512 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:31:49.24gucsq9SU0 (25/85)

千歌「ふぅ…」

千歌「分からなくても適当にはいはいって答えといてね?ここって結構実力社会だからね無知と無力って差別されちゃうんだ」

果南「…ホント?」

千歌「うん…」

千歌「果南ちゃんの世界は違うの?」

果南「差別なんてありえないよ…みんな仲良く楽しく暮らして…」

千歌「そうなんだ…」


513 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:34:06.79gucsq9SU0 (26/85)

果南「…そういえばイレギュラーって何?」

千歌「嫌われ者につく名前なんだ」

果南「嫌われ者?」

千歌「正式には九つの力の内の一つ、他の八つに分類できない魔法のことを意味する力なんだ」

千歌「理事長が使えるのは時間を操る魔法」

千歌「時間を止める、止まった時間を動かす、過去へ行く、未来へ行く、この四つが出来るんだって」

千歌「模擬戦では果南ちゃんが距離の魔法さえ使っちゃえば理事長は一生私たちのところへ行けないんだ、だって時間は止まっても魔法は継続するから」

果南「なるほど…」


514 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:35:51.12gucsq9SU0 (27/85)

千歌「理事長には過去に行ける能力があるでしょ?負けたら過去に戻ってやり直しを何回も繰り返せばいつかは勝てるんだよ」

果南「…なるほど」

千歌「それ故にそして更にイレギュラー故に嫌われ者、イレギュラーの人のほとんどは魔法が反則級に強いんだ」

千歌「バランス崩壊の原因でね、リアルチートとか化け物とかそう呼ばれてるんだ」

千歌「そして強い者ほど嫌われる場所なんだ、ここは」

千歌「だから嫌われ者につく名前」


515 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:37:05.36gucsq9SU0 (28/85)

果南「ん?それって…」

千歌「そう、私たちも一応は嫌われ者」

果南「なにそれ…」

千歌「でも私たちは正統派!イレギュラーが正統派じゃないとは言わないけど…少なくともマイノリティーには属さないからまだいい方だよ!安心して!友達もいっぱいいると思うよ!むしろ尊敬される側だと思う!」

果南「そ、そっか」

千歌「よーしいつもお姉ちゃんに助けてもらってるから今回ばかりは私が助けるぞ!」

千歌「なんかお姉ちゃんにこんなこと言うのは変だけど…」

千歌「これからよろしく!」

果南「うん!よろしくね!」

ギュッ


516 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:38:35.45gucsq9SU0 (29/85)

~約二週間後

果南「お疲れ様」

千歌「お疲れ様!」

千歌「お姉ちゃんもすっかりここに馴染んじゃったね」

果南「あはは…自分でもびっくりだよ」

千歌「でもよかった!お姉ちゃんが変にならなくて」

千歌「成績はいつも通り、作戦も立てて私を助けてくれるお姉ちゃんだね!」

果南「初めて模擬戦やった時は全然おぼつかなかったなぁ…」

千歌「ずっとどうすればいいか分かってなかったもんね」

果南「千歌のおかげでなんとか勝てたけど…」

千歌「でも今は安定してるから大丈夫!」


517 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:39:51.89gucsq9SU0 (30/85)

果南「たった二週間ちょっとでこんな慣れてる私が怖いよ…」

千歌「そして明日は…」

果南「鞠莉との模擬戦…だっけ」

千歌「うん…多分今回も勝てないかな…」

果南「うーん……」

千歌「理事長との模擬戦は見たこともないよね?」

果南「うん」

千歌「理事長は時間を止めて止めた時間の間で相手に近寄って宝石を直接破壊する戦法なんだ」

千歌「あの宝石は自分とその味方以外の人が五秒間触っていれば壊れるからね」


518 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:41:07.70gucsq9SU0 (31/85)

千歌「私たちはお姉ちゃんの距離を使うことでその戦法は効かないけど…」

千歌「結局時間を止めて移動する理事長には近寄れないし私たちから近づくしかないんだ、でも果南ちゃんの距離を使ったら私とお姉ちゃんまで理事長に近寄れなくなっちゃうから距離を使ってない状態で止められてフィニッシュって感じ…」

果南「なるほど…攻めても守っても負けちゃうんだ…」

千歌「うん…」

千歌「理事長が時間を止めてる間っていうのは私たちの一瞬に含まれるからどうやったっても対応は出来ないんだ、今までいろいろ試したけどどれもダメ」

千歌「勝ちパターンは未だに見えてこないまま…」

果南「八方塞がりだね…」

果南「でも負け戦だとしても私は精一杯抗いたいな!だから勝てるように頑張ろう?」

千歌「うん!」


519 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:42:47.17gucsq9SU0 (32/85)

「果南さん、千歌さん」

果南「!」

千歌「あ、理事長…」

果南「鞠莉…」

鞠莉「…?私を名前で、それも呼び捨てで呼んでいいなんて一言も言ってませんが…」

果南「…す、すいません」

千歌「あ、あの…今日は何の用でしょうか…?」

果南(怯えてる…?)

鞠莉「明日の模擬戦の挨拶を先に、と思いまして」

鞠莉「…私は今回も負けません、言いたいことはそれだけです」


520 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:44:14.41gucsq9SU0 (33/85)

鞠莉「円満の姉妹に水を差すつもりはありませんので私はこれで」ペコリ

果南「う、うん…」

千歌「………」

千歌「ふはぁ…やっぱり雰囲気というか覇気がすごいな~…」

果南「あれが鞠莉…?」

果南(別人みたいな雰囲気してたな…)

『私は負けません』

果南「…楽しいのかな」

千歌「え?」


521 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:45:07.11gucsq9SU0 (34/85)

果南「この模擬戦って何の役に立つの?」

千歌「うーん…護身術とかじゃない?私もよく…」

果南「そっか」

果南「明日、勝ちたいな」

千歌「頑張ろうね!」

果南「うん!」



522 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:46:18.18gucsq9SU0 (35/85)

~次の日

「これより理事長、小原鞠莉対高海果南、高海千歌ペアの模擬戦を行う」

「勝敗の決定は相手の胸元にある宝石を破壊して戦闘不能状態にするか降参のどちらか」

千歌「は、はい!」

果南「はい」

鞠莉「よろしく」

ザワザワザワ

果南(すごいいっぱい人いるなぁ…)

「では両者定位置に」

スタスタスタ

千歌「…頑張ろうね」

果南「うん!」



523 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:47:57.35gucsq9SU0 (36/85)

「では、始めます」

「3」

千歌「……よし」

「2」

鞠莉「………」

「1」

果南「いくよ…」

「はじめ!」



524 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:50:34.50gucsq9SU0 (37/85)

鞠莉「停止!」

スウォーン…

果南「…?!」

果南(あれ…動けない…)

果南(あ、時間が止まってるんだね…)

果南(…というか…一瞬じゃなかったの…?)

果南(止まってる間も意識があるなんて逆に辛いな…)

果南(…早く動きたいなぁ)



525 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:52:03.68gucsq9SU0 (38/85)

スウォーン

千歌「…あ、お姉ちゃ」

鞠莉「もう一回!」

鞠莉「停止!」

スウォーン

鞠莉「こ、これで…」

果南「………」

果南(今度は動けない…?!)

鞠莉「よ、よし…これで果南さん、あなたはおしまいです」

スタスタスタ


526 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:52:48.62gucsq9SU0 (39/85)

果南(動け…!動いて!!)

ピクッ

果南「よし動ける!」

鞠莉「なっ…なんで動けるの?!」

果南「ふ、ふう…」

鞠莉「…!まさか隠し玉があった…?!」

果南「動いてって念じたら動けたよ」

鞠莉「はぁ?!そんなわけ…」

果南「…鞠莉はどうするの?鞠莉は時間が止まって無防備になった人間しか倒せない」

果南「空間を操る私に勝ち目なんてあると思う?」


527 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:54:09.80gucsq9SU0 (40/85)

鞠莉「くっ……」

鞠莉(解除…!)

鞠莉「もう一回!」

鞠莉「停止!!」

果南「…動けるよ」

果南「………」

果南「…私たちの勝ち、だね」


528 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:55:29.08gucsq9SU0 (41/85)

鞠莉「な、なんで?!」

鞠莉「果南まで私をいじめるの?!酷い…!こんな世界イヤだ…!」


鞠莉「元の世界に帰りたいよ…!!」


果南「!」ピタッ

果南「…元の世界?」

鞠莉「私は…私はみんな平等で…果南やダイヤとも仲良しの世界にいたのに…急に世界が変わった…!」

鞠莉「時間を止める魔法…それが私の所有魔法…でもそれが私の足枷になってた!」

鞠莉「みんなから嫌われて…ダイヤも果南も私を敵対視して…その妹ルビィちゃんや千歌ちゃんからも怯えられて…学校中のみんながそのどっちかで私は一人だった…!」

鞠莉「果南も私を底辺に引きずりおろすの?!」


529 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:56:42.75gucsq9SU0 (42/85)

鞠莉「お願い…!お願いだから勝たせて…!!」

ポロポロ

鞠莉「私…負けたらホントに立場が無くなっちゃうの…!!」

鞠莉「だから…だからッ!!!」

果南「鞠莉」

鞠莉「な、なに…?お願いならなんでもきく!だから…!」

果南「実は私も別世界から来た人なんだ、鞠莉ともダイヤとも千歌ともみんな仲良しの世界から来た人」

鞠莉「えっ…」

果南「あはは…二週間前に来たばっかなんだけどね、慣れるのが早かったからこの世界にいた私と変わらない様を送ってるけど」


530 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:57:30.46gucsq9SU0 (43/85)

果南「私の世界の鞠莉、死んじゃったんだ」

果南「この世界の鞠莉はとっても怖くて前の世界みたいにはいかないのかなって思ったけど」

果南「なんか前の世界と大して変わらなそうで安心したよ」

果南「何でもしてくれるっていったよね?」

鞠莉「う、うん…」

果南「鞠莉のいた世界のようにまた、私と千歌だけでも仲良くしてほしいな」ニコッ

鞠莉「…!」

鞠莉「う…うぅ…うわあああああああかなああああああんっ!!!」

モギューッ

鞠莉「かなぁん…!!」

果南「あはは…やっぱり変わらないね」

鞠莉「怖かったよ…寂しかったよぉ…!!」

果南「よしよし」ナデナデ


531 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:58:42.60gucsq9SU0 (44/85)

~五分後

鞠莉「…私、決めた」

果南「ん?」

鞠莉「私…負けるわね」

果南「え?!」

鞠莉「果南見てたら一人じゃないんだって思ったのよ」

鞠莉「一人じゃないなら私…」

鞠莉「負けてもいいや!」

鞠莉「降参します!」


532 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:59:08.53gucsq9SU0 (45/85)

パリーン!

鞠莉「はいっ私の負け」

果南「…ホントによかったの?」

鞠莉「うん!そのかわりこれからずっと一緒にいてね?」

果南「…お手柔らかにね」

鞠莉「もちろんっ!」

千歌「う…そ…勝っちゃった…?」

果南「あれ魔法が解けてる…」

鞠莉「宝石が割れたからね」


533 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 01:59:42.04gucsq9SU0 (46/85)

ウオオオオオオオオオ

果南「…すごい歓声だね」

鞠莉「だって私負けちゃったんだもん」

果南「勝ったつもりはないけど…」

鞠莉「負けは負け、勝ちは勝ちなのよ」

果南「ふふ、そうだね」

「…あ、勝者高海果南、高海千歌ペア!」

「礼!」

果南「ありがとうございました」

千歌「あ、ありがとうございました!」

鞠莉「ありがとうございました★」

鞠莉「後でね、果南」

果南「ええ」


534 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:00:55.72gucsq9SU0 (47/85)

スタスタスタ

千歌「すごいよお姉ちゃん!どうやって理事長に勝ったの?!」

果南「それが私にもよくわからなくてさ…」

千歌「え?」

果南「止まった時間の中でも動けてね」

千歌「え…でもお姉ちゃんの空間の力に時間を止める魔法を無効化させるような魔法はないよ…?」

果南「なんでだろう…」

千歌「時間停止を無効化させる魔法なら確か…」

千歌「指定した魔法を無力化させる魔法、指定した魔法をコピーする魔法…とかその辺くらいしか…」

千歌「でもどっちも無の力の魔法だし…」



535 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:01:28.26gucsq9SU0 (48/85)

果南「うーん…鞠莉に聞いてみよっか」

千歌「え…?理事長に聞きに行くの…?」

果南(怯えてるなぁ…)

果南「千歌、大丈夫だよ鞠莉はとっても優しい人だから」

千歌「で、でも…」

果南「もし何かあったら守ってあげるから」

千歌「う、うん!」


536 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:03:04.03gucsq9SU0 (49/85)

~理事長室

鞠莉「うーん…私の知識からだと千歌ちゃんがいってた魔法とかもいけるんだけど果南は空間の力の魔法使いでしょ?」

鞠莉「イレギュラーはイレギュラーでしか対応できないはずなの、一部の相性を除けば…」

鞠莉「果南がイレギュラーの可能性って…無いの?」

千歌「な、無いと思います…だってお姉ちゃんの魔法は空間の力って結果が出てますし…」

鞠莉「うーん…」

鞠莉「じゃあテストしてみましょうか」

果南「テスト?」

鞠莉「私に勝てるイレギュラーの力があるか、もしあったらそこから絞っていけばいいでしょ?」



537 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:03:49.68gucsq9SU0 (50/85)

鞠莉「まず、浮ける?」

果南「え?」

果南「果南は空が飛べるかってこと」

千歌「無理だよ、あ、でも指定した空間の重力を変えればいけるね!」

鞠莉「NONO!普通に飛べるか試してるのよ」

千歌「それは…無理だと…」

果南「分かった、やってみる」

果南(空…飛べ!)

果南「わぁ…?!」

千歌「え…空を飛ぶ魔法なんて…」

鞠莉「ふむふむ、空を飛べると」


538 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:04:58.47gucsq9SU0 (51/85)

鞠莉「この時点で空間の力だけじゃないことが分かるわね、果南は明らかなイレギュラーよ」

千歌「お姉ちゃんがイレギュラー…?」

鞠莉「次、物を動かせる?またその動かせた場合物体をどこまで操れる?形を変えれるかとか重さを変えるとか」

鞠莉「試しのこの鉛筆、動かしてみて」

果南「う、うん」

果南(鉛筆…浮け…!)

フワァ…

千歌「浮いた…」

果南「えっと…形を変えればいいんだっけ…」

鞠莉「ええ」

果南(長くなれ…とかでいいのかな?)

千歌「わぁ…長くなった…」


539 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:05:47.06gucsq9SU0 (52/85)

鞠莉「物体も操れるのね」

千歌「えぇー?!これじゃあ私いる意味ないじゃん!」

果南「千歌の能力と丸被りだね…」

鞠莉「ふむ…もう大体は検討ついてきたわ」

果南「え?もう?」

鞠莉「ええ、最後」

鞠莉「人に干渉出来る?」

千歌「え、それって人を好きなように出来るかってことですか?」

鞠莉「そうよ、試しを私を浮かせて」

果南「分かったよ」


540 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:08:17.27gucsq9SU0 (53/85)

果南(鞠莉…浮いて)

フワァ…

鞠莉「おお…」

千歌「浮いた…」

千歌「すごいすごい!私も浮かせて!」

果南「千歌浮いて」

千歌「わぁ!浮いてる!物体を足場にしなくても空飛べてるよ!」

鞠莉「はいテスト終わり、多分決まりね」

千歌「あはは!すごいよお姉ちゃん!」

果南「二人ともいつまで飛んでるのよ…」



541 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:09:20.18gucsq9SU0 (54/85)

~五分後

鞠莉「ごめんなさいね、空飛べるなんて思ってなかったから」

千歌「私も!すごいね果南ちゃんの魔法!」

果南「それでその魔法って何の魔法なの?」

鞠莉「ええ、もうイレギュラーなのは確定」

鞠莉「そして多分この魔法なんじゃないかしら」

果南「どれ?」

鞠莉「絶対干渉よ」

果南「絶対干渉?」



542 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:10:08.29gucsq9SU0 (55/85)

千歌「あー!それってあの!」

鞠莉「そう、スピリチュアル東洋の魔女と呼ばれたあの人の魔法よ」

果南「スピリチュアル東洋の魔女?」

千歌「名門音ノ木坂が生み出した超天才魔法使いだよ!勝てる人が未だにいない最強魔法使い!」

果南「その人が使ってる魔法と全く同じものが私に使えるの?」

鞠莉「多分…」

鞠莉「空が飛べて、物が動かせて、人を操れる、こんなことを一つの魔法で実行するならそれくらいしか…」

鞠莉「それに私が時間を止めてた時、動きたいと念じたら動けたのよね?」

果南「ん?あ、まぁ…」

鞠莉「もう確定よ」


543 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:10:55.00gucsq9SU0 (56/85)

千歌「すごいよお姉ちゃん!果南ちゃんもこれからスピリチュアル西洋の魔女って名乗れば?」

果南「日本は西洋じゃないよ…」

鞠莉「どうする?この事公表する?」

千歌「私はしないほうがいいと思う…」

千歌「だってイレギュラーって言えばみんなから嫌われちゃうよ…?お姉ちゃんはみんなから尊敬されてる人なんだからダメージは計り知れないよ…」

鞠莉「私はどっちでもいいかな」

果南「うーん…じゃあやめとくよ、秘密ってことにしといて」

鞠莉「ええ」

千歌「うん!」


544 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:11:36.14gucsq9SU0 (57/85)

~一ヶ月後

千歌「飛べ!」

果南「ふ~その魔法で飛ぶのはいつになっても慣れないね…」

千歌「仕方ないじゃんこの方法でしか空飛べないんだから~」

鞠莉「私の鞄もいい?」

千歌「うん!」

千歌「飛んで!」

鞠莉「よっと」

千歌「結果発表もう出てるね!」


545 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:12:45.05gucsq9SU0 (58/85)

鞠莉「えっとぉ私たちは…」

果南「探す必要なんてないでしょ」

「一位 鞠莉&果南」

千歌「あはは…」

「二位 千歌&果南」

鞠莉「この学校にはもう敵なしね、流石果南だわ!」

果南「鞠莉の時は何もしてないでしょ」

果南「模擬戦じゃ時間止めて私はずっと鞠莉が宝石壊すの見てるだけだし」

果南「障害物競争は時間止めて一緒に歩いて1秒でゴールだし」

鞠莉「あはは!シャイニー★」


546 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:13:49.36gucsq9SU0 (59/85)

千歌「ぶぅ~私のお姉ちゃんを横取りして楽しいですか???」ムスッ

鞠莉「えぇ~実際私と果南は通ずるものあるし?私と果南なら敵なしだし相性も抜群だし…」

鞠莉「そもそも横取りして何が悪いの?」

千歌「あぁー!本性現したー!!」

果南「あはは…」

千歌「私も鞠莉さんに勝てる力があれば…」

鞠莉「残念だけどそれは無理よ」フフッ

千歌「理事長権限ってずるいな~…」

鞠莉『今日から果南は私のペアよ!』

果南「ものすごいブーイングだったもんね」

鞠莉「でも私は気にしない~」



547 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:14:52.86gucsq9SU0 (60/85)

千歌「…もー!お姉ちゃんは私のなのに!!!」

モギューッ!

千歌「絶対に渡さないから!」

モギューッ!

鞠莉「いやもう貰ってるし!」

鞠莉「果南は私のものだから!」

果南「あーもう私は誰のものでもないから」

千歌「えぇー?!」

鞠莉「なんでよ!」

果南「なんでって…」



548 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:16:06.17gucsq9SU0 (61/85)

キーンコーンカーンコーン

果南「ほら、ホームルーム始まるから解散解散」

千歌「ぶぅ~…」

鞠莉「は~いじゃあいきましょうか・な・ん★」

千歌「もう!果南ちゃんなんか知らない!」

果南「帰ったら一緒にいてあげるから」

千歌「ホント?!」キラキラ

果南「うん、約束するよ」

千歌「ぅやったー!よーしいってくるよー!」

千歌「着地!」

フワァ…

千歌「じゃあ後でー!」


549 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:16:35.62gucsq9SU0 (62/85)

鞠莉「まだまだ子供ねぇ」

果南「鞠莉もね」

鞠莉「はぁ?!なんでよ!」

果南「争いは同じレベルでしか発生しないのよ」

鞠莉「ぐぬぬ……」

果南「まぁとりあえず行きましょう」

スタスタスタ

鞠莉「…これでもね、感謝しきれないほどに感謝してるのよ」

果南「………」

鞠莉「この世界に来たのは二年前だったかな」

果南「二年前?」


550 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:17:26.39gucsq9SU0 (63/85)

鞠莉「もうすぐ高校一年生って時に急にここにきたのよ、私は一人っ子だし親も忙しくて構ってくれないから最初はこの世界が魔法の世界だなんてわからなかったのよ」

果南「!」

果南(高校一年生手前で…?)

果南(…たまたまか)

鞠莉「でも学校に来たら見たことない建物や部屋があるしみんな何かしら奇妙なことしてるし」

鞠莉「あ、奇妙なことって魔法の事ね」

果南「うん、分かるよ」

鞠莉「果南やダイヤにおはようって元気よく挨拶したら軽くあしらわれてね…そこからよ、私の孤独は」

鞠莉「段々と無視されたり疎遠されたりするうちに一人の方がいいなって思って…」

果南「…そっか」


551 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:20:07.20gucsq9SU0 (64/85)

ギューッ

果南「!」

鞠莉「千歌ちゃんといるのはいいけど私ともいてよ?」

果南「はいはい、分かったよ」

果南(二年前か…)

果南(私の近くにいた鞠莉もそのくらいだったかな…)

果南(交通事故で…)

果南「………」


552 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:22:08.93gucsq9SU0 (65/85)

~家

千歌「えへへ~お姉ちゃあ~ん!」

果南「なになにあんまり引っ付いてると引っ付き虫って呼ぶよ?」

千歌「もー!酷いなー!」

千歌「…あ、そういえばどう?この世界は」

果南「うん、すごくいいと思うよ」

千歌「前の世界とどっちがいい?」

千歌「…もし戻れたら戻る?」

果南「えっ……」



553 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:23:40.60gucsq9SU0 (66/85)


鞠莉『うん!そのかわりこれからずっと一緒にいてね?』

千歌『「…もー!お姉ちゃんは私のなのに!!!』

果南「…ごめん、分からないや」

千歌「そっか、変なこと聞いちゃったね、ごめんね」

千歌「でも、これからも一緒にいてくれるんでしょ?」

果南「うん、いるよ」

果南「戻るつもりでいても結局帰る方法が分からないしね」

千歌「…やっぱりもし戻れたら帰るの?」

果南「…ごめん、ノーコメント」


554 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:24:39.02gucsq9SU0 (67/85)

千歌「そっか…」

果南「さてもう寝よ?明日は模擬戦結構あるでしょ」

千歌「うん!分かった!」

果南「おやすみ」

千歌「おやすみ!」


555 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:26:22.91gucsq9SU0 (68/85)

~次の日、朝

千歌「うわぁああああ?!?!」

果南「うるさいな…どうしたの?」

千歌「ど、どうしたってなんで果南ちゃんが私の部屋に…」

千歌「いやそこじゃなくて果南ちゃんは死んだはずなのになんでここにいるの…?」

果南「は?」

果南「!」

果南(私が千歌の部屋に来た時と同じだ…もしかしてこの千歌も…)


556 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:27:33.70gucsq9SU0 (69/85)

果南「…ん?ちょっとまって私が死んだって…」

千歌「三年生になって少し経った頃に階段から転げ落ちて死んじゃって…」

果南「階段から…?」

果南(…あれ?私この世界にくる前日何してたんだっけ…)

果南「思い出せない…」

千歌「…?」

果南「千歌、昨日何してた?」

千歌「昨日…?昨日はえっと…あれ…何してたっけ…?」

果南「一昨日は?」

千歌「一昨日は曜ちゃんと梨子ちゃんと私で松月に行ったよ」


557 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:28:11.69gucsq9SU0 (70/85)

果南「じゃあ昨日は?」

千歌「それが昨日の記憶が全くなくて…」

果南「………」

果南「千歌、その私っていつ死んだ?」

果南「三年生になって少し経った頃っていつ?」

千歌「え、えっと詳しくは覚えてないけど五月だよ」

果南「五月…」

千歌『とにかく早く学校いくよ!五月で色々強化期間なんだから急がないと!』

果南「…!」


558 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:29:05.50gucsq9SU0 (71/85)

果南「まさかあの鞠莉って…」

ギュッ

千歌「ふぇ?」

果南「詳しい話は後でするから早く支度して!学校いくよ!」

千歌「う、うん!」


559以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/30(金) 02:30:11.74W5cnJHrqO (1/1)

のんたん…死んだのか…


560 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:30:35.03gucsq9SU0 (72/85)



果南「距離!」

千歌「ええ?!果南ちゃん何したの?!」

果南「いいから!」

タッタッタッ

果南「これで迷惑にならない程度に距離を縮めて時間短縮してくよ!」ダッ

ピタッ

果南「いや違う…」

果南「千歌!」

千歌「は、はい!」


561 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:31:52.88gucsq9SU0 (73/85)

果南「鞄よ浮けって心の中で言って!」

千歌「う、うん!」

千歌(鞄よ浮け!)

フワァ…

千歌「えぇ?!なにこれ?!」

果南「よっと、その鞄に座って」

千歌「で、でも落ちちゃうよ!」

果南「大丈夫」

ギュッ

果南「絶対に落とさないから」



562 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:33:32.93gucsq9SU0 (74/85)

千歌「…!」ドキッ

千歌「う、うん!」

果南「よし!それで心の中で浦の星女学院に向かえって言って」

千歌「わ、分かったよ」

千歌(浦の星女学院に向かえ…でいいのかな…?)

千歌「うわぁ?!??!」

千歌「浮いてるー?!」

千歌「速い!速いよぉ!?」


563 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:35:37.26gucsq9SU0 (75/85)

果南「距離!」

千歌「うわわわ?!」

千歌「空が飛べるんだったら瞬間移動でも使ってよー!」

シュイン

果南「わぁ?!」

千歌「ほ、ほんとに瞬間移動した…」

千歌「ここは…浦の星女学院…?」

千歌(なんか外見は一緒だけど中は違うような…)

果南「あれ…千歌って物体を操る魔法だったんじゃ…」

果南「………」

ギュッ

果南「まぁそれも兼ねて今すぐ鞠莉に会いに行くよ!」

千歌「引っ張らないでぇ~!」


564 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:36:51.89gucsq9SU0 (76/85)

~理事長室

鞠莉「…確かに私もこの世界にきた前日の記憶がない」

果南「やっぱり…」

果南「ねぇもしかしてなんだけどさ」


果南「私たち、同じ世界で死んでここに来たんじゃないの?」


千歌「え…」

鞠莉「!」

果南「千歌にも確認を取ったけど私がこの世界にきた前日と千歌がいう私の死んだ日は多分同日なの」

千歌「じゃ、じゃあ私は死んだってこと…?」

果南「分からない…」

果南「確認方法が無いのよ…」


565 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:37:56.85gucsq9SU0 (77/85)

千歌「………」

千歌「あ、そういえばここの世界って…」

鞠莉「魔法が使える世界よ」

千歌「魔法って…」

果南「千歌は物体を操る魔法が使えるはずなんだけどさっき瞬間移動が出来たのよ」

鞠莉「それほんと?」

果南「ええ」

鞠莉「……ねぇ私一つ思ったことがあるから試していい?」

果南「何?」

鞠莉「果南にしたイレギュラーテストよ」

果南「千歌にもやらせるの?」

鞠莉「ええ、簡単だから」


566 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:38:46.31gucsq9SU0 (78/85)

鞠莉「千歌ちゃん」

千歌「な、なんでしょう…」

鞠莉「私を浮かせることって出来る?」

果南「心の中で鞠莉浮けって言えば浮くよ、そういう魔法があるならばだけど」

千歌「う、うん…」

千歌(鞠莉さん浮いて…)

フワァ…

鞠莉「浮いた…わね」

千歌「わぁ…奇跡だ…人が飛んでる…」

果南「さっきも飛んでたでしょ」


567 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:40:41.55gucsq9SU0 (79/85)

鞠莉「次、波導が使える?」

千歌「波導?」

果南「目を瞑って波導って心の中で言うと目を瞑ったままでも前が見えるようになるんだ、煙とか暗い場所だとこっちの方がよく見えて便利なんだって」

千歌「そ、そっかやってみるね」

千歌(波導…)

千歌「………!」

千歌「前…見えるよ…」

鞠莉「どんな感じ?サーモグラフィーみたいになってない?」

千歌「そのまま…いつも見てる感じ…」

鞠莉「なるほど…もう分かったわ」


568 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:41:24.46gucsq9SU0 (80/85)

果南「何?」

鞠莉「千歌ちゃんの魔法は…」


鞠莉「イレギュラー、奇跡を操る魔法よ」





569 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:42:17.45gucsq9SU0 (81/85)

~家

千歌「……私たち一回死んだんだね」

果南「みたいだね…」

千歌「ねぇ私たちどうすればいいの…?」



鞠莉『今出た会話をまとめると…』

鞠莉『イレギュラー、九つの内の八つに分類できない魔法全ての事を示す』

鞠莉『しかしイレギュラーの真実は違う』


570 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:43:52.71gucsq9SU0 (82/85)

鞠莉『時代はどの世界線にも繋がってた、一回死ねばその時死んだ年齢のまま別の世界に移される』

鞠莉『私たちが今いる世界は一回死んだら移される世界』

鞠莉『死んだ人間はイレギュラーへと変わりこの世界に移される』

鞠莉「間違いない?』

果南『ええ…』

千歌『………』


果南「イレギュラーとして生きていくしかないよ」

果南「私と千歌と鞠莉、この三人で頑張ろう?」

千歌「…うん!分かった!」


571 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:44:59.28gucsq9SU0 (83/85)

果南(私たちは一生を終わりにし二生目を生きていくことにした)

果南(イレギュラー、それはバランス崩壊魔法のことではなく)


果南(前の世界で死んだ人間のことだ)


果南(でもそれを知るのはイレギュラーの人間だけ)

果南(きっと私の最初の世界にいるみんなは私が…いや私や千歌、鞠莉が天国に行ったと思ってる)

果南(世界の型の仕組みを一生で知る人間はおそらくこの先もいないのかもしれない)

END


572 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:46:11.68gucsq9SU0 (84/85)

~~~

理事長「転生って言葉、知ってますか?」

理事長「死んだら生き返りません、そうであるように私たち人々は死んだ先が分かりません」

理事長「死んでみないとわかりません、その先に新しい世界があったとしてもそれを死ぬ前の世界に伝える術は一切ありません」

理事長「あなたは世界の真実を知っています、知ってるということはもしかしたらここが二番目の世界かもしれませんよ?」

理事長「さて私たちの世界のイレギュラーはどういう人たちでしょうか?」

理事長「天才、でしょうか?強運の持ち主、でしょうか?」

理事長「分かりませんね、それを知ってるのは死んでこの世界に来た人たちだけですから」

理事長「そして私はここで魔法を発動!」

理事長「イレギュラー!今すぐ話を終わらせる魔法よ!」

理事長「話よ、終われ!」

ピッ


573 ◆iEoVz.17Z22016/12/30(金) 02:53:47.78gucsq9SU0 (85/85)

八つ目終わりです
この物語書いててとても楽しかったのでこのSSが終わった次はこれの死んだ先の世界とかいうの関係なく丁寧に設定を練り直してバトル系みたいなのを作ろうかなと考えてます
わざわざ九つの力の設定まで用意したのにストーリーでは二つ(名前だけなら三つ)しか出てこなかったのでそれを無駄にしないためにもとりあえず挑戦はしてみます
それとルビィのストーリーですけど一昨日少し作ってみたんですがなんか意識して作るとどうも納得いくのが作れないのでもしかしたらそのまま九つ目に行くかもという予防線だけ張っておきます(明後日まで挑戦して何も作れなかったら九つ目やります)
九つ目はμ’s版と同じように他のストーリーの二倍の長さがありますがその時もよろしくお願いします


574以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/30(金) 14:53:41.28TSPMEr4I0 (1/1)




575以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/31(土) 10:09:12.14C/EpovASO (1/1)

速攻魔法発動!


576 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:51:11.813smOjHnD0 (1/32)

今からほんの少しだけ更新しますが今からやるのは九つ目の更新になります
ルビィのストーリーはあれ(二日前)からちゃんと最後まで作って見直しして没になったストーリーが一つ、途中まで作ってダメと判断したやつのが一つ、テーマだけ考えて最初の部分だけ書いて面白くないってなって没になったのが三つでこのままやっても時間食うだけだと判断したのでルビィのリベンジストーリーは無しにします、勝手に言い出しといて勝手にやめるのはどうかと思ったんですが納得出来るストーリーを作れるまで繰り返してたらいつまでかかるか分からないので悔しいですけど仕方がないと考えています
それと九つ目の話なんですけどこのストーリーには普通にあの人たちが出ますけどあくまで主役は“Aqours”です


577 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:52:26.163smOjHnD0 (2/32)

~~~~~

理事長「あなたはやり残したこと、ありませんか?」

理事長「大人になってもっと勉強しとけばよかった、歳を重ねてもっとやりたいことやればよかった」

理事長「“あの時”の決断に悔やむこと、絶対にあると思います」

理事長「タイムマシンは理論上として話を進めても実際には作ることは出来ません、作れたとしてもそれは自分が死んでなおもっと歳月が経たないと作れないでしょう」

理事長「しかし私たちの世界もそんな理論と実践だけの世界ではありません、過去に行く手段はタイムマシンを作ることだけではありません」

理事長「今からでも間に合います、いやいつでも間に合います、ですからやり残したこと、今すぐにでもやりにいきましょう」

理事長「あなたの過去とあなたの未来にために……」


578 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:53:13.223smOjHnD0 (3/32)

~~~

『…投票結果が発表されましたわ』

『………』

『………』



579 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:53:46.863smOjHnD0 (4/32)



Aqours 0




580 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:54:15.813smOjHnD0 (5/32)

『…まぁ仕方ないですわ、歌えなかったんですもの』

『………』

『………』


『スクールアイドル…やめますか?』




581 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:54:47.463smOjHnD0 (6/32)



【過去まで送ります】




582 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:55:35.733smOjHnD0 (7/32)

「おーい!曜ちゃん!始めるよー!絶対に!」

「分かった分かった!協力するからそんな引っ張らないでって!」

「スクールアイドル、μ’sのように輝くんだー!」

「お、おー?」

ダイヤ「………」

ルビィ「お姉ちゃん?」

ダイヤ「ん?あ、ルビィですか、どうかしましたか?」


583 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:56:39.443smOjHnD0 (8/32)

ルビィ「いや…あの人たち見てたから…」

ルビィ「スクールアイドル…やるって言ってたね…」

ダイヤ「私は反対ですわ」

ルビィ「どうして…?」

ダイヤ「それは……」


ダイヤ「わたくしがスクールアイドルを認められないからです」


ダイヤ(スクールアイドル…私たちの二の舞になるのが見えますわ…)

ダイヤ(…私の為にもあの子たちの為にもスクールアイドルの受理は反対せねばなりませんね…)

ダイヤ(そして私は……)

ダイヤ(…いえ、やめましょう)



584 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:57:34.903smOjHnD0 (9/32)

ダイヤ「こんなところにつったってないで早く教室に行きなさい、スクールアイドルなんぞ遠い話ですわ」

ルビィ「う、うん…」

ルビィ「じゃ、じゃあね!」

ダイヤ「また後で」

スタスタスタ

ダイヤ「ふう…」

ダイヤ「果南さんは休学、鞠莉さんは転校してしまってはもう手の付けようがありません…」

ダイヤ「もう一度Aqoursを…」

ダイヤ「そのためにはわたくしが頑張らねば!」


585 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:58:59.213smOjHnD0 (10/32)

~??

「今日も頑張ってね!」

ダイヤ「もちろんです!」

「ごめんなさい、ホントはもうあなたは過去にいってるはずなのに私のせいで…」

ダイヤ「いえいえ絵里さんはわたくしの恩人なんですからこのくらいはどうということないです!」

絵里「ごめんなさい、私の免許が返ってきたらすぐに過去まで送るからね」

ダイヤ「は、はい!」

「いってらっしゃーい」

ダイヤ「あ、ちょっと何か食べてから行きます、そうですね…ホットケーキでお願いしますわ」

「はーい、待っててやー」


586 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 01:59:54.453smOjHnD0 (11/32)

ダイヤ「ここのバーも長らくお世話になってますわね…」

絵里「決まった客しかこないからいつもの顔ぶれに自動的に入ってたもんね」

ダイヤ「ええ…あのタクシーの関係者しか来ませんものね」

絵里「ホントごめんね!まさかあそこで引っかかるなんて…」

ダイヤ「し、仕方ありませんわ」

「はい、お待ちどーさん」

ダイヤ「ありがとうございます、希さん」

希「いいっていいって、ウチのやることっていったらこのくらいしかないからねー」

希「えりちは早く免許返してもらってダイヤちゃん送ってあげなよ?」

絵里「分かってるわよ」


587 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:00:59.123smOjHnD0 (12/32)

希「スピード違反で捕まって免許没収なんて笑えないで?」

絵里「…分かってるわよ」ムスッ

希「あ、そういえば今日な、このバーに新しい店員さんがくるんよ」

絵里「え?急にどうして?」

希「ん?いやウチも詳しい理由は聞いてない、というか誰が来るのかすら聞いてないんよ」

ダイヤ「だ、大丈夫なんですかそれ…?」

希「大丈夫大丈夫!ここに野蛮な人はこれないからね、これる時点でしっかり者確定や」


588 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:01:56.813smOjHnD0 (13/32)

カランカラン

「し、失礼します…!」

希「あ、新入りさん?」

「は、はい!」

梨子「桜内梨子と言います!今日からここでお手伝いをさせていただきます!よろしくお願いします!」

希「うん!よろしく、ウチがここのバーの店長!東條希!よろしくなー」

絵里「…あ、私はこの店の常連的な人、絢瀬絵里よ、よろしく」

ダイヤ「絵里さんと同じく、黒澤ダイヤですわ、よろしくお願いしますね」

梨子「よろしくお願いします!」


589 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:03:57.913smOjHnD0 (14/32)

希「新入りさんのためにちょっとだけ説明な、ここはとあるタクシーの関係者だけがこれるバーなんよ」

希「そのタクシーっていうのは過去に行けるタクシーのこと、これに乗って過去に行くことが出来るんよ」

希「ダイヤちゃんはその運転手さん、まだ高校生だけど特許みたいなので認められてるんよ」

梨子「こ、高校生なんですか…」

ダイヤ「え、ええ…」

希「ただ過去に行くとは言ってもな、完全に過去に行くことは出来ない、やり残したことだけをやってまたこの現在に帰らなきゃならない、過去にいってそのままそこにいたらこっちの本人は行方不明やもん」

梨子「確かに…」

希「だからこのタクシーの本来の目的は過去に行くことじゃなくてやり残したことを無くすためのタクシーなんよ」

希「えりちは元運転手って感じでスピード違反して免許没収、それでその免許の権利をダイヤちゃんが受け継いでるって感じ」

梨子「そ、そうなんですか…」

絵里「いやぁ…あんまり変な目で見ないで…」

ダイヤ「ど、どんまいですわ…」


590 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:05:18.463smOjHnD0 (15/32)

ピーピーピー

ダイヤ「!」

ダイヤ「すいません、そろそろいかないとダメみたいですので行ってきます」

希「いってらっしゃい!」

ダイヤ「このホットケーキは皆さんに差し上げますわ、また口もつけてないのでご安心を」

ダイヤ「では!」

カランカラン

ダイヤ「…ふー今日も一日頑張りますわ!」



591 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:06:14.713smOjHnD0 (16/32)



ブッブー

ダイヤ「田舎ですからお客さんもあんまりいませんわね…」

ダイヤ「あ、手を挙げてる人がいますわ」

プー!

「すいません、夜分遅くに」

ダイヤ「いえいえ、どちらへいきますか?」

ダイヤ「…ちなみに過去に行くこともできますが」

「は…?過去?」

ダイヤ「あの…失礼ながらお名前は…」

善子「善子よ、善子」


592 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:07:15.163smOjHnD0 (17/32)

ダイヤ「で、では善子さんは何か過去でやり残したことがあるようでしたらその過去に行くことが出来ますよ、もちろんやり終えたら現代に戻りますが」

ダイヤ「料金は昔行くほど変わります、一年進むごとに料金が100円増えます」

ダイヤ「どうですか?」

善子「い、いや…まず過去にいくって…」

ダイヤ「ちなみにどこにおいきなるつもりでしたか?」

善子「えっ…ちょっとお寺の方に…」

ダイヤ「そうでしたか、過去にいってる間に経った時間はここの時間には比例しないので時間は消費しませんよ」

ダイヤ「それに過去から現代に戻ったらちゃんとそのお寺までお送りします」

ダイヤ「どうですか?」

善子「…なんでそんな進めてくるのよ」


593 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:08:35.913smOjHnD0 (18/32)

ダイヤ「わたくしもこの過去にいくタクシーにお世話になってるもので…」

ダイヤ「過去に行く機会なんてわたくしたちの一生に無いと思います、過去に行けるなら行った方がわたくしは良いと思います」

ダイヤ「もちろん料金は発生しますし強要するものではありませんが…」

善子「……じゃあその過去とやらにいくわ」

ダイヤ「どちらへ?」

善子「じゃあ三年前に行くわ」

ダイヤ「三年前?どのようなご要件で?」

善子「…喋らなきゃダメ?」

ダイヤ「いえ、喋らなくても結構です、では三年前ですね」

ダイヤ「出発します」


594 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:09:49.323smOjHnD0 (19/32)

ブッブー

善子「わぁ…?!なにこれ?!」

ダイヤ「時空間ですよ、ド〇えもんのタイムマシンでどこかへ行くときに通るあの空間的なやつです」

善子「まさか本当に…?!」

プー!

ダイヤ「到着です、わたくしはここで待ってますのでどうぞやり残したことをしてきてください」

善子「明るいわね…」

ダイヤ「どうせやるなら夜より昼の方がやりやすいかと思いまして…」

善子「なるほど…」


595 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:10:32.373smOjHnD0 (20/32)

ダイヤ「万が一こちらの方で何かがあればこちらから善子さんを迎えに行きますわ」

善子「わ、分かったわ…」

善子「じゃあ行ってくるわね!」

ダイヤ「ええ、いってらっしゃいませ」

ダイヤ「……ふぅ」

ダイヤ「待ってる間スクフェスやらなんやらでもしてましょう」



596 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:11:56.883smOjHnD0 (21/32)

~二時間後

ダイヤ「あぁ親指はやはりやりにくい…車の中では親指でしかできないのは不便ですわ」

ダイヤ「…そういえば善子さんは何をしているのでしょう」

ダイヤ「ここは三年前の内浦…ちょっと散歩でもしてみますか」

スタスタスタ

ダイヤ「ここの海はいつでも綺麗ですわ…青く透き通って…」

ダイヤ「透き通って………」

果南『よーし!私たちもスクールアイドル頑張るぞー!』

ダイヤ『ちょ、ちょっと果南さん!スクールアイドルなんてまた…!』

果南『絶対やるよ!私もμ’sみたいに輝きたい!』

ダイヤ『みゅ、μ’s?』



597 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:15:33.913smOjHnD0 (22/32)

果南『伝説のスクールアイドル!ダイヤも協力してね!』

ギュッ

ダイヤ『ちょっ急に走らないでくださーい!』

果南『明日鞠莉を誘うよ!私たち三人で輝きましょう!』

タッタッタッ

ダイヤ『もう一体なんですのー?!』

ダイヤ「……ふふっ」

ダイヤ「そういえばこの浜辺が始まりの場所でしたね」

ダイヤ「この浜辺で練習したこともありましたっけね…」


598 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:17:21.423smOjHnD0 (23/32)

果南『あくあ?』

鞠莉『そう!アクア!』

ダイヤ『アクアということはえーきゅーゆーえーでAQUA、ということですか?』

鞠莉『NONO!』

鞠莉『こうよ!』カキカキ

ダイヤ『えーきゅーおーゆー…』

果南「Aqours…』

果南『…あこーず?』

鞠莉『だから違うって!アクア!』

ダイヤ「Aqours…待っててくださいね」

ダイヤ「絵里さんの免許が返ってきたら必ず成功へ導きますので…!」

ダイヤ「…帰りましょうか」


599 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:18:20.233smOjHnD0 (24/32)

スタスタスタ

ダイヤ「おや?あれは善子さん…?」

ダイヤ「善子さん?」

善子「うひゃあ?!なんでここにいるのよ!」

ダイヤ「わたくしも三年前の内浦を観光してましたわ」

善子「別に私は観光目的で来たわけじゃ…」

ダイヤ「まぁそれは置いといてここで何をしてますの?」

善子「…あそこよ」

ダイヤ「ん?」

よしこ「よしもうすぐ中学生!リトルデーモン増やしていくわよー!!!」

よしこ「あ!そこの人!私のリトルデーモンにならない?」キリッ

ダイヤ「なんかすごい盛り上がってる子がいますわね…」


600 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:19:27.963smOjHnD0 (25/32)

善子「あれは私、まぁ見ての通りすごく痛い子なのよ」

善子「中学校ではぶっ飛んだことしまくってたわね、もちろん変な目では見られたけど友達はまだいたわ」

善子「中学校生活は失敗…とも言わないけど成功とも言えない感じだった」

善子「だから今度は私が教えて成功にしてあげようかなって」

ダイヤ「なら何故ここに…」

善子「なんか私を見てたらあのままでいいかなって思い始めて」

ダイヤ「…わたくしは何も言いませんわ、善子さんが決めることです」

善子「……いいわ、帰るわ」

ダイヤ「よろしいのですか?お金を失うだけですが…」

善子「いいわよ、なんかちょっとだけ答え分かった気がしたし」

ダイヤ「答え…?」


601 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:20:40.973smOjHnD0 (26/32)

よしこ「ねー!そこのあなた!」

善子「ん?」

よしこ「?!あなた私そっくりね!はっ!これは運命…!」

よしこ「あなた!私のリトルデーモンにならない?!」

善子「ふっ…いいわよ」

よしこ「ホント?!」

善子「でもそれはあなたが一人前になってからね」

善子「いうなれば…そう、堕天使ヨハネ…!」

善子「それがこれからのあなたの名前よ」

善子「いざ往くのです、虚構の彼方、まだ存在しないゼロの世界をイチにしてからまた私に会いにきなさい」

善子「そしたらあなたのリトルデーモンになってあげるわ」


602 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:21:37.953smOjHnD0 (27/32)

よしこ「わぁ…堕天使ヨハネ…!」キラキラ

よしこ「分かった!絶対にあなたをリトルデーモンにするわ!」

善子「ええ待ってるわね」

善子「それじゃあ私はこれで」

よしこ「うん!ばいばい!」

善子「ばいばい」

スタスタスタ

ダイヤ「なんていうか…すごいお方ですわね…あなた…」



603 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:22:10.133smOjHnD0 (28/32)

善子「ふっ堕天使ヨハネを褒めると高くつくわよ?」

ダイヤ「…?」

善子「もう!せっかく堕天使ヨハネになってあげたのにそんな反応しないでよ!」

ダイヤ「す、すいません…」

善子「もーさっさとお寺まで送って」

ダイヤ「わ、分かりましたわ…」


604 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:23:04.413smOjHnD0 (29/32)



ダイヤ「お寺に到着です」

善子「はい、じゃあこれお金ね」

ダイヤ「ぴったりとは意外ですね」

善子「何よ?そんな大雑把に見える?」

ダイヤ「いえ…いやはいというべきでしょうか…」

善子「そうですかそうですか!」

ダイヤ「あ、失礼しました…」

善子「はいはい、じゃあ私は行くわね」

ダイヤ「またのご利用お待ちしておりますわ」

ダイヤ「…面白い方でしたわね」

ダイヤ「ふぅ今日はもう遅いですし車を返して帰りましょう」


605 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:24:04.673smOjHnD0 (30/32)



絵里「お疲れ様!」

ダイヤ「お疲れ様ですわ」

希「おつかれさーん」

梨子「お疲れ様です!」

ダイヤ「今日面白い方に出会いましたわ、すごくキャラが濃い方に」

希「へぇ~にこっちが喜びそうやん」

ダイヤ「にこさんはああ見えて今でも人材探してますからね」

絵里「流石私たちの広報係ってところね」


606 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:25:04.443smOjHnD0 (31/32)

ダイヤ「…あ、すいませんわたくしはそろそろ行きますね、また明日」

希「はーい、また明日なー」

絵里「また明日会いましょう!」

梨子「お疲れ様でした!」



607 ◆iEoVz.17Z22017/01/02(月) 02:26:18.043smOjHnD0 (32/32)

あんまり進みませんでしたが中断します


608 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:24:06.26OyDhnveK0 (1/104)

~数日後、学校

「だ~か~ら~!お願いって!」

梨子「こ、困ります…私は別にスクールアイドルなんて…」

「お願い!そこをなんとか!」

梨子「そこをなんとかって言われたって…」

ダイヤ「梨子さん…?」

梨子「あれ?!ダイヤさんどうしてここに?!」

「ん?知り合い?」

梨子「あ、うん…色々あって…」


609 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:25:14.31OyDhnveK0 (2/104)

ダイヤ「その制服…」

ダイヤ「あなたもこの学校の生徒でしたか…」

梨子「ということはダイヤさんも…」

ダイヤ「ええ、三年生ですわ」

梨子「す、すごい偶然ですね…」

ダイヤ「え、ええ…」

ダイヤ「ところで何か揉めてるようでしたが?」

梨子「あ、いえ…なんでもないんです」

梨子「ただの話し合いです」

ダイヤ「そ、そうですか…」

梨子「ごめんね、私先帰るね」

「あ、ちょっと待ってー!」ダッ


610 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:25:56.61OyDhnveK0 (3/104)

ダイヤ「梨子さんはここの生徒でしたか…」

ダイヤ「それにしてもあのオレンジ色の髪の子は…」

『スクールアイドル!μ’sのように輝くんだー!』

ダイヤ「果南さんにすごく似てて…」

ダイヤ「そしてあの子は…」

ダイヤ(絶対に失敗しますわね…)

ダイヤ「…あ、いけません早く絵里さんのところにいかなくては」



611 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:27:25.10OyDhnveK0 (4/104)



カランカラン

希「いらっしゃーいってダイヤちゃんか、仕事の時間はまだだよー」

ダイヤ「え、ええ少し早く来過ぎましたので少しここでゆっくりしてますわ」

希「りょーかーい」

希「はい、ウチからサービスの紅茶や」

ダイヤ「あ、どうもありがとうございます…」

希「まだまだウチらは長い付き合いになりそうやからね、その祝福や」

ダイヤ「と、いうと?」

希「カードがウチにそう告げてるんよ」

ダイヤ「な、なるほど…」


612 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:29:37.32OyDhnveK0 (5/104)

ダイヤ「希さんってなんでこのバー始めたんですか?」

希「んー?えりちがウチのスピリチュアルパワー借りたいって言ってたからやっぱり休めて盛り上がれる場所は必要かなーって思ったんよ」

ダイヤ「ん、ん?」

希「過去にいけるのはウチのスピリチュアルパワーのおかげなんやで?」ニヤニヤ

ダイヤ「そうなんですか?!」

希「当たり前やん!それで始めたのがこのタクシー会社!今は中堅会社くらいは名乗れるくらいに大きくなって安定もしてきてるやんね」

ダイヤ「え、ええ…」

ダイヤ(やっぱりすごいですわ…絵里さんも希さんも…)

ダイヤ(とても敵いません…)

ダイヤ「…そろそろ出ますわね」

希「えーもっとゆっくりしてけばええのに」


613 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:32:21.99OyDhnveK0 (6/104)

カランカラン

絵里「あら、もう来てるのね」

ダイヤ「こんにちは絵里さん、もうすぐ出ますわ」

絵里「そんな急がなくて大丈夫よ?」

ダイヤ「いえ!お仕事頑張ります!」

ダイヤ「希さんには悪いですがその紅茶は絵里さんに差し上げますわ!希さんごめんなさい!」

希「ええってええって」

絵里「じゃあお言葉に甘えて…」

ダイヤ「ではまた後で!」

希「いってらっしゃーい」

カランカラン

絵里「………」ゴクッ


絵里「あっつ!!」




614 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:33:35.78OyDhnveK0 (7/104)



ブッブー

ダイヤ「走り始めたものの…なんだか流石に早すぎましたわね…」

ダイヤ「あら手を挙げてる人がいますわ、すごいお嬢様っぽい人…」

プー

「すいません…ここが過去にいけるタクシーですか?」

ダイヤ「え?」

「え…あっ…ち、違うならす、すいません…降ります…」

ダイヤ「いえこのタクシーで間違ってませんが…」

「うぇえ?!ホントに行けるの?!」

ダイヤ「え、ええまぁ…」


615 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:35:19.59OyDhnveK0 (8/104)

ダイヤ「しかしその情報をどこから…」

「えっと…にこちゃ…じゃなくて知り合いからこの地域にそういうタクシーがあるって…」

ダイヤ(にこちゃ…?)

ダイヤ「そ、そうですか…」

ダイヤ(もしかしてネットとかではもう有名なのでしょうか…)

ダイヤ(それだとしたら色々まずいことが…)

「…?何?」

ダイヤ「あ、いえ…失礼ですがお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

真姫「真姫よ」

ダイヤ「真姫さんですか、では真姫さんどちらへ?」

ダイヤ(サングラスにめちゃくちゃセレブっぽい服…おしゃれな帽子までして絶対お嬢様ですわ…)



616 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:36:34.47OyDhnveK0 (9/104)

真姫「えっとじゅうに」

「ちょっと待ったー!」

ダイヤ「!?」ピクッ

「ねぇ!私を先に連れてって!お金はこの人の倍出すから!」

真姫「はぁ?!何よ後から入ってきたくせに!」

真姫「お金で何とでもなると思わないで!」

「こっちは急いでるのよ!あなたにも行き先までのお金渡すから譲って!お願い!」

真姫「お金なんていらないわよ!」



617 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:39:03.33OyDhnveK0 (10/104)

ダイヤ「ちょ、ちょっと二人とも…」

ダイヤ「…あれ?」

「ん?なに?」

真姫「何?今この人と話し合ってるんだけど!」

ダイヤ(サングラスにセレブっぽい服…しかもおしゃれな帽子…)


ダイヤ(まさかこの人もお嬢様…?!)


ダイヤ(まずいことになりましたわ…二つの派閥のお嬢様が対立してますわ…)

「いいわ、ならこの小原家総勢兼小原鞠莉があなたの相手してあげるわ」

真姫「ふっ小原だか野原だか知らないけどこの私、西木野家に勝てると思う?」

真姫「焼け野原にしてあげるわ!」

鞠莉「小原よ!お・は・ら!」



618 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:40:12.50OyDhnveK0 (11/104)

ダイヤ「小原…?西木野…?」

ダイヤ「………」

ダイヤ「あー!!!?」

真姫「?!」ピクッ

「わっ?!」

ダイヤ「あ、す、すいません…」

ダイヤ(真姫さんって西木野真姫さんでしたか…それに小原って鞠莉さんですわ…)

ダイヤ(帰ってきてたのですか…果南さんには…)


ダイヤ(伝えないほうがいいですわね…)


鞠莉「とにかくいいわね?私が先ってことで」

真姫「は?私そんなこと一言もいってないんだけど?」


619 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:41:56.95OyDhnveK0 (12/104)

鞠莉「あなた私より年上でしょ?ここは可愛い年下の女の子を優先するのが普通でしょ?」

真姫「その逆よ!年上だから私が先、後可愛くないから」

鞠莉「あ?」

真姫「い?」

鞠莉「う?」

鞠莉「って違うから!」

真姫「大体先来たのは私なの、モラルというものがあるでしょ?」

ダイヤ「まり…じゃなくてそ、そこの黄色の髪の方はもうあきらめるしか…流石に順番はありますから…」



620 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:43:21.21OyDhnveK0 (13/104)

鞠莉「むー…あなたどこへ行くのよ」

真姫「十年前」

鞠莉「は?」

真姫「このタクシーは過去に行けるのよ、そんなことも知らないの?」フフッ

ダイヤ(いや真姫さんもさっき知ったばっかじゃ…)

鞠莉「むきー!!!何なのこいつ!!」

鞠莉「いいわ!じゃあその過去とやらに連れていってよ!」

ダイヤ「い、いいですか料金が」

鞠莉「いいわよいくらでも払うから早く!」

ダイヤ「い、いいですか?」

真姫「いいわよ、こいつが邪魔さえしてこなければ」


621 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:44:25.42OyDhnveK0 (14/104)

ダイヤ「では十年前に行きますね」

ダイヤ「出発します」

ブッブー

鞠莉「っ?!」

真姫「にこちゃんのいう通りだ…なにこれ…」

プー!

ダイヤ「到着です、やることをやったらまたここに戻ってきてください」

ダイヤ「現実の方へ返しますので」

鞠莉「ほんとに過去なの?」

ダイヤ「はい、過去です」


622 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:45:29.61OyDhnveK0 (15/104)

ダイヤ「お時間はそうですね…二時間くらいならいいですがそれ以上かかるのであれば追加料金をいただきますわ」

真姫「分かったわ、それじゃあ私はもう行くわね、時間に追われてるなら急がなきゃ」

タッタッタッ

ダイヤ「あなたはどうしますか?ここに来た以上あの方が帰るまでは帰れませんよ」

鞠莉「わ、分かってるわよ…」

鞠莉「…そういえばあなたってそっくりね」

ダイヤ「!?」ピクッ

ダイヤ「な、何がですか?」

鞠莉「昔の友達にほんとそっくりね!」

鞠莉「でもまだ車運転できる歳にはなってないから別人なんだろうけど…」



623 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:46:46.87OyDhnveK0 (16/104)

ダイヤ「ど、どんな方でしたの?」

鞠莉「うーんポンコツだったわねー」

ダイヤ「ぽんこっ…」

鞠莉「でも友達とか人のことになると生真面目な性格に変わるのよね、すごくいい子だったわ」

ダイヤ「そ、そうなんですか…」テレテレ

鞠莉「小学校の頃から友達で高校一年生から急に関係が近くなったんだけどその後色々あって一年もしないうちに海外に留学して離れちゃって…」

鞠莉「だから私はまたここに帰ってきてやり残したことをやりにきたのよ!」

ダイヤ「やり残したこと?」

鞠莉「すくぅあいどぉ!」

ダイヤ「すくぅあいどぉ?スクールアイドル?」

鞠莉「いえす!」



624 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:47:59.27OyDhnveK0 (17/104)

鞠莉「昔もやってたのよ!だからまたやるの!昔のメンバーで!」

ダイヤ「そ、そうなんですか…」

ダイヤ(鞠莉さんはそんなこと考えてるのですか…)

ダイヤ(ですが果南さんは…それにわたくしも…)

ダイヤ「……頑張ってくださいね」

鞠莉「ええ!」

鞠莉「じゃあ私もどこへ行こうかしら、ここでじっとしてるのも面白くないし」

ダイヤ「…わたくしも行ってもよろしいですか?」

鞠莉「え?まぁいいけど…」

ダイヤ「…イヤですか?」

鞠莉「うーんちょっと一人でいたいかも!」


625 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:49:25.12OyDhnveK0 (18/104)

ダイヤ「そ、そうですか…じゃあ私は別行動しますね」

鞠莉「うん!分かったわ!それじゃあまた後で!」

ダイヤ「また後で」

スタスタスタ

ダイヤ「…はぁ」

ダイヤ「スクールアイドル…鞠莉さんも気持ちは同じなのですね…」

ダイヤ「ですが気持ちだけ同じでも…」

ダイヤ(今からではどうにもなりません…なったとしてもどうしろというのですか…)


626 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:50:30.23OyDhnveK0 (19/104)

スタスタスタ

ダイヤ「とりあえず懐かしい感じがしますわ」

ダイヤ(田舎ですから静かですわね…賑やかでも正直困りますが…)

ヒュー!

ダイヤ「潮風が気持ちいいですわ…」

ダイヤ(まぁこの風のせいで錆が加速するんですが…)

ダイヤ「あ、このお店懐かしいですわね!」

ダイヤ「よくルビィと駄菓子買いに行った覚えがありますわ!」

ダイヤ(少し寄っていきましょうか)


627 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:51:59.27OyDhnveK0 (20/104)



ダイヤ「ふぅ懐かしいものだらけで色々買ってしまいましたわ、ヤングドーナツを二つずつ分けて食べようって買うのに結局ルビィが三つ食べてましたわね…」

ガサゴソ

ダイヤ「そしてこれ!ポテトフライの駄菓子!私もルビィも必ず買ってましたわ!」

ダイヤ「うまい棒は定番のチョコよりコーンポタージュ派でしたわ、ルビィはチョコでしたが」

ダイヤ「って…」

ダイヤ(何をわたくしは駄菓子に夢中になってるのでしょうか…)

ダイヤ「…駄菓子はルビィと一緒に食べましょう」



628 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:52:39.29OyDhnveK0 (21/104)



ダイヤ「鞠莉さんのホテルは健在ですわね…」

ダイヤ「そしてよく果南さんと鞠莉さんとわたくしでよくあそこに…ってあれ?」

かなん「すくぅあいどぉ?なにそれ?」

鞠莉「すくぅあいどぉっていうのは高校生になったら出来ることよ!あなたたちは高校生になったら絶対にスクールアイドルをすることよ!」

だいや「あ、あいどる…きいたことあります、歌って踊ることをいう人だと」

かなん「ええー私はー歌うとかより泳ぐのがいいなー」

まり「え、えっと…」

ダイヤ「鞠莉…じゃなくて黄色の髪の方!!」

鞠莉「!」


629 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:54:00.99OyDhnveK0 (22/104)

鞠莉「あ、運転手さん!」

ダイヤ「安易に過去の自分に会ってはいけませんわ!会うだけで未来が変わったりすることもあるんですから!」

鞠莉「え?そうなの?」

ダイヤ「そうです!」

ダイヤ「ご、ごめんなさいお邪魔しましたわ」

ダイヤ「この黄色いお姉さんのことは気にしなくて結構ですので」

鞠莉「えぇ~?!ちゃんとやってよー!すくぅあいどぉ!!」

ズルズルズル

鞠莉「あぁんもう強引!」

だいや「い、いってしまいましたわ…」

かなん「あのおねえさんたちだいやちゃんとまりちゃんに似てたねー」

まり「う、うん…」



630 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:55:21.99OyDhnveK0 (23/104)



ダイヤ「過去の自分に会うならそれ相応の理由をもって会わないと過去がおかしくなってしまいますわ、実際そういう人がいたんですから、その人が存在しなくなってるっていうパラレルワールドに変わった時が」

鞠莉「そ、そんなに危ないの…」

ダイヤ「まぁ最悪って場合ですからそんな簡単にはおきませんが…」

鞠莉「…ん?そういえばどうして過去の私があの中にいるって分かったの?」

ダイヤ「っ?!」ピクッ

ダイヤ「か、髪型とかがそっくりでしたのでこれは、とお、思ったのですわ!」

鞠莉「………」ジーッ

ダイヤ「………」ダラダラ

鞠莉「まぁ確かに私の髪型は特徴的だし一目瞭然か」

ダイヤ「……ほっ」


631 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:56:57.02OyDhnveK0 (24/104)

鞠莉「なにその袋?」

ダイヤ「駄菓子ですわ、懐かしくてつい買ってしまいました」

鞠莉「私にも頂戴!」ガサゴソ

ダイヤ「あ、ちょっと!」

鞠莉「あ!タケノコの里!」

鞠莉「…とキノコの山…?」

鞠莉「えー?運転手さんまさか平和に両方派的な人?」

ダイヤ「いえキノコ派ですわ、るび…妹がタケノコ派なのですよ」

鞠莉「えぇ…キノコはないわ運転手さん!」

ダイヤ「なんですって!?キノコの方が美味しいじゃないですか!」


632 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:57:48.77OyDhnveK0 (25/104)

鞠莉「味は割とどうでもいいのよね」

ダイヤ「え?」

鞠莉「私キノコの上と下のバランスが嫌いなのよね、一口で食べようとするとなんか色々アレなのよ」

ダイヤ「アレ…?」

鞠莉「んー!なんか説明できないやつよ!come on!Inspiration!」

ダイヤ「は、はぁ…?」

ウェーンウェーン

ダイヤ「…なんか子供の泣き声しません?」

鞠莉「確かに…」



633 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 00:59:32.38OyDhnveK0 (26/104)

ダイヤ「こっちからでしょうか…?」

タッタッタッ

真姫「ちょ、ちょっと泣かないで!」

「うぇえええええええええん!」

真姫「あぁーもう!どうすればいいのよ!」

ダイヤ「真姫さん?!何してるのですか?!」

真姫「あぁ運転手さん…小さい時の私を泣かせちゃって…」

鞠莉「ふっそれだから独身なのよ、子供もろくに喜ばせることが出来ないなんて」

真姫「あ?私一言も独身なんていってないんですけど?」



634 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:01:36.78OyDhnveK0 (27/104)

鞠莉「実際独身でしょう?」

真姫「………」

鞠莉「ほーっらやっぱり」クスクス

真姫「うるさいわねぇ!なんならあんたが泣き止ませてみせなさいよ!」

まき「うぇええええええええええええええええ!!!!」

ダイヤ「うきぃ…!超大音量ですわぁ!」

真姫「あなたは私なんだからもっとしっかりしなさいっての…!」

鞠莉「いいじゃない、やってやるわ!」

鞠莉「よーしよしよしいい子いい子」ナデナデ

真姫「うぅ……」シクシク

鞠莉「どうしたの?何かあった?」



635 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:03:32.89OyDhnveK0 (28/104)

まき「あの赤いお姉ちゃんが…怖くて…」

鞠莉「ふっ…」

真姫「!」ピキッ

鞠莉「そっかそっか、怖かったね」

鞠莉「でももう大丈夫!私が来たからね」

鞠莉「あの赤いお姉ちゃんは確かに怖いからねー」

真姫「!!」ピキピキ

鞠莉「将来ああならないようにしなよ?独身とかじゃなくてちゃんとした人をもって」

カチンッ

真姫「黙って聞いてればべらべら私の悪口ばっか…!」

スタスタスタ

グイッ

鞠莉「うわっ?!」



636 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:04:30.08OyDhnveK0 (29/104)

ダイヤ「?!」

ダイヤ(む、胸ぐらを掴んで…)

真姫「あんた喧嘩でも売ってるの?!私はあんたと違って真剣に過去にきて過去の自分と向き合ってるの!」

真姫「それなのに小さい私は泣いちゃうしあんたには散々バカにされるし独身だってばれるし…」ポロポロ

真姫「泣きたいのはこっちよぉ…!」

ポロポロ…

鞠莉「あ、え…」

ダイヤ(独身のことめちゃくちゃ気にしてたみたいですわ…)



637 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:06:01.08OyDhnveK0 (30/104)

まき「う、うぅ…うわああああああああああん!」

鞠莉「え、ちょっあなたまで泣いてどうするのよ!」

真姫「泣かせたのはあんたでしょお…!」

まき「いみわかんなぁあああああい…!」

ダイヤ「はぁ…」

ダイヤ(いみわかんないのはこっちですわよ…)

ガサゴソ

ダイヤ「食べますか?おいしいですよ」

まき「うぅ…うぅん…?」

ダイヤ「タケノコの里とキノコの山どっちがいいですか?」

まき「たけのこ…」

ダイヤ「そうですか、ではどうぞ♪」


638 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:07:03.65OyDhnveK0 (31/104)

鞠莉「wow…泣き止ますのはやっ…」

真姫「私にもちょうだい…」

鞠莉「私も!」

ダイヤ「あまり食べちゃダメですわよ?」

真姫「…もう帰りましょう……」パクパク

鞠莉「え?いいの?」パクパク

真姫「もう諦めたわ…」

ダイヤ「い、いいんですか?」

真姫「ええ、もういいわ…」


639 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:08:36.51OyDhnveK0 (32/104)

ダイヤ「で、では…」

まき「おいしい!」パクパク

ダイヤ「そ、そうですかそれはよかったです♪」

真姫「私…じゃなくてまき」

まき「ん?」

真姫「この先迷ったらあなたのやりたいと思った方を選びなさい、それがあなたにとって一番楽しい選択だから」

まき「うん?」

真姫「…寂しくなったら私を思い出してよね!」


まき「うん!」ニコー


真姫「!!!」ポロッ

真姫「い、行きましょ!」ダッ

ダイヤ「え、ええ」

鞠莉「う、うん」


640 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:10:35.59OyDhnveK0 (33/104)



ダイヤ「では戻りますね」

真姫「ええ」

鞠莉「了解よ!」

ブッブー

鞠莉「はぁ疲れた…それにしてもとっても楽しかったわ、また来たい気分ね!」

ダイヤ「私が運転してる時ならいつでもいいですわよ」

鞠莉「ほんと?!また来るわね!」

真姫「はぁ…」

ダイヤ「…真姫さんは子供の時の真姫さんに何をしようとしてたのですか?」

真姫「音楽の素晴らしさを教えようかと…」

ダイヤ「音楽の素晴らしさ?」


641 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:11:49.79OyDhnveK0 (34/104)

真姫「私、音楽が無かったら人生7割くらいは損してたの、だから絶対に気付かせてやるんだって思ったんだけど…」

鞠莉「泣かせちゃったと」

真姫「………」シュン

鞠莉「まぁいいじゃない!これからよこれから!」

真姫「誰も結婚の話なんてしてないわよ!!」

真姫「だから色々道具だって…」

真姫「…ってあれ?」

ダイヤ「どうかしました?」

真姫「はぁ~…ポータブルピアノ過去に置いて来ちゃった…」

ダイヤ「す、すいません…いまから戻るのはちょっと…」

真姫「いいわよ別に、まだ新しいし誰かに使ってもらえると嬉しいわ」

鞠莉「あら意外と優しい」

真姫「何よ…このくらい普通でしょ」フンッ

ダイヤ「ふふふっ…」


642 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:12:50.58OyDhnveK0 (35/104)

~過去

まきママ「あら?そのピアノどうしたの?」

まき「赤いお姉ちゃんがくれたの!」

まきママ「赤いお姉ちゃん?」

まき「うん!これね!ここ押すと音がでるんだ!」

まき「これってどう使うの?教えて!」



643 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:13:34.75OyDhnveK0 (36/104)



ダイヤ「到着です、と、いっても真姫さんの行き先は過去でしたので具体的にはどこにも到着してませんが」

真姫「そう、じゃあ私はここで降りるわ」

ダイヤ「どこかへ行く予定があるようでしたら送りますが?」

真姫「…そんなに商売大事?」

ダイヤ「え?あ、いやそういうわけでは…」

真姫「ふふっ知ってるわよ」

真姫「別に送らなくていいわ、ここに用があったのはそれだけじゃないし」

真姫「それじゃあね」

スタスタスタ


644 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:14:42.99OyDhnveK0 (37/104)

ダイヤ「まり…じゃなくてあなたはどうしますか?」

鞠莉「うーん最初は送ってもらおうって思ってたけど過去にいって気分変わっちゃった!私もここで降りるわ!」

ダイヤ「分かりました」

鞠莉「素敵な旅をありがとう!絶対にまた来るわ!」

タッタッタッ

ダイヤ「またのご利用お待ちしております」



645 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:16:36.14OyDhnveK0 (38/104)

ダイヤ「ふぅ……疲れましたわ…」

ダイヤ「まさか鞠莉さんが帰ってきてるとは…」

ダイヤ「それに真姫さんまでここに来てるとは…」

鞠莉『だから私はまたここに帰ってきてやり残したことをやりにきたのよ!』

ダイヤ「鞠莉さん、あなたは……」

ダイヤ(この世界で自らの手でスクールアイドルを…わたくしたちの過去を取り戻せるのですか…?)



646 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:18:03.54OyDhnveK0 (39/104)

~約二週間後

「浦の星女学院のスクールアイドルすごかったね!」

「うん!歌もよかった!」

ダイヤ「………」

ダイヤ(あの後幾度となく断固拒否したはずなのに…)

ダイヤ(何故かあの方たちは輝きたいと頑張りたいと何かしたいと訴え続けて体育館を人で埋めるほどの注目を集めてしまいましたわ…)

ダイヤ(メンバーは現在で三人、新学期で盛り上がってたあの二人と……)

ダイヤ「…絵里さんたちのところへ行きましょう」


647 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:19:20.20OyDhnveK0 (40/104)



カランカラン

希「おーダイヤちゃんいらっしゃーい」

絵里「いらっしゃいってあれ?何か嫌な事でもあった?」

ダイヤ「え?」

絵里「すごい機嫌悪そうな顔してるけど…」

ダイヤ「え、そんなに顔に出てますの?」

希「めっちゃ出てるでー」

ダイヤ「そ、そうなのですか…」

希「なんかあったんー?」

ダイヤ「い、いえ…大したことでは…」


648 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:21:01.91OyDhnveK0 (41/104)

カランカラン

希「梨子ちゃんいらっしゃーい」

梨子「お邪魔しま…あ、ダイヤさん…」

ダイヤ「梨子さん…」

ダイヤ(そう…三人のうちの一人はこの梨子さんであること…)

ダイヤ「わたくしは絶対にスクールアイドルという活動を認めませんわ、もう人気が出てしまったことには仕方がありません」

ダイヤ「ですがあなたたちの活動は絶対に認められませんわ、浦の星女学院非公認です」



649 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:22:10.95OyDhnveK0 (42/104)

ダイヤ「すいません、絵里さん希さんもう出ますわね」

希「う、うん…」

絵里「い、いってらっしゃい…」

ダイヤ「では」

カランカラン

梨子「………」

希「何かあったん?」

梨子「実は……」


650 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:23:16.02OyDhnveK0 (43/104)



ブッブー

ダイヤ「はぁ…躓いてほしくはありませんが…人気が出てしまっても困りますわね…」

ダイヤ「これじゃあマイナスにブーストをかけるどころじゃなくて続けることに勢いがかかってしまってますわ…」

ダイヤ「鞠莉さんはあの三人を試したようですが結果的にはあの三人の背中を押す形となってしまったようですし…」

鞠莉『あの三人のグループ名、Aqoursっていうんだって』

鞠莉『私はあの三人を応援したいかも!』

ダイヤ「鞠莉さんは…」

ダイヤ(これからどうするおつもりなのですか…?)



651 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:24:19.69OyDhnveK0 (44/104)

ダイヤ「!」

プー!

「すいません!十千万までお願いします!」

ダイヤ「あ、あなたは…」

「ん?」

ダイヤ(確かにAqoursの方でしたね…えっと…)

『曜ちゃーん!』

ダイヤ(曜…さんでしたっけ)

ダイヤ「…あ、どちらへおいきでしたっけ」

曜「十千万までお願いします!」

ダイヤ「わ、分かりました」


652 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:25:59.31OyDhnveK0 (45/104)

ダイヤ「ちなみにこのタクシーは過去にも行けますが過去に行く予定はありませんか?」

曜「か、過去?」

ダイヤ「過去に戻ってやり残したことをやるために行ったりします、お客様はやり残したことありませんか?」

曜「やり残したことかー…」

曜「数えきれないほどあるけど、過去に行くのはいいかなー!」

ダイヤ「…失礼ながら理由をお聞きしてもよろしいですか?」

曜「うん!今はやり残したことよりやり始めたことをやりたい気分かな、最近やっと勢いにのれてきたし!」

曜「今過去に行ってその過去に滞在してたら今やってることがパーになってそれこそそれ自体がやり残したことになっちゃうよ」

ダイヤ(そうか…曜さんは過去に行ったきりだと思ってるのですか…)

ダイヤ(…でも羨ましいですわ)



653 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:27:03.19OyDhnveK0 (46/104)

ダイヤ「そ、そうですか、頑張ってくださいね」

曜「ありがとうございます!」

ダイヤ「では、出発します」

ブッブー

曜「そういえば運転手さんって私の学校の生徒会長にそっくりですね」

ダイヤ「?!」ピクッ

曜「ん?どうしましたか?」

ダイヤ「い、いえ…それでその方ってどんな方でしたの?」

曜「んー運転手さんそのまんまですよ、口調とか髪型とか」

曜「…でもまだ運転出来る歳ではないと思うんですよね」

ダイヤ「そ、そうなんですか…」


654 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:29:32.81OyDhnveK0 (47/104)

曜「私、スクールアイドルっていうのをしてるんですけど始めた時からものすごく反対されてて…」

曜「口調がどこかお嬢様っぽくてアイドルのことを下品とかそういう目で見てるのかなって思ってたけどやたらスクールアイドルに詳しくてなんか理由があるんだなーって」

曜「もしそうだとしたら是非私を頼ってほしいなって思いますね」

ダイヤ「…訳アリな感じと?」

曜「そうです!」

ダイヤ「そうですか…」

ダイヤ(あなたは…いえ曜さんは優しいのですね…)

ダイヤ「あ、すいません手を挙げてる方がいるので一度止まりますね」

曜「了解です」


655 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:30:41.16OyDhnveK0 (48/104)

プー!

「す、すいません…あ、もう人が乗ってたんですか…」

「じゃ、じゃあ別のタクシーに乗りますね…」

曜「そんなこと言わないで一緒に乗りましょうよ!ここの運転手さん色々お話してくれますよ!」

「で、でも…」

曜「運転手さんはいいよね?」

ダイヤ「わ、わたくしはお客様がいいのであれば…」

「じゃ、じゃあ…」

曜「それじゃあ全速前進ヨーソロー!」


656 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:32:07.00OyDhnveK0 (49/104)

ダイヤ「ちなみにメガネをかけたお客様はどちらへ?」

「あ、えっととりあえずは乗ってるだけでいいですか…?行き先は後で言うので…」

ダイヤ「わ、分かりましたわ」

ダイヤ「では出発します」

ブッブー

「そういえばどんなお話をしてたんですか?」

曜「スクールアイドルです!」

「スクールアイドルやってるんですか?」

曜「はい!最近やっと流れに乗れて…」

「そうなんですか、頑張ってくださいね!」

曜「はい!」


657 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:33:46.15OyDhnveK0 (50/104)

ダイヤ「…そういえばお二人ともよく似てますね」

「え?そうかな…?」

曜「んー?確かに似てるかも?」

ダイヤ「ええ髪型と顔がとても似てます、姉妹って言っても案外ばれないかもしれませんよ」フフッ

「そんなかなぁ…?」

曜「お姉さんお名前はなんていうんですか?」

花陽「小泉花陽と言います、よろしくね!」

ダイヤ「えっ…」

曜「うん!私は渡辺曜!よろしくお願いします!」

ダイヤ(小泉花陽…?真姫さんに続いて花陽さんもここに用が…?)


658 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:35:10.33OyDhnveK0 (51/104)

曜「そういえば花陽さんってどっか聞いたことあるような…」

花陽「うーん…なんだろうね?多分気のせいじゃないかな?」

曜「…それもそっか!」

ダイヤ「あ、花陽さん」

花陽「あ、はいなんですか?」

ダイヤ「このタクシーは過去に向かうことも出来ますがいかがなされますか?」

ダイヤ「やり残したことなどとかありませんか?」

花陽「…過去は遠慮しておきます」



659 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:36:41.16OyDhnveK0 (52/104)

ダイヤ「理由をお聞きしてもよろしいですか?」

花陽「早い話、今を楽しく生きるのが一番なんですよ」

曜「?」

花陽「私はやり残したこと、たっくさんあるけど過去は過去のままでいいんだと思いますよ」

花陽「失敗は成功の元っていうじゃないですか」

曜「なるほど…そう聞くと確かにそれでもいいかも…」

ダイヤ「そう…ですか…」

ダイヤ(なら…花陽さんは少ない時間で過去を取り戻せるのですか…?)

ダイヤ「………」グッ


660 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:38:23.71OyDhnveK0 (53/104)

~十分後

曜「でねー千歌ちゃんがさー」

花陽「ふふふっその千歌ちゃんって子、私の先輩にも似たような人がいたなー」

曜「そうなんですか?」

花陽「うん!どこかおっちょこちょいで頼りないところもあったけどいざちゃんとした時は誰よりも頑張って一寸先も見えない闇を一緒に歩いてくれる、誰よりも強くて誰よりも頼りある人になってくれる、そんな人だったな」

花陽「千歌ちゃんって子もきっとそんな子じゃないかな」

曜「うーん…分からないや…」



661 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:40:00.17OyDhnveK0 (54/104)

プー…

ダイヤ「十千万到着です」

曜「あ、分かりました!」

曜「えっと、お金と…」

曜「運転手さんも花陽さんも話し相手になってくれてありがとうございました!」

花陽「いえいえ…」

ダイヤ「またお話出来るのを待ってますわ」

曜「はい!それでは!」

タッタッタッ

ダイヤ「…いってしまいましたね」

花陽「すごく明るい子でしたね」


662 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:41:08.19OyDhnveK0 (55/104)

ダイヤ「それで行き先の方は…」

花陽「…希ちゃんのバーまでいいですか?」

ダイヤ「…その話はどこからお聞きに?」

花陽「希ちゃんからです…希ちゃんのバーに行くにはここの地域の顔の右下にほくろがついてる人が運転してるタクシーに言うと連れてってくれる、と聞いて…」

ダイヤ「なるほど…分かりました、では出発します」

ダイヤ(ほくろで判別ですか…なんか複雑ですわ…)

ブッブー

ダイヤ「到着です」

プー!

花陽「早い…」


663 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:42:50.01OyDhnveK0 (56/104)

ダイヤ「どうぞ、ここが希さんのバーです」

カランカラン

希「いらっしゃ…あ、花陽ちゃん!」

花陽「希ちゃん!久しぶりだね!」

希「おひさ~」

絵里「花陽?!花陽が来てるの?!」

花陽「あ、絵里ちゃんも!」

絵里「はなよぉ~!久しぶりね~!」

梨子「お知り合いですか?」

希「そうやね!」

ダイヤ「では私は失礼します」

希「仕事終わったら絶対にくるんよー!」

絵里「そうよー!花陽がいるんだからね!」

ダイヤ「わ、分かりましたわ…」


664 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:44:42.38OyDhnveK0 (57/104)

カランカラン

ダイヤ「………」

花陽『私はやり残したこと、たっくさんあるけど過去は過去のままでいいんだと思いますよ』

ダイヤ「わたくしは……」

ダイヤ(ここで過去に戻らなかったら、きっと未来で過去に戻っとけばよかったと後悔しそうなんです…)

曜『うん!今はやり残したことよりやり始めたことをやりたい気分かな、最近やっと勢いにのれてきたし!』

ダイヤ「あの子たちは…今も…」

ダイヤ「…!」フルフル

ダイヤ「仕事に集中しましょう!」

スタスタスタ

ブッブー


665 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:46:32.08OyDhnveK0 (58/104)

~数週間後

ザワザワザワザワ

鞠莉「果南!やり直しましょう!!」

果南「いやよ」

鞠莉「これ!覚えてる?」

果南「………」

鞠莉「あの時の衣装!これを着てまたやりましょう!」

果南「やだ」

鞠莉「私、果南がやるっていうまであきらめないからね」ニッ



666 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:48:37.25OyDhnveK0 (59/104)

果南「………」

鞠莉「果南!」

果南「………」キッ

スタスタスタ

グイッ

鞠莉「ちょっ…」

果南「こんな衣装…!」

ポイッ

鞠莉「果南!」

果南「な、なに…?こっちこないで!」

ギューッ

鞠莉「果南がスクールアイドルやるっていうまで絶対に離さないから!」


667 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:49:33.59OyDhnveK0 (60/104)

果南「離して!離せって言ってるの!」

鞠莉「良いと言うまで離さないっ!」

鞠莉「強情も大概にしておきなさい!たった一度失敗したくらいでいつまでもネガティブに」

果南「うるさいっ!いつまでもはどっち?!もう二年前の話だよ?!」


果南「大体今更スクールアイドルなんて!」


果南「私たち、もう三年生なんだよ?」

ダイヤ「二人とも!おやめさない!みんな見てますわよ!」

ダイヤ(あれからかなり経ちました)

ダイヤ(鞠莉さんは果南さんが復学したのを知って超強引にスクールアイドルをやり直そうとしてます)



668 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:51:27.13OyDhnveK0 (61/104)

果南『大体今更スクールアイドルなんて!』

ダイヤ(私の気持ちは果南さんと全く同じ)

ダイヤ(…やはり無理なのでしょう、今からじゃ遅いんですわ)

ダイヤ(だから私は…過去に戻って鞠莉さんの言う失敗を消して成功した未来を作ろうとした)

ダイヤ(ですがまだ絵里さんの免許が返ってきてないのでいけません…)

ダイヤ(梨子さんがいる今のAqoursは私の妹のルビィやこの前タクシーに乗ってくれた善子さんとその友達が入ったみたいで現在は六人だそうですわ)

ルビィ『お姉ちゃん…私スクールアイドルやりたい!』

ダイヤ(妹が入ってる以上はスクールアイドルを認めなきゃなりませんわ、しかし認めるだけでそれ以上はありません)

ダイヤ(絵里さんを待つ私の立場上私は鞠莉さんと果南さんのギクシャクした関係も現Aqoursもただ見てるだけの人なのですわ)


669 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:52:40.46OyDhnveK0 (62/104)

鞠莉「ダイヤもそう思うでしょ!」

ダイヤ「いい加減やめなさい!いくら粘っても果南さんは再びスクールアイドルなんて始めることはありませんわ!」

鞠莉「どうして!あの時の失敗はそんなに引きずること?!」

鞠莉「ちかっち達だって再スタートをきろうとしてるのになんでっ?!」

「………」

果南「千歌とは違うの!」

「……!」

果南「鞠莉には他にやるべきことがたくさんあるでしょ!」


670 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:53:21.13OyDhnveK0 (63/104)

曜「千歌ちゃん!」

ダイヤ「!」

鞠莉「!」

果南「千歌…?」

千歌「いい加減にぃ……」

千歌「しろおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

シーン……

千歌「もー!なんかよくわからない話をいつまでもずーっとずーっと!ずううううっと!!!」

千歌「隠してないでちゃんと話しなさい!」

果南「千歌には関係な」

千歌「あるよっ!!!」



671 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:54:21.88OyDhnveK0 (64/104)

ダイヤ「いや…ですが…」

千歌「ダイヤさんも鞠莉さんも放課後、部室に来てください」

果南「いや…でも…」


千歌「いいですねっ?」


「…はい」



672 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:55:52.74OyDhnveK0 (65/104)

~部室

果南「だから、東京のイベントで歌えなくって」

千歌「その話はダイヤさんから聞いた」

果南「!」ジロッ

ダイヤ「!」プイッ

千歌「けど、それで諦めるような果南ちゃんじゃないでしょ」

鞠莉「そうそう!ちかっちの言う通りよ!だから何度もいってるのに」

千歌「何か事情があるんだよね?」

果南「………」

千歌「…ね?」


673 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 01:57:31.01OyDhnveK0 (66/104)

果南「…そんなものないよ、さっき言った通り私が歌えなかっただけ」

ダイヤ「………」

千歌「うああぁ!イライラするー!!」

鞠莉「その気持ちよぉ~くわかるよ!」

鞠莉「ほっんと腹立つよね!こいつ!!!」

ダイヤ(私と果南さんは目的こそ違うものの考えは全く同じ)

ダイヤ(今更スクールアイドルなんて…私たちは三年生…)

ダイヤ(だから利害の一致で私たちは黙秘を続けるんです)

ダイヤ(それに今からスクールアイドルがやれても困るんですの)

果南「とにかく私はスクールアイドルを…」


果南「絶対にやらない!」


スタスタスタ


674 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:00:15.97OyDhnveK0 (67/104)

梨子「まったく……」

梨子「ダイヤさん」

ダイヤ「!」ピクッ

梨子「何かしってますよね?」ジロッ

ダイヤ「えぇ?わたくしは何も…」

梨子「じゃあどうしてダイヤさんは果南さんの肩をもったのですか?」

ダイヤ「そ、それは…」ダラダラ

ダイヤ「っ!」ダッ

千歌「善子ちゃん!」

善子「任せて!」

「いぎゃああああああ!!!」


675 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:03:00.76OyDhnveK0 (68/104)

~黒澤家

ダイヤ「ん、んん…」

「わざとー?!」

ダイヤ「そう、東京のイベントで果南さんは歌えなかったんじゃない」

ダイヤ「わざと歌わなかったのですの」

鞠莉「…どうして?」

善子「まさか闇のまじゅ」

花丸「善子ちゃん!」スッ

善子「うわっ?!」

ドサッ

ダイヤ「あなたのためですわ」

ダイヤ(あの後すぐに捕まった私はしぶしぶ話をしましたわ、肩を持つ理由は違うものの梨子さんたちが求めてる理由は私が口から出す理由は同じです)


676 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:04:02.26OyDhnveK0 (69/104)

鞠莉「私の…?」

ダイヤ「覚えていませんか?あの日、鞠莉さんは怪我をしていたでしょう」

ダイヤ(そう、あの日というのが私がタクシーで過去に戻るつもりの日でした)

ダイヤ(怪我を無くすのは不可能だと思いましたわ、だって必死に練習をした末でのこと、不可抗力とでもいいますでしょうか)

ダイヤ(だからまずダメでもなんでも最初に説得しようかと考えましたわ)

鞠莉「そんな…私は…そんなことしてほしいなんて一言も…」

ダイヤ「あのまま進めていたらどうなってたと思うんですの?怪我だけでなく事故まで起こってもおかしくありませんでしたわ」

鞠莉「でも…」

ダイヤ(でも絵里さんの免許が剥奪されて私があのタクシーの運転手になり色んな人を過去に送って現実に返してるうちに考えは変わりましたわ)

ダイヤ(説得という甘い方法じゃ無理、そういう結論にいたりました)



677 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:05:51.68OyDhnveK0 (70/104)

ダイヤ「心配してたのですわ、あなた留学や転校の話があるたびに全部断っていたのでしょう」

鞠莉「そんなの当たり前でしょ!!!」

ダイヤ(そう、仮にあそこが成功したとしても次が無かったのでした)

ダイヤ(だから怪我を無くすとか説得がとかいう前に鞠莉さんの回りの環境を変えなければいけませんでした)

ダイヤ(もし成功してたら果南さんも私も喜んでスクールアイドルを続けてたかもしれない、けどそんなのはただの結果論)

ダイヤ(次第にどうすればいいのか分からなく“とりあえず”過去に戻るということだけを考えて過ごしましたわ)

ダイヤ「果南さんは思っていたのですわ、このままでは自分たちのせいで鞠莉さんの未来の色んな可能性が奪われてしまうのではないかって」

鞠莉「まさか…それで…!」

鞠莉「…っ!」ダッ

ダイヤ「どこにいくんですの!」


678 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:06:59.05OyDhnveK0 (71/104)

鞠莉「ぶん殴る…!そんなこと…一言も相談せずに…!」

ダイヤ「おやめなさい、果南さんはあなたのことずっと見てきたのですよ」

ダイヤ「あなたの立場も、あなたの気持ちも、そして…」

ダイヤ「あなたの将来も」

ダイヤ(鞠莉さんは暴風雨の外を駆け出しました)

ダイヤ(ここまで話せば私は蚊帳の外です)

ダイヤ(後は…果南さんと鞠莉さんだけの世界です…)

ダイヤ(私は…私の世界でやるべきことがあるのですから)



679 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:08:28.15OyDhnveK0 (72/104)



果南「ハグ、しよ?」

鞠莉「果南…!うわあああああああん!」

ギューッ!

ダイヤ「………」

スタスタスタ

ダイヤ(果南さんと鞠莉さんは仲直りをしてました)

ダイヤ(私はそれを笑顔で、そして無言で確認して外の世界への一歩を踏み出しました)

千歌「うふふっ!」

ダイヤ「!」



680 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:09:15.17OyDhnveK0 (73/104)

千歌「ダイヤさんってほんとに二人が好きなんですね!」

ダイヤ「それよりこれから二人を頼みましたわよ」

ダイヤ「ああ見えても二人とも繊細ですから」


千歌「じゃあダイヤさんもいてくれないと!」


ダイヤ「え?!わたくしは生徒会長ですわよ、とてもそんな時間は…」

千歌「それならだいじょぶです!鞠莉さんと果南ちゃんと…あと…六人もいるので!」

ダイヤ「……!」


681 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:11:21.15OyDhnveK0 (74/104)

~浜辺

ダイヤ「…はぁ」

絵里「どうしたの?冥い海なんて見て」

ダイヤ「え、絵里さん?!ど、どうしてここに…」

絵里「ダイヤが住んでるところに来てみよかなーって」

ダイヤ「そ、そうですか…」

絵里「ねぇ迷ってるんでしょ、あそこまで言われて」

ダイヤ「なっ…聞いてたのですか?」

絵里「ううん私はその場にはいなかったわ、希のスピリチュアルパワーを借りたの」

ダイヤ「え、えぇ…?」


682 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:12:51.31OyDhnveK0 (75/104)

絵里「私はいいと思うけど」

絵里「スクールアイドル始めるの…いや」


絵里「やり直す、かな?」


ダイヤ「………」

絵里「なんでまだ躊躇ってるの?ダイヤが昔やってたスクールアイドルのメンバーだってAqoursに入ったんでしょ?」

ダイヤ「ど、どうしてグループ名を…」

絵里「梨子から聞いたのよ」

ダイヤ「そ、そうなんですか…」


683 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:14:23.25OyDhnveK0 (76/104)

絵里「私は躊躇う理由が見当たらないんだけど」

ダイヤ「…まだ今更、という気持ちを振り切れないんです」

ダイヤ「それにわたくしがやろうとしたのはこれからのことではなく過去の事、これから頑張り今を変えるのではなくて過去を変えて相対的に今を変えたかったのです」

ダイヤ「今更スクールアイドルなんて…」

絵里「私はそうは思わないわよ?」

ダイヤ「え?」

絵里「だってそれって結局五年後十年後になってやっとけばよかったって後悔するんでしょ?」

絵里「そしたらこのタクシー使うの?そんなのただ損じゃない」

絵里「趣味とか事々っていうのはいつやっても遅くないって私は思うわよ?まだ間に合うとかじゃなくていつでも間に合うんじゃないかしら」


684 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:15:35.38OyDhnveK0 (77/104)

絵里「そう気付けなかった人のためにあのタクシーがあるんだからね?ダイヤは気付けたんだから」


絵里「答えは簡単よね?」


ダイヤ「…!」

絵里「それとねもう一つ言わなきゃならないことがあるの」

ダイヤ「なんですの…?」

絵里「なんと!私の免許が返ってきたわ!」

ダイヤ「おお!おめでとうございます!」

絵里「でね、返ってきて最初に乗せるお客さんはダイヤがいいの」

ダイヤ「わたくし…?」

絵里「今からちょっと乗ってくれない?」

ダイヤ「わ、分かりましたわ…」


685 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:16:56.35OyDhnveK0 (78/104)



ダイヤ「行き先はどちらへ…?」

絵里「まぁ見ててって」

絵里「出発しますね」

ダイヤ「分かりました」

ブッブー

絵里「到着です」

プー!

ダイヤ「ここは…東京?!」

ダイヤ「…なんとなく見覚えがありますわ」

ダイヤ「二年前のあの日…あの日に見た景色とまったく同じ…」

絵里「そう、ダイヤたちの運命を変えたあの日よ」

ダイヤ「!」



686 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:18:13.11OyDhnveK0 (79/104)

ダイヤ「ど、どうしてこんなところに!」

絵里「いいからついてきて」

ギュッ

ダイヤ「ま、待ってください!」

スタスタスタ

ダイヤ(会場…お客さんがいっぱい…)

絵里「そろそろかしら」

ダイヤ「…!まさか…!」


687 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:19:37.75OyDhnveK0 (80/104)

絵里「あ、きたわよ」

ダイヤ「あれは…二年前の…」


ダイヤ「私たち…!」


ダイヤ「どうしてここに!!」

絵里「いいから見てなさいって」

ダイヤ「いや、でも!!」

絵里「いいから!!!」

ダイヤ「!」ピクッ

ダイヤ「わ、分かりました…」


688 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:21:08.86OyDhnveK0 (81/104)

~~~~♪

ダイヤ「あ、あれ…?」

絵里「………」

「いつもそばにいても♪伝えきれない想いで♪」

「こころ~迷子になる~♪」

ダイヤ「どうして…?!あの時は歌えずに終わったはずなのに…!」

絵里「ダイヤ、別に過去なんて無理して変える必要なんてないの、現実が動けば過去も動く」

絵里「現実が動いて過去も動くのと、過去が動いて現実も動くのじゃ意味が全然違うの」

絵里「あれが答えよ、ダイヤが動かそうした過去とAqoursのみんなが動かした現実(いま)の答え」



689 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:21:53.95OyDhnveK0 (82/104)

「言葉だけじゃ足りない♪そう言葉すら足りない~♪」

「故に~すれ違って~♪」

ダイヤ「………」ポロッ

ダイヤ「!」フキフキ

ダイヤ「絵里さんはこれを見せに…?」

絵里「当たり前でしょ、ダイヤ達いい笑顔で踊ってるわね」


690 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:22:56.77OyDhnveK0 (83/104)

「わかってほしいと願う♪気持ちが止まらなくて~♪」

「きっと傷つけたね~♪」

絵里「これがあなたの望んだ過去でしょ?」

ダイヤ「…はい」

絵里「…案外過去って簡単に変わるモノよ」

絵里「それはあくまでいい意味でね」

絵里「悩んだらとりあえずやってみる、とっても大事なことだと思うの」

絵里「…まぁ今のは私の後輩の受け売りなんだけどね」


691 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:24:09.62OyDhnveK0 (84/104)

「どんな未来かは~♪誰もまだ知らない~♪」

「でも楽しくなるはずだよ~♪」

ダイヤ「………」

ポロポロ

ダイヤ「ありがとうございます…!絵里さん…!!」

絵里「いいのよ、これくらい」

絵里「これから頑張ってね?」

ダイヤ「…はい!」

絵里「Aqoursのみんなと」



「みんなとなら~♪無理したくなる♪」

「成長したいな~♪まだまだ~♪」



「未熟DREAMER~♪」





692 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:24:44.80OyDhnveK0 (85/104)



絵里「良いステージだったわね」

ダイヤ「…はい」

絵里「ところで投票は誰にいれたの?」

ダイヤ「わたくしですか?」

絵里「ええダイヤしかいないでしょ」

ダイヤ「わたくしは…どこにも入れてませんわ」

絵里「ええー面白くないわね」


693 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:25:48.88OyDhnveK0 (86/104)

ダイヤ「そういう絵里さんは誰にいれたんですか?」

絵里「私?んーっとね」


絵里「秘密♪」


ダイヤ「ええ…」

絵里「ほらっ!早く現実に帰りましょう!」

ダイヤ「きゅ、急に走らないでください!」

タッタッタッ

絵里「よーし!現実に出発します!」

ダイヤ「了解ですわ」


694 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:27:17.18OyDhnveK0 (87/104)

ブッブー!!

ダイヤ「っ?!ちょ、ちょっと絵里さん?!」

絵里「え?何かしら?」

ダイヤ「スピード速すぎません?」

絵里「え?ってあー!やばっ…!」

ダイヤ「え?ちょ、早くブレーキを!」

ピー!!!

絵里「あっ…」

ダイヤ「あっ…」


695 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:27:55.59OyDhnveK0 (88/104)



希「えりち…ウチえりちのこと嫌いになってもいい?」

絵里「返す言葉もない所存です…」

梨子「あははは……」

ダイヤ「………」アハハ

希「またスピード違反で免許取られるポンコツがどこにおるん?!」

バンッ!

絵里「ひぃい!!すいません!!!」

ダイヤ「ま、まぁ希さん落ち着きましょうよ絵里さんもわざとではなかったですし…」


696 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:29:42.27OyDhnveK0 (89/104)

希「あれだけスピード違反しないために再勉強したのに…昔のえりちのえの字もないわ…」

絵里「仰る通りでございます…」

ダイヤ「はぁ……」

希「それでなんだけど…」

絵里「………」

希「えりちの免許が返ってきたらダイヤちゃんの免許は返却という話だったんだけどまたえりちが剥奪されたことによって…」

ダイヤ「…!」

希「ダイヤちゃんはタクシー運転手、引き続きえりちの免許を引き継ぐ形になるで」ニッコリ

ダイヤ「はぁああ…そうでしたわ…!」


697 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:31:18.60OyDhnveK0 (90/104)

希「まぁこれからもよろしくな!」

ダイヤ「ええよろしくお願いします!」

絵里「うわーん!ごめんなさいだいやぁああ!!」

梨子「ふっふふふふ…」クスクス

希「ふふふはっはははは!」

ダイヤ「…ふふふ」


698 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:32:12.31OyDhnveK0 (91/104)

~東京イベント後

ダイヤ「イベントの投票結果が発表されましたわ!」

鞠莉「ほんと?!」

果南「見せて見せて!」

ダイヤ「結果は……」



699 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:33:13.02OyDhnveK0 (92/104)



Aqours 1




700 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:34:10.69OyDhnveK0 (93/104)

ダイヤ「いち……」

果南「うーん……」

鞠莉「いいじゃない!」

果南「!」

ダイヤ「!」

鞠莉「一人、私たちに投票してくれた人がいたのよ!」

鞠莉「それだけで充分だと私は思う!」

果南「…うん!そうだね!」

ダイヤ「ええ!その通りですわ!」



701 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:37:04.92OyDhnveK0 (94/104)

ダイヤ(私の過去と未来を変えた物語)

ダイヤ(そして…)



ダイヤ(これは私たち“Aqours”の0が1になった物語)



鞠莉「よーし!これからも頑張るよー!」



「Aqours!サンシャイン!!!」



END


702 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:38:19.99OyDhnveK0 (95/104)

~~~

「無謀な夢から始まって~♪奇跡のようにすべてが繋がって~♪」

理事長「今やらなくちゃ過去に後悔する、当たり前のようで全然知られてません」

理事長「やりたいことはいくつになっても遅くないんです、今やれば何年後には形になってます」

理事長「失敗したから後悔するのは間違ってます、それは経験として扱いましょう」

理事長「それに、やらない後悔よりやる後悔の方がいいと思いません?」

「あたらしい~夢が生まれてくると~♪僕たちは知ってるよ~♪」

理事長「そして時代は引き継がれていきます、旧時代から新たなる新時代へと変わってゆきます」


703 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:39:25.32OyDhnveK0 (96/104)

「君のこころは輝いてるかい?」

理事長「彼女たちが新時代の主役なようです」

理事長「しかしまだ始まったばかりです、これからの活躍に…」

鞠莉「期待しててくださーい!」

理事長「?!?!?」

鞠莉「旧時代の理事長さんはbackback!」

鞠莉「はぁ~い!私新時代の理事長!よろしくね♪」

理事長「いやなんですか!これは私の仕事ですよ!」

鞠莉「それを私が引き継ぐってことで♪」

理事長「それは引き継がなくていいわあああ!!!」


704 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:41:11.72OyDhnveK0 (97/104)

~~~~~

理事長「さて九つのストーリー、いかがでしたでしょうか?」


千歌「私の名前は高海千歌!」
穂乃果「私の名前は高坂穂乃果!」


理事長「二人の彼女の物語はまだまだ終わりません」」

穂乃果「後はよろしくね!」

千歌「うん!任されたよ!」

ギュッ

理事長「…ふふ、こうして彼女たちの物語は引き継がれていきます」


705 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:41:46.48OyDhnveK0 (98/104)




千歌「さて…私の片方の手を埋める人は…」



理事長「時は過ぎ、また来ることでしょう」


理事長「三代目の主役…まだ誰だかわかりませんがきっと引き継がれていくでしょう」


理事長「その時にまた…お会い出来ればな、と思います」



706 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:43:04.87OyDhnveK0 (99/104)

ことり「お母さん、はいプレゼント♪」

理事長「あら、ありがとうことり!」

理事長「でも急にどうして?」

ことり「お母さん♪今日はクリスマスだよ?」

理事長「そうね~サンタさんから何もらったの?」

理事長「ってわざわざリア充見に行く日を二回もしなくていいわよ!」

ことり「お母さん、トリックアトリート♪」

理事長「えぇ?!今お菓子持ってないんだけど…」

理事長「ってちがーう!!!」

ことり「じゃあ今からお花見いこっか♪」

理事長「そうね、この頃は桜が満開…ってそれもちがーう!!!!!」



707 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:44:32.83OyDhnveK0 (100/104)

ことり「お母さん、HAPPY NEW YEAR♪」

理事長「あえ…?」

理事長「あ、あけましておめでとうございます」

理事長「今年の私たち、μ’sや」

鞠莉「どーもー!」

理事長「彼女たち、Aqoursも頑張る故に応援よろしくお願い致します」

理事長「さてさてお時間が来てしまったようです」

理事長「皆さんこれにてさようなら、よいお年を!」

ことり「よいお年を♪」

鞠莉「よいお年をー!」


708 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:45:13.83OyDhnveK0 (101/104)

「せーのっ!」



「μ’s!Aqours!μ’sicサンシャイン!!!」



END


709 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:51:11.82OyDhnveK0 (102/104)

ということで終わり(の予定です)
さっきぱっと思いついたルビィのストーリー試しに書いていけそうなら締まりませんが数日後にやろうかなって思います、出来なさそうなら出来ないと判断した時にhtml化の依頼を出しておきます
μ’s版、Aqours版ときてμ’s版第二とかAqours版第二を作る予定はありませんがもし作るようなきっかけがあった時にはまたよろしくお願いします



710 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 02:54:30.27OyDhnveK0 (103/104)

それと八つ目の終わりでもいいましたが次は多分バトル系なのでもしよかったらその時もまたよろしくお願いします
そしてこれはまだよくわからないんですがスクフェス発のスクールアイドルというのがモブキャラじゃなかった場合(※モブキャラだとキャラが全く分からないので)はそっちを優先して書こうかなと思います、まだ情報も出てませんしいまいち優先とかそういうものがあるのかすらわかりませんけど…


711 ◆iEoVz.17Z22017/01/03(火) 03:01:08.27OyDhnveK0 (104/104)

元ネタ一覧です

ルビィ→特に無し ※後日作れた場合は“三つの願い”
曜→“いま、会いにゆきます”
花丸→“MIRAI TICKET”
鞠莉→特に無し
善子→特に無し
梨子→特に無し
千歌→“夜空は何でも知ってるみたい?”(がテーマ)
果南→特に無し
ダイヤ→“素敵な選TAXI”


712 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:09:33.70HB6m1zS20 (1/53)

~~~~~

理事長「三つの願いという童話をご存じでしょうか?」

理事長「成り行きは省きますが三つだけなんでも願いを叶えてくれる、というのがメインのお話になります」

理事長「三つ、なんでも願いを叶えてくれると言われたら何をお願いしますか?叶えれくれる願いを増やすなんて願いはダメですよ?」

理事長「まぁゆっくり考えるのがいいでしょう、さてさて今宵あなたは特別な人間として選ばれました」

理事長「願いを叶えてあげましょう、ただし…」


理事長「叶えられる願いは一つだけ……」




713 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:10:55.31HB6m1zS20 (2/53)

~~~

ルビィ「ただいまー!」

ダイヤ「おかえりなさいルビィ」

ルビィ「えへへただいま!」

「おかえりなさい!」

ルビィ「!!」ピクッ



714 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:12:27.27HB6m1zS20 (3/53)

ダイヤ「どうかしましたか?」

ルビィ「…?」

ルビィ(気のせいかな…?)

ルビィ「ううん、なんでもない」

スタスタスタ

「もー!無視するなんて酷いよ!」

ルビィ「ピギィ?!」

ポンッ

千歌「私の名前は千歌!あなたの願いを一つ、叶えてあげる神様だよっ!」



715 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:13:43.58HB6m1zS20 (4/53)



【一つの願い】




716 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:17:13.97HB6m1zS20 (5/53)

ルビィ「ぴぎゃああああああ?!??!」

千歌「わあわあ!待って!大丈夫何もしないから!」

千歌「絶対に何もしない!命かけるから!」

ルビィ「え、えっと…」オロオロ

「ルビィー!どうかしましたかー!」

ルビィ「!」

千歌「お願い…!いないってことにしといて…!」ウルウル

ルビィ「う、うん……」



717 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:18:07.84HB6m1zS20 (6/53)

ルビィ「お姉ちゃんなんでもないー!」

ルビィ「………」

千歌「えへへありがとう!」

ルビィ「あの…あなたは…」

千歌「私はさっきも言ったけど千歌という名前の神様なのだ!」

ルビィ「神様…?」

千歌「だってほら?私浮いてるでしょ?」

ルビィ「…!言われてみれば…!」



718 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:18:54.36HB6m1zS20 (7/53)

千歌「奇跡でしょー?すごいよねー」

千歌「ってそうじゃなくて私はあなたの願いを“一つ”叶えてあげるためにここにきたんだ」

ルビィ「私の願い…?」

千歌「そうそう!なんでもいいよ!お金持ちになりたい!頭がよくなりたい!好きな人と結婚したい…なんでもおっけー!」

千歌「…あ、でも叶える願いを増やしてとかそういうのはダメだよ?ずる賢いところは評価するけどこっちにも色々あるからねー」

ルビィ「叶えてほしい願いって…」



719 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:19:54.49HB6m1zS20 (8/53)

ルビィ「…なんで私なんですか?」

千歌「それはあなたが良い行いをしてきたから!そんな人には私からとびっきりのクリスマスプレゼ…いやお年玉…違う誕生日プレゼント…んー?なんだ?とにかくスペシャルプレゼントとして願いを叶えてあげちゃうのさー!」

ルビィ「は、はぁ…?」

千歌「とりあえずなんでもいいよ!ほらほら遠慮せずに言っちゃって!」

ルビィ「そんなこと言われたって…」

千歌「ん?あ、もしかして胡散臭いって思ってる?」

ルビィ「いや…そういうわけじゃ…宙に浮いてますし…信じてないってわけじゃないんですけど…」

ルビィ「突然すぎて…」



720 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:21:12.60HB6m1zS20 (9/53)

千歌「あ、そっか!じゃあゆっくり決めよっか!私はいくらでも待つからね」

千歌「一つしか叶えられないもん!慎重に決めないとダメだよね!」

千歌「あ、後願いを叶えたら私は消えちゃうからね」

「ルビィ?入りますわよ?」

ルビィ「ピギッ?!」

ルビィ(やばっ…千歌さんが…)チラッ

千歌「?」

ルビィ(隠れる気ゼロ?!)



721 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:22:17.45HB6m1zS20 (10/53)

ガララ

ダイヤ「先ほどの叫び声はなんですか?」

ルビィ「え?」

ルビィ(あれ…お姉ちゃんには見えてないのかな…千歌さんが…)

ダイヤ「え?」

ルビィ「あ、ううん色々荷物とか落ちちゃって…」

ダイヤ「そういうことでしたか、しっかりするのですよ?」

ルビィ「はーい」

ガララ


722 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:23:58.48HB6m1zS20 (11/53)

ルビィ「………」チラッ

千歌「ん?あ、私はあなたにしか見えないよ、だから安心してよ、私が邪魔することはないから」

ルビィ「そ、そうなんですか…」

千歌「まぁすぐ決まっちゃうかもだけどこれからの間、色々案出すからよろしくね!」

ルビィ「わ、分かりました!」

千歌「あ、決まったらすぐにいってね?すぐに叶えるから」

ルビィ「は、はい!」

ルビィ(すごい神様に出会っちゃった…)

ルビィ(願いか…いざ言われみると全然思いつかないな…)


723 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:24:51.33HB6m1zS20 (12/53)

千歌「迷ってるねぇ~」ニヤニヤ

千歌「まぁそんな難しい顔せずとも明日になればぱっと思いつくかもよ?」

ルビィ「ふむふむ…」

千歌「あまり考えるのも疲れちゃうからもう明日にしよ?そんな急ぐ必要なんてないから」

ルビィ「わ、分かりました…」


724 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:26:05.83HB6m1zS20 (13/53)

~次の日、学校

千歌「ねーねー」

ルビィ「ん?なんですか?」

千歌「友達とかいないの?朝来てからまだ誰とも話してないじゃん」

千歌「あ、いないなら友達作らない?友達は絶対に必要だよ?強がって生きていたらいつか壊れちゃうよ!」

ルビィ「だ、大丈夫!友達…あんまりいないけどちょっとはいるから…」

ルビィ「それに友達って自分で作るものだと思うんです、誰かの力を借りるとかじゃなくて…」

千歌「そっか…ごめん無神経だったね」

ルビィ「いえ…大丈夫です…」


725 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:32:54.06HB6m1zS20 (14/53)

「すーすー…zzz」

「…ずらっ?!寝ちゃダメずら!」

ルビィ「………」

千歌「あの子を見てどうしたの?」

千歌「あ、もしかして友達になりたいんだ~?」クスクス

ルビィ「あの子、いつも一人図書室で本読んでてね」

ルビィ「なんだか私と似てるなって思って…」

千歌「通ずるものがあると…」

ルビィ「うん、そんな感じ」


726 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:35:11.55HB6m1zS20 (15/53)

千歌「そっか、あの子と友達になれるように頑張ってね」

ルビィ「はい!」

千歌「…でももし無理だなって思ったらいつでも私にいっていいよ?願い、叶えてあげるから」

ルビィ「だ、大丈夫です!」

千歌「ふふふっ分かったよ」


727 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:38:11.82HB6m1zS20 (16/53)



ルビィ「んん…?」

千歌「難しいの?このテスト」

ルビィ「い、今話しかけないでください…」ボソボソッ

千歌「ごめんごめん、なんか苦戦してるように見えたから」

ルビィ「………」

ルビィ(この問題…なんだろう…)

千歌「ふっ…今のあなたの気持ちをあててあげるよ!」



728 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:39:12.37HB6m1zS20 (17/53)

ルビィ「…?」

千歌「ずばり!もうちょっと頭が良かったらこんな問題簡単なのに…と思ってるね?」

ルビィ「別に思ってないです…」ボソッ

千歌「頭をよくすることだって出来るよ?東大だって余裕で受かっちゃう!きっとタイムマシンだって一生のうちに作れるくらいの頭に出来るよ!」

ルビィ「だ、大丈夫です…勉強くらいは自分でします…」ボソボソ

千歌「もーホントしっかり者だなー…欲が人並みにないっていうか…」

千歌「やるべきことは自分でやる人っていうか…」

千歌「ちゃんと一つ願い事決めてよー?私は叶えることがお仕事なんだからー…」

ルビィ「………」


729 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:40:55.80HB6m1zS20 (18/53)

~帰り

千歌「ルビィちゃん…あ、ごめんあなたってすごいしっかり者なんだね」

ルビィ「ルビィでいいですよ」

千歌「分かったよ」

千歌「いやーここまでしっかり者は久しぶりだよ」

ルビィ「そうなんですか?みんなこんな感じじゃ…」

千歌「ううん、みんな案外すぐ決まっちゃうよ、お金持ちになりたいとか好きな人と恋人になりたいとかそういうのがほとんど」

千歌「でもルビィちゃんは自分でこなそうとしてるから私もあんまり案が出せないんだよね…」


730 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:41:51.23HB6m1zS20 (19/53)

千歌「今までいい子にしてたんだから一回の願いくらいは贅沢してもいいんだよ?」

千歌「お金は?家だって多分その辺のショッピングモール丸々買えるよ?お城だって買えるお金も出せるよ?」

ルビィ「いいんです、今欲しいもの特にありませんし……」

ルビィ「叶えるならもっと別のものを…」

千歌「好きな人とかは?今すぐ恋人になれるよ?」

ルビィ「私の通ってるところ…女子校ですから好きな人は特に…」

千歌「あぁ…そういえばそうだっけ…」


731 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:43:53.29HB6m1zS20 (20/53)

ルビィ「そういえばなんか目線が私に集まってるような…?」

千歌「あ、それは多分ルビィちゃんが独り言を喋ってるように見えてるからだよ」

ルビィ「あ、そういえば千歌さんは…」

千歌「そうだよ、ルビィちゃんにしか見えないからね、ルビィちゃんは私と会話してるつもりでもほかの人から見れば一人で喋ってる危ない人に見えてると思うよ」

千歌「まぁこの辺人多いし私と会話してると目を寄せちゃうかも…」

ルビィ「不便だね…」

千歌「ごめんね、私たちは内緒の存在だから…」

ルビィ「い、いえ…」


732 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:47:43.14HB6m1zS20 (21/53)

千歌「あ、そうだ!」

ルビィ「?」

千歌「超能力とかどう?空を飛びたいとか瞬間移動をしたいとか!」

ルビィ「え?!そんなことできるんですか?!」

千歌「うん!出来るよ!世界に影響が出ない程度なら大丈夫!」

ルビィ「そ、空を飛べるんだ…」

千歌「うん!飛べるよ!」

ルビィ「ちょ、ちょっと考えますね」

千歌「うんうんそうしてそうして!」


千歌「ふふっ…決まるといいね…」ボソッ




733 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:50:15.78HB6m1zS20 (22/53)

ルビィ「…あっ」

千歌「ん?どうしたの?」

ルビィ「あの子……」

「はむっ!のっぽパンはやっぱり最高ずら~!」パアアア

千歌「あの子は今日の…」

ルビィ「よくあのお店に寄ってはデザートとあののっぽパンをよく食べてるんです、帰りに何回も見てまして…」

千歌「食いしん坊なんだね」アハハ

ルビィ「確かに…」


734 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:53:01.42HB6m1zS20 (23/53)

千歌「あの子の名前とか分からないの?やっぱり近づくためにはそういうの知っておいた方が良いと思うよ?」

ルビィ「確か花丸ちゃん…って呼ばれてたと思う…」

千歌「花丸ちゃんか、じゃあ花丸ちゃんとお友達になれるように今から行ってきたら?」

ルビィ「そ、そんないきなり押しかけて迷惑かけるなんて…」

千歌「うーん…勇気がないのか~…」

千歌「…あ!じゃあ勇気をあげようか?!あの人みたいになんでも挑戦するような勇気!」

ルビィ「あの人…?」

千歌「私の憧れの人だよ、まぁそこは気にせず勇気はどうかな?」



735 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:53:50.55HB6m1zS20 (24/53)

ルビィ「勇気は……」

千歌「勇気は?」

ルビィ「大丈夫です!」

千歌「うーん…勇気もダメか…」

千歌「まぁとりあえず行ってみたら?あの子優しそうだしきっと仲良くしてくれると思うけど」

ルビィ「………」

千歌「ルビィちゃん?」

ルビィ「…あ、はい!なんでしょう?」


736 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:54:29.67HB6m1zS20 (25/53)

千歌「だから花丸ちゃんのところに行ってみたら?って話」

ルビィ「い、いえ…やめておきます…あんなおいしそうに食べてる最中に邪魔するのもどうかなって思ったので…」

千歌「真面目だな~…」

千歌(というより神経質か…)

スタスタスタ

千歌「ルビィちゃん嫌いなものとかないの?虫とか食べ物とか、そういうのを克服出来たりもするよ?」

ルビィ「大丈夫です!」

千歌「そ、そっか…」


737 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 02:56:25.77HB6m1zS20 (26/53)

千歌「あ、持病とかないの?家族の人や大切な人の病気だって治せるよ?」

ルビィ「…もしいたらそうしてたかもしれないけど……」

千歌「あ、そっか…いないんだね…」

ルビィ「うん…」

千歌「うーんなら仕方ないね」

千歌「ルビィちゃんってあんまり欲が無いね」

ルビィ「なんかさっきも聞いたような…」

千歌「だって本当なんだもん」

千歌「案を出しても断られちゃうかしもしかして逆のパターンで叶えたい願いがありすぎて私の案が通用してない感じ?」

ルビィ「いえ…ただ単に思いつかないだけで…」

千歌「またそれは逆の意味ですごいね…私ならすぐ決まっちゃうと思うのになー」

千歌(珍しい子もいるもんだな~)



738 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:00:58.57HB6m1zS20 (27/53)

~家

ルビィ「ただいまお姉ちゃん」

ダイヤ「おかえりさないルビィ、学校の方で何かありませんでしたか?」

ルビィ「うん!大丈夫だったよ!」

ダイヤ「そうですか、ならいいのですが」

ルビィ「…あ、そうだ」

ダイヤ「?」

ルビィ「もし願いを一つだけ叶えられる…ってなったらお姉ちゃんは何を叶える?」


739 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:05:34.44HB6m1zS20 (28/53)

ダイヤ「そうですわね…」

ダイヤ「…そういわれると困りますわね……一つだけ…」

ルビィ「そんなにいっぱいあるの?」

ダイヤ「当たり前です!なんでも叶えてくれるのですから!」

ルビィ「えぇ……」

千歌「ほらね?ルビィちゃんは珍しいんだよ」

ダイヤ「やはり…エリーチカに会ってみたいですわ!」

ルビィ「へ?」

千歌「え?」


740 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:06:36.66HB6m1zS20 (29/53)

ダイヤ「ルビィも知ってるでしょう!μ’sのエリーチカを!」

ルビィ「う、うん…知ってるよ、お姉ちゃんの大好きな」

ダイヤ「その通り!あの方に会えるというのならそれはもう幸せじゃ表しきれないくらいに幸せですわ!!」

ルビィ「そ、そっか…」

ルビィ「………」チラッ

千歌「ん?いやぁあはは…変わってると思うけど悪くはない願いだと思うよ?」

千歌「憧れの人や有名人に会いたいっていう気持ちは私もなんとなく分かるし」

ルビィ「そ、そうなんだ…」

ダイヤ「ん?誰と会話してるのですか?」

ルビィ「ぴぎっ?!な、なんでもない!」

ルビィ「私勉強してくるね!」

タッタッタッ

ダイヤ「あ、ちょっと!」

ダイヤ「一体なんだったのでしょう…」


741 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:08:20.61HB6m1zS20 (30/53)



ルビィ「ふぅ…」

千歌「いやぁ面白いね、ルビィちゃんのお姉ちゃんは」

ルビィ「私もあんな回答するなんて思ってなかったよ…」

千歌「ルビィちゃんはいないの?会いたい人」

ルビィ「会いたい人…いないこともないけど…」

千歌「じゃあその人に会ってみるっていうのはどう?」

ルビィ「うーん…」

千歌「ゆっくり悩みなよ?一度叶えたらキャンセルは出来ないんだから」

ルビィ「う、うん…」


742 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:14:43.09HB6m1zS20 (31/53)

~次の日

ルビィ「わぁ!遅刻だー!」

タッタッタッ

ルビィ「私のことずっと見てたなら起こしてくださいよー!」

千歌「いやぁえへへ…私はお世話役じゃないから…」

千歌「あ!瞬間移動なら今すぐ学校にいけるよ?どう?瞬間移動」

ルビィ「瞬間移動…!」

千歌「念じればどこへでも行けるよ!」

ルビィ「うううぅ…とにかく今は走ります!」

千歌「そ、そっか!」

千歌(うーん…中々決まらないな~…)



743 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:16:31.65HB6m1zS20 (32/53)

タッタッタッ

千歌「ねえねえもし決まらないなら誰かのために何かをしてあげたら?」

ルビィ「誰かのために?」

千歌「流石に赤の他人はアレかもだけどほら、昨日ルビィちゃんのお姉ちゃんが言ってた会いたい人に会わせてあげるとか今まで育ててくれたお母さんに感謝の気持ちとして何か高級なものをあげるとかそういうのでもいいと思うな!」

ルビィ「誰かのために…か」

千歌「うん!願いはあなたの手の中にあるんだから自分のことで決まらないようだったら相手のことでもいいんだよ?」

ルビィ「…それも考えておきます」

千歌「うん!可能性の一つに入れといてね」



744 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:18:19.24HB6m1zS20 (33/53)

~昼

キーンコーンカーンコーン

ルビィ「よいしょっと」

千歌「あれ?もうお昼?」

ルビィ「そうですよ」

千歌「早いね~」

ルビィ「千歌さんは何も食べないんですか?」

千歌「私は神様だから何も食べなくて平気だよ」

ルビィ「そうなんだ…」



745 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:22:40.91HB6m1zS20 (34/53)

千歌「それより決まった?願い事」

ルビィ「………」


ルビィ「…はい」


千歌「おお?!?!」

千歌「何々?!今すぐ叶えよう!!」

ルビィ「お姉ちゃんに絵里さんを会わせたいと思います、私のことは…そこまで重要じゃなかったので…」

千歌「うん、分かった」

千歌「確認だけど本当にそれでいいんだね?」

千歌「願い事を叶えた後にごめん別の、なんていうのは出来ないよ」


746 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:29:17.92HB6m1zS20 (35/53)

ルビィ「大丈夫です!」

千歌「うん、分かった、どういう形で出会うかは分からないけど近い間、きっとお姉ちゃんとその絵里さんって人は会うよ、きっと親しい関係になれる」

千歌「では唱えます…」

千歌「はー」

グゥ~…

千歌「…?」

ルビィ「?」

千歌「あれ?ルビィちゃんお腹の音鳴らした?」

ルビィ「いえ…」

千歌「あれ?」



747 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:31:22.07HB6m1zS20 (36/53)

千歌「ど、どうしたの?」

ルビィ「お願い事、変えていいですか?」

千歌「い、いいけど…」


ルビィ「私のお願い事は―――――」




748 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:32:06.38HB6m1zS20 (37/53)

~数か月後

千歌「いやー前の子の願いを叶えて数か月…」

千歌「まさか次の子も同じ地域に住んでるなんて…」

「前の子?」

千歌「私は願いを叶えたらその人から見えなくなっちゃう、だからあなたが私と会う前に一緒にいた子だよ」

千歌「前の子は結構優柔不断だったけどちゃんと自分で決めたよ?しかもとっても個性的なお願い事だった、あんなお願い事初めてだったよ」

「どんなお願い事だったの?」


749 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:34:24.07HB6m1zS20 (38/53)

千歌「………」

ポワポワポワ―――――


ルビィ『のっぽパンを二つください!』


千歌『えぇ?!?!のっぽパンってあのパンだよ?!お店で買えるよ?!』

ルビィ『いいんです!』

千歌『いやでも…』

ルビィ『私が決めたことなんです!後悔はしません!』



750 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:36:02.52HB6m1zS20 (39/53)

千歌『んー……本当にいいの…?』

千歌『願いを叶えるなんてもう一生無いんだよ…?もっとさ…ほらっ贅沢なお願い事にしない…?』

千歌『お願い事を叶える立場の私がこんなこと言うのも難だけどさ…もったいないよ…』

ルビィ『いいんです!』

千歌『!』

ルビィ『私…お願い事叶えてくれるって聞いた時はとってもワクワクしたんですけどいざ考えるとなんだか何も浮かばなくて…お金も困ってなかったし助けたいって思ってる人もいなかった』

ルビィ『超能力にしようかなって思ったけどなんだかそんなもの使ったら色々おかしくなりそうで…』



751 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:36:59.20HB6m1zS20 (40/53)

千歌『………』

ルビィ『いいですか?のっぽパン二つで』

千歌『はぁ…分かったよ、のっぽパン二つで了解しました』

千歌『では願いを叶えます』

千歌『はー…むむむむ……はああああああ!!!』

ピカーン!

ルビィ『うっ…眩しい…』



752 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:39:25.24HB6m1zS20 (41/53)

ポンッ

ルビィ『わぁ?!のっぽパンが!』

千歌『願い事通りのっぽパン二つだよ、いやぁまさかこんな願い事をしてくる人がいるなんて…』

千歌『じゃあ私は願いを叶えたからもう行くね、もう会うことはないけど良き未来を祈ってるよ』

ルビィ『待って!』

千歌『ん?』

ルビィ『はい、どうぞ』

千歌『それは願いで出したのっぽパン…私にくれるの?』

ルビィ『はい!短い時間でしたけど一緒にいれて楽しかったです!』

ルビィ『こののっぽパンはお礼です!そのパンはここ静岡だけでしかないんですよ、絶対においしいですから食べてくださいね!』ニコッ



753 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:41:41.23HB6m1zS20 (42/53)

千歌『!』ジワッ

千歌『えへへ…君は本当にいい子だよ、ごめん前言撤回する』

千歌『きっとあなたは再度願いを叶えられる時がくるよ、その時にまた会おうね』

千歌『このパン、ありがたく貰うね!』

ルビィ『はい!』

千歌『じゃあね!あなたに良き未来が来ますように!』

キラキラキラ…

ルビィ『……行っちゃった』


754 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:44:01.39HB6m1zS20 (43/53)

ルビィ『あ、そうだ!』

タッタッタッ

ルビィ『あ、あの!』

花丸『ずら?』

ルビィ『あの…もしよかったらのっぽパン半分こしませんか?』

花丸『わぁ…!のっぽパン…!』

花丸『…ってどうしてマルに?』

ルビィ『お昼ご飯、忘れてたっぽかったので…』

花丸『あれれ…バレバレだったかな…』



755 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:45:04.57HB6m1zS20 (44/53)

ルビィ『よいしょっと…はい、どうぞ!』

花丸『あ、ありがとう…』

花丸『…でも…本当に良いんですか?』

ルビィ『はい!』

花丸『…ありがとうずら!え、えっと…名前…』

ルビィ『あ、黒澤ルビィです!』

花丸『うん!ありがとうルビィちゃん!』

ルビィ『いえいえ…』エヘヘ


756 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:45:38.38HB6m1zS20 (45/53)

花丸『マルは国木田花丸ずら!よろしくね!』

ルビィ『よろしくお願いします!』

花丸『あ、ルビィちゃん』

ルビィ『ん?』

花丸『良かったらマルと…』


『お友達になりませんか?』


プワプワプワ…

千歌「すごい子だったよー」

「ふーん…」


757 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:48:59.05HB6m1zS20 (46/53)

千歌「それでさーあなたはまだ決まらないの?」


千歌「曜ちゃん!」


曜「だから私は別に叶えたい願いなんて無いんだってばー」

千歌「お金は?」

曜「今が充実してるから要らない」

千歌「恋人は?」

曜「女子校だからいない、それに私にはまだ早いよ」

千歌「夢は?叶えたい夢は?」


曜「そういうのは自分で掴むものだよー」


千歌「あああああ!!!なんか前の子と同じこと言ってるうううう!!!」


758 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:51:27.98HB6m1zS20 (47/53)

曜「叶えちゃったら千歌ちゃんは消えちゃうんでしょ?」

千歌「ん?そうだよ、次の人の願いを叶えないといけないからね」

曜「…ならいいや、私に叶えたい願いなんてない」

千歌「ならって何?!ならって!」

曜「なんでもないよー」

千歌「ああもう!早く叶えてよ!」

曜「だから叶えたい願いなんてないよー」

千歌「はぁ…」

曜「叶えたら…千歌ちゃんが消えちゃうし…」ボソッ

千歌「え?」

曜「なんでもないよ!」


759 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:52:54.33HB6m1zS20 (48/53)

千歌「もー!早く願い叶えてよねー?」

曜「思いついたらねー」



花丸「あの人、さっきから独り言喋って何してるんだろう?」

ルビィ「ん?」


曜「いやだからちゃんと考えてるよ!」

曜「ほんとほんと!」

曜「いつか叶えるから!」

曜「え?いつ?それは分からないよー!」


曜「ゆっくり決めろって言ったのは千歌ちゃんでしょ?」


ルビィ「!!!」


760 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:54:26.58HB6m1zS20 (49/53)

ルビィ「ふふふっ…そっか」

花丸「ずら?ルビィちゃんどうかしたずら?」

ルビィ「ううん!なんでもない!」

花丸「?」

ルビィ「すぅ……」



ルビィ「千歌さーん!!!ありがとー!!!」



花丸「ずらっ!?」


「千歌さーん!!!ありがとー!!!」

千歌「ん?」

曜「え?」

ルビィ「………」ニコニコ

千歌「!」


761 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:55:02.81HB6m1zS20 (50/53)

千歌「ふふ…元気にやってるみたいだね…」

千歌「曜ちゃん、曜ちゃん」

曜「何?」

千歌「あの子に向かって“次はちゃんとしたお願い事するんだよー”って言ってよ」

曜「え?どうして?」

千歌「いいから!」

曜「もー仕方ないなぁ…」


762 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 03:56:05.16HB6m1zS20 (51/53)

曜「すぅ……」


曜「次はちゃんとしたお願い事するんだよー!だってさ!」


ルビィ「!」パアアア



「はいっ!!!」



END


763 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 04:03:02.72HB6m1zS20 (52/53)

~~~

理事長「願いは小さくてもいずれ大きな波紋を生み出します」

理事長「他の人から見れば小さくてもその人から見れば大きく見えているでしょう」

理事長「ありふれていて贅沢で夢のような願いを叶えるのもいいですけど」

理事長「小さくて…でも大きくて…そんな小さな願いに詰まった大きな幸せを噛みしめるのも悪くないと思います」


理事長「のっぽパンなだけに」


ヒュー………

理事長「んんっ!失礼」

理事長「あなたも良い子にしてれば願いが届くかもしれませんよ?」

理事長「今日もどこかで神様に会ってる人がいるのでしょう、きっと次は…」


理事長「あなたの番…」




764 ◆iEoVz.17Z22017/01/07(土) 04:08:47.67HB6m1zS20 (53/53)

ということでホントにこれで終わりです
最後の方ぐだぐだしてましたがここまでみてくれて本当にありがとうございました
ルビィのストーリーは>>4->>66ではなくて>>712->>763のつもりで見てくれればな、と思います
最後に改めてここまで見てくれた方本当にありがとうございました
またの機会もよろしくお願いします


765以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/07(土) 23:27:46.04s+1kjNGAO (1/1)


面白かった


766以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/08(日) 22:48:51.69hXqLRx85o (1/1)

乙ー楽しませてもらった
最後の話って何か元ネタあったりするん?
花陽と穂乃果で似た話を見た記憶が


767 ◆iEoVz.17Z22017/01/09(月) 04:42:47.89D86sbsoL0 (1/1)

>>766 似たようなやつがあったなっていうのを他のところでも言われたので色々調べて見てきたのですがめちゃくちゃ似てますね、こちらの方の元ネタは『三つの願い』という童話のお話しになってますがその三つの願いというのも実際読んでみるとこちらのストーリーと全然話の内容が違いますのでほぼオリジナル(すごく似たような作品があったので二番煎じ?)になります

まったく関係ないことですが>>746と>>747の間に抜けてる会話がありまして…違和感を感じた人がいたらすいません、作業しながら更新してたので未確認のまま更新してたのだと思います。
その他いくつか抜けてる場面やなぜか同じ場面を二回更新してたりしてまして「やっちゃったなー」って感じです
以後気を付けます