1 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 22:04:24.849OUiP4g3o (1/6)

このスレは安価で

久遠天乃は勇者である
結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である
乃木若葉は勇者である
久遠陽乃は……である?

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・バーテックスの殲滅
・伊集院家の説得

安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡(鷲尾、乃木) 友奈世代のHP最低値は基本10
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1477053722/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481292024/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1488104860/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1491918867/


2以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 22:06:59.279+h4NgKCO (1/3)

立て乙


3以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 22:15:24.02R+EP2wrdO (1/2)

立て乙


4以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 22:20:30.60gK2904SWO (1/3)

たて乙


5 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 22:28:15.089OUiP4g3o (2/6)


7月13日目 (自宅)夜 ※土曜日



降り頻る雨音の止まない、暗い夜

仄かな温かみさえ感じそうなオレンジ色の光を浴びる天乃は

光源のある天井をじっと眺めて、小さく息をつく

それを見計らったように、部屋の扉がトントンと、音を立てる

天乃「どうぞ」

夏凜「どーも」

入ってきたのは、夏凜だった

いつも見る制服だったり、簡素な部屋着ではなく

外に出るようなものではない、寝巻き

最初こそ渋ってはいたが、大赦の職員も一部常駐しているこの家では、

夏凜も中々に着崩しがたいのだ

夏凜「常駐してる大赦職員、あれ。なんとかなら無いわけ?」

天乃「私の体調が本当に問題ないってなれば、大丈夫だとは思うけど」

夏凜「まっ、あれだけ体調崩してんだから。無理も無いか」

寧ろ、ここで天乃を放置するような組織ではなかった。と

少しは安堵すべきかもしれない

夏凜「今朝もあんた、いつもの時間に起きれなかったし」

天乃「それは……」

夏凜「苦しんでるとかならたたき起こすことも考えるけど、そうじゃなかったし。純粋に疲れてんでしょ。きっと」


6 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 22:36:30.289OUiP4g3o (3/6)


不安げに眉を潜め、反論を引き出そうとした天乃に夏凜はそう告げて

困った奴だというように苦笑する

それでも、心配したし不安にもなった

だから、風に対して天乃の体調に関しての連絡をしたのだ

その安堵を感じる夏凜の表情は、優しげだった

夏凜「それで? 昨日の今日でまた寂しくなった?」

天乃「何言ってんのよ。そう言うわけじゃ……」

夏凜「冗談だっての」

向きになって反論してきそうな天乃に対して

夏凜は茶化すような笑みを携えて言うと、そっと、ベッドの端に腰を下ろす

夏凜「実を言うと、私にも連絡が来たのよ」

天乃「え?」

夏凜「風にも来たって言う久遠家に関わるのを控えろってやつ」

夏凜は勇者部内でもしっかりと連絡を取っているようで―天乃を除いてだが―端末の画面に

その連絡の件を表示させて、天乃へと差し向ける


7 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 22:55:14.139OUiP4g3o (4/6)


文面は丁寧ではあったが、命令的で簡潔

風が言っていたのと同じ理由で、接触を控えるようにと記されている連絡には、

もうすでに返事が返されていた

天乃「なんて返したの?」

夏凜「本当に穢れるなら手遅れだし、そうじゃないなら関係ないからこのままで。って、返した」

天乃「それで?」

夏凜「音沙汰無し。そもそも今日来たばっかだし。検討中ってやつじゃないの?」

自分のことではないかのような投げやりな言い方をした夏凜は、ため息をついて端末をベッド脇に置く

天乃との接触で本当に穢れるというのなら、夏凜が言うように確かにもはや時すでに遅しと言えるだろう

それに、穢れないのであれば、それもまた関係ないことなのだから意味が無い

使い勝手の良い反論。それを返した夏凜はあまり、浮かない表情を浮かべる

大赦からの連絡があるのはいつものことだ

自分からも定時連絡をしている

だが、普段の連絡してくる相手とは違う。そんな気がしたのだ

夏凜「例の沙織のやつか」

天乃「ん」

夏凜「ったく、面倒くさいっての」


8 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 23:07:16.479OUiP4g3o (5/6)


命がけで戦っているのに、プライベートなことにまで干渉してくるのが、

夏凜としては気に入らなくて

天乃の事というのが、さらに苛立ちを募らせて

まるで汚らわしいものというようなものが、余計に余計を重ねていく

夏凜「それで、あんたも少し落ち込んでるわけ?」

天乃「落ち込んでる……? ように見える?」

夏凜「なんとなく。勘みたいなもんだから」

ただの気のせいの可能性もある。と

夏凜は言って、出入り口のほうを見つめる

夏凜「…………」

会話が収束し静かになってくると、形容しがたい気まずさがあって

不快ではないその空白を埋めるように

ベッドの上の手はもぞもぞと敷布に足跡を残しながら、天乃の手に触れる

天乃「…………」

トントンッと、たずねるような軽い接触

答えるようにで小指で小指に絡みつく

夏凜「っ」

薬指が小指へと絡む。薬指が薬指と喧嘩する

天乃「……」

中指が仲裁に割って入り込んでいく

そっと握って握られて

見せまいと、顔をそむけてみる

夏は暑い。夏凜の手はちょっと熱い

なら、自分はどうなのだろうと、カーテンの隙間から見える雨に濡れた窓を見る



1、寂しいのは夏凜でしょ
2、明日ね。沙織が男の子とデートするらしいの
3、……ごめんね。多分、私はいつも通りの生活には戻れないと思う
4、沙織に襲われそうになって、私。泣いちゃったの
5、何も言わない


↓2


9以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 23:09:16.78gK2904SWO (2/3)

5


10以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 23:09:24.53R+EP2wrdO (2/2)

1


11以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 23:09:35.229+h4NgKCO (2/3)

3


12 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/23(火) 23:22:01.069OUiP4g3o (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



性の沙織と、静の夏凜


13以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 23:22:36.10gK2904SWO (3/3)


東郷さんは何の東郷なんですか


14以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/23(火) 23:31:29.909+h4NgKCO (3/3)


さおりんたちが快楽に飲まれる中
夏凜ちゃんは健全路線に向かってるな、流石イケメン


15以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 09:25:25.31K8mjatLDO (1/1)




16以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 19:59:17.34XI2Q0HV7o (1/1)

おつ


17以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 21:52:41.28pfOPWV37O (1/1)

休みだけどなにしよう
さおりん以外の親御さんに挨拶行くか?


18 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 22:15:31.53n6oyiN+oo (1/8)


では、少しだけ


19以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 22:17:52.88h7IVji6dO (1/3)

かもん


20 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 22:26:21.04n6oyiN+oo (2/8)


天乃「…………」

手に感じるぬくもりと、優しさと、力強さ。そして、努力

天乃はそれを少しだけ握り締めて、包み込む

そんな夏凜を受け入れるよ。と、言うかのように

天乃はそんな自分に小さく笑みを浮かべて

自分もでしょ。と、思いつつ、言う

天乃「寂しいのは、夏凜でしょ」

夏凜「は……? 何言ってんのよ。そんなわけないし」

天乃「じゃぁ、離す」

夏凜「勝手にしなさいよ」

天乃「じゃぁ、離して」

夏凜「…………」

重石を乗せた天秤のように、上れば下る坂のように

天乃の手から力が抜ければ、夏凜の指先には力が篭る

布団にもぐりこんだ子猫のような、少しだけモゾモゾと手を動かすと

また少しだけ、夏凜の手は力が入る

目を向けても夏凜は見ない

けれども、その耳先はほんのり赤く

微かに見える口元は、縫い合わせたように、伸びていて


21 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 22:36:54.17n6oyiN+oo (3/8)


夏凜「昨日。あんなこと言ってたくせに」

天乃「……うん」

夏凜「今日は必要ないとか、そういうの……」

夏凜の絞り出す声は小さく

でも、静まり返った夜中の部屋には良く通る

外から聞こえる不穏な雨音が、少しだけ収まってきたような

そんな気さえ、してくるようで。

夏凜「ず、ずるいんじゃないの?」

また一段と、手が握り締められて

天乃は抜いた力を少しずつ戻していく

指と指を絡めながら

指先まで余さず感じるようにと、握り締めていく

頑張っている手は少しかさついてしまっているような

傷だらけにも思える肌触り

天乃「……頑張ってるのね」

良く感じるようになったのはつい最近

でもきっと、ずっと前からそうだった夏凜の過去


22 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 22:45:54.72n6oyiN+oo (4/8)


天乃「ほんの少し、男の子のような。決して大きくない。力のあるこの手。私は好きよ」

夏凜「は、はぁっ!? あんた、さっきから、なん、何言ってんのよ」

天乃「あまえんぼ」

夏凜「んぐっ……くっ、べ、べっつに。放置したらしたで、また昨日みたいになるくせに」

天乃「そう、かもね」

昨日の自分を思い返した天乃は、

つい昨日のことなのにも拘らず、

昔のことを思い返すような、穏やかな笑みを浮かべて頷く

アレは否定のしようがない

昨日の自分は寂しがり屋だった

ちょっとおかしいとかどうとかを抜きにして、

昨日はただ、甘えたがっていた

夏凜「……手」

天乃「?」

夏凜「ケアしろとか、言わないのね。あんた」

夏凜は自分の空いた右手を見つめながら、

瞳とか風はケアしろ言うから。と、困ったように笑って、天乃へと振り向く


23 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 23:00:17.96n6oyiN+oo (5/8)


夏凜「私はそういうの疎いし。クリーム塗ればいいって言われても。そう言うのもやっぱ色々あるし」

天乃「化粧品とかも、多いのに」

夏凜「そ。まっ、つまり私はそういうのに向いてないのよ。自覚してる」

天乃「……………」

女の子には、良くあることだ

最初のうちはどれがこうでこうなってるとか、こうして使うとか

いろんなことが解らない状態で、少しずつ、覚えていく

けれど夏凜はそれとは違う

興味があるけど解らないのではなく、そもそも興味関心がわいていない

普通の男の子がファンデーションだのなんだのに興味を示さないように

夏凜もまた、それが自分に使うようなモノではないのだと、切り捨てているのだ

もちろん、それでも見よう見まねだったりで多少のケアはしているとは思うが。

夏凜「東郷の手のほうが良くない? 友奈の手、樹の手、沙織の手、風の手。その方が、良いんじゃない?」

天乃「まぁ、大きかったり小さかったり。柔らかかったり。肉質も色々で、みんな良いなって思うけど」

夏凜「でしょ?」

天乃「でも、夏凜の手だって良いわ。過去を感じる。努力してるんだな。頑張ってるなってわかるから」

夏凜「…………」

天乃「手が少し荒れていたって。私はそれを否定しないわ。自分を思うその心で、誰かを思っているって事だから」


24 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 23:05:24.58n6oyiN+oo (6/8)



夏凜「……そっ」

興味が無い時の相槌のように呟いて、

けれど、握り返してくる天乃の手を強く握り返して、隠れた笑みを浮かべる

嬉しいけれど、照れくさい

そんな愛らしさのある笑顔で、出入り口の扉を見つめて、息をつく

夏凜「あんたがそう言うなら。一石二鳥ってやつなんでしょうね」

天乃「嬉しい?」

夏凜「馬鹿なこと聞くと離すわよ」

天乃「どうぞ?」

夏凜の意地悪な言葉に天乃は笑みを浮かべて

力が抜けていく夏凜の手が―冗談で―離れようとした瞬間

天乃の手からも力は抜けて。

夏凜「じゃぁ、離――ってぇ、本当に離すなっ!」

天乃「あら、離して良いって言ったし?」

夏凜「このっ」

振り向き、ちょっとばかり怒った様子を見せた夏凜に対して、

天乃は中途半端に持ちあがった夏凜の手を掴んで引く

天乃「ふふっ、嘘よ」

夏凜「っ」

ベッド端ということもあって、前のめりだったからか、

手を引かれた夏凜はそのまま抵抗しきれずにバランスを崩して、

天乃の頭のすぐ後ろ、ベッド付属の小さな棚に手を突く



25 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 23:11:52.78n6oyiN+oo (7/8)


天乃「っ!」

怒りを物に当たったかのような音は静かな部屋では騒音で、暴力で

意図せず起きたそれが耳元で聞こえた天乃は思わず、体を震わせる

天乃「怒った?」

夏凜「怒ったっていうか……っ」

目の前だった。キスさえ出来そうな、距離だった

しようと思ってするのは恥ずかしさがある

けれど、偶然にもそうなってしまった。という中途半端な今の状況は

もっと、羞恥心を刺激して

真っ赤になった夏凜は目を逸らして「なにすんのよ」と、ぼやいて

その反応が距離ゆえだと、キスできるのだと

そう気づいた天乃もまた、目を見開いて、頬を染める

淫らな理由がなければ、キスするという行為に恥じらいは無い

しかし、今は淫らな理由も無いのに、なぜか、恥ずかしかった

天乃「…………」

ドキドキと、早鐘をうつ自分の胸に手を宛がった天乃は、夏凜へと目を向けて

夏凜「て、手、離しなさいよ……」

懇願するように、夏凜は言う



1、しないの?
2、しても良いじゃない
3、何も言わずにする
4、手を離す
5、……意気地なし

↓2


26以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 23:15:17.52TWfPXnTb0 (1/1)

1


27以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 23:15:39.13h7IVji6dO (2/3)

2


28 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/24(水) 23:28:14.20n6oyiN+oo (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「してもいいじゃない」

東郷「そうよ夏凜ちゃん!」

東郷「ここはぐーっと!」

園子「いやいや、天さんが求めて来てるんだから」

園子「ここはあえて身を引くべきだよ~天さんが積極的に来てくれるはずだからね~」

東郷「なるほど、その手が……」

夏凜「何なのよ、あんた達」


29以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 23:29:21.13I4EWMlE0O (1/1)


久遠さんは甘えん坊なところあるからここでリードすればポイント高いぞ!


30以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/24(水) 23:34:10.23h7IVji6dO (3/3)


さおりんの時とはまた違ったドキドキ感があるな
あと久遠さんが優勢なのってかなり珍しいかも


31以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/25(木) 10:12:30.06pRTLjjajO (1/1)




32以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/25(木) 20:19:41.57khOAgv2LO (1/1)

ここぞとばかりに攻めに逆転する久遠さんかわいい


33 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 22:27:03.15f++DrDyho (1/11)


では、少しだけ


34以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/25(木) 22:33:11.22n00nqXOoO (1/1)

あいよ


35 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 22:43:14.90f++DrDyho (2/11)


他のみんなは、積極的で

夏凜も時々積極的ではあるけれど

今は、消極的で、そんな姿は好ましく思う反面

どこか物足りないような、そんな、気がして

天乃は唇を引き締める

覗き見るようにゆったりとした動きで、見上げた夏凜の表情は

いつも纏う勇者装束のように赤く、

顔は背けているのに、瞳だけはチラチラと向けられて

天乃「……しても、良いじゃない」

声を絞り出して、夏凜の手を掴む手に力を込める

逃げないでよ。と、言うように

夏凜「っ」

天乃「嫌じゃないから」

夏凜「…………」

夏凜は驚いたように目を見開いて、

唇をきゅっと、引き締める

その目はまっすぐ天乃を見つめていた


36 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 22:48:53.91f++DrDyho (3/11)


夏凜「…………」

ああもう、なんで。と

夏凜は心の中でうなり声をあげて、心の中の自分が隅っこに駆け込んで膝を抱え込む

嫌じゃない。好きだ

キスはしたい。でも、一つ手にしたら二つ目が欲しくなるような

夏場にアイスを食べるとあるだけ食べたくなってしまうな

そんな自制心が酷使される予感がして、夏凜は躊躇う

夏凜「その、例えば。なんだけど……」

天乃「……なに」

夏凜「キ、キスしたとするでしょ?」

天乃「うん」

夏凜「万が一その先にまで行きたくなって、こう、なんていうか、ガバッってやっても怒らない?」

天乃「えー」

おどおどととした夏凜の言葉に、

天乃は場の雰囲気を壊してしまうような、気の抜けた声を漏らして、夏凜の手を握る

痛い。といわせかねない、ちょっとばかり爪を立てて。

天乃「それは、聞くことなの?」

夏凜「んなこと言われたって」

天乃「責任、取る気が無いの?」

夏凜「い、いや。男女のアレ的な間違いは無いし……」


37 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 22:59:50.05f++DrDyho (4/11)


現代ではそうそう起こらないことだが、

インターネット上では、そういった間違いが起きてしまったという話を調べさえすれば見ることができる

天乃抜きで勇者部で集まった際に

男女間ならともかく、女性同士であればそう言った責任問題は起こらないので

比較的行為を行いやすいと、東郷には言われた

しかし、今日まで数えられるくらいの行為は行ったし

他の誰かが行為を行ったというのも、話には聞いていて

天乃が性的なことに関しては幼く弱い。というのが、勇者部内での共通認識になってきている

そのため、どうしても、手を出しにくいのだ

夏凜「襲ったら泣くでしょ。あんた」

天乃「それは……」

泣くかもしれない

現に、沙織の勢いに気圧されて泣いたばかりで

天乃は否定できずに言葉に詰まると

思わず、夏凜から目を逸らして

天乃「多分、泣く……」

夏凜「なら」

天乃「でもっ」

夏凜「っ!」

それならばと引こうとした夏凜の手をより強く握って、止める

つめが食い込んだ感触があって、すぐに「ごめんね」と、手を離す


38 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:07:49.04f++DrDyho (5/11)


天乃「でも、夏凜は自分を抑える自信、無いの?」

夏凜「あったらこんなこと聞かないっての。いや、天乃を傷つけたくないとは思うし、そうしたいけど」

何か物理的に傷つけるようなことは何か起きない限りは絶対にない

そう言う自信はあるのだが、こういったことに関しては

夏凜もあまり自信を持てるとはいえなかった

好きだからこそ自制できるように

好きだからこそ暴走してしまうこともあるのだから

夏凜「もちろん、万が一だから。大丈夫だとは思うけど、天乃はこういうの弱いし」

天乃「じゃぁ、もっとえっちになれば良い?」

夏凜「ん――は、はぁっ!? ならなくて良いわよっ!」

意表を突かれたか凜は素っ頓狂な怒鳴り声を上げる

天乃「そう? 東郷達にもその方が良いと思うんだけど……」

夏凜「良いっつってんでしょうが」

天乃は冗談ではなく本気で言っていて

だからこそ、夏凜は困ったようにため息をつく

夏凜「今まで通りで良いっての。えっちなあんたはなんか、その……色々支障が出そうだから」

天乃「夏凜がそう言うなら」


39 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:14:13.35f++DrDyho (6/11)


そんな大げさになることなのかと疑問符を浮かべる天乃の傍ら、

夏凜は危機を脱して緊張を解くかのように体の力を抜いて、安堵すると

ちょっと興味はあるけど。と小さく呟く

随時その状態は心と体に悪すぎるのだが、好奇心的にはちょっと興味があったのだ

天乃「でも、そっか。夏凜でも我慢できないんだ」

夏凜「そりゃ、ほら……アレよ。今日は、鍛錬らしい鍛錬できなかったし」

昼頃からは大雨で、いつも行っていた砂浜での鍛錬は当然中止

もてあました時間は腹筋や腕立てなどの基礎鍛錬に留めて、読書に耽った

そのせいで発散できなかったからだ

そう考え、言ってしまってから何か嫌な予感がすると察したのだが

やはりそれはもう遅くて

茶化すように笑う天乃が、見えた

天乃「夏凜にとって鍛錬はえっちなのね」

夏凜「止めろっ」

天乃「えっちな子」

夏凜「悪かったわよ! 嘘よ嘘!」

もちろん、一部は鍛錬できなかったからというのもあるが

やっぱり、夏凜も天乃を好きな人の一人で

笑顔を見れれば満足だとは言っても、触れ合うことを求めずにはいられない

そして、それが何の偽りもなく、まっすぐに受け止めてもらえるのだとしたら

歯止めを利かせるのは、とても難しいことなのだ


40 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:19:32.90f++DrDyho (7/11)


夏凜「恋人なんだから少しはしたいって思うに決まってるじゃない」

そりゃ、笑顔が見たいって思ってるわけで、それが好きなわけで

だから無くても満足できるって言うのは嘘でもなんでもない

けど、昨日だって結局触れ合ったように

出来るのならしたいって言うのが本音の本音

夏凜「それを、しても良いって誘われて、そりゃ、私だって。あんたのこと、だから……そんなのっ」

自分でも笑ってしまいそうなくらいに、乱雑な言葉

しゃっくりでもしてた方がまだましなんじゃないかと思うけど

それももちろん、場に相応しくないもので

燃え上がるように滾っていた何かは祭りの後の静けさのような

卒業式の後、誰もいなくなってしまった教室のような

何かを言いたいのに、なんとも言えない。そんな複雑な塊に変質していく

夏凜「あぁ、もう……良いや」

天乃「夏――っ」

掴まれていた手をそのまま引き戻して天乃を引き、

抵抗なく浮き上がったその体、驚きに無防備なその唇に重ね合わせていく

呆然として力の無い唇はキスを仕様として合わせた唇よりも柔らかく感じた

不思議と、甘く感じた。意外と、厚く感じた



41 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:27:24.13f++DrDyho (8/11)


体が震える。ドキドキと

それはまるで頭の中だけで聞こえる思い出のような空想感

けれども、じわりと広がっていく胸の置くの熱過ぎる痛みが現実であると、叫ぶ

どこかの小説で言っていた

鼓動は心の叫びだと。

天乃「んっ……っ、か、りん?」

蕩けたような、甘い、紅潮した恋人の声が情欲を刺激する

自分の―自分は気にしないが―物足りない胸元に触れる満ち足りた感触が

食欲にも似たなにかを刺激する

夏凜「もう一回……よこしなさいよ」

だから、もう一度キスをする

いや、キスで収束させていく

触れ合わせるだけでなく、重ね合わせ、擦り込むだけでなく

パックジュースの底に残った数的を飲み干すような、そんな荒々しさで

唇を吸い上げる

柔らかい感触だった。少しだけ固い感触だった

歯磨き粉のさっぱりとした現実感の中

デザートを口にしたのとは違う、幻想的な甘さを感じた


42 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:32:21.44f++DrDyho (9/11)

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(久遠家への干渉、風はどうする?、伊集院家について)
・   犬吠埼樹:交流有(久遠家への干渉、樹はどうする?、伊集院家について)
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(寂しいのは夏凜でしょ? しても良いんだよ)
・   乃木若葉:交流有(伊集院家について、乃木家への必要以上の干渉)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(デート一緒に)
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()



7月13日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 62(とても高い)
  犬吠埼樹との絆 52(とても高い)
  結城友奈との絆 68(かなり高い)
  東郷美森との絆 54(高い)
  三好夏凜との絆 89(かなり高い)
  乃木若葉との絆 47(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 25(中々良い)
  藤森水都との絆 16(中々良い)
   郡千景との絆 15(中々良い)
     沙織との絆 73(かなり高い)
     九尾との絆 48(少し高い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


43 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:45:11.85f++DrDyho (10/11)


√ 7月14日目 朝(自宅) ※日曜日

01~10 球子
11~20 夏凜
21~30 
31~40 
41~50 沙織
51~60 
61~70 
71~80 千景
81~90 
91~00 九尾

↓1のコンマ  


44以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/25(木) 23:45:29.02IhUC1YIsO (1/2)




45 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/25(木) 23:52:52.53f++DrDyho (11/11)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から




東郷「ほら、そのっち! やっぱり久遠先輩は受けよ!」

園子「ん~攻めもいけると思うんよ~」

東郷「そうね……久遠先輩の攻め。どうすれば引き出せるか研究が必要ね。早速ググるわ!」


須美「……ああはなりたくないものね」

銀「あれ、須美だぞ」

須美「!?」


46以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/25(木) 23:53:39.55IhUC1YIsO (2/2)


まさかの分身


47以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 00:02:47.83BmgfQaSt0 (1/2)


あ~あ出会っちまったか


48以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 00:04:45.67SdXsNRpKO (1/1)


須美の状態でも久遠さんに惚れたらあっさり変態化しそう


49以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 07:41:18.67tmXwdsfHO (1/1)




50以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 09:00:11.46MN2Uj3F9O (1/1)

さおりんの時とは全く違う
同じキスでも夏凜とのキスの内面描写は特殊だな
歯磨き粉の現実感の中の幻想的な甘さを感じたってところ好き


51以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 09:17:58.048aSxqYBNo (1/1)

贅沢だとは思うけど、本で紙で読みたい
それくらい完成されてると思う



52以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 14:48:18.57aizFLYcPo (1/1)

モチベーションの為に久遠さん固定にしただけはあるな
煽り抜きで中々出来ないと思う


53 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 21:50:34.87zJI/2wIYo (1/9)


では、少しだけ


54 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 21:59:12.89zJI/2wIYo (2/9)


7月14日目 (自宅)朝 ※日曜日


球子「千景をなんとかしてくれぇーっ!」

珍しく朝一番に接触してきた球子は会うや否や、そんな悲鳴を上げた

球子曰く、千景も努力はしているらしいが

どうしても、敬語を使ってしまう場面が多く、

球子ならまだしも、球子さん。と呼ばれることがむず痒くて堪らないらしい

なら土居さんにしたら良いのではと思うのだが、

それはそれで他と違って他人っぽくて好かないというのだから、我侭だ

天乃「千景だってわざとではないんでしょう?」

球子「そうだけど」

天乃「だったら、我慢しなさい」

球子「我慢してはいるんだ。いるんだが。こう、ぞわぞわ~って!」

体を大きく震わせて

その感覚を表現してみせると、がっくりと肩を落とす

そうとう、落ち着かないようだ


55以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 22:04:05.37krThjwNIO (1/3)

敬語モードまだ続いてたのねw


56 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:12:05.49zJI/2wIYo (3/9)


球子「例えばだぞ、例えば」

天乃「うん」

球子「夏凜が天乃さん。おはよう御座います。ってきたらどうだ」

朝起きたら、目の前に夏凜がいて

両手を膝前で交差させ、丁寧にお辞儀をして言うのだ

おはよう御座います、天乃さん。と

そんな姿を想像した天乃は、困ったように頬を赤くして、目を伏せる

天乃「……悪くないかも」

球子「このお惚気ぇっ!」

天乃「ごめんなさい、つい」

気色悪いとは思わないし、寧ろそれはそれで見てみたいなと思う天乃だが

違和感を覚えるかどうかといえば、それは明確な違和感がある

とはいえ、球子が言うような感覚がわかるのかどうかといえば、

それもまた微妙なところで……

天乃「そうだわ。大赦が総じて友好的だと思えば、同じかもしれない」

球子「どんだけ嫌いなんだ……」


57 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:19:15.59zJI/2wIYo (4/9)


明るい声で大赦について話す天乃に

球子は呆れ混じりの目を向けて、息をつく

球子「千景はまだ少しぎこちないんだ」

天乃「馴染めてないの?」

球子「いや、若葉も歌野も積極的だし、千景自身も馴染もうとしてくれてるみたいなんだ」

それでも、と、球子は表情に影を落として

何かを否定するように首を横に振る

そして……

球子「どこか、不安そうなんだ。そんな顔をするたびに、若葉は大丈夫だって声をかけるんだけど」

天乃「……球子は、そこに疎外感を感じてるってこと?」

球子「いや、そういうわけじゃ……いや、どうだろうな。それもあるかもしれない」

だから、余計に他人行儀になってしまう【土居さん】という言葉が、好めないのかもしれない

球子「九尾が教えてくれたのは、世界は命乞いに終わった。というくらいで、タマ達が残したみんなのその後は話してくれなかった」

天乃「……………」

球子「だからきっと、タマの知らない何か、悪いことがあったんだと思う」

球子はいつもの快活な様子からは想像できない

暗い表情で、思い雰囲気を身に纏う

千景を善き友人だと思っている。球子の記憶は、そこで止まったままなのだ


58 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:33:40.73zJI/2wIYo (5/9)


天乃「球子は、知りたいと思う?」

球子「思う。けど、二人が言わないなら。それで良い」

球子は少し切なげで

けれど、どこか満足感を感じる笑みを浮かべながら言う

棚しそうなことなら、積極的に関わろう

でも、それが嫌なことなら、悲しいことなら

落ち込むようなことなのなら、

下手に触るつもりは無いと、球子は呟く

誰も知らないのなら、それは触れるべきかもしれないが

知り合っている誰かがいるのなら、独りで思い悩むことはないはずだから

そんな様子に天乃は笑みを浮かべて

くすりと小さな息遣いに気づいた球子が、恥ずかしげに目を向けた

球子「変、か?」

天乃「ううん、そんなことないわ」

球子「そっか。なら良い」


59 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:39:50.88zJI/2wIYo (6/9)


球子「でも千景の敬語はほんと、なんとか頼むぞ。せめて、球子さんだけでもっ」

天乃「千景本人にお願いしてみたら?」

球子「すみませんっ、球子さ……あっ、た、球子……さん。ってなるんだ!」

しかも申し訳なさそうに、

恥じらいながら言うものだから、球子も強く言い切れないし中々、進展しないのだ

だから慣れようかと考えて入るらしいが、

それもまだまだ難しく、だから。出来るのなら何とかしてほしい。ということらしい

天乃「解ったわ。でも、それとなく言うだけよ? 一応、私はマスターだから」

球子「ん、その辺りは任せる」

そう言った球子は、少し考えるような素振りを見せて、

そー言えば。と、思い出したように言う

視線がどこかへと消えているので

思い出したというよりは、それも本題の一部だったのだろう

球子「そういえばなんだけど。若葉は、どうなんだ?」

天乃「どう。って?」

球子「いや、だからさ。ほら、若葉も結構天乃の子と気に入ってるって言うか。親しそうっていうか」

天乃「ああ……」


60 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:45:01.58zJI/2wIYo (7/9)


何が言いたいのか、それを察した天乃は小さく声を漏らして

悪戯っぽく、どこか、怪しい。魔女のような笑みを浮かべる

天乃「若葉はそういうのとは違うわよ」

球子「え?」

天乃「若葉にそういう気はなさそうって言ったの。若葉は今のところ相談役というか、親しい友人ね」

球子「………………」

天乃の落ち着いた言葉に、球子はしばらく呆然として、

どうかしたのかと天乃が首を傾げると

球子は「なんでもない」と呟き、目を逸らす

球子「……雑食かと」

天乃「待って球子、今なんて言ったのよ」

球子「へっ? え? あーいや、親しくなれば誰でも娶るって、九尾が」

天乃「……へぇ?」

笑みながら、恐怖しか感じない天乃の表情に

球子はじりじりと身を引いていく

九尾がそんな感じのことを言っていたのは嘘ではないから

球子にはそこまで危険は無いはずなのだが

逆なでする悪寒を背筋に感じて、思わず震えた


61 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 22:46:12.07zJI/2wIYo (8/9)


球子「で、でもさ」

天乃「?」

球子「ほら、昨日……若葉は天乃のために無茶しようとしてただろ?」

天乃「あれは……聞いてたのね」

球子「聞こえちゃうんだって」

怒られると思った球子の弁解に、「怒らないわよ」と、残念そうに呟く

精霊は傍にいる。姿は見えていなくても話は聞こえてくるし、見えてしまうため、

どうしても、知ってしまうのだ

もちろん、特別なことがある場合は、ちゃんと離れるようにしているが。

球子「若葉がああやって、一直線? になるのって、やっぱ天乃の事が大切だからだと思う」

天乃「そんなに縁結びがしたいの?」

球子「いや、そう言うわけじゃないぞ。ただ、なんだ、時々、若葉も寂しそうな。そんなさ、この前の墓参りの件もあるし」

要領の掴みにくい、ふわふわとした語りをする

杏ならばもっと上手く言葉を紡げるのかもしれないが

球子には、その感覚的な部分を伝えるのは難しいのだろう

天乃「……そうね」

けれども、天乃は球子の言いたいことを理解して、頷く



1、話だけは、してみるわ
2、でも、私で平気なのかしら
3、球子。貴女は何も出来ないの?
4、若葉とえっちなことするのも楽しそうね……なんて。こういうのが、売女といわれるんでしょうね


↓2


62以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 22:46:50.78AN4kTRQEO (1/1)

2


63以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 22:47:11.54krThjwNIO (2/3)

4


64 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/26(金) 23:05:31.09zJI/2wIYo (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「夏凜と話してて、エッチな子になるべきかなって思って」

東郷「任せてください!」

園子「お任せあれ~」

須美「貴女達には任せておけません!」

須美「先輩は私が責任を持って預かります!」


65以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 23:08:07.61WdSzQCE4O (1/1)


須美「やっぱりえっちには勝てなかったよ…」


66以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 23:13:43.75krThjwNIO (3/3)


それが健全だった須美の最後の姿でした…

冗談はさておき後で若葉に心のケアというか話をしておいた方がいいかもな


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/26(金) 23:35:56.65BmgfQaSt0 (2/2)


タマっち先輩!どうかまだ大ごとになっていない今のうちに天さんの間違った「売女」の知識を訂正してあげて!


68以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 08:07:53.87F6TxwRfMO (1/1)

タマっち先輩も知らないんじゃ…被害拡大しそう


69以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 09:42:25.56Kc9MD8kLO (1/1)




70以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 12:40:31.14CdfT6SJdo (1/1)

鍛練記録3話目出てるけど安価無しならもしかして投下量凄まじいのか…?

うたのんすげぇけど晴海さんもヤバい
樹×歌野とかいう夢のような繋がり


71 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 22:27:39.53UWxe1QH8o (1/8)


では、少しだけ


72 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 22:40:50.11UWxe1QH8o (2/8)


天乃「ん~」

悩ましそうに天乃は唸る

球子が頼ってきているということも

若葉が少し、思い悩んでいたりするということも解ってはいる

だが、果たして所詮未来人であり

現世へと呼び戻した張本人である自分が、

過去の人間の過去の人がいないという寂しさの埋め合わせを出来るのか……

天乃「若葉とえっちなことするのも楽しそうね……」

球子「へっ?」

素っ頓狂な声が球子から零れ落ちる

唐突な言葉には流石に、唖然として

天乃はそんな球子に目もくれず真剣に悩んで紡いだかのような表情と雰囲気を携えながら

ふと、小さく息をついて一転、苦笑を浮かべる

天乃「なんて。こういうのが、売女といわれるんでしょうね」

球子「な、なんだ。冗談……か?」

天乃「私としては若葉がそれを望むのなら受け入れてあげるんだけどね。若葉は若葉で、夏凜とは違う体つきだろうから、ちょっと興味はあるし」

とは言うが。

もちろん、淫らな意味など、天乃はまったくもって含んではおらず、

ただ純粋に恋人として受け入れるというだけで、

日々鍛錬に明け暮れる夏凜と、鍛錬と戦いに明け暮れていた過去を持ち、今もまた鍛錬の日々を送る若葉

その体つきの違いが、同じく鍛錬をしてきた天乃としては、興味があるというだけで。

球子「そ、そうかぁ……」

そんな内面が球子に伝わるわけもなく。


73 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 22:52:29.67UWxe1QH8o (3/8)


球子「そういえば、前に九尾から売女って言われてたもんな」

天乃「ええ」

球子「売女って、なんかアルバイターみたいだし。バイター天乃。なんて言えば戦隊物っぽい」

売女の使い方は間違っているのだが、球子がそんなことを知るわけもなく、

売女という言葉を使っていろんな言葉を作り、天乃の名前と繋げては

こんな名乗りが有りそう。などと考えて。

楽しげに話す球子を見て天乃も「そうね」と、笑みを見せる

天乃「名乗っちゃう?」

球子「夏凜なんかは何言っての? とか、呆れそうだけど、友奈とかなら乗ってくれるんじゃないか?」

話は売女からバイターへと変わり、そして戦隊物の話へと切り替わって

まだ銀がいた頃、銀の弟とのそんな遊びに加わっていたことを思い出した天乃は

懐かしげに、笑う

天乃「そうね、友奈は。そう……格好良いですっ。とか、喜びそうな感じがあるわ」

決して男の子の趣味に染まっているというわけではないが

そういった正義味溢れるものが、友奈は好きなのだ

あどけなく、男の子と女の子。どちらの判別にも属さないような

そんなまだ小さな子供のようだと、天乃は思う

それがまた、男視点ではなく女視点でも感じる友奈の魅力、愛らしさだと。


74以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 22:56:13.07+oFAkqSLO (1/3)

純粋だなぁ…


75 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 23:02:30.53UWxe1QH8o (4/8)


球子「あっ」

そこでふと、球子が思い出したように声を上げる

九尾が天乃を売女だと言ったときに、すぐ傍にいたわけではないが、

近くにいた悪五郎が「あの女狐め」と、不快そうにしていたのだ

その理由は聞いても答えてくれなかったし、お前には関係ないと突っ撥ねられたから

忘れかけていたのだが……

球子「そういえば、五郎君が売女って言葉に対して不機嫌になってたぞ」

天乃「五郎君が?」

球子「あの女狐めってなんか、凄く」

良くわかんないし教えてくれなかったけどなーっと

球子は困ったように言って、笑う

球子「まぁ、そんな気にしなくて良いと思うぞ」

天乃「ん~……」

九尾が教えたことで、悪五郎が不快になる

そこから導き出される答えは、絶対に九尾の言葉に問題がある

そんな、不思議な確信を持って、天乃は首を横に振る

とりあえず、売女という言葉はやめておこう。と球子に告げて。


76 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 23:19:47.57UWxe1QH8o (5/8)


天乃「若葉には機会があったら、話してみるわ」

球子「ごめんな、本当ならタマが何か言ってやるべきだと思うんだけど」

天乃「ううん、気にしないで」

何かを言ってあげたい、してあげたい

それを考えて、自分では……そう考えてのお願いなのだから

それに対する謝罪なんて必要は無いし、されても受け入れるつもりも無かった

天乃「若葉のご主人様だものっ」

球子「エッチな意味でか?」

天乃「あら、どうかしらね~」

ふふふふっと、どこか怪しい笑みを浮かべた天乃に

球子は「冗談だよな……」と、不安そうに呟く

嘘か真かわかりやすいものだが、

天乃に関しては一妻多妻ゆえか

不思議と真に迫って聞こえてしまうからだ

天乃「ご想像にお任せしますっ」

茶化すような天乃の声はとても明るく、愉しげだった


77 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 23:22:11.87UWxe1QH8o (6/8)


√7月14日目 (自宅)昼 ※日曜日


01~10  夏凜
11~20 
21~30 九尾
31~40 
41~50 若葉
51~60 
61~70 悪五郎
71~80 
81~90  大赦
91~00 

↓1のコンマ 


78以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 23:22:26.39rzRgXbOXO (1/1)




79 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 23:30:54.68UWxe1QH8o (7/8)


√7月14日目 (自宅)昼 ※日曜日

1、九尾
2、千景
3、若葉
4、悪五郎
5、歌野
6、水都
7、夏凜
8、沙織を追う
9、勇者部 ※再安価
0、イベント判定

↓2



80以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 23:32:14.21neP/VrvOO (1/1)

8


81以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 23:32:39.50+oFAkqSLO (2/3)

8


82 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/27(土) 23:43:35.93UWxe1QH8o (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば昼頃から

そろそろスタンバイ



沙織(隠れられてると思ってる久遠さん)

沙織(ほんとかわいい)

沙織(……………)

沙織(男の子なんてもうどうでも良いから、今すぐ振り返って押し倒してみたい)

沙織「あっ、こっちの路地裏が近道らしいよ」

沙織(さて。男の子は……邪魔だから消そう)


83以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 23:47:03.89+oFAkqSLO (3/3)


穢れが原因なのかさおりんが危ない人になってきた…?


84以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/27(土) 23:57:28.94UaqY1EjfO (1/1)


ヤンデレさおりん降臨


85以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 12:38:21.09FFtp3luEO (1/3)




86 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 12:39:28.46oecoXWSao (1/29)


では、少しだけ


87 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 13:09:31.71oecoXWSao (2/29)


√7月14日目 (自宅)昼 ※日曜日


シャツ部分はピンク色で、スカート部分が白色のレイヤードデザインのワンピース

そんな、普段着とは違っていて、女子中学生にしては少しだけ、大人びたおしゃれをして

沙織はこれから行ってくるね。と、天乃の一言告げて、家を出て行った

あんまり興味はないと言いながら、服装はしっかりとしていて

それが見せかけなのか、本気なのか分からない

天乃「……私も出かけてくるわ」

「では、今同伴の者を――」

天乃「要らないわ。みんながいるから」

「ですが……」

天乃「ごめんなさい。要らないって、言ってるの」

何かあった時の為

そして、天乃が何かしないようにと監視する為の大赦の同伴者

それを付けようとする女性職員に、天乃は厳しい目を向けて、その横を抜けていく

「……久遠様、大事になりますよ」

天乃「家に入れてるだけ譲歩しているのに。どこまで踏み荒らしたら気が済むの?」

それでもと引こうとしなかった職員だが、

天乃の普段とは違う、何か。言葉にし難い、してはいけないような

鉄鍋の中に見た目の変わらない熱された鉄鍋が混じっているような

そんな、危うい立場だと、職員の本能が息を飲んで口が閉じる

「わ、わか……わかり、ました」

天乃「……ごめんなさい。貴女の立場は分かるけれど。でもね、プライベートにまで割り込まれるのは、嫌いだから」

怯えたように縮こまった女性職員にそう言い残して

天乃は沙織の後を追って、家を出ていく


88 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 13:25:58.32oecoXWSao (3/29)


道中、信号で立ち止まるたびに、

何度も自分の服装や髪型を確認しては、「大丈夫かな」と呟いて

合流場所へと向かっていく

その後ろ姿はいつも見ている沙織とは、違っていた

服装はもちろんの事ながら、

自分のいろんな場所を気にして、どう思われるか、どうみられるのかを気にして

大丈夫だと思っては、やっぱり。と、気にして

また平気だと思うたびに見せる笑みはどこか照れくささを感じる

天乃「……沙織、私に気づいてるかしら」

振り向いたりすることなく、一直線に目的地へと向かっているであろう沙織

そこから少し離れた場所にいる天乃は、

本当はしちゃいけない事なのに。と、思いながら、沙織を見つめる

気づかない

それで良いはずなのに、それはそれで、なんだか少し、不満が沸く

沙織「あっ」

駅前の自販機横にいた青年が沙織に気づき、

自分だと強調するように、肩くらいまで手を挙げて、笑みを見せる

そんな青年に沙織は気づいて、ほんの少し足早にかけていく

灰茶色の髪が風に靡いて、ピンク色の髪留めが光を受けて眩しく煌めいた


89 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 13:53:08.46oecoXWSao (4/29)


沙織「早いですね」

「いや、そんなに早くないですよ。来たのはつい10分くらい前なので」

沙織「今の時点で15分前だから。約30分前になりますが……」

ちらっと時計を見た沙織の意地悪な一言に

沙織曰く5つほど年上の大学生

言われてみなくても中学生のような子供じゃなくて

高校生のような、ちょっと背伸びした様子もない

誕生日にもよるけれど、沙織の5つ上ならもうお酒も飲める、

一般的には大人と言える、男の子。いや、男性

派手さのない白いTシャツ、明るめの青いシャツに、ジーンズ

腕には軽めのブレスレット、髪は大していじっていないのか、短くも長くもない、普通の長さで重力に引っ張られていた

悪く言えば、普通、よく言えば普通

顔つきも優しそうで、服装での評価でも派手さが薄い

ああ確かに。と、天乃は思う

天乃「沙織が好青年と評価するのも頷けるわ」

だからと言って、

認めるかどうかはまた別の話なのだが。

沙織「どう、しますか?」

「もしよければ、先にお昼を食べに行きませんか?」

沙織「そうですね。お昼前ですし」

どちらもぎこちなさこそないが

親友でも友人でもない、知り合い程度のような

そんな、遠慮の感じられる控えめな言葉遣いだった


90 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 14:09:55.38oecoXWSao (5/29)


√ 7月14日目 昼(尾行中) ※日曜日

01~10 大赦
11~20 悪五郎
21~30 
31~40 
41~50 九尾
51~60 
61~70 
71~80 千景
81~90 
91~00 男子生徒

↓1のコンマ  


91以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 14:10:28.81xzVFsZERO (1/1)




92 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 14:42:32.96oecoXWSao (6/29)


√ 7月14日目 昼(尾行中) ※日曜日


二人がお昼にと向かったのは

中学生や高校生では少し手が出し難そうな、少しばかりいいお店だった

お昼時で、休みの日

周りを見れば二人と同じような組み合わせの人が点在していて

けれど、そう見えるだけの二人は、そんな組み合わせのように

楽し気な会話に、甘さのある雰囲気は含んでいなかった

沙織「教員になるんですよね」

「はい。子供が好きなんですよ。少し年の離れた弟がいるんですが、その世話が思った以上に楽しくてですね……」

沙織「年の離れたって……どのくらいです?」

「今、中一ですね。学校は伊集院さんとは違うので、面識はないと思いますが」

沙織「仲良いんですね」

嬉しそうに話す青年に対して、

沙織は少し大人びた笑みを浮かべながら、優し気に言う

この世界であっても仲の悪い兄弟というものもいる

そんな中で、世話が楽しいと言い、証明のように嬉しそうに語る姿は

沙織も認めるべきだと思ったのだろう

沙織「あたしは長女なので、そういう関係は少し羨ましいです」

「伊集院さんはもしもいたら、兄や姉。妹や弟。誰が良かったですか?」

沙織「……姉。ですね」


93 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 14:57:35.29oecoXWSao (7/29)


沙織は少し悩んでから、そう答えて

ちょっと驚いたような表情を浮かべた青年は、小さく笑う

「姉ですか? 何かあるんです?」

沙織「しいて言えば、個人的には妹が良かったので」

なんで姉が欲しいのか

その質問に困ったような表情を浮かべた沙織だったが、

すぐに「そうですね」と紡いで、ことばを繋げていく

そんな会話を離れた場所で聞きながら、天乃は「馬鹿ね」と、呟く

沙織がなぜ姉を欲しいと言ったのか

沙織がなぜ、困った表情になったのか

それを察している天乃は成年へと、ドリンクのストローを差し向けて

天乃「沙織に嫌われるわよ」

そんなことを呟いて

天乃「……嫌われちゃえばいいけれど」

独り言ちて、息をつく

尾行なんてしている自分こそ

嫌われてしまいそうなものだと、思ったからだ


94 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 15:25:18.80oecoXWSao (8/29)


沙織達は食事を終えると、

映画を見に行くか、適当に散歩をするかその二択のうち、前者を選んだ

選んだのは、沙織だ

どの映画が見たいのかと聞かれてもお任せするとの一言で

別に映画が見たいわけではないんだろうなと、天乃は思う

きっと、

今すぐにこのデートのような何かを終わらせると言うことはできないが

出来るだけ話すのは止めたい。そう考えて

口数を減らせるのが映画だと思ったのだろう

ラブロマンスが一番だけど、

子供向けのアニメや、アクション、SFなんかも好きなのよ。と

どの映画が……と

悩まし気に一覧を見る青年に、天乃はなんとなく勝ち誇ってみる

ちなみに、沙織はグロテスクな系統がめっぽう弱く

教室でたまにそんな内容の映画の話をする男子生徒を見かけては

うわぁぁっと、吐き気さえ催してそうな表情で机に突っ伏してしまう

そんな姿を思い返して小さく笑っていると

「……久遠、か?」

そんな声が、後ろから聞こえてきた


95 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 15:43:22.50oecoXWSao (9/29)


天乃「あ……」

「その……怯えないでくれ。あんなことはもうしないから」

約一ヶ月前、告白してきた男の子

自分は今年中に死んでしまう可能性があるのだと

そう語った天乃に、生きたいと思えることをする

そう言って、キスをしてしまった男の子

天乃「……ううん、怯えてなんて。いないわ」

あれは自分も悪かった

悪戯に誘ってしまったのは天乃だ

そこで本当に実践してしまったのもやはり問題なのだが

誘った天乃も天乃で

だから、と、天乃は震えてしまいそうな

女の子の体を自分で抱きしめて、首を横に振る

天乃「どうしてここに?」

「映画を見に来たんだ」

天乃「一人で?」

「一人で悪いか。久遠は……どうせ相手いるんだろ? あの、勇者部の後輩の子とか」


1、いないわ
2、いるわよ
3、沙織の後をついてきただけよ。ほら、あれ
4、ねぇ……映画。一緒に見る?


↓2


96以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 15:43:51.68yrx7f8E5O (1/1)

3


97以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 15:45:05.12kpe3DTlpO (1/1)

3


98以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 15:45:11.30iKlCTR5kO (1/1)

3


99以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 15:47:12.316SzStm4sO (1/7)

まさかの再登場


100 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 16:28:34.17oecoXWSao (10/29)


天乃「私も一人よ」

「なんだよ。一人で? とか言ったのに」

天乃「だって私は沙織の後をついてきただけだもの。ほら、あれ」

「あれ?」

天乃の指さした方向へと目を向けると

男の子の目には、青年と話し、チケットを受け取る沙織の姿が見えて

男の子は「へぇ、意外だな」と、不思議そうにつぶやく

「伊集院は男子に興味ないもんかと」

天乃「誰か言ったの?」

「いや、見ててそう思ったってだけ」

男の子は沙織から天乃へと視線を戻すと

見上げられていることに気づいて、

照れくさそうに眼を逸らす

「けど、まさか久遠が追う側だったなんてな。てっきり、伊集院が久遠の露払いかとばかり」

天乃「私は別に……」

「伊集院が男と居るのが嫌だから、そうやってついてきたんだろ?」

天乃「それは……」


101 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 16:37:57.24oecoXWSao (11/29)


男の子に想ってもみなかったことを言われ、

天乃は困惑して視線を彷徨わせて、首を横に振る

沙織がデートまがいのことをしなければいけないと言っていた時

不快感がなかったと言えば嘘になる

けれど、沙織が男性とお付き合いをすること

それが強制されたものではなく

沙織が男性と付き合い、そのうえで

自分の意思で決めたことであるならば、認めるつもりだった

しかし

天乃「私……そうなの?」

ただ心配でついてきただけではないのだろうか

沙織が何か、嫌がらせをされるのではないか。と

もしそうではないのだとしたら、今はなぜ。ここにいるのだろうか

「二人が見るのは……アクションコメディ? っぽいな」

天乃「ねぇ、私は沙織の露払いに見えるの?」

「ん? 思うままに言って良いなら、伊集院をあの男と取り合ってる片割れだ――痛っ」

バシッっと叩かれ、男子生徒は思わず呻く

天乃「ば、馬鹿なこと言わないで。私はそんなじゃないから。ただ、沙織が心配だっただけだから」

「なら放っておいてあげた方が良いんじゃないか? あの男の方。男子目線でもイラっと来るくらい悪くない。大丈夫だと思うぞ」


102 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 16:59:49.83oecoXWSao (12/29)


天乃「それは、そうかもしれないけど」

初めに見たときもそうだったし

そもそも、沙織自身の評価があれだったのだ

なにか嫌なことをされる。というような

嫌な可能性というものは心配の必要ないだろう

「伊集院も似たような感じだから、そうおもったんだよ」

天乃「え?」

「久遠に対して告白だとかそう言ううわさが流れると、決まって伊集院が気にするんだ。どんな人なのかとか。色々」

天乃「………」

「だから、伊集院は男子に……ぶっちゃければ、久遠にしか興味がないと思った」

だから、あんな男と歩いてるの見て、正直驚いたよ。と

男の子は眉を顰めた、楽しいとはいえなそうな

微妙な表情で笑みを作ると、「だからさ」と、言う

「もしあれなら、一緒に映画観ようぜ。あの二人のとは違うけど」

天乃「私は……」


1、誘いを受ける
2、誘いを断る
3、帰る
4、沙織に声をかける


↓2


103以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 17:02:17.276SzStm4sO (2/7)

4


104以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 17:04:14.98jKntDYOmO (1/3)

2


105 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 17:29:37.59oecoXWSao (13/29)


天乃「ごめんなさい、それは良いわ」

「そっか」

男の子は残念そうに言うと、すぐに笑顔を浮かべる

取り繕った、笑顔

天乃に罪悪感を抱かせまいとしている、そんな表情

天乃「私にもいろいろ事情があるから」

「知ってる。大赦のお役目ってやつだろ?」

天乃「うん、そんな感じね」

本当は違う。何もない

いや、あるけれど、何もない

そんな悪魔の証明にも似た何かを説明するのは難しくて

天乃は、チケットを提示して中に入っていく二人を見送る

沙織は自分の元に戻って来てくれるだろう

なにかがない限りは、きっと

それでもこうしてここにいるのは……

天乃「独占欲? 嫉妬?」

解らない。でも、それと同じようなものがあるからこうしてついてきている

天乃「沙織を信頼しているのに不安になる。情緒不安定というべきか……あぁ、もう。私も恋する側なのね」

今更当たり前な事を呟いた


106 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 17:48:59.55oecoXWSao (14/29)


√ 7月14日目 夕(尾行中) ※日曜日

01~10 
11~20 沙織
21~30 
31~40 
41~50 九尾
51~60 樹海化
61~70 
71~80 悪五郎
81~90 
91~00 大赦

↓1のコンマ  



107以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 17:49:22.64jKntDYOmO (2/3)




108 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 18:41:42.04oecoXWSao (15/29)


√ 7月14日目 夕(尾行中) ※日曜日


沙織「今日は、有難うございました」

「いや、こちらこそ」

映画を見終えたあと、少しばかり近くのお店を見て回って

映画の感想を交えながら、あの置物は可愛いだとか、

あの服はおしゃれだとか、

どこか、恋人に思えるような会話をして

二人は互いに僅かに距離の縮まった

他人行儀な挨拶をする

「伊集院さんの事、実を言うとよく知らなくて……でも。今日は色々と知ることが出来てよかった」

沙織「あたしもです」

「……最近、伊集院さんは穢れてしまったと。そう言う人が増えていましたが、まったくそんなことはなくて」

沙織を直視することなく、

青年はまだ明るい、沈んでいく太陽を見上げて

照れくさく、はにかむ

「もしかしたら、僕らは久遠家に対しても邪推しすぎているのかもしれませんね」

罪悪感のある表情へと切り替わった青年は

天乃からは見えない、影のある表情で沙織へと目を向けて

沙織はそれに対して口を開くことなく静かに見返す

まるで、キスをする、少し前の緊張感

「良ければまた、ぜひ……夏祭りもありますし。いきませんか?」

そして、青年は沙織を誘う


109 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 18:49:40.91oecoXWSao (16/29)


沙織「夏祭り……」

「そうなんですよ。8月の半ば【8月13日目】なんですが」

沙織「――――――」

「―――――――」

沙織の声が小さくなって、青年は何かを言い返す

言い争うような雰囲気は感じない

それどころか、よさそうな雰囲気で

天乃「…………」

沙織が受けるかも。と言っていたことを思い出す

無下には出来ないからと、そう言っていたことを思い出す

夏祭りに行くのだろうか

二人きりで、沙織は浴衣を着て、

また、少し大人びた可愛らしいおしゃれを彼の為にして

行ってくるね。と、言うのだろうか

ただいま。と、言いに来ることはなくなるのだろうか


110 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 18:54:35.74oecoXWSao (17/29)


天乃「馬鹿ね……」

誰に言うわけでも無く呟いて

自分の体を優しく強く、抱きしめる

なにか、いけない事をしてしまいそうな、そんな感じがして

ふつふつと、心の奥底から沸きあげってくる何かを、止めたくて。

沙織は長女だ。伊集院家を背負わなければいけない存在だ

だから、天乃ではなく

青年のような人とお付き合いをして

結婚をして、伊集院家の未来を紡がなくてはいけないのだ

天乃「貴女がその人が良いと言うのなら。私は止めないわ」

一礼をして、また。と

別れていく二人から、天乃はそっと眼を逸らす


1、帰る
2、砂浜へ
3、ふらつく
4、沙織のところへ


↓2


111以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 18:55:29.53jKntDYOmO (3/3)

3


112以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 18:58:45.06NSyn2iujo (1/2)

4


113 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 19:15:34.78oecoXWSao (18/29)


では、少し中断します
21時ごろには再開予定です


114以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 19:18:55.096SzStm4sO (3/7)

一旦乙
またもや久遠さんのメンタルが…


115以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 19:20:49.15sXsGAfJAO (1/1)

一旦乙
さおりんに甘えよう


116以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 20:24:01.11FFtp3luEO (2/3)

たんおつ


117 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 21:00:31.34oecoXWSao (19/29)


では、もう少しだけ


118 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 21:12:31.07oecoXWSao (20/29)


少しだけ、迷った

彼との時間、その余韻に浸る時間を邪魔していいのか

青年について考える時間を奪って良いのか

けれど、考えても決局動いてしまった

向かい風に吹かれながら、少しずつ、キュルキュルと

そして

沙織「着ちゃダメだって言ったのに。馬鹿だなぁ、久遠さんは」

天乃が来てしまったことに対して呆れているのだろうか

それとも、嬉しく思っているのだろうか

沙織は困った表情で振り返ると、

沙織「ずっと気になっちゃったんだよ?」

天乃「私も、気にしていたわ……気にしちゃったのよ。仕方がないじゃない」

沙織「映画館であの男の子に話しかけられて、誘われて断って」

天乃「見てたの?」

沙織「それはもう。もしも一緒に見てたら、男の子は映画館で闇討ちされてたよ」

冗談にならないようなことを

沙織は冗談めかした笑みを浮かべながら言い放って、くるりと回る

スカートが、優しい風と舞う


119 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 21:24:35.55oecoXWSao (21/29)


沙織「ねぇ、久遠さん」

天乃「なに?」

沙織「あたしがさ、誰かのお嫁さんになっちゃうのは。嫌?」

天乃「それは……」

必要な事なら、自分の意思で決めたことなら

そう紡ごうとした唇は、重く固い

視線は沙織の足元へと落ちて、少しずつ。影が広がっていく

沙織「あたしはね? 一妻多妻は構わないけど、男の人に抱かれる久遠さんは嫌だな」

天乃「五郎君も?」

沙織「それは、何というか。学生は制服を着なくちゃいけない。みたいな感じのそれだから」

だけどね、と、沙織は続ける

夢を語るような浮ついた雰囲気で

けれど、飛び慣れていない、警戒心の強い鳥のような

足場のしっかりとした、瞳で

しかし、その瞳は僅かな狂気を孕んでいるようにも見えた

沙織「なんだか。こう、知らない味を知っちゃうから。久遠さんの体が、あたしの知らない何かに侵された気がして、苦しくなりそうで」

天乃「沙織……?」

沙織「多分、腐った蜜柑を取り除くように、あたしは久遠さんの体からそれを取り除こうとしちゃうんじゃないかな……」



120 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 21:40:55.27oecoXWSao (22/29)


沙織「……時々それを考えるんだ。考えたくないのに、考えちゃう」

沙織はただ不安になっているだけじゃなくて

猿猴の憑依を行っているうえに

戦いによる樹海への被害を請け負っていたから

精神的に、心理的に

あまりよくないものが現れて来てしまっているのだろう

不安そうな表情をした沙織は「たまに泣いちゃうときもあってね」と

不釣り合いに笑みを浮かべた

沙織「久遠さんもまったく同じではないだろうけど不安にならなかった?」

天乃「……………」

沙織に関して不安になった

あの青年に対して、不快感があった

奪われてしまうのではと

居なくなってしまうのではないかと

独占欲のような

あってはいけないような感情があった


1、あの子の存在が凄く不愉快だった
2、居なくなっちゃうのかなって、不安になった
3、私は、大丈夫よ
4、


↓2


121以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 21:41:32.490bWgCqRzO (1/1)

3


122以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 21:41:40.69FFtp3luEO (3/3)

4


123以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 21:42:04.136SzStm4sO (4/7)

3


124以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 21:51:14.58Sv72jx8IO (1/2)

空白選択肢とはなんだ!?いつ発動する?


125 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 21:59:12.53oecoXWSao (23/29)


天乃「あったわ。ずっと」

不快だった

不愉快だった

不機嫌だった

青年に対しても、沙織自身に対しても

天乃「そんなおしゃれなんてしなくて良いじゃない、どうでも良いって言ったのに。そんな、頑張った格好して」

沙織「く――っ」

天乃「普通に楽しんでた、喜んでた、笑ってた、幸せそうな雰囲気さえ感じた」

沙織の小さな手を掴んで、引く

逃げないように、

奪われないように

どこかへと行ってしまわないように

力が不自然に籠っていく

激しく強く、もう取り返しがつかなくなるぞとなにかが言うけれど

天乃「憎いとさえ思った、苛々した。奪われるんじゃないかと不安になった。帰ってこないんじゃないかと心配になった」

言葉は決壊したダムのように流れ出していく


126 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 22:09:59.76oecoXWSao (24/29)


驚いた顔の沙織が目に入って「久遠さん」という声が聞こえて

あぁ、しまったな。と、心が思うのに

天乃「どうせ夏祭りにもいくんでしょう。二人で行くんでしょう。それで、また何か約束して」

沙織「痛っ」

天乃「貴女の方が私の知らない貴女になっていく。それで気が付いた時にはいなくなっちゃうんでしょう?」

そうなっちゃうくらいなら。

心に浮かび上がるどす黒く穢れたなにか

奪われてしまうくらいなら

自分の目の届かないところへと消えてしまうくらいなら

もういっそ……自分の手で――

なにかが嗤う。その奥で

バシッっと、乾いた炸裂音が響く

九尾「愚か者めッ!」

天乃「っ!」

悪五郎「少し休め」

叩かれた頬痛みも冷めぬまま

ぬぅっと伸びた小さくも大きな手が全てを覆う

包み込む、冷え切った孤独の闇に飲まれて意識は露と消えていく

最後の最後、頬に感じた熱は

たった一筋の、心許ないものだった


127 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 22:13:44.54oecoXWSao (25/29)


√ 7月14日目 夜() ※日曜日

01~10 沙織
11~20 
21~30 夏凜
31~40 
41~50 九尾
51~60 
61~70 悪五郎
71~80 
81~90 沙織
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


128以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 22:15:49.25E1EvVzl0O (1/1)




129以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 22:21:49.476SzStm4sO (5/7)

九尾と五郎くんが出てくるほど久遠さんの精神ヤバくなってるな…


130 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 22:55:42.74oecoXWSao (26/29)


√ 7月14日目 夜(自宅) ※日曜日


天乃「ん……」

何も考えられない、何もない、何も与えられない

虚無から這い上がっていく

見えた世界もまた暗く、けれども何かの存在感があって

ゆっくりと目を向けると、その存在感もまた天乃に気づいたようで

暗い影を伸ばす

夏凜「ったく、何やってんのよ」

天乃「……夏凜」

夏凜「頭は? 体は?」

天乃「少し痛くて重い……」

夏凜「そう……じゃぁ、もう少し休んでなさい」

その手は少しザラッとしているようで

けれども優しく、天乃の額を撫でる

前髪が払われて起きる小さな風が、浮いた汗を撫でて、心地いい

天乃「……沙織は?」

夏凜「いるわよ。ま、精霊化してるからいないと言えばいないけど」


131 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 23:07:59.61oecoXWSao (27/29)


天乃「なにか、聞いた?」

夏凜「聞いたわよ。ストーカーした挙句癇癪起こしたって」

馬鹿にするように語って夏凜は笑う

そんなつまらないことを気にするなというように

そんなことは何も気にしていないと言うように

段々と慣れて鮮明になっていく姿、見えたのは背中で

丁度、夏凜が読んでいた文庫本を閉じて振り向く

夏凜「見てみたかったくらいよ」

天乃「……やめて」

夏凜「沙織の事――」

天乃「止めてって言ってるでしょう!」

夏凜「そうやって怒ったところ……いや、そう言う感じなら一回見たことあるか」

天乃が声を荒げてなお、夏凜は動じることなく懐かしむように呟いて

あの時は怖かった。と、苦笑する

夏凜「ま、何はともあれまだ安静ね」

天乃「夏凜……」

夏凜「泣くな泣くな。私はそれ以上の見た事あるから今更だっての。発散したきゃ怒鳴っていいわよ。ただしその分、落ち着け」

頬を撫でて、夏凜は困ったように笑って

そっと額にキスをする

夏凜「今日も傍にいてあげるわよ。お嬢様」


132 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 23:17:26.82oecoXWSao (28/29)


風にも似た、悪戯な笑み

泣き出しそうな目元を拭って、夏凜は身を寄せて手を握る

強く、優しく

逃げるな、行くな、ここにいるからと、

その力強さが訴える

夏凜「聞いた話、あんたの体の中の穢れが原因らしいじゃない」

天乃「…………」

夏凜「恋愛で癇癪起こすってのが、笑えるわ」

夏凜は挑発しているのか

それともただ、冗談のつもりなのか

今の天乃にはどちらにも感じられて

強いて感じるのは不快感を伴う方で

強く締め切った唇の奥、噛み締めた歯がギリギリと怒りに唸る

夏凜「……少し、私の自由になってみる?」



1、
2、なに、言ってるのよ
3、いいわよ
4、沙織の事、傷つけたわ
5、良く分からないのよ、嫌な気持ちで一杯になって、私。止められなかったらきっと……


↓2


133以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:18:46.50Or6LBoucO (1/1)

3


134以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:19:51.87Sv72jx8IO (2/2)

1


135以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:25:32.616SzStm4sO (6/7)

5


136 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/28(日) 23:30:43.12oecoXWSao (29/29)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「えー、今回の久遠先輩に関しては」

東郷「所謂ヤンデレ、と呼ばれるものに近い状態になります」

東郷「普段温厚で、余り怒鳴り散らしたりしない久遠先輩なので」

東郷「正直興ふ……いえ、驚きました」

千景「ヤンデレ……似たような記憶が……」

若葉「待て待て待て、無理に思い出さなくて良い!」


137以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:32:38.50/wA6XQ+CO (1/1)


もしかして攻め久遠さん見れる?


138以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:40:18.336SzStm4sO (7/7)


久遠さんと夏凜ちゃんの立場が完全に逆転してるな
夏凜ちゃんが久遠さんのためにストレスの捌け口となるのか


139以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/28(日) 23:46:14.33NSyn2iujo (2/2)


攻守逆転クオンサンとかいうユニコーンより珍しい伝説上の生物
夏凛が体張ってなんとか発散させてあげてくれ


140以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 00:21:51.74+p0rmsIrO (1/1)


溜め込むタイプだから一回爆発させるのは悪くないと思う
相手も友奈とか樹みたいに戸惑うタイプじゃなくてイケメン化が進んでる夏凜だし


141以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 09:31:58.53QjwFhliuO (1/1)




142以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 20:04:25.88jcacJLZ7O (1/1)

東郷さんならむしろばっちこいになるんだろうか


143以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 20:19:46.22/XvHSwmko (1/1)

ゆゆゆい配信日確定したねえ


144以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 22:36:34.81Hr93w8gEO (1/2)

ゆゆゆい配信か
久遠さんスレはどうなるんだろ
>>1に燃料ぶっこんだ気しかしないけど

続けてくれるんだろか


145 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/29(月) 23:27:15.72dBCBGlWwo (1/1)


遅くなりましたが、この時間ですので
今回はお休みとさせていただきます

明日は恐らく通常時間から出来るかと思います


146以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 23:30:07.05kEIq8KSWO (1/1)

いつも連絡乙です


147以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 23:34:16.99Fz9g3WreO (1/1)


ゆっくり休んでください


148以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/29(月) 23:57:18.08Hr93w8gEO (2/2)


最後の投下休みが4月26日だから
22時~とはいえ1ヶ月毎日だったんだな
鍛練記録もあるしもう少し休めば良いのに


149以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 12:26:35.700aCQ457sO (1/1)

今年はゆゆゆいにくめゆと公式もノリノリだな
特にくめゆは展開次第だけど久遠さんたち絡むと化学反応起きそうな設定もあるかもだし


150以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 18:25:23.66VhU3ATOzO (1/1)

このスレのおかげで事前登録まだだったの思い出した
ありがとう


151以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 19:28:48.31OasZU3/Oo (1/3)

くめゆの方は2、3週目久遠さんより1週目のヒッキー久遠さんの方が設定的には合いそうな希ガス


152 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:01:12.10r8gMyW23o (1/9)


では、少しだけ


153以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 22:03:33.76tVnHrfxwO (1/2)

待ちわびたぞ


154 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:09:01.91r8gMyW23o (2/9)


力が入らないだけでなく、全身満遍なく何かに乗っかられているかのような

そんな、どうしようもない体の重みを感じながら、天乃は夏凜の手を掴み返す

少しずつ、確実に。握り返して――引く

夏凜「っ!と」

慌てて出した手が天乃の顔の横、枕に沈み込んでいく

飲み込まれていくような危うさを手に感じながらも

夏凜は目の前の恋人をまっすぐ見つめて、笑う

夏凜「なーにすんのよ……顔に張り手かませっての?」

天乃「貴女の自由になんてならないわ。そうしたら、貴女は自由のままだから」

夏凜「痛っ……」

段々と握り締める力が篭っていくのを感じて

天乃が正気ではないのだと

やはり、どこかおかしくなってしまっているのだと

話だけではなく実感して

夏凜は握りつぶされてしまいそうな左手を一瞥する


155 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:17:46.29r8gMyW23o (3/9)


天乃「置いていく一人にする、どうせ沙織は、貴女だって!」

夏凜「っ!」

天乃「沙織は楽しそうだった。幸せそうだった。嬉しそうだったのよ。私がいない、あの場所で、あの時間、男の子と二人きりで」

普段は見せない、怒りと、憎しみと、悲しみと

色々な感情に塗りつぶされた複雑な表情で、天乃は夏凜を見つめて怒鳴る

橙色の瞳は暗く濁り、もともと失われた赤い瞳は赤黒さが増していく

天乃「今だって。沙織はいないわ。アレだけ言ったのに、結局、そう言うこと……どうせ貴女だって誰か別の人のところに行ってしまうんでしょう?」

夏凜「こういうことか……」

普段なら、貴女が決めたことならと

追ったり、嫌味を言ったりすることなく見送ってくれるだろう

それはきっと、強いのだと錯覚させる

実際、夏凜も平気だと思った、自分一人軽くても大丈夫なのだと

しかし、違うのだ

天乃は弱いのだ。決して誰しもから羨望されるような強靭な少女ではないのだ

親友に旅立たれたのだから、親友に忘れ去られたのだから

家族という、一番寄り添えるはずの存在の記憶を失ったのだから



156 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:29:24.92r8gMyW23o (4/9)


久遠天乃という少女は、追わないという姿勢でありながら

その実、寂しがり屋な人間で

いうなれば、孤独というものが恐ろしいのだ

目の前からいなくなってしまう、

二度と会えなくなってしまう

次に触れることができるのは、

時に熱され、時に冷やされ、時に濡れ、緩やかに朽ちていく墓石になってしまうのではないかと。

そして、その弱い部分が

その不安が、恐怖が、穢れによって強く引き出されている

天乃「誰か男の子が来て、一日だけと付き合って、そこから気づいたら交際して、結婚して、だって、私は女の子だから……っ」

夏凜「……はっ、結局あんたは自分に自信が無いって話?」

天乃「違うっ!」

夏凜「だったらうだうだ言ってないで見せなさいよあんたのこと!」

まだ穢れ切っていない、濁ってしまっただけの右目から涙が伝う

そんな弱った天乃へと、夏凜は強く言葉をぶつける

夏凜「確かに、あんたは女よ。誰だか知らないけど、沙織が会った男にある物があんたには無いわよ」

でもだからってなんなのよ。と

夏凜は掴まれたままの左手を強引に動かして、天乃の耳元にまで持っていく

あと少し。その力不足のもどかしさに、歯噛みする

夏凜「けど、そいつに無いものがあんたにはあるんじゃないの? 大体女だからとか、そんなちっぽけな理由で今更私らが離れるかっての!」


157以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 22:29:56.88OasZU3/Oo (2/3)

どれだけ取り繕っても15の女の子だからなぁ…


158 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:42:34.16r8gMyW23o (5/9)


夏凜「楽しんでるようで、喜んでいるようで、嬉しそうで、幸せそうで、そんなあんたは嘘だったの?」

天乃「違う」

夏凜「いつもいつも受身なのは結局、欲を満たしてあげれば一緒に居てくれるって打算的な理由だったの?」

天乃「違うっ」

本当はこんなこと言うような人間じゃないのに

こんな説教するような性格じゃないのに

いろんなことを考えて否定して、勢い任せに言葉を紡いで

こんなこと言うのもするのも全部あんたのせいで、あんただけなんだから。と

半ば八つ当たりのような、怒りにも似た感情で武装する

積み重ねるたび、否定するたび

天乃の頬から涙が伝う

それはもはや、たった一筋になってしまったけれど

でも、間違いない、天乃の感情で

夏凜「違うならこの前みたいにあんたからも求めてみなさいよ! 正直驚いたわよ。けど――自分だけじゃないって思えて嬉しかったし!」


159 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:49:04.78r8gMyW23o (6/9)


夏凜「それって結構……安心すんだから」

天乃「夏凜……」

手首をつかまれたまま、維持で天乃の体を抱きしめていく

優しく、けれど、馬鹿なことを言うなと。少しだけ強く

抵抗しない抵抗の柔らかさが、ほんのちょっとだけイラッとする

夏凜「あんたが穢れてようが、あんたが女だろうが、あんたが体中動かなかろうが。生きてる限り、ずっと傍にいてやるわよ」

抱きしめて、抱きしめ返されて、夏凜は小さく笑みを浮かべる

とても弱くて、愛らしい

子供のような天乃を、夏凜はこのままでいてほしいと思う

天乃は本当は弱い

けれど、強くて凛々しく、格好良いのだって嘘ではない

その天乃だって好きだ

しかし、その姿の天乃はもう、出来れば見たくは無い

それは頑張ってしまっているから、体に負担をかけてしまっているから

死んでしまう可能性もあるような、とても辛いことだから

そんなことをするくらいなら、弱く、愛らしく、ただの女の子であってほしいと夏凜は思う

――じゃないと、私達の立つ瀬もないし

そんな、私情も挟んで

夏凜「惚れた女の……負けよ」

唇を重ね合わせる

流れていった悲しさの味を、二人で分け合っていく


160 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 22:58:58.57r8gMyW23o (7/9)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(癇癪)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(尾行、癇癪)
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()



7月14日目 終了時点

乃木園子との絆 54(高い)
犬吠埼風との絆 62(とても高い)
犬吠埼樹との絆 52(とても高い)
結城友奈との絆 68(かなり高い)
東郷美森との絆 54(高い)
三好夏凜との絆 90(かなり高い)
乃木若葉との絆 47(中々良い)
土居球子との絆 30(中々良い)
白鳥歌野との絆 25(中々良い)
藤森水都との絆 16(中々良い)
  郡千景との絆 15(中々良い)
   沙織との絆 75(かなり高い)
   九尾との絆 48(少し高い)
    神樹との絆 9(低い)

汚染度???%+α


161 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 23:09:05.53r8gMyW23o (8/9)


√ 8月1日目 朝(自宅) ※月曜日

01~10 大赦
11~20 
21~30 夏凜 
31~40
41~50 伊集院 
51~60 
61~70 九尾
71~80 
81~90 風
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


162以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 23:09:19.23OWLmhj340 (1/1)




163以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 23:10:55.04OasZU3/Oo (3/3)

そして変わらず夏凜のターン!


164 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/30(火) 23:24:58.28r8gMyW23o (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

夏休み、つかの間の休日、そして……



東郷「夏凜ちゃんと居れば弱い久遠先輩が見れる……?」

夏凜「期待した目で見てくんじゃないわよ!」

東郷「そこをなんとか!」

須美「もう止めて下さい! 貴女のせいで傷ついてる子もいるんですよ!」

東郷「え?」

須美「未来に希望をください!!」


165以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 23:26:07.99j+hrNKL1O (1/1)


夏凜ケアで持ち直したな


166以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/30(火) 23:38:02.58tVnHrfxwO (2/2)


クオンサンが暴走の末に犯しちゃうのかヒヤッとしたわ
夏凜ちゃん男前すぎるぜ


167以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 09:26:28.85nfTxUNmiO (1/1)




168以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 20:59:14.49RbVXS7P1O (1/1)

何気に今日で三週目スタートから一年かあ
あっという間だな


169以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 21:36:54.92YmDROoyxO (1/1)

そんなにか>>1の継続力すごいな


170 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 22:28:26.12iP6NJpIdo (1/7)


では、少しだけ


171以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 22:29:13.02YZSz0tKdO (1/3)

よしきた


172 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 22:37:27.11iP6NJpIdo (2/7)


√8月1日目 (自宅)朝 ※月曜日


夏休み真っ只中、照りつける熱い陽射しこそカーテンが遮ってはいるものの、

その熱は窓を通り抜けてカーテンを熱して

そこらじゅうで泣叫ぶ蝉の声が鋭敏な聴覚を揺らがせる

このときばかりは、両耳が散華してしまえばよかったのにと、

ちょっとだけ我侭に考えて、息をつく

べっとりと張り付くような襟ぐりを抓んでパタパタと風を招き入れると

気持ち程度の涼しさが服の中を駆け抜けていく

天乃「これは、夏凜が一緒に寝たせいだわ」

夏凜「知るか」

天乃「悩みなさそうで羨ましい」

夏凜「もぎ取るわよ。あんた」

先月半ば、天乃は穢れによって普段押し殺している感情を爆発させて

沙織や夏凜を激しく責め立ててしまった

恋愛面ゆえにその問題は穏やかに済んだものの、

穢れで暴走するとは。と、大赦からの警戒はより強くなってきており、

そういった流れもあってか、夏凜は以前と比べれば天乃に接してくる回数が大幅に増えていた

というわけで、昨日の夜も性的なふれあいなしに、一緒に過ごしたのだ


173 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 22:47:49.50iP6NJpIdo (3/7)


天乃「あらやだ、奥様。わたくしはバストの話なんてしておりませんわ」

夏凜「その目がしてんのよっ! 馬鹿にすんなっ」

天乃「ちょっ」

おほほっと、口元に手を宛がって笑う天乃を、

夏凜は寝返りを打ちながら襲い掛かって、押し倒す

ぼふんっと枕から空気が押し抜かれて、

天乃のほんのり汗ばんだ匂いと、枕に染み付いた仄かな甘さの柑橘系の匂いが鼻腔を擽る

絵に描かれた桜木、その細枝のように散らばった髪はやはり、白い敷布と枕には映える美しさで

朝から少し、ドキドキトして見下ろす夏凜に対して、天乃は数瞬驚いた表情を浮かべたが

すぐに調子を取り戻して、笑う。嘲るような挑発的な笑みだ

天乃「真っ赤りんごちゃん?」

夏凜「暑いのよ!」

天乃「胸板が?」

夏凜「男か私は!」

天乃「そんなかっこよさは、あるけどね」

でも違うわよ。と、

天乃は唖然とする夏凜の頬に手を宛がって、優しく微笑む

今度は挑発的ではない、嬉しそうな笑み

夏凜の好きな、気楽のある幸せの感じる笑み


174 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 23:00:31.65iP6NJpIdo (4/7)


夏凜「あんたは……もう」

自分の頬に宛がわれた天乃の手に、自分の手を重ねて

夏凜は呆れたように呟きながら、ため息と共に笑う

怒る気も失せる。元々、そんな気は無いけれど

熱は下がって熱の上がる不思議な感覚を覚える夏凜は天乃を見つめて

天乃もまた、そんな夏凜を見つめ返して

ちくたくと、静かに動く時計の針の音だけが部屋に木霊する

授業開始の鐘の音が鳴り響いた教室のように、静かだ

学ぶのは、保健体育だろうか……いや、今は、きっと。これも道徳というものだろう

夏目漱石という作家の、「こころ」という題名が、脳裏に浮かぶ

夏凜「あんたは、可愛い」

天乃「だけ?」

夏凜「やめろ」

天乃「言えないの? かっこかわいい夏凛々しいちゃん」

夏凜「原形とどめてないんだけどっ」

可愛いといわれてほんのりと赤らんだのに

それでも続きを求めるような茶目っ気と、問いかける微笑と

着せ替えされていく自分の名前、それを紡ぐ声と呟く唇

愛らしいと思いながら、夏凜はどうするべきかと考える

いえる言葉は数あるし、

どれを言っても恥らってくれそうなものだが

弱っていないと、性的なことじゃないと

自分が優位に立てそうもないことを夏凜は少し、悔しく思う


175 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 23:08:16.64iP6NJpIdo (5/7)


夏凜「可愛いし、綺麗だと思う。時々格好良いし……エロい」

天乃「エロいって……私普段はそんな」

夏凜「変な意味じゃないわよ。なんていうか、大人っぽいってやつ」

アダルティとでも言えば良いのか。と、夏凜は自分の思う天乃の事を考える

えっちな事をしてるときはもちろん、淫らだ、えっちだ

艶がかった唇、火照った朱色の肌、零れ出て行く熱っぽい吐息、

揺れる乳房と、淫靡さを極限まで引き出す純潔の洞窟

汗ばんだ額に張り付く前髪というのも、また情欲を刺激するもので。

何もかもが淫らに思えて、相乗効果なんてものを考えたら

電卓の桁数では足りないだろうなとさえ、思う

天乃「なーに黙り込んでるのよ。えっち」

夏凜「なっ……う。い、良いじゃない別に! あんたが聞いてきたことなんだし!」

天乃「したいの?」

夏凜「朝からやってられるかっての」

天乃「朝じゃなかったら?」

そりゃ、まぁ……

そこまで思って、自分が男子のようなわかり易い器官がないことに感謝して、

にやけた笑みから目を逸らし、聞こえないふりをした



176 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 23:17:43.18iP6NJpIdo (6/7)


夏凜「まぁとにかく」

天乃「逃げたわね……」

夏凜「うっさい」

じとっとした目で見つめてくる天乃に夏凜は少しだけ強く牽制する

せっかくの夏休みなのだから、朝からエッチなことをするのも良いんじゃないか。と

煩悩がわくわくしているのだが、頭を振って

そんな考えをどこかへと転がしていく

夏凜「今週の土曜【8月6日目】は陸上部の応援でしょ? あの例のクラスメイト」

天乃「ええ」

夏凜「……あ、別に関係ないわ。それ」

社長にスケジュール確認する秘書のような、

良く解らないことをした夏凜は「暑いせいだ」と、本気で呻く。

もしかしたら、意味不明な嫉妬でもしたのかもしれないが。

額の汗を拭うと、張り付いた前髪がだらりと下がった

夏凜「今日、出かけない?」

天乃「みんなで?」

夏凜「2人で。が、良いけど……まぁ、みんなが良いならそれでも」




1、良いわよ
2、みんなで
3、そう言ってえっちなホテルに連れ込む気ねっ!


↓2


177以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 23:18:12.346fLoMhFSO (1/1)

1


178以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 23:19:19.11YZSz0tKdO (2/3)

2


179 ◆QhFDI08WfRWv2017/05/31(水) 23:27:44.37iP6NJpIdo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



悪五郎「二人きりが良いと言われて全員……だと?」

九尾「くふふっ、流石主様じゃな」

悪五郎「笑ってる場合か……良くないだろう、あれでは」

九尾「良い良い。それでよい、主様は愚か者。じゃからな」


180以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 23:29:08.55rQGFdo6EO (1/1)


しゃーない
二人きりになれる機会もあるだろう


181以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 23:29:48.04YZSz0tKdO (3/3)



…どうしよう、1にすごく変えたい…


182以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/05/31(水) 23:42:43.78G/iKW+dZo (1/1)


なんか二人きりで話したいこととか連れていきたい場所とかあったんだろうか?


183以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 07:20:53.41HTFLjfHFO (1/1)

なぜ2を選んだのか…夏凜ちゃんがせっかく二人でって明言してるのに
ところでオマケの概念が吹き飛ぶwikiのサービスページはなんなんですかね告知も無いし軽い気持ちで開いたら17頁って何してるの

くそありがとうございます(本音)


184以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 07:58:41.07w4W1XfZBO (1/2)


別にいいでしょみんなでも
夏休みだからまだまだ機会はあるって


185以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 08:08:10.29tzVzYRPgO (1/1)

昼間でダメなら夜二人っきりでもいいんじゃないかな

それにしてもwikiのサービスシーンで>>1の本気を見た、素晴らしい


186以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 11:09:21.15aemlUpcjo (1/1)

夏休みはまだあるとかいう死亡フラグ止めて

サービスページはアレ文章のみの二次創作として同人行けると思うし
オリジナルならラノベとかも
挿し絵頼めば更に
でも多分>>1は同人販売とか興味ないんだろうな


187以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 13:57:11.69dWslXCz7O (1/2)

サービス読んできたぞ
よかった……


188以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 20:41:06.75w4W1XfZBO (2/2)

最高の仕事だったぜ


189 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 21:54:36.90r5rftDTao (1/9)


では、少しだけ


190以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 22:00:17.39WEHzSm3zO (1/2)

きてた


191 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 22:02:03.17r5rftDTao (2/9)


天乃「なら、せっかくだし、みんなで行きましょ」

夏凜「みんなで、ね。予定が合えば……って思ったけど。夏休みか、今」

天乃「大丈夫?」

夏凜「平気。クラスの連中がよく言う浮いた話ってのは、思えば共通なのよね」

呆れたような表情でそう言った夏凜は、

でしょ? 渦中の奥様。と、悪戯っぽく言って頬をつねる

天乃「ちょっ、なにひ」

夏凜「とりあえず勇者部には連絡まわしてみるわ。天乃の誘いだし、何かない限りは大丈夫だろうけど」

天乃「どこか行く予定はあるの?」

夏凜「ん? あー……」

悩ましげに唸る

それは、今になって考え出しているようで

けれども、浮かべている悲しげな表情がそうではないのだと

天乃は解ってしまう

夏凜「考えてないわ」

天乃「夏――」

夏凜「丸亀にでも行くか。若葉たちがいたって言う場所見てみるのも悪くはないでしょ」

そんな、適当に思いついたことを口にして、

夏凜は「みんなが着てから考えれば良いでしょ」と、

半ば投げやりに言って部屋を出て行く


192 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 22:09:24.34r5rftDTao (3/9)


天乃「…………」

二人きりが良いといったのに。

みんなの方が良いと答えてしまった

悪気があったわけじゃない

二人きりが嫌だったわけでもない

ただ、二人も良いけどみんなもいたほうが。と、思っただけで

どこか行きたいところがあったのだろう

なにか話したいことがあったのだろう

それは急用ではないのかもしれないけれど

でも、少し……

ううん、とても悪いことを、してしまったかもしれない

天乃「夏凜、怒ってはなかったけど……ごめんね」

直接言っても受け取らないだろう謝罪の言葉を

夏凜のいた空間へと差し出して、息をつく

今日はみんなで――出かける日になった


193 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 22:11:55.24r5rftDTao (4/9)


√8月1日目 ()昼 ※月曜日


01~10  映画
11~20  釣り
21~30 公園
31~40  砂浜
41~50 イネス
51~60  丸亀
61~70 遊園地
71~80 映画
81~90  ゲームセンター
91~00  動物園

↓1のコンマ 


194以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 22:12:07.50dWslXCz7O (2/2)




195以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/01(木) 22:12:17.00WEHzSm3zO (2/2)




196 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 22:55:49.76r5rftDTao (5/9)


√8月1日目 (イネス)昼 ※月曜日


風「勇者部みんなでイネスって、意外と初めてよね」

東郷「更に言うと、車を使わないで。というのも初めてです」

夏凜が言った通り、沙織を含めたみんなが一度天乃の家に集まり、

そのまま話し合って

天乃や東郷が歩けないことなどを考慮したうえで、イネスへと行くことになった

友奈「こうやって並ぶのって、初めて。かな?」

夏凜「多分、そうじゃないの?」

友奈は東郷の車椅子を押して、

夏凜は天乃の車椅子を押して

東郷の隣に樹、斜め前に風、天乃の隣に沙織と並ぶ

友奈「夏凜ちゃんも車椅子押してる姿が似合うね」

夏凜「あんたほどじゃないわよ。私はどっちかって言えばベッドの傍だし」

風「おやぁ~? お盛んですなぁ」

樹「なんだか男の子みたいだよ、お姉ちゃん」

沙織「男の子というより、おじさんだよね」


197 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 23:20:24.57r5rftDTao (6/9)


風の茶化す一言に夏凜が反応するよりも早く、

樹や沙織の横やりが投げ込まれて

しょぼんとする風に、夏凜もさすがに何も言えずにため息をつく

天乃「お盛んなのはみんなじゃないの?」

沙織「そうともいうかな」

樹「?」

友奈「わ、私は違いますよっ」

この場にいる、犬吠埼姉妹以外のみんなとはすでに

性的な交わりを行った

もちろん、キス止まりではなく。

それが理解できていない樹は不思議そうに首を傾げたが

解ってしまう友奈は可愛らしく頬を染めて、否定する

樹「あの――」

東郷「大人の階段上ったのよ。樹ちゃんも、風先輩と一緒に上りに行くといいわ」

天乃「樹に変な事吹き込まないで」

東郷「すみません、つい」


198 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 23:35:16.35r5rftDTao (7/9)


とはいうものの

樹も樹で興味はあるらしく、

友奈の反応で大方悟ったのだろう、

風の方に振り向くと、

風は困ったように苦笑いを浮かべて、天乃へと目を向ける

天乃「なに?」

風「今度、ね」

天乃「……私、体弱いんだから」

風「優しくするから」

控えめにと願う天乃に抱き着くように、腕を回して

風は耳元で囁く

淫らな行為の最中ならばこそばゆいそれも

平時だからか、何ともなくて

けれども、ほかのみんなを相手にしておきながら

断ることなどできるはずもなく

天乃「……解った」

そう、答えた


199 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 23:45:57.38r5rftDTao (8/9)


沙織「久遠さんにはね、ビキニも似合うと思うけどパレオ巻く感じのやつがね、良いと思うなぁ」

夏凜「普通にスポーツタイプじゃダメなわけ?」

せっかくの夏、夏ならば海にはいっておかないと、という

風の提案に従って、今から買いそろえるのは少し遅い気もするが

天乃達は水着売り場へと来ていたのだが……

なぜか、天乃や東郷に着せる水着を選ぶと言う話になって

友奈「ん~……あっ」

風「友奈、それを誰に着せるつもりなの?」

友奈「ふぇぁっ!? ふ、風先輩っ!?」

売り場の一部から聞こえた友奈の戸惑った声に目を向けた東郷だったが

視界に映った隠す気のない水着には、何も言えなくて

逃れるように天乃へと目を向ける

東郷「友奈ちゃんが凄くエッチな子になっちゃったかもしれません……」

天乃「家庭教師のせいよ。ね? とーごーせんせー」

東郷「さ、流石にあんな、あんな破廉恥な水着を選ぶような教育はしてないですっ!」

せいぜい、むずむずとした感覚を

一人で納める方法を教えたくらいなのだと、東郷は弁明する

それが無実に導いてくれるとは限らないのだが。


200 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/01(木) 23:59:15.01r5rftDTao (9/9)


√8月1日目 ()昼 ※月曜日


01~10 大赦
11~20  三ノ輪
21~30 
31~40 久遠
41~50 
51~60 
61~70 クラスメイト
71~80 
81~90 沙織
91~00 樹海

↓1のコンマ 


201以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:00:12.17/IMkZ6K4O (1/2)




202以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:01:23.43Hs1F2ThZO (1/2)

なん…だと…!?


203以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:01:44.66VsofMWLm0 (1/1)

墓参りか弟か


204 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 00:15:25.702olxTpNGo (1/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



友奈「わ、私にする?」

沙織「あたしにする?」

夏凜「それとも、私?」

天乃「とりあえず友奈の持ってるスリングショットの水着は却下で」

風「貝殻もあるわよ?」

天乃「却下」

東郷「神樹様の触――」

天乃「却下!!」


205以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:20:06.00Hs1F2ThZO (2/2)


久々のフルメンバーで面白いコンマ引いたな、これはこれで良かったのかも知れん

とはいえ夏凜ちゃんの件は罪悪感が凄いから後で埋め合わせしたいな


206以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:36:50.27CpvFeUy3O (1/1)


前言ってた弟かな?

東郷先生…久遠さんの神樹様の触手装備は見たいです


207以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 00:37:03.35/IMkZ6K4O (2/2)


海もいかなきゃな


208以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 10:08:12.02YjhVXBQRO (1/1)




209 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 22:12:09.302olxTpNGo (2/8)


では、少しだけ


210以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 22:15:56.34yPdPgWDxO (1/3)

よしきた


211 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 22:21:34.342olxTpNGo (3/8)


√8月1日目 (イネス)昼 ※月曜日


樹「夏凜さんは何にするんですか?」

夏凜「私に聞くより風に聞いたほうが良いんじゃないの?」

樹「たまには、お姉ちゃん以外の意見も良いかなって」

沙織「おー、樹ちゃんが姉離れしてるよ?」

風「ふふふっ、逃さぬ逃さぬ」

夏休みの昼間のイネスは、来た時間でも多くの家族連れや

友人同士、恋人同士でにぎわっていたが、

さらに時間が経つと、より多く人集りが出来ていく

その賑やかさに溶け込む、勇者部の日常

それは、自分達が、彼女達が

みんな、その日常の一部であるのだと再認識させてくれるようだと

天乃は微笑ましく眺めて、すぐ隣にいる東郷へと目を向ける

天乃「来たことあるのよ」

東郷「?」

天乃「前に話した、2年前の。私と貴女と、園子と、銀と」

東郷「……………」


212 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 22:37:41.502olxTpNGo (4/8)


天乃の懐かしむ声は自分の心に対して気遣っているのだと

東郷は感じ取って、目を伏せる

何も覚えてない、解らない

もちろん、記憶を失った後、ここに一度も来た事ないなんて事はない

けれども、2年前にみんなで来た事

何をしたのか、何があったのか

それに対してどんなことを感じて、どうしたのか

何も覚えていなくて

東郷「すみません、なにも……ただ、なんていえば良いのか解らないですけど。でも」

悲しい思いがこみ上げてくる。嬉しい思いがこみ上げてくる

切なくて苦しい思いが、こみ上げてくる

そして、肘掛けに置いた手が握られて目を向けると

天乃が、優しく微笑んでいた

天乃「良いことがあったのよ……だから、貴女は嬉しいの。それを忘れちゃったことが悲しいの」

でも、頭ではわからなくても心が苦しんでしまうから

少しでも、それが軽くなるように、少しずつね。と、天乃は言う


213 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 22:51:47.492olxTpNGo (5/8)


東郷「九――」

「あっ――姉ちゃん!」

天乃「?」

聞き馴染み深いわけではないけれど

聞いたことのある声。のような気がした

自分の方へと声が飛んで来た気がした

なんなのかと振り向く寸前、駆け込んできた足音は止まることなく

車椅子ごと、天乃の体をぎゅっと抱きしめて

「天姉ちゃんだよなっ」

天乃「えっと……」

「天姉ちゃんだよなっ」

より強く―それでも弱いが―抱き着く男の子は

銀とどこか、似通っていて、

天乃はそれが誰なのかを察し、男の子もまた

自分が抱きついた相手が思った通りの人だと気づき、その隣の人がある人に似ているのだと、気づいて。

「須美姉の姉ちゃん?」

東郷「私は……その」

「違うのか……」


214 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 23:00:36.542olxTpNGo (6/8)


問いかけた男の子

三ノ輪銀の二人の弟の一人、三ノ輪鉄男は肯定も否定もしない東郷の態度にしょんぼりとして俯いたが

すぐに首を横に振って、天乃の方を見つめる

それはどこか、怒っているようにも見えた

「なんで、会いに来てくれなくなっちゃったんだ」

天乃「色々あったのよ」

「姉ちゃんか? 姉ちゃんがいなくなったから。だから、会いに来てくれなくなったのか?」

姉が事故で死んだのだと、聞かされた

遠足の帰りに、交通事故で死んでしまったのだと

優しかった姉が、遊んでくれた姉が、いつも元気で明るかった姉が

天乃「鉄――」

「天姉ちゃん」

震えるくらいに強く、抱き着く

怒ってるのか、悲しんでるのか、喜んでるのか

複雑すぎるその感情を理解するには

銀の弟はまだ、幼すぎた


215 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 23:10:59.382olxTpNGo (7/8)


風「なになに? どうしたー?」

沙織「ん……犬吠埼さん、ストップ」

話し声に気づいた風たちは天乃たちへと近付こうとしたが、

沙織に止められて「なんなの?」と、足を止める

夏凜「あれ……」

沙織「三好さんは知ってる……よね? 三ノ輪さんの弟」

夏凜「まぁ、ある程度は」

自分が持ってる端末

それを以前使っていた勇者のこと

その家族のこと、少しくらいは知っている

その弟につかまった天乃の表情には罪悪感があって

結局はまだなのだと。悟る

「……天姉ちゃん、あのさ。少しだけ、話したい」

天乃「…………」

「天姉ちゃん」

ここで見逃したらまたどこかへ消えてしまう

そんな、気がしたのだ


1、良いわ
2、ごめんなさい。でも、連絡先はちゃんと、教えるから
3、東郷も連れていく



↓2


216以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 23:11:28.05H5OjOLJaO (1/2)

3


217以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 23:12:49.62yPdPgWDxO (2/3)

3


218 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/02(金) 23:20:58.942olxTpNGo (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


自分が誘われた場に友人を連れていくスタイル
東郷さんがショックを受けるまで、あと23時間


219以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 23:22:15.07H5OjOLJaO (2/2)


寂しがりや久遠さん


220以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/02(金) 23:30:47.12yPdPgWDxO (3/3)


わすゆ時代の辛い話がきたな…
はたして久遠さんはこのトラウマを乗り越えることができるのだろうか


221以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 06:34:17.55l0Mwjbs0o (1/1)

久遠さんというより東郷さんの方が心配


222以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 08:25:04.94tLB7QvKoO (1/1)

鉄男くんは何歳なんだろ
久遠さんに抱きつくとか羨ましいんですが!

それとここは東郷さん巻き込まないべきだったと思う


223以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 10:32:34.55uyn8INqMO (1/1)




224以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 20:36:46.28Z8Gfw+btO (1/1)

犬姉妹以外と経験済みで風が予約って樹だけ取り残されそう
…前世でいちゃいちゃしまくったからいいか


225 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 22:30:44.59B8RoywUJo (1/10)


では、少しだけ


226以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 22:31:12.387JsjKU1BO (1/2)

きたか


227以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 22:31:14.60Hts7xmu7O (1/2)

あいよ


228 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 22:39:19.16B8RoywUJo (2/10)


鉄男はまだ7歳で

なんの策略もないのだろうが、懇願するような視線を向ける

それは、天乃から拒否を略奪するのには十分だった

天乃「鉄男くん……」

動かない足、動かそうと思えば動かせる両手

天乃は強く握りこぶしを作ってから、自分の胸元にまで回ってきている小さく細く、弱弱しい

男の子の細腕に触れる

天乃「良いわ。時間も丁度良いしお昼にしましょう」

「あ、でも」

天乃「お母さん達いるの?」

「いない」

そう言った鉄男の表情は浮かなく、不満があるような感じで

また少し、天乃に抱きつく力を強くする

「お金、そんなに持ってないんだ」

天乃「良いわよ。お昼くらいなら私が出してあげるから」


229 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 22:48:55.36B8RoywUJo (3/10)


まだ小学生になったばかりで、お小遣いもさほど持ってない

そんな切実な悩みを解消した天乃は鉄男の頭を優しく撫でながら、東郷へと目を向ける

天乃「ただ、そっちの子も同席させる」

東郷「…………」

「須美姉ちゃんの姉ちゃんっぽい人? 関係ないのに?」

東郷「っ」

ちらりと向けられた鉄男の、他人を見るような目に

東郷はズキリと傷むものを感じて、唇を噛み締める

自分には記憶がない

だが、あるべき記憶の中では

東郷美森という鷲尾須美は、彼との関わりがあったはずで

無関係だと思われたことが痛いのだろうか

彼との思い出を思い出せないことが痛いのだろうか

それとも、何も言うことができない。自分の無力さが、苦しいのだろうか

天乃「ええ、ちょっとね。そうそう。鉄男くん、お食事の席では」

「行儀良く! だよね。解ってる。須美姉ちゃんがよく言ってたことだから」


230 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 22:54:14.33B8RoywUJo (4/10)


楽しんで食事をするのなら良いのだが、

当時はまだ4歳、5歳という幼さで

どうしても、騒いでいるという域に行ってしまうことが多かった

そのたびに須美からは「お行儀良く」と注意され

姉の銀は「まぁまぁ」と須美を宥めて、鉄男といえば、「怒られた~」と

天乃に抱きつくことが多かったなと、思い出す

「天姉ちゃんは本当に姉ちゃんみたいだったんだ」

天乃「…………」

「優しかったし、いろいろ教えてくれたし。いろんな遊びにも付き合ってくれて」

銀が何かで手を放せないとき

その場にいないとき、鉄男や金太郎の面倒を、天乃は良く見ていたのだ

それまでも思い出して、泣きそうで

鉄男は天乃から離れると、車椅子を押す

「ふーどこーとまで、押す」

夏凜「あんたにはまだ難しいっての。邪魔だから天乃の隣にでもいたら?」

「! う、うん」

割り込んできた夏凜に驚いて、

どことなく……と、感じた鉄男だったが大人しく押されて進む車椅子に並んで歩いた


231 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:00:13.86B8RoywUJo (5/10)


フードコートに着き、天乃、東郷、鉄男のテーブルと

風、樹、友奈、夏凜、沙織のテーブルに分かれる

大きく離れることはなかったが、鉄男はできる限り聞かれたくない。見たいな様子だったからだ

天乃「鉄男くんが好きなもの頼んで良いわよ」

「……天姉ちゃんの作ってくれたやつとか。須美姉ちゃんの作ってくれたやつが良い」

天乃は全般的に料理を得意としているが、

基本的には、麻婆系の辛目のものを中心とした中華料理がメインで

その一方、須美は和食をメインに作る

天乃が鉄男ではなく、自分用に作ったのをつまみ食いして、

辛すぎて泣いたことが、懐かしくて

「なんて、ここじゃ無理だから。うどん……きつねうどん」

天乃「東郷は?」

東郷「私は自分で――」

天乃「大丈夫よ。買ってくるのは夏凜だから」

夏凜「私かっ!?」

天乃「ごめんね、お願い」

ガタンッと机を揺らした夏凜の声

からかって笑いながらもお願いする天乃の苦笑

それに困った東郷が眉を潜めると、鉄男が夏凜へと目を向けて

「ねーちゃん。しーっだぞ。須美姉ちゃんが怒るから」


232 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:12:40.38B8RoywUJo (6/10)


夏凜「い、言われなくても解るっての」

風「夏凜ちゃん怒られてるぅ」

夏凜「うっさい」

風のニヤニヤとした挑発的な笑みにそれだけを返す夏凜の頬は少しだけ赤く

誤魔化すように足早にお店へと向かって、料理を注文する

その後を追うように友奈と、風が動く

天乃「須美姉ちゃんね。園子姉ちゃんは?」

「園子姉ちゃんは注意とかしなかったから。ほら、いっつも笑ってる感じ」

天乃「そうだったわね」

東郷「……………」

何もなければ、自分が入っていける会話

その思い出に対して、これはこうだった、あれはこうだった

そんな、笑い話のようなことをして、落ち着いた空気の中で

自分達がなぜ、離れる事になってしまったのかを話す……べきなのに


233 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:18:29.82B8RoywUJo (7/10)


「いっつも、ここに来てたんだ」

天乃「…………」

「姉ちゃん、好きだったから。天姉ちゃん達も、良く行くって言ってたから」

着てくれるかもしれないと

また会えるかもしれないと

自転車で、毎日

天気の悪い日は控えたけれど、

曇りの日、晴れの日は欠かさず通った

「会いたかった。天姉ちゃんに、須美姉ちゃんに、園子姉ちゃんに」

それで、約二年間

ずっと通い続けて今日、ようやく会えた

言いたいことが一杯ある。したいことが一杯ある

その、はずだったのに

「っ……」

涙が零れ落ちていく

いろんな感情を溜め込んで、溜め込みすぎて、あふれ出していく

拭っても、拭っても、際限はなく

「何で天姉ちゃんもいなくなっちゃったんだっ!」

涙に押し流されて、言葉が出て行く


234 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:28:49.29B8RoywUJo (8/10)


天乃「……ごめんね」

「姉ちゃんがいなくなって、頑張らなくちゃって、でも、一人じゃ、あれで、でも、天姉ちゃん達がいてくれるならって、なのにさっ!」

震えていて、濡れていて、握られ続けたその思いはぐしゃぐしゃで

けれどもしっかりと、届く

二年前、姿を消してしまったみんなに思ったこと

ずっと抱いて来たこと

天乃「……………」

ごめんね、なんていう言葉は軽い

屋根の雨漏り対策に使ったビニールシートのような

そんな、その場しのぎにしかならない

東郷は記憶を失ってしまったから

園子は大赦によって引き取られてしまったから

では、自分はどうだったのだろうか

なぜ、あの場から離れてしまったのだろうか



235 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:36:41.96B8RoywUJo (9/10)


……怖かった。

目の前にいる誰かが、次の瞬間には死んでしまっていることが。

自分の力が、誰かを苦しませてしまうことが。

三ノ輪銀を守ってあげることのできなかった自分が

三ノ輪銀の家族の前にいること、その輪の中に存在を遺してしまうこと

それが、自分には許せなかっ――

本当に? と、誰かが言う

結局、私は逃げたんでしょう? と、誰かが問う

弱いから、怖いから

苦しみたくないから、辛い思いをしたくないから

辛い思い、苦しい思い、悲しい思いをしている三ノ輪銀の家族から

逃げた

罪を背負うと、死を背負うと、そう言いながら

責任から――逃げ出した

天乃「…………」

自分はそうすべきではない、そこにいるべきではない

そんな、自己否定を繰り返して

自傷行為をしているように見せかけて

周りが傷つかないためにという建前を使って、

自分自身を守ろうとしていただけでしょう?


236 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/03(土) 23:47:54.78B8RoywUJo (10/10)


心の厳しい叱責

嘲笑交じりに向けられる言葉と視線

耳を塞いでも、目を逸らしても

彼女は、久遠天乃は、無駄よ。と、嗤う

止めてほしいと願っても、

ごめんなさいと謝っても

彼女は許すことなく、責めたててくる

それがたとえ穢れによってより凶悪なものになってしまっているとしても

元を正せば

それは、天乃の心だから

天乃が天乃に抱いていることだから

「天姉ちゃん」

天乃「っ」

そんな、罪悪感に揺れ動く天乃の体を、

小さな体が、抱きしめる

「おれ、姉ちゃんみたいになりたいんだ。弟の面倒とか見れるように……でも、まだ。おれ、何にも出来ないから、だから、一緒にいてよ……」

天乃「鉄――」

「天姉ちゃん、おれ達に色々教えてくれたじゃん、だから、だからさ……教えて欲しいんだっ」


1、……ごめんね。今の私は見ての通りだから。出来ることなんて、殆どないの
2、勇者についてのことを話して、無理だと伝える
3、どうしたら、良いの?
4、私にはやるべきことがあるの。だから……鉄男くんの傍にはいてあげられない
5、……良いわ。それで鉄男くんの助けになるのなら。銀を守れなかった罪滅ぼしになるのなら


↓2


237以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 23:48:27.36rrCq/wijO (1/1)

2


238以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 23:48:36.247JsjKU1BO (2/2)




239以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/03(土) 23:49:24.09Hts7xmu7O (2/2)

4


240 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 00:00:13.75na54aSexo (1/27)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできればお昼頃から

鉄男くんは小1くらい


沙織「鉄くんはね、あたしや久遠さんとお風呂入ったこともあるんだよね」

夏凜「……は?」

天乃「あぁ、あったわね」

鉄男「天姉ちゃん、今日……一緒、だめ?」

天乃「今日だけよ?」

夏凜「いいわけあるか!!」


241以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 00:10:15.48rqTOofHyO (1/1)


おねショタ枠は五郎くんがいるので……


242以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 00:14:19.64aLKZG1FdO (1/1)


鉄男くん、久遠さんやさおりんとお風呂とか贅沢だぜ

しかし辛い自分自身との戦いか…穢れとかの悪影響が心配だなぁ


243以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 00:29:06.84JCgG0Q/OO (1/3)


みんな辛いことになってるなあ…


244以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 10:52:59.01z2B+hcb7O (1/4)




245 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 13:08:49.04na54aSexo (2/27)


では、。少しずつ


246 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 13:30:17.36na54aSexo (3/27)


鉄男の願い、天乃はそれに答えてあげたいと、思った

自分に出来ることなら、全部

求められたことを、全部

けれども、鉄男の半分を喪失した視界が

味を感じられない味覚が、

立ち上がれない足が、

壊れかけの、身体が

その意志をねじ伏せる

天乃「……ごめんね。今の私は見ての通りだから。出来ることなんて、殆どないの」

「っ……天姉ちゃん」

天乃「私は昔みたいに、一人で何かをできるわけじゃない。そんな私が、鉄男くんの助けになれるわけがない」

むしろ、足を引っ張るだけだ

どこに行くにも車椅子で

介護設備の整った学校や自宅ならともかく

三ノ輪家においては、入浴はもちろん、

お手洗いにだって一人ではいけないだろう

天乃「私はもう、いても鉄男くんの邪魔にしかならない」

「そんなことないっ、そんなことない! おれっ、天姉ちゃんがいてくれれば、それで!」

天乃「私につくだけ、鉄男くんは金太郎くんから眼を離さなくちゃいけないのよ? 解ってる?」


247 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 14:02:29.20na54aSexo (4/27)


まだ小学生の鉄男に対してそんなことを言うのは酷いことだと

天乃自身、理解している

鉄男が本当に求めているのは、手伝いをしてくれる姉ではなく

消え去ってしまった【姉という存在】であることも

ちゃんとわかっているのだ

しかし、ここまで壊れてしまった自分が

鉄男の理想とする姉の存在なれるのかどいうか

その自信がなかった

逃げるのね?

また、そうやって……

自分が悪いのだと自覚しながら

その罪は己のものだと目を向けていながら

望遠鏡を通して見る広くて狭い世界のような

見えていない場所に

天乃「ごめんなさい……っ」

逃げるのね?

向き合っていますと、嘘をついて

安っぽい罪悪感に、味気ない謝罪を添えて

いつまでも、いつまでも――そうやって


248 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 14:22:15.45na54aSexo (5/27)


「わかんないよ……おれっ、わかんないよっ!」

天乃「!」

普通の椅子だったら突き飛ばされていた

そんな力で天乃を突き飛ばした鉄男は

泣いていて、怒っていて、悲しんでいて

どの感情を扱って良いのか、分かっていない

その、幼さのまますべてを握った拳を震わせていた

「なんで、天姉ちゃんまでそんななんだよっ! 姉ちゃんたちみんなっ、なにしてんだっ!」

天乃「それは……」

「おかしいじゃんかっ、おかしいだろっ!」

銀が死んだ

園子が消えた、須美が消えた

そして、天乃は車椅子での生活

その異常さは、日常的でない不協和音は

鉄男でも感じ取れるほど。異物だった


249 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 14:47:14.05na54aSexo (6/27)


「天――」

夏凜「須美姉ちゃんとやらに怒られるんじゃなかったっけ?」

「っ」

また、感情を爆発させかけた鉄男の正面

天乃の後ろから、うどんを載せたお盆を手にした夏凜が

不快そうに、声を投げた

夏凜「ま、それ以前に怒られるだろうけど」

「だってっ、だってさっ。おれ……わかんないもん……」

天乃「鉄男くん……」

「皆いなくなっちゃったんだ……姉ちゃんも天姉ちゃんたちも」

それでようやく会えたのに

車椅子に乗っていて、

一緒にいてと言ったら、出来る事はないから。と、断られて

「何にもできなくて良いから、お願いだから、一緒にいてくれよっ!」

天乃「それじゃ金太郎くんは――」

「おれ頑張るから! 天姉ちゃんいてくれるならさっ、おれ、頑張るから!」

こどもゆえの、先を見ていない心に忠実な願い


1、ごめんね
2、…………
3、……解った


↓2


250以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 14:49:54.32kiLepy0IO (1/3)

3


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 14:50:12.85LmPpTjVFO (1/1)

2


252 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 15:17:21.94na54aSexo (7/27)


天乃「……………」

答えてあげられなかった

鉄男の願いは、思いは、純粋で

それを壊してしまうのが、怖くて

――貴女は、逃げた

天乃「っ」

「天姉ちゃん……っ」

友奈「て、鉄男くん!」

「!」

友奈「鉄男くんの気持ちはその、分かるなんて言えないけど……でも、久遠先輩も色々あって、それで、それでね……駄目なんだ」

俯く天乃の代わりに、友奈が言葉を紡ぐ

けれど、それは友奈の考えでしかない

そうだろうと言う、推測でしかない

貴女はそんな、真っ当な理由で何も言わないんじゃないって、言わなきゃ

天乃「やっ」

鉄男くんを傷つけるのが怖くて、鉄男くんの周りを傷つけるのが怖くて

傷つけてしまった責任を取るのも怖くて

天乃「やめて……っ」

ただ臆病なだけ、怖いだけ。

全部、何もかも、自己保身的な理由でしか、ないんだって

天乃「やめてっ!」


253 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 15:25:22.36na54aSexo (8/27)


「っ!」

天乃「ぁ……」

「もう……もういいよっ、もういいよっ! 天姉ちゃんなんか……っ、嫌いだっ!」

怒鳴りつけて、鉄男はそのまま逃げ出していく

誰も、後を追えなかった

かける言葉が思いつかなくて

出来る事が思いつかなくて

天乃「ごめんなさい……ごめんなさい……っ」

顔を負い、蹲るように座り込んだ天乃の悲痛な声が

尋常ではない様子が、心配で。

風「追った方が――」

沙織「鉄くんの家なら分かるから……それに、今は追いかけてもまともに話せる状況じゃないよ」

鉄男が聞きたい事、知りたい事

それは勇者に関わることだから

三ノ輪銀の死、その理由が嘘であったことを知ることになるから

だから、何もできない

夏凜「……天乃」

天乃「ごめんなさいっ、ごめんなさい……仕方がないの……仕方がなかったの……」

樹「久遠先輩……」


254以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 15:30:47.23DeCloXaT0 (1/2)

勇者部のみんなが久遠さんのトラウマに触れるのってもしかして初めてか?


255 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 16:13:18.60na54aSexo (9/27)


夏凜「悪いけど瞳を呼ぶから。今日は解散」

風「夏休みだし、一緒にいても平気よ?」

夏凜「こっちが無理なのよ」

天乃ではなく、夏凜でもなく

大赦が、それを許してはくれない

それを言われては、と

心配そうに、名残惜しそうにする勇者部は

それぞれ、解散することになった

天乃「ごめんなさい……」

夏凜「…………」

こんなはずじゃなかった

こんな、トラウマを蘇らせるような

嫌な日にするつもりはなかった

夏凜「まさか、会うとは思わなかった」

三ノ輪家の人間に

思っても仕方がないことを思い、考えながら

夏凜は瞳の到着を待った


256 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 16:19:03.84na54aSexo (10/27)


√ 8月1日目 夕(自宅) ※月曜日

01~10 
11~20 九尾
21~30 大赦
31~40 
41~50 若葉
51~60 
61~70 樹海
71~80 千景
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ  



257以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 16:19:17.26kiLepy0IO (2/3)




258以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 16:23:19.75TiBiPFbJO (1/5)

ここに来てまさかの追い打ちである


259 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 16:43:03.30na54aSexo (11/27)


√ 8月1日目 夕(自宅) ※月曜日


夏凜「はぁ? どういうつもりよ。それ」

「久遠様は現在非常に不安定な状態にあります。ですので、大赦にてお預かりし、治療に専念すべきではないでしょうか?」

夏凜「嘘ついてんじゃないわよ」

「嘘などではありません。久遠様は一度回復しましたが、今現在こうして良くないことが起きています」

何かある前に、

なにかを起こしてしまう前に

然るべき処置をすべきでは? と

大赦の職員は至極まっとうな

そう、正論を述べて、夏凜を見返す

夏凜「っ」

事実、

天乃は沙織や夏凜に対して、厳しく当たることがあった

友人―恋人―に対してそうなのだから

一般人に対しては冷酷非道な振る舞いが出来てしまう可能性も、なくはない

そうでなくても、今は……精神的に不安定なのだから

「三好様、これは上の人間の意向です。いくら三好春信様の妹様であり、勇者であるのだとしても。抵抗されるのであれば、相応の対応をさせて頂くことになります」


260 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 17:24:22.31na54aSexo (12/27)


夏凜「不安定だからこそ、一人にすべきじゃない」

「その点は問題ありません。久遠様は乃木園子様と同室に送る予定です」

園子もまた、旧知の仲であり

性格は温厚で、穏やかで、刺激することもない

だからこそ、同室は彼女が適任なのだと

大赦の職員は説明する

「久遠様、よろしいですね?」

天乃「……………」

本当にそれが理由なのだろうか

解らない

でも……

天乃「…………」

でも。そう

私が逃げるには、願ってもない【言い訳】でしょう?

誰かに、何かに、みんなに

なにかがあったとしても、誰かが死んでしまったとしても

貴女はその場にいなかったから。と【責任逃れ】が出来るのだから


1、承諾
2、拒否
3、本当に、それだけが理由なの?


↓2


261以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 17:24:52.30kiLepy0IO (3/3)

2


262以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 17:26:09.20TiBiPFbJO (2/5)

2


263以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 17:26:37.30z2B+hcb7O (2/4)

2


264 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 18:01:34.10na54aSexo (13/27)


天乃「嫌」

「く――」

天乃「嫌って言ってるの!」

「!」

天乃「お願い、止めて。何もしないで、何も言わないで……お願い、今は、お願いだから」

自分に対する何かがあるたびに、彼女が現れる

嘲り笑いながら

向けられたすべてを作り変えて、送り込んでくる

嫌な言葉で、辛い言葉で、苦しい言葉で

彼女は壊そうとする

――それも全部、貴女が悪いのだけど

天乃「止めてって言ってるの!」

夏凜「天乃!」

にやにやと笑う、彼女に向かって振るった手は

力強くて、少しがさついたなにかに掴まれて、止まる

夏凜「天乃……追い返すから。落ち着け」

夏凜の手、夏凜の声、夏凜の匂い

その現実感に、視界を遮っていた何かが払われて、彼女が消えていく

夏凜「大赦なんかに連れてったらどうなるか……考えてから出直してきなさいよ」

「……三好様」


265 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 18:37:53.47na54aSexo (14/27)


夏凜「連れていくにしろ、もっとまともな時に来るべきでしょ」

「……そう、ですね。現状では……」

体を抱きしめて、身じろぎ一つしない天乃を一瞥した大赦職員は、

頭を振ると、「わかりました」と切り替える

「問題があると報告しておきましょう。ですが、いずれ必ず」

天乃「…………」

「三好様、問題が内容しっかりと」

夏凜「言われるまでもないっての」

「そうですか……では」

職員は一礼し、そのまま部屋を出ていく

それを目で見送った夏凜は、

小さくため息をつくと

ベッドの上、小さな天乃を見つめてそっと手を伸ばす

夏凜「…………」

けれども、

その手が触れることはなかった


266 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 18:55:52.61na54aSexo (15/27)


01~10 樹海
11~20 九尾
21~30 
31~40 
41~50 若葉
51~60 
61~70 
71~80 千景
81~90 
91~00 沙織 

↓1のコンマ  



267以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 18:57:10.45JCgG0Q/OO (2/3)




268以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 19:08:45.86I86UxfBD0 (1/1)

若葉さん、久遠さんを助けて


269 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 19:26:07.31na54aSexo (16/27)


まだ、外から差し込む光でも十分明るいと言える時間

夏凜のいなくなった部屋で一人、天乃は何も考えずに、ベッドに横になっていた

誰かの言葉に対する考え

誰かの行動に対する答え

そのすべてに、彼女が嬉々として割り込んできてしまう現状では

何も考えず、なにも思わず

ただ流れていく時間に置き去りにされている方が

まだ、気が楽で――

そうやって、逃げるの?

天乃「また……っ」

バーテックスから、勇者から、大赦から

銀から、三ノ輪家から、

恐怖から、責任から、罪悪感から

天乃「やめて……違う。違うの……っ」

追い詰めようとしてくる言葉の羅列

それを、どこかから伸びた手が払い除けていく

掴まれた手は、少し痛い

若葉「大丈夫……ではないな。天乃」

天乃「……若葉」

目を向けた先、不安そうに見ている若葉は

ベッドの端に腰を下ろすと、天乃へと背中を向けた


270 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 19:58:15.91na54aSexo (17/27)


若葉「精神的に問題があった場合……本来なら、私達が仕込んだ機能が自動で起動するはずなんだ」

天乃「……機能?」

若葉「まぁ、なんだ。先代勇者が励ましてくれると言う……そういう、あれだ」

自分で説明しながら

気恥ずかしそうに咳払いをした若葉は、

言葉を濁して、天乃へと振り返る

いつもなら茶化すように言葉を割り入れてきてもおかしくない

けれども、天乃は何も言わない

部屋の明るさとは対照的に、暗く陰った瞳をしている

天乃「だから、なに?」

若葉「それって若葉の事? とか、普段なら言うだろう……」

天乃「言えば、何かあるの?」

若葉「……私が恥ずかしい」

あの頃は、自分がその時代にいる居ないに関係なく

未来の勇者へ。と、強い思いが先攻して考えていなかったが

こうして目の前に改めて現れた今

自分が遺したものがどう表れるのか、気がかりで

そして、少々気恥ずかしささえ、抱いてしまう


271 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 20:28:28.41na54aSexo (18/27)


天乃「……そう」

しかし、天乃は興味なさげに言葉を放ると

若葉を一瞥して、また目を逸らす

天乃「それだけなら、そうっとしておいてくれない?」

若葉「……一人でいても、良くないように見えたが?」

天乃「一緒にいても変わらないから……それなら、若葉達に強く当たらない方が良い」

若葉「沙織と夏凜の件だな」

沙織や夏凜に対して強く当たってしまったのも、穢れのせい

間接的とはいえ、鉄男が驚いて怒ってしまったのも穢れのせい

だから、どう足掻いても誰かが傷つくのなら

自分が傷つく方が良い。という考えだった

天乃「だから……」

若葉「それでも、放っておけるわけがないだろう」

天乃「…………」

若葉「天乃は私の主で、友人で、仲間だ」

それに、郡千景という友人で犯した失敗を

また、繰り返すことなんてしたくない。

そう思ったから

若葉「私はここにいるぞ。たとえ、天乃が私を傷つけるとしてもだ」


272 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 20:55:02.32na54aSexo (19/27)


天乃「……それは、誰のために?」

若葉「ん?」

天乃「私の為? 自分の為?」

誰かが、口を開く

けれど、その部屋には天乃と若葉の二人きりで

若葉は驚いたような、複雑な表情で

自分が言っているのだと

言おうとしているんだと、慌てて口を手でふさぐ

若葉「天乃?」

天乃「っ」

止めてと願う

けれど、彼女は笑う

どうして? っと、訊ねる

私の為なら、迷惑だと。貴女は思うでしょう?

自分の為なら、偽善的で有難迷惑だと私は思う

だから、貴女は迷惑だと思う。それを口にすることの何がいけないの?

彼女は疑問を口にする

悪意に塗れた、毒を。差し出す



1、若葉……大丈夫だから
2、私は貴女を傷つけたくない。だから、お願い。出て行って
3、これは、私が私自身に抱いてる事。ただの、自己嫌悪、だから……
4、……………
0、

↓2




273以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 20:56:11.23s1gXXndcO (1/1)

2


274以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 20:56:25.31TiBiPFbJO (3/5)

3


275以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 20:56:42.10DeCloXaT0 (2/2)

3


276以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 20:56:47.931IV/PUyLO (1/1)




277 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 21:31:06.62na54aSexo (20/27)


油断したら若葉を傷つけてしまいそうな

悪意の宝箱

その唇を強く噛み締めて、心を内側に追いやる

天乃「これはね、若葉。これは……私が私自身に抱いてる事。ただの、自己嫌悪、だから」

若葉「だとしても……そんな姿を見せられて、放っておけるわけがないだろう」

天乃「……っ」

かつて、

自分の為にと、自分の心を閉ざすまでに、

冷酷だと言われるようなことをした、彼女のことを、思い出す

あの時、ひなたは自己嫌悪していた

若葉の責にはしまいと、自分は狡いのだと言い、薄く笑って見せた、あの姿

今の天乃はそれとは少し違う。だが、感じるものは同じだった

小さく儚く、弱弱しい

若葉「私は天乃が背負うすべてを理解しているわけじゃない」

天乃「…………」

若葉「だが……お前が酷く責められなければいけないような人間ではないことは、はっきりと言える」


278 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 21:41:14.55na54aSexo (21/27)


天乃は優しい少女だ

強くも弱く、しかしながら周りの人のためにと

自らを犠牲にまでしてしまえるような、不器用な少女

その自己犠牲の在り方は三ノ輪銀という友人の死によって後付けされたのかもしれない

だが、優しく、他人の為に尽くそうとする心は

元から存在していたのだと、若葉は信じる

でなければ、他人はここまで集わない。

クラスメイトを見てもそうだ

昼間の、幼き子を見てもそうだ

若葉「失敗は誰だってする。私だって……それを責めることもある」

今も、そう

自分たちが作り替えた大赦という組織が、

久遠家に対して厳しく、酷く隠蔽体質になってしまっていることも

失敗だと思っている。責めている

しかし

若葉「そこで立ち止まってていいのか? 天乃。その在り方を受け入れて変わっていく。人間はそう言うものではないのか?」

天乃「…………」

若葉「千景が最期に見せてくれた人としての強さを、思い出せ。天乃」


279 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 22:03:28.98na54aSexo (22/27)


天乃「……千景」

精霊をその身に宿し、心を汚染されて

若葉へと刃を向けてしまった勇者、郡千景

天乃の中にある若葉の記憶では

千景は最期、自分を取り戻して若葉のためにと動くことが出来た

本当に自分が抱いていた気持ちを、伝えることが出来た

若葉「そうだ。だから、天乃だってその闇に打ち勝つことが出来るはずだ」

本当に?

そんなことが出来る?

千景は貴女のように逃げてきたわけじゃない

ただただ、追い詰められていただけ……でしょう?

一緒にするの?

貴女なんかと、郡千景という勇者を

同等の存在だ。なんて、考えちゃうの?

嘲笑する

彼女は――私にはそれが出来ないと、確信している

私自身である、彼女が。


1、……頑張るわ
2、若葉の手を引く
3、そうね……きっと。私にも……
4、…………

↓2


280以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 22:04:10.11zRMHqFXPO (1/1)

1


281以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 22:04:21.30z2B+hcb7O (3/4)

3


282 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 22:26:37.91na54aSexo (23/27)


天乃「そうね……きっと。私にも……」

本当にそう思ってる?

出来ると思ってる?

……あぁ、そうね

出来る、きっとできるわ

貴女なら

だって、ここまでみんなを騙した貴女だもの

感動的な喜劇を演じて人心掌握をしてきた貴女だもの

そう。今、目の前の彼女にだって

普段傍にいてくれている彼女にだって

魅了の力を使って――ね

天乃「そんなの――」

若葉「っ!」

霧のように消えていく自分を追って伸ばした手は

思いのほか力が籠っていたらしく

若葉の手を弾き飛ばす

天乃「……わ、かば」

零れ落ちていく

強さが、

取り繕っていた鎧が、

砕け散って流れて有象無象へと切り替わっていく

今まで見えていた現実が幻想だったかのように

見える世界は暗く沈んで、淀んでいた


283 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 22:33:44.74na54aSexo (24/27)


若葉「な、ど、どうした……なぜ」

泣き出してしまった天乃を前に

若葉は困惑し、動揺し

すべきことを見出すことが出来ずに、立ち尽くす

若葉「っ」

手を伸ばし、手を引く

それで良いのか、分からなくて

けれど、若葉は心の中で燻るだけの心

それを、記憶の中のひなたに問う

それで良いのか、平気なのか

彼女は言う「いっちゃえ若葉ちゃん」と

若葉「……まるで頼りにならないぞ」

ガッツポーズをして見せる記憶の中の彼女は

そんな不満に頬を膨らませる

だから、若葉は苦笑して、振り払い、今目の前にいるパートナーを抱く

天乃「…………」

頭に優しく手を添えて、宥める

その体と心が、崩れて消えてしまわないように。


284 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 22:41:39.80na54aSexo (25/27)


√ 8月1日目 夜(自宅) ※月曜日

01~10 千景
11~20 
21~30 
31~40 若葉
41~50 
51~60 
61~70 夏凜
71~80 
81~90 
91~00 九尾

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


285以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 22:41:54.20z2B+hcb7O (4/4)

はい


286 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 22:56:55.37na54aSexo (26/27)


√ 8月1日目 夜(自宅) ※月曜日

寝るのが怖い

また彼女に出会ってしまいそうで

天乃「……夢は、私の世界だから」

きっと待っている

天乃は心の中で、自分の足で立って歩いて

適当な椅子に座って、適当な机で頬杖ついて

にやにやと、待っている

寝返りを打つと

力のない足がひとりでに曲がって

姿勢がくずれていく

天乃「…………」

……独り。だ


1、九尾
2、千景
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、久遠天乃
0、イベント判定 ※再安価

↓2


287以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 22:57:26.53sX/We1ikO (1/1)

9


288以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 22:57:43.95TiBiPFbJO (4/5)

8


289 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/04(日) 23:13:44.68na54aSexo (27/27)


では、ここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から



東郷「弱った心を」

東郷「はーと、きゃっち!」

夏凜「しないわよ」

若葉「なら、私がしても――構わないだろう?」ガチャッ

夏凜「!?」

ひなた「呼びました!?」ガチャッ

若葉「!?」


290以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 23:16:21.91x0KFhRYHO (1/1)


夏凜の用事はなんだったのかな?


291以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 23:22:26.36JCgG0Q/OO (3/3)


闇久遠さん強敵だな…


292以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/04(日) 23:23:01.14TiBiPFbJO (5/5)


もう一人の久遠さん怖すぎィ!
前半の勇者部解散の時よりも精神病むことになるとは…


293以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 08:48:45.24twkrLdkQO (1/1)


ただでさえ(えっち以外)最強の久遠さんが穢れでより悪魔的になってるって最悪な状況では…?

久遠さん二人でヤるしかねぇ


294以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 09:32:59.01wCh7u+rOO (1/1)




295以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 21:39:29.57Nbp39/pjO (1/3)

夏凜がケアしてくれるのを信じろ


296 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 22:22:21.14++6pwbYQo (1/9)


では、少しずつ


297 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 22:34:37.15++6pwbYQo (2/9)


√8月1日目 (自宅)夜 ※月曜日


蒸し暑いのに、寒気を感じる天乃は

ベッド脇の端末を手にとって、アプリを起動させ、夏凜の名前を探す

天乃「っ」

その名前を押せば、二人きりで連絡が出来る。話が出来る

それをしようと端末を手にして、ここまで来たのに

そこから先、指が動かなかった

彼女がそっと、背中にまとわり付く

良いの?

本当に良いの? 見えても見えないその目で見える世界は、時間は、どうなっているの?

ねぇ私、ねぇ貴女

あの子の邪魔を、して良いの? 嘘つきで保身的で、利己的で、意気地のない、貴女が。

彼女は問う

答えを求めず、囁きかける

舐めるように腕を撫でながら、まったく同じ形で端末ごと手を包み込んでくる

包み込む、その感覚は――怖い

天乃「だ……って……」

怖い? 【二人きり】でいることが

私と貴女の二人で、話し合うことが、恐ろしい?

天乃「やめて……」



298以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 22:38:10.152kj9MM+QO (1/2)

尋常じゃないぐらい病んでる…


299以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 22:46:36.888iuLuAaTO (1/1)

夏凜早く来てくれー!


300 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 22:46:41.62++6pwbYQo (3/9)


そう。貴女は逃げたいのよ

私から、貴女から。そう、自分自身から

逃げて、目を背けて、誰かの陰に隠れて

天乃「いや……やっ」

悲劇の英雄を気取るのよ

頑張りました。力を尽くしました

でもだめでした。ごめんなさい。私には力不足だったんです

そう言って、逃げていく

壊れた街、崩れ落ちる大人たち

お父さん、お母さん。そう、泣叫びながら徘徊する子供達

天乃「違う。それ、は……」

その全てから、目を背けるの

なのに、誰かの前では英雄気取りに剣を取る

光の消えた瞳に蝋燭をともして、指の欠けた手で剣を持ち、心もとない細枝になった足で立ち上がるの

ボロボロの体は自分の責任。敗北は己の罪、ゆえに私は行くと。演劇を見せ付けて。

無傷で無垢な戦士達を、扇動するの。誘惑するの。なんて醜悪な英雄様なのかしら

天乃「違う、違うから。それは、なんでっ」


301 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 22:57:05.47++6pwbYQo (4/9)


否定する。

否定するたびに、彼女はより、体に密着してくる

彼女の手は手首を這うようすべり戻って、天乃の胸元に触れる

天乃「やっ、痛っ……」

冷たい手。温もりも優しさもない

蹂躙だけを目的とした悪意が天乃の柔肌を這いずり回って犯していく

違わない。何も、違わないわ

だって、夏凜も、みんなも。

哀れな勇者様を哀れんで、我こそはと、奮い立っている

貴女は可哀想、とても、可哀想

耳元から、声がする。汚らわしく透き通った毒味のある甘い声

天乃「やめて……」

ほら、夏凜を呼ぶんでしょう?

可哀想な私を、慰めて貰うために

優しく、温かく、包み込んでもらうために

縋り付くために、目を逸らすために

私から、自分から。逃げ出すために


302 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 23:05:01.21++6pwbYQo (5/9)


手が動く。

自分でなのか、彼女によってなのか、解らない

浮き足立った、不安定な感覚で、夏凜へと連絡が向かう

天乃「嫌、嫌……こんなっ」

夏凜はきっと来てくれる

こうやって、抱きしめてくれるの

背中側から強く、冷たく、彼女は抱きしめてくる

部屋にいるのは一人なのに

その感覚は、はっきりと体に染み込んでくる

胸に触れて、腹部を、臍の窪みをするりと撫で下ろして、

下腹部に触れる、悪意の感触

その不快感に目を瞑ると、涙が零れ落ちて――扉が開く

夏凜「連絡、したんなら返して欲しいんだけど?」

天乃「ぇ……あ」

起動したSNSアプリ、夏凜へと呼びかけた文の下に、

夏凜からの「どうした?」という疑問が数分前に来ていた


303以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:08:14.922kj9MM+QO (2/2)

天使降臨


304以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:11:16.83XWiyWdKSo (1/2)

さす夏凜!


305以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:12:29.03Nbp39/pjO (2/3)

ヒュー!


306 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 23:19:34.79++6pwbYQo (6/9)


天乃「なんで……なんで来ちゃうの」

夏凜「なんでって――」

天乃「電話でも良いじゃない、もう一回何か送ったって良いじゃない、なんでわざわざ、こっちの部屋に来ちゃうのよ!」

夏凜「天乃……?」

天乃「やめて……やめて……嫌……」

彼女が笑う。嗤う。ほらね、来てくれた。と

優しい優しい夏凜ちゃんが、惨めで哀れな久遠さんのために、きてくれた

くつくつと、嘲笑しながら囁く

天乃「なんで、どうして……」

せっかくきてくれたのに、なんでそんな酷いことを言うのかしら

あぁ、心配されたいのね?

不安にさせたいのね?

大丈夫? 心配するな。ここにいる

そんな言葉が、聞きたいのね

天乃「……違う」

男の子のように少し荒れた優しく強い、あなたの好きなあの両手で

抱きしめて欲しくて堪らないのね

天乃「違うって言ってるの! 止めて、うるさい……触らないで!」

纏わり付いてくる彼女を振り払うと、

バチンッと、乾いた音が聞こえ

実体がなく感じるはずのない衝撃が、手に伝わってきた



307 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 23:28:37.61++6pwbYQo (7/9)


叩かれた手をちらりと見た夏凜は

心配そうな、顔をしていて

夏凜「天乃……」

天乃「そんな目で見ないで、そんな声をかけないで。大丈夫だから、私……なんでもないから。お願い……」

夏凜「んなこと言われたって」

明らかに正常ではなく、錯乱していて

本人はもはや気づいていないかもしれないが、

泣き出してしまっている。そんな姿で大丈夫だといわれて

信じることができるだろうか

いや、出来るはずがなかった

天乃「お願い……」

抱いてもらえば良いのに

慰めてもらえば良いのに

貴女が全てを忘れられる、全てから逃げられる

全てから解放される、肉欲に溺れてしまえば良いのに

そう囁く彼女は絞め殺そうとしているような力強さで、抱きついてくる

けれどそれは幻覚で、ただ、息苦しいだけ

自分の一挙一動、その全てにおける結果を、彼女が嗤うから

何かをするというのが――恐ろしくて


308 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 23:37:03.24++6pwbYQo (8/9)


夏凜「穢れ……なんでしょ?」

天乃「止めて夏凜、お願い」

夏凜「夕方から、ずっと」

昼間、三ノ輪鉄男に出会ってしまったときもそうだが、

より酷くなったのは、夕方からだ

穢れによる精神的な汚染

それによって悪い考えや嫌な考えといった

負の何かに圧迫されているのだろう

一緒に居て欲しい

そんなことを願ってきたのとは真逆で

今回は近付かないで欲しい。という願い

夏凜「…………」

一人にはしたくない

けれど、近付こうとすればまた辛い思いをさせるかもしれない

どうすべきかと、迷う。躊躇う

あと一歩近付いて、手を伸ばせば

いくらでも触れることができるのに……

夏凜「それは穢れよ。天乃。あんたの考えでも思いでもない。歪められた何かよ」



1、違う……これは、私。私が私自身を殺したいほどに憎いの!
2、止めて、帰って、お願い!
3、私の何を知ってるの? ねぇ、なんでそんなことが平然と言えるの?
0、


↓2


309以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:37:47.55xzb11Wk3O (1/1)

1


310以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:38:06.49B2TSdAF60 (1/1)

1


311以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:38:14.10Nbp39/pjO (3/3)

3


312以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/05(月) 23:45:49.91XWiyWdKSo (2/2)

0が気になる…


313 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/05(月) 23:58:25.31++6pwbYQo (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「夏凜」ギュッ

夏凜「?」

天乃2「夏凜」ギュッ

夏凜「えっ?」

天乃「二人になっちゃった」

夏凜「……!」ガバッ

夏凜「……夢か」

夏凜(……悪くない)


314以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 00:01:10.283JGMfx7cO (1/1)


嫁の数からすると2人になっても体が足りないという事実


315以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 00:04:32.17X9tTnHdDO (1/1)


今までで一番本編とオマケの温度差が激しいなw

それにしてもニセ久遠さんの仕草にヤバさと同時にエロさを感じた


316以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 08:31:09.68QCnw2nYdO (1/1)

この闇久遠さんが責めに転じたバージョンっぽいね
エロティックで素晴らしいと思う

そう言えば今日って久遠さんの誕生日だよね
久遠さんが幸せになれますように


317以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 11:04:10.65hkM/g0iwO (1/1)




318以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 19:26:09.08fnfXO7yro (1/1)

久遠さんオメ
いつの間にか2年半か…
過疎ったSS速報と鯖移転でも続くとは


始まり
1 ◆QhFDI08WfRWv 2014/12/22(月)
現行
313 ◆QhFDI08WfRWv saga 2017/06/05(月)


319以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 21:09:12.99k5iOCJ06O (1/1)

久遠さんと裏久遠さんの薄い本ください


320以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 21:12:08.77akhBF6Yso (1/2)

あまにぼ本ください、リバでもいいんで!


321 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 22:21:21.43jmS0Fj6Zo (1/10)


では、少しだけ


322以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 22:25:11.49SX1HxnETO (1/1)

久遠さん誕生日オメ


323 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 22:28:56.06jmS0Fj6Zo (2/10)


夏凜は優しい

気遣ってくれているのが解る

このまま追い込まれてしまわないようにと、引き戻そうとしてくれているのが解る

けれど、それが、嫌だった

それこそが、彼女が望んでいることだから

天乃「違う……これは、私。私が私自身を殺したいほどに憎いの!」

夏凜の伸ばした手を、今度は自分の意志で払い除けると

ずきりと胸が痛んだ

彼女は嗤う。愉しげに

天乃「穢れがどうこうじゃなくて、元々、私が私自身に抱いてることなの」

夏凜「殺したいほどって、あんた……いや、元々破滅願望に近いものあったけど」

夏凜はいつもの調子を装いながら

見え隠れする動揺を宥めるように、ふと、息を吐く

頬に浮かび、流れ落ちていくそれはきっと、緊張感ゆえだ

夏凜「……そんなに自分が許せないの? 三ノ輪銀や鷲尾須美、乃木園子を守れなくて、風と樹の両親を死なせて。でも、それは――」

天乃「やめて!」

夏凜「っ」


324 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 22:40:31.57jmS0Fj6Zo (3/10)


天乃「私が悪いの! 私が……全部……解ってる、わかってるから!」

頭を抱えるように耳を塞いで、体を縮める

夏凜の優しい声が、今は痛い。辛い、苦しい

それが聞こえるたびに、彼女が嗤うから

……貴女が呼んだのに

夏凜ちゃんは惨めな貴女のために、わざわざ来てくれたのに

天乃「頼んでない、勝手にっ」

違う。貴女が、そういう人にしてしまったの

久遠天乃という、張りぼてを

希少な存在だと偽って、哀れただと慈しんで

命を容易く投げ打つ信者へと変貌させたの

天乃「違う……そんなっ違うっ!」

耳を塞いでも、頭を抱え目を瞑っても

彼女の存在はそこにあった。彼女の声はそこにあった


325 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 22:55:13.89jmS0Fj6Zo (4/10)


震える肩に、冷たい手が触れる

ふわりと小さな風が舞って、魅惑的な甘い匂いが鼻を突く

体を流れていく禊の水のように、彼女の手は天乃の体を流れていく

天乃「やっ」

首も、肩も、二の腕も、ひじも、手も

乳房も、乳頭も、わき腹も、臍も

臀部も、陰部も、太腿も、脹脛も

天乃「あっ……」

全身を舐めるように、彼女の手が流れていく

冷酷な彼女の手に蹂躙されていく

背中から回り込む左手のような感覚が右胸を鷲掴みにして、

右手のようなものが苦しみに喘ぐ口元に指を忍び込ませる

天乃「や、ぇ……」

大丈夫。大丈夫

貴女はいつものように逃げれば良い、目を瞑っていれば良い

彼女は囁く。穏やかに

彼女は嗤う。幸多く


326以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 23:03:48.59kRKKq6Jv0 (1/1)

やめろ!そんなもの間近で見させられたら夏凜ちゃんといえども我慢出来なくなるぞ!


327 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:07:15.82jmS0Fj6Zo (5/10)


目を瞑ると、涙が零れ落ちていく

夏凜や沙織、東郷や友奈

みんなとの交わりの記憶を強引に引っ張り出した彼女がまじまじと見つめて

天乃「ゃめ――」

踏み躙る

怖くても、優しく温もりのある記憶のアルバムを

引き裂いて、足蹴にして、彼女は燃やしてしまう

愉しげに嗤いながら、これも。これもこれも。全部いらない。と

天乃「お願い……やめて……」

どうして?

優しくするみんなは貴女にとって辛いこと、苦しいこと、嫌なこと

大好きな夏凜ちゃんさえ、嫌悪し拒絶するくらいに

だったら、いらないじゃない。私はそう思う

ううん、貴女は最初、そう思っていたじゃない

私と同じ気持ちだったじゃない

自分ひとりで良いんだって、気持ちだったじゃない

天乃「そ、ぇは……」


328以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/06(火) 23:11:28.42akhBF6Yso (2/2)

一週目の頃のめんどくさい成分を思い出すな…


329 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:14:30.56jmS0Fj6Zo (6/10)


話す最中にも、口の中に入り込んだ指は動く舌を強引に押しつぶしながら奥へと進んできて

上り詰めてくる不快感、吐き気に、言葉が握りつぶされていく

天乃「ぇぁ……」

酷い、酷いわ。とても酷い

貴女は大変な思いをして抱いた私という心から目を逸らしたの。

あまつさえ、邪魔だと檻の中に閉じ込めた

そして、喜劇の英雄を気取り始めた

他人を誘惑し、先導し、洗脳し、信者に仕立て上げた

天乃「んぐっ」

彼女の立てた爪が胸に食い込んでいくような痛みがピリピリとして

口を塞いでいた彼女の手が、下腹部を弄って割れ目を裂いて入り込む

こんな体で、誘惑したの

楽しかった? 気持ちよかった?

それとも、不快だった? ただの人形達が、ご主人様たる貴女に触れるということが。

そして、今は思いのままに使い、要らないからと捨てようとしてる

なんて醜い悪魔なの。貴女は。最低ね。最悪ね

もっと、穢れてしまえば良い

ほら、このまま

体内に抉りこんだ彼女の指が穢そうと蠢いた瞬間、頬が叩かれて……


330 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:23:10.84jmS0Fj6Zo (7/10)


夏凜「しっかりしなさいよ……!」

どれだけ強く叩いたのか

じわじわとした優しい感じではなく

ヒリヒリと、びりびりとした持続的な痛みとともに、頬が熱くなっていく

夏凜「言ったでしょうが……」

けれども、それは

今見える世界が、感じるものが、

現実なんだと……導いてくれる

夏凜「たとえ世界の全てがあんたを悪者にしても、私だけは絶対にそれを認めないって」

本当は少し、違う

たしか、バーテックスと同じだとは認めない。だったか……

天乃「夏――」

夏凜「だからっ!」

抱きしめる。強く

たとえ拒絶されようと、否定されようと、

これは、久遠天乃に対しての優しさでも、なんでもない

ただの、三好夏凜の我侭だから

夏凜「天乃の中のあんたが天乃を責めるなら。私がそれを否定してやるッ」

天乃「っ」

夏凜「認めてやらない。天乃の中のあんたが言う全てを、天乃を責める理由も、全部、私は認めてなんてやらないわよッ!」


331 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:32:56.72jmS0Fj6Zo (8/10)


天乃「嫌……やだ……そんなこと、言わないで……」

言い訳になってしまう

逃げ道になってしまう

喜劇の英雄になってしまう

だから。と、拒絶するために動かした手は夏凜の手に囚われて

涙が零れていく

悲しく、嬉しい複雑な涙が流れていく

それは、夏凜の胸元に染み込んでいって

夏凜「しったことか。これは私の我侭なんだから。あんたが嫌だろうが辛かろうが苦しかろうが知らない」

天乃「やめて……」

夏凜「断る」

天乃「お願い」

夏凜「聞かない」

天乃「夏凜っ」

夏凜「くどいっての。黙って泣いてろ」


332 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:45:07.00jmS0Fj6Zo (9/10)


拒絶するたびに、捉える力は強くなっていく

それでも心の中で、彼女が嗤う

優しい夏凜ちゃん、魅入られてしまった夏凜ちゃん

夏凜ちゃんの我侭は、貴女に歪められた信者の供物

酷い、ひどい、とても酷い。貴女は、魅――

夏凜「うっさい黙れ、これは私の我侭だって言ってんのよ。ひったくろうってんなら容赦しないわよ」

天乃「え?」

夏凜「……心配すんな。私は私の意志であんたのそれを拒む。信じなさいよ。本当に好きだって言うなら」

夏凜は抱きしめる力を緩めて、そっと離れる

肩から背中に回っていた夏凜の手には

いつか見た、久遠陽乃のリボンがあって。

夏凜「若葉から聞いてもしかしたらって思ったのよ。真っ黒なあんたの幻覚でも見れるかと思ったけど。ま、それを見れるのは本人だけか」

天乃「夏凜……」

夏凜「私と、そいつ。どっちを信じるのかはあんたに任せるわ。けど不正解だったら、どうなるか解ってんでしょうね。馬鹿」

選択肢のない選択肢

それを投げた夏凜は天乃の額を指で突いて、にやりと笑う

夏凜「勇者部総出であんたに淫らなことしてやる」

天乃「なによ……馬鹿なの、夏凜じゃない……」


333 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/06(火) 23:53:31.26jmS0Fj6Zo (10/10)


結局貴女は逃げるのね

夏凜ちゃんの優しさに甘えちゃうのね

天乃「……………」

私は貴女で、貴女は私

だから、私はいつでも貴女に言うわ

貴女は逃げるだけって、貴女は弱いんだって

貴女は意図的に目を塞いで耳を塞いで、逃げ惑っている泣き虫な子供

彼女は囁く。

夏凜の否定、拒絶

強い意志を前にしても、彼女は揺るがない

天乃「たとえ私の目が見えなくなって、耳が聞こえなくなったとしても。夏凜が正しく導いてくれる。でしょう?」

夏凜「ん?」

天乃「……なんでもない」

まだ何か言ってんの?

そういいながら近づけてくる手を拒絶して

天乃はなんでもないの。今度こそ。と、自分から触れて、その手を握る


334 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 00:00:17.2231uvdUJ+o (1/14)


銀を守れなかった

風と樹の両親を守れなかった

それは、紛れもない事実で拭いようのない罪

けれど、天乃だけのものでは、ないのだ

夏凜が言うように、園子が言ったように

天乃一人で背負うべきことではないのだ

天乃「今日は一緒に寝てね? 夏凜」

夏凜「はいはい」

天乃「今日だけだから」

夏凜「しょーがないわね」

そういって、夏凜は天乃の近くに腰掛けて、息をつく

きっと、これはずっと抱えていくことになるはずのもの

だからこそ、2人で、3人で、みんなで、抱えていく

誰かに頼ること、それは弱いのだと思っていた

けれど、そうではないのだと天乃が教えてくれた

未完成だから集まるのではなく

それこそが完成だから集まるのだと、教えてくれた

だから夏凜は天乃の孤独を拒絶する

夏凜「……しゃーない」

独りであること

それは決して喜ばしいことではないのだと。知ってしまったからだ


335 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 00:05:09.0531uvdUJ+o (2/14)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(デート)
・   犬吠埼樹:交流有(デート)
・   結城友奈:交流有(デート)
・   東郷美森:交流有(デート)
・   三好夏凜:交流有(デート、みんなで、自己嫌悪)
・   乃木若葉:交流無(自己嫌悪)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(デート)
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()



8月1日目 終了時点

乃木園子との絆 54(高い)
犬吠埼風との絆 63(とても高い)
犬吠埼樹との絆 53(とても高い)
結城友奈との絆 69(かなり高い)
東郷美森との絆 55(とても高い)
三好夏凜との絆 91(かなり高い)
乃木若葉との絆 48(中々良い)
土居球子との絆 30(中々良い)
白鳥歌野との絆 25(中々良い)
藤森水都との絆 16(中々良い)
  郡千景との絆 15(中々良い)
   沙織との絆 76(かなり高い)
   九尾との絆 48(少し高い)
    神樹との絆 9(低い)

汚染度???%+β


336 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 00:07:42.7431uvdUJ+o (3/14)

√ 8月2日目  朝(自宅) ※火曜日


01~10  夏凜
11~20 
21~30 沙織
31~40 
41~50 九尾
51~60 
61~70 
71~80 彼女
81~90 
91~00  若葉

↓1のコンマ 


337以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 00:07:56.742qdkcHPJO (1/2)




338 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 00:15:04.5631uvdUJ+o (4/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

開幕彼女(天乃)



友奈「うわーっ!」ダダダッ

東郷「友奈ちゃん待って! 久遠先輩への誕生日プレゼントをするんでしょ?」

友奈「そうだけど裸でリボンはやだよ! 何か違うよっ!」

東郷「風先輩と樹ちゃんは出荷済み、みんなでやれば怖くな――痛っ」バシッ

夏凜「やめろっ!」




339以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 00:16:28.542qdkcHPJO (2/2)


裏久遠さんエロ過ぎるせいで期待してしまう


340以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 00:22:24.09cat+0F1/O (1/1)


夏凜ちゃんカッコ良すぎる…
陽乃さんの力にも助けられたな


341以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 09:14:05.52WA2ieT6SO (1/1)




342以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 09:35:37.57GDvJE7kuO (1/1)

久遠さんと裏久遠さんのえっちいの下さい!短くて良いので!wiki待機!

そして基本的に更新しない鍛練記録更新し過ぎじゃないですかねぇ…嬉しいけど
千景VS晴海
告知しても良いと思うの


343以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 21:47:29.91CzW4fknGO (1/1)

東郷せんせーならこの久遠さんでもそれはそれでありって喜びそう


344 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:00:39.3131uvdUJ+o (5/14)


では、少しだけ


345以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 22:04:46.82EmKYvrzdO (1/3)

いえす


346 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:10:40.5931uvdUJ+o (6/14)


√8月2日目 (自宅)朝 ※火曜日


寝る前は一人ぼっちだった手は、親しく繋がっていて

すぐ傍に、夏凜の気配を感じる

天乃「……夏凜」

不思議と早く目が覚めて、見えた世界は明るい

時間こそまだ5時に入って幼いものだけれど

早くも、火の光らしき明るさがカーテンの隙間から垣間見える

この時間では、流石に夏凜も起きていないようで、

静かな寝息が耳に届く

天乃「……………」

頼っちゃったわね

夏凜の優しさに、温もりに。貴女は身を委ねてしまったわね

天乃「解ってる……」

解ってる? 本当に? なにを解っているの?

夏凜の気持ち? 自分の過ち?

ねぇ、貴女はなにを解っているの?

三好夏凜の抱いている気持ちが、自分の【能力】によるものだってこと?


347 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:16:45.1831uvdUJ+o (7/14)


天乃「それは、違うって」

夏凜は言った。否定した。これは自分の我侭だと

その瞳に宿った意志は嘘ではないと思ったし

心の奥で嘲り笑う彼女も、それには言葉をとめられた。

なのに、彼女は首を横に振る

違う。違うわ。私

夏凜は貴女のために、自分のためだと思っているの

貴女のためだと言ったら受け入れられない

受け入れてもらうために、夏凜はそう【言わされた】の

耳元の囁きは、悪魔のように容易く入り込んでくる

否定する言葉は浮かぶ、違うという思いを抱く

けれどもそれに反して、心音は跳ね上がる

心のどこかでもしかして。と、疑念が産み落とされていく


348 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:23:03.3531uvdUJ+o (8/14)


天乃「止めて……本当に」

彼女は包み込むように、揉み解すように、

円を描きながら頬を撫でて

小さな手、細い指を天乃の口端に押し込む

ふふっ、確かに貴女の魅了の力は弱いわ。弱くなった

貴女自身が弱いもの。でもね、だからこそ私は不安だわ

天乃「な、に……がっ」

だってほら。貴女はこんなに面倒な女だもの

こんなにも頼るだけの使えない女だもの

貴女はそう、宝箱。入れてもらうだけの箱

他の箱があったなら。綺麗なオブジェになるものがあったなら。

捨てられてしまう、ただの箱

天乃「っ」

彼女は嗤う。愉しそうに

彼女は口に突き入れた人差し指で舌を弄くると

親指までも潜り込ませて舌を抓み出す

天乃「ぁ、ぇ゛……ぅ」


349 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:31:20.3831uvdUJ+o (9/14)


人の手によって口を開かれ、舌を引き出された天乃の口元からは、

飲み込むことのできなくなった唾液が伝い落ちていく

止めてという言葉は紡げない

けれど、届いているはずの彼女は、ただただ、嘲笑を浮かべる

汚い、醜い。惨めな私

こんな貴女を夏凜が見たら、なんていうのかしら

天乃「ぅ」

汚いって、言われるかもしれない

気持ち悪いって、言われるかもしれない

もしかしたら鉄男君みたいに嫌いだって、言われちゃうかもしれない

いなくなっちゃう。かもしれない

天乃「!」

夏凜のことだ

こんなことでいなくなったりしないと天乃は思う

汚いとか、何してるのとか言われるかもしれないけれど

そんな、見放されるとは思えない

そう思う一方で、心は揺らぐ

もしかしたら。と、彼女が口にするそれは、決して無いとは言えない事だから

そこに思考が至ると、どうしようもなく嫌な気分になって

瞼を閉ざすだけで、涙が零れ落ちていってしまう


350 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:38:09.7331uvdUJ+o (10/14)


彼女の体が纏わり付く

冷たく、意地悪な触れ合い

彼女の右手が二の腕を包み込むように死ながらすべり落ちて、

肘を撫でて、手に触れて

夏凜と繋がっていた手を無理矢理に引き剥がす

天乃「っ」

離れてく、いなくなっていく

手放されたその手は、もう、届かない

伸ばしても、伸ばしても。みんな、近付いた分だけ離れていく

天乃「ぁ、ぇ……」

引き出された舌が、喉が、乾く

なのに涙は溢れ出て、口元を伝っていった唾液を追いかける

彼女の左手は玩んでいた舌を手放すと、

唾液の通った道を辿り、喉元に指を滑らせながら、

項の窪みで記号のようなものを描いて、胸元へと下って乳房を覆う

彼女の手には、

着ている寝巻きも、着けている下着も関係ない

容易くすり抜けて、直接肌に触れて来る


351 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:45:51.8031uvdUJ+o (11/14)


天乃「んっ」

小さな体は、貴女の自信

大きな胸は、貴女の欲望

彼女は

アンダーバストから上るように右手を動かし、右胸を持ち上げると

母乳を搾り出すように乳頭へと抜けて、

腹部を下ってわき腹を揉むように撫でながら、

臍を人差し指で抉っていく

天乃「っ、ぁ……」

冷たい手、優しくない触り方

なのに、体は火照りを感じていく

それが嫌で、悔しくて、苦しくて

それがさらに、彼女を悦ばせる

優しいくびれは、貴女の努力

下腹部の薄さは、貴女の幼さ

陰部の狭さは、貴女の拒絶

彼女は耳元で囁きながら、艶かしく手を這わせていく

撫でるように、揉むように

時には焦らすような軽さで。

天乃「やめ……やめて……」


352 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 22:52:49.1831uvdUJ+o (12/14)


拒絶を口にしても、嫌悪感をあらわにしても、

彼女はダメよ。と、囁き、耳に息を吹きかけるだけで

動かしたいのに、腕が動かない

そして――

天乃「っ、ん……っ」

下へと下った先、

股の付け根、ぴたりと閉じた割れ目に冷たい悪意を感じて、願う

けれども彼女は人差し指で撫でると

両端を人差し指と薬指で強引に引き伸ばす

天乃「や――んぐっ」

悲鳴を上げかけた瞬間、胸元に降りていた左手が口を塞いで

彼女の右手、その中指があざ笑うように、むき出しにしたまだ経験の浅い入り口を掠める

怖い? 悔しい? 悲しい?

大好きな人の寝ている傍で、大嫌いな私に体を玩ばれていく

嫌なのに、苦しいのに、辛いのに、悔しいのに、体が反応してしまう

罪悪感が滲み出て、貴女はこのまま泣いてしまうの

上でも下でも大泣きするの。子供のように泣き叫んで、大好きなあの子に惨めな姿を曝け出すの


353 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 23:04:48.4531uvdUJ+o (13/14)


天乃「ぅ、ぅぅっ」

ほら、第一関節の半分が入ってく

ほら、第一関節が入ってく

天乃「っ」

少しずつ、入ってきているのを感じる

わざと教え込むように数ミリずつ慎重に差し入れて

挿入感を、異物感を、明確にしていく

貴女はされてばかり、守られてばかり、頼ってばかり

弱くて惨めで、汚らわしい女の子

貴女の純潔という価値がみんなを縛り付けているだけで

それが無ければ、みんな離れてしまうかもしれない

天乃「んぁっ、ぅ、ぇ……」

口を塞ぐ左手がバラバラになって口の中に流れ込む

その苦しさに呻くと、夏凜の体が僅かに動くと

さっきまで煽るように声高だった彼女の声は静まって

呆れたようなため息が聞こえた

ここまでしても、貴女は弱くて惨めなただの肉欲の入れ物

ねぇ、私

貴女はこのままされるだけで良いの?

ただの箱のままでいいの?

それではみんな、離れていくかもしれない

夏凜が言ったじゃない。求めてくれるのが嬉しいって

本当に、今のままで良いの?



1、無理強いしたくない
2、どうしたら良いかなんて、解らないの
3、なら、貴女が何とかして
4、…………



↓2


354以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 23:06:23.92W8CJTDVYO (1/2)

2


355以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 23:06:29.85EmKYvrzdO (2/3)

1


356 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/07(水) 23:15:05.7331uvdUJ+o (14/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夏凜鍛錬記録、千景と晴海の追加
サービスP、今週別ルートBE
追加


天乃「無理強いしたくない」

友奈(無理では、ないですけど……)

樹(自分から言うのは、恥ずかしいですよね)

風(どんとこい)

沙織(ヤらぬなら、ヤるまでヤろう、強引に)

東郷(今度、サブリミナル映像でも見せ……いや、媚薬という手も)

夏凜(……良いわよ。別に。そこにあんたがいてくれるなら。それで)


357以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 23:19:15.42W8CJTDVYO (2/2)


続きがきになるな


358以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/07(水) 23:24:48.54EmKYvrzdO (3/3)


まさかのバッドエンド追加…だと…!?
裏久遠さんのしぶとさとエロさが思った以上に強力だな


359以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 00:20:39.591hNR+I9vo (1/1)


このレス見て読んできた
なんかもう…最高だな!!


360以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 08:19:15.7702ZRlhlYO (1/1)

シチュエーションが超好みだった…
なにあれ有能過ぎない?裏久遠さんってつい最近出てきたのにpdf10pの官能小説とか
プロですか


361以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 10:39:52.46G7IOI4V8O (1/1)


すげえよかった
これはあれだな久遠さんも責めを身に付ければ問題解決か(違


362以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 11:36:37.22ASHbDPvno (1/1)

肉欲の入れ物とか愛欲の投棄場所とか
一体どこから見出だしたセンスなんだ

以前からディルドの例えが秀逸だったけど…流石としか言いようがないな


363 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 22:24:02.38J6eiv7deo (1/10)


では、少しだけ


364以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 22:25:25.13R2U4BeIlO (1/2)

よしきた


365 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 22:35:04.38J6eiv7deo (2/10)


彼女の言いたいことは、解っている

彼女は天乃自身で、天乃が彼女自身なのだから

けれど、だからこそ、

天乃は心の中で解るでしょう? と、呟いて

天乃「無理強いはしたくないの」

そう答える

夏凜は求めてくれると安心するといった

でも、だからと言って、自分が常に求めて良いのかといえば、そうではないはずなのだ

殆どの事柄において、天乃は誰かの手助けを必要とする

それは近くにいればなお、負担は割り増しになって

現状では、勇者部の中で夏凜が一番負担してくれてるといっても良い

場合によっては自主鍛錬だから。と

普段行っている時間からずらすことや

鍛錬自体を縮小してしまう事だって、ある

そんな中で、彼女が求めるような自己中心的な人間になれるだろうか

なれるはずが無い。少なくとも、天乃は

たとえ周りの人が良いのよ。と、微笑んでくれたとしても

遠慮なく力を借りるなんて事は、出来ない


366 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 22:43:31.97J6eiv7deo (3/10)


天乃「夏凜は優しいからきっと応えてくれる」

それなら、求めれば良い

求めてあげたら良い

貴女のそれが、夏凜の救いになるかもしれない

天乃「でもね、貴女が昨日。言ったじゃない」

優しさに縋るだけで良いのか

頼り切るだけで良いのか

そんな弱者のままで良いのか。と

良くない。そのままなんて、天乃は嫌なのだ

彼女がそれを拒むということは

天乃自身が心のどこかでそんな自分に嫌悪感を抱いている

不快感を抱いているということで

天乃「夏凜は優しいから、きっと無理だとしても応えてくれる。力になってくれる」

それが、貴女は嫌なのね

そうやって三好夏凜を蝕んでしまうこと

それが、貴女は恐ろしいのね

そして、そうせざるを得ない自分自身が、貴女は嫌いなのね

彼女が、纏わり付く

背中側から抱きつくように、プールに入っていくかのような

冷たい何かが受け入れて、体中を包み込んでいく

彼女は天乃を抱き、陵辱するのではなく、頭を抱く

親が子にするように、優しく抱く


367 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 22:49:52.49J6eiv7deo (4/10)


だから、貴女は惨めな女の子なのよ

弱くて、醜い、女の子

勇者様に縋りつくだけの、哀れな村娘

彼女は嗤う。心を貶めるように、嗤う

天乃「っ」

彼女は天乃を救うつもりなんて無いのだ

優しく見せているのだって、相談に乗っているように見せているのだって

全ては天乃を弱らせていくためのもの

解決策など、提示したりはしない

弱音を吐かせて、貶めていく。ただ、それだけ

天乃「…………」

それが解っていながら、彼女にそれを口にしてしまったこと

そんな自分の弱さに、天乃は嘆くように体を抱きしめる

動かせない足が、切なく冷えて

天乃「良いの、このままで。夏凜達が私から離れていくなら。それで」

本当に? 本当に貴女はそれで平気なの?

天乃「そう決めてるから。沙織のことだって……意志があるなら。私は止めないって」

自分の手を、握り締める

どうだろうか、本当に、平気なのだろうか

そう考える天乃の耳元で、彼女は小さく嗤う

呆れたように、悲しそうに

どうして、私は貴女にこんなことを言うのかしら


368 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 22:59:11.95J6eiv7deo (5/10)


天乃「……解ってるわ。解ってる。でも」

我侭を言いたくない

我侭を言うのが怖い

結局、迷惑をかけている現状で

さらに迷惑をかけてしまうこと

それが嫌で、怖くて、手を出すことができなくて。

弱虫、意気地なし、何も出来ない惨めな売女

やっぱり、貴女は性欲の捌け口でしかないのね

天乃「っ……」

彼女の冷めた言葉に、体が震えて

彼女の冷たい体がさらに密着していき

このまま混ざり合ってしまうんじゃないか

そう、感じたときだった

天乃「……!」

引き離された手がもう一度握られて

夏凜の瞳が、天乃をしっかりと捉えていた


369 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 23:07:19.92J6eiv7deo (6/10)



夏凜「……何考えてんのか知らないけど。それ、考えすぎ」

天乃「なんで、そう思うの?」

夏凜「今まで、あんたはどれだけのことを一人で考えてきたのよ」

天乃「それは」

満開の後遺症のこと、東郷たちのこと、

自分の満開によるダメージ……

他にも、細かく分けたりすればまだある

深く考えなくても思いついてしまった天乃は、

思わず、何も言えなくなって

夏凜のため息に、体がびくりとはねた

夏凜「そういうこと、あんたは自分で考えるべきだとかなんとかなんやかんやで、考えすぎるのが癖になってんのよ」

多分だけど。と

夏凜は威勢良く言いながら、曖昧に言葉を繋いで、苦笑する

夏凜「あんたからも来てくれたほうが、安心する」

天乃「っ…………」

夏凜「ずっと頑張ってきたんでしょうが。そんなボロボロになるまで、穢れるまで、頑張ってきたんでしょうが」

だったら。と

夏凜は言いながら、今は華奢にも見える天乃の体を抱きしめる

薄く広がるような甘い匂いがする

少し前に変えたばかりの、桜のシャンプーの香り

夏凜「好きなだけ甘えなさいよ」


370 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 23:16:04.45J6eiv7deo (7/10)


天乃「……夏凜」

夏凜「それに、ほら。私……あんたにああ言われなきゃ、平気で他人に任せるような奴だし!」

天乃「あれは……酷かった」

夏凜「悪かったって思ってる」

他にも沢山いるんだから

自分ひとりの接触が軽くたって平気だろう、安心できるだろう

その分鍛錬を頑張ろう

そんなことをしでかした夏凜は、自分のことを馬鹿にする

本気でそう考えたことを夏凜自身、恥じていて。

夏凜「だから……教えるっていうか、求めんのは私達のためでもあるわけで」

天乃「……そう?」

夏凜「そう」

天乃「そっか」

夏凜「ん」

ゆっくりと、指を絡めるように手を握りあう

口数は段々と減っていく

それでよかった、それで十分だった

額と額をこつんっと、軽くぶつけて、「そう」と、言葉が重なる


371 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 23:22:53.19J6eiv7deo (8/10)


夏凜「……デート」

天乃「え?」

夏凜「デート……今日は、二人で」

昨日も誘ってきたのは夏凜で

でも、天乃はみんなで。と、言って全員で行くことになった

けれど、今日は二人でという増やして欲しくない。という意思が感じられて

天乃「解った」

だから、天乃は受ける

昨日は下手なことをしてしまったから

それなのに、こんなにも救われたから

天乃「よろしく」

断る理由も

なにか、余計な一言を挟む理由も。無かった


372 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 23:26:17.21J6eiv7deo (9/10)


√ 8月2日目  朝() ※火曜日


01~10 
11~20 1
21~30 
31~40  2
41~50 樹海化
51~60 
61~70 1
71~80 
81~90  2
91~00 

↓1のコンマ 


373以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 23:26:26.64NOXND6hIO (1/2)




374 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/08(木) 23:31:15.05J6eiv7deo (10/10)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



夏凜「――で、――らしいのよ」

天乃「――なの? ――じゃなくて?」

友奈(ついてきちゃった)

樹(着ちゃいました)

風(そりゃ、行くでしょ)

沙織(行くよね)

東郷(車椅子に自立歩行型変形機構が必要ですね)

園子(千里眼は便利だよねぇ)


375以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 23:31:56.509OVoTh+Z0 (1/2)

1って何だ...まさか1周目の久遠さんでも出て来るのか!?


376以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 23:32:38.659OVoTh+Z0 (2/2)

あ、乙


377以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 23:33:10.99NOXND6hIO (2/2)


一発やっとくかの1だよ


378以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/08(木) 23:40:12.41R2U4BeIlO (2/2)


夏凜ちゃん居なかったらあのバッドエンドになってたかも知れないんだよな…
久遠さんはもう夏凜ちゃんには頭が上がらないな


379以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 19:03:43.52feSPGtHUO (1/2)

夏凜にはこの前悪いことしたし今度はめいいっぱい楽しんでもらおう


380以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 21:40:14.36IS7NKsm50 (1/2)

闇天乃さん結構しぶといな...せめて同じ経験(闇の自分との対話)を持つ千景に記憶が残ってたら相談なり何なり出来るんだけど


381 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:08:01.928tScI01No (1/10)


では少しだけ


382 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:14:19.938tScI01No (2/10)


√8月2日目 ()昼 ※火曜日


真夏の陽射しが照りつける真昼時

天乃は申し訳程度に被らされた帽子の広いつばを邪魔そうに持ち上げて、空を仰ぐ

もっとも、雲の無い晴天は半分ほど陰になってしまっているが。

天乃「デートって……夏凜、ちょっと」

天乃の視界を奪う影―三好邸―から夏凜へと目を向けた天乃の困った声に

夏凜は真剣な目を家に向けたまま、息をつく

夏凜「この前、私にも久遠家に近付くなって連絡が来たことは覚えてるでしょ?」

天乃「ええ」

夏凜「対して適当に返した結果、お呼び出しを喰らったってわけ」

天乃「えー」

不安そうな表情から一転、天乃は呆れたように語尾を延ばす

夏凜「悪かったわね……デートなんて言って」

夏凜は一言謝って、首を振る

夏凜「私が勇者になるまでは無関心にも程があったくせに……使えると思ったら。これなんだから」

天乃「夏……!」


383以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 22:19:52.99UtxLGt2aO (1/2)

夏凜の方も先にご挨拶か


384 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:27:05.208tScI01No (3/10)


車が近付いてくる。

近くの家にではなく、夏凜の家に向かって

しかし、駐車場にはすでに車が停められていて

また、大赦の厄介者の乱入でもあるのかと天乃がにらみを利かせた瞬間

家の脇に止まった車から、少し大人びた、男性が姿を見せた

「早かったな。彼女に送らせたのか」

夏凜「……それ以外ないわよ。兄貴の車、天乃を乗せられないでしょ」

天乃「兄……貴?」

夏凜「そ。私の兄で大赦の中枢勤務の三好春信」

「顔を合わせるのはこれが初めてだろう。三好春信だ。よろしく頼む、久遠様」

天乃「私は、そう……勇者の、久遠天乃」

夏凜の血の繋がった兄は、夏凜とは違って大人しい印象で

天乃は自己紹介をしつつ、春信の差し出した手をとって、握る


385 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:32:20.338tScI01No (4/10)


「昨日は来なかったと聞いたが……」

夏凜「急に来てって言われても困るし」

本当は行こうとして

みんなで行くことになったから、取りやめただけなのだが

夏凜はそのことを言おうとはせず、

春信もまた、追及する気は無いらしい

インターホンを押すと、3人居ることを告げる

すると玄関の鍵がガチャリと開けられて、天乃たちは中へと招かれて行く。

「体調に問題はないのか? 先日は問題ありと報告が上がっているが」

天乃「今は……そこまで」

夏凜「精神的なことの報告は?」

「もちろん聞いている。だからこそ。私がここに居る」

道中、春信と夏凜はどこか他人行儀で

けれど、不思議と兄妹だとわかるような距離感での会話をする

好ましいと思っているような、思っていないような

そんな中間ぐらいの、不安定な感覚だ


386 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:41:39.998tScI01No (5/10)


「お越しいただき、ありがとうございます」

春信に付いて向かった部屋に入ると、

恐らくは夏凜の母親と思われる女性が礼儀正しく、一礼すると

沙織の時とは違って、父親の方も嫌悪感を示すことなく、礼をする

天乃は大赦から危険視されている

けれども、

二年前から世界を守り続けている勇者であり

他の勇者の満開とは系統が違うとはいえ、

神格に近付いている存在ゆえ、礼儀はかけないの判断したのだろう

堅苦しい挨拶を前にした天乃は、

困ったように表情を歪めて「いつも通りでお願いします」と、願い出る

「そう……ですか? それでは」

女性は頭を上げると、夏凜を一瞥して春信と天乃に目を向けて

とりあえず掛けて。と、客間のソファへと手を向ける

天乃「申しわけないのだけど、私はこのままで」

「ええ、構いません」


387 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 22:51:29.758tScI01No (6/10)


夏凜と春信が席に着くと、父親であろう男性が一つ咳払いをして

ゆっくりと口を開く

「さて、久遠様……いや、久遠さん。で、いいのかな?」

天乃「ええ」

「そうか。久遠さん。娘から話は聞いているだろうか?」

天乃「久遠家との付き合いに関して、でしょうか」

夏凜がさっき言っていたこと

寧ろ、それ以外には無くて、言うと

男性は少し気まずそうに眉を潜めて、小さく唸る

「そうだ。大赦の方から、君があまり良くない子だといわれてね。付き合いは控えさせるようにといわれたのだ」

夏凜「そ――っ!」

何かを言いかけた夏凜を制するように、春信は手を出して。

夏凜の熱が一瞬であれ静まったのを確認して手を引く

「確かに、彼女にはいささか問題が有る。しかし、私達は彼女に救われている。という点を考慮すべきでは?」

「春信……しかしだな」

「父さん、母さん。彼女達は使い捨ての道具ではなく、生きた人間であることを忘れないで欲しい」



388 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 23:01:40.418tScI01No (7/10)


世界のためだからと、大赦はその犠牲を仕方がないものとして処理してしまう

その子供達の両親も、泣く泣くではあるが、手放すことを承諾してしまっている

生きるため、個人ではなく、全人類の存亡を掛けているのだから

大赦がしているように、それは諦めてしまうべきなのかもしれない

しかし、それゆえの良心の呵責から逃れるために彼女達を人間として扱わなくなるというのは

春信にとって、見逃すことの出来ないことだった

「彼女に問題があるといっても、それは勇者として戦ってきたがゆえのもの。本来の彼女は、今の姿を見て解るとおりの心優しい少女に過ぎない」

むしろ優しすぎているぐらいだと、夏凜は思ったが、

そんな余計な口を挟まずに、天乃へと目を向ける

天乃は褒められてしまっているせいか、居心地が悪そうにしていた

「私達が、そして、世界が担うべき穢れを請け負ってくれている彼女を。久遠家を私達は迫害すべきではない」

「貴方は、そっち側に付くのね……ううん、貴方はずっと。その子の味方よね」

押し黙っていた母親は、春信から夏凜へと目を向けると

すぐに目線を下へと下げて、父親へと答えを投げた


389 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 23:10:17.158tScI01No (8/10)


「春信。お前が言うことは間違っている。だが、きっと、それは私達にとって、なのだろうな」

「………………」

「解った。大赦にはそのように伝えよう」

そう答えた父親だが、悩ましげな表情は解消されることは無く

そんな父親の姿勢に、母親もまた

困り果てた表情で天乃と夏凜を見ると、春信には退席するように言う

春信は聞いていないようで、

表情こそ経端だったが、夏凜を不安げに見て、そのまま部屋から出て行く

そして

「率直に聞くわね」

夏凜「……なに?」

春信をわざわざ退席させたのだから

何か嫌なことを言われるかもしれない

警戒する夏凜の声は少しとがっていたが

母親は相変わらずのままで

「貴女達、交際しているという話を聞いたのよ。それも、久遠さん。貴女に限っては複数の、その……女の子と」

その問いは、意表を付くには十分過ぎた


390 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 23:19:38.068tScI01No (9/10)


「お母さんはね、交際することに異論は無いの。貴女達は思春期だから。でもね、女の子同士とか。複数の人と。というのは、アレ、じゃない?」

夏凜「……だ、だれ、から?」

「大赦からよ。出所はわからないけど、そう伝わってきたの」

ただの噂かとも思ったけど。

そう言った母親は、夏凜の驚きを隠せていない表情に、ため息をついて

噂じゃなかったようね。と、呟く

「久遠さん、どうして複数の女の子と?」

女の子同士。ということはこの際目をつぶるつもりなのか

複数の女の子というところに焦点を当てた母親の問いに、

天乃は中途半端に開いていた口を閉じて


1、全員の関係を保つため
2、好きになったから
3、誰も失いたくないから
0、翼は、複数の羽根があってこそ翼と言えるのよ


↓2


391以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 23:20:11.331ZXR52neO (1/1)

2


392以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 23:20:47.98feSPGtHUO (2/2)

2


393 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/09(金) 23:31:19.358tScI01No (10/10)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「それは……」

東郷「快楽に溺れさせたからです、お義母様」

「えっ?」

東郷「手取り足取り……」

東郷「私が丹精込めて、えっちにしました!」ドヤッ

「は、はぁ……」

東郷(冗談なのだけれど……)

夏凜「いや、まずあんたはなんでいんのよ」


394以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 23:32:38.85dc5Y522fO (1/1)


シンプルイズベストだな!


395以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 23:41:41.53IS7NKsm50 (2/2)


翼の例えは多分同年代向けだな
かっこいいけど
すごくかっこいいけど


396以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/09(金) 23:52:42.02UtxLGt2aO (2/2)


何気に春信さん超久々の再登場だな
今のうちに大赦の中でも味方を増やしておきたいな


397以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 11:18:58.45s+Iu9Ll1O (1/1)




398以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 11:53:29.28QQ6PjLGhO (1/1)

春信さんは久遠さんたちの関係すでに察してるのかな


399 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 22:43:43.83gn5h/G1uo (1/7)


では、少しだけ


400以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 22:44:52.57zfPjuFRPO (1/3)

かもーん


401 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 22:46:39.65gn5h/G1uo (2/7)


天乃「好きになったから、です」

天乃は恋愛ということにおいては、

自分なんかは本当に恋をしている人ほどの理解はないと自覚している

実際、恋愛関係に関しては沙織のほうが上かもしれない

だけれど、自分が相手をどう思っているのか

複数の相手を持つのがどういうことなのか

少しは、わかっているつもりで。

けれどそれでも。

天乃はみんなを選んだ

そこには、関係を悪化させないため。という打算的なことが無かったかといえば嘘になるかもしれない

しかし、今ここにあるのは、そんなある意味で邪まな想いではない

天乃「そこに至るまで、色々とありましたが、その結果が。その気持ちで。私はみんなにその想いを伝えて、受けて貰えたから。複数の女の子とお付き合いしています」

「……………」

天乃「少なくとも、こんな私の……」

天乃は自分の動かない足、赤く穢れた瞳、感じられなくなった味覚、聞こえない片耳、忘れてしまった記憶

色々なものをひっくるめて、握るように、胸元に宛がった手で握りこぶしを作る

天乃「私の想いを受けてくれた子に告げた心の責任は絶対にとります」


402 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 22:54:34.95gn5h/G1uo (3/7)


母親が言ったように、みんなは中学生で思春期真っ只中

入ってきたばかりの子だって、いるかもしれない

そんな勇者部の女の子を意図的ではないにせよ誘惑して、

自ら、恋をしてしまって、繋がりを持ってしまった。触れ合うことをしてしまった

で、あるのならば。

天乃「私はみんなに愛想をつかされない限り、みんなと添い遂げるつもりです」

その覚悟は抱いて然るべきだ

その覚悟を握り、意志を秘めた瞳を母親は真っ直ぐ見返す

「……本気、なのね?」

天乃「はい」

「夏凜、貴女は?」

夏凜「家を出たときと変わらない……私は、常に本気で挑むわ」

「そう……」

夏凜は顔色一つ変えることなく

戦っているときのような、しっかりとした表情で言う

二人のそんな隙を感じない

しかし、好きあっていることは感じられる、独特の雰囲気に、

母親は一つ息をつくと「解ったわ」と、返す


403 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 23:00:27.42gn5h/G1uo (4/7)


「夏凜、私達は貴女に好きにしなさいと、言ったわ」

夏凜「……ん」

「ただし、貴女もしっかりと責任を負いなさい。勇者だからと死んでしまうことは許されませんからね」

母親は天乃を一瞥すると

夏凜へと向き直ってはっきりと告げて、「話は以上です」と、幕を下ろす

けれど、

軽い挨拶を終えて天乃と夏凜が部屋を出ようとした時

母親は夏凜を見つめたまま、天乃へと向けて

「久遠さん、少し難しい子ですが。よろしくお願いしますね」

夏凜「は、はぁ? 天乃の方が難しいってこと知らないからそうやって……」

天乃「ふふっ」

夏凜「笑うな!」

伊集院家とは違って

和やかに家庭訪問は済んで

母親からは「また顔を見せに来て頂戴」と、言われた


404 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 23:10:17.53gn5h/G1uo (5/7)


「……話は済んだのか?」

夏凜「帰ってなかったんだ」

部屋を出て、廊下を進んでいくと、

玄関のあたりで先に部屋を出た春信とまた出会って。

春信の伺う一言に、夏凜はそっけなく返す

仲がいいのか悪いのか

少し疑いたくなった天乃だが、春信の見定めるような視線を感じて、考えを切り離すと

丁度、春信が息をついた

「結城家、東郷家。両家も大赦に対して久遠家との断交は無いとの意向を示したそうだ」

天乃「……あなたが?」

「いや、両家が個々に決めたことだ。娘の望みを阻むことはしたくない。と」

夏凜「……もしかして知ってたの?」

「気にするな」

睨むように言った夏凜の頭を軽く叩いて、春信は一歩出口へと近付く

「以前は何もしてやれなかった。だが、今はもう力になってやれる。お前はお前の好きなことをしたら良い」

去り際の、その声は

春信自身がそれを喜んでいるかのような、明るい声で

夏凜は呆気にとられたように立ち尽くして春信の後姿を見つめる

夏凜「……そっちこそ、気にすんなっての」

そう、小さく呟いた



405以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 23:14:03.26tqUTMZ9bo (1/1)

春信さんやっぱ好きだわ


406 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 23:22:08.68gn5h/G1uo (6/7)


そんな微笑ましい兄妹の姿を傍で見守った天乃は

クスクスと、笑って

天乃「仲良いのね」

茶化すように問いかけると、夏凜は「そんなことないから!」と

否定はしたものの、顔は赤くて、

やはり仲は良いのだと、天乃は羨ましく思う

自分にも兄がいた。姉がいた

そのはずで、けれど、何も覚えていないから

だから、羨ましく感じて切なく笑う

天乃「良いお兄さんじゃない」

夏凜「なによ、気に入った?」

天乃「ええ。まぁ……恋愛のそれではないけど」

心配した? という天乃の一言に

夏凜はしてないから。と、呆れ混じりに返して

夏凜「……どうよ。この後」

天乃「?」

夏凜「ちょっと、連れて行きたいところあるんだけど」



1、えっちなお店?
2、良いわよ
3、もうやだ。また大赦関連でしょ
4、映画見に行きましょう


↓2


407以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 23:23:06.87MC3qXFJ5O (1/1)

2


408以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 23:23:34.85zfPjuFRPO (2/3)

2


409 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/10(土) 23:40:00.88gn5h/G1uo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


410以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 23:47:23.11zfPjuFRPO (3/3)


春信さん今作も相変わらずイケメンで安心した
久遠さんを抱いてもギリギリ納得できる男性って五郎くんと彼ぐらいだな


411以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/10(土) 23:57:09.51Yts0BJp50 (1/1)




412以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 00:25:15.77HyCVWi6oO (1/1)


東郷さん家や友奈ん家にも挨拶いかなきゃな


413以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 08:38:13.45I0GX+VExO (1/1)




414 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 13:11:11.60VEVw4jrbo (1/19)


では、少しずつ


415以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 13:19:32.67D2pM9+nxo (1/2)

はっやーい


416 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 13:36:01.84VEVw4jrbo (2/19)


天乃「良いわよ」

夏凜「あっさり決めんのね」

朝のデートの誘いが実家訪問で

少しは警戒するのかと思っていた夏凜としては

嬉しくもあるが、少し、不安を覚えて

そう言えばそういう無防備な女の子なんだと思い出して、苦笑する

天乃「なに?」

夏凜「いや、あんたは無防備なやつだったと思って」

天乃「夏凜を信頼してるからよ」

夏凜「嘘つけ」

天乃「……まさか不信感を抱いてると看破されるとは」

夏凜「のんないわよ。その話題」

天乃「むー」

夏凜のことは信頼している

もちろん、勇者部のみんなのことも

しかしながら、心のどこかで不安を覚えていること

不信感がひっそりとたたずんでいること

それもまた【嘘】ではなくて。

つまらない子ねーと、

天乃は冗談ぽく笑って、小さくため息をついた


417 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 13:53:45.21VEVw4jrbo (3/19)


夏凜「でも、あんたって戦いに関しては隙が無いわよね」

天乃「そうかしら」

夏凜「百回に一回くらいなら、あるかもしれないけど」

天乃が戦っているのを見た回数は、思えばそんなに多くはないし

一度は殺し合いではないが、模擬戦でなく本気の戦いを自分がやった

しかしそれでも、戦闘においては余念がない事くらいは、夏凜でも確信が持てた

だからこそ、惜しいと思う

特別すぎる力を持ってしまっていることが

その力が諸刃の剣であることが

もしもそうではなく、純正の勇者であったのなら

とても心強かっただろう。と

夏凜「ま、その分緩い今のあんたも、わるかないけど」

天乃「褒めても何も出ないわよ」

夏凜「んなつもりはないし」

そんな、他愛もない話をしながら、

瞳の迎えが来るのを、待った


418 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 14:15:51.59VEVw4jrbo (4/19)


01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 彼女
41~50 
51~60 樹海
61~70 
71~80 
81~90 九尾
91~00 

↓1のコンマ  


419以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 14:19:24.99rMwYnMQSO (1/2)




420 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 14:41:57.43VEVw4jrbo (5/19)


次に夏凜に連れてこられたのは、

沙織の尾行をした際にも来た、映画館だった

夏休みということもあって、にぎわっている館内を見渡した夏凜は、

少し待ってて。と、天乃を残して自動券売機へと向かう

天乃「映画……」

どこに行こうとしているのかは聞かなかったけれど、

車が到着した時点で、もしかしたら。という可能性は考えていた

けれど、天乃はすこし似合わないなぁ。と、夏凜を眺める

夏凜は瞳から勧められて、小説を手に取ったりもしているが

やはり、天乃からしてみれば

夏凜が持っているのは刀であり、木刀であり、

得るのは知識ではなく経験という印象が強い

そんな夏凜が、自分から映画に誘って

自分で見る映画をあらかじめ決めているのだから……不思議な感じがする

天乃「操作、慣れてないのね」

見かねた係の人に声をかけられる夏凜の姿

天乃はそんな愛おしい姿を眺めて、笑う

映画を見ていなくても、これはこれで、好きだった


421 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 15:07:35.23VEVw4jrbo (6/19)


見たのは、恋愛映画だった

恋愛映画と言っても、良くあるようないちゃいちゃとくっつくようなものではなく

すこし控えめな、中学生から高校生

大人へと変わっていく主人公が

周りの変化に翻弄されながらも、成長していくといった、話で

強く恋愛をしている、という感覚はなかった

映画を見終えて、館内に併設されている休息所のようなところで、一息つくと

夏凜が思い出したように呟く

夏凜「あの父親……」

天乃「ん?」

夏凜「ほら、あの浮気癖の強い父親。どう思った? 一妻多妻の久遠様は」

天乃「私は手を出してもひっこめてないわよ。ちゃんと連れ帰ってるから良いの」

夏凜「どういう理屈よ」

呆れたような目を向けてくる夏凜に、天乃は苦笑を返して

天乃「あれは創作物だけれど、でも。間違ってるって思ったわ」

夏凜「へぇ?」

天乃「だってほら、彼には娘がいて。なのに、ただただ愛人を増やすと言うのは私は認めたくないわ」

夏凜「なら、天乃も子供が出来たら、一人に絞る?」


422 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 15:44:51.11VEVw4jrbo (7/19)


天乃「え?」

夏凜「だから、あんたにも子供が出来たら、そうしちゃうのかって」

戸惑う天乃は夏凜へと目を向けたけれど、

夏凜は、天乃を見ていなかった

適当に勝った飲み物を手にしたまま、

まるで、興味がないようなそぶりで、いくつかある映画の壁掛けポスターを見ながら、問いかける

夏凜「私達の中の誰か一人とか。その、相手の男とか」

天乃「それは……」

ないだろう

ないはずだ。何か、そうする以外に道が無くなってしまった

そういう事態に陥らない限りは、絶対に

天乃「そうね……知りたい?」

夏凜「なにその茶化す前提の顔」

天乃「あら、そんな顔してる?」

夏凜「夏凜の反応が楽しみで仕方がないって語ってる」

ちらりと目を向けた夏凜の、察した言葉


1、みんながいるなら。私はみんなと一緒よ
2、夏凜は逆に、どうするの?
3、その前に。私が男の子とするのは許せるの?
4、私が離れるかもって、不安になった?


↓2


423以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 15:51:41.95aO+fRXqs0 (1/6)

2


424以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 15:51:57.76rMwYnMQSO (2/2)

4


425 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 16:25:27.16VEVw4jrbo (8/19)


天乃「私が離れるかもって、不安になった?」

映画の中でも、

主人公の女の子の恋人は遠くに旅に出てしまったり

その主人公の周囲も、近づいたり、離れたり

恋愛は忙しないものなんだなと、思ったくらいで

夏凜は悩まし気に目を細めて、首を振る

夏凜「責任取るって、あんた言ったし」

天乃「……そうだけど、そう言うことじゃなくて」

夏凜「それにきっと、あんたが離れる時は面倒ごとに巻き込まないようにする為とか、どうせ私たちの為だろうし」

天乃「違うかも――」

夏凜「しれなくない」

言い終える前に、夏凜は言葉を潰す

そんなことはない。絶対に

そんな確信があって

夏凜は無意識に動いた手が触れた小さな触れ慣れた感覚に重ねていく

夏凜「連れ戻すから。私達が」

天乃「そ――」

夏凜「例え、記憶喪失になったとしても。私達は。必ず、あんたの傍にいるから」


426 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 16:49:32.16VEVw4jrbo (9/19)


そう、覚悟を決めたのだ

夏凜も、勇者部も。みんな

園子も須美も生きている

けれど、命を失ってしまった人

それ以外の大切な物を失ってしまった人がいて。

だから、自分たちくらいは、失われずにいようと、決めたのだ

そのためなら――

夏凜「天乃」

天乃「言いたいことは、分かるわ」

夏凜「そ……でも、あえて言っとく」

ゆっくりと、夏凜は天乃へと目を向ける

夏休みの映画館

その喧騒が一瞬にして、静まったような

そんな、隔離されたような感覚の中で

夏凜「近々、また襲撃があるそうよ」

天乃「いつ、聞いたの?」

夏凜「夏休み前よ。あんたには伝わってなかっただろうけど」


427 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 17:26:46.97VEVw4jrbo (10/19)


天乃「……規模は?」

夏凜「さぁ? ただ、傾向からして全滅させに来るかもって」

天乃「っ」

夏凜はさらっと、告げる

逃げても誤魔化しても仕方がない

来てしまうものだから

そんな、ある種の割り切りのようなものを感じさせるその声に

手に重ねられた夏凜の手が、どこかへ逃げてしまいそうな不安を感じて、

さらに手を重ねる

夏凜「ん?」

天乃「園子も、私もいないのよ……?」

夏凜「解ってる」

天乃「解ってない」

夏凜「解ってるから」

天乃「解ってない……解ってないわ」

夏凜「…………」


1、前回と同じ規模だったとしても勝てる自信があるの?
2、いざというときは私も戦うわ
3、だから……今日、こんなデートに誘い出したの?
4、子供の話ってつまりそう言うこと、なのね?
5、戦力が大幅に減少してるってことなのよ?

↓2


428以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 17:27:18.57Vc9vL030O (1/2)

4


429以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 17:27:44.54aO+fRXqs0 (2/6)

4


430以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 17:29:08.48aO+fRXqs0 (3/6)

2


431以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 17:30:35.38aO+fRXqs0 (4/6)

すまぬ誤爆


432 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 18:08:38.10VEVw4jrbo (11/19)


黙り込む夏凜を前に、

天乃は不安と恐怖に呑み込まれていく心を抑え込むように、夏凜の手を握る

そして、ふと思う

わざわざ実家に連れてきたリ

映画を見に来たり、あんな話をしたり

それは、もしかすると

天乃「子供の話ってつまりそう言うこと、なのね?」

夏凜「は?」

天乃「え?」

夏凜「なんで?」

天乃「なんでって……私と子供作りたいとかそう言う話じゃないの?」

夏凜「は? はぁぁっ!?」

無意識に叫び声のような驚きの声を上げた夏凜は、

周りの視線を感じて、慌てて口をふさぐと、

目を瞑り、大きく息を吐いて、「あのさ」と、

僅かに気迫と羞恥心の籠った声を投げる

夏凜「あんたも私も、その……アレ。というか、お、女でしょうが!」

天乃「それでも問題ない方法でも見つけた可能性もあるじゃない?」

夏凜「真面目に言ってるってのがなんかイラっとするわ」


433以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 18:15:44.777SAgCklqO (1/4)

穢れ関連かと思いきや…w


434以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 18:18:19.01Emg+w2AuO (1/4)

俺も悪五郎との行為のことかと思ったww


435 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 18:46:54.77VEVw4jrbo (12/19)


天乃「違うの? ほら、一人に絞るとかそう言う……」

夏凜「それならむしろあんた相手が違うでしょ」

天乃「それはそうだけど」

思っていたのと違う夏凜の反応に、

天乃はすこし困ったように眉を顰めると、

夏凜から眼を逸らして、

楽しげに話す小学生くらいの子供たちを眺める

天乃「対抗したのかと思って」

夏凜「男になれと?」

天乃「ならなくても出来るんじゃないの?」

夏凜「知らないわよ」

少なくとも

現代でもそんな技術は確立されていない

天乃「けど、違うなら。私は五郎君と子供を作ることになる」

夏凜「……それに関しては、もう。穢れ関連なんでしょ? だったら何とも言えないわよ」

自分が悪五郎の代わりになれると言うのなら

それはそれでやりたいが。出来ないのだからどうしようもない


436 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 19:31:15.50VEVw4jrbo (13/19)


夏凜「とにかく、私が言いたかったのは戦いがあるってこと」

天乃「……そう」

そして、それは勇者である天乃には伝わらなかったと言うこと

それはつまり、

大赦からは、正式に除名されている。ということになる

もっとも、その正式に含まれるのがどの部分なのかは疑問があるが。

夏凜「こ、子供の話は。たまたま映画の内容があれだったから、しただけだから」

天乃「そう……ごめんね。変な勘違いして」

夏凜「ほんとよ」

そう言った夏凜は、

さっきの言葉を思い出してか

恥ずかしそうに頬を染め、ふいっと、顔を逸らす


1、できたら、する?
2、……今日は、するの?
3、夏凜との子供、出来たらどんな子になるのかしら
4、男の子とするって、どんな感覚なのかしらね
5、ねぇ。今日はもう帰るの?


↓2


437以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 19:32:10.44Emg+w2AuO (2/4)

5


438以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 19:32:42.15Vc9vL030O (2/2)

2


439 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 20:01:09.70VEVw4jrbo (14/19)


天乃「……今日は、するの?」

夏凜「したいの?」

天乃「なんで、聞き返すのよ」

つないだ手をわざと力強く握ると

夏凜は痛い痛いと零しながら「悪かったって」と

謝っているようでいないような謝罪を口にして、

苦笑いを浮かべる

その顔はほんのりと赤らんでいたが

天乃よりは、軽度なようで

天乃「なんか……そういうことしないと、もやもやするの」

夏凜「もやもやって……穢れ?」

天乃「解らないけど、でも。穢れの影響が強くなってきてから、より酷くなったと思う」

心の奥で「人のせいにするの?」という言葉が聞こえたが

聞こえないふりをして、首を振る

天乃「別に、しなくても平気なの。全然、体調崩すとかはないから」

けれど、もやもやとする

何もしていないのに、少し、火照った感じがする

そしてなにより

天乃「彼女がそのもやもや感で色々言ってくるから……その。ね」


440 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 20:40:13.10VEVw4jrbo (15/19)


夏凜「なるほど……今は?」

天乃「ぼそぼそ何か言ってるけど、とくには」

夏凜「そうじゃなくて」

そう言った夏凜は、

周りの視線を気にしながら

天乃の耳元へと口を近づけると

夏凜「そういう気分なのかどうかよ」

本来聞きたかったことを改める

天乃「っ!?」

夏凜「天乃?」

天乃「そ、そう言う気分って……い、今映画観て。それで、だから」

顔が見る見るうちに赤く染まっていく天乃は、俯いて

そのまま言葉はかき消えていく

そんな、普段よりも一段と弱弱しく見える天乃を見つめて

夏凜は小さく、息をつく

夏凜「解った、じゃぁ、今日の夜……平気?」


1、平気
2、心の準備
3、夏凜と二人きり?

↓2


441以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 20:42:24.26aO+fRXqs0 (5/6)

2


442以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 20:42:35.747SAgCklqO (2/4)

2


443 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 20:49:06.99VEVw4jrbo (16/19)


天乃「ま、待って」

夏凜「?」

天乃「その……こ、心の準備、ね?」

距離の限りなく近い夏凜の体をぐっと押して離れた天乃は

恥ずかしそうに眼を逸らして、口を開く

天乃「私、弱いから……」

夏凜「……そ、まぁいいわ」

夏凜は天乃のそんな反応にも文句を言うことなく受け止めて

心配そうに天乃を一瞥する

夏凜「あんたが平気な時で良いわよ」

天乃「……うん」

夏凜「朝からは少し困るけど……それ以外なら、出来る限り付き合ってあげる」

天乃「ごめんね、エッチな子で」

夏凜「しょーがないわよ。あんたにもいろいろあるんだから」

暗くなりかけた雰囲気を振り払うように

夏凜は「さ、帰るわよ」と、明るく言い放つ

その優しさが

天乃はとても、有難かった


444 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 20:51:47.85VEVw4jrbo (17/19)



√ 8月2日目 夕() ※火曜日

01~10 
11~20 九尾
21~30 
31~40 
41~50 彼女
51~60 
61~70 
71~80 大赦
81~90 
91~00 樹海化

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


445以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 20:55:25.347SAgCklqO (3/4)




446 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 21:18:40.62VEVw4jrbo (18/19)


√ 8月2日目 夕(自宅) ※火曜日


まだ陽が高く思える夕方

長く付き合わせるの元、夕方の半ばに帰宅した天乃は

自室で一人息をつく

天乃「…………」

園子も、同じように穏やかに過ごせているのだろうか

ふと、そんな不安が湧き上がって、すぐに振り払う

一人になると、どんなことでも不安になってくる

怖いと感じてしまう

ネガティブ一直線な思考回路は、現状では、修復できそうにはなくて。

天乃「春信さんが何も言わなかったんだから、平気。だろうけど」

彼女が、心の中で燻る

不快な感覚、不愉快な感覚

その痛みに、天乃は耐えて、起こしていた体をベッドへと寝かせる

夏場のベッドは不快な生暖かさがあった



1、九尾
2、千景
3、若葉
4、球子
5、歌野、水都
6、悪五郎
7、夏凜
8、勇者部 ※再安価
9、イベント判定 ※再安価

↓2



447以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 21:19:44.37Emg+w2AuO (3/4)

ま6


448以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 21:21:50.85aO+fRXqs0 (6/6)

3


449 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/11(日) 21:34:39.67VEVw4jrbo (19/19)


では、本日は早めですがここまでとさせ得て頂きます
明日もできれば通常時間から


天乃「ねぇ、若葉」

若葉「?」

天乃「変なこと聞いて良い?」

若葉「なんだ? 私で答えられるなら構わないぞ」

天乃「男の人とのえっちって、どんな感じ?」

若葉「男の人との……? そんな覚えはないぞ?」

天乃「え?」

ひなた「……ふふふ」


450以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 21:41:08.72Emg+w2AuO (4/4)


実際問題五郎とすれば最終決戦間に合うんだろうか?


451以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 21:43:50.747SAgCklqO (4/4)


次の襲撃…祈るか戦うのか悩みそうだな
あとひなたさん、若葉様に一体ナニをしたんですか?


452以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/11(日) 22:00:01.27D2pM9+nxo (2/2)

乙乙
…そういやおまけ世界線だと上里家色々シてましたね


453以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 11:33:05.47z0jpFngyO (1/1)




454以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 20:26:49.35tB95aI9EO (1/1)

今回って場合によっちゃ最後まで見学になるのかな?
まあみんなの成長を信じてもいいけど


455 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/12(月) 22:39:53.68DWn5fCd2o (1/5)


では、少しだけ


456以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 22:43:05.374+LmxTmpO (1/3)

あいよ


457 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/12(月) 22:53:36.82DWn5fCd2o (2/5)


※√8月2日目 (自宅)夕 ※火曜日


若葉「大丈夫か?」

天乃「ええ……」

呼び出して早々、不安そうにたずねた若葉は

天乃のベッドのすぐ横に椅子を置く

天乃は若葉には目もくれず、どこか遠くを見ているようで

上の空にも思えるそんな姿に、若葉が不安げな目を向けていると

天乃は小さく息をついて、ゆらりと、首を動かす

天乃「近々、戦闘になるらしいわ」

若葉「聞いていた。夏凜が言っていたやつだろう?」

天乃「そう。また、大規模になる可能性もあるって」

若葉「…………」

煽るような言葉は、沈んだ声で

昼間や夕方のような明るさは無い

その不安定な様子にはやはり、不安が募るが

それと同じくらいに戦闘も不安で

若葉は無意識に握り締めた自分の手に気が付いて、息をつく

それでも、心は落ち着かない


458 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/12(月) 22:57:37.85DWn5fCd2o (3/5)


若葉「不安か」

天乃「別に、若葉たちが弱いと思っているわけじゃないの。でも……」

若葉「そうだな。勝つためには、夏凜が言っていたように満開を行使する必要があるかもしれない」

そうすれば、負けるかもしれない

死ぬかもしれない

そんな危機から脱することができる

それは確実で、とても安全で、盲目的に勝利のみを目指すのなら

生きていること。ただそれだけを目指すのならば、使わない手はないこと

だが、その分、勇者たちは傷つく

生きてはいるが。と、言葉を紡がなくてはならなくなる。今すぐではないにしても、いずれ。

若葉「規模にもよるが、満開は最低でも二人は必要だと見るべきだろうな」

天乃「誰か一人の満開でどうにかなるほど甘くない可能性もあるものね……」

若葉「そもそも……これを言うのは少し心苦しいが。園子もいない」

前回のあの連戦になってしまった戦いは、

初戦には天乃がいてくれたから

二戦目には園子がいてくれたから

だから、何とか終わることができた

そう考えている若葉にとって、二人のいない戦いは不安が多かった


459 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/12(月) 23:04:13.04DWn5fCd2o (4/5)


若葉「…………」

西暦時代にも、勇者が苦しめられた穢れの影響

体のみならず、精神にまで影響を受けている天乃の姿を前に

若葉は苦虫を噛み潰したように不快な表情を作り、背けて、自分の手を見る

握りすぎ、爪あとさえ残ってしまった手の平

赤く熱っぽさのあるそんな手を、若葉はもう一度握る

若葉「私達でも、その穢れを何とか出来ればいいんだがな」

天乃「出来ないわ。出来ないから、久遠家は特別なんだもの」

若葉「しかし……」

天乃「いいのよ。無理しないで」

若葉の気遣いに、笑みを向ける

それは切なげで、儚げで

嫌な大人っぽさが感じられて

それはまるで、その場からいなくなってしまうような

手からすり抜けていってしまうような……感覚


1、ところで。貴女も鍛錬に参加してるのよね?
2、どう? みんなで問題なく連携できそう?
3、私も……戦うわ
4、なにか、言いたいこと、あるんじゃないの?
5、若葉って。子供、産んだのよね?



↓2


460以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 23:04:52.89s6bNg9BUO (1/1)

4


461以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 23:05:20.354+LmxTmpO (2/3)

4


462以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 23:06:49.92XRBTyLiD0 (1/1)

3


463 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/12(月) 23:16:11.88DWn5fCd2o (5/5)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日も出来れば通常時間から


天乃「何か言いたいことがあるんじゃないの?」

若葉「ああ、私には子孫がいるだろう?」

天乃「ええ」

若葉「実はな、その先祖。つまり私の子だが、産んだのはひなたでな」

天乃「え?」

若葉「実は、私が父親なんだ」

天乃「えっ?」


464以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 23:18:57.71B7ziIHouO (1/1)


なるほど
男らしいしな(?)


465以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/12(月) 23:21:59.694+LmxTmpO (3/3)


まあでも男を知った若葉様って想像しにくいのはあるよね


466以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 09:19:50.830OL2nNLpO (1/1)

乙乙
と言うかまあ言っちゃうと勇者シリーズの女の子は大体…うん


467以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 09:21:19.590VtBog7+O (1/1)


ゆゆゆいでも似たような話してたな
ゆゆゆいはプレイヤー名が久遠さん関連だったら>>1だろうな


468以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 10:55:32.27JOkoaJCFO (1/1)




469以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 21:04:27.19qos5awP0O (1/1)

あの凛々しいイメージのある若葉でもベッドの上での快楽の前では…って考えると興奮した
そのうち五郎くんと一緒に聞いてみたいな


470以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 21:44:02.16dYy1CKVHO (1/2)

確実に経験あるって言えそうなの若葉くらいだっけ?


471 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:05:25.98GFNqQ9Mjo (1/7)


では少しずつ


472 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:09:59.31GFNqQ9Mjo (2/7)


黙り込んでしまった若葉を見つめていた天乃は、

ゆっくりと窓の外を眺めるように目を細めて、息をつく

左側が真っ暗で、何も見えない

それは、自分の体には常に不具合があるという烙印のようなもの

考え出せば、深く沈んでいってしまいそうな仄暗い闇が、顔を覗かせていて

彼女はいつも、そこに姿を見せる

そして、不安を煽り、体を穢そうとしてくる

天乃「……っ」

考えてしまう、思ってしまう彼女の姿

それを振り払うように首を振って、手元を見つめる

天乃「何か、言いたいことあるんじゃないの?」

若葉「……なぜ、そう思う」

天乃「そんな顔、してるから」

若葉「そうか……解り易いか。私は」

懐かしむように零した若葉は、

薄く笑みを浮かべると、帯刀した自分の刀の柄を小突く

若葉「そうだな……なぁ。天乃。私は、天乃が好きだ」

天乃「!」


473以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 22:10:31.41n81ge+kgO (1/3)

いえす


474 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:18:48.15GFNqQ9Mjo (3/7)


若葉「それに大切だから、守りたいと心から思っている」

天乃「…………」

心からの言葉を絞りだす若葉の表情は

告白をする気恥ずかしさなんていうものは微塵も感じられず、

それどころか、痛みに耐え忍ぶような、苦しささえ、見える

そんな若葉の握られた拳は震えていて

悔しいのだと、天乃は気づく

若葉「だが、現状の私ではきっと守りきれない」

天乃「そんなことは――」

若葉「あるさ。システムの向上した現代勇者でさえ、満開を使わなければいけない戦いだ。ないはずがない」

天乃「若葉……」

過去に大敗を決した若葉は、今回もまた、自分個人では負けるのだと、思っている

ネガティブだといわれるかもしれないが

力不足感は、否めない

だからこそ、若葉言う

だからこそ、若葉は考える

若葉「……少しだけ、力を貸してくれないか」

だが、言葉は――道を外れる


475 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:27:45.00GFNqQ9Mjo (4/7)


若葉の提案に、天乃は少し驚いて目を見開くと

若葉は自己嫌悪ゆえか、唇を強く噛み締めて、首を振る

天乃「力?」

若葉「ああ、そうだ。少しで良い。少しだけ、傍にいてくれ」

天乃「……? それが、力なの?」

純粋な疑問をぶつけてくる主を前に、

若葉は300年前に何度も抱いた不安が再発してくる不快感を感じて、頷く

若葉「守るべきものがまだある。という、自覚だ」

天乃「そう」

若葉は罪悪感を感じる表情をしていて

本当に言いたかったことがそうではないのだと

天乃は察する

けれど、天乃は若葉を一瞥するのみで

短く答えて、目を逸らす


476 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:37:29.63GFNqQ9Mjo (5/7)


若葉は言いたいと思った

だが、言うべきではないと思ったから、言わなかったのだ

言いかけた際の、不快な表情

それはきっと、若葉にとって嫌なことだったからで。

戦いについてのことだろう

若葉のことについてだろう

天乃のことについて話していた後なのだから

もしかしたら、さらに天乃についてかもしれない

天乃「ねぇ、若葉」

若葉「なんだ?」

天乃「……傍に、いるだけでいいの?」

若葉「それは」

天乃「別にいいのよ。貴女が上里さんに求めていたことを、求めても」


477 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 22:45:59.15GFNqQ9Mjo (6/7)


戦いによる不安感や、戦いへの恐怖

様々なものを抱えながら、若葉は上里ひなたという少女に肩を寄せていた

それは、少しでも頑張れるようにと自分自身の心の延命措置

それが、今は無い

若葉の記憶を共有している天乃としては

頼れるものがなくなってしまったという不安や寂しさがある

球子が言っていたのはきっと、そのことだ

若葉「天乃……」

天乃「ん」

若葉「天乃はひなたとは違う。似ているところも確かにある。だが、違うんだ」

天乃「そうね……」

若葉「だが、それでも……少しだけ。借りたい」



1、抱きしめる
2、待つ
3、えっち、する?


↓2


478以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 22:46:23.76ARQnR5yTO (1/2)

1


479以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 22:46:33.51dYy1CKVHO (2/2)

2


480以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 22:47:16.04n81ge+kgO (2/3)

3


481 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/13(火) 23:13:49.45GFNqQ9Mjo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




沙織「三好さん、お誕生日おめでとう」

夏凜「……昨日なんだけど」

沙織「うん、ほんとはね、昨日持ってくるつもりだったんだけど」

沙織「準備に手間取っちゃって……はいこれ」ガラッ

天乃「むーっ、うーっ!」ジタバタ

夏凜「なに……これ」

沙織「久遠さん裸リボンバージョン」

夏凜「今すぐほどけ!」


482以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 23:15:13.55ARQnR5yTO (2/2)


若葉にもフラグが
全力で期待


483以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 23:28:56.80n81ge+kgO (3/3)


若葉とて久遠さん達と同じ中学生だしな、弱さを見せたっていいと思うんだ

…若葉のこんな姿見たら久遠さんも再び戦いに挑みそう


484以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/13(火) 23:54:35.7089bZHNAjo (1/1)


いきなりえっちはアレだからちゅーくらいから始めよう


485以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 00:22:14.24BC4oXmNtO (1/1)


夏凜とはまた違うタイプのイケメン気質だから相性はよさそう


486以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 09:19:11.83sXCzPCczO (1/1)




487 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 22:27:10.19Qg/NmJ8eo (1/8)

では、少しだけ


488以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 22:28:09.02gsZIdBdOO (1/3)

かもん


489 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 22:36:02.00Qg/NmJ8eo (2/8)


天乃「良いわよ、貸してあげる」

若葉「良い、のか?」

天乃「何も躊躇うことはないもの」

あっさりと受け入れてくれたことに、

申し出た若葉自身が戸惑うと、天乃は大人びた笑みを浮かべて、頷く

それは、ある日見たひなたのようで

けれど、それはまったく違う姿で。

再沸する寂しさを前に、若葉はそっと手を伸ばして天乃の肩に触れる

若葉「……優しいな」

天乃「それが私の長所だから」

掴まれた肩から体ごと全てをぐっと引き込まれて、

決して大きくはないけれど、でも女性特有の柔さのある胸に抱かれる

若葉「生きてるな」

天乃「ええ」

若葉「……まだ、ここに、ちゃんと」


490 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 22:45:48.27Qg/NmJ8eo (3/8)


西暦時代、一つ一つ欠けていく日常を経験した若葉にとって

今、ここで感じられる日常というものは、儚く散りやすいものでしかない

だが、それは天乃も一緒だった

三ノ輪銀が亡くなった。その親友、鷲尾須美は記憶を失って他人となった

乃木園子は戦闘によって、自力では殆ど何も出来なくなってしまった

天乃自身も、足が動かせなくなって、片方の耳が聞こえなくなって、味を感じられなくなって

家族の記憶さえも、失った

天乃「当たり前でしょ、何言ってるの」

若葉「そうだな」

天乃の微かな笑いに、若葉も小さく笑みを浮かべて、より天乃の体を抱きしめる

強く、優しく

そのぬくもりを、その柔らかさを、その優しさを

自身の体に溶け込ませていくように

いつか感じたその感触を追い求めて

若葉「……優しいな」

肌に触れる感覚も、包み込むぬくもりも

そして、ゆっくりと吸い込むたび、内側に浸透していく天乃の匂い

全てが穏やかで、心と体に優しさを感じる


491 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 22:53:31.54Qg/NmJ8eo (4/8)


若葉「このまま、ずっと抱きしめていたいくらいだ」

自分の在り方に不安を覚えて、ひなたのことを求めて部屋に向かった時と似たような感覚

答えは己でといわれ、突き放されたように感じた絶望感とは対極的に

救われていく感覚

ひなたも優しい、天乃も優しい

だが、その優しさのベクトルは少し違うのかもしれない

そんなことを考えながら

天乃の真っ直ぐに下ろした後ろ髪に顔を埋めて、より密着して息をする

自分は、今ここで生きているのだと、感じた

天乃は、今ここでいきているのだと、感じた

失ってしまったものと、新しく得られたものが重なっていく

であれば、また。壊れてしまうのだろうか?

――否だ

答えは、断じて否だ

若葉「守るぞ、私は」


492 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 23:02:38.43Qg/NmJ8eo (5/8)


抱擁を抵抗無く受け入れてくれる心優しい主

その体を少しずつ手放して、向けられた瞳に目を向ける

若葉「私は天乃を守る。天乃の周りも、みんなもだ。全部守り抜いてみせる」

天乃「……無茶は、しないでね」

若葉「……天乃は。君は、君という人は」

優しくかけられた声

不安を感じる視線、心配しているのだと物語る表情

若葉は燻っていた気持ちを抱きながら、どこかを眺めて、首を振る

自分は精霊なのだ

今ここで生きているのだとしても

いずれ、消えなければいけない存在

ここにいては、いけないはずの存在

だから、と、

若葉は唇を噛んで、天乃の体をもう一度抱きしめる

若葉「心配するな」

これでいいのだと

それで言いのだと、若葉は心の疑問を押しのけていく


493 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 23:09:14.61Qg/NmJ8eo (6/8)


√ 8月2日目  夜(自宅) ※火曜日


01~10 
11~20 沙織
21~30 
31~40  夏凜
41~50 
51~60 
61~70 九尾
71~80 若葉
81~90 
91~00  千景

↓1のコンマ 


ゾロ目 特殊



494以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 23:09:39.82DddUAWJoO (1/3)




495 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 23:24:02.14Qg/NmJ8eo (7/8)


√ 8月2日目  夜(自宅) ※火曜日


天乃「…………」

夏の夜特有の

温く感じる布団と空気に包まれながら体を動かすと

薄い掛布団が微かに擦れた音を響かせる

夜は静かだ

外からの虫の声こそするけれど

基本的には車もなくて、何もなくて

まるで、自分一人しかいないようで

天乃「呼べば、来てくれるかしら」

夕方話した夏凜は、別室にいるから、寝ていなければ連絡一つで来てくれるかもしれない

精霊たちは、呼びかければ答えてくれるだろう

けれども。

眠れないからというくだらない理由で呼んでいいのだろうかと

天乃は、少し、悩む



1、九尾
2、千景
3、若葉
4、悪五郎
5、歌野
6、水都
7、球子
8、沙織
9、夏凜
0、大人しく寝てみる
11、イベント判定

↓2


496以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 23:24:49.82DddUAWJoO (2/3)

0



497以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 23:25:45.41gsZIdBdOO (2/3)

2


498 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/14(水) 23:42:45.26Qg/NmJ8eo (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「千景、ひと狩り行かない?」

千景「ええ、良いわ」グイッ

天乃「っ!?」

千景「淫獣退治、今からするわ」

天乃「ち、違……」


園子「なんてね~」

杏「流石です、園子先生!」


499以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 23:43:24.56DddUAWJoO (3/3)


若葉フラグたったのかと思いきやそうでもなかった


500以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/14(水) 23:48:55.60gsZIdBdOO (3/3)


今作でののわゆ勢は攻略対象ではないのかもな
その分久遠さんたちがえっちなことする度にどんな反応するか見るのは楽しいけど


501以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 10:19:54.18Tk8qupitO (1/1)




502以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 20:30:13.44fvynbTsrO (1/2)

3


503以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 20:30:55.04fvynbTsrO (2/2)

ごめん誤爆?


504 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/15(木) 22:09:33.02KYGegMZBo (1/5)


では、少しだけ


505以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 22:11:32.57aoZXtTpgO (1/3)

おk


506 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/15(木) 22:26:26.91KYGegMZBo (2/5)


※√8月2日目 (自宅)夜 ※火曜日


千景「乃木さんじゃなくて良いの?」

天乃「あら、どうして?」

千景「さっきのを見ていれば、誰でもそう思う……わ」

考えるように切り出した千景は、天乃の事をじっと見つめて、小さく息をつく

こんなときどんな話をしたら良いのか

どんなことをしたら良いのか

記憶も知識も無い千景は困ったように視線を泳がせて

千景「乃木さん、いつも張り詰めていた。から」

天乃「貴女もそう感じたのね」

千景「はい。模擬戦においても、思い悩んでいるのか、動きが鈍っているように感じて……」

そこまで切り出した千景は「また」と

自分自身を戒める言葉を吐いて、首を横に振る

千景「きっと、大赦の件よ。乃木さんが久遠さんに言っていた、あのこと」

天乃「…………」

千景「そこで力になれなかったから、きっと、力不足に焦ったのかもしれないわ」


507 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/15(木) 22:39:39.54KYGegMZBo (3/5)


千景は若葉の気持ちがわかるとはいえない

けれど、それが自分の立場だったと、考えて思う

自分は記憶も何も無くて

過去にはとてもではないが、明るみには出したくないような失態を犯してしまっている

それを知っていながら、突き放すことなく受け入れてくれる人

その周囲の弊害に対して

自分がまったくの無力で、無益なのだとしたら、それを痛感してしまったとしたら

きっと、焦るだろう。きっと、打ちひしがれてしまうだろう

千景「私は……そう思うわ」

天乃「……若葉のこと、ちゃんと見てるのね」

千景「私はゼロからのスタート。その分、周りを見ているべきだと思っているわ」

そう言った千景は、

過去を思ってか、罪悪感のある表情を一瞬浮かべる

千景「それが出来なかったことも、過去の失態の原因の一つだから」


508 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/15(木) 22:58:25.68KYGegMZBo (4/5)


千景が家庭に恵まれてさえいれば

崩壊以前に友奈たちと出会ってさえいれば

きっと、もっと勇者としての力は強く、関係も深く

もしかしたらみんなで最期まで生き残るようなことも出来たかもしれない

見た目は大人しい印象で

クラスにはいるだろうが、いないようにも思えるような

そんな、風景の一つでしかないような雰囲気

けれど、

若葉の記憶でみた千景は、そんな姿の中にも

とても明るく、活発にも見える姿(半分は陽乃への苛立ち)があった

もしもそんな千景だったら……と

そんなことを思った天乃は、拭うように頭を振って千景へと目を向ける

天乃「いい子なのね、千景は」

千景「そうあるべきだと、思っただけ」

天乃の微笑みに、千景もまた、少し緩んだ微笑を向ける

それはとても愛らしく、尊い笑み



1、貴女は、どう? もう慣れた?
2、一緒に寝る?
3、貴女は、戦うことに不安は無いの?
4、可愛い顔、できるじゃない


↓2


509以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 22:59:08.66E5BsTyTPO (1/1)

4


510以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 22:59:23.65KAIj/nEH0 (1/1)




511以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 22:59:24.94aoZXtTpgO (2/3)

1


512 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/15(木) 23:22:11.09KYGegMZBo (5/5)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「一緒に寝る?」

千景「……性的な意味で?」

天乃「どこでそんな切り返しを」

千景「東郷先生のタチネコ完全マニュアルを買ったわ」

天乃「返品してきなさい」


513以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 23:24:29.89d/G9i8iVO (1/1)


若葉ともうちょい話したいなあ


514以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/15(木) 23:30:15.74aoZXtTpgO (3/3)


若葉…久遠さんのように抱え込んでるみたいだな
どうにか負担を軽くさせたいところだか…


515以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 13:21:58.69OnSHUI94O (1/1)





516以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 20:17:20.83UySKQmLNO (1/1)

若葉よりも精神的に余裕がある千景って新鮮だな


517以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 21:14:57.38rU0QjtSfO (1/1)

バリタチの東郷せんせーにネコの指導できるのだろうか


518 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 22:22:40.04VN5OdFXLo (1/7)


では、少しだけ


519以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 22:27:01.41RQXqF+UlO (1/2)

どんとこい


520 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 22:32:11.02VN5OdFXLo (2/7)


天乃がじっと見ていると、

笑ったことが気恥ずかしいのか、

ほんのりと赤らんだ表情で、千景はどこかへと顔を背ける

それでも、横顔の愛らしさは抜けなくて、

寧ろ、幻想的な透明度の白い明かりが差し込んで照らすそれは

愛らしいというよりも美しいというような、感じで

天乃「ねぇ千景」

千景「何、かしら」

そっと、切り出す

天乃「一緒に寝る?」

千景「え?」

驚いた表情は、子供のようで

本当はもう、300年を除けば自分よりも少し上なんだけど。と

天乃は想いながら、「寝る?」と、笑みを向ける

千景「それは……私と。久遠さんが?」

天乃「そうよ」

千景「…………」


521 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 22:48:23.83VN5OdFXLo (3/7)


そんな長考するほどのことでもないのではと天乃は思うが、

千景はしばらく頭を悩ませて、困ったように眉を潜める

千景「私、周りに恨まれないかしら」

天乃「どうして?」

千景「私以外に、久遠さんと横になりたいと思う人はいるはずよ。それこそ……」

そこで千景は言葉をとぎると、首を横に振って

千景「伊集院さんや、三好さん達」

天乃「それはそうかもね、でも。みんなは人を恨むような子ではないわ。少なくとも、添い寝くらいではね」

自信のある笑みでそう言った天乃は、

翌日以降に私もあたしもと来るかもしれないと思う

多分、今いるけれど出てこない伊集院さんとかは、何かが無ければ、確実に

それこそ夏凜でも引きずり込んで。

千景「それは……そうね」

天乃「でしょう? それにね。千景」

千景「?」

天乃「私は貴女と仲良くなりたいのよ」


522 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 22:57:13.40VN5OdFXLo (4/7)


千景「……久遠さん」

みんなが熱く想いを語る久遠天乃という人間

みんなが、好きだと口をそろえる久遠天乃という少女

その遣いの精霊である千景は

まだ、ここに着たばかりで、その理由に共感することは完全には出来ないし

何も思わずただ納得するというのは少し難しい話だった

けれど、感じる

天乃の笑みは、愛おしいと

だから、思う

この人は守りたいと思わせる人なのだと

悲劇を知っている

苦しんで、辛い思いをして、抱え込んで

それでもなお、嫌な思いをさせられて

それでもなお、生き抜いてみせるそれは尊さを持つ

千景「貴女は……酷い人ね」

だから千景はおもむろにそう、呟く


523 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 23:02:53.85VN5OdFXLo (5/7)


天乃「え?」

千景「わからない? だって、貴女はもう何人もの恋人がいるわ」

天乃「そうだけど……」

千景「でもきっと、久遠さんは誰かに好意を抱かせる」

意識的にも、無意識的にも

きっと、関わった誰かに好意を抱かせてしまう

勇者部のみんなにむけられているだろう心はきっと特別で

他の誰かにもまたそんな心を向けるとは限らない

きっと、ある一線を超えない限りはそんなことはしないだろう

しかし、その優しさは、温もりは、尊さは

咲いては散る花のように

融けゆく雪結晶のように

儚くも美しく、刹那に尊い

万人の心に何かを抱かせる

千景「また、誰かが久遠さんを好きになってしまったら……どうするの?」


524 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 23:30:49.48VN5OdFXLo (6/7)


天乃「……そんな真剣に悩んだことは、なかったわね」

相手の心がある程度分かるとはいっても

絶対に選択を間違えないとは言えないわけで。

だからこそ、人の気持ちに対して

自分の言動が傷を深めるものではないようにと気を使っていることは良くあることだ

それで相手が救われるのなら

落ち込んだ気持ちを拭い

後ろ向きになってしまった目を前へと向けられるのなら

それは、天乃にとっても。それがたとえ他人の事であったとしても喜ばしいことで

そうするようにと務めてきた

天乃「私が誰かを好きにさせちゃう……ね。うん、私って魅力的だからね。そういうこともあるわよ」

茶化すように言って、間を繋ぐ

向けられる千景の視線は揺らがない

千景「久遠さんが笑った時、温かさを感じたわ」

天乃「…………」

千景「また見たいと、ずっと見たいと。そう思えるような温かみを」


525 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/16(金) 23:52:45.41VN5OdFXLo (7/7)


天乃「だから、笑うなって?」

そう言った天乃は、考え込むように視線を泳がせると、

差し込む月明りを追いかけるように外を見る

それは、迎えを見上げるかぐや姫のようで

一抹の不安を覚えた千景が言葉を紡ぐ寸前

天乃が小さく笑みをこぼした

天乃「それは無理ね、夏凜が嫌がるもの」

千景「笑わないで欲しいなんて言ってないわ」

天乃「あら、そうなの?」

解り切ったことを問い返してくる天乃に

千景はそう言うのが……と

少し思いながらも首を振って天乃を見る

ワクワクしている子供のような

純粋さの感じられる表情

その愛らしさは、小動物にも思えるけれど。

千景「仲良くなりたいなんて……そんな。笑顔で言われたら……困るわ」


1、千景は仲良くなりたくないの?
2、あら、もしかして惚れちゃった?
3、どうしたら良いのか、戸惑ってるの?
4、もしも誰かを惚れさせたのなら。断るにしろ受けるにしろ。責任を持たないとね……
5、ベッドに引き倒す

↓2


526以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 23:53:34.52ijoYRKqeO (1/1)

4


527以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/16(金) 23:54:33.33RQXqF+UlO (2/2)

3


528 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 00:19:54.20MNx/lOcho (1/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




沙織「郡さん」

沙織「もしも笑顔に気を惹かれたのなら」

沙織「それで心がぽかぽかしたのなら」

沙織「それはね、きっと」

沙織「恋って言うんだよ」


529以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 00:22:03.15pwa/M+FYO (1/1)


若葉と千景も惚れちゃうのか


530以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 00:24:14.55//DNNwvc0 (1/1)


もしも記憶がある状態千景だったらどうなってたんだろうな


531以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 00:41:41.29Fn38XMy+o (1/3)


これは千景若葉もメンバー入りの予感


532以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 09:39:47.95N6bi8h8pO (1/1)




533以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 18:24:59.84gH0oBsFI0 (1/1)


あまり人数増えても一人一人に対する時間が減るからその辺が考え所だよね
まぁ全員仲良いメンバーだから久遠さんが誰かの相手をしてるときは他のメンバーのみの組み合わせというのも...


534 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 22:27:27.61MNx/lOcho (2/8)


では、少しだけ


535以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 22:28:06.46HWCcbnv0O (1/4)

ほいさ


536 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 22:43:07.08MNx/lOcho (3/8)


天乃「どうしたら良いのか、戸惑ってるの?」

千景「そう……ね、戸惑っているわ」

千景は思い悩んだ表情のまま声を絞りだすと

ゆっくりと天乃に目を向ける

千景「久遠さんも、勇者部も。みんな、精霊を人間として扱ってくれているわ」

若葉も、球子も、歌野も水都も

そして、千景に対しても

みんなは精霊としてではなく、人間として扱ってくれている

それは、人間の郡千景としては、嬉しく思う

しかしながら、精霊の郡千景としては、

その状況はいささか、不安だった

千景「でも、私は精霊よ。久遠さん」

天乃「……………」

千景「久遠さんが優しい人だとわかるわ。そういう扱いが出来る人ではないことも。でも、それではダメ」


537 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 22:51:00.80MNx/lOcho (4/8)


千景は天乃に対して、はっきりと否定する

その優しさは嬉しい、ありがたい、温かい

けれど、それは【人間】に向けられるべきものだと千景は思う

冷酷になれと言いたいわけじゃない

自分達が人間の姿をしていること

それが問題なのだと千景自身も解っている

しかし、それでもだ

それでも、そう考える

千景「私達は精霊よ。久遠さん。誰よりも前線で、誰よりも戦いに関わらなければいけない」

天乃「千景――」

千景「そんな私達の死を、久遠さんは人の死のように受け入れがたい……そんなの、間違ってるわ」

天乃「千景、私はそういうの……無理だから」

千景「解っているわ……それでも、久遠さんは認めるべきよ」

精霊が戦って傷つくこと

精霊が戦いの中で死んでしまうこと

今ここにいる先代勇者達はみんな、精霊であるということを


538 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 22:58:31.67MNx/lOcho (5/8)


千景に対して何か嫌がらせをしたことは無いはずだ

こんなことで悩んだりするようなこともなかったはずだし

何か大変なことが起きたわけでもないはずだ

それなのに……と

悩みだす天乃は疲れを吐くようにため息をついて、千景へと目を向ける

天乃「どうして、急に?」

感情の読み取りにくい表情を見せる天乃の声は、少し厳しさが感じられて

千景はそれが自分に対してなのだと感じ、身震いする

けれど、変えない

千景「厳しい戦いになると聞いたはずよ。私達は無事に済むとは限らない」

しかし、先ほどいったように

自分達は前線にいるべきで、誰よりも関わらなければいけない

つまり、もっとも死に近しいのだ

千景「だから、私は仲良くなりたくないわ」

仲良くなった分だけ、天乃を悲しませることになるから

苦しませることになるから

辛い思いをさせることになるから

そして、自分自身が辛くなる。苦しくなる。嫌な想いをする

今だって、そう

こんな言葉を並べ立てることにすら、罪悪感が湧き出してしまうから

千景「私と久遠さんは、精霊と勇者であるべきだと思うから」


539 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 23:10:29.19MNx/lOcho (6/8)


若葉を見ていて、そう思ったのだ

人間としては間違っていない

けれど、精霊としては大きく間違ってしまっている

もちろん、あの状態でも戦うことに前向きになれているのだし

それで力強さが増しているのならば悪いことではないともいえるけれど

しかし、天乃に辛い思いをさせるというのは、精霊としては間違いだと思う

千景「……………」

そもそもそんな配慮をしてしまう時点で

自分の心はすでに動かされてしまっているのかもしれない。と、

千景は考えながら、天乃から目を逸らす

それは無意識に、罪悪感が反発してしまうからだ

千景「解って。久遠さん」

天乃「……………」



1、貴女はストイックなのね
2、嫌よ
3、優しいのね、千景は
4、手を引いて抱きしめる
0、久遠さんスイッチ(コンマランダム@不安定)


↓2


540以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:11:10.62ayH6OYJqO (1/3)

0



541以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:12:15.20HWCcbnv0O (2/4)




542以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:12:16.80Fn38XMy+o (2/3)

0 


543以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:12:29.32obytvBHx0 (1/1)




544 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 23:24:02.49MNx/lOcho (7/8)


01~10 手を引く
11~20 嫌よ
21~30 貴女こそ、分かって
31~40 なら、千景。命令よ
41~50 彼女
51~60 私はそうは思わない
61~70 ……そう、貴女は。そうなのね
71~80 手を引く
81~90 嫌よ
91~00  貴女こそ、分かって

↓1のコンマ 


545以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:24:28.44ayH6OYJqO (2/3)




546以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:25:54.95HWCcbnv0O (3/4)

おっふ…


547以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:27:04.92Fn38XMy+o (3/3)

これは千景受けですわ


548 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/17(土) 23:37:46.47MNx/lOcho (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできればお昼頃から


天乃「千景」

千景「なに?」

天乃「貴女、私の彼女になりなさい」

千景「なっ!」

東郷「ちなみに、この場合は彼女ypりも愛人が相応しいかと思います」

夏凜「いや、彼女で良いでしょ……ってか、出てくんな」


549以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:42:02.50ayH6OYJqO (3/3)


千景も煮え切らないからいっそこういう風にガッと攻められることで正直になる目もあるはず……多分


550以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/17(土) 23:46:16.89HWCcbnv0O (4/4)


千景がやろうとしてることって久遠さんの勇者部に対する行動みたいだな
立場が逆転してしまった久遠さんははたして耐え切れるのだろうか


551以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/18(日) 00:23:41.23FsUUTwuBo (1/3)


最近はクオンサンも戦闘自重してるからセーフ


552以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/06/18(日) 10:00:47.45fwwWBtt/O (1/4)




553 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/18(日) 13:59:44.9171CNTmv0o (1/21)


では、少しずつ


554 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/18(日) 14:29:59.3471CNTmv0o (2/21)


天乃「解らない」

そう言った天乃は、眼を逸らしてしまう千景に目を向ける

思いもせず

悲しい目、寂しい目

沈んでいく感情を見せる瞳を光らせて

天乃「解らないわ、千景」

千景「久遠さ――」

天乃「解らないって言ってるの!」

耳をふさぐ、目を瞑る

嫌なことから逃れる子供のように、

頭を抱えて蹲る

けれど、その声は響く

千景には届かない場所で秘かに、轟く

天乃「止めて……お願い」

千景「……久遠さん」

行き場を失った右手を浮かせたまま

千景は小さく呟くと、その右手を固く握りしめて、唇を噛む

千景ちゃんは間違っていないのに

そう囁く彼女は、愉し気に口元を歪ませていた


555 ◆QhFDI08WfRWv2017/06/18(日) 14:57:33.8971CNTmv0o (3/21)


彼女はこういう時に嬉々として姿を見せて

悪戯に心を煽って消えていく

千景だって、考えたうえで、悩んだうえで言い出したと言うのは分かっているのに

恨むこと、苛立つことではないと分かっているのに

不快感が、嫌悪感がにじみ出てくる

口を開けば呪詛でも吐いてしまいそうな

そんな、嫌な感覚がある

なにかを悩むたび、何かに悲しむたび、

湧き上がるそれは段々と色濃くなって

彼女はそうっと、入り込んでくる

天乃「私はそういうことは出来ないのよ。したくないのよ。貴女こそ、分かってくれないかしら」

千景「……久遠さん、私達は死ぬわ。精霊だから。戦いによって消耗し消えていく。それが精霊」

天乃「そんなことは分かってるわ。でも、だから……なんなの?」

千景「!」

さっきまでの穏やかさから一転して

厳しさを増した天乃の視線を受け、千景は思わず半歩退いて息を飲む

話には聞いていた、穢れによる影響

それを目の当たりにして、千景は自分の中に憤りを感じた

それは、千景ではない記憶

そして、千景の中に隠された記憶

千景「辛いわ。苦しいわ。今でさえ、それなのだから。きっと……もっと嫌な気持ちを味わうわ」