1一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/05(月) 21:56:33.30nlDjdXg6o (1/2)

 時は二世紀末、漢王朝の時代。
 四世三公の名家たる袁家に代々仕えし武家である紀家に生まれた一人の男児。
 諱(いみな)を霊、真名を二郎というこの男は様々な出会いや経験を重ねていく中で、やがて世を席巻していく。
 しかし、彼には誰にも言えない一つの秘密があった。
 彼の頭の中には、異なる世界における未来で生きてきた前世の記憶が納められていたのだ――。
 これは、三国志っぽいけどなんか微妙に違和感のある世界で英雄豪傑(ただし美少女)に囲まれながら右往左往迷走奔走し、それでも前に進もうとする凡人のお話である。


※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで
※なろうにても投下しております。こっちで書いて推敲してからなろうに投稿って感じです
※合いの手長文歓迎です


前スレ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445344769/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480942592



2以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/05(月) 22:10:00.35YBukafxX0 (1/1)

立てスレ乙です
3次創作のあのスレも関連スレとして入れといてもいいんじゃないですかね


3一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/05(月) 22:24:12.11nlDjdXg6o (2/2)

>>2
そっすね

どこかの誰かの話
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458019413/

ありがたくも三次創作の作品となっております
※現状生きてるとこはここ(感謝)

裏設定やら突発ネタを投げてたりもします


4 ◆EJqo97Z.fg2016/12/05(月) 23:03:38.12Y8UTRNUA0 (1/1)


立て乙です。

つか驚いた、いや驚いた。
恐れ多くも関連スレ認定。
恐縮です。




5以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/13(火) 23:58:44.37oWKrPX8ko (1/1)

立て乙です


6以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/14(水) 23:13:48.751KtK/XhOo (1/1)

立て乙
鹿島がCWC決勝進出と聞いてイッチの喜ぶ顔が浮かんだので来ましたww


7以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/15(木) 11:21:22.07+SwqlNoq0 (1/1)

乙でしたー
前スレが埋まってたのでぽつぽつと
>>989
>>袁家がガンダムを生産して無双ヒャッハーする 季衣ちゃんのパワーアップの可能性が・・・彼女ほ曹操陣営か
>>990
>>どこの定食屋さんよりおいしいの確実だしー」  特定のお店と比べるなら【より】で良いですが
○どこの定食屋さんよりもおいしいの確実だしー」  この場合は【よりも】の方がいいと思います
>>「うん、どうせ荷物なんて身一つ。どれだけ水気を持ち込めるかだしね。  意味はなんとなく解りますが
○「うん、どうせ荷物なんて身一つ。どれだけ水物を持ち込めるかだしね。  多分こちらの方がいいと思います(水物には飲み物と水分の多い食べ物の意味がありますので)
>> 叔父様についていくのって正直しんどいんだけどねーと笑う蒲公英。寝ながらも馬上で進軍とかなにこの……なに? 【馬上で進軍】に違和感があるので
○ 叔父様についていくのって正直しんどいんだけどねーと笑う蒲公英。馬上で寝ながらも進軍とかなにこの……なに? この方がいいと思います
>>991
>>もっきゅもっきゅと口の中の食材を咀嚼し、飲み込み、蒲公英が応える。なお手には新たな食材。お見事。 【食材】だと調理前のようにも聞こえます
○もっきゅもっきゅと口の中の料理を咀嚼し、飲み込み、蒲公英が応える。なお手には新たな料理。お見事。 もしくはちょっと違和感はありますが【おかず】とか直前でメインディッシュたる肉にがっつき始めていたとあるので【肉】、【お肉】も良いかもしれません

大将軍とバトーさんの一騎打ち・・・もしもこれで何進さんが死んでたらそのあとどうしてたんだろうなあ
それにしてもバトーさんがどんなに頑張ってもどうにもならなかった事が二郎ちゃんのおかげで一気に動いたのか・・・そりゃ一目置くし好感度高いわな


8一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/16(金) 23:57:49.770XwhKtxco (1/1)

>>6
>鹿島がCWC決勝進出と聞いてイッチの喜ぶ顔が浮かんだので来ましたww

かったぜ(鹿)

                            __   /´   ` 、                            |/////
                            , "ヘ   ` ´         \                        |/////
                       /          ,イ≧x ',   丶                         |/////
                       ,'      /≧x/== ¨ヾ、                           |/////
                        /      ,'"´  `    __⊥_     ',                        |/////
                           ,' _    ´二__',                         |/////
                       {i     ├ ゙´       ん:i:.ノゝ‐- 、 |                   |/////
                             /{i ,x≦{    `゛ ̄ ´|i     |                   |/////
∧                     |      l/ l:ゞ'" ..:::ヽ..    |i     |                   |/////
/∧                        |!    /{"´       ´     li     |                   |/////
//∧                         l|!、    ,  _`   j!                          ,r{/////
///∧                     , ',    {∧             /{!   | !                ,x≦/!∧///
////∧                 , 〉     ||¨> 、     /./i!    | |               ///////////
/////∧                     , !     || | [!|   ̄` チ,彡'ji|   | |    x≦//≧==xr///////////////
//////∧                  l}     |! | }∧_,r≦//////|   | |   ///////////,r////////////////
//////x≦}                 ∧ l     || | ,r!/∧////////i|   |≠=////////////{!/////////////, イ
/////三`=`=‐- _         /x≦|     |!, イ..//::∧///////l|   |///∧/////////i¦///////////
////////////////≧x、 , ヘ, イ////| !   |! ///:::::::∧//////l|   |//∧////////, イ亅//////彡'
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`> -.////////////////∧/∧///  l!    |//,ィ::::::|i////∧///l|   |////////////////______
      ` > / ̄ ̄ ̄ ̄ /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二≧x \
          |  ケ,、ケ   |! {           ─┐┌ ┐ ヽ   {─‐¨ ‐┬,                 |! |!
          |  /=\   |! {           ─┘└ ┘ ─┘ゝ─   /                 |! |!
        \  [二]   \二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 彡' /


9以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/17(土) 08:57:30.18cLNyexrw0 (1/1)

一ノ瀬さんのアバターがハクねえからアイリスフィールにチェンジ?


10一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/17(土) 09:24:05.99MBzU7FAKo (1/1)

>>9
いや、対戦相手がコロンビアのチームだったからコロンビアポーズを貼っただけw


11以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/18(日) 22:29:22.074wNr4WH/0 (1/1)

惜しかったですね(鹿)



12一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/18(日) 22:33:49.40SxXYrj9ko (1/1)

悔しかったです(鹿)

まあ、出場の経緯に難癖付けられないような出来ではあったのかなと。
クラブの歴史がまた1ページ


13以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/18(日) 22:46:13.30QZ4pYBpfo (1/1)

喉枯らしながら見てたでー

90分と30分で綺麗にわかれちゃったけど楽しい試合やったなぁ


14一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:14:08.07uvD8qe2Oo (1/7)

>>4
いつも楽しみにしておりますのです。
いやマジで。


>>7
いつもすまないねえ……
もうすぐあっち更新に入るので本当にありがたいです

>大将軍とバトーさんの一騎打ち・・・もしもこれで何進さんが死んでたらそのあとどうしてたんだろうなあ
これ多分馬騰さんは漢朝の未来の憂いを伝えたら首を差し出すつもりだったのではないだろうか
とかいう思いを何進は過不足なく読んで……とか色々と考えました
まあ、少年漫画的に殴り合って分かり合う展開の方がいいですよねw

>それにしてもバトーさんがどんなに頑張ってもどうにもならなかった事が二郎ちゃんのおかげで一気に動いたのか・・・そりゃ一目置くし好感度高いわな
二郎ちゃんには主人公特権みたいな「なんでか知らないけど好感度が高まる」的なスキルはありません
撫でポもニコポも無縁です。設定上は。


15一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:21:02.87uvD8qe2Oo (2/7)

>>13
ありがとうございます。

悔しい、と思えたのは一夜過ぎてからでした。
まるで夢のような物語を経験させてもらったと。

鹿のおかげで私の人生は随分と彩りと熱に恵まれているのだなあと思います。
いや、虎も好きなのですけどね?

しかし柴崎選手は凄いなあと思います。あの精神の在り様は凄い。
真剣にマドリードに勝ちに行って、それを(恥をかくかもしれいというリスクなぞ知ったことかと)全世界に発信し
あれやこれやで、本当に心の底から悔しがっている

この精神性というのは凄いなあと思います。

新人王(的な表彰)のコメントも無難なものではなく、非常に高みを見ていたコメント。

奇しくも先輩である内田君が絶賛していたイスコは彼と同年で、レアルで、その存在感は圧倒的なものでした。

正直柴崎君のような精神性を持つキャラは書きたいが再現不可能でした。
芸風を広げる意味でも柴崎君を追っかけていきたいと思います


16一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:29:15.85uvD8qe2Oo (3/7)

「あら二郎さん、いらっしゃい」

遠慮というものをまったくせず、食事を堪能した蒲公英。いや、割と楽しい時間だったんだけどね?
活発系美少女との夕食……ご褒美であると断じて何か不都合があるだろうか、いやない(反語)。
それはともかく、彼女を送り出してから俺が向かったのは麗羽様のとこである。

「あ、アニキだー」
「こんばんわ」
「おう、猪々子と斗詩もいたのか。今日もお疲れな」

どうやら宴席という名のお仕事を終えて女子会まっただ中だったようである。お邪魔したのかもしれない。だが俺は謝らない。
昔は三人まとめて文字通り手玉に取ってたものだが、最近は三人揃うと俺の方があしらわれている気がする。
女子が三人揃ったら姦しいんだっけか。だったら仕方ないね。

「で、どうなさいましたの?」
「いや、ちょっと今後のことをご相談に来まして」

んー、と思いながらもとりあえずの用件を伝えると不思議そうに問われる。

「今後……ですか?とりあえあず一度南皮に戻るのでしょう?」
「で、姫が袁家を正式に継ぐ式典なんやらをして領内が安定したら洛陽に出仕するんだよなー」

おおう、猪々子にしては珍しくきちんと把握している。えらいえらい。

「うん、そうなんだけど、ちょっと事情が変わってな。先行して洛陽に人を派遣して袁家の窓口とすることになる」

まあね、多少はね。譲らんといかんのですよ。

「それは構いませんけど、どなたを派遣しますの?」

不思議そうな麗羽様に応える。そして、斗詩を見る。実際彼女しかいないのだ。

「斗詩、頼むよ。つか、頼んだ」
「え?わ、私ですか?」

茶を淹れてくれていた斗詩が慌てた風に声を上げる。

「うん、他に人がいない。頼むわ」

そして、ある程度自分の判断で動いてもらうことになるのだ。
十常侍や李儒だってちょっかいかけてくるだろうし、な。
比較対象である猪々子の評価が悪いということではない。立場と適正の総合的な判断である。

「えと、です。二郎さまが私を推してくださったのです。全力で頑張ります。
頑張りますけど。わ、私で、大丈夫でしょうか……?」
「斗詩なら大丈夫だって。一応実務の補助に顧雍を付ける。よく相談してくれ」

江南もずいぶん治まってきたし、虞翻一人でなんとかなるだろう。
しかし、随分と人材が手薄になってきたなあ。
これは本腰入れて在野武将をスカウトせんといかんかもわからんね。

「わ、分かりました。うう、不安だなあ」
「斗詩なら大丈夫だって!アタイが保証する!」

なんの根拠もなく勢いだけで言ってるよねこの子。

そんなこんなでお仕事の話はさくっと切り上げ、きゃいのきゃいのと女子会に巻き込まれてしまったのだった。
いや、いつものことではあったのだけれども。


17一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:29:54.87uvD8qe2Oo (4/7)

◆◆◆

さて、あれよあれよという間に洛陽を去る日がやってきた。
流琉が引いてきた烈風に跨ろうとすると、ぐい、と服の裾を掴まれた。
振り返るとどことなく不機嫌そうな美羽様である。

「あの、美羽様、どしたんですか」
「それは妾の台詞じゃ。
 どうして馬に跨ろうとしておる」
「いや、烈風は俺の馬ですからねえ」
「ならん、ならんぞ。
 二郎は妾と一緒に馬車に乗るのじゃ。
 二郎はな。目を離すとすぐどこぞへ行ってしまうからのう」

人を糸の切れた凧のような扱いにして……。
って確かに俺の動きってそんな感じだなと思いました。だが俺は反省しない(二度目)。
ですが、美羽様の冷静で的確なご指摘は至極真っ当なものでありまする。

「はあ、分かりました」

故に烈風とは暫しの別れである。
流琉に烈風を預けて馬車に乗り込むのは袁家御用達の豪奢な馬車だ。無駄に思えるほどに装飾兼装甲が施されているのが俺にすらわかる。
そしてそこには先客の姿が。

「いらっしゃいませー」

張家次期当主の七乃である。
せやな、お前はいるよな。むしろいない方が怖いわ!

「七乃の言った通りじゃったぞ。二郎め。さっさと馬に跨ろうとしておったわ」
「やっぱりですねえ。駄目ですよ二郎さん、美羽さまとご一緒しないと」

まあ、行きは好き勝手しちゃったしな。ここはおとなしく馬車の旅を楽しむとしようそうしよう。

◆◆◆


18一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:30:44.23uvD8qe2Oo (5/7)

「で、妾は太守として如南に行くのかや?」
「いえ、それはまだ先でしょうね」
「?」

不思議そうにする美羽様に説明をする。

「まあ、確かに印綬も授かったわけなので美羽様は如南の太守なわけですが。
 流石にすぐに赴任してもお仕事とかわかんないでしょ?」
「そうじゃな。まるでわからんぞ」

そらそうよ。

「というか仕事以前にまだまだお勉強しないといけないことがたくさんありますしね」
「むむむ」

むむむと唸っているが美羽様の就学態度は実に理想的なものである。優等生そのものである。
いや、ご立派すぎて俺が何か口出しする必要がないくらいである。

「ですから当分は代官を派遣します。
 そしてお仕事ができそうな感じになってきたら先に洛陽に出仕して頂きます」
「なんじゃ如南には行かんのか」
「そうですねえ。洛陽での目的を果たしたらすぐにでも如南に向かいます」
「洛陽での目的、かや?」

可愛く小首をかしげる美羽様。ベリーキュート。

「ええ、十常侍の排除です」
「おお、なるほどじゃな」
「でもそれだと相当時間かかりませんか?」

ここで口を挟んだ七乃の問い。本気でやるのか、という問いかけでもある。

「いや、そんなに時間をかけるつもりはない。
 別に宦官全部を殲滅するわけじゃないからな。
 そのために曹操を推挙するんだし」

宦官殲滅ではないと主張する俺なのである。


19一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:31:10.45uvD8qe2Oo (6/7)

「そう上手くいきますかねー?」
「なんとかなるんじゃね?」

ぶっちゃけ最悪武力行使をすればいいと思ってるし。

「では、如南は誰に任せるんです?」
「袁胤と許攸だな」
「おやおや。
……それはまた大胆ですねー」

ぶっちゃけ袁家の非主流派、不満分子の首魁である。

「煮えたぎってるとこを如南に押し込める。
 南皮での争乱は避けたい」
「では如南で暴発させればいいですか?」

くすり、と笑みを深める七乃である。いやあ、笑みの嫣然さが怖いよ。

「や、まだ早いな。
 お掃除は十常侍の始末をしてからだ」
「生かさず殺さず、ってとこでいいですかー?」

いや、そこまでは考えていなかったというのが実際なのです。

「塩梅は任せる。頼りにしてるぞ?」
「任されましたー」

ふむ、と思索にふけろうとする俺の膝に美羽様がよいしょとばかりに昇ってくる。

「話は終わったかや?」
「や、美羽様をほったらかしにしちゃいましたか」
「構わぬ。妾のために謀ってくれていることくらいは分かるのじゃ」
「美羽様はお利口さんですねえ。えらいえらい」

わしゃわしゃと頭を撫でてやると目を細めて嬉しそうな顔をする。

「ふぁが、もういいのじゃろ?三人でしりとりをするのじゃ。
 妾、二郎、七乃の順番じゃ。いくぞ、らくよう!」
「う、優曇華」
「げ?げじげじ」
「じ……じゃと……?むむむ。じ、か。なんぞないかのう。じ、じ、じー!」

この時、俺はまだ忍び寄る暗雲に気づくことはなかった。
始まりの終わり。終わりの始まり。
その発端。

……天の御使いの噂。

外史の幕が上がろうとしていた。


20一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/19(月) 22:32:54.74uvD8qe2Oo (7/7)

一応この章完結です
まだまだ続くんじゃがあっちに投稿するのじゃぞ
エロもあるぞ!

学生さんの冬休みの間にエロやってここまでやりたいなあと

しかして思う
これ激動編じゃねえなって

微動編ってのもおかしいから胎動編くらい?
他案あったらくだしあ^

割とマジで


21以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/20(火) 07:53:32.65ByIyaErHO (1/1)

乙っしたー

一ノ瀬氏からのクリプレは何かなぁ?

胎動編は最初で使ってるでしょ、おとっつあん
ってことで…思い浮かばないんでしりとりの続きをww

じ→十常侍


22一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/20(火) 22:26:02.00N3R/t0dgo (1/1)

>>21
>一ノ瀬氏からのクリプレは何かなぁ?
前スレ1000の赤楽さんと陳蘭ちゃんの小話か地味様と韓浩のやりとりかどっちか書きましょうか
書くかもしれない

>胎動編は最初で使ってるでしょ、おとっつあん
マジか。マジだった。
始動編くらいにしようかなあ。
始動編なら違和感ない?

>じ→十常侍
地震雷火事親父


233722016/12/20(火) 23:55:48.217YfT8UHA0 (1/1)

乙です。

じ→人生

しかし、世界とガチでやり合えるチームが登場しましたか。
Jリーグの目的の一つが 実を結びつつあるのは発足当時から外野で見ている身としては楽しいです。


さて、来シーズンからはそんな鹿さんを長居で迎え撃つチームがある事も 皆様お忘れ無く(宣伝)

二郎お父さん。娘(違)を放ってたら駄目でしょw
袁術ちゃんが可愛い過ぎてニマニマが止まりません。
さて置き。
顔良さん、いよいよ表舞台に。
先に申し上げときます。 某所が私欲の為に接触してきそうですw


>天の御使い

……いらない(どきっぱり)

つーか二郎さんが天の御使いでしょう。


後、烈風。
流流ちゃんじゃハムハム しがいがないか?




24以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/21(水) 22:38:24.56KtqDNRA2o (1/1)


感想も兼ねる感じになるけど最近の流れだと「蠢動編」辺りが近いと思われ
馬の方の烈風CVは花井かおりと見せかけて生瀬勝久だと勝手に思ってますww

>>23 青磁 時事 忸怩 十時 常時 人事

こないだ健診で俺も肝臓やばいって言われた
この時期だから>>1も十分にいたわって下さいまし


25一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/21(水) 23:23:45.54wP2JH9IUo (1/2)

>>23
>さて、来シーズンからはそんな鹿さんを長居で迎え撃つチームがある事も 皆様お忘れ無く(宣伝)
引っ越しましたので長居は参戦いたしますとも
鹿サイドでですけど……

しかしセレッソは親会社の戦略の甘さというか、企業というのがこんなにいい加減でいけるのかという……
日本ハムとかヤンマーとか世界戦略をきっちりとしないといけない企業だと思うのですよ
それなのに、若手が育っているのに二部落ちとかね、もうね。
昇格もギリギリとかね、おかしいやろと

ガチで勝負を繰り広げるプロスポーツに比べたら日本の慣習とかあれやこれやに守られた商売って甘いのかもですね
いや、私にも刺さることなのですが
耳が痛いよ!

>二郎お父さん。娘(違)を放ってたら駄目でしょw

いやその通りですねw

>袁術ちゃんが可愛い過ぎてニマニマが止まりません。
可愛いが正義なので美羽様は大正義です

>顔良さん、いよいよ表舞台に。
>先に申し上げときます。 某所が私欲の為に接触してきそうですw
二郎「それでも、斗詩なら、斗詩ならやってくれる……」

>流流ちゃんじゃハムハム しがいがないか?
視界に入らないでしょう、背丈的に考えてw


26一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/21(水) 23:25:32.35wP2JH9IUo (2/2)

>>24
>蠢動編
くそ、騙されないぞ!それ使ったって流石に知ってるぞ!
恥の上塗りを強いるその姿勢!敬意を表する!

>こないだ健診で俺も肝臓やばいって言われた
しじみを食べるのです

そして今日も今日とて焼酎グビー


27以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/22(木) 14:47:51.58Qmii+Rks0 (1/1)

今更な誤字報告 
なろうの凡人と孫家の邂逅で二郎が斗詩に
「~護衛が本文~」と言ってますが
「~護衛が本分~」ではありませんか?
確認をお願いします。


28一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/22(木) 22:07:05.56E7gapRz5o (1/2)

>>27
>今更な誤字報告
ご指摘感謝です!
赤ペン先生のチェックを潜り抜けてしまったか……
他にも微妙に文章修正したりしました


始動編にしようかなあ
躍動編の方がいいかなあ

マジ困ってます


29以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/22(木) 22:30:10.06aDDo8wUeo (1/2)

こんばんは 
実は素で蠢動編を使ってたの忘れてました
ごめんなさい
○動編縛りじゃなきゃ暗躍編とかじゃだめですかね?

ところで私は筆が遅いので凡将伝向けの年賀用を早めに取りかかっていたのですが
そういうあほなせいか(ネタバレがどうとか忘れてたのも含め)いろいろと変な部分がありました
特に内容が「完全にトラ年だコレ!」と今頃気づいたり


30一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/22(木) 22:48:03.83E7gapRz5o (2/2)

>>29
>実は素で蠢動編を使ってたの忘れてました
って、言うじゃん?

まあ、辛うじて一ノ瀬の脳細胞が生きていた証ということで、ひとつ

>○動編縛りじゃなきゃ暗躍編とかじゃだめですかね?
一考の余地ありですが、袁家が悪役っぽくないっすかそれw

>ところで私は筆が遅いので凡将伝向けの年賀用を早めに取りかかっていたのですが
うん。……うん?

>特に内容が「完全にトラ年だコレ!」と今頃気づいたり
よくわかりませんが、「虎色チェイサー」とかいう言葉を思いつきました。
どないせいっちゅうねんw

※一ノ瀬は猛虎魂実装済です


31以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/22(木) 23:36:28.54aDDo8wUeo (2/2)

>脳細胞
白っぽい近未来スーツに配線付きゴーグルをつけたデータ採取役系美少女15歳低身長の力ですね(意味深)

>悪役
暗躍は某太守とか某黒幕とその辺が妙な存在感を醸し出していたからです(袁家は関係なし)

>チェイサー
鳥からいろいろ浮かんで張飛さんが出てきたりしてそうなりました
そういえば猛虎魂が似合いそうな真桜は確かまだあんまり出てないですね


32以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/23(金) 12:04:00.05ATkttEmP0 (1/1)

乙でしたー
>>27読めなかったこの赤ペンの目をもってしても…(海感
今回は誤字を見つけられず。ただ一つだけちょっと違和感
>>19
>>外史の幕が上がろうとしていた。
凡将伝は三人称ではなくて一人称で書かれてると感じてるのですが、だとすると二郎ちゃんはこの世界を外史と認識してると言う事になります
変な言い方になりますが他作品の二次創作では【外史】と言う言葉を使わないので(例えばゼロ魔で自分がサイト君の代わりに召喚されても自分がいるのは外史だ、と言ってる作品は少なくとも私は知りません)次郎ちゃんが自分がいる世界を【外史】と言う言葉で表現することにちょっと違和感を覚えました
ちなみに恋姫の原作知識があるなら【外史】と言う言葉が出てもおかしくありませんが二郎ちゃんにはありませんので
○激動の時代の幕が上がろうとしていた。  まあそれを言うなら三国志の最初の始まりは既に…と言えなくもないですが

始動、初動・・・陽動とか(袁家黒幕待った無し
ついに準備期間も終わり…ここからは濁流の如く事件が起こるわけですが、今までの二郎ちゃんの足掻きがどれだけ報われるのかが楽しみですね


33一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/23(金) 22:17:31.89zeOlQyRuo (1/1)

>>31
>白っぽい近未来スーツに配線付きゴーグルをつけたデータ採取役系美少女15歳低身長の力ですね
ごめんなさい、この少女についてイメージ湧かんw
ルリルリくらいしか思い当たらないっす

>暗躍は某太守とか某黒幕とその辺が妙な存在感を醸し出していたからです(袁家は関係なし)
よし、暗闘編にしようと思いました!
別に〇動編にこだわってたわけじゃないし!イデオンでもないし!

>そういえば猛虎魂が似合いそうな真桜は確かまだあんまり出てないですね
真桜に猛虎魂を乗せるのやめーやw

掛布が猛虎の指揮官になったら猛虎魂を再燃します

>>32
>>>27読めなかったこの赤ペンの目をもってしても…(海感
海さんやったら節穴になるやんかw

赤ペン先生に頼りすぎというのは自覚しております
だが私は改めない

>変な言い方になりますが他作品の二次創作では【外史】と言う言葉を使わないので(例えばゼロ魔で自分がサイト君の代わりに召喚されても自分がいるのは外史だ、と言ってる作品は少なくとも私は知りません)次郎ちゃんが自分がいる世界を【外史】と言う言葉で表現することにちょっと違和感を覚えました
>ちなみに恋姫の原作知識があるなら【外史】と言う言葉が出てもおかしくありませんが二郎ちゃんにはありませんので
うむ。
納得なのでなんか考えます。
ご指摘感謝です。いつもすまないねぇ……。

>ついに準備期間も終わり…ここからは濁流の如く事件が起こるわけですが、今までの二郎ちゃんの足掻きがどれだけ報われるのかが楽しみですね
そういわれると報われない方が美味しいように思ってしまいますよw
まあ、所詮は路傍の石花ですわw

CR7みたいな主人公補正はないのでw

あと、エロいのを投下しました

場所分からなかったらこっちにリンク貼りますね

既に300くらいアクセスあって苦笑いしてますが


34以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/23(金) 23:52:32.42jbxSBunLo (1/1)

>少女
読者の方によるとSystem氏だそうです

ということでネタバレ?のお詫びにもなりませんが今ちまちま描いてる張飛さんのアップ(他はまだ途中なのですww)
https://www.axfc.net/u/3755753 (p:1)
なんかリリなのっぽいのはお気になさらずww


35以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/24(土) 00:12:52.42CLJJRBol0 (1/1)

>>27
だが待ってほしい!前スレの85で赤ペンさんはその誤字報告をしているようだ


36一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/24(土) 21:56:29.78uJtX3+/jo (1/1)

>>34
>今ちまちま描いてる張飛さんのアップ
うわあ、ありがとうございます!てかなぜ張飛w

>>35
>だが待ってほしい!前スレの85で赤ペンさんはその誤字報告をしているようだ
なんだ、一ノ瀬がミスしただけですね
よかった、赤ペン先生の信用は守られた……!


22:00にあちらで暗闘編投下いたします


373722016/12/24(土) 23:15:54.69gSS64nTA0 (1/1)


そういえばクリスマスイブ、ですね。


一ノ瀬様、他の皆様に僭越ながら、


メリークリスマス。




38一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2016/12/25(日) 21:53:36.22fkzF3Zx7o (1/1)

>>37
うう、メリクリをありがとうです

さて、どこまでいけるかわかりませんが
あっちでの連続投稿を頑張ります


39以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/12/26(月) 02:57:31.79uOrGNZvH0 (1/1)

もう過ぎたけどメリークリスマス!

一ノ瀬さんの投稿がクリスマスプレゼントです!


40 ◆EJqo97Z.fg2016/12/31(土) 20:31:51.00cI/xqt4A0 (1/1)


少し早いですが、御挨拶。

一ノ瀬様始め皆様に感謝を。
そして、来年は皆さんの何かに良い変化が有りますように。

平成29年(2017年)も凡将伝と横着さんを 御愛顧下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。


……売り物じゃないよね もう少しだけセンスが欲しい(反省)
酉付きで失礼しました。




41以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/01(日) 00:20:33.13UhwzEZS+o (1/2)

謹んで本年の慶びを申し上げます
本年も宜しくお願いいたします

去年予告していた通り、支援(?)絵を投下いたします
ttps://www.axfc.net/u/3759480 (p:1 画質低、476×700 100kb)
ttps://www.axfc.net/u/3759481 (p:1 画質高、1200×1764 410kb)
お好みの方があればどうぞ保存されてください

それと、
ttps://www.axfc.net/u/3759491 (p:9 解:飛燕の「別名」を漢字三文字で 画質高+厨二惨事駄文付)

正直こんな駄文さらしていいのか(泣)っていうのと、でも解説付けないと意味わからんwwという間でもやもやしております


42以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/01(日) 00:22:20.63UhwzEZS+o (2/2)

あ、一応駄文の方はネタバレが少しありますのでご注意ください


43一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/01(日) 13:52:51.29K/zVYEc4o (1/2)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

本年に凡将伝完結を目指して頑張ります(完結できるとは言ってない)

>>41
支援絵ありがとうございます。
ほんま一ノ瀬は幸せもんやでぇ……

おこがましいのですが、美羽様と七乃さんとかも一度……と年始のどさくさでリクエストしてみちゃいます

さて、これから天皇杯を見ます


44一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/01(日) 16:37:40.56K/zVYEc4o (2/2)

勝ったぜ(j鹿)

うおう


45以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/01(日) 16:50:49.97h5f/koL1o (1/1)

>>44
おめでとう(ぐぬぬ
我が横浜鞠軍はシーズン終盤から不穏な話しか聴こえてこなくて新シーズンが心配すぎるわい

今年も楽しみに読ませていただきますよー


46以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/01(日) 21:09:53.24TR9pjRnx0 (1/1)

あけましておめでとうございます
赤ペンが必要なくなる時もあるでしょうが1ファンであることは変わらないのでよろしくお願いします


47以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/01(日) 22:37:55.41O+uM9dNmo (1/1)

>美羽様と七乃さん
ありきたりな構図が浮かんだのでいろいろ試してみます

ところで今回のこともあり身長を大雑把に計算してみました
張飛さんや美羽様は135cmくらいで予想通りですが(美羽様が1、2cmほど高いようです)、
七乃さんは147~8cmしかありません
公式に背が高いはずの関羽さんも多く見積もって155cm程度で、前描いたちびっ娘はちびっ娘ではなかったわけで
つまり恋姫のキャラデザは後漢末期の栄養不足を綿密に計算されていたんだよ!! ナ ナンダッテー!!(AA略)

ちなみに今回のは姫要素以外にもいろいろネタが仕込んでありましたが全部わかる方はいるでしょうかww


48以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/02(月) 10:39:55.54nhPin3HB0 (1/1)

あけましておめでとうございます
あちらのほうでも元旦から楽しませてもらっております

>>41
解になってる飛燕の「別名」って商人としてのじゃないんですよね…本名も二文字だし…


49一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/02(月) 21:29:02.70yhSLPiSwo (1/1)

飲み過ぎて体調不良
でものむ

>>45

>我が横浜鞠軍は
斎藤君くださいw

しかしマンCと提携して飛躍していくものだと思ってたんですけどね……
個人的にはスタジアムをサッカー専用にしたらいいのに、と思ってたり
陸上トラックあるとやはりピッチが遠い……

>>46
>赤ペンが必要なくなる時もあるでしょうが1ファンであることは変わらないのでよろしくお願いします
いつも頼りにしております(ガチ)
純粋に楽しんでいただけるように頑張ります
今年中に折り返しくらいにはいきたいなあとか

>>47
>ありきたりな構図が浮かんだのでいろいろ試してみます
やったぜ

>七乃さんは147~8cmしかありません
マジっすか、意外だ
愛紗も160ないという計算なのにはびっくりあの胸部装甲はどういうことなの

>>48
あけおめです
あっちの書き溜め予約もストックが尽きそうなのと予定が詰まってどうしよう状態です
頑張るしかないんですけどw


50以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/03(火) 23:12:17.69ThY10qXho (1/1)

凡将伝でも語られている通り呉には装甲のみならず背も高い人が多いですが、
一番ありそうな周瑜さんでもせいぜい170cm程度でしょう
関羽さんは155cmでH~Jくらいだと推測されます

>>48
3文字に該当しそうなものを入れてください
今更間違いに気づいたけど恥を上塗りするのも(ゴニョゴニョ



51以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/04(水) 17:04:30.90hyCvCOrA0 (1/1)


明けましておめでとう御座います。

周楡さん身長170あるんだ。
……OLとか秘書系のスーツコスさせるとすっげえエロくなりそうですが。
つう事は孫策さんもそれなりの身長無いと、絡んだ時に色々無理が。

……何が。は言えない(意味深


52以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/07(土) 01:00:24.48/kNmcb230 (1/1)

褐色眼鏡ロン毛ムチパツ
これでスーツ着せてエロくならない訳がない


53以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/14(土) 13:12:18.14UPckS9EfO (1/1)

ん?………んんっ!?
数年振りにふっと思い出して覗いて見れば……まだやってたのか一ノ瀬ェ!!

もう何年やってるんだ……最初見てた時学生だったのにもう社会人になってしまったぞ………


54一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/14(土) 14:15:34.8240nODdveo (1/3)

今日の更新であっちも暗闘編完結
明日からまたがんばんでー

>>50
>関羽さんは155cmでH~Jくらいだと推測されます
うわあ

マジでリアル関羽といちゃいちゃしたいわあw

>>51
>……OLとか秘書系のスーツコスさせるとすっげえエロくなりそうですが。
そんな秘書とか雇える収入を得るべくがんばらないとw

がんばらないとw

>>52
三次元でそんなん実現できるんですか!

>>53
>まだやってたのか一ノ瀬ェ!!
せやで

>もう何年やってるんだ
震災から何年か、と同じくですねえ

平社員から変わりなく、ただし住居が関東から関西に変わったっすわw

よければまた読んでってねw


55以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/14(土) 14:44:40.93a3qqDpRn0 (1/1)

絵が投下されてたのに見れず残念


56一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/14(土) 15:27:42.9940nODdveo (2/3)

絵はね。
私も二枚目は見れずだったからね、仕方ないね。

支援絵とかは望外だったからね。

つかね。絵とか描ける方はすごいなあとおもうのですよ。
そのような才能がない身としては。

本当にリスペクトですよねえ


57以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/14(土) 15:41:02.87xpwlvIwpO (1/1)

数年振りに来たマンだけど今どうなってんの……?
なろう?絵?ナニソレー……


58一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/14(土) 15:59:49.8340nODdveo (3/3)

>>57
リライトしてたら支援絵が来たでござる

以上

続いているのではなく、一度完結してそれをリライトだかリトライしてる感じす


59以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/14(土) 22:42:19.08/d8z+4QZo (1/1)

2枚目ってzipのことですかね? 絵そのものは同じなので誤解を招いてしまったかも
リクエストのことならまだかかりそうなのですみません
現在美羽様より七乃さんに手こずっております


60以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/15(日) 16:43:00.094SVfW7xM0 (1/1)

>>57赤ペン先生と三次創作家と支援絵をかいてくれる人が付いたでござる


61一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/19(木) 22:43:22.35MM7EuHsFo (1/4)

「ねー、めーりーん。この服でいいと思う?」
「まったく……自分で荷造りしたいと言ったのはどこの誰だ……。
 ほとんど私が準備しているぞ?」
「いいじゃないー。私が一番魅力的に見える服とか、冥琳が一番分かってるでしょ?」

気軽そうな孫策。そしてその声に軽くため息をつくのは周瑜。
主君であり、親友であり、恋人でもある目の前の人物の屈託のない笑顔に何度誤魔化されたことか。いや、現在進行形で誤魔化されようとしているのだが。
過去に数々の無理難題を押し付けられた記憶が甦りそうになり、頭を振って追いやる。
ようやく江南もある程度平穏という言葉が似合うようになってきた。
それが故に一度南皮に赴き、袁家に謝辞を述べるのだ。孫策と周瑜。武と文の両輪が揃って江南を離れるなど、一時から考えればありえないことである。

「はぁ……、まあいい。服は私が適当に見繕うから思春に引き継ぎを、きっちりしてこい」
「ありがとめーりん愛してる!」

ちゅ、と頬に口づけその場を去る思い人を見送り、漏らすため息、そして緩む頬。
きっと途中で飽きたのだろう。そう見当をつけながらそれでも乱雑に積まれた衣装を整理していく。
名門中の名門、袁家との直接の接触だ。細心の注意が必要だろう。
てきぱきと衣装を選ぶ周瑜をどっかの凡人が見たら『なんという才能の無駄遣い……』と嘆くこと請け合いである。
そんな彼女に子供特有の甲高い声がかけられる。

「めーりーん!」

声の主は最愛の主君の妹。今は亡き孫堅の忘れ形見である三女、孫尚香である。

「おや、どうされた?」
「あのね、おねーちゃんたち、明日南皮に出発するでしょ?」
「ええ」
「シャオも付いていきたいなーって」

周瑜はその言に形のいい眉を顰める。
孫尚香はその表情を見ても動ぜずに続ける。

「だってー、結局蓮華おねーちゃんってば紀霊って人を籠絡できてないんでしょ?
 結構時間経ってるのにこれじゃあ、いつまでたっても無理だって。
 シャオがきっちりその紀霊を落としてあげる!」
「どこからそんな話を……」

先ほどまでとはまた違った種類の心労を感じて周瑜はため息を重ねる。

「ふふー、秘密ー。でもどうせ堅物のおねーちゃんには無理だって!
 だから、シャオにお任せ!ね?めーりん?」

その言葉にまたしても湧き上がるため息を殺しつつ周瑜はその案を検討する。
陸遜が肉体関係に及んだという報告はあったが籠絡とは程遠い。あれでは単に情人の一人になっただけである。
かと言って自分の恋人たる孫策を差し出すのも気が引ける。
何と言っても孫家の当主なのだ。

それとも……いや、つまらぬ独占欲だろうか。

自嘲しながらもその仄暗い感情を無視できない自分を認識する。

「そうですな……。数年も経てば或いは……」
「もー!めーりん分かってないなー。シャオは今すぐだって紀霊を籠絡する自信あるよ?」

その言葉に苦笑しつつ、教育という意味でも袁家領内で過ごすことはきっといいことであろうと結論づける。
欺瞞だな、という内心の声を無視し、渋々、といった風で旅の準備を許可する。

「やったー!めーりんありがと!」

脱兎の如く駆けだした孫尚香を見送り、再び孫策の衣装選定に移る。自分が許可してしまった以上、止める人物はいないだろう。
そんな思いを振り払いながらまだ見ぬ紀霊に思いを馳せるのであった。


62一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/19(木) 22:43:50.83MM7EuHsFo (2/4)

◆◆◆

「しかし、よかったのか?せっかくその紀霊という人物に会えそうだったのだろう?」

問いかけるのは眉目秀麗な女性。白く、蝶を模した衣装が彼女の魅力を引き出している。

「ええ~、当初の目的だった路銀は稼げましたから~」
「ふむ、風がいいのならば私はかまわんが」

探るような視線を受けて答える程立。その表情は常と同じく眠たげに。

「くふふ、星ちゃんは心配性ですね~。
ちゃんと紀霊という人物の為人も知ることができました~。
 想像していたのとはずいぶん違いましたけどね~」
「ほう。
と、言うと?まあ、風説通りではなかったのだろうが」

 星、と呼ばれた少女は頬を緩める。少しぼんやりとした言動の目立つ程立が旅路において無事であったのはこの少女の武威のおかげである。そしてこの取り合わせをどこぞの凡人が見たら言葉を失ったであろう。
 程立――後の程昱――と趙雲。いずれも三国志において屈指の英傑である。

「ええ~、なんというか、非常に興味深い方のようでした~」
「ほう?風がそういうからには相当なのだろうな?」
「そですね~、人物像と実績と風聞がまるで違う、そんな方かと~」
「なんだそれは」

やや呆れた感を出しつつ趙雲が問いかける。

「そですね~。話を聞く限りではごくごく普通のお兄さん、そんな感じでした~」
「ふむ、では風説のような英傑。それとは違うであろう。そういうことか」

 考え込む趙雲に程立はくすり、と笑う。

「星ちゃんらしくないですねぇ。
ま、要は、です。実際にお会いしてみないことには何とも言えませんということなのですけど~」
「おいおい。それでも、会えそうだったのだろう?」
「ええ、そですね。
ですが今はお会いする伝手ができただけでよしとします~。
 星ちゃんこそ、袁家へ仕官しなくてよかったのですか~?」
「ああ、私に名家は合いそうにないからな。風と違って伝手(つて)があるわけでもなし。
 兵卒からのし上がるには袁家の領内は平和すぎる」

苦笑する趙雲に程立は頷く。

「それはそうかもしれませんね~」
「ま、懐に多少の余裕もある。見聞を広めるのも悪くないさ」
「そですね~」

南皮の城門を目指して歩き出す二人。

「この槍一本で天下一になるのは中々骨が折れそうだが、な。
 そう言えば、風は日輪たる主君を求めているのだったか」
「はい~。ですがまだその時期ではありませんね~。まだまだ風も未熟ですし~」
「そうか?その知略、引く手あまただろう」
「いえいえ~。風にはまだ知るに足りないものがあるのですよ~」

 その言に趙雲は驚く。これまで茫洋とした言動ばかりだった程立。彼女が自分から語るのは珍しいことである。


63一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/19(木) 22:44:18.28MM7EuHsFo (3/4)

「ほう、興味深いな。聞いても?」
「星ちゃんなら構いませんよ~。
 それはですね、盤上の打ち筋、ですかね~」
「打ち筋?碁でも打つのか?」
「似たようなものですね~。
ただし、盤はこの、中華ですが~」

 くふふ、と笑みを浮かべる程立。
 趙雲は暫し考え込み。

「ほう、大きく出たな」
「くふ、そですね。ですが私の目指すところでもあります~。
 本当に母流龍九商会でお仕事を手伝えたのは幸運でした~」
「と、言うと?」

 そですね。と程立は暫し考え込む。そして笑みを浮かべる。

「これまで私は政務などの実務にそれほど精通してませんでしたから~。
 ちょっと……いえ、かなりの激務でしたが、正直勉強になりました~」
「かなり重要な案件も任されたのだったか」
「はい~。張紘さんには感謝の一言です~。
 そして私は。
正直商売というものを舐めていたかもしれませんね~」

 ますます珍しい。程立がその心根を語るなぞ。だからこそ聞きたいな、と趙雲は思う。

「ほう?どういうことだ?」
「集まる情報の質と量がとんでもなかったです~。
 それに、その情報網は中華全土に及ぼうかというもので~。
 紀霊さんが入り浸るというのも分かりますね~」
「ほほう、単に金儲けのみが目的ではないということか」
「そです~。おかげで本当に勉強になりましたよ~。
 そして、この中華の情勢も大まかにつかめました~」
「ふむ、それが先ほど言っていた盤、ということか?」

くすり、と笑みを浮かべながら程立は首肯する。

「その通りですね~。そして……中華に目を向けている打ち手も大体見当が付きました~」
「ほう、察するに袁家はそのうちの一席ではあるのだろう?」
「くふふ、流石星ちゃん、冴えてますね~」
「冴えてるも何も……明白だろうに」

 肩をすくめる趙雲。色々と放埓な言が多い程立には慣れていた。そう思っていたのだ。だがその言に驚愕するのだ。

「それは失礼をば。そして、袁家の打ち筋は大体理解しました~」

 母流龍九商会にて程立が過ごした時間はそう長くない。なのに。

「ではなぜ袁家に仕官しないのだ?」
「彼を知り、己を知らば、ですね~。他の打ち手の打ち筋を知らないとですね~」
「そういうことか。ふむ、風の目指すところは縦横家、といったところか?」
「くふふ、ご想像にお任せします~。
 ですが、どこかに打ち手たる資格を持ちながら参謀がいないなんて都合のいい人がいませんかね~」
「はは、さらに武でも人材不足なら言うことなしだな」

互いの顔を見合わせ、笑い合う。
そんな都合のいい話があるわけはないのである。
互いに無位無官の身。
裸一貫でのし上がるためには艱難辛苦があるだろう。
それが分かっていても表情に暗さはなく、歩みは力に満ち溢れている。

彼女たちが歴史の表舞台に立つには、まだ幾ばくかの時と、少しの偶然が必要になる。

未だ蒼天に、暗雲の欠片も空に見当たらない日のことであった。


64一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/19(木) 22:45:25.22MM7EuHsFo (4/4)

更新再開ですそして

はい、本日ここまです

「それぞれの旅立ち」もしくは「中華の片隅で」

題名に関しては恒常的に募集しておりまするのです

感想とかくだしあー


65以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/20(金) 00:51:15.65FjhywEFA0 (1/1)


まずは新章突入&投下乙です。


周楡さん&孫策さん登場。南皮の男衆には良い目の保養に。
で、孫尚香。
二郎さんはロリでもペドでもないよ。
後袁術様に威嚇されそうな予感。


個人的には沙和さん辺りにOLスーツを発注したい。
知的エロと痴的エロの競演……

じゅるり(馬鹿)


武と智を求める&袁家を外部から観測出来る。

幽州にこ……
うわなにをする。





66以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/20(金) 08:10:20.64uLX58E+7o (1/1)

乙したー

メイン火力とメイン軍師
この二人大好きなんですよねぇ


67以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/20(金) 12:17:39.06NomblGdlO (1/2)

あっちでの更新乙っしたー

祝新章突入


フラット3の一角孫尚香やっと登場っすね。

メイン軍師のおでましということで
タイトル案「そよ風吹いて」


68以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/20(金) 19:30:21.64NomblGdlO (2/2)

恋姫サッカーチーム「フルフラット」

FW 流琉 はおー 季衣
MF 美羽 明命 鈴々 美以
DF ミケ トラ シャム
GK シャオ

コーチ 猫耳・あわわ・はわわ
監督 風

何がフラットかは・・・うわなにをする


69以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/21(土) 00:33:01.577m5a2SkLo (1/1)


新章の始まりに見合ったさわやかなお話でした
いつもこうだったら孫呉も安心なんだけど

タイトル案「守るべき蒼穹」


70以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/21(土) 12:12:13.77e1RHMpSH0 (1/1)

乙でしたー
>>61
>>「いいじゃないー。私が一番魅力的に見える服とか、冥琳が一番分かってるでしょ?」 間違いではないです
○「いいじゃなーい。私が一番魅力的に見える服とか、冥琳が一番分かってるでしょ?」 実際に口に出してみると【い】を伸ばすよりも【な】を伸ばす方が自然な気がします
>>62
>>ですが今はお会いする伝手ができただけでよしとします~。
>>「ああ、私に名家は合いそうにないからな。風と違って伝手(つて)があるわけでもなし。  先の方に振り仮名を振らずに後の方に振るのは変な気がします
○ですが今はお会いする伝手(つて)ができただけでよしとします~。
○ 「ああ、私に名家は合いそうにないからな。風と違って伝手があるわけでもなし。  もしくは両方から振り仮名を抜いても良いかもしれませんが
>>63
>>未だ蒼天に、暗雲の欠片も空に見当たらない日のことであった。  【蒼天】と【空】は意味が重複してますので
○未だ蒼天に、暗雲の欠片も見当たらない日のことであった。

平和なひととき。天はいまだ英雄を欲さず
風はいったいどれだけの情報からどこまでの先読み、と言うか深読みが出来たのやら…核心部分の情報までは見せてもらえなかっただろうにそれだけで商会どころか袁家の打ち筋を読めるとは。ふふ…コワイ


71一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/21(土) 22:04:22.24q4nWVQggo (1/1)

>>65

>まずは新章突入&投下乙です。
ナニ編にしましょうかねえ
奮闘編くらいかなあ

>周楡さん&孫策さん登場。南皮の男衆には良い目の保養に。
多分露骨に見るのは二郎ちゃんくらいだと思います

>二郎さんはロリでもペドでもないよ。
なお典韋

>個人的には沙和さん辺りにOLスーツを発注したい。
>知的エロと痴的エロの競演……
知的w痴的w

>幽州に


>>66
>この二人大好きなんですよねぇ
すっごい動くキャラなのです
いや、マジですっごいうごくよ!

>>67
>祝新章突入
ナニ編にしようかマジで困ってます

>フラット3の
だれうまw

>タイトル案「そよ風吹いて」
素晴らしい!
多分使います。ありがとうございます!

>>68
>恋姫サッカーチーム「フルフラット」
吹いたw

だが、はおーと明命はフラットとは言えないのではないだろうかとの疑問を呈させていただく

風については審議が必要かなあ……w

>>69
>新章の始まりに見合ったさわやかなお話でした
い、いつもさわやかなお話を書こうとしておりますのですよ(力説)

>>70
赤ペン先生いつもありがとうございまうs
早速のご指南感謝感激雨あられ

元ネタは「乱射乱撃雨あられ」という日露戦争時の表現らしいですね(それがどうした)


>風はいったいどれだけの情報からどこまでの先読み、と言うか深読みが出来たのやら…核心部分の情報までは見せてもらえなかっただろうにそれだけで商会どころか袁家の打ち筋を読めるとは。
>ふふ…コワイ
天龍ちゃんかな?

実際のところ、事務作業をこなす……だけでなくその組織の動きとか思想とか汲み取り思索する風ちゃんマジチート
意識高い系じゃなくガチで意識高いです

これだからネームドは……(凡人感)


72一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/23(月) 23:06:43.55WLMtOF3ho (1/2)

「うう、まさかなあ、一人くらいはって思ったんだけどなあ」

漏れるため息はさして大きくない。そして声の主たる公孫賛はがっくりと肩を落とす。
それでも、お断りの手紙をすら丁寧に畳むのは彼女の性根、その善良さの証左であろう。

「失望する必要はない。この結果は予測されていたこと」

声の主は韓浩。
淡々とした声。これで慰めのつもりなのだろうか。いや、そうなのだろう。きっと。多分。そうだといいな、と思うのだが。
だが、その平坦な声すら公孫賛にはありがたいと思うほどには公孫賛の精神は消耗していた。

「いやまあ、そうは言っても一人くらいは応えてくれるかなあと思ったんだよ」

愚痴る公孫賛。

「では甘い認識を改める機会を得たことを幸運に思うべき。以後は過度な期待をしないことを推奨する」

容赦のない韓浩。もはや幾度繰り返されたか分からぬほどのやり取り。だがそこに公孫賛は安堵を覚えるのだ。
どこぞの凡人がいたら、「いやそれ、追い詰められすぎだろうよ」などと言ったであろうが。

「分かったよ……。というか現在進行形で分からされてるよ……」
「ならば結構」

遠慮とか斟酌とかいうものが微塵もない言葉に公孫賛は苦笑を深める。
そして韓浩の言に揶揄であったり、諧謔や、もちろん悪意みたいなのがないのを確信する。
本当に、本音で、そうあるべしと言ってくれているのだ。
無論、これを真っ向から否定して押し付けても韓浩は一言も文句なぞ言わないであろう。淡々と苦言を呈し続けるのだろう。
まあ、常ならば栄達なぞできぬであろうし、それを望むような人物でもない。それくらいの処世術――というには真っ当な気質――を公孫賛は身に着けている。
少なくとも本人はそう思っている。

◆◆◆


73一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/23(月) 23:07:09.62WLMtOF3ho (2/2)

「でもなあ、桃香は来てくれるんじゃないかと思ってたんだけどなあ」

韓浩を前にして、内心の愚痴が言葉に出るあたり色々とお察しである。
そして韓浩は諫言を厭わない。それが故に厭われたとしても、彼女はそれを改めないであろうが。
そういう意味では公孫賛と韓浩の組み合わせは絶妙――もしくは理想的な――なものであった。

「繰り返すが失望する必要はない。公孫の勢力ははっきり言って脆弱かつ危険。
 匈奴の侵攻をこれくらいの勢力が防いでいたというのは何かの冗談ではないかという規模。
 太守になるという情報を伏せて招聘をして来るほど友誼があるならば、招聘の前に来ているはず」

眉一つ動かさずに韓浩は言う。そして公孫賛は嘆く。

うう、追撃がきたよ。そんなにうちって条件悪いのかなあ。

そして、そうではないと伝えることができるほどに韓浩に器用さはない。

「もうちょっとお給料を上乗せすればよかったかなあ」
「無意味と推測する。国境の勢力が破格の報償で人材を募集するということは匈奴の侵攻があると推察するのが自然。
 よほど愛国心や義侠心がなければそんな最前線に来るはずがない」

容赦などない事実を突きつけられて公孫賛は肩を落とす。落とす。
泣いてない。泣いてなんかないし。涙なんか流れてないし。

「ああ、もう。一言もないけどさあ、もうちょっと表現柔らかくならないかなあ」
「甘言や巧言が欲しいのであればそう要請してほしい。相応しい人材をいくらでも進呈する。
 こちらで処分してくれるのであれば即座に数十人は紹介が可能」

淀みない韓浩の言葉にがっくりとする。それって佞臣を処分してくれってことだね、と。

とはいえ、思うのだ。本当に。
こんな直言をくれるというのはありがたい話であるのだ。韓浩や魯粛が来るまではそんなことを言ってくれる人すらいなかったのだから。
いや、そうじゃない、と認識を甘えから引き起こす。
こうまで的確に助言してくれる人材などいなかったというのが正確だろう。

貴重な人材を派遣してくれた紀霊には感謝、である。

そして、彼はここまで遠慮斟酌ない言葉に対してどう思っているのだろうか。
そのような思考的浮揚を知ったかのように鋭い言が公孫賛を貫く。

「現実逃避もそれくらいにしたほうがいいと進言する。
 政務がここ一週間で一割ほど滞っている。これ以上の停滞は緊急事態に影響を与える可能性が極めて高い」
「うえ?そんなに溜まってたか。まいったな。
 だけど、私の処理の速度も上がっていると思うんだけどなあ」
「魯粛と私が処理している案件を少しずつ移譲している。処理能力の向上には賞賛を惜しまないが、まだ改善の余地はある」

その言葉に今日何度目か分からないため息をつく。
結構私、頑張っていると思うんだけどなあ。
やっぱりすぐにでも人を集めないとなあ。

「そ、そろそろ私が太守になるということを言ってもいいだろ?そうすれば優秀な人材も集まるんじゃないかな」
「それには同意する。ただし貴女の人脈で再度募集をかけて集まった人材には重きをなさない方がいいと助言する」
「な、なんでだよ」
「貴女は既に理解しているはず」
「う、うるさいなあ」

認めたくはないのだ。太守になったからといってすり寄ってくる人物にロクな奴がいないなんてことは。

「そ、それでも有用ならば問題はないだろう」
「信頼できない人物に内情を見せるべきではないと考える。
 また、袁家としてもそれは防ぎたい。
 軍制や官僚機構など、正直貴女だからこそ共有している。
 獅子身中の虫にそのあたりのことを吸い出されたくはない」

その言葉にす、と胸のあたりが冷たくなる。そうだな、あくまで韓浩は袁家から派遣された人材なんだよな……。

「じゃ、じゃあどうすればいいんだよ」
「多少時間はかかるが自前で育てることを推奨する」
「そうは言ってもなあ。うちの部下なんて、読み書きすら怪しい奴がほとんどだぞ?」

韓浩は応える。意外に、瞳に炎。

「やる気、根気、そして貴方の気持ち」

意外と根性論なのだ、韓浩は。


◆◆◆


74一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/24(火) 20:36:26.13ho9ZVvFMo (1/2)

「またずいぶんとへこましてきたみたいだねー?」

執務室に戻った韓浩に魯粛が声をかける。

「訂正を要求する。別に彼女の精神状態を落ち込ませるのが目的だったわけではない」
「そりゃそうだけどさー、へこんでるのも事実でしょ?」
「否定はしない」

あくまで淡々とした口調の韓浩を見て魯粛は苦笑する。
能力的には問題はないのだが。
むしろ彼女を紀家軍の幹部としている紀霊の器を誉めるべきなのだろうか。

「でもまあ、ほんとに誰もこなかったね」
「当然の結果。貴女もそう予想していたはず」
「そりゃそうなんだけどさあ、もしかしたらって思うところもあったしねー」
「幾度も、筆舌たる修羅場をくぐってなお……希望を捨てない心根には敬意を表する」
「まるっきり誉めてもらった気がしないなあ。
 まあいいや、で、どうする?このままじゃじきに仕事が回らなくなるよ?
 私たちもいつまでもここにいるわけじゃないしね」

あくまで軽い調子で魯粛が尋ねる。

「業務の簡素化と人材の教育徹底で乗り切るべき。
 太守の業務で停滞してもらっては困る」
「まあ、更にこの後州牧になるんだしねえ。使えそうな人材を掘り起こすしかないかー。
 最悪商会から見繕うかなあ」
「……賛成する」
「しかしなんでこんなに人材が集まらないんだろねー」

やれやれ、と言った風に魯粛がぼやく。
そのぼやきに韓浩は語気を荒立てる。彼女にしては珍しく。
しかして発するは。

「貴女も認識しているはず。公孫賛殿は地味」

それは真実。

「……あー。そうだねえ。華がないし、武威も感じないねえ」
「気安いと言えばよく響くが、上に立つ者としての威厳や風格を持ち合わせていない。
 持っている能力と照らし合わせればこれは驚くべきこと。
 よくも、わるくも」
「そう、だねえ……」

さしもの魯粛も否定できずに漏らす笑みは苦いもの。

「なまじ能力を自負する者こそ彼女の下風に立ちたくないと思うのは必定。
 だからこそ無名に近い今のうちに股肱の臣を確保すべき」

魯粛ですら、そうなのだ。
彼女の表情。それを見て韓浩は言葉を連ねる。それが最善なのだと。

「地位が人を育てるとしてもそれは数年先であることが予想される。
 それまでに匈奴の侵攻がないという保証はどこにもない」
「そだねえ。困ったねえ」

お手上げ、と言った風に魯粛が両手を上げる。

「まー、とりあえずは目の前のお仕事を片付けようか」
「……現実逃避、問題の棚上げと思われるが、妙手がない以上反対する理由はない」

韓浩は淡々と手元にある案件を片付けていく。
魯粛はそれを横目に見ながら小さく呟く。

「この先生きのこるためにはどうしたらいいのかねえ」

応えは、なかった。


75一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/24(火) 20:37:25.11ho9ZVvFMo (2/2)

めちゃ寝落ちしてしまった
今回ここまですー

感想とかくだしあー

タイトルは「地味様の努力」
かな?

しっくりこないので助けてください


76以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/24(火) 22:11:01.72D7QM6CHso (1/1)

乙したー
韓浩と地味様の絡み狂おしいほど好き

タイトルは「地味な州牧の憂鬱」でいかがでしょうか


77以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/24(火) 22:11:51.85o4tF3z9qo (1/1)


韓浩さん大活躍&魯粛さん珍しく出番多めで今後の登場も望まれるところ
地味様不憫だけど原作ほどじゃないのがもっと不憫ですね

>タイトル
「赤と青」くらいしか思いつかないです


78以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/26(木) 09:31:17.22yxSRTVJe0 (1/1)

乙でしたー
>>72
>>だが、その平坦な声すら公孫賛にはありがたいと思うほどには公孫賛の精神は消耗していた。
○だが、その平坦な声すらありがたいと思うほどには公孫賛の精神は消耗していた。 の方がいいと思います
>>◆◆◆  >>72と>>73の間にはそれほどの時間経過も場面変化も無さそうなのでなくていいと思います
>>74
>>「幾度も、筆舌たる修羅場をくぐってなお……希望を捨てない心根には敬意を表する」 【筆舌】は読んで字の如く書くことと話すこと、という意味しかないので
○「幾度も、筆舌に尽くしがたい修羅場をくぐってなお……希望を捨てない心根には敬意を表する」 の方がいいと思います。もしくは【凄惨な】、【惨憺たる】、【壮絶な】、【想像を絶する】とかどうでしょう・・・凄惨だと物理的に惨い感じ(血飛沫とかのR-18G)がするし後の二つはなんか微妙かな?

地味様は苦労してこそ輝く御方wもっとへろへろにしなきゃ(使命感)
このクールビューティーの皮をかぶった覚悟完了な韓浩さんがかっこよくて大好きです。
そういえば今この領地のネームドって大平原(ここから先は破り捨てられている)


79一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/26(木) 22:21:23.72QIXM85zgo (1/5)

>>76
>韓浩と地味様の絡み狂おしいほど好き
何も考えずに放り込みましたが、かみ合う、かみ合う
動かしやすいです

>「地味な州牧の憂鬱」
ふむ

>>77
>韓浩さん大活躍&魯粛さん珍しく出番多めで今後の登場も望まれるところ
どちらも、出番は予定されています、とだけ

>地味様不憫だけど原作ほどじゃないのがもっと不憫ですね
無印地味様は真田丸ばりのナレ死ですしねw

>「赤と青」
ふむ

>>78
赤ペン先生、いつも おありがとうございます

>地味様は苦労してこそ輝く御方wもっとへろへろにしなきゃ(使命感)
そんな、ひどい……(棒)

>このクールビューティーの皮をかぶった覚悟完了な韓浩さんがかっこよくて大好きです。
ほんと、最初は名前だけのキャラのはずだったのですよね


今日は草案、明日は飲み会


80一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/26(木) 22:39:54.84QIXM85zgo (2/5)

「おかえりなさいませ」
「はいよ」

出迎えてくれた陳蘭に荷物を預け、ずんずんと歩く。久しぶりの我が家である。
帰路はずっと馬車の中だったから身体が固まっている気がする。こんな時は身体を動かしてやるべきだろう。身体のメンテ、大事。

自室で椅子に腰かけ、軽く息を吐く。なんか疲れたなあ。ほんでもって、こっから通常業務の再開だ。となれば、武家の本分から取り掛かるべきだろう。
あれこれ考える――傍から見たらぼーっとしてるだけな――俺に陳蘭は声をかけることはない。静かに、俺の指示があれば動けるようにしている。
それを見習ったのか流琉も無言である。きょろきょろと落ち着かない様子ではあるが。
おし、やはり体を動かそう。軍権の一部を預かる身としては現有戦力を確認するべきであるということで、ひとつ。

「うし、紀家軍集合させとけ」
「はい!」

手短な俺の言葉を受け足早にその場を去る陳蘭を見送り、軽く息を吐き出す。
使うにしろ、使わないにしろ手元にある軍は精兵であるべきだ。
無論、使わないことにこしたことはないのだが、この先どうなるか分からんしなあ。

「流琉、三尖刀を持て」
「はい!」

無言で控えていた流琉が三尖刀を手渡してくる。
……俺としては、小料理屋の一軒でも任せようと思ってたんだがなあ。
流琉にそう言ったらあっさり断られてしまったのですだよ。

「私は二郎さまに救われました。これ以上甘えることはできません。
 ですから二郎様のお仕事をお手伝いしたいと思うんです」

まあ、膂力で言えば俺より遥かに上だしな。とは言え、兵卒として使いつぶすつもりもないが、将とするにわけにもなあ。

「やりたいことがあるなら、きっちり言っとけよ?」
「は、はい……」

おずおず、といった風に流琉がこちらに視線を向ける。
遠慮がちに、つかえながらも一生懸命に主張するその言葉に俺は首を横に振ることはできなかった。

◆◆◆


81一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/26(木) 22:40:20.57QIXM85zgo (3/5)


「若……いくらなんでも無茶ですぜ」
「雷薄もそう思う?でもまあ、そう言わんと、な」
「いやいや、怪我ァ、さしちまいますやね」
「いいじゃん、本人はやる気だし」
「本気ですかい?」

正気か?と視線で俺に問いかける雷薄。いやさ、諫めているのだろう。正直顔がおっかない。ただでさえ厳(いか)ついのだ。迫力三割増しである。
そして思う。優しく、正しい。とーちゃんが重用したわけである。

「まあ、言いたいことは分かる。でも本人たっての希望でな。
 俺も押し切られたってことさ」
「ちょっくら痛い思いさせますぜ?」
「……認識を改めるきっかけにはなるだろうさ」

知りませんぜ、と吐き捨てる雷薄に心の奥で謝る。ごめんこ。
認識を改めるのは雷薄たちなんだよなぁ……。

そして向かい合う幼女と野獣。うん、背丈にして倍以上はあるんじゃないかな。
勝負の方式はおなじみ……というか紀家軍独自のあれだ。相撲だ。
俺が百人抜きしたアレである。忘れてる人も多いと思うけど俺だって実力で紀家軍を掌握してるのよ。技のデパート(自称)は、伊達じゃない!
と。

「はじめ!」

俺の掛け声とともに向かい合う二人がぶつかり合い。雷薄の巨体が空を飛ぶ。
うん、予想通り。
ぽかーんとした野郎どもの表情が滑稽である。とはいえ他人事ではないんだけどね。
とか色々と考えているうちに百人抜き余裕でした☆
うわ、ようじょつよい!

「若……。ありゃ、どういうこってすかい?」
「どうもこうもない。強いものは強い。ちなみにまともにやったら俺も負ける。普通にな」

俺の言葉に雷薄は黙り込む。まあ、目の前の光景を見れば思う所はあるだろうさ。

「二郎さまー!」

無邪気な表情で流琉が駆け寄ってくる。
うん、想像以上にすごかったよ。すごいよ。百人抜きして息乱れてないとか本当にすごいなあって思うよ。
推定武力95以上ってのはこういうことなんだろうなあ。世界が違うや。
※K●EI的評価

「雷薄も文句はないな?」
「むむむ……。あそこまで見せつけられちゃあ仕方ないですやね」

なにがむむむだ。

「ま、よろしく頼むわ」
「へい、確かに」

紀家軍の副将としての威儀を崩さずに頭をかかえるという器用な真似をする雷薄。
そんな雷薄に構わず流琉が俺に飛びついてくる。ええい、幼女はどうして俺に飛びつくのだ!

「えへへー、頑張りましたー」

うん、死屍累々だよ、100人が瞬殺だからねすごいよね。毎朝の訓練とかもう流琉だけでいいんじゃないかな。
そんなことを思う俺に流琉がにこやかに宣言する。

「これで私が戦場でもお役に立てるとが示せましたー」

えへへ、と期待を込めた瞳をこちらに向けてくる。
はいな。約束だったもんな。分かってるって。

「と、言うわけで紀家軍に典韋を迎え入れる。異議ある奴は俺んとこに来い。俺もあるから心配すんな」

げらげら、と野卑た笑い声が響く。どうやら流琉は新たな仲間として受け入れられたようだ。

「二郎さま、我儘を聞いていただいてありがとうございます!」

まあ、そんなわけで流琉は紀家軍の、あれだ。
最前線で働く料理人として紀家軍兵站部に居場所を作ったのだった。戦うコックさんとか……沈黙するしかないじゃない。


82一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/26(木) 22:40:49.19QIXM85zgo (4/5)

◆◆◆

流琉無双もひと段落である。もはや幼女とあなどる奴はいない。というか、最強クラスの武将の凄味を改めて実感する。いやー、この幼女がねえ。
そんな俺たち紀家軍はフル装備+10kg程度の荷物を背負って20kmくらいのマラソン中だ。
何と言っても兵隊さんは体力が命である。特に歩兵は走るのが仕事だしな!戦闘力とかは二の次以下である。つまり機動戦士なのだ!

先頭を走る俺の横で流琉が嬉しそうにあれこれとおしゃべりしている。
重い荷物とか屁でもなさそうだ。ちなみに俺はそこそこしんどい。

「わー、兎さんだー。最近お肉食べてないなあ。
二郎様!捕ってきてもいいですかー?」

貴重な蛋白源ですとばかりに視線を向ける幼女。捕食者のそれ。うわようじょこわい。

「その装備で野生の獣を取る自信にあふれる流琉が頼もしいよ。行ってきな」
「はーい」

だだだー!と力強く駆け出す流琉。これが武力90台後半の実力か…。
万有引力とか慣性の法則に喧嘩を売るような鋭角的な動きと加速を繰り返し……マジか。

「えへへー」

嬉しそうに兎を俺に見せつける。はいはいえらいえらいぅゎょぅι゛ょっょぃ。
先頭集団に――俺と流琉の二人旅でござる――辛うじてついてきていた雷薄は言葉を失う。

「若……」
「まあ、アレだよ。世の中にはあんなのもいるってこった」
「さいですか……」

所詮この世は弱肉強食。とはいえ生まれ持った肉体的な素地でここまで差がつくと……思う所はある。
でも呂布とか関羽とかそこらへんを基準にしても汎用性がないことこの上ないしなあ。
兵卒にどこまでのレベルを求めるとか、割と難題であったりする。

行軍を終えて、ほへーっと脱力する。
流琉は自分の身長よりも大きな中華鍋をがっこんがっこん振るっている。
疲れとかないみたいです。おかしいやろ。

やっぱり料理が好きなんだなあと思う。まあ、流琉が幸せそうならそれでいいか。
実際美味しいし。
ちょうど、調理担当が引退したからナイスタイミングではあったのだよね。

常時は料理担当、非常時は俺の護衛という感じで周知しとこうと思いました。


83一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/26(木) 22:42:07.48QIXM85zgo (5/5)

本日ここまですー

感想とかくだしあー


タイトル案
細腕繁盛記、あとしまつ
凡人と細腕繁盛記

いまいちなのでまたまた助けてくださいませ


84以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/26(木) 23:35:14.54i3IIrg+lo (1/1)


悪来大活躍!
いろんな意味で圧倒される哀れな紀家軍の皆さんお疲れ様でした
タイトル……、う~ん、お食事処的な意味で「悪来屋南皮本店」とか(汗

追伸
先日はすみませんでした
うpの件了解しました


85以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/27(金) 01:52:28.77GwlumIrpo (1/1)

乙したー
とか言いつつなんだかんだじろーのスペックも常人離れしてるし三尖刀で更に跳ね上がるんだよなぁ


86 ◆e/6HR7WSTU2017/01/28(土) 21:13:21.64tgOq+dAA0 (1/1)


乙です。

何だろうなあ。
この『体力も技術力もしっかりあって優良顧客も がっちり抱えているのに、本社が地方というだけで人材から敬遠されている』
企業感は。

まあ韓浩さんのおっしゃる通り内部の底上げが先ですが、それだけだと限界があるし。
商会の仲介でそれなりを 大量に斡旋出来れば状況もマシになる?
つか何進さんか馬騰さん経由で何がしかの名士ネットワークに繋ぎを取ってもらうという手もあるが。

流流ちゃんはまあ、ね。雷薄さんが結構不憫キャラになっているし。
でも、絶対最後まで生き残って欲しい名脇役でもあります。
引退後は是非おいでませませ(手招き)


流流ちゃんの進路って、とりあえず幹部候補生で教育して二郎さんの将来の近衛にする一択。
しかないでしょう。
将にしたくないなら、近衛隊長か近従護衛で無官にする?


最後に二郎さん。いやさ二郎。
ちゃんと陳蘭さんに、
『留守番ありがとう』
言うたやろうな?(くわっ)




87一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/28(土) 21:49:42.96f2oazUZpo (1/2)

>>84
>悪来大活躍!
かつやく!しましたw

>いろんな意味で圧倒される哀れな紀家軍の皆さんお疲れ様でした」
強いといってもモブですからねしかたないね

>、お食事処的な意味で「悪来屋南皮本店」とか(汗
悪来屋は二郎ちゃんがなんか勢いで命名するかもですねw

>>85
>とか言いつつなんだかんだじろーのスペックも常人離れしてるし三尖刀で更に跳ね上がるんだよなぁ
モブ相手には無双できますからねw
なお、三尖刀の特殊効果でようやく二枚看板と互角になる模様
鍛えねば(決意)
※鍛えるとはいってない

>>86
>この『体力も技術力もしっかりあって優良顧客も がっちり抱えているのに、本社が地方というだけで人材から敬遠されている』企業感は。
デンソーさんかな?と思いました。

イメージですが
ちょっと違うかもだけど凡将伝での各地位のイメージ対照

皇帝:HD持ち株会社の代表取締役会長

大将軍:HDで代表権のある取締役。多分社長と相談役と顧問を一手に

三公:持ち株会社専務取締役

九卿とか:持ち株会社常務とか執行役員とか

州牧:子会社社長もしくは本社事業本部長兼執行役員

太守:部長(王はここらへん)

県令とかそこら辺の地方領主:課長~主任

地方軍閥の主:下請けとか子会社の社長、もしくは契約社員もしくはバイト

地味様はいわばトヨタの下請け工場の社長からいきなり本社部長になって何をしたらいいか分からない状態。
案件を決裁しようにもとにかく何をしたらいいか分からない。抜擢したらそれで済むというものではないのですね。
実は二郎ちゃんはそこらへん兵卒からやってるので意外と実務はデキル男。
まあ、資本主義の犬としては書類仕事もぬるい、ぬるい。
つか、書類仕事のフォーマットを作っているというね。
文官かな?


88一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/28(土) 22:02:59.02f2oazUZpo (2/2)

>>86
>最後に二郎さん。いやさ二郎。ちゃんと陳蘭さんに、
>『留守番ありがとう』
>言うたやろうな?(くわっ)

言うてない(確信)

「お茶くれ」

だけで嬉しい陳蘭ちゃんですよ。
これはいけませんねえ……


89以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/01/30(月) 11:58:30.23yMR5qkBQ0 (1/1)

乙でしたー
>>80
>>無論、使わないことにこしたことはないのだが、この先どうなるか分からんしなあ。
○無論、使わないにこしたことはないのだが、この先どうなるか分からんしなあ。  の方がいいと思います
>>まあ、膂力で言えば俺より遥かに上だしな。とは言え、兵卒として使いつぶすつもりもないが、将とするにわけにもなあ。
○まあ、膂力で言えば俺より遥かに上だしな。とは言え、兵卒として使いつぶすつもりもないが、将とするわけにもなあ。  の方がいいと思います
>>遠慮がちに、つかえながらも一生懸命に主張するその言葉に俺は首を横に振ることはできなかった。
○遠慮がちに、つっかえながらも一生懸命に主張するその言葉に俺は首を横に振ることはできなかった。  の方がいいと…側に仕えながらなら上ですが

遅くなりました。ところでちょっとした疑問・・・典韋の武力95オーバー(k○ei基準)を転生してから20年近くたってても覚えている二郎ちゃんは滅茶苦茶やりこんでたのか記憶を取り戻した直後に農徳親書と一緒に憶えてる限りのことを紙に書き記してたのか・・・
今回は戦う料理人がその強さを周知しましたね、そりゃ(回りも)沈黙するわ
タイトル案は思い切り悪乗りして【悪来の細腕剛力繁盛記】とか・・・【凡人、悪来の力を示す】とか?


90一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/30(月) 22:36:43.96453Z4XLHo (1/1)

>>89
赤ペン先生!いつもありがとうございまs(甘え)

>ところでちょっとした疑問・・・典韋の武力95オーバー(k○ei基準)を転生してから20年近くたってても覚えている
学生時代にやりこんでたのでそこはどうなんでしょね

随分K●EI三国志やってませんけど、こんな認識です

武力95以上武将

枠外:呂布

蜀:張飛 関羽 趙雲 馬超 黄忠(五虎将) +魏延ワンチャン

魏:許? 典韋 

呉:周泰 孫策(太史慈は呉に含まないものとする)

その他:文醜、顔良

後半になればなるほど憔悴として統率が強くなるのであろうという印象ですねえ。
職業軍人として、考えたら最初期にての漢朝の武将である皇甫嵩とかは武力は低い
中期、職業軍人でない人が軍を率いたら武力最優先
後期、やっぱり大軍率いるのに武力いらんよなって

そういう意味で好きなのは赫さんですね。まさに鉄壁。


関係ないけど幕末でどっちも備えてそうなのは土方さんと中村半次郎さん

でも、生き残ってほしかったのは佐久間さんと大村さんです

この二人が生き残ってたら「そら、歴史も変わるわ」やで
老害待ったなしやろうけどな!

橋本さんは察しがよさそうなので歴史は変わらないと思います


91一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/31(火) 23:31:55.89LIDs18eKo (1/5)

「邪魔するぞー」
「邪魔するなら帰ってんかー」
「さよか、失礼したな……ってなんでやねん!」
「あは!やっぱ二郎はんはええなあ。その間、完璧やで!」

けらけらと笑いながら真桜が何か言ってる。
間とか知るかい。

「で、今日はどないしたん?」
「頼んでたアレがでけたかなあと思って」

洛陽に発つ前に依頼を出した品である。

「あー、でけとるで。ほな、見にいこか」

がたり、と席を立ち俺を先導する。頼んでいたアレとは……まあ、勿体ぶっても仕方ないな。筋トレグッズだ。
鉄アレイやらバーベルやらジムで見る色々な器具とかだ。猪々子やら斗詩やらにこてんぱんにされまくりなので地力の強化をしようかと思うわけである。いや、流琉についてはもう諦め半分なのですがね。
だが!
ククク、この時代筋トレとかの概念などなかろうて……。これは地位逆転の目もありますねえ。

「なーんや悪そうな顔しとるなあ」
「む、失敬な。だがまあ、ばっくりとした話と適当な図でよく開発してくれたな」
「むふー、既に運用の実験もしとるんよ?」
「そうなのか」

マジか。単なる技術者でない、これが真桜のすごいとこだよなあ。いわゆるマッドでないというのはすごいことなのですよ。
持ってる技術力はマッドなんだろうけど。

「せやでー。そこらへん抜かりはないでー。
 せやけど、あんな器具使ったら筋力が増加するとかなんでわかったん?」
「んー、陳蘭の直卒の長弓部隊あるだろ?あいつらひたすら弓引く訓練しかしてないじゃん。
 そしたら腕の太さが左右でえらい違うから、さ」

てけとーな言い訳をする。嘘ではないけどね!確かイングランドの長弓兵もそんな感じになってたはずだ。片方だけむきむきな、まるでシオマネキみたいな!

「さよかー、でも、しんどいことしたらそこの筋肉がつくとか目から鱗やわー。
 あれ、二郎はん。それって……何気にめっちゃ機密ちゃうん?」
「まあ……、そうだな」
「いよいようちも機密保持者かー。胸が熱くなるわー」

その立派なお胸様が熱くなったら火を噴くんですかねえ……とか思いながら。
ほざく真桜の頭をこつんと叩く。はしゃぎすぎだってばよ。


92一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/31(火) 23:32:24.11LIDs18eKo (2/5)

「しかし誰が真桜の怪しげな実験に付き合ってくれたんだ?」

謎の爆発をしたり、謎の薬品を飲まされたりとハードルが高いはずだ。俺は詳しいんだ。

「へ?言ってなかったっけ?凪と陳蘭さんがやってくれたんよ」
「おい……おい。そこに目を付けるとか……」

……純朴な二人を言葉巧みにだまくらかす真桜の姿幻視余裕でした。これはいけません……。

「二郎はん。
……なんか失礼なこと考えてへんか?」
「一応聞いておく。
……二人は無事なんだろな」
「うちのことなんや思っとんねん。んなもん当たり前やろが!」

そうは言っても、なあ。

「色々自重しろってこったね。
俺んとこに来てる嘆願とか見るか?多分……俺が落ち込むぞ?」

俺の言葉に、にひひと笑って誤魔化すのだよねえ。いや、まだ誤魔化されてあげるレベルだけんどもよ……。

「あー、うちが悪かったわ」
「早いな。ま、いいさ。
できるだけ被害を出さないように、な?」
「はいな」

即答である。つまり。
やだ……この子多分聞く耳持ってない!俺がそうだからわかる!これはいけません……。

なお、対策のしようがない模様。

◆◆◆

「なんじゃこりゃー!」

俺は目の前の光景に思わず叫んでいた。
そんな俺を真桜はにしし、といった顔で見てくる。
俺の目の前には、まさにトレーニングジム的な光景があったのだ。

「どや!凄いやろ?凄いやろ?」
「すごいというか……凄いけど……。どういうことなの……」

俺専用のトレーニングルームを発注したと思ったらトレーニングジムができていたでござる。
いや、発注した通りの器具はあるのよ?ベンチプレスとか色々。
だがその数が……ねえ。

「ふふーん、筋力向上に効果ありって証明でけたからなー。
 器具の量産と施設の建設、即日で許可が下りたで?
 いやー、袁家ってほんま太っ腹やなあ」
「そ、そうか……」

そういや売官買占めで計上した予算が浮いてしまってたっけか。そりゃ金の使い道に困ってるよなあ。ああ、いい笑顔で張紘に無茶ぶりする沮授の顔が浮かぶわ。

「ほんまやでー。湯水のようにお金使えるねん。
 いやあ、ほんま二郎はんありがとなあ、うちらを拾ってくれて」


93一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/31(火) 23:33:10.42LIDs18eKo (3/5)

あれこれと軽く現実逃避していた俺に、常ならぬ声色の真桜である。

「ん?」
「うちかてな、そんな金持ちの村の出やないからなあ。そら食うに困ったことはないけどな。
 それでも、うちの研究なんて。ま、お遊びみたいなもんやったし。
 なんか作ろう思ても材料にも事欠く有様や。鉄くず一つ探すのにどんだけ苦労したか」

遠い目をしながら真桜が呟く。薄く目元が潤んでいるのは見間違いではない。

「うちはな、正直な。悔しいねん。
なんでうちは袁家の偉いさんの家に生まれへんかってんやろってな。
 うちがもっと早くこんな環境(とこ)におったらって、どうしたって思ってまう。
 やりたいことがでける、好きな絡繰りが造れる。
村の変わり者やったうちに二郎はんみたいな人が頼ってくれる。
 うちにはなかった発想までくれる!」

真桜の目じりに浮かぶものはどのような感情を意味するのだろう。薄かったそれは、真珠になり、零れる。

「うちな、ほんま今が楽しいねん。生きてて良かったって思うねん。
 こんな楽しくてええんかな、て思うねん。
 怖いねん。夢やったらどうしよて、怖いねん」

くしゃり、と真桜のややクセの強い髪を撫でてやる。
ついでに。

「いったー!なにすんねん!」

ほっぺをつねってやる。

「夢じゃあない、だろ?」
「あほか!ここはもっと雰囲気出すとこやろ!甲斐性なし!へたれ!あほー!」

ぎゃんぎゃんと叫ぶ真桜にほっとする。
元気が出た、かな。

「ほんま……。
二郎はんはいけずやな」
「そうか?」
「そうや」

むむむ。どういうことなの……。女心は複雑怪奇である。秋の空の方がまだ読めるわ。
ま、とりあえずは出来上がったトレーニングジムを活用することを考えるか。
こういうのは韓浩に丸投げしたいとこなんだけどいないからなあ。では。
雷薄、頼んだ。

そして、思う。

雨の日は、筋トレだよね!

……文家とか顔家とかからも使用の申請が相次ぎ、更なる施設の増設、改築に及ぶのはもう少し先のお話である。
結局トレセンが完成することになるのだが、それは更にもう少し先のお話である。多分。余った予算ぶっこんで突貫工事とか……そんなんできひんやん普通!

◆◆◆


94一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/31(火) 23:33:52.42LIDs18eKo (4/5)

李典は足取りも軽く自らの職場に向かう。
意識している――ほんの少し、だが――男の前で多少取り乱したことについては気にしないことにする。

「あのへたれがあかんねん。ほんまに。
凪もあら、苦労すんでー」

けらけらと軽やかな笑いをふりまきながら歩みを進める李典は溢れるほどの活気に満ちており、すれ違う男がいたならば三人に二人は振り返るだろう。
彼女の親友である于禁がその様を見れば、恰好さえ整えれば勝率十割になると主張するだろうが。

大体、自分が女としての魅力があるとすれば……そう思いながら最大にして唯一の特徴たる胸に目をやる。
正直研究や実験の最中には邪魔でしかない存在だ。とはいえ、江南から来ている人物やら袁家の当主様には見劣りしてしまうのではないかと思ってしまうのだが。
それでもまあ、異性の視線がそこに集中するというのは、いくらか気分がよかったりする。
とはいえ、露骨に視線を集中させる人物についてはごく限られている。というか若干一名でしかない。
まあ、それも仕方ないであろう。
元々自分はそのようなことに関心が薄いのだ。それは自覚している。自分などよりはよほど……。

「何だ、真桜。今戻りか」

歩みを進める李典に声がかけられる。かけがえのない親友である楽進である。

「あー、凪も戻りかいな、お疲れさんやなあ」
「そうでもない。今日も南皮は平穏無事だ」

生真面目なこの親友が実は非常に可愛く、女らしいというのをいったいどれだけの人が知っているだろう。

「そうや、今日二郎はんに会ったで」
「そ、そういえば今日……お戻りだったのだな。朝から紀家軍の訓練に参加されたと思うのだが」
「ほんま凪は可愛いなあ。実際二郎はんは果報者やで」
「な、何を言うのだ!」

むきになって色々言う楽進。彼女が実に可愛らしいと思うのだ。
女らしいというのはこういうことを言うのだろう。
……自分はそうではないということを自覚しているのだ、李典は。
結局自分は絡繰りさえあればあとはどうでもいいのだろう。
そういう意味では袁家の技術開発本部という部署はうってつけである。

そもそも李典の生業である発明、技術開発は金がかかる。それはもう。
生まれ育った寒村ではそのような余裕はなかった。
辛うじて特産品である籠や笊を編む絡繰りを試作した程度である。実利がない研究に割く余裕などなきに等しかった。
だからといって過去に抱いていた苛立ちを紀霊にぶつけたのはどうななあとも思う。絡繰りを作るための資材すら集めるのにも事欠く有様であったとしても。

それが南皮で袁家に拾われてからは様変わりしたのである。
潤沢に支給される予算。補佐する研究員的存在すらいる。そして何よりも。

「うちすら思いつかへんからなあ」

李典は自らの異質さを熟知している。
そして希有なことに……紀霊が李典を絶賛するのはその異質さを現世にすり合わせることができるということだ。
それは寒村で過ごした経験が大きいのだろうが、いわゆるマッドサイエンティストというものの存在を知る紀霊からすると、それは信じがたいものだ。社会性を持った極限技術者(マッドサイエンティスト)とか。

そしてその異質な才能を授かった李典すら思いつかないような発想の注文を紀霊はするのである。
衝撃であった。悦楽と言ってもいい。彼女の思うところを理解する人などいなかった。だというのに。
こともあろうに、紀霊が示すのは彼女をして発想の埒外だった。
凡庸な仮面を被るあの男の深淵が真桜には読み切れないのである。そしてその異常さを知るのは李典のみ。
とどのつまり、そんな紀霊という人物。埒外であるという自らの理解の外にいるその人格に興味を持つのはいたしかたないことなのだ。

「どうしたのだ?」

ただ、それも目の前の親友がいなければ、という前提条件があってこそのものだ。
この、無骨でありながら非常に女らしい。可愛い人格をその身に宿した、楽進という人物が李典は大好きである。
そんな彼女が一心に好意を向ける存在。そこに割り込むのは無粋というもの。

「なんでもあらへん。ほいでもな、今からやったらまだ二郎はん……おるかもしれへんで?」
「な、何を言うのだ。私は今日はもう紀家に用事はない。いや、むしろ夜の宴席の警護を仰せつかっている。
 それは、二郎様に色々とご報告したいことはあるが、優先順位が違うと思うのだ」

くすり、と李典は笑う。
この、不器用な親友。その、本人はまだ認めてすらいない恋心。
それを実らせてからだろう。この、自らのなんとも言えない感情と向き合うのは。

「ほんま凪は可愛いわー。うちが男やったらすぐにでも結婚してほしいわー」

これは、この時代においては類稀なる才能、異能をその身に宿す希代の異才。その異分子の抱く本音である。
そして、その重要さを知る者は……。


95一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/01/31(火) 23:34:44.51LIDs18eKo (5/5)

本日ここまですー

感想とかくだしあー

恋姫において真桜は実際チートキャラですよねえ


96以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/01(水) 01:48:48.09X9GtrR6/o (1/1)

乙したー

転生系主人公特有の現代知識ブーストを飲み込めるんだから真桜えもんの名は伊達じゃないよなぁ


97以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/02(木) 12:36:21.572AGcR1ZA0 (1/1)

乙です。

絵図とざっくりの「こういうモノ」という希望だけで形にする能力はマジチート。
ただし工学とか工業製品系限定?

化学はどうなんだろ?
二郎さんの知識量の量と深度にかかってくるか。

とはいえ恋姫自体がそこら辺曖昧ふんわりだから チートなら日常製品は作りそう。

李典さんと流流ちゃんで 飴は作れそうですが。




98以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/03(金) 10:05:27.44JzGJOjpp0 (1/1)

乙でしたー
>>91
>>「む、失敬な。だがまあ、ばっくりとした話と適当な図でよく開発してくれたな」 【ばっくり】ってなんとなく口を大きく開けてるような感じがします
○「む、失敬な。だがまあ、ざっくりとした話と適当な図でよく開発してくれたな」  の方がいいと思います
>>94
>>むきになって色々言う楽進。彼女が実に可愛らしいと思うのだ。 間違いではないです
○むきになって色々言う楽進。彼女は実に可愛らしいと思うのだ。 の方がいいかな、と思います
>>だからといって過去に抱いていた苛立ちを紀霊にぶつけたのはどうななあとも思う。
○だからといって過去に抱いていた苛立ちを紀霊にぶつけたのはどうかなあとも思う。 ですね

トレーニングジム!そういうのもあるのか!電気を使わないものでもそれなりにいろいろあるしね、効率的に鍛えることができるっていうのは地力を上げる意味でも大きいよね。二郎ちゃんの言葉を借りるなら天才が一人で100歩進むよりも凡人の100人が一歩進む方が重要、だっけか


99一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/03(金) 23:43:30.39LU5Uk1R5o (1/1)

>>96
>転生系主人公特有の現代知識ブーストを飲み込めるんだから真桜えもんの名は伊達じゃないよなぁ
むしろ、凡将伝の真桜えもんは大人しい方だと思いますw

>>97
>化学はどうなんだろ?
>二郎さんの知識量の量と深度にかかってくるか。

二郎「肥料?あれやろ?窒素を固定化したらええんやロ?
   よし、マメ科の植物を……」

二郎ちゃんはクエン酸回路とか知らないくらいの科学知識です。
三角関数も知らない。だからそれがどう活用されるかも知りませんw

>>98
いつもありがとうございます1

>電気を使わないものでもそれなりにいろいろあるしね、効率的に鍛えることができるっていうのは地力を上げる意味でも大きいよね。
これで地球降下作戦での主力MSがザク改になったぜくらいの効果ですわい

>天才が一人で100歩進むよりも凡人の100人が一歩進む方が重要、だっけか
なので、めっちゃ話は変わりますが京大の山中教授というのはすごいと思いますことです
職人気質の研究者とか教授はいらっさいますが、きちんとマネジメントできるとか……


100一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/04(土) 21:26:28.10pRihbbtGo (1/4)

「お、二郎、おかえり。久しぶりの洛陽はどうだった?」
「ほいさ、ただいまっと。そして洛陽は相変わらずの伏魔殿さ……。
 金輪際立ち寄りたくないね。できたらね。できねえだろうけどね。
張紘も元気そうでなにより。これお土産な。赤楽さんと呑んでくれや」

やはりお土産は飲食物に限る!ほら、ペナントとか木彫りの熊とか貰っても困るやん?
なので洛陽で買った銘酒と銘茶である。

うーん、商会の事務所も久しぶりだなー。
というわけで俺です。二郎です。
午後の訓練を真桜謹製のジムでの筋トレに変更し、汗を流した後だ。
いやあ、晴れた日に筋トレって何か贅沢な感じ!
とはいえ、器具の説明で時間結構使ったけどなあ。

「おや、そっちの子は?」

張紘が俺の後ろに隠れている流琉に目をやる。

「ほら、流琉。自己紹介だー」

ずずい、と押しやる。

「は、はい!典韋といいます!二郎さまに拾っていただきました!
 き、紀家軍で、へ、兵站を任せ……任されました!
よろしくお願いします!」

ぺこり、と頭を下げる流琉に張紘は優しく声をかける。

「おう、こっちこそよろしくな。おいらは張紘っていうもんだ。
一応、母流龍九商会を預かってる。
 ま、おいらも二郎に拾われたクチだぞ。そういう意味ではご同類って奴だな」

いや、拾ったっていうよりは拝み込んで招聘したんだけど。三顧の礼とかの余裕もなく、縋(すが)りつくぐらいの勢いでの……泣き落としに近かったと思う。
しかもお願いしたのが商会の会頭とか……。商業が賤業とされているのに愚痴一つなく誠実にその職責を果たしてくれている。それも俺の予想以上に。
うむ。
張紘には頭が上がらないな。拝んでおこう。南無南無。

しかし、マジで張紘がいなかったらとか思うと……寒気がするわ。
ま、それはともかく本題に入ろうそうしよう。

「んでな、実はこの子に得物を見繕ってやってほしいんだわ」

何せあの悪来典韋である。やっぱり何か専用武器を装備させたいじゃない?

「はぁ?正気か?」

まあ、張紘の疑念も分かる。だってぱっと見幼女だもん。

「本気だとも。
ってね。俺より普通に強いからこの幼女」
「そそそ、そんなことないですよー」

わたわたと手を振って否定する流琉。が、嘘はいけないな、嘘は。
ぽかん、とした顔の張紘がため息を一つ。

「まあ、二郎が拾ってくるんだからそういうこともあるだろうよ。
いいさ、ちょっと待っててくれ」

持っていた書類を置いて張紘が室を辞する。いや、フットワークいいのは相変わらずだけどやりかけの仕事はいいんだろうか。
とか思ってたら赤楽さんが引き取って決済を始めたでござる。


101一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/04(土) 21:26:54.45pRihbbtGo (2/4)

「毎度のことながら、貴君が来たら……忙しくなるな」

何か言おうとした俺の機先を制して赤楽さんは苦笑する。いつもならもっと鋭く俺を苛むのだが、今日は機嫌がいいのだろうか。

「ええとね。いつもお世話になっております……」
「その言が社交辞令ではなく本音であると思っていいのかな?」
「そりゃもう」

結構――いつも――常時無理難題的な案件を相談の名のもとに押し付けてるからなあ。そ、沮授だってその元凶なんだぞ!とも言えず。

「ならば結構。
 無論貴君の誠意を疑ったことなぞないがね?
 まあ、燕雀の囀りだとご寛恕願いたいな」

いやいやいやいやいや。

「ええと、張紘に無理言ってるのは分かってるので」
「ならばよし。
 と言わせたいのだろう?
 なに、不満なんてないとも。今のところ、ね」

現状維持を心掛けろということですね分かります。
まあ、張紘に負担を強いるというのは不本意だしな。

探るような、薄く笑うような赤楽さんの視線に軽く頭を下げて去る俺である。
今後ともよろしく……。

◆◆◆


102一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/04(土) 21:28:31.67pRihbbtGo (3/4)

「こんなもんかなあ」

そう言って張紘は卓の上にじゃらじゃらどすん、と武器を並べる。
何か、禍々しいのから聖なる感じなのとかすげえカオスだぞ。
リクエストとしては流琉の膂力を考えて鈍器を集めてもらっている。
※マトック最強論は除外しました。

「使いやすそうなのを選ぶんだぞ」

俺の声に流琉はあれこれと物色している。
しかし相変わらずここには謎なほど色々あるね。借金の担保とかあれこれなんだろうけど。

「二郎さま、うん。これがいいです」

そう言って流琉が持ってきたのは漆黒の鈍器である。刻まれた装飾が梵字っぽいけど俺にはそれを解読するスキルは当然ない。まあ、形状は金属バットみたいで振り回しやすいよね。
というかなんなのこれ……。

「ああ、それは降魔杵だな。悪鬼羅刹の類を滅するらしいぞ?
 使い手によっては形状を変化させることも可能とかなんとか。
 まあ、伝承によれば、だけどな」

マジか。マジカルなのか。

「えと、二郎様?」

そんなに高価なもの、と気後れするの頭をぽむぽむとはたいて後押しする。
尻込みすることないんやで。
金ならあるからな!いくらあるかは知らんけど!

「ま、流琉が気に入ったんだからそれでいいって」
「い、いいんでしょうか……」
「俺を悪鬼羅刹から守ってくれればそれでいいさ。
 だから……俺の悪来になってよ!」
「はい!わかりました!」

なんてな。にひひ、と笑いながら流琉の頭をくしゃくしゃとかき回す。

降魔杵。

確か封神演義によれば韋護が使ってた武器だな。
それのオリジナルではないにしろ、大した武器だろう。流琉が直感で選んだんだ。間違いはない。と思う。

きっと、鬼に金棒、流琉に降魔杵になるはずだ。
そんなことを思っていると紀家の使いが俺を呼び立てる。いかんいかん。
麗羽様が太尉になられる祝賀の席は今夜だ。遅刻はまずい。

張紘に礼を言って俺は軽く駆け出す。何やら張紘が叫んでいるが、それは後で聞くことにしようそうしよう。

こういう時には加速装置とか欲しくなるね。そんなことを思いながら脚を早める。
慌てたように俺を追う流琉の足音が心地いい。
一生懸命についてくる、その足音。疑うことのない信頼。それに俺は応えていけるのだろうか。いや、応えなければならない。

そして足を速めるのだ。
たっきゅうどうー!


103一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/04(土) 21:30:40.89pRihbbtGo (4/4)

本日ここまですー

感想とかくだしあー


題名は「凡人と悪来」かなあ
自分で書いてて分かるこの違和感よ

おススメの案くださいませませ

過去のも、思いついたらご提案ください
いいなあと、思ったらいつでも改訂しますのです


104以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/04(土) 21:40:47.62TaUmn1EA0 (1/2)


萬田の銀ちゃん

「皇帝や偉いさんや名家や言うたところで銭を支配してるモンが最後には 世の中いわすんや」
(竹内力版で)




105以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/04(土) 21:44:47.37TaUmn1EA0 (2/2)


萬田の銀ちゃん

「何やようわからんが、乙やでぇ」


106以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/05(日) 12:29:40.20RWHgx8900 (1/1)

>たっきゅうどうー!
にゃーん!


107以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/06(月) 09:40:58.41A/7P+tAB0 (1/1)

乙でしたー
>>100
>>いいさ、ちょっと待っててくれ」
>>101
>> 探るような、薄く笑うような赤楽さんの視線に軽く頭を下げて去る俺である。
具合が悪くなったとはいえこの場合去っちゃダメじゃないかな?絶妙なストレスをお腹に溜めつつ張紘が早く戻ってきてくれるのをじっと待つべきだと思うんだけど・・・もしくは張紘(の使い)に呼ばれてこの場を去るとかの方がいいと思います
>>102
>>そんなに高価なもの、と気後れするの頭をぽむぽむとはたいて後押しする。
○そんなに高価なもの、と気後れするので頭をぽむぽむとはたいて後押しする。 もしくは【気後れするのを】でどうでしょう
>>こういう時には加速装置とか欲しくなるね。そんなことを思いながら脚を早める。 健脚、とは言いますが
○こういう時には加速装置とか欲しくなるね。そんなことを思いながら足を早める。 この場合はこちらの足が一般的ですね

銭を支配・・・お金が無いならお金を作ればいいじゃない・・・ジンバブエドル・・・徳政令・・・うっ頭が
凡人、友に頼みごとをする(日常茶飯事) とか 悪来、守るための力を手にする とかどうでしょう?・・・うん、微妙


108一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/09(木) 00:02:39.55zaVm7twio (1/2)

明日やりますたb


109以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/09(木) 18:13:51.98brB2Rh1zO (1/1)

久しぶりの寝言に乾杯

つ「山崎12年」


110一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/09(木) 22:34:24.68zaVm7twio (2/2)

>>104
竹内さん、かっこいいですよね!
見てみたいタイトル

「ミナミの帝王VSナニワ金融道~北新地攻防~」

銀ちゃん「借りたもんは返す……。それが筋ちゃいますか?帝国はん!」

ミナミの帝王(漫画版)は国内の問題を実に丁寧に取材していると思います。
あれはもっと評価されるべき。
島耕作は半年~3年くらい遅いんだよなあ。
ようやく中国とは組めない認定とかw
遅いけど、方針転換したのは凄いと思いますよ大前研一さん!
ポジショントークはほどほどにしてくださいというか、貴方が都知事にならなかったのがよかったと思わせないでよ!

>>106
正直、アマゾンとは袂を分かつべきだと思ってます
そしてアマゾンは自前の配送組織を作れるのか。興味は尽きません。

>>107
赤ペン先生ありがとうございます。
ほんまに助かっておりまするるる。

>銭を支配・・・お金が無いならお金を作ればいいじゃない・・・ジンバブエドル・・・徳政令・・・うっ頭が
ん?
今の日本だったらハイパーインフレ来たら国債が小銭になるから願ったりですよ!
貯金とか預金が活きるのはデフレ社会ですからねえ……
こいよインフレ!

>>109
>久しぶりの寝言に乾杯
つつましく生きていたのに、人の本性というのはごまかせませんねぇ。
軽薄で頭悪い一ノ瀬ですけど今後ともよろしくお願いいたします
山崎12年

のみたいのおおおおおおおおおおお!
貧乏舌でもお!

美味しいとこ飲みたいなあ。。


111一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/11(土) 21:41:24.72j4+UJdSZo (1/2)

孫策、そして周瑜が今日南皮に到着するという。孫家の当主とその腹心。
それが根拠地を離れるというのだ。つまり江南はそれくらいに治まっているということなのだろう。
二人と会うのも随分と久しぶりな気がする。夜には着くと聞いているが。
とはいえ、自分のやることに変化はない。精進あるのみ、だ。
陸遜を教師とし、袁家の……いやさ紀霊の足跡を追っている。自分に足りないものを得るために。
なのだが……。

「駄目ね、やってることが多岐に渡り過ぎて……把握しきれないわ」

つい弱音を吐いてしまう。

紀霊がその実績を記載している報告書。それは随分と……あっさり閲覧許可が下りたのだ。だが。
分からないことだらけ。
嬉しそうに頬を上気させながら目を通す陸遜がうらやましい。きっと自分なんかでは思いもつかないことを洞察しているのだろう。

「大体……。農政改革、軍制改革、さらに商会を立ち上げたり。一体何がしたいのよ……。
 そんなの。何で、できるのよ……」

これだけのことを一人でやっただなんて、信じられないと嘆息する。
普段暢気に町に出かけたり、黄蓋や陸遜に秋波を送ったり。
気ままな暇人、むしろ高等遊民としか見えないのに。
というか、そんなに働いているところを見たことがない気がする。

「ねえ、穏。これらの報告書が本当なら、あの男は……。冥琳や穏より内政でも知見があって、軍事に於いても祭をもしのぐってことにならない?」

いくらなんでもそんなわけがない。そんなわけがないのに、と頭を抱える孫権に陸遜は声をかける。

「そんなにぃ……。お気にされることはないですよ?」
「だって、そんなこと言ったって……」

慰めなんて結構だとばかりに頭を振る孫権。陸遜の声は変わらず優しい。

「二郎さんのお仕事って、何だと思われますか?」
「え……?」

唐突な問いに言葉を失う。

「えっと……。
 一番は紀家軍の運営と管理。それと袁家の農政指導。もちろん袁家と紀家の軍政も大事でしょ。
 さらには母流龍九商会の統括。それに漢朝の公職……かしら?」

とりあえずの推察。陸遜は笑みのままに応える。

「そうですね、二郎さんが手がけたことはそのあたりですねぇ」

そう言われて孫権は違和感を覚える。

「どういうことかしら……」

にこり、と笑みをそのままに。陸遜と孫権は視線を交わす。

考えろ、私。

前述した事業はいずれも膨大な労力を必要とする。だのに紀霊はあちこち出回るし、つい昨日まで南皮を空けていた。
ならば、と思う。
そして。まさか、と思い至る。


112一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/11(土) 21:49:58.36j4+UJdSZo (2/2)

「実務は、手がけていない……?」
「近いです。当たらずとも遠からず……ですね」

よくできましたという風に陸遜が答える。

「正確に言いますと、二郎さん……というか紀家の当主。
 まあ二郎さんはまだ当主ではないですが、そこは置いておいてください。
 その、紀家の当主がしなければならない仕事というのはですね。
 これといって、ないんですよ」
「な、なんですって……」

絶句してしまう。
そんな、そんな馬鹿なことがあるはずがない。

腹心である陸遜。その言が分からない。
だから、第三者の言に救われたと思う。思った。思ってしまった。

「やれやれ、雪蓮と別行動でよかった。これは聞かせられんよな」
「おねーちゃん、ひっさしぶりー!」
「め、冥琳にシャオ?ずいぶん早いじゃない」

懐かしさと不可思議さを同時に感じる。周瑜はともかく妹たる孫尚香が来るなど聞いていない。
聞いていないのだが、いつもの気まぐれだろうと察する。
兎角、孫家の血筋は奔放なのだから。

「いや、袁家領内の街道が予想以上に整備されていたので……」
「すっごいんだよー、道が煉瓦で整備されてるの!
 馬車がどんどん進むんだよー!」

興奮したように身体全体を使って驚きを主張する孫尚香。
ああ、懐かしい。こんなにも私は家族と触れ合っていなかったのか、と頬が緩む。

「……じゃなくて!
 穏、さっきのはどういうことなの?」
「ふむ、私も興味があるな」

視線を受けて、陸遜はにこりと。

「ええ、ご説明いたしますね。
 かの名高い……北方における、匈奴と袁家の大戦に遡ります」

袁家旗下、武家四家。その三家の当主までもが討死するという激戦。

「四家のうち、紀家のみ当主が生き残りました。それどころか匈奴の首魁たる汗(ハーン)を討ち取るという武勲を挙げています。
 その武勲は無論筆頭。なおかつ他家の当主がいない以上、袁家を背負うと目されていました。
 ですが、ここで紀家当主たる紀文は身を退きます。そして軍事は麹義、政務は田豊が執るという二頭体制を整えました。
 それを先代袁家当主たる袁逢がまとめ、袁家は実に……見事に治まることになります」

そう。唯一当主が無事な紀家は領内の慰撫に努めることに徹し、権力争いは発せず。
後知恵だとしても、孫権は実に見事な身の処し方だと思ったものだ。

「ですがそれは一面の真実でしかありません」
「どういうことだ?」

周瑜の応(いら)え。

「実は……。当時のことですが。物理的に紀家当主は動くことができなかったみたいですねぇ」
「なに?」

え、という思いは口に出ていただろうか。それすら分からないほどに孫権は衝撃を受けていた。

「匈奴との大戦。乾坤一擲の一撃を持って戦局を勝利に導いた紀文。彼はその戦いにおいて深刻な損傷をその身に受けました。
 具体的には半年以上も寝台から身を起こすことすらできないほどに。
 ええ、廃人同然だったみたいですよ?」

知らない。そんな話は知らない。


113以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/13(月) 13:43:28.23Ou2vAQyG0 (1/1)

乙でしたー
>>111
>>考えろ、私。 基本的には名前でここまでやってたので突然地の文が一人称になるのは違和感があります
○どういう事か、と考えを巡らす孫権 とかどうでしょう
>>112
>>ああ、懐かしい。こんなにも私は家族と触れ合っていなかったのか、と頬が緩む。
○ああ、懐かしい。こんなにも家族と触れ合っていなかったのか、と孫権の頬が緩む。 とかどうでしょう

ところで寝落ちた?無理はしないでくださいね


114一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 20:41:05.80hYoiWs6Mo (1/6)

>>113
すんません、寝落ちからの体調不良でした
うむ、自業自得だね!

いつも添削ありがとうございます。

どうにも調子が上がりませんし艦これのイベントは進まないし。

後半戦、やります。


115一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 21:19:53.77hYoiWs6Mo (2/6)

「ですから、紀家にとって当主がいなくても回る仕組みを構築するのは必然。
 それを……いい意味で昇華し完成させたのが二郎さんですね。
 あの方が何もしなくても、紀家の運営に問題は起こらないのです」

よくわからない。一体何を言っているのだ。孫権は内心頭を抱える。傍らを見ると。
周瑜は柳眉をひそめ、孫尚香(いもうと)は……どうでもよさそうだ。

「極端な話をしますと、二郎さんがしていること、それは彼がしたいこと、なのです。
 そしてしなくてはならないこと、というのではないのです。
 実際、実務は雷薄と韓浩。この二人で問題なく処理されています」
「……つまり紀霊が手がけた事業というのは、極端な話。
 ……道楽みたいなものということなのか?」

周瑜の問い。それが意味することの深刻さがいかほどのものか。
問いを投げかけた周瑜の表情も硬く、顔色も優れない。

「暇つぶしと言うと、多少語弊はありますねぇ。
 ただ、手がけた事業を自分の手柄とすることは稀です。
 軌道に乗ると他の人員に委譲されてますねえ」

対照的に朗らかな陸遜。うきうき、と言ったその様に孫権は違和感を覚える。

「ふむ、手柄と利権をあっさりと手放すとは。
 傲慢なのかな。それとも既に袁家の内部での地位が安泰ということなのか」

このあたり、勃興したての孫家である。その無欲さに当惑するのもやむなきこと。とは言え内部事情を察する周瑜は流石というところであろう。

「そのあたりはなんとも言えませんけどぉ。
 ただ、自分の功績や名誉みたいなものには興味は薄いみたいですねぇ」

くすくすとおかしそうに笑う陸遜。孫権は思う。これは本当に陸遜なのだろうか。
だってこんな彼女は知らない。知らない。

「ふ、む。興味深いな。だが報告書によればそんな紀霊が袁家の舵を左右しているのだろう?」
「なっ!」

思わず声を発してしまう。
あの男が袁家の舵を握っている?そんな馬鹿な。未だ紀家の当主にすらなっていないのだ。そんなわけない。
そんなわけがない。孫権はそう言おうとするが。

「その通りです。現在、大陸を盤面とする打ち手。即ち十常侍、何進、袁家。そして袁家の打ち筋。察するに……打ち手は二郎さんですねぇ。
 ふふ、麹義か田豊。大穴で沮授と思ってる人がほとんどでしょうねぇ」

くすり、と笑みを浮かべる陸遜の肌は上気していて。
孫権はその言が、陸遜の辿り着いた真実なのだと理解する。

「ふむ、流石だな。紀霊の打ち筋も読めてきたのか?」
「いえ、そこまでは。ですが、おおまかには掴めてきたかと」

嗚呼(ああ)、自分は一体なんなのだろうか。そして周瑜に一度も問いかけられていないということに今更ながら気づくのだ。
自分はなんだ。次代の孫家を率いる?お笑い種だ。とんだ、道化だ。

「しかし、よくそこまで踏み込めたな」
「祭様のおっしゃる通りですねぇ。やはり、理解を深めるのには肌を重ねるのが一番です」
「ふむ、一理ある、か」

これまでの葛藤。それが嘘のように孫権の思考は凍り付く。
腹心たる陸遜のその言、行い。
冷め、冴え、覚める。

「ふふーん、それでも紀霊って孫家に重きをなしてないんでしょー?
 だいじょーぶだよー?
 シャオが紀霊をろーらくしてやるんだから!
 ふふ、祭にも穏にも無理でもシャオならできるよ?だから安心してね!
 孫家にはんえーをもたらすのはシャオなんだから!」

その言葉にわが身を三省する。幼い妹ですらその身をもって孫家のことを考えているというのに!
そしてこれまでの紀霊への言動を振り返り内心頭を抱える。

「済まない、気分がすぐれない」

消えてしまいたい。その思い。忸怩たる思い。
そして、それが如何に恥ずべきことか理解して、それでも。
それでも孫権はその場にいることに耐えられなかったのである。


116一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 21:23:53.35hYoiWs6Mo (3/6)

◆◆◆

「おねーちゃん、どーしたのかな?」

室を辞した孫権を孫尚香が心配する。

「ちょっとシャオ、行ってくるね」

軽やかに駆け出す。
それを温かい視線で見送った周瑜が陸遜に目を向ける。

「随分と蓮華様には厳しい……いや、優しいのだな」

その言葉を受けて陸遜は破顔する。

「ええ、いいえ。蓮華様には二郎さんと同じ階梯に行ってもらわないと困りますから」

くすくす、と実に嬉しそうな陸遜に周瑜は違和感を覚える。
訝しげな周瑜を気にせず陸遜は言葉を紡ぐ。

「今、中華には新たな打ち手が誕生しようとしています」
「曹操、か」

未だ泡沫勢力である曹操を評価しているのは周瑜の先見の明というよりは眼前の弟子の分析及び賞賛によるものであるのだが。

「はい。放っておいてもそうなったでしょう。ですがそれを助長する存在がいます」
「ふむ、話に聞くとアレは傀儡になどならんだろう。餌を与える腕もろとも引きちぎられそうだが」
「はい。アレは一種の化け物。ですから……」

くすくすと陸遜が笑う。本当に愉快そうに。

「化け物をもって化け物を制す、だそうですよ?」
「な……!」

流石の周瑜が言葉を失う。その周瑜の様子。くすりと陸遜は笑う。
あくまで可憐に。

「それが何進なのか十常侍なのかまでは教えていただけませんでしたが。
 多分ですが、後者じゃないですかねえ?」

あくまで朗らかに笑う陸遜に周瑜は戦慄を覚える。

「ふむ、宦官勢力を曹操に吸収させるのはいい。十常侍が消滅すればめでたいだろうよ。
 だが、そんな曹操をそこまで恐れるのか?
 確かに厄介だろうが、何進と袁家が組めば排除は容易いと思うのだけれどもな」

なにせ大将軍と歴代三公を排出した名家である。袁家の威光一つで、と思うのも無理なからぬもの。
そして覚える危機感。

「一体袁家は……いやさ、紀霊はどこに向かおうとしているのだ?
 世に混沌と混乱を生み出すのが望みだとでも言うのか?」

思案気に周瑜は吐き捨てる。これ以上世が乱れるのはかなわん、と。

「あの方の言葉をお借りするとぉ……。
 ほどよい緊張は安定を生み出すそうですよ?」

くすり、と答える陸遜。
その言葉に周瑜は柳眉をひそめる。

「穏、お前はいったい何を言っている?」
「ええ、本当に。……本当に袁家に送っていただいたことには感謝しています」
「……体のいい人質。いや、人身御供だというのに。心根からそう思ってくれるならありがたいものだ」

どこか後ろめたさを感じさせる周瑜の声。
陸遜は大輪の花が開くような笑みを向ける。

「いえいえ、孫家存続のためには必要でした。それに、本当に感謝してるんです。
 田豊、麹義、沮授、袁紹、曹操、魯粛、張紘、公孫賛、……それに二郎さん。
 綺羅星のような方々にお会いできたのは幸運でした。
 それもこれも私がここにいるからです」


117一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 21:32:09.70hYoiWs6Mo (4/6)

ぞくり。

周瑜は背筋に冷たいものを感じる。

「ええ。そうですね。
 蓮華様には中華という盤を舞台とする打ち手になっていただきます。
 私が仕えるお方なのですもの。
 いつまでも袁家の意向一つに翻弄されていてもらっては困りますしぃ」

周瑜は陸遜の言葉に柳眉を逆立てる。

「穏、勘違いしてはいけないぞ。先代である孫堅殿の遺言。
 それはあくまで江南の安定だ」
「そうですねぇ。ですが、そのためには中華への影響力が大きいにこしたことはないですよねぇ?」

くすくす、と陸遜は笑う。笑みは深まる。

「……場合によっては。
 穏よ。お前のご執心な紀霊と争うことにもなるぞ?」

周瑜の言葉に陸遜は身体を振るわせる。

「ああ。それは素敵ですねえ。閨を共にするよりも互いを読み合い、蹂躙し合う……。
 うふふ、思いだけで。身体が火照っちゃいますねぇ……」

うっとりとした表情で陸遜はその身をくねらせる。
江南出身でありながらの白い身体。それを桃色に染め上げる。
そしてその貌は陶然。

「穏!」

流石に声を荒げ、周瑜が殺気すら纏う視線を陸遜に向ける。

「いえ、もちろん袁家に喧嘩なんて売りませんよ?
 二郎さん曰く、勝てない戦をするのは馬鹿のすること、だそうですから。 
 勝ち易きに勝つ。うふ。
 孫子さまの……真髄ですよねぇ」

周瑜は括目する。弟子とばかり思っていた陸遜。
この、とろんとした笑みを浮かべる貌。その双眸が見つめる先は遠く、周瑜すら見てはいないのではないか。
そして。

「世の打ち手の打ち筋はほぼ把握しましたし。
 江南の、孫家の繁栄はお任せください~」

刹那。浮かべる笑みに含まれる狂気にも似た何か。それを周瑜は危惧する。


118一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 21:42:08.73hYoiWs6Mo (5/6)


「とはいえ、だ。
 穏が最も重視する紀霊の打ち筋は見えぬのだろう?」
「ええ、あの方は埒外ですねぇ。
 くす、読み切れません。素敵ですぅ……」

うっとりとした陸遜。周瑜は叱責がその役目。苛立たしい。
つまり、それこそが袁家の謀略の一端であるのだろう。

「穏!戦に耽溺するか!」

周瑜の言に陸遜の表情はぴくりとも動かない。だが、答える。

「……打ち筋は正直読めません。ですが、その終着点は見えてきた。
 と、思いますぅ」
「ほお……?」

周瑜は目を丸くする。なるほど。
目指すところが見えれば、討ち筋がどうあれ乗じることは可能だろう。

「ふむ、興味深いな。袁家を牛耳る男が目指すところ、というものはな」

くすくす。深まる陸遜の笑みに周瑜は僅かに苛立つ。が。

「ふふ、天下泰平、だそうですよ?」

陸遜の言葉に周瑜は絶句する。目を白黒させる。そんな周瑜を陸遜は楽しそうに、愉快そうに。
……いっそ憐れみを込めて見つめる。

「馬鹿な!袁家を牛耳り、十常侍と正面切ってぶつかり、何進と結び、我が孫家と曹操を手駒として扱う。
 そんな男が上を目指さないはずがないだろう!いいかげんなことを言うな!
 ありえん!」

くすり、と陸遜はほくそ笑む。
袁家にて棲んだ自分だから分かるのだ。あの男が。その心根が。そしてその見据える先が。
そして心から面前の師に感謝する。よくぞ自分を袁家の……時代を動かす場に送り出してくれたと。

そして。

次代の孫家。

中華を盤とする打ち手として、孫家は参戦する。
打ち手は孫権。

その参謀は自分だ。

気負いなどなく。確定事項として陸遜は逆算する。
嗚呼、主の向上心には喜びを。感謝を。
半ば、陸遜は眼前で美しくも儚い激情を露にする師すら眼中になく。

訪れるであろう、曹操と、何進と、十常侍と、袁家との戦いにその身を委ねていた。

紀霊が孫家で最も恐れる存在。異なる時空に於いて、劉備と張飛という……時代を代表する英傑を殺しきったその鬼才。

後世。
人物評などほとんど残していない紀霊。彼は陸遜について一言だけ言及している。

「戦争の天才」と。


119一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/13(月) 21:46:28.43hYoiWs6Mo (6/6)

本日ここまですー
感想とかくだしあー


本当は前回ここまでやるつもりだったのです

前後半で
前半は「碧眼児」
後半は「師弟問答」

まとめて碧眼児かなあ……

お知恵拝借したく存じmあす


以下妄言
個人的には恋姫のキャラって能力固定値なんだけど、その例外がお尻様かなと思ってます。
あ、一刀さんは別としてね。
だから成長前のお尻様はどんどこいじめたくなりまする。
でも孫家でお世話になったのはシャオです。


120以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/13(月) 23:21:06.08uhciagy3o (1/1)

乙です


121以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/14(火) 23:43:33.45ex4FMuIbo (1/1)


物語も佳境に入ってきて盛り上がってきたところですが、お尻様空気化しててちょっとかわいそうww
ところでシャオとテラ生まれのTさんじゅっさいは声がよく似ていますが、猪々子さんはなんか思うことないんでしょうか

タイトルつけるなら「その眼に映すは碧き流れ」ですかね、いろんな意味含めて


122以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/16(木) 16:55:00.36okjCvhjS0 (1/1)

乙でしたー
>>115
>> それを……いい意味で昇華し完成させたのが二郎さんですね。  【昇華】は無駄なものを省くとか基本的にいい意味で【悪い意味で昇華】することは無いので【いい意味で昇華】に違和感があります(例えば性的欲求を運動などで発散することを昇華と言いますし)
○ それを……昇華し完成させたのが二郎さんですね。  もしくは  それを……いい意味で練磨し完成させたのが二郎さんですね。  あとは【磨き上げて】とか【仕上げて】とかでどうでしょう
>>116
>>流石の周瑜が言葉を失う。その周瑜の様子。くすりと陸遜は笑う。
○流石の周瑜も言葉を失う。その周瑜の様子。くすりと陸遜は笑う。  の方がいいと思います
>>117
>>周瑜の言葉に陸遜は身体を振るわせる。 【振るう】は刀を振るう、拳を振るう、などの大きな動きの時に使います
○周瑜の言葉に陸遜は身体を震わせる。  (武者震い)と言いますしプルプルしたりガタガタしたり、体が震えるのはこちらですね
>>118
>>目指すところが見えれば、討ち筋がどうあれ乗じることは可能だろう。
○目指すところが見えれば、打ち筋がどうあれ乗じることは可能だろう。  ですね

孫家が前に進むための分岐点ですね。この先どの方向へ進むのか楽しみな状態・・・とはいえ下手すると最悪のタイミングで袁家に牙をむきそうですが(むしろ孫家が袁家に牙をむくのは勝ちやすきに勝つタイミングを選びそうかな)


123一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/16(木) 22:33:42.453dYL+Soro (1/4)

>>121
>物語も佳境に入ってきて盛り上がってきたところですが
盛り上がりを感じていただけて光栄の至り!
だが……
まだ黄巾すら始まっていないのですよw

>お尻様空気化しててちょっとかわいそうw
お尻が魅力のあの子はきっと後日に頑張るはず!

>ところでシャオとテラ生まれのTさんじゅっさいは声がよく似ていますが、猪々子さんはなんか思うことないんでしょうか


え?
そこらへんが参加してるんですか?一ノ瀬はそこいらへんには詳しくないので……
詳しく教えてくださったら嬉しいなって
※一ノ瀬の声優知識は銀河英雄伝説がベースなので偏ってます
※※富山さんのヤンは最高でした
※※※クロイツェル伍長の中の人が一番好きですそれはそれとしてフレデリカさんの中の人が至高です

>「その眼に映すは碧き流れ」
ちょっとこれは見過ごせませんねえ……
どうやったらこんなかっちょいい文言が出てくるのか……
ガチでこれ見たとき変な声出ましたよ
これが才能ってやつか。妬ましい……!
どっかで使いたい!使う!とっておきたいくらいに刺さりました!嬉しい!
ありがとうございます!

>>122
いつも本当にありがとうございます心の支えですありがとうgぞあ

>孫家が前に進むための分岐点ですね。
孫家は常に前を向いています。方角はともかくとしてw

>とはいえ下手すると最悪のタイミングで袁家に牙をむきそうですが
戦闘能力はトップクラスなのですよねえw
いや、本当にどうなるんだろ


124一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/16(木) 22:51:34.323dYL+Soro (2/4)

「よう、お疲れ」
「おや、二郎君、どうも」

麗羽様が太尉となられる前祝いの宴席だ。
ほんと袁家って宴会が好きねえ。俺も好きだけどさ。
まあ、いわゆる前哨戦というやつである。知らんけど。もしくは。知りたくもないけど知ってるけど。

「どうでした、洛陽は」
「いやー、慣れないやね、毒煙漂う伏魔殿は。
 できたらさ。金輪際近づきたくないってのが本音だよ」
「またまた、ご冗談を」

俺の言葉に沮授はくすくす、と笑う。
いや、冗談じゃないんだよ?本当に本音だよ?そこんとこ分かってる?分かって?
いや、マジで。
まあ、沮授の場合分かって言ってる可能性もあるのだが。あるはず。あるよね?あってくれ。

「ただまあ、行ってよかったこともある」
「と、言いますと?」
「俺らがお仕えする方はなんだ、その。あれだよ。
 大したもんだってことだ」

幻視されるほどの光輝。
何皇后の香気的な何かをを跳ね返すほどに顕現したそれ。俺はあの光景を忘れないだろう。そう思いながら発した言葉。
沮授は何かを察したように、それでも軽く言ってくれる。

「おやおや、二郎君がそこまで言うのです。
 これはよっぽどのことがあったようですね」
「まーな。今度話すよ、張紘と一緒に飲みに行ったときにでも」
「そうですね。僕も楽しみにしてますよ」
「むしろ張紘を今から呼ぼうぜ」
「赤楽さんに怒られて恨まれてもいいならそれでいいですが」

そういや、あれこれの後始末とか面倒ごとを張紘に持ち込んだっけか。

「……偶(たま)には差し向かいってのも、いいよね」
「僕はどちらでもいいんですけどね」

くすり、と笑みを漏らす沮授に酒を注ぐ。

「ちょっと沮授君、飲みが足りないんじゃない?」
「足りないのは二郎君の思慮とか配慮かな、と。
 いけませんね。ついうっかり本音が」
「やめてよね、俺にそんな頭のいいこと求める方が間違っているだろうよ」
「できるくせにやりたがらないし、実際やらない。
 大丈夫です。田豊様もそこはもう、諦めの境地でしたから。
 ああ、麹義様はどうか知りませんけどね」

マジか。マジなのか。

「ふふ、信じました?」
「肝が冷えたわ!」

何か言ってやろうとする俺に沮授が苦笑する。

「大丈夫ですよ。お二人も二郎君があれやこれや頑張っているのは百も承知ですし。
 むしろ、その頑張り具合にご心配の模様ですよ?」

監視銘柄宣言とかマジ勘弁してください。なんでもしますとは言えませんけど!

「やめてよね、あの二人に失望されたら俺の失脚間違いなしじゃない!」
「いえ、それはないと思うのですけど」
「貴様のような、頭のいい奴に俺のような凡人の悲哀が分かるかーいや分かるはずがない反語的表現!」
「ええと、二郎君?」

◆◆◆


125一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/16(木) 22:54:26.853dYL+Soro (3/4)

杯を呷りながら雑談を重ねる。
いつも通りのにこやかイケメンではあるのだが、笑みに硬さが見えるなあ。

「沮授よ。お前は凄いやつだけどさ。
 やっぱ緊張してるか?」

瞬間、動きを止め。その笑みは苦い。

「……二郎君にはかないませんね。
 ええ、正直……緊張、とは違うかもしれません。
 重圧に押しつぶされそうになっている……というのが正しいのでしょうね」

苦笑しながら肩をすくめる。冗談めかしてはいるが、その眼は真剣だ。

「笑ってくれて構いませんよ。いつかこういう日が来るとは思っていたんですが。
 覚悟が足りなかったんですかね」

珍しい。
ひょっとしたら初めてかもしれない沮授の弱音に俺は応える。

「何言ってんのさ。
 つーか沮授でもそんな重圧感じるって分かってほっとしたよ。本当にな。
 俺から見たらお前は完璧超人だからなー」
「よしてください、そんな大した人間じゃありませんよ」
「よせやい、謙遜も過ぎれば嫌味だっちゅうの」

ばしばし、と背中を叩いてやる。荒っぽく。

「痛いですよ、二郎君」

そらまあ、痛くしてるからなあ。とも言えず。
察してはいるであろうけどね。
俺なりに応援しているのだよ。本当に。

「にひ、まあ、なんとかならあな」
「そうですね。
 なんとか、しないといけませんからね」

調子の戻ってきた沮授の杯に酒を注ぐ。こんな時は呑むに限るのだ。

麗羽様が正式に袁家を継ぎ、大尉、更に既存の州牧の地位を預かる。
補佐する武家は文家と顔家。率いる当主は猪々子と斗詩。
さらに麹義のねーちゃんが武によって支える。

そして。

文を持って補佐する文官の筆頭。

袁家が誇る官僚集団をまとめあげるピラミッドの頂上。
軍務、政務を一手に握る地位。その座に沮授は就く。
田豊師匠より譲られるその地位は後世、こう語られるだろう。

「軍師」

と。


126一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/16(木) 22:55:25.743dYL+Soro (4/4)

本日ここまですー
感想とかくだしあー

あれこれあれkれ。


127以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/17(金) 20:47:36.43WL4uqrx4o (1/1)


ついに「完璧」誕生ですね
中華屈指の官僚集団をまとめ上げるわけだから、苦労はもっとひどくなりそうですがww
武官はNT(脳筋タイプ)が多い上に強い人が少ないので今の二郎さんでもなんとかなるわけで
(別の苦労がないとは言っていない)
今回セリフがキラっぽいので冗談っぽさというか胡散臭さが増しているという

シャオはぺー姉さんことひt……北都南さんがCVであります
参照→ttp://dic.pixiv.net/a/%E5%8C%97%E9%83%BD%E5%8D%97
スピンオフで声代わりしてたりどうしてこうなった感が


128 ◆e/6HR7WSTU2017/02/18(土) 00:43:17.16WK57ezMA0 (1/1)


乙です。爆走してますね。負けずに追い掛けますが。

うまく言えませんが、本格的に代替わりが始まりましたね。
それと孫家の本格的介入。
といっても、軍事的にどうこうではないのでどちらかというと外交戦?


ヤバい、早い事麹義さん 結婚させんと齟齬が出る。
とはいえ、婿さんが南皮に来るので麹義さんは動きませんが。


二郎さんへ

袁紹様の太尉就任、おめでとう御座います。
袁紹様の支えになるようにお願い申し上げます。


……周楡さんが不憫に見えたのは気のせい?




129一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/20(月) 22:01:48.30zGIawMS7o (1/1)

>>127
感想どもです

>中華屈指の官僚集団をまとめ上げるわけだから、苦労はもっとひどくなりそうですがw
こっからもっと労苦なわけですよw
ただまあ、苦労と感じないでしょうけど……。

>今回セリフがキラっぽいので冗談っぽさというか胡散臭さが増しているという
大体胡乱で迂闊ですのであんまり言動は気にしないであげてくださいw

>シャオはぺー姉さんことひt……北都南さんがCVであります
名前は知ってる方です。
いや、名演技でしたが、真でも無印の使いまわしにはちょっとね。

>>128
>乙です。爆走してますね。負けずに追い掛けますが。
あざます。ムラがありますが基本余暇の大部分を注いでおります。
今年中に完結できたらいいなーとか思ってますが多分、無理。

>うまく言えませんが、本格的に代替わりが始まりましたね。
始まりました。
一気にやったほうが劇的なのかもしれませんが陥穽だらけすぎるので、ソフトランディングです。
もちっとだけ麹義さんは現役なのです。

>それと孫家の本格的介入。
孫家という戦闘民族がどうなるか。当初はこの段階ですでに。血みどろで殺し合うはずだったのですよーw
原作でも正史でもそうですが。さて、今後どうなるか。

>袁紹様の太尉就任、おめでとう御座います。袁紹様の支えになるようにお願い申し上げます。
「もちろんさぁ!」
深く考えずに即答しております。凡人だからね、仕方ないね!

>……周楡さんが不憫に見えたのは気のせい?
原作でも正史でも演義でも不憫だと思うのですがそれはq

今日は多分オヤスミあすはやる
艦これのイベントはパス
餅が足らない


130以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/21(火) 11:25:24.69CwvkDSBW0 (1/1)

乙でしたー
今回は花丸を上げちゃいましょう(先生感
【軍師】というと真っ先に太公望が思い浮かぶ私です。男同士で飲み合う姿が実にイイ、やっぱり心を許せる親友がいると話にメリハリがつきますね


131以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/21(火) 22:28:26.02sq4YXQx2O (1/1)

沮授君って「軍師」というより「参謀」ってイメージ


132以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/21(火) 22:50:52.99KFaCtxHOo (1/1)

まー周辺には沮授が打ち手だと思ってる輩もいるから欺く上で軍師を拝命してる部分もあるやろ


133一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/23(木) 21:48:19.06JdbzkAv3o (1/1)

>>130
>今回は花丸を上げちゃいましょう(先生感
やったぜ先生あざっす

>【軍師】というと
語源的には孔明が元祖だったような……
軍師将軍っちゅう称号がそんときに出されたとかなんかで読んだけどソースは分からないしそれが確かカモわからないw

>男同士で飲み合う姿が実にイイ、やっぱり心を許せる親友がいると話にメリハリがつきますね
沮授君と張紘と絡ませると勝手にあれこれ馬鹿トークしてくれるので楽ですし書いてて楽しいです
なお、沮授君はボケ要員です

>>131
>沮授君って「軍師」というより「参謀」ってイメージ
そのニュアンスは分かりますw

>>132
そうそう、そんな感じですねw
でもまあ、本当はこの時期に軍師という言葉はなかったのでしょうけど恋姫時空だからへーきへーき


134一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:34:11.85ydwSYDj4o (1/6)

「貴方が紀霊でいいのかしら?」

機嫌よく沮授と馬鹿トーク――俺が一方的に馬鹿――している俺に声がかかる。

「ん?そうだけど」

振り向くと、桃色の髪に褐色の肌のナイスバディ(昭和感)な美女が俺を見て微笑んでいる。
んー、どっかで見た顔だなあ。というか似た人を見たことがあるというか。

「よろしくねー。蓮華が世話になってるわね」

ん、孫権の親類……ということは小覇王こと孫策か!虎か!駄目だ!暗殺されとけ!

「いやいや、それほどでもあるかな」

満面のスマイルをゼロ円サービスだぜ。キラッ!

「……ふーん」

じろじろと俺を見定めてくる。

むむむ。

負けじと足元から腰、胸に視線を集めて品定めしてやる。
視姦ならまかせろー。
ってほんとに超スタイルいいでやんの。
惜しげもなく晒した身体は極上品。出るとこは出まくりである。ただし穏とか黄蓋にはサイズで一歩劣るかな?
いや、半歩くらいだろうか。だがその我儘ボディは魅惑の塊。いや、眼福である。

「えー、なにー?なにをじろじろ見てるのかなー?」
「そらもう、あれよ。
 眼福ご馳走様です」

手を合わせて拝む。ありがたや、ありがたや。これは観音様やでぇ……。まさに豊穣である!

「ふーん、聞いてたより軽薄なのねー」
「おうよ。軽くて薄いぜ」

ふふん、そんな安い挑発には乗らないぜ。いや、高い挑発なら乗るかというとそうでもないのであるけれどもね。
つーか、挑発なら俺の方が一日の長があるぜ?絶対な。見てろよ見てろよー。

「あれだなー、江南って荒廃してたと聞いてたんだよ。喰う者(誤字にあらず)にも困るってな。
 そう聞いてたんだけどな。いやあ。
 ……孫家ってすごいな!その豊穣さ、生まれ育った土地の収穫とは反比例している……してなくない?
 何食ったらそうなるんだ?妹さんは将来有望って感じだけどな!
 さて、今現在に於いても貧困に嘆く方に何か言うことはないんですかねぇ……」

魯粛にはまあ、ゴメンね、としか言えないがね。

孫策が柳眉を逆立てる。
言外に自分だけ……いいもん食ってんじゃね?というメッセージを読み取ってくれたみたいだ。うけけ。けけ。

「へえ、言ってくれるじゃない……」

凄みを増すその表情、ナイスだね!俺からしたら軽いけどな!

「うけけ、気に障ったらごめんなごめんよー。
 これでも孫家には期待してんだよ?」

ほんと、殲滅せんといかんかと思ってたからね。実際。

「ええ、感謝してるわよ。私を長沙の太守に推挙してくれたんでしょ?」

謝意があるならばもうちょっと苛立ち……というか殺気を抑えた方がいいと思うの。
まあ、俺にそういうことをするとどうなるかってのは……これから勉強してもらいましょうね。

「孫家の当主に長沙の太守を任せる。
 袁家一同の合意によるもんだから俺の一存じゃあない。
 江南の安定には妥当だしな。
 だから特段俺に感謝の念とかは要らないと思うのさ」
「ふーん?」


135一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:34:38.90ydwSYDj4o (2/6)

こちらを見透かすような視線を向けてくる孫策。

……なんだかなあ。孫家と俺って相性悪いんだろうか。孫権も俺につっかかってくるし。
心の中で軽くため息をつく。

やれやれ、だぜ。やってらんねえぜ。でもやるしかないんだけどねえ。
などと思っていたのだが。

「でも正直手が回んないのよねー。
 孫家を大事に思ってくれるなら母流龍九商会の、虞翻ちゃん。うちにくれない?」

にやり、というのがぴったりな表情でそんなことを言ってくる。むしろそんなことを言いやがる。

「どうしてそうなる」
「ほんとに手が足りないのよー。
 ほら、祭とか蓮華とか穏とか、政務に長けたのが袁家に出してるじゃない?
 結構大変なのよ」
「それをなんとかすんのがさ。あんたの仕事だろうよ」
「なになに、冷たいなあ。そこをなんとか、ね?」

媚び媚びと見せかけて売り物は喧嘩である。もっと媚を売ってくれてもいいのに。
買わないけど。

「だめ!」
「じゃあじゃあ、虞翻ちゃんがいいって言ったら?」

にまり、と猫科の猛獣を思わせる笑顔で俺を見やる。なんだこれ。そういや虎か。

「駄目に決まってんだろ。そんなの、いいって言ったら何をするか分かったもんじゃない」
「そんなことないのになー。
 でもまあ、虞翻ちゃんってすごく固いよね。
 宴席に誘ってもお酒を一滴も飲まないのよ。信じらんないなー」

嗚呼(ああ)、虞翻。
すまん。
そうだよな、生真面目なお前ならそうするよな。気まずくなる方が癒着するよりいいと思うよな。

軽く瞑目する。これはいつか虞翻に報いなければいけませんよ。どうやったらいいのかは分からんから張紘とか魯粛の知恵を借りるとしようそうしよう。

「まあ、そういう子なんだよ。
 だ、か、ら。単身江南に残させてるんだよ。
 信頼を得たいならばきっちり仕事をしようぜ?
 それが一番の近道だと思うけど」
「なによ、けちー」
「いや、けちーってお前なあ……」

天然なアレさ加減をかもしつつも、もぎ取れるものは取ってしまおうという勢いが流石というか。

「いいわよめんどくさい。私のことは雪蓮ね。そう呼んで?
 文句ある?」
「なにこの子怖い。まあ、別に。
 二郎だ、よろしくな」

文句はないが戸惑いと苛立ちはあるのです。でもそんなの関係ないとばかりに極上の笑顔を殺気と共に贈られてしまいました。

「はいはい、それじゃあ弱小勢力は挨拶廻りしないとね。
 じゃね、二郎」
「はいな」

◆◆◆


136一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:35:05.91ydwSYDj4o (3/6)



はー、と深くため息をつく。

「ふふ、お疲れ様でした」
「んだよ、沮授よー、助け舟だしてくれてもいいじゃんかよー」
「いえいえ、お二人の会話に割って入るような無粋な真似なんてとてもとても」

にこにこと笑みを崩さないんだよな沮授は。
おい、えらい余裕だな。

「勘弁してくれよな、ああいう傑物とやりあうなんて俺の器じゃあ無理だってば」
「そうですか?結構翻弄してたと思うのですが」
「ないわー。俺の精一杯の虚勢だっつーの」
「まあ、そういうことにしておきましょうか」
「うっせ」

くすくすと笑う沮授の脇腹を小突いてやる。

「痛いですよ」
「そりゃ痛いようにしてるからな」

そして涼しい顔の沮授なのである。
頼りにしてます。つか、頼るし。

◆◆◆


137一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:35:36.27ydwSYDj4o (4/6)


「ということがあったのよ」
「何をやってるんだ……」

こめかみを押さえて頭痛を紛らわせる周瑜。
そんな周瑜を見ながら孫策はけらけらと笑う。

「でもあれねー、祭とか穏とかの報告見てたからもっと、とんでもない化け物かなーと思ってたけど、そんなこともなかったなあ」
「ほう?」
「冥琳はまだ会ってないのよね、なんかねえ。大したことないなって。
 あれならそうね。横にいた沮授の方がよっぽど底が見えないわよ。
 結構挑発したんだけど顔色一つ変えずにね。にこにことしてたわ」
「ちょっとまて雪蓮、挑発ってどういうことだ」

顔を盛大に引きつらせながら周瑜が問いかける。
主君、そして恋人である面前の人物の向こう見ずさは長所だが、短所でもある。

「えー?人の底を見るのって、生の感情を見るのが一番でしょ?
 だからちょっと、ね」
「ちょっと、ね。じゃないだろうが」
「んー、結構ちょろかったなあ。挑発したら逆に挑発し返してきたしね。
 もっと掴みどころがないのかなあ、なんて思ってたんだけど拍子抜けしたわよ」
「雪蓮。お前な……。孫家がどういう立場か分かってるんだろうなぁ……」
「え?きちんとお礼は言ったわよ?長沙の太守に推挙してくれてありがと、ってね。
 真名も預けたし」

周瑜は大きなため息を吐く。

「そうじゃないだろう。困窮している江南の地に多大な援助をもらったんだ。
 その点はどうなんだ?きちんと筋を通したのか?」

その言葉に孫策はあちゃー、といった表情を浮かべる。

「雪蓮。まさかとは思うが。
 まさか、とは思うのだが……
 そこを忘れていたんじゃないだろうな……?」

底冷えしそうな周瑜の声に孫策の顔が引きつる。

「や、やだなあ、冥琳。冥琳にそんな顔似合わないってば。
 美人が台無しよー?」
「雪蓮?私の問いに答えてほしいんだが」
「ええと。そうね。うん。そのね。
 ……ごめん」

そしてその声に頭を抱える周瑜である。
そんな周瑜に孫策は明るく取り繕う。

「だ、大丈夫だって、二郎ってば全然気にしてない風だったし。
 でもあれね、助平ってのは本当ね。もう、全身をくまなく視線で犯された感じ?
 今夜は冥琳に慰めてほしいなー」

わざとらしいほどの話題転換に周瑜は付き合わず、こめかみをもみほぐす。
短時間に心身に深刻な損傷を食らい、言葉を続けることができない。

そして思う。
分かっているのか、お前が、お前の勘が危険と判断した沮授までもその一部始終を見ていたんだぞ、と。


138一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:36:04.41ydwSYDj4o (5/6)

だが、その言葉が発せられることはついぞなかった。
発せられるのは宣戦布告。

「それにねー。やっぱり癪じゃない」
「何がだ?」

その時の孫策は先ほどまでとは別人と言っていいほどの気迫に満ちていた。

「私たち孫家を駒扱いしてるのよ?彼奴(きゃつ)は。
 江南の安定に東奔西走して、それが思惑通り?
 頑張ったから、御しやすいから長沙をくれてやるですってよ。何様のつもり?
 は、虎の娘を飼い馴らせると思ってるならね。
 ……その手を食いちぎるまでよ」

ほとばしる覇気に周瑜は絶句する。そして湧き上がるのは歓喜。
この覇気こそ、自分が愛した孫策だと。
だが、だが。

「雪蓮!忘れたのか!先代……孫堅様の遺言は江南の安定だぞ!」

孫策の言を受けてなお。いや、それを押し返すほどの覇気を込めて周瑜が叫ぶ。諫言を。
それを平然と受け止め、孫策は言葉を続ける。

「冥琳、私思うのよ。誰かに頼った平穏なんて意味ないんじゃないかってね。
 袁家の意向一つで揺らぐ平穏。それは母様が望んだものかしら。
 ねえ。私たち孫家を操ろうとする袁家こそ、江南の平穏の大敵じゃないのかしら。
 だからね。冥琳、私は思うのよ。
 独立不羈こそ孫家の悲願。そうじゃないかなって」

絶句する周瑜に孫策は言葉を続ける。

「それにね。母様の遺言を守るだけだったら誰にでもできるでしょ?
 ここはそれ以上のことをしなくちゃ私が当主の意味ないじゃない。
 ね?冥琳?冥琳なら、分かるわよね」

虎の娘は猫ならず。
猛獣の笑み。それを浮かべる孫策に周瑜は戦慄する。

「雪蓮……」

かすれた声で最愛の恋人に呼びかける声に力はない。

「うふ、やだな。冥琳ってば。
 私の我儘に孫家と江南を巻き込むつもりはないわよ?
 これは私だけの我儘。
 だから、ね」

くすり、と微笑む孫策からは生臭い血の香りがする、と周瑜は慄く。

「私がこうなら、蓮華はやりやすいでしょ?」

その言葉に周瑜が悲痛な顔をする。

「ううん、違うわよ?別に蓮華のためじゃないもの。
 私が私であるため、よ。
 鎖で繋がれ飼い馴らされるのは私じゃない。
 ね?」

貴女なら分かるわよね、という視線での問いかけ。
周瑜は目を背ける。

どうしようもなく訪れる戦乱。
故なく周瑜はそれを幻視する。

孫家の性(さが)は火。

炎とは、火が合わさるものではない。
火が、互いを食い合って燃え盛るのだ。

炎の時、来たる。

理性でなく、本能で周瑜はそれを察知する。

そこには少しの苦さと、それを塗りつぶすほどの昂揚感があった。


139一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/02/25(土) 09:37:21.87ydwSYDj4o (6/6)

今回ここまですー

感想とかくだしあー

題名はねえ
【凡人と虎】か【虎の娘は猫に非ず】とか?

いつも通り今一つに感じるのでご提案くださいませませ。


140以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/02/25(土) 10:54:09.86oQHNpXnAO (1/1)

毎度乙です

「炎」と聞くとオオタコーチしか浮かんできませんw
江南にガン○スター降臨!?

タイトル案「虎に睨まれた凡人」

漢字とカタカナで全くの別人になるのね(虎とトラ)


141 ◆e/6HR7WSTU2017/02/28(火) 03:36:12.91Q7MDA1mp0 (1/1)

>>140

トラ「呼んだか?にゃ」

さておき乙です。

孫策さん登場。まず明後日方向への突っ込み『寒くないか?』
勘では沮授>紀霊なんですよね。なのに実際は蔑ろにされた沮授君。しっぺ返しはいかほどか?
ずいぶんと失礼な評価をしている紀霊さん。でも、谷間。あるんでしょ。つうか某留の方が(特に○おーとネ○ミミ)が聞いたら全力で精神攻撃掛ける。うん
でね、視姦つうのはもっとねっとり内にこもるようにやるのが正しいような気がするんですが。いややったことはないですが。

評価の訂正、孫家全体が戦闘民族ではなく『孫家当主』が戦闘民族。後放火魔陸遜さんwも。



『……様。その、妙にはしたない御召し物は?はい?『子供の時から唾付けたあの人を横からかっさらおうとする雌虎に、格の違いを見せつける?』
 『身体は十分勝っているから、後はあの人に中身を見てもらうだけ?』
おやめください!誰か!?ご乱心です!』


多分、この時の事を知ったら黙って、しかし思い切った攻勢を仕掛けようとする可能性がある方を。


こうなると、孫権さんが頼りになってくるかぁ。



……そういや虎も猫科だから、マタタビが有効そうだが。マタタビ酒でも与えてみますか?






142以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/01(水) 18:04:47.98xjM4FJ9S0 (1/2)

乙でしたー
>>135
>> ほら、祭とか蓮華とか穏とか、政務に長けたのが袁家に出してるじゃない?
○ ほら、祭とか蓮華とか穏とか、政務に長けたのが袁家に出てるじゃない? もしくは【長けたのを袁家に出してるじゃない?】の方がいいと思います

まあ原作でもこんな感じですが真名の許し方が雑ですなー勝手に呼んだら殺されても文句を言えない、とされるソレを許した直後にいつかあいつブッ飛ばす。とは・・・実際に宣戦布告されたら袁家としては孫家を滅ぼさなきゃらなくなりそうですが(同盟を裏切った場合の落としどころって単なる敵との戦争よりも高いですよね)
≪これは私見ですが≫そう考えると真名を許してそれから何らかの関係が変わって(実は相手が親の仇だと判明したとか)、というならともかくもともとぶっ飛ばすつもりだけど今は利用価値があるからと真名を許すのってあの世界観的にいいんでしょうか?世界観的に問題になる場合だとそれこそ真名を軽んじたという事で周瑜さんも切り殺されても文句言えないぞと・・・そうすることで孫家が負けた時に孫家が袁家を恨まない理由を作ったのか?
ぶっちゃけ真名の重要度がよく分からない。例えば平民や商人の真名を皇帝が勝手に呼んだら近衛兵とかは皇帝が殺されるのを黙って見てるのか?あるいは殺されるのは止めようとするけどそれで皇帝が死んでも犯人は咎められないのか?例えば戦場で挑発する際に真名を勝手に呼んだら敵味方から恥知らずめ!と責められるレベルなのか?戦争と恋愛においてあらゆる行為は正当化されるのか?≪なのでここまでの内容は読み流して結構です≫

≪この言い方は卑怯な感じですが≫ところでなんで二郎は孫策に真名を許したんでしょう?孫策からの【役職くれてありがとう】と【お宅の子孫家に頂戴】という感謝とお願いのいわば対価として真名を貰ったわけで別にこちらも真名を預ける理由は無いですし、この世界では真名には真名で返さなければ無礼と言うわけではないです(そうしちゃうと二郎が真名を呼ばない相手に対して無礼という事になってしまう例えば張紘、祖儒、陳蘭などは真名で呼ばないのに孫策を真名で呼ぶと孫策との方が信頼感があることになってします・・・この3人から真名は貰ってるけど真名で呼んでないって形ですよね?)しこれが孫策に対して好感を持ってたなら別にかまいませんが(暗殺されとけ!→虎か!→喧嘩売ってきてる)と言う具合で体つき以外は+要素が無いですし
二郎は【真名を許されたからってどうしても真名で呼ばなければいけないわけではない】わけでそうなると二郎が孫策に真名を呼ぶことをわざわざ許すのがおかしい気がします。現代風にするとやたらと無礼で喧嘩腰な女が「名前で呼んでね」と言ってきたので「俺の事も苗字じゃなくて名前で呼んでよ」と返した感じです(多分)。しかも立場としては少なくともこの場面では二郎の方が上です、いわば二郎は大会社の専務で孫策は下請け会社の社長です(多分)私ならスルーして苗字で呼んでもらいたいです。≪真名がいっそのこと原作で同性間なら桃園の誓いレベル、男女間ならプロポーズレベル、とか明言されたらこんなことグダグダ書かなくて済むのに》

ところで孫策と周瑜が話してるのってどこでしょう?壁に耳あり障子に目あり部屋の隅には蜘蛛の糸・・・な袁領内で迂闊すぎるような
二人とも(ついでに三女も)袁家に来てるならこれってその日にどんなことがあったかをお互いに報告し合ってる場面ですよね、全部終わって孫家(江南)で話してるわけじゃないですよね(だったら何のために二人そろって袁家に来たか分からないし)
二郎ちゃんならともかく絡新婦さんが孫家を軽視するはずない(彼女って下手したら自分と美羽様以外全てを仮想敵として想定してそうです)し、孫策なら勘で安全なタイミングで独立宣言できそうですが…わざわざこの場所でする意味が無い(孫家に帰ってきてから話せばいい)と思うのですが
グダグダト書き連ねましたが
1.七乃さんこれ(孫策の独立して袁家の手を噛み千切ってやるぜ)って感知してますよね
2.孫策さんこれ(独立)を今ここで言う必要ありました?七乃のことは知らなくても諜報系の人がどこかにいるだろうなあ、くらいは分かってますよね
というちょっとした疑問です



143以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/01(水) 20:41:06.99xjM4FJ9S0 (2/2)

自分で読み直して…うわあ散らかった文章だ
1.初めっから裏切るつもり満々なのに真名をあずけるのってどうなの?
2.二郎ちゃんなんで孫策に真名あずけてるの?重く見るならおんぶにだっこしてるだけの弱小の孫策に許すのはおかしいし、軽く見るならケンカ売ってくる虎とかなんか嫌だなあって思うし
3.孫策が剣呑なこと言ってるけどこれって【公式で本気出したら天下獲れる】七乃さん把握しちゃってるよね
4.わざわざ袁家のホームというか孫策にとってのアウェーで袁家にケンカ売るようなことを言わなくていいよね。その話江南帰ってからでいいよね…なぜ今言う?

といったことを言いたかったのですが・・・何故疑問に感じたのかを書かないと欲しい答えと別の部分の答えをもらったりしまして
でも丁寧に書くと読む気が失せる長文駄文になる文才の無さ


144一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/01(水) 21:58:39.30gu4KLsCAo (1/2)

張燕じゃねえ腸炎で固形物食べれない生活からの回復ぅ!
うーまーいーぞー

>>140
>オオタコーチしか浮かんできませんw
無論、オマージュとかリスペクトですとも。
感じてくれる方がいてくれてよかったですのですよ。
基本、分かってくれる人だけに伝わるようなネタを散りばめておりますので……w

>タイトル案「虎に睨まれた凡人」
むむむ。いい。いい!いいのだけど今回じゃない時に使うかもです。

>漢字とカタカナで全くの別人になるのね(虎とトラ)
寅でもまた違いますよねw
別寅のかまぼこは、美味しい

>>141
>孫策さん登場。まず明後日方向への突っ込み『寒くないか?』
>勘では沮授>紀霊なんですよね。なのに実際は蔑ろにされた沮授君。しっぺ返しはいかほどか?
そこなんですよね、今回の肝は。
スペックは沮授君の方が上なわけですよ。でも絡んだのは二郎ちゃんなのですよ。
立場なんて気にしないですからね、孫策さん。勘の奥の小覇王たる何かが囁いたのでしょうねえ。
メタ的には正解なのですが、理性がおっつかない。だから齟齬が出る。だから破綻する。

という描写をせんといかんなと気づきました!

>でね、視姦つうのはもっとねっとり内にこもるようにやるのが正しいような気がするんですが。
チラ見でもセクハラになる平成社会人の倫理観。二郎ちゃん的にはセクハラなんやでぇ……w

>多分、この時の事を知ったら黙って、しかし思い切った攻勢を仕掛けようとする可能性がある方を。
>『……様。その、妙にはしたない御召し物は?はい?『子供の時から唾付けたあの人を横からかっさらおうとする雌虎に、格の違いを見せつける?』
華麗で優雅なあのお方なら、こんくらいではオタオタしません、とだけ。

「おーほっほ!
 二郎さんがどこぞの山猿なんぞに転ぶわけがありませんわ!
 そうですわね、斗詩さん?」

「え、ええ?
 ええと、ええと……。
 じ、二郎さまがそうされたならば、逆に篭絡したと考える方が普通かと。
 でも、ですねえ。
 二郎さまがそこまでするというのならば、孫家にはそこまでの価値があるということかなぁ、と……」

言外にそこまでの価値があるのかなあと問う顔良。

「まー、アニキは結構気が多いけどさ。
 あれ、情に流されてるとこが多いからなー。
 出会って即日ってのはアニキらしくないから、ないと思うよ。
 沮授もそう思うだろ?」


停滞し、詰まる議論を打ち破るのは文醜。彼女が突破するのはは戦場だけではない。
いや、ある意味ここもまた戦場なのであるのだが。
「これは、差し出がましいことになるかもしれませんが。
 文醜様の言は非常に二郎君を理解したものかと存じます。
 ええ、二郎君は情に流されても色に狂うことはありません、とだけ」

くすり、と笑む沮授。
我が意を得たりとばかりに頷く。
……三人ともに。


145一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/01(水) 22:48:08.50gu4KLsCAo (2/2)

やったー赤ペン先生だー(歓喜)

>>142
>まあ原作でもこんな感じですが真名の許し方が雑ですなー
雑い。雑くない?雑でした!確かに!

>(同盟を裏切った場合の落としどころって単なる敵との戦争よりも高いですよね)
袁家と孫家は同盟じゃないですな。対等じゃないですね。
隷属関係で、保護されて援助されてるけど恨まれるっていう。
そう考えると、リアルで納得できませんか?どこを参考しろとかは言えませんけれども。参考があるとも言えませんけど。

>ソレを許した直後にいつかあいつブッ飛ばす。とは・・・
移り気やねん。
というか、その時はその時で本気なのですよね。
その後に、だんだんむかついてきて、という感じですね。
孫策伯符のという人物っぽいと思うのです。

>ところでなんで二郎は孫策に真名を許したんでしょう?孫策からの【役職くれてありがとう】と【お宅の子孫家に頂戴】という感謝とお願いのいわば対価として真名を貰ったわけで別にこちらも真名を預ける理由は無いです
これは確かに。
真名を預けられたら返さないといけないような不文律的な洗脳が一ノ瀬にもありました。
預けられても返さない、呼ばない。素晴らしい。
素晴らしいです。そういうのもありだな!ここは大幅改稿決定ですねえ。
恋姫二次創作でも、サシで真名貰って返さないとかなかったと思うので、これは画期的ですだよ!

>二人とも(ついでに三女も)袁家に来てるならこれってその日にどんなことがあったかをお互いに報告し合ってる場面ですよね
いえ、妹二人よりも恋人優先な孫策さんです。だって腹心ですから。断金ですから。
だって孫策さん、次代の王とか言っときながら引き継ぎ的なもの全くしない方ですし……。
あれ戦争に飽きたら後始末押し付けるだけ(治世に自分が向かないと知ってる)と思うのですよ

>ところで孫策と周瑜が話してるのってどこでしょう?壁に耳あり障子に目あり部屋の隅には蜘蛛の糸・・・な袁領内で迂闊すぎるような。
>二郎ちゃんならともかく絡新婦さんが孫家を軽視するはずない(彼女って下手したら自分と美羽様以外全てを仮想敵として想定してそうです)し、
>孫策なら勘で安全なタイミングで独立宣言できそうですが…わざわざこの場所でする意味が無い(孫家に帰ってきてから話せばいい)と思うのですが
ほむ。
誤解がありますが、この時点で孫家を警戒してるのは二郎ちゃんくらいです。辺境の木っ端なんてどうでもいいですよね?
戦国の三好政権が大友とか島津をどう思うかというお話です。
それよりも内部でしょうねえ、リソース割くなら。袁胤の糸とかその背後とか。
如何に恋姫屈指のチートな七乃さんでも。予備知識がないとそこまでは……。
逆に二郎ちゃんの三国志知識のチートさですかねえ。
なんだ、チート主人公じゃないか(適当)

>といったことを言いたかったのですが・・・何故疑問に感じたのかを書かないと欲しい答えと別の部分の答えをもらったりしまして
長文感想大歓迎ですし、お答えできているかどうかわからないですけども、結構クリティカルなとこまでお答えいたしますし、していきます。

いやあ、赤ペン先生と黒幕さん(勝手に命名)に巡り合えて私はものっそい幸せだなと思いながら杯を重ねるのでした。
久々飲むと、少しでも回るがそれがいいまわれまわれー


◆◆◆
明日は激務明後日は送別会土曜家族会議日曜気絶月曜接待なので次回は火曜以降になるかと思います


146以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/02(木) 11:58:21.50EhPOxoiM0 (1/1)

やっぱり祖語って生まれるモノですね
孫策移り気・・・まあ彼女は本能で刹那に生きてる感じですが…今回気になったのは【真名を許すことの対外的な意味】です
原作でも一刀君の前で呼び合っていた星さんとかいたので真名そのものに深い意味(諱とか特別な人以外に知られてはいけないものとか)はないと思うんですよ。
真名を許すことでお互いだけじゃなくて周囲にも相手を信頼してる。それこそメロスとセリヌンティウスみたいな状態になってもむしろそれが本望だ。くらいの社会的な重さがあるんじゃないかなあ?と
それくらいでなければ勝手に呼んだら殺されても文句は言えない、にはならないんじゃないかと
まあ原作でも麗羽と華琳は真名を交換してたみたいですので何とも言えませんが
それは例えるならキリシタンになって洗礼を受けた直後に踏み絵をしているようなもの(多分)
周瑜も真名文化謂わばキリシタンなのでかなりドン引きしたんじゃないかな?と思うのですが
この辺原作で真名の重さがフワフワしてて難しいのですが・・・断金の誓いを破るのと真名を交換した相手を後ろから刺すのってどっちが社会的(道義的、倫理的)に悪なんですかね
要は孫策の行動って断金の誓いした直後に影で何時か刺してやると言ってるようなものじゃないのかな、と。そんな主に対して周瑜はもっと必死で止めるような気がするようなしないような(真名を軽く扱うことに怒るんじゃないかと思うんです)

読者として見てると二郎ちゃんが親友とか気を許してる人を真名で呼んでないので(自分は真名で呼ばれてるのに)真名を貰っても返さないこともありそうに見えましたので、これが挑発し合ったり殺気ぶつけられたりしなければ二郎ちゃんも(別にいいか)と真名を許しても違和感はないんですけどね

あとこれは誤解なのか私が彼女を怖がり過ぎなのかもしれませんが七乃さんにとって諜報活動って一種のライフワークみたいなものじゃないかな。と
挨拶ついでに名刺を渡すぐらいの気軽さで、あるいはおもてなしのお茶とお菓子を用意するくらいの感覚で諜報活動をする。そんなイメージがありました
よそのそこそこ名の知れた勢力の長が出てきたらとりあえず諜報しとこう、と考えるんじゃないかな、と思ったのですが…そういえば今は色々忙しくて手が足りてないかもしれないのか

そう考えると袁領内で袁家ディスってる孫策は単純に考え足らずか…でも実際に回りに耳がいるかは別にしても周瑜としては「それはこんな場所で言う事じゃない」って止めるべきじゃないですかね?
例えるなら取引先の会社のトイレでその会社の悪口言ってるようなものですし(多分)

・・・長いな
1.孫策が(真名は許したけどいつかあいつブッ飛ばそう)って言ってるけど周瑜から見てこれって社会的(真名文化的)にどうなの
2.今までの真名を呼ばない相手がいる描写があるので真名は交換だけじゃなくて一方的に許すこともありそうだなって
3.七乃ってとりあえず(別に意味は無く)情報収集してそう・・・今は忙しいなら仕方ないか
4.孫家の相談役と言うかブレーキと言うか頭脳の周瑜としては今回の孫策の突然の独立宣言が漏れてない、と楽観視できないよね


147一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/02(木) 22:33:30.37uTmssw4Ro (1/1)

>真名を許すことでお互いだけじゃなくて周囲にも相手を信頼してる。それこそメロスとセリヌンティウスみたいな状態になってもむしろそれが本望だ。くらいの社会的な重さがあるんじゃないかなあ?と
ほむ。
外交で、小泉首相がエアギターやったような感じですか
なるほどですね。そういうパフォーマンスにも使えそうです

>それは例えるならキリシタンになって洗礼を受けた直後に踏み絵をしているようなもの(多分)
まあ、踏み絵も、割と
「ええから踏んどけ。見てないから踏んだことにしといたるし」
的な感じもあったとかないとか

原理主義者は大体死ぬしかないよね!

>断金の誓いを破るのと真名を交換した相手を後ろから刺すのってどっちが社会的(道義的、倫理的)に悪なんですかね
そら断金よ
誰彼構わず振舞う真名と義兄弟の誓いは格が違うでしょうよ少なくともうちでは

>あとこれは誤解なのか私が彼女を怖がり過ぎなのかもしれませんが七乃さんにとって諜報活動って一種のライフワークみたいなものじゃないかな。と
これは誤解です
だって七乃さんのライフワークは美羽様を愛でることなのですからw

>袁領内で袁家ディスってる孫策は単純に考え足らずか…でも実際に回りに耳がいるかは別にしても周瑜としては「それはこんな場所で言う事じゃない」って止めるべきじゃないですかね?
一ノ瀬は、結果から過程を類推して文章と物語を考えるスタイルです。
そして、今回の指摘はありがたかったのです
つまりこれは、孫策が放言するに足る環境があったということ。

つまり、孫家の秘密兵器が参戦しているという証左ですわw

「周泰」

孫策が放言し、周瑜が苦笑するその場。それを担保するのは彼女です。
うわ、来てるのかよ。これはいけません……w

※張家最高傑作である七乃さんの隠形が相手にならないくらいの実力です


148以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/08(水) 11:36:15.40XIPMO7o10 (1/1)

・・・ふむ
天才曹操<<公式で本気だしたら世界をとれる七乃<<周泰、という事か(情報戦)
コーエー的には統率と武勇と情報と政治と魅力でしたっけ?単純に考えると統率、武勇、魅力では曹操(華琳)が七乃に勝ってそうだから
それを補って余りある七乃の情報と政治…その情報で七乃を圧倒する周泰か


149一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/08(水) 22:14:31.85rYO9dmA+o (1/1)

>>148
>それを補って余りある七乃の情報と政治…その情報で七乃を圧倒する周泰か
諜報機関を運営する手腕で言えばそら七乃さんの方が上でしょうねえ
ただ、個人のスキルという意味ではそらニンジャが勝つかなと

ジャック・バルバロッサ・バンコランとジェームズ・ボンドが同じ組織にいて、役割は違いますよねと。

流石にボンド氏の方が潜入スキルは高いというか……。
うん、自分で言っててなんですが、あれ、潜入と言っていいんだろうか?
少佐も個人戦闘能力鬼だしなあ。

華琳様の諜報ですが、そこの実務については原作恋姫ではおそらく無印ではネコミミ、真では風ちゃんが担当ちゃうかなあと。
やってできないことはないでしょうけども、流石にそこまでやったらさすがのはおーも過労死しそう。

とかなんとか。


150一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/10(金) 21:42:19.04JfVaHSfvo (1/4)

「じろうー、眠いのじゃー」

こてん、と俺に身体を預けてくる美羽様。いや、宴席出席お疲れ様である。
実際美羽様はこんなちっちゃいのにね。頑張ってると思うのだ。まあ、それはそれとして。

「このまま眠りたいのじゃ……」
「もちっと頑張ってくださいね。お風呂入ったらすぐに横になっていいですから」
「めんどくさいのじゃー」

ぶうぶうと不満を漏らす美羽様。
とはいえ、麗羽様みたいに逃げ出したりはしない。なんとも手のかからないことよ。
本当にいい子である。

「よっこいしょ」

眠たげな美羽様を抱っこして風呂場に向かう。
いやあ、軽い軽い。美羽様はもっとたくさん食べるべきそうすべき。

「じろうー」
「ん?なんすか」
「妾(わらわ)はちゃんとしてたかや?」

少し不安げに俺を見上げてくる美羽様。

「ええ、美羽様はちゃんとしてましたとも。
七乃もそう言ってたでしょ?」
「むー、七乃はいつも妾を褒めるからよく分からんのじゃ。
 これでも苦言に耳を貸すにやぶさかではないつもりなのじゃ」

たどたどしくもその思いを述べる美羽様。その言、清冽にして俺の胸を穿つのだ。マジで。
なんか、あれだなあ。
逆に同年代の友人とか作ってやらんといかんかもしらん。

「美羽様はお利口さんで俺も楽ですよ。
 というか、麗羽様は結構やんちゃでしたし」
「麗羽ねえさまが、やんちゃとか信じられないのじゃ」
「まあ、今の麗羽様を見たらそうかもしれないっすねえ」

遠い目をする俺である。
あんなんでも昔は俺が放り投げたり、遠投したり。……って投げてばっかりか!

「まあ、委細はじろうに任せるのじゃ」
「いや、俺、明日の式典では裏方ですよ」
「なんじゃと?妾(わらわ)と麗羽ねえさまの晴れ舞台じゃぞ?なんでじろうがおらんのじゃ!」
「いや、俺。紀家の当主じゃあないので。
麗羽様の州牧と美羽様の太守就任の式典にはね。やはり正当なる当主が出ないと」

そう、明日は今日以上のお祭り騒ぎだ。
麗羽様が三州の州牧と太尉、美羽様が如南の太守となるお祝いの席だ。
宴会好きな袁家と言えども、だ。これは桁違いの祝典になる。

白蓮とか曹操とか孫策とか次期太守とかも招いてそりゃもう盛大な式典になるはずである。

俺?さっきも言ったけど裏方。
実行委員長とかそのへん。
美羽様もふんぞり返っとけばそれでいいと思うの。とも言えず。
俺にできるのは、美羽様を風呂に送り込むことだけですだよ。

てやー。


151一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/10(金) 21:44:47.00JfVaHSfvo (2/4)

◆◆◆

ごきゅ、ごきゅと音を立てて美羽様が蜂蜜水を飲んでいる。
お子ちゃまは甘いものが好きだからねえ。
お利口さんな美羽様の、ささやかな我儘……というか。娯楽なのだ。

「ぷはー。風呂上がりの蜂蜜水は格別じゃのー」
「飲み過ぎたらおねしょしちゃいますよ?」
「ななな、なにを言うのじゃ。妾(わらわ)がそのようなことするはずなかろう!」

分かりやすくうろたえる美羽様。
そんなに気にすることないのになあ。
そう思いながら何か囀る美羽様を抱っこする。

「むー。じろうとは一度きっちり話をせんといかんのじゃ」
「はは、いつでも。とりあえずは湯冷めするまえにお布団に入りましょうね?」
「うむ、そうじゃな。それにしても思うのじゃが……」

美羽様と馬鹿トークしつつ歩いてると、前から見覚えのあるおっぱいが……もとい、見覚えのある人物が歩いてくるのが見えた。

「あらあらー、二郎さん。今お戻りですかー?」
「おうともよ。
穏も遅くまでご苦労だな」
「いえいえ、それほどでも。
 あ、袁術様に二郎さんにもお初でしたね。
 ご紹介します。私が仕える孫家の姫、孫尚香様です」

そう言って横にいた幼女を紹介する。
ふむ、三国志演義では劉備の後妻となる弓腰姫か。
実家に帰る際に跡継ぎの阿斗をかっぱらおうとするなどなかなかの行動力である。
……あっこで阿斗が誘拐されてしまったらその後どうなるかというのは三国志ファンなら一度は妄想しただろう。でもそしたら阿斗ちゃんピンチですよね!

「孫尚香です!おねーちゃんがお世話になってます!」

ぺこり、と頭を下げる幼女である。

「うむ、孫堅殿の忘れ形見。孫家の三の姫じゃな。遠路はるばるご足労いたみいる」

キリ、と仕事モードの美羽様をそろり、と降ろす。抱っこしたまんまじゃ恰好つかないもんね。
そしたら食いつくこと。孫家のコミュ力半端ない。

「うわぁ……きれいな金髪だ。すごいすごいー!」
「そ、そうかや?」
「うん、すごい!触ってみてもいい……?
 あ、シャオのことはシャオって呼んでね!」
「うむ、苦しゅうない。美羽でいいのじゃ。
 というか、シャオの髪こそ触ってよいかえ?」

きゃいきゃいと年少組が騒いでいる。
微笑ましいその光景を横目に、穏に問いかける。

「で?」
「あら。そうおっしゃっても分かりかねますー」

ほよん、とした表情を崩さない穏である。くそう、かわいい。

「とぼけんじゃねえよ。孫家はどうすんだって話さ」
「どうもこうも、二郎さんのご意向次第ですよ?」
「へーへー分かりましたよっと」

実際、いいように操られてる感があるからな、孫家……というか穏相手だと。
……ん。えっと?

生じる違和感。

「で、何が望みなんだ?」
「くす。とりあえずは時の猶予を頂きたいですね」
「ん?別に孫家になんか締切とか設定してなかったろうに……」

言いながら思いついた。うわ、こいつらひょっとしてお家騒動してんのか?
だとしたら厄介だぞ。あちゃー。
あからさまに顔が引きつったのだろう、穏が笑いかける。

「あは、ご心配なく。きっちり私が丸く治めますから」

にこり、と笑むその貌。それが怖いんですけどねえ。
まあ、穏便にね。穏便に。

孫尚香と話している美羽様を抱えてその場を去る。
孫家って底知れないのよね。まじで。
つるかめ、つるかめ。


152一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/10(金) 21:45:37.94JfVaHSfvo (3/4)

◆◆◆

「穏、お疲れさまー」

明るい声が響く。
陸遜は安堵と幾ばくかの不安、そして怪訝さを込めて問いかける。

「ありがとうございます。でもよかったんですか?
 二郎さんとはろくにお話してないですよね」

陸遜の問いかけ。くすり、と孫尚香は微笑む。
先ほどまでの、袁術や紀霊に向けていた無邪気な笑みとは違う嫣然とした表情。

「やだなー、穏も分かってるんでしょ?
 【将を射んとすれば】ってやつだよ?
 孫子の初歩だよね」

くすくす、とおかしげに笑う孫尚香。

「どうせお姉ちゃんのことだからそこらへん置き去りだと思うしね。
 ほんと、馬鹿だよねえ。
 シャオはそこらへんきっちりしてるよ?」

薄い胸を張る孫尚香に陸遜は問いかける。

「そうですねえ。ちなみに小蓮様は治と乱のいずれを望まれるのですか?」

孫尚香は即答する。笑みを貼り付けたままに。

「やだなあ、孫家にとってどっちがいいかを考えるのが穏たちの仕事でしょ?
 そのためにどう動くかが私たちの仕事じゃない」

その言葉に陸遜は笑みを深くする。

「これは一本取られましたねえ。
 そういえば、二郎さんを籠絡されるのですよね? 
 であれば、しばらく私は控えた方がよろしいですか?」
「えー、なんでー?
 穏にはどんどん押してほしいんだけど。
 穏も祭も熟れてるじゃない?だからシャオみたいな青い果実を食べたいと思うくらいに攻めてほしいなあ」
「承知いたしましたー」

くすくすと笑う陸遜を満足げに孫尚香は見つめる。
実際彼女は上機嫌である。
袁術とは個人的に友誼を結べそうだし、紀霊の籠絡も思ったより障害はなさそうだ。

これまでの退屈だった日々とは比べられないほどの愉悦をその幼い身で受け止める。
幼いながら、治より乱を好む孫家の血を間違いなく受け継いでいた。

◆◆◆


153一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/10(金) 21:46:04.17JfVaHSfvo (4/4)


「二郎さま。お疲れ様です」

自室に戻った俺を迎えてくれたのは陳蘭だった。
遅くなったから別にいいのに。

「お茶をお淹れしますね」

そそくさと作業に入るから何も言えねえ。
まあ、陳蘭の淹れてくれた茶を飲むと、日常に帰ってきたという気がする。

「どうぞ」
「おう、ありがとな」

うん。別に美味しくないしまずくもない。陳蘭のお茶だな、って感じだ。
一気に色々弛緩する。

「ほへー、これぞ陳蘭のお茶だなあ」
「ふぇ?そうですか?」
「おう、帰ってきたなー、って思うよ」
「あ、ありがとうございます!」

むむむ。別に誉めてるわけじゃないけどね。
まあいいや。

「おかわり、飲まれます?」
「いや、いいや。今日はなんかつかれたー」

がばり、と陳蘭に抱きつきながら寝台に横たわる。

「ふぁえ?じろうさま?」
「あー、落ち着くわー。そしておやすみー」

薄れゆく意識の中で陳蘭にあれこれ言いながら俺は眠りに落ちる。
自分以外の温もりが傍らにあることがとても嬉しい。
この温もりを、大切に、しないと、な……。

明日は今日より忙しくなるだろう。

そのあと、俺はやらんといかんことがある。

そんなふうに思惑していることすら、夢の中だったのかもしれない。

ぐう。


154以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/10(金) 23:26:07.24ou6YnW0A0 (1/1)

ふわ?作者も一緒に寝ちゃった?
お疲れ様です。



155一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/11(土) 07:39:34.12MYz6k8kUo (1/1)

ぐう

ここまでした。
感想とかくだしあー


156以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/13(月) 13:53:49.23mXuS/ZKp0 (1/1)

乙でしたー
>>150
>>たどたどしくもその思いを述べる美羽様。その言、清冽にして俺の胸を穿つのだ。マジで。  死にそう(小波感
○たどたどしくもその思いを述べる美羽様。その言、清冽にして俺の胸を打つのだ。マジで。  慣用句は似た言葉を使っても意味が通じないことが多いので【例・敵に醤油を送る】こちらがいいと思います
>>151
>>「あは、ご心配なく。きっちり私が丸く治めますから」  【治める】…下剋上して統治者になるのかな(すっとぼけ
○「あは、ご心配なく。きっちり私が丸く収めますから」  【丸くおさめる】は収拾を付けることなのでこちらが正しかった気がします

美羽様可愛いよ美羽様。ところで七乃とか麗羽様の事は漢字で呼ぶのにじろうだけ平仮名なのね・・・なんとなく「じろー」って感じで伸ばして呼んでるイメージ
3の姫様はなかなか強かですな。でもこういう子こそがいざと言うときにへたれそうな気もするw


157一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 21:23:36.43GvlLJ8kjo (1/6)

>>154
寝たました
がんばりまうあ

>>156
いつもご指摘ありがとうございます。
いやあ、こういう基礎語学力というのが一ノ瀬にはないのだなあと痛感しながらも甘えます。
ありがとうございます。

>美羽様可愛いよ美羽様。
美羽様は可愛い。これは正義ですよ。大正義ですよ。

>ところで七乃とか麗羽様の事は漢字で呼ぶのにじろうだけ平仮名なのね・・・なんとなく「じろー」って感じで伸ばして呼んでるイメージ
ふむ。
次からそうしましょうそうしよう。

>3の姫様はなかなか強かですな。
鉄火場において彼女がどのような動きをするかはまたお楽しみにしてくださいませ。


158 ◆5wEQzn0Y.62017/03/13(月) 22:02:46.13g7yabPnA0 (1/1)

乙です。

とりあえず、袁術ちゃんを甘やかす張勲さんの気分がわかった。
蜂蜜水が娯楽?
おっちゃんが甘い物山ほど買ってあげる。
こんな健気な子にはご褒美を沢山あげても罰はあたらん(力説)

>つるかめつるかめ
……くわばらくわばら
近寄りたくねぇ


不味くも無く旨くも無いスキル、お茶でも発揮とは。
ただ、これを万人向けに発揮できたらやりようで商売できますな。


陳蘭さんの名誉の為に申し添えますが、飲み物は 水が要です。
現代の水道水で淹れたらどんな良いモノでも並に逆に汲み立ての天然水なら並が上に変わる不思議。


とはいえ、基本を知らないと凄まじいモノを飲む羽目になる。




159一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 22:20:01.13GvlLJ8kjo (2/6)

>>158
>とりあえず、袁術ちゃんを甘やかす張勲さんの気分がわかった。
美羽様の可愛さは天元突破が前提。
まずはそこから始めましょう。

>こんな健気な子にはご褒美を沢山あげても罰はあたらん(力説)
そんな有象無象を笑顔で排除しまくる七乃さんマジ溺愛w

>不味くも無く旨くも無いスキル、お茶でも発揮とは。
そこでこその発揮というかw
美味しくないのがポイントです。そこに安心を覚えるというとこに二郎ちゃんの修羅場はあったりするのだろうなあと。

>陳蘭さんの名誉の為に
そですよね。安心して飲めるというのは一つ、大切なことだと思いますのですよ。

>とはいえ、基本を知らないと凄まじいモノを飲む羽目になる。

多分、二郎ちゃんのいらん知識でお茶でもぐらぐら煮たてたお湯が前提なのであろうと思いまするるるr


160一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 22:28:51.20GvlLJ8kjo (3/6)

さて、俺の目の前には百人以上の官僚が整列している。いずれも各部署でのエース級だ。
この、麗羽様の州牧と太尉。そして美羽様の太守就任の記念式典の運営に選抜されたメンバーだ。
ぶっちゃけ、どう考えても俺より優秀な奴らだ。

「あー、実行委員長を仰せつかった紀霊だ。楽にしてほしい」

言いながら様子を窺う。うん、見事に統制されている。

「君らの仕事について口出しをするつもりはない。
 式典の予定については君らの方が把握しているからな。
 だから、俺のことは気にせず各自励んでほしい」

ざわ、と無言ながらも戸惑う空気が漂う。そりゃそうだよね。

「ただし、君らが対処できない事象が起こったときは遠慮なく俺を使ってほしい。
 君らならその判断も含め、適切な判断を下せると思っている」

俺の言いたいことを理解してくれたかな。俺を見つめる視線が心持ち強くなった気がする。

「ぶっちゃけ、こういう式典の運営というのは何もないというのが求められる。
 君らの奮闘に期待するところ、大である。
 その信頼の証として、この式典が終わるまで、真名を許す。
 以降、二郎と呼んでくれ」

ざわり、と今度は音を伴う空気の揺らめきを感じる。
俺は自分の言葉の影響を満足げに見やる。

「よし、それでは状況を開始しようか」

ぱん、と一つ手を打ち合わせた音をきっかけに皆がそれぞれの持ち場に散っていく。
ふむ、予想以上に気合いが入ったようだな。

満足げに俺は頷くと、実行委員長の席にふんぞり返る。
俺の出番がないことを祈りながら。


161一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 22:29:24.70GvlLJ8kjo (4/6)

◆◆◆

さて、今日の式典はすごい。流石にすごい。
何がすごいって、麗羽様、美羽様を囲む袁家首脳がすごい。
まず、武家四家当主が勢ぞろいだ。これがすごい。
うん、とーちゃんとかいつぶりの公式行事の参加だって話だし、張家の当主なんて俺初めて見たぞ。
更に武官筆頭の麹義のねーちゃん、文官筆頭の田豊師匠。
……何気に匈奴大戦の英雄の生き残りが三人揃うって多分今日が最後だぞ。主にとーちゃんの体調的な意味で。
最後のご奉公とばかりに無理を重ねているのは俺と雷薄くらいしか知らない。もはや三尖刀のブーストすら使えないほどなのだ。陰でそこを支えてくださる……あの方には感謝しかない。本来ならば表舞台に立つべき人なんだけどなー。
そして、だからこそ俺は裏方の筆頭としてこの式典を支えねばならないのだ。
うう、そう考えると肩の荷が重いぜ。

賓客もそのことを感じているのだろうか。常にない熱気である。ような気がする。俺ら実行委員はその盛り上がりや熱気をうまいことコントロールすることが仕事なのだが。
こう、気を抜くと俺ですらあの面々が揃っているのに目を奪われそうになるのである。いやあ、威風堂々とはこのことかと。

……まあ、タイムスケジュールに従って式を運営する皆にそのような余裕があるはずもない。
あちこち駆け回り、怒号を上げ、粛々と進行を司ってくれている。俺はまあ、特にやることないので茶をしばきまくっている。
いや、下手に口出しする方が迷惑なのよね、こういうときって。ま、俺の出番なんてない方がいいっしょ。

と。

「ええい、貴様のような木端役人では埒があかんわ!」

おやおや、俺の出番のようだ。軽く周囲の官僚に事情を聴く。
どうやら、席次に不満があるらしい。はは。出ると思ったのよねこういう人。
こういう席でこういうことをするってのが……分かんねえから下に見られるんだよ。
とはいえ袁家の中での序列もあるからうかつに掣肘もできない。
と思ったら大間違いだ。
ククク、序列をもとに反論できないような官僚に文句を言う奴が出るなぞ想定内!

「あー、ども、お久しぶりっすねー」

にこにこと俺がその場を引き継ぐ。絡まれてた官僚には目で退出を促す。
目礼し、感謝の念を送るそいつに軽く笑いかけ、困ったチャンに向かい合う。

「お、おお、これは紀霊殿。ご無沙汰しております」
「ええ、いつ以来ですかねえ。いやあ、ほんと懐かしいなあ。
 そうだ、今度飲みに行きましょう。いい店見つけたんすよー」
「こ、これは光栄ですな」
「ところで、何かあったんすか?俺、一応実行委員長なんで、口、ききましょうか?」

ここでぎろり、と僅かに殺気をこめて相手を見やる。
お、これくらいで引きつるならいちゃもんつけるなよ。とも言えず。

「い、いやいや、紀霊殿の手を煩わせることではないですぞ?」
「さいですか。今日はめでたい日ですからね。ゆっくりと、楽しんで、いってください。
ね?」

かなーり高圧的になっちゃったかもである。
が、序列で言えば俺が恐れ入るような人は式典の主役たちだからな。言ったら格下ばかりよ。
すごすごと立ち去るのを見送って、こちらを窺っていた奴らににやり、と笑いかける。

「さあさあ、手に負えない時は遠慮なく俺を呼んでくれよ?そのための俺だからな!」

うむ、つまり。格下に威張り散らすのが俺の仕事なんである。


162一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 22:29:54.74GvlLJ8kjo (5/6)

◆◆◆

楽進はその身を震わせていた。この栄えある式典の警備班の班長を仰せつかったのだ。
正直、どこの馬の骨ともつかぬこの身には過ぎた任務である。となれば、全身全霊をもって臨まなければならない。

手の中の絵図面を覗き込む。既に何百回と確認したそれはぼろぼろになっている。

警備の仕事とは、七割が道案内、二割が示威。残りがそれ以外である。
そう、教えられたことがあった。そして、そのとおりであるのだと実感している。
警備の腕章を付けていれば、当然のように道案内を頼まれる。
で、あるから式典での見取り図は完璧に覚え込み、実際の地理と合一せねばならない。

示威についてもそうだ。
警備をする存在。その仕事は不埒者を捕えることではない。
そこにいることを喧伝し、厄介ごとを控えさせるのが仕事なのである。平穏無事こそ我らの仕事の証。
で、あるから。
これは私たちの不始末でもあるのだ。
苦々しくも、口出しもできずに楽進はせめて。最大限の気迫を持って場から人を遠ざける。そのようにする。

「何故わしがあのような下賤な者より下座かと聞いているのだ!」

袁家の一員であることをいいことに、反論できない者に食って掛かる。だが、できることもない。のだが。

「あー、ども、お久しぶりっすねー」

気楽そうに話しかけながら、絡まれていた人物を逃がすその様。洗練されていて。
親しげに会話しながら丸くその場を収めていく。
周囲で経緯を見守っていた者たちが安堵し、本来の仕事に取り掛かる。

事もなげに場を治め、軽くため息をつく。
本来であればこのような些事に関わらず、式典の舞台に立つべき方だというのにな、と思う。
しかし、あの方以外があれほど見事に場を収められたろうか、とも思う。

そうか、と納得する。
今日というこの日を、この式典を大事に思うからこそ裏方に回られたのだ。
誰にも賞されることもない、だが、非常に大事な役割。
それを黙って引き受けられたのだろう。

誰に功を誇るでもなく。

すとん、と何かが胸に落ちる。

そうか、そうだな。あの方は……そういうお方だ。
そんなお方だからこそ、お慕い申し上げているのだ。

「……っ!」

頬に血が上る。今思ったことを自覚し、動揺する。が。
正面から受け止めるべきであろう。
だから、思うのだ。お慕い申し上げているのは……武の師としてだけ、ではないのだと。
散々親友たちに指摘されていたことではある。

だが、そのような思いではないと自分を偽っていたのであろう。

所詮自分は弟子に過ぎない。

あの方に助言ができるほど頭は良くない。
あの方の背中を守れるほどの武も持ち合わせていない。
だから、弟子であると自分を偽っていたのだ。この気持ちを誤魔化していたのだ。

とんだ、欺瞞だったのだろう、と思う。

向き合おう。この思いと向き合おう。
そして、お傍にいられるほどの自分になろう。
故に、この思いは届かなくていい。

でも、思うくらいはきっと許されるはずだ。

だから、楽進は熱い思いを込めて見つめるのだ。
紀霊の背中を。
愛する、男の。

背中を。


163一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/13(月) 22:30:27.64GvlLJ8kjo (6/6)

本日ここまですー

感想とかくだしあー

くだ


164以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/13(月) 22:52:09.58H95+Zzj1O (1/1)

乙です

凪ちゃん乙女してますねぇ

つーことで
タイトル案「想いに気づいた日」


165以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/13(月) 23:26:53.176zdCyLhno (1/1)

乙です


166以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/17(金) 14:16:14.48Hir8w1Te0 (1/1)

乙でしたー
>>162
>> 事もなげに場を治め、軽くため息をつく。 治安と考えればこれでもいいと思いますが、それだとかなりの騒動な感じがしますし
○ 事もなげに場を収め、軽くため息をつく。 それ以外の2か所ではこちらの字を使ってますし、収拾を付けると言う意味でもそこまで大事になっていない感じがしますからこちらの方がいいと思います

縁の下の力持ちって感じですな。マンパワーが凄いことになってる袁家だからこそできる二郎ちゃん必殺の【責任をとるだけの簡単なお仕事です】と【権力の正しい使い方】・・・しかも文官からすればほとんど雲上人と言っても過言ではない人(漢の盾という場所柄武人が尊ばれそう)からの一時的とはいえ真名の許可。これは理想の上司


167 ◆e/6HR7WSTU2017/03/17(金) 22:13:54.79+KCT18GA0 (1/1)

乙です。

どこかの横の付く方は脂汗かきながら袁紹様の侍中してるのか、はたまた 雷薄さん辺りからせしめた紀家軍の装束着てしれっと先代様の支えをしているのか。


これって文官団を実力で手中に納めたつう事ですよね。
しかも、祖襦さんも人脈の中に入っている。


……あーあ、田豊さんがほくそ笑んでますよ。
二郎さんの隠居はますます遠くなる。


あとね。袁術ちゃんが必死に頑張っているのが容易に想像できる。
ちゃんとねぎらってあげましょう。


というか、袁術ちゃん。飴、食べる?
おっちゃんが山ほど買ってあげる。




168以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/17(金) 22:54:41.03o/tDrojfO (1/1)

ロリがでたぞ~

美羽様逃げて~w


169以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/18(土) 08:59:54.931hBnmeIJ0 (1/1)

ロリコンではない!父性愛だ!


170一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/19(日) 15:56:05.984dhIAyDSo (1/1)

>>165
どもです

>>166
いつもありがとうございます。
自分の国語ちからに信用なんてしてないので、本当にありがとうございます

>マンパワーが凄いことになってる袁家だからこそできる二郎ちゃん必殺の
>【責任をとるだけの簡単なお仕事です】と【権力の正しい使い方】
信じて用いれば応えてくれるから、です

>・・・しかも文官からすればほとんど雲上人と言っても過言ではない人(漢の盾という場所柄武人が尊ばれそう)からの一時的とはいえ真名の許可
これ実はよそ様からのリスペクトなんですけどね。一時的なドーピング的人望は凄いのかなあと思います

>>167
>どこかの横の付く方は脂汗かきながら袁紹様の侍中してるのか、はたまた 雷薄さん辺りからせしめた紀家軍の装束着てしれっと先代様の支えをしているのか。
え、そら脂汗の方でしょうよね。
沮授君あたりは頼りにしているとおもいますし頼っていると思いますよ(実務で)

>これって文官団を実力で手中に納めたつう事ですよね。
二郎ちゃんにその意識はないですが仕事の差配した沮授君はそこらへんまで考えてるかと思います
二郎ちゃん的には裏方でのんびりできてラッキーとかいう感じですね

>……あーあ、田豊さんがほくそ笑んでますよ。
そら田豊師匠は沮授君の差配に満足してると思います

>二郎さんの隠居はますます遠くなる。
本気で隠居したいと理解してるのは沮授君と張紘くらい。
で、そこに協力する人はいないのが彼の人望ですねえw

>あとね。袁術ちゃんが必死に頑張っているのが容易に想像できる。
背伸びして、一生懸命背伸びして。
そんな美羽様を愛でる七乃さんマジエンジョイしてます。

>というか、袁術ちゃん。飴、食べる?おっちゃんが山ほど買ってあげる。
そんなことしたら凡人が動員されそうな案件ですよw
「あの」横着さんが袁術様に肩入れした……だと……的な意味で


焼肉いてきまう


171以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/19(日) 21:53:23.48RAvwURusO (1/1)

焼肉には唐辛子をたっぷり山のようにかけると美味しいって凪さんが言ってた


172一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:36:32.84NEILsRA1o (1/6)

>>171
>焼肉には唐辛子をたっぷり山のようにかけると美味しいって凪さんが言ってた
二郎ちゃんは辛いの苦手って言ってだろうらん?

焼肉美味しかったけどメインメニューが17:00で売り切れてて不完全燃焼なので王将いったらおいしかったです


173一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:37:23.98NEILsRA1o (2/6)

ずびび、と茶をすする。あ、いい茶葉だなこれ。そらそうか。
ここで安い茶葉使ったら逆に担当者が案件である。

うん、つまり暇だ。暇なのである。やったぜ。なしとげたぜ。
俺がふんぞり返っていることを知ったのか、あれ以来、だ。いちゃもんをつける奴が出ることもない。
突発的なテロとかもない。正直、十常侍がなんか仕掛けてくるかなあと思ったりもしたのだけれどもな。流石にそれをやったら戦争だわな。
予定通り、平穏無事にプログラムが流れている以上俺の仕事などない。慌ただしく駆け回る官僚たちを見守ることしかできない。そう。見守ることしかできないのだ。

頑張れ、頑張れ。

ここで暇だからってなんか仕事もらいに行ったら却って迷惑だからなあ。
と言って、居眠りするわけにも、他の仕事するわけにもいかないし。
結局自分で淹れた美味くもない茶――茶葉は一級品――をすするしかないのよね。ちなみに陳蘭の淹れた茶より不味いぜ。濃ゆいだけで不味いという、資源の無駄遣いスペシャルである。
まあ、平穏無事というのはいいことである。のんびりするのは俺の本懐。
キリっとしながらだらけるというのはなんというか、得意ですよ。特技ですよ。きっとね。
後はあれだ、せめて阿蘇阿蘇みたいな暇つぶしが欲しい。
そんなことを考えてきたら来客を告げられた。

いやいや、何で俺宛てやねんと。
麗羽様とか美羽様に行けよ。つーかまだ式典の途中だろうが。これだから空気読めない奴は困るなあとか思っていたのだが。

「二郎さま、曹操殿がいらっしゃいました」

凪が俺に来客の名を告げる。わお。流石にこれは予想外。
凪がどことなくいつもより緊張しているように見えるのは本来……正史における主と邂逅したからだろうか。
彼女が曹操陣営に望んで行くとは思わんが……もしそう告げられたら俺はどうするのだろう。
快く送り出すか、みっともなく泣きつくか。

多分後者じゃないかなあ。マジでいい子だから抜けられると困るのよね。
まあ、そん時は千金を積んでも慰留に努めよう。捨てないで、ってね。誠意とは金額なのだ、きっと。

そんなことを思っている間に曹操が姿を現した。何だろうね、このオーラは。随伴は春蘭である。おう、おひさー。

目であいさつするとにんまりと応えてくれる。ぶっちゃけ嫌いじゃないのよね、この脳筋美女。
からっとしててなんというか、いいのだ。そう、いいのよ。これが人徳とか相性とかいうものかなあなどと思っていると曹操が口を開いた。

いかんいかん。
気を引き締めてその言葉に集中する。なにせ相手は三国一の英雄なのだからして。


174一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:38:06.11NEILsRA1o (3/6)

◆◆◆

曹操さんからは通り一辺倒の祝いの台詞をいただきました。どもです。
返礼しながら凪にお茶を淹れてもらうことにする。
本当は俺が淹れた方がいいのかもしれんけど、俺って陳蘭より下手だしな!

「へぇ……」

凪の淹れた茶を喫した曹操が感嘆の声を漏らす。
ふふん。
ドヤ顔の俺である。

って、ちょっと待って早速勧誘するとかいかんでしょ。いかんでしょ。

「あのですね、目の前で勧誘されると流石にね。ちょっと待ってよと言いたいんすけど」

喧嘩売ってるのかと、むかつくよりも呆れてしまう。流石は人材コレクター。面目躍如といったところか。でも許しませんからね。

「あら、裏でこそこそと勧誘するのは性に合わないもの」
「裏でも表でもうちの大事な子を持ってこうとしないでくださいな」

俺の言葉を叱責と感じたのか凪が緊張した面持ちで退席する。
あんな素直でいい子を手放すとかありえんからな!
というメッセージを込めた視線を送るが果たして凪に伝わったかどうか。

「んで、わざわざどしたんすかねえ。俺をご指名ということですが」

幾分不機嫌さを出して……強引に話題を転換する。というか、本題だからいいだろう。いいよね。
曹操とかいうのは来賓だからな。本来ここにいるべきじゃあないんだ。さっさと麗羽様とかのとこに行くべきそうすべき。

俺の問いに僅かに思案する顔をして曹操が口を開く。

「そうね、そうよね。
 その、ね……。」

何か口ごもってる。何であれ、だ。ずばずば言うのが貴女の持ち味だろうに。便秘か?いかんな、野菜食え、野菜。

……って流石の俺もそんなこと口にしないよ?
多分口にしたら春蘭にずんばらりんと南斗水鳥拳だよ?

などとアホなことを考えている俺に構わずに言葉を続ける。

「一度きちんと礼を言わないと、と思ってね。
 貴方が私を陳留の太守に推挙してくれたんでしょ?」

やだ……なんか勘に障った?お礼参り?つまり死亡フラグ?

「や、袁家の総意として推挙しましたから。俺の意向とか関係ないですから。関係ないですから」

大事なことなので二回言いました。強調しました。俺とかいう凡人の意思とか関係ないから!関係ないから!

「あら、麗羽に聞いたわよ?
 私を陳留の太守に推挙することを強く薦めたのは貴方だって」

麗羽さまー!何言ってくれてんすかー!
あばばばばばばばば!

目を白黒させている俺を見てくすり、と曹操が笑う。

「正直、意外だったのよ。
 てっきり私は貴方に嫌われていると思っていたから」

はり曹家の連中は鬼門にて災難だと。


175一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:38:59.57NEILsRA1o (4/6)

はあ?

何言ってんのこの子。

「ん?何をもってそう判断したかは知らんすけどね。
好きか嫌いかって言うと好きですよ、間違いなく」

三国志とか大体まずは曹操でプレイするしな!
色々アイテムも持ってるし人材も充実してるし!

「な、何を言うのよ……」
「いや、実際誤解は解いとかないとですよ。
 だって嫌いな相手を推挙しようとは思わないでしょ?」

曹操も個人の好悪が激しいからな。そして根に持つからな。ここは露骨にご機嫌とらないといかんだろう。嫌いじゃないアピールは実際大事。
うん。そうすると、だ。さっきの物言いは……ちょっと偉そうだったかな。
俺のアレな態度に怒ったのか少し頬を上気させながら曹操は言葉を返す。

「……じゃ、じゃあ前に桂花に言ったことは、その、本気、だったの?」
「ん?
えーと、なんか言いましたっけか」

あれ、ネコミミになんか言ったっけ俺。
思案気な俺を上目づかいにする曹操。
何か可愛らしいなおい。
てか、やべえよ、やべえよ……。笑みとか攻撃的で何たらかんたら。

「その、私が、その。丞相になれるとか……」

お、おう?
ああ、あれね。ああ、覚えてる覚えてる。
多分そんなことも言ったかもしらんなあ。

「ああ、本気というか、当たり前というか。
 太陽が東から昇るのと同じくらいな勢いなんですけどね。
 普通にそれくらいいけるっしょ」

ぶっちゃけその後漢王朝から禅譲される下地まで作っちゃうしな!
いや、この時代最高クラス……というかガチトップのチート英傑なのよね実際。

俺の言葉にしばらく顔を赤くしたり青くしたりした後、キリ、とした表情で俺に問いかけてくる。

「貴方が私を評価してくれているというのはよしとしましょう。
 では、それはそうとして、そこまで評価している私からの誘いを断るというのはどういうことかしら」

え。だって過労死したくないもん。
とも言えず。

「んー、ええと、ですね。主君と部下の関係になりたくないっていうのですかね?
 部下になったらこんなふうに馬鹿な話もできないじゃないですか」

部下になったらギリギリ死なない程度のノルマに追いやられそうだしな!
ベンチャーかつBLACK太守の部下とか死亡フラグである。
サービス残業はいややー!つか、残業自慢とかやってられん。

「へ、へえ……。
 わ、私の下に膝をつくのが嫌というのは、その……。
 私の横にありたい、ってことなのかしら?」

なーんからしくなくしおらしい感じで曹操が重ねて問いかけてくる。
んー、隣とかは置いといて、下に着いたら過労死しそうだからなあ。

「大筋でそんな感じですかねえ」

きっぱりと答えて。あれ、これって結構喧嘩売ってない?
お前は俺をこき使いそうだから部下になるのはお断りだっての。って言ってない?
やべ。やっべ。
これはいけません――。


176一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:39:57.74NEILsRA1o (5/6)

「重ねて言うけど、能力どうこうじゃあないんですよ。
 俺は、そうだな。曹操殿、貴女という希代の英傑と並び立ちくありたいと、そう思っています。
 いや、分不相応とは思いますとも。所詮凡才であることは自身が一番分かっております。
 ですが少なくとも、袁家の、紀家の俺であればそれに近づけるかな、と思っております」

ぶっちゃけ、主家と生家のご威光がなきゃ、俺なんて木端武将だからなあ。地位あっての俺ですと必死のプレゼンである。だる。

「わ、分かったわ。ひとまずそれで納得してあげるわ」

怒っているのか、頬を朱く染めてそう言ってくれる。
ここは言質をとるべきそうすべき。

「ご理解いただけたようで何よりですよ。だからまあ、俺は俺なりに頑張りますってことでひとつ」

ご容赦くださいませとばかりに媚びへつらった感じで頭を下げる。
格下相手の楽な業務とは何だったのか。配下の官僚たちには見せられない光景であることよ。

「そ、そうね、精々精進しなさいな」
「まあ、俺なりに頑張りますともよ」

よし、なんとか乗り切った!がんばった俺!
これで過労死フラグは折ったぞたぶん!
どひゃー、と内心で深く息を吐く俺に声がかけられる。

「そ、それと!」
「ひゃい?」

まだなんかあんの?ご勘弁を!

「わ、私の真名を許すわ。以降、華琳と呼びなさい。
 それと変にへりくだった口調はやめなさいね!」
「な?え。と。
 ……二郎、ですだ」

どういうことなの……。

「ええ、二郎、私は別に諦めたわけじゃないんだからね。
 麗羽のところが嫌になったらいつでも来なさいな、歓迎するわよ」
「いやいやいやいやいや」

どことなく上機嫌な華琳が室を辞していく。
ぽかんとしている俺の前に春蘭が立つ。そういやいたよね君。

「華琳様に真名を許されるとはなあ、流石だな二郎よ」

ごす、と胸に拳をぶちあててくる。胸ドンとか新しいなおい。

「いや、正直わけわかんねえよ」
「ふ、分からぬならばそれでいいだろうさ。
だがな、華琳様に真名を許されたのだ。無様を晒したら許さんからな」

えー。それってバッドステータスみたいなもんじゃん。

「知らんよ。俺は俺だからな。無様を晒すし失敗もする。
 それを許す許さんとかは知らん。見放すなら今この瞬間だろうよ」

大人しく帰ってくれませんかねえ。それがご不満なら真名も引き揚げてくれていいのよ?損切りって、大事だと思うのです。

「そうだ、それでこそ二郎だ。だから貴様は面白い。
 だから貴様は華琳様の真名を預かるに足るのだよ」
「ちょっと待って文脈おかしい……おかしくない?」
「おかしくないとも。
 普段は賢しいくせに、肝心なところで愚鈍よな」

くく、と笑みを押さえて春蘭は去る。去っていく。
その様は颯爽という言葉を全身で表現して、薫風を纏う。

と、歩を止め見返る様には爽やかな艶すら浮かべ、ぐ、と拳を示す。
いや、意味わからんよ?武人とかが分かり合うとかそういう回路俺にはないからね?
いや、満足そうに歩み去らないで!今のやりとりで別に通じ合ったものないよ!ないよ?

思うのです。
やはり曹家の連中は鬼門にて災難だと。
敬して遠ざけないといかん。はっきりわかんだね。


177一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/21(火) 22:42:17.75NEILsRA1o (6/6)

本日ここまですー

感想とかくだしあー

題名は「凡人とはおー」
もしくは「覇王問答」「覇王対峙」「凡人危機一髪」

むむむ。

相変わらず募集いたしますたすけてぼすけて

なんとか3月でこの章を終わらせたいなあと頑張ります


178以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/23(木) 17:54:28.28xaSuFLX50 (1/1)

乙でしたー
>>173
>>そんなことを考えてきたら来客を告げられた。
○そんなことを考えていたら来客を告げられた。
>>174
>>やだ……なんか勘に障った?お礼参り?つまり死亡フラグ?
○やだ……なんか癇に障った?お礼参り?つまり死亡フラグ?  怒りが向いた、ならこれですね
○やだ……なんか勘付いた?お礼参り?つまり死亡フラグ?   お礼参り?と続けてるので違うと思いますが裏に気付かれたと思ったならこちらですね
>>はり曹家の連中は鬼門にて災難だと。
○やはり曹家の連中は鬼門にて災難だと。  ところで曹家って言ってますけど曹操さん以外に曹家の人と知り合ってましたっけ?夏候惇・・・は気に入ってるって言ってるし
○?やはり曹孟徳と言う存在は鬼門にて災難だと。  いっそ名指ししちゃってもいいかもしれません。しいて言えばネコミミ軍師も鬼門ですが・・・
>>176
>>俺は、そうだな。曹操殿、貴女という希代の英傑と並び立ちくありたいと、そう思っています。
○俺は、そうだな。曹操殿、貴女という希代の英傑と並び立つ、そうありたいと、そう思っています。  もしくは
○俺は、そうだな。曹操殿、貴女という希代の英傑と並び立ちたいと、そう思っています。 上の方が力がこもってる感じがしますかね
>>と、歩を止め見返る様には爽やかな艶すら浮かべ、ぐ、と拳を示す。  間違い?微妙
○と、歩みを止め見返る様には爽やかな艶すら浮かべ、ぐ、と拳を示す。  これだと意味が重すぎるかな
○と、足を止め見返る様には爽やかな艶すら浮かべ、ぐ、と拳を示す。  でどうでしょう

敬して遠ざてるとか言ってるけど二郎ちゃん自分から春蘭に近づいたよね。そういえば夏候惇って曹家の分家筋だっけ?
二次創作でよくある『華琳様の誘いを断るとは~』とか『華琳様の真名を許されるとは~』って斬りかかってくるトンちゃんはいなかったんだね!
う~んむ・・・曹操は苦手意識とかその他諸々で鬼門扱いも仕方ないけど春蘭はどこら辺が鬼門なんでしょう?今回も『お前はお前だから良い』って感じで好意的だし、だからって無理な勧誘もしてないし、ちょっと分からない

タイトルは【凡人、覇王に真名を許される】とかシンプルなのでいいかも?実際彼女が男性に対等を許すのって激レアな印象。部下に許すとか一刀君みたく誇りから預けるとかでなくて・・・まあ多少はお礼の気持ちもあるだろうけど


179一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/23(木) 18:13:10.33oMzc6KsTo (1/1)

>>178
赤ペン先生いつもありがとうございます
今回は普通に誤字脱字ですた

これマジで見返してるんですが、やはりセルフチェックは目が滑るのだなあと思ったり

>二次創作でよくある『華琳様の誘いを断るとは~』とか『華琳様の真名を許されるとは~』って斬りかかってくるトンちゃんはいなかったんだね!
根回し地固め大事実際、ということで
まあ、主人に粉かける男に威嚇するというのは様式美ではあるのですが、先にそっちと気脈を通じたらそらそうなるよという感じですかね
なおネコミミ

>春蘭はどこら辺が鬼門なんでしょう?今回も『お前はお前だから良い』って感じで好意的だし、だからって無理な勧誘もしてないし、ちょっと分からない
㌧姉の思考回路が分からないんですよ。何か好意的だけどそれがなんでかってのが分かってないのです

別に餌もあげてない(二郎ちゃん主観)よそ様の猛犬に懐かれても。その……なんだ、怖い。
その飼い主はもっと怖い。

今のところこんな感じでしょうか。

>実際彼女が男性に対等を許すのって激レアな印象。部下に許すとか一刀君みたく誇りから預けるとかでなくて・・・まあ多少はお礼の気持ちもあるだろうけど
麗羽様から寝取ってやろうというのがでかいです。
人材コレクターであるのと、友人なんて麗羽様くらいでぼっちこじらせてて、その最愛の部下を寝取るとか……素敵やん?

みたいな。

あとはやはり自分を宦官の孫としてでなく、評価してくれているというのが大きいですね。
劣等感の塊なのですよ、このころの覇王は。いや、胸部装甲はどうしようもないですけれども。
だから「寂しがりやの女の子」なのです。

なお凡人はブラック企業たる曹家にはバリバリ警戒している模様。


180以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/23(木) 18:45:06.59dLiR5zLBO (1/1)

乙したー
曹家関係では二郎ちゃんダメダメやなぁ・・・

それにしてもはおー様可愛い・・・


181 ◆e/6HR7WSTU2017/03/23(木) 23:03:23.69T3HE5+6A0 (1/1)

乙です

曹操さんと二郎さんの思考のかみ合わなさにニヤニヤしてました。
二郎さんは「個としての 曹操さん」を見て無いんだな。
転生記憶が生身の曹操さんにバイアスをかけてる。


夏侯惇さんは正直二郎さんと敵対する理由無い。官位の件で人となりを見ているし、一朝事あれば 命がけの立場上現代以上に人を見るだろうし。


お茶の下りは笑いました なるほど、陳蘭さんのお茶を黙って飲むはずだわ つか自分と比較したら陳蘭さんのお茶って旨くないかい?


次回も楽しみにしてます




182一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 21:27:15.856UN6EOybo (1/6)

>>180
>曹家関係では二郎ちゃんダメダメやなぁ・・・
袁家キラーですからね
内心ガタガタプルプルしてるんやで

>それにしてもはおー様可愛い・・・
尊い……尊くない?

>>181
>曹操さんと二郎さんの思考のかみ合わなさにニヤニヤしてました。
成立している。通じ合っているとは言っていない会話は暫く続くのではないでしょうかw

>二郎さんは「個としての 曹操さん」を見て無いんだな。
>転生記憶が生身の曹操さんにバイアスをかけてる。
二郎ちゃん「袁家に酷いことするんでしょう?三国志演技みたいに!蒼天航路みたいに!」

……基本的に、こいつが俺の死か。くらいに思ってますw
張飛に殺されるのを知っているので劉備陣営についても以下略

>夏侯惇さんは正直二郎さんと敵対する理由無い。
将を射んとする者はまず馬を射よ、とはよく言ったもので。
配下がお邪魔無視ならばまずは配下とキャッキャウフフすればいいじゃないというお話ですねえ
㌧姉の場合どう考えても自分が気に入ったら、はおーと仲良くしても嫉妬とかしないと思うのですだよ。

>お茶の下りは笑いました
気にかけていただいていましたので、ご笑納いただければw

>つか自分と比較したら陳蘭さんのお茶って旨くないかい?
だから文句とか言いませんし、しみじみと味わっておりますw
陳蘭ちゃんは飯マズではありません!飯微妙もしくは普通なだけです!
凪とか流琉みたいなマエストロが存在してるだけです!

>次回も楽しみにしてます
ありがとうございます!

流石に月内章完結は厳しいかな、と。
あと幾つかのエピソードですががが。


183一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 22:44:55.626UN6EOybo (2/6)

「やほー!たんぽぽだよー」
「見れば分かるって」

俺ご指名の来客。厄介な人物の連発かなと思っていたのだ。
来客その弐は涼州に咲く一輪の花……って感じでもないか。と言うと失礼にあたるのだろうか。
漢の名将馬援――詳細はググってください――の係累たる馬岱こと蒲公英である。

「ほんとなら叔父様とかお姉さまが来るべきなんだろうけどね。
 ちょっと手が離せないみたいで、たんぽぽが来ることになったのー」

まあ、基本涼州は火薬庫だからなあ。バルカン半島も真っ青だぜ!
だって涼州から中央への道、嘘みたいに平地ばっかりなんだぜ?あそこが陥落したら長安くらいまではまっしぐらなんだよね。
まあ、馬騰さんがそれを実証しちゃったけどな。平地を行く騎兵を止められるものかよ。内外ともに狙う要地なのですよ、ガチで。騎兵というのは第一次世界大戦まで戦争の決戦兵力たることを担っていた兵科。そらモンゴル強いわ。
まあ、そこに義兄弟たる馬騰さんを――一度反したというのに――配置する何進の戦略的センスと度胸には脱帽である。
そして我が袁家と協調路線というのもね。普通は目の上のたんこぶとして排除にかかるだろうに。
国家の最重要は国防。それが分かってるチートだから何進と結ぶのだよ。こちらもね。だって何進って史実でも魔窟たる洛陽の中枢で政治的、軍事的に負けなかったんだぜ?こわや、こわや……。

「そうか。まあ遠路はるばるご苦労さん
 大変だったな?」
「いいのいいの。実際楽しんでるしねー。
 ご飯もすっごく美味しいしね。うん、これは役得ってやつかな?」

にひひと、ほくそ笑む姿に苦笑する。おいこらそこの名家の令嬢、笑い方が小悪魔っぽいぞ。
如才なくあちこちの勢力と接触をしている姿の報告を受けてはいる。馬騰さんが動くと影響力的に色々洒落にならんからなあ。色んな意味で頑張ってるよね。がんばれ、がんばれ。
まあ、涼州が大変そうなのは確定的に明らか。董卓とか韓遂とか匈奴とかほんと、俺ならストレスで胃がマッハだ。

「んー、必要なもんあったら言ってくれよ?
 涼州が乱れるとまずいのよね。実際」

まあ、不味いというか、詰む。らしい。ガチで。
沮授が言ってたんだから間違いないんだぜ。張紘も同意してたしな!

「今のとこ大丈夫みたいだよ?
 でも……そだなあ。せっかくだからなんか欲しいかもー」
「おう、どんとこい」

ふはは、金で解決できることならまかせろー。

「んー、でもたんぽぽ頭悪いからよくわかんなーい」
「おい」

おい。

「だから、一度涼州に来てよ。
 で、必要そうなものを二郎様が決めて?」

にしし、と笑って言葉を続ける。
なるほど、と思う。そして、こいつ俺と似たような思考回路してやがるなと。
打算もある。好意もある。そして求めるのは最高の効率。コストパフォーマンス。
分かるやつに任せてしまえという割り切り、そして結果を受け止める覚悟。
この笑みの奥に隠した覚悟。

「叔父様もきっと喜ぶと思うんだー。
 あ、お姉さまもね?」

手札なぞないに等しい現状で最適解を模索する。その姿勢には敬意を表すべきだろう。
なるほど。俺と歓談するだけでも、察しのいい奴は馬家に便宜を図ろうとするだろうしな。そういや、涼州は天災に襲われていたのだったか。蝗という。
何進も援助をしているだろうけど、ここは男気を見せるべきそうすべき。食料がかなりだぶついてたって沮授が言ってたし。あまりに急激に値下がると、豊作貧乏まっしぐらである。袁家が買い取り義倉に蓄えるとしても限界があるしな。沮授が言うくらいなのだからその限界がやばいということであろうし。

「さよか。まあ、機会があれば伺うとするさ」
「うん、楽しみにしてるね!」
「はいな」

それからしばらく純粋に馬鹿トークを繰り広げ、去る蒲公英を見送る。
そして思う。涼州にお邪魔するときには更なる手土産を、と。


184一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 22:45:23.046UN6EOybo (3/6)

◆◆◆

「二郎様、面会を求める方が」

凪が俺に声をかけてくる。華琳に蒲公英。これでお腹いっぱいなんだけどね。割と。

「ん、誰?」
「それが……名乗られずに、『飛燕』とだけ」

は?マジか。
まさかの符号に血が沸く。いや、冷たく冴える。

「通せ」

追い返してくれ、と言いそうになるのをぐっとこらえる。
俺も丸くなったもんである。
なお、流琉を背後に緊急配備しました。当然だよなあ?

「久しいねえ」

華麗な衣装に身を包む美女……黒山賊の頭目である張燕その人である。まさかのご本人登場である。これには俺も驚いた。
だって普通使者とか出すだろうよ。だが、それだけに用件に警戒心がバリバリ高まる。
なに、いざとなっても流琉がいるから俺の命はなんとかなるだろうよ。頼んだ、流琉!
熱い眼差しを受けて流琉は……。

「はい、お茶ですね!」

ち、違わないけど違う!そうじゃなくて!いや、流琉の茶なら美味しいから場は和むだろうけどさあ……。
気を取り直して気分は圧迫面接。それくらいの勢いで押し切る。いくぞ!

「で?」
「おや、つれないねえ。せっかく愛しの君に会いに来たっていうのにさあ」

ほう。
いっそ見事に煽ってくるその言。却って落ち着く。

「一応、不倶戴天の仇敵ということになってる。と思うんだが」
「おおっぴらにはお目にかかれないからねぇ。こういう時でもないと」
「まあ、一理あるな」

麗羽様たちにスポットが当たってるからな。
裏方な俺とか流石に誰も注目せん。
そこに目を付けるあたり、張燕のセンスは大したものである。そしてご本人登場とか。
思ってもそれを普通はできない。大胆不敵とはこのことである。


185一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 22:45:49.526UN6EOybo (4/6)

「で?」

再度問いかける。
こちらからの問いなぞしない。その意味を分からぬ張燕ではない。
はずなのだが、その応えは俺の想定外なものであった。

「いや、本当に挨拶に来ただけさね。
 これからもよろしく、ってね」

にまり、と獰猛な笑みを浮かべる張燕。

こいつに思う所はあるんだが、敵に回すと厄介極まる。それを再認識する。
くそう、横に沮授か張紘がいればなあ、と思う。
くそう!人手不足ここに極まれり!だよ畜生。傍らに誰か知力90以上の軍師が急募であると痛感する。

「こちらこそ、だな。
 なんかいるもんとかある?」

仕方がないので懐柔方向である。だって黒山賊って史実全盛期の袁紹だって手を焼いたんだぜ?いわんや俺をや。である。

「おや……?太っ腹だねえ。
 ……そうさねえ、今のところないさね」

ふむ、てっきりたかられるかと思ったんだけどな。実際なんか要求くれたほうが安心できるんですけどねえ。いや、そんなこと先刻ご承知なんだろうなあという笑みがね。もうね。
俺にどうしろというのだ……。

「まあ……、ね。気が向いたら常山に来ておくれよ」
「そっちに行くとしたら袁家軍総出だろうからな。受け入れ態勢は任せるが」

せめてもの恫喝。いや、威嚇にすらならないって俺が知ってるから何も言わないでくださいお願いします。お願いします。何でもしますから。
とは言え、だ。黒山賊の本拠地か。一度見てもいいかもしらんな。というか、見られて困らんのかいな。

「はは、袁家と正面切って争うつもりはないさね。
 それを言葉だけで信じてくれと言っても無理さねえ……?」

きっぱりと断る俺に艶然とした笑みを俺に向けてくる。視線が、ぶつかる。
曖昧な笑み。そして目を伏せ、頭を下げ、脇に置かれるのは……って。
短刀に針とかの暗器に怪しい粉薬に……。
出るわ出るわ。俺、生きてるのがやったぜ的な。

そして、悪びれる様子もなく、笑みは深い。
いつでも殺せるのだ、と言われても割と困る。だって俺って袁家でも暗殺されるリストトップクラスの駒だからして。
だが、それを知っているにしても知らないにしても。だ。
その誠意に思うところはあるよ。あるって。

「ふむ、機会があれば一度お邪魔するとしようか」

俺の言葉に、ほ、と息を吐く。助かった、とばかりに。或いは成し遂げた、とばかりに。

「じゃ、そろそろ失礼するとしようかね」

前言撤回。その身の保身なぞあるものか。
身を翻すその装束。深紅。真紅。見せつけるかの紅赤朱。

「今後ともよろしくお願いいたします……」

その言葉は一体誰のものだったのだろうか。
それを知るものは一様に言葉を噤むのであった。


186一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 22:47:43.076UN6EOybo (5/6)

本日ここまですー
感想とかくだしあー

案は「凡人と訪問者」「凡人と」「凡人の覚悟」

今一つなのは今更なのですが、案をお願いしますマジで困ってます。


187一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/27(月) 22:54:59.186UN6EOybo (6/6)

多分あと庭には二羽鶏がいて二話で完結予定です

から揚げと白米の暴虐さを考えたらこれからの展開はどうということはないと思いますまじで


188以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/29(水) 10:45:59.627E0sFjiZ0 (1/1)

乙でしたー
>>185
>>きっぱりと断る俺に艶然とした笑みを俺に向けてくる。視線が、ぶつかる。
○きっぱりと断る俺に艶然とした笑みを向けてくる。視線が、ぶつかる。

たんぽぽって生命力強いよね。などと名は体を表すを実感しつつ、凡将伝で好きなオリキャラベスト5の山賊姉さんがキター(ちなみに1位は男です、2位も男です…ホモじゃないよ)陳蘭ちゃんは好きなんだけどなんというか目立たないというかいるとホッとすると言うかいないとちょっと落ち着かないというか・・・良い意味で空気のような存在感
別の恋姫二次読んでて思いだしたけど呂布も陳宮に真名は許してるけどなぜか真名で呼ばないよね(しかも真名で呼んでって陳宮がお願いしてるシーンがあったような)
【凡人で綱引き】とか(笑)、【凡人へのお誘い】とか・・・二郎ちゃんも言ってるけど二郎ちゃんが呼び出しに応じたらそれだけでパワーバランスに大きな影響があるよね


189以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/03/29(水) 21:14:49.96vgn71BJuO (1/1)

> 多分あと庭には二羽鶏がいて
>
三羽烏はどこにいるのでせう



190一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/30(木) 20:37:34.13wwjlARFUo (1/5)

>>188
ありがとうございます!
むむむ。中々完封とはいかないものですね。精進せねば

>たんぽぽって生命力強いよね。などと名は体を表すを実感しつつ
言われて確かにと思いました
なるほど

>凡将伝で好きなオリキャラベスト5の山賊姉さんがキター
実に動いてくれるキャラです。

>良い意味で空気のような存在感
言い得て妙ですね。ありがとうです。
控え目なのでほっとくとずっと黙ってます。

>呂布も陳宮に真名は許してるけどなぜか真名で呼ばないよね(しかも真名で呼んでって陳宮がお願いしてるシーンがあったような)
ガバガバですからねぇ……。できるものならば袁家ルート書いてみたいっすねw

>>189
>三羽烏はどこにいるのでせう
凪は出たでしょ?(すっとぼけ)


191一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/30(木) 22:41:58.11wwjlARFUo (2/5)

「ふう、流石に疲れちゃいましたねー」

張勲は軽く首を振り疲労を身体から追い出そうと伸びを一つ。
何せ、この式典の諜報活動、防諜活動を一手に引き受けていたのだからして。
どこぞの凡人とは違った苦労がそこにはある。皮肉なことにその苦労の質を最も理解できそうなのがその凡人であるのだが。
そんな彼女に不意にかけられる声。

「ふむ、ご苦労だった。娘よ」

背後からかけられた声に驚く風もなく、張勲は応える。

「いえいえ、お父様こそ。
 でもよろしかったんですか?衆目に身を晒すなんて」
「ふん、流石にあの席では、な」
「まあ、張家だけ当主が出席しないとかまずいですよねー」
「そういうことだ」

くすくす、と笑う張勲を平淡な目で見降ろす。
そこには一切の感情は込められてはいない。

「それも今回が最後だ。張家はお前が継ぐのだからな」
「はい、承知してますー」

暫くすれば張家と紀家についても代替わりする。
それを決めたのもこの男だ。

「お父様は如南へ赴かれるのですよね?」
「ああ、あちらはまだ。……色々と未整備だからな」

蜘蛛の糸を張るのだ。張り巡らすのだ。


192一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/30(木) 22:42:26.84wwjlARFUo (3/5)

「それでは、美羽様が赴任されるまでによろしくお願いしますね?」
「任されようとも」

僅かに愉悦を感じさせる笑みを浮かべ、言葉を続ける。

「して、紀霊はいつ排除するのかね?」
「あは、そうですねえ。十常侍が排除されてからかなー、と思うのですが?」

さらりと、この場にはいない人物の生殺与奪を語るのもいつものこと。むしろこの親子の会話に出ることが、どれだけ重要人物かを示唆するくらいである。

「ふむ、そうだな。妥当だろうよ。
 朝廷は何進と宦官に任せればよかろう」

思案する父親を張勲は眉一つ動かさずに見守る。
なに、思考は誘導するものである。

「そうですね。そこの舵取りは難しいでしょうがなんとかなるかと。
 中央の政争は傍観。袁家は変わらず国防を担う。
 どちらが勝つにしても、走狗を煮るほど馬鹿じゃないでしょうし」

張勲の言葉に満足げな笑みを浮かべる。

「くく、楽しみだな。信頼しているお前から引導を渡される紀霊が」

人の絶望に愉悦を覚えるその性(さが)。張勲には理解できても共感できないそれ。だが、それは張家に根付いているのも確かである。

「そうですねえ。身内には甘いですし。
さぞかし、さぞかし狼狽(うろた)えるのでしょうねえ」

まあ、狼狽する様は頻繁に見せてもらっているのだが。

「言うまでもないが、本末を転倒するなよ?
 紀霊を排除するのはあくまで袁家のためだ」
「ええ、存じております。
 くす、二郎さん、どんな顔をするかなあ。楽しみだなあ」

ええ、本末なんて転倒するわけがないとばかりに張勲は笑みを浮かべる。それは満面。
そして張勲の言葉に満足げに頷く。呟く、語る。

「お前は張家が生んだ最高傑作だ。
 黒幕気取りの紀霊など、物の数ではない。
 無論、十常侍も、何進もな。お前が望めば天下すら掌中だろうよ」

だからこそ。

完全数である六を超える七を真名に抱いているのだ。
完全とは停滞に他ならない。更なる高みはこの人形なのだ、と。

「ええ、私はお父様の操り人形。
 その糸を、意図を巡らし、毒を注ぎます。
 袁家と、張家に繁栄を」


193一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/30(木) 22:44:30.92wwjlARFUo (4/5)

満足げに頷く様子を、常と変わらぬ笑みで包み込む。

「よろしい。
それでは、委細は任せたよ」

応えてくすくす、と張勲が笑う。

「ええ、楽しみです。その時が。
 本当に楽しみです」

蕩けた顔で、軽く呟く。
張家当主は既にその場におらず。

「ああ、楽しみだなあ。本当に楽しみだなあ。
 うん、楽しい。楽しみ。
きっと楽しい」

艶然とした笑み。禍々しい笑み。
見るものもいない室内で張勲は笑い続ける。笑い続ける。

張家の最高傑作たる彼女。張勲。
彼女の笑みは深まり、高まる。

そう、表情の周期すら統制した彼女の頬が緩むのだ。つまりはそういうことである。

「いよいよかぁ。ちょっと緊張しちゃうかなー。
 ま、それはそれとして」

細工は流々。後は仕上げを御覧じろ。

貼りついたような笑み。そのままに張勲は場を後にする。
そして、いつもの通りに悪だくみをするのであった。


194一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/03/30(木) 22:48:30.91wwjlARFUo (5/5)

本日ここまですー
感想とかくだしあー


七乃さんは袁家にて最強(公式)
今作は七乃さんの本気でがんばるものがたりでもあります

タイトル案は「絡新婦の笑い」「決別」「分水嶺」

なんかいまいちだなあ。いつものことですが。
よろしくお願いしまするるー。


195以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/02(日) 15:27:41.64SyNj/bQK0 (1/1)

昨日は鹿らしいウノゼロで気分が良かったです。
新年度から幸先良いなぁ。

鹿が年末年始絶好調で、鹿と言えば、
でこちらを思い出して
久々に読み返そうと思い立ってから早3カ月。
リライト始まってる!
と驚いてから数えても早1カ月(笑)
追い付いてからレスしようと思ってたら、
思えば遠くに来たものです。。。

リライト版ではオリキャラのキャスティングや
それぞれの能力値が伏せられているので、
より読み手によるイメージがしやすくなっていますね。
特にねーちゃんや不敗師匠の描写が
大幅増量されているのが嬉しいです。

今回更新分のタイトル案。
後ろ2つは勘のいい人ならネタバレに
なってしまうのではとも思いますので(笑)
「絡新婦の嗤うとき」、「絡新婦の雌伏」とか。
…初めて考えてみましたが難しいものですね。

ここからのリライトも楽しみにしております。



196一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/04(火) 20:48:25.98b0GqQMJKo (1/1)

>>195
>昨日は鹿らしいウノゼロで気分が良かったです。
前評判が高いと鹿はアカンので今年はあかんやろなあと思っていたのですがががw

>リライト始まってる!と驚いてから数えても早1カ月(笑)
ちまちま書いておりまする。なろうの方もよろしくお願いします。

>リライト版ではオリキャラのキャスティングやそれぞれの能力値が伏せられているので、より読み手によるイメージがしやすくなっていますね。
なろうに投稿するから文章だけでやってみんべと思ったらステータス系のお話がそこかしこにあったでござるw

>特にねーちゃんや不敗師匠の描写が大幅増量
好評でよかったです
オリキャラは最低限にしようと思っていたのですが、三国志なので無理でしたw

>…初めて考えてみましたが難しいものですね。
そうなんすよ。毎回苦労しておりますので参考にさせていただきまする


197以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/04(火) 22:07:41.01SZ1QLzS80 (1/1)

乙でしたー
今回は誤字はみつからなかったので粗探しを(笑)
>>193
>>表情の周期すら統制した彼女の頬が緩むのだ。つまりはそういうことである。  この文章だと作った笑いじゃなくて思わずの素の笑顔になってるようですが
(中略)
>>貼りついたような笑み。そのままに張勲は場を後にする。  この文章だと表情の周期を統制した完成された作り笑いっぽい気がします
○満面の笑み。花がほころぶ様な笑顔そのままに張勲は場を後にする。 あくまでも一例ですが逆に綺麗な、無邪気な様な笑顔の方が彼女の凄みを表現できるような気もします
【張り付いたような笑み】だと上の文章がどういうこと?になるので笑みの表現は変えた方が良いかな~って思いますね

父親の思考を誘導したところに焦点を当てて【絡新婦の意図】、父親に応えつつ自分の答えを出したようなので【絡新婦のコタえ】、心配は微塵もしてないだろうけど…【絡新婦の心配り】とかどうでしょう。【絡新婦のワラい】漢字よりもあえてカタカナにするとその意味を読者が考えて面白いかもしれませんよ、笑い?嗤い?哂い?
七乃さんがラスボスの風格出してて空気が旨い!!絶対私ココにいたら腹下すわw



198一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/05(水) 22:04:16.51Eai5cm1Do (1/5)

>>197
やったぜ!久しぶりに誤字脱字を生産せんでたぜ!
※普通にそれくらいしろ

>今回は誤字はみつからなかったので粗探しを(笑)
そうだよ、赤ペン先生の労力はそっちに生かすべきそうすべきなんだよなあ……
精進あるのみやでぇ

>】漢字よりもあえてカタカナにするとその意味を読者が考えて面白いかもしれませんよ
そうですねえ。七乃さんの真意が分からない以上、そうする方がいいですねえ……

>七乃さんがラスボスの風格出してて空気が旨い!!絶対私ココにいたら腹下すわw
実際、七乃さんとか、はおーとかの高スペック女子の隣にいるだけで擦り減りそうですよマジで

やはり二郎ちゃんが、さくっと隠居したいというのは尊い理想だと思います(錯乱)


199一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/05(水) 22:21:10.20Eai5cm1Do (2/5)

「お疲れ様、と言うべきなのかな?」
「おうよ、あんがとね」

式典の翌日のことである。裏方に回っていた俺に、敢えて当日ではなく翌日に面会を求めてきたのは、気遣いの人白蓮である。

「まあ、おかげさまで大過なく式典も終えることができたし……」

後始末とかもあるのだけど、実務は式典チームにお任せ。俺は夕刻から開かれる予定の打ち上げに財布だけ参加の予定である。うむ。奢りである。お大尽というやつである。
支払いなら任せろー。

……上司元気で留守がいいってね。財布があれば尚よかろうよ。

「しかし張家も代替わりなんだろう?
意外だな。紀家も、と思っていたんだが。と言うか、実際のところはもう継いでるようなもんなんだろう?」

お流石の慧眼である。って韓浩がいたらそら内情とかバレバレよね。そらそうよ。
とは言え、あの鉄面皮からそこらへんの情報を引き出すあたり白蓮のコミュ力は流石と言わざるをえない。あいつ、ほっといたら一日無言とか普通だからな。
袁家配下の四家。世代交代は一応順調に進んでおり、当主人事については紀家を残すところとなっている。

「まあね。その通りさ。とは言え、俺が紀家を継ぐのはもちっと後かな」

そう。もうちょっと後になる。というかしてもらっているというのが実際のところだ。ねーちゃんとか師匠からは無言の圧力もあったりするのだけんども。
いや、別に紀家当主になって色々と公務が降ってくるのが面倒くさいという訳じゃないよ?

「へえ、二郎がそう言うなら何か考えがあるんだろうけどさ。
 そうなると……ちょっと遠い存在になっちゃいそうだな」

何言ってんのこの子。

「襄平太守になる方が何を言うのやら、だ。
北方最前線の要地だぞ」
「いやまあ、そうなんだけどさ。
……現実感ないんだよな」
「とか言いながら仕事は待ってくれないぞ」

俺の言葉にひく、と顔を引きつらせる。おお、美人が台無しに……ならない!

「それを言うなよ。未だに現実感ないんだから」

はあ、とため息をつく姿がいつもの白蓮だ。
きっと太守になっても、州牧になってもため息をつきながら頑張るんだろう。
その重責から逃げることはせずに。

頑張れ、頑張れ。


200一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/05(水) 22:21:38.95Eai5cm1Do (3/5)

「うけけ、まあ準備期間あるだけましじゃね?」
「ま、まあそうだよなあ。それに二郎」
「ん?」
「ありがとうな。韓浩と魯粛にはすごく助けられてる。
 あの二人がいるから私はここで二郎と話していられる余裕があるんだ」
「そうかい、それならよかったよ。
 二人とも逸材というか俊才というか、傑物だからな。それをきっちり使いこなしているあたり白蓮はすごいよ」

俺の言葉に白蓮は赤面する。

「よしてくれ。どちらかと言えば私がこき使われているという感じだぞ。
 朝から晩まで気が休まる暇もないさ」

遠い目と涙目を両立するという器用なことをするなあ。

「いやいや、あの二人のしごきとか俺なら逃げ出してるよ」

俺の本音に白蓮は苦笑する。いや、結構……というか純度100%の本音なんだけどね。

「まあ、おかげさまでなんとか太守の仕事についても目処が立ってきた……気がする」
「そか、それは何よりだな」
「まあ、次は州牧に向けて精進しないといけないんだけどな」

たはー、という風に嘆息する。

「うきき、まあ、頑張れ」
「二郎はいいなあ、紀家を継ぐとなっても気楽そうで」
「優秀な幕僚に恵まれてますから」

キリリ、と決め顔の俺だが言ってる内容は割と情けないのは自覚してます。俺の実力なんて大したものではないのだから、驕ったらあきません。奢るはいいけど驕るはNG。集(たか)られている内が華よ。

「うーあー!
 じろうー!」

ぽかぽかと白蓮は俺を小突きまわしてくる。
ハハッ、ワロス。


201一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/05(水) 22:22:04.60Eai5cm1Do (4/5)

ひとしきりじゃれ合った後、白蓮がちょっと真面目な顔で俺に問いかけてくる。

「なあ、二郎。相談なんだが。
韓浩と魯粛。少し……借りる期間を延長できないだろうか」
「ん?」

正直俺にとっても大事な人材だ。雷薄とか事務仕事が回ってきて大変そうだし。ほんと、大変そうなのよね。

「州牧の仕事が軌道に乗るまででいい。頼む」

そう言って俺に頭を下げてくる。

「頼む、と言われてもな。猫の子じゃあるまいし……。ほいほい貸し出せないぞ」
「分かっている。袁家の、紀家の中でもどれだけあの二人が傑出しているか。
 そんな二人を貸し出してくれた二郎の厚意については骨身にしみている」
「ん」

軽く頷いて続きを促す。

「だが、いかんせん私の配下は所詮地方軍閥の配下だ。今はまだ大きな組織を回すことなんてできはしない。
 もちろんそれじゃいけないって分かってる。だから時間をくれ。
 私が太守になると知って旧友も何人か招聘に応じてくれる。
 だが、流石に実務に習熟するには時間が必要だ。
 それが州牧となればなおさらだろう。
 私の、私たちの仕事が滞ればそれだけ民に迷惑がかかる。
 私の至らなさで領内を荒らすことは避けたいんだ。これについてはいつか必ず償う」

だから、頼むと再び深々と頭を下げる姿に俺は何も言えなくなる。

「あー。なんだ、そんな風に言われたら断れんよ。分かった。
 その分、きっちりと頼むぜ?」

何を、とはあえて言わない。
言う必要もないだろう。
俺の言葉に白蓮は瞳を潤ませ、再び頭を下げる。

「く、済まない」
「よせやい。
こういうときはな。……ありがとう、って言うんだぞ」

謝られるより喜んで欲しいよね、こういう時って!

「あ、ありがとう……!」
「にひ、いいってことよ」

湿っぽくなりそうな空気を払しょくすべく馬鹿トークをしばらく続ける。のだが。
耳にしたのは。

「いやあ、でも助かったよ。やっぱ最近微妙に物騒だからなあ」
「へ?そなの?」

割と世は平安だと思っていたのだけんども。

「ああ。やはり世は乱れてきているのかなあ、ってね。」
「なんだよ、やはりって」

背筋に何か寒いものを感じながら白蓮に問いかける。襄平も治安には問題なかったはずだ。
引き継いだ後白蓮が治めて治安が悪化するなんてこともありえない。何か見落としてたっけ?

「二郎は知らないのか?『天の御使い』の噂を」
「え、何それ超初耳なんだけど」

俺が、天の御使いという単語を認識したのはこの時が最初であった。


202一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/05(水) 22:27:02.41Eai5cm1Do (5/5)

本日ここまですー
感想とかくだしあー

地味様は癒し……だけじゃない!

題は「御使いの噂」「地味様と風聞」かな?
或いは「治安が20下がる噂(K●EI的な意味で)」

むむむ。


203以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/06(木) 00:46:24.83n4Cqp3nto (1/1)

乙したー

使徒、襲来 みたいな?


204 ◆e/6HR7WSTU2017/04/06(木) 22:31:28.98Rkrmoyan0 (1/1)

乙です。

孫家の三の姫と比較すると馬岱さんの方が現実的な教育受けて自らの立場を自覚した立ち回りしているような?
ま、馬援さん自体ちゃんとした大人ですし最前線で育ったのと四方圧迫の中で育った環境の違いもあるか?

張燕さん。同じ張姓の蜘蛛の巣をよくかいくぐって来れたね(感心)
仇敵認定は変わらないからそら(緊張状態になるのも)そうよ(違う?)
ただ流流ちゃんの真面目さんぶりになんかこう和んだ。


とりあえず、重臣認定されている某横氏が謀略側からは眼中に無いみたいで一安心。つか本人が言っているように小物認定されているんでしょうな。
張勲さんはとりあえず袁術ちゃんを守っている限りは「がんばえー」と言いましょう。
つか張勲さん。避妊、してるでしょう?(唐突)

韓浩さんと魯粛さんのおかげで一回り成長しつつある公孫賛様。というか、この方管理職や役員級なら正直欲しいです。三顧どころか本人が承諾するまで通いつめますよ。
ただ、妙な情報も同時に持参されたようで。

>>203
使徒ならまだましでしょう。正直この作品内ではバイオテロ級のうっとうしさでしょう。
ごめんなさい。天の御使いはここではいらないっす。本気で思ってます。


205以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/06(木) 22:58:36.78wvT9rvQGO (1/1)

乙です

地味様健気ですなぁ
真摯に頑張ってるのは好感持てます
これで桃色とお友達でなければ…

噂「ちんこが来たりて腰を振る」(横溝風


天下統一伝やってるけど幼女をタコ殴りにするのはどうだろww
ガチャでSR風がでてちょっと嬉しい


206一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 19:53:52.1308/7DeHeo (1/7)

>>203
>使徒、襲来 みたいな?
死海文書に載ってるくらいに確定的に明らかw

>>204
>孫家の三の姫と比較すると馬岱さんの方が現実的な教育受けて自らの立場を自覚した立ち回りしているような?
いうても北方の方は中華防衛最前線ですからねえ……
覚悟完了系小悪魔ムーブになるのも致し方なし
三の姫はね、孫堅様の忘れ形見だから甘やかされておりますし

>張燕さん。同じ張姓の蜘蛛の巣をよくかいくぐって来れたね(感心)
堂々と来られるとかえってどうしようもないという面もあったりw
もちろん監視はされてるでしょうけど

ほら、今は亡き正男さんも堂々とネズミ園に遊びに来てたですやんw
彼女がいなくなって暴走される方が困りますしね

>ただ流流ちゃんの真面目さんぶりになんかこう和んだ。
流琉ちゃんは一生懸命です。凪もそうですね。
こう、応援したくなるくらいに頑張ってます。

>某横氏が謀略側からは眼中に無いみたいで一安心。
いやいやいやいやw
藪をつついて蛇を出す気がないだけですよ。それも大物を。

>つか本人が言っているように小物認定されているんでしょうな。
ハハッワロスw
袁家の臣として誰が頭になっても動くというのを理解した上での最大限の配慮でございますです。
義と筋と情を混然とした判断基準は蜘蛛でも読めませんので……
怪力乱神的な感じで遠ざけるしかないという……
※理解できないし制御できないから排除するとかいう発想はないです

>張勲さんはとりあえず袁術ちゃんを守っている限りは「がんばえー」と言いましょう
がんばえ、ぷいきゅあー!的なw

>韓浩さんと魯粛さんのおかげで一回り成長しつつある公孫賛様。
日進月歩な地味様です。いやあ、月日は実に過客なことですね

>というか、この方管理職や役員級なら正直欲しいです。三顧どころか本人が承諾するまで通いつめますよ。
ピーターの法則を無視できる方です。
どこまで出世しても、適応できていくというw
本人はひいこら言ってますがw

>>205
>地味様健気ですなぁ
誠実!だから群雄割拠になったらお察しになります。よほどいい部下がいないとね

>これで桃色とお友達でなければ…
吐息まで桃色だからね、仕方ないね

>天下統一伝やってるけど
やってはるんですか
一ノ瀬は時間的余裕がなくて萌で終わってますのでレポありましたら嬉しいです


207一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:38:31.6408/7DeHeo (2/7)

うう、頭が痛い……。
割れるような、苛むような痛み。それは鈍痛であり裂傷であり、馬鹿馬鹿しくも致命的に響く。
まあ、あれだ。毒による持続的バッドステータスみたいなものかなとか思いながら……。

「あ、う」

思わず漏らした言葉。その音の振動が俺を揺らしてまたこれダメージが。自分の声で頭痛とか、こいつはやばいぜ!

いつつ。と唸りそうになるのを堪えながら。
俺はのそり、と寝台から身を起こし、水差しから注いだ水を飲みこむ。飲み干す。相当な量が用意されていたのを、飲み干す。二日酔いにはとりあえず水分補給が肝心なのですよ。
そして、卓の上には粥――冷めきっている――が置かれている。何か腹に入れんといかんということですする。
うう、微妙に美味しくない。この微妙さは陳蘭かな。塩味が足りないような、塩っ辛いような不思議な味だ。いや、不味いわけじゃないのよ?
うん、この味付けは陳蘭に違いないね。
 
閑話休題(それはさておき)。

白蓮から天の御使いの噂を聞いてから、俺は各所でその詳細を聞き集めた。
最近洛陽に行ったり、イベントにかかりっきりだったからなあ。市中の噂までは手が回っていなかった。正直俺の手落ちと言ってもいいだろう。くそう。
うかつ!おろか!不甲斐ないとはこのことよ!
だってあれだよ。俺が公務を適当にサボってるのは、こういう市井の噂や政情を汲むためだったのだからして。

……天の御使いの噂自体はありふれた世紀末論。そして救世主待望論だ。ありふれている。
だが、腹立たしいのは、そう、腹立たしいのは。
天の御使い様が世の乱れを正し、安寧に導くとかいうところだ。

「乱れてなんか、ねえよ!」

荒々しく吐き出し、卓を殴りつける。
ばきり、と割れる卓。砕ける器に苛立ちが募る。

そう、大陸は、荒れてなどいない。
袁家領内から大陸全土に供給できるくらいに食糧は行きわたっている。故に食い詰めて犯罪に走る者もいない。
腹いっぱいなら大概の人は幸せなんである。

一部不心得な官吏がいることはいるがそれはいつの世も変わらない。
売官を廃止したことでそういったカスも排除されつつある。

北方三州はもとより、涼州、荊州、益州も非常に安定しているのだ。
中華の州のうち半数は安定しており、他の州も流れてくる安価な物資をもとにそれなりだ。
にもかかわらず、噂は世が乱れているなどと断定している。

そう。
――人ならぬ天の御使いなる存在に救ってもらわなければならないほどに。

「ふざけんな!」

既に瓦礫と化した卓を蹴りつける。

じゃあ、俺が、俺たちがやってきたことはなんだって言うんだ。
食糧を増産し、犯罪者予備軍を減らす。
雇用を創出し、浮浪者や流民を減らす。
売官を廃し、苛政を断つ。

は、御使い様の神通力の前じゃ蟷螂の斧ってか?
意味なんてないってか?

いや。分かっているんだ。俺が飲んだくれて仕事をさぼってふて寝しているのは僻みでしかないってのは。
拗ねてるだけってのは。
そんな薄暗い思考に沈んでいく俺に声がかけられる。
ん?誰も通すなって陳蘭には言っておいたはずなんだが。

「二郎、入るぞー」


208一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:40:21.3408/7DeHeo (3/7)

平和そうな声と共に扉にかけられていた鍵が開けられる。
合い鍵は陳蘭しか持ってないのだからこれは陳蘭にお仕置き案件である。

……入ってきたのは張紘。それに沮授だ。これは陳蘭が鍵を預けてもしゃあないね。
会いたくなかった面子であり、会いたかった面子でもある。

「ん、何か用か?」

自分の現状が非常に情けないということは分かっている。
それ故に尖った声で返してしまう。だってさ。
こいつらに、こんなみっともない姿見られたくはなかったし。

「いや、いい酒が手に入ったからさ、久しぶりに三人で呑もうかと思って沮授を誘ったんだよ」
「そういうわけです。僕もちょっと息抜きくらいしたいと思ってたところなのでね。
 渡りに船とはこのこと、とばかりに二郎君を誘いにきたのですよ」

それ、俺が押し掛けるときの台詞じゃん。

にんまりとした笑みで張紘が言う。沮授がくすり、と笑う。
ああ、お前らにそう言われたら断れるわけないし。
みっともないとこばっかり見せられないし。

だから、立ち上がるのだ。にひひ、と笑いながらでも。
だって俺は。

「んー、そうか、そうだな。すまん」
「何言ってんだ?ほら、行くぞ?」

部屋の惨状とか見えてるはずだが、一言も言及してこない気遣いがありがたい。
軽く伸びをして、部屋を出る。
廊下に陳蘭がいて、お辞儀をしてくる。ああ、心配かけちゃったんだろうなあ。


「んで、どこで呑むの?」
「今日は天気もいいですし、花見としゃれこみませんか?」

にこにことした沮授が俺の問いに答える。
確かに今日は春の陽気が気持ちいい。

「そだな。今の時期なら……梨園か?」

春の花見用兼果物美味しいですということでそういった果樹園もどきが作られている。
桜はなあ、ソメイヨシノ――詳細ぐぐれ――があれだから花見は不可能。
だから、春の花見と言えば梨園だ。白い色は紀家のイメージカラーでもあるからして。

「ええ、準備はしてますよ」

流石にお前らが揃うと手回しがいいね。まあ、一人で鬱屈しててもしゃあないからな。
ここは厚意に甘えよう。


209一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:40:58.0608/7DeHeo (4/7)

「じゃ、乾杯すっか」

気持ちのいい風が吹き抜け、白く可憐な花弁を揺らす。
日差しが適度に体を温め、絶好の花見日和である。

「それはいいけど、何に乾杯すんだ?」

いくらかおかしげに張紘が尋ねてくる。そんなの決まってる。

「張紘と沮授が仕事もしないで昼間っから呑むということに、だ」
「お前なあ……」

呆れた顔の張紘と苦笑する沮授。

「加えて、二郎君が機嫌を直したことにも乾杯しましょう」
「ははっ、そりゃいいや!」
「ちょ、待てよ!」

笑いながら器を鳴らし、杯を乾す。

「いやあ、昼間っから呑むって最高だな!」

うむ。ダダ漏れの本音に苦笑する二人である。

「二郎はしょっちゅうやってるだろうが」

だからこうね、君らにもその快楽を分かち合いたいというか、分かってほしいというか。

「いやいや、頻度じゃなくてだな、こう、お天道様が頑張ってるのに呑んでしまうというこの背徳感がだな」
「お前なあ……」

苦い声ながら苦笑する張紘。にこにこと杯に酒を注ぎ、つまみを補充する沮授。
ああ、なんか申し訳ないなあ。
気、使わせちゃったなあ。

「二人とも、正直すまんかった」

軽くかしこまり、頭を下げる。

「よせやい。おいらたちはたまたまいい酒が手に入ったから二郎を誘っただけだぞ。
 いつも誘われてばかりだからな。たまにはさ、おいらも二郎を誘わないとって」
「そうですよ、僕たちの気晴らしに付き合ってもらってるんですから。
むしろ頭を下げるのは僕たちです」

二人の気遣いが嬉しい。
張紘と沮授なんていう、時代を代表するくらいの傑物に気を使ってもらっているということが、嬉しい。
俺の卑小な自負心が満足するのが悲しい。鬱屈していた心が晴れていくのが後ろめたい。
そんなことを考える俺は本当に小物なんだろう。

ああ、畜生。この二人に比べたら、と思わずにいられない。
そして、そんな二人が傍にいてくれているのがどれだけ幸せなことか、心からそう思う。


210一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:42:41.1508/7DeHeo (5/7)

「しかしまあ、二郎と知り合ってから長いような短いような」
「そうですね、あっという間だった気もしますね」

二人が黙ってしまった俺を気遣ってか、話を変える。

「まさか江南出身のおいらが南皮で働くとはなあ」
「そうですね。そんな張紘君と僕がこうやって飲むというのも味なものです」
「そうだな、縁は異なもの、ってな」

笑い合う二人。
心底楽しそうな二人に何か助けられた気になる。

「なに他人事って顔してんだ?おいらと沮授を引き合わせてくれたのは二郎だろ?」
「へ?や、そうか、そういやそうだな」
「まったく、二郎のよくないとこは自己評価が低いとこだぞ。
 おいらだって二郎が声をかけてくんなかったら流民同然だったんだからな」
「や、張紘に限ってそっりゃあないだろう」
「これだよ」

肩を竦めて張紘が苦笑する。

「二郎、おいらはな、お前のことをその、なんだ。口はばったいが、親友だと思ってる。
 だから、あの日にさ。二郎と巡り合ったことは本当に天佑だと思ってるんだぞ?」
「な、それは!」

絶句する。頬が上気するのを自覚する。
それは俺の台詞だ。張紘がいなかったら今の俺はない。
それにあんなに希有な人材達すら紹介してもらったんだ。一方的に負債があるのは俺なのだ。どう考えても。

「二郎君、僕も貴方と知り合えた幸運を感謝してますよ」

沮授までそんなことを言う。
いつも通りの涼やかな笑み。その笑みに乗せて。

「僕はね、二郎君に救われたんですよ。いえ、現在進行形ですからね。正確ではないでしょうが」

は?

「お恥ずかしながら、僕は二郎君が評価してくれるほどの人物じゃありませんよ。
 でもね、いえ、ですから、かね。
 二郎君がいたから僕は頑張れたのですよ」

え?

「やですねえ。田豊様のしごきがどれだけかって、二郎君ならわかるでしょうに」

あー。師匠のマジしごきとか想像したくないです。

「ですからね。僕は二郎君に救われたんですよ。
 そして張紘君にもね。
 まあ、お二人にはいろいろと厄介ごともいただきましたけど、ね」

冗談気味に笑う沮授の目はいつもよりも真剣で。いつもと同じく気安く、儚い。

くすり、と笑う沮授。ニヤニヤした張紘。二人からそれぞれに酒を注がれ、それぞれに一気に咽喉に注ぎ込む。
酒精が咽喉を焼き、血流に火を灯す。
だから、心根という弾薬倉庫から、言葉という弾丸は飛び出すのだ。

「あのさ。ありがとう。お前らが俺を気遣ってくれてるのは本当にありがたいんだ。
 でもさ。それだけじゃない。ありがたい、ってだけじゃないんだよ。
その、なんだ。口幅ったいけど、俺は二人を親友だと思ってる」

ちら、と窺う。張紘は今更なに言ってんだという憮然とした表情。沮授はそうですがなにかという風な笑みだ。
だから、そう。次弾装填、発射だ!暴発でも知ったことかよ。

「俺はさ。
本当にお前らがいてくれてよかったって思う。お前らと親友になれてよかったって思ってる。
 でも、そうじゃないんだ。それじゃあ足りないんだ。
 だから、だから……」

からからに口腔が乾く。俺はひどく身の程知らずなことを言うのだ。
だが、だって、俺はこの二人が大好きで、それを確かなものとしたいと思うくらい浅ましい。
英傑と呼べる二人に言うにはおこがましい。それが分かっている。だから躊躇う。でも言うのだ。
世界は色彩を失い、咽喉は枯れて思考は支離滅裂。
それでも、踏み出す。手を伸ばす。

「お、俺を、俺と義兄弟になってほしい」

言った。言ってしまった。言ってしまった。


211一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:44:38.7408/7DeHeo (6/7)

「二郎君、本気ですか?」
「二郎、落ち着けよ?」

問われる疑問に背筋が凍る。拒まれたらどうしよう、と。

「二郎君、僕はどこの誰とも知れない孤児ですよ?」
「おいらは江南の木端だ。釣り合わねえよ」

問われる声に、熱いものがこみ上げる。そんなの関係ないのだ、と。

「うるっせえ!関係ねえんだよ!そんなの関係ねえんだよ!
 俺がこうしていられるのはお前たちのおかげだ!
 それだけじゃねえよ!
 俺はさ、俺は。
 くそう。うまく、うまく言えないけどさ……」

言い募りながらも我ながら支離滅裂な言葉だ。正直語彙の貧困さに心が痛い。
どうすればこいつらに俺の思うところが伝わるのだろう。
と、思っていたのだが。

「やれやれ、困ったものです」
「どうでもいいけど、年齢的な意味で長兄とか嫌だぞ。
 おいらにゃあ、似合わんさ」

二人とも苦笑しながら、俯く俺の背中を叩いてくれる。
だから応えるけど、みっともなく鼻声なのは仕方ないよね。

「俺だって。俺だって義兄弟になって上下関係とか嫌だっての。いいじゃん、三つ子で」

俺の言葉に二人が笑うのを感じる。ちくしょう。誰か鼻紙もってこいよ。

「そうだな。これからもよろしく頼むよ、兄弟」
「僕でよければ僕なりに」

そんな二人の言葉が嬉しくて。嬉しくて。
俺の言葉は多分、とんでもなく鼻声で、涙に溢れて、聞けたもんじゃあなかったと思う。

「我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。
 同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん」

震える声で言った俺の背中を二人が叩いてくれる。
俺は号泣し、みっともない姿を二人に晒し。それが嬉しくて。

この誓いを神聖なものとして胸に刻み込む。

◆◆◆

以降、紀霊、沮授、張紘の三人は袁家領内の武官、文官、そして領内の財界を束ねることとなる。
そして、その連携は三位一体と称されるほどであり、終(つい)ぞ崩れることはなかった。
そして、その連携と信頼はいかなる謀略をもってしても崩れることはなかったのである。

後世、『怨将伝』として演じられる一連の演目の、講談の人気の一幕。
『梨園の誓い』である。

……彼らは次々と、理不尽なまでに訪れる難局に挑むことになる。


212一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/10(月) 23:46:06.9808/7DeHeo (7/7)

本日ここまですー
感想とかくだしあー

PCが不具合なのと研修ですが、日常編は一応これで完結です
なろう更新したら次章に入ります


次章は、「放浪編」を予定しております

今後ともよろしくお願いいたします


213以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/10(月) 23:53:29.54IPNA4tO/0 (1/1)


やっぱり梨園の誓いは良いですねぇ・・・この三人の友情は尊い
・・・ところで陳蘭ちゃんには二郎君直々にどんなお仕置きが・・・二人きりで(ゲフンゲフン


214以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/11(火) 02:27:22.36jSeDU2nZo (1/1)

乙したー
ここはいつ読んでも目頭が熱くなる

エロゲ原作なのにここの男共の心地よさよ


215 ◆e/6HR7WSTU2017/04/12(水) 23:05:52.67hOcHHtyD0 (1/1)

乙です。まずは大仕事お疲れ様でした。二郎さん、袁紹様、袁術様。そして裏方の皆々様。

二日酔い。なったことないです。つか、それ以前に急性アルコール中毒で救急車沙汰が山ほどある身です。

二郎さんの怒りが私の思いに重なってます。凡将伝の北郷がどのくらいチートなのかは不明ですが、現在の小康状態を作り出したのは二郎さんと袁家。
なのに、天の御使い?
流流ちゃんの屋台の時にも感じた思いをもう一回しました。いや、もっときついです。『筋肉は頭だけにしとけや?他人の結果出してる努力を全否定すんなや』

にしても、陳蘭さんの内助の功は健気です。二郎さんがどう報いるか、モラハラはダメっすよ。

『桃園』ならぬ『梨園』の誓い。最高です。
この三人はよほどの事が無い限り誓いが果たされそうですが。
二郎さん。感情が迸った時は語彙なんて有って無いですよ。むしろその想いが沮授、張紘の二人を動かしたんですよ。


放浪編……まぁた袁術ちゃんに「二郎のあほー」と泣かれなかったら良いですけどね。
次回というより毎回期待しております。


216以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/13(木) 00:56:04.76hHh5ZVDS0 (1/1)

乙でしたー
>>200
>>遠い目と涙目を両立するという器用なことをするなあ。
○遠い目と涙目を両立するとは、器用なことをするなあ。  もしくは 遠い目と涙目を両立するという器用なことをしている。  でどうでしょう
>>201
>>だから、頼むと再び深々と頭を下げる姿に俺は何も言えなくなる。
○だから頼む、と再び深々と頭を下げる姿に俺は何も言えなくなる。  の方が良いと思います
>>湿っぽくなりそうな空気を払しょくすべく馬鹿トークをしばらく続ける。のだが。
○湿っぽくなりそうな空気を払拭すべく馬鹿トークをしばらく続ける、のだが。  【払拭】は漢字にするか平仮名のみにするかで統一した方が良いと思います
>>207
>>まあ、あれだ。毒による持続的バッドステータスみたいなものかなとか思いながら……。  持続的バッドステータス・・・普通は治療(回復)しないとバステは持続するような気がします
○まあ、あれだ。毒による持続的ダメージみたいなものかなとか思いながら……。  もしくは 【毒によるスリップダメージ】とか或いは
○まあ、あれだ。毒のバッドステータスみたいなものかなとか思いながら……。  でどうでしょう
>>だってあれだよ。俺が公務を適当にサボってるのは、こういう市井の噂や政情を汲むためだったのだからして。 政情(政治情勢)なら公務ガンバレw
○だってあれだよ。俺が公務を適当にサボってるのは、こういう市井の噂や世情を汲むためだったのだからして。 町を警邏(笑)したり巡回(笑)する理由ならたぶんこちらですね
>>袁家領内から大陸全土に供給できるくらいに食糧は行きわたっている。故に食い詰めて犯罪に走る者もいない。  【できる】だけで【してる】わけではないですよね
○袁家領内から大陸全土に供給できるくらいに食糧は有り余っている。故に食い詰めて犯罪に走る者も少ない。  それとも
○袁家領内からの大陸全土への供給によって食糧は行きわたっている。故に食い詰めて犯罪に走る者もいない。 実際に行ってるならこちらですね
>>腹いっぱいなら大概の人は幸せなんである。 間違いではないです
○腹いっぱいなら大概の人は幸せなのである。 話し言葉としてなら上でも問題ないですが一応地の文なので
>>そんな薄暗い思考に沈んでいく俺に声がかけられる。  言うような言わないような…
○そんな悲嘆的な思考に沈んでいく俺に声がかけられる。  【悲観的な】、【後ろ向きな】などの方が一般的な気がします
>>209
>>だからこうね、君らにもその快楽を分かち合いたいというか、分かってほしいというか。
○だからこうね、君らともその快楽を分かち合いたいというか、分かってほしいというか。  もしくは
○だからこうね、君らにもその快楽を分かってほしいというか、分かち合いたいというか。  の方が良いと思います
>>俺の卑小な自負心が満足するのが悲しい。鬱屈していた心が晴れていくのが後ろめたい。  自負心は「俺がやらなきゃいけない」のような責任感からくるものだと思うので、例えば「二郎のおかげでこの仕事がうまくいったよ」とか「二郎がいないとうまくいかないんだ」と言われた時などに満たされるんじゃないかな?と思います
○俺の卑小な自尊心が満足するのが悲しい。鬱屈していた心が晴れていくのが後ろめたい。  承認欲求とは少し違いますが周りから大切にされることで満たされるのは【自分を尊ぶ心】の方だと思います
>>210
>>「や、張紘に限ってそっりゃあないだろう」
○「や、張紘に限ってそりゃあないだろう」  ですね
>> 「二郎、おいらはな、お前のことをその、なんだ。口はばったいが、親友だと思ってる。 下で二郎は漢字にしてますし
○ 「二郎、おいらはな、お前のことをその、なんだ。口幅ったいが、親友だと思ってる。 の方が良いと思います
>>くすり、と笑う沮授。ニヤニヤした張紘。二人からそれぞれに酒を注がれ、それぞれに一気に咽喉に注ぎ込む。
○くすり、と笑う沮授。ニヤニヤした張紘。二人からそれぞれに酒を注がれ、それぞれ一気に咽喉に注ぎ込む。  もしくは 【それぞれを一気に】でどうでしょう
>>その、なんだ。口幅ったいけど、俺は二人を親友だと思ってる」 上で張紘が既にそう言ってるので
○その、なんだ。口幅ったいけど、俺も二人を親友だと思ってる」 の方が良いと思います
>>211
>>そして、その連携は三位一体と称されるほどであり、終(つい)ぞ崩れることはなかった。 2回【連携は~崩れることはなかった】となるのは違和感があるので
>>そして、その連携と信頼はいかなる謀略をもってしても崩れることはなかったのである。  ちょっと言葉を変えるか一つにまとめた方が良いと思います
○そして、その連携は三位一体と称されるほどであり、終(つい)ぞ崩れることはなかった。
○そして、その信頼はいかなる謀略をもってしても一切揺らぐことはなかったのである。  もしくは
○そして、その連携と信頼は三位一体と称されるほどであり、いかなる謀略をもってしても終(つい)ぞ崩れることはなかった。 でどうでしょう

4月はちょっと時間が…遅れてすみません
ついに私の大好きなシーンが来ましたね。そういえばこの時って二人も【天の御遣い】の噂は知ってたんでしょうかねえ。そんな噂が流れていることに対してどんな思いがあったのやら、ところでこの梨園の誓いって当初からやろうと思ってたんですか?それともキャラが勝手に動いちゃった感じですか?


217一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/13(木) 20:11:10.46yPGwSQ7Bo (1/1)

なんやかんやあって
なろうへの投稿は多分25日くらいからになりそうです

>>213
>やっぱり梨園の誓いは良いですねぇ・・・この三人の友情は尊い
ありがとうです。
この三人は書いてても楽しいですし、勝手に動いてくれるので

>・・・ところで陳蘭ちゃんには二郎君直々にどんなお仕置きが・・・二人きりで(ゲフンゲフ
そらもうお仕置きックスよ(適当)

>>214
>ここはいつ読んでも目頭が熱くなる
どもです
なろう投稿の時にはもちっと推敲予定です
ここは力が入りました

>エロゲ原作なのにここの男共の心地よさよ
ww

>>215
>二日酔い。なったことないです。つか、それ以前に急性アルコール中毒で救急車沙汰が山ほどある身です。
やべぇよやべえよ……それやばい奴ですやん
二日酔いは頭痛と消化器のしんどいのがきっついですね

>二郎さんの怒りが私の思いに重なってます。凡将伝の北郷がどのくらいチートなのかは不明ですが、現在の小康状態を作り出したのは二郎さんと袁家。
>なのに、天の御使い?
書いといてなんですが、つくづく理不尽な舞台設定だなあとは思います
そして舞台はそろそろと開幕に向けて調整されていますのです

>にしても、陳蘭さんの内助の功は健気です。二郎さんがどう報いるか、モラハラはダメっすよ。
でえじょうぶだ。
なんやかんやで阿吽の呼吸ですからww

>『桃園』ならぬ『梨園』の誓い。最高です。
ありがとうございます。
まあ、あんな誓いの言葉言っといて二郎ちゃんは早期リタイアを目指してるんですがww

>感情が迸った時は語彙なんて有って無いですよ。むしろその想いが沮授、張紘の二人を動かしたんですよ。
これはその通りでしょうねえ。どんな美辞麗句よりも彼らには伝わったでしょう

>まぁた袁術ちゃんに「二郎のあほー」と泣かれなかったら良いですけどね。
七乃さんに嫌味を言われるところまでが様式美ですww

>>216
赤ペン先生!今回は相当お手を煩わせて正直ありがとうございます。

>持続的バッドステータス・・・普通は治療(回復)しないとバステは持続するような気がします
なるほどww

>政情(政治情勢)なら公務ガンバレw
ほんまやww

>4月はちょっと時間が…遅れてすみません
いや、一ノ瀬もこれで期初であれやこれや……ww

>ついに私の大好きなシーンが来ましたね。
ご好評いただきまして大変ありがとうございます。逆にもうプレッシャーな場面でもありましたww

>そういえばこの時って二人も【天の御遣い】の噂は知ってたんでしょうかねえ。
メタいですが。多分二郎ちゃん以外はなぜか知ってたかと思います。二郎ちゃんは正直ウイルスとかバグみたいな存在ですので更新プログラム適用外ですww

>ところでこの梨園の誓いって当初からやろうと思ってたんですか?それともキャラが勝手に動いちゃった感じですか?
当初はもっと鬱いルートでしたし、プロット的なものはあっても即興で書いてましたから当初案ではなかったです。
大体沮授君と張紘と二郎ちゃんがこんなに仲良しになるとは思ってもみませんでしたしww
沮授君も張紘も知る人ぞ知るくらいなキャラですからねえ。三国志のメインキャラとはいいがたいww
天の御使いの噂で、荒れた二郎ちゃんを慰めにくるの誰かなーって思ったら、ここは男友達だろうなあと。
そしたら酒飲みに行く展開で。これは、三国志的に考えて義兄弟の誓いイベントやろうと。
そうなったらもうね、三人だし、きちんとやらんといかんだろうと。ただまあ、桃みたいに理想に燃えてレディゴーではなく、
「うわーんお前ら大好きだー」
というのが二郎ちゃんっぽいのかなあと言うか彼らの関係性というか。そういうことになりました。ここは勝手に動いてくれました。
スターダストボーイズな感じの名場面になったのかな、と。
かっこよくないとしても、駄目じゃない。頑張ってる。
そんな感じで今後も頑張ってくれるでしょう。

基本大体の流れをシミュレートして、後はそれを再現して文章化する過程でキャラは勝手に動いてくれる感じですね。
お答えになってるのか分かりませんが、この場面は限りなく三人がそれぞれに動いた結果生まれたものだということでございまする。


218以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 00:03:32.05BgNWe4Two (1/1)

ダレモイナイ・・ トウカスルナラ イマノウチ(AAry
ttps://www.axfc.net/u/3799132 (p:209)
>>208のいいお酒選定シーン妄想してみたww
手抜きだけどよかったらどぞ というかパス間違えたorz


219以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/24(月) 21:38:37.77DP5oph+No (1/1)

色塗ったやつ
ttps://www.axfc.net/u/3799429 (p:208)
二郎ちゃん&>>1に届きますように


220一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/24(月) 23:28:45.18HiiGO876o (1/1)

>>219
ファー!

ありがとうございます。
ありがとうございます。

もっぺnありがとうございます。

つか、質より量なのかいとw
君らどんだけ飲むねんとw

いやまあ、振る舞い酒をコミならばありか?
そしていちいち沮授君があざといw

ありがとうございました!

明日からなろうで更新するはずですのでそっちもよろしくオナシャス


221以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/25(火) 00:17:22.84B4x03w3zo (1/1)

なろうも読んでます~ アカウントないからログインとかもあれですが(汗
>質
実はあの中身は発案:二郎、開発:母流龍九、協力(もとい味見係):紀家軍&元紀家軍の皆さんで
作り上げたトンデモ級の代物と設定(をゐ

それでは、お忙しいところに閲覧を賜り誠にありがとうございました


222以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/27(木) 22:17:34.420uIqLIsiO (1/2)

あっちでの更新乙です

細腕繁盛記完結編にて「KOEI的」ってばっちり会社名でてますけど無問題?



勝ったで(赤
決勝T進出おめ(鹿


223一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/27(木) 22:19:06.83JfRmqwXdo (1/2)

>>222
ちょっと赤つよすぎんよー
ラファエルとかずるい……ずるくない?

あれ、K〇(まる)EIのつもりやったけどOになってますた?
ちょっと確認してきます


224一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/04/27(木) 22:21:22.23JfRmqwXdo (2/2)

取り急ぎ●にしてきました
ご指摘感謝です


225以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/27(木) 23:13:05.840uIqLIsiO (2/2)

>>223
○でしたか
てっきりOかと思って書き込んでしまいお手数おかけしました


>>ラファ
あげないよww


226一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/03(水) 08:57:36.66gzuu12B9o (1/3)

連休明けまでの予約更新完了!
そして分かる赤ペン先生のありがたさ!
皆様の感想のありがたさ!

なろうの感想を増やすにはどうすればいいのでしょうかねえ。
くそ、なんて時代だ!


一ノ瀬は旅に出ます。熱海とか浜松にな!
あー、温泉で癒されたいんじゃー。


227以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/03(水) 09:22:23.24GkkHebLAO (1/1)

>>226
予約投稿乙
これで連休中も二郎ちゃんに会えるぞ

>感想
小並感でよければww
だいたいこっちで感想書いてるからなぁ
こっちのノリでは向こうに書けないし
ちょっと頑張ってみるです

>旅
温泉いいなぁ
連休明けたら遅めの連休とって台湾行ってくるです
サービス業は辛いぜ(苦笑


228一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/03(水) 09:26:47.26gzuu12B9o (2/3)

>>227
赤ペン先生は

「私です」

だけでも嬉しいのですじゃよ。
負担になるようならば全然あれですよ、あれ。

実際リライトでエタる作品が多い中、その幻想をぶちこわすべく頑張ります。
いつかみたいに更新ない作品の紹介とかしたろうか(意味不明な癇癪)


229一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/03(水) 11:25:24.77gzuu12B9o (3/3)

よっしゃ!

連休明けまでの予約済ませたし旅に出ます探してもすぐそこにいますから構ってください。

放浪したいなあ、俺もなあ。


230以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/03(水) 22:34:09.12KXl10OaS0 (1/1)

赤ペン「私です」誤字脱字と慣用句の間違いは修正もしやすいんですが
難しいのは接続詞とそれ以上に言い回し。例えばよくある憮然とした表情、憮然≒呆然ということは比較的知られてるけど「じゃあ、憮然をどう言い換えればいいんだ?」と聞かれるとちょっと出てこない(なお最近は憮然がむすっとした表情として辞典にも載ってる模様
例・田豊は憮然とした表情で杯を傾けた→田豊はむすっとした表情で杯を傾けた・・・なんか違うんだよなあ
まあ細部は一ノ瀬さんにお任せしますのである意味気楽なんですがw


231以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/04(木) 09:53:14.173etRk+SF0 (1/1)

憮然>>政治的とか公的ななにかで面倒事があった?
むすっと>>横着さんあたりにからかわれた?


232以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 23:13:26.26J+4oNlbuo (1/2)

ろくな感想文思いつかない……
俺がなろうも読んでることを示すには…… これしかない!
ttps://www.axfc.net/u/3803271 (p:凡将伝のアドレス7文字)



233一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/05(金) 23:24:34.52YFL9OcDvo (1/1)

>>232
なるほど、わからん!
パスワード探しで右往左往な私です。

頭悪くてすみませんですです。


234以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/05(金) 23:56:15.06J+4oNlbuo (2/2)

めんどくさいパスですみません
ttp://ncode.syosetu.com/○○○○○○○/
この○に入る奴です


235 ◆e/6HR7WSTU2017/05/06(土) 00:14:30.254wxrW6nA0 (1/1)

>>231

書き手が言うのも何ですが、横着さんの御師匠さんなのでからかう事は無いと思います。
『戦友で仲間だけど、尊敬しているからけじめは付ける』

てな感じです。


横着さん絡みなら、議論で珍しく横着さんに論破されたらむすっとなるかな?


なろうの方が不特定多数の目に触れやすい分、感想は増え易いとは思います。
ただ、完全に更新を止めてしまうと離れるのも早い印象。
地道に進めるのが近道かもねぇ。


で、近日横着さんが紀家にちょっかい出す模様(投下予告)




236一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/06(土) 21:58:24.57zECi14rAo (1/1)

>>234
やったぜ

センスが扇子あるセンスで栓抜きで、そもそもこの構図だったら寝るよね私とか思ったりw
しかしありがとうございます!うわあマジモチベーションきたぞ、きちまったぞ

酒飲みのアバターを活かして、そこからの発展とかすごいですぞー

支援ありがとうございますた!
いやあ、マジで吃驚案件ですよこtれ

贅沢言ったら、あれですよ
麗羽様と二郎ちゃんがイチャイチャ(主観)している図とかね……
地味様と韓浩が蛋白に言い争ってたり……
はおーが二郎ちゃんになんか言ってるとか……

無論リクエストエピソードには全力で応じる
当方にそんな感じの用意ありでするるるうr


237以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/06(土) 22:49:39.07woWCBsJAo (1/1)

いよぉーっ ぺんぺん
「治極まれば乱を生じ乱極まるとき治に入ると申します」 ぺぺんっ
「時は二世紀末二千年の永きに伝わる恐るべき宝具の伝承者、
姓は紀、名は霊、その真名を二郎と申すこの若者、その物語でございます」 ぺぺぺんぺんっ
↑こんな感じではないかとww

>贅沢
金髪率高くないですww? とは言え読者の皆さんは想像し尽くしてるだろうから描くのは難易度高いです(汗

リクは特にない……、と言うか電波とかでしょっちゅう予想外の傑作が来られるのでいつも楽しみにしてます

では、今回もありがとうございました
こんなのでも感想増につながればいいなぁ


238一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/08(月) 21:09:43.40e652Fjjho (1/5)

>>237
>いよぉーっ ぺんぺん
まさかの噺家支援w
私こういうの苦手なので、すごいなと素直に思います
あと、妬ましいw

>いつも楽しみにしてます
なによりのお言葉、励みになります

>では、今回もありがとうございました
こちらこそありがとうございました。


239一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/08(月) 21:51:35.50e652Fjjho (2/5)

さて。
狼狽えた、荒れた、呑んだくれた。
そしたら仕事の時間だ。起こってしまったことは仕方がない。所詮為政者なんてのは後手に回るもんだ。
動け動け!

「二郎さん、その天の御使いとやらの噂をどうしてそんなに危険視されますの?」

小首をかしげて麗羽様が問いかけてくる。
舞台は袁家首脳会議。
つっても麗羽様、美羽様、猪々子に斗詩、七乃に俺。そして沮授と張紘っていう超身内会議である。じゃけん、色々ぶっちゃけましょうねー。

「重要なのは世が乱れているという認識が共有化されてしまうことです。
 今のところ中華は乱れていません。が、この噂によって荒れてしまう可能性があります」
「どういうことですの?」
「嘘も百回言えば真実になってしまうということです」

そう。
中華は。俺たちの住むこの大地は乱れてなんかいない。

だが。

乱れている、最近治安が悪い。そんなことを繰り返し聞かされたらそう思ってしまうものだ。
ほんとにくそったれな噂だ。
その噂に踊らされて実際に治安が悪化するとかもうね。はらわたが煮えくり返るよ。

「でもさー、誰がそんな噂を流すってのさー」

猪々子の問いかけに答える声はない。
実際、つかめないのだ。
七乃が申し訳なさそうな顔をする。張家を駆使して情報収集したんだが、結果は思わしくないものだった。
分かったのは、管輅という占い師の予言であるということだけ。
噂を聞いた者も、街中で聞いたとか知り合いの知り合いから聞いた気がするとか要領を得ない。
それにしても噂を流すタイミングが絶妙だ。諜報を司る張家の当主交代というこの時期。神がかっている。
噂を流した奴は袁家の内情にも相当詳しいのだろう。


240一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/08(月) 21:52:03.31e652Fjjho (3/5)

「それで、実際にどうするんですの?」

麗羽様の問いかけに俺は応える。
ああ、情報操作とか新興宗教へのカウンター工作。
そういったノウハウならば、万全ではないにしろ一般常識の範囲として承知している。
沮授や張紘とも話し合い、準備も進めている。

「はい、噂をもって噂を制します」

ぱん、と一つ手を打ち合わせる。
誰がどんな目的で仕掛けてきたかは分からん。
だが、その思惑をとりあえずは狂わせる。
次善の策ではあるがな。

俺が「天の御使い」の噂に対抗しようとして使うのは「アンチ・キリスト」だ。詳しくはグーグル先生にでも聞いてくれ。
曰く、流星と共に魔王が降臨する。
曰く、救世主の顔をして民をたぶらかす。
曰く、世は戦乱に満ちる。
曰く、魔王に従う者は三世まで呪いを受けるだろう。

そんなとこだ。いわゆる偽救世主って奴だな。これは情報戦。ここで先手を取られたのは痛い。
だから全力で対抗する。普段は情報を吸い上げるだけの張家情報網から噂を逆流、拡散させる。阿蘇阿蘇だって特集記事を組んで衆知を図る。

「これである程度は仕掛けてきた相手の意図を遮ることができると思います」

とはいえ、効果は限定的ではあろう。
だがまあ、できることはする。

「それに、斗詩には予定より早く洛陽に行ってもらう」
「へ?私ですか?」
「うん。どうやら洛陽でもこの噂が流れているらしい。
 というか、震源地は洛陽っぽい。だから、情報収集と対応を頼むわ」
「はい、分かりました」

真剣な顔でうなずく斗詩。斗詩に任せておけば間違いはないだろう。

「頼むわ。それと何進と連携して涼州への物資補給は最優先で頼む。
 あそこが崩れるとまずい」

頷く斗詩。マジ頼むわ。
涼州には匈奴だけでなく韓遂みたいな難物もいる。元々火薬庫みたいな地域でもあるのだ。
そこをきっちり抑えている馬騰さん、パねえっす。

「それにしても、誰が仕掛けてきたんですかねえ……」

思案気に七乃が呟く。
全くだ。

「天の御使いなあ。普通に考えればどっかの勢力が権威づけに担ぐんだろうが。
 ん、となると……十常侍はどうだ」

こういう時に問う先は沮授である。袁家の表裏を把握し運用するその手腕。素敵!

「あり得ますね。弁皇子に対抗するために協皇子に付ければ後継争いに一石を投じるかもしれません」

沮授の言葉にうなずく。
十常侍が仕掛けてきたと考えれば、ここまで完璧に袁家の隙を衝いてきたというのも納得ではある。
巻き返しのための大胆な一手か。であれば斗詩には更に色々頑張ってもらわないといけないだろう。
顧雍を付けといて正解だったな。


241一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/08(月) 21:52:30.59e652Fjjho (4/5)

「しかし新たな権威づけか……。
 ん、待てよ?待て待て待て。
 おい、ちょっとおかしくねえか?」

違和感が仕事しまくりである。

「何がですか?」
「おかしいだろうよ。
権威づけもなにも、天と言えば天子様……今上帝だろうが。
 畏れ多くも天を名乗るってこたあ、大逆じゃねえのか?」
「……!それは、言われてみれば……」

うかつ!おろか!どうしてまずそこに気が付かない!でも凡人ゆえ、是非もないよね!

「言われてみればそうだな。どうして思いつかなかったんだろう」

張紘がこめかみを揉みながら呆然。
場を見渡すと全員が驚愕の表情を浮かべている。

「……この線も追加しよう。そして何進に連絡だな。きっちりと朝廷に対応してもらわんと困る」

何進ならばあるいは既に手を打っているかもしれない。蔡邑や王允がいるしな。
だが、表だって動きが見えないということは噂を軽視しているのだろうか。あの何進に限ってそういうことはないと思うのだが。

釈然としない。しないのだが打てる手は打たないと。

「猪々子は軍の引き締め、沮授は領内安定。七乃は情報収集、張紘は物資と物流の安定だ。
 特に江南は餓えさせるなよ。あっこは物騒だ」

それぞれがこくり、と頷く。

「二郎さんはどうされますの?」

麗羽様が問いかけてくる。

「俺?俺は……旅に出ます」

探さないでください。なんつって。

「何ですって?!」
「何じゃと?」

あ、そういや沮授と張紘以外には言ってなかったか。
いかん、根回しを怠るとは。俺も動転してたんだなあ。

「や、前々から思ってたんですよ。ちょっと見聞を広げないといかんなあ、と」

これから世が荒れる可能性を考えると、キープレイヤーは見ておきたい。
飛将軍呂布や、魔王董卓。漢中の五斗米道だって気になる。只でさえ俺の知識と色々乖離があるこの世界だ。思い込みと現実の乖離が命取りになりかねん。
それは何進と会って骨身に沁みている。

怖い。

無知が怖いのだ。
俺が知っている三国志との乖離。その間隙を埋めなければならない。
俺が大好きな袁家を、皆を守るためには判断ミスなど許されない。
百戦を経るにはまず彼を知らないとならない。

「もうちょっと後でいいかなあ、なんて思ってたんですが、どうも雲行きが怪しいですしね」
「……もう、お決めになったんですのね?」
「ええ」

じ、と見つめる麗羽様に俺はきっぱりと答える。
はあ、とため息を一つ。

「やれやれ、陳蘭さんがおっしゃったとおりですわね。
 ほんとに勝手だこと」
「そうじゃぞ!何を考えておるのじゃ!」
「や、まあ、落ち着いてくださいな」

むむむ、思ったより説得は難航するかもしらんな。
なんとなく前途多難だなあと思いながら目前の姉妹をどうやって説得しようかと思いを巡らすのだった。

どないしょ。


242一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/08(月) 21:53:01.05e652Fjjho (5/5)

本日ここまですー

放浪編、はじまるよー


243以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/09(火) 11:03:23.31JtF2JWroO (1/1)

日常編乙でした

GWという非日常の中、日常編というのもなかなか乙なものです
そして物語はホーロー編へ



244一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/09(火) 21:29:41.608ZIy1REPo (1/1)

くそう、乗り切ったと思ったら黄砂でアレルギーでティッシュが足りない!
普通に鼻かんで血が出るレベル
これはお酒を入れて誤魔化すしかありません


>>243

>そして物語はホーロー編へ
なんとなく、流し台か賢狼が出てきそうだなあと思いました


245 ◆e/6HR7WSTU2017/05/11(木) 00:12:54.90Dd+nAVKu0 (1/1)

琺瑯編もとい放浪編乙です。

>>244
くそう、乗り切ったと思ったら黄砂でアレルギーでティッシュが足りない!
普通に鼻かんで血が出るレベル
これはお酒を入れて誤魔化すしかありません

アルコールはアレルゲンや各種神経を刺激しますので、また抗アレルギー薬を飲まれている場合おかしな作用を引き起こす危険をはらんでます。
避けられる事を薦めます。

>>238
>いよぉーっ ぺんぺん
まさかの噺家支援w

推測ですが、浪曲をイメージされていると。
広沢虎蔵と国本武春は凄かった……

>>241
>「や、前々から思ってたんですよ。ちょっと見聞を広げないといかんなあ、と」

これから世が荒れる可能性を考えると、キープレイヤーは見ておきたい。
飛将軍呂布や、魔王董卓。漢中の五斗米道だって気になる。只でさえ俺の知識と色々乖離があるこの世界だ。思い込みと現実の乖離が命取りになりかねん。
それは何進と会って骨身に沁みている。

怖い。

無知が怖いのだ。
俺が知っている三国志との乖離。その間隙を埋めなければならない。
俺が大好きな袁家を、皆を守るためには判断ミスなど許されない。
百戦を経るにはまず彼を知らないとならない。

ん。この視点で行動する辺り、周囲が凡人認定しないのです。
『百聞は一見に如かず』
この意味を正しく理解して行動しようとしている辺りも。
ただま、ラバーズが離したくない(娘w含む)のも解らないでもないです。
説得がんばって。


とりあえず、董卓さんで「くるっぽ」して欲しい。欲を言えば、心中でもいいから(あんた誰?)は欲しいです。
恋姫プレイ中に「嘘ーん」と思わず言ってしまったキャラ。
一番乖離してますよっと(ネタバレ失礼)

この放浪編が二郎さんにとってカルチャーショックになりそうで期待とWKTKしかないです。




246一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/11(木) 22:31:08.44ZYV+dzf8o (1/1)

>>245
>ん。この視点で行動する辺り、周囲が凡人認定しないのです。
身の程を知っているので、万全を期す。
その取り組み姿勢は能力に関係ありませんからねえ。
そういったノウハウというのは、凄いものだと思います。
ビジネス書とかで成功体験が周知されている現代というのは、すごいのだろうなと。
それを活かすかどうかは別の話ですが。

凡人でも一般的スキル(現代の)でどこまで英傑と張り合えるかというのは一つのテーマでございます。

>ただま、ラバーズが離したくない(娘w含む)のも解らないでもないです。
キャッキャウフフが書きたいだけであった当初の心づもりでした
修羅場もまた書いてて楽しいです

>董卓さん
把握

>この放浪編が二郎さんにとってカルチャーショックになりそうで期待とWKTKしかないです。
そのための放浪編でもありますのでw

がんばんでー


247以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/12(金) 19:22:32.47QQg4CrkZ0 (1/1)

台湾から書込みしようとしたら
SSVIP自体403でアクセスできなかったでござる
台湾の孔子廟であわわ発見
ttp://iup.2ch-library.com/r/i1808685-1494584495.jpg



248以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/12(金) 19:25:31.15QQg4CrkZo (1/1)

画像見れなかった

http://i.imgur.com/PA6iH81.jpg


249以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/15(月) 17:29:45.71zBFR+BX80 (1/1)

乙でしたー
>>240
>>真剣な顔でうなずく斗詩。 ~中略~ 頷く斗詩。マジ頼むわ。  【頷く】が2回続くと違和感があるので
○すぐさま応じる斗詩。 ~中略~ 真剣な顔で頷く斗詩。マジ頼むわ。 でどうでしょう
>>沮授の言葉にうなずく。 ひらがなでも構いませんが他のところで漢字ですので
○沮授の言葉に頷く。
>>241
>>「何ですって?!」 この後で比較的あっさりと落ち着いた麗羽様
「何じゃと?」   まだまだ納得いかないで激昂してる美羽様 と考えると
○「何ですって?!」  ここでは声を荒げてもすぐに切り替えたかもしれないのでこちらはこのままでもいいと思いますが
「何じゃと?!」  美羽様が絶叫しない絵が浮かばない・・・むしろ逆に麗羽様が深く静かに「何ですって?」までありそうです
○「何ですって?」 ・・・ちょっと違うかな、唐突に「旅に出ます」と言われたらやっぱりびっくりするだろうし
「何じゃと?!」  身内だけの会議だし二人とも周りを気にして声を抑えたりはしないだろうという事で両方に【!】を付けた方がいいともいます

ところで二郎ちゃん、>>あの何進に限ってそういうことはないと思うのだが。  って目の前の3人も天の御使いを二郎ちゃんに言われるまで軽視してたんだぜ(大逆なんて思いもよらない)基本的に商人な張紘はまだしも諜報担当の七乃や政治能力で最高峰の沮授が気付かなかったんだからそれはちょっと楽観的じゃないかな・・・関係ないけど現地妻っとか作ったら知らないうちに家系図が広がりそうだよね、関係ないけど


250一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/15(月) 21:46:47.71D7vU80Smo (1/5)

>>248

台湾?
なdして台湾から凡将伝に?
ああ、旅行いかれたのか

孔子廟にあわわがいたのか……
昔NHKの三国志で孔子と孔明が関連付けられて
「孔子亡き後孔明が云々……」
と言われてたのを覚えてます
松平アナのナレーションだったかな?うろ覚え

乗っ取りとかせずに忠誠を貫いたからねというか
あんな末期状況の国を背負いたくないというか(凡人感)

台湾の綺麗な姑娘とかの画像も期待してるんやでw

>>249
いつもすまないねぇ……

見直しているはずなのになかなかですね。精進せねば


>って目の前の3人も天の御使いを二郎ちゃんに言われるまで軽視してたんだぜ(大逆なんて思いもよらない)基本的に商人な張紘はまだしも
>諜報担当の七乃や政治能力で最高峰の沮授が気付かなかったんだからそれはちょっと楽観的じゃないかな
まだきづきません
だってぼんじんだもの

二郎ちゃんが気付いていき、戦慄するのも次章の醍醐味です(今思いついたからそうする)

>関係ないけど現地妻っとか作ったら知らないうちに家系図が広がりそうだよね、関係ないけど
関係ないなら問題ないですね(棒)

がんばんどー


251一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/15(月) 23:10:15.31D7vU80Smo (2/5)

さて、旅立つと言っても即出立というわけにはいかない。
一応、引継ぎとかせんとな。
俺がいなくても動くとはいえ、形式上のなんやかやは必要だったりするのだ。

「というわけで、雷薄、よろしくな」
「へぇ、そりゃあ、構いませんがね。しかし若も落ち着きませんやねえ」

俺がいない間の紀家軍を統率してくれるのは雷薄を置いて他にない。とーちゃんがぺーぺーのころから中枢で仕切ってくれていた古参兵(ベテラン)だ。
他にもまだ匈奴戦役からの古参兵が多く残ってくれている。その中枢は俺がちっちゃいころからの馴染みなわけで。いや、ほら。あの紀家軍のお相撲とかね。あんときからのメンバーばっかり。そらもうツーカーよ。デジタルでツーカーやで。
俺が紀家軍の掌握に苦労していないのはこのためだ。いやほんと、先人が積み重ねたもののありがたみを感じるのである。
ほんと、一から軍を練り上げた曹操とか、ごろつきくずれの義勇軍を一軍にしてしまった劉備とかどんだけ化け物なのかよ、っつう話だ。


252一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/15(月) 23:10:46.84D7vU80Smo (3/5)

「まあ、おひとつどうぞ」
「おう、すまんね」

雷薄の酌で注がれた酒をくぴり、と呑む。

「雷薄も、な」
「あー、こりゃすいやせん」

返杯を呷る、いかつい顔。そこに不思議な愛嬌が浮かぶ。なんだかおかしさを感じてしまうな。

「しかしまあ、迷惑をかける」
「かまいやせんやね。きっと紀家の当主ってのは放浪癖があるんでしょうよ」

そんなとこばっかり大殿に似て……と顔をしかめる雷薄。
どうやらとーちゃんも若かりし頃は色々迷惑かけてたみたいだな。相当に。だって俺があれこれやっても、お小言あんまりないもん。これは先代はもっと無茶やってた証左ですよ。
つまりその、なんだ。
親子二代に渡ってご迷惑をおかけします。
だが俺は改めない。

「流琉ー、おつまみ追加なー」
「はーい、ただいまー!」

俺の声に流琉が料理を追加してくる。
空いた皿を下げ、飲み物もきちんとフォロー。うむ。流石の手際である。

何とも言えない目でその様子を見ていた雷薄がため息をつく。

「んだよ。今でも流琉が紀家軍にいるの、反対か?」
「積極的に反対はしやせん。あの子は一生懸命ですし、実力だってまあ、紀家軍最強でしょうや。
 ただ、まあね。
やるせねえなあっていう、年寄りの愚痴ですや」

あら珍しい。雷薄の愚痴を聞けるなんて。

「でもな、流琉は外せないのさ」

だって悪来典韋だぜ?これ以上に頼りになる護衛なんてないって。しかもメシウマで美少女、もとい美幼女。例え華琳に千金、いやさ万金積まれても渡すものかよ。

「へ?何かおっしゃいましたか?」
「うんにゃ、なんも」

珍しく泥酔した雷薄を迎えの者に託し、一つため息をつく。

「二郎さま、どうぞ」
「ん」

流琉が淹れてくれた茶を行儀悪く、ずずりと。
うん、美味い。
しかし、なんかもの言いたげだな、と。

「どしたの」

こっちを見て物言いたげな流琉に声をかける。

「えっと、二郎さまのごしゅったつはいつかな、って思いまして!」

たどたどしく俺に問いかけてくる。

「んー、そだね。十日はかかんないだろうなあ。
ただまあ、今日明日に出立ってことはないと思うよ」

ぶっちゃけ綿密なスケジュールのない旅である。俺の胸先三寸ではあるのだ。
その気になったら今すぐ出立だってできんことはない。しないけど。

「だったら、です。わたしもそれに合わせてじゅんびしますね!」
「え、なんで?」
「なんでって……。
だってわたしは二郎さまのものですから……」

僅かに頬を上気させ、もじもじとしながら俺を上目づかいに見てくる。うむ。可愛い。
でもね。

「いや、流琉は連れてかないよ?」
「えっ?」
「連れてかないよ」


253一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/15(月) 23:15:33.12D7vU80Smo (4/5)

みるみるうちに双眸に涙があふれてくる。
そしてガタガタと全身を震わせて。それでも湧き起こる嗚咽をこらえ、必死に俺に問いかけてくる。

「な、なんでですか?わたし、二郎さまにはもういらないですか?
 なんでもします。なんだってします。ですから、ですから捨てないでください。
 お側においてください……」

身を震わせ、大泣きしそうな流琉を慌てて抱きしめ、頭を撫でる。

「いやいや、流琉ってば落ち着けよ。落ち着け」
「だって。じろうさま。
だってだって………」

ぐずり始めた流琉の様子にしまったなあ、と思う。酔ってるとはいえ不用意ではあった。
最近、安定してたから油断してしまったようだ。いかんな。

「流琉?」
「……はい」

俺の問いかけにぐずりながらも返事をする流琉。素直だなあと思う。良心がこう、ちくちくと痛い。気がする。

「あのな、流琉を連れていかないのは、別にいらないからってことじゃないぞ?」
「でも、でも……」

ぐしゅ、とすすりあげ、俺に顔をこすりつける。そしていやいやをする流琉。この子は本当に幼いのだなあと再認識する。

「でも流琉はさ。紀家軍の一員だろう?」

俺の声にはっとしたような顔をする。

「流琉が自分の意志で勝ち取った地位だ。流琉はもう、紀家軍の一員なんだぞ?
 いけないな。言ったことには責任を持たないと」
「だって、だって!わたしは二郎さまのもので……二郎さまがいないと居場所なんてなくて……」

しゃくりあげながら必死に縋り付いてくる流琉に軽く口づけをしてやる。

「あ……」

びくり、と身を震わせる流琉に囁く。

「流琉。
お前の居場所は、俺の傍だけじゃない。もう流琉は紀家軍の一員なんだ。
 第一、俺が流琉を連れてったら紀家軍の皆に恨まれちまうよ、飯が不味くなるってな」

ちゅる、と首筋を吸い上げ、耳たぶを甘噛みする。

「ん、二郎さまはずるいです。わがままなんて、言えないです……」

うっとりとした流琉の青い身体をほぐし、蹂躙しながらささやく。

「しっかり、俺の留守を守っといてくれ、な?」
「はい……」

他にもあれこれと指示を伝え、脱力した流琉と共にまどろむ。
縋り付いてくる流琉に囁く。もう一人じゃないと。
紀家軍はもうお前の家なんだよと。

「二郎さま……」
「ん?」
「だいすきです」

俺もだよ、と応える。
流琉は笑みを広げて、ぎゅうっと。ぎゅううっと俺を抱きしめたのであるというか。
これは一歩間違えたら肋骨折れるレベルですよ。意識を手放しそうですよ。
これは流琉に説教案件やでぇと思う俺がそれを果たせたかどうかはご想像にお任せしますからたすけてください。
紀家は明るくフレンドリーで家族的な職場ですから。
求む、でありますよ。


254一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/15(月) 23:15:58.87D7vU80Smo (5/5)

本日ここまですー
感想とかくだしあー


255以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/16(火) 02:53:29.21Wlt3JZiEO (1/1)

更新乙です!
なろうで見かけ、感想欄でネタバレうんぬんのコメントがあったので探して追っかけてきますた!
面白かったです。これからも頑張ってください
リトライとのことですが、大筋は変わらない感じですノン?

ssサイトなるものが初めてで、まとめサイトの方にコメントしちゃった(テヘペロ


256以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/16(火) 18:04:21.23AiQdCkqhO (1/1)

乙です
流琉ちゃん幼いながらも女の子の武器の使い方よく知ってはりますなぁww

ょぅι゛ょベアハッグ喰らえるだけでも幸せと二郎ちゃんには思い知ってほしい
モニタの向こうで何人が血涙流してることか
血涙流した人挙手

> 台湾の綺麗な姑娘とかの画像も期待してるんやでww
脳内記憶領域に8Kで録画しただけだから外部出力できませぬ
すまんのぅ



257一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/16(火) 21:40:12.39/MkHtbsFo (1/1)

>>255
>なろうで見かけ、感想欄でネタバレうんぬんのコメントがあったので探して追っかけてきますた!
その意気込み、yesだね!

>面白かったです。これからも頑張ってください
言われたからには頑張ります声援ありがとうございますこれからもよろしくお願いしますなんでもしますから

>大筋は変わらない感じですノン?
ネタバレを誘発させようとするその罠……見切った!

>まとめサイトの方にコメントしちゃった(テヘペロ
コメント見に行きますからどこか教えろください

前作読了なのかどうか分からないので何とも言えないなあとだけw

>>256
>流琉ちゃん幼いながらも女の子の武器の使い方よく知ってはりますなぁw
そらもう、寝所ではアレですしおすし……w

>ょぅι゛ょベアハッグ喰らえるだけでも幸せと二郎ちゃんには思い知ってほしい
こんな健気で可愛い幼女とかどこにいるんでしょうねえ……w

ノシ

>脳内記憶領域に8Kで録画しただけだから外部出力できませぬ
>すまんのぅ
美人さんの姑娘は美人さんであったのだろうなあと思うがとても悔しい

台湾には一度行きたいのですが金も暇もないのですよ


258以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/17(水) 10:14:24.00AMilQiUE0 (1/1)

乙でしたー
>>252
>>俺の胸先三寸ではあるのだ。  口先三寸と混ざってますね
○俺の胸三寸ではあるのだ。
>>253
>>紀家は明るくフレンドリーで家族的な職場ですから。  家のお手伝いさんを募集してますか?
○紀家軍は明るくフレンドリーで家庭的な職場ですから。  このブラック臭漂う誘い文句は多分軍ですよね、あと家族的と言う言葉は一般的ではないのでこちらの方がいいと思います(家族的類似と言う言葉はありますが意味は何か哲学的で分かりづらい内容ですので)

女性の方が早熟とは言いますが・・・あるいは涙は女の武器。かな、それでも折れないで置いていくとは、二郎ちゃん、そんなに身軽に男一人旅して一夜のアバンチュールがしたいのか!?風評被害?お前目の前の流琉ちゃん拾った時のこと忘れたとは言わせねーぞ
雷簿さんのいぶし銀が光ってたけど全部流琉ちゃんが持って行った気もする


259一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/17(水) 21:28:36.69IBIuDQZKo (1/1)

>>258
赤ペン先生いつもありがとうやで

>二郎ちゃん、そんなに身軽に男一人旅して一夜のアバンチュールがしたいのか!?
そらもう性欲をもてあますに決まってますやんw

>お前目の前の流琉ちゃん拾った時のこと忘れたとは言わせねーぞ


>雷簿さんのいぶし銀が光ってたけど全部流琉ちゃんが持って行った気もする
おっさんも幼女もどっちも書いてて楽しいです

さてはて、中々放浪までたどり着かないなあと思いながらがんばるます


260一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/19(金) 23:46:11.73vWoAhYTLo (1/4)

扉の向こうは、孫家の巣窟でした。
いや、俺が自ら足を運んだんだけどね。

「じろー!いらっしゃーい!」

シャオが駆け出してくる。飛びついてくる。元気すぎるだろ。
だから受け止める。そっと。
うむ。猪々子みたいに突撃的に全力で俺を吹き飛ばそうという感じじゃないので軟着陸余裕でした。
えらいぞ。ナデナデしてあげよう。ブルスコー。

「ほいさ、お邪魔しますよっと」

シャオをお姫様抱っこして室に入る。肩車してやろうかとも思ったが、この子ミニスカだから。しまパンだから。
ちょっと幼女だからといって無防備すぎんよー。孫家の教育方針に文句を付けようかと思ったが、黄蓋とか穏とかの衣装見たらひっこめざるを得ない。
文化が違うからね、仕方ないね。
南方は暑いから露出が多くても仕方がないということであろうよ。きっとそうだしそういうことにしよう。そういうことになった。

「えへへー、シャオに会いに来てくれたんだー、嬉しいな」
「へいへい、そうですよっと」

打算が見え見えとはいえ、率直な好意を向けられて嬉しくないわけがない。
軽口をたたきながら室にいるメンバーを見やる。
孫権、穏、そして俺の腕の中にいるシャオ。
ふむ、黄蓋は留守みたいだな。
ちなみに孫策と周瑜は江南にお帰りだ。まあ、そんなに留守できる状況じゃないしな。
……不穏なアレはこう、見ないふりだ。頑張れ、虞翻。仕送り増やすし。めがっさ増やすし。

「珍しいわね、貴方からこちらに来るなんて」
「や、出立まですることないしね。挨拶しとこうかなと思って」

勧められるままに椅子に腰を下ろす。
シャオは俺の膝の上でご満悦だ。本人は妖艶と思っているであろう表情でこちらを窺う。
幼い身で既に小悪魔の雰囲気たっぷりな彼女の十年後が楽しみなような、怖いような。
とりあえず撫でとけばいいか。わしゃわしゃと。

「二郎さん、どうぞ」
「ん、あんがと」

穏が淹れてくれた茶をずず、とすする。あら美味しい。

「それで、いつ出立するのかしら?」
「んー、実はまだ決めてないのさ」

俺の言葉に呆れたような表情をする孫権。
これでも、当初と比べたらば随分と丸くなったんだよなあ。などと思いながら茶菓子をいただく。

「呆れたわね。そんなのでいいの?」
「おうよ、っつうか身内だけの送別会があるんだけどさ。
出席者の予定の調整が難航しててなあ」

まあ、麗羽様、美羽様に猪々子斗詩七乃、それに張紘と沮授。
厳選した気の置けない面々を揃えようとしても、関係各所との調整は大変に決まってる。流石に私的な宴席だから、既に入っている予定を変更させるわけにもいかないしね。
こっちはこっちで大変なのよ。まあ、俺が悪いんだけどな!
だが俺は謝らない。


261一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/19(金) 23:46:57.96vWoAhYTLo (2/4)

「……それは確かに大変そうね」
「本当に大変なのは俺じゃないけどね、」

にひ、と笑う俺を孫権は何とも言えない表情で見やる。

「貴方の場合、自覚してる分だけ質が悪いのよね……」
「なんのなんの、俺なんてかわいい方だってのが救いのない話でな」
「そ、そうなの?」
「え、聞きたい?聞きたいのかー。
 ならば聞かせてやろうとも。聞かせてやるぜー」

懇切丁寧にねーちゃんとか田豊様の理不尽さの一端を紹介してやる。あの人ら、分かっててわざとやってたりするからね。気苦労が絶えないね。特に沮授。頑張れ、頑張れ。

「と、とんでもないわね……」
「だろ?」

引き気味の孫権に更にあることないこと吹き込んでやる。うけけ。

◆◆◆


262一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/19(金) 23:47:24.54vWoAhYTLo (3/4)

「袁家ってとんでもない伏魔殿なのね」

正直な感想を孫権は漏らす。

「だろー?これでも俺ってば結構苦労してるのよ」

いや、だからと言って目の前の男の評価については別件であると思うが。思うのだが。
それでも、むしろ総合的に考えて、だ。
その評価は高くせねばならないだろうなあ、という孫権の忸怩たる思い。

「一気に今までの話の信憑性がなくなったわね」
「うっわひっでえの」

軽口をたたきながらもその真意が今一つ分からないな、と孫権は内心苦笑する。腹心たる陸遜ならばそのあたりが分かるのであろうが。
ちらり、と頼りとする腹心である陸遜を見ても。満面の笑み。

「今までの貴方の言動を振り返ればいいのよ」
「えー」
「自覚はあるんでしょうに。困った人ね」
「だが俺は謝らない」
「認めるところから始めてもいいのよ?」

目を合わせて、零れる笑み。
いつしか会話を楽しんでいたが、そうではないと気を引き締める。

「大体ね。単身で旅をするって、下手したら命の危険だってあるじゃない」
「んー、大丈夫じゃね?」

どこか他人事のような語り口になんだか腹が立つのだ。

「貴方ねえ、貴方の身は既に貴方一人のものじゃないでしょ?
 どうしてそういうことが言えるの?」

なんだろう、どうして私はこんなに熱くなっているんだろう。

「許さないわよ」
「へ?」
「許さないんだから。こんなことで行き倒れたり、野垂れ死ぬなんて……。絶対に許さないんだから!」

困ったようにぼりぼりと頭を掻く姿に、無性に腹が立つ。

「いやよ、そんなんで貴方が死ぬなんて許さない」
「つってもさあ、いや、そりゃ死ぬつもりなんてないけどさ。
 孫権の言う通り、なにが起こるかわからんし」
「ああもう、その物言いも癪に障る!大体その他人行儀なのがいやなのよ!」

最早自分が何に憤っているのかも分からない。どうしてこんなに憤っているのか。
だって、本当は。もっとこう、行ってらっしゃい、とか、息災でね、とか言うつもりだったのに。

「や、どないせいっちゅうねん」
「だから、まず私のことは蓮華って呼びなさい!」
「え、いいの?」
「孫権とか他人行儀に呼ばれる方が嫌よ!」
「じゃあ俺のことも二郎って呼んでくれるよな?」
「あ……」

その言葉に凍り付いてしまう。

「蓮華?」
「え……」

孫権は思う。
私は何を言っちゃったんだろう、と。
そのう、けしていやではないんだけどな、と。

「蓮華ってばよ」
「その、じ、二郎?」
「ほいさ」

結局最後まで、旅路の無事祈念とかできなかったことを散々妹に馬鹿にされるも、反論できなかった模様である。

まだ、蒼天に揺らぎすら見えないある日のことであった。


263一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/19(金) 23:49:10.30vWoAhYTLo (4/4)

本日ここまですー

感想とかくだしあー


264以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/20(土) 03:29:55.78/BIK0CxR0 (1/1)

お尻様がキレッキレにデレた!
羞恥に染まって自爆してるのを眺める二郎、良い餞別でしたね。


265以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/21(日) 12:24:18.32oYPNlLMLo (1/1)

お久しぶりの沖縄さんですだよ
相変わらず面白いですねえ
いまのとこうちの嫁でねえので気楽だ
嫁の扱い悪いのになんでこの作品好きなんだろうね、わしww


266以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/22(月) 14:59:43.21kOhFN5S10 (1/1)

乙でしたー
今回は誤字報告は無いですね
まあ無理やりにでも1つ
>>260
>>まあ、麗羽様、美羽様に猪々子斗詩七乃、それに張紘と沮授。 せっかくの身内での送別会、陳蘭ちゃんに赤楽さんや雷簿あたりも・・・
>>厳選した気の置けない面々                 と言うか二郎ちゃん自身はともかく七乃と気の置けない関係なのは美羽様くらいじゃね?

酒の勢いとかじゃなくて、喋ってるうちに感極まって、とは・・・ちなみにその間ずっと二郎の膝には妹がいた模様wwwこれは徹底的にからかわれるわ


267一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/22(月) 21:00:24.7766cl2bXzo (1/5)

>>264
>お尻様がキレッキレにデレた!
キレッキレのデレというパワーワードw
いただきましたw

どっかで使わせていただくかもしれません

>羞恥に染まって自爆してるのを眺める二郎、良い餞別でしたね。
うむ!

>>265
>お久しぶりの沖縄さんですだよ
沖縄産!沖縄産じゃないか!
お元気でした!

>相変わらず面白いですねえ
ありがとうございますリライト頑張って魔s

>嫁の扱い悪いのになんでこの作品好きなんだろうね、わしww
赤ペン先生とは違った意味で「いつもすまないねえ」とだけw

>>266
そして赤ペン先生ありがとうございまs

>今回は誤字報告は無いですね
おお、久々だぜなしとげたぜ

>・・・ちなみにその間ずっと二郎の膝には妹がいた模様
いやあ、人生最大級のからかい案件でしょうねw

今日も書き溜めがんばるぞいっと


268一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/22(月) 21:51:03.2566cl2bXzo (2/5)

「じゃあ、洛陽ではお待ちしてますから、ぜひお立ち寄りくださいね」
「おうよ、そんときゃよろしくな」

洛陽に向かう斗詩と旅に出る俺の送別会というか、壮行会の会場である。
なんとか各人のスケジュールの都合をつけたのだ。沮授、偉い。頑張ったね。
斗詩なんて明日洛陽に発つくらいのギリギリスケジュールである。

「まあ、洛陽は大変だと思うけど、適当にな?」
「はい」

斗詩なら大丈夫だろう。何進とか宦官とか色々不安要素あるけどきっと大丈夫だろう。
というか、他に送れる人材がいないっていう。

「アニキと斗詩の留守はアタイがきっちり守るし、安心してくれよな!」
「猪々子、頼りにしてるよ」
「えへへー、がんばるぜー」

あらかわいい。
まあ、よっぽどのことがない限り猪々子がいれば大丈夫だろう。麹義のねーちゃんもいるし。

「で、結局二郎さんは。
いつご出立されるんですか?」
「んー、明日、斗詩と途中まで一緒に行こうかなって」

七乃の問いかけに答える。旅は道連れ世は情けってね。

「用が済んだらさっさと帰ってくるのじゃぞ!」
「ういうい、了解ですよ」

てや、と美羽様を抱っこしてやる。少しじたばたとしていたが、じきにおとなしくなる。
それをみて七乃がぶーぶー不満を漏らす。

いや、なんつーか、こう、この子らのためにも頑張らんといかんなあと再認識するのだ。
そんな俺を沮授と張紘がにやにやと見ている。まあ、なんかネタにされてるんだろう。
いいさ、あいつらとは散々語り合ったし。今日はお姫様たちにサービスしないと。

とはいえ、ちょっと浮かれて呑みすぎたかな。

「あー、ちょっと酔いを醒ましてくる」

そう言って中庭に向かう。東屋で夜風に当たって酔いを醒まそうそうしよう。


269一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/22(月) 21:51:29.2166cl2bXzo (3/5)


「はあ……」

ため息を一つ漏らす。あー、酔ったわー。マジ酔ったわー。
東屋のベンチに腰掛け、夜風を楽しむ。
新緑の香りが鼻腔をくすぐる。もうすぐ、夏が来るなあ。

「お隣、よろしいかしら?」

ぼんやりしていた俺の隣に麗羽様が腰かけてくる。

「いや、お恥ずかしい。ちょっと酒が過ぎたみたいです」
「あら、構いませんわ。今宵は身内だけですし、ね」

くすり、と笑う麗羽様の頬もちょっと上気している。
しばし、無言で月を見上げる。

「月が、綺麗ですね」
「ええ。今宵の月はいつもより綺麗に見えますわ」

風が心地いい。
気まずくない沈黙があるとすればこの瞬間だ。
お互いに何を言うでもなく、ただ、互いの存在が心地いい。

「行って、しまわれますのね」

ぽつり、と麗羽様が呟く。

「ええ、行ってきます」

くすり、と麗羽様が笑う。

「ほんと、ほんとに。二郎さんは勝手ですのね。
 陳蘭さんがおっしゃる通りですわ」
「え、いやいや、そんなことはないですってば」
「あら、嘘はいけませんわね」
「そんなことはないですって。参ったな」

ぽりぽりと頭を掻く。でもまあ、そういわれても仕方ないかなあ。

「ねえ、二郎さん」

こてり、と俺の肩に麗羽様が頭をのっける。
何か、久しぶりだな。こんなふうに甘えられるのって。

「何すか?」

肩に乗っけられた頭を撫でながら応える。
目を細めるのが猫みたいで、ちっちゃい頃の麗羽様と変わらないなあと思ったり。

「覚えてらっしゃるかしら。一つ、何でも言うことを聞くっておっしゃいましたわよね」


270一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/22(月) 21:52:02.6766cl2bXzo (4/5)

確かに言った。忘れるはずがない。どんなことを言われるか気が気じゃなかったのだよ。
まあ、言い出す感じもなかったから、忘れてしまったのかなあと思ったらご覧の有様だよ!

「ええ、もちろん覚えてますよ。何を言われるのか、結構ドキドキしてましたし」
「ふふ、きちんと覚えてらっしゃったのですわね」
「そりゃ、まあ覚えてますとも」

ぽり、と頬を掻く俺をおかしげに見つめる麗羽様。
参ったなあ、このタイミングで来るとは思ってなかった。
放浪など許さんとか言われたらどうしよう。
いや、どうしようってことはない。そう言われたら否やはない。否やはないのだが……。
ふと、麗羽様を見ると、どことなく潤んだ瞳で俺を見つめている。

「あの、麗羽様?」
「ご無事で」

へ?

「ご無事で、帰ってきてくださいましね。
 それが、私の、お願いです」
「麗羽様……」

きゅ、と俺に抱きついてくる。

「二郎さん。お止めはしません。しませんわ。
でも、でも。ご無事で……」

俺を見上げる顔は上気していて、瞳は潤んでいて。

「麗羽様……」

ぎゅ、と抱き寄せると、あ、と声を漏らし、そ、と目を閉じる。
その仕草に愛おしさがこみ上げる。
俺の腕の中で泣きべそをかいていた麗羽様。笑っていた麗羽様。拗ねた麗羽様。怒っていた麗羽様。
色んな麗羽様が脳裏に浮かぶ。
お転婆で、優雅で、高慢で、素直で。でも、変わらずに、いつも一生懸命で。
いつだって全力で俺に甘えてきた。
そんな麗羽様が、俺は大好きで。そんな麗羽様が無防備で。それが愛しくて。

「あ……」

合わせた唇から甘い溜息。
きゅ、と麗羽様の手が俺の背中に回される。

「嬉しい……」

漏れる声に愛おしさがいや増す。
そして自覚する。こんなにも、俺は引き返せないんだな。
俺が大事に思う袁家というもの。その象徴が麗羽様だ。
麗羽様が大事だから袁家に尽くすのか、袁家が大事だから麗羽様に尽くすのか。
それはもはやどうでもいい。

時代の流れという奴があるのならば、大河というものがあるならば、それは袁家にとってきっと奔流だろう。この上なく波濤だろう。
いいさ。全力で抗ってやる。
俺は凡人だ。この上なく凡人だ。それは自覚している。
英傑揃いのこの時代じゃあ雑魚もいいとこだろうさ。
天の御使いが何だか知らんが、その喧嘩、高く買ってやる。
……三国志なんて、ぶっ潰してやる。
歴史に埋没する、面白味のかけらもない時代を築いてやろうじゃないか。
書物と芸術品と匠達のみが受験に出るような、そんな時代。
英雄なんて登場しない、退屈な時代。
栄光も感動もない、そんな時代。

それを、俺の大事な人たちに捧げよう。


271一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/22(月) 21:53:24.1866cl2bXzo (5/5)

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろな

思いつかない
思いつかないよう
ぼすけて


272以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/05/22(月) 22:03:59.92bX9srMPGo (1/1)


この辺の甘酸っぱさ好きですわぁ

題は凡人の誓い、なんてシンプルなものでいかがでしょう


273 ◆e/6HR7WSTU2017/05/22(月) 22:50:53.744luZKt0A0 (1/1)

乙です。

題名
『想いと思い』
『旅立ち前夜に』

ネタに走ると、
『瞬間。思い、重ねて』

細かい感想は置いといて、
昔NHKが放送した『人形劇三国志』
それのEDが脳内再生されました。




274一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/23(火) 21:48:58.59qPPe0LmVo (1/1)

>>272
>この辺の甘酸っぱさ好きですわぁ
ありがとうございまs

いやあ、本当にね。
麗羽様はエンディングまでデレないというのが当初プロットだという事実

>>273
題名案感謝
候補します

>昔NHKが放送した『人形劇三国志』
あれは名作でしたね
ED聞きにニコニコに久しぶりにいきました
いやあ、名曲ですねえ


275一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/26(金) 21:01:53.48xXWngFlDo (1/5)

「こちらが保存食です。二郎様のことですから宿場町に寄られるとは思いますけど。
数日分はご用意してます。お水は、水筒ありますからなんとかしてくださいね。
 こちらがお着替えです。きちんとした場に出られる際はこちらを着用してくださいね」

出立の朝、俺は陳蘭が用意してくれていた荷物の説明をふんふんと聞き流す。

「いつもすまないねえ……」
「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん。
 で、いいんでしたっけ」
「うん」
「お乗りになる馬は烈風でいいんですよね?
 流琉ちゃんが準備してくれてます」

烈風は人懐っこいから、旅路でいろんな厩舎に世話になっても大丈夫だろう。って流琉が言ってた。だから問題はない。

「うん、色々ありがとな」
「わたしのおしごとですから。
 こればっかりは流琉ちゃんにも譲れませんもの」

そう言ってにこり、とほほ笑む。

「あー、その、何だ。 
 陳蘭はなんも言わないのな」

多かれ少なかれ各方面から文句やら抗議やら色々言われたりしたんだが、陳蘭が何か言うことはなかった。
いつも通りに、あれこれ、色々やってくれてるのだよ。そして俺が旅立つことについて、一言もないのだ。受け入れるだけであるのだ。

ええんか、とばかりに戸惑う俺を見てくすりと笑むこともしない。

「二郎様がお決めになったことですもの。
 お留守はお任せください」
「そか」
「はい」

にこり、と極上の笑顔を浮かべてくれる。

「ほんじゃ、行ってくるな」
「はい。行ってらっしゃいませ」

流琉の引いてきた烈風に跨り、斗詩に合流するのだ。

◆◆◆


276一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/26(金) 21:02:21.98xXWngFlDo (2/5)


「おう、斗詩。
途中までだけどよろしくな。って馬車に乗らないのん?」
「ええ、外の様子が分からないのは落ち着きませんし、それに……
 二郎さんとご一緒したいですもの」

雨になったらそうも言ってられないかもですけどね。
くすり、笑う斗詩と馬を並べる。
顧雍は馬車に乗ってるらしい。
明日くらいまでは斗詩と同行し、そっからは単独行だ。
最初の目的地は黒山。

かの飛燕の根拠地、天然の要害である。

一応お誘い受けてるしな!

馬上で斗詩とあれこれ打ち合わせ、馬鹿トークする。
洛陽にも立ち寄ろう。でも何進とかは勘弁な!

それからそれから……。
俺は脳裏に立ち寄るとこを列挙する。
あ、華琳とこ、どうしよう。
行ったら行ったで、行かないなら行かないでめんどくさそうだなあ。


277一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.2017/05/26(金) 21:02:52.25xXWngFlDo (3/5)

◆◆◆

「では、如南には紀霊の影響力はないのでおじゃるな」
「は、我が父が乗り込み、確認しておりますれば」

その応えに満足そうに豪奢な装いの男が頷く。

「よろしいでおじゃる。
 ではお主は引き続き麻呂達の護衛を命ずる」
「承りました。では……」

声と共に姿も気配も掻き消える。
そのことに欠片も興味を示さずに、軽くため息をつく。

「ふむ、存外紀霊も甘いでおじゃるな。
 てっきり、着任と前後して粛清があると思っておったのでおじゃるが……」
「心配し過ぎと違います?あの男にそんな度胸はあらへんと思うんやけど……」

同席していた妙齢の美女が艶やかに笑う。

「ふむ、許攸はそう思うかもしれんがの。
 栄転先での粛清は様式美ですらあるのじゃぞ?」
「せやかて、畏れ多くも皇族の流れすらある袁胤様をどうこうする度胸があるとは思えまへんえ」
「ほ、ほ。名門袁家の中でもことさら高貴な血筋の麻呂をどうこうすることは、確かに紀霊には無理かもしれんの。
 じゃがの、慢心はいかん。安心もいかんのでおじゃるよ」

ほ、ほ、と雅な笑い声を上げる袁胤。

「しかしの、彼奴(きゃつ)は確かに袁家内部でこれ以上なく権勢を得ているように見えるでおじゃる。
 じゃが、彼奴(きゃつ)は袁家でもっとも敵にしてはならん存在を敵に回したのでおじゃるよ」
「それが張家、って言わはりますの?」
 
訝しげな許攸の問いに、にんまりとした笑顔を浮かべる。

「そうでおじゃるな。
 例えば、今日の麗羽の夕食の献立、美羽の逗留先。
 張家はそれらを把握しておるのじゃぞ?」
「な……」

許攸が驚嘆の声を上げる。
それでは、それでは。やろうと思えば暗殺など容易いではないかと。 

「分かったようでおじゃるな。張家を敵にした時点で紀霊は詰みよ。
 いささか、の。
調子に乗り過ぎたようでおじゃるな」

からからと笑う袁胤。

「確かに紀霊はんはやりすぎましたなあ」

袁家を富ますのはいい。
が、影響力が大きすぎる。そしてその影響力の行使にためらいがない。

「そこよ。
彼奴はやりすぎたのでおじゃるよ」
「その通りですわなあ」
「あ奴は如南に厄介払いした気でおるじゃろ。それが甘いというのよ。
 袁家の闇の深さを知らぬ若造らしいでおじゃる」

く、く、と笑う袁胤に許攸は笑みを深める。勝った、と。
そして呟く。

「お気の毒になあ、紀霊はん。
 でもあんたが悪いんやで。あんたがやりすぎたんや。 
 そやからな。うちらを如南に送って安心してるあんたが悪いんやえ……」

くすり、とくくく、と。
不吉な笑いが場を支配し、その余韻は消えることはなかった。