521以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/14(木) 21:13:51.46+3ARMveDO (2/2)

はい


522以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/14(木) 21:14:29.12G8VidEZQ0 (2/2)

ほい


523 ◆C9vIqtyVF22019/02/14(木) 21:15:29.79KGbzXqoYO (6/6)

※共闘ルート確定

やや早いですが今日はここまで。


524 ◆C9vIqtyVF22019/02/15(金) 15:01:12.76V+5K243IO (1/1)

スマホが震えた。非通知……これは。

「もしもし」

『藤原だ』

高い少年の声が聞こえる。……今日の件を受けてのものか。

「鶴岡光輝なら、独房で発狂中だ。取り調べはできてない」

『だろうね。……それより、協力願いたい。佐倉の居場所が判明した』

隣の神原が「何だと」と短く言った。

「どこだ。どうして分かった」

『群馬県水上市の一ノ倉沢。鶴岡和人が意識を取り戻した。彼から聞いた』

一ノ倉沢?聞いたことがない。

「信用が置ける情報なのか?」

『鶴岡和人は瀕死だ。ここで嘘をつく意味がない。場所はあらあらだが見当がついている。
問題は、人手だ。僕らでは足りない。あなたの力が必要だ』

「……佐倉を討ちたい気持ちはある。ただ、俺は刑事だ。理由なしにそっちの話には乗れない」

そう、ここから先は法的根拠が要る。捜査令状か、逮捕状か。佐倉はあくまで客観的には疑わしい人物止まりで、そうした対象にはまだなってない。
そうである以上、俺は藤原たちバッドエンド・ブレイカーのように、自由には動けない。刑事を辞めるつもりなら、話は別だが。

『だろうね。僕も『刑事』だったからそれは分かる。ただ、僕らだけで佐倉は殺せそうもないんだ』

「佐倉を殺すか否かはさておき、賢明な判断だな。向こうには鶴岡の次兄や父親がいる。もちろん、佐倉とあのお付きの男も。
アイスキャンディ、それも新型を服用した相手とやるなら、3倍の人手は欲しい。お前らは少人数だ、違うか」

『……白兵戦で計算できるのは、僕含め3人だけだ。突っ込むのは、現状じゃ自殺行為だ』

「……つまり、佐倉を捜査する正当な理由を探せと」

『話が早い。それが整い次第、一ノ倉沢に行く』

佐倉を捜査する理由、か。薬物取締法が真っ先に思い浮かぶ。しかし、隠されてしまえばそれまでだ。しかも、尿検査でアイスキャンディは検出されにくい。
荒川のホームレスの殺人?しかし、手掛かりが少なすぎる。そうなると……

※コンマ下30以上で条件提示


525以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/15(金) 15:01:56.274I/uM3140 (1/1)

ほい


526 ◆C9vIqtyVF22019/02/15(金) 19:52:58.27ZBiazPlbO (1/1)

※現時点で強襲は不可

そうなると、向こうから尻尾を出してくれるのを待つしかないか。
坂元組の襲撃が佐倉の指示によるものと光輝がゲロるか、あるいは大和が何かして佐倉の存在が明確になるか……その辺りが濃厚だろう。
城らに対する未成年者略取容疑もあり得るが……被疑者が未成年では立件できない。

勿論、アイスキャンディ関連の捜査が進展すれば話は早いのだが。すぐに解決とは、行かないかもしれない。

「……了解した。こちらも色々探ってみる」

※コンマ下35以上で追加イベント


527以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/15(金) 19:55:35.94PocZQOHDO (1/1)

はい


528 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 06:25:48.53RJOWBs2sO (1/4)

「ちょっと代わって下さい」

神原が俺を突ついた。

「知り合いか?」

「というか、昔の部下ですよ。バッドエンド・ブレイカーには、勧誘を受けたこともある」

スマホを渡す。ギネスをもう一口飲んでから、神原が話し始めた。

「奇遇だね、藤原君」

『……!!神原『刑事部長』……何故あなたが、毛利刑事と』

「成り行きだよ。こんな形で繋がるとは、思ってなかった。すまないね、君らに協力したいのは山々だが」

『兵藤左近、ですね。分かってます。……彼がもう少し融通の利く人間なら』

「それは言いっこなしだ。あの人はあの人で、優秀なのは間違いないんだ。
あの時やらかして退職してなければ、本庄の件も何とかなったかもしれない。
とりあえず今は、少々時間が作れる。左近さんが、鶴岡光輝の事件で手一杯だから、側面支援程度はできるはずだ」

『助かります』

微笑を浮かべながら神原が頷いた。妙に貫禄がある。

「差し当たっては鶴岡光輝の取り調べだな。情報はそちらにも送る。奴が取り調べできる状況になるのがいつかは知らないが。
それと、左近さんは僕が押さえておく。彼がこのことを知ったら、君らを逮捕し佐倉を守ろうとしかねないから」

『面倒ですね。お任せしていいですか』

「もちろん。毛利刑事とは提携していくよ。まあ、平日は簡単に動けないから、休日に一度君らとも会っておきたいが」

『……土曜に横浜に行くんですが、そこでどうです。毛利刑事も来るでしょうし、城隆一郎もいます』

神原がえっと声をあげた。兵藤にはそこまでは確か伝えていない。

「城隆一郎?あれは君らのターゲットじゃ」

『彼は今、こちらの協力者です。その経緯は毛利刑事から聞いてください。
差し当たっては、彼にも言いましたが佐倉を追える法的な理由を作ることですね』

「そうなるな。まあ、また追って連絡する」

電話を切ると、神原はふうと息をついた。

「『刑事部長』か。確かに20年後ならそのぐらいの年齢だな。しかし、兵藤とは折り合いが悪いのか」

「いえ、そういうわけでは。ただ、犯罪者には『平等に』厳しいんですよ。
あなたがアイスキャンディの件をバッドエンド・ブレイカーより優先するのは許しても、目の前にいる犯罪者を見過ごすという選択までは許さない」

なるほど、そういうことなら東京拘置所での対応は説明がつく。
バッドエンド・ブレイカーが佐倉を殺そうとするなら、それを止めようともするだろう。無論、佐倉の逮捕は前提としてだが。

「ややこしい男だな」

「そこが魅力でもあるんですけどね。……本庄の件は?」

「解決したよ。今、あいつは祖国だったな……」

ゾクッと悪寒が駆け抜けた。本庄はいつ戻ってくる?

※コンマ下
01~15 不明(帰国済み可能性あり)
16~25 1週間後
26~50 2週間後
51~00 1ヵ月以上は帰ってこない


529以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 07:26:14.68i3TpfhS80 (1/1)

はい


530 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 08:06:08.38RJOWBs2sO (2/4)

本庄のブログに戻るのは8月以降とあったのを思い出した。すぐに合流ということはないのに気付き、俺は安堵した。
最悪なのが、N国の工作員まで佐倉に合流することだ。そうなると手の打ちようがなくなる。
逆に言えば、8月になるまでに佐倉を何とかしないといけないのだが。

「どうしました?」

「いや、何でもない。本庄は俺に任せてくれ」

「あなたに、ですか?」

「ああ。いい手段がある」

#

※1100まで神原に話す話題を募集します。何もなければジョーパートへ視点転換です。
※何もなくても話は進みます。


531 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 11:35:58.02RJOWBs2sO (3/4)

【6月28日、23時24分】


「……ふう」

僕はシャーペンを机に置いた。期末テストはもうすぐだ。
勉強は遅れに遅れていた。あまりに色々なことがあり過ぎたし、やる気自体も失われていた。
寿命が残り1年と知らされて、未来のために勉強しようと思う人間がいたら見てみたい。

だが、今の僕にはわずかな希望が生まれていた。ヤクとどれだけ生きられるかは分からない。
でも、そのためには最低限やるべきことはしなければ。勉強も、その一つだ。

スマホには、毛利刑事からのメッセージがあった。翔一の居場所が分かったのだという。
土曜のヤクの記録会の時に、彼とは会うことになりそうだ。……あの湖南も来るのだろうか。

試験範囲は数学はカバーできた。あとは、社会と理科。時計を見ると、30分強で日付が変わろうとしている。

……あの女が、あと少しで帰ってくる。

その時、スマホが鳴った。

※コンマ下
01~15 仁から
11~30 赤木から(再判定)
31~90 赤木から(判定なし)
91~00 寿美子から


532 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 11:46:43.73RJOWBs2sO (4/4)

※コンマ範囲を修正します。

※コンマ下
01~15 仁から
16~30 赤木から(再判定)
31~90 赤木から(判定なし)
91~00 寿美子から


533以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 12:50:04.85rSvPdTiQ0 (1/1)




534 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 15:17:39.42mcBGR1tVO (1/5)

『赤木だ、夜遅くすまんな。寝てたか』

「いえ、勉強をしていたところです。どうしました」

『いや、単にお前さんの母親がこれからそちらに行くというだけの話だ。着替えやらはお前が持ってるのか』

「ええ、一応」

『そうか、なら30分強で着くだろ。概略はまだ話してないが、今日の襲撃がお前と英華ちゃん狙いと聞いたら一応ホテル行きに同意した。
あとは、お前さんの家族の問題だ。民事不介入っていうしな』

あの女と正面から話すのは、いつぶりだろうか。何を、どの程度話すべきなんだろう。

「……分かりました。夜遅くまでお疲れ様です」

『おう』

電話が切れ、僕は天井を見た。勉強に戻ろうかと思ったけど、気力は失せてしまっていた。

※コンマ下70以上で追加イベント


535以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 15:19:27.20lbyDW5aV0 (1/1)




536 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 15:30:00.97mcBGR1tVO (2/5)

【6月29日、0時03分】


カシャッと部屋の入口から音が聞こえた。鍵を開ける音だ。
そして、幽鬼のような長い髪の女が入ってくる。何を言うべきか、僕は言葉を探した。ごめんなさい、なのか。おかえりなさい、なのか。どちらもしっくり来ない気がした。

※コンマ下
01~30 ガシッ
31~50 ……何やったのよ、あんた
51~75 無視
76~95 お父さんが生きてたら、何と言ったかしらね
96~00 ……ごめんなさいね


537以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 15:31:48.62qNhFHG68O (1/1)

はい


538 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 15:49:38.48mcBGR1tVO (3/5)

母親は、まるで僕がいないかのように、無言でバッグを漁り始めた。

「……無視かよ」

返ってくる言葉はない。胸の底から、熱いものがこみ上がってくる。この女には、親子の情はないのか。

「何か言ったらどうなんだよ」

「……あんたが私の仕事の支障にならなきゃ、それでいい。それ以上でもそれ以下でもない」

※コンマ下40以下でキレる


539以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 15:54:50.46kQpQovgDO (1/4)

はい


540 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 16:06:43.28mcBGR1tVO (4/5)

僕は沸き上がる怒りを、ぎゅっと押さえ込んだ。こんな女、親とは思わない。思う自分が阿呆なのだ。
ここで殴り付けても、この女の自分一人だけ生きていければいいという発想は、何一つ変わらないだろう。


それならそれでいい。むしろ、好都合だ。


赤木刑事は、アイスキャンディのことや僕が犯した殺人については言わないでいてくれたようだった。
僕は心底感謝した。知っていれば、この女はこんな対応を取らなかっただろうから。
詰まるところ、いつも通りでいい。それならそれで、望むところだ。

それでも問題は2つある。まず、この女とごく短時間でも1日のうち同じ空間で同じ空気を吸わねばならないこと。
そして、この女がいると……ヤクとの時間が取りにくいことだ。

いつの間にか、彼女はバスルームに消えていた。赤木刑事か誰かに、部屋を3部屋に増やすよう頼んでみようか。僕はそう考えていた。


541 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 16:10:40.65mcBGR1tVO (5/5)

※視点転換です。

1 ジョー視点(R15表現あり?大和登場判定が主)
2 コナン(アユ)視点(鶴岡死亡判定が主)
3 仁視点(捜査パートが主)

※3票先取
※2130以降の更新です


542以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 16:20:37.42l3wTc1rE0 (1/1)

1


543 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 17:43:41.04GnLJRgjTO (1/11)

上げます。


544以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 17:56:39.71kQpQovgDO (2/4)

1


545以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 18:46:26.00YgaVzEDDO (1/3)

1


546 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:06:58.07GnLJRgjTO (2/11)

【6月29日、7時04分】


「そうか、寿美子さん、そんな感じだったか」

豊かな髭を軽く撫でて、ヤクのお父さんが溜め息をついた。
ヤクがバイキングから戻ってきた。トレイにはソーセージやベーコンがどっさり盛られている。

「……随分と食べるんだね」

「明日記録会だからね。ある程度食べてエネルギーを蓄えておかないと。
最近トレーニング不足だったから、正直不安なんだ」

ヤクのお父さんがふふっと笑う。

「まあ、今回は記録は構わんよ。英華が無事なのが一番だ。
……子に抱く親の想いまで失ってしまったか、壊れてしまったのかな」

「父が死んで、仕事だけが自分の存在意義になってしまったんでしょう。
……所詮宮仕えなのに」

「隆一郎君も大変だね。ただ、お母さんの仕事は社会で大きな意味を持っている。
あまり悪く言うものではないよ」

「そうでしょうか……。おじさんみたいに、美味しいもの作る仕事の方が、よほど意味がある気がしますが」

「飲食業も大変だよ?安定しないし、競争は激しい。
シェフと経営者としての二足のわらじを履かなきゃいけないしね」

ヤクのご両親はフィリピン料理店の経営をしている。
夜はパブになるタイプのお店らしいが、料理の質の高さからネットでも非常に高い評価を得ている、らしい。
僕はお昼の時しか行ったことがないのだけど。

「二人とも真面目な話してるネ。色々あるのは分かるケド、気楽に行こうヨ」

ヤクのお母さんが牛乳を飲みながら笑った。
うちの母親にも、この10分の1の明るさがあれば違ったのだろうか。

#

通学路が違うと混み具合も違う。埼京線で池袋まで出て、そこから地下鉄の副都心線へ。
東横線との直通で学園大学駅というルートだ。始発から乗れるこれまでとは、通学の苦痛が3倍ぐらい多い。

「ジョー、これちょっときついね」

「……だね。来週初めぐらいまでの我慢、かな」

埼京線の混雑率が高いのは知ってたけど、こんなに酷いとは思わなかった。
身動きがほとんど取れない。……ただ、和人のお兄さんがこの中から僕らを見つけるのは、至難の業だろう。

※03未満で???



547 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:08:17.53GnLJRgjTO (3/11)

【6月29日、7時04分】


「そうか、寿美子さん、そんな感じだったか」

豊かな髭を軽く撫でて、ヤクのお父さんが溜め息をついた。
ヤクがバイキングから戻ってきた。トレイにはソーセージやベーコンがどっさり盛られている。

「……随分と食べるんだね」

「明日記録会だからね。ある程度食べてエネルギーを蓄えておかないと。
最近トレーニング不足だったから、正直不安なんだ」

ヤクのお父さんがふふっと笑う。

「まあ、今回は記録は構わんよ。英華が無事なのが一番だ。
……子に抱く親の想いまで失ってしまったか、壊れてしまったのかな」

「父が死んで、仕事だけが自分の存在意義になってしまったんでしょう。
……所詮宮仕えなのに」

「隆一郎君も大変だね。ただ、お母さんの仕事は社会で大きな意味を持っている。
あまり悪く言うものではないよ」

「そうでしょうか……。おじさんみたいに、美味しいもの作る仕事の方が、よほど意味がある気がしますが」

「飲食業も大変だよ?安定しないし、競争は激しい。
シェフと経営者としての二足のわらじを履かなきゃいけないしね」

ヤクのご両親はフィリピン料理店の経営をしている。
夜はパブになるタイプのお店らしいが、料理の質の高さからネットでも非常に高い評価を得ている、らしい。
僕はお昼の時しか行ったことがないのだけど。

「二人とも真面目な話してるネ。色々あるのは分かるケド、気楽に行こうヨ」

ヤクのお母さんが牛乳を飲みながら笑った。
うちの母親にも、この10分の1の明るさがあれば違ったのだろうか。

#

通学路が違うと混み具合も違う。埼京線で池袋まで出て、そこから地下鉄の副都心線へ。
東横線との直通で学園大学駅というルートだ。始発から乗れるこれまでとは、通学の苦痛が3倍ぐらい多い。

「ジョー、これちょっときついね」

「……だね。来週初めぐらいまでの我慢、かな」

埼京線の混雑率が高いのは知ってたけど、こんなに酷いとは思わなかった。
身動きがほとんど取れない。……ただ、和人のお兄さんがこの中から僕らを見つけるのは、至難の業だろう。

※03未満で???



548以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 22:10:15.03YgaVzEDDO (2/3)

はい


549 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:12:43.47GnLJRgjTO (4/11)

多重投稿失礼しました。


550 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:23:01.94GnLJRgjTO (5/11)

【6月29日、15時13分】


その日の授業は何事もなく終わった。ヤクは明日の記録会のために、今日はこっちで少し練習するという。
僕は帰宅部なので、それまで図書館で勉強だ。

今の所、認知症の再発は起きてない。
ただ、鷹山先生の口ぶりからすれば、何日かに一回はヤクとセックスしないといけないらしい。
……ここ数日は、色々なことがあり過ぎた。するとしたら、今日だろうけど。

アイスキャンディの副作用を抑えるには、ヤクの体質が重要だという。
それは毛利刑事も湖南も、似たようなことを言っていた。

しかし、僕の都合で彼女を振り回していいのだろうか。
明日、彼女は記録会だ。僕が彼女を抱いたら、彼女の競技の差し障りになる。
僕は深い溜め息をついて、社会の参考書を読んだ。……あまり頭に入ってこない。

※15以下でメッセージが届く


551以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 22:23:42.91dz/m586R0 (1/2)




552 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:35:07.19GnLJRgjTO (6/11)

【6月29日、17時40分】


「ごめん、待った?」

「いや、大したことはないよ」

ヤクが小さく手を振り、小走りでやってきた。落ち着かなさそうに、きょろきょろと正門近辺を見ている。

「鶴岡のお兄さんは」

「警察からは特に連絡がなかったよ。少なくとも、学校近辺にはいないみたい」

「……そっか。早くホテルに戻らなきゃね」

「……そうだね」

待ち伏せをしているとしたら、多分家の方だろう。人通りが少なくなる夜に襲うというのが、一番無難な選択だ。

※コンマ下60以上でホテルの部屋が3部屋になっている


553以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 22:36:19.66YgaVzEDDO (3/3)

ほい


554 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 22:44:58.08GnLJRgjTO (7/11)

とりあえず、毛利刑事には昨晩の話はした。
メッセージでは言葉少なに「そうか。ならば部屋を増やすよう手配する」とだけあった。
実際に会っても重々しく話す人だけど、メッセージだとなおさら寡黙な感じだ。彼らしいといえば彼らしい。

部屋が増えたことで、とりあえずあの女とは顔を合わせなくて済む。
それに……あまりこういうことを考えるものではないけど……ヤクと一緒に過ごす空間は確保できた。
不要な外出は、なるべく控えた方がいい。

「ねえ、ヤク」

「……どうしたの?」

「いや、その……ホテルの部屋が1つ増えたんだけど、僕の部屋で過ごさないか?」

※コンマ下
01~10 ごめん、今日はちょっと
11~30 えっ……
31~50 うん、いいよ
51~00 ああ……そ、そうだね


555以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 22:45:28.43U9DPTNAGo (1/1)

はい


556 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 23:06:15.38GnLJRgjTO (8/11)

「うん、いいよ」

ヤクは快諾した。……何となくだけど、僕の意図は理解してない気がする。
僕は罪悪感を感じた。ちゃんと分かった上でするならいいけど、僕の気持ちだけで振り回していいんだろうか。

【6月29日、20時14分】


「期末テスト、準備できてる?」

「うん、正直遅れ気味だけど」

「でもジョーは全国トップレベルじゃない。大丈夫だよ」

ヤクがハハハと笑った。僕は苦笑する。

「……今回ばかりはどうかなあ」

参考書に向かい合うけど、相変わらず頭に入ってこない。……嫌な予感がして、背中に冷や汗が流れた。
単にヤクが目の前にいて、緊張しているからならいい。しかし、これが認知症の症状なら?

※コンマ下(英華の反応)
01~50 そのまま
51~00 察する

※コンマ下2(警察からの連絡)
01~35 大和を発見(再判定)
36~95 大和の動きはなし
96~00 大和を発見、逮捕済み




557以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 23:07:35.26kQpQovgDO (3/4)

はい


558以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 23:07:39.09dz/m586R0 (2/2)




559 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 23:16:15.16GnLJRgjTO (9/11)

※英華はそのまま

※大和の状況を判定、コンマ下
01~20 警察官を殺害して逃走
20~60 警察官を負傷させて逃走
61~90 警察官を負傷させて籠城中(逃走可能性はまだあり)
91~99 逮捕済み
00   ?????(状況を選べます)


560以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/16(土) 23:18:20.45kQpQovgDO (4/4)

はい


561 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 23:23:29.31GnLJRgjTO (10/11)

その時、メッセージが入った。毛利刑事からだ。

#

鶴岡大和を君の自宅近辺で発見、職質をかけた警官が負傷、そのまま逃走。
現在公務執行妨害と傷害の容疑で追っている。念のため、君も注意されたし。

#

血の気が一気に引いた。やはり、僕を追っていたんだ。

「どうしたの?」

僕は黙ってスマホを見せた。彼女の顔が青ざめる。

「……そんな」

「捕まればいいんだけど……」

もはや勉強やセックスどころではなくなった。……僕にできるのは、ただ待つことだけだ。



562 ◆C9vIqtyVF22019/02/16(土) 23:25:39.39GnLJRgjTO (11/11)

※ジョー視点は一時中断、仁視点へ切り替えます。

今日はここまで。


563 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 09:41:16.14mJII+5TuO (1/19)

【6月29日、11時21分】


青葉がいなくなり、日々の雑務は増えた。補充人員も当面は来ないという。
佐倉の件に注力したいが、できる状況ではない。鶴岡光輝については、警視庁案件だ。なかなかままならないものだ。

俺は手元のマグカップに入っている、冷めたコーヒーを飲んだ。

明日には、薬師丸英華の記録会が横浜である。そこには藤原湖南も来る公算が大きい。無論、城隆一郎もだ。
そこである程度の方向性が見えてくるのだろうか。

だがその前に、何とかしないといけないことがある。
鶴岡大和。奴を確保して、佐倉への道筋をつけねばならない。

「冴えねえ顔だな、仁」

「赤さんこそ。寝不足みたいですね」

頭をポリポリ掻きながら、赤木警部が欠伸をした。

「城の母親を迎えに行ってたからな。家に帰ったのは1時だぜ?今日は早く上がってとっとと寝るわ」

※コンマ下70以上で神原から連絡あり



564以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 09:45:27.04Y9JHuh/F0 (1/2)

ほい


565 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 09:59:33.07mJII+5TuO (2/19)

「そうですか。あまり無理しない方がいいですよ」

「おう、そうさせてもらうわ。明日は仕事兼家族サービスか……なかなか気が休まらんなあ」

俺は苦笑した。そういえば、美和ともなかなか会えてないな。明日が終わったら、少し時間を作るか。
……それと、亜衣だ。一度ちゃんと話しておく必要がある。俺のアイデアに、同意してくれればいいが。

#

※大和の襲撃時に仁はどこにいるか、コンマ下

01~10 城の自宅付近、仁も負傷
11~30 都内、東京拘置所付近
31~50 県警本部
51~95 城の自宅付近
96~00 上+α


566以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:06:28.25rLa63RkDO (1/4)

はい


567 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 10:18:19.40mJII+5TuO (3/19)

【6月29日、19時10分】


雑務を一通り終わらせ、俺は車で小菅へと向かう。目的地は東京拘置所だ。
取り調べは警視庁の専権事項だが、面会依頼程度なら通る。……面会可能な精神状態ならば、だが。

神原からの連絡は特にない。だが、ダメ元で行く意味はある。
正気に戻っているのなら、鶴岡光輝との面会は突破口になり得るからだ。

受付で面会の可否を訊く。

※コンマ下70以上で面会可能


568以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:23:21.14Y9JHuh/F0 (2/2)

ほい


569 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 10:33:42.30mJII+5TuO (4/19)

「鶴岡光輝ですか……独房で面会不可ですが」

俺は嘆息した。無駄足だったか。

その時、スマホが鳴った。白島だ。
奴は城の家近辺にいる。制服警官と4人でカバーしているはずだが……胸騒ぎがした。

「どうした?」

『仁さん、緊急事態ですっ!さっき鶴岡大和がこちらに現れ、任意同行を求めたところ……警官を殴打して逃走!!
一応息はありますが、至急応援願いますっ!!』

しまった!ここから新座までは40分は最速でもかかる!!
焦りで背中が震えた。口の中が急速に乾いていく。

「すまん、今東京拘置所だっ、現場指揮は当面お前に任せる!
大和はどうやって逃げた??」

※コンマ下
01~30 自動車(運転手付き)
31~50 自動車(自分で運転)
51~80 徒歩
81~00 徒歩(負傷)


570 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 11:15:15.94mJII+5TuO (5/19)

上げます。


571以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 11:48:22.51+rmDkepAO (1/1)




572 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 13:14:01.19mJII+5TuO (6/19)

『鶴岡大和は徒歩で逃走!応援を要請してますが』

「相手は猛獣と思え、深追いはするなっ。刺激せず、極力沈静化してから投降させろ。俺が着くまでに確保してほしいが、周辺被害を起こさないことが第一だ」

『了解ですっ!』

俺は急いで駐車場に向けて走り出した。厄介なのは、電車に乗られてしまうパターン。人混みの中に紛れられたら捕まらない。

城にも急ぎでメールを打つ。彼の所に行く可能性は薄いだろう。ただ、警告だけはしておく必要がある。

キーを回すと、俺はアクセルを踏み込んだ。ここは白島に任せるより他はない。

#

※到着後の状況
01~10 複数人を殺害し逃走、足取り掴めず(救済再判定あり)
11~20 警官1人重体、和光市駅方面に消える
21~40 民間住宅に立て籠り中
41~70 公園にいる、包囲中だが……
71~90 公園にいる、包囲中
91~95 射殺済み
96~00 逮捕済み


573以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 13:22:38.93NP8ucyaK0 (1/1)

えい


574以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 13:23:53.75DYiDUmJg0 (1/1)

はい


575以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 13:24:52.37Zu9cY76DO (1/4)

射殺かぁ……


576 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 13:26:59.73mJII+5TuO (7/19)

※567を【20時03分】に訂正します。申し訳ありません。


577 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 13:50:56.75mJII+5TuO (8/19)

【6月29日、20時53分】


城の家の近くには、パトカー10数台が止まっていた。野次馬が集まり、騒然とした空気だ。
俺は急いで警戒線の内側に入る。木暮管理官と白島の姿があった。

「毛利君、遅かったな」

木暮管理官の表情が暗い。

「……まさか、犠牲者が」

「いや、幸い民間人にも警察にも。唯一の犠牲者は、あそこだ」

彼の視線の向こうに、ブルーシートがある。公園の一角のようだ。
その中に入ると……

「……これは」

胸部を鮮血で染めた、鶴岡大和がいた。

「不可抗力だった、と聞いている。ここに包囲した際、警官の一人に飛び掛かったらしい。
殺されると直感した彼は、思わずニューナンブの引き金を引いた。即死だ」

俺は合掌した。安堵の思いと、落胆の思いが去来する。

「被害が拡大しなかったのは良かったですが……真相究明は遠くなりましたね」

「そうだな。間違いなく、この前の兄の件と結びつけられて語られるだろう。相当世間が騒ぎそうだな。
……鑑識はこれからだ。何か分かればいいが」

大和を切欠に佐倉に辿り着くのは、難しくなりそうだ。
何を思って、彼はここに来たのだろう。訊いてみたかったが、もうそれは叶わない。

※コンマ下
01~50 鑑識では何もなし
51~85 アイスキャンディの新型発見
86~95 スマホ発見
96~00 上+α


578以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 13:54:53.36rLa63RkDO (2/4)

はい


579 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 19:57:51.27mJII+5TuO (9/19)

【6月29日、22時30分】


「……これより、本日20時46分にありました埼玉県新座市における朝霞署署員に対する暴行、並びに被疑者射殺についいての会見を行います」

深沢刑事部長の不機嫌そうな声が、会見場に響く。警官による容疑者殺害は、マスコミが警察叩きをするのに絶好の材料だ。不機嫌にもなる。
しかも、鑑識ではあまり収穫らしい収穫はなかった。聞き込みを通してその時の状況を探るしかない、か。

「……ったく、家に帰ったと思ったらまたすぐにとんぼ返りか。嫁がブチキレて仕方ねえよ」

会見場の後方で、赤木警部が小声で愚痴った。

「これでは明日は動けませんね。聞き込みと捜査で手一杯になりそうですが」

「だなあ。英華ちゃんの記録会、どうするよ」

記録会は14時からだ。鶴岡兄弟の片方は逮捕され、片方は今日死んだ。
だが、佐倉がここで勝負をかけて来ないとは限らない。

※2票先取
1 行くのを諦める
2 神奈川県警に任せる
3 赤木警部が行く
4 自分が行く
5 木暮管理官を説得し何とか2人で行く

※1と2は無条件ですが、3~5は判定が要ります
※可能性は3>4>5です。(4で55%)


580 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 20:10:23.08mJII+5TuO (10/19)

2130からの再開予定です。


581以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 20:38:43.44Zu9cY76DO (2/4)

5


582以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 21:09:22.99rLa63RkDO (3/4)

5


583 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 21:35:05.99mJII+5TuO (11/19)

「やはり俺たち2人で行きましょう。ちゃんと説明すれば、木暮管理官なら分かってくれるはずです」

赤木警部が顔をしかめた。

「平時ならな。だが、さすがに鶴岡兄弟の件は、世間の注目が高い。
この件にがっつり関わってしまってる俺らが陣頭指揮取らないというのは、さすがに認められねえ気がするが」

会見場では記者からの厳しい質問が飛んでいる。普通、素手で襲う相手に銃で応戦はしない。
新型アイスキャンディの危険性を知らないなら、誰でも過剰防衛だと思うだろう。

しかし、それはまだ公にはなってない。公にはしようがない。
最初に襲われた警官が肩甲骨の粉砕骨折という重傷であると説明しても、非難は止まらなかった。

射手矢が俺の方を振り返り苦笑する。こいつは、神原経由である程度話を聞いているのだろう。
さぞかし奴は記事を書くのに苦労しそうだな。俺はそう思った。

【6月30日、0時14分】


「木暮管理官、お話が」

2時間近く続いた会見が終わった。さすがの彼も、疲労の色を隠せない。

「どうした、手短に頼む」

「ええ。俺と赤さんを、明日の捜査から外してもらえないかと。
城隆一郎の保護のためです。今日の鶴岡大和も、間違いなく彼を狙っていた。
そして、彼に対する危険はまだ消えてはいない。極力手厚いカバーが必要です」

「佐倉という子か。しかし、そこまでするだろうか」

「否定できない以上はそうすべきです。お願いできませんか」

※コンマ下
01~50 ダメだ、明日は聞き込みに専念してもらう
51~70 赤木君は残ってくれ。毛利君一人だけならいいが、最低限の仕事はしてもらう(16時から合流可)
70~00 いいだろう。君たちに任せる


584以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 21:36:56.21Zu9cY76DO (3/4)

来い


585 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 21:42:46.10mJII+5TuO (12/19)

「ダメだ、明日は聞き込みに専念してもらう。さすがに君ら二人が抜けては、まともな捜査にならないからな」

木暮管理官は静かに言った。正論だ。

「……分かりました。それでは、また」

去っていく彼の後姿を見ながら、俺は苦いものを感じていた。
こちらはこちらの仕事をするより他ない。


586 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:04:13.24mJII+5TuO (13/19)

※ジョー視点に少しだけ移ります。

【6月29日、21時32分】


二人とも何も手に付かない時間は、一本のメッセージで一応の終わりを告げた。

#

鶴岡大和は射殺。そのうちニュースにも出るだろうが、念のため。
警戒態勢はまだしばらく続ける。明日そちらに行けるかは不明だ。その旨承知されたい。

#

「射殺」。その文字を見た時に、僕は固まった。安堵したらいいのか、悲しんだらいいのか、よく分からなかったからだ。
僕らへの危険は、多分大きく減った。しかし、人の死を素直に喜べるほど、僕は割り切れてはいない。

「……ジョー、これ……」

「……和人の耳に入らなければいいけど」

和人とは少しだけ顔を合わせただけだけど、相当厳しい容態なのは僕でも分かった。
多分、意識が明確かどうかは怪しい。湖南は「あと数日」と言っていたけど。
もし、このニュースを知ったら、絶望で生きる気力を失うだろう。
そうでないことを祈ったけど、それは同時に、彼の意識がもう明瞭でないことを示している。

「明日、どうしようか」

「危険は大分去ったし、予定通りでいいんじゃないか。毛利刑事が来れないかもしれないけど」

多分、明日は湖南も横浜に来るのだろう。彼とは正直そりが合う気がしないが、仕方ない。

※コンマ下85以上で??


587以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 22:09:06.48lubqkd4N0 (1/2)




588 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:12:22.29mJII+5TuO (14/19)

※通常ルート

「……じゃあ、勉強に戻ろうか」

「……うん」

言葉少なに、僕とヤクは参考書に向き合った。……やはり、不安が頭をよぎる。
明日が無事に過ぎてくれるように、ただ祈るしかない。

※40以上で視点変更の選択へ


589 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:13:09.56mJII+5TuO (15/19)

※通常ルート

「……じゃあ、勉強に戻ろうか」

「……うん」

言葉少なに、僕とヤクは参考書に向き合った。……やはり、不安が頭をよぎる。
明日が無事に過ぎてくれるように、ただ祈るしかない。

※40以上で視点変更の選択へ


590 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:13:50.43mJII+5TuO (16/19)

※多重投稿失礼しました。コンマ下です。


591以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 22:14:40.56lubqkd4N0 (2/2)

はい


592 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:17:01.02mJII+5TuO (17/19)

※多重投稿失礼しました。コンマ下です。


593 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:20:00.16mJII+5TuO (18/19)

※城の認知症再発はなし(再発の場合生存EDが消えてました)

※視点選択を行います。3票先取

1 ジョー視点(記録会中心)
2 コナン視点(鶴岡和人の話→記録会)
3 仁視点(大和の事件の聞き込み、及び光輝の正気判定など)


594 ◆C9vIqtyVF22019/02/17(日) 22:33:21.17mJII+5TuO (19/19)

PCから打つと多重投稿になりがちですね。気を付けます。

質問などあればどうぞ。


595以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 22:35:30.318rY3H1Bu0 (1/1)

2


596以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 22:57:47.21Zu9cY76DO (4/4)

2


597以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 23:01:25.17rLa63RkDO (4/4)

2


598 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 09:36:24.82Dm3pAH/bO (1/4)

【6月29日、9時11分】


「おはようございます。鶴岡は」

コナン君が少し遅めに起きてきた。昨日帰ってきたのは日付が変わってからだ。まだ眠たそうだ。

「昨日あの後すぐ寝ちゃった。今は一応、脈拍は安定してる。ただ、やっぱりどこかに移した方がいいんじゃない?
ここじゃ血圧とか血中酸素濃度とかのバイタル取れないし……」

「……そうですね。ただ、彼をどう説明するべきか……」

あたしは一人、心当たりを見つけた。彼女なら多分、理由を説明すれば分かってくれるだろう。その道のプロでもある。
ただ、納得してくれるかどうかという問題と、万一の際の安全性という問題は残る。

※コンマ下15以上で通常ルート


599以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 09:49:51.14ZLvzUEQDO (1/2)

はい


600 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 09:58:59.35Dm3pAH/bO (2/4)

※城が鷹山医師と接触している事実は知らない

何より、アイスキャンディの存在をどう言うべきなのか。犯罪に関わっていると知ったら、警察に届け出るように言うはずだ。
それは話がややこしくなる。毛利刑事はともかく、他の警察がそこまで理解してくれるとは思わなかった。

「……どうしました?」

「ううん、何でもない」

あたしは自分の思い付きを言うのをやめた。先生に迷惑をかけるわけにはいかない。

部屋は蒸し始めていた。梅雨は早くも終わり、早すぎる夏が来ようとしている。

※コンマ下、鶴岡の容態判定1回目
01~40 急変
41~90 そのまま
91~00 意識を取り戻す(00以外は良いこととは限りません)


601以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 10:02:04.87H9QGfy8DO (1/2)

はい


602 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 12:08:42.68Dm3pAH/bO (3/4)

【6月29日、17時10分】


鶴岡の容態は安定している。しかし、良くなっている、とも言えない。
コナン君は「自然回復はあり得ない」と言っていた。このまま緩やかに死んでいくだけなのだろうか。

「そう言えば、明日は英華さんの記録会だよね。そっちはコナン君だけで?」

「そうなりますね。気の滅入る作業で申し訳ないのですが」

「……それはしょうがないよ」

あたしは苦笑した。でも、確かにストレスはある。ろくに外出もできない。高齢者介護の大変さが分かる気がする。

「父さんの血液製剤ができるのは、最速でも明後日ですか……」

コナン君が鶴岡のいる部屋を見やった。彼にも複雑な想いはあるだろう。

「そう言えば、神原さん、だっけ。警視庁にいる、コナン君の『元上司』。彼から何か新しい話はあった?」

※コンマ下90以上で手掛かりあり(まだ未判明、30日に詳細)


603以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 12:12:49.66H9QGfy8DO (2/2)

はい


604 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 12:33:52.02Dm3pAH/bO (4/4)

「いえ、特には。まだ光輝は独房のようですしね。落ち着くのは、明日か明後日でしょう」

「……そっか」

鶴岡のもう一人のお兄さんも、行方は知れない。お兄さんの殺人と逮捕を、鶴岡はどう思うだろうか。
……多分、知ったら絶望するだろう。だから、あたしは伝えなかった。だけどそれが正しいかは、正直に言って自信がない。

「とりあえず、今は待つしかないですね。夕飯、今日は僕が作りますよ。何か食べたいのあります?」

「……さっぱりしたものかな」

食欲は正直に言ってあまりなかった。ストレスのせいなのか、それともこの暑さのせいなのか。
救いは、コナン君が作る料理は、相変わらず美味しいということぐらいだった。

※コンマ下、鶴岡の容態判定2回目

01~10 意識を取り戻す
11~45 急変
46~97 そのまま
98~00 意識を取り戻す


605以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 12:38:06.505vlB73+L0 (1/1)

はい


606 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 20:28:19.61jmGJKl6xO (1/6)

【6月29日、22時21分】


「ここで臨時ニュースが飛び込んできました。ボクシングの鶴岡3兄弟の次男、鶴岡大和WBOスーパーバンタム級元王者が、先程警察により射殺されました。
警官に暴行を加えたところを射殺されたとの情報がありますが、詳細は不明です。
先日の鶴岡光輝容疑者の暴力団事務所襲撃との関係は不明です。後程埼玉県警本部で記者会見があります。中継繋がってますか……?」

何の気とはなしに流していたニュース番組から聞こえたその情報に、あたしの血の気は引いた。

射殺?鶴岡の兄が??

寝床に入ろうと歯を磨いていたコナン君が、歯ブラシを床に落とした。

「……馬鹿な」

「これ、バッドエンド・ブレイカーの誰かがやったことじゃないよね?」

「ええ……。多分本物の、事故です」

コナン君は黙りこんだ。あたしは鶴岡の様子を慌てて見に行く。……眠っているようだ。

「鶴岡は起きてないわ」

「そうですか……知ってたら、発狂死しかねない。……このまま死んだ方が……」

「それは言わないでっ」

彼はビクッと身体を震わせ、下を向いた。

「……すみません。失言ですね」

彼の言いたいことは分かる。気持ちも分かる。でも、あたしはやはり、目の前で死んでいく人を見捨てられない性格らしい。
人殺しが言っても、説得力は皆無なのだけど。

「……でもこれ、いつかは知らせないといけない、よね。生き延びればだけど」

「……ですね。ただ、それが彼にとって幸せなのかどうかは、僕には……」

鶴岡のお兄さんは、多分城を狙ったんだろう。でもそこには警官がいて、包囲され、パニックに陥った彼は……「特攻」した。そんな気がした。

※コンマ下10以上で提案あり、90以上で追加ボーナス


607以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 20:29:37.63GUKGXTMj0 (1/1)




608 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 20:49:35.32jmGJKl6xO (2/6)

「ただ、これで彼の身の安全は大分何とかなりそうだ。病院に移すのも、手かもしれない」

病院、か。鷹山先生に言えればいいのだけど。ただ、彼女を巻き込みたくはなかった。

「でも、一般の病院だと騒ぎになるよ。どうするの?」

※コンマ下
01~10 それもそうですね
11~70 ……アユさん。頼みがあります
71~00 あまり彼には頼りたくないんですけど


609以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 20:50:24.98ZLvzUEQDO (2/2)

はい


610 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 21:05:27.69jmGJKl6xO (3/6)

コナン君が凄く嫌そうな顔をした。

「……どうしたの?」

「いや、彼には頼りたくないんですけど。でも、わがままも言ってられない」

「どういうこと?」

コナン君が深い溜め息をついた。

「裏の医者ですよ。覚醒者は、僕ら以外にもそれなりにいる。その中には、魚塚さんのようにバッドエンド・ブレイカーではないけど協力してくれる人もいる。
彼もその一人です。ただ、『本気』を出さなきゃいけない患者には、とことん吹っ掛ける。性格も面倒極まりない。
だからこれまで頼まなかったんです。何より、面倒ごとが嫌いな男ですから、鶴岡が狙われている状況じゃ治療は引き受けなかったでしょうけど」

「裏の医者?無免許医ってこと?」

「いや、免許はちゃんとあります。ただ『未来の技術』を使う時に吹っ掛けるんですよ。僕らであろうと」

「何だかブラックジャックっぽいね」

コナン君が苦笑した。

「ご丁寧に名前も少し被ってる。間田義男。……医者としての、僕の師匠です。
今からでも呼べば来てくれるでしょう。金さえあれば、ですけどね」


611 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 21:22:40.71jmGJKl6xO (4/6)

コナン君がスマホを取った。

「……夜分遅くにすみません。今から来ていただくことはできますか?……ええ、事情は重々。
金、ですよね。活動資金から見繕います。……患者は来てから身分を明かしますが、末期のアイスキャンディ中毒です」

スマホの向こうから怒声とも爆笑ともつかない声が聞こえた。彼が顔をしかめる。

「……血液製剤は明後日には。父が……ええ、奇跡的に。酵素保有者からの提供です。だから間田先生は、2日間だけ持たせてくれれば。とにかく、来ていただけますか」

再び爆笑が聞こえた。何やらやり取りがあった後、コナン君が電話を切った。

「30分後メドに来るそうです」

「早いんだね。こんな時間でも来るんだ」

「酒もタバコもやらないですからね。ギャンブルは大好きですけど」

「どんな人なの?面倒な人っぽいけど」

「一口で言えば『拝金主義でムラっ気のある織田信長』、ですね。話すだけで疲れる」

彼が首を振った。医者には個性が強い人が多いけど、どんな先生なんだろうか。


612 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 21:28:56.16jmGJKl6xO (5/6)

【6月29日、22時52分】


ドンドン、と強くドアが叩かれた。覗き穴から見ると、身長180は越えようかという日焼けした男がいる。
ランニングシャツにこれでもかと鍛えた筋肉。年齢は不詳だけど、20代ではなさそうだ。……これが医者?

「はい……」

「おうっ!入るぞ。……コナンじゃないな。誰だお前は」

ギロリ、と大きな目で睨まれ、あたしは思わず身を縮めた。

※コンマ下65以上で?90以上だと……


613以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/18(月) 21:29:30.66K+qhTgju0 (1/1)

はい


614 ◆C9vIqtyVF22019/02/18(月) 21:34:59.12jmGJKl6xO (6/6)

※間田は歩美のことを知っている

今日はここまで。


615 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 08:35:04.12koLG6QqtO (1/15)

「……!?歩美、か??」

間田先生が目を見開いた。そしてあたしの肩を掴む。

「……いや、この時代にはいないはずだ。しかし、見た目は確かに……胸はこっちのがでか……」

「何言ってるんです先生」

低い声でコナン君が呼び掛けた。

「お、おお。コナンか。誰だこいつは。歩美が育ったような女だが?歩美の母親か何かか??」

「……違いますよ。話せば長くなりますが、結論から言えば歩美とは別人ですし、血縁もない。
そんなことより、上がったらどうです」

「ほう……」

間田先生がニヤリと笑った。この人は、確かに気味が悪い。

「まあこの歩美もどきは気になるが、まずは金だ。用意は」

「指定口座に振り込む準備はできてますよ。その前にまずは様子を」

「ま、そうくるわな。向こうの部屋か」

乱暴に襖をバンと開ける。そして彼は鶴岡の傍らにしゃがんだ。舌打ちが聞こえる。

「……てめぇ……こいつは鶴岡の末弟じゃねえかよ……厄介過ぎるだろうが。
兄貴二人がああなったのと関係があるんだろう?ええっ!??」

「関係なしとはしません。ただ、彼はずっとこの状態だった。二人がどうなるにも関わらず。
そして、狙われてもいた。聞いたことはあるでしょう?佐倉翔一」

間田先生がすっと立ち上がった。

「降りるぞ。こんなヤバい話には乗れん。他を当たってくれ」

「狙っていたのは鶴岡の兄二人です。その裏にいたのが、佐倉翔一。一応、彼にとっての危険は去ったはずです」

「貴様が俺の元を去って警察入ってから、ろくな案件を持ち込まねえな。この時代でも変わらずかよ」

「お互い様でしょう?……それはそれとして、見解を。明後日まで持ちますか」

※コンマ下
01~20 無理そうだな
21~60 できる。が……
61~95 できる。ただ……
96~00 血液製剤はどれぐらい投与可能だ


616以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 08:43:18.07WVN7WiCDO (1/5)

はい


617 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 09:08:48.72koLG6QqtO (2/15)

間田先生は脈を取り、血圧を測る。一通りのバイタルチェックを終えると、軽く頭を振った。

「無理だな。今日までよく持ったと言うべきだ。明日一杯持てば御の字、明後日までは俺でもまず難しい。
よしんば血圧製剤が間に合っても、延ばせる命はせいぜいが1週間。CT撮ってねえが、こりゃ大脳、小脳どころか脳幹まで逝っちまってる。
安楽死を強く進めるぜ。ここに呼ぶべきは、俺じゃなく魚塚だろ」

「……やはり」

「それにこいつを生き延びさせて何になる?最期まで命を延ばしたという甘っちょろい自己満足を満たすか?
意識を取り戻したとして、兄貴たちの惨状を教えるのか?そっちの方が、余程残酷だと思うがね?」

コナン君があたしを見た。決断しなきゃいけない。

1 安楽死させる
2 治療を続ける(続けた場合翌日の行動に制限がかかります&成功確率は極めて低いです)

※2票先取


618 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 09:40:02.07koLG6QqtO (3/15)

1130ぐらいまで中断します。

後でもう一度決を取るのも何なので、多数決内容を下に変えます。

1 安楽死させる(鶴岡視点なし)
2 安楽死させる(鶴岡視点あり)
3 治療を続ける(注意点は上同様)

※2票先取
※1と2の違いはあまりありません。テンポが違う程度です。


619以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 11:08:27.21WVN7WiCDO (2/5)

2


620 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 11:40:46.43koLG6QqtO (4/15)

上げます。


621 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 12:22:57.83koLG6QqtO (5/15)

もう一度上げます。1230から再開します。


622 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 12:40:05.09koLG6QqtO (6/15)

時間の都合上2とします。(本日夜の更新があるかは微妙です)


623 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 12:55:40.48koLG6QqtO (7/15)

あたしは目を閉じた。……もう、仕方ない。

「僕の方も同感です。……やはり、無理でしたか。……アユさん」

「うん……分かってる。分かってるよ……。コナン君は正しい。でもっ……!」

目から熱いものが溢れる。コナン君がそっと背中に手を当てた。

「……そういうとこも似てるのか。……因果だな。
安楽死はお前の方でやってくれ。終わったら魚塚が来るまで少し話すことがある」

間田先生が静かに部屋を去っていった。

「アユさんは」

「……ここにいる」

「……そうですか」

コナン君は、アンプルから薬剤を注射器で吸出した。唐川さんの時と、同じ薬だろう。
そしてプツリと、鶴岡の痩せ細った腕にそれを刺し、ゆっくりとシリンダーを押した。

あたしは無力だ。……仕方ないことだとは思う。でも、せめて人間らしい最期を迎えさせてあげたかった。


ビクン


鶴岡の身体が、一瞬大きく痙攣する。そして、息が徐々に弱まり……消えた。

別に鶴岡に同情してるわけじゃない。……でも、彼はあたしの患者だった。救いたかった。


「うっ……うう…………!!」


コナン君は、ただあたしの手を握っていた。


624 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 13:18:54.40koLG6QqtO (8/15)

【6月29日、23時12分】


長い、夢を見ていた。あれは、いつの記憶だろう。
俺は世界タイトルを取り、リングの上を絶叫しながら走り回っていた。そしてコーナーポストによじ登る。
リング下には、親父と兄貴たち。妹の真姫もいる。そして俺は自分の胸を親指で指すんだ。「俺がナンバーワンだ」と。

次の瞬間、俺の意識は暗転する。衝撃。誰かが俺を呼ぶ声。悲鳴と泣き声と、怒号が響く。
でも、俺は指先一つ動かせない。そしてそのまま、意識が薄れていくんだ。


悪夢から目を覚ます。周りは真っ暗だ。誰もいない。
……いや、向こう側に光が見える。大和の兄貴だ。俺を手招きしている。何故だろう?


俺は世界王者になりたかった。なって今まで馬鹿にしていた奴らを見返し、貧乏から抜け出したかった。
兄貴たちが坂元さんにまず目を付けられた。兄貴たちは弱かったけど、坂元さんの力もあってなんとか世界王者になった。
テレビにもたくさん出た。有名になって、金には不自由しなくなった。

ただ、それは偽りの栄光だと、俺は知っていた。兄貴たちも知っていた。親父は馬鹿だから、分かってなかったかもしれないけど。
兄貴たちを勝たせるため、坂元さんは相当な無茶をやった。金をばらまき、恐喝した。でも、首を振らなかったのが……大澤選手だった。

俺は怖かった。全てが崩れるのが。だから、トレーニングで山に入っていた彼を待ち伏せし……殺した。
そして、それを何故か、翔一は知っていた。全てはあれから始まったんだ。

……俺が、殺さなければ。


強い悔いで、胸が一杯になる。そして、俺は気付いた。


ここは、現実じゃない。


俺は唇を強く噛んだ。俺の恐れと焦りが、俺を殺してしまったんだ。


光の中から、大和兄貴が何か言っている。「お前はよく頑張った」と。

「そうなのかよ……兄貴」

でも、光の中には大和兄貴しかいない。

「光輝兄貴は、いねえのかよ」

小さな声で「すぐにここに来るさ」と言う。……どういうことなんだろう。
でも、俺は一人じゃない。三人なら、何だって怖くはない。


そう、きっと大丈夫だ。


俺は光に向けて駆け出していった。


625 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 13:20:27.89koLG6QqtO (9/15)

【6月29日、23時12分】


鶴岡和人、心拍停止。


626 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 13:37:12.63koLG6QqtO (10/15)

【6月29日、23時32分】


冷たくなり始めた鶴岡和人の亡骸から、あたしはやっと離れた。

「いいんですか」

「……うん」

リビングでは胸を反らしながら間田先生が新聞を読んでいる。

「……やっと済んだか。昔のお前は、もう少しドライだったんだがな。歩美……のそっくりさんの影響か?」

「そっくりさんじゃない。彼女には吉岡愛結という名がちゃんとある」

「……お、おう」

コナン君が強い口調で言うと、間田先生はたじろいだ。

「魚塚さんを呼びます。……話というのは」

「そこの姉ちゃん……アユってのか。その子についてだ」

あたしはムッとした。さっきから言い方が無礼だ。コナン君が言ってたのが分かる気がする。
そもそも、よく見ると年齢はあたしとそう大きな違いがないじゃない。何様なんだろう。

「あたしが、どうかしたんですか」

「いや、俺の直感だが。あんた、イレギュラーだろ」

電話をしようとしていたコナン君が固まった。

「なぜそれを」

「歩美とその子が似すぎている。しかも血縁じゃない。お前とももう深い仲だろ?さらに言えば、看護師だったりしねえか?
となると、論理的に考えてそうなる。問題は、あんたがここにいる意味だ」

大きな目が、あたしに向いた。

「……意味?」

「そう。何事にも意味がある。あんたがイレギュラーとしてここにいる意味も。
単にコナンの恋人になるだけじゃないはずだ。そんなちっぽけなことじゃ、『歴史』は動かない」

「何だっていうんですか」

※コンマ下80以上で?99か00で別イベント


627以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 13:41:20.18fAIbRIqP0 (1/1)




628 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 13:44:27.50koLG6QqtO (11/15)

中断します。

なお、鶴岡の「回想」が何であったかはご想像にお任せします。


629 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 17:32:29.23koLG6QqtO (12/15)

はっ、と間田先生が嘲笑った。

「んなこた俺は知らん。自分で見付けることだな。
……ともあれ、イレギュラーが多過ぎる」

「……アユさん以外にも?」

あたし以外では、英華さんが確かそうだ。彼女の「意味」は、アイスキャンディ中毒者の治療法にある……らしい。
ただ、そういう存在が他にもいるのか。しかも、この口振りだともっとずっと多く。

「俺が知る限り2、3人は。お前も気付いてるんだろ?本来の歴史では登場してないはずの連中がいる。歌手の内山ひかり、小説家の西谷藤一。
どちらも顔はそっくりの連中が20年後にいる。その意味はよく分からないがな」

コナン君が何か考えている。

「……先生の見解は?」

「知るかよ。だからわざわざ用もねえのにここに残ってる。……お前の考えを聞きたい」

※コンマ下85以上で?
(この判定に失敗しても後々再チャレンジは可能)


630以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 17:37:41.30WVN7WiCDO (3/5)

はい


631 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 18:00:10.39koLG6QqtO (13/15)

「……正直、先生に言えるようなものは」

はー、と間田先生が大きな溜め息をついた。

「つっかえねえなあ。まあいいわ。邪魔した。何もしてねえから金は交通費だけでいい」

「いくらですか」

「10万だ」

10万円?交通費だけで??

しかしコナン君は、リュックから1万円札を取り出し、彼に渡す。

「な、何考えてるのコナン君!?」

「そういう人なんですよ。では」

「その年で父親になるようなことはすんなよ、クソ弟子が」

バタン、と乱暴にドアが閉められた。本当に何なのだろう。

「あんな大金、あげちゃってよかったの?」

「あげなきゃ何しでかすか分からないですよ。医者としての腕以外は本当にどうしようもない。
……しかも、鶴岡和人は手遅れだった」

沈黙が流れる。コナン君は黙って、彼がいる部屋に向かった。

「そろそろ魚塚さんが来ます。準備しないと」

「準備?」

「死後硬直が始まる前に、身体を丸めておくんです。運びやすいように。唐川の時は、あまり見てなかったんですよね」

あたしは頷いた。見ない方がいい、と言われたからでもある。

「鶴岡和人の場合なら、解体は不要ですから……そこまでどぎつくはならないはずです。
身長は170ぐらいですから、大きめのバッグにならギリギリ入るでしょう。後は、魚塚さんが然るべき処理をしてくれるはずです」

「……処理って?」

「ああ、変な意味じゃないです。人里離れた場所に埋めるだけです。どこかは彼にしか分からない。
この道のプロです。今も昔も、それは変わらない」

思えば、彼の印象は驚くほど乏しい。世の中には、あたしが知らない世界が山ほどある。

「……彼のお墓、作れないんだよね」

「……仕方ないでしょう。それに、遺品も取れない」

彼の人生は、何だったんだろう。生きてきた証が、どこかに残っていればいいのに。

#

家を引き払い、朝霞の家に戻ったのは2時過ぎだった。コナン君は寝ているけど、あたしは眠れるだろうか。

※コンマ下05以下か95以上でイベント


632以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 18:01:01.1001vsrVfW0 (1/1)

えいや


633 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 18:06:45.40koLG6QqtO (14/15)

※古畑の待ち伏せはなし

視点選択です。2票先取、全て30日から始まります。

1 このままコナン(アユ)視点
2 ジョー視点
3 仁視点


634 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 18:09:48.26koLG6QqtO (15/15)

再開は(あれば)2130以降です。


635以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 18:16:15.21FxGUV/cCO (1/1)

1


636以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 18:23:36.53WVN7WiCDO (4/5)

1


637 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 22:23:55.57TK+YyM81O (1/2)

【6月30日、10時31分】


寝ているかいないか分からない、曖昧な状態のまま一晩が過ぎた。酷く身体がだるい。
時計を見ると、もう10時半だ。14時前には横浜に行かなきゃいけない。あたしはなんとか意思の力で起き上がった。
隣で寝ているコナン君は、そのままそっとしておいた。彼も彼で、疲れているのだろう。

朝ごはん兼昼ごはんを作りながら、あたしはスマホを見た。ニュースサイトは、どれも鶴岡兄弟のことばかりだ。
ここぞとばかりに彼らを叩く記事や意見も少なくない。……彼らに起きたことは、どこもちゃんと報じてはいなかった。
結局、叩いて自分たちが正義ぶれればそれでいいのだ。安全なところから、一方的になじる。文字通りの「死体蹴り」だ。

……酷く苦いものを、胃の奥で感じた。

※コンマ下
01~15 その時、コナン君のスマホが鳴った
16~80 通常ルート
81~90 その時、コナン君のスマホが鳴った。
91~00 上+α


638以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 22:28:34.02SfmrMCwn0 (1/1)




639 ◆C9vIqtyVF22019/02/19(火) 22:32:17.14TK+YyM81O (2/2)

その時、コナン君のスマホが鳴った。向こうの部屋で、何か話す声がする。

※コンマ下(判定が厳しくなっています)
01~65 鶴岡光輝が、死にました
66~90 鶴岡光輝が、完全に発狂したみたいです
91~00 鶴岡光輝の取り調べが始まったそうです(死亡、発狂の可能性は00以外はあり)


640以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/19(火) 22:53:33.17WVN7WiCDO (5/5)

はい


641 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 00:03:22.02EF6gFgjjO (1/4)

部屋から出てきたコナン君の表情は暗かった。

「……どうしたの?」

「鶴岡光輝が……死にました」

「……えっ!!?」

虚脱感があたしを襲った。

「な、なんで」

「少し正気に戻った時に、取り調べをしようとした刑事が大和の死を漏らしてしまったそうです。
そして、発狂し……そのままショック死したと。アイスキャンディの禁断症状もあったかもしれませんが」

「そんなっ……!」

コナン君が首を振った。

「多分、誰も悪くない。……敢えて言うなら、アイスキャンディと、それを彼らに渡した佐倉を恨むべきでしょう……クソッ……!!」

壁を蹴りつける音が響いた。

「コナン君……」

「大丈夫、僕は冷静です。……問題は、鶴岡の父親です」

「父親?……あっ」

そうだ。鶴岡のお兄さんたちと一緒に、父親と妹も消えていたんだった。とすれば……。

「とても、まずいんじゃ」

「ええ。怒りの矛先が警察に向く可能性は高い。ただ、城たちに向かう可能性もある。今日は、気が抜けそうもない」


642 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 00:13:09.19EF6gFgjjO (2/4)

【6月30日、13時27分】


「……結構人いるね」

横浜国際プールは、人でごった返していた。記録会とは聞いてたけど、これはちょっとした大会みたいな感じだ。まだ開会まで30分以上あるんだけど。

「日本のトップスイマーが大体出てますからね。しかし、この人の多さだと……」

コナン君が言う通り、この中から人を見付けるのは大変だ。ざっくり3000人ぐらいはいそうだ。

「城は?」

※コンマ下
01~60 見当たらないですね。控え室かも
61~95 ああ、あそこです
96~00 ああ、あそこです。……え?

※コンマ下2が95以上で??(かなり有利な展開になります)


643以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 00:13:50.32z6zrT+wn0 (1/1)

はい


644以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 00:17:52.7025PY58+DO (1/3)




645 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 00:24:45.09EF6gFgjjO (3/4)

「見当たらないですね。控え室かも」

「あたしたちも行った方が……」

「いえ、今のところは。そもそも城は薬師丸の身内として控え室に入れますが、部外者の僕らじゃ門前払いでしょう。合流は、記録会後です」

「……そうだね」

プールのディスプレーからは、過去の世界水泳のリプレイと、有力選手の紹介が流れていた。その中に、英華さんのものもある。
本当に注目されている子らしい。種目は、100mと200mの自由形。プログラムの最初の方と、最後の方だ。

#

※コンマ下10以下でアクシデント発生
95以上だと別のイベント


646以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 00:25:31.98jKs+7BODO (1/2)

はい


647 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 00:33:09.92EF6gFgjjO (4/4)

今日はここまでですが、最後のイベントの再判定だけやります。
(客席に城が戻ったのは確定)

※コンマ下
01~20 客席に尋常じゃない雰囲気の中年を見付ける
21~70 後ろから幼女につつかれる
71~00 キョロキョロしている中学生ぐらいの女の子がいる


648以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 00:34:53.635AT75NRQ0 (1/1)

おつ


649以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 00:35:53.9725PY58+DO (2/3)

亜依ちゃんかね?
乙でした


650以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 01:07:39.37jKs+7BODO (2/2)

乙です


651 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 08:46:02.30M1mab0o5O (1/6)

【6月30日、13時58分】


開会前になると、観客席は相当埋まってきた。

「コナン君、あれ」

プールサイドの席に城がいるのが分かった。遠くからだから表情までは見えないけど、多分あれがそうだ。

「……ですね。問題は、鶴岡の父親が来てないかですが」

鶴岡の父親はしょっちゅうテレビに出ていたから顔は分かる。酷くアクの強い男で、息子たち以上にアンチが多い。

「まさか、妹まではいないよね」

「それは最悪のケースですね」

「どうして?」

「小学生か中学生かは知りませんが、新型なんて飲ませたら命に即関わります。
まず正気じゃないでしょうし、第一彼女の顔は僕も知らない」

あたしの背中を悪寒が駆け抜けた。佐倉という男はそこまでするの?


ツンツン


あたしの背中を、誰かがつついた。気のせいだろうか。


ツンツンツン


いや、これはあたしに向けられたものだ。振り向くと、少し茶色かかった髪の女の子があたしを見てる。いたずら?

「……どうしたの?」

ペコリと頭を下げられた。知り合いにこんな子はいない。コナン君も訝しげだ。
隣には小柄な女性がいる。あたしと同じぐらいか、少し若いだろうか。多分、この人が母親なんだろうけど。

「……あの、どちらかでお会いしました?」

女の子が頭をあげた。

「いえ、はじめまして、ですね。仁さ……毛利刑事からの依頼でこっちに来ました。宮原亜衣です」

「すみません、突然。仁さんが、どうしても動けないからって私たちを。
ああ、私は宮原美和と言います。この子の母親です」

毛利刑事の使い?しかし、それにしてもこんな子が?

※コンマ下80以上でコナンは亜衣を知っている


652以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 08:52:08.76KrOmga8wO (1/1)




653 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 09:24:48.59M1mab0o5O (2/6)

失礼しました。上の判定はなしです。
(過去に同様の判定を行っており、知らないことが確定していました)


654 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 09:55:26.93M1mab0o5O (3/6)

コナン君が女の子を見た。

「覚醒者か、君も」

「はい。お噂はかねがね、藤原『警視』」

「……君も、警察?……そうか、由依さんが言っていたもう一人の覚醒者が、君か」

驚いた風のコナン君に、女の子が苦笑する。

「既に情報だけは行ってたみたいですね。毛利刑事からは吉岡愛結さんの写真しか貰ってなかったので、少々自信はありませんでしたが。見付かってよかった」

「あたしの写真?」

「ええ。毛利刑事は、あなたの存在も知ってますよ。藤原湖南と一緒にいるだろうと」

毛利刑事とは何者なんだろう。コナン君たちも「デッドマン」と呼んで警戒してたけど。
あたしが一緒にいることまで知ってるなんて……額から冷たい汗が流れた。

「……なるほど。しかし、あなた方で彼の代わりになるとはちょっと思えない。それに、事態は急を要する」

「仁さん……毛利刑事はそこまで承知の上です。私も刑事の端くれです、こんな身体でも……いや、だからこそ利用価値がある」

「……どういうことですか?」

亜衣と名乗った子は、僅かに口の端をあげた。……こんな落ち着き払った幼児はいない。

「あなたでは面が割れてる。でも、私は違う。格闘技術は多分あなたに遠く及ばないけど、5歳児が25歳の技術を以て、不意を突いたら?」

はは、とコナン君が乾いた笑いを浮かべた。

「……そういうこと、か。これは毛利刑事のアイデアか」

「両方です。母は説得済みです」

母親の美和さんは苦笑している。

「言い出したら聞かないのは、大分分かってきましたから。頑固な所は、お父さん譲りね」

「大丈夫よ、母さん。後は仁さんのプラン通り動けばいい。
もちろん、ここに鶴岡の父親たちが来てないのが一番望ましいけど」

「警視庁、ないしは埼玉県警本部のカバーは」

「どちらも厳戒態勢です。警視庁は兵藤警部、埼玉県警は木暮管理官主導で備えてます。
正直、ここが一番手薄です。佐倉なら、こっちを優先するはず」

そう言って、亜衣ちゃんは懐から
オペラグラスを取り出した。

「やるとしたら、100mか200m自由形の時。先に薬師丸英華を狙い、城をその後で殺す、あるいは拐う。
正気を保ってなかったら、無差別にやるかもしれないけど」

「犯行直前に、新型を飲むわけか」

「ええ。とすると、もう猶予はあまりないです」

ディスプレーには開会式のセレモニーが映し出されていた。


655 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 09:57:39.63M1mab0o5O (4/6)

※コンマ下、発見状況(1回目)
01~60 未発見
61~90 変装した鶴岡父を発見
91~00 落ち着きのない少女を発見


656以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 09:58:04.787ABmXZ+d0 (1/1)

ほい


657 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 12:07:49.97M1mab0o5O (5/6)

「……あれだ、多分」

亜衣ちゃんがオペラグラスを覗き込んだまま言った。

「早いね。どこだ」

「城のずっと左側。プールサイドにいる。マスクと帽子をしてるけど、あの体格からして多分そうです。
というか、あんな格好してたら怪しまれるに決まってるのに」

コナン君がオペラグラスを受け取る。

「なるほど。確かにあれだ。ただ、ここからだとちょっと距離がある。奴が動いてからじゃ間に合わない」

「確かに。だから、私が時間を作ります。多分、100mの競技までには間に合う」

そう言うと、亜衣ちゃんは手元にあった缶ジュースを持って立ち上がった。

「コナンさんたちも、ゆっくりとでいいので来てください。鶴岡父の後方から。そこからは……」

あたしたちは簡単な説明を受けた。

「……そんなことが、本当にできるの?本気なの?」

「ええ。彼がどう動くにしても、騒ぎにはしない。多分、行けるはずです」


658 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 12:10:08.71M1mab0o5O (6/6)

※視点選択です。2票先取

1 亜衣視点
2 このまま愛結視点
3 鶴岡父視点


659以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 12:11:29.8425PY58+DO (3/3)

1


660以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 12:41:02.25miq8Xhn00 (1/1)

1


661 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 15:09:17.02rEJilnypO (1/2)

【6月30日、14時07分】


「俺の代わりに横浜国際プールに行ってほしい」。昼頃、仁さんからのメールを見た時には驚いた。
確かに、元から行く予定ではあった。でも、それは彼がいるという条件の話だ。

私の「覚醒」時間は少し長くなっていた。1日4~5時間は「表」に出ていられる。
それを加味しても、この話を受けるかは悩んだ。母さんにも勿論相談した。
ただ、状況からして鶴岡父が自棄を起こす可能性は相当高いと言えた。息子3人を失った父親が、佐倉の口にコロッといかれるのは簡単に想像がついた。


私の「記憶」にある、熊谷大虐殺の光景が思い出された。……あの惨劇が起きない保証は、ない。
もう、誰かが死ぬのを目の前で見るのはたくさんだ。


そこから先は早かった。仁さんが藤原湖南を組み入れた方針を立て、移動中に私がそれを練り直す。
相手を警戒させないという点では、私以上に最適な存在はない。それを最大限に生かした作戦だ。

#

そして私は、できるだけ5歳の子供らしく、小走りしている。右手に缶ジュースを持ちながら。
鶴岡父の姿が徐々に大きくなる。さあ、やろう。

※コンマ下
01~10 ゆらり、と彼が立ち上がった
11~40 その時、私は気付いた
41~95 通常ルート
96~00 私はふと城の方を見た


662以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 15:19:54.015FkvRQ1l0 (1/1)

たのむ


663 ◆C9vIqtyVF22019/02/20(水) 15:33:22.88rEJilnypO (2/2)

※再判定

01~10 ???
11~30 手に細長いバッグを持っている(アイスキャンディ服用済み)
31~60 素手(アイスキャンディ服用済み)
61~75 手に細長いバッグを持っている(服用直前)
76~95 素手(服用直前)
96~00 ただ立っただけ


664以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 15:35:57.78JYZ2iu27o (1/1)

てー


665 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 00:50:21.52cEYLcv5FO (1/3)

距離が残り10mを切った時だ。

ゆらり……と鶴岡の父親が立ち上がった。

マスクを剥ぎ取り、口の端を歪めている。そして右手は、何かを強く握り締めていた。

「まもなく、女子100m自由形第1組が始まります」

向こうから選手が歩いてくる。不安そうな顔の、薬師丸英華もいた。
鶴岡父の右手から口に、何かが放り込まれようとしている。これはっ……!!?


アイスキャンディだっ!!


私は小走りから全力疾走に切り替える。そして、彼の前で派手に転んだ。缶ジュースの残りが、彼にぶちまけられる。

「……あ???」

※コンマ下
01~35 アイスキャンディは飲まれた後
36~80 寸前で手が止まる
81~00 思わずアイスキャンディを落とす


666以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 00:51:34.615surK1xDO (1/8)

はい


667 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 00:56:45.08cEYLcv5FO (2/3)

彼の手が止まった。まだアイスキャンディは口の中にはない。今だっ!

私はすぐに立ち上がる。擦りむけた膝頭が痛むけど、気にしている場合じゃない。
右手を掴んで、そこを起点にしてジャンプする。そして、そのまま私の足を腕に絡める。身体を捻れば……

※コンマ下30以上で飛び付き腕十字に成功


668 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 01:28:26.05cEYLcv5FO (3/3)

上げます。


669以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 02:34:39.42G7klcvrfO (1/1)




670 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 09:07:54.15CDdVrSmfO (1/13)

「あがっ!!?」

彼が奇声を発する。バランスを取れなくなり、ドサッとその場に倒れた。
アイスキャンディを握る手が僅かに緩む。極めをさらにきつくすると、床にそれは落ちた。

「第1レーン、三波夏帆選手、イトハンスイミングクラブ……」

選手紹介が始まった。私の周りは少しざわついてるけど、会場全体までは広がらない。

「てっ……このガキっ……!?」

彼が力ずくで私を引き剥がそうとする。落ちたアイスキャンディを取ろうとしているのだ。

でも、そうはいかない。

「すみません!!うちの子が、とんだご迷惑を」

母さんが私の所に駆けてくる。荒事にならないように、私が言葉や行動で鶴岡父を抑えるのがプランA。そして、これは有事の際のプランBだ。

「……なんやて?」

私は一瞬の緩みを突いて、床に落ちたアイスキャンディを取った。極めていた腕も解かれる。

「ごめんなさい、道に迷ってたみたいで……服、大丈夫ですか?」

ジュースは鶴岡父の白いシャツを薄紫に染めている。彼がアイスキャンディが消えているのに気付いた。

「……この、ガキ……返せっ!!」

「やめてくださいっ!この子だって、悪気があったわけじゃないんです。
……お詫びは人気のない所でしましょう。競技が始まってしまいます」

オンユアマーク、と声が聞こえた。薬師丸英華は第4レーンか。

※コンマ下10以上で通常ルート


671以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 09:12:57.58h3tr86pDO (1/6)

はい


672 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 09:39:44.16CDdVrSmfO (2/13)

鶴岡父は、憎悪を隠そうともせず私を睨み付けた。

「おかあさん、おじちゃん、こわいよぅ!!」

母さんにしがみつき、目に涙を溢れさせる。感情が肉体反応に直結しやすい子供なら、嘘泣きなど容易い。

「ほら亜衣、ちゃんと謝りなさい。競技の邪魔になりますし、行きましょう?」

薬師丸英華の調子はあまり良くないようで、少し出遅れているのが分かった。
母さんについていく形で、鶴岡父が観客席を後にする。


そして、人通りが少なくなった廊下の所に出た。


「てめえ……ガキが何したか、分かっとんのか??」

鶴岡父が私に掴みかかろうとするのを、母さんが止めた。

「やめて下さい。弁償とかはしますので……」

「弁償とかそういう次元の話とちゃうねんぞ!!?
コラ、ガキ……ポケットの中にしまってるもの出さんかい!!」

必死の形相で私に詰め寄る。でもアイスキャンディは、鶴岡父を仁さんに引き渡すのに必要なものだ。薬物取締法違反で立件し、佐倉に繋げなきゃいけない。
粉々に潰しても良かったけど、それだと傷害罪になる程度には私か母さんが痛め付けられる必要がある。リスクはあるけど、これが最善だ。

そして、ここからが仕上げだ。私は大きく息を吸った。


「うわああああん!!!おじちゃんが、あいをいじめるよぉ!!!」


ありったけの叫び声を出す。

※コンマ下
01~20 ガキ……下手な演技やめぇや……
21~40 こっのクソガキが!!
41~98 どうしました??
99~00 特殊イベント


673以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 09:41:23.50UD4PuKly0 (1/1)




674 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 09:53:35.37CDdVrSmfO (3/13)

「こっのクソガキっ……!!」

「どうしましたっ??」

鶴岡父が私に手をあげたのと、入口の若い守衛が駆け寄ってくるのはほぼ同時だった。

「かかった」

小さく呟く。鶴岡父は、守衛に気付き拳を振り下ろすのをやめた。

「どうしたんです、一体」

「……このガキが、いきなり腕ひしぎ十字固めかけてきてん。……しかも服はジュースでベトベトや。謝罪を要求してるだけ……」

「おじちゃん、こんなの持ってた。おくすり!」

守衛の影に隠れ、私はポケットからアイスキャンディを取り出した。鶴岡父の顔が青ざめる。

「おっ……コラッ!!それを返せ言うとるやろっ!!」

再び振り下ろそうした右拳は、守衛によって阻まれた。

「やめてください、警察呼びますよ?……ねえ君、これお薬?」

「うんっ!でもみたことないおくすり!それと、このおじちゃんみたことある!!」

※コンマ下15以上で守衛が鶴岡父と気付く


675以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 09:54:56.975surK1xDO (2/8)

はい


676 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 12:30:50.48CDdVrSmfO (4/13)

守衛の目が見開かれた。

「……鶴岡兄弟の父親??ちょっと話を聞かせてもらいます、警察も込みで」

「なっ……!?何でやっ!!わしがは、犯罪でもしたいうんか!!」

「あなたも知ってるでしょ?鶴岡光輝は殺人で逮捕、大和は警察に射殺。あなたがここに来たのは、どういう意味があるか念のため聞かせてもらいます。もちろん、この薬についても」

鶴岡父が顔面蒼白になった。

※コンマ下30以下で最後の抵抗


677以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 12:32:59.11YvoMnpeh0 (1/1)




678 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 12:37:17.01CDdVrSmfO (5/13)

「……こんなことで、諦めへんっ……!!」

鶴岡父が守衛に突進した。不意を突かれた彼が倒れ、握られていたアイスキャンディが再び床に転がる。


「光輝、大和、和人!!!仇は討つで!!!!」


※コンマ下
01~30 そのままアイスキャンディが手に渡る
31~65 亜衣が追い付く
66~00 守衛が倒す


679以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 12:44:09.60h3tr86pDO (2/6)

はい


680 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 12:52:03.32CDdVrSmfO (6/13)

私はすかさず駆け出した。5歳児でも、瞬間的な速さならそこまで大きくは劣らない。
右手を精一杯伸ばし、ジーンズの後ろポケットを掴む。そこから朽ち木倒しの要領で、腕で脚を刈る。

「くあっ」

彼が脚に力を入れて踏ん張った。力じゃ勝てない。……このまま倒さなきゃ!


「うおおおおおっっっ!!!」


※コンマ下
01~25 アイスキャンディを取られてしまう
26~50 テイクダウンに成功、アイスキャンディは弾みで砕ける
50~00 テイクダウンに成功


681以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 12:53:48.19MmTzr17Z0 (1/5)

ほい


682 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:02:16.62CDdVrSmfO (7/13)

……止まらないっ!!力づくで振り切られ、アイスキャンディを拾われてしまった!!

「母さん、逃げてっ!!!」

アイスキャンディが鶴岡父の口の中に入る。彼は満足そうな笑みを浮かべた。

多分、彼は真っ先に私を狙うだろう。……逃げ切るのは、多分無理だ。それに、よしんば逃げ切れたとしてそこに待つのは……惨事。

ギロリ、と赤く染まった目がこちらを向く。ここで私が食い止めなきゃいけない。

万一の場合、藤原湖南には来るよう事前に言っていた。彼なら、何とかできるかもしれない。
問題は、それがいつになるか。1分?2分?そこまで持つ??

冷や汗が背中を伝う。

※コンマ下(コナンの状況)
01~60 まだ会場
61~80 こちらの様子を見にきている
81~00 すぐに止めに入る

※しばらく判定が続きます


683以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:05:44.32MmTzr17Z0 (2/5)

はい


684 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:11:52.08CDdVrSmfO (8/13)

※コナンはまだ会場

※コンマ下、手持ち武器の有無
01~70 素手
71~90 スペアのテーザーガンがある
91~00 上+α(この後の展開が相当楽に)

※コンマ下2、守衛の状況
01~50 すぐに立ち上がるが……
51~75 すぐに立ち上がり立ち向かう(守衛死亡濃厚)
76~95 すぐに立ち上がり警棒を構える
96~00 すぐさま払い腰をしかけテイクダウン


685以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:12:50.295surK1xDO (3/8)

はい


686以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:12:55.57N8LP7zpb0 (1/2)




687 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:15:50.15CDdVrSmfO (9/13)

※コンマ下、鶴岡父の状況
※これが最後の状況判定です

01~50 正気
51~95 暴走
95~00 暴走(すぐに発狂)


688以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:17:02.66h3tr86pDO (3/6)

はい


689 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:21:27.99CDdVrSmfO (10/13)




「うおおおおooooo!!!」



獣のような咆哮が、廊下に響く。そして私の姿を捉えると、凄まじい速さで突進してきた!

「待てっ!!!」

私と鶴岡父の間に、守衛が割って入る。それはダメだっ!!

※コンマ下
01~70 グキョッ
71~90 ズダンッ
91~00 うわああっ!?


690以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:24:55.52MmTzr17Z0 (3/5)

はい


691 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:34:17.61CDdVrSmfO (11/13)

グキョッ

鈍い音が響く。守衛の頭部は、真後ろを向いていた。そしてそのまま倒れる。

「フーッ、フーッ」

新型アイスキャンディの服用者……それも初服用者の反応はどちらかだ。正気のままか、狂気に陥るか。
……こいつは後者だ。攻撃パターンは単調だけど、手加減がない。守衛は、平手打ちでこうなってしまったのだ。

もちろん、私が攻撃を受けたらミンチだろう。ただ、返し技を叩き込む隙はまだある。

母さんを逃がして良かったと、私は思った。でも、ここで死ぬわけにはいかないっ!


「Fooooooo!!!」


奴は大きく手を広げて襲い掛かる。

※コンマ下20以上で返し技発動、90以上で?



692以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:39:14.24N8LP7zpb0 (2/2)




693以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:39:38.18h3tr86pDO (4/6)

はい


694 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:53:58.20CDdVrSmfO (12/13)

私はすかさず身を丸く固めてしゃがんだ。できるだけ低く。そして、足首を狙って抱き付く。

「ぐっ!!?」

強烈な衝撃が私を襲う。それと共に、鶴岡父がズドォンと顔面から倒れ込んだ。

「グオオオオッッ!!!」


695 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 13:57:54.42CDdVrSmfO (13/13)

※コンマ下、鶴岡父のダメージ
01~30 すぐに立ち上がる(蓄積カウント1)
31~70 数秒後頭を振って立ち上がる(蓄積カウント2)
71~98 しばらく倒れている(蓄積カウント3)
99、00 気絶

※蓄積カウント3からコナン登場の可能性が出ます。4で確定です

※コンマ下2、亜衣のダメージ
01~15 肋骨が折れた
16~30 腕にヒビが入った
31~00 無傷


696以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 13:59:08.81MmTzr17Z0 (4/5)




697以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 14:02:39.785surK1xDO (4/8)

はい


698 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 19:29:18.23KTfiYugrO (1/11)

「くっ……!」

背中の辺りが激しく痛む。ただ、身体は動かせる。骨は折れていないようだった。
ふらつきながら、鶴岡の父親を見る。

「あがっ、はーっ、はーっ……あがあああああ!!!」

鼻が折れたのか、顔面は血塗れだ。アイスキャンディの効果でも痛覚は倍加している。たとえ正気でなくても、苦痛は相当なものだろう。

私の身体が25歳なら、この隙にすかさず首筋を激しく踏みつけたはずだ。仁さんが教えてくれた方法だった。
私は人を殺したことはない。ただ、仁さんは警察だけど、そうやってどうしようもない中毒患者を「終わらせてきた」。
それが正しいかは知らない。でも「命の危険があったら躊躇うな」と彼は常々言っていた。

……でも、今の私にそれはできない。信条の問題じゃない。単に、私の身体が子供だから。
ただ、ゆっくりと身体を起こそうとする鶴岡の父親を見るしかないのだ。

「ぶふーっ」

血を辺りに撒き散らせて、奴が立ってきた。私だけで耐えられる時間は長くない。

※コンマ下50以上でコナン登場


699以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 19:33:16.74x2Wu22Bq0 (1/5)




700 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 19:34:37.20KTfiYugrO (2/11)

※視点選択

1 このまま亜衣視点
2 コナン視点

2票先取


701以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 19:39:58.20x2Wu22Bq0 (2/5)

2


702以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 19:45:53.795surK1xDO (5/8)

2


703 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 20:06:12.42KTfiYugrO (3/11)

【6月30日、14時11分】


「……やっぱり調整不足、かな」

アユさんが呟いた。薬師丸英華は3位。ベストタイムからは1秒以上遅かったらしい。
ただ、あれだけ色々あった中でも表彰台なら悪くはない。英華はキャップを脱ぎ、大きく息をつく。城が向こうで軽く頷いたのが見えた。


その時だ。


「君っ、助けてっ!!」


セミロングの小柄な女性が、観客席に向けて叫んだ。ざわっとにわかに戸惑いが広がった。

……僕はこの意図を知っている。

「アユさんはここに残って!!僕だけで行く」

「ちょっと!?コナン君だけで……」

「アユさんに危険な目に遭ってもらいたくないっ。すぐに戻ります」

僕はポーチからテーザーガンを取り出し、全力で駆け出した。
そのうち野次馬も集まるだろう。そうなったら、大惨事になりかねない。そうなる前に、沈黙させる。

問題は、宮原亜衣だ。あの身体で、アイスキャンディの服用者と戦えるとは思えない。……逃げてくれているといいが。


その想いは、思わぬ形で裏切られた。

「ぶふーっ」

血走った目が、幼女に向けられている。鶴岡の父、次郎の鼻は潰れ、鮮血で染まっている。
宮原亜衣は……ややふらついてはいるがまだそこに五体満足で立っていた。……これをやったのは、彼女か。

向こうには首が螺曲がった制服姿の人が倒れている。手遅れだったか。だが、僕が気にしなければいけないのは、この狂人だ。

「……藤原湖南っ」

「よく持たせてくれた。ここからは僕の領域だ」

テーザーガンを構える。だが、射程にはまだ遠い。ジリジリと距離を詰める。

「グロロ……」

※コンマ下
01~45 亜衣に向かう
46~85 コナンに向かう
86~00 まだ警戒姿勢のまま





704以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:08:48.32MmTzr17Z0 (5/5)




705 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 20:12:20.62KTfiYugrO (4/11)

「アガァァァッッ!!!」

鋭い蹴り足。奴は宮原亜衣を優先した!
まだ距離は遠い。打って当たるかは五分五分だ。しかし、撃たなきゃ……やられるかもしれないっ。

1 撃つ
2 撃たない

※2票先取


706以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:14:00.13hI/RdmXw0 (1/2)

1


707以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:26:00.83h3tr86pDO (5/6)

1


708 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 20:30:46.55KTfiYugrO (5/11)

僕は人差し指に力を込めた。標準は感覚で済ませる。狙いを定める余裕はない。
当たれば終わる。外せば……それは今は考えるべきではない。


ビシュッ


※コンマ下50以上で命中


709以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:33:52.81x2Wu22Bq0 (3/5)




710 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 20:40:02.94KTfiYugrO (6/11)

テーザーガンのリードが伸びきるかどうかの所に、鶴岡次郎はいる。
先端がかするだけでいい。ゼロコンマ数秒の間、僕は祈った。


そして、それは届いた。


「GYAAAAAAAッッッッ!!!!!」


厚い扉越しに聞こえるかもしれないほどの悲鳴が、廊下に響く。野次馬が数人、プール場に繋がる扉を開けた。


ドサッ


鶴岡次郎が跪いた。目は白眼を剥いている。

※コンマ下05以上で一応戦闘終了


711以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:42:22.015surK1xDO (6/8)

はい


712以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:42:48.10hI/RdmXw0 (2/2)




713 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 20:51:11.48KTfiYugrO (7/11)

終わった……と思った。しかし。


「グオオオオオオォォォ!!!!」


「……馬鹿な」

咆哮が轟く。

僕は唖然とした。テーザーガンが、効かない??
いや、効いてないわけがない。多分、これは……意思の力だ。家族を喪った男が、常識を越えた力を発しようとしている。

……となると、これはっ……!!


「逃げろっ!!!」


宮原亜衣に叫ぶ。テーザーガンのリードを巻き戻すまで、10秒はかかる。問題は、その10秒を稼げるかだ。
少なくとも、丸腰の宮原亜衣にそれはできない。むしろここまでよく痛めつけたとすら言えるほどだ。

※コンマ下
01~50 亜衣逃げ出す
51~70 亜衣攻撃する
71~00 亜衣、守衛の死体から何かを抜き取っている


714以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:53:18.71x2Wu22Bq0 (4/5)




715 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 21:14:49.96KTfiYugrO (8/11)

しかし、宮原亜衣は逃げる様子はない。横っ飛びに移動すると、守衛の亡骸から何かを抜き取った。


「これでも、食らえ!!」


彼女が何かを投げる。バシャッと、何かが破裂した音が聞こえた。
そして、鮮血まみれだった鶴岡次郎の顔が、更に紅く染まる。

「くおおおっっ!??」

目の辺りを押さえる奴を見て、僕は理解した。

……カラーボールだ。守衛は武器をあまり携帯しない。代わりにあるのが、そう簡単に落ちない蛍光塗料が入った、カラーボール。
それを彼女は投げ付けたのだ。素晴らしい機転だ。

「見事だっ!!」

ビィィィィ、とリードを巻き取る。再発射までの時間は、十二分に稼げた。

そして、ダメ押しの一発を、僕は奴の背中に向けて撃つ。


「ギャアアアアAAAAAaaa!!!!!」


そして今度こそ、鶴岡次郎は倒れた。


716 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 21:27:56.82KTfiYugrO (9/11)

「おい、どうした」

「喧嘩??いえ、子供???」

「向こうに人が倒れてる……」

「キャアアアアア!!!」

野次馬が叫び始めた。このままここにいるのはまずい!

問題は、鶴岡次郎だ。テーザーガンで気絶はさせた。だが、放っておけば意識は戻る。そうなったら……。

僕は悩んだ。殺すべきか、否か。

「はあっ、はあっ、藤原、『警視』……警察、を」

息も絶え絶えに、宮原亜衣が呼び掛けた。……ここで殺したら、後の行動に制約がつく。僕は目を閉じた。

「……分かった。君が後を仕切ってくれ。僕は一度引き揚げる。警察が来た時に、説明できそうもない。
鶴岡次郎については誤魔化してくれ。薬を飲んだら発狂して、勝手にこうなった、と」

「……分かりました。手足の拘束は」

「応急的にガムテープで。君から運営にそう言ってくれればいい。警察が来たら、後は何とでもなる」

「了解しました」

僕は野次馬をかき分け、アユさんの所に向かった。裏口から出れば、見つかりにくいはずだ。

※コンマ下10以上で視点選択


717以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 21:36:44.595surK1xDO (7/8)

はい


718 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 21:40:32.18KTfiYugrO (10/11)

※視点選択

1 愛結視点
2 亜衣視点
3 城視点

2票先取


719以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 21:42:19.70x2Wu22Bq0 (5/5)

3


720以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 21:43:03.70h3tr86pDO (6/6)

2


721以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 21:44:44.575surK1xDO (8/8)

3


722 ◆C9vIqtyVF22019/02/21(木) 21:46:59.31KTfiYugrO (11/11)

今日はここまで。


723 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 09:42:01.93OKuNF/+/O (1/1)

【6月30日、14時12分】


やはり、そう上手くはいかないか。僕はふう、と息を吐いた。あまりにこの1ヶ月と少しの間に、僕らには色々なことがありすぎた。
ヤクはゴール地点でキャップを脱ぎ、僕の方を見て苦笑した。自己ベストからは遠く及ばないけど、3位ならそう悪い結果でもない。
世界水泳の代表に選ばれるチャンスは、まだ全然あるのだから。

その時だった。


「GYAAAAAAAッッッッ!!!!!」


プールの向こうから、誰かの絶叫が聞こえる。凄く、嫌な予感がした。

「すみませんっ、席、外します」

ヤクのお父さんに告げ、僕は悲鳴がした方に駆け出す。プールを出る扉のところは、既に野次馬でごった返していた。一人、誰かが逆方向に向かったのが分かった。

「ちょっと、通して下さいっ」

無理矢理に人をかき分ける。……そこには、首が捻れた制服の人と、うつ伏せに倒れてる汚れたTシャツの男がいた。
5歳ぐらいの女の子が、必死に「ガムテープはありませんかっ!!?」と叫んでいる。運営が、慌てて彼らの方に走っていった。

「これはっ、何かあったんですかっ!??」

大学生風の青年に訊くと、彼は「分からない」と身体を震わせた。

「……悲鳴があって、外に出たら2人が倒れてた。で……子供が2人いて……片方はさっき、プールの方に戻っていったけど」

青年の隣にいた女性が、うんうんと頷く。

「よく分からないけど、あそこの男の人を何かで撃ってた。……名探偵コナンを、大きくしたような……そんな子だった」

「ああ、そうそう!マジで劇場版コナンみたいな感じだったな!んであの親父が、あの小さな子に掴みかかろうとしてたんだよ。
そしたら何かを投げつけて……現実味が全然なかったな。映画か何かみたいだ」

藤原湖南だ。そうすると、あの男は……和人のお父さん??

女の子が運営に泣きながら指示してる。女の子のお母さんらしき人もやって来て、必死に何かを話しているのが分かった。
遠くから、救急車とパトカーのサイレンが聞こえてきた。もう、記録会どころじゃない。

※コンマ下30以上で電話が鳴る


724以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 10:02:44.57iQZDrMSDO (1/4)

はい


725 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 20:35:32.20cpWVi/JHO (1/6)

ポケットの中でスマホが震えた。非通知……多分、彼だ。

「もしもし」

『僕だ。鶴岡次郎は』

やはりあれは藤原湖南の仕業だったのか。

「倒れてる。君が殺したのか」

『殺しちゃいない。気絶しているだけだ。むしろ、あそこから起きないかを心配してる。
それに、僕は大したことをしてない。あの子──宮原亜衣に感謝すべきだ。あそこまでやれるとは、想像してなかった』

宮原亜衣?聞いたことがない。

「誰だ、その人は」

『毛利刑事の代理さ。……覚醒者とはいえ、随分な無茶をさせるよ』

僕は視線を女の子に移した。お母さんと思われる女性にしがみついて、わんわん泣いている。あの子が?

「彼女がやったってのか?幼稚園児にしか見えないぞ?」

『彼女も警察らしくてね。なかなかなもんだよ。後は警察に任せればいい。
ただ、少々派手に暴れ過ぎた。僕も『その時』が来るまでは、しばらく大人しくしなきゃいけないかもな。
……電話したのは、この件だけじゃない。お前に話しておかなきゃいけないことがある。
……鶴岡和人が、昨日死んだ』

頭をガンと殴られたような衝撃が走った。……そんな。

「嘘、だろ」

『……残念ながら、本当だ。手遅れだった。……すまない、と言うべきなんだろうか』

手が激しく震えた。和人は友達じゃない。でも……同じアイスキャンディの中毒者として、死んでほしくはなかった。

「……どう、やって、死んだ?」

『……苦痛は感じなかったはずだ。もう、痛みを感じることもなかっただろうから』

目から涙が溢れ、僕はその場に崩れ落ちた。

『……鶴岡次郎は、和人の死は知らない。だが、午前には逮捕されてた光輝も死んだ。大和の死を受け入れられず、完全に発狂した結果だそうだ。
息子たちを全て喪ったんだ。……怒りは僕がはかり知れるものじゃない』

歪む視界の向こうで、和人のお父さんが拘束されようとしていた。制服の警官が、走ってやってくるのが見えた。

※コンマ下30以下で???


726以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 20:39:28.41Pl5nrk/j0 (1/1)




727以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 20:47:03.675ZjnhGnMO (1/1)

こい


728 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 20:50:39.14cpWVi/JHO (2/6)

気絶しているところに手錠がかけられた。担架が運ばれて来るのと同時に、ブルーシートでその場が覆われた。
……もう一人、倒れていた人は……殺されたのか。

「……う、うおぉえぇえっ」

強烈な吐き気が襲った。僕がいたのは、疑いなく……殺人現場だった。
「あの男」を殺した時も、ホームレスを殺した時も、こんな気持ち悪さは感じたことがなかった。……ただただ、恐ろしさを感じた。

『……大丈夫か?』

「……い、いや……ごめん、気持ちが、混乱してる」

『……お前も人の心が戻ったってことか。
1700に、鶴ヶ島の駅で待ってる。余裕があったら来い。今後の話をする』

電話が切れた。僕は、しばらくその場でしゃがみこんだまま、動けなかった。


729 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 20:59:19.93cpWVi/JHO (3/6)

【6月30日、15時06分】


記録会は中止になった。横浜国際プール場の前は、パトカーとテレビ局の車でごった返していた。
この前、学校に和人のお兄さんが来た時より、さらに多い。

「ジョー……大丈夫?」

「大分、落ち着いた。平気さ」

ジャージ姿のヤクが、心配そうに僕を見る。もちろん、嘘だ。平気でなんか、いられるわけがない。

「今日はもう帰ろう。ホテルでゆっくり休むことが、英華にも君にも何より必要だ」

ヤクのお父さんが、肩に手を置いた。裏口から駐車場に向かう。記者が何人か待ち構えてたけど、問い掛けは全て無視した。

※コンマ下50以下で追加イベント


730以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 21:01:58.90iQZDrMSDO (2/4)

はい


731 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 21:10:46.66cpWVi/JHO (4/6)

#

ワンボックスカーに乗り込み、僕らは浦和のホテルに向かう。和人の親族が僕らを襲うことは、もうない。……多分。
湖南は17時に鶴ヶ島駅で、と言っていた。真っ直ぐ浦和駅に向かうなら、まず間に合わない時間だ。一度、和光市駅辺りで降ろしてもらう必要がある。

※重大選択肢です。3票先取

1 ホテルに戻る
(作戦決行は遅れるか城抜きになる、城の生存可能性は大きく高まる)
2 和光市駅で降りる
(作戦決行に向け動き始める、判定(成功確率低~中)に失敗で鬱ルートへ)


732 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 21:12:56.33cpWVi/JHO (5/6)

>>593が参考になるはずです。


733以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 21:28:37.88iQZDrMSDO (3/4)

1


734以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 21:51:20.14xoudI6lY0 (1/1)

1


735 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 22:14:19.58cpWVi/JHO (6/6)

上げます。


736以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 23:23:35.96qKPA/agt0 (1/1)

1


737 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 23:36:01.02o9KrMURfO (1/3)

「和光市……」

「ん?どうかしたか」

口に出し掛けて、僕はやめた。……とても、そんな気分じゃなかった。
和人がどんな気持ちで死んでいったのか。お兄さんたちはどうだったのか。……そして、お父さんは。考えれば考えるほど、気分は沈んでいく。

翔一を何とか止めないといけないのは分かってたけど、前向きな気持ちには、今はなれない。今はただ、部屋にこもっていたかった。

「……何でもないです」

「ジョー……」

ヤクが僕の手を握った。そこに熱い水滴が、一粒落ちる。それは段々と増えていった。

「うっ……くっ……ああっ……!!」

彼女が僕を抱き寄せる。僕はただ、ホテルに着くまで静かに泣いていた。


738 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 23:44:14.98o9KrMURfO (2/3)

#

部屋に戻り、僕はベッドに寝転がった。涙は止まったけど、虚脱感しかない。何もする気が起きなかった。

和人は、どこで間違えたのだろう。お兄さんたちは?ひょっとしたら、和人の容態を知ってて、奪い返しに来たのかもしれない。
自分たちなら救えると思って……あるいは、そう言いくるめられて。
そして、力ずくで和人を奪おうと、アイスキャンディを飲んだ。……それは、最悪の結果を生んでしまったのだけど。

もし、僕が和人の家族だったら、どうしただろうか。……分からない。
僕の家族は、父さんが死んでからなくなってしまったから。
だから、そこまで強く家族を思える彼らは、羨ましかった。救われて欲しかった。

※コンマ下20以上でイベント開始


739以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/22(金) 23:45:50.34iQZDrMSDO (4/4)

はい


740 ◆C9vIqtyVF22019/02/22(金) 23:47:00.23o9KrMURfO (3/3)

※ノックの音

今日はここまで。


741 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 10:31:30.03xwfXMTYcO (1/1)

コンコン

ノックの音がした。動く気力はない。僕はそれをやり過ごすことにした。

コンコンコン

しつこいな。無理矢理身体を起こす。

「……静かにしてくれないか?」

ドアを開けると……

※コンマ下
01~20 仁
21~90 英華
91~00 仁と英華


742以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 10:41:41.87GJSQT5jU0 (1/1)

はい


743 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 15:13:18.11qF+voeL2O (1/3)

ドアの向こうには、申し訳なさそうに俯くヤクがいた。

「ゴメン……邪魔だったかな」

「い、いや。どうしたの?」

「……少し、話せないかなって。ジョーのことだから、今日のことで悩んでるんじゃないかって思ったんだ」

「……まあ、入ってよ」

断ろうかと一瞬思ったけど、彼女を招き入れることに決めた。部屋には西日が射し込んでいる。

「何か、飲む?」

「……麦茶とかあったら」

コップに麦茶を注ぎ、窓際に座る彼女に出す。ありがと、と一口飲んだ。小麦色の肌が日に照らされ、少し輝いて見える。

「……ごめん。こんなことになって」

「ジョー……」

僕はその言葉を絞り出すだけで精一杯だった。僕がいなければ、和人のお父さんは横浜には来なかっただろうし、人が死ぬこともなかった。
もちろん、記録会が中止になることだってなかったはずだ。

※コンマ下
01~20 無言のまま
21~70 責めてるんでしょ、また
71~00 ねえ、目をつぶって


744以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 15:32:48.534TzJhilR0 (1/2)

えい


745 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 15:53:21.38qF+voeL2O (2/3)

「……自分を責めてるんでしょ。また」

真っ直ぐにヤクの目が僕を射抜く。

「……どういうことだよ」

「……昔は分からなかったけど……今なら分かる。あたしを付け回してた、渡辺さんのお兄さん。ジョーが彼を殺してたと知って、ショックだったけど……。
何であの後、ジョーがあたしから距離を取ったか、やっと分かったんだ。ああいう手段でしかあたしを守れなかった自分を、責めてたんじゃない?」

麦茶が入ったグラスを握る手が、汗で濡れていく。

「……だから、どうしたんだよ」

「必要がないことまで抱え込んで、悩んで、苦しんで……それでいいの!?」

ヤクの語気が強くなった。目から流れた水滴が、夕日で光っている。

「……今日のは、僕がいなかったら、起きなかったことだ。和人の家族は……僕がいなかったら生きてたはず」

バシンッ!!

頬を鋭い痛みが襲った。それが、ヤクの平手打ちによるものと知るまで、数秒かかった。

「思い上がらないでよっ!!ジョーがいなくっても、あれは多分避けられなかった!!
何で自分を責めるのよ!!責めたり悩んだりする前に、何で誰かに話さないの??……お願いだから、あたしをもっと、頼ってよ……」

ヤクが泣き崩れる。僕は唇を噛んだ。

※コンマ下
01~30 考える、時間をくれないか
31~90 ……頼り方を、知らないんだ
91~00 上+α


746以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 15:54:56.64XDC3htmDO (1/2)

はい


747 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 16:15:40.16qF+voeL2O (3/3)

「……頼り方を、知らないんだ」

「……えっ?」

僕は麦茶を一口飲んだ。

「気が付いたら、父さんが死んでて。あの母親は僕を見ないようになった。家族なんて、僕にはなかった。
その代わり、勉強したんだ。……一人で生きていけるようにって。何もかも、僕は自分で決めなきゃいけなかった。
渡辺の時もそうだ。学校の先生は、まるで頼りにならない。警察だって、ちゃんと動いちゃくれなかった。……毛利刑事みたいな人は、本当に少ないんだ」

ヤクは目をじっと見ている。それに気圧されそうになるのを、なんとか耐えた。

「……だから、僕は……渡辺を殺した。そうするしか、思い付かなかったから。
ヤクは知らないだろ?あいつが、ヤクに何をしようとしてたか。監禁して、犯して、嬲って……渡辺の一家はぶっ壊れてたけど、あいつは特に、壊れてた。
ヤクを守るなら、それしかないと思ったんだ」

「……言ってくれれば……あたしの父さんだったら、きっと何とかしてくれたと」

「……それは分からない。ただ、そうしてたらヤクのお父さんに危害が加わったかもしれない。
翔一があの件を盾に僕を脅すまでは、それしか選択がなかったと思ってた。……でも、もっといい結末は、あったかもしれない」

部屋には空調の音だけがあった。しばらくして、ヤクが「ねえ」と口を開いた。

「……あたしは馬鹿だから、ジョーがどうしたら良かったかは分からない。
……でも、少なくともこれからは、頼れる相手がいるんじゃない?」

唇を噛みながら、ヤクがじっと僕を見た。……僕は。

※コンマ下
01~30 そう、なのかな
31~80 いいの?
81~00 上+α(EDに関わります)


748以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 16:21:49.514TzJhilR0 (2/2)

えい


749 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 21:50:20.59sJ2azYncO (1/3)

「……いい、の?」

ヤクが泣きながら微笑んだ。僕は彼女の胸に飛び込む。

「あ、あああああ……!!!」

彼女が嗚咽にむせぶ僕の頭を撫でる。

昔、こうやって泣いたことがあっただろうか。
誰かに体を預け、感情を吐き出すだけ吐き出すことで、これだけ心が楽になるなんて。


もし、母が「壊れて」なければ……僕の人生は違ったのだろうか。


「大丈夫、大丈夫だから……」

ヤクが小さく呟いた。

……僕の人生は、まだ終わってない。後1年と毛利刑事は言っていた。けど。
本当にそうなるかは、誰にも分からない。


そうだ。まだやり直せる。


#

どれくらい泣いていただろうか。頭を上げると、日は落ちかかっていた。
ヤクはずっと、僕の頭を撫でていたようだ。

「……もう、大丈夫だから」

今度は僕が彼女の身体を抱き寄せた。「うん」と小さくヤクが頷いた。
潤んだ瞳に吸い寄せられるように唇を合わせる。数秒唇を重ね、身体を離した。

そう言えば……そろそろ「しない」とマズいのだったか。
昨日は、和人のお兄さんの件で、そういう気分にはなれなかったけど。

「ごめん、こんなことを言うのもなんだけど……する?」

※10以上で英華が受け入れる







750以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 21:56:22.80HSl2DZiZ0 (1/1)




751 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 22:42:36.39sJ2azYncO (2/3)

ヤクの顔が赤くなった。

「そ、そうだね。……火曜に、したっきりだし。
あたしはよく分からないけど、男の人って、その……溜まると辛いんでしょ?」

僕は思わず吹き出した。

「いや、そういう問題じゃな……いや、そういう問題か。
でも、お父さんやお母さんは?」

「多分帰るのは夜。それまでに晩御飯食べてれば、大丈夫だと思う」

ふふっと、互いに笑いあうともう一度唇を重ねた。今度は深く、舌を挿れて。

#

その日は久々に、まともに眠れた気がした。

※90以上で???


752以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/23(土) 22:46:45.78XDC3htmDO (2/2)

はい


753 ◆C9vIqtyVF22019/02/23(土) 22:55:00.63sJ2azYncO (3/3)

※仁パートに移行します

今日はここまで。


754 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 11:30:09.50dq9CnUuIO (1/4)

【6月30日、15時31分】


「そうか……本当にすまなかった」

俺は俯いた。……こんなことになろうとは。
鶴岡次郎の暴走を考えてなかったわけではない。ただ、動くとすれば城と薬師丸が一緒にいる時を狙うかと、甘く考えていた。
自棄を起こして無差別殺人に動こうとしていたのは、完全に俺の見立て違いだった。

『仁さんが謝らなくても……それに、亜衣も無事でしたし』

「しかし危険に晒した。無茶をさせてしまった。詫びを言いたいが、彼女は」

※コンマ下70以上で起きている


755以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 11:44:53.81qgZjl7cx0 (1/1)




756 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 11:58:45.50dq9CnUuIO (2/4)

『まだ起きてる。かなり辛そうだけど……』

向こうから亜衣の声がする。電話相手が代わった。

『……仁さん』

「すまなかったっ……!!俺が行ければ、こんなことにっ」

『いえ、いいんです。結果的に、最小限の被害で済みましたし……死者が出てしまったのは、悔やまれますけど』

「だが、アイスキャンディで暴走した相手をお前にさせることになったのは、俺の落ち度だ。
お前が無事で、本当に良かった……!無傷だったのは、奇跡に近いんだぞ」

『自分でも驚いてます。……今でも震えが、止まりません。冷静にと思ってても……軽いパニックになってしまった……』

亜衣の声は沈んでいる。アイスキャンディを飲ませることを許し、強く後悔しているのだろう。
だが、俺が行ければそんなことはなかったはずだ。責は、作戦を立案した俺にある。

「とにかく休めっ。『表』に出る時間が長くなったとはいえ、精神への負担は大きいんだろう?」

『……ええ。仁さんの方の進展は』

※コンマ下
01~30 全くだ
31~60 スマホが見つかった
61~90 スマホが見つかった。それと、詳しい状況も
91~00 手遅れになってしまったが……一応、佐倉に近付けるかもしれない


757以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 12:03:34.61b1SEyfn/0 (1/2)


はい


758 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 12:22:11.12dq9CnUuIO (3/4)

「一応スマホが見付かった。解析を急いでる。それと、聞き込みの結果、状況も分かってきた。
城の家に鶴岡大和を送り込んだのは、鶴岡次郎でほぼ間違いない。目撃証言があった」

『……城を逆恨み?』

「その前に佐倉をと思うんだがな。大方、『城が一緒に足抜けしようと鶴岡和人をたぶらかし、それで行方不明になった』とか言われたんだろう。
で、アイスキャンディを佐倉からもらい、凶行に走ろうとした。
美しい家族愛……とは言い難いな。犯罪に手を染めてしまっては、美談にはならん」

『でもどうして、鶴岡次郎は大和を置き去りに』

「全てが終わったら、拾うつもりだったんだろう。そっちに鶴岡次郎の車があれば、こちらの証言内容と照合できる。
想定外に鶴岡大和が包囲され、それで打つ手がなくなったという可能性が一番高いな。
そして、今日鶴岡光輝が死んだと知り……鶴岡次郎は暴走した」

『……どこまで、佐倉はこれを読んでたんでしょう』

「さあな。……ただ、全くノーケアだったとは考えにくい。そうなると……いささか妙だな」

話していて、違和感があった。戦力増強のために鶴岡一家を引き込んだのに、もはや全滅だ。戦力の逐次投入は、悪手であることが多い。
佐倉は、ただの愚か者なのか?それとも、まだ何か隠しているのか。

※コンマ下80以上で??


759以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 12:27:35.67AodOpCGDO (1/7)

はい


760 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 12:46:54.88dq9CnUuIO (4/4)

……正直分からない。鶴岡和人には12歳の妹がいたはずだが、彼女では戦力にはなり得ないはずだ。

……何を考えている?

『妙、ですか』

「ああ。だがまだ情報が足りない。……藤原は」

『急いで去ってしまいました。警察に聴取されると面倒だ、とも』

「お前もそうなるんじゃ?」

ハハハ、と亜衣が笑った。

『誰も5歳児が取り押さえたなんて思いませんし、それにそろそろ限界です。事情聴取があっても、『5歳の私』では」

「違いない。これからどうする?」

『一度家に帰ろうかと。明日は、白田さんの所に行くつもりでしたが』

「なるほど、な」

藤原が向かう先は、アジトか兵さんの店だろう。今後の話し合いなら、そっちに行ってもいい。
幸い、聞き込みにはメドが立っていた。まだ相当忙しいが、誰かに仕事を頼めば、夕方以降には行けるはずだ。

ただ、鶴岡次郎の様子も見たい。怪我をしている場合、逮捕の前に警察病院に運ばれる。確か、みなとみらいにあったはずだ。

※仁の向かう先は……
※2票先取

1 白田兵次郎の店
2 みなとみらいの警察病院(けいゆう病院)
3 県警本部でスマホなどを調べる


761以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 13:07:34.67b1SEyfn/0 (2/2)

2


762以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 13:17:26.32AodOpCGDO (2/7)

2


763 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 16:01:43.86Q3uUO66oO (1/15)

「俺はこれからみなとみらいに行こうと思う。横浜の事件である以上、鶴岡次郎は『けいゆう病院』に運ばれるはずだ」

『『けいゆう病院』……警察病院、ですよね』

「ああ。怪我の程度は」

『外傷は、鼻を折っている程度でしょうね。問題は、アイスキャンディの影響。
発狂してましたし、あまり楽観はしない方がいいかと。藤原湖南がテーザーガンを2発撃ったのもありますし』

「……まあ、事情聴取に参加することができなくても、神奈川県警から話を聞ければ十分だな。
問題は、『神奈川県警である』ということだが」

亜衣が苦笑するのが聞こえた。

『『無能の神奈川』ですか。今も昔も変わりませんね』

「あまりこの件を連中には任してはおけない。警視庁が口を出すと思うんだがな」

頭の中に小柄な眼鏡の男が浮かんだ。兵藤は兵藤で、こちらに対しさほど協力的ではない、という問題があるのだが。



764 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 16:20:08.63Q3uUO66oO (2/15)

【6月30日、17時11分】


「しかし、わずか数日で鶴岡家はほぼ全員死んじまった、ってわけか。
俺も連中は嫌いだったが、哀れだな」

渋い顔をしながら赤木警部が車外を見た。あと数分で、目的地のみなとみらいに着く。

「俺も亜衣から聞いた限りですが……。鶴岡和人も、アイスキャンディの後遺症で昨晩死んだらしいです。
あれだけ世間を騒がせていた3人が、こんなに短期間に死んだのを見ると……まるで打ち合わせたかのようだ」

「後を追うように次々と、か。試合結果は嘘でも、家族愛だけは本物だったんかねえ。
しかし、あの一家に生まれてみたいかと言われたら、やっぱノーだわ」

「同感です。……そろそろ着きますよ」

歩道は観光客とカップルで溢れている。この一角に、警察病院があることを知る人は驚くほど少ない。
一応一般人も受け入れているし、名前も警察病院ではないから、それも当然と言えば当然だが。

#

「埼玉県警捜査一課の赤木だ。こっちは毛利。今日こっちに運ばれてきた、鶴岡次郎に面会したい。
鶴岡大和の担当刑事と言えば、話は通るだろう」

受付で警察手帳を見せる。

※コンマ下
01~25 面会謝絶です
25~50 「面会謝絶です」「埼玉県警か」
51~70 「面会謝絶です」「赤城警部じゃありませんか、それに毛利刑事も」
70~85 一応、通してよいと。6階です
86~00 さっき、警視庁の方も来られましたね。6階です




765以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 16:22:55.78gm/lgLXI0 (1/1)




766 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 16:43:31.58Q3uUO66oO (3/15)

陰気そうな中年の看護師が無感情に告げた。

「一応、通してよいと。6階の611号室です。
神奈川県警の氷川警部と、保科警部の同伴が必要ですが」

意識はどうやら戻っているらしい。エレベータ―に乗り、6階に向かう。
制服警官が何人もいるエリアを向け、その片隅にある個室のドアを叩いた。

「どうぞ」

ダミ声が聞こえた。中に入ると、猫背気味の小男と、神経質そうな細身の男がいた。
警察手帳を見せると、小男が一歩前に出てきた。

「氷川です。ども。鶴岡大和の担当らしいですな?」

「まあ、一応。メインはこっちの毛利がやってますがね」

氷川が訝しげな表情になった。

「こっちのが?あんたが係長でしょ、普通メインはあんたじゃ」

「諸事情ありましてね。ずっとこの案件を追ってる」

俺は右手を差し出した。

「毛利仁警部補です。よろしくお願いします」

「氷川隆夫警部だ。しっかしまあ、分からんことが多過ぎますなあ」

「……ですね。鶴岡次郎は、奥に」

「ま、一応」

※鶴岡父の容態、コンマ下
01~20 幼児退行
21~60 黙秘中
61~90 黙秘中、ただ情緒不安定
91~00 さめざめと泣いている


767以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 16:54:44.21orx9kWtr0 (1/1)




768 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 17:19:00.08Q3uUO66oO (4/15)

カーテンを開けると、拘束衣を着させられた鶴岡次郎がいた。
俺が入ってきたのを見て、一瞬凄まじい剣幕で睨んできたが、言葉は発しない。

「終始黙秘、ですな。よく分からん薬物反応は出てたが、それはご存知で?」

「ええ。少し、席を外してもらえますか?多分、俺たちだけの方が話が訊けると思うので」

長身の男が険しい表情になった。

「僕たちを信用しないと?聞かれてマズいことでも?」

「そういうわけじゃない。ただ、非常に難しい問題もある。
このヤマは、単に鶴岡家が狂ったという話じゃない。もっと遥かに根が深い」

「これは俺たちのヤマ、ってことか?さすがに聞き捨てならないな」

長身の保科という警部が迫ってきた。歳は若いが、キャリアだろうか。

※コンマ下
01~40 さすがにそれは飲めませんなあ
41~95 ここは引こうじゃないか、保科君。面倒事は人にやらせよう
96~00 保科君、君だけ引いてくれないかね?


769以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 17:23:22.44AodOpCGDO (3/7)

はい


770 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 18:43:57.19Q3uUO66oO (5/15)

氷川が俺と保科の間に入った。

「まあここは引こうじゃないか、保科君。面倒事は人に任せよう」

氷川はそう言うと、ウインクして部屋を去っていく。赤木警部が額に皺を寄せた。

「何だあの野郎、やる気ねえな。『無能の神奈川』らしいわ」

「いや、意外と勘が働く男なのかもしれません。彼らが出てこない方が、確かに捜査はしやすいですから」

俺は鶴岡次郎を見下ろした。

「一応、言っておく。俺はアイスキャンディのことも佐倉のことも知っている。なぜお前が横浜国際プールに来ていたのかも、大体は見当が付いている」

※3票先取
1 その前に言っておく。鶴岡和人が死んだ、らしい
2 今日の件は、佐倉の指示か
3 一番下の子はどうした
4 アイスキャンディが何かは、聞いてるか
5 自由安価


771以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 19:15:24.63Wmq+DlZDO (1/1)

2


772以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 19:15:24.64QaNXLnVt0 (1/1)

3


773以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 20:05:33.56s81fkJr5O (1/2)

2


774以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 20:07:34.96s81fkJr5O (2/2)

773訂正
2→3で。


775以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 20:15:59.67AodOpCGDO (4/7)

3


776 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 21:26:21.73Q3uUO66oO (6/15)

鶴岡父は、俺を睨んだまま動かない。

「……一つ聞こう。お前の娘はどうしている?」

※コンマ下
01~05 発狂
06~40 目にわずかの動揺があるが、喋らない
41~70 それを聞いたから、何になる言うんや
71~95 あ、あの子だけは手を出さんといてな、な??
96~00 ……なあ……頼みがあんねん


777以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 21:28:41.47wQmLhjg50 (1/2)

はい


778 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 21:34:41.79Q3uUO66oO (7/15)

「……それを聞いたから、何になる言うんや」

敵意に満ちた口調で、鶴岡父が口を開いた。

「いや、ただ心配なだけだ。確か、鶴岡和人の2つ下、小学6年生だったはずだ。
光輝、大和の死、そして和人の失踪。堪えてないわけがない。……彼女は今、群馬県水上市だな」

※コンマ下
01~05 ハハハ、と乾いた笑いがあった
06~50 沈黙。しかし動揺している
51~95 何で、それを
96~00 何で、それを……!!?なあ、頼みがあるんや


779以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 21:42:59.36AodOpCGDO (5/7)

はい


780 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 21:55:10.40Q3uUO66oO (8/15)

沈黙。しかし、額には汗が流れている。動揺しているのは確かだ。

「沈黙は肯定と取るぞ。問題は、今彼女がどういう状況下に置かれているか。そして佐倉が彼女をどうしようとしているかだ。
鶴岡光輝については、恐らく佐倉の指示だろう。……大和やあんたがどうかは、やや怪しいが。
アイスキャンディを飲ませ、鶴岡和人を奪回。あるいは城や薬師丸英華の殺害か誘拐。それが狙いだったと、俺は踏んでる。
だから、彼女が上2人と同じように使われないとも限らない。……それはあんたにとっても、最悪のシナリオのはずだ」

鶴岡父はなおも黙っている。

※コンマ下
01~10 手遅れ、なんや
11~40 何でそこまで知っとるんや
41~60 ……何やて
61~90 それは……間違っとる。
91~00 鶴岡父がハッとしたように固まった


781 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 22:18:51.76Q3uUO66oO (9/15)

上げます。


782以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 22:19:12.60LJYNRJI30 (1/2)




783 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 22:48:15.68Q3uUO66oO (10/15)

「……何やて」

鶴岡父の表情が青ざめていた。そこまで考えが及んでなかったのか。

「一応どこまで知ってるか分からないが、言うぞ。アイスキャンディは、ただの麻薬じゃない。
飲めば全ての能力を倍化させる代わりに、寿命を著しく縮める。常用してたら、廃人になって死ぬまであっという間だ。
まして、あんたが飲んだ新型。今あんたが普通にしゃべっているのが驚きという程度には、脳への負担がでかい。
佐倉には『夢の薬』と騙されたんだろうが……その実は最悪の薬だ」

目の前の男は口をパクパクさせている。現実を受け入れきれてないのだ。俺は話を進める。

「ここからが本題だ。アイスキャンディをもし、あんたの娘が飲まされたら??
性欲処理のためにしても、あんたら同様『生きる爆弾』に使うとしても、どちらにせよ人生はメチャクチャだ。
彼女は男3人のように、世間様から嫌われたわけじゃない。ごく普通の少女だ。俺たちも、できるなら救いたい」

※コンマ下(これで大体の方向性は決まります)
01~20 嘘や、嘘やっ!!
21~35 んな、アホなっ!!なら和人は、和人はどうなってんねん……!!
36~65 .んな、アホなっ……!!じゃあもうっ……!!
65~00 …… 頼みがあんねん


784以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 22:49:53.53wQmLhjg50 (2/2)

はい


785 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 23:06:47.76Q3uUO66oO (11/15)

「んな、アホなっ!!じゃあ、もうっ……!!」

俺は目を閉じた。……残酷なことを。

「……やっぱり、飲まされてたか」

性欲処理用か、という言葉を俺は飲み込んだ。あまりに刺激が強すぎるからだ。

「佐倉ってのが、皆に渡したんねん。で真姫が最初に飲んで、えらい強くなったねん……。それで、これなら行けると……」

ダンッ

赤木警部が机を叩いた。拳が震えている。

「よりによって、飲んだのは新型かっ……!!それで、今どうしてるっ!!」

※コンマ下15以上なら水上にいる


786以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 23:11:39.04AodOpCGDO (6/7)

はい


787 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 23:23:31.37Q3uUO66oO (12/15)

※再判定、鶴岡妹が行った場所は……

01~20 浦和
21~50 水上山中(後遺症で死亡)
51~90 日比谷(1日以降に動きあり)
91~00 日比谷(???)


788 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 23:25:06.78Q3uUO66oO (13/15)

コンマ下です。


789以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 23:25:53.34huQhXb3D0 (1/1)




790 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 23:36:51.82Q3uUO66oO (14/15)

「……多分、別荘にはおらん。今朝の真姫は、わしが出る時に酷く具合が悪そうやったんや。脚がフラフラして、熱も酷そうで。
それで、矢向はんが、病院に連れていくって……そこからは、連絡が来とらん」


……そんな、馬鹿な。

アイスキャンディ、それも新型の反動は子供にはあまりに大きすぎたのだ。
もちろん、治す術はない。それに、アイスキャンディのことが露呈される以上、病院なんかに連れていけるはずもない。


そうなると、恐らくは……鶴岡真姫は始末された。……兄妹4人、全員この2日で死んでしまったのか。


鶴岡次郎に、内心の動揺を悟られてはいけない。もしそうなれば間違いなく、「良くて」発狂だ。
この事実は、少なくとも今日は、隠し通さなきゃいけない。……佐倉に辿り着くためにも。


※コンマ下3までの総和が150以上ならそのまま会話進行


791以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 23:43:06.73AodOpCGDO (7/7)

はい


792以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 23:45:21.25LJYNRJI30 (2/2)

そい


793以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 23:46:06.19s6rpZ83uO (1/1)

せい


794 ◆C9vIqtyVF22019/02/24(日) 23:55:47.97Q3uUO66oO (15/15)

「……ちょっと、何やその表情は。何か知っとんのか!?なあっ!!」

鶴岡次郎が必死の形相で叫ぶ。……悟られてしまった。

だが、ここで本当のことを話しても、分かってくれるはずもない。真実を話した結果は、鶴岡光輝で実証済みだ。

俺はどうすればいい??

※0000からの多数決、3票先取

1 そのまま無言で立ち去る(取り調べ終了、鶴岡父発狂確率小~中だが、再会不可)
2 全てを話し、怒りの矛先を何とか佐倉へと向ける(発狂確率90%、全て上手く行けば最善)
3 鶴岡妹の病状が深刻だと嘘をつく(発狂確率中程度の判定を複数突破する必要あり)
4 自由安価(歓迎します。何かよりリスクが低い方法があるかもしれません)


795 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 00:15:28.10TOM7Tg4sO (1/1)

多数決を開始します。0900ぐらいに一度更新できればいいですが。


796以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 00:22:53.29KiIFZ7UDO (1/2)

3


797以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 00:28:00.21hJotxLv20 (1/1)

3


798以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 00:46:20.345L7vawwDO (1/3)

3


799 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 09:42:20.64dc3jnX97O (1/1)

……真実は伝えられない。ならば、せめてもっともらしい嘘を。

「……かなり深刻な状況だ。アイスキャンディの反動は大きい。効果が切れた後に高熱など激しい禁断症状を呈する場合が多いんだ。
お前もじき、体験することになるが……適切な処置をしないと、危ない」

「嘘や……!!!なあ、助ける方法はないんか!!?」

ない、とは言えない。だが、俺は言葉に窮した。

新型の反動で生きるか死ぬかは五分と五分だ。次郎はまだこうして喋れている分、発狂さえしなければなんとかなるだろうが……高熱は、危険な症状の典型だった。
それに、矢向の行動からして、もう娘はこの世にいない可能性が極めて高い。

「……然るべき病院に行けば、何とかなる、かもしれない」

嘘を吐くしか、選択肢はなかった。

※コンマ下
01~45 嘘や嘘や嘘やぁぁああ!!
46~70 嘘や……それなら、和人も
71~95 そうなん、か……なら、和人も
96~00 そうなん、か……


800以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 10:04:49.707m9XbIyw0 (1/3)

はい


801以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 12:16:26.36njlpuYC40 (1/2)

惜しい


802 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 12:31:46.01u6YbKUurO (1/3)

次郎の顔が、くしゃくしゃに歪む。

「嘘や……それなら、まさか、和人も」

「……!アイスキャンディを服用してたのは、知ってたか」

小さく鶴岡次郎が頷いた。

「サプリ、言うとってん……。決まって飲んだ後の動きはキレキレやった。ドーピングか思うとったけど、合法やって。
それに、ボクシングはドーピングに甘いから、何も言わんといたんや……!
なあ、和人を、助けてくれへんか!?後生や、あいつだけは、死なすわけにいかんのや……!!」

俺は思わず目を閉じた。

鶴岡和人の死は、確実に彼の精神を崩壊させるだろう。結果として、反動も誘発される。
光輝のような結末が鶴岡次郎に訪れるのは、容易に想像できた。

※コンマ下
01~50 何や、その、間は
51~90 ああ……分かった
91~00 上+α


803以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 12:35:43.689HiYbfNPO (1/1)




804 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 12:45:32.89u6YbKUurO (2/3)

「……ああ、分かった」

俺は何とか言葉を絞り出した。その約束が果たされることは、永遠にない。

「ほんまやな?嘘やったら承知せんで!??もちろん、真姫もや……もう、家族がいなくなるのは、嫌なんや……」

次郎が「うわあああ……!!」と号泣し始めた。赤木警部が俺を見て、静かに首を振る。

あまりに真実は残酷で、救えない。いつか彼が真実を知ったなら、どうなってしまうのだろうか。
……いっそこのまま逝った方が、まだ楽かもしれない。考えてはいけないことだが、しかし恐らくはそうだった。

※コンマ下15以上で通常ルート(鶴岡父の生存判定はここまで)


805以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 12:49:47.37njlpuYC40 (2/2)




806 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 13:01:40.24u6YbKUurO (3/3)

#

次郎が落ち着くまで、どれぐらいかかっただろうか。頃合いを見て、俺は切り出す。

「……とりあえず、鶴岡和人の捜索願は出してもらう。お前が殺人、ないしは傷害致死の容疑者であっても、それはできるはずだ。
それと、鶴岡真姫に対する未成年者略取での被害届も。さすがに、もう佐倉を信用はできないだろう?」

「……頼んます……」

「話はここで聞いたが、多分代理人を立てる必要がある。手続きまで2、3日はかかるだろうが、これで俺たちも動けるだろう。
案件は、こちらで引き受けた。……約束だからだ」

弱々しく、鶴岡次郎が首を縦に振った。

※1900まで自由安価での追加質問を受けます。なお、特になければ軽い判定を挟んでコナンパートです。
※質問内容次第では、鶴岡父の死亡判定が復活しますので注意


807 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 18:14:55.08yLzxJ8tFO (1/9)

上げます。


808 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 19:10:06.51yLzxJ8tFO (2/9)

#

部屋を出ると、氷川がにやついた顔で待っていた。

「……盗み聞きですか」

「いやいや、随分長かったって感じですな。一応言っとくが、鶴岡の泣き声くらいしか聞こえてない。安心して捜査してくださいな」

「なかなか舐めた男だな?おい」

赤木警部が凄んだ。氷川は笑みを崩さない。

「これ、おたくのヤマなんでしょ?ならおたくがやるのが筋でしょう」

「だが鶴岡の親父がやった殺しはお前らのヤマでもある。やることやんねえから『無能』言われてんの分かってんのか?ああっ?」

※コンマ下
01~70 僕は無能で結構
71~90 そちらの彼は、分かってるようですな?
91~00 上+一つ、聞きたいことがあるんですよ



809以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 19:12:19.417m9XbIyw0 (2/3)

はい


810 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 19:18:00.27yLzxJ8tFO (3/9)

「僕は無能で結構。難しい事件は、優秀な刑事さんがやればいい」

けっと吐き捨て、赤木警部が踵を返した。

「仁、行くぞっ」

振り向くと氷川はそのままの様子でスマホを弄っている。……本当に無能なのだろうか。

※コンマ下
01~05 久し振りっすね
06~95 コナンパートへ
96~00 おやおや、あなたたちも


811以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 19:22:43.115L7vawwDO (2/3)

はい


812 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 20:05:05.63yLzxJ8tFO (4/9)

【6月30日、17時15分】


「来ないわね」

「……まあ仕方ないですね」

コナン君が隣で息をついた。ある程度が想定はしてたみたいだ。

「鶴岡の父親が暴走しては、城も心穏やかじゃないでしょう。毛利刑事もそっちで手一杯でしょうし」

「じゃあ、今日はこのまま帰る?白田さんのお店に行っても、あまり収穫はなさそうだし」

「……」

コナン君が悩んでいる。

※コンマ下
01~30 そうしましょうか。
31~90 行くだけ行ってみましょう
91~00 いや、訊かなきゃいけないことがあった

※コンマ下2
01~05 特殊イベント1
06~10 特殊イベント2
11~95 通常ルート
96~00 特殊イベント3


813以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 20:07:25.24MY4xTnBgO (1/1)

そいや!


814以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 20:17:58.867m9XbIyw0 (3/3)

どれ


815 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 20:31:35.96yLzxJ8tFO (5/9)

※待ち伏せはなし

「……そうしましょうか。明日仕切り直せばよいだけですし」

「確かに。家に帰って、ちょっと休もうか」


あたしたちは車に乗り込む。……確かに、今日は精神的にキツかった。
コナン君がプールから出ていった時は、心臓が壊れるかと思うくらい速く脈打った。心配で堪らなかった。
それに何より、鶴岡の父親がどういう気持ちだったを考えると、心が沈んだ。もう、息子たち3人は帰ってこないのだ。

コナン君は、電話で誰かと──多分網笠さんと話をしている。終始険しい表情だ。

「何だって?」

「派手にやり過ぎだ、と。ネットでは、目撃者の証言が出始めてるみたいですし」

「……それはまずくない?」

コナン君が額に皺を寄せたまま、スマホを弄る。

※コンマ下
01~20 動画までアップされている
21~40 コナン登場後の大立ち回りが文章で詳細にアップされている
41~80 コナン登場後の大立ち回りが、簡単に文章でアップされている
81~00 ごく簡単な概要のみ


816以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 20:38:38.21t0HtWpsR0 (1/1)




817 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 20:58:30.82yLzxJ8tFO (6/9)

「結構詳細に書かれてますね……参ったな」

信号待ちの際にスマホを見せてもらう。「鶴0vsようぢょ&コナンレポ」というブログが、既にできていた。
流し読みすると、プロレスの実況風にコナン君と亜衣ちゃんの戦いが書かれている。

「……何よこれ。面白おかしく書いちゃって……!」

「全くです。ただ、表現に誇張はあっても、書かれてることは大体正しい。
網笠さんからは、2週間の謹慎を言い渡されましたよ」

「そんなっ!コナン君がいなきゃ、大勢死んでたかもしれないのに!」

コナン君が首を振る。信号が赤から青に変わった。

「バッドエンド・ブレイカーとして大事なのは、悟られないことです。
しかし、毛利刑事はともかく、警視庁やその他の警察が僕をマークする確率はこれで跳ね上がった。
ほとぼりが冷めるまで、黙ってろってことですよ。除名にしない分、まだ温情的だ」

「……じゃあこれから2週間、動けないってこと?」

「……そうなりますね。それまでに、どう佐倉を落とすかは考えないといけませんが……。
どこからか追加の戦力を調達されたら、それこそ骨です。きりがない」

夕日が眩しく、あたしは手で目を覆った。

「じゃあ、これからどうするの?また引きこもりは、ちょっと……」

コナン君と一緒にいられるのは嬉しい。それは色々な意味で、だ。
だけど、佐倉を何とかするという目的からは遠ざかっている。鶴岡一家をこんなにしたのは、間違いなく彼なのだ。

コナン君が目をつぶっている。

※3票先取
1 網笠さんの言う通りにしましょう
2 白田さんのとこに数日おきに通いましょうか
3 ……警察を頼りましょう。古畑玲
4 この際命令は無視です
5 自由安価


818以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 21:00:30.12KiIFZ7UDO (2/2)

2


819 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 21:02:38.36yLzxJ8tFO (7/9)

1はノーリスクです。しばらくコナンパートなしで話が進むだけです。ただ、プラスも何もありません。

2は白田と情報交換ができます。コンマ次第でさらなる進展があります。ただ通う際に若干のリスクがあります。

3は古畑に会えるか、会って協力が貰えるかです。もちろん、現状で古畑は敵でこそありませんが友好的でもありません。

4は強硬突破です。全てが上手く行っても、EDはベストではなくなります。

5は何かあるかもしれません。



820 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 21:35:10.05yLzxJ8tFO (8/9)

上げます。


821以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 21:58:23.055L7vawwDO (3/3)

2


822以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 22:02:16.31ECoodR9oO (1/1)

2+できるなら目撃されて騒ぎになるリスクを軽減するために変装する


823 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 22:39:56.97yLzxJ8tFO (9/9)

「白田さんのお店に、数日ごとに通いましょうか。毛利刑事はもちろん、城も来るかもしれない。情報交換ができるのなら、そう悪くはない」

「でも、バレたら騒ぎになるかも。結構話題になっちゃってるんでしょ?そのブログ」

「……ですね。変装するのがいいけど、どうしよう」

コナン君のルックスは、確かに「あの」コナンによく似てる。蝶ネクタイを付けてもう少し小さかったら、ほぼそのままだ。

「まずは眼鏡だよね。普段は外せないの?」

※コンマ下
01~30 結構な乱視なんですよ
31~60 コンタクトが要りますね
61~00 実はこれ、伊達なんです


824以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 22:42:13.288B9hjZ6I0 (1/1)




825 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 22:51:34.04BkupkcMHO (1/3)

「結構な乱視なんですよ。なかなか手放せなくって」

そういえば行為の際も眼鏡は着けたままのことが多い気がする。そういうことか。

「ただ、眼鏡で結構印象が強くなってるんだよね……どうしたもんかな」

「そうですね……髪型をオールバックにするとか……」

「いや、それはもっと目立つと思うな。新しい眼鏡買うか、我慢するか……難しいよね」

車は新座料金所に差し掛かる。もうちょっとしたら朝霞だ。

1 頑張って変装してみる
2 眼鏡を目立たないものに買い換える(店で騒がれる危険あり)
3 開き直ってこのままにする

※2票先取
※1の場合、どう変装させるかあるとありがたいです(必須ではない)


826 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 23:05:49.52BkupkcMHO (2/3)

上げます。


827 ◆C9vIqtyVF22019/02/25(月) 23:52:43.19BkupkcMHO (3/3)

0000でリセットです。


828 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 00:01:54.04I3b+8TKMO (1/3)

ここからカウントします。

1の案は変なものでなければ採用します。
(一応こちらで考えてる案はあります)


829以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 00:07:25.42VV3sI/9IO (1/3)

1
コンタクトレンズ


830 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 00:09:56.16I3b+8TKMO (2/3)

>>829
コンタクトは乱視のため2に準じた扱いになります。


831以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 00:16:34.46VV3sI/9IO (2/3)

なるほど…。

それでは、
1
NBAで着けるようなゴーグル型メガネで。
スポーツ選手が着けるようなヤツです。
小学生でもやってる子いるし。


832以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 00:20:00.77i6kagber0 (1/1)

2


833以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 00:26:15.63VV3sI/9IO (3/3)

831です。
良く考えたらゴーグルもメガネなんで、
ヒーローのお面を被って入店にします。
仮面ヤイバーとか。変装したい。
何度もスミマセン。


834 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 00:45:41.56I3b+8TKMO (3/3)

寝る前に上げます。

>>833
ご指摘の通りで、ゴーグルの場合でも2に準じた扱いです。1週ぐらいはかかる感じで考えていました。
ただ仮面だと目立つでしょうね。


835 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 06:26:45.32N4xYTJFsO (1/1)

上げます。まだ決まってはいません。


836以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 07:58:55.37grKfwWqDO (1/3)

2


837以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 08:51:55.186vLf++HDO (1/4)

変装なら由依さんに相談出来ないかな?
秋山襲撃の時みたいに


838 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 09:04:42.44nCl51kioO (1/3)

2とします。

>>837
それは考えていました。1で有力案がない場合はそうする方向でしたが、これはこれで。


839 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 09:21:48.59nCl51kioO (2/3)

そういえば、志木に眼鏡の量販店があった気がする。そこで眼鏡かコンタクトを買えばいいか。
このデザインの眼鏡では、やっぱり少々目立つ気がする。

「コナン君、新しく眼鏡か何か買う?家の近くに眼鏡屋さんあった気がしたんだけど」

「そう、ですね。気付かれないといいんですけど」

そこまで一気に情報が拡散するとは思わない。ただ、後々噂になると面倒だけど。
あたしは和光ICで降りた。ここからはそう遠くもない。

#

「どんなのがいいかな」

「……そうですね、あまり目立たない方がいいですよね」

店員がチラチラとこちらを見てくる。やはりちょっと目立つようだ。

「なら、コンタクトかな。すぐ作れればいいけど」

相談してみると、最近は通販でも乱視用コンタクトが売られているらしい。
コナン君の視力を測り、より負担がないものを選ぶことにする。

※コンマ下30以下で?


840以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 09:25:01.18OaEWF3Sj0 (1/1)

はい


841 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 09:45:38.31nCl51kioO (3/3)

30分ほどでコンタクトが仕上がった。受け渡しの時、若い女性店員が、コナン君をじっと見ている。

「……何ですか?」

「いえ……お連れの方、名探偵コナンのコナン君にそっくりだなって。写真撮っていいですか?」

「ダメですっ!!」

思わず大声が出た。周囲の目が一斉にこちらを向く。

「アユさん……」

しまった。目立たないようにと思ってたのに。あたしは店員に頭を下げた。

「……ごめんなさい。行くよ」

あたしは姉弟のふりをして、急ぎ足で店を出た。……迂闊だった。

「……どうしよう」

「過ぎたことは仕方ないですよ。ただ、ここにいるのはちょっと危険かもしれない。アジトを移さないと」

「移すって、まさか前の所??」

※コンマ下
01~30 そこしかないですね
31~50 父さんに相談してみます
51~00 ちょっと考えがあります


842以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 09:46:57.38i9jmS1Lg0 (1/1)




843 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 11:30:18.567feZEdy4O (1/3)

「ちょっと父さんに相談してみます。朝霞から動いた方がいい気はしますけど」

コナン君がスマホを取り出した。……厄介なことになった。
佐倉の戦力は、あたしの記憶が正しければ佐倉と矢向という男だけだ。何とかするなら、今が好機なのに。
下手に注目されたら動くに動けない。埼玉県警も、動かざるを得なくなるだろう。

「ええ。……ごめんなさい。で白田氏の所に……はい」

1、2分のやり取りの後、コナン君があたしの方を向いた。

※コンマ下
01~15 物件の手当てが付かないそうです
16~30 大泉のあのアパートしかないらしいですけど、どうします?
31~70 一応新河岸駅の近くにウイークリーがあるらしいです
71~00 実は……


844以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 11:39:56.736vLf++HDO (2/4)

どれ


845 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 12:43:45.197feZEdy4O (2/3)

「実は、鶴ヶ島のアユさんの物件。まだ押さえてたそうです」

「……え?引き払ったはずじゃ」

秋山の一件で、あたしは逃げるようにあそこを去った。でも、何故あたしがまだ借りてることになってるんだろう?

「あそこは月極ですから、一応月が代わるまで新しい人を入れてないというのが一つ。
それと……これは父さんのお節介なんですが……全てが終わったらアユさんが元の生活に戻れるよう、7月からの契約を入れてたみたいです。名義は父さんのですけど」

コナン君が苦笑した。

「そ、そうなんだ……でも、怪しまれないかな。まだ隣の人とかいるはずだし」

「アユさんも変装するしかないですね。髪を切って、サングラスでもすればそうそう分からないかと。
最低限の家財道具だけ持ったら、すぐに行きましょうか。家電とかは、いつアユさんが戻ってもいいように既に入れてあるみたいです。
白田さんの家も近いですし、ちょうどいいかもしれません」



846 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 12:45:21.567feZEdy4O (3/3)

※視点選択です。全て7月1日です
(恐らくイベントの大枠は共通)

1 仁パート
2 コナンパート
3 城パート

※2票先取


847以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 13:04:43.599LtS4GE50 (1/1)

3


848以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 13:23:50.476vLf++HDO (3/4)

3


849 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 20:21:59.71kOgXYQ+BO (1/6)

【7月1日、8時03分】


強い日差しがカーテン越しに入ってくる。その眩しさに、僕は目を覚ました。
部屋には僕一人だ。ただ、枕とシーツに彼女の残り香がかすかにある。僕は枕を抱きしめ、すうとそれを吸った。

ヤクの中に2回ほど出した後、彼女は去っていった。ご両親が帰ってくる以上は仕方がない。
ただ、一人の部屋でも孤独感はなかった。僕はもう、一人じゃない。

朝御飯は下のレストランで各自に採ることになっている。ヤクはもう食べただろうか。

スマホをふと見る。……メッセージが1件。

#

いくつか話したいことがある。可能なら1130にホテルロビーで

#

毛利刑事だ。案件は昨日の件だろう。だけど、何を話したいのだろうか。しかも、わざわざ休日にホテルまで来るなんて。

僕は訝しく思いながら、服を着替えた。

#

※コンマ下10以上で英華食事中


850以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 20:22:51.07UmKTS+0o0 (1/1)




851 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 20:35:15.67kOgXYQ+BO (2/6)

レストランにはヤクはいない。まだ寝てる……ということは彼女に限ってはない。大方、ご両親と一緒にどこかに行っているのだろう。
シリアルにざっと牛乳をかけたものを、僕は胃に流し込んだ。近くにある新聞を手に取ると、1面トップで和人のお父さんの事件が出ている。
……過去のスキャンダルと絡めた記事がやはり目立つ。マスコミにとっては、彼らの一家はいいおもちゃなのだ。

和人は、お兄さんたちの事件を知っていたのだろうか。胸が、また痛んだ。

別のスポーツ新聞を手に取る。こちらは面白おかしくあの事件のことを書いていた。「鶴岡父vsコナン?」という小さな囲み記事が目に入る。
藤原湖南の立ち回りが、ネットで話題になってるらしい。記事に出ているもう一人の子供は、宮原亜衣って子か。
こんなに話題になってたら、さぞかし動きにくいだろう。僕は軽く伸びをした。

11時半までは時間がある。少し、遅れてた勉強でもしようか。

※コンマ下60以上で英華と遭遇


852以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 20:39:42.87grKfwWqDO (2/3)

はい


853 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 20:42:55.22kOgXYQ+BO (3/6)

※英華誘拐ルートは消失
※コンマ下35以上で英華同行可能


854以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 20:44:44.526vLf++HDO (4/4)

何気に危なかったのね


855 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 21:00:10.13kOgXYQ+BO (4/6)

部屋に戻ろうとすると、ジャージ姿のヤクがいた。僕に向けてピョンピョン跳ねながら手を振ってくる。

「ジョー、おはよ!」

「お、おはよう……どうしたの、朝から」

「んー、やっぱ昨日の記録会で、身体がなまってるのが分かったからさ。体力作りってことで、走り込みをね。ジョーもやってみる?」

「あ、僕はいいや……そういえば、毛利刑事からメッセージが」

スマホを見せると、ヤクの顔が真剣になった。

「……話したいことって、何だろう」

「昨日の件に絡んだことだと思う。捜査に進展があったのかも」

「ならいいんだけど……11時半か、あたしも一緒でいい?」

「まあ、いいけど。それまで期末対策やろうと思ってるけど、一緒にどう?」

「うん、いいよ。……あ、エッチなのは、夜にね」

僕の顔が赤くなった。

#

勉強は今までのが嘘のように進んだ。やっぱりこれまで頭に入ってこなかったのは、ストレスからなのかもしれない。
時折ヤクに教えながら、時間は過ぎていく。

「うわっ……」

休憩時間に、ヤクがスマホを弄りながら声を出した。

「どうしたの」

「いや、このブログ。今Twitterで話題になってるんだけど」

「鶴0vsようぢょ&コナン」とある。……スポーツ紙の元ネタか。

「これ、本当にあったんだよね……コナンって、あのバッドエンド・ブレイカーの子でしょ?」

「うん、僕は現場はちょっと見てないけど。それがどうかした?」

※コンマ下35以下で追加情報


856以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/26(火) 21:04:57.49grKfwWqDO (3/3)

はい


857 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 21:28:27.73kOgXYQ+BO (5/6)

※コナンの個人情報暴かれず

「いや、この女の子って誰なのかなって。大人一人投げ飛ばしてるんでしょ?ジョーは知ってるの?」

「毛利刑事の代理らしいよ。何でも、藤原湖南と同じで覚醒者で、未来の警察なんだって」

「えっ、そうなの??じゃあやっぱ普通の子じゃないんだ……」

ヤクがへえと唸りながらスマホを弄っている。

「ほら、休憩は終わり。次は数学行くよ」

「えー。二次方程式の解の公式、まだちゃんと覚えられてない……」

「これができないと赤点だよ。ほら、ちゃんとやる」

しかし、これは誰が書いたのだろう。少し怖さを感じながら、シャープペンシルを握った。


858 ◆C9vIqtyVF22019/02/26(火) 21:28:54.96kOgXYQ+BO (6/6)

今日はここまで。


859 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 09:34:32.51iyh9AizCO (1/3)

【7月1日、11時28分】


ロビーに向かうと、毛利刑事がスポーツ紙を読んでいた。ジーンズに黒のTシャツと、ラフな格好だ。

「来たか。薬師丸さんも一緒なら都合がいい」

「あたし、ですか」

「君も聞いてると思うが、佐倉の狙いは城だけじゃない。『イレギュラー』である君も、ターゲットになってる。
目先の危険は一応去ったが、完全に安心とも言えない。当事者として、知っておくべき話だと思う」

ヤクの表情が固くなった。

「話はここで?」

「いや、鶴ヶ島に向かう。……藤原湖南も来ているらしい。呉越同舟、というやつだ」

「……翔一のことですね」

「ああ。だが、すぐにじゃない。兵さんから聞いたが、藤原は謹慎を言い渡されたらしい。2週間は大きくは動けない」

パン、と毛利刑事が小囲み記事の場所を叩いた。

「えらいバズってたな。……まあ、俺にも責任の一端はあるが。
バッドエンド・ブレイカーの組織がどうなってるかは知らないが、隠密行動が必須なだけに上が怒るのは分かる。
身元まで特定されたら、埼玉県警だけでやれる話じゃなくなるかもしれないしな」

「……どういうことですか」

「警視庁にバッドエンド・ブレイカーのことを知っている刑事がいる。今回の背景も込みでな。そして融通が利きそうもない。
犯罪者は犯罪者として捕まえるのを是とする男だ。逮捕できる状況なのに他の何かのために見逃すことは許さんだろう。
藤原湖南の身元を知ったら、確実に押さえにかかる。そうなれば、佐倉を逃がすことに繋がるかもしれない」

スポーツ紙を畳んで、毛利刑事が立ち上がった。

「まあ、そっちの方が警察にとってはいいんだろうがな。
何やかんやで、大量殺人を行っているわけだ。事情を知らない人間からしてみたら、奴らの行動原理は理解できんだろう。
知っていても、受け入れられない奴はいるだろう。その刑事は、そういうタイプだ」

「止められないんですか?」

「彼の部下が、藤原湖南の『元上司』だ。勿論、覚醒者だ。こちらは話が通じる。
彼にその刑事の行動をコントロールしてもらいたいが、どこまで上手く行くかは謎……」

毛利刑事の表情が固まった。

「……しまった!!!」

「な、何ですか急に!?」

「その刑事は、兵さんのことも知っている!感付いて、彼の所を訪れるかもしれないっ!!」

※コンマ下60以上で仁に電話


860以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 09:40:33.46zVwlurLDO (1/1)

はい


861 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 09:55:37.50iyh9AizCO (2/3)

※描写がくどくなるので続いて判定します

※仁が白田にかけた電話は……(コンマ下)

01~05 兵藤と??が一緒に来ている
06~10 ??だけが来ている
11~30 兵藤が既に来ている
31~40 兵藤と神原が既に来ている
41~95 誰も来ていない
96~00 神原だけ来ている


862 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 11:07:39.55iyh9AizCO (3/3)

上げます。


863以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 11:12:07.653Dfl/Hae0 (1/1)

どうだ


864 ◆uWz6rco4JU2019/02/27(水) 14:30:42.94bkqy6zgho (1/3)

てすと


865 ◆Try7rHwMFw2019/02/27(水) 14:31:12.38bkqy6zgho (2/3)

テスト


866 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 14:32:01.54bkqy6zgho (3/3)

もう一度テスト


867 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 14:33:05.76bT68K67qO (1/1)

大変失礼しました。端末故障によるものです。
更新は夜にでも。


868 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 20:08:42.037XprPimuO (1/5)

※視点を仁に切り替えます

俺は急いで兵さんの電話番号を押した。計画は中止だ。あまりにリスクが高過ぎる!
しかし、それも兵藤がまだ来ていなければのことだ。もし来ていたなら、彼はひたすら粘るだろう。そういう男だと、神原から聞いていた。

『どうした、仁』

「今日の会合は中止です、警視庁の兵藤という男が、感付いているかもしれないっ」

『……何?』

俺は一通りを手早く説明した。兵さんは黙って聞いている。

全て話し終えると、兵さんが溜め息をついたのが分かった。

『……仁、甘過ぎだ。同じ警察でも、色々なタイプがいる。必ずしも味方になるとは限らんだろう。
厄介なことにならんといいがと思ったが、やっぱりな』

「申し訳ありません。しかし、言わなければ納得しない男でした。……ともあれ、今日そっちに行って会うのはリスキーです。
別の所にするか、仕切り直すしかない。今そっちにはいないですよね」

『客は普通の暇なマダムばかりだ。コーヒー教室は13時半からだから、会議を始めるとすれば16時からの予定だった。
お前がいねえと他の参加者に出す菓子受けが貧相になっていけねえが、さあどうしたもんかね』

兵さんが考えている。

※コンマ下
01~70 上手いアイデアがねえな(安価選択へ)
71~85 今日は店を閉めるか。仕方ない
86~00 ちょっと待ってろ、面白いことができるかもしれん


869以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 20:10:02.17lQG0eoIk0 (1/2)




870 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 20:20:31.277XprPimuO (2/5)

『……上手いアイデアがねえな。やはり中止が無難かねえ』

「藤原も謹慎中です。すぐに動くのは、どちらにせよ無理がある。
ただ、学生である城や薬師丸を引っ張り出せるのは土日ぐらいしかない。……悩ましいですね」

別の場所、例えばこのホテルに集まるという手がないわけではない。城の部屋なら、かなり狭いが入れないこともないだろう。
ただ、兵さんなしで上手くまとめられる自信はない。俺と城、そして藤原の3人全員と面識があるのは彼だけだ。
数周しているその知識の力も借りたかった。

さて、どうする?

※3票先取
1 中止にする
2 ホテルで白田抜きでやる
3 それ以外の場所で白田ありでやる(要場所と手段)
4 予定通りやる
5 自由安価

※上手いやり方がないわけではありません


871 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 20:52:05.707XprPimuO (3/5)

上げます。


872以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 21:17:04.62lQG0eoIk0 (2/2)

1


873以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 21:18:08.87+6TDd0CwO (1/1)

3

仁が亜依と初めて会ったサイゼリア


874 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 21:42:12.667XprPimuO (4/5)

もう一度上げます。


875 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 22:22:59.967XprPimuO (5/5)

0000までに決まらない場合は再投票になります。なお、明日の更新は少なめです。

兵藤を揺さぶる材料は実はあります(上手く行くかは別ですが)。


876 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 23:16:19.55Z6zWfTy4O (1/2)

少しやり方を変えます。

※コンマ下50以上で?(ヒントに相当するものです)
※90以上ならそのまま多数決なしで進行


877以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/27(水) 23:24:53.61KE4isncDO (1/1)

こい


878 ◆C9vIqtyVF22019/02/27(水) 23:36:09.46Z6zWfTy4O (2/2)

※神原の電話番号は聞いている

選択肢に6「神原に電話」を加えます。
何も書かない場合はコンマでの話題選択になりますが、書いた場合は内容次第でそれに沿って進行します。

※神原は兵藤の部下ですが、関係は単純ではありません。神原の発言内容に注目すると……


879 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 00:04:23.78n/SamkaSO (1/2)

リセットです。再投票を開始します。


880 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 00:49:06.27n/SamkaSO (2/2)

寝る前に上げます。


881以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 08:15:49.18KVtNQ2AdO (1/1)

6


882以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 09:05:04.94UJLDf/0S0 (1/1)

6


883以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 09:26:43.445oNvjEtDO (1/3)

6


884 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 14:57:12.50EmwtFm+MO (1/1)

……何かを決める前にやるべきことがある。彼を動かそう。上手く行くかは分からないが。

「兵さん、一度電話を切っていいですか?少し連絡を取りたい男がいます」

『誰だ?』

「兵藤の部下で、未来における藤原の上司でもある神原という男です。覚醒者でもある」

※コンマ下80以上で白田は神原を知っている


885以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 15:22:20.88ChCVEawDO (1/2)

はい


886 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 21:41:07.04H3261ks7O (1/4)

『あいつか!そうか、兵藤はあいつの上司だったか』

「知っているんですか?」

『勿論。警視庁刑事部長で、『1周目』から知っている。青山の件では色々世話になったし、共闘したこともある。
多少気障で鬱陶しい所はあるが、優秀な男だ。ただ……覚醒者ではなかった。
となると、『4周目』からか。やはり今回はやけに覚醒者が多いな』

なるほど、それなら知っていても不思議ではない。ということは……

「兵さんから彼に連絡を取ることはできますか?電話番号はこちらが知ってます」

『任せろ。それなら俺がやった方が通りがいい。神原には俺から経緯を説明する。兵藤ってのをこちらに来させないようにすりゃいいんだな?』

「平たく言えば。お願いします」

『おう』

電話が切られた。

「大丈夫、なんですか?」

「……多分」

城に答えながら、俺は違和感を覚えていた。兵さんと神原は旧知の仲だ。兵藤も兵さんを知っている。

なのになぜ、兵藤を兵さんは知らないのだろう?

可能性は幾つかある。単純に兵さんが覚えていない。しかし、兵藤のような男を覚えてないのはやや変だ。
兵藤がイレギュラーである可能性は?それなら、神原が『前の周の』兵藤を知っているはずもない。

とすれば、可能性は2つ。兵さんが嘘をついているか、兵藤が嘘をついたか、だ。前者は考えにくい。となると……嫌な予感がさらに膨れ上がる。

何分か経ったその時、神原から連絡があった。

※コンマ下
01~25 ダメです、僕じゃ止められないっ
26~40 すみません、今白田さんの所に向かってます
41~80 僕の方で足止めを一応。ただ……
81~00 重大情報あり


887以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 21:45:26.675oNvjEtDO (2/3)

はい


888 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 22:08:42.17H3261ks7O (2/4)

『白田さんから連絡は来ましたよ。確認したら案の定、左近さんは白田さんの店に行こうとしてました。
そこで僕の方で足止めを一応。優先順位は鶴岡次郎だと言いくるめて、今横浜に向かってます』

「そうか。すまん、助かった」

俺は心底安堵した。これなら何とかなる。

『いえ、このぐらいなら。しかしそこまで左近さんを警戒するなんて』

「まず、あの融通の利かなさ。藤原の、そしてバッドエンド・ブレイカーのことが知られたら、まずあっちを優先するだろう。
そうなったら、こっちの計画には大きな支障が出る。
それ以上に怖いのが……誰かが背後にいる可能性」

『えっ』

「兵さんは兵藤を知らない。しかし、兵藤は兵さんを知っている、と言っていた。
兵さんが嘘をついている理由は見つからない。あの人は嘘は上手いが、理由なしに嘘は言わない。
とすれば、兵藤が兵さんを知っている、というのは……ブラフか、別ルート」

『左近さんが誰かに使われる?それこそあり得ない。あの人の正義に対する信念は筋金入りですよ?
あまりに使いにくいから、キャリアなのに一介の警部をずっとやってる。超異例だというのは、あなたも分かるでしょう?』

※コンマ下70以上で?


889以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 22:10:27.19ChCVEawDO (2/2)

はい


890 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 22:41:27.41H3261ks7O (3/4)

俺は目を閉じ、暫し考えた。誰が兵藤を使う?圧力で動く人間じゃないように思える。
とすると、志を同じくする人間に、強く共感したからか。問題は、それが誰か、ということだ。

「……だが、兵藤が誰かと組んでいるのは9割方間違いない。君の方でも少し探ってくれ」

『了解です。そういえば、横浜には既に?』

「ああ。むやみに刺激しない方がいい。光輝と同じことになる。……何より、子供4人……恐らくは全員死んだからな」

受話器の向こうで神原が絶句した。

『……分かりました。左近さんが戻って来ます、この辺で』

昼食中であったらしい。俺は溜め息をついた。

顔を上げると、城が絶句していた。

「……和人の妹も、死んだんですか」

「……多分。鶴岡次郎がそれに気付いてないのは救いだが。
アイスキャンディ、それも新型を飲まされ、反動が大きかったらしい。助からないと判断した佐倉か矢向が、彼女を水上から連れ出したようだな。
……そこから先は、察してくれ。水上なら、隠す場所は腐るほどある。……君に伝えたかった話の一つだ」

「そんなっ……!!!」

肩を落とす城の肩を、薬師丸が心配そうに支える。
俺は口の中に、苦いものを感じた。鶴岡家の人々は愚かだったかもしれない。


だが、彼らをここまでに追いやったのは……アイスキャンディであり、佐倉だ。


俺は拳を強く握った。


891 ◆C9vIqtyVF22019/02/28(木) 22:44:22.31H3261ks7O (4/4)

※視点を変えます。一応白田宅でのイベントです(ただまだ波乱要因はあります)

1 仁のまま
2 城に戻す
3 コナンパートへ移行

※2票先取


892以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 23:01:41.41rUgCCaFB0 (1/1)

1


893以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/28(木) 23:05:05.725oNvjEtDO (3/3)

1


894 ◆C9vIqtyVF22019/03/01(金) 18:42:01.79A+ubobDrO (1/1)

【7月1日、13時14分】


「あ、仁さん」

「おじちゃーん」

兵さんの店に着くと、ちょうど美和たちも着いた所だった。亜衣は、まだ「表」に出ていないようだ。

「……昨日はすまない」

「だからいいって。……ああいう所、あの人に似ちゃったのね。誰かが危ないめに遭うと、自分を省みず飛び出しちゃう」

亡くなった旦那のことか。つくづく、模範的な警官だったようだ。

「ねーねー、おじちゃん。このおにーさんとおねーさんは?」

はは、と俺は苦笑する。考えてみると、幼児の亜衣とちゃんと接するのは、これがほぼ初めてか。

「ああ、おじちゃんの……なんと説明すべきかな」

「……親戚、でいいんじゃないですか?」

「ねー、しんせきってなに?じゃあおねーさんはおにーさんのおよめさん?」

薬師丸の顔が赤くなった。

「えっ、いや……それは……」

「ふふふ、あなたたちのことも聞いてるわ。城君に薬師丸さんね。
初めまして、吉岡美和といいます。こちらが、娘の亜衣。今は『20年後の亜衣』は眠ってるわ。それはまた後で、ということね」

2人とも、少し緊張した様子だ。店では兵さんと店員の美樹さんがいそいそと教室の準備をしている。

「ここしばらく、色々あってしんどかっただろう。せっかくだから、コーヒー教室を楽しんでくれ。
教室といっても、旨いコーヒーと菓子を楽しむだけだが」

藤原は16時から来ると聞いている。それまでは、ゆっくり過ごそう。

※コンマ下
01~05 ……何?
06~70 通常進行
71~00 ……お前は?


895以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/01(金) 18:46:07.43n/cG1m8O0 (1/1)

どうだ


896 ◆C9vIqtyVF22019/03/01(金) 23:37:04.78n7P0lRbwO (1/1)

#

「どうだ坊主、旨いだろ」

「はっ、はい。おいしい、です」

アフォガートを食べた城がうんうんと頷く。

「そうかそうか。喜んで貰えりゃ良かった。エスプレッソが基本だが、インスタントでも思い切り濃いめに作ればできなくはないぞ」

「今度試してみます。……ちゃんとしたもの、あまり食べてないので」

薬師丸の表情が曇った。そういえば、ネグレクトを受けているのだったな。
彼女がいない本来の歴史で、彼が歪んだのは当然とも言えた。

「さて、今回はこれでお開きだ。次は1カ月後だな。豆の煎り方をやるんで楽しみにしてくれ」

参加者のマダムたちが次々と席を立つ。入り口の辺りに、サングラスの茶髪の女性と、髪を真ん中から分けた子供がいるのが分かった。
コナンとは大分違う印象の子だが……あれが藤原か?

兵さんが入り口に向かった。何やら話をすると、彼らを招き入れる。
少年が、俺の前で立ち止まった。そして、すっと右手を差し出す。


「初めまして、だね。藤原湖南だ」


やはりこいつが、か。俺は一瞬躊躇い、彼の右手を握る。

「毛利仁、だ。こうして会うのは、確かに初めてだな。聞いていた外見と違うが?」

「あれは一目に付きすぎた。本来、外出してると分かっただけでも身は危ういんだ。
上にバレたら、記憶を消されるんでね。こうやって、変装してるわけだ」

「なるほど。そっちの女性が、吉岡愛結か」

女性が一瞬ビクッとした。

「え、ええ……」

「アユさん、心配しなくていい。……不思議に思ってた。どうしてそこの子はアユさんのことを?あなたが教えたのか」

藤原は亜衣を見る。まだ「表」に出てはいない。

「そうだ。出本は教えられない」

「……なるほど。秋山のことも」

「あれは群馬県警マター、さらに言えば警察庁マターだ。
一応話が付いたとはいえ、迂闊にうろつかない方がいい。こちらはまだ情報を俺で止めてるが」

「それは助かる」

※コンマ下25以下で?




897以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/01(金) 23:37:30.89vGaA22bw0 (1/1)




898 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 11:59:26.50sz6JcXR/O (1/1)

「……さて、役者は揃ったな」

兵さんが俺たちを見渡した。亜衣の表情が鋭いものに変わる。「入れ替わった」のだ。

「佐倉の件ですね」

「おう。あれは潰さないといけない。法では裁ききれん。それも今のうちに」

俺は頷いた。本庄が戻ってきたら、N国まで出張ってきかねない。

「ええ。ただ……」

藤原の視線が下を向いた。

「僕は2週間はマトモに動けない。やむを得ないことでしたが」

「それは仕方ない。逆に言えば、2週間後には動けるってことだな」

「一応。毛利刑事、あなたは?」

「鶴岡次郎から鶴岡真姫については託されている。もう死んでいるだろうが、未成年者略取容疑で佐倉を捜査することは不可能じゃない。
ただ、真姫の死体が見つからない限りは逮捕は不可能だ。佐倉の居場所は相当絞られているが、俺だけが突っ込んでも意味がない」

「つまり、やるなら同時か。あなたが捜査に入り、僕たちがその間隙を突く」

「……殺すという前提なら、な」

俺は悩んでいた。法では佐倉は裁けない。それは兵さんの言う通りだ。だが、他に方法はあるのか?

「真姫さんが殺されたなら、死体さえ見つかれば話は変わってくるのでは?」

亜衣の言葉に美和が同意した。

「そうね。やっぱり、どんな理由でも殺人は良くない」

「でもどうやって見つける?相手は多分、プロだ。死体遺棄の方法も、手慣れてる可能性が高い。
探している姿を見られたら、水上から別のどこかに移られる可能性もある」

※コンマ下
01~70 通常進行
71~90 一人、心当たりがある
91~00 彼に任せよう


899以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 12:02:41.20u1iR2ekDO (1/3)

はい


900 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 15:17:13.095K4xt+KDO (1/3)

藤原が唸った。

「水上の山中は広い。闇雲に探してもまず見付からないだろうね」

沈黙が流れた。兵さんがコーヒーを飲み、一息つく。

「まあ、決行は2週後だな。ただ、問題はいくつかある。佐倉を最終的にどうするか。殺すなら、余程上手くやらないと仁は懲戒もんだ。
逮捕するなら、二度とシャバに出れないようにしなきゃいけない。そんなのができるかは知らんが。
そして、その間に佐倉が移動しない保証はない。鶴岡次郎が逮捕されたことで、警戒心が高まってるかもしれない。水上から移動されてたらアウトだ」

「水上から動いてないか、観察する必要が?」

「だな。定点観測が要る。ただ、ここから水上は遠いな」

城が兵さんを見た。

「僕の仲間──興也さんがやってくれると思います。というより、動けるのが彼ぐらいしかいないですが」

「分かった、そっちは任せる。んでもう一つ、重大な問題が」

兵さんが城と薬師丸の方を向いた。そう、これを言わねばならない。

「兵さん、いいですか」

「おう。仁が話すべきだろうな」

「ええ。……まず、君らの保護は明日朝までだ。一応、対象となる鶴岡大和と鶴岡次郎は死んだか、逮捕されたかになったからだ。
それに、警察もいつまでも君らを守れない。ここからは、自分の身は自分で守ってもらわないといけない」

「……そうですか」

二人の表情は固い。俺はそのまま続ける。

「佐倉が君らを……特に英華さんを狙う可能性は低くない。戦力に余裕ができたら、間違いなくやる。
身の回りには、気を付けるだけ気を付けてくれ。何かあったらすぐに俺に連絡を」

「……二人を守る手段はないんですか。警察でしょ」

宮原愛結が言う。

「……勿論監視は続ける。ただ、完全じゃない。極力気を付けろ、としか言えないのが現状だ」

※コンマ下65以上で?95以上だと……


901以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 15:19:36.10ZNAT9S9HO (1/1)

そいや!


902 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 15:47:50.605K4xt+KDO (2/3)

※武器提供はなし

「やはり、それしかないですか」

城が溜め息をつく。

「まあ、佐倉には矢向以外の人間はいない。俺が知る限りでは。
だが、他にも使える人間がいる可能性は否定できん。最悪、一ノ倉沢を訪れたクライマーを拉致ってアイスキャンディを飲ませるなんてことをやっても驚かない。
だから、常に気にはしておいた方がいい。明日は病院らしいから、特にだ」

「…分かりました」

兵さんが渋い顔をしている。

「もう一つ、大事な話だ。2週後、坊主はどうする」

「……僕、ですか」

「そうだ。まあ普通に考えたら、来ても足手まといにしかならん。俺としては、そのまま普通の中学生に戻ってほしいがな」

「同感だ。君の罪は、これ以上は追求しない。そもそも証拠がないから、逮捕しようもないが」

藤原の額に、僅かに皺が寄った。

※城の強さは……(コンマ下)
01~70 普通に弱い
71~80 そこそこ程度
81~95 鶴岡のジムである程度の心得はある(ここから戦力になるレベル)
96~00 英華の体質で常時ブースト状態


903以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 15:50:51.90u1iR2ekDO (2/3)

はい


904 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 16:19:33.855K4xt+KDO (3/3)

「……できれば、最後まで見届けたいです。それに、毛利刑事が考えるほど、僕は弱くないです。……多分」

城が俺の目を見る。俺の顔が熱くなるのが分かった。

「甘いっ!!アイスキャンディを服用した人間がどれほど危険か、君は見たはずだ!!
格闘技の心得がほとんどない鶴岡次郎が、張り手一発で一般人の首を捻じ切るんだぞ??
ハッキリ言って、昨日あれだけで済んだのは奇跡的だ。亜衣と藤原が一般人以上に強い点を差し引いても、だ。
気持ちは分からんでもないが、現実を見ろ!!薬師丸さんを悲しませたいのか!!?」

薬師丸は「ねえ、やめてよ……」と目を潤ませている。城が唇を噛み、目をつぶった。

「……でも、ヤクを守るためには……何もしないわけにはいかない。それに、僕は和人を一度、倒したことがある」

「……何?」

「……本当です。勉強会に入った当初、僕を締めるつもりだったんでしょう。和人は瑠偉や直哉と一緒に、僕をリングにあげてなぶろうとした。
でも、なぜか動きが読めたんです。それで、カウンターを」

驚いた。鶴岡和人は一応、ボクシングの実力はある。アイスキャンディの補正を抜いたとしても、本来の歴史で高い評価を受けていた。
鶴岡が戯れ半分だったとしても、城はそれなりには強いらしい。

「……なるほどな。そこは『史実通り』なのか」

皮肉めいた笑みを藤原が浮かべる。熊谷大虐殺で最も多くの殺人を犯したとされるのが城だが、相応の裏付けはあったということか。

「どうする、仁。俺は依然反対だがな」

兵さんの意見に、亜衣が反論する。

「私は……手数が多い方がいいと思います。私自身は、参加できそうもないですし。せめて、あと5歳年が行ってれば良かったんですが……」

確かに亜衣を連れていくのはあり得ないだろう。昨日のは本当に緊急時だったからに過ぎない。

なら、城を連れていくべきか否か?

※3票先取、重大選択です

1 連れていく
2 連れていかない

※城は仁とほぼ同程度には格闘ができます
(センスがある上に、少し描写がありましたが運動能力は英華のお蔭でややブーストされています)


905以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 16:34:49.59KQHhhsxIO (1/1)

2


906以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 17:00:13.95MTEm0pai0 (1/1)

1


907以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 17:02:50.44VXFgaVbDO (1/1)

1


908以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 17:13:23.25u1iR2ekDO (3/3)

1


909 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 22:56:00.65+vmJMNgXO (1/4)

「ちょっと、軽く立ち会おうか」

俺は構えた。城は「えっ」と言ったまま固まっている。

「どういうことですか?」

「君の力を確かめたい。本当に俺たちと来るに足る力があるのか。
一発、本気で殴る。それにどう対応するかで判断する」

彼もアップライトに構えた。……確かに素人じゃないな。

「一応言うが、フェイントも使うぞ」

「……分かりました」

軽くステップを踏む。俺も一時期ボクシングをやっていた。
プロに勝てるレベルではないが、それでも……他の格闘技と組み合わせたらどうだ?

俺は一歩大きく踏み込んだ。城の肩がピクッと反応する。オーバーハンドの右……と見せかけて。

「えっ??」

身体をひねって放つのは……右ミドルキック。

城は表情を変えない。肚が座ってるのか、反応してないだけなのか?
蹴った右足を当たる手前で床に下ろす。身体をさらにひねって背中を城に向け……


「シッ!!」

右のバックハンドブロー!!


次の瞬間。


目に入ったのは、城の右拳だった。裏拳は空を切り、拳が俺の鼻面を……捉える直前で止まった。


「……驚いたな」

「蹴り使うなんて、聞いてないですよ」

兵さんは「ほう」と唸り、藤原は「……まさかね」と呟いた。

「ジョー、今何やったの」

「いや、ただ動きを見ただけだよ。後はそれに合わせるだけ」

いや、城は完全に見切っていた。格闘技を本気でやっていた人間でも簡単に躱せる一発ではなかったはずだ。
ただセンスがあるというだけでは説明が付かない。そもそも「反応速度自体が速い」。
俺は冷や汗が流れるのを感じた。アイスキャンディの酵素療法に、こんな効果があるとは聞いていない。

アイスキャンディの効果が、微妙に残っているのか?
俺は一つ息を付いた。

「どうやら虚勢じゃないな。本当にそれだけの力があるわけか」

「毛利刑事こそ。最初のキック、当てようと思えば当てられたでしょう?」

「『殴る』と言ったからな。あれをフェイントにしないと嘘をついたことになる。
それでもあれを交わすのは予想外だった。本気で当てるつもりだったんだが。
……兵さん、城も連れていきましょう。戦力には、確かになる」

「そうかもしれんが……坊主はそれでいいのか?」

城はちらっと薬師丸を見て、目を閉じた。

「……僕が翔一を止めなきゃいけなかった。怖くて、一歩を踏み出せなかった。
もう、誰も不幸にさせない。もちろん、ヤクも」

「やだよ、怖いよ」

「……もちろん僕も怖いさ。でも、受け身になって守ってもらってばかりじゃ、何も変わらないから。
それに、こうしないと、ヤクを本当の意味で守れない気がする。大丈夫、ちゃんと戻ってくる」

城が薬師丸をそっと抱いた。

「……決まりだね。決行は2週後、7月15日。細かい所はこれから詰めるが、まずは定点観測からだ。
佐倉を最終的にどうするかは……もう少し経ってから決めよう。多分、3人とも考えていることは違うだろう」

「了解だ。じゃあ、今日の所はこれで終わりでいいですか?」

兵さんが目を閉じている。

※コンマ下80以上で追加イベント


910以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 22:58:00.71qO/4qvWUO (1/1)




911 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 23:12:10.03+vmJMNgXO (2/4)

「そうだな。とりあえず、連絡は密に取ろう。
幸い、コナンはこの近くに越したらしい。意志疎通は、比較的しやすくなった」

「白田さんはどうするんですか?」

「俺は統括、及びお前の上司との折衝だ。網笠のことは知ってるからな。
気になるのは『西の公安』だ。話を付けたとは言え、音沙汰がないのが妙っちゃ妙だ」

藤原が頷いた。俺も同意する。

「増田は俺の監視としてまだ残ってます。無論、堺も。表立って妨害はしてないですが……何より、古畑がいない」

「そうだ。あいつが消えているということは、何かある。気を付けるべきだろうね。
佐倉の側ということは、よもやないだろうけど」

「……まあ考え込んでもしゃあないな。後は各自、動いてくれ。坊主はくれぐれも、身の回りに気を付けな」

城が薬師丸の手を握り、強く頷いた。

※コンマ下25以下で追加イベント


912以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/02(土) 23:12:33.666+pz4tp30 (1/1)




913 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 23:19:40.67+vmJMNgXO (3/4)

※次郎の死亡はなし

0000まで質問候補を自由安価で受けます。
簡単な質問をこの場にいる誰かにすることが可能です。無論、答えられるかは質問次第です。

なお、質問がない場合は0000より視点選択に移ります。


914 ◆C9vIqtyVF22019/03/02(土) 23:43:27.15+vmJMNgXO (4/4)

一応上げます。


915 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 00:02:07.49oWDKBGDbO (1/1)

では視点選択に移ります。特段の事情がない限りは翌日からです。

1 仁のまま
2 城パート
3 コナンパート

※2票先取


916以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 00:21:00.04i+0RNJrDO (1/7)

1


917以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 00:23:35.39MVkX8WiB0 (1/1)

2


918以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 00:25:36.28I/3Ay09DO (1/5)

2


919 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 09:39:13.21Yiy+8hxzO (1/4)

【7月2日、7時23分】


「この満員電車も、今日で最後だね」

「うん。……でも、本当に大丈夫なのかな」

ヤクが僕の制服を掴みながら言う。彼女の体温で昨晩のことを少し思い出し、身体の芯が熱くなった。

「しばらくは大丈夫なんじゃないかって、毛利刑事は言ってたけど……」

「だといいけど。でもジョー、あんなに強かったんだね。知らなかった」

「僕も驚いてる。……なぜか知らないけど、身体が勝手に反応したんだ。まるで……」

そう、まるでアイスキャンディを飲んだ時のようだった。「クロックアップ」。脳の超高速回転。あれに近いことが、あの時起きた。
もちろん、毛利刑事は手加減をしていた。それでも、あれを避けられたのは、それぐらいしか考え付かない。

鷹山先生の所に行くのは明後日だ。検査結果がどうなっているのか、少し不安になってきた。

#

学校は今日から期末テストだ。今週一杯はテストで、そこから一週間の休みがある。
翔一の所に行くのは、15日。その前の空白の時間を、どう使うかだ。

※コンマ下
01~10 特殊イベント(再判定)
11~90 通常進行
91~00 特殊イベント(再判定)で


920以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 09:41:02.730wiMxhkt0 (1/2)




921 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 09:56:29.56Yiy+8hxzO (2/4)

【7月4日、12時16分】


「ヤク、準備できた?」

「うん、こっちは大丈夫」

テスト後の教室で、ヤクが僕に話し掛けてきた。
周りからは「完全に夫婦だよな、あれ」とか「英華ちゃん、変わったよね」とかの雑音が聞こえて来るが気にしない。
ヤクももう僕と付き合っていることを、隠そうとはしないようだった。

「検査は午後2時からだっけ?間に合うかな」

「ちょうどいい感じじゃない?検査といっても、そんなに負担になるようなことはないから大丈夫だよ。僕の方は、少しかかるけど」

検査が終わるのは夜になるらしい。明日もテストだけど、仕方がないか。

正門の近くは、一頃の物々しい雰囲気は消えている。僕の行動を見張っていた毛利刑事ら警察もいなくなった。

※コンマ下
01~20 いや……違う
21~80 通常進行
81~95 スマホにメッセージが入った
96~00 電話??


922以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 10:04:16.07I/3Ay09DO (2/5)

はい


923 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 10:15:32.68Yiy+8hxzO (3/4)

※再判定
01~30 視認できなかった
31~45 ……見慣れた黒い車……
46~70 微かに気配が……「初めまして、だね」
71~95 微かに気配が……「ちょっとよろしいですか?」
96~00 微かに気配が……「ちょっといいかい?」


924以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 10:16:50.060wiMxhkt0 (2/2)




925 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 10:23:32.84Yiy+8hxzO (4/4)

いや……違う。誰かの気配がする。周りを見渡したが、姿は見えない。

「……どうしたの?」

「いや、誰かが近くにいる気がして」

ヤクの顔が青ざめた。

「……え」

「分からない。でもとりあえず行こう。僕から離れないで」

小さくヤクが頷く。駅まではそれなりに人通りがある。それでも、嫌な予感は急速に膨らんでいた。

※コンマ下
01~30 襲撃
31~75 尾行されている……
76~90 気配は消えた
91~00 再判定(正体判明)



926以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 10:31:31.10ooVsq48C0 (1/1)




927 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 13:28:36.671+ZKrFgXO (1/4)

駅まで残り3分ほどの所まできた。人通りが、にわかに途絶える。


その時だった。


ブロロロッッ……!!


鈍いエンジン音が、急速に近付く。振り向くと、白いハイエース!?


「ヤク、逃げろっ!!」


僕も逃げようとしたが、僅かにハイエースのドアが開くのが早かった。そこから出てきたのは……

※コンマ下
01~15 矢向(救済判定を入れます)
16~20 「サクラ」
21~40 男2人、アイスキャンディ服用済み
41~70 男1人、アイスキャンディ服用済み
71~95 男1人、素面
96~00 乱入あり


928 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 13:29:03.531+ZKrFgXO (2/4)

40以下は再判定を入れます。(英華逃走判定)


929以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 13:30:38.66i+0RNJrDO (2/7)

はい


930 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 13:36:21.861+ZKrFgXO (3/4)

目が血走った男が中から現れた。一目で分かった。……こいつは、正気じゃない。


「おおおおっ!!!」


男は僕に掴みかかろうとする。速いっ!

※コンマ下
01~20 投げ飛ばされた
21~50 回避したが反撃できず
51~70 カウンターでアッパー、男は後退
71~90 カウンターで気絶させることに成功
91~00 上+α


931以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 13:38:39.23i+0RNJrDO (3/7)

気絶!


932 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 13:46:31.931+ZKrFgXO (4/4)

僕はすかさずダッキングし、僅かに身をかわす。しかし、距離が近いのと速いのとでカウンターは撃ち込めない。

男はすかさず体勢を立て直す。身長は175ぐらいだが、がっしりした体型だ。
格闘技をやっているかは分からないけど、筋肉は間違いなくある。食らったら一たまりもない。

視界の端で、ヤクが逃げているのが見えた。すぐに助けを呼んでくれるはずだ。

「グロロ……」

男がジリと距離を詰める。運転席の男は見えない。

僕は……

1 逃げる
2 戦う
3 運転席の方に回り込む

※2票先取


933以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 13:53:47.80i+0RNJrDO (4/7)

1


934以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 13:58:24.02I/3Ay09DO (3/5)

1


935以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 13:58:32.123g552CGr0 (1/1)

2



936 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 20:36:19.23yVAoce1RO (1/7)

僕は後退りした。戦って勝てるかもしれない。ただ、リスクは負いたくない。今は……身を守ることに専念しよう。

目の前の男がふう、と僅かな溜めを作った。それに乗じて僕は身体を反転させる!
足はそんなに速い方じゃない。ただ、追ってくるなら……考えもある。

※コンマ下
01~10 ???
11~30 追い掛けられる(攻撃受けるかは再判定)
31~70 警察が来るわ、乗って!!
71~95 追い掛けられる(反撃へ)
96~00 追い掛けられる→特殊イベント


937以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 20:38:49.48L4Vatd6I0 (1/2)

はい


938 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 20:44:19.69yVAoce1RO (2/7)

駆け出してすぐに、車から女の声が聞こえた。

「警察が来るわ、乗って!!」

向こうからヤクが制服警官を連れてくるのが見えた。まだ大分距離はあるけど。
振り向くと、男がハイエースに飛び乗った。逃がすのは仕方ない。大事なのは、この次だ。

僕はハイエースを凝視する。カーナンバーは……

※40以上で覚えた


939以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 20:45:07.05I/3Ay09DO (4/5)

はい


940 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 20:55:42.15yVAoce1RO (3/7)

くそっ、走り去る速度が速すぎて見えない。警官とヤクが僕のもとに辿り着く。

「ジョー、大丈夫??」

「……なんとか。ゴメン、カーナンバーは覚えられなかった」

「車の種類は分かるかい?」

「白のハイエース。乗ってたのは少なくとも2人、女性と身長175cmぐらいの男性……筋肉質です」

制服警官が無線機で指示を出す。ヤクが心配そうに僕を見つめていた。

「……どうして」

「分からない。どっちを狙ってたかも。確実に言えるのは、あいつはアイスキャンディを服用してた。……とすると!?」

僕は警官に叫んだ。

「すみません!!普通の追跡じゃ危ない!!あいつは、アイスキャンディを……薬をやってます!!それも、とびきり危険な!!」

「え?」

普通の追跡じゃ、被害が出る可能性が高い!一般の人たちに危害が及んだら、最悪もいいとこだ!!

僕は急いで毛利刑事に電話する。ここは東京だけど、頼りになるのはこの人しかいない!!

※80以上で場面転換


941以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 20:57:01.15i+0RNJrDO (5/7)

はい


942 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 21:04:20.33yVAoce1RO (4/7)

※仁はまだ知らない

『どうした?』

毛利刑事はすぐに出てくれた。そのことに少しだけ安堵する。

「アイスキャンディの服用者に襲われました!今、学園大学駅の近くです!一応警察には来てもらいましたが……ハイエースで逃げてます!このままじゃ……!!」

『了解だ』

毛利刑事は少し間を置いた。

※コンマ下
01~70 着くまでには時間がかかる(通常進行)
71~95 ラッキーだったな、ちょうど今、警視庁の人間といる
96~00 即座に厳戒体勢を敷かせる(仁パートへ)


943以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:04:49.58L4Vatd6I0 (2/2)

はい


944 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 21:14:45.91yVAoce1RO (5/7)

『ただ、着くには時間がかかる。それまで警視庁に任せるしかないな』

「……分かりました」

僕は力なく電話を切った。せめて被害が拡大しないよう、祈るしかない。

#

そこから近くの交番に行き、簡単な事情聴取を受けた。多分、この警官では僕の話すことを信じてはくれないだろう。
僕は「暴漢に襲われた」と嘘をついた。ヤクがずっと僕の裾を握って震えている。

「ちょっと待ってくれ」

交番の電話が鳴り、警官がそれを取った。

※コンマ下
01~05 一般人を巻き込んだ虐殺に発展
06~30 任意の事情聴取をした警官が殺害、逃走(被害拡大へ)
31~50 任意の事情聴取をした警官が重傷、逃走(被害拡大確率小)
51~80 そのまま逃走、行方知れず
81~95 不審車情報から追跡へ
96~00 確保


945以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:17:38.54i+0RNJrDO (6/7)

はい


946 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 21:42:42.84yVAoce1RO (6/7)

「……そうか。分かった」

警官は渋い顔で電話を切った。

「白いハイエースは見当たらないそうだ。こちらでも探してみるが……」

「……そうですか」

カーナンバーさえ覚えられていればと思ったが、後の祭りだ。救いは、被害は出なかったことか。

「これ以上君たちがいても仕方ないかな。鶴岡光輝の件もあったし、警備を手厚くしておこう。今日の所は、ひとまず帰りなさい」

交番を出ると、ヤクが震えて泣き出した。

「……ねえ、まだ、狙われてるの?もう嫌だよ……!!」

「……大丈夫、僕が守るから」

ヤクの頭を撫でながら、僕は思考を巡らせていた。あれが翔一の手によるものというのは、間違いない。
だけど、もう翔一には手足になる駒なんていないはずだ。あれは、一体誰だ?
この前の日曜には、翔一が水上の一ノ倉沢を訪れたクライマーを拉致するかもという話を聞いた。しかし、そんなに早く動くのだろうか?

※コンマ下90以上で手掛かりあり、95以上で???


947以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:44:06.49NQ3dxv+r0 (1/2)




948 ◆C9vIqtyVF22019/03/03(日) 21:49:25.99yVAoce1RO (7/7)

※城たちの選択は?3票先取

1 予定通りに病院へ
2 一度素直に家に帰る


949以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:54:20.36i+0RNJrDO (7/7)

1


950以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:59:19.92I/3Ay09DO (5/5)

1


951以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 22:10:56.58NQ3dxv+r0 (2/2)

1


952 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 00:00:46.69HtJ3pIorO (1/2)

「……ジョー、これからどうするの?」

ヤクの言葉に僕は悩んだ。多分、診療予約をキャンセルして家に帰る方が、安全かもしれない。……けど。

「このまま、病院へ行こう」

「なんで!?また襲われるかも……」

「それは否定できない。でも、僕らの身体を調べてもらうことで、分かることもあるかもしれない。
それに、翔一なら……僕の行動は読んでる。ハイエースの行き先は、多分僕らの家だ」

ごくり、とヤクが唾を飲み込む音がした。

「じゃあ……」

「毛利刑事には、一度連絡を入れるよ。あの人なら、きっと上手くやってくれる」

毛利刑事に再び電話して簡単に説明すると、「状況は分かった、至急対応する」と短く返ってきた。声色からも、緊迫した状況にあるのはすぐに分かった。

「すぐに電車に乗ろう。時間に遅れるのは仕方ないけど、遅れすぎるのも失礼だ」

僕はヤクの手を引いた。

※コンマ下
01~10 嫌な気配が消えない?
11~85 通常進行
86~98 毛利だ、電車内だろうからメッセージで送る(再判定)
99、00 特殊展開


953以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 00:05:55.18YfHTqvwDO (1/2)

はい


954以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 00:06:09.80und7iBrc0 (1/1)

えい


955 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 00:12:36.69HtJ3pIorO (2/2)

今日はここまで。


956 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 09:06:37.15te4ueXkuO (1/1)

【7月4日、14時16分】


「結構、歩くんだね」

ヤクが汗を拭う。陽射しは強くないが、それでも最高気温は35度はあるらしい。病院の強い冷房は、オアシスのように感じられた。

神経内科の診察室前には、ほとんど人がいない。そう待たずに部屋に通された。

「どうぞかけて。あなたが薬師丸英華さんね」

「は、はいっ」

鷹山先生がふふっと笑う。

「緊張しなくていいのよ。検査といっても、そんなに手間ではないから。採血とCT、基本的な知能検査くらいかしら。
で、城君。何かしら体調に変化は?」

「今のところ特に。……反射神経が、少し上がったぐらい、ですかね」

「……へぇ」

鷹山先生の目が鋭くなる。

※コンマ下50以上で木暮登場




957以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 09:24:47.57auz3EsDv0 (1/1)

ほい


958 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 13:22:46.343cajh1IyO (1/2)

「……あなた、どう思う?」

奥から小柄な中年の男性が出てきた。物静かな感じだけど、どことなく凄みがある。……毛利刑事や赤木刑事と、同じものだ。

「毛利君の推定が当たっているかもな。検査結果次第だが。
……ああ、初めまして、だね。私は木暮悟という。埼玉県警捜査一課で、赤木君や毛利君の上司に当たる」

すっと細めの右手が差し出された。あの2人は見るからに刑事という感じだったけど、こういう人もいるのか。
握手すると、何かに納得したかのように彼が頷く。

「城隆一郎君、よろしく。そして君が、薬師丸英華さんだね」

「は、はいっ」

木暮刑事が苦笑する。

「緊張しなくていい。まず、私がここにいる理由を説明した方がいいな。
1つは、君たちの警護のためだ。さっき襲われたのは聞いている。君らの自宅近辺に警官を配置しているが、念のためだ。
そしてもう一つ。毛利君の懸念が本物かどうかを確認するためだ」

「懸念?」

「そうだ。……彼からは、昨日のことを一通り聞いている。色々聞かされて大分仰天したがね。
そして、君と毛利君が立ち合ったのも知っている。常人ではあり得ない反応だったと」

「それって、どういうことですか?」

ヤクが身を乗り出した。木暮刑事の声が、僅かに低くなる。

「アイスキャンディの効能は知っているね。その副作用も。
警察もようやく、その危険性に気付き始めた。全貌を知っているのは、私含め埼玉県警の一部に留まってはいるがね。
鶴岡光輝、及び次郎の尿から検出された未解明の薬物と、鶴岡大和の検死で出てきた薬物が一致したというニュースは、聞いているかな」

「確か、一昨日出てましたね」

マスコミは、鶴岡家の暴走の影に薬物があったと報じていた。「謎の麻薬」として、少しずつだが騒ぎになりつつあるらしい。

「そうだ。今成分解析中だが、ちゃんとした結果が出るまではもう少しかかる。
あれがアイスキャンディと呼ばれていて、どういう効果を持っているかは毛利君などごく少数しか知らない。
そして、毛利君すら知らなかった効能がある可能性かもしれないと、彼から聞いた」

「……どういうことですか?」

ふうと息をついて、木暮刑事が近くの椅子に座る。

「そこから先は、家内から説明させよう」

鷹山先生が頷く。

「アイスキャンディの原型は、『コールディ』という認知症治療薬なの。前に少しだけ話したかもだけど。
この副作用は酷いのだけど、そこの薬師丸さんの体液が持つ酵素が、それを軽減させているかもしれないという仮説を立てたの。
そうでないと、あなたの脳の萎縮度合いであれだけの検査結果が出るはずがないから。はっきり、一般人以上だった」

「毛利君から、『未来』ではアイスキャンディ中毒者に対して特殊体質の人間から抽出した酵素を投与する療法があるという話を聞いた。
私は未来人でないから、詳しく知らないがね。家内は、薬師丸さんがその特殊体質だと踏んでいる。
……さて、問題はこれからだ。佐倉翔一が君らを狙っていたのは間違いない。
それは、特殊体質者である薬師丸さんを捕らえるか殺すことで、アイスキャンディの治療法を絶つか、独占することにあると思っていた。
だが、それは間違っていたかもしれない。もっと深刻なものかもしれない」

「えっ??」

鷹山先生が僕たちの目を見る。

「アイスキャンディの服用者にその特殊酵素を投与すると、効き目が永続する……あるいは副作用がないか、薄い状態になるかもしれない。
これは医学的には画期的なことなの。認知症治療方法として、大きな可能性が開けるのだから。
ただ、これをもし悪用するなら?アイスキャンディで身体能力を倍加し、しかも使い減りしないなら??」

全身に悪寒が走った。……まさか、翔一の本当の狙いは。

木暮刑事が息をついた。

「佐倉翔一は、私兵を作ろうとしている。一般人を屈強で凶暴な兵士へと変える、アイスキャンディを使って。
それで何をしようというのまでは分からない。だが、もしこの仮説が正しいのだとしたら……事態は極めて深刻だ」


959 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 13:44:26.243cajh1IyO (2/2)

「私兵って……兵隊ってことですよね??
じゃあ翔一は、戦争でも始めるつもりなんですか??」

「……どうだろうな。ただ」

木暮刑事が険しい顔になる。

「佐倉と繋がりが深い男に、本庄秀司という男がいるらしい。毛利君曰く、N国の工作員だそうだ。裏は取れていないが。
とするなら、本当にそういうこともあり得るかもしれない。話は一気に大事になる」

※コンマ下80以上で城は本庄と会っている、95以上なら??


960以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 13:46:44.13WxZbnJjK0 (1/1)




961 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 19:42:28.39QuZIc/yBO (1/1)

誰だ本庄って。聞いたことがない。しかし、N国の工作員というのが本当なら、僕らはとんでもないことに巻き込まれたんじゃ?

僕の手を、ヤクがぎゅっと握った。木暮刑事が話を続ける。

「だから、私がエビデンスを取りに来た。因果関係を簡単に証明できるとは思っていないが……仮にそれが取れれば、警察の総力をあげて動こう。
毛利君は違う道を考えているようだが、無法にはできるだけ法で対峙したい。それが、私なりの正義だ」

「……でも、翔一は未成年です。少年法に守られてる」

木暮刑事が目を閉じた。

「……私には毛利君の気持ちも分かる。彼のように『未来の記憶』があるわけではないが、佐倉翔一という少年が、『救われ得ぬ魂』であるなら……彼は再び犯罪を犯すだろう。
だが、今しなければいけないのは、真相の解明だ。バッドエンド・ブレイカーは彼を殺そうとしているらしいが、それではそこに辿り着けない。
どちらが正義だ、というほど私の頭は固くはない。ただ自分の信念が、法を選んだというだけだ」

「毛利刑事は何て」

「それは多分正しい、と。彼自身も、殺すまで行くべきか迷っている。
ただ、彼は未来を知っている。佐倉翔一というのが、どんな少年なのかも私よりは知っている。だからこそ、迷っているのだろう。
彼が未成年者略取で佐倉の身柄を押さえようとしているのは知っている。
バッドエンド・ブレイカーと協力する辺り、手段は選ばないのだろう。……ただ」

木暮刑事が僕を見つめる。

「リスクを避けるなら、こういう方法もある、ということだ。悠長かもしれないがね」

#

検査は前回と似たような感じで行われた。終わった頃には、夕日が沈もうとしていた。
そこからさらに待つこと1時間。お腹がいい加減すいた頃に、鷹山先生に呼び出された。

「お疲れ様。大変だったでしょう」

「いえ、まあ……」

「ふふ、いいのよ。で、結論から言うわ。……」

※コンマ下
01~40 証明には、かなりかかるわね
41~80 証明には、1カ月は要る
81~95 2週で間に合いそう
96~00 週末には出るわ


962以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 19:49:41.36I9O+SilDO (1/1)

はい


963 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 21:45:57.88NU4yiNZvO (1/2)

「証明には、かなりかかるわね。多分、1カ月やそこらじゃ利かない」

「……そうですか」

ふと木暮刑事の方を見る。落胆を隠せない様子だ。

「正直、アイスキャンディの現物がないと。あとサンプルケースが少ないの。君と薬師丸さんだけに訪れた奇跡なのか、そうじゃないのか、これじゃ分からない。
一つ言えるのは、君の脳萎縮が止まってることと、前回同様、知的、身体機能は常人のそれをかなり上回ってるという事実ね。
学会に発表したらすごいでしょうけど……そうするとそれこそ1年はかかっちゃう」

「やはり、毛利君に託すしかない、か」

木暮刑事が短く言って立ち上がる。

「そうね。警察だけで話をまとめられたら良かったんでしょうけど」

「うちと警視庁の方向性が一致していないからな。うちは佐倉を狙っているが、向こうは鶴岡の事件──特に次郎の事件の現場にいた少年に関心を持ってる。
まあ、こちらは敢えてそこを流してるわけだが……差し当たり、君らを襲った犯人を捕まえねばな。とりあえず家まで送ろう、随分付き合わせたね」

「いえ、ありがとうございます」

※コンマ下
01~05 ???(再判定)
06~30 ハイエースの男女発見(再判定、逃走濃厚)
31~80 何もなし
81~90 ハイエースの男女発見(再判定、逮捕濃厚)
91~00 ハイエースの男女逮捕(再判定、高確率で素性判明)


964以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 21:47:02.607yc1GSbA0 (1/2)




965 ◆C9vIqtyVF22019/03/04(月) 21:50:44.79NU4yiNZvO (2/2)

※視点選択です。

1 城のまま(短めです)
2 仁パート(城襲撃から、20時まで未逮捕は確定)
3 コナンパート(定点観測、動きあり?)

2票先取


966以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 21:52:25.62YfHTqvwDO (2/2)

2


967以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/04(月) 22:13:29.127yc1GSbA0 (2/2)

2


968 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 08:59:25.73yNLkIOVbO (1/4)

【7月4日、12時10分】


「どうしました、仁さん。あまり元気なさそうですが」

向かいに座った白島が蕎麦を啜りながら言う。俺は衣の厚い、食堂の唐揚げを箸でつついた。

「いや、まあな」

俺は昨晩のことを思い出していた。


【7月3日、20時22分】


「やはりここの鰻は旨いな」

木暮管理官がうんうんと頷く。

「……何か用があって、俺を呼び出したのは分かります。赤さんも抜きで、どうしたんですか」

「……単刀直入に言おう。佐倉の件だ。私は、あくまで警察がメインで動くべきだと思っている」

俺はギクリとした。

「……知ってたんですか」

ふふ、と彼が笑う。

「カマをかけただけだがな。大方、君だけで動こうとしてるのだろうと思った。いや、正確にはバッドエンド・ブレイカーも一緒か」

「……そこまで」

「警視庁から連絡が来てね。君がバッドエンド・ブレイカーと繋がってるのではとの話だった」

「兵藤左近、ですか」

木暮管理官の顔から笑みが消えた。

「彼とは古い付き合いだ。相変わらずだったな。犯罪者は決して許さない、それを見逃す行為も許さない。
よく言えば正義の体現者、悪く言えばただの融通の利かない教条主義者だ」

「……しかし、佐倉は警察だけで、既存の司法だけで裁けますか?」

「……裁かれるべきは人にあらず。ただその行為のみだ。だから法の守護者として、私たちがいる。
佐倉をどうするかは、確かに考えなきゃいけない。だが、アイスキャンディ拡散の背景に何があるのかを探ることこそ、重要なんじゃないのか?」

木暮管理官の言う通りではある。ただ、佐倉という男を生かすことが、この国にとっていいことなのかは全く分からない。

「だから、警察がすべきだと。しかし、どうやって?」

「アイスキャンディだ。あれは野放しにしてはいけない。さっき城の話と君の仮説を聞いて、それは確信へと変わった。
佐倉の目的が私兵作りにあるなら、そしてそれがN国と繋がっているなら、それは全力で止めねばならない。
鍵を握るのは城と薬師丸だ。アイスキャンディと薬師丸さんの持つ酵素との関係を明らかにし、アイスキャンディの危険性を周知できれば……全国の警察が動く」

「……それはできるんですか」

「明日、城がみなとの病院に行くと聞いた。そこで調べてみる。
ただ、私は君を止めない。兵藤は止めようとするだろうが、私はあそこまで頑迷ではないのでね。君の主張にも理はある」

木暮管理官が鰻を一切れ口にした。

「やり方はいくつかある。私はその中で、一番法に沿った方法を選んだだけだ。
もし厳しいなら、別の方法を考えるが……毛利君の邪魔はせんよ」


969 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 09:11:31.95yNLkIOVbO (2/4)

【7月4日、12時17分】


物思いに耽っているうちに、唐揚げは皿から消えていた。食べたという実感がない。
木暮管理官の言うことは、多分正しい。俺もそう伝えた。ただ、あくまで多分だ。佐倉をどうすべきなのか、俺は答えを出せずにいた。

その時、電話が鳴った。……城から??

「どうした?」

『アイスキャンディの服用者に襲われました!今、学園大学駅の近くです!一応警察には来てもらいましたが……ハイエースで逃げてます!このままじゃ……!!』

切羽詰まっているのはすぐに分かった。……しかし、何者だ?

「了解だ、ただ、着くには時間がかかる。それまで警視庁に任せるしかないな」

『……分かりました』

電話を切る。このまま駆け付けるのはたやすい。……だが、強烈な違和感がある。
佐倉は誰かを雇ったのか?それとももっと別の方法なのか?

※60以上で心当たりあり


970以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 09:28:52.83TS3wE/HDO (1/3)

はい


971 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 12:46:19.05yNLkIOVbO (3/4)

……いた。佐倉がアクセスできる「味方」が。この可能性に、何故気付かなかった?

俺は急いで県警の食堂を出た。調べなければならないことがある。

「どうした仁、血相を変えて」

デスクに戻ると、赤木警部が外回りから帰ってきた。

「城が襲われました。未遂ですが」

「何ぃ!??」

「多分、やったのはこいつらです」

PCのディスプレイには「国際交流インカレサークル GATES」と浮かんでいる。

「学生サークル?何でまた」

「説明すると少々長くなります。平たく言えば、ここのトップ、本庄秀司と佐倉が繋がっているんです。
さらに、本庄はN国の人間です。それは昨日、木暮管理官にも話しました。アイスキャンディの生産も、多分ここです。
本庄は7月下旬までは日本に戻らないようですが……指示を日本に送ることぐらいはできる。
佐倉に泣きつかれて、本庄が日本にいるGATESを動かしたとしても驚かない」

「……ってそれヤバくないか??そもそも何で初めからこいつらを使わなかったんだよ?」

「多分、イニシアチブがN国に渡ることを嫌ったんでしょうね。ただ、鶴岡家が全滅した今、なりふり構ってられる状況じゃないってことかと」

俺はサークルの部員紹介のページに移る。

※コンマ下
01~60 通常進行
61~95 あれ、何見てるのかな
96~00 ボクの出番だね


972以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 12:50:38.30SECP7cnDO (1/5)

はい


973 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 13:12:11.95yNLkIOVbO (4/4)

本庄の下は……副代表の望月佑月。欧米やC国からの留学生もいる。
GATESが実質的なスパイサークルというのは知っている。だが、それは俺が覚醒者だから分かるのであり、この時代にそれを知っている人物がどれだけいるか、だ。

真っ先に思い付いたのは公安だ。ただ、公安と俺との関係は良くはない。あくまで不可侵、というだけだ。
そもそも、公安はここに来てどう動く?GATESと佐倉の関係は、古畑らも把握しているはずだ。泳がせるのか、どうなのか。

警視庁はどうか。兵藤とは敵対関係になりつつある。ただ、部下の神原は違う。GATESの件も知っている。
彼に協力を仰げればいいが、兵藤の耳に入ると厄介なことになりそうな気がした。

俺は……

※3票先取
1 公安に協力を要請する(増田にコンタクトを取る)
2 神原に連絡する(兵藤の介入確率中~大)
3 単独捜査(現状では取っ掛かりなし)
4 自由安価

※自由安価歓迎します


974以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 14:04:23.80U+aAzFDd0 (1/1)

ハッキング出来ないのかな
メンバー専用SNSとかサイトなりなんかサークルでも一部しかしらない秘密のネットコミュニティ探るとか


975以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 14:34:29.05SECP7cnDO (2/5)

由依さんの出番かな
コナン経由で何とか


976 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 14:39:12.103PuiT+41O (1/1)

>>974-975
ハッキングはできます。由依にコンタクトできればやれるでしょう。
ただ仁と由依との面識はないのでコナン経由になりますが。


977 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 15:48:44.40l8Zk2vTwO (1/2)

上げます。再開は夜です


978 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 18:43:34.56l8Zk2vTwO (2/2)

上げます。一応ハッキングに2票としてます。


979以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 18:50:17.86uhkpljOL0 (1/1)

由依とコンタクトを取ってハッキング


980 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 20:53:16.58kY/8W39jO (1/7)

そういえば……バッドエンド・ブレイカーは藤原だけではなかったはずだ。彼らに協力を仰ぐことはできないか?
バレてはまずい連絡は、何かしらでやっているはずだ。メールか、メッセンジャーか、LINEか……。裏サイトという可能性もある。
そこにアクセスできれば、裏をかくことはできる。

ただ、あいにく俺は藤原の連絡先は知らない。電話がかかってくる時は非通知だ。バッドエンド・ブレイカーという組織の性質上仕方ないのだろうが。
となると、やはり兵さんだろう。彼は、バッドエンド・ブレイカーの上層部にも顔が効くようだ。 ならば、彼に訊くのが一番早い。

俺はスマホを取り出した。

※コンマ下
01~10 電話に出ない
11~30 今忙しいから、夕方でいいか?
31~85 了解した
86~98 今、コナンがいるが
99~00 上+α


981以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 20:53:59.03SECP7cnDO (3/5)

はい


982 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:06:31.78kY/8W39jO (2/7)

……電話に出ない。店が忙しいのだろうか?

そうなると、こちらから打つ手はなくなる。コールバックを待つしかない、か。

【7月4日、18時02分】


城の言っていたハイエースは、全く見付かる気配がない。一応彼らの自宅前に制服警官を向かわせたが、こちらにもまだ現れてはいないようだった。

……兵さんのコールバックは、まだない。

電話が鳴った。兵さんか?と思ったが、木暮管理官だった。俺は落胆を悟られないよう、一つ息をついた。

「もしもし」

『毛利君か。……どうやら、君に頼らざるを得ないようだ。因果関係は、現状では示せなかった』

「……そうですか」

『まあ、やむを得ない。これから私は、2人をホテルまで送っていく。そこで、詳しい話をしよう』

「了解です」

俺はGATESのことは黙っておいた。まだ、俺の推測にすぎない。

※コンマ下
01~40 コナンから電話(白田失踪?)
41~90 白田からコールバック(由依への連絡確率小~中)
91~00 白田からコールバック(アクセス確定)


983以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 21:07:10.51V7FGtgD70 (1/1)




984 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:15:49.40kY/8W39jO (3/7)

その時、再び電話が鳴った。今度は兵さんからだ。

『すまねえな、雑誌の取材で電話に出れなかった。用件は?』

「バッドエンド・ブレイカーにアクセスしたいんです。彼らなら、ハッカーぐらいは抱えてるんじゃないかと」

『ハッカー?何で急に』

俺は一通りの経緯を説明した。兵さんが唸る。

『……なるほどな。確かに狙いは分かった。
城の坊主を襲った奴がGATESって連中の一味なら、地下に潜ってるかもしれん。そいつらを探るなら、悪くない考えだ。
ちょっと待ってろ、一応俺から話をつけておく』

電話が切れて5分ほど。再びスマホが震えた。

※コンマ下
01~15 ……妙なことになってるらしい
16~60 今日は無理だそうだ。気難しい奴らしい
61~95 2分後に連絡が行く
96~00 実は……


985以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 21:16:32.73TS3wE/HDO (2/3)

はい


986 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:42:23.59kY/8W39jO (4/7)

『今から2分後に連絡が行く。あとは直接やり取りしてくれ。浅賀由依、って女だ』

「ありがとうございます」

俺は息をついた。アメスピを箱から取り出す。そこに赤木警部がタバコ部屋にやって来た。外回りから帰ってきたらしい。

「何か疲れた顔してんな。ハッカーは見付かったか?」

「とりあえず。しかし、見付かりませんか」

「ああ。てっきり待ち伏せかましてると思ったんだがな。行動を読まれてるのか、あるいは……」

スマホが震え、俺は即座に取る。

「……もしもし」

『あー、あんたが『デッドマン』ね。噂は聞いてるわ。一応、初めまして。うちのちっこい『警視殿』が世話になってるらしいわね』

「……どうも」

声の低い少女の声が聞こえた。とはいえ、覚醒者だから声の印象など当てにはならないのだが。

『用件は粗々だけど網笠さんから聞いたわ。事態の深刻さは、こちらも共有してる。
佐倉は元々優先度A案件だけど、Sでもいい気がしてきたわ。N国が出張ってきたら、完全に収拾がつかない。
……これ、確実に公安絡みよね。連中も絡んでくるわよ。邪魔するか、協力するかは分からないけど』

「どうだろうな。あまり楽観はしてない」

そう言えば、朝から増田を見ていない。あるいは、彼女も動いているのか。

『とにかく、GATESのHPへのハッキングはやるわ。メンバー個人の端末に逆アクセスも試してみるけど、そんなにすぐは結果が出ないと思う。
2時間は見ておいて。さすがに大事だから、コナンたちにも連絡はする』

※コンマ下
01~15 ……ってそう言えば……興也さんから、連絡ないわね
16~95 通常進行
96~00 ……ってそう言えば、さっき興也さんから連絡が


987以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 21:48:16.96SECP7cnDO (4/5)

はい


988 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:52:31.32kY/8W39jO (5/7)

今日はここまで。以下、次スレになります。


989 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:54:20.67kY/8W39jO (6/7)

次スレです。

【安価】殺人鬼コナン3【コンマ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1551790422/


990 ◆C9vIqtyVF22019/03/05(火) 21:56:12.71kY/8W39jO (7/7)

1000が70以上であれば、この後の興也の判定を省略します。
(非常に有利な展開になります)


991以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 21:57:21.83PnVz/rX/0 (1/8)


埋め


992以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 21:58:57.74SECP7cnDO (5/5)

立て乙


993以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:05:05.37PnVz/rX/0 (2/8)

埋め


994以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:05:32.61PnVz/rX/0 (3/8)

1000まで埋め


995以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:06:48.71PnVz/rX/0 (4/8)

埋め


996以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:07:25.20PnVz/rX/0 (5/8)

埋め


997以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:08:24.91PnVz/rX/0 (6/8)

埋め


998以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:08:51.58PnVz/rX/0 (7/8)

埋め


999以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:09:19.83PnVz/rX/0 (8/8)

埋め


1000以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/05(火) 22:09:26.85TS3wE/HDO (3/3)

新スレ乙です