1 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 19:27:40.41p6gfMlqFo (1/14)

このスレは安価で

久遠天乃は勇者である
結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である
乃木若葉は勇者である
久遠陽乃は……である?

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・一妻多妻


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡(鷲尾、乃木) 友奈世代のHP最低値は基本10
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1477053722/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481292024/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/



2以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 19:35:18.14QESmeY5iO (1/3)

立て乙


3以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 19:40:42.90TGDrx/iRO (1/9)

>>1乙


4以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 19:57:01.64pnmj6m94O (1/7)

たて乙


5 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 19:59:48.58p6gfMlqFo (2/14)


風「まーた、何かしたわけ?」

天乃「したというか、されたと言うか」

風「?」

天乃「ふふふっ」

看護師が逃げ去ってからそこまで時間もおかずに、風が見舞いに来て

開口一番の問いが看護師をさしているのだろうと切り返した天乃は

疑問符を浮かべる風を差し置いて、苦笑する

したと言えばしたかもしれない

けれど、どちらかと言えば、された方だ

風「それで? 昨日、夏凜とは話せた?」

天乃「えっと」

風「話さなかったの?」

東郷と同様に、風もまた夏凜がここにお見舞いに来ている。と、思っていたらしい

天乃は「話さないと面倒よ?」と呆れ交じりに言う風に、改めて、夏凜が来ていないことを話す


6 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 20:13:32.04p6gfMlqFo (3/14)


風「なるほどねぇ」

風は夏凜ではないから、その考えが完璧に分かるとは言えない

けれども、似通った心を持っているから

そして、犬吠埼風と三好夏凜という別人ではあれど、

等しく少女であるがゆえに、風は理解を示すように、頷く

風「思えば、最初にあたしに見て来てくれって依頼する時点でおかしかったしね」

天乃「……会うのが恥ずかしいってこと?」

風「うわっ、鋭い」

天乃「何よその反応」

風「いや、今までならどうしてかしらね? 分からない? とかボケてただろうから……」

天乃「今までもボケてたつもりはないわよ」

それはすみませんねぇ。と

あからさまに皮肉を織り込んだような謝罪を述べる風を一瞥して、一息つく

そう言うことなら、まだいい

しかし、クラスメイトが暴動と言われるほどの大きな動きではないにせよ

大赦に対して反抗している以上、確信できなければ、それは【可能性の域】から出て来てくれない

それはたとえ、夏凜のことを信頼しているとしても。だ

いや、むしろ信頼し合っているからこそ、夏凜はなにかしらの行動を起こす可能性が高い

もちろん、夏凜は天乃の状態を良く知っているため、クラスメイトと同様の理由では変な気は起こさないはずだが


7 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 20:27:10.64p6gfMlqFo (4/14)


風「まぁ、そう言うことなら、改めてあたしからも連絡してみるわ」

天乃「ええ、悪いけれど宜しくね」

東郷の事だ。学校で会った際に話してはくれるだろうけれど

ぼかしたりなんだりする可能性がないとは言えない

だからこそ、風の協力も必要だった

風「で、あたしがここに来た要件を手短に伝えるわね」

天乃「?」

風「天乃はこのままの状態なら、明日にでも自宅療養に切り替えるって話になった」

天乃「……急ね」

風「まぁ、色々とあってね」

風は詳しく話すのを避けようとしているが

すでに学生による反抗は東郷から聞いており

天乃はだからでしょう? と、訊ねる

風「東郷ってば、まったく勝手に……」

困ったように、けれどどこか嬉しそうにぼやいた風は

そうよ。と、肯定して

風「大赦もこれ以上は暴動も起こる可能性があると危惧しててね、ま。体調も良くなってきているから、自宅療養でいいんじゃないかって」

天乃「一般病棟飛ばして自宅なのね」

風「向こうの方が、設備は良いでしょ。園子がいるし。それに、学生がお見舞いに押し寄せてきたら病院困るから」


8 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 20:45:47.93p6gfMlqFo (5/14)


天乃「私も大勢来られても困るんだけどね」

風「あらぁ~? 一妻多妻を目指している御方が何を申されているのかしらぁ~?」

天乃「わけのわからない話し方で挑発されても手は出さないわよ」

煽るような表情、声

それはとても癪に障るものだったが、天乃は平常心を保って

冷静におとなしい笑い声を溢して

天乃「手を出して欲しいならそう言いなさい。もちろん、そう言う強引な手が好きって言えば、そうするし」

風「なっ……や、そ、そういうんじゃないからっ!」

天乃「あらあら、顔が真っ赤よ? 犬吠埼の風先輩」

風「うぐぐぐ~っ」

ふふふっと零れる愉快な声

不調を感じさせない―天乃基準では健康―色白な肌

喜楽を並々と注がれた器のように弧を描く眉と唇

それはやはり、風にとっては掛け替えのない――もの

天乃「…………」


1、昨日の今日でここに来たんだから。貴女の答えは聞かせて貰えるってことでしょう?
2、もう少し揶揄ってみる
3、そうそう。東郷は許可してくれたわよ?
4、ファーストキスを強奪する
5、何もしない


↓2


9以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:46:10.38TGDrx/iRO (2/9)

3


10以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:46:23.37QESmeY5iO (2/3)

4


11以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:47:20.27pnmj6m94O (2/7)

1


12以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:49:25.68TGDrx/iRO (3/9)

やりたい放題じゃないか、悪びれない久遠さん最強だな
…はやく夏凜と会わなきゃ


13以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:54:47.36pnmj6m94O (3/7)

これ夏凛ちゃんが一妻多妻を拒否したらどうしよう…


14以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:56:08.43TGDrx/iRO (4/9)

そうなったらもう悪五郎の言う通り落とすしかないのでは?


15 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 20:56:30.13p6gfMlqFo (6/14)


01~10 
11~20 抵抗という名のパイタッチ
21~30 
31~40 
41~50 
51~60 拒絶
61~70 
71~80 
81~90 特殊
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


16以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:56:38.88TGDrx/iRO (5/9)




17以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:58:09.76TGDrx/iRO (6/9)

W特殊!?
まあ普通に特殊か、なにはともあれやったぜ


18以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 20:58:19.98XebpbT2MO (1/1)

キマシタワー!?


19以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 21:00:02.95pnmj6m94O (4/7)

夏凛ちゃんどころか風先輩の方にフラグが…!


20以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 21:02:06.04QESmeY5iO (3/3)

フ、フラグはもう既に前の時点で立ってたから……


21 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 21:28:57.30p6gfMlqFo (7/14)


風「はぁ……」

風は一際大きく、ため息をついた

昨日、あれだけ言ったにも拘らず、誘うような言動を抑えきれていない天乃に、呆れたからだ

けれど、心は強く脈打つ

平常心には戻れない

昨日だってそうだった。一日中、授業そっちのけで悩んだ

考えてしまった

夏凜を優先するべきと自分で言っておきながら

二番手三番手であることに、少しだけ悔しさも感じていた

だからこそ、夏凜のことを考える

大切な戦友、親友、部員である彼女の事を考えろと

天乃に言い聞かせることで、自分に言い聞かせようと

けれど――

風「!」

グイッっと、体が引かれた

思考する一瞬の空白、その虚を突いた誘う手に抗うことは出来なくて

驚きに見開いた瞳に映ったのは、天乃の笑み

潤んだ唇、近づく桃色の柔肌

そしてそれは、視覚を埋め尽くすだけでなく、触覚に触れる

いや

風「んんっ!」

唇に、触れた


22 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 21:48:10.74p6gfMlqFo (8/14)


天乃「んっ」

犬吠埼風への愛情と、欲情と

ほんの少しの悪戯心で、唇を重ねる

焦らされるのが嫌なわけじゃない

けれど、誤魔化すだけの態度は好めなかった

だから、「分かっているのよ」と、教えるために唇を合わせる

強引な接吻は押しつけがましく、力強く

押す天乃も押される風も、どちらも呼吸をする余裕はない

だが、天乃はすぐにはなれる予定だった

離れて、呆然とする風に笑って見せる。ただ、それだけの予定

しかし

天乃「ぅ――んぐっ!」

風の唇の抵抗が緩み、天乃の力との均衡が崩れた瞬間

勢い余った唇を割って、風の舌が天乃の口腔に入り込む

風「ん、ふ……んっ」

天乃「んっ、んゅ、っ!」

唇に唇を押し付けることで、唾液を塗り込み、引き潮のごとく咥え込む

濡れ合うぬちゅりとした艶かしい音が二人の間で弾ける

風の瞳は濁っていない、壊れてもいない、ただただ、まっすぐ、目の前だけを見る

そこにいるのは、久遠天乃と己の欲


23 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 22:10:31.72p6gfMlqFo (9/14)


天乃「ん、ふ……ぅにぅっ!?」

声にならない間の抜けた声が零れる。いや、押し出される

唇を弄ばれる天乃は、下半身が動かせない分、

上半身の力は風の抑え込む力には到底かなわない

それゆえに、風は天乃をベッドに押し倒して、覆いかぶさるようにまた――唇を重ねる

与えられたのは一瞬の呼吸だけ

天乃「んっ、っ、ぁ……んっ」

唇が触れ合い、踊る中で、唾液の擦れ合う音

そして、自分のものか、風のものか分からない熱っぽい吐息の重なりが耳に響く

風「はぁ……んんっ、んちゅ」

天乃「んっ、っ」

唇の奥に風の舌が潜り込む

呑み込めない自分の唾液に、喉の奥に風のそれが混ざり染み込み、流れ込む

それでもなお、口端からは、区別のつかない唾液が、溢れ落ちる

天乃「ふ――んぅっ」

言葉は、許可されない

ううん、許可するしないの問題ではなく

その時間さえ惜しいと、風は思っているのだ

夏凜に負けている部分があるから、何か一つででも、秀でることが出来るようにと。


1、手をつく
2、カウンターこそ久遠の流儀
3、身を任せる


↓2


24以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 22:12:52.14TGDrx/iRO (7/9)

3


25以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 22:13:26.35pnmj6m94O (5/7)

2


26 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 22:37:27.53p6gfMlqFo (10/14)


風がキスをし慣れているということはないらしく

激しく深く、淫らな交わりには僅かながら、緊張感を感じる

だからこそ、天乃は風が呼吸のために離れた一瞬を

あえて肩を掴むことで引き留め、唇を重ねる

風「んん゛っ!?」

息苦しさに呻く声が聞こえる

風の口元から滴る唾液が頬につく。しかし、天乃は手放さない

風の手順をまねるように唇で唇を横に割き、舌を捻じ込む

溢れる唾液が水嵩を増すが、関係なく、それを舐めとり飲み込む

味覚がなく味わうことはできない

だが、確かな熱と欲を感じる天乃は舌と舌を重ね、

飴を転がすようにぐるりと舐めつつ、唇を深く広げた風の唇を咥え込む

風「んっ……う……」

鼻は塞がっていないから呼吸は出来る

けれど、それをすれば口が無防備になる。無抵抗になる

そうなった後が怖くて

けれど、風は耐え切れずに鼻で呼吸をすると

普段は嗅ぐことのできない匂いを、感じた


27 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 23:04:15.94p6gfMlqFo (11/14)


清潔とは言えない、だが不衛生でもない匂い

人間そのもの、久遠天乃そのものの匂い

それがまた、風の情欲を逆なでする

もっとしたい、もっと、もっと……心が望み体が求める

天乃の絡めてくる舌に絡みたいと思う

それを吸い上げて、根元から自分のものにしてしまいたいと思う

ぴちゃぴちゃという音

にゅちゅり、にゅるりと口の中に広がる淫らな感覚

風「んっ、っ……」

一転してされるがままにされながら

しかし、風は自分がさらに高ぶり熱を帯び始めていることに気づき、目を見開く

微熱のような体の火照りではなく、癒された入浴後の体の火照り

一部も余すことなく全身から感じるその温もりは、冷めることなく、下腹部へと集う


28 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 23:06:23.77p6gfMlqFo (12/14)


風は天乃の体の両脇に立てた支柱

自分の両腕に込めた力を段々と抜き、体を少しずつ天乃の上に重ねていく

天乃「っ」

風はブラジャーゆえ、さほど鋭敏に感じ取ることはできないが

それでも、天乃の胸の柔らかさを、自分の胸に感じて、擦り合わせるように動く

下腹部を擦り合わせる模擬的な行為を彷彿させる動きだ

風「っは……はぁ……はぁ……」

天乃「はぁ……んっ……はぁ」

それは天乃が唇を離してもなお、続く

続くが、停滞はしない

刻一刻と、体が触れ合う面積は広く重くなって

風の両肩に添えた手が重みに耐えかねて下がり始める


29 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 23:07:36.38p6gfMlqFo (13/14)


風「……ごめん、天乃」

天乃「風……?」

風「少しだけ……やらせて」

天乃のせいにはしない

けれども、もう。抑えきれない

キスをされた時点で、した時点で

いや、もっと言えば昨日の時点であふれかけていた気持ちは

今はもう、少しだけ穢れてしまっている

天乃のような穢れではないけれど、情欲に浸かってしまったから

だから、求めてしまう、欲してしまう

天乃が病み上がりだと分かっているのに

それがいけない事だと分かっているのに

風と比べれば着ていないような患者衣

その合わせから、そっと手を滑り込ませる

天乃「んっ」

風「少しだけ、だから……」


1、止める
2、受け入れる


↓2


30以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:08:13.10TGDrx/iRO (8/9)

2


31以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:09:15.19A50LF5Jv0 (1/1)

2


32以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:09:16.94FRkRIzAUo (1/1)

2


33以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:11:36.11pnmj6m94O (6/7)

欲望が…w
後々の展開気まずくならないといいけど


34 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/26(日) 23:41:53.36p6gfMlqFo (14/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


……久遠さんは運動厳禁です


大赦「な、なんですって? 久遠天乃がまた体調を崩した!? その理由は!? 分かっているなら対処・処置を施しなさい!」

大赦(このままでは、また讃州の学生が……)

医者「それが……犬吠埼の長女の性的要求の解消に付き合ったようで……」

大赦「…………は? はぁぁぁっ!?」


35以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:43:25.01TGDrx/iRO (9/9)


風先輩ハッスルし過ぎだろ


36以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/26(日) 23:52:45.44pnmj6m94O (7/7)


この調子だとあわよくばヒロイン全員分のHシーンがでてきそうだな
魅了の力が振り返してるようにも見えるが…


37以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 00:19:06.81+NAH+My5O (1/2)


愛の伝道師と化した久遠さんルートだからな今回
目標が目標だし常識はぶん投げていけ


38以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 08:44:29.766r9ReT3jO (1/1)

でも話の中で出てることを無視しすぎてるから失敗するんじゃないか?
そして久遠さんはどう頑張っても誘い受けなんだなって


39以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 15:09:52.07w+wGrSYTO (1/1)

久遠さんのことだから例えハーレムがうまくいかなくても自分をみんなが溜め込んだ欲の捌け口にしそう
特に風は原作以上にストレスとかも溜め込んでるだろうし


40以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 18:03:16.74+NAH+My5O (2/2)

っていうかこちらとしても早く話したいんだけど全然夏凜と会えないんだよなあ


41以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 18:57:27.41b1w18NrLo (1/1)

東郷の時から察するに九尾使えば呼べると思うんだけどね
自主的に来る可能性は低いね


42 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:15:01.1981CZPHo2o (1/8)


では、少しだけ


43以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 22:17:09.23wIRAZgWUO (1/3)

かもん


44 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:28:23.5481CZPHo2o (2/8)


天乃「……今の私は、体、弱いから」

艶のある表情で囁き、

心地よさに身を委ねていないしっかりとした二色の瞳を温かく細めて、微笑む

天乃「少しだとしても、優しくして……ね?」

風「分かってる」

天乃の願いを耳に残しながら、

病衣の内側、キャミソールの上から天乃の胸をやんわりと揉む

ブラの隔たりがないその程よく実った果実は握りつぶせてしまいそうなほどに柔らかい

天乃「んっ」

揉み解すようにしながら、通り道にある突起を親指で潰すと天乃の可愛らしい声が聞こえて

それがより情欲を刺激して、ごくりと喉が鳴る

風「少しだけ、だから」

同じことを繰り返して、堪えるように目を閉じた天乃を一瞥した風は

汗臭さのない、天乃の匂いを辿って首筋に口づけする

天乃「んっ、ふ……っ、ぁ」

風「んっ、ちゅ……ぬちゅ……」

正直に言えば、、味はしなかった

けれど、風は自分好みのうどんの味に匹敵するほどのものを感じて、

唇で包むように舐め、舌で抉るように首筋を舐め、

おいしいご飯を食べ終え名残惜しく皿を舐める子供のように

卑しく貪欲に貪る何者かのように、鎖骨に舌を這わせる


45 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:34:06.9981CZPHo2o (3/8)


天乃「んっ」

風から見て右、天乃から見て左の鎖骨を執拗に味わわれながら

天乃は堪えるように右手を口元に宛がう

くすぐったい。でも、どこか心地よさがあるのだ

今朝、体を拭いて貰っているようなきめ細かいざらつきはない

けれど、ぬめりとしていて、温かく

極僅かながらざらつきのある風の舌は

這うたびに、心地よさを感じさせて。

天乃「ふぅぅ、んっくぅ……」

堪えきれない声が、こぼれだす

鼓動の早さゆえか、体が強く熱を帯び始める

そんな天乃の反応を横目に、風がにゅちゅりと艶かしく音を立てながら離れると

透明の糸が口元から伝いおちていく

風「……可愛い」

天乃「っ、可愛い、なんて」

耳元で囁くと、天乃は気恥ずかしそうに頬を薄紅色に染めて、目を逸らす

その仕草がまた一段と愛らしくて

風は天乃の左胸に触れる右手の小指から中指までを使って

天乃の胸を支えるように撫でる


46 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:43:38.1681CZPHo2o (4/8)


風自身、自分が決してなさ過ぎる人間ではないことは自覚している

ブラをつけるとき、外すとき

お風呂場で鏡の前に立ったとき

確かに実ったそれを、目の当たりにしているからだ

けれど、風は天乃の胸に触れたくて仕方がなかった

それを目に焼き付けたくて仕方がなかった

しかし、風はそれを押さえ込み、天乃の股に自分の股を重ねる

多少肌蹴てはいるが、天乃は病衣を脱いでいないし

風は制服も下着も何一つ乱していない

しかし、だからこそ、ショーツの布部分の擦れる感覚は、気分の高まった体にとっては

悪くない刺激だった。それも、天乃と重なっているのなら、尚更

天乃「風……?」

風「天乃、舌。出して」

天乃「……ん」

言われるがままに舌を出すと、風はゆっくりと近づいてきて

胸に忍び込ませていた手を引き抜き、天乃の暇をもて余した手に重なる

左手も、右手も

探るような手つきでふれあい、絡み合って、握って

その瞬間――

天乃「んんっ!?」

ぢゅるっっという奇怪な音をたてながら、舌を吸い上げて唇を重ねる

天乃は押しつぶすような圧迫感を唇に感じながら、

舌は唇に揉まれ、舌につつかれ、絡まれ、舐められていく


47 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:47:05.0581CZPHo2o (5/8)


天乃「んっ、っ、ふ……」

風「んっ、ちゅ……んっ」

そんな熱の篭った艶かしく一方的なキスをしながら、

風は繋いだ天乃の手から腕、肩、背中と滑らせるように手を回し、その体を抱きしめる

胸と胸が重なって、潰れていく

天乃の口元から、二人のものが混ざった唾液がこぼれて、病衣を濡らす

くちゅり、ぬちゅりと淫らな音を奏でる唇が離れると

つぅーっと交わりの糸が伸びる

天乃「はぁ……は……んっ」

こくりと、天乃の喉が動く

熱っぽい吐息が続く

それだけでも、色っぽいと風は思った

自分だけのものにしたいと、欲がどこからともなく湧き出してきた

どこまで受け入れてくれるだろうか

どこまでならさせてくれるのだろうか

風「っ」

そう考えた風は、ごくりと息を飲んで首を振ると

背中に回していた手で天乃の肩を掴み、離す


48 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 22:55:15.8481CZPHo2o (6/8)


風「……ごめん、ありがと」

本当はもっとしたい

叶うのならば、最後まで

けれど、天乃の体は天乃本人が言っていたように弱っていて

余り激しいことはできない

そしてなにより、夏凜が認めていない以上、じぶんはまだ、友人でしかないのだ

ここまでしておいて何を言っているのかと

内側の自分が不満をぶちまけるが、それでも、と首を振る

その風の表情は、悲しげで

天乃「……逆に、辛い思いさせちゃった?」

風「そんな、こと……あたしより、夏凜に悪いかなって」

天乃「……………」

風「だから、夏凜に、さ。話してから、続き。させて……許可がおりたらになるけど」

風はそう言うと、ベッドの上から降りて

少し罪悪感を抱く天乃に笑みを浮かべる

風「ここまでさせてくれただけで十分ありがたいって言うか、助かった。ありがとね」

そしてそのまま、足早に病室を出て行く

天乃「……それが、貴女の答えなのね」

夏凜が良いなら続きをやりたい

それはつまり、風もまた、受け入れてくれる。ということ

だからこそ、天乃は薄く笑みを浮かべて、唇に触れる

天乃「ここまでしたのは貴女が初めてなのよ? 風……私は……ううん、またね」

誰もいない病室。自分ひとりの病室

そこで天乃は寂し気に、独り言ちる


49 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 23:01:33.5381CZPHo2o (7/8)


√ 7月3日目 昼(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 
41~50 瞳
51~60 
61~70 
71~80 大赦
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ  



50以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 23:01:48.92/HJ5xXPr0 (1/1)




51以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 23:03:16.89wIRAZgWUO (2/3)

ようやく来たか


52以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 23:03:34.89KnTBrOQSO (1/1)

おお


53 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/27(月) 23:12:13.3781CZPHo2o (8/8)


淫らなのはうまくいかないですね……失礼しました
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



夏凜「なんで今日まで来なかったか、分かる?」

天乃「……禁欲は体に悪いわよ?」

夏凜「はっ、いきなり言い訳で来るとは言い度胸してるじゃない」

夏凜「あんたが浮気しないかどうかのチェック。それが私の目的……知ってんのよ。全部、この浮気者め」

天乃「私は浮気者じゃないわ。一妻多妻を夢見る夢想家よ」

夏凜「いやっ、そんなどや顔で言われても……」



54以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 23:15:50.98/xYunP65O (1/1)


久遠さんさすがだなww


55以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/27(月) 23:19:57.71wIRAZgWUO (3/3)


いやはや本番なしで相変わらずのクオリティの高さ、流石です

そして次はいよいよ夏凛ちゃん…修羅場となるか否か


56以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 03:25:18.27+xbxfR/4O (1/1)


とうとう説得のターンか


57以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 12:42:03.27SNEfWaheO (1/1)

久遠さんを勝ち取るのか受け入れるのか、夏凛の判断に注目したいところ


58以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:11:15.698Cioa0bbO (1/4)

樹ももんもんとしてるだろうな


59 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:33:08.28bZ0zpMVXo (1/8)


では少しだけ


60 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:34:06.54bZ0zpMVXo (2/8)


天乃「……暇ね」

昼間の検査を終えた天乃は病室に戻ってきてから、退屈そうに呟く

最悪を想定して集中治療室からはまだ出られないが

それも、今日までの話

明日になっても問題がなければ即日退院で自宅療養に切り替わる

そして、それでも問題なければ学校に登校させられるはずだ

天乃の体を考えているように思えるような流れだが

その実、それよりも生徒を抑えること、自分達の身の安全の確保が優先されているのだと

天乃は考えていた

一般の人々から見れば、それは捻くれた考えなのかもしれない

だが、久遠天乃としてはそう考えずにはいられないのだ

最も忌み嫌われ、恐れられているから。

天乃「!」

ふと、病室に近づく気配を感じて、目を向ける

扉は開かないし、ノックもない

だが、確かな気配を感じて「入って良いわ」と、声をかける

夏凜「……一昨日ぶりね」

天乃「夏凜……」

夏凜だった。罪悪感が滲み出る表情を庇うように逸らしていて

今までツインテールだった髪型はポニーテールに変わっているが

それでも、見間違えるはずのない、人


61 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:37:06.07bZ0zpMVXo (3/8)


夏凜「なんか悪かったわね、行き先くらいは言うべきだった」

天乃「ううん、別に気にしなくて良いのよ」

夏凜「けど……」

天乃「私は貴女の鎖になるつもりはないから」

夏凜が個人的な理由でどこかに行こうが

彼女であるのだとしても、制限をするつもりはない

会いにこないで何かをやっているのだとしても

それが夏凜にとって優先すべきことなら、非難はしない

けれど

天乃「……でも、心配は、する」

夏凜「……ごめん」

天乃「別に謝って欲しいわけじゃないんだけどね、ごめんなさい。なんか卑しい」

クスクスと、天乃は自分を嘲笑するように笑う

天乃は自分の言葉が、謝って欲しくないという割には

謝らざるを得ないものであること

鎖になるつもりはないと言いながら、縛りつけようとしているようなものだと自覚したのかもしれない

夏凜はそれは違うと言おうとしたが、それでは長引くことは明白で

堪えて言葉を飲み込み、通例通りに羅客用の椅子に腰掛ける


62以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:38:35.11motEECWmO (1/3)

何か訳ありのご様子で


63 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:40:13.69bZ0zpMVXo (4/8)


夏凜「特別何かしたってわけじゃないのよ。いつも通り鍛錬しただけ。まぁ、模擬戦の相手がいつもと違うって特例はあったけど」

天乃「へぇ、強い人?」

夏凜「強いって言うか、人間最強? 天乃でも、人間状態で相手するなんて真似は不可能でしょうね」

天乃「なるほど」

嘘をついている可能性、誤魔化している可能性は考えずに

天乃はほっと胸を撫で下ろすように息をついて、笑みを浮かべる

……たった一日で不安になって、たった一瞬でこんなにも安心する

天乃「…………」

恋をするというのはここまで弱くなってしまうものなのね……

それが分かっていても、抱くことを止められない

夏凜「……天乃?」

天乃「えっ?」

夏凜「ぼっとしてるけど、平気?」

物思いに耽っていただけなのだが、そんなことは露知らず

また体調でも悪くなったのかと、夏凜は心配そうな表情で顔を覗き込んでいて

天乃「う、うん……平気」

夏凜「紅くなっちゃって……熱出すわよ。馬鹿」

風との交わりのせいか、キスをするのかと、心が躍る

唇に、目が向かう

その気恥ずかしさに天乃が顔を伏せた瞬間、右頬に手が宛がわれて

天乃「ん……」

思わず反射的に目を瞑ったが、しかし、キスされることはなかった


64 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:43:10.44bZ0zpMVXo (5/8)


夏凜「……ここにくると、したくなる」

天乃「……………」

夏凜「でも、風に聞いたわ。昨日は体調崩したんでしょ? なのに、今日は平気だった」

それもまた風から聞いたのだろう

夏凜は悲しげに言うと、天乃の頬を手放して

乗り出していた体を引いて、椅子に座り直す

きぃっと、小さな金属音が医療機器の機械音に挟まる

天乃「それは……違うわ。関係ない」

夏凜「どうだか。結果が出てる以上は、それが真実じゃないの?」

天乃「違うわ」

夏凜「違わないわよ。だから昨日は体調を崩した。今日は平気だった。違う?」

天乃も夏凜も相手を見ない

そして、互いに自分自身の手を強く握り締める

それは、互いにほかの事を言いたいから

ほかのことをしたいから

けれども、夏凜はそれをすることが出来ない

なぜなら、それをしたらまた、天乃が体調を崩すかもしれないからだ

相手を思うがゆえに、二人は相手を見ることが出来なかった


65 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:48:28.82bZ0zpMVXo (6/8)


夏凜「来なかったのは、それが理由」

鍛錬に向かったのだってそう

手持ち無沙汰に暇でいたら、きっと寂しさを感じてしまう

きっと、思い出してしまう。きっと、求めてしまう

だから、自分自身を痛めつけることを目的として模擬戦を頼み、当然のように滅多打ちにされて

そして、迷いを看破された。思惑を見抜かれた

夏凜「………」

夏凜は唇を噛むと、顔を上げて天乃を見る

瞳には強い意志を宿しながら

夏凜「……天乃、私から言っておいて最低だとは思う」

天乃「! 待って」

夏凜「答えてもらってからで最低だと思う」

天乃「待って、夏凜!」

すぐに気づかれたことに驚きはなかった

天乃ならすぐにでも気づくだろうという、信頼があったから。

だから、天乃が嫌そうな顔をしていても

天乃が悲しそうな顔をしていても

夏凜は戒めるように強く握りこぶしを作って、続ける

夏凜「でも、無かった事にして欲しいのよ。天乃……ううん、無かった事にするわ」


66 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 22:52:16.94bZ0zpMVXo (7/8)


天乃に頼むような形ではなく

そう決めたことを告げるだけの言葉

天乃「待ちなさいって言ってるのよ。三好夏凜」

しかし、天乃は青き焔の光のような静かな怒りを感じる声色で言葉を紡ぎ、瞳を向ける

赤い瞳、橙色の瞳

穢れてくすんだ瞳と澄んだ瞳

その二つを受けて夏凜は思わず眼を逸らして

夏凜「私に拘らなくたって、あんたなら、すぐに相手が出来るでしょ……」

諦念を強く感じる夏凜の表情、声、言葉

対する天乃はギリッと歯軋りが聞こえそうなほどに強く歯噛みする



1、しないなら、してしまおうか、くちづけを
2、ええ、出来るわよ……東郷だって、風だって、沙織だって、五木だって、いるんだから
3、ふざけないで
4、いやよ……嫌、私の一妻多妻計画は貴女が欠けてはダメなの!


↓2


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:52:41.86jylkJP2mO (1/1)

4


68以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:52:53.938Cioa0bbO (2/4)

1


69以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:52:57.73motEECWmO (2/3)

3


70以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:54:40.36ImC0ianI0 (1/1)

悪五郎のアドバイスが吉と出るかどうかだな
頼むぞ悪五郎


71以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:55:56.63/1X5+gwq0 (1/1)

4


72以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:56:48.62VrmgJP5oO (1/2)

そういやそんなのあったな
ガチで忘れてたわ


73以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 22:57:58.87VrmgJP5oO (2/2)

あれID変わってる


74以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 23:01:25.278Cioa0bbO (3/4)

まああの場拒否したしな


75 ◆QhFDI08WfRWv2017/02/28(火) 23:16:42.36bZ0zpMVXo (8/8)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



夏凜「私に拘らなくたって、あんたなら、すぐに相手が出来るでしょ……」

天乃「馬鹿なこと言わないで」

天乃「人が星の数ほどいようが、その個所に当てはまるピースは一つ。貴女だけしかいない」

夏凜「っ……」

天乃「そう。何を隠そう私のハーレムパズルはこだわりぬいた至高の一品よ」キリッ

夏凜「嗜好の一品でしょうが――って、隠してないしその顔止めろ!」ダンッ


76以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 23:19:38.26swiQLD4NO (1/1)


夏凜のメインヒロイン感は異常
1周目2周目ダメでハーレムルートでもダメってかわいそすぎるからなんとかなってほしい


77以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 23:22:02.148Cioa0bbO (4/4)




78以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/02/28(火) 23:22:41.51motEECWmO (3/3)


夏凛ちゃん…どうにか幸せにしてあげたい…


79以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 21:25:01.49rGRAhmL1O (1/1)

つーか夏凜ポニテになってんじゃんやったー!


80 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:17:40.16o2AMOWDvo (1/14)


では、少しだけ


81以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 22:19:22.209/66Ky05O (1/3)

ばっちこい


82 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:29:39.72o2AMOWDvo (2/14)


夏凜「っ!」

ほんの一瞬だった

気落ちしているとはいえ、夏凜でさえ反応できないほどに、素早く

天乃は夏凜の胸倉を掴み、引き寄せ、唇を重ねる

それは、感情を押し付けたものだからか、痛みがあった

唇を挟んで、歯がぶつかる。重なるというよりも、押し潰すキス

互いにとって優しさも温もりもない

意味があるのかさえ不確かな接吻は短くも長い刹那の繋がりを終えて

夏凜「ばっ――」

天乃「貴女は私を傷つけたくないって言った……」

夏凜「っ、……そうよ」

馬鹿じゃないのか、ふざけてるのか、危険なのに

そう怒鳴ろうとした夏凜だったが

目の前にある天乃は顔が俯きがちな上に、前髪が影を作っていて見きれず

声は怒りか悲しみか震えていて

夏凜は多少に収まらない罪悪感を持って、怒りを飲み込み、そして自分の言葉を覆さずに肯定する


83 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:32:31.75o2AMOWDvo (3/14)


それが正しいと信じて

それこそが互いのためになると思って

天乃には生きていて欲しいのだ。苦しむことなく、辛い思いをすることなく

たとえ、傍にいるのが自分ではないのだとしても、夏凜は天乃が苦しまず幸せになれるだろうと――だが

天乃「だから、離れるって言う?」

夏凜「……そう」

天乃「ふざけないで!」

上がった顔、見せられた顔

そこには怒り以上の悲しみがあった

傷つけまいと遠ざけようとした彼女は

深く傷ついた事を表す流血のように、涙を零していた

天乃「貴女にとっての私は……久遠天乃は、この体だけでしかないの? 貴女はこの体だけ守れればいいの?」

夏凜「っ」

天乃「だったら私の邪魔しないで……力を使い果たしたって体は残るんだから……それで満足しなさいよ」

なんで力を使うことを拒むのか

なんで犠牲になることを阻むのか

体だけが欲しいなら

その程度のものなら、邪魔をしないでくれと、天乃は怒鳴る


84 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:34:21.99o2AMOWDvo (4/14)


みんなが無事を願うから

みんなが共に在ることを望むから

だから、自分の不安を信頼で押さえ込んででも戦いから退こうとしているのに

なのに、それなのに

体の為に心を諦めるのなら、戦ったっていいじゃないかと……

天乃「…………」

暴論だ。最低な言葉だ

天乃はそれを分かっていながら、耐え切れずに吐露する

今までの天乃なら適当に誤魔化して押さえ込めたはずだが

それを出来なかったのは弱くなったから――ではない。

どうしても手放したくないからだ

それはやはり――恋ゆえに。

天乃「体だけが欲しいなら……好きだなんて。言わないでよ……」

夏凜「……」

無かった事にしたい。すると言った言葉

だが、どれだけ覚悟を決めようと、決意しようと、忘却に努めようと。

心に染み渡った言葉は拭えない

そしてそれはやはり――愛ゆえに。


85 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:37:46.23o2AMOWDvo (5/14)


夏凜「……私じゃなくたって、人はいるでしょ」

天乃「どれだけ沢山の人がいても。三好夏凜は貴女だけ」

先ほどまでの怒気の篭った声色ではなく

穏やかな声で、優しい声で

胸倉を掴む手は砂の城に触れるような静けさで夏凜の頬を包み、引き寄せて――唇を重ねる

痛みのないキス。感情ではなく想いを紡ぐ交わり

それはすぐに離れて、視線が交錯する

天乃「私が恋した三好夏凜は――貴女だけ」

天乃はそう言うと、夏凜の頬を手放し、笑みを浮かべて

天乃「怒鳴って悪かったわ。貴女も考えて、悩んで、決めたことなのにね」

だから卑しいのよ。と、

天乃は自分自身を嘲笑して、俯いた視線の先

自分の右手を左手で握り締めて、言葉を絶つ

天乃「だけど……これだけは教えて」

夏凜「なに?」

天乃「自分の行為が私を傷つける辛さは、私を手放す寂しさよりも上?」

夏凜「そんなの……」

決められるものか。と、思う

はっきり言って、どっちも辛い話だ。いやな話だ

だが、どちらかといえば――死ぬ可能性がある前者は我慢できる話ではない


86 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:41:12.64o2AMOWDvo (6/14)


だから、夏凜はごくりと生唾を飲み込むと

天乃の手を見て、滑らかに視線を上へと上らせて、沈みかけの顔を見る

夏凜「体が多少疲れるって程度なら、あっそう、じゃぁ明日は世話するからやるわよ。なんて言えるけど」

でも、血を吐くようなことになるとか

ICU利用が長引くなんていうレベルならば言えるはずがない

そこまで重症にさせるくらいなら、気持ちを押し殺す

そうすれば、自分とではないのだとしても

元気な姿を見ることが出来るから。幸せな姿を見ることが出来るから

それは、夏凜にとって確かに辛いことだ

けれども、夏凜は思う

夏凜「何にしても代償は付き物でしょ。あんたの無事の代償がたまたま私のこれだっただけのこと。満開でもしたと思えば――安い」

いっそ、満開でこの気持ちが散華してくれればいいのに

そんな冗談にはならないことを思い、口を閉ざす

言えば怒らせる。これ以上感情を昂ぶらせるのは、悪手だ


87 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:44:24.44o2AMOWDvo (7/14)


要約してしまえば、結局夏凜は天乃の事が好きなのだ

手放そうとしているくせに、手放したくない

失わないために、手放そうとしている。愛ゆえに、恋ゆえに

好きだからこそ、守りたいと思う

たとえ自分の心が傷つくことになっても

相手の心を少しばかり傷つけるとしても

死なせるくらいなら、その程度の嫌がらせは躊躇う余地はないのだ

天乃「……でも、貴女と私は今日もキスした」

夏凜「不意をついて。ね……最低だわ」

天乃「でも、だから……これで明日体調を崩したら貴女の言葉が正しいと証明できる」

夏凜「逆に崩さなければ、私の言葉は間違っていたことになる」

夏凜は天乃の言葉に続いて、呟く

それは夏凜が先ほどから言っていること、やろうとしていることとは真逆にも拘らず

どこか、希望が篭った声だった


88 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:51:05.70o2AMOWDvo (8/14)


夏凜「……分かった。明日の朝まで保留にする」

ただし。と、夏凜は続けざまに声を張ると

天乃の左肩に手を当てて傾かせ、目を向けさせる

夏凜「我慢したら承知しないわよ。そんなのが必要なら問答無用で別れるから」

天乃「……九尾の幻覚使えば誤魔化せるけど」

夏凜「ふざけんじゃないわよ」

天乃「分かってる」

かすかに怒りを感じる声だったが

天乃はそんなことも気にせずに笑みを浮かべる

優しい笑顔。子を見る母親のような慈愛に満ちた笑み

天乃「分かってるわ。夏凜。大丈夫よ。そんな心配しなくても、私は貴女の想い一つで壊れるつもりはないもの」

だからこそ、夏凜は自分が抱き寄せられたことに気づかなかった

目が天乃の笑みに釘付けで

その手の動きにまったく反応できなかったから。


89 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 22:53:43.13o2AMOWDvo (9/14)


夏凜「…………」

けれども、抵抗する気はなかった

もしかしたらこれが最後かもしれない

しかし、最後ではないかもしれない

諦めるつもりだった気持ちが片足を乗せた不気味な船が沈むか否か

その結果を見るまではまだ、自分は続けることが出来る

夏凜「……これなら沈んでもいいけど」

天乃「何か言った?」

夏凜「いや、なんにも」

布擦れは少しばかり不快ではあるものの

そんなことがどうでも良くなるような柔らかい感触を顔に感じる

緩んだ顔はもはや泥舟以下の脆さだが、仕方がないのだから仕方がない

しかし、ふと気になった夏凜は

埋めるように鼻を押し付けると、すんすんっと、匂いを嗅ぐ

夏凜「汗臭く……は、ないのね」

天乃「臭うほうが好き?」

夏凜「そんな特殊な頭してないわよ。っていうか、仮にそうだって言ったらどうするのよ」

天乃「ちょっと引く」

夏凜「おい」


90 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 23:02:07.22o2AMOWDvo (10/14)


天乃「流石に臭くなる努力なんてする気にはなれないし」

仮に。という言葉が建前などではないことを確信しているからか

天乃はそれを冗談として笑いながら、続ける

天乃「そんな事するくらいなら私自身の匂いを好きになって貰えるように頑張る」

夏凜「……どうしても無理って言われたら?」

天乃「斜め45度で――」

夏凜「止めろ」

天乃「ふふっ、冗談よ」

抱きしめる夏凜の頭を撫でながら、

天乃は夏凜に見えないままに声に出さず笑みを浮かべると

少しだけ強く、抱きしめて

天乃「こうやってぎゅーってする」

夏凜「ちょ……うま……」

天乃「それで臭いか、私か、選んで貰うしかないわよね」


91 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 23:08:17.84o2AMOWDvo (11/14)


むふふーっと

なぜだか自慢げに言う彼女に埋もれる夏凜は

息苦しさを感じない程度の隙間―ブラなしゆえの谷間―をしっかりと残していることに感謝しつつ身をゆだねる

触れれば触れるほど、失う惜しさがこみ上げてくる

だからこそ、願う

だからこそ、祈る

どうか、このまま無事にいてくれますように。と。だから――

天乃「今日は泊まっていってね」

夏凜「は?」

だから、聞き間違えたのかもしれない

素っ頓狂な声をくぐもらせながら聞き返すと

天乃は「無事かどうか見守ってもらわないと」と、言いつつ、

抱きしめる力を弱めて、夏凜を体から離すと、唇を重ねる

いつもと同じように浅い、だが、とても深い一瞬の接吻

艶かしい音を響かせることのないキスはある意味、美しい


92 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 23:16:50.05o2AMOWDvo (12/14)


魅了されたように呆然とする夏凜を真っ直ぐ見つめる天乃は

もう一度してしまおうかと考えて、首を横に振ると

天乃「見守る人を置くくらい、大赦も病院も許してくれるわよ」

そう言って、笑みを浮かべる

本来ならばそう簡単にいくわけがないのだが

天乃の体のことを考えれば、そばにいる人間はいた方が良い

そして何より、天乃の願いなのだ

それが不利益になる事ならばともかく、そうでないならば受けるべきなのは

大赦にとっては残念ながら―特例はあるが―ほぼ決まりごとのようなものになっている

というのも、機嫌を損ねたら恐ろしいことになる。というのは

穏健派も強攻派も共通認識していることだからだ。もっとも、それでも愚行を働くことはあるのだが。

夏凜「ま……まぁ、そう……ね。しょーがない。見ててやらなきゃいけないか」

言葉だけは不満そうだが、もちろん、そうでないことは明白で

けれども天乃は「お願いね」と、茶化すように言う

少しだけ蟠り―あったとも言えない―が解消された空気に、二人の苦笑が響いた


93 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 23:24:37.13o2AMOWDvo (13/14)



√ 7月3日目 夕(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 
41~50 友奈
51~60 大赦
61~70 
71~80 樹
81~90 
91~00 東郷

↓1のコンマ  


94以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 23:24:44.999/66Ky05O (2/3)




95以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 23:26:29.103g2GOXunO (1/2)

これはwww


96 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/01(水) 23:41:12.13o2AMOWDvo (14/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

気づいたら非安価という問題




風(勇者部四天王が一人、東郷よ。あの空気を壊すのだ!)

東郷(御意)

樹(頑張ってくださーい)

友奈(……止めた方が良いんじゃないかなぁ)


97以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 23:43:33.233g2GOXunO (2/2)


ここで東郷さん混じえて例の計画について話すのもありか


98以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/01(水) 23:51:08.189/66Ky05O (3/3)


この流れでハーレムの件とか話したら夏凜ちゃんすごく傷つくだろうなあ…


99以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 00:01:24.76seL5gyqXO (1/3)


話すタイミング難しいな
対面した流れによって判断ってとこか


100 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 22:36:15.311bzV8Uvko (1/6)


では、少しだけ


101以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 22:37:13.55YYVKh3DBO (1/3)

はいよ


102 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 22:44:39.551bzV8Uvko (2/6)


夏凜「もう夕方……?」

天乃が夕方の検診を終えてようやく、夏凜は思い出したように呟く

時間をまったく気にしていなかったのが一番の理由かもしれないが

集中治療室には窓はあっても外の様子は伺えない

それゆえに、時間感覚が乱れてしまうのだ

夏凜「…………」

……まぁ、それだけじゃないんだろうけど。

夕方だという言葉に同意して笑みを浮かべる天乃を一瞥して

夏凜はばれないように苦笑する

以前は馬鹿にした誰かの【幸せは一瞬という圧縮フォルダの中】という言葉は

全てではないにせよ、間違ってはいなかったのかもしれない

そんなことを考えられるくらいには落ち着いてきた夏凜は

自分の頭の中でやるべきことを思い返して、「あっ」と、声を漏らす

天乃「なに?」

夏凜「いや……」

最重要というわけではないが気になることがあったのだ

夏凜「あの――」

それを遮るようにノックが二回

東郷「こんばんは」

そして、昨日も来た―連れ去られてきた―東郷が

今度は自らの意思で、病室に入ってきた


103 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 22:47:51.311bzV8Uvko (3/6)


天乃「あら、いらっしゃい」

東郷「今日は夏凜ちゃん来ていたんですね」

天乃「東郷は聞いてなかったの?」

東郷「はい。夏凜ちゃん。何も言わないで居なくなってしまったので」

東郷はそのときのことを思い出して、困ったように笑みを浮かべると

先生にもいわずに。と、続ける

朝に話した時からいくべきかどうか迷っていた様子だったが

1時間目を終えてすぐ教室を出たかと思えば、戻って早々に身支度を整えて早退してしまったのだ

一緒に居た友奈は東郷に対して「きっと会いに行ったんだと思うよ」と

嬉しそうにしていたが、大赦関連のことではないのだろうか。と

東郷としては不安だった

しかし、蓋を開けてみれば見舞い―逢引き―で、東郷はふふっと笑みを浮かべて胸を撫で下ろす

大赦関連の問題ではなかったこともそうだが

夏凜が天乃に会いに来ているというのが、心穏やかにする

夏凜「悪かったわね……気になったことがあったのよ」

東郷「気になったこと?」

夏凜「そっ、朝に天乃のところに行くって風から連絡あったんだけど、来たのは一限が終わってからだったのよ」

天乃「…………」

天乃は風が病室を出て以降は、何をしていたのかは分からない

けれど、自分が原因であることはほぼ確定なため

天乃は無意識に、そっと目を逸らす


104 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 22:54:37.931bzV8Uvko (4/6)


東郷「それで、夏凜ちゃんは久遠先輩が心配になったのね?」

夏凜「心配って言うか……まぁ、考えも纏まってたから」

赤らめた頬を指で掻きながら、夏凜は呟き程度に答える

もっとも、考えたことを実行するか否かは

明日の朝まで持ち越しになってしまったのだが。

東郷「それで、久遠先ぱ――久遠先輩?」

天乃「な、なにかしら」

東郷「……………」

黙々と目を逸らしていただけなのに

東郷は何かを察したようにいぶかしげな目を向ける

じーっと、じーっと。沈黙を身にまといながら。

天乃「なに?」

東郷「あの……まさか。とは思いますが……」

東郷は口には出していないが、目が言いたいことを雄弁に語る

普段なら放課後に部室で風達と会っている東郷だが

今回は部室には寄ることなく、友奈に言伝のみを頼んでここに来たため

風が遅刻したことを、東郷は知らなかったのだ

それゆえに、天乃の反応と合わせて、考えて

まさか、風先輩にも手を出したんですか? と。言いたげに見つめていた



105 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 22:59:28.181bzV8Uvko (5/6)

天乃の計画を成就させるのなら、やはり風も断られない限りは囲っておくべきだから

それ自体は非難できる事ではない

しかし、だ。今目の前に居るクラスメイトへと目を向けた東郷は

小さくため息をつくと、天乃へと目を向ける

天乃「そんな顔されても」

東郷「……ダメだった場合のこと、考えてます?」

天乃「一応」

東郷「なら、良いんですが……」

いや。良くない

そう思いつつも、よこしまな野望を抱いているくせに

純粋無垢に困り顔されては、言葉にしにくかった

その二人に置いてきぼりを食らう夏凜は

なんなのよ。と、話に割り込んで

東郷「…………」

東郷の瞳が、天乃を刺す



1、実は、夏凜……私、一妻多妻を目指そうと思うの
2、夏凜は、私が他の女の子にも手を出してるのは、嫌?
3、それで、風はどんな様子だったの?
4、夏凜は一夫多妻ってどう思う?
5、そういえば、暴動の件は?
6、ごめんね、夏凜。私……先祖が八岐大蛇だから八股しないとダメな呪いにかかってるの
7、そ、そういえばー、新しい精霊が増えたのよねー


↓2


106以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:00:16.31j4J7pZI0O (1/1)

7


107以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:00:25.59I0w0TCF70 (1/1)

4


108以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:00:32.10YYVKh3DBO (2/3)

2


109以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:00:39.52seL5gyqXO (2/3)

1


110 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/02(木) 23:09:24.231bzV8Uvko (6/6)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「夏凜は、一夫多妻ってどう思う?」

夏凜「知らないわよそんなの。私は出来ないしやろうとも思わない」

天乃「どうして思わないの?」

夏凜「どうして、って……いや、そんなの私がそう言う意味で好きなのはあんただけだからだけど」

東郷(他にもいる場合は、どうなのかしら?)


111以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:11:36.14seL5gyqXO (3/3)


とうとうこの時が来たか


112以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/02(木) 23:19:48.64YYVKh3DBO (3/3)


夏凜ちゃんが納得しなかったらみんな身を引くことになるのかな


113以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/03(金) 02:41:08.42/tNYSaIbO (1/2)


なんとかなるさ


114 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 22:50:59.259Qtkti4Fo (1/9)


では、少しだけ


115以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/03(金) 22:51:36.84u7SX0tXlO (1/1)

あいあいさ


116 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 22:52:07.629Qtkti4Fo (2/9)


東郷の視線を見返すことなく

ただ純粋に疑問符を浮かべる夏凜へと、天乃は目を向けた

夏凜「なに?」

天乃「ちょっと気になることがあって」

夏凜「何かあった?」

天乃「そう言うわけではないけど……」

天乃の気になること。というのが

何か恐ろしいものなのかもしれない、危険なものかもしれない

そう思ったのだろう。体を一瞬だがこわばらせた夏凜に、天乃は努めて穏やかに否定する

完全に個人的なことだ

もっとも、不安の種であるのは変わらないかもしれないが。

天乃「夏凜って、一夫多妻とか、どう思う?」

夏凜「は?」

天乃「だから――」

言いかけた天乃を手で制し、夏凜は「それは分かってる」と困惑した様子で首を振る

夏凜が思わず間の抜けた声を漏らしたのも仕方がないことだ

天乃自身が危険なことではないと否定したとはいえ、

天乃が気になること、というのがそんなものだったのだから


117 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 22:54:40.299Qtkti4Fo (3/9)


夏凜「一夫多妻……ね」

天乃「ええ」

夏凜は神妙な面持ちで繰り返して、考え込むように自分の下唇に触れる

夏凜の答え次第で風や東郷にしてしまったことは取り返しのつかない罪になる

風や東郷達だけでなく、夏凜に対しても……

ゆえに、天乃の行動は軽率だったのだと、見守る東郷は苦悶の表情を浮かべ、息を飲む

そして夏凜の視線が東郷へと流れていく

夏凜「……なんでそんなこと聞いてくるのかは、大体想像つく」

東郷「…………」

夏凜「で、私がどう思うか。だっけ?」

天乃「そう、なんだけど……」

夏凜には酷いことかもしれないが

もう少し慌てふためくかもしれない

激高さえ、するかもしれない

そう思っていた天乃は、夏凜が冷静である方が助かるのだが

逆に奇妙にも思えて、緊張する

冷静沈着、ゆえの鋭利さがあるからだ


118 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:03:34.419Qtkti4Fo (4/9)


夏凜「…………」

考えなかった。といえば、嘘になる

天乃に自分の気持ちを告げる以前から、

天乃は男女関係なく恋愛的な告白をされていたし

それに対して、「馬鹿じゃないの」と言いたくなるほど真剣に考えているのも

きっと、みんなと比べれば一番近くで見てきたから

だから、一人だけじゃなければ悩まなくて済むんじゃないか

いっそ全員選んでしまえば良いんじゃないか

そう思って、考えて……

夏凜「天乃は、どう思うのよ。東郷は?」

東郷「私は……」

たずねて、答えを先延ばしにする

参考にする気はない。自分の意見は必ず言うようにすると決めている

それは、天乃に告白した時から

もしかしたら、それよりも前からの、自分の在り方

それでも、東郷の意見を聞きたいと思った

この場に居る時点で、あの言葉に驚いていない時点で

それは聞くまでもないことかもしれないが


119 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:12:29.909Qtkti4Fo (5/9)


東郷「私は……夏凜ちゃんには悪いけど。賛成」

夏凜「……でしょうね」

東郷「正直に言うと、もし私が選ばれていたのだとしても、賛成。する……と、思うわ」

暗い道、壁に手をつきながら歩いているかのような

迷いながら迷っていない言葉を聞いた夏凜は

表情を変えることなく瞬きして、天乃を一瞥する

天乃「わた――」

夏凜「私は、そうね……まぁ、多分、東郷は私が考えてること分かるんじゃない?」

東郷「私が夏凜ちゃんの立場なら。私が私の立場なら」

東郷の答えになっていない言葉に夏凜だけが肯定して頷く

そして

夏凜「私は、出来るならそれでも良いって思ってるわ。天乃」

天乃「良いの……?」

夏凜「天乃が見出した苦渋の選択とか、強制されたことじゃないなら。私はそれでも良いと思う」

夏凜はどこかおどけたような笑みを見せた


120 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:22:50.319Qtkti4Fo (6/9)


体がボロボロになるまで頑張ってきた人生

もう、いつ死んでもおかしくないような状態

そこまで世界に尽くしてきたことの報酬としては【一夫多妻】など、おつりが来ても良いくらいのものだと

夏凜は苦笑する

そもそも、今ここで命があるのは

先の戦いでもそうだが、体を張ってくれたからこそで

そう考えれば、命を助けてくれたご恩に~などといっても良いかもしれない

夏凜「それで、あんたは幸せになれるんでしょ?」

天乃「夏凜は、嫌じゃないの?」

夏凜「どこぞの馬の骨が紛れ込んでるならともかく、風だの東郷だのなら別に」

どうせもう手は出したんでしょ?と夏凜は続けて

驚く二人を見つめて呆れたように息をつく


121 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:39:51.129Qtkti4Fo (7/9)


夏凜「それに天乃を独り占めするよりは、互いに幸せになれるでしょ」

天乃「そんなこと――」

夏凜「ある」

トンッっと、俯きかけた天乃の額を夏凜は小突く

長く見てきた自負はない

完璧に理解できている自信もない

それでも、夏凜は思うのだ

夏凜「振ったら終わり。勇者部は特に、そう言う見捨て方を出来る性質じゃないでしょあんたは」

天乃「…………」

夏凜「我侭になりなさいよ。この程度の我侭ならいくらでも受け入れてあげるから」

ここまで、命を懸けて尽くしてきてくれたのだ

だからこそ、天乃のそんな我侭に嫌悪感は沸かない

次から次へと手を出す手癖の悪さというべきか……そう言うのは

もちろん、常識の範囲内に留めて欲しいとは思うが。


122 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:43:21.759Qtkti4Fo (8/9)


夏凜は余りにも簡単に受け入れていて

天乃は思わず呆気に取られて目をそらす

もう少し何か言われると思った

最悪、ダメだと言われることすら考えていた

なのに、夏凜はすんなりと許可し、笑みを浮かべている

強制はない、無理もない

全て納得した上での同意を示す夏凜に、天乃はなにも言えなくて

夏凜「……天乃」

天乃「!」

夏凜はそんな天乃の体を抱きしめる

抱きしめて、耳元に口を近づけて

夏凜「だから、みんなの我侭をさ。生きて欲しいって我侭を聞いて」

天乃「……………」

夏凜「……条件があるとしたら。それだけ」

夏凜の言葉を聴き、東郷へと目を向けると

その言葉を裏付けるように、東郷は頷いた



1、分かった
2、……どうせ、これ以上無理したら死ぬって宣告されたし、ないような条件だわ

↓2


123以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/03(金) 23:44:50.67jPQyAXbvO (1/2)

1


124以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/03(金) 23:45:48.34/tNYSaIbO (2/2)

1


125 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/03(金) 23:50:21.489Qtkti4Fo (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


126以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/03(金) 23:53:49.08jPQyAXbvO (2/2)


これは夜燃え上がりそうですねえ


127以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/04(土) 00:21:41.740jwGQRxsO (1/2)


あとは樹園子沙織(友奈)か
たしかにここらが限界だな


128以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/04(土) 03:48:50.09n1KY3u5xO (1/1)


受け入れてくれるとは夏凜ちゃんマジ理解者だな


129 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/04(土) 22:31:23.48esUNzqVao (1/4)


では、すこしだけ


130以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/04(土) 22:32:16.24zm0hGpyuO (1/1)

よしきた


131 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/04(土) 22:48:06.41esUNzqVao (2/4)



天乃「分かったわ」

天乃は一息つくと、夏凜と東郷を緩やかに見渡して、頷く

この様子だと、まだ聞いていないかもしれないが

天乃は次やれば最悪死ぬ。しかも高確率で

という忠告を受けており

元々、戦いは以前の予定通り、緊急用の補欠になるつもりだったのだ

だから、夏凜には申し訳ないが

天乃としてみれば得しかない取引だったと言えるだろう

東郷「今後は、私達もバーテックスに劣らぬよう、力をつけていきますから」

夏凜「今までも、これからも。だけど……」

東郷の言葉に続けて言った夏凜は

天乃の手を軽く握ると、笑みを浮かべる

照れくさそうな、困り顔だ


132 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/04(土) 23:06:48.71esUNzqVao (3/4)


東郷がいる。だから、気恥ずかしいのかもしれない

手を出せないかもしれない

その天乃の視線を受けた東郷は、

穏やかにほほ笑むと、夏凜の後ろから天乃の手に手を重ねる

間に手を挟まれつつも

夏凜は無理に引き抜くことなく息を吐く

夏凜「私や友奈、樹は全力で頑張ってるわよ。東郷」

東郷「……その点では、おとるかもしれないわ」

夏凜達が頑張っていることは

友奈を通してしっかりと聞いている東郷は

自分の動くことが出来ない体を悔やみ、しかし

それが守ることの出来たあかしだと考え、天乃を一瞥して

東郷「ねぇ、夏凜ちゃん」

夏凜「なに?」

東郷「私は鍛錬積めないから、久遠先輩と一緒にいるわね」

夏凜「は、はぁ!?」

東郷「……冗談よ」

夏凜「冗談じゃないわよ!」


133 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/04(土) 23:20:01.35esUNzqVao (4/4)


一夫多妻

一妻多妻の許可を出したとはいえ

自分が頑張っているときにそういうことをする。と

堂々と宣言されては、夏凜も腑に落ちない―純度100%の嫉妬―ようで

それを見た天乃と東郷は顔を見合わせて笑い声を溢したが

東郷はすぐに心を切り替えて

東郷「なら、夏凜ちゃん」

夏凜「なによ」

東郷「今から少しだけ……3人で触れあってみない?」

練習として。と

東郷はしっかりと付け加えて

夏凜は最初こそ戸惑いの色を浮かべていたが

天乃へと目を向けて、ゴクリと、喉を鳴らす

天乃「……いや、待って」

東郷「?」

天乃「えっと、疲れることは禁止。分かってるわよね?」

東郷「もちろんです」

――それならひとまず安心。なのだろうか


1、場の空気に流されてみる
2、体が無事になるまでは、待ってくれない?


↓2


134以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/04(土) 23:21:04.79YsMeaBpfO (1/1)

1


135以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/04(土) 23:21:32.200jwGQRxsO (2/2)

1


136 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 00:19:33.12JXzbQ5vUo (1/20)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできればお昼頃から


137以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 00:26:10.04pIqFmPveO (1/1)


東郷さんいいタイミングで来たな


138以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 00:26:20.45bG5RZ6vXO (1/1)


いきなり3Pとは…
しかも許可したってことは風先輩以上の行為も…?

久遠さん体持つのだろうか


139 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 17:16:56.78JXzbQ5vUo (2/20)


では、遅くなりましたが少しだけ


140以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 17:28:23.45N46pRBBpO (1/2)

了解


141以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 17:31:09.136nlcay5cO (1/5)

やったぜ


142 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 17:32:01.80JXzbQ5vUo (3/20)


天乃「せ、節度を守ってくれるなら……」

ちらりと夏凜へと目を向けると

夏凜は一瞬だけ目を合わせたが、すぐに逸らして「なんで私を見るのよ」と

なぜだか、不満げに漏らす

天乃「別に、夏凜が激しいとかそう言うわけではないのよ?」

夏凜「そんなの解ってるわよ……自分のことだし」

そう言いながら、夏凜は静かに天乃へと近づいて、唇を重ねる

滑らかに、乱れもなく優しいキスは一度つながると

すぐに離れて、また重なる

東郷は、その不慣れでありながら慣れているキスを横目に、そっと天乃の体に手を伸ばす

天乃「んっ」

東郷「ぁ、すみません……」

天乃「っふ……気にしないで」

キスを中断しつつ、東郷に声をかけた天乃は

言ってくれさえすれば平気だから。と、落ち込む東郷の頭を優しく撫でると

空いた右手で夏凜の頬を撫で、引き寄せるようにキスをする


143 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 17:45:28.81JXzbQ5vUo (4/20)


夏凜「っ、んっ……」

唇同士を押し付け合うと、互いの力から逃れるように唇は道を譲り

噛むことを恐れ開く口腔に、天乃は舌を忍び込ませ、絡める

夏凜「んっ、っ、ぁ……」

リードする予定だった。なのに、気づけば流されている

どこで覚えたのかもわからないキスの仕方に、感覚が解されていく

微かなざらつきと、ぬるりとした感触、仄かな甘み

味覚、触覚が天乃を染み込まされていく中で夏凜は天乃の手を掴むと

ベッドに押し返すように押し付けて、自分の体をゆっくりと、

慎重に踏まないようにと気を配りながら天乃の上に重ねる

天乃「っ、は……」

目の前に見える、夏凜の熱を持った表情

離れても十数センチしかない唇からは、透明の唾液が糸を引き、天乃の口元に滴る


144 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 18:02:43.11JXzbQ5vUo (5/20)


夏凜「はぁ、はぁ、やるじゃない」

天乃「別に、勝負してるわけじゃないけど……んっ」

話の途中だなどと関係ないかのように

夏凜は再び天乃と唇を重ね、東郷に横目を投げて手招く

しなくて良いのか。触れなくて良いのか

そう、誘うようなそぶりに、東郷は一度は怖気づいた心を震わせ、息を飲む

自分から言い出したことなのに

こんなところで見ているだけで良いのだろうか

東郷「…………」

良くない。何もよくない

ドキドキとする強い鼓動、ゆえの体の熱

一人でどうにかすることもできる

いや、今まではそうしてきたこと

けれど、それはきっと……あまりにも切なく寂しいもので


145 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 18:19:50.65JXzbQ5vUo (6/20)


東郷「久遠先輩、触り。ます」

声をかけ、返事を聞かないまま天乃の病衣の上から胸に触れる

申し訳程度のキャミソールと、病衣

それしかない隔たりは熱こそ控えめに思わせるが、

弾力は隠しきれない。そして、その中途半端な隔たりは

東郷の情欲を刺激する

東郷「ん……っ」

ゆっくりと病衣の襟に手を滑らせて少しずつはだけさせていく

天乃「んっ、ぅ……んくっ」

夏凜「ふ……んっ、んちゅ」

上の方から聞こえてくる、ぬちゅりとした淫靡な音

それに導かれるように露になった白い布をかけられただけのような乳房

その先端はキスと緊張、高ぶりゆえか、僅かに存在を主張していて

東郷は強い欲求を体に感じたが、しかし、勢い任せに手は伸びなかった

針穴に糸を通すかのような緊張感と慎重さ、繊細さ

それをもって、隆起する乳首に人差し指の腹をかけ、織り込むように力を加える


146 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 18:35:29.97JXzbQ5vUo (7/20)


天乃「んっ!」

びくっと天乃の体が反応して、東郷は慌てて手を引いたが

しかし、興味は尽きず今度は人差し指と親指で抓む

天乃「んっ、ぅ……ふ……」

夏凜と繋がっているから声は殺されている

なのに、その声が触れる前よりも微かに熱を帯びているように感じた東郷は

左手で右の飛ぶ差を撫でるように揉み、右手で乳頭をキャミソールの生地で擦る

東郷「……感じ、ますか?」

天乃「んっ、ぅ、ぁ……んっ!」

強く摘まめば、ひときわ大きな反応を示す

それを見た夏凜と東郷は、一つ目の弱点なのだと

言い換えれば、敏感な場所だと記憶して笑みを浮かべる

天乃「っは……ぁ……はぁ……」

唇を開放すれば、零れる吐息

それはとてっも熱っぽく、見える瞳は潤んで輝く

口元から知ったる唾液はどちらのものなのか分からないが

しかし、ベッドに倒れたまま、胸を上下に揺らす姿は、妖艶で

夏凜と東郷は同時に、喉を鳴らした


147 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 18:47:23.10JXzbQ5vUo (8/20)


天乃「はぁ、はぁ……んっ」

東郷「っふ……夏凜ちゃんより不得手ですが」

天乃「んんっ」

唇を舐めるように先行した舌が、にゅるりと潜り込んで

閉じようとした唇は遅れて触れた東郷の唇が押し広げて、揉み潰す

舌の周囲を調べるようにぐるりと舐めながら、唇で唇を咥え

柔らかすぎない程よい肉質の唇を甘噛みする

東郷「んっ……んちゅ……ん……」

呼吸は断続的に行う。でなければ、息が続かない

それが分かっていても、強力な接着剤に繋がれたように離れがたく、

天乃「んっ、ぅ……んっ」

しかし、くちゅり、にちゅりと淫らな音を立てながら、離れ息を吸い込み

そのまま時間を置かずに唇を重ね、天乃の呼吸を飲み込む


148 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 18:54:57.52JXzbQ5vUo (9/20)


天乃「んっ、んく……っ!」

口腔を東郷に支配され、弄ばれる感覚

ぬるりとした中にある、微かなざらつきの絡まり

自分の意思とは無関係に舌がふれあうことを求め、

呼吸のために離れようとした東郷の舌に絡みつく

東郷は驚きつつも受け入れ、包み込むようにまた、キスをして

そんな、心地よさに埋もれていく天乃を

さらに強引に押さえつけるような感覚が、胸元から電流のように迸って

天乃は思わず、東郷の体に抱き着く

天乃「っは……はっぁ……ぁ……?」

びくんっと強く震えたことで、東郷も離れ

快楽の根源であろう夏凜へと、目を向ける

夏凜「ちょっと、きつかった?」

天乃「かり……それ……」

キスの連続で上手く回らない舌で何とか言葉を紡ぐ

夏凜の手は、露出させられた胸をわずかに歪ませていて

ぷくりと立つ桃色の突起は夏凜の唾液で艶かしく光っている

夏凜は咥えたのだ

それだけでなく、赤子のように味わった。時には、甘噛みした

溶けゆくアイスを潰さないような優しさで。


149 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 19:09:19.36JXzbQ5vUo (10/20)


天乃「ま、待って……待って。夏凜」

夏凜「ん?」

一人との行為は何度かやった

キス止まりがほとんどで

その先に足を半分ほど踏み入れた行為なら、一度だけ。だが

それでも、天乃の経験上なら二人相手でも大丈夫かもしれないと思っていたのだ

だが、そんなことはなかった

片方だけに集中する余裕がないのだ

キスだけをしているなら、完全に浸ることはないし攻勢にも出られる

しかし、キスをしながら胸をまさぐられ、

それ以上のことをされると、感覚を上回った感覚が流れ込んで来るため

どうにも、考え事が出来なくなりそうで

天乃「二人相手は、その……」

夏凜「何言ってんのよ。まだ序盤の序盤だってのに」

天乃「えっ?」

東郷「そうですよ。本当なら、ここから私と夏凜ちゃんもより強く絡み合うんですよ?」

天乃「う、嘘……」

夏凜「大体、どれだけ囲うのか知らないけど。勇者部だけでも園子抜いて5人、沙織いれて6人。園子いれて7人」

夏凜は呆れたように言葉を並べて

天乃「ひゃんっ」

天乃の耳元に口を近づけると、耳たぶをぱくりと咥える

東郷「その全員の相手する可能性もあるんですよから。二人程度でリタイアされては、困ります」

天乃「んっゃ……」

自分の選択はみんなにとって間違いではなかっただろう

だが、自分にとって本当に正しかったのか

押し寄せてくる悦楽の波に、考える隙は与えられなかった


150 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 19:11:19.18JXzbQ5vUo (11/20)


短いですが、少し中断
遅くても21時には再開します

二人以上の交わりは初めてなのでやや不足……鍛えておきます


151以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 19:12:13.179rvivezqO (1/1)


いやすごいよかったよ


152以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 19:20:39.286nlcay5cO (2/5)

一旦乙
二人だとさらに濃厚になりますな
できれば後々単独回もあるといいなあ



153以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 19:26:02.10P2Axpyd2O (1/1)


これで自己満足してないのが凄いよなぁ…
確かに単独も見たいね


154 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 20:57:43.61JXzbQ5vUo (12/20)


では、再開します


155 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 21:23:18.20JXzbQ5vUo (13/20)



√ 7月3日目 夜(病院) ※水曜日


※東郷美森も残留を希望しています


1、残す
2、帰らせる

↓2


156以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 21:24:20.716nlcay5cO (3/5)

1


157以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 21:24:25.68IXoyIY660 (1/1)

2


158以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 21:25:57.47thei1FvtO (1/1)

1


159 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 21:33:23.04JXzbQ5vUo (14/20)




√ 7月3日目 夜(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 九尾
41~50 
51~60 大赦
61~70 
71~80 
81~90 歌野
91~00 

↓1のコンマ  


160以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 21:33:46.116nlcay5cO (4/5)




161以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 21:36:11.791QTIZBtsO (1/3)

九尾とばったり会ってどんな反応すんのかも見たかったわww


162 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 21:51:35.66JXzbQ5vUo (15/20)


「どうも、ご無沙汰しております」

天乃「ご無沙汰って……貴方ね」

先日来た大赦の男性は、相変わらずの笑みを携えて、やってきた

もう、夜だと言うのに。

その来訪時間ゆえ、夏凜は敵意のある目を向けつつ

天乃を庇うように、前に進み出る

夏凜「どういうつもりよ」

「どうもこうも、お見舞いですよ」

夏凜「はっ、この時間に? 知り合い程度でしかなさそうな人が?」

普通なら、面会時間はとうに過ぎており

ここに来ることなど不可能だ

だが、大赦の人間ならばその程度の融通ならきかせられる

だから、それ自体に夏凜は何も疑問はない

不可解なのは、なぜ。こんな時間に来るのか。だ

時間がなかったと言われればそれまでだが

こんな時間でもくる必要がある要件があるという可能性が高い


163 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 22:27:43.79JXzbQ5vUo (16/20)


「私としましては、三好様がいらっしゃることの方が、疑問ですがね」

夏凜「何言ってんだか……聞いてるくせに」

「まぁ、伺っておりますが」

不敵な笑みを浮かべる男性は

すぐ近くにある折りたたまれた椅子に触れようとしたが

夏凜の殺意にまで思えそうな視線を受けて、手を上げる

そしてやはり、笑みを浮かべる

「元々、長居するつもりはありませんし、構いません」

天乃「……それで?」

「はい。予定通り、明日の昼には自宅療養に移っていただきます」

天乃「………そう」

「それと、これは我々も想定外なのですが……」

男性は困り果てた表情でため息をつく

「久遠様のご友人が同行されたいと」

天乃「友人? 勇者部。ではなく?」

「流石、目敏い」

皮肉のようにそうつぶやいた男性は

ええ、そうです。とほほ笑み頷いて

「正しく言えばクラスメイトの方です。当然、伊集院様でもございませんよ」


164 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 22:43:07.05JXzbQ5vUo (17/20)


天乃「……また、あの子たちは」

どういう経緯でそんなことになったのか

大体の想像が付いた天乃は男性の前であることも厭わずに、苦笑する

その笑みは年相応に少女らしく

夏凜は愛らしさを感じ、しかし、

その緩みかけた気を引き絞って男性へと目を向ける

その程度の連絡ならば、わざわざこの時間でなくても良いはずだ

そう、思ったから。

それは天乃も一緒だったらしく

夏凜が口を開きかけた瞬間、背後から「それで?」と

再び問う声が聞こえた

天乃「それだけを言うために、ご足労頂いたのですか?」

「……緊急の要件が一つ」

彼はそう言うと、笑みを崩し

男性には申し訳ないが、不釣り合いにまじめな瞳で

天乃をしっかりと見つめる

そして、告げたのは

次回の戦闘では園子を出すことが出来ない事

そして、また再び、戦いが近づいてきている。ということだった


165 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 23:03:05.16JXzbQ5vUo (18/20)


「襲来は近く予言……予測されています」

夏凜「だからこうして夜でも来たってわけ?」

「はい。現状、この一瞬後に行われても不思議ではありませんので」

男性は何かを案じているかのように唇を噛むと

布団に隠れた天乃の足から腰、胸元

そして顔へと視線を移動させて、天乃の目と視線が絡む

天乃「私のことを心配しているの?」

「心配……とは言えないかもしれませんが」

それでも。と続ける

「貴女は我々人類が持つ最高戦力です。最後の最後、切り札として残したいと思っています」

天乃「全員ではないんでしょう?」

「その通りです。残念ながら、久遠様は強さゆえに、恐れらていますので」

天乃「…………」

とはいえ、大赦がどう思っていようと

天乃には何の関係もない

何かをしてくるのなら、打ち破るだけだ

もちろん、以前話に出ていた【婚約】の話も


166 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 23:33:14.78JXzbQ5vUo (19/20)


そっと夏凜の服の裾を引き

何かと目を向けてきた夏凜に、その意味を込めた笑みを向ける

けれど、流石にそれは通じなかったようで

夏凜「どうかした?」

天乃「ううん、別に」

とはいえ、戦うのは控えるって決めたばかりなのよね。と

天乃は悩まし気に目を伏せて、息をつく

現実問題、戦えば死にかねない

だから、樹海の危機だからと言って

比較的危険度の低い戦いには参加するべきではない

そしてそれを、大赦は分かっていない

「ともかく、いつ襲撃が行われるかわかりませんので、警戒をお願いします」

天乃「……………」

言うべきだろうか?

ここまで体が壊れてなお、

戦いになれば出て来てくれと言ってくるような相手に

それを告げた程度で、考え直してくれるだろうか?

面倒な事にはならないだろうか……?


1、善処するわ
2、無理よ。私の体も限界だから


↓2


167以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 23:34:17.501QTIZBtsO (2/3)

2


168以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 23:34:40.48N46pRBBpO (2/2)

2


169以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 23:34:47.90ZSlP48IY0 (1/1)

2


170 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/05(日) 23:40:11.35JXzbQ5vUo (20/20)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




天乃「無理よ。私の体も限界だから」ナデナデ

大赦「なぜ自分の下腹部を……? ま、まさか!?」バッ

夏凜「普通こっち見ないでしょ!?」

天乃「毎日激しくて……」フィッ

夏凜「いい加減にしなさいよあんたァッ!」


171以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 23:42:40.861QTIZBtsO (3/3)


でもお泊まりするんですよね?


172以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/05(日) 23:50:21.316nlcay5cO (5/5)


自分の体を労るようになってて久遠さんも成長してるな
一方で次の戦闘で園子様が不参加とはどんどんシビアな状況に…


173以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 01:23:52.02M851ybQoO (1/1)


一応戦力増えたんだからたまには勇者部に期待しよう
ご褒美は久遠さんだぞ


174以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 06:04:37.485seV0GBiO (1/1)

なんかまた久遠さん子作りルート入った気がする>>165で婚約が出てきたのはそういうことでしょ?


175以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 08:36:14.15C6FcQUJgO (1/1)

今回悪五郎いるんだからそれでよくない?
主目的が子作りだし


176以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 12:29:47.74H3O6G6cYO (1/1)

久遠家にとってはかなり重要な事柄だし話としては避けては通れないところだろうね
前作で子作りに関わってた久遠家や春信さんが未だ未登場なのも気になるな


177以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 12:43:04.28mVgQfu0JO (1/1)

またグダグダやるのめんどい、前はくっつくかくっつかないかのイベでまあまあ見れたけどさすがに2度目でハーレムほぼ完成となると大して面白くもないし
穢れ関連で通らなきゃいけないにしても今回は前回と違って子作りに何の後腐れもない悪五郎いるせいでそっちのグダグダ経由するの不毛極まりない


178以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 14:20:06.165oBDlspYO (1/1)

そこら辺は>>1も分かってるでしょ
だから序盤で安価なしに婚約なんてしてられないって切り捨てたんだろうし

ただ婚約云々の話へのフラグに踏み込んだっぽいからどうなるか分からないけどさ


179 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 22:53:26.94YmK+/ROyo (1/11)


では、少しだけ


180以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 22:54:55.21ujfPQ957O (1/3)

よっしゃ


181 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:00:38.37YmK+/ROyo (2/11)


天乃「……無理よ。私の体も限界だから」

「それは、からかいのおつもりで?」

天乃「貴方の目に映る私の状態、目を通した私の資料を総合した上での言葉?」

だとしたら貴方はとても面白い人ね。と

天乃は今までになく冷たく言い放つ

本人はそんなつもりはなかったのかもしれないが

少なくとも、男性はそう感じて半歩退くと

頬に浮かぶ脂汗を指で払い、息をつく。完全な失態だ

「し、失礼した……確かに。君の状況はまるで良くない」

天乃「そう。だからと言って、襲撃してくる敵が生易しいわけでもない」

夏凜「天乃――」

振り返り何かを言おうとする夏凜を手で制し、頷く

死ぬか死なないかが目前にまで迫ってきている上に

我侭を聞いてもらったうえでの夏凜達との約束

そう簡単に、はい、そうですかと棄却出来るはずがないしする気もない

もっとも、手を貸さなければ数瞬のうちに世界が―勇者部含め―滅ぶというのなら話は別だが。


182 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:09:49.42YmK+/ROyo (3/11)


天乃「私の精霊の中の一部は独自に戦闘できる程度の能力はある。私と比べれば質は落ちるかもしれないけど」

それでも、通常の勇者としての実力は申し分ない

今の大赦の人間全てが知っているのかどうかは疑問だが

先代の勇者である乃木若葉、土居球子、白鳥歌野がいて、巫女である藤森水都が居る

天乃「私が参加できない分、私の精霊が頑張ってくれる。それで、文句はないでしょう?」

「私としては……だが、やはり。君が居ない分被害は出るだろう……」

天乃「言いたい事は理解してるわ。貴方が、貴方のその目の裏に見ている人達の方針に納得がいっていないことも」

「!」

男性は天乃の完全に見抜いた言葉に目を見開いたが

しかし、すぐに納得したように薄く笑みを浮かべる

齢15とまだまだ幼さのある成長途中ではあるが、ある意味では自分を上回っていることを認めて。

天乃「私だって万能ではないのよ。全てを代償なしに救うことが出来るというのならやっても良い。でもね、違うの」

「……………」

救うことは出来ても、その分、体が傷ついていくという代償を支払わなければいけない

それを続けてきた天乃自身が、その力不足を嘆いて、苦笑する


183 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:10:34.90YmK+/ROyo (4/11)


「……だが決して、貴女は力不足などでは有りませんよ。久遠様」

本来ならば平伏すべきかもしれない

しかし、天乃がそんなことは望んでいないと知っている男性は、軽く頭を下げる

彼女は勇者だ。間違いなく。それは蛮勇と呼べるものなのかもしれない

誰かは化け物だというかもしれない

が、神話に語られる神々とて、人間から見れば化け物ではないだろうか

自分が理解できないから、到達できない位置に居るから、人の外、化け物であるというだけで……

男性職員はふっと息を吐いて切り替えると

先日と同じような余裕を感じる笑みを浮かべる

「先日申し上げたとおり、やはり。貴女はとても興味深い」

天乃「……ここでそれを言う?」

「失礼」

こほんっとわざとらしく咳払いをする男性職員から夏凜へと目を移した天乃は

その手が少しばかり拳を作りかけているのを見つけて、微笑を浮かべる

これ以上言えばあの手が飛びかねないのだが

それにまったく気づいていないというのが、実に男性らしいと思ったからだ


184 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:16:12.66YmK+/ROyo (5/11)


「私の用件は以上になる。君の限界に関しては伝えておこう」

天乃「よろしくお願いします」

「…………」

男性職員は不意に上げた手をさまよわせて、

何もすることなく一礼して、病室から出て行く

その後姿を見送った後すぐ「はぁ」と、ため息が聞こえた

夏凜「なんなのよ、一体」

天乃「……さぁ?」

手を動かしたことの疑問

それを口にする夏凜に、天乃は微笑みつつ首を傾げる

本当は何をしたかったのか分かっている

先日断った接触。その欠片でも行えれば。と、思ったのだ

よろしく。という意味を込めて

天乃から差し出せば受けてくれたかとは思うが

夏凜の怒り一歩手前ゆえに、そうすることも出来なかった天乃はただ笑って誤魔化す


185 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:22:13.93YmK+/ROyo (6/11)


夏凜「……あんたがなら戦うって言い出さなくて良かったわ」

不意に、余り似つかわしくない静かな声で言葉を紡いだ夏凜は

ゆっくりとベッドに腰を下ろすと、体ごと天乃へと振り返る

その表情には不安と恐れがあって

そして、その上に覆い被さった安心があって

天乃「まぁ、約束――」

天乃の頬へと、夏凜の手が伸びる

それを目で追いながら、天乃は抵抗することなく受け入れて

天乃「したことだから、ね」

近づく夏凜に笑みを浮かべると、夏凜は少しだけ驚き

小さく笑って「そうね」と口にし、天乃の唇に重ねる

乗り物に揺られ、ぶつかってしまっただけのような軽いキス

それでも離れた互いを見る目には、ほんの少しの熱が篭る


186 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:22:41.50YmK+/ROyo (7/11)


夏凜「……さっきの天乃。別人みたいだったわ」

天乃「怖かった?」

夏凜「格好良かった」

天乃「……ばか」

互いの体が動くのは、本能ゆえ

だからこそ、夏凜は普段の拒絶にも取れる言葉選びはせず

思いのままに言葉を紡いで

天乃はそんな夏凜こそ、別人みたいだと思い、

しかし、言葉も体も拒絶することなく受け入れる

天乃「夜までするのは、無理よ?」

夏凜「分かってるわよ。少しだけ」

天乃「さっき東郷としたのに」

夏凜「それは昨日の分。これは今日の分よ。言ってなかった?」


187 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:24:05.28YmK+/ROyo (8/11)


天乃を自然にベッドへと押し倒した夏凜は

胸元に伸びようとする手を制し、天乃の手と隙間なく結ぶ

夏凜「……ほんと」

人口の光さえ乏しい部屋の中

桃色の髪も白い肌も、橙と赤の瞳も

全てが、それ自体が発行しているかのように眩く見える夏凜は

月明かりがあればよりよかったのだろうか?と

小説で時折見る天開、描写を想起しつつ体をかぶせる

キスはしない。天乃の耳元に口を近づけるだけ

押し付けた胸が、自分よりも遥かに高い果実を潰す

その感覚を味わいながら

夏凜「ほんと、あんたは良い女よ」

天乃「……夏凜がそう言うと。なんか変な感じする」


188 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:28:55.89YmK+/ROyo (9/11)


物語の中の男の言葉

それを真似てみたのだが、作中の少女のように、天乃は照れた様子もなければ

顔を紅くした様子もなくて

夏凜「なによ。頑張って口説こうとしたってのに」

思わず不満をぼやくと

目の前の彼女は、クスクスと愛らしく笑う

天乃「普通で良いのよ。格好つけたって、そこに意識が分散されて心が薄くなるから」

夏凜「そ――」

だけど。と天乃は夏凜の首に腕を回すと唇を重ねて、微笑む

天乃「そんな貴女も好きよ。頑張ってる姿が愛らしい」

夏凜「んな……っ……」

からかっているのならそう言い返せるが

天乃の笑みが本心であることを物語っている

天乃「ふふっ」

本当に、心からそう思う

夏凜だけでなく、東郷も沙織も、樹も、風も、友奈も……

嫌な事は決して少なくない

けれども、その分、あるいはそれ以上に良いことがあるから

だからこそ、生きていたいと。思った


189 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:32:15.20YmK+/ROyo (10/11)


そんな天乃の笑みに笑みを返し、

負担にならないよう天乃に体を重ねた夏凜は

そのままぐるりと体を回して隣に並ぶように横たわる

シングルベッドは狭く、体は重なり合う

だから、夏凜は横向きになって、天乃を見つめる

この姿勢では下敷きにした腕がやや不満そうに痛みを訴えてくるが

それで天乃を見れるのなら、と

感覚を無視して、右手で天乃に触れる

天乃「……なに?」

夏凜「いや、別に」

天乃「そう……」


1、そういえば、あっさりと認めてくれたわね
2、私に死ぬなというのなら。しっかりと守ってね?
3、そういえば、新しい子が居るの(歌野・水都)
4、明日無事だったら……ね

↓2


190以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 23:32:57.92Cw78Ta50O (1/2)

1


191以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 23:33:53.675RMTMjEu0 (1/1)

3


192以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 23:34:16.86ujfPQ957O (2/3)

1


193 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/06(月) 23:41:05.37YmK+/ROyo (11/11)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


歌野・水都紹介後まとめ。その後運命の体調判定


194以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 23:42:20.40Cw78Ta50O (2/2)


ドキドキ


195以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/06(月) 23:48:00.54ujfPQ957O (3/3)


あまにぼコンビ本当に幸せそうだなあ
この平和を守ってあげたい


196以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/07(火) 01:30:03.53GdmJAmP3O (1/1)


若葉たちとはもう会ったのかな新入り二人は


197 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:36:09.6324Uj413No (1/8)


では、遅くなりましたが、判定までは進めたいと思います


198 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:37:00.3224Uj413No (2/8)


夏凜が何か言いたげなのは感じたが

しかし、天乃は問いかけることなく微笑み、

自分の頬に触れる夏凜の手に、自分の手を重ねる

天乃「そういえば、新しい子が増えたの」

夏凜「新しい子?」

そう。と、天乃は軽くうなずいて

天乃「いる? いるなら出てきて頂戴。歌野。水都」

呼ばれて姿を現したのは、見たことはないが勇者装束に身を包んだ少女と

大赦のようで大赦とは少し違った巫女装束を着込んだ少女

巫女の方は、勇者の背中に隠れるようにして

夏凜の様子を伺う

歌野「はせ参じてまいりました。私が、白鳥歌野です」

水都「藤森……水都。です」



199 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:38:39.2424Uj413No (3/8)


お嬢様をモチーフとしているのか、どこか不慣れな言葉遣いの歌野に

天乃は苦笑して「普通でお願い」と手を振る

無理をしているというよりは

こうすべきだろうと試行錯誤してくれた感があったが

なんとなく、むず痒さがあったからだ

少なくとも、同年代の人に位の違う人間として扱われるのは、好みではないのだ

歌野「じゃぁ、よろしくね。三好夏凜さん」

夏凜「……知ってんのね」

歌野「九尾さんから聞いたんだよ。見ちゃいけないものがあるから話でもってね」

歌野はそういいながら天乃と夏凜を交互に見ると

照れくさそうに頬を掻く。指の触れる肌は、ほんのりと朱色だ

明らかに先ほどの件を知っている様子だが

天乃は「それなら話が早いわね」と、さらっと流す

精霊に見られている生活など、天乃には当たり前なのだ

もちろん、恥ずかしくないなんてことはないけれど。

触れなければ流してもらえるのだから、そうすべきだ


200 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:42:46.0524Uj413No (4/8)

天乃「九尾からどの程度の話を聞いたの?」

歌野「とりあえず、お嬢様の仲間の勇者について――」

……お嬢様?

今、お嬢様って言った!?

だれの仕業なのかは火を見るよりも明らかで

天乃はピクピクと怒りに繭を震わせながらため息をつく

その一息は、空気を滞らせ、歌野の言葉を止める

歌野「お、お嬢様?」

天乃「九尾に何を仕込まれたのか知らないけれど……それ、やめて?」

水都「う、うたのん。だからダメだっていったのに」

歌野「こういえば天乃が喜ぶって言ってたんだけどなぁ」

天乃「誰が?」

歌野「本能が」

夏凜「九尾じゃないの!?」

ばんっっと机を叩く勢いで身を乗り出した夏凜は

ギシッっとベッドを軋ませて、歌野を見る

その歌野は、満足げな笑みを浮かべていた

まるで、夏凜のそれこそが目的だったかのように。


201 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:43:24.3224Uj413No (5/8)


歌野「あーえっと、それで天乃」

天乃「うん?」

歌野「勇者部と、私達自身の能力とその使い方についてなら九尾に聞いたよ」

顔を紅くする夏凜から目を逸らした歌野は

どこからともなく薄く光を放つ蔓のようなものを出現させる

白鳥歌野が勇者として戦っていたときに扱っていた武器、藤蔓

今は稲荷神の力の一端を継承しているその武具は

生前とは比べ物にならない力を持っている

まぶしいのではなく、優しい黄色の光

それが消えるのと同時に藤蔓も消滅し、歌野は水都へと振り返る

歌野「私は最前線と中距離の戦闘スタイルが最適で、みっちゃんに関しては支援専門だね」

水都「ある程度の傷なら癒せます。あと、多少の身体能力強化」

傷を癒すのは、純粋に勇者がもと持っている治癒能力を

神樹様の力で高める。というもので

身体能力の向上に関しても同じことで、神樹様からの力の供給を

一時的に濃く―増加―させることで、スピードやパワーといった部分の能力を向上させられるのだ



202 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:47:51.4824Uj413No (6/8)


歌野と水都が能力説明をし終えると

黙っていた夏凜は気持ちを切り替えたのか、

軽く息を吐いて、歌野と水都を交互に見る

夏凜「あんた達……」

聞くまでもないことだろう

天乃が呼んだらどこかから姿を現した

若葉や球子と同じようなもの。なのだとしたら

夏凜「先代の勇者か」

歌野「知ってるんだ」

夏凜「まぁ……一応ね」

歌野「若葉さんやタマっち先生がいたんだから。それもそうか」

一人納得したように呟いた歌野は、

うんうん。とうなずくと、夏凜へと目を向ける


203 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:51:56.8724Uj413No (7/8)


歌野「私は先代勇者。白鳥歌野。本来守っていたのは諏訪の方らしいけど。一応、勇者だったみたい」

天乃「らしい……? それも九尾から聞いたの?」

歌野「水都が終始不安そうだったから、少しだけ記憶をくれたんだよ。良い記憶。とはいえないけど……」

歌野は言いながら悲しげに眉を潜めるとちらりと水都を一瞥する

守れなかった記憶。それが、今の歌野にはある

それは戻さなければいけなかった記憶

これから先、失うことがないように。

歌野は首を横に振って考えを振り払うと、夏凜に向けて手を差し出す

歌野「話は聞いたよ。天乃のこと、みんなで守ろう。三好さん」

夏凜「……夏凜で良いわよ。よろしく頼むわ。歌野」

これから天乃を戦わせることは出来ない

戦えないわけではないが

それは、本当にどうしようもないときだけ

だからこそ、天乃を思う人々、精霊、全てが手を組む

手を組んで、打ち勝つ

歌野「あ、私達はあまのんハーレムに入る予定は今のところないからね~」

天乃「なに言ってるのよ。もう」

病室らしからぬ賑やかさは、ほんの少しだけ、続く


204 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/07(火) 23:53:55.8824Uj413No (8/8)


纏めは、翌日出します
とりあえず、優先して判定だけ




01~10 体調不良
11~20 
21~30 
31~40 
41~50 
51~60 体調不良
61~70 
71~80 
81~90 
91~00 体調不良

↓1のコンマ  


205以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/07(火) 23:54:27.77I41KZGboO (1/1)




206 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 00:00:57.39EvkdNFAfo (1/10)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

体調不良回避


207以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 00:03:05.56WBm1Zs7YO (1/1)


やったー


208以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 01:00:03.87/Pg+djh8O (1/1)


ひとつ心配事が減ったな


209以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 08:04:09.76DWkKlhdTO (1/1)

九尾の記憶写しは今作も健在なのか
可能なら若葉にも使って見たい気もするけど


210以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 18:16:58.92+L//BN2KO (1/1)

さてあと会わなきゃいけないのは樹園子沙織だな


211 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:24:26.75EvkdNFAfo (2/10)


では、少しだけ


212 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:25:21.21EvkdNFAfo (3/10)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(キス、特殊、カウンター、受け入れ)
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流有(3P)
・   三好夏凜:交流有(キス、一夫多妻、了承、3P)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流有(紹介)
・   藤森水都:交流有(紹介)
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月3日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 55(高い)
  犬吠埼樹との絆 44(少し高い)
  結城友奈との絆 59(高い)
  東郷美森との絆 49(少し高い)
  三好夏凜との絆 70(とても高い)
  乃木若葉との絆 39(中々良い)
  土居球子との絆 27(中々良い)
  白鳥歌野との絆 22(中々良い)
  藤森水都との絆 13(普通)
     沙織との絆 57(高い)
     九尾との絆 45(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


213以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 23:26:11.88xTKNouDfO (1/3)

来てたか


214 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:26:55.60EvkdNFAfo (4/10)

7月4日目 朝 (病院)  ※木曜日


朝、目が覚めると病室の白い天井が見えた

そして、続くように

いつもと変わらない医療機器の電子音に混じって

隣から愛おしい寝息が静かに聞こえる

天乃「……ふふっ」

見守るといったくせに、可愛らしい剣士様はすやすやと眠っていて

天乃は起こさないようにと気遣った笑みを零すと、夏凜の前髪を指で払う

天乃「……どっちの方が、安心したのかしらね」

傷つけていないのだと安堵した夏凜

傷つかないと安堵した天乃

そのどちらの方がより深く心救われたのだろうか。なんて

無意味にも等しいことを考えながら、夏凜を見つめる

普段は見ることのない寝顔は

起きているときの激しさなど偽りであるかのように、穏やかだ

寝ているときまで、表情の変化が激しいのは

悪夢を見ていることが多いのだから、これはこれで良いのだが。


215 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:28:01.91EvkdNFAfo (5/10)


天乃「これで……自宅療養」

天乃は朝には手続きをし、昼には自宅療養となる

集中治療室から直接自宅療養というのは、異例中の異例

もう救いようがないから、せめて出してあげよう。という時くらいのものだろうから

大赦勤務ではない看護師は不思議に思うだろう

天乃「早く学校行かないと……授業まったくついていけないわよね。これ」

目が覚めてからはもちろん、

目が覚めるまでの日数も含めれば、授業の遅延は厳しいもので

しかも、テストが控えているというのだからなお酷い話だ

もっとも、大赦のお役目での欠席なのだから

免除とまではいかなくても、多少の融通は利かせてもらえるはずだけれども。

しかし、問題はテストだけではない

それどころか、テストなんて日常生活を気にしているような余裕さえ、ない


216 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:28:32.81EvkdNFAfo (6/10)


園子が戦えなくなったのだ。

もちろん、今後一切戦闘に参加できないというわけではないだろうが

天乃と同様、身体的・精神的負荷がかかるために

連戦での採用等は難しいと判断されたのだろう

天乃の精霊となっている

乃木若葉、土居球子、白鳥歌野、藤森水都が戦闘時には協力するため

以前と比べれば手数は多いが……

それでも、天乃に匹敵する乃木園子という戦力喪失はかなり大きい

夏凜達が頑張っていることを、天乃は良く分かっている

自分の思っている以上に頑張っているであろうことも

天乃はしっかりと考えているし、思っているけれど……だからこそ不安で

だからこその恐ろしさがある

戦いへ身を投じる勇敢さがいつか蛮勇へと変わった時

そのことに気づけないかもしれないから


217 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:29:08.52EvkdNFAfo (7/10)


夏凜「ん……」

もぞもぞと動いた夏凜の手が

天乃の腕に触れ、肩まで上り、下って胸元に落ちる

夏凜「ん? 目覚まし……?」

ジリリリリッっとけたたましく音を出す機械に触れたはずが

想像以上に柔らかく、そして温いものに触れたのだと

もにゅもにゅと幾度か感触を確かめた意識が、ゆっくりと覚醒していく

夏凜「あ……あー……」

やらかした。そう気づくのは早かったけど

そう気づいたのはもう遅かった

天乃「ふふっ」

夏凜「だ、黙ってなさいよ。いや、下さい……」

天乃の胸に触っていたのだと気づいた夏凜は顔を紅くして

布団の中に少しだけ顔を埋める


218 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:30:30.79EvkdNFAfo (8/10)


天乃「ええ、黙っててあげる」

夏凜「く……」

東郷含めてあんなことをしてしまったし

夜にだって、軽くとはいえ行為をしちゃったんだから

今更感はあるけれど

でも、寝ぼけた状態で触ってしまったのは、無意識だからこその恥ずかしさがあった

夏凜「別に、触りたくて触ったわけじゃないから」

天乃「別に、触りたくても触って良いけど」

夏凜「……良いの?」

天乃「むしろ、今のところだめな理由はないかな」

とぼけた声で誘うように言うと

夏凜がかすかに嬉しそうな雰囲気をかもし出したのを感じて

天乃は薄く笑みを浮かべて、夏凜の体を抱きしめる

寧ろもっと求めてくれたって歓迎するかな。と

天乃は思いながら、胸の中で呻く夏凜を手放す

全力で相手するのでなければ……という、条件付だけれど。


219 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:32:00.89EvkdNFAfo (9/10)


夏凜「せっかく治ったってのに……またここに戻りたいわけ?」

天乃「お医者様に笑われるわね。エッチしてたら過労で倒れました。なんて」

夏凜「勘弁して」

担ぎ込まれた患者はもちろん

その加害者―ある意味で被害者―もかなり恥ずかしい目にあうだろう

そして、大赦からは絶対に面倒くさいことを言われる

担ぎ込まれてしまうくらいなら、あんまり許したくはないが

まだ、その程度の羞恥は堪えることも厭わない。が、大赦とのいざこざはお断りだ

……まぁ、エッチの結果交際相手が疲弊したなんていうのも

相手……というか私はどんだけアレなんだって思われるから嫌なんだけど。

それさえ我慢すれば……とか言われたらちょっと考えるかもしれない

夏凜「いやいや」

天乃「うん?」

夏凜「考えるべきじゃないこと考えちゃったのよ。気にしなくて良いから」

ふっと息を吐いて、夏凜は気持ちを入れ替えた



1、ねぇ、どうして簡単に許してくれたの?
2、樹から告白されてるんだけど……先延ばしにしすぎちゃったわよね
3、多くても二人相手が限界よね
4、夏凜、私は戦わないけれど、樹海にはいる。何かがあったら参戦するから
5、大丈夫よ。お姉ちゃんに任せなさい
6、精霊を呼ぶ ※再安価
7、イベント判定

↓2



220以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 23:34:34.1920CHApCf0 (1/1)

6


221以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 23:34:42.10xTKNouDfO (2/3)

1


222 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/08(水) 23:39:16.80EvkdNFAfo (10/10)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間からの予定ですが
お休みをいただく場合があります

通常時間は安価消費と安価取得を目標とします





223以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 23:46:06.85tmFE18juO (1/1)


お泊まりなのに我慢できたのか夏凜


224以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/08(水) 23:47:48.91xTKNouDfO (3/3)


朝から夏凜ちゃんの反応が微笑ましいな


225以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/09(木) 02:00:34.04X9MomTjgO (1/1)


樹と風はセットでもいいかもなあ


226 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:02:44.518M8q9HJXo (1/8)


では、少しだけ


227以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/09(木) 23:05:58.14iCLH+No1O (1/2)

イエス


228 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:07:13.488M8q9HJXo (2/8)


朝は手続きに加えて検査もあるのだが

そのどちらにしても、この起床時間は早すぎる

普段、鍛錬を毎朝行っている夏凜としては普通の時間だが

病院全体としては早すぎるし、集中治療室にいる人間としてはおかしい部類だ

しかし、二度寝をする気にはなれないし、体質的に無理

なら、昨夜の続きでもしようかと言いたいところではあるが

それは検査に影響があるし「したんですか?」みたいな質問をされるのは好めない

だから、天乃は夏凜を見ないままに「ねぇ、夏凜」と、声をかけた

天乃「どうして、あんなに簡単に許してくれたの?」

夏凜「ん? 何の話よ」

天乃「昨日の、ほら……」

夏凜「ああ、あの話? その理由はもう説明した気がするけど」

具体的な名前を出していないのに

夏凜は察したように伸びやかな声を出す

どこか、呆れ交じりで。


229 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:12:54.278M8q9HJXo (3/8)


夏凜「まぁ、簡単に言えば。私が幸せにしたいのは天乃だからよ」

天乃「でも、それがどうして一夫多妻の容認に繋がるの?」

夏凜「……分かってて言う辺りが、意地悪いのよ。あんたは」

天乃「分からないから聞いたのよ……ううん、分かってはいるけど、夏凜の言葉で納得したいのかな」

ふぅ……と、夏凜の口から溜息がこぼれ出る

呆れたわけではなく、どきりと跳ね上がった心を宥めるためだ

けれど、ドキドキとする心は収まらず、すぐ隣に居る天乃の顔を見たいと思うが

それは不味い。と、踏みとどまる

見たら確実に好意のままに抱きしめるからだ

天乃がそれを嫌がることはないだろうしその恐れもないけれど

しかし、そこからさきに軽快なステップで進みそうだから。

夏凜「私は盲目的にあんたの我侭を聞いたわけじゃない。純粋に、自分と同じ――東郷達の立場でも考えた結果よ」

天乃「みんなの?」

夏凜「そ。あいつらって優しいから、私が天乃を独占したいといえば認めてくれるし祝福もしてくれると思う」

けれど、他人から見ては変わりなく見えるかもしれないが

自分達の距離は確実に開く、隔たりが出来る。と夏凜は思う

少なくとも、自分はそうすると思う。と、天乃に告げる


230 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:16:44.448M8q9HJXo (4/8)


夏凜「本来なら、それが正しいんだろうとは思う。普通の人なら、その微妙な距離感の変化には気づかないだろうし」

結局、その諦めた人にだって

将来的には相手が出来るだろうし、そうなれば忘れることも出来るはずだ

前時代―恋愛小説で描かれているような世界―はそう容易い話ではなく、

ドロドロとした粘着質の恋愛劇が巻き起こる可能性もゼロではないが、

道徳教育がある程度行き届いているこの世界では

そういったことも可能性はきわめて低いので、気にする必要も無い

夏凜「けど、天乃は察し良いし……一言でその距離に気づく。で、天乃は本当に心から楽しめなくなる」

天乃「……だったら、夏凜は私の為に受け入れてくれたってことになるけど」

夏凜「――あぁ、否定はしないわよ。それが天乃の幸せに繋がると考えたし」

来ると思っていた言葉が飛んできたことに

夏凜は自分が少しでも天乃を理解できているのだと、嬉しくて、思わず含み笑いを浮かべながら答える

確かにそう、自分の考えていることは結局、天乃を主軸においているようなもの

それに関しては、天乃画すきなのだから、仕方がない。と、夏凜は諦めて苦笑する

夏凜「とはいえ、私は東郷の立場も考えたのよ。私は選ばれた側。選ばれなかった側はどう思うのかって」

天乃「……それは」

夏凜「そ。少し違えば、私も東郷と同じ側だったろうし、その覚悟―それ以上の覚悟―もしてたから」


231 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:20:16.738M8q9HJXo (5/8)


選ばれなかった側としての覚悟

選ばれながらも、それを断る覚悟

本来取ろうとしていた後者の覚悟ほど、自他共に苦しむことはなかったはずだ

悲しませることはなかったはずだ。それでも、実行しようとした夏凜にとって

一夫多妻を認めるというものは、天乃には酷い話だが軽い問題に過ぎなかった

というのも、大変なのは夏凜ではなく、天乃だから

その天乃がそうしたいといっているのだから、心配も何もないのだ

話が逸れているのに気づいた夏凜は「それで」と、言葉をつなげる

夏凜「まぁ、望むことは間違ってるけど、選ばれなかった私は少しでも気持ちが欲しいと思っちゃうわけよ」

馬鹿らしい話だけどね。と言いながら

夏凜は笑うことなく真剣に続ける

選ばれた夏凜にとっては馬鹿らしくとも、選ばれなかった側にとっては

まったく、ばかげたことではないのだ

天乃「後々だれか別の人と幸せになれるとしても……しばらくは」

しばらくは忘れられない

恋しく思う気持ちは留まるところを知らない

だから、選ばれなかった側hsほんのひと欠片でも構わないから

気持ちを向けてはくれないだろうか。と

口にはしなくとも求めてしまう可能性はある


232 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:24:30.888M8q9HJXo (6/8)


夏凜「そう。まぁ、何が言いたいかって言うと、天乃」

ここまで来て、夏凜はようやく天乃へと目を向ける

二種類の瞳が自分を見つめてきていたが

動揺することも、照れ隠しすることもなく

まっすぐ見つめて手を伸ばすと、天乃も同じように手を出し、

ギュッっと、心のように硬く繋ぐ

夏凜「私は天乃だけでなく、全員が幸せになれるであろう選択をしたかった」

天乃「私が、一夫多妻を言わなかったら?」

夏凜「……言えばあんたはそれを考えてくれる。でも、望まないから言わない。そう考えて言わなかったでしょうね」

天乃「……そっか」

少しだけ、手を強く握ると

夏凜もまた、呼応するように握り返してきて、苦笑する

夏凜は本当に、心から、考えてくれている。思ってくれている

それが嬉しくも、気恥ずかしくて。

夏凜「みんな天乃が好きだけど」

天乃「う、うん……」

夏凜「私が一番、あんたを好きだと自負してる」

嫌いな時期があったから

憎く思っている時期があったから

その点で言えば風も同じかもしれないけれど

自分は天乃の背中を追い求めた分の差があるからと、夏凜は考えて

照れくさく頬を染める天乃の唇に、唇を重ねる

傾きのないキスは鼻もぶつけてしまったが、その初々しさが、不慣れな姿が、また、恋しいのだ


233 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:31:52.718M8q9HJXo (7/8)


7月4日目 昼(自宅)  ※木曜日


01~10 
11~20 クラスメイト
21~30 
31~40 
41~50 巫女さん
51~60 
61~70 
71~80 園子
81~90 
91~00  大赦

↓1のコンマ 


234以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/09(木) 23:32:04.13J/gn7MpAO (1/2)




235 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/09(木) 23:34:48.518M8q9HJXo (8/8)


クラスメイトとの交流になります
交流相手は、男性職員の言っていた、付き添いの生徒


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


236以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/09(木) 23:38:12.33iCLH+No1O (2/2)


久々の自宅、そしてクラスメイトの再登場か
色々心配かけただろうしまずは安心させてやりたいな


237以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/09(木) 23:38:40.41J/gn7MpAO (2/2)


はやく他の勇者部も誘いたいな


238以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 00:53:34.009M7CGZhRO (1/2)


家に帰ったんだな


239以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 17:58:58.36ACc2aYjXo (1/1)

ゆゆゆソシャゲ来るってよ!
このスレとはサヨナラだな!


240以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 18:25:02.439M7CGZhRO (2/2)

ソシャゲ?割とどうでもいい
版権もののソシャゲって信じられないレベルのクソゲーってことが多々あるし


241 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 22:38:02.91fq/dGjS9o (1/9)


では、すこしだけ


242以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 22:39:48.10HdcswyhjO (1/3)

よしきた


243 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 22:46:55.21fq/dGjS9o (2/9)


「あっまの~ん!!」

天乃「むぐっ!?」

自宅に着き、医療的警戒から若干解放された天乃は

ベッドの上で一息つくや否や、そんな大声と共に上半身を置き引きする勢いで抱きつかれた

回避は容易かったのだが、心配させたクラスメイトゆえに

天乃は見送り、抱きしめられて呻きつつも、振り払わない

二人とも、以前左目が使い物にならなくなった際に、教室で出会った女子生徒だ

眼鏡をかけている子―f抱きついた方―は、呼称こそなぜか変わっているが

見た目に変化はない。その一方で、セミロングのクラスメイトは、長さを維持したまま、内側にカールをかけていた

「よかったよ~っ!」

「ほんと、久遠さんのことみんな心配してたんだから」

天乃「っは……それは聞いてるわ」

胸に抱かれるのを何とか這い出して、

二人のうち一人、冷静な方のクラスメイトに目をむけ、笑みを浮かべる

冷静じゃない方はまだ抱きついて頬擦りしているが、

嫌悪感は当然、なかった

天乃「貴方達だけじゃなく、大分心配させちゃったようね」

「うん。左目が見えなくなってからのコレ。だからね」


244 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 22:51:36.90fq/dGjS9o (3/9)


左目を隠す眼帯に目を向けてから、天乃の全身を見る

すでに、病院、大赦、天乃本人と

再三の説明を受けて体がどこか不能になったわけではないと納得しているが

それでも、不安がないとはいえない。そんな表情で

「久遠さんに適正があって。私達にはそれがない。そう、何度も言われたけど」

でもね。と、クラスメイトは残念そうに呟く

それは、抱く必要がないはずの罪悪感も感じられる声だった

「やっぱり、悔しいよ。ボロボロの久遠さんに任せるしかないなんて。なにもない私達じゃなく、久遠さんじゃなきゃいけないなんて」

天乃「それは違うわ。あるから、こうなったのよ。なければこうはならない」

「……それは言われなくても分かってるよ」

すぐ横からのくぐもった声に、天乃は目を向ける代わりに

その頭を抱くように手を回す

控えてる夏凜が「まーた増やす気か」とか何とか言っていたが

努めて平常心を保ち、息をつく


245 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 22:52:56.12fq/dGjS9o (4/9)


「それでも悔しいし、悲しいし、嫌だし」

「……まぁ、だからといって、反抗はやりすぎたと思ってる。ごめんね、久遠さん」

天乃「…………」

言わなければ自分から切り出す予定だった言葉を

クラスメイトが自分から口にしてくれたことに

天乃は少し驚きつつも、過小評価していたのだと自分自身に告げて、笑みを浮かべる

それが、自分達をとがめているのではないと気づいたクラスメイトは

しかし、より表情を暗くする

「言い訳はしない。止められなかった自分達が悪いから……どんな理由があったって」

憎しで動くべきではなかった。悲しいからと、怒りに任せて行動するなど

愚の骨頂だと、クラスメイトは悲しげに言いつつ、天乃を見つめる

「責任は取らなくて良い」

天乃「私は何も言ってないわよ」

「言わなくても久遠さんはそうする。いーちゃんも言ってたよ。久遠さんはその責任を取ろうとする。最終的には迷惑になるんだよって」


246 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 23:03:23.19fq/dGjS9o (5/9)

彼女が言う【いーちゃん】が伊集院沙織だと分かっており

それが本来の沙織でもないことを分かっている天乃は、喜ばしいようなそうではないような

少しばかり複雑な感情を、飲み込む

「……頭ではさ、分かってたはずなんだよね」

それでも、自分達以外にも多く居たその反抗は留まることが出来なかった

最悪の事態にまで助長することはなかったが、それでも……。

夏凜「はっきり言って、あ――」

あんた達。と、普段通りの言葉使いをしかけた夏凜は

慌てて言葉を呑みこんで、息をつく。

――切り替えろ

夏凜「はっきり言って、先輩方は間違ってた。だけど、それを利用しようとしてなかったかといえば、嘘になる」

「利用?」

夏凜「そう。私達がいくら言ったところで、向こうは動かないかもしれない。だけど、先輩みたいな絶対数の多い批判があれば……」

変わってくれると思った

夏凜のその言葉は、重力異常のものに引かれたように落ちる

利用しようとしたのを申しわけないと思ったから。ではないというのは

その場の誰もが理解して

天乃が口を開こうとした瞬間、天乃に抱きつくクラスメイトが「良いよ」と、呟く


247 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 23:09:40.17fq/dGjS9o (6/9)


「勇者部が全員そうだったわけじゃないのは分かってるし、たとえそうでも。私達は自分で選んで行動したから」

「そうだね。私達の行動が、結果的にえーっと……三好さんの希望通りの効果をもたらしてくれるのなら。本望だね」

沙織の批判ももっともだが

夏凜の希望通りの流れにならない可能性だってないわけではなかった

だからこそ、頭では沙織と同様のことを考えながらも

心では希望的観測、それが結果に至ることを求め、止まれなかったのだから

そしてその責任を誰かに取ってもらうなんて、ありえない

天乃「渦中の人物を置いて分かり合われても困るのだけど」

「なにいってんのさ、久遠さんなら全部分かってるくせに」

天乃「そこまで頭良くないわよ。私は」

その優れていると信頼してくれているのは素直に嬉しいことではあるのだが

しかし、何の情報もなしに箱の中身を当てることは出来ない

九尾ならば、箱を用意した人物の性格、そのときの表情から

ある程度ならば推測するのだろうけれど。

天乃も出来ないとは言わないが、的中率は高くはない


248 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 23:12:31.99fq/dGjS9o (7/9)


夏凜「要するに、私達は協力することなく同じ目的を達成しようとしたってわけ」

天乃「……私をゆ――お役目から解放すること?」

「大正解、さすがはあまのん」

天乃「それで? 貴女達は望んだ回答を得られたの?」

そう問いかけるまでもなく、答えはわかっていた

それでも、天乃はあえて訊ねて

クラスメイトは首を振る。残念そうに、縦ではなく、横に。

「我々も心苦しく思います。しかし、これは彼女にのみ可能なことなのです。って」

僅かな苛立ちを感じる声

その発生源に目を向けた天乃は、やさしく微笑んで首を振る

クラスメイトがしようとしていることの先の先まで見通すことが出来たわけではないけれど

感じたその怒りの矛先は、尖らせたままではいけないと思ったからだ

「ねぇ、久遠さん。久遠さんは……ううん、久遠さん達は一体どんなお役目についてるの?」

聞かないという話だったけれど

ここまで来ては流石に聞かずには居られないのだろう

少し、罪悪感を抱きながら、クラスメイトは問う

「碌でもないことだけは分かる。でも、どんなことなのか……想像が付かない」

酷い外傷があるというのなら

何らかの闘争にまきこまれているという可能性がある

天乃は障害を負ってはいるが、反対に目に見えるような外傷が見られない


249 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 23:13:54.03fq/dGjS9o (8/9)


そんな状況だからこそクラスメイトの一人、

セミロングの女子生徒は、悩ましげに眉を潜めると

はっと気づいたように目を見開いて、窓を見る

「もしかして……さ。久遠さん。壁の外に行ってるの?」

天乃「うん? どうして?」

「いや、推測でしかないし……病気の可能性もあるけど」

セミロングのクラスメイトは

天乃の眼帯を軽くずらして、紅くなった瞳を見つめる

「大赦のお役目って大げさな理由があって、体が不自由になったりする。壁の外のウイルスに触れているなら、両方説明が付くよね」

天乃「……なるほど」

確かに、考え方としてはそこまで間違っていないかな。と

場の空気に似合わず、天乃は思い

夏凜の視線を感じて、天乃はくすりと笑う

どうするのかは任せる。好きなようにしろ

そう言っているのが、目を合わせてすぐに分かった



1、真実を話す
2、誤魔化す
3、誤魔化さずに、言えない。と答える


↓2



250以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 23:14:35.88VqEk/pL4O (1/2)

3


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 23:15:00.45HdcswyhjO (2/3)

3


252 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/10(金) 23:28:31.02fq/dGjS9o (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「その質問には答えられないわ」コクコク

「そっか……」

夏凜「いや、思いっきり頷いてるんだけど!?」

天乃「だって、ウイルスじゃなくてバーテックスだし、私勇者だし。なんて言うのも言えないわ」

「そう、だよね……無理には聞かないよ」

夏凜「便利な耳してるわねあんた!」


253以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 23:31:48.77VqEk/pL4O (2/2)


もう話せよww


254以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 23:32:59.855LSRPDYd0 (1/1)


安定のKAY(久遠天乃は勇者である)予告!!


255以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/10(金) 23:37:55.33HdcswyhjO (3/3)


話したら大赦が余計に久遠さんを追い詰めそう


256以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 02:30:28.104V/dZCbkO (1/1)


クラスメイトもいいキャラしてんな


257以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 08:29:20.969RUreX+oO (1/1)

濃厚な会話してるけど名前すらないモブなんだぜコレ
久遠さんもだが春信や沙織に瞳と来てクラスメイト
キャラ作成能力高いよな


258 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:25:16.31OhiU2eHKo (1/10)


では、少しだけ


259 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:27:06.17OhiU2eHKo (2/10)


天乃「悪いけれど、その質問には何も言えないわ」

誤魔化さず、明確に拒否する

それを答えとするかどうかは彼女達に任せる

もはや、答えに近い位置に居るのだけれど。

「……そっか」

残念そうにではなく、悲しそうにクラスメイトは呟く

答えを貰えなかったからではなく、自分の嫌な予感が的中してしまったかのような……

「それなら、仕方がないね。前にも似たようなこと話した気がしなくもないけど」

「そうだったなー。で、言葉通り異議申し立てをしちゃってね」

困ったもんだと苦笑する真横のクラスメイトは

抱きしめる天乃の体をゆっくりと手放しつつ、ベッドへと寝かせる

その表情は満足そうで

「いやーあまのん成分ホクホクだよ」

「久遠さん病み上がりなんだから程ほどにしようね?」

前も一緒で、今も一緒

以前も思ったことだが、この二人はこの二人でセットなのだろう

呆れたように言うセミロングのクラスメイトに対して

眼鏡をかけている方は、罪悪感がひと絞りの笑みを浮かべている


260 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:28:23.82OhiU2eHKo (3/10)


「そうそう、あまのん今、ブラつけてないよね?」

天乃「え? ええ、検査もあるし、普通に着けたままではいられないし邪魔になるのよ」

女子同士だからなのか、差ほど気にする様子もなく

戸惑って答える天乃にクラスメイトはにやりと悪い笑みを浮かべ、耳元に顔を近づける

「……やわかったよ」

天乃「っ!」

ボソッと、囁く

瞬時に天乃の顔が赤くなって「なに言ってるのよ」と声を上げると

クラスメイトがしてやったりと笑みを浮かべて、まぁまぁ。と宥める

天乃「まぁまぁ。じゃ、ないわよ……」

「あははっ、ごめんねごめん」

夏凜「それで、大赦とはどう折り合いをつけるつもりなのよ」

「ん~……正直に言っちゃえば、あまのん解放までは折り合いつけることなんてできないよね」

「守られてる。と、仮定しても、私達にだってまったく何も出来ないわけじゃないと思うんだ」

だからさ。と、天乃に再びちょっかいを出そうとする友人を抑えるセミロングの女生徒は

困ったように笑みを浮かべながら、続ける

「大赦に聞いてみる。久遠さんがどんな状況なのか、なぜそうならないといけないのか」

天乃「……知る覚悟はあるの?」

「ある。なんて簡単に言えることじゃないとは思ってるよ」


261 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:30:41.09OhiU2eHKo (4/10)


クラスメイトの女子生徒は、天乃が何をしているのかなど

正直言ってほとんど分かっていない

しかしそれでも、どんな難しい覚悟をするう上でも

彼女達は比較にならない比較をするようにしているのだ

天乃が歩けなくなって、左目の色が変わり、見えなくなって

そして、長期とはいえないかもしれないが、入院してしまうまで来たからこそ、考える

「私達……なんて、広くは言わない。でも、少なくとも私は、久遠さんが居なくなっちゃう覚悟するよりはましだと思ってる」

覚悟を決めた女子生徒の表情

その横で、眼鏡をかけた女子生徒は

少しだけ、笑い声を零すと「少なくとも、ここに居る私達」と、訂正しつつ

天乃へと目を向ける

「死んじゃ、いやだよ」

天乃「死ぬ……なんて」

本来あるべき勇者―夏凜達―であれば、

死ぬことなんてないわ。などと、余裕を持って答えることが出来ただろうし

天乃自身であっても、ここまで切迫していなければ

大丈夫よ。と、答えてあげられたことだろう

しかし今は、そんなことを言える余裕はない


262 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:31:39.93OhiU2eHKo (5/10)


天乃「……なるべく、心配かけないようにするわ」

「それでお願いしたいかな。ううん……わがままを言えば、二度とお役目なんてやらないって言って欲しいけど」

天乃「それは」

「分かってる。大事なことだって。学校で特例、大赦の対応から十分理解してるよ」

セミロングの女子生徒は、困ったように言う

先ほどまでのような笑みのないその表情は

本当に、悩ましく思っているのを感じて

夏凜は口を開きかけて……閉じる

分かっているのだ。大事だと、大切だと、簡単にやめて良いようなことではないと

そのうえで、先輩方は改めてそう言っているのだと

天乃のクラスメイトの瞳から、感じたからだ

「……ごめんね。これは無理言った」

天乃「良いわよ。心配させたのは私。文句を言う権利が貴女達にはある」

「そういう、年上みたいな感じ。あまのんらしいけど、なんか……変な感じがする」


263 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:33:58.90OhiU2eHKo (6/10)


齢不相応に大人びて見える

そういう人は、少なからず存在している

しかし、天乃とは違うのだ

明確な違いを上手く言葉にすることが出来ないもやもやとした感覚に

眼鏡の女子生徒は不満そうに息をつく

それを横目に、セミロングの女子生徒は小さく笑みを浮かべて

「私もそれは感じてたよ。ずっと。齢不相応なんじゃなくて、本当に年上みたいな……体を置いて心だけが成長しちゃったような。そんな感じ」

「まぁ、お胸の加速装置の影響かもね~」

天乃「いちいちそこに触れないでよ」

「あっでもね、あまのん。あまのんは体ほっそいからより大きく見えてるだけだよ? いや、純粋に大きくもあるけど、そのせいで割り増しだよね」

天乃「その補足要らないからっ!」

j生真面目な空気が我慢できないと言わんばかりに

余計な言葉を挟み込んだ眼鏡の女子生徒は

夏凜へと目を向けて、頷く


264 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:36:01.94OhiU2eHKo (7/10)


「ねぇ、かりぽん」

夏凜「誰よそれ……なんですか?」

「あまのんをよろしくね? りんりん。私達は蚊帳の外。だからきっと、大したことはでき――」

夏凜「任されてはあげるわよ」

眼鏡の女子生徒が言い終える前に夏凜は口を挟み、瞳を閉じると悩ましげに眉を顰めて、ため息をつく

夏凜「でも、私達に諦めたようなことを言わないで欲しいわね」

「え?」

夏凜「成せば大抵なんとかなる。成して見せてよ。先輩。その覚悟があるのなら。蚊帳の内側に入ってきて見せて」

「………そう、だね」

「そうだよ。まぁ、とりあえずは出来ることをやっていこう。勉強だって。出来ないところにたどり着くために、出来る事をやっていくんだから」

ということで。と

セミロングの女子生徒は、学校のプリントと

天乃が休んでいた分の授業ノートを鞄から取り出して、机に置く

「頑張ってね。久遠さん」

もうそろそろ時間だから。と、二人は帰っていった


265 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 22:38:20.61OhiU2eHKo (8/10)


√ 7月4日目 夕(自宅) ※木曜日

01~10 
11~20 友奈
21~30 九尾
31~40 
41~50 樹
51~60 
61~70 
71~80 風
81~90 
91~00 大赦

↓1のコンマ  


266以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 22:38:33.99pAVdPziTO (1/3)




267以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 22:40:59.61uhkZXfcyO (1/2)

帰ったのを見計らったかのように来たな…


268以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 22:41:04.84pAVdPziTO (2/3)

大赦多い?多くない?


269 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 23:07:11.00OhiU2eHKo (9/10)


「無事、こちらに来られたようで何よりです」

天乃「あら……その紙袋は?」

「退院祝いですよ」

天乃「そんなの良いのに……でも。ありがとう」

夏凜「………………」

天乃は男性から紙袋を受け取って

中を覗くと、「見てみて、良さげな化粧箱」と

高級感のある箱を取り出して、夏凜へと差し出す

夏凜「なんで、私に渡すのよ」

天乃「夏凜は退院祝いくれないのかなーって」

夏凜「昨日の今日で準備できてたらすごいっての」

天乃「それもそうね」

もちろん、分かってて言ったことだ

天乃は笑いながらそう言って

夏凜が受け取らない化粧箱―恐らくは財布―を見つめる


1、気持ちは嬉しいわ。でも、これは受け取れない
2、有難う。大切に使わせてもらうわ
3、私にこんなものくれてどうするの? 経費で落ちた?

↓2


270以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 23:09:51.32pAVdPziTO (3/3)

1


271以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 23:10:03.03Qh32UCMT0 (1/1)

3


272以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/11(土) 23:10:17.64uhkZXfcyO (2/2)

3


273 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/11(土) 23:56:53.93OhiU2eHKo (10/10)


天乃「私にこんなものくれてどうするの?」

有難迷惑に対するようなものではなく

大赦勤務の男性職員の懐事情を気遣っているような、雰囲気で

天乃「経費で落ちた?」

化粧箱、ブランド

そこから見てあからさま値が張るであろう物を購入した男性に問いかける

天乃と男性職員は、親戚でも何でもない

ついこの間知り合った程度の関係だ

ゆえに、こんなプレゼントを退院祝いとはいえ、与えられるべきではないはずで

「いや、個人的にだよ。経費で落とすこともできるかもしれないが……それは違う気がして」

天乃「いや、あの……これこそ違うわよ?」

「そうだろうか……いや、そうなのか?」

夏凜「天乃の味覚についてとか知ってるから食べ物避けたんだろうけど、違うと思うけど?」

天乃「お祝いくれない人がなんか言うー」

夏凜「なんか用意するから膨れないで!」

いちいち茶化すな! と

声を荒げる夏凜に、天乃は笑みを向けて「落ち着いて」と、言い放った


274 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 00:14:24.47qtWfNbFSo (1/30)


天乃「…………」

茶化すつもり5割、財布についてどうすべきかという悩み5割で

少しでも時間が稼げればと、そんなことを口走っては見たが

対して、時間稼ぎにもならない

返品してきてください。というのは簡単だが

買った彼のお店での評価だったり、プライドを傷つけることになる

ただただ、貰わないというのもまた

彼を傷つけることになるだろう

そして、貰うと言う選択

これは彼にとって悪くはないかもしれない

けれど、経費で落ちたならともかく

自腹で購入してくれたものとなると

特別感が強くて……中々


1、返品させる
2、貰わない
3、何も返せないわよ? と、受け取る


↓2


275以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 00:15:05.92kZzZGV+nO (1/2)

2


276以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 00:16:07.96FMsG6873O (1/1)

1


277 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 00:21:51.72qtWfNbFSo (2/30)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



夏凜(なにが退院祝いよ)イライラ

夏凜(金に物言わせて……ふざけんな)イライライラ

夏凜(私達の彼女なのに。部外者が誘惑しようとして……ッ)ギリッ

天乃「えっと……」

夏凜(悩まないでよ。なんで悩むのよ……あーっ! 受け取ってぶん投げればよかったぁ!)ギリィッ


278以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 00:24:54.53kZzZGV+nO (2/2)


夏凜かわいい


279以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 00:27:51.85aePafR0PO (1/1)


最近出番の多い男性職員だけどなにが目的なんだろう?
大赦からの任務なのか、本当に久遠さんに惚れてるのか…


280以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 01:49:35.36GPwAMGsmO (1/5)


返品させるんかい!


281以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 11:28:20.222dWjVBJmO (1/2)

クラスメイトのキャラ立ち過ぎ問題
照れてる久遠さん可愛い


282以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 12:46:58.042dWjVBJmO (2/2)

ソシャゲ化決定みたいだ
二年前からこのスレがやってることを後追いか…
それでもメディアミックスで久遠さん出ないかな


283 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 13:15:06.65qtWfNbFSo (3/30)


では、少しずつ

良かったですね
ソーシャルゲームに久遠さんは出ませんが
ソーシャルゲームのキャラは久遠さんに出て来る可能性も一握り


284 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 13:32:51.59qtWfNbFSo (4/30)


天乃「ごめんなさい」

「は……? なにが、です?」

天乃「申し訳ないけれど、これは受け取れない」

箱を紙袋に戻し、紙袋をまた

呆然としている男性に差し向ける

人として

子供として

女の子として

プレゼントを貰えることが嬉しくないと言えば嘘になる

当然のことではあるが、貰えないより貰える方が嬉しいからだ

けれど、それでも天乃にはある程度の線引きがある

天乃「せっかく購入してもらって悪いのだけど、返品して。そのお金を自分の為に使って頂戴」

「い、いや……待って欲しい。確かにこれは経費ではない。だが、私は十分に裕福だ。この程度の金額では響くことはない」

天乃「そう言う問題じゃないわ」

「なら、私自身の気持ちが不要ということか」

天乃「違う」

はっきりと言い切った天乃は、男性職員を真っ直ぐ見る

時折、男子生徒が向けてくるような劣情を感じるものではない

だから、そのくらいの安心は天乃にはあって。けれども、息をつく

天乃「私と貴方の今の関係。それを考慮すれば、これが相応しくないと分かるはず」


285 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 13:55:00.42qtWfNbFSo (5/30)


「……私は久遠さんのデータを沢山見てきた。それでも、情報不足ということか」

天乃「なんか怖いこと言ってるけど、私個人というよりは女性の扱いね?」

もちろん、中には例外がいるだろう

喜んでプレゼントを受け取って

しっかりと交際を続けていく人

喜んでプレゼントを受け取るが、プレゼント目当ての付き合いしかしない人

後者は非常に稀ではあるが、道徳教育が行き届いているからと言って

いないわけではないと言うのが、人間だ

けれども、天乃は受け取らない

これも、天乃の年代では少し珍しいかもしれないが

精神的に加速装置使った―クラスメイト曰く―天乃なのだから同年代はあてにならない

「そうか、仕方がない」

残念そうに紙袋を受け取った男性は

天乃を一瞥すると、すぐ横の夏凜に目を向ける

その瞳は、天乃にむけていたものとは、違っていて

「三好夏凜」

夏凜「はい」

「君には、ここで久遠様と生活を共にしてもらう。役割としては身の回りの世話および、樹海化した際の警護だ」

夏凜「はい――ぃ、はっ!?」

思わず、素っ頓狂な声が響いた


286 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 14:08:06.75qtWfNbFSo (6/30)


「どうした?」

夏凜「いえ、私でよければ」

「むしろ君しかいない。犬吠埼姉妹はもちろん、東郷美森、結城友奈はすでに配置済み。余りは君だ」

少々、世話の面で不安は残るが。と

男性職員は包み隠さずに本音を告げると

笑み絵を浮かべて、夏凜を見る

「春信および、晴海戦技教導官からの評価を信頼しよう」

夏凜「晴海さんが?」

「ああそうだが……なんだ。まだ敬称を外せていないのか。それでバーテックスには勝てるのかね?」

天乃「問題ないわ。夏凜はちゃんとやってくれてる」

「……信頼しよう。では、また近いうちに来る。次は、受け取っていただけるものを用意しよう」

男性職員はプレゼントを渡せなかったにもかかわらず、満足気な笑みを浮かべて、去っていく

きっと、天乃が無事に自宅療養に移れただけで

彼としては満足だったのだ





287 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 14:26:42.97qtWfNbFSo (7/30)


夏凜「……あんな化け物に勝てるかっての」

天乃「え?」

夏凜「あ、あぁ……昨日言った人間最強の話よ」

夏凜は困ったように頬を掻くと

あんなのバーテックスの方が楽だっての。と

さらに続けてぼやいて、ため息をつく

晴海さん。晴海戦技教導官

どこかで聞いたことのある名前のような気がするが、上手く思い出せない天乃は

もやもやとした感覚にもどかしさを感じて、顔を顰める

そして一息ついて、気分を入れ替える

天乃「とりあえず、夏凜がここで暮らすのね?」

夏凜「そうなるわ……言ってなかったけど。というか言うつもりはあったんだけど、園子は別の病院に移動してるから」

まさか宛がわれるのが自分だとは思っていなかった夏凜は

辺りを見渡して、ほぼ一人分の家具しかない室内をみて、天乃へと目を戻す

夏凜「まぁ、そう言うことらしいから。よろしく」



1、ベッドに引き倒す
2、ねぇ、彼の目的。分かる?
3、その晴海さんとは会えないの?
4、みんなよりも抜け駆けできるわね
5、夜這いとか……しないでね?


↓2


288以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 14:27:01.63QRZfg4+lO (1/10)

5


289以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 14:27:14.80GPwAMGsmO (2/5)

1


290以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 14:29:07.16UxlrVD4jO (1/3)

3


291 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 15:09:48.27qtWfNbFSo (8/30)


夏凜から差し出された手を、じっと見つめた天乃は

そうね。よろしく、と言いながら受け取って

その瞬間、力いっぱいに引く

夏凜「!」

天乃「ふふっ」

ベッドへと引き倒すことが出来る

その悪戯が成功する。そう確信した天乃の笑みに

夏凜は驚きの表情を伏せ、笑みを浮かべる

その瞬間、ベッドが大きく揺れた

天乃「なっ」

ギシッ! っと、軋む

敷布が押し引かれていく

夏凜「甘いのよ!」

夏凜は、そうされることを想定したうえで、手を出したのだ

だから、ベッドには完璧に手を付けた。耐えるための力もうまく込められた

夏凜「そうそう、手玉に取られてやらないっての」

引き倒されることを拒み、逆に天乃を引き上げた夏凜は

その体を抱きしめて、唇を重ねる

天乃「……んっ」

夏凜「っ」

引き倒されたとしても、引き上げたとしても。行先は同じ

けれども、心の持ちようは、まったく違っていて

夏凜「私の、勝ちね」

離れた夏凜は勝ち誇った笑みを浮かべた


292 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 15:31:35.10qtWfNbFSo (9/30)


天乃「……行けると思ったんだけど」

夏凜「そう何度も引っかかってやれないわよ」

天乃「………」

意表を突けたことが嬉しいのだろう

夏凜が満面の笑みを浮かべる一方で、

天乃は気恥ずかしそうな表情をかき消し、黙り込むと

天乃「でも、こうすれば貴女からしてくれるのね? 王子様っ」

夏凜「んなぁっ!?」

抱きしめられたまま、夏凜の首に腕を回して

天乃はキスをせず、さらに身を寄せる

天乃「嬉しいわ。夏凜からきてくれるなんて」

夏凜「い、いや……私からなんて、結構……」

天乃「……もう少し、ねっ?」

ぼそりと耳元で呟くと

触れる肌の熱がどんどん上がっていくのを感じて

天乃はくすくすと笑って、耳朶をぱくりと咥える

びくっと体が震えたが、関係ない

夏凜「あ、あま……やめっひっ」

天乃「私をからかった、おしおき。よ」

夏凜「っひぃぃぃぃっ」

数分間、みっちり楽しんだ


293 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 16:04:28.68qtWfNbFSo (10/30)



√ 7月4日目 夜(自宅) ※木曜日

01~10 
11~20 沙織
21~30 
31~40 
41~50 
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 九尾
91~00 

↓1のコンマ  


294以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 16:05:04.94QRZfg4+lO (2/10)




295以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 16:05:18.43UxlrVD4jO (2/3)




296 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 16:20:22.51qtWfNbFSo (11/30)

√ 7月4日目 夜(自宅) ※木曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、イベント判定

↓2


297以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 16:21:32.12QRZfg4+lO (3/10)

1


298以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 16:22:15.78UxlrVD4jO (3/3)

7


299 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 16:55:43.53qtWfNbFSo (12/30)


天乃「五郎君、いる?」

悪五郎「どうした。俺ではなく、三好夏凜を呼ぶべきだと思うが?」

天乃「貴方に用事があるから、貴方を呼んだのよ」

分かっているくせに。と

天乃が呟くと、悪五郎は鼻で笑って首を振る

悪五郎「分からんさ。あの男がお前に抱いている心を知りたいと言われても、俺では答えられん」

悪五郎は同じ……というとやや語弊があるが

一応、性別で良い分ければ男性の部類に当たる

しかし、だからと言って

同じ男の心情が理解できるのかと言われれば、そうではない

分かることも確かにある

しかし、分からない事の方が多いのだ

悪五郎「まぁ、俺をお前の囲いの中に招きたいと言うのならば。話は二つ返事で受け入れるが?」

天乃「……早計ね」

悪五郎「違うのか?」

天乃「その自信は一体どこから来るのよ」


300 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 17:37:10.22qtWfNbFSo (13/30)


悪五郎「……ふむ」

天乃「……………」

悪五郎は天乃が呼んだ理由にたどり着こうと

椅子に座り込んで、考え込む

見た目は子供のその姿はどこか愛らしさを感じるが

だが、中身は妖怪だ

悪五郎「まぁ、良かったではないか」

天乃「?」

悪五郎「お前の狙い通りに事が進んで」

天乃「その、私の計画通り。みたいな言い方止めて」

悪五郎「事実、そうであろう?」

天乃「否定はできないけど、言い方ってものがあるの」

九尾と似たようなところがある悪五郎は

九尾よりはつかみどころがある分、マシなのかもしれないが

やや、問題があるようだ


1、貴方が相談に乗ってくれたからこそ、よ
2、それで。本当に彼の狙いが分からないの?
3、ねぇ……貴方。人と子供を作ることはできる?
4、……貴方は、陽乃さんを知ってる?
5、これからどうなると思う?


↓2


301以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 17:37:52.69QRZfg4+lO (4/10)

1


302以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 17:38:14.92GPwAMGsmO (3/5)

3


303以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 17:39:00.41SIwDxblKO (1/7)

1


304 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 18:10:05.35qtWfNbFSo (14/30)


天乃「貴方に聞きたいことがあるのよ」

悪五郎「……ほう?」

こんなこと聞くべきではないと分かっていても

体の状態がここまで来てしまった以上

そして、沙織が押しとどめてくれていた理由である

戦闘メンバーだから。というものを崩してしまった以上

覚悟すべきことがある。だから、天乃は悪五郎を呼んだのだ

天乃「貴方。人と子供を作ることはできる?」

悪五郎「俺とお前で。か?」

天乃「それでもいいから」

むしろ、それしかないのだが。

天乃は問いに素早く答えて、悪五郎を待つ

悪五郎は少し考えてから、息をつく

悪五郎「不可能とは言い切れんな」

天乃「曖昧なのね」

悪五郎「当たり前だろう。俺は人間と同様に生殖行為を行うことはできるが、生命の源である精子を生み出せない」


305 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 18:35:46.95qtWfNbFSo (15/30)


悪五郎「だが、不可能とは言い切れない。と言ったのはお前が特殊な力を持っているからだ」

天乃「巫女の力の事?」

悪五郎「それも含めた、霊的能力だ」

悪五郎はそう言うと

椅子から立ち上がって天乃へと近づき、下腹部のあたりを優しく撫でる

ここだと、示すように

悪五郎「お前が持っているその力を使えば、人ならざる者と交わり子をなすこともできるかもしれない」

天乃「……どうして、曖昧なの?」

悪五郎「やろうとした人間などいないからだ」

少なくとも。と

悪五郎は言いながら自分の頭を人差し指で叩く

悪五郎「俺の記憶の中にはいない」

天乃「…………」

悪五郎「だが、女狐と対峙した安倍泰成という人間。その母は妖狐だったと聞いたことがある」

天乃「そうなの?」

悪五郎「詳しくは知らん。だが、人間の男に妖怪の女。で可能だったのだ。お前と俺でも不可能とは言えまい」


306 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 19:00:53.34qtWfNbFSo (16/30)


悪五郎「この件は俺よりも女狐に聞くべきだろう」

天乃「そうね……」

女狐、九尾

九尾は少なくとも300年前から生きている存在

その間に妖怪と子供を作ろうとした人間がいるとは思えないけれど

知りたいのはその間の記憶ではなく、それ以前の記憶

九尾が対峙した安倍泰成という人の母親、妖狐

九尾ではないことは確かだろうけれど……その母親がどうやって子をなしたか

それが分かれば、きっと……

その思考の沼に足を踏み入れようとした瞬間

体が意志に関係なく引かれたのを感じて

天乃はハッと目を開く

悪五郎「おっと……やはり敏感な女だな。お前は」

天乃「……なに?」

天乃の頬から手を放した悪五郎は

直前まで迫っていた顔をにやりと歪めて

悪五郎「そんなことを言い出したもんだから、受け入れてくれるのかと思ってな」


1、それはまだ駄目よ
2、……協力をしてくれるのなら

↓2


307以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 19:01:23.50w2h2nuQMo (1/1)

2


308以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 19:02:13.09QRZfg4+lO (5/10)

2


309 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 19:24:32.68qtWfNbFSo (17/30)


天乃「……協力をしてくれるなら」

悪五郎「お前が拒絶ではなく協力……か。それはお前を孕ませる件か?」

天乃「似たようなもの……ううん。結果だけ言えば向こうが求めてくるのはそれだと思う」

天乃は目を伏せ、悪五郎の問いに答える

沙織から聞かされたこと

なぜ、今までは平気で今更なのか

全てを悪五郎に話したうえで

改めて「協力してくれるなら、しても良い」と告げる

悪五郎「なるほどな。確かに、お前の力が失われるのは人間として。いや、世界的に見ても多大な損害だな」

天乃「ええ」

悪五郎「しかし、お前は一妻多夫ではなく、一妻多妻の道を選んでいるわけだが?」

天乃「良いじゃない別に」

悪五郎「女ではなく、好きな男を探すべきだったな」

呆れ交じりに

まるで、話を聞いた家族、

両親、あるいは兄のように語る悪五郎は

ふと、ため息をついて天乃を見つめた

悪五郎「良いだろう。お前は俺の主だ、この体も捧げてやる」


310 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:00:46.20qtWfNbFSo (18/30)


天乃「それなら……今度は拒まないから」

きゅっと、目を瞑る

夏凜がしてくれるのを待つように

悪五郎から近付いてくるのを待つ

10秒、30秒、1分、2分……

待っても、気配は動く様子は無く

近づいてくる感じは全くしなくて

目を開くと、悪五郎は困ったように、首を振った

悪五郎「屈服させるのは好みだが、今のお前のような哀愁漂わせた女は美味くない」

天乃「…………」

悪五郎「お前に余計な口出しをするような奴がいたら、俺を呼べ。突っぱねてやる」

天乃「良いの? 後悔しない?」

悪五郎「惚れた女は振り向かせるもんだろう。縋らせるもんじゃない」

悪五郎はそう言いつつ

子供の身ながら、天ん物球をポンポンっと叩いて笑みを見せ

そのまま姿を消す

そのはっきりとした意思表示に

天乃はすこしだけ、悪五郎も悪くはないと思った


311 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:01:22.17qtWfNbFSo (19/30)

>>310訂正


天乃「それなら……今度は拒まないから」

きゅっと、目を瞑る

夏凜がしてくれるのを待つように

悪五郎から近付いてくるのを待つ

10秒、30秒、1分、2分……

待っても、気配は動く様子は無く

近づいてくる感じは全くしなくて

目を開くと、悪五郎は困ったように、首を振った

悪五郎「屈服させるのは好みだが、今のお前のような哀愁漂わせた女は美味くない」

天乃「…………」

悪五郎「お前に余計な口出しをするような奴がいたら、俺を呼べ。突っぱねてやる」

天乃「良いの? 後悔しない?」

悪五郎「惚れた女は振り向かせるもんだろう。縋らせるもんじゃない」

悪五郎はそう言いつつ

子供の身ながら、天乃の頭をポンポンっと叩いて笑みを見せ

そのまま姿を消す

そのはっきりとした意思表示に

天乃はすこしだけ、悪五郎も悪くはないと思った


312 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:04:08.10qtWfNbFSo (20/30)



1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(どうして許したか、誤魔化さない、返品要求、引き倒す)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月4日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 55(高い)
  犬吠埼樹との絆 44(少し高い)
  結城友奈との絆 59(高い)
  東郷美森との絆 49(少し高い)
  三好夏凜との絆 75(とても高い)
  乃木若葉との絆 39(中々良い)
  土居球子との絆 27(中々良い)
  白鳥歌野との絆 22(中々良い)
  藤森水都との絆 13(普通)
     沙織との絆 57(高い)
     九尾との絆 45(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


313 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:04:55.36qtWfNbFSo (21/30)


01~10 
11~20 夏凜
21~30 
31~40 
41~50 沙織
51~60 
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00 沙織

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


314以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 20:05:30.72SIwDxblKO (2/7)




315以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 20:09:18.21QRZfg4+lO (6/10)

そうそうゾロ目は来ないね


316 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:33:22.95qtWfNbFSo (22/30)


√ 7月4日目 深夜(自宅) ※金曜日


夜中なのに、どこが騒がしくしているのかと憤っててしまいそうな騒音が耳に響く

もちろん、それは今廊下に出たばかりの夏凜にしか聞こえない

夏凜「……うっさいわね」

ドキドキと激しく高鳴る胸に少し苛立ちながら

生唾を飲み、ゆっくりと足を上げて

上げていない方、左足の踵を上げる速度に合わせて

右足のつま先から慎重に下ろす

天乃の家は下手に軋む家ではないが

それでも、しんっと静まり返った家の中では

夏凜の寝間着の布擦れの音でさえ、嫌に響いてしまう

夏凜「……………」

辿り着いた先は、天乃の部屋の前

本来なら耳を押し当てて中の様子をうかがいたいが

そんな余裕はなく、引き戸の縁に手をかけ、その手に手をかけて

慎重にドアをスライドさせて、自分の体が入るか否かの微妙な隙間に体を滑り込ませて、ドアを閉める

下手に広く開ければ、その分。滑車の音が聞こえてしまうからだ

夏凜「……………」

――そう、これは。夜這いである。バレてはいけないのだ。たどり着くまでは


317 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:48:49.83qtWfNbFSo (23/30)


天乃「すー……すー……」

夏凜「…………」

天乃なら、言えば部屋に招き入れてくれるだろうし

一緒に寝てくれることだろう

というより、昨日そうしていたのだから

今回が駄目ということなんてないはずなのだ

それでも夏凜が夜這いを決行したのには、理由がある

寝ている間の天乃の様子を見る事

そして、自分の気配を上手く殺すこと

晴海曰く、

好きな人に完璧に夜這いが出来て一人前。

だからこそ、夏凜はこっそりと天乃に近づく

部屋に入った段階で感じる好きな人の匂い

ただでさえうるさい心臓がよりうるさく聞こえて

体が熱く、火照って動きが鈍る


318 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:52:14.79qtWfNbFSo (24/30)


01~10 
11~20 目を覚ます
21~30 
31~40 
41~50 特殊
51~60 
61~70 目を覚ます
71~80 
81~90 特殊
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

※空白は「やったれ夏凜ちゃん。夜這い成功だよっ!」


319以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 20:52:26.61QRZfg4+lO (7/10)

はい


320以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 20:55:15.73SIwDxblKO (3/7)

安定のうっかりん


321 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 20:59:20.75qtWfNbFSo (25/30)


天乃「……夏凜?」

夏凜「……!」

静かだった部屋に、突然天乃の声が聞こえて

夏凜は思わず体をびくつかせたが

慌てて口をふさぐ

息を殺し、何も聞こえないようにと身をかがめる

オレンジ色の光も、月の光もない部屋は暗く

ばれることはないは――

天乃「そこにいるんでしょう? 感じるわ」

夏凜「……流石ね」

闇になじんでいない目には見えていないだろうが

それでも、存在を感じ取れていたらしく

堂々と近くに寄ると、天乃はすこし眠そうな表情で笑みを作る

天乃「何してるのよ……初めから。来てればいいのに」

夏凜「夜這いがしたかったのよ……って、ぁ、違っ」

夏凜は自分の発言のおかしさにすぐさま気づくが

訂正する間もなく、天乃はくすくすと、笑って

天乃「なら、失敗ね……残念でした」

子供のような、笑みを浮かべた


322以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 20:59:31.53QRZfg4+lO (8/10)

夜這いでもへたれていくスタイル


323 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 21:09:12.66qtWfNbFSo (26/30)


天乃「男の人に、嫉妬でもしたの?」

夏凜「そう言うわけじゃないわよ。鍛錬の一環」

眠いなら寝ればいいのにと思いながら

夏凜は天乃の問いに、嘘なく答える

そんな理由で邪魔をしたの? と怒られる可能性もあるが

嘘をつくよりはいいと思ったのだ

天乃「鍛錬……ね。まぁ、私は難易度高いから」

夏凜「自分で言う? いや、その通りなんだけどさ」

天乃「別の部屋に大赦の人たちがいるでしょう? そこにしたら?」

夏凜「ハードからイージーって……せめてノーマルが欲しいところね」

冗談っぽくいってみれば

天乃は「確かにそうね」と、楽しそうに笑みをこぼして

天乃「……それで?」

夏凜「?」

天乃「一緒に寝るの? 襲いたいの? それとも、戻る?」

夏凜「…………」

天乃は眠そうだけど……


1、一緒に寝る
2、襲う
3、戻る


↓2


324以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 21:10:13.90QRZfg4+lO (9/10)

1


325以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 21:10:22.90GPwAMGsmO (4/5)

2


326以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 21:10:53.34SIwDxblKO (4/7)

1


327 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 21:42:14.60qtWfNbFSo (27/30)


夏凜「……少しだけ」

明確な答えは言葉ではなく態度で

そう言うかのように、ベッドを軋ませた夏凜は

真下に見える眠そうな天乃の目元

浮かぶ涙を拭って、唇を重ねる

天乃「……退屈したら、寝ちゃうから。ね?」

夏凜「激しくやれって? 大赦の連中が何事かって起きるけど?」

天乃「そう言う意味じゃないわよ。でも、それでもいいかもね」

夏凜「なら、それでやってやろうじゃない」

男女の行為であれば

夏凜は多少なりと覚えがある―読書で―が

女性同士というのはまだまだ覚えがなく

しかし、言ったからにはと、天乃の寝間着のボタンを上から一つずつ外し

シャツの中、胸の上に手を滑らせて脇から押し上げるように、胸を揉む

天乃「んっ」

夏凜「クラスメイトにもまれて、どうだった?」

天乃「やっぱり嫉妬してるんじゃない……っ」

夏凜「してないわよ――男の方にはね」

言いながら、より強く胸に触れた夏凜は、そのまま天乃と唇を重ねる

夏凜の嫉妬は夜のように、長かった


328 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 21:58:06.55qtWfNbFSo (28/30)

√ 7月5日目 朝(自宅) ※金曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、イベント判定

↓2


329以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 21:58:17.64QRZfg4+lO (10/10)

1


330以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 21:58:49.74SIwDxblKO (5/7)

1


331 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 22:35:37.80qtWfNbFSo (29/30)


天乃「九尾、いるんでしょう?」

九尾「うむ。居らんぞ」

ベッドの下からずるりと姿を現した九尾は

天乃が何かを言うよりも早く、それで何用じゃ。と

すぐさま要件を問う

九尾「悪五郎と話しておったことかや?」

天乃「……聞いてたの?」

九尾「聞こえていた。が、正しいがのう」

くつくつと笑った九尾は

女性体の姿のまま椅子に腰かけて、天乃を見る

何が聞きたいのか

それを早く言えと言われているようで


1、悪五郎との子供
2、歌野・水都について
3、陽乃の深淵
4、男性の行動について
5、女性同士性交渉特別講座

↓2


332以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 22:36:03.76uRFSOJCYO (1/2)

3


333以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 22:36:20.36GPwAMGsmO (5/5)

1


334以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 22:38:33.02SLo/wlqa0 (1/1)

3


335以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 22:42:49.57SIwDxblKO (6/7)

どれも聞きたい選択肢ばかりだな


336 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/12(日) 22:44:31.80qtWfNbFSo (30/30)


では、少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「単刀直入に聞くわ。五郎君と子供は作れるの?」

九尾「不可能とは言わぬが……」

九尾「勇者の力で体組織を活性化させ、好みの女に生殖器を作らせればよいではないか」

天乃「えっ?」

九尾「精子は出ぬが、娘の遺伝子を主様の胎内に流し込めばあとは通常通り妊娠できるはずじゃぞ」


※できません


337以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 22:49:00.27uRFSOJCYO (2/2)


くそーできないのか


338以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/12(日) 23:00:30.27SIwDxblKO (7/7)


やっぱり夏凜ちゃんがメインヒロインしてるのが一番かわいい

あとはまあ穢れ率がエグいことになっている以上、ハーレムに加えとけば万が一の時に五郎くんの協力という選択肢も残して損はないと思うな


339以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 00:30:02.92pdGTauv/O (1/1)


夏凜のいちゃいちゃパート多めで本当によかった
でももうそろそろ久遠さん待ちのヒロインズと話しもしたいな


340 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 22:31:47.08w8h+9Grko (1/10)


では、初めて行きます


341以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 22:32:31.84f6vQ97GAO (1/3)

ばっちこい


342 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 22:39:07.35w8h+9Grko (2/10)


天乃はふと息を吐くと、

一端心を押さえ込むように自分の胸に手を当てて、目を瞑る

悪五郎は不可能とはいえない。という曖昧なものだった

だが、九尾はそれをより明確な答えとしてくれるはずだ

もちろん、絶対にとは言い切れない

九尾にだって、分からないことはある

自称分からない。というだけで、本当は分かっている可能性もあるのだが。

天乃「そうよ。五郎君との件」

九尾「……ふむ」

天乃「聞いていたのなら、改めて話すこともないでしょう?」

天乃は平坦な声で話す

無理矢理に強制しているのではなく

感情の昂ぶりなく話すべきことだと思っているからだ

それに対して、九尾は一息おいてまっすぐな紅い瞳を天乃へと向ける

感情を感じさせないような瞳

だが、天乃はひるむことなく見つめ返す

九尾のその瞳は、相手を怯えさせるためにしているのではないと分かっているからだ

といっても、九尾を知らない人からすれば、理解しがたく恐れるかもしれないが。


343 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 22:46:00.97w8h+9Grko (3/10)


九尾「結論を言えば、悪五郎と主様の間で子をなすことは可能じゃ」

天乃「……どうやって?」

九尾「無論、主様の胎内に悪五郎の力を注ぎ込めばよい。人間の生殖行為とさほど変わらぬ」

内容が内容ではあるが

九尾はもちろん、年頃の少女である天乃も羞恥心に彩られることなく

天乃は「それで?」と九尾に先を促す

九尾「これに関しての欠点は3つ」

1つ、妖怪と人との子である為、人ならざる者が生まれる可能性があること

2つ、母体が人間である為、体が妊娠・出産の負荷に耐え切れず絶命する可能性があること

九尾「しかし、後者に関して言えば。穢れに堪えうる体ならば問題はなかろう」

妊娠と出産によって

天乃の体がさらに穢れるというのならば話は変わるが

妖怪との子であれ、神聖なる生命の誕生というものは

穢れを癒しこそすれ、穢すことはない

もちろん、孕むものがもとより穢れた存在であれば別なのだが、悪五郎に限ってその心配はない

あれは多少の悪意ある存在だが、天乃の元での彼は悪霊のそれではないからだ


344 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 22:49:42.78w8h+9Grko (4/10)


九尾「そこで、問題1じゃな。それに関しては孕まねば分からぬ。その後で異形が生まれれば残念賞。というところか」

天乃「……待って。貴女、欠点は3つといわなかった?」

九尾「それに関しては、利点が絡む。利点は……そうじゃな。3つか」

九尾はすらっと伸びる綺麗な3本の指を立て

天乃へと見せて、左右に振る

1つ、強力な力を持つ子供が生まれる可能性があること

2つ、下手な人間と交わることなく済ませられること

またしても3つ目を言わなかった九尾は

天乃が横槍を入れるよりも早く、「この3つ目じゃが……」と、続ける

九尾「利点としては主様の力全てを犠牲にすることはない。ということじゃ」

天乃「……普通の人間ではなく、五郎君だから、その力をもらえるということね?」

九尾「いかにも。少なくとも半分。主様の負担が軽減されると言ってよかろう」

天乃「穢れに関しては?」

九尾「悪五郎は穢れの代替ではないからのう。問題ないはずじゃ」

それは天乃にとっても、世界にとっても

願ってもないことだろう

代々、娘一人にしか受け継がれることのなかった力が

母親と子供それぞれが持つことが出来る

子供を産んだからと戦線離脱させずに済む

継続してみんなを守ることが出来るのだから


345 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 22:55:53.40w8h+9Grko (5/10)

しかし、天乃は喜べない

九尾の言葉を受け止めつつ、思考の机に並べて、考え込む

本当にそれだけなのか。と

ありがたいことかもしれないが、不安がある。

だからこそ、窪み、まだ知らされていないデメリットの部分を求めて九尾に目を向けた

九尾「うむ。3つめの欠点じゃ。それをした場合、悪五郎は消滅する可能性が高い」

天乃「消滅って……それ」

九尾「悪五郎も理解しておるはず。やつは男。つまり、力を放出する側じゃからな」

安倍泰成の母である葛の葉が出産の際に死亡しなかったのは

彼女が母体であり、力を保持したままの状態だったこと

彼女が精霊という召喚された―言い換えればエネルギー体―ではなかったからだ

九尾「それでも、悪五郎は主様に捧げるじゃろう。言うておったではないか。身を捧ぐ。と」

天乃「…………」

九尾「そう暗い表情をするな。悪五郎はただ無駄に消滅するわけではないぞ」

天乃「私の役に立つってことは分かるわ。でも――」

九尾「違う。そうではない」


346 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 23:01:34.34w8h+9Grko (6/10)


天乃の感情の篭った声が大きくなる直前

九尾は金色の髪が乱れるほどにはっきりと首を横に振り、否定する

九尾「主様に流れ込む力は悪五郎そのもの。それは、主様と結びつくという事」

それは。と、

九尾はどこか遠くを見る瞳で天乃を見つめ、笑みを浮かべる

悪五郎が消滅する。それへの悲哀はなく

むしろ、それに対する羨望さえ感じる瞳で

九尾「体しか交われぬ人間では手に入れられぬ至高の結びじゃ」

天乃「至高……」

九尾「愛しき者とのそれは、霊体である妾らにとっての悲願」

霊体だからと、必ずしも行えることではない

母親が妖怪であれば、高確率で問題なく行えるが

母親が人間の場合は、九尾が言ったように、耐え切れずに死ぬ可能性がある

ゆえに、

想いとそれを受け止められる器と力があってこそのもの


347 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 23:02:06.33w8h+9Grko (7/10)


人はそれを憑依と混同して考えるが

憑依などという単純な結びつきではない

ただ消え行くだけではなく、愛しき者の子となれるのだから

男である妖怪が、愛しき者と同種の存在としてあれるのだから

それ以上に心から受け入れることの出来る消滅――いや、転生なんてものはないだろう

九尾「ゆえに、案ずることはない」

天乃「……適当なこと、言ってないでしょうね」

九尾「いう必要は無かろう。信じたくないのであれば、勝手にすればよい」

天乃「そう……」

良かった。と、言うべきなのだろうか

それとも、良くないというべきなのだろうか

九尾が正しければ、悪五郎の消滅は犠牲とは言わない

なら……良い。と、言うべきなのだろうか

いずれにしても、天乃が戦わないことは大赦には伝わった

そこからどうなるのか

それが分かってからでも、良いかもしれない

天乃「ありがとう、貴女を信じるわ」

九尾「うむ」


348 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 23:02:32.01w8h+9Grko (8/10)


√ 7月5日目  昼(自宅) ※金曜日


01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 
41~50 沙織
51~60 
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00  大赦

↓1のコンマ 



349以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:03:07.04HHcsEtJpO (1/3)




350 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 23:08:26.72w8h+9Grko (9/10)

√ 7月5日目 朝(自宅) ※金曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、大赦
0、イベント判定

↓2


※夏凜は様子見欠席中


351以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:09:05.05HHcsEtJpO (2/3)

1


352以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:09:34.95vzjfYeFJ0 (1/2)

とう


353以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:09:59.33f6vQ97GAO (2/3)

4


354以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:10:17.33vzjfYeFJ0 (2/2)

すまん安価下で


355 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/13(月) 23:19:58.47w8h+9Grko (10/10)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


球子「た、タマはハーレムに入らないからな!」

天乃「いや、誘うつもりはないけど……」

球子「いーや。その目は魔獣……獣の目だ!」

天乃「貴女の中の私っていったい何なのよ」

球子「人間版女子刑務所」

天乃「……球子。お仕置きのお時間よ」ニコッ


356以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:23:39.21HHcsEtJpO (3/3)


久遠さん刑務所脱獄不可能だわ


357以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/13(月) 23:26:48.73f6vQ97GAO (3/3)


まさか五郎くんが久遠さんの救世主になりうる存在となるとはねえ
…これって今作はおねショタHも期待していいのかな?



358以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 01:38:26.22KN6hIg9YO (1/2)


なにげにいい人な五郎くん


359以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 06:49:46.22xQGt7/lnO (1/1)


人間版女子刑務所ってなにかと思えばハーレムだからか…
このオマケの勢いほんと好き


360以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 12:38:28.799hhBowemO (1/1)

球子たちも姿を出してないだけでここ数日の色々な場面見てたりするのだろうか
中学生には結構刺激が強い内容だと思うけど


361 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 21:58:41.22YmprL+RNo (1/16)


では、初めて行きます


362 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:04:16.97YmprL+RNo (2/16)


球子「色々と大変なことになってきたなぁ」

天乃「なによ。他人事みたいに」

球子「他人事だからな~」

飄々と笑いながら言った球子は

天乃の目が鋭くなったの気づいて、「冗談だから」と

後から訂正して、息をつく

実際、悪五郎の協力が得られるのだ

なければ非常に厄介な問題に発展していたかもしれないが

今回ばかりは問題ないだろう

もちろん、それでも天乃からしてみれば

問題以外の何物ではなくて

球子はふと、自分だけが覚えている過去のことを思い出して、目を伏せる

球子「そういえば、陽乃も似たような問題があるって話ししてたな」

天乃「陽乃さんが?」

球子「陽乃も天乃と同じでかなりの力があったから、それを遺さないといけないって」


363 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:07:25.23YmprL+RNo (3/16)


球子「といっても、タマはそれを盗み聞きしたって言うか……」

偶々聞いただけだ。タマだけに。

ふと通りがかった丸亀上の一角で陽乃がそんな話をしているのを。

あの声は今でも覚えてる

今まで聴いたことがない、寂しそうな声だった

天乃「……そう。全部は知らないのね」

球子「いやなこと言えば、タマは途中で敗退したからな」

球子の複雑な感情の込められた笑みに

天乃は一瞬、口を開きかけたものの、きゅっと結んで、目線を下げる

すると、球子は「気にしなくて良いからな」と、快活な声を紡ぐ

天乃「しないわよ。他人事だからね」

球子「それはそれで傷つくぞ」

天乃「我侭なんだから」

そんなどうでも良いとも思えるようなやり取りをした後

苦笑して、息を吐くと、球子は「それで」と、零す


364 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:08:44.90YmprL+RNo (4/16)


球子「なんで球子を呼んだんだ?」

子供の件もそうだが

もろもろの相談事であれば、

球子ではなく、九尾達の方が有意義な話が出来るはずで

そうでなくとも、記憶はないが、若葉の方が全うな会話をしてくれるはずで

なぜ自分なのだろうかと考えた球子は天乃から少し離れて

天乃が「なによその怯えた目」というが、首を横に振って、息を呑む

球子「た、タマもろーらくするつもりだな!」

天乃「え?」

球子「ず、ずっと見てたんだぞ! わ、若葉なんて顔真っ赤にして不純だ! なんて言ってたし」

天乃「……あぁ、やっぱり。見てたのね」

九尾は常日頃から―最近は存在を感じるが―影でこっそりと見ているのは分かっていたし

それは九尾に限ることなく、精霊全員がそうできる

だから、球子達も見てておかしくないと思っていたのだ



365以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 22:11:11.117Ou1iNicO (1/4)

かわいい


366 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:14:29.30YmprL+RNo (5/16)


球子「きょ、教育に悪いんだぞ!」

天乃「キスくらいなら平気じゃない?」

球子「昨日それ以上のことしてただろ!」

天乃「あら……」

怒り心頭というよりは、羞恥心ゆえにどうしようもなくて怒鳴っている印象の球子を

天乃は微笑ましく見つめて、ゆるりと目を逸らす

天乃「あれはどちらかというと、夏凜と東郷が悪いのよ」

天乃自身、あそこまでされるとは思っていなかった

二人は行き過ぎないように配慮したつもり。と

口をそろえていっていたが

天乃としては、あれは少し行きすぎだった。ような気がする

球子「そう、だけど」

天乃「ねぇ、見ないことは出来ないの?」

球子「出来る。別の場所に移動するってだけだけど」

天乃「なら、そう言う雰囲気になったときは、離れて欲しいかな」

天乃だって、見られて恥ずかしくないわけがないわけで。


367 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:17:32.62YmprL+RNo (6/16)


球子「分かった。そこは若葉にも話しておく」

天乃「ええ、よろしくね」

良く分からない逸れ方をしたし

球子はまだ、顔を紅くしているけれど

話を戻すことは出来るだろう

というか、戻さなければ呼んだ意味がない

いや、何もなくても呼ぶ事だってあるのだが。

天乃「…………」



1、球子って私と子供作れないの?
2、あの男性、何を考えてるか分かる?
3、球子はどれくらい知識あるの? 昨日してたような行為に関して
4、西暦時代の九尾について
5、西暦時代の歌野・水都に関して


↓2


368以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 22:17:57.157zBUwh+kO (1/1)

4


369以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 22:18:21.687Ou1iNicO (2/4)

4


370 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:25:57.45YmprL+RNo (7/16)


天乃「貴女、多少は陽乃さんのことを知っているでしょう?」

球子「ん? まぁ……でも、あんまり詳しくは知らないぞ」

陽乃と出会ってから死ぬまで

決して長いとも言えない時間だったが、短かったわけでもない

しかしそれでも、多くを語ってくれなかった陽乃のことは殆どわからなかったと言っても良い

困ったように頭を触る球子に

天乃は「違うわ」と、答えて首を振る

天乃「知りたいのは九尾の事。西暦時代の九尾」

球子「九尾? なんでまた」

天乃「本人に聞いても答えてくれない部分があるだろうし、情報収集?」

球子「陽乃以上にわけわからない存在だぞ。アレ」


371 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:38:32.71YmprL+RNo (8/16)


球子は困ったように言うと、

天乃を一瞥して、警戒しながら椅子を少しだけ引くと

それに座って、ホット一息つく

天乃「なによそれ」

球子「気にしないでくれタマえ」

夏凜へのちょっかい、東郷へのちょっかい

その他もろもろ。色々とみてきた球子としては

天乃の一挙一動だけでなく

危害―悪戯的な意味―を加えられたくないなら

自分自身の行動にも細心の注意を払うべきだと考えていたのだ

天乃「そこまで警戒しなくても――」

球子「コホンッ」

あーあーっと喉のチェックをするふりをして会話を断ち切り

遥か昔、しかし、つい最近のような記憶を掘り起こす

九尾が語るのを拒むような裏話は聞けた覚えはないが……

球子「九尾は今と比べて大分狂暴だった気がするな」

天乃「例えば?」

球子「実際に見たわけじゃないけどな。陽乃が【無暗に人を食べないで。汚いから】って、言ってたんだ」


372 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 22:50:13.26YmprL+RNo (9/16)


天乃「は?」

自分らしくない声が漏れたことに気づいた天乃は

すぐさま口をふさいでフルフルと首を横に振ると

息を飲んで、ため息をついて球子を見つめなおす

しかし、その瞳には動揺が見て取れた

天乃「どういうこと? 実際に見てないんでしょう?」

球子「食べてるところはなー。ただ、人を見る目がそれをしててもおかしくない感じだった」

天乃の元で普通に生活しているとはいっても

流石に、そんなものを目撃していたら

ここまで平穏無事な共同生活は送れていない

球子「なんというか、陽乃の裏側。みたいな感じだな」

天乃「陽乃さんの?」

球子「前に、普段ニコニコしてて、時々寂しそうだ。でも、怒ったときはやばい奴。って話しただろ?」

天乃「ええ」

球子「そのやばい奴。の、部分がそのまま九尾と似たような感じだった」

いや、むしろ……

球子「陽乃が九尾に。じゃなくて、九尾が陽乃に……みたいな?」


373 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:19:28.76YmprL+RNo (10/16)


天乃「……………」

精霊が主人に似る。という話は聞いたことがない

いや、精霊が大赦によって正しく支給されたのは友奈達の世代からなのだから

情報力に乏しいのは必然だ

けれど、九尾は支給される? と、一概に言っていいのかは分からないけども

そう言った精霊とはかけ離れた存在だ

無論、天乃の精霊として存在する精霊が大体、そんなものなのだが。

球子「一番わかりやすく言えば、今みたいに人を助けるような精神はこれっぽっちも持ち合わせてなかった。ってことだ」

天乃「……今でも十分、おちゃらけているけど。もちろん、そう言う意味ではないのよね?」

球子「ああ。ただ、変な感じがするけどな。タマたちが死ぬくらいの頃には大分懐柔されてた気がする」

天乃「陽乃さん?」

球子「どうだろうなーただ、【あの娘は理解できぬ】が、いつの間にか【あやつはそう言う娘じゃ】になってた」

ああなるほど。と

球子の言葉に天乃は頷いて、息をつく

陽乃にはまだまだ謎が多いけれど

それでも、本質的には優しい子だと天乃は思う

だからこそ、球子の言葉が曖昧であろうと、中途半端だろうと

そうなのだろうと、思えた


374 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:33:00.71YmprL+RNo (11/16)


球子「まぁ、無関係なタマが分かるのはそのくらいだな」

天乃「……そう」

球子「役に立てなかっただろ」

天乃「そんなことはないわ」

九尾が自分は過去、粗暴な存在だったと自白する可能性は

球子には悪いが、比較的高い。と

天乃は考えて、首を振る

けれど、知っているのと知らないのとでは、手札が違う

今も、部屋の片隅に九尾の存在を感じるから

話はもう、通っているはずだ

その上で九尾がどう動くのか……

天乃「有難う。球子」

球子「気にすんな。過去の話が出来て、ちょっとだけ嬉しかったよ。ただ、若葉の記憶があれば、一番詳しかったかもな」

天乃「……そう。ね」

しかし、若葉の記憶は失われている

ゆえに、それは望めない事

後は九尾に聞くしかないだろう


375 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:33:46.63YmprL+RNo (12/16)


√ 7月5日目 夕(自宅) ※金曜日

01~10 
11~20 大赦
21~30 
31~40 友奈
41~50 九尾
51~60 
61~70 
71~80 九尾
81~90 
91~00 樹

↓1のコンマ  


376以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:34:17.27yeJrOmucO (1/2)




377 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:35:42.95YmprL+RNo (13/16)

√ 7月5日目 夕(自宅) ※金曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
0、イベント判定 ※再安価

↓2


378以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:36:10.76yeJrOmucO (2/2)

9


379以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:36:44.68DkvuZwLZ0 (1/1)

9


380以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:36:52.31KN6hIg9YO (2/2)

9


381 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:42:56.36YmprL+RNo (14/16)

1、風
2、東郷
3、友奈
4、沙織
5、東郷
6、クラスメイト
7、昨日の男子生徒
8、一年生の女子生徒

↓2


382以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:43:41.02FznUZuYMO (1/2)

樹がおらん…
4


383以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:43:58.147Ou1iNicO (3/4)

4


384 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:46:12.67YmprL+RNo (15/16)


>>382
失礼しました
樹が良ければ変更しますが……

そのまま沙織で良いですか?


385以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:47:02.84FznUZuYMO (2/2)

あ、いいっすいいっす次出してもらえれば
安価とったの自分でもないんで


386 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/14(火) 23:53:32.89YmprL+RNo (16/16)


では、とりあえずここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


>>383の方がこのままでよければ、沙織で進める予定です


387以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/14(火) 23:55:07.267Ou1iNicO (4/4)


このままで大丈夫ですよ


388以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 00:05:27.20blrnNT3iO (1/1)


今作の九尾はどういう過程で丸くなっていったのか気になるな


389以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 00:13:26.34inPnko4QO (1/1)


沙織もハーレム入りだな!


390以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 00:45:50.03XmJ4xfx0O (1/1)


沙織は憑依さおりんモードの身体共有で行くのかな?


391 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:10:44.09/THwczQ+o (1/9)


では、少しだけ


392 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:12:23.17/THwczQ+o (2/9)


天乃「そういえば……」

おおきな問題を起こしたりはしないから。と

そう言っていた言葉を信じて気にすることのなかった沙織と猿猴の問題

それをそろそろ話すべきだ

時計の時間を見て、確実に放課後であることを確認してから

端末を手に、沙織の番号を探して電話をかける

沙織『はい、もしもし』

天乃「電話に慣れてるのね……天乃よ。声で分かる?」

沙織『うん、分かるよ。久遠さんの声なら変声器つかっても当てて見せるよ』

電話越しでは在るが、

ぐっと握りこぶしを作っているのがなんとなく想像できた天乃は

流石にそれは。と、苦笑して「沙織」と名前を呼ぶ

天乃「貴女、まだ猿猴よね?」

沙織『うん。そうだよ』

沙織はそう答えると

もう治ったなら話すべきだよね。と続けて

沙織『そっちにいくから少し待ってて』

そう言って、電話を切った



393 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:23:09.01/THwczQ+o (3/9)


沙織「おまたせ~」

天乃「そんなに待ってないわよ? どこに居たの?」

沙織「学校だよ。体は人間だから瞬間移動は無理だけど」

それでも、多少の力を使えば

下手な交通機関よりは断然早いからね。と

沙織―猿猴―は自慢気に語って、笑みを浮かべる

沙織「それで、あたし達のことに関して。だよね」

沙織は椅子に座ることなく、自分の胸元に手を宛がう

それは、今体を動かしている猿猴と

その内側に居るであろう沙織とが心を繋ぎあっているかのようで

沙織「あたしはこの子を解放することに異論はないよ。でもね、久遠さん」

天乃「…………」

猿猴がその先を言うよりも早く、天乃は沙織の考えが分かった

いつからか分からない

いや、こうなるよりもずっと前から

沙織はそれを決めていた

そうあれることを望んでいた

沙織「この子はこのまま、久遠さんと一緒に戦いたいって思ってるんだよ」


394 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:28:25.66/THwczQ+o (4/9)


巫女として、沙織は十分仕事をしてくれていると思うし

その点で言えば、ある意味では一緒に戦ってくれているといえるだろう

だが、沙織はそれでは納得していないのだ

裏方で、何事もなく

ただ安全に祈りを捧げてお告げを授かるだけの自分の働きが

天乃と同様に戦っているなどとは、絶対に言いたくないのだ

沙織「危険性はもう話してあるし経験もしたんだよ? それでも、ね」

いや、だからこそなのかな。と

沙織はどこか悲しげに呟き、首を横に振る

それは、どちらのものなのだろうか

沙織「あたしは戦いと言う。あたしはその心を指示しても良いと思ってる」

天乃「……つまり、このままってことね?」

沙織「うん。もちろん、この子にもちゃんと主導権は譲る。時々、借りるかもしれないけど」


395 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:30:50.63/THwczQ+o (5/9)


それはつまり、勇者未満の勇者になるということだ

そして、沙織をより危険なことに巻き込むということ

天乃「……………」

沙織はそれが良いといっている

それを望んでいる

危険性を知り、経験した上で、それでも……

だけど、天乃はもう戦わない

絶対ではないけれど、基本的には戦わない……


1、良いわ。沙織と貴方がそれで良いのなら
2、ダメよ。認められない


↓2



396以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 22:31:17.74NgHnSZQDO (1/3)

1


397以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 22:32:42.87EL+NoGkGo (1/1)




398以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 22:33:25.28Ma89Dyy6O (1/3)

2


399 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 22:59:36.46/THwczQ+o (6/9)


天乃「……たくさん言いたいことは、あるのよ」

そんなのは危険だとか

そんなのは認められないだとか

広義的な言葉ではなく、もっと事細かに言えば

膨大な時間がかかるかもしれない

それほどに、天乃にとって沙織は大切な位置にいる

もちろん、沙織だけでなく勇者部のみんなに対しても。

天乃「でも、聞きたいことは一つだけよ」

沙織「一つ?」

天乃「そう。猿猴である貴方も、その体の持ち主である沙織も。二人とも、同意のうえでのものなのね?」

沙織「そうだよ」

質問の意味を考えない

天乃の言葉に対して、沙織はまっすぐに目を向けて即答する

それが答えだ。二人で話し合った……と言えるのかは分からない

でも、そう決めたことは確かで。

天乃「なら、良いわ。沙織と貴方がそう決めたのなら」

沙織「良いの? 本当に?」

天乃「駄目って言われたいなら、言ってあげるけど?」


400 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 23:11:37.13/THwczQ+o (7/9)


勿論、本気ではなく意地悪で言ったのだが

沙織は慌てたように首を振って

そんなことないよ! と、否定する

その必死さはまさしく伊集院沙織そのものだった

今はどちらなのだろうか

沙織か、猿猴か

主導権を返すと言っていたのだから

もう、返しているのだろうか

考える天乃は、沙織から感じる自分と似たような気配が

段々と薄れていくのを感じて、息をつく

天乃「沙織」

沙織「……うん」

天乃「あれから大分、時間かかっちゃったわね」

沙織「ううん、そんなことないよ」

天乃が無意味に過ごしていたのなら

文句の一つでも言えたかもしれないが

天乃は無意味さなどかけらもない濃密な時間を過ごしてきたのだ

それになにより、猿猴に体を差し出したのは自分から。だから

沙織「ごめんね、久遠さん。余計な事……だったよね」


401 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 23:36:49.85/THwczQ+o (8/9)


罪悪感しかなかった

だからと言って、泣くことが許されるとも思わない

何もかも自分が悪いのだから

勝手に望み、願い、行ったことだから

天乃に迷惑をかけた自分自身を戒めるように

沙織は強く、自分の感情を押さえつけて天乃へと目を向ける

沙織「久遠さ――」

天乃「別に謝らなくていいわよ」

沙織「で、でもっ」

天乃「誰よりも無茶してきたのが私だもの」

このくらいのことで

いちいち目くじらを立てていたらカウンターの貰い放題というもので。

天乃「気にしないで。気持ちはよく、分かるから」

天乃は笑みを浮かべて、沙織の罪悪感を拭うように、抱きしめる


1、猿猴が主導の時の記憶は全部あるの?
2、ねぇ、沙織。私……勇者部のみんなが欲しいの。もちろん、貴女も
3、私、大赦には戦わないことを話したわ
4、それで、学校の様子は分かってる?
5、沙織。体は本当に大丈夫?

↓2


402以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 23:37:41.78NgHnSZQDO (2/3)

2


403以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 23:37:54.77Ma89Dyy6O (2/3)

2


404 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/15(水) 23:45:30.34/THwczQ+o (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「ねぇ、沙織。私……勇者部のみんなが欲しいの。もちろん、貴女も」

沙織「うん、知ってるよ。久遠さん」ギシッ

天乃「……ん?」

沙織「精霊さんと一緒になって。人並み外れた体力とある程度の知識は手に入れたから。全部。任せてねっ」

天乃「ぇ、あっ――」


405以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 23:47:07.44NgHnSZQDO (3/3)


結局受けに回ってしまうのか


406以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/15(水) 23:54:40.67Ma89Dyy6O (3/3)


ついにさおりんが猿猴から実質解放されたか
さてさて得た知識をどれほど久遠さんに活かせるか期待


407以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 00:53:38.75P0Zt80cMO (1/1)


さおりんと猿猴が交互に飴と鞭を与えることで久遠さんが敗北してしまう本ください


408 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:36:54.12EJzRhTVio (1/8)


では、少しだけ


409以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 22:37:53.30UrypxxW/O (1/3)

あいよ


410 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:40:45.03EJzRhTVio (2/8)


天乃「ねぇ、沙織。私……勇者部のみんなが欲しいの。もちろん、貴女も」

抱きしめる沙織の耳元で囁く

猿猴に体を奪われているときに何度かキスをしたが

伊集院沙織本人とのこの会話は初めて。の、はずだ

けれども、沙織の表情に大きな驚きはなかった

沙織「……知ってる」

天乃「え?」

沙織「あたし。久遠さんの精霊と一緒になってたんだよ? 全部、知ってるよ」

余裕のある微笑を携えながら、

沙織は天乃の胸から離れると、その両肩に手を伸ばして

ぐっと、力を込める

天乃「ちょ、沙織……?」

沙織「良いから、ね? ベッドに横になって?」

天乃「いや、東郷と夏凜の時二の舞は回避したいというか」

沙織「大丈夫。巫女は舞を踊りなれてるから」

天乃「違うから。全然違うから。ね?」


411 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:44:15.27EJzRhTVio (3/8)


雰囲気的に―ただの自滅だが―東郷と夏凜の時のように

一方的な蹂躙になることを予期できてしまった天乃は

自分の軽はずみな発言を少し悔いながら

沙織の押し倒そうとする力に抵抗する

天乃「一端落ち着きましょう? ね?」

沙織「大丈夫、冷静だよ。痛い思いはさせたくないから」

天乃「冷静に暴走してるから」

沙織を誘惑しようとしたのは事実だけれども

別に今すぐこういうことをしたかったわけではない

あくまで、自分はそう言うのを目指しています。という説明のつもりだった

しかし、こういうことに関しては上手くいかないようで

沙織をただ誘惑するだけで終わってしまったのだ


412 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:53:54.52EJzRhTVio (4/8)


しばらく押し続けても微動だにさせられないことを理解した沙織は

ふといきを吐いて首を横に振る

いくら身体能力に多少の補正がかかったとしても

元から桁外れの天乃には勝ち目がない

沙織「……久遠さん。あたしは久遠さんの精霊だけど。どちらかと言えば、宿主に力を貸したいと思ってる」

天乃「猿猴、死神に真っ二つにさせるわよ」

沙織「あー、だから言わない方がって言ったのに……」

あくどいことを平然と言った沙織は

冗談だけどね。と笑みを零して、椅子に座りなおす

どこからどこまでが冗談だったのだろうか

深く考えると疑心暗鬼へと誘われそうな問題を

天乃はため息に吹き飛ばさせて、苦笑する。冗談なら。と。


413 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:57:20.83EJzRhTVio (5/8)


天乃「貴女、猿猴と随分仲が良いようね」

沙織「仲が良い……のかな。良いんだろうね。うん、きっと……一緒になってたからだね」

その分、普通の人間よりは結びつきが強く深い為

互いのことを理解できているのかもしれない

そして、だからこその絆が出来ているのかもしれないと

天乃は考えるだけに収めて、笑みを浮かべる

この分なら、本当に心配はいらなそうだ

沙織「久遠さんがしようとしてることはもう伝わってる。本当なら、久遠さんは本当にそれで良いの? って聞くべきなんだと思う」

問題が沢山あるのだと

婚約の話、結婚の話、子供の話

今の年齢では縁の殆どないような話が

けれど、それに関しても考えた上であることを

沙織は猿猴といたjことで全部伝わってきているから

だから、笑みを見せる。困った人だなぁ。と、どこか嬉しそうな笑みだ


414 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 22:57:51.65EJzRhTVio (6/8)


沙織「あと重要なのは、悪五郎さんっていう恋人がいることを示さないといけないことだね」

天乃「そんなこともしなくちゃいけないの?」

沙織「それはね。名前だけ借りてる可能性も考えられるだろうし……あ、でも」

天乃「なに?」

沙織「あたしの力か、九尾さんの力を使えばある程度なら誤魔化せるよ。幻惑の力だから、一緒にいる人を恋人だよーって」

幻惑の力は

使い方によっては相手を意のままに操ることが出来る

九尾なんかは特にその傾向が強くかなりの万能型だといっても良いかもしれない

しかし、幻惑は言ってしまえば惑わす力だ

使う側に問題はないとしても、使われた側は、行使され続けることで

ふと現実へと返されたときに、その差によって崩壊してしまう可能性がある

もちろん、今回のような

実際に恋人はいるが、恋人の情報を誤認させる。というような

大きな差がないのであれば、そこまでの問題はないはずだが。


415 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 23:01:11.77EJzRhTVio (7/8)


天乃「ねぇ、今あたしの力って言ってたけど……」

沙織「うん。猿猴の力を多少なら扱える。もちろん、猿猴自身が扱うよりは大分不得手ではあるけど」

それでも、使えるか使えないかといえば、使えるほうだ

天乃達が勇者として変身することで力が使えるのと同じように

沙織もまた、その身に宿しているので力が使える。というわけだ

沙織「少しずつ、マスターしていこうかなーって」

天乃「……あんまり無理はしないでね?」

沙織「うんっ」

沙織が巫女だから、元々素質があってそんな勇者まがいのことが出来るのか

それとも、誰であろうと勇者としての力を行使できるのか

もし、後者なら……

そう考えた天乃は少数だからこその利点を思い浮かべて考えを打ち消す

それは余りにも危険なことだ

沙織「あ、ねぇ……久遠さん」

天乃「なに?」

甘えようとしている子供のような瞳を向けてくる沙織に

天乃はアレでしょうね。と、決め付けながら、訊ねる

沙織「……東郷さん達ともしたのに。あたしはダメなの?」



1、手加減。してね?
2、下腹部はダメ。これが条件よ
3、今日は。ちょっと……


↓2


416以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 23:01:39.83ntlG2tDaO (1/2)

1


417以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 23:02:46.77RjeaMTIs0 (1/1)

1


418以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 23:04:29.26UrypxxW/O (2/3)

1


419 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/16(木) 23:05:14.58EJzRhTVio (8/8)


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日も、出来れば通常時間から
もしかしたらお休みになる可能性もあります


天乃「手加減。してね?」

沙織「うん」

天乃「絶対よ?」

沙織「うんっ」

沙織(あたし基準……だけどね)


420以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 23:08:27.91ntlG2tDaO (2/2)


実質3Pだな


421以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/16(木) 23:09:31.06UrypxxW/O (3/3)


夏凜ちゃん達よりもさらに踏み込んで行く気か…流石さおりんだ


422以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/17(金) 00:57:49.20nk74W+yFO (1/1)


わっふるわっふる


423 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:04:00.43QJVGnTQ0o (1/31)


非常に遅いですが、少しだけ


424 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:07:07.79QJVGnTQ0o (2/31)


どうしてそこまでしたいのかというのは、天乃には謎だったが

しかし、沙織が言う「東郷さん達とは……」という言葉は理解が出来る

等しく愛すると宣言したわけではないけれど

それと同じようなことを言っておきながら貴女はダメ。なんていうのは

酷い話という程度のことではないだろう

かといって……と考えた天乃は

小さくため息をついて「分かったわ」と零す

諦めたのではなく、沙織の熱意に半ば呆れるような感じだ

天乃「ただし、手加減。してね?」

沙織「うん、するよ。大丈夫、久遠さんが東郷さん達としたのがいろんな意味で初体験なのも知ってるから」

天乃「えっ?」

沙織「小学校の時からずっと、久遠さん忙しかったもんね。余計なこと、覚える余裕がないくらいに」

天乃は覚えていないだろうが、

沙織は天乃が小学生のころから知っている

勇者として戦うための技能を小さい頃から鍛錬し続け、

戦闘が始まってから慌てることがないようにと、普通の勉強だって周りを追い抜いて行って

省略するが、ちょっと面倒な身内の相手―撃退―もしなければいけなかったのだ

性知識なんてつける暇など塵ほどにもなかっただろう


425 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:09:42.70QJVGnTQ0o (3/31)


沙織「……まぁ」

そういうことから徹底的に守り抜いてきた自称性戦士―他称:変態―がいたのだから

時間があったとしても知識をつけることは無理だったかもしれないが。

あの頃を懐かしく思い、それらの日々の殆どを奪われてしまった天乃のきょとんっとした表情に

沙織は、悲しげな笑みを携えて、「何でもないよー」と、笑う

沙織「久遠さん、キス、好き?」

天乃「好きか嫌いかといえば……そうね。好き」

沙織「じゃぁ、目。瞑って」

囁くように指示を出し、天乃をまたぐようにベッドを軋ませた沙織は

そのまま天乃の横に体を預けて、体を折り曲げていく

目の前に見える閉じた瞼、緊張からか、震える唇

そこからさらに下がった呼吸に揺れる胸

どうしても胸に目が良くし、気づけば手が伸びているが

沙織はぐっと堪えて天乃の唇に重ねる

訪問を知らせるようなトンッと接触させただけのキス

天乃「ん?」

沙織「開いたね」

天乃の瞼が開かれたのを確認し、もう一度唇を重ねる

今度は入り込むように深く唇を変化させながら、紡ぐ


426 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:10:28.36QJVGnTQ0o (4/31)


沙織にとって、キスはただのキスではなく、入り口

性的な関係、性的な行為。それを行う一歩手前

扉を叩くようにキスをして、応じてくれた相手に挨拶を

天乃「んっ! ふ……ぁ」

舌をゆっくりと伸ばして忍び込ませ

天乃の舌、家主に挨拶をする

最初は突き、突き返されてから裏を舐め、側面を舐めて――離れる

沙織「っは……は、ふ」

天乃「ぁ……はぁ……んっ」

ごくりと、天乃の喉が音を鳴らし

沙織の口を割って伸びる舌先から、唾液が天乃の口元に伝う


427 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:11:12.66QJVGnTQ0o (5/31)


それを追うようにもう一度唇を重ねて

唇が自分のものだと示すように唇で唇を舐める

天乃「んっ、っ、は……んっ」

唇が抜けていくたびに漏れ出る吐息

だんだんと熱の篭っていくそれを音に聞きながら

探るように持ち上がった天乃の手を握って止めると、少し強く握られて

沙織はキスをしたまま笑みを零す

怒ってるのなら、解放する。でも、そうではないと分かっているから

自分の口からも淫靡な吐息がこぼれるのを感じながら、深く、広く、長く

天乃の体と心をじんわりと解す

天乃「っは……ぁ、はぁ……はぁ……」

沙織「まだ、序盤だよ」

口をふさがれたことで淫らに乱れる呼吸をする天乃の口元から伝う涎を指で拭い、

普段は絶対に見せないような幻を見ているような瞳を見つめて沙織は微笑む


428 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:13:35.30QJVGnTQ0o (6/31)


沙織「キスは一旦終わり。胸に触るよ」

天乃「ま、て……待って」

沙織「手加減はするから安心して」

天乃の覚束無い蕩けた声に返し、服の上から胸に触れる

自宅療養となったとはいえ、検査がある天乃の体はブラの感触なく

二枚程度の布の隔たりしか感じないが、それでも邪魔であることには変わりない

沙織は天乃の胸に触れる右手に少しだけ力を込めながら、

根元に指先がくるような、もぎ取ろうとしている手の形で熱していく

寝巻きが邪魔だ。中のキャミソールが邪魔だ

そう思わないといえば嘘になるのだが、

沙織は慌てることなく根元から先端まで

天乃に感覚が伝わるように強く、しかし豆腐を握るような優しさで撫でる

天乃「っ……んっ」

沙織「久遠さん、意外と敏感?」

天乃「っ」

天乃は空いた右手の指を咥えながら声を押し殺し、首を横に振る

誤魔化しているつもりなのだろうか

それで、そうじゃないと思うと思ってるんだろうか

悪戯心が生まれ――それをすぐさま押さえ込む

手加減する。その約束だから


429 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:14:28.60QJVGnTQ0o (7/31)


沙織「……可愛いよ」

天乃「ば――んっ」

言葉を発しかけた唇をふさぎ、右手で寝巻きのボタンを外す

服の上からでも火照りを感じる体

服の上からでも存在を感じる乳頭

むき出しにしてみれば、白い肌の中、紅一点

初々しい桃色の―今は―大人用のおしゃぶりが存在感を主張していて

や……っと、愛らしい声を漏らす天乃の頬をやさしく押さえてキスをする

ピクリと胸が揺れる。唇が蠢く

飲み込んだ唾液が喉を潤し、

飲み込めない唾液が唇を潤して、口元を汚す

唇を離しただけなのに、ぬちゅりと艶かしい音がする


430 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:15:14.91QJVGnTQ0o (8/31)


空気に触れる唇の寂しさと、切なさ

天乃「んくっ」

それを埋めるために、ぷっくりとした乳首にキスをする

唇へのキスと同じように、初めは軽めの接触

次に、唇でソフトに挟み、舐め上げるように離れてまた咥える

天乃「んっ」

触れ合うたびに、体が震える

心地よさの嬌声がかすかに零れる

そんな愛おしい人を横目に、沙織は咥えたまま舌先で乳頭の根元を舐め上げ、

舌でくるりと巻き付き、絞り上げるように舐めて、

傷をつけないように唇を挟みつつ歯で甘噛みする

天乃「っはっ……ぁ、ぅっ」

左手で自由な状態の左胸に触れると

空気に曝け出されて冷えているはずの体は熱っぽく

刺激を与えるたびにぴくんっぴくんっと可愛らしくもだえる


431 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:15:54.28QJVGnTQ0o (9/31)


沙織「んちゅ……んっ、ちゅ」

好きだ。大好きだ……堪らなく愛おしい

それはどんなに魅惑的なものなのかと問いかけてくる自分の中の精霊に

沙織は「砂漠の中の雨」と答えて一心に天乃の体に吸い付く

天乃「んっ、っ、ゃ……さお、さ、沙織ぃ……」

沙織「胸が弱いんだね……可愛いよ。可愛い」

天乃「っ、ゃっぁっ……言わないで……」

白い肌を朱色に染めた天乃の訴えに

沙織はただ微笑みを返して下腹部へと目を向ける

……手加減。でも、ここで終了は手加減というより、あれだよね

沙織「体は小さくてもここだけ育ったのはそれが理由かもしれないよ」

天乃「ぅ……んっ」

乳房と乳頭を頬張るように口に収めて、

わざとらしく大きな音を立てて吸い上げる

弾けた空気の音は、唾液によって色っぽく

漏れ出す嬌声は淫らに美しい。蠱惑的な曲


432 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:16:37.87QJVGnTQ0o (10/31)


沙織「……ここで止めてもいいけど。どうする?」

天乃「え? んっ!」

参考までにと服の上から下腹部を撫でると

天乃はびくんっと体を震わせて

沙織はまだしないよ。と言いながら、「ここ」と続けて

沙織「体の熱が段々と集まって言ってるはずだよ」

天乃「ぅ……」

ふいっと顔を背けたけれど

言葉通りであることは明白で

だからこそ沙織は、急かすことなく穏やかに続ける

沙織「その冷めていく熱はなによりも寂しく切なく心をあざ笑う。久遠さん、一人で満足できる?」

あたしは出来ない

天乃「そんなこと……聞かれたって……っ」

沙織「ごめん……でも。デリケートな部分だから。あたしが最初で良いのかなって」


1、うん……お願い
2、そう……ね。これ以上は、止めておきましょう

↓2


433以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 00:25:51.442HIMsKnGO (1/2)

1


434以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 00:27:55.38waf0+VY0O (1/2)

1


435 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 00:31:34.92QJVGnTQ0o (11/31)


では、ここまでとさせていただきます
流石に遅かったですね、失礼しました

明日もできれば少し早めの時間から


436以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 00:36:13.972HIMsKnGO (2/2)


いえいえ更新ありがとうございます


437以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 00:38:33.99waf0+VY0O (2/2)


流石やな相変わらず


438以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 01:24:56.65yUW7oqY1O (1/2)


さおりんエロいなあ


439以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 05:48:21.90jnZeLy3/O (1/1)


久遠さんもさおりんもかわい過ぎるぜ


440以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 18:13:12.40hzCo4xx9O (1/2)

少し早めってことはそろそろ?
毎回エッチの描写するけど毎回例えが違う>>1の情熱好き


441以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 18:32:54.293bVe6KR90 (1/1)

やはり2年もほぼ毎日書き続けてたらすんごいうまくなるってはっきりわかんだね、もはやそこら辺のラノベ作家とそんなに変わらないと思う


442 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 18:59:28.58QJVGnTQ0o (12/31)


では、少しずつ初めて行きます


443 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:12:53.38QJVGnTQ0o (13/31)


天乃「うん……お願い……」

沙織が言うように、体が熱っぽい

頭痛はしないのに、風邪っぽくないのに

全身が火照って、思考には霞がかかる

恥ずかしい話だが

何度も経験した粗相一歩手前のような

あと少しなのに、戻っていってしまう

不快感と快感の絶妙な狭間にいる感覚を下腹部に感じて

天乃は沙織へと手を伸ばすと

沙織は微笑みながらその手を取り、自分の左頬に宛がうと、頷く

沙織「久遠さんに教えてあげる。愛は火よりも熱いこと。打ち鍛えられた熱した鉄の心地よさを」

右手の人差し指で天乃の首元から、胸の谷間、腹部へと指を滑らせ

寝間着のズボンのウエストゴムを指に引っ掛けて、引きずりおろしていく


444 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:26:26.40QJVGnTQ0o (14/31)


天乃「ゃ、ちょ……沙織っ」

沙織「一気に脱がされるよりも、恥ずかしいかな……でも。だからこそ良いんだ」

一気に脱がすのも悪くはない

けれど、ゆっくり脱がすのが、不慣れな交わりにとっては大切で

焦らすわけじゃない。【相手に脱がされている】という感覚を

じっくりと体に教えてあげるのだ

そうすることで、体の芯まで羞恥心という火が通る

天乃「なんか、や……んっ!」

沙織「……ちゅっ。んっ、ペロッ」

天乃「っ!」

見えた小さな臍にキスをして、周囲をぺろりと舐めてから

中心に舌先を捻じ込んで腹部に舌を這わせる

びくびくと

緊張感と心地よさに震える天乃の体を一瞥し、もう一度胸に手を伸ばす


445 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:41:22.26QJVGnTQ0o (15/31)


曝け出され、空気に触れた乳房は

手の熱が失われた分の寂し気な冷たさがあって、

自分のものか天乃のものか分からなくなった淫らな水気が、左の乳首をてからせる

天乃「沙織……」

沙織「分かってるよ」

天乃「んっ……っ、ふ……ぁ」

右手で臍のあたりや、わき腹の部分を

無意味な刺激を与えないように撫で解しつつ

左手でまだ無垢な右胸を愛撫し、唇同士の照れくさい交わりの中で

舌と舌を絡め合い、つつき合うような熱烈な接吻を交わす

離れれば、透明の唾液が糸を作る

健康的な桃色の舌が天乃の口元から伸びる

橙と赤。風変わりな二色の潤んだ瞳

それらが形作る、物欲しげな表情に

沙織はもう一度自分の全身を下ろして唇を重ねる

舌を押し戻すように強く、引き抜くように滑らかに

ぬちゅり、くちゅり、ちゅぷりと

艶かしい音を響かせながら、右手をさらに下げて、ズボンをさらに脱がしていく


446 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:43:38.71QJVGnTQ0o (16/31)


見えてきた白く純白のショーツは

クロッチの部分が淫らな汗を含んで色濃く主張をし、

風が撫でるのだろう。それに気づいた天乃が「ごめんなさい」と声を漏らす

沙織「大丈夫だよ。汚くない」

天乃「んきゅっ! っぁ……は、ぁっ」

罪悪感を払拭するように、滑らかに滑らせた人差し指で下着の上から割れ目をなぞると

一際甘美な声が天乃の口から零れ落ちて、口元から唾液が伝う

沙織「……淫らに乱れても。綺麗だよ。可愛いよ」

天乃「んっ、ぁっ、んんっ」

手の位置は固定し、中指だけで迷い箸

食事の時はしつけがないと言われるかもしれないけれど、性的な食事ではしない方が【経験が】ない

指でこすっていると、だんだんと指先にまで淫猥な水気が染み出し始め

強く感じた肌と布のスレ感も、ぬりゅりとした滑りを交えていく


447 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:46:18.57QJVGnTQ0o (17/31)


沙織「ほら、久遠さん。見て」

天乃「ん……っ、な、なにして……」

沙織「久遠さんの……えっちな涙を拭ったんだよ」

沙織は天乃の下腹部への刺激をやめると

右手の指のみだらな艶を天乃へと見せる

指を擦り合わせると、嗅いだこともないような匂いが微かに生まれたが

何一つ不快感を感じず、それどころか自分の性的欲求、下腹部の疼きがより強くなるのを感じた沙織は

頬を赤く染めながら、その指を咥える

割とマニアックなことなのだけれど、汚いものだと思わせないためには目の前で実演するのが一番だから

……もちろん、それがなくてもしたかもしれないが。

沙織「口に入れても、平気なんだよ」

天乃「平気とか……そうい……んっ、っぁっはっんくっ!」

股の間に人差し指から中指までを潜り込ませて、

中指以外の指で付け根を押すことで、僅かながらに愛欲の受付を開き

下着の上から指先数ミリを挿入し、滑らせて敏感な突起を爪弾く


448 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:48:39.28QJVGnTQ0o (18/31)

沙織「我慢しないで声を出していいんだよ?」

天乃「んーんーっ」

手で口を押えて何もかもを押し殺しながら首を横に振る天乃は

普段の凛々しさなど欠片もないのに、

沙織の好感度は上がるばかりで、情欲は募るばかりで

何一つ、退くことを知らない

自分の女も、女の子も何も知らない無垢な体と心はただただ愛らしく

沙織は、自分の隙という言葉の広さを再確認してほほ笑む

天乃「んっ、っ、んっ、んんぅっ!」

右手の人差し指で陰核を撫で繰り回しながら

右胸の乳首を甘噛みし、吸い上げて、甘噛みしながら引っ張る

天乃「んっ、ふっ……んんっっあっあぁっ」

殺しきれない声が零れる

涙を伝わせた頬が光る

でも、痛みじゃない、悲しみじゃない

それが分かるからこそ、沙織はおしゃぶりを止めて天乃の手をどけて唇を重ねて

沙織「最後まで行ってみよっか……癖にはならないようにする」

天乃「ぇ……」

沙織「でも。一人じゃもう、満足できなくなったらごめんね」



449 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:50:25.55QJVGnTQ0o (19/31)


言うだけ言って唇を重ねて、吸い上げていく

天乃の体がびくびくと震える

吸い上げた舌が少しばかり苦し気に動く

天乃「っは、ぁ……んっ」

それでもなお、少しだけ我慢して。とキスを捻じ込み

一旦離れて、もう一度キスをする。優しさと強引さの入り混じったフレンチキス

天乃「んっ、きゅっ……ふぁっ……はっあっ……ふ」

そのままに、左手で右胸を捩じるように揉みながら

人差し指で先端を織り込み、潰し、擦ってつつく

天乃「んくっ、っぁ……ぁっは……あ……」

沙織「全身に広がった感覚が、一か所に集まっていくんだ」

唇を離すと、唇が切なげに動く

手を放すと、胸が寂し気に動く

そして、右手で陰唇の周囲をゆっくりと撫でると

さっき以上の隠微な湿り気と、淫らな匂いが立ち込めて

天乃の瞳が見開かれる


450 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:54:40.62QJVGnTQ0o (20/31)


天乃「ゃ……ぁ」

ドキドキと、胸が高鳴る

体中を火傷しそうなほどに熱していた物が、下腹部に集まっていく

それは神経だ。快楽を迸らせる神経

そのすべてが期待に導かれて、体の奥を疼かせる

溜まりに溜まったものがはじけるのだと

経験不足でも、天乃は分かった

それは恐ろしく、けれども止めてと口が動かない

そして、沙織の人差し指が張りつめた緊張の糸を弾くように

隆起した突起を抓み、捩じった瞬間

天乃「んっっあぁぁんんんぅぅぅぅ!!」

殺しきれな嬌声が溢れ

今まで感じたことのない強い快感が下腹部から一直線に脳を痺れさせ

ぐっしょりと濡らした下着に音こそ押し殺されたものの

淫らなものをあふれ出させて……

天乃「んっ……っぁ、あぁっ、やっ、あぁぁぁっ!」

沙織「ぁ……あはははっ。ご、ごめんねっ?」

生理現象ゆえのものまで一気に流れ出ていくのを感じた天乃は

振りきれた羞恥心に嗚咽を溢し、真っ赤な顔を両手で覆った


451 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 19:57:10.22QJVGnTQ0o (21/31)


沙織「は、初めての時はたまにあるから……」

天乃「っ……ごめんなさい」

沙織「ぁ、いや、ううん。その……正直眼福だったし……」

天乃「眼福って何がよぉっ……もぅ……あぁ……うぅ」

後始末を一通り終えて、入浴も終えた後

ほんのりと気まずい空気の中で湯上りではない赤さの天乃は

沙織をちらりと見て、首を振る

天乃「御願い……誰にも言わないで」

沙織「う、うん。それは約束する」

天乃「ありがと……」

初めての迸る快楽を学んだ体は

まだ、時間の経過が足りていないからか

下腹部の奥では微かに疼いていて、天乃は沙織を手招くと、唇を重ねる

天乃「良かったら……また、教えて?」

沙織「う、うんっ。うんっ……」

自分の顔が一瞬にして真っ赤になって、心臓が壊れることを前提とした早鐘を打つのを感じて

沙織は顔を背ける。懇願するような上目遣いのその言葉は

淫らな言葉選びが一切ないにもかかわらず蠱惑的で

沙織「ねぇ、久遠さん」

天乃「なに?」

沙織「この部屋、と、泊まっていいかなっ!?」

思わず、声が裏返った


1、……良いわよ
2、駄目よ
3、ほかに誰かが来ても良いなら

↓2


452以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 19:59:42.59p2ykLcusO (1/4)

2


453以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 20:06:47.92EJX2K1nC0 (1/2)

3


454 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 20:32:04.81QJVGnTQ0o (22/31)


天乃「他に誰かが来ても平気なら、良いけど……」

沙織「東郷さん達みたいなことする? 三好さん呼ぶ!?」

天乃「なんでそんな目を輝かせてるのよ……」

自分以外の誰かが来ると言うのに

二人きりの邪魔をされると言うのに

そこまで考えてから、その程度を気にするなら

そもそも一妻多妻なんて認められるわけがないことに気づいて苦笑する

愚問だったのだ。誰かが来て良いのか。など

そしてむしろ、誰かが来たら困るのは自分だと、至る

天乃「それは許して。呼ばないで」

沙織「もっと気持ちいこと出来るよ?」

天乃「だから嫌なの! ……怖いから」

沙織「そっか……そうだね」

残念な。というよりも、優しい声で言うと

沙織は天乃の体をぎゅっと抱きしめる

誰もが経験するであろう初めての快楽

一人での行為を経験していなかったから、あの大きな刺激が始まりに過ぎないのではないか

それに溺れてしまうのではないか。そう、怖いんだろうと沙織は考えて

沙織「……久遠さん、可愛い」

優しく唇を重ねる。宥めるように、緊張を、恐怖を。受け取るように


455 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 20:35:07.34QJVGnTQ0o (23/31)


√ 7月5日目 夜(自宅) ※金曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野
6、水都
7、悪五郎
8、夏凜
9、沙織
0、イベント判定 ※再安価

↓2


456以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 20:35:34.22zoCTsqDPO (1/1)

0



457以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 20:37:15.31p2ykLcusO (2/4)

1


458 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 20:51:06.87QJVGnTQ0o (24/31)


天乃「九……って、何にやにやしてるのよ」

九尾「くふふっ、いや、なに。主様が見事にこう、のぅ?」

厭味ったらしい笑みを浮かべながら

挑発するように言う九尾に

天乃は顔を赤くして下腹部を抑えると、睨む

言っていることは事実なので

反論の言葉はないのだが……それでも

恥ずかしかったのだ

それを掘り起こされるのは、気分がいい話ではない

天乃「なによっ、良いじゃない……初めて。だったんだから」

九尾「……くふふっ。あの娘には数々の経験をした猿猴がおるからのう。齢不相応には、手慣れておる」

それでいて、愛にあふれているのだから

中々に手が付けられない

もちろん、悪いようには全くしないので放っておいても良いのかもしれないが

それに、自分のことは後回しで天乃の性知識を優先させたのだ

今どこで何をしているのか。というのも、語る必要はないだろう


459 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 21:00:50.27QJVGnTQ0o (25/31)


九尾「心地よかったかや?」

天乃「それは……うん」

九尾「そうか」

気恥ずかし気ながら、小さく頷く愛らしく初々しい主人を横目に

九尾は優し気に頷いて、息をつく

伊集院沙織と久遠天乃

この二人が愛を紡ぐほどの関係になっているのは

九尾としては、喜ばしいことで

もしかしたら。と

どこか遠くを眺めて、笑みを浮かべた

天乃「なに笑ってるのよ……茶化すならせめてアレ以外にして」

九尾「しばらく、主様は妾には逆らえぬな」

天乃「う……」

九尾「妾にも手を出させろ。とかのう?」

天乃「あ、貴女は怖いから嫌よ。これに没頭しちゃったら……私。駄目になる気がするから」

九尾「ある程度、色々な事柄の発散方法は取得しておくべきじゃぞ」

もっとも、今回のことで

時々は一人でしたくなってしまうようになってしまったかもしれないが。

九尾「それで? 妾に用があるから、呼ぼうとしたのじゃろう?」


1、歌野と水都
2、陽乃の深淵
3、男性の行動
4、教えて、九尾先生! 保健体育の章
5、どうせ見てると思ったから呼んだの


↓2


460以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:03:50.39p2ykLcusO (3/4)

ksk


461以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:04:05.28IJROmfcGO (1/1)

4


462以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:04:07.96EJX2K1nC0 (2/2)

2


463 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 21:16:23.93QJVGnTQ0o (26/31)


では、いったんここまでとさせていただきます
もしかしたらこのまま終了の可能性もありますが、可能であれば22時30分ごろ。通常時間に再開します


並行してwikiを追いかけます。
映画の設定も一部捻じ込みます


464以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:20:39.72g+8OEkqjO (1/1)

一旦乙


465以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:22:21.27p2ykLcusO (4/4)

一旦乙
映画も見に行ったのかw
今作は特に色々な要素がてんこ盛りだし応援してるで


466以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:37:03.43yUW7oqY1O (2/2)

たんおつ


467以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 21:38:04.02hzCo4xx9O (2/2)

久遠さんのクラスメイト個性的過ぎるだろ
下手したらさおりんよりも凄いぞ


468 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 22:45:54.58QJVGnTQ0o (27/31)


では、始めますがここはルールにのっとって2で進めます


469以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/18(土) 22:50:59.69nOXamI6IO (1/1)

かもん


470 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 23:04:11.45QJVGnTQ0o (28/31)


天乃「陽乃さんについて、教えて欲しいの」

九尾「陽乃について……? 主様、先日夢を――」

天乃「それよりもさらに奥の事よ」

陽乃と伊予島杏の会話を夢に見たが

それよりも前に、天乃は陽乃が親類縁者をすべて失う夢を見た

だが、天乃が知りたいのはそれよりも後のことだ

もちろん、それだけで壊れてしまった。と、言われても十分に納得できる話ではあるのかもしれない

けれど、それだけではないような気がするのだ

もっと深く、力強くどす黒いものがある気がしてならない

だからこその問いに、九尾は深く息を吐いて、天乃を見る

九尾「知らねば良かった。そう思うことやもしれぬぞ」

天乃「知らなければいけない事だと思うわ」

九尾「なにゆえ」

天乃「私の御先祖様のことだから。誰かが、しっかり覚えてあげるべきことだと思うから」

忘れ去られたものにすべきではないと

そう思い、そうあれと願う

天乃の言葉に九尾はしばし黙り込み、「よかろう」と、呟く

九尾「しかし、後悔するでないぞ。我が主。陽乃は主様のような生き方はしておらぬ」

それは大赦に嫌われている。ということも含めて……だ


471 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 23:17:20.69QJVGnTQ0o (29/31)


九尾「主様は親類縁者が食い殺された部分は知っておるのじゃろう?」

天乃「え、ええ……」

九尾「ふむ……」

かなり凄惨なことだったのだが

流石は妖狐というべきか

球子の言っていたことが現実味を帯びるように

九尾はさほど重苦しさを持たせずに言葉を紡ぎ、一息入れる

自分の中でどう話すべきかと悩んでいたのだろう

少ししてから、口を開いた

九尾「陽乃はそこから生き延びた。逃げ延びたと言っても良い」

天乃「……そこで貴女と?」

九尾「いや、安全圏に戻ってから陽乃は他人の車を乗り継いで自宅にまで戻った」

そして、真っ黒な燃えカスになり果てた自宅

その残骸をさらに蹴り砕く親しくしていたはずの人々の姿を見た

九尾「きゃつらは口々にこういった。お前たちのせいだ。お前たちがいなければ。お前たちのせいで」

異形の者どもは理解が及ばないがゆえに

その怒りの矛先にはできなかった

憎しみをぶつけて壊すようなこともできなかった

だから、手ごろな久遠家の残骸に当たり散らし、もはや取り戻すことのできないものをさらに追い打ちをかけて、壊した

九尾「人間とは小さく、あさましく、醜い。理解が出来ぬ異形よりも、理解の出来る贄に矛先を向けるのは必然じゃった」


472 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 23:28:01.44QJVGnTQ0o (30/31)


そもそも、親類縁者含めて誘拐のように連れ去られ、いけにえに刺された陽乃は

その程度のことで怒りを覚える事すらなかった

燃えるものがなければ火は付かないように

九尾「絶望から逃れてきたばかりの陽乃にとって、それはもはや何かを言えるようなものではない」

思い出が燃やされ、壊され

愛していた人たちが、愛してくれていた人たちが

自分を憎み、恨み、怒りをぶつけて口汚く罵る言葉が響く世界

いくら他と比べて巫女としての苦行に耐えてきたと言っても

それは小学生の女の子に耐えられるような物であるはずもなく

九尾「陽乃は人の寄り付かないような場所に隠れて、ただ。膝を抱えているだけだった」

このまま死ぬかもしれない

体の衰弱を感じて、そう思っても

陽乃はそれでもいいと考えるまでに心を砕かれていた

逃げないで、立ち止まって、みんなと一緒に食い殺されていればよかった

被害が収まらないと知った人々からの久遠家への止まない罵倒に苦しむ陽乃は

衰弱死を選択しようとしていた

九尾「何もできない。守る力もない。目を閉じれば目の前で食われる大切な人々の姿が蘇り、なぜお前は生きているのかと呪う」

そんなもの、生きていたいと思えるはずがなかったからだ


473 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/18(土) 23:44:27.27QJVGnTQ0o (31/31)


九尾「そんな陽乃を見つけたのが、陽乃の一番の友人だった少女じゃ」

天乃「陽乃さんの……」

伊予島杏との記憶では

あの段階ですでに亡くなっていると言われた少女

そこで救われたのだろう。と

天乃は重く沈んだ心を慰めるように笑みを浮かべたが

しかし、九尾は首を横に振って

九尾「それから三日後。陽乃はその少女とその家族によって、再び生贄に連れ出された」

天乃「え?」

九尾「出会ってから少女は陽乃に食事を持ってきていたのじゃが、三日目の食事には睡眠薬が含まれておってな」

一番の親友

出会ってからも変わらない態度に安心して

この子の為にも生きるべきだと思い始めたところで、裏切られたのだ

九尾「妾が会ったのはその時じゃな。陽乃が戦う理由」

【二度と安心して生きていけない世界にするために生きる】

九尾「それが出来た日でもある」

人を助けるのだって、死んでいた方が良かったと思わせる為だと言うのだから、恐ろしい

もっとも、心の奥底に根付いた優しさのせいで、自分自身の壊れ切った考え方などに苦悩することもあったのだが……

そのたびに、自分たちを贄とした人々の裏切り

親友であったはずの少女の裏切りが、その優しさをねじ伏せていた


474 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 00:03:18.61xBYK8QyTo (1/38)


天乃「それでも……それでも陽乃さんは優しい人だって」

九尾「球子が陽乃の全てを知っているならば、まったく違うことを語っておったはずじゃ」

天乃「………………」

九尾「優しさに折れて、大社の願いを受けて勇者として人々の前に出たこともあったが」

結果は言うまでもない

救い出した人々からは言葉だけでなく物が投げつけられた

感謝など一切ない、お前が死ねばそれで済む話というものもあった

どれだけ頑張ろうと、人々は自作自演のようにしか考えなかった

そしてそれは、インターネットと呼ばれる箱の中、電子の中で広く知れ渡り

陽乃の味方は、数えるほどにしかいなくなった

九尾「その人々の前に出た際、陽乃単体ではなくほかの者も連れておれば、また違ったかもしれぬが」

それはもう、いまさらの話

陽乃は裏切られ続け、傷つけられ続けた

それでも捨てきれない優しさに苦しみながら

守る価値のない人々を守っては、感謝なく怒りと恨みと憎しみをぶつけられる

そんな人生だった

天乃「……………」

九尾「そして、その裏切った少女の末裔が、伊集院沙織」

天乃「え……なっ」

九尾「伊集院家がなぜ、主様の名の由来を知っているのか。先祖について詳しいのか。それは、大赦にいるからではない」

陽乃から逃れるように別の場所で生き延びた少女は後々にまた再会するのだが

その時に、陽乃は少女から告げられた言葉を信じて、自分の子供のうち一人を託した

九尾「だからこそ、大赦は初めから主様に沙織を付けた。そう言う、決まりだったから」


475 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 00:13:14.08xBYK8QyTo (2/38)


もちろん、ここまで深い事情は

沙織自身も知らない事

九尾が話さなければ、世に出ることはなかったこと

話し終えた九尾は人一息ついて、

呆然とする天乃の頭に触れる

九尾「絆は人を強くするが、もっとも人を弱らせるものでもある。切れることのない強き絆を築け。我が主」

それはもう、今の状態を見ていればいう必要がないことではあるのかもしれない

陽乃が本当に夢見た世界

戦いもなく、平和で、子供たちが何の隔たりもなく仲良く生きていける世界というものには程遠いかもしれないが

それでも、虐げられることなく天乃が生きているこの世界は

陽乃が命を賭した価値があるものだと、九尾は想い、笑みを浮かべる

九尾「今はもう、関係のない話じゃ。忘れてよい」

天乃「……それは、分かってる」

沙織の先祖が……という話も驚きだが、信頼はある。だから問題ない

一番は、陽乃の人生の酷さだ

そんな人生を歩むしかなかった陽乃のことを

興味本位で聞いたことを、悔いた


476 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 00:14:12.65xBYK8QyTo (3/38)


√ 7月5日目 夜(自宅) ※金曜日

01~10 
11~20 沙織
21~30 
31~40 
41~50 夏凜と沙織
51~60 
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00 特殊

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


477以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 00:15:11.27Mk6pXVLUO (1/2)




478 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 00:17:28.18xBYK8QyTo (4/38)


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から
再会時に一日のまとめ



陽乃さんは生易しい生き方はしていません
クラスメイトに関しては後日また修正が入ります


479以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 00:26:28.54Mk6pXVLUO (2/2)


濃厚なHシーンからのシリアスな過去
これ記憶がある球子が聞いてたらかなりショック受けるだろうな…

あとでみんなに癒してもらおう


480以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 00:55:02.027BbipVj+O (1/1)


滅茶苦茶エグいんですが陽乃さんの過去…救いたい


481以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 06:46:16.11f7786j5ZO (1/1)


犬姉妹に会いたいぞよ


482 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 14:13:53.30xBYK8QyTo (5/38)


では、少しずつ


483 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 14:18:38.36xBYK8QyTo (6/38)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流有(西暦時代の九尾)
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(皆が欲しい。行為、継続、お泊り)
・      九尾:交流有(悪五郎との子供、陽乃の深淵)
・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月5日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 55(高い)
  犬吠埼樹との絆 44(少し高い)
  結城友奈との絆 59(高い)
  東郷美森との絆 49(少し高い)
  三好夏凜との絆 75(とても高い)
  乃木若葉との絆 39(中々良い)
  土居球子との絆 28(中々良い)
  白鳥歌野との絆 22(中々良い)
  藤森水都との絆 13(普通)
     沙織との絆 60(とても高い)
     九尾との絆 46(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


484 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 14:23:38.46xBYK8QyTo (7/38)


√ 7月6日目 朝(自宅) ※土曜日

01~10 
11~20 沙織
21~30 
31~40 
41~50 夏凜
51~60 大赦
61~70 
71~80 風・樹
81~90 
91~00 友奈東郷

↓1のコンマ

ぞろ目特殊  


485以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 14:26:10.20DbpiHx3Xo (1/2)

さて


486 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 14:44:03.66xBYK8QyTo (8/38)


沙織「むふー」

天乃「……ごめん。さすがに暑いわ」

寝ぼけているように抱き着いてはいるものの

起きていることが明白な沙織尼僧告げて、身体を少しだけ引き離す

沙織「今日は学校休みだし、このままでもいいかなと」

天乃「起きないわけにはいかないでしょう」

今日は土曜日だが休み

ということは来週の土曜日は学校がある。ということ

長期の欠席のせいで

曜日感覚こそズレなかったものの

そういう細かい部分に関しては、把握できていなかった

沙織「久遠さんは一応、昨日今日明日と様子を見て、問題なければ月曜日から登校だね」

天乃「それでもすぐ、夏休みなのよね……補習あるかしら」

沙織「久遠さんは免除されるんじゃないかな? テストに関しても、久遠さんだけ別枠で習った部分だけ。とかもありそう」

普段から天乃は成績に問題はない為

先生としては自習でも問題はないだろうと考えて

欠席分の補習の有無は天乃に決めさせる可能性もある

天乃「テスト範囲が別となると、テスト成績順位はランク外かしら」

沙織「ん~多分ね。あれに関してはただの結果だから点数自体は評価されるはずだよ」


487 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 14:53:08.18xBYK8QyTo (9/38)


天乃自体は、成績優秀者として名前が書かれようが書かれまいが

テスト結果さえ問題なければそれでいいと言う考えだが

それだと、お見舞いにも来ていた眼鏡の女子生徒の方が悔しがりそうなのだ

別に強く対抗意識があるわけではないのだが

テストのたびに、成績を競ってくる

沙織「今回ばかりは、あの子が一位だね」

天乃「このままだとそうなるでしょうね」

申し訳ないけれど。と

天乃は苦笑して、澄み渡る青空を見上げる

雲のない空は、バーテックスの襲来がないかもしれないと言う安心感を抱かせる

たとえあったとしても、勝てばいい

今まではそう思うだけにとどめていたことも

戦えなくなった今は、どうか襲撃がないですようにと、思わずにはいられない

沙織「久遠さん、久遠さん」

天乃「うん?」

沙織「一人エッチの仕方、教えてあげようか?」

天乃「はっ!?」

沙織「あははっ、久遠さん顔真っ赤だね」


488 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 15:01:17.05xBYK8QyTo (10/38)


天乃「お、起きたばかりで何を……」

沙織「あたし達がいない時も気持ちいいこと出来た方が良いと思って」

天乃「そんなのっ」

沙織「それに、誰かにされる気持ちよさしか知らないと、身体が凄くエッチになるよ?」

沙織は人体の構造に詳しいわけではないので

ただの口から出まかせでしかないが

昨日のことを思い出してか

顔を赤らめて、目だけを伏せる天乃の初々しい仕草には

どうしても悪戯心がわいてくる

沙織「…………」

……まぁ。久遠さんは体自体がエッチだけど

沙織「胸もまた大きくなったよね? ウエストは相変わらず筋肉凄いし引き締まっちゃって相変わらずなんだけど」

天乃「知らないわよ。測定したわけでもないし」

沙織「じゃぁ測る? いいよ? 一人エッチのお勉強でもスリーサイズ測定でも」

天乃「貴女、沙織じゃなくて猿猴でしょう!」

沙織「あははっ、違うよ。ただ……なんていうか。こうやって問題を抱えずにお話とか。最近全然できてなかったから」

天乃「それは……」

沙織「周りのみんなは普通にやってることだけど。あたしたちにとっては。こういうのってすごく貴重な時間なんだよね」


489 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 15:16:38.96xBYK8QyTo (11/38)


天乃「それはそうね」

寂しさを纏いながら、その時間が得られた嬉しさに笑みを浮かべる沙織に対し

天乃は優しく答えて、ほほ笑む

その貴重な時間を一人エッチだの、スリーサイズ測定だの

少しばかりいけない事をしようとしていると言うことには

あえて、触れない

沙織「お出かけでもする?」

天乃「デートってこと?」

沙織「うん、そうなるかな。勇者部のみんなも誘ってみて。出来るならお昼から」

天乃「…………」

まだ友奈には一妻多妻の件を話していないし

樹に至っては、告白されっぱなしだ

友奈はともかく、樹はそのままで全員でお出かけなど

気まずいというレベルの話ではない


1、夏凜と沙織と3人で
2、沙織と二人で
3、伊集院家について聞く
4、全員で
5、大赦の状況を聞く
6、スリーサイズを測る

↓2


490以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 15:22:12.73IHhG2QPlO (1/1)

4


491以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 15:23:11.16qaJJXhfwO (1/5)

4


492 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 15:55:51.50xBYK8QyTo (12/38)


天乃「……そうね。みんなを呼びましょう」

友奈は来てくれると思うけれど

樹はもしかしたら難しいかもしれない

けれど、向き合わなければいけない事だから

沙織「じゃぁ、勇者部の連絡網に回すよ?」

天乃「うん……いや、待って。私が自分で送るわ」

沙織「そう? じゃぁ、はい」

手に持っていた天乃の端末を沙織から受け取った天乃は

その画面に表示された【デートいこっ】という言葉と

二個ほどついたハートマークを凝視して、沙織へと目を向ける

沙織「ダメ?」

天乃「当たり前でしょう」

悪気のない沙織の笑みに

天乃は困ったように答えて、新しく打ち直し、送った


493 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 16:06:45.85xBYK8QyTo (13/38)


勇者部のグループ連絡網の為

それは夏凜にもいったのだが

夏凜は直接言いなさいよ。と、直接言いに来て、「当然行く」と言い

東郷は「是非参加させていただきます」

友奈は「久遠先輩外出して大丈夫なんですか?」と

最初こそ心配していたが、風と夏凜、東郷からの

相次いだ「大丈夫」という言葉に

少し驚きながらも、「ならぜひ!」と、嬉しそうで

ただ、樹だけは数分の沈黙の後

皆でなら。と

そんな前置きを付けて、参加を示す

天乃「……樹、ちょっと不服そうね」

沙織「犬吠埼さんはまだ何も言ってあげてないもんね」

天乃「それも知ってるのね」

精霊と同期しているため

知っていても不思議ではないのだが

疑問なく問うと、沙織は「うん」と、答えて

沙織「犬吠埼さんへの対応は問題なく出来るよね?」

天乃「……自信はないけれど。私がやらなければいけない事だから、沙織の手はかりないわ」


494 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 16:25:38.84xBYK8QyTo (14/38)


沙織「別に借りちゃダメってことはないと思うけど……」

天乃「先延ばしにしたのは、私だから」

一妻多妻

それは正直、解決策と言ってはいけないことかもしれない

けれども、それを考える切っ掛けとなったのは

樹の告白だ

樹を悲しませたくない、夏凜も悲しませたくない

それならいっそ……と

であれば、一番初めは夏凜だとしても、時点で樹に話すべきだった

とはいえ、それはもはやいうだけ遅い話

天乃「樹がふざけないでください。と手を振り上げるのなら、甘んじて受けるわ」

沙織「ん~……」

そんなことにはならないと思うけどなぁ。と

沙織は思いつつ言葉にはしないで、苦笑する

沙織「そうならないと良いね」

天乃「ええ」

沙織「犬吠埼さんが駄目だと風ちゃんまでだめになっちゃうからね」

天乃「……確かに。それもそうなのよね」

なまじ風を誘惑してしまったばっかりに

責任がさらに重くなったのを感じて、苦笑した


495 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 16:43:34.70xBYK8QyTo (15/38)


√ 7月6日目 昼(自宅) ※土曜日


友奈「伊集院先輩、交代しませんか?」

沙織「良いよー」

天乃「貴女達、私達で遊ばないでね?」

友奈「そんなことしないですよ」

沙織「東郷さん、飛ばすよー」

東郷「えっ、ぁ、いじゅ――友奈ちゃぁぁぁぁぁぁ」

だだだだっと

車椅子を押しながら全力で走る沙織のすぐ手前から

東郷の叫び声が伸びて、友奈が困ったように笑う

基本的にはおとなしい東郷も、時々は奇抜で、明るくて

けれど、ああいう姿は、とても貴重で

風「沙織ー! 東郷を落っことさないでよー?」

夏凜「というか、車椅子押しながらあの速さってなんなの?」

天乃「まぁ、東郷に対する配慮がないから」

夏凜「それ駄目なやつじゃ……」

重苦しい問題がない勇者部

日常を歩く少女たちの会話は、誰かがしていてもおかしくない、普通の会話

少女たちにとっては、掛け替えがない。貴重な時間


496 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 17:00:01.69xBYK8QyTo (16/38)


風「しっかし、学校は行かないくせにこうしてるって。なんか狡いわよねぇ」

天乃「仕方ないじゃない」

風「それはそうなんだけどねぇ。学生としては、サボタージュに憧れるもんよー」

夏凜「憧れるかっての」

真面目にやりなさいよ。と

呆れたように声を上げる夏凜と、その横で楽しそうに笑う風

少し先で立ち止まって手を振る沙織と胸元に手を宛がって蹲る東郷

天乃の後ろで「いい天気でよかったです」と

嬉しそうに話しかけてくる友奈

そして……天乃の左側にいる、黙り込んだ樹

樹は何かを言いたそうな顔をしているが

天乃を一目見ては、首を横に振る

友奈「樹ちゃん、どうかしたの?」

樹「いえ、その……」

ちらっと天乃を見た樹は「大丈夫です」と、続けたが

何を勘違いしたのか

あるいは、樹と天乃の何かを想像したのか

友奈「樹ちゃん。車椅子交代しよっ」

樹「えっ、あ……」

友奈は天乃と樹を置いて、風と夏凜に混ざっていく


497 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 17:17:46.94xBYK8QyTo (17/38)


樹「…………」

天乃「…………」

余計なことしてくれたと言うべきか

助け舟を強引に押し出してくれたと言うべきか

ともかく、意図せず二人きりなった天乃と樹は

友奈達の空気とは一転して、暗い

それもこれも、会話がないからだろう

皆の楽し気な会話、車椅子のキュルキュルという音

砂利を踏む音こそあるのだが……

樹「……久遠先輩」

その沈黙に最初に耐え切れなくなったのは、樹だった

小さな声ではあったが、天乃にしか聞こえないようにしているのなら、十分な声で

樹の足が止まり、車椅子が止まって微かに揺れる

天乃「……樹」

なに? なんて聞いてはいけない

樹がなぜそんな表情をしているのか

会話がしにくくなってしまっているのか

自分たちの間で何があったのかを、覚えていないことになるからだ



1、私……ここにいるみんなと幸せになりたいの
2、樹は、一妻多妻というものを認められる?
3、キスを求める
4、樹の言葉を待つ

↓2


498以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 17:21:25.75XjLln+d/O (1/1)

2


499以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 17:22:19.60DbpiHx3Xo (2/2)




500以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 17:26:11.61qaJJXhfwO (2/5)

2


501 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 17:43:16.08xBYK8QyTo (18/38)


天乃「樹」

名前を呼んで以降言葉を発しない樹に振り向いて

沈んだ顔をその目に焼き付けながら、天乃は手招く

もう少し近づいて。と

天乃「樹、キスを。しましょう」

樹「え?」

予想していなかった言葉に驚いた樹は

辺りを見渡して

運よく、手前にいる風達しか人がいないのは分かったが

しかし、思わず一歩後退る

天乃「どうしたの?」

樹「く、久遠先輩はどこでもこういうことが出来るんですか?」

天乃「そんなわけないわ。でも、私はこれが好き。これが一番、心を伝えられるものだと思ってるから」

初めてのキスこそ、辛いものだった

けれど、それがあったからこそ、夏凜や園子達ともキスをすることになって

そのおかげで今がある

始まりがキスだから、天乃にとってはそれこそが思いを伝える有効手段


502 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 17:52:46.84xBYK8QyTo (19/38)


樹「うぅ……」

天乃「ここが無理なら、どこか別の場所でもいいけれど」

天乃はそう言いながら

辺りを見渡し、先を歩く勇者部のみんなと沙織を一瞥し、

樹へと向き直る

その表情は優し気で、そして、仄かに赤い

天乃「私、自分の気持ちを言葉にするのってあんまり得意じゃないの。特に、誰かを口説くなんて言うのはね」

樹「えー」

そんなことはないのだが

本人は大まじめにそう思っているのだから、大変だ

キスをしたらそれで終わり

先延ばしにした代価として受け取って欲しいと言う程度の可能性を考えていた樹は

余りにも拍子抜けな言葉に、間の抜けた声を漏らして

樹「なら、久遠先輩」

天乃「うん」

樹「口説いてみてください」

天乃「え?」

樹「久遠先輩のその言葉を、聞いてみたいです」


503 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 18:13:33.00xBYK8QyTo (20/38)


苦手だと言ったはずなのに

それを求めてくる樹に目を向けると

さっきまでの沈んだ表情はどこへ消えたのか

悪戯心を感じる笑みが見えた

樹「お願いします」

天乃「お願いって」

散々待たされたのだから

このくらいの我儘を言っても良いじゃないですか。なんて

樹は考えながら、笑みを浮かべる

言葉に困って、

恥ずかし気な表情を見せる天乃の姿

それだけで、樹としては満足だと言えるけれど

どうしても、言葉が聞きたくて


1、私は少なくとも、この場にいる全員を幸せにしたいと思ってるわ。当然、貴女も
2、貴女の瞳が好き。声が好き。怖がりであり、その分の強さのある心が好き
3、好きよ。樹
4、私は貴女ただけでなく、みんなとも関係を作ろうとしている。貴女は、それを認められる?


↓2


504以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 18:17:31.56sZWvI6LrO (1/3)

1


505以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 18:19:38.65KD8oVGKYO (1/1)

2


506以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 18:23:59.51qaJJXhfwO (3/5)

4


507 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 18:33:48.54xBYK8QyTo (21/38)


天乃「ねぇ、樹」

樹「はい」

天乃「その前にとても大切な話があるの」

樹の気持ちを聞いたのは

こんな考えを持つよりも前の事

だから、この話をしたことで樹の気持ちが変わってしまう可能性も0ではない

だとしても、避けるべきではない話

それを適当に頭の中でまとめた天乃は

緊張が見える樹を、まっすぐ見つめて

天乃「私は貴女ただけでなく、みんなとも関係を作ろうとしてる」

樹「え?」

天乃「聞き馴染みあるかはともかく、分かりやすければ一夫多妻。貴女は、それを認められる?」

樹「みんなって……お姉ちゃんたちの事ですか?」

頷く。友奈にはまだ話していないが

それ以外の全員には、もう。話を通している

天乃「そうよ。みんな」


508 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 18:45:51.73xBYK8QyTo (22/38)


樹「……………」

樹が顔を伏せても、

その瞳が揺らいでいるのが、天乃にはギリギリではあるが。見える

樹には失礼なことを言っていると、天乃は自覚している

だって、ここまで先延ばしにしておきながら

貴女が一番ではなくてもいいのなら。という言葉を向けたのだから

しかし、これは決めてしまったことだ

沙織達を誘惑して、夏凜にも話して、それでここまできた

樹がそれは認められないと言うのなら、樹には御免なさいと

そういう他、ない

そう思うと心が痛む

けれど、天乃は樹から目を背けない

沙織にも言ったが、これは天乃の問題だから

天乃が背負うべきことだから


509 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 18:51:14.12xBYK8QyTo (23/38)


樹「お姉ちゃん達には、もう話したんですか?」

天乃「友奈にはまだだけれど。他はみんな」

樹「……そうですか」

それでなおこうして皆での集まりに顔を出して

普通に会話をしたりしているということは

その話にみんなは乗り気なのだと、樹は分かって

そして……

樹「結局。みんな、久遠先輩が好きなんですね」

好きだから、手放したくない

好きだから、一夫多妻なんていうのも受け入れられる

自分が一番になりたいと思うのは

誰かを好きになってしまった人としては当然の考え方だと言っても良い

けれど、勇者部はみんな元から仲が良くて

互いの気持ちも、ある程度は理解できてしまう

それが、好きになった相手が同じならば、なおのこと


510 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 19:13:42.14xBYK8QyTo (24/38)


樹「一夫多妻。かぁ」

皆を幸せにしたい

天乃のそんな考え方が、樹にはよくわかる

自分が選ばれたときの喜びと、選ばれなかった友人の悲しみ

自分が選ばれなかった時の悲しみと、選ばれた友人の喜び

どちらにも存在する悲しみ、見ていられないと言う気持ち

それがあるのだと知れば、みんなを。という気持ちにもなってしまう

そして、天乃が複数人に告白されたり、

複数人の気持ちを知ってしまった場合、

そんなことを目指すのは、分かっていたことだった

だが、それも絶対ではなくて、選ばれない可能性があって、不安な気持ちが増すばかりだった時間を考えた樹は

天乃のことを見つめて、首を横に振る

樹「どうしてもっと早く、それを言ってくれなかったんですか?」

天乃「どうしてと言われても……私、ICUから出られなかったし」

樹「う……」

天乃「貴女が会いに来てくれれば、もう少し早く話せたの。かな?」

樹「……ごめんなさい」

天乃「別に怒ってるわけでも不満があるわけでもないから」

まぁ、多少寂しさはあったが

それを埋めるくらいには、お見舞いをしてくれる人がいたために

天乃としては、気がかりだったのはこの回答くらいしかない



511 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 19:28:20.72xBYK8QyTo (25/38)


樹の半夏近似思わず反撃したことに気づいた天乃は

苦笑しながら、自分の言葉から棘を引っこ抜いて、

車椅子の持ち手に触れる樹の手に、手を重ねる

樹「!」

ピクリと、身体が反応したが樹は目を見開いただけで

近づくことも、離れることもなく驚いたように開いた口からは

吐息が零れ出し、ゆっくりと一文字に結ばれる

天乃「……どう?」

周りの音がかき消えたような風のざわめきからの、静寂

静かな天乃の一言が、鼓膜を揺らし

天乃「樹。貴女は……私と一緒にいてくれる?」

恥ずかしさも、緊張感も

恐らくは、思慮深さも何もない心が紡いだであろう言葉が

心を揺さぶる

樹「……なにが、苦手なんですか」

これは自分が好意あるからかもしれないが

樹「こんなの、振り払えるわけないです」

少なくとも、自分位は効果覿面だと樹は思った


512 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 19:47:53.82xBYK8QyTo (26/38)


樹「久遠先輩がみんなを幸せにしたいと言うなら、私も……幸せにして欲しいです」

天乃「……当然よ」

自分の手の下にある、樹の小さな手

それを優しく握り、樹の嬉しそうに恥ずかしそうな笑みを瞳に移した天乃は

不意に、力強くその手を引く

樹「ゎ――」

鍛えているはずの瞬発力

けれども、警戒する必要のないこの場での不意打ちは

樹のその特訓をまるで、無意味なものにして

容易く引かれた樹がバランスを崩して車椅子に突っ伏した瞬間

樹「んっ」

ほんの軽い接触程度ではあったが、天乃は唇を重ねて

そっと、手を放す

樹「ぁ、わわわわわっ」

天乃「ふふっ。貴女の唇は、特に柔らかいのね」

樹「うぅぅぅぅっ、わぁぁぁぁぁぁぁっ」

破裂する勢いで顔を真っ赤にした樹は横を抜け、一人、駆け抜けていく

その後ろ姿を見つめる天乃は、

天乃「可愛い」

自分の唇を指でなぞり、ほほ笑んだ


513 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 20:03:06.72xBYK8QyTo (27/38)


風「樹と話したのね」

樹が天乃から少し離れ

沙織に隠れるようにして歩くのを見た風は

夏凜と交代して車椅子を押しながら天乃へと問いかける

天乃「ん」

風「話す以外にも何かしたでしょ」

聞くまでもない事なのだが

なんとなく訊ねた風に天乃は振り向くと

唇に指を宛がって、笑みを浮かべる

天乃「美味しくいただきました」

風「んなっ……ちょ、あんた……」

あれやこれやと言いたい言葉があふれ出し

それらを飲み込んだ風は

ただ一息、ため息だけをついて、呆れたように顔を顰める

風「ほどほどにしなさいよー? 樹はまだ一年生なんだから」

天乃「大人の味を教えてあげるわ」

風「つい最近知ったばかりの淑女が何言ってんだかねぇ」


514 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 20:15:51.36xBYK8QyTo (28/38)


天乃「えっ?」

風「夏凜と東郷。二人の相手したんでしょ?」

天乃「ぁ、う、うん」

離れている間にどんな話をしていたのかと思えば、

日中とは思えないような会話で

けれど、渦中にいたはずの沙織が本当に話していないことに感謝をしつつ、眼を逸らす

天乃「そう言う風は経験豊富なわけ?」

風「そりゃぁ、まぁ。相手がいる居ないの話を除けばね」

天乃「あの、例の一人でってやつ?」

風「……お嬢様よね。ほんと」

内容が内容だけに

恥ずかしそうに言葉を紡いだ天乃に

風はすこし嬉しそうにそう言って、笑う

風「そっ。ストレスの多い時期もあって……何かで発散したいなって考えて。見つけたのがそれだった」

運動や食事

それだけでは賄えないような体と心の疲れ

それを癒すには、迸るその心地よさはとても役立った

もちろん、それをした後にも多少の疲れがあるのだが

閉鎖的ではなく、開放的なその疲労感は虚しくて

心が濁っていくことへの抑止力としては、十分だった


515 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 20:27:03.92xBYK8QyTo (29/38)


天乃「友奈もしてるのかしら」

風「いやぁ……どーかな」

多分してないんじゃない。と

風は困ったように言って、友奈へと目を向ける

むしろ、友奈がそういう知識を持っていたら

驚いて腰を抜かす可能性さえあるなと、考えて

風「天乃も淫らな割に純粋無垢だし。その逆もあるのか?」

天乃「私が淫らって何よ。淫らって」

風「艶かしいって言えばよかった?」

天乃「どっちも意味変わらないから」

風の茶化す言い方に

天乃はすこしだけ強く言葉を返してため息をつく

こういう話題ではどうしても勝ち目がない

夏凜「そう言えば、天乃」

天乃「え、な、なに?」

夏凜「なんでそんな赤い顔してるのかはあえて聞かないけど……」

ちらりと風を見れば、大体察せる

夏凜「友奈がせっかくならみんなでお泊りしたいねーって言い出したのよ。東郷も樹も乗り気だけど。あんたは?」

風「あたしには聞かないの?」

夏凜「どうせ来るでしょ。犬先輩は」

風「なんだとーっ!」


1、良いわね。面白そう
2、なんだか嫌な予感がするのだけど。友奈はまだ健全よ?
3、場所がないからそれは無理よ。残念だけど


↓2


516以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:28:05.16QtWd4iWsO (1/1)

2


517以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:28:17.46UGqkAdlz0 (1/2)

2


518以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:31:50.05sZWvI6LrO (2/3)

1


519 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 20:48:41.04xBYK8QyTo (30/38)


では、いったんここまでとさせていただきます
22時までには再開予定ですが、このまま終了の可能性もあります




友奈「あ、あれ……みんなで何してるんだろう?」

九尾「くふふ、知りたくば入――」

友奈「あっ、私と久遠先輩……ううん、天乃先輩としてたことだ!」

九尾「!?」

友奈「ついにみんなで出来る……やったー! 私も混ぜて下さーい!」



520以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:51:00.74qaJJXhfwO (4/5)

一旦乙
平行世界の友奈ちゃん懐かしいな


521以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:51:52.77sZWvI6LrO (3/3)

たんおつ


522以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 20:57:19.85XuqqOggm0 (1/2)


1周目か懐かしいな
思えば久遠さんの最初の行動って学校サボって二度寝とかじゃなかったか?奇しくも最近似たような状態だったよな


523以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 21:16:28.571/FEEAw+O (1/4)


今の設定をフィードバックして一週目設定(引きこもりの巻き込まれ勇者)で始まった場合どうなるか個人的に気になる


524以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 21:47:14.60B+uaiZlqO (1/1)

>>523
多分死ぬよ
久遠さんは一貫して自己犠牲精神が強すぎるんだよ
一番最初の友奈の章(ルート的な意味)ではバッドでもハッピーでも死ぬし
展開は大分変わってくるだろうけど


525 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 22:33:14.05xBYK8QyTo (31/38)


では、また少しだけ


526以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2017/03/19(日) 22:37:04.091/FEEAw+O (2/4)

きた


527 ◆QhFDI08WfRWv2017/03/19(日) 22:38:59.76xBYK8QyTo (32/38)


天乃「良いわね。面白そう」

風「面白そうって、天乃」

夏凜「いいじゃない。天乃が乗り気なら」

心配そうな顔をする風に、

夏凜は口止めするように口を挟んで、にやりと笑う

友奈という懸念事項はあるが

最悪巻き込んでしまえばいい

友奈が天乃に対してそれほど好意がないのなら話は別だが

そうではないのであれば、未経験者が一人から二人になるくらいで害はない

むしろ、五人の相手を一人でするよりも

五人の相手を二人でする方が良いはずだ。慣れていないのなら、尚更

……もちろん、やるとは限らないけど