◆QhFDI08WfRWv さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16798212.html
http://s2-d2.com/archives/16798212.html
527: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/02(月) 23:43:37.21:PkXPrWcdo (30/32)
√ 6月11日目 昼(学校) ※木曜日
1、風
2、東郷
3、友奈
4、夏凜
5、沙織
6、東郷
7、クラスメイト
8、昨日の男子生徒
9、一年生の女子生徒
0、イベント判定
↓2
√ 6月11日目 昼(学校) ※木曜日
1、風
2、東郷
3、友奈
4、夏凜
5、沙織
6、東郷
7、クラスメイト
8、昨日の男子生徒
9、一年生の女子生徒
0、イベント判定
↓2
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
528:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/02(月) 23:44:18.52:P0UumBJFO (2/3)
0
0
529:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/02(月) 23:44:25.66:855iRRiXO (2/2)
4
4
530:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/02(月) 23:45:40.38:xjSbOayUO (4/4)
5
5
531: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/02(月) 23:49:44.49:PkXPrWcdo (31/32)
01~10
11~20 通常
21~30 通常
31~40
41~50 通常
51~60
61~70 通常
71~80
81~90 通常
91~00
↓1のコンマ
※空白は特殊
01~10
11~20 通常
21~30 通常
31~40
41~50 通常
51~60
61~70 通常
71~80
81~90 通常
91~00
↓1のコンマ
※空白は特殊
532:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/02(月) 23:49:57.47:P0UumBJFO (3/3)
も
も
533: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/02(月) 23:56:18.85:PkXPrWcdo (32/32)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、昼頃から
出来なければ通常時間付近から
風「さて……とりあえず。大赦に報告して転校させよう」
風「男子だけの学校に」
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、昼頃から
出来なければ通常時間付近から
風「さて……とりあえず。大赦に報告して転校させよう」
風「男子だけの学校に」
534:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 00:02:13.48:wL04b0/4O (1/1)
乙
実は翌日が夏凛ちゃんの誕生日だったりするのだが…どうにか仲直りしたいな
あと風先輩、容赦ねぇッス
乙
実は翌日が夏凛ちゃんの誕生日だったりするのだが…どうにか仲直りしたいな
あと風先輩、容赦ねぇッス
535:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 00:05:39.05:JZJxYIe/O (1/5)
乙
園子が自分の気持ち押し殺して夏凛にキスしろってアドバイスしてて泣ける
乙
園子が自分の気持ち押し殺して夏凛にキスしろってアドバイスしてて泣ける
536:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 12:45:04.29:AJcvkPiTO (1/2)
勇者は時間の解決を待てないってのも深いアドバイス
勇者は時間の解決を待てないってのも深いアドバイス
537: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 15:04:42.13:kffRWVYqo (1/21)
では、すこしずつすすめていきます
では、すこしずつすすめていきます
538: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 15:21:34.72:kffRWVYqo (2/21)
天乃「…………」
昼休み、天乃は部室で一人目を瞑る
放課後騒がしくなる部室も、昼休みとなっては穏やかで
普段はある背後の存在感も感じない現状に
天乃はすこしばかりの不安を感じた
このまま、誰も戻らないのではないか
背後に立ち、連れ歩いてくれる人、導いてくれる人はもう
金輪際現れないのではないか。と
天乃「……本当。弱くなった」
前はそれでいいと思っていた
そうあるべきだと思っていた
孤軍奮闘、孤立無援
それでこそ、穢れた勇者のあるべき姿であると
なのに、気づけば背中を預ける相手を作っていた
その存在を感じられないことに
振り向けばみられる顔がないことに不安になるほど弱くなってしまった
そんな自分に失望したように呟く背後で、扉が開く
天乃「…………」
昼休み、天乃は部室で一人目を瞑る
放課後騒がしくなる部室も、昼休みとなっては穏やかで
普段はある背後の存在感も感じない現状に
天乃はすこしばかりの不安を感じた
このまま、誰も戻らないのではないか
背後に立ち、連れ歩いてくれる人、導いてくれる人はもう
金輪際現れないのではないか。と
天乃「……本当。弱くなった」
前はそれでいいと思っていた
そうあるべきだと思っていた
孤軍奮闘、孤立無援
それでこそ、穢れた勇者のあるべき姿であると
なのに、気づけば背中を預ける相手を作っていた
その存在を感じられないことに
振り向けばみられる顔がないことに不安になるほど弱くなってしまった
そんな自分に失望したように呟く背後で、扉が開く
539: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 15:36:42.79:kffRWVYqo (3/21)
夏凜「そんな不用心に背中を向けてて、平気なわけ?」
聞き間違えるはずもなく、夏凜の声だ
そもそも、片方の耳しか機能していない天乃の聴覚は
一般人のそれと比べて、収音能力というか、聞き分ける能力に長けている為
部室に近づく足音だけで夏凜が来ていることには気づいていた
と言っても、天乃がメールで呼び出したのだが
天乃「平気……じゃないかもしれない」
呼び出したから、聞こえていたから、分かっていたから
だとしても、今朝襲ってきたばかりの相手に背中を向けたままだったのは確かに不自然だ
けれども、天乃にとってはそれが普通だった。当たり前だった
そう、今までの二人にとっては。
天乃「正直に言えば、夏凜に押し倒されて……嫌なことされる可能性も考えた」
夏凜「……でしょうね」
天乃「でも。それを考えること自体が嫌なことだった。だから、こうすることで疑っていないって思おうとした」
けれど、現実はそう甘くはなくて
肩掛けのあたりを掴む手は、かすかに震えていた
夏凜「そんな不用心に背中を向けてて、平気なわけ?」
聞き間違えるはずもなく、夏凜の声だ
そもそも、片方の耳しか機能していない天乃の聴覚は
一般人のそれと比べて、収音能力というか、聞き分ける能力に長けている為
部室に近づく足音だけで夏凜が来ていることには気づいていた
と言っても、天乃がメールで呼び出したのだが
天乃「平気……じゃないかもしれない」
呼び出したから、聞こえていたから、分かっていたから
だとしても、今朝襲ってきたばかりの相手に背中を向けたままだったのは確かに不自然だ
けれども、天乃にとってはそれが普通だった。当たり前だった
そう、今までの二人にとっては。
天乃「正直に言えば、夏凜に押し倒されて……嫌なことされる可能性も考えた」
夏凜「……でしょうね」
天乃「でも。それを考えること自体が嫌なことだった。だから、こうすることで疑っていないって思おうとした」
けれど、現実はそう甘くはなくて
肩掛けのあたりを掴む手は、かすかに震えていた
540: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 16:11:25.08:kffRWVYqo (4/21)
天乃「……でも。貴女は襲わなかった。普通に声をかけてくれた」
夏凜「あれはある意味、私の意思。暴走したわけじゃない」
天乃にとっては酷いことかも知れないが、
夏凜はっきりとそう告げると
後ろ手に扉を閉めて、カチャリと、鍵を閉める
それだけでも天乃の体がびくっとしたのが見えて
夏凜「朝、あんなことがあったのに。良く呼びせたわね」
天乃「うん……園子が言ったのよ。勇者は時間の解決を待てないって」
それは天乃も理解していることだった
現在は最前線で戦うことを控えるようにすると決めた天乃だが
しかし、いつ、話すことが出来なるのか分かったものではない
死に別れもそうだが、記憶を失うなんてこともあり得るのだから
天乃「だから、すぐにでもこうして話すべきだと思った」
でもきっと
園子にそう言われただけでは……ない。のよね
天乃は自分の胸元に手を宛がうと。心の中でそう囁く
天乃「……でも。貴女は襲わなかった。普通に声をかけてくれた」
夏凜「あれはある意味、私の意思。暴走したわけじゃない」
天乃にとっては酷いことかも知れないが、
夏凜はっきりとそう告げると
後ろ手に扉を閉めて、カチャリと、鍵を閉める
それだけでも天乃の体がびくっとしたのが見えて
夏凜「朝、あんなことがあったのに。良く呼びせたわね」
天乃「うん……園子が言ったのよ。勇者は時間の解決を待てないって」
それは天乃も理解していることだった
現在は最前線で戦うことを控えるようにすると決めた天乃だが
しかし、いつ、話すことが出来なるのか分かったものではない
死に別れもそうだが、記憶を失うなんてこともあり得るのだから
天乃「だから、すぐにでもこうして話すべきだと思った」
でもきっと
園子にそう言われただけでは……ない。のよね
天乃は自分の胸元に手を宛がうと。心の中でそう囁く
541: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 16:36:07.63:kffRWVYqo (5/21)
夏凜「もし、私が躊躇なく襲ってたら?」
天乃「……その時は諦めたわ。今度こそ、誘ったのは私だから」
悲しそうに、諦めのこもった表情で言う天乃を見つめ夏凜は深く息をつく
そう言われては、襲いたくても襲えなくなってしまう
もちろん、今回は襲うつもりなど毛頭なかったが
夏凜「それで、なんの用よ」
夏凜はそう言うと
言っておくけど。と、続けて
夏凜「このまま護衛を再開するつもりとかは、ない……私だってあんたを襲いたいわけじゃないんだから」
天乃「そうよね……」
あれはなかったことに出来るものじゃない
仮に、天乃がなかったことにしたとしても
夏凜自身が、それを無かったことにするなんて許せないからだ
1、不意打ちキス
2、もう一度。普通にキスをしてくれない?
3、どうして、私と園子が認められないの?
4、さっき。あれは貴女の意思だと言ったわよね? どうして?
5、どうしたら戻ってきてくれるの?
6、園子としたときは優しかった。温かかった。気持ちよかった
↓2
夏凜「もし、私が躊躇なく襲ってたら?」
天乃「……その時は諦めたわ。今度こそ、誘ったのは私だから」
悲しそうに、諦めのこもった表情で言う天乃を見つめ夏凜は深く息をつく
そう言われては、襲いたくても襲えなくなってしまう
もちろん、今回は襲うつもりなど毛頭なかったが
夏凜「それで、なんの用よ」
夏凜はそう言うと
言っておくけど。と、続けて
夏凜「このまま護衛を再開するつもりとかは、ない……私だってあんたを襲いたいわけじゃないんだから」
天乃「そうよね……」
あれはなかったことに出来るものじゃない
仮に、天乃がなかったことにしたとしても
夏凜自身が、それを無かったことにするなんて許せないからだ
1、不意打ちキス
2、もう一度。普通にキスをしてくれない?
3、どうして、私と園子が認められないの?
4、さっき。あれは貴女の意思だと言ったわよね? どうして?
5、どうしたら戻ってきてくれるの?
6、園子としたときは優しかった。温かかった。気持ちよかった
↓2
542:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 16:36:40.33:JZJxYIe/O (2/5)
2
2
543:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 16:36:43.52:AJcvkPiTO (2/2)
1
1
544:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 16:37:15.03:AbOcsQcSO (1/4)
2
2
545: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 17:01:09.04:kffRWVYqo (6/21)
天乃「貴女はそう言うんだろうなって。思ってた」
天乃はそう言うと、
車椅子のブレーキを解除して、力いっぱい上体を起こす
ブレーキのかかっていない車いすに
そんな力を加えたら後ろに下がってしまうのは分かっているはずなのに
夏凜「何やってっ!」
当然、車椅子は天乃を弾くように後ろに引きさがって
足の動かせないその体を投げ出す
その瞬間、夏凜は溜まらず声を上げて天乃の体を受け止める
護衛なんてしない。そう言ったのに
出来る限り近づくのは止めようと距離を置いていたのに
いとも容易く仮止めの意思は崩れ落ちる
夏凜「動かなくても膝を打ったら折れることだってあんのよ……?」
天乃「うん。知ってる」
後ろに下がった車椅子が近くのパイプ椅子にぶつかった音がして
天乃は、自分を抱きとめてくれている夏凜の両肩に手を乗せて、ぐっと体を起こして
夏凜「だった――」
夏凜と目を合わせずに、言葉を聞き終えずに
その唇に唇を重ね合わせた
天乃「貴女はそう言うんだろうなって。思ってた」
天乃はそう言うと、
車椅子のブレーキを解除して、力いっぱい上体を起こす
ブレーキのかかっていない車いすに
そんな力を加えたら後ろに下がってしまうのは分かっているはずなのに
夏凜「何やってっ!」
当然、車椅子は天乃を弾くように後ろに引きさがって
足の動かせないその体を投げ出す
その瞬間、夏凜は溜まらず声を上げて天乃の体を受け止める
護衛なんてしない。そう言ったのに
出来る限り近づくのは止めようと距離を置いていたのに
いとも容易く仮止めの意思は崩れ落ちる
夏凜「動かなくても膝を打ったら折れることだってあんのよ……?」
天乃「うん。知ってる」
後ろに下がった車椅子が近くのパイプ椅子にぶつかった音がして
天乃は、自分を抱きとめてくれている夏凜の両肩に手を乗せて、ぐっと体を起こして
夏凜「だった――」
夏凜と目を合わせずに、言葉を聞き終えずに
その唇に唇を重ね合わせた
546: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 17:43:36.77:kffRWVYqo (7/21)
夏凜「な……ん……」
唇だけのとても浅いキス
だと言うのに、それは深く根を張ったように力強い
天乃の力が強いのもあるかもしれない
けれど、夏凜は天乃の体を突き放せなかった
天乃「っ……」
自分から、無理矢理に
しかも、車椅子から飛び出すような危ない手を使って近づいて
こんなことをしてきたというのに
視界に映る天乃の瞳は固く閉じられ、プルプルと震えていて
心なしか、繋がれている唇も緊張に揺れている
夏凜「………」
キスという行為を良く分かっていないのだと感じた
夏凜自身も良く分かっていない
けれど、それ以上に分かっていないのかもしれない
いや、違う
肩に感じる天乃の手の力強さ、一生懸命に離れまいとする唇
そして……
夏凜「……っ」
夏凜は悲し気に目を細めると
天乃の力を受け入れたうえで、その抱きしめている体を床へと押し倒す
夏凜「な……ん……」
唇だけのとても浅いキス
だと言うのに、それは深く根を張ったように力強い
天乃の力が強いのもあるかもしれない
けれど、夏凜は天乃の体を突き放せなかった
天乃「っ……」
自分から、無理矢理に
しかも、車椅子から飛び出すような危ない手を使って近づいて
こんなことをしてきたというのに
視界に映る天乃の瞳は固く閉じられ、プルプルと震えていて
心なしか、繋がれている唇も緊張に揺れている
夏凜「………」
キスという行為を良く分かっていないのだと感じた
夏凜自身も良く分かっていない
けれど、それ以上に分かっていないのかもしれない
いや、違う
肩に感じる天乃の手の力強さ、一生懸命に離れまいとする唇
そして……
夏凜「……っ」
夏凜は悲し気に目を細めると
天乃の力を受け入れたうえで、その抱きしめている体を床へと押し倒す
547: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 18:33:38.85:kffRWVYqo (8/21)
夏凜が押し倒し、体が下になったために
唇は離れて、肩を掴んでいた両手も床に投げ出すように倒れた天乃は
目の前で見下ろしてくる夏凜から顔を背ける
天乃「っ……嫌、でしょう……っ?」
夏凜「……………」
天乃「無理矢理されて……」
夏凜「馬鹿じゃないの?」
強引にキスをしてきたのは、天乃のはずなのに
頬を涙で濡らして、無理矢理された夏凜よりも悲しんでいるその姿に
夏凜は呆れたように言って、その頬を指で拭う
夏凜「なんで、あんたが泣くのよ」
天乃「知らない……解らない……っ」
そう言いながらも、天乃の瞳からあふれ出ていく涙は
留まることを知らずに次から次へと
頬に触れる夏凜の指を巻き込んで濡らしていく
夏凜「あんたが一番嫌がってるようにしか見えない」
天乃「私は……っ」
夏凜「そんなに……嫌なら。園子とだけしてなさいよ。私となんかじゃなくて……園子とッ」
夏凜が押し倒し、体が下になったために
唇は離れて、肩を掴んでいた両手も床に投げ出すように倒れた天乃は
目の前で見下ろしてくる夏凜から顔を背ける
天乃「っ……嫌、でしょう……っ?」
夏凜「……………」
天乃「無理矢理されて……」
夏凜「馬鹿じゃないの?」
強引にキスをしてきたのは、天乃のはずなのに
頬を涙で濡らして、無理矢理された夏凜よりも悲しんでいるその姿に
夏凜は呆れたように言って、その頬を指で拭う
夏凜「なんで、あんたが泣くのよ」
天乃「知らない……解らない……っ」
そう言いながらも、天乃の瞳からあふれ出ていく涙は
留まることを知らずに次から次へと
頬に触れる夏凜の指を巻き込んで濡らしていく
夏凜「あんたが一番嫌がってるようにしか見えない」
天乃「私は……っ」
夏凜「そんなに……嫌なら。園子とだけしてなさいよ。私となんかじゃなくて……園子とッ」
548: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 19:08:57.33:kffRWVYqo (9/21)
天乃「解らないのよ……っ」
夏凜に無理矢理された時
とても悲しくなったのと同時に、こんなのは嫌だと言う嫌悪感があった
それは無理矢理されるのが嫌だったという理由があって
それで納得がいくのに
今、こうして夏凜に無理やりキスして
とてつもない悲しさと嫌悪感に心が蝕まれていく
その理由が天乃には全く分からなかった
解らないままに、涙が溢れていく
天乃「解らないの……ごめんなさい……」
自分から無理やりキスをしてきたくせに
床に下ろしてみれば嗚咽を溢す天乃を見て
夏凜は唇を強くかむ
自分との行為がそんなに嫌か
そんなに泣くほど悲しい事か。と
怒りが増して、嫌悪感が強くなっていく
天乃「解らないのよ……っ」
夏凜に無理矢理された時
とても悲しくなったのと同時に、こんなのは嫌だと言う嫌悪感があった
それは無理矢理されるのが嫌だったという理由があって
それで納得がいくのに
今、こうして夏凜に無理やりキスして
とてつもない悲しさと嫌悪感に心が蝕まれていく
その理由が天乃には全く分からなかった
解らないままに、涙が溢れていく
天乃「解らないの……ごめんなさい……」
自分から無理やりキスをしてきたくせに
床に下ろしてみれば嗚咽を溢す天乃を見て
夏凜は唇を強くかむ
自分との行為がそんなに嫌か
そんなに泣くほど悲しい事か。と
怒りが増して、嫌悪感が強くなっていく
549: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 19:17:20.50:kffRWVYqo (10/21)
01~10
11~20 踏み止まるが勇者の意地
21~30
31~40 夏凜ちゃん流石! ヘタレの伝道師!
41~50 九尾
51~60 夏凜ちゃん@頑張る
61~70 沙織
71~80 タイミング悪く来る。それが風先輩の底力
81~90
91~00 夏凜ちゃん@頑張る
↓1のコンマ
※空白は駄目、絶対
01~10
11~20 踏み止まるが勇者の意地
21~30
31~40 夏凜ちゃん流石! ヘタレの伝道師!
41~50 九尾
51~60 夏凜ちゃん@頑張る
61~70 沙織
71~80 タイミング悪く来る。それが風先輩の底力
81~90
91~00 夏凜ちゃん@頑張る
↓1のコンマ
※空白は駄目、絶対
550:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 19:18:23.97:J2a/UEXZO (1/5)
空白こわい
空白こわい
551:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 19:20:24.32:AbOcsQcSO (2/4)
夏凛ちゃん…!
夏凛ちゃん…!
552:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 19:25:47.91:J2a/UEXZO (2/5)
ヘタレない…だと…!?
ヘタレない…だと…!?
553:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 19:37:00.75:JZJxYIe/O (3/5)
すげえww
すげえww
554: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 19:55:58.81:kffRWVYqo (11/21)
夏凜「っ……」
夏凜はまだ何もしていないというのに
床に倒れている天乃は嗚咽を溢している
普段絶対に見せないその弱弱しさが
夏凜にはとても艶かしく映る
けれど、夏凜は目を瞑って深呼吸をして
夏凜「天乃、こっちを見ろ」
天乃「嫌」
夏凜「良いから!」
天乃「っ」
強く声を上げて、
目を合わせようとしない天乃の頬に触れた夏凜は
すこし強引に自分の方へと目を向けさせる
泣いている姿は、ただの女子生徒にしか見えない
普段の力強さ、明るさ
そこからの激しい違いに戸惑いを禁じ得ないが
けれども、夏凜は天乃の姿をしっかりと見つめる
夏凜「っ……」
夏凜はまだ何もしていないというのに
床に倒れている天乃は嗚咽を溢している
普段絶対に見せないその弱弱しさが
夏凜にはとても艶かしく映る
けれど、夏凜は目を瞑って深呼吸をして
夏凜「天乃、こっちを見ろ」
天乃「嫌」
夏凜「良いから!」
天乃「っ」
強く声を上げて、
目を合わせようとしない天乃の頬に触れた夏凜は
すこし強引に自分の方へと目を向けさせる
泣いている姿は、ただの女子生徒にしか見えない
普段の力強さ、明るさ
そこからの激しい違いに戸惑いを禁じ得ないが
けれども、夏凜は天乃の姿をしっかりと見つめる
555: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 20:13:03.10:kffRWVYqo (12/21)
なぜ泣いているのか
どうしてこんな弱弱しくなってしまったのか
それは解らない
もしかしたら、自分を苛立たせている理由
自分との行為への嫌悪感が事実なのかもしれない
夏凜はそう考えながら、絶え間なく流れていく天乃の涙を拭う
泣いて欲しくない
悲しんで欲しくない
笑っていて欲しい
そう思うのは、なぜだろうか
園子とキスをして
それがとても喜ばしいものだと語る姿に
形容し難い感情を抱いたのはなぜだろうか
夏凜「……はぁ」
躊躇うな。迷うな。考えるな
後後どうなるのかなんて言うことは
なぜ泣いているのか
どうしてこんな弱弱しくなってしまったのか
それは解らない
もしかしたら、自分を苛立たせている理由
自分との行為への嫌悪感が事実なのかもしれない
夏凜はそう考えながら、絶え間なく流れていく天乃の涙を拭う
泣いて欲しくない
悲しんで欲しくない
笑っていて欲しい
そう思うのは、なぜだろうか
園子とキスをして
それがとても喜ばしいものだと語る姿に
形容し難い感情を抱いたのはなぜだろうか
夏凜「……はぁ」
躊躇うな。迷うな。考えるな
後後どうなるのかなんて言うことは
556: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 20:26:56.74:kffRWVYqo (13/21)
何もかもを考えないで、夏凜は頭の中を真っ白にする
夏凜「これで無理矢理されるのは二度目……あんたと同じく二度目」
天乃「っ……」
夏凜「でも。私はまだ。あんたと違って普通のやつをしてない」
夏凜はそう言うと、
戸惑いの色を見せる天乃の橙色の瞳を見つめる
夏凜「…………」
すこし遠回しだっただろうか
分かりにくい言い方だっただろうか
気恥ずかしさに掻き立てられる夏凜は
頬を赤く染めながら
だから。と、言葉を続ける
夏凜「あ、天乃が嫌じゃなければ……というかそれ前提だけど」
天乃「え……?」
夏凜「園子としてあんたが感じたもの。私にも……感じさせて欲しいっていうか」
1、夏凜は……良いの?
2、夏凜からして欲しい
3、……解った
4、何が言いたいかわからないわ
5、
↓2
何もかもを考えないで、夏凜は頭の中を真っ白にする
夏凜「これで無理矢理されるのは二度目……あんたと同じく二度目」
天乃「っ……」
夏凜「でも。私はまだ。あんたと違って普通のやつをしてない」
夏凜はそう言うと、
戸惑いの色を見せる天乃の橙色の瞳を見つめる
夏凜「…………」
すこし遠回しだっただろうか
分かりにくい言い方だっただろうか
気恥ずかしさに掻き立てられる夏凜は
頬を赤く染めながら
だから。と、言葉を続ける
夏凜「あ、天乃が嫌じゃなければ……というかそれ前提だけど」
天乃「え……?」
夏凜「園子としてあんたが感じたもの。私にも……感じさせて欲しいっていうか」
1、夏凜は……良いの?
2、夏凜からして欲しい
3、……解った
4、何が言いたいかわからないわ
5、
↓2
557:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 20:28:25.84:rCwGXMyB0 (1/1)
2
2
558:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 20:28:33.09:AbOcsQcSO (3/4)
3
3
559:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 20:28:39.52:JZJxYIe/O (4/5)
1
1
560:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 20:34:24.80:J2a/UEXZO (3/5)
園子としたことと同じってことは…ゴクリ
夏凛はそこまでのつもりで言ってないだろうけどww
園子としたことと同じってことは…ゴクリ
夏凛はそこまでのつもりで言ってないだろうけどww
561: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 21:01:42.84:kffRWVYqo (14/21)
天乃「……解った」
夏凜は嫌じゃなければと言った
それに答えるように、天乃は素直に頷く
無理矢理じゃない。普通にしていい
そう思うと、涙は自然と収まった
胸の奥の痛みが消えて、熱を帯びていくのを感じて
天乃は「でも」と、気恥ずかしそうに言う
天乃「このままだと、私……出来ないから」
夏凜「……わ、解った。車椅子に」
天乃「ううん、このまま入れ替わって欲しいの」
押し倒された天乃と倒した夏凜
その上下を入れ替えて欲しいのだという天乃に
夏凜は軽く息を飲み、天乃の体を抱きしめると
そのままぐるりと床を転がって、上下を入れ替える
戸惑いがないと言えば嘘になる
天乃「……解った」
夏凜は嫌じゃなければと言った
それに答えるように、天乃は素直に頷く
無理矢理じゃない。普通にしていい
そう思うと、涙は自然と収まった
胸の奥の痛みが消えて、熱を帯びていくのを感じて
天乃は「でも」と、気恥ずかしそうに言う
天乃「このままだと、私……出来ないから」
夏凜「……わ、解った。車椅子に」
天乃「ううん、このまま入れ替わって欲しいの」
押し倒された天乃と倒した夏凜
その上下を入れ替えて欲しいのだという天乃に
夏凜は軽く息を飲み、天乃の体を抱きしめると
そのままぐるりと床を転がって、上下を入れ替える
戸惑いがないと言えば嘘になる
562: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 21:04:40.00:kffRWVYqo (15/21)
>>561修正
天乃「……解った」
夏凜は嫌じゃなければと言った
それに答えるように、天乃は素直に頷く
無理矢理じゃない。普通にしていい
そう思うと、涙は自然と収まった
胸の奥の痛みが消えて、熱を帯びていくのを感じて
天乃は「でも」と、気恥ずかしそうに言う
天乃「このままだと、私……出来ないから」
夏凜「……わ、解った。車椅子に」
天乃「ううん、このまま入れ替わって欲しいの」
押し倒された天乃と倒した夏凜
その上下を入れ替えて欲しいのだという天乃に
夏凜は軽く息を飲み、天乃の体を抱きしめると
そのままぐるりと床を転がって、上下を入れ替える
戸惑いがないと言えば嘘になる
けれど今は――天乃の感じたもの。園子が感じたもの。それを、感じたい
>>561修正
天乃「……解った」
夏凜は嫌じゃなければと言った
それに答えるように、天乃は素直に頷く
無理矢理じゃない。普通にしていい
そう思うと、涙は自然と収まった
胸の奥の痛みが消えて、熱を帯びていくのを感じて
天乃は「でも」と、気恥ずかしそうに言う
天乃「このままだと、私……出来ないから」
夏凜「……わ、解った。車椅子に」
天乃「ううん、このまま入れ替わって欲しいの」
押し倒された天乃と倒した夏凜
その上下を入れ替えて欲しいのだという天乃に
夏凜は軽く息を飲み、天乃の体を抱きしめると
そのままぐるりと床を転がって、上下を入れ替える
戸惑いがないと言えば嘘になる
けれど今は――天乃の感じたもの。園子が感じたもの。それを、感じたい
563: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 21:19:45.66:kffRWVYqo (16/21)
天乃「……んっ」
夏凜の両脇に手をつく天乃だが
その下半身には全く力が入っておらず
夏凜の足の付け根辺りに座り込む形になっているのを申し訳なく感じたのか
重くない? と、恥ずかし気に問う
夏凜「私の二年間の特訓舐めんな……あんたなんて、片手で抱えてやるわよ」
天乃「なら、もう少しだけ……」
ゆっくりと体を前のめりに倒していくと
体の小ささゆえ、大きく思える胸が夏凜の体に触れ、圧し潰されていく
夏凜「っ」
僅かな羨ましさをいろんな意味で胸に感じながら
夏凜は天乃を真っ直ぐ見る
天乃「園子と同じように……やる。から」
夏凜「ん」
天乃「驚いて噛んだりしないで、ね?」
夏凜「ん――ん?」
肯定しかけた一瞬
なぜかむのかと疑問符を浮かべた夏凜だが――遅く
天乃は羞恥心に染めた顔を近づけて、夏凜に唇を重ねた
天乃「……んっ」
夏凜の両脇に手をつく天乃だが
その下半身には全く力が入っておらず
夏凜の足の付け根辺りに座り込む形になっているのを申し訳なく感じたのか
重くない? と、恥ずかし気に問う
夏凜「私の二年間の特訓舐めんな……あんたなんて、片手で抱えてやるわよ」
天乃「なら、もう少しだけ……」
ゆっくりと体を前のめりに倒していくと
体の小ささゆえ、大きく思える胸が夏凜の体に触れ、圧し潰されていく
夏凜「っ」
僅かな羨ましさをいろんな意味で胸に感じながら
夏凜は天乃を真っ直ぐ見る
天乃「園子と同じように……やる。から」
夏凜「ん」
天乃「驚いて噛んだりしないで、ね?」
夏凜「ん――ん?」
肯定しかけた一瞬
なぜかむのかと疑問符を浮かべた夏凜だが――遅く
天乃は羞恥心に染めた顔を近づけて、夏凜に唇を重ねた
564: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 22:07:04.38:kffRWVYqo (17/21)
まずは軽く唇を押し付け合うような優しさで
今度は、唇同士を組み合わせるように僅かに角度を変えて
天乃の口からねっとりとした唾液が溢れて夏凜の唇をつやつやとぬめらせる
天乃「んっ……」
夏凜「っは……んんっ」
一旦離れて、また唇を重ねる
言葉はいらない、その代わりに唇を交わらせて
互いの唾液を交わらせて
ぴちゃぴちゃと
学びやにふさわしくない淫らな音を立てながら
唇を何度も重ねていく
そのたびに、体の熱が抜けてはまた温まって
その入れ替わりの寂しさが、切なさが、心地よさが二人を快楽に浸す
夏凜「んんっ」
何度目かの接吻の後
ねっとりと忍び込んできたものに驚いたが
夏凜はそれが天乃の舌だと気づいて噛むのを堪えて、舌を絡ませる
まずは軽く唇を押し付け合うような優しさで
今度は、唇同士を組み合わせるように僅かに角度を変えて
天乃の口からねっとりとした唾液が溢れて夏凜の唇をつやつやとぬめらせる
天乃「んっ……」
夏凜「っは……んんっ」
一旦離れて、また唇を重ねる
言葉はいらない、その代わりに唇を交わらせて
互いの唾液を交わらせて
ぴちゃぴちゃと
学びやにふさわしくない淫らな音を立てながら
唇を何度も重ねていく
そのたびに、体の熱が抜けてはまた温まって
その入れ替わりの寂しさが、切なさが、心地よさが二人を快楽に浸す
夏凜「んんっ」
何度目かの接吻の後
ねっとりと忍び込んできたものに驚いたが
夏凜はそれが天乃の舌だと気づいて噛むのを堪えて、舌を絡ませる
565: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 22:07:46.29:kffRWVYqo (18/21)
ただ唇同士を接触させるだけではなく
一歩進んだ大人の交わり
二人のそれはあまりにも不慣れなものだった
天乃はたった一度、園子から受けただけ
夏凜はたったの一度も経験はない
しかし、不慣れゆえに、無知ゆえに
二人にとってそれは、代えがたい心の交わり
天乃「ふ……んっ……ぅ……」
夏凜「っぁ……ん」
艶かしく、淫らな音を立てながら離れた二人を
交わりの糸が細く繋ぐ
それはとても儚く、容易く途絶えていく
しかし、昼休みを終える鐘の音さえ聞こえない世界で見つめ合う二人は
熱っぽい吐息を漏らしながら、どちらからとも言わず、唇を触れ合わせる
ただ唇同士を接触させるだけではなく
一歩進んだ大人の交わり
二人のそれはあまりにも不慣れなものだった
天乃はたった一度、園子から受けただけ
夏凜はたったの一度も経験はない
しかし、不慣れゆえに、無知ゆえに
二人にとってそれは、代えがたい心の交わり
天乃「ふ……んっ……ぅ……」
夏凜「っぁ……ん」
艶かしく、淫らな音を立てながら離れた二人を
交わりの糸が細く繋ぐ
それはとても儚く、容易く途絶えていく
しかし、昼休みを終える鐘の音さえ聞こえない世界で見つめ合う二人は
熱っぽい吐息を漏らしながら、どちらからとも言わず、唇を触れ合わせる
566: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 22:24:28.77:kffRWVYqo (19/21)
何も手にしていなかった夏凜の手
床に触れているだけだった天乃の手
二つは引き寄せられるように交わり、重なって紡がれる
強く、固く、何よりも優しく
互いの心が離れたくないと。言うように
夏凜「っ、はぁ……ぁ」
絡み合うたび、内側から火をかけられているように体が熱くなっていく
痛いほどに、苦しいほどに
けれども、それらを包み込むほどの心地よさを唇に、舌に感じて
天乃「んんっ!」
天乃の舌を無意識に吸いながら、思う
天乃がなぜあんなにも嬉しそうだったのか
なぜ、あんなにも幸せそうだったのか
そして、願う
――私とのキスでも、同じように。できるのなら。それ以上に。幸せであって欲しいと
何も手にしていなかった夏凜の手
床に触れているだけだった天乃の手
二つは引き寄せられるように交わり、重なって紡がれる
強く、固く、何よりも優しく
互いの心が離れたくないと。言うように
夏凜「っ、はぁ……ぁ」
絡み合うたび、内側から火をかけられているように体が熱くなっていく
痛いほどに、苦しいほどに
けれども、それらを包み込むほどの心地よさを唇に、舌に感じて
天乃「んんっ!」
天乃の舌を無意識に吸いながら、思う
天乃がなぜあんなにも嬉しそうだったのか
なぜ、あんなにも幸せそうだったのか
そして、願う
――私とのキスでも、同じように。できるのなら。それ以上に。幸せであって欲しいと
567: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 22:26:13.43:kffRWVYqo (20/21)
√ 6月11日目 夕() ※木曜日
※開始地点を選択することが可能です
1、夏凜と自宅
2、夏凜と瞳と二人の家
3、部室
4、教室 単独
↓2
√ 6月11日目 夕() ※木曜日
※開始地点を選択することが可能です
1、夏凜と自宅
2、夏凜と瞳と二人の家
3、部室
4、教室 単独
↓2
568:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 22:26:40.20:JZJxYIe/O (5/5)
1
1
569:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 22:26:52.87:J2a/UEXZO (4/5)
1
1
570: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/03(火) 22:40:46.05:kffRWVYqo (21/21)
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間
出来なければ翌々日に通常時間
園子「二対一だよ~天さん」
天乃「え?」
夏凜「覚悟しなさい」
若葉「待て!」
天乃「若葉……っ」
若葉「三対一を所望する!」
天乃「若葉ッ!?」
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間
出来なければ翌々日に通常時間
園子「二対一だよ~天さん」
天乃「え?」
夏凜「覚悟しなさい」
若葉「待て!」
天乃「若葉……っ」
若葉「三対一を所望する!」
天乃「若葉ッ!?」
571:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 22:45:42.83:J2a/UEXZO (5/5)
乙
夏凛と園子のガチンコ対決が今始まる!(もう三人でいちゃいちゃすればいいのに)
乙
夏凛と園子のガチンコ対決が今始まる!(もう三人でいちゃいちゃすればいいのに)
572:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/03(火) 22:50:22.02:AbOcsQcSO (4/4)
乙
ついに夏凛ちゃんが恋人になる時が来たのだろうか…
それにしても夏凛ちゃんも過去作の友奈ちゃん達同様、普段健康的な分よりエロく見えるな
乙
ついに夏凛ちゃんが恋人になる時が来たのだろうか…
それにしても夏凛ちゃんも過去作の友奈ちゃん達同様、普段健康的な分よりエロく見えるな
573:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 06:29:00.13:JEUBPZBEO (1/1)
ああもうエロいなぁこりゃR板納得ですわ
ポルノ規制不可避じゃんよ
それにしても久遠さんは何で無理矢理して泣いたんだ
純粋無垢の培養室育ちでもそうならないだろうに
ああもうエロいなぁこりゃR板納得ですわ
ポルノ規制不可避じゃんよ
それにしても久遠さんは何で無理矢理して泣いたんだ
純粋無垢の培養室育ちでもそうならないだろうに
574:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 11:39:24.16:gPWkwgiYO (1/1)
天乃って内面かなり乙女だし純真無垢だよ
夏凛とはちゃんとしたかったからつらかったんじゃない
天乃って内面かなり乙女だし純真無垢だよ
夏凛とはちゃんとしたかったからつらかったんじゃない
575:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 14:47:48.67:PCSYD5VMo (1/1)
ちゃんとしたかったから辛くて泣くとか…可愛い過ぎか
でも押し倒されて泣いてる姿はエロい(確信)
ちゃんとしたかったから辛くて泣くとか…可愛い過ぎか
でも押し倒されて泣いてる姿はエロい(確信)
576: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 22:59:27.88:gXhT8nxQo (1/8)
では、少しだけ
では、少しだけ
577:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:01:01.76:gKYQ+pVLO (1/3)
あいあいさ
あいあいさ
578: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:01:39.27:gXhT8nxQo (2/8)
夏凜「………」
天乃「………」
お昼の件があってか、約二時間の授業のあとでも
天乃と夏凜は二人して気まずさを感じて、口を閉ざす
何から話せば良いのか、言葉が見つからない
まるで他人になってしまったようにも思えるが
互いに無知な他人と、これとではわけが違う
夏凜「あま――」
天乃「かり――」
ふと、言葉を切り出そうとした二人だったが
意図せず重なって「あっ」と声を漏らすと、また黙り込む
車椅子を押すキュルキュルという音だけが二人の間に響く
各教室や、体育館等
生徒の話し声や部員の掛け声等がせわしなく聞こえてくるが
二人の沈黙は昼間の部室のことを彷彿とさせるのだろう
天乃は頬を紅く染めて、夏凜は一際小さく思える天乃の後ろ姿から、目を逸らす
抱きしめたこと、キスした事。一歩進んだキスをした事
どれもこれもが鮮明で、唇にはまだ。生々しい感触がじわじわと残っている
夏凜「…………」
昼間のキスの後、沙織からの着信を受けた天乃の端末
友奈から着信を受けた夏凜の端末その二つの振動に世界から連れ戻された二人は
互いに顔を合わせられないまま「戻らないと」と言って以降、何も話せていない
そろそろ何か、些細なことでも話せればと思う一方
夏凜は、嬉しく思ってくれただろうか、幸せになれただろうか、気持ちよさを感じてくれただろうか。と
聞くべきではないと思うことを聞きたくて堪らなかった
夏凜「………」
天乃「………」
お昼の件があってか、約二時間の授業のあとでも
天乃と夏凜は二人して気まずさを感じて、口を閉ざす
何から話せば良いのか、言葉が見つからない
まるで他人になってしまったようにも思えるが
互いに無知な他人と、これとではわけが違う
夏凜「あま――」
天乃「かり――」
ふと、言葉を切り出そうとした二人だったが
意図せず重なって「あっ」と声を漏らすと、また黙り込む
車椅子を押すキュルキュルという音だけが二人の間に響く
各教室や、体育館等
生徒の話し声や部員の掛け声等がせわしなく聞こえてくるが
二人の沈黙は昼間の部室のことを彷彿とさせるのだろう
天乃は頬を紅く染めて、夏凜は一際小さく思える天乃の後ろ姿から、目を逸らす
抱きしめたこと、キスした事。一歩進んだキスをした事
どれもこれもが鮮明で、唇にはまだ。生々しい感触がじわじわと残っている
夏凜「…………」
昼間のキスの後、沙織からの着信を受けた天乃の端末
友奈から着信を受けた夏凜の端末その二つの振動に世界から連れ戻された二人は
互いに顔を合わせられないまま「戻らないと」と言って以降、何も話せていない
そろそろ何か、些細なことでも話せればと思う一方
夏凜は、嬉しく思ってくれただろうか、幸せになれただろうか、気持ちよさを感じてくれただろうか。と
聞くべきではないと思うことを聞きたくて堪らなかった
579: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:05:07.08:gXhT8nxQo (3/8)
天乃「ね、ねぇ……夏凜」
夏凜「ん?」
天乃「貴女が良ければなんだけれど……今日は家に帰らない? 私の、方」
相変わらず夏凜の方に振り向こうとしない天乃だが
元々色白なせいか、赤みがかった耳は解り易く
その体が微かに震えているのも夏凜には解った
夏凜「そんなの――」
天乃「っ」
夏凜「…………」
園子に謝る必要もあるから、言うまでもない。と答えようとしたのだが
最初の出だしでびくついた天乃に、夏凜は軽くため息をつく
そんな怖がらなくても良いのに。と
天乃「ね、ねぇ……夏凜」
夏凜「ん?」
天乃「貴女が良ければなんだけれど……今日は家に帰らない? 私の、方」
相変わらず夏凜の方に振り向こうとしない天乃だが
元々色白なせいか、赤みがかった耳は解り易く
その体が微かに震えているのも夏凜には解った
夏凜「そんなの――」
天乃「っ」
夏凜「…………」
園子に謝る必要もあるから、言うまでもない。と答えようとしたのだが
最初の出だしでびくついた天乃に、夏凜は軽くため息をつく
そんな怖がらなくても良いのに。と
580: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:11:02.36:gXhT8nxQo (4/8)
天乃「そんなの……嫌?」
夏凜「いや」
天乃「そう、よね」
夏凜「いや、そうじゃなくて」
溜めたわけでも苛めたわけでもない
夏凜は天乃の車椅子を押すのをやめると、頭にぽんっと手を置く
夏凜「少し考えんの止めろ。聞いたんなら、聞け」
天乃「……っ」
ただでさえ俯いている天乃がさらに頭を下げたのを感じながら
夏凜は「行くわよ」と、答える
夏凜「園子が聞いてたかもしれないし。流石にアレは、謝るべきでしょ?」
天乃「……じゃぁ、風達に連絡入れるわね」
微かに弾んだように聞こえる声
相変わらず耳は赤いが、自分はどうなのだろうか。と
夏凜は廊下の途中の鏡から目を逸らす
見たら熱気で鏡が割れるかもしれない。そんな意味解らないことを考えて
冷たい手を、顔に宛がった
天乃「そんなの……嫌?」
夏凜「いや」
天乃「そう、よね」
夏凜「いや、そうじゃなくて」
溜めたわけでも苛めたわけでもない
夏凜は天乃の車椅子を押すのをやめると、頭にぽんっと手を置く
夏凜「少し考えんの止めろ。聞いたんなら、聞け」
天乃「……っ」
ただでさえ俯いている天乃がさらに頭を下げたのを感じながら
夏凜は「行くわよ」と、答える
夏凜「園子が聞いてたかもしれないし。流石にアレは、謝るべきでしょ?」
天乃「……じゃぁ、風達に連絡入れるわね」
微かに弾んだように聞こえる声
相変わらず耳は赤いが、自分はどうなのだろうか。と
夏凜は廊下の途中の鏡から目を逸らす
見たら熱気で鏡が割れるかもしれない。そんな意味解らないことを考えて
冷たい手を、顔に宛がった
581: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:13:23.57:gXhT8nxQo (5/8)
6月11日目 夕(自宅) ※木曜日
夏凜「悪かったわ。本当」
園子「ううん、気にしてないよ~」
夏凜の素直な謝罪に、園子は笑顔で答える
喧嘩していたら何か言って治めようかとも考えていた園子だが
二人揃って帰ってきて、見せ掛けだけの仲直りの様子も微塵も感じられない以上
この件に関して、何か余計な水を差す気はなかった
園子「それで、天さん」
天乃「?」
園子「したの?」
天乃「……なんのこと?」
園子の意地悪な問いに、
天乃は平常心を保ちながらそう答えたが、園子はニコニコと笑って
園子「そっかぁ~」
嬉しそうに、呟く
どうしたこうしたとか聞いていないし、
変に違和感のある受け答えもなかったが、
天乃の耳が微かに紅いままなのを、見逃すはずがなかったからだ
6月11日目 夕(自宅) ※木曜日
夏凜「悪かったわ。本当」
園子「ううん、気にしてないよ~」
夏凜の素直な謝罪に、園子は笑顔で答える
喧嘩していたら何か言って治めようかとも考えていた園子だが
二人揃って帰ってきて、見せ掛けだけの仲直りの様子も微塵も感じられない以上
この件に関して、何か余計な水を差す気はなかった
園子「それで、天さん」
天乃「?」
園子「したの?」
天乃「……なんのこと?」
園子の意地悪な問いに、
天乃は平常心を保ちながらそう答えたが、園子はニコニコと笑って
園子「そっかぁ~」
嬉しそうに、呟く
どうしたこうしたとか聞いていないし、
変に違和感のある受け答えもなかったが、
天乃の耳が微かに紅いままなのを、見逃すはずがなかったからだ
582: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:18:03.23:gXhT8nxQo (6/8)
園子「むふふ……天さんがいると本当に捗るよ~」
夏凜「輝いてるわね、あんた」
園子「今なら必殺技が撃てるかもしれないね」
夏凜の半ば呆れたような表情に、園子は変わらず満面の笑みを浮かべて言う
必殺技が撃てるとか言うのは冗談でしかないが
それぐらいには気分が良かったし
園子的必殺技ゲージは問答無用で満タンだった
もちろん、叶うことなら。と思わないといえば嘘になる
けれど、
ずっと不幸で救われない大好きな人を幸せにしてくれるなら
誰でも構わない。何でも構わない。そう思ってそう願う
そしてそれが、自分と近しい人で、信頼に足る人なら、なおさら
園子「むふふ……天さんがいると本当に捗るよ~」
夏凜「輝いてるわね、あんた」
園子「今なら必殺技が撃てるかもしれないね」
夏凜の半ば呆れたような表情に、園子は変わらず満面の笑みを浮かべて言う
必殺技が撃てるとか言うのは冗談でしかないが
それぐらいには気分が良かったし
園子的必殺技ゲージは問答無用で満タンだった
もちろん、叶うことなら。と思わないといえば嘘になる
けれど、
ずっと不幸で救われない大好きな人を幸せにしてくれるなら
誰でも構わない。何でも構わない。そう思ってそう願う
そしてそれが、自分と近しい人で、信頼に足る人なら、なおさら
583: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:20:13.21:gXhT8nxQo (7/8)
園子「にぼっしーは謝るためにわざわざ来てくれたの?」
天乃「私が呼んだのよ。来てくれない? って」
園子「……お散歩行こうかな~」
天乃「なに言ってるのよ」
聞いた瞬間、園子はにやりと笑う
天乃はそんな笑みに呆れたように言って
夏凜へと目を向けて、苦笑する
天乃「夏凜の家のほうが良かったかしら」
夏凜「うちにだって瞳がいるわよ。動ける分、あっちの方が厄介」
それもそうかもね。と二人揃って笑う
朝との違いに園子もまた、嬉しそうに笑った
1、ところで。今日、風と話したりした?
2、女の子の件、どうしようかなって思って
3、男の子の件、どうしようかなって思って
4、そろそろ。告白されることの対処すべきなんじゃないかなって思うの
5、ねぇ、夏凜。最近、大赦からの連絡とか来てる?
6、夏凜、今日は軽く模擬戦に付き合って欲しいの
↓2
園子「にぼっしーは謝るためにわざわざ来てくれたの?」
天乃「私が呼んだのよ。来てくれない? って」
園子「……お散歩行こうかな~」
天乃「なに言ってるのよ」
聞いた瞬間、園子はにやりと笑う
天乃はそんな笑みに呆れたように言って
夏凜へと目を向けて、苦笑する
天乃「夏凜の家のほうが良かったかしら」
夏凜「うちにだって瞳がいるわよ。動ける分、あっちの方が厄介」
それもそうかもね。と二人揃って笑う
朝との違いに園子もまた、嬉しそうに笑った
1、ところで。今日、風と話したりした?
2、女の子の件、どうしようかなって思って
3、男の子の件、どうしようかなって思って
4、そろそろ。告白されることの対処すべきなんじゃないかなって思うの
5、ねぇ、夏凜。最近、大赦からの連絡とか来てる?
6、夏凜、今日は軽く模擬戦に付き合って欲しいの
↓2
584:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:21:03.80:PBS1ntz0O (1/2)
6
6
585:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:22:32.06:35UEKAiOo (1/1)
3
3
586:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:24:39.39:gKYQ+pVLO (2/3)
5
5
587: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/04(水) 23:33:48.03:gXhT8nxQo (8/8)
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃「男の子の件……どうしようかなって」
夏凜「あぁ、それなら心配いらないわよ」
天乃「え?」
園子「今は(壁の外で)清掃ボランティア中だよ~」
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃「男の子の件……どうしようかなって」
夏凜「あぁ、それなら心配いらないわよ」
天乃「え?」
園子「今は(壁の外で)清掃ボランティア中だよ~」
588:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:40:12.40:gKYQ+pVLO (3/3)
乙
無理矢理キスをしたばかりにこの男の子の扱いが…w
乙
無理矢理キスをしたばかりにこの男の子の扱いが…w
589:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:40:13.99:PBS1ntz0O (2/2)
乙
これもう恋人と言ってもいいのでは
乙
これもう恋人と言ってもいいのでは
590:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/04(水) 23:46:33.81:zdZ4sKI/O (1/1)
おつ
ゴミに清掃されるんですがそれは…
おつ
ゴミに清掃されるんですがそれは…
591:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 00:24:30.87:1eALMkquO (1/1)
園子ほんとにいい子
なんとなくだけど天乃って夏凛との組み合わせだと前回前々回と違って男役になれる気がして来たけど
やっぱ気のせいだったわ今回のやりとり見ると
園子ほんとにいい子
なんとなくだけど天乃って夏凛との組み合わせだと前回前々回と違って男役になれる気がして来たけど
やっぱ気のせいだったわ今回のやりとり見ると
592:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 06:42:08.41:UHmq9OnYO (1/1)
天乃は恋愛に関しては乙女だから仕方ないね
戦闘だとイケメンなんだけどな
天乃は恋愛に関しては乙女だから仕方ないね
戦闘だとイケメンなんだけどな
593:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 12:34:39.59:ZJa+4bRjO (1/1)
むしろ夏凛の方が夫みたいな感じだよね
久遠さんは次の戦いから参加しない約束してるし夫の帰りを待つ妻っぽくなりそう
むしろ夏凛の方が夫みたいな感じだよね
久遠さんは次の戦いから参加しない約束してるし夫の帰りを待つ妻っぽくなりそう
594: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 21:46:02.58:rluoYuwMo (1/9)
では、少しだけ
では、少しだけ
595:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 21:48:04.51:jC5RgPrUO (1/4)
よしきた
よしきた
596: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 21:51:55.75:rluoYuwMo (2/9)
天乃「実は、男の子の件で相談しようと思ったのよ」
身近な人の中で、男子生徒にキスされてしまったことを話しているのは
夏凜と園子、そして風の三人だけだ
相談するなら風も呼ぶべきだったかもしれないが
話を聞いていない樹たちにまで、
余計な心配等をかけてしまう可能性もある為、今回は夏凜と園子のみ
もちろん、それだけでなく
キスしあった相手ということもあるが……
天乃「どうしようかなって」
夏凜「どうするもこうするも、悩む必要があるってこと自体。私は理解できないわよ」
呆れたように言う夏凜は、
一瞬閉じていた目を開くと、横目に天乃を見る
夏凜「嫌な事してきた相手と付き合うかどうかなんて。普通考える?」
それは当然だ
普通は考えないだろうし、その場ですぐにお断りするだろう
後日、何かしらの関わりを持って、そこから発展していく……というのも
絶対にありえないとはいえないが。
少なくとも、被害者がその加害者との交際云々で悩むのは普通ありえない
天乃「実は、男の子の件で相談しようと思ったのよ」
身近な人の中で、男子生徒にキスされてしまったことを話しているのは
夏凜と園子、そして風の三人だけだ
相談するなら風も呼ぶべきだったかもしれないが
話を聞いていない樹たちにまで、
余計な心配等をかけてしまう可能性もある為、今回は夏凜と園子のみ
もちろん、それだけでなく
キスしあった相手ということもあるが……
天乃「どうしようかなって」
夏凜「どうするもこうするも、悩む必要があるってこと自体。私は理解できないわよ」
呆れたように言う夏凜は、
一瞬閉じていた目を開くと、横目に天乃を見る
夏凜「嫌な事してきた相手と付き合うかどうかなんて。普通考える?」
それは当然だ
普通は考えないだろうし、その場ですぐにお断りするだろう
後日、何かしらの関わりを持って、そこから発展していく……というのも
絶対にありえないとはいえないが。
少なくとも、被害者がその加害者との交際云々で悩むのは普通ありえない
597: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 21:58:12.33:rluoYuwMo (3/9)
けれど、そこでそうね。と認められないのが久遠天乃という少女なのだ
男子生徒の行為に関しても、最低だと責めはしたが
誘ってしまった自分にも非はあるなどと考えてしまうのだから
流石にそれは優しさではなく愚かさだ。とも言いたくなるというもので。
しかし、今回の件にはやはり思うところもあるのか
複雑な表情をする天乃を一瞥した園子は、夏凜へと、目を向けて
園子「ん~でも、にぼっしーは最初、天さんがすっごく嫌がることしたよね?」
夏凜「それは掘り返すな! ……っていうか、なんで私達が出て来るのよ」
園子「えへへ~言った方がいい?」
夏凜「言わんでいい!」
怒ったからか、恥ずかしいからか
顔赤く、声大きくなった夏凜を、天乃は困ったような笑みで見送る
天乃「そんなこともあったわね、あの時はこの生意気な生徒は再起不能にしてやろうかしらなんて考えてたんだけどね」
満面の笑みでいう天乃から静かに視線をフェードアウトさせた夏凜は息をついて胸を撫で下ろす
天乃の実力なら再起不能は余裕だろうし、
あえて手加減して一生モノのトラウマを植えつけて生き地獄にさせるのも可能だと思っているからだ
普段の甘さや優しさを知らなかった最初期は、キレている部分しか知らなくて
平然と喧嘩を売って、明目張胆に立ち向かっているつもりだったが
そこに込められた思いの強さを感じる立場となった今は、なんて見事な自殺願望者だったのだろうかと思わざるを得ない
夏凜「あれは全面的に私が悪かったわよ。話に聞いてたのと違って弱かったから……色々」
天乃「最初に私と戦ってたら、もう少し優しく挫折させてあげられたんだけど」
夏凜「挫折はしてないわよ。今だって、あんたにいつか勝とうって思ってんだから」
今はまだ。でもきっと
そう思う夏凜に、天乃は嬉しそうに笑みを浮かべて「頑張って」と、言った
けれど、そこでそうね。と認められないのが久遠天乃という少女なのだ
男子生徒の行為に関しても、最低だと責めはしたが
誘ってしまった自分にも非はあるなどと考えてしまうのだから
流石にそれは優しさではなく愚かさだ。とも言いたくなるというもので。
しかし、今回の件にはやはり思うところもあるのか
複雑な表情をする天乃を一瞥した園子は、夏凜へと、目を向けて
園子「ん~でも、にぼっしーは最初、天さんがすっごく嫌がることしたよね?」
夏凜「それは掘り返すな! ……っていうか、なんで私達が出て来るのよ」
園子「えへへ~言った方がいい?」
夏凜「言わんでいい!」
怒ったからか、恥ずかしいからか
顔赤く、声大きくなった夏凜を、天乃は困ったような笑みで見送る
天乃「そんなこともあったわね、あの時はこの生意気な生徒は再起不能にしてやろうかしらなんて考えてたんだけどね」
満面の笑みでいう天乃から静かに視線をフェードアウトさせた夏凜は息をついて胸を撫で下ろす
天乃の実力なら再起不能は余裕だろうし、
あえて手加減して一生モノのトラウマを植えつけて生き地獄にさせるのも可能だと思っているからだ
普段の甘さや優しさを知らなかった最初期は、キレている部分しか知らなくて
平然と喧嘩を売って、明目張胆に立ち向かっているつもりだったが
そこに込められた思いの強さを感じる立場となった今は、なんて見事な自殺願望者だったのだろうかと思わざるを得ない
夏凜「あれは全面的に私が悪かったわよ。話に聞いてたのと違って弱かったから……色々」
天乃「最初に私と戦ってたら、もう少し優しく挫折させてあげられたんだけど」
夏凜「挫折はしてないわよ。今だって、あんたにいつか勝とうって思ってんだから」
今はまだ。でもきっと
そう思う夏凜に、天乃は嬉しそうに笑みを浮かべて「頑張って」と、言った
598: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 22:03:55.44:rluoYuwMo (4/9)
園子「それで、天さんはその男の子をどうしようと思ってるの?」
天乃「どうするもこうするも、それを考えたいなって」
園子「う~ん……」
悩ましそうに声を漏らした園子だが
それを見た夏凜は言わないならと言いたげに目を逸らして「私は」と、切り出す
夏凜「本心を言えば、考えなくて良いと思う。というか、考えずに忘れて欲しい」
天乃「夏凜……」
色々と複雑な理由があるのだろう
夏凜は何かを言いたそうに口ごもると、複雑な表情を浮かべて
夏凜「でも、あんたの意思を酌むのならもう一度会ってから見極めた方が良いと思う」
襲ってくるような相手は危険だといいたいが
それは自分も同じだから言えない
だから、考えた上で夏凜は続ける
夏凜「その会う方法がなんにしても。相手が今回の件で一言も謝れないようなやつなら……考える価値すらない」
園子「私はね~天さん。男の子のことよりも、自分のことを考えるべきだと思うかなぁ」
きつく言う夏凜を横目に笑みを見せた園子は
微笑むようにそう言うと、目をしっかりと開いて、天乃を見定める
園子「それで、天さんはその男の子をどうしようと思ってるの?」
天乃「どうするもこうするも、それを考えたいなって」
園子「う~ん……」
悩ましそうに声を漏らした園子だが
それを見た夏凜は言わないならと言いたげに目を逸らして「私は」と、切り出す
夏凜「本心を言えば、考えなくて良いと思う。というか、考えずに忘れて欲しい」
天乃「夏凜……」
色々と複雑な理由があるのだろう
夏凜は何かを言いたそうに口ごもると、複雑な表情を浮かべて
夏凜「でも、あんたの意思を酌むのならもう一度会ってから見極めた方が良いと思う」
襲ってくるような相手は危険だといいたいが
それは自分も同じだから言えない
だから、考えた上で夏凜は続ける
夏凜「その会う方法がなんにしても。相手が今回の件で一言も謝れないようなやつなら……考える価値すらない」
園子「私はね~天さん。男の子のことよりも、自分のことを考えるべきだと思うかなぁ」
きつく言う夏凜を横目に笑みを見せた園子は
微笑むようにそう言うと、目をしっかりと開いて、天乃を見定める
599:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 22:05:05.80:cMYiOaErO (1/2)
もう男子生徒より二人の今後について話すべきでは?
もう男子生徒より二人の今後について話すべきでは?
600: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 22:14:04.43:rluoYuwMo (5/9)
園子「男の子のことも大事だと思うよ~? でもね、やっぱり。自分が幸せになれる相手を選ぶべきだと思うから」
夏凜「ま、でしょうね。その男子と一緒にいることがあんたの幸せだって言うなら。私だって……」
天乃「心配しなくて済む……わよね」
夏凜の物憂げな表情に、天乃は申し訳なさそうに言うと
ごめんね。と呟く
園子は言いたいことはそうじゃないんじゃないかと思いつつ夏凜へと目を向けて
視界に入った夏凜の困り果てた表情には、流石に同情を覚えた
さっき、園子が夏凜を茶化したときもそうだが致命的にズレているところがあるのだ
本人は大真面目にその部分を考えて発言しているのだろうけれど……
園子としては、夏凜が少し不憫に見えてしまう
夏凜「あの一年の後輩か、その男子か。それ以外か……決めかねてるってんなら。とりあえずは関わるしかなさそうね」
夏凜の言葉に、園子は同意して頷いた
1、その中で私が幸せになれる人を選ぶのね……
2、それ以外ね……模擬デートした男の子のことも。ちゃんと考えてあげなきゃ
3、その二人のどっちかだと、先が楽そうね。私だけが幸せを感じる相手だと。片思いになっちゃうし
4、そういえば、二人は相手に女の子がいることに関して特にないの?
5、なんだか夏凜。不満そうね
6、恋愛マスターの風先輩にも話を聞いておくべきだったかしら
7、幸せってどういうものなのかしら。キスの時感じるようなもの?
↓2
園子「男の子のことも大事だと思うよ~? でもね、やっぱり。自分が幸せになれる相手を選ぶべきだと思うから」
夏凜「ま、でしょうね。その男子と一緒にいることがあんたの幸せだって言うなら。私だって……」
天乃「心配しなくて済む……わよね」
夏凜の物憂げな表情に、天乃は申し訳なさそうに言うと
ごめんね。と呟く
園子は言いたいことはそうじゃないんじゃないかと思いつつ夏凜へと目を向けて
視界に入った夏凜の困り果てた表情には、流石に同情を覚えた
さっき、園子が夏凜を茶化したときもそうだが致命的にズレているところがあるのだ
本人は大真面目にその部分を考えて発言しているのだろうけれど……
園子としては、夏凜が少し不憫に見えてしまう
夏凜「あの一年の後輩か、その男子か。それ以外か……決めかねてるってんなら。とりあえずは関わるしかなさそうね」
夏凜の言葉に、園子は同意して頷いた
1、その中で私が幸せになれる人を選ぶのね……
2、それ以外ね……模擬デートした男の子のことも。ちゃんと考えてあげなきゃ
3、その二人のどっちかだと、先が楽そうね。私だけが幸せを感じる相手だと。片思いになっちゃうし
4、そういえば、二人は相手に女の子がいることに関して特にないの?
5、なんだか夏凜。不満そうね
6、恋愛マスターの風先輩にも話を聞いておくべきだったかしら
7、幸せってどういうものなのかしら。キスの時感じるようなもの?
↓2
601:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 22:15:52.43:9+/Rht/1O (1/2)
7
7
602:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 22:16:00.44:cMYiOaErO (2/2)
5
5
603:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 22:16:42.28:jC5RgPrUO (2/4)
7
7
604:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 22:20:33.31:9+/Rht/1O (2/2)
話振ったか
夏凛ヘタレそう、頑張れ
話振ったか
夏凛ヘタレそう、頑張れ
605: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 23:04:56.14:rluoYuwMo (6/9)
天乃「なんだか夏凜、不満そうね」
夏凜「……そりゃ、もう関わって欲しくないやつに関わろうとしてるんだから当然でしょ」
むしろ、不満にならないやつがいるのか。と
夏凜は心底不満そうに笑う
人を馬鹿にしているのかとでも言いたげに
夏凜「加害者とはいえ、悪く言うのはあんたが好まないだろうから控えるつもりだったけど、この際言わせてもらうわ」
夏凜はそう言うと
天乃のことを見据える
その瞳には、不満とわずかな怒りそして不安が入り乱れていた
夏凜「私はあいつ、大嫌いよ。はっきり言って――」
園子「にぼっしー!」
夏凜「園子。天乃が不満そうだって言ったのよ」
園子の介入に対して、夏凜は言葉を途絶えさせてまで答える
その表情は呆れ顔で
園子が不安そうにしているというのが、天乃にもまた、動揺を誘う
園子「でも」
夏凜「だから、言う」
夏凜はそう言った後、ゆっくりと目を閉じて「いや、言いたい」と、続けて
夏凜「はっきり言って、あいつとだけは祝福してやれる気がしない」
そう、吐き捨てた
天乃「なんだか夏凜、不満そうね」
夏凜「……そりゃ、もう関わって欲しくないやつに関わろうとしてるんだから当然でしょ」
むしろ、不満にならないやつがいるのか。と
夏凜は心底不満そうに笑う
人を馬鹿にしているのかとでも言いたげに
夏凜「加害者とはいえ、悪く言うのはあんたが好まないだろうから控えるつもりだったけど、この際言わせてもらうわ」
夏凜はそう言うと
天乃のことを見据える
その瞳には、不満とわずかな怒りそして不安が入り乱れていた
夏凜「私はあいつ、大嫌いよ。はっきり言って――」
園子「にぼっしー!」
夏凜「園子。天乃が不満そうだって言ったのよ」
園子の介入に対して、夏凜は言葉を途絶えさせてまで答える
その表情は呆れ顔で
園子が不安そうにしているというのが、天乃にもまた、動揺を誘う
園子「でも」
夏凜「だから、言う」
夏凜はそう言った後、ゆっくりと目を閉じて「いや、言いたい」と、続けて
夏凜「はっきり言って、あいつとだけは祝福してやれる気がしない」
そう、吐き捨てた
606: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 23:11:00.55:rluoYuwMo (7/9)
天乃「夏凜……」
夏凜「私もあんたを泣かせた。だから、言える立場じゃないと思った。でも、ここまで来たら言わせてもらう」
夏凜は押し隠していた苛立ちを現すかのように
強く、強く握った拳を震わせて歯を噛み締める
夏凜「あんなやつのこと考えるなら、わた……」
天乃「夏凜……?」
不満を口にする夏凜の複雑な表情に対し
心配そうに、不安そうな表情を見せる天乃
その二人を見つめる園子は
夏凜あ口ごもってしまったのを見て、小さく笑うと
仕方ないなぁ。と、心の中で呟く
それは、誰かに言うつもりのない言葉かもしれない
しかし、天乃と同じく自分を優先できない自分への呆れかもしれない
そう考える園子は、やはり。笑って
園子「そんな人のこと考えるくらいなら、ねぇ。天さん」
天乃「え?」
園子「キスした三好さんとか、私とか。候補に入れてくれてもいいんじゃないかな~?」
二人の会話に、あえて口出しをした
天乃「夏凜……」
夏凜「私もあんたを泣かせた。だから、言える立場じゃないと思った。でも、ここまで来たら言わせてもらう」
夏凜は押し隠していた苛立ちを現すかのように
強く、強く握った拳を震わせて歯を噛み締める
夏凜「あんなやつのこと考えるなら、わた……」
天乃「夏凜……?」
不満を口にする夏凜の複雑な表情に対し
心配そうに、不安そうな表情を見せる天乃
その二人を見つめる園子は
夏凜あ口ごもってしまったのを見て、小さく笑うと
仕方ないなぁ。と、心の中で呟く
それは、誰かに言うつもりのない言葉かもしれない
しかし、天乃と同じく自分を優先できない自分への呆れかもしれない
そう考える園子は、やはり。笑って
園子「そんな人のこと考えるくらいなら、ねぇ。天さん」
天乃「え?」
園子「キスした三好さんとか、私とか。候補に入れてくれてもいいんじゃないかな~?」
二人の会話に、あえて口出しをした
607: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 23:37:27.01:rluoYuwMo (8/9)
天乃「え……?」
夏凜「は? はぁっ!? ちょ、あんた何言って!」
園子「うーん? 候補に入れて貰うくらいいいんじゃないかな~? 嫌な人よりは」
園子のにやにやとした笑みに
夏凜は何を言っても無駄だろう事は理解して
照れ隠しのようにため息をつくと
天乃へと目を向ける
夏凜「ま、まぁ……信頼できる人間って言えば。間違いじゃない」
天乃「そんなこと言われても……」
困る。と言いかけた天乃だが
キスをして起きながら、まったく考えないのもおかしな話だと改め直して、眼を逸らす
天乃「そうね……一応。候補になら」
園子「むふふ~」
夏凜「なによ……」
園子「これは男の子よりも女の子よりもにぼっしーよりも! 同棲してる私が優勢だねぇ~?」
夏凜「あんたねぇ」
楽しそうな園子と呆れかえった夏凜
その二人に話の輪から放りだされた天乃は
勝手なこと言わないの。と、困ったように言った
1、なら。今日は泊まっていく?
2、瞳と夏凜が来る分の部屋ならあると思うけど……
3、冗談言って夏凜を虐めないであげて
4、ごめんね、夏凜。でも、やっぱりちゃんと考えてあげたいから
↓2
天乃「え……?」
夏凜「は? はぁっ!? ちょ、あんた何言って!」
園子「うーん? 候補に入れて貰うくらいいいんじゃないかな~? 嫌な人よりは」
園子のにやにやとした笑みに
夏凜は何を言っても無駄だろう事は理解して
照れ隠しのようにため息をつくと
天乃へと目を向ける
夏凜「ま、まぁ……信頼できる人間って言えば。間違いじゃない」
天乃「そんなこと言われても……」
困る。と言いかけた天乃だが
キスをして起きながら、まったく考えないのもおかしな話だと改め直して、眼を逸らす
天乃「そうね……一応。候補になら」
園子「むふふ~」
夏凜「なによ……」
園子「これは男の子よりも女の子よりもにぼっしーよりも! 同棲してる私が優勢だねぇ~?」
夏凜「あんたねぇ」
楽しそうな園子と呆れかえった夏凜
その二人に話の輪から放りだされた天乃は
勝手なこと言わないの。と、困ったように言った
1、なら。今日は泊まっていく?
2、瞳と夏凜が来る分の部屋ならあると思うけど……
3、冗談言って夏凜を虐めないであげて
4、ごめんね、夏凜。でも、やっぱりちゃんと考えてあげたいから
↓2
608:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 23:37:57.16:aBAMVUhsO (1/1)
2
2
609:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 23:38:18.24:7qSZ2hPrO (1/2)
1
1
610:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 23:38:42.38:jC5RgPrUO (3/4)
2
2
611: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/05(木) 23:47:06.46:rluoYuwMo (9/9)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から
若葉「なぜ天乃はあそこまで綺麗に読み間違えるんだ」
球子「自分が相手を困らせてる。嫌な思いさせてる。そう考えちゃってるんじゃないか?」
九尾「ただの朴念仁じゃぞ。主様は」
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から
若葉「なぜ天乃はあそこまで綺麗に読み間違えるんだ」
球子「自分が相手を困らせてる。嫌な思いさせてる。そう考えちゃってるんじゃないか?」
九尾「ただの朴念仁じゃぞ。主様は」
612:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 23:50:56.17:7qSZ2hPrO (2/2)
乙
次回、夏凛vs園子
園子ナイスフォロー
乙
次回、夏凛vs園子
園子ナイスフォロー
613:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/05(木) 23:56:33.34:jC5RgPrUO (4/4)
乙
夏凛ちゃん、久遠さんのこと大好き過ぎんよ~
それにしても恋人の話題に園子様が意外とよく絡んでるな
乙
夏凛ちゃん、久遠さんのこと大好き過ぎんよ~
それにしても恋人の話題に園子様が意外とよく絡んでるな
614:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 07:00:34.21:RQZNkRPHO (1/1)
久遠さんを幸せにしてくれるなら自分じゃなくても良いけど出来るなら自分が良いっていう園子も大好き過ぎる
選ぶのは2人では駄目なんですか?1人じゃないと駄目なんですか?(某代表感)
久遠さんを幸せにしてくれるなら自分じゃなくても良いけど出来るなら自分が良いっていう園子も大好き過ぎる
選ぶのは2人では駄目なんですか?1人じゃないと駄目なんですか?(某代表感)
615:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 09:02:35.70:4JChtPIDO (1/2)
久遠さんの鈍感力すげえな
さすがに気付きそうなもんだけど
久遠さんの鈍感力すげえな
さすがに気付きそうなもんだけど
616:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 10:34:54.64:veoqSzxbo (1/1)
今まで好かれるような人間じゃないって考えてた弊害かね…
好かれないが当たり前だから遠回しな言い方だとそっち側で考えられない…みたいな
ただの鈍感とか朴念仁ではないと思う
今まで好かれるような人間じゃないって考えてた弊害かね…
好かれないが当たり前だから遠回しな言い方だとそっち側で考えられない…みたいな
ただの鈍感とか朴念仁ではないと思う
617: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:00:50.25:yJorlKIro (1/10)
では、はじめていきます
では、はじめていきます
618:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 22:02:52.81:J+s+uQfNO (1/3)
はいよ
はいよ
619: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:04:42.22:yJorlKIro (2/10)
天乃「なら、泊まっていく?」
夏凜「明日学校なんだけど……まぁ、瞳が平気なら」
夏凜は天乃の突然の提案に顔をしかめたが
ニヤニヤとした笑みを浮かべたままの園子が視界に入った途端
小さくため息をついて、電話をかける
メールでもいいのかもしれないが、返事は早く貰っておきたいからだ
夏凜「いちいち言いなおさなくていいわよ。今更なんだから」
夏凜は困ったように言うが、その表情はどことなく嬉しそうで
その相手と話すことが出来ること自体が
夏凜にとっては幸せなことだと、解る気がして
夏凜「迎え? いや、そう言うことじゃ……いや、そうね。でも、迎えは明日の朝に頼みたいのよ」
夏凜の端末から漏れてくる声は
電子的な乱れもあって聞き取ることは出来ないけれど
夏凜「あんたね……いや、間違ってはないけど」
瞳としては、泊まることについては問題ないであろうことくらいは
瞳の電子音声から感じる喜びから容易に想像できた
天乃「なら、泊まっていく?」
夏凜「明日学校なんだけど……まぁ、瞳が平気なら」
夏凜は天乃の突然の提案に顔をしかめたが
ニヤニヤとした笑みを浮かべたままの園子が視界に入った途端
小さくため息をついて、電話をかける
メールでもいいのかもしれないが、返事は早く貰っておきたいからだ
夏凜「いちいち言いなおさなくていいわよ。今更なんだから」
夏凜は困ったように言うが、その表情はどことなく嬉しそうで
その相手と話すことが出来ること自体が
夏凜にとっては幸せなことだと、解る気がして
夏凜「迎え? いや、そう言うことじゃ……いや、そうね。でも、迎えは明日の朝に頼みたいのよ」
夏凜の端末から漏れてくる声は
電子的な乱れもあって聞き取ることは出来ないけれど
夏凜「あんたね……いや、間違ってはないけど」
瞳としては、泊まることについては問題ないであろうことくらいは
瞳の電子音声から感じる喜びから容易に想像できた
620: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:08:32.68:yJorlKIro (3/10)
園子「どう~?」
夏凜「今から着替え届けに来るって」
電話を終えた夏凜は、なんなのよこの行動力。と、
戸惑い混じりに呟いて端末をポケットにしまう
夏凜「泊まることに関してはまったく問題ないらしいわよ」
天乃「じゃぁ、決まりね」
ぱんっと音を立てて手を合わせた家の主へと目を向けて
夏凜は小さく息をつく
夏凜「…………」
自分のことはどれだけ解っているのだろう
今、自分がどんな声で、どんな表情か
それを解っているのだろうか、それがどんな感情、心ゆえなのか
解っているのだろうかと、夏凜は思って
園子「嬉しそうだね、天さん」
天乃「ふふ、まぁね」
心を察したかのように聞いた園子への答えで
解っているのだと解ってしまった
園子「どう~?」
夏凜「今から着替え届けに来るって」
電話を終えた夏凜は、なんなのよこの行動力。と、
戸惑い混じりに呟いて端末をポケットにしまう
夏凜「泊まることに関してはまったく問題ないらしいわよ」
天乃「じゃぁ、決まりね」
ぱんっと音を立てて手を合わせた家の主へと目を向けて
夏凜は小さく息をつく
夏凜「…………」
自分のことはどれだけ解っているのだろう
今、自分がどんな声で、どんな表情か
それを解っているのだろうか、それがどんな感情、心ゆえなのか
解っているのだろうかと、夏凜は思って
園子「嬉しそうだね、天さん」
天乃「ふふ、まぁね」
心を察したかのように聞いた園子への答えで
解っているのだと解ってしまった
621: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:16:57.11:yJorlKIro (4/10)
だから
夏凜「そんな喜ぶほど珍しいことでもないでしょ。普段会ってるんだから」
夏凜は思わず、照れ隠しのように言ってしまう
隠し切れない嬉しさで頬を染めて、慌しく視線を泳がせる
それはまるで、燃え盛る炎のように美しく。園子の瞳に映る
天乃「朝昼夕って会えるけれど、夜もって言うのは少し新鮮よ」
夏凜「……あっそ」
それでも嬉しそうに言う
その心が知りたくて、けれども言う勇気が足りない
返した言葉は少しだけキツい言葉
それでも「そうよ」と、しりとりのように返すその笑みが
夏凜は少しだけ嬉しく、もどかしい
夏凜「私だって……ちょっとは。その」
園子「…………」
ちらっと目を向けた園子は何も言わず
けれど、解っているように微笑んでいて
夏凜は園子や天乃から目を逸らしたまま、ため息をつく
さっきからずっと、助けられてばっかりだ。と
夏凜「まぁ、嬉しくないことも……ない」
天乃「明日は良かったって、言われるおもてなしをしないとね」
だから
夏凜「そんな喜ぶほど珍しいことでもないでしょ。普段会ってるんだから」
夏凜は思わず、照れ隠しのように言ってしまう
隠し切れない嬉しさで頬を染めて、慌しく視線を泳がせる
それはまるで、燃え盛る炎のように美しく。園子の瞳に映る
天乃「朝昼夕って会えるけれど、夜もって言うのは少し新鮮よ」
夏凜「……あっそ」
それでも嬉しそうに言う
その心が知りたくて、けれども言う勇気が足りない
返した言葉は少しだけキツい言葉
それでも「そうよ」と、しりとりのように返すその笑みが
夏凜は少しだけ嬉しく、もどかしい
夏凜「私だって……ちょっとは。その」
園子「…………」
ちらっと目を向けた園子は何も言わず
けれど、解っているように微笑んでいて
夏凜は園子や天乃から目を逸らしたまま、ため息をつく
さっきからずっと、助けられてばっかりだ。と
夏凜「まぁ、嬉しくないことも……ない」
天乃「明日は良かったって、言われるおもてなしをしないとね」
622: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:25:06.70:yJorlKIro (5/10)
嬉しそうな表情で、楽しそうに言う
それはきっと夏凜を思い、夏凜のためのもので
夏凜は強く歯を食いしばって
夏凜「評価は出来ないわよ。比較対象ないし」
園子「天さんのおもてなしが評価基準になるんだね~責任重大だぁ」
天乃「……あえて評価を落としてみんなの礎にならないと」
にやりと笑う二人に、夏凜は「ふざけんな」と、声を上げる
けれどもその声とは正反対に
表情はとても嬉しそうなものだった
基準になるとかならないとかそう言う話ではなく
正直に言えば、漫才のボケ担当二人を相手にするという
気疲れのようなものを早くも感じているのだが。しかし
それ以上に喜楽を感じられるこの場所が
そして、なによりも……
天乃「冗談よ、お客様」
夏凜「笑顔は接客の基本、忘れたら減点するわよ」
天乃「私の愛想笑いならタダだけど、気持ちが欲しいなら有料よ?」
夏凜「ツケで」
天乃「お帰りくださいませ、お客様」
家族以上に心置きなく楽しむことの出来る相手が
勇者であること、非日常であること
それらを片時でも忘れさせて、幸せを感じさせてくれるこの時間が好きだからだ
嬉しそうな表情で、楽しそうに言う
それはきっと夏凜を思い、夏凜のためのもので
夏凜は強く歯を食いしばって
夏凜「評価は出来ないわよ。比較対象ないし」
園子「天さんのおもてなしが評価基準になるんだね~責任重大だぁ」
天乃「……あえて評価を落としてみんなの礎にならないと」
にやりと笑う二人に、夏凜は「ふざけんな」と、声を上げる
けれどもその声とは正反対に
表情はとても嬉しそうなものだった
基準になるとかならないとかそう言う話ではなく
正直に言えば、漫才のボケ担当二人を相手にするという
気疲れのようなものを早くも感じているのだが。しかし
それ以上に喜楽を感じられるこの場所が
そして、なによりも……
天乃「冗談よ、お客様」
夏凜「笑顔は接客の基本、忘れたら減点するわよ」
天乃「私の愛想笑いならタダだけど、気持ちが欲しいなら有料よ?」
夏凜「ツケで」
天乃「お帰りくださいませ、お客様」
家族以上に心置きなく楽しむことの出来る相手が
勇者であること、非日常であること
それらを片時でも忘れさせて、幸せを感じさせてくれるこの時間が好きだからだ
623: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 22:29:43.29:yJorlKIro (6/10)
6月11日目 夜(自宅) ※木曜日
1、夏凜と交流 ※単独
2、園子と交流 ※単独
3、3人で恋のお話。続き
4、変質者について
5、キスについて
6、精霊の誰か ※再安価
7、イベント判定
↓2
6月11日目 夜(自宅) ※木曜日
1、夏凜と交流 ※単独
2、園子と交流 ※単独
3、3人で恋のお話。続き
4、変質者について
5、キスについて
6、精霊の誰か ※再安価
7、イベント判定
↓2
624:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 22:30:13.94:UM0smlIhO (1/3)
5
5
625:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 22:30:32.37:J+s+uQfNO (2/3)
3
3
626:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 22:34:09.16:jhZZ5KWJ0 (1/1)
4
4
627: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 23:03:34.22:yJorlKIro (7/10)
夏凜「恋バナの続きって、あんたねぇ……」
園子「私は良いと思うけどな~」
夜、食事も入浴も終えたあと
天乃と園子の部屋で3人集まって、
天乃は「恋バナの続きをしましょう」と提案したのだ
園子はもちろん乗り気で
夏凜はやっぱり、乗り気ではない
天乃「嫌?」
夏凜「嫌も何も、何を話すってのよ」
天乃「それは」
夏凜「私達も候補なんでしょ?」
椅子に座った夏凜の呆れた言い方に
天乃は困った様子で
それを見る園子はいつも通りのほほんとした笑い声を溢して
園子「天さんだって、私だって。にぼっしーだって、女の子なんだからいいんじゃないかなぁ?」
夏凜「そりゃ、まぁ。けど、天乃の候補者には私達もいるんだからだめでしょ」
夏凜「恋バナの続きって、あんたねぇ……」
園子「私は良いと思うけどな~」
夜、食事も入浴も終えたあと
天乃と園子の部屋で3人集まって、
天乃は「恋バナの続きをしましょう」と提案したのだ
園子はもちろん乗り気で
夏凜はやっぱり、乗り気ではない
天乃「嫌?」
夏凜「嫌も何も、何を話すってのよ」
天乃「それは」
夏凜「私達も候補なんでしょ?」
椅子に座った夏凜の呆れた言い方に
天乃は困った様子で
それを見る園子はいつも通りのほほんとした笑い声を溢して
園子「天さんだって、私だって。にぼっしーだって、女の子なんだからいいんじゃないかなぁ?」
夏凜「そりゃ、まぁ。けど、天乃の候補者には私達もいるんだからだめでしょ」
628: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 23:14:57.80:yJorlKIro (8/10)
自分たち以外の候補者に関しても考えているのか
それとも、ただの照れ隠しか何かなのか
その判断は付きにくいが夏凜の目は、天乃へと向く
天乃「だけど、色々と話したいじゃない」
夏凜「話すって何を?」
天乃「夏凜や園子の好きなタイプとか、どういうのが恋愛なのか。とか」
夏凜「あー……」
園子「にぼっしー?」
夏凜「とりあえず一発殴――」
園子「どうどうどーだよ」
園子のちょっとばかり焦った言い方に
流石の天乃も驚いて夏凜へと目を向ける
けれども天乃の表情は悪戯心も悪意も何もなく
ただただ純粋な戸惑いだけが感じられるもので
夏凜は握った拳を解いて、ため息をつく
本当に。大真面目で分かっていないのだ。この人は
自分たち以外の候補者に関しても考えているのか
それとも、ただの照れ隠しか何かなのか
その判断は付きにくいが夏凜の目は、天乃へと向く
天乃「だけど、色々と話したいじゃない」
夏凜「話すって何を?」
天乃「夏凜や園子の好きなタイプとか、どういうのが恋愛なのか。とか」
夏凜「あー……」
園子「にぼっしー?」
夏凜「とりあえず一発殴――」
園子「どうどうどーだよ」
園子のちょっとばかり焦った言い方に
流石の天乃も驚いて夏凜へと目を向ける
けれども天乃の表情は悪戯心も悪意も何もなく
ただただ純粋な戸惑いだけが感じられるもので
夏凜は握った拳を解いて、ため息をつく
本当に。大真面目で分かっていないのだ。この人は
629: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 23:26:04.69:yJorlKIro (9/10)
夏凜「どっちかだけ適当に答えてやるわよ」
天乃「両方は?」
夏凜「喧嘩売ってんの?」
天乃「……ふふっ、私が勝ったら両方で良い?」
満面の笑みを浮かべる狂戦士に
夏凜は自分が悪いわけでもないのに「悪かったわよ」とぼやいて眼を逸らす
はっきり言って、笑っている状態の物騒な言葉程恐ろしいものはないのだ
もちろん、天乃が半ば冗談であることは分かっているのだが
勝ち目がないのだから、退くほかない
天乃「素直でよろしい」
くすくすと笑って、息をつく
窓の外はもうすでに暗い時間
世界はとても静かで
本来なら部屋の中も二人の寝息が聞こえるだけだからか
こうして普通におしゃべりできていること自体が
天乃にとっては嬉しいことで
これが幸せを感じることなのかなと、ほほ笑む
1、好きなタイプについて
2、どういうのが恋愛か
3、付き合えたらしたい事
4、女の子との恋愛
5、男の子との恋愛
6、相手を選ぶこと
↓2
夏凜「どっちかだけ適当に答えてやるわよ」
天乃「両方は?」
夏凜「喧嘩売ってんの?」
天乃「……ふふっ、私が勝ったら両方で良い?」
満面の笑みを浮かべる狂戦士に
夏凜は自分が悪いわけでもないのに「悪かったわよ」とぼやいて眼を逸らす
はっきり言って、笑っている状態の物騒な言葉程恐ろしいものはないのだ
もちろん、天乃が半ば冗談であることは分かっているのだが
勝ち目がないのだから、退くほかない
天乃「素直でよろしい」
くすくすと笑って、息をつく
窓の外はもうすでに暗い時間
世界はとても静かで
本来なら部屋の中も二人の寝息が聞こえるだけだからか
こうして普通におしゃべりできていること自体が
天乃にとっては嬉しいことで
これが幸せを感じることなのかなと、ほほ笑む
1、好きなタイプについて
2、どういうのが恋愛か
3、付き合えたらしたい事
4、女の子との恋愛
5、男の子との恋愛
6、相手を選ぶこと
↓2
630:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 23:27:06.41:UM0smlIhO (2/3)
4
4
631:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 23:27:13.95:4JChtPIDO (2/2)
1
1
632: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/06(金) 23:32:40.06:yJorlKIro (10/10)
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「久遠さんは解らないんじゃない。そう考えられないんだ」
九尾「お主……ここにいるということは」
沙織「あはは。大丈夫、まだ。平気」
九尾「……そうか」
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「久遠さんは解らないんじゃない。そう考えられないんだ」
九尾「お主……ここにいるということは」
沙織「あはは。大丈夫、まだ。平気」
九尾「……そうか」
633:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 23:36:22.67:UM0smlIhO (3/3)
乙
もどかしいなあ
乙
もどかしいなあ
634:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/06(金) 23:38:01.51:J+s+uQfNO (3/3)
乙
久遠さんガチ勢のさおりんすっかり忘れられてたな…
どこかで彼女も混ぜてあげたいや
乙
久遠さんガチ勢のさおりんすっかり忘れられてたな…
どこかで彼女も混ぜてあげたいや
635:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 01:18:55.06:/wrZt9NGO (1/1)
乙
さすがに天乃のキャパ超えちゃう…こともないのか?
今回は今までの時と違って夏凛と園子のコンビ自体でいい味出してるからどちらかってのがキツいな
乙
さすがに天乃のキャパ超えちゃう…こともないのか?
今回は今までの時と違って夏凛と園子のコンビ自体でいい味出してるからどちらかってのがキツいな
636:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 13:58:31.39:HlUebaMZo (1/1)
久遠さんは聖母様だから全員を包み込んでくれるはず
ハーレム目指そうなせば大抵なんとかなるから
久遠さんは聖母様だから全員を包み込んでくれるはず
ハーレム目指そうなせば大抵なんとかなるから
637:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 18:48:50.54:FA3ZuSp5O (1/1)
ハーレム目指すってもこの二人より手広くやると個々の掘り下げが薄くなっちゃうからあんまり好きじゃない
ハーレム目指すってもこの二人より手広くやると個々の掘り下げが薄くなっちゃうからあんまり好きじゃない
638: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 22:37:53.77:w7Gkv3kMo (1/7)
では初めて行きます
では初めて行きます
639:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 22:41:20.13:QTII6P9YO (1/2)
さあこい
さあこい
640: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 22:49:00.93:w7Gkv3kMo (2/7)
天乃「じゃぁ、好きなタイプに教えてくれない?」
夏凜「好きなタイプ……?」
天乃「ええ。理想とかでも良いから」
夏凜はどんな人が好きなのだろうか
園子はどんな人が好きなのだろうか
友奈たちに関しても気にならないといえば嘘になる
自分の理想の相手の姿がまったく無い天乃としては
個々に存在するその理想を知ることで
少しでも、自分が求めているであろう存在を考えてみたいからだ
夏凜「理想……ねぇ」
園子「私は優しい人かな~? こんな私でも、優しくて、大切にしてくれて。一緒にいると楽しくなれる人」
ちょっと理想が高すぎるかな~と
園子は普段と変わらない声色で言って、困ったように眉を潜める
夏凜「園子と天乃に関しては大赦から完璧な介護付きだろうから、その点は気にしなくて良いんじゃない?」
園子「でも、部屋で寝たきりで料理も作ってくれないのは流石に」
天乃「……? 同居前提なの?」
天乃の困惑した声に
園子はそういえば確かにそうだね~とお茶らけた様子で笑う
園子「会いにいけないから、会いに着てくれる人が良いな~」
夏凜「なんでそこで私を見んのよ」
天乃「じゃぁ、好きなタイプに教えてくれない?」
夏凜「好きなタイプ……?」
天乃「ええ。理想とかでも良いから」
夏凜はどんな人が好きなのだろうか
園子はどんな人が好きなのだろうか
友奈たちに関しても気にならないといえば嘘になる
自分の理想の相手の姿がまったく無い天乃としては
個々に存在するその理想を知ることで
少しでも、自分が求めているであろう存在を考えてみたいからだ
夏凜「理想……ねぇ」
園子「私は優しい人かな~? こんな私でも、優しくて、大切にしてくれて。一緒にいると楽しくなれる人」
ちょっと理想が高すぎるかな~と
園子は普段と変わらない声色で言って、困ったように眉を潜める
夏凜「園子と天乃に関しては大赦から完璧な介護付きだろうから、その点は気にしなくて良いんじゃない?」
園子「でも、部屋で寝たきりで料理も作ってくれないのは流石に」
天乃「……? 同居前提なの?」
天乃の困惑した声に
園子はそういえば確かにそうだね~とお茶らけた様子で笑う
園子「会いにいけないから、会いに着てくれる人が良いな~」
夏凜「なんでそこで私を見んのよ」
641: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 23:01:21.63:w7Gkv3kMo (3/7)
園子「にぼっしー達なら、来てくれるからね~」
夏凜「そりゃ、関係者だから当たり前だっての」
天乃「関係者じゃなかったら来てくれないの?」
夏凜「さぁ? 少なくとも、今の私達は泊まるような間柄でしょ」
答えに困ったのか
逃げるように言った夏凜は苦笑いを浮かべて、目を逸らす
天乃「そうね、無関係がどうなのかなんて考えなくて良いわよね」
けれど、天乃は逃げたなんて感じなかった
視線はそらされてしまったけれど、言ってくれた言葉が嬉しくて
思わず、笑みがこぼれる
園子「それで、にぼっしーは?」
夏凜「私は理想なんて考えたこと無いわよ。今までずっと鍛錬漬けだったし」
それが嫌だったわけではないけど。と後付しながらも
夏凜の表情はどこか悲しげで、寂しそうで
しかし、天乃達がそれに何かを言う前に、苦笑する
夏凜「それでも、今考えられる限りで言うなら……付き合っててつまらなくない奴ね。多少鍛錬に付き合えるならなおよし」
天乃「鍛錬に付き合えないとダメなの?」
夏凜「完全についてくるなんてその辺の柔な奴には無理だろうし。ま、せめて私の型とか見て助言とか出来るレベルではあって欲しいわね」
園子「にぼっしー達なら、来てくれるからね~」
夏凜「そりゃ、関係者だから当たり前だっての」
天乃「関係者じゃなかったら来てくれないの?」
夏凜「さぁ? 少なくとも、今の私達は泊まるような間柄でしょ」
答えに困ったのか
逃げるように言った夏凜は苦笑いを浮かべて、目を逸らす
天乃「そうね、無関係がどうなのかなんて考えなくて良いわよね」
けれど、天乃は逃げたなんて感じなかった
視線はそらされてしまったけれど、言ってくれた言葉が嬉しくて
思わず、笑みがこぼれる
園子「それで、にぼっしーは?」
夏凜「私は理想なんて考えたこと無いわよ。今までずっと鍛錬漬けだったし」
それが嫌だったわけではないけど。と後付しながらも
夏凜の表情はどこか悲しげで、寂しそうで
しかし、天乃達がそれに何かを言う前に、苦笑する
夏凜「それでも、今考えられる限りで言うなら……付き合っててつまらなくない奴ね。多少鍛錬に付き合えるならなおよし」
天乃「鍛錬に付き合えないとダメなの?」
夏凜「完全についてくるなんてその辺の柔な奴には無理だろうし。ま、せめて私の型とか見て助言とか出来るレベルではあって欲しいわね」
642:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 23:10:11.82:KhyBVALOo (1/1)
誰のことなのやら……
誰のことなのやら……
643: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 23:17:19.76:w7Gkv3kMo (4/7)
それは言い換えれば、多少なりと趣味を理解してくれる相手が欲しい。ということだろう
夏凜の趣味が鍛錬なのかは別にしても
それが日課として行われていることは間違いないし
そう言うのに付き合ってくれるというのは
夏凜からしてみれば高ポイント。なのかもしれない
園子「型かぁ、私は解らないけど、天さんなら多少わかるんじゃないかな~?」
天乃「わ、私?」
園子「天さんも二年前は鍛錬に明け暮れてたからね」
悪戯心を感じる園子の笑みに、天乃は「もう……」と
困ったように声を漏らして、息をつく
けれど
園子が言っている事は間違っていない
二年前は一部記憶が欠落してしまっているが
残った大部分が鍛錬に明け暮れる日々で
一般的な付き合いというのは学校で少しする程度だったと思う程だ
夏凜「話には聞いてたわよ。手合わせしたくない中学一年生の話」
天乃「そんなこといわれてたの?」
夏凜「だからこそちょっと傷ついたわ。三好様くらいならまだ、相手できますって言われてね」
それは言い換えれば、多少なりと趣味を理解してくれる相手が欲しい。ということだろう
夏凜の趣味が鍛錬なのかは別にしても
それが日課として行われていることは間違いないし
そう言うのに付き合ってくれるというのは
夏凜からしてみれば高ポイント。なのかもしれない
園子「型かぁ、私は解らないけど、天さんなら多少わかるんじゃないかな~?」
天乃「わ、私?」
園子「天さんも二年前は鍛錬に明け暮れてたからね」
悪戯心を感じる園子の笑みに、天乃は「もう……」と
困ったように声を漏らして、息をつく
けれど
園子が言っている事は間違っていない
二年前は一部記憶が欠落してしまっているが
残った大部分が鍛錬に明け暮れる日々で
一般的な付き合いというのは学校で少しする程度だったと思う程だ
夏凜「話には聞いてたわよ。手合わせしたくない中学一年生の話」
天乃「そんなこといわれてたの?」
夏凜「だからこそちょっと傷ついたわ。三好様くらいならまだ、相手できますって言われてね」
644: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 23:26:22.15:w7Gkv3kMo (5/7)
天乃との鍛錬、手合わせのおかげで
一般人の中では飛躍的に能力面で優れていたのかもしれない
だから、一般人の中では鍛錬にて秀でていたとしても
問題なく相手が出来てしまうし
強い相手と手合わせした分、夏凜との手合わせは物足りなささえ、感じてしまったことだろう
天乃「ごめ――」
夏凜「その必要は無いわよ。手合わせしてわかったから」
あいつらは間違ってなかった。夏凜は認めて笑みを浮かべると
そう言って天乃を見つめる
夏凜「だから今度付き合いなさいよ。少しは成長してるってとこ、見せてやるから」
天乃「……ん。楽しみにしてる」
園子「…………」
見詰め合う二人を見ていた園子は
何かを思いついたのか、悪戯心満載の笑みを浮かべて
園子「にぼっしーが告白してるよ~っ!」
夏凜「え? ちょ、は、はぁぁ!? な、なに言って、っていうか勘違いすんな!」
天乃「今の告白……なの?」
夏凜「だから勘違いすんなぁっ!」
天乃との鍛錬、手合わせのおかげで
一般人の中では飛躍的に能力面で優れていたのかもしれない
だから、一般人の中では鍛錬にて秀でていたとしても
問題なく相手が出来てしまうし
強い相手と手合わせした分、夏凜との手合わせは物足りなささえ、感じてしまったことだろう
天乃「ごめ――」
夏凜「その必要は無いわよ。手合わせしてわかったから」
あいつらは間違ってなかった。夏凜は認めて笑みを浮かべると
そう言って天乃を見つめる
夏凜「だから今度付き合いなさいよ。少しは成長してるってとこ、見せてやるから」
天乃「……ん。楽しみにしてる」
園子「…………」
見詰め合う二人を見ていた園子は
何かを思いついたのか、悪戯心満載の笑みを浮かべて
園子「にぼっしーが告白してるよ~っ!」
夏凜「え? ちょ、は、はぁぁ!? な、なに言って、っていうか勘違いすんな!」
天乃「今の告白……なの?」
夏凜「だから勘違いすんなぁっ!」
645: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 23:35:26.07:w7Gkv3kMo (6/7)
声を荒げた夏凜に、天乃は堪らず身を引いて
天乃「ごめんなさい」
園子「せんせー三好さんが久遠さんを苛めてる~」
夏凜「告げ口か!」
園子の挟んだやんわりとした空気に
夏凜は困ったように言って、天乃も小さく笑う
それをみた夏凜はふっと息を吐く
安心か、疲れか。それだけでは区別のしようはない
夏凜「別に告白じゃ……ないから」
天乃「う、うん」
夏凜「……怒鳴ってごめん」
天乃「ううん。平気……」
夏凜の視線を感じていても
天乃は夏凜と目をあわせることを避けて俯き、胸元に手をあてがう
ドキドキとした
怒鳴られたからか、なんなのか解らないけれど
今もまだそれは治まっていなくて、
平気と言いつつも、平気ではなかった
1、でも。そう言う告白の仕方もあるの?
2、思ったけれど。私達はバーテックスとかの件を受け止めてくれる人じゃないとダメよね
3、私は告白でも良かったんだけどね
4、私も園子と似たようなものよね。味覚も何もアレだし。だとすると私も一緒にいて楽しい人かしら
5、じゃぁ……夏凜はどんな告白するの?
↓2
声を荒げた夏凜に、天乃は堪らず身を引いて
天乃「ごめんなさい」
園子「せんせー三好さんが久遠さんを苛めてる~」
夏凜「告げ口か!」
園子の挟んだやんわりとした空気に
夏凜は困ったように言って、天乃も小さく笑う
それをみた夏凜はふっと息を吐く
安心か、疲れか。それだけでは区別のしようはない
夏凜「別に告白じゃ……ないから」
天乃「う、うん」
夏凜「……怒鳴ってごめん」
天乃「ううん。平気……」
夏凜の視線を感じていても
天乃は夏凜と目をあわせることを避けて俯き、胸元に手をあてがう
ドキドキとした
怒鳴られたからか、なんなのか解らないけれど
今もまだそれは治まっていなくて、
平気と言いつつも、平気ではなかった
1、でも。そう言う告白の仕方もあるの?
2、思ったけれど。私達はバーテックスとかの件を受け止めてくれる人じゃないとダメよね
3、私は告白でも良かったんだけどね
4、私も園子と似たようなものよね。味覚も何もアレだし。だとすると私も一緒にいて楽しい人かしら
5、じゃぁ……夏凜はどんな告白するの?
↓2
646:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 23:36:26.00:N+YYuToKO (1/1)
3
3
647:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 23:36:35.03:QTII6P9YO (2/2)
3
3
648:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/07(土) 23:36:43.39:TfE3fKMq0 (1/1)
4
4
649: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/07(土) 23:55:39.68:w7Gkv3kMo (7/7)
天乃「私は告白でも良かったんだけどね」
嬉しそうな笑顔
けれど、絶対に分かってはいない笑顔
園子「また、天さんはそうやって……」
天乃「え?」
だから、流石に園子も困った表情を見せる
自分も夏凜をからかってはいるが
それはさすがに可哀想なのではないか。と、思って
天乃「そうやって……なに?」
夏凜が大げさに否定するものだから
面白半分につついてみようと思った
けれど、それだけじゃなく
なんとなく、それでもよかったと言った反応が知りたいと思った
だけど
夏凜「……あんた、そんなだから男子にキスされるって解んないの?」
天乃「私はただ……」
夏凜「告白でも良かったって、それじゃ、あんたが告白してるようなものなんだから」
天乃「私は告白でも良かったんだけどね」
嬉しそうな笑顔
けれど、絶対に分かってはいない笑顔
園子「また、天さんはそうやって……」
天乃「え?」
だから、流石に園子も困った表情を見せる
自分も夏凜をからかってはいるが
それはさすがに可哀想なのではないか。と、思って
天乃「そうやって……なに?」
夏凜が大げさに否定するものだから
面白半分につついてみようと思った
けれど、それだけじゃなく
なんとなく、それでもよかったと言った反応が知りたいと思った
だけど
夏凜「……あんた、そんなだから男子にキスされるって解んないの?」
天乃「私はただ……」
夏凜「告白でも良かったって、それじゃ、あんたが告白してるようなものなんだから」
650: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 00:30:37.75:5OpgYhYOo (1/40)
天乃「そう言うのも告白……なの?」
確かに告白という言葉を使った
けれど、相手に対して好意を示してはいなかったから
何の問題も疑問も何も感じることはなかったのに
夏凜に自分が告白しているようなものだと言われて
それはつまり自分が夏凜に告白したようなものであると
解らないくせに分かってしまう頭は悟って
天乃「ちが……私、告白、は……」
火にガスを吹き付けたかのような爆発力で熱くなっていく顔に手を宛がう
見ていられなくて、見られたくなくて、俯く
夏凜「天乃……?」
天乃「ちが、違うから。私……そんなつもりじゃ」
園子「……………」
告白してしまったということが
なぜだか強く、心に来る
強引にしてしまったキスとはまた違う、何か別の嫌悪感が湧き出てくる
夏凜「解ってるわよ、あくまで例えってだけだから」
園子「にぼっしー……」
夏凜「強引なのはもうしない。私はそう決めたのよ」
目を伏せて見えなくなった二人の会話を聞きながら
天乃は自分自身の心の内に迷う
自分の理想はどんな人なのか
自分はどんな相手といるのが楽しく、嬉しく、幸せなのだろうか。と
天乃「そう言うのも告白……なの?」
確かに告白という言葉を使った
けれど、相手に対して好意を示してはいなかったから
何の問題も疑問も何も感じることはなかったのに
夏凜に自分が告白しているようなものだと言われて
それはつまり自分が夏凜に告白したようなものであると
解らないくせに分かってしまう頭は悟って
天乃「ちが……私、告白、は……」
火にガスを吹き付けたかのような爆発力で熱くなっていく顔に手を宛がう
見ていられなくて、見られたくなくて、俯く
夏凜「天乃……?」
天乃「ちが、違うから。私……そんなつもりじゃ」
園子「……………」
告白してしまったということが
なぜだか強く、心に来る
強引にしてしまったキスとはまた違う、何か別の嫌悪感が湧き出てくる
夏凜「解ってるわよ、あくまで例えってだけだから」
園子「にぼっしー……」
夏凜「強引なのはもうしない。私はそう決めたのよ」
目を伏せて見えなくなった二人の会話を聞きながら
天乃は自分自身の心の内に迷う
自分の理想はどんな人なのか
自分はどんな相手といるのが楽しく、嬉しく、幸せなのだろうか。と
651: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 00:49:04.54:5OpgYhYOo (2/40)
間違いなく、勇者部のみんなと居るのは楽しく嬉しい
非日常とはいえ、普通の学生という時間を歩むことが出来て幸せだ
けれど、その勇者部という大きな存在に抱く好意は、愛情は
きっと恋愛というものに当てはまるものではない
けれど……細かく分けたら
そこに、その中に。思いを寄せてしまった人がいるのだろうか
夏凜「ゆっくりでいいのよ」
天乃「……え?」
夏凜「天乃はこれからも。まだまだ他の奴らと変わらず生きていける。私が、そうさせてやる」
だから、ゆっくり悩めばいい
ゆっくり考えればいい
それで、間違いなく幸せだと思える選択をしてくれればいいのだと
夏凜は笑う。恥ずかしさを押し隠して。
夏凜「なんて」
天乃「…………」
生きていけるの?
守ってくれるの?
何も言えない。夏凜ではなく、漂う空気が言葉を使わせない
照れ隠しの笑みは、なぜだか。不安になる
園子「三好さん、無茶は。めっ! だよ~」
それを代弁するかのように、園子はそう言った
間違いなく、勇者部のみんなと居るのは楽しく嬉しい
非日常とはいえ、普通の学生という時間を歩むことが出来て幸せだ
けれど、その勇者部という大きな存在に抱く好意は、愛情は
きっと恋愛というものに当てはまるものではない
けれど……細かく分けたら
そこに、その中に。思いを寄せてしまった人がいるのだろうか
夏凜「ゆっくりでいいのよ」
天乃「……え?」
夏凜「天乃はこれからも。まだまだ他の奴らと変わらず生きていける。私が、そうさせてやる」
だから、ゆっくり悩めばいい
ゆっくり考えればいい
それで、間違いなく幸せだと思える選択をしてくれればいいのだと
夏凜は笑う。恥ずかしさを押し隠して。
夏凜「なんて」
天乃「…………」
生きていけるの?
守ってくれるの?
何も言えない。夏凜ではなく、漂う空気が言葉を使わせない
照れ隠しの笑みは、なぜだか。不安になる
園子「三好さん、無茶は。めっ! だよ~」
それを代弁するかのように、園子はそう言った
652: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 00:51:41.65:5OpgYhYOo (3/40)
01~10
11~20 継続
21~30
31~40
41~50 ×
51~60 継続
61~70
71~80
81~90 継続
91~00
↓1のコンマ
※奇数継続→夏凜
※偶数継続→園子
01~10
11~20 継続
21~30
31~40
41~50 ×
51~60 継続
61~70
71~80
81~90 継続
91~00
↓1のコンマ
※奇数継続→夏凜
※偶数継続→園子
653:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 00:52:08.89:tIOLAIONO (1/2)
あ
あ
654:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 00:54:02.10:9yG6XF5tO (1/2)
おお!ニュー夏凛はヘタレない!
おお!ニュー夏凛はヘタレない!
655: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 01:24:27.75:5OpgYhYOo (4/40)
園子の仲介のような言葉に、解ってるわよ。と
夏凜が返した後、なぜだか続けにくい空気になってしまった三人は
そのまま寝ることにした
天乃と園子は言わずもがなベッドで
夏凜は隣接するように並べた、床敷の布団で
名静まったような静寂の空気の中
不思議にひんやりとした空気を感じる夏凜は、目を開く
園子の寝息は聞こえるが、天乃の寝息は聞こえなくて
夏凜「まだ、起きてるわけ?」
何気なく体を起こして声をかけると
天乃「起こされた」
天乃は閉じていた目を開いて、不満そうに笑う
勿論、不満なんてなさそうだが。
夏凜「完全に起きてたやつの反応しておいて何言ってるんだか」
天乃「だって……眠れないんだから仕方ないじゃない」
園子の仲介のような言葉に、解ってるわよ。と
夏凜が返した後、なぜだか続けにくい空気になってしまった三人は
そのまま寝ることにした
天乃と園子は言わずもがなベッドで
夏凜は隣接するように並べた、床敷の布団で
名静まったような静寂の空気の中
不思議にひんやりとした空気を感じる夏凜は、目を開く
園子の寝息は聞こえるが、天乃の寝息は聞こえなくて
夏凜「まだ、起きてるわけ?」
何気なく体を起こして声をかけると
天乃「起こされた」
天乃は閉じていた目を開いて、不満そうに笑う
勿論、不満なんてなさそうだが。
夏凜「完全に起きてたやつの反応しておいて何言ってるんだか」
天乃「だって……眠れないんだから仕方ないじゃない」
656: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 01:25:13.33:5OpgYhYOo (5/40)
普段なら目を瞑れば、
毎回差はあるが、しばらくすれば眠気に誘われて落ちていくというのに
今日に限ってはその気配がまったくなくて
困ったように言う天乃から園子へと目を向けた夏凜は
小さく申し訳なさそうに息をつくと、天乃の方に顔を近づけた
夏凜「天乃」
天乃「?」
きょとんとした赤と橙の瞳
どちらも綺麗に見えるが、赤い方は少し濁っていて
その痛々しさに歯を食いしばる
夏凜「私はあんたに幸せになって貰いたいと思ってる」
月明りに照らされて妖艶さを増す桃色の髪
それを撫でるように視線を巡らせて
これは気の迷いなんかではないのだと
逃げ出したりなんかするなよと
心を何度も何度も。強く押し出して
普段なら目を瞑れば、
毎回差はあるが、しばらくすれば眠気に誘われて落ちていくというのに
今日に限ってはその気配がまったくなくて
困ったように言う天乃から園子へと目を向けた夏凜は
小さく申し訳なさそうに息をつくと、天乃の方に顔を近づけた
夏凜「天乃」
天乃「?」
きょとんとした赤と橙の瞳
どちらも綺麗に見えるが、赤い方は少し濁っていて
その痛々しさに歯を食いしばる
夏凜「私はあんたに幸せになって貰いたいと思ってる」
月明りに照らされて妖艶さを増す桃色の髪
それを撫でるように視線を巡らせて
これは気の迷いなんかではないのだと
逃げ出したりなんかするなよと
心を何度も何度も。強く押し出して
657: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 01:26:10.92:5OpgYhYOo (6/40)
夏凜「だって」
天乃「夏凜?」
夏凜「だって私は……っ」
止めてしまいそうになる体を、
誤魔化してしまいそうな心を、押しとどめて
夏凜「幸せそうに笑ってる天乃が――好き。だから」
夏凜はその言葉を口にする
天乃「それって」
夏凜「……候補者の言葉。それだけで察しなさいよ。馬鹿」
何かを言おうとした天乃に
夏凜はそんな悪態をついて布団に戻ると
そのまま掛け布団一枚を被って「寝る」と言い残して声を押し殺す
天乃「……候補者の」
今まで通りの天乃の考え方でも
それが、普通の好きとは違う。少し特別なものであるということは理解できて
天乃「っ」
痛むほどに激しさを増す心を抑えるように胸元を抑えた天乃は
横になったまま、月を見上げる
天乃「……私も、幸せそうな貴女が。貴女達が。好きよ」
綺麗な月だ。怪しくも美しい光だ
惑わすようなそれを見つめて、天乃は息をつく
二つの寝息を聞きながら、天乃の夜更かしはもう少しだけ。続いた
夏凜「だって」
天乃「夏凜?」
夏凜「だって私は……っ」
止めてしまいそうになる体を、
誤魔化してしまいそうな心を、押しとどめて
夏凜「幸せそうに笑ってる天乃が――好き。だから」
夏凜はその言葉を口にする
天乃「それって」
夏凜「……候補者の言葉。それだけで察しなさいよ。馬鹿」
何かを言おうとした天乃に
夏凜はそんな悪態をついて布団に戻ると
そのまま掛け布団一枚を被って「寝る」と言い残して声を押し殺す
天乃「……候補者の」
今まで通りの天乃の考え方でも
それが、普通の好きとは違う。少し特別なものであるということは理解できて
天乃「っ」
痛むほどに激しさを増す心を抑えるように胸元を抑えた天乃は
横になったまま、月を見上げる
天乃「……私も、幸せそうな貴女が。貴女達が。好きよ」
綺麗な月だ。怪しくも美しい光だ
惑わすようなそれを見つめて、天乃は息をつく
二つの寝息を聞きながら、天乃の夜更かしはもう少しだけ。続いた
658: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 01:32:10.23:5OpgYhYOo (7/40)
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から
再開時に11日目のまとめ
九尾「そろそろかや?」
若葉「本当に平気なのか?」
九尾「その時が来なければ何とも言えぬな」
九尾(じゃが、これは恐らく……)
九尾「成せばたいてい何とかなる……それを信じるほかあるまい」
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から
再開時に11日目のまとめ
九尾「そろそろかや?」
若葉「本当に平気なのか?」
九尾「その時が来なければ何とも言えぬな」
九尾(じゃが、これは恐らく……)
九尾「成せばたいてい何とかなる……それを信じるほかあるまい」
659:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 01:36:25.49:9yG6XF5tO (2/2)
乙
もうこれ天乃の中でも答え出たんじゃないですかね
乙
もうこれ天乃の中でも答え出たんじゃないですかね
660:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 01:58:53.79:tIOLAIONO (2/2)
乙
夏凛ちゃんに何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか…?
乙
夏凛ちゃんに何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか…?
661: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 13:35:53.11:5OpgYhYOo (8/40)
では、少しずつ進めていきます
では、少しずつ進めていきます
662:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 13:41:47.08:2eD3yHKgO (1/3)
九尾はなんの話してんだこれ
九尾はなんの話してんだこれ
663: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 13:43:00.44:5OpgYhYOo (9/40)
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流有(泊まって、恋バナ、好きなタイプ、告白でも良かった)
・ 犬吠埼風:交流無()
・ 犬吠埼樹:交流無()
・ 結城友奈:交流無()
・ 東郷美森:交流無()
・ 三好夏凜:交流有
(一緒にいて、園子とのキス、キス①、キス②、頑張る、キス③、男の子の件、
不満、泊まって、恋バナ、好きなタイプ、告白でも良かった、SP)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・ 九尾:交流無()
・ 死神:交流無()
・ 稲狐:交流無()
・ 神樹:交流無()
6月11日目 終了時点
乃木園子との絆 53(高い)
犬吠埼風との絆 42(少し高い)
犬吠埼樹との絆 39(中々良い)
結城友奈との絆 57(高い)
東郷美森との絆 41(少し高い)
三好夏凜との絆 55(高い)
乃木若葉との絆 38(中々良い)
土居球子との絆 26(中々良い)
沙織との絆 49(少し高い)
九尾との絆 42(少し高い)
死神との絆 38(中々良い)
稲狐との絆 30(中々良い)
神樹との絆 9(低い)
汚染度???%
※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流有(泊まって、恋バナ、好きなタイプ、告白でも良かった)
・ 犬吠埼風:交流無()
・ 犬吠埼樹:交流無()
・ 結城友奈:交流無()
・ 東郷美森:交流無()
・ 三好夏凜:交流有
(一緒にいて、園子とのキス、キス①、キス②、頑張る、キス③、男の子の件、
不満、泊まって、恋バナ、好きなタイプ、告白でも良かった、SP)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・ 九尾:交流無()
・ 死神:交流無()
・ 稲狐:交流無()
・ 神樹:交流無()
6月11日目 終了時点
乃木園子との絆 53(高い)
犬吠埼風との絆 42(少し高い)
犬吠埼樹との絆 39(中々良い)
結城友奈との絆 57(高い)
東郷美森との絆 41(少し高い)
三好夏凜との絆 55(高い)
乃木若葉との絆 38(中々良い)
土居球子との絆 26(中々良い)
沙織との絆 49(少し高い)
九尾との絆 42(少し高い)
死神との絆 38(中々良い)
稲狐との絆 30(中々良い)
神樹との絆 9(低い)
汚染度???%
※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します
664: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 13:56:13.55:5OpgYhYOo (10/40)
√ 6月12日目 朝(自宅) ※金曜日
01~10
11~20 樹海化
21~30
31~40 奴(変態の方)
41~50
51~60
61~70 樹海化
71~80
81~90
91~00 奴(精霊の方)
↓1のコンマ
√ 6月12日目 朝(自宅) ※金曜日
01~10
11~20 樹海化
21~30
31~40 奴(変態の方)
41~50
51~60
61~70 樹海化
71~80
81~90
91~00 奴(精霊の方)
↓1のコンマ
665:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 13:56:38.60:wUgTJu0mO (1/2)
そ
そ
666:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 14:02:23.06:rF+kOyRXO (1/2)
あぶねぇ…
あぶねぇ…
667: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 14:51:25.81:5OpgYhYOo (11/40)
いつも通りの時間に目が覚める
目覚まし時計を使っているわけでもないのに
習慣になった覚醒は無理矢理にでも引き起こさせる
天乃「…………」
夏凜「……起こした?」
天乃「ううん、私はいつもこの時間よ。絶対に……何もなければね」
以前の昏睡状態
あのようなことが無ければという物言いに
夏凜は「そりゃね」と、呟く
夏凜「瞳でさえグースカ寝てる時間だってのに、暇つぶしも楽じゃないんじゃないの?」
天乃「園子の寝言を聞くのも意外と楽しいのよ? たまに変なこと言うけど。笑えるから」
天乃の嬉しそうな声に、夏凜も笑みを浮かべる
園子が来るまでは一人だっただろう
寂しかっただろう。辛かっただろう
それをなんとなく感じて、けれど。今ある幸せを感じるから
夏凜は笑みを浮かべることが出来る
夏凜「起きてても寝てても、おかしな奴ってことね?」
天乃「ううん、楽しんでるのよ。その一瞬を全力で」
いつも通りの時間に目が覚める
目覚まし時計を使っているわけでもないのに
習慣になった覚醒は無理矢理にでも引き起こさせる
天乃「…………」
夏凜「……起こした?」
天乃「ううん、私はいつもこの時間よ。絶対に……何もなければね」
以前の昏睡状態
あのようなことが無ければという物言いに
夏凜は「そりゃね」と、呟く
夏凜「瞳でさえグースカ寝てる時間だってのに、暇つぶしも楽じゃないんじゃないの?」
天乃「園子の寝言を聞くのも意外と楽しいのよ? たまに変なこと言うけど。笑えるから」
天乃の嬉しそうな声に、夏凜も笑みを浮かべる
園子が来るまでは一人だっただろう
寂しかっただろう。辛かっただろう
それをなんとなく感じて、けれど。今ある幸せを感じるから
夏凜は笑みを浮かべることが出来る
夏凜「起きてても寝てても、おかしな奴ってことね?」
天乃「ううん、楽しんでるのよ。その一瞬を全力で」
668: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 14:53:20.56:5OpgYhYOo (12/40)
夏凜「………」
ふと、園子へと目を向けた夏凜は
その痛ましい姿からは想像出来ないような穏やかな寝顔に
確かにね。と、同意するのと同時に笑みをこぼして息をつく
幸せそうだ。こんな体になってしまったのに
それはきっと。天乃が隣にいるからだ
天乃「園子にキスしちゃだめよ? 同意の上なら、まぁ。良いけど」
夏凜「しないわよ。キス魔でもあるまいに」
天乃「……昨日は、特別?」
聞く予定はなかったのに
なぜか、当然のようにその言葉は漏れて、驚いた夏凜の表情が視界に入る
天乃が自分の発言に頬を染めて眼を逸らすと、
夏凜も照れくさそうに眼を逸らす
夏凜「特別に決まってんでしょ……あんなの。気の迷いと勢いの状態異常だから」
天乃「……そっか」
夏凜「なによ。したいとか思ってるわけ?」
夏凜「………」
ふと、園子へと目を向けた夏凜は
その痛ましい姿からは想像出来ないような穏やかな寝顔に
確かにね。と、同意するのと同時に笑みをこぼして息をつく
幸せそうだ。こんな体になってしまったのに
それはきっと。天乃が隣にいるからだ
天乃「園子にキスしちゃだめよ? 同意の上なら、まぁ。良いけど」
夏凜「しないわよ。キス魔でもあるまいに」
天乃「……昨日は、特別?」
聞く予定はなかったのに
なぜか、当然のようにその言葉は漏れて、驚いた夏凜の表情が視界に入る
天乃が自分の発言に頬を染めて眼を逸らすと、
夏凜も照れくさそうに眼を逸らす
夏凜「特別に決まってんでしょ……あんなの。気の迷いと勢いの状態異常だから」
天乃「……そっか」
夏凜「なによ。したいとか思ってるわけ?」
669: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 14:54:58.05:5OpgYhYOo (13/40)
天乃「そ、そんなこと思わないわよ。どれだけ破廉恥な子だと思ってるの?」
夏凜「……唇以上にやってくるくらいにはそう思ってるけど」
天乃「ぅ……」
園子に教えて貰った……というか、園子にされたキス
それを訳も分からず真似ただけだが、行ったのは事実で
それを否定することが出来ない天乃は思わず呻く
二人の視線は重ならない。交わらない
なのに、見えない何かはしっかりと。紡がれる
天乃「…………」
夏凜「…………」
自分の心臓の激しさに
どこかで爆発でも起きてくれないだろうか。なんて
物騒なことを考えて
夏凜「……鍛錬行くんだけど」
天乃「え?」
夏凜「あんたが平気なら、行く?」
1、邪魔にならない?
2、夏凜がいいなら
3、うん、後ろからついていく
4、九尾が力を貸してくれれば……平気。かも
5、私は重いわよ?
↓2
天乃「そ、そんなこと思わないわよ。どれだけ破廉恥な子だと思ってるの?」
夏凜「……唇以上にやってくるくらいにはそう思ってるけど」
天乃「ぅ……」
園子に教えて貰った……というか、園子にされたキス
それを訳も分からず真似ただけだが、行ったのは事実で
それを否定することが出来ない天乃は思わず呻く
二人の視線は重ならない。交わらない
なのに、見えない何かはしっかりと。紡がれる
天乃「…………」
夏凜「…………」
自分の心臓の激しさに
どこかで爆発でも起きてくれないだろうか。なんて
物騒なことを考えて
夏凜「……鍛錬行くんだけど」
天乃「え?」
夏凜「あんたが平気なら、行く?」
1、邪魔にならない?
2、夏凜がいいなら
3、うん、後ろからついていく
4、九尾が力を貸してくれれば……平気。かも
5、私は重いわよ?
↓2
670:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 14:55:39.88:wUgTJu0mO (2/2)
3
3
671:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 14:59:09.10:UlXFmLl6O (1/8)
2
2
672:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 14:59:21.31:rF+kOyRXO (2/2)
1
1
673: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 15:45:59.80:5OpgYhYOo (14/40)
天乃「夏凜がいいなら」
きっと邪魔になる
何の役に立つわけでもない
だから、天乃は聞き返してしまう
夏凜は天乃のそんな性格を分かっている
もう、呆れるほどにされてきたことだから
だから、夏凜は困ったように笑う
夏凜「なら、さっさと準備していくわよ」
天乃「ええ」
文句を言う意味も理由もなく
夏凜は当たり前のようにその言葉を返すと
天乃の手を取って、車椅子へと導く
夏凜「大赦の連中には、何か言う必要あるの?」
天乃「そうね、こっそり抜け出してもいいんだけど……」
夏凜「可哀想だから止めてあげなさいよ」
嬉しそうに言う天乃に
夏凜は困ったように返してため息をつく
ここに常駐している職員は大丈夫なのかもしれないが
大赦の中には天乃を良く思っていない人たちがいるのだ
自ら敵を増やすなんて、認められるわけがない
天乃「夏凜がいいなら」
きっと邪魔になる
何の役に立つわけでもない
だから、天乃は聞き返してしまう
夏凜は天乃のそんな性格を分かっている
もう、呆れるほどにされてきたことだから
だから、夏凜は困ったように笑う
夏凜「なら、さっさと準備していくわよ」
天乃「ええ」
文句を言う意味も理由もなく
夏凜は当たり前のようにその言葉を返すと
天乃の手を取って、車椅子へと導く
夏凜「大赦の連中には、何か言う必要あるの?」
天乃「そうね、こっそり抜け出してもいいんだけど……」
夏凜「可哀想だから止めてあげなさいよ」
嬉しそうに言う天乃に
夏凜は困ったように返してため息をつく
ここに常駐している職員は大丈夫なのかもしれないが
大赦の中には天乃を良く思っていない人たちがいるのだ
自ら敵を増やすなんて、認められるわけがない
674: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 15:47:54.22:5OpgYhYOo (15/40)
天乃「解ってるわよ。勇者だから死なないとはいえ。毒を盛られたら苦しいからね」
夏凜「冗談じゃないっての」
大赦職員からの裏切り。それの一部であり得ることを呟いて
夏凜の素に戻った声に苦笑して、「そうね」と返す
守りたいものを守っただけで大勢から嫌われることになった天乃は
本来なら、そんなのは理不尽だと怒っても良いはずだ
けれど、それを受け入れている
傷つけることになってしまったのは事実だからと。受け入れている
夏凜「監視とかもついてくる?」
天乃「どうかしら、朝って基本的にはこの部屋から出ないから」
その優しさが
あるいは、その無謀さが
夏凜はとても不安で恐ろしい
最終的に何もかもを包み込んで、奪い去ってしまいそうだから
夏凜「仮にいたとしても、置いてってやるわ」
天乃「目を付けられるから止めなさい。二人でいられなくなるから」
夏凜「……はぁ」
なんの謀りもなくこういうことが言えて、無自覚だと言う所も。恐ろしい
天乃「解ってるわよ。勇者だから死なないとはいえ。毒を盛られたら苦しいからね」
夏凜「冗談じゃないっての」
大赦職員からの裏切り。それの一部であり得ることを呟いて
夏凜の素に戻った声に苦笑して、「そうね」と返す
守りたいものを守っただけで大勢から嫌われることになった天乃は
本来なら、そんなのは理不尽だと怒っても良いはずだ
けれど、それを受け入れている
傷つけることになってしまったのは事実だからと。受け入れている
夏凜「監視とかもついてくる?」
天乃「どうかしら、朝って基本的にはこの部屋から出ないから」
その優しさが
あるいは、その無謀さが
夏凜はとても不安で恐ろしい
最終的に何もかもを包み込んで、奪い去ってしまいそうだから
夏凜「仮にいたとしても、置いてってやるわ」
天乃「目を付けられるから止めなさい。二人でいられなくなるから」
夏凜「……はぁ」
なんの謀りもなくこういうことが言えて、無自覚だと言う所も。恐ろしい
675: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 16:03:25.22:5OpgYhYOo (16/40)
01~10 海岸
11~20 公園
21~30 学校
31~40 特殊
41~50 公園
51~60 学校
61~70 海岸
71~80 公園
81~90 学校
91~00 海岸
↓1のコンマ
※ぞろ目 特殊
一桁4で闖入者
01~10 海岸
11~20 公園
21~30 学校
31~40 特殊
41~50 公園
51~60 学校
61~70 海岸
71~80 公園
81~90 学校
91~00 海岸
↓1のコンマ
※ぞろ目 特殊
一桁4で闖入者
676:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 16:03:46.86:2eD3yHKgO (2/3)
あ
あ
677:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 16:04:14.13:li4EtxaC0 (1/1)
あ
あ
678: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 16:46:50.38:5OpgYhYOo (17/40)
天乃「ここ……」
夏凜「目的地があった方が、走り込みはやりやすいのよ」
天乃「だからって学校なの? もうちょっと、海とか公園とか」
いい場所あるんじゃないの? という天乃の言葉に
夏凜は「まぁね」と、笑う
そういう選択肢もあったにはあったのだが
それでは二人きりということもあって
昨日のような空気が漂ってしまうと思ったのだ
正直、連日ああいう空気は、夏凜にはまだ早い
まだ。何も定められていない今は
乃木園子という優しい繋がりを置いてはいけない
夏凜「まだ教師すら来てなさそうな時間の学校ってのも。珍しいでしょ?」
天乃「休みの日なら当たり前じゃない?」
夏凜「…………」
……確かに
夏凜「で、でも休みの日に来たいって思う?」
天乃「思わないけど……ううん。夏凜のセンスではこんなものよね」
夏凜「おい」
天乃「ここ……」
夏凜「目的地があった方が、走り込みはやりやすいのよ」
天乃「だからって学校なの? もうちょっと、海とか公園とか」
いい場所あるんじゃないの? という天乃の言葉に
夏凜は「まぁね」と、笑う
そういう選択肢もあったにはあったのだが
それでは二人きりということもあって
昨日のような空気が漂ってしまうと思ったのだ
正直、連日ああいう空気は、夏凜にはまだ早い
まだ。何も定められていない今は
乃木園子という優しい繋がりを置いてはいけない
夏凜「まだ教師すら来てなさそうな時間の学校ってのも。珍しいでしょ?」
天乃「休みの日なら当たり前じゃない?」
夏凜「…………」
……確かに
夏凜「で、でも休みの日に来たいって思う?」
天乃「思わないけど……ううん。夏凜のセンスではこんなものよね」
夏凜「おい」
679: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 16:49:54.68:5OpgYhYOo (18/40)
風情も何もない場所に連れてきた夏凜のセンス
それを小ばかにするように笑った天乃は
しかし、馬鹿にしているからではない喜びを感じる笑みで
夏凜はむっとして声を上げながらも、まったく。嫌な気はしなかった
天乃「静かな学校は、なんとなくだけど。頑張ろうっていう気持ちになれる」
夏凜「?」
天乃「解らない?」
夏凜「まぁ……」
困った顔の夏凜に、笑みを向ける
そう簡単には、理解できるものではないかもしれない
だって、この考え方は悪い意味でひねくれているのだから
静かな学校、誰もいない学校
それは、とても嫌な喪失を彷彿とさせる
それと同時に、そうなって欲しくないという強い想いが生まれて
そうならないようにしなければいけないという強い意志を感じて
そのために頑張らなければいけないと、思わせてくれる
だから、そういう気持ちになれるのよ。と
天乃は言葉にせずほほ笑んで
夏凜「なによ」
天乃「ううん、言ったら怒るから言わない」
夏凜「無駄なとこで正直になんのね……」
風情も何もない場所に連れてきた夏凜のセンス
それを小ばかにするように笑った天乃は
しかし、馬鹿にしているからではない喜びを感じる笑みで
夏凜はむっとして声を上げながらも、まったく。嫌な気はしなかった
天乃「静かな学校は、なんとなくだけど。頑張ろうっていう気持ちになれる」
夏凜「?」
天乃「解らない?」
夏凜「まぁ……」
困った顔の夏凜に、笑みを向ける
そう簡単には、理解できるものではないかもしれない
だって、この考え方は悪い意味でひねくれているのだから
静かな学校、誰もいない学校
それは、とても嫌な喪失を彷彿とさせる
それと同時に、そうなって欲しくないという強い想いが生まれて
そうならないようにしなければいけないという強い意志を感じて
そのために頑張らなければいけないと、思わせてくれる
だから、そういう気持ちになれるのよ。と
天乃は言葉にせずほほ笑んで
夏凜「なによ」
天乃「ううん、言ったら怒るから言わない」
夏凜「無駄なとこで正直になんのね……」
680: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 16:59:26.58:5OpgYhYOo (19/40)
満面の悪戯な笑みに、夏凜は困ったように笑う
言ったら怒る。それはどんなことを考えているのだろうかと考えて
静かな学校が思わせてくれる頑張ろうという気持ち
その繋がりがまだ簡単には解らない
夏凜「……園子なら、共感出来る?」
天乃「どうかしら。でも、園子は適当にそうだね~とか返すんじゃない?」
冗談ぽく言う天乃だが、夏凜は園子ならそうなのかもしれないと共感して
でもきっと、理解したうえでそう言うのだろう。と、思う
まだ一ヶ月と少しの付き合いの自分が、二年以上の付き合いがある二人と同列であるなど
全くもって思えなくて
夏凜「……天乃とは違う意味だろうけど」
天乃「?」
夏凜「頑張ろうって気には、なれた」
まだまだ遠く及ばないかもしれない
けれど、そこで諦めようとは思えない。眼を逸らそうとも思わない
夏凜「何をするにも。目標があった方が頑張れるから」
それをしっかりと認めたうえで、それ以上になってやるのだと努力を積み重ねていく
それが、敗北を知った三好夏凜の生き方だから
だから、夏凜は頑張ろうと思えた
満面の悪戯な笑みに、夏凜は困ったように笑う
言ったら怒る。それはどんなことを考えているのだろうかと考えて
静かな学校が思わせてくれる頑張ろうという気持ち
その繋がりがまだ簡単には解らない
夏凜「……園子なら、共感出来る?」
天乃「どうかしら。でも、園子は適当にそうだね~とか返すんじゃない?」
冗談ぽく言う天乃だが、夏凜は園子ならそうなのかもしれないと共感して
でもきっと、理解したうえでそう言うのだろう。と、思う
まだ一ヶ月と少しの付き合いの自分が、二年以上の付き合いがある二人と同列であるなど
全くもって思えなくて
夏凜「……天乃とは違う意味だろうけど」
天乃「?」
夏凜「頑張ろうって気には、なれた」
まだまだ遠く及ばないかもしれない
けれど、そこで諦めようとは思えない。眼を逸らそうとも思わない
夏凜「何をするにも。目標があった方が頑張れるから」
それをしっかりと認めたうえで、それ以上になってやるのだと努力を積み重ねていく
それが、敗北を知った三好夏凜の生き方だから
だから、夏凜は頑張ろうと思えた
681: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 17:26:02.44:5OpgYhYOo (20/40)
天乃「……」
夏凜は少しばかり残念そうで
けれど、活気に満ちた瞳をしている
諦めていない、言葉通りに頑張ろうとしている
それがはっきりとわかる、光を感じる瞳
どこまでも頑張ることが出来るだろうそれは
自分がいなくなってもなお、続いてくれるのだろうか
そう考えた天乃は、首を振る
夏凜「そろそろ戻るわよ。天乃」
天乃「……ええ」
そうならない為に、みんながいる
みんながそれぞれ強い意志を持って頑張ってくれている
なら、自分は信じてあげているべきだと思うから
天乃はそれを、思考の奥底へと放り投げる
天乃「……どうしようかしら」
せっかく泊めたのに
せっかく二人きりになれたのに
センスのかけらも何もない学校に連れてこられてしまった天乃は
本来の目的を考えて、息をつく
……海とかなら。誕生日おめでとうって言うのも。ロマンチックだと思ったのに
1、とりあえず言っておく
2、後でにする
↓2
天乃「……」
夏凜は少しばかり残念そうで
けれど、活気に満ちた瞳をしている
諦めていない、言葉通りに頑張ろうとしている
それがはっきりとわかる、光を感じる瞳
どこまでも頑張ることが出来るだろうそれは
自分がいなくなってもなお、続いてくれるのだろうか
そう考えた天乃は、首を振る
夏凜「そろそろ戻るわよ。天乃」
天乃「……ええ」
そうならない為に、みんながいる
みんながそれぞれ強い意志を持って頑張ってくれている
なら、自分は信じてあげているべきだと思うから
天乃はそれを、思考の奥底へと放り投げる
天乃「……どうしようかしら」
せっかく泊めたのに
せっかく二人きりになれたのに
センスのかけらも何もない学校に連れてこられてしまった天乃は
本来の目的を考えて、息をつく
……海とかなら。誕生日おめでとうって言うのも。ロマンチックだと思ったのに
1、とりあえず言っておく
2、後でにする
↓2
682:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 17:26:44.70:UlXFmLl6O (2/8)
2
2
683:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 17:29:28.01:sr3yxaClO (1/1)
2
2
684:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 17:29:30.08:o8eb2TF5o (1/1)
1
1
685:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 17:34:18.66:UlXFmLl6O (3/8)
まだ一日は長いからね
夏凛がロマンチックな場所に連れて行かないならこっちから連れて行こう
まだ一日は長いからね
夏凛がロマンチックな場所に連れて行かないならこっちから連れて行こう
686: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 17:47:22.63:5OpgYhYOo (21/40)
天乃「帰りましょうか」
今は言わない。また後で
そう決めた天乃は夏凜に振り返ることなく、声をかける
夏凜「車椅子を押しながらだと、いつもよりも筋力を使うわね」
天乃「面倒だったら背負ってもいいのよ?」
夏凜「そうなる理屈が分からないんだけど」
いずれにしろ、ただ走るだけというのよりは鍛錬になると言うか
筋力的な負荷になる
背負うのなら、車椅子を押すよりも
やや早く走ったりもすることが出来るから
今回もそうする方が良かったのかもしれないと夏凜は考えて、息をつく
夏凜「次があったら、そうするのもありね」
天乃「次もあるの?」
夏凜「余裕があったら、だけど。次はセンスの良い場所に……っ」
ちょっとは傷ついていたのかもしれない
夏凜はちょっぴり膨れた表情で言いながら、車椅子を少しだけ強く押して
天乃「きゃぁっ!?」
聞こえた悲鳴に目を見開いて、冷汗を拭う
夏凜「ち、ちなみに、背負ったら思いっきり走るから今みたいに――」
天乃「つ、次やったら。次やったら一か月前のトラウマ再発させるわよ!」
安全装置も何もない車椅子でやられたからだろう
瞳の端に涙をため込んだ天乃は、振り返りざまに怒鳴る
夏凜「悪かったからそれだけは許して!」
申し訳ないと言う気持ちもあるが、ほんの少しだけ。可愛いと思ってしまった
天乃「帰りましょうか」
今は言わない。また後で
そう決めた天乃は夏凜に振り返ることなく、声をかける
夏凜「車椅子を押しながらだと、いつもよりも筋力を使うわね」
天乃「面倒だったら背負ってもいいのよ?」
夏凜「そうなる理屈が分からないんだけど」
いずれにしろ、ただ走るだけというのよりは鍛錬になると言うか
筋力的な負荷になる
背負うのなら、車椅子を押すよりも
やや早く走ったりもすることが出来るから
今回もそうする方が良かったのかもしれないと夏凜は考えて、息をつく
夏凜「次があったら、そうするのもありね」
天乃「次もあるの?」
夏凜「余裕があったら、だけど。次はセンスの良い場所に……っ」
ちょっとは傷ついていたのかもしれない
夏凜はちょっぴり膨れた表情で言いながら、車椅子を少しだけ強く押して
天乃「きゃぁっ!?」
聞こえた悲鳴に目を見開いて、冷汗を拭う
夏凜「ち、ちなみに、背負ったら思いっきり走るから今みたいに――」
天乃「つ、次やったら。次やったら一か月前のトラウマ再発させるわよ!」
安全装置も何もない車椅子でやられたからだろう
瞳の端に涙をため込んだ天乃は、振り返りざまに怒鳴る
夏凜「悪かったからそれだけは許して!」
申し訳ないと言う気持ちもあるが、ほんの少しだけ。可愛いと思ってしまった
687: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 18:00:52.99:5OpgYhYOo (22/40)
√ 6月12日目 朝(学校) ※金曜日
01~10
11~20 一年の女子生徒
21~30
31~40 三年の男子生徒
41~50
51~60 沙織
61~70
71~80 風
81~90
91~00 ?
↓1のコンマ
※イベントがなければ昼に移行
√ 6月12日目 朝(学校) ※金曜日
01~10
11~20 一年の女子生徒
21~30
31~40 三年の男子生徒
41~50
51~60 沙織
61~70
71~80 風
81~90
91~00 ?
↓1のコンマ
※イベントがなければ昼に移行
688:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 18:01:16.98:UlXFmLl6O (4/8)
あ
あ
689:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 18:03:17.97:J7iebOrNO (1/4)
何事だ?
何事だ?
690:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 18:04:50.57:UlXFmLl6O (5/8)
夏凛覚醒か!?
夏凛覚醒か!?
691: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 19:15:50.77:5OpgYhYOo (23/40)
天乃「…………」
夏凜「何してんのよ。まだ履き替えてないの?」
夏凜も一緒に泊まったため、当然二人一緒に登校してきたのだが
いつまでたっても下駄箱の前から動かない天乃に
夏凜は怪訝そうな顔で問う
またしてもラブレターが届いたのではないか
そう思うと、やはり。少し嫌な気分になる
けれど、天乃は首を横に振って、下駄箱を指さす
天乃「私の上履きがないのよ」
夏凜「はぁ? じゃぁ、入ってるのが誰の靴か――」
天乃「ううん、誰の靴もないの」
そんな馬鹿なことがあるわけない
そう思いながらも
天乃の困り果てた表情に、夏凜は不安を感じながら下駄箱を覗く
誰の靴もない。上履きも、何も
そこは使われていないようにもぬけの殻で
しかし、その下駄箱の上部には間違いなく久遠天乃と記されている
天乃「…………」
夏凜「何してんのよ。まだ履き替えてないの?」
夏凜も一緒に泊まったため、当然二人一緒に登校してきたのだが
いつまでたっても下駄箱の前から動かない天乃に
夏凜は怪訝そうな顔で問う
またしてもラブレターが届いたのではないか
そう思うと、やはり。少し嫌な気分になる
けれど、天乃は首を横に振って、下駄箱を指さす
天乃「私の上履きがないのよ」
夏凜「はぁ? じゃぁ、入ってるのが誰の靴か――」
天乃「ううん、誰の靴もないの」
そんな馬鹿なことがあるわけない
そう思いながらも
天乃の困り果てた表情に、夏凜は不安を感じながら下駄箱を覗く
誰の靴もない。上履きも、何も
そこは使われていないようにもぬけの殻で
しかし、その下駄箱の上部には間違いなく久遠天乃と記されている
692: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 19:16:17.96:5OpgYhYOo (24/40)
夏凜「どういうことよ、いったい」
天乃「……私のことを好きな人が持って行っちゃったとか?」
夏凜「そんな気持ち悪い事……あ」
する奴なんていないと言いかけたが
間違いなくいることを思い出した夏凜は言葉を途中で止めて……眼を逸らす
もし本当に持ち帰ったのなら、返ってくることは期待しない方が良いだろう
天乃「冗談は抜きにしても、靴下のままなんて……スリッパ借りに行くの手伝ってくれる?」
夏凜「ん、まぁいいけど」
それ以外方法がないから仕方がないと職員室へ向かおうとした時だった
「あれ?久遠さんこんなところで何してるの?」
天乃「え?」
クラスメイトの女子生徒から、声をかけられた
しかも、その女子生徒は天乃がこの場にいるのがおかしい。とでも言いたげな表情で
夏凜「どういうことよ」
「どういうことも何も、ついさっき上で隣のクラスの男子呼び出してたから……んん~?」
天乃「呼び出してって……それ」
「車椅子だったし間違いないと思ったんだけど、気のせいだったか」
夏凜「どういうことよ、いったい」
天乃「……私のことを好きな人が持って行っちゃったとか?」
夏凜「そんな気持ち悪い事……あ」
する奴なんていないと言いかけたが
間違いなくいることを思い出した夏凜は言葉を途中で止めて……眼を逸らす
もし本当に持ち帰ったのなら、返ってくることは期待しない方が良いだろう
天乃「冗談は抜きにしても、靴下のままなんて……スリッパ借りに行くの手伝ってくれる?」
夏凜「ん、まぁいいけど」
それ以外方法がないから仕方がないと職員室へ向かおうとした時だった
「あれ?久遠さんこんなところで何してるの?」
天乃「え?」
クラスメイトの女子生徒から、声をかけられた
しかも、その女子生徒は天乃がこの場にいるのがおかしい。とでも言いたげな表情で
夏凜「どういうことよ」
「どういうことも何も、ついさっき上で隣のクラスの男子呼び出してたから……んん~?」
天乃「呼び出してって……それ」
「車椅子だったし間違いないと思ったんだけど、気のせいだったか」
693: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 19:20:39.75:5OpgYhYOo (25/40)
一人で笑ったり困惑したりと
忙しないクラスメイトの一方、二人は困惑一色、呆然としていたが
女子生徒が職員室へと入ろうとした瞬間、夏凜が女子生徒の腕を掴む
夏凜「待って」
「なに?」
夏凜「本当に天乃が上にいた? 車椅子で、この髪で、この顔で、この声で」
「顔は見てないけど、それ以外は間違いなかったと思うよ? まぁ、ここにいるんだから気のせいなんだろうけどね」
呼ばれてるからごめんね。と
女子生徒は夏凜の手から抜けて、職員室へと消えていく
天乃「…………」
夏凜「…………」
もし見間違いではなく、勘違いではなく
上の階に久遠天乃が存在しているのであれば
それは間違いなく、猿猴だろう
夏凜「どうする? 混乱を避けるために私一人で行く?」
1、任せる
2、一緒に行く
3、九尾、力を貸して
4、死神さん、力を貸して
5、若葉。一緒に行って
6、ううん、ここは様子を見ましょう
↓2
一人で笑ったり困惑したりと
忙しないクラスメイトの一方、二人は困惑一色、呆然としていたが
女子生徒が職員室へと入ろうとした瞬間、夏凜が女子生徒の腕を掴む
夏凜「待って」
「なに?」
夏凜「本当に天乃が上にいた? 車椅子で、この髪で、この顔で、この声で」
「顔は見てないけど、それ以外は間違いなかったと思うよ? まぁ、ここにいるんだから気のせいなんだろうけどね」
呼ばれてるからごめんね。と
女子生徒は夏凜の手から抜けて、職員室へと消えていく
天乃「…………」
夏凜「…………」
もし見間違いではなく、勘違いではなく
上の階に久遠天乃が存在しているのであれば
それは間違いなく、猿猴だろう
夏凜「どうする? 混乱を避けるために私一人で行く?」
1、任せる
2、一緒に行く
3、九尾、力を貸して
4、死神さん、力を貸して
5、若葉。一緒に行って
6、ううん、ここは様子を見ましょう
↓2
694:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 19:21:13.07:UlXFmLl6O (6/8)
1
1
695:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 19:21:18.91:2eD3yHKgO (3/3)
6
6
696:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 19:24:31.93:UlXFmLl6O (7/8)
様子を見るってどうなるか観察はするんだろうか
じゃないとあまり意味がない気が
様子を見るってどうなるか観察はするんだろうか
じゃないとあまり意味がない気が
697: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 19:50:27.93:5OpgYhYOo (26/40)
天乃「ううん、ここは下手に動かないで様子を見ましょう」
夏凜「様子を見るって……私が行かないで誰が」
天乃「忘れたの? 誰よりも私を知ってる強い味方がクラスメイトにいるってことを」
天乃の自信を感じる声
諦めを感じない表情
だから、きっとそれは嘘ではないのだろう
けれど、そんなクラスメイトは誰だろうか
風? いや、違う
誰よりも天乃を知っているのだとしたら、一人しかいない
夏凜「沙織……?」
天乃「ええ。沙織は前回の入れ替わり時にも、最初から見抜いていたわ」
夏凜「…………」
天乃「そして、今回も」
天乃はそう言って端末を夏凜へと向ける
そこには、【精霊がやんちゃだね。学校でも巫女としての仕事は辛いな~】と、
やや不満を感じるメールが表示されていた
天乃「ううん、ここは下手に動かないで様子を見ましょう」
夏凜「様子を見るって……私が行かないで誰が」
天乃「忘れたの? 誰よりも私を知ってる強い味方がクラスメイトにいるってことを」
天乃の自信を感じる声
諦めを感じない表情
だから、きっとそれは嘘ではないのだろう
けれど、そんなクラスメイトは誰だろうか
風? いや、違う
誰よりも天乃を知っているのだとしたら、一人しかいない
夏凜「沙織……?」
天乃「ええ。沙織は前回の入れ替わり時にも、最初から見抜いていたわ」
夏凜「…………」
天乃「そして、今回も」
天乃はそう言って端末を夏凜へと向ける
そこには、【精霊がやんちゃだね。学校でも巫女としての仕事は辛いな~】と、
やや不満を感じるメールが表示されていた
698:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 19:52:15.18:9wU+58DdO (1/3)
第三者視点?になるんじゃない?あるいは男子生徒視点かな
第三者視点?になるんじゃない?あるいは男子生徒視点かな
699: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 19:53:40.11:5OpgYhYOo (27/40)
夏凜「……私だって、見抜けるわよ」
天乃「なに対抗してるのよ」
夏凜「別に」
明らかにおかしい言動なら見抜く自信はあるが
普段と変わらなかったり、いつものような揶揄っているという感じで満ちた言動だったら
多分……見抜けない
だから、何もなくても見抜くことのできる沙織
その繋がりに深さに、夏凜は嫉妬をする
天乃「とりあえず沙織が様子を見てくれるから、私達は外に行きましょ。倉庫裏とか」
夏凜「外って……まぁ、仕方がないか」
どこかにいて誰かに見られると厄介だ
それなら、人目につかないような場所に隠れているのが得策だろう
天乃「後で沙織には何か奢ってあげないと」
夏凜「奢るだけで済めばいいけど」
天乃「沙織はそんな意地悪じゃないわよ。でも。一緒に出掛ける件もずっと果たせてないから。それくらいは求めてくるかも」
笑っていられる状況ではないのだろうが
しかし、天乃は沙織に対して申し訳なさそうに笑う
夏凜「ったく……とりあえず行くわ。教師に見つかるのも面倒だから。少し早いわよ」
天乃「ええ」
夏凜は天乃の返事を聞いて、一目散に外へと飛び出した
夏凜「……私だって、見抜けるわよ」
天乃「なに対抗してるのよ」
夏凜「別に」
明らかにおかしい言動なら見抜く自信はあるが
普段と変わらなかったり、いつものような揶揄っているという感じで満ちた言動だったら
多分……見抜けない
だから、何もなくても見抜くことのできる沙織
その繋がりに深さに、夏凜は嫉妬をする
天乃「とりあえず沙織が様子を見てくれるから、私達は外に行きましょ。倉庫裏とか」
夏凜「外って……まぁ、仕方がないか」
どこかにいて誰かに見られると厄介だ
それなら、人目につかないような場所に隠れているのが得策だろう
天乃「後で沙織には何か奢ってあげないと」
夏凜「奢るだけで済めばいいけど」
天乃「沙織はそんな意地悪じゃないわよ。でも。一緒に出掛ける件もずっと果たせてないから。それくらいは求めてくるかも」
笑っていられる状況ではないのだろうが
しかし、天乃は沙織に対して申し訳なさそうに笑う
夏凜「ったく……とりあえず行くわ。教師に見つかるのも面倒だから。少し早いわよ」
天乃「ええ」
夏凜は天乃の返事を聞いて、一目散に外へと飛び出した
700: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 20:32:53.49:5OpgYhYOo (28/40)
天乃?「悪いわね、呼び出しちゃって」
「いや……」
呼び出しに応じたものの、男子生徒はどこか気まずそうで
天乃?はそんなこと気にすることなくただ、艶かしく笑う
車椅子と徒歩、天乃?と男子生徒
二人はHRが近づく中、
少しずつ、減少していく人の気配を感じ取り、
さらに校舎の中を進んでいく
そして、天乃?はゆっくりと、男子生徒に目を向けた
天乃?「貴方はしたくてしたんじゃないの?」
「……っ」
天乃?「あれは貴方がしたこと。貴方が犯した罪。貴方はそれを……恥じているの?」
その二つの瞳は男子生徒を見定める
答えを急がせるように、鋭く
しかし、久遠天乃という人間のやさしさ、穏やかさを感じさせるような雰囲気で
男子生徒は息を飲み、見返す
天乃?「悪いわね、呼び出しちゃって」
「いや……」
呼び出しに応じたものの、男子生徒はどこか気まずそうで
天乃?はそんなこと気にすることなくただ、艶かしく笑う
車椅子と徒歩、天乃?と男子生徒
二人はHRが近づく中、
少しずつ、減少していく人の気配を感じ取り、
さらに校舎の中を進んでいく
そして、天乃?はゆっくりと、男子生徒に目を向けた
天乃?「貴方はしたくてしたんじゃないの?」
「……っ」
天乃?「あれは貴方がしたこと。貴方が犯した罪。貴方はそれを……恥じているの?」
その二つの瞳は男子生徒を見定める
答えを急がせるように、鋭く
しかし、久遠天乃という人間のやさしさ、穏やかさを感じさせるような雰囲気で
男子生徒は息を飲み、見返す
701: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 20:35:04.06:5OpgYhYOo (29/40)
「あんなに嫌がってたのに」
天乃?「そうね。私はきっと貴方に酷いことを言いさえしたと思う。けれど」
天乃?は自分の唇に指をあてて、なぞる
男子生徒の自分を見る視線がそこに誘われるように、ゆっくりと見せつけるように
柔らかい唇を指で押して、その弾力を、感触を。男子生徒が思い出すことが出来るように
天乃?「私はそれが、貴方の強い想いだと思った。こんなボロボロな私を。愛してくれる人だと思った」
「く、久遠……」
天乃?「それは……私の勘違いだったの?」
男子生徒の強い想いを信じているかのような官能的な笑みを浮かべていた天乃?は
一転してとても物悲しそうに、寂しそうに、視線を逸らして、俯く
逃げることを許さない。誤魔化すことを許さない
そんな、見えない束縛を男子生徒は感じて、息を飲む
けれどもそれは緊張ではなく、魅惑的なものに憑りつかれたものの瞳
天乃?「教えて……? 言葉ではなくても良いから。もう一度、私に」
「お、れは……」
男子生徒は僅かにふらつき、膝をつくと
そのまま天乃の体へと吸い込まれるようにもたれ掛かる
「あんなに嫌がってたのに」
天乃?「そうね。私はきっと貴方に酷いことを言いさえしたと思う。けれど」
天乃?は自分の唇に指をあてて、なぞる
男子生徒の自分を見る視線がそこに誘われるように、ゆっくりと見せつけるように
柔らかい唇を指で押して、その弾力を、感触を。男子生徒が思い出すことが出来るように
天乃?「私はそれが、貴方の強い想いだと思った。こんなボロボロな私を。愛してくれる人だと思った」
「く、久遠……」
天乃?「それは……私の勘違いだったの?」
男子生徒の強い想いを信じているかのような官能的な笑みを浮かべていた天乃?は
一転してとても物悲しそうに、寂しそうに、視線を逸らして、俯く
逃げることを許さない。誤魔化すことを許さない
そんな、見えない束縛を男子生徒は感じて、息を飲む
けれどもそれは緊張ではなく、魅惑的なものに憑りつかれたものの瞳
天乃?「教えて……? 言葉ではなくても良いから。もう一度、私に」
「お、れは……」
男子生徒は僅かにふらつき、膝をつくと
そのまま天乃の体へと吸い込まれるようにもたれ掛かる
702: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 20:37:57.78:5OpgYhYOo (30/40)
「あんなに嫌がってたのに」
天乃?「そうね。私はきっと貴方に酷いことを言いさえしたと思う。けれど」
天乃?は自分の唇に指をあてて、なぞる
男子生徒の自分を見る視線がそこに誘われるように、ゆっくりと見せつけるように
柔らかい唇を指で押して、その弾力を、感触を。男子生徒が思い出すことが出来るように
天乃?「私はそれが、貴方の強い想いだと思った。こんなボロボロな私を。愛してくれる人だと思った」
「く、久遠……」
天乃?「それは……私の勘違いだったの?」
男子生徒の強い想いを信じているかのような官能的な笑みを浮かべていた天乃?は
一転してとても物悲しそうに、寂しそうに、視線を逸らして、俯く
逃げることを許さない。誤魔化すことを許さない
そんな、見えない束縛を男子生徒は感じて、息を飲む
けれどもそれは緊張ではなく、魅惑的なものに憑りつかれたものの瞳
天乃?「教えて……? 言葉ではなくても良いから。もう一度、私に」
「お、れは……」
男子生徒は僅かにふらつき、膝をつくと
そのまま天乃の体へと吸い込まれるようにもたれ掛かる
「あんなに嫌がってたのに」
天乃?「そうね。私はきっと貴方に酷いことを言いさえしたと思う。けれど」
天乃?は自分の唇に指をあてて、なぞる
男子生徒の自分を見る視線がそこに誘われるように、ゆっくりと見せつけるように
柔らかい唇を指で押して、その弾力を、感触を。男子生徒が思い出すことが出来るように
天乃?「私はそれが、貴方の強い想いだと思った。こんなボロボロな私を。愛してくれる人だと思った」
「く、久遠……」
天乃?「それは……私の勘違いだったの?」
男子生徒の強い想いを信じているかのような官能的な笑みを浮かべていた天乃?は
一転してとても物悲しそうに、寂しそうに、視線を逸らして、俯く
逃げることを許さない。誤魔化すことを許さない
そんな、見えない束縛を男子生徒は感じて、息を飲む
けれどもそれは緊張ではなく、魅惑的なものに憑りつかれたものの瞳
天乃?「教えて……? 言葉ではなくても良いから。もう一度、私に」
「お、れは……」
男子生徒は僅かにふらつき、膝をつくと
そのまま天乃の体へと吸い込まれるようにもたれ掛かる
703: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 20:40:52.25:5OpgYhYOo (31/40)
それは急な出来事
にも拘らず、天乃?はそれを予期していたかのように
驚くこともなく胸で受け止め、男子生徒の体を抱きしめると
艶かしさを感じる笑い声を溢す
天乃?「さぁ……教えて?」
「……………」
男子生徒の肩を押し、いったん距離を作った天乃?は
男子生徒を見つめて、怪しく笑う
それはとても危ないけれど、とても美しい笑み
天乃?「……ふふっ」
「久遠……俺は」
またゆっくりと近づいていく二人
それを陰から見守る沙織は、険しい表情で端末を握り締める
あのまま放置するのは男子生徒が危険だ
最悪……あのまま消えてなくなる
しかし、巫女であっても戦う力のない沙織には止める術など……
それは急な出来事
にも拘らず、天乃?はそれを予期していたかのように
驚くこともなく胸で受け止め、男子生徒の体を抱きしめると
艶かしさを感じる笑い声を溢す
天乃?「さぁ……教えて?」
「……………」
男子生徒の肩を押し、いったん距離を作った天乃?は
男子生徒を見つめて、怪しく笑う
それはとても危ないけれど、とても美しい笑み
天乃?「……ふふっ」
「久遠……俺は」
またゆっくりと近づいていく二人
それを陰から見守る沙織は、険しい表情で端末を握り締める
あのまま放置するのは男子生徒が危険だ
最悪……あのまま消えてなくなる
しかし、巫女であっても戦う力のない沙織には止める術など……
704: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 20:42:30.05:5OpgYhYOo (32/40)
01~10 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
11~20
21~30 飛び出す
31~40 九尾
41~50 大声を上げる
51~60 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
61~70 九尾
71~80
81~90 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
91~00 大声を上げる
↓1のコンマ
※空白見逃し
01~10 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
11~20
21~30 飛び出す
31~40 九尾
41~50 大声を上げる
51~60 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
61~70 九尾
71~80
81~90 お兄ちゃんは不純異性交遊なんて認めませんよ
91~00 大声を上げる
↓1のコンマ
※空白見逃し
705:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 20:43:05.11:hxXcHQWCO (1/1)
どうだ
どうだ
706:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 20:43:23.39:9wU+58DdO (2/3)
1
1
707: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 21:14:06.84:5OpgYhYOo (33/40)
沙織「……ごめんね」
どうしようもない。ただ、見ているしかできない
普通の精霊であれば、巫女としての仕事の範疇で済ませることが出来たかもしれない
けれど、あれは。あそこまで、進んでしまったものに対しては
沙織一人の力では、どうしようもない
ホームルームの鐘が鳴り響く中
沙織の瞳に映る二人は、唇を重ね合わせる
天乃?は男子生徒の肩に
男子生徒は天乃?の頭に
それぞれ手を宛がい、どちらかとも言えないキスをする
深く、強く、そのまま永遠の時を過ごそうとでも言うかのように長く
身動き一つすることなく、鐘の音をものともせずにキスをして
離れると、天乃?は恍惚とした表情で
男子生徒の口元から伝い落ちるどちらかの唾液にキスをして吸い上げると
また、男子生徒と唇を重ねて――そして、天乃?が離れた瞬間
男子生徒は糸の切れた人形のように、その場に倒れ込む
天乃?「ふふっ、ご馳走様……これが、そう。なのね」
「………………」
倒れ込んだ男子生徒を見下ろす天乃?は
不敵な笑みを浮かべると、そのまま男子生徒だけを残して一瞬で姿を消す
沙織「……ごめんね」
どうしようもない。ただ、見ているしかできない
普通の精霊であれば、巫女としての仕事の範疇で済ませることが出来たかもしれない
けれど、あれは。あそこまで、進んでしまったものに対しては
沙織一人の力では、どうしようもない
ホームルームの鐘が鳴り響く中
沙織の瞳に映る二人は、唇を重ね合わせる
天乃?は男子生徒の肩に
男子生徒は天乃?の頭に
それぞれ手を宛がい、どちらかとも言えないキスをする
深く、強く、そのまま永遠の時を過ごそうとでも言うかのように長く
身動き一つすることなく、鐘の音をものともせずにキスをして
離れると、天乃?は恍惚とした表情で
男子生徒の口元から伝い落ちるどちらかの唾液にキスをして吸い上げると
また、男子生徒と唇を重ねて――そして、天乃?が離れた瞬間
男子生徒は糸の切れた人形のように、その場に倒れ込む
天乃?「ふふっ、ご馳走様……これが、そう。なのね」
「………………」
倒れ込んだ男子生徒を見下ろす天乃?は
不敵な笑みを浮かべると、そのまま男子生徒だけを残して一瞬で姿を消す
708: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 21:16:08.66:5OpgYhYOo (34/40)
沙織「っ……!」
天乃?が消え手からしばらく様子をうかがった沙織は
天乃に化けた精霊、猿猴が本当にどこかへ消えたのだと判断して飛び出し、
男子生徒の口元に手を当て、胸元を見る
沙織「良かった……生きてる」
呼吸はしっかりとしていて、ただ眠っているようにも見えるが
しかし、きっとそんなことはない
沙織は端末を手に取ると、大赦の霊的医療班を手配し、
教師に紛れ込む大赦職員の一人に男子生徒を委ねる
沙織「……早急に手を打たないと、嫌な予感がする」
教室には猿猴扮する天乃の姿はなかったため、
とりあえずは戻ってきても良い事
男子生徒がキスをされて倒れてしまったことを天乃にメールし
ごめんなさいと、付け加えて送る
沙織「……次は何としてでも。止めなきゃ」
沙織「っ……!」
天乃?が消え手からしばらく様子をうかがった沙織は
天乃に化けた精霊、猿猴が本当にどこかへ消えたのだと判断して飛び出し、
男子生徒の口元に手を当て、胸元を見る
沙織「良かった……生きてる」
呼吸はしっかりとしていて、ただ眠っているようにも見えるが
しかし、きっとそんなことはない
沙織は端末を手に取ると、大赦の霊的医療班を手配し、
教師に紛れ込む大赦職員の一人に男子生徒を委ねる
沙織「……早急に手を打たないと、嫌な予感がする」
教室には猿猴扮する天乃の姿はなかったため、
とりあえずは戻ってきても良い事
男子生徒がキスをされて倒れてしまったことを天乃にメールし
ごめんなさいと、付け加えて送る
沙織「……次は何としてでも。止めなきゃ」
709: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 21:18:29.95:5OpgYhYOo (35/40)
天乃の行動選択
1、男子生徒の元へ
2、とりあえずは沙織と合流
3、試しに猿猴を呼ぶ
4、九尾に猿猴を見張るように言う
↓2
※4は沙織と合流もします
天乃の行動選択
1、男子生徒の元へ
2、とりあえずは沙織と合流
3、試しに猿猴を呼ぶ
4、九尾に猿猴を見張るように言う
↓2
※4は沙織と合流もします
710:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 21:18:55.46:UlXFmLl6O (8/8)
3
3
711:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 21:19:40.30:J7iebOrNO (2/4)
4
4
712:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 21:23:07.90:3gUJ3v0X0 (1/1)
2
2
713: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 21:33:30.27:5OpgYhYOo (36/40)
天乃「九尾、いるんでしょう?」
九尾「……うむ」
天乃の真剣そのものの声と表情に
九尾尾は普段の空気を乱すような言動すべてを控えて、姿を現す
天乃は言いたいことは色々あったが
けれど、九尾に聞いても、言っても
全て仕方がないことだと飲み込み、首を振る
天乃「猿猴を見張って頂戴」
九尾「了主様」
天乃「……なに?」
九尾「やつは常にどこかに潜み、妾らには見つからぬようにしておる……ゆえに、監視できるとは限らぬ」
九尾は悔しそうに歯噛みすると
冗談ではないのだと、天乃と夏凜に目を向けて、首を振って
九尾「先日の校舎の階段付近および、下駄箱とやらで接触したのは奴じゃと分かっておったのに……すまぬ。まだ事は起こさぬと過信していた」
天乃「…………」
九尾が言う接触時、何かしらの違和感は感じていた
なのに、それを気にすることを怠ったのは、自分も同じだ
だから、天乃は九尾を責めることなくただ。お願い。と、言った
天乃「九尾、いるんでしょう?」
九尾「……うむ」
天乃の真剣そのものの声と表情に
九尾尾は普段の空気を乱すような言動すべてを控えて、姿を現す
天乃は言いたいことは色々あったが
けれど、九尾に聞いても、言っても
全て仕方がないことだと飲み込み、首を振る
天乃「猿猴を見張って頂戴」
九尾「了主様」
天乃「……なに?」
九尾「やつは常にどこかに潜み、妾らには見つからぬようにしておる……ゆえに、監視できるとは限らぬ」
九尾は悔しそうに歯噛みすると
冗談ではないのだと、天乃と夏凜に目を向けて、首を振って
九尾「先日の校舎の階段付近および、下駄箱とやらで接触したのは奴じゃと分かっておったのに……すまぬ。まだ事は起こさぬと過信していた」
天乃「…………」
九尾が言う接触時、何かしらの違和感は感じていた
なのに、それを気にすることを怠ったのは、自分も同じだ
だから、天乃は九尾を責めることなくただ。お願い。と、言った
714: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 21:50:52.40:5OpgYhYOo (37/40)
夏凜「階段と下駄箱って?」
天乃「風と話した場所……私も違和感はあったのだけど。ほんの些細なことだったから」
風に階段での様子について聞くべきだったかもしれない
あとで夏凜と話すと言っていたから
夏凜に会ったときに風について聞いておくべきだったかもしれない
けれど、いまさら後悔しても遅いことだ
夏凜「風と……つまり、その精霊が風に化けてたってことよね?」
天乃「ええ。私だけじゃなく、誰にでも化けることが出来るみたい。だから、少しでも違和感を感じたら注意が必要になるわ」
天乃の複雑そうな表情に、夏凜もまた不快そうに眉を顰めて、首を振る
注意が必要ということは
誰かを。そして、知り合いを、勇者部を
疑わなければいけないということになる
それは、人が好きな天乃の心をどれだけ苦しめるのだろうか
天乃「!」
夏凜はそれを考えて……後ろから天乃を抱きしめた
夏凜「私だけは……信じてていいわよ」
天乃「夏凜?」
夏凜「こうやってそばにいれば、疑う余地なんてないでしょ?」
天乃「……ありがと」
自分の体に触れる夏凜の腕
それを優しく包み込むように触れた天乃は小さく。お礼を言った
夏凜「階段と下駄箱って?」
天乃「風と話した場所……私も違和感はあったのだけど。ほんの些細なことだったから」
風に階段での様子について聞くべきだったかもしれない
あとで夏凜と話すと言っていたから
夏凜に会ったときに風について聞いておくべきだったかもしれない
けれど、いまさら後悔しても遅いことだ
夏凜「風と……つまり、その精霊が風に化けてたってことよね?」
天乃「ええ。私だけじゃなく、誰にでも化けることが出来るみたい。だから、少しでも違和感を感じたら注意が必要になるわ」
天乃の複雑そうな表情に、夏凜もまた不快そうに眉を顰めて、首を振る
注意が必要ということは
誰かを。そして、知り合いを、勇者部を
疑わなければいけないということになる
それは、人が好きな天乃の心をどれだけ苦しめるのだろうか
天乃「!」
夏凜はそれを考えて……後ろから天乃を抱きしめた
夏凜「私だけは……信じてていいわよ」
天乃「夏凜?」
夏凜「こうやってそばにいれば、疑う余地なんてないでしょ?」
天乃「……ありがと」
自分の体に触れる夏凜の腕
それを優しく包み込むように触れた天乃は小さく。お礼を言った
715: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 22:04:03.41:5OpgYhYOo (38/40)
沙織「……ごめんね」
天乃「ううん、謝らないで」
授業と授業の合間HRの時間
天乃と夏凜は、沙織と一緒に部室に来ていた
夏凜「医療班からの連絡は?」
沙織「それなんだけど、直前の記憶が欠落している以外。特に異常はないだろうって」
天乃「異常がない? じゃぁ、猿猴は一体何をしたの?」
ただ、天乃の姿で男子生徒とキスをすることで
色々な方面で天乃を陥れようとしたのだろうか?
しかし、それなら男子生徒を教室から呼び出すことなくk
そのまま大勢の目の前で行えばよかったはずだ
天乃「……そんなことされたら、不登校になる自信があるけど」
夏凜「最悪、九尾に何とかしてもらうしかないんじゃない? その時は」
天乃「そうね……でも、そうしなかったのはなぜ?」
沙織「キスはただの手段で、もっと別の何か。普通では気づかない何かを仕掛けたか奪ったんだと思う」
夏凜「……話が進む気がしないわね」
沙織「……ごめんね」
天乃「ううん、謝らないで」
授業と授業の合間HRの時間
天乃と夏凜は、沙織と一緒に部室に来ていた
夏凜「医療班からの連絡は?」
沙織「それなんだけど、直前の記憶が欠落している以外。特に異常はないだろうって」
天乃「異常がない? じゃぁ、猿猴は一体何をしたの?」
ただ、天乃の姿で男子生徒とキスをすることで
色々な方面で天乃を陥れようとしたのだろうか?
しかし、それなら男子生徒を教室から呼び出すことなくk
そのまま大勢の目の前で行えばよかったはずだ
天乃「……そんなことされたら、不登校になる自信があるけど」
夏凜「最悪、九尾に何とかしてもらうしかないんじゃない? その時は」
天乃「そうね……でも、そうしなかったのはなぜ?」
沙織「キスはただの手段で、もっと別の何か。普通では気づかない何かを仕掛けたか奪ったんだと思う」
夏凜「……話が進む気がしないわね」
716: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 22:15:44.94:5OpgYhYOo (39/40)
圧倒的な情報不足
それゆえに、あれはどうかこれはどうか
憶測ばかりが行きかうだけで
そして結局、【何か】という不特定多数に食い殺される
夏凜「X+Y=Z。この数式を埋めなさい。的なウザったい問題だわ」
沙織「キス+気絶=Z?」
天乃「Z=酸欠。なんて、そんなはずがないから……微妙な所ね」
三人そろって深くため息をつくと
授業開始前の予鈴が校舎に響き渡る
本来なら、普通に授業に出ている場合ではないし
大赦にこの件は伝わっているのだから
お役目ということにでもして
欠席分は後々の補習か何かになるか、免除してもらえるはずだ
沙織「どうしよう。あたしは……戻っておいた方が良いかな」
夏凜「…………」
1、沙織含めた勇者部全員を欠席
2、勇者部のみ、欠席
3、夏凜、天乃は欠席
4、夏凜、天乃、沙織は欠席
5、欠席しない
↓2
※5の場合、夏凜のみ欠席します
圧倒的な情報不足
それゆえに、あれはどうかこれはどうか
憶測ばかりが行きかうだけで
そして結局、【何か】という不特定多数に食い殺される
夏凜「X+Y=Z。この数式を埋めなさい。的なウザったい問題だわ」
沙織「キス+気絶=Z?」
天乃「Z=酸欠。なんて、そんなはずがないから……微妙な所ね」
三人そろって深くため息をつくと
授業開始前の予鈴が校舎に響き渡る
本来なら、普通に授業に出ている場合ではないし
大赦にこの件は伝わっているのだから
お役目ということにでもして
欠席分は後々の補習か何かになるか、免除してもらえるはずだ
沙織「どうしよう。あたしは……戻っておいた方が良いかな」
夏凜「…………」
1、沙織含めた勇者部全員を欠席
2、勇者部のみ、欠席
3、夏凜、天乃は欠席
4、夏凜、天乃、沙織は欠席
5、欠席しない
↓2
※5の場合、夏凜のみ欠席します
717:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 22:16:41.86:0BY1VI4SO (1/2)
4
4
718:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 22:16:48.44:9wU+58DdO (3/3)
3
3
719:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 22:17:08.13:J7iebOrNO (3/4)
1
1
720: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/08(日) 22:30:15.33:5OpgYhYOo (40/40)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
大赦職員「猿猴の行動、ですか……」
大赦職員「援交するのではないでしょうか? 猿猴だけに」
大赦「明日から来なくていいですよ。冷房は間に合っていますので」
大赦職員「!?」
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
大赦職員「猿猴の行動、ですか……」
大赦職員「援交するのではないでしょうか? 猿猴だけに」
大赦「明日から来なくていいですよ。冷房は間に合っていますので」
大赦職員「!?」
721:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 22:35:26.41:0BY1VI4SO (2/2)
乙
ここのところ影薄かったから派手にやったな猿猴
男子生徒は…まあいいや扱い困ってたし
乙
ここのところ影薄かったから派手にやったな猿猴
男子生徒は…まあいいや扱い困ってたし
722:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 22:37:51.03:J7iebOrNO (4/4)
乙
久遠さんの援交…猿猴が化けてたとしても少し興奮した
乙
久遠さんの援交…猿猴が化けてたとしても少し興奮した
723:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/08(日) 23:38:48.09:xrc8Ez/kO (1/1)
男子から何を奪ったかはわからんが久遠さんに無理矢理キスした天罰のようにも見えるな
個人的には男の子と付き合うことは悪いとは思わないけど久遠さんと同世代の子だと久遠さんの精神年齢が高過ぎて釣り合わなさそうな気がする
男子から何を奪ったかはわからんが久遠さんに無理矢理キスした天罰のようにも見えるな
個人的には男の子と付き合うことは悪いとは思わないけど久遠さんと同世代の子だと久遠さんの精神年齢が高過ぎて釣り合わなさそうな気がする
724:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 06:29:59.38:/oww9rcLO (1/1)
ご馳走さまって言ってるから奪ったのは間違い無いんだろうが…
あれか?童貞か?久遠さん(猿猴)のビッチ!
ご馳走さまって言ってるから奪ったのは間違い無いんだろうが…
あれか?童貞か?久遠さん(猿猴)のビッチ!
725:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 19:26:42.30:0j2cIavFo (1/1)
今回も非安価で相手決めるのか?
今回も非安価で相手決めるのか?
726:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 20:24:49.06:WeASI8P3O (1/4)
言うてもうここからだと話の流れ的に夏凛か園子か二人ともかくらいしか選択肢ないしなんでもいいけどね
女子生徒はそういう候補じゃないだろうし
言うてもうここからだと話の流れ的に夏凛か園子か二人ともかくらいしか選択肢ないしなんでもいいけどね
女子生徒はそういう候補じゃないだろうし
727:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 20:58:46.01:R5djghZAO (1/2)
完全スルーの男子生徒
誘い受け究極完全体の久遠さんのせいもあるからそこまで悪いことはしていない…はず
完全スルーの男子生徒
誘い受け究極完全体の久遠さんのせいもあるからそこまで悪いことはしていない…はず
728: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:14:48.02:kkPhV17lo (1/13)
では、はじめていきます
では、はじめていきます
729:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 22:15:20.43:Nqugvty3O (1/4)
おっす
おっす
730: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:17:00.57:kkPhV17lo (2/13)
天乃「そうね……沙織には悪いけど。教室に戻って欲しいわ。また出てこないとも限らないから」
沙織「解った。風さんにも一応話しておく?」
夏凜「それについてはこっちからメールしておく。友奈たちにも知らせる必要があるから」
沙織「うん、解った」
いつにも増して真剣な面持ちで頷いた沙織は
部室の扉に手をかけたが、足を止めて夏凜と天乃に振り返る
その表情からは
現状への不安と何かへの失望を感じて
天乃「大丈夫よ。なせば大抵なんとかなる」
沙織「うん……えっと」
安心してと笑みを浮かべる天乃の一方、
沙織は少し微笑んで、夏凜を見る
沙織「よろしくね。三好さん」
夏凜「任せなさい」
二人のそんなやり取りを見守っていた天乃は
不思議な仲の良さを感じて笑みを浮かべて見送ると
沙織がいなくなってから、夏凜へと目を向けた
天乃「そうね……沙織には悪いけど。教室に戻って欲しいわ。また出てこないとも限らないから」
沙織「解った。風さんにも一応話しておく?」
夏凜「それについてはこっちからメールしておく。友奈たちにも知らせる必要があるから」
沙織「うん、解った」
いつにも増して真剣な面持ちで頷いた沙織は
部室の扉に手をかけたが、足を止めて夏凜と天乃に振り返る
その表情からは
現状への不安と何かへの失望を感じて
天乃「大丈夫よ。なせば大抵なんとかなる」
沙織「うん……えっと」
安心してと笑みを浮かべる天乃の一方、
沙織は少し微笑んで、夏凜を見る
沙織「よろしくね。三好さん」
夏凜「任せなさい」
二人のそんなやり取りを見守っていた天乃は
不思議な仲の良さを感じて笑みを浮かべて見送ると
沙織がいなくなってから、夏凜へと目を向けた
731: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:20:50.71:kkPhV17lo (3/13)
天乃「……沙織と仲良かったのね」
夏凜「そうでもないわよ。ただ、似たもの同士ってだけ」
天乃「沙織と夏凜が?」
夏凜「まぁね」
夏凜は天乃が理解できないのを悟ると、自慢げに鼻で笑う
勝ち誇ったようなその笑みに少しむくれた天乃だが
仲がいいのなら。と、嬉しそうな笑みを浮かべて
天乃「悪さだけはしないでよね」
夏凜「あんたじゃあるまいし。悪巧みはしないわよ」
状況が状況だけに
相変わらず緊張を解くことは出来ないけれど
しかし、天乃も夏凜も普段通りに笑い声をこぼして、授業開始の鐘を聞く
部室で二人、笑い声の静まった教室、鐘の音
昨日と同じ空気を感じた天乃はそうっと夏凜に目を向ける
夏凜も似たようなものを感じているようで
後ろ手に手を組み、横目に天乃を見るとふいっと顔を逸らす
天乃「……沙織と仲良かったのね」
夏凜「そうでもないわよ。ただ、似たもの同士ってだけ」
天乃「沙織と夏凜が?」
夏凜「まぁね」
夏凜は天乃が理解できないのを悟ると、自慢げに鼻で笑う
勝ち誇ったようなその笑みに少しむくれた天乃だが
仲がいいのなら。と、嬉しそうな笑みを浮かべて
天乃「悪さだけはしないでよね」
夏凜「あんたじゃあるまいし。悪巧みはしないわよ」
状況が状況だけに
相変わらず緊張を解くことは出来ないけれど
しかし、天乃も夏凜も普段通りに笑い声をこぼして、授業開始の鐘を聞く
部室で二人、笑い声の静まった教室、鐘の音
昨日と同じ空気を感じた天乃はそうっと夏凜に目を向ける
夏凜も似たようなものを感じているようで
後ろ手に手を組み、横目に天乃を見るとふいっと顔を逸らす
732: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:24:41.47:kkPhV17lo (4/13)
夏凜「め、面倒なことになったわね」
天乃「そうね……」
夏凜「……………」
天乃「……………」
おかしな話だが、天乃は居心地の悪くない気まずさを感じて、目を瞑る
昨日のことを思い出す
朝、無理矢理キスされたこと
昼、無理矢理キスをしたこと
昼、どちらともなく重なり合ったこと
いつものような恥ずかしさゆえの燃え上がるようなものではなく
ゆっくりと温められていく感覚を全身に感じた天乃は声に出さず微笑む
男子生徒と二人で会った時に感じたのとは正反対の感覚
思えば、あのときに直前まで一緒にいたのは夏凜だ
いなくて不安だと、寂しいと。そう思ったのも夏凜がいなくなったからで。
天乃「もしも私が猿猴だったら、どうする?」
夏凜「朝から一緒なんだから、疑う余地ない」
天乃「昨日から――」
夏凜「そう、昨日も一緒だった」
夏凜「め、面倒なことになったわね」
天乃「そうね……」
夏凜「……………」
天乃「……………」
おかしな話だが、天乃は居心地の悪くない気まずさを感じて、目を瞑る
昨日のことを思い出す
朝、無理矢理キスされたこと
昼、無理矢理キスをしたこと
昼、どちらともなく重なり合ったこと
いつものような恥ずかしさゆえの燃え上がるようなものではなく
ゆっくりと温められていく感覚を全身に感じた天乃は声に出さず微笑む
男子生徒と二人で会った時に感じたのとは正反対の感覚
思えば、あのときに直前まで一緒にいたのは夏凜だ
いなくて不安だと、寂しいと。そう思ったのも夏凜がいなくなったからで。
天乃「もしも私が猿猴だったら、どうする?」
夏凜「朝から一緒なんだから、疑う余地ない」
天乃「昨日から――」
夏凜「そう、昨日も一緒だった」
733: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:25:34.92:kkPhV17lo (5/13)
言う意味がない。そんな茶化す言葉も必要ない
そういわんとばかりに遮った声に天乃は一瞬、驚いた表情を見せたが
すぐに「そうね」と、言う
精霊である猿猴が問題を起こしてしまって
その警戒をすべき状況で、安心なんて出来ないはずなのに
心は、どうしようもなく安堵する
なのに、鼓動は早まるばかりで
天乃「本当、疑う余地がない」
夏凜「だから言ったじゃない。私だけは信じてて良いって」
天乃「……そうね。もしも夏凜が猿猴に成り代わっていたら。私は心が折れるかもしれない」
夏凜「平気な顔して物騒なこと言ってんじゃないわよ」
うっすらと、儚げな笑みを見せた天乃に
夏凜は呆れたようにそう言って、笑みを浮かべる
夏凜「あんたの心は、そんなに弱くないでしょ」
天乃「どうかしら」
言う意味がない。そんな茶化す言葉も必要ない
そういわんとばかりに遮った声に天乃は一瞬、驚いた表情を見せたが
すぐに「そうね」と、言う
精霊である猿猴が問題を起こしてしまって
その警戒をすべき状況で、安心なんて出来ないはずなのに
心は、どうしようもなく安堵する
なのに、鼓動は早まるばかりで
天乃「本当、疑う余地がない」
夏凜「だから言ったじゃない。私だけは信じてて良いって」
天乃「……そうね。もしも夏凜が猿猴に成り代わっていたら。私は心が折れるかもしれない」
夏凜「平気な顔して物騒なこと言ってんじゃないわよ」
うっすらと、儚げな笑みを見せた天乃に
夏凜は呆れたようにそう言って、笑みを浮かべる
夏凜「あんたの心は、そんなに弱くないでしょ」
天乃「どうかしら」
734: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:26:04.11:kkPhV17lo (6/13)
最近は、とても弱くなってしまったように思えてならない
夏凜が後ろから消えたあの告白の場
無理矢理キスをされたとき
無理矢理キスをしたとき、どうしようもなく。弱くなったのを実感した
だから、天乃は冗談めかした笑みを浮かべるだけで
それ以上は何も言わない
……頼りすぎているんでしょうね
だから、不意に支えがなくなった時に倒れかけて
不安になる、寂しくなる、満たされなくなる
根本的なものは変わっていないのに
夏凜「なんにしても、私が入れ替わることだけは絶対にないから安心しなさい」
天乃「自信あるのね」
夏凜「沙織にも任されたんだから仕方がないでしょ。ミスったら沙織がどうなるかわかったもんじゃないわ」
普段もやや感情的な一面を見せている沙織だが
本当の本気で激怒したらどうなるのか
天乃は沙織が怒ったのを見たことがある。というか怒らせたことがあるが
本気の本気での激怒はきっと、あれほど生易しいものではないだろう
最近は、とても弱くなってしまったように思えてならない
夏凜が後ろから消えたあの告白の場
無理矢理キスをされたとき
無理矢理キスをしたとき、どうしようもなく。弱くなったのを実感した
だから、天乃は冗談めかした笑みを浮かべるだけで
それ以上は何も言わない
……頼りすぎているんでしょうね
だから、不意に支えがなくなった時に倒れかけて
不安になる、寂しくなる、満たされなくなる
根本的なものは変わっていないのに
夏凜「なんにしても、私が入れ替わることだけは絶対にないから安心しなさい」
天乃「自信あるのね」
夏凜「沙織にも任されたんだから仕方がないでしょ。ミスったら沙織がどうなるかわかったもんじゃないわ」
普段もやや感情的な一面を見せている沙織だが
本当の本気で激怒したらどうなるのか
天乃は沙織が怒ったのを見たことがある。というか怒らせたことがあるが
本気の本気での激怒はきっと、あれほど生易しいものではないだろう
735: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 22:26:32.56:kkPhV17lo (7/13)
天乃「もしかしたら私よりも怖いかも」
夏凜「勘弁して」
天乃以上に恐ろしくなる
そんな凶悪なものを想像した夏凜は
身震いすると、肩をすくめて苦笑いを浮かべる
まだ名前も教えあっていないころの体育館での戦い
あれ以上なんていうのは、もはや人間ではない
もっとも、それ自体が夏凜の体感では人間ではなかったが。
本気で言う夏凜に、天乃は冗談よ。と、返す
天乃「…………」
夏凜「…………」
そして不意に会話が途切れると
グラウンドから「パス!」、「止めろ!」と
体育で盛り上がっているどこかのクラスの男子生徒の声が響く
1、猿猴の目的はなんだと思う?
2、男の子が直前のこと思い出したら。私、付き合ってることになるのかしら
3、ねぇ……夏凜。する?
4、夏凜、お誕生日おめでとう……大したものではないけれど。これをあげるわ
5、ねぇ、夏凜はどうして恋してるなって思ったの?
↓2
天乃「もしかしたら私よりも怖いかも」
夏凜「勘弁して」
天乃以上に恐ろしくなる
そんな凶悪なものを想像した夏凜は
身震いすると、肩をすくめて苦笑いを浮かべる
まだ名前も教えあっていないころの体育館での戦い
あれ以上なんていうのは、もはや人間ではない
もっとも、それ自体が夏凜の体感では人間ではなかったが。
本気で言う夏凜に、天乃は冗談よ。と、返す
天乃「…………」
夏凜「…………」
そして不意に会話が途切れると
グラウンドから「パス!」、「止めろ!」と
体育で盛り上がっているどこかのクラスの男子生徒の声が響く
1、猿猴の目的はなんだと思う?
2、男の子が直前のこと思い出したら。私、付き合ってることになるのかしら
3、ねぇ……夏凜。する?
4、夏凜、お誕生日おめでとう……大したものではないけれど。これをあげるわ
5、ねぇ、夏凜はどうして恋してるなって思ったの?
↓2
736:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 22:27:07.45:WeASI8P3O (2/4)
1
1
737:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 22:27:14.11:R5djghZAO (2/2)
3
3
738:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 22:27:32.68:Nqugvty3O (2/4)
1
1
739: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:13:59.38:kkPhV17lo (8/13)
天乃「ねぇ……夏凜。する?」
何を。とは言わなかった
ただ、するかと問いかけて。目を向ける
夏凜は目を向けると、何かを言いたげに口元を動かす
けれど、そこから零れ落ちたのはため息
体育の喧騒が段々と遠くなっていくにつれて
どこかの教室では席を動かす音が聞こえる
けれど、二人は沈黙し、静寂を纏って。ただ、視線を交わらせていく
夏凜「……天乃が。それを言うとは思わなかった」
天乃「意外?」
夏凜「予想はしてなかった」
天乃「想像はした?」
夏凜「……少し」
夏凜は照れ隠しをする様子もなく
達観しているかのように平然とそう言って笑うと
ポケットから端末を取り出して、机に置く
天乃「ねぇ……夏凜。する?」
何を。とは言わなかった
ただ、するかと問いかけて。目を向ける
夏凜は目を向けると、何かを言いたげに口元を動かす
けれど、そこから零れ落ちたのはため息
体育の喧騒が段々と遠くなっていくにつれて
どこかの教室では席を動かす音が聞こえる
けれど、二人は沈黙し、静寂を纏って。ただ、視線を交わらせていく
夏凜「……天乃が。それを言うとは思わなかった」
天乃「意外?」
夏凜「予想はしてなかった」
天乃「想像はした?」
夏凜「……少し」
夏凜は照れ隠しをする様子もなく
達観しているかのように平然とそう言って笑うと
ポケットから端末を取り出して、机に置く
740: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:16:50.73:kkPhV17lo (9/13)
夏凜「私のことは、昨日話したわよ?」
天乃「ええ……そうね」
天乃のことが好きだと言った
喜んでいる顔、嬉しそうな顔、幸せそうな顔
それらが好きだと言った
天乃「ちゃんと、どういう意味であるのかも理解しているつもりよ」
夏凜「あれで出来てなかったら。さすがにふざけんなって話よ」
候補者の言葉。なんて遠回しな言い方をしてしまったが
それでも十分理解できるくらいの話を、ちゃんとしていたから
だから夏凜は苦笑する
夏凜「で、それでも。あんたはそれを言ったわけね」
天乃「ええ。間違いないわ」
夏凜の一転して緊張感を持たせる表情に
天乃もまた、茶化すことのない真剣な面持ちで答える
これは、必要なことだから
夏凜「私のことは、昨日話したわよ?」
天乃「ええ……そうね」
天乃のことが好きだと言った
喜んでいる顔、嬉しそうな顔、幸せそうな顔
それらが好きだと言った
天乃「ちゃんと、どういう意味であるのかも理解しているつもりよ」
夏凜「あれで出来てなかったら。さすがにふざけんなって話よ」
候補者の言葉。なんて遠回しな言い方をしてしまったが
それでも十分理解できるくらいの話を、ちゃんとしていたから
だから夏凜は苦笑する
夏凜「で、それでも。あんたはそれを言ったわけね」
天乃「ええ。間違いないわ」
夏凜の一転して緊張感を持たせる表情に
天乃もまた、茶化すことのない真剣な面持ちで答える
これは、必要なことだから
741: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:17:19.85:kkPhV17lo (10/13)
天乃「どうしても、確かめたいことがあるの」
天乃は表情に影を落としながら、自分の唇に触れると
思い悩む瞳を彷徨わせて、瞼を閉じる
思い浮かぶのは、男子生徒とのキス
園子とのキス、夏凜とのキス
沙織が大切にすべきだと言ったファーストキスは無残にも奪われて
嫌悪感が基準となってしまった中で、心地よさを感じさせてくれた二人
その片割れである夏凜に、天乃はゆっくりと目を開いて
天乃「どうして泣いたのか。どうして最初は駄目だったのか。慰めでないこの触れ合いでわかる気がするの」
夏凜「……本気で言ってるわけ、か」
天乃「間違いなく本気よ。この結果次第では多分……私は夏凜達の助言に基づいて貴女に謝らないといけない」
天乃の言葉に、驚きはなかった
ただ、それもそうだと思って
なぜだか笑みを浮かべて「……そう」と
頭の中とは裏腹に、寂しげな声が零れ出す
天乃「どうしても、確かめたいことがあるの」
天乃は表情に影を落としながら、自分の唇に触れると
思い悩む瞳を彷徨わせて、瞼を閉じる
思い浮かぶのは、男子生徒とのキス
園子とのキス、夏凜とのキス
沙織が大切にすべきだと言ったファーストキスは無残にも奪われて
嫌悪感が基準となってしまった中で、心地よさを感じさせてくれた二人
その片割れである夏凜に、天乃はゆっくりと目を開いて
天乃「どうして泣いたのか。どうして最初は駄目だったのか。慰めでないこの触れ合いでわかる気がするの」
夏凜「……本気で言ってるわけ、か」
天乃「間違いなく本気よ。この結果次第では多分……私は夏凜達の助言に基づいて貴女に謝らないといけない」
天乃の言葉に、驚きはなかった
ただ、それもそうだと思って
なぜだか笑みを浮かべて「……そう」と
頭の中とは裏腹に、寂しげな声が零れ出す
742: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:20:17.23:kkPhV17lo (11/13)
その謝罪。そのごめんなさいは
昨夜の夏凜への答え。その返事
それはつまり、気持ちを受け止めてあげることはできないということ
片思いの時は知りたくて仕方が無いのに
そのひと欠片を結んでしまっただけで、知りたくないと臆病になってしまう
つまり、ここで嫌と言えば
夏凜はまだまだ夢を見ていられる
まだ、楽しく幸せな関係でいることが出来る
それはなんて――魅力的なのだろう
夏凜「あの時と似たシチュの今は、最高の場面ってわけか」
天乃「そうね……図らずもうまく重なったわ」
そう言った天乃は
軽く息をつくと、夏凜へと目を向けて
天乃「どう……?」
一握りの不安と希望を持って、問い直す
その謝罪。そのごめんなさいは
昨夜の夏凜への答え。その返事
それはつまり、気持ちを受け止めてあげることはできないということ
片思いの時は知りたくて仕方が無いのに
そのひと欠片を結んでしまっただけで、知りたくないと臆病になってしまう
つまり、ここで嫌と言えば
夏凜はまだまだ夢を見ていられる
まだ、楽しく幸せな関係でいることが出来る
それはなんて――魅力的なのだろう
夏凜「あの時と似たシチュの今は、最高の場面ってわけか」
天乃「そうね……図らずもうまく重なったわ」
そう言った天乃は
軽く息をつくと、夏凜へと目を向けて
天乃「どう……?」
一握りの不安と希望を持って、問い直す
743: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:21:28.52:kkPhV17lo (12/13)
01~10 友奈
11~20 猿猴の問題が片付いたら
21~30 沙織
31~40 いいわよ
41~50 女子生徒
51~60 猿猴の問題が片付いたら
61~70 友奈
71~80 良いわよ
81~90 猿猴の問題が片付いたら
91~00 一皮むけた夏凜ちゃんは自分からキスをする
↓1のコンマ
01~10 友奈
11~20 猿猴の問題が片付いたら
21~30 沙織
31~40 いいわよ
41~50 女子生徒
51~60 猿猴の問題が片付いたら
61~70 友奈
71~80 良いわよ
81~90 猿猴の問題が片付いたら
91~00 一皮むけた夏凜ちゃんは自分からキスをする
↓1のコンマ
744:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 23:21:38.13:Nqugvty3O (3/4)
あ
あ
745:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 23:22:38.97:7+YmCdqHO (1/1)
あ
あ
746:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 23:26:49.34:WeASI8P3O (3/4)
息をするようにヘタレるな
息をするようにヘタレるな
747: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/09(月) 23:28:57.68:kkPhV17lo (13/13)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夏凜「なんか死亡フラグ立ちそうだから、猿猴の問題が片付いたらにしましょ。そうしたら、キス。で」
天乃「……そうね。今はそれを考えないといけないわよね」
若葉(それこそフラグというやつでは……)
球子(1、キスして死ぬ 2、夢を見て死ぬ だな)
若葉(やめろ!)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夏凜「なんか死亡フラグ立ちそうだから、猿猴の問題が片付いたらにしましょ。そうしたら、キス。で」
天乃「……そうね。今はそれを考えないといけないわよね」
若葉(それこそフラグというやつでは……)
球子(1、キスして死ぬ 2、夢を見て死ぬ だな)
若葉(やめろ!)
748:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 23:33:25.17:WeASI8P3O (4/4)
乙
でもなんか図らずとも中間地点までのゴール見えて来た感じだな
3周目にしてようやく夏凛幸せになれるかな?
乙
でもなんか図らずとも中間地点までのゴール見えて来た感じだな
3周目にしてようやく夏凛幸せになれるかな?
749:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/09(月) 23:39:13.43:Nqugvty3O (4/4)
乙
まあ問題が解決したら存分にイチャつけばいいさ
できれば途中まで絡みが多かったさおりんも誘ってみたいけど
乙
まあ問題が解決したら存分にイチャつけばいいさ
できれば途中まで絡みが多かったさおりんも誘ってみたいけど
750:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 18:39:53.44:0qfJb6cco (1/1)
三人での熱い絡みが見たいです神樹様
三人での熱い絡みが見たいです神樹様
751:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 20:59:55.56:zEQDg2oeO (1/3)
神樹様は味方じゃないので…
神樹様は味方じゃないので…
752: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 21:54:01.52:VOLXyqoPo (1/12)
では、はじめていきます
では、はじめていきます
753:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 21:55:22.21:7I4qIXekO (1/5)
よしきた
よしきた
754: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:00:30.19:VOLXyqoPo (2/12)
夏凜「いや……猿猴の問題が片付いたらにしましょ」
天乃から言ってきてくれたことは嬉しかった
出来るなら、この話に乗ってキスをしてしまいたいと思った
けれど、今はそう言う状況ではない
現を抜かしている場合ではないのだ
似たもの同士。本当ならこの場に居たかったであろう人から
よろしく。と、頼まれたのだから
夏凜「天乃の考えも理解できる。けど――」
天乃「ううん、夏凜がそう言うなら。待てるから平気よ」
夏凜「……あんたは」
本当はしたかっただろうに……と、自信過剰に言うわけではないが
そうであろうとなかろうと
勇気を出して言ってくれたであろう事を拒否した自分に対して
そんな発言を出来る天乃が、やはり夏凜には魅力的に見える
きっと、男女問わず。誰からでも
天乃「貴女にも貴女の考えがあるんでしょう?」
夏凜「まぁ……ね」
夏凜「いや……猿猴の問題が片付いたらにしましょ」
天乃から言ってきてくれたことは嬉しかった
出来るなら、この話に乗ってキスをしてしまいたいと思った
けれど、今はそう言う状況ではない
現を抜かしている場合ではないのだ
似たもの同士。本当ならこの場に居たかったであろう人から
よろしく。と、頼まれたのだから
夏凜「天乃の考えも理解できる。けど――」
天乃「ううん、夏凜がそう言うなら。待てるから平気よ」
夏凜「……あんたは」
本当はしたかっただろうに……と、自信過剰に言うわけではないが
そうであろうとなかろうと
勇気を出して言ってくれたであろう事を拒否した自分に対して
そんな発言を出来る天乃が、やはり夏凜には魅力的に見える
きっと、男女問わず。誰からでも
天乃「貴女にも貴女の考えがあるんでしょう?」
夏凜「まぁ……ね」
755: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:05:46.79:VOLXyqoPo (3/12)
夏凜の嬉しさを感じる微笑に
天乃は何も言わず、笑みを浮かべて息をつく
気持ちを伝えてきた夏凜は……いや
それ以前から、大分変わってきたと思う
積極的な部分があって、強引な部分があって、
ほんの少しだけ、大人びた印象を受ける場面だってある
夏凜だけじゃない
友奈や樹、風に東郷。みんなだってそう
自分との関わりゆえだと言う気はないけれど
しっかりと、成長を感じさせてくれる
天乃は、それが何よりも嬉しかった
自分がいなくなっても平気だから。なんて
みんなが怒るような理由がないといえば嘘になるけれど
でも、やはり。友人として、先輩として、
成長していく姿を見られたのが、感じられたのが、嬉しいのだ
夏凜の嬉しさを感じる微笑に
天乃は何も言わず、笑みを浮かべて息をつく
気持ちを伝えてきた夏凜は……いや
それ以前から、大分変わってきたと思う
積極的な部分があって、強引な部分があって、
ほんの少しだけ、大人びた印象を受ける場面だってある
夏凜だけじゃない
友奈や樹、風に東郷。みんなだってそう
自分との関わりゆえだと言う気はないけれど
しっかりと、成長を感じさせてくれる
天乃は、それが何よりも嬉しかった
自分がいなくなっても平気だから。なんて
みんなが怒るような理由がないといえば嘘になるけれど
でも、やはり。友人として、先輩として、
成長していく姿を見られたのが、感じられたのが、嬉しいのだ
756: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:09:12.07:VOLXyqoPo (4/12)
天乃「でも」
夏凜「?」
天乃「猿猴の件が片付いてからなら、はやくそれを片付けないとね」
夏凜「なんでよ。そんなにしたいわけ?」
夏凜の嬉しそうに困った表情に
天乃はクスクスと笑いながら、首を横に振る
もっとも、したいということ自体が間違っているわけではないが
天乃「心のもやもやを晴らしたいの。恋する上で、きっと必要なことだから」
夏凜「…………」
言っていることは、なに言ってるの?と茶化されそうなものだが、
天乃の表情はいたって真面目で、真剣で、本気で
そんなことを許さない雰囲気で
祈るように胸元にあてがわれた手が、一瞬。強く握り合ったように見えた
天乃「でも」
夏凜「?」
天乃「猿猴の件が片付いてからなら、はやくそれを片付けないとね」
夏凜「なんでよ。そんなにしたいわけ?」
夏凜の嬉しそうに困った表情に
天乃はクスクスと笑いながら、首を横に振る
もっとも、したいということ自体が間違っているわけではないが
天乃「心のもやもやを晴らしたいの。恋する上で、きっと必要なことだから」
夏凜「…………」
言っていることは、なに言ってるの?と茶化されそうなものだが、
天乃の表情はいたって真面目で、真剣で、本気で
そんなことを許さない雰囲気で
祈るように胸元にあてがわれた手が、一瞬。強く握り合ったように見えた
757: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:12:41.01:VOLXyqoPo (5/12)
夏凜「……天乃のそれがなんなのか解らないけど」
あの時の涙は、当然。今も鮮明に残っている
きっと、何年、何十年経ったとしても。このまま進んだとしたら鮮明な後悔として残るだろう
夏凜は天乃と目を合わせることなく、
何かを追いかけるように目線を上げて、下げて
まるでついでに言うかのような仕草を見せたが
ふと、首を振って天乃へと目を向けた
夏凜「でも。私とするのが嫌だった。なんて事ではないって思いたいわね」
天乃「大丈夫よ」
そう。きっと大丈夫。そんな気がするのだ
だけど、それを確信めいたものにしたい。だから、改めてのキスがしたいのだと
天乃は言葉にすることはなく笑みを浮かべて
夏凜は不明瞭なままに大丈夫だという天乃に対して困ったように笑って
夏凜「嘘だったら承知しないわよ」
そう言った
夏凜「……天乃のそれがなんなのか解らないけど」
あの時の涙は、当然。今も鮮明に残っている
きっと、何年、何十年経ったとしても。このまま進んだとしたら鮮明な後悔として残るだろう
夏凜は天乃と目を合わせることなく、
何かを追いかけるように目線を上げて、下げて
まるでついでに言うかのような仕草を見せたが
ふと、首を振って天乃へと目を向けた
夏凜「でも。私とするのが嫌だった。なんて事ではないって思いたいわね」
天乃「大丈夫よ」
そう。きっと大丈夫。そんな気がするのだ
だけど、それを確信めいたものにしたい。だから、改めてのキスがしたいのだと
天乃は言葉にすることはなく笑みを浮かべて
夏凜は不明瞭なままに大丈夫だという天乃に対して困ったように笑って
夏凜「嘘だったら承知しないわよ」
そう言った
758: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:14:50.34:VOLXyqoPo (6/12)
√ 6月12日目 昼(学校) ※金曜日
01~10 風
11~20
21~30
31~40 友奈
41~50 大赦職員
51~60 東郷
61~70
71~80 樹
81~90
91~00 沙織
↓1のコンマ
√ 6月12日目 昼(学校) ※金曜日
01~10 風
11~20
21~30
31~40 友奈
41~50 大赦職員
51~60 東郷
61~70
71~80 樹
81~90
91~00 沙織
↓1のコンマ
759:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:15:04.16:1qmmItjzO (1/3)
あ
あ
760: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:17:39.98:VOLXyqoPo (7/12)
√ 6月12日目 昼(学校) ※金曜日
1、勇者部全員とSNS
2、夏凜と交流 ※猿猴について
3、沙織に連絡
4、若葉を呼ぶ
5、死神を呼ぶ
6、球子を呼ぶ
7、イベント判定
↓2
√ 6月12日目 昼(学校) ※金曜日
1、勇者部全員とSNS
2、夏凜と交流 ※猿猴について
3、沙織に連絡
4、若葉を呼ぶ
5、死神を呼ぶ
6、球子を呼ぶ
7、イベント判定
↓2
761:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:18:30.73:1qmmItjzO (2/3)
7
7
762:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:18:34.03:X4/j30mj0 (1/1)
3
3
763:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:18:37.52:7I4qIXekO (2/5)
3
3
764: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 22:28:01.45:VOLXyqoPo (8/12)
1、部室にきて
2、大赦からの連絡は?
3、現状報告
4、沙織はなぜ、あの子が襲われたか知ってる?
5、沙織の好きなタイプって、どんな人?
↓2
1、部室にきて
2、大赦からの連絡は?
3、現状報告
4、沙織はなぜ、あの子が襲われたか知ってる?
5、沙織の好きなタイプって、どんな人?
↓2
765:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:28:31.72:1qmmItjzO (3/3)
1
1
766:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:28:39.01:zEQDg2oeO (2/3)
3
3
767:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 22:28:48.67:7I4qIXekO (3/5)
1
1
768: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 23:12:04.01:VOLXyqoPo (9/12)
天乃「ごめんね? 今平気?」
沙織『うん、全然平気だよ』
電話の奥からは、昼休みゆえのクラスメイト達の声が聞こえる
どれもこれも明るくて、楽しそうな声
その中には、沙織の名前を呼ぶ声もあった
沙織『ごめんね、ちょっと電話が来てるの』
沙織はそう言って教室を出たのだろう
騒がしさは遠のいて、沙織の小さなため息が聞こえた
沙織『それで、どうしたの?』
天乃「現状報告、私のところは問題ないけど。沙織の方はどうかと思って」
沙織『こっちにも久遠さんは姿を見せてないよ。他の人も』
沙織はそう言うと
思い出したように、「あ、そうだ」とつぶやいて
沙織『久遠さんは一応、お役目で早退したことになってるみたい』
天乃「それが妥当でしょうね……姿を消しちゃったわけだし」
沙織『そうだね』
天乃「ごめんね? 今平気?」
沙織『うん、全然平気だよ』
電話の奥からは、昼休みゆえのクラスメイト達の声が聞こえる
どれもこれも明るくて、楽しそうな声
その中には、沙織の名前を呼ぶ声もあった
沙織『ごめんね、ちょっと電話が来てるの』
沙織はそう言って教室を出たのだろう
騒がしさは遠のいて、沙織の小さなため息が聞こえた
沙織『それで、どうしたの?』
天乃「現状報告、私のところは問題ないけど。沙織の方はどうかと思って」
沙織『こっちにも久遠さんは姿を見せてないよ。他の人も』
沙織はそう言うと
思い出したように、「あ、そうだ」とつぶやいて
沙織『久遠さんは一応、お役目で早退したことになってるみたい』
天乃「それが妥当でしょうね……姿を消しちゃったわけだし」
沙織『そうだね』
769: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 23:12:31.20:VOLXyqoPo (10/12)
この学校自体から姿を消している場合、外で何か悪さをしている可能性があるということだからそれはない。と、思いたいが……
もっとも、この学校の外で知り合いと言えば
瞳と園子。あとは大赦職員くらいで、その二人でなければ、さほど怖いことはないし
二人にも猿猴の件は連絡がいっているから、合流および警戒はしておいてもらえているはずなので
心配はそこまでしていないが。
沙織『結城さんや犬吠埼さんの方でも、現状問題はないって報告が来てるけど、それは久遠さんにも来てるよね?』
天乃「ええ。端末で連絡取り合っていれば、誰かがここに来た時にすぐ真偽が定められるからね」
沙織『でも、あたしには電話なんだね』
天乃「貴女は声を聴いた方が安心するから」
沙織『え……?』
天乃「猿猴が一番戻りやすい教室にいるし、近しいから。レスポンス待機は不安になるわ」
不安に揺れた天乃の声を聴き、
沙織は「だよねー」と、心なしか不服そうに呟いて
しかし、すぐに笑い声を溢した
沙織『久遠さんらしいね』
天乃「……真面目に言ってるのよ?」
沙織『解ってるよ。あたしは』
この学校自体から姿を消している場合、外で何か悪さをしている可能性があるということだからそれはない。と、思いたいが……
もっとも、この学校の外で知り合いと言えば
瞳と園子。あとは大赦職員くらいで、その二人でなければ、さほど怖いことはないし
二人にも猿猴の件は連絡がいっているから、合流および警戒はしておいてもらえているはずなので
心配はそこまでしていないが。
沙織『結城さんや犬吠埼さんの方でも、現状問題はないって報告が来てるけど、それは久遠さんにも来てるよね?』
天乃「ええ。端末で連絡取り合っていれば、誰かがここに来た時にすぐ真偽が定められるからね」
沙織『でも、あたしには電話なんだね』
天乃「貴女は声を聴いた方が安心するから」
沙織『え……?』
天乃「猿猴が一番戻りやすい教室にいるし、近しいから。レスポンス待機は不安になるわ」
不安に揺れた天乃の声を聴き、
沙織は「だよねー」と、心なしか不服そうに呟いて
しかし、すぐに笑い声を溢した
沙織『久遠さんらしいね』
天乃「……真面目に言ってるのよ?」
沙織『解ってるよ。あたしは』
770: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 23:14:41.38:VOLXyqoPo (11/12)
ほんの少し茶化されたような気がして
目には見えていないだろうけれど、天乃が少しばかり不快そうに言うと
沙織は解り切ったような声色で返す
沙織『解ってる。久遠さんが凄く心配してくれているんだって』
それはもちろん、声を聴いた方が安心すると言われて
ちょっとばかり特別な方ではないかと考えてしまったが
そうではないことは、ちゃんとわかっていた
沙織『こっちには風さんもいるから平気だよ』
だから、安心できるようにと優しい声で言う
心配しなくていいと、諭すように
天乃「そうね……そっちには風がいるのよね」
沙織『うん、クラスメイトもいるから。大丈夫。極力風さんと離れな――あ』
風『離れないとか言いつつ離れたのはどこの誰かしらね~?』
天乃「……ふふっ」
教室を出たすぐの廊下にいたのだろうけれど
それでも、心配したのよ。と本心を感じる声で叱る風の声が聞こえて
天乃は思わず、笑みをこぼす
本当に、とりあえず心配はなさそうだ
1、放課後、男の子のところに連れて行って
2、放課後、沙織も部室にきて
3、ねぇ、沙織は恋をしてる?
4、ねぇ、猿猴が急に動き出した理由。分からない?
5、風、沙織のことをよろしくね
↓2
ほんの少し茶化されたような気がして
目には見えていないだろうけれど、天乃が少しばかり不快そうに言うと
沙織は解り切ったような声色で返す
沙織『解ってる。久遠さんが凄く心配してくれているんだって』
それはもちろん、声を聴いた方が安心すると言われて
ちょっとばかり特別な方ではないかと考えてしまったが
そうではないことは、ちゃんとわかっていた
沙織『こっちには風さんもいるから平気だよ』
だから、安心できるようにと優しい声で言う
心配しなくていいと、諭すように
天乃「そうね……そっちには風がいるのよね」
沙織『うん、クラスメイトもいるから。大丈夫。極力風さんと離れな――あ』
風『離れないとか言いつつ離れたのはどこの誰かしらね~?』
天乃「……ふふっ」
教室を出たすぐの廊下にいたのだろうけれど
それでも、心配したのよ。と本心を感じる声で叱る風の声が聞こえて
天乃は思わず、笑みをこぼす
本当に、とりあえず心配はなさそうだ
1、放課後、男の子のところに連れて行って
2、放課後、沙織も部室にきて
3、ねぇ、沙織は恋をしてる?
4、ねぇ、猿猴が急に動き出した理由。分からない?
5、風、沙織のことをよろしくね
↓2
771:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 23:15:06.30:F3sSqGrEO (1/2)
4
4
772:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 23:15:24.16:7I4qIXekO (4/5)
2
2
773: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/10(火) 23:33:20.32:VOLXyqoPo (12/12)
では、ここまでとさせていただきます
明日はお休みする可能性がありますが
出来れば通常時間から
では、ここまでとさせていただきます
明日はお休みする可能性がありますが
出来れば通常時間から
774:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 23:37:18.92:zEQDg2oeO (3/3)
乙
乙
775:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 23:40:18.78:7I4qIXekO (5/5)
乙
久遠さんがさおりんの想いに気づく日は来るのだろうか
乙
久遠さんがさおりんの想いに気づく日は来るのだろうか
776:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/10(火) 23:46:58.53:F3sSqGrEO (2/2)
乙
今回は夏凛のコンマが強かったからしょうがないね
さて猿猴どうやって対処するのか
乙
今回は夏凛のコンマが強かったからしょうがないね
さて猿猴どうやって対処するのか
777:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 18:50:43.30:mM4Zem+Vo (1/1)
最近一日の投下量増えてるねところで3Pは許容範囲だろうか(切望)
最近一日の投下量増えてるねところで3Pは許容範囲だろうか(切望)
778:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 20:31:50.65:xW7xMiaZO (1/3)
俺撮影班になるわ
録画は任せろ
俺撮影班になるわ
録画は任せろ
779: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:23:45.24:pcWPncsZo (1/11)
では、少しだけ
では、少しだけ
780:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 22:24:17.47:pw/mttijO (1/2)
あいよ
あいよ
781: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:29:52.17:pcWPncsZo (2/11)
天乃「放課後、沙織も部室に来てくれる?」
沙織『解った……って言いたいけど。大赦に確認取って平気だったらになるかな』
沙織は嬉しそうに言い出したものの
大赦。の辺りから残念そうにトーンを落として、息をつく
男子生徒の件か、それとは別の何かが沙織にはあるらしい
天乃「何かあったの?」
だから、あえて不特定多数を指して問う
男子生徒の件かと聞くと、嘘でもそうだと答えるだろうし
本当に男子生徒の件なら、それもやっぱり男子生徒の件と答えてくれるはずだ。迷いなく
しかし
沙織『えっと……私が目撃者だから。一応ね』
沙織は今考えたように言う
それは思い出したようにも感じるが、どこか不安定だと天乃は感じて
天乃「そう……出来れば一人にはなって欲しくないのだけど」
沙織『うん、だから要相談だよね。多分、反対されないとは思うけど……』
天乃「放課後、沙織も部室に来てくれる?」
沙織『解った……って言いたいけど。大赦に確認取って平気だったらになるかな』
沙織は嬉しそうに言い出したものの
大赦。の辺りから残念そうにトーンを落として、息をつく
男子生徒の件か、それとは別の何かが沙織にはあるらしい
天乃「何かあったの?」
だから、あえて不特定多数を指して問う
男子生徒の件かと聞くと、嘘でもそうだと答えるだろうし
本当に男子生徒の件なら、それもやっぱり男子生徒の件と答えてくれるはずだ。迷いなく
しかし
沙織『えっと……私が目撃者だから。一応ね』
沙織は今考えたように言う
それは思い出したようにも感じるが、どこか不安定だと天乃は感じて
天乃「そう……出来れば一人にはなって欲しくないのだけど」
沙織『うん、だから要相談だよね。多分、反対されないとは思うけど……』
782: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:31:16.25:pcWPncsZo (3/11)
天乃の言葉が沙織一人になるということではなく
勇者部の誰とも行動しないという一人きりなのだと佐織は察して、苦笑する
何が起こるかわからない現状、強力なボディガードになり得る勇者部の面々から
所属する巫女一人を連れ出すなど、危険だというのは解るだろうから
おそらく、大赦もそんなことはしないはずだ
天乃「反対されたら沙織が反対しなさい。私が許可する」
沙織『あはは、頼もしい後ろ盾だね』
正直、生きていたいなら大赦よりも天乃に付くべきだろうし
そうでなくとも、沙織としては天乃に付いていきたい気持ちがあった
けれど
沙織『それはダメだよ』
天乃「どうして?」
沙織『これ以上、久遠さんの立場を悪くしたくないから……ね。だって、先日の精霊の事件でただでさえ悪くなってるんだよ?』
先日。といって割りと昔のような気がするが
その精霊というのは、猿猴ではなく、悪五郎のほうの二人の大赦職員が行方不明になった件だ
結局保護され体調等も今では問題なくなっているが、それでも。問題といえば問題で
それが天乃の評価に繋がっているのだ
天乃の言葉が沙織一人になるということではなく
勇者部の誰とも行動しないという一人きりなのだと佐織は察して、苦笑する
何が起こるかわからない現状、強力なボディガードになり得る勇者部の面々から
所属する巫女一人を連れ出すなど、危険だというのは解るだろうから
おそらく、大赦もそんなことはしないはずだ
天乃「反対されたら沙織が反対しなさい。私が許可する」
沙織『あはは、頼もしい後ろ盾だね』
正直、生きていたいなら大赦よりも天乃に付くべきだろうし
そうでなくとも、沙織としては天乃に付いていきたい気持ちがあった
けれど
沙織『それはダメだよ』
天乃「どうして?」
沙織『これ以上、久遠さんの立場を悪くしたくないから……ね。だって、先日の精霊の事件でただでさえ悪くなってるんだよ?』
先日。といって割りと昔のような気がするが
その精霊というのは、猿猴ではなく、悪五郎のほうの二人の大赦職員が行方不明になった件だ
結局保護され体調等も今では問題なくなっているが、それでも。問題といえば問題で
それが天乃の評価に繋がっているのだ
783: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:33:16.62:pcWPncsZo (4/11)
そこに、この猿猴の事件
今のところ被害に遭ったのは男子生徒一人で、精神面、身体面共に問題はない為に
そこまで大きく問題視されてはいないとは思うが、これ以上増える可能性があるという懸念が有り
今までの件、今回の件を考えて……という意見は多い
沙織『あたし達はできるだけ、久遠さんに普通の生活を経験して欲しい。あっちの世界を日常だとするその考えを変えて欲しいって重ってる』
天乃「……それは」
沙織『久遠さんには難しい話だってわかってる。でも、あたし達は久遠さんに孤独になって欲しくないから』
同じところを歩いているのに
足音が聞こえるのに、声が聞こえるのに。なのに
姿が見えない、触れることが出来ない。そんな次元格差のような状態を無くしたい
沙織『だから、出来るだけその足を引っ張るようなことはしたくないんだ』
天乃「別に、このくらいなら平気よ」
沙織『大は小を兼ねるけど、結局。大は小から作られているからね。塵を積もらせるわけにはいかないよ』
天乃に対して、沙織は強く言う
押し負けられない。負けて良いことじゃない
これだけは、折れて上げられない。そんな意志を示すように
そこに、この猿猴の事件
今のところ被害に遭ったのは男子生徒一人で、精神面、身体面共に問題はない為に
そこまで大きく問題視されてはいないとは思うが、これ以上増える可能性があるという懸念が有り
今までの件、今回の件を考えて……という意見は多い
沙織『あたし達はできるだけ、久遠さんに普通の生活を経験して欲しい。あっちの世界を日常だとするその考えを変えて欲しいって重ってる』
天乃「……それは」
沙織『久遠さんには難しい話だってわかってる。でも、あたし達は久遠さんに孤独になって欲しくないから』
同じところを歩いているのに
足音が聞こえるのに、声が聞こえるのに。なのに
姿が見えない、触れることが出来ない。そんな次元格差のような状態を無くしたい
沙織『だから、出来るだけその足を引っ張るようなことはしたくないんだ』
天乃「別に、このくらいなら平気よ」
沙織『大は小を兼ねるけど、結局。大は小から作られているからね。塵を積もらせるわけにはいかないよ』
天乃に対して、沙織は強く言う
押し負けられない。負けて良いことじゃない
これだけは、折れて上げられない。そんな意志を示すように
784: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:34:51.50:pcWPncsZo (5/11)
沙織『もうすぐ昼休みも終わるから。また後で……かな? 大赦が意地悪じゃなければ』
沙織は冗談めかして言うと、笑い声を漏らして「またね」、と、電話を切る
天乃「大赦は意地悪よ……私に対しては」
一部例外も居るけれど。しかし、基本的に厳しいのは事実
被害を出してしまう力があって
世界を滅ぼすことが出来る力がある
だから、それを恐れてのことだというのも理解できなくはないのだが
やはり、快く思えないのは当然で
夏凜「あんまり考えない方が良いわよ。余計に疲れる」
天乃「大赦の勇者がそんなこと言って良いの?」
夏凜「良いのよ。別に」
拾って貰った恩はあるが、しかし。その感謝は瞳にすべきで
天乃を目の敵にしているような組織に対しては、返すものもない
夏凜「沙織や瞳もそうだけど。私達はもう、天乃サイドって認識だから」
夏凜は苦笑しながら言って、「呆れるでしょ」とため息をつく
沙織『もうすぐ昼休みも終わるから。また後で……かな? 大赦が意地悪じゃなければ』
沙織は冗談めかして言うと、笑い声を漏らして「またね」、と、電話を切る
天乃「大赦は意地悪よ……私に対しては」
一部例外も居るけれど。しかし、基本的に厳しいのは事実
被害を出してしまう力があって
世界を滅ぼすことが出来る力がある
だから、それを恐れてのことだというのも理解できなくはないのだが
やはり、快く思えないのは当然で
夏凜「あんまり考えない方が良いわよ。余計に疲れる」
天乃「大赦の勇者がそんなこと言って良いの?」
夏凜「良いのよ。別に」
拾って貰った恩はあるが、しかし。その感謝は瞳にすべきで
天乃を目の敵にしているような組織に対しては、返すものもない
夏凜「沙織や瞳もそうだけど。私達はもう、天乃サイドって認識だから」
夏凜は苦笑しながら言って、「呆れるでしょ」とため息をつく
785: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:38:42.97:pcWPncsZo (6/11)
天乃はそんな夏凜に対して
少し、申しわけなさそうに笑みを向けて、「ごめんね」と言ったけれど
夏凜はそれこそ気に食わなかったようで
夏凜「別にあんたのせいじゃないっての」
天乃「……私の味方になると大変よ?」
夏凜「あっちもこっちも大変なら、自分の居たい場所に居たいのよ」
気にするなというように
今の立場を好ましく思っていると示すように
夏凜は満足げな笑みを浮かべて
天乃はその反応に少し驚きながらも
ただ「どうなっても自己責任だからね」と、茶化すように笑った
天乃はそんな夏凜に対して
少し、申しわけなさそうに笑みを向けて、「ごめんね」と言ったけれど
夏凜はそれこそ気に食わなかったようで
夏凜「別にあんたのせいじゃないっての」
天乃「……私の味方になると大変よ?」
夏凜「あっちもこっちも大変なら、自分の居たい場所に居たいのよ」
気にするなというように
今の立場を好ましく思っていると示すように
夏凜は満足げな笑みを浮かべて
天乃はその反応に少し驚きながらも
ただ「どうなっても自己責任だからね」と、茶化すように笑った
786:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 22:40:08.42:xW7xMiaZO (2/3)
1
1
787:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 22:40:46.96:xW7xMiaZO (3/3)
ごめんなさい誤爆しました
ごめんなさい誤爆しました
788: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:42:22.00:pcWPncsZo (7/11)
√ 6月12日目 夕(学校) ※金曜日
天乃「……そう」
結局、大赦から許可は下りなかったようで
沙織はHR終了後に呼ばれているからと、部室にはくることなく風に伝言を頼んで
そのまま学校を出て行ってしまったらしい
伝えられた天乃は気落ちしたため息をつくと
すぐに「仕方がないわね」と、切り替えて
天乃「とりあえず、各自問題なかった?」
風「あたしは別に良いけど。あたしと沙織が行くまで樹はトイレ行けなかったのよ」
樹「うぅ……」
風に言われ、気恥ずかしそうに身を縮ませた樹は
紅く染めた頬、潤んだ瞳で風を見る
樹「言わないでよぉ」
夏凜「別に漏らしたわけでもないなら良いじゃない」
樹「それはそうですけど……」
夏凜の言葉はもっともだが
しかし、恥ずかしいことは恥ずかしいのだろう
樹は顔を伏せて、黙り込んでしまった
√ 6月12日目 夕(学校) ※金曜日
天乃「……そう」
結局、大赦から許可は下りなかったようで
沙織はHR終了後に呼ばれているからと、部室にはくることなく風に伝言を頼んで
そのまま学校を出て行ってしまったらしい
伝えられた天乃は気落ちしたため息をつくと
すぐに「仕方がないわね」と、切り替えて
天乃「とりあえず、各自問題なかった?」
風「あたしは別に良いけど。あたしと沙織が行くまで樹はトイレ行けなかったのよ」
樹「うぅ……」
風に言われ、気恥ずかしそうに身を縮ませた樹は
紅く染めた頬、潤んだ瞳で風を見る
樹「言わないでよぉ」
夏凜「別に漏らしたわけでもないなら良いじゃない」
樹「それはそうですけど……」
夏凜の言葉はもっともだが
しかし、恥ずかしいことは恥ずかしいのだろう
樹は顔を伏せて、黙り込んでしまった
789: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:46:07.70:pcWPncsZo (8/11)
そんな様子を見守っていた東郷は、「良いですか」と前置きして
みんなの反応を確認してから、天乃のみに目を向ける
東郷「数日なら構いませんが、しばらくこの状態が続くというのは好ましくないかと」
友奈「そうだよね……私や東郷さんは同じクラスでいつも一緒だから変わりないけど」
樹「でも、明日と明後日はお休みですよね?」
東郷は「そう。そこで」と
樹の言葉に明るく答えて続ける
東郷「対策も考えられて各自対応もしやすくするため、全員で一箇所に集まりませんか?」
風「なるほど……って言っても。現状でもあたし達、友奈と東郷。夏凜と天乃で近くに居るのよねぇ」
夏凜「私は近くないわよ。普通に離れてるから」
風の言葉に夏凜が口を挟むと
風は「そうだっけ? 同居してなかったっけ?」と、茶化すように笑う
夏凜「してないわよ」
そんな様子を見守っていた東郷は、「良いですか」と前置きして
みんなの反応を確認してから、天乃のみに目を向ける
東郷「数日なら構いませんが、しばらくこの状態が続くというのは好ましくないかと」
友奈「そうだよね……私や東郷さんは同じクラスでいつも一緒だから変わりないけど」
樹「でも、明日と明後日はお休みですよね?」
東郷は「そう。そこで」と
樹の言葉に明るく答えて続ける
東郷「対策も考えられて各自対応もしやすくするため、全員で一箇所に集まりませんか?」
風「なるほど……って言っても。現状でもあたし達、友奈と東郷。夏凜と天乃で近くに居るのよねぇ」
夏凜「私は近くないわよ。普通に離れてるから」
風の言葉に夏凜が口を挟むと
風は「そうだっけ? 同居してなかったっけ?」と、茶化すように笑う
夏凜「してないわよ」
790: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:47:28.69:pcWPncsZo (9/11)
そんな風の態度にも
夏凜は毅然と対応して一息つくと、
周りに気づかれないように、天乃へと目を向けて
なぜか目が合うと、すぐに逸らす
天乃「……?」
どうかしたのかしら?
面倒なことになるから、泊まったことは言うなってこと?
天乃「そうね……休みなりの対策も必要かもしれないわね」
今の風なら追求してきたり
茶化してくることはほぼ間違いないからと
天乃は夏凜と風のやり取りには口出しせずに
考え込むように東郷へと目を向けて
天乃「ただ、全員で一箇所は少し難しいというか面倒かもね」
友奈「何かあるんですか?」
東郷「乃木さんの件。ですよね?」
友奈「あっ……そうだ。動けないんだよね」
そんな風の態度にも
夏凜は毅然と対応して一息つくと、
周りに気づかれないように、天乃へと目を向けて
なぜか目が合うと、すぐに逸らす
天乃「……?」
どうかしたのかしら?
面倒なことになるから、泊まったことは言うなってこと?
天乃「そうね……休みなりの対策も必要かもしれないわね」
今の風なら追求してきたり
茶化してくることはほぼ間違いないからと
天乃は夏凜と風のやり取りには口出しせずに
考え込むように東郷へと目を向けて
天乃「ただ、全員で一箇所は少し難しいというか面倒かもね」
友奈「何かあるんですか?」
東郷「乃木さんの件。ですよね?」
友奈「あっ……そうだ。動けないんだよね」
791: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 22:47:55.77:pcWPncsZo (10/11)
申し訳なさそうに言う友奈に
天乃は笑みを浮かべて「それは気にしなくて良いわ」と
やさしく宥めてから、目を伏せる
天乃「私の家から園子は動かせないわけだけど。家には常駐の大赦職員が居るから」
風「そんな狭かったっけ?」
天乃「広いわよ。ただ、大赦に監視されるというか。向こう。男性職員も居るから気を使うわ」
職員はもちろんだが、
泊まりに来る友奈たちに関しても、気を使う必要が出てくる
そうなると、ただでさえ猿猴に警戒したりなんだりしなければいけないのに
さらに気を使わなくてはいけなくなるため、余計に生活しにくくなるのだ
樹「それは……でも、久遠先輩達はその中で生活しているんですよね?」
天乃「まぁね。でも、監視慣れしてる私は良いけど。してないとちょっとのストレスではないわよ?」
満面の笑みでおかしなことを言う天乃に
夏凜は困りきったため息をつく
それはそうなのかもしれないが、笑い話ではないからだ
夏凜「とはいえ、纏まった方が良いのも事実。天乃的にはどうすべきだと思うのよ」
1、夏凜と瞳と沙織が私の方に来てくれると助かるわ
2、見られて平気なら、私の家に集まる?
3、夏凜のところで沙織を預かれない?
4、部長に任せるわ
↓2
申し訳なさそうに言う友奈に
天乃は笑みを浮かべて「それは気にしなくて良いわ」と
やさしく宥めてから、目を伏せる
天乃「私の家から園子は動かせないわけだけど。家には常駐の大赦職員が居るから」
風「そんな狭かったっけ?」
天乃「広いわよ。ただ、大赦に監視されるというか。向こう。男性職員も居るから気を使うわ」
職員はもちろんだが、
泊まりに来る友奈たちに関しても、気を使う必要が出てくる
そうなると、ただでさえ猿猴に警戒したりなんだりしなければいけないのに
さらに気を使わなくてはいけなくなるため、余計に生活しにくくなるのだ
樹「それは……でも、久遠先輩達はその中で生活しているんですよね?」
天乃「まぁね。でも、監視慣れしてる私は良いけど。してないとちょっとのストレスではないわよ?」
満面の笑みでおかしなことを言う天乃に
夏凜は困りきったため息をつく
それはそうなのかもしれないが、笑い話ではないからだ
夏凜「とはいえ、纏まった方が良いのも事実。天乃的にはどうすべきだと思うのよ」
1、夏凜と瞳と沙織が私の方に来てくれると助かるわ
2、見られて平気なら、私の家に集まる?
3、夏凜のところで沙織を預かれない?
4、部長に任せるわ
↓2
792:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 22:48:43.42:1EvpsNeQO (1/2)
1
1
793:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 22:49:29.84:7ZT4D/kT0 (1/1)
1
1
794: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/11(水) 23:06:14.68:pcWPncsZo (11/11)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
795:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 23:07:34.06:1EvpsNeQO (2/2)
乙
乙
796:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/11(水) 23:14:21.82:pw/mttijO (2/2)
乙
勇者部らしくみんなで話し合いしてるのは久々な気がする
それにしても大赦に呼び出されたさおりんが少し心配だな…
乙
勇者部らしくみんなで話し合いしてるのは久々な気がする
それにしても大赦に呼び出されたさおりんが少し心配だな…
797:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 17:12:09.33:ZrgHYhyFo (1/1)
久遠様と三好様と園子様と伊集院殿の4(ピー
期待してますぞ神樹様!
久遠様と三好様と園子様と伊集院殿の4(ピー
期待してますぞ神樹様!
798:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 19:28:52.91:44xvenMkO (1/1)
>>796
どうせちょっとパワハラ食らうだけだからへーきへーき
>>796
どうせちょっとパワハラ食らうだけだからへーきへーき
799: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:20:55.48:Y2hExBH1o (1/12)
では、すこしだけ
では、すこしだけ
800:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 22:25:08.46:c/qOPh3+O (1/2)
さあこい
さあこい
801: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:25:50.86:Y2hExBH1o (2/12)
天乃「私の意見で良いの?」
夏凜「というか、むしろあんたの意見を聞くべきなのよ」
全員で集まる場合、天乃の家に集まることになるし
そうではないにしても
園子が居るとはいえ、あの状態だ
空いている夏凜を連れて行くかどうか
それもやっぱり、天乃の家になるか。天乃が動くか
結局、天乃の決定が必要になる
友奈「久遠先輩の力なら、問題はないとは思うけどね」
樹「でも、万が一を考えておくべきです」
風「まぁ、むしろ。夏凜が心配よねぇ~?」
風はニヤニヤとした挑発的な笑みを浮かべていて
夏凜は流石にイラッとしたのか
拳をわなわなと震わせながら、風に向かって怒りを感じる笑みを浮かべた
天乃「私の意見で良いの?」
夏凜「というか、むしろあんたの意見を聞くべきなのよ」
全員で集まる場合、天乃の家に集まることになるし
そうではないにしても
園子が居るとはいえ、あの状態だ
空いている夏凜を連れて行くかどうか
それもやっぱり、天乃の家になるか。天乃が動くか
結局、天乃の決定が必要になる
友奈「久遠先輩の力なら、問題はないとは思うけどね」
樹「でも、万が一を考えておくべきです」
風「まぁ、むしろ。夏凜が心配よねぇ~?」
風はニヤニヤとした挑発的な笑みを浮かべていて
夏凜は流石にイラッとしたのか
拳をわなわなと震わせながら、風に向かって怒りを感じる笑みを浮かべた
802: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:27:23.56:Y2hExBH1o (3/12)
夏凜「その喧嘩……いくらよ」
風「ちょ、冗だ――」
天乃「夏凜の実力を疑ってるわけではないけど、心配なのは事実よ」
お怒りな夏凜と、夏凜に迫られて身を引いている風は
二人揃って天乃へと目を向ける
天乃は誤魔化したり茶化したり仲裁したりといった様子はなく
ただ、真剣に考え込んで風を見つめ返す
天乃「現状、猿猴は私の知り合いに化けて私の知り合いを襲った。というか、接触してる」
ゆえに、単独行動していた場合
向こうから接触してくる可能性は飛躍的にあがるだろうし
そうなるまで、どこかで待ち伏せしている可能性さえあるわけで
いくら実力者とはいえ、身内を本気疑うだとかは心苦しいものだろうし
そこで隙が出来ないとは言い切れない。それは、天乃も同様に
天乃「だから、沙織にだって単独行動させたくなかったのに……」
友奈「お、落ち着いてください」
怒りに紛れて憎しみのような怖いオーラを感じた友奈は宥めるように言って
天乃「ふふっ心配しないで。それよりも、だからこそ夏凜と瞳、沙織にはうちに来て欲しいと思ってる」
夏凜「全員集合じゃなくて私達、ね。まぁ、そこら辺が妥当か」
夏凜「その喧嘩……いくらよ」
風「ちょ、冗だ――」
天乃「夏凜の実力を疑ってるわけではないけど、心配なのは事実よ」
お怒りな夏凜と、夏凜に迫られて身を引いている風は
二人揃って天乃へと目を向ける
天乃は誤魔化したり茶化したり仲裁したりといった様子はなく
ただ、真剣に考え込んで風を見つめ返す
天乃「現状、猿猴は私の知り合いに化けて私の知り合いを襲った。というか、接触してる」
ゆえに、単独行動していた場合
向こうから接触してくる可能性は飛躍的にあがるだろうし
そうなるまで、どこかで待ち伏せしている可能性さえあるわけで
いくら実力者とはいえ、身内を本気疑うだとかは心苦しいものだろうし
そこで隙が出来ないとは言い切れない。それは、天乃も同様に
天乃「だから、沙織にだって単独行動させたくなかったのに……」
友奈「お、落ち着いてください」
怒りに紛れて憎しみのような怖いオーラを感じた友奈は宥めるように言って
天乃「ふふっ心配しないで。それよりも、だからこそ夏凜と瞳、沙織にはうちに来て欲しいと思ってる」
夏凜「全員集合じゃなくて私達、ね。まぁ、そこら辺が妥当か」
803: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:31:13.32:Y2hExBH1o (4/12)
少なからず大赦に監視される上、
男性職員という、他人の異性に普段の生活を見られるというストレス
友奈たちには適応するというのは難しい話だろうが
沙織や夏凜は当然慣れているし、瞳に関しても同じ職員ということもあって友奈たちほどの問題はないからだ
夏凜「なら、瞳にそう連絡しておくわ。沙織にも回しておく」
天乃「え、よろしくね」
当然のごとく拒絶する姿勢を一切見せずに承諾した夏凜は、言うや否や素早く端末を取り出して
沙織と瞳に同時に今回の決定の連絡を送る
瞳からは数分足らずで了解の返事と持ち出すものの希望のメールが届いたが
沙織からは、返事はこない
樹「伊集院先輩、何の用事なんですか?」
風「んー特には言ってなかったけど。男の子の件があるから~って」
友奈「第一発見者だったんですよね」
東郷「…………」
そのときを想像したのだろう、不安そうな顔をする友奈の一方で
東郷はなにやら悩ましげに眉を潜めていて
それに気づいた夏凜が「東郷?」と、呼ぶ
少なからず大赦に監視される上、
男性職員という、他人の異性に普段の生活を見られるというストレス
友奈たちには適応するというのは難しい話だろうが
沙織や夏凜は当然慣れているし、瞳に関しても同じ職員ということもあって友奈たちほどの問題はないからだ
夏凜「なら、瞳にそう連絡しておくわ。沙織にも回しておく」
天乃「え、よろしくね」
当然のごとく拒絶する姿勢を一切見せずに承諾した夏凜は、言うや否や素早く端末を取り出して
沙織と瞳に同時に今回の決定の連絡を送る
瞳からは数分足らずで了解の返事と持ち出すものの希望のメールが届いたが
沙織からは、返事はこない
樹「伊集院先輩、何の用事なんですか?」
風「んー特には言ってなかったけど。男の子の件があるから~って」
友奈「第一発見者だったんですよね」
東郷「…………」
そのときを想像したのだろう、不安そうな顔をする友奈の一方で
東郷はなにやら悩ましげに眉を潜めていて
それに気づいた夏凜が「東郷?」と、呼ぶ
804: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:39:19.18:Y2hExBH1o (5/12)
夏凜「どうしたのよ」
東郷「ううん、なんでもないわ」
東郷は笑みを浮かべてそう言ったけれど
何かが有りそうなのは目に見えて明らかだった
ただ、男子生徒が襲われた事に自分達を照らし合わせて
どう対策するかとかを考えていただけかもしれないけれど。
風「本当に何もないの? 東郷。今は何か不安要素があるなら解決しておいた方がいいんじゃない?」
東郷「いえ、ただの思い過ごしだと思うので……」
東郷は改めて否定したが、「いえ」と、言葉を繋いで首を振る
その表情は不安と恐れに満ちた表情で
天乃「どうしたの?」
東郷「気にしすぎだと思いたいんですが……大赦はあえて伊集院先輩を一人にさせたのではないか。と思って」
天乃「そんなことして何になるの?」
夏凜「……猿猴が釣れる。園子を樹海に引き込ませない結界を作れるんだから。捕らえる結界も用意してる可能性はある」
夏凜はいたって真剣な面持ちでこぼすと
沙織からの返事の来ない端末を少しだけ強く握る
樹「そんなの危ないよっ」
友奈「で、でも! でも、本当にそんなことしてるとは決まってない……よね?」
夏凜「どうしたのよ」
東郷「ううん、なんでもないわ」
東郷は笑みを浮かべてそう言ったけれど
何かが有りそうなのは目に見えて明らかだった
ただ、男子生徒が襲われた事に自分達を照らし合わせて
どう対策するかとかを考えていただけかもしれないけれど。
風「本当に何もないの? 東郷。今は何か不安要素があるなら解決しておいた方がいいんじゃない?」
東郷「いえ、ただの思い過ごしだと思うので……」
東郷は改めて否定したが、「いえ」と、言葉を繋いで首を振る
その表情は不安と恐れに満ちた表情で
天乃「どうしたの?」
東郷「気にしすぎだと思いたいんですが……大赦はあえて伊集院先輩を一人にさせたのではないか。と思って」
天乃「そんなことして何になるの?」
夏凜「……猿猴が釣れる。園子を樹海に引き込ませない結界を作れるんだから。捕らえる結界も用意してる可能性はある」
夏凜はいたって真剣な面持ちでこぼすと
沙織からの返事の来ない端末を少しだけ強く握る
樹「そんなの危ないよっ」
友奈「で、でも! でも、本当にそんなことしてるとは決まってない……よね?」
805: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:42:24.27:Y2hExBH1o (6/12)
樹の上げた声に、友奈は不安そうな表情ながら
天乃の様子を伺うように目を向けてから、東郷へと視線を向け直す
東郷は「そうね……」と頷いたが、けれど。そうではないと決まったわけでもなくて
風「正直、大赦がそんな自殺するようなことするとは思えないけど……」
夏凜「でも。沙織なら」
風の慌てたような言い方に、夏凜は口を挟む
夏凜「沙織なら、天乃がこれ以上悪く思われないためにって考える可能性はあるわ」
そうでしょ。と、言葉にせず目を向けた夏凜に
天乃が沈んだ表情を向けるのを躊躇ってそむけると、
天乃の掴む車椅子の肘掛のスポンジ部分が嫌な音を立てる
天乃「そうね……ある。沙織なら。その作戦自体を言い出す可能性さえある」
樹「そんな……」
東郷「こればかりはおそらく。大赦を問い質しても無駄……ですね」
夏凜「そう……あぁ、いや。余計なことはしなくて良いわよ。さっさと準備して」
そう言って端末をポケットに仕舞った夏凜は息をついてみんなを見回すと
首を横に振って
夏凜「瞳もそんな話は聞いてないらしいわ」
樹の上げた声に、友奈は不安そうな表情ながら
天乃の様子を伺うように目を向けてから、東郷へと視線を向け直す
東郷は「そうね……」と頷いたが、けれど。そうではないと決まったわけでもなくて
風「正直、大赦がそんな自殺するようなことするとは思えないけど……」
夏凜「でも。沙織なら」
風の慌てたような言い方に、夏凜は口を挟む
夏凜「沙織なら、天乃がこれ以上悪く思われないためにって考える可能性はあるわ」
そうでしょ。と、言葉にせず目を向けた夏凜に
天乃が沈んだ表情を向けるのを躊躇ってそむけると、
天乃の掴む車椅子の肘掛のスポンジ部分が嫌な音を立てる
天乃「そうね……ある。沙織なら。その作戦自体を言い出す可能性さえある」
樹「そんな……」
東郷「こればかりはおそらく。大赦を問い質しても無駄……ですね」
夏凜「そう……あぁ、いや。余計なことはしなくて良いわよ。さっさと準備して」
そう言って端末をポケットに仕舞った夏凜は息をついてみんなを見回すと
首を横に振って
夏凜「瞳もそんな話は聞いてないらしいわ」
806: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 22:46:23.90:Y2hExBH1o (7/12)
天乃「……そう」
連絡係の瞳が聞いていないから平気。ということはない
瞳もまた、天乃寄りであることは周知の事実である為
そういった天乃が気にしそうな事柄に関しては
伝えずに済ませてもおかしくないからだ
勇者に満開の後遺症等を伝えていなかったのと同じように
友奈「だ、大丈夫だよ。大赦の人たちだってきっと。頑張ってるはずだから!」
風「友奈、問題はそこじゃないのよ」
友奈「で、でもっ」
樹「確認する手段がない以上、どうしようもないです……」
東郷「ひとまず、予定通りに解散しましょう。それからまた、みんなでマメに連絡を取って確認です」
東郷の仕切りに各々が頷く
仕方がないものは仕方がない
大赦に直接連絡をとっても
沙織に電話やメールをしても、きっと
天乃「…………」
夏凜「天乃。瞳ももうすぐ着くって着てるから。行くわよ」
1、大赦のところに行きたいわ
2、ねぇ、夏凜。海に行きましょう
3、公園に寄り道しない?
4、そうね。行きましょ
↓2
天乃「……そう」
連絡係の瞳が聞いていないから平気。ということはない
瞳もまた、天乃寄りであることは周知の事実である為
そういった天乃が気にしそうな事柄に関しては
伝えずに済ませてもおかしくないからだ
勇者に満開の後遺症等を伝えていなかったのと同じように
友奈「だ、大丈夫だよ。大赦の人たちだってきっと。頑張ってるはずだから!」
風「友奈、問題はそこじゃないのよ」
友奈「で、でもっ」
樹「確認する手段がない以上、どうしようもないです……」
東郷「ひとまず、予定通りに解散しましょう。それからまた、みんなでマメに連絡を取って確認です」
東郷の仕切りに各々が頷く
仕方がないものは仕方がない
大赦に直接連絡をとっても
沙織に電話やメールをしても、きっと
天乃「…………」
夏凜「天乃。瞳ももうすぐ着くって着てるから。行くわよ」
1、大赦のところに行きたいわ
2、ねぇ、夏凜。海に行きましょう
3、公園に寄り道しない?
4、そうね。行きましょ
↓2
807:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 22:47:03.13:jsXkwkPkO (1/2)
4
4
808:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 22:47:21.99:c/qOPh3+O (2/2)
2
2
809: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 23:41:02.94:Y2hExBH1o (8/12)
天乃「そうだわ……ねぇ、夏凜」
夏凜「ん?」
天乃「ちょっと、海に寄り道しない? 貴女が鍛錬で使ってるところで良いから」
夏凜「寄り道って」
今がどういう状況なのか分かっているのかと言いかけたが
恋愛に関してならともかく
こんなまじめなことを分かっていないはずもなく
夏凜「瞳が平気なら、良いけど」
天乃「本当? なら、乗るときに聞いてみるわ」
夏凜「…………」
沙織の件から一転して
嬉しそうな笑みを浮かべた天乃に、
夏凜は少し戸惑いながらも、笑みを浮かべて
樹「夏凜さん!」
鞄を用意していた樹は
そんな夏凜に横から声をかけると、プレゼント用にラッピングされた袋を差し出す
夏凜「うん?」
樹「色々とあってちゃんとしたものは用意できなかったんですけど。お誕生日おめでとうございます」
夏凜「ん……んん!? きょ、今日だっけ?」
天乃「そうだわ……ねぇ、夏凜」
夏凜「ん?」
天乃「ちょっと、海に寄り道しない? 貴女が鍛錬で使ってるところで良いから」
夏凜「寄り道って」
今がどういう状況なのか分かっているのかと言いかけたが
恋愛に関してならともかく
こんなまじめなことを分かっていないはずもなく
夏凜「瞳が平気なら、良いけど」
天乃「本当? なら、乗るときに聞いてみるわ」
夏凜「…………」
沙織の件から一転して
嬉しそうな笑みを浮かべた天乃に、
夏凜は少し戸惑いながらも、笑みを浮かべて
樹「夏凜さん!」
鞄を用意していた樹は
そんな夏凜に横から声をかけると、プレゼント用にラッピングされた袋を差し出す
夏凜「うん?」
樹「色々とあってちゃんとしたものは用意できなかったんですけど。お誕生日おめでとうございます」
夏凜「ん……んん!? きょ、今日だっけ?」
810: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 23:52:13.50:Y2hExBH1o (9/12)
お祝いか、プレゼントか、あるいはその両方か
全く想定していなかったのだろう。少し遅れて驚きの声を上げた夏凜は
樹の差し出した袋を気恥ずかしそうに受け取って
夏凜「べ、別にこんなもの用意しなくたって……」
友奈「友達のお祝いだもんね」
樹の隣からひょっこりと顔をのぞかせた友奈も
教室でたまに本読んでるから。と、花弁の多い花ゆえか
少しふっくらとした押し花のしおりを夏凜に手渡す
友奈「ローダンセっていう花だよ。本当はもうちょっと綺麗にできる予定だったんだけど。えへへ」
夏凜「膨らんでちゃ本が歪むっての……使えないじゃない」
文句を言いながらも、その顔はやはり嬉しそうで
その使えないという言葉も
役に立たないという意味ではないと分かったのだろう
友奈は「ごめんね」と照れくさそうな笑みを浮かべた
お祝いか、プレゼントか、あるいはその両方か
全く想定していなかったのだろう。少し遅れて驚きの声を上げた夏凜は
樹の差し出した袋を気恥ずかしそうに受け取って
夏凜「べ、別にこんなもの用意しなくたって……」
友奈「友達のお祝いだもんね」
樹の隣からひょっこりと顔をのぞかせた友奈も
教室でたまに本読んでるから。と、花弁の多い花ゆえか
少しふっくらとした押し花のしおりを夏凜に手渡す
友奈「ローダンセっていう花だよ。本当はもうちょっと綺麗にできる予定だったんだけど。えへへ」
夏凜「膨らんでちゃ本が歪むっての……使えないじゃない」
文句を言いながらも、その顔はやはり嬉しそうで
その使えないという言葉も
役に立たないという意味ではないと分かったのだろう
友奈は「ごめんね」と照れくさそうな笑みを浮かべた
811: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 23:56:32.25:Y2hExBH1o (10/12)
東郷「ごめんね、夏凜ちゃん。私は用意できなかったの。でも、今度渡すわね。おめでとう」
風「あたしもサプライズ考えてたからなぁ……まぁ、でも。夏凜。おめでとー」
東郷と風も
プレゼントを用意することは出来なかったらしいが、夏凜の誕生日を笑顔で祝う
その言葉だけでも、夏凜は嬉しかった
今までまともに祝って貰ったことなんかなかった
祝って貰っているのを見るくらいしかできなかった
だから、どう対応すべきかを躊躇って、飲み込んで
夏凜「あり、がと……」
こういう時は一言。ただ感謝すればいいのだと
瞳から教えられていたことを
恥ずかしさに赤く染めた顔で
しかししっかりと喜びをあらわに言う
その一方で、天乃は少し残念そうに笑みを浮かべると
夏凜の後ろから「おめでとう」と、声をかけてちゃんとした笑みを浮かべる
東郷「ごめんね、夏凜ちゃん。私は用意できなかったの。でも、今度渡すわね。おめでとう」
風「あたしもサプライズ考えてたからなぁ……まぁ、でも。夏凜。おめでとー」
東郷と風も
プレゼントを用意することは出来なかったらしいが、夏凜の誕生日を笑顔で祝う
その言葉だけでも、夏凜は嬉しかった
今までまともに祝って貰ったことなんかなかった
祝って貰っているのを見るくらいしかできなかった
だから、どう対応すべきかを躊躇って、飲み込んで
夏凜「あり、がと……」
こういう時は一言。ただ感謝すればいいのだと
瞳から教えられていたことを
恥ずかしさに赤く染めた顔で
しかししっかりと喜びをあらわに言う
その一方で、天乃は少し残念そうに笑みを浮かべると
夏凜の後ろから「おめでとう」と、声をかけてちゃんとした笑みを浮かべる
812: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 23:57:00.96:Y2hExBH1o (11/12)
一番に言えなかったのは残念だけれど
それでも、夏凜が生まれてきたこと
その誕生日を祝うこと、それが嬉しい事、幸せであることには変わりがない
天乃「良かったわね。祝って貰えて」
風「本当はかめやにでも集まってからってのも考えてたんだけどね」
樹「でも、こんなことになっちゃったから」
樹の残念そうな声に、友奈はでも嬉しいことだよ。と
明るい声で言って、天乃へと目を向ける
友奈「久遠先輩、夏凜ちゃんと美味しいケーキ食べてくださいね」
天乃「ねぇ、私そのかめやが云々って聞いてないんだけど」
東郷「久遠先輩にも伝えようと思ったのですが、風先輩が教えたらバレるから。と」
風「なぁっ!」
あっさりと理由を告げた東郷に風は溜まらず声を上げて
満面の笑みを浮かべた天乃は
風に詰め寄ることもなく、ただ「そう、そうなのね」と、呟く
それだけなのに
風「ほんと、すみませんでした」
本気の声で風は謝罪を口にした
一番に言えなかったのは残念だけれど
それでも、夏凜が生まれてきたこと
その誕生日を祝うこと、それが嬉しい事、幸せであることには変わりがない
天乃「良かったわね。祝って貰えて」
風「本当はかめやにでも集まってからってのも考えてたんだけどね」
樹「でも、こんなことになっちゃったから」
樹の残念そうな声に、友奈はでも嬉しいことだよ。と
明るい声で言って、天乃へと目を向ける
友奈「久遠先輩、夏凜ちゃんと美味しいケーキ食べてくださいね」
天乃「ねぇ、私そのかめやが云々って聞いてないんだけど」
東郷「久遠先輩にも伝えようと思ったのですが、風先輩が教えたらバレるから。と」
風「なぁっ!」
あっさりと理由を告げた東郷に風は溜まらず声を上げて
満面の笑みを浮かべた天乃は
風に詰め寄ることもなく、ただ「そう、そうなのね」と、呟く
それだけなのに
風「ほんと、すみませんでした」
本気の声で風は謝罪を口にした
813: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/12(木) 23:58:34.56:Y2hExBH1o (12/12)
√ 6月12日目 夕(砂浜) ※金曜日
01~10 沙織
11~20
21~30 男女
31~40
41~50 沙織
51~60
61~70
71~80 女性
81~90
91~00 男性
↓1のコンマ
√ 6月12日目 夕(砂浜) ※金曜日
01~10 沙織
11~20
21~30 男女
31~40
41~50 沙織
51~60
61~70
71~80 女性
81~90
91~00 男性
↓1のコンマ
814:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/12(木) 23:58:59.09:jsXkwkPkO (2/2)
あ
あ
815: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 00:04:28.59:bK1mhvMuo (1/12)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
久遠さんの最速お祝いは無
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
久遠さんの最速お祝いは無
816:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 00:14:27.85:RQoUx4B+O (1/1)
乙
最速は無理でも沙織救って猿猴倒してチューして誕生日おめでとうって言えばよろし
乙
最速は無理でも沙織救って猿猴倒してチューして誕生日おめでとうって言えばよろし
817:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 06:10:20.53:tXhHUQoiO (1/1)
乙
東郷さんの仮説がないとは言い切れないから困るな…
さおりん無事だといいけど
乙
東郷さんの仮説がないとは言い切れないから困るな…
さおりん無事だといいけど
818:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 09:34:43.13:rjKiiGvdO (1/1)
援交によってエッチになったさおりんなら胸熱
援交によってエッチになったさおりんなら胸熱
819:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 18:32:28.80:lju/KJncO (1/1)
海に行ったら堕ちさおりんがいたら胸熱だな
海に行ったら堕ちさおりんがいたら胸熱だな
820:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 19:55:35.57:1X5hK3N7o (1/1)
海でマワされてるんですねわかります
海でマワされてるんですねわかります
821: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:39:13.22:bK1mhvMuo (2/12)
では、初めて行きます
では、初めて行きます
822: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:41:57.83:bK1mhvMuo (3/12)
天乃「なによ、貴女まで知ってたの?」
瞳「すみません、移動係なので。事前に知らせを受けていたんです」
ミラーに映る天乃のむっとした表情と声に
瞳は困ったように笑いながら答える
天乃と夏凜だったり、天乃と東郷だったりを車で送迎する立場の瞳は
夏凜の義姉としての立場でもあるため、そう言う件は必ず聞いているようだ
瞳「久遠様にもお話しようかとは思ったのですが」
天乃「風に口止めされたんでしょう?」
瞳「はい、まぁ……久遠様が黙秘できないとは思えませんでしたが、近しいので悟られるのでは? と」
それならむしろ瞳にも黙っておくべきなはずだが
それはやはり、立場的なものなのだろうか
天乃「次は教えてね?」
瞳「はい。仰せのままに」
冗談めかしてそう言った瞳は
目的地が視界に入って「もうすぐですよ」と車を減速させていく
天乃「なによ、貴女まで知ってたの?」
瞳「すみません、移動係なので。事前に知らせを受けていたんです」
ミラーに映る天乃のむっとした表情と声に
瞳は困ったように笑いながら答える
天乃と夏凜だったり、天乃と東郷だったりを車で送迎する立場の瞳は
夏凜の義姉としての立場でもあるため、そう言う件は必ず聞いているようだ
瞳「久遠様にもお話しようかとは思ったのですが」
天乃「風に口止めされたんでしょう?」
瞳「はい、まぁ……久遠様が黙秘できないとは思えませんでしたが、近しいので悟られるのでは? と」
それならむしろ瞳にも黙っておくべきなはずだが
それはやはり、立場的なものなのだろうか
天乃「次は教えてね?」
瞳「はい。仰せのままに」
冗談めかしてそう言った瞳は
目的地が視界に入って「もうすぐですよ」と車を減速させていく
823: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:44:09.85:bK1mhvMuo (4/12)
夏凜「正直、何もないと思ってたわ」
天乃「え?」
夏凜「誕生日。瞳もそんなことはちっとも言わなかったから」
瞳と暮らすまでは、誕生日を祝われるなんていうことさえなかったし
瞳とお祝いをするようになってからも
家で、二人きりで。正直に言えば、夏凜はそう言うものだと割り切っていたのだ
けれど、違った
勇者部のみんなからおめでとう。と言われ、
手作りではないけれど鍛錬で、と、タオルを貰ったし
本を読むからと、手作りのしおりを貰った
だからこそ、夏凜は呆れたように良いながら
物思いに耽る、嬉しそうな表情を見せる
そんな夏凜を天乃はほほえましそうに見つめて
天乃「これからは、毎年祝ってあげるわよ」
夏凜「……それ、約束しなさいよ? それがあんたからのプレゼントとして受け取ってあげるわ」
夏凜は天乃の言葉に少し驚いていたが
気づいたような笑みを浮かべながら、そう言って
天乃は何かを言いたげな表情をしたけれど
苦笑すると、「それが私へのプレゼント?」と、呟く
夏凜「正直、何もないと思ってたわ」
天乃「え?」
夏凜「誕生日。瞳もそんなことはちっとも言わなかったから」
瞳と暮らすまでは、誕生日を祝われるなんていうことさえなかったし
瞳とお祝いをするようになってからも
家で、二人きりで。正直に言えば、夏凜はそう言うものだと割り切っていたのだ
けれど、違った
勇者部のみんなからおめでとう。と言われ、
手作りではないけれど鍛錬で、と、タオルを貰ったし
本を読むからと、手作りのしおりを貰った
だからこそ、夏凜は呆れたように良いながら
物思いに耽る、嬉しそうな表情を見せる
そんな夏凜を天乃はほほえましそうに見つめて
天乃「これからは、毎年祝ってあげるわよ」
夏凜「……それ、約束しなさいよ? それがあんたからのプレゼントとして受け取ってあげるわ」
夏凜は天乃の言葉に少し驚いていたが
気づいたような笑みを浮かべながら、そう言って
天乃は何かを言いたげな表情をしたけれど
苦笑すると、「それが私へのプレゼント?」と、呟く
824: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:54:10.03:bK1mhvMuo (5/12)
護るためなら死ぬ覚悟もある
でも、出来るならば死にたくない。生きていたい
誰かが望んでいないとしても
普通に生きていたいと天乃は思っている
出来るならば、叶うならば。そう、祈っている
そしてなにより、夏凜には、無事に生きていて欲しいと願っている
そして
夏凜は生きていて欲しいと思っている
バーテックスの件が解決するという確証はないが
それでもこれからもずっと……
隣ではなくて良い。ただ生きていてくれればそれで良い
でも、出来るなら、叶うなら。と願っている
だからこそ
夏凜は【来年も祝う】それを約束して欲しいと言う
天乃は【来年も祝える】それを約束して欲しいと言う
瞳「プレゼント交換はお済ですか? つきましたよ」
見詰め合う二人に
ほんの少し遠慮しながらも、瞳は嬉しそうな笑みを浮かべながら言う
護るためなら死ぬ覚悟もある
でも、出来るならば死にたくない。生きていたい
誰かが望んでいないとしても
普通に生きていたいと天乃は思っている
出来るならば、叶うならば。そう、祈っている
そしてなにより、夏凜には、無事に生きていて欲しいと願っている
そして
夏凜は生きていて欲しいと思っている
バーテックスの件が解決するという確証はないが
それでもこれからもずっと……
隣ではなくて良い。ただ生きていてくれればそれで良い
でも、出来るなら、叶うなら。と願っている
だからこそ
夏凜は【来年も祝う】それを約束して欲しいと言う
天乃は【来年も祝える】それを約束して欲しいと言う
瞳「プレゼント交換はお済ですか? つきましたよ」
見詰め合う二人に
ほんの少し遠慮しながらも、瞳は嬉しそうな笑みを浮かべながら言う
825: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:55:59.81:bK1mhvMuo (6/12)
気づけば確かに車は停まっていて
夏凜ははっとしたように「早く言いなさいよ」と
瞳への文句を呟くと、天乃の車椅子の安全装置の確認して
車を降りると
後ろから天乃を車椅子ごと引き出す
瞳「八つ当たり……仕方がない夏凜ちゃんですね」
夏凜「うっさい」
クスクスと悪戯な笑い声をこぼす瞳に
夏凜は照れくささを隠すために顔を伏せながら声を上げて
行くわよ。と、天乃の車椅子を押す
6月の砂浜
天気は晴れと少しの雲
時々見える鳥が高らかに鳴いて
応えるように吹く風が、水面を揺らす
平穏な日常、ちょっと悪いことをしている気分になれる寄り道
そんな穏やかなものを感じる天乃と夏凜は
ふと、視線を感じて目を向けると
沙織「……まっすぐ帰らないとダメだよ。危ないよ?」
大赦に呼び出され、一足先に帰ったはずの沙織が佇んでいた
気づけば確かに車は停まっていて
夏凜ははっとしたように「早く言いなさいよ」と
瞳への文句を呟くと、天乃の車椅子の安全装置の確認して
車を降りると
後ろから天乃を車椅子ごと引き出す
瞳「八つ当たり……仕方がない夏凜ちゃんですね」
夏凜「うっさい」
クスクスと悪戯な笑い声をこぼす瞳に
夏凜は照れくささを隠すために顔を伏せながら声を上げて
行くわよ。と、天乃の車椅子を押す
6月の砂浜
天気は晴れと少しの雲
時々見える鳥が高らかに鳴いて
応えるように吹く風が、水面を揺らす
平穏な日常、ちょっと悪いことをしている気分になれる寄り道
そんな穏やかなものを感じる天乃と夏凜は
ふと、視線を感じて目を向けると
沙織「……まっすぐ帰らないとダメだよ。危ないよ?」
大赦に呼び出され、一足先に帰ったはずの沙織が佇んでいた
826: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 21:56:38.60:bK1mhvMuo (7/12)
夏凜「あんた、こんなところで何してんのよ」
沙織「なんとなく、静かなところにいきたいなぁって思って」
天乃「夏凜から連絡着てたはずよね? どうして返事返さないの?」
偽者だとしても、天乃の制服や車椅子程度なら問題なく誤魔化せていたため
今目の前に居る沙織が制服を着ているというだけでは、本人確認にはなりえない
だからこそ、ただ持っているだけ。誤魔化すだけでは意味のない端末の件を持ち出す
所持していないなら、より疑わなければいけないし
逆に所持していた上、連絡の件を見せられたなら、それは本人確認になるからだ
沙織「連絡……?」
沙織は最初、困惑したようにそう言ったが
夏凜が眉を潜めたことに気づいたのか、それとも本当に覚えがなかったのか
あぁ、そういえば。と、ポケットから端末を取り出す
沙織「邪魔にならないよう電源切ってたんだ」
電源を入れた沙織は、メールを受け取ったのか
軽い振動を手に感じながら「きたよ」と、笑みを浮かべて
沙織「三好さ――えっ、久遠さんの家に泊まれるの!?」
夏凜「忙しいやつだわ。ほんと」
天乃「ふふっ、そうね」
メールを見るまではいたって普通のテンションだったのに
メールを見て、天乃の家に泊まるというのが解るや否や
とても嬉しそうな笑顔で、声で、喜んで見せるのだから
夏凜「あんた、こんなところで何してんのよ」
沙織「なんとなく、静かなところにいきたいなぁって思って」
天乃「夏凜から連絡着てたはずよね? どうして返事返さないの?」
偽者だとしても、天乃の制服や車椅子程度なら問題なく誤魔化せていたため
今目の前に居る沙織が制服を着ているというだけでは、本人確認にはなりえない
だからこそ、ただ持っているだけ。誤魔化すだけでは意味のない端末の件を持ち出す
所持していないなら、より疑わなければいけないし
逆に所持していた上、連絡の件を見せられたなら、それは本人確認になるからだ
沙織「連絡……?」
沙織は最初、困惑したようにそう言ったが
夏凜が眉を潜めたことに気づいたのか、それとも本当に覚えがなかったのか
あぁ、そういえば。と、ポケットから端末を取り出す
沙織「邪魔にならないよう電源切ってたんだ」
電源を入れた沙織は、メールを受け取ったのか
軽い振動を手に感じながら「きたよ」と、笑みを浮かべて
沙織「三好さ――えっ、久遠さんの家に泊まれるの!?」
夏凜「忙しいやつだわ。ほんと」
天乃「ふふっ、そうね」
メールを見るまではいたって普通のテンションだったのに
メールを見て、天乃の家に泊まるというのが解るや否や
とても嬉しそうな笑顔で、声で、喜んで見せるのだから
827: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 22:07:01.36:bK1mhvMuo (8/12)
そして、その人間らしさと
なによりも沙織らしい反応に、二人は安心したように顔を見合わせて、ほっと息をつく
そしてそのまま合流して、家に帰って
そうなっていたと思う
九尾「待て、主様」
天乃が朝、九尾を差し向けていなければ
九尾がそれを何も言わず請け負っていなければ、きっと
そのまま連れ戻していただろう
天乃「九尾……?」
けれど、それはさせない
そうはならない。黙って、見逃すことはない
突然姿を現した九尾は
二人と沙織を阻む壁のように立ち、沙織へと目を向ける
九尾「きゃつは沙織であって沙織ではない」
夏凜「どういうことよ」
九尾「夏凜。旧世紀の勇者は、精霊を具現化せず、己らに宿していたことを知っておるか?」
沙織は、沙織ではないからだ
そして、その人間らしさと
なによりも沙織らしい反応に、二人は安心したように顔を見合わせて、ほっと息をつく
そしてそのまま合流して、家に帰って
そうなっていたと思う
九尾「待て、主様」
天乃が朝、九尾を差し向けていなければ
九尾がそれを何も言わず請け負っていなければ、きっと
そのまま連れ戻していただろう
天乃「九尾……?」
けれど、それはさせない
そうはならない。黙って、見逃すことはない
突然姿を現した九尾は
二人と沙織を阻む壁のように立ち、沙織へと目を向ける
九尾「きゃつは沙織であって沙織ではない」
夏凜「どういうことよ」
九尾「夏凜。旧世紀の勇者は、精霊を具現化せず、己らに宿していたことを知っておるか?」
沙織は、沙織ではないからだ
828: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 22:18:26.97:bK1mhvMuo (9/12)
九尾の場を乱すことのない緊張感のある声に
天乃も夏凜も、何を言いたいのかを察して
不安げな天乃を一瞥した夏凜は
奥歯を強く噛み締めて、「九尾」と、言う
夏凜「つまり、沙織は……」
九尾「猿猴を宿した――正確には憑依させておる」
天乃「だったらお祓いしないと」
九尾「無駄じゃ」
九尾は天乃の当然の言葉に
非情な言葉を投げかけて、首を振る
なぜかと問いた気な厳しい視線を感じながら
しかし、九尾は変わらない声で「主様」と、続ける
九尾「祓う場合、憑かれた者が憑き物を拒絶していることが前提条件だからじゃ」
天乃「なっ」
九尾「それが無きままに、祓えばその結びを引き千切ることになる。器とて、ただでは済まぬ」
九尾の場を乱すことのない緊張感のある声に
天乃も夏凜も、何を言いたいのかを察して
不安げな天乃を一瞥した夏凜は
奥歯を強く噛み締めて、「九尾」と、言う
夏凜「つまり、沙織は……」
九尾「猿猴を宿した――正確には憑依させておる」
天乃「だったらお祓いしないと」
九尾「無駄じゃ」
九尾は天乃の当然の言葉に
非情な言葉を投げかけて、首を振る
なぜかと問いた気な厳しい視線を感じながら
しかし、九尾は変わらない声で「主様」と、続ける
九尾「祓う場合、憑かれた者が憑き物を拒絶していることが前提条件だからじゃ」
天乃「なっ」
九尾「それが無きままに、祓えばその結びを引き千切ることになる。器とて、ただでは済まぬ」
829: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 22:20:30.54:bK1mhvMuo (10/12)
天乃「……なんで?」
九尾「契約じゃ。これは沙織自身も同意の上じゃ」
天乃「そんなことを聞いてるんじゃ――」
声を張り上げようとした矢先、
沙織ではない沙織は「久遠さん」と、まったく変わらない声で名前を呼ぶ
違うと言われても、そう解っても
そうではないと思えない、優しい声で
沙織「あたしがお願いしたんだ」
天乃「っ」
沙織「久遠さんにこれ以上迷惑かけて欲しくないから。この体を貸してあげるから。誰も傷つけないでって」
沙織の言葉だ
そこに、沙織の気持ちも感じるといえば感じる
けれど、それが沙織本人の言葉なのか
本気でそう思っての言葉なのか、もはやわからなくて
天乃「……なんで?」
九尾「契約じゃ。これは沙織自身も同意の上じゃ」
天乃「そんなことを聞いてるんじゃ――」
声を張り上げようとした矢先、
沙織ではない沙織は「久遠さん」と、まったく変わらない声で名前を呼ぶ
違うと言われても、そう解っても
そうではないと思えない、優しい声で
沙織「あたしがお願いしたんだ」
天乃「っ」
沙織「久遠さんにこれ以上迷惑かけて欲しくないから。この体を貸してあげるから。誰も傷つけないでって」
沙織の言葉だ
そこに、沙織の気持ちも感じるといえば感じる
けれど、それが沙織本人の言葉なのか
本気でそう思っての言葉なのか、もはやわからなくて
830: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 22:29:22.80:bK1mhvMuo (11/12)
夏凜「それは大赦から命令されたことじゃないの?」
沙織「違うよ。もっとも、あたしがこれを決めたのは、大赦のせいかもしれないけど」
九尾「危険な精霊を使役している主様は世に出すべきではない。即刻、休学させ外出を禁じるべきだ。大赦はそう言っておった」
沙織の言葉を続けるように言った九尾
それは間違いないことなのだと示すように、沙織は悲しげな笑みを浮かべて頷く
それは、本当に伊集院沙織のものなのだろうか
沙織「だから、あたしはそれをしない代わりに猿猴を止める事を約束したんだ」
その方法が、猿猴を沙織が憑依させること。
元々、大赦は天乃と近しい存在である沙織を単独行動させることで
猿猴をおびき出して、数人の巫女の手を借りてその動きを封じようとしていたが
憑代を扱わない方式のため、封印は出来てもどれくらい続くのかが不確定で不安定だった
それならはじめから憑代を用意するべきではと疑問に思った夏凜に
九尾は首を振って
九尾「憑代は人道的に許される行為ではないぞ。憑き物が悪意あるものならば、なおのこと」
沙織「だから、大赦も最初は渋ったけど……どうしてもって」
そうしなければ、天乃が独りぼっちになってしまう
みんなの下から連れて行かれてしまう
日常からまた遠くなってしまう。それが、沙織には認められなかったのだ
夏凜「それは大赦から命令されたことじゃないの?」
沙織「違うよ。もっとも、あたしがこれを決めたのは、大赦のせいかもしれないけど」
九尾「危険な精霊を使役している主様は世に出すべきではない。即刻、休学させ外出を禁じるべきだ。大赦はそう言っておった」
沙織の言葉を続けるように言った九尾
それは間違いないことなのだと示すように、沙織は悲しげな笑みを浮かべて頷く
それは、本当に伊集院沙織のものなのだろうか
沙織「だから、あたしはそれをしない代わりに猿猴を止める事を約束したんだ」
その方法が、猿猴を沙織が憑依させること。
元々、大赦は天乃と近しい存在である沙織を単独行動させることで
猿猴をおびき出して、数人の巫女の手を借りてその動きを封じようとしていたが
憑代を扱わない方式のため、封印は出来てもどれくらい続くのかが不確定で不安定だった
それならはじめから憑代を用意するべきではと疑問に思った夏凜に
九尾は首を振って
九尾「憑代は人道的に許される行為ではないぞ。憑き物が悪意あるものならば、なおのこと」
沙織「だから、大赦も最初は渋ったけど……どうしてもって」
そうしなければ、天乃が独りぼっちになってしまう
みんなの下から連れて行かれてしまう
日常からまた遠くなってしまう。それが、沙織には認められなかったのだ
831: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/13(金) 22:33:10.50:bK1mhvMuo (12/12)
沙織「……ごめんね。久遠さん」
天乃「なんで、謝るのよ」
謝るなら、謝るくらいなら
それなら初めからやって欲しくない
そんなこと、望んですらいない
なのにどうして。と
怒りと悲しみの入り混じった苦悶の表情を浮かべて
天乃「沙織……」
九尾「そして猿猴が沙織の願いを聞き入れ、密接に繋がっておるのが現状じゃ」
天乃「…………」
どうすれば良いのだろうか
そんなことを望んでいないことは沙織もわかっていたはずで
それを言ったところで、今の繋がりを絶ってくれるだろうか
きっと、それはない
夏凜「…………」
1、猿猴は害ないの?
2、貴女は沙織? それとも、猿猴?
3、私はそんなこと望んでない。願ってない!
4、九尾、何とかできないの?
5、私の体をあげるから。だから、お願い……沙織から出て行って
6、何も言わない
↓2
沙織「……ごめんね。久遠さん」
天乃「なんで、謝るのよ」
謝るなら、謝るくらいなら
それなら初めからやって欲しくない
そんなこと、望んですらいない
なのにどうして。と
怒りと悲しみの入り混じった苦悶の表情を浮かべて
天乃「沙織……」
九尾「そして猿猴が沙織の願いを聞き入れ、密接に繋がっておるのが現状じゃ」
天乃「…………」
どうすれば良いのだろうか
そんなことを望んでいないことは沙織もわかっていたはずで
それを言ったところで、今の繋がりを絶ってくれるだろうか
きっと、それはない
夏凜「…………」
1、猿猴は害ないの?
2、貴女は沙織? それとも、猿猴?
3、私はそんなこと望んでない。願ってない!
4、九尾、何とかできないの?
5、私の体をあげるから。だから、お願い……沙織から出て行って
6、何も言わない
↓2
832:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 22:33:36.80:2vhzs+TpO (1/1)
5
5
833:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 22:34:19.23:zWZKomd0O (1/2)
3
3
834:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/13(金) 23:59:59.20:zWZKomd0O (2/2)
ここまで?
ここまで?
835: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:07:43.98:RyvQEHJIo (1/6)
天乃「私はそんなこと望んでない。願ってない!」
沙織「うん、知ってるよ。でも、これは娘の我儘なんだ」
天乃の悲痛な叫びを聞いてなお
沙織は不敵な笑みを浮かべると
感慨深そうに自分の胸元に手を宛がって、天乃を見つめる
その瞳は、沙織のようで沙織ではなかった
沙織「怒りを感じても。なお、あたしはあたしのしたことを間違いだとは言いたくない」
夏凜「……あんた、ふざけてんの?」
沙織「真面目だよ。あたしには、あたしの想いが分かる。何かの為の捧げる覚悟。これが、誰かを想うって事だよね」
嬉しそうに、幸せそうに
恍惚とした笑みを浮かべる沙織は、自分の胸元に当てた手で握りこぶしを作る
心に抱く思いを強く握るように、優しく、ゆっくりと
しかし、とても力強く
沙織「久遠さんだって、娘が望まないことをしようとしていたよね? あたしは言ってたよ。久遠さんだって無茶をするからって」
天乃「私は良いの……私はっ、勇者だから。守る力があるから。でも、沙織は」
沙織「想いだけでは何もできない。うん、分かってるよ。ずっと、痛かったから」
でも、だからこそ。と沙織は続けて
沙織「あたしの巫女としての力が、この器が力になれる事。守れること。その選択をしたんだよ」
天乃「私はそんなこと望んでない。願ってない!」
沙織「うん、知ってるよ。でも、これは娘の我儘なんだ」
天乃の悲痛な叫びを聞いてなお
沙織は不敵な笑みを浮かべると
感慨深そうに自分の胸元に手を宛がって、天乃を見つめる
その瞳は、沙織のようで沙織ではなかった
沙織「怒りを感じても。なお、あたしはあたしのしたことを間違いだとは言いたくない」
夏凜「……あんた、ふざけてんの?」
沙織「真面目だよ。あたしには、あたしの想いが分かる。何かの為の捧げる覚悟。これが、誰かを想うって事だよね」
嬉しそうに、幸せそうに
恍惚とした笑みを浮かべる沙織は、自分の胸元に当てた手で握りこぶしを作る
心に抱く思いを強く握るように、優しく、ゆっくりと
しかし、とても力強く
沙織「久遠さんだって、娘が望まないことをしようとしていたよね? あたしは言ってたよ。久遠さんだって無茶をするからって」
天乃「私は良いの……私はっ、勇者だから。守る力があるから。でも、沙織は」
沙織「想いだけでは何もできない。うん、分かってるよ。ずっと、痛かったから」
でも、だからこそ。と沙織は続けて
沙織「あたしの巫女としての力が、この器が力になれる事。守れること。その選択をしたんだよ」
836: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:09:11.79:RyvQEHJIo (2/6)
夏凜「天乃が望んでないことをして……泣かせて。何を守るって言うのよ!」
自分が傷つくならいくらでも耐えることが出来るだろう
けれど、誰かが傷つくこと
知り合いが傷つくこと
何よりも大切にしている人たちが傷つくことで
優しいがゆえに、愛しているがゆえに精神的に強く深い傷を負いやすい天乃は
沙織の自己犠牲の精神には耐えられず、涙をこぼして
それを見た夏凜は、怒りの声を張り上げる
夏凜「あんたも、天乃も……どいつもこいつも!」
沙織「力があるなら使わずにはいられないよ。あたしも、久遠さんも。そして、三好さん達も」
そうだよね? と、問う沙織の笑みに
夏凜は違うとは言えなかった
それは全く間違っていないことだからだ
夏凜だけではなく、友奈や樹、風、東郷
みんながみんな、すでに幾度となく満開している天乃に無理をさせるくらいなら
自分たちが満開してでも戦いを終える。そういう考え方を持っているから
夏凜「天乃が望んでないことをして……泣かせて。何を守るって言うのよ!」
自分が傷つくならいくらでも耐えることが出来るだろう
けれど、誰かが傷つくこと
知り合いが傷つくこと
何よりも大切にしている人たちが傷つくことで
優しいがゆえに、愛しているがゆえに精神的に強く深い傷を負いやすい天乃は
沙織の自己犠牲の精神には耐えられず、涙をこぼして
それを見た夏凜は、怒りの声を張り上げる
夏凜「あんたも、天乃も……どいつもこいつも!」
沙織「力があるなら使わずにはいられないよ。あたしも、久遠さんも。そして、三好さん達も」
そうだよね? と、問う沙織の笑みに
夏凜は違うとは言えなかった
それは全く間違っていないことだからだ
夏凜だけではなく、友奈や樹、風、東郷
みんながみんな、すでに幾度となく満開している天乃に無理をさせるくらいなら
自分たちが満開してでも戦いを終える。そういう考え方を持っているから
837: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:10:09.50:RyvQEHJIo (3/6)
沙織「それに、あたしは娘を傷つける気はないよ」
天乃「なら、出ていって」
沙織「それは出来ないよ。だって、あたしはまだ。目的を終えていないから」
沙織は悲しそうに言う
けれどもそれは、沙織ではなく猿猴の悲しみ
何かを求めて、しかし、達成できていないのだ
夏凜「あんたの目的はなんなのよ」
天乃「それをかなえれば、沙織を開放してくれるの?」
沙織「あたしが望めばだけどね」
そう言った沙織は、九尾には目もくれず
何もしないから。と小さく告げて天乃と夏凜の元に近づくと
夏凜を一瞥してから、天乃に向き直る
沙織「それに、あたしは娘を傷つける気はないよ」
天乃「なら、出ていって」
沙織「それは出来ないよ。だって、あたしはまだ。目的を終えていないから」
沙織は悲しそうに言う
けれどもそれは、沙織ではなく猿猴の悲しみ
何かを求めて、しかし、達成できていないのだ
夏凜「あんたの目的はなんなのよ」
天乃「それをかなえれば、沙織を開放してくれるの?」
沙織「あたしが望めばだけどね」
そう言った沙織は、九尾には目もくれず
何もしないから。と小さく告げて天乃と夏凜の元に近づくと
夏凜を一瞥してから、天乃に向き直る
838: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:12:52.29:RyvQEHJIo (4/6)
沙織「あたしが知りたいのはただ一つ。あたしがあたしになるときに久遠さんから流れてきた力にこもっていたこの気持ちだよ」
天乃「気持ち……?」
沙織「そう。あたしには言葉に出来ない。でも、この体にはそれを感じる。だからこそ、あたしはあたしの願いを聞いた」
酷く抽象的な言葉ゆえ
夏凜は理解できなくて、困惑する
当事者の天乃に関しても
あたし――猿猴になる際に力を流してあげた覚えはなく
精霊ゆえに勝手に持っていかれたのだろうが
とにもかくにも、そこに込められていた想いなど
知らないから知らないし、知らないから解りようがなかった
夏凜「あんた、分かりにくいからあたしって言うの止めろ」
沙織「小娘風情が……あたしとの契約がなければ、その尻から生き胆を引き抜いてるよ?」
夏凜「な゛……このっ」
沙織「あたしが知りたいのはただ一つ。あたしがあたしになるときに久遠さんから流れてきた力にこもっていたこの気持ちだよ」
天乃「気持ち……?」
沙織「そう。あたしには言葉に出来ない。でも、この体にはそれを感じる。だからこそ、あたしはあたしの願いを聞いた」
酷く抽象的な言葉ゆえ
夏凜は理解できなくて、困惑する
当事者の天乃に関しても
あたし――猿猴になる際に力を流してあげた覚えはなく
精霊ゆえに勝手に持っていかれたのだろうが
とにもかくにも、そこに込められていた想いなど
知らないから知らないし、知らないから解りようがなかった
夏凜「あんた、分かりにくいからあたしって言うの止めろ」
沙織「小娘風情が……あたしとの契約がなければ、その尻から生き胆を引き抜いてるよ?」
夏凜「な゛……このっ」
839: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:17:11.64:RyvQEHJIo (5/6)
どうやら、沙織の中にいる猿猴は情緒不安定なようで
沙織との契約ゆえに暴れることはないだろうが
満面の笑みで脅迫するくらいのことはするようだ
沙織「とにかくあたしは娘との契約に応じてここにいる。この心を知るまでは、返さないよ」
天乃「沙織は、沙織の人格は……」
沙織「あたしはあたしの心も知りたいと思ってるからね。消したりはしない。それは駄目だとそこの女が言った」
沙織は言いながら九尾を指さして天乃と夏凜の目が、九尾へと向く
そこにはなぜ止めなかったのかと言いたげな雰囲気を感じたが
九尾は一礼して、首を振る
九尾「神聖な術式の最中の上、娘の強き願いじゃ。それに……何かへの無謀な行いがどのような影響か。主様に学ばせたかった」
天乃「……………」
沙織「あたしは娘との約束は守るよ。久遠さんの迷惑にはならない。ただし、この体は好きに使う。それが契約だから」
沙織ははっきりと意思を述べる
その瞳はゆるぎなく、その心を示す
だからこそ、天乃は自分がここで何を言おうと
猿猴は沙織の体を出ていくことはないのだと……気づいてしまった
1、分かった……でも。出来る限りそばにいて
2、流れた私の気持ち。大体で良いから教えて
3、だめよ。沙織は私の大切な人なの……下手なことされたらそれこそ。迷惑
4、男の子を襲ったのはなぜ? なにをしたの?
5、本当に、傷つけるようなことは何もしないのね?
↓2
どうやら、沙織の中にいる猿猴は情緒不安定なようで
沙織との契約ゆえに暴れることはないだろうが
満面の笑みで脅迫するくらいのことはするようだ
沙織「とにかくあたしは娘との契約に応じてここにいる。この心を知るまでは、返さないよ」
天乃「沙織は、沙織の人格は……」
沙織「あたしはあたしの心も知りたいと思ってるからね。消したりはしない。それは駄目だとそこの女が言った」
沙織は言いながら九尾を指さして天乃と夏凜の目が、九尾へと向く
そこにはなぜ止めなかったのかと言いたげな雰囲気を感じたが
九尾は一礼して、首を振る
九尾「神聖な術式の最中の上、娘の強き願いじゃ。それに……何かへの無謀な行いがどのような影響か。主様に学ばせたかった」
天乃「……………」
沙織「あたしは娘との約束は守るよ。久遠さんの迷惑にはならない。ただし、この体は好きに使う。それが契約だから」
沙織ははっきりと意思を述べる
その瞳はゆるぎなく、その心を示す
だからこそ、天乃は自分がここで何を言おうと
猿猴は沙織の体を出ていくことはないのだと……気づいてしまった
1、分かった……でも。出来る限りそばにいて
2、流れた私の気持ち。大体で良いから教えて
3、だめよ。沙織は私の大切な人なの……下手なことされたらそれこそ。迷惑
4、男の子を襲ったのはなぜ? なにをしたの?
5、本当に、傷つけるようなことは何もしないのね?
↓2
840:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 00:17:32.25:VQGRmKy6O (1/2)
4
4
841:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 00:17:36.09:Cvonzv7rO (1/1)
2
2
842: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/14(土) 00:22:18.09:RyvQEHJIo (6/6)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
早ければ6月中に猿猴は片付く、かもしれないです
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
早ければ6月中に猿猴は片付く、かもしれないです
843:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 00:23:08.08:VQGRmKy6O (2/2)
乙
今6月何日だっけ?
乙
今6月何日だっけ?
844:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 00:25:57.76:LOuP0n62O (1/1)
乙
さおりん助けられへんかったか…
これ久遠さんに精神的に相当ダメージ受けただろうなぁ
乙
さおりん助けられへんかったか…
これ久遠さんに精神的に相当ダメージ受けただろうなぁ
845:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 01:35:18.32:UyxrsPdXo (1/1)
愛じゃよ
愛じゃよ
846:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 06:29:14.42:BrD7cgcJO (1/1)
今6月12日目夕方
通常14日目夜までだから早ければ本当に早い
今6月12日目夕方
通常14日目夜までだから早ければ本当に早い
847:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/14(土) 17:04:00.74:JtMBJZylO (1/1)
なんで男子生徒にキスしたんだろうな
なんで男子生徒にキスしたんだろうな
848: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:20:43.06:uH/AfzJTo (1/44)
では、少しずつ初めて行きます
では、少しずつ初めて行きます
849: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:27:46.03:uH/AfzJTo (2/44)
天乃「流れた私の気持ち。大体で良いから教えて」
天乃の目元にはまだ、零した涙の名残があるが
その表情には、怒りにも似た強い思いを感じて
夏凜も、九尾も、沙織も言葉を控えて、目を向ける
天乃「じゃないと、解決できない」
沙織「何かに対する強い感情だよ。あたしが久遠さんの為に器となることを躊躇わないような」
天乃「それはただの蛮勇よ」
沙織の言葉に
天乃は変わらず厳しい表情と口調で返す
沙織と猿猴の約束がある以上、それを無碍にするわけには行かない
けれども、さっさと沙織を解放してほしいからだ
沙織「……かもしれないね。あたしもそう思っていると感じる」
沙織は自分の内側に押しこんだ本当の沙織の気持ちに触れるように胸元に手をあてがうと
五感を束ねるためか、目を瞑って静かに言う
沙織「でも、あたしはそれに似たものを久遠さんから受け取った」
夏凜「なら、それはそういうこと――」
沙織「ううん、違うと思う」
天乃「流れた私の気持ち。大体で良いから教えて」
天乃の目元にはまだ、零した涙の名残があるが
その表情には、怒りにも似た強い思いを感じて
夏凜も、九尾も、沙織も言葉を控えて、目を向ける
天乃「じゃないと、解決できない」
沙織「何かに対する強い感情だよ。あたしが久遠さんの為に器となることを躊躇わないような」
天乃「それはただの蛮勇よ」
沙織の言葉に
天乃は変わらず厳しい表情と口調で返す
沙織と猿猴の約束がある以上、それを無碍にするわけには行かない
けれども、さっさと沙織を解放してほしいからだ
沙織「……かもしれないね。あたしもそう思っていると感じる」
沙織は自分の内側に押しこんだ本当の沙織の気持ちに触れるように胸元に手をあてがうと
五感を束ねるためか、目を瞑って静かに言う
沙織「でも、あたしはそれに似たものを久遠さんから受け取った」
夏凜「なら、それはそういうこと――」
沙織「ううん、違うと思う」
850: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:29:03.10:uH/AfzJTo (3/44)
夏凜が蛮勇であることを繰り返そうとすると
沙織はそれを遮って否定する
沙織が天乃の為に自分を犠牲にすることさえ厭わず尽くそうとする
それは確かに蛮勇と呼ばれるものなのだろう
しかし、そこに抱いていたものはそうではないはずだ
天乃が独りぼっちにならないように
天乃が日常の中で生きていけるように
それを、壊されることが無いように
そう強く祈っていた沙織の想い
沙織は自分の胸元に手をあてがったまま
天乃達に目を向けること無く砂浜を見つめて
沙織「あの男の子からもそれを感じたよ。あたしと同じように似たものを感じたんだ」
夏凜が蛮勇であることを繰り返そうとすると
沙織はそれを遮って否定する
沙織が天乃の為に自分を犠牲にすることさえ厭わず尽くそうとする
それは確かに蛮勇と呼ばれるものなのだろう
しかし、そこに抱いていたものはそうではないはずだ
天乃が独りぼっちにならないように
天乃が日常の中で生きていけるように
それを、壊されることが無いように
そう強く祈っていた沙織の想い
沙織は自分の胸元に手をあてがったまま
天乃達に目を向けること無く砂浜を見つめて
沙織「あの男の子からもそれを感じたよ。あたしと同じように似たものを感じたんだ」
851: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:29:45.50:uH/AfzJTo (4/44)
それはどこか嬉しそうな様子で
その感じたものに心地よさを覚えたのかもしれない
沙織は幸せそうな笑みを浮かべていて
けれど
それが沙織と同様のものであるとしても、天乃はいつものような穏やかさを一切見せることなく
眉を顰めて
天乃「……男の子が倒れたのは貴方がキスをしたから」
沙織「そうだね。あたしの力は普通の人間には辛かったんじゃないかな」
沙織は困ったように笑う
沙織――猿猴としては
もしかすると気絶させるまでするつもりはなかったのかもしれない
何度も言っているように
知りたいことがあって、近しいものを見せる男子生徒から
それを見せて貰おうとしただけなのかもしれない
それはどこか嬉しそうな様子で
その感じたものに心地よさを覚えたのかもしれない
沙織は幸せそうな笑みを浮かべていて
けれど
それが沙織と同様のものであるとしても、天乃はいつものような穏やかさを一切見せることなく
眉を顰めて
天乃「……男の子が倒れたのは貴方がキスをしたから」
沙織「そうだね。あたしの力は普通の人間には辛かったんじゃないかな」
沙織は困ったように笑う
沙織――猿猴としては
もしかすると気絶させるまでするつもりはなかったのかもしれない
何度も言っているように
知りたいことがあって、近しいものを見せる男子生徒から
それを見せて貰おうとしただけなのかもしれない
852: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:30:21.20:uH/AfzJTo (5/44)
天乃「でも……っ」
強く握りこぶしを作った天乃は
動けるならば、沙織でなければ
殴りとばしてしまいそうな怒気のこもった瞳を沙織に向ける
天乃「貴方はその子を傷つけた」
沙織「そうだね。傷つけたよ。でも、悪いことをしただなんて思ってないよ。男の子が貧弱だっただけだからね」
天乃「沙織はそんなこと言わない」
沙織「知らないよ。娘がそうだとしてもあたしには関係ないからね」
体のみならず、声はもちろん思考や記憶と言った部分まで共有しているであろう猿猴は
しかし、天乃の言葉が理解できないと言うように、首を傾げる
沙織「あたしは間違ってるかな? だって、人間が弱すぎたから倒れただけだよ? あれくらいで倒れるなんてどうしようもないと思う」
天乃「ふざけないで」
沙織「ふざけてないよ。あたしは男の子が久遠さんにしたことの再現をして、男の子が感じていた物を感じたかっただけだから」
天乃「でも……っ」
強く握りこぶしを作った天乃は
動けるならば、沙織でなければ
殴りとばしてしまいそうな怒気のこもった瞳を沙織に向ける
天乃「貴方はその子を傷つけた」
沙織「そうだね。傷つけたよ。でも、悪いことをしただなんて思ってないよ。男の子が貧弱だっただけだからね」
天乃「沙織はそんなこと言わない」
沙織「知らないよ。娘がそうだとしてもあたしには関係ないからね」
体のみならず、声はもちろん思考や記憶と言った部分まで共有しているであろう猿猴は
しかし、天乃の言葉が理解できないと言うように、首を傾げる
沙織「あたしは間違ってるかな? だって、人間が弱すぎたから倒れただけだよ? あれくらいで倒れるなんてどうしようもないと思う」
天乃「ふざけないで」
沙織「ふざけてないよ。あたしは男の子が久遠さんにしたことの再現をして、男の子が感じていた物を感じたかっただけだから」
853: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:34:00.06:uH/AfzJTo (6/44)
天乃「いい加減にして……それ以上沙織の顔で。沙織の声で。私をイラつかせないで」
猿猴の入り混じった沙織の浮かべる疑問、笑顔
それらには総じて悪意が感じられない
だから本気で理解が出来なくて、本気で戸惑っているであろうことは天乃も分からなくはないが
しかし、現状沙織の体を奪っているのは事実だ
沙織から言い出したのだとしても猿猴が余計なことをしなければ
こんなことにはならなかった
そしてなにより自分が……と、考えだしたところで
夏凜のため息が聞こえた
夏凜「でも結局、あんたはそれでは満足しなかった」
沙織「そうだね。だからあたしはこの娘についていくことにした。娘が見ていることは知っていたからね」
天乃が信頼している人間で、親しくしている人間で
大切にしている人間だと分かっているから
だから、猿猴はあえて近づくことにしたのだ
もちろん、大赦が小細工を用意しているということなど、解ったうえで
天乃「いい加減にして……それ以上沙織の顔で。沙織の声で。私をイラつかせないで」
猿猴の入り混じった沙織の浮かべる疑問、笑顔
それらには総じて悪意が感じられない
だから本気で理解が出来なくて、本気で戸惑っているであろうことは天乃も分からなくはないが
しかし、現状沙織の体を奪っているのは事実だ
沙織から言い出したのだとしても猿猴が余計なことをしなければ
こんなことにはならなかった
そしてなにより自分が……と、考えだしたところで
夏凜のため息が聞こえた
夏凜「でも結局、あんたはそれでは満足しなかった」
沙織「そうだね。だからあたしはこの娘についていくことにした。娘が見ていることは知っていたからね」
天乃が信頼している人間で、親しくしている人間で
大切にしている人間だと分かっているから
だから、猿猴はあえて近づくことにしたのだ
もちろん、大赦が小細工を用意しているということなど、解ったうえで
854: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:36:55.02:uH/AfzJTo (7/44)
天乃「どうして?」
沙織「あたしには久遠さんの記憶がある。久遠さんの記憶の中のあたしは。男の子に似ていた。そう感じたから」
深く考えてのことではない
そう感じたから、そう思ったから
そう言う猿猴のいい加減さによって
沙織が契約しなければいけなかったのかと思うと
苛立ちは、募るばかりで
沙織「……ところで。あたしは家に行っても良いの?」
夏凜「あんた……」
沙織「駄目なら駄目で、あたしは構わないよ」
沙織は少しばかり残念そうに言うと
天乃から九尾へと目を移し、夏凜へとさらに移していく
猿猴は常に観察しているのだ
自分、または沙織、またはそれ以外の何かに対して
天乃達がどのようなことを思い、感じ、動こうとするのか
それを見ることで、知ることで、自分の知りたい答えを得ようとしているのだろう
天乃「どうして?」
沙織「あたしには久遠さんの記憶がある。久遠さんの記憶の中のあたしは。男の子に似ていた。そう感じたから」
深く考えてのことではない
そう感じたから、そう思ったから
そう言う猿猴のいい加減さによって
沙織が契約しなければいけなかったのかと思うと
苛立ちは、募るばかりで
沙織「……ところで。あたしは家に行っても良いの?」
夏凜「あんた……」
沙織「駄目なら駄目で、あたしは構わないよ」
沙織は少しばかり残念そうに言うと
天乃から九尾へと目を移し、夏凜へとさらに移していく
猿猴は常に観察しているのだ
自分、または沙織、またはそれ以外の何かに対して
天乃達がどのようなことを思い、感じ、動こうとするのか
それを見ることで、知ることで、自分の知りたい答えを得ようとしているのだろう
855: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:44:20.41:uH/AfzJTo (8/44)
沙織「でも、駄目なら三好さん」
夏凜「私?」
沙織「もう一回だけ……キス。させてくれないかな。三好さんとのキスは得るものが多かったから」
天乃「え?」
夏凜「は、はぁっ!? な、なんで私なのよ!」
沙織「知らないよ。でも、あたしはあの時にそう思った。だから、したい」
あの時、夏凜とのキス
それは沙織ではなく、猿猴が天乃の姿を借りて部室に来た時の話だ
あの時の猿猴はあれが標準なのかと思ったが
あれ自体が、知るための演技だったというのなら、猿猴はもしかしたら意外に努力家なのかもしれない
夏凜「したいって、それは沙織の」
沙織「それがどうかしたの? この体は自由に使っていいと言う約束だから……」
沙織はそう言うと、自分の下腹部を撫でるように触れながら
スカートを少しずつめくりあげて
沙織「肉体の交わりも許されてるよ。三好さんがその方が良いって言うなら、それでも構わないよ」
夏凜「なっ、ちょっ」
ぐっと距離を詰めた沙織は
しかし、夏凜の体を押し倒すことなく抱き着く
身長は沙織の方が高く、胸に顔を埋める形になった夏凜は息苦しそうにもがく
沙織「でも、駄目なら三好さん」
夏凜「私?」
沙織「もう一回だけ……キス。させてくれないかな。三好さんとのキスは得るものが多かったから」
天乃「え?」
夏凜「は、はぁっ!? な、なんで私なのよ!」
沙織「知らないよ。でも、あたしはあの時にそう思った。だから、したい」
あの時、夏凜とのキス
それは沙織ではなく、猿猴が天乃の姿を借りて部室に来た時の話だ
あの時の猿猴はあれが標準なのかと思ったが
あれ自体が、知るための演技だったというのなら、猿猴はもしかしたら意外に努力家なのかもしれない
夏凜「したいって、それは沙織の」
沙織「それがどうかしたの? この体は自由に使っていいと言う約束だから……」
沙織はそう言うと、自分の下腹部を撫でるように触れながら
スカートを少しずつめくりあげて
沙織「肉体の交わりも許されてるよ。三好さんがその方が良いって言うなら、それでも構わないよ」
夏凜「なっ、ちょっ」
ぐっと距離を詰めた沙織は
しかし、夏凜の体を押し倒すことなく抱き着く
身長は沙織の方が高く、胸に顔を埋める形になった夏凜は息苦しそうにもがく
856: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 13:58:20.48:uH/AfzJTo (9/44)
沙織「どうかな? 三好さん」
天乃「どうかな、じゃないわ。いい加減にして」
沙織「……さっき以上に怒ってる感じがするね。久遠さん」
天乃の声に邪魔されても
不満そうではなく、好奇心を感じる明るい声で天乃に振り向く
なぜ怒っているのか
そこに興味を持って、知りたいと思っている
そんな子供じみたい何かだと傍観する九尾は思った
沙織「三好さんにキスしようとしてるから? あたしが久遠さんにしないから? それとも……この体と肉体的な交わりをしたいのは久遠さんなの?」
天乃「違うわ。沙織にも夏凜にも迷惑だから言ってるのよ」
本当にそうなのだろうか
この不快感は、この嫌悪感は
それだけで説明がつき、納得できるものなのだろうか
悩ましく思う天乃は、浮かない表情だった
沙織「だったら放っておいてよ。あたしは三好さんとしたい。三好さんの答えを待ってる状態。部外者は口を挟まないでよ」
天乃の答えがつまらないと思ったのだろう
その程度かと思ったのだろう
沙織は興味を失ったように冷たい声で言うと
胸に手をついて自分から距離を置く夏凜をまっすぐ見つめる
夏凜「く……」
偽物の体なら好きにぶん殴れるが
沙織本人の体ということもあって、手荒な真似は出来るはずもなく――
1、夏凜に……任せるわ
2、分かった。家に来て良い。良いからやめて
3、私がしたいの!
4、私の事なら好きにしていいから夏凜にまで手を出さないで!
↓2
沙織「どうかな? 三好さん」
天乃「どうかな、じゃないわ。いい加減にして」
沙織「……さっき以上に怒ってる感じがするね。久遠さん」
天乃の声に邪魔されても
不満そうではなく、好奇心を感じる明るい声で天乃に振り向く
なぜ怒っているのか
そこに興味を持って、知りたいと思っている
そんな子供じみたい何かだと傍観する九尾は思った
沙織「三好さんにキスしようとしてるから? あたしが久遠さんにしないから? それとも……この体と肉体的な交わりをしたいのは久遠さんなの?」
天乃「違うわ。沙織にも夏凜にも迷惑だから言ってるのよ」
本当にそうなのだろうか
この不快感は、この嫌悪感は
それだけで説明がつき、納得できるものなのだろうか
悩ましく思う天乃は、浮かない表情だった
沙織「だったら放っておいてよ。あたしは三好さんとしたい。三好さんの答えを待ってる状態。部外者は口を挟まないでよ」
天乃の答えがつまらないと思ったのだろう
その程度かと思ったのだろう
沙織は興味を失ったように冷たい声で言うと
胸に手をついて自分から距離を置く夏凜をまっすぐ見つめる
夏凜「く……」
偽物の体なら好きにぶん殴れるが
沙織本人の体ということもあって、手荒な真似は出来るはずもなく――
1、夏凜に……任せるわ
2、分かった。家に来て良い。良いからやめて
3、私がしたいの!
4、私の事なら好きにしていいから夏凜にまで手を出さないで!
↓2
857:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 13:58:51.89:+ClYlKBIO (1/7)
4
4
858:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 13:59:17.34:aK2nm27vO (1/1)
1
1
859:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 13:59:19.13:N8kgbeVqO (1/3)
4
4
860:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 14:10:36.24:+ClYlKBIO (2/7)
NTRイベっぽくなってきたなww
まあ久遠さんがやられてもそれはそれでNTRっぽいけども
NTRイベっぽくなってきたなww
まあ久遠さんがやられてもそれはそれでNTRっぽいけども
861: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 14:49:48.06:uH/AfzJTo (10/44)
天乃「……夏凜に任せるわ」
抱き合う……と言っても沙織から一方的に抱き着いているだけだが
そんな様子の二人から眼を逸らした天乃は
小さな声で答える
沙織は部外者は黙っててと言った
だから、夏凜に言う。けれど確かにそれは二人のことだ
この場にいる人間で、沙織と夏凜が親しい人で
どれくらい嫌悪感があって、不快感があっても
それでも……部外者と言われれば部外者で
だからこそ、天乃は顔を伏せたまま、任せると言った
夏凜「任せる……ねぇ」
夏凜は追い詰められている立場でありながら
不意に、普段の調子を取り戻したかのように茶化すような声色で呟いて
笑みを浮かべる
ほんのりと怒りを感じる苦笑いだ
天乃「……夏凜に任せるわ」
抱き合う……と言っても沙織から一方的に抱き着いているだけだが
そんな様子の二人から眼を逸らした天乃は
小さな声で答える
沙織は部外者は黙っててと言った
だから、夏凜に言う。けれど確かにそれは二人のことだ
この場にいる人間で、沙織と夏凜が親しい人で
どれくらい嫌悪感があって、不快感があっても
それでも……部外者と言われれば部外者で
だからこそ、天乃は顔を伏せたまま、任せると言った
夏凜「任せる……ねぇ」
夏凜は追い詰められている立場でありながら
不意に、普段の調子を取り戻したかのように茶化すような声色で呟いて
笑みを浮かべる
ほんのりと怒りを感じる苦笑いだ
862: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 14:56:59.78:uH/AfzJTo (11/44)
夏凜「沙織が元に戻る手助けになるって言うなら。それが天乃の助けになるかもしれない」
天乃「………………」
一度奪われてしまっているわけだから
もはや割り切って、人命救助とでも考えて
キスだろうが何だろうがやってしまってもいいのではないかと思わないこともない
だけど
夏凜「けど、悪いけどそれはパス。家に来て構わないから。それはなし」
沙織「……どうして?」
夏凜「そんなの、沙織があんたに体を貸したのと同じで有難迷惑ってやつにしかならないからよ」
それが天乃の何の助けになるのだろうか
勢いで考えてみれば
天乃が助けたい沙織を助けられるのだから助けになっていると思えるが
冷静に考えて、自分たちのすぐ近くの少女を見てみればそんなことはないと一目瞭然だ
夏凜「沙織が元に戻る手助けになるって言うなら。それが天乃の助けになるかもしれない」
天乃「………………」
一度奪われてしまっているわけだから
もはや割り切って、人命救助とでも考えて
キスだろうが何だろうがやってしまってもいいのではないかと思わないこともない
だけど
夏凜「けど、悪いけどそれはパス。家に来て構わないから。それはなし」
沙織「……どうして?」
夏凜「そんなの、沙織があんたに体を貸したのと同じで有難迷惑ってやつにしかならないからよ」
それが天乃の何の助けになるのだろうか
勢いで考えてみれば
天乃が助けたい沙織を助けられるのだから助けになっていると思えるが
冷静に考えて、自分たちのすぐ近くの少女を見てみればそんなことはないと一目瞭然だ
863: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 14:58:00.19:uH/AfzJTo (12/44)
夏凜「家に来るかキスかなら。前者を選ばせてもらう」
……もっとも。色々と複雑な取捨選択があったんだけど
そんなもの、そんな顔見せられたら考えるまでもなく一本道だっての
夏凜は毅然と答えながら
内心、呆れたため息をつきながら横目で天乃を見る
相変わらず、目を合わせようとはしてくれない
沙織「三好さんからも、娘や久遠さんと似たようなものを感じる……益々したくなった」
夏凜「なっ」
沙織「でも、やめておくよ」
沙織はそう言うと、警戒した夏凜を手放して数歩下がると、困ったように笑う
襲われると思っていた夏凜は
それでも気を抜かずに身構えた
沙織「あたしとの契約に基づいて、断られたなら手は出さない。それは久遠さんにもその関係者である三好さんにも迷惑だから」
夏凜「家に来るかキスかなら。前者を選ばせてもらう」
……もっとも。色々と複雑な取捨選択があったんだけど
そんなもの、そんな顔見せられたら考えるまでもなく一本道だっての
夏凜は毅然と答えながら
内心、呆れたため息をつきながら横目で天乃を見る
相変わらず、目を合わせようとはしてくれない
沙織「三好さんからも、娘や久遠さんと似たようなものを感じる……益々したくなった」
夏凜「なっ」
沙織「でも、やめておくよ」
沙織はそう言うと、警戒した夏凜を手放して数歩下がると、困ったように笑う
襲われると思っていた夏凜は
それでも気を抜かずに身構えた
沙織「あたしとの契約に基づいて、断られたなら手は出さない。それは久遠さんにもその関係者である三好さんにも迷惑だから」
864: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 15:04:23.24:uH/AfzJTo (13/44)
夏凜「騙そうって……わけ?」
沙織「まさか。あたし達にとって契約は守るべきものだよ。たとえ下等な人間であれ。契は絶対。そこの狐も、分かるよね?」
九尾「……………」
目を閉じ口を閉ざす九尾に
沙織は「いいけど」とほほ笑んで、天乃へと向き直って
沙織「宜しくね、久遠さん。もしも力が必要になったらちゃんと貸すよ。それも娘との契約だから」
天乃「必要ないわ。私はしばらく戦わないから」
沙織「そうかな。そうだと良いね。あたしもそう思ってると感じるよ。でも、そこにはとても強い、恐怖を感じるよ」
沙織のすこし謎めいた言い方に天乃は問いただそうとしたが
それは沙織が抱いているものだからと、猿猴は答えをくれることはなかった
九尾「……………」
天乃「九尾?」
九尾「ふむ。猿猴も嘘は言っておらぬ。手は出すまいよ」
天乃「そう……でも、沙織はまだ」
九尾「純潔は知らぬが、守ることは守るじゃろう。案ずるな」
とは言われても
全く、安心できるはずがなかった
夏凜「騙そうって……わけ?」
沙織「まさか。あたし達にとって契約は守るべきものだよ。たとえ下等な人間であれ。契は絶対。そこの狐も、分かるよね?」
九尾「……………」
目を閉じ口を閉ざす九尾に
沙織は「いいけど」とほほ笑んで、天乃へと向き直って
沙織「宜しくね、久遠さん。もしも力が必要になったらちゃんと貸すよ。それも娘との契約だから」
天乃「必要ないわ。私はしばらく戦わないから」
沙織「そうかな。そうだと良いね。あたしもそう思ってると感じるよ。でも、そこにはとても強い、恐怖を感じるよ」
沙織のすこし謎めいた言い方に天乃は問いただそうとしたが
それは沙織が抱いているものだからと、猿猴は答えをくれることはなかった
九尾「……………」
天乃「九尾?」
九尾「ふむ。猿猴も嘘は言っておらぬ。手は出すまいよ」
天乃「そう……でも、沙織はまだ」
九尾「純潔は知らぬが、守ることは守るじゃろう。案ずるな」
とは言われても
全く、安心できるはずがなかった
865: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 15:25:10.17:uH/AfzJTo (14/44)
√ 6月12日目 夜(自宅) ※金曜日
01~10 夏凜
11~20 沙織
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70
71~80 園子
81~90
91~00 沙織
↓1のコンマ
√ 6月12日目 夜(自宅) ※金曜日
01~10 夏凜
11~20 沙織
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70
71~80 園子
81~90
91~00 沙織
↓1のコンマ
866:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 15:28:01.97:iXzPLITPO (1/4)
あ
あ
867: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:24:19.35:uH/AfzJTo (15/44)
沙織「ねぇ久遠さん、ちょっといいかな」
人気のなくなったリビングで
そんな声をかけられた天乃は、声を出すことなく頷く
目の届かない場所に行かれるくらいなら
目の前にいてくれた方が安心だからだ
沙織の体で、女性職員や男性職員
園子や瞳、夏凜に手を出されたらたまったものではない
天乃「なに?」
沙織「そんな警戒しないでよ。久遠さんには合意の上でしか手を出さない」
天乃「……沙織との契約だから?」
遮ってそう言った天乃に
沙織は少し驚いたような表情を見せて
すぐに苦笑すると「流石久遠さんだね」と、呟く
沙織「ねぇ久遠さん、ちょっといいかな」
人気のなくなったリビングで
そんな声をかけられた天乃は、声を出すことなく頷く
目の届かない場所に行かれるくらいなら
目の前にいてくれた方が安心だからだ
沙織の体で、女性職員や男性職員
園子や瞳、夏凜に手を出されたらたまったものではない
天乃「なに?」
沙織「そんな警戒しないでよ。久遠さんには合意の上でしか手を出さない」
天乃「……沙織との契約だから?」
遮ってそう言った天乃に
沙織は少し驚いたような表情を見せて
すぐに苦笑すると「流石久遠さんだね」と、呟く
868: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:25:42.64:uH/AfzJTo (16/44)
笑い方、話し方、仕草。どれをとっても沙織そのものだ
けれど、それはやはり。どこかが違うのだ
何もかもが似通っているのに、ただ一つ。何かが多いような少ないような
そんな違和感が、今の沙織にはある
沙織「そう。だからあたしは久遠さんに手を出さない。もちろん、三好さん達の代わりにって言い出したなら別だよ?」
天乃「それを誘ってるの?」
沙織「少しだけね」
沙織は笑う
自分の思惑を見抜かれて、包み隠すこともなく正直に答えるその表情は
天乃にも、何を考えているのかがまったくわからない
いや、ある程度分かるからこそ、逆に分からないと言う方が正しいかもしれない
笑い方、話し方、仕草。どれをとっても沙織そのものだ
けれど、それはやはり。どこかが違うのだ
何もかもが似通っているのに、ただ一つ。何かが多いような少ないような
そんな違和感が、今の沙織にはある
沙織「そう。だからあたしは久遠さんに手を出さない。もちろん、三好さん達の代わりにって言い出したなら別だよ?」
天乃「それを誘ってるの?」
沙織「少しだけね」
沙織は笑う
自分の思惑を見抜かれて、包み隠すこともなく正直に答えるその表情は
天乃にも、何を考えているのかがまったくわからない
いや、ある程度分かるからこそ、逆に分からないと言う方が正しいかもしれない
869: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:26:47.58:uH/AfzJTo (17/44)
沙織「久遠さんは誰とキスがしたい? そう見せることもできるよ?」
天乃「しない。少なくとも、貴方とは」
沙織「そっか、それはすごく残念だよ。瞳さんなら、させてくれるかな?」
天乃「……貴方、それが目的?」
夏凜や瞳たちの名前を出して
彼女となら出来るだろうかとわざわざ告げて、阻止させるために天乃がやらせてくれないか
それを期待しているのではないか、それを狙っているのではないか
そう尋ねた天乃に対して、沙織はやはり笑う
沙織「少しだけね。でも、今のはただの疑問だよ」
天乃「お願い……それは沙織の体なの。大事にして」
沙織「勿論だよ。娘が傷つけばあたしだって痛い」
天乃「そうじゃなくて!」
帳の下りた夜。それであることも忘れかけた天乃の声に
沙織は困ったように笑みを浮かべると「夜だよ」と、囁いて
力を使ったのだろう
今のは聞こえなかったことにしておくからねと、ほほ笑む
天乃「そうじゃなくて……キスとか。肉体の交わりだとか簡単に言わないで」
沙織「どうして? あたしは積極的に協力すると言ったし、久遠さんだって三好さんや乃木さんとしてるのに」
天乃「それは……っ」
沙織「自分から押し倒して、唇を重ねて、唇同士を包み込むように絡ませて。零れる唾液を舐め合って追い求めるように舌を伸ばして……」
天乃「っ、や、やめて……」
悪いことだと一切思っていない沙織は満面の笑みで言って
天乃の真っ赤になって逸らした顔を微笑ましく見つめて息をつく
天乃「見て……たの?」
沙織「三好さんに見せて貰ったんだよ。海辺で抱き着いた時にね……あはは。あれはほんと、濃密で……甘くて、でも。とてもしょっぱいキスだった」
沙織「久遠さんは誰とキスがしたい? そう見せることもできるよ?」
天乃「しない。少なくとも、貴方とは」
沙織「そっか、それはすごく残念だよ。瞳さんなら、させてくれるかな?」
天乃「……貴方、それが目的?」
夏凜や瞳たちの名前を出して
彼女となら出来るだろうかとわざわざ告げて、阻止させるために天乃がやらせてくれないか
それを期待しているのではないか、それを狙っているのではないか
そう尋ねた天乃に対して、沙織はやはり笑う
沙織「少しだけね。でも、今のはただの疑問だよ」
天乃「お願い……それは沙織の体なの。大事にして」
沙織「勿論だよ。娘が傷つけばあたしだって痛い」
天乃「そうじゃなくて!」
帳の下りた夜。それであることも忘れかけた天乃の声に
沙織は困ったように笑みを浮かべると「夜だよ」と、囁いて
力を使ったのだろう
今のは聞こえなかったことにしておくからねと、ほほ笑む
天乃「そうじゃなくて……キスとか。肉体の交わりだとか簡単に言わないで」
沙織「どうして? あたしは積極的に協力すると言ったし、久遠さんだって三好さんや乃木さんとしてるのに」
天乃「それは……っ」
沙織「自分から押し倒して、唇を重ねて、唇同士を包み込むように絡ませて。零れる唾液を舐め合って追い求めるように舌を伸ばして……」
天乃「っ、や、やめて……」
悪いことだと一切思っていない沙織は満面の笑みで言って
天乃の真っ赤になって逸らした顔を微笑ましく見つめて息をつく
天乃「見て……たの?」
沙織「三好さんに見せて貰ったんだよ。海辺で抱き着いた時にね……あはは。あれはほんと、濃密で……甘くて、でも。とてもしょっぱいキスだった」
870: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:27:44.91:uH/AfzJTo (18/44)
沙織はまるで自分がしたことのように語り、
恍惚とした笑み、つり上がる口元、そこから零れ出す涎を指で拭う
それは生々しく淫らに艶やかな
とても沙織とは思えないらしくない仕草で
沙織「でも、すごくドキドキとした。三好さんとキスをすればこんな思いが出来るのかなって……余計にしたいと思った」
天乃「っ!」
沙織「……あはは。その顔。それだよ。あたしが声をかけた理由」
激しい嫌悪感、不快感それを抱きながら
その意味、その理由、それの正当性を見いだせずにいる複雑な表情
喜ばしそうに指さされた天乃は思わず逸らして拳を握る
殴ることなんて、出来はしないのに
沙織はまるで自分がしたことのように語り、
恍惚とした笑み、つり上がる口元、そこから零れ出す涎を指で拭う
それは生々しく淫らに艶やかな
とても沙織とは思えないらしくない仕草で
沙織「でも、すごくドキドキとした。三好さんとキスをすればこんな思いが出来るのかなって……余計にしたいと思った」
天乃「っ!」
沙織「……あはは。その顔。それだよ。あたしが声をかけた理由」
激しい嫌悪感、不快感それを抱きながら
その意味、その理由、それの正当性を見いだせずにいる複雑な表情
喜ばしそうに指さされた天乃は思わず逸らして拳を握る
殴ることなんて、出来はしないのに
871: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:28:23.29:uH/AfzJTo (19/44)
沙織「それはどこか、あの日、三好さんに選ばれなかった時にあたしが感じたものと似てる」
天乃「…………」
沙織「それはどういうものなの? 久遠さん。久遠さんが今抱いているもの。それは何?」
段々と好奇心が強くなって大きくなっていく沙織の声は天乃に訊ねたまま途絶える
そして、天乃が答えるまでもなく沙織は呆然と口だけを動かす
沙織「不安……恐怖。希望、なんだろう。あれは……あぁ、三好さんとキスがしたい。したい、したい……」
目を見開いたままぶつぶつと言い続ける沙織は
もはや沙織だ猿猴だなどと関係なく恐ろしさを感じさせるものだが
天乃はそんなことを気にすることなく「それは駄目、絶対にやめて」と、言う
沙織「解ってる。契約、契約があるから……」
1、私なら……代わりにしても良いわ
2、沙織に聞けば、分かると思うわ
3、貴方の件がなければ、私だって……
4、瞳を呼びましょう
5、……………
↓2
沙織「それはどこか、あの日、三好さんに選ばれなかった時にあたしが感じたものと似てる」
天乃「…………」
沙織「それはどういうものなの? 久遠さん。久遠さんが今抱いているもの。それは何?」
段々と好奇心が強くなって大きくなっていく沙織の声は天乃に訊ねたまま途絶える
そして、天乃が答えるまでもなく沙織は呆然と口だけを動かす
沙織「不安……恐怖。希望、なんだろう。あれは……あぁ、三好さんとキスがしたい。したい、したい……」
目を見開いたままぶつぶつと言い続ける沙織は
もはや沙織だ猿猴だなどと関係なく恐ろしさを感じさせるものだが
天乃はそんなことを気にすることなく「それは駄目、絶対にやめて」と、言う
沙織「解ってる。契約、契約があるから……」
1、私なら……代わりにしても良いわ
2、沙織に聞けば、分かると思うわ
3、貴方の件がなければ、私だって……
4、瞳を呼びましょう
5、……………
↓2
872:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 16:28:53.69:iXzPLITPO (2/4)
5
5
873:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 16:29:00.35:+ClYlKBIO (3/7)
1
1
874:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 16:29:28.62:N8kgbeVqO (2/3)
2
2
875:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 16:33:30.91:iXzPLITPO (3/4)
夏凛ー!クオンサンのピンチを救ってくれ!
夏凛ー!クオンサンのピンチを救ってくれ!
876: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:55:48.67:uH/AfzJTo (20/44)
天乃「私なら……代わりにしても良いわ」
沙織「え?」
天乃「だからお願い。夏凜には。他の人には、手を出さないで」
沙織の契約を乗り越えてしまいそうな衝動を目の当たりにした天乃は
緊張と恐怖と不安
嫌悪感と不快感を唾と一緒に飲み込んで、沙織に言う
それはただの言葉ではなく、契約だ
自分のことを使う代わりに
他の誰にも手を出さないようにして欲しいという契約
それを分かったうえで、天乃は願う
天乃「キス……したいならしたらいい」
沙織「本当にさせてくれるの?」
天乃「……良いわ。でも、そうしたら誰かに頼んだり誘導したり全部止めて貰う」
沙織「その代わりに、全てを久遠さんにしていいんだね?」
天乃「私なら……代わりにしても良いわ」
沙織「え?」
天乃「だからお願い。夏凜には。他の人には、手を出さないで」
沙織の契約を乗り越えてしまいそうな衝動を目の当たりにした天乃は
緊張と恐怖と不安
嫌悪感と不快感を唾と一緒に飲み込んで、沙織に言う
それはただの言葉ではなく、契約だ
自分のことを使う代わりに
他の誰にも手を出さないようにして欲しいという契約
それを分かったうえで、天乃は願う
天乃「キス……したいならしたらいい」
沙織「本当にさせてくれるの?」
天乃「……良いわ。でも、そうしたら誰かに頼んだり誘導したり全部止めて貰う」
沙織「その代わりに、全てを久遠さんにしていいんだね?」
877: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:58:13.10:uH/AfzJTo (21/44)
沙織の問いに、天乃は小さく頷く
沙織のことは大切に思っているし、好きだ
でも、怖い、嫌だ。止めて欲しい
そんな不安と不快感と嫌悪感が心に渦巻く
だって、これは沙織ではない
沙織で会って沙織ではない猿猴との交わりだ
先日部室で夏凜を押し倒してまで行ったあのキスのように
何の喜びもない、辛いだけの……
天乃「っ」
強く瞑った瞼に感じる熱を、頬を包む何かがそっと拭って
開いた瞳に、沙織の顔が大きく映る
いつの間にか近づいた沙織は、天乃の顔を両手で包んで
そっと、顔を近づけていく
沙織の問いに、天乃は小さく頷く
沙織のことは大切に思っているし、好きだ
でも、怖い、嫌だ。止めて欲しい
そんな不安と不快感と嫌悪感が心に渦巻く
だって、これは沙織ではない
沙織で会って沙織ではない猿猴との交わりだ
先日部室で夏凜を押し倒してまで行ったあのキスのように
何の喜びもない、辛いだけの……
天乃「っ」
強く瞑った瞼に感じる熱を、頬を包む何かがそっと拭って
開いた瞳に、沙織の顔が大きく映る
いつの間にか近づいた沙織は、天乃の顔を両手で包んで
そっと、顔を近づけていく
878: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 16:59:43.34:uH/AfzJTo (22/44)
天乃「ぁ……ぅ」
思わずいびつな声が漏れて、
瞼を強く閉じると、涙が零れ落ちて沙織の指が拭う
沙織の息遣いがさらに近づいてくるのが分かる
相手の呼吸が、吐く息が自分のそれとまじりあうほどに近くなっていくのを感じる
天乃「ん……」
泣いちゃダメ、嫌がっちゃダメ
我慢して、我慢して……沙織だから。これは沙織とのものだから
強く、強く
それが猿猴によるものであることを誤魔化し、願い、押し付けて
そして沙織は天乃の唇に唇を近づけて
沙織「あたしは、久遠さんのその願いを――」
天乃「ぁ……ぅ」
思わずいびつな声が漏れて、
瞼を強く閉じると、涙が零れ落ちて沙織の指が拭う
沙織の息遣いがさらに近づいてくるのが分かる
相手の呼吸が、吐く息が自分のそれとまじりあうほどに近くなっていくのを感じる
天乃「ん……」
泣いちゃダメ、嫌がっちゃダメ
我慢して、我慢して……沙織だから。これは沙織とのものだから
強く、強く
それが猿猴によるものであることを誤魔化し、願い、押し付けて
そして沙織は天乃の唇に唇を近づけて
沙織「あたしは、久遠さんのその願いを――」
879: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 17:00:13.90:uH/AfzJTo (23/44)
01~10 若葉
11~20 夏凜
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70
71~80 瞳
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
※ぞろ目で樹海化
01~10 若葉
11~20 夏凜
21~30
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70
71~80 瞳
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
※ぞろ目で樹海化
880:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 17:00:23.25:iXzPLITPO (4/4)
あ
あ
881:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 17:00:58.96:+ClYlKBIO (4/7)
あ
あ
882: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:19:37.91:uH/AfzJTo (24/44)
天乃「ん……」
優しく唇同士を触れ合わせるだけで離れて
すぐに、今度は少し圧し潰すように唇を重ね合わせて
また離れて、沙織は自分の顔を少し傾けて角度を変えると
自分の唇を舌で舐めて潤わせ、天乃の唇を咥えるようにキスをする
天乃「っ」
唇を抓むようにしながら距離を置き、
重ねる時は押し開くように重ね合わせて
そしてまた、一定の距離に立ったら抓むように離れていく
唇で唇と戯れながら
ぴくぴくと藩のする天乃の手を、沙織は握る
より近く、より密接に
何かが覚えている道を辿るように、天乃との交わりを深める
天乃「ん……」
優しく唇同士を触れ合わせるだけで離れて
すぐに、今度は少し圧し潰すように唇を重ね合わせて
また離れて、沙織は自分の顔を少し傾けて角度を変えると
自分の唇を舌で舐めて潤わせ、天乃の唇を咥えるようにキスをする
天乃「っ」
唇を抓むようにしながら距離を置き、
重ねる時は押し開くように重ね合わせて
そしてまた、一定の距離に立ったら抓むように離れていく
唇で唇と戯れながら
ぴくぴくと藩のする天乃の手を、沙織は握る
より近く、より密接に
何かが覚えている道を辿るように、天乃との交わりを深める
883: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:20:09.35:uH/AfzJTo (25/44)
天乃の唇に自分の唾液を上書きした沙織は
薄く目を開いた天乃に笑みを浮かべて「まだ」と、囁く
キスをしている間呼吸の出来なかった天乃の乱れた吐息を奪うように
沙織はまた唇を重ねる。押し広げるように重ね
今度は離れることなく、天乃の唇の隠れている部分に舌を這わせて
天乃「ん!」
びくっとした天乃の手を強く握り、天乃の飲み込めていない唾液を舌で掬い、
引き延ばして天乃に見せつける
天乃「はぁ……ぁ……」
つぅっと伸びていくそれが重力に負けて歪み、途切れると
沙織はまた唇を重ねて、中途半端に閉じかけていた天乃の口腔へと
舌を忍ばせて、舌と下を触れ合わせる
天乃の唇に自分の唾液を上書きした沙織は
薄く目を開いた天乃に笑みを浮かべて「まだ」と、囁く
キスをしている間呼吸の出来なかった天乃の乱れた吐息を奪うように
沙織はまた唇を重ねる。押し広げるように重ね
今度は離れることなく、天乃の唇の隠れている部分に舌を這わせて
天乃「ん!」
びくっとした天乃の手を強く握り、天乃の飲み込めていない唾液を舌で掬い、
引き延ばして天乃に見せつける
天乃「はぁ……ぁ……」
つぅっと伸びていくそれが重力に負けて歪み、途切れると
沙織はまた唇を重ねて、中途半端に閉じかけていた天乃の口腔へと
舌を忍ばせて、舌と下を触れ合わせる
884: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:20:54.65:uH/AfzJTo (26/44)
沙織の視界に涙をこぼす天乃の顔が映ると
沙織は天乃の口の中を蹂躙することなくただ、全てを奪い去って、離れる
もう一度、透明の糸が二人を繋いで――断ち切れる
天乃「はぁ、はぁ……んん」
こくっと喉を鳴らした天乃は
まだわずかに整わない呼吸のままに、沙織を見つめる
天乃「沙織?」
沙織「……なるほど。久遠さんが泣いた理由が。分かってきたよ」
沙織は変わらない平坦な声でそう言ったが
そこには戸惑いとわずかな喜びが含まれていて
けれども、沙織の瞳からは涙が零れ落ちていく
沙織「嫌、なんだね。こういうのは、こんな形では。あたしは、そう言うのを望んでいないんだね?」
沙織の視界に涙をこぼす天乃の顔が映ると
沙織は天乃の口の中を蹂躙することなくただ、全てを奪い去って、離れる
もう一度、透明の糸が二人を繋いで――断ち切れる
天乃「はぁ、はぁ……んん」
こくっと喉を鳴らした天乃は
まだわずかに整わない呼吸のままに、沙織を見つめる
天乃「沙織?」
沙織「……なるほど。久遠さんが泣いた理由が。分かってきたよ」
沙織は変わらない平坦な声でそう言ったが
そこには戸惑いとわずかな喜びが含まれていて
けれども、沙織の瞳からは涙が零れ落ちていく
沙織「嫌、なんだね。こういうのは、こんな形では。あたしは、そう言うのを望んでいないんだね?」
885: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:21:49.70:uH/AfzJTo (27/44)
天乃「…………」
沙織「そうだ。男の子も、違うと感じたのはこれのせい……」
沙織はハッとしてそう言うと、自分の唇をなぞり
天乃へと目を向けて、
沙織「男の子は、久遠さんに愛を伝えたいから、愛されたいからキスをした。好きだから、キスをした」
でも自分はどうだろうか、天乃に好意を抱いてキスをしたのだろうか
愛されたいと思ってキスをしたのだろうか
愛していると伝えたいからキスをしたのだろうか
否、どれも違う。何も違う
ただただ、
キスという行為で得られるものを得ようとしただけ
沙織「三好さんとのキスとは違う」
天乃「駄目……するなら私にして。契約、絶対なんでしょう?」
天乃「…………」
沙織「そうだ。男の子も、違うと感じたのはこれのせい……」
沙織はハッとしてそう言うと、自分の唇をなぞり
天乃へと目を向けて、
沙織「男の子は、久遠さんに愛を伝えたいから、愛されたいからキスをした。好きだから、キスをした」
でも自分はどうだろうか、天乃に好意を抱いてキスをしたのだろうか
愛されたいと思ってキスをしたのだろうか
愛していると伝えたいからキスをしたのだろうか
否、どれも違う。何も違う
ただただ、
キスという行為で得られるものを得ようとしただけ
沙織「三好さんとのキスとは違う」
天乃「駄目……するなら私にして。契約、絶対なんでしょう?」
886: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:22:18.69:uH/AfzJTo (28/44)
夏凜へと矛先が向かいそうだと判断した天乃は
すぐさま声を上げ、沙織の注意を引き付ける
それだけは許さない。こうしている理由、させた意味
それを無に帰すことは絶対に許可できない
天乃「物足りないなら……この体を扱っていい。貴方の言う肉体の交わり。それだってさせてあげるから」
沙織「…………」
天乃「何でもしていい。何でもする。だから、夏凜には手を出さないで」
そう言いながら、胸元のボタンをはずそうとする天乃の手を
沙織はおもむろにつかんで、首を振る
沙織「それは駄目だよ。久遠さん。そこまでしちゃだめ……三好さんが大事なのはわかるけど。でも、それはしたら駄目」
その声は、その瞳はさっきまでとは何一つ変わらない
けれど、身に纏う雰囲気が、猿猴の時とは明らかに違っていて
沙織は涙ながらに微笑むと「ごめんね」と、囁く
夏凜へと矛先が向かいそうだと判断した天乃は
すぐさま声を上げ、沙織の注意を引き付ける
それだけは許さない。こうしている理由、させた意味
それを無に帰すことは絶対に許可できない
天乃「物足りないなら……この体を扱っていい。貴方の言う肉体の交わり。それだってさせてあげるから」
沙織「…………」
天乃「何でもしていい。何でもする。だから、夏凜には手を出さないで」
そう言いながら、胸元のボタンをはずそうとする天乃の手を
沙織はおもむろにつかんで、首を振る
沙織「それは駄目だよ。久遠さん。そこまでしちゃだめ……三好さんが大事なのはわかるけど。でも、それはしたら駄目」
その声は、その瞳はさっきまでとは何一つ変わらない
けれど、身に纏う雰囲気が、猿猴の時とは明らかに違っていて
沙織は涙ながらに微笑むと「ごめんね」と、囁く
887: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:24:02.23:uH/AfzJTo (29/44)
天乃「沙織……沙織、よね?」
沙織「うん……考え込んでるうちに少しだけね」
天乃とのキス、夏凜とのキス、それ以外の情報
それらがうまく組み合わせられなかったのか、猿猴は考えこんでしまっているようで
そのすきに、沙織は表に出てきたらしい
沙織「猿猴に流れてきたのは久遠さんがずっと心の奥にしまい込んでたもの。だから、久遠さんにも猿猴にもそれが分からない」
天乃「どうして、そう言えるの?」
沙織「ずっと見てきたから。ずっと、その気持ちを向けて欲しいと思ってきたから。だから、あたしにははっきりとわかる」
沙織はそう言うと、天乃の目元の涙を指で拭い、ほほ笑む
もう話すことはできないと思っていた
二度と、会えないのだとあきらめかけていた
けれど、九尾のおかげで消えずに済んだ。完全に奪われずに済んだ
だからこその再会に、沙織は猿猴を受け入れてから感じた猿猴の求めているもの
それを伝えようと、口を開く
沙織「それは、誰かに愛されたいという願い。誰かを愛したいという願いだよ」
天乃「沙織……沙織、よね?」
沙織「うん……考え込んでるうちに少しだけね」
天乃とのキス、夏凜とのキス、それ以外の情報
それらがうまく組み合わせられなかったのか、猿猴は考えこんでしまっているようで
そのすきに、沙織は表に出てきたらしい
沙織「猿猴に流れてきたのは久遠さんがずっと心の奥にしまい込んでたもの。だから、久遠さんにも猿猴にもそれが分からない」
天乃「どうして、そう言えるの?」
沙織「ずっと見てきたから。ずっと、その気持ちを向けて欲しいと思ってきたから。だから、あたしにははっきりとわかる」
沙織はそう言うと、天乃の目元の涙を指で拭い、ほほ笑む
もう話すことはできないと思っていた
二度と、会えないのだとあきらめかけていた
けれど、九尾のおかげで消えずに済んだ。完全に奪われずに済んだ
だからこその再会に、沙織は猿猴を受け入れてから感じた猿猴の求めているもの
それを伝えようと、口を開く
沙織「それは、誰かに愛されたいという願い。誰かを愛したいという願いだよ」
888: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:25:03.73:uH/AfzJTo (30/44)
誰からも好かれることはないと見限っていた天乃は
男子生徒との模擬デートをきっかけに、愛されていること、好意を持たれていること
それを少しずつ感じ取れるようになってきたが
でも、決して特別な意味で愛そうとはしなかった
それは、その人の為に生きたいと思ってしまうから
今みたいにみんなの為に出来るなら。ではなく、何としてでも生き残りたいと
そう思って、力が必要な時に力を出せず失ってしまうことを恐れているからだ
でも、心は誰かを愛したいと思っている
いや、もうすでに好意を抱いているからこそ
より一層強い願いとなって、猿猴に流れ込んでしまったのかもしれない
沙織「猿猴も誰かを愛したい。だから、あたしの心をもって久遠さんに酷いことをした時に辛い思いをする」
それは、そんな形でしたくなかったと、心が悲しくなるからだ
そしてなにより
沙織「久遠さんを好きなあたしの心だからね。こんな形じゃないってすっごい怒っただろうね」
誰からも好かれることはないと見限っていた天乃は
男子生徒との模擬デートをきっかけに、愛されていること、好意を持たれていること
それを少しずつ感じ取れるようになってきたが
でも、決して特別な意味で愛そうとはしなかった
それは、その人の為に生きたいと思ってしまうから
今みたいにみんなの為に出来るなら。ではなく、何としてでも生き残りたいと
そう思って、力が必要な時に力を出せず失ってしまうことを恐れているからだ
でも、心は誰かを愛したいと思っている
いや、もうすでに好意を抱いているからこそ
より一層強い願いとなって、猿猴に流れ込んでしまったのかもしれない
沙織「猿猴も誰かを愛したい。だから、あたしの心をもって久遠さんに酷いことをした時に辛い思いをする」
それは、そんな形でしたくなかったと、心が悲しくなるからだ
そしてなにより
沙織「久遠さんを好きなあたしの心だからね。こんな形じゃないってすっごい怒っただろうね」
889: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:25:49.62:uH/AfzJTo (31/44)
沙織は冗談めかして笑うと
呆然とする天乃の頬を軽く撫でて
沙織「だから、必要なのは久遠さんが気持ちに正直になること。本当は好きだ。愛したい。愛されたいんだって」
天乃「そんなの……」
沙織「きっといる。きっとわかってる。考えないようにしてるだけで。きっと。だから……みんなをもう少しちゃんと。見てあげよう?」
沙織はそこまで言うと
がらりと雰囲気を変えて、自分が何をしていたのか、どこにいるのか
確かめるようにあたりを見回して、視線が天乃に落ち着く
沙織「そういうことだから」
天乃「え?」
沙織「三好さんとは違うって感じた。だから、もうしない。もちろん、契約は守る」
猿猴なのだろう
同じ声、同じ表情
なのに全く違うものを感じさせる沙織は
天乃を残して部屋へと消えていく
沙織は冗談めかして笑うと
呆然とする天乃の頬を軽く撫でて
沙織「だから、必要なのは久遠さんが気持ちに正直になること。本当は好きだ。愛したい。愛されたいんだって」
天乃「そんなの……」
沙織「きっといる。きっとわかってる。考えないようにしてるだけで。きっと。だから……みんなをもう少しちゃんと。見てあげよう?」
沙織はそこまで言うと
がらりと雰囲気を変えて、自分が何をしていたのか、どこにいるのか
確かめるようにあたりを見回して、視線が天乃に落ち着く
沙織「そういうことだから」
天乃「え?」
沙織「三好さんとは違うって感じた。だから、もうしない。もちろん、契約は守る」
猿猴なのだろう
同じ声、同じ表情
なのに全く違うものを感じさせる沙織は
天乃を残して部屋へと消えていく
890: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:28:43.51:uH/AfzJTo (32/44)
一人取り残された天乃は
沙織の後を追っていた視線を自分の手元へと向けて
その手を、胸に宛がう
天乃「愛したい、愛されたい? 私が……?」
そんなことをすれば、願えば
本当に限界が来た時に、それを乗り越えてまで力を使えなくなってしまうかもしれないのに
また、銀のように誰かを失うかもしれない
風と樹の両親のように、無関係な人を殺してしまうかもしれないのに
なのに……
天乃「みんなをもう少しちゃんと見る……見てあげてるわ。言われなくたって」
けれど、沙織の言葉だ
最も親しいと言える沙織の言葉
ずっと見てきた、見せてきた
だからこそ、それは考えなければいけないことだった
一人取り残された天乃は
沙織の後を追っていた視線を自分の手元へと向けて
その手を、胸に宛がう
天乃「愛したい、愛されたい? 私が……?」
そんなことをすれば、願えば
本当に限界が来た時に、それを乗り越えてまで力を使えなくなってしまうかもしれないのに
また、銀のように誰かを失うかもしれない
風と樹の両親のように、無関係な人を殺してしまうかもしれないのに
なのに……
天乃「みんなをもう少しちゃんと見る……見てあげてるわ。言われなくたって」
けれど、沙織の言葉だ
最も親しいと言える沙織の言葉
ずっと見てきた、見せてきた
だからこそ、それは考えなければいけないことだった
891: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:36:05.75:uH/AfzJTo (33/44)
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流無()
・ 犬吠埼風:交流有(部室)
・ 犬吠埼樹:交流有(部室)
・ 結城友奈:交流有(部室)
・ 東郷美森:交流有(部室)
・ 三好夏凜:交流有(鍛錬、欠席、する?、同居、海へ、任せる)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(調査、部室へ、同居)
・ 九尾:交流有(調査)
・ 死神:交流無()
・ 稲狐:交流無()
・ 神樹:交流無()
6月12日目 終了時点
乃木園子との絆 53(高い)
犬吠埼風との絆 43(少し高い)
犬吠埼樹との絆 40(少し高い)
結城友奈との絆 58(高い)
東郷美森との絆 42(少し高い)
三好夏凜との絆 60(高い)
乃木若葉との絆 38(中々良い)
土居球子との絆 26(中々良い)
沙織との絆 51(高い)
九尾との絆 43(少し高い)
死神との絆 38(中々良い)
稲狐との絆 30(中々良い)
神樹との絆 9(低い)
汚染度???%
※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流無()
・ 犬吠埼風:交流有(部室)
・ 犬吠埼樹:交流有(部室)
・ 結城友奈:交流有(部室)
・ 東郷美森:交流有(部室)
・ 三好夏凜:交流有(鍛錬、欠席、する?、同居、海へ、任せる)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(調査、部室へ、同居)
・ 九尾:交流有(調査)
・ 死神:交流無()
・ 稲狐:交流無()
・ 神樹:交流無()
6月12日目 終了時点
乃木園子との絆 53(高い)
犬吠埼風との絆 43(少し高い)
犬吠埼樹との絆 40(少し高い)
結城友奈との絆 58(高い)
東郷美森との絆 42(少し高い)
三好夏凜との絆 60(高い)
乃木若葉との絆 38(中々良い)
土居球子との絆 26(中々良い)
沙織との絆 51(高い)
九尾との絆 43(少し高い)
死神との絆 38(中々良い)
稲狐との絆 30(中々良い)
神樹との絆 9(低い)
汚染度???%
※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します
892: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 18:37:12.79:uH/AfzJTo (34/44)
では、いったんここまでとさせていただきます
再開は20時頃を見込んでいます
では、いったんここまでとさせていただきます
再開は20時頃を見込んでいます
893:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 18:38:22.30:N8kgbeVqO (3/3)
一旦乙
ついに夏凛ちゃんの絆がトップに…!
一旦乙
ついに夏凛ちゃんの絆がトップに…!
894: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 20:41:07.55:uH/AfzJTo (35/44)
では、始め行きます
では、始め行きます
895: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 20:42:13.53:uH/AfzJTo (36/44)
√ 6月13日目 朝(自宅) ※土曜日
01~10
11~20 樹海化
21~30
31~40
41~50 沙織
51~60
61~70 樹海化
71~80 夏凜
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
√ 6月13日目 朝(自宅) ※土曜日
01~10
11~20 樹海化
21~30
31~40
41~50 沙織
51~60
61~70 樹海化
71~80 夏凜
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
896:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 20:42:52.87:v8zoGtDm0 (1/2)
わ
わ
897:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 20:43:36.84:3Mc69aWoO (1/3)
あ
あ
898: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 21:12:17.09:uH/AfzJTo (37/44)
昨夜以降、沙織は変わらず猿猴が入り込んだままで
沙織らしさは感じられるが、やはり違和感はある
と言っても、普段から接触することのない大赦職員はもちろんのこと
瞳も、説明するまでは気づかない程度には馴染んでいるらしい
園子は何の疑問も抱かずに即刻看破したが。
天乃「…………」
夏凜「……なによ」
天乃「ううん、別に」
沙織の忠告を聞き入れて
夏凜のことをまじまじと見つめていると
視線を感じた夏凜はやや不機嫌に目を向けて眉を顰める
夏凜「猿猴ならそっち」
天乃「ええ、それは解ってる。気にしないで」
夏凜「気にしないでって……」
沙織はもう少しみんなを見てあげてと言った
それがどんな意味なのか、どこをどう見るのか
それが分からないまま見ているだけでは
なにも変わることはないのかもしれない
昨夜以降、沙織は変わらず猿猴が入り込んだままで
沙織らしさは感じられるが、やはり違和感はある
と言っても、普段から接触することのない大赦職員はもちろんのこと
瞳も、説明するまでは気づかない程度には馴染んでいるらしい
園子は何の疑問も抱かずに即刻看破したが。
天乃「…………」
夏凜「……なによ」
天乃「ううん、別に」
沙織の忠告を聞き入れて
夏凜のことをまじまじと見つめていると
視線を感じた夏凜はやや不機嫌に目を向けて眉を顰める
夏凜「猿猴ならそっち」
天乃「ええ、それは解ってる。気にしないで」
夏凜「気にしないでって……」
沙織はもう少しみんなを見てあげてと言った
それがどんな意味なのか、どこをどう見るのか
それが分からないまま見ているだけでは
なにも変わることはないのかもしれない
899: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 21:21:05.15:uH/AfzJTo (38/44)
天乃「みんなを見る……」
見るよりも前に誰かと話すべきかもしれない
けど、何をどう話すべきなのだろうか
園子「天さん、悩み事?」
悩んでいるように見せたつもりはなかったけれど
天乃とは対照的に左目を向けた園子は、口元でわかる笑みを浮かべる
悩んでいるのか。と聞いているのに
笑っているのはきっと、それが決して悪いことではないと悟っているからだ
天乃「悩んでるっていうか、考え事よね。そう難しいことではないと思ったんだけど」
そもそも、常日頃から行っていることだ
難しいも何もないし、改めてやるようなことでもない
……そう、思ったのだけれど。
園子「難しくないことって言うのは、案外。難しいことなのかもしれないよ~」
天乃「例えば?」
園子「呼吸すること。とか。だって、ただ息を吸って吐くのだって。頭の中、体の中で色んなものが動いてしてるわけだからね~」
天乃「それはそうかもしれないけど」
聞きたい話とは、少しズレている気がする
天乃「みんなを見る……」
見るよりも前に誰かと話すべきかもしれない
けど、何をどう話すべきなのだろうか
園子「天さん、悩み事?」
悩んでいるように見せたつもりはなかったけれど
天乃とは対照的に左目を向けた園子は、口元でわかる笑みを浮かべる
悩んでいるのか。と聞いているのに
笑っているのはきっと、それが決して悪いことではないと悟っているからだ
天乃「悩んでるっていうか、考え事よね。そう難しいことではないと思ったんだけど」
そもそも、常日頃から行っていることだ
難しいも何もないし、改めてやるようなことでもない
……そう、思ったのだけれど。
園子「難しくないことって言うのは、案外。難しいことなのかもしれないよ~」
天乃「例えば?」
園子「呼吸すること。とか。だって、ただ息を吸って吐くのだって。頭の中、体の中で色んなものが動いてしてるわけだからね~」
天乃「それはそうかもしれないけど」
聞きたい話とは、少しズレている気がする
900: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 21:37:19.25:uH/AfzJTo (39/44)
でも、園子らしい考え方だとは思う
当たり前のことだが
何か一つとっても人によって考え方は様々で、見方は様々だ
だったら、沙織が言った見て欲しいと言うのも
沙織なりの何かの見方、考え方の結果その言い方になっただけで
見る。という事だけにとらわれ過ぎるべきではないのかもしれない
天乃「……まったく」
正直解らない
沙織とは長い付き合いだけれど
考え方は意外と違う
以前、恋愛について話した時もそう
ファーストキスは大事だなんだって
天乃とは対照的にすごく、ロマンチストだった
もっとも、本人は全く意識していないが、
意外に、天乃は天乃で乙女チックな人間ではある
天乃「悩んだら相談……それも必要よね」
園子「うんうん~、私にしてくれてもいいんだよ~?」
1、じゃぁ、沙織にもっと相手をよく見てあげてと言われたんだけど、意味わかる?
2、園子は、私が愛し愛されたいと思っているように見える?
3、久遠さんには好きな人がいるように見える?
4、その他の誰かと話す
↓2
※4は再安価
でも、園子らしい考え方だとは思う
当たり前のことだが
何か一つとっても人によって考え方は様々で、見方は様々だ
だったら、沙織が言った見て欲しいと言うのも
沙織なりの何かの見方、考え方の結果その言い方になっただけで
見る。という事だけにとらわれ過ぎるべきではないのかもしれない
天乃「……まったく」
正直解らない
沙織とは長い付き合いだけれど
考え方は意外と違う
以前、恋愛について話した時もそう
ファーストキスは大事だなんだって
天乃とは対照的にすごく、ロマンチストだった
もっとも、本人は全く意識していないが、
意外に、天乃は天乃で乙女チックな人間ではある
天乃「悩んだら相談……それも必要よね」
園子「うんうん~、私にしてくれてもいいんだよ~?」
1、じゃぁ、沙織にもっと相手をよく見てあげてと言われたんだけど、意味わかる?
2、園子は、私が愛し愛されたいと思っているように見える?
3、久遠さんには好きな人がいるように見える?
4、その他の誰かと話す
↓2
※4は再安価
901:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 21:38:10.07:3VArt/gQO (1/3)
3
3
902:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 21:38:18.45:XXrCXpNe0 (1/1)
1
1
903:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 21:38:19.76:IE+KtB+/o (1/1)
4
4
904:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 21:38:20.75:3Mc69aWoO (2/3)
4
4
905:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 21:49:34.79:+ClYlKBIO (5/7)
つーか夏凛に手を出すなら私を!って服脱ぐくらいまでするのに自覚なしって久遠さんもド天然だな
つーか夏凛に手を出すなら私を!って服脱ぐくらいまでするのに自覚なしって久遠さんもド天然だな
906: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 21:51:17.39:uH/AfzJTo (40/44)
天乃「なら、園子」
園子「なにかな?」
天乃「沙織にね? 相手をもう少し見てあげてと言われたの。その意味、分かる?」
天乃から相談されるというのが嬉しいのか
園子はニコニコとした笑みでその話を聞いて
ん~? と、相変わらずな呑気な声を漏らす
園子「さっぱりだよ~、せめて。こんな話の流れで~とか知りたいな~」
天乃「まぁ、そうよね」
流石の園子でもそれは無理だったようで
困ったように言う園子に、天乃は当然のごとく呟く
それでわかるのだとしたら、少し悔しく思ったかもしれない
天乃「恋愛に近い話だったわ」
園子「恋愛か~、それなら天さんは相手の好意に気づけてないよーってことなんじゃないかなぁ?」
天乃「なら、園子」
園子「なにかな?」
天乃「沙織にね? 相手をもう少し見てあげてと言われたの。その意味、分かる?」
天乃から相談されるというのが嬉しいのか
園子はニコニコとした笑みでその話を聞いて
ん~? と、相変わらずな呑気な声を漏らす
園子「さっぱりだよ~、せめて。こんな話の流れで~とか知りたいな~」
天乃「まぁ、そうよね」
流石の園子でもそれは無理だったようで
困ったように言う園子に、天乃は当然のごとく呟く
それでわかるのだとしたら、少し悔しく思ったかもしれない
天乃「恋愛に近い話だったわ」
園子「恋愛か~、それなら天さんは相手の好意に気づけてないよーってことなんじゃないかなぁ?」
907: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 22:01:22.24:uH/AfzJTo (41/44)
天乃「ぅ……」
園子「私はもちろん、にぼっしーのにも気づけてなかったからね~」
天乃「聞こえてたの?」
園子は天乃の恐る恐るな質問に「えへへ~」と嬉しそうに笑って見せる
それは要するに聞こえていた、聞いていたということで
天乃はさっと眼を逸らす
自分の告白ではないが、されているのを聞かれているというのも
それはそれで気恥しいものだからだ
園子「でも、さおりんが言ったならそんな簡単な話でもない気がするなぁ」
天乃「え?」
園子「なんというか、その好意に気づいたその先に注目して欲しい。みたいな」
園子自身も自分の言葉が上手く理解できていないようで
少し待ってと考え込み、
流石さおりんだなぁ。と、楽し気に笑って
園子「つまり、その人から向けられる好意。それに対して自分はどうなのか。それを考えて欲しいんだと思う」
天乃「好意に対する自分の気持ちってこと?」
園子「うん。きっと、さおりんはその第一歩が出来ていない天さんに、まずはそこからって意味でよく見るように言ったんだと思うよ」
天乃「ぅ……」
園子「私はもちろん、にぼっしーのにも気づけてなかったからね~」
天乃「聞こえてたの?」
園子は天乃の恐る恐るな質問に「えへへ~」と嬉しそうに笑って見せる
それは要するに聞こえていた、聞いていたということで
天乃はさっと眼を逸らす
自分の告白ではないが、されているのを聞かれているというのも
それはそれで気恥しいものだからだ
園子「でも、さおりんが言ったならそんな簡単な話でもない気がするなぁ」
天乃「え?」
園子「なんというか、その好意に気づいたその先に注目して欲しい。みたいな」
園子自身も自分の言葉が上手く理解できていないようで
少し待ってと考え込み、
流石さおりんだなぁ。と、楽し気に笑って
園子「つまり、その人から向けられる好意。それに対して自分はどうなのか。それを考えて欲しいんだと思う」
天乃「好意に対する自分の気持ちってこと?」
園子「うん。きっと、さおりんはその第一歩が出来ていない天さんに、まずはそこからって意味でよく見るように言ったんだと思うよ」
908: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 22:11:57.42:uH/AfzJTo (42/44)
天乃「言い返したいけど言い返せない……」
園子や夏凜、それに沙織
それ以外の男子生徒や女子生徒達
みんなから言われて初めて、その好意に気づいた
ううん、気づいていたかもしれないけれど
そんなことはない、それは違うと否定してきた
そして、沙織はそこに新しく、
私は人を好きになってはいけないと決めつけて
自分の気持ちを押し隠していると言った
天乃「私の気持ち……」
園子「うん」
天乃「みんなと……というのは駄目なのかしら」
園子「解らない状態で言われても分からないけど、接着剤がしっかりしていれば。全部くっつけることもできるんじゃないかな~」
半ば適当に
でも天乃の疑問にはしっかりと答えを出した園子は
相変わらずの笑みを浮かべていた
天乃「言い返したいけど言い返せない……」
園子や夏凜、それに沙織
それ以外の男子生徒や女子生徒達
みんなから言われて初めて、その好意に気づいた
ううん、気づいていたかもしれないけれど
そんなことはない、それは違うと否定してきた
そして、沙織はそこに新しく、
私は人を好きになってはいけないと決めつけて
自分の気持ちを押し隠していると言った
天乃「私の気持ち……」
園子「うん」
天乃「みんなと……というのは駄目なのかしら」
園子「解らない状態で言われても分からないけど、接着剤がしっかりしていれば。全部くっつけることもできるんじゃないかな~」
半ば適当に
でも天乃の疑問にはしっかりと答えを出した園子は
相変わらずの笑みを浮かべていた
909: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 22:19:28.27:uH/AfzJTo (43/44)
√ 6月13日目 昼(自宅) ※土曜日
1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、園子
6、夏凜
7、沙織
8、瞳
9、その他 精霊 ※再安価
0、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
11、イベント判定
↓2
√ 6月13日目 昼(自宅) ※土曜日
1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、園子
6、夏凜
7、沙織
8、瞳
9、その他 精霊 ※再安価
0、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
11、イベント判定
↓2
910:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:19:52.95:3VArt/gQO (2/3)
11
11
911:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:20:11.06:v8zoGtDm0 (2/2)
6
6
912:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:22:14.19:+ClYlKBIO (6/7)
1
1
913: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/15(日) 22:40:00.12:uH/AfzJTo (44/44)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夕方か夜。あるいは14日目
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夕方か夜。あるいは14日目
914:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:43:41.73:3VArt/gQO (3/3)
乙
さおりんは猿猴通じて勇者にはなれないんだろうか
乙
さおりんは猿猴通じて勇者にはなれないんだろうか
915:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:46:10.76:+ClYlKBIO (7/7)
乙
もうゴールしてもいいよね…?
乙
もうゴールしてもいいよね…?
916:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/15(日) 22:49:53.51:3Mc69aWoO (3/3)
乙
久遠さんも銀を失ったトラウマを完全に克服できた訳ではないからなぁ
なかなか気づきにくいのは無理もないかもしれんが…さてどうする
乙
久遠さんも銀を失ったトラウマを完全に克服できた訳ではないからなぁ
なかなか気づきにくいのは無理もないかもしれんが…さてどうする
917:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/16(月) 20:09:18.27:9lW9qsVQO (1/2)
キスしたけど結果的に超的確なアドバイスもらったな
キスしたけど結果的に超的確なアドバイスもらったな
918: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/16(月) 22:35:46.42:wefm8+TZo (1/5)
でははじめていきます
でははじめていきます
919:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/16(月) 22:37:37.56:D7ukO6UfO (1/2)
ほいよ
ほいよ
920: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/16(月) 22:42:01.32:wefm8+TZo (2/5)
天乃「あれからどう?」
夏凜「あれからどうって?」
天乃「沙織……というか猿候。何かしてきたり、してたりしない?」
天乃は車椅子ゆえ、
基本的には自室で園子と二人きりで居ることが多い
その一方で、夏凜や沙織、瞳は各部屋を自由に動き回ることが出来る為
天乃の目の届かないところに居ることが多いのだ
もちろん、猿候は契約があるからと我慢してくれているのはわかるが
だからといって安心できるわけではない
すでに前科があるからだ
夏凜「今のところは特に……って言っても」
夏凜は何か気になることがあるのだろう
物思いに耽るように視線をさ迷わせる
夏凜「今日はなんかぼうっとしてんのよ。なに考えてるんだかわかったもんじゃない」
天乃「あれからどう?」
夏凜「あれからどうって?」
天乃「沙織……というか猿候。何かしてきたり、してたりしない?」
天乃は車椅子ゆえ、
基本的には自室で園子と二人きりで居ることが多い
その一方で、夏凜や沙織、瞳は各部屋を自由に動き回ることが出来る為
天乃の目の届かないところに居ることが多いのだ
もちろん、猿候は契約があるからと我慢してくれているのはわかるが
だからといって安心できるわけではない
すでに前科があるからだ
夏凜「今のところは特に……って言っても」
夏凜は何か気になることがあるのだろう
物思いに耽るように視線をさ迷わせる
夏凜「今日はなんかぼうっとしてんのよ。なに考えてるんだかわかったもんじゃない」
921: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/16(月) 22:44:11.78:wefm8+TZo (3/5)
天乃と契約し、キスをした沙織は
三好さんとのキスとは違う。と言い、何かに気づいた様子で
そして、考え込んで、表に沙織が戻ってくるというようなことにまでなった昨夜
呆然としているのはその件がまだ、片付いていないからかもしれない
夏凜「だから、少なくとも悪さはしてないわよ」
天乃「そう……なら安心。なのかしら」
契約があるから手を出したり出来ない
だから解決も出来なくて悩んでいるのかもしれないが
だからといって、天乃は契約破棄をするつもりは無い
それをしたら、みんなが被害に遭うからだ
当然、今目の前に居る夏凜も……
夏凜「それで?」
天乃「え?」
夏凜「え? じゃ無いわよ。あんたもでしょ。様子がおかしいのは」
天乃と契約し、キスをした沙織は
三好さんとのキスとは違う。と言い、何かに気づいた様子で
そして、考え込んで、表に沙織が戻ってくるというようなことにまでなった昨夜
呆然としているのはその件がまだ、片付いていないからかもしれない
夏凜「だから、少なくとも悪さはしてないわよ」
天乃「そう……なら安心。なのかしら」
契約があるから手を出したり出来ない
だから解決も出来なくて悩んでいるのかもしれないが
だからといって、天乃は契約破棄をするつもりは無い
それをしたら、みんなが被害に遭うからだ
当然、今目の前に居る夏凜も……
夏凜「それで?」
天乃「え?」
夏凜「え? じゃ無いわよ。あんたもでしょ。様子がおかしいのは」
922: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/16(月) 22:46:14.82:wefm8+TZo (4/5)
見透かしたわけではないとは思う
けれど、今朝見つめてしまっていたせいか疑問を抱かせてしまったらしい
夏凜は見定めるように眉を潜めると
はぁ……とため息をついて呆れたように顔をそらす
夏凜「どうせ、昨日何かあったんでしょ?」
天乃「どうしてそう思うの?」
夏凜「どうしてって、それは……」
天乃の問いが真面目であることは解っているが
気恥ずかしさを拭うことは出来なくて、頬を掻く
どうして平気でそう聞いてこれるのか
あんな顔して、あんなことを言われて
色々と考えてしまうこともあったのに
それなのにそんなことを言われたら
まるで自意識過剰な女の子みたいではないか
見透かしたわけではないとは思う
けれど、今朝見つめてしまっていたせいか疑問を抱かせてしまったらしい
夏凜は見定めるように眉を潜めると
はぁ……とため息をついて呆れたように顔をそらす
夏凜「どうせ、昨日何かあったんでしょ?」
天乃「どうしてそう思うの?」
夏凜「どうしてって、それは……」
天乃の問いが真面目であることは解っているが
気恥ずかしさを拭うことは出来なくて、頬を掻く
どうして平気でそう聞いてこれるのか
あんな顔して、あんなことを言われて
色々と考えてしまうこともあったのに
それなのにそんなことを言われたら
まるで自意識過剰な女の子みたいではないか
923: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/16(月) 22:53:08.07:wefm8+TZo (5/5)
夏凜「……天乃の事だから。ほかの人には手を出すなって言いかねないじゃない」
しかも、自分の事は好きにして良いから。というオプション付きで。
それはあくまで、夏凜にとっては想像だ
取ってつけた代替台詞といっても良い
本当は、自分の為に猿候と話をしたのではないか。なんて
柄にも無く、あるいは当然に。考えていたからだ
しかし、天乃という人間が誰かの為に力を尽くそうとする
そう言うものであると考えている夏凜のそれは残念ながら、的中している
そうとも知らずに
天乃が少しは変わってくれていることを嬉しそうに
しかしまだまだと言いたげに、夏凜は苦笑して
夏凜「天乃は本当、いろんな意味で目が離せないったらないわ」
1、ごめんね、夏凜……貴女のそれ、間違ってないわ
2、ねぇ、貴女から見て。私は恋をしているように見える?
3、ねぇ……夏凜。今は園子もケアで居ないし……ダメ?
4、沙織がね? 私は誰かに愛されたい、誰かを愛したいって思ってるんだって
5、夏凜はどうして、恋だと思ったの?
6、ふふっ。ごめんね
↓2
夏凜「……天乃の事だから。ほかの人には手を出すなって言いかねないじゃない」
しかも、自分の事は好きにして良いから。というオプション付きで。
それはあくまで、夏凜にとっては想像だ
取ってつけた代替台詞といっても良い
本当は、自分の為に猿候と話をしたのではないか。なんて
柄にも無く、あるいは当然に。考えていたからだ
しかし、天乃という人間が誰かの為に力を尽くそうとする
そう言うものであると考えている夏凜のそれは残念ながら、的中している
そうとも知らずに
天乃が少しは変わってくれていることを嬉しそうに
しかしまだまだと言いたげに、夏凜は苦笑して
夏凜「天乃は本当、いろんな意味で目が離せないったらないわ」
1、ごめんね、夏凜……貴女のそれ、間違ってないわ
2、ねぇ、貴女から見て。私は恋をしているように見える?
3、ねぇ……夏凜。今は園子もケアで居ないし……ダメ?
4、沙織がね? 私は誰かに愛されたい、誰かを愛したいって思ってるんだって
5、夏凜はどうして、恋だと思ったの?
6、ふふっ。ごめんね
↓2
924:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/16(月) 22:53:36.59:Y/F1g1WOO (1/1)
1
1
925:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/16(月) 22:53:55.60:9lW9qsVQO (2/2)
5
5
926:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/16(月) 22:54:10.00:D7ukO6UfO (2/2)
6
6
927: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:01:29.27:Xk56+3kio (1/13)
天乃「夏凜はどうして、恋だと思ったのかなぁって」
嘘だ
本当に思っていたこと、考えていたこと
それはそんなことじゃない
動いた手が、照れ隠しのように唇に触れてそう示す
けれど、
夏凜は怒るだろう。もしかしたら、悲しむだろう
だったら、沙織との契約のことに関しては伏せていた方が良い
天乃はそう考えて、驚きの表情を見せる夏凜に、ほほ笑む
天乃「なんで驚いてるのよ。良いじゃない教えてくれたって」
夏凜「あんたねぇ……何も知らないからって。ほんと、調子乗ってんじゃないわよ」
天乃「?」
夏凜「その何言ってるのって顔が……あぁぁぁぁっ」
怒鳴っても仕方がない
冗談で言っているならともかく
天乃はいたって真面目に【理解できていない】のだから
天乃「夏凜はどうして、恋だと思ったのかなぁって」
嘘だ
本当に思っていたこと、考えていたこと
それはそんなことじゃない
動いた手が、照れ隠しのように唇に触れてそう示す
けれど、
夏凜は怒るだろう。もしかしたら、悲しむだろう
だったら、沙織との契約のことに関しては伏せていた方が良い
天乃はそう考えて、驚きの表情を見せる夏凜に、ほほ笑む
天乃「なんで驚いてるのよ。良いじゃない教えてくれたって」
夏凜「あんたねぇ……何も知らないからって。ほんと、調子乗ってんじゃないわよ」
天乃「?」
夏凜「その何言ってるのって顔が……あぁぁぁぁっ」
怒鳴っても仕方がない
冗談で言っているならともかく
天乃はいたって真面目に【理解できていない】のだから
928: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:01:58.51:Xk56+3kio (2/13)
とはいえ、好意があると伝えてきた相手に
そう思ったのはなぜかなどと聞く神経は
はっきり言って理解が出来ない
それはもはや無神経としか言いようがないし
多分、聞く相手がいないけれど、知りたくて聞いたのだろうが
そうだとしても、流石に夏凜も簡単には答えてあげられない
そんなの「私のどこが好き?」なんて聞かれたのに近いからだ
天乃「夏凜……?」
唐突に悶絶しだした夏凜を前にして
慌てふためく天乃は恐る恐る名前を呼んで
ピクリと反応した夏凜は身もだえるのをやめて、天乃へと目を向けた
夏凜「夏凜? じゃないっての! そんなこと言えるわけないでしょうが」
天乃「でも……」
夏凜「私が園子だとか友奈だとか沙織だとか。そっちにその……アレなら答えるのも吝かじゃないわよ」
とはいえ、好意があると伝えてきた相手に
そう思ったのはなぜかなどと聞く神経は
はっきり言って理解が出来ない
それはもはや無神経としか言いようがないし
多分、聞く相手がいないけれど、知りたくて聞いたのだろうが
そうだとしても、流石に夏凜も簡単には答えてあげられない
そんなの「私のどこが好き?」なんて聞かれたのに近いからだ
天乃「夏凜……?」
唐突に悶絶しだした夏凜を前にして
慌てふためく天乃は恐る恐る名前を呼んで
ピクリと反応した夏凜は身もだえるのをやめて、天乃へと目を向けた
夏凜「夏凜? じゃないっての! そんなこと言えるわけないでしょうが」
天乃「でも……」
夏凜「私が園子だとか友奈だとか沙織だとか。そっちにその……アレなら答えるのも吝かじゃないわよ」
929: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:02:39.92:Xk56+3kio (3/13)
もちろん、それでも十分恥ずかしいが
相談する、されるとなったら話すこともできるはずだ
けれど
そうではない。今疑問を投げかけてきている相手
それこそがこの気持ちの相手なのだ
なれば、答えることなど容易なはずもなく
天乃「そう……よね」
天乃もそれを全く分かっていなかったわけではない
けれど、夏凜なら教えてくれるのではないか
そう思ってしまった。つまり、甘えてしまった
表情に影の差した天乃は
それを振り払うように首を振って笑みを浮かべる
天乃「ごめんなさい、聞くべきじゃない事だって。分かってるはずなのに」
もちろん、それでも十分恥ずかしいが
相談する、されるとなったら話すこともできるはずだ
けれど
そうではない。今疑問を投げかけてきている相手
それこそがこの気持ちの相手なのだ
なれば、答えることなど容易なはずもなく
天乃「そう……よね」
天乃もそれを全く分かっていなかったわけではない
けれど、夏凜なら教えてくれるのではないか
そう思ってしまった。つまり、甘えてしまった
表情に影の差した天乃は
それを振り払うように首を振って笑みを浮かべる
天乃「ごめんなさい、聞くべきじゃない事だって。分かってるはずなのに」
930: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:04:47.01:Xk56+3kio (4/13)
恋愛相談も請け負ってきた天乃としては
客観的にであれば、恋愛について考えることも難しいことではない
だけれども、いざ自分のこととなると全く分からなくなってしまう
客観的な意見を自分に当て嵌めても
あれは違う、これは違う。と
パズルピースの不一致のように次から次へとエラーが重なっていくのだ
だから、言動がまるで初心者のようになる
もっとも、恋愛未経験者という点においては
それで全く相違ないのだが。
夏凜「……………」
天乃「……………」
沈鬱としたその空気を肌に感じ
夏凜はしばらく眼を逸らそうとしていたが
おもむろに息を飲んで、天乃を見る
……本当に、仕方がない奴
でも、そんな奴を自分は。好きになってしまったのだ
恋愛相談も請け負ってきた天乃としては
客観的にであれば、恋愛について考えることも難しいことではない
だけれども、いざ自分のこととなると全く分からなくなってしまう
客観的な意見を自分に当て嵌めても
あれは違う、これは違う。と
パズルピースの不一致のように次から次へとエラーが重なっていくのだ
だから、言動がまるで初心者のようになる
もっとも、恋愛未経験者という点においては
それで全く相違ないのだが。
夏凜「……………」
天乃「……………」
沈鬱としたその空気を肌に感じ
夏凜はしばらく眼を逸らそうとしていたが
おもむろに息を飲んで、天乃を見る
……本当に、仕方がない奴
でも、そんな奴を自分は。好きになってしまったのだ
931: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:05:35.11:Xk56+3kio (5/13)
夏凜「正直、私は沙織のようなロマンに満ちた言葉なんて扱えない」
だから、魅力的ではないし
恋愛においての例えとしては不適切である可能性さえあるが
それでも、夏凜は困ったような笑みを浮かべて
でも。あえて言うなら……そうね。と、切り込みを入れて
夏凜「一緒に居たいって思って、幸せな顔が見たいと思って。そのためならと。どこからともなく得体のしれない活力が湧き出てきたからかしらね」
天乃「……得体のしれない活力。それは、私がみんなのためなら死んでもいい。というのとはわけが違うのよね?」
夏凜「それはボケで言ってんの?」
夏凜の少しばかり怒りを感じる瞳は本気だった
だからそう、その二つは似ていることすらなく、まったく違う思いなのだろう
夏凜「ま、参考になるだなんて思ってはいなかったけど」
天乃「そんなことないわ。だって、夏凜はつまり。その人のことを自分が幸せにしたいって思ったってことでしょう? そのための活力がわいたってことでしょう?」
天乃はいつものように自分ではなく
夏凜と誰か。そんな風に客観的に考えて理解し、言葉を紡ぐ
その、天乃の喜ばしそうな表情には
若干名、怒りを覚えてしまうのだが
夏凜は握りこぶしを作るだけで、息を吐く
夏凜「正直、私は沙織のようなロマンに満ちた言葉なんて扱えない」
だから、魅力的ではないし
恋愛においての例えとしては不適切である可能性さえあるが
それでも、夏凜は困ったような笑みを浮かべて
でも。あえて言うなら……そうね。と、切り込みを入れて
夏凜「一緒に居たいって思って、幸せな顔が見たいと思って。そのためならと。どこからともなく得体のしれない活力が湧き出てきたからかしらね」
天乃「……得体のしれない活力。それは、私がみんなのためなら死んでもいい。というのとはわけが違うのよね?」
夏凜「それはボケで言ってんの?」
夏凜の少しばかり怒りを感じる瞳は本気だった
だからそう、その二つは似ていることすらなく、まったく違う思いなのだろう
夏凜「ま、参考になるだなんて思ってはいなかったけど」
天乃「そんなことないわ。だって、夏凜はつまり。その人のことを自分が幸せにしたいって思ったってことでしょう? そのための活力がわいたってことでしょう?」
天乃はいつものように自分ではなく
夏凜と誰か。そんな風に客観的に考えて理解し、言葉を紡ぐ
その、天乃の喜ばしそうな表情には
若干名、怒りを覚えてしまうのだが
夏凜は握りこぶしを作るだけで、息を吐く
932: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:09:24.63:Xk56+3kio (6/13)
夏凜「あんたはいないわけ? こう……一緒にいると熱くなれるというか幸せになれるような、やつ」
天乃「私……には」
いるのだろうか?いや、いると言えばいる
熱くなれるのかどうかは別として
友奈達や沙織と一緒にいる時は日常を感じられて、幸せを感じるし
園子といる時はほのぼのとした穏やかさを感じられるのが好きだ
夏凜といる時はいつもより甘えてしまう、喜怒哀楽が激しくなってしまう
けれども、そう……決して不幸せではない
その中の誰かが好きなのだろうか
その中にいる誰かを愛したいと思っているのだろうか?
それとも……
1、いるけど。恋愛としては。どうなのかしら
2、友奈達。かしら
3、園子かしら
4、沙織かしら
5、貴女……かも?
6、どうかしら、良く分からないわ
↓2
夏凜「あんたはいないわけ? こう……一緒にいると熱くなれるというか幸せになれるような、やつ」
天乃「私……には」
いるのだろうか?いや、いると言えばいる
熱くなれるのかどうかは別として
友奈達や沙織と一緒にいる時は日常を感じられて、幸せを感じるし
園子といる時はほのぼのとした穏やかさを感じられるのが好きだ
夏凜といる時はいつもより甘えてしまう、喜怒哀楽が激しくなってしまう
けれども、そう……決して不幸せではない
その中の誰かが好きなのだろうか
その中にいる誰かを愛したいと思っているのだろうか?
それとも……
1、いるけど。恋愛としては。どうなのかしら
2、友奈達。かしら
3、園子かしら
4、沙織かしら
5、貴女……かも?
6、どうかしら、良く分からないわ
↓2
933:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 00:09:35.72:eOCNAUP8O (1/3)
1
1
934:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 00:09:42.29:e/mxaQkMO (1/3)
5
5
935:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 00:10:30.54:eOCNAUP8O (2/3)
ぶっこんだなwwwwww
ぶっこんだなwwwwww
936: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 00:17:27.13:Xk56+3kio (7/13)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「それにしても、若葉さんからは懐かしい匂いがするよ」
若葉「なに……?」
沙織「あたしの左腕が疼く、とても強く……そっか。そうなんだ……」
若葉「な、なにが……」
沙織「若葉さん、中にアレを飼ってるね?」
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「それにしても、若葉さんからは懐かしい匂いがするよ」
若葉「なに……?」
沙織「あたしの左腕が疼く、とても強く……そっか。そうなんだ……」
若葉「な、なにが……」
沙織「若葉さん、中にアレを飼ってるね?」
937:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 00:19:01.76:eOCNAUP8O (3/3)
乙
夏凛の反応が楽しみ
乙
夏凛の反応が楽しみ
938:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 00:25:56.32:e/mxaQkMO (2/3)
乙
乙
939:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 14:26:36.79:5greGZaio (1/1)
ついに自覚するかな?
いい加減身も心も久遠さんは救われるべき
ついに自覚するかな?
いい加減身も心も久遠さんは救われるべき
940:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 17:59:41.93:e/mxaQkMO (3/3)
猿猴と夏凛のキスが違ったのってやっぱり夏凛がまんざらでもなかったからかね?
猿猴と夏凛のキスが違ったのってやっぱり夏凛がまんざらでもなかったからかね?
941:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 20:01:45.70:Xdh8T8D8O (1/2)
今日はえんだああああああって言ってもいいのか?
今日はえんだああああああって言ってもいいのか?
942: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 22:14:06.91:Xk56+3kio (8/13)
では、はじめていきます
では、はじめていきます
943:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 22:18:21.82:19suBRImO (1/3)
かもん
かもん
944: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 22:26:54.07:Xk56+3kio (9/13)
天乃「貴女……かも?」
夏凜「は?」
天乃「うん、そう……なのかも」
疑問系で答えた天乃は
夏凜の驚きには目もくれることなく
もう一度考え込むように目を伏せて、うなずく
沙織や園子、友奈達と居るのももちろん楽しいし
みんなが幸せそうにしているというのは、見ていて嬉しく思う
それはやはり、幸せというものではあるのだろうし
温かい気持ちになることも出来る
護れているんだと、救えているんだと。安堵することが出来る
しかし、
そこには天乃の贖罪が少なからず含まれてしまっている
どこか遠いのだ
友奈たちの幸せと、それを見る自分の幸福というのは。
天乃自身、好きなたとえ方ではないが
幼子を見る老夫婦のような、そんな近くて遠い感覚
その子の未来に自分は居ないであろう事を知りながら
しかしその子の幸福を願い、喜ぶ。そんな、感覚
天乃「貴女……かも?」
夏凜「は?」
天乃「うん、そう……なのかも」
疑問系で答えた天乃は
夏凜の驚きには目もくれることなく
もう一度考え込むように目を伏せて、うなずく
沙織や園子、友奈達と居るのももちろん楽しいし
みんなが幸せそうにしているというのは、見ていて嬉しく思う
それはやはり、幸せというものではあるのだろうし
温かい気持ちになることも出来る
護れているんだと、救えているんだと。安堵することが出来る
しかし、
そこには天乃の贖罪が少なからず含まれてしまっている
どこか遠いのだ
友奈たちの幸せと、それを見る自分の幸福というのは。
天乃自身、好きなたとえ方ではないが
幼子を見る老夫婦のような、そんな近くて遠い感覚
その子の未来に自分は居ないであろう事を知りながら
しかしその子の幸福を願い、喜ぶ。そんな、感覚
945: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 22:35:40.19:Xk56+3kio (10/13)
それはつまり、【一緒に居て】幸せなのではなく
そこに【自分が居なくても】幸せな気持ちになれるということ
それは、夏凜が聞きたいこととは違う
そう考えたとき、誰と一緒に居るのが幸せなのかと考えたとき
思い浮かんだのが、夏凜だった
もちろん、いろんなことがあって、一緒に居たすべてが楽しいとか幸せだとか
そんなとても恵まれたものではないけれど、でも
友奈達の日常に自分という異物を感じる中で
夏凜の存在はそこに自分達のグループを作ってくれたのだ
それは意識なんてしていないだろうし、本人が望んだことではきっと無い
しかし大赦のため、勇者になるため
ただただ鍛錬に時間を費やしてきた三好夏凜というイレギュラーは
天乃にとっては、無くてはならない存在だった
少なくとも。日常になった非日常を肯定する久遠天乃では無く
非日常になってしまった日常をまだ、夢見ている久遠天乃という少女には。
それはつまり、【一緒に居て】幸せなのではなく
そこに【自分が居なくても】幸せな気持ちになれるということ
それは、夏凜が聞きたいこととは違う
そう考えたとき、誰と一緒に居るのが幸せなのかと考えたとき
思い浮かんだのが、夏凜だった
もちろん、いろんなことがあって、一緒に居たすべてが楽しいとか幸せだとか
そんなとても恵まれたものではないけれど、でも
友奈達の日常に自分という異物を感じる中で
夏凜の存在はそこに自分達のグループを作ってくれたのだ
それは意識なんてしていないだろうし、本人が望んだことではきっと無い
しかし大赦のため、勇者になるため
ただただ鍛錬に時間を費やしてきた三好夏凜というイレギュラーは
天乃にとっては、無くてはならない存在だった
少なくとも。日常になった非日常を肯定する久遠天乃では無く
非日常になってしまった日常をまだ、夢見ている久遠天乃という少女には。
946: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 23:26:25.11:Xk56+3kio (11/13)
だから、一緒に居ることが楽しいと思えた
傍に居てくれることが心強く、傍から消えてしまうことが心細い
一緒に居ることで【その空間の】自分を含めた幸せというものを感じることが出来る
でも、果たしてそれが恋心というものなのだろうか?
これが、恋愛的な好きという気持ちなのだろうか?
ドキドキとしない、血が沸き立つような熱も無い
悪く言えば淡々としたこれが、恋なのだろうか?
いや、違うはずだ
そう思うからこそ、天乃は戸惑う。困惑する
ならば結局、自分は誰に恋をしているのだろうか?と
天乃「でもね? 恋ではないような気がする……」
夏凜「え?」
天乃「この一緒に居ると幸せだって気持ちは。多分、恋をしてない」
だから、一緒に居ることが楽しいと思えた
傍に居てくれることが心強く、傍から消えてしまうことが心細い
一緒に居ることで【その空間の】自分を含めた幸せというものを感じることが出来る
でも、果たしてそれが恋心というものなのだろうか?
これが、恋愛的な好きという気持ちなのだろうか?
ドキドキとしない、血が沸き立つような熱も無い
悪く言えば淡々としたこれが、恋なのだろうか?
いや、違うはずだ
そう思うからこそ、天乃は戸惑う。困惑する
ならば結局、自分は誰に恋をしているのだろうか?と
天乃「でもね? 恋ではないような気がする……」
夏凜「え?」
天乃「この一緒に居ると幸せだって気持ちは。多分、恋をしてない」
947: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 23:28:43.94:Xk56+3kio (12/13)
戸惑いのままに言う天乃に
期待させられ、期待を打ち砕かれた夏凜は
同様に困惑した様子で天乃を見つめ、眉を潜める
答えを知りたい。はっきりして欲しい
そう思わないといえば嘘になるけれど
無理強いしたところで、欲しい答えを得ることなどできはしないだろう
夏凜「無理する必要はないんじゃないの? 別に、今すぐ答えが欲しいとか。思ってないし」
天乃「でも……」
夏凜「良いから。無理すんな」
本当は気になっているだろう
聞きたいだろう
それでも、ほんの少し困ったように笑うだけで夏凜は気遣ってくれる
それがとても嬉しくて、
体の奥底で、心の中で燻るものを感じて
天乃はそっと眼を逸らす
天乃「何よ、夏凜の癖に」
1、……ねぇ。する?
2、ありがと。もう少し。考えてみる
3、でも、貴女がいてくれて助かったのは事実よ
4、そんな貴女だから。私は幸せになれるのよ
5、今ちょっぴり。ドキッとしちゃった
↓2
戸惑いのままに言う天乃に
期待させられ、期待を打ち砕かれた夏凜は
同様に困惑した様子で天乃を見つめ、眉を潜める
答えを知りたい。はっきりして欲しい
そう思わないといえば嘘になるけれど
無理強いしたところで、欲しい答えを得ることなどできはしないだろう
夏凜「無理する必要はないんじゃないの? 別に、今すぐ答えが欲しいとか。思ってないし」
天乃「でも……」
夏凜「良いから。無理すんな」
本当は気になっているだろう
聞きたいだろう
それでも、ほんの少し困ったように笑うだけで夏凜は気遣ってくれる
それがとても嬉しくて、
体の奥底で、心の中で燻るものを感じて
天乃はそっと眼を逸らす
天乃「何よ、夏凜の癖に」
1、……ねぇ。する?
2、ありがと。もう少し。考えてみる
3、でも、貴女がいてくれて助かったのは事実よ
4、そんな貴女だから。私は幸せになれるのよ
5、今ちょっぴり。ドキッとしちゃった
↓2
948:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 23:29:19.27:YVDA76jJO (1/2)
2
2
949:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 23:29:25.81:Xdh8T8D8O (2/2)
1
1
950:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 23:31:43.82:19suBRImO (2/3)
3
3
951: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/17(火) 23:37:18.25:Xk56+3kio (13/13)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
あと一歩、それで決定
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
あと一歩、それで決定
952:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 23:42:36.58:19suBRImO (3/3)
乙
ついに夏凛ちゃんと性的に交わる時が来たのだろうか…
乙
ついに夏凛ちゃんと性的に交わる時が来たのだろうか…
953:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/17(火) 23:42:52.37:YVDA76jJO (2/2)
乙
この鉄壁っぷりには夏凛も苦労するよ
乙
この鉄壁っぷりには夏凛も苦労するよ
954:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 00:17:37.95:eu25Ox6DO (1/2)
乙
次スレまでにはつっつくんだろうか…
乙
次スレまでにはつっつくんだろうか…
955: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:49:20.47:dzcCgNxco (1/10)
では、少しだけ
では、少しだけ
956:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 22:50:22.11:FJytJzolO (1/4)
よしきた
よしきた
957: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:52:22.14:dzcCgNxco (2/10)
天乃「……ねぇ、夏凜。する?」
夏凜「は……な、なに言ってんのよ。あんた」
驚きながらも、満更でもなさそうな夏凜を見つめ、天乃はそっと。夏凜の袖を掴む
仕草に悪戯心はあれ、本心では本当にしてみたいと思っていた
無理矢理ではなく、同意の上で、悲しさの無い、普通のキスを
天乃「ドキドキするから。温かさを感じるから。したら、少しは得られる物がある気がするの」
夏凜「っ……」
キスが好きになったわけではない。と思う
昨夜のキスを拭って欲しいわけでもない
けれど
誰かとのかかわりの中で、ドキドキすることは色々とあったが
そのどれにも属さない高揚感のようなものを得られたのが、キスだった
最初はとても辛くて、悲しいキスだった
でも、園子や夏凜、沙織とすることで
そんな辛さや悲しさだけでなく、心地よさもあると知った
それが、今まで客観的にしか見てこなかった、感じてこなかった
恋愛感情というものなのかどうかはまだ定かではない
だからこそもう一度
同意の上で、唇を触れ合わせてみたいと思った
天乃「……ねぇ、夏凜。する?」
夏凜「は……な、なに言ってんのよ。あんた」
驚きながらも、満更でもなさそうな夏凜を見つめ、天乃はそっと。夏凜の袖を掴む
仕草に悪戯心はあれ、本心では本当にしてみたいと思っていた
無理矢理ではなく、同意の上で、悲しさの無い、普通のキスを
天乃「ドキドキするから。温かさを感じるから。したら、少しは得られる物がある気がするの」
夏凜「っ……」
キスが好きになったわけではない。と思う
昨夜のキスを拭って欲しいわけでもない
けれど
誰かとのかかわりの中で、ドキドキすることは色々とあったが
そのどれにも属さない高揚感のようなものを得られたのが、キスだった
最初はとても辛くて、悲しいキスだった
でも、園子や夏凜、沙織とすることで
そんな辛さや悲しさだけでなく、心地よさもあると知った
それが、今まで客観的にしか見てこなかった、感じてこなかった
恋愛感情というものなのかどうかはまだ定かではない
だからこそもう一度
同意の上で、唇を触れ合わせてみたいと思った
958: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:56:15.85:dzcCgNxco (3/10)
天乃「……だめ?」
夏凜の戸惑っている表情、困っている表情
断られそうな雰囲気が、なぜか不安になる。なぜか、怖い
その動悸を胸に感じて恐る恐る見上げて問うと
夏凜は躊躇いのわかる表情で目を伏せる
夏凜「本当に、良いわけ?」
天乃「え?」
夏凜「だから! だから……その、何かがあったからとかじゃなくて。純粋に、あんたが……」
声は次第にフェードアウトしていき
夏凜自身、それを自覚したからか
なにをやっているのかと苛立たしげに顔をしかめて、息を吐く
夏凜「……純粋に、あんたがそう、思ってんの?」
天乃「そうって、ドキドキするかどうか? それなら――」
夏凜「いや、その前」
天乃「……だめ?」
夏凜の戸惑っている表情、困っている表情
断られそうな雰囲気が、なぜか不安になる。なぜか、怖い
その動悸を胸に感じて恐る恐る見上げて問うと
夏凜は躊躇いのわかる表情で目を伏せる
夏凜「本当に、良いわけ?」
天乃「え?」
夏凜「だから! だから……その、何かがあったからとかじゃなくて。純粋に、あんたが……」
声は次第にフェードアウトしていき
夏凜自身、それを自覚したからか
なにをやっているのかと苛立たしげに顔をしかめて、息を吐く
夏凜「……純粋に、あんたがそう、思ってんの?」
天乃「そうって、ドキドキするかどうか? それなら――」
夏凜「いや、その前」
959: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:56:58.94:dzcCgNxco (4/10)
疑問符を浮かべながら応えようとする天乃に
夏凜は少しだけ調子を取り戻した表情で、訂正する
……その前?
少し考えて、間をおいて
天乃「温かさ?」
夏凜「進んでる」
天乃「するかどうか?」
夏凜「それ」
呆れ交じりの満足げな表情
やれば出来るじゃない。とでも言いそうな表情
夏凜のそれを見ながら、天乃は自分の唇に触れる
天乃「そうね……」
昨夜のキス。それはとても鮮明で
辛く、苦しく悲しいものだった
けれど
天乃「私は純粋に。夏凜とキスがしたい」
だからといって拭うためにキスをするのではないと
天乃は確信を持って、言う
疑問符を浮かべながら応えようとする天乃に
夏凜は少しだけ調子を取り戻した表情で、訂正する
……その前?
少し考えて、間をおいて
天乃「温かさ?」
夏凜「進んでる」
天乃「するかどうか?」
夏凜「それ」
呆れ交じりの満足げな表情
やれば出来るじゃない。とでも言いそうな表情
夏凜のそれを見ながら、天乃は自分の唇に触れる
天乃「そうね……」
昨夜のキス。それはとても鮮明で
辛く、苦しく悲しいものだった
けれど
天乃「私は純粋に。夏凜とキスがしたい」
だからといって拭うためにキスをするのではないと
天乃は確信を持って、言う
960: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:58:32.11:dzcCgNxco (5/10)
天乃「言ったでしょ?」
袖を手放して、ゆっくりと離れながら
そよ風のように穏やかな声を発する
ひとまず断られていないという安堵が、心を落ち着けてくれるからだ
天乃「得られる物があるかもしれないって。でも。それは、貴女がしたくない状態じゃダメだと思うの」
そう言って、自分が言っていることが
夏凜にとっては好意を利用されようとしているようなものだと気づく
だけど、夏凜にキスを求める時点で
夏凜の気持ちを知ってしまった時点で
なにを言おうと、現段階では利用するようなものだから
天乃「……貴女にとっては利用されるようなものかもしれない。でも」
天乃は無意識に申しわけなさを抱いて、
切なげで儚げな表情で夏凜を見つめる
……利用する気なんて無い
私は、私はただ知りたいだけ。教えて欲しいだけ
天乃「お願い、私に恋を教えて」
天乃「言ったでしょ?」
袖を手放して、ゆっくりと離れながら
そよ風のように穏やかな声を発する
ひとまず断られていないという安堵が、心を落ち着けてくれるからだ
天乃「得られる物があるかもしれないって。でも。それは、貴女がしたくない状態じゃダメだと思うの」
そう言って、自分が言っていることが
夏凜にとっては好意を利用されようとしているようなものだと気づく
だけど、夏凜にキスを求める時点で
夏凜の気持ちを知ってしまった時点で
なにを言おうと、現段階では利用するようなものだから
天乃「……貴女にとっては利用されるようなものかもしれない。でも」
天乃は無意識に申しわけなさを抱いて、
切なげで儚げな表情で夏凜を見つめる
……利用する気なんて無い
私は、私はただ知りたいだけ。教えて欲しいだけ
天乃「お願い、私に恋を教えて」
961: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 22:59:24.54:dzcCgNxco (6/10)
夏凜「そこまで……思いつめる事かっての」
そんな天乃に対して、
夏凜は困ったように笑うとベッドに下りた天乃の手に手を重ねて
そっと、顔を近づけていく
上手く出来ているだろうか、これは正しいことなのだろうか
色々と考えてしまうことがある
そんな邪魔なものをすべて
頭の中から払い除けて、目の前に見える天乃の顔を記憶にとどめ
鍛えて得た気配を辿って、より近づけていく
天乃「………ん」
近づく夏凜がゆっくりと目を閉じて
それでも近づいて来るのがみえた天乃は
触れられた手から感じる熱とともに高まりつつある鼓動を感じて
こういうことなのかな、これがそうなのかな
そう考えながら、しかし、今は。と目を瞑って夏凜との接触を待つ
夏凜「そこまで……思いつめる事かっての」
そんな天乃に対して、
夏凜は困ったように笑うとベッドに下りた天乃の手に手を重ねて
そっと、顔を近づけていく
上手く出来ているだろうか、これは正しいことなのだろうか
色々と考えてしまうことがある
そんな邪魔なものをすべて
頭の中から払い除けて、目の前に見える天乃の顔を記憶にとどめ
鍛えて得た気配を辿って、より近づけていく
天乃「………ん」
近づく夏凜がゆっくりと目を閉じて
それでも近づいて来るのがみえた天乃は
触れられた手から感じる熱とともに高まりつつある鼓動を感じて
こういうことなのかな、これがそうなのかな
そう考えながら、しかし、今は。と目を瞑って夏凜との接触を待つ
962: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 23:00:20.74:dzcCgNxco (7/10)
それから、時間を置くこともなく唇に感触を感じて、
重なり合った左手と右手、正反対に寂しい右手と左手を
二人ともそうしたいと思っていたように
まるで、目に見えているかのように
二人で一人であるのかと思わせるように
迷うことなく繋ぎ合う
夏凜「……っ」
天乃「は……」
5秒、10秒
短くて長い接触をした二人は
熱っぽい吐息をぶつけ合いながら離れると
何も言わずにもう一度、唇を触れ合わせて
握り合った手に込めた力を少しだけ強くする
それから、時間を置くこともなく唇に感触を感じて、
重なり合った左手と右手、正反対に寂しい右手と左手を
二人ともそうしたいと思っていたように
まるで、目に見えているかのように
二人で一人であるのかと思わせるように
迷うことなく繋ぎ合う
夏凜「……っ」
天乃「は……」
5秒、10秒
短くて長い接触をした二人は
熱っぽい吐息をぶつけ合いながら離れると
何も言わずにもう一度、唇を触れ合わせて
握り合った手に込めた力を少しだけ強くする
963: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 23:01:55.64:dzcCgNxco (8/10)
もう少し強く繋がりたい
もう少し長くこうしていたい
もう少し、もう少し
そう催促する心を感じる天乃は唇だけを離す
すると、夏凜はそれを追いかけるように顔を近づけて
けれど、唇はつけることなく額と額をぶつけ合う
天乃「ん……」
夏凜「……どう?」
天乃「ドキドキする」
夏凜「体は?」
天乃「少し……」
極限まで近い夏凜の視界には僅かに天乃の顔色が見えるが
そうでなくても額から伝わる熱を感じて
夏凜は自分との交わりによって見いだせていることが嬉しくて
夏凜「……する?」
ほんの少しだけ、欲を持つ
1、する
2、見られるかもしれないから、やめておく
↓2
もう少し強く繋がりたい
もう少し長くこうしていたい
もう少し、もう少し
そう催促する心を感じる天乃は唇だけを離す
すると、夏凜はそれを追いかけるように顔を近づけて
けれど、唇はつけることなく額と額をぶつけ合う
天乃「ん……」
夏凜「……どう?」
天乃「ドキドキする」
夏凜「体は?」
天乃「少し……」
極限まで近い夏凜の視界には僅かに天乃の顔色が見えるが
そうでなくても額から伝わる熱を感じて
夏凜は自分との交わりによって見いだせていることが嬉しくて
夏凜「……する?」
ほんの少しだけ、欲を持つ
1、する
2、見られるかもしれないから、やめておく
↓2
964:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:02:28.47:tpw6bHYcO (1/3)
1
1
965:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:02:37.49:eu25Ox6DO (2/2)
1
1
966:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:02:49.51:FJytJzolO (2/4)
1
1
967: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 23:10:28.28:dzcCgNxco (9/10)
01~10 園子
11~20 沙織
21~30
31~40
41~50 園子
51~60
61~70
71~80 瞳
81~90
91~00 大赦
↓1のコンマ
01~10 園子
11~20 沙織
21~30
31~40
41~50 園子
51~60
61~70
71~80 瞳
81~90
91~00 大赦
↓1のコンマ
968:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:10:44.68:tpw6bHYcO (2/3)
あ
あ
969:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:10:51.75:FJytJzolO (3/4)
あ
あ
970: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/18(水) 23:18:28.54:dzcCgNxco (10/10)
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
瞳「園子様……?」
園子「しー、今いいところだよ~」
沙織「?」
園子「邪魔は許さないよ」
沙織「う、うん……」
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
瞳「園子様……?」
園子「しー、今いいところだよ~」
沙織「?」
園子「邪魔は許さないよ」
沙織「う、うん……」
971:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:23:12.61:tpw6bHYcO (3/3)
乙
久遠さんがついに恋を教えられる!?
乙
久遠さんがついに恋を教えられる!?
972:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/18(水) 23:24:02.78:FJytJzolO (4/4)
乙
キスしてたら誰かと鉢合わせしてくる展開も見てみたかった
乙
キスしてたら誰かと鉢合わせしてくる展開も見てみたかった
973:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 00:20:16.21:6Kgd4u8kO (1/1)
このスレのいちゃラブパートほんとにいいなあ
このスレのいちゃラブパートほんとにいいなあ
974:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 08:24:24.77:0kTcTfojO (1/1)
語彙力無いからあれだけどこのスレのいちゃラブは尊いとだけは言える
語彙力無いからあれだけどこのスレのいちゃラブは尊いとだけは言える
975:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 19:02:01.88:RWiOZ/feo (1/1)
キス求めながら袖掴むってポイント高すぎるし
切ない表情で恋を教えてとか狡いわそんなの
童貞じゃなくても落ちるだろ
キス求めながら袖掴むってポイント高すぎるし
切ない表情で恋を教えてとか狡いわそんなの
童貞じゃなくても落ちるだろ
976: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:22:04.68:jDzoeARro (1/9)
では、初めて行きます
では、初めて行きます
977:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 22:26:20.19:5Ue9TC92O (1/3)
いえす
いえす
978: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:26:32.76:jDzoeARro (2/9)
天乃「……ん」
うん。とか、する。とか。言葉にするのが恥ずかしくて
言葉にせず頷くと、夏凜は何も返すことなく
応えるように天乃の手に重ねる右手で、左手を掴む
離れないで、このままで居て
そんな気持ちが伝わってきたような気がして、目を瞑る
夏凜「天乃」
ボソッっと耳元で囁かれた名前が鼓膜のみならず、心を振るわせる
それがまた、不思議なくらいに温かい
ドキドキとする。全身から沸き立つような熱
不安のない、暗闇、きっと。きっと。そう、これが……そう
天乃「んっ」
唇が重なる。今度は少し力強く
夏凜の押し付けるような力に反抗せずに
逃げることなく、支えるように受け止めながら
ゆっくりと体を寝かせていくと
夏凜の手と繋がった右手がベッドに置かれて
少しずつ、丁寧な重さがのしかかってきてベッドが軋む
天乃「……ん」
うん。とか、する。とか。言葉にするのが恥ずかしくて
言葉にせず頷くと、夏凜は何も返すことなく
応えるように天乃の手に重ねる右手で、左手を掴む
離れないで、このままで居て
そんな気持ちが伝わってきたような気がして、目を瞑る
夏凜「天乃」
ボソッっと耳元で囁かれた名前が鼓膜のみならず、心を振るわせる
それがまた、不思議なくらいに温かい
ドキドキとする。全身から沸き立つような熱
不安のない、暗闇、きっと。きっと。そう、これが……そう
天乃「んっ」
唇が重なる。今度は少し力強く
夏凜の押し付けるような力に反抗せずに
逃げることなく、支えるように受け止めながら
ゆっくりと体を寝かせていくと
夏凜の手と繋がった右手がベッドに置かれて
少しずつ、丁寧な重さがのしかかってきてベッドが軋む
979: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:29:51.84:jDzoeARro (3/9)
温かい日差しを注ぐ太陽さえも
邪魔をするなというように、通りすがりの雲が目隠しをする
昼間とは思えない薄暗さ。けれど、二人には関係ない
天乃の右目には夏凜しか映っていないから
夏凜の両目には、天乃しか映っていないから
その手に、その体に感じるのも、互いの体温だけ
天乃「ん……んぅ」
夏凜「っふ……」
名残を惜しむように、ほんの少しだけ離れて空気を取り込む
そしてまた同じように。少しだけ角度を変えて唇を重ね合わせる
唇の端までもしっかりと密着させたい。そんな、欲張りな思いを抱く夏凜の動きを
天乃はただ、黙って受け入れる
温かい日差しを注ぐ太陽さえも
邪魔をするなというように、通りすがりの雲が目隠しをする
昼間とは思えない薄暗さ。けれど、二人には関係ない
天乃の右目には夏凜しか映っていないから
夏凜の両目には、天乃しか映っていないから
その手に、その体に感じるのも、互いの体温だけ
天乃「ん……んぅ」
夏凜「っふ……」
名残を惜しむように、ほんの少しだけ離れて空気を取り込む
そしてまた同じように。少しだけ角度を変えて唇を重ね合わせる
唇の端までもしっかりと密着させたい。そんな、欲張りな思いを抱く夏凜の動きを
天乃はただ、黙って受け入れる
980: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:31:13.74:jDzoeARro (4/9)
昨夜のキスは普通に接触させるものから、
夏凜のように角度を変えたり、舌を入れてきたりと
情熱的で激しく淫らなキスだった
しかし、強引で、無理矢理で悲しいキスだった
けれど、今こうして夏凜としている交わりは
内容こそ、少しばかり似通っているのに
似て非なるまったく別種のものだと、感じていて
天乃は沙織が言った【違う】という言葉の意味が少しだけ、わかった気がした
天乃「っ」
夏凜「んっ」
密着し、付着しかけた唇が離れていくと
ちゅぷりと小さな音がして、どちらが言うまでも無くもう一度重ねる
昨夜のキスは普通に接触させるものから、
夏凜のように角度を変えたり、舌を入れてきたりと
情熱的で激しく淫らなキスだった
しかし、強引で、無理矢理で悲しいキスだった
けれど、今こうして夏凜としている交わりは
内容こそ、少しばかり似通っているのに
似て非なるまったく別種のものだと、感じていて
天乃は沙織が言った【違う】という言葉の意味が少しだけ、わかった気がした
天乃「っ」
夏凜「んっ」
密着し、付着しかけた唇が離れていくと
ちゅぷりと小さな音がして、どちらが言うまでも無くもう一度重ねる
981: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:33:08.04:jDzoeARro (5/9)
体が熱い、苦しくなりそうなほどに熱い
なのに、重ねあうのをやめられない
もっと、もっと。もう少し、もう少しと、際限なく心が切望する
重なるたびに瞳を閉じて、相手の想いと熱を感じ
離れるたびに瞳を開いて、相手に思いを伝えようとする
……もう、終わり? と
繋ぎあった手は
離れるたびに強く、密着するたびに弱くなる
天乃「っ……夏凜……」
夏凜「こんな状況で、呼ぶな」
視界に広がる光景は
夏凜の記憶の中にある言葉では言い表せないほどに幻想的に思えた
春に舞う桜吹雪のように広がる髪
冬に積もり積もった雪のような肌
それらを輝かせる陽の光のように、上気した頬
美しかった。繊細だった。
そこには好きという感情は湧くことなく、ただただ、愛おしさを感じる
体が熱い、苦しくなりそうなほどに熱い
なのに、重ねあうのをやめられない
もっと、もっと。もう少し、もう少しと、際限なく心が切望する
重なるたびに瞳を閉じて、相手の想いと熱を感じ
離れるたびに瞳を開いて、相手に思いを伝えようとする
……もう、終わり? と
繋ぎあった手は
離れるたびに強く、密着するたびに弱くなる
天乃「っ……夏凜……」
夏凜「こんな状況で、呼ぶな」
視界に広がる光景は
夏凜の記憶の中にある言葉では言い表せないほどに幻想的に思えた
春に舞う桜吹雪のように広がる髪
冬に積もり積もった雪のような肌
それらを輝かせる陽の光のように、上気した頬
美しかった。繊細だった。
そこには好きという感情は湧くことなく、ただただ、愛おしさを感じる
982: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:34:01.48:jDzoeARro (6/9)
夏凜「天乃」
天乃「……うん」
重なり合う二人は、ただただ自分を見てくれと思うから
声に集中して欲しいと無意識に思うから
漏れ出す声は、囁き
擽るような優しさで、布団のような温もりで
天乃は思わず照れくさそうに笑みを浮かべて
夏凜は
……これが、本当に恋をすることか。と、
目を開いたままの天乃の唇にキスをして、耳元に口を近づける
夏凜「私の心臓の音……あんたなら聞こえてるんじゃない?」
夏凜は自分の体の奥底から
激しい心臓の音を聞いて、もしかしたらそれで伝わるかもしれないと、問う
けれど、天乃は小さな声で「ううん」と、笑みを浮かべて
天乃「だって……私自身が、凄いんだもの」
夏凜「……ばか、じゃないの」
夏凜「天乃」
天乃「……うん」
重なり合う二人は、ただただ自分を見てくれと思うから
声に集中して欲しいと無意識に思うから
漏れ出す声は、囁き
擽るような優しさで、布団のような温もりで
天乃は思わず照れくさそうに笑みを浮かべて
夏凜は
……これが、本当に恋をすることか。と、
目を開いたままの天乃の唇にキスをして、耳元に口を近づける
夏凜「私の心臓の音……あんたなら聞こえてるんじゃない?」
夏凜は自分の体の奥底から
激しい心臓の音を聞いて、もしかしたらそれで伝わるかもしれないと、問う
けれど、天乃は小さな声で「ううん」と、笑みを浮かべて
天乃「だって……私自身が、凄いんだもの」
夏凜「……ばか、じゃないの」
983: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:35:02.36:jDzoeARro (7/9)
熱すぎて涙をこぼす天乃の頬を握り合わせた手で拭って
もうすぐ園子が戻ってくる
見つかったら少し面倒なことになってしまう
夏凜はそれがはっきりと解っているのに
なのに
夏凜「痛い?」
天乃「……痛い」
夏凜「なら」
天乃「うん……」
もう少しだけなら許して欲しいと
誰かに祈るわけでもなく、思い、願って
天乃と唇を重ね合わせる
唇は離れることなく、動かすことなく
ただただ、密着しあって――互いを強く感じあった
熱すぎて涙をこぼす天乃の頬を握り合わせた手で拭って
もうすぐ園子が戻ってくる
見つかったら少し面倒なことになってしまう
夏凜はそれがはっきりと解っているのに
なのに
夏凜「痛い?」
天乃「……痛い」
夏凜「なら」
天乃「うん……」
もう少しだけなら許して欲しいと
誰かに祈るわけでもなく、思い、願って
天乃と唇を重ね合わせる
唇は離れることなく、動かすことなく
ただただ、密着しあって――互いを強く感じあった
984: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:36:45.40:jDzoeARro (8/9)
※園子達合流のため、中断
√ 6月13日目 夕(自宅) ※土曜日
01~10 沙織
11~20
21~30 樹海化
31~40
41~50 大赦
51~60 死神
61~70
71~80 樹海化
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
※園子達合流のため、中断
√ 6月13日目 夕(自宅) ※土曜日
01~10 沙織
11~20
21~30 樹海化
31~40
41~50 大赦
51~60 死神
61~70
71~80 樹海化
81~90
91~00 九尾
↓1のコンマ
985:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 22:37:03.57:5Ue9TC92O (2/3)
あ
あ
986:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 22:37:08.36:pE4Cbx8LO (1/2)
あ
あ
987: ◆QhFDI08WfRWv:2017/01/19(木) 22:45:31.07:jDzoeARro (9/9)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/
では、中途半端になりそうなので続きはこちらになります
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/
では、中途半端になりそうなので続きはこちらになります
988:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 22:46:02.87:5Ue9TC92O (3/3)
了解
了解
989:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/19(木) 22:47:05.35:pE4Cbx8LO (2/2)
おk
おk
990:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:17:53.99:sZ4wX4DKO (1/11)
さて埋めるか
さて埋めるか
991:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:18:22.21:sZ4wX4DKO (2/11)
埋め
埋め
992:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:19:00.11:sZ4wX4DKO (3/11)
埋め
埋め
993:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:19:46.83:sZ4wX4DKO (4/11)
埋め
埋め
994:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:20:22.17:sZ4wX4DKO (5/11)
埋め
埋め
995:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:21:12.01:sZ4wX4DKO (6/11)
埋め
埋め
996:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:21:49.31:sZ4wX4DKO (7/11)
埋め
埋め
997:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:22:26.78:sZ4wX4DKO (8/11)
埋め
埋め
998:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:22:52.43:sZ4wX4DKO (9/11)
埋め
埋め
999:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:23:23.53:sZ4wX4DKO (10/11)
埋め
埋め
1000:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2017/01/20(金) 00:23:55.17:sZ4wX4DKO (11/11)
乙
乙
◆QhFDI08WfRWv さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16798212.html
http://s2-d2.com/archives/16798212.html
コメント 0