1◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:37:47kWL (1/20)



―――公園


泰葉「――それっ」パシンッ


李衣菜「よっ、と!」パシッ

泰葉「えいっ」パシッ

李衣菜「わわ、……っと!」パシンッ

泰葉「っふ!」パシンッ

李衣菜「! チャンスっ」


李衣菜「くらえ泰葉っ! スペシャルロック……スマッシュ!」バッ!


すかっ


シャトル「ぽてっ……」

李衣菜「……あり?」

加蓮「ぷっ、李衣菜ダサーい。泰葉の勝ち~♪」

泰葉「やった♪」


2◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:38:59kWL (2/20)

李衣菜「おっかしいなぁ……あれで決まりだと思ったのに」

泰葉「大振りしすぎだよ。もっと狙いを澄まさないと」

李衣菜「むー、これで泰葉が2連勝かぁ」

加蓮「すぺしゃる~、ろっく~、すまーっしゅ♪」

李衣菜「なんだよバカにしてぇ! 加蓮だってさっき思いっきり尻もちついてたくせに!」

加蓮「空振りの方がかっこ悪いでしょ~? あ、もしかして空振った方が李衣菜的にはロックなの? あはは♪」

李衣菜「違ーう!」

泰葉「ふふ。加蓮は大丈夫? 結構強くお尻打ったみたいだったけど」


3◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:41:08kWL (3/20)

加蓮「うん、ちょっと休んだら痛み引いてきたから。ありがと泰葉、泰葉はちゃーんと心配してくれるね。李衣菜と違って」

李衣菜「悪かったですね泰葉と違って。……ほんとに大丈夫?」

加蓮「だいじょぶだってば。李衣菜もすぐ起こしてくれてありがとね」

泰葉「アザになってたらいけないから今日お風呂入るとき見せてね?」

加蓮「え、そこまでされても困るんだけど……」

泰葉「私もお尻見せてあげるから、ね? ふふふ」

加蓮「そういうことじゃなくて!」

李衣菜「あははははっ♪ それじゃちょうどいいしお昼ご飯にしよう?」


4◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:42:15kWL (4/20)

加蓮「んまぃ」モグモグ

泰葉「おいひぃ」モグモグ

李衣菜「へへ、良かった。早起きして頑張った甲斐があったよ♪」

泰葉「眠くない? 平気?」

李衣菜「平気平気、運動したらすっかり冴えちゃったよ」

加蓮「寝ぼけてたまごサンドにカラ混じってたりして」

李衣菜「そんなこと言う人は食べなくてよろしい」ヒョイ

加蓮「ああん返して~!」

泰葉「もうひとつ食べちゃおう……あ、ツナサンド♪」


5◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:43:57kWL (5/20)

加蓮「美味しいです李衣菜お姉ちゃん……」モグモグ…

李衣菜「んもう、すーぐ茶々入れるんだから」

泰葉「ふう……美味しかった。ありがとう李衣菜、急な誘いだったのにこんなお弁当作ってくれて」

李衣菜「急って、誘ってくれたの昨日じゃん。これくらい軽いし、せっかく公園で遊ぶってのになんにもないんじゃ寂しいでしょ?」

泰葉「ふふ……そうだね。晴れて良かった♪」

加蓮「んむんむ……、まぁ急ってよりも泰葉が『バドミントンしよう』って方がちょっと意外だったけどね。……はぁ、美味しかった♪」


6◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:45:24kWL (6/20)

李衣菜「ん、お粗末さまでした。だよね、スポーツの秋だからって言ってたけど、ラケットとか前から持ってたっけ?」

泰葉「あ、それはね。実は少し前にお仕事で共演した子にバドミントンに誘われて」

加蓮「で、まんまとハマっちゃったわけだ」

泰葉「あはは……その通りです」

李衣菜「あー、なんか言ってたね。たしか……喜多見柚ちゃん!」

泰葉「うん、そう。柚ちゃんたら『泰葉チャンとアタシはぱっつん同盟だねっ♪』って仲良くしてくれて……」

加蓮「待って今のモノマネ超似てた。泰葉もっかい、もう一回柚ちゃんやって。録るから」

李衣菜「本物の柚ちゃんかと思った……。実は泰葉ってモノマネ得意だよね?」

泰葉「そ、そこはどうでもよくて! やらないよ!」


7◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:46:20kWL (7/20)

加蓮「そもそも泰葉ってぱっつんなの?」

李衣菜「綺麗なカーブだよね。……泰葉カーブって感じ?」

加蓮「美容院行って『泰葉カーブにしてください』って言ったら泰葉になれr」

泰葉「怒るよ?」

加蓮「ぁい」

李衣菜「あはは。でもその髪型、泰葉に似合ってると思うよ、私♪」

泰葉「……ふふ、うん。昔からだから、これは」

加蓮「私も好きだよー、サラサラだし撫で心地いいし♪」ナデナデ

泰葉「く、くすぐったいからやめてっ、もうっ」


8◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:47:19kWL (8/20)

李衣菜「そだ、髪型って言えば。加蓮もさ、編んだり結んだりして髪型は変えてるけど、前髪の分け目はずーっと変えないよね。どうして?」

泰葉「あ、私もそれ気になってたの。なにか理由があるの?」

加蓮「…………」ササッ

李衣菜「いや、イジろうとは思ってないけど。隠さないでいいよ触らないから……」

加蓮「絶対死守。断固拒否。触ったら絶交」

李衣菜「そ、そこまで!?」

泰葉「そこまで強いこだわりがあるんだ……。どうしてか聞いてもいい?」

加蓮「んー……、まぁいっか。ラジオとかでいつか話すかもだし」


9◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:48:10kWL (9/20)

李衣菜「うんうん、どんな話?」

加蓮「んっとね。私が入院してた病院でお世話になったナースさん……ほら、前にお仕事で2人も会ったでしょ?」

泰葉「あ、うん。覚えてるよ、加蓮がお姉さんって言ってた人」

李衣菜「優しい人だったね。お茶目なところは加蓮に似てたかも」

加蓮「ふふ、そこも影響されてたりしてね。前髪もね、お姉さんの真似っこなんだ。だから変えたくないの」

李衣菜「へ~……。そっか、そういう理由なんだね」

泰葉「いいお話だね……」

加蓮「べ、別にいい話でもないってば。泰葉こそその髪型、なにかこだわりあるんじゃない?」


10◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:49:03kWL (10/20)

泰葉「私はなにもないよ? 昔、大人にそうしなさい、って言われただけで……それが今まで続いてるだけだから」

加蓮「うーん……そうなんだ。そういえば昔からテレビで見てたけど髪型変わってないかも」

李衣菜「だったら、今度のライブで変えてみたら? 長さはしょうがないとしても、泰葉くらいなら編んだりできるんじゃないかな?」

泰葉「……!」

加蓮「李衣菜アンタ、そんな簡単に……。こういうのってなかなか変えられないんだよ?」

李衣菜「そうかもだけどさ。でもそういうのに挑戦するのが私たちじゃん?」

泰葉「……李衣菜……」


11◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:50:12kWL (11/20)

加蓮「それっぽいこと言っちゃって。……ま、らしいって言えばらしいけど。どうするの、泰葉?」

泰葉「う、ん……。私……」

李衣菜「えへへ、編み込みくらいなら私でもできそうだし。お揃いにすれば違和感ないと思うよ。加蓮がやってくれるし!」

加蓮「ちょっと、私頼み? まったくしょうがないんだから……任せてっ。3人でお揃いに編み込んじゃお♪」

泰葉「…………。……お願い、してもいい?」

加蓮「ん、お願いされました♪」

李衣菜「やったー♪ じゃあPさんに言っとかないとね!」

泰葉「ふふ……うんっ。ありがとう、2人とも……♪」


12◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:51:21kWL (12/20)

李衣菜「――ぃよしっ。もうちょっとバドミントンしたらあったかいとこ行こっか。涼しくなってきたしっ」

加蓮「あったかいとこ? 近くになにかあったっけ」

李衣菜「んーーーーー…………あ! 加蓮のお尻をチェックしなきゃだから、ラクーア行こっか!」

加蓮「!?」

李衣菜「ねぇ泰葉、それでいい?」

泰葉「うん、いいよ。ふふっ、しっかりお尻見せてね加蓮♪」

加蓮「ちょっ待っ、はぁぁあ!? あれ本気だったの!?」


13◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:52:31kWL (13/20)

泰葉「? どうして冗談だと思ったの? 心配してるのに」

加蓮「や、だって流石に……! そりゃお風呂一緒くらい今更どうだっていいけどっ、温泉じゃ無理に決まってるでしょ! どんな状況よ女が女のお尻凝視って!」

李衣菜「あ、そっか! じゃあ大江戸温泉にしよう♪」

加蓮「違ーう!」

泰葉「ふふっ♪ それじゃもう少し汗を流しましょう、そしたら温泉も気持ちいいよ?」


14◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:53:53kWL (14/20)

李衣菜「ほらほら加蓮、ラケット持って! 負けた方が牛乳奢りねっ」

加蓮「待ってやだ、お尻イヤだってば! せめて泰葉んち、他人の目がないところでお願い!」

泰葉「なら……李衣菜に勝ったらお尻無しにしましょうか。その代わり負けたら従ってもらう感じで。ね?」

李衣菜「お、いいね。勝負ごとはシビアじゃないと」

加蓮「私のリスク高すぎるっての! 李衣菜もなんか……あ、そうだ! 李衣菜が負けたらライブで編み込み+デコ出しね! ね、それでいいでしょ!」

李衣菜「へ? あーうん、いいよ」

加蓮「よし決まりっ! 絶対デコ出しにしてやるんだから……!!」ビュンッ 
ブンッ

李衣菜(別におでこ出すのはそんな抵抗ないし)

泰葉(加蓮ちょっと混乱してるかも)


15◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:55:18kWL (15/20)

加蓮「真剣勝負! さぁ来い李衣菜っ!」

李衣菜「へへっ、いくよーっ! それっ!」パシンッ

加蓮「ええいっ!」パシッ!

李衣菜「うわ強っ!? と、っとりゃあっ!」パシンッ

加蓮「こ、のぉっ――きゃあぁあっ!?」ステーンッ


李衣菜「だ、大丈夫加蓮っ!?」

泰葉「またどこかぶつけてない!?」

加蓮「へ、平気だってのっ。それよりまだ勝負は終わってないっ! えいっ!」パシッ

李衣菜「ちょっ、ずるいよ――!?」


―――

――




泰葉(脱衣所の隅っこで見せてもらった加蓮のお尻はアザもなく、まん丸で綺麗でした)

加蓮「悔しいぃ……!」

李衣菜「えっへへ、いつでも挑戦待ってるよ加蓮♪」


16◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:56:08kWL (16/20)

―――後日、事務所


泰葉「――お疲れさまです、Pさん」


P「あぁ、お疲れさま。見せてもらったよ、今度のライブの企画書」

泰葉「ふふ、という名のただのメモ書きですが。すみません、私たちのわがままで衣装の調整をしていただいて」

P「いやいや、髪型の指定くらいならどうってことないよ。……泰葉もまた一歩先に進めたな」

泰葉「はい。背中を押してくれた2人には感謝してもし切れないです……本当に」

P「3人で揃いの編み込み……ドレス風の衣装にはピッタリだな」


17◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:57:18kWL (17/20)

泰葉「良かったです、私にもできる編み込みに似合う衣装で……。偶然でしょうか、それとも……」

P「あはは、そういうこともあるってことだよ」

泰葉「ですね、ふふふっ。……ドキドキします。髪の毛を弄ったりするの、いつ以来かな」

P「きっと似合うよ。アイドルだからな」

泰葉「なんですか、それ……♪」クス

P「説得力ないか?」

泰葉「ありますけどっ。とにかく、李衣菜と加蓮と一緒に頑張りますね。変わっていく私を見てもらうために」


18◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:57:56kWL (18/20)

P「うん。きっと昔から泰葉を知っているファンも驚くよ」

泰葉「そうですね、驚かせてみせますっ」


泰葉「アイドル岡崎泰葉は、ここにいるんだって!」



おわり


19◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:58:33kWL (19/20)

というお話だったのさ
10月以内に書けたので今日は体育の日です(?)


20◆5F5enKB7wjS62017/10/31(火)23:58:56kWL (20/20)

北条加蓮「目を開けて、もう一歩」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1504543809/
ひとつ前のお話


21名無しさん@おーぷん2017/11/01(水)00:09:26d9w (1/1)

おつおつ


22名無しさん@おーぷん2017/11/01(水)02:30:18Avg (1/1)

おつ!
泰葉の反応速度なら遊ぶ程度では負けないやな