534以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/19(土) 23:02:04.7242aG6jELO (3/3)


夏凜ちゃん本当に久遠さん大好きだなぁ


535 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 15:12:15.61HoTlj3f7o (1/15)


では少しずつ


536以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 15:19:09.84Z+cbnmsmO (1/3)

いえす


537 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 15:58:12.28HoTlj3f7o (2/15)


天乃「夏凜はもう少し、エッチなことを求めてもいいと思うの」

夏凜「前にも似たようなこと言ってなかったっけ?」

天乃「子供だって、産まれたのよ?」

夏凜「だからこそ、アンタの時間は子供のためにあるべきなんじゃないの?」

確かにそうだ

新生児には母親が必要だ

母親の時間を一番費やさなければならない時期だ

それは正論なのだけど

天乃「子供の時間が大事なのは分かってる。でも、そうじゃなくて」

夏凜「もっとエロいことしろって?」

天乃「……うん」

夏凜「なら、まずは体を治しなさいよ」

自分が何を求めているのか理解はしているのだろう

目を逸らして頷く天乃に、夏凜は困った笑みを浮かべて言う

目を覚ましたとはいえ、まだまだ体はボロボロなのだ

性的な行為を求められてもやろう。とはならない


538 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 16:13:55.16HoTlj3f7o (3/15)


天乃「体が治ったら、してくれるの?」

夏凜「そういうの、反応に困るから止めて欲しいんだけど……」

体も心も

妊娠と出産でとても傷ついてしまったがゆえの弱気の発言

それは夏凜も良く分かってはいるのだが

天乃「本当は嫌?」

夏凜「ぐっ」

天乃「嫌なの……?」

夏凜「っ」

懇願する瞳、甘える声

見上げてくる表情はたとえその意思がなくともやってしまいそうにさえなる

大丈夫だよ。と

今からでもやりましょう。と

けれど、夏凜はぐっと唇を噛む

夏凜「時と場所をえらべっつってんの」

天乃「……卑しいって、思った?」

夏凜「別に? ただ……あんたはもう少し、自分がエロいってことを自覚したほうが良いと思った」

淫らなことはできないけれど

弱っているから強い力で抱くこともできないけれど

唇を重ねることくらいは、出来た


539 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 16:20:29.83HoTlj3f7o (4/15)


√ 12月12日目 夕(病院) ※金曜日

01~10 若葉
11~20 
21~30 
31~40 千景
41~50 東郷
51~60 
61~70 樹
71~80 大赦
81~90 
91~00 友奈

↓1のコンマ 



540以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 16:26:44.80Z+cbnmsmO (2/3)




541 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 17:04:24.08HoTlj3f7o (5/15)


√ 12月12日目 夕(病院) ※金曜日

いつ以来だろうか

そう考えこむ必要があるほどに姿を見せてこなかった大赦が、天乃のところを訪れた

相も変わらず神官の装束に身を包んだ大赦関係者は、

一緒に来た看護師を下がらせ、天乃の傍で頭を下げる

「久遠様は祝詞を捧げられることはお嫌い、でしたね」

天乃「……ええ。何をしに来たの?」

「無事、ご出産為されたという話を伺いましたので」

本来ならばすぐにでも姿を見せるはずだったと神官は言うが、

やはり、天乃が気を失ってしまったことで延期になっていたらしい

今朝目を覚ましたという一報を受けて、訪ねてきたのだ

「お二人とも、小さいながら元気な赤子でした」

天乃「私がまだ見れていない子供を見るなんて狡いんじゃない?」

「致し方ないことです。久遠様の血が流れているお二人にはその力も受け継がれている。無視することはできません」

天乃「…………」

「現状、力によって蝕まれているご様子はなく、普通の赤子と何も変わりませんでした」

その点はご安心ください。と、

安心できる要素の少ない言葉を、神官は告げた


542 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 17:28:03.97HoTlj3f7o (6/15)


「久遠様も、お変わりがなく――」

天乃「皮肉を言いに来たのなら帰って」

「そのようなことはございません」

天乃「それで? 私の体を検査するの?」

「はい。それも用件の一つになります」

子供を産む前と産んだ後

天乃の体にある霊的な力はどのように変化したのか

大赦から奪った神樹様の種を使うか使わないかという問題もあり、

確実に見ておかなければならないことだった

天乃「大赦は私達が神樹様の種を使うことに肯定的過ぎるんじゃないの?」

「その件に関しては、三好様方にもお話させていただいております」

天乃「私に使うほうが有用だって話でしょう? それでっも、協力的過ぎるんじゃないかと言っているの」

「つまり、我々には裏があると?」

天乃「いつもそうでしょう? 貴方達は」


543 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 17:48:57.33HoTlj3f7o (7/15)


仮面に阻まれて実際に表情をうかがい知ることはできないが、

それでも、図星をかすめるくらいはしたのだろう

天乃の確信を得ている視線を受けて、神官は黙り込む

満開の件を友奈たちに伝えていなかったり、

天乃に対していくつもの手を講じてきたり、

大赦はいろいろと厄介なことをしてくる

もちろん、大赦は大赦で考えあってのことだと分かっている

だからこそ、裏があると言えてしまう

天乃「私の神樹様の力を取り込ませることで何を得られるの?」

「…………」

天乃「せめて、反論するくらいはしたほうが良いと思うわ」

かたくなに答えないというのもまた

ある意味では答えだからね。と、天乃は努めて明るく言う

「……申し訳ありませんが、反論も何も我々。いえ、私にはできることはないのです」

天乃「貴方はただの中継地点ということね」

「久遠様の調査をし、検査結果を伺い報告するのが私の務めですので」


1、お祖母ちゃんは? 何か言ってない?
2、安芸先生……同じ神官の安芸さんはどうしたの?
3、なら、貴方はどう思う? 私に神樹様の力を与えることで得られる情報はどんなこと?
4、じゃぁ、他愛ない話にしましょう。貴方に恋人はいる?


↓2


544以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 17:51:00.96Z+cbnmsmO (3/3)

3


545以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 17:52:09.30yqJEnn2g0 (1/2)

1


546 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 18:12:34.75HoTlj3f7o (8/15)


天乃「お祖母ちゃんは? 何か言ってない?」

「いえ、何も伺ってはおりません」

それ以前に、この神官は祖母と会うほどのものではない

ただの報告役

天乃に誑かされようと、何の毒にも外にもならない程度の存在

春信や、瞳、見張りとした芽吹など

次から次へと天乃側についてしまうからこその対応だろう

だから、祖母の言葉は一つも聞いていないのだ

いや……

天乃「興味がない。のかしらね」

久遠家の力を継承する存在としては興味があるが

孫としての興味は抱いていない

そんな愛情も抱いてはいない

無理もない、さんざんなことをしてきたのだから

「神樹様の寿命のこともあり、大赦はあまり余裕がないのです。そのようなことはないと思います」

天乃「そう、励まされてもね」


547 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 18:24:27.28HoTlj3f7o (9/15)


会ってみなければわからない

でも少なくとも、今抱くのはその疑念

確かに子供の意見ではあったが、

歴代の英霊たちが眠るあの場所でのあの言い方は

きつかったと天乃は思う

もちろん、世界を担う大赦の上層にいる人間の意見としては

間違っていたとは言えないけれど

でも、周りに大赦の人間がいないなら

少しくらい、身内としての言葉をくれてもよかったのではと思う

天乃「会わせてもらうことってできる?」

「私には、何も言うことはできません」

天乃「でしょうね。言ってみただけよ」

「…………」

無関心そうに言った天乃だったが、

その呟きにはしっかりと寂しさが込められていて

神官は少し考えて、口を開く

「私はお話を伺い、伝えるのがお役目です。久遠様のその要望もお伝えする程度なら可能ですよ」


548 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 18:43:37.27HoTlj3f7o (10/15)


それが祖母まで伝わるとは言えないが

それでも、心のうちに止めておくだけなのよりはましだろう

なにより、まだ子供でありながら子供を産んだのだ

敵対しているような間柄であっても

何もないというのは、辛い

天乃「そんなこと言って平気なの? クビにならない?」

「お役目から逸脱していなければ、問題ないと思います」

天乃「そうね……」

瞳や春信は今もお役目から外されたりしていない

もっとも、瞳は主としていた天乃の送迎任務はなくなってしまったが、

今も、勇者部の送り迎えなどの対応を行っている

天乃「なら、伝えておいてくれる?」

「お任せください」

天乃「…………」

天乃は愛想笑いを浮かべる

祖母だけではない、久遠家の家族の誰も会いに来ていない

興味がないわけではないと思う。そう信じたいと思う

でも、それなら

こういう時くらいには会いに来てほしいと、思った


549 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 18:52:30.55HoTlj3f7o (11/15)


√ 12月12日目 夜(病院) ※金曜日

01~10 千景
11~20 
21~30 東郷
31~40 
41~50 樹
51~60 
61~70 園子
71~80 
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ 


550以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 19:29:45.33mJFiSEJxO (1/2)




551 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 20:22:49.06HoTlj3f7o (12/15)


√ 12月12日目 夜(病院) ※金曜日


夜になると、朝以上に人気が無くなる集中治療室

聞こえてくる馴染み深い電子音は心地よくさえ思えて

天乃はゆっくりと目を瞑る

四日間も寝ていたということもあって、

丸一日起きているというだけでも疲労感は重く

今すぐにでも、眠ることができそうなほどだった

でも、それを許すほど世界は甘くないらしい

九尾「主様」

天乃「九尾……?」

九尾「うむ。平気そうじゃな」

いつもの女性の姿で現れた九尾は、

眠そうに中途半端な天乃の瞼、覆いそうな前髪をさらりと払う

見せる微笑みは、

本当の肉親のようにも感じられる優しいものだった


552 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 21:31:25.21HoTlj3f7o (13/15)


九尾「主様、一つ聞いておきたいことがあるのじゃが、良いか?」

天乃「……今じゃなければだめなの?」

九尾「ふむ……」

天乃を見れば、ゆっくりとした瞬きをしていて

だんだんと、瞼の開いている間隔が狭くなっていっているように感じる

今すぐにでも眠りたい

いや、意思に関係なく眠ってしまいそうな姿を、九尾はただじっと見つめて

九尾「もう少し頑張ることは出来ぬかや?」

天乃「貴女って……ほんとう……」

無茶を言うわね。と、天乃は小さく呟く

夏凜とも話した、赤ちゃんのことだろうか

それとも、祖母や久遠家のことだろうか

今にでも眠りに落ちそうな頭で、考える


1、お願い、明日でもいい?
2、手短にお願いできる?
3、夏凜に、話しておいてくれない?
4、やっぱり、私の母乳じゃないとダメなの?


↓2


553以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 21:43:06.81yqJEnn2g0 (2/2)

2


554以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 21:45:11.88lJdWTW9kO (1/2)

2


555 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 22:23:44.88HoTlj3f7o (14/15)


天乃「手短に……お願いできる?」

九尾「うむ、手短に済む」

疲れ切った天乃の反応に、九尾は優しく答える

そこで優しさを見せるのなら

今すぐにでも寝させて欲しいと、思いながら

九尾「主様、奉火祭のことは覚えておるかや?」

天乃「奉火祭……?」

九尾「その反応、寝ぼけているわけではあるまい?」

はっきりとしない頭で、考える

考えて、言葉を飲み込んで

何かにたどり着く前に、九尾の手が頭に触れた

九尾「力を貸すと決めた以上、妾は主様の道を阻むことはせん」

天乃「九尾……?」

九尾「手遅れになるのは好ましくあるまい」

流れ込んでくるのは、九尾の力

神樹様による干渉を打ち消してしまう力

九尾はわずかに苛立ちを感じる声で言うと、

天乃の瞼を閉じさせる

九尾「主様が目を覚ました以上、憂いは断たれた。明日より始めるぞ」

天乃「きゅ――」

流れ込んでくる力に飲み込まれて、

天乃は瞬く間もなく、意識を失った


556 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/20(日) 22:33:56.16HoTlj3f7o (15/15)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「奉火祭?」

九尾「もうすでに身は投げられた」

九尾「主様が目を覚ました以上、主らが動かぬ理由はあるまいな?」

夏凜「……良く分からないけど、ただ事ではなさそうね」

九尾「いかにも。主様の願いを反故にするような状況じゃな」

九尾「じゃが、妾が主様に加担すると決めたのじゃ。そうはさせぬと知らせてやろう」


557以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 22:46:05.00lJdWTW9kO (2/2)


次はとうとう奉火祭編に突入か
みんな無事にいてくれ…


558以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/20(日) 22:56:12.16mJFiSEJxO (2/2)


風雲急を告げる展開だな


559以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/21(月) 06:56:21.81zuH2pyoQO (1/1)


久遠さんが起きてから一度も奉火祭に触れなかったのはこれが理由か…

夏凜ちゃんの言うエロさを自覚すべきって話に同意してる場合じゃなかった


560 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 20:27:25.000t78Mfl3o (1/8)


では、少しだけ


561以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/21(月) 20:29:28.66IwYegZHZO (1/3)

よっしゃ


562 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 20:40:52.140t78Mfl3o (2/8)


天乃を昏倒させた―不可抗力ではあるが―九尾は、

目を瞑った天乃をじっと見つめて、息を吐く

九尾「出産を早めおったな……」

幸いにも、体の小ささゆえの未熟さはあれど

危険な状態での出産にならなかったが、

場合によっては赤子だけでなく、天乃にも多大な悪影響があったことだろう

九尾「妾は卑しい女じゃからな。主様に苦労を掛けた分、しっかりと手を出させてもらう」

くつくつと、

電子音と小さな寝息だけが聞こえていた部屋に笑い声が溶けていく

天乃のすぐ傍に居た九尾はその笑い声が消えるよりも前に姿を消す

残された天乃は、静かに眠る

穢れと神樹様の力

二つの力に苦しめられている様子は、なかった


563 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 20:56:04.020t78Mfl3o (3/8)


九尾「というわけじゃ、お主らにも手を加えさせてもらう」

東郷「というわけ。と、言われても……」

にわかに信じがたい話です。と、東郷は呟く

勇者部にとっては、天乃が最優先事項

その天乃の出産があったせいで他がおろそかになってしまうのも無理はなかったことだろう

だが、巫女を犠牲にする奉火祭のことを完全に忘れてしまっていると言われて、

そうだったんだ。と、頷くのは難しい

友奈「でも、九尾さんが久遠先輩のことで嘘つくとは思えないよ」

風「それには同意ね。色々やらかすけど、天乃のことに関しては本気だし」

良い意味でも悪い意味でも

だが、それはつまり最も心強い味方でもあるということでもある

姉の言葉にしなかった考えをくみ取った樹は、「そうだね」と笑みを浮かべた

樹「九尾さんがそうされたっていうなら、そうなんだと思う」

沙織「えっと、無駄を承知で言うけど、その根拠はあるかな?」

あえて。

沙織は肯定的な意見に逆らって反論を述べる

時間がないということは分かっているはずなのに、

無駄だと言いつつ否定的なことを問う沙織へと、全員の視線が集まった


564 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 21:22:27.070t78Mfl3o (4/8)


沙織「九尾さんが久遠さんのためなら本気だって言うことには同意するよ」

それは間違いないからね。と、表情を変えずに続けながら全員を見渡す

沙織の言葉を待つみんなの口はまだ閉じたままだ

沙織「でも、九尾さんは久遠さんに対して本気なのであって、勇者部に関してはその他大勢と変わらないよ」

園子「今は、そうとは思えないんよ」

沙織「そうだね。でも、ある程度の無理難題を押し付けてくることに変わりはない」

天乃が無事でさえいるのならそれでいい

九尾の考え方は基本的にそれだけを追い求めている

勇者部がどれだけ傷つこうと、

大赦や一般人がどれだけ犠牲になろうと

その一点だけが守られていれば良しとする傾向にある

だから、信じていいのかと問いかける沙織に、夏凜が口を開く

夏凜「たとえそれが断ち切られる蜘蛛の糸であるのだとしても、私たちは登らずにはいられないわよ」

沙織「落ちたら痛いよ?」

夏凜「落ちたら落ちたでその時に考えればいいじゃない。そんなこと」

夏凜ははっきりとした拒絶を見せると、

どこか呆れたような笑みを浮かべて沙織を見つめる

夏凜「嘘でも本当でも天乃が嫌がることを見逃せないし、私達に手を出したら誰が一番不幸になると思ってんのよ?」


565 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 21:34:57.820t78Mfl3o (5/8)


呆れるほどに。

呆れるしかないほどに、天乃が傷つくことになるだろう

それがより明確で、確実なものとなった今、

九尾が勇者部を罠にはめるようなことはあり得ない

もちろん、茨の道ではあるのだろうが。

少なくとも、天乃にとって無意味なことだけはさせないはずだ

沙織「覚悟は、出来てるんだね?」

園子「さーちゃん……もしかして」

沙織「あたしは、九尾と似たような力があるから」

だからね。と、少し申し訳なさそうに呟く

沙織「変わった事だけは分かってた。でも、久遠さんが万全じゃないと手を打てないから何も言わなかった」

それなのに。と、沙織は九尾へと目を向け、

どこか不満気に眉を顰めて、そっぽを向く

風「根拠がどうとか言ってたわよね、沙織」

沙織「うん」

風「天乃を慕ってない人が、いつまでも天乃に付いてくるわけがない。それが、根拠」

良くも悪くも天乃のためを思っている

だからこそ、今の天乃が最も好まないであろう勇者部を失うような結果にはしないという信頼がある

無理難題でも、それこそ、蜘蛛の巣の代わりにしっかりとした九つの尾を垂れてくれるだろうというほどに

友奈「奉火祭……どうなっているかわからないけど、間に合うんだよね? それなら、何とかしよう」

嘘なら嘘で何もなくてよかったと笑えるから

本当なら本当で、救えてよかったと笑えるから

友奈「笑うために、九尾さんを私は信じるよ!」


566 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 21:49:33.100t78Mfl3o (6/8)


事の重大さを知らずに明るく言う友奈を九尾は、もの言いたげな瞳で見つめてはいたものの、

声のない笑みを浮かべるだけに止めて、息を吐く

九尾「主らを失することで主様が苦しむことなど理解しておる」

それゆえに、

本来ならばこのまま忘れさせていてもよかったのだ

けれど、天乃の望みは違う

勇者部の望みも違う

だからわざわざ、天乃の回復を待ってこうして話を持ち掛けたのだ

九尾「主様の望みを忘れたわけではあるまい?」

東郷「ええ」

九尾「なれば、迷うことはあるまい」

夏凜が言っていたように、

嘘か真かどちらにしても

天乃の望んでいない結果をもたらす可能性があるのならば、動く

九尾の問いに、全員が黙り込む

もちろん、答えられないからではなく、答える必要さえないからだ

九尾「妾が小細工を打ち消してやる。刻限は近いぞ。行動に移せ。愚かなる娘共」

煽りか、意地悪か

九尾の不敵な笑みは病室に木霊して

勇者たちを微睡へと誘っていく


567 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 21:53:46.440t78Mfl3o (7/8)


√ 12月13日目 朝(病院) ※土曜日


13日の行動パート


1、夏凜達勇者部視点
2、久遠さん視点 


↓2

※2の場合、勇者部の命運はコンマ判定にゆだねられます
※1の場合、場合によっては難易度が跳ね上がります


568以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/21(月) 21:56:13.09IwYegZHZO (2/3)

1


569以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/21(月) 21:57:11.31vcwcuX6n0 (1/1)

1


570 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/21(月) 22:11:03.800t78Mfl3o (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


千景「いよいよね」

千景「難易度はベリーハード、エクストラ、マニアックから選べるわ」

千景「クリア特典は久遠さんとのエッチなことよ。やる?」

東郷「久遠先輩とのマニアックな性行為ができるって本当?」ガラッ

千景「貴女は耳の編集技術が高すぎると思うわ」


571以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/21(月) 22:20:29.32IwYegZHZO (3/3)


ついに勇者部の巫女救出作戦実行か
出来うる限り被害は最小限に、そして何よりも命大事に…!


572以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/22(火) 00:39:13.247YGe7v6a0 (1/1)


まあ久遠さんやれることないし無駄にストレスかかりそうだもんなあ


573以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/22(火) 07:05:19.05cNo7dpG1O (1/1)


今回の夏凜ちゃん絶対に頭良いよね


574 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 20:30:41.22Qni/NNkDo (1/7)


では、少しだけ


575以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/22(火) 20:35:26.03FumJAgxqO (1/2)

かもん


576 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 20:52:53.39Qni/NNkDo (2/7)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(もう少しエッチなことを)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(赤ちゃん)
・      九尾:交流有(奉火祭)
・      神樹:交流無()


12月12日目 終了時点

乃木園子との絆  94(高い)
犬吠埼風との絆  114(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  102(とても高い)
結城友奈との絆  129(かなり高い)
東郷美森との絆  133(かなり高い)
三好夏凜との絆  159(最高値)
乃木若葉との絆  104(かなり高い)
土居球子との絆  51(中々良い)
白鳥歌野との絆  49(中々良い)
藤森水都との絆  41(中々良い)
  郡千景との絆  51(中々良い)
   沙織との絆  135(かなり高い)
   九尾との絆  74(高い)
    神樹との絆   ??(低い)



577 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 21:24:27.77Qni/NNkDo (3/7)


√ 12月13日目 朝(病院) ※土曜日


友奈「…………」

勇者部の面々は、

示し合わせたわけでも、アラームをかけたわけでもないのに

全員が全く同じ時間に目を覚ました

眠っている間に浸透した九尾の力は、

奪われていた大事な記憶、救うべき人々の命を思い出させて

友奈は昂る感情をぐっと抑え込んで息を吐く

大赦がそうし向けたのか

神様による、厚意なのか

いずれにしても、怒って変えられることなんてないからだ

友奈「奉火祭……止めないと」

東郷「止めるというよりは、終わらせる。になりそう」

沙織や九尾から伝えられた情報が事実なら、

すでに奉火祭は行われていて、

巫女の命も刻一刻と削られて行っていることだろう

止めるんなんて生易しいことではない

完全に、ぶち壊しにする必要がある

そしてそれは、天の神に対しての強い反逆にもなる


578 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 21:46:10.83Qni/NNkDo (4/7)


夏凜「壁の方までは瞳が車で連れて行ってくれるって」

風「理由話したの?」

夏凜「いや……何が起こってるかわからないだろうし」

瞳と連絡を取った夏凜は、

何が起きているのかは言わなかったが、

奉火祭というキーワードだけは使った

だが、それに対する反応は無知そのもので、

瞳が何も知らない状態なのは明白だった

九尾は瞳に対しての力を使うことはできると言っていたが、

勇者と違って一般人に等しいうえに、一応は大赦に勤務しているのだ

協力をしてくれるのなら無理に伝える必要はないというのが夏凜の考えだった

もちろん、場合によっては協力するからこそ真相を伝えるべきだとも思うが。

樹「それなら、ここから勇者の力で頑張らなくてもいいんですね」

九尾「別に、妾が連れて行ってやってもよいがな」

園子「九尾さんが協力的だと……やっぱりちょっと怖いんよ~」

ニコニコと。

冗談ぽく言った園子は「天さんをお願い」と、言う

園子「私たちは全員で行かないといけないと思う。きっと、外は大変な状況だから」


579 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 22:03:58.56Qni/NNkDo (5/7)


可能なら、若葉達精霊は温存として置いていきたいが、

奉火祭を壊しに行く勇者部はきっと盛大な歓迎をされることだろう

それが分かっていて温存できるほど、今の勇者部に余力はなかった

前のように不死に等しい力があるならば別だが、

それはもう、失われた過去の話

今の勇者は守ってもらえるのにも限りがある

けがを負うようなことはできる限り避けたい

だから、一応は非戦闘員としての立場にある九尾には残ってもらうのだ

もちろん、沙織にも

風「さて、と……それじゃ行きますか」

樹「久遠先輩には何も言わなくてもいいの?」

沙織「アタシが言うのもあれだけどまだお休み中だからね……仕方がないよ」

東郷「起きるのを待って遅れたなんて、口が裂けても言えませんし」

園子「帰ってきたらただいまって言えばいいんよ。ちゃんと、笑顔で」

神罰、神の祟り

それがあると分かっている今、それがどれだけ難しいことかという自覚はある

それでも、みんなが無事ならば言えるから

だから今は、自分たちの欲求よりもすべきことを優先する


580 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 22:23:21.99Qni/NNkDo (6/7)


九尾「ふむ……行くならばこれを連れていくがよい」

夏凜「これ……?」

九尾の手は何かを持っているような形をしているが、

夏凜の目にも、誰の目にもそこには何もない

だが、何かがあるような感じがすると園子は呟く

園子「なに?」

九尾「火明命という主様に仕える精霊の一体じゃ」

友奈「火明命……?」

聞きなじみのない言葉に友奈は府議そうな顔をしたが、

九尾の言い方からして察したのだろう

東郷は「天の神側のですか?」と、口を開いた

九尾「いかにも。天の神……その上位とされている神と同種の力を備えた精霊。主らを確実に導いてくれるはずじゃ」

姿は見えない

でも、確かに感じる力を、夏凜はその手で受け取る

夏凜「頼むわよ。天乃のために」

そして、勇者部は病院を発つ

天乃の望みのため、救われるべき命を救うために


581 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/22(火) 22:24:23.28Qni/NNkDo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


火明命ようやくの出番


582以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/22(火) 22:32:40.52FumJAgxqO (2/2)


火明命、実は前作からいたけど中々活躍の場がなかったもんなw
その切り札的な力でみんなを守ってやってくれ…!


583以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/22(火) 23:16:17.55OxUV/ELIO (1/1)


そういや沙織と若葉ってどうすんだろ
留守番?


584 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/23(水) 21:05:06.29W+GzUTfFo (1/5)


では、少しだけ


585 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/23(水) 21:08:45.98W+GzUTfFo (2/5)


今回の樹海難易度

最低1 最大0(10)

コンマ判定↓1

※デフォルトで+3
※ぞろ目ならデフォルト±0


586以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/23(水) 21:10:09.623BJo7Xn3O (1/1)




587以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/23(水) 21:10:17.31R+NLtyLbO (1/2)

たのむぞ


588 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/23(水) 21:43:36.22W+GzUTfFo (3/5)


世界を囲う壁の外

煉獄に包まれた世界は吸い込む空気でさえ、

肺を焼き尽くすのではないかと恐ろしくなるほどの暑さだった

漂う無数の星屑たちと、ひと際大きなバーテックスの成り損ない

風化し、崩れ去っていく風貌の亡骸は敵意を感じさせることはないが

その不気味な威圧感は勇者部の皆に息を飲ませる

夏凜「……火明命?」

そんな中、九尾から手渡された力の流れを感じた夏凜が導かれるように顔を上げる

足の踏み場などないかのように燃え盛る獄炎

そのところどころから延びる火柱の終着点に、夏凜の視線は留まった

園子「あれは……なんだろう?」

東郷「率直に言うなら黒い穴ね……」

園子の疑問と、東郷の呟き

見たことのない光景に、さすがの二人もそれ以上のことは言えないのだろう

観察するように眉を顰めたものの、言葉は続かなかった

樹「沙織さん達なら、わかったのかな」

風「九尾くらいは連れてくるべきだったかもね」


589 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/23(水) 22:20:57.53W+GzUTfFo (4/5)


若葉「いや、むしろ連れてこなくてよかったというべきだな」

千景「活路は私達で切り開くわ。勇者部は全力で向かいなさい」

先駆けとして、殿として

勇者部が巫女を取り戻いに行くための礎となることを決めた天乃の精霊である若葉達

その中の一人、球子は自分の武器を手に、悩まし気な表情を浮かべる

球子「本当に良いのか?」

夏凜「なにが?」

球子「帰理のことだ。行きはタマのこれを本気で使えば送り出せる。でも、帰りは……」

園子「えへへ~たまっちは心配してくれてるんだねぇ」

でも、大丈夫だよ~と、園子は笑う

巫女を連れて帰ること前提の園子たちは当然ながら―連れていなくてもだが―歩いて帰ってくるなんてことは不可能だ

そのため、向かうために球子の力を借りて力を温存し、

帰りは園子の満開を用いて帰ってくるというのが今回の取り決めだった

だが、満開を使えば園子を守ってくれる力は失われてしまう

それ以降は、本当の意味で命がけの戦いになってしまう

だからこそ、球子は確認をしてくれたのだ

樹「園子さんは私たちの命を守るために力を使ってくれる。そのために消費した力の分……ううん、それ以上に私たちが頑張りますから」

友奈「勇者部五箇条ひとーつ!」

風「なせば大抵ーっ!」

園子「なんとかなーるっ!」

心配と、不安

打ち消すような高らかな声が、地獄に木霊した


590 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/23(水) 22:22:29.13W+GzUTfFo (5/5)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日は所用でお休みとなりますが
可能であれば、本日作成予定だったマップを展開します


591以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/23(水) 22:34:09.07R+NLtyLbO (2/2)


原作に比べれば支援に恵まれてるし難易度もある程度は抑えられて今のところは大分ツイてるかもな
あとは生きて帰ってくることだ…頑張れ勇者部


592以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/23(水) 22:48:04.59XaoKvSn7O (1/1)


幸先はいいな


593以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/25(金) 21:46:32.58C5ac0rLXO (1/1)

マダカナー


594以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/26(土) 07:11:21.21x/HaYUjBO (1/1)

昨日も休みだったか


595 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 21:01:15.33BSitUnUzo (1/6)


すみません
昨日は所用でお休みとなりましたが、本日は少しだけ進めていきます


596以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/26(土) 21:02:23.38u5QEXfngO (1/2)

待ってたぞー


597 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 21:06:59.75BSitUnUzo (2/6)


戦闘用
初期値
結界外マップ:https://i.imgur.com/ayOQxSJ.png


598 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 22:08:32.52BSitUnUzo (3/6)


球子「分かった……それなら仕方がないな」

ここまで来たのだから

止めることなんて無駄だと分かってはいたけれど

確かめる必要なんてないと明白だったけれど

球子は改めて覚悟を聞き、強く頷く

球子「だったら、後はもう……頑張れ」

命の大切さを知っていて、

守ることの難しさを知っている

それでも、たった一人の少女のために尽くそうとする意志

その礎となれるのなら、

過去の挫折も、今ここにいることにも

きっと意味があったのだろう

千景「……土居さん、私たちがここで終わる理由にはならないことを忘れないで」

球子「っ」

千景「雇い主の願いだから。守ってあげるわ」

園子「……家に帰るまでが遠足。それを忘れたらダメなんよ」

球子「分かってる」

球子はもう一度頷くと、旋刃盤を振り上げる

球子「こい――輪入道!」

急激に巨大化した武器は周囲にいた星屑を容易く屠った


599 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 22:29:10.60BSitUnUzo (4/6)


球子「乗れ!」

東郷「お願いします」

友奈「タマちゃん、若葉さん達も、みんなも無理はしないでね」

歌野「ノープロブレムよ、結城さん」

大物もいるには居るが、数は少ない

殆どが何度も戦い、因縁もある今では星屑と呼ばれる小物たち

数が多いのは脅威だが、

歌野達だって一人ではないのだ

そしてなにより、神樹様ではない強い力を借り受けている

慢心はしないが、恐れもしない

樹「行ってきます」

千景「行くならさっさと行きなさい。土居さんの開いた活路が無駄になる前に」

球子「いっくぞーっ!」

巨大な旋刃盤を手にした球子は、

その大きさと小柄さに釣り合わない勢いで旋刃盤を放り投げる

樹たちの驚きは置き去りにされて消えていく

群がる星屑をものともせずにただ突き進んでいく己の武器を眺める球子は、

満足そうに笑う

球子「……頑張れ」


600 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 22:52:32.14BSitUnUzo (5/6)


若葉「さて……どれくらい頑張れる?」

球子「無論、死ぬまで。だな」

千景「死ねないものね」

くすっと笑いながらつぶやいた千景は、

自分の鎌をくるりと回して臨戦体制へと移行する

歌野は自信たっぷりに言っていたけれど、

今と昔では敵の強さだって変わっている

何より、自分たちが強くなっていたとしても、人数的には西暦よりも少ない

もちろん、歌野からしてみれば充実しすぎていると言えるほどなのだろうが。

千景「……白鳥さんは、尊敬に値するわね」

歌野「ホワイ? なぜ今?」

千景「今、そう思ったからよ。他意はないわ」

当然、フラグを立てるつもりもない

若葉「千景! 楽しく話すなら帰ってからだ――来るぞ!」

巫女の救出へと向かった勇者部

そして活路を開き、守らなければならない西暦の勇者たち

それぞれの戦いが始まるのだった


601 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/26(土) 23:18:00.11BSitUnUzo (6/6)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日はできれば通常時間から

勇者部パートに移行
戦闘はオート、勇者部パート終了後に判定
残存敵勢力を全滅するか無視するかは選択


602以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/26(土) 23:40:00.00u5QEXfngO (2/2)


みんながいれば負ける気がしないな


603以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/27(日) 00:17:15.66MvB9UHhj0 (1/1)


ここまでは順調


604 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 22:05:17.58fjKH5m4so (1/6)


では少しだけ


605以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/27(日) 22:31:48.89bECBIhhbO (1/1)

来てたか


606 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 22:37:35.86fjKH5m4so (2/6)


勇者部のみんなが入り込んだ黒い穴

所謂ブラックホールの行きつく先は、暗くも明るい不思議な世界だった

風「これ……」

明るく見える粒子のようなものは液体で

液体なのに、水ではない

犠牲になろうとしている巫女たちの記憶らしき断片のようだと、園子は呟く

樹「私たちの中から記憶が消えたのは、これが原因なんでしょうか?」

東郷「記憶と存在の概念を結合し、記憶を抽出することでそもそもの存在を認知させなくした……と?」

風「理屈は良く分かんないけど、あんまり長居するべきじゃないってことだけは分かるわね」

東郷「…………」

ここにある記憶達は、もしかしたら自分のものだったかもしれない

選択肢の一つとして存在していたことを考え、表情を暗くしてしまう東郷の方を、友奈が軽くつかむ

友奈「大丈夫だよ。東郷さん」

東郷「友奈ちゃん……」

園子「そうだよ~わっし~」

東郷「そのっちも……」


607 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 22:58:10.98fjKH5m4so (3/6)


友奈と園子

二人とも自分の考えに気付いてるというわけではないかもしれない

けれど、その言葉は確かに東郷を勇気づけてくれるものだった

東郷「そうね、ええ……そうだわ」

自分は何をしにここに来たのか

滅入ってしまいそうな考えを振り払い

持ち込んだ強い意志を再燃させて瞳に力強さを取り戻す

東郷「ごめんね、弱気になって。行こう」

友奈「うんっ」

夏凜「……火明命の力が強くなっていってるわ」

樹「何か変わっているようには、見えないですけど……」

でも、夏凜さんには感じられるんですね。と、樹は続ける

天乃の力に最も近い夏凜だからこその感覚

それを信じない理由はなかった

夏凜「こっから先がやばそうね……みんな、気を引き締めなさいよ」

風「ん……って、そういうのは部長のあたしが――」

園子「早い者勝ちなんよ~」

気を引き締めて。

でも、極端にはならずにいつも通りの調子で

勇者部は先へと進んでいく


608 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 23:24:59.21fjKH5m4so (4/6)


進んでいった先は、先ほどまで居た空間よりも神聖さに満ち満ちていて

その分の禍々しい独特の雰囲気が感じられて。

夏凜「!」

園子「わっわわわっ! 私が飛んでいく~っ!」

幽体離脱のような現象が全員に起こっていた

火明命の力による庇護下にあっても

その制約を完全に免れるということはできないらしい

夏凜「……そもそも、導くだけだったはずだしね」

孤立する体は霊体となった夏凜達へと細い糸でつながっており、

断ち切られてしまえば永遠に戻れなくなる可能性がある

夏凜「……時間はない。か」

少しずつだが、霊体の一部にはもうすでに危うげな浸食が始まってきており、

先ほどの空間で守られていた部分が影響を受け始めているのだと感じた夏凜は、

同じく、自分の体に置き始めている異変に目を見開く樹達へと声をかけた

夏凜「時間がないわ。幸い、すぐそこで儀式が行われてるみたいだから、ささっと回収して逃げましょ」


609 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 23:35:39.12fjKH5m4so (5/6)


自分たちに対する影響にばかり目がいっていたが、

奉火祭が行われている現場は今まさに目の前にあった

円盤型の、不可思議な何かにとらわれている六人の巫女

その背後では恐らく霊体の方なのだろう

真っ赤に燃え盛る炎によって、燃やされてしまっている

儀式……生贄

まさしく人柱と呼ぶにふさわしい惨状を前にして

怖気づく者はこの場には居なかった

樹「目の目にいる巫女さんを連れ帰りましょう!」

風「そうと決まれば一気に行くわよ!」

東郷「確実に天の神による干渉はあるはずですが……久遠先輩とエッチなことができると思えば、無問題です」

園子「変わらないね~」

友奈「それが東郷さんのいいところでもあると思う」

場の空気、事の重大さ

それらを払拭するような明るさで、友奈たちは最大級の反逆を開始する

人類の存亡をかけた奉火祭という願いを挫き、

天の神へと捧げられるはずだった供物を奪い取る

夏凜「……せーのッ!」

みんなが並び、そして……囚われた巫女の体を掴んだ


610 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/27(日) 23:50:39.22fjKH5m4so (6/6)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日は所用でお休みとさせていただきます

再開は明後日、できれば通常時間から


611以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/28(月) 00:30:41.03C9EDLBf50 (1/1)


さてどうなるか


612以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/28(月) 00:41:48.44VSoAgT2zO (1/1)




613以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/29(火) 17:56:45.24CV5qeFFlO (1/1)

そういやプリキュアの出産がガチだったけど久遠さんもガチで同じピンク髪だしタイムリーだったわ
あり得ないけどスタッフおるん?って思ってしまった


614 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 21:35:12.30Jmgh7a44o (1/6)


では少しだけ


615以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/29(火) 21:43:00.76bsjjLwvNO (1/2)

かもーん


616 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 22:14:24.21Jmgh7a44o (2/6)


夏凜「ッ!」

円盤型のそれに触れた瞬間、凶悪な何かが流れ込んでくるのを感じた

天乃から請け負った穢れ

それと似て非なる毒々しささえ感じる異様な感覚

触れ続ければ確実に害を及ぼすと本能が感じ取り、身を引きそうになる

けれど、夏凜は強く歯噛みして巫女の体を掴む

放すまで放さない

敵対心をむき出しにしての強引な力に対抗するかのように、

霊体となった体を冒す穢れ……神の祟りは凶悪さを増していく

締め付けられるような痛み

吐き気を催す息苦しさ

それでも夏凜達はその手を休めることはない

傷つくことも、苦しむことも

これからとても大変な目に合うことなど承知の上なのだ

自分の体が穢れに冒され、神罰ともいう祟りに見舞われることも覚悟の上なのだ

自分の体に刻まれていく刻印など、気にすることない

風「こぉぉんのぉぉぉぉーっ!」

少し離れたところで聞こえる風の雄たけび

引かれるようにこもった力で夏凜達は勢いよく……囚われていた巫女を引きずり出した


617 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 22:42:19.71Jmgh7a44o (3/6)


友奈「っ……」

霊体であるせいか刻印による影響を強く受ける友奈は、

巫女の少女を抱え上げようとして、よろめく

浮遊している状態でなければ昏倒してしまうような不安定な感覚

目を強く瞑って、深呼吸

それでも治らない不快感を飲み込み、体に力を籠める

友奈「っは……はぁ……」

樹「友奈さん……大丈夫ですか?」

友奈「うん……大丈夫っ」

樹の心配そうな声に、友奈は笑みを浮かべる

大変なのは自分だけではない

目の前にいる樹も隣にいる東郷も

夏凜達だってみんなの胸に同じ刻印が刻まれている

痛みと苦しみは……皆同じだ

園子「はぁ……はふぅ~」

その中でもひときわつらそうな息を吐く園子は、夏凜の方を見つめる

特段、影響を受けているようなそぶりは見えなかった


618 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 22:50:23.70Jmgh7a44o (4/6)


園子「にぼっしーは、平気?」

夏凜「ん……いや、平気ってわけじゃないけど」

天乃……いや、300年前の陽乃による影響か

思っていたよりは、症状が軽かったのだ

もちろん、その陽乃による加護も永久ではないだろうし

それが失われれば、どれほどか分かったものではない

夏凜「久遠家様様って感じだわほんと」

茶化すように言って、痛む胸に手を当てる

夏凜「とにかく、急いで連れ帰るわよ」

風「そうね……若葉達も心配だし」

東郷「そのっち、本当に良いの?」

園子「うん。ずっと寝てたからね~その分張り切っていくよ」

東郷の満開でも、移動手段として機能する

それでも園子は自分の力を使いたいと、願い出る

勇者部に殆ど任せてしまったのだから、少し申し訳は貢献したいと

夏凜「霊体が影響を受け始めている以上長居も無駄話もしてられない……まずは体を取り戻してから全速力で撤退」

頼むわよ園子

そう言って信頼をぶつける夏凜に、園子は満面の笑みで頷いた


619 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 22:51:56.89Jmgh7a44o (5/6)


若葉たちの戦況判定 ↓1


最低 1  最高0

※ぞろ目ならボーナス
※0に近いほど、状況は良


620以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/29(火) 23:05:03.53iMu44H/jO (1/1)




621 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/29(火) 23:10:44.55Jmgh7a44o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

戦況は少し悪い


622以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/29(火) 23:23:22.48yhtOXYmcO (1/1)


頑張れ精霊組


623以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/29(火) 23:31:23.19bsjjLwvNO (2/2)


あとは撤収するだけだな


624 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/30(水) 21:43:21.55kg48ztdyo (1/5)


では、少しだけ


625以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/30(水) 21:44:33.86h53tc1c6O (1/2)

いえす


626 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/30(水) 22:21:13.73kg48ztdyo (2/5)


夏凜達救出組がまだ別の世界から戻ってきていない一方で、

天の神の力に満ち満ちた世界に残った若葉達とバーテックスの戦いはかなり厳しい状況だった

天乃がいない以上、力の一時的な消失による休息なんて言うことは不可能だ

ゆえに、全力での戦闘における持久力は非常に心もとない

それに対してのバーテックスは無尽蔵

名の通り星の数ほど湧き出す星屑と、集合体であるバーテックス

終わりがあるとも知れない戦いは、若葉たちの体だけでなく精神的にも疲弊させていく

若葉「……くっ」

軽く躱すことのできた攻撃が避けきれない

防ぎきれた衝撃に体がよろめく

精霊であっても消耗すれば人間のように衰えていく

若葉「夏凜達は……まだか」

千景「向こうがどうなっているのか分からないけれど……場合によっては私達以上に大変な可能性もあるわ」

いえ……大変ね、と

千景は自分の言葉を訂正して呟く


627 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/30(水) 22:42:12.20kg48ztdyo (3/5)


千景「戦闘力のない巫女を連れてくるのだから、道中の厳しさは防衛するだけの私達より厳しいはずだわ」

若葉「……分かっている」

分かってるさ、千景

若葉は大きく息を吐き、傷ついた体に力を込めて真っ直ぐ立つ

激しい嫌悪感に襲われそうなぶよぶよと太った丸い塊の蠢き

それを一度視界から消し去って、千景を見る

若葉「弱音を吐くなと言いたいんだろう?」

千景「別に、貴女が人に踏まれて散るような【雑草】なら構――」

歌野「ノーット! 郡さんそれは違うわ!」

クスリと笑う千景に対して反応したのは、

若葉ではなく、歌野だっただ

まさかの横やりに身を引く千景に、歌野は余計に詰め寄る

歌野「ウィードこそ根性ある……というより粘り強いわ! 抜いても抜いても生えてくる!」

千景「っ」

歌野「だからこそ、良い意味で使うべき。雑草がただの邪魔な草みたいな考えはノット! OK!?」

千景「お、オーケーよ……分かったわ」

歌野「でも、邪魔なのは事実なのよねぇ」

千景「……どっちなのよ」


628 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/30(水) 22:52:36.40kg48ztdyo (4/5)


球子「悠長に話してる時間はないぞっ!」

若葉「っ……流石に勇者部のようにはいかないか」

千景「あの子たちだって、十分頑張っていてこそだもの」

西暦時代に比べれば、恵まれている部分も多かったことだろう

だがその分の苦労はあった

苦難はあった

それを乗り越えるために力をつけてきたのだ

戦いの合間の気を確かめるような声の掛け合いは、

それがあってこそのものだ

千景「……だからこそ、羨ましく思う」

自分が、愚かだったのだと強く思う

西暦時代、今のような考え方ができていたのなら

きっと、あの時大切だったものは守ることができたはずだからだ

しかし、その後悔は取り消せない

でもだからこそ、今一度その後悔の念に囚われないために

千景はここで、力をふるうのだ


629 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/30(水) 22:53:37.18kg48ztdyo (5/5)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夏凜達の帰還と、マップの修正


630以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/30(水) 23:13:01.57h53tc1c6O (2/2)


西暦組も頑張れ…!


631以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/31(木) 02:12:44.9517wYPSPgO (1/1)


早く帰ろう


632 ◆QhFDI08WfRWv2019/01/31(木) 22:04:30.69SY3Tqx20o (1/1)


すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日、出来れば通常時間から

一応、戦闘中のMAPだけは出しておきます

→【https://i.imgur.com/T0Xy9UG.png


633以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/01/31(木) 22:10:48.76jZQ+xQWpO (1/1)




634 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/01(金) 22:53:41.24ENC9oRzao (1/2)


では少しだけ


635以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/01(金) 23:21:23.7463VAkNi5O (1/1)

あいよ


636 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/01(金) 23:44:07.72ENC9oRzao (2/2)


若葉「全員固まれ! 各個撃破だけはされるなよ!」

千景「乃木さんが一番突っ走りやすいのだから、貴女さえ一緒なら大丈夫よ」

若葉「良く言ってくれる……っ」

トンッ……と、背中がぶつかる

かつて合わせ、対立した仲間の頼もしい感覚に

若葉は場の緊張感と絶望感にそぐわない明るい声で答える

その昔、ひなたと目の当たりにしたこの光景は絶望的で

対抗しようという気力が根こそぎ奪われるような思いだった

けれど今は違う

絶望的であっても絶体絶命ではない

戦うための力はここにある

戦う理由はここにある

だから、若葉は諦めることはない

若葉「天乃に比べればましだろう?」

球子「どっちもどっちだな。特に、最初の頃の若葉だったら若葉がアウトだな」

若葉「ぐっ」

千景「先陣を切っていくあの危なっかしさ。今の私から見ても、あれはないわね」

若葉「今精神に攻撃しないでくれっ!」


637 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 00:39:02.17/PXjAtcXo (1/8)


戦闘中にもかかわらず、

茶目っ気のある会話を繰り広げる若葉達は、

群がりつつある星屑たちの動きが一瞬、止まったのを感じ取った

歌野「……わっと?」

千景「ほんの一瞬、鈍った?」

若葉「私達よりも優先すべき何かがあった。ということだろうな」

近づきつつある一団

その一部が唐突に方向転換を試みるのを視界の端に捉えた若葉は、

確信をもって、笑みを浮かべる

若葉「……ここからが本番だ」

行けるか? と、若葉は問う

千景「ええ、問題ないわ」

歌野「巫女さんがいるなら一般人を護衛しながらになるわ。戻ってきた勇者部のみんなもどれくらい傷ついているか……」

でも、やるしかない

頑張るしかない

生き延びるのだと、歌野は武器を握る手に力を籠める

園子「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

それとほとんど同時に、園子の全力の叫びが……何かへと繋がる空間から飛び出してきた


638 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 00:43:31.47/PXjAtcXo (2/8)


短いですが、時間も時間なのでここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


可能なら、明日で戦闘区域からの離脱


639以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 00:52:08.104DxCYAQnO (1/1)


これはもう余計な戦闘しない限り勝ち確定か


640以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 01:08:12.721oqKnfrO0 (1/2)


まあ戦力は結構なもんだし作戦も練ったからな


641 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 20:31:48.78/PXjAtcXo (3/8)


では少しずつ


642以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 21:12:31.33dKjsJwWjO (1/3)

きてたー


643 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 21:29:09.92/PXjAtcXo (4/8)


夏凜「樹、踏ん張りなさい!」

樹「だい―――じょうぶっ!」

園子の満開は乗り込むことのできる形にはなっているが、

勇者部6人に加え、6人の巫女というのは当然ながら手狭だった

さらに、巫女の意識は戻っておらず踏ん張りも聞かない

夏凜達もそれぞれ巫女を支えようとしてはいるが、

加わる無意識な少女の重みは辛い

それを補うための、樹の力

張り巡らされたテント上の緑色の光が、浮き上がるみんなの足を引き、抑える

風「バーテックスの数は……園子、このままいける!?」

園子「ちょっと難しいかも」

飛び出した瞬間から群がる星屑

視界を埋め尽くすほどの数に園子は無理を言わずに答える

無茶はするが、慢心はしない

ここで強気に出て折れるのは致命的だからだ


644 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 22:15:13.30/PXjAtcXo (5/8)


東郷「私の迎撃にも限界があります……満開を使えば手は足りますが」

行くべきか、どうか

思案する間にも、時間は流れる

迫る星屑の勢いと数は増し、

突破する難易度も引き上げられていく

若葉たちの力はすぐそこに感じるのに

神樹様の輝きはすぐそばに見えているのに

とても遠い場所のように思えてくる

風「園子、星屑を何とかできれば行ける?」

園子「うん、いける……けど」

風「だったら……ここは、あたしが矛になるッ!」

風は躊躇なく、自分の大きな剣を握る

風の満開は、巨大化するだけであり

東郷や夏凜達と比べれば地味なものだと言えるだろう

だが、それゆえに盾となり、矛となる

園子の満開によって出現した船の全速力に矛が備われば突破できることは確実だ

だが、風を守る精霊の力はなくなってしまう……


1、風の満開で突破する
2、戦闘を行いつつ突破する
3、東郷の満開で突破する

↓2


645以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 22:31:07.19dKjsJwWjO (2/3)

1


646以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 22:35:31.90Okt+F9FqO (1/1)

3


647以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 22:35:35.82iWQtwWOP0 (1/1)

3


648 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 23:20:23.97/PXjAtcXo (6/8)


東郷「待ってください!」

風「東郷?」

東郷「満開は、私が担当します」

友奈「東郷さんっ!?」

東郷「………私が、担当します」

東郷が満開をすることによって、移動要塞が増える

一部の巫女と勇者をそちら側に移すことで、

手狭だった空間が広くなり、対策が取りやすくなる

なにより東郷の砲台は無数にいる星屑に対しては非常にいい手だ

だが……と

風は少しだけ渋る様子を見せ、唇をかむ

それは言う意味のない言葉だと、飲み込んだ

風「分かった。考え込んでる時間はない……東郷、いけるわね?」

東郷「もちろんです。風先輩」

東郷は風のことばに頷き、胸元の勇者のマークに手を宛がう


649 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 23:31:59.91/PXjAtcXo (7/8)


風の力は言葉通り切り開くための力

今こそ輝けるときかもしれない

しかし、ここで戦いは終わりではない

まだ、続く

その時に道を切り開くことのできる力は重要だ

みんなを守ることのできる力が必要だ

だから、風にはやらせない

東郷「行きます――満開ッ!」

東郷の力強い声に呼応して集う光は船……否、戦艦を形作る

複数の砲台を持ち、

浮遊する迎撃兵装をも兼ね備えた移動要塞

多勢に無勢を覆す、東郷の力

東郷「全砲門前へッ!」

東郷「うちーかたはじめーッ!」

そのすべてが、目の前に広がる障害を一掃する


650 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/02(土) 23:38:13.54/PXjAtcXo (8/8)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


予定:明日で戦闘終了、久遠さんとの交流


651以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 23:40:51.15dKjsJwWjO (3/3)


わっしーとそのっち大活躍の巻


652以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/02(土) 23:48:49.041oqKnfrO0 (2/2)


無事で終わってくれ


653 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 20:58:45.09ASwTcfN9o (1/6)


遅くなりましたが、少しだけ


654以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/03(日) 21:12:11.61mP/0/OetO (1/2)

あいよー


655 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 21:39:56.99ASwTcfN9o (2/6)


若葉「満開か……ッ!」

千景「乃木さんッ!」

若葉「くっ」

園子が満開を使うことは確定事項だったが

それ以外……東郷の満開は想定外だった

使わせてしまったことに歯噛みする若葉への怒号

為すべきことは何か。という千景の視線に、若葉は奥歯を噛みしめて、頷く

満開を使用させたことを悔いるのはいまではない

今はただ、これ以上の満開をさせないこと

満開を使わせることになった勇者の身を守るべきだと、刀を握る

若葉「ここから先は全力で行くぞ――来いッ大天狗ッ!」

千景「行くわよ……伊邪那美!」

歌野「フルパワーなら私も久遠さんから頂いたものがある――フォローミー! 稲荷ッ!」

球子「タマはもう使ったからな……任せるぞ」

耐え忍び、道を確保することから、

全員が抜けていくまでの時間稼ぎを行うだけに戦いがシフトしたのと同時に

若葉達がそれぞれの力を最大限に開放する

元から満開としての強力な精霊を備えていた若葉はもちろん、

天乃との契約時に引き継いだ神の力を使うことのできる千景たちのそれはまさしく、一騎当千の代物だった


656 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 22:21:48.15ASwTcfN9o (3/6)


死神……伊邪那美の力を受け継いだ千景の武器は、

通常時にも神樹様や勇者、バーテックスを容易に屠ることのできる力を宿している

その瘴気を身にまとう千景は勇者ではなく、死神だった

味方である若葉も、球子も近づくことの許されないような風貌

その横に、歌野が並ぶ

千景「!」

歌野「せめて、タッグを組むわよ。郡さん」

千景「白鳥さん……平気なの?」

歌野「確実にパワーが削られていくのは感じる。でも、ノープロブレムよ!」

ブイッと笑顔を見せる歌野が纏うのは、稲荷神

農業の神たる稲荷から授かる力は繁栄

そして、再生の力

千景の力に拮抗する唯一の力

だからこそ、並ぶ、背中を守る

歌野「一人には、させないわ」

千景「……無理はしないで」

私はもう、一人だなんて思っていないから。と

千景は笑みを浮かべて、大鎌を振るう

千景「1000を産むのなら――1001を屠るッ!


657 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 22:35:47.05ASwTcfN9o (4/6)


夏凜「東郷! 一定距離まで近づかれた奴らは放置で良いわ! 私たちが対応する!」

東郷「了解!」

友奈「樹ちゃんは支えることに集中して!」

樹「はい!」

風「夏凜は東郷! 友奈は樹、あたしが園子の援護! 行けるわね!?」

武器を持っている夏凜と風が船を動かす東郷と園子を援護し、

樹が巫女を含めたみんなの揺れ動く体を補佐し、

武器のない友奈が最後の砦として中央で樹を守る

逃れることを許さない激流の中を突き進んでいく勇者部

その正面で大爆発が起こる

それは、天乃の力

天乃の力としてここにいる、精霊の力

爆発的に強まった精霊の力が激流とぶつかり合って、押しとどめる

対抗力が弱まった隙に、

園子と東郷の船が速力を上げて――

夏凜「全員衝撃に備えなさい! 後ろで爆破するッ!」

夏凜の武器である日本刀

その爆発の推進力を得た東郷の船は園子の船を押し出すようにして――穏やかな空間へと飛び出した


658 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 22:56:46.13ASwTcfN9o (5/6)


園子「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

若葉「そのまま突っ込んで来い――歌野ッ!」

歌野「オーケーッ! 任せなさい!」

神樹様の作る結界

その樹海と同質の足場に手を触れた歌野は、

稲荷の力を最大限に送り込んで、活性化させていく

押し込まれ、固められたような姿だった根は蠢き、

焼き尽くす獄炎をものともせずに成長し、重なり、連なり、

一本の樹木となって、園子たちの船が辿る道となる

球子「殿は任せろ! そのまま結界の中にいっちゃえーッ!」

東郷「了解! 総員対衝撃体勢! 結界の中まで速力維持! 突撃します!」

園子「いっくぜぇ! 口を開くんじゃねぇ~舌を噛んじまうぞ~っ!」

真剣な東郷の掛け声と、茶目っ気交じりの園子の声

二人の声を待っていたかのように、

船は急激に加速し、結界の中へと真っ直ぐ突っ込んでいく

出た先が海で無ければ多大な被害をもたらしていそうな勢い

それを見送り、西暦の勇者たちは嘆息する

勇者部は巫女を連れて撤退した

それでも深追いする理由はあるが、意味はない

若葉「我々も撤退だ!」

若葉の指示に各自が頷き、天の神の怒りを残して――戦いは幕を下ろした


659 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/03(日) 23:07:53.36ASwTcfN9o (6/6)


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

東郷が満開を使ったことで戦闘省略
被害は微量


660以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/03(日) 23:12:27.35mP/0/OetO (2/2)


満開消費が今後どう響いて来るかだな…


661以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/03(日) 23:53:18.01+Nyz8gqH0 (1/1)


よかったよかった


662 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/05(火) 06:29:10.629LJ5Dfmro (1/4)


√ 12月13日目 夕(病院) ※土曜日


巫女を救い出した夏凜達は、

満開を使った東郷と園子を除いて軽い検査を終え、病室へと戻ってきていた

夕方ということもあって、起きてた天乃は戻ってきてくれたことを喜びつつも

少し、悲しげな表情を浮かべていた

天乃「二人も満開を使ったの……?」

夏凜「そう。まぁ、精霊を含めれば倍増するけど」

力を消費をすることにはなるが、

時間が経てば回復する若葉達は例外だろう

夏凜「出来れば、園子だけで済ませるはずだったんだけどね」

それでも、精霊による加護を失ってしまう満開を使わせてしまうため、

天乃としては、あまりいいことではないだろうけど。と、

夏凜は内に止めたその考えを飲み込み、小さく息を吐く

流石に、多勢に無勢すぎたのだ

行く先が厳しすぎたのだ

もちろん、甘く考えていたわけではないし、

厳しい戦い、状況になることは承知の上での行動だった

それでも、警戒が足りなかった

警戒していれば対策が練られたかと言われても、反応に困るほどに。

天乃「……二人は?」

夏凜「検査中」

風「意識はあるし、怪我もちょっとしたことなんだけどね。満開を使ったからって」


663 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/05(火) 06:36:48.899LJ5Dfmro (2/4)


天乃「でも、大したことはないのよね? すぐに戻ってこられるのよね?」

樹「それは、大丈夫ですよ」

必ず戻ってこられます。と、

樹は優しい笑みを携えながら、答える

樹達よりも少し精密な検査を行っているだけだ

夜までには戻ってくるか

一日……半日間つきっきりで何らかの影響が出ないかを検査するのだとしても

明日の朝にでも戻ってくることだろう

夏凜「……黙って出て行って悪かったわ」

天乃「本当よ……ほんと、私……」

夏凜「ごめん」

俯く天乃の体をぐっと引き寄せて、夏凜が抱く

頭を撫でるように抱え込み

髪を乱さないように優しく擦る

沙織「……だよね。やっぱり、不安だったよね」

沙織たちも残っていたから大丈夫。なわけがなかったのだ

実際に戦いに行くのは勇者部のみんな

満開を一度使ってしまえば、攻撃を受けすぎれば。

生身で戦うのと同様の状態になってしまうみんななのだ

それをさせる自分が気づかないうちに居なくなってしまっていたのだ

とても、不安だっただろう


664 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/05(火) 06:41:17.219LJ5Dfmro (3/4)


風「あたしたちがいないときから?」

沙織「ううん、その時は普通だった。ううん、逆に普通過ぎたっていうべきかな」

我慢していた

不安を押し殺していた

それを、沙織たちは何もすることはできなかった

大丈夫という言葉は易い

心配ないよ。という言葉は軽い

精霊同士のつながりがあるのだとしても

精霊の目の届かない場所までいってしまうのだから

沙織「でもよかったよ。みんな無事で」

友奈「辛い状況だったけど、でも、みんなが諦めなかったから何とか出来たんだと思います」

二人の満開を必要としたとはいえ、

風や夏凜、樹達みんなの立ち位置は間違いなかった

それぞれができる最善を尽くしtからこそだ

無茶をすれば東郷の満開を使わなくても済んだかもしれないが、

それでは余計な被害が出ていた可能性もある

だから、これでよかったのだと

友奈は自分にい聞かせるように、思った


665 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/05(火) 06:42:17.029LJ5Dfmro (4/4)


では、昨日分になりますがここまでとします
本日は恐らく、お休みになるかと思います

また、今週はお休みをいただくことが多いかもしれませんが、
出来る限り、やっていきます


666以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/05(火) 07:35:11.54XfUIdjjVO (1/1)

乙です


667以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/05(火) 15:52:48.53xONNm1gGO (1/1)


あとは呪いの影響がどの程度出るかだな…
久遠さんのメンタルも心配


668以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/05(火) 20:50:31.83qsI0kr1pO (1/1)

投稿時間無理しすぎてない?
久遠さん並みに無理する姿勢良くない


669以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/05(火) 22:53:13.39dcSgVuxvO (1/1)

まさか朝に来てるとは



670 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/06(水) 20:59:03.77aIZeNmQ6o (1/5)


では少しだけ


671以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/06(水) 21:00:20.752HTt7I8yO (1/3)

よしきた


672 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/06(水) 21:37:45.97aIZeNmQ6o (2/5)


天乃「助けた巫女のみんなは? 意識は戻ったの?」

風「外傷があるわけではないけど、少し時間がかかるって」

沙織「霊的な部分を酷く持っていかれちゃったみたいだからね、普通の怪我より長引くこともあるよ」

霊的な部分が持っていかれるということは、魂に直接干渉されるということ

不可視の部分とはいえ、

確かにあるその影響happyあ限りなく、大きい

だからだろう

自然な口調ではあったけれど、

自分も巫女としての立場もあるからか

身を案じての悲し気な雰囲気を沙織からは感じる

風「で……それが、今は……」

自分たちに課せられている。と、

風は暗に告げて、口を閉ざす

下手に語れば周りにも影響があるという話を聞かされたのだ

赤ちゃんはいないけれど、天乃がいる

悪い目に合わせるわけにはいかない

たとえ天乃が事前に知識を得ていたとしても、

無関係に巻き込む理不尽さ

それが、祟りというものだ


673 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/06(水) 22:00:37.72aIZeNmQ6o (3/5)


天乃「今は平気?」

夏凜「いきなりやろうとかそういう気はなさそうだけど、どうだかね」

むしろ、このまま大人しく削れらてくれるなら

それで許してやろう。と言わんばかりだ

もっとも、日に日に影響は強くなり、

こうして話すことさえ難しくなってしまう可能性もある。

はっきり言えることがあるのだとすれば、

祟りに優しいなんてことはあり得ない。ということだろう

天乃「私は別に、すぐにでも提供してもいいのよ?」

樹「影響が弱いなら、むしろもう少しゆっくりするべきだと思います」

祟り……までいかないかもしれないが

同質の穢れに耐性のある久遠家の力

それを分け与えて貰うことで、

祟りの影響を相殺するという九尾の案

だが、

天乃のご先祖様の時代からいる妖狐の案という信頼があるから後回しにするわけではない

双子に力を分け与えてから間もなく、

さらに勇者部六人に力を与えるとなると

負担が大きすぎて、逆に天乃が大変なことになりかねないからだ


674 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/06(水) 22:42:58.61aIZeNmQ6o (4/5)


天乃「明日にでも影響出るんじゃないって、私的には気が気じゃないんだけど」

友奈「でも、ここで無理したら危ないです」

天乃「………」

樹「私達も言えたことじゃないかもしれないですけど、命に係わるんです」

祟りも天乃も

下手なことさえしなければ即死に至るようなことはないはずだが

祟りに関しては庇いあうことができる

だが、

天乃に関しては庇ってあげることができない

だからダメなのだと、みんなが諭す

天乃「大丈夫、無理をするつもりはないわ」

天乃はそう言って、困った笑みを浮かべる

自分よりも天乃のこと

そういうのは分かり切っていたことだけれど

もっとも危ない状況でもそういえるのが勇者らしくて、問題だった


1、でもせめて、誰か代表で受けておくつもりはない?
2、壁の外はまだまだ問題があるんでしょう? きっと、また戦うことになるわよ
3、少しでも問題があるようならちゃんと言うのよ?
4、とにかく、満開を使った二人は厳重注意が必要ね

↓2


675以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/06(水) 22:50:58.062HTt7I8yO (2/3)

2


676以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/06(水) 22:51:30.58cW1NQJS/0 (1/1)

4


677 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/06(水) 23:04:24.29aIZeNmQ6o (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「……この検査次第では一番に久遠先輩とイチャイチャできるのでは!?」

園子「まず怒られるんよー」

東郷「違うわそのっち」

東郷「久遠先輩のことだから、目が離せないからって寝るときも一緒になるはずよ」

園子「お風呂も~?」

東郷「そう……お風呂も」グッ


678以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/06(水) 23:09:49.22X4XJ/6c90 (1/1)


みんな溜まってそう


679以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/06(水) 23:15:33.402HTt7I8yO (3/3)


久遠さんの力での呪いの中和はすぐには厳しいか
そして原作同様うかつに呪いのことを話せないのも辛いな…


680以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/08(金) 21:34:52.48PjcCQhKLO (1/1)

今日も忙しいか…?


681 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 19:31:56.08ADPTBtBIo (1/9)


では少しだけ


682以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 19:40:12.39MK5NG+6QO (1/4)

待ってたぜ


683 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 20:14:28.21ADPTBtBIo (2/9)


天乃「とにかく、満開を使った二人は厳重注意が必要ね」

友奈「東郷さんも園ちゃんもみんなのために頑張ってくれたので、あんまり、怒らないで上げてください」

天乃「え?」

友奈「えっ?」

天乃「ふふっ」

天乃の反応が予想外だったのか、

友奈は何か間違ったのだろうかと、不安そうな表情で。

天乃は再度笑みを浮かべると、そうじゃないの。と、優しく続ける

天乃「注意は怒る方じゃなくて、見守る方よ」

夏凜「ダブルミーニングね。ま、天乃の性格からして怒る方はないから心配いらないでしょ」

少なくとも、今の天乃には。だ

以前ならそれもあったかもしれないが

今は満開に体の機能を損なうようなリスクがないし、

無事で帰ってきたのならば怒る理由もないだろう

天乃「あら、怒ることだってあるわよ? 夏凜」

夏凜「怒るより泣くでしょ、アンタは」

天乃「怒る」

夏凜「はいはい」

天乃「ほんとに怒るわよっ、次は、絶対に怒るんだからっ!」


684 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 20:38:35.83ADPTBtBIo (3/9)


夏凜「はいはい」

天乃「……馬鹿にしてっ」

夏凜は天乃を腕に抱いて、天乃よりもいい笑顔を浮かべる

それぞれ、重いものを抱えることになってしまっているが

だが、決して悪いことばかりではない

いい方向に進めるための、一時的な難所

遥かに高き壁だとでも考えればいい

そんなもの、すぐ横にいる人のためならば。というのが、

勇者部みんなの意志

風「本当は、あたしがやるべきだったんだけど……人数的に東郷の船を使うことになったのよね」

迫りくる星屑を討つための人手

戦闘力のない巫女を守るための人手

その勇者を守るための人手

それらを一気に賄える二隻目の戦艦は、出し惜しみすべき力ではなかった


685 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 21:36:00.42ADPTBtBIo (4/9)


風「東郷達はできる限り屋内待機がベスト?」

友奈「でも、学校もまだありますよ?」

夏凜「学校か命かって話よ。まぁ、明日の状態にもよるってことで一先ずいいんじゃない?」

明日になって、体調を崩したり、

何か不穏な感覚がなければ

多少の外出くらいならば、してもかまわないだろう

もちろん、細心の注意はすべきだけれど

夏凜「今日は朝から全力だったから疲れたし……」

はぁ。と、

夏凜はあからさまなため息をつく

疲れたのは本音だ

だが、ため息はそれではない

これから厳しくなっていく世界

全てを敵にした世界

そこで、自分たちは生き残れるのかという疑問を、感じたからだ


686 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 21:54:10.33ADPTBtBIo (5/9)


√ 12月13日目 夜(病院) ※土曜日


01~10 東郷
11~20 
21~30 園子 
31~40
41~50 樹
51~60 
61~70  九尾
71~80  友奈
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ 


687以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 22:00:50.39MK5NG+6QO (2/4)




688 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 22:49:48.09ADPTBtBIo (6/9)


√ 12月13日目 夜(病院) ※土曜日


勇者の反乱……いや、ここでは奮闘というべきだろう

それによって、6名の尊い巫女の命は守られることとなった

しかし、それゆえに世界は敵になった

天の神率いるバーテックスの軍勢は怒り、与えた祟りを緩めることはしないだろう

世界のためと、苦渋の決断をした大赦は儀式を阻んだ勇者部を快く思うことはない

もしかしたら、救われた巫女たちも

どうしてなのか。自分たちさえ犠牲になれば……と、

天乃の願い、勇者部の行動に反発するかもしれない

だが、それでもだ

それでも犠牲などという結果を天乃は望まない

高望みだと宥められようと、愚かだと侮蔑されようと

その考えを変えることはない

現代にて名を馳せた画家が必ずしも過去、羨望されていたわけではないように

たとえ今、非難されようと、受け入れて貰えなかろうと、

未来で、その時その判断をしておいてよかったのだと言われる方を選ぶ


689 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 23:22:19.72ADPTBtBIo (7/9)


天乃「賽は投げられた……」

バーテックスは祟りを与えただけで鎮まることはない

きっと、勇者をむしばんでいくことだろう

それに関しては、天乃の力を分け与えることで抑え込む

だが、完全な解決はバーテックス

ひいては天の神を討つことでしか訪れることはないだろう

天乃「天の神はどう進んでくるのかしら」

神は戯れで振ることはあるが、

そこに賽の目という不確定は存在しない

神は己が決めたルールに則り

己が定めた結果と道筋のみを進ませようとする

天乃「……だからこそ、その基準を抜けようものなら淘汰されてしまう」

たとえそれが、人類にとって理不尽であったとしてもだ

感知領域にはないものであったとしてもだ

天乃「………」


1、勇者
2、精霊
3、イベント判定


↓2


690以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 23:26:19.62MK5NG+6QO (3/4)

3


691以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 23:27:14.57eaXMqGQq0 (1/1)

3


692 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 23:40:14.40ADPTBtBIo (8/9)


01~10 夏凜
11~20 樹
21~30 友奈 
31~40 東郷
41~50 風
51~60 園子
61~70 九尾
71~80 千景
81~90 若葉
91~00 沙織

↓1のコンマ 



693以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 23:40:26.88zk64cxAk0 (1/1)




694 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/09(土) 23:50:12.42ADPTBtBIo (9/9)


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から

夜終了後、判定


695以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/09(土) 23:56:14.07MK5NG+6QO (4/4)


久遠さんにとっても勇者部にとっても更なる茨の道に進んで行くな…
あと謎判定が怖い


696以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 00:23:34.42CF5UaprL0 (1/2)


若葉と沙織は一応ノーダメージになるのか?
嫁組の中では


697以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 18:04:16.27yIA5zdwEO (1/1)

マダカナー


698 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 20:24:03.269P22DIFoo (1/6)


では少しだけ


699以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 20:27:23.65uNlmcVvdO (1/3)

かもーん


700 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 21:18:00.749P22DIFoo (2/6)


若葉「……考え事か?」

天乃「若葉……貴女、大丈夫なの?」

天乃の精霊である若葉達は、

勇者部のように力を使った場合に自分たちが存在するための力を大きく消費する

天乃から得られるその力に限りはないが、一日に供給できる量は当然ながら制限がかけられているため、

満開に匹敵する力を使った若葉達が復帰してくるのにはもう少し、時間がかかるはず

それなのに姿を見せた若葉に天乃は困惑しつつ、問いかける

若葉「ああ、なんとかな」

天乃「本当に? 無理してない?」

若葉「大丈夫だ」

ぎゅっと腕を掴んで、身を寄せて

体に触れてくる天乃の不安をなだめるように、

若葉は心配しすぎだ。と、暗に込めた声で答える

若葉「そうやって心配させたくないから、気合で戻ったのかもしれないな」

天乃「気合なんて結局無理するかどうかの心意気よ。多少治りが早まることはあっても、こんなすぐになんて」

若葉「だが、結果はこうだろう?」


701 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 21:53:38.799P22DIFoo (3/6)


天乃「本当に平気……なのね?」

へらりと笑う若葉を一瞥した天乃は、若葉の言葉を他所に考え込む

満開による消費は発動した時間にも影響はあるが、

発動した。ということ自体に大量の力が必要な行為だ

ゆえに本来、

少なくとも一日は姿を見せられなくなってもおかしくはなかった

だからこそ心配なのだが、

若葉には無理をしているような様子はない

天乃「……少しでも何かあるのなら、すぐに休みなさいよ?」

若葉「分かっている。その方が、心配もかけるだろうからな」

天乃「分かってるなら明日の朝にするべきだったんじゃないの?」

若葉「そういわれると、私にはあまり会いたくなかった。みたいに感じるんだが……」

天乃「そんな返し。どこで知ったのよ……まったく」

男女というべきか

恋愛における嫉妬の演出として使われそうな言葉と、仕草

それを見せる若葉の奥に、園子を見る

だが、たぶん違うだろう


702 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 22:19:20.199P22DIFoo (4/6)


天乃「会いたくないのは今の大赦とバーテックスくらいよ」

若葉「ふふっ、そうか」

少し前までの弱弱しい天乃から、

少しだけ、力強い天乃へと戻っているように感じて、

若葉は嬉しそうに笑みを浮かべる

もちろん、どちらの天乃も好きなのだが。

天乃「それで? 体に鞭打ってまで来たのは無事を知らせるため?」

若葉「それもあるが、天乃の顔を見たかったというのもある」

天乃「精霊の空間からだって見えるでしょ?」

若葉「テレビを見るのと間近で見る違いがあるさ」

それに……と、続ける

若葉「直接なら、天乃に触れることができる」

天乃「……」

若葉「……なんて、ちょっと、おかしかったか」

何も言わない天乃の視線に気恥ずかしさを覚えたのだろう

若葉は顔を赤くして、逸らした


703 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 22:30:13.059P22DIFoo (5/6)


天乃「別に、おかしいだなんて言ってないでしょ?」

若葉「だが、あまり似合わないだろう?」

天乃「かっこいいことを言おうとするのは、誰にだって似合わないものだわ」

言おうとするから、演技っぽくなる

言おうとしているから、周到さを感じてしまう

天乃「だから、そのままでいいのよ。若葉は」

無理に格好良くしようとして、恥ずかしそうにする姿は愛らしい

でも、普段の何気ないしぐさに見える凛々しさは格好よく思える

天乃「素のままの貴女が十分、魅力的なんだもの」

若葉「そ、そうか……?」

天乃「ええ。そうやって褒められると照れるところとか、可愛い」

若葉「ぐっ」

照れくさそうな表情

可愛いと言われて、恥ずかしいけれど嬉しくもある

そんな良い複雑さのある雰囲気を感じさせる若葉を、天乃はちらっと見つめる


1、これからもよろしくね
2、若葉。東郷と園子をお願いね?
3、ひなたさんのように、私も若葉ちゃんコレクション作ろうかしら?
4、今回は本当にありがとう、お疲れ様

↓2


704以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 22:31:16.15uNlmcVvdO (2/3)

4


705以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 22:32:50.71M9YvNT1R0 (1/1)

3


706 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/10(日) 23:08:29.169P22DIFoo (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


若葉「久しぶりだな……こんな、攻めてくる天乃は」

園子「つまり、ご先祖様は責められるほうが良い。と」

若葉「ぬわっ!? そ、園子!?」

園子「天さんは生粋の受け体質……ううん、凸凹の凹枠確定……それじゃダメなんよ~」


夏凜「凸も凹もみんな凹でしょうが……」

東郷「いいえ夏凜ちゃん。凹同士でも半身ずらせば大丈夫!」グッ

夏凜「嬉しそうに言うのやめろっ!」


707以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 23:17:32.34uNlmcVvdO (3/3)


久々に若葉のターンが来たか
若葉が意外と責めやすいのか久遠さんがどこか楽しそうだな


708以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/10(日) 23:26:56.76CF5UaprL0 (2/2)


全部落ち着いたら若葉が単身赴任状態になっちゃうから今のうちにいちゃいちゃしなきゃな


709 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 20:42:07.93nq3KgyQeo (1/7)


では、少しだけ


710以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/11(月) 20:43:28.70CmCHEKnrO (1/3)

よっしゃ


711 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 21:19:33.54nq3KgyQeo (2/7)


天乃「ひなたさんのように、私も若葉ちゃんコレクション作ろうかしら?」

若葉「なっ……だ、ダメだっ」

天乃「紅くなっちゃって……ふふふっ」

若葉「端末を取り出すなっ、このっ、撮らせないからなっ!」

ばさっ……と

カーテンを使って隠れた若葉を目で追いかけて、天乃は笑う

そうやって逃げるしぐさも愛らしい

ひなたさんはきっと、それも相極まって止められなかったのだろう。と

天乃はひなたの思いを感じて、端末のカメラを起動する

若葉「端末をしまえ、しまわないと出ないからな」

天乃「しまったわ。大丈夫よ」

若葉「ほん――」

カシャリ。

カーテンからひょっこり顔を覗かせた見事な一枚が、

端末に保存される

若葉「あーまーのーっ!」

天乃「しーっ」

若葉「っ」

天乃「みんな寝ているんだから、静かに」


712 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 21:54:05.89nq3KgyQeo (3/7)


若葉「ぐっ」

天乃「隙を見せた若葉がいけないのよ」

若葉「……まったく」

元気になったと思えばこれか。と

若葉は呆れながらも嬉しそうに笑う

写真を撮られるのも、

快気祝いならばと諦めたのか、

端末を取り上げようとはしない

若葉「元気になってくれてなによりだよ」

天乃「うん……ありがと」

若葉「ただ、精神的に楽になったからって無理をするな。体の方は本調子ではないんだからな」

天乃「分かってる」

普段の天乃からして、そういったことはめったにないが、

嬉しいから、楽しいからと

派手に笑ったりするだけでも血を吐きそうなほどに弱弱しいのが今の天乃だ

些細なことでも、無理はさせられない


713 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 22:05:42.29nq3KgyQeo (4/7)


若葉「天乃……」

天乃「うん?」

若葉「天乃に出会えて、本当に良かった」

天乃「どうしたのよ急に」

若葉「いや、ようやくここまで来たし礼は言っておくべきかと思ってな」

若葉は照れくさそうにはにかみながら

天乃の顔をちらっと見る

真っ直ぐ見ることができないのは

その心に抱く想いゆえだろう

若葉「この世界に呼ばれ、私たちのしてきたことが無駄ではなかったことを知ることができた」

それに。と、続ける

若葉「果たせなかった想いを、秘め続けた悔いを晴らすことができた」

天乃「若葉……貴女」

若葉「だから、ありがとう」

天乃「……気が早いわよ。馬鹿ね」


714 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 22:14:22.53nq3KgyQeo (5/7)


これから厳しい道を歩むことになるから

言えるときに言っておこう。という考えなのだろうが

気が早すぎると天乃は困ったように言い返してため息をつく

創作物に散見されるフラグというもののように感じられて

天乃としては、好ましくなかったのだ

天乃「そういうことは全部終わってからにしなさい」

若葉「すまない」

天乃「でも、貴女が良かったのなら……良かった」

本当に大切な人とは離れ離れのままの現世

そこにいることを好ましいと思ってくれている

それは、呼び出した天乃にとっては喜ぶべきことかはわからないけれど

けして、悪いことではないと思わせてくれる大切なものだった

天乃「これからも、よろしくね。若葉」

若葉「ああ、任せてくれ」

若葉はしっかりと答え、頷く

今は勇者ではなく精霊として

天乃のために尽くそう……と、若葉は改めて誓った


715 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 22:24:08.27nq3KgyQeo (6/7)


√ 12月14日目 朝(病院) ※日曜日


1が最低 0が最大


判定↓1


716以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/11(月) 22:24:38.76CmCHEKnrO (2/3)

たのむぞ


717 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/11(月) 22:46:11.69nq3KgyQeo (7/7)


では、ここまでとさせて戴きます
明日もできれば通常時間から


6は普通よりも少し、きつめ


718以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/11(月) 22:52:30.00CmCHEKnrO (3/3)


若葉の優しさが垣間見えた矢先に呪いが…
自分が引いた手前どんな目に会うのか怖いなぁ


719以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/11(月) 23:03:14.24lKa4MN4u0 (1/1)


頑張れ勇者部


720以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/12(火) 22:02:08.81fJP0W+FgO (1/1)

今日は休載か


721 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/13(水) 20:50:40.381KxjyBXoo (1/5)


では、少しだけ


722以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/13(水) 20:51:39.83HbajL2NBO (1/1)

やったぜ


723 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/13(水) 21:38:09.971KxjyBXoo (2/5)


√ 12月14日目 朝(病院) ※日曜日


天乃「……え?」

起きたばかりの頭に響く声は、無理やりに絞り出された力のないもので

聞こえなかったからもう一度。

そう、聞き返すこともできるほどのものであるにもかかわらず、

天乃は小さく驚きの声を漏らすことしかできなかった

それを伝えに来た風は酷く顔を歪めていて、

とてもではないけれど……もう一度話してもらうなんてことが許されるような様子ではない

天乃「…………っ」

強く歯を食いしばった天乃は、今すべきこと、言うべきこと

それを一生懸命に考えて、息を飲む

天乃「風、間違っても戦いに移行だなんて考えないで」

風「…………」

天乃「風、お願い」

風「っ………」

風の握り拳に触れた天乃は、

ギリギリ引き寄せることのできる限りなく弱い力で、包み込む

天乃「ここで無理をしても、何にもならないから」


724 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/13(水) 22:23:39.651KxjyBXoo (3/5)


天乃の言葉に風は頷きつつも、怒りは収まらないといった様子で、目を背ける

つい、さっきのことだ

樹が、エスカレーターの一番上から――転落した。

一番下の階にある売店を使った際、

特別病棟ということもあって、近くのエレベーターではなく、

すぐ目の前にあるエスカレーターを使って二階に上がってから、

別の通路を通って、改めてエレベーターを使う必要があったのだが、

その一番初めのエスカレーターで事故は起きた

一番後ろにいた樹がエスカレーターから先に進もうと足を上げた瞬間にガクンッと、揺れて

そのままだ

一緒にいた友奈たちが手を伸ばす間もなく、落ちていった

樹にはまだ精霊に守ってもらうだけの余力があってなお、

強く体を打ったことによる失神は免れなかった上に

ほんの一瞬手すりを掴んだ右手の爪が痛々しく剥がれていたのが、

祟りの陰険さを、物語っていた

天乃「……みんなが一緒だから若葉達もついていかせなかったのが、裏目に出たわね」

若葉「すまない」

天乃「仕方がないわ、若葉達が悪いわけじゃない」

若葉達だって、東郷や園子の身を守るために傍に居てくれたのだ

責める理由なんて、どこにもない


725 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/13(水) 23:02:10.081KxjyBXoo (4/5)


打ち所が悪ければ死んでしまっていてもおかしくないような状況だったのだ

細かい怪我こそあるが、精霊の力もあって失神で済んだのは幸いだろう

もっとも、精霊の力があったのに……と、嘆くべきかもしれないが。

九尾「それだけ神樹の力が弱っておるということじゃろうな」

天乃「九尾……」

九尾「神樹の力が弱り、祟りを抑えきれなかった結果が今回の事故じゃ」

事故というべきなのかも疑問じゃがな。と

九尾は続けざまに言って

九尾「今回はまだ軽い方じゃな……何かしらの物的な要素が加わっていたら大けがは免れなかったじゃろう」

天乃「……落ちるだけで済んだから大丈夫だったってこと?」

九尾「うむ……例えばそうじゃな。交通事故などではこうはいかなかったはずじゃ」

精霊の守りがあっても貫かれる、砕かれる

その結果、生身の体に多くのダメージが残るため、単なる失神では済まなかったと九尾は答える

九尾「……その場合は最悪、主様の精霊であっても消滅させられる可能性もある」

若葉「私たちが……か?」

九尾「主らとて、魂の依り代にした核というべきものはある。それが砕かれれば当然、元には戻れまい」

普通の戦いでは傷つかないし、

力を使ったからと言って、限度さえ守れば消滅することはまずないが

精霊の力を貫く力が相手ならば話は別だった


726 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/13(水) 23:06:53.141KxjyBXoo (5/5)


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

すでに何度かお休みをいただいてしまっていますが、
今月は少々厳しいので似たような状態が続くかと思いますが、出来る限り進めていきます


727以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/13(水) 23:12:53.45XSKpnUPBO (1/1)


さっそく陰湿極まりない呪いが樹ちゃんを…
守りがない東郷さんやそのっちはもっと危ないのでは


728以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/14(木) 00:28:17.540Cos6TnhO (1/1)


怖いなこれは


729 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/15(金) 23:00:14.09PSuA56Pto (1/2)


遅くなりましたが少しだけ


730 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/15(金) 23:54:44.42PSuA56Pto (2/2)


若葉「そんな状態だと、さすがに東郷たちを出かけさせるわけにはいかないな」

九尾「今回はたまたまそうだった可能性もあるがのう」

そういった九尾は少し考えこんで、若葉を一瞥する

いい考えが浮かんだ。という表情は浮かばなかった

九尾「そうじゃな……残念ながらそれがよかろう」

天乃「やっぱり、私の血を分けたほうが良いんじゃない?」

九尾「もう少し体調が戻ってからにすべきじゃろう。無理をしても、主様の症状が重くなるだけじゃ」

天乃「でも……」

九尾「主様の身を案じるならば、出来ても一人じゃぞ」

生半可な対処では、

余計なことを……と、天の神による祟りが別の誰かに上乗せされてしまうだけかもしれない

だからもう少し待つべきだと、九尾は繰り返し忠告する


731 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/16(土) 00:20:56.29mo566dC9o (1/4)


沙織「こればかりは仕方がないね……」

天乃「沙織っ」

夏凜「樹が目を覚ましたわよ」

意識や記憶に障害はなく、体を動かすのにも問題はない

何らかの障害が残ったりはしないだろうという風に医者に言われたと、夏凜が説明する

それでもいきなり別室からこちらにまで戻ってくるということはできないらしく

今日はとりあえず、別室でひと休み。ということになるらしい

夏凜「風は向こう行ってあげなさいよ。天乃たちは私たちが見ておくから」

友奈「一人は危険なので私も行きますっ」

若葉「それなら私もついていこう。こっちは――」

千景「ええ、任せなさい」

若葉の呼びかけに応じるように姿を見せた千景に若葉が頷く

天乃「一人向こうに残るなら、3人必要だものね」

そうでなくとも

何かがあったときのために、最低3人での行動を義務付けるべきかもしれない


732 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/16(土) 00:34:00.82mo566dC9o (2/4)


夏凜「覚悟していたとはいえ、いきなりやられるとは思わなかったわ」

千景「理不尽なものよ……問題はそこじゃないわ三好さん」

夏凜「問題は、神樹様の領域に影響を与えた上に精霊の力も突破してきたことね」

それと。と

夏凜の言葉に別のベッドに横になっていた東郷が口を開いた

東郷「祟りは些細な事故などとして、被害を出してくるという点ね」

天乃「…………」

ほんの些細な不注意だったり、油断が命取りになる

しかも、今回のエスカレーターでの事故で言えば

樹の不注意や油断などなくとも被害が出る事になった

それだけ、強力な力ということになる

天乃「……早く、私の力を分けないと」

夏凜「いっそ、病室から出ないってことも必要になってくるかもね……」

焦りを感じるような天乃のつぶやきに

夏凜は困ったように、つぶやいた


733 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/16(土) 00:35:21.56mo566dC9o (3/4)


√ 12月14日目 昼(病院) ※日曜日


01~10 友奈
11~20 
21~30 夏凜 
31~40
41~50 千景
51~60 
61~70  沙織
71~80  園子
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ 


734以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/16(土) 00:41:49.67JgTQCAcWO (1/2)




735 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/16(土) 00:51:28.14mo566dC9o (4/4)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


沙織と交流


736以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/16(土) 01:10:32.25JgTQCAcWO (2/2)


そういや沙織とは種植えるって仕事も控えてるんだよな


737以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/16(土) 08:06:13.26Wv4pZrzJO (1/1)


間接的に久遠さんも苦しめる祟り
天の神が久遠さんを焦らせて更に弱らせようとしてる気もする


738 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/17(日) 21:17:13.77ZuMAZ+zCo (1/5)


では少しだけ


739以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 21:18:14.20OOqJ0N8pO (1/3)

かもーん


740 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/17(日) 22:03:44.36ZuMAZ+zCo (2/5)


√ 12月14日目 昼(病院) ※日曜日


沙織「久遠さん、大丈夫?」

天乃「ええ、大丈夫よ」

他のみんなとい違って、祟りを受けてはいない

だから平気だという天乃に、沙織は「それもだけどね」と、遮った

沙織「久遠さんの場合、精神的に来るでしょ? みんなへのダメージは」

天乃「……それは、そうだけど」

沙織「樹ちゃんがエスカレーターから落ちた、きっとみんなにも何か起こると思う」

天乃「そうでしょうね」

天乃の力を使っても、抑えられるのはその影響だけ

祟りの元凶をつぶさない限り続く

天乃「……もちろん、私は戦いに行かないわよ?」

沙織「それは分かってるし、させないよ」

天乃「なら、どうしたのよ」

沙織「罪悪感、感じてるでしょ」


741 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/17(日) 22:22:45.97ZuMAZ+zCo (3/5)


沙織「ダメだよ、そのままじゃ」

心が潰れてしまう

天乃がみんなに力を分け与えられるようになるのは

あと数日もすれば確実に行えることだろう

だが、元凶を絶つのにはまだまだかかるはずだ

その間、ずっと心に傷をつけ続けていたら、確実につぶれてしまう

天の神がそれを狙って行っているのかどうかは定かではないが

天乃のその目を背けきれない優しさは

ことこれにおいては致命的だと言ってもいい

沙織「久遠さんには難しいことだって分かってるけど」

でも。と、沙織は言う

沙織「あまり思いつめないで」

天乃「………」

沙織「久遠さんは祟りがなくても穢れがある」

心の汚染がその穢れを強めてしまったりすれば、

バランスは瞬く間に崩壊し、天乃は死に至るだろう

あるいは、壊れてしまうか。

沙織「神樹様の種を植え付けるまでは心身ともに絶対安静が必要なんだよ」


742 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/17(日) 22:34:01.77ZuMAZ+zCo (4/5)


天乃「それは分かってるわ……大丈夫」

出来る限り、感情的にはならない

樹の事故に怒りと罪悪感を覚えはしたけれど

しっかりと、抑え込んだ

みんなが頑張っているから

みんなに頑張らせてしまっているから

だから、天乃も我慢する。耐える

天乃が壊れてしまえば、すべてが無駄になってしまうから

天乃「……ありがとね、沙織」

沙織「ありがとう、なんて……」

何もできてないよ。と、沙織は申し訳なさそうに呟いた




1、神樹様の種、いつならできる?
2、神樹様の種、少し早められない?
3、いつ祟りの影響があるかとか、察知はできない?
4、東郷と園子のこと、お願いね


↓2


743以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 22:36:03.76OOqJ0N8pO (2/3)

1


744以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 22:38:03.68yMbonu320 (1/1)

2


745以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 22:38:25.64jeSxBC3k0 (1/1)

3


746 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/17(日) 22:51:44.50ZuMAZ+zCo (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


沙織「神樹様の種を早める……?」

沙織「それはつまり、棒状にしていいってこと……?」

天乃「違う、そうじゃない」

天乃「待って、なんで、なんなの、欲求不満なの?」

沙織「勇者部みんな、欲求不満だよ?」ニッコリ

天乃「元気になったら何でもしてあげるから、今は許してっ」


747以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 23:02:36.84OOqJ0N8pO (3/3)


久遠さんさおりんの勢いで更に墓穴掘ってないか?w
あと久遠さんの復活が待ち遠しいな…


748以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/17(日) 23:59:59.17lSTwNM9+0 (1/1)


実際問題どんな方法を取るんだろうか


749 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 20:33:44.04VitUPvqko (1/8)


では少しだけ


750以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/19(火) 20:48:24.91bzj47nNqO (1/3)

きてたー


751 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 20:51:51.32VitUPvqko (2/8)


天乃「ねぇ沙織、神樹様の種を使う時期を早めることはできない?」

沙織「それは……」

天乃「沙織が言いたいことは分かるわ。無茶だって、言いたいんでしょ?」

困った表情

出来るともできないとも言い難い沙織の表情が語るのは

無茶をするなら。という答え

神樹様の種を使うことが出来ないのは

天乃の体が弱っているというのが大きな理由だ

それを多少なりとも無視するなら

今日でも明日でもいつだって使うことはできるのだ

その結果、明日、明後日、深夜

いつ死んでもおかしくなくなってしまうが。

天乃「でも、時間が経てば時間がたつほど被害が増えるし大きくなるわ」

沙織「だからって久遠さんを危険に晒すのはあり得ないよ」

天乃「少しも?」

沙織「これっぽっちも」


752 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 21:01:31.48VitUPvqko (3/8)


天乃の見せた指の隙間よりも

ずっとずっと小さく、むしろ開いていないのではというほどの人差し指と親指の間

沙織はそれを払って、天乃を見る

困った人だと物語る表情は、理解ができるが故の苦悩もあった

沙織「さっき言ったよね? 思いつめないでって」

天乃「別に思いつめてるからじゃないわ。もちろん、自責の念に駆られたわけでもない」

沙織「ならなんで無茶なこと言うの? みんなが頑張ってるから? 自分だけ楽してるから?」

違うよね。と、沙織は言う

沙織「久遠さんのお願いによって引き起こされてることだから……だよね」

確かに、みんなが頑張っているからとか

自分だけが楽しているからとか

自分の願いによってみんなが傷つく自責の念ではないのかもしれない

けれどそれは結局、無茶だ

沙織「自分のお願いだから、自分も何かしたい。少しくらい頑張りたい……とかだよね」

でも結局、それは無茶だ

繰り返すことになるけど、と、沙織は若干申し訳なさそうな表情で

沙織「それは無茶だよ」

天乃「…………」

沙織「それに、それはやっぱり久遠さんが自分だけがって悪く思ってるからこそ言えることだと思うよ」


753 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 21:24:48.64VitUPvqko (4/8)


沙織「早く治そうとか、そういう風に考えるんじゃなくて少しでも早く使えない? っていうのはね」

そういうことだとあたしは思うよ。と、沙織は隠すことなく続ける

天乃「そうかしら……」

沙織「久遠さんが極力無茶とか無理をしないようにって自分でも気を使ってるんだろうなって良く分かる」

でも、やっぱり根は変わらないのだ

優しすぎる心は傷つくし、

人を想う考え方はどうしても、無茶な道を選ぼうとしてしまう

天乃が無茶をしたいかしたくないは関係ない

だから、沙織も困ってしまう

天乃「やっぱり、神樹様の種を早く使うには早く良くなるしかないのね」

沙織「つわりとか、陣痛の苦しみと似た苦しみをもう一度味わうなら話は別だけどね……」

しかし、今の天乃にそれを耐えるほどの余力は残っていない

だから、これは言い換えれば無謀だ

沙織「久遠さんには悪いけど、それはさせられない」


754 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 21:48:28.55VitUPvqko (5/8)


天乃「無茶だって言うけれど、そんなに危険な入れ方をするの?」

沙織「入れ方は簡単に言えば巫女の力を用いて、力がもっとも蓄えられる胎内に収めるだけだよ」

九尾は多少、危うげなことも言ってはいたが、

実際には

巫女の力が借りられるのならば下腹部に腕を突っ込むとか、棒を突っ込むとか

野蛮というか、物理的に危険な方法は要らない

悪五郎の時は、正式な妊娠を行うための儀式めいたものであるがゆえに

ちゃんとした挿入等が必要だった。というだけであり

神樹様の種を植え付けるために男性あるいは疑似的なそれを要する……なんてことはない

もちろん、使ってもいいし

それが神樹様由来の力を秘めた道具であればより確実性も増すのだろうが。

沙織「お腹のところ……もちろん外ね? から植え付けることもできる」

天乃「中と外だとどっちの方が安全なの?」

沙織「どっちの方が安全かと言われるとちょっと困るかな」

天乃「どうして? 何か問題でもあるの?」

沙織「外だと、やっぱり力の逃げ道があるから十分に入らない可能性がある」

その一方で。と、沙織はつづけた

沙織「中だと力の逃げ道がないから過剰になっちゃうことも0とは言えない」


755 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 21:56:52.18VitUPvqko (6/8)


どちらにしてもリスクがある

だから、体調が万全であることが求められる

その力加減のわずかな誤差

それに適応するだけの力が求められるのだ

しかし、今の天乃にはそれがないからさせられない

沙織「だから、さっきの久遠さんの問いに答えるなら、早く元気になってね? となる」

天乃「早く元気になる……ね」

病は気からともいうし

自分は良くなることが出来るという信頼があれば多少は改善するのも早まるかもしれないけれど

祟りによってみんなが傷つく

その不安、その苦しさがきっと、それを阻む

早く治らなければならない天乃にとって

今の状況はあまり、良くなかった


756 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 22:05:35.20VitUPvqko (7/8)


√ 12月14日目 夕(病院) ※日曜日


01~10 風
11~20 
21~30 東郷 
31~40
41~50 園子
51~60 
61~70  わるいこと
71~80  千景
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ 



757以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/19(火) 22:06:34.48bzj47nNqO (2/3)




758 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/19(火) 22:14:59.51VitUPvqko (8/8)


ではここまでとさせていただきます
明日は恐らく、確定でお休みになるかと思います
再開はできれば明後日、通常時間から



園子「た、たいへんだー」チラッ

天乃「園子?」

園子「祟りで生えてきちゃったー大変だー穢れを祓って貰わないとー」チラッ

天乃「……それ、偽物よね?」

園子「本物かもしれないよ~?」モジモジ


夏凜「蹴れば分かる」

園子「それはどっちにしろ痛いかな~」


759以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/19(火) 22:23:07.16bzj47nNqO (3/3)


やはり安静以外にこの状況を打破する方法は無さそうか…久遠さん辛いだろうなぁ

そしてこのオマケの落差よw


760以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/20(水) 00:00:43.36JHN0HaZf0 (1/1)


園子は元気なところを見せてやってくれ


761 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/21(木) 21:12:53.01VSrNqHqco (1/5)


では少しだけ


762以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/21(木) 21:14:36.52j3t6YrUPO (1/3)

あいよ


763 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/21(木) 21:29:54.35VSrNqHqco (2/5)


√ 12月14日目 夕(病院) ※日曜日


園子「天さ~ん」

天乃「園子……? 何してるのよ。ベッドから出てきたらダメでしょ?」

園子「え~」

天乃「え~じゃなくて」

何が起こるかわかったものではない

起き上がる賽に寝間着が引っかかって悪い体勢でベッドから落ちるかもしれない

途中で躓いてベッドの角に頭を打ち付けてしまうかもしれない

考えが悪いことばかりだという自覚は天乃にあるが、

それでも、樹のことを考えれば

まだまだ甘いと言わざるを得ないだろう

なにせ、祟りなのだ

物理的なことだけでなく、

病気などで突然苦しめられることだって、ありえるのだ

園子「でも、ずっとベッドにいたってつまらないよ」

天乃「目の前にいるんだから声かければいいじゃない」

園子「目の前に好物を出されて食べずにいられるか、いや、いられるわけがない」

天乃「勝手に自己完結しないの」


764 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/21(木) 22:03:59.47VSrNqHqco (3/5)


園子「でもね~病は気から~って、言うでしょ?」

天乃「それは分かるわ。分かるけどね」

そんな単純な話ではない

単純ではないから、どんな些細なことにも警戒しなければならないし、

特に用事もないのに安全な場所から出てくる。なんていうことは避けて欲しいのだ

園子「いっつんがあんな目に遭ったってことはおとなしくしててもダメ。積極的に元気になるべきだー! って思うなぁ」

天乃「だからって下手に歩かれると怖いのよ」

園子「確かに、神樹様の力が弱っている今、治ったばかりの私たちの体は脆いというか、弱点かもね~」

飄々と。

園子はまるで軽いことであるかのように笑いながら言うと、

少し前までは動かすことさえできなかった足をバタバタと動かして

椅子をカタンカタンと揺らす

園子「でも、動かないままでいたらそれこそ弱っちゃうんよ」

天乃「それは……痛いほどわかる」

園子「でしょ?」


765 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/21(木) 22:23:16.99VSrNqHqco (4/5)


ずっと寝たきりで

大分弱ってしまった天乃のことを園子は一瞥する

自分たちの体も弱っているとは言ったものの

天乃と比べればまだまだ、可愛いものだと園子は思う

だからこそ、ただじっとしていることがどれほどよくないことなのか

天乃には分かるだろうと分かっていることに、園子は少しだけ自己嫌悪する

園子「ということで!」

天乃「っ……急に大声出さないで」

園子「神樹様の力が弱っている分、天さん成分の補給が急務なのであります!」

天乃「天さん分って……」

園子「天さん分は天さん分だよ~?」

両手を広げて待ちの姿勢

にっこりと満面の笑みを、園子は見せる

天乃「園子は元気ね」


1、私からはできないから園子からきて
2、エッチなことはできないって言ってるでしょ?
3、あまり無理はしないで頂戴
4、それだけ元気なら要らないでしょ?


↓2


766以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/21(木) 22:24:39.01j3t6YrUPO (2/3)

3


767以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/21(木) 22:26:18.69KL3s0If20 (1/1)

1


768 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/21(木) 22:40:14.91VSrNqHqco (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子「大丈夫、天井のシミを数えてる間に終わるよ」

東郷「ねぇそのっち」

園子「ん~? どうしたの?」

東郷「天井のシミを数えている間に終わるのは」

東郷「天井のシミが数えるほどある汚い家なのか、達するのが早いのかどっちなの?」

園子「わっしーそれは言ったらダメなやつなんよ」


769以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/21(木) 22:51:04.34j3t6YrUPO (3/3)


天さん分の補給…
そのっちは久遠さんをどう堪能していくのだろうか


770以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/22(金) 00:14:56.56jh1r11/L0 (1/1)


火ついちゃいそう


771 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/23(土) 22:40:46.64wSolSX7Wo (1/2)


少し遅いですが
昨日できなかったので少しだけ


772以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/23(土) 22:46:08.97TIHRMCetO (1/1)

休載じゃない、やったぜ


773 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/23(土) 23:19:11.18wSolSX7Wo (2/2)


天乃「まったくもう……」

仕方がないなぁ。と、

優しい気持ちを込めつつも、呆れたため息

困っているけれど

そのちょっぴり手のかかる元気の良さは、今の心には砂糖よりも甘い

天乃「私からはできないから園子からきて」

園子「えっ!」

天乃「……なに? 自分からは嫌?」

園子「う、ううん……よかですか。飛び込んでもよかですか!?」

ぐっぐっっと膝を準備しつつ、

きらきらとしたまなざしのロケット一つ

発射段階に推移していく園子をじっと見つめた天乃は

ダメに決まってるでしょ。と、受け入れるために広げていた腕をたたむ

天乃「危ないことするならダメ」

園子「飛び込みません、抱くまでは!」

天乃「今、体弱いんだから優しくしてね?」

園子「なんかえっちだねぇ」


774 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 00:57:27.00LG4VuDgyo (1/13)


天乃「何がエッチなのよ」

園子「天さんの言動の一つ一つ」

天乃「別に特別なことなんてしてないでしょ」

園子「してないから、エッチなんだけどなぁ」

なぜだかしみじみと言う園子は、

勢いをつけることなくベッドに膝を乗せて、天乃との距離を詰める

ギシリときしむベッドの音

それがまた心地よくて、園子は動きをゆっくりさせる

早く抱きたいけれど、慎重に

もう少し、自分を自分で追い込んで……おあずけ

園子「ごくり」

天乃「変なことしないでよ?」

園子「抱くだけ、抱くだけだよ~」


775 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 01:09:38.97LG4VuDgyo (2/13)


にじり寄って、ぎゅっと抱く

壊れやすい華奢な体を、体いっぱいに触れさせる

大好きな匂いがする

大好きな声がする

とても温かい、心地よいものを感じる

それでも満たしきれないものはあるけれど

それは、我慢。と、園子は心に強く止める

その分、体はより密着して――

天乃「っ」

ぽすんっと、ベッドに押し倒す

園子「これなら、もう少しくっついても平気なんよ」

天乃「甘えん坊ね」

園子「出来なかった分、甘えたいのです」

頑張った分、出来なかった分

園子はその時間、大切なものを取り戻すかのように

ずっと、天乃に寄り添い続けた


776 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 01:12:49.46LG4VuDgyo (3/13)


では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


園子「髪に顔を埋めつつ、胸に手を埋めます」

園子「次に、いったん起き上がっていい匂いだねぇ。とほめてから」

園子「胸に顔を埋めながら抱きしめる」

園子「天さんは優しいから、抱きしめる腕を振りほどいてまで胸に埋めるのを阻まないからね」

東郷「……なるほど」


風「いや、やるかどうかはともかく、東郷は天乃にやらせてあげて?」


777以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 01:24:58.52dPvpxsv60 (1/1)


これで久遠さんのメンタルも回復したな


778以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 05:30:13.39iU9wGoGMO (1/1)


下心無しで温かい触れあいってのも良いなぁ


779 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 18:47:26.83LG4VuDgyo (4/13)


では少しだけ



780以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 18:49:11.37i4/4CQ/KO (1/5)

いえす


781 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 19:11:21.41LG4VuDgyo (5/13)



√ 12月14日目 夜(病院) ※日曜日


01~10 夏凜
11~20 
21~30 園子 
31~40
41~50 風
51~60  わるいこと
61~70  千景
71~80 
81~90  若葉
91~00 

↓1のコンマ 


782以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 19:46:55.45i4/4CQ/KO (2/5)




783 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 20:30:31.13LG4VuDgyo (6/13)


√ 12月14日目 夜(病院) ※日曜日


風「ときどき、園子は天乃の娘みたいに見えるところあるわよね」

天乃「そう?」

風「甘え方というか……言動の子供っぽさがそう感じるのかもしれないけど」

なんかそう見えるのよねぇ。と

風は笑いながら言って、椅子に座ると天乃を見る

子供が産まれて以降、天乃の体調は悪くない

夜更かししたり、激しい運動をするようなことはできないが、

順調に回復して言っているのだろう

表情にも、影は感じられない

天乃「樹は? 樹のところに居なくていいの?」

風「ずっといるのもあれだろうからって、若葉達が代わってくれたのよ」

天乃「精霊なら寝なくていいからって?」

風「あたしは平気って言ったんだけどね……」

樹に害があったのだ

次もないとは限らないと心配して、不安で

寝ないだろう。と、言われたのだ

風「天乃に会って来いって」

天乃「私は精神安定剤か何かなの?」


784 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 20:56:20.98LG4VuDgyo (7/13)


くすくすと笑って、天乃は言う

風の表情に樹のことへの不安と恐れはない

精神的な揺れもない

強い覚悟があるのは、樹に何かを言われたからだろう。と、

天乃は感じたからだ

天乃「樹も大丈夫そうね」

風「分かる?」

天乃「貴女が平気そうなんだもの、分かるわ」

風「……そっか」

小さく呟く風は自分の手と手を握り合わせて、息を吐く

樹は、怪我を覚悟していた

気を失っていたのだと言われて、驚くことはなく

受け身取り損ねたもんね。と

訓練のし直しが必要だね。と、

些細なことだったかのように言っていた

笑っていた

風「もしかしたら、樹はもうあたしなんかよりもずっとできた子なのかもしれない」


785 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 21:23:55.57LG4VuDgyo (8/13)


天乃「樹だって、いつまでもお姉ちゃんの後ろに隠れているような子じゃないわ」

それはあなたが一番分かっていたことでしょ。と

諭すような優しい声で続ける

天乃「でも、貴女だって立ち止まっているわけじゃない」

後ろにいたのが、隣になっただけ

引いていた手が、支えあう手になっただけ

天乃「どちらが優れているかじゃないでしょ?」

風「……そうだけど」

天乃「何か不満?」

風「………」

別に不満があるわけではない

ただ、樹と比べて自分の覚悟のなさたるや

とてもではないが樹の支えではないような気がする

樹よりも、劣ってしまっているような気がするのだ

風「ちょっと、朝は取り乱しすぎたって自己嫌悪」

天乃「………」


1、でも、ちゃんと抑えられた。でしょ?
2、ぎゅって、する?
3、またそうやって……貴女達は私にさんざん言うくせに、自分のことは責めるのね
4、仕方がないんじゃない? それだけ、樹が大切ってことなんだから


↓2


786以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 21:28:21.72i4/4CQ/KO (3/5)

4


787以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 21:29:18.33lKdJTwRN0 (1/2)

3


788 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 22:10:43.84LG4VuDgyo (9/13)


天乃「またそうやって……貴女達は私にさんざん言うくせに、自分のことは責めるのね」

風「えっ、いや、これは」

天乃「自己嫌悪、自己嫌悪って」

風「………」

天乃はむっとした表情を見せる

それは怒っているというよりもからかっているようで

茶化しているようで

反論を述べようという気も、削がれてしまう

風「……天乃」

落ち着いた声と、笑み交じりの吐息

風「だから、樹は天乃に会えっていうのかもね」

天乃「えっ?」

ううん。きっと、みんながだ

みんながきっと、天乃に会えと言うだろう

みんながきっと、天乃に寄り添えと言うだろう

それは、自分たちが守ろうとしている尊い存在だからだ

何かひとかけらでもあきらめてしまえば、

二度と、取り戻すことが出来なくなってしまうかもしれないものだからだ

それを守ることが出来ている今は、後悔する必要がないと再確認できるからだ


789 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 22:39:06.58LG4VuDgyo (10/13)


風「園子がべったりしたくなるのも分かる」

天乃「えっ、ちょ」

風「少しだけ」

キシッ……と

ベッドをきしませ、風が近づく

園子の時とは違って、受け入れ態勢のできていない斜めった天乃を、

その腕に抱きしめていく

強く、弱く

優しくしっかりと

その間違いない生の温もりを、体と心にしみこませる

天乃「んっ」

風「細く、なったわね……」

天乃「運動してないから」

風「……なら、元気になったら、少しくらい運動したほうが良いわね」

今の細い腕では、抱きたくても抱けない

だから、少しは力をつけなさい。と風は囁く

耳元に感じる天乃の困った反応

でも、受け入れてくれる優しさ

感じる愛情を、強く、抱く


790 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 23:06:29.58LG4VuDgyo (11/13)


風「天乃」

天乃「なに?」

風「天乃はみんなの、心のよりどころだと思う」

天乃「そう?」

風「そうよ、そうに違いない」

温かくて、優しくて

でも、叱るときは叱ってくれて

包んでくれる時は包んでくれる

天乃さえ無事なら、

みんなが壊れてしまうことも、疲れ果ててしまうことも

きっとないのだろう

天乃「……どうしたの?」

風「いや……なんでもない」

天乃「辛いときは辛いって言ってもいいのよ」

誰も責めない、誰も悪いなんて言わない

だから、耐えられないときは耐えられないと

そう言っていいのだと、天乃は風の体をそうっと、抱きしめた


791 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 23:11:32.28LG4VuDgyo (12/13)


√ 12月15日目 朝(病院) ※月曜日


1が最低 0が最大


判定↓1


792以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 23:13:35.42lKdJTwRN0 (2/2)




793 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/24(日) 23:16:41.72LG4VuDgyo (13/13)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

12月後半戦


794以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 23:17:16.35i4/4CQ/KO (4/5)

12月は久々に延長戦か


795以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/24(日) 23:21:25.62i4/4CQ/KO (5/5)

あと改めて乙
樹ちゃんいい意味で前向きになってて凄く成長してるな


796以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/25(月) 06:41:16.39N2gExNLuO (1/1)


1月に突入するのかと思ったら12月はもしかして1ヶ月分やるのか?
その間毎朝祟りの判定があるとか早く久遠さんが元気にならないと不味いことになりそう


797 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 22:33:07.08EeLYXma5o (1/6)


では少しだけ


798以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/26(火) 22:38:21.77FPgSfykiO (1/4)

よっしゃ


799 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 22:45:03.31EeLYXma5o (2/6)


√ 12月15日目 朝(病院) ※月曜日


何もないところで躓いたり、

危うげな場所にぶつかってしまったり

管理されているはずのお皿がなぜか欠けていて、指を切ってしまったり

ほんの些細なことで

気にしすぎだと言いたくもなるようなことで

少しずつ、みんなが傷つく

単なる偶然なら良いかもしれない

でも、みんなが相次いで怪我をする、しそうになるというのは

悪い予感しか感じられなくて

ちっぽけなことだからこそ感じる、

からかわれている……弄ばれているという感覚が天乃は不快だった

みんなも気にすることはないと口をそろえつつも

この不気味な流れには

元気よく声を発するということも難しかった


800 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 23:02:56.36EeLYXma5o (3/6)


天乃「ほんの些細な怪我……」

でも、天の神による祟りだと天乃は思う

些細だからこそ怪しいのだ

樹の件があってからのちっぽけな被害

大きいことも小さいことも

偶然のような連鎖的な事故でも事件でも

神の手にかかれば造作もないことなのだと示されているようで。

また悩んでる。と、お叱りを受けてしまうことがないように

天乃はすぐ隣のベッドにいる夏凜にも勘付かれないほどに小さく息を吐く

天乃「疑心暗鬼にさせることが目的……?」

些細なことから大きなことまで

常に不安を抱き、恐怖に怯えさせて精神的な余裕を奪い

いざ戦いの時が来た時の戦力を削ろうという考えでもあるのだろうか

天乃「…………」

見えざる神の謀略を疑いながら、

考えすぎてはいけないと、天乃は半ばに首を振る


801 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 23:15:07.10EeLYXma5o (4/6)


不安にさせることはともかく、

恐れを抱かせるというのは、神様のような存在には十分に力になり得るもの

大きな被害を与え、小さな被害を与え

気の休まるときを与えないというのはもっとも効率的な戦略と言っていいかもしれない

けれどだからこそ、逆らうべきだろう

考えないようにして、偶然だと割り切ってしまう

しかし……それが許されるだろうか

無視をすることで

それならば……と、樹の時

あるいは、樹以上に酷いことになってしまうのではないだろうか。と

間げないようにすべきだと考える一方で、

不安もまた、大きくなっていく


1、勇者
2、精霊
3、イベント判定


↓2


802以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/26(火) 23:19:02.544qKM8PpI0 (1/1)

2


803以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/26(火) 23:20:37.92FPgSfykiO (2/4)

3


804 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 23:40:55.75EeLYXma5o (5/6)


√ 12月15日目 朝(病院) ※月曜日


01~10 東郷
11~20 友奈
21~30 夏凜
31~40 樹
41~50 球子
51~60  千景
61~70 歌野
71~80 沙織
81~90 園子
91~00 水都

↓1のコンマ 


805以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/26(火) 23:45:57.89FPgSfykiO (3/4)




806 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/26(火) 23:52:51.26EeLYXma5o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

もう一回園子とのフラグ建設


807以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/26(火) 23:58:51.98FPgSfykiO (4/4)


ここにきて連続でそのっちとの絆強化イベントか
久遠さんの不安を吹き飛ばせるような勢いがほしいところだな


808以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/27(水) 00:40:29.75SpTWowC10 (1/1)


そのっちといちゃいちゃする機会今まで少なかったからな


809 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/27(水) 21:10:09.71ueB8Ikdmo (1/5)

では少しだけ


810以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/27(水) 21:14:23.32b7xX1xKXO (1/3)

よしきた


811 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/27(水) 21:47:33.18ueB8Ikdmo (2/5)


天乃「園子……何してるの?」

気づけば、もぬけの殻になっていた正面のベッド

かすかに聞こえるもぞもぞとした布のスレる音に

天乃は確信をもって、声をかける

今更音が止んでも遅い

覗けば見えるだろう金色の髪の持ち主の名前をもう一度呼ぼうかというところで

ひょっこりと、日の出のようにそれは頭を出した

園子「バレたか~」

天乃「何してるのって、言ったのよ」

園子「立てばぶつかり歩けば躓く……ならば這えばいい!」

なーんて。と

園子はびしっと決めて見せた表情を綻ばせると、

のんびりと溶けた顔をベッドに乗せる

園子「赤ちゃんの目線も経験しておくべきだと思って」

天乃「這ってれば安全に近づけるってだけでしょ? 安静にしてなさいって、言ってるのに」

園子「だって~」

天乃「だっても建前もなし。ものが落ちてきたり、床にガラス片がおちてる可能性もあるのよ?」

園子「そこまでは大丈夫なんじゃないかな~?」


812 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/27(水) 22:08:24.27ueB8Ikdmo (3/5)


天乃「その油断が命取りになるかもしれないのよ?」

園子「天さんの心配も分かるけど……」

でも。

心配しすぎていても精神が持たなくなってしまうかもしれない。

天の神の狙いはそこであるかもしれないのだ

いや、あるいは心身ともに疲弊させることが目的なのかもしれない

園子は言いかけた口を閉じると、

すっと立ち上がって、転げ落ちることがないようにと椅子に座る

園子「実は、天さんの傍に居ると気分が楽になるんよ」

天乃「またそんなこと言って」

園子「本当っ本当なんよ~!」

まるでそれが嘘であると白状するかのように慌てて否定した園子は

天さんの力が漏れてるからだと思う。と、それっぽいことを付け加える

園子「天さんの力が漏れ出てるから、それが傍に居る私たちに触れることで癒されてるんよ」

天乃「それでも、離れたらまたけがをしたりするんでしょう? 逆に言えば、そのせいで酷くなることだってあるかもしれないわ」


813 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/27(水) 22:28:04.39ueB8Ikdmo (4/5)


園子「天さんは~も~相変わらずネガティブがお好きだねぇ」

天乃「別に好きなわけじゃ……」

園子「だったら、悪い方悪い方に考えないで良い方にも考えたほうが良いよ」

一緒にいることで、癒される

祟りによる影響が少しでも軽減される

そういう風に考えたほうが良い

そういった園子は天乃の否定的な雰囲気を感じ取ったのだろう

ちょっぴりムっとする

園子「天さんは私といるの……嫌い?」

天乃「なに言ってるの?」

園子「だって、嫌がってばっかり」

天乃「嫌がってって……園子は、もう……っ」

明らかに分かっていて言っている園子を一瞥する

園子「しくしく」

演技か真か

うるうると潤んで見える眼差しだった


1、心配なのよ、分かるでしょ?
2、おいで
3、本当に、楽になるの?
4、貴女、自分が満開を使ったこと忘れてるわけじゃないわよね?
5、好きに決まってるでしょ


↓2


814以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/27(水) 22:30:11.54HZbcHyxX0 (1/1)

3


815以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/27(水) 22:32:22.37b7xX1xKXO (2/3)

4


816 ◆QhFDI08WfRWv2019/02/27(水) 22:37:45.67ueB8Ikdmo (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子「甘くないっ天さんが甘くないっ」

園子「怒ってるんよ~」

園子「もうだめだ~愛が尽きてしまうぅ~うぐっ」

園子「わが心のオアシスは枯れたのだ……ばたり」

天乃「まったくもう……園子、ふざけないの」


817以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/27(水) 22:51:39.21b7xX1xKXO (3/3)


久遠さんのそばが一番安全なのか
力が完全復活するまで一緒に寝てるのも手かな?


818以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/02/28(木) 08:07:21.56gR+lg2FEO (1/1)


早く久遠さんに安心を…


819以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/01(金) 12:33:50.38+rEsmVUDO (1/1)

前々から告知はされてたけど今までより休載率が跳ね上がってて心配だなぁ
今月は大丈夫だろうか…


820 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 20:57:33.52u2FlVGTPo (1/6)


では少しだけ


821以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/01(金) 21:06:15.390cehI7byO (1/2)

かもーん


822 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 21:18:23.05u2FlVGTPo (2/6)


天乃「園子」

園子「ん……」

天乃「貴女、自分が満開を使ったこと忘れてるわけじゃないわよね?」

園子「天さんが折れてくれなかった……っ!」

天乃「何を言ってるのよ」

呆然と。

驚愕の表情で時が止まったかのように固まってしまった園子へと、

天乃は冷たさも感じる声で言い返す

園子は冗談を言っているような声色ではあったものの、

天乃としては、まじめだった

意地悪だったり、園子のことが嫌いなのではもちろんない

他でもない園子自身の身の安全も考えてのことであるからこそ

その要因となりえることを茶化そうとする園子に対して、

天乃は厳しい態度を見せるのだ

天乃「本当に分かってないの?」

園子「わ、分かってるんよ~」

天乃「だったらどうして茶化そうとするの? 貴女が危険な目に合わないようにって、言ってるのよ?」


823 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 21:38:35.64u2FlVGTPo (3/6)


園子「う~」

天乃「園――」

園子「天さん、お母さんみたい」

天乃「それはそうでしょ? これでも一応子持ちなんだから」

園子「宿題しろ~勉強しろ~貴方のために言ってるんだ~っていう感じのやつだよ?」

多分いっつんなら良く分かるんじゃないかな~と

間延びする声とは裏腹に

ちょっぴり残念そうにぼやいた園子は目を伏せる

母親であることは確かだ

でも、まだ中学三年生

元々精神的に年上だったものがさらに繰り上げられてしまったことで

より大人の思考になってしまったのかもしれないと思うと

悪いとは言わないが

また遠くに行ってしまったようで、園子としては……寂しかった

園子「天さん、子供心分かってない」

天乃「園子……?」

園子「危険だろうがなんだろうが好きな女がそこにいるんだっ会いに行って何が悪いんだこんちくしょーっ!」

天乃「っ!」


824 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 22:06:11.72u2FlVGTPo (4/6)


もう我慢できないと、あふれ出る思いの丈を吐露するように叫びに近い声で言い放った園子は

いきり立って椅子を蹴飛ばし、勢い任せに天乃に触れようとしたところで、グッと手を引っ込める

今の天乃は軽い力でも引き寄せられるけれど

それは、壊れやすいということでもあると園子はちゃんと分っているからだ

感情任せだからと言って理性がないわけではない

園子「天さんだって、体が動くなら危険だったとしても無茶するでしょ」

してきたでしょ。と悲しげに言うと、

倒してしまった椅子を元に戻して、ごめん。と自分のベッドに戻っていく

天乃「…………」

分かってないわけじゃない

むしろわかる。分かっている

どれだけの無茶ができるのか、無理を押し通そうとしてしまうのか

だからこそ、その対象である自分がストッパーでなければいけないはず

それなのに……

天乃「……悪いなんて思ってない、私はただ……」

心配なだけ。

しめられたカーテンをまっすぐ見つめて

天乃は心の中で、つぶやいた


825 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 22:13:30.86u2FlVGTPo (5/6)


√ 12月15日目 昼(病院) ※月曜日


01~10 東郷
11~20 
21~30 夏凜
31~40 
41~50 
51~60 千景
61~70 
71~80 友奈
81~90 
91~00 樹

↓1のコンマ 



826以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/01(金) 22:14:29.85kbft5All0 (1/1)




827 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/01(金) 22:25:12.19u2FlVGTPo (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「互いを想いあうが故のすれ違い……」

東郷「でも大丈夫ですよ久遠先輩!」

東郷「寝具の上で招き猫していればそのっちに限らず入れ食いです」グッ

天乃「寝具……ベッドの招き猫って何?」

東郷「それなら今から手取り足取り教えますからご安心を」ニコッ


夏凜「なにあれ。詐欺?」

風「嘘じゃないのが質悪いというかなんというか……」


828以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/01(金) 22:29:16.71rkAlgWkL0 (1/1)


久遠さん体力戻らないと何にもできないんだよなあ


829以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/01(金) 22:35:54.310cehI7byO (2/2)


あの園子の叫びでどれだけ久遠さんのことを想っているのかがよく分かるな
いつか久遠さんが年相応の子供の心を取り戻せる日が来てほしいが…


830 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 20:51:48.80P1lxuur8o (1/6)


では少しだけ


831以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 20:59:26.71GKzytzL+0 (1/2)

よしきた


832以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 21:01:04.43FdKBIoz5O (1/3)

あいよ


833 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 22:12:15.25P1lxuur8o (2/6)


√ 12月15日目 昼(病院) ※月曜日


精神的な疲弊は、

樹がけがをしたことや、みんなが些細であれ何らかの被害に遭ったことが原因だろう

だが、園子の気持ちを考え切れていなかったのは違う

カーテンの奥に消えてしまった彼女を想い

潰れてしまいそうな痛みさえ感じそうな体への不信感も違う

前者はきっと、子供を産んだことで愛する。という想い自体に変化があって

後者はきっと、少しずつ戻りつつある穢れとそれに呼応しているであろう祟り

それに対する感じきれない畏怖があるからだ

天乃「…………」

自分の言動の一つ一つ

それに対する園子たちの反応

園子が声を荒げて、逃げて行ってしまった後姿が目を閉じても見える

それほど、衝撃的で

それほど、心は不安に満ちていた


834 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 22:47:33.02P1lxuur8o (3/6)


天乃「私は……私だって……」

園子と同じだ

危ないから来るなと言われても

会いに行きたいと、何とかしたいと

そう思えば自分の身の危険のことなど考えずに会いに行く

天乃「駄目ね……」

少しは強くなれたと思ったのに

もうそろそろ、大丈夫になっていてもいいはずなのに

心の痛みは感情に直結してしまう

天乃「っ」

自分の体に対しては強すぎる力で、胸を抑える

少しでも触れられないだろうか

少しでも和らげられないだろうか

この不安を、少しでも忘れられないだろうか。と


835 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 22:59:07.46P1lxuur8o (4/6)


園子にも祟りによる影響はある

それは口にしてはいけないことで

どれだけの痛みと苦しみがあっても

外傷的なものでない限り決して他言は許されない代物だ

元気で明るい園子の姿

それが、百パーセントのものであると断言できるだろうか

少なくとも、今の天乃には無理だ

傍に居ることで和らげることが出来る

冗談めかしていた園子の言葉が、冗談であると断言できるだろうか

いや、出来ない

天乃「………」

それを後悔してしまうから

触れたがっていた園子を受け入れてあげれば良かったと

冗談に見せかけていても

普段のように、笑って受け止めてあげられるだけの余裕があったのならと、

心には棘の刺さる痛みが走る


1、勇者
2、精霊
3、イベント判定

↓2


836以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 23:04:41.86c1gAvtWF0 (1/1)

3


837以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 23:06:11.90FdKBIoz5O (2/3)

1


838 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 23:15:06.20P1lxuur8o (5/6)


1、友奈
2、風
3、東郷
4、夏凜
5、樹
6、園子

↓2


839以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 23:16:20.80FdKBIoz5O (3/3)

Ksk


840以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/02(土) 23:16:36.53GKzytzL+0 (2/2)

3


841 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/02(土) 23:54:59.35P1lxuur8o (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


天乃「どうしたら……良いのかしら」

東郷「不安ですよね」ギュッ

東郷「でも、大丈夫です。大丈夫ですよ久遠先輩」

天乃「っ」ドサッ

東郷「悩みも、不安も……全て、忘れさせますから」


842以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 00:04:09.126n/qM4NmO (1/1)


ここまで精神が弱りきってるとなると東郷せんせーの手段を試してみるのも手かもしれんな…


843以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 00:50:09.259R3PKc2+O (1/1)


そのっちと仲直りしなくちゃ


844 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 16:18:24.89jPKxhfVyo (1/8)


では、少しずつ


845以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 16:22:36.60kUx2Zf8RO (1/2)

はいよー


846 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 17:02:12.66jPKxhfVyo (2/8)


天乃「体の方はどう?」

東郷「今のところは、問題ありません」

ちょっとした擦り傷

その程度の被害はあったけれど、

祟りの規模としては非常に小さなものだ

樹のように体や頭を強く打つようなダメージを基準に考えるつもりはないが

事故や事件を含まない日常的な日々の中で起こる小さな傷は、

問題ないと言っていいだろう

東郷「久遠先輩も……体の方は調子がよさそうで何よりです」

全盛期と比べれば非常に少女的

だが、それはある意味で当然であり非日常から脱したとも言える

弱弱しいのはまだ、馴染まないが

このままでもいいのではないかと、東郷は心の中に言葉をしまい込む

東郷「ですが……」

天乃「聞こえちゃった?」

東郷「叫んでいましたから。みんなにも聞こえていましたよ」


847 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 18:06:38.24jPKxhfVyo (3/8)


東郷「そのっちも、何も本気で怒っているわけじゃないのは……」

天乃「うん」

東郷「そうですよね、久遠先輩だってそのっちとの付き合いは長い」

分からないはずがない

それはもちろん、その逆も然り

園子にも、天乃の考えている事くらい分かる

でもそれでも我慢できなかったから叫んだのだ

そこで叫ばせてしまったから

天乃が心に傷を負いかけているということを、

東郷は分かっている

東郷「……久遠先輩の傍に居れば、落ち着く。というのはそのっちの嘘じゃないんです」

天乃「貴女もなの?」

東郷「いいえ。みんなが、です」

天乃「私の持ってる穢れが作用してるのかしら」

東郷「穢れもそうですが……愛が感じられるからですよ」


848 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 19:11:03.72jPKxhfVyo (4/8)


冗談みたいなことを、東郷はまじめに言う

本気で言っている

穢れが作用していること

天乃の愛が感じられるからということ

全部本当だ

東郷「どれだけのことがあっても、久遠先輩が傍に居てくれるのならば大丈夫だと思える」

努力も、根性も報われるのだと分かる

だから、もっと頑張ろうと思うことが出来る

なによりも……胸の痛みを上書きできる熱さがある

東郷「久遠先輩さえいてくれるのなら、大丈夫なんですよ」

天乃「でも、傷は癒せない」

東郷「祟りは癒せる」

天乃「……」

東郷「……でも、そんな顔をされていたら、癒えるもの癒せない」





849 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 19:34:33.88jPKxhfVyo (5/8)


東郷「何でも言っているはずです。久遠先輩が、私達のすべてだと」

勇者を続けている理由、努力を惜しまない理由、

無茶をしてしまう理由、どんな困難にだってめげない理由

今こうして話している間にも

刻一刻と祟りによって体が蝕まれていても笑うことが出来る理由

東郷「久遠先輩が笑顔になれないと、私達も笑うことが出来ません」

天乃「……」

東郷は椅子からベッドへと軽やかに身を移し、

天乃へと身を寄せる

東郷「久遠先輩が注意してしまうことも、そのっちが少しやりすぎてしまう気持ちも、どっちも良く分かります」

東郷自身、

動くことが出来る嬉しさも相まって天乃に会いに行きたくなるし

触れたいと思ってしまう

だから全身が動かなかった園子は、自分以上にそういう気持ちが強いだろうことも分かる

そんな園子の自由さに、不安になってしまう天乃の気持ちも分かる

東郷「だけど、少しだけでいいのでそのっちを受け止めてあげてはくれませんか?」

頻度が多いこともあるだろう、強く密着してくることもあるだろう

でも、それは好きだからこそだし

蝕まれていく自分の体を癒し、心を強く保つためのものだから

だからお願いします。と、東郷は言う



1、分かってるわ。分かってるけどね……不安が勝っちゃうのよ
2、そのっちだけでいいの?
3、なら、私のことも何とかしてよ
4、力さえ、ちゃんともどってきてくれさえすれば……

↓2


850以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 19:36:35.92kUx2Zf8RO (2/2)

4


851以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 19:39:17.48N2sEmyHgO (1/1)

2


852 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 20:36:54.99jPKxhfVyo (6/8)


天乃「……そのっちだけでいいの?」

東郷「え……」

東郷の話を聞いて、問われて

引き出されたのは天乃の笑みと、からかうような台詞

思わず反応の遅れた東郷は、ぐっと息を飲みこむと

考えの読みにくい真っ新な笑みを浮かべる

東郷「そんなわけ、ないですよ?」

天乃「でも、勇者部だけでも6人いるでしょ? 園子みたいな頻度で来られると、体がもたないというか」

休まる時間が無くなっちゃうと思わない?

そう聞く天乃に見せるのは、笑みだ

何を言ってるんですか?

本気で言ってるんですか?

そう問いかけるような威圧感さえ感じられそうな笑み

天乃「東郷?」

東郷「節度は守らせるので大丈夫ですよ。それに……」

一日を朝昼晩で考えれば、3日

一週間もあれば21日もあるということになる

東郷「6人いようが9人いようが、一人2回は久遠先輩を楽しめ……傍に居られます」


853 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 20:44:41.31jPKxhfVyo (7/8)


天乃「みんなの相手をしないっていうのは冗談だけど……その、変な考え方止めない?」

東郷「確かにそうですね……時間割的に言えば夜が圧倒的にお得……」

天乃「東郷?」

東郷「寝るもよし抱くもよし破廉恥な行為だってしてもいいですし、何より居られる時間が違います」

沙織たちを含めれば、天乃が抱く少女の数は一週間では足りなくなる

だが……

東郷「一日に二人相手にすると言うのは?」

天乃「東郷、落ち着いて」

東郷「くじ引きで決めるんです。一週間の中で誰がどの曜日かをくじ分けして、久遠先輩に相手して貰う」

もちろん、何をするかは個人にゆだねられる

ただ寄り添ってもいいし、何かしたりしてもいい

すべて自由、けれど一週間に一度限定

東郷「どうですか!?」

天乃「どうって……そうねぇ」

まずは、落ち着くことから始めましょうか

天乃は困ったように、そういった


854 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/03(日) 20:45:21.38jPKxhfVyo (8/8)


途中ですが、本日はここまでとさせていただきます
明日はできれば通常時間から

場合によってはお休みをいただくことになるかもしれません


855以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 20:57:31.720VBeTqvZO (1/1)


確かにとーごーせんせーの案で嫌なことを忘れられたら元気になりそうではあるかも


856以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/03(日) 23:49:03.69GrCTeWLx0 (1/1)


勇者部5人にそのっち沙織若葉……
1週間で足りないじゃん!?


857以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 15:29:51.71zPlEGfsJO (1/1)

若葉は単身赴任だから将来的には1週間で大丈夫大丈夫


858 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/04(月) 21:28:23.36agnYot0Bo (1/5)


では少しだけ


859 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/04(月) 21:32:47.99agnYot0Bo (2/5)


√ 12月15日目 夕(病院) ※月曜日


01~10 風
11~20 
21~30 樹
31~40 
41~50 千景
51~60 
61~70 友奈
71~80 
81~90 夏凜
91~00 沙織

↓1のコンマ 


860以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 21:42:30.31QBSmjY9UO (1/1)




861 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/04(月) 22:15:17.90agnYot0Bo (3/5)


√ 12月15日目 夕(病院) ※月曜日


天乃「園子……顔見せないわね……」

もしかしたら寝ているだけかもしれないけれど、

求めすぎた罪悪感を感じているのかもしれない

園子はカーテンの奥に引っ込んで以降

まったく物音を立てることなく静まり返ったままだ

天乃「………」

寝ているのだとしても、

苦しみから逃れるためだったとしたら?

そう、思い始めてしまうと

今朝までの積極的な行動力は自分のためにもなっていたのだと

今更ながらに思う

天乃「でも、それは言えない」

それを言ってしまうと、

みんながみんな揃いも揃って我慢してでも顔を見せに来るからだ

苦しかろうが辛かろうが

自分は大丈夫なのだと言いに来るようになってしまう

だから、天乃から求めるわけにはいかない


862 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/04(月) 22:47:01.25agnYot0Bo (4/5)


はぁ……と、ため息をつく

ため息をつくと幸せが逃げるというけれど

幸せが逃げているからため息が出ているのだと、天乃は投げやりに考えて目を瞑る

眠ってしまおうか

嫌な考えも、何も

考えずに済むように身を委ねてしまおうか

そんなことを考えて、東郷の言葉を思い返す

冗談みたいなことだったし

東郷は本気に見える冗談のような言い方だった

でも、救いになっていることはきっと……事実だろうし

決してない話でもないかもしれないと、思う

天乃「ただ、私の体がもたないのよね」

一週間が短いとかどうとかではなく

天乃は今簡単に壊れてしまいそうな陶器人形みたいなもので

二人の相手など、していられない

もちろん、みだらな行為をしないならば多少……負担は軽くなると思うけれど。


1、勇者
2、精霊
3、イベント判定
4、休む


↓2


863以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 22:49:09.48thCZ3g5LO (1/2)

4


864以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 22:51:01.12ESpHMgFW0 (1/1)

4


865 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/04(月) 23:09:12.28agnYot0Bo (5/5)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


再開時にイベント判定


866以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 23:18:22.94thCZ3g5LO (2/2)


まず久遠さんが元気にならないとどうにもならないからな…
今は焦らず体力を回復させよう



867以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/04(月) 23:58:13.852Dw0U2htO (1/1)


休むのが先決だな


868以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/05(火) 00:47:08.49OOdSoI+BO (1/1)


まあ久遠さんの方の大きな一難はさったから寝てりゃそのうち元気になるでしょ


869 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 22:06:58.43OSRFwt2To (1/6)


では少しだけ


870以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/05(火) 22:10:22.14appJXCuwO (1/3)

ばっちこい


871 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 22:13:47.08OSRFwt2To (2/6)


01~10 
11~20 友奈
21~30 
31~40  樹
41~50 
51~60  風
61~70 
71~80 千景
81~90 
91~00  夏凜

↓1のコンマ 


872以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/05(火) 22:15:51.76appJXCuwO (2/3)




873 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 22:48:50.24OSRFwt2To (3/6)


精霊の空間から姿を見せた千景は、

閉じ忘れのカーテンをさっと締めながら、中に残る

音がならないように椅子に座って、

目を瞑り、微かな寝息を立てる

そんな、小さな子供のような主を眺めて、唇を結ぶ

起きている間、ずっと悩まされる不安から逃れられている時間は

天乃をとても穏やかにさせてくれている

けれど、それはまだ些細―樹は重傷だったが―と言えるレベルに留まってくれているからだ

しかし、祟りを受けてからまだ数日も経たないうちに細かな被害は尽きず

一人の例外もなく襲われていく事態は、いずれ夢にまでその猛威を振るうかもしれない

勇者は怪我を負い、天乃は心に傷を負う

千景「……私はまだ、思えば軽かった」

虐げられて傷ついた心と、

精霊の穢れによって産まれたもう一人の闇の強い郡千景の挑発

自分の心さえ強ければ何とでもなったそれに対し、

何よりもみんなを失うことを恐れていたのに、大事な時な時に守ることのできる力を失って

時間が経つにつれて被害が大きくなるか、重なるかで傷ついていく勇者部を見ているだけしかできない天乃

明らかに天乃の方が精神的に辛いだろうと、千景は思う


874 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 23:06:11.96OSRFwt2To (4/6)


少しずつだが、天乃は回復傾向にある

こうして夕方から眠ろうとする……眠ったりするのも

取り戻していく力の流れに乱されてしまわないようにと

調律を行うために無意識に体を休ませようとしているからだろう

もちろん、天乃自身は眠気を感じるなどあるだろうが

その原因は疲れなどではなく、そう言った霊的な要素だ

千景「貴女が、今後を左右する」

天乃の回復力次第では、

祟りの影響を最小限に抑えることが出来るし、

樹のような被害に遭わないようにすることだって、出来る

だから、少しでも早く体を良くしてもらわなければならない

神樹様の種を無理やり行使したりするような人はここには居ないけれど

悠長回復を待っていられなくなる可能性だってあり得ない話ではない

というのも、沙織たち曰く大赦内部ではまだ、妙な動きがあるような気がする……というのだ

もしそれが気のせいではないのだとしたら、

つい先日の奉火祭のように

秘密裏に行動しているということから少なくとも、良くないことを行おうとしているということになる

それがあるかないかでまた、対応が代わってくる


875 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 23:24:39.91OSRFwt2To (5/6)


千景「……でも、無理はさせられないわ」

千景の力を使えば穢れを取り戻させることはできる

神樹様の種を使えばそれに対しての力も取り戻させることはできる

けれどもそれは、荒療治になってしまう

最悪、天乃の命を奪ってしまうことにさえなりかねない

自然回復で力を取り戻させる遠回りな道こそが

もっとも安全であり確実な方法なのだ

もどかしさがないと言えば、嘘になる

けれど……余計なことはしてはいけない

千景「……頑張って、久遠さん」

何もできないけれど

でも、傍に居てあげることくらいはできるから

何も掴むことが出来ないような弱弱しい手を、包んであげることくらいはできるから

千景「死なないで、生きて、頑張って」

頑張れなんて無責任かもしれないけれど

かけてあげられる言葉は、それくらいだった


876 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/05(火) 23:30:38.41OSRFwt2To (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


千景「寝ていると、本当……」

沙織「する? しちゃう?」

千景「っ!? い、伊集院さん?」

沙織「良いんだよ? しても……誰も怒ったりしないから」

千景「…………」

千景「……しないわ。私はそういう柄じゃない」


877以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/05(火) 23:38:13.97appJXCuwO (3/3)


千景の優しさや願いが久遠さんの力の一部になってくれるといいなぁ
その一方でまたしても大赦が何かやらかしそうで気になる…


878以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 00:47:10.3247e2Y0cF0 (1/1)


勇者部の声援が久遠さんの力に!
種使うタイミングは難しいよなあ


879以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 08:07:34.67R2vesuNwO (1/1)

どうやら花結いの章が完結した模様
もし久遠さんが介入してたら基本神様との相性が悪いのもあってただでは終わらなさそう


880 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 22:12:56.22Ns1G9P2ro (1/6)


では少しだけ


881 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 22:14:43.83Ns1G9P2ro (2/6)


√ 12月15日目 夜(病院) ※月曜日


01~10 夏凜
11~20 
21~30 若葉
31~40 
41~50 九尾
51~60 お休みのまま
61~70 樹
71~80 
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ 


882以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 22:15:19.85A4SY4aTuO (1/1)




883以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 22:18:50.20h5EkOyDcO (1/2)

友奈ちゃんか


884 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 22:42:32.60Ns1G9P2ro (3/6)


√ 12月15日目 夜(病院) ※月曜日


足音や気配を消すのはいつの間にか手慣れてしまったもので、

こっそりとカーテンをめくった友奈は、中を覗いて天乃の状態を確認する

布団の動きは静かな呼吸の上下だけ

昼間のように体を起こさず、横になっている天乃は起きているかどうか一目ではわからない

友奈「く……」

声をかけようか

ちょっぴり迷って出かけた言葉を飲み込み、

一歩中へと進む

天乃「……友奈?」

友奈「ぁっ」

天乃「大丈夫よ、もう……起きてたから」

起こしたのかと。

申し訳なさの見えた友奈の小さな声に

天乃は眠気の感じる声で返して、布団の中でもぞもぞと動く

体を起こすほどの、気力はなかった


885 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 23:00:50.52Ns1G9P2ro (4/6)


天乃「……どうかした?」

友奈「大丈夫ですか?」

天乃「大丈夫」

友奈「ベッド動かしますか?」

天乃「ううん、このままで、お願い」

もぞりと布団をずらし、

顔が見えやすいようにして、微笑む

ベッドの上半身部分を動かせば体を起こすことは容易いけれど、

引き摺られるからだが少し、辛い

天乃「ごめんね、来てもらったのに」

友奈「久遠先輩にはできる限り休んで貰うのが一番ですから、平気ですっ」

むしろ、休ませるべきなのに

こうして話させて大丈夫なのかな……と、友奈は思う

独りぼっちでいるよりも

誰かと会話したりして孤独に苛まれないようにするのは

気休め程度には、有効かもしれないけれど。


886 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 23:28:53.01Ns1G9P2ro (5/6)


友奈「朝ならもう少し大丈夫ですか?」

天乃「?」

友奈「実は、久遠先輩が少し元気になったのなら赤ちゃんとあわせたほうが良い。みたいな話があって……」

母子同室に関しては、

世話はみんながやるから問題がないという話ではあるが

今は祟りによる不幸の影響があるほか、

母乳などを挙げたりする必要があったり、

いつ泣くかも不確かなため負担が大きく、することはできないけれど

顔を見ること、抱くこと位はできる

もちろん、天乃の体調次第では授乳―出るかはともかく―することもあるだろう

友奈「明日、問題がなかったら会いに行くのはどうですか?」

天乃「……私のこと、お母さんだと認めてくれるかしら?」

友奈「大丈夫ですよっ」

天乃の弱気な声に、友奈はぐっと身を乗り出す勢いで答える

友奈「久遠先輩がお腹を痛めて産んだ子供だからっ……私達は、微妙かもしれないですけど」

えへへ……

困ったように笑った友奈は、まだこれからだよね。と意気込みを見せる


1、友奈も一緒に行く?
2、ねぇ友奈、出るかどうか確かめてくれない?
3、みんなが元気になったら、ちゃんと名前も決めてあげないと
4、これからよね。本当

↓2


887以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 23:30:45.59h5EkOyDcO (2/2)

1


888以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/06(水) 23:31:29.53uVKL5kQ/0 (1/1)

2


889 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/06(水) 23:51:39.85Ns1G9P2ro (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


友奈「えっ」

東郷「友奈ちゃん、今搾乳のしおりを造るから一時間頂戴!」カタカタカタカタッ

友奈「え……っ」

東郷「とりあえず、友奈ちゃんは赤ちゃんになり切る練習をしておいてね?」

友奈「なんで東郷さんに頼まないのかだけは分かっちゃった」


890以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/07(木) 00:00:44.42G7YYkuFxO (1/1)


これまた分厚そうなしおりを作りそうなとーごーせんせーェ…
それはともかく久遠さんやっと自分の赤ちゃんと対面できるんだな


891以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/07(木) 00:01:14.06cLMZJHgZO (1/1)


まさかの友奈役得


892 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 21:28:18.049DkVGB2Yo (1/7)


では少しだけ


893以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/09(土) 21:29:49.11ux5fK2UIO (1/1)

やっときたー


894 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 22:11:11.229DkVGB2Yo (2/7)


天乃「ねぇ友奈、出るかどうか確かめてくれない?」

友奈「あ、はい――えっ!?」

だ、ダメですよ!と、

友奈は反射的な答えをしてすぐに前言を撤回したうえで、

天乃の申し出に首を振る

友奈「それは……あ、あくまで赤ちゃんの、ためのものじゃないですか」

天乃「そうだけど……でも、出るかどうか分からないし」

多少、胸が張る感じはあるが

漏れ出してくるといった限界感は感じない

自分で揉んだりしてもいいとは思うのだが、

あいにく、今の天乃には絞り出すほどの力はない

困ったように理由を話すと、

友奈は何とも言えない困り果てた表情で目を逸らす

友奈「う……」

してみたい気持ちと、ダメだという気持ち

さっきまで優勢だった後者も、事情があるともなれば話は別で。

でも、友奈は悩まし気に目を泳がせた

友奈「な、なんで私なんですか?」


895 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 22:26:07.059DkVGB2Yo (3/7)


天乃「……? なんでって、友奈マッサージ得意でしょ?」

友奈「そうですけど……」

でも、エッチなことを基準で考えれば明らかに技術に劣る

その筋の知識を沢山仕入れている東郷や沙織

地味に努力をしている夏凜や樹の方が明らかに適任だろうと友奈は思う

友奈「あ」

思ってすぐに、思い直す

胸に触れるからといって。

もう母乳から離れて久しい年齢の自分たちが母乳に触れるからと言って

必ずしも、エッチなことではないのだと。

少なくとも、天乃にとっては他意どころか性欲的な欲求など皆無で

あくまで赤ちゃんが必要としている母乳が問題なく出るのかどうか

それを知ろうとしているのだと。

そして何より

友奈「あぅぅぅ」

天乃「友奈?」

友奈「……エッチな子でごめんなさい」

自分がまず先に性的な思考で捉えていたことに気づいてしまった


896 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 23:05:51.769DkVGB2Yo (4/7)


天乃「そんなあなたにしたのは、私でしょう?」

友奈「そんなことっ」

天乃「あるでしょ」

天乃が微笑むと、

友奈は否定しきれずに口を閉じる

それもそうだろう、否定できるはずがない

もし、友奈が学校でほかの男子または女子とお付き合いをしたことがある。というのであれば、

別の原因もあったかもしれないけれど、違う

それどころか、性的な行為が必要だとみんなに求めていた天乃と

思春期真っただ中に付き合いを始めてしまったのだから

それはもちろん、エッチな知識を持つことになる

天乃からの欲求が性的なことだという考えにも至ってしまう

天乃「もちろん、友奈が嫌ならいいのよ」

困らせたくて言っているわけではないのだ

この要求に答えてくれる人はいる―少なくとも夏凜は絶対に―し、

他のみんなだって別に優しくないわけじゃない

天乃は口にはしないが

必ずしも友奈でなければならないという理由はなかった


897 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 23:27:39.569DkVGB2Yo (5/7)


友奈「それは……狡く、ないですか」

天乃「そう?」

友奈「だって……」

分かっていて言っているのだろうか?

嫌ならばいいと言われて、嫌だと言えるわけがない

それは天乃も分かっていることだろう

だが、自分は遠慮しておきますと言っても

他の誰かが代わりにやってくれてしまうということになる

友奈「……東郷さんは、断らないと思います。沙織さん達も、樹ちゃんだって、多分」

少し躊躇するそぶりを見せながらも、

頑張ります! と意気込む姿が目に浮かんでくる

ダメではない、嫌ではない、悪いことでもない

むしろ、求められたことに率先して応えられることに憧れさえする

だけど、もやっとする

友奈がすっと自分の胸元に手を伸ばすその仕草を、天乃は優しく見つめる

天乃「自信がないとダメなのだとしたら、私はみんなのお嫁さん失格になるわね」

友奈「えっ」

天乃「だってこんな状態なんだもの。欲求どころか要求に応えてあげられる自信さえないわ」


898 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 23:46:43.079DkVGB2Yo (6/7)


友奈「そ、そんなことないです!」

もやっとした気持ちを押しのける勢いで身を乗り出して、否定する

天乃がどれだけの苦労をしたのか知っている、みんな分かっている

友奈「久遠先輩は精一杯応えてくれてます!」

なぜ応えることが出来ないのかを知っている

友奈「一緒に寝たいって言えば寝させてくれる、お話に乗ってくれるし、つまらない話だって楽しそうにしてくれる」

そして、その応えてあげられないことに罪悪感を抱いてしまうほどに、

欲求や要求以上に供給してあげたいと思ってくれていることも……分かっている

なにより

友奈「本当は戦いたかったのに、私達の為に退いてくれたじゃないですか。それだけで――」

十分なんです。

そう、続けようとした友奈の視界に映る天乃は、優しかった

言葉となって羅列されていく想いを、しっかりと受け止めてくれている姿

それは、憧れ、愛し、恋をした久遠天乃という先輩

天乃「ありがと……でもね。私だってしたいことは沢山あっても我慢して、愛想付かずに一緒にいてくれる。それで十分。なのよね」

友奈「……」

気づけば、友奈が語ったのは友奈自身の悩みに対する言葉で

天乃を想う気持ちが強いからこそ抱いてしまう負の面を、そのより強い想いが説き伏せる

悩む必要なんて、ないのだと。

そうさせる天乃の答えと、表情はやっぱり――狡い

友奈「やります……やらせてくださいっ」

上手くできないかもしれない。そんな考えは、もうなかった


899 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/09(土) 23:51:36.139DkVGB2Yo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


東郷「友奈ちゃん、出来たわ! 搾乳のしおり――」

友奈「ごめんね、東郷さん」

東郷「え?」

友奈「私……久遠先輩の信じてくれた私の力で頑張ってみようと思う」

東郷「友奈ちゃん……ううん。私の方こそごめんね

東郷「友奈ちゃんはもう、立派な女性だって言うことを分かってなかったみたい……頑張って」ニコッ


風「良い話?」

夏凜「内容が違ってれば」


900以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 00:03:33.16TttTqcIjO (1/1)


相手が友奈ちゃんだったのもあって優しさを感じるいい話になったなぁ

あとは厳密には違うかもだけど久々のえっちシーンに期待


901以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 00:03:54.986Qtc0+J5O (1/1)


友奈の本領発揮!


902 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 13:39:15.01GWxGcd2Mo (1/19)


では、少しずつ


903以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 14:29:31.70vFNoXPysO (1/1)

久々に昼だったー


904 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 14:51:26.48GWxGcd2Mo (2/19)


友奈「そ、それじゃ……失礼します」

天乃「どうぞ」

友奈「………」

双子を妊娠し、出産した母親の体であるはずなのだが、

腹部のたるみや、脂肪の付き具合はそれを感じさせない

むしろ、子供ができる前よりも衰えてしまっているようにさえ、感じる

天乃はそんな友奈の視線を感じて恥じらうよりも、

どこか申し訳なさそうに、嘲笑の笑みを浮かべる

天乃「……エッチな気分には、なれなくなるでしょう?」

友奈「そんなこと、ないですよ」

天乃「嘘」

友奈「本当です」

その衰えに抱くのはどうしても罪悪感が上回ってしまうけれど

決して魅力がないわけではない

そもそも、今回はエッチなことが目的ではないのだ

それは、体がしっかりと戻ってから考えればいい

友奈「始めますね、久遠先輩」


905 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 15:26:13.60GWxGcd2Mo (3/19)


母乳が出るのかどうかの確認は、どうしたらいいのか

天乃はマッサージが得意だから選んだと言っていたけれど

残念ながら揉めばいいわけではない

母乳が出るかどうかは母親の体の状態が一番カギになっているが

もう一つ、赤ちゃんの吸い方にも左右される部分がある

となると……当然

友奈「吸うことになる……よね」

天乃「ん?」

友奈「も、持ち上げないでくださいっ」

天乃「でも、吸うんでしょ?」

友奈「そ、そうですけどっ」

初めてであったころから豊満だったバストは、

元々小さな体にはそぐわないものだったが、

妊娠したことによって少なくとも一回り近く……増えた

東郷は大きいがその分、身長も低くはない

その点、天乃は小さな体に大きな胸

対して動いていないにもかかわらず増えない腰回り

その造形は何とも言い難い

なのに、天乃は気にする様子もなく乳房を持ち上げて見せるのだから……エッチだった


906 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 16:11:21.06GWxGcd2Mo (4/19)


友奈「えっと」

小さい頃、自分はどんな吸い方をしていたのか

母親はどのように与えてくれていたのか

乳房を目に焼き付け、目を閉じ……連想によって記憶が引き起こされてくれることに期待する

友奈「久遠先輩……お願いをしてもいいですか?」

天乃「ええ、どうすればいい?」

友奈「私のこと、抱いてくれませんか? 赤ちゃんに母乳をあげるみたいに」

天乃「おいで、友ちゃん」

優しく、手に触れる

自分はここにいるのだと導き、

傾いていく体を支えて、自分の体へと倒れるように引く

友奈は赤ちゃんというには大きすぎるが、

身体を横にしてあげれば、胸を吸わせることくらいならできるだろう

友奈「お母さん……」

違う

友奈「ママ……」

心を、戻していく

身体の感覚のほぼすべてをシャットダウンして、

まだ無知で、無垢な時代へとさかのぼらせていく


907 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 16:40:39.57GWxGcd2Mo (5/19)


成人した大人ならば困難かもしれないけれど

でも、友奈はまだ、中学2年生

記憶は薄れてしまっていても、その感覚は体に染みついている

天乃「……」

天乃は、母親になったのはこれが初めてだ

どう導けばいいのか分からない

でも、母乳を吸わせるという行為自体は知っている

どこから吸わせるのかもわかっている

だから、それだけを考えて導いていく

友奈「ん……」

鼻先がふにゅりと、潰れる

鼻のすぐ横にちょっぴり固い突起物

目を閉じていても分かるそれをめがけて、口を開く

突起物――乳頭が舌先ではなく、

奥の方に届くようにまずは進んでいく

友奈「ぁぅ……」

まだ、口を閉じない

乳房の一部が舌に触れるようになったら、少し持ち上げるようにして、角度を変える

口蓋に乳頭が触れ、一瞬えずきそうになるのを抑えて右手で乳房に触れる


908 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 16:53:14.97GWxGcd2Mo (6/19)


唇を少しずつ閉めていき、

強く吸い付かない程度の状態で下あごが触れる事を感じ取ると、

友奈は目を瞑ったまま、吸う

天乃「んっ」

まずは弱く、準備運動

ピッタりと張り付いた唇から空気は吸えず漏れず、

鼻で呼吸をして、唇を押し揉むポンプのように動かして、

天乃の体に母乳を催促する

天乃「っ……んっ」

友奈「ん……」

手では揉まない

あくまで、支える程度

吸って、吸って、吸って

唇で挟んで刺激して……また、吸い上げる

一つ一つの間隔を少しずつ早めていく

それでも……母乳はなかなかに出てこない


909 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 17:04:36.43GWxGcd2Mo (7/19)


友奈「っは……」

天乃「……はぁ……」

友奈「で、出ないですね」

天乃「そう、みたいね……」

ちょっぴり疲れたように見える天乃だが、

それよりも密着する肌の温かさを感じて、友奈の迷いは口を半開きに止める

友奈「………」

自分とではやっぱり、エッチに分類されるのだろうか。

頭では違うと考えていても、体はそう覚えているし感じてしまう

だから、母性よりも性的なリソースに神経が割かれてしまって

母乳が出てこないのではないかと、友奈は精一杯に考えてみる

エッチの時、粗相をしてしまうのではという感覚なのに、出てくるものは違う

それと似たようなものなのではないかと、思う

胸が強い性感帯担っている天乃なら、なおさらだ

聞けば聞くほど、吐息は艶っぽく

揺れる胸、布団の中に隠れた下腹部は秘めたるものを誘惑する

友奈「も、もう少し頑張ってみましょう」

天乃「でも……私……」

友奈「そういう気分になっちゃったときは言ってください。何とかします」

天乃「それじゃ……お願い、するわね?」

任せてください。と、友奈は意気込んで

思い出した母乳の吸い方、赤子の自分の動きをなぞるように――天乃の胸へと顔を寄せていった


910 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 17:18:07.70GWxGcd2Mo (8/19)


01~10 
11~20 母乳
21~30 
31~40 違うほう
41~50 母乳
51~60 
61~70 
71~80 母乳
81~90 
91~00 違うほう


↓1のコンマ 


911以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 17:21:59.72JCJjpE46O (1/2)




912 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 17:55:19.56GWxGcd2Mo (9/19)


30分ほど……だっただろうか

ふやけてしまうこと、

偏ってしまうことを気にして左右の乳房を吸い分けながら続けていると、

少しだけ滲むものがあった

初めは友奈の唾液が多く、それが薄れただけのものではないかという疑念もあったけれど、

乳房と乳頭をしっかり拭って、唾液を飲み込んでから続けてみると

少しとろりとした何かが舌の上を流れていく

友奈「っ!」

もう一度、吸う

もう少しだけ強く、吸い上げる

とろりとしていた何かはだんだんと量を増して、さらりとしたものに変わって

求めれば応じる様に流れ出てきてくれるようになっていく

天乃「あっ……だめっ」

友奈「わわっ」

溜まりすぎていたからか

詰まっていただけなのか

友奈が離れても、母乳は溢れ出て……伝い落ちる

ぽたりぽたりと布団――ではなく、

横になっていた友奈の寝間着を汚してしまう


913 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 18:10:24.53GWxGcd2Mo (10/19)


友奈「んっ……ペロッ」

天乃「っ……ちょっ……」

友奈「う、動かないでください」

溢れ出ていく白い川を、なめとって辿る

桜色の蕾は味覚的ではない甘美な味わいを舌に染み込ませてくれる

舌から脳に伝わり、体に溶け込む

まるで、初めから自分自身の体の一部だったかのように、

それは友奈の体に馴染む

天乃が動けば、胸が揺れる

胸が動けば、母乳が出てきてしまう

友奈が左の胸を舐めとると、右から流れ出てきていて

右の胸を舐めとれば、左の胸から出てくる

天乃「やっ……んっ」

友奈「今まで、こんなの……」

味わったことないのに、不思議と懐かしい

それはとても温かくて

祟りの熱、その痛みなど容易く忘れさせてくれるような――心地よさだった


914 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 18:22:34.61GWxGcd2Mo (11/19)

1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(好きだからこそ)
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流有(母乳)
・   東郷美森:交流有(欲求不満)
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()


12月16日目 終了時点

乃木園子との絆  97(高い)
犬吠埼風との絆  117(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  105(とても高い)
結城友奈との絆  132(かなり高い)
東郷美森との絆  136(かなり高い)
三好夏凜との絆  162(最高値)
乃木若葉との絆  107(かなり高い)
土居球子との絆  54(中々良い)
白鳥歌野との絆  52(中々良い)
藤森水都との絆  44(中々良い)
  郡千景との絆  54(中々良い)
   沙織との絆  138(かなり高い)
   九尾との絆  77(高い)
    神樹との絆   ??(低い)



915 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 18:33:38.05GWxGcd2Mo (12/19)


√ 12月16日目 朝(病院) ※火曜日


01~10 友奈
11~20 
21~30 夏凜
31~40 
41~50 九尾
51~60 
61~70 風
71~80 
81~90  樹
91~00 

↓1のコンマ

※コンマ一桁判定付与
 →1~0  判定+1 
※ただし、例外有


916以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 18:36:54.35UEmn7uQB0 (1/3)




917 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 18:44:34.04GWxGcd2Mo (13/19)


では少し中断します
20時ころまでには再開予定になります


918以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 19:45:46.55JCJjpE46O (2/2)

一旦乙
久遠さん、相変わらずエロくて素敵だ…


919 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 20:22:00.65GWxGcd2Mo (14/19)

ではまた少しだけ


920以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 20:28:27.33h6csyVv9O (1/4)

あいよ


921 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 21:01:37.42GWxGcd2Mo (15/19)


√ 12月16日目 朝(病院) ※火曜日


天乃「……こうしてみると、赤ちゃんみたいね」

すぐ横ですやすやと眠る友奈の寝顔

頬を突きそうな距離に置いた人差し指で布団をペシペシと踏み固めて、微笑む

穏やかで愛らしい

悪戯をしてみたくなるけれど、

このままじっと眺めていたい気持ちにもなる

天乃「貴女のせい、なんだからね」

天乃を起こした胸の違和感

昨日、友奈が吸いきれなかったあまりだろうか

触れてみれば湿っていて、

洗おうとすれば、また出てきてしまうため

応急処置を施して、パッドをつけるにとどまっている

当然ながら、体の向きを変えることなんて出来はしない

もちろん、嫌ではないし悪いことでもないのだが

天乃「友奈なら、責任とってくれそう」

溢れる母乳の処理

きっと請け負ってくれるだろうと考えて

思い浮かぶ昨夜の友奈の姿に、体は少しだけ熱っぽかった


922 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 21:24:32.01GWxGcd2Mo (16/19)


天乃「あんなに、迫ってくるとは思わなかった」

母乳が出始めた後、

何もしなくても溢れてくることに気付いた友奈は、

天乃に動かないようにと言いつつ、さんざんに……楽しんだ

最終的には押し倒され、友奈が満足するまでそれは続いた

友奈はせっかくなので。と言っていたけれど

授乳することで体が感じるようになってしまうのは、困る

天乃「でも、これで赤ちゃんにあげることが出来る」

体調次第では、

赤ちゃんに会いに行くことが出来るという話だった

今の調子なら問題はない

心配だった授乳も行うことが出来る

それなら、会いに行こうか

赤ちゃんのような寝顔を見せる友奈を眺めながら、

天乃は考える


923 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 21:46:41.25GWxGcd2Mo (17/19)


話が出たときに深く話はしなかったけれど、

天乃が子供に会いに行くには人の手を借りる必要がある

普段なら、話を持ってきてくれた友奈だったり、

夏凜達を連れて行ったりするものなのだけれど

今の友奈たちは祟りを受けているため、

その影響が赤ちゃんに出ないとも限らない

それをみんな分かっているから、

たとえ、天乃がみんなを置いて看護師に連れていくことを求めても

何も言わないだろうし、仕方がないと考えることだろう

だけど……

天乃「みんなとの血のつながりはなくても……子供、なのよね」

天乃が産んだ、みんなの子供

もしも行くのなら、

出来れば、みんなの中の誰かを連れていきたいと思う


1、誰かを連れていく
2、みんながいけないのなら、諦める
3、看護師に頼んで連れて行ってもらう
4、交流:勇者
5、交流:精霊
6、イベント判定

↓2


924以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 21:48:24.74UEmn7uQB0 (2/3)

1


925以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 21:50:08.57h6csyVv9O (2/4)

1


926 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 21:54:04.16GWxGcd2Mo (18/19)


1、友奈
2、風
3、東郷
4、樹
5、園子
6、夏凜
7、沙織
8、若葉
9、千景
0、九尾


↓2


927以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 21:58:50.93h6csyVv9O (3/4)

ksk


928以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 21:59:29.82UEmn7uQB0 (3/3)

6


929 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/10(日) 22:13:46.35GWxGcd2Mo (19/19)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「……思ったのだけど」

東郷「友奈ちゃんは久遠先輩の母乳を飲んだのよね?」

友奈「そうだけど……ダメだった?」

東郷「ううん。ただ、母乳って考え方次第では妊娠できそうって思って」

友奈「そうだね。それが出来たら……嬉しいね」


930以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/10(日) 22:25:21.29h6csyVv9O (4/4)


ついに久遠さんの母乳解禁でさっそく友奈ちゃんを赤ちゃんに変えてしまうとは…これはこれで尊い
そういえば母乳は血液で出来てるらしいけど祟りに対して効果はあるのかな?


931以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 00:04:43.24/y9D3qpY0 (1/1)


東郷さんがボケたのに嬉しいねって返しが切ない


932以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 08:05:03.507XiJ/V2VO (1/1)


久遠さんの母乳はある意味蠍座以上の勇者キラーじゃないだろうか


933以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 09:02:45.93EueFuSHoO (1/1)

そりゃ久遠さんの子供欲しいんだもの嬉しいでしょ
久遠さんの母乳には力があるから本能的に求めてしまう…とか普通にありそう


934 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 20:53:45.53Ri1KYW0Wo (1/7)

では、少しだけ


935以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 20:58:28.80m/RjjdzUO (1/3)

よしきた


936 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 21:05:17.66Ri1KYW0Wo (2/7)


夏凜「途中まで連れていくだけなら、良いわよ」

天乃「途中?」

夏凜「そ。途中」

本当なら、途中まで連れていくというのも断りたいというのが、夏凜の本心だった

樹があんな目に遭ったのだ

いつ、どこで、自分たちに不幸なことが起こるのか分かったものじゃない

神様の干渉だというのなら、

乗り込んだエレベーターが急速落下する。なんていう惨劇だって否定できない

神の祟りである以上、

常に最悪の想定をしたうえで行動するべきだ

けど、だからと言って天乃のお願いを無碍にするのも気が引ける

だから、途中まで。

夏凜「今の状態の私が子供に会うわけにもいかないでしょ」

天乃「見るだけなら、大丈夫じゃないの?」

夏凜「そうかもしれない。でも、そんな希望的観測で動いて良い状況じゃない」

天乃「………」

夏凜「子供が嫌いとか苦手とか。そういうわけじゃないのは、分かって」


937 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 21:15:25.73Ri1KYW0Wo (3/7)


夏凜の罪悪感に満ちた表情

そこから紡がれる言葉

天乃は目を向ける事こそなかったものの、

分かっていることを示すように、頷く

夏凜が子供を嫌いなわけがない

口では何かといいながらも、面倒を見てくれる

求められたことに一生懸命付き合ってくれる

そういうタイプであると、天乃は良く分かっていた

夏凜は面倒見が良いのだ

天乃「夏凜でも、抗いきれないものなのね」

夏凜「友奈たちよりは耐性がある程度よ。完全に相殺しきるなんてあんたにしかできないわよ」

天乃「でも、私の血を分け与えたところで相殺しきれないじゃない」

夏凜「力を最大限に発揮できる自分を基準に考えないでよ」

天乃「………」

夏凜「あんたが、悔やむことじゃない」


938 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 21:34:30.43Ri1KYW0Wo (4/7)


沈み込むような空気を感じ取った夏凜は、ふと、息を吐くように天乃へと声をかける

天乃は本当に頑張ってくれた

いや、今もなお頑張ってくれているし頑張ろうとしてくれている

それでも無力だと、自分の願いのせいだと悔やまれては

祟りなんかに気開始すぎている自分たちがあまりにも小心者ではないかと、

困ったように笑う

夏凜「天乃は十分頑張ってくれたでしょ。そこで楽させてもらった分、私たちが頑張ってるのが今なのよ」

辛く苦しく険しい道のりかもしれないけれど、

それを歩んできた、歩み続けようとしたのが天乃なのだ

それを阻み、道からそれさせたのはほかでもない自分達

であるならば、担われるはずだった労苦が降りかかるのは必然だと言えるだろう

夏凜「だから、ある程度の我慢をする事なんて平気」

外に出たくても、出ない

子供に会いたくても、会わない

天乃と一緒に居たくても、離れておく

耐えきれていない人もいるには居るが

危険を冒すようなことはしていないから、目を瞑る


939 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 21:51:59.37Ri1KYW0Wo (5/7)


夏凜「無理だろうから、心配するなとは、言わないわよ」

夏凜自身、天乃と立場が逆転していたとしたら

心配しないでと言われて心配しないなんてことは出来ないと考えて、苦笑する

自分でそれなのだ

人一番他人を想わずにいられない天乃が耐えられるはずがない

夏凜「でも、だからって自分が頑張ろうとかそういうことは考えないで」

天乃「そんなこと思ってないわよ」

夏凜「否定するなら目を見て言いなさいよ」

ベッド脇に来ることがあるみんなは椅子に座ることが多く、

横を見れば目が合うのに

椅子に座ることなく立っている夏凜は見上げる必要があって

天乃「……なんか、嫌」

夏凜「なんでよ」

天乃「だって……なんか、変」

夏凜「はぁ?」

天乃「目を合わせて欲しいなら夏凜が椅子に座れば良いんじゃない?」

夏凜「どういう理屈よ」


940 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 22:03:48.78Ri1KYW0Wo (6/7)


夏凜「それで?」

夏凜は悪態をつきながらも、がたがたと椅子を動かして椅子に座ると

催促するように問う

夏凜「どうするわけ?」

天乃「頑張らない」

夏凜「そっちじゃなくて、赤ちゃんに会いに行く方」

そっちの話の流れだったのに……と

喉元に不満をためつつ、目線の下がった夏凜と目を合わせる

祟りに苦しんでいるような雰囲気を一切感じさせない強い瞳

それがもし、気丈にふるまっているものなのだとしたら……なんて、考えてしまう

今考えるべきなのはそれじゃない

答えるべきなのも、そうじゃない


1、途中まででいいわ。連れて行って
2、せめて顔を見るだけでも見ていきなさいよ
3、母乳飲むのと赤ちゃん見るのどっちがいい?
4、貴女も、無理しないでね?


↓2


941以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 22:04:37.29m/RjjdzUO (2/3)

3


942以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 22:09:23.61Q3kxr89/0 (1/1)

3


943 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/11(月) 22:24:39.07Ri1KYW0Wo (7/7)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子「あぁっと! いきなりの大技を繰り出しました!」

沙織「余裕の表情なのがポイント高いねぇ」

東郷「ですが、夏凜選手はここで引くような選手ではありません……これは反撃が来そうです」

沙織「解説の乃木さんはこの後どう出ると?」

園子「わっしーに同意かな~」

園子「にぼしは噛めば噛むほどダシが出る……ここまで強く噛みつかれた以上、弾けてもおかしくないんよ~」


944以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/11(月) 22:32:57.15m/RjjdzUO (3/3)


久遠さんのこと本当に真剣に考えてくれてるなぁ…
一方ここまで意思の強い夏凜ちゃんが蕩けてしまう姿も見てみたい気もする


945以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/12(火) 06:37:57.68a4BFPUoVO (1/1)


夏凜も甘えていいんだぞ?


946 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/12(火) 21:24:05.43hcGfDloeo (1/5)


では、少しだけ


947以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/12(火) 21:25:13.29VAGo3Km4O (1/2)

よっしゃ


948 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/12(火) 22:03:49.97hcGfDloeo (2/5)


天乃「私は会いに行きたいって思ってるけど……」

夏凜「けど?」

天乃「夏凜は母乳飲むのと赤ちゃんに会うのどっちがいい?」

夏凜「は?」

無意識に近い反応は迫力のある呟きで、

天乃はそんなに怒らなくてもいいじゃない。と、苦笑する

もちん、怒ってないことは分かってる

夏凜「何言ってんの?」

天乃「昨日の夜に友奈が何とかしてくれたから、どうかなって思って」

夏凜「どうかなって思って。じゃないでしょ」

天乃「嫌?」

夏凜「言っておくけど、どちらかっていうなら子供は命にかかわるから母乳選ぶわよ? 私」

天乃「本音は?」

夏凜「本音っていうかできるなら子供に会う方が良い」

何を言ってるのかと

困り顔になっていく夏凜をじっと見つめた天乃は

おもむろに顔を伏せて「そっか」とつぶやく

天乃「夏凜は私よりも子供を取るのね……」

夏凜「何言ってんの?」

天乃「親権は渡さないわ!」

夏凜「ほんと何言ってんのよアンタ」


949 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/12(火) 22:50:57.42hcGfDloeo (3/5)


天乃「ノリ悪いわね」

夏凜「アンタが急にわけわからない方向に流れていくからでしょ」

天乃「だって、友奈は喜んでくれたし」

夏凜「だからって急に言われても困るし、もう一つの選択肢があってないようなものじゃダメでしょ」

天乃「困るのね」

夏凜「母乳飲むような歳じゃないんだから当たり前でしょ」

普通は困るもんよ。と

夏凜は悩ましそうに考えながら答える

実際、誰だって妻から母乳飲む? などと言われたら困惑するだろう

何より、夏凜は天乃の出産に立ち会っておりその難しさと凄味を間近で感じた

恋人として見るよりは

一人の母親として見ていてもおかしくない

夏凜「友奈だって、そういう目的では口にしてなかったでしょ?」

天乃「……どうかしら」

夏凜「そういう目的に感じたってこと?」

天乃「目的はともかく……激しかった」

夏凜「何してるんだか」


950 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/12(火) 23:00:26.02hcGfDloeo (4/5)


呆れたような笑みを浮かべながらも、

その気持ちは少しわかる。と言いたげにため息をつく

性的な興味を差し引いても

自分達の体でも作られる母乳がどういうものなのかというのは気になるし、

赤子のように咥えていたのなら

少しくらいなら……と、逆行した記憶によって口にしてみたくもなるものだろう

あれは、いつ頃だったかと

あの時に感じたぬくもりは、どういうものだったのかと。

自分の母親ではないにしても

母親であることに変わりはなく、年上

それに、友奈にとっては憧れを抱く存在なのだから

多少、そういった雰囲気に呑まれてしまっても仕方がないと夏凜は思う

だからと言って、激しいのはどうかとも思うが。

天乃「夏凜にだって聞こえてたんでしょ?」

夏凜「そりゃ、隣だし」

天乃「興味わかなかった?」

夏凜「なんでそんなに押してくんのよ……吸われたいの?」


951 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/12(火) 23:09:57.47hcGfDloeo (5/5)


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「据え乳吸わぬは女の恥!」

夏凜「んなこと言われたって――」

東郷「言い訳無用!」バンッ

東郷「我慢させ続けるだけの理性なんて犬にでも食わせなさい!」

犬神「………」

風「東郷の理性を食ったのはアンタだったの!?」


952以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/12(火) 23:14:46.10U/yA1cVt0 (1/1)


衝撃の真実


953以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/12(火) 23:20:49.81VAGo3Km4O (2/2)


まさかの犯人w
それにしても久遠さん、夏凜ちゃん相手だと性的なことに消極的なせいか積極的に誘ってくなぁ


954以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/13(水) 08:02:14.33cg1qDqjOO (1/1)


友奈との激しい夜はwikiのオマケでやってくれるかな?


955 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 20:48:47.322TRn0FuOo (1/6)


では少しだけ


956以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/13(水) 21:01:20.23BcHHSN6zO (1/2)

きてたー


957 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 21:20:39.122TRn0FuOo (2/6)


天乃「別に吸われたいなんて一言も言ってないわよ」

夏凜「いや、今の流れは――」

天乃「かっ、夏凜に後で嫉妬されてもみんなが困るし!」

目を逸らす、顔を背ける

東郷達は自分から向かってくるから、受け止めるか受け流すか

でも、夏凜は違う

天乃から手を伸ばしても、安易に触れようとはしない

それは、何よりも天乃を想うがゆえに。

だから、天乃から寄り添わなければならない

少しだけではなく、大きく、強く

天乃「あとで八つ当たりとか、やきもち妬かれても困るし」

夏凜「やきもちって……」

天乃「分かってる」

困惑を感じる夏凜の呆れがちな呟きを道半ばに残し、

天乃は遮って、嘲笑を浮かべる


958 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 21:50:00.232TRn0FuOo (3/6)


天乃「どうせ、夏凜はやきもちなんて焼かない」

夏凜「………」

天乃「夏凜はなんだかんだ優しいし、私のこと考えてくれてるから」

遠巻きに見ているだけでも、満足する

天乃が普通に生きて、普通に楽しんで

ごく当たり前の幸せを享受しているならそれで、満足してくれる

本当に良い子だと思う

とても優しい子だと思う

天乃「手を焼かせることを良しとしないものね」

夏凜「そりゃ、あんたはあんたで手いっぱいだし」

天乃「手一杯……」

夏凜「なに? 言っておくけど胸の話は今してないわよ?」

手に余る大きさを実感する膨らみを見せる天乃の胸元

それに目を向けた夏凜はすぐさま窓の外に目を凝らす

少し曇った空は雨が降ってきそうにも感じた

天乃「今はまじめな話」

夏凜「じゃ――」

なんなのよ。

そう口にしかけた夏凜が服の端を摘まむ力を感じて目を向けると

丁度、ゆっくりと動いた天乃の目と視線が交わる

天乃「それが分かってるなら……もう少し、私の傍に来てくれてもいいんじゃない?」


959 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 22:15:19.962TRn0FuOo (4/6)


夏凜「は……ちょ、そんなの」

結構近くにいるでしょ。なんていう考えは

先回りした直観で振り払う

天乃が言いたいのはそんな物理的な距離じゃない

天乃「………」

夏凜「………」

じっと、目を向け合う数秒間

病室にはみんなもいるはずなのに、妙に静かで

目を逸らすのはやっぱり天乃だった

それと同時に、裾を引く子供のような力は消えてしまう

天乃「……余計な我儘よね」

十分よくしてくれている

夏凜が悪いわけじゃない

ちょっとしたことで距離を感じてしまう

離れていくのではと不安に思う弱い心が悪いのだ

天乃「ごめ――」

夏凜「待って」

天乃「っ」

夏凜「それは言わないで……いや、言ってもいいけど、出来れば、言わないで貰えると助かる」


960 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 22:52:00.802TRn0FuOo (5/6)


夏凜「アンタは悪くない。ほんと、慰めとか抜きにして、悪くない」

天乃「………」

夏凜「不安にさせた私が悪い」

基本的には行為を受ける側であり、

積極性がないわけではないが、後手に回ることの多い天乃にここまで言わせた

ここまで求めさせた

攻められたい願望もある友奈なんかは

限度はあるけれど、攻められ方の参考にしそうだが

東郷あたりは、「夏凜ちゃん」と

真剣な表情で詰め寄ってきかねない状況だ

夏凜「ただ、私も色々考えてることがあるっていうか……」

それは違うか。と夏凜は困ったように髪を掻いて

人差し指から薬指、三本の指で前髪を挟んで梳く

夏凜「妊娠があって、出産があって、祟りがあって……なんていうのも結局言い訳」

天乃「そんなことないと思うけど……」

夏凜「ううん。言い訳でしょ……どんな障害があろうがアンタを守れるって自信がないのよ」

天乃「夏凜は十分頑張ってくれてるわ」

夏凜「でも、満足はさせられてない」

天乃「それは私の我儘だから」

夏凜「だから我慢する? そんなこと言わずに、目の前にいる奴のこと引っぱたいたほうが良いんじゃないの?」

軽々しく、そう口にする

夏凜「この意気地なし! って」

それは、冗談交じりの本心だった


961 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/13(水) 22:57:12.232TRn0FuOo (6/6)


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「……」

東郷「ねぇ夏凜ちゃん」

夏凜「なによ」

東郷「夏凜ちゃんってもしかして、被虐せ――」スパーンッ

夏凜「違うわよっ!」


友奈「……私は最近、東郷さんがそうじゃないかなって思ってるよ」


962以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/13(水) 23:03:46.10BcHHSN6zO (2/2)


久遠さんのみならず夏凜ちゃんも大人っぽくなってきたなぁ
そして相変わらず会話も健全というね


963以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/14(木) 08:00:20.48OSQ/ouOEO (1/1)


今の夏凜の立場って園子に対する久遠さんの立場に似ている気もするな


964以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/14(木) 22:34:57.621gM0F58XO (1/1)

木曜は忙しい?


965 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/15(金) 21:57:50.96lGAK0Zpvo (1/3)


では少しだけ


966以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/15(金) 22:02:46.02LO9CV1heO (1/1)

かもーん


967 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/15(金) 22:59:32.64lGAK0Zpvo (2/3)


天乃「意気地なしって……」

夏凜「だってそう思わない? 祟り、妊娠、出産……そりゃ、理由としては十分だと思うわよ」

でも、理由にできるからって理由にして良いわけではない

注意すべきことである以上、それを一切無視するわけにはいかないが

だからこそすべきことがあるのではないか

だからこそ、出来ることがあるのではないか

壁を理由にして立ち止まっていては出口を見つけることはできない

夏凜「でも私は、だからこそ何とかしてやりたいって思う」

思うべきだった

思っているべきだった

でも、それができていなかった

自分以外にもいるからと、他力本願だった

だからこそ、夏凜は自分で自分が意気地なしだと思う

夏凜「あんたに尽くすって、そう考えてたのにこのザマで……」

天乃「夏凜……」

夏凜「だから、あんたには喝を入れて貰いたい」


968 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/15(金) 23:46:32.17lGAK0Zpvo (3/3)


夏凜の手は天乃の手を掴み、頬へと触れさせる

殴ることはもちろん、

叩くこともできない弱い力は指先で頬をなぞる程度に留まって

天乃は困って眉を顰めた

天乃「喝……私が?」

夏凜「最近のあんたは緩いけど、結構気を入れて貰ったことあんのよ?」

天乃「……このまま引っぱたけばいいの?」

夏凜「違う」

天乃「じゃぁ、なんなの?」

夏凜「なんなのって言われると困るのよね」

夏凜は困ったように笑いつつ、楽しそうにする

喝を入れる必要なんてないようにさえ思う

夏凜「頼まれてもアンタはやってくれる。でも、それじゃ意味がない」

戦いに出ているときのように

仲間の為に怒っているときのように

何かに求められたからとかではなく、

本心で出てくる言葉が欲しいと、夏凜は思った

でも、今の天乃にはきっと、それは難しいのだろう


969 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 00:11:42.89v/3nHc2ro (1/11)


今までは自分が矢面に立っていた

守られる立場ではなく

守る立場にいたからこそ、言えることがあった

守られる立場になってしまったこと

願う立場になってしまったことで

天乃の中では、夏凜が求めるような一喝する立場ではないだろうから。

でも……と、夏凜は苦笑する

夏凜「正直、さっきのは効いたわ」

天乃「傍に居て……ってこと?」

夏凜「そ……あと、謝られたこと」

よく言われるような気の入れ方ではなかったけれど

それでも、心は強く揺さぶられるものだった

強かったころとは正反対の、弱った心

でも、それはきっと、今の天乃の本心だったから

夏凜「もっと頑張んなきゃって、思わされた」

天乃「頑張るのは良いけれど、無理はしないでね」

夏凜「別に戦ったりする方に頑張るわけじゃないから――」

天乃「っ」

グッ……と、体がベッドの方に押し込まれて

ベッドに密着した体は動かないのに、夏凜との距離は縮まっていく

夏凜「少しくらい、許しなさいよね」

そう言う夏凜の顔は、朱色に染まって見えた


970 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 00:13:11.20v/3nHc2ro (2/11)


では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


明日の序盤で夏凜交流終了→赤ちゃん


971以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/16(土) 01:20:50.42jhbKD+dQO (1/1)


こんにちわ赤ちゃん


972以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/16(土) 06:19:23.91k1wkpHVIO (1/1)


あまにぼの会話はいつも尊い…


973 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 18:59:11.53v/3nHc2ro (3/11)


では少しずつ


974以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/16(土) 19:00:24.32FBX33qRsO (1/3)

あいあいさ


975 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 19:37:10.83v/3nHc2ro (4/11)


天乃「夏凜? なにするの? 赤ちゃんに会いに行くんでしょ?」

夏凜「それはやまやまだけどできないって……さっきから言ってるじゃない」

天乃「祟りは言い訳だって言ったのに」

夏凜「流石に、赤ん坊を落とすような理不尽は警戒するでしょ、普通」

だから。と、夏凜は笑う

普段の夏凜がしないような、悪い考えをしている表情だ

夏凜「もう一つの選択……選ぼうかと思って」

天乃「もう一つ……?」

何を言ってるのかと考え、数秒

真面目な話に流されて消えていた発言を引き戻すかのように

夏凜の手が胸元のボタンをはずす

天乃「ちょっ、本気なのっ?」

夏凜「誘っておいて今更言う?」

天乃「だって――」

夏凜「もしかして、私ならしないと思ってた?」

残念だけどという夏凜の瞳は天乃を捉え、

その手は母乳のためのパッドをはずしていく

夏凜「私も多少、興味はあるのよね」


976 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 20:04:38.63v/3nHc2ro (5/11)


天乃「んっ」

夏凜「ずっと聞こえてたのよ……」

あの友奈が熱中するほどのもの

友奈だけじゃなく、天乃の声が聞こえた

明らかな、行為の音も聞こえた

たがいに我慢してきたことだからと阻まずに聞きこんでいたそれらは

確実に、夏凜の興味を惹いていたのだ

夏凜「少しだけならいいでしょ? 誘ってきたんだから」

天乃「赤ちゃんと会う時間が無くならない……程度なら」

夏凜「………」

夏凜にされるがままだった天乃は、自分で胸に触れる

ちょっとした圧迫感でも母乳が溢れて、

そのたびに、少しだけ力が抜けるような疲れを感じる

でも、ほんの些細な疲労感は

病床のような重さはなく、むしろ心地よいもので

天乃「っ……ぁっ」

夏凜「っ……は……ちょっと、変な声出すの止めなさいよ」

天乃「だって」

夏凜「友奈の時もそうだけど、あんた弱すぎ」


977 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 20:29:48.70v/3nHc2ro (6/11)


天乃「今は母乳があるからっ」

夏凜「あってもなくても、あんたは胸が弱点でしょ」

天乃「う……し、仕方ないじゃないっ」

いつまでたっても、慣れない

それもあるけれど

昨日のように赤ちゃんになろうとしている友奈でさえダメだったのだ

心が寂しがってしまうほど触れ合いのなかった夏凜の乳房への接吻なら、なおさら敏感になるだろう

天乃「……好き。なの」

夏凜「っ!」

呟き程度の細やかな声と、フイッと顔を背ける仕草

想いゆえに傾いたそれはとても愛らしくて

好きにならずにはいられなくて

夏凜「は、破廉恥なこと言ってんじゃないわよっ」

天乃「はれ……はっ……破廉恥なことが好きって話じゃないっ」

夏凜「流れ的にそういう感じだったしっ」

天乃「夏凜が好きってことに決まってるでしょっ、ばかっえっち!」


978 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 20:44:54.63v/3nHc2ro (7/11)


夏凜「えっ……はっ、はぁ? 私かあんた。どっちがエロいか教えてやるわよっ!」

天乃「やっ、かっ」

抵抗に動こうとした天乃の手を抑え、

白い筋の流れる乳房を舐める

天乃「んっ」

びくっと、体が震える

押し出されたようにジワリと零れた母乳がまた流れていく

天乃「はっ……はっ……っ」

夏凜「まだ、全然なんだけど」

天乃「待って……ごめんなさい、負けは認める。認めるから」

夏凜「早すぎでしょ、せめて、一回くらい飲ませなさいよ」

天乃「赤ちゃんにあげられなくなっちゃうからっ、かり――」

ぱくっと、咥える

ふにゅりとした感触、勢いに飛び出す母乳

頬の裏に当たり、舌の上を流れて喉の奥へ

天乃「んっ……っあ」

夏凜「っは……は……コクッ」

味気のあるものではないはずなのに

心地よく感じるほどに、美味しく感じてしまう

夏凜「友奈が嵌まったのも……分かるわ」


979 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 21:17:33.72v/3nHc2ro (8/11)


夏凜「………」

母乳が体に馴染むのもそうだが、

天乃が性的に見えて情欲をそそるのも要因だろう

もっと味わいたいという気持ちともっとしたいという気持ち

強い気持ちの相乗効果は理性なんて突き飛ばして

その行為に興じさせる

天乃「ばか、えっち……」

夏凜「ごめん」

天乃「赤ちゃんにあげるだけで変な気分になっちゃったらどう責任とるのよ……」

夏凜「授乳が終わったら、エッチに付き合う?」

天乃「…………」

夏凜「……だめか」

天乃「それは前提だもん」

夏凜「なら、あんたが授乳でエロい気分になることが前提ね」

さっと身を引いた夏凜は、

ベッドわきの車椅子のブレーキをはずして移しやすいように移動させる

夏凜「行くんでしょ? 連れてってあげる」

天乃「……ばか」

夏凜「ん? なにか言った?」

天乃「言ってないっ」

その気にさせておいて、自分は勝手にいつも通り

そんな酷いことをする夏凜への罵倒は、届かなかった


980 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 21:50:35.83v/3nHc2ro (9/11)


01~10 大赦
11~20 
21~30  
31~40 
41~50 兄
51~60 
61~70  母
71~80 
81~90 姉
91~00 

↓1のコンマ



981以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/16(土) 21:54:22.76FBX33qRsO (2/3)




982 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 22:17:33.95v/3nHc2ro (10/11)


子供たちのいる部屋の前で止まった夏凜は、

呼んでおいた看護師を一瞥すると、目線を合わせるためにしゃがみ込む

夏凜「天乃にはこれを渡しておくわ」

天乃「これ……?」

夏凜「必要ないとは思うけど、一応ね。取り間違え防止だって、私が代わりに着けてたのよ」

夏凜は困ったように言いながら、

袖に隠れて見えなかった手首からバンドを外して天乃の手首に着ける

天乃「ネームバンド……」

夏凜「出産に立ち会ったからだとは思うけど、普通は天乃が付けるのよ?」

天乃「私には何があるか分からないものね」

夏凜「そういうこと言わない」

天乃「ふふっ、ごめんね。すぐ……かは分からないけど行ってくるね」

夏凜「時間一杯いてもいいわよ。待っててあげるから」

天乃「うん。ありがとうね」

天乃が手を振ると、夏凜も応えて手を振る

部屋の中に入る直前、ちょっと待って。と、

看護師を止めた天乃には、「早く行きなさいよ」と、払う素振りを見せながら――笑う

夏凜「……はぁ」

天乃と看護師のいなくなった廊下に一つ、ため息が零れた


983 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/16(土) 22:22:20.55v/3nHc2ro (11/11)


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から



東郷「意気地なし」

夏凜「はぁっ? ちゃんとやったじゃない」

東郷「あそこで止めるなんてやってないのも一緒よ」ジロッ

夏凜「そりゃ、東郷からしたらそうかもだけど普通は――」

東郷「友奈ちゃんだってあの状態からなら完食するわ! 断言します!」バンッ

風「樹だってするわね」ドヤッ


夏凜「あんたもかっ……風!」


984以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/16(土) 22:29:05.85FBX33qRsO (3/3)


夏凜ちゃんの陥落に久遠さんの告白と二人とも可愛い過ぎるだろう…
そして我が子との対面か…久遠家もそのうち訪ねてくるかな


985以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 08:44:43.14DzhpBdZnO (1/1)


夏凜でさえも虜にしてしまう久遠さんの母乳恐るべし


986 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 16:37:58.80wcKdG0Rio (1/7)


では少しずつ


987以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 16:45:08.87yGDbVNyzO (1/2)

どんとこい


988以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 17:31:01.26OYX6Q2OzO (1/1)

もうすぐ1000だけど大丈夫?


989 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 17:37:47.38wcKdG0Rio (2/7)


「こちらですよ」

天乃「……あぁ」

小さな、小さな名前のない双子

取り違うことがないようにとつけられたネームプレートには

久遠天乃。という母親の名前だけが書かれている

「産まれたばかりの時はすごく小さかったんですけど、徐々に成長していってくれてね」

本当によかったわね。と、看護師は優しく声をかける

けれど、天乃は赤ちゃんのケースに触れたまま、答えない

じっと見つめて、動かない

産んですぐ引き離されることになった赤ん坊

ようやく、見ることが出来た

ようやく、会うことが出来た

「……抱かないの?」

天乃「上手く抱いてあげられる――」

自信がない

そう言おうとした口を閉じて、飲み込む

だれだって、初めはそうだろう

自信がないからと避け続ければ自信はつかない

やってみなければ何も始まらない

幸い、看護師もいるのだ

手ほどきを受ければいい

天乃「うん、抱きたい……抱き方、教えて」

「ええ、もちろんよ」


990 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 18:06:15.61wcKdG0Rio (3/7)


「いきなり二人は難しいだろうから、一人ずつね」

天乃「はい」

「私がこっちの子を抱くから、言う通り、やっている通りにね」

天乃「分かったわ」

ただただの説明なのに、緊張する

これを真面目に聞いて習うかどうか

ちゃんと覚えられるかどうかに

小さな命がかかっているからだろう

「まずは、声をかけてあげるの。名前を考えてあるなら、名前とかね」

天乃「名前……」

「まだ、天乃ちゃんも落ち着かないもんね」

天乃たちが大変だったことは、看護師も分かっている

名前を考える余裕なんてなかったのだ

それでなくても、子供にとって大切な名前を簡単には決められない

「大丈夫。初めは、そんなのものだから。ね」

笑みを浮かべながら声をかける

「お母さんだよ。ママだよって、声をかけてあげましょうか」


991 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 18:23:04.78wcKdG0Rio (4/7)


天乃「ま……ママ……だよ?」

反応してくれなかったら

嫌がったら

きっと、自分を母親とは認めてくれていない

そんな不安の表れた弱弱しい声

でも、二人は、笑う

赤ちゃんらしい、まだ言葉に満たない声で

嬉しそうに、笑ってくれる

天乃「あっ……」

「……ふふっ、そしたらまずは頭からね」

天乃は手が小さいからと、

掌だけでなく、

手首のあたりもしっかりと使って、首から頭をしっかりと支えさせる

そうでもしないと、首が危ない

「次は、おしりね。足の間から……そう、そんな感じで手を入れて」

看護師の実演と、説明

それをしっかり確認しながら、

天乃は小さな小さなわが子を、腕に抱く


992 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 18:50:55.93wcKdG0Rio (5/7)


天乃「だっ、抱けたわっ」

「でももう少し」

天乃「もう少し?」

「そう、頭を支えてる方の腕を、こう……動かすの」

見てて。という看護師

頭を支える手はゆっくりと動き、

赤ちゃんの頭が下手に動くようなこともなく

その腕自体を受け皿のようにして抱き込む

赤ちゃんは抱き方が変わったことなんて気が付いていないかのように、落ち着いている

天乃「……そんな動かし方しても平気なの?」

「大丈夫。ゆっくりでいいから、ね」

天乃「………」

最後の、動き

腕の中で嬉しそうな声を上げるわが子をじっと見つめて、

天乃は小さく息を吐く

胸のせいもあって、少し支え辛い

でも、赤ちゃんのための母乳をたくさん作るためだと考えれば、

要らない。とは言えない


993 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 19:08:16.40wcKdG0Rio (6/7)


そうっと、優しく慎重に

看護師がやっていたように、

赤ちゃんが動きに気づかないほどの些細な動き

天乃「………」

力が弱くなっていて、良かったと天乃は思う

弱いから、緊張してこわばっていても大した力が入っていない

赤ちゃんを支える程度の限りなく弱い力しかないのが功を奏している

天乃「私が、お母さんよ」

軽い

今の天乃でも本当に軽い

けれども、それはとてつもなく重い

柔らかな無垢の笑顔

掴もうと動く小さな手

座っているのなら膝も使えばいい

そんな考えなど浮かばないくらいに、手一杯

でも、愛らしくて、笑みは絶えない

天乃「……」

大切な仲間、力を分け与えてくれた悪五郎を思う心があるがゆえに、

笑みに交じって、涙は溢れてくる

「あぁぅ……」

天乃「っ」

小さな手が、伸びて胸元に落ちる

何度も何度も伸びて、でも、届かなくて胸に落ちていく

それが涙を拭おうとしてくれているのだと天乃は感じて

天乃「大丈夫、ありがとう」

可愛らしい優しさに、笑みを返した


994 ◆QhFDI08WfRWv2019/03/17(日) 19:13:58.41wcKdG0Rio (7/7)


【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十八輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1552817368/


次スレ
続きは次スレで行います


995以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 19:44:40.97yGDbVNyzO (2/2)

了解


996以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 23:07:54.43YPE39DlvO (1/5)

では埋めるか


997以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 23:08:38.78YPE39DlvO (2/5)

埋め


998以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 23:09:09.18YPE39DlvO (3/5)

埋め


999以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 23:09:35.54YPE39DlvO (4/5)

埋め


1000以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2019/03/17(日) 23:10:05.65YPE39DlvO (5/5)