1 ◆xjSC8AOvWI2017/04/04(火) 00:17:17.49rY0bs+E80 (1/2)

このスレは、安価で決めた主人公・時系列・前提設定で進める長編多めの安価SSです。
各編で話につながりはありませんので、途中参加は大歓迎です。

【現行】キリカ編2  (14スレ目>>719から15スレ目>>182まで,17スレ目>>927から)
・・・同主人公の1つめとは無関係。未契約キリカが黒猫と謎の少女に出会う話。
・・・現在ほむらは目的もわからないまま自殺。しかし、その目的を唯一知っている人物は……
・・・正体不明の“声”に導かれ、このままだとまどかの魔力の回復が間に合わず魔女になることを知って『まどかを人間に戻す』願いで契約した。

【完結した話】
さやか編  (1スレ目>>8から>>154まで)
・・・マミの死後、さやかが魔法少女になって張り切ったり悩んだりする話
・・・一番最初のやつなんでかなりあっさりしてます
中沢編   (1スレ目>>164から2スレ目>>150まで)
・・・中沢が安価の導きにより魔法少女たちと関わっていく話。
QB編   (2スレ目>>198から 4スレ目>>502まで)
・・・感情の芽生えたQBの話。
ユウリ編様 (5スレ目>>954から6スレ目>>792まで:BadEnd)
・・・契約したばかりのユウリが目的を達成するためにマミの後輩になる話。
恭介編   (6スレ目>>815から 7スレ目>>240:BadEnd+)
・・・恭介の病院での日々と、退院してからの話。
Charlotte編 (7スレ目>>264から>>285まで)
・・・チーズを求めるCharlotteの小話。
キリカ編  (7スレ目>>309から>>704まで,8スレ目>>475から9スレ目>>151まで)
・・・本編時間軸で織莉子が既にいない世界のキリカの話。話はほぼまどマギ本編寄り。
アマネ編  (7スレ目>>807から>>963まで,8スレ目>>130まで:GiveUp)
・・・抗争に破れて見滝原に来た最弱主人公の野望の話。  ※オリ主※
メガほむ編 (9スレ目>>181から12スレ目>>666まで)
・・・非情になれないほむらの4ループ目、織莉子たちとの戦い。
なぎさ編  (12スレ目>>717から14スレ目>>616まで)
・・・謎の神様によって魔女化から助けられたなぎさが見滝原で奮闘する話。
杏子編  (15スレ目>>197から17スレ目>>918まで)
 マミの“先輩”な杏子のifストーリー。
 マミと仲直りしたり、色んな人と仲良くなったりする比較的ほのぼのなストーリー。


【未完結の話】
Homulilly編 (採用箇所4スレ目>>535から>>686まで)
・・・生まれたばかりの魔女Homulillyが時空を旅する話。
かずみ編  (4スレ目>>982から5スレ目>>879まで)
・・・ユウリのドジで見滝原に運ばれたかずみが織莉子とともに救世をめざす話。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491232637



2 ◆xjSC8AOvWI2017/04/04(火) 01:13:29.57rY0bs+E80 (2/2)


【注意】
★無効安価は自己判断で安価下。明らかに無効になりそうな内容は、その下に別の安価をしてくれるとスムーズに運びます。
★混んでる時以外は基本的に連投・連続有り ※ただし同じ内容で連投はダメ
★多数決は連続・連投無し
★多数決で同数に意見が割れた場合は指定内の最後のレス内容を採用
★主レスは安価先を指定する数字に含まない
★まどマギのほかに、無印おりマギ・かずマギ・漫画版まどマギ・TDS・PSP・劇場版のネタを含みます。
 それ以外からのネタは出さない・考慮しません。
★「下2レス」と書いた時にはその1時間以内に2レス目がこなければ「下1レス」に変更します


・前スレ

『まどかマギカで安価練習』 :http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369643424/
『オール安価でまどか☆マギカ 2』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370979872/
『オール安価でまどか☆マギカ 3』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371835671/
『オール安価でまどか☆マギカ 4』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372909496/
『オール安価でまどか☆マギカ 5』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373645366/
『オール安価でまどか☆マギカ 6』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377690974/
『オール安価でまどか☆マギカ 7』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385884667/
『オール安価でまどか☆マギカ 8』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397729077/
『オール安価でまどか☆マギカ 9』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409071003/
『オール安価でまどか☆マギカ 10』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417014605/
『オール安価でまどか☆マギカ 11』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424792933/
『オール安価でまどか☆マギカ 12』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430323957/
『オール安価でまどか☆マギカ 13』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439045180/
『オール安価でまどか☆マギカ 14』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448012780/
『オール安価でまどか☆マギカ 15』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461427177/
『オール安価でまどか☆マギカ 16』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475061935/
『オール安価でまどか☆マギカ 17』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483717207/



3 ◆xjSC8AOvWI2017/04/06(木) 00:24:22.49alsbgWK50 (1/3)


さやか「魔力が近づいてきましたね!? 今度は何の魔力?」

マミ「これは使い魔ね」

キリカ「魔女と連戦はきついから、よかったかな……」

マミ「使い魔でも油断だけはしないこと」

キリカ「ん……わかってるよ」



―ハコの魔女結界



まどか「あ、この結界見覚えがある。この前戦った魔女の残りみたいですね」

まどか「わたしが最後に倒した魔女でした」

マミ「何かわかってる特徴はある?」

まどか「いえ……すぐに倒しちゃったので」

さやか「あの時のか。あの廃工場の」

まどか「うん。早くはないけど、また飛び回る使い魔だから気を付けて」

さやか「了解了解……っと、このくらいならすぐ片づけられるね」


キリカ(……何もできなかった)

キリカ(二人が率先してやってくれてると任せちゃいがちになっちゃうな)



4以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/06(木) 00:25:45.21bGQ4GbEu0 (1/2)

戦闘コマンドすら出ないのかw


5 ◆xjSC8AOvWI2017/04/06(木) 00:31:48.83alsbgWK50 (2/3)


 人気のない道を抜け、最後に繁華街のほうを回る。

 マミの言っていた通り、このくらいの時間になると会社帰りや部活帰りの人でごった返していた。


 ……人混みの中をはぐれないようについていく。


さやか「こんな場所じゃ危なくてソウルジェム見て歩けないよ!」

キリカ「ていうか出してるだけで危なそう。落っことしたら踏まれそうで」

マミ「そうね……」



 下1レスコンマ判定
0~20 使い魔
21~40 魔女


6以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/06(木) 00:32:12.47L+AKsijP0 (1/1)

魔女


7以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/06(木) 00:32:37.81bGQ4GbEu0 (2/2)

ほい


8 ◆xjSC8AOvWI2017/04/06(木) 00:57:40.56alsbgWK50 (3/3)

--------------------------
ここまで
次回は8日(土)17時からの予定です


9 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 17:31:04.86PXtqDTOD0 (1/23)


 ……ここには魔女はいないらしい。

 一旦繁華街の通りから少し外れた場所に出て最後にみんなで話していた。


マミ「みんな、お疲れ。このくらいで解散にしましょうか」

さやか「お疲れ様です!」

キリカ「なんか、ほとんどさやかに任せてたような気がするけど大丈夫……?」

さやか「グリーフシードは昨日のがあるし大丈夫ですよ」


「よー、あんたらみんなで楽しくハイキングでもしてんのか?」


 どこか嘲笑するような乱暴な声が聞こえると、いつのまにか昨日見た姿が通りの方からこちらを見ていた。

 ……佐倉さんだ。


さやか「佐倉杏子……」

マミ「今はちょうど魔女退治を終えたところよ」

杏子「魔女退治ぃ? そうは見えないから勘違いしちまったよ」

杏子「使い魔倒すっつうだけじゃなく、こんな一般人まで連れ回してさ」

杏子「遊んでるとしか思えないんだけど」

まどか「わたしは……」

マミ「鹿目さんは私たちの大事な仲間よ」

マミ「それに……無関係な人ではないわ。元魔法少女だもの」



10 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 17:47:38.09PXtqDTOD0 (2/23)


杏子「元?」

キリカ「……」

杏子「ああ、そういやそう言ってたっけな。せっかく魔法少女なんてもんから足洗えたならもう関わんなよ」

杏子「昨日の様子を見る限りじゃ、戦えないってのは同じなんだろ? おうちで大人しくしてな」

さやか「……あんたの事情はちょっと聞かせてもらったけど、あんたにそこまで言われる筋合いはないでしょ」

杏子「先輩がせっかく忠告してやってんだよ」

杏子「どうせあんたもくだらない願いで契約したんだろ」

杏子「悪いことは言わないから、これ以上馬鹿見る前にさっさとそんなやつ見限って賢い生き方に変えな」

さやか「あたしの願いはくだらなくなんかない!」

さやか「あんた、人のために願ったのを後悔してるんでしょ? でも、あたしはあんたとは違うから」

さやか「人のために願うことが全部いけないことじゃない。 人の願いまで悪く言わないで!」

杏子「新人に何がわかる? 」

マミ「……生憎、美樹さんは私を裏切ったりするような子じゃないわ」

マミ「ねえ……何しに来たの? 昨日も言ったけれど、もしこのまま縄張りを奪うつもりだったら私もね……」

杏子「怖い怖い、そんなカッカするなよ」


 佐倉さんはふっとため息をついて、くるりと踵を返した。

 ……どうやら、やっぱりこの面子と戦う気はないらしい。



11 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 18:08:09.57PXtqDTOD0 (3/23)


まどか「ま、待ってください」

杏子「……あ?」


 まどかがその後姿を呼び止めると、佐倉さんはそのまま足を止めた。


まどか「わたしは……契約したことを後悔してないし、魔法少女じゃなくなっても、少しでもみんなの役に立ちたいって思ってます」

杏子「力も持たない一般人が何の役に立てる」

まどか「それはそうだけど……でも、みんなと一緒に居るだけでもいい」

まどか「……あなたはわたしたちを心配してくれてるんだよね」

まどか「でも、大丈夫だってこと、わたしたちをちゃんと見せてあげるから」

まどか「もう昨日みたいに喧嘩したりとかはやめてほしいです……」

杏子「~~馬鹿じゃないの! どんな思考回路してたらそんな考えが出てくるんだよ!」

杏子「ったく……このチーム馬鹿しかいないのかよ!」

杏子「……けど、あたしが一番気に入らねえのはアンタだ」


 ……佐倉さんが首だけでこちらを振り返る。

 こちらを……というか、私を見ているようだ。……目が合った。


杏子「鹿目まどかが魔法少女じゃなくなったのって、お前の願いなんだろ?」

杏子「わけわかんねえ願いで契約しやがって……お前の願いがどうなるかはそこのチビが握ってるんだ」

杏子「契約したこと後悔してないっつったよな。 頼んでもないのに勝手なことして……」

まどか「そ、そんな言い方……」

杏子「半端な覚悟で契約したとしたら、絶対後悔するからな」

キリカ「…………」



12 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 18:22:55.57PXtqDTOD0 (4/23)


 ……今度こそ佐倉さんが去っていった。


マミ「……美樹さん、さっき言ってたことは気にしないでいいのよ」

マミ「美樹さんがちゃんと自分の意思で考えて出した答えだもの。間違いなんかじゃないわ」

さやか「はい! そうですよね」


 それから、マミがこちらを見た。

 けど、契約の理由を知らないマミはなんとも言うことはできないのか、すぐに目線をこちらから外した。


マミ「さ、そろそろ帰りましょうか」


 ……さやかは、自分の意思で考えて契約したんだ。

 だとしたら、私の願いは……自分で出した答えだと言えるのだろうか。



キリカ(……考えても仕方ないか)

キリカ(こうしてまどかが魔女になる危険もなくなって、元気にしてる……それなら十分私も幸せなんだから)



1自由安価
2明日の予定について
3さようなら

 下2レス


13以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 18:35:35.25mBIwi3bG0 (1/6)

ここでみんなと別れて少し1人でブラブラしながらいろいろ考える


14以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 18:43:15.67G3cvRpLAO (1/4)

2のあと安価↑
追加で1の時にキュウベェを呼んでみる


15以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 18:44:39.32G3cvRpLAO (2/4)

↑の1の時に、は1人の時にの間違いです
すみません



16 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 18:52:19.26PXtqDTOD0 (5/23)


キリカ「ひとまずグリーフシードも手に入ったけど……明日はどうする?」

マミ「明日は……そうね。今日実戦を見てみて少し特徴なんかがわかったから」

マミ「二人に合わせた訓練をしてみようと思うわ」

さやか「っていいますと?」

マミ「美樹さんは格闘と魔力のコントロールの強化が今後の課題といったところかしらね」

マミ「呉さんは……そうね、一応希望を聞いておきたいのだけど」

マミ「今後どうやって戦いたいかっていうのによっては、格闘の訓練より投擲を強化するというのもアリだと思うわ」

マミ「なんにしても魔力のコントロールは強化していくことになるけど……」

マミ「どうする?」


キリカ「……うーん」



キリカ 魔力[124/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス
[魔力コントロールLv0] [格闘Lv0] [射撃Lv1]


1格闘訓練を頼む
2射撃訓練を頼む
3魔力コントロールの訓練を頼む(魔力-10)

 下1レス


17以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 18:55:17.70YmlQD8j40 (1/2)

1


18以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 19:01:57.53mBIwi3bG0 (2/6)

格闘はマイナス補正があるんだし2の方がよかったんじゃ?



19 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 19:13:38.37PXtqDTOD0 (6/23)


キリカ「いや、でも、私もせっかく剣持ってるんだから……ちゃんと戦えるようにしたいよ」

キリカ「せめてもうちょっと頑張らないと……」

マミ「そう? それならわかったわ」

マミ「……それじゃ、私はここでみんなとはお別れね。また明日」

まどか「はい! また明日ー」

さやか「お気をつけて!」

キリカ「私も……ちょっと今日は違う道から帰っていい?」

さやか「なんか用事っすか?」

キリカ「あ、うん、そんなとこ……」

さやか「くれぐれも織莉子って奴には気を付けてくださいね。それじゃ、また明日」

まどか「また明日!」

キリカ「うん」


 …………暗くなった道を歩く。

 人でごった返す繁華街から少し外れるだけで人の流れからも外れ、少し安心する。

 あまり人気のない道に出るのは危険かもしれない。けど、あまり人混みの中に囲まれていたくもなかった。



20 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 19:28:59.76PXtqDTOD0 (7/23)


キリカ(今のところ、真実を知ってるのは私だけか……)

キリカ(しょうがないとはいえ、隠し事するのって、なんだかそれだけでも疲れるな)

キリカ(……いや、それと、あいつもか)


 キュゥべえ。

 ……その名前を呼んでみても、今は来ることはなかった。こっちにはいないらしい。


 一人になった途端、色んな事が頭に浮かぶ。

 大体は、まどかのことだった――さっき佐倉さんに言われたこととか、マミが言っていたこととか。


 考え事をしながら、ゆっくりと歩くことにする。


キリカ(…………そんなこと、考えていたってしょうがない、か)



1自由安価
2帰るか

 下2レス


21以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 19:32:30.73G3cvRpLAO (3/4)

どっかの食べ物屋に寄ってみる


22以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 19:34:18.23mBIwi3bG0 (3/6)

小腹がすいたのでコンビニでいろいろ買って公園で食べる


23 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 19:44:41.14PXtqDTOD0 (8/23)


 ……小腹がすいた。

 どうも私は、色々考えることには向かないらしい。


キリカ(脳の栄養補給でもしよう)


 別に大して使ったわけでもない頭脳の栄養補給と理由をつけて、近くのコンビニに足を運ぶ。

 ……動いてるんだから、このくらい大丈夫だよね?

 それでさっさと帰ることにしよう。いつまでもぶらぶらとしていては危険だ。




――3日 終了――


キリカ 魔力[124/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス
[魔力コントロールLv0] [格闘Lv0] [射撃Lv1]



24 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 20:05:12.80PXtqDTOD0 (9/23)

―4日 昼休み


マミ「こんにちは。昨日は魔女と戦ってみてどうだった?」

マミ「やっぱり……怖かった?」

キリカ「それは少し……、でもマミやさやかがいたし」

キリカ「大体さやかが先陣切っていってたからね……」

キリカ「私はあんまりやれることがなかったかも」

マミ「そうね……」


 ……どこか危なっかしいと思いつつも、私にない勇敢さには憧れていた。

 その分、実際に戦っていて助けられもしたし。


1自由安価
2どうしたら強くなれるかな
3今日の訓練もよろしくね

 下2レス


25以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 20:07:48.41YmlQD8j40 (2/2)




26以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 20:11:09.96mBIwi3bG0 (4/6)

2のあと3

あと今日の訓練は格闘ではなく射撃の方を試してみたい
…優柔不断でごめんね


27 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 20:28:46.52PXtqDTOD0 (10/23)


キリカ「どうしたら強くなれるかな」

マミ「やっぱりそれは、経験を積んで……」

キリカ「それもそうなんだけど」


 団体戦のスポーツなんかもそうだけど、元からチームプレイみたいのは得意じゃなかった。

 他の人がいると思うと頼り切りになってしまうというか、遠慮がちになってしまう。

 ……そういう癖をなくせればいいとは思うんだけど。


キリカ「あー、いや、そうだよね……」

キリカ「今日の訓練もよろしくね」


 そんなこといったって、マミも面倒をみられるのは技術的な面だけだろう。

 少しは自信がつけば、変わるものだろうか?


マミ「……前に出て戦うことにこだわらなくてもいいと思うけどね」

マミ「今日の訓練、本当に格闘だけでいい?」

キリカ「……やっぱり射撃の方も試してみたい」

キリカ「…………優柔不断でごめんね」

マミ「いいえ」


 マミがふっと穏やかに笑う。

 ……どうにかして、私も、みんなと肩を並べられるようにならなくちゃ。



28 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 20:43:52.87PXtqDTOD0 (11/23)


――――学校が終わると、今日もみんなで訓練に集まる。

大分暖かくなってきた春の土手にはさわやかな風が吹いて、緑の芝生を揺らしていた。


マミ「準備はいいわね? 訓練を始めるわよ」

マミ「私は主に美樹さんのほうを見てるから、鹿目さんは呉さんのほうを見てくれないかしら?」

マミ「やっぱり射撃の方も見てほしいって言ってたから」

まどか「はい、わかりました!」

キリカ「ごめんね。なんか、直前に……」

マミ「でも、呉さんも訓練の合間に美樹さんのほうも少し見ておいてね」

マミ「やっぱり、投擲は補助だから。自分の武器を使いこなせるようになるに越したことはないわ」

キリカ「あ、うん。それはわかってるよ」

マミ「ええ。それじゃ、始めましょうか」


――――――
――――――


29 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 20:55:25.04PXtqDTOD0 (12/23)


 ……まずはまどかに見てもらいながらの投擲の訓練。

 投げるだけだけど、マミの使うような銃なんかよりも手の動きのブレが大きく狙いに左右する。

 慣れていないとやっぱり狙い通りに当てるのは難しい。


 けど、これは慣れればなんとかなりそうだ。今度、ダーツとかやってみるのもいいかもしれない。

 ちまちまと精度を上げていくのは、なかなか楽しむこともできた。


 格闘の方は……実戦でもほとんどやってないし、射撃とは違い、動きをひたすら鍛えるというのは大変だ。

 しかし、訓練ですらさやかを見て思う。 やっぱり、私とは違う。


 ああいう活動的な子のほうが、こういうのも向いてるんだろう……――



★格闘Lv0→格闘Lv1



まどか「お疲れ様ー! はい、これどうぞ。パパに教えてもらって、ハチミツレモンを作ってきたの」

さやか「おお、まどかは良いマネージャーだね!」

マミ「昨日佐倉さんはああ言ってたけど、鹿目さんは気が利くし、居てくれるだけで助かってるわよ」

マミ「本当にありがとうね」

キリカ「訓練も見てくれてありがとう」

まどか「いえいえ、ああいうのならわたしでも役立てますから!」

マミ「けど、見た感じだと格闘のほうも別に言うほど悪そうではなかったわよ?」

キリカ「え?」



30 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 21:07:42.99PXtqDTOD0 (13/23)


マミ「大丈夫よ。だって、あなたの武器だもの」

マミ「使いこなせないはずがないわ」

キリカ「そうかなぁ……」


 ……ハチミツレモンを口に運ぶと、さわやかな甘酸っぱい味が広がった。

 まどかのお父さん、料理得意なんだっけ。


マミ「とにかくみんなお疲れ様。今日は久しぶりにお茶会でもしましょうか」

マミ「美樹さんは初めてだったかしら?」

さやか「ああ、はい! 噂には聞いてましたが!」

マミ「噂?」

キリカ「あ、私が前に話したんだった」

マミ「そうだったの」

さやか「うわー超楽しみ!」


 さやかはいつでもまっすぐだった。

 ……嫉妬してたなんて、絶対にバレたくないなぁ。



31 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 21:18:02.33PXtqDTOD0 (14/23)


 ――――マミの家に上がるのは、あのパトロールの後の反省会以来だった。

 あの時はまどかが魔法少女で、でも戦えなくて、私もただついていってただけで……


マミ「適当にくつろいで待ってて。すぐに用意するから」

さやか「はい! 綺麗な部屋、それに眺めすごいよ!」

まどか「特に夜は景色が綺麗なんだよね」

さやか「えっ、何? 泊まったこととかあんの?」

まどか「泊まったことはないけど、パトロールしてたら結構遅くなっちゃったことがあって」




1自由安価
2まどかは契約したての頃どんな感じだった?
3さやかは昨日のパトロールや初めて魔女と戦った時どう思った?

 下2レス


32以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 21:18:45.02/lIuFQz90 (1/2)

2+3
安価↓


33以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 21:26:30.24mBIwi3bG0 (5/6)

2と3と投擲武器について相談

今は小刀を投げてるけど、もっと投げやすい武器を作った方がいいかな?
時代劇で忍者が使う苦無とか手裏剣とか


34 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 21:36:13.73PXtqDTOD0 (15/23)


キリカ「まどかは契約したての頃どんな感じだった?」

まどか「わたしは……魔法少女になって一番最初の戦いでマミさんに出会って」

キリカ「あー……じゃああの時か。 私を助けてくれた……」

まどか「はい。結界に入ったらいきなり魔女と魔法少女が居て……ピンチで」

まどか「とにかく助けなきゃって思って必死だったのを覚えています」

さやか「マミさんでもピンチになることあるんだ」

さやか「しかもまどかがそれを助けたって、すごいじゃん」

まどか「えへへ、そうかな」

キリカ「うん、すごいよ!」


 助けなきゃってことで必死だった、か。まどからしい。

 しかもまどかは強かったんだから――それも、強すぎて困るくらいに。


 ……そういえばずっと前、キュゥべえは私にも高い素質を持ってるって言ってたっけ?


キリカ(全然そんな気がしないけどな……)



35 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 21:55:08.47PXtqDTOD0 (16/23)


 ……みんなで景色を見ながら話していると、

 いつのまにかふわりと紅茶の香りが漂う。


マミ「おまたせ」


 後ろを振り返ると、マミがテーブルに紅茶とケーキを用意していた。

 表面を覆うつるんとした滑らかな曲線を描くチョコレート。しかもこれは……


さやか「おおおお!すごい!これ食べていいんすか!?」

マミ「ええ、どうぞ」

さやか「いっただっきまーす♪」

キリカ「すごい! これ、手作り?」

マミ「ええ。お手製のザッハトルテよ」


 フォークで一口サイズに切って口に運ぶ。

 濃厚なチョコレートの香りとしっとりとした食感を堪能する。


まどか「美味しい! マミさん、ケーキのレパートリーいくつあるんですか?」

マミ「そうね……レシピをまとめたノートがあるけど、見てみる?」

まどか「あ、はい。ぜひ!」


キリカ「…………♪」

キリカ(素晴らしい人と友達になったなぁ……)

キリカ(……射撃もだけど、格闘の訓練も頑張ろう)


 ……動かないと、この頻度でこれはまずい。



36 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 22:07:51.57PXtqDTOD0 (17/23)


マミ「それで、鹿目さんが契約したての頃の話?」

まどか「はい。さっきはマミさんと出会った時の話をしてました」

マミ「あの時は本当に助かったわ。鹿目さんが来てくれなかったら、私……」

まどか「それ以降はマミさんに助けられてばっかりですよ」

マミ「そんなことないわよ」

マミ「鹿目さんは私と一緒に戦ってくれて……それだけでも支えになっていたの」

キリカ「……さやかはどうだった?」

さやか「え?」

キリカ「昨日のパトロールとか、初めて魔女と戦った時とかどう思ってた?」

さやか「怖いとか不安だとか思いはしたけど、なによりあたしが戦わないと助けられない人がいるんだし戦わなきゃって!」

キリカ「さやかでも怖いとか思うんだ……?」

さやか「ちょっ、あたしをなんだと思ってるんですかー」

さやか「……ま、不思議と行動してみればやれるもんだって感じです。あたし、考えるのとか苦手ですし」

キリカ「…………」


 考えるのなんて、私だって苦手なのに。

 考えてるふりをして、さも何もしてないわけじゃないと振舞おうとしてるのは、きっと臆病だから。


キリカ(それこそ、美味しいケーキの前で考えることじゃないな)

キリカ(暗いこと考えるのよそう)



37 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 22:27:53.81PXtqDTOD0 (18/23)


 ――……それからは普通に世間話なんかで談笑して、和やかな雰囲気の中で過ごしていた。

 そして、部屋の外に見える景色が暗くなってきた頃、お開きとなる。



さやか「今日はありがとうございました! ケーキめちゃうまでした!」

まどか「ごちそうさまでした! 今日も楽しかったです!」

キリカ「ごちそうさま。 それに、みんな今日はお疲れ様」

キリカ「……ところで今日訓練してて思ったんだけど、投擲、なんかもっと投げやすい武器を作った方がいいかな?」

まどか「投げやすい武器っていいますと?」

キリカ「え? うーん……なんだろ? 苦無とか手裏剣とか……忍者的なやつ?」

マミ「……作れればいいけど、作れるの?」

キリカ「え……? さぁ。でも訓練すれば出来るようになったりは……?」

マミ「私のリボンは変幻自在で何でも作れるのが特徴ね」

マミ「でもその代わり、決定打となる攻撃を作るまでには苦労したわ」

マミ「……呉さんの武器は小太刀でしょう?」

マミ「基本的にはあまりかけ離れたものを作るのは無理だと思うわ」



38 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 22:46:07.91PXtqDTOD0 (19/23)


 ……それを聞いて落胆した。


マミ「真面目なのはいいんだけど、あんまり難しく考えすぎない方がいいんじゃないかな」

マミ「思い詰めると良くないわよ」

キリカ「え? いや、私はそんなに考えてなんて!」

まどか「わたしからすれば十分すぎるほど考えてますよ」

まどか「わたしが言うのもなんだけど、マミさんもさやかちゃんもいるんですし、もっと頼っていいと思います」

まどか「さやかちゃんはガンガン突っ込んでいっちゃうから……そのサポートくらいで丁度いいんじゃないかなって思います」

さやか「まあ、そうですねー……無茶する前にフォローしてくれると助かりますよ」

キリカ「あ……うん。ありがとう」



1自由安価
2明日の予定について
3さようなら

 下2レス


39以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 22:48:21.44/lIuFQz90 (2/2)

「いくら私が魔法少女なりたてたとしてもみんなの足を引っ張りたくないからできる限りのことはしたいと思っている」と打ち明ける
それから2


40以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 22:50:23.14mBIwi3bG0 (6/6)

2
明日も訓練ならとりあえず武器を作れるかどうか試してみる


41以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 22:50:52.94G3cvRpLAO (4/4)

2


42 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 23:03:18.95PXtqDTOD0 (20/23)


キリカ「ところで、明日は……?」

マミ「明日はまたパトロールに行きたいわね。それでいい?」

キリカ「うん……あ、でもその前にまた集まれないかな?」

キリカ「身体もほぐしておきたいし、さっきのこともとりあえず試してみたいし」

マミ「ええ。そういうことなら」

まどか「わたしも大丈夫です」

さやか「あー、あたしは明日はちょっと帰りに行きたいとこがあるので早めに抜けてもいいですか?」

マミ「わかったわ。じゃ、また明日」


 ……『また明日』とみんなで挨拶を交わして、マミの家から離れていく。

 明日はまた実戦。不安なところはあるけど、ちょっとずつ慣れていくしかなさそうだ。




――4日 終了――


キリカ 魔力[124/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス
[魔力コントロールLv0] [格闘Lv1] [射撃Lv1]


43 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 23:20:18.45PXtqDTOD0 (21/23)

―5日 昼休み


 ……いつも通り教室でマミと弁当を食べながら、ふと思う。


キリカ「……いつも思ってたけど、マミって弁当も美味しそうだよね」

キリカ「いつも朝一人で作ってるの?」

マミ「ええ。あ、そうだ。おかず交換とかしてみる?」

キリカ「!?」


 どうしよう。見たことはあっても、そんなもろにお友達的なこと、はじめてだ。

 小学校の頃は給食だったし……


マミ「えーと、どうかしら?」

キリカ「あ、うん! 大丈夫! なにがいい?」

マミ「そうね……じゃあ、卵焼きでも交換してみる?」

マミ「家庭によって結構味が違うっていうし」

キリカ「あ、うん……」

キリカ「えっ」


 マミが自分のお弁当箱から卵焼きを箸でつまみ……そして、私の口元まで運んてきた。


キリカ(あーんですか!?)

キリカ(あれ? これが普通なのかな? まあでも……お友達ってこういうもの?)

キリカ(……嫌ではないけど、恥ずかしい。教室、めっちゃ人いるんだけど……)



44以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 23:23:48.87o4nVPSz10 (1/2)

何だこのバカップルはw


45 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 23:37:26.35PXtqDTOD0 (22/23)


マミ(――……こんなこと提案しちゃったけど、こんなもろにお友達的なこと、はじめてだわ)

マミ(こんな感じでいいのかしらね? お友達だものね!)


マミ「……ど、どうかしら?」

キリカ「お、美味しいと思うよ……えーと、チーズ入ってる?」

マミ「ええ、今日のはチーズを溶かして入れてみたの」


キリカ(あれ……これ私もやる流れ?)

マミ(意外と恥ずかしいわ…… あ、この卵焼き甘い)



 ……どっちも慣れないことをしたせいで変な感じになったことには、残念ながら二人は気づかなかった。



46 ◆xjSC8AOvWI2017/04/08(土) 23:47:04.10PXtqDTOD0 (23/23)


 ……やがて昼食を終えて弁当箱を片づける。


マミ「こっちのクラスは午後の授業は?」

キリカ「国語……あ。 どうしよ、課題やってない。最近忙しかったから忘れてた……」

マミ「両立は大変だろうけど頑張って。今度試験もあるし、気を抜けないわよ」

キリカ「マミは完ぺきそうだね……」

マミ「私は、私に出来ることはなんでもやりたいって思ってるの」

マミ「特に、今は後輩に示しがつかないものね……」

キリカ「……そうだね。私も今から仕上げることにするよ」


 課題のプリントを出す。

 ……とりあえず、難しかったり時間がかかるものではないのが救いだった。


1自由安価
2マミのクラスの授業は?
3さやかにも一応注意しといたほうがよさそう

 下2レス


47以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/08(土) 23:58:54.61o4nVPSz10 (2/2)

今日の事だけど、まどかもさやかに一緒に居させた方が良いと思う
また佐倉さんが来てさやかを挑発したりしたら、ストッパーがいないとまた戦いになると思う
マミはどう思う?賛成ならマミからもさやかとまどかに伝えて欲しい


48以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 00:01:11.29Dhs2yBaFO (1/1)

3+↑


49 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 00:26:08.60lEvMW1c90 (1/28)


キリカ「さやかにも一応注意しといたほうがよさそうだね。試験のこととかすっかり忘れてそうだよ」

マミ「確かにねえ……今度みんなで勉強会でも開く?」

キリカ「それまでには私もさやかたちに教えられるように、ちょっと復習しとかないとなぁ……」

キリカ「あと、今日のことだけどさ……さやかの用事ってなんだかわかる?」

マミ「さあ……私はわからないわ」

キリカ「さやか、一人で大丈夫かな?」

キリカ「例の犯人のこともあるし、もしまた佐倉さんと会ったりしたらまずい気がして……」

キリカ「この前も結構険悪な感じだったしさ、また戦いになったら今度こそさやかが危ないよ」

マミ「……そうね。あの子にも困ったものだけど」

マミ「とりあえずそのことはまた後でみんないるときに話しましょう。今は課題頑張って」

キリカ「ん……」


 ……なんとか授業までに終わらせて、ペンを置く。

 もう少しで午後の授業がはじまる。


 ぼんやりと机の上に視線を落として、チャイムが鳴るのを待った。



50 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 00:27:23.75lEvMW1c90 (2/28)

----------------------
ここまで
次回は9日(日)17時くらいからの予定です


51以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 00:32:31.25sMZY0ae20 (1/1)

乙です


52 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 17:07:33.00lEvMW1c90 (3/28)


 ――――今日の授業を終えて、みんなで合流していつもの訓練場所に歩き出す。

 早速今度の試験のことを話題にしていた。


さやか「あ、そうだ! テストのときはテレパシーでマミさんが答えを教えるっていうのは……」

マミ「お断りよ」

さやか「厳しいなぁ……。キリカさんは」

キリカ「……自分でやらないと意味ないよ」

さやか「ですよねー。ああ、こうなったら将来は『正義の味方』ということで決意を固めるしか」

まどか「さやかちゃん……諦めて勉強しなよ」


 ……案の定、さやかも学業のほうがおろそかになってたらしい。

 今日はさやかだけじゃなくまどかまで課題を忘れてたらしく、マミ以外はみんな似たり寄ったりだ。


さやか「あー、ホント、訓練したり魔女倒したりしてるほうが楽だなぁー」

マミ「美樹さん、魔女と戦うのは命懸けなんだからね」

マミ「ベテランだって命を落とすことはあるの。新人のうちは尚更気を付けないと」

さやか「わかってますよう」



53 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 17:20:56.57lEvMW1c90 (4/28)


 ……土手に着いて、バッグを芝生の上に放る。

 それから、パトロール前の準備運動に、変身してみる。


キリカ「……」


 ……白い手袋をはめた手をじっと見つめる。

 なんとか考えてみても、そこに刀以外を出すイメージが作れない。

 そもそも『魔力』なんて概念があやふやすぎて、どう扱えばいいかすら手探りだ。


マミ「どうしたの?」

 ……変身したまま暫く何もせずに考えていると、マミが声をかけてきた。

キリカ「一応昨日言ってた刀以外の武器っていうのも出せないかなって思ってたんだけど……」

キリカ「やっぱ、やり方わかんないや」

マミ「……呉さんはやっぱり、自分の武器が合わないと思う?」

キリカ「うーん……それはだって、前に出て戦うのは怖いし」

マミ「でも、これは推測なんだけど」

マミ「魔法少女の武器ってその人の願いとか、生まれつきの資質……もしくは心とかで決まってるんだと思うのね」

マミ「だからきっと、どうしても合わないってことはないのよ」

マミ「それでもやっぱり合わない気がするなら、心の持ち方を変えてみるのはどうかなぁって思うんだけど」

キリカ「心の持ち方……」


キリカ(……そんなこと言われたって、どうすればいいんだろ?)

キリカ(頑張ろうとしてもやっぱり臆病で一歩引いちゃうのが私なんだから、しょうがないじゃない)


 ……結局、出したのはいつもの武器だった。

 ずしりと両手に載った金属がやけに重く感じた。 心持というのなら、その分の重さでも表しているようにも思えた。



54 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 17:33:25.78lEvMW1c90 (5/28)


 ……結局、準備運動に素振りをした後、少しだけ投擲の訓練をして心を落ち着かせてから出発することになった。

 今日はまた一昨日とは違う回り方でパトロールをするらしい。



キリカ「……あ、そういえばさやかは途中で抜けるんだよね?」

さやか「はい。ちょっと用事があって、あんまり遅くにはしたくないんで……」


 ……さやかはちょっと嬉しそうな、落ち着かない様子だ。


キリカ「まどかは何の用かは知ってるの……?」

まどか「えーと、まあ察しはついてますけど」


 まどかはそう言うと、さやかの耳元でごにょごにょと何かを言った。

 ……その途端、さやかの顔が赤くなる。

 あれ? これってもしかして?


さやか「――いや、まあ、そうなんだけど!」

キリカ「え? 何?」

マミ「楽しそうね。何を内緒話してたの?」

まどか「言っていい?」

さやか「お、お見舞いです。幼馴染の」



55 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 17:46:59.27lEvMW1c90 (6/28)


キリカ「……それでえっと、一人だと色々と危険だから、まどかも一緒のほうがいいのかなって話そうとしてたんだけど……」

まどか「あー……わたしは遠慮しておきます」

マミ「そうね……こればっかりは、そのほうがいいわね」

キリカ「……無粋だったね、ごめん」

さやか「ちょっとー! みんなしてなんですかその反応は!」


 そんなことを話しているうちに、最初の目的地が見えてくる。

 ……もしかして、度々用事があるって言ってたのって全部その人のお見舞いだったのかな。



 下1レスコンマ判定
0~20 使い魔
21~40 魔女


56以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 17:51:58.00B+szzWOO0 (1/11)

魔女来い


57 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 18:17:32.33lEvMW1c90 (7/28)


マミ「近くに使い魔が居るわよ、倒しに行きましょう」

まどか「上条君に会いに行くためにも、早く終わらせよう!」

さやか「もー!」


 ……みんなでマミについていく。

 使い魔とはいっても、今度こそ私も少しは活躍を…………



―鳥かごの魔女結界



さやか「せいっ、たあッ!」

マミ「はいっ!」


 狭い路地に魔女結界を見つけると、鳥のような使い魔がその中を飛び回っていた。


さやか「キリカさん、そっち行きましたよ!」

キリカ「えっ、わあっ!」


 ――やがて、結界の中の敵を殲滅し終えると、景色はただの薄暗い路地裏へと戻った。

 距離が離れてたら斬るのも難しいはずなのに、さやかはそんなこと関係なく閃光のように突撃して斬りに行っていた。

 マミはさやかが倒し残したものをすかさず撃ち落としていた。


 ……やはり二人は率先しててきぱきと倒していて、私は自分のところに来た敵の対処で精一杯だった。



58 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 18:40:46.66lEvMW1c90 (8/28)


さやか「ふー、これで一安心ですね!」

マミ「ええ、じゃあ次行きましょうか」


キリカ(……やっぱり、心持の違いかな)


 ……そう思って二人を見ていると、ふとあることに気づいた。


キリカ「……さやか、そこ傷ついてるよ。あ、ここも」

さやか「え? ホントだ。こんなのすぐ治りますよ。それに、こう見えてあんまり痛くはないんで」

マミ「治しておいたほうがいいわよ。傷だらけじゃ上条君が心配しちゃうわ」

さやか「それまでには治りますって。あたし、回復力は高いらしいんで」


 ……やっぱり、あんなふうになりふり構わず突撃してたら、無傷ってわけにはいかないんだ。

 さやかに近づくと、その腕を掴んだ。

 魔力を通すと、小さな傷が消えていく――……傷を治す魔法、使うのこれで初めてだな。


さやか「なにしてるんですか……ほっときゃ治るんですって。わざわざ魔力使うまでも……」

キリカ「……さっきの使い魔戦も、この前の時も、私はほとんど魔力使ってないから」

キリカ「そこまでなりふり構わず攻撃しないでもいいんじゃないかな……」


 ……そのためにも、もうちょっとは頼れる人にならないと。


さやか「……ありがとうございます」



キリカ 魔力[113/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]



59 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 18:44:43.05lEvMW1c90 (9/28)

―公園


 ……路地裏を出ると、駅前のほうを通って住宅街を歩く。

 夕方前の公園は、まだ子供たちの姿がたくさんあった。



 下1レスコンマ判定
0~20 使い魔
21~40 魔女


60以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 18:45:34.16obxzcx3n0 (1/2)

魔女


61 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 19:05:54.73lEvMW1c90 (10/28)


さやか「また魔力の反応です!」

マミ「ええ、また使い魔がいるみたいね」


 ……この公園はそこそこ広い。

 このあたりに居るといっても、ソウルジェムの明滅だけを頼りにしていては探すのは難しかった。

 私もいつか、魔力を感じ取れるようになれるのかな。まどかは慣れだと言っていたけど……



―芸術家の魔女結界



マミ「飛んでいる使い魔は私が対処するわ。二人は人型をお願い」

さやか「了解です!」

キリカ「う、うんっ……!」



キリカ 魔力[113/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv0] [格闘Lv1] [射撃Lv1]


敵:代表作×4 <-攻撃対象
  意欲作×3

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。

 下1レス


62以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 19:06:20.85tFyVtwes0 (1/1)




63 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 19:20:10.35lEvMW1c90 (11/28)


さやか「でぇあっ!」


 さやかが一足先に使い魔の塊に突撃していく。

 近づかなきゃ倒せない。それはそうなんだけど。

 ……4体というのは多分多いほうじゃない。そう思ってる間にもさやかが一体倒していた。

 一人に任せるわけにはいかないんだけど、邪魔になったりはしないようにしないと。


キリカ「っ!」


 さやかに続いて敵に近づくと、使い魔がこっちに反応して近づいてくる。

 ふらふらと腕を上げて、不気味だ。ここまできたらさっさと倒してしまうしかない。


 ……なんとか一体倒して、その直後に何かガクンと身体が重くなるような、眩暈のするような感覚がした。

 使い魔が横から近づいてきていた。

 上に挙げた手を振るって叩くのではなく、何か体力とかそのものを吸い上げるような攻撃をするらしい。


 ――向きなおったところで、さやかがその使い魔を斬った。


さやか「これで終わりッ!」



64 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 19:32:57.82lEvMW1c90 (12/28)


マミ「こっちも片付いたわ。これで全部なようね」

キリカ「なんか、疲れた……なんか嫌な敵だったな」

さやか「あー、なんかあの攻撃気持ち悪かったですよね」


 ……やっぱり、さやかも攻撃受けてたんだ。


まどか「みんな、お疲れ様! 連戦だけど、大丈夫……?」

さやか「へーきへーき。 じゃ、あたしはそろそろ行ってきますね」

マミ「ええ、いってらっしゃい」

キリカ「あ、もしまた佐倉さんに会っても、挑発に乗ったりしたりしないでよ……?」

さやか「わかってますって! みんな、お疲れ様でした!」


 さやかが手を振って公園から離れていく。


マミ「私たちももう少し回ったら解散にしましょうか」

まどか「はい!」


 私たちも、さやかの出たほうと反対側の出口を通って公園を出る。

 この後は学校付近の通学路を回る予定だ。

 私ももう少しだけ気合いを入れることにした。



65 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 19:45:24.63lEvMW1c90 (13/28)


 …………通学路を一通り歩き終えて、道の隅に立ち止まる。

 今日のパトロールはこれで終了だ。


マミ「みんな、お疲れ様」

まどか「お疲れ様でした」

マミ「じゃあ、今日はこれで解散でいいかしら?」

キリカ「うん。じゃあ、また明日」

まどか「また明日です、マミさん」

マミ「ええ、またね」


 いつものように挨拶をして、マミと別れる。

 ……それから、薄暗くなった帰り道をまどかと二人で歩く。

 通学路と一口にいっても広い。あまり歩いたことのないような道も歩くのは新鮮だった。


まどか「今日はどうでした?」

キリカ「うーん……やっぱり、あんまりみんなと比べると活躍できてないけど」

まどか「そりゃさやかちゃんや、ベテランのマミさんやに比べたらそうかもしれないですけど……」

まどか「やれることをやっていけばいいと思いますよ」

キリカ「うん……ありがとう」



1自由安価
2さやかの戦い方について

 下2レス


66以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 19:48:21.33B+szzWOO0 (2/11)

2のあとさやかの幼馴染についてまどかに聞く


67以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 19:54:35.64DhPdmDQUO (1/9)




68 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 20:15:06.80lEvMW1c90 (14/28)


キリカ「……ところで、まどかはさやかの戦い方ってどう思う?」

キリカ「臆せず戦っていけるのはすごいけど、よく見てみたらやっぱり傷ついてるんだなって思って」

まどか「そうですね……やっぱりちょっと、危ないところはあると思います」

まどか「いくら回復力が高いからっていったって、傷ついてもいいことにはならないし……」

キリカ「それで助けられることもいっぱいあるんだけどね……」


 まどかも心配しているらしい。


キリカ「……さやかといえば、幼馴染の上条君ってどんな人なの?」

まどか「上条君は今交通事故で入院してて……前からさやかちゃんはよくお見舞いに行ってたんです」

まどか「事故に遭う前は、すごいバイオリニストになれるってくらいバイオリンが上手だったんですけどね……」

まどか「怪我が治るまで演奏もできなくなって、治ったとしても後遺症とか、復帰できるかわからないって感じでした」


 過去形の言い方が引っ掛かって、回復力の高いさやかの祈りに思い至った。


キリカ「もしかしてさやかの願いって、その人に関係してるの?」

まどか「……はい。さやかちゃんが契約して腕は治ったんですけど、まだ検査やリハビリがあるみたいで」

まどか「まだ退院にはもうちょっとかかるらしいです」

キリカ「そっか……でももうすぐ退院できるんだね」



69 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 20:29:52.91lEvMW1c90 (15/28)


 ……話している間に、日が少しずつ傾いていっている。

 まどかと二人だと、大分雰囲気は穏やかだ。

 最近さやかも一緒に居ることが多かったから、この静かな感じが少し寂しくも感じていた。


 ――――が、その途中で何か怒鳴り声が聞こえてきて、二人で肩を跳ねさせた。

 見てみると、何か言い合っているらしい。閑静な住宅街でヒステリックな金切声が響いている。


*「この泥棒猫! あんたのせいであたしの人生めちゃくちゃだわ!」

*「何をおっしゃいこの嘘吐き女! 悪いのは全部あんたよ!」


キリカ(……なに? 昼ドラ?)

キリカ「まどか……ちょっと別の道にしよう」

まどか「待ってください……あの人たち、首筋に魔女の口づけがあります」

まどか「魔女に魅入られてるんです……おおごとにならないうちに助けてあげないと」


 ……まどかに言われてソウルジェムを見てみると、確かに光っていた。

 こうなると、逃げることしか考えてなかった私が恥ずかしく思えた。

 やっぱり正義の味方、向いてないのかな。



70 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 20:47:37.05lEvMW1c90 (16/28)


*「[ピーーー]を[ピーーー]して[ピーーー]してやる!」

*「なにを! [ピーーー]で[ピーーー]して[ピーーー]!」


キリカ「あわわ、どうしよう」

まどか「こういう時は……魔法で眠らせるんです」

まどか「今日、さやかちゃんの傷を治してましたよね……そういう魔力の使い方が出来るなら、きっとそれも出来るはずです」

キリカ「う、うん……!」


 …………まどかの言うとおり、なんとかやってみると出来た。

 マミやさやかが居たらまた任せちゃってただろうし、これもやってみれば意外と出来るっていうことなのかな。


キリカ(結界はどこだろ?)


 明滅の強さを頼りに歩き回って探していく。

 ……こういうとき、マミがどれだけ頼りになっていたかを思い知らされる。



71以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 20:48:38.99B+szzWOO0 (3/11)

マミは呼ばないの?


72 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 20:59:16.33lEvMW1c90 (17/28)

―銀の魔女結界



 結界に入ると、なにやら黒い塊がうようよとしていた。周囲を警戒しながらなんとか進んでいく。

 まどかも連れているからなるべく逃げずに倒すようにしていたけど、その分消耗も激しい。

 どうせこの使い魔は足が遅い。中ほどまですすむと、まどかの手を引いて、なんとか最深層まで駆け抜けてきた。


キリカ「はぁ……、はぁ……」

まどか「あ、あの、もしかしてわたし、足手まといになってますか……?」

キリカ「いや、そんなこと……」

まどか「マミさんに連絡した方がいいですか?」

キリカ「でも、待ってる間に誰か取り込まれたら…………」


 ……それに、いつも二人に任せきりで、こんなときくらいは頼りたくなかった。

 一人でもちゃんと出来るって思いたかった。

 無意味な意地だってわかっているのに、そんな思いが心の中にあった。


まどか「一応呼んでおきますね……来る前に倒せたら、それは一番いいんですけど」

まどか「じゃあ、行きますか?」

キリカ「……うん」



 最深部に足を踏み入れると、開けた場所に出た。

 ……中には魔女と思しき錆びの塊と、道中で見た使い魔……と

 ……バイクのような形をした使い魔?



キリカ 魔力[113/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv0] [格闘Lv1] [射撃Lv1]


敵:Gisela
  Dora×10 <-攻撃対象デフォルト
  変形Dora×3

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。

 下1レス


73以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 21:00:17.57DhPdmDQUO (2/9)

2


74 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 21:18:50.88lEvMW1c90 (18/28)


 ……三体くらい固まっている錆びの使い魔に目を向ける。


キリカ(とりあえず……近づいてもいいことない)

キリカ(いきなり出てきた道中は仕方なかったけど、この広い場所だったら距離をとりながら戦える!)


下1レスコンマ判定 倒すのにかかる魔力(ターン数)
0~25 3ターン
26~50 4ターン
51~75 5ターン
76~99 6ターン

補正-4


75以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 21:41:41.46DhPdmDQUO (3/9)




76 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 21:49:35.61lEvMW1c90 (19/28)


 使い魔に小刀を投げ込み、それから回り込んでもう一発投げ込む。

 それの繰り返しで逃げながら戦っているような感じだけど、確実に倒せていっている……


キリカ(やった……!)


 ……まずはこのまま使い魔を先に倒しておくべき?

 それとも、次はどうしよう……?


キリカ 魔力[109/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv0] [格闘Lv1] [射撃Lv1]


敵:Gisela
  Dora×7 <-攻撃対象デフォルト
  変形Dora×3

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。

 下1レス


77以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 21:56:56.64DhPdmDQUO (4/9)

2


78 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 22:00:31.04lEvMW1c90 (20/28)


 ……次に狙う使い魔を決めて、できるだけ足音を立てないように駆けだす。

 一体の使い魔を狙って、手中に作った小刀を構える。



下1レスコンマ判定 倒すのにかかる魔力(ターン数)
0~25 3ターン
26~50 4ターン
51~75 5ターン
76~99 6ターン

補正-4


79以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:01:42.20B+szzWOO0 (4/11)

ほい


80以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:01:51.65DhPdmDQUO (5/9)




81 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 22:09:59.08lEvMW1c90 (21/28)


 二回目だからか、さっきよりは少し慣れてきた気がする。

 ……やっていることは地道な作業だ。


まどか「キリカさん! 後ろから使い魔が――!」


 ――――しかし、無事に倒せたと思ったのもつかの間、まどかの声の直後エンジン音のようなものが聞こえた。

 いつのまにかバイクが突撃してきていた。


キリカ「ッ! きゃっ……」



 下1レスコンマ判定
0~50 回避
補正+3


82以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:10:56.89B+szzWOO0 (5/11)

避けた?


83以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:11:30.82DhPdmDQUO (6/9)

あかん


84 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 22:17:28.21lEvMW1c90 (22/28)


キリカ「痛っ……」


 横腹に衝撃を受けて吹き飛ばされる。

 使い魔はまた突撃してくるつもりだ。


キリカ(こうしてたらまずい――)



1バイクは直線移動。回り込む動作には弱いかも?
2直線移動なら、正面に剣を構えれば自滅してくれるのでは?

 下2レス


85以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:18:33.60DhPdmDQUO (7/9)

1


86以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:19:22.01B+szzWOO0 (6/11)

2は危険なきがするので1


87 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 22:36:37.03lEvMW1c90 (23/28)


 ――咄嗟に選んだのは、回り込めればということだった。

 ……しかし、私はそれができるほど速く動けない。

 それに気づいたのは、バイクが身体に触れそうに迫ってからだった。


キリカ「ぐっ……――」


 痛い。ヤバい。どうしよう。逃げたい。

 こうなると逃げることしか考えられず、立ち上がってなんとか逃げようと走ろうとする。

 でもそれじゃ、また――――


キリカ「ッ、……ぁぁぁああ―――ッ!」


 ……剣を抜いて、全力で斬りつける。

 バイクはいつのまにか砕け散って消えていた。

 ああ……そうか。こんなに簡単なことだったのに。


 膝をついて、今度こそ周囲を警戒しながら傷と魔力を回復する。


キリカ(…………使い魔が増えてる。地道に倒せてても、あんなに時間をかけてちゃ駄目なんだ)

キリカ(早く、魔女を倒さないと……)



キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[16/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv0] [格闘Lv1] [射撃Lv1]


敵:Gisela <-攻撃対象デフォルト
  Dora×4
  変形Dora×2

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。

 下1レス


88以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:38:52.46B+szzWOO0 (7/11)

5


89以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:42:47.30DhPdmDQUO (8/9)

今のキリカではまだ回り込むだけのスピードもないのか


90 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 22:48:57.80lEvMW1c90 (24/28)


 近づいて魔女に向き合うと、

 空中に小刀をいくつか作って、その刃をブーメラン状の魔力の刃に変えて一か所に撃ちこんでいく――




 コンマ判定 有効度
0~50 撃破
※1ケタ0でクリティカル


91以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:50:35.08B+szzWOO0 (8/11)

お願い!


92以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 22:54:11.40DhPdmDQUO (9/9)

倒せたか


93 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 23:07:23.31lEvMW1c90 (25/28)


 ――――ここまで地道にやっても、最後は結局大きい技を叩き込まないと倒せないんだ。

 魔女の落としたグリーフシードを拾って、やっと一息つく。


 やっぱり、私一人じゃ厳しいんだなって思い知らされた気分だった。

 さやかのあのなりふり構わず戦える勇敢さと、動きの速さ。マミの安定したフォロー。

 あれにいかに助けられてたかがわかる。


キリカ「……倒すの、大分時間かかっちゃったよね……段取り悪くてごめん」

まどか「いえ……しょうがないですよ。一人ですし」

まどか「途中は本当にひやひやしてましたけど……なんとか無事でよかったです」

キリカ「そういえば、マミはまだ来ないのかな……」


 呼び出しちゃったけど、もうちゃんと片づけられたってことは言っておかないと。

 そう思って鞄を取って携帯を出そうとすると、何か小さい生き物が走ってくる音が聞こえた。


 ――キュゥべえだ。


★魔力コントロールLv0→Lv1

★射撃Lv1→Lv2


キリカ 魔力[105/130] 状態:正常
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


94以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 23:08:02.23B+szzWOO0 (9/11)

今気づいたけど、>>90は下何レス?


95以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 23:18:07.31obxzcx3n0 (2/2)

気になったけどワルが来るまで時間ってある?


96 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 23:30:28.46lEvMW1c90 (26/28)

>>94 書忘れてたけど1レスのつもりだったかと思います…2でも撃破でしたが
>>95 ワル夜は17日です
------------------------------------------------------------------


QB「二人とも、大変だ!」

まどか「そんなに急いでどうしたの? キュゥべえ」

QB「今マミが杏子と戦ってる」

キリカ「マミが……?」

QB「どうやらはっきりと決着をつけようということらしい」


 マミならさやかの時みたいなことにはならないとは思うけど……万一ということもある。

 それに決着って――ないとは思うけど、もし負けたらマミはどうする気なんだろう……?



―――

―――キリカが魔女と戦い始めるより少し前。

―――少し夕飯の買い物をして帰ろうか。またお茶会の時に作るケーキの材料も買わなくちゃ。

―――そんなことを思いながら歩いていた頃だった。


杏子「よう、一人か? お仲間には早くも見限られちまったのかい?」

マミ「もう今日のパトロールは終わったところなの。みんなが私を裏切るわけないでしょ」

マミ「……あなたと違ってね」

杏子「本当にそうだといいけどな」

マミ「あなたこそ、この前から何の用なの?」

マミ「いつまでこっちに居るつもり? これ以上私の仲間に変なこと吹き込まないで」

マミ「みんなには手を出させない……私が決着をつければ気が済むなら相手するわ」

マミ「気に入らないことがあるのなら、それが筋ってものじゃないかしら?」


 ……マミがキッと杏子を睨む。


杏子「……ハッ、なんだよその顔は」

杏子「いや、そうだな。あたしもそろそろあんたにはムカついてたとこだ」

杏子「いいぜ、乗ってやるよ。あたしとアンタ、どっちが正しいかはっきりさせようじゃないか」

杏子「昔のあたしだと思うなよ」



97 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 23:50:53.60lEvMW1c90 (27/28)

―――


 ……キュゥべえからざっくりと話を聞いて、まどかと一緒に走り出した。

 多分実力差もそれほどない二人だから、戦いもすぐに終わらないはず。

 さやかの時ほど実力差がないからこそ、白熱すれば危険なこともあるかもしれない。


キリカ「それって、どこなんだっけ!?」

QB「工業地帯近くの人気のない通りだ。僕が案内するよ」

まどか「マミさん、無事なんだよね……!?」

QB「わからない……急いだ方がいいよ」


 ――――キュゥべえの言っていた付近までは、もう少しだ。

 先を走っているキュゥべえについて走っていると、その途中で目の前のその姿が『なくなった』。


 ……粉々に散ったのだ。

 突如飛んできた何かにより――赤い液体をまき散らして。


まどか「えっ……!?」

キリカ「ッ――!」


 前方に向けて勢いのつけていた身体を急停止させ、まどかを下がらせる。

 キュゥべえを襲った『何か』は、やはりまた続けて二発三発と目の前に撃ちこまれる。


キリカ(なんでこんな時に…………!?)


?「………………」


 歩道橋の真ん中、振り返れば、冷たい目でこちらを見下ろす魔法少女の姿があった。




98以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 23:53:26.62B+szzWOO0 (10/11)

ここで織莉子が来るか


99 ◆xjSC8AOvWI2017/04/09(日) 23:53:55.04lEvMW1c90 (28/28)

-----------------
ここまで
次回は16日(日)17時くらいからの予定です


100以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 23:57:24.33B+szzWOO0 (11/11)

乙です

織莉子はやっぱりまどか殺す気なんだろうな
織莉子的にはマミと杏子が共倒れ、片方だけでも居なくなれば邪魔者が減って助かるからなぁ




101以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/13(木) 18:44:30.94PVXNc1pb0 (1/1)

まだ織莉子と決まったわけではないのでは?


102 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 17:10:05.360chvaa8O0 (1/35)


まどか「あなたが美国織莉子さん……なの?」

まどか「!!」


 謎の魔法少女はその言葉にまどかのほうを見たが、

 答えることなく、話す気はないというように攻撃を続けようとした。


キリカ「っ、う…………」


 ――まどかのほうを狙ったものだと気づくと、咄嗟にまどかの前に出て庇うように動いた。

 ……すると、魔法少女の視線はこちらに移る。

 変身して、剣を抜く。


キリカ「戦うなら相手はこっちだ! まどかはもう魔法少女には関係ない……!」

キリカ「――まどか! 危ないから出来るだけ遠くに逃げて!」

まどか「は、はい……!」


 変身して剣を抜くと、目の前の敵に向けて駆けだす。

 どうやらやっぱり、佐倉さんのように戦えない人には手を出さないというような人ではないようだ。

 相手はマミの言っていた通り、魔法少女じゃなくなってもその素質の高さを懸念してまどかにも危害を加えるかもしれない。


 ――至近距離まで間合いを詰めていく。

 さやかみたいな勇気を出さなきゃいけないとしたら、それは今だ。




103 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 17:19:10.720chvaa8O0 (2/35)

―――



まどか「はっ……、はっ……」


 まどかは息を切らせて走っていた。

 戦場に背を向け、更に人気のないほうへと向かう。


まどか(やっぱり、魔法少女じゃなくなってから体力も少し落ちてる気がする……)

まどか(とにかく、早くマミさんに知らせにいかないと……!)


 案内役のキュゥべえがいなくなってしまったから、正確な場所はわからない。

 魔力を察知することもできなくなってしまったのが、この時一番に悔やしく思えた。


 そもそも、自分が戦えていれば。


まどか(……そう思うのは、わざわざ自分のために契約したキリカさんの思いを踏みにじることなのかな)

まどか(でも、やっぱりわたしだけ守られてばっかなのは嫌だよ)


 キュゥべえ。今、もしわたしに願いがあるとしたら――――

 そう口にしようとして、でももうキュゥべえも居ないんだということが胸の中に重く響いた。



?「そんなに急いで、どこにお行きに?」



104 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 17:25:19.060chvaa8O0 (3/35)


 ――近くから聞こえた声にまどかは足を止めた。

 声と同時に腕を掴まれ、再び走り出そうにも振りほどくことも出来なかった。


まどか「は、放してくださいっ! 今急いでるんです……!」


 腕を掴む力は見た目よりも強い。

 その雰囲気から、ただものでないことはまどかにもすぐに察せられた。

 待ち伏せされた?

 ――そう思うと、心の中にひやりとしたものが走った。


まどか「あなた、誰……?」

?「…………」


 ……魔法少女は不気味なくらい穏やかににこりと笑みを浮かべた。



105 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 17:31:19.270chvaa8O0 (4/35)


まどか「もしかして、あなたが美国織莉子……」

?「さあ。どうでしょうね?」


 ――その名を知らなければ、こんな答え方はしないはずだ。

 まどかはほぼ確信に近いものを感じた。

 本人か、その仲間か。どのみち、この人たちに捕まったら自分は……――――


 まどかが警戒するように身体を強張らせる。

 しかし、そんなまどかにかけられたのは思いがけない言葉だった。



―――


106以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 17:43:14.743mQSXiaB0 (1/15)

何がどうなってるんだ?キリカと対峙してるのは誰??


107以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 17:46:55.06OKqLPLW90 (1/10)

この世界だと能力が違うのかも?


108 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 17:51:56.570chvaa8O0 (5/35)

―――


キリカ「ッ……」


 両手で交互に振るう刃は、ひらりと避けられるばかりだ。

 相手の動きは大して速いわけでもないのに……。


 ……単に私の動きが下手くそだからというのはあるんだろう。

 使い魔や魔女とは違う。攻撃すれば倒せるなんて簡単なものじゃない。

 けど、未来を予知する魔法……それも関係してるんだろうか。




キリカ 魔力[105/130] 状態:負傷(小)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


109以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 17:53:59.18lYbKjZ9Io (1/1)




110以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 17:57:36.523mQSXiaB0 (2/15)

6接近戦をしかけて大技と見せかけて体当たり


111 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 18:07:19.400chvaa8O0 (6/35)


キリカ(それでもっ……)

キリカ(動きを止めたらやられる! せめてここで食い止めないと――!)




 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(劣勢時は相手、優勢時は自分)

+補正-17
+補正???



112以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:08:38.49OKqLPLW90 (2/10)

キリカ


113以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:08:45.673mQSXiaB0 (3/15)

こい!


114 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 18:17:31.180chvaa8O0 (7/35)



キリカ「くっ…………!」


 ……ほとんど、攻撃を受け止めるだけで精一杯だ。

 それでも、全てを受け止めたり避けたりはできずに少しずつ消耗していく。

 それは相手も同じだろうけど、やっぱりこちらのほうが少し押し負けている……――



キリカ(このまま長期戦になったらまずいかも)

キリカ(まどかはもう無事に逃げられたかな……)



キリカ 魔力[105/130] 状態:負傷(小)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


115以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:17:57.36vwS1U28oO (1/11)

劣勢か



116以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:19:27.44vwS1U28oO (2/11)

3


117 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 18:41:07.370chvaa8O0 (8/35)


 刀を持つ両手にぐっと力を入れ、勢いをつけるように地面を蹴る。

 このまま押し切られて削り殺されるよりは、多少のリスクは覚悟で大技を――――!

キリカ「はぁあッ……!」

 このまま、練り上げた魔力と全ての力を振るう。


キリカ(ッ――――! 避け……)


 ――――しかし、それが当たることはなかった。

 横を抜けられると同時に足元を狙った攻撃に途中で勢いを削がれ、

 止められない力がその方向を見失って地面につんのめりそうになる。


キリカ(敵に背を向けてるのはまずい……!)


 地面に手をついて後ろを振り返ろうとすると、その瞬間に見えていない右頬に衝撃と痛みが走った。


キリカ「きゃあっ!」


 思わず身を縮こませる。

 立ち上がらないと。


 ――距離を空けられたらまずい気がする。

 正確さも連射性も、遠距離の魔法少女相手には打ち合いじゃ勝てない。




キリカ 魔力[105/130] 状態:負傷(中)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


118以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:43:34.96vwS1U28oO (3/11)

4


119 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 18:51:03.200chvaa8O0 (9/35)



 立ち上がるのと同時に、刀を振るい、刀身からゆらりと形を歪ませた魔力の塊を投擲する。

 刀身のなくなった刀を放ると、距離を詰めるように走り出して左手から刀を持ち替える。



 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(劣勢時は相手、優勢時は自分)

+補正-13
+補正???



120以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:51:23.03ZNw+DhRr0 (1/4)

hoi


121以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:53:28.60OKqLPLW90 (3/10)

これはコンテニューか?


122以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:54:34.96ZNw+DhRr0 (2/4)

しょうがないね、コンマ運がない


123以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:54:55.143mQSXiaB0 (4/15)

あかん


124以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 18:56:47.54vwS1U28oO (4/11)

状況をわきまえずケンカ始めたマミと杏子のせいだな


125 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:07:55.360chvaa8O0 (10/35)


キリカ(また避けられた……!)


 一撃一撃は立っていられないほどの重みはないが、避けるのは難しい。

 痛みに慣れてないのなんてしょうがない。

 少しどこかに身体をぶつけただけでも痛いのは当然で、今まで戦うなんてこと想像することもなかったんだから。


 ……倒れこんだ瞬間に、背中から激しい痛みが襲う。

 どんな攻撃をしたのかはわからないけど、大技をここまで取っておいたらしい。


キリカ(なんでこんな時にって思ったけど、きっとこんな時だからこそ狙ったんだ……)

キリカ(さやかは用事で居ないし、マミは佐倉さんと戦ってる最中)

キリカ(敵からすればいい具合に分断されてて、だからこっちに来たんだ――)


キリカ(――――私が一番、弱いから?)


 さやかは俊敏で、回復が得意。遠くの敵でも関係なく、閃光のように一瞬で間合いを詰めて自分のペースに持っていける。

 マミはベテランだし器用だ。武器としては使いにくいはずのリボンを巧みに操って、銃まで作り出して完璧に使いこなしている。


 私は……私の取柄は何もないの?



 ……意識が遠のいてきた。

 私の取柄は何もないらしい。私にしては結構頑張ったつもりだったのにな。

 こんな誰だかわからないままの相手に負けるなんて、嫌だな……。


――――

========================================
 ※基本的に運要素でバッドエンドは嫌なので、
  敗北はコンティニュー無制限です※

コンティニュー
・(>>108~119)

 下2レス
========================================


126以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:09:34.00OKqLPLW90 (4/10)

>>108
ここのコンマが悪いかよいかで決まりそう


127以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:10:35.373mQSXiaB0 (5/15)

108


128 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:13:01.320chvaa8O0 (11/35)

==============
やり直し >>108
==============
―――


キリカ「ッ……」


 両手で交互に振るう刃は、ひらりと避けられるばかりだ。

 相手の動きは大して速いわけでもないのに……。


 ……単に私の動きが下手くそだからというのはあるんだろう。

 使い魔や魔女とは違う。攻撃すれば倒せるなんて簡単なものじゃない。

 けど、未来を予知する魔法……それも関係してるんだろうか。




キリカ 魔力[105/130] 状態:負傷(小)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


129以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:13:55.29ODCLWPFho (1/3)




130以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:14:27.48vwS1U28oO (5/11)

5


131 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:18:01.790chvaa8O0 (12/35)


 まずはいつもどおり小刀を投げつけてみる。

 ……この程度じゃ焼け石に水だ。

 遠距離の魔法少女相手じゃ正確さも連射性も劣ってしまう。打ち合いでは押し負ける――



キリカ 魔力[104/130] 状態:負傷(小)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


132以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:18:47.33vwS1U28oO (6/11)

1


133以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:19:08.35ZNw+DhRr0 (3/4)

5


134 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:22:14.810chvaa8O0 (13/35)


 足にぐっと力を入れて、再び前に向けて走り出す。


キリカ(ここで動きを止めたらやられる! せめて食い止めないと――!)



 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(劣勢時は相手、優勢時は自分)

+補正-17
+補正???


135以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:22:39.253mQSXiaB0 (6/15)

今度こそ!


136以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:22:59.54vwS1U28oO (7/11)




137以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:24:06.463mQSXiaB0 (7/15)

コンマ運ないなぁ…すまぬ


138以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:25:06.11vwS1U28oO (8/11)

さっきよりも悪化しとるがな


139 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:29:25.460chvaa8O0 (14/35)


キリカ「っ……!」


 こちらはほとんど攻撃を受け止めることもできてないのに、振るい続ける刃はひらりと避けられ届かない。

 一撃一撃は立っていられないほどの重みはないけど、じりじりと追い詰められている。


 後がない――――! このままだと押し切られてしまう。




キリカ 魔力[104/130] 状態:負傷(中)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


140以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:30:23.97vwS1U28oO (9/11)

5


141以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:30:46.60ODCLWPFho (2/3)

3b


142 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:37:40.280chvaa8O0 (15/35)


 一歩分下がり、空中に出した小刀から魔力の刃を射出する。

 間髪入れずに――――



キリカ 魔力[94/130] 状態:負傷(中)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:???

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6自由安価

 下1レス


143以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:38:42.44ODCLWPFho (3/3)




144 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:45:49.630chvaa8O0 (16/35)


 ―――間髪入れずに、

 わずかにリーチに届かない間合いから刀を振るい、刀身からゆらりと形を歪ませた魔力の塊を投擲する。

 それからもう一歩を踏み出して左の刀を振るう。


キリカ「はぁあッ!」



 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(劣勢時は相手、優勢時は自分)

+補正-13
+補正???


145以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:46:22.67vwS1U28oO (10/11)





146 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 19:56:45.300chvaa8O0 (17/35)


キリカ(踏み込みが甘い――!)

キリカ「っ……!」


 外した、と思ったのと同時に見えていない右頬に痛みと衝撃が走って思わず身体が強張る。

 さっきからそうだ。あと少しの踏込みが足りないから攻撃が届かない。


キリカ(…………)


 剣を握って、顔を上げる。


 ……狙っているかのように嫌なところにばかり攻撃が来る。

 マミが言っていた。投擲や射撃のコツは動きを予測すること――だとしたら、予知という魔法は相性が良いんだろう。


 痛みに慣れてないのなんてしょうがない。

 少しどこかに身体をぶつけただけでも痛いのは当然で、今まで戦うなんてこと想像することもなかったんだから。


 それでもなんとか体勢を崩さないように、目をつむらないようにというので精いっぱいだった。


キリカ(なんでこんな時にって思ったけど、きっとこんな時だからこそ狙ったんだ……)

キリカ(さやかは用事で居ないし、マミは佐倉さんと戦ってる最中)

キリカ(敵からすればいい具合に分断されてて、だからこっちに来たんだ――)


キリカ(――――私が一番、弱いから?)


 さやかは俊敏で、回復が得意。遠くの敵でも関係なく、閃光のように一瞬で間合いを詰めて自分のペースに持っていける。

 マミはベテランだし器用だ。武器としては使いにくいはずのリボンを巧みに操って、銃まで作り出して完璧に使いこなしている。


 私は……私の取柄は何もないの?



147以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 19:57:46.463mQSXiaB0 (8/15)

またBADか?


148 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:04:42.450chvaa8O0 (18/35)


キリカ「!」


 ――――途中からほぼ防戦一方に回っていたが、一瞬、攻撃が途切れた。

 罠かもしれないと思いつつも、目を見開きどこか驚いたような表情をしていることに気づく。

 なんにしたって、このまま何もできずにやられるよりはずっとマシ――――


 ――今だ、踏み込め。

 剣を両手で握り、走っていく。


 攻撃の間をくぐり抜け、再び至近距離まで間合いを詰める。


 ――柵に追い詰めるように体重を乗せて肘で突き飛ばし、刃を魔法少女に向けた。


?「…………」


 ……こんな状況でもまだ何も喋らない。

 以前まどかを襲った時も、通り魔のようにいきなり襲ってきたらしい。

 未だにひたすら冷静な冷たい表情と合わさって、なんだか人間味が感じられず、機械か何かのようにすら思えた。


キリカ(……どうしよう? どうするかはマミが来てから決めたほうがいい?)



キリカ 魔力[62/130] 状態:負傷(中)
GS:2個
・落書き[16/100]
・銀[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



1自由安価
2「なんで私たちを狙うの?」
3「もう手を出さないって約束してくれる……?」
4……とりあえずソウルジェムだけでも奪って待つしかないか

 下2レス


149以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:08:46.45ZNw+DhRr0 (4/4)

1,マミの到着を待つ


150以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:11:10.123mQSXiaB0 (9/15)

マミを呼んでくる間に2と4
あとこの魔法少女の容姿や衣装、攻撃武器などを見定める


151以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:11:22.45vwS1U28oO (11/11)

4

この魔法少女クーほむじゃないよな?


152以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:14:36.82OKqLPLW90 (5/10)

>>151
死んだんじゃなかったけ?


153以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:16:32.723mQSXiaB0 (10/15)

>>151
キリカ編ではメガほむだし自殺したはず、だけど…


154 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:29:18.710chvaa8O0 (19/35)


キリカ「なんで私たちを狙うの?」

?「…………」


 ……魔法少女はやっぱり答えない。


キリカ「……状況分かってるのか!?」

キリカ「私たちは縄張りのためって考えてるけど……違うの? それともしゃべれないの!?」

キリカ「死ぬのも怖くないとでもいうつもり!?」


 刃の触れた首元からわずかに血が流れ、ひらひらとした白い衣装を赤く滲ませる。

 整った顔立ちだからこそ、この冷たい表情が更に人間味がないように見えて恐ろしく見える。


キリカ「……マミが来るまでは私はこれ以上手を出さないけど、これからみんな揃ったら……――」



155以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:31:02.363mQSXiaB0 (11/15)

ひらひらした白い衣装…織莉子くさいが


156以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:31:24.24OKqLPLW90 (6/10)

織莉子が作った偽物かな?
それにしては強いけどさ


157 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:33:31.120chvaa8O0 (20/35)


 ソウルジェムだけでも奪っておいたほうがいいかと思い、

 胸元にある真珠のような色の宝石に目を移し、手を伸ばそうとする。


 ――――しかし、その動作に刀を持つ右手から一瞬気が逸れたのが原因か。そもそもここまでもたついていたせいか。

 手首に衝撃を受けて武器が手から落ちる。


キリカ「…………!!」


 突き飛ばされたかと思うと、そのよろけた隙に水晶を身体に受け、後ろに飛ばされて体勢を崩す。

 ……まるでさっきとは反対だと思った。


 ――――しかし、私の身体が柵に打ち付けられることはなかった。



キリカ「え、あっ……――!?」


 わけがわからず後ろを振り返る。 ――柵に打ち付けられるはずの衝撃は来ず、その代わりの浮遊感に全身を冷たいものが走った。

 後ろに体勢を崩した身体を支えるものがない……いつのまにか柵が壊れている?



158 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:37:31.610chvaa8O0 (21/35)


キリカ(あの時の水晶……避けたと思ったのが、後ろの柵のほうに――)


 こうなったのが偶然なのか、こうなることを予測して狙ったのかはわからない。


 ――――予想をしていても避けられない衝撃が身体全体に走り、その拍子に肺の中の空気が全て吐き出されたように呼吸ができなくなる。

 ぼんやりと今まで自分の居た歩道橋の上を見れば、やはりこちらを見下ろす極めて冷静な瞳がある。

 逆さまに落ちていく道路には、今も絶え間なく車が通っている。


 けたたましいクラクションの音にそちらに目を向けると、

 近づいてくる車と、その奥にぴかぴか光る『事故多発注意』の電子看板が、やけにはっきりと左目の奥に焼き付いた。


 ……撥ねられる――死ぬ。


 そう思った時、ごく近くからギギィ、と急ブレーキをかける音が激しく響いた。

 ――これ以上の衝撃が身体を襲うことはなかった。その代わりに、衝撃音は自分とは少し離れたところから聞こえた。

 絶え間なく車が続いているところで急ブレーキをしたせいで、後続車が玉突き事故を起こしたらしい。


キリカ「ッ――――」


 再び上を見る頃にはあの姿はなく、代わりに見知った仲間の姿が身を乗り出してこちらに叫んでいた。

 ……あの勝負は一体どうなった?

 事故の起きたほうから何かを叫ばれているが、耳には入らなかった。

―――


159以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:40:08.163mQSXiaB0 (12/15)

うーん、武器が水晶だし織莉子で決まりかな
キリカは背中にソウルジェムがあるから、背中から落ちたらヤバイぞ


160以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:41:41.36OKqLPLW90 (7/10)

>>159
こっちかまどかの方のどっちかが偽物か?


161以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:44:05.993mQSXiaB0 (13/15)

>>160
いやいや、まどかの方にいる魔法少女(?)は織莉子とは全くの別人という可能性が高いかもよ?
さっき出来た隙も未来予知でまどかの方のことで何か視えたのかもしれないし


162 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:46:11.930chvaa8O0 (22/35)

―――


 二組が戦っているちょうど中間くらいの場所で、

 歩道橋から逃げてきたまどかはまたも知らない魔法少女に捕まっていた。



?「――――そんなことより、折角だから少しお話でもしましょうよ」

 ……美国織莉子の名前を知る人物。本人か仲間か。

 まどかが身構えた矢先、思いもよらない言葉をかけられた。


まどか「話って――――」


 ――――まどかが問いかけようとした瞬間、目の前で、魔力の輝きが迸る。

 まどかがガクンと俯き、地面に視線を落とす。

 光が収束する頃には、警戒に強張らせていた身体からは力が抜けていた。



163 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:51:03.710chvaa8O0 (23/35)


まどか「…………」


?「それにしても、やっぱり美国織莉子って名前、知られてたんですねぇ」

?「大体焦りすぎじゃないですか? あんなに周到にやってた割に、もう正体推測されちゃって」

?「秘密主義すぎるんですよね、あの人。 一応対等な協力関係ってことだったんですけどねえ……」

?「駒になる気もないし、むしろ私は支配する側なんで」

?「一体あなたと美国織莉子の間に何があったんです? 死ぬ前にちょっと教えてくださいよ」

まどか「…………」

?「……あー、そういえば会ったこともないんでしたっけ?」

?「じゃああなた、一体なにやらかしたんです?」

まどか「わからない……なにもしてないよ」

まどか「わたし、行かないと……」

?「へえ? どこにです?」


まどか(あれ? わたし、どこに行こうとしてたんだっけ……?)



164以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 20:53:25.163mQSXiaB0 (14/15)

精神操作系の魔法でこのしゃべり方は沙々か?



165 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 20:57:49.070chvaa8O0 (24/35)



 ……どことなくぼーっとする頭の中、まどかは素直に受け応えている。

 ――――それから暫くした後、魔法少女はため息をついた。


まどか「…………」


?「……なーんか、要領を得ませんねぇ」

?「契約し直されたら厄介そうなのはわかったけど、それだけでわざわざこっちに戦力割いてまで殺らせるか?」

?「ろくに魔力の回復もできないなんてゴミかよ。駒としても使えねェ」

?「…………そろそろ殺っときますか」


 未だ俯いたままのまどかに向けて、魔法少女が武器を振り上げる。

 ――――しかし、それは振り下ろされることなく空中で止められることになる。


マミ「何やっているの!?」

?「……チッ、時間かけすぎたか。こいつが曖昧なことしか言わねえから――」

?「まあいいや、私はおさらばしますよ。手負いとはいえあなた相手には戦いたくはないんでね……」

?「ま。 これで殺せたらもうけものってとこですね」


 魔法少女はリボンで絡め取られた武器を手放すと、その代わりにマミに向かってグリーフシードを放り投げた。


マミ「なっ……! 待ちなさい!」



――――
――――


166 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 21:06:02.390chvaa8O0 (25/35)




QB「……やられたよ。まさか仲間まで居たなんてね」



 ――――マミの家のベッドで目を覚ますと、部屋の中には更にメンバーが加わっていた。

 身体がどこも痛くないのは、さやかに治してもらったおかげらしい。


 一応、歩道橋でのことは老朽化による転落事故ということで片がついていた。

 あの格好のまま病院やらに連れてかれたら色々と厄介なうえに恥ずかしすぎる。

 どうにか逃げてきたのは覚えているものの、それから倒れてしまったらしい。

 ただでさえ今日はみんなでパトロールに行って、一人で魔女と戦って、傷は治してもその疲れが抜けていなかった。


マミ「それで、どちらが美国織莉子なの?」

QB「歩道橋でキリカが戦っていたほうだ」

キリカ「やっぱり、あの人が……」

マミ「その仲間のことは、鹿目さんもほとんど覚えてないのよね」

まどか「はい……途中で頭がぼーっとして」

まどか「もし次見たりしたら、顔はわかると思うんですが」

キリカ「さやかはお見舞いの途中だったよね……」

さやか「いーんすよ。ていうかそんなこと言ってる場合じゃないですって!」


 見滝原大橋に続いて、あの大通りとその上の歩道橋も今は封鎖となってしまった。

 ……なんだか橋ばっかり壊してるな、なんて不謹慎なことを頭の中だけで考えた。


さやか「……なんかあたしたち、橋ばっか壊してますね」

マミ「……美樹さん」

さやか「いや、はい……普通に口が滑りました」

キリカ「…………」



167 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 21:15:44.680chvaa8O0 (26/35)


マミ「キュゥべえには感謝してるわ。みんな無事で済んだのはあなたのおかげだもの」

QB「僕もみんなが無事でよかったよ」


 ……みんなが駆けつけた時、死んだはずのキュゥべえまでしれっと混ざっていた。

 キュゥべえが言うには、身体は替えが利くから大丈夫ということらしいけど…………

 死ぬ瞬間を見た私とまどかからすれば、やっぱり懐疑的だ。


まどか「……前と同じキュゥべえなんだよね?」

QB「意識という意味ではね。記憶もちゃんとあるよ」

マミ「私たちを助けてくれたのがなによりの証拠じゃない」

マミ「でも、キュゥべえは『無事』、とはいえないわよね……」

マミ「もうキュゥべえにも危険な目に遭ってほしくないわ……こんなに私の友達を傷つけた美国織莉子は絶対に許せないわ」

キリカ「……そういえば、佐倉さんは?」


 美国織莉子の件で結局二人の戦いは途中でうやむやになったらしい。

 しかし、あの時佐倉さんまで一緒に来てくれたところを見ると、根は悪い人ではないのかなと思う。


マミ「呉さんの無事がわかったらすぐ帰っちゃった」

マミ「……今日はみんなには迷惑かけちゃったわよね」

マミ「みんなのためにも私が手を打たなきゃって思ったんだけど、逆効果だった……まさかその隙を突かれるなんて」



168 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 21:20:50.160chvaa8O0 (27/35)


さやか「仕方ないですよ。こんなこと、予想できることじゃないですし」

マミ「それはそうだけどね……でも、今日みんなが無事だったのも本当に奇跡なのよ?」

マミ「きっと、一歩違えば大切な仲間を失っていたかもしれないの」

マミ「そうしたら、私は悔やんでも悔やみきれないわ」

まどか「わたしは、マミさんにも……誰にももう佐倉さんとは喧嘩しないでほしいなって思います」

まどか「佐倉さんとマミさんとの間に色々とあって、ゆずれないものがあるのもわかります。でも……」

マミ「……ええ。せめてこの件が片付くまでは休戦にしておきましょう」

さやか「まあ、そうですよね……あいつも認められないとこはあるけど、争ってる場合じゃないっていうか」

さやか「最初に思ってたほど悪い奴じゃないっていうのはわかったし」

マミ「それじゃ、今日はそろそろ帰らないとさすがにご家族が心配するわ」

マミ「明日はパトロールと訓練はお休みにするとして……また話し合いましょう」


 ひとまずそう締めると、立ち上がってみんなで部屋を出る。

 また三人で帰り道を歩こう。


 ……ちらりと窓の外の景色に目を向けると、昨日まどかの言っていたとおり、小さな町明かりが散らばっていて綺麗に見えた。




――5日 終了――


★浄化しました


キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:1個
・落書き[0/100]
・銀[48/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


169 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 21:25:55.040chvaa8O0 (28/35)

―???



「……順調に計画が進んでいれば達成出来ていただけに、今回の失敗は痛いわね」

「あと一歩というところで………… 原因を挙げるとすれば、私の読みが甘かった」

「駒としてはやはり不従順…… まあ、仕方ないことかしら」


 ――玄関のチャイムが鳴る。

 その姿を確認して扉を開ければ、彼女は悪びれもしない顔で立っていた。


「……何故仕留められなかったの?」

「いやー、悪かったとは思ってますけどね……私だけの失敗じゃないですし」

「織莉子さんだって呉キリカを仕留められなかったじゃないですか」

「…………貴女、私の目的について知りたがってるようね?」

「……それはまあ。仲間なんですし、ずっと隠し事されてるのも気になりますよね」

「そりゃ見滝原の縄張りをもらえるってのは私には嬉しいですけど、あそこの連中ぶち殺してあなたには何の得があるんです?」

「仲間、ねえ…………」


 どこまで本気なのか。

 互いに冗談や皮肉とわかっているように、見透かしたような目で相手を見ている。


「そうね……教えてあげてもいいわよ」

―――


170 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 21:52:00.910chvaa8O0 (29/35)

―――


*「今度は繁華街東の大通りで事故だってさ」

*「歩道橋の柵の老朽化だっけ?」

*「最近事故多いよな。見滝原大橋はなんか派手に壊れるし、繁華街の路地裏のほうでも水道管破裂とか言ってたし」

*「路地裏のは抗争の跡とかじゃなかったっけ?」



マミ「…………」

キリカ「……やっぱ、ニュース出てるね」

 ……片手にミルクティーのペットボトルを持ちながら、かちかちと薄いボタンを押して携帯を操作する。

 ニュースサイトにははっきりと昨日のことが出ていた。

マミ「なんだか申し訳ないわね。街中で起きてる事故があれもこれも魔法少女のせいって思うと」

キリカ「広く考えればそうだけど、昨日のは私たちのせいじゃないよ……」

キリカ「私を倒すためにしても、平然と関係ない人まで傷つけてるのは許せないし」

キリカ「目的のために手段を選ばないっていうか……そういうとこが気にくわない」

マミ「そうね……」


*「それよりさ、歩道橋から転落したって子がなんかコスプレした女だったんだって!」

*「しかもその後恥ずかしいからってそそくさと逃げたんだろ? 今頃大丈夫かなぁ」


キリカ「ぶ――っ! ごほっごほっ」

マミ「呉さん、しっかりー!」



1自由安価
2…バレてないよね?

 下2レス


171以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 22:14:34.46OKqLPLW90 (8/10)

アゲ安価2


172以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 22:16:33.053mQSXiaB0 (15/15)

ちょっと錯乱気味に2、正気に返った後マミに今日の話し合いに杏子も呼ぶように頼む

昨日のアレは黒歴史として封印しよう、そうしよう
私だっていうのもバレていないはず!おそらく、たぶん、perhaps…
私みたいにマミだって人には言えない恥ずかしい秘密とか、若気の至りとか、すねに傷とかひとつやふたつ、みっつやよっつ持ってるよね!?

マミ、今日の話し合いには佐倉さんも呼ぼう
昨日の事もあって顔を合わせ辛いとは思うけど、まどかとさやかの言うとおり佐倉さんは根は悪い人ではないと思うよ?
でなきゃ昨日私のところにマミと一緒に駆けつけたりはしないし、それはマミもわかってるんじゃないのかな?
私はマミと佐倉さんの間で何があったか知らないから、なんていうか佐倉さんに対してはマミも感情的というか余裕がないと言うか…
素の感情が出てると思うしそれだけ心を許してる所があるから、つい感情的になって喧嘩腰になっちゃうだけだと思う
良い機会だし佐倉さんを呼んで一度じっくり話し合うべきだと思うよ?



173 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 22:30:35.000chvaa8O0 (30/35)


 マミに背中をさすってもらって、なんとか落ち着いた。

 けど、やっぱりこの気持ちは落ち着かない。


キリカ「……バレてないよね? バレてないよね!?」

キリカ「万一私だって知られたら、もう学校来られないよ!」

マミ「た、多分大丈夫よ…… 普通なら昨日の今日で無傷ってわけにもいかないだろうし」

キリカ「む、そっか……」

キリカ「じゃあもう私も記憶から消そう。それもこれも全部あの人が悪い……」

キリカ「私みたいにマミだって人には言えない恥ずかしい秘密とか、若気の至りとか」

キリカ「すねに傷とかひとつやふたつ、みっつやよっつ持ってるでしょ!? 」

マミ「えーと、どうかしら。あんまりわからないけど……」

キリカ「……ティロ・フィナーレ」

マミ「え? 私の必殺技がどうかしたの?」

キリカ「いや、なんでもないよ」


 ……そんなこんなのうちに、昼休みがそろそろ終わろうとしている。

 残っていたミルクティーを飲み干して、廊下のごみ箱に放る。


 昨日は大変な日だったけど、

 あんなことがあっても、なんだかんだでこうして無事に生きてられたんだからよかった。

 何気ない日常に、ぽつりとそんなことを思った。



174以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 22:35:18.88xGePwn6c0 (1/1)

キリカ、惜しい
ティロ・フィナーレが黒歴史になるのにはあと数年かかるんだ…


175 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 22:49:50.460chvaa8O0 (31/35)



 放課後になって、今日はみんなでマミの家に向かって歩いていた。

 ……日の高いうちからマミの家に上がることは珍しい。


 明日からはまた訓練か、パトロールか。それとも、この前から言ってた勉強会か。

 勉強会もまたマミの家に集まるのかな。


さやか「昨日はすいませんでした」

さやか「そんな大変なことが起こってたとは知らないで一人だけ浮かれてたなんて恥ずかしいです」

マミ「いえ、美樹さんは悪くないわよ。むしろ中断させたこっちのが悪い気がするわ」

マミ「それで、なにか進展は?」

さやか「な、なにもないですよ」

マミ「それは残念。頑張って」

キリカ「……今日の話し合い、佐倉さんも呼べないかな」

キリカ「まどかやさやかも言う通り根は悪い人じゃないだろうし、一度じっくり話し合うべきじゃ……」

マミ「うーん……でも私、連絡先とか知らないもの」

マミ「それに、あの子が承諾してくれるかもわからないし」

まどか「住んでるとことか知らないんですか?」

マミ「家族のために願って、その願いで家族を崩壊させてしまったってことは言ったでしょう?」

マミ「その時に家も失って…… それから、住み処を転々としてるみたいなのよ」

まどか「そうなんですか……」



176 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 23:17:41.450chvaa8O0 (32/35)



 ……マミの家に着くと、今日もマミが紅茶を用意してくれた。


 それから、マミがテーブルに載ったキュゥべえを下ろさせるついでにクッキーを一枚放った。

 こうしてると猫でも扱ってるようだ。


 結局、みんなでクッキーをつまみながら、テーブルを囲んで話し合いを始めることにした。


さやか「美国織莉子と戦ったんですよね!? どんな奴でした?」

キリカ「あ、じゃあ、まずは私が戦った時のことだけど……」

キリカ「……聞いてた予知の魔法っていう通り、避けにくい攻撃だった……かな」

キリカ「水晶みたいな珠を飛ばしてきて、一発一発はそこまで重くもなかったんだけど」

キリカ「こっちの攻撃もあんまり当てられなかった…………私が下手くそだっただけかもしれないけど」

マミ「……なるほどね。何か聞けたりとかは?」

キリカ「それが、なんにも。ずっと一言どころか呻き声すら上げなかったよ」

マミ「……? それは少し気味が悪いわね」

キリカ「だからなんにも聞き出せなくって。せっかく追い詰めたはずなのに何もできなかった……ごめん」

マミ「仕方ないわよ……」

マミ「それで、私のほうだけど…………」


 ――……マミから魔女を操る魔法少女の話を聞いて、ひとまず情報交換を終える。

 魔法少女はすぐに逃げてしまったから、あまり詳しいことはわからなかったらしい。

 しかし、その続きはキュゥべえが話してくれた。


 …………疑ってたのは悪いけど、やっぱり信じられないのは変わらない。

 とりあえずその魔法少女の情報だけは信じることにして感謝して、

 まるで可愛らしい小動物のように小さい口でクッキーを食べるキュゥべえを見下ろしていた。


1自由安価
2今後のことについて
3昨日の魔女戦のことについて
4キュゥべえに伝言

 下2レス


177以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 23:31:20.44OKqLPLW90 (9/10)

2+3か?
安価↓


178以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 23:32:23.32Lo97Yq8wO (1/1)

2と3
最後にキュウベェに杏子へ伝言を頼む
キュウベェ、佐倉さんに話したい事があるから明日の夕方、私たちが訓練している土手に来てほしいと伝えてほしい
マミも良いよね?佐倉さんを呼んでも


179 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 23:49:23.930chvaa8O0 (33/35)


キリカ「あとさ……私、その前にみんなと別れてから魔女と戦ったんだ」

キリカ「でも、すっごい苦戦しちゃって…… 私、やっぱ弱いし。一人じゃ厳しいなって思ったから」

キリカ「また訓練してほしいなって思って」

キリカ「また昨日みたいなことがいつ起こるかもわからないし」

マミ「ええ、もちろん。そうね……これからはまたいつ狙いに来るかもわからないから」

マミ「パトロールはしつつ、出来るだけ自衛もできるように個々の力を鍛えていくに越したことはないと思うわ」

マミ「美樹さんはどうかしら?」

さやか「はい! 次はあたしも戦うかもですしね。そしたら昨日の分きっちりやり返してやります!」

マミ「ええ……二人の熱意は伝わったわ。その代わり少し厳しくなるわよ」

さやか「えー! は、はい!やってやります!」

キリカ「あ、うん……私もよろしく」

まどか「じゃあ、また明日は訓練ですか?」

マミ「ええ、そうなるわね」

キリカ「あ……じゃあキュゥべえ。佐倉さんに会ったら伝言を伝えておいてよ」

キリカ「話したいことがあるから、私たちの訓練してる土手に来てって」

QB「一応伝えておくよ」



180 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 23:54:27.200chvaa8O0 (34/35)


さやか「よしっ、決まりましたね! それじゃ、そろそろ今日はお開きですか?」

マミ「待って。今日は訓練やパトロールはお休みだけど、勉強のほうで面倒を見られるところがあるなら見るわよ」

マミ「美樹さんは何か苦手なところとかはあるかしら?」

さやか「えっ…… あー、いや、今日はいいですよ!あはは」

マミ「そう? 遠慮しなくていいのよ……?」

マミ「魔法少女のことで成績を落としたなんてなったら、私がみんなに示しがつかないもの」

まどか「あ、じゃあちょっと英語のことで聞きたいことが……」


 ……マミのこのキラキラとしたオーラは断りづらいだろうなぁ。

 そう思いつつ、私も明日から訓練に本腰を入れるためにも今日は少し勉強しておこうか、と思った。


さやか「…………どうしてこうなった」



――6日 終了――


キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:1個
・銀[48/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


181以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/16(日) 23:55:20.44OKqLPLW90 (10/10)

GSが杏子違って足りないけどどうすればいいんだろ……


182 ◆xjSC8AOvWI2017/04/16(日) 23:59:27.680chvaa8O0 (35/35)

-----------------------
ここまで
ちなみに、織莉子との戦闘結果は、完全勝利・イベント勝利・完全敗北の3パターンありました。
完全勝利だとLv上昇とかのボーナスがあるけどかなり難しいと思います。

次回は多分、20日か21日になります。一応20日(木)20時くらいからの予定で。


183 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 20:27:31.89dDwWIVy+0 (1/12)

―――


「…………」


 一人で啜る紅茶は、その香り高さにも角砂糖一つ分の甘さにも温度にも、何の感慨も湧き起こさない。

 お父様がこの茶葉を気に入っていたのだったかしら。

 忙しい中で、ほんのたまに一緒の時間を過ごせるティータイムがなにより楽しかった。



 ……テーブルの上の黒い宝石を指で転がす。

 魂の輝きを持つ1つの宝石が、いくつものグリーフシードに姿を変えた。


 ――――試しに真実を伝えてみたら、私の周りには誰もいなくなった。


 別に、それすらすでに見越していた結果だ。期待もしていなかった。

 使えもしなかった使い捨ての駒が盤上から落ち、代わりにこれだけの糧となるのなら上出来な結果だろう。


 そろそろ互いを見下した腹の探り合いにも反吐が出る気分だった。

 幼い頃から私が見てきた世界は全てそうだった。他人を利用する魂胆しか見えない騙し合いの世界。

 そして、私はその世界から裏切られ放り出された。

 私が嫌悪していたあの眼差しを、今私自身もしているのだろうか。



184以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 20:34:28.35G6qXHb610 (1/1)

この世界だと親父は真っ黒で織莉子は知っていた?
暴力とかされていないとしても織莉子は父親になんか言われてそうだな


185 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 20:41:18.39dDwWIVy+0 (2/12)



「…………やはり、使い捨ての駒では駄目だわ」



 ぼんやりとカップの中に揺れる水面を眺めて、その中に思い浮かべていく。


 自分の正義に生きる者は、我が強く、柔軟にはしならない。

 しならなければ、どこまでも跳ね返るか、折れて壊れるか。

 欲望に忠実な者は利用しやすい。しかし、私に都合よく動くとは限らない――――



 ――……ああ、しかし、どちらももういないのだったか。

 正義は欲望の犠牲になって食われ、その欲望も私に食われた。



「必要なのは、絶対に裏切らず疑わない従順な駒……――――」

「――それがなければ、自分自身を頼るほうがよほどいい」


 わかっている。そんなものを最初から求めるのはないものねだりに過ぎない。

 きっと、ダイヤモンドのように磨かれて、傷をつけられて初めて産まれるのだ。


 ――――黒い宝石を掴んで懐にしまう。

 この宝石も傷をつけたら輝いたりしてくれればいいのに。 これ自体が傷の塊だから、もう輝くこともない。


―――


186以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 20:44:44.97mEsPQEtV0 (1/5)

欲望に喰われた正義って誰だ?


187以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 20:46:15.78ahLXwhA0O (1/3)

小巻じゃないかな?



188以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 20:51:00.60mEsPQEtV0 (2/5)

>>187
ああ、小巻忘れてた
杏子編では活躍の場はあったけどキリカ編は出番すらなかったか…


189 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 21:03:26.33dDwWIVy+0 (3/12)

―――
昼休み



マミ「呉さん、授業まであと何分!?」

キリカ「あと15分!」


 マミが真剣な表情でプリントに向かっている。

 いつもと同じようにお昼を食べていたけど、途中でコレの存在に気が付き、今に至る。

 昨日は後輩二人に熱心に教えていたのに、今度はそのせいで自分のことに考えが回らなかったらしい。


 ……この前とは逆の光景だ。


キリカ「えっと、答え写す? それうちのクラスだとこの前やったから」

マミ「いえ、いいわ……美樹さんのこと注意できなくなっちゃうもの」

キリカ「まあそうだけど……」


 マミって結構、頑固だ。 それが良いところではあるんだけど。

 なんにもできないのは心苦しく思いつつも、マミの様子を眺める。



1自由安価
2佐倉さん、今日来てくれるかな
3何か調べものでも

 下2レス


190以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 21:23:30.85mEsPQEtV0 (3/5)

2のあと織莉子の素性を考える

そういえば佐倉さんはマミの弟子だったんだよね…佐倉さんともお茶会してたりしたの?
休戦中なら佐倉さんもお茶会に誘ってみたら?

(そういえばあの人、美国織莉子って名前だったけど美国って何か聞き覚えがあるような気がする
 でもあの人とは初対面だったし…何で聞き覚えがある気がするんだろ?
 家に帰ったらパソコンでいろいろ調べてみよう、何かニュースとかでみたのかもしれないし)


191以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 21:24:44.62ahLXwhA0O (2/3)




192 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 21:42:03.53dDwWIVy+0 (4/12)


キリカ「佐倉さん、今日来てくれるかな……」

マミ「どうかしら……」

マミ「でも、最近よくばったり会っていたわよね。あれって偶然なのかしら」

マミ「偶然じゃないとしたら、なんで今になって……」

キリカ「うーん……」


 少し考え込んでみる。

 ……私やさやかが契約したから。それはある気はする、けど。

 そういえば、私、気にくわないって言われてたっけ……


キリカ「……意外と心配してる、とかは?」

マミ「だとしたらもう少し素直になってくれたらいいのに」

マミ「…………いえ、素直になれないのは私も同じね」

キリカ「あ、マミ!手が止まってるよ!急がないと!」

マミ「ほ、本当だわ!」



193 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 22:07:06.79dDwWIVy+0 (5/12)


 ……再び真剣な表情に戻ったマミの隣で、携帯を手に取ってみる。

 メールは来てない。適当にネットでも見ていようか。


キリカ(…………そういえばあの人、美国織莉子ってお嬢様なんだっけ)

キリカ(素性についてはキュゥべえから一通り聞いたけど)


 あれについては、キュゥべえに不信感があったとはいえ楽観的に考えすぎていたのかもしれない。

 その“名”を調べて出てくるのは親の事ばかり。

 いきなり聞かされて、今まで追っていたものとすぐに結びつけられるほどの実感がなかった。

 結び付けるのに躊躇いがあった。

 けど……


キリカ(……まあ、いいか。考えてても仕方ないよね)

キリカ(みんな無事なんだし)


マミ「――終わったわ!」

キリカ「よかった! お疲れ様! でも珍しいね。マミ、いつもしっかりしてそうなのに」

マミ「みんなには内緒ね……」

マミ「でも、こういうとこ見せられる友達がいてよかったわ。後輩たちには出来るだけ良いところを見せたいし」

マミ「それでこうなってちゃ駄目よね」

キリカ「まあ済んだんだからいいじゃん。次の授業頑張ってね」


 少し雑談してから、マミは自分のクラスに戻っていった。

 授業が終わったら今日も訓練。前に比べると忙しくなったけど、充実した気分だった。



194 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 22:27:00.36dDwWIVy+0 (6/12)


 ――――昨日決めていた通り、今日は訓練だ。

 いつものようにみんなで土手に集まる。


 ……私は変身すると、少し俯いて、自分の白いラインの入った黒い衣装を見ていた。

 黒歴史といえば、後々全員自分の衣装が黒歴史になりかねないのは同じじゃないか。


キリカ「…………」

マミ「どうしたの?」

キリカ「いや……なんで魔法少女ってこんな格好で戦うんだろうなって思って」

マミ「それは“魔法少女”だからよ」

キリカ「そんな哲学みたいな」

マミ「じゃあどんな格好ならいいのよ?」

キリカ「それは……」


 ……そう言われるとわからない。

 戦隊モノやライダーみたいなスーツもダサいといえばダサいし、ファンタジックな衣装だと今とあまり変わらない。

 普段着みたいな服で戦うのもそれはそれでなんかおかしい気もする。


マミ「一昨日の件は記憶から消すんでしょ?」

キリカ「うん、まあ。 あの場ではそれどころじゃなかったし、轢かれて死ななかっただけラッキーと思わなきゃね」



195 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 22:29:18.80dDwWIVy+0 (7/12)


さやか「マミさーん! 準備オッケーですよ!」

マミ「それじゃ、訓練はじめましょ」

キリカ「うん……」

マミ「……まだ気にしてるの?」


 ……今度は少し別の事を考えていた。

 ――――あの戦いで美国織莉子が見せた“隙”……あの時の感じは一体なんだったんだろう。


 何かに驚いていた。

 けど、そうじゃなくて、もっと何か自分自身にもわかる感覚が……



196 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 22:36:10.99dDwWIVy+0 (8/12)


マミ「…… えいっ」

キリカ「ひゃああっ ……って、なにすんのさ! 眼帯返して」

マミ「なんか聞いてなさそうだったから。没収です」

さやか「マミさんヤバいですって!」

さやか「キリカさんから眼帯を取ったら、封印されし魔の力が解放されてエターナルフォースブリザードです!」

マミ「――!? 呉さん、そんなものをたった一人で背負っていたというの!?その力は身を蝕むわ……!」

さやか「残酷なことですが、これが世界の選択です」

キリカ「人の衣装で恥ずかしいこと言うなよ……なんでもいいから始めよう」

キリカ「……覚醒するよ?」

マミ「それは是非してほしいけどね……それじゃ、まずは何を重点的にやりたい?」


キリカ(…………乗ってみたつもりだったけど、さらっと流された上に今になって恥ずかしくなってきた)


1一昨日うまくいかなかった格闘を習いたい
2射撃をもっと実践的に使えるように
3魔力コントロール(魔力-15)

 下2レス


197以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 22:40:04.67adcqMglg0 (1/1)




198以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 22:46:18.83mEsPQEtV0 (4/5)

3


199 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 23:02:38.70dDwWIVy+0 (9/12)


キリカ「じゃあ、魔力をもっと上手に扱えるようにできないかな……」

マミ「それは訓練次第で。でも、どうして?」

キリカ「もっと上手く戦えるようにっていうのもそうだし」

キリカ「……それに、上手く言えないんだけど、この前の戦いで何かを感じたっていうか」

さやか「覚醒したんじゃないですか?」

キリカ「そのネタはもう忘れてよ!」

マミ「そうね。じゃあ、今日は動き以外にも無駄のない魔力を練ることを考えてやってみましょうか」

マミ「美樹さんも特にそれはやっておくべきだわ」

マミ「倒せればいいっていうのもそうなんだけど、いざという時に魔法が使えなくなることがないように、無駄なくやっていくのも大事なのよ?」

マミ「密度濃く魔力を込められれば、威力だってアップするしね」

さやか「あー、あたしあんまり考えないでやっちゃうからなぁ」


 ……二人で武器の剣を構え、そこに流し込む魔力を調整するように神経を集中させる。

 少しずつ、そのあやふやな概念がわかりはじめてきたかもしれない。

 もっとしっかりした感覚を掴めたらいいんだけど……



200以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 23:07:27.89mEsPQEtV0 (5/5)

まどかのセリフがないけど一緒だよね?


201 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 23:13:52.43dDwWIVy+0 (10/12)


――――――

――――――


★浄化しました


キリカ 魔力[115/130] 状態:正常
GS:1個
・銀[48/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



キリカ「…………はぁ」

キリカ(体力以外で疲れたけど、動きよりはこっちのほうがいいかなぁ)

キリカ(さやかは途中で『格闘やりましょう!』ばっかり言ってたけど)

キリカ(二人は何をやってるかな……)


 ……集中してたのを解いて、マミとさやかのほうに目を向ける。

 そこには黒い眼帯をしたマミが銃を構えてる姿があった。


さやか「マミさんそれ似合ってますね! なんかスナイパーって感じでカッコいーっす!」

マミ「そうかしら? ……あ、でもこれ狙いやすいかも」

さやか「リボンで片目だけ包帯のように巻くってのもファッション的にはカッケーっすよ」

マミ「なるほど、いいセンスしてるわね……」

キリカ「…………」



202以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/20(木) 23:16:14.04ahLXwhA0O (3/3)

キリカの眼帯で遊ぶな


203 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 23:28:18.56dDwWIVy+0 (11/12)


マミ「いたっ」


 その右頬に小石を投擲してみる。

 なんだか覚えのある攻撃だけど、我ながらナイスコントロールだった。


さやか「おおっと、思わぬところから攻撃が」

キリカ「なんで遊んでんの!?」

マミ「いやちょっと出来心っていうか」

さやか「えーと……息抜き?」

キリカ「この後さやかと自主的に訓練したいんだけどいいよね?」

マミ「それはもう自由に。学習意欲が高いのは良いことだわ」

キリカ「さやかちゃん、こっちきて」

さやか「なんであたしだけなんすかー!」

キリカ「さやかは私より苦戦してたでしょ! じゃあマミももうちょっとコーチ付き合って」

マミ「りょ、了解よ」

マミ「…………けど、そういえば佐倉さんは?」

キリカ「あ……」


 外の方にまどかが見に行っていたはず。

 来たら知らせるとは言ってたけど、結局何もないままだった。



204 ◆xjSC8AOvWI2017/04/20(木) 23:54:18.55dDwWIVy+0 (12/12)



 見に行ってみようかと思った時、ちょうどまどかがキュゥべえを連れてやってきた。


まどか「マミさん、佐倉さんやっぱり今日来ないって……」

QB「一応今日も説得はしてみたんだけどね」

QB「あの件から、もう会わない方がいいって考えたらしい」

マミ「……もう見滝原には来ないのかしら」

マミ「元々あの時はそうさせるために戦ってたはずなんだけど」

マミ「……なんだか、こういう終わり方になると、ね」

キリカ「……」

マミ「でももう、そのほうがいいのかしら」

まどか「……こっちからは会いに行けないんですか?」

マミ「どこに居るかもわからないし、会ってもどうすればいいのかわからないのよ。きっとお互いにね」

マミ「もしまた戦いに発展したりしたら……それはそれで、やっぱり嫌だもの」



 ……なんか、嫌だな。 こういう状況。

 マミは佐倉さんとも今のみんなのように何気なく話してたはずなのに、なんでこうなっちゃうんだろ。


1自由安価
2キュゥべえに伝言
3今のところは仕方ない、か

 下2レス


205以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/21(金) 00:25:34.5469sVXmu/0 (1/1)

3



206以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/21(金) 00:36:12.91Rkj4s6pDO (1/1)

3かな?


207 ◆xjSC8AOvWI2017/04/21(金) 01:01:00.33A0nU5JqX0 (1/2)


キリカ「……訓練、続けよっか」

マミ「……ええ。キュゥべえも色々とありがとうね」


 ……せめて今のところは仕方ない、か。


 何か気の利くフォローをしてあげられればと思ったけど、そんなこと自分が言えるはずがなかった。

 それが簡単に出来るなら、私がこうなることもなかったんだから。



――――――

――――――


★魔力コントロールLv1→魔力コントロールLv2



 ……訓練を終えて、三人で帰り道を歩く。

 さやかはいつもより少し疲れた様子だ。


さやか「……いやー、大変でした」

キリカ「お疲れ様。……どう? コツって掴めてきた?」

さやか「うーん、わかるようなわかんないような」

キリカ「あー……私もそんな感じだけど」

キリカ「今日やっておいてちょっとはマシになったかなぁ……」

まどか「魔力のコントロールかぁ……結局、上手く出来ないままだったなぁ」


 私たちだったら、ちょっと失敗することがあっても自分が痛いくらいですむ。

 けど、まどかの場合はそうはいかなかった。



 下1レスコンマ判定
奇数 使い魔
偶数 魔女


208以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/21(金) 01:01:54.82RgxI75Zs0 (1/1)

まじょ


209 ◆xjSC8AOvWI2017/04/21(金) 01:07:22.94A0nU5JqX0 (2/2)

-------------------
ここまで
次回は23日(日)17時くらいからの予定です


210 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 17:21:02.65Q8Wn12jy0 (1/17)


キリカ「……!」


 ……何かを感じた気がして足を止めた。

 二人が一歩踏み出して、それから振り返った。


まどか「どうしました?」

さやか「なんか忘れ物っすか?」

キリカ「いや、なんか、えっと……」

キリカ「わかんない?」

さやか「え? あー…… 髪切りました?」

キリカ「切ってないよ! なんで彼女の理不尽な質問みたいになってんのさ!」

キリカ「じゃなくて、なんか……」


 言葉じゃ説明しづらい感覚。それに、ほとんど勘のようなものだから違ったら恥ずかしい。

 そう思ってとりあえずソウルジェムを具現してみる。

 するとやっぱり明滅していて、見せた方が早いとそれを見せつける。


まどか「キリカさん、魔力わかるようになったんですね!」

まどか「……さやかちゃんはわからないの?」

さやか「い、いや! わかるよ、うん。そう言われればそんな気がしてきたし」

まどか「さっき髪がどうとか言ってたよね……」

キリカ「どこにあるかとか、使い魔か魔女かとかはまだわかんないけど……とにかく探そう!」



211 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 17:53:07.51Q8Wn12jy0 (2/17)


 なんとかソウルジェムの明滅を頼りに三人で歩いていると、

 人気のない路地にその結界があった。



―芸術家の魔女結界



 浮き出たマークに、迷路……魔女の結界を進む。

 前に見たことのある使い魔だった。

 人型の使い魔はさやかが率先して倒し、飛んでくるムンクに注意しつつ最深部を目指していった。


さやか「やっと開けた場所に出た……魔女はあの門っすか?」

まどか「それ以外それらしいものはなさそうだけど……」

さやか「じゃ、行きましょう!」

キリカ「うん……!」


 さやかが使い魔を薙ぎ払い、魔女の方に走っていく。

 ……まだ使い魔の数が多い。

 私もさやかの後ろをついていきつつ、その周りに集まってくる使い魔に警戒する。



キリカ 魔力[115/130] 状態:正常
GS:1個
・銀[48/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


仲間:
さやか 状態:正常


敵:Isabel
  代表作×4 <-攻撃対象デフォルト
  意欲作×5 <-攻撃対象デフォルト

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1) :小さめの刀を出して投げつける
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。

 下1レス


212以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 17:58:42.59Kb35CoyB0 (1/7)

2


213 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 18:23:32.05Q8Wn12jy0 (3/17)


 飛び回る使い魔を優先して攻撃の狙いをつける。


 ……この前はムンクはマミがやっつけてくれてたんだっけ。

 あまりもたついてると囲まれてしまう。人型のほうも近づいてきつつあるのに。

 そう焦ると手に力が入り、コントロールが思うようにいかなくなる。


 さやかが門から飛び出てきた攻撃に後ずさる。


さやか「いったー、硬いし手も痛くなりますよコレ」

さやか「ちょっと先に使い魔一掃しますか」

キリカ「わかった、えっと……」


 さやかは使い魔に斬りかかっていくと、少しだけ引きつけてから魔力を纏わせて剣を振るい、周囲の使い魔を蹴散らした。

 ……突っ込んでいくだけじゃなくて、さやかも成長してるんだ。

 魔女との戦いでも二人なら心強いな。なんて思う。


キリカ「すごい、どうやったのそれ」

さやか「えいってやりました」

キリカ「そんな適当な……」

さやか「明日また色々と教え合いましょ!」

キリカ「うん……!」


下1レスコンマ判定 倒すのにかかる魔力(ターン数)
0~25 3ターン
26~50 4ターン
51~99 5ターン

補正-16


214以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 18:25:34.57ElNF2IKDO (1/3)




215 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 19:04:55.43Q8Wn12jy0 (4/17)


 使い魔を一掃し終えると、凱旋門がその場から消えて別の場所に移動する。

 さやかがそれを追い、上空に跳びあがって魔方陣を展開する。


さやか「逃がすかッ!」

さやか「――やりますよ!」

キリカ「な、何を?」

さやか「なにって、必殺技に決まってるじゃないっすか!」


 さやかは魔方陣を足場にして蹴ると、剣を構えて蒼い閃光を散らして斬りかかっていく。

 私も駆け出し、なんとか魔力を推進力に勢いをつけていく。


さやか「――――スパークエッジ!」


 ……上と横の両方から直撃した攻撃に、門は真っ二つに砕けて消え去った。

 ――結界が消えて薄暗い路地に戻る。



216 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 19:14:01.04Q8Wn12jy0 (5/17)


さやか「いやー大勝利ですね」

まどか「二人とも、お疲れ様。さやかちゃん、さっきの怪我って大丈夫……?」

さやか「ああ、大丈夫大丈夫」

まどか「大丈夫ならいいけど…… あんまり無茶はしないでね」

さやか「ん、でも怪我が怖くて魔法少女やってらんないよ」

さやか「それに、あたしも成長してるでしょ? もっと強くなれば怪我することも減るだろうし」

まどか「うん……前より戦い方とかはよくなってると思うけど」

さやか「マミさんにカンシャしなきゃだね」


 ……さやかに浄化させてから、この前の戦いで消耗した分もあるので残りはもらうことにした。

 それからまた帰り道を歩きはじめる。


 やっぱり戦いじゃさやかのほうが活躍しているけど、苦手なこともあって……

 ……私にもできることがあるのかな、なんて少し思った。




――7日 終了――



キリカ 魔力[91/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



217 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 19:52:25.10Q8Wn12jy0 (6/17)

―8日 昼休み



マミ「そう。ついに魔力の気配がわかるようになったのね」

キリカ「うん。さやかはまだピンときてなさそうだったけど……」

キリカ「とにかく、いっぱい訓練してくれたおかげだよ。もし一人だったら、まともに生き残れてる気すらしないし……」

キリカ「立派なことだけど、『正義のため』っていうだけの理由で一人で戦い続けるのはやっぱ難しいよ」

マミ「そうね。私は長いこと一人だったから」

マミ「今仲間が居てくれてよかったって思ってるわ」

キリカ「うん……」

キリカ「あ、これ美味しい」

マミ「でしょう? 良いジャムが手に入ってね。今度紅茶に入れてもよさそうね」


 ……お昼を食べ終わって、お菓子をつまみながらマミと話していた。

 マミの特製のクッキーと、あと私がその辺で買ってきたグミだ。



1自由安価
2今日の予定について
3マミって普段コンビニとか行くの?

 下2レス


218以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 19:55:16.27Kb35CoyB0 (2/7)

3のあと2


219以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 19:59:08.81ElNF2IKDO (2/3)


行くなら放課後寄って行こうと提案


220 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 20:12:13.04Q8Wn12jy0 (7/17)


キリカ「……マミって普段コンビニとか行くの?」

マミ「え? なんで? 普通に行くわよ?」

キリカ「いや、なんかこういうお菓子ってあんまり食べてなさそうだなぁって思って」

マミ「まぁ、確かに家で作る分お菓子はあまり買わないかもしれないけど……」

マミ「でも、普通に便利じゃない。スーパーは夜遅くだとしまっちゃうし、使わないって人のほうが少ないんじゃ……」

キリカ「スーパーとか行くの!?」

マミ「スーパーくらい行かせてよ。どんなイメージなのよ、もう」


 ……どちらかというと、そんなイメージを作ってるのはマミ自身な気もするけどなぁ。


キリカ「え、じゃあ100均は?」

マミ「い、行くわよ。たまに」

キリカ「某激安ディスカウントストアは?」

マミ「駅前にあるから見ることあるわよ……」

キリカ「じゃあコンビニ放課後寄って行こうよ」

マミ「別にいいけど、何も面白いことはないわよ……?」

キリカ「……で、じゃあその後は今日の予定どうする?」

マミ「17時くらいまで訓練してからパトロールに行きましょうか」


 ……放課後の予定が決まって、マミと別れる。

 訓練前の楽しみが一つ増えた気分だ。



221以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 20:18:48.14ElNF2IKDO (3/3)

訓練前に何を伸ばせばどん技を習得出来るのか目安みたいのが知りたいな


222 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 20:31:39.25Q8Wn12jy0 (8/17)


 ――――授業を終えて学校近くのコンビニに行くと、

 マミがさっそくレジ前のホットスナックを見始めていた。



マミ「あら、オリジナルチキンがポイント三倍ですって」


さやか「マミさんがコンビニのチキン買ってる……」

まどか「マミさんがポイントためてる……」

キリカ「やっぱそうなるよね……よりによってチキンかぁ」


 ……そんな光景に、みんなはやっぱり予想通りのリアクションをしていた。

 結局チキンを三つ買って出て、訓練の前に土手に座り込んでみんなで食べていた。


さやか「そういえば、テレパシーって使えるじゃないですかー」

さやか「あれで店員に話しかけたらどう思いますかね?」

マミ「驚くから変なことで魔法を使うのはやめなさい。普通に口で言えばいいじゃない」



1自由安価
2訓練始めようか

 下2レス


223以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 20:47:53.60Kb35CoyB0 (3/7)

まどかにエイミーの様子を聞く

明日とか訓練の後みんなで会いに行って良いかな?



224以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 20:50:44.16j2vFx/bM0 (1/1)

2+鍛錬の内容はマミさんとの模擬戦


225 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 21:13:34.71Q8Wn12jy0 (9/17)


キリカ「そういえば、エイミーの様子はどう?」

まどか「結構うちに馴染んできてると思います。元から大人しい子でしたし」

まどか「あ、みんなも見に来ます?」

さやか「おお、噂の猫ちゃんか!」

キリカ「噂なの?」

さやか「わりとうちらの中では。でも確かに最近忙しそうだったから、まだ会ってないんだよなぁ」

キリカ「じゃあ、明日とか……訓練の後みんなで会いに行ってもいい?」

まどか「あ、はい!ぜひ!」

マミ「いいわね。楽しみだわ」


 雑談を終えて、すくっとマミが立ち上がる。


マミ「じゃ、そろそろ訓練はじめましょうか」

キリカ「あ、じゃあ……ちょっと聞きたいんだけど」

キリカ「何か私も新しい戦い方とか、技とか考えたいなぁって思うんだけど……良い方法ってないかな」

マミ「そうねぇ……魔力の扱い方が上手になれば出来ることも広がるでしょうね」

マミ「あとは、戦ってるうちじゃないかしら? 実戦とか、模擬戦とか」

マミ「そろそろ模擬戦とかやってみてもいいかもね。どうする?」

キリカ「えっ、戦うの?」

マミ「ええ。経験を積むには良いと思うけど」



226 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 21:29:26.59Q8Wn12jy0 (10/17)


さやか「でも三人ですよ? どう相手するんです?」

キリカ「じゃあ、二人で?」

マミ「そうね……いつも二人だけじゃ慣れてきてしまうから」

マミ「二人同時にかかってきてもいいわよ」

さやか「当たり前ですけど、自信たっぷりですね…… そう言われるとむしろ燃えてきますよ!」

マミ「どうする?」

さやか「ちなみに、倒したほうは何かもらえたりとかは?」

マミ「悪いけど、あくまでチームの手柄とするから、どちらが決め手を取るかよりも連携を重視してほしいかな」

キリカ「じゃあ、よろしく……」

マミ「ちょっと始める前にウォーミングアップと作戦会議の時間を取りましょうか」

マミ「今から20分後に集まりましょう」

さやか「はい!」


 ……そう言うとマミはまどかと一緒に座り直した。

 さやかと二人で奥の方の広い場所に出て、変身して少し身体を動かしてみる。


さやか「打倒マミさん作戦、どうします?」

キリカ「うーんと……どうしよう。マミって銃使いだよね」

キリカ「離れて戦うのはまずいけど、近づいたら拘束にも注意しなきゃだし……」

さやか「でもリボンならあたしたちなら簡単に切れますって。それに二人いるんですし」

キリカ「ひとまず、昨日言ってた技術交換を先にする?」

さやか「ああ、あれなら簡単ですよ! えいっってやるだけです」


キリカ(アバウトだなぁ……)


――――……

★技習得
 タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。


 準備とか作戦会議とか
1自由安価
2陣形を決めておく
 Aさやか:前 キリカ:後
 Bさやか:前 キリカ:前
3模擬戦開始

 下2レス


227以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 21:29:56.54pVUvKmNKo (1/1)

2A


228以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 21:37:27.75Kb35CoyB0 (4/7)

↑+機をみて近接をしかける




229 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 21:52:04.44Q8Wn12jy0 (11/17)



マミ「準備はオッケーかしら?」

さやか「はい!決まりました!」


 ひとまず、昨日みたいにさやかが前に出て、私が後ろからサポートするという形に決まった。

 あとは、機を見て接近戦も出来たら……。

 ……マミは格闘も出来るんだっけ。確か前にまどかに教えてた。そう考えると油断はできないな。


マミ「それじゃあ始まりの合図は鹿目さん、頼むわね」

まどか「はい!」


さやか「弟子たちの下剋上を見せちゃいましょう!初戦から勝つ意気込みで!」

キリカ「う、うん……!」

マミ「ふふ、お手柔らかにね」


まどか「じゃあ、よーーーい…… どんっ」


 まどかの可愛らしい掛け声で戦いが始まる。

 ……やっぱり、マミと比べてもスピードならさやかのほうが速い。

 マミの注意はそっちにいってるはず。ここから……



キリカ 魔力[91/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


仲間:
さやか 状態:正常


相手:マミ

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。前に出る。
2小刀投げ :中~遠距離武器戦闘(魔力-1/一発) :小さめの刀を出して投げつける。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(※キャンセル消費0※) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。決まる条件が揃っていれば勝てる。
 bスパークエッジ(※キャンセル消費0※) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(※キャンセル消費0※) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。
7【連携必殺技】ダブルスパーク(※キャンセル消費0※):さやかと同時に放つ二連のスパークエッジ。決まる条件が揃っていれば勝てる。

 下1レス


230以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 21:56:18.58Kb35CoyB0 (5/7)

2


231 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 22:19:33.86Q8Wn12jy0 (12/17)


マミ「……美樹さん、やみくもに突っ込んでいくのはよしたほうがいいわよ?」

さやか「!」


 マミはさやかを囲むように大砲を出す。


さやか「うおっと! ――でもそれならっ!」


 囲まれたさやかがとる行動は、やはり上に跳び上がること。

 ……しかし、それも予測していたように、マミは大砲の上から手に持った銃でしっかりと狙いをつけていた。


さやか『うおー、なんかさっそくピンチです!』

キリカ『わかってる……!』


 ……一旦離れると大砲の影に隠れ、小刀をいくつか出すと、そこから長銃の先を目掛けて小刀を投げつける。


キリカ(当たった!)


 ……硬い音を立てて弾いたと思ったら、すぐさまマミの狙いはこちらに変わる。


マミ「そこね!」


 続けて狙いをつけて手に出した小刀を放っていく。

 数で勝負しなくちゃとは思うものの、今の精度では動きながらではあまりに命中率がない。


キリカ『さ、さやかぁ!』

さやか『わかってますって!』



232 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 22:32:33.11Q8Wn12jy0 (13/17)


 さやかが魔方陣を蹴り、閃光のように跳んでマミに接近戦を仕掛けようとする。

 マミはそれをリボンで防ぎ、リボンで手首をひとまとめにするように絡め取る。


さやか「うわぁ!?」

マミ「動きが単純すぎるわ。速くても直線移動は読まれるわよ」


 ……――マミがそう言いつつ、こちらの動きを確かめるように私のほうを見た。

 このままじゃこれで決着になってしまう。

 それは防ぐ!


キリカ「はぁっ!」


 踏み込んで間合いを詰めて、さやかに絡んだリボンを切り裂く。


マミ「そうこなくっちゃね」


 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+補正-18


233以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 22:33:00.96Kb35CoyB0 (6/7)

ほりゃ


234以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 22:40:13.08Kb35CoyB0 (7/7)

キリカとさやかの方が優勢なのは新人組が予想以上なのか、はたまたマミが油断しているからなのか


235 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 22:49:25.04Q8Wn12jy0 (14/17)


 ……予想以上に上手く戦えてる。

 このままならいける!?


さやか『今です!』

キリカ『……! 了解!』


 昨日も二人で戦ってたのが良かったのかもしれない。

 さやかが先に動き、背後に回ってから一気に距離を詰めるように突撃していく。

 それからこっちも剣を構えて大技の構えを取る。


 大技での挟み撃ち――


まどか「そこまでっ!」


 ――終了の合図もまどかの可愛らしい声。

 勝負がついた。



236 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 23:04:27.25Q8Wn12jy0 (15/17)


キリカ 魔力[86/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



マミ「二人ともお疲れ様。なかなかの連携じゃない」

さやか「どーもです! マミさんも、いっくら新人でも二人相手は厳しかったんじゃないですか~?」

マミ「そうね、どちらもまだまだ改善点はあるけど、二人で上手く弱点を補えてたと思うわよ」

マミ「二人とも素質はあると思うわ。それをうまく活かせればきっと伸びるわよ」

キリカ「素質って……?」

マミ「魔法少女のというのもそうだけど、色々とね」

マミ「それじゃあ支度をしましょうか。暗くならないうちにパトロールに行くわよ」

マミ「移動しながらまた反省点とか話し合いましょ」

さやか「はいっ!」


 ……荷物をまとめて土手から出発する。

 歩きながら、今日の回るルートとか、さっき言ってた反省点についても話し合っていた。



237 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 23:15:06.20Q8Wn12jy0 (16/17)


マミ「やっぱり、美樹さんはもう少し考えて戦ったほうがいいってところよね」

マミ「スピードはとても良い武器だし、特に今日みたいに仲間がいれば、相手のペースを崩すのにとても良いと思うんだけど」

マミ「やっぱり、一人で戦う時が心配になるわ……」

マミ「それにどうしてもそういう役回りは一番傷つきやすくなるから、仲間としても心配になるかな」

さやか「いやまあ、あたしは丈夫ですし多分適任なんですよ」

さやか「でもたしかに、一人だったらあっさり捕まってましたね……」

キリカ「それは多分私だって同じだよ」

キリカ「多分わたわたしてなにもできないうちに捕まってると思う」

さやか「じゃあやっぱり相性いいってことですね!」



 ……そういいつつも、それでいいのかなとは思ってしまう。

 一番傷つくような役回りを人に任せるっていうのは、やっぱり無責任な気がして。


下1レスコンマ判定
 0~20 使い魔
 21~40 魔女


238以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 23:23:40.69AibunLNY0 (1/1)

魔女


239 ◆xjSC8AOvWI2017/04/23(日) 23:37:14.44Q8Wn12jy0 (17/17)


 ……人気のないあたりから駅周辺を歩いていき、通学路の辺りを回っていく。


さやか「あ、そうだ。まどかはどう思う?」

まどか「わたしは……マミさんの言ってたこととほとんど同じだけど」

まどか「さやかちゃんにはあんまり傷ついてほしくはないかな……」

さやか「うーん、そう言ってくれるのはそりゃうれしいけどさ」

まどか「……あとなんか、こういうふうに訓練するの、うらやましいなって思っちゃった」

まどか「わたしはあんまり訓練はできなかったから」

マミ「……鹿目さんも、体術の訓練の続きやる?」

まどか「えっ? 体術ですか?」

マミ「痴漢撃退には役に立つわよ。多分」


 そういえば私にも前にそう言ってたな、なんてことを思い出した。

 それが、今じゃこんなふうに本格的に格闘の訓練をするようになるなんて。


まどか「じゃあ、少し、やってみようかな…… でもいいんですか?みんな忙しいんじゃ」

マミ「合間にやりましょう。どうせならみんなでやったほうがいいわ」

まどか「はい!」



下1レスコンマ判定
 0~20 使い魔
 21~40 魔女


240以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/23(日) 23:50:13.739tshsbBK0 (1/1)

魔女


241 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 00:17:14.29GdZfmwSh0 (1/11)


 ……軽く街を一通り回ったところで、解散となった。

 いつもどおり帰り道を三人で歩く。


さやか「今日は特に反応はなしかあ」


 さやかがソウルジェムを見つめている。

 少し濁った分を浄化して、真っ黒になったグリーフシードをしまった。


さやか「……あ、そろそろグリーフシードないな」

キリカ「え、大丈夫?」

さやか「まあなんとかなるでしょ。次手に入るときまでなんとかやりくりします」

キリカ「…………」

 ……さやかは魔力がなくなることの意味を知らないからそんなに呑気でいられるんだ。

 でも、グリーフシードばかりが目的になったら、私たちを襲った奴らと一緒だ。


 そう考えて少しだけ思った。 あの人たちは真実を知っているんだろうか。


 ……グリーフシードだって無限に手に入れられるわけじゃない。 どうすればいいんだろう?

さやか「それじゃみんな、お疲れ様ー!」

まどか「お疲れ様、さやかちゃん」

キリカ「うん……お疲れ」



――8日 終了――



キリカ 魔力[86/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


242 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 00:20:41.10GdZfmwSh0 (2/11)

---------------------
ここまで
次回は24日(月)20時くらいからの予定です


243以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 00:23:15.56S6JRRdlx0 (1/1)

乙です
GSの数が少ないのは何とかしたいなぁ


244 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 20:02:01.76GdZfmwSh0 (3/11)

―9日 昼休み


キリカ「ふぁぁぁ……」


 ……お昼を食べ終わって、雑談をしたり携帯をチェックしたりして過ごしていた。

 窓際から注ぎ込む日差しが心地よい。

 どちらもそこまで口数の多い方ではないので、会話が途切れた後少し何もしないでいたら、あくびが一つ漏れた。


マミ「あら、お疲れ?」

キリカ「そりゃ、今まで割とだら~っと過ごしてきたからね……」

キリカ「あ……別に音を上げるわけじゃないけどさ」

マミ「そうよね。みんなが遊びに恋愛に花を咲かせてる中、見回りに訓練に戦いばかりじゃあまりに味気ないのはわかるわ」

マミ「縄張りを狙う魔法少女の件が片付いたら、今度みんなでどこか買い物でも行きましょうよ」

キリカ「買い物…… いいね! 楽しみ」

キリカ「……ところで、マミっていつから魔法少女やってるんだっけ」

マミ「もう二年になるかしら」

キリカ「すごい、二年間もずっとこんな……」

マミ「思えば私も、遊びも恋愛もやってる暇なんてなかったわ。魔法少女だからしょうがないって思ってたけどね」



1自由安価
2マミは今グリーフシードっていくつ持ってる?

 下2レス


245以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 20:07:00.21HpFVZ5gc0 (1/2)

2


246以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 20:09:44.22Cef78P3z0 (1/1)

じゃあさ、これからはそっち方面にもう少し時間を割こうよ
マミとは1年後でも3年後でも10年後でも友達でいたいからね
そういえばマミは佐倉さんと組んでたころ佐倉さんともお茶会してたの?


247 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 20:30:29.00GdZfmwSh0 (4/11)


キリカ「じゃあさ、これからはそういう時間ももっと増やしていこうよ」

キリカ「マミとは1年後でも3年後でも、10年後でも友達でいたいから」

マミ「そう言ってもらえると嬉しいわね」

マミ「……そうよね。今度こそずっと……弟子とかの前に友達だものね」


 ……弟子?

キリカ(……佐倉さんのことかな?)

キリカ(マミは長いこと一人で戦ってたとは聞いてたけど、どのくらい一緒にいたんだろ……)


キリカ「……そういえば、マミは佐倉さんと組んでたころ佐倉さんともお茶会してたの?」

マミ「え……まあそうね。今みたいに訓練の後とかに」


キリカ(……今はあんまり思い出したくないか)


キリカ「……そっか」

マミ「ところで眠気は覚めた? 午後の授業寝ないようにね」

キリカ「うん、気を付けるよ」


 ……マミと別れてから、もうひとつあくびをした。

 あっちのこともなんとかできたらいいけど、私にはどうにもできない。



248 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 20:43:59.99GdZfmwSh0 (5/11)


 ――授業を終えて、みんなで土手に続く静かな道を歩く。

 最近天気が良い。

 訓練日和とまで体育会系な思考にはなれないけど、こんな日に外に居るのは悪くないかもしれない。


まどか「――でね、タツヤがエイミーと結構仲良くなってて。見てると面白いの」

まどか「最初しっぽ掴んじゃった時はひやひやしたんだけど、エイミーが大人しくて助かったよ」

さやか「今日会うの楽しみにしとくわ」

マミ「そういえば今日、キュゥべえも連れていく約束してるのよ」

まどか「ああ、似た感じではありますしね。仲良くなれたらいいですね」

マミ「ええ」


キリカ(マミにとってはキュゥべえも友達か……)

キリカ(頼むから、これ以上裏切るような真似はしないでほしいけど)



1自由安価
2今日の訓練について
3マミは今グリーフシードっていくつ持ってる?

 下2レス


249以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 20:44:35.01HpFVZ5gc0 (2/2)

3


250以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 20:52:45.04iwW6VJS20 (1/1)

マミさんとイチャイチャする


251 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 21:24:19.00GdZfmwSh0 (6/11)


キリカ「……そういえば、マミは今グリーフシードっていくつ持ってる?」

マミ「二つくらいだったかしら」

マミ「足りなければ一つ分けましょうか?」

キリカ「えっ、いいよ。マミのが減っちゃう」

マミ「それならいいけど……」


 ……全体的に少なくないかなぁ、なんて思うけど、あまりそれを主張するのも気が引けた。

 グリーフシードのために魔女を倒すわけじゃない。

 でも、魔法少女が魔女になるなら、魔女を倒すのは正義のための活動といえるんだろうか……?


キリカ(……考えてても、仕方ないか)


 土手に着くと、鞄を放って訓練の準備を始める。

 マミはいつものノートを片手に持って、ぺらぺらとページをめくって見ていた。


マミ「今日は、昨日の模擬戦で目についたところを修正していくのに集中しましょうか」

マミ「あ、ちなみに訓練の事は全部ノートにメモしてるから。これ見てみる?」

さやか「うわあ、さすが細かいですね……」

マミ「こうしてまとめておくとわかりやすいでしょう?」


キリカ(反省点については昨日も話し合ったけど、私のは……)


 ……ノートを覗きこんでみる。

 すると、やっぱり近接のほうでも投擲の方でも修正すべき点がいくつか書いてあった。

 動きに関しては、もっといっぱいやって慣れるしかないのかな。



252 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 21:33:18.30GdZfmwSh0 (7/11)


キリカ(もしくは……)


 ノートに綴られたマミの綺麗な字を追いながら、

 そこに書かれている言葉を見て考える。


キリカ(独自の戦闘スタイルを確立する、か)


 投擲と格闘を上手く組み合わせて戦えるように。

 どちらかだけじゃ勝てないならそれはいいのかもしれないけど、覚えることは二倍以上になる。

 ……でも、私に合った戦い方を探すっていうことは必要なのかもしれない。

 なにより、できないことをできないまま認めてくれて、ここまで考えてくれるのがただ単純に嬉しかった。


キリカ「……ありがとう! なんとかやってみるよ!」

マミ「ええ。その意気よ」

マミ「それから、鹿目さんもこっちにきて」

まどか「! はい」

マミ「せっかくだから、昨日言ってた通り混じって訓練やりましょ」

まどか「はいっ、よろしくおねがいします!」



253 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 22:00:16.27GdZfmwSh0 (8/11)



 ――……近接でも戦えるようにしつつ、隙を突くように小刀ももっと連続して打ちこめるようにする。

 結果、二刀流の代わりに違うところで手数を増やすようなスタイルが出来上がった。

 いまのところは、まだまだ考えることが多すぎて隙がありすぎるけど…………


キリカ(……頑張らないと)

キリカ(もうちょっと上手く戦えるようになったら、今よりはみんなの役に立てるかもしれない)



――――――……

――――――……



まどか「体術もやってみると楽しいです」

まどか「魔女とは戦えなくても、いつか役に立つ機会はあるかもですし」

さやか「そうだぞー、なんか揉め事に巻き込まれた時にさっと助けてあげたりなんかしたらカッコいいぞ!」

さやか「きゃー惚れちゃう!」

まどか「あはは…… そ、そうだね」

マミ「それじゃ、訓練はここまでにしましょうか」

QB「お疲れ、上達しているようだね。さやかも最初の頃と比べて動きが洗練されてきている」

さやか「そう見える? マミさんの指導のおかげだよ」

QB「マミは人一倍勉強熱心だからね。指導も上手だ」

マミ「ええ、ありがとう。キュゥべえ」



 ……訓練を終えて、鞄についた草を手ではたいて立ち上がる。

 いつのまにかキュゥべえもこっちに来て合流していた。

 土手から遠ざかって、みんなでまどかの家に向かって歩いていく。



254 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 22:10:16.39GdZfmwSh0 (9/11)


 ――駅のほうを通って住宅街に出ると、まどかの家がある。

 さやかはともかく、マミと一緒にこの道を歩くのは珍しかった。


 ……いや、一番珍しいのはキュゥべえかもしれない。

 いつもはマミと一緒に居るらしいけど……



まどか「ただいま、みんなが来たよー」

マミ「お邪魔します」

キリカ「お邪魔します」

さやか「おじゃましまーす!」

「おお、いらっしゃい。そっちの二人は最近よく話してくれてる先輩かな?」

マミ「見滝原中学校三年の巴マミっていいます。鹿目さんには色々とお世話になってます」

キリカ「呉キリカです。お世話になってます」

「さやかちゃんも久しぶりだね」

さやか「はい! ……あっ、この子がエイミー? 写真通り黒くてもふもふ~」

エイミー「にゃ」


 久しぶりに見る黒いしなやかなフォルム。

 近づいてきた時の音に首元を見てみると、首輪と鈴が付いていた。



255 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 22:25:24.71GdZfmwSh0 (10/11)


 ……まどかの部屋に上がると、

 テーブルに置かれたオレンジジュースを一口飲んでエイミーのほうを見る。

 4人と2匹。エイミーの隣でキュゥべえが興味深そうに見ていた。

 エイミーにはキュゥべえの姿って見えるのかな? 


キリカ「すっかり飼い猫だね……」

さやか「元は野良だったんですっけ?」

まどか「うん。……ずっと通りの近くに居たら危ないし、色々とあってうちにくることになったの」

 さすがに“暁美”のことは言えない。

 未だにそのことは二人だけの秘密で、その時知った事実もさやかには話したけどマミは知らない。

 ……でも、みんなが知らないままの事実がまだあったなんて。

マミ「そうなの。たしかに、車に轢かれたりしたら大変だものね」

キリカ「久しぶり……」

エイミー「にゃ」


 まあるい背中を撫でる。

 このあたたかくてふわふわとした感触も久しぶりだ。



1自由安価
2部屋のぬいぐるみについて
3エイミーの写真について

 下2レス


256以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 23:01:54.69xOUg4mq00 (1/1)

2+3


257 ◆xjSC8AOvWI2017/04/24(月) 23:34:18.09GdZfmwSh0 (11/11)

---------------------
ここまで
次回は29日(土)17時くらいからの予定です


258以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/25(火) 01:34:46.52k/kHDniP0 (1/1)

>>256


259 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 17:07:29.90GhGlM9iq0 (1/23)


さやか「やあ、ボクキュゥべえ! ボクと契約して魔法少女になってよ!」


 ……さやかが棚の上のぬいぐるみをとったと思うと、

 それをエイミーの目の前に見せてキュゥべえの真似をしはじめた。

 たしかにちょっと、ぬいぐるみの雰囲気はキュゥべえに似てるけど。


まどか「あはは、似てる」

QB「残念だけど猫じゃ契約できないよ」

マミ「ぬいぐるみたくさんあるわね」

まどか「はい。一つ手作りしたやつもあって……これなんですけど」

まどか「あの時、キリカさんにも作り方教えてもらいましたよね」

キリカ「えっ?」

まどか「わたしが一年生のとき……入部したての時だったんですけど」

キリカ「……そうだっけ」


 じゃあ、魔法少女のことでマミと一緒に会う前から、まどかは私のこと知ってたんだ。

 そんなことがあったような気はするけど、そもそもまどかが同じ手芸部に居たことすら今まで気づいてなかった。

 …………なんて言ったら、さすがに酷いかな。



260 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 17:11:49.44GhGlM9iq0 (2/23)


まどか「まあ、それ以降はあんまり顔出してないので覚えてないのも仕方ないかもですけど……」

キリカ「ああ……」


 ……お金を落とした時のこともそうだ。

 お互い自分が何かしてもらった時のことは覚えてたんだ。

 そういえば、いつも気が向いた時に隅のほうで一人で何か作ってたけど、最近は部活にも全然行かなくなってしまった。


さやか「あれ? 部活同じだったんだ」

まどか「あ、うん。一応」

キリカ「……色々と落ち着いたら、部室にも行こっか」

まどか「そうですねー。そしたらまたなんか教えてください」

キリカ「うん、できることでよければ」

マミ「なんかいいわね。私ももうちょっと早ければ入部できたかなぁ」



261以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 17:14:46.118VfqZLyJ0 (1/3)

マミさんなら手芸部でも普通にやっていけそう


262 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 17:21:57.99GhGlM9iq0 (3/23)


キリカ「……ところで、さっきさやかが言ってたエイミーの写真って?」

さやか「まどかの待ち受けですよ」

まどか「これです!」


 まどかがスマホを操作して、待ち受けを表示する。

 画面の中のエイミーは、ちょうどカメラ目線でこちらを見上げている。


マミ「他にもあるの?」

まどか「はい。大人しいから撮りやすくて、色々撮ってて……」


 みんなで集まって画面を覗き込む。

 丸まっている写真、伸びをしている写真、小さい弟と一緒の写真……

 まどかはエイミーをこの家に迎えてから、色んな姿を見てきているようだ。



1自由安価
2解散

 下2レス


263以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 17:24:15.948VfqZLyJ0 (2/3)

そういえばこの世界でエイミーは飼っているんだっけ?
安価↓


264以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 18:13:35.39zJ7Cr6Xx0 (1/6)

エイミーを自分のスマホで写真を撮った後、可愛さに我慢できずもふもふしていたらその姿を写真に撮られてた


265 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 18:31:05.53GhGlM9iq0 (4/23)


キリカ「わ、私も…… 私も撮っていい?」

まどか「いいですよ」


 はやる気持ちを押さえつつ携帯を取り出す。

 カメラを向けると、エイミーがこちらを見た。


エイミー「にゃ?」

キリカ「そのままそのまま…… フラッシュを消して……」



 ……何枚か撮ってみてから、やっぱり触るのが一番とまた抱っこして撫でていた。



キリカ(こうしてると猫飼いたくなってくるなぁ……あの時なんとかお母さんに頼んでみればよかったかも)

キリカ(……まあ、またこうして会いに行けばいっか)



266 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 18:47:52.91GhGlM9iq0 (5/23)


キリカ「……………あ、私ばっかり占領しててごめん」

キリカ「でもまどかのはカメラが綺麗でいいなあ」

キリカ「……え?」


 まどかがスマホの画面を見せてくる。

 ……エイミーをもふもふしてたところをいつのまにか撮られていた。


まどか「綺麗に撮れてるでしょ?」

まどか「やっぱり一緒に映ってるのも一枚くらいあったほうがいいと思って」

キリカ「それはありがとう。でも、声くらいかけてくれても……」

まどか「いやぁ、自然な感じが良いと思ってつい」

さやか「あ、じゃああたしも撮ってよ」

マミ「みんなで一緒に撮る?」

さやか「それもいいっすね!」

マミ「ほら、キュゥべえもこっち来て」


 棚の上にカメラをセットして、みんなで寄り添って映る。

 夕飯前にまどかの家の前で解散してからも、帰り道を歩きながらその時の写真を見ていた。



267 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 18:56:14.53GhGlM9iq0 (6/23)



 ――……家に帰って一言帰宅の挨拶をすると、自室のベッドに身体を預けた。

 ぼふんと音を立ててスプリングが大きく跳ねて、ふかふかとした布団の感触が肌に触れる。


 昼あたりにあくびをしてたことを思い出して、今になってあの時より更に濃くなった眠気が戻ってきた。


キリカ(夜ごはんまで寝ようかな……)


 普段だらっと過ごしてきたけど、契約してからはさすがに身体は強くなった気がする。

 さやかほどじゃないにしても、回復魔法だって使えたし、多分回復力だって低いわけじゃない……と思う。


 気分の問題もあるのかもしれない。

 私の魂がもう身体にないのなら、身体が疲れることなんてあるのかな。

 ――……本当は全部気のせいなのかもしれない。疲れる気がするのは、何も変わってないって思いたいから?


キリカ(……それを知ってるのは私だけじゃないのに)

キリカ(みんな普通に過ごしてるし、私も今のところ何も変わらず過ごせてる)

キリカ(十分幸せなんだから、それでいいか)

キリカ(今日はうじうじと考え過ぎだ)


 そう思って、枕を抱き枕のように抱いてごろんと横になって、顔を押し付けた。



――9日 終了――



キリカ 魔力[86/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


268 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 19:08:28.77GhGlM9iq0 (7/23)


―10日 昼休み



マミ「ウノ!」

キリカ「さっきから何回も言ってるね……」

マミ「しょうがないじゃない。なかなか最後の一枚を出せる機会が……――」

キリカ「あ、ドローフォー」

マミ「まだまだ続きそうね……」


 食べ終わった弁当箱を片づけて、カードゲームに興じていた。

 二人UNOっていうのも悪くはないんだけど……


キリカ「でもなんでUNO……?」

マミ「昨日何か役に立つかなぁって念のため持ってってたのを忘れてて、今日も入れっぱなしだったのよ」

マミ「トランプと花札もあるわよ」

キリカ(うわ、準備万端だ)


 ……そんなことを話していると、さやかとまどかが教室にやってきた。



269 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 19:16:00.36GhGlM9iq0 (8/23)


さやか「こんにちは! UNO? 折角だからあたしたちも混ぜてくださいよ」

マミ「ええ、丁度いいわ。二人でやるのも飽きてきたところだったから」

キリカ「仕切りなおそっかー」


 一旦カードを山に戻して切ってから、4人分に配りなおす。

 ……ちょうど配り終えたところで、ぼちぼちゲームを始めながら話し始めた。


マミ「椅子がないけど、中腰じゃやりづらくないかしら……?」

まどか「大丈夫です」

さやか「足腰を鍛える訓練と思えば!」

マミ「それで、遊びに来たの?」

さやか「あ、忘れるところだった。今日もちょっと、放課後は一足先に抜けようかと思ってて」

キリカ「またお見舞い?」

さやか「いや、お見舞いではないんですけど…… ちょっとまた迷惑かけることになるかもですけど、いいですか?」

マミ「気にしなくていいわよ。じゃあ、訓練が終わったらパトロールの前に別れるくらいでいいかしら?」

さやか「はい」

まどか「あ、ウノです」

さやか「早っ」

マミ「えっと、リバースだから……こっち回りね。鹿目さん」

まどか「上がりました」

さやか「運が味方してやがる…… あ、スキップ」


キリカ(二回連続で私のターンが回ってこない……)


1自由安価
2今日の訓練について
3一人になるなら気を付けてね

 下2レス


270以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 19:19:50.23zJ7Cr6Xx0 (2/6)

3と2のあと花札
今度はさやかを狙ってくるかもしれないから気をつけてね
次は花札やろう、花札は得意なんだ!



271以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 19:20:40.01T8SHQEVTO (1/6)




272 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 19:30:52.80GhGlM9iq0 (9/23)


キリカ「一人になるなら気を付けてね」

キリカ「縄張りを狙う魔法少女たち、まだ仲間もほかにいるかもしれないし……」

キリカ「今度はさやかを狙ってくるかもしれないから気をつけてね」

マミ「そうね……何かあったらすぐに連絡して。今度はすぐに駆けつけられないなんてことないようにするから」

さやか「はい! そっちもパトロール頑張ってください」


キリカ(あ、出せる。次で上がれる!)

マミ「呉さん、ウノ言い忘れ……」

キリカ「うわぁん」


 ……話しながらだったからついうっかりしていた。

 それからマミとさやかも上がって、決着がつく。


キリカ「次は花札やろう、花札は得意なんだ!」

さやか「あたしも次は負けませんよー!」

マミ「望むところよ」

まどか「みんな熱いなぁ……」



・……何番目に上がりました?

 下1レス


273以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 19:31:40.21zJ7Cr6Xx0 (3/6)

1!


274以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 19:33:16.19T8SHQEVTO (2/6)

花札はサクラ大戦ではまったなぁ


275 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 19:56:30.61GhGlM9iq0 (10/23)


 さっきだって、うっかりしてさえいなければ。

 花札ならそんなこともない…はず。


さやか「うーん……」

まどか「ふむふむ」

マミ「なかなか良いのが出来ないわね……」


キリカ(……カス札は結構溜まってくなぁ)

キリカ(こっちでさっさと完成させるか、もっと良いのをそろえようとするかは悩むところだけど)

キリカ(ま、こういう時は無理に欲張りすぎないのが一番か)


キリカ「……よし、これで上がりで!」

さやか「さすがに堅実っすねー」


まどか「わたしも最初から良さそうなのは手札にあったんですけど、なかなか出せなくて……」

さやか「勝敗はともかくさっきからツイてるなぁ……まどかは」

マミ「次なにやる? トランプなんかもあるわよ」

さやか「大富豪やりましょう大富豪」


 ……意外と盛り上がっていたから、マミには感謝しておこう。

 さやかも上がって、マミとどちらが勝つかというところで階の違うまどかたちは一足先に戻っていった。


キリカ「……結局また二人になっちゃったね」

マミ「……そうね」



276 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 20:09:16.72GhGlM9iq0 (11/23)


 ――――授業を終えて、みんなで歩きながら雑談をしている。

 ……そろそろ訓練場所が見えてくるといったところで、今日の訓練の話に移った。


さやか「今日の訓練はなにやります? あたしはやっぱり格闘やりたいんですけど」

マミ「基本的な動きは身についてきてると思うから、総合的に戦い方を鍛えるって考えていきましょう」

マミ「同じ格闘訓練でも組手とか模擬戦闘とか、実戦に近いものをやったほうがいいと思うわ」

マミ「特に呉さんの場合はそうよね…… もちろん、射撃自体の精度を上げることも大事なんだけど」

マミ「今日はどうする?」

キリカ「そうだなぁ……」



1さやかと組手でもしようか
2射撃訓練を頼む
3模擬戦闘

 下2レス


277以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 20:10:14.89T8SHQEVTO (3/6)

2


278以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 20:10:38.0955SnfFkio (1/1)




279以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 20:10:44.82zJ7Cr6Xx0 (4/6)

2かな


280 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 20:31:48.37GhGlM9iq0 (12/23)


キリカ「じゃあ一緒に組手しようか」

さやか「はい!」


 ……土手に着いて鞄を放ると、早速訓練に入る。

 昨日みたいにまどかも横に居る。

 組手はさすがに無理だけど、マミがまたちょっと格闘術を教えているみたいだ。


さやか「はい一本!」


 ……さすがにさやかには敵わないなぁなんて思いつつも、

 ちょっとしたルールもあって、攻撃して倒すのが目的ではないから実際の戦闘と違ってちょっとやりやすい気はする。

 魔女や使い魔よりも対魔法少女向きの訓練に近いんだろう。

 また戦うとしたら、前よりは上手く戦えるだろうか。でも、その時はこういうスポーツ的なものじゃない。


キリカ「まどかも意外と楽しそうにやってるね……」

さやか「一緒に訓練できることが嬉しいんですよ、きっと」

さやか「まどかはいつも何か役立たないとって考えてるとこあるから。ああ見えて世話焼きだし」

キリカ「そっか……」



281 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 20:44:31.58GhGlM9iq0 (13/23)


 少し休憩して水分補給をしてから訓練を再開する。


キリカ「じゃ、いくよ」

さやか「はい!」


 踏み込むと、剣がぶつかる音が響く。

 踏み込んで、下がって。このリズムが少しは掴めてきたかもしれない。

 でもきっと、さやかは本気を出せばもっと速いし、魔法少女として力が互角ってわけじゃない。


キリカ「――!? さやか、」


 ――そんなことをぼんやりと考えながら戦っていたけど、途中でそのリズムが乱れたのを感じた。

 乱れたというか、明らかにさやかがついていってなかった。

 気づいた時にはついた勢いは止められずにさやかの頬から右目のあたりに剣が当たる。

 隙を突けたというよりさやかがついていくのをやめたような、当たると思っていなかった攻撃が当たったことに驚いてしまった。


さやか「えっ! っいたぁ……」

キリカ「だ、大丈夫?」


 剣といっても切れ味のあるものではないが、それでも当たると痛い。強く当たれば、皮膚が裂けてしまうこともある。

 この事態に気づいて、マミもこちらに寄ってくる。



282 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:07:37.12GhGlM9iq0 (14/23)


マミ「どうしたの? 大丈夫?」

キリカ「あの、ごめん……」

さやか「いや大丈夫ですよ! あたし頑丈なんで、キリカさんももっと遠慮せずに来ていーんすよ」

キリカ「いやでも……」

マミ「なにがあったの? 正面から顔に当たるって、なかなかないと思うんだけど……」

さやか「ただちょっとぼーっとしてただけです。別に変なことはないですから!」

マミ「本当に大丈夫なの? 今日はもう休んだ方が……」

キリカ「もしかして今日の用事が関係あるの? 何か気がかりなことがあるんだったら……」

さやか「本当何でもないんで!」


 それからまどかもすぐにこちらに来た。


まどか「でもさやかちゃん、痣できてるよ。 早く治療しないと……」

さやか「それならほら、どうせすぐ治せるし」

まどか「でもそれだけじゃ……」

さやか「それともまだ心配なら、あたしもキリカさんから眼帯借りよーかな」

キリカ「そういうことじゃないよ。傷は治せても何かあるなら……」

さやか「冗談ですって。大げさな。時間なくなっちゃいますよ、再開しましょう!」


 ……小さい魔方陣が蒼く照らすと、何事もなかったかのように傷は治った。

 でも、さやか、本当に大丈夫なのかな。



283 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:19:51.83GhGlM9iq0 (15/23)


さやか「それじゃあたしはこのへんでー」

マミ「ええ…… 気を付けてね。じゃあまた明日」

さやか「はーい」

まどか「さやかちゃん……本当に大丈夫?」

さやか「大丈夫だって。みんなして心配性なんだから」

さやか「それじゃそっちも頑張ってー!」


 ……さやかが大きく手を振って小走りで去っていく。

 私たちも歩きはじめる。



下1レスコンマ判定
 0~20 使い魔
 21~40 魔女


284以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 21:20:09.86zJ7Cr6Xx0 (5/6)

ほい


285 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:35:46.89GhGlM9iq0 (16/23)


キリカ「いないね……」

マミ「平和なのは良いことでしょう?」

マミ「本当は私たちが活躍なんてしないほうがいいんだから」

キリカ「うん……そうだね」

まどか「美国って人とその仲間もこの街にいますしね……」


キリカ(そういえばそうだ……)

キリカ(それでもマミは……)


マミ「まあ、他の人がどう動こうと私たちは今までどおりやっていけばいいのよ」

マミ「それでまだ私たちを狙うをするのなら、今度こそ私がきちんと受けて立つわ」

まどか「そうですね……」

キリカ「…………」

マミ「あっ……ねえ、あれって!」

まどか「あれ……? なんでこんなところにいるんだろ?」

マミ「もう用事終わったのかしら?」


まどか「さやかちゃーん!」


―――


286 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:42:29.05GhGlM9iq0 (17/23)

―――



 カップが一つ落ちて、音を立てて破片となって飛び散った。

 白く滑らかな陶器に規則正しく並んだ金色の模様が床に崩れてバラバラになる。


 大きな破片を持ち上げると、チャリ、と音を立てた。

 それらを集めようとして、やめる。


「……――愚かなことだわ」

「結局同じ運命を繰り返す」


 ザッと箒でまとめるように掃いて、新聞紙の中にくるんで捨てる。

 そこに見えた記事には今日もまた見たくもない文字が並んでいた。


――――


287 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:44:26.09GhGlM9iq0 (18/23)

――――


 ――――玄関の前まで来て、少しの間考え込んでからやっぱり再び踵を返した。


 ……昨日の夜にもここに来ていた。

 偶然聞こえてきたバイオリンの音色で恭介が退院していたことを知って、

 あの時はもう夜遅いからと理由をつけて去って……


 結局、今日は会いに行こうと思っていたのに、それも躊躇って街をぶらぶらと歩きはじめる。


さやか(いつから退院してたんだろ……連絡くらいしてくれればよかったのに)

さやか(……でも、連絡ももらってないのにいきなりなんて言って押しかけよう)

さやか(やっぱりあっちからなにか連絡くれるまで待ったほうがいいかな)

さやか(今日もバイオリンの音聞こえてたし、練習の邪魔するのは悪い気がするし……)



288 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 21:50:54.10GhGlM9iq0 (19/23)


 そうやって結局、何か理由を見つけて遠ざかろうとしてる。

 でも、一番の理由は。


さやか(……あたしは、この街を救う魔法少女で)

さやか(もう人間とは違うんだし)


 それはもう契約するときからわかってて覚悟したはずなんだ。

 そうなってもいいから、恭介のために願いを叶えたかった。


 ……だから、恭介とは違う世界にいっちゃうってこともしょうがないの?


さやか(……魔法少女の活動は疎かにできないし、マミさんやキリカさんがいるからなんて考えしたくない)

さやか(そんなの自分の損得しか考えてないあいつらと同じじゃんか)

さやか(なのに自分の事を優先してみんなにパトロールを任しちゃって、やっぱ悪いよね)

さやか(やっぱり一人でもちょっとパトロールしてよう)


―――


289 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 22:15:53.63GhGlM9iq0 (20/23)

―――


さやか「あ……」

キリカ「さやか……用事は終わったの?」

さやか「あー……まぁ、そうですね」


 ……さやかにしては珍しく歯切れの悪い言い方だった。


さやか「……そっちはまだパトロール中っすか? どうせなら一緒についてっても?」

マミ「ええ、それはもちろんいいわよ」


 なんだか、元気がなく見える。

 何の用事だったんだろう。やっぱり何か、嫌なことでもあったのかな……


まどか「やっぱり、なにかあったの?」

さやか「なんもないよ」

キリカ「なにか嫌なことでもあったんじゃ……」

さやか「嫌なことなんかあるはずないです」

さやか「だって、結局なにもしてないのに……」

キリカ「え?」

さやか「行きましょう。こうしてる間にもピンチな人がいるかもしれませんよ」



下1レスコンマ判定
 0~50 使い魔
 51~80 魔女


290以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 22:18:11.29T8SHQEVTO (4/6)

魔女


291以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 22:19:28.78zJ7Cr6Xx0 (6/6)

あー
これまで通りなら魔女のコンマだったのに…


292以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 22:27:57.06T8SHQEVTO (5/6)

GSが足りなくなって脱落者が出そう


293 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 22:33:42.60GhGlM9iq0 (21/23)


さやか「ほらほら、魔力の反応です!」

マミ「使い魔ね……」


 話は強制的に中断されることになり、使い魔を追って歩いていく。

 三人での戦闘はほとんど魔力を使うことなく終わるが、使い魔を倒しても回復はできない。

 今日も一通り街を回ると、解散となる。


マミ「――…………じゃあ、今日はパトロールは終わりにするけど」

マミ「なにかあったら頼っていいのよ?」

さやか「……はい。でもホントになにもないですから」


 ……マミと別れてみんなで帰り道を歩く。

 さやかが何に悩んでいるか、親友のまどかも知らないらしい。

 手がかりになるのは『何もしてない』って言葉だけ……



294 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 22:38:58.95GhGlM9iq0 (22/23)


さやか「お疲れ様でした。二人ともまた明日ー」

キリカ「……ねえ、さやか」

さやか「はい?」

キリカ「今日は用事に行ったのに、何もしなかったんだよね……?」

さやか「はぁ、まあ……」

キリカ「それって、何もできなかったってこと?」

さやか「……」

キリカ「何かさ……しようと思ったんだけど、勇気がなくてできなかったから悩んでるっていうか……」

キリカ「私もそういうこと、あるし」


 ……こんな考えを出来たのは、私だからなんだろうなって思った。

 でも、さやかでもそんなことがあるのかななんて思うと、やっぱり信じられない気持ちにもなった。


さやか「いやっ、えーと、それは……」

まどか「……さやかちゃん、そうなの?」

さやか「…………」


1自由安価
2今からでも間に合うならやってみようよ

 下2レス


295以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 23:05:16.438VfqZLyJ0 (3/3)

安価↓


296以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/29(土) 23:06:17.09T8SHQEVTO (6/6)

2
さやか、もしかして契約した事が原因なの?
さやかは誰かのために祈って契約したけどその事は何も恥ずかしい事じゃないし、自分を卑下する事じゃないんだよ?
まどかもマミもいるし頼りないかもしれないけど、私もさやかを支える事は出来るから…だから勇気を出してみようよ?
さやかには、私みたいになってほしくはないから…


297 ◆xjSC8AOvWI2017/04/29(土) 23:53:49.14GhGlM9iq0 (23/23)


キリカ「今からでも間に合うならやってみようよ」

さやか「いやでも……ほら、あんまり今って時間もないし」

さやか「別に今することでもないかなー……って」

キリカ「……さやか、もしかして契約した事が原因なの?」

キリカ「確かに今は忙しいかもしれないけど、本当にそれだけが理由?」

キリカ「結局、そのことを理由に逃げてるだけなんじゃないかな……って」

さやか「……」



298 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 00:12:54.53BxeDmOSB0 (1/25)


キリカ「……キツいこと言ってごめん。多分私自身が今まで似たようなことばっかだったから」

キリカ「まどかもマミもいるし頼りないかもしれないけど、私もさやかを支える事は出来るから……勇気を出してみようよ?」

キリカ「さやかには、私みたいになってほしくはないから……」

キリカ「それに、前に佐倉さんはああ言ってたけど、さやかが誰かのために祈って契約した事は何も恥ずかしい事じゃないし」

キリカ「自分を卑下する事じゃないと思うよ」

さやか「そ、そりゃそのことに後悔はないですよ!」

さやか「大丈夫です。恥ずかしいとも思ってないですって」

キリカ「それをちゃんと誇れるなら、逃げる理由にするのはやめようよ」

まどか「……うん、そうだよ! わたしたちもいるんだから!」

さやか「…………わかりました。 じゃあ、今からでもちゃんと行ってきますよ」

キリカ「うん!」



299 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 00:41:25.74BxeDmOSB0 (2/25)


 ……さやかが駆けていった。

 まどかと二人だけになって、再びゆっくりと帰り道を歩きはじめた。


キリカ「私なんかでも、ちょっとはさやかを勇気づけられたのかな……」

まどか「はい、すごいことだと思いますよ!」

キリカ「とりあえず、嫌なことがあったとかじゃなくて良かった」

まどか「そうですね……」

キリカ「でも、さやかがそういうことで悩むのって、なんか意外だったな」


 少し歩いて交差点に着くと、そこでまどかとも別れる。

 まどかの背中を見送って、ぽつんと足を止めた。


キリカ(さやか、これで元気になってくれたらいいけど……)


 そう思って、前に聞いた言葉が頭の中に蘇った。

 ―――『魔法少女のエネルギーの源は“感情”だ。負の感情を感じるだけでもソウルジェムは濁っていくんだよ』

 キュゥべえの言ってた言葉……

 さやか、おとといグリーフシードがなくなったって言ってた。

 魔力は大して使ってなくても、今日みたいに悩むことでも魔力が減るなら……




300 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 00:46:21.35BxeDmOSB0 (3/25)


 ……ただでさえグリーフシードを目的としてるような人たちがこの街にいる。

 それでもやっぱり、マミは競争するというような考えはないんだろう。

 でもそれじゃ、負けてしまう。 そしたら……


キリカ(マミのやり方を考えたら、グリーフシードを増やすことを目的にした提案は駄目なんだろうな)

キリカ(……みんなを誘って行けないなら、私だけでも行こう)


 ……家には戻らずに違う方向へ歩き出してみる。

 もう少しだけ見回ろう。さすがに街の隅々まで回ったってわけじゃないし、行き違っていることもあるかもしれない。

 さやかに渡す分だけでも稼いでおきたかった。


――――
――――


301 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 00:47:00.08BxeDmOSB0 (4/25)

---------------------
ここまで
次回は30日(日)17時くらいからの予定です


302 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 17:29:39.72BxeDmOSB0 (5/25)



キリカ「やっと見つけた……っ」


 ――――……歩き回ってやっと見つけた結界は、舞台のような場所だった。

 ……気合いを入れる。

 その内部に足を踏み入れると、バッとライトが点灯する。




―操り人形師の魔女結界


キリカ「……!」

 同時に、さっきまで横たわっていた人形が一斉に立ち上がって動き出した。

 剣を構える。



キリカ 魔力[86/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Maritte
  Maritte'sDoll×5 <-攻撃対象

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。

 下1レス


303以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 17:38:16.14yuAEI6Px0 (1/10)

6でふき飛ばす


304 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 17:54:29.08BxeDmOSB0 (6/25)


 こちらから踏み込む前に5体もの人形が迫ってきて、一瞬足がすくんだ。

 圧倒されてる場合じゃない。こっちに来る前に倒すか、そうじゃないなら……
 

 ……さやかから教わった技を思い出す。


キリカ(えいって…………!)


 剣を大きく振るって人形を吹き飛ばす。

 すると、奥に白い顔をした魔女の姿が見えた。


 ――進む?

 でも、使い魔も完全に倒せたわけじゃない。



キリカ 魔力[86/130] 状態:正常
GS:2個
・銀[48/100]
・芸術家[70/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Maritte <-攻撃可能
  Maritte'sDoll×5 <-攻撃可能

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。

 下1レス


305以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 17:56:42.35P0fLYarBo (1/1)

5(敵全員に)


306以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 18:01:51.77yuAEI6Px0 (2/10)

↑それは魔翌力がもたないだろ
25×6とか無茶しすぎ


307以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 18:15:31.81Kq84J2fcO (1/6)

キリカだって魔翌力に余裕あるわけでもないのに
これじゃあ勝ってGSゲットしても自分の回復で空っぽになるだけ
無意味過ぎるだろ


308 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 18:42:29.09BxeDmOSB0 (7/25)


 ……左手に何本か小刀を出してみて、それを宙に放る。

 一歩下がり、更に刀の数を増やして前方に向けて全体に一気に魔力の刃を放つ。


 これでも全部の攻撃が当たるわけじゃない。全滅させるまで撃つにはあまりにも魔力が足りない――――

 駆けだして、魔女に刀を振るう。


キリカ「っ……!」


 後ろから何かが動く気配がする。

 なんとかしないとと思いつつも前にも敵がいて、振り返るのも怖い。


キリカ(倒し残した使い魔が――)


 どうしようかともたついているうちに、足に糸が絡みついて思わず体勢を崩す。

 魔女が人形を操っているのと同じ、虹色に光る糸だ。


キリカ(ああもう、もたついてる場合じゃない……!)


 振り返り、迫ってきた使い魔を先に切り捨てる。

 ……その間に、魔女は新しい使い魔を召喚してきていた。


キリカ「…………」


 やや狭めの結界内に、敵の気配が更に増える。

 使い魔が守るように囲む魔女のほうに向きなおり、剣を構える。


 技術がなくても、取り柄がなくても……

 さやかのためにもみんなのためにも、勝って帰るんだ――!



 下1レスコンマ判定 戦況
0~(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(劣勢時は相手、優勢時は自分)

+補正+30


309以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 18:44:22.96yuAEI6Px0 (3/10)

ほい


310以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 18:51:13.50Kq84J2fcO (2/6)

圧倒的ではないか、我が軍は!


311 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:01:23.09BxeDmOSB0 (8/25)



 ――踏み込むと、使い魔の動きがやたらとゆっくりに見えた。

 一体人形を破壊し、次に剣を横に構えて薙ぎ払う。


 ……ゆっくりに見えるだけじゃない。

 その球体関節の腕に込められる力が、使い魔の動きそのものが最初に比べて鈍くなっていた。

 使い魔から伸びる虹色の糸。 動くための魔力をそこから魔女が送っているんだとしたら……――


キリカ(……倒す!)


 使い魔を破壊すると、今度こそその魔力の糸がぶつりと切れたのがわかった。

 両手で構えた剣を魔女に振るう。

 正面から縦一直線に、魔女の姿が崩れた。




312以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 19:04:34.51Kq84J2fcO (3/6)

キリカ、覚醒したか!?


313以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 19:07:16.56yuAEI6Px0 (4/10)

速度低下っぽいのが発動した?
新技獲得、もしくはきっかけを掴んだ感じかな


314 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:14:38.98BxeDmOSB0 (9/25)


キリカ「……」


 手に入れたグリーフシードをひとつ懐にしまって、元から持っていたので自分のを浄化する。

 久しぶりの一人での戦いだったし、必死になりすぎてたかもしれない。

 これじゃ、まだあげる分の余裕もない。


 ……それでも、気分は高揚していた。

 やっと自分で何が起きたかわかったからだった。


 これで、少しはみんなに肩を並べられるように近づけたかな?


キリカ(私の取り柄、やっと見つけたよ!)



★魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。


キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:1個
・銀[0/100]
・芸術家[2/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



315以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 19:21:53.97yuAEI6Px0 (5/10)

速度低下ではなく魔翌力阻害か
織莉子とのタイマンに有効そうだが、織莉子は当然予知で知ってそうだが…

ていうかGSの残りが2?
いったいどれだけ今回の戦闘で使ったんだよ…
新スキルは習得できたけどできなかったら完全に割に合わないよ、これは


316 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:22:54.25BxeDmOSB0 (10/25)



 ……携帯を確認すると、お母さんから着信が来ていた。

 歩き回っている時間と戦っている時間で、みんなと別れてからはもう随分経っていた。


 帰宅すると、もう食事を作って待っていた頃だった。

 夕飯を食べて、自分の部屋に戻る。


キリカ(……明日も魔女を倒しに行こう。せっかくちょっとは戦えるようになったんだし)

キリカ(ひとまず………… 今日手に入れた分は、明日さやかの様子を見てから考えようか)



――10日 終了――



キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:1個
・銀[0/100]
・芸術家[2/100]

・操り人形師[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



―――
―――


317 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:27:45.00BxeDmOSB0 (11/25)


さやか(……行こう)

さやか(夕方はともかく、もう訓練もパトロールも終わった後で逃げる理由なんてないんだ)


 扉の前で深呼吸をする。


 恭介のお母さんに部屋に通してもらうと、恭介は椅子に腰かけてバイオリンを弾いていた。

 ……やっと演奏を止めてあたしのほうを見る。


恭介「……さやか?」

さやか「バ、バイオリンの音が聴こえたから来ちゃった」

さやか「とにかく挨拶しておこうと思って来ただけだから……ていうか、なんで連絡してくれなかったのよ」

恭介「ごめんごめん、なんか経過が順調だったから急に予定が前倒しになっちゃったんだ」

さやか「そ、そっか…… まあとにかく、退院おめでとう」

恭介「うん。ありがとう」


 ……こんななんでもない会話にほっとした。

 これだけのことなら、昨日さっさと行っておけばよかった。



318 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:30:36.18BxeDmOSB0 (12/25)


さやか「さっきの、何ていう曲?」

恭介「ああ……あれは僕が作った曲なんだ」

恭介「今度さやかに聴かせようと思って」

さやか「え?」

恭介「でも、一足先に聴かれちゃったね」

恭介「題名はまだ考えてないんだよ。曲が完全に完成したら考えようと思っていて」

恭介「さやか、明日は放課後空いてる? 明日には完成させるよ」

恭介「その曲以外にもまた色々と聴かせたいしさ」

さやか「明日……」

恭介「あ、もちろん予定があるなら無理にとは言わないよ?」

さやか「放課後……うん、……まあ、大丈夫だけど」

恭介「じゃあ、待ってるよ」

さやか「うん、また明日ね」


さやか(……明日も多分訓練とかパトロールとかやるんだろうな)

さやか(でも、そう言ってたら多分またずっと行けなくなる)

さやか(どうしよう、みんなが大変な時に一人だけ浮かれてるなんて正義の味方失格かもしれない)


 長い廊下に出て、もう一度おばさんに挨拶する。


「あら、お帰り?」

さやか「はい。ありがとうございました」

「さやかちゃん、ご機嫌そうね」

「来たときはちょっと表情が硬かったから。よかったわ」

さやか「!」


さやか(……だから、明日だけは、許してください)

―――


319 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 19:52:30.28BxeDmOSB0 (13/25)

―11日 昼休み


 昼休みになると、マミが教室にやってきた。

 昨日の事をみんなにどのタイミングで言おうかと考えて、今日は一日中そわそわとしていた。


マミ「……何か嬉しいことでもあった?」

キリカ「! うん、まあ……」


 本当だったらここで『よくぞ聞いてくれました!』とでも言いたいところだけど、

 どこか気恥ずかしいような、もったいぶりたくなるような気分にもなってしまう。


キリカ「えーとね…………新しい魔法が……」

キリカ「……っていうか、もしかしたら最初からあったのかもしれないけど」

キリカ「それにやっと気づけて、使えるようになって」

マミ「新しい魔法? すごいじゃない!」

キリカ「うん! 今度見せてあげるね。パトロールでも、きっと今度こそ役に立てるから」

マミ「ええ、楽しみにしておくわ」



1自由安価
2やっぱり心持の問題なのかな
3今日の訓練について

 下2レス


320以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 19:58:14.34yuAEI6Px0 (6/10)

食事中に2と3
食べ終わったらマミに一言言ってからさやかにGSを渡しにいく

マミ、さやかに渡したいものがあるからちょっと1年の教室に行って来るね
埋め合わせに放課後に珍しいジュース奢るから



321以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 20:01:25.71Kq84J2fcO (4/6)


追加でさやかに渡す時ソウルジェムの濁りを確認させてもらう


322 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 20:17:33.69BxeDmOSB0 (14/25)


キリカ「……やっぱり、心持の問題なのかな」

キリカ「契約してから何日も経ってるのに自分の魔法も把握できてないなんて人、他にいないんだろうなって思って」


 私に今まで足りなかったのはきっと、自分が倒すんだっていう気持ちや闘争心とかで……

 それに、マミが言ったとおり、使える力が願いから生み出されるとしたら、

 結局自分で考えて出した答えじゃないからこんなに気づけなかったんだろう。


マミ「じゃあ、何か心境の変化があったの?」

キリカ「うーん、別にあんまり変わってないとは思うけど」

キリカ「今までみんなに頼りすぎてたとこもあったのかな、って……」

マミ「とにかく、よかったじゃない」

マミ「今日の訓練もそれを使ったものにしたい? それとも、格闘とか射撃とか、それ以外のにする?」

キリカ「うーんと……」


1格闘訓練
2射撃訓練
3魔法と魔力の扱い方の訓練(魔力-14)
4模擬戦

 下2レス


323以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 20:21:12.93yuAEI6Px0 (7/10)

魔翌力に余裕がないけど3
訓練の後に魔女狩りするだろうし


324以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 20:22:03.51Kq84J2fcO (5/6)

ちょっと不安だが3で


325 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 20:46:31.11BxeDmOSB0 (15/25)


キリカ「じゃあ、魔法の使い方を見てほしいな」

マミ「ええ、了解よ」


 ……箸をおいて、空になった弁当箱を片づける。


キリカ「ちょっと一年生の教室行ってきていい?」

マミ「一年生?」

キリカ「ちょっとさやかに渡したいものがあって……」

キリカ「埋め合わせに放課後に珍しいジュース奢るから!」

マミ「珍しいジュース? 別に気にしなくていいんだけど、そう言われると私の方が気になるわね」

マミ「楽しみにしてるわよ、珍しいジュース」

キリカ「うん!」


 教室を出て廊下に出る。

 階段を下りていく途中で、さやかにばったり会った。


さやか「あ、奇遇ですね。丁度今行こうと思ってたんですけど」

キリカ「何か話?」

さやか「はい……悪いんですけど、ちょっと今日は放課後に予定が入って」

さやか「ああ、別に変なもんじゃないんで心配とかしないでくださいよ?」

キリカ「それは、なんか……態度でわかるけど」



326 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 21:19:05.74BxeDmOSB0 (16/25)


さやか「え! そう見えます?」

さやか「まあそれで……ちょっと今日は訓練出られないって、マミさんにも伝えといてください」

キリカ「あ、うん」

さやか「じゃ、そういうことで!」


 さやかはそう話すと、階段を駆けあがっていこうとする。

 ……その後ろ姿を呼び止める。


キリカ「さやか! 私からもちょっと用事があって!」

さやか「えっ?」

キリカ「この前グリーフシードなくなったっていってたけど、魔力は大丈夫?」

キリカ「昨日あれから魔女と戦って手に入ったから、魔力が少ないようだったら一つ渡そうかと思うんだけど」

さやか「多分大丈夫っすよ。戦えるくらいはあります」

さやか「パトロールで使い魔と戦ったのが最後だから、半分ちょっとくらい?」

さやか「昨日も途中抜けてたし、今日もパトロール参加しないのにもらえませんって」

キリカ「私たちは今日のパトロールでも手に入れられるかもしれないし……」

さやか「それ言ったらあたしなんて、今日は魔力を使うこともないんですよ?」

さやか「パトロールで魔女と会うとも限らないんですし、とっておいてください」

キリカ「あ、うん……」

さやか「それより、昨日はありがとうございました!」

さやか「じゃ、さっきの件よろしく伝えといてください!」


キリカ(昨日はありがとう……か)


 昨日言ったこと、役に立ったのかな。

 そのおかげで元気になってくれたなら良いんだけど……


 ……私も余裕があるとはいえない。

 ひとまず悩みがなくなったんなら、大丈夫なのかな…………?



327 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 21:27:35.06BxeDmOSB0 (17/25)


「呉さん!」


 ……と、後ろからマミの声が聞こえて振り返る。


キリカ「どうしたの?」

マミ「いや、さっき一年生の教室に行くって言ってたから……」

マミ「……あの子たち二年生よ」

マミ「美樹さんに用があるなら、二年生の教室に行かないと」

キリカ「……あ」

キリカ「まあでも、さやかとはさっき偶然会ったから」

キリカ「今日の放課後は用事があるから訓練出られないって」

マミ「え……? 用事って、また何か不安なことでも……」

キリカ「……わかんないけど、なんかちょっと嬉しそうだったよ」

マミ「そうなの? それなら大丈夫かしら」


 ……マミと一緒に教室に戻ることにした。



328以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 21:31:37.46yuAEI6Px0 (8/10)

おや、これはうっかりだ


329 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 21:32:00.81BxeDmOSB0 (18/25)


 ――――……授業を終えて、三人で土手に向かう。

 その途中で、昼話題に出した“例のモノ”の話に移る。


マミ「それで、珍しいジュースっていったいなんなのかしら?」

キリカ「まあ待って、そろそろ着くから」

まどか「ええと、変なものとかじゃないんですよね……?」

キリカ「……どうかな?」

まどか「えぇっ?」



・珍しいジュースの詳細

 下2レス


330以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 21:36:39.27BWqdob/O0 (1/2)

安価↓


331以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 21:38:36.77yuAEI6Px0 (9/10)

微炭酸のアクエリアス缶! これカンボジアで売ってるやつなんだって、珍しいでしょ?


332 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 21:58:09.64BxeDmOSB0 (19/25)


キリカ「なんてね」

キリカ「微炭酸のアクエリアス缶! これカンボジアで売ってるやつなんだって、珍しいでしょ?」

まどか「へえ! それは珍しいですね」

キリカ「ふふふふ、この店でしか売ってないんだよ。この前見つけてさ」

マミ「呉さんは面白いものを知ってるのね」

キリカ「そんなに外を歩くわけじゃないけど、食べ歩きとかお店巡るのは好きだから」


 ……今まで一人で楽しんでいたけど、それを誰かにわかってもらえるのは嬉しかった。

 訓練前に土手の芝生の上で飲んで一息つく。


まどか「……あの、さやかちゃんの用事ってみんなは聞いてますか?」

キリカ「用事があるってことは聞いたけど、内容までは」

マミ「鹿目さんは知ってるの?」

まどか「はい。今日は上条君の家に行くんだって言ってました」

マミ「あら、退院したのね」

まどか「はい。さやかちゃんは上条君の腕の怪我を治すために契約したんです」

まどか「この前退院して、今日はさやかちゃんのために作った曲を聴かせてくれるって……」

キリカ「上条君て、バイオリンが得意だったんだっけ」

まどか「はい」

マミ「なるほどね……」


 ……もしかして、昨日悩んでたのもそのことについてだったのかな。


1自由安価
2新しい魔法の話(まどかに)

 下2レス


333以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 22:11:03.34Kq84J2fcO (6/6)

2
わざわざまどかにって注釈があるけど何か深い意味あるんですかね?


334以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 22:14:17.37yuAEI6Px0 (10/10)

2の前にまどかに上条の事を聞いてみる
話からさやかが上条に好意を抱いてると感じたら色々考えてみる

まどか、さやかはその上条君の腕の怪我を治す為に契約したんだよね?
もしかしてさやかはその上条君のことが…

(そうでもなければ魂を石ころににして命懸の戦いに踏み入ろうとは思えないよね
 好きな人のため、か…家族のために契約した佐倉さんも契約したときはさやかと同じような想いだったのかな?
 それにしてもその上条君がさやかの想いを受け止めてくれればいいんだけど…佐倉さんのようにならなければいいんだけど)


335 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 22:30:40.93BxeDmOSB0 (20/25)


 ……前に上条君の話をした時のさやかの反応を思い出す。


キリカ(恋の悩みっていうなら、さやかでも悩んじゃうのはしょうがないのかなぁ)

キリカ(その人のためにわざわざ魂を石ころにして、命懸けの戦いに踏み入ろうとまでしたんだもんね……)


キリカ「まどか、やっぱりさやかはその上条君のことが……」

マミ「それはやっぱりそうなのよね?」

まどか「あ、はい。そのことで前に相談されたこともあって」

キリカ「ふーん……」


 好きな人のため、か……。

 家族のために契約した佐倉さんも、契約したときはさやかと同じような想いだったのかもしれない。



キリカ(その上条君がさやかの想いを受け止めてくれればいいんだけどな……)

キリカ(私はもう受け入れてもらえなくていいって思って契約したけど)

キリカ(魔法少女のことがあってもなくても、さやかは報われてほしいな)



336 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 22:43:58.30BxeDmOSB0 (21/25)


マミ「さっ、そろそろ訓練はじめましょうか」

キリカ「その前に聞いて! えっとね……私、新しい魔法使えるようになったんだよ」

まどか「えっ? おめでとうございます!」

キリカ「早速披露したいんだけど……ちょっとわかりづらいかなぁ」

キリカ「マミにもちょっと手伝ってもらうけど…………」

マミ「ええ、何をすればいいの?」


 ……鞄を置いて奥に進むと、マミと距離を取っていく。

 それから向き合った。


キリカ「ちょっと撃ちこんでみて」

マミ「えっ? えっ?」

キリカ「なににも当てなくていいからこっちのほうに」

マミ「わかったわ……いくわよ?」


 金色の銃弾。飛んでくる魔力。

 それが、ある場所を境にわずかに減速し、その光が小さくなる。


まどか「ええっと……?」

マミ「魔力が小さくなった、っていうか、何かにかき消されたような」

キリカ「さすがマミはすごいね……」

キリカ「なんか……地味だけど、多分役には立つと思うから、うん」


 ……反応の微妙さがちょっと悔しいけど、しょうがない。

 これが私の願いから生まれた魔法、か。



337 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 22:59:28.72BxeDmOSB0 (22/25)


マミ「すごいと思うわよ、拗ねないで!」

まどか「そうですよ! チーム戦じゃ役立つし実戦向きですって!」

キリカ「……いいよもー。どーせ派手な攻撃手段はないって」


 だからこそ、結局地道な訓練は必要になる。

 魔法だけを頼るわけにもいかない。

 ただ、少しだけ戦いやすくするっていうのが今のところの私の取り柄だ。


マミ「それに、鍛えていけば、応用次第ではすごく強くなれるかもしれないわよ?」

キリカ「本当?」

マミ「本当よ。佐倉さんだって最初は分身を一つ出せるだけだったけど、今は…………」


 ……そこまで言って、マミが言葉を切った。

 今は、知らない。別れてから、ずっと会うこともなかったんだから。


マミ「今、どうしてるのかしらね……」

まどか「……やっぱり、気になりますか?」

キリカ「…………訓練しよ。私のももっと上手に使えるようになるかもしれないし」

マミ「ええ」


――――――

――――――




338 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 23:16:53.55BxeDmOSB0 (23/25)


★新技習得 魔力阻害(重)

・魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。


キリカ 魔力[118/130] 状態:正常
GS:1個
・操り人形師[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



 ……訓練を終えて、キュゥべえに使用済みのグリーフシードを二つ投げ渡した。


QB「お疲れ様。新しい魔法なんて、すごいじゃないか」

キリカ「……どうも」

キリカ「でも、キュゥべえは推測できたんじゃないの?」

QB「まあわからないからね。実際に使ったのは昨日が初めてなんだろう?」

キリカ「その前にも使ったかもしれないけど……」

QB「同じような願いでも素質や契約時の精神によって出来ることが左右されることはあるよ」

QB「ただ、君の素質ならそういう魔法を使えてもおかしくないとは思ってたけどね」

キリカ「……」

まどか「キリカさん、強いの……?」

QB「まどかほどじゃないし心配するほどじゃないよ。現に何も問題は起きてないだろう?」

マミ「それなら呉さんももっと自信持ってよ!」


 強い強いって、そう言われても皮肉にしか聞こえなかった。

 私なんて魔女を倒すのにも一人じゃあんなに苦戦してたのに。



339以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 23:22:08.98mu4yL0b00 (1/2)

そういえばゆまちゃんはこの時間軸ではどうなったんだろ?
杏子に保護されてると良いんだけど


340 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 23:27:34.73BxeDmOSB0 (24/25)


 鞄を取って立つと、今日もパトロールに出発する。


マミ「キュゥべえ、今日の夜ごはんは何か食べたいものはある?」

QB「僕は何でもいいよ」

マミ「もう。作る側からするとそれが一番困るんだから」

QB「マミはなんでもうまく作れるだろう?」

マミ「まあ、そう言ってくれるのは嬉しいんだけどね……」


キリカ(……)


 ……少し後ろをついてくるキュゥべえを見て、スカートの後ろを押さえる。

 マミは長いこと一緒に暮らしてるみたいだけど、無防備すぎないかなぁ。



下1レスコンマ判定
 0~20 使い魔
 21~40 魔女


341以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 23:32:58.27mu4yL0b00 (2/2)

魔女


342以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/30(日) 23:44:24.86BWqdob/O0 (2/2)

>>341
おめでとう


343 ◆xjSC8AOvWI2017/04/30(日) 23:56:55.79BxeDmOSB0 (25/25)


QB「近くに魔女が居るようだよ」

マミ「ええ、わかっているわ。行きましょう」

キリカ「うん……!」


 マミと二人……

 ベテランでも、マミにばかり負担をかけすぎないように頑張らなくちゃ。


―鳥かごの魔女結界



 結界の最深部まで進むと、目の前に鳥のような使い魔がバサバサと飛んできた。


キリカ「うわっ……!」

マミ「使い魔は私が相手するわ。呉さんは奥の魔女のほうに!」

キリカ「わ、わかった……!」


 剣を振るっても上手く当たらない。何度も魔力で吹き飛ばすのも無駄が多い。

 マミが使い魔をてきぱきと撃ち落として援護してくれるのがありがたかった。


 なんとか足場を渡って結界の奥の大きな鳥かごのほうに近づいていく。

 見てみると、魔女は大きな鳥かごの中で、足だけが閉じとめられているような姿をしている。


キリカ(……どうやって攻撃しよう?)


 鳥かごが宙に釣られるようになっていて、距離がある。

 ……鳥かごが動き出した。


キリカ(!)



キリカ 魔力[118/130] 状態:正常
GS:1個
・操り人形師[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Roberta <-攻撃対象
  Gotz×4

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。
7魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。

 下1レス


344以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/01(月) 00:00:48.73uQ0Ib1DF0 (1/2)

5


345 ◆xjSC8AOvWI2017/05/01(月) 00:19:22.68HPFe/qEL0 (1/2)



キリカ(こいつ、このまま押しつぶしてくる気か――!)


キリカ「っ……!」


 小刀を周囲に浮かばせ、その切っ先を魔女に向ける。

 近づいてくる前にその刃を撃ち込んでいく。


マミ「……お疲れ様。なんとかなったわね」


 ……魔女を倒すと、マミが構えていた鉄砲を下ろした。


キリカ「うん、なんとか……」


 なんとか、最後までマミに頼りっぱなしになることは避けられたらしい。

 大きな鳥かごの代わりに上空から落ちてきたグリーフシードを拾う。


マミ「呉さん、今グリーフシード少ないんだっけ?」

キリカ「え、まあ…… でも少ないのはみんな一緒じゃ?」

マミ「私もまだ一つはストックがあるから大丈夫よ」

キリカ「そう……じゃあ一応もらっておくけど……」



 ……やっぱり少ないのは同じだった。

 でも、今までの戦いを考えてもさやかが今まで一番負担かかってたのかな、なんて思った。



キリカ(……やっぱり明日は渡そう)



★浄化しました


キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:2個
・操り人形師[63/100]
・鳥かご[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


346 ◆xjSC8AOvWI2017/05/01(月) 00:20:21.42HPFe/qEL0 (2/2)

-------------------
ここまで
次回は4日(木)17時くらいからの予定です


347以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/01(月) 00:21:03.60LhZoGIAn0 (1/1)


コンマをなんとかできないものか……魔女3連発とかできないかな


348以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/01(月) 00:22:24.49uQ0Ib1DF0 (2/2)

乙です
キリカはこの後一人で魔女狩りかな?


349 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 17:07:11.828ac0uCaX0 (1/19)


まどか「お疲れ様です」

まどか「ええと、次はこっちの道ですね」

マミ「ええ。あと一か所回ったら解散にしましょうか」



 人気のない建物の裏から出て、再び歩き出す。


 ……今度はキュゥべえはマミの腕の中に居る。

 そうしてるとただのぬいぐるみみたいなんだけど。



下1レスコンマ判定
 0~20 使い魔
 21~40 魔女


350以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 17:08:48.99ktWI26+PO (1/4)




351以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 17:22:38.10BH2FFFDS0 (1/4)

GSが圧倒的に足りないから何回かチャンスが欲しい


352 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 17:30:14.198ac0uCaX0 (2/19)


 …………決めていたコースを回って、足を止める。

 今日の収穫は一個……か。


キリカ(私だって本当はそんなの気にしたくなんてないんだけどな……)


マミ「それじゃ二人とも、また明日」

まどか「はい! マミさんもキュゥべえも、また明日ー」

キリカ「うん……またね」


 まどかと一緒に帰り道を歩き出す。

 キュゥべえはまだマミの腕の中だ。


キリカ「マミは契約してからずっとキュゥべえと一緒に居るんだよね……」

まどか「そうみたいですね。魔法少女の活動以外の時でもよく一緒に暮らしてるとかで」

まどか「大切な友達なんだって言ってました」

キリカ「友達、かぁ……」



1自由安価
2まどかはキュゥべえについてどう思ってる?

 下2レス


353以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 17:31:30.95BH2FFFDS0 (2/4)

2

GSは本当にどうすればいいかな……


354以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 17:31:51.729B9X8Umh0 (1/5)

2+まどかと別れた後に前回同様1人で魔女狩り


355 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 17:40:31.058ac0uCaX0 (3/19)


キリカ「まどかはキュゥべえについてどう思ってる?」

まどか「わたしは……」

キリカ「……まどかは、知ってるでしょ」

キリカ「キュゥべえが私たちに隠し事をしたまま契約してたこと」


 それ以上の真実を知ってしまったら、どこか強い口調になってしまうのはしょうがない。

 絶対にマミの前では口に出来ないし、察せられたくもないからあまりあいつのことは口に出さないようにしてた。


まどか「それは、そうですけど……っ」

まどか「やっぱり誰かを嫌いになんて、できるだけなりたくないです……それがマミさんの大切な友達ならなおさら」

まどか「でも、もしそれを知ることでマミさんが傷ついたら…… やっぱり、嫌に思うと思います」

キリカ「…………そうだね」


 住宅街の中、小さな交差点で足を止める。

 信号が青に変われば、ここでまどかともさようならだ。


キリカ「また明日」

まどか「はい。また明日」



356 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 18:03:09.278ac0uCaX0 (4/19)


キリカ「……」


 ……交差点を曲がって、家を通り過ぎて歩き出す。

 今日ももうひと踏ん張り、魔女を探し歩くことにした。



 ――…………あたりが暗くなってくる。

 今日回っていないところを回っているけど、主要な場所にはその気配を感じられない。


キリカ(やっぱり、他の人も探してるから……?)


 携帯を片手にニュースをチェックしながら歩いて、やっぱり使えそうな情報が見つからなくてため息をつく。

 マミ以外の魔法少女は使い魔を倒さないのが普通らしい。

 やっぱり、魔女に成長する前に倒すならこの街は魔女の数も少なくなってるのかな。


キリカ(使い魔に会ったら……どうしよう?)

キリカ(放っておいたら誰か死ぬかもしれない。人間を食って魔女に成長するんだもんね)

キリカ(……そんなこと考えちゃ駄目か。マミに顔向けできなくなる)




下1レスコンマ判定
 0~50 使い魔
 51~99 魔女


357以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 18:03:35.57XuRvN7mmo (1/2)

たあっ


358以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 18:06:25.659B9X8Umh0 (2/5)


ナイス!


359以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 18:06:50.59BH2FFFDS0 (3/4)

>>357
オメ。あと魔女募集はまだしているんだっけ?
やり方忘れたから必要な項目を作ってほしいな。終わりの時でいいから


360 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 18:17:51.408ac0uCaX0 (5/19)


 ――……ああ、本当に考えたくないなぁ。


 携帯に表示される時計を眺めながら、日が沈んで暗くなる時間に更に暗いほうへと歩みを進めていく。

 結界はそんな、入り組んだ場所にあった。



―薔薇園の魔女結界



キリカ「ふう……――」


 深呼吸をして、最深部らしき扉を開ける。

 すると、そこには綿あめの使い魔と、飛び回る目玉だらけの使い魔……

 それから、奥には大きな怪物が鎮座していた。


キリカ(……魔女はまだこっちに気づいてない?)

キリカ(でも、戦いを始めたら気づくかな……)




キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:2個
・操り人形師[63/100]
・鳥かご[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Gertrud
  使い魔(Anthony)
  使い魔(Adelbert大)
  使い魔(小)


1近くの使い魔(小使い魔)から倒しに行く
2魔女のほうに駆ける

 下1レス


361以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 18:20:15.169B9X8Umh0 (3/5)

2


362 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 18:35:52.148ac0uCaX0 (6/19)



 気づかれずに戦うなんて無理だ。

 ――ひとまず魔女のほうに駆けだすと、その途中で足を何かが地面に引き留め、思わず転びそうになった。


キリカ「……っ!」


 ぶちぶちと小さいものを踏んだ感触。

 地面を這う小さな使い魔が、集まって茨のようになっていた。


キリカ「離れろ……っ!」


 足を地面から離そうと踏ん張っているうちに、使い魔が接近してきている。

 ――――奥の魔女がこちらに気づいて、その巨体の下にある椅子を飛ばそうとしている――


 右手に作り出した刀を振るって茨を剥がし、横の方に飛び退く。

 近くに迫ってきていた分の使い魔は椅子に潰された。

 しかし、見上げればすぐ上に鋏を振り上げた使い魔の姿があった。


キリカ「ひっ……」


 腕を上げて身を竦ませる。

 ――誰か助けて。

 この期に及んでそう思ってしまった自分に怒りがわいた。



363 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 19:04:55.238ac0uCaX0 (7/19)


キリカ(腕……)

キリカ(こっちを犠牲にするほうがまずいのに)


 ――せめて剣で受ければよかった。

 ただその重い金属を振り上げるのが億劫で、咄嗟の判断ができなかった。


キリカ「えいっ……!」


 今度こそ右手を振るって風で吹き飛ばし、使い魔と間合いを取る。

 ハッと気づいた時には、結界の奥から魔女の姿が消えていた。


キリカ「えっ……!?」


 ――大きな影が落ちる。

 見上げると、翅を羽ばたかせ、こちら目掛けて降ってくる巨体があった。



キリカ「きゃああっ!」



 ――――ああ、本当にどんくさい。

 体重の重みじゃ、魔法でも防げない。

 咄嗟に取った行動は、避けたというよりは逃げたというのに近かった。

 後ろに聞こえた衝撃音と地面の揺れに、やっとその巨体に向かい合って、戦闘態勢に入る。



キリカ 魔力[125/130] 状態:負傷(中/左腕)・右一刀
GS:2個
・操り人形師[63/100]
・鳥かご[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Gertrud

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。
7魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。

 下1レス


364以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:06:19.719B9X8Umh0 (4/5)

5


365以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:07:07.48ktWI26+PO (2/4)

3b



366 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 19:16:07.348ac0uCaX0 (8/19)


キリカ「っ……!」


 踏み込もうとした瞬間、魔女もあのわたあめの使い魔と同じように鋏を出してくる。

 ……後ずさって、いくつか周囲に浮かばせた小刀の刃を撃ち込んでいく。


 ――回り込むように走る。

 正面から斬り合いなんてカッコいいけど、それで勝てるような技術も度胸もない。



キリカ 魔力[100/130] 状態:負傷(中/左腕)・右一刀
GS:2個
・操り人形師[63/100]
・鳥かご[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:Gertrud

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※[格闘Lv]+マイナス補正20 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。
7魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。

 下1レス


367以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:17:52.78ktWI26+PO (3/4)

2


368 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 19:46:37.408ac0uCaX0 (9/19)


 刃を振るうと、魔女の背に一筋の傷が刻まれる。

 ――すると、鈍く響くような警告音が上から発せられて思わず身を強張らせた。


キリカ(なんなのもう……っ!)


 左手に小刀を増やして構える。

 魔女がこちらを振り向く前に、魔女の背を抜けるように走り出しながらもう一閃剣を振るう。


キリカ(当たれっ、的は大きい!)


キリカ「えい、やぁっ……!」


 ……背に小刀を投げ込むと、魔女は警告音のような音を響かせながら消えていった。

 グリーフシードを掴んで、やっと力が抜けて狭い路地にへたり込む。

 携帯を出してみると、また家から着信があった。右上の時計を見て更に驚く。


キリカ「ええっ! やっば……早く帰ろう……」


 ――瞬間、耳元で翅の音が聞こえて身体を強張らせた。

 ……光に釣られてやってきた虫か。


キリカ「気持ち悪いなぁ……こんなところにポイ捨てするから虫なんて湧くんだよ……」


 やっぱり人気のない入り組んだ道なんて、あまり長居したくもない。

 さっさと怪我を治して帰ることにした。


――11日 終了――


★浄化しました


キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:3個
・操り人形師[12/100]
・鳥かご[100/100]
・薔薇園[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


369 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 19:53:24.818ac0uCaX0 (10/19)

―12日 昼休み



キリカ(二年生の教室……だよね)

キリカ(今度こそ間違えないぞ……)


 昼食を終えてマミと別れると、階段を下りて、廊下に並ぶ教室を見渡していく。

 しかし、歩いているうちに一周してしまった。


キリカ(何組だっけ……)


 首をかしげながらもう一周を歩き出す。

 もしかしたら、トイレにでも行ってるのかもしれない。そうじゃなかったら、行き違ってるのかも。

 また私たちのクラスまで来てくれてたってこともあるかな……


キリカ(……とりあえず一旦戻ってみようか)


 結局、階段を上がって来た方を戻っていく。

 ――……自分の席に戻って、机に肘をついて俯く。

 マミももう自分のクラスに戻ってる。久しぶりに一人になった昼休みはなんだかやけに寂しく感じる。

 ……どうしようかな。昼休みの時間も半分くらいが過ぎている。



1マミのとこに行こう
2もう一度下に行こう
3自分の席で適当に過ごそう

 下2レス


370以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:54:56.93BH2FFFDS0 (4/4)

1
マミに確認しておくんがいいんじゃないか?


371以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:56:28.199B9X8Umh0 (5/5)

2
まどか達って屋上で弁当食べてたからそろそろ戻ってるの期待


372以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 19:56:51.02ktWI26+PO (4/4)

2


373 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 20:22:03.518ac0uCaX0 (11/19)


 ……やっぱもう一度下に行ってみよう。

 どっかに行ってたんだとしたら、そろそろ戻ってるかもしれないし。


キリカ(……いない…………)

キリカ(……あれ? まどか……一人?)


 中に見知った姿を見つけて、とりあえず教室に入ってみる。

 まどかに聞いてみればわかるかな。


キリカ「まどか、さやかがどこに居るか知らない?」

まどか「こんにちは、キリカさん。さやかちゃんは多分、まだ屋上に居ると思います」

キリカ「そっか、ありがとう」


 教室から出て階段を上っていく。


キリカ(屋上か…………)

キリカ(なんでそんなところに? もしかしてお昼そこで食べてるのかな……)


 ――――そう思った時、さやかが上の階から降りてくるのが見えた。


キリカ「あ、さや…………」


 声をかけようとして、やめる。


キリカ(友達と一緒か……)

キリカ(……特に今日は抜けるとも休むとも聞いてないし、放課後に渡せばいいか)


 魔法少女のことを知らない人の前じゃ話しはできない。

 知らない人と一緒にいるのがなんとなく話しづらく感じたっていうのもあるんだろう。

 ……結局、自分の教室に戻ることにした。



374 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 20:38:22.868ac0uCaX0 (12/19)


 ――――放課後になって、いつもみたいに下駄箱の前で待ち合わせをする。

 ……しかし、いつまで経っても後輩の二人が現れなかった。

 マミの隣で携帯をチェックしながら待つ。


キリカ「……なんか連絡きた?」

マミ「いいえ……そっちは?」

キリカ「そっか……こっちもきてないよ」


 一度こっちからも電話してみようか?

 そう提案しようとしたところで、まどかが走ってきた。


マミ「鹿目さん……美樹さんは?」

まどか「それが……探してたんですけどいなくて、もう帰っちゃったみたいで……」

まどか「……電話してみたら、『用事ができたから休むって言っといて』って…………」

キリカ「用事……?」

マミ「美樹さん、そういう時いつも連絡してくれてたのに」

キリカ「どうする……?」

まどか「わたし、ちょっとさやかちゃん家に行ってきます」

まどか「二人は先に訓練場に向かっててください」

マミ「……ええ」



375 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 20:54:11.358ac0uCaX0 (13/19)


 ……二人で土手に座り込んでいる。

 マミがぽつりと口を開いた。


マミ「…………美樹さん、もう訓練が嫌になったってことはないわよね……」

マミ「例の彼ももう退院したんでしょう? 昨日も一緒に過ごしたんでしょうし、そっちのほうがきっと楽しいわ」

マミ「こんなこと、続けたくなんてないわよね……」

キリカ「……さやかは、簡単に投げ出したりする人じゃない…………と思う」

マミ「…………ええ、そうね」



 ……マミは一度一緒に居たはずの弟子が離れていった経験がある。

 だから、こういう時、そのことを思い出して心配になってしまうんだろう。



1自由安価
2きっと明日にはまた顔出してくれるよ
3さやかはむしろ気負いすぎてるのかもしれない
4訓練始めよう

 下2レス


376以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 20:56:24.98XuRvN7mmo (2/2)

1 魔女の弟子なら秘密の場所で
  修行して必ず帰ってくるはずよ


377以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 21:05:52.85fMTSaYDR0 (1/1)

…マミは佐倉さんと仲直りしたいの?
マミにとって佐倉さんは初めての仲間だし、離れていってしまった理由もわかってるんだよね?
ならさ、一度話し合って自分の気持ちをぶつけてみたらどうかな?
こんな事偉そうに言ってるけどさ、私には出来なかったんだ…何だかんだ自分に言い訳して結局どうにもならなくてそんな自分が嫌になっただけなんだ
だから、マミには私みたいになってほしくはないかな…


378 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 21:22:25.298ac0uCaX0 (14/19)


キリカ「……マミは佐倉さんと仲直りしたいの?」

キリカ「マミにとって佐倉さんは初めての仲間だし、離れていってしまった理由もわかってるんだよね?」

キリカ「ならさ、一度話し合って自分の気持ちをぶつけてみたらどうかな」

マミ「でももう、こっちに来る気もないのよ……?」

マミ「あの時、戦いじゃなくて本当はお互い話し合いで決着をつけるべきだったの」

マミ「何かを思ってこっちに来たはずだったのに、気づけずに傷つけちゃったから、きっともうこっちには戻ってこないわ」

キリカ「会いに行こうよ…… そんなに遠くはないんでしょ」

キリカ「こんな事偉そうに言ってるけどさ、私には出来なかったんだ……」

キリカ「何だかんだ自分に言い訳して結局どうにもならなくてそんな自分が嫌になっただけなんだ」

キリカ「だから、マミには私みたいになってほしくはない、かな……」

マミ「…………」

キリカ「でも今日はまどかを待ってここで訓練しよ」


キリカ「きっと、さやかも明日にはまた顔を出してくれるよ」


―――


379 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 21:38:30.848ac0uCaX0 (15/19)

―――


さやか「なにやってんだろ…………」

さやか「……これじゃ、ホントに正義の魔法少女失格だ」


 今はみんなと顔を合わせたくなかった。

 心配されるのも嫌だった。

 訓練になんて行ったら、絶対に何かあったってバレてしまう。


さやか(正義の魔法少女……か)

さやか(どうしよう。 そうなったこと、今になって後悔しそうになっちゃってる)


 だから、連絡を入れる勇気すらなく、音もなく消えることを願っていた。

 ……大げさだ。

 昨日まで浮かれてたというのに、一気に現実を叩きつけられたような気がした。


さやか「……ん?」


 イヤホンから流れていた音楽が途切れると、チャイムの音が鳴った気がした。



380 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 21:44:50.548ac0uCaX0 (16/19)


まどか「さやかちゃん……いないのかな」


 ――二回目のチャイムを押してみて、数秒経つ。

 まどかが帰ろうとしたところで、扉が開いた。


さやか「…………まどか? どうしてここに」

まどか「ちょっと心配になって来ちゃった」

まどか「部屋の明かりはついてたし、居るかと思って……二回もチャイム押しちゃった。ごめんね……」

さやか「ごめん、音楽聴いてたから聞こえてなかった……」

さやか「……まったく、どんだけ心配性なのよ。もう……っ」


まどか「……さやかちゃん、昼休み終わった後から元気なかったよね」

まどか「仁美ちゃんと何かあったの?」


―――


381 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 22:10:21.308ac0uCaX0 (17/19)

―――


マミ「どう? 私の体術も結構いけるでしょ? 久しぶりに良い運動になったかも」

キリカ「ほんと反則だよ、格闘もできる銃使いなんて……っ!」


 結局、今日はマミと組手をしていた。

 ……研究熱心なマミらしい、セオリーに則った動き。

 ある意味では下手したらさやかより手ごわいかもしれない。

 もしさやかが来たらまたさやかともやろうと思っていたけど、結局まどかもさやかも戻ってくることなく日が暮れかかっていた。


マミ「……そろそろ休憩にしましょうか」

キリカ「うん……」


 ……一旦訓練を休憩にして携帯をチェックしてみると、

 まどかからメールが来ていた。


キリカ「……! マミ、まどかからメールが」

マミ「……ええ、こっちにも来てるわ」



382 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 23:00:20.578ac0uCaX0 (18/19)


キリカ(……まどかが、さやかと喧嘩した……?)

キリカ(喧嘩っていうか、すれ違いみたいなものかな)


 ……画面の中の文字を追っていく。


 さやかのほかにも上条君のことを好きだっていう友達がいて、

 先に告白するかしないかで悩んでるってことらしいけど……


 昼休みの時友達と一緒に居るのを見たのを思い出す。


キリカ(あの子、か……)

キリカ(普通だったら、そっとしておいてあげてもって思うかもしれないけど)


 ……結局、さやかも受け止めきれてなんていなかったんだ。

 普通の女の子と魔女を倒す使命を背負った石ころの自分じゃ、比べたらどうしたって引いてしまう。


 ――まどかが探しているものの、さやかはそれからどこに行ったかわからないらしい。


マミ「……美樹さん、そんなことで悩んでたなんて」

キリカ「!」

マミ「少しだけ、よかった、って思っちゃった……私や魔法少女の活動が嫌になったわけじゃないって知って」

キリカ「ええと…………」

マミ「……美樹さんに教えに行きましょう。戦いばっかりじゃなくて、そういうの優先したっていいんだって」

マミ「美樹さんはそうしたって、私から離れないでいてくれるのよね?」

マミ「何も言わずに離れられるほうがずっと嫌だもの」

キリカ「…………うん」

キリカ「さやかを探しに行こっか」



 ……結局強くなんてなかったんだ。みんな。

 私も、さやかも、マミだって。


 なのに、私は勝手に自分だけが弱いと思い込んで。

 さやかを自分とは違う強い存在だと思って憧れてた。




383 ◆xjSC8AOvWI2017/05/04(木) 23:16:35.458ac0uCaX0 (19/19)

-------------------
ここまで
次回は5日(金)17時くらいからの予定です



こちらが魔女募集の項目です
次スレから>>1あたりにも入れようかなー


・【安価内容】の魔女(思い浮かんだものがあれば魔女名も)

・攻撃方法/見た目/特徴/性質/弱点など



384 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 17:02:55.07k/mqEvuR0 (1/20)


 ――……マミと別れて、反対方向に街を歩いていく。

 とりあえず二手に別れてさやかを探すことにした。


 夕方から夜に変わる時間帯の繁華街は、人混みがその密度と勢いを増していた。


 しかし、魔女や使い魔のように近くに居ても反応があるわけでもない。

 広い街の中、多くの人が行き交う中から一人を探し出すことがどれだけ難しいか痛感させられる。


キリカ(まどかがさやかと別れてからも、もうそこそこ時間が経ってる……)

キリカ(どこに行ったかなんて、もう推測もできないな…………)




 場所移動
・繁華街[現在地]
1駅前
2公園
3病院

4まどかに連絡
5マミに連絡
6自由安価

 下2レス


385以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 17:18:10.64nkDXfukg0 (1/1)

1


386 2017/05/05(金) 17:42:29.73ynywUpK+0 (1/1)

1で5


387 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 17:59:12.58k/mqEvuR0 (2/20)


 直進して繁華街を駅前のほうに進んでいく。

 人混みの中を見回すが、広い上に人が多すぎる……


キリカ(人が多い場所には行かない……かなぁ)

キリカ(いや……どうだろう)


 携帯を見てみるが、着信はない。

 一旦こっちからも連絡を入れてみるか。

 マミは工業地帯や人気のない方向を見に行ったはずだ。


マミ『……見つかった!?』

キリカ「いや…… そっちもまだみたいだね」

マミ『ええ……』



1自由安価
2まどかからは連絡は?
3さようなら

 下2レス


388以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 18:00:14.39ZEtFkxdr0 (1/2)

2


389以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 18:06:13.52K5OPk/hu0 (1/8)

2のあとキュウベェを呼んでみる


390 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:13:49.51k/mqEvuR0 (3/20)


キリカ「まどかからは連絡は?」

マミ『いいえ……』

キリカ「……そっか」

キリカ「何かわかったら連絡しよう。じゃあまた探し歩いてみるよ」

マミ『ええ』


 ……通話を終了する。

 キュゥべえ……は連絡手段がない。

 偶然こっちについてきていれば別だけど、そしたらさやかの居場所も知るわけない……か。

 一応、まどかにも電話してみようか。


キリカ「…………あれ?」


 1回、2回とコール音が鳴り、5回、6回と繰り返される。

 ……出ない。


キリカ(気づいてないのかな……)


 通話終了のボタンを押して、携帯をポケットにしまう。

 ……再び人混みの中を歩き出すことにした。



391 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:15:08.08k/mqEvuR0 (4/20)

――――――……


 まどか『――――仁美ちゃんと何かあったの?』

 さやか『いや……別に仁美が悪いとかじゃないよ? 喧嘩したわけでもないし』

 さやか『それより悪いね。今日は行こうと思ってたんだけどな……』

 まどか『……そう、だよね。そのために放課後は忙しいからって、仁美ちゃんとの話を昼休みにしたんだもんね……』

 まどか『仁美ちゃんと何を話したの?』

 まどか『上条君が今日学校に来たのと、何か関係あるの……?』


――――――……


 日の傾いた公園は、街灯の明かりがつき、噴水がライトアップされていた。

 そこに足を踏み入れて、まどかはがくりとうなだれた。


まどか「…………さやかちゃん」

まどか「どこに行ったの……」


――――――……


 さやか『……仁美も恭介の事好きなんだって』

 さやか『告白するんだって……』

 まどか『そんな……さやかちゃんはどうするの?』

 さやか『告白? できるわけないじゃん。あたしはもう人間じゃないんだよ』

 まどか『さやかちゃん、そんなこと……』


 さやか『……人に戻ったまどかに言われたくないよ。まどかはただあたしたちに着いてきてるだけじゃん』


 さやか『でももう、みんなにも今は顔合わせたくないんだよ……!』

 まどか『今は………… いつか、戻るん……だよね?』

 さやか『……どうだろうね』

 さやか『やっぱりあたしはみんなと肩を並べられるような人じゃないから』


――――――……


392 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:16:49.08k/mqEvuR0 (5/20)



まどか「わたしが契約すれば、さやかちゃんは救えるのかな……?」

まどか「…………なんでキリカさんはわたしなんかのために契約したんだろう」


 手の中に思い出す。弓を構え、魔力を射る感覚。

 強くて、強すぎて戦えない自分の素質。


 ずっと悔しかった。

 今ではその力も失い、普通の人間として、戦いも怖さも痛みも味わうことなく暮らしている。


 でも、奇跡を起こすくらいなら……――


まどか「…………」



 大きな噴水の水飛沫の音の中に、硬い靴の音が響き、近づいてくる。


まどか「さやか、ちゃ……」


 その音が止まると、公園の灯りがぼんやりと背後から背の高い影を照らし出す。


「…………」


 ――祈るような思いを込めてまどかが振り向く。

 しかしそこに立っていたのは、あの時歩道橋で見た魔法少女――――美国織莉子だった。


まどか「……!」


織莉子「……愚かだわ。私が何をするまでもなく貴女達は自滅する運命」

織莉子「貴女達の『正義』なんてその程度のまやかしに過ぎない」

織莉子「誰にも認められなくてもいい。誰もわかってくれなくてもいい……――私が、真実の正義を遂行するまで」



393以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 18:21:31.31K5OPk/hu0 (2/8)

織莉子来たか


394 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:28:38.29k/mqEvuR0 (6/20)

―――


マミ「……!」


 ……――マミが足を止め、駐車場の中を駆け上がる。

 二つ分の魔力の波動。使い魔の結界が消えて、その中から姿を現す。


マミ「見つけた……っ!」

さやか「……マミさん」


 衣装に血が滲んでいる。

 さやかは変身も解かないままうずくまっていた。


マミ「怪我してるの……?」

さやか「……来ないでよ」

マミ「ねえ……みんな心配してるわ。チームに戻りましょうよ」

マミ「今みんなにも連絡するから……」

さやか「…………」

マミ「……鹿目さんから聞いたわ。上条君のことで、友達とトラブルがあったそうね」

マミ「それで今、告白するかしないか、迷ってるって……」

マミ「そのことで悩んでいるの?」

マミ「……だったら、勘違いしないでほしいの」

マミ「自分のプライベートを犠牲にすることはないのよ。私たちは魔法少女だけど、その前に美樹さんは美樹さんなんだから」

マミ「私はずっと一人で友達と遊ぶ時間も取れなかったけど、今はそれを後悔してるの」

マミ「これからはそういう時間も増やしていこうって思ってる」

マミ「だから、そんなことを理由に諦めないでよ。恋愛しながらでもいいじゃない」

マミ「むしろそれって素晴らしいことよ。みんな応援するし、誰も迷惑になんて思わないわ」

さやか「『そんなこと』? そんなふうに言わないでくださいよ。あたしたちの使命はそれしかないのに」

マミ「そんなことはないわ。確かに街を守るのは大切な使命だけど、それ以外にだって……――」



395 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:33:30.88k/mqEvuR0 (7/20)


 ……さやかが立ち上がり、マミのほうに振り向く。

 その姿を見た時、マミは目を見開いた。


さやか「――だってあたしたちゾンビなんだよ? 契約した時から!」

さやか「そんな身体で人間と同じように過ごせるわけないじゃん!」

マミ「ちょっと待って……何を言っているの……?」

マミ「酷い怪我だわ、今すぐ治さないと……」

さやか「だから、必要ないでしょ……!」

さやか「こんなの治そうと思えばすぐに治せるし」

さやか「別に治さなくったって問題なんてないんだから」

マミ「…………」

さやか「……だってあたしたちってもう、石ころなんでしょ?」

さやか「これが無事な限り死ぬことがない……身体はただの飾りで死んでるみたいなもの」

さやか「マミさんは強いんですね……」

さやか「いや、まどかも、キリカさんも…… きっと弱いのはあたしだけ」

さやか「ちゃんと覚悟してなったはずなのに……やっぱりあたし、ダメだったから……」

さやか「だからもう、魔法少女でいる資格もないんです」


 ずるり、ずるりと重い身体を引きずりながらさやかが歩いていく。

 ……マミはその場で茫然として、追うこともできなかった。


―――


396以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 18:38:11.96K5OPk/hu0 (3/8)

あ、言っちゃった…


397 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 18:54:38.89k/mqEvuR0 (8/20)


 ――――……人混みの中を抜けて、座り込んでため息をついた。

 携帯にもあれから着信はなく、時間だけが過ぎている……


キリカ「……え?」


 パトカーが何台か並んで、けたたましいサイレンの音を立ててどこかに走っている。

 向かう先は……住宅街のほう?


キリカ「まさか……」


 ……もしかしたら、さやかに何かあったのかも。

 最悪の想像をして、走り出す。

 ――――その途中で、通行人にぶつかった。


キリカ「あっ、ごめんなさい…… って」

さやか「……!」


 ……ずっと探してた人だった。



398 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 19:11:03.38k/mqEvuR0 (9/20)


 持っていたグリーフシードを取り出すと、両手でさやかの手ごと握りこむようにして押し当てる。

 さやかの手の中の宝石の淀んだ黒色がじわじわと消えていくのを見てひとまず安堵した。


さやか「何やってんですか……!」

キリカ「いいからとっといてよ! それ全部あげるから!」

さやか「もらえませんって! ていうかこんな、いつのまに……」


 代わりにグリーフシードが一つ分じゃ足りずに真っ黒になって、

 一緒に手に握っていたもう一つ分まで穢れが浸食している。


 ……前に聞いた時は半分ちょっとって言ってたけど、もうこんなに危なくなってたんだ。


キリカ「本当になんかあったんじゃないかと思ったんだから!」

さやか「別になにもないですって……」

さやか「…………なんでそんなにみんな、あたしなんかのために心配するのかな」

さやか「……それがもううっとうしいんだよ」

さやか「……もう、何も言わずに離れさせてよ」



 恨みのこもったような言葉だけど、やっとさやかの本心が聞けた気がした。

 ……でもきっと、さやかの本心はそれだけじゃないはずだから。


 きっとこの世に、『強い人』なんていないんだ。

 いたとしたってきっとそんな人は、物語の主人公だとか、限られた人だけなんだ。



399以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 19:14:26.87K5OPk/hu0 (4/8)

さやかだけでなくマミもまどかの身も心配なんだが…
一度に事が起こりすぎる!


400以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 19:39:49.20OkJK/t1dO (1/3)

これどうなるんだ


401 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 19:40:55.83k/mqEvuR0 (10/20)


キリカ「……なんでさやかが離れないといけないの?」

さやか「だって、あたしなんていなくたって……」

キリカ「マミはさやかに離れてほしくないって、離れていっちゃったらどうしようって不安がってた」

キリカ「マミだけじゃなくて、私もまどかも……離れたら悲しむんだよ」

キリカ「綺麗事とかじゃなくて、みんな弱いから……誰かが傍にいないと不安なんだよ」

キリカ「…………ソウルジェムのことだって、私も本当は受け入れられてなんてないよ」

キリカ「ずっと不安で、でもそう思うのは私が弱いからなのかなって思ってた」

さやか「…………でも、もうまどかにも酷いこと言っちゃったし、さっきはマミさんにも辛く当たっちゃったし……」

キリカ「そんなのきっと気にしてないよ……」

さやか「でも……このままじゃ恭介が仁美に取られちゃうよ。なのにあたしはなんにもできない」

さやか「これ以上嫌な思いも惨めな思いもしたくないから、魔女と戦ってるうちに消えられたらいいかなって……」

さやか「そんなふうに思っちゃった、そんな自分が許せなかった……!」



 ……泣き出したさやかを慰める。

 結局、私も強くなんてないから励ます方法なんてわからない。


 さやかには報われてほしいとは思う。

 本人に拒まれてもいないうちから諦めるなんて、嫌だ。


 ――――けど、何かを考えるのは落ち着いてからにしよう。



キリカ 魔力[130/130] 状態:正常
GS:2個
・操り人形師[12/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[80/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



1自由安価
2マミに連絡
3まどかに連絡

 下2レス


402以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 19:43:04.79ZEtFkxdr0 (2/2)

1自分はマミに連絡でさやかにはまどかに連絡してもらう


これでどうだ!


403以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 19:49:54.28K5OPk/hu0 (5/8)

安価↑
そのあと近くの人にパトカーが走ってる理由を聞いてみる


404 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 20:08:02.18k/mqEvuR0 (11/20)


 やっと落ち着いてきたところで、

 そろそろみんなにも連絡しなきゃと思い出す。


キリカ「……さやか、まどかに連絡できる?」

キリカ「すごく心配してたから、私からじゃなくてさやかの声を聞けたらきっと安心すると思う」

さやか「……はい」


 ……スマホを操作しているさやかの横で、私もマミにもう一度電話をする。


キリカ「……あっ、マミ! さやか見つかったよ!」

 ……沈黙のまま数秒が経つ。

 ちゃんと通話中になってるはずなんだけどな……

キリカ「マミ……?」


マミ『…………どうして教えてくれなかったの?』

マミ『ソウルジェムは魔――――――』


 そこまで聞こえた時に、横から同時にさやかの声が聞こえてかき消される。


さやか「キリカさん! えっと……――」

キリカ「……な、何?」

さやか「公園に向かいましょう……! まどかが…………――」

キリカ「…………まどかがどうしたの……?」

さやか「わからない……わかんないよ…… 警察の人が出て、公園に携帯が落ちてたんだって言ってて……」

さやか「――――――そこに、事件に巻き込まれたかもしれない血の痕があるって」



405 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 20:37:21.33k/mqEvuR0 (12/20)


キリカ「マミ、ごめんね…… ちょっと後でまたかけるね」


 電話を切ってさやかと一緒に走り出す。


キリカ「事件…………? なんで……」

さやか「…………」


 死んだとは限らない。そもそも、まどかじゃないかもしれない。

 ……そう思いつつも、やっぱり浮かぶのは一つだった。


 ――私たちを狙う魔法少女。


―――


マミ「…………」

織莉子「まだ話の途中じゃないの?」

マミ「また後でかけるそうよ……」

織莉子「そう。でも、どうするのかしら?」

織莉子「貴女をずっと騙していた人たちと、また真実を識らない振りをして付き合い続けるの?」

マミ「…………そうできれば幸せなんでしょうね」

マミ「でも私は、それができるほど愚かにはなれない」

マミ「キュゥべえも、鹿目さんも呉さんも美樹さんも…… 知らないのは私だけだった」

マミ「知らないうちに一番信頼していたはずの人に、いいように踊らされて」

マミ「そんなことのために命を懸けて、最後には、自分も、みんなも…………」

マミ「全部を識るあなたが正義なら、私がやってきたのはなんだったの?」

織莉子「……私だって、その役目を終えればただの魔女の素体よ」

織莉子「でも、まだ正義を貫くのなら、そう生る前に為すべきことは残っている」


織莉子「――――すぐに魔女になりそうな素体が二人、まだ近くに居るわ」

織莉子「……それとも、騙されたままの魔女の素体たち、全てを解放してあげるというのも、ある意味では正義なのかもね」




406以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 20:39:24.60K5OPk/hu0 (6/8)

うわぁ…最悪の展開だな、これは


407 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 20:55:56.95k/mqEvuR0 (13/20)

―――


 住宅街の中の静かな公園には黄色いテープが張られている。

 発見した近隣住民が通報したらしい。

 近くに落ちていた携帯……血もまどかのものということで決まっていた。


キリカ「……まどかは死んだの?」

さやか「で、でも、死体はまだ見つかってないじゃん……」

QB「……残念だけど、美国織莉子の仕業ならこの場で仕留めない理由がない」

QB「死体なんて見つかれば大ごとだ。結界にでも捨てれば死体を残さず証拠隠滅できるしね」

さやか「でも! なんでまどかを狙うんだよ!」

さやか「一人で泣き言言いながら彷徨ってたあたしを最初に狙えばいいだろ!」

キリカ「その人、こっちにも来るのかな……?」

QB「どうかな……彼女の狙いは最初からまどかだけだったんだよ」

さやか「は……? なにそれ。なんでだよ……」

QB「まどかの強大すぎる力……そこからもたらされる厄災を、その芽ごと摘みたかったんだ」

QB「それが彼女なりの正義だった、ということさ」

さやか「は……? そんなこと一言も言ってないじゃん!」

QB「言ったところでどうするんだい?」

QB「相手はまどかが生きている限りその可能性があるとみなして狙うんだ」



408以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 21:24:49.20OkJK/t1dO (2/3)

なんかもうBADエンドしか考えられない


409 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 21:25:54.21k/mqEvuR0 (14/20)


QB「……君たちが彼女を追わない限りは、もう彼女の方からはなにもしてこないだろうね」


 ――――全身の力が抜ける気分だった。


キリカ「………………」

さやか「…………あたしのせいだ」

さやか「あたしが勝手なことして、みんなに迷惑かけたから…………!!」

キリカ「……なんでさやかのせいになるの?」

キリカ「私があの時、殺していれば…………――――」


 ……やっとわかった。

 キュゥべえが私が契約した次の日から美国織莉子のことを突き止めた理由。

 その事実を知る人の存在を、私はもう一人だけ知っていた。

 アレの言うままに契約して、アレのいいように利用されて……



 ――私は折角あの時対峙して追い詰めたのに。

 あの時誰も失わなかったからって、安心して、なんとかなるって思って。


 結局その甘さが、愚かさが、まどかを殺したんだ。


さやか「……っ」

キリカ「…………さやか、ごめんね」

キリカ「やっぱ私もそんなに強くなかったから」

キリカ「さやかの大事な友達守れなくて」

さやか「いや、えっと……それは……」

さやか「そんなのキリカさんのせいじゃ……」

キリカ「いいから全部私のせいってことにしてよ!」

キリカ「そうじゃなければこの気持ちをどこに向ければいいんだよ!」

さやか「――…………ところで、キリカさん」

さやか「こういうことって、前にもありました……?」

キリカ「こういうこと?」

さやか「いや……なんていうか……」

さやか「前にも似たような言葉を聞いたような気がして」



410以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 21:41:24.58K5OPk/hu0 (7/8)

織莉子がキリカの前で一言も喋らなかった理由か
さやかのデジャブみたいのは何だ?


411 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 21:46:29.87k/mqEvuR0 (15/20)


キリカ「…………こんなこと二度もあったらたまらないよ」

さやか「それもそうですね……」


 ……使用済みのソウルジェムをキュゥべえに投げ渡して、さやかとも別れて一人になる。

 いつまで経ってももやもやとした気持ちが晴れなかった。


 そういえばマミにも後で連絡するって言ってたっけ。

 ……携帯を取り出す。でも、まどかのこと、なんて言えばいいんだろう。


キリカ「…………」



 立ち止まって数秒、携帯を睨む。



キリカ 魔力[120/130] 状態:傷心
GS:2個
・操り人形師[12/100]
・薔薇園[80/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



1自由安価
2マミに連絡
3帰ろう

 下2レス


412以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 21:47:28.34DVsoPQ/Oo (1/1)




413以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 21:48:13.73OkJK/t1dO (3/3)

2


414 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 22:02:41.20k/mqEvuR0 (16/20)



 再びマミに電話をする。

 数コール後に電話がつながった。


キリカ「……あ、さっきはごめんね」

マミ『さっき?』

キリカ「いきなり電話切っちゃったでしょ……」

キリカ「……こっちも……大変なことがあって……」

キリカ「…………マミは今どこにいるの?」

マミ『大変なことって、鹿目さんのことでしょう?』

キリカ「もう聞いてたんだ……」

マミ『鹿目さんや私たちがどうなるか……私たちの身体のことも、あなたは知っていて黙っていたのね』

キリカ「え…………っ」


 ――……ソウルジェムの真実を知っている?

 ひやりと額に汗が伝った。


キリカ「……どこで聞いたの?」

マミ『美樹さんが言っていたわ』

マミ『それから、全て教えてくれたの……美国織莉子がね』

キリカ「そ、そいつの言葉なんて信じるの……?」

マミ『嘘だって思いたかったわよ! でも、隠し事してたのはそっちじゃない!』

キリカ「…………」



415 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 22:12:44.06k/mqEvuR0 (17/20)


マミ『その真実を知りながら、よく私たちについてこれたわね……』

マミ『心の中で嘲笑いでもしてたのかしら』

キリカ「な、なに言ってるんだよ……! そんなことあるわけないじゃん!」

マミ『……ええ、もちろんわかってるわ。私のことを思ってのことだったって言うんでしょう?』

マミ『でも、本当に私たちと同じ気持ちを持っていたなら、そんなことできちゃいけないのよ』

マミ『…………あなたは所詮、その真実を受け入れられなかっただけよ』

キリカ「…………」

キリカ「ま、待って! 私は――――!」


 ……通話はぶつりと切れてしまった。


 『私は――――』なんて言い訳をするつもりだったんだろう。

 何か言わなきゃって思って、結局何も言えなかった。




416 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 22:26:49.87k/mqEvuR0 (18/20)


 ……まどかから送られたメールは、私とマミので内容が少しだけ違った。

 マミがまだ私たちの正体を知らないままだということにホッとした。

 みんな真実なんて知らないまま、このままずっと、変わらない日々が続けばいいって思ってた。


 ――何があっても、いつかはまた元通りに続くんだって、根拠もなく思ってた。

 全部話したほうがよかった? それとももっと上手に隠しておけばよかった?


 そばにあったものがいきなりなくなってしまうことなんて、前にもあったはずなのに。



キリカ「もうこれ以上……私の日常を壊さないでよ…………」



 ――――家に帰ると、真っ直ぐに自分の部屋に向かった。


 私は結局、真実を知ってるだけで、受け入れられてなんていなかった。

 ……マミは受け入れたっていうのなら、一体これからどうするつもりなんだろう?


キリカ(仲間を失うことを恐れてたのは、マミだって同じだったはずなのに)

キリカ(そんなに私とマミは違うものを見ていたのかな……?)

キリカ(……もう、わかんないよ)



――12日 終了――


キリカ 魔力[110/130] 状態:傷心
GS:2個
・操り人形師[12/100]
・薔薇園[80/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]



417 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 22:30:16.32k/mqEvuR0 (19/20)

----------------
ここまで
次回は6日(土)17時くらいからの予定です


418以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 22:35:41.01K5OPk/hu0 (8/8)

乙です

キリカ、ボロボロだ…それにしてもマミも大概だなぁ
自分に隠し事をしていたからといって、慕ってくれてた後輩を殺した相手の言を受け入れるとか人として最低


419以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 23:01:37.44hag0gc/00 (1/1)

乙です
マミの気持ちもわからなくはないがほとんど逆恨みだよね、これは


420以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 23:04:22.98HJUr9O/+0 (1/1)

まどマギのSSときたらやっぱさやかかマミかほむらが荒れ狂ってた方が面白いな


421 ◆xjSC8AOvWI2017/05/05(金) 23:38:19.47k/mqEvuR0 (20/20)

----------------
とんでもない誤字を発見したんで修正

>>411
【誤】 ……使用済みのソウルジェムをキュゥべえに投げ渡して、
【正】 ……使用済みのグリーフシードをキュゥべえに投げ渡して、



422以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 02:04:17.69HhTzOBJZ0 (1/4)

バクの魔女(バクースカ)

踏みつける/水を出して攻撃/人の夢を食べる
バクに似たような見た目。本物と違いビル3階ぐらいでかい
魔女口づけされたものは夢を見れなくなる。結界内の下は水辺
悪夢
動きが遅い


サボテンの魔女(カクタロス)

サボテンパンチ/手のハリを飛ばす/針を飛ばす(全体)
人型で二足方向で動く。
魔女結界は砂漠で乾燥している
多肉
水分がなくなると急激に弱くなる


騎士の魔女(ソードナイッツ)

槍で攻撃/馬でひき殺すor踏みつぶす/剣で斬る
甲冑を着た騎士が馬に乗って移動。通常よりでかい
使い魔は下っ端の騎士。そこまで強くない
騎士道
馬をやられた時の機動力が落ちる


サボテンの魔女の性質は微妙だから変更してほしい


423 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 17:07:53.11edRUDwg00 (1/33)

―13日 昼休み



 …………午前の授業の終りを告げるチャイムが鳴り、

 みんな席を移動したり、教室を移動したり、思い思いに動きだしてざわめいている。


 私は一人、まだ何もせずに机に向かっていた。

 マミは来ない。昨日までと何が変わってしまったんだろう。

 多分今までもずっと、一つ不都合が起きれば一気に崩れるような脆さを抱えたまま過ごしてたんだ。


キリカ(……ちょっと歩こう)


 半分以上も内容を写せていない授業のノートをやっと片づけて席を立つ。

 廊下からマミのクラスを覗いてみると、そこにマミの姿はなかった。


キリカ「はぁ…………」


 ……私はどうしたいんだろう。一人で食べる気はしなかった。

 ずっと一人だった時は、それでもこの時間は十分に楽しみだったのに。

 自分の教室に戻ろうと踵を返すと、呼びとめられる。


「キリカさん」


 ……さやかが立っていた。



424 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 17:12:04.96edRUDwg00 (2/33)


キリカ「……一人なの?」

さやか「仁美……友達とはなんか気まずくて……」

さやか「それに…………」


 ……さやかはその続きを言うことはなかった。

 結局、弁当を食べるでもなく、廊下をずっと進んだ先、埃っぽい行き当たりの隅で下品にも床に座り込んでいた。


キリカ「…………」

さやか「…………」


 ……お互い、何を話したらいいかもわからないまま。

 これでも一人で居るよりはマシなのかな。

 でも、昨日さやかが言ってた誰にも見つからずに消えてしまいたい気持ちもわかる。



1自由安価
2……今日、どうする?
3その仁美ちゃんとのことはもう大丈夫なの?

 下2レス


425以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 17:14:03.80HhTzOBJZ0 (2/4)

2+3


426以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 17:25:38.69c3Vxsbjh0 (1/10)


追加でマミのことでさやかに注意を促しておく

マミはさ、まどかのこと織莉子から聞いたんだって…おかしいよね?
まどかを殺した織莉子を倒したとか、仇を討つとか一言も言わなかったってことは見逃したってことだよね?
まどかの事で悲しんでも怒っても居ない…織莉子と会ってマミは何か変わったよ、決定的にね
今日は私も会ってないけど、昨日までのマミとは違うと思うから、もしマミと会ったら気をつけて


427 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 17:49:07.25edRUDwg00 (3/33)


キリカ「……今日、どうする?」

さやか「……今日は行きますよ」

さやか「いつもみたいに、訓練して、パトロールして…………」

さやか「……でも、マミさん、今日休みなんですよね」

キリカ「…………」

キリカ「……その仁美ちゃんとのことはもう大丈夫なの?」

さやか「そりゃ、大丈夫じゃ……ないですけど」

さやか「どうすることもできないし……だったら使命を果たさなきゃ」


 ぽつりぽつりと話をする。

 さやかは昨日までと何も変わってない。

 それに少しだけ安心して、でも不安にもなった。結局、私には勇気づけてあげることもできない。


 でも、使命……か。さやかもマミと同じで、やっぱり私とは違うものを見ているのかもしれない。

 …………さやかは真実を知ったらどう思うの?


キリカ「マミはさ、まどかのこと織莉子から聞いたんだって……」

キリカ「おかしいよね?」

キリカ「まどかを殺した織莉子を倒したとか、仇を討つとか一言も言わなかったってことは見逃したってことだよね?」

さやか「え……まさかそんな!」

さやか「だってありえないですよ。なんか誤解してるとかじゃ……」

キリカ「まどかの事で悲しんでも怒ってもいない……織莉子と会ってマミは何か変わったんだよ、決定的にね」

キリカ「今日は私も会ってないけど、もしマミと会ったら気をつけて」

キリカ「……もう昨日までのマミとは違うんだと思うから」


 立ち上がってスカートをはたく。

 ……結局何も食べないまま昼休みが終わろうとしていた。



428 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 17:57:49.46edRUDwg00 (4/33)



 ――――放課後になって学校を出ると、特に目標を決めるでもなくふらふらと街を歩きはじめた。

 コーチも不在で、自主訓練をする気にもなれなかった。


 ……いつのまにか小さな姿がひょこりと現れる。


QB「やあ、今日は二人かい? 僕もついていってもいいかな」

さやか「……キュゥべえ」

キリカ「…………」

QB「マミには追い出されちゃってね」

さやか「喧嘩でもしたんだ? 珍しいね」

さやか「それとも……本当に」

QB「……昨日からマミの様子がおかしい」

QB「心当たりがあるなら、一応注意しておいてくれ」

QB「今後、敵対することもありえるかもしれない」

さやか「……!」


 さやかが何かハッとしたように反応する。

 その横で、私はぼんやりとそのやりとりを聞いていた。


さやか「もしかして、あたしの……」

キリカ「違うよ!」

キリカ「…………私、さやかにも話さなくちゃいけないことがあるんだ」

キリカ「……結局私はみんなと一緒に居るようで、同じものなんて見てなかったから」

キリカ「みんなと一緒に居たいだけで、本当は私、正義なんてどうでもよかったんだよ」

キリカ「……それがバレて、隠してたこともバレちゃったから、マミにも嫌われちゃった」

さやか「え…………?」

キリカ「ソウルジェムは……私たちの魂で」

キリカ「……それが濁り切ったら、魔女になるんだよ」


 もうごまかすような気力もなかった。

 どうするのが一番良いのかなんてわからないから、どうにでもなれと投げやりな気持ちになっていた。



429以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 18:01:31.220W7A5RnwO (1/7)

なんかメガほむ編みたいになってきたかな、キリカの思考


430 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 18:09:01.16edRUDwg00 (5/33)


さやか「な、何言ってるんですかー……魔法少女は魔女を狩るのが使命なのに、その魔女になるなんて」

さやか「冗談にしてもたち悪すぎっすよ……?」

キリカ「…………」


 いっそ、このままさやかにもとことん嫌われてしまえば、寂しさなんて未練がましい感情もなくなってしまえそうだ。

 でも、そしたらさやかは受け入れられずに絶望してしまうのかな。

 ……やっぱり私は無責任だ。


さやか「あ、そうだ……キュゥべえが居るならキュゥべえに聞くのが早いか」

さやか「キュゥべえ……どうなんだよ! まだあたしたちのこと――!」

QB「……訂正するほど間違ってもいないね」

さやか「…………っ!」

QB「……魔女の魔力だよ。行かなくていいのかい?」

さやか「なんだよそれ……! こんなことやってられるか!」

さやか「じゃああたしたちの使命はなんなんだよ? だったらもう、魔女を狩る意味すらないじゃない!」

キリカ「意味ならあるよ」

キリカ「……魔女になりたいのかい?」


 ……立ち止まってなにか言いたそうにしているさやかを置いて、結界の入り口を探って乗り込む。

 結界の中は、白黒の世界に黒い影を落としたような使い魔の群れが地面を這っていた。



431 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 18:22:26.71edRUDwg00 (6/33)


キリカ「っ……!」


 ……その使い魔を切り裂いて結界を進んでいく。

 今はただ、目の前を遮って動こうとする存在が鬱陶しくてしょうがなかった。


QB「一人で先に進んでしまっていいのかい?」

キリカ「いいんだよ……」

キリカ「その先の言葉なんて聞きたくもない」


 それを繰り返すうちにいつのまにか結界の最奥にたどり着く。

 開けた結界の奥に、こちらに背を向けて座る魔女の姿を捉えた。



キリカ 魔力[110/130] 状態:傷心
GS:2個
・操り人形師[12/100]
・薔薇園[80/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv2] [格闘Lv1] [射撃Lv2]


敵:影の魔女
  使い魔(Sebastian's小)×20
  使い魔(Sebastian's大)×6

1刻む :近接武器戦闘(魔力-0) ※補正[格闘Lv]×3 デフォルトで二刀流。
2踏み込む :近~中距離武器戦闘(魔力-5) :※補正±0 刀を右手に、小さめの刀を左手に持ち、投擲を交えつつ近接で戦う戦闘スタイル。
3スパークエッジ・デュエル【Lv1】(魔力-30×2) :魔力を込めて全力で斬りつける必殺技。ほぼさやかと同じやつの二刀流版。
 bスパークエッジ(魔力-30) :一刀流版。威力は半分より少し上。
 cスパークエッジ(魔力-60) :二刀流分の魔力を一つに込めた一刀流版。装備が欠けた時とか用。
4シューティングスティンガー(魔力-10) :刀身を魔力の刃に変えて射出する
5スプラッシュスティンガー(魔力-5×5) :小刀をたくさん出して魔力の刃を射出。安価指定があれば射出後に残しておく。
6タイフーン(魔力-5) :魔力を纏わせて剣を振るい周囲に風を起こす。
7魔力阻害(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に魔力を阻害する魔力を流し、威力や効果を弱める。特に固有魔法に有効。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。

 下1レス


432以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 18:28:53.34c3Vxsbjh0 (2/10)

7をかけながら2


433 ◆xjSC8AOvWI2017/05/06(土) 18:48:26.38edRUDwg00 (7/33)


 まずは周囲に魔力を流す。

 踏み込んで目の前の蠢く影の使い魔に小刀を投擲し、刀で斬り払う。


キリカ「!」


 ――横からもいつのまにか影が伸び、ど突かれる。

 一体斬ってもすぐに湧いて、取り囲むように群がってくる。

 ……数が多い。


キリカ「邪魔……!」


 手中に用意していた残りの小刀を一気に投げ、

 左手にも刀を出して一気に切り裂いて魔女のほうに駆けていく。


キリカ「!!」


 ――――目の前を塞ぐ使い魔を裂くと、

 魔女の背から伸びてきていた鋭い影の触手がすぐそこに迫っていて足が竦んだ。


 魔女の目の前に居たはずなのに、途端に景色が遠ざかった。

 腹に影が突き刺さり、自分の身体が後ろに飛ばされていく。


キリカ「っ…………」


 吹き飛ばされた先で、滲んだ血をぼんやりと眺める。

 使い魔はまた迫っていた。

 ――――立ち上がる。空っぽの身体が痛いはずなんてないんだ。