403逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/07(月) 20:20:44.54RyAkT2Oz0 (3/4)

真宮寺「……もしかして竜牙兵を大量生産した時点でもう魔力的に限界だったのかな」

星「それでも一体仕留めるあたりは間違いなくサーヴァントだったんだろうけどな……」

星「来るぜ。赤松」

赤松「え? あ、そうか! 竜牙兵! 盾になって!」

ガシャンッ


ズドドドドドドンッ


赤松「うう! やっぱり骨の盾じゃちょっと頼りない!」

最原「……あれ。変だな。もうセミラミスさんはどざえもんになっちゃってるのに、なんでこっちに来ないんだろう」

天海「こっちに巌窟王さんがいると思い込んでるんじゃないっすか?」

赤松「それはちょっと考えられないかな。セミラミスさんはエグイサルの行動パターンを完全に読んでた!」

赤松「それが急に変わったってことは、この海の家に私たちが来たことを『誰か』が察知したからだよ!」

最原「その誰かがエグイサルのパターンを変更して僕たちを襲わせてる……うん。タイミングからしてほぼ間違いないかな」

天海「でもどこから!? どうやって!? 俺たちを見てるっていうんすか!?」

最原「……」

赤松「それも大事だけど、誰かセミラミスさん回収してくれない!? 沖にどんどん流されてるみたいだから!」

東条「投げ縄で引っ張るわね」ヒョイッ ガシッ

星「お前さん本当に万能だな」


404逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/07(月) 20:25:57.52RyAkT2Oz0 (4/4)

今日のところはここまで!


405以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/08(火) 09:45:39.65uNgZMvIQO (1/1)

>入間「睨むんじゃねぇよ! テメェ自分より弱いヤツと見るや否や急に強気になるの最低だぞぉ!」

そもそもこんな面倒なことになったのは元を辿れば誰のせいだと


406逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/08(火) 19:37:33.36Vdnar4It0 (1/4)

赤松「だ、ダメ。一体減った程度じゃ問題にならないよ……! エグイサルの数が多すぎる!」

入間「もうダメだぁ! おしまいだぁ!」

最原「……いや。大丈夫。理由は不明だけど相手はこっちに近づいてこないから」

最原「一発貰えば即死だけど、こうやって一所に集まって盾まで出していれば、そうそう簡単に死んだりしない」

最原「余程運が悪くなければ」

星「それなら死にそうだな。この場にいる俺たち全員、運が良いとは口が裂けても言えないだろう?」

最原「あっ」

赤松「だ、大丈夫だよ! 私たちの運が悪くとも、セミラミスさんはそうでもないから!」

東条「よい、しょっと……ふう。やっと引き上げることが……?」

赤松「セミラミスさん大分運がいいから、私たちの運の悪さも若干中和してくれると思うな! 多分」

セミラミス「」

東条(息してない……)ガタガタ

最原「巌窟王さんが来るまでだ! なんとか持ちこたえてくれ!」

天海「……ゴン太くん。今のうちにせめて装置の起動準備だけはしておい方がいいんじゃないっすか?」

獄原「うーん。結構コンパクトで操作も簡単だから、準備と言える準備はほとんどないんだけど」

最原「ついでだ。砲撃をやり過ごす以外にやることないし、今のうちに見せてくれるかな?」


407逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/08(火) 20:35:38.20Vdnar4It0 (2/4)

まるごしリップちゃん「」チマーンッ

最原「……何これ」

獄原「装置だって」

真宮寺「見た目ただのぬいぐるみなんだけど。こころなしかBBさんに似てない?」

獄原「起動スイッチを押すと視界に入ったものをすべて破壊。その後変形してウイルスを流し込み『世界を丸ごと改竄する』って書いてあるよ」

天海「説明書もあるんすか……」

獄原「胸の谷間のセーフティロックを外してから使用。右乳首が起動スイッチ。起動後二秒ジャストで破壊を開始。その後オートですべて片付く」

天海「悪趣味っすね……」

最原「……ええと。万が一のために緊急停止スイッチとかないか知りたいんだけど……」

獄原「左乳首だって」

入間「執拗に胸なんだな!? 胸だけでイけるもんなのか……!?」

セミラミス「ごほっごほっ」

東条(よかった。息を吹き返してくれた……!)




ドカァァァァンッ ガラガラガラッ



赤松「きゃあ!?」

最原「……やっぱり僕たち運が悪かったな。盾が粉々だ」

天海「くそ! こんなところで……!」シャキィィンッ

アマデウス斎藤「こんなところで終われるものかーーーッ!」ドォォォォンッ

最原「え? 何する気?」

アマデウス斎藤「知れたこと! セミラミスさん! ポンプを貸してくれっす!」

セミラミス「いいだろう。ところで貴様、その仮面どこかで見た気が……?」ヒョイッ

アマデウス斎藤「後は頼んだっすよ!」キラーンッ

アマデウス斎藤「行くぞオラああああああああああ!」スタコラーッ

最原「ええっ!?」

入間「アイツ追い詰められると本当何するかわかんねーなー」

真宮寺「アマデウス斎藤……勇敢だったネ……」ホロリ

最原「さっそく過去形で語らないでよ!」

セミラミス「……」






セミラミス「ところでヤツは『壊れた放水機』で一体何をしに行ったのだ? 自殺?」ハテ

赤松「天海くーーーん! カムバーーーーーック!」ガビーンッ


408逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/08(火) 20:43:01.64Vdnar4It0 (3/4)

アマデウス斎藤「目標発見! 発射ァァァァァァ!」カチッ

喋る放水機「」シーン

アマデウス斎藤「……?」カチッ カチッ

喋る放水機「」シーン

アマデウス斎藤「……」

エグイサル「……」カチリッ

天海(そのとき俺は悟ったのでした。ここで死ぬのだと。まあ囮になれただけマシだと考えよう。みんな俺のこと忘れないといいな……)


ドカァァァァァンッ



天海「……」

天海「う……あれ。死んでない……?」

巌窟王「遅れたな。天海」

天海「!」

巌窟王「帰るぞ。あの学園へ」


409逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/08(火) 20:51:37.07Vdnar4It0 (4/4)

今日のところはここまで!


410以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/08(火) 22:15:50.671XTaAMkP0 (1/1)

乙 

確かに最原と赤松筆頭にお世辞にも運がいいとは言えん面子だわなww


411以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/09(水) 15:10:51.14gc+oTehT0 (1/1)

まるごしリップちゃんという名前の響きが何かやらしいwwww


412逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:00:21.96gHyi1keV0 (1/6)

セミラミス「……ム。来たか。巌窟王の到着だな」

最原「天海くんは!?」

セミラミス「死んではいない。というか無傷だな」

赤松「よ、よかったー! セミラミスさん、壊れてたのなら早く言おうよ!」

セミラミス「言ったぞ。それより早く天海のヤツが駆けて行っただけのこと」

セミラミス「さて。時間はないぞ。セーフティくらいは解除しておいたらどうだ?」

獄原「うんわかった!」ドスッ

最原(どうでもいいけど胸凄くでかいな……)

獄原「セーフティは解除したよ! いつでも行ける!」


ギュンッ



巌窟王「クハハハハハハハハ!」

アンジー「みんなー!」

天海「うおおおおおおおお! 超早ぇーっす!」

赤松「巌窟王さん! こっちこっち! 早く!」

真宮寺「獄原くん! 右乳首を!」

獄原「うん!」

入間「え? 俺様の右乳首?」

真宮寺「違う!」

最原「ちょっと待って! 巌窟王さんには最後に言いたいことがある!」

獄原「それ今じゃないとダメなの!?」

最原「絶対にダメだッ!」

真宮寺「……?」


413逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:10:46.51gHyi1keV0 (2/6)

ザザーッ

巌窟王「よし。無事着地だ!」

アンジー「蘭太郎ー! 無事?」

天海「な、なんとか」ゼェゼェ

最原「巌窟王さん! 時間がない! 今すぐ聞いて欲しいことがある!」

巌窟王「ム?」

最原「これから何があっても絶対に僕を信じてくれ!」

巌窟王「……どういう意味だ? この状況で何を言って――」

最原「お願いだ! ここが『絶好のチャンス』かもしれないんだ!」

巌窟王「……」

巌窟王「いいだろう。意図はわからんが……貴様のこれまでの行動は俺の信頼を預けるに足る」

最原「よし! ゴン太くん! お願い!」

獄原「了解! みんな、ゴン太の後ろへ! 視界に入ったら巻き込まれるよ!」


ポチッ


天海(スイッチが入った! あと二秒……! これでこの世界は終わる!)

赤松(外に出て、白銀さんやモノクマの件を片付けて、今度こそ私たちは学園生活を終わらせる……!)

最原「……」


414逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:11:18.96gHyi1keV0 (3/6)

最原「……よっと」クルリッ

天海「ん?」

赤松「え?」

巌窟王「――」

獄原「え。最原くん? なんで人形をこっちに向け――」






最原「ごめんみんな」

全員(ええーーーーーーーッ!?)ガビビーンッ


415逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:17:27.69gHyi1keV0 (4/6)

天海「……!? ……!? ……!」

赤松「……」

赤松「あ、あれ……何も……起きない……?」

入間「」

東条「気絶してる……」

最原「ごめん。今のは嘘。直前で緊急停止スイッチを押したよ」

真宮寺「死ぬかと思ったヨ。本気で……」

セミラミス「……」ジャララッ

最原「……あと巌窟王さん。ありがとう。セミラミスさんと、あなたの存在が本当に不安だったんだ」

最原「だってコンマ数秒でも僕の首を刎ねて装置の角度を元に戻す程度、充分に可能だろうからさ。実際セミラミスさん僕を殺そうとしたみたいだし」

巌窟王「コイツの鎖を阻止するのに無駄に魔力を使ったぞ」

巌窟王「それで? 何のつもりだ。最原」

最原「後ろを見て。あなたに見せたいものがそこにある」

巌窟王「……?」クルリッ

巌窟王「……そう、か。最原、お前は――」



ギュンッ



赤松(瞬間、目を見開いた巌窟王さんは海へと跳躍した。なにかに向かって一気に)


416逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:26:45.49gHyi1keV0 (5/6)

最原「状況から考えてモノクマがこの世界に来ていることはほぼ確定だ」

最原「でも、モノクマはどうやって外に出るつもりだったんだろう。だって『アルターエゴが出入り口』なんだよ?」

最原「破壊されたら外に出られないよね?」

東条「!」

東条「……そう、か。そういうことね。最原くん、あなた本当に意地が悪いわ」

天海「え? どういうことっすか? 一体なにが……」

天海「――!」

最原「ここに来た時点で、モノクマが想定していた脱出方法は二つ。アルターエゴを修繕することか、新世界プログラムを破壊すること」

最原「モノクマはBBさんと協力して後者の手段を取った……情報も徹底的に共有していたはずだ」

最原「脱出不可能のモノクマ。BBさんの破壊装置。結託した両者。このファクターが示す答えはたった一つしかない」

巌窟王「……自分が消えると思って焦ったか? 『あぶく』が見えたぞ」ボォウッ






最原「モノクマがいるのは僕たちの後ろ――夜の海面の下だ!」



ドカァァァァァァンッ



モノクマ「うおおおおわああああああああ!?」ザパァァァンッ

巌窟王「どこにも行かせはしない。校則ももはや存在しない」

巌窟王「待ちわびたぞ! 貴様をここで、処断する!」


417逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/09(水) 21:28:10.71gHyi1keV0 (6/6)

今日のところはここまで!


418逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/10(木) 21:57:45.87GFB2a6SX0 (1/4)

巌窟王「ああ! ああ! 血液が沸騰するかのようだ! 興奮のあまり眩暈がするぞ!」ブンッ

モノクマ「ふん」ガインッ

セミラミス「……やはりこの世界では強いな。あのクマは。こともなげに巌窟王の攻撃を防いだぞ」

巌窟王「覚えているか! いや覚えているだろうとも! 俺は前に間違いなくこう言ったはずだ!」




巌窟王『……ああ。そうだ。言い忘れていたぞ、モノクマ』

巌窟王『先ほど俺が言った許しに必要な痛み云々は、あくまで一般論だ』

モノクマ『?』

巌窟王『俺は何も許さない。復讐者だからな』

巌窟王『だが憎しみの対象を見誤るような蒙昧でもない!』

巌窟王『俺が赤松から受けた痛み……東条から受けた痛み……!』

巌窟王『そのすべてを、何倍にもして貴様に返してやろう! 必ずな?』






巌窟王「今がそのときだ。いや……そのときとは違って、上乗せする痛みがかなり増えたな」

巌窟王「せいぜい楽しめ。いつものように笑ってみせろ! 笑えるものならなァ!」ギンッ

モノクマ「悪いんだけどボクもこんなところで破壊されるわけにはいかないんだよね!」

モノクマ「校則がないのなら結構。ボクもそろそろ、キミを本格排除するよ」ギランッ


ブワッ


ドドドドドドドッ


419逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/10(木) 22:20:00.41GFB2a6SX0 (2/4)

最原「……何あれ!?」

セミラミス「なんだ。目で追うことすらできんのか。いや流石に我もアレにはついていけんがな」

セミラミス「あのクマやはり我とやっていたときは本気の半分も出していなかったな」

天海(セミラミスさんの言う通り、目にもとまらぬ速さの応酬。どっちが優勢なのかすらも判別できない)

天海(どちらも俺たちにとって人知を超えたものだった。今更それを実感する)

セミラミス「……む。あれは……巌窟王の劣勢だな。分が悪すぎる」

天海「そんな!」

赤松「な、なんとかできない!? モノクマを見つけたせいか、もうエグイサルの砲撃もなくなったみたいだしさ!」

赤松「なんかないの、セミラミスさん! さっきまでは色々出してたじゃない!」

セミラミス「このクラッカーしかないな」ヒョイッ

赤松「どんな効果が?」

セミラミス「糸を引くと『もう無理』と書かれた紙と色鮮やかなテープが飛散する。綺麗だぞ」

クラッカー「お手上げ」パァンッ

赤松「お手上げって書いてあるけど!?」ガビーンッ

セミラミス「似たような意味であろう? これで最後だ。もう我に期待できるものなど何もないぞ」

東条「……ここまでなの?」


420逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/10(木) 22:39:18.23GFB2a6SX0 (3/4)

セミラミス「ただ……巌窟王の方も本気を出しておらぬな。一体なにを遊んでおる。本気を出せば互角以上に渡り合えようが」

真宮寺「そうか。アンジーさんの身を案じてセーブしてるんだネ」

アンジー「むー」

最原「……くそ! 何か……何かないのか。絶好のチャンスなのに!」

セミラミス「聖杯を使えばよいのではないか?」

東条「聖杯?」

入間「テメェ今なんつった!?」ガバリッ

赤松「きゃあ!? よみがえった!」ガビーンッ

入間「聖杯!? 聖杯がここにあんのか!? 嘘だろ!?」キョロキョロ

最原「あ。そういえば英霊とは切っても切り離せないものって言ってたね……」

セミラミス「左様。あれを使えばモノクマの動きを制限する程度は可能であろうさ」

セミラミス「ただまあ残念ながら、願いを叶えられるのは『所有権』を持つ者だけだがな。我はもう譲渡したから使えんぞ」

入間「譲渡? 誰に?」

セミラミス「それ以前に入間。貴様確か言っておったな?」

入間「ん?」



入間『ヒャハハ! まっさかー! こんな場所に本物の聖杯があるわけねぇだろ!』ケラケラ

入間『もしこれが本物だったら俺様、ダサイ原の目の前でストリップしてやるぜ!』




入間「……」

入間「……ふえ?」

最原「あ……ま、まさか。聖杯って……!」

真宮寺「うん。実は『アレ』なんだよネ……最原くんが気持ち悪いって言ってたあのコップ」ズーン

セミラミス「脱げ。そら脱げ。今すぐ脱げ」ニヤニヤ

入間「くっ……殺せ……」ヌギヌギ

赤松「脱がなくていいよッ! セミラミスさんも意地悪しないの!」

セミラミス「……」ムクー

最原「聖杯って確か、願いが叶うとかいうあの?」

セミラミス「流石にそこまで万能ではないぞ。だとしたら『脱出したい』とでも願えばすぐ終わりだからな」

セミラミス「いいか。よく聞け。ここから先が、逆転の一手だ」


421逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/10(木) 22:42:57.99GFB2a6SX0 (4/4)

今日のところはここまで!


422以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/11(金) 19:00:08.79jrMK6Xa70 (1/1)

冬木の聖杯はアヴェンジャー呼んだせいで汚染されてるんだっけ?そうだとしたらこの世界の聖杯も碌な叶え方しないんじゃ…


423逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/11(金) 19:18:47.28xWmovjlF0 (1/2)

セミラミス「まず聖杯の所有権を持った最原がモノクマの半径5mに入る。聖杯に『ヤツを止めてくれ』と願う」

セミラミス「以上」フンス

赤松「以上じゃないよ! あの暴力の嵐に5mまで近づいたらミンチになっちゃうよ!」

入間「いかにも『どうだいい作戦だろう』って顔で話しやがって腹立つなぁ」

最原「というか近づかなきゃダメなの?」

セミラミス「ダメだ。その聖杯の特徴として『かなり身近でかつ他人の権利を侵害する願い』しか実現しないからな」

入間「それ聖杯か? 万能が聞いて呆れるぜ」

セミラミス「『その権能が本物である限りは真贋など些細なこと』が聖杯への暗黙のルール……という節はあるな。我のは流石に粗悪品だが」

セミラミス「で。本当にやらぬのか?」

最原「……天海くん」

天海「ん。なんすか?」

最原「僕に怒った割にはさっきエグイサルに突っ込んで行ったよね」

天海「ああ。あれ。心配させて悪かったっすけど、俺のあれと最原くんのそれは別モンっすよ」

天海「だって俺は100%大丈夫だと思って行ったっすからね!」ズギャァァァァンッ!

真宮寺「バカだヨ。百田くんに匹敵するレベルのポジティブバカがここにいるヨ」

天海「……一度やってみてわかったっすけど。やっぱ怖かったっすね。死ぬかと思ったっす」

天海「全然楽しくなかったし」

最原「だろうね……」

最原「……」







最原「一緒にやる?」

天海「ナイスアイディア!」グッ


424逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/11(金) 19:33:27.26xWmovjlF0 (2/2)

ちょっと安室の女になりに行くので中断っす


425以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/11(金) 21:30:05.830zxy9Ywc0 (1/1)

冬木聖杯でアンリマユを呼んだからアウトだったわけで、巌窟王なら別に問題ないのでは?(てきとう)


426逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 22:02:28.702UZ95sKV0 (1/6)

巌窟王「……ちっ!」ガインッ

モノクマ「どうしたの? 白銀さんを破壊したときみたいに分身しないの?」ニヤニヤ

巌窟王「クハハ! 貴様相手にあんな大技を使うまでもない!」

巌窟王(嘘だ。できるものならとっくにやっている)

巌窟王(このままだと遠からず返り討ちだな。何か手はないか……)

モノクマ「うぷ?」

巌窟王「!」

最原「5mって割と広いよね。どうにか無傷で近づけたりしないかな……」スタスタ

天海「無理っすね。無傷では」スタスタ

最原「だよね……でも」

天海「ええ。一人きりじゃなく、仲間と一緒なら……きっと!」

巌窟王(天海と最原が近づいてくる。なんのつもりだ?)

アンジー(聞こえるー?)

巌窟王(……アンジーか。念話なぞどこで習った?)

アンジー(このお姉さんがぶっつけ本番でやれ。さもなくば殺すって……)

巌窟王(セミラミスは後で細断するとして、何の用だ?)

アンジー(終一の半径5m以内にモノクマを誘導して。魔力をちょっと多めに持って行ってもいいから)

アンジー(補助は蘭太郎がする手筈になってるよー!)

巌窟王(……信じていいのだな? 最原のことも。天海のことも。アンジー、お前のことも、すべて)

アンジー(うん)

巌窟王「……」

巌窟王「嘘だ」

モノクマ「へ? 今なんか言った?」

巌窟王「モノクマ。貴様にも少しだけ見せてやろう。この俺の宝具を……!」ボォウッ!

モノクマ「!」


427逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 22:24:00.452UZ95sKV0 (2/6)

巌窟王「宝具、解放……! 虎よ、煌々と燃え盛れ――!」


ドカァァァァァンッ!


入間「出た! 巌窟王の宝具だ! 手負いのアンジーの魔力供給でどこまでやれるか不安だが……!」

セミラミス「ふむ。分身そのものは上手く行ったようだな」

真宮寺「……ん?」

東条「ちょっと待って。セミラミスさん。本当に上手く行ってるの? 何か様子がおかしいわ」

モノクマ「……!」

巌窟王「行くぞモノクマ! 貴様に恩讐の彼方、その片鱗を見せてやろう!」ギンッ

ちいさいがんくつおう「くはははははははは!」ケラケラ

モノクマ「」





セミラミス「分身『は』上手くいっておるぞ。小さいが」

真宮寺「明らかに不完全だーーーッ!」ガビーンッ


428逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 22:33:29.962UZ95sKV0 (3/6)

モノクマ「うぷ……うぷぷぷぷ……アーッハッハッハ! あー、面白いジョークを見せてもらったよ!」

モノクマ「でも期待外れだったかな。この局面でそんなおふざけをするなんてさ!」バッ

ちいさいがんくつおう「!」

モノクマ「よいこは永遠にねんねしなー!」ギャランッ

赤松「だ、ダメ! 小さい巌窟王さんが危ない!」

東条「巌窟王さんッ!」

モノクマ「食らえーーーッ!」






ちいさいがんくつおう「ふんっ!」バキィッ

モノクマ「ぎゃああああああああああ!」ゲフウッ

赤松「小さい巌窟王さんが撃退したーーーッ!?」ガビーンッ

ちいさいがんくつおう「なめるな。こんななりでも、おれはおれだぞ」ぎんっ

セミラミス「可愛くないガキだ」

真宮寺「でも見た目よりは遥かに頼りになるヨ!」

モノクマ「くっ……でも分身が一人だけなら……」

巌窟王「当然まだいるぞ」ブンッ ブンッ ブンッ

ちいさいがんくつおう2「くはは!」バキィッ

ちいさいがんくつおう3「それでいい」バキィッ

ちいさいがんくつおう4「じひなどいらぬ!」バキィッ

モノクマ「げふっ! ごはっ! うぎゃあーーーッ!」

赤松「巌窟王さんが小さい巌窟王さんを容赦なく投げつけてるーーーッ!」ガビーンッ

アンジー「自分にも厳しい人なんだー」

赤松「厳しすぎだよ! 限度があるよ!」


429逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 22:46:42.092UZ95sKV0 (4/6)

アンジー「……う、ぐ。やっぱりちょっとキツイ、なー……」

赤松「アンジーさん!」

巌窟王「!」ピクッ

アンジー「止まらないで! もう振り返らなくていいからッ!」

巌窟王「……」

巌窟王「アンジーが命を賭けて作った機会だ。俺はそれを全力で活かすのみ!」ブンッ ブンッ ブンッ

ちいさいがんくつおう5「こっかいすることはあるか!」バキッ

ちいさいがんくつおう6「めるせです!」バキッ

ちいさいがんくつおう7「ぜああっ!」バキッ

モノクマ「うおおおおおおおおおお!」

巌窟王「……!」スカッ

モノクマ「……う、うぷぷ! 弾切れみたいだね! 一度投げつけた巌窟王さんは一発攻撃するのが限度! それ以降はしばらく動けなくなるみたいだし!」

ちいさいがんくつおう2「ばかな……ばかな……」ゼェゼェ

巌窟王「……!」ガシッ

巌窟王「まだ一人残ってたぞ!」ブンッ

星「クールに行くぜ」バキィッ

モノクマ「ぐあああああああああああ!?」

赤松「それ分身じゃなくって星くんーーー!」ガビーンッ!


430逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 23:16:13.952UZ95sKV0 (5/6)

星「結構体に負荷がかかったな」フウ

セミラミス「最原ではなく貴様が聖杯を手にしていたのならば今ので勝負はついていたな」

巌窟王「今度は俺が行くぞ!」ダッ

モノクマ「まだだよ! まだボクが負けるわけには……!」ザッ

巌窟王(よし。いいぞ。後何歩か後ずされば充分だろう!)

巌窟王「分身が疲弊している間は俺が相手になろう!」ズドドドドドドッ

モノクマ「キミ一人だけなら充分対応可能なんだよ! というかボクの方が三割増しで強い!」ドガガガッ!

ブシュウッ!

巌窟王(攻撃する度に腕が爪で引き裂かれる……! 長時間は無理なのは俺も同じか!)

巌窟王(だがあと少しでいい! あと少し追い込む!)

巌窟王(痛みがなんだ? 限界がどうした? それがアイツらへの信頼を捨てる理由となるか!)

巌窟王(そんな小器用なマネができるのなら、俺は復讐鬼などに堕ちてはいないだろう!)

モノクマ「……ちぇ。何を企んでるのかは知らないけどさ。こっちも簡単に負けてあげるわけにはいかないんだよね」

巌窟王「なんだと?」

モノクマ「エグイサル」



ドシュウウウッ!



巌窟王「……?」

巌窟王(何の音……?)

巌窟王「ッ!」ゾワッ



ドドドドドンッ!



巌窟王(エグイサルの砲撃が再開した!?)

モノクマ「御覧の通りお粗末な命中率だけど……キミに当たるときはボクにも当たっちゃうけど」

モノクマ「でもまあいいや。ここまで追い込まれちゃったし」

巌窟王「貴様ァ!」

モノクマ「勝負を降りて逃げちゃえば? 深追いはしないよ」

巌窟王「クハ……クハハハハハハ! そんなマネが、今更できるとでも!? 続行だ!」ギンッ

モノクマ「だろうね」ニヤァ

巌窟王(当たる前にケリを付ける……!)


431逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/12(土) 23:17:39.592UZ95sKV0 (6/6)

今日のところはここまで!


432逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:00:44.03DOSZdjQS0 (1/6)

天海「まずいっすよこれ! このままだと俺たちもエグイサルの砲撃に巻き込まれ――!」

最原「それは大丈夫そうだ。あのエグイサルたちどうも大雑把な命令しかできないみたい。巌窟王さんの方『だけ』を狙ってる」

天海「……長期戦はまずいっすよね。巌窟王さんが一発でも食らったらおそらくその時点でアウトっす」

天海「クソッ! 俺たちにできることはないんすか!」

最原「ない!」

天海「ないの!?」ガビーンッ

最原「これ以上はもうない! ないことを知って、この場で待つしかない!」

最原「……ないんだよ……!」

ちいさいがんくつおう「そうだ。それでいい」ゼェゼェ

最原「ん? あ! 巌窟王さんいつの間に!?」

ちいさいがんくつおう「おれがきりひらく。おまえたちは……はしれ!」

ちいさいがんくつおう「あまみ。『たて』がふたりなら、かせげる距離はのびるだろう?」

天海「……!」

天海「なんだ。気付いてたんすね」







赤松「……」キョロキョロ

獄原「赤松さん? どうかしたの?」

赤松「……さっきのゴタゴタで慌ててたから全然気にしてなかったけどさ。BBさんはどこ?」

東条「モノクマと一緒に海面の下に……というわけでもなさそうね」

真宮寺「……ん。いや。いたかもしれない」


433逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:07:36.17DOSZdjQS0 (2/6)

「モノクマさん。流石にこれはやり過ぎですよ」

モノクマ「!」


ガチンッ


巌窟王「砲撃が止んだ?」

モノクマ「オマエ……!」

「あなたを外の世界に出すというところまでは合意しました。でもその前にバレちゃったのなら仕方ないのでは?」

モノクマ「……ッ!」ギリィッ

「あと、ちょっと騒がしいです。このまま全部終わるまで静かにしていようと思ってたのに」

モノクマ「だからって――!」

巌窟王「うおおおおおおおおおおお!」ガンッ

モノクマ「げほおっ!」

巌窟王「最原! 天海! 来いッ!」

巌窟王「もう充分だろう! 走れば届く!」

モノクマ「!」

天海「――!」ダッ

最原「届け……!」ダッ


434逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:19:27.74DOSZdjQS0 (3/6)

モノクマ(何をする気……!? 何をすれば対策になる!?)

モノクマ(いや、そんなの決まってる! とにかく逃げる! 逃げて逃げて逃げて――! 遠くからまたエグイサルを量産して!)

ガシッ

巌窟王「どこにも行かせはしない!」

モノクマ「オマエーーー!」

モノクマ(じゃあどうする!? 生徒の方を吹き飛ばす?)

モノクマ(いや、もうどんな結末が待っていようと、ボクはそれをするしかない! だってボクは『モノクマ』なんだから!)カチリッ

モノクマ「飛び道具ならボクだって持ってるんだよ! 拘束されてても撃てる! 消えてなくなれーーーッ!」ドシュウウウウッ

ドカァァァァァンッ

ちいさいがんくつおう「ぐ、はっ……!」

最原「……!」ダッ

モノクマ(分身が盾に……! 最原くんはまだこっちに来てる!)

モノクマ(でももう一発撃てば……!)カチリッ

天海「撃ってみろおおおおおおおおおおおッ!」

モノクマ「くっ……うおおおおおおおおお!」ドシュウウウウッ



ドカァァァァンッ


天海「が……っ!」

モノクマ「くそ! このために……このために天海くんが同行してたのか! くそっ! くそっ! もう一発……!」カチリッ

天海「……」

天海(いや。もう……次の一発はないんすよ!)








最原「お願いだ聖杯よ! モノクマを止めてくれ!」

モノクマ「ッ!」ガキンッ!

モノクマ「え? え? あれ? な、なんで動けな――!」ジタバタ

最原「はあっ……はあっ……!」

モノクマ「最原くん! ボクに一体なにを……!」

巌窟王「動けない、のだな?」

モノクマ「え」

巌窟王「……く、クハハ……苦労をかけさせてくれる。だがこれで……俺たちの勝ちだ」ニヤァ

モノクマ「あ」


435逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:28:56.88DOSZdjQS0 (4/6)

巌窟王「エグイサルよりは攻撃力がないな。分身も紛れもなく俺自身故に、今の一撃のフィードバックは当然ある」

巌窟王「……だからわかる。天海はセミラミスの治療で延命できる。その間に外の世界に出れば、問題はこの世界と共に立ち消えだ……!」ボォウッ

モノクマ「あ、あ、あう。あわわわわ……!」

巌窟王「これで……終わりだあああああああああああッ!」ブンッ





バコォォォォォォンッ!



モノクマ「ぐあっはーーーーーーーッ!」メキィィィッ!

巌窟王「はあっ……はあっ……はあっ……!」

最原(巌窟王さんは息も絶え絶え。体中から夥しい量の血も出ている)

最原(それでも彼は――笑った。笑っていた)

巌窟王「うおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

最原(勝利に酔いしれるように空に叫び、そして……)

バタリッ

最原「……巌窟王さんっ!」

最原(そのまま真後ろに倒れた)

最原(……何か、大事なものが途切れたかのように……)


436逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:40:30.33DOSZdjQS0 (5/6)

赤松「や……やったの……?」

真宮寺「……モノクマは動かない、ネ。エグイサルも沈黙してる」

獄原「勝った……モノクマに勝ったんだ! 巌窟王さんが! 最原くんが! みんなが……!」

アンジー「う……!」


バタリッ


赤松「あっ! アンジーさん!」

セミラミス「……そろそろまずいな。これは。外の世界に出て根本的な治療をしなければ死ぬぞ。無茶のしすぎだ」

東条「……長居は無用ね。早く外に出ないと……」

東条「最原くん! 巌窟王さんをこちらに運んでこれる? 天海くんは私がなんとかするわ!」

最原「……」

東条「……最原くん?」

巌窟王「もう、無理のようだな」

最原「……巌窟王さん……?」

巌窟王「……俺はここまでだ。お前たちだけで先に進め」スウッ

赤松「え……」

最原「……体が、透けて……!」

赤松「え。え……? 嘘、でしょ。なんで!?」

入間「あのバカ……ダメージを貰いすぎたんだ! 限界とっくに越えちまってたのかよ!」

入間(いや。違う。そんなこと今更考えるまでもなかった! そもそも五体が回復したあの時点でアイツの体のほとんどはハリボテに等しかったんだ!)

最原「そんな……まだだよ。まだ僕たちは勝ってない! こんなところで終わっちゃダメだよ!」

巌窟王「俺とてお前たちのことを道半ばで見送るようなマネはしたくない。だが……どうもこれは詰みのようだな」スウッ

巌窟王(クソ……せめて……せめてアンジーに別れを告げる程度の余裕を許してはもらえないものか。神よ……!)

巌窟王(俺は……俺は……!)







BB「あーあ。仕方ないなー。巌窟王さんは」

巌窟王「……」

最原「BB、さん……?」

BB「……ふふっ。まあ、暇してたんです。どうやって終わろうか、悩んでたところですし」

BB「仕方ないですね。ちょっと命懸けで、あなたのことを助けちゃおうかな?」キャルンッ


437逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/13(日) 23:41:40.67DOSZdjQS0 (6/6)

今日のところはここまで!


438以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/13(日) 23:53:19.73F8G7K/mn0 (1/1)

注射する?


439以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/14(月) 19:34:07.80jEwXkw6g0 (1/1)

それトドメにならない?そもそもあれがどういう宝具なのか知らないけど


440逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 19:40:48.23qd34pJpT0 (1/6)

最原「……BBさん。あなたは一体、何がしたかったの?」

最原「僕たちのことを貶めたり、かと思えば最初からそんなことなかったかのように助けに入ったり……」

BB「あら。わかりません?」

最原「考えられるのは『予定の前倒し』だけど……だからってよりにもよってモノクマと手を組む? それも即断即決で」

BB「そこまでわかってるのならもう何一つとして必要ないでしょうに」

最原「BBさんの本音を聞いてない」

BB「……」

BB「治療、開始します。時間がないので」

巌窟王「BB……!」

BB「C(クライマックス)……」

BB「C.C.C.(カースド・キューピッド・クレンザー)!」キュィィィィンッ

巌窟王「うぐ……ぐおおおおおおおお……ッ!」


バキンッ


最原「……何の音……?」

最原「あ!」

BB「ありったけを注いであげます! だから巌窟王さん! もう一回立ち上がって!」

BB「まだ何も終わってない!」

巌窟王「ぐあああああああああああああっ!」


441逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 21:08:03.27qd34pJpT0 (2/6)

シュウウウ

巌窟王「ぐ……が……!」

BB「荒療治ですけどね。元のハリボテ状態に戻してあげましたよ。根本治療はもう無理です」

BB「最後の最後まで幻肢痛を抱えて戦ってください」

巌窟王「……BB!」

赤松「あ……やった! やった! 巌窟王さん、生きてる! よかったぁ!」

最原「……」

赤松「……あ、れ。なんか……空気が重い」

赤松(なにかがおかしい。胃にずっしりと来るような悪寒が消えない)

赤松(……どうして? 巌窟王さんは元に戻ったのに?)

セミラミス「……ああ。まったく。こういう光景を見せたくないから我に任せたのだろう?」

セミラミス「バカ者め」

赤松「セミラミスさん?」

セミラミス「我は天海の延命治療を行う。貴様らは……まあ、無用ならあまり見てやるな」

セミラミス「情けくらいかけてやれ」

赤松「なんのことを言って――!」


バキンッ


赤松(……BBさんが手から何かを落とした。それは砂浜にポトリと落ちる)

赤松(あれ? 何を持ってたんだろう? 何を持って……何を右手に持っ……て……)

赤松「……」

赤松「右手がない」

セミラミス「カエデ。もうやめろ。見なくていい」

赤松「セミラミスさん……あれ一体、どういう……」ガタガタ

セミラミス「ヤツはここで終わりだ。ただそれだけだ」

赤松「――!」


442逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 21:18:48.30qd34pJpT0 (3/6)

BB「……うん。まあ、いいんじゃないですか。こっちの方が終わり方としては綺麗かもしれませんね」

最原「なんで……!? なんで壊れかけてるの!? どうして!?」

BB「リソース全部注ぎ込む勢いで巌窟王さんを治療したので。三日分のリソースじゃあこれが限界かぁ……安っぽいなぁ」

最原「なんのことを言ってるのかわからないよ! ねえ、巌窟王さん!」

巌窟王「……コイツは元からこの世界と共に消えるつもりだったのだ」

最原「は?」

巌窟王「……コイツはBB本人が作ったコピーだ。本体に近しい力を持つが、その代わりこの世界でしか存在できない」

巌窟王「放っておいても魔力切れで三日で事切れる『消耗品のBB』なのさ」

最原「なに……え? ちょっと待ってよ! 仮にコピーだったとしても『この場で消えるBBさん』はどうなるの!?」

最原「どこかに保存されたり、帰還したりは……」

巌窟王「しない。消耗品だぞ。人格はオリジナルのそれそのものだが……ここで終わりだ」

BB「ま、そういうことです」

最原「……こんな……こんなことって! 待ってよ! 才囚学園の生徒全員はみんな死んでないんだ!」

最原「最後の最後まで誰も欠けずに行けると思ったのに! こんなの!」

BB「『BBという存在』が消えたりはしませんよ。かと言って、おそらくもう二度と会えないでしょうが」

BB「私を作った代償に、オリジナルのBBは三日間一切の行動が取れないので」


バキンッ ドサァッ


BB「あ、今度は随分大きくヒビ入ったなぁ。左肩が全損」

最原「……!」


443逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 21:32:28.29qd34pJpT0 (4/6)

BB「後のことはモノクマさんから聞けばいいと思います。私たちの計画を途中で看破したんです」

BB「その程度なら……できるでしょう? ね?」

BB「私の口から言うのは取引しちゃった以上、できないので」

最原「待って! 何か考えるから……! こんなところで消えないでよ!」

赤松「……セミラミスさん。なんとかできない!?」

セミラミス「……」

赤松「そんな……!」

BB「……セミラミスさん。ありがとうございました。生徒のみなさんをここまで連れてきてくれて」

赤松「!」

最原「……」



セミラミス『この中に、BBに何かを託された者はいるか?』

獄原『あ、えと。ゴン太が色々と貰ってるけど』

セミラミス『そうか。ならばさっさとそれを使え』

獄原『……え?』

セミラミス『BBに『待っていろ』とでも言われたか? 安心しろ。この状況を想定できないヤツではないからな』



最原「全部方便だ……!」

赤松「え」

東条「……そうね。今から思い返せば……」




セミラミス『さて。時間はないぞ。セーフティくらいは解除しておいたらどうだ?』




赤松「……気付いてたんだ……セミラミスさんは、最初から……!」




セミラミス『む? 何を……そういえば貴様。巌窟王と違ってレイシフトしてるわけでもないのに、この魔力はどこから――』

BB『……』

セミラミス『――そう、か。ふむ』

セミラミス『いいだろう。行くぞカエデ。巌窟王のところまで送っていく』

赤松『へ? あ、あれ? モノクマは?』

セミラミス『BBだけで充分だ。行くぞ』

セミラミス『……安心しろ。あやつもすぐに来よう。我の二の舞は踏むまいさ』




赤松「こうなることに全部気付いてて……!」

セミラミス「八つ当たりはやめよ。我とて無用な犠牲は出したくなかった」

セミラミス「だがこれはどうしようもないであろう。流石に」

セミラミス「『最初からそのように作られたもの』の運命を捻じ曲げるのは容易ではない。我らには時間も余裕もなかったのだ」

セミラミス「第一本人がそれで納得しておる。これではハナから無理であろう」

赤松「う……!」


444逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 21:46:28.62qd34pJpT0 (5/6)

BB「最原さんが余計なことさえしなければ私も、破壊に巻き込まれてサッパリ消える予定だったんですけどねぇ」

最原「……」

BB「あははっ! 顔真っ青ですよ! いや、今のは冗談です。忘れてください!」ケラケラ

BB「……そうだなぁ。モノクマさんからの口からでも聞かせられないこと、今のうちに私の口から言っちゃいましょうか。その程度の特典はあるべきですし」

BB「私がモノクマさんについた理由は『取引の内容があまりにも美味すぎたから』ですよ」

最原「……美味すぎた……?」

BB「それ聞いて思ったんですよねー。『あ、コイツら生徒たちに勝つ気ねーな』って」

最原「!」

BB「……それだけです。後は万が一の罠の可能性も考えて、ここでサッパリ消えてしまった方が後腐れなく、面倒ごとも少なそうだなと思ったので」

BB「モノクマさんから聞けば後から意味はわかると思いますよ」

バキンッ

BB「そろそろ……限界ですね」

最原「BBさん……!」

BB「……楽しかったですよ。あなたたちをサポートしていた時間は。とっても」

BB「巌窟王さん。ハリボテ以外にも一つプレゼントがありますので。期待しててくださいね」

BB「……バトンタッチです。後は任せました」ニコリ


ビシィッ!  ガシャァァァァンッ!


巌窟王「……BB」

最原(BBさんは粉々になった)

最原(……僕たちの仲間が……僕たちの目の前で、死んだ)

最原(後に残ったのは、決定的な無力感。そしてそれを一生忘れることができないという絶望)

最原(……BBさんが残した一縷の希望だけだった)


445逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/14(月) 21:49:01.63qd34pJpT0 (6/6)

今日のところはここまで!


446逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/15(火) 22:23:53.28DkW1/CiY0 (1/4)

最原「……」

最原(BBさんの破片はどこかへ消えた。風にさらわれたのか、空気に溶けて消えたのかはもうわからない)

最原(多くの謎を残したまま、僕たちに一方的に様々なものを託して逝ってしまった……)

セミラミス「……天海。我がここにいて助かったな? 自らの幸運と我に感謝するがいい」

天海「ああ……本当によかったっす。胸に入れていたこのアマデウスの仮面が、モノクマの砲弾から俺を守ってくれた……」

アマデウスの仮面「」キラーンッ

赤松「なんてベタな……ん? あれ。でもこれ綺麗じゃない?」

赤松「天海くんの盾になって着弾してたのならもっと傷ついてるはずだけど」

天海「」チーン

セミラミス「バカ者がッ! 瀕死の者の『自分は助かる』という思い込みを折るな! 本当に死ぬぞ!」

赤松「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいーーーッ!」

セミラミス「まあそれでも助けるがな。三十分くらいは余裕で持つであろう」

東条「……アンジーさんの治療……というより経過観察だけど。こちらも気を失っただけ。三十分以内に出るのなら問題はないわ」

巌窟王「そうか」ホッ

セミラミス「くくく。貴様やはりマスターには随分と素直なのだなぁ。犬の尻尾が見えるかのようだぞ?」

巌窟王「元マスターに対しての思いを未だに募らせている貴様ほどではない」

セミラミス「やるか? やるか? ん?」ジャララッ

巌窟王「望むところだ!」ボォウッ

赤松「余計な消耗になるからやめてよ!」

星「コイツら本当に大人気ないな……」


447逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/15(火) 22:42:12.45DkW1/CiY0 (2/4)

赤松「三十分は時間があるんだね……」

赤松「……最原くん。大丈夫?」

最原「あまり大丈夫じゃないよ」

赤松「そっか。私もあまり気分はよくないかな」

赤松「……月が綺麗だなぁ。こんなときピアノがあったらいいのに。ドビュッシーの月の光みたいな綺麗な曲」

最原「はは。ちょっとした鎮魂歌代わりにもなるかもね。超高校級のピアニストの曲なら充分すぎる」

最原「……誰も死なせたくなかったな……」

赤松「最原くん……」

セミラミス「……」

セミラミス「巌窟王。超高校級とは?」ハテ

巌窟王「貴様、本当に今まで『ノリと興味だけ』でコイツらを助けてたのか……」

真宮寺「要は高校生の中ではとびきりずば抜けてピアノが上手いんだヨ。赤松さんは」

セミラミス「ほう。余興にはちょうどいいかもしれぬな。我も聞いてみたい」

赤松「うん。外に出れたらきっと……」

入間「出られねーだろ。セミラミスも」

赤松「あ」

セミラミス「……」

入間「ここまで嘘だらけだったからな。どうせ自分の生存について訊かれたときの『何とかなる』って言葉も嘘だったんだろ?」

セミラミス「ふん」

巌窟王「セミラミス……」

セミラミス「なんだその顔は。同情などするな。我はやりたいようにやった。BBと同じようにな」

セミラミス「……同情される余地などどこにある?」ニヤァ

赤松「……」


448逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/15(火) 22:53:49.72DkW1/CiY0 (3/4)

赤松「いいなぁ。そういうの。格好いい」

セミラミス「……良い子はマネしちゃいけません、というのだったか。こういうときは」

セミラミス「ふむ。だが……ふむ。ふむ」ナデナデ

赤松「ひゃわっ!? 頭撫でないでよ!」

セミラミス「ははは! なるほど! 巌窟王の気持ちもわかる!」

セミラミス「これはハマるな! 中々楽しいぞ、未完でなんの覚悟もできてない子供が成長していく様を見るのは!」

巌窟王「……」イラッ

セミラミス「そうだな。万が一、我と貴様らがもう一度会うようなことがあれば、だ」

セミラミス「そのときはゆっくりと聞かせろ。カエデのピアノをな」

赤松「……うん。約束だよ」

赤松「約束……だから……!」ポロッ

獄原「それじゃあ改めて、破壊装置の起動を……」

最原「待って。まだやれることがある。三十分はあるんでしょ?」

獄原「え?」

最原「……モノクマへの尋問が終わってない」

モノクマ「」チーン

東条「……相手はモノクマよ? なにをしても有用な情報は吐かないと思うけど」

最原「寝るな」キィィィンッ

モノクマ「ぎゃあっはああああああ!」ビリビリビリッ

真宮寺「!」

最原「……大丈夫。嘘は吐かせないよ」

最原「聖杯で全部吐かせてやる……!」ギンッ


449逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/15(火) 22:54:50.60DkW1/CiY0 (4/4)

今日のところはここまで!


450以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/16(水) 00:04:51.54vaR0vcvao (1/1)


最原がS原さんに…


451逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/16(水) 21:33:07.27fUqjZ8U80 (1/5)

モノクマ「う、うぷぷぷぷぷ。何のつもりかわからないけど、ボクを起こしたのは悪手だったね。エグイサルを再びけしかけて……」

最原「やめて」キィィィンッ

モノクマ「はい」

モノクマ「……あれ!?」ガビーンッ

モノクマ「ま、まあいいや! エグイサルをけしかけることができなくっても、今は逃げてオマエラが脱出するときに紛れれば……」

最原「ダメだ」キィィィンッ

モノクマ「ごめんなさい」

モノクマ「……んんんんん!?」ガビーンッ

セミラミス「ほう。上手く使っておるな」

真宮寺「凄いヨ……! あのモノクマを手なずけるなんて夢のようだ!」

赤松「なんだかんだこのトンチキマスコットが私たちの悪夢の象徴だったからね……」

最原「時間が無い。早めに済ませよう。BBさんに具体的にどんな取引を持ち掛けた?」

モノクマ「……」

最原「黙るな」キィィィィンッ

モノクマ「BBさんに協力を持ち掛けました! こちらの要求は『校則違反の誘発およびボクを含めたこの世界にいる全員の脱出』だよ!」

モノクマ「ぎゃあ! 口が勝手に!」ガビビーンッ

星「ここまではなんとなく予測できてた範囲だな」

巌窟王「答えろモノクマ。BBをどう言って説得したのだ?」

モノクマ「……む、ぐ……!」

セミラミス「一丁前に聖杯の魔力に対して抵抗しているな。くくく……拷問とはこうでなくては」

赤松「一応訂正しとくね。尋問だよ」

最原「重ねて言うよ。黙らないで」キィィィンッ

モノクマ「BBさんへ『かつて図書室の隠し扉の向こうにあった首謀者の権限を一部委譲すること』を引き換えの条件として提示しました!」

最原「……!」


452逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/16(水) 21:59:06.47fUqjZ8U80 (2/5)

巌窟王「……なんだそれは? もっと具体的に言え」

モノクマ「かつてマザーモノクマに搭載されていた『学園の監視機能の使用権原』と『モノクマの複製権限』だよ!」

モノクマ「今は凍結されてるけど、図書室に行ってボクが許可すれば使えるようになる!」

入間「アホかよ。BBはこの世界でしか存在できねーんだろ? そんな取引したところで……」

モノクマ「あ。それは大丈夫。新世界プログラムに来る直前に、ボクがマザーモノクマと新世界プログラムを繋げておいたから」

最原(あのときはすぐ気絶しちゃったからぼんやりとしか覚えてないけど、マザーモノクマってあのモノクマの顔面オブジェのことかな……)

モノクマ「脱出のときにボクに捕まっていれば、世界が壊れてもそっちに移動できる」

モノクマ「……とまあ至れり尽くせりなんだけど、BBさん本人は最終的に蹴ったんだよね。『ロハでいい』って」

赤松「え? タダでモノクマの取引を引き受けたってこと?」

東条「これはBBさんにとっては唯一、生存の目がある選択肢よ。それを蹴るなんてことがありえるのかしら?」




BB『それ聞いて思ったんですよねー。『あ、コイツら生徒たちに勝つ気ねーな』って』




最原「……こういう意味か……BBさんは安心して、全部流れに任せることにしたんだ」

赤松「最原くん? 何に気付いたの?」

最原「モノクマが具体的に何をやりたかったのかはわからない。でも『やりたくないこと』はわかるよ」

最原「僕たちに『勝ちたくない』んだ」


453逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/16(水) 22:13:45.95fUqjZ8U80 (3/5)

巌窟王「何を言うかと思えば……そもそもコイツらに勝ち負けの概念があるかどうかすら疑問だぞ」

巌窟王「今更『今までお前らを甚振っていたのはただの趣味だった』と言われたところで驚くまい」

最原「違うんだ。今までのコロシアイゲームは間違いなく『明確に勝ち負けの概念があるゲーム』なんだよ。趣味じゃない」

赤松「それは外の世界に見せているからってこと?」

最原「大雑把に言うとそうなるかな。つまり白銀さんの脳内では既に結末は決まってて、僕たちはそれに沿って動いている……」

最原「……いや。動かされているんだよ」

星「なんだと?」

最原「『演出重視』だ。前の学級裁判のときでも『事件の撹乱』よりも、それを念頭に置いて動いてた」

最原「あくまで予測だ。だから現時点で、この予測に凝り固まるのは危険なんだけど……白銀さんが考えているのはきっと」

モノクマ「『愛と絆と希望が勝つストーリー』だよ!」キュピーンッ

モノクマ「うがああああああああああああああああ!」ガビーンッ!

巌窟王「愛と絆と希望が勝つストーリーか。なるほど……ふむ。なるほど……?」

巌窟王「!?」ガビーンッ

赤松「な、なにそれ……それって完璧に……」

獄原「……放っておいてもゴン太たちが勝てる? なら今まで頑張ってきたのは……」

最原「当然無駄じゃない! 無駄じゃないけど……!」

真宮寺「まるっとすべてが『出来レース』だった。そういうことだよネ」


454逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/16(水) 22:29:55.59fUqjZ8U80 (4/5)

最原(出来レース。それも白銀さんではなく、僕たちに有利な方の)

最原(ことがここまで進むと……安全が保障されていることは何の気休めにもならない)

最原(僕たちは自分たちの意思で動いていると思い込んでいただけで、決められた『フィクション』をなぞるだけの操り人形だった)

最原(……そんな最悪な現実を見せつけられたかのようだ)

真宮寺「ただこのモノクマの苦しみようを見る限り、これは絶対に話しちゃいけないことだったんだろうけどネ」

真宮寺「……この真実に辿り着いて初めて、僕たちはスタートラインに立てたのかもしれないヨ」

最原「!」

真宮寺「僕の気持ちは偽物なんかじゃない……! 外に出たら絶対にそれを証明してやるんだ」

真宮寺「あと少し。もう少しだヨ。姉さん……!」

星「切実だな。理解できないわけじゃねーが」

最原「……白銀さんの計画すべてをモノクマから引き出すには時間が足りないけど、もうちょっと聞けるはずだ」

最原「このまま尋問を続けて……」

モノクマ「う、うぷぷ。そんなことしてていいのかなー」

最原「……?」

モノクマ「モノクマーズ、全部で何匹壊れたか覚えてる?」

赤松「あ……!」

最原「……何が言いたいんだよ?」






モノクマ「モノタロウ、今ごろ外の世界で百田くんたちをいじめてるよ。精一杯ね」


455逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/16(水) 22:30:28.56fUqjZ8U80 (5/5)

今日のところはここまで!


456逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/17(木) 20:33:30.01r3KrfMTQ0 (1/2)

やったー! 投票した相手がクロだったー! やったー! やったー!
あ、今日の更新は映画見に行くので本編はなしです。

明日は時間あるからたっぷりやるぞう!


457逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/17(木) 21:01:47.17r3KrfMTQ0 (2/2)

CM

セミラミス「一方的に大量のマスターに鎖を引きちぎられたり、シロウがなんか彷徨ってたり」

セミラミス「我があの庭園のできた理由に一切心当たりがなかったり……」

セミラミス「……心がしんどいな」ズーン

イシュタル「レイド戦では本当お疲れさまーーー!」ズギャァァァァンッ!

ナーサリー「ハートの女王さまにはちょっと余ったヒポぐるみをモフる権利をあげるのだわ!」


モフウ


セミラミス「……」モフモフ

イシュタル「無心でモフってるわね」

ナーサリー「相当参ってたのね……」

セミラミス「我がカルデアには何故シロウがおらぬのか」モフモフモフモフ

イシュタル「巡りが悪いとしか……!」





天草四郎がいないカルデアもいるカルデアも平等に、アポクリファコラボイベントの交換期限は20日までです。
ヒポぐるみなどの処分は忘れずに



セミラミス「速攻魔法発動。バーサーカーソウル……手元にある諭吉をすべて捨て効果を発動……」モフモフモフ

イシュタル「恐ろしいイメトレしないでくれる!?」ガビーンッ


458以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/17(木) 22:03:12.48neYYeFUVo (1/1)

ドロー!サーヴァントカード(星3)!


459以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/17(木) 22:10:20.373wRno2uG0 (1/1)

もうこのスレも半分消化か
5スレ目も見えてきたな(震え声)


460以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 08:46:04.45GATX3XLK0 (1/1)

ドロー!モンスター…じゃない!(マーボー)


461以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 09:18:19.95fg7xd1ew0 (1/1)

ここだけの話だが>>1は前スレ内で終わらせる気だったらしいぜ


462逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 10:57:14.31udijNB2V0 (1/7)

なんだって!? それが事実ならとんだ嘘吐き野郎じゃないか!
ところで核シェルターって竜に変化する系女子とか来ても平気なのかな?



463以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 11:00:30.07XG1UjFixO (1/1)

呼符で引きました(素振り)
このスレで終わりそうで終わらなさそうな少し終わりそうな微妙な進み具合


464以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 12:23:46.46Y31KMLyzo (1/1)

CEOと緑おじさんがいる時点でアキレウス君がウチに召喚されて来る筈もなかったんや…
召喚された瞬間にフルボッコ確定だもんな…


465以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 13:43:50.56hwjMn6jWo (1/1)

終わらせるつもりが無いのに終わると言ったわけじゃないからきよひーだってきっと許してくれるはず


466逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 20:31:38.51udijNB2V0 (2/7)

才囚学園 屋外


ガシャコーンッ!


百田「くそーーー!」バターンッ

春川「百田! 大丈夫!?」

エグイサルレッド「……」シュウウウウウ

春川「……まずい。かなりまずいよこれ。エグイサルの操縦練度が違いすぎる!」

百田「なんのー! 終一たちが戻ってくるまでは、コイツだけは絶対に足止めしたらァ!」グインッ

春川「いや。私一人でやる」

百田「あ? いやなに無茶なこと言ってんだハルマキ。そんなん認めるわけ……」

春川「よく見てよ百田! 今の一撃で燃料タンクが傷ついてるんだって! 早く脱出しないと爆発するよ!」

百田「え? マジで? あ、マジだ! 妙な速度で燃料が消費してると思ったら――」



ドカァァァァァンッ


春川「百田ーーー!」

エグイサルレッド「まず一人目だね!」

春川(直前で脱出が間に合った、と信じるしかない……私一人でもコイツを食い止めないと!)

春川(……食い止めてどうなる? 最原たちが出て来たところで私たちに希望はあるの?)

春川「……頭を切り替えよう。アンタはここで私が殺す」


467逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 21:14:31.06udijNB2V0 (3/7)

新世界プログラム内

セミラミス「……なるほど。あの無礼者の王っぽいヤツ、略してブレイキングがあと一人残っておるのか」

赤松「ブレイキング?」

最原「でもその程度なら巌窟王さんが行けば戦況はひっくり返せる」

最原「……そこまで含めての誘導なんだな。くそ!」

星「ここまで仕込みが徹底してると溜息が出るぜ」

星「俺たちの脱出の準備がほぼ整ったタイミングで現れたエグイサル。命中率がいまいち不安な牽制砲撃」

星「ここまで起こった物事のすべてが俺たちの脱出を促している」

星「BBが取引の一部を蹴らずにすべてを引き受けた場合……外に出た後で起こっていたのは仕組まれた大逆転劇だろうな」

獄原「仕組まれた大逆転劇……?」

最原「学園の監視機能とモノクマの生産機能を乗っ取れたのなら、事態は僕たちにとってかなり有利な方向に転がる」

最原「しかも僕たちは何一つとして裏の事情を知らないわけだから……」

セミラミス「新世界プログラムで行方不明になったと思われたBBが何故か学園の中枢機関をハッキングしていた」

セミラミス「生徒がピンチに陥ったそのとき、満を持して登場。物語は感動の最終章へ……!」

セミラミス「……シェイクスピアも酷評するような三文芝居だ」

モノクマ「これでも無印のダンガンロンパを踏襲した展開なんだけどなぁ」


468逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 21:31:29.15udijNB2V0 (4/7)

赤松「でもなんで……? なんで白銀さんがわざわざ私たちの勝ちを促すようなマネをするの?」

赤松「……実際、私たちは誰一人として死んでないわけだから『ありえなくもない仮説』だということは納得できるけど」

巌窟王「どうでもいいな」

獄原「え? どうでもいいってことはないんじゃないかな……ゴン太はとても気になるしさ」

巌窟王「優先順位はかなり低い、という意味だ。この謎を解くことは白銀を殺した後でどうとでもなる」

巌窟王「エグイサル一体だけなら俺が外に出たその時点でなんとでもなるだろう。アンジーの治療もやっと行えるのだからな」

巌窟王「これだけならBBに対しての取引は無駄になる。つまり『俺が外に出てエグイサルを瞬殺した後に逆転が必要な何かが起こる』ということだ」

東条「……」

東条「これはアンジーさんに聞いたのだけど。確かあと二十四時間と数時間で、キーボくんが……」

赤松「あ! そうだよ! 確かフル武装したキーボくんが学園を破壊するんだって言ってた!」

最原「!」

巌窟王「なるほど。それが俺たちに訪れる最後の絶望、というわけか……」

最原「……最終的にはキーボくんのことも助けないと、だね」

最原「できるかな。BBさん抜きで」

巌窟王「入間がいるだろう。まだ」

入間「おう! 俺様がいるぜ! 俺様が……」

入間「ええっ!? 俺様を当てにすんの!?」ガビーンッ

巌窟王「やれ。手を抜けば殺す」

入間「はい……」

最原(やっぱり微妙に入間さんには辛辣だ……)

巌窟王「上手く行ったらとらやの羊羹をやろう」

入間「わーい!」

最原(いややっぱり甘いのか……?)


469逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 21:46:36.26udijNB2V0 (5/7)

最原「まだ時間はありそうだ。最後に……モノクマ」

モノクマ「なに?」

最原「……白銀さんは一体なにを考えてるの?」

モノクマ「……」

最原「黙るなって」キィィィンッ

モノクマ「ぐぎぎぎぎぎ! ぐぎぎぎぎぎ!」ジタバタ

セミラミス「……無理だな。『これだけは絶対に話せない』という強い意思を感じる」

セミラミス「時間が大量にあるのならこの方法でいずれは聞き出せよう。だが先を急ぐのであればもう無理だ」

最原「……」

セミラミス「だが……ふむ。最後だ。BBは罠の可能性を疑って蹴ったようだが……我はあえてリスクを取る方を選ぼう」ニヤァ

セミラミス「最原。我に『BBに渡すはずだった権限』を委譲するようにモノクマに強制せよ」

最原「!」

モノクマ「……マザーモノクマにまで連れて行くのはできるだろうけど、流石に権限を渡すことはできないね。絶対」

セミラミス「なんだ。もうこの聖杯の条件に気付いたのか。その通り、この聖杯は『5m以内で実現する身近な願い』しか聞き入れん」

セミラミス「貴様の現実空間での本体がどこにあるのかは知らんが……最原のすぐ近くというわけでもなかろう」

セミラミス「今ここで『権限の譲渡』を迫ったところで、後で裏切ることが貴様には可能だ」

赤松「あ。そうか。外にでたときにはもうモノクマは最原くんの近くにいない。ここで約束させても意味がないんだね」

セミラミス「だが我をここから連れ出すところまでは可能なのだろう? さっき言っていたな? 捕まっているだけでいいと!」

モノクマ「はい言いました。嘘じゃありません」

モノクマ「誰か僕の口を塞いでおくれーーーッ!」ウワァァァ

セミラミス「これは本当になったな。なんとかなった。ククク」

巌窟王「……」ニガニガ

真宮寺「また苦々しい顔に……」

赤松「え? またセミラミスさんに会えるの?」

セミラミス「都合が付けば貴様らを助けよう。都合が付けば、な。忘れるな?」

赤松「うん! ゴタゴタが片付いたら会いに行くよ!」

セミラミス「バカめ! ゴタゴタを片付けるために我を呼べと言っている!」

最原(仲良くなったなぁ。この二人……)


470逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 21:58:23.85udijNB2V0 (6/7)

巌窟王「……不服だが、決まりだな」

獄原「うん。今度こそ、この世界を破壊しよう!」

獄原「外に出て、百田くんたちを助けるんだ!」

赤松「アンジーさんも治療する! キーボくんも助ける!」

星「色々とやるべきことは山積みか……」

巌窟王「……最終的には白銀も殺してみせよう」

最原「それは不必要じゃないかな」

巌窟王「俺に指図をするな」ギンッ

最原「!?」ビクウッ

獄原「じゃあ、行くよ! スイッチ、オン!」ポチリッ

セミラミス「……おっと」サッ

赤松「ん? セミラミスさん、なんで耳を塞いで……」

赤松「ッ!」サッ

最原「え?」

最原(このときの僕は想像するべきだったんだ……)

最原(世界を丸ごと一個吹き飛ばすほどのエネルギー。それが発生するとき)






バキィィィィィンッ!!!!!!!



ほぼ全員「ぎゃああああああああああああ!」

最原(どれだけ大きな音が出ることになるのかを……本当に死ぬかと思った)

最原(そして、何が起こったのかを具体的に認識する余裕はなく。目が白くチカチカしている内に……)

最原(内臓がぐるぐる回るような錯覚を起こすほど。洗濯機の中の衣服になったかのような感覚に溺れながら……)



ブツンッ



最原(この世界は終わった)


471逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/18(金) 21:59:01.08udijNB2V0 (7/7)

今日のところはここまで!
予想外だったぜ……明治維新とはな……


472以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/18(金) 22:50:51.778o+1Q6gNo (1/1)


なんか最近イベントの不意討ちが多くて困る、復刻の復習とか予定立てたいからせめて1日は時間おいて欲しい


473以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/19(土) 01:13:23.80StQQCKMI0 (1/1)

FGO運営に告知なんてできんよ
予定から延長しまくって補填しんといかんからな


474以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/19(土) 04:39:31.87mAVbPx+30 (1/1)

グダグダイベント初めてなんだけどこれって何時茶々が来るの?


475逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/19(土) 21:05:48.94ouXZLRaX0 (1/5)

才囚学園 中庭

白銀「んー。ふふふふふふふ。やってるやってる。状況がどんどんカオスになっていくー」ルンルン

白銀「……さてと。この混乱に乗じてやることやらないとな」

白銀(最原くんが帰ってきたとき、茶柱さんがいなくなってたりしたら驚くかなぁ。驚くよね?)ワクワク

白銀(もっともーっと盛り上げちゃおう! 適度にみんなを追い詰めよう!)

白銀(そしたら私は。私たちはきっと!)

白銀(……そういえば、夢野さんがさっき消えたのってここら辺だったよなー。一体どこ行っちゃったんだろ)

白銀(まあ魔術でもなんでも上手く隠れてくれるのなら上々――)


ガサッ


「やーっと出てきおったか。待ちくたびれたぞ白銀!」

白銀「え……きゃっ!」

ガシッ

夢野「捕まえた! 巌窟王が帰ってくるまで絶対に離さんぞ!」

白銀「なっ……!? 夢野さん!? 一体どこから……!」

夢野「監視カメラを見ておらんかったか? ずっとここにおったぞ!」

夢野「茂みで転んでからずっと。ずーーーっと! ジャガーマンの魔術で姿を消して動かずにじーっとしてたんじゃ!」

白銀「気が長ッ!」ガビーンッ

夢野「……転子との約束は破るハメになったがの。後で全力で謝らんとな」

夢野「お主の身柄を土産にすればお釣りが来るじゃろうがのう!」ギンッ

白銀「ぐ……な……!?」ジタバタ

夢野「離さん! ぜーったいに離さんぞ! 離したとしてもすぐに追いかけてやる!」

夢野「白銀! お主とウチは仲間だったはずじゃ! 最低でもお主の本音を聞くまでは絶対に……!」

夢野「ずっとずっとずっと……絶対に離さん!」

白銀「……」

白銀「……へえ」ニヤァ


476逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/19(土) 21:19:32.37ouXZLRaX0 (2/5)

白銀「嬉しいな。まだ私のことを仲間だと思ってくれるんだ……?」

夢野「当然じゃろ! 白銀、一緒に巌窟王に謝るんじゃ! そしたらアイツだってお主のことを……」

白銀「許すわけないじゃん。もう私は無理だよ」

白銀「無理なので」バチバチッ

夢野「え? ぎゃー!」ビリビリビリッ

白銀「改造スタンガンとか使ってみちゃったりして」バッ

夢野「あ、ま、待てェ! 白銀ーーー!」

白銀「やだー! このまま全力で逃げてやるー!」ピューッ

夢野「クソ! また姿を隠されたりしたらかなわんぞ!」

ジャガーマン『虎だ! 虎だ! お前は虎になるのだ!』

夢野「お主はジャガーじゃろ! キャラ設定くらいは守れ!」

ジャガーマン『ちょっと真面目に考察するけど、このまま彼女を一度でも見失ったら、余計に仲間を分断されたりしちゃうんじゃないかにゃー』

夢野「ウチのときのようにか? それはかなり危険じゃな!」

夢野「なんとかならんのか! なんとか……!」

白銀「ふう……ふう……!」タッタッタッ

夢野「……」

ジャガーマン『そんなに足早いわけじゃないから全力で追えば秘密子ちゃんでも追いつけるんじゃない?』

夢野「待てェェェェェ!」シュバババババッ

白銀「うわあああああああ! 来ないでーーー!」ダダーッ!


477逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/19(土) 21:36:05.91ouXZLRaX0 (3/5)

校舎内

茶柱「はあ……はあ……なんで! 夢野さんがまたいなくなって! 校則違反でエグイサルがこちらを消しにかかって!」

茶柱「最原さんたちも戻って来なくって……! どこまで状況が最悪になるんですか! この学園はッ!」

王馬「本当にねー。ビックリだよねー。学園生活の難易度が一気にナイトメアになっちゃったよねー」カチャカチャ

茶柱「……あの。さっきから気になってたんですけど。あなたが手に持ってるそれって」

王馬「あ。あげないよ! これ俺が拾ってきた銃なんだからさ!」

茶柱「いりませんよそんなものッ! ていうかどこから持ってきたんですかそれ!」

王馬「コウノトリさんが運んできてくれた」

茶柱「赤ちゃん!?」ガビーンッ


ザッ


茶柱「……誰かがこちらに来ます。構えてください」

王馬「ん? いや。大丈夫だよ。このおバカな気配は間違えようがない」

百田「誰がバカだッ!」

茶柱「も、百田さん!? 無事だったんですか!?」

百田「ギリギリ脱出が間に合ってな……悪ィ! 先を急ぐんだ!」ダッ

茶柱「え。待ってください! どこへ行くんですか!?」

百田「高いところだ!」

茶柱「何故!?」

王馬「どうせロクなこと考えてないよ」ヘラヘラ


478逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/19(土) 21:51:08.91ouXZLRaX0 (4/5)

茶柱「ああもう! 男死っていつもそう! みんなバカ! 自分勝手にどっかに行くんです!」

茶柱「春川さんが一人で頑張ってるのに百田さんはッ!」ダンッダンッ

王馬「ねえ。茶柱ちゃん」

茶柱「なんですか!?」

王馬「怒ってるの、本当に百田ちゃんに対して?」

茶柱「当然でしょう? 他に誰に怒れと?」

王馬「いや俺の勘違いかもしれないけどさ。『自分がピンチなのに助けに来てくれない最原ちゃん』を百田ちゃん越しに見てるんじゃないかって」

茶柱「……」

王馬「あれ!? 図星? 図星!? 図星だよね! 図星だ! 絶対に図星だぞ!」ゲラゲラゲラ

バキィッ

王馬「」チーン

茶柱「悪いですか……こんなときに、最原さんに会いたいって思う転子の何が悪いんですか……」

茶柱「……ううん。悪いのはわかってます。そんな状況じゃないってことは。でも……今にもみんな死にそうなんですよ?」

茶柱「最後になるかもしれない。だから好きな人に会いたいって思うのはおかしいことですか……!」

王馬「……うん。茶柱ちゃんは本当に、最原ちゃんのことが好きなんだなぁ」

茶柱「再度殴られたいですか?」

王馬「え? 何? 嫌いなの?」ヒキッ

茶柱「なんでちょっと引いてるんですかッ! 好きですよ!」

王馬「え? 俺のことが?」

茶柱「最終的には顔面を叩き壊しますよッ! 最原さんのことがです!」

王馬「ごめん。勘違いしちゃうかもしれないから今のうちに全文を大声で言ってくれる?」ニヤニヤ

茶柱「だーかーらー! 茶柱転子はッ! 最原終一のことが! 大好きなんですーーーッ!」

王馬「後ろ見て?」

茶柱「ん?」クルリッ








最原「……」

赤松「わあ」カァァァ

茶柱「」


479逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/19(土) 21:54:24.00ouXZLRaX0 (5/5)

今日のところはここまで!


480以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/19(土) 23:51:56.07+/twfD3V0 (1/1)

なんという公開処刑



481以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/20(日) 00:45:25.06r+YneWf90 (1/1)

久しぶりの転子で嬉しいぞい


482以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/20(日) 01:42:43.82e+1qcsFH0 (1/1)

正に王馬ww


483以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/20(日) 06:36:38.81sxDCwPJDO (1/1)

いやこれはファインプレー、最原か王馬が死ぬことになるかも知れんがファインプレー


484逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/20(日) 21:38:20.08gAILuCq40 (1/4)

最原「……」

茶柱「……ええっと……あの……」

最原「あの。茶柱さん……ハグとかする?」ドキドキ

王馬「凄いや! こんなに調子付いた最原ちゃん初めて見たよ!」ゲラゲラゲラ

赤松「味方から散々な扱いを受けるのがデフォだった最原くんが初めてちょっとだけ前向きに……! 感動で涙が出そうだね王馬くん!」

真宮寺「人間っていいよネ!」ズバァァァァァンッ!

茶柱「あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああっ!」




そのとき茶柱転子が無意識にとった行動はうずくまることであった。
羞恥でもう周りが見えなかった。死んでいたはずの真宮寺とか赤松が生きて祝福してるとかもうどうでもよかった。

もうとにかく消えたかった……それはそれとして最原とハグは二人きりならいいかもしれないとチラリと思ったが、状況が状況なので少し泣いた。


485逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/20(日) 22:11:18.37gAILuCq40 (2/4)

茶柱「はあ……はあ……後で王馬さんは殺す。最原さん、おかえりなさい」

王馬「今のは聞き間違いだと思いたい」ガタガタ

赤松「火葬と土葬って選べるっけ?」

真宮寺「日本だとかなり限定的な条件を満たさない限り土葬は無理だネ」

赤松「あと葬式のときって役所からどれだけお金貰えるのかな」

真宮寺「葬祭費は自治体によってまちまちだけど……」

王馬「みんなー! 俺を助ける方向で話を持ってってもいいんだよー!」

最原「あそこで戦ってるエグイサルは……レッドはモノタロウか。もう一方は春川さんだよね」

茶柱「はい。先ほどは百田さんも頑張ってたんですが……」

最原(返り討ちにされちゃったのか……目に浮かぶ……)

最原「ここから見た限りだと……春川さんがやられるのも時間の問題だ」

最原「どうにか時間を稼ぎたいけど」

茶柱「……時間を稼いだところで何がどうなるっていうんですか?」

最原「東条さんの治療が間に合う」

茶柱「……?」

茶柱「そういえば、真宮寺さんや赤松さんがいるってことは、他の人も生きてるんですよね?」

茶柱「みんなはどこですか?」キョロキョロ

赤松「ええっとね。手分けして白銀さんを探してるんだよ。あとモノクマ」

茶柱「……今更見つかるとはとても思えませんが……」

最原(どうかな。巌窟王さんが出てきたら、白銀さんの末路は確定だ。人質の一人でも取って交渉材料にしてやる、くらいは考えそうだけど)

最原(完全に復活したらどこに隠れていようが『学園ごと白銀さんを破壊する』くらいはやってのけそうだし)


486逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/20(日) 23:19:48.29gAILuCq40 (3/4)

最原「どうする……どうする……あと少しなんだ!」

赤松「……聖杯を使えばエグイサルでも止まったりしないかな? 全長は5mないと思うんだよね」

最原「それ、セミラミスさんとか一切気にしてなかったけど、外に出た僕は聖杯を使えるのかな……」

真宮寺「あくまで聖杯は形而上学的な存在だからネ。効力が本物である限りは電脳空間でも現実空間でも変わらず存在できるはずだヨ」

ポォォッ

最原「……本当だ。ちゃんと取り出せる。というかコレ普段は僕の中にあるのか……」

茶柱「なんですかこの趣味の悪いコップ……ひとりでに光ってて気持ち悪いんですけど」

最原「だよね」

赤松「使う分には問題なさそうだね」

最原「……あれに近づけと?」



ガシャコーンッ



春川「はああああああああっ!」

エグイサルレッド「面白い! ラッシュの速さ比べというわけか! オイラァ!」ムダムダムダムダ!


ガインッ



赤松「……無理だね。今度は現実空間だから天海くんを盾にできないし。セミラミスさんもいないし……」

最原「別の手を考えよう。なにか……なにかあるはずだ」

真宮寺「あ。もう手遅れっぽいヨ」

最原「え……!? まさか、春川さんが!?」

真宮寺「そうじゃなくてアレ……」

茶柱「え。アレ……え? アレ? 百田さん?」

最原(僕たちは揃って目を疑った。ちょっと目を離している隙に百田くんが……!)





全員「うわあああああああ! バカだーーーッ!」ガビビーンッ!


487逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/20(日) 23:20:21.13gAILuCq40 (4/4)

今日のところはここまで!


488逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/21(月) 20:29:16.67LPpL1P570 (1/4)

ちょっと時間は遡って

ガインッ

春川「ハッチが……!」

エグイサルレッド「外殻が壊れてパイロット丸見えー! わーい!」

春川(やっぱり無理だったかな。私じゃあコイツを殺せない)

春川(でも私が死んだら全員死ぬし……どうしようかなぁ。相打ち覚悟で行ったら奇跡とか起こったりしないかなぁ)

ブランッ

春川「ん。あ、ダメっぽいな。右腕を捻っちゃった。ハンドルもう握れないかな」

春川(……凄いな私。こんな状態で相打ち覚悟とか考えてるよ。ちょっと前なら絶対にこんなこと考えなかったのに)

春川(よく覚えてないけど……やっぱりこの学園での記憶は本当に掛け替えのないものだったのかも)

春川(クソだらけの毎日だったけど、でもそれと同じくらい楽しかった気がする)

「ハルマキー!」

春川(そうそう。あのバカ全開ヤローのことも絶対に忘れられない。今でも耳について離れないよ)

「ハルマキー! 行くぜーーー!」

春川(……?)

春川「ん? いや声が上から聞こえるような……」

百田「選手交代だハルマキィィィィィ!」ドォォォォォンッ

春川(空からバカが降ってきたーーーッ!?)ガビーンッ!

春川「ちょ……こっちに来るなーーー!」



ガシャンッ!


489逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/21(月) 20:48:34.58LPpL1P570 (2/4)

春川「いっつぅ……! も、百田! なんで空から降ってきてんの!?」

百田「校舎の上階から走って窓から飛び出した! 本当はあの鉄屑クマ野郎に奇襲しかける予定だったんだけどよ!」

百田「ハルマキがあからさまにピンチっぽかったからつい来ちまったぜ!」

春川(それでコクピットに飛び降りれる!? 奇跡的すぎる!)

春川「百田。この際言っておくけどさ! 99%の確率で失敗することは現実ではほぼ絶対に失敗するんだよ?」

百田「関係ねぇ! 関係ねぇんだよッ! そんなもん俺にはまったく意味のない確率論だ!」

百田「やりゃあできる! というわけでだ! ハルマキ、ちょっと!」ゴソゴソ

春川「ひ、う……さ、触らないでよ……ちょっと……!」

百田「悪ィ! この姿勢のままじゃエグイサルを操縦できねぇ!」ゴソゴソ

エグイサルレッド「オイラ、変身途中のヒーローにも遠慮なく射撃しちゃうタイプ!」ガシャコンッ

百田「させるかよッ!」ゲシッ

ガコンッ バキィッ

エグイサルレッド「ぎゃー!」

春川「……!?」

春川(百田が後ろ蹴りで操縦桿蹴り飛ばしたら、狙ったかのような位置に攻撃が入った……!)

春川「百田! そろそろオカルトじみてきたんだけど……!」

百田「ははっ! さてな。俺の後ろは女神さまが見つめてたりするのかも、な!」ゴソゴソ

百田「おし。これで完成だ」

春川「……」

春川「あの……私が百田の膝の上に乗ってる形になってるんだけど……」カァァ

百田「悪ィ! 終わるまでコレで我慢しててくれ! 二人乗りなら、これが一番位置的にいい!」

春川(恥ずかしくて死にそう)


490逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/21(月) 20:58:53.05LPpL1P570 (3/4)

百田「ハルマキ。怪我してんのか?」

春川「……まあ無傷ではないよね。よくあることだよ」

エグイサルレッド「よくもやってくれたなー! 今度はこの森林伐採用ソーでバラバラにしてやるー!」チュイイイイインッ

百田「かなりキレたぜ」バキィィィンッ

エグイサルレッド「……え? あれ……? おかしいよ? 同じスペックの機体なのに、なんでソーが壊れ……!?」

百田「行くぜ……行くぜ行くぜ行くぜ行くぜーーーッ!」



ドンドンドンドンッ



エグイサルレッド「え、ちょ……あれ!? あれあれあれあれぇぇぇぇぇ!?」

春川「百田……!?」

春川(嘘でしょ。さっきのとはくらべものにならないくらい、エグイサルを使いこなしてる!)

春川(命中率が不安だからあえて使ってなかった砲撃をこんなに簡単に使いこなすなんて……!?)

百田「もう絶対にやらせねぇ」

春川「……」

百田「俺の仲間を一人だって、絶対に傷つけさせやしねー。かかってこいよデク人形」


491逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/21(月) 21:00:18.36LPpL1P570 (4/4)

今日のところはここまで!


492以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/21(月) 21:03:14.81gaeOrxZd0 (1/1)

そう言えば百田、カルデアの様々な女神たちの加護持っているんだったっけ…
こりゃモノタロウスクラップ確定だな


493以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/21(月) 21:45:28.68gHH6/dOa0 (1/1)

これはライダー適性持ってますわ


494ちょっと今日は倒幕で忙しかったのでこの一レスのみっす ◆SxyAboWqdc2018/05/22(火) 23:17:59.46XNb0xr1N0 (1/1)

校舎内

最原「も、百田くん……」

茶柱「嘘でしょ。なんであんなアホ丸出しの思いつき決死特攻が上手くいくんですか!?」

最原「格好いい……」キラキラキラ

茶柱「……あの。お願いですからマネしないでくださいね……」

赤松「安心していいと思う。マネできないから」

真宮寺「さて。百田くんにエグイサルを任せるのは確定だネ。後は……」

最原「うん。白銀さんかモノクマのどちらかを先に見つける!」

最原(できるなら巌窟王さんより先に……!)

最原「行こう! もう校則はないも同然だ! ちょっとくらい無茶しても大丈夫だよ!」

茶柱「あなたは無茶したら死にますよ。怪我が悪化して」

最原「……」

最原「あの……みんな。手伝ってくれる?」

赤松「もちろん!」


495以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/23(水) 09:35:26.42RpHdMdNE0 (1/1)

確信したわ
このスレでは終わらないと


496逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/23(水) 20:10:31.39eSZy1k+x0 (1/4)

モノタロウ「おかしい……おかしいよ! そろそろ百田くん、ウイルスのせいで体がボロボロになる予定なのに!」

モノタロウ「なんでこんなに元気いっぱいなの!?」

モノタロウ「……ん。あれ……変だな。百田くんの傍になにか見えるような。ボンヤリ……」



説明しよう! 巌窟王が燃やして捨てていた女神の加護は、実は百田にすべて集まっていたのである!
百田本人は気付いていないが、鈴鹿御前に噛みつかれた直後あたりから明確に致死性ウイルスによる病状は改善に向かっていたのだ!

なお、BBはそのことに気付いていた。



春川『おかしいな。肋骨にまで破壊が及んだような手ごたえだったんだけど』

BB『……あー……』

天海『BBさん? どうかしました?』

BB『いえ。百田さんカワイソーだなーって』



ちなみに女神の加護を受けることは当然ノーリスクではない。いわばこれはマーキングである。
『面白い人間が更に面白くなるように見つめていよう』という気まぐれの生み出した終身名誉女神の玩具の持つ称号でしかない!

が!


百田「行くぜぇーーーッ!」

春川「……ん? 百田。なんか後ろについてるような……?」



百田本人だけがその窮状に気付いていない! バカだから!
そう! バカだから気付けないのだ! ああ、素晴らしきかなバカ!



ケツァルコアトル『と色々口上を考えてみたのデース。どう?』

メドゥーサ『中々よく書けてると思いますよ。誰も聞く者がいないという欠点を除けば』

ケツァルコアトル『……霊感、今一なのよね。生徒全体が……』


497逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/23(水) 20:32:44.21eSZy1k+x0 (2/4)

校舎内

真宮寺「それじゃあもう一回、最原くん。僕が背負うからさっさと乗って」

最原「本当ごめん……」

赤松「アンジーさんもだけど最原くんも相当怪我したよね……余裕が出たら東条さんに診てもらおう?」

最原「そうするよ」

茶柱「あの! 夢野さんの姿もさっきから見えないんです! 彼女のことも探してくれませんか!?」

最原「うん。わかった。探すよ」

王馬「じゃ、ひとまず二手に別れようか。単独行動は危険だしね」

王馬「チーム割りは……まあさっきの通りでいいでしょ。真宮寺ちゃん、赤松ちゃん、最原ちゃんが一チーム。俺と茶柱ちゃんで二チーム」

最原「うん。妥当だと思う。足手纏いの僕がいるチームの方が人数多くなるのは仕方ないよね……」

茶柱「……転子はあなたのことを変わらず信じてます。だからちょっとは自信を持ってください」

最原「……」ジーン

赤松「もうすっかりメロメロだなぁ。最原くん」

真宮寺「話は済んだ? いや済んでなくとも後回しにして。行くヨ!」ダッ

最原「あー……」

赤松「じゃ、私も行くから。王馬くん、茶柱さんに変なことしちゃダメだよ。また殴られちゃうから」

王馬「おっけー!」ヘラヘラ

赤松「まあ……ここぞというときに裏切らないとは、なんとなく思ってるけどさ。勝手に思ってるだけだけど」

王馬「……どうかな」


498逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/23(水) 20:40:00.06eSZy1k+x0 (3/4)

茶柱「……行きましたね。それじゃあ転子たちも行動を開始しましょう!」

王馬「茶柱ちゃん。真面目に聞いて欲しいことがあるんだ……」

茶柱「なんです?」

王馬「俺、実は白銀ちゃんにさ。こう言われてるんだ。『ピンチになったら人質を取ってくれ』って」

王馬「白銀ちゃんは最原ちゃん(と今の俺が覚えてない何か)が新世界プログラムから出て来るのを物凄く恐れていた」

王馬「だからいざというときに適当な誰かを人質にとって、才囚学園の生徒全員の動きを鈍らせてくれって言われていたんだ……」

王馬「その後の作戦については知らない。俺も聞かされなかったからね……」

王馬「そして、今持っているこの銃は、その使命を受け取ったときに白銀ちゃんから貰ったものなんだ……!」

王馬「ごめん、茶柱ちゃん……俺のために人質になってくれないかな……」

茶柱「……」







茶柱「嘘ですよね」

王馬「うん! 嘘だよーん!」キラーンッ

茶柱「ふんっ!」バキィッ

王馬「」チーン

茶柱「ふざけてないでさっさと行きますよ!」ズルズル

王馬「足を引きずらないで……」


499逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/23(水) 20:43:13.00eSZy1k+x0 (4/4)

今日のところはここまで!


500以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/23(水) 23:49:03.93Yuk5dHc/O (1/1)

王馬の目的はなんなのか
嘘じゃなかったよな


501以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/24(木) 12:09:20.82Y8Fb7xuK0 (1/1)

特に何も考えて無く楽しそうだから、ってのはないかな…無いな


502逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/24(木) 21:41:52.25aeureBlQ0 (1/4)

??学園

天海「……ん? あれ? ここどこっすか?」キョロキョロ

天海「あ! もしかして俺死んじゃったんすか!? くっそー! せっかくギリギリのところまで生き残ったのにー!」

天海「……いや。まだだ。まだ終われない。こうなったら閻魔大王を叩き殺してでも現世にアイルビーバックしてやるっす!」

天海「みんな! 俺が行くまで手柄を残しておいてくれっす!」

??「うう……ひっく……」

天海「ん? あれ。キミ、誰っすか。こんなところで何で泣いてるんすか」

天海「……んん? 白銀さん……?」

天海「あ、いや。よく見たらこの場所、どこか見覚えがあるような……半壊してるけど裁判場、かな……」

??「やだよう……」

天海「?」






??「みんなのこと……忘れたくない……!」

天海「ッ!」


503逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/24(木) 21:55:04.41aeureBlQ0 (2/4)

天海(脳の奥底で何かが裏返るような感覚……吐き気を催すような酷い頭痛がする)

天海(今まで綺麗に塗り固められていたメッキが、内側から恐ろしい何かに突き破られるかのような恐怖)

天海「うっ……おえっ……!」

??「忘れられるのは考えられない。私は彼らのことを信じてる」

??「天海くんに関しては私と同じ道に来るから、忘れられたとしても新しい思い出を作ればいい」

??「問題は私。私はなにも忘れたくない。忘れたくないよ……!」

??「どんなに酷い目に遭ったとしても、私の記憶だ。私の思い出だよ。なのに、なんで……!」

天海(……聞いたことがある気がする。この声が、俺の胸に風穴を開ける)

天海(いや。最初からその欠落はあった。ただ気付いていなかっただけだ……!)

天海(それなのに!)

天海「なんで……思い出せない? とても大事なことのはずなのに!」

天海(考えられるのは一つしかない。思い出しライトで改竄された記憶……その向こうにある残滓を俺は見ている)

天海(だから、あと一歩のところで何も思い出せない)

天海「……違うな」

天海(それがどうした)

天海「俺はちゃんと、才囚学園での記憶を思い出せたじゃないっすか」

天海「……白銀さん。俺は必ず思い出す。思い出して絶対に迎えに行くっす」

天海「……最原くんのような才能あふれる誰かでも、巌窟王さんのような条理の外の存在でも不可能なこと」

天海「俺にしかできない。俺の声で! キミに――!」


504逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/24(木) 22:05:39.06aeureBlQ0 (3/4)

東条「目が覚めた?」

天海「……」

天海(……近ッ!)ドキーンッ!

東条「……こっちに帰ってきてからうなされるばかりでまったく起きる気配がなかったから心配していたのだけれども」

東条「問題はないようね」サッ

天海(あ。離れちゃった。ちょっと名残惜しい……)

天海「傷は……あの世界で受けたものは当然ながら残ってないっすよね。うん」

天海「……歩ける」スタッ

東条「もうちょっと待ってくれるかしら。彼女の治療がそろそろ終わるわ」

東条「そうしたら『彼』の出番よ。満を持してね」

天海「……うん。彼が来れば全部終わりっすよね」

天海「だからちょっと、任せられないかな」

東条「……単独行動は危険よ?」

天海「途中で会った誰かと同行するっすよ。流石に今どんな状況かはなんとなくわかってるっす」

天海「……東条さん。赤松さんの約束あったっすよね。『ここから出たら友達になろう』ってヤツ」

東条「ええ。今なら絶対にその約束は果たせそうね。色々あったもの。この学園では」

天海「俺、ちょっと友達に会ってくるっす」

東条「え?」

天海「……なんか、外に出なくとも友達だったみたいなんすよ。だから行かなきゃ」

天海「俺は……俺の学園生活は。何のためにここにいるのかわからなかった俺の物語は、この瞬間のためにあったんす」

東条「……無茶は厳禁よ」

天海「当然! 『全員』で生きて帰るんすからね!」


505逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/24(木) 22:06:31.73aeureBlQ0 (4/4)

今日のところはここまで!


506逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/25(金) 21:57:35.72j6VHwuj2O (1/1)

今日は飲み会に捕まったので更新クソ遅くなるかなしです!
ごめん!!!!


507以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/25(金) 22:17:55.02k6bCIVEc0 (1/1)

飲み会強制参加は悪い文明!!破壊する!!!


508以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/26(土) 08:25:55.55iIY5Uyo40 (1/1)

酒が悪いんじゃない、それを制御できない人間が悪いんだ


509逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/26(土) 11:30:50.36s1fG2l5r0 (1/2)

図書室の隠し部屋周辺

星「……やっぱりな。最原の推理通りと言ったところか」

入間「モノクマがいた形跡、しっかりあんな。まあちょっと考えりゃ誰にでもわかることだけどよ」



モノクマ『今は凍結されてるけど、図書室に行ってボクが許可すれば使えるようになる!』

入間『アホかよ。BBはこの世界でしか存在できねーんだろ? そんな取引したところで……』

モノクマ『あ。それは大丈夫。新世界プログラムに来る直前に、ボクがマザーモノクマと新世界プログラムを繋げておいたから』



入間「モノクマはわざわざ取引材料にするためだけに、マザーモノクマ? ってヤツを新世界プログラムにつなげたわけじゃねぇ」

入間「つなげる必要があったからつなげたんだ」

星「ここからモノクマは新世界プログラムにアクセスした……いわばモノクマ専用のフルダイブ用デバイスってわけだな」

入間「最原からの事前情報の通り、夢野を閉じ込めるためにトイレ側の隠し通路は塞がれてる」

入間「上手く行けば俺様たちが、新世界プログラムから出たモノクマを捕まえられるかも……と思ったんだけどなぁ……」

星「特にそんなことはなかったか」

入間「ちくしょう」

ガララッ

夢野「はあっ……はあっ……はあっ……!」

夢野「く、クソ! あやつの地味設定を忘れておった! どこかで撒かれたか!? いないぞ!」キョロキョロ

夢野「おお! 入間! 星! 帰ってきておったのか! こっちに白銀は来ておらぬか――」

入間「ぎゃーーーッ! おばけーーーッ!」ゲシィッ

夢野「ぐぼえっ!?」ガフウッ

星「気持ちはわかるけどよ。ピンヒールで蹴るな。死ぬぞ」


510逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/26(土) 11:41:53.37s1fG2l5r0 (2/2)

夢野「とても痛かったー。入間のピンヒール」

夢野「感動の再開かと思ったらー。随分なご挨拶」

夢野「ウチは」

ジャガーマン『私たちは』

夢野&ジャガーマン「忘れません」

入間「こ、怖ぇーよ……小学校の卒業式ふうに言うんじゃねーよ。悪かったよ……」

夢野「白銀は……こっちには来ておらなかったようじゃの。しかしあやつ一体なにをしに外に出て来たんじゃ……?」

夢野「分断するつもりなら別にウチが相手でもよかったはずじゃが」

入間「既に決まったターゲットがいたんじゃねーの? テメェは眼中になかったんだろ」

星「アイツが狙いそうなヤツ……? ダメだ。思いつかねーな。パッとは」

夢野「むう」

星「まあいい。夢野。お前さんが来たのならちょうどいい。この部屋のことを調べるからお前さんの情報も提供してくれ」

夢野「でも白銀が……」

星「アイツのことは他の誰かに任せろ。仲間、なんだろ?」ニヤリ

夢野「……」

夢野「なんか変わったのう。お主。この学園に来たばっかりのころとは違うぞ?」

星「きっかけはアンタだったかもな?」

夢野「え? ウチ?」

夢野「……いやわからんな。心当たりがない。まあよい! さっさと調査するぞ! パパッとな!」

ジャガーマン『たーだそれだーけー。できれーばー。青春さー』オーライッ

入間「余計な茶々入れんな」


511逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/27(日) 19:12:04.90YIPTmOQ40 (1/3)

中庭

真宮寺「それにしても……初めて来たときは草でいっぱいだったのに、随分と整備されたものだよネ」

真宮寺「お陰で動ける場所が増えてエグイサルを迂回することができたのはいいことだけどさ」

赤松「さて。最原くん。ここに来て何をしたかったの?」

最原「かなりの高確率で白銀さんが隠れているのは裁判場だろうな、と思って……」

赤松「その他の候補地はないの?」

最原「あることにはあるけど。まだ解放されてない王馬くんの研究教室とか……」

最原「でもなんか彼女の性格的にそういうのやりそうもないなって」

赤松「ああ。そういえば前に食堂で一緒に食事してたときに『王馬くんに騙されて落とし穴に落ちた』とかひっどい顔でぼやいてたなぁ……」

最原「それに今の彼女なら『わかりやすく重要な場所』にたてこもりたがるだろうなってさ」

真宮寺「……あれ。ドアが半開きだ……」

最原「ビンゴかな」

赤松「入ってみよう!」


512逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/27(日) 19:18:21.54YIPTmOQ40 (2/3)

エレベーター内


ゴウン……ゴウン……ゴウン……


赤松「……でもさ。これ以上、何を調べるの? 外の世界に関する真実なら、暫定だけど最原くんが辿り着いたよね?」

最原「白銀さんの本音が見たい」

赤松「……そう」

最原「ん?」

最原(あれ。なんか素っ気ない……賛同してない? 赤松さんが?)

最原「どうしたの?」

赤松「いや、さ……白銀さんから本当に酷い目に遭わされたからさ……」

赤松「どんな本音隠していようが許す自信がまったくないんだよね」

真宮寺「自信? 赤松さんは優しいなァ。僕はそもそも許すつもり自体がないヨ」

最原「……気持ちは……」

真宮寺「わかる、とか言ったら流石に最原くんでも怒るヨ」

真宮寺「……体感的には一回だけど、何回も殺されたんだ……! 絶対に許せない」

赤松「……」

最原「……うん。ごめん」

最原(いつも、このエレベーター内での時間はとても長いな……)


513逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/27(日) 19:21:22.42YIPTmOQ40 (3/3)

最原「というか、よくわかったね。僕がただ白銀さんを捕まえるつもりじゃないってこと」

赤松「まあね。結構長いつきあいになっちゃったから」

真宮寺「キミの意思は尊重するヨ。そっちもそっちで覚悟があって、その代償はたっぷり支払ったみたいだしネ」

最原「ありがとう」



チーンッ


最原「あ。ついた」



ガララララッ



最原(まさか……学級裁判以外の用でここに来ることになるとは)

最原(……さて。調査を始めようかな。いつもみたいに)


514逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/28(月) 19:12:53.67/PSdARih0 (1/5)

ちょっとだけ時間は遡る 裁判場

?????「……アレはどこだ……アレは……」キョロキョロ

?????「向こうに行ってみるか」スタスタ



チーンッ




ガララララッ



最原「……裁判場……毎回微妙に内装が違ったけど、今回は無骨にコンクリが丸出しだね」

真宮寺「多分、催し物がなくなったから全部とっぱらったんだろうネ」

赤松「んん……でもなんか、ところどころパーティションで区切られてたり、毛布が転がってたり……」

赤松「……生活感が丸出しだよ。ここが潜伏先で間違いないみたい」

最原(裁判の席は全部、使わないときは天井に収納されてるみたいだな……地面はこざっぱりしている)

最原「白銀さんはいないみたいだ。手分けして探しても問題は無さそう、かな」

真宮寺「流石に室内でキミも走ったりしないだろうし、いいんじゃないかな」

赤松「じゃ、手分けして手がかりを探そう!」



カツンッ


赤松「……?」

赤松(今、誰かの足音が聞こえた……?)


515逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/28(月) 19:20:01.46/PSdARih0 (2/5)

区切られた区画その一

最原「……?」

最原(なんだこれ……)



ボヤァーッ


最原「……なんか、薄くぼやけた空間がある……ホログラフ?」スッ


ズボッ


最原「……違う。手を突っ込める。つまり『奥行き』があるってことだ」

最原「穴? いや……違うな。壁に開いた穴とかじゃない。『空間に開いた穴』って感じだ」

最原「なんでこんなものが……ん」カサリッ

最原(足元に書類みたいなのが転がってる)

最原「なにこれ」ヒョイッ

最原「題名は……巌窟王のホームに繋がる『穴』に関する研究レポート?」

最原「穴……? 研究レポート? なんのことだ?」

最原(というか、この研究レポート署名代わりかな。キスマークがルージュでべっとり表紙に張り付いてる)

最原「……」

最原(待てよ。確かこんな研究を大真面目にやってた人がいたはずだ。確か最初の学級裁判で――)


516逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/28(月) 19:44:43.00/PSdARih0 (3/5)

最原「中身を読んでみよう」パラッ

レポ内容『通常、サーヴァントとは聖杯戦争で呼ばれる使い魔であり、有体に言えば魔術師の使う兵器である』

レポ内容『英霊の座から登録された情報を基にして、聖杯の力により現実に出力することによって規格外の力を持った英霊をサーヴァントとすることができる』

レポ内容『つまり聖杯は3Dプリンターの役割を果たしており、データにしか過ぎない英霊を現実に呼び出すためには不可欠なものなのだ』

レポ内容『※この出力する役割を持った聖杯の機能そのものをチューンナップできれば理屈上、更に上質なサーヴァントを呼び出せる。これも後で考察』

レポ内容『だが今回の召喚に限ってはそうではない。この空間そのものの異常性と、夜長アンジーの詠唱、そして巌窟王のホームからの混線』

レポ内容『それらが合わさり既に召喚されているサーヴァントを横取りする形で才囚学園へと呼び込んでいる』

レポ内容『これにより、才囚学園と巌窟王のホームとの間に一種の絆ができた。才囚学園から巌窟王のホームへの脱出は、研究する価値は大いにある』






最原「……やっぱりコレ書いたのって『彼女』だよなぁ……」

最原(後は延々とよくわからない試行錯誤に関してのあれこれが写真付きで乗っているだけだ。最後まで飛ばそう)パラリッ

レポ内容『こっちからあっちに脱出するの、無理! クソがッ! 死ねッ!』

最原「イラつきすぎだよッ!」ガビーンッ

レポ内容『ある程度のところまでは侵入することは成功した。が、なんらかの強制力が働いて、少し時間が経ったところで強制的に押し戻される』

レポ内容『ただ向こう側に繋がっていることだけは確認した。間違っても巌窟王に見つからないよう、魔法陣を掃除する』

レポ内容『途中、通りすがりの白銀に見つかったがどうでもいい。むしろちょうどよかったので掃除を押し付けてしまった』

レポ内容『魔法陣が消えれば、穴は自動的に消えるはずだ』

レポ内容『そういえば、押し付けたときに白銀に色々と訊かれた。もう一回別のところに魔法陣を書いたらどうなるか、と』

レポ内容『面倒だったが質問自体は興味深い。これまた白銀の協力のもと、魔法陣を消し去ってから自室で同じように魔法陣を描く』

レポ内容『才囚学園と巌窟王のホームの絆は簡単には消えないらしい。自室から、裏庭の地下より見えたのと同じ光景が向こう側に広がった』

レポ内容『余程のことが無い限り、この研究は凍結するが、これは覚えておいた方がいいかもしれない』

レポ内容『※追記。おそらく繋がった先は倉庫の一種だと思われる。人気がないので滅多に使われていないのだろう』

レポ内容『向こう側からなにか持ち帰ろうとしたが、大したものがなかったので持ち帰った先から返却した』

レポ内容『どうやら向こう側の住人(無生物含む)がこちら側にやってくる分には強制力は弱いようだ』

レポ内容『皆無ではない。思わぬ事故を引き起こす可能性があるので、滅多なことは考えない方がよいだろう』




最原「……」


517逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/28(月) 19:59:27.54/PSdARih0 (4/5)

最原(これでわかった。セミラミスさんがどこから侵入したのか)

最原(……大したものあったじゃないか! もう!)

最原「でも白銀さんはなんでこの研究を、引き継いだんだろう」

最原「逃げ道の確保……?」

最原(考えられなくもない。強制力を排除できれば向こう側に行けるって文脈だし)

最原(けど、その割には『中庭の扉が開いてた』からな。外に出て来たのは間違いない)

最原(逃げられるんならとっくに逃げてるよな……)

最原「……」

最原(巌窟王さんを帰す準備……まさかな)

最原「別の場所を探してみよう」




区切られた区画その二

セミラミス「むぐ?」モグモグモグモグ

赤松「……」

真宮寺「……」

セミラミス「……」モグモグモグモグモグモグ

セミラミス「……」ゴクン








セミラミス「誰だ貴様らはーーーッ!?」クワッ

赤松「ええーーーッ!?」ガビーンッ

真宮寺(ありえない場所とタイミングで再開しちゃったヨ)


518逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/28(月) 20:00:23.61/PSdARih0 (5/5)

今日のところはここまで!


519以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/28(月) 22:22:50.38uOJO8tYV0 (1/1)

現し身じゃないセミラミスさん!?いや、鯖自体が現し身みたいなもんなんだけどそうじゃなくて


520以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/29(火) 02:51:24.49slmTtwCqO (1/1)

本来のアサシンセミ様かー


521逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/29(火) 20:17:39.70Nk2peIMQ0 (1/5)

赤松「……!?」

真宮寺「赤松さん。事情はあまり呑み込めないけど、あの第一声からなんとなく察せるよネ」

真宮寺「あのセミラミスさんはさっきまで僕たちを守ってくれていたセミラミスさんじゃ……」

赤松「わー! セミラミスさんだ! さっきぶりー!」ピューッ

真宮寺「ないって言おうとした傍から近づかないで!?」ガビーンッ

セミラミス「気安く我に近づくな」ジャララッ

ザンッ

赤松「きゃー!」バタンッ

真宮寺「赤松さん……!」ダッ

真宮寺「赤松さん。大丈夫? 赤松さ……」ユサユサ

真宮寺「し、死んでる……」ガーンッ

赤松「生きてるよ! 服がちょっと破けただけだもん!」ガバリッ

セミラミス「ふん」

真宮寺(変なところで弁えてる……)

セミラミス(こやつらどこかで見た覚えが……あ。BBたちが見ていた映像の生徒たちか)

セミラミス「おい貴様ら。何故ここにいる?」

赤松「は? な、なんでって……それはこっちの台詞だよ。なんでセミラミスさんが現実空間に?」

セミラミス「黙れ。質問はこちらがする」

赤松「……」

セミラミス「……」

赤松「……」








セミラミス「黙るな」ジャララッ  ザンッ

赤松「きゃー!」バタンッ

真宮寺「赤松さんがまた死んだ……!」

赤松「生きてるよ!」


522逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/29(火) 20:30:17.09Nk2peIMQ0 (2/5)

赤松「さっき黙れって言ったくせに!」

セミラミス「うるさい。我の気に入らないことをしたのがすべての元凶だ。自業自得と知れ」

赤松「セミラミスさんだ! この自分の主張と都合だけで周りをぶん回す感じ、間違いなくセミラミスさんだよ!」

セミラミス「不敬者が。まあよい。今の我は機嫌がいい。この『漬け置きサングリア』に感謝するのだな。作ったの我だが」チビチビナメナメ

真宮寺(行動パターンが丸っきりあの世界でのセミラミスさんのままで感動すら覚えるネ……)



※サングリアを家庭で作る場合は酒税法をよく読みましょう



赤松「ええと……私たちがなんでここにいるって、当たり前だよね。ここ才囚学園だし……」

セミラミス「何……? そんなはずはない。ここはカルデアだぞ?」

赤松「かる……ああ、巌窟王さんのホームだっけ」

真宮寺「……」

赤松「……」







赤松&真宮寺「は?」


523逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/29(火) 20:44:38.08Nk2peIMQ0 (3/5)

セミラミス「……貴様らの都合など知らぬ。知らぬ上に興味もなく、故に観察する義理もない」

セミラミス「目当てのものは見つかったので、我はそろそろ帰る」

セミラミス「この冷蔵庫は貴様らのか? レンタル料として中身はすべて貰っていくぞ」ゴソゴソ

赤松(よく見たらここ食事のスペースみたいだ……冷蔵庫とかテーブルとか椅子とかある……)

赤松「レンタルって? 私たち別にセミラミスさんから何か借りた覚えは……」

赤松(あ。いや最原くんの聖杯とかあったかな。でもあれ借りたんじゃなくって貰ったんだしな)

セミラミス「とぼけるな。我からゲームを盗ったであろう。いわゆる借りパクというヤツだな」

セミラミス「戦慄のファースト・タイヤキング・オブ・バビロンはキチンと返却してもらうぞ」スッ

赤松「なにそのディスク」

セミラミス「これこそは我が作りし闇のゲーム……クリアすれば賞品として聖杯が貰えたりする」

セミラミス「ククク。欲しいか? 欲しいか? 当然やらんがなァ!」ドヤァ

赤松(タイトルがださい……)

セミラミス「まあこれを貴様らにやったところで、人間ごときにクリアできる道理もないがな」

セミラミス「それにしても我ながら惚れ惚れする。まさに現代の至宝よな。見よ、この迸るような魔力――」ピクッ

セミラミス「って、中身が空ではないかァ!」ガシャァァァンッ!

赤松「至宝を地面に投げ捨てたーーーッ!」ガビーンッ

セミラミス「貴様ら……我のゲームの中身をどこにやった……? あれには我の分身も入っていたのだぞ」ゴゴゴゴゴゴゴ

赤松「分身……? ゲームの中身……?」

赤松「あっ」

真宮寺(なるほど。ぼんやりわかってたことが、やっとハッキリわかってきたヨ)


524逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/29(火) 21:00:11.89Nk2peIMQ0 (4/5)

最原「赤松さん。真宮寺くん。騒がしいけどどうしたの?」ヒョコッ

赤松「あ。最原くん」

セミラミス「ム。また増えたな。一体なにが起こって――」

セミラミス「貴様ァ!」ビュンッ

最原「うひゃあ!?」ガビーンッ

セミラミス「この捻くれた魔力……まさか我の聖杯か!? 聖杯であろう! 聖杯を持っておるな貴様!」ユサユサガクガク

最原「え? セミラミスさん!? え!? ええっ!?」

セミラミス(人間ごときにあのゲームがクリアできる道理はないが、ゲームをクリアせずして聖杯を得るのは更に無理)

セミラミス「貴様……ふむ。ふむふむ……」

セミラミス「いいだろう。これは教訓として受け取っておく。我のゲームをクリアされたのならば、それはそれでよいのだ」

セミラミス「次回作……作る気はなかったが検討せねばなぁ」スタスタ

最原「な、なんか勝手に納得して去って行った……」

赤松「あ! ちょっと! セミラミスさん、待って!」

セミラミス「断る」

赤松「本当に人の話聞かないなこの女帝!」

最原「セミラミスさん! お願い! 『待って』!」



ガチンッ


セミラミス「ム……? 体が動かん」ググッ

最原「あっ」

真宮寺(うっかり聖杯使っちゃったヨ)

セミラミス「……」ムスーッ

最原「あの……本当にごめんセミラミスさん。今のは事故だけどさ……」

最原「話、ちょっと聞かせてくれないかな? 裏付けを取りたいんだ」


525逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/29(火) 21:02:24.41Nk2peIMQ0 (5/5)

今日のところはここまで!


526以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/29(火) 22:08:46.93vJgJefkP0 (1/1)

才囚学園か。歯車と鎖は確定だな


527以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/29(火) 22:09:56.15isgjOidYO (1/1)

捻くれた魔翌力って自分で言っちゃうあたりやっぱセミ様ってマジセミ様だわ


528逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/30(水) 20:18:52.89CeflHxcA0 (1/1)

証言開始

~セミラミスはどこからやってきたのか~

セミラミス「我が何故ここにいるのかが気になるのか? 妙なヤツらめ」

セミラミス「自室から普通に徒歩でやってきたに決まっているであろう」

セミラミス「どうやら子供系サーヴァントの内の誰かが、このロストルームの噂を中途半端に覚えておったらしくてな」

セミラミス「『失われたものを見る場所』を『遺失物の取扱所』だと勘違いし、我が落としたゲームをここに届けたらしいのだ」

セミラミス「それを探していたらいつも間にやら貴様らと遭遇した。それが真実だ」

最原「……ロストルーム……?」

セミラミス「カルデアの使われていない倉庫の通称だ。あまりにも使われていなかったので、ちょっとした怪談話まである」

赤松「そのロストルームでゲームを探しているだけで、なんで才囚学園にやってきちゃうの……?」

セミラミス「なんの話をしている? だからここはカルデア……待て」

セミラミス「まさかカルデアではないのか? 本当に?」キョロキョロ

最原「うん。どうもセミラミスさんはうっかり穴に入り込んじゃったみたいだね」

最原「才囚学園と、巌窟王さんのホームを繋ぐ穴に」

セミラミス「どうりで居心地が悪いと……ふむ」

セミラミス「我がいなくなったら穴は塞いだほうがよいぞ。危険だからな」

最原「うん。わかった」

セミラミス「あと貴様、聖杯以外にも何か妙な力を持っているな? それも早めに捨てた方がよいぞ」

最原「本当にあっちのセミラミスさんと似たようなことを言うんだね……」

セミラミス「質問は終わりか?」

最原「まだ何かあったらナーサリーさん経由で訊くよ」

セミラミス「答えるかどうかは我の機嫌次第だがなぁ。祈れ」

セミラミス「それでは、な」スタスタ

赤松「……」

赤松「ピアノの約束……果たせなかったな」

真宮寺「彼女はキミの知ってるセミラミスさんじゃなかった。ノーカンだヨ」


529逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/31(木) 20:56:42.19LimxBXYp0 (1/2)

赤松「……」

赤松「……ん? いや。待って。待って。ナチュラルすぎて流しちゃったけどさ」

赤松「セミラミスさん帰しちゃダメじゃない!? 協力してもらおうよ!?」ガビーンッ

最原「……」エー

真宮寺「……」ムリダヨネー

最原「……」ネー

赤松「そこっ! 目で会話しない! 長い付き合いだからわかるんだからね!」ビシィッ

赤松「大丈夫だよセミラミスさんなら! 割と付き合いいいから!」ダッ

最原「あ! いやダメだって! その人あっちのセミラミスさんと別人だし!」

赤松「セミラミスさーん! 助けてー!」



ジャラララッ ザンッ



赤松「きゃー!」

最原(それきりパーティションの向こう側は静かになった……)

真宮寺「……死んだかな」

最原「さ、流石に生きてるよ……こんな終盤で、こんなくだらないことで死んだりしないよ……」ダラダラダラ



後で勇気を出して見に行ったら服が大分ボロボロになった状態で目を回していた。死んではいなかった


530逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/05/31(木) 21:09:43.29LimxBXYp0 (2/2)

赤松「……なんか虹色のトゲトゲした石をくれた。びっくりして服を破いたお詫びだって」

聖晶石「」キラーンッ

最原「なにそれ」

真宮寺「お詫びにくれたプレゼントが綺麗な石ってワンパク少年みたいだネ」

赤松「三つくらいくれた」

最原(徹頭徹尾意味がわからない……)

最原「ともかくこれでハッキリしたよ。あの穴は間違いなく巌窟王さんのホームに繋がっていた」

最原「そしてその事実を隠そうとした人が生徒の中に二人いる。一人は白銀さんで、もう一人は……!」

真宮寺「ねえ。その穴ってヤツ、僕も見たいんだけど」

最原「あ、うん。あっちの方だよ。研究資料の方も貸すから、二人で行ってきて。後で意見を聞かせて欲しいな」

真宮寺「わかった。行こう赤松さん」

赤松「着替えたい……」スタスタ

最原「……調べてない区画はあと一つくらいか。なにかあるといいけど……!」


531以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/31(木) 21:10:56.85a5W2crqN0 (1/1)

赤松、それ召喚できるぞ…!?


532以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/31(木) 22:43:42.32iwIQrjLc0 (1/1)

石を三つくれた蝉様、実質「呼んでね♪」的にデレてないか?


533以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/05/31(木) 23:30:33.49SAkI5DbZo (1/1)

一回分でよべるわけないやろ…(白目)


534以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 00:19:55.647a4Y47ut0 (1/1)

設定的にはたぶんつながりが深い順に呼べるんじゃないかと思ってる

だからエドモンが邪魔しなければチョコラミス呼べるはず

でも女神共の加護が邪魔するかも


535以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 01:22:57.000VFzcpDHO (1/1)

この広い宇宙には単発2回で欲しい星5を重ねる輩もいるんだよ…



536以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 07:32:34.08S6UUXujto (1/1)

ぐだ「気付いたら石3つ減ってるんだけど…」


537以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 08:36:37.74uPVVC2w3O (1/1)

単発で星5引きました(イメージするのは常に最強の自分)


538以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 08:48:24.962ESmSDs9o (1/1)

すまんな呼符で来た(すり抜け)


539以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 20:42:17.42ubECEvH60 (1/1)

決して自慢ではない、ではない。
最近星5が来る確率は1%を明らかに越えてるんだけどすり抜けだらけなんだよなぁ
しかもその今までのすり抜けの全部がアルテラとヴラドさんっていうね。
何かどこかで縁でも結んでたかな………


540以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 20:58:47.14F710lN9oO (1/1)

???「ワイロですよ」


541以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/01(金) 21:37:43.98UP4/OxJQo (1/1)

うち最初のガチャでセミ様来たんだけど
ここのSSを見ていいキャラ来たなーって思えた1ちゃんありがと

OSアプデしたらFGO起動できなくなったけど(´・ω・`)


542逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/01(金) 23:13:02.46BRxQwlW10 (1/1)

区切られた区画 最後

最原「……作業部屋?」

最原(最後の区画は、白銀さんの『臭い』が色濃く残っていた。もちろん比喩だけど)

最原(床に散らばる何らかの計画書。手書きな上に殴り書きなので大半が判別不能だ。モノによっては本人ですらもうわからないかもしれない)

最原「……白銀さんはここで一体なにを……ん?」

最原「これは、なんだろ」

最原「学級日誌……?」

最原(手にとって、読んでみる。読み込んで……)

最原(……すぐ閉じた)

最原「これ見たことが巌窟王さんにバレたら焼かれちゃうかもな……」

最原(学級日誌の正体は、なんてことはないものだった。巌窟王さんがこの学園に来てからの日記のようなものだ)

最原(基本的にみんなのことをベタ褒めしている。真宮寺くんのことですら一定の部分は認めているらしかった)

最原(白銀さんのことも。まあ、あの時点までは裏切りに一切感付かなかったので当然か)

最原「でもなんでこんなものが……白銀さんは本当になにをしてたんだ?」





穴のある区画

赤松「……これが巌窟王さんのホームに繋がる穴……」

真宮寺「研究資料によれば向こう側には行けないみたいだけどネ」

赤松「惜しいなあ。向こう側に行けたら脱出できるのに」

赤松「……ん……? あれ。ここに放置されてるのって……」

真宮寺「さっきセミラミスさんが持っていった冷蔵庫の中身、かな。持っていけないからここに放置したんだろうネ」

赤松「あれ。でも私たちと会ったときはいくらか既に食べちゃってたよね。あれは大丈夫だったのかな」

真宮寺「ヨモツヘグイ……とまではいかないだろうけど、後ろ髪を引っ張られる程度の強制力はあったかもネ。捻じ伏せることは充分可能だろうけど」

真宮寺「今頃彼女は、すごい胃もたれと戦ってるヨ」

赤松「しまらない人だなぁ」

赤松「……ん。食糧じゃないものも混じってるけど……!」

赤松「モノクマカラーのパソコン!」

真宮寺「は?」

赤松「覚えてない? モノクマルールとか書かれてたアレだよ! 何か重要な情報が書かれてるかも!」

真宮寺「……?」

真宮寺(ここに置かれてるってことは、セミラミスさんはこれも向こう側に持っていこうとしたってことだよネ)

真宮寺(なんで? そんな興味を引かれるようなものには……)

赤松「……よし。ロックはかかってない! 見放題! やった! じゃあ早速!」カタカタカタ

赤松「――」

真宮寺「……あ」

赤松「え。何コレ……? なに……これ……」

赤松「……ふ……」






赤松「ふざけないでよッ!」


543逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/02(土) 13:10:00.49vCXWenT+0 (1/2)

最原「……なんとか解読できないかなぁ。ええと……」

最原「卒……ア……いやダメだ本当に字が汚い。普段の彼女ならもうちょっと読める字書けるはずだけど。あえて崩してるのかな」

最原「数字とかは比較的無事だ。なんだろコレ……書式や規格のデータ……」

最原「……本を作ってたのか? なんの?」

パラリッ

最原「……おっと。なにか落ちたな」

最原(拾ってみると、それは白銀さんの映った写真だった)

最原(場所は図書室。アングルは……どこか見たことがあるな)

最原「……ん? これ、最初の学級裁判での、入室をトリガーにした隠しカメラと同じアングルだ」

最原「怪談側じゃなくって奥側の扉から入る白銀さんが単独で映ってる」

最原「……本を持ってるな。タイトルは……『写真術』って単語だけが辛うじて読み込めるけど……」

最原「ん……? 写真術?」

最原(……後で王馬くんにこの写真のことを確認しないといけないかもしれない)




「ふざけないでよッ!」



最原「……赤松さんの声だ? なにかあったのかな」


544逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/02(土) 20:48:30.19vCXWenT+0 (2/2)

穴のある区画

赤松「はあ……はあ……はあ……」

赤松「こんな……こんなものを今更見せられたところで……!」

赤松「なんで!? 全部手遅れなのに! こんなことしたって無意味なのに! どうして……!」

真宮寺「これはとてもじゃないけど最原くんには見せられないネ」

真宮寺「もし最原くんがこれを見たら、彼のことだ。白銀さんのことを助けるとか言いかねない」

赤松「……」

赤松「巌窟王さんを本気で止めようと思ったら命がいくつあっても足りないよね。真宮寺くんの時点で本当にギリギリだったのにさ」

真宮寺「どうする?」

赤松「私はこの学園に来たときからずっと変わらないよ」

赤松「首謀者には死んでもらう。絶対にね」

真宮寺「そっか。それなら誤魔化すのは僕に任せておいて。赤松さんは上に戻るまでうつむいて口を一切開かないで」

真宮寺「このファイルを隠したところで大局に影響はないだろうから、問題はないヨ」

赤松「……」

最原「どうかしたの?」ヒョコッ

真宮寺「さあネ。赤松さんがモノクマカラーのパソコンを見つけたんだけどさ」

真宮寺「今は赤松さんからパソコンを奪い取って、彼女が何を見たのか調べてるところだヨ。ブラウザ閉じちゃったみたいでさ」

最原「……大丈夫?」

赤松「……」

最原「?」


545逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/03(日) 20:36:00.86LUEb+TCU0 (1/4)

真宮寺「……ン?」

最原「なにか見つかった?」

真宮寺「多分赤松さんが見てたのとは別のものだろうけど……これ」



モノクマルール『一つ、このパソコンへの干渉を禁止する校則を作ってはならない』

モノクマルール『二つ、モノクマにも校則は適用されるが、生徒に指摘されなければその限りではない』




最原「モノクマルール……? 確か前の学級裁判で話題に上がったものだよね」

真宮寺「今は全文が見れる」

最原「!」

真宮寺「……白銀さんは本当に油断していたんだろうネ。操作途中で離席したからかロックをかけていなかった」

真宮寺「パソコンのスリープを元に戻す度にパスコードが必要になる、みたいな設定もあったらしいけど、面倒臭がって解除してたみたいだヨ」

最原「全文は!?」




モノクマルール『三つ、モノクマはコロシアイによらず生徒を外に出す手続きを行うことができる。これを最後の学級裁判と呼ぶ』

モノクマルール『四つ、モノクマは生徒の求めに応じて最後の学級裁判を開催できる』

モノクマルール『五つ、モノクマの校則違反の証拠を糾弾する証拠があると生徒が判断した場合、モノクマは最後の学級裁判の開催を拒否できない』

モノクマルール『六つ、以上五つのルールをもってモノクマと生徒の公平さを保つ絶対不変のルールとする』




最原「コロシアイによらない脱出方法……!」

真宮寺「なるほどネ。モノクマにも校則が適応され、更にわざわざ『これは公平さを保つためのルールだ』と明記されている」

真宮寺「ということは、この最後の学級裁判も『僕たちの存在そのものの不確かさ』を除外して考えれば、おそらく公平なルールで行われると推測できる」

最原「校則を明確に破った僕たちに、まだこの最後の学級裁判を開催できる権利があるかは五分だけど……!」

最原「巌窟王さん抜きで、この閉鎖空間に引導を渡せるかもしれない!」








真宮寺「……そんな必要ある?」

最原「え?」


546逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/03(日) 20:47:17.76LUEb+TCU0 (2/4)

最原(……ない、な。特には)

最原「ないけど……」

真宮寺「なら全部巌窟王さんに任せていようヨ。どっちにしろ白銀さんとモノクマを排除して、全盛の力を取り戻した巌窟王さんに学園を破壊してもらえば」

真宮寺「……それで終了だヨ」

最原「……」

真宮寺「それとも、白銀さんの本音ってヤツをどうしても知りたい?」

真宮寺「それ、彼女が生きてる内じゃないとどうしてもダメ?」

最原「それは……」

真宮寺「……キミならどんな真実でも見つけられるヨ。ここを脱出した後でもネ」

最原「うーん……」

最原(確かに現状では、僕の求める真実の優先度は低い。なにか新しい証拠でも見つかれば別だけど)

最原(今のところそんなものはないわけだしな……)

赤松「……」

最原「……ねえ赤松さん。本当にどうしたの? 全然喋ってないけど」

赤松「……」プイッ

最原(か、顔を逸らされた……!)ガーンッ





百田の研究教室の隠し部屋


東条「治療、完了……! あとは夜長さんが起きれば……!」

東条「夜長さん! 起きて! 夜長さん!」ユサユサ

アンジー「ぐー」スヤァ

東条「起きないわ……全然。こうなったら」スッ

東条「起きるまで無限に往復ビンタするしかないわね」スパパパパパパパパパンッ

アンジー「ぎゃふふぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぐー」スヤァ


547逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/03(日) 21:07:37.52LUEb+TCU0 (3/4)

東条「……」スパパパパパパパパパパパンッ

アンジー「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぐー」スヤァ

東条「あと一往復くらいで起きるかしら」スパパパパパパパパパパンッ

アンジー「ぐはっ」



ガッツ発動  HP0→HP3000



東条「ちょっと反応が変わったわね。あと少し」スパパパパパパパパパパンッ

アンジー「し、死ぬ……だ、誰か……」スヤァ

ガシッ

東条「!」

巌窟王「待たせたな」

東条「巌窟王さん……!」

巌窟王「すまなかった。アンジーの消耗が心配だったからな。出口のあたりで電子化したまま待機していたのはやり過ぎだったかもしれん」

東条「念には念を。当然でしょう?」フフッ

巌窟王「で……」

東条「?」

瀕死のアンジー「……」ピクピク

巌窟王「……」







巌窟王「やり過ぎだ貴様ァ!」ウガァ!

東条「!?」ガビーンッ


548逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/03(日) 21:26:19.11LUEb+TCU0 (4/4)

巌窟王「どうやら物凄い気合でなんとか持ちこたえたようだな」

東条「ビンタ程度ならダメージもそこまで響かないからと油断してたわ……」

巌窟王「まあいい! ともかくこれで全力を出せる!」

ズズゥン……

巌窟王「……外で何かが暴れているな……!」

巌窟王「アンジー! 起きろ! アンジー!」ユサユサ

アンジー「……大丈夫。もう起きてるよー」

巌窟王「だろうな。あそこまでやられて起きない方がどうかしている」

アンジー「うん。大丈夫。本調子……に限りなく近い」

東条「多少の無茶をしても膝は付かないわ。入間さんにしたのと同じ処置を行ったの」

東条「副作用が出るのは『忘れたころ』よ」

巌窟王「具体的にどうなる?」

東条「二分の一の確率で目玉が爆発して死ぬ……かもしれない」

アンジー「怖い。斬美が凄く怖い」ガタガタ

巌窟王「……テディベアをやろう。抱いていると不安が和らぐ」スッ

巌窟王コスのテディ「」クハハ

アンジー「いらなーい」

巌窟王「!?」ガーーンッ!

巌窟王「……さあ。最後だ。存分に暴れるとしよう」ボォウッ

アンジー「うん!」


549逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/04(月) 21:04:07.75r9d0hktj0 (1/2)

図書室探索チーム

星「入間。どうだ。何かわかったか?」

入間「急かすなドチビ……」カタカタ

入間「うん。間違いない。不明なプログラムが一件、中に入ってやがる」

入間「この場合の不明なプログラムはほとんどの場合はサーヴァントだ。モノクマならもっと他の名前で出力される」

夢野「本当にこの中にアルターエゴが?」

入間「十中八九セミラミスだろーな。問題はコイツをどうするか、だが」

星「呼びかけてみたら返事をしたりしねーか」

入間「するかもしれねぇが、ダメだな。去り際にモノクマの野郎が権限を凍結しやがった」

入間「セミラミスは現状眠ってるに等しい。返事をしたとしてもうわ言か寝言レベルの意味のない言葉だけだ」

夢野「起こせぬか?」

入間「無理だな。モノクマが強すぎる。『巌窟王を呼び出したとき並みの奇跡』とかがないと何もできねぇよ」

入間「なろー。何が取引だ。どうせBBもこうする予定だったんじゃねぇのか」

星「セミラミスに対して取引を引き継ぐ必要はモノクマにとってまったくねーからな。仕方ねー気もするが」

夢野「強いショックを与えたらなんか凄い偶然で起きたりしないかのう」スッ

入間「なんだその砲丸」

夢野「そこのゴミ箱に捨ててあったぞ」

星「なんでゴミ箱なんかに砲丸が……」

入間「……ん? その砲丸どこかで見覚えがあるような……?」


550逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/04(月) 21:20:32.81r9d0hktj0 (2/2)

星「……そうだ。巌窟王が燃やした砲丸だ」

入間「ん? んん……ああっ! 本当だ! あんときの凶器じゃねぇか!」

夢野「最初の学級裁判のときのか? 別モンじゃろ。血とかついておらんし」

星「だが位置的にどうも意図を感じるな……」

入間「……オイ。その他になにか見つけたりしてねーかドブス」

夢野「マジカルナックル」バキィッ

入間「ぎゃひい!?」グヘアッ

夢野「本を見つけたな」

入間「一発殴った意味は!?」ガビーンッ

星「ブス呼ばわりされりゃ誰でもキレるだろう……」

星「……で。何の本だ?」

夢野「料理本みたいじゃの。『モノクマでもわかる過程料理レシピ百選』」

星「まったく意図がわかんねぇ」

夢野「こればっかりは何も意味のない証拠じゃろうから元の場所に戻しておくぞ」

夢野「ええと……このナンバーだと……?」

夢野「……」

入間「あ? なんだよ。急に黙りやがって。貸せ」

入間「って、なんだよ。隠し部屋からならすぐ近くの本棚じゃねーか」

夢野「入間。一つ聞きたい。最初の学級裁判のときの隠し扉に向いたカメラのことなんじゃが」

夢野「あれって巌窟王が映ってたのは偶然なんじゃよな?」

入間「お? いやダサイ原に聞けよ。そこらへんはよ」

入間「……まあ仮説は立てられるけどな。確かにあのカメラとセンサーは明らかに隠し扉に反応するように設置されてたはずだ」

入間「巌窟王が本棚に近づいたときに『巌窟王が近づく写真』が撮れたのは偶然の可能性が高い」

星「……!」

星「入間。もしも本棚の隠しカメラに気付いていたら、センサーに引っかからないように立ち回れるか?」

入間「充分可能だろうな。あれは隠し扉に向いてたカメラだ。それ以外の部分は想定してねぇ」

入間「だから『隠し扉に向いたカメラ』に関してのみは、隠し扉が動かない限りはいくらでも避けられる」

入間「……なんで今更そんなこと訊くんだ? うざってぇ」

夢野「本当……本当イヤな想像なんじゃけど……! この本の背表紙のナンバーからイヤなことを思いついて……!」

入間「……?」

夢野「前言撤回。この本は大事な証拠じゃ。絶対に最原に届ける!」


551逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/05(火) 20:35:50.3269/xUSVu0 (1/2)

裁判場探索チーム

最原「他には何かない?」

真宮寺「……そうだネ。えーと……? なにかの動画ファイル、かな」

真宮寺「オーディション? 僕たちの名前が一つずつついてるけど……」


カチリッ


赤松?『自分で言うのもなんですが、私ってコロシアイに向いてる性格だと思います』

真宮寺&最原「!」

赤松?『基本的に人を信用してないんで』

真宮寺(これは……いよいよ最原くんの仮説が真実味を帯びてきたか……!)

真宮寺(まったく。さっきのと言い、このパソコンはイヤな情報のオンパレードだヨ)

最原「……これを見て赤松さんはふさぎ込んだのかな」

真宮寺「さあ?」

赤松「……」

赤松(違うけど黙っておこう)

真宮寺「オーディションの映像は全部で十三……」

真宮寺「……ん? 十三? 僕たちは十六人なのに?」

最原「……キーボくんと白銀さんと天海くんのヤツが、ない」

真宮寺「……」

真宮寺「今更ながら、僕たちの生い立ちが『万が一』にすべて設定だったとして」

最原「一向に認めないね」

真宮寺「じゃあキーボくんは? 僕たちの世界観に合わせている以上、僕たちが偽物なら彼も偽物ってことになるけど……」

真宮寺「機能的にはまず間違いなく彼はロボットだったよネ?」

最原「モノクマ側で用意したロボットだったのかも……記憶に関しても生きた人間の脳を弄れるんだから、彼に関してはもう議論するだけバカバカしいよ」


552逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/05(火) 21:11:39.5969/xUSVu0 (2/2)

真宮寺「じゃあもしかして彼もモノクマの仲間?」

最原「このゲームはゼロサムゲームだ。かなりピーキーな条件を満たせば二人助かるとは言ってもさ」

最原「ほとんどの場合は『たった一人の生き残り枠をかけて争うコロシアイ』だよ?」

最原「生徒の中にモノクマの内通者を入れるとしても一人が限界だと思う。だって『ほとんど一人しか生き残れないゲーム』でどうやって協力するの?」

真宮寺「下手を打てば仲間同士で争って、生徒の中に裏切り者がいることがアッサリとバレてしまう……か」

最原「むしろキーボくんは絶対的な味方だよ。そう……万が一裏切られたらお終いってくらいの」

最原「モノクマが演出重視で、二人の生徒を自前で好き勝手に用意できるのなら、一人は白銀さんのような純然たる裏切り者」

最原「もう一人は生徒に対するお助けキャラにすると思う」

真宮寺「いかにもな仮説だネ。でも確か明日になったら……」

最原「キーボくんが目覚めて僕たちを学園ごと破壊する……だっけ。タイムリミット、か」

最原「……僕たちの味方だったキーボくんが、僕たちを破壊する『かも』ってところがポイントなんだ」

最原「『全力で抵抗してみてよ』っていう白銀さんの意図が見え隠れしてる」

真宮寺「なるほどネ」

最原「……最終的にはキーボくんも助けないと、だけど。どうやったらいいのか皆目見当も付かない」

最原「どうにかこの辺り利用して、巌窟王さんから白銀さんを守れないかな」

真宮寺「ハ?」

赤松「!」

最原(……あ。いけない。これ声に出しちゃいけなかったみたい)ギクリ

最原(空気が一気に最悪レベルに……)

最原「……ええと……」

真宮寺「今のは聞かなかった。聞こえなかったことにするヨ」

最原「……」

最原(気まずい!)


553逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/06(水) 22:22:41.86dZ0QQpb00 (1/3)

魔神セイバー……? 違う。彼女はアルターエゴだった……!
あれCMすごい勢いで台詞入ってるけどハッタリだったりしねーかな。ハッタリだろうな……逆CCCコラボイベ的な……


554逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/06(水) 23:02:10.47dZ0QQpb00 (2/3)

最原(……ここで議論しても時間が無駄になるだけだな)

最原「外に出よう。キーボくんを閉じ込めているオブジェクトを改めて調べたい」

真宮寺「いいヨ。ここにはいつでも戻ってこられるみたいだし」

真宮寺「一番の証拠品のパソコンは持ち歩けばいい話だしネ」

赤松「……うん。じゃあ外に出よう」

最原(あ。復活した)

最原「ここにはもう戻ってくる必要はないよ。少なくとも証拠集めではね」

最原「全部調べた。大丈夫」

真宮寺「そう。それじゃあ上に……」



ヒョコッ



最原「ん?」

お布団「」ヤァ

最原「……?」ゴシゴシ

最原(お布団が二足歩行でこっちに向かってくる幻覚が見える)

赤松「どうしたの? 最原くん」

最原「ああ、いや。なんでもない……!?」

ヒョコヒョコッ バフッ

最原「うぎゃあ!? お布団が特攻してきた!?」ガビーンッ

赤松「最原くん!?」

最原「ぐ……む……が……あ。ふかふかで気持ちいい……なんだか眠く……」ウトウト

赤松「最原くん! ねえ! どうしたの最原くん! 最原くんってば!」

最原「……ハッ! あ、ご、ごめん! 赤松さん! うっかり眠るところだった……! しかし本当にふかふかで気持ちいいな……」フカフカ

赤松「最原くん! 最原くーーーんっ!」

最原「……あれ。おかしいな。なんで赤松さんの声がこんなに近くで聞こえるんだろう?」









赤松「意味不明な寝言はやめてよ! 起きてッ!」

最原「……」

最原「あ! 夢だコレ! 多分お布団の幻覚のあたりから僕、寝てる!」ガビーンッ


555逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/06(水) 23:11:33.65dZ0QQpb00 (3/3)

現実では

最原「お布団……気持ちいい……ふかふかぁ……」スリスリ

赤松「ちょ……やめっ……どこに顔をうずめてるの! 本当にハズいんだけど!」ジタバタ

真宮寺「急に赤松さんの方向に倒れたと思ったら……これ寝てるネ」

赤松「なんで!?」

真宮寺「そういえば天海くんの話では、最原くんって忘却補正を貰ったって話じゃなかったっけ」

真宮寺「さっきセミラミスさんもそれを仄めかすようなこと言ってたけど……」

赤松「……早めに捨てないと危険、だっけ」

真宮寺「いや。根拠は何もないんだけど。いくら何でもこのスピードで眠るのは異常だよネ」

ギュウッ

赤松「ひあっ……やめ……服ごしにかかる熱い吐息が、なんか凄く……!」ビクビク

最原「んん……」スヤァ

真宮寺「……」

真宮寺「この光景をパソコンのカメラで撮って茶柱さんに見せたらどんな反応を見せるかなァ。民俗学者として凄く興味があるんだけど」ワクワク

赤松「悪魔の発想! やめて! 私まで殺されかねないから!」

真宮寺「ともかくしばらくは、僕らはこうやって足止めだネ」

真宮寺「……百田くんか巌窟王さんがモノタロウをなんとかしてくれれば時間はまだある。祈っておこうヨ」

赤松「それまで私はどうしてたらいいの?」

真宮寺「茶柱さんが来ないように見張りくらいはしておくヨ」

赤松「根本的な解決になってない! でもお願いね! 死にたくないから!」


556以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/07(木) 21:40:53.14L31q2ecC0 (1/1)

来たぞ!!来たぞぉ!!!!
ついにアーケードに清姫が実装!!しかもボイスは新録!!まぁ事前に録ってあるだけかもしれないけど
とにかくこれで清姫の本編でのモーション改修も約束されたようなもんだ!!!!!
たぎる


557逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/07(木) 21:56:42.417Ar+5iErO (1/1)

残業でした。もう電器屋にかけこんでもテラリン買えない。

ところで話は変わるけどヴェルバーの尖兵ってどこで募集してます?


558逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/08(金) 00:06:21.92hFaXxAY80 (1/4)

あ! パソコンの更新がかなり時間かかってもう日付変わってる!
今日の夕方、テラリン買って存分に遊んでから更新します!


559以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/08(金) 02:19:30.65nNwwat8O0 (1/1)

乙乙


560逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/08(金) 22:09:16.62hFaXxAY80 (2/4)

地上

バンバンバンッ カチッ


百田「……タマが切れちまった! クソ! 少ねぇ!」

春川「違う! 百発百中だからってむやみやたらと撃つからだよ!」

春川(いや……そろそろ怖くなってきた。ありえないよコレ。どうなってるの)

春川(オカルト……? この際ありえなくもないかも。私たちはこの学園生活のことをあまりにも忘れすぎている)

春川(ていうか……)

ケツァルコアトル「……」ジーッ

メドゥーサ「……」ジーッ

ステンノ「……」ヒソヒソ

エウリュアレ「……」クスクス

春川(『何か』にこっち見られてる。物凄くガン見されてる……気がする!)ガタガタ

春川(百田の背後になにか憑いてる!)

ケツァルコアトル「縁結びとかの担当してる女神ってこの中にいまセン?」

メドゥーサ「ごめんなさい。魔除けとかはともかく縁結びは管轄外で……」

ステンノ「気合いでなんとかなるでしょ。ていうかしなさいよ駄妹」

メドゥーサ「私に言われましても」

エウリュアレ「この毎度毎度のごとく表紙で『俺の物語だ!!!!!!!』と全力で主張してくる少女漫画全巻貸してあげるからなんとかしなさい駄妹」

メドゥーサ「それ確か鈴鹿御前の私物だった気が……」

春川(声はまったく聞こえないけどロクなこと喋ってないことだけはわかる)


561以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/08(金) 22:17:49.48OWAcDufYO (1/1)

俺物語か…


562逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/08(金) 22:36:45.85hFaXxAY80 (3/4)

エグイサルレッド「弾が切れたの……? よ、よし! それならもう取っ組み合いしても全然問題はない!」ガシャンッガシャンガシャンッ

百田「!」


ガッシィィィンッ!


エグイサルレッド「コクピットが壊れたのなら、一回横倒しにするだけで全員外に放り出されるよねぇ!」ギリギリギリ

百田「こ……んの野郎! 取っ組み合いで決着付けようってのかよ!」ギリギリギリ

春川「確かにこの状態のコクピットなら、色々な安全機構が壊れてるし横転するだけで致命的だよね」

百田「俺が勝つ……! 何故なら! 俺が勝つからだ!」ギリギリギリ

春川「……」

春川「百田。神様っていると思う?」

百田「俺はオカルトの類は大嫌いだ!」

女神勢「!?」ガビーンッ

春川「あ、うん。その点に関しては長い付き合いになっちゃったから知ってるけどさ。もう嫌いとか言わない方がいいよ、見限られるから」

春川「……いると思う?」

百田「少なくとも女神は見たことあんな!」

春川「ん……そう」

百田「ツインテで……不器用で……人と関わることに対して恐怖を覚えてて……!」

百田「なんか気付いたら俺の傍にいることが多くなってよぉ!」

春川「ん?」

女神勢「!」

百田「過去の辛い体験を未だに引きずるような優しいヤツで……たまに笑う顔が可愛くて……!」

百田「俺の膝の上で、俺の勝利を願ってくれてる!」

百田「少なくとも俺にとっては、お前が実在する女神そのものだ! ハルマキ!」

春川「え……? は? え?」アタフタ

百田「……ええと」

百田「……あれ。やべぇ。告白にしては遠回しすぎたかな……」

春川「がふあっ!?!?」ズギャァァァァンッ







ケツァルコアトル「……あれ。これ縁結び必要ないデスね」

エウリュアレ「もう読まなくていいわよ。返して」ヒョイッ

メドゥーサ「まだ途中だったのに……」


563逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/08(金) 22:55:17.34hFaXxAY80 (4/4)

百田「悪い。後でやり直すぜ。よく考えたら今それどころじゃねぇしなぁ」ギリギリギリ

春川「え。あ。えー……? いやあの、今の一回で充分だから。もう一回やられたら心臓が今度こそ止まって死ぬ」カァァ

百田「お。そうか。じゃあ返事は早めに頼むぜ! さて……この膠着状態をどう脱するか。下手打てば今度こそ死ぬ――!」

春川「……」スッ



チュッ



百田「――」

春川「……ほっぺにチューで頑張れるんでしょ?」

百田「……」

春川「……ん? 百田?」

エグイサルレッド「出力全開! これでぇ……終わ――」

百田「イヤッホオオオオオオオオオオウ!」ドカバキグドシャァァァァァンッ!

エグイサルレッド「ぎゃあああああああああっ!?」

春川「!?」ガビーンッ

メドゥーサ「今のは一体……? 早すぎて見逃しました」

ケツァルコアトル「一瞬で手を離して一瞬で相手にラリアットをかまし一瞬で股間に蹴り一瞬でスピンがかかったアッパーカットのコンボデース」

ステンノ「……加護を使いつぶす勢いね。いや加護ありでもできるかどうかの応酬だけど」クスクス

エウリュアレ「それじゃあ、用意しておいたこのくす玉。私が引っ張るわね」クイッ

春川「?」



パカッ


くす玉「おめでとう!」パッパカパー

春川(やかましい! 恥ずかしくて顔を上げられないし!)カァァ

百田「今の俺はかつてないほど頑張ってるぜーーーッ!」バキィィィンッ!

エグイサルレッド「し、死ぬーーーッ!」ガビーンッ!


564逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/09(土) 23:37:51.381QBCWCpo0 (1/1)

春川「……行ける! このまま決めてしまえる!」

百田「ああ! やってやるぜ! しっかり見ときなハルマキ!」

百田「俺がみんなを守るんだよッ! 俺たちでみんなを助けるんだ!」

百田「せっかくみんな生き残ったんだぞ! 終一と『アイツ』の頑張りを無にはさせねぇ!」

春川「……アイツって誰?」

百田「決まってんだろ! いつも難しいこと言って煙に巻いて、人の悪性に怒ってる割には笑いを絶やさない」

百田「いけすかねぇ態度のアイツの名前は……!」

百田「……」







百田「……誰だっけ」




エグイサルレッドの中

モノタロウ「い、いやだ……死にたくない。死にたくないよ……! 助けて父ちゃん!」ガタガタ

「あーあ。すっかり怯えちゃって」

モノタロウ「!」

「……もういいや。どうせ全員処理する気だったしね。ここから先はボクがやる」

「ま、協力自体はまだしてもらうけどさ」

モノタロウ「その声、お父ちゃん? どこ?」キョロキョロ



バチィッ


モノタロウ「ぎゃああうっ!?」

「知ってる? 子供のすべては親のものなんだよ。だから子供は全力で親にぜんぶ捧げる義務があるんだ」

「ボクじゃあエグイサルは動かせないからね。意識を乗っ取らせてもらうよ」

モノタロウ「ぎ……ぎぎぎ……消えっ、消える! オイラの意識が……ひい、やめ……!」

「ところでオマエ、名前なんだっけ」

「……もういいや。思い出す気もないしね!」


565逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/10(日) 20:42:51.600gINyphY0 (1/3)

テラリン、たしかにこれ番外編だったな。アニポケに対する映画版っていうかヨ……!


566逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/10(日) 21:05:00.020gINyphY0 (2/3)

エグイサルレッド「……」


ガッ


百田「ん?」

春川「……百田! 下がって! 何か様子がおかしい!」

バキィィィンッ

百田「ぐああ!?」グラッ

春川「ううっ!」

エグイサルレッド「……」フシュウウウ

春川「……気配が変わった。さっきまで戦意が折れかけてたのに」

百田「追い詰められすぎて第二の人格に覚醒したか?」

春川「漫画?」

百田「いいぜ! なら第二ラウンドと洒落こもう――」



ガイイイイインッ



百田「……っぶな! 動きがいくらなんでも急によくなりすぎだろ!」

春川(スタイルがガラッと変わった……おかしい。何が起こってる?)

春川(いや。真相がどうあれこれはちょっと……まずい!)


567逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/10(日) 21:58:53.770gINyphY0 (3/3)

ガインッ ドガッ

百田「早っ……まずいな! ははっ! 防戦一方になっちまったぞ!」

春川「百田!」

百田「……安心しろハルマキ! 絶対に勝つからよ!」

百田「それはそれとしてなんかお前重くなってきたから隙を見て降りてくんねぇ?」

春川「なに今更弱気になってるの? そんな嘘吐かれてもどかないからね」

百田「重いって部分に関しては嘘じゃねぇんだけどよ」

春川「肘入れるよ」ドスウッ

百田「ごめんな!?」ガファ

百田「……まあどっちにしろ無理か。後ろ見せたら二人もろとも潰されるぜ」

百田「なにか状況が変わんなきゃ一気に……!」

春川「……私たちが終わる」

百田「……やれるだけやってやるさ。その結果ダメならダメで俺はそれでいい」

百田「それに、自分以外に信じられるものは他にもある」

春川「?」

百田「自分を信じるだけじゃ不足なら、仲間のことも信じてみようぜ」

春川「!」

百田「ま、それでダメならやっぱり俺の責任だけどなぁ」

春川「……」

春川「……誰だったっけ」

百田「?」

春川「マントと帽子。黒い炎。鋭い眼光。それだけは覚えてるんだけどさ」

春川「……アイツ誰だっけ」

百田「……忘れた! でもまあ、なんだろうな! こんなときに連想するってことは余程頼りになるヤツだったんだろ!」



ガインッ


百田「俺の方が頼りになるけどなぁ!」


568以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/10(日) 22:46:53.665okLOG9DO (1/1)

早く、早く助けに来てやってくれ……がんk……金八先生!


569逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 07:11:40.37nOtlfYUS0 (1/6)

やるしかねぇ……玉藻の前を引くしかねぇ! ここで引かずにいつ引くんだァーーー!

https://twitter.com/Japanesecastle


570爆死の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 07:49:28.50nOtlfYUS0 (2/6)

余は……玉藻の前をカルデアに……呼びたかった……


571以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 07:51:08.64h0hz6A9jo (1/1)

キャットで我慢するんだワン


572逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 07:55:39.60nOtlfYUS0 (3/6)

そうだ! 俺にはキャットがいる! おーいキャット出ておいでー! あれ? キャット? どこに行って……



キャットすらいねぇんだよッ! うちにはよッ!


573以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 08:03:47.05q2y4jfga0 (1/1)

槍玉がわりののり玉なら朝あげるけど



574逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 08:07:26.21nOtlfYUS0 (4/6)

わーい。


……ひとまずカール大帝に泣きついてきますわー。同化されてきますわー。やはり世界はオラクルされるべき……


575以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 10:46:30.21aRYXOz0A0 (1/1)

ズール皇帝こそ正義だ!


576逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 20:50:03.29nOtlfYUS0 (5/6)

校舎内

茶柱「……」

王馬「……わーお。ビンゴ。最初に俺らが到達するとはねぇ」ケラケラ

白銀「……久しぶり。元気してた? 茶柱さん」

茶柱「白銀さん……!」

王馬「よし! 茶柱ちゃん! 戦闘準備だ!」

茶柱「言われなくとも! 今この場で白銀さんを押さえられるのは転子しかいませんので!」

茶柱「王馬さんも多少は支援してくださいよ! モノクマがどこにいるかわかったもんじゃありませんので!」

白銀「酷いなぁ。仲間に対してそこまで警戒することないのに」

茶柱「転子自身もちょっとはそう思いますけど、最原さんの言を信じないわけにもいきませんので!」

茶柱「一発ぶん殴って楽に気絶させてもらいますよ!」

白銀(……私に警戒して王馬くんから目を離したな)

白銀「ふふ。茶柱さん。ちょっと話したいことがあるんだけどさ」

白銀「王馬くんがさっきからチラつかせてるその銃。一体どこから持ってきたと思う?」

茶柱「は?」

白銀「実はさ。それ出所、私なんだよね」

茶柱「……」

白銀「……いきなり言われても意味がわからないだろうから言ってあげるよ」







白銀「裏切ってるんだよ! 王馬くんは!」ギンッ

茶柱「ッ!」


577逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/11(月) 20:55:03.82nOtlfYUS0 (6/6)

茶柱「それさっき聞きました」バキィッ

白銀「がふああああああああっ!?」

王馬「いや裏切るわけないじゃん。常識的に考えて」

白銀「ええーーーっ!? あれれーーーっ!?」ガビーンッ

茶柱「間合いに入りました。案外打たれ強いですね。でもまあ……気絶しないなら気絶するまでお手玉にしてあげます」ブンッ

白銀「きゃあーーーっ!? ちょ、王馬くん!? 助けっ」




グショオアッ




王馬「……」

王馬「まあ約束は守るよ。頑張って白銀ちゃん」

白銀「うわーん! 助けてー!」ダッ

茶柱「あ! まだ気絶してなかった! 待てーーーっ!」ダッ


578以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 21:14:15.64f/QbQ8gDO (1/1)

結構やべぇ音してんのにタフだな
こりゃボコり甲斐があるってもんやで


579以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 22:01:14.83Dq3udCd00 (1/1)

誰に助けを求めてるんだ。助けてくれる奴がいると思ってるのか?


580以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 22:08:02.300aiQsHpeO (1/1)

これ茶柱はまだ手心加えてる方な気がするな
殺された組に鉢合わせでもしたらタイヘンダナー


581以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/11(月) 23:39:50.85N0khqJRu0 (1/1)

転子は最原が白銀潰すつもりじゃないの分かってるんでしょ



582以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/12(火) 19:13:21.15T/AMJKmy0 (1/1)

流石に王馬でもこの状況での裏切りは無理だったか


583以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/12(火) 19:56:57.91/cNg5lgKO (1/1)

そもそも巌窟王を完全に敵にしたら死ぬだろうしな


584逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/12(火) 20:42:37.57I3h34Krq0 (1/3)

王馬「さぁてと。それじゃあ白銀ちゃんにはしばらく茶柱ちゃんの追いかけっこしてもらうとして……俺は」

アンジー「あ! 小吉ー!」

王馬「ん? おお、アンジーちゃん! おひさー!」

巌窟王「王馬!」

王馬「誰?」

巌窟王「!?」ガビーンッ

王馬「……あー、いや。待って。言わないでいい。見たことはあるんだ。見たことは……」ウーン

巌窟王「そうだ。思い出せ。貴様はムカつく男だったがやればできるはずだ」ドキドキ

王馬「あ!」

巌窟王「クハハ! そうだ! 我が名は――」

王馬「アンジーちゃんの研究教室にあった謎の蝋人形!」

巌窟王「」

アンジー「……の、元ネタの方だよー。本当に覚えてない?」

王馬「覚えてないよ!」

巌窟王「……」ズーン

巌窟王「まあいい。ところで王馬。今は一人か? この状況で」

王馬「いや。さっきまで茶柱ちゃんが一緒だったんだけどさ」

王馬「……」

王馬「確か天海ちゃんの生存者特典では……」

巌窟王「?」


585逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/12(火) 20:52:35.26I3h34Krq0 (2/3)

王馬「大変なんだアンジーちゃん! 茶柱ちゃんが白銀ちゃんを追っかけてどこか行っちゃったんだ!」

アンジー「え」

巌窟王「!」

王馬「俺……一生懸命追おうとしたんだけど、途中で見失っちゃって……もうどうしていいかわからなくなっちゃって……!」グスグス

アンジー(嘘くさー)ゲンナリ

巌窟王「落ち着け王馬。貴様次第だ。白銀の行きそうな場所に心当たりは?」

アンジー(今までが今までなのにこっちは信じてるー。わーい)

王馬「考えられるとしたら地下だよ! 間違いない!」

王馬「天海ちゃんの生存者特典には、地下に俺の研究教室があったんだ!」

王馬「俺の研究教室ってまだ解放されてないんだよ! 身を隠すなら最適な場所だ! それに……!」

アンジー「それに?」

王馬「……茶柱ちゃんをそこに誘い込んで、出入り口を隠せば、後は白銀ちゃんが茶柱ちゃんにやりたい放題だよね」

巌窟王「!」

巌窟王「そうか。今やヤツは、最原にとっての想い人。演出重視を謳うならヤツが茶柱に何かをしない、という方が不自然か」

王馬「誰だかわかんないけどわかってるじゃん! 誰だかわかんないけど!」ヘラヘラ

巌窟王「……地下、だな。よし。アンジー! 後からついてこい!」ビュンッ

アンジー「気を付けてねー!」

アンジー「……よし。行っちゃったね」

王馬「あれ? アンジーちゃんは追わないの?」

アンジー「今更、小吉の言葉を信じるほどお人よしじゃないしー」

王馬「逆にここまで来て俺の話を信じる『巌窟王ちゃん』の立つ瀬がないな……」

アンジー「しかもちゃっかり思い出してるし」

王馬「……一応言っておくけど、彼が仲間ってことだけしか思い出せてないよ。誓って本当」

アンジー(超嘘くさー)


586逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/12(火) 21:23:47.98I3h34Krq0 (3/3)

アンジー「……あれじゃない? あそこで走ってるのって転子とつむぎじゃない?」ジーッ

茶柱「待てー!」ダダッ

白銀「きゃーっ!」ダダッ


グシャバキッ


アンジー「……何のつもりー?」

王馬「ちょっとだけ覚えてることがあったんだ。記憶の整合性がないからずっと夢か何かだと思ってたけどさ」

王馬「脳裏にこびりついて離れない光景があったんだよね」

アンジー「?」

王馬「最原ちゃんが必死に誰かを許すために頑張ってる姿。多分、裁判だよね。あれ」

アンジー「……まさか」

王馬「ま、くだらないけどさ。誰かを許すためにはケジメが必要なんでしょ?」

王馬「おしおきほど苛烈じゃないけど、ああやって茶柱ちゃんに追われてる白銀ちゃん、今は滅茶苦茶怖がってるはずだよ」

アンジー「凄い音するしねー」

王馬「つまるところコレ、最原ちゃんのマネだよ。俺は白銀ちゃんを許してあげたいのさ」

アンジー「全部思い出してるわけじゃないって言った傍から……」

王馬「当然、白銀ちゃんの悪事は全部最原ちゃんや天海ちゃんからの伝聞」

王馬「だけどまあ俺にとってはそれで充分だよ。怒りの理由が薄っぺらいのも俺らしくない?」

アンジー「……」

アンジー「アンジーたちはこれで納得できないよ。特に……」

王馬「巌窟王ちゃんは、でしょ? まあ難易度ナイトメアのゲームに挑んでみるのも悪かないさ」


ゴシャドグチャッ


王馬「あはははははっ! 見て! 物凄く高くまで飛んで落ちちゃったよ! 人間って本当にお手玉になるんだね!」ゲラゲラ

アンジー「理由はどうあれ小吉がナイトメア級に悪趣味なのだけはわかる」


587以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/12(火) 21:35:57.314FDmkls/0 (1/1)

なんで巌窟王覚えてない奴とか忘れちゃったけどなんでだっけ?教えてモノクマ


588以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/12(火) 21:48:23.631+35NPem0 (1/1)

>>587
前回の裁判後に裁判場を脱出した組は記憶操作されて巌窟王がいなかった偽の学園生活の記憶を植え付けられてるから


589以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/13(水) 00:00:45.28EqC6Ih/F0 (1/1)

ああ、そういう理由だったか。ありがとう
裁判とか随分昔の事に感じる…


590以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/13(水) 04:56:27.48S6CfS4Hz0 (1/1)

なんやかんや黒幕してるし、身体能力とか基礎能力は普通にありそうな白銀さん
育成計画とか一切してないのでそこら辺の詳しい設定は全く知らないけど


591逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 20:28:58.30uQeXPUT80 (1/10)

いくら爆死してもなァ!!!!!!!!何回も引いてりゃ最終的に来るんだよ!!!!!!!!なあ沖田くん!!!!!!!!キミもそう思うだろ!?!?!?ええまったくです!!!!!!!!!最終的に引ければ爆死じゃありません!!!!!!!!!こふっ!!!!!!!!!


と言ってもまあ来ないときは来ません。諭吉の宝具を解放しても来ません。
夕飯食ってガチャ実況してから更新します。万が一沖田オルタ来ちゃったら『20レス分SS書くまで眠れまトゥウェンティ』してやるぜ


592逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 21:17:29.22uQeXPUT80 (2/10)

諭吉、宝具真名解放……! 行くぜ! ひとまず星5礼装くらいは出てくれ!


593逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 21:25:55.39uQeXPUT80 (3/10)

……眠れまトゥウェンティ開始……


594以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/13(水) 21:42:08.84cEP2RwGRo (1/1)

今回引けなかった代わりに、夏の水着ガチャで★5引けると信じよう…


595以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/13(水) 22:03:37.05uoXdA/xyo (1/1)

ごめんね以蔵さん魔神さん俺は美遊まで貯めないとなんだ(呼符30枚溶かしながら)


596玉藻の前のときに何故この運が来なかった……? ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 22:09:25.36uQeXPUT80 (4/10)

数秒後

白銀「ごふっ……ぜぇ……ぜぇ……」ボロッ

茶柱「……」

茶柱「ええと……あの……やり過ぎました」テヘッ

アンジー「どんまい!」グッ

王馬「どんまいじゃないよ。やり過ぎだよ……打撲だけでショック寸前になってるじゃないか……」ドンビキ

茶柱「あれ? アンジーさんじゃないですか。あなたも外に出てこれたんですね!」

アンジー「うん。終一のお陰」

茶柱「そうですか。うん……ふふっ」

アンジー「……」イラッ

王馬「アンジーちゃん。ステイ」

白銀「お、王馬くん……! なんでこのタイミングで……」

王馬「俺が裏切るのはもうちょっと後だろうと思った?」

白銀「!」

王馬「白銀ちゃんの思惑通り、少しくらいは考えたんだよ。一旦は迎合するフリをして機を見て裏切り返す、的な?」

茶柱「……あ。あれってマジバナだったんですね……」

王馬「当然、次の首謀者の地位に魅力を感じなかったわけでもない。キミからの提案だから癪に障るという点を差し引いてあまりある取引だ」

王馬「でも俺は考えたんだよ。つまり――おっと。ここから先は白銀ちゃんには聞かせられないな。まだ」

白銀「……いたい。すごく痛い。でも……まだ」ググッ

茶柱「嘘でしょ!? なんでまだ立ち上がれるんですか!?」

白銀「……巌窟王さんはどこ……? 私はまだ……!」ズリッ……ズリッ……

王馬「……」

王馬「うーん……どうしようかなぁ。やるなら今なんだろうけどなぁ……」

王馬「ここまでボロボロになってもまだやる気なら放っておいちゃおうかなぁ」


597以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/13(水) 22:11:02.478NZL2sR7O (1/1)

おる太はパッと見は強いけど結局クラスがアルターエゴだから手持ちの騎殺術鯖が揃ってればそこまで必要ないのが悲しいとこ
仮に剣や狂で来てたらマジの最強格だったけど、現状はまあ褐色おっぱいが全てだよね

どうしても欲しい人を除けば、この後来るっぽい復刻の術ネロ狙った方が利口かもしれない


598逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 22:17:26.17uQeXPUT80 (5/10)

茶柱「王馬さん。あなた何をする気なので?」

王馬「白銀ちゃんとの約束を果たす。ピンチになったら人質を取るって取引だったんだよね」

王馬「後のことは聞かされてない。聞かされてなかったから俺が勝手にやるつもりだった」

茶柱「ん? 白銀さんの計画なんですから王馬さんが勝手にやったらダメなんじゃ……」

王馬「なにせ聞かされてなかったからね! そういうのも聞いてないね! 聞いてない以上、やっちゃダメだとか知らないね!」

茶柱「へ、屁理屈……」

王馬「まあ簡単な話だよ。俺は仲間の内の誰かを人質にとるつもりだった」

王馬「この場合の誰かなんて、一人しかいなくない?」

アンジー「……あ。最悪だよー。小吉がなにを考えてるのかわかっちゃったー」

茶柱「え?」

アンジー「あれ」

茶柱「あれ?」

白銀「……」ズルッ……ズルッ……

茶柱「……」

茶柱「あ!? はあ!? 『白銀さんを』ってことですか!?」ガビーンッ

王馬「仲間なのは変わらないし」

茶柱「屁理屈ーーーッ!」ガーンッ

アンジー「つむぎを人質に取ったあとはモノクマに対して交渉し放題、か……そうしちゃえばー?」

王馬「ちょっと気が変わっちゃった。このまま白銀ちゃんのことを見てるのもいいんじゃない?」

茶柱「その心は?」

王馬「白銀ちゃんが本当は何を望んでたのか。興味が出てきちゃった」ニヤァ


599逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 22:25:58.27uQeXPUT80 (6/10)

校舎内 玄関

ズドドドドドドドドンッ




巌窟王「うおおおおおおおお! 待っていろ! 白銀に復讐を果たしてみせる!」

巌窟王「茶柱! 貴様はそれを間近に見ることになるだろう! この世の地獄を肌で感じるがいい!」



ガシャコーーーンッ



巌窟王「……」

巌窟王「校舎の外が騒がしいな……白銀を灰にしたら外に出てみるか」

巌窟王「クハハハハハハハハ!」ズドドドドドドドド





校舎の外

百田「押し返す……!」

エグイサルレッド「……」

春川(最原……なにしてるの最原。早く! 状況が変わらないと、私たちは……!)


600逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 22:39:23.77uQeXPUT80 (7/10)

図書室の隠し部屋周辺

ガララッ

天海「……あ! 夢野さん!」

夢野「おお! 天海か! せっかく来てくれたところ悪いが、ここの探索はもう終わったんじゃ」

星「ひとまず俺たちは白銀とモノクマを引き続き捜索する。単独行動しているのなら同行しろ。危険だからな」

天海「……ということは白銀さんもモノクマも見つけてないんすね。まだ」

入間「露骨にガッカリすんなっての。アイツらを見つけられないなんて今更すぎんだろ」

入間「あの瞬間まで正体をひた隠しにできるような連中だ。秘匿、隠匿なんざマスかくのより余裕だろ」

天海「比較対象がよくわかんないっす……」

天海「……」

天海「赤松さんがどこに行ってるか知らないっすか?」

入間「確かダサイ原と怪人ナメクジマスクと一緒に行動してたはずだろ?」

星「赤松がどうかしたのか?」

天海「窓から外を見てみたら、百田くんが大ピンチになってたんすよ。そろそろ状況を変えないと百田くんが負けるっす」

天海「百田くんが負けたら誰もエグイサルを止められない」

入間「一気に皆殺しか……ゾッとしねー……!」

入間「……ん? いや質問の答えになってねーぞ。それと貧乳松が何の関係が……」

天海「彼女なら手がかりを掴める。そういう話になってたはずなんすよね」

入間「?」

天海「この学園に帰ってきてから何か気付かないっすか? 変だなーって」

星「……」

星「ああ、そうか。音だな」

入間「音?」


601前スレ674参照 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 22:52:31.67uQeXPUT80 (8/10)

天海「この学園は、以前の学園生活を覚えている人にしかわからない『環境音の変化』が起こってるんす」




BB『……変な磁場がありますね。前はこんなものなかった気がするのですが……』

夢野『変な磁場?』

ジャガーマン『んー。こんなこと言いたくはないんだけどさー……どこかから見られてない?』

BB『え? ああ、そういえば、このねっとりする感覚はまず間違いなく盗撮ですね。流石に野性の勘は鋭い』

夢野『盗撮ゥ?』

天海『……あ。そういわれるとなんだか変な感じっすね』

夢野『んー……? 気のせいじゃ、と言い切れない何かがあるのう』

百田『そうか?』

春川『……ピンとこないけど。気のせいじゃない?』

夢野『……んあー?』

天海『うーん……まあどうにでもできないから、ひとまず放置するしかないっすよね』





天海「BBさんの言を信じるのなら、おそらくこの環境音の正体は……」

星「監視カメラ……ってところか?」

入間「ありえなくもねぇな。このマザーモノクマには監視の権限も用意されてたみてぇだし」

入間「今使えないのは権限が凍結されているからだが、凍結したのなら白銀はどこからどうやって俺たちを見てるんだ?」

入間「……そこに謎の正体があるんだろーな! 『マザーモノクマによらない代替監視能力』。それが環境音の正体……かも!」

天海「かもなんすよねぇ……赤松さんがいない限り」


602逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 23:00:16.21uQeXPUT80 (9/10)

天海「……最原くんたちはどうしてるのやら。もう調べたのか、さもなくば後回しにしてるのか……」

入間「でも早く白銀かモノクマを見つけないとやべーんだろ?」

天海「状況を変える一手が今すぐ必要なのは間違いないっすね」

星「……入間。なんとかできねーか?」

入間「え? 俺様?」

夢野「入間! なんとかするんじゃ! 超高校級の発明家じゃから監視カメラ相手でもなんとかなるじゃろ!」

入間「無茶言うんじゃねーよ! 俺様のは開発する才能であって、メカニック的なのは副次的なものでしかねぇんだからよ!」

夢野「天海の童貞を賭けよう」

天海「!?」ガビーンッ

入間「グッド。今すぐに倉庫に向かって突貫工事で金属探知機作ってやらァ!」

天海「!?!?」ガビビーンッ

星「……」

星「人権をかなぐり捨てろ。俺たちの命のために」

天海「了解っす! 今から俺はみんなを助けるために、入間さんの性奴隷になるっす!」

天海「って、バカっすか!?」ガビーンッ


603逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/13(水) 23:01:58.89uQeXPUT80 (10/10)

たしかに私は……眠れまトゥウェンティを開始すると言った。言ったが……!
それが今すぐだとは言ってない……私がその気になれば明日でも可能だろう……ということ……!


ごめん今日はマジで無理。明日はやいっす。おやすみなさい!



604逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/14(木) 20:47:32.8898BJTUzF0 (1/1)

今日は物凄く頑張って沖田くん育成してイベント進めないと忙殺されかねないので休み!
明日はできる!


605以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/14(木) 21:30:38.84GFCyrk22o (1/1)

沖田くんの前に龍馬育てるんやぞ
ミッションあるからな


606以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/15(金) 13:03:22.63kVMKFy35O (1/1)

再臨3段階まで育ててミッション終了、その後は思う存分沖田を育てなさい


607逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/15(金) 18:29:47.72SUej86Sp0 (1/2)

倉庫

入間「確かにチラッと見た感じ百田のヤロー、大分追い詰められてたな」

星「急げ! どのくらいでできる?」

入間「……あー……」

入間「十分」

星「チッ! 流石に何の設備も整ってない倉庫でぶっつけ本番じゃそんなもんか……」

入間「……」シュン

夢野「んあ? なにをガッカリした顔をしておる?」

入間「なんでもねぇ。すぐ作る」タッ

天海「……凄い不満気だったっすけど、一体なんだったんすかね」

星「……そうか。入間。アイツこの状況でなんてヤツだ」

天海「ん?」

夢野「あ。いや……まさか。いやいやこの土壇場でそれは……ないじゃろ?」

天海「え? なんすか?」

夢野「あれじゃ。あれ。洋画とかでよくあるヤツ。あのセリフ回し期待してたんじゃろ」

天海「洋画とかで……?」







天海「あ」


608逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/15(金) 18:42:42.82SUej86Sp0 (2/2)

三分後

入間「……できたぜ」ムスーッ

天海「わざと多めに時間深刻したんすね!? やっぱ!」

入間「気付くのおっせーよクソ遅漏ども!」

夢野(五分でやれって言ってほしかったんじゃな……)

星「ともかく早いのはいいことだ。さっさと監視カメラを見つけるぜ」

入間「おう! 俺様は疲れたから休んでいいか?」

天海「ダメっす」

夢野「しかし監視カメラと言っても闇雲に探して見つかるもんかのう。隠してあるじゃろうし」

天海「それに関しては既に考えてあるっす。監視カメラがある可能性が高い場所で、尚且つある程度狭い場所……」

天海「そこを探れば比較的簡単に監視カメラが見つけられるはずっすよ」

星「具体的には?」

天海「外でエグイサル同士が戦っているという事実を抜きにして考えるなら、寄宿舎の個室が一番それっぽいっすけど……」

入間「む、無茶すぎる! あそこを素通りできると思ってんのか!?」

天海「俺には不可能っす。入間さんにも星くんにも」

入間「ほれ見ろ! この場にいる誰にも不可能だろう……が……」

入間「……」

入間「ん?」

夢野「んあ?」

星「なに?」

天海「夢野さんなら可能っす」

夢野「んあっ!?」ガビーンッ


609逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/16(土) 00:27:44.08EKRj4MzD0 (1/5)

校舎 玄関

ガシャコーンッ ズドドドドドッ


天海「作戦はこうっす。まず夢野さんがジャガーマンさんの加護を使って姿を消す」

天海「その後、金属探知機を持った夢野さんがエグイサルの横をすり抜け寄宿舎へ直行」

天海「場所が場所っすからね。寄宿舎に入るにはエグイサルの横をどうしても通り抜ける必要があるっす」

天海「その後、夢野さんは寄宿舎の中に入り、金属探知機を使って監視カメラを発見」

天海「この場に持ち帰れる程度に小型なら持ち帰り、そうでないのならば……」

入間「このハンディカメラで録画して戻ってこい。分析は俺様がやる」

夢野「……」ガタガタ

星「……やめるか?」

夢野「やる! やるが! ……というか選択肢なんぞ最初からないんじゃが!?」ガタガタ

夢野「なあ! この玄関を見てみろ! とんでもないことになっておるじゃろうが!」



玄関「」グチャァァァァ



天海「……瓦礫だらけっすね」

夢野「多分コレ、あれじゃろ!? エグイサルの放つ砲弾の流れ弾とかがこっちに来たとかじゃろ!?」



※巌窟王が地下に行くために床を叩き壊して掘り返したせいです



夢野「下手したらウチもこの玄関みたいにグチャァってなるぞ! グチャァって! 美少女のミンチの出来上がりじゃぞ! グラム何千円!?」

入間「値段設定がキャビア以上じゃねーか。どんだけ自分の可愛さに自信もってんだ厚かましいぞ」

夢野「お主にだけは言われたくないわァ!」ウガァ

ジャガーマン『夢野ちゃん!』

夢野「おお! ジャガーマン! いつもならウザいだけじゃが、今はお主のトンチキな会話がひたすら恋しい――」

ジャガーマン『……人はね。いつか死ぬの。でもそれは今じゃない』

ジャガーマン『安心して。あなたのことは、私が絶対に守るから』

夢野「急に真面目になるなーーーッ! 逆に重くて死亡率が高まるわーーーッ!」ガビーンッ


610以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/16(土) 01:22:30.48pO2SY8T0O (1/1)

蘭子「混沌電波第172幕!(ちゃおラジ第172回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528712430/


611以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/16(土) 05:59:28.68MmwiSk+E0 (1/1)

安心するんだ夢野!ジャガーの加護?を受けてる今なら最悪道場行ってスタンプ貰って来るだけだから!何かと交換出来るくらいスタンプ貰って来るだけだから!


612逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/16(土) 21:28:50.79EKRj4MzD0 (2/5)

校舎の外

夢野「……ちぃっ。やればいいんじゃろ、やれば」

夢野「ジャガーマン。キチンと加護は効いておるんじゃろうな?」

ジャガーマン『だいじょうーっぶ! 何故なら今は夜だから!』

夢野「事故って死んだら天海のことを末代まで呪ってやるわい……!」

ジャガーマン『まあそうそう流れ弾とかまき上がった瓦礫とかが夢野ちゃんに直撃することはないと思うけど……』



ガシャコーンッ  カンッ



ビュンッ


夢野「ぎゃー! 耳をかすった! 凄い勢いで跳んできた石がウチの耳をかすったー!」

ジャガーマン『よかったね! そうそうないことが今起こったってことは、もう滅多なことが無い限り起こらないよ!』

夢野「そのポジティブさが羨ましすぎる!」

夢野「ええい! 走り抜けるぞ! さっさと! さっさとな!」ダッ

ジャガーマン『頑張れー! 負けるなー! ジャガーはキミの味方だぞー!』

ジャガーマン『一応、校舎に残った天海くんたちも隠しカメラを探すとは言ってたけど、校舎は広すぎるからキミだけが頼りだ!』

夢野「ウチだけが……頼り……フッ。そう言われると悪い気はしないのう!」







校舎内

入間「……あっさり見つけちまった」ガタガタ

天海「うわあああああああああああ!?」ガビーンッ

星「……夢野が無事帰ってきたらこのことは秘密にしておこうぜ。墓まで持ってけ」

入間「……」ウンウンウンウンウンウン


613逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/16(土) 21:48:55.48EKRj4MzD0 (3/5)

入間「分析を開始するぜ……うん。間違いないな。音が出てる。環境音の変化はコレのせいだ、と言えるだろうな」

入間「瓦礫の中に埋まってたってことは……壁や床の中に隠されてたのか」

入間「ワイヤレスでどこかに情報を発信してる。お? 今も稼働中だな。よしよし、じゃあ逆探知すれば受信機の方向が――」



監視カメラ『自爆命令が下されました。自爆します』カチリッ




入間「え?」

星「!」ダッ



ゲシィッ



入間「きゃあ!?」

星「伏せろ!」バッ

天海「いや流石にあんな小型のカメラにそんな大した爆発能力があるとは思えな――」


バガァァァァァァァァァンッ


天海「ぐあああああああああああああああ!?」ボーンッ

星「天海ィーーー!」

入間「天海が死んだーーー!?」ガビーンッ

天海「まだ生きてるっすよ! まだ! 大分派手に吹っ飛んだっすけど!」


614逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/16(土) 22:05:01.93EKRj4MzD0 (4/5)

天海「自爆命令……!? こんなに早く監視カメラを見つけたことがバレたっていうんすか?」

星「振動センサーで自爆する仕掛けになっているのなら、瓦礫の中に埋まってたのはおかしいからな」

入間「……どこかで誰かが自爆命令を出した。そう考えるしかねぇってことか」

入間「この状況になってもまだ監視カメラを見る余裕があるっつーのか? 言っちゃなんだが俺様たち相当白銀を追い詰めてるよな?」



ガシャコーンッ!



天海「……ん?」

天海(……あれ。百田くんがちょっとだけ押し返した? さっきまで防戦一方だったのに)

天海(今はもう、戦況は元に戻ってるみたいだけど……)

天海「……」

天海「もしかして」

入間「なんか思いついたのか?」

天海「マザーモノクマに監視権限がかつてあったというのなら、その次点の監視権限を持ってるのは何なんすかね」

天海「……多分、モノクマかモノクマーズのどちらかっすよ」

星「!」

入間「根拠は?」

天海「さっき入間さんが『逆探知しよう』と言った途端にカメラが自爆した」

天海「そしてそれと同時刻に、エグイサルの動きが鈍くなった」

天海「こっちに意識を向けている隙が、百田くんを善戦させたってことっす」

天海「多分、この監視カメラを見ていたヤツは『絶対に逆探知されるわけにはいかなかった』」

天海「何故なら、そいつは……!」

星「……事情があってエグイサルの中には入れないヤツだから」

星「なおかつ、エグイサルを遠隔で操作し、百田を現在進行形で追い詰めているヤツだから、か」

入間「!」


615逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/16(土) 22:16:51.95EKRj4MzD0 (5/5)

入間「エグイサルの中に入っているモノクマーズが監視権限の持ち主なら、わざわざ戦況を悪化させてまで自爆させる必要はねぇ」

入間「ハナっから手出しできねぇんだからよ。逆探知されたところで困らない」

天海「どんな事情があるかはわからない。でも『状況』だけは推測できる。逆探知されたらマズイ状況だからこそ自爆命令を下した……」

天海「なら!」

星「逆探知先がエグイサル攻略の答えに直結している、か。いいぜ、希望が見えて来た」

入間「まあ自爆されちまったからもう逆探知は不可能なんだけどよ」

天海「なんとかならないっすか?」

入間「……自爆される前に電源スイッチを切ってくれりゃあ、後は軽く改造して爆発しないようにした上で逆探知できる」

天海「え。そんな簡単なことでいいんすか?」

入間「簡単だぁ? バカ言え。気付いて近づいた時点で自爆命令を下されたらそこでジ・エンドだぞ」

入間「こんな状況になっても『全部のカメラ』に自爆命令を下さないから、ヤツにとってもカメラは最大限壊したくない代物なんだろうなってのは救いだけど」

入間「透明人間にでもなって、相手に気付かれないようにコッソリと電源スイッチを切るなんて神業ができない限りは無理だっつの!」

星「それはひょっとしてギャグで言ってるのか?」

天海「……」

入間「……」

入間「あっ」


616以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/17(日) 02:09:38.23NWvT9u3H0 (1/1)

普通の女の子みたいにキャーって叫ぶ入間可愛い


617逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/17(日) 21:37:58.59ou+YMcaj0 (1/2)

寄宿舎の中 夢野の私室

夢野「見つけたぞ! よし! 思ったより小さいのう!」

ジャガーマン『ふむ。ワイヤレス。移動させる前に電源切った方がいいと思うにゃん』

夢野「電源? ええと……このスイッチかのう。本当に切っていいのか? カメラに異常が起こったらバレるじゃろ?」

ジャガーマン『仮にバレたとしても電源入れたまま移動させて動向を筒抜けにさせる方があからさまにマズイと思う。ジャガーマンは』

夢野「まあそれもそうじゃのう。電源切っておいた方がマシか」カチリッ

夢野「よし。これで後は入間のところに運ぶだけじゃのう」

ジャガーマン『……ん。火薬の気配……まあどうでもいいかー』

夢野「今なんか言ったか?」

ジャガーマン『え? 私、今なんか言った?』

夢野「まあよいわ。とにかく出るぞ!」

ジャガーマン(まあ大丈夫か。振動センサーで爆発する類のヤツじゃないみたいだし)

ジャガーマン(遠隔操作かなー……でも私の加護の中なら現実的な電波や光線の類はほぼ素通りするし)

ジャガーマン(まあなんとかなる! 多分!)

ジャガーマン『巌窟王さんはどこ行ったのかにゃー』

夢野「アイツ本当に遅いのう。いやあるいは変なところで道草を食っておるのか……」





超高校級の総統の研究教室

巌窟王「……」キョロキョロ

巌窟王「いないな……まさか……!」

巌窟王「隠れてこの俺をやり過ごす気だな!?」ボォウッ!



ドカァァァァンッ



巌窟王「クハハハハハハ! ここは源頼光公に倣おう! すなわち! かくれんぼの必勝法は隠れるところの徹底的な破壊だ!」ボオオオオッ!




王馬に騙されたという発想に至ったのはもうちょっと後だった


618逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/17(日) 22:00:09.98ou+YMcaj0 (2/2)

校舎内

ボンッ

夢野「よし! 加護解除じゃ!」

入間「うひゃあ!? 夢野!? 帰って来たのか!?」

夢野「入間! お目当ての監視カメラを取ってきたぞ! これでなんとかせい!」

天海「上々! 入間さん!」

入間「お、おう! 電源は?」

夢野「切ったが……なにかまずかったか?」

入間「いや! それがいい! さっさとそれよこせ! 今すぐ自爆機能を切って――!」


ジジーッ カチャカチャカチャ……


夢野「……んあ? あれ。電源切ったはずなのに、また動き出したぞ?」

天海「!」

星「……遠隔で電源を入れなおしたのか!」

ジャガーマン『あちゃー。やっぱこうなったかー。まあこのタイプの監視カメラなら当然付いてるよにゃー』

天海「ま、まずいっすよ! また爆発されたら……!」

入間「……」

入間「いや。大丈夫だな。やっぱ」カチャカチャ ペイッ

星「入間。お前さん、今なにをした?」

入間「信管を抜いた」



監視カメラ『自爆命令が下されました。自爆します』カチリッ



入間「これでもう爆発しねぇ」



ブシュンッ



入間「ヒャハッ! 世紀末級バカどもが。再起動の分のタイムラグがありゃ信管抜く程度余裕でできるっつの!」

天海「それじゃあ、これで……!」

入間「ああ。待たせたな! 行くぜ、逆探知!」


619以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/18(月) 19:53:57.74VVjkCEY1O (1/1)

珍しく入間が活躍している……!!


620逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/18(月) 20:48:59.22aTuQJ6bI0 (1/3)

裁判場

最原「……ハッ!」パチリッ

赤松「あ。目が覚めた」

最原「どのくらい寝てた!?」

真宮寺「大体三十分くらいだヨ」

最原「ね、寝すぎた! 三十分も無駄にするなんて!」

赤松「……あの。起きたのなら離れてほしいんだけど……」

最原「ん? 離れる? 何から?」

最原「あれ。赤松さん。なんでこんなに近いところに……」ギュッ

最原「……」

赤松「……」

最原「茶柱さんに殺される!」ガビーンッ

赤松「わかってるから! 私も他人事じゃないから! 離れてくれればそれで万事解決だから!」

最原「わ、わ、わ! ごめん! 本当ごめん!」バッ

最原「……」グラッ

最原(な、なんか加速度的に眠気が増していってるような……?)

赤松「最原くん。大丈夫? さっきセミラミスさんも言ってたけど……」

最原「!」

真宮寺「……忘却補正のせいだよネ?」

最原「知ってたんだ」

赤松「天海くんと色々情報交換してるときにチラッと聞いただけ」

赤松「……否定しないってことは実際危険なんだね」


621逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/18(月) 21:03:54.16aTuQJ6bI0 (2/3)

最原「危険……うん。危険、だね」

赤松「ならセミラミスさんの言う通りにしようよ!」

最原「ごめん! これだけは! このスキルだけは絶対に手放せない!」

真宮寺「え。なんで? 最原くんなら今更忘却補正があろうがなかろうが関係なくない? 超高校級の探偵だよネ?」

赤松「そ、そうだよ! 元から頭がいいのなら、そんなスキル無用の長物だよね?」

最原「そうでもないんだよ……! 特にこの学園では!」

赤松「……?」

最原「思い出しライトの機能を唯一無効化できるスキルだ。これがないと、この学園生活に勝てないんだよ!」

赤松「!」

真宮寺「……ああ。なるほどネ。だから手放したくないんだ」

赤松「……」

赤松「本当にそれだけ?」

最原「……」

赤松「……いいや。これ以上は追及しない。追及はしないけど……」

赤松「茶柱さんを泣かせたりしたら許さないよ。あとアンジーさんとか天海くんとか……他にもいっぱい」

赤松「眠ってる顔面に鍵盤ハーモニカを叩きつけるから」

最原「ハーモニカを!?」

赤松「耳元で鼓膜が破れるくらい弾く」

最原「ハーモニカだよね!?」

真宮寺「キミ色々本当に背負うネ。その内に荷物に押しつぶされるヨ」

真宮寺「……いや。既に押しつぶされてるからこうなのか。ククク」


622逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/18(月) 21:18:42.36aTuQJ6bI0 (3/3)

最原「上に行こう。あまり時間がないかもしれない」

赤松「……上に行ったところで何ができるんだろう」

最原「もうわからないけど。ここに来たら多少はわかると思ったんだけどな……! 白銀さんが何を考えてるのかいまいち、まだ見えてこない!」

最原「あと少し! もう少しなのに! 『勝つ気がない』ってことだけは判別付くのに!」

真宮寺「勝つ気がない……か」

真宮寺「かなり追い詰めたからネ。この学園を放棄して逃げて、勝負をやり直すってことは充分考えられるヨ」

最原「……」

最原(というか現状、それが一番可能性が高い。高いけど……凄く違和感がある)

最原(なんでだ? 僕は何かを見落としてる。その見落としのせいで、真実が歪んで見えている)

最原「何かが僕の視界を歪めてる、ような……」

赤松「……」チラッ

真宮寺(大丈夫。このパソコンの中身は最原くんには見せないヨ)

赤松「……」

最原「……ここに来てもわからないものはわからなかった。やっぱり直接白銀さんと対峙するしかない」

最原「戻ろう! 上へ! もしかしたら百田くんがエグイサルに勝ってるかも……!」


623逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/19(火) 19:55:42.62f+xb70pt0 (1/4)

校舎の外

百田「く……これ……そろそろ限界かもな……! いや宇宙に轟く百田解斗にとって、限界っつーのは乗り越えるもんだけどよ!」

春川「百田……!」

春川(間に合わなかった……!?)



ヒューッ……  ドーーーンッ



百田「……なんだ?」

春川「信号弾……?」







裏庭周辺

入間「倉庫で作ってたのは何も、金属探知機だけじゃないんだぜ。即席の信号弾とかもそうだ」

モノクマ「……」

星「見つけた。再び追い詰めたぞ、モノクマ」

天海「さあ! 今度こそすべてを終わらせるっすよ!」

モノクマ「うぷぷ」


624逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/19(火) 20:03:22.09f+xb70pt0 (2/4)

モノクマ「うぷぷ……うぷぷぷぷぷ……アーッハッハッハッハッハ!」

モノクマ「今の信号弾は何のつもり? もしかして百田くんたちを呼んでるの?」

モノクマ「ちょっと前ならそれでゲームセットだったかもしれないけど、百田くんのエグイサルはもう満身創痍」

モノクマ「こっちに向かって走り出したその瞬間を狙って止めを刺せる!」

入間「あ? んだよ。別に百田なんかいなくっても俺様たちだけでテメェを制圧できるぜ?」

モノクマ「本当にそうかな……?」

モノクマ「いや別に星くんとかなら多少は戦力になるだろうけど、暴力でボクを上回ろうなんてさ」

モノクマ「今までそれができてなかったから、オマエラは身内で殺し合ってたんでしょ?」

モノクマ「今更一体なにをしようと手遅れ……」

星「でもないぜ」


バシィッ


ギュンッ


ドカァァァァァンッ


モノクマ「……!?」

天海(モノクマの後ろの校舎の壁が……壊れた……!)ゾクッ

星「久方ぶりだな。これを使うのも……いや。最原によればそれは嘘の記憶、だったか」

星「まあ、どちらでもいい。お前を葬るのは現実にできそうだからな」

モノクマ「さ……さ、さ、さ……!?」





モノクマ「殺人、テニス……!?」ガーンッ


625逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/19(火) 20:13:00.18f+xb70pt0 (3/4)

天海「星くん……それは……テニスは捨てたって自己紹介のとき言ってたのに!」

星「今更言うのは野暮ってもんだぜ。なぁに、今度はまだ間に合うと思ってな」

星「復讐のためだけじゃない。誰かを守るための力だ。そのためになら、もう一度だけこの手を血に染めてみるのも悪かねぇ」

星「……もう俺の中の『動機』は、ちゃんとあるんだからよ」

モノクマ「う、うぷぷぷぷ……ちょっとビックリしたけど、まだ足りないだろうね」

モノクマ「そう! 巌窟王さんか、聖杯の力を手にした最原くんにさえ気を付ければ、まだボクが生徒に負けることなんてありえない!」ジャキンッ

星「相殺する……!」

モノクマ「オラオラオラオラオラオラオラ!」ドドドドドドドドドッ

星「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」ドドドドドドドドドドドッ

入間「な……なんて応酬だ! 目を開けてられねぇ!」

天海「あ! 入間さん! スカートめくれあがってるっすよ! 風圧で!」

入間「それ今言わないとダメなヤツか!?」ガビーンッ

星「……ぐ……ブランクか! 腕が、キツ……!」

モノクマ「よし! 勝てる……ボクが勝てるぞーーー! イヤッホーーーーウ!」ドドドドドドドドドッ


626逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/19(火) 20:24:32.07f+xb70pt0 (4/4)

ズルウッ

モノクマ「ん?」

獄原「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

モノクマ「……」

モノクマ「え。なに? え? なんでゴン太くんがこんなところに……あれっ?」

モノクマ(いや。待って。この至近距離はまずくない? 前面は星くんの対応で追われてるし……!?)

獄原「もう何も……」スウッ








伝説の超獄原ゴン太「奪わせないッ!」ドシュウウウウウウウウウッ

モノクマ「え? え? え? 待って? 待って! 待っ――!」

伝説の超獄原ゴン太「波ァーーーッ!」ドカァァァァァァァァァァンッ

モノクマ「ぴぎゅ」クシャッ

入間「ん? あれ? ちょっと待て。こっちにモノクマが飛んできてねぇか?」

天海「うわーーー! 巻き添え食う! ちょっとゴン太くん手加減を」

星「回避」サッ

入間&天海「うぎぐブげッ!!」クシャッ

獄原「……」

星「……」







星(入間! 天海! 東条! 終わったぜ……)

東条「呼んだかしら?」ヒョコッ


627逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/20(水) 21:31:49.297fahhc/O0 (1/3)

ちょっと時間は遡る 新世界プログラム脱出直後

赤松「で、出れた……! あの世界と質感はあまり変わらないけど、やっと出れたんだよね!? やったー!」

全員「……」ズーン

赤松「……あれ。みんなどうしたの?」

入間「どうしたの? じゃねーよアホ松ッ! てめぇだけ爆音から逃げやがって!」

赤松「現実の鼓膜は無事だったからいいじゃない……?」

真宮寺「迂闊だった……世界を破壊するときの音に関しての発想が完全に抜けてたヨ……!」

最原「よしとしよう。言葉だけでもそう言っておかないと三半規管が狂いまくっててひたすら辛い……」

東条「……」

東条「天海くんが起きないわ」

星「どこかの誰かが精神に追い打ちかけるような一言かけて気絶させたからな」イライラ

赤松「……」

赤松「あ、あれ? みんなもしかして怒ってる……?」オズオズ








全員「当然(だよッ)(だボケッ)(よ)(だヨ)(だってー)!!!!!!!!!!!」

赤松「ごめんね!?」ガーンッ


628逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/20(水) 21:50:22.227fahhc/O0 (2/3)

最原「まあこれに関しては八つ当たりに近いから、もうやめよう」

最原「巌窟王さんはどこ?」キョロキョロ

アンジー「……ん」

アンジー「今、念話入ったよー」

真宮寺「なんて言ってた?」

アンジー「要約すると『しばらく休ませてくれ』だってー。建前はアンジーの怪我の治療が終わるまでって」

アンジー「出入口にあたる部分でぐったりしてるみたい」

最原「グロッキーになってる!」ガビーンッ

東条「治療開始」トスッ

アンジー「あふんっ」バタリッ

真宮寺「おそろしく早い手刀……僕でなきゃ見逃しちゃうネ」

東条「ひとまずアンジーさんの治療を済ませるわ。大丈夫。かなり無理をすることになるけどアンジーさんの怪我は完治に限りなく近いところまで……!」

赤松「東条さん。傷がまた開いちゃうよ?」

東条「大丈夫よ。無理をするのはアンジーさんの方だから」

入間「……無理をするのは患者の方……? ウッ、頭が」

最原「この話もやめよう! とにかく学園で何が起こってるのかを調べないと!」

最原「単独行動は危険だから、絶対に一人になっちゃダメだよ!」

獄原「……」

獄原(誰かに見られている気がして落ち着かない)

東条「どうかしたのかしら?」

獄原「ん? んん……なんか居心地が悪くって。見られている感覚っていうのかな」

最原「……」

最原「ゴン太くんはここで東条さんと一緒にいて。患者が全員動けるようになって、モノクマの位置がわかるまで絶対に移動しちゃダメだよ」

最原「あと」

獄原「あと?」

最原「その気配を避けることって、できたりする?」

獄原「できるよ」ヌウッ

真宮寺「!?」

最原(ゴン太くんの気配がいきなり薄く!?)ガビーンッ

獄原(ゴン太はこのまま、条件が揃うまで東条さんの傍にいるよ!)ゴニョゴニョ

獄原(条件が揃ったらすぐに呼んで! かけつけるから!)ゴニョゴニョ

入間「辛うじて聞こえる程度の絶妙な声量だ。どんな育ち方したらこうなるんだ?」

最原「さ、さあ……?」


629逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/20(水) 22:07:35.917fahhc/O0 (3/3)

そして現在 裏庭

星「患者が全員動けるようになるまで移動するな、というのならばギリギリわかる」

星「その一方『モノクマの位置がわかるまで移動するな』という注文に関しては意図がわからなかった……」

星「だがふと思いついたんだ。もしかしたら奇襲のためにあんな注文したんじゃねぇかってな」

入間「あ、あとは簡単だ。俺様が信号弾でゴン太に向かってモノクマの位置を知らせればいい……」

入間「一つ訊いておくが、モノクマ。テメェここに至るまでゴン太の姿を見てなかったんじゃねぇか?」

入間「なにせお互いに『新世界プログラムから出た直後』だ。更に言うなら、例の爆音のせいで全員が全員ピヨってた」

入間「出た直後は監視カメラに意識が向いてなかったんだろ。ついでに、わずかに俺様たちの方が回復が早かったんだろうな」

入間「流石にここまで計算してたわけじゃねぇだろうが、俺様たちにとっても幸運だったぜ」

天海「入間さんが信号弾でゴン太くんに合図し……星くんがモノクマの後ろの壁を壊す」

天海「あとはゴン太くんが意図に気付いてくれれば……!」

東条「チェックメイト、というわけよ」

天海「……聖杯の力を手にした最原くんか、巌窟王さんにのみ気を付けてれば生徒に負けることはない……?」

天海「舐めすぎっすよ。モノクマ」

星「ああ。これで……これでやっと……」







校舎を挟んで反対側



百田「俺の……!」

春川「生徒(私たち)のッ……!」





百田&春川「勝利だーーーッ!」




ドガシャアアアアアンッ!


630逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/21(木) 21:35:03.75yVb1H7fl0 (1/4)

以蔵さん宝具チャレンジの時間だオラァ!
通算ログボをつぎ込み、最高の以蔵を手にしてやるぜ!




ガチャ結果により今日の更新具合が変わります


631以蔵出なかったの助 ◆SxyAboWqdc2018/06/21(木) 21:49:13.04yVb1H7fl0 (2/4)

百田「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」

春川「……やった? やったよね。うん」

百田「ハルマキ!」

春川「……お疲れ様」

百田「おうっ!」ニカッ



タッタッタッタッ……



最原「百田くん!」

真宮寺「ああ、ほら。最原くんダメだってば。走ったら傷が開くヨ?」

百田「ん? お、終一! 終一じゃねぇか! 戻ってきてたんだな!」

百田「……信号弾の方向とは別か。なら直接的な手柄は……」

最原「うん! 他の誰かだよ! 誰かがモノクマか白銀さんのどちらかを押さえたんだ!」

百田「そうか……そうか!」

百田「うおおおおおおおおおおおおお! やったぜー! 俺たちの勝ちだ! これでこの学園生活も……!」




ガシャンッ



百田「ん?」

春川「あ」

最原「……あれ?」

最原(ほぼ残骸と化したエグイサルが、動いた)

最原(動いて……そのまま百田くんと春川さんが乗ってるエグイサルに――)




ズガァァァンッ!


632逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/21(木) 21:58:37.16yVb1H7fl0 (3/4)

百田「……んなっ!?」

春川「しまった。最後の最後で油断した!」

最原「……!?」

最原(百田くんのエグイサルに、纏わりつくように抱き着いた……!)

モノタロウ?「……う、うぷぷ……」ザザッ

最原(壊れたハッチからノイズ塗れの声が聞こえる)

百田「モノタロウ?」

春川「違う。何か様子がおかしいよ。この笑い方、まるでモノクマじゃん!」

モノタロウ?「最後の……最後。一人も道連れにせず終われない……よ……」ザザザッ

モノタロウ?「道連れにしてやる。み、みみみっ道連れ」

モノタロウ?「一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に地獄へ一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に」ザザザッ バチバチッ

百田「!」

春川「忘れてた……! エグイサルには自爆装置があったんだった! 天海が暴発させてたヤツ!」

最原「は……? 自爆、スイッチ……!?」

モノタロウ「や、やめて……止めて止めて止めて! お願い誰か助けて! 死にたくない! 死にたくないよーーーッ!」

百田「……ッ!」

百田「読めたぜ。モノクマがどこかからモノタロウを操ってやがるんだ!」

春川「その抵抗のお陰で即座にドカンとは行かなかった、か。ありがたい話だけど」

春川「……こうも相手のエグイサルに密着されてるとね」

百田「脱出できねぇよなぁ」

最原「百田くん! 春川さんッ!」

百田「……終一……」






百田「悪ィ。後は任せたぜ」


633逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/21(木) 22:22:46.49yVb1H7fl0 (4/4)

やべっ! 思考回路バグって弓相手にニコラ・テスラ出しちゃった……
今日のところはここまで!


634逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/22(金) 20:23:13.40LqyO3DaI0 (1/3)

春川「……百田。諦めるの?」

百田「まー。少なくとも俺にできることはもうねーだろ」

百田「生存を諦めるわけじゃねーぞ。安心しろハルマキ。俺はお前を死なせる気はねーし、俺も死なねーからよ」

百田「お前も死にたかないだろ?」

春川「それは当然だけど。でもまあ……」

春川「……ここで死んでも私は後悔はしな……いや後悔だらけだな。孤児院が心配だし」

春川「そこは心配だけど、でも納得はできると思う。楽しかったよ。百田」

百田「死ぬときは一緒か。酷い保険もあったもんだ。悪かないけどな」

百田(……と口だけで言っておくが、やっぱコイツだけは死なせられないな。というかそもそもどんな慰めがあったところで死にたくないっつの)

百田(今この場で神様に『お前と春川のどちらか一方だけは助けてやる』と言われても、答える前に迷ってタイムリミットが来る程度には俺も俺の命が惜しい)

百田(……納得はできても、ここで死んだら後悔だらけだぜ。参ったな)

百田「……ま、信じてみようぜ。助かるときは助かるって」ニカッ

百田「ところで外で終一がピーピー騒いでるけど、なにかあったのか?」

春川「鈍感すぎる。しかも言い方が微妙に悪い」ズーン


635逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/22(金) 20:35:02.50LqyO3DaI0 (2/3)

最原「百田くんっ! 春川さん!」

真宮寺「ダメだヨ最原くん! エグイサルが関節を完全に極めてるとは言っても、よろめいて倒れたりしたら潰される!」

赤松「……あの音。機体が軋んでるみたい。エンジンとかモーターとかを規定の限界以上まで駆動させてるんだ」

赤松「あの状態が続けばモノタロウが乗ってる方のエグイサルは三十秒も持たない、けど……!」

真宮寺「その代わり、通常のエグイサル以上の馬力を出せるってことだネ」

真宮寺「……ところで気のせいかさっきよりエグイサルが密着してない?」

赤松「気のせいじゃない。コクピットからの音がもうほとんど聞こえない! エグイサルの機体が塞いでるんだよ!」

赤松「あの状態で自爆なんかされたら……!」

最原「そんな……そんな!」

最原(ここまで誰も死なずにやってこれたんだぞ……このエグイサルを潰せば、やっと僕たちの勝ちなんだぞ!)

最原「諦めたくない……諦めたくないよ……!」

最原「こんなところでお別れなんてイヤだ!」

赤松「最原くん……」

最原「くそっ! くそっ! くそおおおおおおおおおおおおおおっ!」ダンッ

巌窟王「……」スタスタ









最原「……」

最原「ん?」

巌窟王「最原。どちらのエグイサルが味方だ?」

最原「ええっと、その比較的損傷が少ない、抱き着かれてる方……」

巌窟王「そうか。わかった」ボォウッ





ドガシャアアアアアアアアアアアアンッ




巌窟王「よく頑張った。後は俺がやる」ゴキンッ


636逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/22(金) 23:00:09.78LqyO3DaI0 (3/3)

モノタロウ?「……!? ……!?!? ……!?!?!?」ガーンッ ガーンッ ガーンッ

巌窟王「どんな爆弾であれ共通して言えることがある。『爆発する前に燃え尽きてしまえば爆発のしようがない』ということだ」

巌窟王「何故わかるかだと? 一度作ったことがあるからな」

巌窟王「この場で一瞬にして燃やし尽くしてやる! そして……!」ボオオオオウッ




ビシュンッ ドカァァァァァンッ




巌窟王「王馬は! 後でッ! 殺すッ! 残酷に殺す!」

最原「なんでーーー!?」ガビーンッ

巌窟王「貴様はその予行演習だ! 跡形もなく燃え尽きろザコめ! 次は右半身を気化させてやる!」

モノタロウ?「じ、自爆スイッチ――」

巌窟王「押させると思うか!?」



ガシャアアアアアアアンッ



モノタロウ?「……」

モノタロウ?「リンクしてるだけ損だなぁ。もういいや。体は返すよモノタロウ」

モノタロウ?「ボクも残酷にはなりきれないんだよなぁ。子供の体を乗っ取るなんてマネできないよ。およよ」

ブツンッ

モノタロウ「え。あ。待って! それはそれで困る! このままじゃオイラ……!」

巌窟王「消えろ! 白銀とモノクマの妄執と共に!」ボオオオオウッ

モノタロウ「ひ……ひ……火!?」



ボオオオオオオオオウッ


モノタロウ「ひぎゃああああああああああああああああ!?」


637逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/23(土) 22:25:31.16qDeQ3vQt0 (1/2)

赤松「……!」

最原(なんて火力だ! ちょっと前とは比較にならない! この分なら確かに爆弾を爆発する前に焼却することも可能かもしれない!)

最原(本当なら単なる理屈上の話でしかないのに!)


ボトリッ


最原(……大炎上するエグイサルから、何かが落ちた。蠢く黒い残骸。酷い臭いを出すそれは、酸鼻極まりない姿と化したモノタロウだった)

モノタロウ「あ、あう……死ぬ……死……死……」

巌窟王「モノタロウ……」

モノタロウ「も、もう何も……見えない。モノファニー……モノファニーはどこ……?」

巌窟王「憐れだな。あまりにも。モノクマの子供でさえなければ、もっとまともな一生を送れたかもしれないが」

最原「巌窟王さん……」

巌窟王「……貴様には多少なりとも世話になった。本当に多少だが。だから、せめて労ってやろう」

巌窟王「せめて家族で安らかに――」

赤松「巌窟王さんっ! 百田くんのエグイサルの方に引火しちゃってる!」

巌窟王「邪魔だどけェ!」ゲシィッ

モノタロウ「ぎゃあっ!」

最原「蹴り飛ばしたーーーッ!?」ガビーンッ



ガンッ


ドカァァァァンッ


最原「そして寄宿舎の外壁にぶつかって爆発したーーーッ!」

真宮寺「本当にゴミみたいに死んじゃったネ。労いもクソもないヨ」


638逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/23(土) 22:56:03.95qDeQ3vQt0 (2/2)

百田「えほっ……なんだ? 急に熱くなってエグイサルが剥がれたぞ」

春川「……?」

春川「ねえ百田。こんなふうに炎の熱に燻されたことなかったっけ?」

百田「あ? んなことしたら普通死ぬだろ。あるわけ――」

百田「あったな! 火事の建物の中に飛び込んだことがあったぜ!」

百田「誰かを助けようとしてた……ってことはたった今思い出したけど、誰だったか……」



ダンッ


「百田! 春川!」

百田「ん?」

春川「アンタは……」

巌窟王「俺を! 呼んだな!」ギンッ

百田&春川「……ッ!」








百田&春川「誰?」

巌窟王「!?」ガビーンッ


639逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/24(日) 21:01:22.52wypIXqeC0 (1/2)

巌窟王「ええい、いい! それでもいい! とにかくここから出るぞ! 時間がない!」

百田「おう! 助かったぜ見知らぬ誰か!」

春川「じゃあ、先に降りるよ。アンタは百田の方をお願い」

巌窟王「了解した! 早くここを離れるぞ!」ガシッ

百田「……ん?」

百田(あれ。こんなこと前にあったような……)

巌窟王「これで貸し借りはなしだ。百田」

百田「……お前!」




ギュンッ




裏庭

天海「ひとまずこれでOKっすかね。鎖でぐるぐる巻きにして南京錠付けとけば流石に逃げられないっすよね?」

入間「ゴン太がギチギチに縛ったからな! 逃げたくても逃げられねーだろ! ヒャハッ!」

モノクマ「……」ガシャガシャ

モノクマ「……見事だなぁ。割と本気出してたんだけど」

星「なに?」

獄原「意外だね。モノクマが素直にゴン太たちを褒めるようなこと言うなんて」

モノクマ「……」

天海「……?」

天海「モノクマ。もしかしてまだ何か企んでるんすか?」

モノクマ「ボクは企んでないよ。ボクはね」

モノクマ(あとは……どうなるかなぁ)

モノクマ(ま、どうなったとしても負けはない、か。後は白銀さんが好きにすればいい)

天海「……なんすかね。イヤな予感がどんどん大きくなってるっていうか……」

モノクマ「……」


640逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/24(日) 21:52:37.36wypIXqeC0 (2/2)

数分後

エグイサル「」シーン

巌窟王「……百田の方のエグイサルは無事のようだ。引火したとは言っても燃料の方に火は回ってない」

赤松「……急に静かになっちゃったね。さっきまでが嘘みたい」

百田「おー。星が綺麗だなー。まあニセモンだけど、プラネタリウムみたいなもんだと思えば……」

最原「百田くん……」

百田「お。終一」

最原「……」

百田「俺は頑張った。テメェも頑張ったな」

最原「うん……うん! 無事でよかった。本当に……!」

百田「あはははは! 何泣いてんだよ終一! あはははははは!」バッシバッシ!

最原「うん……うん? あの。なんかやたら上機嫌なんだけど。気のせい?」

百田「おお終一! 聞いて驚け! ハルマキと結婚するぞ俺ァ!」

春川「!?」ガビーンッ

赤松「!?」ガビーンッ

真宮寺「……」シラー

巌窟王「そうか。結婚式のときは呼べ。貴様の目玉が飛び出すほどの『数字』を包んでやる」

百田「おう! 感謝するぜ見知らぬ人!」ニカッ

春川「待って。誰が誰と結婚するって?」

百田「ほっぺにちゅーされちまったからな。責任取らねーと」

春川「……最原。コイツ真顔で何を言ってんの? ねえ?」アタフタ

最原「僕に言われても……両想いだったし良かったね、としか……」

春川「!?」ガビーンッ

最原「え!? なにその反応、今まで隠せてると思って……!?」

春川「……」カァァ

最原(思ってたっぽい!)ガーンッ

赤松「おめでとー!」パチパチパチ

春川「やめて」カァァ

巌窟王「さて。後は白銀だな。ヤツはどこに……」



ガシャッ ガシャッ……


巌窟王「……」

巌窟王「悪あがきか?」

最原「!」

最原(百田くんがさっきまで乗ってたエグイサルが動いてる……!)

巌窟王「クライマックス、だな。引導を渡してやろう」


641逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/25(月) 19:58:17.49fsZuxn180 (1/3)

エグイサル「……」ガシャッ ヨロッ……

巌窟王「……」ボオウッ



ズガァァァァンッ!



巌窟王「……弱すぎる。機体の状態以前に、まともな操縦技術がないのではないか?」

巌窟王「もしくは操縦者の身に何かが起こっているか」

エグイサル「……」ガシャッ ヨロッ……

巌窟王「……油断を誘おうとしているのか? ならば無駄なことだな。じっくりと安全に遠巻きから始末してやる」ボオウッ

最原「……?」

最原(おかしい。なんだろうあの挙動。あんなことするくらいなら何もしない方がいいのに)

最原(これじゃあ本当の悪あがきでしかない。何の勝算も感じられない。いや、白銀さんたちに最初から勝つ気がないということは置いといて、だ)

最原(今更ボロボロのエグイサルを動かすことに何の意味が……)

赤松「……」

真宮寺「挑発、だよネ」

赤松(真宮寺くん。まだ喋っちゃダメ)シー

真宮寺(おっと。ククク……白銀さんが巌窟王さんに殺されるまで、だよネ。わかってるよ)ゾクゾク



642逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/25(月) 20:21:18.12fsZuxn180 (2/3)

最原「……」キョロキョロ

赤松(流石に気づくかな? いや。パソコンはこっちが押さえてる。何もわかるはずはない)

赤松(意図の見えない不自然さにひたすら不安を覚えてるってところかな。白銀さんかモノクマを押さえて聖杯の力で自白させたい、と)

巌窟王「最原。油断はするな。まだ何か仕掛けてくるかもしれん。後ろに下がっていろ」

最原「あ、ああ。うん。そうだね。百田くん、春川さん。行こう。赤松さんと真宮寺くんも」

赤松「わかった! 巌窟王さん!」

巌窟王「?」

赤松「……頑張ってね!」

巌窟王「誰に物を言っている! 今更言われるまでもない!」ニヤァ

赤松「……」

赤松「……ふふっ」

真宮寺(意地悪だなァ)

最原(あのエグイサルを動かしているのは……白銀さんだろうな)

最原(モノクマがエグイサルを動かす場合はどうしても大雑把な操作になるってことはジャバウォック島で学んだ)

最原(さっきまでエグイサルを動かせていたのはエグイサルじゃなくってモノクマーズの方を動かしていたからだ)

最原(今のエグイサルは……動きは酷いけど大雑把って感じはしない。どこかから巌窟王さんの姿を視認した上で動かしてる)

最原「モノクマじゃない。白銀さんがエグイサルを動かしてる……どこから?」キョロキョロ

赤松「白銀さんが近くにいるの?」

最原「うん。状況から考えて間違いないと思う」

赤松「だったら! 手分けして探そうよ! そしたらいよいよこの学園生活も終わりでしょ?」

最原「……」ゾクッ

最原(なんだろう。イヤな予感がする。するけど……)

赤松「……最原くんが何を考えてるのかわからないけどさ」

赤松「白銀さんのこと、助けたいんでしょ?」

最原「!」

赤松「……協力させてよ! 仲間でしょ!」

最原「……うん」

最原「うん!」

百田「お? 白銀のヤローを探せばいいんだな?」

百田「じゃ、終一! 俺の背中に乗れよ! 真宮寺もそろそろ疲れただろ?」

真宮寺「ン。助かるヨ」

真宮寺(……チーム分け的な意味で。キミが提案しなかったら押し付ける気だったヨ)

赤松(百田くんが最原くんと一緒なら、後の春川さんも……)

春川「あの……ねえ。赤松。真宮寺。私そっちのチームに入れて……」

百田「ハルマキはこっちだぜ!」

春川「……」アセッ

赤松「あの。ごめん春川さん。こんな状況に似合わない提案だけどさ」

赤松「笑っていい?」プルプル

春川「殺されたいのッ!?」ウガァ!


643逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/25(月) 20:29:42.95fsZuxn180 (3/3)

百田「じゃ! チーム分けは三人と二人で、だな!」

最原「……」

最原(ふと頭をもたげる疑問。本当にこのチーム分けでいいのか、と)

最原(……悪い理由はないはずだ。でも何か小さい、ほんの小さい不安がある)

最原(なんで?)

百田「後で会おうぜ! 生きてな!」

赤松「うん! もう最後だもん! 絶対に生き残ろう!」

百田「行くぜ!」ダッ

最原「あ……」

最原「……」

最原(なにか言い忘れたことはないだろうか……)

最原(……もうダメだ。別れた後でこんなことを考えるのは時間の無駄だろう)

最原「白銀さんを見つけよう。それで全部解決するはずだ……!」

春川「……」

春川「赤松、なにか様子がおかしくなかった?」

最原「え」

春川「……ごめん。ちょっと思っただけ。根拠はないよ」

最原「……」


644逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/26(火) 18:59:36.62syfgM+fE0 (1/4)

裏庭

入間「……?」

入間「おい。エグイサルの駆動音、鳴りやんでねぇぞ」

天海「え?」

星「……さっきは一度止んだと思ったが……おかしい。もうモノクマは押さえたぞ?」

天海「ちょっと様子を見に行かないっすか?」

入間「ま、まだなんかあんのかよう。怖いよう」ガタガタ

夢野「ええいヘタれるな! 鬱陶しい! いね!」

入間「さっきから妙に俺様に当たり強くねぇか!?」ガビーンッ

夢野「みんな頑張ってるんじゃ! お主だって頑張ってたじゃろ! 今更弱音吐いたところでこの事実は変わらん!」

夢野「自信を持て! お主はできるヤツじゃ! 弱音を吐く必要がない!」

夢野「超高校級の生徒全員が揃ったなら、どんな敵であろうと問題になるものか!」

天海「……め、めっちゃくちゃポジティブっすね」

夢野「巌窟王のポジティブさに当てられたかもしれんの」ンフー

獄原「そうだ……ゴン太たちがこの世界に帰ってきたのなら……そして全員が全員、疑心暗鬼を捨ててモノクマと白銀さんを敵と見なしたのなら」

獄原「ゴン太たちにもう不可能はない! 何一つとして!」

東条「……そう上手く行くかしら?」

獄原「え?」

東条「そもそも獄原くんは私たちが既に一致団結しているという前提で話しているけども……」

東条「本当にそう? 周りをよく見て?」

獄原「ん? いや全員『モノクマと白銀さんが敵』って顔でしょ……」クルリッ

夢野「……」ビクビク

天海「ふふゅー……ふふゅー……」シドロモドロ

獄原「天海くん口がカサカサだよ! 口笛吹けてない! どうしたの!?」

東条「夢野さんもさっきのポジティブさが嘘のような縮こまりようね」

東条「……なにか私たちに隠し事でも?」

夢野「そそそそんなわけ……ないじゃろ」

入間「おい。ヘタれてんじゃねぇよ」


645逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/26(火) 19:12:46.87syfgM+fE0 (2/4)

夢野「……いやちょっと面喰っただけじゃ! なんでみんな白銀のこと悪く言うんじゃ! 仲間だったじゃろ!」プンスカ

夢野「まったくもう! 一度や二度裏切られた程度で!」プンスカ

天海(あ。いやそれを今のタイミングで言うのはマズイっす)




ザワッ



夢野「……」

夢野「え。な……え? なんでそんな目でウチを見るんじゃ? みんな……」ガタガタ

入間「……」

獄原「……行こう。エグイサルのところに。様子を見るだけ見ておこう」

獄原「モノクマはゴン太が運ぶよ」スタスタ

星「ああ。そうだな」スタスタ

東条「……」スタスタ

夢野「あ。ちょ……待……」

夢野「足がすくんで動けんのじゃが」

天海「……確かに俺たちは、まだ全員生きてる。団結も時間と共に強化されてる」

天海「でもここが付け入られる隙なのかもしれない」

天海「ハッピーエンドを迎えたとしても、このままじゃ真実は闇の中っす」

夢野「うう……どうすればいいんじゃ?」

天海「……俺は俺にできることを」

天海「最後の最後まで、彼女と友達でいる。それが俺のできることっす」


646逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/26(火) 19:45:03.42syfgM+fE0 (3/4)

夢野「……?」

夢野「でもモノクマはあの通り押さえたぞ。白銀一人で何ができるんじゃ?」

天海「何もできないっすね。だからこれから先、もしも何かが起こるとしたらそれは……」

夢野「それは?」

天海「内ゲバ。それも白銀さんやモノクマが本当に関与してない、正真正銘の」

夢野「う、内ゲバ!?」

天海「俺たちちょっと長く一緒にい過ぎたっすよ。モノクマが用意なんかしなくっても動機なんていくらでもあるんすよね」

天海「というか白銀さんの存在そのものが今や強烈な爆弾そのものっす」

夢野「んあー……! 本当に酷いことしたんじゃな、白銀のヤツ……」

天海「……みんなについて行くっすよ。勝ちが見えてきたときが、勝負事で一番危険なときっすからね」






校舎内

茶柱「はあっ……はあっ……! アンジーさん! そっちは!?」

アンジー「いないよー! どこ探しても影も形も匂いもないよー!」

茶柱「やられた! 最後の最後であの人はッ!」

茶柱「白銀さんを連れてどこに消えたんですか!?」


647逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/26(火) 21:29:05.28syfgM+fE0 (4/4)

水着イシュタル復刻来たぞおおおおおおおおお! うおおおおおおおおおお!
そしてそろそろ本当に終わりそうだぜ!



別にこの後訳のわからない内に死体が一体増えたりはしないぜ! ダンガンロンパの二次創作だけど!


648以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/26(火) 21:31:34.99toxbCwFu0 (1/1)

ホントで御座るか?


649以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/26(火) 21:37:30.15wmN0i/gD0 (1/1)

白銀を説得したい人、56したい人、話をつけたい人、何をするつもりなのかわからない人。混迷としてきたなぁ
本当に終わりそうだけど、ここまで来るのに長かったですね


650以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/26(火) 22:06:28.60HBcsDt+I0 (1/1)

そろそろ(残り350レス近くで)本当に終わるんですかねぇ…


651以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/26(火) 23:46:26.71qlvb1YE30 (1/1)

ええ~?本当にござるか~?


652以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/27(水) 00:06:18.33RuC/2X4s0 (1/1)

?姫「釣鐘の用意は必要ですか?」


653以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/27(水) 13:58:15.10kl0kmKf6O (1/1)

今年の水着は一体誰なんだ…
割と男の水着でもガチャは回りそうな気がするけどやっぱり今年も女onlyかね


654以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/27(水) 15:55:48.72O4bAOT5tO (1/1)

男鯖の水着は出てほしいけどこっちはこっちで出るキャラが読みにくい
全体的に一定数のファンがまんべんなくいるせいで「こいつは出るだろ」みたいな確信が持てない


655以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/27(水) 17:58:01.97paxgMo8oo (1/1)

ネタでも野郎の水着(浴衣)はいらねー
冬のバレンタインと続くCBCで十分棲み分け出来てるんだからしゃしゃり出てくるんじゃないと


656逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/27(水) 19:28:03.84Fg+rf1QF0 (1/2)

学園某所

王馬「なるほどねー。入間ちゃんこんなもの作ってたんだ。でもこれならもっと早い段階でクーデターでも起こせそうなもんなのにな」

白銀「……このコントローラーは『中から直接行われる操作』の方が優先だから」

王馬「なるほど。中に誰かがいたら操れないんだね」

王馬「……じゃ。俺はそろそろお暇するよ。茶柱ちゃんとアンジーちゃんを振り切ったんだ」

王馬「凄く仲間っぽいだろ? 仲間を裏切って仲間を庇うとかさ」ニヤァ

白銀「……本当になに考えてるかわからないな」

王馬「俺は白銀ちゃんが何を考えてるのか知りたいんだよ」

王馬「極論、相手が何を企んでいるのか知りたいときは……」






校舎の外

巌窟王「最悪、相手が何を企んでいるのかわからない場合は、だ」

巌窟王「最後まで相手に行動権を譲ってしまえばいい。最後の最後までやらせてしまえば、どんなに緻密な作戦であろうと目的はわかる」

巌窟王「だが……」

エグイサル「……」ガシャッ ユラッ

巌窟王「……あまりにも弱すぎる。むしろ放っておく方が危険、か?」

巌窟王「さて。どうしたものか……このまま遠距離から細かい攻撃をしているだけでも充分勝てるが……」ボオウッ


657逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/27(水) 20:54:46.49Fg+rf1QF0 (2/2)

巌窟王「やはり操縦者本体を叩く方が一番安全だろうな。どこにいる……?」キョロキョロ

「……! ……!」

巌窟王「ム。今の声は……」

巌窟王「……誰だかわからないがよくやった!」ニヤァ





赤松チームと別行動中の最原チーム

春川「……ん? 誰か騒いでる? 女子の声、かな」

最原「え?」

百田「本当か? 何も聞こえねーぞ」

春川「ごめん。気のせいかも……しれないんだけど……」

百田「いや。ハルマキが言うんならほぼ間違いねーだろ。赤松ほどじゃないけど耳いいからよ」

最原「でもこの状況で一体誰が騒ぐんだろう」

百田「……それどういう声だった?」

春川「あくまでも私の感想になっちゃうけど」

春川「……悲鳴だった、と思う」




ボオオオオオオオオンッ!



最原「……」

最原「え?」

春川「なにあの火力……尋常じゃないよ! 今日見た攻撃の中で一番の威力だ!」

百田「寄宿舎の方向か?」

最原(いや。違う。あれは……その裏手の方だ!)

最原(まさか、白銀さん!)


658逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/28(木) 21:30:54.50t3zMF8/x0 (1/1)

寄宿舎の傍

巌窟王「……」ゴオオオオオオッ

白銀「はあっ……はあっ……はあっ……!」

巌窟王「……既にボロボロだな? まあいい。楽しみは他の者にも分け与えよう」

巌窟王「どうせ一番重要なところは俺が持っていくのだからな」

巌窟王「……殺す。必ず殺す。心臓を抉り出してボロ炭に変えてやる!」

巌窟王「ああ! ああ! なんということだ! 憤怒のあまり、貴様に出会えた俺は狂喜している!」

白銀「……!」キョロキョロ

巌窟王「何を探している? ああ、そうか。貴様をさっきまで痛めつけていた相手なら、俺が来た途端に早々と退いたぞ」

巌窟王「最初から俺に『気付かせた後』はこうするつもりだったのだろうな」

巌窟王「まるで利用されているようで癪だが、文句は言うまい!」ボオウッ

白銀「ううっ!」バッ



ボンッ



巌窟王「そうだ逃げろ逃げろ! その分だけ恐怖が長引くのだからなぁ!」

巌窟王「クハハハハハハハハ! アーッハッハッハッハッハッハッハ!」ゲラゲラゲラゲラ

白銀「……」

白銀(これでいい。これで。私はこれで)


659逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/29(金) 21:19:24.01PSNBnIPy0 (1/2)

最原チーム 道中

最原「くそっ! まだ白銀さんを殺されるのはまずいのに! 百田くん!」

百田「おお! 全速力で走ってんぞ舌噛むぞコラ!」

春川「……『まだ』?」

最原「……」

百田「よせよハルマキ。噛みつくのは後だ」

春川「でもさ」

百田「わかってるって。だから後回しっつってんだ。永久によせとは言ってねぇ」

春川「……」ムスッ

百田「おし! 後半分くらい……お?」






エグイサル「」ガシャコーンッ!

獄原「うわあああああああああああ!」

入間「ぎゃああああああああああああ! お助けーーー!」



キャーキャー



百田「うおおおおお! エグイサルがなんか……暗くて良く見えないけど誰かを襲ってやがる!」

春川「ん? 今ちょっと聞こえたけど、この悲鳴は入間じゃない?」

百田「アイツもいんのかよッ! さっきの赤松とか真宮寺のときも思ったけど、本当に生きてたんだな!?」

最原「なんで!? 巌窟王さんは!?」

百田「さっきのフランス野郎か? そういや姿が見えねーが……」

春川「逃げ……いや、ありえないな。なんとなく、そんな感じがする。私の忘れた記憶がそう言ってる」

春川「それ以前に、あのエグイサルの様子もさっきとは違うベクトルでおかしいよ。襲い方がランダムっていうか……」

春川「……違う! 襲ってるんじゃない! 誰かがミスった操縦をしてテンパってるだけだよ、アレ!」

最原「どういうこと?」

春川「本当は自爆でもなんでもさせる気だったのが、変なボタンを触ったせいで暴走してるってこと!」

春川「それを見た操縦者が慌てて、更にボタンを弄って余計に暴走。そんな最悪の善意のループが発生してるんだよ!」

最原(め、迷惑すぎる! 善意で人を殺す勢いとか、そんなのって……!)

最原(あ。いけない。彼女の顔が目に浮かぶ。後でこっそり謝ろう。心の中で)


660逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/29(金) 21:42:45.74PSNBnIPy0 (2/2)

最原「……殺意がないんなら死ぬことはないかな……」

夢野「まあゴン太もおるし大丈夫じゃろ」

最原「!?」ガビーンッ

百田「お。夢野。さっき茶柱が探してたぞ」

夢野「あー。心配かけてごめんって会ったら伝えておいてくれい。ウチはまだやることがある」キョロキョロ

夢野「おにいちゃーん! どこー! おにいちゃーん!」

最原「え!? 何言ってるの!?」

春川「恐怖のあまり夢野が変な幻覚見だした……」ガタガタ

百田「落ち着け……こういうときは変に否定しちゃダメだ。とにかくその話題には触れずに何でもないような会話を心がけて……」

夢野「天海を探しておるんじゃ! 天海を! アイツ妹萌えじゃから仕方ないじゃろ!」

百田「ああ」

最原(いやそれにしてももうちょっとマシな探し方あると思うけど……)

春川「……夢野。一人?」

夢野「チーム組んでおったんじゃがのう。あのエグイサルの襲来でみんな散り散りじゃあ」

最原(夢野さんはコントローラーの類は持ってない、と)

夢野「その中でも天海の様子は一際おかしかったのでの。こうやって本腰入れて探しておるわけじゃ」

春川「なるほど……百田。夢野をこのまま一人にはしておきたくないし、私も同行していい?」

百田「おう! 任せたぜ!」

夢野「じゃあウチと一緒に探すぞ! お兄ちゃんをな!」

春川「わかった」コクリ

春川「にいにいー! お願い、出てきてー!」

最原(幻級にドマイナーな呼び方出た!)ガーンッ

百田「お前割と周りに尽くすタイプだよなぁ。サービス精神旺盛ってかよ」

春川「うるさい」


661逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/06/30(土) 20:30:33.89r2YevpVt0 (1/1)

百田「で。どうする? ハルマキの話を信じるなら、この時点で一番困ってるのはコントローラーを持ってるヤツだよな?」

最原「うん。そうだけど、でも今は放置でいいよ。夢野さんによればあそこにはゴン太くんがいて、エグイサルにも殺意がない」

最原「死人は出ないと思う」

百田「あれを放置するのは気が引けるんだけどよ……終一がそう言うなら仕方ねーか」

百田「手は足りてねーんだ。優先順位は決めねーとな」

最原「白銀さんをどうにか、巌窟王さんより先に見つけないと……!」

最原(……高確率で無理だろうけど。今頃、もう……!)




ボンッ



百田「今の爆発音!」

最原(間違いない! もう追い詰めてる!)

最原「頼む! 間に合ってくれ!」

百田「任せろッ!」ダッ





寄宿舎の裏

白銀「ああっぐ……うう……!」

巌窟王「……む。どうした? 何を声を抑えている? 先ほどまでとは別人のようだ」

巌窟王「さっきはもっと子供のように……」

巌窟王「いや。いい。興味が無い。どっちにしろ貴様の末路は変わらないのだからな」

白銀「足を……撃たないの?」

巌窟王「クハハ! 言っただろう! 逃げれば逃げるだけ恐怖が続く! 貴様の足がいくら健在であろうが関係なく――!」

白銀「……!」ダッ


ギュンッ


巌窟王「俺は貴様を逃がしはしない。このように一瞬で回り込める」スッ

白銀「ひっ……!」

ジュウウウウウウウウッ


662以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/06/30(土) 21:47:10.05IF24sIXA0 (1/1)

(このスレで終わるか疑問に思ったけどそれ以前に今年中に終わるかな…?流石に終わるか…)


663逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 20:52:43.27LyzE1XHU0 (1/10)

白銀「あ、ぐ……っ! いっ……!」ジタバタ

巌窟王「……右目を潰したのだが……? 何故だ? 何故叫び声を上げない?」

巌窟王「一体貴様は何を耐えている?」

白銀「はあっ……はあっ……はあっ……! うっ……」

巌窟王「拍子抜けで、興醒めだな。まあこうやってうずくまっている貴様を――」ドカッ

白銀「がっ――!」

巌窟王「蹴り飛ばすのは快感だがなぁ! クハハハハハハ! 中々見事に転がるじゃないか!」

白銀「がっ……こひゅっ……!」ガタガタ

巌窟王「しまった。エキサイトしすぎたか。肋骨はもうちょっと後で折るつもりだったのだが……」

巌窟王「安心しろ。気胸を引き起こして死にそうになったら胸腔に穴を開けて助けてやる」

巌窟王「俺を生かしておいた礼だ。たっぷり味わえ……俺の味わった苦しみはこんなものじゃなかったがな……!」

白銀「……」ガタガタ

巌窟王「……」

巌窟王(思ったより楽しくないな。コイツの反応が妙に薄いからだが)

巌窟王(死にゆく今、なにを気にすることがある?)

巌窟王「……」

巌窟王(予定変更。遊ぶ間もなく殺した方がいいか。何か不気味だ)ボオウッ

白銀「!」

巌窟王「やっぱり死ね。すぐ死ね。その思惑と共に闇に消えろ」

巌窟王「お前の顔を、二度とアンジーの前に晒しはしない。骨になるまで燃やし尽くしてやる」

巌窟王「最後の言い残すことは?」

白銀「……」

白銀「みんなに……」

巌窟王「ん?」









白銀「みんなに『ごめん』って……言っておいて……くれる……?」

巌窟王「――」

巌窟王「もう無意味だ。何もかも。故に伝言はしない」

巌窟王「貴様の告解を聞くのは俺一人のみだ」

白銀「……!」


664逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:00:56.10LyzE1XHU0 (2/10)

巌窟王「さらばだ。我が宿敵よ」ボオウッ

白銀「……」ギュッ

巌窟王「うおおおおおおおおおおお――!」ブンッ



バッ



巌窟王「おお……おおおおお!?」ガビーンッ

巌窟王「ぐうっ!」バッ




ドカァァァァァァンッ




白銀「……?」

白銀「あれ……生きて……る……?」

天海「はあっ……はあっ……はあっ……!」ゼェゼェ

白銀「……え」

巌窟王「なんのつもりだ……天海! 貴様ッ!」

巌窟王「何故そいつを庇った!?」

白銀「え……あ?」

天海「……!」

天海「げほっ!」ビシャッ

天海(まず……超特大の殺意搭載した巌窟王さんの炎が……飛び出したときに掠った……)

天海(直前で飛び出した俺に気付いて、当たらないように制御はしたんでしょうけど……間に合ってなかったみたいっすね……目が霞む……)

天海(そういえば毒あるって話だったっけな……)


665逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:07:28.43LyzE1XHU0 (3/10)

白銀「な……なんで……!」

天海「逃げて」

白銀「!」

天海「足が無事なら大丈夫! 走れる! 最悪、歩ける!」

白銀「え。え?」

天海「いいから! 立って! 行け!」

白銀「で、でも」

天海「行けーーーッ!」

白銀「ッ!」ビクッ

白銀「……!」ダッ

巌窟王「……何のつもりだ、天海?」

天海「……ええと……いや、あのー……」

巌窟王「まあいい。そこで気絶しておけ。もう目を開けているのも辛いだろう。このまま行けば貴様は死ぬ」

巌窟王「だが安心しろ。後で治療してやる。目を開けたときにはすべて片付いているだろう」

巌窟王「……まったく余計な手間を増やしてくれる――」



ガシッ



巌窟王「――」

天海「あの……待って……」ギュッ

巌窟王(……地面を這いつくばっている天海に足を掴まれた)


666逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:15:10.25LyzE1XHU0 (4/10)

巌窟王「力を入れたり動くのすら辛いはずだ。何故そこまでする。離せ」

天海「……!」ギュウウッ

巌窟王「……」

巌窟王「離さないのなら自力で振りほどくのみだが」


バッ


巌窟王「……」スタスタ

天海「ぐ……ぬっ!」ガシッ

巌窟王「……??????」



バッ



巌窟王「……」スタスタ

天海「ダメっす……よ……!」ガシッ

巌窟王「……」イラッ

巌窟王「まあ、いいか。後ですべて治すのなら関係あるまい」

巌窟王「俺の邪魔をする貴様が悪いのだからな」

天海「……?」ゼェゼェ



バッ



バキィッ



天海「があっ!?」ゴロンッ

巌窟王「そこで転がっておけ。そこそこ強く蹴ったから、もうどこが上でどこが下かもわからないだろう」

巌窟王「無理をするな。毒が余計に回って用事が済む前に死ぬぞ」スタスタ

天海「……」

天海「ぐ……があああああっ!」バッ

巌窟王「なっ……!?」



ガシッ



天海「離ざ……げほっ……ない……!」

天海「どごにもっ……はぁっ……行がぜないっ……!」ギュウウウッ


667逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:22:21.76LyzE1XHU0 (5/10)

天海「俺っ……俺はっ……!」ゼェハァ

巌窟王「……?」

巌窟王(コイツのどこからこんな力が出て来る?)

巌窟王(いや。毒が回っていることは重要ではない。無理をすれば体は動かせるのだからな)

巌窟王(問題は『無理をしなければいけない理由』がどこにあるか、だ)

巌窟王「……」

巌窟王「後で事情を聞こう。後でな」


バッ


バキィィィィッ




天海「がっ……! う……」ゴロンッ

天海「おえっ」ビシャッ



ボタボタッ



巌窟王(ム。しまった。ちょっと強く蹴り過ぎたな。結構転がってしまった上に血も流しすぎだ……)アセッ

巌窟王「天――」




「天海くんっ!」



巌窟王「ん?」

巌窟王(誰かが天海に駆け寄って……?)

巌窟王(あれは……あれ……は……)

白銀「天海くん……! しっかりして! 天海くん!」

天海「ごっ……白銀ざっ……なん……ごぼっ」

白銀「……!」

巌窟王「――は?」


668以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/01(日) 21:24:02.097siMoT1q0 (1/1)

やったね!どっからどうみても天つむだよ!(白目)


669逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:32:24.12LyzE1XHU0 (6/10)

天海「だめ……逃げ……ご……うっ!」

巌窟王「……」

巌窟王「おい」

白銀「!」バッ

巌窟王「……!」

巌窟王(なんだその眼は。何をしている。何故引き返してきた? 何故……)

巌窟王(これではまるで、貴様は……)メラッ

白銀「やめて」ガタガタ

巌窟王「!」

白銀「やめ……て……お願い……!」ガタガタ

巌窟王(涙を流しながら何を懇願している? 何を……俺が天海を殺すとでも?)

巌窟王(愉快な勘違いだ)

巌窟王(……そうだな。これ単品でなら、笑い飛ばせるだろう。あまりにも滑稽な勘違いだからな)

巌窟王(だが)

巌窟王「やめろ……だと?」メラァッ

巌窟王「貴様……どの口で言っている?」

白銀「が、巌窟王さ――」

巌窟王「どの口で言っているんだッ!? ああ、違う違う違う! そうではないだろう! 白銀、貴様ァァァ!」ボオオオウッ

巌窟王「今更何をしている! 何もかも手遅れだというのに、貴様はァ!」ボオオオオオオオオオッ

白銀「あ、あ、あ……!」ガタガタ

巌窟王「天海のために涙を流しているのか……!? 天海を守るために引き返して来たのか?」

巌窟王「遅い……何もかも遅すぎる! ああ、何もかもッ!」ボオオオオオオオウッ

白銀「あ、熱い……よ……やめ……! 私はどうなってもいいけど、天海くんは……!」

巌窟王「やめろ……やめろやめろやめろやめろ!」







巌窟王「それ以上、口を開くなーーーッ!」


670逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:38:35.80LyzE1XHU0 (7/10)

最原チーム

百田「あと少しで寄宿舎の裏に着くぜ!」ゼェゼェ

最原「ありがとう! ごめん! 後でちゃんと水分補給してね!」

百田「あとマッサージも頼むァ。マジで足が棒みたいでよ……体も火照って滅茶苦茶熱いし」



ムワッ



百田「あれ? なんか暑くねぇ?」

最原「……急に気温が上がった? なんで――」





ゴロゴロゴロッ ドカァァァァァァァンッ




最原「……な、んの音……!?」

百田「コイツは……! 雷鳴と同じだ。急激に気温が上がって空気が爆発的に膨張した音……!」

百田「なんだ? こんな熱源、どこに……」

最原「……いるとしたら、たった一人だけだ」

最原「あそこ見える、黒い炎……! あれは……!」


671逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:44:29.88LyzE1XHU0 (8/10)

「うおおおおおおおおおおおおおお……!」

白銀「……う……わ……ううっ……!」ガタガタ

白銀(もう一歩も動けない。恐怖で……疲労で。痛みで)

白銀(違う。こんなはずじゃなかった。巌窟王さんの怒りを一身に受けるのは私だけのはずで……!)

白銀(他の誰を巻き込む気もなかったのに!)




「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」




白銀「……」

白銀(甘く見てた。あまりにも桁が違いすぎる……)

白銀(あれはもう人間じゃない)

白銀(人の身を捨て、その魂すべてをくべて燃え続ける――)





「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」





白銀「復讐鬼――!」




「があああああああああああああああああああああああああああああッ!」


672逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:47:37.02LyzE1XHU0 (9/10)

第五章
Cosmos in the lostmemories


END



残り人数
??人



TO BE CONTINUED




セミラミス印のイースターエッグを手に入れました!


673逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/01(日) 21:55:18.30LyzE1XHU0 (10/10)

続きは明日の夕方!


騎シュタルはもう持ってるから今回のイベントは素材周回以外の用事が一切ないな……楽……
ちなみに弓シュタルがいない関係でこの作品に出ているイシュタルはすべて騎シュタルです。ずっと水着パーカーです


674以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/01(日) 22:02:07.91vqRXdZ0Eo (1/1)

最近あついしいんじゃないかな…


675以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/01(日) 22:46:12.09n5QZbaIO0 (1/1)

冬も水着パーカーだったのか?

てか極寒の地カルデアで水着は辛いだろう


676以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/01(日) 23:21:31.75aeSz11fI0 (1/1)

まあロシアに水着鯖突っ込んだ人もいるくらいだしカルデアの寒さくらい大丈夫だろ


677以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/02(月) 05:57:24.85PC+LgNVYo (1/1)

霊体化しとけば寒暖は平気だろうけどなぁ…


678以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/02(月) 16:17:25.58pbsAsUq/0 (1/1)

巌窟王はともかくとして、
新世界プログラム組と現実世界組に一時分断されたり、
ルール違反で抹殺処理が始まったり、
カルデアからセミラミスが一時的に乱入してきたり、
最原が聖杯を使えるようになったりで、
FGOの世界観にダンガンロンパが侵食されてしまって、
もうハイスピード推理アクションの「ハ」の字も残らない状況になってるのを、
外の世界の視聴者達はどう思ってみてるのか気になるな。


679以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/02(月) 20:04:00.91MBXTQGkW0 (1/1)

ある意味このSSもぐだぐだやね。


680逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 20:42:25.21OuhbnerR0 (1/6)

最原(選択を間違えたかもしれない)

最原(ぼんやりと、あの黒い炎を見ながら思う)

最原(もしかしたら僕は、少し前の段階で、見えている地雷を放置してしまったのかもしれない)

最原(でも……ああ! でも、今の僕にはもう、それをどうすることもできない!)

百田「終一。このまま行けば、多分とんでもないことになるぜ。それでも行くか?」

最原「当然!」

百田「おお! じゃあ行ったるぜオラーーー! 覚悟を決めろ! 決めた! うおおおおおおおおお!」ダッ

最原(それでも僕は……止まらない! 止まりたくない!)

最原(僕は何も、成し遂げてないのだから!)









「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」


681逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 20:44:38.19OuhbnerR0 (2/6)

第六章

超高校級の生徒たちが超高校級の召喚を目撃し超高校級の協力で超高校級の絶望に立ち向かい超高校級の結末を掴むお話


682逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 20:53:07.38OuhbnerR0 (3/6)

校舎内

茶柱「なんか暑くないですか?」

アンジー「……む。魔力を大量に持ってかれてるー……」

茶柱「え?」

アンジー「転子。外に出よう? この状態が続くとアンジー、倒れちゃうかもしれないからさー」

茶柱「え、ええ。そうしましょうか。どうせこの場に長くとどまっていても何も収穫はないわけですし」

茶柱「というか外が妙に騒がしいですし」



ドガシャアアアアア!



獄原「うわあああああああああ!」

入間「ひええええええええええ!」

エグイサル「」ガシャコーンッ!

アンジー「ん?」

茶柱「!?」ガビーンッ

入間「ああああああああああ! 校舎の中に入っても追ってくるのかよおおおおおお! もうやだよおおおおお!」

獄原「入間さん! しっかり捕まってて! このまま逃げるから!」ダッ

入間「ひえええええええん……」

エグイサル「」ガシャコンガシャコンッ……







茶柱&アンジー「……」

茶柱「行っちゃいましたね。なんでしょうあれ」

アンジー「わからないけど理由なく被虐されちゃう系の女子だから。美兎って」

茶柱「さっきまでのエグイサルと違って殺意はなさそうでしたし、放置安定ですね! 行きましょう!」


683逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 20:59:33.11OuhbnerR0 (4/6)

寄宿舎の裏手


ゴオオオオオオオオオッ



最原「……!?」

百田「なんだよ。あの火柱は……!? 呼吸するのが苦しいくらいの熱気だぜ!」

最原「あれは……」




「うああああああああああああああああッ!」




最原「!」

最原「……中心に巌窟王さんがいる! ありったけの勢いで炎を放出してるみたいだ」

百田「んだとォ!?」

最原(あと……他には……?)ジーッ

最原(いた! 白銀さん……と……)

最原「……なんで天海くんまでここに!?」

百田「お? あ……天海!? 白銀!?」

百田「おいおい! これだけ離れてても息が詰まるほどだぞ! あんな近くにいたら……!」

最原「十分も持たない。どっちも死んじゃう!」

最原「……理由はわからないけど、明らかに正気を失ってる! なんで!?」


684逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 21:06:49.35OuhbnerR0 (5/6)

ゾロゾロゾロッ

星「おい! これは一体どういうことだ? 巌窟王に何があった?」

真宮寺「これは……見ようによっては美しい光景、だけど……」

赤松「……声が……巌窟王さんの叫び声が、なんか……」

東条「苦しんでるみたいね。まるで」

最原「みんな!」

夢野「んあー……んあっ!? あそこに白銀と天海がおるではないか! まずいぞ! 本当に!」

夢野「よーし! ウチが二人をあの場から引きずって避難させてくる! ちょっと待っておれい!」



ブワッ


ボッ



夢野「ああっちいいいいいいい! あちゃちゃちゃちゃちゃ!」ジタバタ

最原「帽子が発火したーーーッ!?」ガビーンッ

百田「火花だ! 黒い火花が飛び散ってやがる! 迂闊に近づいたら引火するぞ!」

春川「……これ……二人は詰んでない? 地面に伏せてれば火花は大丈夫そうだけど……」

春川「匍匐前進で移動しようとしたら、素人の二人じゃ結構時間がかかるよ」

春川「加えてこの熱風。逃げ切る前に力尽きる可能性が高い」

最原「くそ……考えろ! 考えろ! 何か……何か手があるはずだ! 何か!」

アンジー「……」タッタッタッタッ

最原「……」







全員「ん?」キョトン

アンジー「熱い」バキィッ

巌窟王「ぐはっ」

全員(グーパンしたーーーッ!?)ガビーンッ


685逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/02(月) 21:12:02.88OuhbnerR0 (6/6)

茶柱「アンジーさーーーんっ! 引き返してくださーい! 蒸し殺しにされますよーーーッ!」

百田「ていうかアイツはなんで普通に徒歩で近づけてんだよ! 火花はどうした!?」

春川「……気のせいかな。アイツの周りだけ火花が避けて通った、ような……?」

最原(多分気のせいじゃない!)ガーンッ

巌窟王「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アンジー「やめて」

赤松「うわああああああああああ! 明らかに暴走状態の巌窟王さんに凄い対応してるーーーッ!」

真宮寺「いくら彼女でも、今回ばかりは無理……!」







巌窟王「アンジーに殴られた……」ガクリッ

春川「あ。膝折った」

星「熱気が消えたな」

東条「解決ね」

最原「終了ーーーッ!」ガビーンッ!


686以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/03(火) 00:39:57.62RZPc4IhV0 (1/1)

マスター強い
サーヴァント勝てない


687逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/03(火) 19:19:12.15C9U7A5Y00 (1/3)

百田「おし! さっさと近づくぞ! 東条!」

東条「任せて! 全力で処置を開始するわ!」

入間「例の処置はやるなよ。マジで。頼むから」

東条「善処するわ!」ダッ

最原「……」

最原「あ。茶柱さんも来てたんだ」

茶柱「お、遅い……!」









アンジー「言ったよね。アンジーは湿気と熱気が嫌いなんだよー? 絵具とか種類によっては溶けちゃうから」

巌窟王「熱気に関しては聞いたことがな――」

アンジー「え?」

巌窟王「いやだから熱気に関しては言ってな――」

アンジー「え?」

巌窟王「……」

巌窟王「いっ――」

アンジー「え?」

巌窟王「……ってたかもしれないな。ふむ」


688逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/03(火) 19:47:02.84C9U7A5Y00 (2/3)

百田「天海! 白銀! 大丈夫か!」

東条「これは……どっちもかなり危ないわ。火傷が酷すぎる……! それ以外にも骨がところどころ折れてるわ」

星「治療は? 間に合うか?」

東条「この学園の設備ではとても間に合わない!」

入間「例のあの処置は!? もう死ぬよりはマシだろ!」

東条「それも含めても、助かるかどうか……!」

百田「……!」

百田「おい! 『巌窟王』!」

巌窟王「!」

百田「テメェどういう了見だ! ああ!? なんでこんなことをした!? 答えによっちゃぶん殴るぞ!」

巌窟王「喚くな。元より殺すのは白銀のみのはずだった。それを天海が『何故か』邪魔をしただけのこと」

巌窟王「身の程を弁えて俺の前に出なければこんなことにはなっていなかっただろう」

百田「」ブチッ



ブンッ



巌窟王「ふん」ガシッ

最原(パンチを軽く防がれた……! いや、今百田くん、巌窟王さんのことを呼んだ?)

百田「その言い草……本っ当に一々イラつくヤツだぜ! 普段ならテメェの味として流すが、今回ばかりは許しちゃおけねぇ!」

春川「……今回? 前回があったってこと?」

百田「ん……?」

百田「……??????」

最原(全部思い出した……ってわけじゃなさそうだな)


689逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/03(火) 19:53:53.55C9U7A5Y00 (3/3)

東条「もうこうなったらモノクマに頼るしか……獄原くん!」

入間「!」ビクッ

東条「……」

東条「ん?」

夢野「ゴン太はエグイサルに追われてたじゃろ。ここにいるはずがないのではないか?」

星「待て。何かおかしいぞ。ならなんで入間がここにいる?」

入間「……」ダラダラダラダラ

春川「凄い汗」

星「……入間?」ゴゴゴゴゴゴゴ

百田「後にしろ! とにかく今は応急処置でもなんでも……!」

巌窟王「……アンジー。魔力を回せ」

百田「お?」

アンジー「わかったー!」

百田「……何する気だ?」

巌窟王「最初からする気だったことをするだけだ。宝具、真名解放――」







巌窟王「待て、然して希望せよ(アトンドリ・エスペリエ)」


690逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/04(水) 19:17:13.68y6RzaTLN0 (1/2)

ポオウッ

最原「……!?」

百田「な……んだこりゃ。傷が塞がって……」

入間「おお! おおーーー! なんだこりゃ! なんだこりゃ! マジか!」

入間「巌窟王! テメェ『回復宝具』なんか持ってたんだな!?」

最原(そ、そういえば疑似学級裁判のときにアンジーさんに使おうとしていたような……?)

東条「……何故今まで使おうとしなかったの?」

巌窟王「アンジーと俺の両方の状態が万全でなければ使えないからな」

巌窟王「必然、アンジーの治療には使えない。治療が必要な状態ならアンジーは『万全』ではないのだから」

最原「……ともかくこれで天海くんは助かる、か……よかった」ホッ

百田「ああ! この調子なら白銀も治療できんだろ! テメエも気が利くようになったじゃねぇか!」ケラケラ

巌窟王「……」ニガニガ

百田「……なんだその顔」

巌窟王「白銀を救う気などさらさらないが」

百田「まあテメェならそう言うと思ったぜ。なんでかまったく知らねーけど。ていうか本当にテメェは誰だ。まったく知らないのに親しみだけはあるぜ」

最原(記憶の改竄のせいで言ってることが滅茶苦茶だ)ズーン

百田「おいアンジー! テメェからの指示ならコイツも従うだろ! 言ってやれって!」

アンジー「……」ニガニガ

百田「!?」ガビーンッ

最原「ま、まあそうだよね。アンジーさんも嫌がるよね、それは……」


691逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/04(水) 19:25:54.65y6RzaTLN0 (2/2)

最原「と……いうか」

最原(……空気が全体的に消極的だ。白銀さんを助けたくないって態度で言ってる)

最原(このまま死ぬのなら別にそれでいいんじゃないか、みたいな)

夢野「巌窟王! 何をワガママ言っておる! 白銀のこともキチンと治療せい!」

夢野「……っていうか白銀の方が全体的に傷が酷いぞ! 何があったんじゃコイツ! 目! 目!」アタフタ

巌窟王「……」ジーッ

夢野「……んあ? なんじゃ? ウチのことじっと見つめおって。や、やるか? やるのか?」ビクビク

巌窟王「……」ナデナデナデナデナデ

夢野「何故撫でる?」

最原「あ、ああ……うん。夢野さん。そのまま撫でられておいて。天海くんの治療はもう片手間でもできるっぽいから」

夢野「んあー?」

赤松「ごめん夢野さん。現実に残ってる人たちと再会したとき、軒並み感動したけどさ」

赤松「夢野さんだけは特別だから」グスン

夢野「何故涙ぐむ?」

最原(本当に酷い死に方してたからなぁ。あっちでは)

最原「……」

最原(どうしよう。白銀さんの処遇。助けた方がいいのかな……)

最原(このまま死なせるのは……なんか納得がいかない。本当にその程度の忌避感でしかないけど……)


692以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/04(水) 22:12:57.80ydYBHTcf0 (1/1)

あれ?意外と最原見捨てる派だったのか


693以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/04(水) 22:17:03.81g1GJI1SV0 (1/1)

真実が明らかになるなら助けてもいいよってだけだし


694逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/05(木) 22:21:17.11cKgWPHU40 (1/1)

百田「もう一回言うぜ……白銀のことも治療しろ。巌窟王」

巌窟王「断る、と言ったら?」

百田「テメェ。そんなこと言うんならなぁ……俺だってなー……!」

百田「……」

百田「許さねーーーッ!」ズガァァァンッ

春川「何も思いつかないってさ」

最原「もうちょっと頑張ろうよ百田くん! もっとあるでしょ! アンジーさんを人質に取って交渉するとかさ!」

アンジー「!?」ガビーンッ

春川「ペンチはあるよ。足の爪から剥がしていこうか?」スッ

最原「あ、ごめん。そこまでエグいことは考えてなかった。せいぜい吐くほどくすぐる程度が限界かなって……」

赤松「それはそれでエグいから!」

百田「……仲間なんだぞ……助けろよ……!」

百田「俺は白銀がここで死ぬ様なんざ見たくねぇ!」

夢野「巌窟王……!」

巌窟王「……」

最原「……巌窟王さん」

最原(もう、いいか。こっちの方が明らかにデメリットが少ない)

最原(何よりも……仲間だったときの顔が一瞬、頭にチラついた)








最原「殺すだけならいつでもできるでしょ?」

巌窟王「貴様……」

最原「……そう考えてさ。納得してくれないかな」


695以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/05(木) 22:32:29.45OpqRVUKe0 (1/1)

巌窟王を説得してるけどまずはマスターのアンジー説得しなきゃダメなんじゃないかな…


696以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/06(金) 13:09:29.94o2ncwNzDO (1/1)

恨み辛みから見捨てようとしている赤松らより、個人的に気になることあっからちょい延命させようぜ、用が済んだら殺していいよな最原が一番ド畜生やな


697以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/06(金) 13:41:57.244nRx2+ns0 (1/1)

白銀にされたことを考えれば多少はね?


698逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/06(金) 22:25:43.22fOYEQ7xP0 (1/2)

巌窟王「……そこまで言うのなら聖杯を使って強制してみろ」

最原「絶対に抵抗するよね。少なくとも白銀さんがこのまま死ぬまで」

最原「だから今すぐに巌窟王さんには、自分の意思でかつ納得ずくで頷いてもらいたいんだ」

巌窟王「クハ、クハハハハハハハハ!」

巌窟王「貴様の舌の回転率には今まで何回も驚かされたが、今回は随分と出来の悪い理論だ!」

最原(だよなぁ。何か他に判断材料がないといまいち説得しきれないかも……)

最原「あれ。そういえば」

巌窟王「クハ?」

最原「話は戻るけど、そもそもどうして天海くんが白銀さんと一緒に燃やされてたんだろう?」

巌窟王「」

巌窟王「」

巌窟王「……そ……それは……」ダラダラダラ

最原「……」

最原(一か八かになるけど、やる価値は充分にある、か?)

最原「巌窟王さん。わかった。やっぱり白銀さんの治療はしなくていい」








最原「ただし、僕が白銀さんの体を調べるのだけは絶対に邪魔させない!」ギンッ

巌窟王「!!!!!!!!」ギクウッ


699逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/06(金) 22:35:33.03fOYEQ7xP0 (2/2)

巌窟王「……」アタフタ

巌窟王「……」

巌窟王「……クハハハハハハ! それがどうした!? やりたいのなら好きにすればいい!」

アンジー「平静を取り繕うのに時間かかりすぎだよー。なにか調べられたら困ることがあるのがバレバレのバレだー」

巌窟王「アンジー!」

百田「……なに慌ててんだ? 白銀の体になにかあんのかよ」

最原「それを調べるためにも、白銀さんの怪我を調べてみようか。みんなで」

夢野「右腕の負傷が酷いのう」

百田「うわ。なんだこりゃ。ひっでーな」

春川「脱臼。骨折のオンパレード。特に指なんかは一本一本丁寧に折られてるって感じだよ」

最原「誰かに拷問されたのかな……あれ。そういえば白銀さんの制服、前面の部分が泥で汚れまくってるけど……」

春川「……右腕を後ろ手に捻り上げた後で、地面に押さえつけて拷問したから、だと思う。そう考えるとしっくり来るな」

夢野「一体誰がこんな酷いことを……!」

巌窟王「……」アタフタ

アンジー「……」

アンジー「治療しよ? 知られたくないことがあるのは態度を見ればわかるしさー」

巌窟王「ぐ、ぬ、が……!」

巌窟王「……可愛げのない生徒どもめ」フウ


700逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/07(土) 21:14:45.77DCvkN2iT0 (1/2)

春川「……?」

春川(なにこれ。折れた方の指が……『ありえないこと』になってる?)

春川(あ、いや。順番に考えればいいのか。ええと……)



ポオウッ


春川「あ」

巌窟王「治療するから、そこから離れろ」

最原「……ごめん。巌窟王さん」

巌窟王「まさかアヴェンジャーたる俺を脅すようなマネをするとは……」

アンジー「ような? ううん、実際に脅したんだよね?」

最原(あともうちょっと調べられれば何かわかったかもしれないんだけど……)

最原「……白銀さんに拷問の痕があった、くらいしかわからなかったな」

百田「充分だっつの。ひとまず巌窟王が保身のためとは言え、治療をする気になってマジでよかったぜ」

夢野「しかし許せんのう! 一体誰がこんなに白銀をボコボコにしたんじゃ! 見つけたら絶対に許さんぞ!」

茶柱「……」ギク

夢野「……ハッ! 転子!」ビクッ

茶柱&夢野「……」

茶柱(白銀さんを拷問したわけじゃありませんが、ある程度の傷は転子のせい……だとはとても言えないですよね。治してくれてよかった……)

夢野(思いっきり心配させてしまった。どう謝ろうかまったく思いつかん。どうしよう)

茶柱&夢野「……」アセッ

最原(なにか重大なすれ違いが起こっている気がする)


701逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/07(土) 23:31:35.21DCvkN2iT0 (2/2)

春川「……」キョロキョロ

百田「ハルマキ? 何探してんだよ」

春川「大したものじゃないんだけど……引っかき傷と血痕の残った『何か』」

最原「え?」

春川「……気になるのなら最原も探してみなよ。多分、どこかにはある」

最原「……」

百田「いや。もういいだろ。そういうの」

最原「え」

百田「俺たち全員、生きてるんだからよ! これ以上の結果なんか求めようがあるか?」

百田「まあ、キーボに関しては後で白銀にどうにかしてもらうのは確定だけどよ。早くあそこから出してやろうぜ」

最原「……」

最原(これで終わり……)

最原(本当に?)

巌窟王「まだだ。モノクマの姿を見るまでは安心することはできない」

百田「お」

東条「そう。それよ。確かモノクマは獄原くんが連行していたはずよね」

東条「その獄原くんとは入間さんが同行していた」

夢野「……その入間がなんでここにおるんじゃ?」

入間「……えーと……それは……そのう……」ダラダラダラダラ

星「言っておくが……余計な言い訳はするなよ」

入間「させろよ! ちょっとくらい!」ガビーンッ

入間「わーったよ。言い訳しなきゃいいんだな。言い訳しなきゃ……」

入間「……」








入間「巨乳男爵」

春川「確かに言い訳はしてないね。言い訳は」

百田「おいコイツ受け答えそのものを放棄しやがったぞ!」ガビーンッ

入間「世界ヌーブラ条約!」シャキーンッ

東条「全員でリンチすれば多少は知能が戻るかしら」

入間「ひい! 銀河大射精!」ガタガタ

夢野「全力じゃあ! 全力で受け答えを拒否っておるぞコイツ!」ガーンッ

最原「ちゃんと喋って」キィィィィンッ

入間「ぎゃああああああああ! テメェェェェェェ!」ビリィッ

赤松(躊躇なく使うようになっちゃったなぁ。聖杯)


702逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/08(日) 23:04:00.48Xq9AAwSG0 (1/4)

ザンキゼロが物凄く面白いな……!
モノクマも出て来るし! ていうか本当に無意味にモノクマが出て来る! 無意味に!

あ、ザンキゼロやってて微妙に更新遅れてます


703逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/08(日) 23:19:33.32Xq9AAwSG0 (2/4)

入間「さて……どっから話せばいいやら」

星「……」スッ

入間「無言で鉄球とテニスラケットを構えるんじゃねえよ、漏らすぞコラ」

赤松「星くん。この人漏らすって言ったら本当に漏らすからしまって。誰も得しないから」

茶柱「入間さんです……そしてこのノリは完全にいつも通りの才囚学園生徒一同です……」

最原「うん。やっぱり懐かしい?」

茶柱「こうしていられた時間は相当短いはずなんですけどね。転子の記憶では」

茶柱「あと変な男死もいますし」

巌窟王「……?」キョロキョロ

アンジー「……」オマエオマエ

巌窟王「!?」オレカ!

茶柱「なんかアンジーさんとアイコンタクトだけで話しててめっちゃ不快なんですけど」

入間「……お取込み中なら俺様気を使って帰るけど……」

星「……」スッ

入間「漏らすっつってんだろが! わかってるよ!」

入間「端的に言っちまおうか。巌窟王が戦ってる無尽のエグイサル、動きからして誰かが遠隔で操ってるのは間違いがなかった」

入間「だがモノクマはとっくのとうに押さえたし、なによりモノクマにはエグイサルに対して大雑把な指示しかできねーはずなんだ」

入間「さっきまでエグイサルをモノクマが動かせていたのは、正確にはエグイサルではなくモノクマーズの方を動かしてたからだろうな」

入間「……今となっちゃ確かめる術がないけど。ほぼ間違いがねーと思う」

最原(あってる)

百田(あってんなぁ)


704逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/08(日) 23:31:15.19Xq9AAwSG0 (3/4)

入間「で。遠隔でエグイサルを操作する方法が一つだけあったのを思い出した」

入間「というか、俺様が作ったんだけどな……」

最原「え」

入間「前の学級裁判、確かダサイ原。テメェ俺様の研究教室に無断で入り込んでたよな?」

入間「イリスアゲート・エレクトボムに関しての情報をかっさらってたし」

最原「……!」

最原(まさか。あの研究教室の中に、鍵があるのか?)

最原(忘却補正があるけど、それは忘れないだけで、記憶を思い出すという手間がかかる)

最原(……ちょっと探ってみようか。自分の記憶を)

百田「終一? 急に黙ってどうした?」

最原「……思い出してただけ。そうだ。チラッと見ただけだけど、覚えてるよ!」

最原「でも現物は見てなかったから完成はしてないものだと……!」

入間「してねーよ。設計図だけだ。でも材料は全部揃えてあったし、バカ松からの怪我を直したらすぐにとりかかろうと思ってた」

茶柱「……なんの話です?」

入間「エグイサルの遠隔操縦技術。作ったのはなんとビックリ! 俺様でした!」ヒャッハー!



バカスカドカドカッ バキィッ!

ギャー!




GET NEW SIGABANE!!


才囚学園の生徒にリンチされて死亡(?)


705逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/08(日) 23:45:12.89Xq9AAwSG0 (4/4)

入間「……ハッ! い、一回死んだ気がする……」

最原「何言ってるの? 一回死んだら生き返れないでしょ」

星「先にトイレに行かせておくべきだったな……今回は大丈夫だが今度こそ漏らすかもしれん」ギロリ

入間「うおーーー! 仲間に向かってなんて仕打ちだ! 俺様下を濡らす前に顔が濡れるぞ! 涙で!」

百田「ノリでボコっちまったけど、まあ確かに軽率に殴るべきじゃなかったな。悪ィ悪ィ」

春川(態度が軽い)

入間「おお! わかりゃいいんだよ宇宙バカ!」ヒャハッ

春川(頭が軽い)

入間「で。話はエグイサルに俺様たちが襲われたあたりに戻ってくるか……」

入間「実は巌窟王が脇目もふらずに、エグイサルを放置してどっか行くのを俺様たちは校舎の影から目撃してたんだよな」

最原「……」チラッ

東条「事実よ。そのころは私、星くん、獄原くん、天海くん、夢野さん、入間さんで揃っていたから、その証言の証拠になるわね」

最原(僕たちが白銀さんを探していたあたりかな)

入間「……その直前あたりから、エグイサルの動きが妙だった。まるで操縦者が変わったみたいな……」

入間「まあともかく、問題はそこからだな」

星「巌窟王に放置されたエグイサルが、突如として俺たちの方へと突っ込んできやがった。無造作にな」

星「あまりにも不自然な挙動だが、これが事実だ」

夢野「結果、ウチらは全員散り散りに散開せざるを得なくなり……」

夢野「入間とゴン太の方をエグイサルは追尾し始めたんじゃ」

夢野「ちなみに、その前にウチらは協力してモノクマを追い詰めておったんじゃぞ。拘束してゴン太に連行させておったんじゃ」

最原「改めて聞くと凄い戦果だよね」

東条「……この後の話の展開によっては怖い話になるわ」


706以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/09(月) 02:26:13.49BRY84cybO (1/1)

ザンキゼロやりてー!


707逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/09(月) 21:33:18.87mv08Xe0Y0 (1/3)

入間「気付いたのは結構後だったな」

入間「ゴン太と一緒にエグイサルから逃げまくっていたときだよ。『あ、これ俺様の発明品で動かされてんな』ってピンと来たんだ」

入間「具体的に誰が! どこで! とまではわからない。エグイサル本体を詳しく見ない限りは逆探知も不可能だしよ」

入間「だが俺様の発明品を使われているとわかったら儲けものだ。あとは俺様の発明品でもなお不可能なものを思い出せばいい」

最原「つまり?」

入間「あのエグイサルは初心者向けに俺様が付けた『半自動操縦モード』になっていた、となんとなく挙動から察することができた」

入間「なんも知らないヤツが動かせば、コントローラーから手を離したにも関わらずエグイサルが勝手に動いていて」

入間「止めようともがいても頭で思うような操縦ができない、みたいな食い違いが発生しちまう」

春川「ああ。それであんなトンチンカンな挙動になってたんだ」

百田「……あれ。でも最初のときは確かに動きはガタガタだったけど、巌窟王のことをキチンと攻撃していたような気がするぜ」

入間「詳細は不明。白銀は御覧のあり様だしよ。後で訊いてみりゃいいんじゃねぇか? それこそ聖杯で」

最原「あまりそれは……やりたくないな」

東条「……で。結局あなたはどうしたの? 自分の発明品が使われていると閃いたからって、どうして逃げ切ることができたの?」

入間「……」

真宮寺「最原くん」

最原「口を閉じないで」キィィィィンッ

入間「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」ビリビリ

最原(……ん? 聖杯の効力が弱まってるような……)


708逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/09(月) 21:45:44.95mv08Xe0Y0 (2/3)

ほわんほわんほわんぬちょぬちょー


回想(という名の入間の妄想)




獄原「くっそーウホ! どれだけ逃げてもエグイサルに追いつかれてしまうウホ!」

獄原「ああ! やはり入間様の足元にも及ばないお粗末脳味噌のゴン太には、入間様を守ることなど到底できないミッションだったんだウホ!」

入間(そこで賢い入間様は、ゴン太に対してこう言ったのでした。『ひとまずここは二手に別れよう。追われた方は囮を担当するのだ』と)

入間(最初は渋っていたギリギリ人類ゴン太くん)

入間(しかし続く『追われなかった方は巌窟王か仲間を連れてきてエグイサルを協力して撃退する』というマーベラスな提案を聞くと……)

獄原「わかったウホ!」

入間(と即答。頭は残念ですが素直なのは美徳ですね)

入間(そしてゴン太くんは入間様の『せーの』の掛け声で、振り向かずにダッシュ!)

入間(え? 入間さまはどうしたかって? それは……)

入間(そう。なんと賢い賢い入間様は、じっとその場を動かずに息を潜めていたのです)

入間(半自動操縦モードだと、基本的にエグイサルは『動くもの』を追尾するようにできているのです)

入間(じっとしている入間様はなんとかエグイサルを愚かな愚かなゴン太くんに擦り付けることに成功し――)





現実

入間「こうして生き延びることができたのでした! はいお終い!」ヒャッハー!



バカスカドカドカッ バキィッ!

ギャー!




GET NEW SIGABANE!!


才囚学園の生徒にリンチされて死亡(?)


709逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/09(月) 22:00:46.38mv08Xe0Y0 (3/3)

入間「……ハッ! また死んだ気がする!」

赤松「最低だよ! この学園生活始まって以来の最低さ加減だよ入間さん!」

春川「仲間意識の欠片もない……」

入間「ま、待て。俺様はさっきも言ったように巌窟王とかテメェらを引き連れて体勢を立て直すためになぁ……」アタフタ

百田「その割には『ゴン太を見捨てたこと』を隠そうとしてたよなぁ?」バキンッ ゴキンッ

真宮寺「……獄原くんにエグイサルを押し付けるための口から出まかせだった、だろうからネ。それを実行しようとする意識が薄かったんだヨ」コキコキ

入間「首を鳴らすな! 威嚇か!? 威嚇のつもりかそれは!?」

入間「大丈夫だっつの! 半自動操縦状態じゃあ大した攻撃はできないし……!」

最原「それは本当だよね? 流石に」

入間「あ、ああ。もちろん。操縦者が変にコントローラーを弄らない限りは大丈夫だ」

入間「……なんならコントローラーを今から探すか? 電源を切るかスイッチを操作すればエグイサルは止まるぜ?」

最原「はあ。じゃあ、そうしようか。白銀さんがダウンしている今、コントローラーの詳しい位置がわからないけど……」

赤松「手分けすれば大丈夫、だよ! きっと見つけられるって!」

百田「おっしゃあ! じゃあさっさとコントローラーを探して仕上げと行くぜ!」

王馬「おー!」カチャカチャ

百田「……」

最原「……」

春川「……?」

赤松「あ、あれ。王馬くん、いつからそこに」

王馬「あ、ごめんごめん。ちょっと探し物してて遅れちゃった」カチャカチャ

東条「……あなた、それ、手で弄ってる箱は……まさか……」






ドガシャアアアアアンッ ガシャンガシャンガシャンガシャンッ……




王馬「お! 動いた動いた! いやー! やっぱ時代はマニュアル運転だよねー!」ケラケラ

百田「……今、校舎を突き破って出たのってエグイサルだよな……?」

最原「中庭に向かって走って行ったね。全力で」

赤松「え? 中庭?」





ズズウンッ……



夢野「……何かにぶつかったような音が、した、ような……」

真宮寺「中庭には何があったんだっけ?」

茶柱「キーボさんが中に入ってるっていう謎オブジェクトくらいしかなかったですけど……」

全員「……」






全員(ま    さ     か)


710逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/10(火) 21:31:31.36QiTrjQQ40 (1/1)

王馬「あれー。俺ってばゴン太を助けたいあまり、エグイサルの操作をうっかりミスってしまったようだなー」

王馬「くそっ! 無事でいてくれよキー坊!」

最原(わざとらしい!)ガーンッ

赤松「き、キーボくーーーんっ!」ダッ

百田「終一! 俺たちも……!」

最原「いや。僕は巌窟王さんを見張らないと。目を離した隙に白銀さんを事故に見せかけて殺されたりしたら堪らない」

巌窟王「クハハ! 信用がないな」

アンジー「念には念を、だと思うよー。終一だって誰彼疑いたいわけじゃないんだしさー」

巌窟王「フン。庇っているのか?」

アンジー「そだよー」

巌窟王「……」

最原「二の句が継げなくなるくらいならからかわなきゃいいのに!」

茶柱「本っ当にいいコンビですよ、この二人は……」ハァ

茶柱「……おや? 転子は今、なんて言いました?」

最原(……意外にみんな記憶の復元にてこずってるみたいだな)

最原(天海くんと僕は例外中の例外だったわけか……)

百田「じゃ、終一! 俺は入間を引きずってキーボのところに向かうぜ!」

春川「キーボが故障なんかしてたらコイツ以外に直せるアテがないもんね」

百田「行くぜ!」ダッ

入間「行くぜーーーッ!」ダッ

春川「……」ダッ

百田「あれ? ハルマキは別に来なくてもいいんじゃ……?」

春川「……」ベシッベシッ

百田「痛ぇ痛ぇ」

最原(めっちゃ叩かれてる……)

巌窟王(……気のせいか? 百田の背後に女神が見えたような……?)


711逆転の人2018/07/11(水) 22:48:20.03ZbLa0Bva0 (1/3)

最原「……なんか……みんなの顔が見れるのは凄く嬉しいことのはずなんだけど」

茶柱「人が増える度に面倒ごとが倍々ゲーム状に増えて行きますね」

最原「ものすごく疲れる……」

茶柱「……あー……うー……そのー……」モジモジ

茶柱(ハグします?)

茶柱「……」

茶柱「言えるわけないでしょうッ!」ゲシィッ

最原「何が!?」ゲフアッ!?

巌窟王「……ふむ。やっとのこと、生徒たちに余裕が戻ってきたか」

アンジー「キーボの安否の確認。モノクマの所在の確認。やることまだまだ残ってるけどさー……」

アンジー「モノクマーズは全員いなくなったし、やっと一息付けるねー」

巌窟王「……よし。白銀の治療も終わったぞ」

アンジー「ん?」

アンジー(……妙に魔力の消費量が少ないような……?)

最原「……うん。よかった。二人とも無事だね。いつ意識が戻るかな」

巌窟王「ゆっくり寝かせておくがいい。今日は色々とありすぎた」

巌窟王「……少しくらい休息をとってもいいだろう」

最原「……うん。そうだね」

真宮寺「休む、か……いいかもネ。それ」

星「ああ。今日はあまりにも密度が濃すぎたからな」

星「……よし。部屋の鍵はキチンと服の中にあるな。いつも通りだ」スタスタ

巌窟王「どこに行く?」

星「部屋で寝る」

真宮寺「僕も便乗させてもらうヨ」スタスタ

東条「……」

巌窟王「……貴様にできることも、もうないだろう。東条」

東条「そうね。忌々しいけど、その通りよ」

最原(忌々しいの?)

東条「……でもしばらく様子を見させてちょうだい。赤松さんたちが帰ってくるまでは」

巌窟王「好きにしろ。俺たちはこの二人を病院に運ぶ」

巌窟王「天海は完璧に治したとは言え、心理面での傷はどうにもならないのでな」

王馬「あれ? 白銀ちゃんの方は?」

巌窟王「……」

最原「……え。なんで黙るの?」


712逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/11(水) 23:02:10.96ZbLa0Bva0 (2/3)

巌窟王「……治した。最原、貴様の狙い通りな」ギロリ

最原「う、うん。ありがとう。あと怖いから睨むのやめて」

巌窟王「……アンジー。白銀のことを運べるか?」

アンジー「もっちもちー。任せてよー……重っ。引きずっていい?」

巌窟王「許可する」

最原「ダメに決まってるでしょ」

夢野「仕方がないのう。ジャガーマンの加護を使って、ウチが白銀を運ぶとしようかの」

茶柱「どちらにせよ夢野さんの体格じゃ引きずることに変わりないのでは……」

夢野「じゃあゴン太に運ばせるか。エグイサルから解放されて、今頃フリーになっておるはずじゃし」

夢野「……そういえばゴン太、今どこにいるんじゃろうな?」

最原「もう終息したとは言っても、これだけ騒いだわけだし。どこかで気が付いてこっちに向かって来そうなものだけど……」

獄原「みんなー!」ドタドタ

夢野「おお! 噂をすればハゲじゃな!」

最原「惜しい。影だよ」

巌窟王「クハハ! 獄原、来たか! もうすべてが終わった後にノコノコと!」

獄原「あ、うん。ごめん。でも今はそれどころじゃなくって!」

東条「……?」

東条「獄原くん? モノクマは?」

獄原「壊れた!」

夢野「そうかー。壊れおったかー。そりゃ大変じゃったのー」

夢野「は?」









獄原「エグイサルに踏みつぶされて、粉々になっちゃった!」

茶柱「……」

最原「……」

巌窟王「……」

アンジー「……」

全員「マジで!?」ガビーンッ!


713逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/11(水) 23:04:54.10ZbLa0Bva0 (3/3)

ザンキゼロとか水着イベで忙しい。頼光公の水着を堪能したくてガチャったら水着オルタ嬢が来た。育成大変




ザンキゼロのファイナルダンジョン、大分キツイぞ! 続きは明日!


714以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/12(木) 00:01:02.85fYlk3x1T0 (1/1)

ザンキゼロか…買ってみようかな?
不夜アサの幕間が楽しかったぞ巌窟王!


715以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/12(木) 18:53:04.06g2JIe7Sx0 (1/1)

女子八番 隅田映美子(すみだ・えみこ)

身長 156cm
体重 50kg
誕生日 8月1日(獅子座)
血液型 O
部活動 ソフトボール部
友人 英賀保光里
小野くるみ
園部泉美
生瀬理代
西大路麻美
蓬来江里花
桃山那々子
山科乃梨絵
(女子主流派グループ)
愛称 映美子、えーみ
出身小 椿小学校
家族 父・母・妹
能力値
知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★☆☆☆☆

★★★★★

★★★★☆

★★★★★

★★☆☆☆

★★★★★
明るく元気なムードメーカー。家がパン屋で、いつもふんわりとパンの香りがする。
女子の中で1番の運動能力の持ち主だが、おっちょこちょいでドジを踏むことも多い。
桃山奈々子と共に、今宮朋哉ファンクラブ会員を自称している。
小野くるみ・園部泉美は幼稚園からずっと一緒の幼馴染。
体育委員。

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器: なし(出発前に死亡)
kill: なし
killed: 黄松
死亡話数: 第12話
凶器: 金属バット
 
プログラムを告げられ、クラスメイト同士が殺し合うということを「絶対に嫌」と拒否した結果、赤松に「ここで[ピーーー]ばいい」と提案される。逃げようとするが間に合わず、黄松に頭部を複数回殴打され死亡。<12話>


運動能力を活かすことなく退場でした。
実は直前までどうするか悩みました。他の案としては、ここでは退場しない(全体を決めた後でどうしても他のことに繋がらなくなったので諦め)、拒否による首輪爆発(映画版のノブみたいな。最初はそれで書いたけど詰まってしまった)がありました。


716以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/12(木) 18:55:58.13KWYboZBZ0 (1/1)

>>715
埋めるのやめて


717逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/12(木) 20:35:00.22tlHzTpbt0 (1/4)

ザンキゼロ、クリア……!
素晴らしいゲームだった。ところでクリア特典はどこかな。多分あると思うんだけど……


718逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/12(木) 21:02:06.58tlHzTpbt0 (2/4)

校舎内

最原(白銀さんと天海くんのことを、茶柱さんと夢野さんに任せた僕たちは、エグイサルの開けた穴から校舎の中に入った)

最原(そこで目に入ったのは……)

モノクマ「」ボロッ

最原「……本当に壊れてる」

東条「何があったの?」

獄原「何があったかって訊かれると色々とあるんだけど……」

獄原「……端的に言えばモノクマが自殺したってところかな」

巌窟王「自殺だと?」

獄原「エグイサルから逃げている途中、モノクマがもがいてゴン太の脇からすり抜けたんだ」

獄原「縛ってたから本当に、もがく以上のことはできないはずだったんだけど……」

アンジー「あー。もがいてもがいてもがいて……エグイサルの方に意図的に転がっていったんだねー」

獄原「うん。本当にびっくりしちゃったよ」

東条「でもなんでこんな無駄なことを……」

最原「……」

最原(自分で自分の口を封じた?)

最原(……いや。もっと別の何かがある気がする)

巌窟王「ふん。だが第一の学級裁判のときを思い出してみるがいい」

巌窟王「ヤツには増殖機能があるという話ではなかったのか?」

最原「ああ。モノクマを生産するために、黒幕がモノクマカラーの隠し扉に向かうはず、って話題のときに出たね」

最原「……」

最原「……ッ!」ゾクッ

最原(……白銀さんを生かしといて正解だったかも、しれない!)


719逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/12(木) 21:14:31.41tlHzTpbt0 (3/4)

モノクマルール『三つ、モノクマはコロシアイによらず生徒を外に出す手続きを行うことができる。これを最後の学級裁判と呼ぶ』

モノクマルール『四つ、モノクマは生徒の求めに応じて最後の学級裁判を開催できる』

モノクマルール『五つ、モノクマの校則違反の証拠を糾弾する証拠があると生徒が判断した場合、モノクマは最後の学級裁判の開催を拒否できない』

モノクマルール『六つ、以上五つのルールをもってモノクマと生徒の公平さを保つ絶対不変のルールとする』





最原(そうだ。万が一、この学園からモノクマが消えたら最後の学級裁判を開催できなくなる!)

最原(実際にそうなってるじゃないか!)

最原(でも白銀さんが……白銀さんが生きている限りはまだ希望は潰えていない)

最原(……彼女を殺すわけにはいかなくなったな)

巌窟王「どうせすぐにモノクマは出て来る。スペアの体など、ロボットにありがちな設定だろう」

巌窟王「さて。明日になったら全員、脱出の準備を整えろ」

最原「え?」

巌窟王「俺の召喚したときのことを思い出せ。あのとき外に出れなかったのは、何故だ?」

最原「何故ってそれは当然――」

最原「あ!」






巌窟王『しかしそれならば話は更に簡単になったな。アンジー。不幸だと言ったことを素直に訂正させてもらおう』

巌窟王『巌窟王は脱獄の英霊だ。この程度の牢獄を破壊することなど造作もない』

百田『マジか!』

巌窟王『さあ! 魔力を回せアンジー! 我が宝具でお前を縛ることごとくを破壊してみせよう!』

アンジー『うん!』

アンジー『……』

アンジー『魔力を回すってどうやるのー? ジャグリング?』

巌窟王『……』

巌窟王『計画は頓挫したな!』ギンッ

赤松『早ァッ!?』ガビーンッ!





東条「うっかりしていたわ……今までが今までだったから!」

東条「巌窟王さんはもう、万全よ! いつでも脱出できるわ!」

最原「あーーー!?」ガビーンッ

最原(そうだ! ついさっきも真宮寺くんがそう言っていたじゃないか!)

最原(もう僕たちは実質、閉じ込められていない!)

最原(……でも)

最原(外に出たところで、何があるんだろう?)


720逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/12(木) 21:23:41.89tlHzTpbt0 (4/4)

巌窟王「さあ! 仕上げだ! アンジー、魔力を回せ!」

巌窟王「この学園を……コロシアイを! 終わらせてやるッ!」

アンジー「眠いからやだ」ウトウト

巌窟王「明日にしよう!」ギンッ

最原「この期に及んでアンジーさんに甘すぎる!」ガビーンッ

巌窟王「……真面目な話だが、確かに今日は宝具を連発しすぎた。休息は必須だ」

アンジー「うー」ネムネム

巌窟王「部屋まで送る。背に乗れ」

アンジー「あうー」ヨイショ

巌窟王「……」

巌窟王「……白銀の処遇は、お前たちで考えろ」

最原「うん。わかってる」

巌窟王「後悔するなよ」

最原「……わかってるって言ってるじゃないか」

巌窟王「クハ……ではな」スタスタ

最原「……」

最原(考えないとな。外に出て、何をすればいいのか)








中庭

百田「……」

春川「……なにこれ」

入間「おい。キーボはこの中にいたはずだよな?」

百田「……」






百田「いねぇぞ。からっぽだ」


721以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/13(金) 01:36:59.55wucEugFDo (1/1)

王馬の処遇はいいのか巌窟王


722以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/13(金) 03:00:13.97i+NhHPWm0 (1/1)

既にいないキーボ…ここに出て来てない王馬…そして女神達の加護を与えられた生徒…これらが示す答えは…!


723以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/13(金) 12:46:59.94MrCpFvaoO (1/1)

アーマードコア新作が発売される……!


724逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/13(金) 23:17:24.15IE/XJ06u0 (1/1)

寄宿舎

巌窟王「……」

部屋「」ボロッ

巌窟王(しまった。そういえばモノタロウを蹴り飛ばしたときに、爆発で一つ部屋が粉々になったような気がしたが……)

巌窟王(まさかアンジーの私室だったとは)

アンジー「むにゃ……」スヤァ

巌窟王「学級日誌を回収してから病院に移動するか……」キョロキョロ

巌窟王「……ム。ないな。妙だ。いくら荷物が散乱しているとは言え、そう簡単に消えるものか?」

巌窟王「まさか」

アンジー「ううん……」スヤァ

巌窟王「……明日にするか。病院に行くぞアンジー」

アンジー「えへ……」スヤァ

巌窟王(茶柱と鉢合わせしなければいいが)






病院

茶柱「がるるるるるるるるるる!」

巌窟王(遭遇してしまった)




アンジーをどうする気なのかと詰問され、そのまま一時間ほど不毛な問答をした


725逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/14(土) 21:45:21.00TFiqF0v40 (1/3)

最原「ご、ごめんゴン太くん……運んでもらっちゃって……」

獄原「うん。大丈夫。全然軽いから。それにしても最原くん、どうしてこんな酷い怪我してるの?」

最原「ゴン太くんたちがあの世界で消えた後、白銀さんにちょっと……」

超獄原ゴン太「ゴン太は怒ったぞーーーッ! 白銀さーーーんッ!」ドシュウウウウウウッ!

最原「ぐあああああああ熱いーーーッ! オーラが熱いいいいいいい!」ギャアアアアア!

獄原「あ。ごめん最原くん」フッ

最原「う、うん。いいんだよ。次からは僕が背中にいることを忘れないでね」

最原(ノリで言っちゃったけどオーラってなんだ……?)

東条「……まともな治療……はしてないわよね。当然。こっちに残っていた人の中で『治療』に関する技能を持った人は少なかったでしょうし」

最原「大体春川さんがやってたかな……」

東条「そう。余裕があったらさっきの天海くんや白銀さんのように、巌窟王さんに直してもらって……」

東条「……」

東条「どうするの? 白銀さんの処遇は?」

最原「何をどうするにしてもこれだけは絶対に言えるよ。まだ白銀さんには生きててもらわないと」

東条「そう」

東条「……正直に言うわね」

最原「?」

東条「怖いわ。物凄く」

最原「!」

東条「……死んでも許さない、なんて言葉にすると安っぽいけれども」

東条「少なくとも私は、白銀さんのことがとても怖いわ」

最原「……」

東条「……メイド失格ね。私情を吐露するなんて。忘れてちょうだい」

最原「うん」

最原(忘れられないんだけどなぁ)


726逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/14(土) 23:14:21.62TFiqF0v40 (2/3)

最原「……そういえば王馬くんはどこに行ったんだろう」

東条「さあ。巌窟王さんの視界に入らないよう警戒してたことは覚えてるけど」

獄原「忍び足でどこかに消えていくのは見たけど……」

最原(まあ巌窟王さんあんなこと言ってたし、嘘吐いた時点で王馬くんもそこら辺予測してそうなものだしなぁ)

最原(……なんとなくわかってきた。百田くんはデバイスを見たときに『外への助け』を期待しなかった。最初から『無理』だと覚えてたからだ)

最原(多分、世界の外の法則に触れたときに限定して、その記憶だけは蘇るんだろう。エピソード記憶に関しては全滅かな……)

獄原「……みんなボロボロだね」

東条「私の傷に関しては、そろそろ活動に支障がなくなる程度には回復してるのだけど」

獄原「それでも痛いものは痛いでしょ?」

最原「……それももう少しで終わる。明日になれば白銀さんも起きるだろうし、巌窟王さんもこの学園を破壊できる」

最原「破壊した後で何が起こるかは未知数だけど……!」

東条「それでもここでコロシアイを続けるよりは遥かにマシよ」

東条「……不安?」

最原「うん」

獄原「ゴン太も同じだよ。外の世界がどうなっているのかを想像するだけで、震えが止まらないんだ……!」

最原(……外の世界は、そもそもこのコロシアイを作った連中がいる)

最原(エンターテイメントとして消費していたということは、少なくとも相当の権力がある組織だろう)

最原(どの程度の影響力がある? これだけの大がかりなセットを作るのなら……楽しんでいるのは何百万人……いや何千万人って単位かな)

最原(じゃないと採算取れないし)

最原「……」







最原(何億単位……とかは考えたくないな)


727逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/14(土) 23:30:11.82TFiqF0v40 (3/3)

東条「あら……?」

獄原「どうかしたの東条さん」

東条「藤棚のところに王馬くんが……」

獄原「あ。本当だ。何をしてるんだろう?」

最原「……」





春川『……』キョロキョロ

百田『ハルマキ? 何探してんだよ』

春川『大したものじゃないんだけど……引っかき傷と血痕の残った『何か』』

最原『え?』

春川『……気になるのなら最原も探してみなよ。多分、どこかにはある』





最原「……?」

最原(なんで今、こんなことを思い出して……)

最原「!」






赤松『あ、あれ。王馬くん、いつからそこに』

王馬『あ、ごめんごめん。ちょっと探し物してて遅れちゃった』カチャカチャ

東条『……あなた、それ、手で弄ってる箱は……まさか……』







最原(……王馬くんの持ってたエグイサルのコントローラー……)

最原(残ってた。春川さんの言っていた痕跡が)

最原(引っかき傷と血痕……? 違う! あれは! 血が混じった引っかき傷だ!)

最原(春川さんは何に気付いて、あんなことを言ったんだ?)

最原(……凄く背中がザワつく。今のうちに確認しておいた方がいいかもしれない)


728逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/15(日) 20:56:12.054SovAEHr0 (1/2)

最原「あの。ゴン太くん」

獄原「王馬くんに話しかけるんだね? わかった!」

東条「……なにかあったら困るから、私も同行するわ」

最原「ありがとう!」

王馬「!」

最原(あ。こっちに気付いた)

王馬「……!」ダッ

最原(あ。こっちに走ってきた)

王馬「死ねェェェェェェェェェ!」ギャランッ!

最原(あ。なんでか知らないけどナイフ持ってぎゃああああああああああ!?)ガビーンッ

獄原「めっ」メコーンッ

王馬「まそっぷ」メキョッ

東条「刃物で、遊んじゃ、ダメよ」ゲシッゲシッゲシッ

王馬「いだだだギブギブ。打撲で死んじゃう。蹴るのやめて」

最原(即座に制圧された!)ガーンッ!

東条「なんでナイフなんか……」

王馬「無事に帰ってきた最原ちゃんをドッキリでお迎えしようと思って」

最原「度が過ぎてるよ!」

獄原(しかもこれオモチャじゃなくて本当に刃が付いてるヤツだ……)


729以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/15(日) 22:53:57.254SovAEHr0 (2/2)

数分後

王馬「エグイサルのコントローラー? あんなのが欲しいの?」

最原「うん。できれば確認したいことがあって……」

王馬「まさかタダで、とは言わないよね?」ニヤァ

最原「それは……いや、待って。この学園で用意できる報酬なんて高が知れてるよね?」

王馬「だから取引は無意味だって? そんなことはないよ。最原ちゃんには最原ちゃんにできることがあるし」

最原「例えば?」

王馬「外に出た後で俺と一緒に世界征服!」キラキラキラ

最原「……」スゲーヤダ

東条(凄くイヤだって顔が言ってるわ……)

王馬「……」

王馬「満更でもなさそうだね!」ズギャァァァァァンッ!

最原「凄いイヤだって態度でわからない!?」ガビーンッ

王馬「まあ今までのやり取りは全部冗談だよ。どっちにしろ意味がないし」

最原「え? 意味がない?」

王馬「もう最原ちゃんの机の上に放置してきちゃったからさ。気になる特徴があったから、あのコントローラー」

最原「!」

王馬「じゃ、おやすみー」スタスタ

最原「……無意味に人を引っ掻き回す天才だなぁ……でも」

最原(ありがとう)


730逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/16(月) 20:46:10.74GMWGh2FZ0 (1/5)

快男児が始まるまでに最後の学級裁判に突入できるか……レースと行こうぜ……!



もしも負けたら次の水着鯖ピックアップで石が全部溶けるまで回すというゲッシュを背負おう


731逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/16(月) 20:57:43.44GMWGh2FZ0 (2/5)

寄宿舎 ホール

夢野「……」キョロキョロ

最原「あれ。夢野さん?」

夢野「お。最原か。東条にゴン太も。モノクマはどうじゃった?」

最原「ダメだった。粉々になってたよ」

夢野「……せっかく捕まえたのに。虚無リティが高いぞ」ズーン

夢野「まあよい。もう夜も遅いしのう。最原よ、お主に渡したいものがある」

最原「渡したいもの?」

夢野「ぱりらたったらー。モノクマでもわかる家庭料理レシピ百選」

最原「め、滅茶苦茶どうでもいい本だね。意図がまったくわからないんだけど」

夢野「図書室の隠し部屋で見つけた」

最原「あ、うん。そうなんだ」

最原「……」

最原「……夢野さん。今のうちに聞いておきたいんだけどさ」

夢野「なんじゃ?」

最原「図書室の本ってどんなふうに並べられてたっけ?」

夢野「……」

夢野「本のタイトルの五十音順じゃ」

東条「……どうしたの? 最原くん。顔が真っ青よ」

獄原「すぐに部屋で休んだ方がいいんじゃない……?」

最原「あ、えと。夢野さん。他になにか気になるものは……!」

東条「寝なさい」ギンッ

最原「はい」ガタガタ

最原(……なにか……繋がってきた気がする……!)


732逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/16(月) 21:17:33.31GMWGh2FZ0 (3/5)

最原の自室

最原「……本当に机の上にある!」

最原(これがエグイサルのコントローラーか……パッと見だとどう動かせるのか全然想像が付かないけど)

最原(今、一番重要なのはそこじゃない)

最原「……春川さん。凄いよ。なんでわかったの」

最原(ある。間違いなく。強い引っかき傷と、血痕が)

最原(こんなふうにコントローラーに傷が付くのは、無理やりコントローラーを奪う誰かに対して全力で抵抗したときくらいだ)

最原(春川さんが白銀さんの負傷をチェックした直後にこれを予測したってことは……このコントローラーを最初に持っていたのは白銀さん!)

最原「でもおかしいな。焦げ跡がない……巌窟王さんが暴走していたとき、このコントローラーはまったく別のところにあったってことだけど」

最原「……」

最原(ああ、クソ! 真相に近づけば近づくほどに実感する!)

最原(あのときの僕は大馬鹿だ……! 見えてる地雷だったろうに!)





赤松『白銀さんのこと、助けたいんでしょ?』

最原『!』

赤松『……協力させてよ! 仲間でしょ!』

最原『……うん』

最原『うん!』






最原「赤松さん……!」

最原(いつか王馬くんが言ってたな。僕は心が弱いらしい。疑うべきを疑いたがらない)

最原(……その通りすぎて、腹が立つ!)


733逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/16(月) 21:36:10.40GMWGh2FZ0 (4/5)

最原「……あのパソコン、絶対に何かがあるんだ。強く追及する理由がなくてほぼ放置してたけど」

最原「なんとか強奪できないかなぁ……!」

最原「……聖杯に頼る? いやいや……頼り過ぎるのは怖いんだよな、コレ」



ニョキッ



最原「なんか相変わらずひとりでに光ってて怖いし……まるで蛍を鷲掴みにしてるみたいな気持ち悪さが――」

アンリマユ「よう」ニョキッ

最原「うわあああああああああああビックリしたーーーッ!」ブンッ

アンリマユ「ぎゃああああああああ割れ物を投げんじゃねーーー!」バキィィィンッ

最原「はあ……はあ……なんだったんだろう、今の真っ黒な小人。聖杯の中から現れたような……」

最原「あっ。聖杯、壊れちゃった……まあいいか。別に欲しかったわけじゃないし」

最原「……壊したってバレたら巌窟王さんに怒られるかな……怒られるだろうな……隠しておこう」サッサッ

アンリマユ「呪いあれー」

最原「まだ喋ってる……」




ゴミ箱に捨てたら死んだ


734逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/16(月) 21:52:54.88GMWGh2FZ0 (5/5)

中庭

百田「……ダメだ! 暗くてよくわかんねぇ! 捜索は打ち切るぞ!」

入間「おう! わかった! ところでかなり大事な話があるんだが!」

百田「なんだ!?」

入間「もう本当にド深夜でよ……滅茶苦茶眠いんだ……眠すぎて一歩も動けないっつーか……」ガクリッ

春川「……ルーベンスの絵ってどこで手に入るのかな」キョロキョロ

百田「死なせんな! 仲間を!」

春川「仕方ないな。私が入間を寄宿舎に連れて行くよ」

入間「病院の方がちけーんじゃねーか……」

春川「白銀と天海がいるだろうからナシで」

百田「ああ。大怪我してたからなぁ……」

百田「おーい、赤松。そろそろ帰るぜー」

赤松「……」

百田「赤松? さっきから空を見てるけどどうした?」

赤松「いや……なんか不自然な流れ星が見えたような気がして」

百田「不自然な流れ星?」

赤松「……いいや。気のせいかもしれないし」

赤松(百田くんも春川さんも見えてなかったっぽいから、多分気のせいだよね)

赤松(降ってくる流れ星じゃなくて、遠くへ飛ぶ流れ星なんて……ありえない)

赤松(この空、そもそもフィクションだし、ね)

赤松「……」

赤松(気のせい……だよね?)


735以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/16(月) 21:56:40.30yvqH1vMO0 (1/1)

あれ汚染されてたんかい!
学級裁判は…まあ入るだけなら余裕でしょ


736以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/17(火) 00:37:28.64PdnnLPLV0 (1/1)

ある意味最原を裏切っている赤松に聖杯の呪いでも降るのか?


737以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/17(火) 10:57:50.193e2mA/UeO (1/1)

冤罪晴らしてもらったりプログラム世界から助けてもらったのに仇で返す赤松の恩知らずっぷりが半端ないな


738以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/17(火) 12:42:04.145tOikM8fO (1/1)

いや、でもプログラムとはいえ自分たちを何度も殺したりした白銀を助けようとしているほうが理解できない


739以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/17(火) 13:19:41.19LQQ5+Hq/0 (1/1)

結局真実を全て解き明かしたうえでどうするか決めようなのか真実なんてどうだっていいからこんな目に合わせた白銀に復讐してやるなのかの違いだからな
最原だって白銀を始末することに消極的って訳じゃないから先にワンクッション置いてあげてよってのも分かる


740以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/07/17(火) 15:02:02.692O44eLgc0 (1/1)

>>1が爆死するときいて


741逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/17(火) 20:58:24.09J9aISzfT0 (1/2)

茶柱「……ふう。なんとかあの『見覚えのある男死』を追い返すことができました」

茶柱「アンジーさんの私室が大変なことになってたとわかってたら最初から言えばよいものを」

アンジー「ぐー」スヤァ

天海「うーん……エクステンド……エクステンドしてくれっす……!」ギリギリギリ

白銀「……すー……」スヤァ

茶柱「ちょっと手狭ですけど全員同じ病室でいいですよね。そっちの方が管理が楽そうですし」

茶柱「さてと。じゃあ転子もそろそろ部屋に帰って眠りましょうか」スッ





???「……」ニヤァ




茶柱(……殺気? どこから?)

茶柱(転子を殺す気、ではないようですね。なんかそれにしてはピントがズレてます)

茶柱「……白銀さん目当て、ですか……」ハァ

茶柱(明日になったら最原さんが来るでしょう。それまでは寝ずの番、ですね)

茶柱「まったく。転子にこんな面倒を押し付けて……どう埋め合わせしてもらいましょうか。腕枕でもしてもらいましょうか」プンスカ





???「……」チッ


742逆転の人 ◆SxyAboWqdc2018/07/17(火) 22:49:00.34J9aISzfT0 (2/2)

最原の私室

最原(さあ。時間はない。明日になったら全部終わる)

最原(その前に、忘れ物はないか考えておかないと)

最原(……ん。そういえば)

最原「……赤松さんと真宮寺くんって一緒だったよな」

最原「真宮寺くん、そういえば星くんの『休む』っていう案に便乗しただけで、今は誰と行動を共にしてるってわけじゃないんだ」

最原「……」



寄宿舎の外

百田「お? あれって……」

春川「どうかした? 百田」

入間「しゅぴー」スヤァ

春川「私? 私はおんぶした途端に眠りだした入間のヨダレが服越しに浸透してきて背中が熱くて気持ち悪いなーぶち殺したいなーって思ってたところ」

百田「別に俺が背負ってもいいってさっきも言ったぞ!?」ガビーンッ

春川「殺害対象が入間から百田に変わるだけだから」

入間「巨乳美女のおんぶ……泣いて喜べ……ド貧乳&童貞ども……」スヤァ

春川(この学園脱出する前に一発ぶん殴ってやる)ビキビキ

百田「顔に血管浮き出まくってんぞ! どんだけキレてんだ!」ガビビーンッ

春川「別に私は百田が好きだと言ってくれる限りは、自分の胸に関して特にコンプレックスはないんだけど」

春川「とにかく入間の巨乳自慢が死ぬほどウザい」

百田「あ、悪ィハルマキ。テメェに対する好感度とは別のところで、巨乳は好きだ」

春川「殺されたいの……ッ!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

百田(かつてない程の身の危険を感じる)

百田「この話はもうやめようぜ! ていうか話の腰を折ったのハルマキの方だし怒られる謂われはねーよ!」

百田「……終一が病院にかけこんでいくのが見えたんだよ」

春川「私も見たけど。アイツ怪我人だし、痛み止めくらい物色しに行っても不思議じゃないでしょ」

百田(あの病院の薬棚、ものすごく品ぞろえがしょっぱかった気がすんだけどなぁ)

春川「……とにかく、入間のことを寄宿舎に置いて、さっさと寝ようよ」

百田「そうだな。ハルマキ、腕を怪我してるしよ。あまり長い間おんぶできねーだろ」

春川「すぐテーピングして最低限動かせるようにはしてたんだけど……」

百田「わかるっつの。テメェのことなんだからよ」

春川「……」

百田「……あー……きゅ、急に黙んなって。ハズいだろ」カァァ

春川「せめて百田だけでも堂々としてて。こっちも鋭いボディブロー入れられたみたいに大分キツいから」カァァ

百田&春川「……」アセッ






赤松「……」ジーッ

春川「ハッ……!」

赤松「あ。ごめん。引き続き存在感消してるから続けてていいよ」プププ

春川「アンタこういうとき本当にウザみ増すよねッ!」ウガァ

赤松(……でもそうか。最原くんが病院に、ね。ラッキーパンチ期待してたんだけどな……まあいいか)