1 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 00:43:12.70g7GVk7bB0 (1/12)



キョン「はぁあ」
なんて間抜けなあくびと共に
俺はいつものように文芸部室…改め
SOS団の本拠地へとあしを進めていた。

ガチャリ

キョン「長門オンリー?」

部室の端に座って本を読んでいた
長門は「そう」と一言答えてから
再び文字の羅列に視線を落とす。

今の状況だけならまさしく
文芸部といったところだが
じきに来るであろうハルヒが勢いよく
扉をあけた瞬間に
この静かで落ち着いた空間は
カオスへと転じるのだ。

まぁ言ってみれば
ハルヒが来るまでやることがない。
古泉も朝比奈さんも
まだ来ていないためなおさらだ。

俺はなんとなーく
本棚の前に立つと
これまたなんとなーく
1冊の本を手に取る。

すると長門がこちらに視線を向けた。

相変わらず仮面みたいに
無表情のままだが
きっと俺が本を読もうとしているのが
珍しいもんで驚いたのだろう。

そりゃ俺だってやることがないときくらいは
読書だってするさ。

長門のわずかな感情を
感じつつ俺は椅子に座って
本の表紙を見た。

ふむふむ“化物語”……か。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492875792



2 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 01:24:44.69g7GVk7bB0 (2/12)


バンッ

ハルヒ「おっ待たせーっ!」

キョン「遅かったな何してたんだ?」

ハルヒ「ちょっとアンタの席に……
いえなんでもないわ!」

俺の席に何をしたんだ……。

ハルヒ「ていうか読書なんてして
珍しいわねー。どうしたのキョン
空からスパゲッティでも
降り注がなきゃいいけど」

お前の場合それが
冗談で終わらないから困る。
どうせ降るのなら
カルボナーラを所望するが。

キョン「退屈だったんでな
ちょっと暇潰しに読んでたんだが
なかなか面白かったぞ
吸血鬼やら地縛霊なんかが
出てくるんだ
キャラも濃くて引き込まれた」

ハルヒ「ふーん」

なんとも無関心な相槌
ありがとうよ。

ガチャリ

古泉「申し訳ございません
遅くなってしまいました」

朝比奈「すみません…!
日直で遅くなりましたぁ…」

キョン「大丈夫ですよ
ハルヒも今きたところなんですから」

ハルヒ「アンタがそう言うと
なんだかムシャクシャするわね」

キョン「それで今日は何をするんだ?」

ふふん。とハルヒが
強気で満面の笑みを浮かべる。
この笑顔の後で
ロクな発言をしないことは
SOS団、団員なら誰しもが
分かっていることだ。

ハルヒ「カッパを捕まえに行くわよ!」

ほら。な?



3以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 04:34:28.91qnrWx0bpO (1/1)

上条「何が」暦「どうして」士郎「こうなった!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489588059/
お前これ書かなかった?


4 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 11:45:13.24g7GVk7bB0 (3/12)

>>3
スレ立てたのこれが
はじめてだから違うなぁ



5 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 13:02:57.29g7GVk7bB0 (4/12)


こういう場合。
なんでカッパを捕まえにいくのか
なんて疑問に思ってはいけない。

なぜならハルヒは明らかにただの思いつきで
発言したに過ぎないからである。

ということで
俺とハルヒと長門と朝比奈さんと古泉は
真夏だと言うのに街中を歩き回っていた。

時刻は18時。夕方なのだが
太陽はまだ空の上に鎮座している。

キョン「こんな暑い日にカッパはわざわざ地上へ
顔をださないだろうよ」

きっと水中で夕食の準備でもしているだろうさ。

ハルヒ「あれ!カッパじゃない!」

朝比奈「えぇ!?」

古泉「これは驚きですね」

キョン「あれはアンガールズ田中だ」

さっきからこの調子だ。
緑色のものは全てカッパに見えているのだろうか。

ハルヒ「あれ!カッパじゃない!」

朝比奈「えぇ!?」

古泉「これは驚きですね」

キョン「あれは谷口だ」

もはや緑でもない。

谷口「おおー。涼宮と
ユカイな仲間たちじゃねーか」

キョン「お前は俺達が愉快に見えるのか」

愉快なのはハルヒだけ……と言いたいところだが
古泉の野郎も夏の空気とは裏腹に爽やかな笑顔だ。

古泉「お買い物ですか?」

谷口「ああ。ちょっとゲームをな」

朝比奈「あま……がみ?」

谷口がビニール袋から
取り出して見せつけた
ゲームのパッケージには“アマガミ”と書かれていた。

人目見れば分かる
恋愛シミュレーションゲームだ。



6 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 13:06:39.48g7GVk7bB0 (5/12)


ハルヒ「恋愛ゲーム?
アンタも悲しいやつねー」

谷口「悲しくねーよっ」

ハルヒ「現実で恋愛できないから
ゲームで恋愛するなんて
それほど悲しいことがある?」

谷口「うぅっ」

ハルヒも現実に不満があるときは
ゲームか何かで発散してくれればいいのだが。

キョン「ハルヒ。お前が谷口の趣味に
とやかく言う権利はない」

ハルヒ「はぁ?」

キョン「それに結構奥が深いんだぞ
演出も映画顔負けだし
ストーリーもそのへんの
小説とかと遜色ないだろう」

古泉「おや。あなたもその手の
ゲームをやるのですか?意外ですね」

キョン「やったと言うか。
やっているのを見ていただけだけどな」

国木田のやつが昼休みになるとよくやっていた。
谷口もそれに影響されたのだろう。

キョン「それに俺も男だ
恋愛ゲームの主人公みたいな
青春に憧れを抱かないわけじゃないさ」

古泉「んふ。青春ですか……」

お前の言いたいことくらい分かるさ。
こうやってハルヒに振り回されるのもまた
青春ってことだろう?
俺だってこんなハチャメチャな青春
悪くないなんて思い始めてるさ。

ただ。何て言うか。
幻想と現実を行ったり来たりしている
俺は幻想を楽しめばいいのか
現実を楽しめばいいのか
分からなくなっている。

いや違う。

幻想を含んだ現実を楽しんでいるし。
現実を含んだ幻想を楽しんでいるんだ。

しかし現実を楽しむときは
幻想の否定は必要だし。
幻想を楽しむときは
現実の否定が必要だ。

そう俺はちょっとした
ジレンマってやつを抱えているんだ。

だから化物語のような幻想的な青春や
アマガミのような現実的な青春に
憧れを抱くのも致し方ないだろう。

ハルヒ「……」

その時俺はハルヒの
すこーしだけ冷たくも
好奇心のある視線に気づくべきだった。

ーーそうすれば
これからおこる問題を
事前に解決できたハズなのだから。




7 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 13:19:39.58g7GVk7bB0 (6/12)


次の日。登校中。

やはり昨日カッパが
見つかることがなかった。

まぁ本気でハルヒがカッパを
見たいと思っていたなら
カッパが出現していても
おかしくないわけなので
見つからなくてよかったのだろう。

結局ハルヒはSOS団の団員達と
外を出歩きたかっただけなのだ。

そんなことを考えながら
道を曲がる。

その瞬間俺はある人物と
ぶつかることになる。
勿論食パンをくわえた美少女ではない。

それは……

・・・

1・阿良々木 暦
2・橘 純一
3・カッパ

>>8



8以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 13:20:55.9764hiubf10 (1/1)

3


9以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 13:26:37.38TtH6SW8I0 (1/1)

キョンって変態紳士だったっけ?
ポニテhshsくらいしか印象無いわ


10 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 13:39:28.04g7GVk7bB0 (7/12)


ドッ!!

キョン「あだっ!」

カッパ「……や~」

嘘だろ……!?カッパ!?

カッパ「やぁーまぁーねぇー!」

喋った?田中なのか?

カッパ「やぁまぁねぇー!」

キョン「違う……。これは鳴き声……」

つまり。ハルヒは団員たちと
出歩きたかっただけではなかった。

本気でカッパを探していたのだ。

そして昨日。
実際にカッパを見つけていた。

そう……。昨日俺が田中だとツッコミをいれたアレは
田中ではなく正真正銘カッパだったんだ。

キョン「(くそっ。何で田中が
緑色だったことに違和感を感じなかったんだ!)」

気づけていたらその時に
なんとか出来ていたのかもしれないのに。

キョン「(俺1人じゃどうしようもできん……!)」

そしてカッパと言うのは案外獰猛で
人を溺死させたり吸血したりするらしい。

カッパ「やあぁ"あ"まねぇ"え"」

キョン「やれやれ結構ヤバいかもな……」



11 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 13:43:04.62g7GVk7bB0 (8/12)


>>9
3人の共通点は主人公くらいしか
意図してなかったかも。


12以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 14:38:43.039DNlQcHNO (1/1)

純一ってどの純一


13 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 14:53:27.69g7GVk7bB0 (9/12)


アマガミの橘純一。


14 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 15:07:55.65g7GVk7bB0 (10/12)


暦「おいいたぞ!」

忍「分かっておるわっ!」

ドコッ!

カッパ「ぐっべぁ!」

ビューン!

金髪幼女の蹴りを食らったカッパは
道の奥へと吹き飛ぶ。

キョン「……!」

これまで俺は小柄な女の同級生……
つまり長門に助けられることが多かった。
それを後ろめたく思っていたが。

そんな後ろめたさとは比にならない。

俺は小学生低学年ほどの女の子に
たった今命を救われたのだ。

暦「お、おい。大丈夫か?」

キョン「ああ……助かったよ」

なんだ?カッパ退治の専門家かなにかか?
でもウチの制服を着ているからな……。

暦「おい忍。終わったか?」

忍「とっくにな
儂のブレードで木っ端微塵じゃわい
流石に食べるのは避けたかったからのぅ」

キョン「お……お前らは一体……」

暦「えっと……」

忍「ちゃんと説明せい
下手に勘繰られてお前様の噂を
広められても困るじゃろうが」

暦「えっとさっきのカッパは
人を襲うから
僕らが一応退治のしたんだよ」

忍「主様は札付きのお人好しじゃからの」

俺は少しずつ状況を飲み込み始める。

キョン「すまん
名前を教えてもらってもいいか?
いや……
名前を教えてもらってもいいですか?」

暦「え?僕は阿良々木暦だけれど」

状況を飲み干した。
疑惑が確信へとかわる。

キョン「……!」

ダッ!

暦「あ、行っちゃったよ」



15 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 15:39:34.38g7GVk7bB0 (11/12)


忍「口止めせずに逃がしてしもうたな
どうする?今から追いかけて殺すか?」

暦「冗談言うな」

しかしなるべくこのことは
秘密にしておいてほしいも言うのも確かだった。

暦「(制服からして同じ学校だったし……)」

もしもさっきの男子生徒が
僕の噂をあることないこと広めるとしよう。
それが戦場ヶ原の耳に届いたとしよう。
そうなると彼女は暴走しかねない。
そしてそれを見た神原も暴走しかねない。

そんな不安を抱えながら
気がつくともう高校での昼休みになっていた。

やはりあの男子生徒に口止めくらい
しておくべきだった。
彼のためにも。僕のためにも……。

羽川「背の高い男子生徒?」

暦「僕よりもってだけだけれど。で、たぶん後輩だ」

最後の方は敬語だったし。

羽川「阿良々木君より背の高い後輩は
悲しいことに結構いるからね」

二重で悲しいな。

羽川「1年棟か2年棟を探してみたら?」

暦「……そうだなぁ」

1・1年棟を探そう
2・2年棟を探そう
3・やっぱり僕より背の高い
後輩なんているわけがない。3年棟をさがそう

>>16



16以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 18:36:01.32wjhQWvwD0 (1/1)

1


17 ◆a6/.SzeMlM2017/04/23(日) 19:19:16.98g7GVk7bB0 (12/12)


暦「そうだな1年棟を探そう」

ーー1年棟。
僕はここに人を探しに
来ているわけだけれど。
その男子生徒を見つけたいと
思っているわけだけれど。
心のどこかでは1年棟には
いてほしくないなんて思ってしまう。

暦「(少し前まで中学生だった奴より
あんなに僕の方が背が低いなんて信じたくないぜ)」

忍「お前様」

忍が影の中から僕に話しかける。

暦「(……?お前が昼間に起きてるなんて珍しいな)」

忍「起きたくもなるわい。
人間以外の存在がこんな近くに
おるのだからの」

暦「(怪異か?)」

忍「その辺にいる
怪異程度なら目覚めたりせんわ」

その辺にいない怪異なのか。
それとも怪異ではないのか。

忍「そうじゃな
人間でも怪異でもない存在じゃ」

暦「……?」

ーー

暦「(あれが人間でも怪異でもない
存在なのか?)」

忍「いかにも」

うーん。一見普通に見えるんだが……。

おとなしそうなショートカットの女の子。
それ以下でもそれ以上でもない。

するとその女の子は立ち上がって
教室から出ていく。

暦「(どこにいくんだ?)」

忍「追いかけてみるしかないのぅ」

暦「……」



18 ◆a6/.SzeMlM2017/04/24(月) 15:53:37.49wJ7IeGQZO (1/1)


キョン「はぁはぁ……!」

思わず駆け出してしまった。

昨日出現していたのはカッパだけじゃない……!

阿良々木暦。1度聞いたら忘れないさ。
化物語の主人公じゃねーか。

そしてなんだっけ……忍野忍?

こんなあり得ないことが
起こっている原因は1つだけだろう。

ーー涼宮ハルヒ……!

キョン「(くそっ。こんなことになるならちゃんと
化物語読んでおくべきだったぜ)」

こういうときは長門に要相談だ。
解決するべき問題か否か。

解決するべきなのならば
方法はどんなものなのか。

阿良々木のあの態度からすると
自分が物語中の人間だとは思っていないみたいだが…。

キョン「長門!」

長門「……」

教室にポツンと座っていた長門は静かに
視線をこちらへ向けた。

キーンコーンカーンコーン。

キョン「(くそっ)」

授業始まりを知らせるチャイムだ。

キョン「長門!昼休み部室で話があるっ」

長門はコクンとうなずた。



19 ◆a6/.SzeMlM2017/04/27(木) 14:08:03.14suCD7XEiO (1/1)


ガチャリ。

長門「お待たせ」

古泉「お気にせず。我々も今来たところですから」

キョン「お前を呼んだ覚えはないんだがな」

古泉「まぁそう言わず。僕もお話ししたいことがありますから」

キョン「近い近い」

長門「2人の用件はもう把握している」

キョン「……」

古泉「……」

長門「創られた情報が具現化されている。しかも生命や自我を保持した状態で」

古泉「つまり物語上のキャラクターがこの現実に存在していると言うことですね」

長門「そう。しかも涼宮ハルヒの周りだけに集まっている」

キョン「それは……そのキャラクターは……。なんとかした方がいいのか?」

長門「今のところ問題は確認していない」

キョン「ふぅ……そうか……。
なら別にいいんだが……」 

長門はそのまま椅子に座り本を読み始める。きっと俺がSOS団の部室に誘わなくてもここでこうしていたのだろう。

キョン「それで古泉お前の話したいことってのはなんなんだ?」

古泉「ああそれはもういいです。長門さんのお話を聞いたら解決しましたから」

キョン「そうか……」

古泉「それより折角あつまったんですから、どうです?」

そう言って古泉はボードゲームを取り出した。



20 ◆a6/.SzeMlM2017/04/27(木) 14:44:29.52dejT+JB+0 (1/4)


ーーーー
古泉「また負けてしまいました」

「?何の話ですか?」

古泉「ボードゲームの話ですよ。涼宮さんが彼に勝ってほしいと願うから負けてしまうんでしょうかね?それとも僕がただたんに弱いだけなのかも」

「古泉さんが何度も負けるとは考えにくいですからね。前者の可能性がたかいんじゃないですか?」

古泉「……」

古泉「敬語はよしてください。あなたのほうが年上なんですから」

「えっ。でも一応機関の先輩ですし……」

古泉「それにあなたも涼宮さんの通う高校に潜入しているのですから、ボロがでないよう、普通の高校生として接してもらわないと。あなたは器用そうには見えませんから」

「そ……そうですか?じゃなくて……なら分かったよ。敬語はやめるね」

古泉「おかしいですね。あなたと初めて関わったとき何故僕は敬語をやめてほしいといわなかったのでしょう。まるで僕とあなたが今初めてあったみたい……だとは思いませんか?」

「……?」

ーーーー

古泉「神人はもう全て倒せたようですね」

「お疲れ様です……」

古泉「おや?」

「あ、お疲れ様……!」

古泉「はい。お疲れ様でした」

古泉「じゃあまた。閉鎖空間が出現したらお会いましょう」

古泉「橘先輩」

純一「う、うん」



21 ◆a6/.SzeMlM2017/04/27(木) 16:02:42.28dejT+JB+0 (2/4)


ガチャリ

純一「ただいまー……」

美也「ぅうおそっおおい!!」

純一「おいおい美也……!もうこんな時間なんだから大きな声出すなよ!」

美也「そうだよ!こんな時間だよ!にぃにはこんな時間までなにしてたの!?もう11時だよ!」

純一「言っただろ……バイトだってさ」

美也「高校生がこんな時間まで!!バイトしちゃダメなんだよっ!そのバイト先はどこなの!?訴えてやる!」

純一「やめろやめろ」

美也「……ねぇ」

純一「ん?」

美也「なんでいきなりバイトなんてはじめたの……?」

純一「(そう言われてもな……いきなり誘われて……でもそうだな……なんで断らなかったんだろう)」

純一「(まるで最初からそこにいたみたいに……)」

まるで僕とあなたが今初めてあったみたい……だとは思いませんか?

純一「(なんだろう……この違和感は……)」

美也「にぃに……?」

純一「(いやでも神人を放っておいたら、世界が滅んじゃうかもしれないんだし……それに協力できる能力があるなら断る理由もないのか?)」

純一「(でも美也に本当のことを言うわけにもいかないし……)」

純一「その……お金だな」

美也「え?」

純一「お金が欲しくてさ。創設祭のとき結構使っちゃったし」

美也「でもお母さんからおこづかいもらえるじゃん!」

純一「今をときめく高校生にはそれだけじゃ足りないんだなー」

美也「じゃ、じゃあ美也のおこづかい半分あげるからっ」

純一「……え?」

美也「だからだから……」

純一「(美也……寂しいのか……?いや、それはそうか、母さんも父さんも基本帰り遅いし……今日だってずっと1人だったんだもんな……)」

ポン

美也「ふぇ?」

純一「こうやって頭を撫でるのはいつぶりだろうな。久しぶりな気がするよ」

美也「……にぃに」

純一「ごめん美也。バイトは辞められないんだ。だけど毎日行くわけじゃない。これからも出勤は減るよ」

純一「(古泉さんが上手くやってくれてるみたいで。神人が出現する頻度は減ってきているらしいし)」

美也「本当?」

純一「本当だよ」

美也「ならいいけど……。じゃあ私もう寝るね?」

純一「うんお休み」



22 ◆a6/.SzeMlM2017/04/27(木) 17:00:18.42dejT+JB+0 (3/4)


ーー翌朝。

純一「ふぁああ」

純一「(完全に寝不足だ……。古泉さんはすごいな。これに加え涼宮ハルヒのお世話まで……)」

森島「あら純一君じゃない!」

純一「も、森島先輩!おはようございます!」

森島「うん。おはよう!」

純一「(森島先輩の笑顔で、眠気も疲れも吹き飛びます……!)」

森島「じゃあ私もういくね~」

純一「あっはーい」


ーー教室。

純一「……ぐー。……ぐー。」

棚町「えいっ!!」

ドゴッ!!

純一「痛ぁっ!!」

純一「何するんだよ!薫っ」

棚町「何って……チョップだけど?」

純一「何でチョップしたんだよ……」

棚町「寝てたから?」

純一「お前ってやつは……!」

綾辻「2人とも朝から元気ね」

純一「あ、綾辻さん」

棚町「あったり前よ。それだけが取り柄なんだから!」

純一「自分で言ってて悲しくならないか?」

棚町「え?元気しか取り柄がないのはアンタのことよ?」

純一「ガーン」



23 ◆a6/.SzeMlM2017/04/27(木) 17:20:23.79dejT+JB+0 (4/4)


ーー1年棟

美也「信じられる!?妹をおいて11時まで帰ってこなかったんだよ??お兄ちゃん失格だよ!」

中多「11時まで……?先輩何かあったのかな……」

美也「バイトだとか言ってたけど……」

七咲「そんな遅くまで働かせるなんて……。ちょっと危ない仕事なんじゃ……」

美也「危ないって?」

七咲「えっと水商売とか……?」

中多「クスリの密売とか……」

美也「そんなあ!?」

七咲「あ、いやでも確証はないから……ね?」

美也「にぃにがそんなことするなんて……」

ハルヒ「話は分かったわっ!!」

中多「きゃ!」

七咲「いつからそこに……?」

ハルヒ「最初からよ!盗み聞きなんてしたくなかったけど興味深かったからねーっ!でも安心しなさい!お兄さんの勤め先を突き止めて、ブラック企業の魔の手から救いだしてあげるわ!」

美也「え?え??」

ハルヒ「この涼宮ハルヒ……いえ」

ハルヒ「SOS団がねっ!!」




24以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/27(木) 17:35:51.102/pbvolL0 (1/1)

あかん


25以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/28(金) 15:13:45.20Pqt4K8cFO (1/1)

くそつまんないし見てて不快なんでやめてどうぞ


26 ◆a6/.SzeMlM2017/04/28(金) 16:11:41.33inhw9QrJO (1/1)



>>25
おけ


ーーーーーーーー

ーー

ハルヒ「はっ夢か……」


おわり。