrD7W5juO (2/3)




111 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 22:47:14.04t2UEmLqyo (6/8)


√ 12月31日目 昼(病院) ※水曜日


体調を崩したときの看護師たちの慌ただしさはなく、

友奈たちほかの勇者部メンバーの姿もない、静かな病室

平和だと言えるのかもしれないが、

風の体が体なだけに、

平和と言っていいのだろうかと、天乃は逡巡して息を吐く

風はそんな悩みなど抱いていない

動くことが出来ないし、自力での読書も難しい

楽しく雑談と言うのも一筋縄にはいかなくて

ただただ、退屈そうに目を瞑っている

天乃「…………」

風「……天乃は、好きにしてていいのよ?」

天乃「んー……」

ぼーっとしてると風は申し訳なさそうに声をかけてくる

祟りの影響を抑えるために風の病室に同伴している天乃は、

それがなければみんなと一緒の病室だったのだ

話すことも難しい自分が一緒では、退屈でも話すことさえできないのではと、気遣っているのだろう

天乃「と言ってもね。ほら、私もこんな状態だからどうにもならないのよね」

両足はもともと動かないし、両腕、両手の力は並以下。

本を持とうものなら、ものの十数分で痛みが来る

残念ながら、好きにしていてもいいと言われても何もできないのである


112 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 23:28:52.17t2UEmLqyo (7/8)


風「あたしのこと、好きにしていい。とかは?」

天乃「貴女のベッドに行くだけでも一苦労よ」

怪我をしている部分や、

触れてはいけないような部分に触れないようにするなら最難関の冒険になってしまう

風は自分のことを好きにしてくれと言う考えを持っているのかもしれないが天乃にはそれが出来ない

風だけでなくみんながその気持ちがある

でも、出来ない

天乃「貴女からきてくれないと、体を持て余しちゃうかもしれないわ」

風「本来の病室で言えないくせに」

天乃「言ったら壊れちゃうもの」

風「ベッドが?」

天乃「私が」

沙織や東郷は聞き逃さない

友奈や樹も便乗する

夏凜と若葉はどうだろうか

二人は陰ながら見守りつつ、みんなの手が退いたら……いや

口は禍の元だと言いながら迫ってくるかもしれない

天乃「流石にね。一日でみんなの相手は無理よ」

風「ネットだと、出来るっぽいけど」

天乃「止めてよ、怖いわ」


113 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/27(水) 23:41:33.74t2UEmLqyo (8/8)


一体どうやっているのかと考えるだけでも恐ろしい

ひと段落した会話、回る思考

考えるのを中断した天乃はふと息を吐いて枕に沈む頭の重みを感じ取る

平和だ

退屈であり、暇であり、何もない

だからこそ日常であり、平和だと言える

天乃「……」

何度目かの、平和というものの考えの確認を行う

他愛もない会話の種すらも尽きる凶作状態

辟易しそうなほどの退屈さ

でも、それが良いと天乃は思う

穏やか過ぎて、鳥の囀りさえも大音量な静けさ

それこそが、平和というものなのだから

天乃「……のんびり、お茶でもしたいわね。出来るなら」

風「それを言うなら炬燵にミカンでしょ」

天乃「あー……布団の中が基本だから忘れてたわ」

風「あっ」

天乃「えっ?」

風「年末で思い出したけどうどん……年越しうどん……」

天乃「今年は諦めましょ」

風「うぐぐぐっ」

悔しそうな声を漏らす風の傍ら

天乃は「もしかしたらお夜食にあるかもね」と、僅かな希望を持たせて苦笑する

上手く噛めない風の為に、飲み込んでも平気なように調整して持ってきてくれるかもしれない



1、精霊組
2、イベント判定
3、来年、みんなが元気になってから色々しましょ

↓2


114以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/27(水) 23:45:26.49ZrD7W5juO (3/3)

2


115以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/27(水) 23:46:15.82v8/5reSx0 (1/1)

3


116 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 00:01:26.70wB+TWvdJo (1/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



樹「………」ペラッ

樹(吊られた男の逆位置……)

樹(あまり良くない、けど。だからこそ取り乱さない。冷静にいこう)

樹(一人じゃない、みんながいるから)


117以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 00:35:08.494/LGGWP9O (1/1)


卒業か…後輩たちを信じて待つしかないな


118以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 09:09:28.48qo6ZNtIeO (1/1)


このだらけた会話こそ日常なんよな…


119以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 12:29:44.87EN15njsfO (1/1)

思えば後半からはずっと入院生活だったもんな久遠さんたち…
ちゃんと残り少ない学生生活を満喫してから卒業させてやりたいな


120 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 21:39:50.62wB+TWvdJo (2/8)


では少しだけ


121以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 21:41:47.67OMZD349cO (1/3)

いえす


122 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 22:06:19.38wB+TWvdJo (3/8)


天乃「来年、みんなが元気になってから色々しましょ」

風「来年の年越しうどんはもう高校生の年越しうどんになっちゃうぅ」

天乃「……なれれば。ね」

風「やめろぉっ……っいたた……」

試験勉強なんて余裕がないまま年末を迎えてしまった風は、

数か月後の自分の結果を思い浮かべて、痛む喉にもがく

卒業はできるけれど、入学できるかは分からない

大赦が勇者としての働きを踏まえて、

補助―勇者としてあるまじき不正―してくれるかもしれないが

流石に、風もそんなことは望まない

かといって高校での浪人なんて、さすがにやっていられない

天乃「私も勉強は少し置いていかれちゃってる感じはあるし、一緒に勉強する?」

風「天乃は置いていかれてないでしょ……十分すぎるほど勉強してたじゃない」

天乃「つわりが出始めてからは全然よ。少しは頑張ったけれど、ね」

ちゃんと勉強している人に比べれば遅れている

もっとも、天乃には子供もいるため

勉強ができるとしても、進学するかは別だけれど


123 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 22:23:47.68wB+TWvdJo (4/8)


天乃「そうねぇ……留年するのはどう?」

風「いやいやいや」

天乃「夏凜達と同級生よ?」

風「それ嬉しいの天乃だけだから……」

もう一年、みんなと一緒

それだけ考えれば悪いことばかりじゃないけど。

そんなことを考えつつも、風は「やっぱなし」と断じる

勇者部の活動を通して有名になってしまっている風が留年でもしたら?

それを考えてしまうと、とてもではないが無理だ

風「あぁもう……バーテックスのせいだわ」

天乃「それはそうなんだけど、あれはもう自然災害みたいなものだから」

風「はぁ」

天乃「他の人に被害が出ないだけマシ。そう考えておきましょ」

風「そうねぇ」

ポジティブに考えるなら

そう思いつつ、風は抑えきれない絶望を感じて

頭の中に学んだ公式を羅列していく

羅列して――消えていく

風「……本格的に、やばい」


124 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 22:39:01.75wB+TWvdJo (5/8)


天乃「園子も勉強できるし、教えて貰ったら?」

風「3年の勉強も?」

天乃「ええ。出来ると思うわよ」

学校に行くことが出来なかったから

出歩くこともままならなかったから

出来ることと言えば勉強くらい

だから、やってしまったのだと園子は笑って言っていた

天乃「私でもいいわよ? 出来る事には限りがあるけどね」

風「………」

天乃「風?」

目を向けたままじっと固まった風は、

ゆっくりと目を逸らす

きっと、体を動かしたかったのだろう

腕がむなしく震えた

風「天乃は、ご褒美担当よねぇ、やっぱり」

天乃「ご褒美……?」

風「そっ、一日自由にしていいとか」

天乃「別にいいわよ? そのくらい」


125 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 23:10:09.57wB+TWvdJo (6/8)


恋人なのだからむしろ断る理由がない

けれど、風は「そうだけどさ」とつぶやく

風「そういうシチュエーションとか、面白そうじゃない?」

天乃「シチュエーションって、貴女も物好きね」

風「勇者部の脚本家よ? 当たり前じゃない」

雰囲気とか、シチュエーションとか

そういうものが好きなんだと、風は微笑む

風「それに、デートを勝ち取ったって、なんかよくない?」

天乃「その気持ちは分からなくもないわね」

努力して、勝ち得た結果

それが心から望んでいるものなら、とても喜ばしいことだろう

だからと、天乃は苦笑する

悪だくみを感じる、笑み

天乃「なら、しばらく私にはお触り厳禁ね」

風「えっ」

天乃「ふふふっ」

風「それは……無理」

我慢に我慢を重ねての、我慢

それはさすがに無理だと、風はシチュエーションを投げ出した


126 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 23:16:06.09wB+TWvdJo (7/8)


√ 12月31日目 夕(病院) ※水曜日


01~10 大赦
11~20 
21~30 
31~40 千景
41~50 
51~60 
61~70 九尾
71~80 
81~90 若葉
91~00 天の神も努力する

↓1のコンマ


127以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 23:20:01.29OMZD349cO (2/3)




128 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/28(木) 23:31:26.93wB+TWvdJo (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「久遠先輩を一日自由にできる券」

東郷「これがあるかないかで大きく変わる」

東郷「そう……久遠先輩を征服しているかのような高揚感が得られるのよ!」

沙織「ベッドの上ではいつも征服してるけどね」


樹「先輩が、とてもエッチなのですがどうしたらいいのでしょうか」

友奈「申し訳ございませんが、お客様のご質問は法令に基づきお答えすることが出来ません」

樹「クレーム入れますね」


129以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/28(木) 23:36:24.35OMZD349cO (3/3)


オマケがツッコミ不在で混沌としてる…w
あと久遠さんはお触り厳禁にしても結局押し切られそう


130以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/29(金) 01:02:30.26WPbiVY3xO (1/1)


一週間で毎日予定が埋まる久遠さん


131 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/29(金) 22:52:09.89lylkFuYSo (1/1)


すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


132以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/29(金) 23:06:54.133cHd2CCpO (1/1)

乙です
連絡あった方がやっぱりありがたい


133 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 18:17:16.76VwMmOtaqo (1/11)


では少しずつ


134以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 18:18:25.42z45npBhCO (1/3)

やったぜ!


135 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 18:41:32.03VwMmOtaqo (2/11)


√ 12月31日目 夕(病院) ※水曜日


風「そういえば……天乃って進路希望出したんだっけ?」

天乃「……出してない」

出せなかった。が、正しい答えだろうか

登校していた風達に任せてもよかったのだが

ちゃんと、答えを出すまで考える時間がなかった

ただ、どこの高校に行きたいかという進路ならともかく、

子供がいる上での将来

考えるのは簡単じゃなかったのだ

天乃「あくまで希望調査だから、出さなくても大丈夫だったとは思うけど……」

風「先生としては、天乃の進路希望よりも、また学校に来てくれることに期待してたのかもね」

天乃「クラスのみんなもね」

待ってたのよね。と天乃は申し訳なさそうに答える

実はクリスマスなどにも面会に来たのだが、

機密かつ、状況が状況なだけに会うわけにはいかず

顔を見せることは叶わなかった

風「せめて、卒業式くらいは参加したいわね」

天乃「」風はできるでしょ

風「あたしが。じゃなくて、天乃と……だから」


136 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 19:11:59.05VwMmOtaqo (3/11)


風「天乃だけじゃなくて、沙織も、みんなも」

天乃「そうね……多分、卒業式には出られると思うわ」

卒業式までには天乃の体の問題も解決させられるだろう

別の狙いがあったとはいえ、

神樹様の種を盗り返さずにいてくれるのは感謝すべきだ

天乃「みんなに何もなければ」

風「天乃が回復するなら、大丈夫じゃない?」

祟りによる影響は軽減できる

もちろん、軽減するだけで解決にはならないため

ちゃんと対応すべきだけれど卒業式への参加に支障はないはずだ

だが……きっとそんな生易しくはない

天の神はきっと攻めてくる

捧げものを強奪した挙句、それによる祟りを打ち消す

いい加減にしろ。と、お怒りになっていることだろう

むしろ、犬吠埼姉妹の大怪我もその怒りが要因なのかもしれない

そう考えながら風へと目を向けると、風も目を向けていて

痛まないように、笑みを浮かべて見せる

風「今日は体の調子がよさそうでよかった」

天乃「うん。このままいくといいんだけど……」


137 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 19:34:51.06VwMmOtaqo (4/11)


風「あんまり弱気になったらだめよ?」

天乃「ええ……」

病は気から

よく言われていることだ

でも……と天乃は眉を顰める

調子がいいときほど怖いものはない

動いた布団の隙間から入り込む冷たい空気が、

嫌に、不穏に感じてしまう

身体が弱くなったのと同時に、心も弱くなった

頑張れているのは、みんなのおかげだ

天乃は布団の中で自分の手を握る

年明けから、色々と変わっていくことがある

風が言ったように3年生は卒業しなければならないし、

出産を終えた天乃も、いつまでも入院というわけにもいかなくなる

もちろん、祟りの影響を考えれば入院を続けることもできるだろうけれど……



1、精霊組
2、イベント判定
3、ねぇ、風はそろそろ家に帰りたいって思う?
4、足、治ると良いなぁ


↓2


138以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 19:52:54.18z45npBhCO (2/3)

1


139以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 19:54:35.20MYLE9qXF0 (1/2)

4


140 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 21:03:37.82VwMmOtaqo (5/11)


天乃「……足、治ると良いなぁ」

風「神樹様の種を使えば、治るんだっけ?」

天乃「運が良ければ治るかもしれない」

風達の体は一度、満開による影響でその機能を喪失したが、

神樹様の力によって、取り戻した

だから天乃も神樹様の種を使えば、

そういった現象が起こる可能性はあるのだ

残念ながらみんなと違って神樹様の力を用いた満開ではないこと

穢れの影響によって、神樹様の力の大半が打ち消されるため、

体内のパワーバランスを整えることしかできない可能性の方が高い

天乃「勇者の力を使うなら、常に動かせるみたいだけどね」

風「そういえば、戦ってるときはさすがに歩いてたわよね。東郷はなんか、違ってたけど」

天乃「東郷とはタイプが違うから」

風「その東郷も今では歩けるのよねぇ……しかも、天乃を襲う勢いで」

天乃「あの勤勉さはありがたいけど、ちょっと怖いところもあるわ」

動けなかった東郷、園子

二人が自分の足でしっかりと動けるようになってくれたのは、嬉しい

でも、羨ましくもある

小さい。と、言われてしまいそうなことではあるけれど

誰か別の人も同じ状況であるのは、少しだけ心に余裕を持たせてくれるのだ


141 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 21:41:33.78VwMmOtaqo (6/11)


風「歩けるようになったら、もうされるがままにならなくて済むんじゃない?」

天乃「エッチなことで優位に立てるとは思ってないわ」

風「何諦めてんのよ」

天乃「友奈にも勝てないし」

風「あぁ……」

天乃「納得しないでよっ」

友奈どころか樹にも勝てない

と言うより、二人が非常に積極的になってしまう

そうさせる天乃は周りが求めない限り、

永久的に責められる側になることだろう

いや、もしかしたら別の誰かの技術を駆使して反抗してくるかもしれない

そう考える風の一方で

天乃は布団の中でモジモジと動いて、顔を赤くする

天乃「結構……恥ずかしい」

風「……無理ね」

天乃「えっ?」

風「いや、うん……頑張って」

風は考えを拭い去って、目を瞑る

経産婦とは思えないほどの、無垢さ

これでは友奈たちには一生勝てない

それが、天乃のいいところでもあるのだけど


142 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 22:41:21.64VwMmOtaqo (7/11)


風「足だけじゃなく、味覚も戻らないとね」

天乃「東郷の牡丹餅も食べてみたいわ」

風「美味しいわよ、本当にね」

天乃「うん」

友奈たちの反応からして、

間違いない味であることは分かっている

ちょっぴり見た目の悪い樹の手料理も、風の手料理も

友奈の作ったお菓子だって

みんなで行ったつるやだって

まだちゃんと味わえていない

だから、治って欲しいと頷く

天乃「牡丹餅のことでは、東郷たちに悪いことしちゃったしね」

風「あれは……まぁ、仕方がなかったでしょ」

天乃「勇者のことは伏せたままでも話すことは出来た。それをしなかったのは、私よ」

風「それでも、悪くない。それに今更謝ったら何言われるかわかったもんじゃないわよ?」


143 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 22:57:27.88VwMmOtaqo (8/11)


風は茶化すような声色で苦笑して

確かに、今のみんなに下手に出たら何をされるか分からないと天乃も笑う

特に、沙織だ

東郷は言動の端々にえっちな思考が見え隠れしているが、それ以上に顕著だ

そして、それに負けじと友奈たちも頑張ろうとするため、

最終的には大変なことになってしまう

天乃「一日中エッチさせられるのはさすがに嫌だわ」

風「でも、それで疲れ切ってる天乃も見てみたいと思ったりしなかったりするのよねぇ」

天乃「本気……?」

風「半分くらいは」

天乃「もう風とはしない」

風「えっ」

きっぱりと言い切って天乃は風へと背中を向ける

もちろん、そんなことはないのだけれど

淫らな考えを持ちすぎている罰だと

背中に届く言葉を、跳ね除け続けた


144 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 22:59:48.45VwMmOtaqo (9/11)



√ 12月31日目 夜(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 悪いこと
41~50 九尾
51~60 
61~70 
71~80 千景 
81~90 
91~00 悪いこと

↓1のコンマ


※空欄は全員


145以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 23:02:22.98WPzRNSh50 (1/2)




146以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 23:03:33.38WPzRNSh50 (2/2)

あっ…ごめんなさい!!!


147 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 23:04:33.95VwMmOtaqo (10/11)


悪いことの程度

1~0

↓1コンマ


148以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 23:05:52.62xstIIGKCO (1/1)




149 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/30(土) 23:15:53.60VwMmOtaqo (11/11)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から


程度は2・・・軽め


150以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 23:23:19.90MYLE9qXF0 (2/2)


またしても天の神の妨害か
幸い軽めとのことだが種を使う時に影響がなければいいけど…


151以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/30(土) 23:39:33.38z45npBhCO (3/3)


五体満足な久遠さん早くみたいなぁ


152 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 20:07:36.3387vSXNV8o (1/6)


では少しだけ


153以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/31(日) 20:08:17.66LV+Xz/TUO (1/3)

あいよー


154 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 20:29:12.4987vSXNV8o (2/6)


√ 12月31日目 夜(病院) ※水曜日


東郷「くっ……私としたことが」

園子「ドンマイだよ、わっしー」

夏凜「なんにせよ、大した怪我じゃなくてよかったんじゃない?」

東郷「それは、そうだけど」

友奈「東郷さん。東郷さんがそんなに落ち込んでたら、久遠先輩も風先輩も心配するんじゃないかな」

東郷「友奈ちゃん……」

まもなく、年が明ける

そのためにしていた準備は、今まさに東郷の目の前で無残に砕け散ってしまった

正確に言えば、破れ去ったと言うべきだろうか

天乃が風の病室に常駐するようになってから地道に作り上げた、赤ちゃんのためのお洋服

それが台無しになってしまったのだ

落としかけた糸を拾おうとした瞬間に布団がズレ、ベッドから落ちたときに

引っかかり、引っ張って、ダメになった

幸いにも東郷自身は体を打つ程度で済んだけれど。

樹「運が悪ければ串が刺さっていたんですよ、東郷先輩」

東郷「ええ……そうね」

夏凜「予定通りお年玉で良いんじゃない?」

樹「久遠先輩が絶対に喜ばないって言ったの夏凜さんじゃないですか」


155 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 20:49:08.7687vSXNV8o (3/6)


友奈「久遠先輩、味覚がないから美味しい食べ物っていうのだけじゃだめだもんね」

園子「ゆーゆ?」

夏凜「……ま、でしょうね」

ふぅ。と息を吐いた夏凜は、

暗い表情を浮かべる友奈から視線を外す

年越しうどんだとか、おせちだとか、お雑煮だとか

天乃は味覚がなくてそれで喜べるような状態ではない

風だって、今年は食べられないという話だった

自分での咀嚼が難しい状態だから仕方ないけれど。

東郷「やはり、ここは自由にしていい券を渡しましょう」

園子「諦めてなかったんだねぇ~」

東郷「私たちのことを好きにしていい券! これなら、久遠先輩が普段させられないようなことだってさせられるのよ!」

友奈「久遠先輩は券があってもさせないと思うなぁ」

樹「東郷先輩は欲望に忠実すぎるんです」

夏凜「樹にまで言われるなんて、東郷……やばいわよ」

東郷「授乳された人が何言ってるの?」

友奈「それは私もなんだけどなぁ」

園子「早く天さんのところ行こうよ~」


156 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 21:22:20.9487vSXNV8o (4/6)


天乃「あら……勢ぞろいね」

夏凜「あと数時間で年明けだし」

天乃「そっか……」

友奈「久遠先輩、体の調子はどうですか?」

天乃「うん、大丈夫そう」

幸いにも、体調が崩れることはなかった

今まで体調がすぐれなかったりしたのは妊娠が原因だったわけだし

当然と言えば当然かもしれないけれど。

樹「じゃぁ、ようやくですね!」

樹は嬉しそうに声を上げて慌てて口を押える

年末ということもあって、

特別にまだ起きているところもあるけれど

寝ている人もいる

離れている治療用の病室とはいえ、あまり騒ぐのは迷惑だ

風「あたしにも、癒しの光を」

園子「アルファ派~」

東郷「私もやるわ」

みょんみょんみょんみょん……と

手を動かす二人の一方で

すっっと、沙織が病室へと入ってきた


157 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 21:52:36.5187vSXNV8o (5/6)


沙織「どうする? 久遠さん」

天乃「そうねぇ……」

今すぐ行うか、せめて年明けまでは待つか

天乃の体に神樹様の種を使った場合、

当然ながら拒絶反応が出るし、多少は寝込むことになる

でも、それを乗り切れば無事、完治したと言える

逆に言えば、これを行わなければ完治とは言えない

どれだけ元気になれていたとしても、

最終的には体内のパワーバランスの崩壊によって、死に至る

それは九尾も言っていた確定事項だ

夏凜「どうするかは天乃に任せるわ」

東郷「っ……」

年越しくらいは……と

言いたげに動いた東郷は口を閉ざして目を背ける

このわずかな我儘が、

最終決戦があった際に天乃のたった一言の声援の有無にかかわるかもしれない

聞きたいときに声を聞くとができるかどうかに、関わってくる

天乃「明日調子がいいとも限らないのよね」


1、今日やってしまう
2、せめて年明けに行う
3、みんなはどう?

↓2


158以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/31(日) 21:54:01.85wclVubOo0 (1/1)

3


159以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/31(日) 21:56:29.70LV+Xz/TUO (2/3)

1


160 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/31(日) 22:06:59.9087vSXNV8o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんは年明け、現実は改元
久遠さんはもうちょっとだけ続きます


161以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/31(日) 22:43:13.35LV+Xz/TUO (3/3)


最初のシリーズが始まったころはまさか時代を跨ぐまで続くとは思ってなかったなぁ
久遠さんの物語は奥が深くてまだまだ色々な話を見たくなるんだよな


162以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 08:03:13.64NtJ+eyihO (1/1)


断片的だった陽乃さんルートもそのうちやるのだろうか


163以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 09:44:05.62y5OfTFYAO (1/1)


久遠さんは我慢効かない


164以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 18:59:42.93ZegSHwMS0 (1/2)

このスレもエイプリルフールネタやるのか気になる(ゆゆゆいのあのダークネス園子様を見て)


165以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 19:13:27.07+gnXcL71O (1/1)

多分その余裕はないな(最近の休載率を見て)
でもオマケに期待してる!


166 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 20:50:56.36XIm6xlxoo (1/8)


では少しだけ


167以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 20:57:47.05Rw82AfsgO (1/1)

よしきた


168 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 21:02:20.95XIm6xlxoo (2/8)


天乃「ごめんねみんな……今日やっちゃおうと思う」

友奈「っ」

園子「そっかぁ……仕方がないね」

東郷「せめて、せめて年が明けるまで待ちませんか?」

樹「年明けまで待てない理由があるんですよね?」

勇者部の面々の割れる呟きに

天乃は困った表情を浮かべながら、耳を傾ける

年明けまで数時間

それくらい待ってもいいのではという意見も分かる

けれど、その数時間が命取りになりかねないのが天乃なのだ

天乃「神樹様の力を借りる以上、向こうも万全であるべきだから」

沙織「そう……だね。久遠さんの力に打ち負けたりなんてしたら最悪だからね」

神樹様への信仰心が最高潮に達し、

天の神からの影響をほぼ完全にシャットダウン出来る時間

勇者の力と違い際限なく湧き出てくる穢れの力もそれならば容易く包み込んで抑え込んでくれることだろう

こんな機会は、もうない

中学3年生としての年明けも最期だけれど、年末年始は生きていれば来年以降も訪れる

だから、今なのだ


169 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 21:16:57.16XIm6xlxoo (3/8)


夏凜「みんな、楽しみにしてたのよ」

天乃「……うん」

残念そうにする友奈たち

せめてあと数時間くらいはと、求める東郷たち

その姿を見ていなくても

せっかくの年末……辛く苦しく、けれど生き抜くことのできた今年を

そして、来年こそは。という思いを込めての何かがあることくらいは分かっていた

夏凜「約束できるんでしょうね。あんた」

樹「夏凜さん……?」

夏凜「確実に回復するって、その足もその舌も、目も……全部ちゃんと治るって」

天乃「難しいことを言うわね、夏凜は」

天乃の気力次第だというのなら、それは当然完治するだろう

しかし、そんな優しくはない

神の嫌われ者である天乃には、そのような幸福は断じてあり得ない

それが現実である

天乃「でも、ちゃんと見えるようになったら。ちゃんと聞こえるようになったら、ちゃんと感じられるようになったら……良いな」

風「……隣であたしも、頑張るわよ」


170 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 21:39:31.83XIm6xlxoo (4/8)


風「だから、頑張りなさい」

天乃「風……」

今は風も満身創痍

だからこそ、その言葉には茶化せない思いがあって

天乃は苦笑いを浮かべて、頷く

天乃「もちろんよ」

むしろ、頑張るために逃げないのだから

後回しにできることをせずに

僅かな希望に縋って、突き進むのだ

友奈「久遠先輩、絶対、絶対に……ちゃんと」

東郷「せっかくの年末年始をつぶすんです。ちゃんと埋め合わせはしていただきます」

天乃「体に負担がかからなければなんだってしてあげるわよ」

東郷「……分かってて、そういうこと言うんですから」

園子「天さんがそう決めたなら、私から言えるのは一つだけ……負けないで」

天乃「ええ」

園子「天さんの力は強い。強いからきっと、飲み込まれちゃうこともあると思う。でも負けたらだめだよ」

天乃「分かってるから、大丈夫」


171 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 22:16:55.74XIm6xlxoo (5/8)


沙織「本当に良いんだね?」

天乃「ええ」

沙織「……そっか」

ちょっと残念だな。と、沙織は呟く

沙織も楽しみにしていたのだろう

用意をした身でありながら

それが無駄であることを願っていたらしい

でも、「仕方がないね」と笑みを浮かべる

沙織「今日やることで少しでも久遠さんの負担が軽くなるなら、やらない手はないからね」

天乃「確証はないけどね……でも、迷わないわ」

樹「……大丈夫です。きっと、その強さがあれば」

樹は秘かに引いていたタロットカードを戻し、口を開く

引いたカードは月、そして、逆位置

それは決して良いとは言えないが悪いとも言えない

己の道が正しいと信じ、強い心をもって望めば打破できる

天乃「なんだかみんな、お別れみたいな雰囲気だけれど……そんなことないからね?」

夏凜「分かってるわよ。だから……頑張ってきなさい」

天乃「うん」


172 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 22:46:21.47XIm6xlxoo (6/8)



神樹様の種の反動

1~0

↓1コンマ

※小~大
※ぞろ目ならなし


173以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 22:48:20.39Eh5HtpAhO (1/3)

たのむ


174以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 22:49:58.57Eh5HtpAhO (2/3)

世の中そんな甘くなかった…


175以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 22:50:59.942KQVbAVT0 (1/2)

逆境こそ久遠さん


176 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 23:08:08.08XIm6xlxoo (7/8)


01:全快 02:右足× 03:聴記× 04:味視× 05:右足× 06:味覚× 07:聴覚× 08:全快 09:右足× 10:視覚×
11:視覚× 12:全快 13:全快 14:視覚× 15:全快 16:聴視× 17:味覚× 18:味覚× 19:視覚× 20:味視×
21:聴覚× 22:視覚× 23:両足× 24:両足× 25:味覚× 26:視覚× 27:記憶× 28:視覚× 29:記味× 30:聴覚×
31:記憶× 32:聴覚× 33:記憶× 34:右足× 35:味視× 36:視覚× 37:記憶× 38:右足× 39:右足× 40:聴記× 
41:両足× 42:視覚× 43:聴視× 44:視覚× 45:両足× 46:両足× 47:視覚× 48:記味× 49:視覚× 50:記憶×
51:記味× 52:左足× 53:味覚× 54:記味× 55:聴覚× 56:両足× 57:全快 58:両足× 59:全快 60:全快 
61:記憶× 62:味覚× 63:全快 64:両足× 65:聴覚× 66:記憶× 67:味視× 68:左足× 69:全快 70:全快 
71:聴覚× 72:記憶× 73:両足× 74:足 75:記憶× 76:聴覚 77:全快 78:聴記× 79:全快 80:聴覚× 
81:左足× 82:聴覚× 83:全快 84:全快 85:聴覚× 86:味覚× 87:全快 88:全快 89:左足× 90:全快 
91:全快 92:全快 93:記憶× 94:全快 95:聴覚× 96:全快 97:聴視 98:左足× 99:左足× 00:全快


↓コンマ

※×はそれ以外が回復


177以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 23:10:27.99A3JSiXJ20 (1/1)




178以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 23:11:15.27ZegSHwMS0 (2/2)

神は何処まで僕らを試す


179 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/01(月) 23:18:41.72XIm6xlxoo (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


「ぞろ目なら…」という文言を入れ忘れましたが、祟りのせいにしておきます


180以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 23:25:47.72Eh5HtpAhO (3/3)


今回ばかりはゾロ目判定欲しかった…
久遠さん散々苦労してきたのにこれでも治りきらないとか可哀想すぎる


181以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/01(月) 23:48:00.412KQVbAVT0 (2/2)


まあ片足だけならまだいいじゃん


182以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 01:15:58.91mArhvK9Q0 (1/1)

乙です
記憶とかにならなかっただけマシだとポジティブに考えよう


183以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 09:00:38.96ZUGyQNXBO (1/1)

まぁ反動?拒絶反応かな?がほぼ最大値だからしゃーない
それで左足だけなら十分だろ…九尾に力を借りよう


184以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 15:36:25.11TKTlQiJY0 (1/1)

祟りのせいになったってことは天の神倒せば左足も治るってことかな?
なら希望はある!


185 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 21:11:24.72uxOmRZuZo (1/7)


では少しだけ


186以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 21:13:02.78milfAYOLO (1/2)

かもーん


187 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 21:43:05.15uxOmRZuZo (2/7)


沙織「行くよ……久遠さん」

天乃の意志をもう一度確認すると、

沙織は神樹様の種が納められた器を左手に持ったまま天乃の腹部を撫でる

軽く押し込んで、天乃の顔が困惑のままなのを見て、苦笑する

沙織「お腹だけ出してもいい?」

天乃「いいけど……必要なの?」

沙織「禊する時だって羽織ってるのは衣だけでしょ? まぁ、これは禊じゃないからいいと言えばいいけど」

天乃「必要ならいいわ。裸でも」

沙織「そこまでしなくてもいいよ」

体に障ったら悪いからね。と

沙織は自分の欲求を押し殺して裾をめくる

沙織「……神漏岐かむろぎ神漏美のかむろみの……皇親神伊邪那岐の大神、伊邪那美の――」

殺気の接触とは違い、

煩悩のかけら一つなく、沙織は触れる

小さく、大きく

祝詞と呼ばれる言葉を紡いでいく

天乃の中に宿る穢れ、その元凶たる神々

扱う神樹様の種、その源流たる神々

そのすべてに聞いていただくための、祝詞


188 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 21:59:19.54uxOmRZuZo (3/7)


沙織「禊祓ひ給ふ時に……」

器――羅摩から神聖な輝きを放つ種を取り出し、

天乃の腹部……へそのあたりに宛がう

祝詞を唱える前からではなく、唱えてから宛がうのは馴染ませるためだ

東郷「凄い……」

本物の、巫女だった

普段のお茶らけた言動、淫らな欲望に塗れた思考

それらとは全く違う、巫女としての姿

沙織「諸々禍事罪穢を……」

天乃「ひぐっ……!」

沙織「っ……申す事の由を」

ずずっと……天乃の腹部に種が沈み込んでいく

その拒絶反応によってか、大きく跳ね、呻いた天乃を沙織は押さえつけて、祝詞を続ける

苦しかろうが、辛かろうが

途中で止めるわけにはいかなかった

中途半端に入って拒絶反応の収拾がつかなくなったら大変なことになってしまうからだ

沙織「っ、三好さん!抑えて!」

夏凜「わ、わかった……」


189 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 22:10:48.63uxOmRZuZo (4/7)


鬼気迫る沙織の声に、さすがの夏凜も一歩押されて反応し、言われた通りに天乃を抑える

足こそ動かないが、

両手が、頭が、腰が、自傷しかねないほどに動く

その激しさが、意識してでの動きではないことを明確する

抑える腕に伝わってくる抵抗

その強さに夏凜は眉を顰めた

天乃「ぅぁっあぁああああああっ!!」

夏凜「っ」

沙織「聞食せと――」

神樹様の種は、

沙織の祝詞が終わりに近づいたのを見届けたかのように、

天乃の体の中へと溶けて消えていく

一際大きく上がった悲鳴

ごぷっ……と、零れだしてきた血をすぐに拭う

失明していた左目からは血が、右目からは涙が……流れ落ちて

天乃「ぅ……」

強かった抵抗は急激に弱くなって

そして――完全に途絶えた


190 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 22:24:17.93uxOmRZuZo (5/7)


樹「久遠、先輩……?」

沙織「……畏み、畏み……も白す」

願い、祈る

息絶えてしまったかのような天乃の静けさを前にして

沙織はくっと口を噛んで目を瞑る

叫んでも、何しても意味がないと沙織が一番分かっているからだ

賽は投げられた

もう後戻りすることはできない

出来る手は打った

あとはもう、天乃が頑張るしかないのだから

友奈「久遠先輩っ、久遠先輩っ!」

沙織「大丈夫だよ……死んじゃったわけじゃない」

心臓は動いている

ただ、目を覚ますことはないだけで。

頭に浮かんだ続きの言葉をかみ砕き、飲み込む

沙織「神樹様の力と、久遠さんの穢れの力。それが互いに潰しあって……久遠さんを壊そうとしてる」

園子「でも、大丈夫なんだよね?」

沙織「うん……大丈夫。久遠さんは、きっと、大丈夫」

五体満足で戻ってきてくれるかどうかの保証はできない

もしかしたら、失ったものは失ったままかもしれない

でも、それでも

それでもいいから帰ってきてくれるはず。と。

沙織は頷いた


191 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 22:29:49.94uxOmRZuZo (6/7)


↓1コンマ一桁


※1~0
※判定結果+反動値9日間の昏睡
※ぞろ目なら11日


192以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 22:31:56.65vL2rerShO (1/1)

はい


193 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/02(火) 22:55:09.23uxOmRZuZo (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

14日間=約一ヶ月分



陽乃「神様ってしぶといわよね……でも、そろそろ限界。ようやくくたばるのね」

陽乃「停滞した世界は守る価値があった? 命を削る意味があった? ふふっ、無様ねって罵ってあげようかしら」

天乃「でも、貴女もそうしたんでしょう? 陽乃さん」

陽乃「馬鹿なこと言わないで。私は神も仏も人間も守る気なんてこれっぽっちもなかったわ」

陽乃「私は私が生き残るために力を尽くしただけ。その恩恵に集った乞食が生き残っただけよ……本当、狡賢いわよね」


194以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 23:04:26.36milfAYOLO (2/2)


約二週間も寝込むことになるとは…過去最長のブランクじゃなかろうか
あと寝ている間夢の中で陽乃さんとそういう会話してそう


195以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/02(火) 23:55:09.479whjv8ZtO (1/1)


仕方ないとはいえ結構なダメージだな


196以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 15:03:28.308ESb2xirO (1/1)

1月の日数ほとんど消費しちゃったけどどうなるんだろう?


197以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 18:38:37.45UxNYdo+RO (1/1)

陽乃さんはツンデレなのかガチなのか
>>196
1月は勇者部編か夢編ではなかろうか


198以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 20:41:16.371tEAmFoY0 (1/1)

まあいっそひと月ポンと飛んでるのもありな気がする
判定次第ではひと月の間にとんでもないこと起きそうだけど


199 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 22:05:58.780GL0ts6ho (1/6)


では少しだけ


200以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 22:09:28.47x1txOQulO (1/3)

やったぜ


201 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 22:25:39.790GL0ts6ho (2/6)


沙織「………」

年が、明けた

どこからか、鐘の音がする

少し前から始まっていたであろうそれは、

百八つ目なのか、ちょうどいいタイミングだと思ったのか

一際大きく鳴り響いて沙織達のもとへと届く

沙織は目を瞑り、耳を傾ける

他の病棟、病室からは

年明けを祝う声、病気が治りますようにと願う声

様々な声が聞こえてくる

友奈「……はっ、はっぴーにゅーいやーっ!」

東郷「友奈ちゃん!?」

友奈「落ち込んでちゃだめだよ!」

きっと、それじゃダメなんだよ。と、

友奈は天乃のことを見つめながら言い聞かせるように声を張る

友奈「力のこともあったと思う。でも、大晦日だからこそ儀式をやったんだって、思うんだ」

樹「大晦日だからこそ?」

友奈「うんっ」

夏凜「持ち越してもいいことないでしょ。今回の問題は」


202 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 22:41:09.790GL0ts6ho (3/6)


夏凜「新年になってからやるよりも、年が明ける前にやっちゃった方が区切りが良いし」

園子「除夜の鐘みたいなものかな~?」

年が明ける前に叩き始め、

年明けとともに最後の一回を打ち終えるという除夜の鐘の鳴らし方

始まりは大晦日に

そして、終わりは年が明けるのと同時に

そうすることで、新年に持ち越さないというやり方をまねたのではないか。と、園子は言う

残念ながら、年明けと同時に目を覚ませるほど生易しいことではなかったが。

友奈「久遠先輩は希望を持って決断した。だから、目が覚めた時に私たちがダメになってるわけにはいかないんだっ」

風「その通り……って、あたしが言ったってしょうがないかもしれないけど」

あはは。と、笑って痛みに顔をしかめた風に樹は心配そうな目を向けつつも頷く

東郷「お呪い。ですね」

樹「頑張るから、みんなも頑張って……でしょうか」

切り出したのは風からではあったけれど、天乃にも初めからその思いはあったのだろう

どちらかがダメでも意味がない

一蓮托生、願うは大きく広くけれども――一つ

沙織「みんなで一緒に居られること……」

夏凜「そのために必要なことなんだから仕方がないでしょ。とか、天乃なら言うんじゃない?」

樹「久遠先輩、意外に我儘ですから」


203 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 22:56:19.420GL0ts6ho (4/6)


風「そうなれって言ったのはあたし達だけどねぇ」

すぐ横の眠り姫

目を向けきれないもどかしさに頬を膨らませながら

風は限りなく明るい声色で呟く

天乃の苦しむ姿を見ることにはなってしまったけれど、

儀式は行われてしまった

あとは、祟りに負けず天の神に屈せず

目が覚めるまで生き延びるだけだ

いや、【まで】ではない

それからもずっとだ

そのために、ここで悲しみに暮れているわけにはいかない

沙織「そうだね。久遠さんは生きるために頑張ってるんだから。それであたしたちが挫けるわけにはいかない」

友奈「はいっ」

夏凜「それじゃ、風は体を治して」

風「任せろっ」

樹「受験も頑張らないとだね」

風「まかっ……」

東郷「目を逸らさないでください。風先輩」

だってぇーと、

意気込んだ屋下記に、弱弱しい声が病室に流れていく


204 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 23:14:49.560GL0ts6ho (5/6)



1月中の勇者部、コンマ判定

0~9

↓1

※悪~良
※ぞろ目ならびっくりすることが起きる


205以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 23:15:40.57x1txOQulO (2/3)




206以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 23:16:06.70AphOXUb3O (1/1)

何が出るかな


207 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/03(水) 23:28:08.120GL0ts6ho (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

判定は7、中吉


沙織「でも、分かってる? 久遠さんが眠っちゃったってことはエッチなことが出来ないんだよ?」

友奈「!」

東郷「いいえ待ってください、世の中には眠姦なる性行為というものが――」

夏凜「あんたが待てっ!」


樹「除夜の鐘では祓いきれない煩悩があるみたいです」

千景「あれこそが人間の穢れよ」


208以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/03(水) 23:37:36.94x1txOQulO (3/3)


とりあえず1月中はなんとか大丈夫そうだな
あとは天の神がいつ動きだすのか気になるところだが…


209以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/04(木) 00:00:45.23WIzBNuJw0 (1/1)


今は耐えるとき……


210 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/04(木) 22:25:14.28kDojPmd5o (1/1)


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から


再開は1月14日目、勇者部視点


211以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/04(木) 22:33:32.89a1XxeLoZO (1/1)

乙ですー
はたして二週間でどんな変化が起こるのだろうか…


212 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/05(金) 21:26:48.09Caigi3TUo (1/3)


では少しだけ


213以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/05(金) 21:29:22.11xuCh6lY0O (1/1)

あいあいさ


214 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/05(金) 22:36:22.51Caigi3TUo (2/3)


√ 1月14日目 朝 (病院) ※水曜日


年が明けてから、二週間

風の体は外傷こそまだ残ってしまっているものの

軽く動かすことや、運動することはできるくらいには回復した

順調な回復を見せる風には

身体的な後遺症などの心配もないだろう。とのことだ

天の神による祟りは、

風や樹を襲ったような怪我などが伴うものは殆どなく

転んだり、ぶつかったりぶつけられたり

ちょっとした不注意での事故のようなものばかりになっていた

しかし……

友奈「……東郷さん、大丈夫?」

東郷「うん、友奈ちゃんは?」

友奈「大丈夫」

そう言って笑みを浮かべる友奈だったが、

その表情はとても辛そうで

東郷は「無理しないでね」と、声をかける


215 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/05(金) 23:37:42.28Caigi3TUo (3/3)


天乃や歌野達の力による祟りへの対抗

それがあってか、外因的な被害を与えることはなく、

直接的に生命力を奪っていく方向へとシフトしたのだと沙織は言うが

それが祟りの本来の在り方なのだろう

胸元にあった痣のような印は大きく広がりを見せ

人前には晒すことが出来ないほどにまで大きくなりつつある

夏凜「冬で良かったわよね、コレ」

襟首を伸ばして自分の体を覗いた夏凜は、

苦笑いを浮かべながら、呟く

冗談にはならないけれど

冗談にでもしていなければ、辛い

園子「プールに入れないからね~」

東郷「エッチなこともできないわ……」

樹「祟りのことより絶望してませんか?」


216 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/06(土) 00:00:09.05yXzlxzxEo (1/3)


軽口を、叩く

祟りによって蝕まれていても心まで蝕まれているわけじゃない

痛みはあるし、熱っぽい時もあるし

当然のことながら、苦しくもある

けれど、一人ではなく、みんながそうであるからこそ

それぞれが頑張っているのだから。という力強さがあって。

たった一つ、天乃の為にと言う強い想いがあって

だから、平気ではないけれど平気なのだ

東郷「当然よ樹ちゃん……分かる? 二週間も、久遠先輩の体に触れる事すらできていないのよ?」

樹「それは……その気持ちは分かりますけど」

今までは、話すことが出来た

見ることが出来たし、触れることだってできた

でも、今は祟りの進行もあってろくにできていない

東郷は胸元を握る

忌々しそうに、いらだたしさを感じさせる

東郷「こんなものを見せたら、久遠先輩が泣いてしまうわ」

夏凜「その前に怒るかもね」

東郷「怒られるなら、まだ良いだわ」


217 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/06(土) 00:28:14.27yXzlxzxEo (2/3)


怒られるのも嫌と言えば嫌だが、

泣かせてしまうことだけは絶対に嫌なの。と、東郷は拒絶する

友奈も、樹もだ

今の天乃は非常に涙もろいけれど

今の姿を見て天乃が泣くのは罪悪感からだ

自分の代わりに無理をさせた、自分のせいでこんなことになった。と

目の前では泣かないかもしれない

でも、きっと泣かせてしまうことになる

東郷「そんなことになったら、私は私が許せないわ」

沙織「かといって、無理をしてもいいわけではないことを忘れないでね?」

樹「今は眠っているのであれですけど、ずっと会わないわけにはいきませんから」

友奈「特に、東郷さんは目が覚めた瞬間にでも全速力で飛んでいかないとおかしいからね」

東郷「友奈ちゃん……」

夏凜「理解して貰えてるみたいな顔してるけど、悪い意味よ?」

樹「でも、久遠先輩の元気な姿を見ることが出来たら……そのためなら、大丈夫な気はします」

樹は東郷の反応に困った反応を見せながら、

一理はあります。と、つぶやいた


218 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/06(土) 00:30:45.01yXzlxzxEo (3/3)


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


219以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/06(土) 01:05:29.44itmqRh1x0 (1/1)


きっちり症状は出てきたな


220以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/06(土) 05:03:43.54PXb20dppO (1/1)


久遠さんが復活したらもう少し祟りもなんとかなるかな…?


221 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 20:47:48.71G5oBse3qo (1/8)


では少しだけ


222以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/07(日) 20:52:42.82yGmd9XSwO (1/1)

よしきた


223 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 21:30:45.27G5oBse3qo (2/8)


√ 1月14日目 昼 (病院) ※水曜日


01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 久遠さん
41~50 
51~60 九尾
61~70 
71~80 悪いこと 
81~90 
91~00 久遠さん

↓1のコンマ


※久遠さんは基本的に夜
※判定でのみ、引いた時刻


224以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/07(日) 21:34:14.845SOoEtncO (1/1)




225 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 21:55:24.99G5oBse3qo (3/8)


√ 1月14日目 昼 (病院) ※水曜日


友奈「はぁ……」

東郷「友奈ちゃん、本当に大丈夫?」

友奈「……うん」

額の汗を、拭う

大丈夫、大丈夫

そう言い聞かせて、息を飲む

友奈「でもちょっと、息苦しいね」

東郷「そうね……少し、辛いかも」

友奈「寝てるだけでも、なんか怠くてご飯も吐いちゃいそうな気がする」

東郷「分かるわ」

冗談を言い合うように、笑う

でも、内容はまったく楽しくはない

けれど笑っていれば、少しは軽くなる気がした

東郷「お風呂に入るのも怖いわよね」

友奈「うん……」

東郷「久遠先輩のための体なのに……こんなに穢されて」

友奈「う、うん?」


226 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 22:27:50.53G5oBse3qo (4/8)


東郷「出来る限り早く、綺麗にしないと」

友奈「東郷さんは、えっちなことしたいの?」

東郷「その有無に限った話じゃないわ」

たとえそれがなかったとしても、

自分の体が穢されているのは気に入らない

したいこと、したいけれど。

東郷「……なんというか、久遠先輩を喜ばせたいの」

ちょっと勢いに乗りすぎて困らせてしまうこともあるけれど

でも、いつも楽しんでくれている

終わった後は、満足してくれている

ほどほどにね。と言いながら

嬉しそうに笑ってくれる

東郷「友奈ちゃんは、どう?」

友奈「私は……まだ、えっちなことは良く分からなくて、全然力になれてないなぁって思う」

それが必要な頃だって

自分よりも東郷たちが役立っていて、全然役に立てていなかったと心の中では思う

でも、天乃は嬉しそうだった

自分のせいで淫らになっていく

それには少し申し訳なさそうではあったけれど

でも、自分たちの望んでいることであると伝えたら

困ってはいたけれど、ダメとは言わなかったし嬉しそうだった


227 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 22:53:34.41G5oBse3qo (5/8)


友奈「本当は高校生くらいから、なんだよね?」

東郷「そうとは限らないけどね」

友奈「そ、そうなんだ……」

東郷「久遠先輩みたいに妊娠や出産を経験するのは……ないみたいだけど」

神世紀以前はどうだったのか

千景は多くはないが少なからずあったと言っていたから

少なくとも、道徳的に正しくはないことなのだろうと思う

東郷「でも、久遠先輩はどちらでも嬉しいのよね」

友奈「うん」

東郷「私たちが幸せなら、それでいいの」

天乃はみんなの幸せを願い、

みんなは、天乃の幸せを願っている

だからこそ、それが踏み躙られている今が許されない

そんな姿を、見せたくない

東郷「私たちの幸せには、久遠先輩が必要」

友奈「そのために、久遠先輩は凄く頑張ってくれたんだよね」

今も、頑張ってくれているんだよね。と

友奈は悲しそうに、けれど嬉しそうに言う

友奈「そのために、もう少し私達も頑張らないとだよね」


228 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 23:05:53.56G5oBse3qo (6/8)


東郷「友奈ちゃん……分かってるよね?」

友奈「……うん」

友奈や東郷、夏凜は

すでに一度、天乃の穢れの一端を請け負っている

その効果はすでに消え去っており

恩恵も何も得られないような普通の体だが

天の神からしたらすでに穢れた不浄な者だろう

その分、影響は樹達よりも大きくなる

それは努力で賄える苦痛ではない

東郷「辛ければ辛いって言ってね? 私も……辛いから」

友奈「東郷さん……」

東郷「でも、えっちなことを話す余裕があるならまだ大丈夫ね」

友奈「東郷さんっ!」

東郷「ふふふっ」

もうっ! と

ちょっぴり怒った友奈の声はいつも通りで

東郷は嬉しそうに笑う

まだ大丈夫。まだ平気

病気ではない熱っぽさの強くなっていく体の息苦しさを感じながら、

東郷は極力、笑みを見せた


229 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 23:08:16.01G5oBse3qo (7/8)


√ 1月14日目 夕 (病院) ※水曜日


01~10 久遠さん
11~20 
21~30 風 
31~40
41~50 大赦
51~60 
61~70 
71~80 千景 
81~90 九尾
91~00 

↓1のコンマ


※久遠さんは基本的に夜
※判定でのみ、引いた時刻


230以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/07(日) 23:09:12.89v08Ob+yq0 (1/1)




231 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/07(日) 23:21:27.62G5oBse3qo (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夕方は夏凜と九尾の交流
そして夜に久遠さん


232以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/07(日) 23:34:41.46mpVLGSNSO (1/1)


くあゆでは貴重なゆうみも回だったな
久遠さんも勇者部も幸せになってほしい


233以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/08(月) 00:18:27.67nOw8SlKk0 (1/1)


仲間がいるだけでだいぶ原作より心強いよなあ


234 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 21:10:14.74aKYze7A1o (1/7)


では少しずつ


235以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/08(月) 21:19:36.74TsJEtPC10 (1/1)

あいよー


236 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 21:49:12.39aKYze7A1o (2/7)


√ 1月14日目 夕 (病院) ※水曜日


夏凜「天乃はどうなのよ?」

九尾「案ずるな、問題はない」

夏凜「予定では今日なんでしょ? あんまり、そんな感じはしないんだけど」

九尾「見た目は変わらぬが、確実に力を取り戻しておる」

大丈夫。と

九尾はもう一度繰り返して言う

はたから見たら今までと変わりなく思えるが

内面ではしっかりと力を取り戻しており

目を覚ますことは確実だと九尾は感じていた

これで、勇者部も救われることだろう

九尾「と言っても、力を取り戻すだけで本調子ではない。無理はさせるでないぞ」

夏凜「させるわけないでしょ……もう、させない」

九尾「じゃが、お主らが無理をしても主様は嫌がるじゃろうな」

くくくっと笑った九尾は

厄介じゃのう。と、あざけるように笑う


237 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 22:09:24.24aKYze7A1o (3/7)


九尾「その祟り、主様に勘付かれるぞ」

夏凜「………」

九尾「もっとも、主様の手を借りる以上。知らせる事じゃが」

天乃の力が戻った後は、久遠家の血を借りて祟りの影響を最小限に抑え込むため

祟りの影響は知られてしまう

どれだけの苦痛だったか

どれだけの辛さだったか

全部、知られてしまうことになる

夏凜「……やっぱり、アンタもそう考えてんのね」

東郷達もそれは気がかりで

無理に力を貸し与えようとしてくるのではないかと、

少し……いや、かなり不安だった

夏凜「天乃の力は全盛期に比べてどうなの?」

九尾「それには劣る。子がおるのじゃから当然じゃな」

夏凜「それでも、戦うことはできる?」

九尾「うむ。血を分け与えた後はまた時間がかかるじゃろうが時期にできるようになるじゃろう」

無理をするのならば、すぐにでも。

もちろん、その場合に命の保証はできないが


238 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 22:41:45.71aKYze7A1o (4/7)


夏凜「……頼みがある」

九尾「妾に頼みじゃと?」

いい度胸をしておるのぅ。と

九尾はぐっと身を寄せ、夏凜の瞳の奥までをも見透かそうとしているかのように

目を見開く

ただでさえ大きな瞳が、紅く強く光る

九尾「聞くかどうかは保証せぬが、よいかや?」

夏凜「ダメ」

アンタにしか頼めないことだから。と、

夏凜は九尾の威圧感にまったく怯むことなく、続ける

夏凜「私達じゃできないことなのよ」

九尾「ふむ……」

夏凜「あんたが素直にお願い聞いてくれるような奴だとは思ってない」

でも、と夏凜はつづける

夏凜「天乃のためなら、やってくれる奴だとは思ってる」

九尾「何を言うか」

夏凜「九尾も私達も……みんな、天乃が大切だから」


239 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 22:56:57.85aKYze7A1o (5/7)


夏凜「でしょ?」

九尾「…………」

じーっと夏凜の瞳を覗いていた九尾は、

おもむろに目を閉じ、身を引いていく

つまらないと言いたげな様子ではあったが、

九尾は何も言わずただ息を吐いて瞬きする

紅い瞳は怪しげな光を放ちつつ夏凜へと戻る

九尾「妾は人間とは違う。久遠家の血その契りがあるが故のこと。主様個人に思い入れなどない」

子供が産まれ、出涸らしと言ってもいいような天乃のことは

もう、気にする必要もない

何をしようが、どうなろうが

力を継承した子供たちさえいるのならばどうでもいい

しかし……

九尾「妾の本来の主を引き継いだ貴重な娘じゃ。特別、聞いてやろう」

夏凜「素直になったほうが良いんじゃないの?」

九尾「貴様が言うか、小娘」

夏凜「私は素直になってるわよ……一応、そのつもり」

じゃないと、伝えたいことも伝えられずに後悔してしまいそうだったから

失ってから、こうしておけばよかったと嘆くことになりそうだったから

なにより、まっすぐであっても受け取ることに難色を示す人だったから

夏凜「天乃が面倒だっていう九尾の意見には……異論はないわ」

過去の数か月

その難しさを思い出した夏凜は

呆れたように、そう言った


240 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 23:07:34.58aKYze7A1o (6/7)


√ 1月14日目 夜 (病院) ※水曜日


01~10 大赦
11~20 
21~30  
31~40
41~50 大赦
51~60 
61~70 
71~80  
81~90 大赦
91~00 

↓1のコンマ


※空欄は久遠さん


241以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/08(月) 23:11:16.55Enxh2dc7O (1/1)

はい


242 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/08(月) 23:27:04.18aKYze7A1o (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


風「確かに、夏凜って素直になったわよね」

東郷「久遠先輩って、自分に向けられる好意に関して否定的でしたから」

樹「率直にぐいぐいいかないとーって感じだったとは思います」

友奈「でも、それなのに手当たり次第に口説いていたような……」

園子「天さんの天は天然さんって意味もあるんよ~」


夏凜「あんたが言えたことじゃないでしょ。それ」


243以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/08(月) 23:31:57.207V8xzeA7O (1/1)


目覚めは近いのか


244以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/08(月) 23:39:25.559WtZAXkrO (1/1)


夏凜も成長したからかいつの間にか完成型勇者とかあまり名乗らなくなったしな
それにしても九尾にしかできない頼みとは一体…?


245 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/09(火) 21:10:50.95UcZJkqDco (1/5)


では少しだけ


246以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 21:13:13.14TZYSaQQh0 (1/1)

やったー


247以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 21:17:43.016SQbRvgdO (1/3)

かもん


248 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/09(火) 21:38:02.34UcZJkqDco (2/5)


√ 1月14日目 夜 (病院) ※水曜日


天乃「っ……」

冷え切った身体が急激に温められていくような感覚が広がっていく

乾いた喉の痛みも瞬く間に癒えて

身体の鈍さも和らいでいく

天乃「ぁ」

目が見える

濁っていない、歪んでいない、半分欠けてもいない

耳が聞こえる、左からも、右からも

片方からしか聞こえなかった音が、両方からしっかりと聞こえてくる

消えていた、大切な人たちの記憶

それもまた、まるでなくなっていたことが嘘のように、鮮明だった

足も動く

弱弱しいけれど、しっかりと動いてくれる

ただ一つ、左足を除いて

天乃「……望みすぎは、毒ね」

どうせなら左足も治してくれればよかったのに

そう言いたいけれど、

左足以外は治ってくれたことに感謝すべきだろう


249 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/09(火) 22:05:46.38UcZJkqDco (3/5)


天乃「九尾の力とは……全然違う」

若葉達の記憶

それを取り戻す際に感じた記憶の復元とは全く違って

痛みなどもなく、すんなりと収まっている

もっとも、寝込んでいる間に激痛にもがいたのかもしれないが。

少なくとも、意識を失う寸前に血を吐くまで来ていたのは、体が覚えている

一瞬感じたのどの痛みも

その感覚を覚えていたからだろう

天乃「風……?」

横を見てみると、医療器械に囲まれていて

風の姿はどこにもない

歌野達の力に守られている病室の方に移されたのだろうか

天乃「そう……貴女は、大丈夫そうなのね」

起きて独りと言うのは寂しいけれど

順調に治ってくれているのなら、良かった。と

天乃は苦笑する

天乃「今、いつなのかしら」


250 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/09(火) 22:18:04.25UcZJkqDco (4/5)


携帯端末も、時計もない

すぐ近くにあるモニターには時間の表示がない

ナースコールでも押そうかと手を伸ばす

天乃「……普通、押すべきなのよね」

寝込んでいたとは思えないほどの快調な感覚

抑圧されていたものを解放したがっているのか

頭は、押さなくてもいいのではなどと考える

友奈たちは呼べないが、精霊は呼べる

精霊が呼べれば、友奈たちも来てくれる

天乃「元気になった途端これなんだから」

自分自身のことなのに、笑えてしまう

若葉は無事だろうか

風はどうだろうか

みんなは、あれ以降大丈夫だろうか?

自分のことよりも、気になることが多い


1、とりあえずナースコール
2、精霊
3、とりあえず、片足で立ってみる
4イベント判定


↓2


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 22:19:26.28dhWwbAKv0 (1/1)

4


252以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 22:20:08.326SQbRvgdO (2/3)

3


253 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/09(火) 22:30:50.82UcZJkqDco (5/5)


では本日はここまでとさせていただきます
明日は恐らく、お休みになるかと思います
再開は明後日、通常時間から



天乃「……思い出した」

天乃「私、一昨年までお兄ちゃんとお風呂に入ってたんだ」

ガタンッ……ガタッ、ガッシャーンッ

   トウゴウ!? チョッ……トウゴーッ!!

天乃「マッサージも、良くして貰ってたわね……懐かしい」

ドゴンッ
      アノヘンタイッ!!

歌野「わぉ……デンジャラスね」


254以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 22:36:15.706SQbRvgdO (3/3)


やっと記憶も戻ったと思ったら兄貴ェ…
久遠さんも久遠さんでよく平気でいられたなぁ


255以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/09(火) 23:05:43.179OLaL664O (1/1)


久遠さんだからなぁ…家族なら普通を鵜呑みにしてたんだろうな
困るけどお兄ちゃんが残念がるからとか…


256 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 21:19:52.87+oPKaVr9o (1/6)


では少しだけ


257以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/11(木) 21:20:21.79CDDJ8MCHO (1/1)

よっしゃ


258 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 21:38:08.38+oPKaVr9o (2/6)


天乃「でもまずは、ちょっとだけ」

見られたら怒られるけれど、

少しだけ。と、天乃は機器がアラートを慣らさないように気遣いながら、体を起こす

左足を手で誘導し、右足をゆっくりと動かす

天乃「動く……うん」

動くことが不思議で、怖い

地に足を付けた瞬間に砕け散るのではないか

そんな謎の不安を感じる

天乃「戦うより、怖がってるんじゃないかしら」

ドキドキ、ドキドキと

強く高鳴る胸に手を宛がう

苦しくなっていく呼吸を整えるように、大きく息を吸って吐く

天乃「少しだけ、頑張って」

酷く衰えた右足を、ベッド縁から降ろす

支えのないぶらぶらと揺れる感覚

それを感じられる嬉しさと恐怖

竦みそうになる身体を、何とか押し出す

天乃「そーっと、そぅっと」

ピクリピクリと、怖がる指先

薄氷に触れようとしているようなその足はやがて、床に触れる


259 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 22:04:22.38+oPKaVr9o (3/6)


天乃「ゃっ……」

指先から感じるひんやりとした冷たさに、思わず声を上げる

改めて指先を床に触れさせ

ゆっくりと、体重をかけていく

軋んでいるのはベッドか、体か

指先から足の裏

少しずつ範囲を広げていく

天乃「……あっ」

そして、ようやくベッドと足が支える体重が均等になって

みしりと、足が悲鳴を上げた

天乃「っ」

治ったと言っても、長らく使われなかった足

筋肉が削がれて体重が落ちたのだが

足の支える力も併せて落ちているのだから、無茶な話だったのだ

天乃「いったっ……痛いっ」

ビキビキとした痛み

今まで、感じられなかった痛み

辛いけれど、少しだけ嬉しかった


260 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 22:39:14.43+oPKaVr9o (4/6)


天乃「長時間立つのは無理ね」

当然のことではあるが、歩くのなんてもってのほかだ

リハビリが必要だし、筋力を取り戻す必要もある

二年以上の筋力的ブランクは非常に重い

子供を抱いての生活など不可能だ

天乃「お母さんになるのも、大変だわ」

子供を産んだら終わりじゃない

弱った体に鞭打ってでも頑張らないといけない

もちろん、伴侶がいればその手が借りられるが

その相手だって、子供だけ世話していれば良いわけじゃない

そう考えれば、

10人以上のサポートを得られる天乃はずいぶんと恵まれていると言える

天乃「……ふぅ」

けれど。

こんな体では、みんなのサポートに回ることはできない

助けられる一方なのは変わらない

天乃「みんなは今までしてくれたからっていうけど……」

やっぱり、自分の願いなのだから

出来る限り何かしたいという気持ちは出てきてしまうのだろう

取り戻した体の弱さに、ため息をついた


261 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 22:44:17.05+oPKaVr9o (5/6)


01~10
11~20 大赦
21~30  
31~40 若葉
41~50 
51~60 大赦
61~70 
71~80  
81~90 夏凜
91~00 千景

↓1のコンマ


262以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/11(木) 22:45:19.08gyBauO8JO (1/2)




263 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/11(木) 22:49:01.67+oPKaVr9o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


沙織交流
その後に2月


264以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/11(木) 22:58:41.84gyBauO8JO (2/2)


この様子だと仮に両足が治ってたとしても戦いどころじゃなかったかもな…
あと天の神は本当に1月動かないままだったのか


265以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/11(木) 23:35:55.81OA4tyAc8O (1/1)


さおりん再会第1号か


266 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 20:34:15.66x+7LFKI7o (1/7)


では少しだけ


267以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/13(土) 20:45:12.05aYgpt2KeO (1/1)

きてたー


268 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 21:21:24.84x+7LFKI7o (2/7)


沙織「久遠さんっ」

天乃「きゃっ」

沙織「久遠さん久遠さん久遠さん久遠さん久遠さん久遠さんっ!」

天乃「ちょ、ちょっと!」

精霊の感覚で伝わったのだろう

全速力で―足音が聞こえるほど―病室へと駆け込んできた沙織は

ベッドに座る天乃めがけて飛び込み、押し倒す

沙織「久遠さん久遠さん久遠さん久遠さん……」

天乃「……落ち着いて」

強く抱きしめてくる沙織の体を抱き返して、

優しく……背中を擦る

まだ大した力は入らないが、そのくらいはできる

天乃「大丈夫よ……もう」

沙織「うん、でも……もう少し」

もう少しだけこうしていたいと

沙織は十数分間も、抱き着き続けた


269 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 21:48:13.17x+7LFKI7o (3/7)


沙織「すーっ」

天乃「………」

沙織「………ゴクッ」

天乃「なんで飲むのよ……吐きなさい」

まったくもう。と、

天乃は呆れつつも笑いながら、沙織の体から離れる

ふざけてはいるけれど、大丈夫

そしてなにより、

沙織の第一声がこれならば

みんなもまた、無事なのだろうと

少しだけ、安堵する

天乃「大丈夫?」

沙織「うん、大丈夫。いい匂いだった」

天乃「そういう意味じゃないのよ?」

沙織「分かってる分かってる」

天乃「そんな満面の笑みで言われてもね……」


270 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 23:06:47.60x+7LFKI7o (4/7)


天乃「みんなは?」

沙織「犬吠埼さん達のような大きな被害は出てないよ」

今のところは酷い外傷のあるような被害は出ていない

事件や事故もなく、平穏だと言ってもいいだろう

ただ一つ、勇者たちの体を除いては。

祟りの印は広がり始め、体を蝕んで苦しめている

満開を行った勇者に関しては

それによって喪失した体の機能が神樹様の力によって補われているため

その部分の機能が著しく低下しているなど

問題も発生している

……隠すことは、出来ないだろう

沙織「ただ、祟りは着実に進んでる」

天乃「そう……」

沙織「今のままでは、満足に戦うこともできないと思う」

気合で何とか出来る人

今までの努力と、その技でどうにかできる人もいるけれど、

通常時と比べれば劣ってしまうし、バーテックスに対しては非常に心もとない

沙織「久遠さんの力が必要だよ」


271 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 23:31:30.78x+7LFKI7o (5/7)


天乃「時間は? もうない?」

沙織「まだあるよ……でも、長くはない」

もう一月も終わってしまう

二月に入ったあとは、祟りはどうなってしまうのだろう

蝕むことに注力するのか

周りを巻き込み、絶望に誘うことを目的とするのか

どちらにしても、良いことは何もない

祟りは最終的に勇者たちの生命力を食い尽くして、殺してしまう

沙織「このままだと、春まで持てばいい方だよ」

天乃「そこまで……来てるの?」

沙織「平静さを保ってるのが凄いというほどには」

一人ではなく、みんなで抱えている罪だからだろう

だから、辛さを分かち合うことが出来て

精神的に追い込まれてしまうことがないのだ

沙織「……良かったね。一人にだけ背負わせることにならなくて」

天乃「……ええ」

奉火祭を東郷だけに背負わせていた場合、

同じように救出しても祟りの対象は勇者の中の一人

口にするだけでも伝播するその苦しみをたった一人で背負うことになっていたらと思うと

天乃は恐ろしく、首を振る

天乃「時間はないけれど、明日にしましょう……一番危ない子から、私の力。分けてあげないと」

沙織「そうだね……久遠さんも大変だけど、頑張って」


272 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 23:42:55.38x+7LFKI7o (6/7)


√ 2月1日目 朝 (病院) ※木曜日


01~10 
11~20 九尾 
21~30  
31~40
41~50 大赦
51~60 
61~70 
71~80 若葉
81~90
91~00 悪いこと

↓1のコンマ


※空欄なら全員


273以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/13(土) 23:47:34.42uiEBjUfC0 (1/1)




274 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/13(土) 23:56:09.26x+7LFKI7o (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば昼頃から

朝は大赦交流
昼からは勇者部のみんなと対面、祟りの話


275以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/13(土) 23:58:33.86bSrjF5oeO (1/1)


ここで大赦かよお


276以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/13(土) 23:59:14.115gZxxwcyO (1/1)


大赦が久々に出向いてきたか
ヨボヨボな久遠さんに何を吹き込むんだろう…?


277 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 19:28:25.64yRorvqqho (1/6)


では少しだけ


278以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 19:29:47.40QrPBDntY0 (1/1)

うほほーい


279以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 20:00:23.11oWr0RYmp0 (1/2)

来てたか


280 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 20:04:36.45yRorvqqho (2/6)


√ 2月1日目 朝 (病院) ※木曜日


「ご健勝のようで、なによりです」

天乃「あら? そう見える? 大赦の持ってる私の記録と見比べて衰えてない?」

「ええ、まったく」

天乃「お世辞が上手ね、ふふふっ」

余裕を見せる天乃は、

楽しげに笑いながら無粋な大赦の遣いを眺める

天乃「それで? 目が覚めて早々……穏やかではなさそうだけど」

「……流石ですね。貴女には話が早い」

天乃「お世辞は結構よ」

もう聞いたから。と

牽制するように言った天乃は

まだ慣れない体を動かして、息を吐く

天乃の回復を受けて

そう時間も経たないうちに会いに来た

ということは、確実に良くないことだ

普通なら、回復の祝いも考えられるが

久遠家には、そんなことはあり得ない


281 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 20:41:00.74yRorvqqho (3/6)


天乃「何が起きているの?」

「天の神による侵攻はいまだ収まりがついておりません」

それどころか、奉火祭を中断させたことで怒りは強まり、

神樹様をも飲み込もうとしているのだと、神官は告げる

天の神による祟りについては、

簡単に口外することはできないのだろう

かなり遠回しながら、付け加えて情報を伝えてくる

祟りを払うことはできない

それは天乃の力であっても、影響を抑える程度にしかならないほどに凶悪だからだ

だが、

それらすべてを払拭する方法がないわけではない

「久遠様は、神婚……というものをご存知ですか?」

天乃「神婚……? そういうものがあるという程度なら」

「……なるほど」

天乃「神樹様と人を結婚させるつもりなの?」

まさか、天の神ではないだろう

そう判断した天乃は、

神樹様が相手だと断定して、問う

天乃「……それが、大赦の出した答え?」


282 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 21:08:45.86yRorvqqho (4/6)


「そうする以外に方法はないでしょう」

このまま祟りに生気を吸い尽くされて勇者部が力尽き

バーテックスに対する抵抗力を完全に損なって崩壊までの一途を辿るか

神婚を行うことで神樹様の眷族となり、

天の神によって滅ぼされる未来から逃れるか

人類を存続させることを望むのであれば

どちらか。などと言う選択はない

神婚を行う。という選択肢以外に道はない

天乃「神婚……神婚ね。言葉を濁しても無駄なのは、分かってるでしょう?」

「はい。久遠様の御傍におられる精霊であれば、それがどのようなことであるかを理解していることでしょう」

天乃「人類は本当にそれで生き残ることが出来るの?」

神婚することによって、眷族となる人類

それ果たして、人であるのか、否か

聞いた話だけでは、その先は分からない

「そうですね……人類は存続します。しかし、人としての形ではなくなることになります」

天乃「人じゃなくなる……?」

「眷族となり、神樹様とともに永遠となるのです」

天乃「それが救いだと、本気で思っているの?」


283 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 21:48:04.54yRorvqqho (5/6)


「少なくとも、天の神による完全な崩壊は免れます」

天乃「だからと言って……」

「久遠様の仰りたいことは分かっております」

それが本当に望まれている救いではないかもしれないこと

正しい救い方ではないことも

本来、目指すべき終着点ではないことも

だが、それでももう、残っていないのだと神官は言う

「時間がないのです。久遠様」

天乃「…………」

「神樹様はもう、長くはありません」

決断する以外にはない

かといって、無断で行っては無理やりにでも止められてしまう

それではまた大変なことになる

だからあえて、話に来たと告げる

天乃「……筋は通す。ということね」



1、九尾を呼ぶ
2、悪いけれど、お断りよ
3、それは……誰が対象なの?
4、おばあさまに会わせては貰えないかしら?


↓2


284以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 21:49:42.07sEqWvnX2O (1/2)

3


285以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 21:51:14.70oWr0RYmp0 (2/2)

3


286 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/14(日) 22:15:17.70yRorvqqho (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「神婚……?」

東郷「寝取るつもりですか、神様でありながら人様の女を奪い取るおつもりですか」

東郷「何が神様ですかただの俗物だわ」

東郷「これはもう、殺――」

風「ストーップ!」

友奈「お、落ち着こう? 落ち着こう? ねっ?」


287以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 22:20:52.05sEqWvnX2O (2/2)


ついに神婚の話題が来てしまったか
止めようにも久遠さんはまだまともに動けない状態でどうすればいいんだ…


288以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/14(日) 22:36:51.86Ei6NhBA20 (1/1)


やはり神樹様を切り倒すしか…


289以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 00:24:18.43zc4eHyes0 (1/1)


神樹様にあんなことやこんなことをされちゃうのか


290 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 20:44:37.64FuSazIw/o (1/6)


では、少しだけ


291以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 21:11:35.91XInEYQ7lO (1/2)

よっしゃ


292以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 21:22:58.28Bgf/tLzg0 (1/2)

そういえばこのシリーズ何年続いてる?


293 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 21:28:37.59FuSazIw/o (2/6)


天乃「それは誰が対象なの?」

まさか、大赦の一存で決められるわけではないだろう

そう踏んだ天乃の問いに、

神官は「そうですよね」と、半ば諦めたように

そして、天乃本来の厄介さを疎むように息を吐く

「久遠様は、回復なさらないほうが良かった」

天乃「急に何言ってるのよ」

「神婚を行うことを真っ先に伝えなければならないのは、それを行うべき対象者」

天乃「…………」

「それだけ言えば、十分でしょう」

神婚

その相手に神樹様が求めたのは、天乃なのだ

恐らく、元々の力が強いこと

天の神側の強力な力を併せ持っていること

そしてなにより、神樹様の根を吸収したことが大きいだろう

「久遠様、貴女です」

天乃「……私、穢れてるんだけど」

そんな冗談を笑ってくれる人は、この場には居なかった


294 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 22:00:39.26FuSazIw/o (3/6)


「久遠様が何と言われようと、神託に選ばれたのは久遠様です」

天乃「……馬鹿じゃないの? 私なんかと結婚したら殺されるわよ?」

冗談ではない

神樹様の根を取り込んだことで

多少はプラスに働いているかもしれないが

それでも、穢れていることに変わりはない

天乃「………」

だけれどきっと、祖母は初めからそれが狙いだったのかもしれない

天乃が万全だったら……と言っていたあの言葉は

そういうことだったのだろう

天乃を用いて神婚を行うことで人類の救済を行う

それが、天乃が万全ならできたことなのだろう

天乃「……そう。私なのね」

「はい」

天乃「大赦は、それを望んでいるのね?」

「はい、そうする以外には道がないと」


295 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 22:27:50.91FuSazIw/o (4/6)


天乃「………」

それ以外にも道はある

それは、天の神の祟りを打ち負かしてバーテックスに攻めさせ

片っ端から叩きのめして、侵攻を諦めさせること

……なんて

そんなバカげたことは出来ない

天の神本体が攻めてくるようなことがない限りは

天乃「……ねぇ、お祖母様はどこまで考えているの?」

「と、言われますと?」

天乃「神婚……それによる人類の救済」

あの人はその程度で終わるような人だろうか

そんな、救いがあるようで救いのない結果

それで満足する人だろうか

天乃「お祖母様は、それだけしか言っていないの?」

「申し訳ございません。私は直接伺ったわけではございませんので」

天乃「そっか……そうよね」

何を考えているのか

どこまで考えているのか

語ってくれるような人ではないことを、天乃は良く知っていた


296 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 22:29:44.20FuSazIw/o (5/6)


√ 2月1日目 昼 (病院) ※木曜日


01~10 
11~20 歌野
21~30 悪いこと
31~40
41~50 九尾
51~60 
61~70 
71~80 若葉
81~90
91~00 夏凜

↓1のコンマ


297以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 22:30:40.73KOc+Wvw/0 (1/1)




298 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/15(月) 22:42:11.72FuSazIw/o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

久遠さんの一番最初は2014/12/22ですね
約4年半前です

神婚は保留
後日、大赦が再接触


299以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 22:43:59.27Bgf/tLzg0 (2/2)

ありがとうございます。
今年で5周年か…


300以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 22:52:23.62XInEYQ7lO (2/2)


4年半、それもほぼ毎日投稿というから凄いよなぁ

そして次は久々の若葉…エレベーターの事件からどうなったんだろうか


301以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/15(月) 23:29:06.475sNuZGEtO (1/1)


神樹様に寝取られとは……


302 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/16(火) 21:31:04.00Aa8gmNq0o (1/5)


では、少しだけ


303以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/16(火) 21:35:37.847ETb41mWO (1/3)

かもーん


304 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/16(火) 21:55:33.68Aa8gmNq0o (2/5)


√ 2月1日目 昼 (病院) ※木曜日


あれから、約一ヶ月

ボロボロになってしまっていた人間である風が快復して来たように

精霊である若葉もまた、元に戻っていた

むしろ、精霊である分若葉の方が治りは早かったらしい

若葉「……どうやら、無事のようだな。天乃」

天乃「若葉こそ、もうすっかり元気ね。力も戻った?」

若葉「ああ、バーテックスを討つのには十分だ」

にっこりと笑みを浮かべる若葉に笑みを帰して、

天乃は、ふっと息を吐く

音も気配もなく姿を見せた若葉は初めから傍に居たということになる

つまり、朝の大赦との会話はすべて筒抜けだ

若葉「天乃は左足……か? 記憶の方は万全か?」

天乃「ええ、記憶も大丈夫」

これだけよ。と

天乃は冗談っぽく左足を叩く

その冗談をあざ笑うように、左足から返ってくる感覚はなかった


305 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/16(火) 22:24:37.45Aa8gmNq0o (3/5)


若葉「そうか……」

天乃「ねぇ、大赦の人との話は聞いていたんでしょう?」

若葉「ああ、すまない」

天乃「別に怒ったりするつもりはないわよ」

話を聞いていたって言っても

天乃を守るために傍に居るから聞いてしまうというだけで、

言ってしまえば、不可抗力だ

責めるような理由はない

天乃「西暦時代の勇者様はどう思う? 本当にそれ以外に道はないって思う?」

若葉「どうだろうな……」

かつて見た、外の世界を包んだ神罰の炎

その時の若葉は、隣にいたひなたは

こんなものには勝ち目がないと……絶望を叩きこまれた

だが、いつかは勝つために

報いを受けさせるために、託した力

それがあれば……と、今は思う

若葉「……いや、簡単には言えないな。すまない」


306 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/16(火) 23:02:33.51Aa8gmNq0o (4/5)


今のみんなの状況を考えれば、楽観視は出来ない

天乃の力が完全に回復し、

戦いに戻ってきてくれるなどという奇跡でも起これば話は別だが

そんな希望的観測は、すべきではないだろう

若葉「……正直に言おう、非常に厳しい」

天乃「みんなのことを考えれば、当然でしょうね」

若葉「ああ」

天乃「若葉たちの力を合わせてもダメそうなの?」

若葉「相手がどれほどのものか想像がつかないんだ」

一体一体が強力なバーテックス

それの親玉ともなれば、そのすべての力を束ねていると考えるのが妥当だ

つまり……最悪であり、災厄

天変地異などという言葉には収まりがつかないほどの大災害に見舞われるかもしれない

若葉「……だが、神婚は」

天乃「確実にみんなが認めないでしょうね」


1、一応、妖怪の子供を産んだんだけどね?
2、でもどうしようかしら。神様にまで求婚されちゃったわ
3、ねぇ、おばあさまは本当に神婚だけしか考えていないと思う?
4、もし、私が神婚を受け入れると言ったらどうする?


↓2


307以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/16(火) 23:04:04.027ETb41mWO (2/3)

3


308以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/16(火) 23:05:05.99i2nQ/HOs0 (1/1)

4


309 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/16(火) 23:37:30.17Aa8gmNq0o (5/5)


では、ここまでとさせていただきます
明日は、所用によりお休みとさせていただきます
再開は明後日、通常時間からとなります


310以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/16(火) 23:42:53.65GxDvBRZaO (1/1)


若葉頼むぞ


311以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/16(火) 23:52:21.277ETb41mWO (3/3)


久遠さんが原作の友奈ちゃんのような立場に…
夏凜ちゃんが聞いてたらひっぱたかれそう


312 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 20:55:37.25sUU1Lqofo (1/7)


では少しだけ


313以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/18(木) 20:59:15.77LTefeRn3O (1/3)

待ちわびたぞ


314 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 21:13:03.82sUU1Lqofo (2/7)


天乃「ねぇ、もしもの話なんだけど……」

若葉「嫌な予感しかしないんだが?」

天乃「もしもの話よ。大丈夫」

結果は見えているしね。と

天乃は苦笑しながら、冗談であることを仄めかす

どう考えても、誰一人として了承するわけがないのは火を見るよりも明らかだった

天乃「もし、私が神婚を受け入れるって言ったらどうする?」

若葉「認めるわけがないだろう……」

だが、どうするかという話なら。と

若葉は呆れた表情を切り替える

若葉「まず、天乃を縛り上げるだろう?それから病院の出入り口を見張って大赦関係者が一切来ることが出来ないようにする」

天乃「縛り上げるって、病み上がりなのよ?」

若葉「もしもの話なのだろう?」

天乃「……良い性格になってきたわね、貴女」


315 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 21:29:37.76sUU1Lqofo (3/7)


若葉「でもきっと、冗談じゃないんだろうな」

誰かがそれを考えて、実行する

神婚なんて、なにがなんでもさせられない

だから、何をしてでも止めようとする

縛り上げるなんて手段の一つだ

病院から連れ出して、

誰にも見つからないような場所に隠れ潜むことさえやろうとするかもしれない

若葉「何はともあれ、無理だな」

天乃「……そうね」

若葉「みんなと結婚をするんだろう?」

天乃「ええ」

若葉「なら、絶対にダメだ」

特に東郷あたりは壁に穴をあけてバーテックスの仲間になりかねない

冗談にしては質が悪いが、否定しきれないことを若葉は言う

天乃「だから言ってるでしょ、もしもの話だって」


316 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 21:52:05.88sUU1Lqofo (4/7)


天乃「私はみんなと一緒に居たいの。みんなと結婚をしたいの」

この体は一度捧げられ、

みんなが死に物狂いで取り返してくれたものだ

だから、たとえ左足が欠けたままでも不満はない

簡単に誰かにくれてやるわけにはいかない

大切なんてものじゃない

天乃「ここには、みんなの命が込められているのよ……」

若葉「………」

天乃「分かるでしょう?」

若葉「ああ、分かるとも」

自分の胸に手を当て、微笑む天乃を一瞥して、

若葉もまた、自分の胸元に手を宛がう

天乃と違うようで似ている

若葉は、天乃の力によって存在している

それは、天乃の命によって補われていると言ってもいい

だから、頷く

若葉「簡単に、くれてやれるものではないな」

天乃「ええ」


317 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 22:12:05.64sUU1Lqofo (5/7)


若葉「天乃も、十分変わったよ」

以前なら、人々を救えるのならと身を犠牲にしたはずだ

だが、今はもうそんなことはない

己の願いを口にし、みんなの願いを背負いすぎず、無碍にはせず

自分がどうあるべきかを、

みんなにとっての自分がどれほどのものであるかを、理解している

若葉「だから、神婚の話も冗談だろうと考えられる」

天乃「そうじゃなかったら?」

若葉「今すぐみんなを呼んでお説教だな」

天乃「あらあら……」

若葉「とはいえ、今の天乃でなかったら相談さえしなかっただろう?」

天乃「……否定は、出来ないわね」

相談すると、絶対に止められる

それでは世界を救えない

だから……きっと

天乃はそんなことを思って、苦笑した


318 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 22:15:05.10sUU1Lqofo (6/7)


√ 2月1日目 夕 (病院) ※木曜日


01~10 悪いこと 
11~20
21~30
31~40 九尾
41~50
51~60 
61~70 
71~80 夏凜
81~90
91~00 東郷


↓1のコンマ



319以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/18(木) 22:15:41.36LTefeRn3O (2/3)




320 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/18(木) 22:21:13.99sUU1Lqofo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


九尾と交流
夜は悪いことがなければ、勇者部


321以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/18(木) 22:27:07.08LTefeRn3O (3/3)


この苦しい現状をなんとかできそうなのは九尾の知恵ぐらいか…


322以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/19(金) 01:54:07.38nBgVeWdiO (1/1)


九尾はなんて言うかな


323 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 20:50:38.86webU5X4ro (1/7)


では少しだけ


324以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/20(土) 21:06:46.45uNowZZJaO (1/1)

あいよー


325 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 21:17:38.90webU5X4ro (2/7)


√ 2月1日目 夕 (病院) ※木曜日


九尾「もう、体に問題はなさそうじゃな」

天乃「問題はあるにはあるけどね……九尾には些細な問題だろうけど」

九尾「治すことは出来ぬが、動かせるように力を貸すくらいならば可能じゃからな」

今までだって、戦闘においては

そうやって身体能力を補ってきたのだ

左足一本、容易いことだと九尾は言う

九尾「じゃが、今ある問題はそれじゃなかろう」

天乃「……貴女、いつも話を聞いてるわよね」

九尾「主様の精霊じゃからな」

天乃「私だけじゃなく、若葉達からも隠れる必要はないでしょ?」

九尾「隠れてはおらぬ、きゃつらが見つけられておらぬだけじゃ」

意地の笑みを浮かべた九尾は、

クスクスと茶化した声を上げて天乃を見る

神樹様の力を感じるのだろう

少し、不機嫌そうに眉を顰めた

天乃からも若干距離を取るのは……それが理由だろう


326 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 21:57:24.99webU5X4ro (3/7)


九尾「神婚の話……じゃったか」

天乃「ええ、聞いてたなら分かるでしょう?」

そういった天乃は、どうせ。と、続けて言う

天乃「若葉との話も聞いていたんでしょう?」

九尾「うむ」

天乃「なら、私が考えていることは若葉に言った通りよ」

みんなの為にも、神婚を受けるわけにはいかない

だが、神婚を受け入れなければ世界が危機に晒されてしまう

奉火祭と違って、力があるものを扱えばいいのではなく、

神託によってえらばれたもののみが受けることのできるもの

それゆえに、天乃でなくてはならない

もちろん、そのおかげでほかの誰かが犠牲になる。などと言うことはないのだが

天乃「……九尾は、やったほうが良いとでも?」

九尾「妾がそのようなことを言うとでも思うとるのかや?」

天乃「ううん、全然」


327 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 22:26:46.57webU5X4ro (4/7)


天乃「でも、九尾ならお祖母様の考えも分かってるかなと思って」

お祖母様に何か裏があったとしても、

九尾ならば、それもお見通しであることだろう

であれば、何か言ってくれるのでは……と、思ったのだが

そんなに優しくないのが、九尾だ

天乃が祖母の真意について悩んでいるのは分かっているはずなのに

九尾「ふむ……あの小娘の考えか」

天乃「小娘って……」

九尾からしてみれば、

祖母であろうと小娘なのかもしれないけれど

自分の祖母をそのように言われるのはなんだか、不思議で

困った反応を見せる天乃に、九尾は妾は人の子ではないからの。と、苦笑する

九尾「あやつが考えておることならば……そうじゃな」

天乃「分かるの?」

九尾「一つは、大赦の人間が言うように神の眷族となるため」

天乃「二つ目は? 言い方から察するに、それとはまた別みたいだけど」

九尾「そうは言っても、単純なことじゃろう」


328 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 22:45:09.43webU5X4ro (5/7)


神婚など、天の神が許すわけがなく

当然ながら妨害してくることが予想されるだろう

場合によっては、あまりにも違えた道を突き進む人類を滅ぼすために

バーテックスのみならず

その親玉が自ら、姿を現す可能性もある

それを、天乃とその仲間である勇者部に討ち滅ぼさせようと考えているのだろう。と

九尾は少し言葉を選んで言う

もし、それが出来なくても、神婚の成立まで時間が稼げればもう一つの本来の作戦が成功する

どちらに転んでも

失敗さえしなければ、大赦にとっては成功となる

天の神を倒しきることが出来たのなら

神婚を諦めてくれるかもしれない

もっとも、天の神を打ち破ったからといって

神樹様の寿命が厳しいことに変わりはなく

倒した後の世界によっては、やはり

神婚を成立させようと考えているかもしれないが

九尾「あやつは神婚成立までの時間稼ぎに防人ではなく勇者部を駆り出すことじゃろう」

天乃「……そんなこと、みんながやるわけがない」

九尾「うむ。成立までの時間稼ぎなんぞはやらぬが、天の神を討とうとはするじゃろう」

それが結局は時間稼ぎになる

そして、成立までに間に合わなければ……

天乃「私を生贄にして、人類が救われる。ということね」

九尾「そうじゃな」


329 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 23:30:14.43webU5X4ro (6/7)


しかし、それは天乃が神婚を受けなければ始まらない話

天乃が神婚を拒否し、神樹様のもとに行かなければ

神婚の儀など始めることは出来ないし

怒りに燃える天の神の親玉の登場……なんて

現実世界への被害が計り知れないような戦いが繰り広げられることもないはずだ

天乃「……でも、終わらせないと祟りも終わらない」

九尾「その通り。当然、あやつは勇者部が祟りに冒されていることを知っているじゃろう」

久遠家の力をもってしても

それに対し出来るのは、影響を最小限に抑える。というだけでしかないということも

つまり、勇者部を救いたければ天の神を討伐するほかない

だが、祟りを払拭するほどの損害を与えるには

親玉を討つくらいのことは必要だ

少なくとも、バーテックスを討伐するくらいでは話ならない

天乃「……なるほど」

九尾「主様、あまり良からぬことを考えるでないぞ」



1、でも、親玉を引きずり出すには必要だと思わない?
2、よからぬことなんて……でも、どうしましょう
3、みんなに、相談しないとね
4、九尾は、何かいい方法を思いつかない?


↓2


330以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/20(土) 23:31:09.03D1Vd0O6MO (1/1)

2


331以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/20(土) 23:34:13.72e7wLLmEV0 (1/1)

4


332 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/20(土) 23:46:42.27webU5X4ro (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早い時間から



九尾「いい方法かや?」

九尾「ふむ……主様が結界の外で満開を使えばよかろう」

九尾「無論、主様の体への負担は大きいがのう」

夏凜「やらせないわよ。そんなこと」


333以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/20(土) 23:48:48.77rVFjCk13O (1/1)


勇者部とも話したいな


334以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 00:14:48.38/6isgWRnO (1/1)


親玉を潰すにはそれなりの覚悟もいりそうだな
場合によってはみんなへの説得も必要か…?


335 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 20:40:38.66TLmzo37bo (1/8)


では少しだけ


336以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 20:57:22.33yw3nOeFd0 (1/1)

よしきた


337以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 20:59:09.81EOFrQZLJO (1/3)

いえす


338 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 21:05:45.52TLmzo37bo (2/8)


天乃「九尾、貴女は何かいい方法思いつかない?」

九尾「妾とて、万能ではないぞ」

天乃の力を用いて、祟りの影響を抑えるのだって

かなり無理のあるやり方なのだ

そうでもしないといけないような力相手に

より良い方法など、簡単なことではない

九尾「そもそも、主様の求める良策など不可能じゃろう」

天乃「そう?」

九尾「囮としての贄の賭けすら、主様は嫌じゃろう?」

天乃「それは……」

出来れば、避けたい

失敗することを考えたくはないけれど

そうなった場合、

その贄として出された人は犠牲になってしまう

自分で良ければ率先して行う。と言いたいところではあるが

それができる体では、もうない


339 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 21:36:53.07TLmzo37bo (3/8)


九尾「不快ではあるが、あやつの策に乗るのが良いのやもしれぬ」

天乃「お祖母様の……?」

九尾「神婚の儀ならば、天の神とやらも確実に引っ張り出せるはずじゃ」

バーテックスの親玉を引っ張り出す作戦としてこれほど優秀なものは中々ないだろう

九尾「どうしてもというのなら、外の天の神の結界に打撃を与えるかや?」

以前、防人が行おうとしていた神樹様の種を用いて道を作って攻め入る策

あれを再度決行していけば、看過は出来なくなるはずだ

もっとも、防人には多大な被害が出るだろうし、

勇者部に対する祟りもより凶悪なものになってしまう可能性があるが

九尾「……被害に関しては、神婚だろうとそれだろうと出る可能性はあるがのう」

天乃「いずれにしても、被害は避けられない?」

九尾「神を討つというのであれば、戦うことは必然。であれば、被害は出る」

天乃「そうよね……」

九尾「神婚の儀であれば、大赦側も何かしら対抗策を用意してくるじゃろう」

天乃「向こうの考えたことだものね……防人は出してくるかもしれない」

バーテックスの相手は難しいが、

星屑の相手は出来る

いるよりはいてくれた方が安心できるかもしれない


340 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 22:12:08.06TLmzo37bo (4/8)


天乃「みんなは……受け入れてはくれないわよね」

九尾「じゃろうな」

それ以外には方法はない。と、

説得を試みれば渋々受け入れてはくれるかもしれない

自分たちが頑張ればいいのだと

命を懸けてくれることだろう

天乃「……怖いわね」

その命懸けが、どこまで行くものなのか

瀕死の重傷を負うまででも頑張ってしまうだろうか

いや、瀕死になっても天乃のためならばと、立ち上がってしまうかもしれない

九尾「じゃが問題は、神婚の中断ができるかどうかじゃろう」

天乃「確かに……戦いを終えたから中断したい。なんてダメよね」

よくよく考えれば、そんな不敬なことをしてしまったら、

天の神を打ち破ったとしても

流石に、今度ばかりは許されず守って貰えなくなるかもしれない

九尾「あるいは、守られなくても良い。と、神樹に叩きこむかじゃな」

守られなくても人類は何とかやっていける

神婚などせずとも、大丈夫。と

今まで人類を守り続けていたお人好しな神々なのだ

それを示せば、大丈夫かもしれない


341 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 22:29:48.60TLmzo37bo (5/8)


九尾「いずれにせよ、小娘共に話す必要があるじゃろう」

天乃「そうね」

夏凜達に話して、

どうするのかを考えなければならない

そこで、中断できる可能性がないのなら

神婚の儀は行わないようにしよう。という話になる可能性もある

そんなことするくらいなら、

自分達で攻め入ろうと考えるかもしれない

東郷なんかは、天乃にリスクがあるなら

その分のリスクを自分たちで背負ったほうが良いとまで言うかもしれない

特に、結婚なんて単語は禁句に近いだろう

天乃「どうなるのかしらね、ほんと」

九尾「くふふっ」

怪しく笑った九尾は

それもじゃが。と、続けて

九尾「祟りの件も忘れる出ないぞ」

天乃「ええ」

九尾「今日は目も覚めたばかりじゃから仕方がなかろうが、明日は、何とかしたほうが良いやもしれぬ」

天乃「うん、分かってるわ」

みんなにも会いたいし、と、天乃は笑みを浮かべた


342 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 22:31:40.52TLmzo37bo (6/8)


√ 2月1日目 夜 (病院) ※木曜日


01~10 悪いこと
11~20
21~30
31~40 悪いこと
41~50
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 悪いこと
91~00 


↓1のコンマ

※何もなければ、勇者部


343以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 22:36:27.04EOFrQZLJO (2/3)




344以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 22:37:33.47EOFrQZLJO (3/3)

やってもうた…


345 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 22:41:46.98TLmzo37bo (7/8)


悪いこと追加コンマ判定

1最低 0最大


↓1


346以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 22:43:07.14+vZomZhk0 (1/2)




347 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/21(日) 23:00:34.19TLmzo37bo (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


悪いことは4


348以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/21(日) 23:13:09.66+vZomZhk0 (2/2)


天の神の妨害タイミングが的確過ぎる…


349以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/22(月) 00:35:26.46iTFHYTEAO (1/1)


ま、まあ4だし


350以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/22(月) 15:05:52.42zBA5nXVpO (1/1)

もたもたしてると勇者部もどんどん弱ってくるし辛いな…
久遠さんが全盛期の頃ならなんとかなったのだろうか


351 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/22(月) 21:42:04.80KcGWQw67o (1/5)


では少しだけ


352以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/22(月) 21:47:49.53oSS/CYGmO (1/2)

やったぜ


353 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/22(月) 22:52:56.08KcGWQw67o (2/5)


√ 2月1日目 夜 (病院) ※木曜日


天乃「熱?」

「夕食前あたりから、体調がすぐれない……と、おっしゃられる方がおりまして」

天乃「それで、夜になってみんなダウンしちゃったのね」

「一応、応急に手当はしたのですが熱が上がるばかりで……どうにもなりませんでした」

体温は40度近くまで上がっており、

余りの高熱に眠っていても、うなされてしまうような状態

6人が一気にかかる高熱は感染症も疑われたが、

病気の類ではなく、原因不明で

治療をしようにも解熱剤を投与するくらいしか、手の施しようがない

「恐らく、明日まで長引くかと思われますのでお会いさせることは出来かねます」

申し訳ありませんが。と

残念そうに言う看護師に、天乃は笑みを浮かべる

看護師も、医師も、病院も

何も悪くはない

原因不明とは言うが、原因ははっきりとしている

天乃「仕方がないわ。なんとか、してあげたいけれど……」


354 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/22(月) 23:26:44.04KcGWQw67o (3/5)


天の神による祟り由来の特別な高熱だが、

それが病気として、天乃に害を及ぼさないとは限らない

ここで無理をして、

万が一にでも天乃が体調を崩してしまえばそれこそ終わりだ

それを警戒して何もしないのは相手の思うつぼだけれど

ギリギリの状況なのだから、仕方がない

むしろ、ここで手を出してきた辺り

天の神が本気だと言うのがひしひしと、伝わってくる

天乃「……悪いけれど、みんなのことをお願いするわ」

「はい、お任せください」

看護師の女性が出ていくのを見送って、息を吐く

ここまでままならないと、ため息も我慢しきれるものではない

天乃「やってくれるわね、向こうも」

完全に後手に回ってしまっている

歌野達の力があってもなお高熱と言うのなら

部屋の外では卒倒していてもおかしくはない


355 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/22(月) 23:48:49.65KcGWQw67o (4/5)


天乃の力の一部を使うことのできる歌野達でも、

殆ど守り切れない状態なのならば、

天の神も本気を出してきたということになる

それなら、親玉を引き摺りだすこともできるだろうか

天乃「……無茶は、出来ないわね」

天の神を刺激することは、多分。簡単だ

九尾が言っていたように、

天乃が結界の外で少しでも力を使えば逆襲してくることだろう

ただ、それではきっと勇者部が狙われる

やるにしても、みんなに力を分けて祟りの効力を弱まらせてからにするべきだ

天乃「すぐに会えると、思ったのだけど」

そう簡単には、行かないらしい


1、精霊組
2、イベント判定

↓2


356以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/22(月) 23:52:08.78MSDnyqGF0 (1/1)

2


357以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/22(月) 23:53:40.85oSS/CYGmO (2/2)

2


358 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/22(月) 23:59:27.56KcGWQw67o (5/5)


01~10 若葉
11~20 千景
21~30 ばてくす
31~40 水都
41~50 球子
51~60 九尾
61~70 オネエチャン
71~80 沙織
81~90 オニイチャン
91~00 歌野

↓2


359以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 00:00:10.20zentJuzZO (1/1)




360以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 00:00:24.82VNAUuE9+O (1/2)




361 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 00:04:04.67LzKy/OMRo (1/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


大地「勇者部の怖い人たちがいない……?」

大地「分かった、俺が行こう」

大地「心配するな、警護のためだ警護のため」

大地「ボディケアもしてあげないといけないからな」

大地「もちろん、兄妹の関係なら当然やってることだぞ」

天乃「そうなの?」

春信「そんなわけがない」


362以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 00:13:09.14VNAUuE9+O (2/2)


兄貴めっちゃ久々の出番だな
ド変態だけど状況的にはいてくれた方が心強いか


363以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 08:00:06.31efphlwHlO (1/1)


また久遠さんがあんなことやこんなことをされてしまうのか


364 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 21:45:07.77LzKy/OMRo (2/7)


では少しだけ


365以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 21:48:10.68p7Pd286WO (1/3)

あいよー


366 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 22:27:46.25LzKy/OMRo (3/7)


天乃「……夜にでも、会いに行こうと思ってたんだけど」

夜に会うのは時間的にどうなのか。と言われそうではあるが、

目が覚めたばかりで、まだ馴染み切っていない身体

それでも早く会いたいという気持ちを抑制しての夜なのだ

十分に我慢したと言えるだろう

もっとも、それも叶わないことだったが

天乃「はぁ……」

ぐるりと寝返りを打って、横を向く

今までは不自由だったからだが自由になった分、

精神的な不自由さが……顕著で

「元気ないな」

天乃「うん……」

すぐには、気付かなかった

天乃「うんっ!?」

バッっと勢い良く体を起こして、

侵入者とは反対側に回って、そのままベッド脇に転がり落ちる

ぶつりぶつりと電子パッドが強引に引き剥がれてけたたましくエラー音が鳴り響く


367 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 22:48:02.96LzKy/OMRo (4/7)


天乃「なっ、えっ!? だ、誰っ!?」

全く気付かなかった

病院だし、夜だし

夏凜達のこともあるし

自分の隙だらけな原因を頭の隅で探りながら、そうっとベッドの反対側に目を向ける

影のように真横に佇んでいた何者かはいなくなっていて

「慌て過ぎだぞ、大丈夫か?」

天乃「えっ……」

ベッドの下から、見上げてきていた

天乃「やっ……嫌ッ!」

悲鳴を上げた天乃の右こぶし一発が顔面に直撃

ぶっ……と吹きこぼれた空気の音

間髪入れずに左頬を殴って一気に立ち上がる

けれど、生身の体、片っぽの足

ブランクのある弱った力は上手く体重を支え切れずに、崩れ落ちてしまう

天乃「っ」

でも、その体が倒れきる前に抱きかかえられた

「そんな驚くとは思わなかった。分かるか? 俺だ」

天乃「ぇ……あっ」

大地「落ち着いたか?」


368 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 22:57:01.95LzKy/OMRo (5/7)


天乃「お兄ちゃん?」

大地「目を覚ましたって聞いてな。こっそり見て帰るつもりだったんだが……」

ため息が聞こえたから。と

心配そうにする兄の横っ面にぴしりと弱い平手を一発

天乃「せめて病院にでも連絡の一つくらい入れてからきて」

大地「すまん」

天乃「びっくりしたんだから……もう」

兄と分かっても、身体は震えてしまう

勇者としての力を取り戻しつつあるとは言っても

身も心も、力も

ただの少女同然だから

誰かに助けて貰わなければ、同年代の男の子にすら組み伏せられる

天乃「殴っちゃったけど、平気?」

大地「平気平気、気持ちよかった」

天乃「……弱かったって意味よね?」

にっこりと。

笑みを浮かべる兄は、具体的には答えなかった


369 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 23:23:00.97LzKy/OMRo (6/7)


医療機器の警告を聞き駆け付けた医師と看護師に厳重注意を受ける兄を横目に

天乃はうっすらと感じる気配へと、目を向ける

天乃「気付いていたなら、教えなさいよ」

本当に怖かったんだから

そういうと、「気付いてると思ってた」と言う言い訳と、「ごめん」という言葉が続く

天乃「別に怒ってるわけじゃないけど……なんて」

ふふふっと笑って、言葉を飲む

ここで怒ってるわけじゃないと言っても、まるで怒っているように聞こえる

そう思って笑う

大地「もう大丈夫そうだな」

天乃「大丈夫じゃないわよ、全然」

大地「そうか?」

天乃「…………」



1、お兄ちゃんなんて大っ嫌い
2、私の身体のことも、聞いたの?
3、お姉ちゃんは?
4、ごめんね、今まで


↓2


370以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 23:24:15.85p7Pd286WO (2/3)

2


371以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 23:25:06.23VKDwU8Ct0 (1/1)

3


372 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/23(火) 23:38:28.22LzKy/OMRo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



大地「真っ向から立ち向かってくるのもいいがこうやって怯えてるのも可愛く俺は好――」

ッターン

大地「うぐっ」

東郷「………」カチッ カチッ

カチャンッ...ピンッ
        ッターンッ

千景「壁抜きなんて、チートね」

風「気にするのはそこじゃなくない?」


373以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/23(火) 23:45:51.28p7Pd286WO (3/3)


なんという変態vs変態…w
それはともかく兄貴以上に出番がない晴海さんは何をしてるんだろうか


374以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/24(水) 08:11:48.15mOLYmDEtO (1/1)


久遠さんが弱ってる分やや控えめだけど基本はぶれない兄さん


375 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 21:12:46.12FP1JPssOo (1/7)


では少しだけ


376以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/25(木) 21:13:44.50KgNcbJEKO (1/1)

あいあいさ


377 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 21:45:58.01FP1JPssOo (2/7)


天乃「ねぇ、お姉ちゃんは?」

大地「あー一応誘いはしたんだが……忙しいってさ」

天乃「お兄ちゃんは来れるのに?」

大地「……お兄ちゃんじゃ不満か?」

しょぼん。と

露骨に落ち込んで見せる兄をじっと見つめて、目を伏せる

忙しいと言うのも嘘ではないけれど

きっと、ほかに行きたくない理由があるんだろうと天乃は思った

少なくとも、忙しいだけが理由じゃないはずだ

天乃「お兄ちゃんは何度かあってるから、お姉ちゃんにも会いたいと思って」

大地「そうか、一応伝言しておく」

天乃「お姉ちゃんは元気、なのよね?」

病気とかじゃないのよね? と

祟りではないにせよ、

怪我や病気で来れない可能性も考えて、伺う

でも、それは杞憂だったらしい

大地「それはないから安心して良いぞ」

逡巡するようなこともなく

大地ははっきりと、否定してくれた


378 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 22:03:43.54FP1JPssOo (3/7)


大地「いたって健康なんだが、まぁ……」

途中で言葉を止めた大地は

天乃の視線を受け流さずにとらえつつ、考え込む素振りを見せる

そしてふと、頷いた

大地「今の天乃に嘘をついても仕方がないか」

天乃「ん?」

大地「いや、俺たちのことを思い出したなら、あいつが何を考えてるのかとかも、分かるんだろうなって思ってな」

天乃「やっぱり、聞いてたのね」

大地「一応関係者だからな。全部聞いてるよ」

満開をして、記憶を失ってから、今まで

子供ができたこと、産まれたこと、記憶や体が戻ったこと

今までの出来事のすべてを、知っている

天乃「それなら、入院しているときに会いに来てくれても良かったのに……」

大地「色々あってな、すまん」

駄目だと分かってはいても、

言わずにいられなかった愚痴

大地はそれを受け止めて、天乃の頭に触れる

天乃が小さい頃はよく、やってあげていたことだ


379 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 22:30:11.55FP1JPssOo (4/7)


大地「お姉ちゃんはな、お前にばっかり頑張らせてることが嫌なんだ」

天乃「そんなこと……なんて、言えないよね」

大地「ああ」

勇者のことも、跡継ぎのことも

子供のことだって、何もかもを、押し付けることになってしまった

それは選ばれたか選ばれなかったかの運命によるものではあるけれど

それでも姉として。

妹にすべてを任せることになってしまったことに負い目を感じてしまっている

特に、成人した後ならばともかく

まだ中学生である妹が子供を産んだのだ

それを、重く受け止めるな。と言うのは、

同じ女である姉にとっては、簡単なことではなかったのかもしれない

大地「だからちょっと、顔を合わせにくいって」

本当は会いたいのに

本当は、話したいことややりたいことは沢山あるのに

数年早く生まれただけの、姉であると言うだけで

それは難しくて

大地「大丈夫、天乃なら怒らないぞって言ったら、殴られた」

天乃「お兄ちゃんはお兄ちゃんで軽すぎるのよ。そうあろうとした人を知っているから、分からないでもないけどね」

良く見れば赤い兄の頬

殴られたであろう場所を優しく触れて、天乃は困ったように微笑む


380 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 23:02:57.45FP1JPssOo (5/7)


天乃「どうせ遊びに誘うような感覚で声をかけたんでしょ?」

大地「良く分かったな」

天乃「分かるわ……何となくだけど」

兄だって軽い気持ではなかっただろうけれど、

その軽い物言いは、きっと気に入らなかっただろう

ふざけないで。と、怒鳴ったかもしれない

天乃「あまり、お姉ちゃんを追い詰めたりしないでね?」

大地「心配するなって、俺はそこまで嫌なお兄ちゃんじゃないぞ」

天乃「どの口が言うんだか」

音もなく現れて、ベッドの下から覗いてきたり

妹でもない女の子に、

お兄ちゃん―それ以外にもいろいろ―と呼ばせたりとか。

正直、嫌なお兄ちゃんな気がする。と、

幼い頃の大好きなお兄ちゃん像に皹を入れる

天乃「私は大丈夫だから、いつでも会いに着てって、伝えておいて」

大地「分かった。明日も来るからな」

天乃「お兄ちゃんには言ってない」

大地「なっ、なん……だと……」

天乃「怖い思いさせられたから、しばらく出禁ね」

にっこりと。

お兄ちゃんへの意地悪を突きつけた天乃は

すぐに、冗談だから気にしないでね。と、慰めた


381 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 23:04:35.87FP1JPssOo (6/7)


√ 2月2日目 朝 (病院) ※金曜日


01~10 大赦
11~20
21~30
31~40 千景
41~50  夏凜
51~60 
61~70 歌野
71~80 
81~90 呼ばれてきたばてくす
91~00 


↓1のコンマ


382以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/25(木) 23:06:25.31Rejjxo26O (1/1)




383 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/25(木) 23:21:24.84FP1JPssOo (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日は所用でお休みになります

再開は出来れば明後日、通常時間から


384以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/25(木) 23:52:39.47ZX6tpv//O (1/1)


ばてくす来なくて良かった


385以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/26(金) 06:42:29.12tTXLy41mO (1/1)


晴海さん凄く責任感じてたんだな…
早く久遠さんとも再会させてあげたいな


386以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/27(土) 22:06:39.12UQQDCbpRO (1/1)

連休?GWは忙しいのかな


387 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/27(土) 22:20:42.76VgRQ1XWYo (1/5)


では少しだけ


388以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/27(土) 22:36:39.85QllFGu8MO (1/1)

お、きたか


389 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/27(土) 23:00:46.43VgRQ1XWYo (2/5)


√ 2月2日目 朝 (病院) ※金曜日


千景「昨日は申し訳ないことをしたわ、ごめんなさい」

天乃「良いわよ、もう」

千景「私達はお兄さんだと分かっていたから、普通に通したのだけど……」

良く考えると、いること自体がおかしかったわ。と

千景は思い返したのか、

いぶかしげな表情を浮かべる

千景「なぜ通したのか自分が不思議だわ」

天乃「ふふっ常識がないのかもね」

千景「……否定ができない冗談はやめて」

西暦時代はいろいろとありすぎて

千景は正直な話、常識の欠如を否定できそうになかった

もちろん、そんなことはないと思ってはいるものの

完全に否定はしがたかった

天乃「ごめんね? そんなつもりはなかったのだけど」


390 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/27(土) 23:20:01.14VgRQ1XWYo (3/5)


千景はそう思っていないのかもしれないが

天乃からしてみれば、

それをするか否かはともかくとして、

性的な部分を含めれば、千景はかなり常識的だ

だから、茶化すつもりでそんなことを言ったのだが。

天乃「……常識が無くなっていたのは私だったわ」

千景「なぜ……?」

天乃「色々、間違った道に進んじゃったのかもしれない」

迷わず性的なことも含めて考えていること自体が

そもそもおかしかったのだ

困惑する千景をよそに、天乃は苦笑して変な流れを押し流す

天乃「ところで、わざわざ出てきてくれたのは謝るためだけなの?」

千景「残念だけど、本題は別よ」

もちろん、謝りたいと思っていたこともあるのだけど。と

千景は困ったように呟き、皮肉ぶった笑みを浮かべる

千景「勇者部のみんなについては、夕方くらいまで掛かりそうだわ」


391 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/27(土) 23:33:21.49VgRQ1XWYo (4/5)


場合によっては、昼頃に回復してくれる可能性もあるが

今朝の段階ではまだ、予断を許さない状況だと、千景は言う

直接見ていない天乃でも、

歌野達が力を使ってみんなを守ってくれているおかげか

その力の消費の激しさから、察することが出来てしまうくらいには

祟りによる影響が強いのだ

千景「相手もいよいよ本気で来ているわ」

天乃「そう……みたいね」

千景「……久遠さんはどうするの?」

本当に、神婚を承諾して引き摺り出すつもりでいるの? と

千景の言葉が続いているような気がした


1、神婚を受けるわ
2、みんなより先に結婚しようとしてること、怒ってるの?
3、どうするもこうするも、何とかしたいわ
4、あえて、今のうちにみんなに会うというのは、どう?


↓2


392以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/27(土) 23:46:29.72awmTqeWeO (1/1)

1


393以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/27(土) 23:52:24.59K9/60AOuO (1/1)

1


394 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/27(土) 23:56:31.60VgRQ1XWYo (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

GW中もできる限り行っていきますが、出来ない場合もあります


千景「……今度は神の子でも産むつもり?」

千景「と、思ったけれど」

千景「もうすでに凄い子供を産んでいるのよね……久遠さん」


395以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/28(日) 00:03:58.68Bd8t7saeO (1/1)


久遠さん神婚の賭けにでるのか…
戦えなくても無茶をするのは久遠さんらしいと言えばらしいけど


396以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/28(日) 02:27:06.08Nu1vEvMnO (1/1)


嫁達との結婚式もまだなのに神樹様と誓いの口づけしてしまうのか


397以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/28(日) 02:46:58.554tlBQ7BJO (1/1)


久遠さんが無駄にエロいせいで神樹様の中で高奈ちゃんにぐちゃぐちゃにヤられちゃう久遠さんの妄想が止まらない


398 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/29(月) 23:00:04.82X/mCjSrdo (1/3)


遅くなりましたが、安価の部分だけ


399以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/29(月) 23:04:16.22OoEKe7npO (1/1)

あいよー


400 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/29(月) 23:38:42.96X/mCjSrdo (2/3)


天乃「私、神婚を受けようと思ってるわ」

千景「本気なの?」

天乃「ええ」

みんなが怒るようなことであっても

自分にできることがあるなら、したい

それに、

そうすることで一番遠い黒幕を呼び出せるのであれば、

やらない手はない

天乃「神婚のリスクは十分理解してるつもりよ」

それでも、必要なことなのだと天乃は言う

そうしなければ、つけるべき決着はつけられない

もちろん、天乃だけがよりリスクのある事をして良いというのなら

別に、出来ることはあるにはあるのだが。

天乃「九尾の話は貴女も聞いていたでしょう?」

千景「……最低の二択だった。と、記憶しているわ」

どう転んでも、失敗した場合のリスクは計り知れない

しかも、かたや成功させてしまうことこそが失敗でさえある


401 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/29(月) 23:55:47.48X/mCjSrdo (3/3)


千景「神婚の成立は、人類を人類ではなくしてしまう」

しかも、天乃の命を奪いさえする

勇者部にとっては、大失敗もいいところだ

だが、大赦はそれを望んでいる

若葉は腐ってしまったと悔やんでいるが

人間はしょせん、そういうものなんだろうと

千景は嫌悪感を感じる表情を見せる

千景「今のみんなに、背負いきれるものではないと思うわ」

天乃「千景はやらない方が良いと思う?」

千景「出来るのなら。避けるべきだと思うわ」

提示された選択肢はどちらもハイリスク

それよりもローリスクなものがあれば、それにすべきでは。と千景は思う

しかし、その分得られるものも多くはないかもしれない

千景「ハイリスクハイリターンなのは分かるけれど……」

天乃「出来るだけ被害を少なくしたいのは分かってるわ。でも、一番被害が少ないのは間違いなく私が選ばなかった方よ」

天乃の力を使って、刺激する方法

天乃の力を分け与えた後なら、祟りによる被害も最小限に抑えられる

ゆえに、相当数の力を必要とし、結界の外に居なければならない上に集中的に狙われるだろう天乃

その被害だけで済む

あとは、勇者部にみんなが親玉を討つだけだ

一人分の被害と考えれば、軽いと言えるかもしれない


402 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 00:09:04.26/X5wj0hSo (1/7)


でも、勇者部としては全く軽くはない

だから、選んだのは別の方法

みんなのことを信じて

みんななら大丈夫だと思って神婚を選択した

いろいろ言われるかもしれないが

それでも、天乃は神婚する

天乃「みんなの前で改めて言うわ。きっと、そこでみんなの意見を求められると思う」

それに賛成か、否か

方法がないこと、信じているからこそであるこそ

色々と加味して、賛成と反対で意見が分かれることになるかもしれないが。

天乃「千景たちも正直に言って頂戴」

千景「……私は覆さないわ。それでも?」

天乃「ええ」

そうでなければ意味がない

天乃がそうしたいと言ったから。

だからその選択を後押しするなんて言うのは、誰もしない

それぞれの意見を、しっかりと述べてくれる

それも、みんなへの信頼だ


403 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 00:17:46.18/X5wj0hSo (2/7)


天乃「だから、千景もお願いね?」

千景「……貴女と言う人は」

千景は呆れたように零して、目を伏せる

記憶にある、天乃の先祖久遠陽乃とは似ているようで全く違う

彼女は仲間と言うものを信頼してはいなかった

仲間だとは思っていたのかもしれないが

本当に心を許した相手はあの中には居なかったように思う

同じ……とは言えないかもしれないが

心の距離を置く者同士としてのシンパシーを感じていたのかもしれない

だから、どれだけ近づいてきていても

そこに心はないように感じていた

でも、天乃は違う

本当にみんなのことを信じている

みんなのことを心から想っている

陽乃とは違って、自分自身よりも心が先行しているようにさえ、感じる

千景「ええ、分かったわ」

だから、千景は困った人だと苦笑を浮かべながらも頷いた

正直に、自分の意見を述べよう。と


404 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 00:28:19.42/X5wj0hSo (3/7)


では、時間も時間なのでここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

開始時に、時間経過の安価



陽乃「私って同族?」

千景「そう感じたわ」

陽乃「仲良くしてあげようとしたのに」

千景「それが不気味だったのよ」

千景「あの時の貴女は、本心を感じられなかった」

千景「……だから逃げたのよ。私は」


405以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 00:34:50.98ROTxxCb2O (1/1)


これからの流れは定まったな
しかし勇者部と婚約してるのに結婚式はまだまだ先になりそうだな


406以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 00:43:23.60tMxbjpshO (1/2)


久遠さんもただ神婚で犠牲になる気ではない辺り成長が垣間見えるな

あと陽乃さん本当に孤独だったんだな…一人でも理解者がいてくれたらなぁ


407 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 23:01:48.17/X5wj0hSo (4/7)


では、遅くなりましたが少しだけ


408以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 23:07:16.14tMxbjpshO (2/2)

平成ラスト回来たか


409 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 23:08:08.03/X5wj0hSo (5/7)


√ 2月2日目 昼 (病院) ※金曜日


01~10 東郷 
11~20 若葉
21~30
31~40 
41~50 夏凜
51~60 
61~70
71~80 歌野 
81~90
91~00 友奈


↓1のコンマ


※ぞろ目なら全員


410以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 23:12:03.52qczai/iWO (1/1)




411 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 23:32:25.89/X5wj0hSo (6/7)


√ 2月2日目 昼 (病院) ※金曜日


運命のお昼

みんなの体調は戻らないままで

面会させることはまだできない。と、看護師は言う

天乃「祟りの影響……よね?」

原因不明の高熱

未知の病気と言うことも考えられなくはない

でも、祟りの可能性の方がはるかに高い

あるいは

祟りの富鉱によって、その未知の病気に罹ってしまったか

天乃「治すこと自体に、私の力が必要である可能性はないのかしら?」

祟りが天乃に影響を及ぼす可能性や

病気が天乃に移ることを懸念しての、待機

だが、それ自体が罠で

天乃が何とかしない限り苦しむことになるとしたら?

天乃「最悪ね」

どちらも、考えが間違っていた場合のリスクは相当なものだ


412 ◆QhFDI08WfRWv2019/04/30(火) 23:44:16.43/X5wj0hSo (7/7)


みんなを助けに行った結果、天乃が病気になった場合

みんなが治るを待った結果、みんなが生命力を奪われてしまった場合

最悪の想像の二つを思い浮かべ、くっと奥歯を噛む

本当にこのまま待っていて良いのか

本当にみんなの祟りは退いてくれるのか

そんな不安を感じ、目を瞑る

九尾を呼ぶべきかもしれない

あるいは、沙織を呼んで状況を詳しく聞くべきかもしれない

天乃「ただ一つ言えるのは、ぼうっとしてることだけは絶対にありえないということね」

何かをするべきだ

みんなの回復を待つのであれば、

待っているなりのすべきことがあるはずだ



1、九尾
2、沙織
3、精霊
4、イベント判定


↓2


413以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 23:45:58.13zYZHogA0O (1/1)

2


414以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/04/30(火) 23:46:23.15+F/mRQz30 (1/1)

2


415 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/01(水) 00:07:07.262xg9opoIo (1/3)


天乃「沙織、聞こえていたら出てきて欲しいのだけど……」

九尾達とは違って半精霊である沙織は、

すぐに出てくる。なんていうことは出来ない

それができるのは、精霊としての力をフル活用しているときだけ

だから、まずは声をかける

それが精霊を通して、沙織に伝わる

そうすれば――

沙織「聞こえてるよ」

天乃「わざわ呼び出してごめんね?」

沙織「ううん、全然気にしないで」

――沙織は応えて、出てきてくれる

沙織「一応、精霊のみんなには伝わってきてるって言うことだけは伝えておくね」

天乃「やっぱり、知ってるね」

沙織「精霊同士に繋がりがあるから」

隠そうとしない限り、話は筒抜けだと沙織は苦笑して

沙織「だから、隠さずにエッチしてると郡さん達も同じようになっちゃうって話だよ」

天乃「それは……いまするべき話だったかしら?」


416 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/01(水) 00:21:36.022xg9opoIo (2/3)


大赦からの要求、天乃の考え

それはもう、勇者部のみんな以外には伝わっていると沙織は言う

夏凜達に伝えていないのは、

今は悩ませていい状態ではないと沙織たちが判断したからだ

考える時間は与えるべきだけれど

身体が弱っている中に、不安にさせるような問題は抱えさせたくはない

天乃「みんなは、まだ全然?」

沙織「うん……まだ厳しいね」

この様子だと、夕方や夜になっても治っていない可能性もあるらしい

曰く、祟りによって生命力が奪われているのだが

それが熱を持ち、高熱となってみんなを苦しめているとのこと。

つまり、病気や何かではない……が

沙織「今無理に力を渡すのは得策じゃないと思う」

天乃「……拒絶反応が起こる?」

沙織「その可能性がある」

祟りによる力があまりにも、強すぎるのだ

そこに天乃の力と、神樹様の力

それが重なり合い、ぶつかり合ってしまったら

大変なことになる恐れがあった

沙織「我慢したほうが良いって、あたしは思うよ」


417 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/01(水) 00:24:02.142xg9opoIo (3/3)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


元号は変わってしまいましたが、
このスレは変わらず引き続き行っていきますので宜しくお願いします


418以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/01(水) 00:28:13.77m1ve4IvjO (1/1)


こちらこそ新時代でもよろしくですー
そしてどうなる勇者部


419以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/01(水) 03:24:14.93HM1mRbZFO (1/1)


令和おめでとう!


420以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/02(木) 19:55:58.92xvPERBveO (1/1)

今リリスパとのコラボやってるけど
もしもあっちの神樹様が久遠さんを呼び出したらなんてシチュエーションを妄想してしまった


421 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/02(木) 21:55:14.75eoOacCDoo (1/2)


では少しだけ


422以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/02(木) 21:57:34.27+l15+QFDO (1/1)

よしきた


423 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/02(木) 23:06:34.70eoOacCDoo (2/2)


沙織「久遠さんの気持ちは分かるけどね」

いち早くみんなを助けたい

その気持ちは分かると、沙織は言う

沙織だって、

天乃が苦しんでいて自分に出来ることがあるなら

真っ先にやりたくなってしまう

たとえそれで自分が死んでしまう可能性があってもだ

だがそれでは天乃が報われない

本当の意味で救われることもない

だから、我慢する

我慢したほうが良いと、言う

みんなが助かっても

天乃が犠牲になるのでは、何も救えてなどいないからだ

天乃「……そうね」

大丈夫よ。と、天乃は微笑んで

天乃「ちゃんと分ってるから」


424 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/03(金) 00:12:02.74QA/t4Brxo (1/3)


天乃「みんながいてくれなきゃ嫌だなんて我儘を言ったのは私なんだもの」

自分が欠けてはいけないと言うことくらい、良く分かっている

だから、大丈夫

無理をするつもりはない

強行するつもりだってない

天乃「心配しなくていいわ」

沙織「そっか……」

安堵したように言う沙織は

少し考える素振りを見せて、天乃を見る

沙織「久遠さんが考えてるのは待つのが正しいかどうか。だよね」

天乃「沙織は、分かる?」

沙織「未来を見通すほどの力はあたしにはないよ」

残念だけどね。と

沙織は目を伏せて、零す

それだけの力があればどれほどよかったか

沙織自身が一番、悔しく思う

沙織「回復しつつあるのは事実。それで治まるかどうかなんだよね、問題は」


425 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/03(金) 00:21:27.19QA/t4Brxo (2/3)


これで回復しても

すぐにまた再発するのなら様子見をしている場合ではないし

回復してしばらく落ち着いてくれるのなら

それを見計らって力を分け与えたほうがいい

時期を待たずに力を分け与えるのも

待ちすぎるのもみんなにとってリスクが高い行為だ

力を取り戻して間もない天乃が力を分け与えるというのも危険だ

だから……待つべき。

本来ならそう思うのだが。

沙織「誰か一人に力を分けてみる?」

天乃「そんなことして平気なの?」

沙織「一人だけなら、何かあったときに対処しきれると思う」

もちろん、沙織は天乃の力を完璧に理解しているわけではないし

みんなの状態についても内面深くまで管理できていないため

はっきりと言えたことではないのだけれど。

沙織「少し考えてみてもいいんじゃないかな?」

沙織は、待つか力を分けてしまうかの選択肢に

ひとつ、分岐を作った


426 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/03(金) 00:31:57.00QA/t4Brxo (3/3)


時間がかかってしまいましたが
ここまでとさせていただきます

明日は恐らくお休みとなるかと思いますが
出来れば、22時ころから


427以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/03(金) 00:52:02.5025EFo0LPO (1/1)


力を分けるにしても慎重にいきたいところだな


428以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/03(金) 02:02:45.44BLlMIz67O (1/1)


悩ましいなこれは


429以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/03(金) 19:38:37.334EBMamkIO (1/1)

次の週はゆゆゆい版やろうず
陽乃さんと久遠さんの鬼畜コラボ見たい


430以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/03(金) 22:07:33.82PO0b/+vOO (1/1)

陽乃さんと久遠さんに振り回される赤嶺ちゃん見たい


431以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/04(土) 07:57:35.72kIk4gfNkO (1/1)

陽乃さんは何処かドSなイメージがあるせいか赤嶺ちゃんと会ったらあんなことやこんなことしてそう


432 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/04(土) 21:35:20.65hc14qnH/o (1/5)


では少しだけ


433以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/04(土) 21:37:46.99O8zr3XsSO (1/2)

やったぜ


434 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/04(土) 21:45:49.99hc14qnH/o (2/5)


√ 2月2日目 昼 (病院) ※金曜日


01~10
11~20 友奈
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70
71~80 東郷 
81~90
91~00 神託


↓1のコンマ


435以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/04(土) 21:47:19.36yAqo2VM80 (1/1)

ふんすっ


436 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/04(土) 22:27:29.12hc14qnH/o (3/5)


√ 2月2日目 夕 (病院) ※金曜日


沙織の案は、賭けてみる価値のあるものだろう

言っていたように一人分なら、負担は軽い

一人分なら異常があってもその力を抜くことは容易い

だから、やってみてもいいのでは。と、天乃は思う

しかし、その実験台にされる子は

もしも失敗した場合、かなりの苦痛を強いられることになる

天乃が言えば、みんな二つ返事で受けてくれるだろうが

天乃自身がそれは避けたい

でも、どうにかしなければならない

天乃「板挟み……」

しなければならないことと、したくはないこと

前にも後ろにも進めない

天乃「どうにかしなくちゃいけないのに」

どうすべきかが、悩ましい

もどかしくて、ちょっぴりイラっとしてしまう

でも、苛立って仕方がないと息を吐く


437 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/04(土) 22:48:26.93hc14qnH/o (4/5)


もし、力を一人に分け与えて様子を見るのなら

誰にするべきか

夏凜はそのご先祖様が、陽乃から力を与えられている

天乃のように力を自由に扱うなんてことまでは出来ないが、

力を分け与えられた際の反動は抑えられることだろう

また、天乃の力を与えられた―引き受けた―経験のある友奈と東郷に関しても

力そのものは消失したとはいえ、

一度は経験がある体は、うまく取り込んでくれるかもしれない

しかし……

天乃「安全なやり方では、意味がない」

夏凜達が問題なくても、

そういった保険の一切ない風達にも問題がないとは限らない

つまり、

本当に確かめる気があるのならば、

危険性の高い風達に確かめる必要がある

天乃「……一番私から遠い、園子。とかね」


438 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/04(土) 23:52:20.98hc14qnH/o (5/5)


園子は二年もの間、最も神に近い状態にあった

そこからは落ち着いたものの、

神樹様の力を素材にした体である園子は

やはり、天乃から程遠い存在のままだ

その園子が無事ならば、風達も同じように無事であることだろう

だが、リスクは大きい

天乃「相当、苦しむことになるわね」

二年も苦しんできたのに

また、苦しませてしまうことになる

ほんの一時で終われば良いのだが

園子の状態からして、長引くことは殆ど確実と言ってもいい

天乃「やるなら園子、やらないなら待つ」

どうするべきか


1、精霊
2、園子で試す
3、イベント判定


↓2


439以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/04(土) 23:58:12.30O8zr3XsSO (2/2)

2


440以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/04(土) 23:58:21.799RNyaQnwO (1/1)

2


441 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 00:11:20.74nz4BH5tXo (1/8)


ではここまでとさせていただきます
明日は、出来れば少し早い時間から


天乃「園子、ちょっと試させて」

東郷「私ではだめなんですか?」

天乃「ええ、園子じゃないとダメなの」

東郷「……」ギリッ

園子「あれれ~? おかしいぞ~?」


東郷「冗談よ、そのっち」


442以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 00:18:58.99fK299PFhO (1/1)


園子には申し訳ないけど痛みを伴う選択をせざる負えないか…
とにかくまずはみんなに説明しないとだな


443以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 00:20:18.94wAxqeqp5O (1/1)


今まで影の薄かった園子に大役が回ってきたな


444以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 10:18:02.57yIOK53/pO (1/1)

そういや力を分ける方法って血の代わりに母乳を与えるんだっけ?


445以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 12:22:08.31CmIfQLu6O (1/1)

嫁たちのなかじゃ唯一久遠さんと肉体関係持ったことないよなまだ
出産関係でバタついてて


446 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 20:20:51.09nz4BH5tXo (2/8)


では少しだけ


447以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 20:23:58.10uiB99AZyO (1/3)

あいあいさ


448 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 20:59:29.79nz4BH5tXo (3/8)


天乃「……園子に、お願いするしかないわね」

悠長に待ち続けて

あの時やっておけばよかった。と言う後悔よりは

挑戦して、

取り返しのつく失敗をしたほうが良い

もちろん、失敗しないのならそれが一番ではあるのだが。

天乃「辛いわよね、きっと」

神樹様の力、祟りの影響、天乃の力

交わることの難しい力が入り乱れるのだ

体の中がかき乱されるような苦痛を味わうことになるだろう

もしかしたら、神樹様の力で成り立っている体の一部が機能不全を起こすかもしれない

でも、必要なことだ

天乃「必要だからって、無理させたくはなかったけど」

いいよ。と、園子は言ってくれる

きっと笑顔で答えてくれる

天乃「ごめんね、園子」

安全な選択がある中で

もっとも苦しむであろう園子にお願いをする

そんな、冷酷な研究者のような考えをしなければならなかったことに

天乃は悔やんで、唇を噛む


449 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 21:31:15.40nz4BH5tXo (4/8)


流石に追い込まれ過ぎてしまった

それもこれも自分が何もできなくなったせいだ……と

全てを背負い込もうとは、思わないけれど

責任の一端はあるだろうと天乃は思う

天乃「みんなは頑張ってくれたし、力不足だとは思わない」

でも、適材適所と言うものがある

神樹様の寿命がギリギリになる前に決着をつけることが出来てさえいれば

巫女を犠牲にした奉火祭は行われなかった

それがなければ、みんなが祟られることもなかった

天乃「言っても仕方がないことでは、あるのだけど」

右手の人差し指の付け根を、ぐっと押し込む

弱い力、頼りない力

何も出来ないただの少女だと実感させられる

天乃「未来の為に子供を産んだ……だから、私はもう役には立たないのかもしれない」

九尾に言わせれば、絞り粕といったところだろうか

最後まで使い切れば死ぬ

実際、神樹様の種を用いなければ死んでいた

でも、それでもだ

天乃「やれることがあるのならやるわ。もちろん、死なないために」

そうすると決めたのだから頑張って。と

少女が怯えてしまわないように、弱い自分に、はっきりと言った


450 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 21:37:45.48nz4BH5tXo (5/8)


01~10
11~20 悪いこと
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70 悪いこと
71~80 友奈 
81~90
91~00 東郷


↓1のコンマ

※空白は園子


451以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 21:39:11.21vqD7XFND0 (1/1)

ぬわーーっっ!!


452以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 21:44:46.08uiB99AZyO (2/3)

危ねぇ…


453 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 22:05:55.18nz4BH5tXo (6/8)


カツン、カツンと松葉づえを鳴らしながら

巧く歩けない天乃にとっては長い廊下を進む

車椅子を使うほうが良いと若葉は言ったが、リハビリの為にもと断ったのだ

天乃「はぁ……ふぅ」

松葉杖を壁に立てかけて、息を吐く

他の患者が通ることのない特別な通路は静かで

天乃のため息すらもうるさく聞こえる

だからだろう、万が一に備えて同行していた若葉は不安そうに眉を顰めた

若葉「やはり、車椅子の方が良かったんじゃないか?」

天乃「あら。私のことお姫様抱っこしたくはないの?」

若葉「それとこれとは関係ないだろう」

天乃「帰りは……そうして貰えると嬉しいなって話よ」

にっこりと笑って見せる天乃に

若葉は呆れた表情で「まったく」と笑った

若葉「そんなことを言う余裕があるなら大丈夫だな」

天乃「冗談じゃないのに……良いわよ。千景に頼むから」

若葉「千景は流石にお姫様抱っこはしないと思うぞ」


454 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 22:50:13.02nz4BH5tXo (7/8)


天乃「そう? 案外、頼めばやってくれると思うけど」

若葉「説得する必要があるだろう」

じゃないとやって貰えないぞ。と

若葉は松葉杖を手に取って、天乃へと手渡す

天乃「何とかなるわよ。今の話だって聞いてるだろうし」

若葉「……聞いてるだろうな」

精霊として千景ともつながっている若葉は、

どこからともなく聞こえる私は絶対にやらないわ。という

断固たる意志の元にある拒絶を聞きながら、苦笑する

でもなんだかんだやってくれるだろうと思っていることは、伝えない

天乃のお願いという甘えは中々に、断れないのだ

若葉「ともかく、あと少しだ。頑張れ」

天乃「ん」

カツン……と、小さな音がする

まったく動かない左足

地に足ついての支えにすらならない分歩きにくいが

それでも何とか進んでいく

若葉「……無理はするなよ」

天乃「園子にさせる無理はこれくらいじゃ済まないもの……大丈夫」

笑う天乃の額に浮かぶ汗は、尋常ではなかった


455 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/05(日) 23:27:45.38nz4BH5tXo (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から

園子との交渉


天乃「だっこして?」

千景「嫌よ」

天乃「お願い」

千景「嫌って言ってるでしょう?」

天乃「……お願い」ギュッ

千景「あぁもう……なんで私なのよ」


456以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/05(日) 23:39:07.35uiB99AZyO (3/3)


わがまま久遠さん可愛いなぁ
あと松葉杖と聞いて変身出来なくなった某鬼隊長を思い出した


457以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/06(月) 00:51:02.5259RTAXzWO (1/1)


杖で歩けるまでになったのか


458 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 20:13:59.36wyFHEP+no (1/7)


では少しだけ


459以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/06(月) 20:16:44.81lUBLaJgYO (1/2)

よしきた


460 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 20:35:32.96wyFHEP+no (2/7)


友奈「くっ……久遠先輩!?」

病室に入ってすぐに、友奈の声が響く

松葉杖の音が聞こえていたのだろう

友奈や東郷はベッドから降りようとしているし、

這い出そうとして失敗した手が見えているベッドもある

天乃「久しぶり……かな?」

友奈「久しぶりじゃないですっ!」

はにかんで見せる天乃と、

怒ったように声を張り上げる友奈

転げ落ちる勢いで出てきた友奈は急いで天乃の体を支えるために手を出す

自分の体のことよりも天乃を気遣ってしまったのだろう

祟りによる熱すぎる体温は天乃へと伝わっていく

天乃「……汗びっしょりね」

友奈「久遠先輩ほどじゃないですよ」

天乃「そう?」

友奈「そうです」

動いたわけじゃないので。と

友奈は笑みを見せる

それが気丈に振舞っているものだと天乃は分かっていても口にしない

友奈も同じだからだ


461 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 20:55:18.38wyFHEP+no (3/7)


友奈「ごめんなさい、久遠先輩から来ることになっちゃって」

天乃「ううん、気にしなくていいから」

友奈「……もう歩けるんですね」

天乃「ちょっと、無理をすることになるけどね」

まだ、完全に自由になっていない身体

無理をしなければ歩けないわけだけれど

多少の無理は、リハビリにも必要だから。と、天乃は苦笑する

拭いてもぬぐいきれない汗は疲れもあるが、苦しさから来るものもあるだろう

天乃「今日はちょっと、園子……と、みんなに話があってきたのよ」

夏凜「園子……?」

天乃「ええ、園子は話せる?」

天乃が以前使っていた窓際のベッド

その対面にいる園子の部分だけがカーテンに遮られていて

念のため、問いかける

園子「……大丈夫だよ~」

天乃「大丈夫そうには、感じられないんだけど」

園子「ちょっと、疲れちゃってるだけなんよ」

笑い交じりの声

でも、疲弊しているのが分かってしまう弱弱しい声だった


462 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 21:18:25.18wyFHEP+no (4/7)


友奈に支えられながら、園子のベッドへと近づいてカーテンを開く

疲れ切った園子の笑顔は辛さが目に見えていて

浮かべられている笑顔が、それをより強調させる

園子「天さん……動けるようになってよかった」

天乃「本当にね」

左足は不能だけれど

松葉杖を使えば歩くことが出来る

時期に松葉づえに慣れて、体もちゃんと取り戻せて

今日みたいな苦労はしなくて済むようになる

天乃「でも、貴女達が寝込んでいたら、ダメなのよ」

園子「えへへ……天さんの手、気持ち良い」

天乃「冷たい?」

園子「うん……ひんやり柔らかマシュマロだねぇ」

天乃「そう、じゃぁもう少し触っててあげる」

天乃の体温が多少低いのもあるかもしれないが

園子の体温が、熱すぎる

そのことを口にはせずに、額に触れて

滲む生ぬるい汗を指で拭って、前髪を少しだけ避ける

天乃「話、聞ける?」

園子「そうしててくれたら、頑張って聞くんよ」


463 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 21:53:51.88wyFHEP+no (5/7)


天乃「あんまり無理されても困るけど……」

優しくなでながら、後ろの友奈に目を向ける

友奈は風のベッドの近くの椅子に座って、

夏凜たちはベッドで体を起こして、天乃たちの方に注目する

問題はあるが、大丈夫

そんなみんなの頑張りに天乃は頷く

天乃「力を分ける件だけど、まずは園子だけにやろうと思ってるの」

東郷「それは試す。と言うことですか?」

天乃「その通りよ」

樹「私達じゃダメなんですか?」

一番苦しそうな園子

それよりは自分たちにするほうが良い

そう考えているであろう樹に、天乃は首を振る

天乃「一番影響が大きいからこそ、園子じゃないとダメなのよ」

園子「一番悪い人が大丈夫なら、そうじゃない人は大丈夫。だからだよね」

天乃「……ええ」


464 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 22:05:49.40wyFHEP+no (6/7)


実験台にされると分かっていても、笑顔の園子

天乃は申し訳ないという表情は見せずに答える

天乃「正直、祟りの影響も大きいから予想がつかないのよ」

次に何が起こるか分からない

でも、力を与えたことによる悪影響があっても困る

だから、一人だけ……園子に試すのだと、

天乃は自分の考えを説明する

危険だ。という呟きこそ漏れたが

それが必要なことであり、

現状での最善策なのだと、誰もが咎めない

園子「私は良いよ~……大変そうだけど、でも、打開するためには必要なことだから」

風「あたし達じゃダメ……か」

夏凜「少し貰った私達では到底役に立たないわね」

友奈「園ちゃん、大丈夫?」

園子「なせば大抵、なんとかな~る」

にこっと、園子は笑う

みんなは委ねるつもりで、園子はやる気

天乃「……やっぱり、誰も止めはしないのね」

分かっていた結果を前にして

天乃は嬉しいなどとは、思えなかった


465 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/06(月) 22:11:34.15wyFHEP+no (7/7)


では、少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子(ようやく、ようやくなんよ)ドキドキ

園子(ここまで長かった……本当に、長かった)

天乃「顔紅いし、熱も上がってきてるわ。やっぱり止めましょうか?」

園子「え~……犯すよ?」ニコッ

天乃「えっ?」


夏凜「東郷がうつったんじゃないの? あれ」

東郷「人を病気みたいに言わないで」


466以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/06(月) 22:16:30.18lUBLaJgYO (2/2)


ついに園子にも濃厚なラブシーン来るか…?
物語的にも愛の力で乗り越えて欲しい場面ではあるけど


467以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/07(火) 01:58:50.22koZaMp4tO (1/1)


おまけの寸止めで笑った


468 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/07(火) 22:23:11.79sLyIjrFqo (1/1)


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から


469以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/07(火) 22:29:37.845Pe2y/DUO (1/1)

了解ですー


470以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/08(水) 08:11:04.997IhP/EbEO (1/1)


祟りの一件がどうにかなってもまだ神婚の話が残ってるんだよな…


471 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 20:56:26.90aIq9U3Y6o (1/6)


では少しだけ


472以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/08(水) 20:59:53.762kb8NEBx0 (1/1)

いえす


473 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 21:14:28.08aIq9U3Y6o (2/6)


夏凜「嬉しくなさそうね」

天乃「……ちょっと、複雑」

天乃は深刻なことではないことを示すかのように苦笑する

みんなが協力的なことは、喜ぶべきだし

ありがたいことではある

だが、それが危険なことであればあるほど、

喜ぶことは難しい

若葉達を還すか否かで話し合ったこともあって、

みんながただすべてを頷いてくれるわけではないということは良く分かっている

考えたうえでのものだと分かっている

でも、それでもやっぱり……嬉しいとは言いにくかった

天乃「もちろん、みんなの為にって手を貸してくれることはありがたいのだけど」

園子「天さん、罪悪感は……要らないんよ」

天乃「うん、分かってる」

弱弱しい園子の頬に触れたまま、微笑む

せっかくの厚意

それに対して罪悪感を抱いていては、

その思いを足蹴にするようなものだ


474 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 21:32:26.54aIq9U3Y6o (3/6)


天乃「だから、複雑なんだけどね」

罪悪感を抱くつもりはないけれど、

天乃自身の心に嘘をつかないのであれば素直に喜べない

天乃「………」

祟りの件

それに対して、天乃が打とうと考えていた手の一つ

園子の体を借りての力の譲渡のテストは、話した

でももう一つ、話すべきことがある

神婚をする。という大切なこと

当然ではあるが、神様と本当に結婚するわけじゃない

あくまで、バーテックスの親玉を引き摺り出すための手段

でも、失敗したら神婚は成立する

天乃を犠牲に人類は神の眷族となって

永遠の安寧を得ることが出来る……ことになってしまう

それは勇者部にとってはあってはならないことだ


475 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 22:00:29.78aIq9U3Y6o (4/6)


友奈「久遠先輩、どうかしたんですか?」

天乃「ちょっと、考え事をね」

友奈「祟りのことですか?」

天乃「ええ」

祟りのことについて。と言うこと自体は嘘じゃないから、

友奈は少し誤魔化した答えであることには、気付かない

困った用意、ぎゅっと胸元に手を宛がう

見せられないほどに穢れてしまった身体

それを見せてしまったらどれほど憤るだろうか

どれほどの無理をさせる決心をさせてしまうのか

その不安が、痛み以上に重く、友奈に息を飲ませる

風「祟りのことって、力を分ける以外に何かできることがあるの?」

樹「もしかして、力を分けるのって聞かされてた以上に負荷がかかるとかですか?」

天乃「ううん、あれ以上ではないはずよ」

天乃自身の力を消耗するため

酷く弱るということはすでに勇者部のみんなに伝わっている

多少の誤差はあるけれど

それ以上に酷いとなると死すら覚悟しなくてはならないため

そこまでではないはずだと、天乃は言う


476 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 22:18:44.21aIq9U3Y6o (5/6)


東郷「そのっちのことが心配ですか?」

天乃「かなりの負担をかけちゃうもの……心肺だわ。凄く」

逃げているわけではない

ただ、聞かれていることに答えているだけ

答えながら、考える

今すぐに神婚のことを打ち明けるべきか

少し、時期を見計らってから……

そう、せめて、園子が精神的にまで追い詰められないように

力の譲渡が無事に終えられるまでは話さないでおくか

体調の万全を期すのであれば、後者であるべきだが

時間的猶予を考えるのであれば、今すぐ話すべきかもしれない

どちらも、悪いとは言えないが……

生命の危機に直結する力の譲渡のことを考慮すべきではと、天乃は思う


1、今は話さない
2、実は、神婚を考えているの


↓2


477以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/08(水) 22:20:19.38RGQ/Kx0O0 (1/1)

2


478以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/08(水) 22:20:48.478gxoy0tqO (1/1)

2


479 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/08(水) 22:32:43.25aIq9U3Y6o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「実は、神婚を考えているの」

風「……そういえば、まだ冷えるから薪が欲しかったのよねぇ」

東郷「あれ使えば暫く持ちそうですよ、風先輩」

樹「束にするのは私がやりますね」

友奈「わーっ! ちょっと落ち着こう? ねっ? ねっ!?」


480以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/08(水) 22:41:54.60qy1q/sEYO (1/1)


祟りの実験と神婚とでお互いに命懸けになるんだよなぁ
特に久遠さんは身体の酷使っぷりが…


481以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/09(木) 02:27:11.47XfqphzXsO (1/1)


神婚がいつになるかはわかんないけどその時までに勇者部が復調してないとって考えるとやっぱり園子に頑張ってもらうよりほかないよなあ


482 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 20:35:51.64kx1UFWWwo (1/6)


では少しだけ


483以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/09(木) 20:43:15.42bLDHPEGRO (1/2)

よっしゃー


484 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 20:53:59.58kx1UFWWwo (2/6)


天乃「こんな時に申し訳ないとは思うのだけどもう一つ相談があるの」

東郷「申し訳ないなんてそんなことありません」

友奈「そうですよっ久遠先輩っ」

ありがとうと言いたいけれど

言えなくて、天乃は笑ってごまかす

友奈の優しい心を感じる表情

それを曇らせてしまうことが、申し訳なくて。

天乃「実は、神婚をしようと思ってるの」

東郷「神前式のことですか?」

天乃「ううん、違うわ」

教会式とは違う、日本の挙式

それではないかと上げた東郷の言葉を否定する

息を飲んで、真正面の園子を見る

二年前からの付き合いだからか

大赦の奥深くに居たからだろうか

園子は察しているような表情だった

天乃「神様……神樹様と結婚をするの」


485 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 21:34:33.18kx1UFWWwo (3/6)


風「神様と結婚……?」

天乃「ええ」

樹「どういうことですか? どうして……」

東郷「大赦ですか?」

また、余計なことを。

強い憤りを感じさせる東郷のつぶやき

大赦が原因であると断定しているかのような鋭い瞳

満開のことや、園子のこと

奉火祭の件などいろいろありすぎたのだろう

東郷にとって、大赦は忌むべき組織でしかないのかもしれない

東郷「……また、またですか」

天乃「強制されたわけじゃないわよ。東郷」

東郷「誰かのためだという言葉は、久遠先輩にとっての強制です!」

夏凜「それには同意するけど、天乃だって単に自分一人の犠牲で済むなら。って考えてるわけじゃないんじゃない?」

今までとは違う

犠牲になろうとしているわけじゃない

そう確信しているような夏凜の言葉

東郷は不機嫌さを隠しきれていないながらも

ぐっと引き下がって首を振る


486 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 21:53:34.95kx1UFWWwo (4/6)


夏凜「私たちが反対することくらい、天乃は分かってる」

友奈「そう、だよね」

園子「……そうだねぇ」

今の天乃であれば

勇者としての力の有無に関わらず押し込むことが出来る

比較的非力である樹でさえ、天乃を抑えることは出来るだろう

そんな状態でありながら、止められると分かっていることを相談してきたのだ

考えなしに承諾したわけじゃないはずだ

園子「天さんには天さんの考えがある。それも、今までとは違う、ちゃんとみんなが幸せになるための考え」

天乃「それは買い被りすぎだわ」

園子「そうかな~?」

天乃「そうよ。だって、必ずって、約束はできないもの」

これは博打だ

天乃自身の命と、人類の在り方をかけた博打

もしも失敗をしたら、天乃は本当に神様と結婚してしまうし、それだけではすまない

天乃「失敗したら、私は死ぬわ。神樹様に魂を持っていかれちゃうの」

東郷「なっ……そ、そんな反対ですっ!」

幸せになるためであるのだとしても

また、命を失わせてしまうようなことなんて、させたくない


487 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 22:16:26.92kx1UFWWwo (5/6)


東郷「そのっちに力を渡して、私達にも力を渡して……その状態でやるんですよね?」

神婚ですべてにかたがつくのであれば、

園子に無理をしてもらう必要はない

それをやるということは、少なくとも神婚はみんなに力を分け与えた後になる

つまり、天乃の神婚は万全な状態では行われない可能性が非常に高い

神婚が生命力を削って行われるのであれば

与えられる猶予は限りなく短いだろう

そんなの、許せるわけがない

東郷「久遠先輩にやらせるくらいなら、私がやります」

天乃「東郷、それは――」

東郷「私は勇者であり巫女でもある……神婚を行う価値があるはずです」

沙織「それは無理だよ」

どこにいたのか。

おもむろに姿を見せた沙織の無情な一言が続く

沙織「これは神託で選ばれたことなんだ。久遠さん以外の何者にも、代わることは出来ないよ」


488 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/09(木) 22:17:13.56kx1UFWWwo (6/6)


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は恐らくお休みになるかと思います

再開は明後日、通常時間から


489以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/09(木) 22:37:08.60bLDHPEGRO (2/2)


あくまで天の神に対する囮としての神婚だが…
この説得にはかなり骨が折れそうだな


490以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/10(金) 01:48:31.90CTKXsf3uO (1/1)


本人たちの結婚式もまだだからなあ


491 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 20:40:13.08gGyv6LMqo (1/6)


では少しずつ



492以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/11(土) 20:46:57.12tOnJFh74O (1/2)

やったぜ


493 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 21:23:45.36gGyv6LMqo (2/6)


東郷「神託……ッ!」

歯ぎしりさえ聞こえそうな、憤った東郷の声

神託と言う抗えない強制力を提示されたからだ

神託が天乃でなければだめだという以上

それ以外のなにかでは成立させられない

奉火祭のように、巫女か東郷か。

そんな選択はなく、天乃が持っていかれてしまう

そして、天の神ではなく神樹様

祟りのように勇者達を苦しめるようなことはないだろうけれど

加護を与えてはくれなくなってしまうかもしれない

もしそうなのであれば……

友奈「久遠先輩、それ以外に出来ることはないんですか?」

苛立ちを見せる東郷を一瞥し、友奈は天乃へと問う

東郷を鎮めるためには、

神婚を止めるにせよ止めないにせよ

納得させられる何かが必要だから。

友奈「夏凜ちゃんが言ってたけど……ただ犠牲になるだけじゃない考えがあるんですよね?」


494 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 21:43:44.66gGyv6LMqo (3/6)


東郷「久遠先輩が死んじゃうのよ? それを――」

友奈「うん……でも、だから。じゃないかな」

友奈は、難しいことは言えないよ。と前置きをすると

困ったように、はにかむ

自分の考えがあっているかどうか、不安なのだろう

そんな友奈に、園子は軽く頷く

園子「……教えて、ゆーゆ」

友奈「う、うん」

東郷「………」

友奈「犠牲になるつもりがない久遠先輩が、犠牲になるかもしれないことをしようとしてる」

それってね。と、友奈は天乃を見る

追い込まれていると、分かったからだろう

無理をさせたくはなかった天乃に無理をさせてしまうことになっているからだろう

少しだけ、唇を噛むのが見えた

友奈「それをするだけの理由があるんだと思う。もちろん、誰も犠牲にならないためだよ?」


495 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 22:08:00.51gGyv6LMqo (4/6)


東郷「でもっ」

夏凜「東郷。あんたが天乃に無理をさせたくないって思ってるのは、分かってるわよ」

こういう議論の場で

天乃の考えに対しての反論を述べて、反感を買う

それも覚悟をしてのことだ

天乃のためを思ってのことだ

嫌われるのだとしても、少しでも天乃の為になるのであれば、為すことが出来る

そういう人だと、夏凜は思っている

夏凜「でも、そうせざるを得ない状況なんでしょ?」

天乃「……私の本心を言えば、神様となんてお見合いすらもしたくないわ」

風「天乃、神樹様嫌いだったしね」

天乃「ええ」

お見合いが嫌なのだ

結婚だって当然、避けられるならば絶対に避けていることだ

それでも神婚を行うのには、

みんなが言ったように理由があって。

天乃「それでも私が神婚をするのは親玉を引き摺りだすためよ」


496 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 22:28:14.64gGyv6LMqo (5/6)


天乃「神婚をするなんてなったら、天の神は何が何でもぶち壊しに来るでしょうね」

人類を神の眷族とすることに怒り狂うか

天乃という極上の贄を持っていかれることに怒り狂うか

それとも、両方か

だが、来ることだけは確実

天乃「みんなには、その親玉を討伐して欲しいの」

園子「親玉を倒せば、祟りも、神樹様の寿命の問題も何とかなるかもしれないからね」

東郷「そんなこと……」

沙織「東郷さんは、出来ない?」

東郷「久遠先輩が無理をしなくてもできるかもしれないじゃないですか」

祟りの件だって

天乃の力を得られれ葉時間を稼ぐことが出来る

そうするれ葉、戦う力を得られるし

親玉を引きずり出すような何かだってなせるはず

天乃の話は早計だと、東郷は切り返した


497以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/11(土) 22:31:54.12tOnJFh74O (2/2)

東郷さん粘るなぁ


498 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/11(土) 23:35:16.44gGyv6LMqo (6/6)


東郷「久遠先輩の力を借りて、祟りに抗えば出てきてくれるかもしれません」

樹「それは、そうかもしれないですけど……」

風「それまで神樹様の寿命が持たないかもしれないわよ」

夏凜「神樹様の力が本当になくなったら、私達も戦えない」

亡くなることがなかったとしても

消耗しすぎて、勇者に回すような余裕がなくなってしまうかもしれない

時間はないが、余力もないのだ

どちらかがあるのならばまだ、方法があったかもしれない

しかし、ないのが現実

東郷「下手に待って、余計に追い込まれるのを避けたい……ですか」

天乃「ええ」

東郷「………」

それでも何とかする手立てはないのか

それを考え、見つけられなかったのだろう

苦悶の表情を浮かべた東郷は目を伏せる

東郷「だからって、久遠先輩にこれ以上無理をさせるなんて」

嫌だ。

そんなの、許せない

なにより、そうせざるを得ないような状況に追い込まれるような

自分の未熟さが、許せない

握りしめる拳は、食い込む爪は

痛覚を乗り越えて、血を滲ませる

東郷「……その神婚、止める手立てはあるんですか?」


499 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 00:14:05.42wCpd/gjyo (1/16)


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから


500以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 00:15:05.40w+ZuArZK0 (1/1)

おっつー!


501以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 00:22:18.04pHIDoJXJO (1/1)


東郷さん…普段猥談とかしてる分こういう時は真面目で優しい子なんだなぁと


502以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 02:45:25.27OxMigkcAO (1/1)


とにかく早めに早めに行動しなくちゃいけない状況なのか…


503 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 15:04:12.13wCpd/gjyo (2/16)


では少しずつ


504以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 15:12:30.41OluJCppOO (1/3)

かもーん


505 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 15:26:46.33wCpd/gjyo (3/16)


東郷「人と人との結婚じゃないんです。ちょっと待った。なんて言って簡単に止められるものではないと思います」

それこそ、祟りのような何かがあってもおかしくない

いまさら何を言っているのだと

反対意見なんて跳ね除けられて結婚させられてしまうかもしれない

新郎が、その友人が、その親が

ふざけるなと阻むのとはわけが違う

東郷「仮に陽動が上手く行き、倒せたとしても久遠先輩が消えてしまうという結果は免れ得ないのでは?」

天乃「そうね。神婚を中断させられるかどうかは、分からない」

東郷「やっぱり……」

神樹様に対する信仰心はこの世界規模で考えれば非常に厚く

天乃一人の命か、神樹様による存続かを考えれば

圧倒的に後者である

人類は神樹様の存続から、天乃を手放すことは出来ない

神樹様がそう考えるかもしれない

東郷「神樹様が、そうしなくていいと納得できるだけの証明が必要になります」

沙織「東郷さんは、それが無理だって?」

東郷「神樹様の今までを考えれば、生半可なものではいわゆる曲解されたような結果になるだけかと」


506 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 16:00:14.27wCpd/gjyo (4/16)


東郷の一言に、沙織は反論を飲み込む

静まり返った病室に誰かの吐息

誰かが動いて、布の擦れる音

東郷は自分の発言による沈黙を吸って、吐く

銀の死によって与えられた力

それはとても強い力ではあったし

それ自体は悪いものではなかったと東郷自身も思う

だが、人ならざる者へとさせてしまう力など、

結局、銀を失った東郷たちが望んだものなんかではなくて。

東郷「人類の救済だってそう、きっと神婚によって訪れるのは人ではなくなった何かが蔓延る世界なんだと思います」

風「東郷はどっちも認められないのね」

友奈「人じゃなくなっちゃう世界も、久遠先輩がいなくなっちゃう世界も……私も嫌だよ」

友奈の悲痛さを感じる声に

東郷はぐっと眉を顰めて、友奈を視界から外す

東郷「久遠先輩、神婚を確実に止める手はありますか? 誰も、何も、変らずにです」


507 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 16:43:13.20wCpd/gjyo (5/16)


天乃「そう詰め寄られると、困っちゃうわね」

止める手立ては考えられていないに等しい

行き当たりばったりだ

だが、東郷はそんな曖昧な考えを許しはしない

神樹様はそんな考えではまさしく望まない結果を生み出してしまうことだろう

天乃「それについては、九尾にも具体的な答えは用意できなかった」

東郷が問題にしていることは、

九尾も問題点としてすでに上げてくれていることだった

神婚を行うとして、それの中断が行えるのかどうか

それに対して九尾が出したのは、

人類はもう守って貰う必要がないということを、神樹様に示す。ということだった

天乃「ただ、守る必要がないって神樹様に示せば良いかもしれないって」

夏凜「だったらそれは、私たちがやって見せるしかない」

東郷「どうやって?」

夏凜「どうやるもこうやるもないわよ。私達は今まで通りに、奪おうとするやつから、守るだけ」


508 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 17:17:33.81wCpd/gjyo (6/16)


樹「でもきっと、いままでとおりじゃ、ダメなんだと思います」

今まで通りで良いのなら、

ここに来るまでに話は終わっているはずだ

神樹様の寿命が尽きそうになっているという話が出たときに、

この問題は片付いているはずなのだ

そうならないのは、それだけではだめだからだ

沙織「神樹様の説得かぁ」

園子「それは多分、天さんにしかできないことなんよ」

天乃「……私にしか?」

園子「うん、天さんにしか」

弱弱しく

けれども力強く笑みを浮かべて見せた園子は、

小さな手で、天乃の細腕を握る

園子「過去と未来の架け橋……すべてを紡いできた、久遠天乃が、すべきこと」

天乃「私なんかに、人類の言葉を託すなんてどうかしてるんじゃないの?」

困った笑みを浮かべ、天乃は茶化したように言う

全人類の思いを、神授嫌いの自分一人に任せていいのか

普通なら、駄目だろうけれど

夏凜「最も神に近づくアンタがダメなら、ほかの誰にもできないんじゃない?」


509 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 18:13:26.32wCpd/gjyo (7/16)


言葉を通じ合わせることのできない神と人

その相容れない存在が、交わる

交わろうとする、特別な時間

きっと、最も近づくことで

純粋で穢れのない想いがぶつかり、重なることだろう

友奈「沢山のことを経験した久遠先輩だから、こそです」

樹「久遠先輩じゃないと、ダメだと思います」

西暦の魂に触れ、従えて

現代の人類の触れ、その善悪を経験して

色々なことを考え、ここまで生きて

これからも生きていこうとしている

沙織「……久遠さんなら、神樹様の考えを変えられるだけの想いを伝えられるはず」

天乃「………」

東郷「久遠先輩……出来ますか? 出来ませんか?」

反論ではなく、問う

天乃がそれを、成し遂げることが出来るのかどうか


1、もちろん、成し遂げるわ
2、みんなが、力を貸してくれるなら
3、分からないけど、でも、やるしかないわ
4、できるできないじゃないわ。やるのよ

↓2


510以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 18:16:06.12OluJCppOO (2/3)

1


511以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 18:17:15.06W9SQQtht0 (1/1)

2


512 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 19:00:22.65wCpd/gjyo (8/16)


天乃「そうね……」

園子を見て、友奈を見て、風を見て

東郷を見て、樹を見て、沙織を見て、夏凜を見て

また、園子へと戻っていく

不安だし、怖い

絶対に大丈夫だなんて安心感は得られない

でも、それでも

みんながいるのなら。

天乃「みんなが、力を貸してくれるなら」

樹「当然です」

友奈「もちろんですっ」

風「最後まで、付き合うわよ」

夏凜「言われなくても」

園子「ずっとも~」

東郷「……ずっとも」

園子の伸びた手にくっつけるように

東郷は自分の右手を伸ばす

東郷「久遠先輩、絶対ですよ」


513 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 19:15:33.46wCpd/gjyo (9/16)


東郷は振り絞るように言って、息を吐く

本心では、嫌だ

でも、どうしようもない懸けるしかない

だからせめてと、東郷は目を瞑る

東郷「……分かりました。神婚、してください」

天乃「ごめんね」

東郷「本当ですよ」

こっちはまだ結婚してないのに。

明らかに不満そうにする東郷を、友奈は宥める笑みを浮かべる

仕方がないことだと分かっていても

神樹様に先を越されてしまうのが、嫌で。

でも、それを言っても仕方がない

だから、飲み込む

園子「全部終わったら、ちゃんと……してくれないとダメなんよ」

風「神様との結婚するんだから、あたし達とも、ね」

天乃「そうね、本当はみんなとするだけのはずだった」


514 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 19:39:51.62wCpd/gjyo (10/16)


まだみんなの家の説得

そのすべてを完了しているわけでもないのに

神様との結婚を先にするなんて本当、何なのかと思う

こんなことしてる場合じゃないのにと思う

でも、そうしなければ説得はできなくなってしまう

結婚は出来なくなってしまう

だから、やるのだ

天乃「……私たちの将来の為に」

夏凜「私たちの平和の為に」

東郷「私たちの日常の為に」

やりたくないことから逃げるのではなく

やりたくないことにも手を出して……何とかする

天乃「成し遂げましょう、私達で」

覚悟を決め、希望を抱き、将来を願う

天乃のいつもと変わらないトーンの言葉

ほんのり笑い混じりの日常感

みんなは意気込んだ返事をすることはなく

そっと自分の胸に手を当てて、自分の思いを確かめ頷く

天乃「世界を勝ち取るわよ」

「「「「「「「おーっ」」」」」」」」

文化祭のような、体育祭のような

そんなのりで

みんなの声が、病院に響いた


515 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 20:03:38.53wCpd/gjyo (11/16)


√ 2月2日目 夜 (病院) ※金曜日


01~10
11~20 夏凜
21~30
31~40
41~50 東郷
51~60
61~70
71~80 悪いこと 
81~90
91~00 若葉


↓1のコンマ


516以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 20:04:27.63OluJCppOO (3/3)




517 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 21:03:55.38wCpd/gjyo (12/16)


√ 2月2日目 夜 (病院) ※金曜日


みんながいた夕暮れ時の病室から

独りぼっちの窓のない病室へと戻った天乃は

ベッドに横になったまま、息を吐く

天乃「……園子に力を渡すためにも、体を何とかしないと」

回復は順調で

園子一人に力を与える程度であれば何とかなるかもしれない

けれど、松葉杖での歩行だけで疲労困憊してしまうのでは、

先が思いやられてしまう

天乃「とはいっても、寝ていれば戻ってくるわけでもないのよね」

今ある体力分は戻るだろうけれど

それ以上にはなってくれない

運動するべきだけど、出来るのはリハビリ程度

無理をすれば死にかねない

勇者としての力を使えばいいけれど

力を渡すときには使えない


518 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 21:24:34.15wCpd/gjyo (13/16)


天乃「弱いって……いやね」

出来ることが制限されるだけでなく

出来ることの中でもまた更に制限が付けられる

天乃「弱くてもできることはある。でも、強くなければ出来ないことがある」

だからお姉ちゃんは強くなりたいの。

天乃がまだ小学生のころ、姉の晴海は空手の大会で優勝した

でも、それでも満足せずに鍛錬に励み、より強くなろうと別の武術まで手を付けていく

そんな姿を見て、どうしてそこまでするのかを聞いた時に言われた言葉

天乃「お姉ちゃんはずっと、こんなだったのかな」

何をするにしても、弱さを感じる

もっとできることがあるのではないか

もっと別の方法があったのではないか

そう、悩んで……

満足する結果は一度も得られていないのかもしれない


519 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 21:55:14.29wCpd/gjyo (14/16)


天乃「……きっと、私が強ければもっと方法があった」

神婚なんて手段を選ばなくても

みんなに親玉を倒して貰うなんて危ないことをさせなくても

何か、解決するすべはあったはず

天乃「でも、出来ない」

弱くなってしまったから

追い込まれてしまったから

だから……みんなの力を借りることにした

一人の力では不十分でも

みんなの力を合わせれば何とか出来る

天乃「一人じゃないから、大丈夫」

みんなで世界を取り返す

そう決めたし、出来ると信じている

だから悩んでなんていられないと

天乃は心を強くする


1、精霊組
2、イベント判定
3、お休み

↓2


520以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 21:56:45.48QOiT6nmu0 (1/1)

3


521以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 21:57:16.28hCCLVCxiO (1/3)

2


522 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 22:10:21.60wCpd/gjyo (15/16)


01~10 友奈
11~20 夏凜
21~30 樹
31~40 東郷
41~50 風
51~60 千景
61~70 球子
71~80 若葉 
81~90 沙織
91~00 歌野


↓1のコンマ


523以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 22:12:39.09JMlLFVZS0 (1/1)




524以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 22:13:11.03hCCLVCxiO (2/3)




525 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/12(日) 22:35:55.66wCpd/gjyo (16/16)


では少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「私も結婚したいわ」

風「全部終わったらねー」

友奈「終わらせよう……頑張って」

園子「ふぁいとっ、お~」


樹「恋人たちの逆位置」ペラッ

樹「……でも、大丈夫。踏み込むことは間違いじゃない」


526以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/12(日) 22:47:03.98hCCLVCxiO (3/3)


久遠さん込みでの勇者部の一致団結ならこの逆境でも乗り越えられると信じたいな
あと久遠さんの神樹様嫌い設定久々に見た気がする…お互いに向き合うことができるのだろうか


527以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 01:59:46.14tWkt+9fQO (1/1)


まずは園子ひいては勇者部を復活させるところからだな


528以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 12:37:14.915UOL8dRTO (1/1)


昔の強くて格好いい久遠さんが見られなくなってきたのは寂しい反面、弱体化したからこそより多くのものを得た感じがして物語的にはそれが正解なのかも


529 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 20:50:10.874+OsOF3Zo (1/7)


では少しだけ


530以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 20:51:32.34l46ZjDc3O (1/4)

あいよー


531 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 21:32:01.184+OsOF3Zo (2/7)


天乃「………」

病室の外から聞こえる小さな足音

ゆっくりとした歩みは、

出来る限り気付かれまいとしているからだろう

天乃「……夜這い?」

それはないと首を振る

天乃もそうだが、みんなにもそんな余裕がない

耳を澄ます

ゆっくりで、静か、小さな足音

ちょっとだけ、不安を感じる

片耳を失ったことで鋭敏になった聴覚で感じ取る

天乃「友奈、かしら」

東郷の線も考えたが

東郷ならもう少し大胆だし、静かだ

足音に不安は混じらない

天乃「ん」

きゅっと足とが止む

病室の扉に何かが触れて

コンコンッと、微妙な音が病室に流れ込んできた


532 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 21:57:35.444+OsOF3Zo (3/7)


天乃が返事する前に、病室の扉が開く

友奈「……久遠先輩?」

みんながいる病室と違って

天乃一人の病室では遮るためのカーテンを閉めてはおらず

ひょっこりと壁際から顔を覗かせた友奈はベッドに天乃がいるのを確認して、ぐっと息を飲む

友奈「久遠先輩?」

さっきよりも小さく、囁くように

天乃が寝ているかどうかを確かめようと声をかけ、

数秒間待って、ベッドへと近づく

天乃「…………」

友奈「……寝て、ますか?」

寝ていたら帰るのか

それとも、何かしようと言うのか

来客用の椅子に座ったりせずに、友奈は天乃の顔を覗く


1、……なぁに?
2、寝たふり
3、「んっ友奈……やめて……」という寝言


↓2


533以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 21:59:18.68l46ZjDc3O (2/4)

1


534以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 22:02:43.20VAKfFhx00 (1/1)

3


535 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 22:25:37.304+OsOF3Zo (4/7)


天乃「んっ……」

友奈「っ」

寝返りを打つ

友奈に顔が見えないように背を向けて、

もう一度寝返りを打って友奈の方を向く

うなされているのかもしれない

友奈の心にそんな不安を感じさせて、隙を作る

そして

天乃「んっ友奈……やめて……」

友奈「!?」

艶っぽい声を漏らす

口元に手を当てて、

布団を少しだけ、跳ね除けて

びくっと身体を震わせる

天乃「やっ……んっ……」

友奈「ぇっ? えっ!?」

天乃「はぁっ……はぁ……んっ」

友奈「……っ」


536 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 22:46:02.994+OsOF3Zo (5/7)


天乃「……zzz」

友奈「お、落ち着いた?」

少し上ずった声で友奈は問いかける

変に色っぽい声を漏らしていた天乃だけれど

大人しくなって、一安心だと友奈は胸を撫で下ろす

友奈「………」

どくんっどくんっとうるさい心音

ちょっぴり温まってしまったせいか、ほんのり汗ばむ

天乃「んっ」

友奈「!」

天乃「友奈……っ」

そこに友奈がいるような素振りで、布団を抱く

顔を埋めて、抱きしめて

布団に押し殺されたくぐもった声を漏らす

天乃「ゆっるして……っぁ……」

友奈「ゆ、夢の中の私はなにしてるんだろう……」

ごくりと喉を鳴らすのがはっきりと聞こえた


537 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 22:48:46.474+OsOF3Zo (6/7)


01~10
11~20 久遠先輩が悪い
21~30
31~40
41~50
51~60 久遠先輩が悪い
61~70
71~80
81~90 久遠先輩がいけない
91~00


↓1のコンマ


538以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 22:50:31.68l46ZjDc3O (3/4)




539 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/13(月) 23:02:48.394+OsOF3Zo (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「いって、行くのよ友奈ちゃんっ」グッ

東郷「誘ってるに決まってるわ、大丈夫、行ってっ」

東郷「何をためらってるの……」

東郷「その手を伸ばして、さぁ、さぁっ!」


風「落ち着け」


540以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 23:12:10.46l46ZjDc3O (4/4)


またもや友奈ちゃん役得イベントが…
久遠さんもようやく悪戯できるぐらい心に余裕ができたんだなぁ


541以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/13(月) 23:38:22.05LUTi0IHXO (1/1)


こうなると余裕出てきた感じがするな
今まではイチャイチャすら出来なかったし


542以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 02:17:25.86q10rGkt5O (1/1)


久しぶりに久遠さんの誘い受け見たわ
やっちゃえ友奈ちゃん


543 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 21:34:04.70DGvCZdEjo (1/6)


では少しだけ


544以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 21:37:56.40yVV+ZitSO (1/3)

よしきた


545 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 21:56:19.72DGvCZdEjo (2/6)


友奈「………」

そっと右手を伸ばす

摘まむような広がりの小さな手は

ゆっくりと広がって、天乃の頬まで数センチのところで、止まる

友奈「……だめ、だよね」

天乃「んんっ……」

友奈「気に、なるけど」

右手を引き戻して、左手で抑え込む

今ここにいるのはお忍びで

天乃は体が治ったばかりで余裕がない

ちょっと気を惹かれたからって悪戯をするのは

それこそ、忍びない

友奈「………」

なら、どうしてここに来たんだろう

何もしないのに

何もできないのに。


546 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 22:12:46.35DGvCZdEjo (3/6)


友奈「さっき、言っておけば良かった」

一緒に行っていいですか。と

一緒にいてくれませんか。と

そうすれば、手を出すこともできたのにと、ちょっとだけ後悔する

友奈「なんで、来ちゃったんだろう」

病室に来てくれた時は嬉しさが勝ってしまっていたのだろうか

夜になってだんだんと静けさに包まれていく中で

冷めていく体に心がついていくことが出来なかったのかもしれない

いや……違う。

友奈「っ」

神婚すると言う話で決まった

バーテックスの親玉を呼び出すその作戦は効果がある分かなりのリスクがある

それ自体に反対をする気はないが、

病室から去っていく姿が不安になったのだ

そのまま世界が樹海に包まれて

離れ離れになってしまうような不安を感じたのだ


547 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 22:35:51.89DGvCZdEjo (4/6)


友奈「……そんなこと、ないけど」

天乃の艶っぽい声もそうだが

何より、寝返りを打てているというのが、ほほえましくさえ感じる

今までは寝返りを打ちたくても不自由な身体では寝返りなんて打てるはずもなく

とても窮屈そうで

傍に居る誰かが体を動かしてあげる必要さえあったのだから。

友奈「久遠先輩」

天乃「すぅ……すー……」

友奈「久遠先輩がいてくれて、良かったです」

友奈や勇者部にとって、

天乃がいるのは当たり前のことだけれど、

もしも天乃がいなかったら。

長く会えなくて、祟りに冒されて、不安になった心で考えてしまったこと。

首を振る

そうっと、近づく

きし……っと、手をついたベッドが軋む

強く嗅がなくても天乃の匂いが強く感じられる距離

総毛立つ感覚とはまた違う、全身に迸るぬくもりのある感覚

友奈「……ごめんなさい」

一言謝って、唇――ではなく、頬にキスをする

友奈には、それが精一杯の行為だった


548 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 22:50:50.81DGvCZdEjo (5/6)


天乃「んっ……」

友奈「ぁっ」

天乃「………」

さっきまでとは違う反応を見せた天乃を見て

起こしてしまったのではと、友奈は後退りする

人によっては逃げることも、隠れることもするだろうけれど

友奈にはそんなことできなくて

友奈「久遠、先輩?」

じっと見つめて、声をかける

起こしてしまったらそうしようと思うのに

声をかけてしまったのは、

無意識なのか、思いがあっての事なのか

天乃「………」

寝たふりをしたのだ

このまま起きない方がいいような気もするけれど……

1、起きる
2、起きない


↓2


549以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 22:55:44.00yVV+ZitSO (2/3)

1


550以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 22:57:19.74tOYgsuLK0 (1/1)

1


551 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/14(火) 23:05:24.65DGvCZdEjo (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



友奈「もしも久遠先輩がいなかったら」

友奈「祟りはどうなってたんだろう」

友奈「神樹様は誰をお嫁さんにしようとしたんだろう」

友奈「私達は、どうしてたんだろう」

友奈「……その悩みのほとんどを、久遠先輩が抱えてくれてるんだよね」


552以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 23:13:34.73yVV+ZitSO (3/3)


悪ふざけしてたのが申し訳なくなるくらいシリアスな友奈ちゃんだったな…
ここはちゃんと反応して励ましてあげたい


553以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/14(火) 23:17:05.478raAqJ/xO (1/1)


寝たふりでちょっと罪悪感ががが


554以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/15(水) 03:05:08.69fWxGhzmWO (1/1)


寝たふりバレるどころか寝言にかこつけての誘い受けしてたのまでバレるのは恥ずかしいぞ久遠さん


555 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 20:43:45.59hW0bw9LZo (1/8)


では少しだけ


556以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/05/15(水) 20:45:59.46kMHzaGKtO (1/3)

やったぜ


557 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 20:51:31.17hW0bw9LZo (2/8)


起きようか起きまいか

少し考えて、閉じた瞼の奥で瞳を揺らす

暗い中、見える友奈の表情

どこかにある手を求めて、手を伸ばしながら瞼を上げていく

天乃「ん……ゆ、うな?」

あくまで、起きてしまったという態で

引き起こされたばかりのぼんやりと揺れる瞳を作り上げる

天乃「……どうか、した?」

友奈「お、起き上がらなくて大丈夫ですっ」

もぞもぞと動いて見せると

友奈は慌てて布団を引き上げて動きを止める

谷を作った眉、

わずかに光を反射する瞳

天乃はじっと見て、ベッドの上に手に触れる

天乃「……そう?」

友奈「大丈夫です」

天乃「そっか……じゃぁ、このままで」


558 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 21:22:46.17hW0bw9LZo (3/8)


友奈「このままでって……寝れなく、なっちゃいました?」

天乃「んーまぁ、ね」

友奈「ごめんなさい」

天乃「良いわよ、別に」

元々寝ていなかったからとはいえずに苦笑い

友奈の罪悪感を覆うように手を握る

天乃「何かあるんでしょ?」

友奈「それはっ……その……」

天乃「友奈は相変わらず、嘘をつくのが下手よね」

悪いことじゃない、良いことだ

素直で、まっすぐ

勇者になる前から変わらないところ。

天乃「……馬鹿にしてるわけじゃないからね?」

友奈の手をにぎにぎと

ちょっとだけ遊びながら、微笑む

申し訳なく思うよりも困った顔

それでいいと、見つめる

天乃「わざわざ危険を冒してまでここに来たんだもの。何もないわけではないでしょ」


559 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 21:45:21.73hW0bw9LZo (4/8)


天乃「……私、自慢じゃないけど授業中に寝たことないの」

友奈「え?」

天乃「妊娠してからは、あれだけどね」

良く分かっていないような友奈に、続けて言う

だから大丈夫よ。寝ないから

そこまで言って、友奈の目が開く

理解を得た瞳の大きさ

それは反動によって小さくなって……閉じる

友奈「……ごめんなさい」

天乃「布団に入る?」

友奈「良いんですか?」

天乃「もうお腹大きくないし」

友奈「それなら、失礼します」

どうぞーと、招く

少し冷えた友奈の体が、触れた


560 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 22:07:07.55hW0bw9LZo (5/8)


友奈「………」

天乃「………」

すぐ横の、沈黙

布団と寝間着の擦れる音

友奈の方をちらりと見た天乃は

開きかけた口を閉じる

布団に招き入れるのは、意地悪だったかな。と、思う

友奈がこの病室に抱えてきたことは

隣り合ってしまったら痛むようなものであると分かっていた

けれど――

天乃「最後じゃない」

友奈「っ」

天乃「大丈夫よ」

自分よりも大きく

でも、小さな女の子の背中に触れる

今までは見ることのなかった、自分を背負おうとしてくれている背中

だから、触れる。

天乃「貴女達の後ろに、私はいる」

友奈「うし、ろ……?」

天乃「そう。行ってらっしゃいって見送って、お帰りなさいって言うためにね」


561 ◆QhFDI08WfRWv2019/05/15(水) 22:31:24.69hW0bw9LZo (6/8)


前線から退いて、戦いを託した

今の天乃はみんなの帰る場所

だから見送って、迎え入れるみんなの背中にいる

それは過去ではなく、後悔でもなく

これからだ。

天乃「私は必ずここにいる。頑張るみんなを置いてどこかに行ったりなんて絶対にしない」

背中から、手を回す

弱い力ではあるけれど

だからこその優しさに、友奈を包み込んでいく

天乃「だから、そんな顔しないの……私は元気な友奈の方が好きだわ」

友奈「久遠先輩……」

天乃「ね?」

友奈「そう言ってどこか行っちゃいそうなのが久遠先輩なんです」

目を離してしまうと、離れたところにまで行ってしまう

そんな、ある意味で自由な人

だから。と、友奈は返す

友奈「今日は一緒にいてください」

友奈はそう言って、身体の前にまで来ていた天乃の手を握った