1 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:48:16.66JeWRI13D0 (1/55)


●4話構成、全200レス前後(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●うちもこは天国の扉、みやうちは天国を越える


1作目
【わたモテ】モテないしスタンド使いになる【よしもこ】
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522052899/

2作目
【わたモテ】モテないし新手のスタンド使い
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523373188/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1548589696



2 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:51:52.28JeWRI13D0 (2/55)


※第1話※




【原幕高校 中庭】



吉田「・・・」

加藤「・・・」

黒木「・・・」



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



「 ・・・・・・・・・・・ 」



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



「・・・いくよ」

「おう」「うん」

「せぇ、の!」 ゴ ッ !



黒木「出てこい、『 リサーフィス 』!」




 ド ギ ャ ン !





3 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:52:44.26JeWRI13D0 (3/55)


吉田「おおっ」

加藤「わあ・・・」

黒木「・・・・・・ふう」

「・・・オ呼ビ デスカ」ドドドドドド




リサーフィス「 M y  m a s t e r .」 ド !




            スタンド
吉田「これがお前の幽波紋の、本当の姿なのか」

黒木「うん。 結構かっこいいでしょ」

加藤「・・・すごく 、素敵」

リサーフィス「恐縮 デス」





 \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃リサーフィス(resurface)
┃本体:黒木智子

┃.破壊力-D スピード-D .射程距離-D 持続力-A 精密動作性-D .成長性-B

┃能力-人形にとりつき、人間に変身させる能力。
┃    外見、体質、記憶や性格、習慣やにおいにいたるまで完全にコピー可能。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






4 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:53:24.50JeWRI13D0 (4/55)


吉田「それじゃ、わたしの番だ」

黒木「うん」

吉田「・・・さて、と」ゴッ!



「『クレイジープリンセス』、出ろっ!」



 ド ギ ャ ン !!



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ド ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド ド



黒木「うおお・・・」

吉田「・・・よし」



ド ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド ド



クレイジープリンセス
 C    P  「・・・・・・・・・・・・・・・」ド ド ド ド ド ド




5 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:54:05.92JeWRI13D0 (5/55)



ド ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド ド



黒木「(あいかわらず、すごいパワー・・・)」ゴクッ

加藤「(地響きが起きてるみたい・・・)」



ド ド ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド ド ド





 \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃スタンド名:クレイジープリンセス(crazy princess)
┃本体:吉田茉咲

┃.破壊力-A スピード-A .射程距離-D 持続力-C 精密動作性-A .成長性-A

┃能力-圧倒的なパワーとスピード、さらに優れた感覚を兼ね備えた近距離パワー型スタンド。
┃    その一撃は建物を破壊し車両をも軽々と吹き飛ばす。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





吉田「それじゃ、来いよ」

黒木「・・・うん」グッ!




6 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:54:32.90JeWRI13D0 (6/55)


吉田「手加減するなよ」

黒木「わかってる」ギャン!



「いけっ、『 リサーフィス 』! うりゃあーーっ!」



シ ュ バ バ バ バ バ ッ



「うりゃーーーーっ!」



吉田「・・・・・・・・・」

黒木「うりゃうりゃうりゃうりゃ!」

CP「・・・・・・・・・・・・・・・・」



ポム ペチ ピシ パシ



「うりゃうりゃうりゃうりゃ!」



 パコ ポコ ポス ポフ ・・・



「うりゃうりゃうりゃうりゃ・・・」



7 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:55:50.16JeWRI13D0 (7/55)



「うりゃうりゃうりゃうりゃ」

「うりゃうりゃうりゃうりゃ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


ポコ ペチ ペシ

 ポス ペト パチ ・・・


「うりゃあーっ!!」ビ ュ ッ !



 ペ  フ  ッ  。



CP「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ ゴ ゴ …

黒木「ぜ、ぜは、ぜひー・・・」ゼエゼエ

吉田「素手で殴ったほうがまだマシだな」

黒木「ひ、ひい、ひは・・・」ハアハア

リサーフィス「・・・スミマセン」

吉田「しょうがねえよ。 向き不向きってのはあらあ」

黒木「や、やっぱ、ダメかあ・・・」ゼハゼハ

加藤「あなたはもともと、戦闘向きじゃないんだろうしね」

リサーフィス「ハイ・・・」

黒木「(・・・ついこないだ、偶然気がついた)」



(人形を使わなくても、リサーフィスは出せるんだって)




8 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:56:43.79JeWRI13D0 (8/55)




…… … ────────────── … ……



黒木「そういえばさ、『 リサーフィス 』」


リサーフィス「 ハイ ナンデショウ 」


黒木「うおっ?! 誰、お前!?」


リサーフィス「 イマ オ呼ビニナッタノデハ ナイノデスカ? 」


黒木「あ、あー・・・ そういうことなんだ」



…… … ────────────── … ……




黒木「(変身させてないの忘れて、普通に話しかけたら普通に出てきた)」

黒木「(人形がなくてもスタンド出せるってのに気付けたのは、収穫だったけど)」

リサーフィス「・・・・・・・」ゴ ゴ ゴ・・・

黒木「(それにしても、これじゃなあ・・・ 智貴に変身させた方がまだましだ)」ヒュー ヒュー…

吉田「おら、しっかりしろ」ベチッ!

黒木「あでっ?!」

吉田「パワーがないのはしょうがねえけどよ、お前までへばってどうすんだ」

黒木「・・・んなこと言われたって、疲れるのは、しょうがない・・・」ゼハー ゼハー…

リサーフィス「ワタシヲ直接 操作スルノハ マスターノ負担ガ 大キイノデス」




9 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:57:45.08JeWRI13D0 (9/55)




┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃リサーフィス(resurface)
┃本体:黒木智子

┃能力-人形にとりつき、人間に変身させる能力。
┃    外見、体質、記憶や性格、習慣やにおいにいたるまで完全にコピー可能。

┃        \カカカカッ/

┃   人形にとりつかせずに直接出すことも可能だが、スタンドパワーをかなり消費する。
┃   スタンドの能力も、一般人よりなお劣る程度にしかない。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




黒木「まったくこいつってば、使えないんだからな・・・」

リサーフィス「スミマセン・・・」

吉田「こいつのせいじゃねぇだろ」ゴ リ ッ !

黒木「いぎっ?!」

吉田「お前がしっかりしろよ、人形切らしたときの最後の手段なんだろ」グリグリ

黒木「いづづづづ」

リサーフィス「マスターノ セイデハ アリマセン。 ワタシガ・・・」

吉田「だから気にしすぎるなっての。 こいつの悪い癖までマネしなくていいんだ」

リサーフィス「・・・ハイ」

黒木(このヤンキー、わたしには厳しい癖になんでリサーフィスには優しいんだ・・・?)

リサーフィス「・・・・・・・・・・・・・・・」




10 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:58:46.41JeWRI13D0 (10/55)


黒木「(わたしにだってな、もう少しくらい優しくしてくれたっていいのに)」ブスッ

リサーフィス「・・・マスター。 吉田サマハ マスターニモ トテモ オ優シイノデス」

黒木「なっ?!」

吉田「はあ?!」

リサーフィス「ワタシ 知ッテマス。 吉田サマハ マスターノコトヲ トテモ・・・」

吉田「なっ、なに言ってやがるんだてめえはっ!」ボカッ!

黒木「なっ、なんでわたしが?! 『リサーフィス』、戻れっ!」

リサーフィス「・・・スミマセン」スウ…


パ シ ュ ッ 。


吉田「・・・たく。 空気読めねえところは、お前と一緒だな」

黒木「(自分だって、人のことなんかおかまいなしのくせに・・・)」ヒリヒリ

加藤「ふふふ」ニッコリ

吉田「ちっ。 ・・・それじゃ、次はわたしの番だ。 頼むぜ」

黒木「あ、うん」

吉田「わたしは木の向こう側にいるから、準備ができたら着信入れろ」

黒木「うん」コソコソ

吉田「・・・・・・・・さあて」・・・ ス ッ

CP「      」ス…



 ・・・ ス ッ 。



加藤「(・・・吉田さんのスタンドが、目を閉じた)」




11 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 20:59:45.15JeWRI13D0 (11/55)




吉田「・・・」

CP「・・・・・・・」



・・・ ス ・・・



加藤「(耳もふさいだ・・・)」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ピ ピ ピ ッ !



加藤「(・・・黒木さん)」

吉田「・・・・・・・・・・・」

CP「・・・・・・・・・・・・・」 … コ ッ



・・・・・・・・・・・・




 ・・・ コ オ オ オ オ オ オ オ


12 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:00:19.27JeWRI13D0 (12/55)




「・・・・・・・・・・・」



 コ オ オ オ オ オ オ オ ォ ッ ・・・



「・・・・・・・・・・・」



 ・・・  カ ッ !!



「そこだっ!」ヒュッ!



 カ ツ ン !



黒木「おお、当たった」ニュッ

吉田「よしっ。 もう一度やってみてくれ、こんどはふたりでだ」

黒木「うん」

加藤「わかった」



 ・・・ ピ ピ ピ ッ!



吉田「そこ! それに、そこだっ!」ビヒュッ!



 カ ッ    カ ツ !



13 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:01:49.43JeWRI13D0 (13/55)


黒木「また当たり」ヒョコ

加藤「すごいね」ヒョイ

吉田「ふう、だいぶ当てられるようになったきたな」

加藤「スタンドで相手の気配を感じ取ってる、ってこと?」

吉田「ああ。 こいつは、カンが鋭いからな。 なんとかいけそうだ」

黒木(わたしには全然無理だ)ガックリ

吉田「これができれば、誰かに襲われそうになっても身を守れる」

黒木(この狂犬を襲うやつなんてそうそういないだろうけど。 でも・・・)

加藤「・・・わたしみたいにバカなことをする人が、また来ないとも限らないしね」…ギュッ

黒木「・・・・・・・」

吉田「やっぱり、わたしたち以外にもいるのか」

黒木「そうだと思う。 そしてかならず、わたしたちのところへやってくる。 だって ― 」



「『スタンド使い同士は引かれあう』んだから」



吉田「・・・そういうもんなのか」

黒木「なんでか知らないけど、そうみたい」

吉田「ここに三人、集まっちまったしな」

加藤「吉田さんも、あの『矢』に刺されたんだっけ」

吉田「・・・ああ。 物陰から、おかしな矢を撃ってきたやつがいたんだ」

加藤「・・・・・・・」

吉田「かすっただけだったんだが。 次の日、なんか頭がぐるぐるして」





14 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:02:36.57JeWRI13D0 (14/55)



…… … ────────────── … ……




吉田「・・・・・・・・・・・すう・・・」



 リー リー リー

 バ ッ チ コ ー イ ・・・



吉田「・・・くう・・・すう・・・」



  カ キ ー ・・・ ン



吉田「zzz・・・」

「危ない、吉田!」

吉田「!」



ド ギ ャ ン !



「・・・!」



パ ア ン ッ



吉田「・・・なっ」




15 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:03:12.59JeWRI13D0 (15/55)




パラ パラ パラ ・・・



「・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・くそっ」



 パラ   パラ   ・・・



吉田「またこいつかよ・・・」ド゙ ド ド ド

野球部員「すんませーん! こっちにボールが飛んできませんでしたか?」

吉田「・・・・・・いや、知らねえ」

野球部員「そーすか、すんませーん!」 タ タ タ ッ !

吉田「・・・・・・・・・・・なんなんだよ、こいつ・・・」



ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド


 スタンド
「幽波紋だよ」



吉田「はあ? おまえ・・・」

「それが、スタンド。 吉田の力」

吉田「スタンド? わたしの力・・・?」





…… … ────────────── … ……


16 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:04:09.52JeWRI13D0 (16/55)

           スタンド
黒木「・・・そいつに幽波紋のことを教えてもらったんだ」

吉田「ああ。 最初は幽霊かなんかだと思ったけどな」

吉田「お前は矢を拾おうとして、指を切ったって言ってたな」

黒木「うん」

加藤「わたしは、机の中にいつのまにか矢が入れられてた」

吉田「そうなのか」

加藤「それでうっかり指を切っちゃって・・・」




…… … ────────────── … ……




・・・ シ ャ ー ー ー ー ー ー ー


加藤「ふん、ふん、ふん・・・」シ ャ ワ ー ・・・


ゾ ワ ッ 。


加藤「・・・え」


ザワ ザワ ザワ ・・・


加藤「な、なにこれ?! なに・・・!?」


ゾゾゾゾゾゾゾ・・・!




…… … ────────────── … ……




17 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:05:56.82JeWRI13D0 (17/55)


黒木「そうだったんだ・・・」

加藤「うん。 その日の夜、お風呂場で髪の毛が動きだした」

吉田「・・・あきらかに、おかしい話だな」

黒木「だれか、スタンド使いを増やそうとしてるやつがいるのかな」

吉田「わからねえ。 ・・・だが気を付けておいたほうがいいだろうな」

黒木(わたしも、なんとか自分の身は自分で守れるようにならないと)



 ── こんどあんな呼び方してみろ、本当にぶっ殺すぞ。



黒木(何度もこいつに頼るわけにもいかないし)ゲンナリ

吉田「さあ黒木、もう一本だ」

黒木「えっ? も、もういいよ。 疲れちゃったし」

吉田「そうならないためにやるんだろ。 おい、『リサーフィス』」



リサーフィス「ハイ」 ゴ ッ !



黒木「え」

吉田「やるぞ、いつでもこい」

リサーフィス「カシコマリマシタ」

黒木「ちょ、ちょっ! わたしのスタンドなのに?!」

加藤「素直でいい子。 黒木さんみたい」ニコニコ

黒木「な、なんで・・・???」ガックリ




18 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:06:23.29JeWRI13D0 (18/55)



 ・ ・ ・ ふ う ん 。

             ちから
あれが、あいつらの 能 力 なんだ 。



 ウ リ ャ ウ リ ャ ウ リ ャ ウ リ ャ !



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

― ふ ふ っ  。



 ウ リ ャ ウ リ ャ ウ リ ャ ウ リ ャ ・・・



なあんだ。 たいしたことないじゃん。

どっちもわたしの敵じゃない。



 ゼー ハー  ヒー ハー …

 ソラ モウイッポンダ


・ ・ ・    ちから
あ い つ の 能 力 だけ よくわからないけど ―

まあ、いいや。 関係ないし。



 モ モウ ラメェ・・・  ハヒィ・・・



ひとりずつ狙えばいいことだしね。  く く く く く っ 。




19 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:07:16.68JeWRI13D0 (19/55)



 ダイジョウブ? クロキサン

 ア・・・ ウン



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふん。



 ハイ、コレ ノンデ。

 エ  コレサッキ カトウサンガ・・・



 ・・・なにさ、あいつ。 女の子のくせに。

 加藤に相手されて鼻の下のばしちゃって。



 ・・・イラナイノ?

 ア イエ ソノ  ・・・ ング ング ング



 ほんと、ほんっとにあいつ・・・    キ  モ  い  。



 フフフ オイシカッタ?

 ア ウン トッテモ・・・ エヘヘ



キモい キモいキモいキモい!

ヘドが出るっ・・・・・・・・・・・!



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・


20 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:08:19.50JeWRI13D0 (20/55)




キーン コーン カーン

 キーン コーン …



黒木「・・・・・・・・・」ヨタ ヨタ

田村「大丈夫?」

黒木「・・・だい、じょうぶ・・・」フラ フラ

田中「トレーニング、大変だね」

黒木「う、うん・・・」ヨロ ヨロ

田村「もうやめればいいのに」

田中「でも、バスケの練習試合に出るんでしょ」

黒木「・・・あ、うん(いつまでごまかせるかな・・・)」フラ フラ

田村「・・・・・・・・」ムスッ

田中「(・・・ゆり?)」

田村「(・・・智子のバカ)」ムス…



(ここのところずっと、加藤さんと一緒にいる)

(智子だけじゃない、吉田さんまで・・・)



田村「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ

田中(ゆり・・・)



キーン コーン カーン ・・・



21 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:09:01.52JeWRI13D0 (21/55)


【その夜  黒木家 智子の部屋】



黒木「・・・ ・・・ ・・・」パ ラ ッ

成瀬´「・・・・・・・・・・・んしょ」グイ

黒木「んふ・・・・・・・・・・・」パ ラ リ



[ yes yes yes! ]

[ もしかして オラオラですかーーーーっ?! ]



成瀬´「んしょ、んしょっ」グイ グイ

黒木「ん、くふ。 そこ、そう・・・」

成瀬´「ここ、こう?」 グ イ ッ

黒木「うん、あ、きくぅ。 (・・・・疲れた。 ほんっと、疲れた)」

黒木(毎日これじゃ、ほんともたない。 でも・・・)

成瀬´「・・・・・」グイ グイ
    スタンドバトル
黒木( 実  戦  には備えておかなきゃだしなあ・・・)



─── この森はもう、わたしの巣  あなたは巣にとらわれた蝶



黒木(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ゴクリ



─── ザワザワザワ ゾ ゾ ォ ッ



─── バ  チ  ィ  ッ



22 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:09:51.50JeWRI13D0 (22/55)


黒木(嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ痛い痛い痛い!!)ブルブルガタガタ

成瀬´「・・・もこっち」

黒木(あんな痛い怖い思い、もう二度としたくない・・・!)…ブ ル ッ

成瀬´「・・・・・・・・・」ギュッ ギュ
           ラブ・デラックス
黒木(・・・それでも加 藤 さ ん はどうにかなったけど)

黒木(あのスタンドってお世辞にも戦闘向きとは言えない)
    クレイジープリンセス
黒木( 吉 田 さ ん みたいなのが来たら・・・)・・・パラッ



[ yes! yes! yes!  ”oh my god” ]

[ オラオラオラオラオラオラオラララ ]ズドドドド



黒木(絶対わたしもこうなっちゃう・・・) ゴ ク リ 。

成瀬´「・・・もこっち、ごめんね」

黒木「え?」

成瀬´「わたしがもっと強かったら・・・」
       リサーフィス
黒木「・・・・ゆうちゃんはそんなこと気にしなくていいよ」パラ パラッ

黒木「こうしてくれてるだけで最高に幸せ」トローン

成瀬´「ありがとね、もこっち」クニ クニ クニ

黒木「うん・・・・・(とは言ったものの、このままじゃほんとに不安だな・・・)」 …ゴソッ

黒木「(いくつか『切り札』は用意してあるけど)」ゴソ ゴソ …

成瀬´「・・・んしょ、んしょ」クニクニクニクニ

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」 ゴ ソ ッ 。




 ・・・・・・・・・・・・・・ ひ  ひ  っ  。



23 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:10:21.89JeWRI13D0 (23/55)

         こいつ
黒木(・・・でも『切り札』も、効かないやつとかいるだろうしなー)

黒木(そもそも使ってみたことないからわかんないし)…パラッ



[ D I O 様 ・ ・ ・ ]

[ お受け取り下さい! ] ザ シ ュ ッ !



黒木「(・・・私もこういうやつほしいなー)」

黒木「(めちゃくちゃ強くて、わたしを守ってくれるスタンド使い)」

黒木「(いつでもどこでも、どんなときでも・・・)」パ ラ リ



[ お前ほどの男の血は受け取れんな ]

[ 私の血でよみがえるがいい ]



黒木「(血ぐらいならくれてやるから、どっかにいないかなー・・・)」

成瀬´「んしょ、っと」クニクニクニクニ

黒木「・・・ん、もういい。 それじゃ交代」ガバ

成瀬´「えー?」

黒木「さあさあ横になって」ジュルリ

成瀬´「わ、わたしはいいよ。 だってわたし・・・」アセアセ

黒木「いいからいいからへんなことしないからおねがいおねがい」ワキワキワキ

成瀬「・・・んもう、もこっちったら」コロン

黒木(うひひひひいただきまーす) ガ バ 。



 ・・・ フ ニ ッ     フ カ  フ カ  フ カ ・・・




24 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:11:18.48JeWRI13D0 (24/55)


成瀬´「・・・・・・・・・・・」

黒木「よいしょ。 こらしょ」フカ フカ フカ

成瀬´「・・・つまんなくない?」

黒木「なんで?」モフ モフ モフ

成瀬´「だってわたし、お人形さんだもん・・・」

黒木「(・・・確かに、手触りは人形のままなんだよな)」モ フ ッ
                       ゆう
成瀬´「それにあんまりやりすぎたら、本人がびっくりしちゃうよ?」

黒木「(それもわかってる。 いまリサーフィスは、ゆうちゃんとつながってる・・・)」

黒木「(それでもやめられない ああゆうちゃんゆうちゃんいいにおい)」モフモフフガフガ

成瀬´「(なんだろう、これ)」アセアセ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ゾ ク ッ !

成瀬「な、なんだろう? これ・・・」アセアセ



黒木「ゆうちゃん、ゆうちゃん・・・」フガフガフガ

成瀬´「もこっちったら、もうっ」アセアセアセ

黒木「ゆうちゃん・・・・・・・・・・・」ムニャ

成瀬´「もこっち?」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐー・・・」

成瀬´「・・・もう」ポフッ

黒木「・・・・・・・・・・・すぴー・・・・・・・・・・・」

成瀬´「おやすみ、もこっち」 ポ フ ン 。



成瀬「もこ・・・ち  おや すみ・・・」スウ スウ・・・


25 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:11:56.19JeWRI13D0 (25/55)


【翌日 原幕高 3年5組】



 キーン コーン カーン

  キーン コーン ・・・



黒木「・・・・・・・・・・・」パラッ

根元「・・・・・・・・・・・クロ?」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・」パラ・・・

根元「クロ・・・・・・・・・・・」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



[ 過程や・・・! 方法なぞ・・・・・・・・! ]

[ どうでもよいのだァーーーーーーーッ ]



黒木(こうしてあらためて見るとDIOって結構ヘタレなんだよな)

黒木(いつもは偉そうにスカしてふんぞりかえってるけど)



[ どうだ! この血の目つぶしはッ! 勝ったッ! 死ねいッ! ]



黒木(ちょっと追いこまれるとすぐメッキがはがれて小悪党っぽくなる)パラリ

根元「・・・クロ。 クーロ?」フリフリ

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



 ・・・・・・・・・・・・・・


26 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:12:26.43JeWRI13D0 (26/55)


黒木(第1部のころなんてほんっとにただのクソガキだし)

黒木(こんなやつでも命がけで忠誠を誓うやつがいるんなら)

黒木(わたしにだってひとりくらいそういうやつがいたっておかしくない)・・・ゴソッ


 ・・・ キ ラ ッ


根元(・・・手鏡?)

黒木「・・・うん。ふむ・・・」チラッ チラ バチコーン☆

根元(なんかポーズきめてる。 ウィンクまでしてる)ドンビキー

黒木(なかなか悪くない、うん。 このミステリアスな魅力、いや・・・)


  こわく
( 蠱 惑 さをもってすれば・・・)



根元「キモクロっ」ペシッ!

黒木「あでっ」

根元「いったいなにやってんの、もう」

黒木「み、見てたの」

根元「声もかけてたってば」

黒木「そ、そうか・・・ なあ、ネモ」

根元「なあに」

黒木「こうするとわたしに忠誠誓いたくならん?」クネクネクネクネ

根元「なるわけないでしょバカ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ぎ ろ っ




27 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:13:28.87JeWRI13D0 (27/55)


黒木「・・・・・・・・・・・・!」ゾクッ!

根元「・・・・・・・・・・・・」ピ ク リ

黒木「い、いまの・・・?」

根元「・・・どうしたの、クロ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



黒木「い、いや・・・ なんでもない」ドキドキ

根元「・・・顔、真っ青だよ」

黒木「うん・・・ なんかいきなり、背中がぞくぞくって」

根元「背中?」

黒木「幽霊でもいたみたいな感じ・・・」… チ ラ ッ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



黒木「なんも、いない」

根元「・・・そうだね」



キーン コーン ・・・



黒木「おっ、予鈴だ」

根元「またねー、クロ。 ・・・・・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




28 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:13:56.58JeWRI13D0 (28/55)



コツ コツ コツ ・・・



加藤「・・・・・・・・・・・」コツ コツ コツ



キーン コーン ・・・



加藤(あ、予鈴。 ・・・急がなくっちゃ)パタ パタ パタ



 ・・・ コツ  コツ   カツッ



加藤(・・・?)





内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カツ・・・





加藤「内さん?」

内「・・・・・・・・・・・」・・・ フ ラ ッ

加藤「・・・! 危ない!」サッ!



 ビ シ ッ !


29 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:14:21.95JeWRI13D0 (29/55)


加藤「痛っ?!」ビリッ!!

内「・・・・・・・・・・・さわらないで」 ヨ ロ ・・・

加藤「?! 内さん、あなた・・・」



 ぎ  ろ  り  。



加藤「!・・・・・・・・・・・」

内「 放 っ て お い て ・・・ ! 」ギ ロ ・・・

加藤「内、さん・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・ふん」 ヨロリ フラリ

加藤「・・・・・・・・・・・」



キーン コーン カーン ・・・



加藤「・・・・・・・・・・・」カタン

加藤「(・・・内さん、どうしたんだろう)」 カチャ カチャ
                   はや
加藤(足取りもだけど、あの力、 疾 さ―)

加藤(それになにより、あの 『 眼 』 。 ・・・・・・)



 放 っ て お い て ・・・!



加藤(・・・普通じゃない・・・)



キーン コーン ・・・




30 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:14:49.96JeWRI13D0 (30/55)


【3年4組】



 キーン コーン ・・・



担任「さあみんな、席について」

内「・・・・・・・・・・・・・・」フラッ

宮崎「(・・・・・・・・・・・うっちー)」

担任「出欠を取ります。 井上さん」

「はい」

担任「今岡さん」

「はい」

担任「内さん」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー?」

担任「内さん?」

内「・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・」ヨロッ

担任「・・・内さん、保健室へ行きなさい」

内「・・・・・・・・・・・大丈夫、です・・・」 ヨ ロ ・・・

担任「いけません。・・・宮崎さん、一緒に行ってあげて」

宮崎「はい」ガ タ ッ

内「・・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、立てる?」 ス ッ



 バ ッ !




31 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:15:26.22JeWRI13D0 (31/55)


宮崎「きゃ?!」ガタン!

担任「内さん?!」

内「・・・・・・・・・・・」フ ラ リ 。

担任「内さん、あなた!」

内「・・・・・・・・・・・すみません」ヨ ロ ッ



 ヨ ロ   ヨ ロ  ・・・



内「ひとりで・・・ 行けます・・・」フ ラ ・・・

担任「・・・・・・・・・・・そう」

内「失礼します・・・・・・・・・・・」カラ カラ カラ



 ピ シ ャ ン !



宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

担任「宮崎さん、様子を見てあげて」

宮崎「はい」 タ ッ !



 フラ フラ フラ ・・・



内「・・・・・・・・・・・」フラ フラ

宮崎「・・・・・・・・・・・」ソ ー ッ ・・・




32 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:15:52.44JeWRI13D0 (32/55)




  コツ    コツ    コツッ



内「・・・」コツ コツ・・・

宮崎「・・・・・・・・・・・」ソロリ ソロリ

内「・・・・・ついてこないで」

宮崎「うっちー・・・」 タ タッ

内「・・・・・・・・・・・」

宮崎「あなた、変だよ。 病院に行ったほうが」

内「余計なお世話よ」プイッ

宮崎「・・・ダメだよ、うっちー!」ガシッ!

内「・・・!」

宮崎「だってあなた、また・・・!」ギュ・・・



 ザ シ ュ ッ !



宮崎「うあ?!」 バ ッ !!

内「くっ」 ブ シ ュ ッ !



 プ シ ュ ー ・・・



宮崎「あ・・・ ああ・・・」 プシュー・・・

内「・・・・・・・・・・・」 ダ ラ ッ 。



33 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:16:19.26JeWRI13D0 (33/55)



 ポタ  ポタ  ポタッ



宮崎「なに・・・ これ   なに・・・」・・・ポタッ

内「・・・・・・・・・・・」

宮崎「私の・・・ 手・・・」ポタ・・・

内「・・・」 ス ッ



 ス ・・・



宮崎「うっ、ちー・・・?」ガクガクガク

内「動かないで」スッ



・・・ ゴ ゴ ゴ ゴ



内「・・・・・・・・・・・」ゴ ゴ ゴ



・・・ キ モ ォ ー イ



宮崎「・・・・・・・・・・・な、なに・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ



 キ モ ォ ー イ

    キ モ ォ ー イ ・・・




34 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:16:54.23JeWRI13D0 (34/55)


宮崎「・・・・・・・・・・・は、はあ、はあ・・・」

内「・・・もういい」 ス ッ

宮崎「え」



・・・・・・・・・・・



宮崎「あ、あれ?」

内「・・・・・・・・・・・」

宮崎「血が・・・? 傷も・・・??」

内「気のせいよ」・・・ フ ラ ッ



 フ ラ リ 。



内「・・・みんな、気のせい・・・」フラ フラ

宮崎「う、うっちー」

内「みやちゃん」ヨロッ



「お願いだから、わたしに、近づかないで・・・」



宮崎「・・・・・・・・・・・そんな」

内「ごめんね・・・・・・・・・・・」コツッ



  コツ コツ コツ ・・・


35 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:18:51.01JeWRI13D0 (35/55)


【保健室】



内「・・・・・・・・・・・」スウ・・・

保健医「・・・・・・・・・・・」 パ ラ ッ



 ・・・ パ ラ   パ ラ リ



保健医「・・・・・・・・・・」パラ…

内「・・・・・・・・・・・」ク ウ ・・・

保健医「・・・・・・・・・・・・・・・」パタン 

内「・・・・・・・・・・・」

保健医「・・・・・・・・・・・・・・・」ガチャッ カタン




 カラ カラ カラ ・・・  ピ シ ャ ン 。




内「・・・・・・・・・・・」パ チ リ 。



 シ ー ン ・・・



内「・・・・・・・・・・・」



 ─── ダメだよ、うっちー!




36 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:19:17.60JeWRI13D0 (36/55)



内(・・・みやちゃん)



― だってあなた、また・・・!



内(なによ、いまさら。 ・・・・・・・)





( キ モ い )





   ・・・  ゴ




内(いい子ぶって、心配してみせて)

内(ヘドが出そう キモい)・・・ゴ・・・




  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ



内「・・・キモい キモい」…ボソッ



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



内「キモイキモイキモイキモイ・・・」ブツブツブツ…


37 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:19:44.07JeWRI13D0 (37/55)


内(なんで やさしくするの いまさら)

内(なんで なんで それなら)



(あのとき───────)






 ───── 気 持 ち 悪 い 。






「 う わ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ っ !!」





 ド ギ ャ ン !!




「 う    ぐ    ああああああっ」




 ズ ビ ャ   ブ ジ ュ ッ

    バ リ ィ ィ ィ ィ ッ




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ、はあ・・・」



38 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:20:13.43JeWRI13D0 (38/55)




 ゴゴゴゴゴゴゴ

  ゴゴゴゴゴゴゴ



「 ・・・ き ら い 」



・・・ キ モ ォ ー イ



「 みんな  きらい  だいきらい」



 キ モ ォ ー イ   キ モ ォ ー イ ・・・



「 みやちゃんも  黒木のやつも  みんなみんな・・・・・・・・・・・」

「 ・・・・・・・・・・・黒木・・・・・・・・・・・ 」



  ・・・  ゾ  ク  ッ



「 あんたが悪いんだ  あんたが 」

「 あんたが わたしを あんな眼で見るから 」



 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・



「 あんたの眼がいけないんだよ────! 」




39 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:20:41.07JeWRI13D0 (39/55)



 ザワ ザワ ザワ

  ザワ ザワ ・・・



黒木「・・・・・・・・・・・??」

加藤「(どうしたんだろう)」



荻野「・・・・・・・・・・・、・・・」

副担「・・・・・・・・・」



田中「なにかあったのかな」

吉田「・・・・・・・・・・・」キ ィ ィ ィ ィ ン ・・・



学年主任「・・・・・・・・・・・。」

荻野「───・・・」



清田「なんかヤバい雰囲気だな」

和田「不審者でも入ったんだったりして。 ね、黒木さん」クルリ

黒木「・・・・・・・・・・・」・・・ ド ク ン 。

和田「・・・黒木さん?」

黒木「あ。 ん・・・ ごめん」

加藤「・・・・・・・・・」




40 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:21:11.57JeWRI13D0 (40/55)


清田「(どうしたんだろう、黒木さん。それに加藤さんも・・・)」

黒木「(・・・まさか)」ドクン ドクン



 ・・・ シ ュ ル ッ



黒木「・・・ん?」

加藤「・・・・・・・・・」シュル シュル シュル
            ラブ・デラックス
黒木「(加藤さんの 、髪 の 毛)」

加藤「(黒木さん。 吉田さんから伝言)」

黒木「(・・・伝言。 やっぱり・・・)」ゴ ク リ

加藤「(まだ、わからない。 でも・・・)」



(保健医[ はい。 連絡のため部屋を開けたあと、戻ってきたら・・・ ])

(保健医[ はい・・・ 内の姿が無く。 そして・・・・・・ ])



加藤「(ベッドの布地が切り裂かれて、血がついてたって・・・)」

黒木「(!! ・・・まさか、新手のスタンド使い?!)」

加藤「(・・・相手はスタンド使いかもしれないし、そうじゃないかもしれない)」

黒木「(うん・・・)」

加藤「(それで、吉田さんが内さんを探しにいくから、わたしたちは学校の外に出てろって)」

黒木「(・・・そんな)」




41 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:21:39.59JeWRI13D0 (41/55)


加藤「(しかたないよ。 わたしたちじゃ、もし相手がスタンド使いだったら・・・)」

黒木「(そうだけど・・・・・・)」



・・・ ガ ラ ッ



荻野「皆さん静かに。 ・・・授業は中止です、すみやかに下校しなさい」

清田「え、マジかよ・・・」

和田「先生、何があったんですか」

荻野「・・・それをこれから確かめます。 全員教室を出なさい」



 ザワザワザワザワ・・・

「どうしよう」 「なんだろう」 「こわいねー」 「いったい・・・」



荻野「はい静かに。 玄関を出たら誘導に従って校外まで行くように」

吉田「・・・」 ツカ ツカ ツカ

荻野「吉田?」

吉田「トイレ」ガラガラガラ

荻野「待ちなさい、吉田。 あなた今の話を・・・」

吉田「すぐ帰る」ガラッ




 ピ シ ャ ン !




42 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:22:18.73JeWRI13D0 (42/55)


荻野「待ちなさい、もう!」タタッ!

田中「吉田さん・・・」

田村「・・・・・・・・・・・」

荻野「みんな、すぐに帰ること!」 ガラガラガラ ピシャン!



 タ タ タ タ ・・・



黒木「行っちゃったよ、あいつ」

加藤「わたしたちも行きましょう」

黒木「う、うん」



ザワ ザワ ザワ ザワ



教師「はいみなさん、ここからまっすぐ!」

黒木「・・・」

教師「まっすぐ玄関に向かって! 列を乱さない!」

田中「大変なことになっちゃったね・・・」

田村「・・・・・・・・・・・」

田中「吉田さん、大丈夫かな・・・・・・」

黒木「だいじょうぶ、だよ。、・・・きっと」ギュッ
                   クレイジープリンセス
黒木(どんなやつが相手だって、吉 田 さ ん がやられるはずない)

黒木(それに・・・)



 ・・・ シ ュ ル ッ 。




43 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:23:01.80JeWRI13D0 (43/55)




スタ スタ スタ

 スタ スタ ・・・



加藤「それじゃ、ね。 気をつけて」

岡田「明日香もな」

根元「・・・またね」

夏帆「大丈夫? ひとりじゃ・・・」

加藤「平気。すぐバスに乗っちゃうから」

夏帆「・・・気をつけてね」

加藤「うん。 ・・・それじゃ」

根元「・・・・・・・・・・・・・・」




 シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル ・・・




加藤(・・・吉田さん。 吉田さん、聞こえる?)

吉田[ おう、聞こえるぜ ]

加藤(黒木さんはどう?)

黒木[ 感度良好です、どうぞ ]

吉田[ これならどれだけ離れてても通信できるな ]

加藤(・・・長さには限度がある。 切っちゃうのにも気をつけて)

吉田[ わかった ]




44 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:23:31.60JeWRI13D0 (44/55)


黒木[ そう簡単には切れないだろうけどね ]
    クレイジープリンセス
加藤( 吉 田 さ ん  の力には耐えられない。 ・・・それじゃ吉田さん)

吉田[ ああ。私は中から探す。加藤は外から頼むぜ ]

加藤(まかせて) ・・・ シ ュ ル 。




 シ ュ ル   シ ュ ル   シ ュ ル   シ ュ ル  ・・・




吉田「・・・・・・・・・・お」



・・・ シュル シュル シュル シュル シュル



吉田「来たな」タタタタ



  サワ サワ サワ


     ラブ・デラックス
吉田( 加 藤 の 髪 。)



 サワ サワ サワ サワ ・・・



加藤「・・・・・・・・・・」ゴ・・・



 ・・・ チ ョ ン  チ ョ ン



45 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:24:17.30JeWRI13D0 (45/55)


加藤(これは、たぶん先生がた。 三人・・・)

加藤(ひとりは女性。 ・・・ん)



  ピ  ン  ッ  !



加藤(吉田さん、誰かが下の階から来てる。 ・・・女の人、だと思う)

吉田[ 荻野だな、サンキュ ]



・・・ シュル シュル シュル シュル



吉田(あいつの髪が校舎のすみずみまでさぐってやがる)
              ラブ・デラックス
吉田(頼りにしてるぜ、 加  藤 。 )







  \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:ラブ・デラックス -ノー・オルディナリー- (love deluxe -No Ordinary-)
┃本体名:加藤明日香
┃破壊力 - E スピード - C 射程距離 - B 持続力 - A 精密動作性 - A 成長性 - D

┃自身の髪の毛に憑依して実体化するスタンド。
┃精密性に優れ、髪の毛を1本単位から微細に正確に動かすことができる。
┃さらに数万本の髪の毛を伸長させ自在に動かし、その先端の状況を把握することもたやすい。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




46 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:25:16.70JeWRI13D0 (46/55)


加藤[ できるだけサポートしてみる。 でも気をつけてね、吉田さん ]

吉田[ お前らこそ気を付けろ。 外になにかいないとも限らないからな ]

黒木[ ・・・気を付けるけど、いざってときは助けに来て ]

吉田[ ああ。 私も手助けが必要ならお前らを呼ぶ ]

加藤(それじゃ黒木さん、わたしと合流して。 目立たないように)

黒木[ うん・・・ ]



 トコ トコ トコ

  テク テク テク



田中「帰り、どこか寄ってく?」

田村「別に・・・」

黒木「・・・ごめん、わたしちょっと用事が」

田村「加藤さんと?」

黒木「ち、違うよ!」ギクッ!

田村「・・・・・・・・・・・どうなんだろう」

田中「ゆりったら・・・」

黒木「その・・・ 親に、帰ってこいって言われてる。 そう、志望校のことで・・・」

田村「・・・そう」



47 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:25:43.62JeWRI13D0 (47/55)


黒木「ごめん、じゃあ急ぐから」タッ!

田中「気をつけてね」

田村「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 タ タ タ タ タ ・・・




黒木「(加藤さん、聞こえる?!)」シ ュ ル ・・・

[ ええ。北校舎と南校舎の間、そこの裏まで来て ]

黒木「(わかった!)」タタタタタッ

[ ここは先生がたがあまりいない。 それに・・・ ]

黒木「(それに?)」タタタタタ・・・

[ 吉田さんも、ここに向かってる ]

黒木「・・・・・・・・!」





ツカ ツカ ツカ ツカ ツカ



吉田「・・・・・・・・・・・」ツカツカツカ






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



48 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:26:11.90JeWRI13D0 (48/55)


吉田「・・・・・・・・・・・・」キ ィ ィ ィ ィ ン ・・・



 [ 授業中止か ラッキー ]  [ なにがあったんだろ 怖いね ]

 [ 警察に連絡を ] [ まずは 校内を十分捜索して─ ]



吉田(・・・・・・・・・・・あいつの声は聞こえねえな)…キィィィィン

吉田(怪しいことを言ってるやつも・・・ いねえ。 ・・・・・・)

吉田(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これならどうだ)・・・ ス ッ



 ・・・ コ オ オ オ オ オ オ オ



吉田「(誰がいるか、まではまだわからねえ)」

吉田「(けれどどこかに隠れてるやつがいれば・・・)」コオオオ・・・



 ─── カ ッ !!



吉田「・・・!」



  コ オ オ オ オ ・・・



吉田「(北校舎と南校舎の境・・・ 誰かいる)」




49 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:26:44.90JeWRI13D0 (49/55)





 ・・・ コ オ オ オ オ オ



吉田「(・・・全然動いてねえ、じーっとしてやがる)

吉田(もしかすると)タッ!



 タ タ タ タ タ タ タ タ !



吉田「(加藤、黒木を連れて私のところへ来てくれ)」

[ ・・・わかった。 内さん、見つけたの? ]

吉田「(わからねえ。 ・・・気をつけろよ)」

[ うん。 吉田さんも ]

吉田(おう)タタタタ



 タ タ タ タ タ ッ ・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・



   ゴ ・・・・・・・



・・・・・・ふふふっ


50 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:27:11.14JeWRI13D0 (50/55)




  ザッ ザッ ザッ ザ ・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・来た。



 ・・・・・・ ゴ ・・・・・・



 このパワー・・・・・

 たぶん 、吉田だね。



 ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ



 ラッキー。 ふふふ。

 ひとりでこっちに来てくれた。



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・



 ふ ふ ふ ふ ふ っ ──────


 ・・・・・ キ モ ォ ー ー ー ー イ





 ─────── ス ウ ・・・



51 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:27:43.83JeWRI13D0 (51/55)



 スタ スタ スタ

  スタ  スタ ・・・



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・うっちー、大丈夫だよね」

「きっと、そうだよ。 ・・・そうだよね、みっちゃん?」



宮崎「・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ



「・・・・・・・・・・・ほら、うっちーって、すぐひとりでどっかいっちゃうから」

「そうだね。 ネズミ―ランドでも、あちこち行っちゃってたっけ」

「うん、きっと大丈夫だよ。 きっと・・・」



宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな、ごめん」



「え?」



 タ  ッ  !



「みー?!」「ま、待って!!」「みや、だめっ!」



タ タ タ タ タ タ タ ・・・




52 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:28:22.04JeWRI13D0 (52/55)



 ジャリ ジャリ ジャリ

 ― ジ ャ リ ッ



吉田「・・・・・・・・・・・」



 ─ キ ィ ィ ィ ィ ン



吉田「・・・・・・・・・・・んっ?」

加藤[ 吉田さん? ]

吉田「ん・・・」・・・スッ



 コ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ─



吉田「・・・・・・・・・・・ちっ」

加藤[ 吉田さん、どうしたの? ]

吉田「見失っちまった」

加藤[ えっ? ]

吉田「確かにここにいたはずなんだけどな・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



吉田「加藤、お前も探してるか」

加藤[ うん。 ・・・あちこち探してるんだけど、まだ ]シュルシュルシュル…



53 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:29:01.37JeWRI13D0 (53/55)


吉田「・・・そうか、そのまま探してみてくれ。 わたしも─」

加藤[ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・待って ]

吉田「・・・うん?」



 チ ョ ン     チ ョ ン   チ ョ ン



加藤[ 吉田さん、そこに、誰もいないの? ]

吉田「? ああ」

加藤[ ・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・ ]

吉田「加藤?」



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



吉田「おい、加藤・・・」

加藤[ 離れて! そこから離れてっ!!]

吉田「なっ?!」タッ!



 ヒ ュ ボ ッ !!



吉田「うおっ!!」プツッ!

加藤[ 吉田さ───! ] ─── プツッ




・・・・・・・・・・・ ち っ 。




54 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:29:45.66JeWRI13D0 (54/55)


加藤「・・・・・・・・・・・」

黒木「・・・・・・・・・・・加藤さん?」

加藤「・・・・・・・・・・・」ギュッ・・・

黒木「(加藤さん、すごく怖い顔になってる・・・)」ゴクッ



 ─  ヒ  ュ  ボ  ッ  !!



加藤「吉田さんっ!?!」

黒木「加藤さん?!」



  ヒ ュ ホ ゙   フ ゙ オ ッ !!



黒木「な、なに?! この音・・・」

加藤「吉田さんが戦ってる!」

黒木「えっ!」

加藤「この塀のむこうに、なにかがいる!!」



  ジ ャ ッ   ビ ュ   キ ュ バ !



黒木「なにかって、なに?!」

加藤「わからない、でも───」



  ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・
「 見 え な い 何 か が 、 い る ッ ────!」




55 ◆HWAyM/47A/f92019/01/27(日) 21:30:25.00JeWRI13D0 (55/55)


※第1話 おわり※

次回は明日予定。


56 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:50:31.63lkeYsCRo0 (1/59)


※第2話※



57 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:51:28.34lkeYsCRo0 (2/59)





 ヒ ュ ボ    ブ オ ッ !



吉田「な、なんだこいつ?! くっ、ちっ!」シュタッ!

吉田「(空中からいきなり刃物が現れやがった・・・!?)」



 ジ ャ ッ   ビ ュ   キ ュ バ !!



吉田「このっ!!(間違いねえ、スタンド使いだ!)」

CP「 オ ラ ア ッ ! 」 ビ シ ッ !
    クレイジープリンセス
吉田( こ  い  つ  の眼にも見えねえ何かが───)



  バ  ォ  ッ     バ  シ  ュ  ッ



吉田「(でかい刃物を振り回してきてるんだ!) くそっ!」タタッ

吉田(刃物はなんとか見えるが・・・)



  キ ュ バ バ バ バ バ バ バ バ ッ


   は や
吉田( 疾  さが半端じゃねえ!)ズザザッ!

吉田(まともに当たったらぶった斬られる・・・!)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





58 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:52:10.90lkeYsCRo0 (3/59)


吉田「・・・・・・・なにっ?」ザッ



               はや
・・・・・・・ さ す が 。  疾 い ね 。

  こ れ な ら 、ど う か な ?




吉田「攻撃が、こねえ。 ・・・・・・・」



 ──── キ ィ ィ ィ ィ ン



吉田(・・・・・・・何も聞こえねえ。 ・・・・・・・)




 コ オ オ オ オ オ ─────




吉田(気配も感じねえ! くそっ!!)



 ───── ピ シ ュ ッ !



吉田「くっ!?」ピシュ!





 ・・・・・・・・・・・・・・ ふ ふ ふ っ



59 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:52:53.55lkeYsCRo0 (4/59)


吉田「・・・・・・・ちっ」…タラッ



 ・・・ タ ラ リ


                   はや
 あ ん た が ど ん な に 疾 く て も

 攻 撃 が ど こ か ら く る か わ か ら な け れ ば

 一 瞬    わ た し の ほ う が 疾 い



吉田「かすり傷だ、こんなの」…ズキン



  ヒ  ャ  ッ  !



吉田「くっ?!」ピシッ!



 大 振 り じ ゃ な く   静 か に 切 り 裂 く

───── ま ず は   足 を 奪 っ て や る



 シ ュ パ  シ ュ ピ  ヒ ゚シ ュ



吉田(足を狙ってきやがる! ・・・動けなくなったら終わりだ!)

吉田(これならどうだ!)ゴロゴロゴロゴロ




・・・・・・・・・・・・・・!



60 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:53:59.22lkeYsCRo0 (5/59)




  ゴ ロ ゴ ロ ゴ ロ ・・・

 ・・・ザ ザ ザ ザ ッ




 ・・・ 校 舎 の 間 に  入 ら れ た 。





吉田「・・・へへっ、ここならどうだ」

吉田「(刃物を出す瞬間を狙ってブッ叩いてやる!)」ギュッ!




     ば   ー   か   。




 ビ ュ ッ !



吉田「おっと」パシッ!



 ヒュッ ビュッ シュパパパパ



吉田「飛び道具か、こんなもの・・・」パシ ピシ スパパパパ



 サ゚ シ ュ ッ !





61 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 18:57:01.80lkeYsCRo0 (6/59)


吉田「うあ?!」



 ヒ ュ パ パ パ パ パ パ パ !



吉田(壁から針が飛んできやがる!)

吉田「く、くそっ!」ゴロゴロゴロ



 シ ュ パ パ パ パ



吉田(・・・くそ、わたしはバカか!)

吉田(相手はスタンドだってのを忘れやがって!)ゴロゴロゴロ・・・



  ブ  ツ  ッ  !



吉田「ぐあ!?」 ズ サ ゙ザ ッ !

吉田「地面に針を・・・ッ  こ ん ち く し ょ う ッ !」 ゴ ッ !



  ズ  ド  オ  ン



 ・・・・・?!



ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド






62 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:00:01.02lkeYsCRo0 (7/59)




・・・・・・・・・・・・・・・ す ご い 。

・・・・・・・・・・・・・・ な ん て パ ワ ー 。






吉田(こうなりゃヤケだ、来るなら来やがれ!!)

吉田(斬られた瞬間を狙ってやるッ・・・!)」


 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド


吉田(狙ってンのは足だろ? この野郎ッ!)…ジャリ

吉田(さあ来いッ! 相打ち上等・・・・・ッ!)




───────── ヒ ュ ッ !




[ 吉田さん、左っ!! ]


 ・・・!?


「おうっ!!!!」ブォン!




  ド  ギ  ャ  ザ  シ  ュ  ッ      ギ ィ ン ッ





63 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:01:32.80lkeYsCRo0 (8/59)



・・・シュパパパパパパ・・・



黒木「吉田さん! ・・・加藤さん、いま、中どうなってるの?!」

加藤「わからない・・・    !」



 ヒ ュ ル ン !



加藤「とらえたっ!」

黒木「え?」

加藤(吉田さん、左っ!)

吉田[ お う っ !!!! ]

加藤「そう、そこっ!」

黒木「(やったか?!)」



 ド ギ ャ ザ シ ュ ッ    ギィンッ!!

ぐああっ!! あぐうっ?!



黒木「?!」

加藤「吉田さんッ!!」シュタ!



 ビ ィ ン ッ





64 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:02:29.01lkeYsCRo0 (9/59)

            ラブ・デラックス
黒木「(加藤さんが自 分 の 髪に乗った!)」

加藤「吉田さん、今行く!」バッ!

黒木「加藤さん待って!」ガシッ!

加藤「きゃ?!」ガクン

黒木「う、うおお!」



 バ ウ ン ッ



加藤「黒木さん、足つかまないで、あぶないっ!!」

黒木「わああああ!( 白 っ !!)」



 シ ュ タ ッ !



加藤「もうっ!」ギュッ!

黒木「ご、ごめん(・・・やらかい、いいにおい)」…ギュ

加藤「吉田さんっ・・・」



「・・・・・・・お前ら」 ズ ザ ・・・



黒木「吉田さん!」

吉田「・・・・・・っ」… ポ タ ッ



ポタ ポタ ポタ ・・・



65 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:03:15.03lkeYsCRo0 (10/59)


加藤「・・・足! ケガしてる・・・!」

黒木「うわ!(傷がバックリ口を開けてる!! 痛い痛い!!)」

吉田「寄るんじゃねえっ!! 近くにいるぞ!!」

加藤「・・・!」ザッ

黒木「ち、近くって・・・」キョロキョロ

加藤「・・・あそこ! 木の上!!」

吉田「な・・・・・・」



「・・・・・・・・・げほ」



吉田「・・・・・・あいつ?!」



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



黒木「絵文字?!」

加藤「内さん!」



内「ごほ・・・  げほっ・・・」ゴゴゴゴゴゴ

吉田「てめえだったのか!」

内「さすが、だね。 吉田・・・ 足の一本くらい、持ってけると思ったのに・・・」

吉田「なんだと・・・?」ポタ ポタ ポタ

内「わたしの刃、蹴り折っちゃうなんて・・・」ゲホ ゲホッ





66 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:10:52.64lkeYsCRo0 (11/59)


黒木「蹴り折る? ・・・げ!!」



CP「・・・・・・・・・・・・・・・」 ゴ ゴ ゴ …



黒木(CPの足に刃物が突き刺さってる!痛い痛い痛い!)ブルブルブルブル

吉田「くそったれ・・・!(CPのケリが、入ったと思ったのに・・・!)」



(もらったっ!)(甘いよ)



 ド ギ ャ ザ シ ュ ッ    ギィンッ!!



吉田「(あいつの腹から刃物が飛び出しやがった!)」

内「う、ぐっ・・・ けほ、わたしじゃなかったら、死んでるね、これ・・・」ゲホ・・・

吉田「(当たってはいるが浅い・・・ やつはまだ戦える!)」

吉田「(けれど、わたしは・・・) くっ、そ・・・ うっ!」ズキン!

黒木「吉田さんっ!」

吉田「姿を消して、体中から刃物を出す能力だと・・・ ふざけやがって!」

黒木「能力・・・ 内さんが?!」

内「そうだよ」・・・ キ モ ォ ー イ



・・・ キ モ ォ ー イ   キ モ ォ ー イ ・・・・・・




67 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:11:43.39lkeYsCRo0 (12/59)


黒木「な、なに この声・・・ げっ!!」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・!!」



 ウジュル ウジュル ウジュル ウジュル



黒木「あいつの口から・・・ なに、あれ・・・」

内「口? ・・・ああ。 血、吐いちゃったんだ」 ウジュル ウジュル

吉田「ウジ虫?! ・・・・いや、そいつが!」
                 ス タ ン ド
内「そう。 これが、わたしの幽波紋 ・・・・・・・・・」 ウジュル ウジュル



  M e t a l l i c a
「  メ タ リ カ 。 」







  \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:メタリカ??????(Metallica??????)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - A スピード - B 射程距離 - C 持続力 - C 精密動作性 - B 成長性 - C

┃本体の血中に存在する無数のウジ虫状のスタンド。
┃全身から鋼鉄の刃を出して相手を切ったり針を放ったりすることができる。
┃さらに本体の肉体を強化し、近距離パワー型スタンドとも格闘できるだけの能力を持たせる。
┃棘を大きく突き出しアンテナがわりにして人の気配やスタンドパワーを感知することも可能で
┃逆に全身に鉄粉をまとい自身の物音・気配・スタンドパワーを遮断するなど多彩な能力を持つ。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





68 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:12:23.75lkeYsCRo0 (13/59)


黒木「メタリカだってぇ?!」

吉田「知ってんのか? っつ・・・」ズキン

黒木「(あの最凶最悪の暗殺スタンド・・・!)」ゴクリ



 キ モ ォ ー イ   キ モ ォ ー イ ・・・


       スタンド
黒木(これ、ウジ虫の鳴き声かよ? 気持ち悪っ!)

内「 キ モ い でしょ? ふふふふふ」ニヤリ

吉田「てめえ、やっぱりスタンド使いか・・・」

加藤「内さん、なぜ?!」

内「おしかった、なあ・・・」

黒木「は?」

内「もう少しで、一番強そうなやつを始末できたのに」

吉田「なんだと・・・?!」

内「ま、いっか。 三人まとめてでも・・・」・・・ギロリ



「 ず た ず た に 切 り 刻 ん で や る 」



────── ぎ  ろ  っ  。



吉田「・・・・・・・!」ゾクッ

黒木「ひっ・・・・」…チョロッ

加藤「!・・・・・・・・・・」




69 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:12:55.90lkeYsCRo0 (14/59)


黒木(で、出ちゃった… こわいよこいつ!)

吉田「・・・なんて『眼』、してやがる」ゴクリ

黒木(こ、これ、あのときの感じだ・・・ 今日、教室で感じたあれ!)



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



黒木(こいつだったのか・・・ これが、「殺気」ってやつ?)



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・



黒木(いや・・・ あの縦線みたいな眼が、異様に光ってる)

黒木(不気味な色に濁って。 そのまんなかで・・・)



内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギ ロ 。



黒木(まっ黒い瞳が黒く燃えている! そうか、これが・・・)



 しっこく   い し
 漆 黒 の 意 志 ッ ──── !




 キ モ ォ ー イ    キ モ ォ ー ー ー ー イ ・・・





70 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:15:27.37lkeYsCRo0 (15/59)

                    マジ
吉田「お前ら、逃げろ。 こいつは本気だ」
    マジ
吉田「本気で殺しにきてやがる」



・・・・・・ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



加藤「殺しに・・・?!」

黒木「や、やっぱり」ゴクリ

加藤「内さん、なぜ!」

内「黙れ」シャッ!

吉田「危ねえ!」



 キ イ ン ッ



加藤「きゃあ!」

黒木「加藤さんっ!」

吉田「この野郎・・・!」

内「・・・ああ、キモい」

黒木「は?」

内「キモい。 キモい。 キモイキモイキモイキモイ・・・」ブツブツブツ…

吉田「こいつ・・・・・・」

内「女どうしでベタベタして。 キモいキモいキモい・・・」ブツブツブツブツ…




「 ─────── 気 持 ち 悪 い 。 」





71 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:16:22.50lkeYsCRo0 (16/59)


黒木「え」

内「気持ち悪い ヘドが出る」

内「わたしの前から───────」シャキッ



「 ──────── 消 え て な く な れ ッ 」



  ジ  ャ  キ  ン  ッ



加藤「・・・・・・!」

黒木「あ、あわわ・・・」カタカタカタ

吉田「早く逃げろ。 こいつに話は通じねえ」

黒木「こ、腰が・・・」ガクガクガク

吉田「・・・バカ、しっかりしろ! 急げ!」

内「人の心配してる場合?」ニ ヤ リ



 パ キ ィ ン !



「うっ」



 ド バ ッ !



吉田「くっ あああああああっ」





72 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:18:31.28lkeYsCRo0 (17/59)


加藤「きゃ?!」

黒木「あっ!!」



 プ シ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ・・・



加藤「傷から出血が!」

吉田「う・・・ くっ・・・」プシュー…

内「スタンドに刺さってた刃が消えたんだよ」

吉田「くっ・・・ そ・・・!」ダラダラダラ…

内「早く治さないと死んじゃうよ? 治してても死んじゃうけどね」シャキンッ!

黒木「うおおおおおおお!!」ダッ!



ガ バ ッ !!


     つ
吉田「っ痛?!」

黒木「ごめん! がまんして!!」グイ ガバッ

加藤「黒木さん?!」

黒木「加藤さんも逃げよう! こんなの勝てっこない!!」ヨタヨタ

吉田「お、お前」

黒木「ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ手当てするから・・・」フラフラ

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」




 キ  ラ  ッ  。





73 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:19:47.35lkeYsCRo0 (18/59)


黒木「ぜっは、くっ、は・・・」ヨロヨロ

吉田「黒木・・・」

黒木「・・・重いなちくしょー! ダイエットしろ!」

吉田「ンだとこらあっ! ・・・ってえ?!」ズキッ!



 シ ュ タ ッ !



黒木「ひっ!」

内「余裕だね」ニ ヤ ッ

吉田「・・・・・・てめえ」

内「ちょうどいいや、まとめて串刺しにしてあげる」ジャキッ!

黒木「ひ、ひい・・・」ガタガタガタ

吉田(・・・・・・・・・・・・・・・やるしかねえ)ギュッ



 や
 殺 る し か ────!!




内「 く く く く 」ジャリッ
    マジ  や
吉田(本気で殺らなきゃ、黒木が殺られる!)ゴッ!

内「 じ ゃ あ ね 」 バ ッ ─





 バ   チ   ッ  !





74 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:20:45.46lkeYsCRo0 (19/59)


黒木「え?」

吉田「なっ」



「 っ は あ ?!」 ビ ク ン ッ



 ド シ ャ ッ !



内「な、なっ・・・」ビクッ ビクッ

黒木「な、なにが・・・」

加藤「あいつだ」

黒木「え」




 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ




内「・・・か、とう・・・?」ガクガクガク

黒木「加藤さん・・・」

加藤「ふたりとも、逃げて」 ゴ ッ !



「内さんはわたしが止める」





75 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:22:36.31lkeYsCRo0 (20/59)


黒木「え、そんな」

内「き、さ、まっ・・・!」… ヨ ロ

加藤「はやく!」

吉田「いくぞ、黒木」ヒ ョ コ

黒木「え あっ・・・」

吉田「肩貸せ、急げ!」

黒木「は、はいっ!」グッ



ヒ ョ コ ヒ ョ コ ヒ ョ コ ・・・



内「ま、待てっ!」

加藤「この先には行かせない」

内「何を!」ジャキッ



 ビ リ ッ



内「くは!?」ビクッ!

加藤「行かせないと言ったはず」

内「きさまっ・・・!」ギ ロ ッ !

加藤「内さん、あなたはとても強い。 けれど止めてみせる」 ス ッ

内「止める・・・ わたしを?」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」 ジ リ ッ




76 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:24:27.13lkeYsCRo0 (21/59)


内「なめるなッ」ギリッ!

加藤「なめてなんかいない。 でも、やる」… ス ッ

内「前からあんたのことは気に入らなかったんだ・・・!」 シャキンッ!



 ────── ジ ャ ラ ッ


 これ? 黒木さんにもらったの。



内「いつもいつもいつも・・・・・・・・・!」ギリギリギリ

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ



  キラ キラ キラッ …



加藤(あなたの刃のかけら。 ・・・もう、間違いない)

内「ばらまいてやるッ!」ギ ロ ッ !

加藤(・・・その『眼』。 とても、とても危険) ス ッ



・・・ ひ ゅ う う う う う う



内「?」

加藤「 し ゅ う う う う う う う 」 ス …

内「・・・ふん。 こけおどしだよ」ジャキ!

加藤(だからこそ───────) バ ッ !



(いまここで、あなたを止めなくちゃ!)




77 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:25:14.46lkeYsCRo0 (22/59)


黒木「はっ、はっ、はっ・・・」ヨタ ヨタ

吉田「・・・・・・・・・黒木、もういい」ヒョコ ヒョコ

黒木「は、はあっ」 ヘ タ ッ

吉田「・・・・・・・・・・・・・・・っつ」ヒ ョ コ ッ



 ビ シ ッ  バ シ ュ  シ ュ パ



吉田(頼むぜ、加藤)

黒木「はあっ、吉田さん・・・ はっ、歩けるの?」ヒー ハー

吉田「見ろよ」



 シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル ・・・・・・


      ラブ・デラックス
黒木「・・・ 髪 の 毛 ?! (傷口を縫ってる!? 痛い痛い痛い!)」

吉田「とりあえず血は止めてくれたぜ」

黒木「(痛い痛い痛い・・・)よ、よかった」

吉田「これで一息つける。 油断しちまったが今度こそ・・・!」



 [ ・・・・・・ダメ ]



吉田「なんだって?」

加藤[ わたしにまかせて。・・・吉田さん、黒木さん ]



78 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:27:41.95lkeYsCRo0 (23/59)


黒木「まかせるって、そんな!」

吉田「加藤。 あいつはヤバすぎるぜ」



 [ わかってる。 でも止めなくちゃ ]

 [ だってあの『眼』、危険すぎるもの ]



黒木「・・・やっぱり。 でもそれなら・・・」

黒木「ケガしてても、やっぱり吉田さんの方が・・・」モゴモゴ



 [ ・・・吉田さん。 あなた、内さんを止められる? ]



黒木「え?」

吉田「・・・・・・・・・・・・」

黒木「止めるって・・・」

吉田「無理だ」

黒木「えっ?!」

吉田「あいつはヤバい。 本気でやらないとわたしがやられる」


            ・ ・ ・ ・ ・ ・
[ 「 や る 」って、そういうことでしょ? ]



吉田「・・・・・・・・・・・・」

黒木「・・・・・・・・そ、そうなの・・・?」… ゴ ク ッ





79 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:28:25.17lkeYsCRo0 (24/59)



[ だから、わたしがやる。 わたしならきっと、内さんを止められる ]

[ ・・・いえ、絶対止める。 止めてみせる。 だからやらせて ]



黒木「加藤さん・・・」

吉田「・・・・・・・・・・・・」



 バシュッ  ピシュ  シュパッ



吉田「・・・任せるぜ。 だけどな」

加藤[ わかってる。 危なくなったら助けてね ]

黒木「・・・ごめん、加藤さん。 何もできなくて」

加藤[ そんなことないよ、黒木さん ]

黒木「でも・・・」

吉田「(そういう意味じゃねえ、バカ)」 ポ コ ッ !

黒木「あでっ?! な、何すんだっ・・・」

吉田「(でかい声出すな、来るぞ)」

黒木「え」



教師「・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ



黒木「く 、来るってまさか」

吉田「(だからお前の出番だろうが! さっさとしやがれ!)」

黒木「(わ、わかったっ!)」 ゴ ッ !



80 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:30:39.50lkeYsCRo0 (25/59)


教師「・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ


 バ シ ュ ッ  ピ シ ュ  シ ュ ボ ッ


教師「・・・・・・・・・んっ?」


 ビ シ ッ  バ シ ュ  シ ュ パ


教師「何の音だろう。 ・・・向こうか」 タ ッ


 タ ッ タ ッ タ ッ タ …


教師(この角のむこうだ)タタタ



「きゃっ」



教師「おっ、と? ・・・あ、荻野先生」

「あら、荘先生」

教師「こちらはもうお探しでしたか」

「はい。 ・・・誰もいませんでしたが」

教師「あの物音は?」



 … シ ュ パ パ パ パ パ パ



「塀の外で中学生が遊んでるようです」





81 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:32:05.14lkeYsCRo0 (26/59)


教師「・・・そうですか。 しかし、これだけ探していないとなると」

「・・・・・・やはり、警察に」

教師「・・・校長に相談しないと、いけませんね」

「わたしはこっちをもう一度探してみます」

教師「わかりました。 くれぐれも気をつけて」

「はい。 ・・・・・・・・・・・・・・・」




 タ タ タ タ タ タ タ ・・




黒木「・・・・・・・・・・・・行ったかな」ヒ ョ コ

荻野´「ええ」

黒木「ごくろうさん」

荻野´「・・・こんなことは本来許さないんですからね」

黒木「わかってるよ」

荻野´「なんですかその態度は。 黒木、あなたはほんとうに」

黒木「戻れ」



 パ シ ュ ッ



吉田「・・・コピーしてもうぜえやつなんだな」

黒木「でもまあ役に立ってよかった・・・・・・」



 ギ イ ン !




82 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:32:51.99lkeYsCRo0 (27/59)


吉田「!」

黒木「加藤さんっ!」



「 ぐ あ あ あ っ ! 」



 ズ シ ャ ッ !



黒木「おおっ!」

吉田「・・・・・・!」




 ・・・ し ゅ う う う   ひ ゅ う う う う う ・・・




内「こ、このっ・・・!」

加藤「・・・ し ゅ う ぅ ぅ ぅ ぅ 」 … ユ ラ リ

内「ぐ、うっ・・・」

加藤「 ひ ゅ う う う う う ・・・ 」 ユ ラ ッ …

内「このおおっ!」 ボ ッ !

加藤「 ひ ゅ う っ 」



 シ ュ ル ン 。






83 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:33:51.75lkeYsCRo0 (28/59)


内(またかわされた?!)



 バ チ ッ



内「ぎゃあっ!」ビクン!

加藤「ふうううう・・・・」ユラ ユラ …



吉田「・・・すげえ」
    ジークンドー
黒木「截 拳 道 だ」



(うん、ちょっとだけやってる。 ダイエットがわりにね)



黒木(なにがちょっとだよ、加藤さんの嘘つき)

吉田「あれで、あの刃物をかわせるもんなのか」

黒木「たぶん、スタンドもいっしょに使ってる」



 シ ュ ル ル ル ル ル ル


                    はや
加藤(内さん、あなたはものすごく 疾 い。・・・それでも)



 シ ュ ル   シ ュ ル   シ ュ ル  …


    ラブデラックス
加藤(わたしの髪は、すでにあなたをとらえている)



84 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:35:11.14lkeYsCRo0 (29/59)



 シュル シュル シュル シュル ・・・



加藤(四方に張り巡らせ 地面にはわせ あなたの身体に巻きつけた髪が)

加藤(あなたの動きをすべて教えてくれる 攻撃の向きもタイミングもすべて )



 ヒ ュ ボ ッ !   ───── ヒ ュ ル ン



加藤(あなたがどれだけ疾くても 動きを読めれば一瞬わたしのほうが疾い)

加藤( そ し て ── )



 ・・・ ゾ ワ リ



加藤(あなたの刃はあなたの体の中から出てくる)

加藤(あなたの皮膚を切り裂いて)



  ゾ ワ ゾ ワ ゾ ワ ッ !


                 すきま
加藤(────── その 間 隙 を狙う!)



  ザ  ク  ッ



内「ぎゃあっ!!」ビクンッ!

加藤「・・・・・・・・」ユラ ユラ …





85 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:36:01.80lkeYsCRo0 (30/59)


黒木「また決まった! ・・・って、どうやって攻撃してるの??」

吉田「髪の毛を、刃が出てくる穴の隙間にさしこんでやがるんだ」

黒木「えっ・・・ あれ、めちゃくちゃ痛いんだよ」

吉田「そいつで刃がつくった傷口をえぐってる」

黒木(うわあ、痛い痛い痛い!)ゾゾゾゾッ



内「く、っそ・・・!」ゴ ゴ ゴ

加藤「しゅうううぅぅー・・・」ユ ラ ッ

内「これならどう?!」… キ モ ォ ー イ



  ス  ウ  ・・・



黒木(また消えた!?)

吉田「・・・野郎ッ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



加藤(・・・)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



加藤(これが、あなたの「姿を消す」能力・・・)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





86 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:36:57.83lkeYsCRo0 (31/59)


加藤(音も気配も、いっさい感じさせない)
    クレイジープリンセス
加藤( 吉 田 さ ん でさえ、とらえることができない)

加藤( で も ────────)



 サ ワ   サ ワ   チ ョ ン   チ ョ ン



加藤(わたしには無意味だよ、内さん)シュル…

内( く ら え ッ ッ )ヒ ャ ッ !

加藤( い ま っ ! )



 ─────── ヒ ュ ル ン



内(?!)

吉田(やった!)

加藤「ひゅうっ」シュルッ!



 バ チ ィ ッ



内「がっ」

加藤「・・・ひゅううううぅ」ユ ラ ッ

内「く、くそっ、くそうっ・・・!!」





87 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:38:29.11lkeYsCRo0 (32/59)


吉田「・・・すげえな、加藤のやつ」

黒木「・・・・・・・・・・」
               N o  O r d i n a r y
吉田「あいつ、やっぱり 普 通 じ ゃ ね え 。 」



「ぜ、はっ、はっ・・・」 「・・・・・・・・・・しゅううううう」



吉田「このまま勝負ついちまいそうだな」

黒木「まだ、わかんない」

吉田「・・・そうなのか」
             ラブ・デラックス
黒木(もしあいつが、加 藤 さ んの正体に気づいたら・・・)



 ・・・ ヨ ロ   ヨ ロ ッ



内「ち、く・・・ しょうっ」ヨ ロ リ

加藤「・・・内さん、お願い。 もう止めにして」

内「う・・・る・・・さいッ」グ ラ リ

加藤「わたし、わかってる。 あなたの能力はたぶん・・・」

内「だ・・・ま、れっ・・・!(くそ、加藤ッ・・・!)」



(・・・間違いない、こいつ、わたしの動きを読んでる!)

(姿を消しても見つけられる、そしてこの痛み・・・!)



 ビリ ビリ ビリッ



88 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:39:57.15lkeYsCRo0 (33/59)


内(まだしびれてる、ちくしょうっ!)
                 ・ ・
内(こいつの能力、まさか、あ れなのか?)ギ リ ッ !
             ・ ・
内(わたしの弱点のあ れ・・・・・・・・・・!)

加藤「・・・・・・・内さん。 ごめん」シュルルル…

内「なめるなあっ!」ゴッ!



 ガ シ ャ ン ッ



加藤「!」

吉田「・・・な?!」



 ガシャ ゴシャ ガキンッッ



加藤(内さんの身体が、膨らんでいく?!)



 ピ ッ      プ チ ィ ン !



加藤(・・・・ッ、切られた・・・!)

吉田「なんだありゃ・・・?!」

黒木(まずい!)



 ガ シ ィ ン ッ





89 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:41:03.69lkeYsCRo0 (34/59)


吉田「鎧か、あのやろう・・・」

黒木「加藤さん!」



 ガシャ  ガシャ  ガシャッ



内( 「 あ れ 」 を防ぐには、これしかない)─ ガシャッ

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
         ・ ・  ・  ・ ・ ・
内(これなら、表 面 を 流 れ るはず)ガシャッ …

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」 ジ リ ッ

内(試したことはないけど・・・ やってやるッ)ゴシャッ!

加藤(・・・・・・・・・・・・・・いけない)シ ュ ル シ ュ ル



 シ ュ ル ・・・ チ ョ ン   サ ワ ッ


    ラブデラックス
加藤(髪 の 毛 が通る隙間ひとつない・・・)

内「うおおっ!」バッ!
    はや
加藤( 疾 い!)シュタッ!



 ド ガ ッ



加藤(なんて疾さ・・・!)ズザッ

内(この装甲は体の一部、重さなんて感じないよ!)





90 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:42:43.27lkeYsCRo0 (35/59)




ビ ュ ッ  ヒ ュ ゴ !



内「あはは! さっきまでの余裕はどうしたの?」

加藤「くっ、くう!」シュルッ!



 パ ツ ン  プ ツ ッ !



加藤(全身が刃物になってる、髪を巻きつけられない!)

加藤(動く瞬間をとらえなくちゃ・・・)タタッ!



 ビ ュ オ ッ



加藤(ダメ、動きが速すぎてとらえられない!)ズザッ!

加藤(これならどう?!)シ ュ ル ッ !



── ピ ィ ン ッ !



内「わあっ!?」ドシャッ!




91 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:43:25.36lkeYsCRo0 (36/59)


黒木(足を引っかけた!)

加藤(いまっ!)ザワッ!



シュル シュル シュル シュル ・・・



加藤(どこかに空気孔がかならずある!)シュルッ!

内「こんなものっ!」バッ!



 ヒ ュ ゴ ッ


───── シ ャ ッ !



加藤「・・・・・・・・・・・・・・ッ」

内「・・・ちっ」



・・・ パ ラ ッ   パ ラ ハ ゚ラ



内(かすっただけか)

吉田(ヤバい!)

黒木(・・・いけない!)

内(髪の毛を切っただけ・・・)



 ───── バ   ッ




92 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:44:17.43lkeYsCRo0 (37/59)


内「?!」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・く 、うっ!」ブシュッ!

内「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「く・・・」… ダ ラ ッ

内「・・・・・・・・・・・・・・ く く っ 」ニ タ リ



「 く ぅ っ 、く っ 、 く っ 、 く 」



加藤(・・・・・・・・・・・・・・まずい)

内「そういうことだったんだ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ

内「髪の毛だったんだね」

黒木(・・・・・・・バレた・・・・・・・!)

内(さんざん驚かせてくれて・・・!)ガシャッ


  あ れ
( 電 気 だったらどうしようかと思ってたのに・・・!)



内「とんだこけおどしだったね」ズ イ ッ

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」 ズ ザ ・・・

内「丸刈りにしてやったらどうなるのかな?」ガシャッ




シ ャ キ ン ッ !





93 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:45:22.10lkeYsCRo0 (38/59)


吉田「加藤! ・・・うっ!」ズキッ!

黒木「──────── ッ !」ゴソゴソ バッ!



「うりゃあーーーーーっ!!」 ビ ュ ッ !



 ヒ ュ ル ル ル ル ・・・



加藤「黒木さん!」

内「黒木?!(なにあれ・・・)」



 ・・・ ヒ ュ ル ル ル ル



内「(・・・・・・・人形?)」

黒木「加藤さん! 木に隠れて!! スタンド引っこめてーーーーーーーー!!!」

内「なにっ?!」

加藤「・・・!」ザザッ

黒木「内さんッッッ!!!」

内「な、なに?」



 ド  ギ  ャ  ン  ! !



内´「黒木っ!!」




94 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:46:56.71lkeYsCRo0 (39/59)


内「なっ! ・・・わたし?!」

黒木「いけーーーっ!」

内´「えいっ!」シュタ!



 ダダダダダッ!



加藤(・・・・黒木さん、「感覚の共鳴」を狙う気?!)

内´「はあああああっ!」ダダダダ!

加藤(ダメ、危険すぎる! 一撃でやられてしまったら・・・)

内「こ、このおっ!」ビュッ!



 ガ キ イ ン



内「なっ・・・・」



 ガ キ イ イ イ イ イ イ ン



加藤「え?!」

内「がああっ?!」ギイイン

内´「ぐうっ!」ガアアン

黒木「うあ・・・・・・・!」ギイン・・・

内(こ、これは・・・?!)ギィィィン…!




 グ ワ ア ア ア ア ア ン




95 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:48:29.27lkeYsCRo0 (40/59)


加藤(黒木さんのスタンドが、刃をはじいた!?)

吉田「『感覚の共鳴』かッ!」

内(わたしの与えた衝撃が、跳ね返ってきてる!?)…グワアアアン

内´「効いたでしょ?」ニヤッ

黒木「へ、へへっ」ニヤリ

内「こんなの・・・・ッ」グワン グワン

内´「まだまだ!」 バ ッ



 シ ュ ボ ッ !



内「なっ」

黒木「吉田さんも隠れろっ! ・・・・・」



「 ひ ひ っ 。 」 ニ タ ッ



吉田「?!」

黒木「早くしろーっ!!」ズザッ

吉田「お、おうっ」ザッ!

黒木「ひひひひっ、戻れえッ!」

内´「くらってくたばれ!!」シュパッ!



 ─────  パ   ッ




 ボ   オ   ン   ッ




96 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:49:05.79lkeYsCRo0 (41/59)


吉田「な」

加藤「えっ」



 バ オ ッ   ボ  ワ  ア  ッ



内「きゃあおああああああっ?!」



 ゴ オ ワ ア ア ア ア ア ッ



吉田「ば、爆弾!?」

内「うあ、ああ、あああっ」バタバタバタ

吉田「おい黒木! てめえ・・・・」

黒木「ひっ・・・・・・・・・・・・・・」ブルッ

吉田「・・・ちっ。 たく、てめえは」

黒木「ひ・・・・ひ・・・・ひっ・・・・!」ブルブルブル…

吉田「あん?」



「 ひ ィ ー っ ひ っ ひ っ ひ ー ー ー ー ー ッ !! 」



吉田「?!」

黒木「効いた! 効いたぞッ!! ひィヒひゃひゃひゃひゃッ!!」

内(な、なにこれ?! ・・・火?!)バタバタバタッ



(き、消えない! 消えない・・・・ッ!!)





97 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:50:39.01lkeYsCRo0 (42/59)


黒木「うひょひょひょひょ、そいつはそんなもんじゃ消えねえぞッ・・・!」 ニ タ リ 。

内(この! このっ、消えろ!)ゴロゴロゴロ

黒木「あひゃひゃひゃひゃっ! 無駄無駄無駄ァ! もっと転がれッ!」

内(消えて! 消えてぇっ!)ゴロゴロゴロゴロ

黒木「うひょひょひょ! 消えるもんか! そいつはわたしの切り札!」
                  かいえんのう
黒木「特製ナパーム爆弾人形 怪 焔 王 1号だッ!」



 ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ッ



加藤(あたり一面火の海に!? ・・・あ、熱い!)チリッ!

黒木「燃焼温度は1000度を越えるッ! どんなスタンド使いだって耐えられねえぞ!!」

加藤(髪が焼ける! 木に隠れてるのに・・・)チリ チリチリッ



 ・・・シュウウウ  パチッ パキ パキ



加藤(!!  立ち木に火がついてる、生木なのに!)

内(あ・・・ 熱いっ 熱っ?!)ゴロッ ザザッ

加藤「黒木さん、なんてことを!」

黒木「ひゃァーーーッ!! あひャはァーーーーーッ!!!」ケタケタケタ

加藤「──────── え」

黒木「きれーな火がともってやがる! バースデーケーキのキャンドルみたいになァ!」ゲラゲラ

内(胸が焼ける! 息ができない!!)ジタバタ
               スタンド
黒木「ほらほら、はやく 装 甲 解かないとグツグツのシチューになっちまうぞ!」ゲラゲラゲラ





98 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:52:36.98lkeYsCRo0 (43/59)


加藤「黒木、さん・・・?」 … ゾ ッ  。

黒木「・・・あひゃひゃひゃひゃ! ひゃひゃひゃ・・・・・・・・・・・・・・」




 ゴ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ

「うあ ああ あああっ」ジタバタ ジタバタ




  ヒ  ャ  ァ  ァ  ア  ア ー ー ー ー ー ー ッ !
「 H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y ! 」




吉田「なっ・・・」

黒木「 さ ァ ァ ァ い こ う だ ァ ァ ア ァ ー !! 」ゲラゲラゲラゲラ




 バ ア ア ア ア ア ア ッ

(熱い! 痛い! ─── 苦しいッ)・・・ガクン



  あ ひ ゃ ア !  あ ひ イ ィ  !  あ ヒ ッ !
「 A H Y Y Y !  A H Y Y Y  !  A H Y  ! 」




 ゴ オ オ オ オ オ オ オ ッ

(く 、苦しっ・・・ 助け・・・っ)…ビクッ ビクン…



  う ひ ょ オ  ー ー ー ー ー ー ッ !!
「 W H O O O O O H H H H H H!! 」





99 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:55:30.88lkeYsCRo0 (44/59)


加藤「黒木さん・・・・・・・・・・・・・・」 ゾ ク ッ

黒木「わああたしィィィのォォォナパァァァムがァァァ~~~~!!」ケタケタケタケタ

吉田「・・・てめえッ・・・・・・」
    あヒィイ!
黒木「AHYYYY! 最ィィ高ォォだぁァァー! そらそら踊れ踊れ踊れェーッ!」ウシャシャシャシャシャ

内(く・・・ そっ・・・・・!) ピ シ ッ



バ キ ャ ッ


     スタンド
加藤「 装 甲 を解いた!」

黒木「ざまーみろ! ・・・・・・・・・・・・・・ん?」



  ゼ ハ ー   ゼ ハ ー   ・・・



加藤「・・・!」

吉田「あいつ・・・?」



内「      」 ヒ イ ー    ヒ イ ー ・・・



加藤「内さん!!」タッ!

黒木「加藤さん!? 危ないっ!」



 タ タ タ タ タ タ ッ !



内「ぜは・・・・・・ ぜは、ひぃ・・・・・・・・  ひぃっ」 ヒクッ  ヒクッ …




100 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:56:23.28lkeYsCRo0 (45/59)


加藤「内さん、しっかり!」タ タ タ タ ・・・

内「よ・・・・・・・・る・・・・・・・・な・・・・・・・・・・・・・・!」ギ ロ ッ !

加藤「その『眼』! とても、とても危険な状態!」 タ ッ !



「このままだとほんとうに、あなたは死んでしまう!!」



黒木「え」

吉田「なんだって?」

加藤「その眼! その黄色く濁った眼・・・」キ ッ !



 おうだん
「 黄 疸 の 症 状 ! 」



内「・・・・・・・!」

加藤「それに・・・」シュルシュル サワッ

内「うッ」ビクン
          ひしゅ
加藤「やっぱり、脾 腫 が出てる」

内「こ、このっ」バッ!

黒木「危ない!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



黒木「あ、あれ?」

内「で、出ろ! ・・・出ろッ!」バッ バッ




101 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:57:02.40lkeYsCRo0 (46/59)


吉田「・・・・・なにやってんだ、あいつ」

内「く、くそ、くそっ」バ  ババッ

加藤「・・・・・もうあなたは刃も装甲も出せない」

加藤「あなたの刃のかけらを見て、わたしにはわかった」

加藤「あなたの能力は・・・・・・・・・・」




   ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・ ・
「  自 身 の 血 中 の 鉄 分 を 使 っ て い る ッ ! 」





黒木「・・・え」

吉田「なんだって・・・」

内「・・・・・・・・・・ッ」ギリッ
         スタンド
加藤「あなたの幽波紋はたぶん、わたしと同じ。 自分の肉体と同化して発動する能力」

内「・・・はっ、はっ、はっ」

加藤「だから生身でも触れる。 ナパーム燃料も付着する」

内「う、るっ・・・ さい・・・」

加藤「けれどあなたはたぶん、いえ間違いなく」キッ!



「能力を使用するたびに血中の鉄分を消耗している!」



吉田「・・・そういうことだったのか。 止められるってのは」

黒木(粘って時間さえ稼げれば、よかったんだ・・・)




102 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:57:42.91lkeYsCRo0 (47/59)


内「くっ・・・ はあ、ふう、この・・・」

加藤「今のあなたの症状、重度の貧血そのもの」

内「ひ、ひっ、はあ・・・」

加藤「もう、いくら呼吸しても酸素を取り入れられない状態のはず」

内「くっ、そうっ・・・・・・・・・・」ギリギリギリ








┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃             \カカカカッ/             \カカカカッ/

┃スタンド名:メタリカ・セルフディストラクト(Metallica ・self-destruct・)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - B スピード - A 射程距離 - C 持続力 - C 精密動作性 - B 成長性 - C

┃本体の血中に存在する無数のウジ虫状のスタンド。
┃全身から鋼鉄の刃を出して相手を切ったり針を放ったりすることができる。
┃さらに本体の肉体を強化し、近距離パワー型スタンドとも格闘できるだけの能力を持たせる。
┃棘を大きく突き出しアンテナがわりにして人の気配やスタンドパワーを感知することも可能で
┃逆に全身に鉄粉をまとい自身の物音・気配・スタンドパワーを遮断するなど多彩な能力を持つ。

┃\カカカカッ/

┃ただしこれらの能力を使用するには自身の体内の鉄分を消費しなくてはいけない。
┃しかも血中のスタンドは出している間ずっと本体内の鉄分を喰い続ける。
┃なので無理に使用しているとあっという間に重度の鉄分欠乏症を引き起こす。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





103 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:58:42.86lkeYsCRo0 (48/59)


加藤「吉田さん、黒木さん。 もう大丈夫、手を貸して」

吉田「おう。よくやったぜ」

黒木「そう? へへへへ」

吉田「加藤のことだバカ、てめえはやりすぎだ!」ボコッ!

黒木「あでっ?!」



 タ タ タ タ タ ・・・



加藤「内さん、今あなたはとても危険な状態。 一刻も早く病院へ」

内「ムダ・・・・・ だよ」

加藤「そんなことない、早く」

内「わたしの血液型・・・ 都内にしか、ない・・・」

加藤「なんですって?!」

内「県内には・・・ ない、もう・・・・・・・・・・ てお、くれ・・・・・・・・・・」ゼヒ ヒィ …

黒木「どうしたの?」

加藤「内さんに輸血できる血液が、近くにはないって・・・」

吉田「なんだって?!」

加藤「内さん! あきらめちゃだめ!」

内「ほうっといて・・・ わたし、もう、死ぬ・・・・・・・」ヒィ ハア ヒィ ・・・

吉田「なに言ってやがる!」

内「最初から・・・ そのつもり・・・」ヒ  イ  ・・・




「あんたら・・・ 殺して、わたしも・・・ 死のうって・・・・・・・」





104 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 19:59:35.96lkeYsCRo0 (49/59)


黒木「・・・・・・・」

吉田「なんだと・・・」

加藤「内さんなんで、なんでそんな・・・」

内「教える、もんか・・・ ぜ、はっ」ヒク ヒクッ・・・

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「リサーフィス、出て」

「ハイ」 ギ ャ ン !



吉田「お」
    リサーフィス
加藤「黒木さん?」

黒木「おいリサーフィス、やれるか?」

リサーフィス「デキマス。 シカシ・・・・・・・」

黒木「・・・やっぱ、やらなきゃダメ?」



「はっ・・・・・   ・・・・・・・   はっ・・・・・」 ヒ ク ・・・


    チェーンストークス
加藤(交代性無呼吸!)

リサーフィス「一刻ノ 猶予モ アリマセン」

黒木「はいはい」… ス ッ




  ソ  ッ  ・・・




105 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:02:50.80lkeYsCRo0 (50/59)


吉田「うん?」

加藤「え?」

黒木「・・・くっそ」ソ…



 ──── ギ ュ ッ 。



吉田「お、おい。 何してやがる」

黒木「まだダメ?」

リサーフィス「ハイ」

黒木「これでも?」ギュウ~~~

リサーフィス「ダメデス」

内「は・・・・・・・・・・  ・・・  は・・・・・・・・・・」

黒木「ちっくしょー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「は      は       は」

加藤「黒木さん・・・・?」

黒木「・・・勘違い、しないでね」

加藤「えっ?」

黒木「わたし変態じゃないから」

吉田「はあ?」

黒木「人助けだから、これ」 ス ッ ・・・・・・・







  チ  ュ  ッ  ♡




106 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:03:59.98lkeYsCRo0 (51/59)


吉田「な」

加藤「  」



 チ ュ ウ ウ ~ ~ ~ ~ ~ ♡



吉田「な、な、なに・・・」

加藤「          」ピキ・・・

内「               」ビ ク ッ   ブ バ ッ !!

黒木「うおお?!」

内「             」ブププププ

黒木(黄色い鼻血?!)

内「             」ガクンガクンガクン

加藤「くくくくくく、黒木さんっ!! 内さんが死んじゃうっ!!!!!」

吉田「な、なにしてやがんだおめえはっ!!!!」

黒木「くっそー、リサーフィス! これでどうだっ!!」ゴソゴソ バッ!



 ズ ギ ュ ウ ゥ ゥ ゥ ン



加藤「!」

リサーフィス「 perfect synchronization .」

黒木「ああもうっ、内さん!!」



 シ ュ パ ッ !





107 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:04:39.89lkeYsCRo0 (52/59)


吉田「おっ」

内´「お待たせ」

黒木「加藤さん、リサーフィスの血を使って」

加藤「できるの?!」
              シンクロ
内´「大丈夫。完全に 同 調 したから」

加藤「・・・わかった」シ ュ ル ッ !



 シュルシュルシュル     プ ツ ッ !



内「・・・・・・・は・・・・・・・」

吉田「そんな使い方も出来るのか」

加藤「うん」シュルルル プツッ

吉田(注射針みたいだな)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



吉田「大丈夫か」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「わからない、でもやるだけやってみる」

黒木「大丈夫だよ、きっと」

内´「でも黒木、わかってると思うけど」

黒木「わかってるよ」





108 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:05:05.60lkeYsCRo0 (53/59)


加藤「なに?」
   リサーフィス
内´「わ た し の血を使うってことは、黒木の血を使ってるってこと」

吉田「なんだって」

黒木「当然だろ」

加藤「黒木さん・・・」

黒木「平気だよ、入れられるだけ入れて」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「黒木さん、大丈夫?」

黒木「大丈夫」… フ ラ ッ

吉田「・・・無理すんなよ」



「・・・・・・・・・・・・・・ん・・・」



吉田「おっ」

加藤「・・・・・・・内さん」

内「あん、たら・・・?」 パ チ リ

黒木「(うまくいった)」 … ホ ッ

内「黒、木・・・・・・・・・・・・・・?」



シュル シュル シュル ・・・





109 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:05:41.21lkeYsCRo0 (54/59)


加藤「大丈夫、内さん?」

内「黒木・・・ そいつ、あんたの・・・?」

内´「うん」

内「輸血・・・・・・・してるの・・・・・・・?」

黒木「そうだよ」

内「・・・・・・・・・・・・・・なぜ」ギ ロ リ



「死なせて・・・・ くれな・・・・ かったの・・・・」



加藤「・・・内さん」

内「わたしなんか・・・・・・・ わたしなんか」ヒュー ヒュー …

黒木「死ぬことはない 私の血でよみがえるがいい」ドヤッ

吉田「・・・ったく。 てめえこそなんで、わたしたちを」

内「・・・・・・・・・キモかった、から」

吉田「またそれかよ」

内「だって、そうでしょ・・・ 女の子、どうして・・・」

内「あんなに、あんなに、ベタベタして・・・・・・・」




────── わたしたち、女の子だよ?




内「しかも、よりによって、そいつなんかと・・・・・・・」

黒木「は?」

内「そんな、キモいやつと・・・・・・!」




110 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:06:44.39lkeYsCRo0 (55/59)


黒木「キモくて悪かったな」ブスッ

内「いっつも・・・ わたしのこと、ヘンな眼で・・・ 見て・・・」




────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?




吉田「ヘンな眼だあ?」

黒木「じ、自意識過剰だよ」タ ラ ッ

吉田「心当たりあるんだろ」ポコッ!

黒木「あてっ」

内「おかしいよ・・・ あんたら、おかしいよ・・・・!」ギ ロ …




────── おかしいよ、あなたおかしいよ!


───────── こんなの、普通じゃない!


──────────── うっちー、あなた・・・





  気  持  ち  悪  い  。




内「 気 持 ち 、 悪 い ・・・・ 」 フ ラ ッ



 … カ ク ン




111 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:07:21.99lkeYsCRo0 (56/59)


黒木「あっ」

吉田「お、おい」

内「・・・・・・・・・・・・・・」 ス ウ …

加藤「大丈夫、眠っただけ。 黒木さんも、もう大丈夫だよ」

黒木「・・・よかった。 戻れ」

内´「うん」パシュッ

黒木「はあ、これで一安心・・・ ん」



 パープー パープー パープー



黒木「救急車だ。 タイミングいいね」

吉田「なにのんきなこと言ってやがる」

加藤「・・・あっ」



 ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ …



黒木「あ」… タ ラ ッ

加藤「消防車だね」

黒木「な、なんで」タラタラタラ

吉田「てめえのせいにきまってんだろ」ポ コ ン !

黒木「あたたっ」



 シ ュ ウ ウ ウ ウ ゥ    プス プス プス …





112 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:07:51.04lkeYsCRo0 (57/59)


吉田「どうやって言い訳すんだよこれ」

黒木「ご、ごめん」

加藤「まあ救急車も来てくれたんだし」クスクス

黒木「・・・とほほ」




 ・・・  ジ ャ リ ッ




黒木「・・・あっ」

吉田「・・・・・・・!」



 ジ ャ リ  ジ ャ リ  ジ ャ リ



吉田(しまった、気を抜いちまった!)

加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎、さん」




宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




黒木(内さんの友達か)…ゴクン

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」

内「・・・・・・・・・・・・・・」…スウ




113 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:08:23.36lkeYsCRo0 (58/59)


黒木「あ、あの、その」モゴモゴ

加藤「・・・内さんは無事。 ひどい貧血だけれど」

宮崎「何があったの」

黒木「え、えっと、それが・・・」アタフタ

加藤「・・・・・・・よくわからない。 だけど」

宮崎「いったい、なんなの・・・・・・・」ジャリッ



「どうして、うっちーが、ふたりいたの?」



黒木「!」

宮崎「どうして、人形が、荻野先生になったの?」

吉田「・・・・・」

宮崎「どうして、黒木さんがうっちーにあんなこと・・・・・・・!?」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎さん」

宮崎「わかんない、わかんないよ!!」 ヘ タ リ 。



「おかしい、こんなの、おかしいよ・・・」

「こんなの、普通じゃないっ・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(こ、これ、どうしよう・・・・・・・)



 ・・・ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ       パープー パープー ・・・





114 ◆HWAyM/47A/f92019/01/28(月) 20:09:34.99lkeYsCRo0 (59/59)


※第2話 おわり※

次回は明後日予定。


115 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:27:15.06AMdTxS5a0 (1/54)


※第3話※


116 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:28:50.16AMdTxS5a0 (2/54)




────── あれから一週間。

内さんは県内の病院に入院。 経過は良好みたい。





あの出来事・・・ 内さんのことは、貧血による一時的な錯乱ってことにした。

みんなのケガは、内さんを取り押さえようとしてついたものだって。





それでその・・・ わたしがやらかしたあれ。

あれは、外にいただれかが、火炎瓶を投げこんだんだってことにしちゃった。





ムチャクチャな言い訳だとはわたしも思う。

加藤さんがいなかったら、絶対信用されてなかったろうな。





そして、今日。 わたしたちは内さんのお見舞いに来ている。

わたしと吉田さん、加藤さん。 それに ─────────







宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




117 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:29:33.84AMdTxS5a0 (3/54)



 … カリ カリ カリ



宮崎「・・・・・・・」カリカリカリ…

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「これで、いいですか」 ス ッ 。

看護師「はい、それで結構です。 1002号室へどうぞ」

宮崎「はい」

吉田「・・・・・・・」



 コツ コツ コツ …



加藤「・・・・・・・」コツ コツ

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ …

黒木(・・・・・・・空気が重い)テク テク

宮崎「看護師さん、うっちーの・・・ 内さんの具合は」

内「元気ですよ。 今日はお友達が来るんだって嬉しそうに言ってました」

黒木(友達、か)テク テク テク

宮崎「・・・・・・・そうですか」



 コツ コツ コツ

  コツ コツ コツ …




118 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:30:34.73AMdTxS5a0 (4/54)


 【 1002号室 】


黒木(・・・うう、いよいよか)ゴ ク リ

黒木(このカーテンのむこうにあいつがいる・・・)ドキドキ

宮崎「・・・・大丈夫だよ、黒木さん」

黒木「え」

宮崎「うっちーは、あなたたちに悪いことしたって言ってたから」

吉田「そうなのか」

宮崎「だから、謝りたいからあなたたちを呼んでほしいって」

加藤「そうだったんだ・・・」

黒木(素直に信じていいもんかどうか)ドキドキ

看護師「内さん、入りますよ」



「はい」



看護師「さあみなさん、どうぞ」

宮崎「・・・・・・・はい」

吉田「入るぜ」… シ ャ ッ

黒木「お、おじゃまします」




「みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・みんな」




119 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:31:36.67AMdTxS5a0 (5/54)


宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」

内「ありがとう、みやちゃん」

看護師「それでは、わたしはこれで。 帰るときには声をかけてくださいね」



コツ コツ コツ ・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「内、さん。 具合はいいの?」

内「・・・うん。 来週には退院できるって」

加藤「よかった」

内「加藤と黒木のおかげだよ」

黒木「あ、うん・・・」

内「ふたりが助けてくれなかったら、今ごろ。  ・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ



「ほんとうに、ごめんなさい」



黒木「・・・・・・・え」

内「加藤、吉田、ケガさせてごめん」

吉田「・・・参ったぜ。 お前、強すぎるんだよ」

加藤「わたしはかすり傷だったから」

黒木(・・・なんか、思ったより素直だな)… ホ ッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「黒木、あんたにも怖い思いさせたね。 ・・・ごめん」

黒木「・・・おあいこだよ、わたしもあれだけやったんだから」



120 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:32:55.31AMdTxS5a0 (6/54)


内「あれはひどいよ、ほんとうに死ぬかと思った」

黒木「しょうがないだろ、加藤さんがやられるって思ったんだ」

内「・・・・・・・そうだね、そう。 ごめんね」

加藤「・・・黒木さん」

吉田「言い訳になるかバカ」

内「加藤、髪の毛も切っちゃってごめん」

加藤「大丈夫だよ。 ほら」 サ ラ ッ

内「・・・元通りになるんだ」

加藤「スタンドのおかげなの」

内「学校や警察にも、いろいろ聞かれたでしょ。 ・・・わたしのことで」

加藤「それは・・・ ごめんなさい」

内「なんで謝るの」

加藤「全部、内さんのせいにしちゃったみたいで」

内「『一時的に錯乱して暴れた』。 ・・・ほんとのことでしょ」… ギ ュ ッ



「わたし、おかしくなってた。 わけがわからなくなってた・・・」



黒木「え」ドキッ

吉田「なんだって?」



 ごめんなさい・・・ わたし、ちょっと、おかしくなってた・・・

 なんだか、わけがわからなくなってた・・・



加藤「・・・・・・・・・・・・・・」


121 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:33:43.27AMdTxS5a0 (7/54)


内「別に、わたしさ。 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど」

宮崎「      」 ピ ク リ

内「なんだか、かーっときちゃって。 ・・・ごめんね」

黒木「い、いや。 いいよ、ほんとに」

吉田(・・・・・・・・・・・・・・・・・・「おかしくなってた」?)

加藤(「わけがわからなくなってた」。 ・・・まさか)

内「でも、消防車呼ばれたのはわたしのせいじゃないからね」

黒木「そ、それは」ギクッ!

吉田「ほんとにこいつはムチャしやがる」グリグリ

加藤「ふふふ。 ・・・でも、助けてくれてありがとう」

黒木「へ 、へへっ」 内「・・・ふふっ」 吉田「ははっ」



 ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ・・・






 「 ふ ざ け な い で 」



黒木「え」 吉田「なにっ」 加藤「・・・・」

宮崎「ふざけないでよ・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「みんなでわかったふうなことばかり言って」… ギ ュ ッ



「いったい何よ・・・ なんなのよ・・・!」


122 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:35:41.21AMdTxS5a0 (8/54)


黒木「な、何って、その」… タ ラ ッ

宮崎「うっちーが怪物みたいになっちゃったり・・・ 火だるまになっちゃったり・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「人形が荻野先生になったり・・・ うっちーになったり・・・」

黒木「そ、それは」モゴモゴ

宮崎「もう、わけわからない。 普通じゃない、普通じゃないよ・・・!」

内「・・・みやちゃん、それは」

宮崎「気のせいなんかじゃないっ!」 サ ッ !



[ 荻野!   ・・・先生を呼び捨てにしない! ]



加藤「!」

黒木「な!」



[ ガシャ  ガシャ  ガシャッ ]

[ ビ ュ ッ  ヒ ュ ゴ  ビ ュ オ ッ ]



吉田「・・・おい」

黒木(しまった・・・!)



[ 内さんッッッ!!!  ─ 黒木っ!! ]

[ 戻れッ!    ・・・ひィーはっはっはーーーッ! ]



黒木(こんなとこまで・・・)ドクン ドクン




123 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:36:37.94AMdTxS5a0 (9/54)


内「全部、撮ってたんだ」

宮崎「・・・渡り廊下の上から」



[ ああもうっ、内さん!!  ─ お待たせ ]


                         あいつ
黒木(わたしのスタンドもは物質同化型。  内 のも・・・)

黒木(一般人の眼にも見えるし、映像にも撮れる!)

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(もしバラされちゃったら・・・!)… ド ク ン 。

宮崎「まだとぼけるつもり?」

内「・・・どうしたいの」

宮崎「全部話して」

内「・・・正直、わたしにもよくわからないんだ」

内「へんな矢を拾おうとしたら指を傷つけちゃって───」

宮崎「そういうことじゃない」 キ ッ !

黒木「へっ?!」



… ギ ロ ッ



黒木(な、なになになんなの? 宮崎さん)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギ ロ …

黒木(そんなこわい眼で、にらみつけてきたりして・・・)




124 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:37:30.79AMdTxS5a0 (10/54)


宮崎「うっちー。 あなたさっき、嘘をついたよね」

内「なんのこと」

宮崎「とぼけないで。 黒木さんのこと」

黒木「えっ」



───── 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど。



内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「わたしたちがなにもわかってないと思ってた?」

宮崎「いつもいつも黒木さんの話ばっかりして」



 ─── あいつキモいよね。 すぐビクビクおどおどして、上目づかいで見てきて。

 ─── 言葉遣いも文章もキモいくらい丁寧で。字も無駄にうまくて。



黒木「へっ?」

内「・・・・・・・・・・・・・・」



 ─── なんか意外と義理堅くて、なにかしたらかならずお返ししてくれて。

 ─── そうやってまわりの女の子たらしこんでるんだよ、ぼっちのくせに。



黒木(だれが女たらしだ、くそ)ムスッ

宮崎「ちょっといなくなったと思ったら、いつのまにか黒木さんのそばにいて」

黒木「は?」




125 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:38:02.07AMdTxS5a0 (11/54)


内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「授業が終わるたび、休み時間になるたび。 ・・・遠足のときだって」



 ─── うっちーーーーー!! どこーーーーーーーーーー?!

 ─── きれいだね。   あー ・・・うん



 ─── ・・・・・・・・・・・・・・



黒木「そ、そうだったの」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「・・・・・・・それだけなら、まだよかった。 でも」



 ─── もう近寄らないでよ、うざい。 イラつく。

 ─── みんなだってそうでしょ。 わたし、キモいんだから。



 ─── 黒木? ・・・嫌いだよあんなやつ。 あいつだってそうでしょ。

 ─── いつもいつも女同士でベタベタベタベタして・・・・・・・・



 ─── だからいいでしょ?! ほっといてよ!

 ─── わたしのことなんて 気 持 ち 悪 い んでしょ?!

 ─── いいよ、もう。 ・・・わたし、もう死ぬんだから。




 ─── 死 ん で や る ん だ か ら !!




126 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:39:32.33AMdTxS5a0 (12/54)


内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「つらかった。 すごく、悲しかった」

加藤「・・・そうだったんだ」

宮崎「うっちー、ずっと体が弱かった。 血液の病気で、ずっとずっと入院してた」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、まるで、そのときみたいになっていっちゃって・・・」

吉田「・・・そのとき、か」

宮崎「いちばん病気が大変だったころ。 いつも死ぬんだ、死んでやるんだって」

黒木(まるっきりメンヘラだなこいつ)

宮崎「いまは具合が落ち着いて、元気なうっちーに戻ってくれたと思ってたのに・・・」

宮崎「なぜ病院に行かなかったの。 せめて、なんで一言でも相談してくれなかったの・・・?」

内「だからそれは、正直わたしにもよくわからないんだってば」

宮崎「嘘」

内「だからこれはほんとなの」
         ・ ・ ・ ・ ・
宮崎「だから、何 が 嘘 な の?」

内「・・・・・・・・・・・・・・」
      ・  ・  ・  ・  ・          ・  ・  ・  ・  ・
宮崎「『 こ れ は 本 当 』 な ら 、 嘘 は 何 な の? 」

内「・・・・・・・・・・・・・・だから、別に」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしのせい?」

内「なんのこと?」

宮崎「わたしの、せいなの?」

内「・・・・・・・なに言ってるか、わかんない」




127 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:41:35.76AMdTxS5a0 (13/54)


宮崎「・・・じゃあ、黒木さんのせいなの?」

内「別に」

宮崎「あんなに黒木さんのこと話してたのに?」

内「ヘンな奴だって思っただけ。 別になんとも思ってないよ」

宮崎「・・・・・・・だったら」 ギ ロ リ




   ・・・  こ  の  動  画  。

 拡 散 し ち ゃ っ て い い よ ね ?




黒木「は?!」

加藤「!」

吉田「・・・おい」

宮崎「大丈夫だよ。 吉田さんと加藤さんのはしない」

吉田「なんだと・・・・・・・」

宮崎「もちろんうっちーのもね。 ・・・黒木さんのだけ」

黒木「なっ!!!!」

内「みやちゃん」

宮崎「なんとも思ってないんでしょ」

黒木(や、ヤバい・・・!!)… タ ラ ッ

宮崎「・・・ううん。 迷惑だって言ってたよね」

宮崎「ヘンな眼で見てきたり、ヘンな事したりしてくるヤバい人だって」

黒木(・・・・・・・どうしよどうしよどうしよ・・・!)ダラダラ




128 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:42:55.99AMdTxS5a0 (14/54)


加藤「・・・宮崎さん」

宮崎「これで安心だよ、もう。 黒木さんは二度とあなたに近づけない ───」

黒木(冗談じゃない!! んなことされたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!)ダラダラダラダラ

内「・・・みやちゃん」ギュッ



「─────── お願い、やめて」



黒木「・・・・・・・え」

吉田「・・・おまえ」

内「みやちゃん、やめて。 それだけは」

加藤「内さん・・・」

内「気が済まないんなら、わたしのにして。 黒木は ───」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・内、さん」

宮崎「・・・・・・・なら、全部話して」

内「そんな、話すことなんて」

宮崎「じゃあ答えて。 黒木さんのこと、どう思ってるの?」

内「・・・ちょっと面白いやつだな、って思っただけ」

宮崎「じゃあなんでコソコソしてたの?」

内「・・・みんな、こんなキモいやつなんて嫌がるかなって思ったから」

内「別にそんな、特別なことなんてなにも・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、もう・・・・・・・・!」

黒木「・・・・・・・・」ゴ ソ ッ



… ゴソ ゴソ ゴソ




129 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:45:11.31AMdTxS5a0 (15/54)


宮崎「!(・・・黒木さんの人形!)」

吉田「おい」ジロリ

黒木「もう、ごまかせない。 加藤さんごめん、カーテン閉めて」

加藤「黒木さん・・・」シャッ

黒木「言い逃れは無理」 ス ッ …



「内さん」

「・・・いいの?」



宮崎「!!!!!」

内「・・・!」

内´「ほんとうによかったの?」

黒木「よくないよ。でもどうしようもない」

内(これが黒木の力。 ・・・改めて見ても、ほんとうにわたしそのもの)

宮崎(鏡を見てるみたい・・・)ゾクッ
           リサーフィス
黒木「宮崎さん、 こ っ ち に聞いて」

宮崎「えっ」
   こいつ  そいつ
黒木「 内´ は 内 より、ちょっとは素直だから」

内「・・・・・・・・え、ちょっと」

内´「わたし、話すなんて言ってない」

黒木「頼むよ、このままだと本当に拡散されちゃう」

内´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やだ」




130 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:48:39.44AMdTxS5a0 (16/54)


内(・・・ふーん、わたしってこんなふうなんだ)

宮崎(すごい、ほんとにうっちーだ・・・)

黒木「強情だな」
   そっち
内´「笑美莉に言ってよ」プイッ

宮崎(身振りも口ぶりも。 ちょっとしたしぐさもなにもかも)… ゾ ク ッ

黒木「どうしても、どうしてもダメか」

内´「・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃんに、だけなら」



宮崎「・・・うっちー」

内「ちょっと待ってよ。 ・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「当然だな」

加藤「わたしたち、部屋から出てるね」

黒木「じゃ、行こう」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ、もう」

宮崎「えっ」

内「話す。 みんなに話す。 それでいいんでしょ」

吉田「・・・おまえ」
             スタンド
内「話すから黒木。 そ れ 引っこめて」

黒木「あ、うん。 ・・・戻れ」
        わたし
内´「またね、笑美莉」



 ・・・ パ シ ュ ッ




131 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:50:33.01AMdTxS5a0 (17/54)


宮崎(人形に戻った・・・)

内「便利なやつだね」
    スタンドバトル
黒木「 戦  闘  には使えないけど」

内「戦えればいいってもんじゃないと思う」… ギ シ ッ

加藤「内さん、いいの?」

内「あんたたちだって聞きたがってたでしょ」

内「なんでわたしがあんたたちを殺そうとするのかって」

吉田「まあな」

内「だから教えてあげる」 ギ シ …



「わたしなんか、死んじゃったほうがいいやつなんだってこと」



加藤「内さん・・・・・・・」

宮崎「・・・・・・・うっちー」

内「ごめんね、みやちゃん」

宮崎「そんなこと言わないで、お願い」

内「ごめん。 ・・・でもね、黒木」

黒木「な、なに」ドキッ!

内「あんたも悪いんだよ」

黒木「へっ??」

内「あんたが悪いんだ。 あんたが ─────」



 あんな『眼』で、わたしを見たりするから ────




132 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:51:32.61AMdTxS5a0 (18/54)


加藤「『あんな眼』?」

吉田「・・・おい、黒木」

黒木「な、なんのことだか」タラタラ

内「あんたいっつも、わたしのことヘンな眼でみてたでしょ」

内「修学旅行のときとか、シャワーしてるとこ覗いてきて」

吉田「はあ?」

黒木「そ、それは」ギクッ!

内「チアの練習してる時に、スカートの中覗いたりもしたよね」

黒木「そ、それは、その・・・・・・・」ダラダラダラ

吉田「よしわかった」グッ!



 グ イ ッ



黒木「うぐえ?!」

宮崎「吉田さん!?」

吉田「内、こいつはがっつりシメとく。それで勘弁してくれ」ギリギリギリ

内「・・・・・・・勘弁って」

吉田「いっつもそうなんだこいつは、わたしもひどい目にあってる」ギリギリギリ

黒木「      」ヒクヒク…

加藤「ひどい目って?」

吉田「・・・・・・・聞くな」ブスッ

内「・・・・・・・・・・」ギ シ …



「放してやってよ、吉田」




133 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:53:20.22AMdTxS5a0 (19/54)


吉田「ん?」

内「吉田。 黒木、放してやって」

吉田「あ、ああ」… パ ッ

黒木「ぜ、ぜひ、ひは・・・」ゼー ゼー

内「・・・吉田。 ほんとにこいつって、ヘンなやつなの?」

吉田「ああ、これでもかってくらいヘンな野郎だ」

黒木(余計なお世話だこんちくしょう)ゼハ ゼハ ゼハ …

内「 ふ ー ん 」 ク ス ッ 。

宮崎「うっちー、あなた・・・」

内「うん。 ・・・」ギ シ ッ



「思い出しちゃったの」



加藤「思い出した?」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「あんたがあんまり、ヘンな眼で見るもんだから、さ」

黒木「・・・わたし、が」

内「うん。 昔のこと。 ・・・・・・・みやちゃん、言っちゃっていい?」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

内「ごめんね。 ・・・わたし、バカなことしちゃったんだ」

黒木「バカなこと?」

内「うん、バカなこと」 … ク ス ッ



 思い出したくも 、ないこと ────────




134 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:54:03.01AMdTxS5a0 (20/54)



…… … ────────────── … ……



 うっちー! おかえりーっ!

 みーやちゃんっ! たーだいまー!



 病院、出てこれたんだね?

 うん! 来週までいいって。



 よかったー。 ・・・じゃ、いっぱい遊ぼ?

 もーちろん! 遊んで遊んで、遊びまくるんだから!






 はあ、はあ。 あー疲れた!

 へへへ 、楽しかったね。 じゃ、そろそろ帰ろっか?

 ・・・まって。 ほら。



 わあ、きれいな夕焼け・・・

 ね、観覧車乗って帰ろ?

 ・・・うん!





  カア  カア  カア …




135 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:57:08.25AMdTxS5a0 (21/54)




 ・・・すごーい。 街が、あんなに小さい。

 全部、夕焼けの色に染まってる。 きれいだね・・・




 うん。 すごくきれい、天国みたい・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・あ。 ご、ごめんなさい。 そういう意味じゃ。

 ううん、いいの。 本当に天国みたいだもん。

 うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・ね、みやちゃん。

 なあに?



 わたし、大人になれるのかなあ。

 えっ?



 ・・・・・・・一緒に入院してた子、亡くなっちゃったんだ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・わたし、大人になりたい。 まだ死にたくないよ。

 うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




136 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:58:07.87AMdTxS5a0 (22/54)



 だって、不公平だよ! なんでこうなの?! ひどいよ!

 わたしだって大人になりたい! 恋もしたい、結婚だってしたいのに!!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 死にたくない。 死にたくないよ! こわいよ・・・

 死なないよ、大丈夫。 うっちー、元気になってきたでしょ。



 大丈夫? ほんとに、大丈夫?

 うん、ほんと。 絶対大丈夫だから、ね。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん。

 うっちー?



 わたし、恋、したい。

 え?



 みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・

 えっ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





…… … ────────────── … ……



137 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:58:56.72AMdTxS5a0 (23/54)


黒木「   は?   」アングリ

加藤「・・・・・・え・・・・・・・」ドキドキドキ

吉田「え、えっ。 おい・・・おい」ドギマギ

内「うん。 ・・・・・・・しちゃった」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(こいつガチだった。やっぱりガチだった)ゾクゾクゾクッ

吉田(え、おいおいおい、ウソだろ? そんな、そんなそんなそんな)カーッ///

内「なんだか、さ。 舞い上がってたんだ、わたし」

内「みやちゃんが優しくしてくれてたからって、さ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「だから。 ・・・あんな、キモいことしちゃって」ギ シ ッ

内「みやちゃんに、嫌な思いをさせて─────」






 ────── うっちー・・・・・・・・・・・・・・

 ────── ダメだよ、こんなこと・・・・




 ────── え? えっ? うっちー、あなた・・・

 ────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?




 ────── ・・・ううん、好きだよ。 大好き。

 ────── でもわたしたち、女の子同士だよ・・・・?




138 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 22:59:42.69AMdTxS5a0 (24/54)



 ────── わかるよ、わかってるよ・・・でも。

 ────── こんなの、ヘンだよ、ダメだよ! え・・・・・




 ────── なに言ってるのあなた!? おかしいよ!

 ────── あなたおかしいよ! こんなの普通じゃない!




 ────── うっちー、あなた・・・







 ──────  気  持  ち  悪  い  。





黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・そう、だったの」

内「うん。 みやちゃんに、嫌な思いをさせた」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田(ま、マジか。 こんなことってほんとにあんのか)ドギマギ

黒木(・・・気持ち悪い、か)…ギュッ

内「それでも、さ。 みやちゃん、そのあともずっとわたしと友達でいてくれた」

内「中学も高校もおんなじでさ。 退院してたときはずーっと一緒にいたなあ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




139 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:00:40.91AMdTxS5a0 (25/54)


内「おかげでわたし、元気になれた。 友達もいっぱいできた」

内「全部みやちゃんのおかげ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに、さ」

内「黒木が、あんな眼でわたしを見るもんだから」

内「わたしも、なんだか・・・・・・・・・・・・・・」




(なにアイツ?! キモい! マジキモイ!)

(なんで裸とかスカートの中とか覗きにくるの?!)



(パンツ盗んだりわたしの身体おかずにしたりするの?!)

(キモいキモいキモいキモい! 気持ち悪い!!)




 ──────  気  持  ち  悪  い  。




(・・・わ、わたしは違うし。 ちゃんと反省したし)

(わたしはもうノーマル。 ふつう。 あんなキモいやつとは・・・)



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?)



(・・・おい、黒木。 あんたどこ行っちゃってるの?)

(加藤とか根元とかガン見して・・・ わたしのことガン無視して・・・)




 ────── みやちゃん? みやちゃん・・・




140 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:04:39.99AMdTxS5a0 (26/54)



(・・・え、ちょ。 ちょっと待って)



 ────── みやちゃん? ねえ、みやちゃん。

 ────── なんでそんな子と仲良くしてるの?

 ────── わたしは? ねえ、わたしは?



(なんで今、またこんなこと思い出して。 ・・・ちょ、ちょっと)



 ────── みやちゃん・・・・・・・

 ────── み や ち ゃ ん !!!

 ────── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)



 ────── ・・・・・・・死んでやる 。わたしなんか・・・・・・

 ────── 死 ん じ ゃ え ば い い ん だ !!




(・・・・・・・なんで、こんなこと思い出させるのさ)

(黒木のやつ・・・・・・・)






(あんたのその眼がいけないんだよ!)





141 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:05:40.64AMdTxS5a0 (27/54)




カッチ コッチ カッチ コッチ …



内「・・・・・・・・・・・・・・こーんな、感じかな」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「ごめんね、みやちゃん。 ずーっと嘘ついてて」

宮崎「・・・嘘、って」

内「うん。 わたし、みやちゃんのおかげで、変われたと思ってた」

内「普通になれたんだって。 ・・・・・・・でも、そんなことなかった」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「やっぱりわたし、ヘンなやつだった、普通じゃなかった」

内「─────── 気 持 ち 悪 い や つ だった」

宮崎「               」ピクッ

黒木(キモい! マジキモい! こいつもしかしてわたしのこと・・・)ガクガクブルブル

内「勘違いしないで、黒木」

黒木「へっ」
                 ・ ・ ・ ・ ・ ・
内「別にわたし、あんたをそういうふうに見てるわけじゃない」

黒木「そ、そうなの」ホッ

内「あんたみたいなちんちくりん好みじゃないし」 クスクス

黒木(なんだとこらあ!?)ムカッ!

内「でもさ、少しだけ期待しちゃったんだ」ギ シ ッ




 わたしのこと、わかってくれるかもしれないって ─────




142 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:07:40.82AMdTxS5a0 (28/54)


黒木「え」

加藤「・・・」ピクッ

内「だってヘンじゃん、黒木って」

黒木「な、なにが」

吉田「ああ」

加藤「うん・・・」

黒木(加藤さんまで?!)ガビーン

内「こんなにヘンなやつならさ、わかってくれるかもって思ったんだ」

内「・・・わたしみたいな、変態のこと」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「・・・みやちゃん。 全部わたしが悪かったんだ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・あなたが?」

内「わたしが勝手に思いこんで、勝手に暴れただけ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「だから黒木のこと、勘弁してやって・・・」



  嫌  よ  。



内「・・・え」

黒木「えっ?!」

宮崎「嫌よ、嫌。 絶対に駄目」

内「みやちゃん、悪いのは」

宮崎「うっちーが悪いんじゃない。 悪いのは黒木さん」 キ ッ !




143 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:09:09.64AMdTxS5a0 (29/54)


黒木(そ、そんなにらまれても)アセアセ
                          ・ ・ ・
宮崎「うっちーをおかしくしたのはやっぱり こ の 人」


                   ・ ・ ・
 ────── ほら、例の あ の 人 。



黒木「(・・・やばい、こいつマジで怒ってる)」… タ ラ ッ 。

宮崎「あなたさえいなければ、うっちーはこんなにならなくて済んだ!」

加藤「宮崎さん、それは」

宮崎「二度とうっちーに近づかないで。 近づいたら、動画を公開する」

黒木「近づくなってったってどうやって・・・」モゴモゴ

宮崎「転校でもしたら?」

黒木「はあ?!」
              おまえ
吉田「・・・・・・・・・おい、宮 崎 。」ギ ロ リ 。

宮崎「あなたたちのは公開しないって言ったはず。 ・・・口出ししないで」

黒木「(じょ、冗談じゃねえぞ!! なんとか、なんとかしないと・・・)」ダラダラダラ

内「みやちゃん、お願い。 黒木のこと・・・」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・大丈夫だよ、うっちー」

内「えっ?」

宮崎「わたしだって・・・ わたしたちだって、きっとあなたのことわかってあげられる」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「大丈夫、全部秘密にすればいい。 その、女の子とのことも、不思議な力も・・・」

内「無理なんだ」 …ゴッ…



 シ ャ キ ン ッ




144 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:10:14.88AMdTxS5a0 (30/54)


宮崎「・・・・・・・・・・・・・・!」

吉田「・・・おい」

内「平気だよ、これくらいなら」ゴ ゴ ゴ

宮崎「でもうっちー、血が・・・」

内「大丈夫。すぐ止めるから」

黒木(あの刃、ほんとうに傷口からでてくるのか・・・ 痛い痛い痛い)ゾクゾク

加藤「・・・痛くはないの」

内「平気」

加藤「痛いんだね」

宮崎「うっちー・・・」

内「ダメなんだ、これ」 … チ ャ キ



「勝手に出てきちゃうんだもん」



宮崎「えっ」

内「今のはそうじゃないけど。 でも、あのときみたいに・・・」



 ─── ダメだよ、うっちー!  ・・・うあ?!


 ─── バ ッ !!



内「気持ちが高ぶっちゃうと出てくる。 ・・・どうしても止められない」

宮崎「・・・そんな」



145 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:11:03.41AMdTxS5a0 (31/54)


内「みやちゃん。 わたし、あなたのこと大好き」

宮崎「わたしもだよ、うっちー」

内「・・・でも、もうわたしのそばにこないで。 お願い」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「わたしきっとまた、あなたを傷つける。 今度はほんとうに殺しちゃうかもしれない」 ギ ュ ッ

内「わたしは、ヘンなやつ。普通じゃない。  だから───」




  ば  か  っ  。




内「えっ」

宮崎「ばか」… バ ッ



 ヒ シ ッ 。



黒木「?!」

加藤「!・・・・・・・」

吉田「お、おい」

内「え、え・・・ みやちゃん、だめ」

宮崎「・・・ばか」… ギ ュ



・・・ ギ ュ ウ ウ ウ ウ ッ



146 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:12:52.08AMdTxS5a0 (32/54)


黒木「宮崎、さん。 その、あぶない・・・」ヒヤヒヤ

宮崎「ばか、ばか、ばかっ。 うっちーのばか」ギ ュ ウ

内「・・・みやちゃん、ほんとに離れて」

宮崎「ずっといっしょにいたのに。 ほんとの友達だと思ってたのに・・・」

内「・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、あなた・・・」ギュ…



 そんなに・・・・・・・・・

 そんなに、黒木さんがいいの?



黒木「は?」

加藤「え」

吉田「なっ」

宮崎「わたしが普通だから? 不思議な力がないから?」…ジ ワ ッ

内「み、みやちゃん?」

宮崎「だからわたしよりも、黒木さんがいいの?」

内「だから、そういうんじゃないってば」

宮崎「ひどいよ! わたしたちずっと、一緒だったのに・・・」ギュウウウ

黒木「(もしかして、宮崎さんも?  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」ピ ク ッ

宮崎「ねえ、黒木さんとわたしと、どっちがいいの・・・?」 グ ズ …

内「ど、どっちって・・・(こんなみやちゃん、はじめて・・・)」

黒木「・・・・・・・」ピク ピクピクッ



 ピ  ー  ン  ☆



147 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:14:17.80AMdTxS5a0 (33/54)


宮崎「ねえ、答えてよ。 答えてよ、うっちー!」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ ゴソッ



「宮崎さん」

「・・・なに」



宮崎「きゃ!?」

宮崎´「何の用?」

黒木「なんとか、うまくいったかな」

宮崎´「だから、どういう用事?」 キ ッ !

黒木(・・・やっぱり宮崎さん、わたしのこと嫌なんだな)

宮崎(こ、怖い・・・ まるでわたしそのもの)ゴクッ

吉田「何してやがるんだ、おい」

黒木「宮崎´さん。」ジ ー ッ



「あなたも、内さんに言わなくちゃいけないこと。 ・・・・・・あるんじゃない?」



内「え?」

宮崎「!」

吉田「黒木、てめえいったい・・・」

黒木「宮崎´さん、あなたも内さんに嘘ついてない?」

宮崎´「・・・そんなこと」

宮崎(そ、そんなこと・・・)



148 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:14:53.00AMdTxS5a0 (34/54)


黒木「ないんならいいけど。 ・・・でも内さんはあなたに何もかも話したんだと思うよ」

宮崎´「・・・・・・・・・それは・・・」

宮崎(・・・・・・! それは・・・)

黒木「あなたも、何もかも言っちゃったほうがいいんじゃない?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも」

宮崎(でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

黒木「・・・・・・・」 ク ル ッ



「内さん、どう?」



内「えっ」

黒木「内さんはどう?」

内「ど、どうって」

黒木「宮崎さんの本音、聞きたくないかって」

内「ほ、本音って。 それは・・・」

黒木「・・・おい、てめえ」ギ ロ ッ

内「てめえ?!」

黒木「どうなんだ、え? こら」ギロリ

加藤「く、黒木さん?」アセアセ

黒木「てめえ今の宮崎さん見てどう思うんだよ」

内「ど、どうって・・・」

黒木「まさかとは思うけど」 ギ ロ ッ



「てめえを気持ち悪がってる『だけ』だって、本気で思ってるんじゃねーだろーな」



149 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:15:52.78AMdTxS5a0 (35/54)


内「そ、それは・・・・・・・・・・・・・・」モゴッ

宮崎(・・・うっちー)

吉田「・・・・・・おい黒木、もうそのへんにしろ」ジロリ
                              そ い つ
黒木「わかった。 でも、内さん。 もし聞きたきゃ 宮崎´さん に聞いてみて」

内「・・・あんたのスタンドに?」
                                    コントロール
黒木「そいつは宮崎さんのコピー。だからいまはわたしにも 制 御 しきれない」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「少しくらいは言うこと聞いてくれるけど、それでもどうしてもいやだってことはさせられない」

黒木「だからそいつが喋るのは本音。 正真正銘、宮崎さんの本音」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「みやちゃんの、本音・・・・・・・」

黒木「無理に聞けとは言わないけど。 でも、仲直りしたいんだろ」

宮崎「・・・仲直り」…ギュッ

黒木「いま聞いとかなかったら、一生後悔するかもしれないよ」

内「一生、後悔? ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「邪魔だったら、わたしは出てる。 ・・・じゃ」

内「ちょ、ちょっと、黒木」

吉田「じゃあな」

加藤「・・・じゃ、ね」

内「ちょ、ちょっ・・・」

宮崎「・・・・・・・」



 スタ スタ スタ スタ …



150 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:16:50.05AMdTxS5a0 (36/54)


宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」

内「聞いてみろ、って。 もう・・・」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・あなた」

内「な、なあに」ドキッ

宮崎「あ、ごめんね。 ・・・あなたのほう」

宮崎´「わたし?」

宮崎「あなた、なんなの?」
              スタンド
宮崎´「・・・黒木智子の幽波紋で、あなたのコピー」

宮崎「スタンド?」

宮崎´「超能力とか、守護霊みたいなもの」

宮崎「その超能力でつくった、わたしのコピー?」

宮崎´「うん」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・わたしの名前は」
        あつこ
宮崎´「宮崎 敦 子」

宮崎「好きな食べ物は」

宮崎´「サイゼのイカ墨リゾット」

宮崎「うっちーはなぜ、わたしのことをみやちゃんと呼ぶの?」

宮崎´「わたしがそうお願いしたから」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「うっちーと同じ理由で」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」




151 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:17:47.81AMdTxS5a0 (37/54)




…… … ────────────── … ……



                     あっこ
 ───── あっちゃーん!  敦 子ちゃーん!

 ───── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ───── あっこちゃん?

 ───── ごめんエミリ。 わたし「敦子」って呼ばれるの嫌なんだ。



 ───── どうして?

 ───── だって「敦子」って名前、古臭くない? 「エミリ」のほうが素敵だよ。



 ───── ・・・わたしは、この名前イヤ。 読みづらいとかヘンだとかって言われるから。

 ───── そうだったんだ。 ・・・・・・・いっしょだね。



 ───── うーん・・・ それじゃ「宮崎」だから「みやちゃん」なんてどう?

 ───── あ、いいねそれ。 じゃあわたしは「うっちー」って呼んでいい?



 ───── うっちーか、えへへ。 よろしくね、みやちゃん。

 ───── よろしくね、うっちー・・・ ふふふっ。




…… … ────────────── … ……



152 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:18:58.83AMdTxS5a0 (38/54)


内(・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん)

宮崎「全部当たり。 ・・・信じられない」

宮崎「じゃあ黒木さんもわたしのこと、もう全部わかっちゃってるの?」
     わたし    わたし   マスター
宮崎´「宮 崎 ´は 宮 崎 。 黒木さんも、わたしのことはわたしに聞かないとわからない」

宮崎´「それに黒木さんの言った通り、聞かれたら嫌なことは黒木さんでも答えない」

宮崎「それ、ほんとうなの?」

宮崎´「なんでもわかるんなら、動画のことなんとかしようとしてたと思うよ」

宮崎「それもそうか。 ・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」




内(みやちゃん?)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」

内(ふたりとも、黙っちゃった・・・)

宮崎(・・・・・・・・・・・・・・黒木さん)…ギュッ




 ─── 仲直りしたいんだろ?

 ─── 一生後悔するかもしれないよ。




 あなたなんかに言われなくったって ───!




153 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:19:46.00AMdTxS5a0 (39/54)




 カア カア カア

  カア カア …



吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・もう、こんな時間」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



 カア カア カア …



加藤「・・・内さん、宮崎さんと仲直りできるかな」

吉田「どうだろうな・・・ わたしは、ああいうのはちょっとわからねえ」

加藤「そうなの?」

吉田「ああ、その・・・ ちょっと苦手だ」カーッ///

加藤「・・・気持ち悪いって思っちゃう?」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかんねえ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・そっか。 黒木さんは?」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ

吉田「おい、黒木」スポッ!

黒木「わあっ!!」ビクッ!

吉田「でけえ声だすな、病院だぞ」グリグリ

黒木「(い、いきなりイヤホンひっこぬくから!!)」

吉田「三人でいるのに動画ばっかり見てんじゃねーよ」




154 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:21:39.62AMdTxS5a0 (40/54)


黒木「・・・・・・・・・・・・・・ごめん、でもヒマだったから」

吉田「ま、いいけどよ。 で、どうする」

黒木「どうって」

吉田「いざってときだよ」

加藤「・・・動画を公開されたら、ってこと?」

黒木「・・・・・・・」

加藤「そこまでしないとは、思いたいけど」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴソッ

加藤「・・・・・・・・・・最悪のときは」

吉田「わたしがやる」

黒木「えっ」

吉田「わたしがあいつらに話をつけてやる」

黒木「・・・吉田さん、でも」
        スタンド
吉田「おまえ幽波紋使いだってバラされたら、わたしらだって無事じゃいられねえ」

吉田「なんとかしてやる。 心配すんな」

加藤「・・・吉田さん。 ほんとうに、ほんとうにいざというときになったら」



 ・・・ シ ュ ル ッ



黒木「・・・!」

吉田「おい」

加藤「わたしが、なんとかする。 ・・・してみせる」シュル シュル シュル…




155 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:23:07.78AMdTxS5a0 (41/54)


黒木「加藤さん、そんな」

加藤「あなたのためじゃない。 わたし自身を守るため。 だから・・・」 シ ュ ル 。

吉田「・・・・・・・そうはさせねえ」

加藤「ごめんなさい。 でも」

黒木「・・・」ギ ュ ッ



「・・・ありがとう」



吉田「・・・ん」

黒木「ありがとう、ふたりとも・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ

加藤「いいんだよ、黒木さん」

黒木「でも、大丈夫だよ」

吉田「・・・・・・・黒木」

黒木「きっと、きっと大丈夫」

加藤「・・・そうだね。 きっと、大丈夫」ニコッ

黒木(・・・・・・・・・・・・・・そう、大丈夫)… ス ッ




[ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ]

[ ─────・・・ ] [ ・・・・・・・・・・・・・・。 ]




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ひ ひ っ 。


156 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:24:06.20AMdTxS5a0 (42/54)



 カア カア カア …



内(・・・もうこんな時間)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内(そろそろ、面会時間終わっちゃう・・・)

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・ね、ねえ」
        わたし
宮崎「ねえ、宮 崎´」

宮崎´「なに?」

宮崎「わたしが、うっちーに『気持ち悪い』って言っちゃった理由は?」

内「え」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「み、みやちゃ・・・」

宮崎´「怖かったから」

内「・・・えっ」

宮崎´「・・・怖かった。 普通じゃなくなるのが、怖かった」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「誰にも言えないことをするのが怖かった」

宮崎「・・・うん」

宮崎´「みんなに知られたらどうしようって・・・」

宮崎「うん・・・」

内「みやちゃん。 ごめんね、みやちゃん・・・」クスン




157 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:24:56.72AMdTxS5a0 (43/54)


宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・うっちー、あやまらないで」

内「えっ」

宮崎´「あやまってほしくない。 ほしくないの・・・」

内「・・・・・・・な、なんで」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・なぜなら」ギュッ



「悪いのはわたしだから」



内「みやちゃんが???」

宮崎´「うん。 ・・・・・・・・・・・・・・わたし、嘘をついてた」

内「嘘?」

宮崎´「気持ち悪いなんて、冗談のつもりだったんだよ」

内「・・・・うん」

宮崎´「ほんとはね。 わたし、ほんとは・・・」

内「ほんとは?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

内「みやちゃん・・・?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ・・・





 すごく、うれしかった・・・・・・・・・・・・・・・・




158 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:26:25.20AMdTxS5a0 (44/54)


内「えっ」

宮崎´「・・・え」




宮崎「うれしかったの。 うれしかったんだよ・・・・・・・・・・・・・・」




内「・・・え・・・」

宮崎「・・・怖かった。 けれどすごく、すごく嬉しかった。 ううん、今でも嬉しい・・・・・」
         わたし
宮崎´「・・・・・ 宮 崎 」

宮崎「だから嫌だよ、うっちー。 黒木さんのところになんか行っちゃやだ」

内「そ、それって」

宮崎「黒木さんともう、あんなことしちゃやだ・・・」

内「あんなことってなに?」

宮崎「・・・うっちー」 ス …



 ヒ シ ッ 。



内「・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ッ

宮崎「うっちー。 ねえ、うっちー・・・」ギュウ

内「いいの? わたし、キモいよ?」

宮崎「そんなことない」

内「わたし普通じゃないよ」

宮崎「それでもいい」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




159 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:28:08.07AMdTxS5a0 (45/54)


内「みやちゃん・・・」

宮崎「・・・あっ」

内「え? ・・・わあ・・・



 … カア カア カア



宮崎「きれいな夕焼け・・・」

内「すごい・・・ あのときみたい」
                 わたし
宮崎「うん。 ・・・・・・・ねえ、宮 崎´」

宮崎´「うん」ク ル リ 。

内「えっ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・誰も、見てない、よ」… ギ ュ ッ

内「みやちゃん・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ウ






 カア カア カア …






 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すごい。 街が全部、夕焼けの色に染まってる。




 きれいだね・・・ まるで、天国みたい。

 ・・・うっちー。





160 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:29:42.31AMdTxS5a0 (46/54)


 ・・・みやちゃん。 わたし、大人になれたよ。 みやちゃんのおかげ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ほんとに、ほんとに。 ・・・ありがと、ね。

 ・・・・・・・・・・・・・・まだ、だよ。




  ギ   シ   ッ   。




 みやちゃん?

 うっちー。 恋、しよう。  ・・・大人になっちゃおう。

 ・・・・うん。




 もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで。





・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・





宮崎´「                」カチリ




  シ  ャ  ッ  !!


161 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:30:46.80AMdTxS5a0 (47/54)


宮崎「きゃ?!」

内「なっ?!」




黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




内「く、黒木?!」

宮崎「い、いやっ!!」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」

宮崎「えっ」

加藤「黒木さん?」タタタ

吉田「黒木! てめえ、いったい・・・」ダダダッ

黒木「戻れ」



 シ ュ パ ッ



内「え」

宮崎「あっ」

黒木「・・・・・・・こいつはわたしの切り札」ヒョイ



「ムーディ・ブルース1号さ」




162 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:31:51.22AMdTxS5a0 (48/54)


内「なんだって・・・」

黒木「目には目を、歯には歯をだ」ゴソゴソゴソ



 カ チ ャ ッ



内「!」

宮崎「それは・・・!!」

内(隠しカメラ?!)

黒木「いまの、全部撮らせてもらったから」カチャ…



[ もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで ]

[ ・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・]



内「なっ・・・・」

宮崎「い、いやああ!!」

黒木「もしわたしの動画を拡散したなら、わたしもこいつを全世界にバラまいてやる」

吉田「てめえっ!!」バッ!!



 ガ シ ッ



黒木「うぐぇ」

吉田「このドグサレがっ・・・!!!!!」ギリギリギリ

黒木「だから・・・ だい、じょうぶだ、って・・・ いった、ろ」ニ タ ッ




163 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:33:05.31AMdTxS5a0 (49/54)


吉田「その携帯よこしやがれ!!」ギリギリギリギリ

黒木「いや、だね」ニタニタ

吉田「腕ずくでやられてえか!!」

黒木「けけけ。 もう、おそ、い」… ス ッ

吉田(携帯?!)
   うち
黒木「家の・・・ PCに、てんそう、ずみ」

吉田「なんだと・・・」

黒木「わたしが・・・ このゆび、はなしたら、 そのしゅんかん、ぜんせかいに・・・」ニヘラニヘラ

吉田「 こ の ク ソ ガ キ !!! 」

加藤「吉田さん、落ち着いて!」

宮崎「いや、いや! いやあああ!」ウワアアアン

内「 黒 木 !  き さ ま ! ! 」シャキンッ!

黒木「みんな・・・ おち、つけ、よ・・・ そら」



 カツ カツ カツ カツッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」



 シ ャ ッ !



「みなさん、お静かに願います!」




 シ  ー  ー  ー  ン  。




164 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:35:38.26AMdTxS5a0 (50/54)


内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ピ キ ッ

宮崎「・・・すみません」 ピ ク …

看護師「そろそろ面会時間も終わりですから」

加藤「はい・・・」

吉田「・・・・・・・」ビキビキビキ

看護師「まわりの患者さんにご迷惑にならないようにしてください」

黒木「はい。 申し訳ありません」ウルウル

看護師「お願いしますね」…コツッ



 コツ コツ コツ コツ



黒木「やれやれだぜ」

宮崎「(ひどいよ、黒木さん!!)」

黒木「目には目を歯には歯を、って言ったろ。 お互いさんだ」ニヤニヤ

内「・・・黒木」 ゴ ゴ ゴ

黒木「だから落ち着けって。 これで立場はイーブンなんだから」

内「なにを言ってる」ゴゴゴゴゴゴ

黒木「取り引きしようって言ってるんだ」

内「取り引き?」

黒木「ああ。 おまえら、要するに」 ニ タ リ 。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「誰にもバレなきゃ、それでいいんだろ?」



165 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:37:26.54AMdTxS5a0 (51/54)


宮崎「え。 えっ・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
    ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
黒木「わたしなら、それができるんだぜ?」ニタニタ

吉田「おい、てめえ・・・!」 ゴ ッ !

内「吉田、待って」

加藤「内さん?」

内「話を聞かせて」

黒木「単純な取り引きさ」 フ ッ 。




               ス タ ン ド
 お 互 い の 血 と 幽 波 紋 を や り 取 り し て

 互 い の 秘 密 を 守 り あ う 。





内「・・・・・・・・・・・・血と、スタンド」
        メタリカ
黒木「お前の幽波紋をわたしによこせ」

黒木「いつでもどこでもわたしを守れ、お前の血を使ってな」
                 リサーフィス
黒木「そのかわりにわたしの幽波紋を、お前たちに貸してやる」

内「・・・・・・・・・・・・黒木の人形を?」

黒木「使った血はこいつからもらえばいい、それにだ」

黒木「こいつはアリバイ作りには最高の能力だぞ」ニ ヤ ッ

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「そしてお互いがお互いの秘密を守る。 どうだ?」




166 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:38:44.74AMdTxS5a0 (52/54)


宮崎「そ、そんな・・・」

内「・・・・・・・・・・・・考えさせて」

宮崎「うっちー?!」

黒木「いい返事を期待してるよ、じゃあな」 シ ャ ッ !

吉田「お、おい! お前!」タッ!

加藤「じゃ、じゃあ」タタタ



 カツ  カツ  カツ  …



宮崎「うっちー・・・・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 … カツ カツ カツ カツ



黒木「・・・なんとかなったかな」

吉田「なにがなんとかなっただ、てめえ」

加藤「黒木さん、あなた、なんてことを・・・・・」

黒木「・・・ふたりがやろうとしてたことだって、いいことじゃないだろ」

加藤「え」吉田「・・・・」

黒木「どうしようもなくなったらお願いする。 ・・・だから」ギュッ

吉田「このクソ野郎が」

黒木「・・・ふん」



 カツ カツ カツ カツ …


167 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:42:10.74AMdTxS5a0 (53/54)


こうして、黒木智子は敵スタンドの攻撃から友達を守り切った。

そして頼もしい味方を得た。



内さんが退院したあと、わたしは改めて内さん宮崎さんと契約を交わした。

吉田さん、加藤さんに立会人になってもらって。



お互いのスタンドをいつでも貸し与えること。

内さんがいつでもわたしを守るかわりに、わたしはいつでも血を内さんに与えること。

そして互いの秘密を守りあうこと。


                   チーム
そうして内さんは、わたしたちの仲間に加わった。

いまはスタンド能力の特訓にも参加してる、もちろんわたしの血を使って。


                                                メタリカ
吉田さんと互角以上に戦える戦闘力を持ち、それ以外にも多彩な能力を秘めた幽波紋。

それがいつでもどこでもわたしを守ってくれる。


                                   リサーフィス
こっちも契約通り、あいつが宮崎さんとデートするときには幽波紋を貸してやってる。

結構いい仲になってるみたいだ。 ・・・・・・・けっ。



こうしてわたしの優れた発想力と交渉力で、すべてが丸くおさまったのだった。

チャンチャン♪






・・・・・・・・・・・・・・・なんてうまい話があるはずもなく・・・・・・・・・・・・・・・


168 ◆HWAyM/47A/f92019/01/30(水) 23:43:37.96AMdTxS5a0 (54/54)


※第3話 おわり※

ラストは明日透過予定。


169 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 20:46:51.20wUYCblno0 (1/47)

ラスト、第4話投下。


170 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 20:47:53.03wUYCblno0 (2/47)


【2週間後】



キーン コーン カーン

 キーン コーン …




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ ゴ ゴ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」… ゴ …





 ────── ヒ ュ ン ッ





「──────────!」





  ビ   シ   ッ


171 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 20:50:03.20wUYCblno0 (3/47)


黒木「おおっ!」

加藤「・・・やった」




 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




吉田「・・・・・・・・・・・・・・ふう」

内「さすがだね」

CP「・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ…



 ───── ガ シ ッ 。



黒木「真剣白刃取りだ」

吉田「ありがとよ、内。 手加減抜きでやってくれて」 ニ ッ 。

内「ほんとに殺す気でやってくれって、無茶言うんだから」

吉田「それでほんとにやってくるお前だって無茶だぜ」

内「ふふふっ」 ス ッ



 チ ャ キ ッ



吉田「槍かよ、はじめて見たぜ」

内「だろうね、はじめて使ったから」




172 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 20:50:57.21wUYCblno0 (4/47)


黒木(なんかこいつら、妙に仲良くなってんなー)

内「振り回すより、こいつで一突きするほうが確実でしょ」
    クレイジープリンセス
吉田「 こ  い  つ じゃなけりゃ串刺しだぜ」ニ ヤ ッ

内「あんたじゃなかったら、こんなことやれないよ」 ニ ヤ リ

黒木(あれか? バトル系漫画でありがちなやつ)
        とも
黒木(互いを強敵と認めあう的な・・・・・・・・・・・・・・)

内「それじゃ、黒木」

黒木「えっ」

内「みやちゃん、誰か来てない?」

宮崎「・・・大丈夫」ムスッ

内「 そ う 」 ニ ヤ リ 。



 … ジリ   ジリ   ジリッ



黒木「ちょ、ちょっと」ズザ…

内「取り引きでしょ」… ジ リ ッ
           リサーフィス
黒木「待って、いま内´さん出すから」ズザ ズザ …

内「要らないって言ったでしょ」… ジリ ジリ

内「あんたたちのおかげで、いろい試してみることができたからね」

宮崎「    」ピクッ

加藤「    」ピクリ




173 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 20:53:53.05wUYCblno0 (5/47)


内「すぐ終わるから、早く」

黒木「こ、こころの、準備が」ガタガタガタ

内「      」 ゴ ッ



 ― サ ッ !




黒木「うわお?!」

内「つかまえた」ガシッ

黒木「は、はなせっ・・・」

内「大声出したら、人が来ちゃうよ」ニヤニヤ

黒木「く、くそ・・・!」

内「さあ観念して。 こっちのほうが、あんただって楽なはずなんだから」

黒木「ち、く、しょっ・・・」… カ ク ン

内「うん、いい子だね。 それじゃ」ク ワ ッ 。




「 い た だ き ま ー す 」




 カ  プ  ッ  ♡




黒木「うひぃ」

内「ん、んく、んく」チュル チュル


174 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:00:07.42wUYCblno0 (6/47)


        メ タ リ カ
・・・わたしの幽波紋は「人体の鉄分を操る」能力。

自分のだけじゃなく他人の体の中のも操れる。 直接触ってないと無理だけれど。



内「ん、んく、んんっ」チュルチュルチュル…

黒木「あ  あひ  あひい」



でも、こんなことができるだなんて思ったなかったなあ。

直接、鉄分だけを人から吸収できるなんて。



内「んーーーーー、んーーーーー・・・」ジュルジュルジュルジュル

黒木「ら らめ らめらめらめえ」



口から注射針のように鋼鉄の管を生やす。

それを黒木の血管に突き刺して、血中の鉄分だけをいただく。



内「ん、ん、ん、ん」レロレロレロレロ

黒木「あ  や   なめちゃ やだあ」ヒクヒクヒクヒク




んー、コリコリ弾力ある頸動脈に触っているよ黒木ぃ♪

    あたたかい       ここちよい
この キ モ い 弾力♪  キ モ い 感触♪



      たまらない
・・・あー、キ モ い ♡




175 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:01:09.56wUYCblno0 (7/47)


内「ごちそうさま」テカテカ

黒木「な・・・ なめるなって・・・ 言ったのに・・・・・・・」アヘアヘアヘ

加藤「      」ピク  ピクッ

内「傷口ふさいでやっただけじゃん」ツヤツヤ

宮崎「      」ビキ…

吉田(・・・く、くそ。 いちいち気持ち悪い・・・ ん?)




宮崎「      」ビキビキ

加藤「      」ピクピク





吉田(なんだ、あいつら)

黒木「へ、はっ、あへえ・・・」ヒク ヒクヒク

吉田「いつまでへばってんだ、次はお前だぞ」

黒木「わたひ・・・ もう無理・・・」

内「がんばんなよ。 ・・・ねえ」ニヤリ



「リサーフィス」

「ハイ」 ゴ ッ !



加藤「え?!」

吉田「おっ」

リサーフィス「・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ



176 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:02:24.70wUYCblno0 (8/47)


黒木「はあ?!」

内「もうひとふんばりできる?」

リサーフィス「ヤレマス」ゴゴゴゴゴ

黒木「な、なんで?! わたしのスタンドなのに!」

内「知らなかったの?」
            シンクロ
リサーフィス「完全ニ同調シタオ方ハ ワタシヲ操ル事ガ デキルノデス」

黒木「なんだってえ?!」

加藤「えっ ───────」

宮崎(あのときの ─────)





 チ ュ ウ ウ ~ ~ ~ ~ ~ ♡♡♡





宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギリギリギリギリ

加藤「       」ピ キ …

黒木「そ、そんなの、聞いてない・・・」

リサーフィス「聞カレナカッタノデ・・・」

内「あ、そうだ。 こんなこともできるって言ってた」 サ ッ

黒木「人形?! まさか!」

内「ねえ、黒木」

リサーフィス「  」シュパッ!



黒木´「・・・なんだよ絵文字」


177 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:03:12.40wUYCblno0 (9/47)


黒木「!!!!!!」

加藤「あっ!」

吉田「おっ?」



黒木´「勝手に呼ぶんじゃねー・・・」



内「なに、絵文字ってわたしのこと?」

黒木´「絵文字みてーな顔だろ」

内「よけいなお世話よ」ムカッ

黒木「う、うそ、うそ・・・」

加藤「そんな・・・・・・・・」

内「ねえ、ついでに聞いとくけど。 あんた、エッチなこと好きなんじゃなかったの?」

黒木「は?!」

内「なんで首すじ噛まれたくらいでいちいちへろへろになっちゃうのさ」

黒木´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブスッ

黒木「や、やめろ! 答えるな!!」

黒木´「…わたしはするのが好きなだけ」ボソッ

吉田「はあ?」

加藤「!」

黒木´「されるのが好きなわけじゃない」ボソボソ

内「へえー。   い い こ と 聞 い た 。 」 ニ タ リ 。

吉田「て、てめえら! いつまでもじゃれてんじゃねえ!」カーッ///

内「はいはい、戻っていいよ」ニタニタ

黒木´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くそっ」シュパッ




178 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:04:41.71wUYCblno0 (10/47)


黒木「く、くそっ・・・・・・・」ヘタッ
                                キモ
内「ふふふ、あんたのスタンドほんっとキモい。 あー可愛い」

吉田「ほら、立てよ。 一本行くぞ・・・」

内「・・・ね、吉田。 今日は黒木、あんまりしごかないでやってよ」

吉田「あん?」

内「頼むよ。 ・・・ね?」チラッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」///ポッ///

黒木(さかってんじゃねーバカップル)イラッ

吉田「・・・ち、ちっ。 勝手にしやがれ」カーッ///

内「ありがと。 じゃーね、みんな」

宮崎「・・・さよなら」

内「黒木ー、鉄分いっぱい摂っとくんだよー」

黒木(ちくしょー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ムスッ



 タッ タッ タッ タ …



加藤「       」ピク ピク

黒木「えらい目にあった・・・」ヘロヘロ

吉田「自業自得だ、ったく」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「内、か。 ・・・ヤバいやつだぜ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・うん」シ ュ ル



 シ ュ ル ・・・


179 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:06:05.55wUYCblno0 (11/47)




 スタ スタ スタ

  スタ スタ スタ …



内「・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」スタスタスタ

内「みやちゃん、速くない?」

宮崎「別に」

内「・・・怒ってる?」

宮崎「何も」
             あいつ
内「何回も言うけど、 黒 木 との付き合いはただの取り引き」

宮崎「嘘」

内「体だけの割り切ったお付き合い」

宮崎「変態」

内「もう・・・・・・・」



 ピ ロ リ ン ☆



内「あっ」ピッ

宮崎「あ」ピ!



[ 黒木 ]

[ リサリサ ]


180 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:07:23.60wUYCblno0 (12/47)


内(黒木からだ)

宮崎「・・・リサリサ」



[ そろそろ予定を教えて ]

[ それにあわせてリサーフィスを送る ]



内「・・・・・・・・・・・・・・」ピ ピピッ

宮崎「・・・・・・・」ピ ピ ピ



[ 今日はわたしの家にみやちゃんが来る だからみやちゃんの家にスタンドを送って ]

[ 1時間後にお願い 気をつけてね、リサリサ ]



内「よし、と」ピッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」ピッ

内「ねえ、みやちゃん。 なんでリサリサなの」

宮崎「『リサーフィス』だから『リサリサ』でいいでしょ」

内「そういうもんなの?」
    ス タ ン ド
宮崎「『幽波紋』とか『リサーフィス』なんて呼ぶんじゃかわいそうだよ、女の子なのに」

内「あれ女の子だったの」

宮崎「さ、早く」スッ

内「はいはい」キョロキョロ …ギュッ



 ・・・・・ キ モ ォ ー ー ー ー イ


 ─────── ス ウ ・・・



181 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:08:12.50wUYCblno0 (13/47)


黒木「・・・よし、と」ピッ

加藤「ふたりと連絡取ったの?」

黒木「・・・うん(リサリサってなんなんだ? お師匠さんか??)」

黒木「んじゃ、わたしも帰る・・・」ヨロヨロ

吉田「待てよ」ガシッ

黒木「な、なに」

吉田「リサーフィス、お前も出ろ」

リサーフィス「ハイ」ゴッ!

加藤「吉田さん?」

黒木「な、なんだよ、もう・・・」

吉田「おい黒木」…グイ



「あのヤバい人形、ひとつ残らずよこせ」



黒木「・・・え」

吉田「全部だ。 今すぐ出せ」グイ…

黒木「嫌だ。あれがなかったら身を守れない」

吉田「だからってあんなことやるんじゃねえ!」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・リサーフィス。 てめえも何か言ってやれ」

リサーフィス「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・おい?」




182 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:09:10.75wUYCblno0 (14/47)


リサーフィス「・・・・・・・・・・・・・・」…ゴ:…

吉田「・・・どうしたんだ」

リサーフィス「吉田サマ アナタノ気持チ トテモ嬉シイ」

吉田「ふん」

リサーフィス「ダケレド」 ゴ ッ !



         リサーフィス     わたし
 ───── ワ タ シ ハ  智 子 ヲ  守 リ タ イ 。




吉田「・・・なんだって」

リサーフィス「守レルヨウニ ナリタイ」ゴ ゴ ゴ

加藤「あなた・・・」

黒木「そいつとはちゃんと相談したんだ。 こうしたいああしたいって」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「もちろん喜んじゃいなかった。 わたしだって好きでやってるわけじゃない」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・うん」

黒木「でも、しょうがないだろ。 わたしだって殺されたくないし・・・」

リサーフィス「出来ルコトナラ ワタシタチノコトデ オ二人ヲ 巻キコミタクナイ」




吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




183 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:12:50.95wUYCblno0 (15/47)


リサーフィス「出来ルコトナラ ワタシハ 足手マトイニハ ───」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・それでも、だ」

リサーフィス「・・・・・・・」

吉田「おまえはわたしが守ってやる」

リサーフィス「・・・・・・・吉田サマ」

吉田「命がけで守ってやる。 ・・・だからもう二度と、あんなことはするな」



────── くらってくたばれ!

────── ・・・ごめんなさい



黒木(ちっ、勝手なことぬかして)

吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(あいかわらずリサーフィスには優しいんだからな、こいつは)

吉田「黒木、おまえもだ」

黒木「は?」
                           リサーフィス
吉田「おまえはわたしが守る。 だからもう、こ い つにあんなことさせるな」

黒木「え・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・吉田さん、わたしも」

吉田「そうか」

加藤「黒木さん。 わたしたちが、あなたを守る」

加藤「あなたがわたしたちを守ろうとしてくれたように」



───── ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ治すから・・・

───── 加藤さんがやられるかもって、思ったんだ。




184 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:13:53.09wUYCblno0 (16/47)


黒木「・・・・・・・」

加藤「あなたの気持ちは嬉しい。 でも、黒木さん」

加藤「わたしたちを頼って。 ・・・・・・・・・・・・・・信じて」

吉田「絶対に守ってやる。 だからもう、あんなのはやめろ」




     ヒ  ャ  ァ  ァ  ア  ア ー ー ー ー ー ー ッ !
 ── H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y !





黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ムスッ

吉田「やめろ。  ・・・・・・・やめてくれ」

黒木(なんだよ、こいつ。 ちくしょー・・・・・・・)ムス…




 そんな顔してんじゃねーよ、くそっ。

 いつもはあんな乱暴なくせして・・・




吉田「・・・・・・・・・・・・・・黒木」

黒木「・・・はいはい、わかったよ。 もう」ゴソゴソ

加藤「・・・黒木さん」

黒木「これ、これ、それからこれ・・・」ヒョイヒョイ

加藤「えっ」

黒木「あとここ、ここ、ここにも」パッ パッ パ

加藤(服の中、靴の中? 髪の中にまで・・・)




185 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:15:56.43wUYCblno0 (17/47)


吉田「・・・・・・・おい・・・・・・・」

黒木「あとは鞄。 ・・・よいしょ」ドサドサドサドサ

加藤「きゃあ」

黒木「これで全部」バサバサ



 ・・・ ド ッ チ ャ リ 。



吉田「どれだけ持ってやがったんだ・・・」

加藤「黒木さん、普通のお人形さんはいいと思うよ」

黒木「これ全部特製なんだ」

加藤「そ、そうなの」ポカーン

黒木「こいつがスタンガン入りのチリペッパー1号、こっちは目つぶしガス爆弾人形つるぎくん1号」

吉田「てめえってやつは・・・」
                かいえんのう
黒木「それでこっちは全部 怪 焔 王 。 2号、3号、4号・・・」

吉田「こんな危険物いくつ用意してやがるんだ」

黒木「結構簡単に作れるんだよこれ」

吉田「これだけ作っていったい何に使うつもりだったんだよ」

黒木「                             」ピ ク リ

吉田「んっ?」

加藤「黒木さん?」

黒木「       」 ピ ク …





「                                    ・・・」




186 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:18:47.10wUYCblno0 (18/47)


吉田「・・・・・・・おい?」

加藤「          黒木さん?」 ピ ク リ 。

黒木「          ・・・ごめん、なんでもない」

吉田「なんだよ、ったく」

黒木「燃料が余ったから、つい作っちゃっただけ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「じゃあこいつは預かっとく。 またヘンなもん作るんじゃねえぞ」

黒木「あ、一個だけ残しといて。 帰るまで丸腰ってのも不安だから」

吉田「普通の人形はねえのかよ?」

黒木「・・・ない」

吉田「ちっ。 ・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ

加藤「吉田さん?」

吉田「おら、こいつでいいだろ。 返すぜ」ズイッ

黒木「え、でも、これ。 ・・・あんなに喜んでたのに」

吉田「飽きた。 もういらねえ」プイッ

黒木「じゃあ、帰ったら返す」

吉田「返すっつってんだろ」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう、ごめん」ゴソッ

吉田「約束だからな」

黒木「うん」




キーン コーン カーン

 キーン コーン …




187 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:19:46.14wUYCblno0 (19/47)


【翌朝 内家】




 タッ タッ タッ タッ タ…



「・・・・・・・・・・・・・・」



 ピン ポーン 。




内母[ はい。 ・・・あら ]

「おはようございます」

内母[ おはよう、みやちゃん。 あがってちょうだい ]

「ありがとう、お邪魔します」



 ・・・ ガ チ ャ リ 。



内母「ごめんなさいね、あの子まだ寝てるのよ」

「お部屋入っちゃっていいですか」

内母「ええ、起こしてあげて」

「はい」タッ タッ タ 。



 ・・・ コン コン コン 。



宮崎´「うっちー、開けて」




188 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:20:42.34wUYCblno0 (20/47)




・・・・・・・・・・・・・・・・




宮崎´「うっちー。 ・・・・・・・」コンコンコン



 ガ チ ャ 。



宮崎´「おはよ」

宮崎「(・・・・・・・・・・・・・・・・そこに誰もいない?)」ソーッ

宮崎´「(うん)」

宮崎「(入って)」



 パ タ ン   ガ チ ャ リ



内「・・・・・ん・・・・・」ムニャ…

宮崎(おはようリサリサ)

宮崎´(おはよう、わたし)ゴソゴソ

内「黒、木・・・・・・・ 来たの・・・?」

宮崎´(はいこれ。着替えとメイクセット)

宮崎(ありがと。 急がなくっちゃ)イソイソ

宮崎´(あとこれも)

宮崎(蒸しタオル? ふふ、気がきくね)



189 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:21:50.11wUYCblno0 (21/47)


内母「みやちゃん、笑美莉は起きたー?」

宮崎´「はい、いま下に降りますー」

内「まだ眠いのに・・・」ムニャムニャ

宮崎(いいから早く行って、もう)フキフキ

内「はーい・・・」 ノ ソ ノ ソ



 ・・・ ガ チ ャ リ    バ タ ン 。



宮崎(もう、うっちーったら)フキフキ

宮崎´(髪はこんな感じでいい?)シュルシュル

宮崎(うん、リサリサとそっくり同じ)キュッキュ

宮崎´(じゃあ背中ふくからタオル貸して)

宮崎(お願い、リサリサ)



 ゴ シ  ゴ シ  ゴ シ



宮崎(・・・んー、気持ちいい)シュッシュ

宮崎´(メイクは終わりそう?)ゴシゴシ

宮崎(あとちょっと。 ・・・いつもありがとう、リサリサ)チョンチョン

宮崎´(ううん。 わたしのことだから)キュッ キュ

宮崎(ふふ、そっか。 ・・・はい終わり)

宮崎´(服、たたんでるね)



 ゴソ    ゴソ ゴソ …




190 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:22:40.48wUYCblno0 (22/47)




 シ ャ ワ ー ー ー ー ー ー ー ・・・



内「・・・ふー・・・」シャワー…

内母「早く出なさーい、ご飯できるわよー」

内「ふあーい。 ・・・・・・・」ムニャムニャ



 シ ャ ー ー ー ー ー ・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・」



 ── うっちー。 うっちー・・・・・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・んふ」



 ── うっちー、好き。  ・・・好き、大好きっ



内「むふふふふふ」

内(んー、みやちゃん可愛かったー♪)

内(あーもう、なんて充実した朝) ス ッ キ リ 。



  ・・・ ワシャ ワシャ ワシャ ワシャ



内(ほんっと、黒木のおかげだなー)ワシャワシャ



191 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:27:07.81wUYCblno0 (23/47)


内(・・・あいつ、なんでわたしなんか助けたんだろ。 ヘンなの)

内(わたし、あんたたちのこと本気で殺そうとしたのに)

           マジ
内(まああいつも、本気でわたしのこと殺す気だったんだろうけど)

内(・・・なんでそこまでしたやつに、あんなことできるの?)



 ─── 加藤さん、リサーフィスの血を使って



内(殺されそうになったってのに。 殺そうとしてたくせに・・・ ほんと、キモい)



 ─── チ  ュ  ッ  ♡



内(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)シ ャ ー ー ー

内(・・・・・・・・・・・・・・ま、いっか)キ ュ ッ



 シ ャ キ ン ッ



内「・・・・・・・・・・・・・・・」 タ ラ ッ …



 ・・・ ピ チ ャ ッ





                いのち
 黒木、あんたからもらった 血 。

 あんたのために使ってあげる。




192 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:28:26.82wUYCblno0 (24/47)



 シュッ プチ プチン



宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「(・・・・・・・・・・ねえリサリサ、ヘンじゃない?)」クルッ

宮崎´「(うんバッチリ。 ・・・ありがとうね)」

宮崎「(なに?)」

宮崎´「(仲直りしてくれて)」

宮崎「(・・・・・・・・・・・・・・)」



「(仲直りなんかしてない、わたしはリサリサと友達になっただけ)」



宮崎´「(え)」

宮崎「(黒木さんは嫌い、でもあなたのことは好き)」ニ コ ッ

宮崎´「(・・・でも、わたし。 あのとき)」

宮崎「(おあいこだから、もういいよって言ったよ)」

宮崎´「(ありがとう)」

宮崎「(黒木さんには仕返ししてやりたいけどね)」

宮崎´「(ふふ、思いっきりやってあげて)」

宮崎「(・・・前も聞いたけど、ほんとにいいの?)」

宮崎´「(傷つけさえしないなら手伝う)」

宮崎「(本気みたいだね)」
     マ ス タ ー
宮崎´「(黒木さんのことはわたしが一番よく知ってる)」ニッコリ


             マスター
(ほんっとうに最低。 本 体じゃなかったら言うことなんて聞かない)


193 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:29:33.49wUYCblno0 (25/47)


宮崎「(大変そうだねー)」
          マ ス タ ー
宮崎´「(うん。 黒木さんには一回、痛い目みせてやったほうがいい)」

宮崎´「(でないとナメられちゃうよ、そういう人だもの)」

宮崎「(そうなんだ。 ・・・それなら)」・・・ ス ッ



 ス ・・・



宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「(・・・イヤ?)」

宮崎´「(イヤじゃ、ないけど)」
            ・ ・
宮崎「(あなたへの刺激は、黒木さんにも伝わる)」

宮崎´「(うん)」

宮崎「(黒木さんはこういうの、苦手なんでしょ)」 ニ コ 。

宮崎´「(でも、あなたも、『感覚の共鳴』を───)」

宮崎「・・・・・んっ」





 ・・・・・・・・・・・ チ ュ ッ 。










黒木「うおお?!」 ゾ ワ ッ !!





194 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:30:31.95wUYCblno0 (26/47)


宮崎「ん・・・・・・・うっ」

宮崎´「う・・・・・・・うん」




 ・ ・ ・  ド  ク  ン




「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」




 ドクン ドクン ドクン ・・・




 ・・・すごい、なにこれ。

 これが、感覚の共鳴?




黒木「うあは あはあ あへえ」ビクンビクン





 リサリサとわたしの感覚が、つながって・・・

 どこまでもどこまでも、ふくらんでく ─────





黒木「もう もう らめえええええ」ガクガクガクガク

智貴「朝からうるせーっ!」ドンッ!




195 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:34:23.74wUYCblno0 (27/47)


宮崎「・・・・・・・・・・・・」…ドクン

宮崎´「・・・・・・・・・・・」ドクン…

宮崎「(・・・ありがとう。もういいよ)」 ス ッ 。

宮崎´「 perfect synchronization .」

宮崎「(えっ? あなたにしてでもよかったんだ)」
           マ ス タ ー
宮崎´「(うん。・・・黒木さん、めちゃくちゃになってたよ)」ニコッ

宮崎「(ふふっ。 あー、すっとした。 ・・・じゃあね)」

宮崎´「(じゃ、またね)」シ ュ パ ・・・

宮崎「(あ、ちょっとまって)」サッ

宮崎「(え? ・・・携帯?)」

宮崎「(・・・これ)」…スッ

宮崎´「(あの動画・・・)」




[ 消去しますか ]


[ ▷はい ] ピッ!




宮崎´「・・・・・・・・・」

宮崎「(黒木さんの動画も、間違いなく消すように言ってね)」

宮崎´「(・・・うん。 ありがとう)」

宮崎「(消さなかったらもう一度やるって言っておいて)」

宮崎´「(ふふふふふ)」




196 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:36:53.45wUYCblno0 (28/47)


宮崎「(・・・それじゃまたね、リサリサ)」

宮崎「(またね、わたし)」 シ ュ パ ッ



 ・・・  コ  ロ  ン  。



宮崎「(・・・人形になっちゃった)」ヒ ョ イ

内母「みやちゃーん、ご飯よー」

宮崎「はーい(・・・・・・・・・・・・・・ああ、もう)」



こんなの、普通じゃない。 うっちーも黒木さんも。

それに、わたしも。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ガチャリ  バタン



あーあ、普通じゃなくなっちゃったなあ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに。



 ・・・ トッ トッ トッ ト



それなのに・・・  あーもう、なんでわたしってば。

こんなにドキドキしちゃってるんだろ、もう。



 トッ トッ トッ ・・・



197 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:37:56.41wUYCblno0 (29/47)


【原幕高 体育館】



    ワー    ワー ワー   ワー

  …ダダダダッ  バン バン バン



内「・・・・・・・・・・・・・・」ボソボソ

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ヒソヒソ




 ワー ワー…     ヤッター ドンマーイ

 モウ イッ ポン !  モウ イッ ポン !




黒木「(・・・・・・・・・・・・・・わたしはあの子)」ヒソヒソ

内「(・・・・・・・わたしは向こうの子)」ボソボソ

黒木「(あいつ? ガリガリだろ)」

内「(それがいいんじゃん、見なよあのすらっとのびたほっそい足首、絶品でしょ)」

黒木「(わかってねーな)」

内「(わかんないのはそっちでしょ、あーそそられる)」ジュルリ

黒木「(ジャージをぱっつんぱっつんにする張りのいい尻のよさがわからんのか)」

内「(わかるわけないでしょ。 あーキモい)」





根元「・・・・・・・・・・・・・・」

ナツ「・・・・・・・・・・・・・・」




198 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:39:47.60wUYCblno0 (30/47)


内「(肉が好きなら大人でいーじゃん)」

黒木「(子供が大人の身体をもてあますのがいいんだ)」

内「(あのきゃしゃな体を愛でられるのは今のうちだけなのに)」




根元(すごい内さん、クロのオヤジトークについていってる)ドンビキー

ナツ(すごい黒木さん、うっちーのセクハラトークについていってる)ドンビキー




黒木「(レズでロリコンなんて最悪だなお前)」

内「(あんたに言われるとは思わなかったよオッサン)」

黒木「(だれがおっさんだおら)」

内「(あんた下の毛もオッサンでしょ)」

黒木「て、てめーだってチョビヒゲだったろーが!」

内「ああん?! 言うなって言ったろキモい!!」




根元(なんだかんだ似た者どうしなんだね、あのふたり)

ナツ(・・・まあ、うっちーが楽しそうだからいっか)






吉田「・・・ったくあいつらは」カーッ///

宮崎「   」ピクピク

田村「・・・・・・・・・・・・・・」ムスッ




199 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:41:19.15wUYCblno0 (31/47)




  ワー  ワーワー

 ドンマーイ モウイッポン…



内「(いい具合にみんな汗かいてきたね、うなじを流れる汗が素敵)」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・おい、絵文字」

内「そうやって呼ぶなって言ってるでしょ」

黒木「いいかげんに降りろ」

内「ちょうどいいんだもん、あんたの頭」

黒木「首が折れる」

内「折ってやる」グリグリ
         うつ
黒木「(レズが伝染る)」
    うつ
内「(伝染してやる)」ゴリゴリ



… スタ スタ スタ



黒木「あっ」ブンッ

内「うわあ」ドテッ!

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ

黒木「か、加藤さん」テレテレ

内「あたた・・・」

加藤「ふふっ、仲がいいね」

内黒木「「いや全然」」

加藤「・・・・・・・ふふふ、息ぴったり」




200 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:42:50.77wUYCblno0 (32/47)


黒木「そ、そんな。 そんなこと」テレテレ

内(鼻の下伸ばしてる。ちょーキモい)キリキリキリ

加藤「ところで、黒木さん」…スッ

黒木「(あ、はいっ)」ソッ



  ・・・ ヒソ ヒソヒソ ・・・



加藤(今日は特訓、する?)ヒソヒソ

黒木(きょ、きょうは、ちょっと、その・・・)ゾクッ

加藤(都合悪いの?)ヒソヒソヒソ…

黒木(きょうは・・・ その、たむらさんと・・・)ゾクゾクゾク

内(耳に吐息かけられて身もだえしてる。 めちゃくちゃキモい)ギリギリギリ

黒木(よ、よしださんもいっしょで・・・)アヘアヘ

加藤(・・・そうなんだ、残念)…スッ



 … ス ッ ク 。



加藤「じゃ、今度ね。 黒木さん」

黒木「ひゃ、ひゃい」アヘアヘアヘ

内「ったく、黒木は加藤には弱いんだから」

加藤「ふふ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 スタ スタ スタ …





201 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:45:08.70wUYCblno0 (33/47)



 キーン コーン カーン

  キーン コーン ・・・




根元「あーちゃん、おつかれさま」

岡田「・・・・・・・ふう。 疲れた」




 スタ スタ スタ …




根元「あ」

岡田「ああ、明日香」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ

岡田「・・・明日香?」

加藤「・・・・・・・ごめんなさい」スタスタスタ

岡田「お、おい」

加藤「急いでるから・・・・・・・」スタスタスタ



 スタスタスタスタスタ…



岡田「どうしちまったんだ、あいつ」

根元「・・・・・・・・・・・・・・・」



202 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:45:53.11wUYCblno0 (34/47)




 … コツ コツ コツ コツ




加藤「・・・・・・・・・・・・・・」




 コツ コツ コツ コツ …




加藤「・・・・・・・ここ」 コ ツ ッ 。




  シ  ー  ン   ・・・




加藤(北校舎と南校舎のさかい・・・ 渡り廊下)

加藤(宮崎さんはここから、わたしたちのことを撮っていた)




 ・・・ ザ    ザ ザ ・・・




加藤(あの立派な木が、なかばまで炭化してしまっている)

加藤(黒木さんはなんてものを作ったんだろう)




 ───── ネットで調べた。 案外簡単に出来たよ




203 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:47:44.92wUYCblno0 (35/47)


加藤(できるからって普通は作ろうなんて思わない)

加藤(まして、人間に向かって投げるなんて。   ・・・・・・・・・・・)




 ───── これだけ作っていったい何に使うつもりだったんだよ

 ─────                              ・・・




加藤(まさか、とは思った。 そんなわけないって。 でも、もしやとも思った・・・)

加藤(・・・わたし、なんてことを考えてしまったんだろう)



 ・・・ シ ュ ル ッ



加藤(でもはっきりわかった。 確信した)

加藤(吉田さんに訊かれたときの黒木さんの顔を見て────)




              ・  ・  ・ ・  ・  ・  ・  ・ ・
 ─── 加藤さん! ス タ ン ド 引 っ こ め て ーーーーーーーー!!!



                 にんぎょう
 黒木さん、あなたは、あの 爆  弾 を。








 わ た し に 使 う た め に 作 っ た 。




204 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:48:59.38wUYCblno0 (36/47)

    ラブ・デラックス   メ タ リ カ
加藤( わ た し  と 内 さ ん は、よく似てる)

加藤(どっちも自分の肉体を媒体とする能力。 だけれど・・・)



  シ ュ ル ッ 。



加藤(内さんは体内の鉄分を使って物体を作る。 爪や角みたいなもの)

加藤(でもわたしは、スタンドそのものを髪の毛にとりつかせて出している)



 シュル シュル シュル



加藤(だからスタンドを出してる最中に髪を切られれば、本体に傷を負う)

加藤(100本や200本じゃ、ダメージにはならないけれど)



 ──── ボ ボ ボ ボ ボ ッ



加藤(生木さえ焼きこがす炎を、広範囲にまき散らす爆弾)
                ラブ・デラックス
加藤(目前で使われたって、わ た し には炎を防ぐ手段なんて無い)

加藤(ましてあのときみたいに、山中に髪をはりめぐらせたときに使われたら)




 ──── バ オ オ オ オ オ オ ッ


 ──── うあ ああ あああっ




・・・・・・ ゾ ク ッ 。



205 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:50:57.73wUYCblno0 (37/47)


 黒木さん、あなたはとても弱い人。 痛みにも怖さにも耐えられない人。

 そして、あなたは感受性豊かな人。 人の痛みを自分の痛みと感じる人。

 だからあなたは自分を守るように親しい人を守る。



───── ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ治すから・・・

───── 加藤さんがやられるかもって、思ったんだ。



 命がけで吉田さんを背負ったように。 内さんに血を分け与えたように。

 ・・・必要があれば人をだますことも、殺すことでさえできる。

 たとえ相手が親しい相手その人であってでも。



 ───── くらってくたばれ!

 ───── 目には目を、歯には歯をだ



 だからあなたは内さんを殺そうとした。 そして、内さんを助けた。

 あなたは親しい人でも殺せる人。 殺せる人とでも親しくなれる人・・・



 ───── きれーな火がともってやがる!

 ───── バースデーケーキのキャンドルみたいになァ!



 ほんとうに、きれいだった。 火にまかれて踊り狂う内さん。

 黒木さん、あなたは・・・・・・・・・・・・・・



 わたしのことも、あんなにきれいにしてくれるつもりだったのかな?




206 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:53:24.73wUYCblno0 (38/47)



 黒木さん。 あのときのあなたの眼。 大きくてまっ黒い、すいこまれそうなあの瞳。



        ヒ  ャ  ァ  ァ  ア  ア ー ー ー ー ー ー ッ !
 ──── H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y !




 荒れ狂う炎が映ってて、まるでまっ黒い炎が燃えさかってるようだった・・・




 ──── さ ァ ァ ァ い こ う だ ァ ァ ア ァ ー !!




 あなたは親しい人を守るためなら、どんなことだってできる。

 自分の身を投げ出すことも。 人をだますことも、殺すことも。

 いざとなれば、その親しい人自身でさえも迷わずに。



        あ ひ ゃ ア !  あ ひ イ ィ  !  あ ヒ ッ !
 ──── A H Y Y Y !  A H Y Y Y  !  A H Y  !

        う ひ ょ オ  ー ー ー ー ー ー ッ !!
 ──── W H O O O O O H H H H H H!!




 きっとそれは、あなたが教えてくれたあの言葉。 そう ────────






  しっこく   い し
  漆 黒 の 意 志 。




207 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:55:17.19wUYCblno0 (39/47)


 黒木さん。 ああ、黒木さん。

 ずるくて怖い黒木さん。 臆病で残酷な黒木さん。


 あなたってほんとうに、ほんとうに素敵。

 あなたならきっと、わたしのこと、わかって・・・



 ─── あんたなら、わたしのこと、わかってくれるかもしれないって。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ─── 前からあんたのことは気に入らなかったんだ!



 奇遇だね、内さん。



 … コ ツ ッ 。



 わ  た  し  も  だ  よ  。



  コツ  コツ  コツ



 ─── ちょうどいいんだもん、あんたの頭。



 ・・・内さん。 あなたはなぜ、あんなにも黒木さんのそばにいるの?

 なぜあなたはあっというまに黒木さんのそばにいってしまったの?



208 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 21:58:59.60wUYCblno0 (40/47)


 ・・・田村さんや根元さんなら、仕方ないと思える。

 ふたりはずっと黒木さんのそばにいたんだから。

 でもあなたは、遠巻きに眺めていただけだったのに。




──── すう。 すう、すう・・・

──── スーハースーハースーハースーハー




 なぜ黒木さんは、あなたに肩を許したの? 気にもかけていなかったの?

 あの黒木さんが。 とても繊細で人見知りの黒木さんが。




───── 今・・・ すぐ ふくんで あわわわ




 わたしだって・・・ わたしだって黒木さんに、そうしてもらいたいのに。

 何も気にしないで、お付き合いしてほしいのに・・・・・・・




───── チ ュ ッ ♡




 あ な た み た い に し て ほ し い の に !!




 ・・・ ザ ワ ッ




209 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:00:11.03wUYCblno0 (41/47)



 憎い、ああ、憎い。

 内さん、あなたが憎い。



  ザワ  ザワ  ザワ



 あなたなんて、いなくなってほしい。

 あなたがいる場所を奪い取ってやりたい。



  ザワ ザワ ザワ ザワ …



 憎い。 憎い。

 憎い憎い憎い。



  ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ

  ぞわぞわぞわぞわぞわぞわ



 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い




  お   ぞ   っ   。




 ───── 殺 し て や る 。




210 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:01:43.04wUYCblno0 (42/47)




・・・・・・・・・・・・・・ふふふ




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




あいつ、あんな顔もできるんだ。 おもしろーい。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フ ォ ン 。




いつものすました顔よりよっぽど似合ってるよ。

ふふふふふっ、おもしろくなってきたー♪




 ・・・・・・・・・・・・・・ フ ォ ン

 フ ォ ン ・・・・・・・・・・・・・・




まだちょっと物足りないけど・・・ もうちょっとのしんぼうかな?

やれ! やっちゃえ!




 フォン  フォン  フォン  フォン

  フォン  フォン  フォン  フォン







 み ん な ケ ン カ す れ ば い い ん だ ! !







                                              /|_________ _ _
                                             〈  To BE CONTINUED…//// |
                                              \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄




211 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:03:13.56wUYCblno0 (43/47)


※おまけ※


\カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:リサーフィス(resurface)
┃本体名:黒木智子
┃破壊力-D スピード-D 射程距離-D 射程距離-D 精密動作性-D 成長性-B


┃人形ほか人の形をしたものに憑依して記憶にある人間の姿に変身・実体化するスタンド。
┃変身した人形は相手と全く同じ身体・精神を持つが、肉体の性質は基になった人形の性質に準ずる。
┃金属製の人形であれば硬質の肉体となり、機材を仕込んでおくと変身後も使用可能。

┃変身中のスタンドは変身相手とある程度意志や感覚を共有している。
┃また変身中はスタンドの感覚が変身対象へも多少フィードバックされる。
┃その感覚が一定以上強まると対象者との間で「感覚の共鳴」が生じ、
┃互いの感覚に受けた刺激を互いに大きく増幅して感じ取ってしまう。

┃なお人形にとりつかせずに直接出すことも可能だが、スタンドパワーをかなり消費する。
┃スタンドの能力も一般人よりなお劣る程度にしかない。
┃ただその状態から人形に憑依することは可能。

┃(続く)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



212 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:05:12.46wUYCblno0 (44/47)


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃(続き)

┃リサーフィスは本体である黒木智子が知っている人間であれば誰にでも変身できる。
┃ただしその精度は本体がもつ情報量に依存し、情報量が少ないとコピーの精度・
┃変身後の能力などが低下する。
┃完全に同期を果たすためには親愛の情と直接的な肉体の接触が必要不可欠で、
┃もっとも同調率を高めるのは暴力的・性的な刺激である。
┃また相手が心を開いている状態であればあるほど同調率の上昇も早くなる。

┃なお一見自立型のスタンドに見えるが、リサーフィス自身は一切の自我を持っていない。
┃彼女自身の思考に見えるものはすべて本体である黒木智子の思考の断片である。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



213 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:07:59.66wUYCblno0 (45/47)


\カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:クレイジープリンセス(crazy princess)
┃本体名:吉田茉咲
┃破壊力 - A スピード - A 射程距離 - D 持続力 - C 精密動作性 - A 成長性 - A

┃筋骨隆々とした堂々たる体躯の女性の姿をした近距離パワー型スタンド。
┃圧倒的なパワーとスピードを誇り、またスタンドの五感もきわめて鋭敏。
┃視覚聴覚はもちろん「気配」と呼ばれる微弱な生体電波をとらえる感覚も鋭い。

┃ただしその能力は自身の精神状態に大きく左右される。
┃わずかでも傷つけたくないと思っている相手には攻撃力が極端に低下し
┃全力で殴っても大きな衝撃を与えるにとどまってしまう。

┃またスタンド自体の防御力も高いほうではなく、それでも大きな衝撃などには耐えられるが
┃触るだけでも危険なような攻撃だとダメージは免れない。
┃そのような攻撃にはいかに本体の精神を集中して回避するかが重要になる。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




\カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:ラブ・デラックス -ノー・オルディナリー - (love deluxe -No Ordinary-)
┃本体名:加藤明日香
┃破壊力 - E スピード - C 射程距離 - B 持続力 - A 精密動作性 - A 成長性 - D

┃自身の髪の毛に憑依して実体化するスタンド。
┃パワーはないが精密性に優れ、1本単位から微細に正確に動かすことが可能。
┃髪は優れた触覚で先端の状況を把握でき、スタンドの言語を伝達させることもできる。

┃またスタンドを実体化させた髪はすぐれた張力と強度を持つようになる。
┃さらに切られてしまってもあるていどなら再生させることも可能。
┃それでもあまりに大きい力・鋭い刃・高い温度には耐えられないし
┃切断されれば当然本体のダメージにもなる。

┃攻撃方法は相手の皮膚感覚を刺激して痛みを与えたり混乱させたりするのが主で
┃締めあげるといった直接攻撃を行えるほどのパワーはない。
┃速度もそれほど速くはないので動きの速すぎる相手をとらえるのは苦手。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



214 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:10:22.29wUYCblno0 (46/47)


\カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:メタリカ・セルフディストラクト(Metallica ・self-destruct・)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - E(B) スピード - E(A) 射程距離 - E(C) 持続力 - C(E) 精密動作性 - D(B) 成長性 - C
┃※スタンド自体の数値、()内は能力を使用した場合の数値

┃本体の体内全体に分布する蛆虫状のスタンド。
┃本体の血中に含まれる鉄分を核としてスタンドパワーを結晶・実体化し、体内から発生させる能力を持つ。
┃これにより生じた物質はスタンドと物質両方の性質を持つ。
┃なので一般人含めた通常の物質でも視認や接触などが可能で、敵スタンドに触れる・傷を負わせることも可能。
┃また一般的なスタンド同様、物質に干渉するかしないか任意で選べるため、
┃アヌビス神と同じように物体を通り抜けてその向こう側を攻撃してしまうこともできる。

┃.攻撃手段としては刃を生じさせ振り回す、弾丸や槍を作り出し遠距離攻撃するなど。
┃.また防御手段も豊富で、鉄分で装甲や盾をつくりだして攻撃を防いだり
┃.メタリカと同様全身に鉄粉をまとい姿を消すこともできる。
┃.この微細な鉄粉は光を屈折させ光学迷彩のように全方位への迷彩として機能する。
┃.また音も吸収し「気配」と呼ばれる微弱な生体電波、さらに自身のスタンドパワーまでも完全に遮断してしまえる。
┃逆に自分の体内から針状にアンテナを伸ばし他者の気配やスタンドパワーを探知することも可能。

┃.さらに本体に接近・接触しようとする物体・スタンドに対しては、体内から刃が飛び出し反撃を行う。.
┃.これはスタンドを出している限り完全自動で発生し本体が眠っていようと気絶していようと発動する。
┃.ただあまりに微小な物質や熱や電気といったエネルギーには反応しない。

┃(続く)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



215 ◆HWAyM/47A/f92019/01/31(木) 22:15:15.52wUYCblno0 (47/47)


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃(続き)

┃.以上の能力は、全身のどこからでも発生させることができる。
┃.さらに体内全体に存在するスタンドは本体の肉体にスタンドパワーを及ぼし、
┃.近距離パワー型のスタンドと格闘できるだけの超人的な能力を与える。
┃また小さい・きれいな傷であればスタンドを用いて塞いでしまうこともできる。
┃(体内から生じた刃は体を突き破って出てくるが、この能力で傷をふさいでいる)
┃これらの能力はすべて接触していれば他者に使うことも可能。

┃.ただし自分の血中の鉄分を使っている上に.スタンドで作り出した物質からは鉄分がどんどん分離していく。
┃しかもこのスタンドは体内に発現しているだけで鉄分をどんどん消費してしまい
┃鉄分が少なくなってくると本体の赤血球や肝臓などを破壊して鉄分を食いつくすため
┃無理に使用しているとあっという間に重度の鉄分欠乏症を引き起こす。
┃.もちろん体内の鉄分が不足していると上記の能力はすべて使えなくなってしまう。
┃またスタンドとはいえ実体の鉄分を核としているため、通常の電気が通電してしまったり
┃熱や磁力の影響を受ける、レーダーに探知されてしまったりするといった弱点もある。


┃本体の自己に向けられた嫌悪と憎悪、さらにそこから生じた「すべてを消して私自身も消えてしまいたい」
┃という自身含めたあらゆるものへと向かう破壊衝動が具象化したスタンド。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



216以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/01(金) 19:55:51.48SRGDyYQV0 (1/1)

サバイバー似合いすぎワロス
けどあれ自衛できないよなあ<●><●>


217 ◆HWAyM/47A/f92019/02/01(金) 20:23:52.843tGpbTpX0 (1/1)

半分当たり
ヒントは効果音