612以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/09/02(日) 10:00:16.63fgC5o6vT0 (3/6)

パチッ




アルミン「うわっ!?」

アニ「…!!」

アルミン「きゅ、急に明かりが…」

アニ「ア、アルミン… これ…」

アルミン「…!!」


613以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/09/02(日) 10:20:35.91fgC5o6vT0 (4/6)

③特殊ガス発生装置


<概要>

特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。


<使い方>

(1)ガスカプセルをセットします。

(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。

(3)ガス発生のスイッチを押します。


<ガスカプセル>

 ・ 毒カプセル(紫)

   致死性の毒ガスを発生させます。

 ・ 麻痺カプセル(黄)

   身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
   効果時間は約5分間です。

 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。

 ・ 淫乱カプセル(ピンク)

   エッチな気分にさせるガスを発生させます。


614以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/09/02(日) 10:40:17.30fgC5o6vT0 (5/6)

アルミン「間違いない、この外観…」

アルミン「開発品のリストに載ってる
     特殊ガス発生装置だ…」

アニ「………………」

アルミン「これって確か、2つの時限爆弾と一緒に
     無くなってたんだよね?」

アニ「…ああ、そうだね」

アルミン「どうしてこんな所に…」




ゴオオオオ…




アルミン「…ていうか、この場所は…?」


615 ◆qbWu2o7Q.Y2018/09/02(日) 10:45:20.74fgC5o6vT0 (6/6)

今日はここまで


616以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/09/02(日) 13:02:02.74z86g5NGa0 (1/1)

乙です
最後おかしなカプセルが


617以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/09/02(日) 17:28:17.50ojJxsWBHO (1/1)
618以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 22:50:43.78iykOB/xh0 (1/9)





モノクマ「お答えしましょーう!!」




アルミン「うわっ!?」

モノクマ「ここはずばり、空調室です!」

アニ「…空調室?」

モノクマ「一言で言うなら、空気を循環させるための部屋!」

モノクマ「新鮮な空気をオマエラの部屋にお届けするための
     重要な部屋なんだよ!」


619以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 22:55:05.33iykOB/xh0 (2/9)

アルミン(僕は部屋の中を見回した)

アルミン(よく見ると、高速で回転する丸いものが
     壁に埋め込まれている)




アルミン「…もしかして、あれで空気を?」

モノクマ「おっ、よくわかったね。その通りだよ」

モノクマ「あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…」

モノクマ「中にあるフィルターで綺麗にしてから、
     それぞれの部屋に送り届けてるの」


620以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:00:07.77iykOB/xh0 (3/9)

アルミン「空気を送り届ける…?」




アルミン(僕は改めて壁の回転物体を見た)

アルミン(そのすぐ手前には、先ほど僕たちが見つけた
     特殊ガス発生装置が置かれている)




アルミン「………………」




アルミン(その位置関係を見たとき…
     僕の中で閃くものがあった)


621以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:05:04.60iykOB/xh0 (4/9)

モノクマ「ほら、寄宿舎の部屋って窓がないでしょ?
     それでもオマエラが息苦しさを感じなかったのは…」

アニ「…アルミン?」




アルミン(僕は閃いた予感を抱きつつ、
     特殊ガス発生装置に近付いていく)

アルミン(装置を調べると、丸く凹んだ部分に収められた
     派手な色の物体を発見した)

アルミン(その色とリストの説明文を見比べ、僕は確信する)


622以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:10:37.62iykOB/xh0 (5/9)

モノクマ「まあ、今のオマエラに説明してもピンと来ないだろうけど、
     これも文明の利器ってやつで…」

アルミン「アニ、寄宿舎に戻ろう」

アニ「…え?」

モノクマ「ねえ、ちょっと、聞いてる?」

アニ「寄宿舎はもう調べたでしょ? 今さら何を…」

アルミン「もう一度調べてみるんだ」

モノクマ「………………」

アルミン「…ある人物の部屋を」


623以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:15:04.79iykOB/xh0 (6/9)

― ある人物の個室 ―




アルミン(その人物の部屋は、廊下の一番奥にあった)

アルミン(僕の中の確信がますます深まる)




アニ「…で? この部屋に何があるって言うの?」

アニ「ここはあんたが調べたんでしょ?
   あんたの言う通り、ライナーはいないみたいだけど…」

アルミン「探してるのはライナーじゃない」

アニ「…え?」


624以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:20:05.01iykOB/xh0 (7/9)

アルミン(怪訝そうに眉をひそめるアニを尻目に、
     部屋の中を見渡す)

アルミン(ベッドがある壁に四角い金網を見つけると、
     僕はゆっくりと近づいていった)




アニ「それにしても、この部屋…
   なんか変じゃない?」

アニ「昨日来たときにも思ったけど、
   妙に息苦しいっていうか…」


625以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/17(水) 23:25:08.39iykOB/xh0 (8/9)

アルミン「やっぱりそう思う?」

アニ「…?」




アルミン(僕はベッドの上に上り、金網に手をかけていた)

アルミン(両手で枠をつかみ、ガタガタと揺さぶる)

アルミン(すると、ほどなくして金網が外れ、
     真っ暗な空間が姿を現した)


626 ◆qbWu2o7Q.Y2018/10/17(水) 23:30:07.04iykOB/xh0 (9/9)

今日はここまで

下記サイトでの投稿は中止します
http://sstokosokuho.com/ss/read/14339


627以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/18(木) 04:40:15.34hM7jfWRbO (1/1)


あっちだとちょっと読みづらかったから、復旧して良かった


628以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/18(木) 21:34:53.60kphm661q0 (1/1)




629以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 08:45:06.90wWGjctwz0 (1/7)

アルミン(僕はそのまま空間に顔を突っ込んだ)

アルミン(中は小さな通路のようになっているようだが、
     光が届かないせいで奥まで見ることができない)




アルミン「ねえ、アニ… 明かりとか持ってないかな?」

アニ「………………」

アルミン「…アニ?」

アニ「持って来てもいいけど…」

アニ「いい加減に教えてくれない?
   あんたが今何を調べているのか…」


630以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 15:20:19.02wWGjctwz0 (2/7)

アルミン(僕は振り向いてアニを見た)

アルミン(相変わらずの無表情だが、
     どこか不貞腐れているようにも見える)




アルミン「えっと… さっきモノクマが
     空調室の説明をしてたよね?」




アルミン『…もしかして、あれで空気を?』

モノクマ『おっ、よくわかったね。その通りだよ』

モノクマ『あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…』

モノクマ『中にあるフィルターで綺麗にしてから、
     それぞれの部屋に送り届けてるの』






631以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 15:25:39.50wWGjctwz0 (3/7)

アルミン「おそらく… この穴は空調室に通じてるんだ」

アニ「…どうしてそう思うの?」

アルミン「モノクマは、空調室で作られた空気を
     それぞれの部屋に送り届けてるって言ってたよね」

アルミン「それと、空気を循環させるとも…」

アルミン「つまり… 僕らの部屋には新しい空気を取り込む入口と、
     古い空気を排出するための出口があるはずなんだ」


632以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 15:35:04.68wWGjctwz0 (4/7)

アニ「…なるほど、その金網に覆われた穴が
   空気の出入口だと考えたんだね」

アルミン「うん。向かい側の壁には、
     もう1つ同じような金網があるしね」




アルミン(おそらくは、これらのどちらかが入口で、
     もう一方が出口なのだろう)

アルミン(そして… 空気の流れから察するに、
     僕が金網を外したのは入口の方だ)




アニ「…でも、それがどうしたの?
   今回の事件と何か関係があるの?」


633以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 15:45:24.57wWGjctwz0 (5/7)

アルミン「空調室にあった特殊ガス発生装置は、
     部屋に空気を送り出す回転体の手前に置いてあったんだ」

アニ「それは私も見たけど…」

アルミン「そして、特殊ガス発生装置には、
     【水色】の物体が収められていた…」




アルミン(瞬間、アニがはっと目を見開いた)

アルミン(僕が言いたいことを理解したのだろう)


634以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 15:55:14.41wWGjctwz0 (6/7)

アニ「…ねえ、あの装置は確か、
   ガスを発生させる時間を決めることができたよね?」

アルミン「うん。さっき調べてるときに
     ガスの設定時間も確認したけど…」

アルミン「【あの時間】には、間違いなく
     ガスが発生していたはずだよ」

アニ「…なるほど」




アルミン(アニは何事かを考え込んだ末、僕に言った)




アニ「明かりを取りに行こう。ついてきて」


635 ◆qbWu2o7Q.Y2018/10/28(日) 16:00:10.57wWGjctwz0 (7/7)

今日はここまで


636以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 17:20:24.018sI1/4OY0 (1/1)




637以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/10/28(日) 18:18:09.66LQeXXuNf0 (1/1)

乙です
物体xも気になるなぁ


638以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:15:05.13k5Bk2gEb0 (1/9)

― アニの個室 ―




アニ「…これだよ、ほら」




アルミン(僕たちがやって来たのは、アニの個室だった)

アルミン(アニは部屋に入るなり、“それ”が置いてある
     机の上に向かっていった)




アルミン「それって… ランタン?」

アニ「そうだよ。倉庫から持ってきたんだ」


639以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:20:42.73k5Bk2gEb0 (2/9)

アニ「それじゃあ、戻ろうか」

アルミン「うん」




アルミン(アニがランタンを手にして部屋を後にする)

アルミン(僕はアニに続いて部屋を出ようとした)




アルミン「………………」

アニ「アルミン? 行くよ」

アルミン「あっ、うん…」


640以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:25:07.81k5Bk2gEb0 (3/9)

― ある人物の個室 ―




アルミン(元の部屋に戻ると、僕たちは
     先ほど開けた四角い穴へと駆け寄った)

アルミン(アニがランタンに明かりを灯し、僕に渡してくる)




アルミン「ありがとう」




アルミン(アニは黙って頷き返す)

アルミン(僕は手にしたランタンと一緒に、
     顔を穴の中に突っ込んだ)


641以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:30:40.29k5Bk2gEb0 (4/9)

アニ「どう? 何か見える?」

アルミン「うーん、奥は突き当りになってるみたいだけど…」




アルミン(あるとしたら、あの突き当りを曲がった先か)

アルミン(幸い、僕は体が小さいから、
     このまま上半身も滑り込ませられそうだ)




アルミン「もうちょっと奥を見てみるね」

アニ「…あんまり無茶しないでよ?」


642以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:35:10.27k5Bk2gEb0 (5/9)

アルミン(僕はランタンを持った手を前に伸ばしながら、
     体を穴の中にねじ込んだ)

アルミン(体を揺すりながらゆっくりと前進すると、
     徐々に突き当りへと近付いていく)




アルミン「くっ…」




アルミン(想像していたものの、やっぱり体勢がキツかった)

アルミン(体が締め付けられて上手く息ができない)


643以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 19:40:16.68k5Bk2gEb0 (6/9)

アルミン(だけど、僕の予想通りなら…
     息が苦しいのは体勢のせいだけじゃないはずだ)




アルミン「ふぬっ…!」




アルミン(僕は気合で体を前進させ、
     ついに突き当りまで顔を到達させた)

アルミン(そのままゆっくりと顔を横に向けると…)


644以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 20:05:04.15k5Bk2gEb0 (7/9)









アルミン「うわああああああああああああああああああああ!!」










645以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 20:15:18.20k5Bk2gEb0 (8/9)

アルミン(僕は恐怖で完全に取り乱した)

アルミン(急いで穴から離れようとするが、
     体がつかえて上手く動けない)




アニ「アルミン!?」




アルミン(アニの声が遠くから聞こえる)

アルミン(次の瞬間、腰に誰かの腕が絡みつくのを感じた)

アルミン(僕を穴から引きずり出そうとしているのだろう)


646 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/03(土) 20:25:06.55k5Bk2gEb0 (9/9)

今日はここまで


647以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/03(土) 21:46:52.98OL4YWpSro (1/1)

死体か…


648以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 07:58:02.81QigWd0Q00 (1/1)

乙です
また気になるところで終わるなぁ、アニの部屋出る時のアルミンも気になるし


649以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:00:11.11GzPPaT5x0 (1/10)

ググッ




アルミン(腰にかけられた強い力で引っ張られ…)




バッ




アルミン(ほどなくして、僕は穴から抜け出すことができた)


650以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:05:15.22GzPPaT5x0 (2/10)

アルミン「はぁ……はぁ……」

アニ「大丈夫…!?」




アルミン(アニが心配そうに駆け寄ってきた)

アルミン(どうやら、急に暴れ出した僕を見て
     引っ張り出してくれたらしい)


651以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:10:15.61GzPPaT5x0 (3/10)

アルミン「あ、ありがとう… 助かったよ」

アニ「どうやら怪我はないみたいだね。
   それなら…」




アルミン(アニは僕の目を覗き込んできた)




アニ「アルミン、あんたは一体何を見たの?」


652以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:15:07.05GzPPaT5x0 (4/10)

アルミン(さっきの光景が頭をよぎる)

アルミン(僕は質問に答える代わりに、アニにランタンを手渡した)




アニ「………………」




アルミン(答えようとしても、言葉が出てこなかったのだ)

アルミン(実際に見てもらう方が早いだろう)


653以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:25:12.53GzPPaT5x0 (5/10)

アルミン(アニはランタンを受け取ると、
     穴の中に身を滑り込ませた)

アルミン(僕以上に小柄なアニは、
     するすると中を進んでいく)

アルミン(そのまま、アニは壁から
     下半身だけを出した状態になっていたが…)




アニ「…っ!!」




アルミン(ほどなくして小さな悲鳴を上げると、
     僕の助けを借りながら穴の外へ這いずり出た)


654以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:26:04.76PZb+rFJSo (1/1)

いや、何があるか言えよw


655以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:30:05.78GzPPaT5x0 (6/10)

アニ「はぁ……はぁ……」

アルミン「………………」

アニ「な、なんで…」




アニ「なんでモノクマがいるの…?」






656以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:40:06.95GzPPaT5x0 (7/10)

アルミン(そう… 僕たちが見たのはモノクマだった)

アルミン(あの狭くて暗い空間で、
     モノクマが僕たちを見つめていたのだ)




アルミン「わからない… でも、明らかに異様だった」




アルミン(モノクマはピクリとも動かなかった)

アルミン(そして、その身体は奇妙な方向にねじ曲がり、
     穴の中に乱暴に押し込められたような状態だった)

アルミン(まるで残虐死体のように…)


657以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 14:55:31.67GzPPaT5x0 (8/10)

アニ「誰かがやった…ってこと?」




アルミン(何のために?)

アルミン(なんでモノクマを…?)




アルミン「モノクマ、いるか?」




アルミン(僕はどこへともなくモノクマを呼んでみた)

アルミン(しかし、部屋の鍵を開けてもらった時とは違い、
     モノクマは一向に姿を現さない)


658以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/04(日) 15:00:36.69GzPPaT5x0 (9/10)

アルミン「………………」




アルミン(おそらく、これ以上は考えても仕方がないだろう)

アルミン(それに… 予想とは違う結果だったけど、
     見たいものは見ることができた)

アルミン(正直言って、もうここに用はない)




アルミン「次の場所に行こうか」

アニ「えっ、あれはいいの?」

アルミン「もういいよ。あとで聞けばわかる事だし」

アニ「あとで聞くって…」

アルミン「………………」

アニ「はぁ… まあ、いいけど」


659 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/04(日) 15:25:15.92GzPPaT5x0 (10/10)

今日はここまで


660以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/05(月) 07:28:11.14XMGmmY/j0 (1/2)

今回2日連続だったのか、ありがたい乙です


661以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/05(月) 07:34:21.74XMGmmY/j0 (2/2)

モノクマ呼ばれても来ない時あるのか


662以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 20:40:32.00kAN7vNR00 (1/8)

― 観測所 ―




アルミン(次に僕たちがやって来たのは観測所だった)

アルミン(建物に入ってすぐ、巨大な望遠鏡が目に付く)




アニ「ああ、ここね…」




アルミン(この場所には一昨日、
     アニに連れられてやって来ていた)

アルミン(だから、ここを訪れるのは今回で2度目だ)


663以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 20:45:06.04kAN7vNR00 (2/8)

アニ「…で? こんな所に何の用?」

アルミン「うん、ちょっと気になる事があって…」




アルミン(僕はそう言いながら目的のものを探す)

アルミン(それは一昨日と同じように、部屋の隅に置かれていた)


664以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 20:50:23.84kAN7vNR00 (3/8)



DAY 13  曇り

DAY 14  晴れ のち 曇り

DAY 15  晴れ

DAY 16  曇り

DAY 17  曇り

DAY 18  曇り

DAY 19  晴れ




665以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 21:00:14.74kAN7vNR00 (4/8)

アルミン「………………」

アニ「この黒板がどうかした?」

アルミン「これってさ… 
     今日から7日分の天気の予報なんだよね?」

アニ「…そうだけど」

アルミン「それじゃあ、昨日までの天気予報は
     全部消されちゃったのかな…」


666以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 21:05:16.57kAN7vNR00 (5/8)

アニ「ああ、それなら…
   こっちの紙にまとめてあるよ」

アルミン「え、あるの?」

アニ「うん、ほら…」




アルミン(アニはそう言って、黒板のそばに掛けられた
     紙束を引っ張り上げる)

アルミン(僕はそれを受け取り、中身に目を通した)


667以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 21:15:12.06kAN7vNR00 (6/8)



DAY 01  晴れ

DAY 02  晴れ のち 曇り

DAY 03  曇り

DAY 04  晴れ

DAY 05  晴れ

DAY 06  曇り

DAY 07  曇り のち 晴れ

DAY 08  曇り

DAY 09  晴れ

DAY 10  晴れ

DAY 11  晴れ のち 曇り

DAY 12  曇り のち 大雨 時々 雷




668以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/08(木) 21:25:13.61kAN7vNR00 (7/8)

アルミン「…!」




アルミン(やっぱりそうだ…)

アルミン(これは… どう考えてもおかしい)




アニ「…アルミン?」

アルミン「アニ… 次の場所に行こう」

アニ「………………」

アルミン「おそらく、次で最後だから…」


669 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/08(木) 22:45:13.19kAN7vNR00 (8/8)

今日はここまで

しばらく不定期で投稿します


670以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/10(土) 17:54:33.30qe+86gbq0 (1/1)

乙です
年末に向けて忙しくなるでしょうし、ゆっくりまったりでどうぞ


671以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/13(火) 00:16:16.06OY/LRY2N0 (1/1)

乙です
楽しみに待ってます


672以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/13(火) 19:55:11.8674bAmRE+0 (1/5)

― 訓練所 ―




アルミン(“最後の場所”に向かう途中、
     僕たちは2人の人物と出くわした)




アルミン「ミカサ! ジャン!」

ミカサ「アルミン」

ジャン「よ、よう…」

アニ「………………」


673以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/13(火) 20:05:11.8274bAmRE+0 (2/5)

アルミン(手を上げるミカサとは対照的に、
     ジャンはどこか気まずそうにしている)




ジャン「………………」




アルミン(おそらく、あの出来事が尾を引いているのだろう)

アルミン(ふとアニを見ると、彼女もまた
     ジャンを無遠慮に睨みつけていた)


674以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/13(火) 20:10:04.7374bAmRE+0 (3/5)









アニ『まだ私たちに隠してる事があるんじゃないの?』










675以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/13(火) 20:20:30.7574bAmRE+0 (4/5)

ミカサ「どう? 捜査の方は」

アルミン「まあ、色々とわかったかな。そっちは?」

ミカサ「…こっちも色々と」




アルミン(お互いに煮え切らない返事を返す)

アルミン(情報共有なら後でできるし、
     今はそんな事をしている時間もない)


676 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/13(火) 20:25:11.8774bAmRE+0 (5/5)

今日はここまで


677以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 13:28:58.24NDsvjjAh0 (1/1)

なんでマルコを差し置いてモブのミーナが出てるんだ?


678以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 15:40:14.58fvFA8fLy0 (1/8)

アルミン「これからどこに行くの?」

ミカサ「倉庫。アルミンは?」

アルミン「僕たちは… 溶鉱炉に」

ミカサ「…そう」




アルミン(ミカサはしばらく何かを考え込んでいたが…)

アルミン(やがて僕を見据えると、何かを差し出してきた)


679以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 15:45:27.22fvFA8fLy0 (2/8)

アルミン「…? これは?」

ミカサ「超硬質ブレード。兵団専用の、巨人殺しの剣」




アルミン(ミカサから差し出された剣を受け取る)

アルミン(独特の形状を持つそれは、僕には見覚えがあった)




アルミン「これってもしかして…」


680以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 15:55:15.41fvFA8fLy0 (3/8)





コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』

ミカサ『ちょっと調べ物』

コニー『調べ物って…
    こ、こら! 剣は持って行くな!』




アルミン⦅コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
     建物の外へと向かっていった⦆








ミカサ「そう。それは、私が現場から持って行った剣」

アルミン「…どうしてこれを?」

ミカサ「その剣は溶鉱炉で作られている」

アルミン「えっ…!?」


681以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 16:15:26.82fvFA8fLy0 (4/8)

アルミン(意外な事実に驚き、僕は改めて剣を見る)

アルミン(じゃあ、現場にあった無数の剣は…)




ミカサ「あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている」

ミカサ「今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい」

アルミン「えっ、比べるって…」

ジャン「おい、いつまで立ち話してるんだ。
    もう時間ないだろ。行くぞ」

ミカサ「ああ、うん…」


682以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 16:20:43.25fvFA8fLy0 (5/8)

アルミン(ミカサとジャンが背を向ける)

アルミン(その姿を見届けるようにして、
     アニも反対方向に歩き出した)




アニ「アルミン、私たちも行くよ。
   溶鉱炉でしょ?」

アルミン「あっ、うん…」


683以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 16:25:52.46fvFA8fLy0 (6/8)

ザッザッザッ




アルミン「………………」




クルッ




ダッダッダッダッ


684以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/17(土) 16:30:13.28fvFA8fLy0 (7/8)

アルミン「ミカサ」

ミカサ「…? どうしたの? 溶鉱炉に行くんじゃ…」

アルミン「いや、その前に…」




アルミン「ちょっとお願いがあるんだけど…」


685 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/17(土) 16:35:11.68fvFA8fLy0 (8/8)

今日はここまで


686以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/27(火) 20:40:33.65lRiuTful0 (1/3)

― 溶鉱炉 ―




アルミン「暑っ…!」




アルミン(建物に入ってからの第一声がそれだった)

アルミン(中には巨大な溶鉱炉があり、
     グツグツとした紅いもので満たされていた)


687以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/11/27(火) 20:50:07.24lRiuTful0 (2/3)

アニ「これは… 中々凄い場所だね」




アルミン(アニが額に汗を浮かべながら呟く)

アルミン(『マジで溶けちまうかと思った』という
     コニーの表現は誇張ではなかったようだ)




アニ「…あまり長居はしたくないね」

アルミン「うん… もう時間もないし、早く調べよう」


688 ◆qbWu2o7Q.Y2018/11/27(火) 20:55:38.00lRiuTful0 (3/3)

今日はここまで


689以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 16:35:09.8366sDkX0i0 (1/11)

アルミン(僕はさっそく辺りを見渡した)

アルミン(よく見ると、空間の隅に
     鋭く光るものが並べられている)




アルミン「あれは…」




アルミン(その光るものには見覚えがあった)

アルミン(それはまさに、僕がミカサから渡された剣…
     超硬質ブレードだった)


690以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:05:17.1766sDkX0i0 (2/11)





ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




ミカサ「…ミカサの言ってた事は本当だったみたいだね」

アルミン「うん… それにしても凄い数だ」




アルミン(壁沿いにならべられた剣は
     ざっと見ただけでも100本以上ある)

アルミン(剣はいくつかのグループに分かれていて、
     グループの上部には日付が記されていた)


691以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:10:13.2966sDkX0i0 (3/11)





ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アニ「…ミカサの言ってた事は本当だったみたいだね」

アルミン「うん… それにしても凄い数だ」




アルミン(壁沿いにならべられた剣は
     ざっと見ただけでも100本以上ある)

アルミン(剣はいくつかのグループに分かれていて、
     グループの上部には日付が記されていた)


692以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:15:44.0066sDkX0i0 (4/11)

アルミン「…もしかして、製造された日付ごとに
     分けられているのかな?」

アニ「………………」

アルミン「アニ? どうかした?」

アニ「ちょっと聞きたいんだけど…」

アニ「あんたが最後の場所としてここを選んだのは
   どういう理由?」


693以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:20:22.1066sDkX0i0 (5/11)

アルミン「えっ…」

アニ「………………」

アルミン「理由は…」

アルミン「えーっと… ミカサが研究開発所を出て
     真っ先に向かった場所だからだよ」

アルミン「ほら、憶えてる? 僕たちが研究開発所から
     外に出たときの事…」


694以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:25:25.2166sDkX0i0 (6/11)





アルミン『これはミカサの足跡だね』

アニ『みたいだね。この方向からすると…』




アルミン⦅アニが足跡の続く先に視線を向ける⦆

アルミン⦅僕も同じように視線を追うと、
     煙を上げる巨大な煙突が目に入った⦆




アルミン「ミカサの足跡はこの溶鉱炉まで伸びていたよね?」

アルミン「だから、ちょっと気になってたんだ。
     ミカサはどうして溶鉱炉に目を付けたんだろうって」


695以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:35:17.8766sDkX0i0 (7/11)





コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』

ミカサ『ちょっと調べ物』

コニー『調べ物って…
    こ、こら! 剣は持って行くな!』




アルミン「でも、ここに来てその謎が解けたよ」

アルミン「ミカサは溶鉱炉に向かう前に
     やけに剣を気にしていた…」

アルミン「つまり、ミカサは現場にあった剣が
     この溶鉱炉で作られたものだと知っていたんだ」

アルミン「だから、どうしてその剣が現場に残されていたのか…
     その事が気になったんだと思う」


696以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:40:27.4466sDkX0i0 (8/11)

アニ「へぇ…」

アルミン「へぇって… どうしてそんな事を聞いたの?」

アニ「別に… じゃあ、この場所を“最後”だなんて
   言ったのはどうして?」

アルミン「それは… 今までの捜査時間から考えて、
     あと回れるのは1ヶ所くらいだなって思っただけだよ」

アニ「そう…」


697以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:50:26.4766sDkX0i0 (9/11)

アルミン(どうしたんだろう、さっきから…)




アニ「………………」




アルミン(アニは相変わらず表情を変えない)

アルミン(この場所の熱気のせいで顔には汗が浮かんでいるが、
     それ以外で外観に変化は見られない)

アルミン(彼女の頭の中では、一体何が渦巻いているのだろうか)


698以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 17:55:14.5266sDkX0i0 (10/11)

アルミン(アニの様子を気にかけていた時だった)




アルミン「…ん?」




アルミン(視界の隅に何かが映った)

アルミン(最初は気のせいかと思ったが、どうも違うらしい)

アルミン(非常に目立たないが、それは確かにそこにあった)


699 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/08(土) 18:00:09.6366sDkX0i0 (11/11)

今日はここまで

>>690はミスです


700以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/08(土) 22:18:59.81jbsYqPyX0 (1/1)

乙です。考えたら生き残ってる人数がもう少ないんだよな。裏切り者が本当にいるのかどうか



701以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/10(月) 21:10:09.23SUeLXehU0 (1/4)

グツグツグツ…




アルミン(熱く煮えたぎる紅い液体)

アルミン(溶鉱炉という名前から考えて、あれが超硬質ブレードの
     元になるのだろう)




グツグツグツ…




アルミン(それは巨大な炉から少し離れたところにあった)

アルミン(目を凝らさないとわからない、床についた小さな痕…)


702以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/10(月) 22:00:12.40SUeLXehU0 (2/4)

アルミン「これは…?」




アルミン(何の痕だろう)

アルミン(どうしてこんな場所に…?)




グツグツグツ…




アルミン(取り立てて気に留めるべきものではないかもしれない)

アルミン(だけど何故か、僕にはそれが気になって仕方なかった)


703以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/10(月) 22:10:20.47SUeLXehU0 (3/4)

アルミン(僕はそのまま溶鉱炉の周りを回ってみた)

アルミン(すると、同じような痕が1つ、2つ…)

アルミン(全部で4つの痕が炉の周りに残されていた)




グツグツグツ…




アルミン(4つの痕は円形の炉を囲んで等間隔に並んでいる)

アルミン(これは一体…)




【炉の周りの小さな痕】






704 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/10(月) 22:15:08.83SUeLXehU0 (4/4)

今日はここまで


705以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/12(水) 18:40:16.61Y4KxLkDe0 (1/5)

アニ「アルミン」




アルミン(名前を呼ばれて振り返ると、
     アニが怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた)




アニ「何やってんの。危ないよ」

アルミン「えっ… ああ」




アルミン(どうやら心配してくれていたらしい)

アルミン(僕は気付かないうちに、開きっぱなしの炉に
     かなり近づいてしまっていた)


706以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/12(水) 18:45:15.33Y4KxLkDe0 (2/5)

アルミン「ここ… かなり危ないよね。
     落ちたらひとたまりもないよ」

アニ「そうだね… でも、一応
   安全対策はしてあるみたいだよ」

アルミン「安全対策?」

アニ「もう少し炉に近付いてみて」




アルミン(何のことかわからず、僕は言われるがままに
     炉に足を踏み出した)

アルミン(すると…)


707以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/12(水) 18:50:14.13Y4KxLkDe0 (3/5)

ウィィィィィィィィン

ウィィィィィィィィン




アルミン「え!? な、何…」




ガタン




アルミン(それは一瞬の出来事だった)

アルミン(僕が足を踏み出すと同時に、
     けたたましい音が鳴り響き…)

アルミン(開いていた炉が、金属の蓋で覆われたのだ)


708以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/12(水) 19:00:06.60Y4KxLkDe0 (4/5)

アニ「その炉に近付きすぎると、床が検知して
   自動的に炉が閉じる仕組みらしいよ」

アニ「そこの壁に説明が書いてあった」

アルミン「へ、へぇ…」




アルミン(だったら最初から閉じればいいのに…)

アルミン(そう言葉が出かかったが、口に出すだけ無駄だろう)

アルミン(アニの言葉を借りれば、
     ここはそういう場所なのだから…)




【溶鉱炉の安全対策】






709 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/12(水) 19:05:11.31Y4KxLkDe0 (5/5)

今日はここまで


710以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/12(水) 19:23:55.41iaQYpZSeO (1/1)

怖い…


711以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 08:58:41.00xOFhtR+V0 (1/1)

乙です
長く続けてるのも凄いし内容もおもしろいから続けられなくなった時が怖い
その場合謎の答えだけはどうか


712以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 19:35:15.75fcNAnGok0 (1/10)

アニ「…で? 大体見終わった?」

アルミン「いや、まだ確かめたい事があるんだ」




アルミン(僕はそう言って手にした剣を眺めた)

アルミン(ミカサから渡された1本の剣…)


713以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 19:45:35.73fcNAnGok0 (2/10)





ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アルミン「ミカサはこの剣を
     “比べてみろ”って言ってたよね」

アニ「…ああ、そうだったね」




アルミン(僕は剣を手にしたまま壁に近付いた)

アルミン(日付ごとに区分けされた多数の剣…)

アルミン(それらを眺めているうちに、ある疑問が浮かんできた)


714以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 19:50:38.80fcNAnGok0 (3/10)

アルミン「これって、いつの剣なんだろう?」

アニ「え?」

アルミン「ミカサから渡された…
     つまりは現場にあった剣だよ」

アルミン「あそこにある多数の剣が
     ここから持ち出されたものだとしたら…」

アルミン「あれらはいつ作られたものだったんだろう?」


715以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:05:11.78fcNAnGok0 (4/10)

アニ「なんでそんな事が気になるの?
   作られた日付に意味があるとでも?」

アルミン「それはわからないけど… あっ!」




アルミン(僕はある日付が記された剣の一群に目を向けた)




アルミン「ほら、あの日付だけ剣の数が少なくなってるよ!」

アニ「…本当だね。他のグループの半分以下だ」




アルミン(改めて日付を確認してみる)

アルミン(『DAY 12』… この生活が始まって12日目…)

アルミン(今日は13日目だったはずだから、つまりは昨日だ)


716以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:20:20.10fcNAnGok0 (5/10)

アルミン「犯人はこの日付の剣を持ち出したのかな?」

アニ「そうかもしれないけど…」




アルミン(日付にまでこだわるのは
     さすがに考えすぎではないか…)

アルミン(きっとアニはそう思っているのだろう)




アルミン「………………」




アルミン(だけど…)

アルミン(もし、そこに重大な意味があるとしたら…?)


717以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:30:09.21fcNAnGok0 (6/10)









「キーン、コーン… カーン、コーン」








モノクマ『楽しいなっ、楽しいなっ!
     兵団裁判が始まるぞっ!!』

モノクマ『兵団裁判…それは花火のような一瞬のキラメキ…
     生と死のぶつかり合いが生む、魂の閃光…』










718以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:35:06.45fcNAnGok0 (7/10)









モノクマ『…という訳でッ!!』

モノクマ『そんじゃあ、オマエラは、
     いつもの場所に集合をお願いしまーす!』

モノクマ『ユー、施設のフロア末端にある
     赤い扉にインしちゃいなよ!』

モノクマ『うぷぷ、じゃあ後でね~!!』










719以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:40:15.61fcNAnGok0 (8/10)

アルミン「…!!」

アニ「どうやら時間切れみたいだね」

アルミン「しまった… まだちゃんと比較できてないよ」

アニ「仕方ないよ。詳細はミカサから聞こう」

アルミン「そうだね…」


720以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/13(木) 20:45:07.25fcNAnGok0 (9/10)

ガタン




アルミン「…!? な、何…!?」

アニ「どうやら、閉じていた炉がまた開いたみたいだね」

アルミン「炉が…?」




グツグツグツ…




アルミン「………………」

アニ「…アルミン? 行くよ」

アルミン「あっ、うん…」


721 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/13(木) 20:50:04.32fcNAnGok0 (10/10)

今日はここまで


722以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 16:05:10.35YmhSY/Fm0 (1/18)

― 赤い扉 ―




アルミン(赤い扉の向こうでは、
     モノクマの号令を聞いたみんなが集まっていた…)




ジャン「…これで全員か?」




アルミン(ジャンが僕たちの顔を見回した)

アルミン(ここにいるのは、僕、アニ、ミカサ、ジャン、
     コニー、ヒストリアの6人…)


723以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 16:15:35.66YmhSY/Fm0 (2/18)

ミカサ「…“もう1人”は?」




アルミン(ミカサがみんなの疑問を代弁する)

アルミン(しかし、いくら待っても
     “もう1人”がやって来る気配はない…)




コニー「ていうか… モノクマもどうしたんだ?
    俺たちを呼び出しておいて…」


724以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 16:25:52.08YmhSY/Fm0 (3/18)





モノクマ「ボクならここだよ~!!」




コニー「おわっ!?」

モノクマ「うぷぷ、驚いた?」

モノクマ「実はボク、オマエラが到着する前から
     ずっとここにいたんだよ…?」

コニー「えっ…」

モノクマ「気付かなかった…?
     うぷぷぷ… ずっと… オマエラの背後に…」

コニー「なっ…! 
    きゅ、急に怖いこと言い出すんじゃねーよ!」


725以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 16:40:20.77YmhSY/Fm0 (4/18)

アルミン「モノクマ… 今までどこにいたの?」

モノクマ「は? だから、ずっとここにいたって…」

アルミン「ふーん… それで、寄宿舎で呼んでも
     全然気付かなかったんだね」

モノクマ「…? いやいや、空調室の鍵、開けてあげたじゃん」

アルミン「まあしょうがないよね。
     あんな場所でああなってたら…」

モノクマ「いや、だからさっきから何の話を…」


726以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 16:50:18.44YmhSY/Fm0 (5/18)

ジャン「おい、モノクマ!」

モノクマ「もう! 今度は何さ!」

ジャン「“もう1人”… ライナーはどうした!
    まだ来てねえぞ!」

モノクマ「だ・か・ら! 何回言えばわかるんだよ!
     ブラウンくんは今回の被害者でしょーが!」

ジャン「ふざけんな! あそこで死んでるのはベルトルトだろうが!」

モノクマ「知るかっ! 大体、あんな状態で
     どうやってここに連れて来いって言うのさ!」


727以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:00:17.22YmhSY/Fm0 (6/18)

アニ「…埒が明かないね」

モノクマ「全くだよ。そういうのは
     これから思う存分解き明かしてくれればいいのに」

アニ「………………」

モノクマ「という訳で、さっさと昇降機に乗り込んじゃって」

モノクマ「楽しい楽しい裁判が待ってるから…」


728以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:05:23.43YmhSY/Fm0 (7/18)

アルミン(そうだ…)

アルミン(やらなくちゃ…)

アルミン(やらなくちゃ…いけないんだ…)

アルミン(殺人を犯した犯人を
     放っておく訳にはいかない…)

アルミン(残った僕らの為にも…)

アルミン(そして、死んだ“彼”のためにも…)


729以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:15:29.71YmhSY/Fm0 (8/18)





ライナー『俺とベルトルトには、
     この施設に連れて来られるまでの記憶が一切なかった』

ライナー『自分の出身はもちろん、家族の名前や
     小さい頃の思い出なんかが全部…抜け落ちてしまっているんだ』




ベルトルト『唯一覚えていたのは自分の名前と、
      日常生活や壁の中についての知識…』

ベルトルト『それと、“自分は兵士にならなきゃいけない”っていう…
      異様な使命感だけなんだよ』




アルミン(ライナーとベルトルト…)

アルミン(あの2人には謎が多かった)

アルミン(モノクマは、あの2人が【裏切り者】だと言っていた)

アルミン(それだけでなく、壁を襲撃して
     大勢の人間の命を奪った巨人の正体だとも…)


730以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:30:10.53YmhSY/Fm0 (9/18)

アルミン(そして…)




アニ『私の正体は女型の巨人…』

アニ『ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…』

アニ『大勢の人たちの命を奪った』




アルミン(アニは僕に全てを明かした)

アルミン(モノクマの語った内容は真実であること…)

アルミン(自らも彼らの仲間として、多くの人々を殺めたことを…)


731以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:40:14.31YmhSY/Fm0 (10/18)

アルミン(だけど…)

アルミン(それでも…)




アニ『私たち3人がやったこと…
   あんたにも思うところはあると思う』

アニ『私たちの立場、あんたらの立場…
   ここで語り尽くせない思いはお互いにある』

アニ『だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい』

アニ『目の前の脅威からみんなを守るために…』




アルミン(アニはみんなを守ると言った)

アルミン(あの言葉に嘘はない…)

アルミン(僕はそう感じた。だから、彼女を信じたんだ)


732以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:50:07.35YmhSY/Fm0 (11/18)

アルミン(僕はちらりとアニを見た)




アニ「………………」




アルミン(平静を装っているが、固く握られた拳が
     細かく震えているのがわかる)

アルミン(あの震えに嘘はない)

アルミン(僕は… アニの思いを踏みにじった犯人が許せない)


733以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 17:55:18.30YmhSY/Fm0 (12/18)

アルミン(僕は、肺の奥から大きな息を吐き出し…)

アルミン(昇降機に向かって歩き出した)

アルミン(そして、メンバー全員が、
     昇降機に乗り込んだところで…)

アルミン(昇降機の扉は自動で閉まり…)

アルミン(そして、動き出した)


734以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 18:00:05.60YmhSY/Fm0 (13/18)

アルミン(ゴウン、ゴウン…という音と共に、
     僕らは高く高く昇っていく…)

アルミン(もう、後戻りは出来ない…)

アルミン(すべての決着を付けない限り、
     僕らはもう戻れない…)

アルミン(しばらくした後、
     ようやくエレベーターは上昇をやめ…)

アルミン(そして扉が開く…)

アルミン(残酷な運命の扉が…)


735以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 18:05:10.70YmhSY/Fm0 (14/18)

― 裁判場 ―




モノクマ「ふむふむ…
     こうやって全員揃ったところを見てみると…」

モノクマ「なんだか、ずいぶんと人数が減っちゃったよね!
     兵団生活もいよいよクライマックスって感じかしら!」

ヒストリア「全部、あなたのせいでしょ…!」

コニー「なんで…俺らに、
    こんな残酷な事をさせるんだよ…!」

モノクマ「ありゃりゃ? ボクって嫌われてんの!?
     こんなにカワイイのに!?」


736以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 18:10:04.95YmhSY/Fm0 (15/18)

アニ「いつまでふざけている気なの。
   さっさと始めてよ…」

モノクマ「…もちろん始めますとも!」

モノクマ「緊迫の兵団裁判はCMの後で、
     みたいな引き延ばし演出をするつもりもないしさ!」

モノクマ「…じゃあ、始めますよ!
     自分の名前が書かれた席に着いてくださーい!」


737以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 18:15:11.71YmhSY/Fm0 (16/18)









アルミン(そして、またもや幕が開く…)




アルミン(命がけの裁判…命がけの騙し合い…命がけの裏切り…)

アルミン(命がけの謎解き…命がけの言い訳…命がけの信頼…)




アルミン(命がけの……兵団裁判……)










738以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 18:20:10.72YmhSY/Fm0 (17/18)









兵団裁判 開廷!










739 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/15(土) 18:25:04.93YmhSY/Fm0 (18/18)

今日はここまで


740以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 19:50:49.80iTC5CHi10 (1/1)

今週は何度も更新乙です
2人とも死んでて一気に2人分の裁判になるのかな?


741以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/15(土) 20:05:01.24OJIPKZc+o (1/1)

十中八九見つからなかった方は溶鉱炉にドボンだろうな…
床にセンサーがあるってことはどうにかして投げ入れたんだろう


742以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 07:40:15.19Zcv8nX8n0 (1/10)

モノクマ「まずは、兵団裁判の簡単な説明から始めましょう!」

モノクマ「兵団裁判の結果は、オマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。
     だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…」

モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが
     晴れて卒業となりまーす!」


743以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 07:50:23.12Zcv8nX8n0 (2/10)

コニー「こうして見ると、マジで人数減っちまったよな…」

ヒストリア「元々私たちは12人いて、
      今ここにいるのは6人だから…」

ヒストリア「もう半分もいなくなっちゃったんだね…」

モノクマ「まあ、これからさらにいなくなるんですけどね!」

ジャン「けっ! 悪趣味な野郎だぜ…!」


744以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 08:00:28.28Zcv8nX8n0 (3/10)

ミカサ「それよりも、モノクマ… あれはどういう事?」

モノクマ「ん? あれとは?」

ミカサ「ライナーとベルトルトの席…
    どうして何もないの?」




アルミン(全員の視線がライナーとベルトルトの席に集中する)

アルミン(そこには、席に着くべき主たちの姿がなかった)

アルミン(だが、それだけではない…)


745以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 08:10:09.94Zcv8nX8n0 (4/10)





ライナー『議論の前に聞いておきたいんだが…あれってどういう意味だ?』




アルミン⦅ライナーの指差した先には、空いた席に立てられた顔写真があった⦆

アルミン⦅エレンの写真だ。大きなバッテン印が描かれている⦆




モノクマ『死んだからって、仲間外れにするのは可哀想でしょ?
     友情は生死を飛び越えるんだよ』




アルミン(コロシアイで犠牲になった人物の席には、
     バッテン印が描かれた顔写真が置かれている)

アルミン(エレン、ミーナ、ユミル、サシャ…
     この4人の席には顔写真があるのだが…)

アルミン(ライナーとベルトルトの席には、何も置かれていないのだ)


746以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 08:15:51.84Zcv8nX8n0 (5/10)

ミカサ「あの2人が生きているにしても、死んでいるにしても…
    あんな風に席が空っぽなのはおかしい」

ミカサ「あれはどういう…」

モノクマ「うーん、そうだねぇ…」

モノクマ「それじゃあ、今回はその話題から行ってみようか?」

ミカサ「…は?」

モノクマ「すなわち、【あの2人は現在どういう状態にあるのか】…」

モノクマ「それを議論してみればいいんじゃない?」


747以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 08:30:44.53Zcv8nX8n0 (6/10)

アニ「…いきなりそんな事を話し合うの?」

アニ「正直、それはこの事件最大の謎だと思ってたんだけど…」

モノクマ「んー、でもさ、少なくとも
     【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていう点については…」

モノクマ「今与えられている情報だけですぐに導き出せると思うよ?」

ジャン「何だと…!?」

モノクマ「それじゃあ、張り切って行ってみよー!」


748以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 08:50:06.35Zcv8nX8n0 (7/10)









―  議 論 開 始  ―




【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】










749以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 09:00:14.31Zcv8nX8n0 (8/10)

ヒストリア「【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていうのは…」

ヒストリア「つまり、【あの2人が生きているのか死んでいるのか】っていう事…?」

ミカサ「そういう事なら…」

ミカサ「【2人とも死んでいる】のではないの?」

ジャン「いや、オレの予想では…」

ジャン「【どちらか1人はどこかに隠れている】んだろうぜ」

コニー「んー、そうなのか…?」

コニー「【2人とも生きている】可能性はねーのか?」

アニ「せめて、何か【ヒント】でもあればね…」

アニ「アルミン、あんたはどう思う?」




アルミン(僕の予想では…)








▶【ヒント】










750以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 09:15:17.96Zcv8nX8n0 (9/10)

ヒストリア「【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていうのは…」

ヒストリア「つまり、【あの2人が生きているのか死んでいるのか】っていう事…?」

ミカサ「そういう事なら…」

ミカサ「【2人とも死んでいる】








それに賛成だ!










751 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/16(日) 09:20:08.78Zcv8nX8n0 (10/10)

今日はここまで


752以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 12:49:17.66O4lBhI+xO (1/1)

おつおつ


753以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/16(日) 22:53:26.55FPRoxgFA0 (1/1)

やっぱ二人とも死んでるよな


754以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 02:37:32.40c7JQfeG10 (1/2)

このアニビッチっぽいな


755以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 19:35:14.13/6ayKXSi0 (1/10)

アルミン「ミカサの言う通り… ライナーとベルトルトは
     2人とも死んでいるんだと思う」

ヒストリア「えっ、2人とも…!?」

アニ「………………」

ジャン「いや、ちょっと待てよ!」

ジャン「オレたちは1人分…
    ベルトルトの死体しか発見してないんだぞ!?」

ジャン「なのに、どうして…
    2人が両方とも死んでるなんて言い切れるんだ!?」


756以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 19:40:08.17/6ayKXSi0 (2/10)

アルミン「ヒントだよ」

ミカサ「…ヒント?」

アルミン「ほら、憶えてない?
     死体を発見したときにモノクマが話した言葉を…」




モノクマ『事件の真相につながる2つのヒントを
     オマエラに教えちゃいまーす!!』






757以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 19:45:08.12/6ayKXSi0 (3/10)

アニ「確かに… そんな事を言っていたね」

コニー「2つのヒント…? どういうのだっけか?」

ヒストリア「ええっと、確か…」




モノクマ『ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!』

モノクマ『つまり、前回のブラウスさんみたいに、
     知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!』

モノクマ『ヒントその2! ルールをよく読め!』

モノクマ『以上となりまーす!!』






758以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 19:50:20.48/6ayKXSi0 (4/10)

コニー「…? それで2人が死んでる事がわかるのか?」

アルミン「そう推察できる… と言った方が正しいかな」

ジャン「どう推察するんだ? 正直オレにはさっぱりなんだが…」

アルミン「注目すべきは2つ目のヒントだよ」




モノクマ『ヒントその2! ルールをよく読め!』






759以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 19:55:25.92/6ayKXSi0 (5/10)

アルミン(ルールをよく読め…)

アルミン(この『ルール』が指し示すもの…)

アルミン(それは…)




▶【兵団規則】
【石碑の文字】
【倉庫の物品管理表】








これだ!










760以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:00:07.24/6ayKXSi0 (6/10)

アルミン「2つ目のヒントである『ルールをよく読め!』…」

アルミン「この『ルール』っていうのは、
     兵団規則の事を表しているんだと思う」

ジャン「兵団規則って… 例の、手帳に書いてあるやつか?」

アルミン「うん… 僕らにコロシアイをさせている元にもなっている
     あの『ルール』だよ」


761以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:10:04.99/6ayKXSi0 (7/10)

■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。

15 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。


762以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:15:04.59/6ayKXSi0 (8/10)

アルミン「この手帳に記された兵団規則…」

アルミン「この中にある項目の1つを読めば、
     2人がもうこの世にいないことが推察できるんだ」

コニー「え、マジか…?」

アニ「………………」

ミカサ「…アルミン、教えて」

ミカサ「それは一体、どの項目だというの?」


763以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:20:16.28/6ayKXSi0 (9/10)

アルミン(2人の死亡説の根拠となる項目…)

アルミン(それは…)




【1番目の項目】
【2番目の項目】
【3番目の項目】
【4番目の項目】
【5番目の項目】
【6番目の項目】
【7番目の項目】
▶【8番目の項目】
【9番目の項目】
【10番目の項目】
【11番目の項目】
【12番目の項目】
【13番目の項目】
【14番目の項目】
【15番目の項目】








これだ!










764 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/17(月) 20:25:12.63/6ayKXSi0 (10/10)

今日はここまで


765以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:34:22.32c7JQfeG10 (2/2)

アニよりジャンを相棒にしてほしかったな
脳筋のアニよりジャンのほうが絶対推理に向いてるだろ


766以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 20:44:55.29/Vp6ld6T0 (1/1)

連日の更新乙です。
いよいよ兵団裁判が始まったし一気に読めるの嬉しい


767以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/17(月) 22:56:22.87BnVgOitt0 (1/1)

最近連投乙です
2人分だとしたら裁判も難しくなるな
人数も減って今後どう展開していくのか楽しみ


768以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/20(木) 20:20:12.66fJzDnnSW0 (1/5)

アルミン「8番目の項目だよ」




8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。




ジャン「8番目ってこれか? 兵団裁判について書かれた…」

ヒストリア「…? これで2人が死んでることが推察できるの?」

アルミン「うん。よく読んでみて」

アルミン「ここには『訓練兵全員参加が義務付けられる』
     って書かれてあるよね?」

アルミン「つまり、兵団裁判に参加しない事はルール違反なんだ。
     だから2人はもう死んでるんじゃないかと思ったんだよ」


769以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/20(木) 20:25:04.45fJzDnnSW0 (2/5)

アニ「…なるほどね」

コニー「え? どういう事だ?」

アニ「つまりこういう事だよ。もし2人が既に死んでいる場合、
   兵団裁判にはそもそも参加できない」

アニ「もし1人がどこかに隠れていた場合でも、
   兵団裁判への不参加はルール違反だから…」

アニ「その時点でそいつは殺される」

コニー「…!」

アニ「だから、この場にいない時点で
   そいつの死亡は確定してる… そういう事さ」


770以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/20(木) 20:30:20.24fJzDnnSW0 (3/5)

ミカサ「…そうなの? モノクマ」

モノクマ「………………」

ヒストリア「…モノクマ?」

モノクマ「…うぷぷぷぷ」


771以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/20(木) 20:35:24.78fJzDnnSW0 (4/5)









モノクマ「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」










772 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/20(木) 20:40:06.99fJzDnnSW0 (5/5)

今日はここまで


773以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:00:11.00XLS3wHYl0 (1/8)

モノクマ「大・正・解~!!」




アルミン(モノクマの高らかな笑い声と共に、
     2人の席にバッテン印の顔写真が現れる)




モノクマ「アルレルトくんの言う通りです!」

モノクマ「ブラウンくんとフーバーくんは2人とも…」




モノクマ「もうお亡くなりになってまーす!!」






774以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:05:07.15XLS3wHYl0 (2/8)

コニー「…!!」

ジャン「な… 何だって…!?」

アニ「…っ」

モノクマ「いやあ、やっぱりアルレルトくんは凄いなあ」

モノクマ「たったあれだけのヒントで
     ここまで事件の根幹を言い当てちゃうなんて…」

モノクマ「今頃、この事件のクロは
     心臓バックバクしてるんじゃないの~?」


775以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:10:14.95XLS3wHYl0 (3/8)

ヒストリア「ちょ、ちょっと待って…!」

ヒストリア「今回2人が死んでいるなら… 兵団裁判はどうなるの?」

モノクマ「はい?」

ヒストリア「2人が同一人物に殺されているならわかるけど…」

ヒストリア「もし、2人を殺したのが別の人間だったら?
      私たちは一体誰に投票すればいいの?」


776以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:15:14.26XLS3wHYl0 (4/8)

コニー「別の人間が殺したって… そんな事あるのか?」

アルミン「あり得ない話じゃないと思う」

アルミン「そして、その場合の投票先は
     確かにルールには明記されていない…」

ミカサ「…その辺はどうなの、モノクマ?」


777以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:20:10.06XLS3wHYl0 (5/8)

モノクマ「…へえ、凄いね。そんな考え方もできるんだね」

モノクマ「前はみんな同一人物だって決めかかってたのに…」

コニー「…は?」

モノクマ「でも、そうだよね。確かにその通りだよね」

モノクマ「2人が死んでるのなら、
     そういうパターンを考えて然るべきだよねぇ…」


778以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:25:13.20XLS3wHYl0 (6/8)

モノクマ「では、お答えしましょう!
     そういう場合は、早い者勝ちです!」

アルミン「…早い者勝ち?」

モノクマ「別の犯人による別の殺人が同時に起きた場合、
     先に死体が発見された方のクロのみが投票対象となります」

モノクマ「つまり、ブラウンくんを殺した犯人と、
     フーバーくんを殺した犯人が別々だった場合は…」

モノクマ「【先に発見された方】の犯人のみが、
     クロ扱いになるんだよ」

モノクマ「【後に発見された方】を殺した人は“殺し損”って事だね。
     そして、【後に発見された方】は“殺され損”…」

モノクマ「あ、この事は兵団規則にも追加しておくね。今更だけど」


779以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 10:30:07.30XLS3wHYl0 (7/8)

■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。

15 別の犯人による別の殺人が同時に起きた場合、
  先に死体が発見された方のクロのみが投票対象となります。

16 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。


780 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/22(土) 10:35:10.69XLS3wHYl0 (8/8)

今日はここまで


781以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 19:08:52.5642TxVRyOO (1/1)

先に発見されたのが結局ベルトルトなのかライナーなのかも必要なのね


782以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/22(土) 19:12:43.39x8LWMs1Ho (1/1)

前は…って言ってるからこのコロシアイ何度も繰り返してたりして


783以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 15:50:15.22QnQO7Koc0 (1/5)

ジャン「だ、だけどよ… 今回はベルトルトの死体しか
    発見されてないんだろ…?」

ジャン「だったら、後も先も何も…
    ベルトルトを殺した犯人を見つければいいって事だよな?」

モノクマ「まあ、そうだね。今回は1人分の死体しか
     発見されていない訳だから…」

モノクマ「オマエラはブラウンくんを殺したクロを
     言い当てればいいって事になるね」

ジャン「いや、だから!
    俺たちが見つけたのはベルトルトの死体だろうが!」

モノクマ「だーーっ! この分からず屋!
     今回裁判の対象になってるのはブラウンくんだってば!」


784以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 15:55:16.51QnQO7Koc0 (2/5)









―  議 論 開 始  ―




▶【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】










785以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 16:05:12.74QnQO7Koc0 (3/5)

モノクマ「今回クロに殺されたのは【ブラウンくん】!」

モノクマ「今オマエラはその裁判をしてるの!」

モノクマ「一体何回言えばわかるのさ!?」

ジャン「オレ達が発見したのは【ベルトルトの死体】だ!」

ジャン「確かに顔は潰れちゃいたが…」

ジャン「【髪や体格】からあいつである事は明白だ!」

モノクマ「ああ、もう面倒くさい!」

モノクマ「とにかく、ボクはウソなんて言ってません!」

ジャン「それが既にウソなんだろうが!」

ジャン「クソッ、【根拠もなく】デタラメを言いやがって…!」




アルミン(…このままでは水掛け論になるだけだ)

アルミン(まずは、この事件の前提となる部分を示してみよう)


786以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 16:10:44.34QnQO7Koc0 (4/5)

モノクマ「今回クロに殺されたのは【ブラウンくん】!」

モノクマ「今オマエラはその裁判をしてるの!」

モノクマ「一体何回言えばわかるのさ!?」

ジャン「オレ達が発見したのは【ベルトルトの死体】だ!」

ジャン「確かに顔は潰れちゃいたが…」

ジャン「【髪や体格】からあいつである事は明白だ!」

モノクマ「ああ、もう面倒くさい!」

モノクマ「とにかく、ボクはウソなんて言ってません!」

ジャン「それが既にウソなんだろうが!」

ジャン「クソッ、【根拠もなく】








それは違うよ!










787 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/23(日) 16:15:33.44QnQO7Koc0 (5/5)

今日はここまで


788以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 18:28:21.34yHKa83zz0 (1/1)

連日の投稿乙です


789以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/23(日) 23:07:51.978vudfWir0 (1/1)

乙乙



790以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 08:35:15.77Y1er7HU60 (1/14)

アルミン「ジャン… モノクマは根拠もなく言ってる訳じゃないよ」

ジャン「ああ…? 根拠があるってのか?」

アルミン「モノクマファイルだよ」

アルミン「ほら、あそこにはちゃんと
     被害者の名前が記されていたよね?」


791以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 08:40:06.77Y1er7HU60 (2/14)

■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。


792以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 08:45:10.00Y1er7HU60 (3/14)

ジャン「お前、何言ってんだ…!?
    あれはそもそもモノクマが作ったもんだろ!」

ジャン「だったら、それがデタラメである事も
    十分に考えられるだろうが!」

アルミン「ジャン、落ち着いて。
     あれがデタラメだなんて考えられないよ」

ジャン「ああ!? なんでだよ!」

アルミン「だって、もしあれがデタラメだったら、
     この裁判そのものが成り立たなくなるんだから…」


793以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 08:50:36.91Y1er7HU60 (4/14)





モノクマ『今までずっとそうだったでしょ?』

モノクマ『イェーガーくんの事件、ユミルさんの事件…
     どれもモノクマファイルに書いてあることは本当だったでしょ?』

モノクマ『そりゃそうだよ。あのファイルに不正を働いたら、
     ゲームが成立しなくなっちゃうんだもん』




モノクマ「そうそう。アルレルトくんの言う通りだよ」

モノクマ「この兵団裁判は兵団規則の中でも
     肝となる項目なんだから…」

モノクマ「それに関わる部分に
     インチキなんかする訳ないじゃーん!」


794以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:05:25.14Y1er7HU60 (5/14)

ジャン「だからそれが信じられねえって…」

アニ「信じるしかないでしょ」

アニ「確かにそいつは信用に値しないクズだけど、
   【自分が作り出したルールには異様なこだわりがある】ようだし…」

モノクマ「クズ呼ばわりとは悲しいなぁ…」

モノクマ「でもまあ、つまりはそういう事!」

モノクマ「ボクって、クマ1倍ルールにはうるさいって
     サファリパークでも有名だったんだから!!」


795以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:15:17.21Y1er7HU60 (6/14)

アルミン「それに、あのファイルがウソじゃないっていう根拠は
     もう1つあるんだ」

ヒストリア「えっ…?」

アルミン「あのファイルには、今までのファイルとは
     明らかに異なる部分があったんだよ」




アルミン(そう、それは…)




【渡されたタイミング】
▶【殺害日と死因】
【ファイルの表紙】








これだ!










796以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:30:56.38Y1er7HU60 (7/14)

アルミン「それに、あのファイルがウソじゃないっていう根拠は
     もう1つあるんだ」

ヒストリア「えっ…?」

アルミン「あのファイルには、今までのファイルとは
     明らかに異なる部分があったんだよ」




アルミン(そう、それは…)




【渡されたタイミング】
▶【死因と死亡状況】
【ファイルの表紙】








これだ!










797以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:35:22.18Y1er7HU60 (8/14)

アルミン「今回渡されたファイルには、
     被害者の【死因と死亡状況】が記されていないんだ」

ヒストリア「あっ…」

アニ「………………」

ミカサ「…確かに、ここに書かれているのは
    【被害者の名前】と【殺害時刻】だけ」

ミカサ「今までのファイルには
    ちゃんとそれらも記されていたはず…」


798以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:40:22.35Y1er7HU60 (9/14)

■ モノクマファイル 1 ■


被害者はエレン・イェーガー。
死亡時刻は午前1時半頃。

死体発見現場となったのは訓練所の一角、
立体機動の適性検査を行った場所。

被害者はそこにあった姿勢制御訓練の装置で、
半ば宙吊りの状態で死亡していた。

死因は頭部への打撃による頭蓋内圧の上昇。
その他、身体に目立った外傷は見られない。


799以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:45:16.38Y1er7HU60 (10/14)

■ モノクマファイル 2 ■


被害者はユミル。
死亡時刻は午前12時頃。

死体発見現場はライブハウス。
そこで行われたパーティーの最中に死亡した。

死因は服毒による多臓器不全。
毒の副作用による肉体の膨張や変色が見られる。

その他、身体にはいかなる外傷も見られない。


800以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 09:50:12.11Y1er7HU60 (11/14)

■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。


801以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 10:05:34.71Y1er7HU60 (12/14)

ヒストリア「本当だ…!」

コニー「確かに… 今回のファイルはやけにあっさりとしてんな」

ジャン「だ、だが…」

ジャン「どうして【死因と死亡状況】が記されていない事が
    ウソじゃない事の根拠になるんだ?」

アルミン「よく考えてみて」

アルミン「モノクマファイルに書かれている内容にウソはない。
     この事が本当だとすると…」

アルミン「【モノクマファイルにウソは書けない】…
     こういう事にもなると思うんだ」


802以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 10:15:08.36Y1er7HU60 (13/14)

アルミン「つまり、今回書かれている内容が
     あまりにも少ないのは…」

アルミン「【それ以上書くとウソになってしまうから】…
     そうなんだろ、モノクマ」

モノクマ「………………」

アルミン「つまり、ファイルに書かれている
     【被害者の名前】と【殺害時刻】は信用できるけど…」

アルミン「【それ以外】は圧倒的に信用できない…
     そういう事なんだろ?」


803 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/24(月) 10:20:04.84Y1er7HU60 (14/14)

今日はここまで

>>795はミスです


804以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/24(月) 15:44:54.71TlYc/VEbO (1/1)

なるほど


805 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/25(火) 18:15:26.70AUDdVP7k0 (1/6)

コニー「え、えーっと…?」

コニー「【それ以外】っていうのは…
    要するに【死因と死亡状況】の事か?」

アルミン「そうだよ。例えば…」

アルミン「今までのモノクマファイルの書き方に倣えば、
     今回はこんな風に記されると思うんだ」


806以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/25(火) 18:25:44.75AUDdVP7k0 (2/6)

■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。

死体発見現場は研究開発所。

被害者は宙吊り状態のまま、
身体中を槍や剣で貫かれていた。

死因は頭部を貫かれたことによる脳の損傷。
その他、大小無数の傷が散見される。


807以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/25(火) 18:30:39.01AUDdVP7k0 (3/6)

コニー「おお、それっぽいな!」

アニ「…確かに、今回の状況を
   素直に受け取ればそうなるだろうね」

ジャン「つまり、今お前が付け足した…」




死体発見現場は研究開発所。

被害者は宙吊り状態のまま、
身体中を槍や剣で貫かれていた。

死因は頭部を貫かれたことによる脳の損傷。
その他、大小無数の傷が散見される。




ジャン「この部分がウソかもしれねえって事か?
    ウソになるからモノクマが書けなかったと…」

アルミン「…うん。そう考えればしっくりくるんだ」


808以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/25(火) 18:50:37.76AUDdVP7k0 (4/6)

ヒストリア「あの状況が偽装工作…ってこと?
      本当の【死因】を隠すための…」

ミカサ「…そうだとしても、よくわからない」

ミカサ「仮にその人が毒殺されたとして、
    犯人がその事実を隠そうとした場合でも…」

ミカサ「身体を大きな槍で貫いたり、無数の剣を突き刺したり…」

ミカサ「そんな事までする意味がわからない。
    手間が増えて面倒になるだけ」

ジャン「確かにな…」

ジャン「それに、ただの偽装工作だったら
    【死亡状況】をファイルに書けない理由がわかんねえな…」

ジャン「『身体中を槍や剣で貫かれていた』っていうのは
    見た状況をそのまま記せばいいだけなんだから…」

ジャン「【死因】とはまるで関係ないはずなのによ…」


809以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/25(火) 18:55:53.86AUDdVP7k0 (5/6)

アルミン(確かにその通りだ…)

アルミン(【死因】を隠すための偽装工作だとしても
     あの状況は異様だし…)

アルミン(【死亡状況】までウソになる理由がわからない)

アルミン(わからないけど…)




アルミン「………………」




アルミン(その謎こそが、この事件の重要な鍵になるはずだ)


810 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/25(火) 19:00:04.75AUDdVP7k0 (6/6)

今日はここまで


811以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/26(水) 00:35:44.67enbgaSjp0 (1/1)


もう全く分からないべ


812以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/26(水) 21:15:31.54EgRRJkOv0 (1/3)

アニ「…面白い推理だけど」

アニ「完全には解け切っていない…って感じだね」

アルミン「…うん」

アニ「だったらさ… ここで議論のアプローチを変えてみない?」

コニー「…? どういう事だ?」

アニ「話題を変えようって事さ。
   他にも謎や手がかりはあるんだし…」

アニ「わからないことにいつまでも
   頭を悩ませたって仕方がないでしょ?」


813以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/26(水) 21:25:08.95EgRRJkOv0 (2/3)

ミカサ「…確かに、このままだと議論は進まない気がする」

ミカサ「この問題は一度置いて、
    他の事を話してみるのもいいかもしれない」

コニー「だけどよ、話題を変えるったって、
    一体何を話せばいいんだ?」

アニ「そうだね… じゃあ、まずは情報共有でもしてみようか」

ヒストリア「情報共有…?」

アニ「今回私たちは3つのグループに分かれて
   捜査をしていたでしょ?」

アニ「私とアルミン、ミカサとジャン、コニーとヒストリア…」

アニ「それぞれが調べて得た情報を
   ここで出し合う…っていうのはどう?」


814 ◆qbWu2o7Q.Y2018/12/26(水) 21:30:11.66EgRRJkOv0 (3/3)

今日はここまで


815以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2018/12/29(土) 02:12:02.460SVksDdD0 (1/1)

他の章は裁判開始前でもある程度わかったけど今回はほとんどわからん



816以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/02(水) 12:15:23.95SXitPH9F0 (1/4)

アルミン「…アニに賛成だよ。議論をするにしても、
     情報が出揃ってからの方がいいだろうしね」

コニー「いや、でもよ… グループに分かれて捜査っつっても…」

コニー「俺とヒストリアは違うだろ?
    見張り役だったんだから、捜査なんてしてねえぞ?」

アニ「確かにそうだけど… 何か気付いた事はなかった?」

アニ「あの現場に一番長く居たのはあんたらなんだ。
   どんな些細な事でもいい。気になった事があれば教えてくれない?」


817以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/02(水) 13:25:10.60SXitPH9F0 (2/4)

コニー「急にそんな事言われてもなぁ…
    ヒストリア、何かあるか?」

ヒストリア「うーん、一番気になったのは
      あの死に方そのものだけど…」

アニ「…死に方そのもの?」

ヒストリア「うん、さっきの話に戻っちゃうんだけど…」

ヒストリア「ただ殺したいだけだったら、
      どうしてあんな手間をかけたんだろうって…」


818以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/02(水) 13:40:21.55SXitPH9F0 (3/4)

ヒストリア「それで、私なりに色々と考えてたんだけどね」

ヒストリア「もしかすると犯人は、被害者の顔を
      隠したかったんじゃないかと思って…」

ジャン「…それって、あいつの顔が貫かれてた件か?」

アルミン「………………」

ミカサ「確かに、あの状況で顔は判別できなかったけど…」

ミカサ「髪や体格でベルトルトである事はわかったはず。
    誰かがわかれば顔を隠す意味なんてない」

ヒストリア「うーん、それはそうなんだけど…」


819 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/02(水) 14:05:13.02SXitPH9F0 (4/4)

今日はここまで


820以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/06(日) 15:05:20.635cvCAYiy0 (1/3)

ヒストリア「…あっ」

ジャン「…? どうした?」

ヒストリア「思い出した… 私、今の話を考えてたときに
      あの人の顔をよく見てみたんだけど…」

コニー「え… あの人ってベルトルトか?」

ヒストリア「うん、これくらい顔を近付けて…」
    
コニー「うええええっ!?
    あ、あんなグチャグチャの顔を間近で見たのか!?」

アニ「…あんたもその場に居たんじゃないの?」


821以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/06(日) 15:15:12.485cvCAYiy0 (2/3)

ヒストリア「そしたらね… あの人の顔に
      布切れみたいなものが付いてるのを見つけたんだ」

ミカサ「…布切れ?」

ヒストリア「ほら、これ…」

コニー「うわあ、何だこれ… 真っ赤じゃねえか」

ヒストリア「血で真っ赤に染まっちゃったんだろうね…」

アルミン「これが被害者の顔に付いてたの?」

ヒストリア「うん、ちょうど頬のあたりに…」




【血塗れの布切れ】






822 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/06(日) 15:25:07.785cvCAYiy0 (3/3)

今日はここまで


823以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/09(水) 08:28:43.54VGUq52Lu0 (1/1)

ヒストリアは流石に大丈夫そうか
それとも喋りすぎで怪しいか?


824以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/09(水) 21:28:40.09YznVKECY0 (1/1)

今回の犯人よりも、裁判後人数から考えて物語自体の終わりに向かいそうだけどそっちの方が全く予想つかない


825以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 06:08:10.72n+v/nCzt0 (1/3)

ミーナなんかよりもリヴァイやマルコを出してほしかった…


826以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 07:30:11.91NUHfVZMy0 (1/2)

>>825
進撃のss最近少なくて寂しいから自分でその登場人物で書いてくれ
書いたら見に行くから教えて


827以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 13:29:45.13n+v/nCzt0 (2/3)

>>826
そもそもどうやってスレ作るの?


828以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 17:04:53.59GJs1ImRu0 (1/1)

ググってもわからないなら、君にネットは早いってことだよ^^


829以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 20:20:28.65NUHfVZMy0 (2/2)

>>827
スレ作らなくてもpixiv?とかssnote?とかもあるよ


830以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/12(土) 23:21:11.94n+v/nCzt0 (3/3)

>>829
ssnoteなんてマイナーなところも知ってるのか


831以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 00:10:33.80TFTlZcfT0 (1/6)

アニ「布切れね… 他には?」

ヒストリア「私はそんなところかな… コニーはどう?」

コニー「俺か? 俺は別に…」

コニー「ほんの少し見張りして、あとは遊んでたからなぁ…」

ミカサ「…遊んでた?」

コニー「ほら、あそこって色々な道具が置いてあっただろ?」

コニー「中でも蓄音機ってのが面白くてよ。
    自分が吹き込んだ声が返ってくるんだぜ?」


832以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 00:15:04.90TFTlZcfT0 (2/6)

開発品リスト


①立体起動装置    12台

②時限爆弾      3台

③特殊ガス発生装置  1台

④蓄音機       1台

⑤金属探知機     1台

⑥拘束トラップ    1台


833以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 00:20:10.44TFTlZcfT0 (3/6)

アルミン「蓄音機… 確かにあるね」

ミカサ「自分の声が返ってくるって、どういうこと?」

コニー「ラッパみたいなところに喋ると、
    喋った言葉をそのまんま返してくるんだよ!」

コニー「声色もそっくりですげえ面白いんだって!
    お前らもやってみろよ!」

ジャン「はぁ… お前のその呑気さが羨ましいぜ」


834以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 00:25:07.50TFTlZcfT0 (4/6)

アニ「ミカサとジャンは? どこを捜査してきたの?」

ミカサ「私たちが行ったのは…」

ジャン「溶鉱炉と訓練場、それから倉庫だな」

アルミン「溶鉱炉は僕らも行ったよ。実を言うと、
     ミカサが行くのをみて僕らも行ってみようと思ったんだ」

ミカサ「………………」


835以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 00:30:18.30TFTlZcfT0 (5/6)

アルミン「ちょっと聞きたいんだけどさ…
     ミカサはどうして溶鉱炉に目を付けたの?」




ミカサ『そう。それは、私が現場から持って行った剣』

アルミン『…どうしてこれを?』

ミカサ『その剣は溶鉱炉で作られている』

アルミン『えっ…!?』




アルミン「ミカサはあの現場であの剣を目にして、
     すぐに溶鉱炉に向かってたよね?」

ミカサ「………………」

アルミン「これは僕の予想だけど…」

アルミン「もしかしてミカサは、事件が起こる前から
     溶鉱炉で剣が作られていることを知ってたんじゃない?」


836 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/13(日) 00:35:20.91TFTlZcfT0 (6/6)

今日はここまで


837以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/13(日) 12:24:24.21WwEcIEE10 (1/1)

乙です
今回の裁判は長くなりそうだから次スレ行きそうかな


838以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/14(月) 15:40:09.949r/GlHUv0 (1/3)

ミカサ「…私を疑ってるの?」

アルミン「そういう訳じゃないよ。ちょっと気になっただけで…」

ミカサ「………………」

ジャン「…話せよ。隠してたって怪しまれるだけだぜ」

ミカサ「…私が剣について知っていたのは、
    訓練で教わっていたから」

コニー「訓練…?」

ミカサ「訓練の1つに、超硬質ブレードの
    特性を学ぶ座学があった」

ミカサ「私はそのときに溶鉱炉へ行って…
    実際の製造をモノクマから教わった」


839以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/14(月) 15:45:09.499r/GlHUv0 (2/3)

ヒストリア「…そうなの? モノクマ」

モノクマ「はい、その通りです」

モノクマ「もはや真面目に訓練を受けてくれるのは
     アッカーマンさんだけだったからね…」

モノクマ「あたしゃ悲しいよホントに!」

ジャン「そういやお前は、オレたちに抜け駆けで
    訓練を受けてたんだったな」

ミカサ「………………」


840 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/14(月) 15:50:08.739r/GlHUv0 (3/3)

今日はここまで


841以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/23(水) 20:35:14.19MIGRoYC70 (1/4)

コニー「…え? っていうか、現場にあった剣って
    溶鉱炉で作られてたのか?」

アルミン「そうだよ。もっと言うと、溶鉱炉自体が
     あの剣を作るための場所だったみたいだね」

コニー「そうなのか… ん?」

ヒストリア「…? どうしたの?」

コニー「いや、何か… あれ? うーん…」


842以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/23(水) 20:45:37.76MIGRoYC70 (2/4)

アニ「…それで?」

アニ「あんたら2人は溶鉱炉を調べて何か掴んだの?」

ミカサ「…溶鉱炉はアニとアルミンも調べているみたいだから、
    被ってしまう部分もあると思うけど…」

ミカサ「まず私が見つけたのは、作られた剣の一部が
    持ち去られているらしいという事だった」

ヒストリア「…そんな事わかるの?」

ミカサ「あの溶鉱炉では毎日一定数の剣が作られていて、
    作られた剣は日付毎に分けられている」

ミカサ「それで、私が捜査で確認したときには
    ある日付の剣が他よりも少なくなっていた…」


843以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/23(水) 21:10:12.15MIGRoYC70 (3/4)

アルミン「それは僕らも確認したよ。
     12日目の剣が圧倒的に少なかったかな」

ヒストリア「12日目っていうと…昨日?」

アルミン「うん。ちゃんと本数を数えた訳じゃないけど…」

アルミン「事件現場にあった剣と
     同じくらいの数が足りないようだったね」

ジャン「ああ、本数ならちゃんと数えたぞ。
    無くなってたのは全部で16本だ」

ジャン「現場にあった剣は、死体に刺さってるのが9本、
    床に刺さってるのが7本で、全部で16本だった…」

ジャン「数もぴったり合ってるから、犯人は全て
    12日目の剣から持ち出したとみて間違いないだろうな」

アニ「…へえ、すごいね。現場の剣も数えてたんだ」


844 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/23(水) 21:15:07.22MIGRoYC70 (4/4)

今日はここまで


845以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 00:47:10.58r32AFMdC0 (1/1)

まだか


846以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 18:35:13.35tOLtPTRq0 (1/6)

ミカサ「だけど、気になったのはそれだけじゃない…」

ミカサ「12日目の剣は数だけじゃなく、
    切れ味が他の剣と比べて明らかに違っていた」

コニー「切れ味…?」

ミカサ「あのブレードは本来、巨人のうなじを切り落とすために
    かなり鋭利で丈夫に作られている」

ミカサ「それなのに、12日目の剣は…
    木の人形も満足に切れない“なまくら”だった」


847以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 18:45:11.69tOLtPTRq0 (2/6)





ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アルミン「…もしかして、ミカサが僕に
     『比べてみるといい』って言ったのは…」

ミカサ「そう、切れ味の違いのこと。試してみた?」

アルミン「ああ、ごめん… 時間切れで
     そこまでは確認できてないんだ」

ミカサ「そう…」




【剣の切れ味】






848以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 18:55:20.76tOLtPTRq0 (3/6)

コニー「つーか、木の人形…?
    そんなモンあったっけか?」

ジャン「訓練所の片隅にあったぞ。オレもミカサに
    ついて行くまでは気付かなかったけどな」

ジャン「さすがは1人で訓練に参加しただけあって、
    オレ達の知らない事もよく知っているらしい」

ミカサ「………………」


849以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 19:05:12.61tOLtPTRq0 (4/6)

ジャン「ああ、そうそう、訓練所といえば…
    1つ重要な手がかりを見つけたな」

アニ「…聞かせてくれる?」

ジャン「足跡だよ」

ヒストリア「足跡…? 足跡なら訓練所に
      いっぱいあったと思うけど…」

ジャン「そうじゃねえ。オレが言ってんのは
    【一番最初に付いてた足跡】だ」


850以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/01/31(木) 19:20:13.08tOLtPTRq0 (5/6)

アルミン「【一番最初に付いてた足跡】って…」




アルミン⦅僕はアニの指し示す先を見る⦆

アルミン⦅そこには、地面の穴から一筋の足跡が
     ある方向に向かって続いていた⦆




アルミン「寄宿舎の爆発現場から
     研究開発所まで伸びていた足跡のこと?」

ジャン「ああ」

アニ「確かに重要な手がかりではあると思うけど…
   あの存在はもうみんな知ってるんじゃないの?」

ジャン「だからそうじゃねえ。
    わかったんだよ。あの足跡の持ち主が」


851 ◆qbWu2o7Q.Y2019/01/31(木) 19:25:19.13tOLtPTRq0 (6/6)

今日はここまで


852以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/02(土) 17:15:11.5282Li5HZP0 (1/6)

ヒストリア「えっ…!?」

コニー「な、何だって…!?」

アニ「………………」

コニー「だ、誰なんだよ! 誰の足跡だったんだ!?」

ジャン「ベルトルトだ」

コニー「…は?」

ジャン「あの足跡はベルトルトのもんだ。
    現場にあった死体の靴と照合したから間違いねえ」


853以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/02(土) 17:25:14.6782Li5HZP0 (2/6)

コニー「な、なんだ… ベルトルトのか…」

ジャン「…は? なんで驚かねえんだよ?」

コニー「いや、だって… 当たり前じゃねえか?
    ベルトルトはあの現場で死んでたんだから…」

コニー「そこに続く足跡は
    ベルトルトのもん以外あり得ないだろ?」


854以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/02(土) 17:45:08.7582Li5HZP0 (3/6)

ジャン「コニー、お前… もうちょっと頭を使えないのか」

コニー「は…?」

ジャン「ベルトルトが研究開発所で死んでいた。
    だから、そこまでに続く足跡はベルトルトのもの…」

ジャン「その考え自体は普通だ。
    だがな、それだと説明のつかねえ事があるんだよ」

コニー「な、何言ってんだ…?
    言ってる意味がまるでわかんねえぞ…?」




アルミン(ジャンが何を言おうとしているのか…)

アルミン(わかる気がする。それは…)


855以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/02(土) 17:50:05.5582Li5HZP0 (4/6)









―  閃 き ア ナ グ ラ ム 開 始  ―










856以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/02(土) 18:00:15.2682Li5HZP0 (5/6)



  あ  あ  ん  ん  と  は  に  の  し


  あ  ん  あ  ん  の  に  は  し  と  


  あ  ん  に  ん  の  あ  し  は  と  








  は  ん  に  ん  の  あ  し  あ  と








そうか わかったぞ!










857 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/02(土) 18:05:04.3882Li5HZP0 (6/6)

今日はここまで


858以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 10:00:13.17d+S6apwc0 (1/5)

アルミン「ジャンが言いたいのって…
     犯人の足跡だよね?」

コニー「は… 犯人の…?」

アルミン「ベルトルトが研究開発所で
     殺されたのだとしたら…」

アルミン「あそこにはベルトルトと犯人…
     2人の人間がいたことになるんだ」

アルミン「それなのに、残っていた足跡は
     被害者であるベルトルトの1人分だけ…」

アルミン「確かに、これだと状況の説明がつかないよ」


859以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 11:55:43.13d+S6apwc0 (2/5)

ジャン「…ああ、その通りだ」

ジャン「本来なら、現場までの足跡は
    2人分残ってなきゃおかしいだろ?」

ジャン「そうじゃなきゃ、犯人はどうやって
    殺害現場まで行ったのかっていう問題が出てくる」

アルミン「うん… つまり、【一番最初に付いてた足跡】…」

アルミン「【僕たちが最初に発見した足跡が1人分だった】








ちょっと待ったぁ!










860以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 12:00:20.91d+S6apwc0 (3/5)

コニー「おい、お前ら… 
    やっぱりなんか変だぞ」

アルミン「えっ、変って何が…?」

コニー「なーんかさっきから引っかかってんだけどよ…」

コニー「今の発言は特に変だ! おかしいぞ!」


861以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 12:05:15.13d+S6apwc0 (4/5)









―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【2本の黒槍】
▶【足跡】
【無数の剣】
【開発品リスト】










862 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/03(日) 12:10:10.76d+S6apwc0 (5/5)

今日はここまで


863以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 13:25:02.91U+A/nEPdo (1/1)

ベルトルトなのかライナーなのかわからないけど、
どちらにしろ大柄だから足跡を綺麗に辿れば一つで済むよね


864以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/03(日) 18:28:08.98CNmbRqJR0 (1/1)

乙です


865以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/09(土) 17:10:04.73Rw29KUAM0 (1/5)

コニー「俺が引っかかってんのは…/
                 /えーっと、あれだ」

コニー「あっ、そうそう! お前らが最初に/
                     /見たっていう足跡が…」

コニー「本当に1人分/
           /だったのかって事だ!」

コニー「そもそも、俺が/
            /寄宿舎から出たときには…」

コニー「すでにたくさんの/
             /足跡があったんだぞ!」


866以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/09(土) 17:15:09.11Rw29KUAM0 (2/5)









―  発 展  ―




アルミン「もしかして、コニーは…」

アルミン「僕たちが嘘をついているって言いたいの?」










867以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/09(土) 17:25:05.20Rw29KUAM0 (3/5)

コニー「いや、その、なんつーか/
                /嘘じゃなくて…」

コニー「そう! 見間違えた/
              /可能性があるんじゃねーかって事だ!」

コニー「もし、お前らが足跡の数を/
                 /見間違えていたのなら…」

コニー「【足跡は最初から2人分あった】のかもしれないだろ?」




アルミン(いや、足跡は1人分しかなかったはずだ)

アルミン(根拠だってある。それをコニーに示してみよう)


868以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/09(土) 17:30:08.24Rw29KUAM0 (4/5)

コニー「いや、その、なんつーか/
                /嘘じゃなくて…」

コニー「そう! 見間違えた/
              /可能性があるんじゃねーかって事だ!」

コニー「もし、お前らが足跡の数を/
                 /見間違えていたのなら…」

コニー「【足跡は最初から/
             /2人分あった】








その言葉、斬らせてもらう!










869 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/09(土) 17:35:17.45Rw29KUAM0 (5/5)

今日はここまで


870以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/11(月) 13:05:06.80V0U//FUZ0 (1/5)

アルミン「いや、足跡は間違いなく
     1人分しかなかったはずだよ」

コニー「な、何でそこまで言い切れるんだ…?」

アルミン「2回確認してるからだよ。
     死体を発見する前と後でね」

ヒストリア「…後? 後って言っても…」

ヒストリア「その時はもう、みんなの足跡でぐちゃぐちゃに
      なってたと思うけど…」


871以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/11(月) 13:30:09.29V0U//FUZ0 (2/5)

アルミン「確かに、死体を発見した後に見たときは
     みんなの足跡も一緒に残されていたけど…」

アルミン「そこに足跡が何人分あったかで、
     元々の足跡については確認できるんだ」

コニー「…??」

アニ「…要するに、簡単な算数でしょ?」

アニ「足跡の総数から私たちの人数を引けば、
   元々あった足跡の数がわかる…」

アニ「アルミンが言いたいのはそういう事だよね」

アルミン「うん…」


872以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/11(月) 13:45:48.06V0U//FUZ0 (3/5)





アルミン『ミカサ、待って!』




アルミン⦅僕は建物から出ていこうとするミカサを
     慌てて呼び止めた⦆




ミカサ『?』




ミカサ「もしかして、研究開発所から出て行こうとした
    私を呼び止めたのは…」

アルミン「うん、足跡の数を確かめたかったんだ。
     みんながあの建物に集まっている状態でね」


873以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/11(月) 13:55:09.97V0U//FUZ0 (4/5)

ジャン「…それで、どうなんだ?」

ジャン「お前がその時に見たっていう足跡は
    何人分だったんだよ?」




アルミン(死体を発見した後に僕が確認した足跡…)

アルミン(その数は…)




【6人分】
▶【7人分】
【8人分】








これだ!










874 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/11(月) 14:00:07.77V0U//FUZ0 (5/5)

今日はここまで


875以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 07:45:41.83jxRcGPgF0 (1/1)

焦らすねぇ


876以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 19:00:13.15bzD5uQrr0 (1/6)

アルミン「足跡は7人分だったよ」

ヒストリア「7人分ってことは…」

ヒストリア「私たちは今6人いて、あの時は
      全員が研究開発所に集まっていたから…」

アニ「…1人分多い計算になるね」

アニ「つまり、その1人分は最初からあったって事さ」

アニ「そしてそれは、さっき言われた通り…
   ベルトルトのものだって事になる」


877以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 19:05:18.72bzD5uQrr0 (2/6)

コニー「そ、それじゃあ…  最初の足跡は
    本当に1人分しかなかったって事か?」

アニ「そういうこと。そもそも、最初の足跡は
   アルミンだけじゃなくて私やミカサも確認してるよ」

アニ「あれはどう見ても1人分だった…
   そうだよね、ミカサ」

ミカサ「…うん」


878以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 19:20:25.27bzD5uQrr0 (3/6)

アルミン「だけど、それだと問題が出てくるんだ」

ヒストリア「…さっき言ってた、犯人の足跡のこと?」

アルミン「うん、だけどそれだけじゃない」

アルミン「【あの足跡がベルトルトのものである】っていう事実が
     かなり厄介になってくるんだよ」

コニー「…? ど、どういう事だ…?」


879以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 19:30:08.10bzD5uQrr0 (4/6)









アルミン(あの足跡がベルトルトのものだと何が厄介なのか…)

アルミン(もう一度整理してみよう)










880以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/12(火) 19:40:06.78bzD5uQrr0 (5/6)









―  ロ ジ カ ル ダ イ ブ 開 始  ―










881 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/12(火) 19:45:19.15bzD5uQrr0 (6/6)

今日はここまで


882以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 08:16:33.23eI01PkMV0 (1/1)




883以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 17:25:45.62R5dq14ST0 (1/7)









QUESTION 01


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       足跡を1人分しか残さない方法として考えられるのは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




▶【足跡をたどって歩く】
【立体機動装置を使う】
【テレポートする】










884以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 17:35:23.00R5dq14ST0 (2/7)









QUESTION 02


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その方法は実現可能?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【どんな条件でも可能】
▶【ある条件を満たせば可能】
【不可能】










885以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 17:40:41.50R5dq14ST0 (3/7)









QUESTION 03


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その条件とは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【行きの足跡が帰りの足跡よりも大きいこと】
▶【行きの足跡が帰りの足跡よりも小さいこと】










886以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 17:45:34.92R5dq14ST0 (4/7)









QUESTION 04


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       帰りの足跡の持ち主としてあり得ないのは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【ミカサ・アッカーマン】
【ライナー・ブラウン】
▶【ベルトルト・フーバー】
【アニ・レオンハート】
【エレン・イェーガー】
【ジャン・キルシュタイン】
【コニー・スプリンガー】
【サシャ・ブラウス】
【クリスタ・レンズ】
【アルミン・アルレルト】
【ミーナ・カロライナ】
【ユミル】










887以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 17:50:16.05R5dq14ST0 (5/7)









QUESTION 05


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その理由は?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




▶【死体が靴を履いていたから】
【死体の靴が行方不明だから】
【死体の正体がわかっていないから】










888以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/13(水) 18:00:10.71R5dq14ST0 (6/7)









DIVE RESULT




<1> 足跡を1人分しか残さない方法として考えられるのは? 【足跡をたどって歩く】

<2> その方法は実現可能?                【ある条件を満たせば可能】

<3> その条件とは?                   【行きの足跡が帰りの足跡よりも小さいこと】

<4> 帰りの足跡の持ち主としてあり得ないのは?      【ベルトルト・フーバー】

<5> その理由は?                    【死体が靴を履いていたから】








推理は繋がった!










889 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/13(水) 18:05:12.29R5dq14ST0 (7/7)

今日はここまで


890以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/14(木) 01:59:08.26umdANPaHO (1/1)




891以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 09:35:18.31C0ffW8pE0 (1/6)

アルミン「その事を説明するために、少し話題を変えるよ」

アルミン「今回、事件現場までには1人分の足跡しか
     残っていなかったけど…」

アルミン「足跡を1人分しか残さずに現場を行き来する方法…
     実はない訳じゃないんだ」

コニー「え…!? そ、そうなのか!?」

アルミン「うん… 足跡をたどって歩けばいいんだよ」


892以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:05:04.78C0ffW8pE0 (2/6)

ヒストリア「足跡をたどって…?」

アルミン「まず、寄宿舎に潜んでいたベルトルトが
     研究開発所に向かう」

アルミン「どうしてそんな事をしたのかっていう理由は
     ここでは省くよ」

アルミン「あとはその後、犯人がその足跡に合わせるように
     研究開発所に歩いていく」

アルミン「そして、そこでベルトルトを殺した後、
     同じ足跡をたどって後ろ向きに寄宿舎に歩く…」

アルミン「そうすれば、1人分の足跡しか残さずに
     現場を行き来してベルトルトを殺すことができるんだ」


893以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:15:27.09C0ffW8pE0 (3/6)

ミカサ「…確かに、その方法なら1人分の足跡しか残らない」

アルミン「うん、だけど… この方法には穴があるんだよね」

コニー「穴? どこがダメなんだ?」

アルミン「ベルトルトの体格を思い出して欲しいんだけど…」

アルミン「かなり大柄だったよね? 靴のサイズだって、
     この中の誰よりも大きかったはずだよ」


894以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:20:11.71C0ffW8pE0 (4/6)

アルミン「犯人になったつもりでイメージしてみて」

アルミン「自分よりも大柄なベルトルトの足跡をたどった場合…
     どうなると思う?」

ヒストリア「…あっ」

アニ「………………」

ヒストリア「足跡が… 収まらない…?」


895以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/17(日) 10:25:03.26C0ffW8pE0 (5/6)

アルミン「そうなんだよ。自分よりも靴のサイズが大きい人物の
     足跡をたどろうとすると…」

アルミン「どうしても、その人物の足跡の中に
     自分の足跡が残ってしまうんだ」

アルミン「その場合、見かけ上は1人分の足跡しか
     残っていないように思えるけど…」

アルミン「よく観察してみると、そこには
     2人分の足跡があることがわかるはずなんだ」


896 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/17(日) 10:30:30.42C0ffW8pE0 (6/6)

今日はここまで


897以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 17:30:11.94D9kbGvTx0 (1/5)

ヒストリア「な、なるほど…」

アニ「…で? 実際の足跡はどうだったの、ジャン?
   確認したんでしょ?」

ジャン「綺麗に1人分だったぜ。
    足跡の中に足跡があるなんて事はなかった」

コニー「そ、それなら…
    そのトリックを使うことは無理…ってことか?」


898以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 17:40:10.24D9kbGvTx0 (2/5)

ヒストリア「…ちょっと待って。本人じゃなくても
      ベルトルトの足跡を残すことはできるんじゃない?」

コニー「…?? ど、どういう事だ?」

ヒストリア「ベルトルトの靴を履くんだよ」

ヒストリア「まず犯人は、ベルトルトの足跡を辿って
      研究開発所まで行く」

ヒストリア「この時点では、足跡が二重に付いちゃうけど…」

ヒストリア「研究開発所でベルトルトを殺した後、
      靴を奪って履いていけば…」

ヒストリア「元の足跡を綺麗に辿ることで、ベルトルトの
      足跡しか残らなくなる… これならどうかな?」


899以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 17:50:12.61D9kbGvTx0 (3/5)

アルミン「…それは無理だよ」

ヒストリア「えっ… どうして?」

アルミン「ベルトルト… あの死体が靴を履いていたからさ」

アルミン「さっきジャンが言ってたでしょ?
     『死体の靴と照合した』って」




ジャン『あの足跡はベルトルトのもんだ。
    現場にあった死体の靴と照合したから間違いねえ』






900以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 17:55:18.14D9kbGvTx0 (4/5)

ヒストリア「…!!」

ジャン「…そういう事だ」

ジャン「あの死体がちゃんと靴を履いていた以上、
    今のお前の推理は成り立たなくなる」

ジャン「厄介な部分はそこなんだよ。最初の足跡が
    ベルトルト以外の奴のものならともかく…」

ジャン「あの足跡がベルトルトのものだってわかった時点で、
    足跡のトリックが不可能になっちまうんだ」


901 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/20(水) 18:00:22.39D9kbGvTx0 (5/5)

今日はここまで


902以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/20(水) 18:35:11.749UymxQ/P0 (1/1)

乙です
長い裁判になりそうだ


903以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 17:20:06.05erXyThFdo (1/1)

一個一個潰してくのは大変だな


904以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:25:31.72nmviDv2E0 (1/3)

コニー「じゃ、じゃあ… 犯人はどうやって
    研究開発所に行ったり来たりしたんだ?」

ジャン「それがわかんねえから悩んでるんだろうが」

ミカサ「最初の足跡がベルトルトのもので、
    ベルトルトが靴を履いていたのなら…」

ミカサ「その足跡は間違いなく、ベルトルトが
    現場に向かったときに付いたものという事になる」

アルミン「…うん。そして、犯人は一切の足跡を残さずに
     現場を行き来したという事にもなるね」


905以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/21(木) 20:45:13.91nmviDv2E0 (2/3)

アニ「…そういえばあんたは、捜査の段階から
   あの足跡がベルトルトのものだって言ってたね」

アルミン「………………」

アニ「そして、こうも言ってた」




アルミン『おそらく、この事件には… 
     何かしらのトリックが使われているんだ』

アルミン『足跡を残さずに研究開発所に向かい、
     ベルトルトを殺すことのできるトリックが…』




アニ「推理だけで足跡の持ち主を見抜いたあんたでも…
   そのトリックは見抜けないの?」

アルミン「…今のところはね」


906 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/21(木) 21:00:14.32nmviDv2E0 (3/3)

今日はここまで


907以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 10:15:10.50wB2/XybL0 (1/3)

アルミン「ただ… 今回の犯行がかなり計画的なものだった事は
     間違いないと思う」

ジャン「…まあ、そりゃそうだな。こんな手の込んだ殺し方、
    とても行き当たりばったりとは思えねえ」

ジャン「ミーナの事件というよりはユミルの事件に近い…ってとこか?」

ヒストリア「………………」


908以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/24(日) 10:30:42.05wB2/XybL0 (2/3)

コニー「ユミルの事件か…」

コニー「でも、今回は“殺意がないのに殺した”パターンじゃ…
    ねえよな?」

アニ「…当たり前でしょ? 殺意がないのに
   どうやってあんな殺し方ができるの」

アニ「そもそも、その事については
   モノクマが言及してたじゃない」




モノクマ『ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!』

モノクマ『つまり、前回のブラウスさんみたいに、
     知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!』




アニ「今回の事件は『殺意を持ったクロによる犯行』…
   そういう意味では、ミーナの事件に近いんだよ」


909 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/24(日) 10:35:34.40wB2/XybL0 (3/3)

今日はここまで


910以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 02:26:11.95JeVKys540 (1/1)




911以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 17:45:04.85SM28iH/M0 (1/8)

アルミン「………………」

ミカサ「…誰の事件に近いとか、この際どうだっていい」

ミカサ「それよりも、情報共有の続きは?
    まだ全部終わっていなかったはず」

ヒストリア「…確かに、少し話が逸れちゃったね。
      どこまで行ったっけ?」

ジャン「俺とミカサの捜査報告の途中までだ。
    足跡の持ち主を突き止めたところで止まってる」

アルミン「それなら… 続きを聞かせてくれるかな?」


912以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 17:50:04.83SM28iH/M0 (2/8)

ジャン「いいぜ。と言っても、そこから別に
    大した話がある訳じゃないけどな」

アニ「それで、足跡を調べた後はどこに行ったの?」

ジャン「書庫だ。例の本を取りにな」

ヒストリア「例の本って…」


913以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 17:55:07.56SM28iH/M0 (3/8)









九つの巨人










914以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 18:00:09.70SM28iH/M0 (4/8)

ヒストリア「巨人について書かれていた、あの…?」

ジャン「他にどの本を取りに行くってんだよ」

コニー「…あれ? あの本ってアルミンが持ってなかったか?」

アルミン「あの後すぐに返しに行ったよ。
     その時、ジャンには本を返す事を言ってたんだ」


915以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 18:05:07.99SM28iH/M0 (5/8)

ジャン「今回殺されたのはベルトルト… しかも、モノクマから
    【裏切り者】のカミングアウトがあったすぐ後だ」

ジャン「だったら、犯人の動機にも大きく
    関わってくる部分だと思ってな…」

ジャン「…ほら、この通り、ここに持ってきたぜ」




【九つの巨人】






916以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 18:10:13.32SM28iH/M0 (6/8)

アニ「正直、その本に関しては
   あんたに色々と言いたい事があるけど…」

ジャン「………………」

アニ「…まあいいや。続けてくれる?」

ジャン「…書庫にはこの本を取りに行っただけで特段捜査はしてねえ。
    する必要もないと思ったからな」

ジャン「そんで、俺とミカサは色々話した後、
    倉庫に向かうことにした」

ジャン「前回の事件みたいに、何か手がかりが
    あるんじゃねえかと思ってな」


917以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/02/25(月) 18:15:30.06SM28iH/M0 (7/8)





アルミン『これからどこに行くの?』

ミカサ『倉庫。アルミンは?』

アルミン『僕たちは… 溶鉱炉に』

ミカサ『…そう』




アルミン「そういえば、捜査のときにジャン達とすれ違ったけど…
     倉庫に行くって言ってたね」

ジャン「…ああ、そういやそうだったな。ちょうどその時だ」

アニ「…それで、目ぼしいものは見つかった?」

ジャン「いや、これといっては無かったな」

ジャン「あとは例の物品管理表だが…
    まあ見てもらった方が早いだろ。これだ」


918 ◆qbWu2o7Q.Y2019/02/25(月) 18:20:11.11SM28iH/M0 (8/8)

今日はここまで


919以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 16:10:06.98E18F3dbo0 (1/3)

物品 ショベル、つるはし

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 01 11:54
返却 DAY 02 06:45  


物品 工具セット

名前 ジャン・キルシュタイン

持出 DAY 03 19:25
返却 DAY 04 00:20


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 04 00:20
返却 DAY 04 13:48


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 06 00:18
返却 DAY 06 02:48


物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却


920以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 16:20:06.24E18F3dbo0 (2/3)

物品 救命セット

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 06 11:44
返却 DAY 08 15:21   


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 07 00:16
返却 DAY 07 02:30


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 08 00:12
返却 DAY 08 02:55


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 09 00:21
返却 DAY 09 02:57


物品 詰め合わせスペシャル

名前 コニー・スプリンガー

持出 DAY 10 15:43
返却


物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却


物品 ランタン

名前 アニ・レオンハート

持出 DAY 11 19:21
返却


921 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/03(日) 16:25:08.69E18F3dbo0 (3/3)

今日はここまで


922以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 17:26:06.60Qsly1eQ+0 (1/2)




923以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/03(日) 21:53:44.46Qsly1eQ+0 (2/2)




924以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/10(日) 09:05:26.61bGVbTIqe0 (1/3)

コニー「ああ、これか…」

コニー「これ見ると、どうも…
    今までの裁判を思い出しちまうんだよな」

ジャン「…あの2つの裁判では、この管理表が
    重要な手がかりになってたからな」

ヒストリア「………………」

ジャン「今回も手掛かりになるかはわかんねえが…
    一応確認はしておこうぜ」


925以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/10(日) 09:15:07.11bGVbTIqe0 (2/3)

ミカサ「前回の裁判の後に物品を借りているのは…」




物品 詰め合わせスペシャル

名前 コニー・スプリンガー

持出 DAY 10 15:43
返却


物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却


物品 ランタン

名前 アニ・レオンハート

持出 DAY 11 19:21
返却




ミカサ「コニー、ヒストリア、アニの3人…
    誰も借りた物品を返していない」

ジャン「まずはこの3人から話を聞かせてもらおうか。
    どういう用途でこれらの物品を借りたのかをな」


926 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/10(日) 09:20:17.09bGVbTIqe0 (3/3)

今日はここまで


927以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/15(金) 17:35:07.76Xs45z3pt0 (1/4)









―  議 論 開 始  ―




【拘束トラップ】
【時限爆弾】
▶【特殊ガス発生装置】










928以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/15(金) 20:45:11.13Xs45z3pt0 (2/4)

コニー「俺がその物品を借りたのは…」

コニー「【小腹が空いたから】だ」

コニー「それと、その… なんだ」

コニー「【サシャの弔いにもなる】と思ってな」

ヒストリア「私がその物品を借りたのは…」

ヒストリア「【眠れなかったから】だよ」

ヒストリア「前の事件以来、よく寝付けなかったから…」

ヒストリア「今のところ【まだ2回しか使ってない】けどね」

アニ「私がその物品を借りたのは…」

アニ「まあ、【ヒストリアの理由と似てる】かな」

アニ「部屋を真っ暗にしてランタンを灯すと…」

アニ「【心が落ち着いてよく眠れる】んだよ」




アルミン(…ん? あの人の発言、何か気になるな…)

アルミン(僕の持っている情報と照らし合わせてみれば…)


929以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/15(金) 20:50:13.21Xs45z3pt0 (3/4)

コニー「俺がその物品を借りたのは…」

コニー「【小腹が空いたから】だ」

コニー「それと、その… なんだ」

コニー「【サシャの弔いにもなる】と思ってな」

ヒストリア「私がその物品を借りたのは…」

ヒストリア「【眠れなかったから】だよ」

ヒストリア「前の事件以来、よく寝付けなかったから…」

ヒストリア「今のところ【まだ2回しか使ってない】








それに賛成だ!










930 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/15(金) 21:15:24.44Xs45z3pt0 (4/4)

今日はここまで


931以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/16(土) 19:35:20.44l6sQs/AY0 (1/3)

アルミン「ちょっと待って!」

ヒストリア「えっ…」

アルミン「2回…? 2回しか使ってないの?」

アルミン「君はユミルの事件以来、
     寝付けなかったから睡眠薬を借りたんだよね?」

ヒストリア「…? そ、そうだけど…」


932以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/16(土) 19:45:18.90l6sQs/AY0 (2/3)

アルミン(…それはおかしい)

アルミン(物品管理表によると、ヒストリアの記述はこうだ)




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




アルミン(つまり…)




【睡眠薬を別の用途に使った】
▶【睡眠薬を使わなかった日があった】
【睡眠薬を借りたというのはウソ】








これだ!










933 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/16(土) 20:00:07.64l6sQs/AY0 (3/3)

今日はここまで


934以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/17(日) 03:35:24.29txPG+ckSO (1/1)

つまり!


935以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/17(日) 09:30:23.49K+5x9V5W0 (1/4)

アルミン「…もしかして、睡眠薬を
     使わなかった日があったんじゃない?」

ヒストリア「…!」

コニー「…ん? なんでそうなるんだ?」




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




コニー「ヒストリアが睡眠薬を借りたのは11日目だろ?」

コニー「今日は13日目だから…
    2回使ってるのが普通なんじゃねえか?」


936以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/17(日) 09:35:33.23K+5x9V5W0 (2/4)

アルミン「違うよ、コニー。
     睡眠薬が借りられた時間をよく見てみて」




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




アルミン「ヒストリアが睡眠薬を借りたのは
     11日目になったばかりの時間… つまり夜中なんだ」

アルミン「つまり、今日が13日目で、
     睡眠薬を毎日使っていたのなら…」

アルミン「合計で3回使っているはずなんだよ」


937以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/17(日) 10:00:05.31K+5x9V5W0 (3/4)

アニ「…なるほど。2回しか使っていないのなら、
   1回使わなかった日があったって事だね」

アルミン「そういう事だよ。どうかな、ヒストリア?」

ヒストリア「そ、その通りだけど…」

ジャン「ちなみにいつなんだ? その使わなかった日ってのは」

ヒストリア「昨日だよ。なんだか知らないけど、
      夕方になる前からぐっすり眠っちゃって…」


938 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/17(日) 10:15:08.40K+5x9V5W0 (4/4)

今日はここまで


939以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/25(月) 16:49:23.16PGdAE9QpO (1/1)

だれや……


940以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/25(月) 18:40:13.60V/b12k+K0 (1/3)

ミカサ「…ヒストリアも?」

ヒストリア「…えっ?」

ミカサ「私も… 昨日は昼過ぎに寝てしまった。
    気が付いたら次の日の朝だった」

ジャン「…お、おいおい、マジかよ。オレもだぜ」

ヒストリア「…!」

ジャン「オレも昨日の昼過ぎに眠気に襲われて…
    そのまま朝まで眠っちまった」


941以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/25(月) 18:50:27.77V/b12k+K0 (2/3)

コニー「な、なんだそりゃ…?
    みんなそんなに疲れちまってたのか?」

ヒストリア「私も今までそう思ってたんだけど…」

ジャン「自分1人ならともかく、他の奴らも
    同じように眠っちまったってのは… 不自然だろ」

ミカサ「他の3人はどうなの?
    アルミンとアニとコニーは?」

コニー「俺はいつも通り夜に寝たけど…」


942 ◆qbWu2o7Q.Y2019/03/25(月) 19:10:31.05V/b12k+K0 (3/3)

今日はここまで


943以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/03/26(火) 03:02:31.22Sh/24WhRO (1/1)




944以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/04(木) 22:17:39.49Bi88qXXX0 (1/1)

物体xはなんだったのか


945以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/06(土) 17:10:18.80MRR7/eUY0 (1/6)

アニ「…なるほどね」

コニー「は…? 何がなるほどなんだ?」

アニ「ヒストリアとジャンとミカサが
   同じように眠ってしまった…」

アニ「…その理由に合点がいったよ」

ヒストリア「えっ…!?」

アニ「ちなみに、私とアルミンも通常通り夜に寝たよ」

アニ「つまり… 妙な睡魔に襲われたのは、
   ヒストリア、ジャン、ミカサの3人という事になる」


946以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/06(土) 17:25:16.53MRR7/eUY0 (2/6)

ヒストリア「アニとアルミンとコニーは眠らなかったの…?」

アニ「そう。昼過ぎから夕方前なんていう
   妙な時間に眠りこけてしまったのは、あんたら3人だけ…」

ジャン「な、何なんだよ… その理由ってのは」

アニ「…アルミン、見せてあげて」


947以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/06(土) 17:30:22.95MRR7/eUY0 (3/6)

③特殊ガス発生装置


<概要>

特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。


<使い方>

(1)ガスカプセルをセットします。

(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。

(3)ガス発生のスイッチを押します。


<ガスカプセル>

 ・ 毒カプセル(紫)

   致死性の毒ガスを発生させます。

 ・ 麻痺カプセル(黄)

   身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
   効果時間は約5分間です。

 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。

 ・ 淫乱カプセル(ピンク)

   エッチな気分にさせるガスを発生させます。


948以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/06(土) 17:45:14.04MRR7/eUY0 (4/6)

ヒストリア「これって、研究開発所にあった…?」

アルミン「うん。リストの中の開発品の1つだよ」

アルミン「特殊ガス発生装置… 実はこれが、
     寄宿舎の“とある場所”で見つかってるんだよ」

コニー「は? き、寄宿舎…? なんでそんな所に…」


949以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/06(土) 18:00:08.83MRR7/eUY0 (5/6)

ミカサ「…アルミン、教えて」

ミカサ「その“とある場所”というのは… 一体どこなの?」




アルミン(特殊ガス発生装置を見つけた場所…)

アルミン(それは…)




【コニーの個室】
【大浴場】
▶【空調室】








これだ!










950 ◆qbWu2o7Q.Y2019/04/06(土) 18:10:09.96MRR7/eUY0 (6/6)

今日はここまで


951以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/07(日) 16:05:47.28KCvkMBgQ0 (1/4)

アルミン「空調室だよ」

コニー「空調室…? なんだそりゃ?」

ジャン「…そんなの寄宿舎にあったか?」

アルミン「空調室は寄宿舎に外付けされてる部屋で、
     寄宿舎内部から入る事はできないんだ」

アルミン「それに、普段は鍵がかかってるみたいだから…
     みんなが気付かなかったのも無理はないよ」


952以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/07(日) 16:25:06.33KCvkMBgQ0 (2/4)

ヒストリア「で、その… 空調室…?
      っていうのはどういう場所だったの?」

アルミン「モノクマが言うには…」




モノクマ『一言で言うなら、空気を循環させるための部屋!』

モノクマ『新鮮な空気をオマエラの部屋にお届けするための
     重要な部屋なんだよ!』




コニー「…?? どういう事だ?」

アルミン「どういう事も何も、そのままの意味だよ」

アルミン「要するに… 僕たちが個室で吸っていた空気は
     空調室から送られて来ていたんだ」


953以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/07(日) 16:40:11.52KCvkMBgQ0 (3/4)

ジャン「ちょ、ちょっと待て! そんな場所で
    特殊ガス発生装置が見つかったって事は…」

アルミン「ようやく気付いたようだね」

アルミン「そう… ジャン、ミカサ、ヒストリアの3人は、
     装置から発生したガスを個室内で吸った可能性がある」

ミカサ「…!!」

アルミン「その証拠に… あの装置には“ある色”の
     カプセルがセットされていたんだ」




アルミン(“ある色”とは…)




【紫】
▶【水色】
【ピンク】








これだ!










954 ◆qbWu2o7Q.Y2019/04/07(日) 16:45:24.35KCvkMBgQ0 (4/4)

今日はここまで


955以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/16(火) 21:14:05.09pruXkoKi0 (1/1)

乙です
今回の事件手帳に死因は書かれてないのか


956以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/21(日) 13:35:12.60/OIfY7aC0 (1/4)

アルミン「水色のカプセルだよ」

ヒストリア「水色って…」




 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。




ヒストリア「睡眠ガス…!?」

アルミン「うん。つまり、3人が同じ時間帯に
     眠りについてしまったのは偶然じゃなかったんだ」

アルミン「誰かによって【意図的に仕組まれた】








そいつはおかしいぜ!










957以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/21(日) 13:45:12.70/OIfY7aC0 (2/4)

コニー「ちょっと待てよ、アルミン…」

コニー「もしその装置が使われたってんなら…
    説明のつかない事があるぞ」

アルミン「…えっ?」

コニー「おいおい、忘れたのか?
    お前にも心当たりがあるはずだぜ」


958以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/04/21(日) 14:10:10.90/OIfY7aC0 (3/4)









―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【2本の黒槍】
【多数の剣】
【拘束トラップ】
【巨大な爆発痕】
▶【穴の中のモノクマ】
【溶鉱炉の安全対策】










959 ◆qbWu2o7Q.Y2019/04/21(日) 14:15:24.14/OIfY7aC0 (4/4)

今日はここまで


960以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/06(月) 14:40:14.543WHR+Gnx0 (1/5)

コニー「3人が部屋で眠っちまったのは/
                   /昨日の昼過ぎから夕方前だったよな?」

コニー「つまり、睡眠ガスが発生してたのは/
                     /その時間帯だったって事だろ?」

コニー「その装置から発生したガスが/
                  /俺たちの部屋に送られたって…」

コニー「だけどよ、それって/
              /変じゃねえか?」

コニー「アルミン、昨日の事を/
               /よく思い出してみろよ!」


961以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/06(月) 15:00:11.693WHR+Gnx0 (2/5)









―  発 展  ―




アルミン「昨日の事って…」

アルミン「急に大雨が降ってきたときの事?」










962以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/06(月) 15:10:25.183WHR+Gnx0 (3/5)

コニー「そうだ! お前とアニが/
                /寄宿舎に駆け込んできたとき…」

コニー「【俺はお前らにタオルを持っていった】よな?」

コニー「俺はそれまで寄宿舎の部屋で/
                  /過ごしてたけどよ…」

コニー「眠りこけちまうようなことは/
                  /なかったぞ?」

コニー「つまり、【あの時間帯にガスが出てたってのは間違い】なんじゃねえのか?」




アルミン(いや、あの時間帯にガスが発生していた事は間違いない…)

アルミン(コニーだけが眠らなかったのには理由があるんだ)


963以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/06(月) 15:15:10.893WHR+Gnx0 (4/5)

コニー「そうだ! お前とアニが/
                /寄宿舎に駆け込んできたとき…」

コニー「【俺はお前らにタオルを持っていった】よな?」

コニー「俺はそれまで寄宿舎の部屋で/
                  /過ごしてたけどよ…」

コニー「眠りこけちまうようなことは/
                  /なかったぞ?」

コニー「つまり、【あの時間帯にガスが/
                   /出てたってのは間違い】








その言葉、斬らせてもらう!










964 ◆qbWu2o7Q.Y2019/05/06(月) 15:45:13.093WHR+Gnx0 (5/5)

今日はここまで


965以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/06(月) 16:08:43.24yraopyTmO (1/1)




966以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/12(日) 09:10:17.94GMTPtBcA0 (1/3)

アルミン「いや、確かにあの時間帯にはガスが
     発生していたはずだよ」

アルミン「あの装置ではガスを発生させる時間を
     決めることができるんだけど…」

アルミン「僕は捜査のときにその時間を確認してるから…
     それは間違いないはずだよ」




アニ『…ねえ、あの装置は確か、
   ガスを発生させる時間を決めることができたよね?』

アルミン『うん。さっき調べてるときに
     ガスの設定時間も確認したけど…』

アルミン『【あの時間】には、間違いなく
     ガスが発生していたはずだよ』




ジャン「…その時間ってのは、ちょうどオレたちが
    眠っちまった時間なのか?」

アルミン「うん… 僕がガスの発生を確信したのも、
     3人が眠ったっていう時間帯と一致してたからなんだ」


967以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/12(日) 09:35:06.27GMTPtBcA0 (2/3)

コニー「け、けどよ! 俺は本当に眠らなかったんだぞ!?
    その時は確かに部屋にいたのに…」

アルミン「コニーだけが眠らなかったのには理由があるんだよ」

コニー「は…?」

アルミン「寄宿舎にあるそれぞれの個室には、空調室に通じる
     空気の出入口があるんだけど…」

アルミン「コニーの部屋だけ、空気の出入口が
     あるもので塞がれていたんだ」

ヒストリア「…あるものって?」

アルミン「モノクマだよ」


968 ◆qbWu2o7Q.Y2019/05/12(日) 10:00:07.73GMTPtBcA0 (3/3)

今日はここまで


969以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/15(水) 08:27:37.18iY1EkTuIO (1/1)




970以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/16(木) 19:05:09.51E4wTuTP20 (1/4)

ジャン「は…!?」

コニー「モ、モノクマだって…!?」

モノクマ「………………」

ミカサ「…どういう事? アルミン」

アルミン「言葉通りの意味だよ。
     空気の出入口の中にモノクマがいたんだ」


971以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/16(木) 19:15:07.85E4wTuTP20 (2/4)

アルミン「モノクマの体に邪魔されて
     空気の出入りがなくなった結果…」

アルミン「ガスが室内にまで届かなかったんだ。
     だからコニーだけが眠らなかったんだよ」

コニー「そ、そういや、何日か前から
    妙に部屋の空気が悪かったような…」

アニ「…確かに、昨日アルミンとあんたの部屋に行ったときも
   変な息苦しさを感じたね」




アニ『それにしても、この部屋…
   なんか変じゃない?』

アニ『昨日来たときにも思ったけど、
   妙に息苦しいっていうか…』






972以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/16(木) 19:20:07.09E4wTuTP20 (3/4)

ジャン「い、いや、つーかよ… なんでお前の部屋の
    空気の出入口にモノクマがいたんだ?」

コニー「そんなの俺が聞きてえよ…
    モノクマ、お前何してたんだ?」

モノクマ「………………」

コニー「…モノクマ?」

モノクマ「………………」


973 ◆qbWu2o7Q.Y2019/05/16(木) 19:25:22.34E4wTuTP20 (4/4)

今日はここまで


974以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/16(木) 20:55:33.99BA975M5g0 (1/1)

乙です
モノクマはどう答えるのか


975以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 16:00:13.397Ma45AlH0 (1/8)

コニー「…おーい?」

モノクマ「………………」

ヒストリア「…どうしたんだろう? 全然反応がないよ」

ジャン「けっ、どうせ都合が悪い事だから
    だんまり決め込んだんだろ」

アニ「………………」


976以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 16:10:15.707Ma45AlH0 (2/8)

アルミン「…モノクマへの確認は後にして議論を進めるよ」

アルミン「今までの話からわかったのは…」

アルミン「昨日の昼過ぎから夕方にかけて、寄宿舎の空調室で
     睡眠ガスが発生していた事」

アルミン「その時に部屋にいたミカサ、ジャン、ヒストリアの3人が
     ガスを吸って翌朝まで眠ってしまった事」

アルミン「コニーも一応部屋にいたけど、空気の出入口に何故か
     モノクマがいたせいでガスを吸わずに眠らなかった事…」


977以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 17:10:08.117Ma45AlH0 (3/8)

ヒストリア「ガスを発生させたのが
      誰なのかはわからないけど…」

ヒストリア「睡眠ガスを発生させたって事は、
      私たちを眠らせたかったって事だよね?」

ジャン「…当たり前だろ。他に何の目的があるってんだ」

ヒストリア「いや、そうじゃなくて…
      何のために眠らせたかったんだろうって」

ヒストリア「私たちが起きてると
      何かまずい理由でもあったのかな…?」


978以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 17:15:07.717Ma45AlH0 (4/8)

アニ「…いい視点だね」

アニ「じゃあ、その点も含めて…
   一度ここでみんなの疑問をぶつけ合ってみない?」

ミカサ「…疑問? 睡眠ガスに関する事?」

アニ「とりあえずはそうだね」

アニ「もしかしたら、それで何かがわかるかもしれないよ」


979以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 17:30:06.187Ma45AlH0 (5/8)









―  議 論 開 始  ―




【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】










980以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 18:00:20.027Ma45AlH0 (6/8)

アニ「昨日の昼から夕方にかけて睡眠ガスが発生していた…」

アニ「ここで疑問になるのは、【誰が】ガスを発生させたのか…」

アニ「【何のために】ガスを発生させたのか…」

アニ「もっと言うなら…」

アニ「【どうしてあの時間帯に】ガスを発生させたのか…」

ヒストリア「そういえば、アニとアルミンは…」

ヒストリア「ガスが発生したときに【どうして部屋にいなかったの?】」

アニ「ちょうど2人で外に出てたんだよ」

アニ「ちょっとした用があってね」




アルミン(…ん? あの人の発言…)

アルミン(何か引っかかる…)








▶【どうしてあの時間帯に】










981以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 18:05:48.347Ma45AlH0 (7/8)

アニ「昨日の昼から夕方にかけて睡眠ガスが発生していた…」

アニ「ここで疑問になるのは、【誰が】ガスを発生させたのか…」

アニ「【何のために】ガスを発生させたのか…」

アニ「もっと言うなら…」

アニ「【どうしてあの時間帯に】ガスを発生させたのか…」

ヒストリア「そういえば、アニとアルミンは…」

ヒストリア「ガスが発生したときに【どうして部屋にいなかったの?】








それは違うよ!










982 ◆qbWu2o7Q.Y2019/05/19(日) 18:15:10.947Ma45AlH0 (8/8)

今日はここまで


983以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/19(日) 23:11:57.60pzUABWRX0 (1/1)


久々に来たら結構進んでるからよみなおしてくる


984以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/20(月) 01:29:09.43OiMv08N7O (1/1)


そろそろ次スレ突入か


985以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:47:32.05+V6yDrVp0 (1/16)

≪ピーンポーン!大・正・解!オマエラの選択は間違ってなかった!【超高校級の幼馴染み】松永時雨君を殺したクロは、【超高校級のロックシンガー】渋谷沙織さんなのでしたー!満場一致で大正解…って言いたいけど、小鳥遊さんだけ不正解!渋谷さんが自白してるの聞いてるのに、何がどうして“美山君”に投票しちゃってるの?うぷぷ、まあ兎に角おめでとう!≫


986以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:48:19.49+V6yDrVp0 (2/16)

Chapter1 オシオキ編

どんなに努力をして作り上げた「栄光」も

たった一回の「過ち」で全て崩れる


砂のお城

≪ピーンポーン!大・正・解!オマエラの選択は間違ってなかった!【超高校級の幼馴染み】松永時雨君を殺したクロは、【超高校級のロックシンガー】渋谷沙織さんなのでしたー!満場一致で大正解…って言いたいけど、小鳥遊さんだけ不正解!渋谷さんが自白してるの聞いてるのに、何がどうして“美山君”に投票しちゃってるの?うぷぷ、まあ兎に角おめでとう!≫
 
「違う…こんなの、絶対に違う!違うのだよ!」
 
 
モノクマの正解発表も、梓ちゃんのか細い拒絶も、沙織ちゃんの高笑いも、全てが煩わしく感じる。裁判場の喧騒にあるのは、憐憫、侮蔑、怒りが籠もった視線。そして彼が-何時も穏やかな表情を崩さない彼が、感情を露わにした。父親である自分を「舌が重くなり、言葉に出来ない程に」敬愛していた娘・コーデリアが処刑され、己の愚かさを嘆いて死んだリア王のように…静かに、そして彼女に怒りをぶつけた。
 
 
「……答えろ、渋谷沙織」
 
「あーっはっはっはっはっは!!」
 
「渋谷沙織……お前は、どうして松永君を殺したんだ」
 
「きゃは、きゃはははは!!あーーーっはっはっははは!!!」
 
「何時までも壊れた笑い袋みたいに笑ってないで、答えろ。どうして、どうして彼を殺した?彼はただ、みんなでここから出たかっただけだ!コロシアイを望まなかった彼をどうして殺した!?」
 
「きゃはははは!!きゃはははは!!」
 
「……………………」
 
『美山君?』
 
「いい加減煩いぞ、貴様はそうやって罪から逃げるつもりか?」


987以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:49:16.82+V6yDrVp0 (3/16)

福石調ふくいし しらべ
 
 
「!!」
 
「福石…調?誰なのそいつ」
 
 
福石調-その名前を聞いた瞬間、沙織ちゃんは高笑いをピタリと止めた。その後、その名前を告げた美山君を睨んだ。憎悪に満ちた桃色と赤の瞳が、儚くも美しい桜色の髪と熟成された葡萄酒色の瞳を持った探偵助手を射抜く。
 
「はあぁっ?福石……調?美山柊ぃ!何でテメーがその名前を、そんなダッサイ名前を知ってんだよおおぉぉぉ!?」
 
『……もしかして、芸名?』
 
「ああ、渋谷沙織は芸名。本名は俺がさっき言っていた福石調。こいつは今まで、渋谷沙織という“冥界の女王”を演じていたに過ぎん」
 
「だぁかぁらぁぁ!そんなダッサイ名前が私様の名前なわけねぇだろうが!!ああ゛ん、ちょんぎるぞ!?」
 
「………そうやって、貴様は己が作った冥界の楽団・ペルセポネーのリーダー“渋谷沙織”に縋り付いているのか?親のネームバリューに相応しくあるために、自分にも他人にも厳しい女王を演じているのか?俺から言わせれば、貴様のような奴は芸能界にはごまんといる。二世タレントだの二世俳優だの、親の七光りと嘲笑われ、挙げ句の果てには芸能界から親子共々去るなんてザラだからな」
 
「煩い!パパやママは関係ない!何なんだよ、美山柊!お前もパパやママのおこぼれに肖ろうとするクソ共みたいに、私を利用するんだろ!?」
 
「な、なに…何が、起きてるの?」
 
「化けの皮が剥がれた…それだけのことだ」
 
 
化けの皮が剥がれた?まさか、あたし達が今まで見ていた渋谷沙織は偶像で……今見ている渋谷沙織-基福石調が、彼女の本当の姿なのだろうか?


988以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:50:15.68+V6yDrVp0 (4/16)

≪うぷぷぷぷ、なーんか面白い展開になって来たんじゃない!?と言うか、何で美山君は渋谷さんの本名知ってるの?あれ?あれれ、あれあれあれあれ~、もしかしてさ≫
 
 
 
 
 
渋谷さんの秘密、美山君に渡っちゃってた?
 
 
「はぁっ?」
 
沙織ちゃん…否、調ちゃんは素っ頓狂な声色で疑問を投げかけた。え?どういうこと?だって、調ちゃんの秘密を持っていたのは時雨君じゃないの?
 
「…論より証拠、だな」
 
美山君がジャケットの懐から取り出したのは、綺麗な切り口の封筒。それは動機としてバラ撒かれた「美山柊本人の」名前が書いてある封筒だった。
 
 
その中に入っていた紙の内容は……
 
 
 
“渋谷沙織とは福石調の芸名。同時に福石調自身によって作られた虚像である”
 
 
ハッキリとした文字で、書かれてあったのは…美山君の秘密ではなく、調ちゃんの秘密だった。
 
 
『そんな…なら美山君があたし達の前で言っていたのは、何だったの!?』
 
「ああ、あれか?あれはちゃんとした個人的な俺の秘密だ。俺は元々この中性的な顔にコンプレックスを持っているから、自分から先に秘密をバラした…それだけのことだ」
 
「じゃ、じゃあ…時雨君が持っていたのは、調さんの秘密じゃなくて……柊君の秘密だった?」
 
「つまりお前は、最初からターゲットを間違えていたんだよ。[ピーーー]相手を、間違えていた……と言いたいが、本当はモノクマが出した動機は“本来の動機を隠す為の単なる口実”なんじゃないのか?福石」
 
「……………………」
 
 
本来の動機を隠す為?どういう意味?どういうことなの?一体全体、何が起きているのか分からなくなっている。


989以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:51:09.69+V6yDrVp0 (5/16)

「福石調。貴様は最初から、松永時雨を狙っていたんだろ?」
 
『えっ……』
 
「お、おい!どういう意味だよ美山!福石は最初から、松永を狙っていたって!」
 
「疑問に思っていたのは、この事件の犯人が何故刻村や三十石を“狙わなかったか”だ。普通に考えて、殺人を犯すのは至極難しい。只でさえ科学捜査が進んでいる警察や法医学がある。だがここには警察や法医学に詳しい奴等はいない…尤も死体に触れる機会が多い俺や、法医学や薬学にも触れたことのある狩谷は別だが。福石、貴様はどうして」
 
『どうして非力な人間を、選ばなかったかって言いたいんでしょ?』
 
「媛子?」
 
 
もう…堪えられなかった。自分の口から聞かなきゃ、納得出来なかった。
 
 
『何で…何で時雨君なの?何で……何でなの?何で、時雨君殺したんだよ!?ふざけんな!芸名使ってるのがそんなに重要か?親の七光り?んなもん誰でも使ってんだよ!!あたしをいじめていた女子グループのリーダーもそうだった!父親が社長だからって、中小企業に寄付してるからってやりたい放題!挙げ句の果てにはあたしが弟から誕生日プレゼントとして貰ったキーホルダー奪って転売しやがった!!だけどそのご自慢の父親は、会社潰して失脚して、そのまま家族共々転落人生送ってるよ!』
 
「媛子、ちゃん……」
 
『答えろよ福石調!何で時雨君殺したんだ、何で時雨君なんだよ!?言えよ、言え!ハッキリ喋れよ、このクソビッチ!!!』
 
自分でも醜いと思った。きっと駄々を捏ねてる子供みたいに-地団駄踏んで、喚いて、形振り構わないで彼女を責めているんだ。それでも、あたしは止めなかった。もう…止めるなんて選択がなかった。
 
調ちゃんは暫し俯いてから、こう言い放った。
 
 
 
 
 
「だってあいつ、大した努力もしない癖に何時もヘラヘラしててムカついたんだもん」


990以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:51:42.11+V6yDrVp0 (6/16)

福石調の回想
 
 
私のパパとママは所謂有名人だった。
 
ママは幾つものファッション雑誌の表紙を飾るカリスマモデル、パパは有名なロックバンド・ダンピールのギタリスト。その両方の血を受け継いだのが私・福石調だった。パパとママは一人っ子の私に沢山の愛情を注いでくれた。時々イタズラやお仕事を邪魔しちゃったら怒られたけど、それでも私はパパとママが大好きだった。パパは私がギターを習いたいと言ったら、どんなに仕事で疲れていても嫌な顔しないで教えてくれた。
ママも同じ。ママみたいにお洒落になりたいと言ったら、私にファッションのコツを教えてくれた。勿論年相応の値段と風合いをちゃんと理解させてくれた。
 
だから私はクラスでも浮いてはいなかった。寧ろ人気者の立場だった。女の子からは羨ましいと言われ、男の子からは告白されるのが日常。
中学生になってクラスメートの女の子からイジワルをされても平気だった。何の努力もしない奴の「単なる嫉妬」に時間を割くのは勿体ないし、何よりもパパとママの「名前をキズモノにしたくないから」。
 
パパやママは「有名になるには、才能だけじゃ食べていけない。才能を生かすも[ピーーー]も、その人の“努力”が左右するんだ」って私に毎日言っていた。
 
 
だから私は…何の努力もしない奴、親の七光りを周りにひけらかしてる奴が大嫌いだった。そういう奴程、努力することを蔑ろにするから。だから私は人の何倍も、何十倍、何百倍、何千倍と努力した。芸能界は根も葉もない噂や過去のレッテルでクルリと掌返しを平気でする汚い世界。だからこそ嫌がらせや陰口、大物の権力なんかに負けたくなかった。
 
その為には、自分にも他人にも厳しくならなきゃいけなかった。だから私は-「渋谷沙織」という女王を作った。冥界の楽団・ペルセポネーのリーダーであり、ロックシンガーとして絶対的存在として君臨する「女王」を。福石調である時と渋谷沙織である時とをちゃんと使い分けて生きてきた。付いて行けないと離れた人を思って悲しくなったこともあった。そんな私を見捨てずに付いて来てくれた、渋谷沙織の理想を分かってくれるバンドのメンバーは掛け替えのない人。


991以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:52:54.60+V6yDrVp0 (7/16)

私は松永時雨という「存在」が大嫌いだった。最初に会ったあの時から大嫌いだった。
【超高校級の幸運】の刻村コーキも嫌いだった。だけどそれ以上に【超高校級の幼馴染み】の松永時雨が大嫌いだった。
 
はあっ?【超高校級の幼馴染み】?何それ、それって才能なの?ただ単に一緒にいただけで?澪島紅羽の隣にいただけで?はあ?何の努力もしないで、幼馴染みってだけで希望ヶ峰にスカウトされた?
 
 
 
 
 
ふっざけんなよ!!!
 
幼馴染みってだけで希望ヶ峰にスカウト!?何の努力もしないで、何の苦労もしないで、希望ヶ峰にスカウト!?そんなふざけた話あるかよ!私は何千倍と努力してここまで来たのに!たかが幼馴染みで、超高校級なんて肩書きが付いたなんて認めない!
 
だから私は-[ピーーー]なら松永時雨にすると決めた。だからそのための計画も練った。そしてあの時が来た。モノクマが動機を配布したあの時。私の秘密が入った封筒には何故かあいつの、松永時雨の秘密が入っていた。
でもこれは願ってもいなかったチャンスだ。松永時雨も自分の名前が書いてあった封筒の中身を見ていたもの。あいつの封筒には誰だか分からない秘密。その封筒の中身の人物に罪も着せられる-だから計画を実行することにした。


992以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:54:05.58+V6yDrVp0 (8/16)

脅迫状で呼び出し、あの教室に誘い込んだけど…アイツは、本当にムカつく奴だった。
 
 
教室に先に着いていたのは松永時雨の方だった。あいつは何故か澪島紅羽のコートを着てフードを被っていたけど、そんなの私の計画には関係なかった。私が殺したい相手を、ターゲットを誘き出すのには成功していたんだもの。服装が変わっているのなんて些末な問題だったから。その時私はギターケースの中身をギターから凶器や着替えに入れ替えた状態で背負っていた。夜中にギターケースを背負っていても、私の肩書きは【超高校級のロックシンガー】だもの、怪しまれることはなかった。
 
「…………………」
 
 
「あら?松永時雨じゃない。こんな場所で何してるの?」
 
 
「…………………」
 
 
「黙っていても分かりますわよ?だって貴方様は【超高校級の幼馴染み】ですものね。幼馴染みの代わりに脅迫状を受け取ったのかしら?」
 
「……あの脅迫状、やっぱりお前だったのかよ」
 
被っていたフードを下げて見えた顔は、ボトルグリーンの髪に銀鼠色の瞳のあいつの顔。私が殺したくて堪らないあいつの顔。私はほくそ笑んで松永時雨に脅迫状を返して貰った。こっそりギターケースにしまってある凶器を取り出して、隠し持ったまま話しかけた。
 
 
「貴方様の秘密、私様は知っているの。バラされたくないなら、私様の言うことを聞き入れることね」
 
「……お前だけが知ってるんだよな、俺の秘密を」
 
「ええそうよ」
 
 
そう言った時、あいつはこう言い放った。まるで女王に反逆するように。
 
 
「バラすならバラせよ。お前の好きにしろ」
 
 
はっ?
 
私は耳を疑った。何て言った?バラすなら、バラせばいい?はぁっ?何それ、何その言葉。


993以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:55:06.65+V6yDrVp0 (9/16)

「あ、貴方様。自分が何言ってるのか、分かっていらっしゃるの?私様は、貴方様の秘密を握っているのよ?だから大人しく言うことを」
 
「生憎嫌われるのは慣れっこなんだよ。お前が皆に何を言い触らそおうが、どうだっていい。俺の秘密をバラすとか言って、俺を良いように利用する魂胆だったみたいだな」
 
「っ……何よ。貴方様って人は、自分の立場を理解していらっしゃるの?あなたは弱者なの!私様に秘密を握られている弱者なの!だから」
 
「はっ。そうやって、人の秘密掴んでマウント取ったつもりか?だったら俺はお前を軽蔑するよ、渋谷。お前はそうやって、自分が上にいないと不安で仕方ないんだな…可哀想な奴」
 
「っ!!」
 
「俺は別に秘密がバレようと、一向に構わねー。それで周りの奴等が離れたことなんて何度もあったからな。でも…俺はそんなの全然気にしねーよ。所詮人付き合いってそんなものだって思うし、そういうのは俺の親を見て何度も知ってる。俺の親もいいとこの出身なんだ。だから金の無心とか、コネ目当てのお近づきも見たことあるんだよ。でもあいつは…紅羽だけは違う。俺の親とか、経済力とかじゃなくて-松永時雨を見てくれた。俺個人を認めてくれた。だから俺はこの先、何があっても紅羽の傍にいる」
 
 
嗚呼、煩い煩い。うるさい、うるさい!うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!
 
偉そうな口を、何でそんな偉そうに口答えしてられるのよ!あんたは努力もしないで、ただ澪島紅羽の傍にいただけの「凡人」の癖に!!
 
 
「この先何があろうと、俺の命は」
 
 
気付けば私は、何時の間にか
 
 
「何時だって、紅羽アイツと一緒に」
 
 
隠し持っていた、洋裁鋏の片方で
 
 
 
 
「………えっ?」
 
 
 
松永時雨の腹を刺していた


994以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:55:49.60+V6yDrVp0 (10/16)

紅羽視点
 
「後は、茉波媛子の推理通りですわ」
 
『…………………』
 
「あ、あの……媛子、さん?」
 
「お、おい!茉波!」
 
 
媛子ちゃんは無言で渋谷さん-基福石さんに近付いて
 
 
彼女の頬を思いっ切りひっぱたいた。
 
 
「な、なっ!何しますの!?痛いじゃない!謝りなさいよ、私に」
 
『何で?』
 
「ひっ!」
 
『何で謝らなきゃいけないの?悪いことしたのは調ちゃんの方じゃん。人殺しの癖に、偉そうにしないでよ』
 
「ま、茉波媛子…」
 
『ねえ、痛い?痛いよね?叩かれたら誰だって痛いの。でも……時雨君はその叩かれた何倍も、何百倍も、何千倍も痛かった!!!』
 
「ひ、ひいぃぃぃ!!」
 
 
腰が抜けて立てない福石さんは必死に逃げようとした。でも媛子ちゃんはそれを赦さんとばかりに彼女の髪を鷲掴みにして思い切り引っ張っていた。
福石さんは「痛い!痛い!」と叫ぶが、媛子ちゃんのことを誰も止めに入らない。
 
 
至極当然だ-彼女はそれ相応の報いを受けてもおかしくない罪を犯した。
 
殺人という-赦されない罪を犯した。


995以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:56:25.17+V6yDrVp0 (11/16)

『痛い?痛いよね?時雨君はもっと痛かった!!お腹に刃物突き立てられて、血が沢山出て!死にたくなくて死にたくなくて死にたくなくてたまらなかった!ふざけんなよ!!だったらお前は努力したのか!?互いが違うことなんて分かり切ってることだろ!?理解する努力も、受け入れる努力もしなかった癖に!!偉っそうに動機ベラベラ喋りやがって!!!』
 
「うう、ううううううう!!許して!許して!許して!許してくださぁい!!痛い!痛い!痛い!千切れる、お願いだから止めてえぇぇ!!」
 
『ふざけんな!ふざけんなよ!!!返して!返して!時雨君返してよおおぉぉぉぉ!!!』
 
 
キャットファイトをただ傍観していたクソクマが退屈そうに欠伸を一つ。その後呆れ気味にこう言った。
 
≪はあ~あ、キャットファイト見てるのもそろそろ飽きて来ちゃったなぁ。ねえ、そろそろアレ行ってもいいかなー?≫
 
「…アレ?何のことだよクソクマ」
 
≪クソクマじゃないっての!アレって言ったら澪島君、アレに決まってるじゃない!学級裁判で無様に負けたクロへのオ・シ・オ・キ!処刑だよ!≫


996以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:57:02.04+V6yDrVp0 (12/16)

オシオキ-その言葉を聞いた福石さんは身体を強ばらせていた。媛子ちゃんも髪を掴んでいた手を思わず離してしまった。その隙を見逃す訳がない福石さんは、媛子ちゃんを突き飛ばした。咄嗟に夕海さんが媛子ちゃんを受け止めてくれたから安心したけど、オシオキって何だろう?
 
≪うぷぷぷぷ。これをやらずに、コロシアイは語れないよ!学級裁判で負けてしまったクロには、オシオキという罰を受けてもらわないとね!≫
 
「い、嫌だ。死にたくない!死にたくない!」
 
≪はにゃ?死にたくないだって?松永君だって、本当は死にたくなかったのに…それを無碍にするのはどうなの?という訳で、今からご用意します!とっておきの、最期のファンサービスをね!≫
 
「し、死にたくない、死にたくない!ここで死ぬなんて冗談じゃない!今ここで死んだら、私は何の為にこの手を血で汚したのか分からなくなるじゃない!」
 
≪今回は【超高校級のロックシンガー】である渋谷沙織さん-基福石調さんのために≫
 
「…生きてやる!」
 
≪スペシャルな、オシオキを、用意しましたー!!≫
 
「どんなに惨めでも、無様でも、泥水を啜ろうと、腐肉を喰らおうと、あんた達にどんなに非難されようとも、私は………私は!」
 
 
 
 
 
 
 
生き残ってやる!!!


997以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:57:42.31+V6yDrVp0 (13/16)

そう叫んだ後、福石さんは裁判場から走り出した。その姿からは、ボク達が何時も見ていた「女王」の面影は全くない。目の前に居たのは-己の罪から死刑という「罰」から必死に逃げる哀れな罪人でしかなかった。
 
「生きる、生きる、生きる、生きてやる!私はこんな所で死ぬわけにはいかないんだ!!渋谷沙織の歌を待っているファンの為に、渋谷沙織の帰りを待っているメンバーの為に、何より…私に音楽と愛を注いでくれたパパとママの為に!!!」
 
≪さあ、張り切って参りましょう!オシオキターイム!!≫
 
 
 
「死んで堪るかああぁあぁあぁあぁぁ!!!」
 
ピコンと木槌でモノクマが何かのスイッチを押した音が聞こえた。軽やかな音とは裏腹に、残酷な死刑宣告の音だった。死刑囚を送る人達は、いつもこんな気持ちなのだろうか…
 
 
「あの世で時雨に謝ってよ、ヒトゴロシの女王様」
 
「逃げて…逃げてくれ……渋谷クン。逃げて…逃げて、くれ」
 
小鳥遊さんがポツリと呟いた声は、聞こえないふりをした。


998以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:58:26.29+V6yDrVp0 (14/16)

undefined


999以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:59:04.58+V6yDrVp0 (15/16)

どうして?どうしてみんな何も言わないの?どうして賛美してくれないの!?私はこんなにも努力したのに、私こそ相応しいのに!
 
 
その理由はオーディエンスの一人の悲鳴で判明した。
 
「きゃああああああ!!あの女の子の後ろに、死体があるわ!!!」
 
思わず渋谷は後ろを向いた。そこにあったのは
 
 
 
 
 
先程まで動いていた「バンドメンバーの血塗れの死体」だった。
 
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
 
オーディエンス達は口々に渋谷への非難囂々。
人殺し、死神、疫病神、鬼子、呪いの歌姫、悪魔の歌声と罵る声に堪えられず、ステージから下りようとした渋谷の足をナニカが掴んだ。
 
 
 
 
「死んじまえ、ヒトゴロシ」
 
 
白い腕がやがて渋谷の両足から首から下までを雁字搦めにしていく。藻掻けば藻掻く程絡み付いていく蟻地獄に、やがて渋谷沙織の「仮面」が剥がれていく。渋谷沙織から福石調に戻っていくのを見届けたのか、主催者であるモノクマがこう告げた。
 
≪それでは皆さん、また次回の冥府ロックフェスをお楽しみに!!≫
 
そう締めくくった後、福石の頭上に落ちてきたのは
 
 
 
 
 
 
髑髏や薔薇をモチーフにした、巨大且つ大量の銀色の十字架。福石が十字架に直撃する寸前、画面は暗転した。
 
再び映し出された映像には…落下した十字架の隙間から、赤い液体が流れていた。
 
 
 
モニターの映像はそこで終わった。


1000以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2019/05/23(木) 07:59:40.39+V6yDrVp0 (16/16)

≪イヤッホウウゥウゥゥゥ!エクストリィィーーム!アドレナリンが、迸ってクセになりますなあぁぁあぁ!≫
 
「い、いやああぁぁあぁ!!!」
 
「何、あれ…何なのよ……」
 
「う、うわあああぁぁぁぁ!!!」
 
「福石が、福石がペチャンコにされちまったああぁあぁぁ!!!」
 
「やだ!もう…もうやだあああぁぁ!!青奈、帰りたいよおぉぉ!!」
 
「渋谷クン……嘘だぁぁーーー!!!」
 
『…………………』
 
「悪趣味極まりないな…あんな風に、まるで見せしめみたいに処刑するなど、下衆の極みだ」
 
今ボク達がモニターで見せられたものは何だろうか。否、あれがオシオキというものなんだろう。「この空間で」殺人を犯した「クロ」が受ける罰であり…コロシアイに至った動機提供も、死体発見も、捜査も、学級裁判も、全てがオシオキに至るまでの「通過儀礼」でしかなかったような錯覚に陥ってしまいそうだ。