1 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 21:42:03.31d/7qJMv/o (1/8)

このスレは安価で

久遠天乃は勇者である
結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である
乃木若葉は勇者である
久遠陽乃は……である?

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・バーテックスの殲滅
・勇者部のみんなを生き残らせる
・勇者部の精神安定


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに



前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/



2以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 21:54:33.09ohh64Wo/O (1/5)

立て乙


3 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 21:57:04.68d/7qJMv/o (2/8)


天乃「ええ、同じ理由よ」

天乃は逡巡ののちに、そう答えた

東郷に真実を語ること

それはすごく避けたいことで、叶うならば

不運でありながら幸運な忘却に委ねようとさえ思っていた

しかし、大切な記憶を失いながらも東郷は気づき始めている

よくよく考えれば、気づいてしまいかねないこと

自分たちの障害の理由や、精霊の数の不一致

ちりばめられたそれらを紡ぎ、けれどもたどり着く寸前で立ちすくんでいる東郷の疑問に

天乃は続けて、答えを差し出す

天乃「貴女が思っている通り、私達の障害は勇者であるがゆえのもの……満開を使用した結果」

東郷『ッ!』

電話越しではあるが、微かな吐息の変化に気づき

天乃はその動揺を感じ取って、けれど、後戻りしようとはしなかった

天乃「貴女も、私と同じ一世代前の勇者だったのよ」

東郷「私……が?」


4 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 22:11:24.95d/7qJMv/o (3/8)


覚えはない。が、言われてみればなんだか間違っていないような気がする

東郷は動揺し、跳ね上がった脈拍を抑え込むように胸元に手を宛がうと

ごくりと息を飲んで、目を瞑る

空白の二年間、失った二年間

それと同時に失った両足の機能

なんてひどい事故だ。最初はそう思ったのだが

よくよく考えてみれば、そう【目立った外傷】が何一つない

記憶を失うほど、両足が動かなくなるほどの事故だったはず

なのに、どうして外傷がないのか。答えは簡単

事故のせいだなんて言うのは、嘘だったのだ

天乃「貴女の失われた二年間……そこで貴女と私。三ノ輪銀、乃木園子。この四人で勇者をしていたの」

東郷『……三ノ輪銀、乃木園子』

繰り返しても聞き覚えも言い覚えもない

しかし、どこか懐かしさを感じる

失ってからの自分が天乃と初めて出会った日

その時に感じた安堵と温もり

それとは少し違うが、けれどもどこか似たものを感じて

東郷が頬に触れると、一滴が指に吸い付く

指先を見る瞳、その視界の中にわずかに収まる緑のリボン

天乃のものではないが、今聞いた中の誰かのもので間違いないと東郷は直感的に思った


5 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 22:17:39.13d/7qJMv/o (4/8)


東郷『久遠先輩は以前、自分以外の勇者はもういないとおっしゃいましたが、それは……』

天乃「ええ。全員が死んだわけじゃない」

東郷美森、別名鷲尾須美は

記憶を失ったことで、その存在が抹消されただけで

東郷美森としては普通に生き残っているし

乃木園子もまた、同じように満開の後遺症によって動けない体ではあるものの

やはり、生きている

しかし……

天乃「銀……三ノ輪銀だけは、亡くなったわ」

東郷『っ、そんな』

ある程度覚悟はしていた

いや、むしろ天乃に自分以外は。と、言われた時点で

死者の躯の上にいることなど、すでに覚悟はしていた

だが、問題はそこだけじゃない

そんな大切なことまでも忘れ去ってしまっていたということが

東郷にとっては、何よりも衝撃的なことだった

東郷『私は……私はそんな大切なことを、忘れるべきではないことを。忘れてしまったんですか?』


6 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 22:30:36.32d/7qJMv/o (5/8)


天乃「満開を使ったせいよ」

東郷『だとしても……そんな……』

天乃「東郷?」

電話の奥の声が途切れ、

通話中の端末からは呻き声にも似た言葉が零れ落ちている

耳を澄ましても聞き取れない小さなそれは

帳の下りた夜ゆえか、呪詛のようにも聞こえ

天乃はもう一度「東郷」と、名前を呼ぶ

しかし、返事はない

東郷が障害に気づくことが出来ず

傷つけているだけだった今までを後悔しているのは知っている

けれど、そのあと何を思い、何を考えてきたのかを天乃は知らない

時期尚早だったかもしれない

そう思いなおしても、語り始めてしまったことは覆せはしない

天乃「東郷……」


1、神樹様のせいよ
2、黙っていてごめんね
3、だからこそ、私は貴女やみんなに戦いから退いて欲しかった
4、大丈夫よ。満開を使わなければ問題はないわ。その役目は、私が引き受けるから
5、大丈夫よ。満開を使わない限りは、ね


↓2


7以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:34:34.24ohh64Wo/O (2/5)

2


8以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:34:54.79e42lihOQ0 (1/1)

1


9以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:34:55.38oJkkX0a10 (1/2)

3


10以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:37:21.70ohh64Wo/O (3/5)

暴走フラグ…?


11以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:49:02.10CVEHdCzfO (1/2)

地雷を踏みぬいていくスタイル


12以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:50:17.66boE2/mVYo (1/2)

実際神樹のせいじゃね?


13以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 22:57:08.692nAnwSsxO (1/3)

やべーよやべーよ


14 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 23:11:20.55d/7qJMv/o (6/8)


天乃「神樹様のせいよ」

際限なくうわごとのように呟いていた東郷だったが

それを聞いた途端、声は止んで「神樹様のせい、ですよね」と

東郷らしからず、護国精神を感じさせない言葉が飛び出す

天乃「満開は神樹様の力で、その代償だからね。だから、別に東郷は――」

東郷『……解ってます』

一聞、普段と変わらないように思えるが

神樹様と呼ぶことがあまり好きではなく

もともと嫌悪感が織り交ざっている天乃の声以上に

東郷の声には暗い感情が含まれているように感じて、天乃は目を見開く

何かが変だ

何かがおかしい

そう思うのが遅かったのか

いや、そもそも

こんな話をするのが早すぎたのか、

東郷『神樹様が全て持っていく……失いたくない。大切な物を、私からも、久遠先輩からも』

天乃「東郷、私が言いた――」

東郷『今までも、これからも。それなら、私は』

言うだけ言って東郷は電話を切る

最後の方の言葉は、天乃に向けてなのかどうかさえ、怪しいほどに一方的なものだった


15 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 23:30:47.92d/7qJMv/o (7/8)


ただ、東郷は悪くないと言いたかった

自分を責めて、思い悩んでしまいそうだったから

だからその必要はないのだと

そう、言っておきたかっただけなのに

天乃「東郷、貴女一体……」

何も言わせてはくれなかった東郷のことを想い

天乃は真っ暗で、しかし白く光るものが浮かぶ空を眺める

あれは希望かそれとも絶望か

窓に映る自分以外の少年を見つめると、彼は不敵に笑った

悪五郎「難儀なこったな。相手のことを考えたお前の言葉は、お前自身のためになりゃしない」

天乃「……解るの?」

悪五郎「ま、多少はな。俺と神樹は仲間じゃぁない。敵の力の動きくらいは把握してるさ」

天乃「………………」

黙り込む天乃を、少年はじっと見つめると

小さく息を吐いて、「それで?」と、口を開く

悪五郎「止めに行くかい? 女狐共も口を挟んではこないが待機はしてるみたいだぞ?」



1、勇者部のみんなに連絡
2、急行する
3、東郷を信じる


↓2


16以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:35:16.24oJkkX0a10 (2/2)

2


17以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:35:18.64boE2/mVYo (2/2)

好きにさせてやれ



18以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:35:27.70ohh64Wo/O (4/5)

1


19以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:36:45.032nAnwSsxO (2/3)

マジかこれ
大丈夫か東郷さん


20 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/21(金) 23:41:54.63d/7qJMv/o (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


現在ゆゆゆ本編での園子的立ち位置ですが、勇者部崩壊中+風は参戦不可です



21以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:42:56.20CVEHdCzfO (2/2)

東郷さんもヤバイといえばヤバイが
唆したような形の久遠さんもヤバイ精神的にも大赦的にも


22以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:43:53.51ohh64Wo/O (5/5)


今回ばかりは言わせてくれ
今のはどう考えても止めなきゃアカンやろ…


23以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/21(金) 23:50:18.262nAnwSsxO (3/3)

正直びっくらこいたがことが起こりそうになってからでもまだ止められる
…ついでに記憶もなんとかしよう


24以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 00:12:16.90yHzeq1G5O (1/1)

作中ではまだ5月なのにまさかこんな展開になるとは…
まだどうなるか分からないけど秘密明かしたせいで大惨事になったら久遠さん責任とらされるんじゃ…


25以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 00:20:17.31PL9iLcPS0 (1/1)

乙...もういっそ行けるとこまで行っちゃえ


26以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 02:21:05.00nQTQ/Uf0o (1/1)

いやー…これはいくらなんでも…
大赦との関係悪化避けられないのでは


27以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 02:26:12.81pmll+8ceo (1/1)

まあ大赦には貸し作りまくってるんだし一回や二回やらかそうが問題ないだろ
悪化する余地があるほどまともな関係じゃないとも言う


28以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 09:01:26.45vceY3iQpO (1/1)

>>24
久遠さんは言われなくても取ってくれちゃう人だから…
だからこそ原作ラストレベルの被害を請け負いそうで不安しかない


29以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 21:51:45.41WY6zA/6xO (1/1)

ショック療法で行こう
落ち込み気味の久遠さんも頑張るでしょ東郷さんが暴走したら


30 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 22:36:40.28OjDOz2nVo (1/6)


では、少しだけ


31以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 22:37:12.68yMq2us0BO (1/1)

おk


32 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 22:52:15.68OjDOz2nVo (2/6)


天乃「ううん、私は東郷を信じるわ」

天乃は窓を通して、少年の姿をした精霊神野悪五郎に言う

本当に伝えたいことは伝わらなかっただろうし

きっと、今行おうとしていることは大変なことなのかもしれない

天乃はそれを考え不安に思いながら、けれども、制止を行おうとはしなかった

悪五郎「良いのか? あの女が神樹の結界ぶち抜いたら敵がわんさか来るんだろ?」

天乃「ええ、まぁ……そうなったらそうなったで。私の見る目がなかったわけだし。何とかするわ」

天乃は苦笑しながら言うと、

ゆっくりと首を動かして悪五郎を見る

その瞳にはなにゆえか、迷いは感じられず

悪五郎は驚いた様子で息をつく

悪五郎「お前の見る目……と言ったな。お前はあいつをどう見てる。どうすると考えている?」

天乃「あの子は良く突拍子もないことをするけれど、でも、しっかりと考えてから行動に移す子だから」

そう、言動や考え方は色々と違うかもしれないが

東郷美森は結城友奈と似たようなものなのだ

もっとも、友奈が東郷に似ているのかもしれないけれど

天乃「私が話したこと。その勢いのままにみんなが困ることはしない。しっかりと吟味してからが本番」

悪五郎「つまり、少なくとも今日は手出ししないって言いたいのか?」

天乃「端的に言えば、そうなるかしら」


33 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 23:07:59.28OjDOz2nVo (3/6)


悪五郎「ほう……だが、あの女は真実を知るだろう」

天乃「…………」

悪五郎「己の戦、友の戦。それが永久に続く果て無き戦争であると。その時、女はお前の望まぬ道に行くかもしれんぞ」

それはそうかもしれない

東郷がバーテックスや勇者についての知識をさらに仕入れて行き

どうするかの判断をする分かれ道に差し掛かった時

天乃が選んだ道、望んだ方向へは来てくれない可能性がある

彼はそれを分かったうえで、行くか行かぬかを問いてきたのだろう

悪五郎「討てるのか? 女」

天乃「……必ずしも討つ必要はないわ」

悪五郎「だが、お前のそれはあの娘の体ではなく心を穿つ。戦えなくなることも……」

悪五郎はそこまで言ってから

自分のそれがまったくもって無意味であることに気づき

いや。と、呟くと、呆れたように息をついて首を振る

悪五郎「悪魔のような女だな。お前は。最悪、あの女による被害を受け止めて、傷ついて、見せつけて、戦意をへし折るつもりなんだな」

天乃「……東郷は優しいから。思うあまり止まれないのなら、真正面からぶつかってあげるしかない」

悪五郎「互いが砕けるとしても?」

天乃「それであの子をこの世界から除外できるのなら、本望よ」


34 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 23:24:08.89OjDOz2nVo (4/6)


淡々とした口調で、天乃は答えていく

嘘は付いていない、それが望みであることは間違いないのだから

けれども、叶うのならばそんな手荒な真似はしたくはない。というのもある

東郷だけじゃない

友奈も、夏凜も、樹も、風も、園子だって、沙織だって

みんなにはバーテックスに怯えたりなんだりすることない場所で生きていて欲しいと思っている

みんなの意志を酌んで参戦することを許可したけれど

今でも、その思いは残り続けているのだ

悪五郎「……俺はこの世界がどうなろうと構わぬが、お前が殺される時は俺が殺す」

天乃「物騒なことを言うのね」

悪五郎「殺されたくなきゃ、老いて死ね。それなら黙って看取ってやる」

腕組みする少年型精霊は

軽く鼻で笑うと「問題はなさそうだな」と呟いて姿を消す

端末の警報はならない

空模様も相変わらずで、はるか遠くにあるであろう壁の爆発も起こる気配はない

天乃「悩んで、考えて……答えを見つける。東郷、貴女は何が正しいと思う?」

電源が切れていると言い続ける端末を一瞥して目を瞑る

鷲尾須美との、懐かしい記憶を夢に見た


35 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 23:44:04.63OjDOz2nVo (5/6)

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(満開、生きて欲しい人)
・   乃木若葉:交流有(傷つけたくないから)
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・       稲狐:交流無()
・      神樹:交流無()



5月13日目 終了時点

  乃木園子との絆 42(少し高い)
  犬吠埼風との絆 38(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 31(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 35(少し高い)
  三好夏凜との絆 23(中々良い)
  乃木若葉との絆 32(中々良い)
     沙織との絆 45(少し高い)
     九尾との絆 40(中々良い)
      死神との絆 38(中々良い)
      稲狐との絆 30(中々良い)
      神樹との絆 8(低い)

 汚染度???%

※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します


36以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 23:55:33.32eTc3COqg0 (1/1)

おつ


37 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/22(土) 23:55:49.88OjDOz2nVo (6/6)


01~10 
11~20  九尾
21~30 
31~40 
41~50  若葉
51~60 
61~70 
71~80 悪五郎
81~90 
91~00 

↓1のコンマ

※イベント別  


38以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/22(土) 23:56:15.45SjXtbaU80 (1/1)




39 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 00:08:25.25XzxAvdKOo (1/30)


若葉「……なぜ、それを私に話した」

九尾「いずれ、必要になるやもしれぬからじゃ」

真剣に話していることを、全てうそだと思わせるような笑みを浮かべる九尾を前に

若葉は驚きを隠せないまま、眼を逸らす

唐突に言われたそれは、はっきり言ってしまえば

そんなことを言われても困る。というような代物だった

自分の意志でどうこう出来ることではなく

たとえできるとしても、天乃の体に多大な負担がかかると言われては使うつもりなどないからだ

九尾「きゃつらは確実に力をつけてくる。強くなってくる。主様を守りたいと思うのならば、使うほかあるまい」

若葉「だが、守るために辛い思いをさせるのは……可能ならしたくない」

まだだれも使ったことはないと九尾は言う

だから、どれほど影響があるものなのかは分からないが

しかし、些細なものではないのだろう。と、若葉は九尾を見つめる

若葉「確かに私は力不足だ。きっと、守るより守られる立場になり得るだろう……だが、それは力をつければいいことだ」

九尾「力をつけようと、お主には死神の力は宿っておらぬ。封印の儀も行えぬ。時間稼ぎに等しいぞ」


40 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 00:22:18.28XzxAvdKOo (2/30)


若葉「それでも、それでも……私は嫌だ」

天乃を守るために、天乃を苦しめる

それなら、自分が消えうせるまで力の限りを尽くす方がマシだ

そう思う一方で、力不足を自覚しているとはいえ

九尾にまで、揶揄い目的ではなくはっきりと言われるのは屈辱的で

握り締めたこぶしからの僅かな痛みに、歯を食いしばる

若葉「九尾の助言は受け取っておく。だが、使う気はないぞ」

九尾「……ふむ」

困ったように漏らした九尾は

顰めた眉をほどきつつ息をついて

やれやれとでも言いたげに首を振る

九尾「仕方があるまい。念頭に入れておくだけでも良かろう。悪五郎も居る。いざとなれば追加も可能じゃからな」

そう言い残して姿を消した九尾を目で追うと、

若葉はゆっくりと目を閉じながら窓の外へと視線を移す

その瞳は、どこか悲し気で

何度も握り解く手は、刀を求める

若葉「……精霊による精霊の力。私の体に絡みついた力の記憶。使えば天乃の体に負担がかかるとなれば、使うわけにはいかない」

だからこそ強くなりたい

そう固く意思を持った若葉は、

普通なら筋力や体力が上がることのない精霊であることを、強く。恨んだ


41 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 00:22:54.98XzxAvdKOo (3/30)


13日目延長終了→変化はなし


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(満開、生きて欲しい人)
・   乃木若葉:交流有(傷つけたくないから)
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・       稲狐:交流無()
・      神樹:交流無()



5月13日目 終了時点

  乃木園子との絆 42(少し高い)
  犬吠埼風との絆 38(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 31(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 35(少し高い)
  三好夏凜との絆 23(中々良い)
  乃木若葉との絆 32(中々良い)
     沙織との絆 45(少し高い)
     九尾との絆 40(中々良い)
      死神との絆 38(中々良い)
      稲狐との絆 30(中々良い)
      神樹との絆 8(低い)

 汚染度???%

※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します


42 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 00:25:56.23XzxAvdKOo (4/30)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできればお昼頃から




若葉さん、秘奥義的なもの追加


43以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 00:27:10.23TRIOQFSN0 (1/1)




44以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 00:34:58.76GAGZv5PGO (1/1)


とりあえず東郷さんがすぐには暴走しなかったようなので油断ならないけど少し安心したわ

そして若葉様に新技か…原作のわゆの切り札とはまた違うものなのだろうか


45以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 12:54:19.67ra4ycYTvO (1/3)

そこらへんはこれからコンマとかで判定しそうだけど



46以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 12:55:04.76ra4ycYTvO (2/3)

あ、東郷さんの暴走のことね


47 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 13:08:56.66XzxAvdKOo (5/30)


では、初めて行きます


48 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 13:19:12.22XzxAvdKOo (6/30)


√ 5月14日目 朝(自宅) ※日曜日


↓1 コンマ 30以下または50~59 東郷


49以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 13:24:11.06T+jXNxk8O (1/1)




50 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 13:54:51.05XzxAvdKOo (7/30)


東郷「朝から押しかけてすみません、先輩」

部屋に招かれ、一礼した東郷は天乃をまっすぐ見つめる

昨日の今日で早速会いに来ることには多少驚きもしたが

それを表情に出さず、笑みを浮かべて天乃はそれで? と、声をかけた

天乃「昨日の件何でしょう?」

東郷「はい。昨日の件を……と、言うつもりでしたが……」

半ばでとどめた東郷の瞳は

天乃の左目を覆い隠す眼帯へと向けられている

その隠している理由が

両足や味覚と同じようなものなのではないか。と不安を覚え

大赦や沙織から聞いていた【お役目】が

そういうものなのではないか。と、憤りを感じていた

東郷「その左目は、それも。また、満開によるものなのですか?」

天乃「物貰い。と、言えば信じてくれるのかしら」

東郷「そうであると証明してくだされば、絶対に」


51 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 14:43:42.82XzxAvdKOo (8/30)


東郷の瞳は、ゆるぎなく

言葉が偽りであるのだと確信しているのが目に見えて

天乃はくすくすと笑って見せる

それ一つで空気が変わることはなく

むしろ、少しばかり空気が引き締まったのを身に感じて

仕方がないわね。と、心の中で呟くと

天乃は東郷を見返す

右目に映る東郷は怒っていて、悲しんでいて

何よりも不安そうに見える

天乃「この左目について、夏凜からは何も聞いていないの?」

東郷「夏凜ちゃん……?」

ぴくりと反応した東郷は

昨日の夏凜の反応を思い出して「そういうことですか」と

独り言ち、天乃の眼帯を見つめる

東郷「何があったんですか? お役目とは、いったいなんだったんですか?」


1、バーテックスとの戦闘。戦友の園子と一緒にその任務を行ったのよ
2、あぁ、これはただの病気よ。瞳の色彩異常で視覚が駄目になっちゃって
3、答えてあげる質問は一つだけだけど。大丈夫?


↓2


52以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 14:45:00.87lXEGXBR9O (1/1)

3


53以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 14:46:29.14kf/sZce2O (1/1)

3


54 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 15:20:16.63XzxAvdKOo (9/30)


天乃「答えてあげても、良いけれど」

その目は東郷を見ていない

自身の体を覆う布団、その上にある自分の手

それを見つめていて

東郷はその言い表しようのない不可思議な雰囲気に、息を飲む

天乃「答えてあげる質問は一つだけだけど。大丈夫?」

東郷「それは冗談で言っているんですか?」

聞きたいことが多すぎる

それでもなお頑張っていくつかの質問だけにまとめたのに

それからさらに疑問を増やして、しかし答えてくれるのは一つだけ。などと……

いつものように茶化そうとしているのかと半ば怒ったような表情を浮かべた東郷だったが

天乃の横顔は依然変わらないことに気づいて、歯噛みする

東郷「……なぜ、一つだけなんですか?」

天乃「貴女には貴女の考えがあるわ。私の答えに繋がれて欲しくはないの」

東郷「つまり、別の道に行けと?」

天乃「そういうわけじゃ、ないんだけどね」


55 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 15:37:20.46XzxAvdKOo (10/30)


勿論、近しい答えになって欲しいという願いはあるが

それはあくまで東郷美森の考えで。なのだ

久遠天乃の思考、その答えに絡みつかれた答えでは、

東郷自身が、本当の意味で納得する可能性は高くはない

天乃「自分自身が本当に納得できる答え。それを、私は貴女に見つけて欲しいのよ」

東郷「……だからと言って、さんざん問題を出して、でも答えは一つというのはあんまりです」

天乃「小学生だって、問題を出されたらまずは解いて見ると思うけど」

そんな簡単な話じゃないのだ

算数や国語、理科社会

間違っても笑ってすまされるようなことではないのだ

取り返しがつかないことなのだ

なのに、笑みを浮かべて茶化すように言った天乃から眼を逸らして、東郷はこぶしを握り締める

東郷「では、一つだけお願いします」

天乃「うん」

東郷「今回のお役目は、久遠先輩の身を危険にさらすようなことでしたか?」



56 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 16:03:03.55XzxAvdKOo (11/30)


天乃「……私の身を危険に、ね」

見れば解ること

けれども東郷はそれを聞く

天乃の言葉で聞きたいからだ

お役目の内容、満開の事、自分の二年間

他にもたくさんあるが……けれど

今はそれだけが聞きたいと思った

東郷「たった一つしか答えてくれない。その代わりに、嘘は付かないでください」

天乃「じゃぁ、実力上は問題ないとかは?」

東郷「駄目です」

天乃「そう……」

それなら、答えは一つしかない

自分から一つだけと言う身勝手な制約を設けた以上

東郷の嘘をつかないで欲しいという願いを拒否できず

天乃は深く息を吐いてから、目を向ける

天乃「答えはイエス。確かに、実力の有無を考慮しなければ身を危険にさらすお役目だったわ」


57 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 16:23:36.88XzxAvdKOo (12/30)


東郷「…………」

答えを聞いて

しかし、何も言わない東郷を横目に見ると

とても深い怒りを握り締めて

何かを噛み締めているように、唇を引き締めていて

天乃が心配そうに眉を顰めると

何でもありません。と、否定する

天乃「何か言いたいことがありそうね」

東郷「……いえ」

天乃「本当に?」

二度目の問いにも、東郷は大丈夫です。と、言う

その瞳も、声も、体も

あまりよくない感情に揺れていることは、天乃には筒抜けだった

そして、それに気づいていようがいまいが

嘘をつく時点で、考えさえも良くないものになりつつあるのだと、分かる

天乃「………………」

――下手を打てば、やっぱり。五郎くんが言うようなことになりそうだわ



1、何をするつもり? 私は答えたわ。貴女も答えて
2、神樹様を傷つけたところで、意味はないわよ
3、みんなともしっかりと話し合うべきじゃないの?
4、ねぇ、二年間については知りたくないの?
5、何もないなら。それでいいけれど……私は最悪の場合勇者を討たなければいけない。私に手を出させないでね?
6、風の事について、話しておくべきかしらね


↓2


58以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 16:25:49.985OqwTCUc0 (1/4)

2


59以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 16:25:58.20ra4ycYTvO (3/3)

4


60以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 16:25:59.92NIhacqH+O (1/1)

1


61以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 16:26:33.66iMyHBui2o (1/1)




62 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 16:50:34.07XzxAvdKOo (13/30)


天乃「ねぇ、二年間について知りたくないの?」

東郷「それは……ですが、一つだけだと先輩が言われたのでは?」

東郷は怪訝そうに言うと、

自分の手が強く拳を作っていることに気づいて

目を見開き、天乃を見る

天乃の困った表情、不安そうな瞳

自分の内面に気づいているのだと、すぐに分かった

東郷「……なのに、そう言い出すなんて。先輩はずるい人です」

天乃「そうね。自覚してるわ」

天乃の笑顔には、不安は感じられない

笑顔だけが仮面と化している先輩を前に

東郷は一瞬、目を伏せて、首を振る

一晩考えて、聞きに来たのだ

であるのなら、答えを聞いた後の自分の決意は歪めるべきではない

そう、思うからこそ

東郷「すみません。先輩……私は、大赦の味方にはなれません」

はっきりと、答えた


63 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 17:12:25.38XzxAvdKOo (14/30)


東郷「久遠先輩は、もう。ご存知ですよね」

そう切り出してから東郷が語ったのは壁の外の地獄

まだ天乃と園子の作戦、天乃の満開による多大な被害から日が経っていないにもかかわらず

すでに、大量の星屑やバーテックスができ始めているらしい

東郷は昨夜、壁を破壊しようとしたものの

冷静になって考え直そうと引き返す際に様子を見てしまったのだ

東郷「戦いは続きます。ずっと……私たちが何もかもを失っても。きっと」

天乃「……………」

東郷「大切な記憶さえ失って、何を守りたいのかさえ分からなくなってしまう。何もなくなってしまう。それなら……」

いっそ、滅んでしまった方が良いのかもしれない

そう考えている東郷の言葉を聞き、悩みぬいた姿を見て

天乃は息をつく

勢い無く、冷静に話すために

天乃「さっきの貴女の質問は、この世界の多くを占める大赦が守るべきかどうかを判断するためだったのね?」

その結果、守る価値がないと判断したのだろう

自分自身が東郷にとって大切であることがうれしい反面、少し複雑だった


64以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 17:15:49.72RNi9EBTMO (1/5)

原作より意外と冷静だった東郷さん、だが…


65 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 17:40:17.44XzxAvdKOo (15/30)


東郷「すべて消えてしまえば、悩む必要はない。悲しむ必要だって……そう、考えました」

自分の考えが見透かされた今、

嘘やごまかしを用いても仕方がないことだと判断したのか

東郷は自分のワンピースの裾を握り締めながら、気持ちを紡ぐ

自分が何を考えていたのか

そして、そこからどう動いて、どうなったのか

東郷「今回だって、久遠先輩ではなくても良かったはずです! 私達でよかったはずです!」

なのに

現在も戦闘中である勇者の中で

一番体に負担がかかっている天乃を引っ張り出した

それも、みんなに何も知らせないで、だ

東郷「それだけでも許せないのに、なのに……満開による後遺症のことまで、黙っている」

天乃「知ったら戦えなくなる。守って貰えなくなる。だから、黙っているしかなかった」

満開による後遺症の件を大赦に問いただした時

言われたことをそのまま繰り返して、天乃はゆっくりと東郷に目を向けて

そこにある憤りに満ちたきれいな瞳と向かい合う

東郷「そんな言い訳……ッ、知っているのと知らないのとでは、わけが違います!」


66 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 18:30:18.37XzxAvdKOo (16/30)


天乃に怒鳴っても無駄だ

いや、無駄などころか最低なことでさえある

なにせ、天乃だって利用されている側なのだから

怒鳴ってからハッとした表情を浮かべた東郷に

天乃は困ったように笑いながら、肩を竦めて見せる

私に怒鳴られてもね? とでも言いたげなその表情には

一部の茶化したい性格が紛れていて……

自分の憤りを過去に経験しているであろう先輩の

そんな、変わらない姿が、羨ましいと思った

東郷「……先輩は、それでも世界を守っている。なぜ、ですか?」

天乃「私が答えるのは一つだけって言ったはずだけど?」

東郷「お願いします……もう一つだけ。この一つだけで構いません。教えてください」

必死になって願い、頭を下げる東郷を見つめていた天乃は

少しばかり困ったように息をついて

それが気になったのか、東郷は顔を上げると

東郷「教えて貰えれば、私も。久遠先輩のお願いを聞きます。これではだめですか?」



1、駄目よ
2、私が守ってるのは世界じゃない。貴女達だもの。たとえ自分の全てを失っても、みんながいればそれで良い
3、言ったら怒るから言わない
4、私が世界を守っていると思うのなら、貴女はきっと。私のことをまだ分かっていないのよ



↓2


67以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 18:31:15.37p85GL92GO (1/1)

2


68以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 18:31:38.05RNi9EBTMO (2/5)

2


69 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 19:02:16.34XzxAvdKOo (17/30)


天乃「そうね……」

東郷に願いを聞いてもらえるから言うわけではないと自分に念を押しをしながら

天乃は東郷を見つめて笑みを浮かべる

言えば夏凜や沙織のように怒るかもしれない

けれど、結局誰かから伝わってしまう可能性があるのなら、と

天乃は口を開く

天乃「私が守っているのは、厳密に言えば世界じゃないの」

東郷「世界では、ない……?」

天乃「そう。世界ではなく貴女達だから」

世界なんてものではなく、

東郷や友奈、沙織達の命や日常だ

天乃「たとえ自分の全てを失っても、みんながいればそれで良い」

東郷「そんなこと……考えていたんですか」

東郷の表情には

やはり、沙織達にも見られた感情がある

流石に三度目ともなれば心の準備もできている天乃は

平然と「そうよ」と、答えて眼を逸らす

天乃「私はずっとそう考えて戦っているの。自分だけの犠牲であれば、喜んで引き受けようと思ってる」


70 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 19:23:56.49XzxAvdKOo (18/30)


今回の事だってそうだ

世界を守ろうと思って戦ったわけでも

世界を救うために左目を犠牲にしたわけでもない

ただ、沙織たちのことを守りたかっただけ

そのために自分を犠牲にした

似たようなことを伝えて沙織には泣かれてしまったが

東郷はと言えば、浮かない表情で、天乃を見ている

天乃「東郷?」

東郷「……それでは、それではいけないと。誰も言わなかったんですか?」

いや、言われたはずだ

言ったはずだ

昨日の夏凜の様子からして、同じ話をして同じことを言われたのだと

東郷は推測し、考えて、天乃を睨み

さっきまでは勢いばかりで怒鳴ってしまったから

そうならないように、深呼吸をする

東郷「少なくとも夏凜ちゃんに言われて、なお。その考え方は変わらないのですね」

天乃「これ以上のサービスはなしよ。東郷」


71 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 19:37:18.65XzxAvdKOo (19/30)


ぴしゃりと断ち切る一言に

東郷は悲しげな瞳を向けて

しかし、天乃は一言も言わずに首を振る

変えないんじゃない

変えるわけにはいかないのだ

銀を死なせたから

犬吠埼姉妹の両親を殺してしまったから

だから、自分の命も体も

自分のものであって自分のものではなく

ゆえに、何かを守るために使い果たさなければいけない

今は、犬吠埼風と樹。二人と二人の失われるべきではないものの為に使う

たとえ、嫌われていようと

恨まれていようと、憎まれていようと

天乃「私は変わらないわ」

東郷「……その頬を、引っ叩いても」

天乃「変わらない」

東郷「その髪に、口付けをしても。ですか?」


72 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 19:53:55.58XzxAvdKOo (20/30)


天乃「変わらない」

天乃の変わらない答えに

東郷もまた、悔しそうに唇を引き締めて、

目を伏せる

夏凜の表情、抱いていた想い

そのすべてを察して、自分のあまりにもな無力さを思い知って

自分たちが彼女に愛されてしまっていることを知って

同じ気持ちなのにと、言いたくて

けれどもそれでも変わらないという彼女の頑なな意志に

東郷は勝機を見ることが出来なかった

東郷「そう……ですか」

天乃「……………」

東郷「なら、それなら……私は」

強く握った拳を、空いた手で握り締めて

自分の胸元へと引き上げて、祈るように頭を下げる

東郷「私は、いえ、私も変わらないままでいることにします。たとえそれが、望まれない選択だろうと」

そう言い残して、東郷は去っていく

部屋に残された天乃は

東郷の残像を追うように視線をさまよわせて、笑みを浮かべる

それは、とても笑みとは言えない崩れた笑みだった


73 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 20:05:12.19XzxAvdKOo (21/30)

√ 5月14日目 昼(自宅) ※日曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、悪五郎
5、稲荷
6、イベント判定
7、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
↓2

※7は電話



74以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 20:07:03.12RNi9EBTMO (3/5)

6


75以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 20:07:16.615OqwTCUc0 (2/4)

7


76 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 20:14:12.08XzxAvdKOo (22/30)


1、風
2、友奈
3、東郷
4、樹
5、沙織


↓2



77以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 20:17:27.065OqwTCUc0 (3/4)

ksk


78以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 20:17:32.76RNi9EBTMO (4/5)

4


79 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 20:48:19.89XzxAvdKOo (23/30)


樹『は、はい! 樹です!』

割と長いコール音の後に出た樹の声は

端末の画面で天乃だと分かっていたからか

とても張り切っていて、明るい声だった

樹『お久しぶりです……久遠、先輩』

それからぼそぼそと小声のような話し方に切り替えた樹は

ごくりと息を飲んで、「先輩」と、呟く

樹『勇者部が解散してから、お姉ちゃんの様子がおかしいんです』

天乃「……うん」

樹『ずっと浮かない表情で、時々お母さんとお父さんの写真を見たまま上の空なこともあって』

心配なんです。と

不安そうな樹の声が聞こえて、天乃は目を瞑る

自分とのことを悩んでいるのだ

恨んでいて、憎んでいて、怒りを覚えている

その扱いに、困っているのだ

天乃「何か言ったりしていないの?」

樹『……一度だけ。どうしたらいいのってお母さんの写真に言っているのを聞きました』


80 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 21:11:10.79XzxAvdKOo (24/30)


天乃「…………」

どうしたいのか、どうしてほしいのか

それを一言でも言ってもらえれば

その通りにするのに、されるのに

そう思いながら、しかし樹には言っていいのかどうかと、口ごもる

犬吠埼姉妹は風と樹だ

全てを知って悩んでいる風もだが

知らない樹もまた、風と同じようにする権利がある

問題は、自分が勝手に話していいのかどうかだ

同年代である風にならばともかく

後輩である樹に

今まで仲良くしていた先輩が

大切な家族、両親を殺したのだと……




1、貴女は知りたい? 風の悩み。私達の秘密を
2、お姉ちゃんに変わってくれるかしら
3、それは私にはどうもできないわ。それより、聞きたいことがあるの
4、任せて。何とかするわ



↓2


81以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 21:15:02.293zXGPeHp0 (1/1)

1


82以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 21:16:32.985OqwTCUc0 (4/4)

1


83以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 21:17:25.43DScOlgoNo (1/1)




84 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 21:46:41.74XzxAvdKOo (25/30)


天乃「貴女は知りたい? 風の悩みを、私たちの秘密を」

そういえば樹が食いついてくる事くらい分かっている

風がそれを教えることを拒む事くらい分かっている

けれど、天乃はあえてそれを言葉にした

樹はもう中学生だ

それに、いつまでも後ろに隠れているような子でもない

そう、思っているからだ

樹『お姉ちゃんの悩み……秘密』

悩ましげな呟きの後

樹はしばらく何も言わなかったが、

意を決したような「よしっ」という声に続いて

久遠先輩。と、天乃を呼ぶ

樹『教えてください』

天乃「とても大事なこと、今までの何かを壊してしまうようなことでも?」

樹『っ……そ、それを。それを知ることで。お姉ちゃんの助けになれるのなら』

恐怖を感じる震えた声だ

けれど、それは震えていても、芯の部分は微動だにしていない

本当に、心から助けになりたいと願っている

最初は人見知りで、隠れていたのに

いつの間にこんな子になったのかと

結果を知りつつも覚えのない過程を気にして、息をつく

天乃「なら、教えてあげるわ」


85 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 22:33:10.33XzxAvdKOo (26/30)


天乃「貴女達の両親を殺したのは、私なの」

樹『え……え?』

驚きしか、なかった

重大な秘密、姉を助けるための手札

そう言われて聞かされたのは、

慕っている先輩が両親を殺したという告白

信じられるはずがない

今思えば、報告してきた人たちは大赦の人間だったが

彼らは樹に事故だと言ったのだ

殺されたのではなく、事故に遭ったのだと

だから、天乃が殺したわけがない、そんなはずがない

そう否定し、信じて、頭の中で必死に考える

樹『そんなはずありません……お父さんたちは、事故で』

天乃「ええ、そう。戦いによる樹海の損傷。それによる現世への影響その事故で亡くなった」

そしてそれは

天乃「私が満開したことによる、樹海のダメージが原因でもある事故。だから、私が二人を殺したことに偽りはないわ」


86 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 22:45:40.08XzxAvdKOo (27/30)


天乃「許して欲しいとは言わない。けれど、本当に、ごめんなさい」

黙っていたこと

殺してしまったこと

全てを悔いて、反省の意を込めて謝罪をする

電話の向こうの彼女のために

頭を下げて、ごめんなさいと繰り返して

樹から何もないままに

天乃はもう一度、口を開く

天乃「風が悩んでいるのはそのせいなの……たぶん私に対してどうしたら良いのか分からないんだと思う」

樹『お姉ちゃんは知って……』

天乃「本当は私が言うつもりだった。謝罪すべきだった。でも、大赦が余計なことをして」

いや、違う

自分が余計なことをしてしまったから、両親が死んでしまったのだと

天乃は考え直して、首を振る

何もかも悪いのは自分だ、生きてしまった自分だ

天乃「貴女も、私を好きにする権利がある。死んでほしいのなら、死ねと言ってもいいの」

樹『なにを……言って』

天乃「愛すべき肉親を殺した女だもの。その命を貪って生きている女だもの。貴女達の一言は、神の勅命よりも守るべきものだから」

願う権利があなたにはある

求める権利があなたにはある

復習する権利も、憎み、恨み、怒り、傷つける権利があるのだと

天乃は樹に、告げた


87以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 23:03:22.20/cqf7P5MO (1/1)

久遠さん病んでる…


88以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 23:04:34.41C6HFfIvuo (1/1)

でも言ってることは筋通ってね?


89 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 23:08:33.89XzxAvdKOo (28/30)


衝撃的なことというには、

それはあまりにも重い話で、受け止めきれない話で

矢継ぎ早に放たれるその言葉の数々を

樹はすべて聞き覚えるなんて出来なかったのかもしれない

天乃「……………」

電話の奥では、わずかに荒い呼吸が聞こえる

東郷のように何かを呟いていない

ただただ、苦しそうにして、息を飲む音が聞こえる

そして、数分経ってからだった

樹『お姉ちゃんに関しては、なんて言われたかわからないから、はっきりとは言えません』

でも。と、樹は繋いで

樹『今の先輩の言葉に対しては、一つだけはっきりと言えることがあります』

天乃「うん。何でも言って――」

樹『それは、被害は全部バーテックスのせいで、久遠先輩のせいではないってことです』


90 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 23:29:45.52XzxAvdKOo (29/30)


天乃「そんなこと――」

樹『あるんですっ!』

無いと、言わせてはくれない

珍しく怒鳴った樹の声は

初めて出会ったときや電話した時のように

とても震えている声で、樹は言う

樹『殺したのはバーテックスで、久遠先輩じゃない』

それ以外なんて絶対にないのだと、樹は叫ぶように言い放って

久遠先輩。と、涙声で呼ぶ

樹『それでももしも、自分が悪いと思うなら、お願いします。居なくならないでください』

天乃「それは」

樹『私にとって、お姉ちゃんにとって。久遠先輩は大切な人だから、大好きな人だから』

だから、居なくならないで欲しい

血のつながりはなくても、仲間で、友人で、家族で

だから、大切な人を守ってあげられなかったという負い目があるのなら

今度こそは守り切って欲しいと、失わせないで欲しいと、樹は言う

樹『私のお願いは、久遠先輩に聞いて欲しい願いは……久遠先輩がこれからも、私達と一緒にいてくれることです』

天乃「それは、そんなお願いは、だって、私は……」

樹『久遠先輩が知らない間にすごく傷ついていたこと。それだけで凄く嫌な気持ちになったんです』

天乃「…………………」

樹『居なくなっちゃったらもっと嫌な気持ちになる。辛くて、苦しくて、きっと、痛いです。そんなの、私は嫌なんです』

だからお願いします。と、樹はもう一度繰り返した


91 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/23(日) 23:35:46.24XzxAvdKOo (30/30)


では、今回はここまでとさせていただきます
明日は少し早めの再開となります




樹「何でも聞いてくれるんですよね?」

天乃「ええ」

樹「では、IPS細胞で女性同士でも子供が作れるそうなので、お願いします」

天乃「えっ?」

樹「名前は久遠さんが決めて良いですから、前回出来なかった事を今こそ」

天乃「前回? IPS? いったい何の話を……」


92以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/23(日) 23:49:54.02RNi9EBTMO (5/5)


樹ちゃん前作では実質主役だった分今回はここまで来るまで影が薄かったからね
久遠さんや勇者部復活のためにも久々の活躍に期待したいな

あと公式の方もついに続編を製作するっぽいぞ
久遠さんと共々応援せねば


93以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 06:56:58.88lYtSHJXMO (1/1)


そういやだいぶ前に言ってたけど14日目って事はそろそろ大赦の人がまたくるんだっけ?


94以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 13:46:04.70L0bKDL0RO (1/1)

ようやく続編か…
同人と違って一文にもならないスレを燃料無しに二年間続けた愛が報われるんだな
こんな続けるのは俺には無理だったな


>>93
大赦の優しい方が来るはず


95以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 18:25:42.72HDCOs1DNO (1/1)

つーか東郷さんお願いひとつ聞いてくれるって言ってたのにバックれたな


96 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 19:40:18.744Nk3G80wo (1/12)


では、進めていきます


97以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 19:41:25.574fW9UeErO (1/5)

やったぜ


98 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 20:01:52.734Nk3G80wo (2/12)


樹が言っているのは、みんなと同じように

天乃には生きていて欲しいというものだ

けれど、両親を死なせたのが自分であると伝えたうえでの樹の言葉であるということが

天乃に変わらない拒絶を許さなかった

天乃「けど、私は樹のご両親を死なせたのよ? 私の力で、私のせいで……」

だから、驚きを残して問う

なぜ許せるのか

なぜ、そんなことを言えるのか

どうして、それが願いになるのか

樹はすぐには答えず、小さな吐息が端末から漏れて

先輩。と、優しい声が響く

樹『それは先輩のせいじゃないからです。でも、もしもそれでもって言うなら』

それこそ。

樹『お母さん達の分まで私達のことを見守って欲しいです』

樹の言葉、そこに込められた思い

それは何も変わらない。何と言われようと、天乃を悪者になどしてはくれない

天乃が身を捧げたいというのなら、そうする理由を以てして、するなと樹は言う




1、その願いだけは聞けない
2、なんで、どうして……みんなそんなに私を。私に生きていて欲しいと言ってくれちゃうのよ
3、それが貴女の願いなの? ほかのどんな願いよりも優先すべきことなの?
4、分かったわ……けれど、私は許されたくない。両親を死なせた責任は、私にある


↓2




99以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 20:03:40.9634gpHaT30 (1/2)

2


100以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 20:03:51.954fW9UeErO (2/5)

2


101以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 20:04:37.78/fYMtARWo (1/1)




102 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 20:27:39.274Nk3G80wo (3/12)


天乃「なんで、どうして……みんな、そんなに私を……私に生きていて欲しいと言ってくれちゃうのよ」

何度も言われたこと

けれども、どうしても口から零れてしまった疑問に

樹はなぜか、おかしそうに笑って、「何言ってるんですか」と、呟く

樹『そんなの、決まってるじゃないですか』

十人十色

きっと、そこに出てくる言葉は不揃いで

みんなバラバラなのかもしれないが

しかし、そこに含まれた思いは絶対に変わらないのだと

樹は自信ありげに言う

樹『みんな久遠先輩が好きなんです』

誰かのために一生懸命になれる優しさ

誰かのためにと厳しくなれる強さ

極稀に見ることのできる本当の笑みの愛らしさ、尊さ

そのすべてが大好きで

だから、とても切なく、悲しい年齢以上のものを感じさせる言葉や思いに対して

何かしてあげたいと、思わせる

たとえその背中が遥か遠くにあって、届きそうにないようなものだとしても

樹『私は、友奈さんと決めたんです。動かなければ離される。でも、動けばいつか追いつけるから』

一歩踏み出そう。と

樹は友奈と話し、決めたことを天乃に告げて恥ずかしそうに笑った


103 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 20:46:28.454Nk3G80wo (4/12)


天乃「……だから、夏凜に戦闘訓練なんて頼んだのね?」

樹『えへへっ、やっぱり、知られちゃってたんですね』

本当は知られるつもりはなかった

そんな風に笑った樹は、そうなんですよ。と

吹っ切れたように呟く

電話越しだから

天乃は樹を、樹は天乃を見ることはできない

言葉だけが気持ちを伝える手段で、感情を伝える手段

しかし、時々聞こえる樹の静かな吐息は、とても落ち着いていて

いつものような控えめなおとなしさではなく

少しばかり大人びた穏やかさを抱いているのではないかと、天乃は思う

樹『今まで背負わせてしまったこと、失敗しちゃったこと。取り返すために私は強くなりたいです』

まずは足を引っ張らないようになる

次は隣に並べるようになる

次は背中を守り合えるようになる

遠く果てしない目標だが、だからこそお立ち止まってなんていられないのだ


104 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 21:14:46.384Nk3G80wo (5/12)


樹『久遠先輩、お姉ちゃんは私に任せてもらえませんか?』

天乃「どうして?」

樹『久遠先輩が話してくれたことが原因なら、二人で話さないといけないんじゃないかなぁって、思うんです』

何の問題もなく、滞りなく

そんな風に終えられる自身はまだないが

けれども、これは犬吠埼家の話なのだ

天乃の事、両親の事

それらが絡み合ったこれからの事

守られているだけじゃなく、隣に並びたい

そう思う妹は、姉を想い「お願いします」と、言う

天乃「樹……変わったわね」

樹『弱いままじゃダメだって、それで諦めてるのはダメだって。久遠先輩が教えてくれたことです』

自分には才能がないだのなんだの

そう諦めることを、天乃自身が否定したわけではない

けれども、彼女の出来ないはずの体でやろうとすること、やり遂げてしまうこと

それらを前にして、やってもいないことをあきらめるのは、恥ずかしかった。申し訳なかった

樹『精一杯頑張ります。いつか、久遠先輩の姿が見られるように』

そう言って、樹は電話を切る

通話を終えた天乃は、なんとなく笑みを浮かべて息をつく

あれだけ頑なに変えるわけにはいかないと思っていたことを

絶対的な命令権を持つ人に変えろと言われてしまった

けれど、それでも。天乃はみんなのためになりたいと――思う


105 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 21:22:18.014Nk3G80wo (6/12)



√ 5月14日目 夕(自宅) ※日曜日



大赦から使いの人が来ています。通しますか?


1、はい
2、通します
3、イエス
4、いいえ


↓2


106以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 21:25:13.844fW9UeErO (3/5)

2


107以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 21:25:55.4734gpHaT30 (2/2)

1


108 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 21:55:17.774Nk3G80wo (7/12)


「お久しぶりです、久遠様」

天乃「そこまで昔の話でもないんだけどね」

夕方になってやってきた大赦職員の女性は

以前、金曜日辺りに婚約者がどうのこうのという話をしてきた人だ

しかし、婚約云々に関しては

沙織経由ですでにお断りしているはずで

そうでなくとも、現状、前線から外すというのは得策ではないことなど

はっきりとわかっているはずだ

それでもここに来た理由が天乃にはわからなくて、思わず、視線は鋭くなる

天乃「それで? 婚約も戦線離脱も断ったはずよ」

「はい。今回お戻りいただいたのも、犬吠埼風様の不調が原因ですし……」

その戦力が欠けた状態で

さらに天乃まで差し引くというのは、どうにも誤りな気がしてならない

「今回はその件ではありません。乃木様にお話を通したところ、久遠様の許可が必要とのことでしたので、伺いました」

天乃「園子が? 何かあったかしら……」

婚約などの話をするために訪れる予定だったのだが

たった二週間足らずで戦局が大きく変動していて

そんな浮ついた話をする余裕など、大赦にはなかった

「久遠様、乃木園子様を戦線に加えて下さい」

天乃「なっ」

「すでに消耗が激しいことは承知しています。ですが、少しでも戦力の増強を行い、有事に備えていただきたいのです」


109 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 22:07:09.484Nk3G80wo (8/12)


天乃「貴女達はまた園子に――」

「無理を強いることは分かっています。ですが、それを出し惜しんで満開をされては困るのです!」

天乃「……………」

「自身の左目、つい先日のことをお忘れになられたわけではありませんよね?」

女性の引かない瞳の強さ

そこに見える焦燥感と、一握りの不安と悲しさ

天乃は眼帯越しに左目に触れると

ゆっくりと視線を下げて、頷く

散華したのならともかく、忘れるわけがない

天乃「何をそんなに焦っているのよ」

「……………」

女性職員が焦っていると知りながら、

天乃は落ち着き払った声で問う

下手に慌てても意味がない、何も解決などしない

それを、知っているからだ

女性職員は乗り出しかけていた体を椅子に戻し

すみませんと一言謝って、息をつく

「近日中に、再度バーテックスが襲来する可能性があります。正確な情報はありませんが、少なくとも数は一つや二つではありません」


110 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 22:21:23.234Nk3G80wo (9/12)


「それも、何度も巫女様がお告げを受けているんです」

天乃「何度もって、まさか」

天乃の驚き交じりの声に女性職員は気難しい表情で、頷く

考えていることは、

それが最悪の想定であれば、間違いではないからだ

「襲来は連日行われる可能性があります」

連日襲来してきた場合、

前日の被害次第では、戦力の大幅な減少があり得る上に

最悪の場合、満開を使わなければいけなくなる

もちろん、だとしても天乃の満開があれば防ぎきれるのだろうが……

「そこで世界を守れても、久遠様を失ってしまっては未来が潰えます」

天乃「…………」

「だから、乃木様の戦線復帰が大赦内部にて持ち上がりました」

それを園子に持ち掛けた結果

勝手に参戦したら天乃に怒られるからと言われ

それで、ここにきているのだと改めた女性は

椅子から立ち、離れた床に膝をついて、額を床に打つ

「どうかお願いします。久遠様……お認め下さい」



1、園子の体は平気なの?
2、園子はどこに行くの?
3、園子をこの家に入れてくれるなら
4、園子に関してはどう説明するつもりなの?
5、駄目よ。絶対にダメ


↓2


111以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 22:23:32.74kXO6bI+L0 (1/1)

ksk


112以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 22:23:51.69rVNf2ZYM0 (1/1)

3


113以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 22:25:42.664fW9UeErO (4/5)

3


114 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 22:41:31.414Nk3G80wo (10/12)


天乃「園子をこの家に入れてくれるなら、考えてあげるわ」

「乃木様を、ですか?」

天乃「ええ、医療に専念するという建前を聞き入れたから仕方がなく預けていたけれど。戦うなら、ね」

戦うだけ戦わせて

戦闘が終わったらまた離れ離れで一人きり

そんな寂しい思いを、園子に味わわせたくない

などとは言わずに、天乃は女性職員を見下ろす

「そうなりますと、医療班をこの家に上げることになりますが」

天乃「貴女、医療の知識無いの?」

「いえ、私は医師や看護の医学系学校出身ではないので」

余計な人たちを家に上げるというのは

あまりうれしくないことだが、それだけで園子を招けるのなら、と

天乃は深々とため息をついて「いいわ」と、答える

天乃「それでも構わない。どうせ、断ったところで戦線復帰させるんでしょう?」

「……おそらく」

天乃「それなら。ね。もちろん、嫌がらせをするような人たちは嫌よ? 寝ている間に人が死ぬのは困るわ」


115 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 23:03:57.664Nk3G80wo (11/12)


死神たちは平気だろうが

九尾はかなり可能性が高いし

悪五郎に関してはより酷く危険なために

そういった手を出しそうな人は絶対にそばに置きたくないのだ

もちろん、自分の為ではなく相手の為に

天乃「それが約束できるなら、許可する」

「分かりました。現状の医療班でも問題はないかと思いますが、各自に話を通してみます」

天乃「手違いは絶対にダメよ。絶対に」

「は、はい」

同じことを繰り返して

険しい表情を見せた天乃を見上げる女性職員は

もう一度頭を下げ「有難うございます」というと

早速立ち上がって、調整するために出ていく

天乃「園子も戦線復帰、ね」

あまりさせたくはないが、

けれども、させるしかないというのなら、受けるほかない

そして

天乃「出来る限り、私が引き受ける」

これ以上、園子を傷つけさせたくないから


116 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/24(月) 23:11:56.294Nk3G80wo (12/12)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から
二期が始まるころでも終わらない鈍足さです




園子の加入は6月一日目から


117以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 23:19:52.07LdwwAPut0 (1/1)

おつ


118以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/24(月) 23:21:43.124fW9UeErO (5/5)


今作は相当長い長編なりそうだな、どこまでも付き合うぞ

そして今回は園子様もレギュラー入りか…
闘いになる前に勇者部のみんなも集めて話し合いしたいな


119以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 19:16:40.872VsASzxfO (1/1)

読み忘れた知らんけどいつの間にか婚約の話断ってた
まあペースがペースだし同じ流れ2連続で来るのもしんどいから助かるけど、


120以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 20:04:37.37xjJBBg/yO (1/1)

久遠家が婚約拒否を認めるかは怪しいところだな…
前作では久遠さんの意志あんまり関係なかったし


121以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 20:09:13.55gQuaZUM4o (1/1)

戦力的に考えて子作りの余裕はないって作中で言われてるし
>>1が今回は平気って言ってたはず


122以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 21:00:58.54yPhGkQgTO (1/1)

園子駆り出すくらいやししゃーない


123以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 21:10:09.06k1QzuRPM0 (1/1)

一周目でイザナミイザナギの件があったし子作りは大地さんを引っ張り出してくるのも一つの手かと
兄はここぞってときは理性強いし、久遠さんともたとえ記憶がなくとも仲良く出来るだろうし、どうせ大赦は力を次の世代に残してほしいだけで久遠さんがどんな家庭を持とうがどうでもいいんだろうし


124 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 22:39:02.160WE0BnHeo (1/7)


では、少しだけ


125以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 22:41:03.49t7Dj6zAyO (1/3)

ばっちこい


126 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 22:48:25.500WE0BnHeo (2/7)

√ 5月14日目 夜(自宅) ※日曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、悪五郎
5、稲荷
6、イベント判定
7、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
↓2

※7は電話


127以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 22:49:08.36stvYX+iBO (1/1)

7


128以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 22:49:52.019gK5kKze0 (1/2)

7


129 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 22:56:07.530WE0BnHeo (3/7)

1、風
2、樹
3、友奈
4、東郷
5、沙織
6、夏凜

↓2


130以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 22:57:14.409gK5kKze0 (2/2)

ksk


131以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 22:57:24.83t7Dj6zAyO (2/3)

5


132 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 23:21:06.860WE0BnHeo (4/7)


天乃「……出ない」

沙織に何かがあったなんて言う連絡は受けていない

だから、電話に出られないような非常事態ではないはずだけれど……と

想いながらも、内心不安を感じてコールを続ける

数秒は数十秒に、数十秒は数分に

時間が経過し、それでもつながらない電話を切ると

天乃は「喧嘩、したままだものね」と、つぶやいて窓に映る自分を見る

自分が招いたことだというのに

なんて不安そうに、悲しそうに、寂しそうにしているのだろうか

自身のふがいなさに苦笑して、すぐに訪れる静けさから

孤独というものをひしひしと感じ、もう一度沙織に電話をかけようとした時だった

端末が震えだし、着信音が高らかに鳴り響く

したことはないが、バレエなどで用いられそうな

古き良き時代のレトロなクラシック音楽というもので

沙織がこれにしておいて。と、勝手に設定したものだ

沙織曰く、幻想の中での愉快なひと時を。とのことだが、真意は分からない

それはさておいて、電話の相手は当たり前だが、沙織で

天乃はすこし躊躇いながらも、通話の方へとスライドする


133 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 23:31:54.350WE0BnHeo (5/7)


天乃「もしもし?」

沙織『久遠さん、電話長いよ。出なかったらすぐに切って欲しいな』

天乃「……もしかして、寝てたの?」

声に眠気は感じないし

寝ぼけていた様子もないが、迷惑そうな物言いに

申し訳なさを含めてそう聞くと

返事の代わりに小さなため息が聞こえた

沙織『”ね”じゃないよ。”み”だよ』

天乃「ねじゃなくて……み?」

一瞬、なんのことだか分らなかったが

すぐ直前の自分の言葉

寝ていたのか? という言葉を変換して、そっか。と、こぼす

沙織は端末を見ていたのだ

天乃からの電話を着信して震えている、あるいは、着信音を響かせている端末を

そのうえで、出なかったのだ

天乃「長々と、悪かったわ」

沙織『こんな人なんて無視してやろうって、固く決めてたのに。あたし、想像以上に弱かった』


134 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 23:47:03.380WE0BnHeo (6/7)


沙織『電話が切れて、自分の決意が守れて。ほっとすべきなのに、悪いことしちゃったかなって。思っちゃって』

あははっと笑う沙織の声は

自分への失望からか、少しばかり寂しさを感じる

だから、天乃は口を挟むことなく耳を傾ける

今は余計なことは良いのだ

自分の言葉などどうでもいいのだ

誰かの話を聞くときは、答えてあげるときは

まずは相手の全てを聞かなければいけない

知っていたはずの初歩の初歩。つい忘れていた相談の手法

それを胸に、天乃は黙って耳を傾ける

沙織『結局、こうして電話してる……駄目だなぁ。本当に』

天乃「………………」

沙織『酷いこと言ったのに、電話をくれた。突き放したのに、長々と電話をくれた。それを喜んじゃってる自分がいる』

そして、

自分が絶対にして欲しくないこととは言え、あんな風に突き放してしまったこと

あんなことを言ってしまったことが、とても。申し訳なく思えてしまった

沙織『久遠さんがすっごく傷ついて、とても苦しんで、悲しんだからこその気持ちだって分かってたのに』

それなのに。と、沙織は繰り返して

沙織『あんなこと言っちゃって、ごめんね。傷ついていく姿を見ているだけなのが辛くて、何もできないのが苦しくて』

一つ一つの言葉をしっかりと紡いでいく

向かい合っているからこそ言えることがあるのなら、こうして離れているからこそ、言えることもある

沙織『あれはあたしの八つ当たり。悲しいのも辛いのも苦しいのも嫌だって、我儘だったんだ』

だからごめんね。と、沙織はもう一度、囁くように言った


135 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/25(火) 23:48:54.590WE0BnHeo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


もうしばらくシリアスパート
沙織は暗い部屋、ベッドの上で膝を抱えています


136以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 23:53:57.93yvpnOeNR0 (1/1)




137以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/25(火) 23:55:27.12t7Dj6zAyO (3/3)


さおりんとの仲直り…久遠さんも若葉様や樹ちゃん等のやり取りで何か変われてたらいいな


138以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/26(水) 01:09:00.85WrKJBxLIo (1/1)

ひざかかえさおりんかわいいたべたい


139以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/26(水) 08:09:11.98oavfurQaO (1/1)

こういう切ない雰囲気好き
周りが描写されない間に時間停止してないから
天乃の外の話も知りたくなる
仲直りできると良いが…


140 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/26(水) 22:32:29.18y/uK8qZBo (1/5)


では、少しだけ


141以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/26(水) 22:34:27.29zZ5S3qAlO (1/2)

よしきた


142 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/26(水) 22:43:50.54y/uK8qZBo (2/5)


天乃「…………」

沙織が謝るようなことじゃない

むしろ、謝罪は自分がすべきだと、天乃は思う

沙織に言われ、死神に言われ、九尾に言われ

若葉、夏凜、東郷、樹

かかわってきた人の殆どにそれは正すべきことだと叱られた。間違っていると泣かれた

そうでなくとも、自分の目的が彼女たちの望みとは相反するものであることなど

初めから分かっていて、けれども、強行していたのだから

沙織『でも、言ったことは撤回なんてしてあげない。キツイこと言っちゃったけど、でも、取り消さない』

沙織は罪悪感を残しながらも

はっきりと、告げる

それは自分の本心だから

自分の願いだから、自分の希望だから……そう言って

沙織『そう思ってない。なんて、嘘は付きたくないから』

最後まで自分の意思を貫き通す

天乃「……それを私にあえて言うってことは、考え直してくれるかもしれない。なんて、思っているの?」


143 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/26(水) 22:52:53.73y/uK8qZBo (3/5)


沙織の話がひと段落ついて

彼女の口からため込んだ息が漏れたのを聞いてから、そう切り出す

向こうの言葉を聞いた。だからこその、問い

多少は吹っ切れたのか

それとも、今はただ。こうして話せているだけで嬉しいのか

沙織は「どうだろうね」と、思ったよりは軽めの答えを返す

天乃「あなた自身の事なのに、えらく曖昧じゃない」

沙織『久遠さんのその思いが、あたし一人で簡単に変えられるだなんて自信はないんだよね』

天乃「あら、どうして?」

沙織『考えてみてよ。もしもあたしが久遠さんにとってのオンリーワンなら可能性は十二分にあるよ?』

けどさ、でもさ

そんなちょっぴり膨れているような

いつもらしさを感じる声で、沙織は言う

沙織『久遠さんにとってとびぬけた一つなんてないでしょ。人類みな平等的なものを地で行く朴念仁でしょ?』

天乃「電話越しだけど、面と向かって悪口言える貴女の性格。嫌いじゃないわ」


144 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/26(水) 23:19:28.33y/uK8qZBo (4/5)


沙織『久遠さん、押しに弱いくせに変に強い部分あるから』

天乃「それは否定しないけど……」

沙織『だから、大きなかぶ的な要素が必要だと思うわけです』

真面目な話をしているはずなのだが

沙織は普段と変わらず他愛もない話をするかのような声色で話を進める

その明るさには、電話を取ったばかりの暗さが嘘のように思わされそうで

天乃は気づかれないように、苦笑する

沙織『あたし、自分ひとりでは無理だとは思うけど。諦めてるわけじゃないよ』

天乃「それを私に言ってどうするのよ」

沙織『自覚してるストーカーの質の悪さを教えておこうかと思って』

天乃「言う時点で違うとは思うけれど、そうはならないで欲しいものだわ」

今はなんの話をしているのか

゙不明瞭になりそうな会話を続けようとする沙織に対し

天乃は呆れ気味なため息をついて、遮断する

いつもらしさが戻ってきているのは望ましいことだが

しかし、そんな話をしたくて電話をしたわけではないし、受けたわけでもない



1、樹からの命令が下ったの。一緒に生き抜いて欲しいって
2、風や友奈には聞いてないけれど、みんなから沙織みたいなことを言われたわ
3、私にだって、特別くらいいないわけでもないわよ
4、園子がこっちに合流することになったのだけど。何か聞いてないの?
5、貴女の鞄に入っていたノート。見せて貰ったわ


↓2


145以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/26(水) 23:22:18.76w4pqGtJb0 (1/1)

2


146以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/26(水) 23:22:32.99zZ5S3qAlO (2/2)

5


147 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/26(水) 23:34:35.06y/uK8qZBo (5/5)


天乃「ストーカー云々はともかく、言っておくことがあるの」

沙織『?』

天乃「実はこの前。貴女の鞄の中にあったノートを見せて貰ったの」

沙織『え、あ、あー……そっか……』

すぐには分からなかった沙織だが

ガサゴソと音がしたのちに、察したような声を間延びさせ

あはは。と、困ったような笑い声をあげて、ため息一つ

沙織『他人の鞄開けるのは感心しないかな』

天乃「その点については、申し訳なかったと思ってるわ」

けれど、と

天乃は弓を引くように空気を張らせるような声で

ゆっくりと、言葉を紡いでいく

天乃「あのノート。あの中身が本当なのなら、大赦はとても余計なことをしてくれたってことになるわ」

沙織『……うん』

天乃「どうして、風にあのことを伝えちゃったの?」


148 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 00:08:51.87UFOaMwEHo (1/9)


沙織が伝えたわけではないことは承知の上で

けれども、沙織の背後、大赦を責めるように言い放つ

沙織は黙って言葉を聞き

一拍置いてから「久遠さん」と、声を絞り出した

沙織『大赦は、久遠さんの抑止力となれる人がどうしても必要だったんだ』

天乃「だからって、言っていいことと悪いことがある。確かに、二人を殺したことは事実だけれど。でも……」

沙織『うん。それに関してはあたしも後から聞いて、そんなの絶対許さないはずだよって、言ったんだけど』

後から聞いて言ったところで後の祭りだ

それどころか、沙織は【彼女を放し飼いにするような真似は出来ない】と、言われたらしい

沙織『久遠さんに言うべきだとは思った。でも、勝手に伝えるなって言われちゃって』

大赦と天乃

天秤にかけるわけでもなく、天乃に傾きがちな沙織だが

それでもやはり、自分の家族が大赦側にいる以上

そういった命令に関しては、中々に逆らい難いのだ

沙織『そのせいで、犬吠埼さんは久遠さんとの距離を確実に開けちゃってたんだよね』

天乃「だからずっと、久遠って呼び捨てで」

沙織『うん。でも、久遠さんと付き合っていく中で、その優しさを知って。大赦の言葉の真偽が不確かになって』

だから、本気で心配したあの時だけは天乃。と、名前で呼んでしまった

馬鹿な質問をして、端末を没収されるようなことになってしまった

沙織『自分で自分の首を絞めるなんて、蜷局を巻いた蛇、大蛇みたいだね』

天乃「……大赦だけにって繋げない中途半端なうえに、今はそういう場合じゃないの。分かって?」

怒ったつもりはないのだが

電話な成果、沙織は少しばかり萎縮して、「ごめんね」と、呟いた


149 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 00:11:51.87UFOaMwEHo (2/9)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から





沙織「実は、あたし以上のストーカーがいるんだけど」

天乃「えっ? そんなまさか……ねぇ?」

ベッド「そうだ。そんなことはあり得ない」

天乃「ほら、彼だってこうい――えっ?」


150以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 00:18:36.9291SnpqMKO (1/1)


樹ちゃんがいるとはいえやはり風先輩とは直接話し合いした方がいいのかも知れないな…

そういえば今作はあの変態の出番がやたら遅いな


151以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 12:39:37.24y6SINT8kO (1/1)

姉の方はちょっとだけ出てきたけどね


152 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 22:24:20.03UFOaMwEHo (3/9)


では、すこしだけ


153以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 22:25:36.86UmteQqGrO (1/2)

あいよ


154以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 22:28:11.01+KzJo5/dO (1/1)

やったぜ


155 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 22:36:46.39UFOaMwEHo (4/9)


沙織『じゃぁ、真面目な話を続けるけど。もしかしたら明日、大赦の人がそっちに行くかもしれない』

天乃「明日? なにしに?」

沙織『久遠さんが無茶ばっかりするし、それを強行するしで未来が危ないからその対策で』

言い方は違えど

夕方に来た職員もそんなようなことを言っていた気がする。と、息をつくと

そう呆れないでよと、沙織は笑う

沙織『対策としては戦力の追加しか方法がないっていうのが大赦側の見解』

言っても聞いてはくれないだろう

お願いしたところで無意味だろう

だから、戦力の増強が唯一の方法

そう考えた大赦の行動は先刻、受けたばかりだ

天乃「要するに、園子を勇者チームに加える予定ですってことでしょ?」

沙織『ん……あれ。もしかしてもう行ったの?』

天乃「ええ、もう来ちゃったの」

沙織『変なことだけ素早いんだから……もう』


156 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 22:44:32.45UFOaMwEHo (5/9)


こればかりは沙織も呆れたように呟いて

聞こえないように配慮したつもりなのだろうが

沙織『……仕方がないなぁ』

というささやきが僅かに電話口から聞こえる

確かに、彼らの行動力は中々に見事だと天乃も思う

風の端末の接収だってきっと素早かっただろうし

今回、左目を失う結果の作戦だってとても素早い行動だった

……もっとも、それに関しては

ただ単に焦り過ぎていただけかもしれない

沙織『それで、久遠さんは受けたの?』

天乃「どちらにせよ、参加させるのは確定なのに、選択肢を迫るのはあくどいわよね」

沙織『じゃないと、負担が全部久遠さんに行くからね』

行くというよりも、全部持って行っちゃうって向こうは考えてるからね。と

沙織はやはり、困ったように言う

大赦に関して言っていたはずなのに

なぜか自分を悪く言われた気がして、天乃は溜まらず笑って

天乃「流石ね」

事実なのだから、否定のしようがなかった


157 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 22:58:36.02UFOaMwEHo (6/9)


沙織『大赦も一応は、久遠さんを気遣ってのことだったんだよ』

天乃「どうだか」

沙織『乃木さんのことまで背負わなくちゃ。なんて思う久遠さんには、信じられない話かな』

まだまだ楽し気な声で語る沙織のそれには

どことなく皮肉めいたものが混ぜられている気がして

天乃は一拍置いて、「沙織」と呼ぶ

天乃「貴女はやっぱり、私のパートナーだわ」

良く分かっている。本当に

口にしていないこと、抱いた覚悟

それをしっかりとわかっている彼女は

やはり、なくてはならない存在だと天乃は思う

ましてや、その彼女が巫女として大赦側にいるのなら尚更

沙織『えへへ、久遠さん下着の色まで把握してるからね。思考を読むくらいは簡単だよ』

天乃「白か黒だし……でも、それが分かってるのなら。止めて欲しかったわ」

沙織『乃木さんを一人ぼっちにはしたくないから。ボロボロで、なのに孤独。そんなの可哀そうだったから』

沙織が声のトーンを落として言うと

微かにパンッパンッと、枕か布団を叩く音がした

沙織『それに、久遠さんなら。もう、私の気持ちは知ってるはずだよね?』


158 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 23:13:50.11UFOaMwEHo (7/9)


天乃にどうあって欲しいのか

どうしてほしいのか

本来の自分を取り崩してまで叫んでくれた先日のことを思い返して

天乃は「聞いたわ」と、答える

分かっていたのに、それでも強行しようとして

それで怒られて、鞄を投げつけられて

そこからさらにみんなに聞いて、怒られて、泣かれて

想えば、ほんの数日間だというのに

人間関係の推移としてはとても濃密だったようにも感じる

沙織『だから、私は止めなかった』

天乃「私がより背負うと知っているのに?」

沙織『久遠さんとみんなの絆を信じてるから。そこに託した』

天乃「…………」

沙織『みんなに聞いてみるといいと思う。ノートを見たなら、犬吠埼さんにも、ちゃんと。そのうえでもう一回
答えを出して欲しい』

沙織はそういうと

今日は疲れたからもう寝たい。お休みと、電話を切る

天乃「風にも、ね」

それが一番難しいと、沙織も分かっているはずなのだが

しかし確かに、いつまでも逃げるべきではないとも思う

もうすぐ六月だ。月が替わって15にもなる。変わるべきなのだ――きっと


159 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 23:21:49.02UFOaMwEHo (8/9)

1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(一緒に暮らす)
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流有(秘密、生きて欲しいと願うのか)
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流有(一つ、二年間、守っているもの)
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(ノート)
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・       稲狐:交流無()
・      神樹:交流無()



5月14日目 終了時点

  乃木園子との絆 43(少し高い)
  犬吠埼風との絆 38(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 34(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 38(少し高い)
  三好夏凜との絆 23(中々良い)
  乃木若葉との絆 32(中々良い)
     沙織との絆 46(少し高い)
     九尾との絆 40(中々良い)
      死神との絆 38(中々良い)
      稲狐との絆 30(中々良い)
      神樹との絆 8(低い)

 汚染度???%

※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します


160 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/27(木) 23:27:17.30UFOaMwEHo (9/9)


では、ここまでとさせていただきます
土曜日、日曜日は最悪無し。日曜日はあっても通常時間(21時頃)が目安です



恋愛減、シリアス増


161以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 23:34:11.85UmteQqGrO (2/2)


シリアスは続いてこそいるけど段々と解決の道が見えてきた気がする
ヒロインレースはさおりんが一歩リードかな?


162以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/27(木) 23:37:39.41xq0c5PpcO (1/1)

沙織が言ってたように誰か特別って人が支えてあげた方がいいんだけどねメンタル的に
それこそ沙織さんがひと肌脱いでもいいのよ?


163以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 08:01:57.12q1dhyvofO (1/1)

さおりんってこう見えて165あって上から82-60と中3にしては中々の発育してるんだよなぁ…
久遠さんや勇者部のみんなと共にそそるねえ


164以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 09:14:03.64FbMsOSdoo (1/1)

さおりん165もあるのかいでけえな
なんとなく小柄なイメージだった


165以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 12:55:05.40DjuTfrBPO (1/1)

さおりんは大きいよ
まぁ久遠さんが小さいだけなんだけどな


166以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 15:02:09.51OqI6WTS4O (1/1)

だが身体の一部分は二人とも大きいのであった


167以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 21:13:08.18LP0ayvJaO (1/1)

中三で165って大きいのかな
久遠さん抜きにしても


168以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 21:40:40.55AmKL47rUO (1/1)

大きいな
さおりんの年齢平均身長は156~157
だから+9~8cm
ただ風も163cmと大きめ


169 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 22:21:19.51d+DAe5xbo (1/7)


では、少しだけ


170以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 22:22:40.930wbXm7u/O (1/2)

あいあいさ


171 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 22:43:12.93d+DAe5xbo (2/7)


√ 6月1日目 朝(自宅) ※月曜日


「おはようございます、久遠様」

天乃「おはよう、園子は?」

「お昼ごろには、こちらに移送完了の予定です」

先月の約束通り、園子は天乃の家に来ることになる予定で

その設備等を先に運び込んでから園子を移送してくるらしい

精霊や神樹様の加護によって

ほんのひと時なら、体を守ることはできるが

残念ながら、守っているのは体ではなく命

入れ物ではなく中身だ

「久遠様、園子様はどちらの部屋に?」

天乃「あぁ……」

車椅子での移動や、九尾などの一般人に見える精霊の対策として

一軒家を宛がわれている天乃の家は、広い

だから、一つを大赦からの医療班

一つを園子に割り振っても部屋の余裕はあるが……


1、園子は天乃と別室
2、園子と天乃は同室


↓2


172以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 22:43:59.80zMMtqJvh0 (1/1)

2


173以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/28(金) 22:45:11.140wbXm7u/O (2/2)

2


174 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 22:58:17.09d+DAe5xbo (3/7)


天乃「この部屋で良いわ」

天乃はそういうと、自分の部屋の無駄な広さを現すように手を広げて笑う

両足の動かない天乃の車いすの為に広い部屋にあるのは

洋服箪笥や、テレビ、ベッド程度で

余計な娯楽品やインテリアはほぼ皆無

だからもう一人平気、と、困った様子の職員に告げる

「畏まりました、そのように手配します」

天乃「ええ、よろしく。それと、医療班には余計なことしないようにと念押ししておいて頂戴」

今話している女性職員の背後、壁際に佇む少年は

腕を組み、明らかに不服そうな表情を浮かべている

部屋に招くという時点でこれだ

余計なことをしようものなら、本当にただでは済まない

「勿論です。念のため、医療スタッフは女性のみですし。間違いも起こることはないかと」

天乃「ならいいわ。出来るだけ早く済ませて頂戴」

「はい。では、失礼いたします」


175 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 23:07:14.08d+DAe5xbo (4/7)


女性職員が去っていくのを見送り、悪五郎は深々とため息をつくと

組んでいた腕を解き、天乃の傍へと近づく

悪五郎「本当に家に入れるつもりか?」

天乃「今更の話だわ。園子を家に入れる条件がそれなんだもの。受けるほかない」

悪五郎「だが――」

天乃「私はもう、園子を一人にはしたくない」

悪五郎へと目を向けることなく

独り言ちるように呟いて、自分の両手を遊ばせる

寂しい思いをさせた

心細い思いをさせた

ほんわかとしていて、弱く見えるが強い心を

だからと、弱らせるようなことをしてしまった

――それもあるけれど

天乃「やっぱり」

悪五郎「なんだ?」

天乃「私が寂しいだけかもしれない」

悪五郎「お前の周りに人はいるだろうに」

天乃「そうだけど……」




176 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 23:25:45.65d+DAe5xbo (5/7)


だけど、そうじゃない

天乃は言いかけたその言葉を飲み込み

何でもないわ。と、首を振る

不完全燃焼な気分の悪五郎は、はっきりすべきだと文句を言ったが

しかし、何でもないからと繰り返し笑う天乃を見つめて

嘆息一つで姿を消す

天乃「……ほんとうに」

先月末、天乃は沙織の激高を皮切りに

九尾達精霊を含め、勇者部の一部とも自分の在り方について話をして

その全員に、怒られ、泣かれ、却下され、拒否された

だからとすぐさま考え直したわけではない

以前からどこかで考えてはいたのだ。死にたくないなんて我儘ではなく

生きていたいという欲望でもなく

ただ、そう

行ってきますと言えば、行ってらっしゃい。と

ただいまと言えば、お帰りと言ってくれるような相手がいてもいいのではないか。と。


177 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 23:48:11.23d+DAe5xbo (6/7)


天乃「求めすぎてる。かしら」

悪五郎が言ったように

周りにはたくさんの人がいる

けれども、特別な意味で天乃は一人ぼっちだった

気づけば、隣には誰もいない

前にはもちろん、後ろを振り返ってみても誰もいない

そして、いつしか背負っているものだけが大きく重くなっている

誰かが科したものではない。自分自身で科したもののせいで

天乃「……少しくらい」

立ち止まったって良いはずだ

休んでしまったって良いはずだ

ウサギと亀のように、延々とサボったりはしないから

少しだけ、ほんの少しだけでいいから

今の【非日常】を【日常】として感じていたいと天乃は思う

そうして欲しい、そうあって欲しいという沙織達の願いに応えるためにも

それくらいはと……

けれど、願えば願うほど銀を死なせたこと、風と樹の両親を死なせてしまったこと

その負い目を感じ、天乃は自分の体を抱く

今はまだ、誰もいない。何もいない

抱いてくれるその腕は――自分自身の腕だけだった


178 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/28(金) 23:51:01.88d+DAe5xbo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日、明後日はお休みをおいただく可能性があります
出来れば通常時間から




「女性職員だから平気――」

九尾「そんなわけがない」

「え?」

九尾「主様の手にかかれば、生娘から子の親まで容赦なく奪い去るぞ」

「なん……ですって?」


179以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 00:01:12.85bvpV3WeJO (1/1)


そろそろ本格的に男女問わずの恋人探しでもした方がいいかもしれんな
原作、オリキャラ共に魅力的で誰にするか悩みどころではあるが…





180以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 08:14:43.458dt+23xQO (1/1)

千景のようで千景じゃない感じだ
千景は愛されたくても愛されず
天乃は愛されてるが愛されるべきじゃないと思ってる

包み込んであげるべきなんだ…良いんだよって


181以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 17:53:29.57wY25hGLiO (1/1)

あとは家族にも早く会わせてやりたいなあ
兄さんや姉さんに抱きしめられた時の温もりも今の久遠さんには必要だと思う


182以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 21:52:40.49uVgUW6S3o (1/3)

園子が相手ならいつも受けな天乃が攻めに回るところを見られるぞ!


183 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 22:19:23.19f1O/1v7xo (1/7)


では、少しだけ


184 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 22:25:10.14f1O/1v7xo (2/7)


√ 6月1日目 朝() ※月曜日


1、学校に行く
2、学校に行かない


↓2


185以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 22:33:07.52uVgUW6S3o (2/3)

1


186以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 22:38:56.40KyJApI9CO (1/1)

1


187 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 22:52:44.99f1O/1v7xo (3/7)


√ 6月1日目 朝(学校) ※月曜日


家の中では、大赦の職員が医療用精密機器の設置などを行うなど

やや日常離れしたことが行われてはいるが、学校に来てみれば、一転して天乃の周りは穏やかだ

と言っても、いまだに勇者部は休部中で

風とも少し、距離が出来てしまっているのだが……

沙織「おはよう、久遠さん」

天乃「おはよう」

天乃が教室へと入ると、誰よりも早く沙織が声をかけてきて

他のクラスメイトも天乃を見て、「おはよう」と、声をかけてくる

退院した当日、学校で会った二人のクラスメイト以降

天乃の左目が眼帯に覆われていること

それを誰かが気にすることも、聞いてくることもなく

沙織曰く、それはクラスメイトからのお願いが全員に行き渡っているからだとか

天乃が願ったわけではない

けれど、あまりつつかないで欲しいと思っていたことをすでに根回ししておいてくれるその優しさには

素直に、有難いと思った


188 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 23:17:02.48f1O/1v7xo (4/7)


「今日も出席確認、だね」

天乃「余程のことがない限りは基本的に登校するわよ」

「大赦のお役目ってやつ?」

天乃「あまり罰当たりな言い方しないの」

軽んじているような物言いに

大赦なんてどうでもいいと同調しながら

しかしその思いを口にしないよう笑いながら、注意する

左目の件を口封じしてくれ多一人、セミロングの女子生徒は

はーい。と、冗談ぽく呟くその横からひょっこりと顔をのぞかせた女子生徒は

フィッシュボーンに纏めた赤茶の髪を揺らして、天乃の席に腕を敷く

「今日は? 今日こそお出かけしない?」

自称帰宅部で、成績は中の上だが

良く課題を忘れて怒られている覚えのある女子生徒だからか

沙織は「まずは課題をやって机の中に入れておいた方が良いよ」とアドバイスすると

分かってるけど、と困り顔で返した女子生徒は

課題か久遠さんのどっちとるかって言ったら久遠さんでしょ。と、笑う


189 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 23:27:23.35f1O/1v7xo (5/7)


課題を忘れると怒られるし、最悪の場合補修にもなり得るのだが

しかしながらクラスメイトにとっては、部活動のない天乃というのはとても貴重で

期間限定、数量限定……等々

プレミアに弱い女子には課題より優先して遊びに誘いたくもなってしまうらしい

「いっそ、クラス全員で遊びに行くとかどうかな」

天乃「全員って、それはさすがに多いわ。みんなの都合だって考えなきゃ」

沙織「そうだよ。それに、いつお呼びがかかるか分かったものじゃないし……」

大赦職員の呼び出しというだけなら

沙織経由、瞳経由

あるいは、自分自ら後で話を聞くから。と

先伸ばしにもできるのだろうが、バーテックスはそうはいかない

だから、一般人の体感ではほんの一瞬で姿を消すことになる樹海化が起こる可能性がある以上

中々、誘いを受けにくかった

「そっか」

「部活のあるクラスメイトはともかく、帰るだけなら全然、参加できるんだけどね」

もちろん、用事がある人もいるにはいるけど。と続けたセミロングの女子生徒は

自分の机から取り出した紙を見つめ、「受験勉強したい人もいるか」と、付け加える

何はともあれ、少し考える時間が欲しい……


190 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 23:36:41.52f1O/1v7xo (6/7)


√ 6月1日目 朝(自宅) ※月曜日


1、クラスメイト
2、沙織
3、風
4、二年生クラス
5、1年生クラス
6、イベント判定

↓2


191以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:38:26.46tMRDqRXoO (1/1)

2


192以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:38:36.320ndxvcpS0 (1/1)

3


193以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:40:51.09p2zUGOSyO (1/2)

あれ?自宅?


194以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:41:52.37uVgUW6S3o (3/3)

風が家に来るんじゃねえの?


195 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/29(土) 23:46:15.38f1O/1v7xo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日は休みの可能性。できれば、21時頃から



>>190の自宅はミス、正しくは学校
学校での朝交流安価です。失礼しました


196以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:52:16.50p2zUGOSyO (2/2)


なるほど、学校でしたか

風先輩との話し合い上手くいくといいなあ…


197以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/29(土) 23:57:38.67imHULPiu0 (1/1)


風先輩か...なんか胃が痛くなってきた


198以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 01:24:20.65pYpG/+Dno (1/1)

まあいずれ話し合わなきゃなんないし


199以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 06:27:02.84O40DnhR9O (1/1)

問題は急ぎすぎてないかって事なんだがな
勇者部の休部だって周りが休みはゆっくりって言ってるのに遊びに誘ったのが起因だった
性急過ぎると良いこと無い
風について周りから聞くべきだったと思う


200 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 20:32:56.10FB3GCBlNo (1/8)


では、初めて行きます


201以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 20:47:26.43OronHqrYO (1/3)

きてたー


202 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 20:58:12.09FB3GCBlNo (2/8)


クラスメイトにはすこしごめんね。と告げて

席の離れた風の元へと近づいていく

体が不自由ではなく、車椅子で無ければ

後ろから近付いて驚かしたりするのだが

キュルキュルという隠密性皆無の音を響かせる天乃の接近に

風は容易く気づいて、振り向く

風「どうかした?」

天乃「おはよう、風」

風「……おはよう」

とりあえずは挨拶

そう笑った天乃を凝視し、怪訝そうな表情へとシフトさせた風は

挨拶を返すや否や、ついさっきまでのように

机に肘をつき、手のひらにほほを乗せて、窓側へと目を向ける

そこには一応、天乃と風が映ってはいるが

しかし、やはり見てはいない


203 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 21:09:00.01FB3GCBlNo (3/8)


先月末、学校に登校するようになってから

風はずっとこんな調子なのだ

話しかければ応答してくれるし、周りの人と話しているときなどは今までと変わらないし

なにか風自身が変わってしまったわけではないと思うが

けれど、天乃に対する態度だけは、冷え切っている

いや、冷たいというよりも

コミュニケーションが苦手な人が陥りがちな短い会話

そうなってしまっている

その原因としては、そっぽを向いたような風に見える、【話したくない】雰囲気だろう

天乃「ねぇ、風……どうしてこっちを見てくれないの?」

風「……見たくないから」

天乃「…………」

風「ごめん」

何も言い返さなくても、風はそれを口にする


204 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 21:27:22.23FB3GCBlNo (4/8)


先月、樹は風と話をしてくれた

自分は天乃を信じたい

自分は天乃を裏切れない

自分は天乃を憎まないし、恨めない

そう言った上で、【私にとって、久遠先輩も大切な家族なんだよ】と言った

それに対する風の反応は

驚いたようで、困ったようで

呆然として開いた口をゆっくりと閉じて

ただ一言【ごめん】という言葉だけ

それからだ。風がはたから見てそっけない態度をとるようになったのは

クラスメイト曰く、嫉妬してるんじゃないかとのことだが

恐らく、それはない

しかし何かがあるのだ

だから、こんなにも――快晴なはずの外を阻む窓は曇っている


1、部室に行きましょう
2、授業なんて良い。部室ではなしましょう
3、……お願い、私を見て
4、樹に話したこと。悪かったと思ってるわ。でも、あの子にも話すべきだったはずよ
5、風は、貴女は私にどうして欲しいの?

↓2


205以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 21:30:04.29OronHqrYO (2/3)

2


206以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 21:31:06.97nuQ0X2bzO (1/1)

3


207以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 21:31:22.58U8N0M+RT0 (1/1)

2


208 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 21:50:42.82FB3GCBlNo (5/8)


自分のことを気に欠けてくれない人など、大勢いる

利用するだけしようとしている人だって、普通にいるし、接触だってした

嫌われること、恨まれること、憎まれること

そういうことには慣れているはずなのに

なのに、なぜか

天乃「……お願い。私を見て」

その声は切実だった

木枯らしに巻かれたように心が寂しく

体の内側からシンっと静まり返る

天乃「風」

求めて、名を呼ぶ

けれど窓ガラスに映る天乃ではない双瞼はゆっくりと閉じる

そして風は「ごめん」と言って、席を立つ

天乃「あ……」

風「っ」

天乃「…………」


209 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 21:59:35.20FB3GCBlNo (6/8)


席を立って、差居ろうとした風の手に思わず触れてしまった天乃は

離そうとして、しかし、意思とは無関係にその手を握り

けれど、風は俯きがちなまま天乃の手に手を重ねて

優しく引きはがす

天乃「……ごめん」

手放された手が膝に戻ると

天乃はそうつぶやいて、風は何も言わずに教室を出ていく

どうしたら良いのか

どうすべきなのか、いまだに迷っているのだろうか

それとも

天乃のように【そうできない】何か理由があるのか

風の席の傍、動かない車椅子を

クラスメイトは心配そうに見つめ、頭を振る

二人の問題、手を出すことのできない問題

だから、見ているしかないのだろうかと

少年少女は――悩む


210 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 22:30:23.11FB3GCBlNo (7/8)


「くーちゃん、授業が始まっちゃうから」

天乃「ええ、そうね」

風の席の傍

動かない車椅子を見ていられずに声をかけたクラスメイトは

言ったそばから動かすね? と、車椅子を動かす

風がなぜ素っ気ないのか

夫婦喧嘩でもしたのかと茶化しそうな子も

この時ばかりは口を謹んで、けれどもごくりと息を飲む

「どっちも辛そうな顔してた……どっちの得にもならない事は早く何とかした方が良いと思う」

天乃「…………」

「手伝えることあったら、言ってね? あたしじゃなく、さおりんとかでも良いから」

天乃を席に運んだクラスメイトは天乃の肩を軽くたたいて自分の席に駆ける

みんなを心配させてしまっている

その負い目を感じ、天乃はふっと息を吐いて授業の準備を進めて

けれど、視線は空席となったところに向かう

天乃「……弱いのね、私は」

ぼそりと呟いたそれは誰の耳にも届かず消えていく


211 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/30(日) 22:36:34.91FB3GCBlNo (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「……お願い。私を見て」

風「……ごめん」

風(見たら好きになる。抱きたくなる。撫でたくなる)

風(きっと、それだけじゃ終わらない……だから)

風「ごめん」


212以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 22:45:17.19OronHqrYO (3/3)


風先輩も思った以上に病んでたな…
久遠さんの眼帯にも特にノーリアクションだったし

今度は友奈ちゃんたちにも相談してみるか


213以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/30(日) 23:45:39.886zxH/HHLO (1/1)

風が怪訝そうな顔ってあるからなにか思うところがあるんだろうが
天乃以外の内面描写をカットしてるからかまるで読めんぞ


214 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/31(月) 23:00:28.57NOadLELGo (1/4)


遅くなりましたが、少しだけ


215以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/31(月) 23:01:49.99RjgzeHW6O (1/2)

がってん


216 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/31(月) 23:11:22.68NOadLELGo (2/4)

√ 6月1日目 昼(学校) ※月曜日

1、風
2、樹
3、友奈
4、東郷
5、沙織
6、夏凜
7、イベント判定
8、勇者部部室

↓2


217以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/31(月) 23:13:00.13RjgzeHW6O (2/2)

3


218以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/10/31(月) 23:14:30.88BvzpNg+uO (1/1)

6


219 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/31(月) 23:42:53.23NOadLELGo (3/4)


夏凜「予め言うけど、私は駆け込み寺じゃないわよ?」

会いに来た天乃が浮かない表情だったからか

部室に来た直後、夏凜は困ったように言うと

東郷の使っているパソコン、みんなの座る椅子

それらを見渡してから、天乃を見て

それで? と、切り込む

夏凜「わざわざ連絡寄こして、私単独なんて何の用事なの?」

天乃「迷惑そうな顔して聞かれても、答えにくいのだけど」

夏凜「そりゃ、可能なら巻き込まれたくないし」

あっけらかんという夏凜は

どこか心配そうな雰囲気を残しながら

けれども、面倒くさそうな表情で、お手上げだと言わんばかりに

両手を上げる

夏凜「あんたみたいな出来た……いや、ある意味出来た人間ならともかく。私は誰かを導くほど老けてないから」

天乃「ここぞとばかりに、悪口を言ってくれるじゃない」

夏凜「不平不満って、言って欲しいんだけど」


220 ◆QhFDI08WfRWv2016/10/31(月) 23:59:04.75NOadLELGo (4/4)


天乃のようににやりと笑うこともなく

心の底から気だるげな息を吐き、夏凜は天乃を見つめる

天乃「……………」

何かあるなら早く言え

何かしたいのなら早くしろ

面倒くさそうな言い方に反して求め、急かす夏凜に目を向ける

夏凜は眼を逸らさない

夏凜「何にもないなら、帰るけど。良い? 正直、友奈が心配すんのよ。また、友達が裏で頑張ってるのかもって」

天乃の左目が見えなくなっていることは

もうすでに勇者部全員に伝わっており、それを知った友奈の開口一番のセリフが

ごめんなさい。という、謝罪

手伝えなくて、気づけなくて、知らなくて、守られる事しか出来ていなくて

――ごめんなさい

その時の友奈の表情は、普段の明るい表情からは全く想像できないほどに辛そうだった

その表情を見るのが、夏凜は嫌らしい

もっとも、天乃としてもそれは見たくないものなのだが


1、風が顔を合わせてくれなくて……
2、園子が今月から勇者として合流するのは聞いてる?
3、風に関して、何か聞いてない?
4、夏凜は優しいのね……ほんと。私なんかよりも



↓2


221以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 00:02:05.826WclG1UqO (1/1)

4


222以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 00:04:09.26Jh9LxyUFO (1/1)

1


223 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 00:18:04.76smvIwf86o (1/14)


天乃「……私的なことで申し訳ないんだけど」

そうは思うが、沙織を除けば、

こんなことを話せるのは夏凜ぐらいのものだろう。と、天乃は思う

友奈や東郷、樹や沙織

みんなに比べて夏凜はまだ歩み寄りが不足している感じはあるが

けれど、だからこそ厳しいことを平気で言ってくれるし

もともとの性格からか、甘やかすようなことも言わない

それでいて、一応はしっかりと考えていてくれる

そんな見習うべき人格者である夏凜だからこそ、天乃は口を開く

天乃「実は、風が顔を合わせてくれないの」

そういった瞬間

部室に場にふさわしくないため息が流れ込んで

天乃は思わず、目を見開く

部室にいるのは二人。自分と夏凜

当然のことながら自分のため息ではなく、夏凜のもので

目を向けると、夏凜はあからさまに面倒くさそうな表情だった


224 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 00:28:39.27smvIwf86o (2/14)


天乃「なんなのよ……その顔」

こっちは真剣に悩んでるのに

そういった天乃に対する夏凜の返答は

それは悪いと思ってるんだけど。と

困り果てたモノで

手櫛で自分の髪を掻いた夏凜は、

逡巡ののちに、またため息をつく

夏凜「風はほんとに、なんも言ってないのね」

天乃「……風から何か聞いてるの?」

夏凜「聞いてるも何も、今日だって逃げたでしょ。犬先輩、あれ、私が飛び火してんのよ」

一語一語に八つ当たりのような感情をこめて

はっきりと述べた夏凜は、「ついにあんたもなのか」と、不満を漏らす

夏凜「大赦繋がりはあんたを除けば私だけだから、仕方がなくそうなるってわけ」

それもあるが

一番の理由としては、不安定な友奈や東郷には相談できないし

妹である樹には弱音を吐き辛いというのが主な理由だろう


225 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 00:49:37.00smvIwf86o (3/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日は早めの開始、19時頃を予定しています


風→夏凜の相談内容開示


226以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 00:55:04.69VIabT6EqO (1/1)


相変わらずの夏凛ちゃんの頼もしさよ
一方友奈ちゃんには悪いことしたなあ…


227以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 17:33:56.66liLArbf3O (1/1)

いつの間にやら夏凛が勇者部復活の要の一つになりつつあるな


228 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 19:22:58.58smvIwf86o (4/14)


では、少しずつ進めていきます


229以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 19:28:27.47jHF/REzWO (1/3)

あいよ


230 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 19:53:26.91smvIwf86o (5/14)


夏凜「……さて」

がたがたとパイプイスを鳴らした夏凜は

微量のゴミを払うように椅子を叩いて座り込むと

髪をかいて、息をつく

何から言うべきかと迷っているそんな姿を

天乃は見つめて、待つ

夏凜「最初に言っておきたいのは、風は別にあんたのことを嫌ってるわけじゃない」

天乃「けど――」

夏凜「けども何もない。本人がそう言ってんのよ」

反論を即座に握りつぶし、

まっすぐ向けてきた夏凜の瞳には

あからさまに煩わしさが含まれている

黙って聞いてろ

反論すんな、まずは聞け

そう言いたげな雰囲気に気圧されるような天乃ではないが

とりあえずはと、息を飲む

夏凜「ま、だから。嫌われてるんじゃないか。なんて不安そうにする必要はないわよ」


231 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 20:13:45.00smvIwf86o (6/14)


天乃「別に不安そうには、してないけど」

夏凜「思いっきりしてるんだけど」

誰が見ても一目瞭然

隠しきれな寂しさと不安を抱き、眼を逸らした天乃に対して

夏凜は困り果てながら

しかし、そのしぐさをどこか愛らしく、ほほえましく思いながら

息をつく

面倒ごとでだからではなく、気を張る気が失せたからだ

夏凜「あんたがその眼帯をしてる理由を風は知ってるでしょ?」

天乃「ええ、話したもの」

夏凜たちに話しておきながら

他のみんなには黙っているなんて言うわけにはいかず

眼帯を外し、どうなっているのかまで、見せた

その結果の一つが、友奈の多大な心配症だ

天乃「……まさか」

まさかとは思うが

この眼帯の理由、その原因それを知ったからなのかと目を見開くと

夏凜はそれを口にされずとも「大正解」と、呟く


232 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 20:28:14.38smvIwf86o (7/14)


夏凜「風とあんたの間にあること、私も聞いたわ」

風の両親の死

それに関して、天乃が根強く関わっているというどころか

その死の原因である事故の

さらにその事故の原因である樹海の侵食が天乃の満開によるものだということも

まだ実際に目にしたことはないのだが、

報告書の通りなら、それもあながち嘘ではないのだろう

しかし、だ

夏凜「残り一個の飲み物買った結果、買えなかった人がさらに遠出して事故に遭った」

天乃「……?」

夏凜「あんたが思ってるのも、大赦がなすりつけようとしてんのも。そのレベルの事だって自覚ある?」

少なくとも

話を聞いた夏凜は気の毒だとは思いつつも

天乃を憎んだり恨んだりするのや

それを天乃が背負わなければいけないという点に関しては、疑問しかなかったし

むしろ、そんなのふざけんな。とさえ思った

夏凜「憎むのも、恨むのも。それを背負わなきゃいけないのも……全部バーテックスに決まってんでしょうが」


233 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 20:53:03.68smvIwf86o (8/14)


確かに、満開を使わなければいけないほどに追い込まれた無力さというものは

無きにしも非ず。というところなのかもしれない

だが、そう簡単にどうこう出来るものではなかったはずだ

多勢に無勢の戦力差から、さらに一人減って追い込まれて

それでもなお守るためにと体を張ったのだ

むしろ、こう言っては失礼なのかもしれないが

たった二人の犠牲で済んだのは、不幸中の幸いだとさえいえるのではないだろうか

天乃「………………」

けれど、天乃はそう考えないのだ

自分が死ぬべきだった、自分のせいだ

そう思ってしまう

それは誰かに言われたわけでもなく

大親友で、同じく勇者として活動していた三ノ輪銀を失ってしまったからだ

天乃「違う。違うわ。夏凜……私がもっと強くあるべきだったの」

夏凜「っ」

天乃「あの子を失って守り抜く力を得ると誓ったのに……なのに」

なのに、得た力はどうだった。なんだった

得た力は守り抜くどころか、二つものとお問い命を奪い去り

あろうことか、姉妹の未来を潰し、心に傷をつけた

天乃「万が一にバーテックスが悪いのだとしても、それで私が悪くないことにはならない」

夏凜「……あんた」

天乃「……だって、大赦の人は言ったわ。樹海を傷つけた私を、お前もバーテックスと同じだって」


234 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 21:04:38.85smvIwf86o (9/14)


全員が言ったわけではない

むしろ、ごく一部の人間

それも、災害が起きたがゆえに錯乱した人の言葉

本来ならばそこまで強く気にすることもない言葉だ

なんならお前が守ればいいと、

バーテックスの眼前に心無い言葉を言った人々を突き出せば済むような話

けれど

三ノ輪銀を失って、守り抜くことを誓って

自分の体がどうなろうと構わず頑張りぬいた結果、二つの命を失ったことを知り

すでにボロボロだった天乃の心には、その言葉はとてつもない衝撃だった

夏凜「ふ、ふざけ……そんなのッ!」

机をたたき、椅子を蹴とばして立ち上がった夏凜の眼前

車椅子に座りっぱなしの天乃は顔を上げることなく、首を振る

否定しようとしてくれることは

とてもうれしいことだとは思う。思うが

天乃「私の力が樹海を傷つけるのは事実……だから、別に間違ってなんていないの」

夏凜「だけど、それは。その力を、あんたは……っ、このッ!」

言葉がまとまらず

イラついた夏凜は自分の拳をもう一度机にたたきつけ、痛みをもって思考を留める

夏凜「あんたの力は傷つけるかもしれない。でも、あんたのそれは守るためにあるものじゃないの!?」


235 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 21:35:56.51smvIwf86o (10/14)


天乃に怒っているわけではないが

どうしても強くなる声を抑えるように奥歯を噛み締め

夏凜は倒れていた椅子を立て、座る

大赦の一部が天乃を嫌っていることは知っていたが

あろうことか、バーテックス呼ばわりしていることなど

夏凜は知らなかったのだ

だから、苛立つ

いや、なぜ、苛立っているのか

混乱しかける頭を振り、夏凜は息を吐いて

けれども落ち着かない心を宥めるために天井を見る

前は見たくない

俯き沈んだ友人の姿など、痛ましくて見ていられない

夏凜「……私は」

天乃「…………」

夏凜「私はそんなこと、認めてなんてやらない」

天を仰ぎ、目を合わせずに夏凜は続ける

その瞳が開いているのか閉じているのか、目を向けても天乃には見えない

夏凜「誰よりも人のこと考えて、考えすぎて人を悩ませて心配させる」

そんな本末転倒な大馬鹿者が

揶揄うことを楽しんで、けれども偽りの笑みを携えている

本当の幸せになり切れない不憫な人が

夏凜「……そんなあんたが、バーテックスと同じだとか。全部悪いだとか。そんなの、私は認めてやらない」


236 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 22:02:12.02smvIwf86o (11/14)


夏凜はそういうと、おもむろに立ち上がって

何も言わない天乃の肩を軽く叩く

友奈なら、風なら、樹なら、東郷なら、沙織なら

きっと抱きしめたりするんだろうと、

雰囲気とは裏腹に、甘さを感じるようなことを考えて

ちらっと時計を見る

昼休みも残すところ数分で、もうすぐ予鈴がなりそうな時間だ

夏凜「五限目始まるから、戻るわよ」

天乃「……そう、みたいね」

夏凜の視線の先にある時計を確認し、天乃はか細く答える

風が自分を嫌っていないということは一応、分かったが

その分、嫌なことを思い出してしまったし

夏凜にもまた、否定され始めてしまったからだ



1、……さぼりましょう?
2、私は良いわ。残る
3、どうして、否定するのよ
4、夏凜は優しくない。意地悪だわ
5、風について、まだ途中までしか聞いてないわ
6、そうね、戻りましょ


↓2


237以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 22:05:29.353A9YrQ1U0 (1/1)

5


238以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 22:05:42.86jHF/REzWO (2/3)

3


239以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 22:06:07.24+pM9/U2to (1/1)




240 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 22:31:00.64smvIwf86o (12/14)


天乃「……ねぇ、どうしてそんなに否定するのよ」

夏凜「ん?」

天乃「私が人のために投げ出すことや、風の両親の件が私の責任であることとか」

事あるごとに、夏凜はそれは違う。それは認めない

そんな風に否定して、拒絶する

どうしてそんなにも意地悪なのか

疑問の目で夏凜を見上げると、夏凜は顔を顰める

夏凜「そんなの、私が違うと思ってるからに決まってるでしょ」

予鈴が鳴って

どこからか駆け出す音がする

どこかの教室で、がたがたと机を動かす音がする

どこかで、誰かが授業が嫌だという声がする

けれど、夏凜は動かない

天乃もまた動かないまま、見つめ合って

夏凜「私の中のあんたは、色々とウザったいところもあるけ――」

天乃「……………」

嫌がらせをするように、予鈴の折り返しが一際大きく響く

夏凜の表情は気恥ずかしそうで、声はかき消されるように乏しくて

けれども

夏凜「でも、私の中のあんたは良い奴で、優しい奴で。なにより、友達に全部背負わせるとか、したくないからよ」

片耳だけの衰えたからこそ鋭敏な聴覚は

しっかりと、聞き取ってくれていた


241以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 22:35:16.460w71ZYPEO (1/2)

夏凛もいいやつ


242 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 22:58:07.19smvIwf86o (13/14)


予鈴が鳴り終わると

夏凜は変な笑みを浮かべて、「あんたのせいで遅刻だわ」と悪態をつく

夏凜は聞こえなかったと思っているのか

それとも、聞こえたことに気づいているけど、何も言わないのか

今さっきの話を無かったことにするかのように、

天乃を部室から出し、鍵をかけて入るの気まずい。とぼやく

ならいっそサボろうかと天乃はいうことも考えたが

言っても「はぁ?」と、何言ってるのかと言いたげな目を向けられるのを先読みして

ごめんね。と、苦笑する

夏凜「別に謝らなくても良いわよ」

天乃「でも、私を教室に運んでからだともっと遅くなるし」

いっそおいて行って平気だと言うと

1分も10分も遅刻は遅刻なんだから。と、夏凜は呆れたように溢す

夏凜「それに、教室に入るのが気まずいってだけで、授業自体は別にどうでもいいし」

天乃「それは学生としてどうかと思うけど」

夏凜「私の本分はあくまで勇者。学業なんて二の次よ……なにせ、生きるか死ぬかなんだから」

天乃「……………」

夏凜「それになにより、死にたがり先輩の背中さえ見えない」

天乃の車椅子を手慣れた様子で階段の昇降機に取り付けながら

夏凜は話を続ける

夏凜「何か背負ってなきゃって強迫観念あるなら。責任もって、後輩の勉強でも見て欲しいもんだわ」

天乃「そうね、時給次第で考えようかな」

夏凜「……はっ、そういうだろうと思ったわよ。性悪先輩」

天乃の苦笑しながらの返答に少し唖然とした夏凜だったが、

すぐに笑いを堪えながら答えると「動かすわよ」と、昇降機を動かす

死にたがり先輩なんて意地悪を言うから、天乃は意地悪と共に笑う

時給次第だなんて意地悪を言うから、性悪先輩と共に笑う

非日常に生きる二人にとって、ただの学生のようなその瞬間は、とても愛しいものだったからだ


243 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/01(火) 23:03:59.68smvIwf86o (14/14)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



あの時友奈を討ち、
打ちのめされたからこその距離感…死にやすい立ち位置


244以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 23:15:39.48jHF/REzWO (3/3)


夏凛ちゃんデレの破壊力が尋常じゃなく高いなあ
今度は久遠さんへの説得が上手くいったようでなによりだわ

反面、このあと夏凛ちゃんが犠牲にでもなったら久遠さん二度と立ち直れないかも…


245以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 23:21:55.890w71ZYPEO (2/2)


夏凛は1周目2周目ともにガチ惚れだったしそろそろ三度目の正直あってもいいと思う


246以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/01(火) 23:56:00.68E5BpJPS3O (1/1)

よきかなよきかな
咲き誇った百合の花も良いけど咲きかけも素晴らしい
この絶妙な距離感大事にしたい


247以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 21:45:58.12u5veBtFMO (1/1)

そろそろ花が開いてくる時期だな
スレ番的には


248 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 22:37:39.89wqZ0j7tTo (1/7)


では、少しだけ


249以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 22:40:54.48E6CoHo2vO (1/2)

ういーす


250 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 22:42:15.58wqZ0j7tTo (2/7)


√ 6月1日目 夕(学校) ※月曜日

1、風
2、東郷
3、友奈、樹、夏凜と共に訓練場
4、沙織
5、クラスメイト
6、イベント判定

↓2


251以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 22:43:19.06E6CoHo2vO (2/2)

3


252以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 22:44:23.10JNNUDilOO (1/1)

3


253 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 22:55:45.81wqZ0j7tTo (3/7)


勇者部が解散して以降

それぞれがばらばらに行動するようにはなっているものの

友奈、樹、夏凜に関しては

夏凜指導のもと、砂浜にて特訓を行っている

東郷も時折顔を出すそうだが、風に関しては完全に孤立しているようで

夏凜達曰く、まだ一度も見学にさえ来ていないそうだ

天乃「今日、東郷は?」

友奈「東郷さんは用事があるらしいです。HRの後、今日はいけないって言われました」

後ろから聞こえる声に振り向くと

なので、今日はここが私の定位置です。と

どことなく誇らしげな笑みが返ってくる

けれども、そこには微かな不安が見えた

――昼休み、遅れたのはまずかったかしらね

きっと、心配しているのだ

不安を抱いてしまったのだ

夏凜が言っていたように、【また頑張ってしまっている】のではないか。と


254 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 23:10:31.07wqZ0j7tTo (4/7)


よく見れば、車いすの持ち手を握る手には

力を入れすぎていることを示すように、

親指と人差し指の間に、しわが走っている

離したくない。離れたくない

そんな気持ちを表す、微かな違い

気づかなかったと目を瞑ることは容易だ

樹「今日は久遠先輩も参加するんですか?」

夏凜「天乃なんて、相手にするだけ無駄だと思うし、自己鍛錬でもしてて欲しいもんだけどね」

天乃「化け物相手を想定するなら、必要だと思うけど」

力量差は圧倒的で

だからこそ、ただの特訓ではみんなは天乃の足手纏いで

天乃はみんなの助けにはなりにくい

けれども、その力量差がある相手を想定しての戦いというのなら、話は別だ

夏凜「それは否定できないけどさ……」

隣を歩く夏凜は

困ったようにぼやき、人差し指で額を掻く

昼間、あんな話をした後での化け物という自称が

少しばかり引っ掛かったのだろう


255 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 23:34:33.98wqZ0j7tTo (5/7)


夏凜「勇者になれば左目見えるわけ?」

天乃「ん……あ、そういえば試してなかった」

左目には穢れが集まっており、そのために赤く

そのために何も見えなくなってしまった。というのを聞きはしたが

勇者になった際に、見えるようになるのかどうかは聞いた覚えがない

もっとも、純粋な勇者である園子でも

見えなくなった目は見えるようにはなっていないという話なのだから

これも恐らく、見えるようにはならないはずだ

天乃「けれど、恐らく無理でしょうね」

夏凜「そっ。じゃぁつまり現代の伊達政宗ってことね」

天乃「伊達政宗? なんで?」

夏凜「片目だし、髪色に似合わずあんた、黒衣の時があるじゃない。だからよ」

そう言われても

ソコマデ歴史を深く掘り下げていない天乃からしてみれば

だからどうしたのかと、疑問は浮かび

話についてこれないのだと悟った夏凜は「それは良いから」と

話を途絶えさせると、樹が「久遠先輩」と、切り込む

樹「どうしますか?」


256 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 23:47:56.75wqZ0j7tTo (6/7)


天乃「そうねぇ」

ここについてきたのは三人の様子を見たいからだ

いや、もしかしたら逃げたいと思ったのかもしれないが

とにもかくにも、訓練に参加する意思はそこまでなかったと言ってもいい

けれど

友奈「久遠先輩」

キィッと微かに軋みながら車いすが止まり

友奈の声が聞こえて、振り向く

赤髪を纏めたサイドテール

丸く赤いルビーの瞳

いつもと変わらないそれらを維持しながら

けれども、雰囲気だけはがらりと変えた友奈は、見返していて

天乃「……どうしたの?」

樹と夏凜も立ち止まり、何も言わない

車さえ、通らない

そして視界の端にある青信号が赤くなるのと同時に

友奈「私と、模擬戦してもらえませんか?」

友奈はそう、申し出てきた



1、受ける
2、三対一なら受ける
3、受けない


↓2


257以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 23:49:48.869bCxSL6zO (1/1)

1


258以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/02(水) 23:52:06.95FIMfTTNKO (1/1)

1


259 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/02(水) 23:54:49.52wqZ0j7tTo (7/7)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



友奈の分岐点


260以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 00:05:18.24fnTMIedvO (1/1)


友奈ちゃん…ここで焦って後々悲惨な目に合わないといいけど…


261以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 22:00:04.806oW6jwobO (1/1)

どういう分岐なのかまったく予想がつかない


262 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 22:17:01.08c9GigvPDo (1/6)


では、少しだけ進めていきます


263以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 22:18:27.38c0kDlr04O (1/3)

ハーイ


264 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 22:29:49.23c9GigvPDo (2/6)


天乃「ん」

まさか友奈が、戦いを挑んでくるとは思っていなかった

しかも、【私達】ではなく、【私と】だ

つまり、三人でかかるのではなく友奈一人で相手して欲しいということ

正直に言えば勝ち目はないだろう。だが、たった数日間とはいえ

夏凜がどんな特訓をし、友奈がどれほどまでに成長できたのか

天乃が知らない空白の期間がある

だから、天乃はくすっと笑うと

唯一見える右の目をゆっくりと閉じて、前を向く

天乃「良いわ。相手をしてあげる」

友奈「お願いします」

樹「友奈さん、私達はまだ……」

友奈「うん。でも、やらせて欲しい」

樹の不安交じりの声に、友奈は気を張った声で返す

不安がある。恐れがある

何より、緊張してしまっている

そんな状態では勝てる試合も勝てない

それが分かっているはずの夏凜は、天乃を一瞥すると、また歩き出す

まるで、友奈に対して勝手にしろと言うかのように


265 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 22:51:45.46c9GigvPDo (3/6)


天乃「模擬戦はいつもの訓練場?」

夏凜「そうなるわね。道場とかありがたいけど、あんたの場合。人に見られたら厄介だしね」

確かにそうかもしれない

天乃は歩けない為、

模擬戦を行うには、必然的に勇者にならなければいけない

そんな勇者姿を見られるわけにはいかないし

なにより、歩いている姿や戦っている姿なんて言うのは

学校の関係者にでも見られたら、大変な話どころではなくなるだろう

もっとも、

そのあたりは大赦が握りつぶしてくれる可能性もあるが……

それ以前に、悪五郎などが切り捨て御免。とでもいうかのように消しかねないから期待はできない

友奈「私の有利な条件でいいんですか?」

天乃「この程度なら、ハンデにさえならないわよ」

フィールドの優劣だけで勝敗が左右されるほど

ちっぽけな差ではないのだから

そう言いたげに振り向いた天乃と、友奈の目が合うと同時に

数歩先を歩く夏凜の足音がじゃりじゃりとなり出して、吹く風に塩の匂いが混ざり出す

夏凜「そろそろつくわよ。友奈、天乃を車椅子から突き落とすのは止めなさいよ?」

友奈「そ、そんなことしないよ!」

夏凜「ならいいけど。あんまり、敵だなんて意識するのは止めなさい。そんなこと、あんたには向かないんだから」


266 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 23:05:11.88c9GigvPDo (4/6)


友奈「そんなこと……」

夏凜「……違うってんなら。別にいいわ」

天乃の視界に映る夏凜は、ずっと後ろ姿だ

ならば当然、友奈にも見えているのはそのはずだが

しかし、天乃が振り向けば、友奈と目が合う

友奈が下を向いているからだ

友奈の目に映るのは夏凜の背中ではなく、天乃の瞳

これから模擬戦を行う相手

天乃「大丈夫?」

友奈「大丈夫です。ちょっと、考え事してただけですから」

天乃の不安を打ち消すように笑うと

友奈は早くしないと時間が~っと元気よく車椅子を押し出し、駆ける

しかし

その場にいた全員が、それはカラ元気であると。見抜いていた


267 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 23:31:52.26c9GigvPDo (5/6)


勇者状態での戦闘となります
全力で攻撃しても、【死ぬことはない】ので安心してください
ただし、死神勇者、混合勇者は精霊の守護である精霊バリアを問答無用で破壊するので
使用は出来ません

よって、今回は九尾勇者で参戦します


先攻と後攻を決めてください


1、友奈が先攻
2、天乃が後攻
3、コイントス(コンマ判定)


↓2


http://i.imgur.com/m0WrNUt.png








268以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 23:34:22.12c0kDlr04O (2/3)

3


269以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 23:35:20.63yo5w3I3N0 (1/1)

2


270 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/03(木) 23:44:06.83c9GigvPDo (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



明日で模擬戦が終われればと


271以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/03(木) 23:51:06.01c0kDlr04O (3/3)


模擬戦終わったらできれば友奈ちゃんから悩みを聞き出して夏凛ちゃんや樹ちゃんとも共有したいところ


272以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 07:22:11.902Ll7Grs/O (1/1)

ひとつ聞きたい
友奈先攻と天乃後攻という選択肢は全く同じではないだろうか?


273以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 11:12:38.68+WbLBEnBo (1/1)

死ぬことはないって強調されると逆に不安になる


274以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 14:45:25.44qEMxbcpEo (1/1)

精霊バリア無かったら友奈ちゃん死ぬだろうね
>>272
疲れてるんだろ


275 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 22:28:11.42k7W7yY8Ro (1/6)


始めていきますが
確かに、選択肢があってないようなものなので
もう一度だけ、安価を取ります



1、友奈が先攻
2、天乃が先攻
3、コイントス(判定)


↓1


276以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 22:48:18.122swL7fN3O (1/1)

友奈先攻で


277以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 22:53:57.00UgdB7U45O (1/3)

1


278 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 22:59:54.34k7W7yY8Ro (2/6)


天乃「友奈が先攻で良いわよ」

友奈「……いいんですか?」

天乃「ええ、貴女には悪いけれどそのくらいのハンデは必要だと思うし」

それは半分事実だが、半分は別の理由だ

正直、久しぶりに踏む砂場の感覚は

短期間とはいえ、特訓で踏み続けていた友奈と比べれば圧倒的に経験不足

挑発することで隠したが、

車椅子の足場とは違って、不安定に沈み込む砂場は違和感しかない

天乃「貴女も、それは分かってるでしょう?」

友奈「分かってます」

天乃と同じ桃色になった髪を揺らす友奈は

自身を包む勇者装束、天乃を包む勇者装束を見比べて、息をつく

落ち着け、落ち着け。そう言い聞かせるような吐息を、夏凜と樹が黙って見つめる

友奈「久遠先輩」

天乃「うん?」

友奈「手加減なしでお願いします」


279 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 23:18:25.26k7W7yY8Ro (3/6)


力量差は分かっている。そう認めてからの言葉に

天乃は思わず、言葉を詰まらせて首を振る

否定したわけじゃないが

しかし、いったんは思考を振り払う必要があったからだ

天乃「どうして?」

友奈「本気の久遠先輩じゃなきゃ、駄目なんです」

死神の力のない天乃

玉虫色の装束ではない天乃

その時点で、手抜きされていることを知っている

けれど、それは死なせない為の措置なのだから、必要不可欠なこと

だから、友奈はそれに関して言っているわけではない

天乃の優しさゆえに、手心を加えてしまいそうだから、あえて言ったのだ

天乃「…………」

でも、正直に言えば

本気で相手などすれば、相手になるならない以前の問題

天乃はちらっと夏凜を見たが、やはり。何も言ってはくれない


1、手加減 ※カウンター無し 能力×0.5
2、普通   ※カウンター有り 能力×0.7
3、本気   ※カウンター有り 能力×1.0


↓2


280以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 23:19:37.604FpiiVfXO (1/1)




281以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 23:22:48.87UgdB7U45O (2/3)

3


282 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 23:39:44.91k7W7yY8Ro (4/6)


天乃「分かったわ。本気で相手する……怪我しても、東郷にはちゃんと言い訳してよ?」

友奈「えへへ……考えてません」

笑いながらも、友奈の瞳には強さが宿る

怪我なんてしない

たとえ負けても、そんな弱った姿なんて見せたくない

そう言いたげなその表情を見せられては

流石の天乃も、戦いを前にして笑わずにはいられなかった

声を押し殺し、にやりと笑う

期待してるわね。と、煽るように

友奈「――行きます!」

両拳を握り締め、足を開きながらゆっくりと腰を下ろした友奈に対し

天乃は右半身を前に出し、友奈を見定める

左側は死角だが、問題はない。見えなくても気配は感じる

クイックイッっと右手を動かし、招く

天乃「遊んであげるわ。可愛い勇者様」

天乃の挑発

それに乗るかのように、友奈の足が砂を蹴とばす

じゃりっと砂場を踏み荒らし、友奈が駆ける

しかしそれは、天乃にとっては圧倒的に――遅い


283 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 23:41:53.38k7W7yY8Ro (5/6)


友奈の命中率、-18%
ただし、イベント中の為
ぞろ目なら命中

↓1コンマ  (00  22  30~40 はカウンター)




284以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 23:42:29.76UgdB7U45O (3/3)




285 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/04(金) 23:46:05.39k7W7yY8Ro (6/6)


天乃→友奈
命中率は214%ですが、イベント中なので ぞろ目回避


↓の1コンマ  (01~10  40~50   70~80  CRI)


286以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/04(金) 23:49:04.15ifPv/5tfo (1/1)

さて


287 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 00:00:31.38wtwDa4aKo (1/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



ダメージ処理、1085 勇者戦、半減 540ダメージ
友奈、残りHP10


288以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 00:04:52.92nPK0Q3N3O (1/1)


友奈ちゃん、気合いと根性で踏みとどまった感じに見えるな
とはいえちょっと本気はやり過ぎだったか…?


289以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 12:23:43.95ZUywY2qnO (1/1)

友奈の攻撃惜しいな
コンマよく見たらイチタリナイ


290以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 16:05:30.97cm3srVDto (1/1)

ここのコンマは演出家だからな
家族壊滅させたり久遠さんを追い詰めるために樹海化したり
夏凜ちゃんを立ち上がらせてバーテックス倒したり


291 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 22:43:55.94wtwDa4aKo (2/8)


では、少しだけ


292以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 22:45:46.34sv6S5KHsO (1/2)

よしきた


293 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:02:05.77wtwDa4aKo (3/8)


左目が見えない状態での初戦闘は

肌に触れるほんの些細な空気の流れさえ見逃さないほどに

過敏に神経を張り巡らせる

ゆっくりと息を吸い、脱力

いまだ右目に映る友奈の可哀そうにも思う遅さを見つめ、

ゆっくりと腰を下ろす

広がっていく両足に合わせ

ズリズリと抉れていく足場の感覚を足になじませていく

天乃「……友奈」

真っ直ぐだ。とても

左目の隙をつくルートを取ったって良い

いや、むしろ戦ううえでの情けを捨てるのなら

他人に求めた【本気】に徹するならば、その目に見えた弱点を突くのが普通だ

だが、友奈は一直線に突っ込んでくる

心のように、思いのように、その精神のように、その人格のように

ただただ、まっすぐに

もっとも、死角を突く可能性も考慮はしているし

そのカウンターに配慮した可能性も――いや、きっとない

天乃「貴女はどこまでも、まっすぐね」


294 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:13:30.96wtwDa4aKo (4/8)


友奈はそれ以外の選択を捨てている

それは、紅い眼を見れば解る

力強く見据えた瞳、強い想いを宿した光

きっと、それはとても強力な力

けれど、それだけでは駄目なのだ。それだけでは……

天乃「ん」

ザッザッザッっという足音がザッザッっと、近づくにつれ一つだけ、減っていた

駆ける友奈に変化はなく、ただ足音だけの違い

けれども、天乃にはそれがはっきりと聞こえてしまう

天乃「――ごめんね」

一歩一歩、踏みしめる力が強くなっているのだ

だから、わずかながら歩幅が広がって音が変わる

友奈の目つきが変わり、右こぶしが緩やかに引き下がっていく

――そして

距離が友奈の二歩分まで近づいた瞬間

天乃は右足の踵を浮かせ、つま先に力を込めて足を滑らせると

右足が浮き上がるのと同時に左足を前に出して砂地をけり出す


295 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:24:47.78wtwDa4aKo (5/8)


体は低く落ちたまま

一歩間違えれば転倒しかねない状態で

天乃と友奈の体が肉薄する

桃色の髪が舞う。砂が迸り、波がさざめく

けれども、友奈には一瞬だが、すべてが止まって見えた

友奈「ぁ」

天乃が下から見上げている

左手は甲を上にして待機させ、右腕を強く引き絞ったその体制は

撃ち合えば確実にカウンターを貰えないかねない下剋上

上から見下ろしているというのに優越感などみじんもない

友奈「っ!」

だが、友奈は奥歯を噛み締め、

引いていた右手を横ではなく斜め下、天乃の体に狙いを変える――が、振り下ろせばいいという指令が脳から腕に伝わる間に

天乃の左手は振り上がっていて、バチンッっと、右手に痛みが走った

天乃「――牛鬼、しっかりと守りなさい」

引き下がっていた天乃の右手が消え、気づいた時には牛鬼のバリアが自分を覆い

しかしながら、体が大きく打ち上げられていて

友奈は大きく見開いた瞳に、高く振り上げられた天乃の踵を見つめ手を動かす

だが、それさえも間に合わない速度で踵が振り下ろされ、ズドンッ! と、地響きにもにた音が轟く


296以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 23:27:01.07Bslhh6Azo (1/1)

容赦ねえッス


297 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:34:51.48wtwDa4aKo (6/8)


夏凜「…………」

見守る夏凜は、真横の心配そうに身を縮こませた樹を一瞥すると

また、二人へと目を向ける

あまりにもレベルが違いすぎるのだ

一直線な友奈に、あえて自分から突っ込むことで不意を突き

なおかつ、友奈の予定よりも姿勢を低くすることで次の一手を一瞬でも考えさせる

その刹那をついて拳を打ち弾き、自分の一撃を腹部に一つ

バリア共々浮いた友奈の右わき腹を狙った左フック

戻った右拳で斜め上から左側頭部、地面への接触寸前

振り上げた右踵落とし

ほんの数秒程度だ

たったそれだけの時間で、連撃を叩きこんだ

ごくりと息を飲んだ夏凜は、しかし、その目を背けることなく

佇む天乃、倒れこんだ友奈を交互に見る

立ち上がれないのなら、試合を止めなければいけないからだ


298 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:43:01.12wtwDa4aKo (7/8)


天乃「……けほっ、砂が」

土煙をパタパタと手で払い、天乃は友奈を見下ろす

牛鬼に守られたおかげで大した怪我はないが、衝撃はほぼほぼ伝わっただろう

守ったことを示すように丸く抉れた砂場を足で蹴る

天乃「ゲームオーバー、気は済んだ?」

友奈「っ……ぅ」

友奈は呻き声を漏らして、投げ出した左手を微かに動かす

友奈「ま、まだ……まだっ」

左半身を起こすだけで

全身に激しい痛みが駆け巡り、衝撃を受けた体の中身がじんわりと痛みを増す

体が震え、視界が揺らぐ

けれど、それでも友奈は死力を振り絞って体を起こし、顔を上げる

友奈「まだ、やれますっ!」

腕を持ち上げるのが辛い

体を支えるのが苦しい

でも、それでも自分はまだやれるのだと

瞳の力だけは何よりも強い


299 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/05(土) 23:48:02.85wtwDa4aKo (8/8)


夏凜「友奈、やれるの?」

友奈「うん……やれる。まだ、私は戦える」

夏凜の問いかけに友奈は答えたが

しかし、そこに余裕を感じさせる笑顔はない

満身創痍、それを体現しながら友奈はまだ戦おうというのだ

樹「もうやめてください! 友奈さんっ!」

友奈「……大丈夫。大丈夫だから」

樹「友奈さん……」

何が大丈夫だというのか

なぜ、大丈夫だと言えるのか

一瞬でボロボロになった友奈を見る樹の瞳には、思わず涙が溜まって

介入しようと足が動いた矢先、夏凜の左手が阻む

夏凜「続行の意思を示してるわ。あとは、相対してる天乃が許可するかどうか」



1、私が決めることなの?
2、続行
3、中止


↓2


300以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 23:50:50.852Lf3fGZ0O (1/1)




301以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/05(土) 23:51:08.57sv6S5KHsO (2/2)

3


302以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 00:17:40.16HedMiSXzo (1/2)

とめるのか…


303以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 00:18:56.016zPC7xVlO (1/1)

この流れならやり切っちゃった方が良いと思ったけど…さてどうなるか


304 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 00:19:18.411XuTNbZBo (1/30)


天乃「なら、悪いけれどこれ以上はやりたくないわ」

友奈「!」

天乃「甚振るような趣味、私にはないの」

目を見開いた友奈に告げて、天乃は首を横に振る

本気でと言われたから、相手をした

けれど、その結果はどうだ

こんなにも一方的で、話にさえならないなんてものじゃない

にも拘らず意思だけは立派で、まだ戦おうとしている

友奈「でも、私はまだ……まだ……」

天乃「貴女のそれは、私に殺せと言っているものだという自覚はある?」

友奈「そんなつもりは」

ないだろう。当たり前だ

そもそも、まだ戦えるという言葉が殺せと言っていることに繋がるなんて

友奈は全く考えられていない

けれど

天乃「言い換えれば、蟻が象に一緒に遊んでくれって言ってるようなもんなのよ。現状ではね」

天乃ははっきりと言う

戦う意思を示す、可愛い勇者様を前に

天乃「私の意思に関わらず、貴女の弱さが自分を守り切れないかもしれない。そのレベルの話なの」

友奈「っ…………」

呆然と立ち尽くす友奈は変身が解けるや否や、

膝から砂場に崩れ落ちて、しかし倒れずに座り込む

頑張ったのだ。本当に

少しでも、ほんのちょっとでも……その一心で

けれども、自分は何も進めてなんていなかった

全身全霊の一撃さえ、見せる間もなく終わりを告げられてしまった

その無念さが、その悲嘆が、友奈の手から端末と共に転げ落ちる

悔しくて、悲しくて、辛くて、耐えきれないものが募りに募って

しかし、友奈は涙を溢さない

否――溢せるほど、優しい痛みではなかった


305 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 00:30:56.151XuTNbZBo (2/30)


樹「久遠先輩……そんな、そんな言い方は」

事実だと分かっている

けれど、友奈がどれだけ頑張っていたのか

隣で見てきたから、だから、そんな言い方は酷いと思って

しかし自分自身も弱くて、友奈も弱くて

言い返せることが何もない樹は

ただ無念に拳を握り締めて、首を振る

夏凜「本気の天乃になんて、私でも勝ち目なさそうなもんだけど」

天乃「あら、そうかしら」

夏凜「ふざけんなっての」

さっきの戦いが【四連撃で止めた】だけ

あるいは【それ以上がある】と見込んでの、言葉

目で追うことは出来たが、体が追いつくことが出来るかと言えば

そんなことはきっとできやしない

友奈「…………」

立ち上がった友奈は、スカートの砂を払うこともなく、

一人で、とぼとぼと歩いていく

その後を、天乃は追えない。追わないで欲しいと、背中がそう泣いていたからだ


306 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 00:33:08.431XuTNbZBo (3/30)


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼頃から



分岐


307以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 00:37:31.30pQe9y38vO (1/1)


友奈ちゃん、一番辛い時期だろうな…
この現実としっかり向き合って成長に繋がることを祈るばかりだ


308以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 11:17:20.29wpDdKkACO (1/1)

これ夏凜と友奈で天乃の攻撃描写が違うのは
夏凜には見えた四連撃が友奈には最後しか見れなかったって事か…
本気を頼まれたとはいえ側頭部とか[ピーーー]気かよ


309 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 14:40:35.061XuTNbZBo (4/30)


では、初めて行きます


310 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 14:52:55.791XuTNbZBo (5/30)


樹「わ、私友奈さんと帰ります!」

夏凜「悪いけど、よろしく」

友奈が起きっぱなしにした鞄と自分の鞄をひっつかむと

樹は慌てて友奈の後を追う

その後ろ姿を見つめていた天乃は、大きく息をついて、

自分の右手を何度も握りなおして、首を振る

夏凜「……嫌だったんでしょ。あんた」

天乃「正直に言えば、遊ぶ程度にしたかった。本気で誰かに手を上げるなんて、嫌だった」

けれど、友奈は本気で相手して欲しい。と言った

だから天乃は友奈に期待したのだ。自分の力を使った上で

それでも、しっかりと組みあえる相手であるのだろうと

だが、結果は非情にも冷酷にも圧勝だった

手ごたえも何もない、あるのはただ、甚振るだけに終わった罪悪感だけ

天乃「私が強すぎたの? それとも、友奈が弱すぎたの?」

夏凜「あんたが強い。でも、友奈はまっすぐすぎたのよ」

自分に有利な足場を最大限に利用することも

相手の弱点を利用することもなく、ただただ、直線的な突進だった

夏凜はもの言いたげに首を振ると、自分の鞄と天乃の鞄を手に取って、海の方に目を向ける

夏凜「だから多分、あのまま続けてたらあんたは本気で怒ることになったかもね。もしくは、悲しむことになったかもしれない」


311 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 15:04:58.811XuTNbZBo (6/30)


天乃「どうして?」

夏凜「さぁね。でも、そんな気がしたわ」

夏凜の思わせぶりな言い方に

天乃は「焦らさないで」と言ったが、夏凜は半笑いのままごめん。と返す

夏凜「気がしただけだから。なんて言葉にしたらいいのか、分かんないのよ」

直感的なものだったのだ

たとえるならば、空を見ていつもより雲が多いから

雨が降るかもしれない。と、思うような、不確かなもの

だから夏凜は何も言えないし

言われた側の天乃は不服そうに「仕方がないわね」というと、変身を解く

天乃「友奈、大丈夫かしら」

夏凜「頑張ったうえでの惨敗だから、難しいんじゃない?」

天乃「師匠の癖に、弟子に厳しすぎない?」

夏凜「ここで腐るようならそこまでってこと。そんな奴がこのまま勇者になり続けたって……」

天乃「……そうね」

最後まで言わなかったが、しかし、天乃は透明の言葉を理解して

笑みもなく、夕暮れを眺めて言う

天乃「夏凜は」

夏凜「ん?」

天乃「……夏凜は腐ったりしないわよね。あの時、盾突いてきたみたいに」

夏凜「うっさい、それは忘れろ……いや、あれはほんと申し訳なかったって思ってるわよ。ほんとに」


312 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 15:23:13.491XuTNbZBo (7/30)


ばつが悪そうに言う夏凜を横目に、天乃は自分の手を握り合わせる

本当にそれが言いたかったのだろうか

そんな古傷をつついて遊ぶようなことがしたかったのか

違う、そうじゃない。でも、きっと

言えば夏凜は大丈夫だというから。彼女のような笑顔を見せるから

その言葉にとても、温かいものを感じてしまうだろうから

だから、【夏凜はいなくなったりしないでね】と

甘えるようなことを言うわけにはいかなかった

夏凜「それじゃ、私達も帰るわよ。瞳ももうすぐ到着するらしいから、向こうまで押すわ」

天乃「うん、ありがと。夏凜はやっぱり優しいわ」

夏凜「いちいち言わんでいい!」

ぺしっと頭を叩かれて、天乃はふふっと笑うと

今後ろで照れくさそうに顔を赤くしているであろう夏凜を思い

天乃は小さく息をついて、「照れちゃって可愛いわね」と、言う

夏凜「ふんっ、やっぱりあんたなんて嫌いだわ」

天乃「でも、私は貴女の事好きよ」

夏凜「なっ……ぅ」

天乃「さ、早く向こうに行きましょ」

そうはいったが、動き出すまでには少しだけ――時間がかかった


313 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 15:31:36.471XuTNbZBo (8/30)


√ 6月1日目 夜(自宅) ※月曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、悪五郎
5、稲荷
6、イベント判定
7、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
↓2

※7は電話


314以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 15:33:15.23/ZuWpe36O (1/1)

6


315以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 15:35:55.788dzk6yIPO (1/1)

6


316 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 15:49:14.961XuTNbZBo (9/30)


01~10  悪五郎
11~20  樹
21~30  東郷
31~40  九尾
41~50  園子
51~60 大赦
61~70 死神
71~80 夏凜
81~90 友奈
91~00 園子

↓1のコンマ  


317以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 15:49:49.56BB02ZiRYO (1/3)




318 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 16:18:06.151XuTNbZBo (10/30)


「夕刻は、何やら派手にやられたようで」

嫌味たらしく、不釣り合いな笑みを浮かべた大赦職員は

上半身を起こしているだけの天乃を見つめ、「失礼」と、咳払いする

だが、そんなものはただの言葉でしかない

「あまり、勇者を潰さないで頂きたいものです。久遠様。貴女の後釜が潰えては困る」

天乃「私が現役の間には戦いが終わらないって聞こえるんだけど?」

「では、逆に。久遠様はこの戦いが、この戦いの終局が見えておいでで?」

丁寧に見せかけただけの、挑発するような言葉遣い

品定めするような細い瞳

初老とまではいかないのかもしれないが

年季を感じさせる顔つきの男性職員は、天乃が何も言わないのを確認すると

困ったように、息をつく

「先の先を見ていただかなくては困ります。四国を守り切れば終わる話では無いのですよ、久遠様」

天乃「前回、私と園子を外に出させたのも、それの試験的な部分もあったりするとか言わないで頂戴ね」

「いえ、あれに関してはまさしく想定外でした。緊急時であったがために足手纏いのない最高戦力で出ていただいたのです」


319以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 16:19:47.30SHH0V1Abo (1/2)

足手纏い…まあなあ


320 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 16:35:28.621XuTNbZBo (11/30)


天乃「足手……纏い?」

「本日の件で、それはより痛感なされたのでは?」

男性職員は表情一つ変えることなく

天乃もそう感じているだろうと言いたげに、問いかける

侮蔑するような表情ではない

だが、友奈達を天乃達と比べれば力不足だと確信している物言いに

天乃は緩やかながら、冷徹な瞳を向ける

天乃「ご自分が何を言われているのか。お分かりですか?」

「……その言葉遣い。どうやら、私は逆鱗に触れてしまったようですね」

見つめられていても、男性職員は冷汗一つなく

落ち着いたまま答えて、苦笑する

分かっているのだ、久遠天乃という少女は

どれだけ怒っていても、【相手が一般人である以上、手を出してはこない】と

それが分かっているから、絶対的なものだから

彼は余裕を保ち、笑みを浮かべる

「ですが、久遠様も分からないとは言いますまい。適正値がイコール戦闘力ではないと」

天乃「………………」

「以前と比べれば、飛躍的に戦いやすさはありましょう。ですが、それでも彼女たちは一般人だ。ただの少女だ」

天乃「そうね……」

「久遠様の世代のような訓練も行っていない者達は、久遠様からしてみれば足手纏いに他ならないのではありませんか?」


321 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 16:57:06.731XuTNbZBo (12/30)


いや、きっとそれどころか

園子ですら、天乃にとっては足手纏いになりかねない

なぜなら、天乃は強いが

周りの人間を気遣わずにはいられないからだ

自分ひとりなら問題なく片付けられる敵であろうと

サポート役の誰かがいると

その誰かを庇って余計な力を使ったり、怪我をする

ゆえに、天乃にとっては足手纏いでしかないはずなのだ

「三好夏凜を用いて訓練を行っているようですが、どうやら変化は見られなかったようで」

天乃「結局、貴方は何が言いたいの? 何を言いたくてここに来たの?」

「静なる憤怒とは流石です。が、やはり、貴女もまだ子供だ」

天乃「良いから、要件を言いなさい」

友奈達を蔑む彼の言葉を聞きたくなくて

これ以上、虐げられるのが嫌で先を促すと

彼はやはり、笑みを浮かべたまま「失礼」と言う

「要件は一つ、大規模な襲来以外での戦闘には参加しないで頂きたい」

天乃「え?」

「今後を考えれば、久遠様に頼りきりになるわけにはいかないのです」



1、嫌よ
2、……考えてはあげるわ
3、断ったら?


↓2


322以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 16:58:29.44ak31Z0AoO (1/1)

3


323以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 16:58:56.00797+oY65o (1/1)




324 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 17:32:27.151XuTNbZBo (13/30)



天乃「考えてはあげるわ」

「そんな答えが許されると――」

他にも言いたいことがあって

けれど、それを堪えて答えた天乃に対して

異議ありと口を出しかけた男性職員の言葉が途絶え、目が見開く

悪五郎「不敬を見逃されてる分際でほざくな小僧」

言葉を止めたのは少年だった

口をふさぐのではなく

喉を鷲掴みにして、強制的に止めたのだ

言葉も、呼吸も

悪五郎「小僧、お前は俺に抵抗できるか? 出来んだろう」

「ぅ……ぁ、がっ」

悪五郎「だが、お前が足手纏いと言った小娘ならできる。それに、お前のような弱い瞳で敵を見てもいなかったぞ」

外見的には小学生高学年程度だが

その力は大人ですら勝ち目がない妖ゆえのもので

徐々に締め上げられて行っているのか、男性は言葉を発することさえなく、呻き

両手が悪五郎の腕をつかむ

悪五郎「女、こいつの首をへし折るぞ。雑兵一人消えたところで、金と飯が浮くだけだ。損はなかろう?」


325以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 17:44:57.35UA5YIrhyO (1/2)

五郎くん前作での九尾みたいなことしてる…


326 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 17:56:34.671XuTNbZBo (14/30)


天乃「駄目に決まってるでしょう?」

悪五郎にとって、あるいは、妖にとって

自分の興味がない人間に関しては

命など道端の石ころにも満たないのだと、感じて

天乃はそう言って、首を振る

天乃「放してあげて。その人にもその人の繋がりがあるの。私達のように」

悪五郎「……………」

悪五郎は特に何も言わなかったが

お人好しだと思ったのだろう

呆れたように息をつくと、男性を手放して天乃へと目を向ける

悪五郎「お前のような女は、いつも利用されて捨てられる。俺は、お前にそんな女で終わって貰いたくはない」

天乃「そうならないように、貴方達が守ってくれるんでしょう?」

悪五郎「……相変わらず、嫌な女だよ。お前は」

そういいながら、しかし

怒った様子も何もない悪五郎は一転、男性職員を睨むと

悪五郎「そういうことだ。図に乗るなよ? 死にたくないならな」

そう吐き捨てて姿を消す

きっと、ずっと見ていたのだろう

堂々と出てきた覗き魔に苦笑しながら、天乃はそういうことだから。と、呟く

天乃「考えると言ったら考える。その時間を貰えますか?」

「あ、ああ……良かろう。だが、精霊はしっかりとしつけて貰わなければ困る」

そう言い残して、男性職員は帰っていった


327 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 18:18:02.391XuTNbZBo (15/30)


一瞬の騒がしさが消えた部屋で

天乃は深く息をつくと、すぐ横で眠ったままの園子に目を向ける

前回戦いに参加して力を使ったせいか

眠っていることが多くなったらしい園子だが、表情はいたって穏やかだ

天乃「大きな戦い以外に参加するな、ね」

それは多分、園子まで酷使することになるからだ

根本的にその問題を解決するには

天乃がそもそも引退してくれればいいのだが現状ではそれは難しい

だから、天乃の力の使用を抑制するために、園子を出すが

可能な限り出したくないというのが、大赦側の考えだろう

天乃「……園子の為なら」

樹海に行くこと自体は禁じられていないし

そもそも、樹海に行ってしまうのは神樹様のせいだ

危なくなったらそく介入という手段もある

天乃「……………」

そう考えながら

天乃はゆっくりと眠りに落ちていく

いつもとは違って、園子の小さな寝息を聞きながら


328 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 18:28:27.801XuTNbZBo (16/30)


1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(一緒に暮らす)
・   犬吠埼風:交流有(私を見て)
・   犬吠埼樹:交流有(特訓)
・   結城友奈:交流有(特訓、模擬戦、本気、中断)
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(風について、どうして、特訓)
・   乃木若葉:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・       稲狐:交流無()
・      神樹:交流無()



6月1日目 終了時点

  乃木園子との絆 43(少し高い)
  犬吠埼風との絆 38(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 34(中々良い)
  結城友奈との絆 50(高い)
  東郷美森との絆 38(少し高い)
  三好夏凜との絆 25(中々良い)
  乃木若葉との絆 32(中々良い)
     沙織との絆 46(少し高い)
     九尾との絆 40(中々良い)
      死神との絆 38(中々良い)
      稲狐との絆 30(中々良い)
      神樹との絆 8(低い)

 汚染度???%

※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します


329 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 18:57:27.671XuTNbZBo (17/30)



√ 6月2日目 朝(自宅) ※火曜日

01~10  樹海化
11~20 
21~30 九尾
31~40 
41~50 
51~60 樹海化
61~70 
71~80 
81~90 
91~00  園子

↓1のコンマ  


330以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 18:57:49.3664odSDNa0 (1/1)




331 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 19:43:08.511XuTNbZBo (18/30)


√ 6月2日目 朝(自宅) ※火曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、悪五郎
5、稲荷
6、園子
7、イベント判定
8、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
9、勇者部の部室に行ってみる ※一定確率で部員

↓2

※8は電話


332以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 19:44:18.61SHH0V1Abo (2/2)




333以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 19:45:23.82BB02ZiRYO (2/3)

鯖落ちてた?
9


334 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 19:55:15.901XuTNbZBo (19/30)


√ 6月2日目 朝(学校) ※火曜日

01~10  東郷
11~20  風
21~30 
31~40 
41~50  友奈
51~60 
61~70  樹
71~80 
81~90  夏凜
91~00 

↓1のコンマ  


335以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 19:56:31.37BB02ZiRYO (3/3)




336 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 20:39:26.581XuTNbZBo (20/30)


休部することになった勇者部の部室は

扉の上の方にあった室名を外され、本来あるべき家庭科準備室に切り替わっている

けれど、それでも

みんなで使っていた机などはそのままで

黒板に書いてあった名前も……

天乃「それは、もう、ないか」

誰かが必要だったのだろう

黒板に書かれていた部員名簿は消され

新しく予定が書かれて、消されたのを示すように白く汚れていた

天乃「…………」

部室だったことを示すものが少しずつ磨り減っていく

いずれ、五か条も埋もれて

机や椅子も折りたたまれて教室の隅に置かれて

天乃達が使い始める前の姿に戻ってしまうのかもしれない

それは、あるべき姿

この教室が本来保っていた状態

天乃「異物……だったのかな」

自分たちは

あるいは、自分だけが

この場にいるべきではなかったのかもしれない


337 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 20:50:23.401XuTNbZBo (21/30)


そっと黒板を撫でると

掃除されていない白い粉が手につき、拭われた部分が綺麗になった

天乃はその指をこすり合わせ、汚れていく指をじっと見つめる

天乃「……………」

黒板と同じように、

余計なものが払拭されただけなのかもしれない

もしかしたら

自分という白い粉が周りを汚して

まとめで拭われてしまったのかもしれない

ネガティブな考えかもしれないけれど

天乃には、それが間違いに思えなかった

友奈も、樹も、東郷も、夏凜も、風だって

みんなが変わった

いい方向にも、悪い方向にも

それには少なからず関わっているから

そして、勇者としては大きく関わってしまっているから

だから、その可能性を捨てきれない


338 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 21:08:27.381XuTNbZBo (22/30)


交わるべきではなかったのだろうか

関わるべきではなかったのだろうか

園子と二人、バックアップとして引きこもっていればよかったのだろうか

天乃「……駄目ね」

ああすればよかった、こうすればよかった

一人でいると、そう考え込んでしまう

卑屈になってしまう

それが、良く分かっているのに……

こんこんっと扉がたたかれた音が聞こえて振り向くと

讃州中学の制服に身を包んだ若葉が、立っていた

若葉「天乃、そろそろ授業が始まるぞ。戻らないのか?」

天乃「その制服、どうしたの?」

若葉「職員室から一式拝借してきたんだ。ちゃんと書置きもしてある。少し、着てみたくてな」

着れたことが嬉しいのだろう

書置きなんてしたら面倒になることに気づいてない様子の若葉は

くるりと回って、「似合うか?」と、問う

天乃「私のを着てみればよかったのに」

若葉「天乃の制服は胸が余るのに丈が足らなかったんだ。残念ながらな」


339 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 21:15:44.061XuTNbZBo (23/30)


園子も着ることが出来たら、こんな感じになるのだろうか

そう考えて、笑みを浮かべる

そうなれたらいいなと

そうあれたらいいなと

若葉一人の姿を見ただけで考えは優しく彩られていく

だから、誰かと居たい

誰かに傍にいて欲しい

そう、願いを持ってしまう

天乃「……ありがとう、若葉」

それはきっと、弱いからだ

それはきっと、甘えたいからだ

勇者としての進退だけでなく

学生としての進退も考えなくてはいけない

そう思った天乃の耳に、予鈴が響いた


340 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 21:22:48.941XuTNbZBo (24/30)


√ 6月2日目 昼(学校) ※火曜日

1、風
2、東郷
3、友奈
4、樹
5、夏凜
6、沙織
7、クラスメイト
8、イベント判定

↓2


341以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:24:52.23Ab8+yDxI0 (1/1)

8


342以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:25:00.53Ohnx9kuGo (1/1)




343以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:25:06.33UA5YIrhyO (2/2)

6


344以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:33:05.57gCLA1NGdO (1/1)

下か


345 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 21:34:37.971XuTNbZBo (25/30)


01~10 
11~20  夏凜
21~30 
31~40 
41~50  友奈
51~60 
61~70 
71~80 
81~90  夏凜
91~00 

↓1のコンマ  


346以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:35:53.66HedMiSXzo (2/2)

それ


347以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:38:06.10/C1jVE8cO (1/3)

ほい


348 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 21:49:11.981XuTNbZBo (26/30)


元部室だと、何か嫌で

適当に空いた教室へと、東郷を呼び出す

東郷は友奈も、夏凜も

誰も誘うことなく教室にきて、扉を閉めるや否や、深く息を吐く

緊張感を解す為ではなく

日常の狭間ゆえに、和やかな空気を引き締めるために

向けられた瞳は、鋭い

東郷「友奈ちゃんは、何も言っていません」

天乃「…………」

東郷「ただ、大丈夫だから。とだけ言います」

昨日、私達は特訓があるんだーと

一緒にいこーっと

そう誘ってくれた大親友の変わり果てた姿に

東郷は、拳を強く握りしめていた

東郷「夏凜ちゃんから聞きました……模擬戦を、したんですね」

天乃「ええ」

東郷「本気で戦い、友奈ちゃんの続行の意思を拒否したんですね」

天乃「ええ……相違ないわ」


349以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 21:59:36.61zk729TKvO (1/1)

最後までやった方がよかったか?


350以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 22:03:14.07IAr7QN8Ko (1/2)

まああのまま続けてたら死なないだけで普通に殺してたしあれでいいだろ


351 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 22:20:10.021XuTNbZBo (27/30)


東郷「なぜ、友奈ちゃんの意思を最後まで酌んであげなかったんですか?」

弱かったかもしれない

甚振るだけだったかもしれない

だけど、それでも

戦いたいという意思、その思いに

最後まで付き合ってあげて欲しかった

東郷「どうして、ですか?」

天乃「……私が甚振る趣味はないと言ったのは、聞いた?」

東郷「夏凜ちゃんが教えてくれました。夏凜ちゃん自身、中断は間違ってなかったと思う。とも」

夏凜がどこまで話したのかは分からないが

恐らく、余計な推察は話していないだろう

そして、どちらかと言えば

友奈と東郷ではなく、天乃よりの考えであると言ってくれたのだろう

天乃「なら、聞いた通りよ。あのままでは甚振るだけだった。殺せと言っているようなものだった」

それを聞いていながら

そんなことを聞いてくるというのなら。と

天乃は穏やかな瞳を少しだけ厳しくして、東郷を見る

天乃「貴女は私に、友奈を殺して欲しかったの?」


352 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 22:50:58.771XuTNbZBo (28/30)


東郷「そんなつもりはありません。ただ、友奈ちゃんの気持ちを最後まで受け止めてあげて欲しかったんです」

天乃「私が友奈を拒絶したこと、それが問題だって言いたいのね。貴女は」

天乃の問いかけに、東郷はこくりと頷いて目を伏せる

いかなる形であれ

友奈の真っ直ぐな思いをしっかりと受け止めてあげていれば

きっと、あそこまで気落ちすることなんてなかった

東郷はそう考えているのだろう

天乃も、それはそうなのかもしれないと思う

夏凜は受けない方が良かった

受けていなくてよかった。というようなことを言っていたが

中途半端に断ち切るよりも

根本から叩く方が良かったのかもしれないとも思うのだ

天乃「それで、友奈が死ぬとしても?」

東郷「死にはしません。久遠先輩が死神の力を使えば可能性はありますが、使わなかったと聞いています」


353 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 23:13:27.551XuTNbZBo (29/30)


天乃「貴女って人は」

それが間違っていると決めつけたりはしない

けれども、正しいとも言えない

友奈の気持ちを酌んであげる事

それはきっと大切なことだったのかもしれない

でも、あのままやっても

結果は変わることがなかったのだ

雑草に例えるのは聊か気が引けるが

根元から抜いてしまったら、生えることはなくなってしまう

切り株に出た芽のように、

撒かれた種のように

無ければいけないものが、友奈から無くなってしまった可能性だってあるのだが……


1、分かったわ。今日、受けてあげる
2、ここで終わるのなら、友奈はそれまでってことよ
3、友奈に甘いのね、貴女は
4、友奈の気持ちを受け止めろという割に、貴女は私の気持ちを受け取らないのね

↓2


354以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 23:17:14.07/C1jVE8cO (2/3)

1


355以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 23:18:20.47IAr7QN8Ko (2/2)




356 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/06(日) 23:20:03.171XuTNbZBo (30/30)


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば19時頃から



夏凜ちゃんは天乃の味方


357以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/06(日) 23:30:18.85/C1jVE8cO (3/3)


どちらの言い分も間違ってるとは言い切れないなあ…
ただ友奈ちゃん、どこか死に急いでいる感じがするし話は聞きたいな

それはそうと夏凛ちゃんに段々恋人フラグが


358以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 01:28:25.21SEY6l8HZO (1/1)

前々や前のこと考えると押しが強すぎるくらいでいいぞ夏凛


359 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/07(月) 20:16:01.86wgBdIpFso (1/4)

では、初めて行きます


360以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 20:26:37.97oLRSBGqKO (1/1)

あい


361以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 20:29:16.02663kkMiLO (1/2)

おk


362以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 21:14:34.325Y0CZTcoO (1/3)

かもん


363 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/07(月) 21:14:52.27wgBdIpFso (2/4)


深く、息をつく

頭の中にある思いを隠したり、紡いだり

科学のように複雑にくみ上げて、口を開く

天乃「友奈の気持ちを受け止めろという割に、貴女は私の気持ちを受け取らないのね」

友奈を傷つけたくない

友奈を苦しめたくない

友奈に辛い思いをして欲しくない

友奈を――失いたくない

そんな思いを、そんな願いを

東郷「久遠先輩の気持ちを……でも、友奈ちゃんを、私は」

天乃「その結果が、友奈を失う形になっても構わないというの?」

東郷「……っ」

東郷は友奈を優先したい気持ちもあるが、

天乃のことも優先したい気持ちもなくはないのかもしれない

だが、友奈の今の姿を見て、傾いてしまったのだろう

天乃「夏凜も言っていた通り、私はあれを続けたくはなかったの。友奈には悪いとは思うけど、嫌だった」



364以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 21:15:04.055Y0CZTcoO (2/3)

かもん


365以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 21:16:19.715Y0CZTcoO (3/3)

かもん


366以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 21:30:37.87663kkMiLO (2/2)

なんか鯖重いよな?
気のせい?


367 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/07(月) 21:43:07.40wgBdIpFso (3/4)


あの真っ直ぐな気持ちが悪いとは言わないが

しかし、少なくとも、あの場では間違いだったと、天乃は思う

力が思いについていけていなかった

心に体が負けていた

だから、そう……あのままでは死んでしまっていてもおかしくなかった

もちろん、加減はする。本気ではあれ、死ぬようなことにはならない

でも、いつか死んでしまう

穏やかに老いて死ぬのではなく、バーテックスにつぶされ、打ち抜かれ、刺され、喰われ、死んでいた可能性がある

夏凜との特訓の意味は何だ

その時間を使って築いたものがそれなのか

天乃「……正直に言えば、失望さえした」

東郷「………………」

天乃「でもきっと、あんな友奈にしてしまったのは私」

とてもまっすぐで、純粋なのは変わらないまま

とても危うい道とは言えない道に進めさせてしまったのは自分なのだと

自分の存在ゆえなのだと

天乃は考え、思い、悔いて、東郷を見る

天乃「友奈を支えてあげて。私ではきっと、余計に折り曲げてしまうだろうから」


368以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 22:08:31.768t3qAachO (1/2)

むしろ支えが必要なのは…


369以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/07(月) 22:09:06.178t3qAachO (2/2)

むしろ支えが必要なのは…


370 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/07(月) 22:41:36.07wgBdIpFso (4/4)


投稿できていれば……
恐らくはサーバーのせいですが
専ブラでのエラー多発等で投稿不可なので
とりあえずここまでにしておきます


今回もですが、以降も問題があれば
【 https://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/pages/11.html 】
上記のコメントでお知らせするようにします



371以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 06:09:54.94oSkGEYjsO (1/1)

乙です
本当に昨日のは一体なんだったんだろうな…


372以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 08:34:10.69G2YLSI0LO (1/1)

支えが必要なのはお前だろって言いたい
主人公がいたらそう言うだろうけど久遠さんは笑って私は平気って言うよなぁ…


373以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 13:19:41.27CTU1RhTJo (1/1)

上条「なに言ってんだ!支えられるべきなのはお前だろ!」

京太郎「他人よりも自分を大事にしろよ」ダキシメ

キリト「天乃がみんなを守るなら、俺が天乃を守ってやる!」

八幡「お前が死んだら、みんなが悲しむんじゃないのか?」


374 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 22:17:16.40D92SfY/Jo (1/8)


では、初めて行きます


375以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 22:21:08.72WUVgKFBOO (1/3)

ほいさ


376 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 22:24:49.85D92SfY/Jo (2/8)


部室であんなことを思ってしまったのは

きっと、友奈のことがあって、どこかでそう考えていたからだろう

自分は勇者部にとって余計なのだ

不和を生み出す異物

不協和音を生む濁音

だから、友奈の真っ直ぐな心があんな風に道をそれて

風の優しい心があんな風に壊れてしまったのではないのだろうか

……卑屈になっていく

一人じゃないのに、嫌な考えばかりになりそうで

天乃は、懸命な笑みを浮かべて見せる

東郷「久遠……先輩?」

天乃「お願い」

甘えたいと思ってしまった

支えられてしまった

寄り添いたいと思ってしまった

自分がいるべきではない【非日常】に、見惚れて、憧れ、恋をしてしまった

天乃「私は。私では、ダメ……だと思うから」

そんなことはしないと

そんな風にはならないと、決めていたのに


377 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 22:29:50.26D92SfY/Jo (3/8)


離れるべきかもしれない

園子のように、遠くから見守るべきかもしれない

けれど、果たして今から離れることが出来るのだろうか

寂しさなら耐えよう。虚しさなら耐えよう

だけれども

自分という異物が作り出した隙間を、正しく埋めることが出来るのだろうか

天乃はそう考え、東郷を見る

東郷は友奈と違って真っ直ぐなようで真っ直ぐではない

友奈に絡みつくようにして、道を進んでいる

支えているようで、支えられている。そんな、形

だからこそ、東郷には友奈の支えとなって貰いたい

友奈には支えるだけの――そう、いうなれば自分のような人間にはして欲しくないと思う

東郷には、芯がなければ圧されて潰れる紙の束にはなって欲しくないと思う

だから、友奈を東郷に願う

そして、自分は

天乃「私は……」


378 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 22:39:27.07D92SfY/Jo (4/8)


東郷「久遠先輩?」

天乃「ぁ……ふふっ。ごめんなさい。左目のせいか、つい、転寝しちゃって」

自分の眼帯に触れながら、天乃は笑う

誤魔化すために、心配をかけない為に

手慣れた様子で、冗談めかしたことを言うのだ

天乃「とにかく、ね? 悪いけれど……私は友奈を失いたくないから」

東郷「…………」

その気持ちを分からない東郷ではない

東郷にとっても、友奈は大事な人だから

友奈の頑張りを酌みたいが、天乃の気持ちも酌みたいと

東郷は悩んで、頷く

東郷「分かりました……」

何かを言いたげに、けれど言わず

東郷は車椅子のまま一礼して、ゆっくりとホイールの部分を握り締める

天乃「…………」

その東郷の心の内を完全に窺い知る事は出来ないが

けれど、何か言いたいことだけは解って

しかし、聞いても答えはしないのだろう。と、見逃す

一瞬だけ、東郷が悲しげだったからだ


379 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 22:42:25.38D92SfY/Jo (5/8)

√ 6月3日目 夕(学校) ※水曜日


1、風
2、東郷
3、樹、夏凜と共に訓練場
4、沙織
5、友奈
6、クラスメイト
7、イベント判定

↓2



380以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 22:43:55.40AUQOYXqnO (1/1)




381以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 22:45:42.74gGYqY9GQ0 (1/2)

3


382 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 23:14:17.99D92SfY/Jo (6/8)


夏凜「今日は、友奈は欠席よ」

天乃「でしょうね」

天乃がそう答えると、

夏凜は表情を変えなかったが

樹は少し悲し気に首を振ると、遠慮がちに天乃へと目を向けた

樹「友奈さん、凄く落ち込んでました。あの時みたいに……もしかしたら、あの時以上に」

あの時。という言葉が指すのが

左目のことについて話した時だと気づき

その時の友奈を思い出し、夏凜へと目を向けると

夏凜は「確かにね」と、否定はしなかった

夏凜「今日学校に来たのが奇跡ってレベルだわ。ま、そこは余計な心配かけたくないって意地か」

樹「昨日、あの後追いついた時。友奈さん言ってたんです。私じゃダメなのかな。何もできないのかな。してあげられないのかなって」

とても悩んでいた

とても苦しんでいた

とても辛そうだった

樹は同じく心を痛めている表情で言うと

天乃へとむけていた目線を下げる

樹「追いかけたのに、頼まれたのに……私。何も言えませんでした」


383 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 23:22:14.97D92SfY/Jo (7/8)


自分も無力だと思ってしまったのだ

友奈が容易く屠られているのを目の当たりにして

積み重ねた努力を一瞬で崩されているのを見て

自分は……自分では、もっと、何もできないと

そう思ってしまったから

友奈にかける言葉を見つけられなかった

天乃「……………」

樹「……ごめん、なさい」

友奈が打ちのめされて

樹まで気を病んでしまったのだろう

ぽろぽろと涙をこぼし始めた樹は、歩みを止めて、俯いたままだ

夏凜も足を止め、樹へと目を向けたが

しかしすぐには動かずに、天乃へと目を向ける

夏凜「私が行くの?」


1、夏凜に任せる
2、もとはと言えば、私が悪いわ。だから、謝らなくていいわ
3、頭を撫でてあげる
4、ただそこにいるだけで良い。笑ってくれているだけで、十分なのに
5、やっぱり……私は異物ね


↓2


※1以外は樹に対して


384以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 23:24:22.64gGYqY9GQ0 (2/2)

ksk


385以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 23:24:44.23WUVgKFBOO (2/3)

3


386 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/08(火) 23:34:55.45D92SfY/Jo (8/8)


では、今回はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

13日、14日は投下がない可能性があります




園子「天さんは、どうしても。助けてしまう人だからね……」

「……損な性格ですね」


387以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/08(火) 23:46:26.80WUVgKFBOO (3/3)


風先輩の事もあって大変であろう樹ちゃんまで病ませる訳にはいかないな
何とかこの三人で相談しながら友奈ちゃん達をどうにか助けてやりたいけど…

後、さっき気づいたけど日付まだ2日目やで


388以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/09(水) 21:00:27.24Do/DmK6uO (1/1)

ぶっちゃけ久遠さんって不器用だよね…
1周目は、優しいから人を過度に拒絶してたし
2周目からは、ハンデがあるのに何でも出来てしまうから、その不器用さが一部覆い隠されて人との距離感が上手くいってない気がするし


389 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 22:10:59.83lkFfO7s6o (1/6)


確かに、二日目ですね。失礼しました
では、少しだけ


390以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/09(水) 22:25:15.98tb7xny3JO (1/2)

きてた


391 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 22:32:56.07lkFfO7s6o (2/6)


見つめる夏凜に首を振り

やや強引に体をひねって、樹に向かって手を伸ばす

天乃「…………」

少しばかり心に触れてしまわないだろうか

頼られてしまわないだろうか

そう逡巡し、けれどそんなことの意味はなく

天乃は樹の頭に触れる

髪のふんわりとした柔らかさを潰さないように

けれど、しっかりと触れていることをが分かる温かさを伝える

天乃「……樹」

樹「…………」

天乃「樹、顔を上げ――あ、なくても良いわ。その方がよく見える」

茶化すように笑い、樹に触れる手に力を込めて

その頭をゆっくりと撫でて、頬へと下ると

樹の驚きながらも悲しげな表情がはっきりと見えた


392 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 22:51:54.44lkFfO7s6o (3/6)


天乃「……貴女、よく見ると瞳の色が風より深いのね」

樹「っ」

悲しそうだからじゃない

本当に、風より深い緑色をしているのだ

けれども顔はやはり、幼い

まだ子供

風はもちろん、友奈や東郷よりも

まだどこか幼さを残した顔立ちをしている

そんな子に、どれほどの重荷を背負わせてしまっているのだろうか

天乃「樹……そんなに背負う必要はないし、気負わなくていいの。まだ子供なのだから、出来ないことがあって当たり前なんだから」

樹「でも……でも……」

天乃の言葉は大人が言うべきことだ

樹から見れば、二年は大人かもしれない

けれど、それでもやはり中学生で、

成人どころか大学生でも、高校生でもない

だから、見守る夏凜はその明らかに行き過ぎたものにたいして、眉を顰めていた


393以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/09(水) 22:53:28.03yN8WNhq/O (1/1)

毎回無自覚に後輩キラーで落としにかかる久遠さん


394 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 23:14:38.27lkFfO7s6o (4/6)


天乃「思うところがあると思う。でも、悪化させなかっただけで、友奈の気持ちを伝えてくれただけで。十分なの」

そぅっとほほを撫でながら

親指の先で樹の目元、涙を拭って笑みを浮かべる

悔いることはない。嘆く必要はない

無力だと思ったかもしれないが

けれど、しっかりと出来る限りのことはしてくれた

天乃は樹に終始笑みを見せ、褒めて、礼を述べる

樹「でも……私、何も言えませんでした。出来ませんでした……それで、良かったんですか?」

天乃「ええ。大丈夫、貴女がそこにいたから。黙って聞いていたから。友奈の悩みを私達は聞けたのだから」

頬を撫でていた手を、もう一度樹の頭に乗せて

やっぱり、嬉しさを感じさせる笑みを浮かべて頭を撫でる

抱えないように、悲しまないように

無力さに打ちひしがれることはないように

けれども、自分の実力のなさを、嘆くことがないような言葉を選んで紡ぐ

天乃「ね? 夏凜」

夏凜「ん……まぁ、そうね。今の状態の友奈に聞くわけにもいかないし」


395 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 23:27:09.99lkFfO7s6o (5/6)


急に話を振られた夏凜だったが難なく言葉を返して、息をつく

取り繕うような言葉を選んだつもりはなく

純粋に、思っていたことを言っただけだが

天乃の御膳立てのおかげか、樹はそのことを気にすることなく

まだ、微かに涙は残っているが、ほんの少しの笑みを浮かべる

天乃「そうと決まれば、ほら。樹。今日も特訓頑張りましょ」

樹「久遠先輩……」

天乃「過去を振り返る子は勤勉だけれど、振り返ったまま今を見ないのはただの愚か者よ。樹」

にやりと笑う天乃に向かって、

樹はやはり、まだ戸惑いの色は残しているけれど

でも、しっかりと笑みを浮かべて、頷く

今出来る事、やるべきこと

それが振り返り悔いることではないと、思ったからだ

樹「夏凜さん、久遠先輩……お願いしますッ」

天乃「ビシバシニボシ、頑張っていくわよ」

樹「ビシバシ……ニボシ?」

天乃「夏凜が秘かに考えた掛け声よ」

夏凜「誰が考えたって? え? もう一度言いなさいよ。海に突き落としてやるから」

今は悩まなくていい

そう、【樹】は、悩まなくていいのだ


396 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/09(水) 23:28:25.84lkFfO7s6o (6/6)


では、とりあえずここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から





夏凜「ったく……節操ないわね。あんた」

天乃「?」

夏凜「気づいてないから質が悪い」


397以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/09(水) 23:36:46.78tb7xny3JO (2/2)


とりあえず樹ちゃん鬱病回避で一安心だな
久遠さんの発言がことごとくブーメランと化してるけど…


398以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 00:03:40.60qrpm21RaO (1/1)

むしろ自分のようになって欲しくないから
ブーメランぶん投げてる気がする
自分は取り返しがつかないけど樹ならまだ平気…的な


399以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 16:57:52.89PBSq5w2xo (1/1)

久遠さんは自分を反面教師と見てるってはっきりわかんだね


400以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 22:08:07.73zVafP1r8O (1/1)

もう夏凛が女房として支えてくれていいのよ


401 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 22:26:20.76EnbgSVAro (1/6)


では、少しだけ


402以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 22:27:20.69ANRnlRkZO (1/3)

よしきた


403 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 22:43:10.15EnbgSVAro (2/6)


夏凜「天乃、今日はどうすんの?」

昨日は友奈から直接模擬戦を申し込まれたから受けて

その結果がああなってしまったが

今回は樹から模擬戦を申し込んでくる様子はないし

夏凜も聞いてくるあたり、その気はなさそうだ

天乃「そうね……二人はどうする予定?」

夏凜「私は樹と組んで模擬戦するわ。自分が何をできるのか。それを考えてこさせたから」

戦闘において、樹の力はどうあるべきか

どう扱われるべきか

夏凜は樹の能力の性質だけを教えて、どう活用するかは樹自身に委ねたのだ

そして、

その力の扱い方を、今日見る予定らしい

要するに、今回は正直邪魔するな。と言ったところか……


1、夏凜と樹VS天乃
2、二人の模擬戦を見る
3、砂の城建設
4、精霊と交流


↓2


404以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 22:45:43.74dlvhDuNi0 (1/1)

2


405以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 22:46:00.98ANRnlRkZO (2/3)

2


406 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 23:02:09.83EnbgSVAro (3/6)


天乃「じゃぁ、今日は私審判やろうかしら」

夏凜「そ……あんたのことだから2対1で。とか言うと思ってたんだけど」

夏凜は想像と違っていたからか

僅かに顰めた眉を動かして髪を掻くと

樹へと目を向けて「そういうことだから」と、頷く

樹「分かりました。夏凜さん、本気でお願いします」

夏凜「分かってるわよ。私は手を抜けるほど、強くはないし」

天乃「なんで私を見るのよ。私だってちゃんと本気でやってるんだからね?」

ちらりとむけられた視線に文句を言う

本当に、【九尾の力だけでは】本気で相手したつもりだ

まだ変身を二つ残してるし、そっちの方が能力的には上であるのは事実だから

手を抜いていると言えなくもないのだが

しかし、それは抜かなければいけないものなのだ。仕方がない

夏凜「知ってる」

天乃「じゃぁ、なんで私を――」

夏凜「別に……理由がなくても見るだけタダで良いでしょうが。スマイル0円」

天乃「他の注文がないとだめよ。お客様」

夏凜「面倒くさいやつだわ。あんた」

天乃「それいちゃもんだってば」


407 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 23:12:36.04EnbgSVAro (4/6)


樹「夏凜さん、久遠先輩。準備お願いします」

夏凜「ったく、あんたが余計なこと言うから」

天乃「スマイル0円とかいうからよ。うっかりんに警告一回。二回で失格だからね」

夏凜「んな理不尽なことあってたまるかってのッ」

怒鳴りながらも、

すでに勇者に変身していた樹と相対するように並び、

夏凜もまた、勇者の装束を身に纏って笑みを浮かべる

夏凜「まぁ、警告とかいうハンデ付きでも。勝つのは私だけど」

樹「本当にあるんですか? そのルール」

天乃「ないから安心していいわよ」

無垢な問いに笑顔で答えた天乃は

軽く咳払いをしてから、二人の邪魔にならない位置に陣取って

両者を交互に見やる

刀を手にすらりと立つ夏凜

ワイヤーのような糸を遊ばせるように腕を動かす樹

二人は互いを見合い、距離を目算して、息を飲む

そして、場の空気の緊張感が高まっていくのを感じた天乃の手にある木刀が砂場に突き刺さった瞬間

試合が――始まった


408 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 23:31:13.90EnbgSVAro (5/6)


先に動いたのは夏凜

右手に持っていた刀を樹に向かって投げ、それからコンマ遅れて地面をけり出して

投擲された刀は樹のワイヤーに接触した瞬間に爆発し

薄い煙幕を発生させたが、夏凜は構わず真ん中を突っ切って空気を割き、樹へと刀を振り下ろす

けれど、その刃は精霊が守ることなくワイヤーにからめとられて、動きが止まった

樹「夏凜さんが最も得意としてるのは、その速さ」

――だから、動きを止める!

刀を絡めるワイヤーを伸ばしていた右手をさらに強く引いてよろけさせ、

左手を引いた瞬間、地面から無数のワイヤーが波打つ

夏凜「!」

樹「逃がさないっ!」

樹の思惑に気づき、刀を手放してバックステップで引き下がった夏凜だったが

ワイヤーの広がった範囲は広く

飛び出したそれに足をすくわれ、視界が傾く

樹「捕まえ――」

夏凜「まだ甘いッ!」

ワイヤーがさらに追加指示を受けたのとほぼ同時に

もう一本の刀が夏凜の右手に出現

すぐさまそれを地面に突き刺した夏凜はそれを爆発させ、ワイヤーと自分を吹き飛ばして距離を置く

夏凜「まだ遅い、もっと早く……じゃないと。双子座はおろか、私でさえ捕まえられない」

土ぼこりを払った夏凜は、もう一度刀を両手に具現化し、身構える

その姿を見つめていた樹の表情は、一瞬、残念そうだったが

すぐに切り替えて、まっすぐな目を向けた

樹「捕まえます。夏凜さんも、バーテックスも――久遠先輩も!」


409 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/10(木) 23:32:03.01EnbgSVAro (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



樹対夏凜。明日で決着できれば


410以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/10(木) 23:42:55.32ANRnlRkZO (3/3)


このシリーズでは二周目以降、樹ちゃんがイケメンになってくなぁ

そういえばこの二人前作じゃ闇堕ちしかけてたんだよな…
友奈ちゃん達と立場が逆転してて面白くなってきたぞ


411以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 09:29:49.53vuGhUHXcO (1/1)

分かる→友奈ちゃん、樹ちゃん、夏凜ちゃん、風ちゃん、園子ちゃん
やや可→美森ちゃん
違和感→天乃ちゃん

久遠さんってさん付けしたくなるのはなぜだ


412以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 14:57:56.33/6PAwPvJO (1/1)

いやー風ちゃんは違和感バリバリ


413以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 17:32:40.035606PD9Ro (1/1)

つまりお母さんにはちゃん付け出来な…ん?誰か近づいて(ドゴォ


414以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 21:37:03.20I++yenvH0 (1/1)

1周目が好きだから、entyとかpatreonで再安価の権利を買いてー


415以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 21:44:41.450eYYyazbO (1/1)

まあ天乃もさんづけ似合うかっていうと久遠さんの語感が良すぎるだけな気がする


416以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 21:50:02.26fuvvqlagO (1/1)

クラウドファインディングなら是非2周目バッドをですね、はい

正直大好物です


417以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 22:05:36.45nmytyVxyO (1/3)

でもそんなこと(集金)全くする気ないだろうし一から百まで趣味と久遠さん愛しかなさそう

>>415
確かに久遠さんって言いたいのは語感が完璧だからかもな


418 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 22:16:04.91YL9QlK42o (1/8)


では、初めて行きます


419以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 22:19:49.069JsXPDP0O (1/3)

あいあいさ


420 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 22:22:38.77YL9QlK42o (2/8)


今まで風の後ろについていくばかりで、全然前に出ようとはしなかったが

けれど、こんな人になりたい、こんな風になってみたい

そんな理想と夢を見ていた樹は、人を見る目は普通の人よりもあるのだろう

だから、夏凜の得意としているのがスピードであり

スピードに合わさった手数の多さが最高の武器だと見ていた

樹「それさえ止められたら……なんて」

威勢よく捕まえるとは言ったが、初手を成功させながら

しかし結果的に失敗に終わった樹は、簡単にいくことではないと解っていて

それがどちらかといえば出来ない部類のことだというのも微かに感じて、息を呑む

だが、瞳に諦めの色は無い

それを感じた天乃は笑みを浮かべ

相対している夏凜もまた、満足そうに頷く

夏凜「どこまで出来るのか、見せて貰うわよ。樹」

地面を踏み抜く勢いで駆け出すや否や、刀を一つ斜め上に投げ出す

樹の視線が一瞬だけ上空に誘導され、夏凜が死角へと消えていく

ほんの一瞬だ。本来なら何の意味もなさない刹那

しかし、夏凜は着地した瞬間につま先で蹴る事で一歩一歩の無駄を省き、

その一触に全力をこめることで、超低空の跳躍力を飛躍的に加速させる

ゆえに

夏凜「余所見するなッ!」

樹「!」

樹の目が再び夏凜を捕らえたときにはもう、切っ先の射程圏内だった


421以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 22:23:01.98nmytyVxyO (2/3)

こいや


422 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 22:27:34.90YL9QlK42o (3/8)


かわせないと悟った樹は、精霊の守りではなく束ねたワイヤーを衝突させることで防ぎ

その衝撃を利用して跳躍、夏凜を視界に納めたままワイヤーで地面を叩くことでさらに跳躍し

次の一手を模索する――が、ついさっき夏凜の投げた刀が夏凜の背後に落ちた瞬間、炸裂

開いたはずの距離は一瞬で消え、肉薄する

樹「!」

爆発の勢いを利用した超加速の刺突

速度と威力を上乗せしたその一撃で勝負は決まる


――はずだった


夏凜「っ……」

精霊の加護が発動するはずだった。勝負が決まるはずだった

けれど、木霊による緑色の光はなく阻まれることの無い視線が交錯する

樹「凄い早さです……予想以上で、もうだめかと思いました」

夏凜「……やってくれるじゃない」

夏凜の刀は、接触する直前で樹の体に巻きついたワイヤーによって止められていて

樹の体を離れたワイヤーは脱兎も逃さない速さで夏凜の刀ごと、右手を捕らえる

樹「どうするべきか考えて、どうやっても速さでは勝てないと思って……」

それなら、受けるしかないと考えたのだ

自分の力を信じて、諦めず、全力で立ち向かって、あえて受け止め捕らえる

それが、樹が考えた最終手段だった


423 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 22:33:01.48YL9QlK42o (4/8)


夏凜「……一か八かに賭けた?」

樹「信じました。夏凜さんが言ってくれた言葉を」

樹は嬉しそうに笑みを浮かべ、夏凜もまた

どこか大人びたような、弟子を見る師のような笑みを浮かべて

けれど

夏凜「残念だけど、ゲームオーバーよ」

夏凜は捕らえられた右手を勢い良く引き、接触すると

樹を背負うように体を大きく捻り、地面へと叩きつけ、

樹「わぶっ」

左手の刀の切っ先を樹に向ける

夏凜「試合は諦めたらそこで終了、それは私も同じって事」

鼻先の刀を防ぐすべの無い樹は

夏凜の右手の拘束を解いて、両手を挙げる

樹「私の負――」

天乃「夏凜ちゃん大人気ないから失格。負け」

夏凜「まじめに仕事しなさいよ。ダメ審判」

茶々を入れてきた天乃にため息をついた夏凜が「起きれる?」 と、手を差し出すと

樹は「ありがとうございました」と、手を取り立ち上がる

負けは負けだ

悔しさがある。けれど、それ以上に満足感があって

だからこそ、樹は思う

樹「力を出し切れなかったから……友奈さんは、あんなにも辛そうだったんですね」

悔しさしか残らなかったから。出し切れた満足感がなかったから

ただただ敗北の苦渋を舐めるだけで終わってしまったからだと、樹は気づいた


424 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 22:53:36.63YL9QlK42o (5/8)


夏凜「私は中途半端でよかったと思うわよ。あくまで私は、だけど」

自分の服の砂を軽く払い、樹の後ろ向くよう指示すると

その背中の砂埃を叩き落としながら、夏凜は呟く

樹「久遠先輩もですか?」

天乃「私のとった行動自体が答えよ」

樹「そう、ですか……そうですよね」

樹もまた、東郷と同じく友奈寄りなのか

少しばかり表情を曇らせたが、軽く頷くと、表情を一転させ、天乃を見る

樹「私には良いとか悪いとか。たぶん、決められません。でも、久遠先輩なら……」

思えば思うほど、寂しさが湧き出す

悲しい気持ちが押し寄せてくる

それを抑え込むように、一旦言葉を区切ると

小さな手を握りこぶしに換えて、息をつく

樹「久遠先輩なら、また。楽しい時間を作ってくれるって信じてます」

天乃「私には荷が重い期待だわ」

樹「そんなことないですよ。だって、夏凜さんといる時の久遠先輩が作る空気はとっても賑やかで、温かくて、楽しくて、幸せですから」

夏凜「樹、あんた私をダシ扱いするなんて良い度胸してるじゃない」

天乃「煮干し夏凜ちゃんが本名だったのねっ!?」

夏凜「んなわけあるか!」


425 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 23:09:45.54YL9QlK42o (6/8)


樹「本当に、楽しそうです」

夏凜「私はいい迷惑してるんだけど……」

夏凜がそう言うと、

樹は嬉しそうな笑顔のまま「そうですね」と、明らかに思っていないことを呟き

もう一度楽し気な笑い声を溢した

そんな笑みを崩す気にはなれないのか

夏凜は困ったように頭を掻き、ちらっと天乃を見てため息一つ

諦めたように頭を振って体を伸ばす

夏凜「それじゃ、ささっと帰るわよ」

樹「はいっ、有難うございました。夏凜さん。久遠先輩」

天乃「私は見てただけだけど、やりたければ声をかけてね。叩きのめしてあげるから」

夏凜「いちいち物騒なこと言うんじゃないわよ」

天乃「夏凜もよ? 私は別に貴女の弟子ではないんだし。リベンジしたいでしょ?」

夏凜「満面の笑みでウズウズすんな。怖い」

でも。と

夏凜はどこか照れくささのある表情で

天乃とは目を合わせずに、呟く

夏凜「あんたを力でねじ伏せてみたいとは思う。それくらい強くなれたらきっと……」

夏凜は物思いに耽った様子で言葉を飲み込み、苦笑して何でもない。と、呟いた


426 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 23:13:53.22YL9QlK42o (7/8)


√ 6月2日目 夜(自宅) ※火曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、獺
5、稲荷
6、悪五郎
7、園子
8、大赦
9、イベント判定

↓2


427以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 23:15:35.51cxLiFq1c0 (1/1)

9


428以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 23:15:51.959JsXPDP0O (2/3)

7


429 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/11(金) 23:19:55.42YL9QlK42o (8/8)


では、ここまでとさせて頂きます
明日もできれば、少しくらいは



久遠さんが一番生き生きしている時間=夏凜がいる時


430以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 23:29:47.649JsXPDP0O (3/3)


今のところ夏凛ちゃんが数少ない癒し要素だし大事にしたいな


431以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/11(金) 23:34:59.22nmytyVxyO (3/3)


夏凜の「強くなれたらきっと……」って言葉の先が気になる
ホントに今回は恋愛抜きに完璧な距離感描いてるな


432以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/12(土) 07:29:31.78Dm5vpYaMO (1/1)

流石わかっていらっしゃる

http://i.imgur.com/ot1Th3k.png


433以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/12(土) 20:01:39.50IFFG3booO (1/1)

ワロタ
これは夏凛ちゃんが本気出し始めてますねえ


434 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 08:22:48.82Z1VDRt+jO (1/7)

では、少しだけ進めます


435以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 08:25:49.76CriW/T8oO (1/2)

まさかの朝スタート


436 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 08:26:19.82Z1VDRt+jO (2/7)


天乃「……園子」

園子「うん?」

いつも返事の帰ってくることがない呼び声に、珍しく声が返ってきて

天乃は思わず目を見開いて、園子の髪を撫でる

自分と似た匂い。けれど、違う匂い

そんな微かな違いを嗅覚で感じながら、瞳と瞳

視線を絡めるように目を向ける

園子「どうかしたの? 天さん」

馴染み深いその声は、不安定に揺らいでいて

雲のように実体を感じられず、今にも消えてしまいそうな儚さを思わせ

天乃は微笑みかけて、繰り返し髪を撫でる

あやすように、愛でるように

力を使いすぎた園子の体は、身体機能のほぼほぼが使えない状態で

片目、片耳、声

コミュニケーションにおいて重要なそれらが残っていることが奇跡で

生きているというのは、より……奇跡的だといえるかもしれない


437 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 08:30:32.57Z1VDRt+jO (3/7)


園子「天さん、くすぐったいよ」

声色は嬉しそうながら、恥ずかしさのある声

天乃は「ごめんね」と呟くと、手を離して息をつく

この家に来てからまだ二日目の夜

部屋の外では、今までは聞こえることの無かった足音がいくつもしている

この家も、ある意味では寂しくなくなった

どこかに逃げ出す必要も無い

誰も何も言わないし

むしろそんなことは無いと振舞ってくれているが、

片耳、両足、片目に障害があって、

明らかに授業を行ううえでの邪魔者になっていると自覚している天乃は

園子の目を見て、苦笑する

天乃「私が園子の代わりにそんな状態だったら良かったのに」

そうすれば園子は東郷―須美―と離れ離れにならずに済んだし、

大赦に見張られてるような祭られ方をされて、嫌な思いをすることもなく

学校に通うことが出来ていただろうから……


438 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 08:36:54.35Z1VDRt+jO (4/7)


けれど、困り果てた表情で「天さん」と、寂しそうに呼び

手を握れないことがもどかしそうに目を動かした園子は、天乃を見つめた

園子「そんなに背負わないで。私は、私の意志でこうしたんだから」

いつものほんわかとしたものではない生真面目な声で言った園子は

天乃の癖を否定して、眉を潜める

そもそも、背負い込みたいのは自分のほうだと園子は言う

園子「私が全然ダメだったから、天さんが怪我をして。ミノさんが犠牲になったんだから……」

守りきれなかった自分が悪い。察知できなかった自分が悪い

天乃はそう言って抱え込んでしまっているが、しかし

それは違うと、そんなことはないのだと

園子は天乃の言い分を認めない


439 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 08:53:55.46Z1VDRt+jO (5/7)


むしろ自分が足を引っ張ったのがいけない

守られなければいけなかったのが、駄目だった

後悔した。辛いよりも悲しいよりも、ただ

自分自身の弱さを憎んだ

園子は天乃を見つめたまま、「ごめんなさい」と

やはり、消え入りそうな声で言う

包帯に頭の大部分を包まれている園子の見えている瞳に涙が浮かぶ

体を大きく犠牲にした理由の一部がその悔恨であり

天乃にできる限り背負わせまいとしたからだ

しかし、それさえも天乃の負担になっている

それが、園子は悲しくて、辛くて

動かない体が、嫌に憎たらしくなっていく

園子「これは私の意志だよ~、意志なんだ、だから……」

だからお願い

園子「そんなこと言わないで……私にも、背負わせて……」



1、それは出来ないわ
2、なにも言わない
3、そっと抱き締める
4、樹も……私が悪くはないって言う。貴女もなのね


↓2


440以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 08:57:27.38IKC+jgKJ0 (1/3)

3


441以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 08:57:44.62CriW/T8oO (2/2)

4


442 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 09:21:40.76Z1VDRt+jO (6/7)


天乃は園子の懇願を瞳に映し、笑みを浮かべる

嬉しくない。けれど、笑うしかないから笑う

誰も彼もが、身に纏った鎧を引き剥がしていく

そんなものは要らないからと、奪おうとする

天乃「樹も……私が悪くはないって言う。貴女もなのね」

園子「だって……天さんは悪くない」

力を使ったせいで人が死んだ

それがもしも私利私欲の力なら最低だろう

けれど違う

体の負担、身体機能の犠牲

それを覚悟し、みんなのために頑張ったのだ

その上で、惜しくも亡くなった人を罪として背負えなど

背負わせるなど出来るはずがない

そして

園子「私は自己責任だから」

自分で選んだことだ。強制されたことじゃない

だから、自分のことは自分で背負う


443 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 09:38:09.70Z1VDRt+jO (7/7)


園子「それに、自分の覚悟が……」

言うか迷い、園子は言葉を止める

体が動かないから逃げられない

でも、今言わなければ変わらず背負われてしまいそうで

園子は一度瞳を閉じて、くすりと笑う

言えば変わると思っている自分は

とても自信過剰で、自惚れていると思ったからだ

天乃「園子?」

園子「あはは……」

名前を呼ばれていきを呑む

いずれにしろ、言わなければ背負われたままなのだ

だから、園子は瞼を開く

園子「それに、大好きな先輩への気持ちが負担になってるのは嫌だからねー」

決めてからは、するりと気持ちがこぼれた


444 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 10:06:22.95nqhyHjG1O (1/3)


天乃「別に、園子気持ちが負担になってるわけじゃ……なんで睨むのよ」

園子「体がこうなったのが私の気持ちだから」

大好きな先輩という言葉が全く聞こえていなさそうな天乃に

園子はやっぱり天さんだ。と笑みを見せる

嬉しいような、悲しいような

そんな思いを胸に、園子は目を合わせて

園子「だから、私のことは背負わないで……お願い」

もう一度、伝える

園子「私は天さんの隣に居たいから」

今度は更に気持ちを付け加えて


445 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 10:15:46.01nqhyHjG1O (2/3)


園子は背負わないでと言う

隣に居たいから。と、言う

天乃は園子の瞳をまっすぐ見返して

その意志の固さを確かめるように、頬に触れる

照れ臭さを感じる瞳

だけれども、決して揺らぐことはなく

園子「置いていくなんて、言わせないよ」

追い討ちをかけて来さえする

のほほんとしている分

心はとても、強いのかもしれない

もしくは……


1、分かった……でも無茶しないで
2、どうして、そんなに強情なのよ
3、仕方がないわね、暫くは預けてあげる
4、隣……ね。ついてこられるかしら
5、連れては行けないわ。貴女が戻る世界は私と違うから


↓2


446以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 10:18:31.67bCbO+rhhO (1/1)

1


447以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 10:19:01.01IKC+jgKJ0 (2/3)

1


448 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 10:21:54.53nqhyHjG1O (3/3)


では、ここまでとさせていただきます
今日は出来れば22時頃から


昨日分
園子の心、天乃知らず


449以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 10:32:01.88p3m5S44hO (1/1)


園子はほとんど家の中で身体も動かないし毎晩添い寝位はしてもいい気がする


450以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 15:23:34.504SIdFI7kO (1/1)

園子って体動かないから夜這いもかけれないし毎日生殺しでキツそう


451 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 22:36:04.59S+iReVtYo (1/6)


では、戻って少しだけ


452以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 22:38:56.40PWi6/cfHO (1/2)

ほーい


453 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 22:47:56.06S+iReVtYo (2/6)


天乃「分かった、でも……無茶しないで」

天乃がそう言うと、園子は眉を顰めて

あはは。と、苦笑して「酷いなぁ……」と、感慨深そうに呟く

無茶しないでと言っただけなのに

なにが酷いのかと首を傾げると、園子は軽く息をついた

呆れているけれど、どこか楽しそうな嘆息

失ったものを取り戻したかのような

喜びを感じる、微笑み

園子はそれらを携え、天乃を見つめる

園子「みんなが言っても無茶してる天さんが、無茶するなって、言うところかな~」

なんの冗談なのか。とさえ思う

みんながあれこれ言っても聞かず

無茶して、無理して、背負い込んでいく天乃が

なぜ、どうして、無茶しないで欲しいと言えるのか

園子「ミノさんが言ってた。お前がいうな~って、やつだよ~」

笑ってはいるが、本気で

それを天乃も感じ取って、笑うにも笑えなかった天乃は

そっと眼を逸らして、「そういわれたって」と、こぼす


454 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 22:58:05.71S+iReVtYo (3/6)


園子「動きたいなぁ」

天乃「……でしょうね」

園子「もう。絶対に天さん分かってないよね」

全く動くことが出来ないから、動きたいと零したのだろう

そう思った言葉への返しが

どこか棘のあるものということに驚いた天乃が目を見開くと

園子は困ったような顔をしていた

園子「私が動きたいのは、その手を掴みたいから。その体を抱きしめたいからだよ。天さん」

動けないのが悲しいからとかじゃない

ましてや、動くことのできる天乃への当て付け、八つ当たりなんかでは決してない

一緒にいる。そばにいる

一人にすべては任せない

そんな思いとともに、自分を感じて貰えることがしたいからだ

園子「今の天さんでも、十分捗るから嬉しいんだけどね~」

天乃「は、捗るって、何が?」

園子「積極性に目覚めた天さん、周りからの圧力に押される天さん。むふふーっ、充実してるよ~」

そう言われてもうまく解釈できず、困惑の色を浮かべる天乃をおいて

園子は一人楽し気に、笑っていた


455 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 23:04:20.95S+iReVtYo (4/6)

√ 6月2日目 夜(自宅) ※火曜日

01~10  継続
11~20 
21~30 
31~40  継続
41~50 
51~60 
61~70  継続
71~80 
81~90 
91~00  継続

↓1のコンマ  


456以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 23:06:17.69LcazMoFyO (1/1)




457 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 23:15:58.88S+iReVtYo (5/6)


夜、大赦職員の慌ただしい足音も途絶え

寝静まったであろう時間

鋭敏になった耳に微かに届く車の音のあとに

小さな小さな「天さん」という呟きが聞こえた

寝言か、気のせいか

静かに寝返りを打って園子へと目を向けるが

その顔は残念ながら見えず

動かせないから、顔を向けてくる事さえない

天乃「………………」

もしも寝言なら、起こしてしまう

もしも気のせいなら、起こしてしまう

でも、もしかしたら

呼んだけれど、思った以上に声が出ていなかっただけかもしれない



1、どうしたの?
2、黙り込む


↓2


458以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 23:17:19.52IKC+jgKJ0 (3/3)

1


459以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/13(日) 23:17:37.84PWi6/cfHO (2/2)

1


460 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/13(日) 23:40:17.36S+iReVtYo (6/6)


天乃「どうしたの?」

起こしたらごめんね

そう思いながら、意を決して声をかけると

園子の方から「起こしちゃった?」と、心配そうな声が返ってきて

天乃はそんなことないわ。と、苦笑する

寝付けなかったわけではないし

もう寝ようかと考えていたが、でも、起きていたことには変わりない

天乃「まだ寝られてなかったの。園子も?」

園子「うん……昼間寝ちゃってるから。起きてる時間が変な時間になっちゃって」

天乃「でも、昼間起きてる時もあるのよね……辛くない?」

園子「ん~……」

聞かれたことに対して

なぜか悩んだ園子は「そうだなぁ」と、呑気に呟く

園子「夜なら、天さんの寝顔が見られるんだよね~」

天乃「見ても面白くはないわよ」

園子「うん、昔見た天さんの寝顔はただただ、可愛かった」


461 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 00:03:23.421BeY1DfWo (1/13)


今はどうなのかわからないけれど

大変なことがいくつもあった中で

泊まり込んだ合宿の日

そこで見た天乃の寝顔を思い出して言った園子は

もう一度可愛かったんだよ。と嬉しそうに語る

あの頃が懐かしい

あの頃の、まだ、みんなが非日常にかかわりながらも

確かに、日常を生きていた時間が、懐かしい

園子は天乃の視線を感じたが

目を向けることのできない体ゆえに、笑う

園子「天さん、あの時みたいに一緒に寝てくれないの?」

天乃「もう中学二年生でしょ」

二年前でも小学生とはいえ、卒業を数か月後に控えた高学年

それでも小学生だからと押し切られて添い寝して

そんな懐かしさの一部にも虫食いのような穴がある

その空白の寂しさを埋めるように、小さく笑う

天乃「してあげれば、寝られるの?」

園子「ぽかぽか出来たら、きっと」

ぽかぽか、ぬくぬく

そうできれば寝ることが出来るというが……



1、する
2、頭を撫でる
3、抱きしめる


↓1


462以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 00:04:16.02kfMfnbT0O (1/2)

1


463以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 00:05:38.77o4u/WD+QO (1/1)

1


464 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 00:08:25.781BeY1DfWo (2/13)


ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば19時頃から



園子様のターン
絆値43


465以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 00:14:24.50kfMfnbT0O (2/2)


ここにきて園子様、恋人候補に急浮上か
夏凛ちゃんやさおりんもいるし今作もヒロインレース大混戦の予感


466以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 12:22:12.41xmgX8qteO (1/1)

園子が他の子とイチャイチャする場面って意外とレアかも


467以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 17:17:28.43U/JNKGeZO (1/1)

久遠さんが受けでも攻めでも捗るのには同意
久遠さんは誘い受けが基本装備だからな


468 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 20:57:55.691BeY1DfWo (3/13)


遅くなりましたが、進めていきます


469以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 21:00:24.18L1Ni63vtO (1/5)

よっしゃー


470以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 21:03:12.27kooUlk9zO (1/1)

園子が相手だと責めにならざる得ない
物理的に


471 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 21:12:00.111BeY1DfWo (4/13)


天乃「もう……仕方がない子ね」

わざとらしく、年上ぶった言葉遣いで言いながら

天乃は自分の布団を剥がし、車椅子を経由して

園子のベッドへと移る

広げられた手足を潰さないよう、丁寧に避けさせて

そっと、顔を覗く

園子「えへへ~お母さんみたい」

天乃「今日だけよ?」

園子「前も、そう言われた気がするよ~」

嬉しそうに言う園子に、

天乃は苦笑すると「そうだったかしら」と、恍ける

言われてみればそうだったかもしれない

流れた二年間が濃密だった自分と、希薄だった園子の記憶の鮮明度の差

気づかされた天乃は、しかし、悲し気な思いを噛み潰して園子の頭を撫でる

天乃「どうせ、私は甘い甘ーいお母さんだもの」

園子「ん~……意外と厳しそう。でも、同時に優しい。好かれるお母さんになるんじゃないかなぁ」

天乃「ふふっ、過大評価もいいところだわ。私はそんな立派な母親にはなれないわよ。きっと」


472 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 21:27:33.141BeY1DfWo (5/13)


厳しくするかもしれない

優しくするかもしれない

けれど、きっと、失うことを恐れて

どうしようもなく、甘やかしてしまうかもしれない

それ以前に、子供なんていない可能性だってあるのだから

けれど、園子の優しい瞳は

天乃のことを見つめたまま、笑顔を見せる

そんなことないよ。と、表情で語り

好かれるよ。と、雰囲気で感じさせ

園子「私は天さん、大好きだもん」

言葉でその気持ちを述べる

頬を撫でて髪に触れたい願いを抱き

出来ないもどかしさを、押し殺す

天乃「二年しか違わない娘がいるなんて……」

園子「天さんってば、すぐそうやって茶化す」

天乃「え?」

園子「もしも体が動いたら、今抱きしめてるところだよ~?」

天乃「して欲しいの?」

園子「むぅ~違うのに~あ、でも、抱きしめて~」


473 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 21:33:08.861BeY1DfWo (6/13)


やっぱり「仕方がないわね」と言いはするけれど

言えばしてくれるその温もりは

確かに優しく、当たり前に温かい

ずっと欲しかった。ずっと感じたかった

体の一部では感じることが出来なくなったそれを、感じられるところでだけでも

直接触れていない、心でだけでも

園子「………………」

だから、

心配させたくない、困らせたくない

へんな気持ちにさせたくないと思っていても

温めすぎた水が鍋から噴き零れてしまうように

瞳からは、涙が伝う

天乃「……………」

包み込むように抱きしめながら、優しく涙を拭ってあげる

大赦の人たちがいた。たくさんいた

けれど、それでは誤魔化せないものがあったのだ

それでは賄えないもの、補えないものがあったのだ

それが分かっているからこそ、天乃は何も言わずに、ただ、寄り添っていた


474 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 21:53:21.741BeY1DfWo (7/13)


√ 6月3日目 深夜(自宅) ※水曜日


天乃「ん……」

頑張って横に目を動かしてみても

ギリギリ死角に入って見れない寝顔を想像しつつ

園子はふっと、息を吐く

園子「やっぱり、無理だよ」

九尾「試すことすら、せぬのかや?」

園子「困らせたくないから」

21体の精霊の中には、夢を見せることが出来る精霊もいて

その力を使えば、夢の中に閉じ込めることだって可能だ

九尾にそうしてはどうかと言われ、考えてしまったことを恥じるように

園子は唇を噛んで「ごめんなさい」と、呟く

九尾「夢ならば抱くことが出来よう。主様とて、お主の願いをすべて無視することなどできはしまい」

園子「うん。今だってそう……でも、だから。だから、このままでいいって思うんだぁ」

言えばしてくれる優しさがある

自分からしたい、感じたいそんな自己満足の為だけに

その優しさゆえに苦しむような悩みは抱かせたくないと、園子は拒絶する

園子「だって、私は天さんが大好きだから」

九尾「お主がそう思うたのなら、妾の言葉などありはせん」

言い残し姿を消したのを感じて、目を瞑る

包み込む温もりに抱かれながら、園子は微睡の中に沈んでいく


475 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 22:01:03.241BeY1DfWo (8/13)

1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(悪くない、無茶しないで、継続、添い寝)
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流有(頭を撫でる、特訓)
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流有(気持ち)
・   三好夏凜:交流有(天乃が、特訓)
・   乃木若葉:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・       死神:交流無()
・       稲狐:交流無()
・      神樹:交流無()



6月2日目 終了時点

  乃木園子との絆 47(少し高い)
  犬吠埼風との絆 38(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 37(中々良い)
  結城友奈との絆 50(高い)
  東郷美森との絆 39(少し高い)
  三好夏凜との絆 27(中々良い)
  乃木若葉との絆 32(中々良い)
     沙織との絆 46(少し高い)
     九尾との絆 40(中々良い)
      死神との絆 38(中々良い)
      稲狐との絆 30(中々良い)
      神樹との絆 8(低い)

 汚染度???%

※夜の交流で稲荷と話せば、汚染度が判明します



476 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 22:05:48.611BeY1DfWo (9/13)


√ 6月3日目 朝(自宅) ※水曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、悪五郎
5、稲荷
6、イベント判定
7、勇者部の誰かに連絡 ※再安価
↓2

※7は電話


477以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 22:09:33.762Rk0dz8KO (1/2)

6


478以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 22:11:09.64IMnIreZ30 (1/2)

6


479 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 22:16:38.241BeY1DfWo (10/13)


01~10  大赦
11~20  クラスメイトA
21~30  樹海化
31~40  九尾
41~50  クラスメイトB
51~60 友奈
61~70  園子
71~80  死神
81~90  夏凜
91~00  風

↓1のコンマ  



480以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 22:17:19.232Rk0dz8KO (2/2)




481以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 22:18:26.22L1Ni63vtO (2/5)

あちゃあ…


482 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 22:34:11.851BeY1DfWo (11/13)


↓1 コンマ

最低1 最高0での難易度判定


483以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 22:34:54.23L1Ni63vtO (3/5)

たのむ


484 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 23:28:41.971BeY1DfWo (12/13)


http://i.imgur.com/PuuhqL3.png

天乃のステータスは、九尾勇者状態のデフォルト



1、九尾勇者
2、死神勇者
3、混合勇者
4、戦闘に参加しない


↓2


485以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 23:32:45.51IMnIreZ30 (2/2)

4


486以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 23:33:05.18L1Ni63vtO (4/5)

3


487 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/14(月) 23:36:42.001BeY1DfWo (13/13)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


一日一体、3日以内に終わる予定
園子も参戦、風は端末無し
友奈は気力マイナス中


488以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/14(月) 23:48:01.12L1Ni63vtO (5/5)


万全な状態だったら一度は不参加でもいいかなとも思ったけど風先輩が丸腰であることに気づいた

友奈ちゃんも心配だがまずは風先輩を助けに行かないと…


489以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 00:13:57.78B0Te/avaO (1/1)

きっついな…風か友奈か
混合使ったら久遠さん体に影響あるが大丈夫なのか?
短期決戦狙うから仕方ないか…


490以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 10:56:45.54TNPL/0xeO (1/1)

旧勇者部になってら


491以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 12:22:51.623F8UUXq3O (1/1)

風先輩にHPの表示がないのは攻撃受けたら即死ってこと?
だとしたらかなり不味いのでは…


492以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 15:41:34.22OAGj7vw0o (1/1)

勇者部側じゃなく一般だから多分死ぬな
全力で守らなきゃヤバい…けど友奈の気力減まで重なってるとは
回避出来てないツケがここに来たか


493以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 20:23:21.66eLXiIWIqO (1/1)

天乃に負担が行ってまた友奈と風にメンタルダメージ入りそう


494以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 20:52:57.47HjvmXskzO (1/1)

友奈は自分の無力にうちひしがれて
風はなんだっけ…風の内面はまだ出てないか


495 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 22:07:57.88dfV8RTMAo (1/6)


では、初めて行きます


496以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 22:11:10.34wSADoOKoO (1/3)

いえす


497 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 22:23:30.18dfV8RTMAo (2/6)


天乃「……風も来ちゃってるの? 端末持ってるのかしら」

端末のマップを確認した天乃は

仮端末が反応しているのか、名前の載っている風の文字を見つめ、呟く

仮端末ではなく、本来の勇者になるための端末を持っているのなら問題はない

けれど、あらかじめ大赦が渡しているとは、考えにくかった

九尾「主様の端末が特殊なだけじゃ。妾や黄泉の者によって、勇者の力を持つ犬姉の存在を感じ取っているにすぎぬ」

園子「? どういうこと~?」

九尾「つまり、犬姉の存在を知っているのは現段階で主様らと、隣にいるであろう犬妹のみ。ということじゃ」

きわめて深刻な表情で述べる九尾を

二人の勇者と一人の元勇者かつ現精霊である若葉は見つめ、同時に自分たちも目を合わせる

九尾が言っていることは、恐らく冗談ではない

だとすれば、友奈や東郷、夏凜は風がいないと思っているだろうし

逆に樹は変身できない一般人である風がいることで焦っているはずだ

九尾「今回、犬姉は勇者と敷いて行動はおろか、最悪死ぬ可能性もある。主様」

天乃「っ」

九尾「今の犬妹には守り切る力はないぞ」

天乃「分かってるわ。だからこそ……最初から全力で行く」

そう、覚悟を決めた表情を見せた天乃のすぐ横に、

小さな死神が姿を現す。彼は何も言わない

ただ、天乃に纏われるように周囲を旋回する

それは、何もなくとも負荷のかかる【混在する力】の肯定

九尾「短期決戦で行くぞ。若葉、乃木の娘。良いな?」

園子「もちろん! 天さんに無理させすぎないのが、今の私のやるべきことだから!」

若葉「友を守りたい。私の理由はそれだけだ」

玉虫色のカラフルで毒々しい装束を身に纏う天乃をよそに

二人の守護者、先祖と子孫は目的を同じくして、頷いた


498 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 22:47:18.38dfV8RTMAo (3/6)


若葉「とはいえ、下手に動くのは得策ではないな」

園子「うん……天さんの端末を見るに、にぼっしー以外は一応二人一組だけど」

若葉「ああ、犬吠埼姉妹は現状、戦力的には一人とみるべきだ。天乃、三好さんに戦術眼はあるか?」

天乃「あるとは思うけど、なくても。夏凜は【一人ぼっちの】樹を捨て置ける性格じゃないわ」

この場合、夏凜は確実に樹に合流するだろう

合流して、風の存在を認識して、そこからどうするか……

天乃「夏凜なら、たぶん。自分を囮にして樹と風を下がらせる」

園子「天さんタイプ……だね」

天乃「それは」

若葉「否定は出来ないぞ」

天乃「むぅ」

二人の乃木に言い迫らせた天乃は

否定しようとした言葉を丸のみにして

困ったように眉を顰めて、息をつく。今は、言い争う場合じゃない

若葉「天乃、どう動く? 私達のリーダーは天乃だ。決めてくれ」

天乃「っ……」

園子「………………」



1、勇者部が動いてから動く
2、若葉と園子を友奈側へ  ※天乃は夏凜側に行くことになります
3、若葉と園子を夏凜側へ  ※天乃は友奈側へ行くことになります
4、移動箇所を画像から選択 ※若葉と園子は付いてきます
5、夏凜達との合流を最優先


↓2


http://i.imgur.com/rmPOKwo.png


499以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 22:51:06.37wSADoOKoO (2/3)

5


500以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 22:51:26.81Hk9JOmUMO (1/1)




501 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 23:13:07.74dfV8RTMAo (4/6)


天乃「若葉は園子と二人で友奈と統合の援護に回って頂戴」

園子「天さん、それはっ」

天乃「大丈夫よ。夏凜がいるし、五郎君もいるから」

この程度なら。なんて甘く見るつもりはないけれど

でも、満開を使うほどの難敵ではない

ただただ、全力で移動して、追いついて、戦って、戦闘終了

過程をほぼ省けばそんな単純なものだ

若葉「今の自分には精霊の加護がないことを、絶対に忘れないでくれ」

園子「若葉さん……」

若葉「いつも通り若様で良い……園子。私達の友を信じよう。信じて信じて信じて。死すれば嘆くと、分からせてやろう」

物騒なことを平然と

しかも目の前で言う若葉を困り顔で見つめる天乃に目を向けた園子は

若葉へと視線を動かして、頷くと

園子「泣くからね? 私は、強く、激しく、永久を求めて」

そう言い残して、二人一緒に飛び去って行く

取り残された天乃は、小さく息をつき、頭を振って夏凜達がいる方向を見つめる

天乃「泣かせないわよ。出来る限りは、ね」


502 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 23:31:37.01dfV8RTMAo (5/6)


若葉達が動いてからすぐに、

夏凜達との合流を目指して移動を開始する

それとほぼ同時に夏凜が先に風と樹に合流し

何を話したのか、風が僅かに下がり、その後を追わせまいと

樹が風の向かった道に立ちふさがるようにして立つ

夏凜「樹、あんたも下がりなさい!」

樹「ここで下がったら今までと何も変わらない……だから、ここで一緒に食い止めます」

夏凜「風を無防備には出来ないって言ってんのよ。今の風には何の力もないただの一般人なんだから」

樹「それは……」

喧嘩しているわけじゃない。争っているわけでもない

どちらにも守りたいものがあって、守り合いたくて

だから、どちらも引くことが出来ずにいる

しかし、風は夏凜が言うように一般人で

逃げようにも、僅か(1マス)しか動くことはできない

天乃「夏凜!」

鋭い聴覚ゆえに声は聞こえるが

残念ながら、天乃の声はまだ、夏凜達には届かない


503 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/15(火) 23:36:31.52dfV8RTMAo (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



現状→【http://i.imgur.com/3JgCh9e.png

バーテックス戦術行動注意


504以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 23:52:08.27wSADoOKoO (3/3)


相手が露骨に狙って来ている辺り今回の闘いは風先輩の防衛戦がメインになりそうだな


505以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/15(火) 23:53:15.38nraN8Z7A0 (1/1)



友奈達と距離があるのが怖すぎるな
受け切れるなら挟み討ちもありだけど今回は混合勇者のうえ防衛目標ありだからジリ貧になりそう


506以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 00:12:58.05miajMZHQO (1/1)

本当に狙ってきてるのか?
横にしか動いてないし狙ってなさそうに思えるんだが…
というか久遠さんいる方狙うとか神風もいいところだろ


507以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 06:39:19.38SFrEwqaW0 (1/1)

風先輩に集中しすぎて油断したところに左から双子の片割れが乱入してくるに一票


508以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 08:32:28.79b8KV8O62O (1/1)

園子と若葉も考えて動くはずだけど…どう動くか
というか思えば若葉と園子の共闘とか幻じゃないか


509 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 22:47:55.29uc+Nqb7Ao (1/6)


では、少しだけ


510以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 22:49:09.72h9c00RO6O (1/3)

よしきた


511 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 22:53:51.55uc+Nqb7Ao (2/6)


天乃「近づいてこなかった……?」

機動力にたけた双子座は動かなかった上に

蠍座、乙女座は右サイドに動いただけで

それ以上の動きは見られなかった

無防備な風に気づいているとすれば

その弱点を狙ってきていると考えられるかもしれないが……

天乃「……不気味だわ」

バーテックスが多少なりと知能を持ち

ある程度の作戦、戦術的行動を行うことは痛いほどに理解している

だからこそ、

自分が考えている以上の何かがあるのではないか、と

天乃は不安を覚えていた


512 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 23:02:24.21uc+Nqb7Ao (3/6)


友奈と東郷の方に向かった若葉と園子は合流済み

向こうのルートはバーテックスのいない、いわばもぬけの殻

それは、園子たちの端末を見ても明らかなはずだ

天乃「園子たちはどう動くべきと考えるのかしら」

恐らくだが、

若葉と園子は不安を煽らないよう、風のことに関しては伏せようとする算段だったと思う

でも、こんなあからさまなねらい目をつけられたら

風を守るためにと事情を話して全力で直行する可能性も無きにしも非ずだ

天乃「ただ……」

あの二人がそんな分かりやすく単純な動きをするのだろうか

それを良しとするのだろうか

なにより、あっちには園子がいる

天乃「そんなボタンを押せば電気がつくみたいな流れ。園子は……」



1、園子に連絡
2、夏凜達と合流
3、全力特攻で蠍座との戦闘に入る
4、全力特攻で乙女座との戦闘に入る
5、全力特攻で双子座との戦闘に入る


↓2


513以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 23:05:49.75h9c00RO6O (2/3)

2


514以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 23:06:25.680GTycBqxo (1/1)




515 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 23:13:25.39uc+Nqb7Ao (4/6)


天乃「…………」

頭を振る

園子だって立派な勇者だ、信頼できる仲間だ

園子だけじゃない

若葉も、夏凜も、樹も、東郷も

今は不安定な友奈だって、戦えない風だってそう

だから考えるべきことは違うだろう。と

天乃は深く息をつき、佇む

天乃「まずは左、次に右で上」

端末に表示されたマップを確認

人差し指で乙女座から蠍座、蠍座から双子座

その順番に指を動かす

敵は3体いるが、戦闘能力的には2体いるかいないかだ

つまり、風を守るための最善策は

天乃「攻撃こそ、最大の防御」

撃たれる前に撃つ、先制の一手

天乃「ふぅ……」

精霊の力を借りて、自身の脚力をさらに上昇させ、

一気に地面をけり跳ぶ

通常状態よりもすでに早かった機動力はそれをさらに上乗せされた爆発的超加速をして

かなり遠かった乙女座の目の前まで、ほぼ一瞬でたどり着く


516 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 23:31:24.72uc+Nqb7Ao (5/6)


天乃「存在そのものが、罪なのよ」

肉薄し、超加速の反動をかき消すことなく体を捻り、

乙女座の爆弾の射出口となっている尾のような部分を右手でつかむと

直後にそれを【蹴り千切り】右手に力を籠め、地面へと引き落とし

両足が地面につくや否や、天高く跳躍する

砂埃が舞う中、引き倒されたバーテックスは体の再生を行おうとするが

天乃の力故、再生できず、圧倒的な力を前に身動きもできず

乙女座のバーテックスが、天乃の接近を感知できたのか

天乃の拳による一撃を痛覚として感じ取れたのか

何もかもが不明ではあるが……

しかし

天乃「やぁッ!」

巨大な化け物を相手にし、マウントを奪った小さな勇者

彼女が空から舞い降りるたった拳一突きで

その巨躯が、中に隠されていた御霊が跡形もなく消し飛んだのだけは、明白だった

天乃「……時間がない」

樹海の根が抉られたように出来ている大きなクレーターから蠍座の方に目を向けた天乃は

指で眼球を圧し潰されているような激痛、

喉に手を突っ込まれ内臓を引きずり出されようとしているような吐き気

さまざまな苦痛を感じながら、しかし、歯を食いしばって拳を握り締める

天乃「みんなの前で倒れるわけにはいかない……早く倒して、早く、帰らなきゃ」

無理を重ねている体には、多大な負荷がかかっていた


517 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/16(水) 23:33:26.72uc+Nqb7Ao (6/6)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




戦闘処理。不要の為、判定していません
天乃→乙女座  2500ダメージ(700オーバー)で殲滅


518以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/16(水) 23:38:29.28h9c00RO6O (3/3)


久遠さん安定のオーバーキル
…なのだがまた無茶したらみんなに怒られるぞ



519以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 00:22:02.53LHSUBCOL0 (1/1)


消耗戦で久遠さん離脱狙いか?


520以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 13:34:52.22BjGB6Ruto (1/1)

久遠さんのスタミナが切れてから全力侵攻
勇者部を壊滅させるんですね解ります

…鬼畜過ぎる


521 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 22:30:49.370w7LXPujo (1/8)


では初めて行きます


522以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 22:36:38.48oD6x+EKuO (1/5)

かもん


523 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 22:38:45.890w7LXPujo (2/8)


夏凜→蠍座 命中判定 01~65 命中  ぞろ目CRI


524以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 22:39:56.69coWDXGL00 (1/2)




525以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 22:41:25.49oD6x+EKuO (2/5)

はい


526 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 22:42:30.900w7LXPujo (3/8)


戦闘結果 先出  夏凜攻撃失敗


蠍座→夏凜 命中判定↓1  01~78 命中 


527以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 22:43:13.58oD6x+EKuO (3/5)

よけて


528以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 22:44:36.91wEbE4HDnO (1/1)

うっかりん


529 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 23:02:22.840w7LXPujo (4/8)


戦闘結果 先出 蠍座攻撃成功

ダメージ=115ダメージ

友奈、東郷、園子、若葉 樹、風 双子座行動終了


http://i.imgur.com/SmKJmS0.png




530以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 23:04:24.50bQ1KRaj9O (1/1)

夏凛までピンチに


531 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 23:05:51.740w7LXPujo (5/8)


天乃「……っ」

体の気だるさや、激痛、吐き気

これでもかというほどの苦痛を身に受ける天乃は

乙女座を潰したところから上がった先

樹木の陰に背中を預けて、うめく

まだ、倒れるわけには行かない

こんな場所で、みんなの前で、痛みに呻いたり、吐くわけには行かないと

精神力だけで保つ

心配させるから、不安にさせるから、背負い込ませてしまいそうだから

端末をちらりと確認

夏凜は樹を置いてさそり座に直行したようで、意外と近くにまで来ているようだ

一方で、若葉たちはそのまま横に移動することなく

斜めに進んできている

左側をがら空きにすることなく、しかし、みんなとの合流を目指して動いているのかもしれない


532 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 23:14:59.670w7LXPujo (6/8)


天乃「夏凜も動かずにいてくれたら」

それなら、さっとさそり座を倒してふたご座を倒して終われたのに

そう思った天乃は苦笑して、端末をしまう

天乃「夏凜に怒られるのが怖いのね、私」

絶対に怒られる。何があろうと確実に

こんな無茶をしているのだから

きっと「あんた、一体なにやってんのよ!」とか、叱られるんじゃないか。なんて

予断を許さない状況下でも

叱る夏凜を想像すると、なぜか笑みがこぼれてくる

天乃「ごめんね、夏凜。でも、私はみんなを守りたいの……そのためには、保身なんて考えられない」

力強く歯を噛み締めて、拳を握り、地面を踏みつける

自分が生きていること、まだ戦えること

それらを世界に、自分に。示すように立つ

天乃「もう少しいける。大丈夫」

そう、意気込んだ瞬間

精霊の加護の光が、夏凜がいるべき方角で瞬いたのが見えた


533 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 23:39:01.530w7LXPujo (7/8)


樹海にも阻まれる視界では

何が起きているのか、その把握は難しくて

端末で位置情報を確認する

天乃「友奈がこっちに直進してきてる……それに」

蠍座は健在で夏凜と戦闘中だろうか

双子座に限っては、樹と風めがけてまっすぐ直進してさえいる

天乃「樹……」

夏凜を助けに行くか、樹を助けに行くか

戦闘能力で考えれば、夏凜に手助けはいらないかもしれない

だが、バーテックスの戦闘能力を加味するなら

個人的な戦闘能力の低い双子座と相対する樹の方には、援護は必要ないかもしれない

でも、樹には単独封印の術がなく加えて、風を守る必要がある

天乃「っ……どうしよう、手が足りない」

精霊の力を借りれば、【無理をすることになるが】一気に二つの行動を行うことだってできる

天乃「満開は、出来れば使いたくない……この、程度では」


1、【SPアビリティ 覚醒】  蠍座戦闘後、双子座戦闘
2、夏凜の援護
3、樹の援護
4、勇者部の動きを見てから行動


↓2


534以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 23:41:15.38oD6x+EKuO (4/5)

1


535以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 23:41:22.90coWDXGL00 (2/2)

3


536 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/17(木) 23:47:43.980w7LXPujo (8/8)


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




この選択、吉か凶か


537以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/17(木) 23:54:05.82oD6x+EKuO (5/5)


数字上では出てないけど段々弱ってきてるな久遠さん…
友奈ちゃんたちは間に合うのだろうか


538以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 02:06:21.71t5LZD3HDo (1/1)

これでにぼっしー失ったらいよいよ久遠さんのメンタルが…


539以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 20:49:27.58aNtxEz4/O (1/1)

まあ夏凛の方は死なないでしょ


540 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:03:28.284J6MK2Xlo (1/12)


では、初めて行きます


541以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 22:08:17.470dlutkJ1O (1/4)

ばっちこい


542 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:10:05.074J6MK2Xlo (2/12)


夏凜のことが気になって、方角に目を向けるが

残念ながら、樹海が邪魔で見ることは出来ない

天乃「夏凜……」

心配だ。怖い

でも、だけれども、と。天乃は首を振って真逆、樹の方角へ足を向ける

天乃「大丈夫、大丈夫だって、私……」

いつか失った彼女のことを思い、天乃は胸元に手を宛がう

前もそうだった。あの絶望的な状況下で

彼女の笑顔を、彼女の力を

信じて、願って、祈って――奪われた

天乃「っ……絶対、絶対、行くから」

その恐怖を抱きながら

しかし、天乃は樹たち犬吠埼姉妹の元へ急行する


543 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:18:27.824J6MK2Xlo (3/12)


双子座の力が弱いことなど、関係ない

樹がいて、一般人である風がいる

そうでなかったとしても

両親を奪ってしまったのだ

彼らの代わりに、守らなければいけない

天乃「双子座――」

樹海の根を蹴り飛ばし、

高く跳躍しながら、世界を見下ろす天乃は

一部、何かが駆けた跡の土煙を見つけ、その先

勇者に匹敵する高速で駆ける双子座を視認する

――いた

判断はしなかった

いや、一瞬だったから、しなかったのと同じようなものだった

着地するや否や、

双子座が向かうであろう方向、その先の先

丁度合流するであろうルートめがけて直進する


544 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:31:58.784J6MK2Xlo (4/12)


狙いは精確だった

複雑に歪曲している樹海の目をかき分けるように駆け巡っていた天乃は

端末を確認せず、それの騒々しい足音で位置を把握

時には足を止め、時には速め

タイミングを的確に調整して、抜刀

天乃「……ここ!」

刀の柄を強く握りしめ、地を蹴る

迷いのないそれは

刃をまっすぐ正面にした刺突の型

精霊の力を借りた速さは、やはり、異常で

樹海の根から平原のような場所へと切り替わった瞬間

天乃の刀に双子座の矮躯が突き刺さり、体が砕けて、崩壊する

一瞬かつ、一撃

自身の崩壊さえ悟らせることなく、天乃はバーテックスを屠る

その力はやはり、バーテックスの追随さえ許すことのない

最強で災厄の力だった


545 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:35:08.484J6MK2Xlo (5/12)


戦闘結果 後出 
天乃→双子座

判定不要、討伐完了



546 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:40:47.924J6MK2Xlo (6/12)


夏凜→蠍座
封印行動成功判定 ↓1


01~64 成功  それ以外失敗


547以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 22:41:16.180dlutkJ1O (2/4)




548 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:48:14.724J6MK2Xlo (7/12)


封印成功
攻撃判定補助、  防御無視


↓1 CRI判定  ぞろ目 01~10




549以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 22:51:32.98y8K97USO0 (1/1)




550以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 22:51:45.7788a4bpiyO (1/1)




551 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 22:56:51.184J6MK2Xlo (8/12)


戦闘結果、 攻撃成功

蠍座御霊に550ダメージ
残り、1450

封印限界残り3ターン


552 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 23:32:58.764J6MK2Xlo (9/12)


双子座を打倒したのとほぼ同時に

夏凜がいる場所で力強い神樹様の力を感じて

天乃は思わず振り返ると、笑みを浮かべる

封印を行い、成功したと感じたからだ

天乃「……夏凜」

不安はあって、怖くて

けれども信じた天乃の思いに答えるような力

それは確かに、三好夏凜のもの

天乃「すぐ、いくからね」

端末を操作して、マップを開く

動かない蠍座、隣接した夏凜

確実に向かってくる友奈、園子

左サイドの警戒をする若葉と東郷

風を守る樹

それぞれの動きを把握して、息をつく



現状→【http://i.imgur.com/IRuf2no.png


553 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 23:37:46.984J6MK2Xlo (10/12)


それぞれがどう考え、この動きをしているのか

天乃は考えて、友奈の名前をタップする

友奈の動きからして、向かってきているのは天乃がいる場所だ

つまり、天乃を助けようとしてくれているのだろう

しかし、園子を置いて移動しているのを見る限りでは

あの四人の計画通りにはいっていない可能性が高い

つまり、友奈が独断専行しており、園子は後を追う形になってるというわけだ

若葉と東郷の間隔が一定なのは、互いにサポートできるようにという配慮

つまり、二人は問題なくチームを組んでいる

風と樹に関しても問題はなさそうで、夏凜も

最初こそ不安な部分はあったが、封印も無事に成功して

後は御霊を破壊するだけと、もはや時間の問題になった


554 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 23:44:34.204J6MK2Xlo (11/12)


天乃「他に問題があるとすれば……」

天乃はそう言って笑いながら、自分の胸元に手を宛がう

肺に穴が開いているかのような、突き刺された痛み

走り続けた後の、鼓動の激しさに似た痛み

内側から湧き上がってくる吐き気

自分自身の体こそが大問題だと分かっている

だから、笑う

戦闘終了後に、どう逃げるか

どう言い訳するか、そればかりを考える

もちろん、蠍座のことも忘れてはいないし

奇襲その他、警戒も怠ってはいないけれども



1、勇者部が動いてから動く
2、さっさと蠍座を倒しに行く


↓2


555以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 23:47:27.190dlutkJ1O (3/4)

2


556以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 23:48:39.59AnxDLe770 (1/1)

1


557 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/18(金) 23:49:49.324J6MK2Xlo (12/12)


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば早めの再開



明日で戦闘終了


558以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/18(金) 23:54:06.960dlutkJ1O (4/4)


友奈ちゃん余裕が無さすぎて周りが見えなくなってきてる…?


559以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/19(土) 08:24:06.50xLY0AVZGO (1/1)

久遠さんが考えてくれてるから動きが分かりやすいな
その分、久遠さん視点であって友奈視点じゃないのが怖いな


560 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 16:10:09.301qe5IJ/7o (1/15)


この戦闘終了後に、経験値加算します
だいぶサボっていたみたいなのですごいことになりますが、ご了承ください


561 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 21:03:46.501qe5IJ/7o (2/15)


では、初めて行きます


562以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/19(土) 21:04:31.58I8tlg/cmO (1/3)

よしきた


563 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 21:13:40.731qe5IJ/7o (3/15)


勇者部行動開始


友奈→蠍座  CRI判定↓1  ぞろ目 01~10

夏凜→蠍座  CRI判定↓2  ぞろ目 01~10



564以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/19(土) 21:16:05.23I8tlg/cmO (2/3)




565以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします2016/11/19(土) 21:19:00.12JeLxd0bB0 (1/1)

ほい


566 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 21:22:35.781qe5IJ/7o (4/15)


戦闘結果 先出

夏凜→800ダメージ  友奈→500ダメージ
計1300ダメージ

残り150


567 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 21:41:26.681qe5IJ/7o (5/15)


夏凜「ったく……天乃のやつ」

戦闘が始まってからの天乃の動き

戦闘が始まってからの経過時間

精確なことは分からないが、しかし

夏凜は絶対に無茶してるんだろう。そうとしか考えられない

見ずとも思い、考え、深々と息をつく

夏凜「これ以上、無茶はさせられない」

不可をかけさせるわけにもいかない

満開の一歩手前

最高峰の能力と引き換えに多大な犠牲を払う力

それでも、身体機能を失う満開と比べれば――いや

そんな生易しいものではない

夏凜「早く終わらせなきゃ……早く、もっと早く、もっとずっと、早く!」

右手の刀、左手の刀

それぞれを握り直し、勢いよく地面をけり出す

むき出しにした御霊は無防備ではあるが

しかし動くこともあるし、抵抗してくることもある

今回には毒のキリを噴出して、僅かに動く。そんな御霊

だが、夏凜にはそんなこと関係なかった


568 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 22:25:49.821qe5IJ/7o (6/15)


駆けだした夏凜は御霊が左に動くと、後を追わずに右に跳躍

直後、樹木を蹴とばして方向を変え、体をひねり――

夏凜「ったりャァッ!」

御霊の真後ろから一閃

直撃したその一瞬、その滞空

その間を逃すことなく、左の刀を逆手に持ち替え、直上から突き立てる

ピシッ!

そんな音が聞こえたが、しかし崩壊にまでは至らず

もう一撃を入れようとしたところで

背後から気配を感じ、思いっきり、飛びずさる

ある教官の訓練中、何度も行われた一瞬の奇襲

受け続けたからこそ、反射的に動いてしまった夏凜は

せめてその存在だけでもと、振り返る

友奈「っ――!」

友奈だった

目標であると語っていた天乃と同じ色の髪を激しく掻き乱し

一直線に接近してくるその姿は、牛鬼の作り出す薄くも強靭な光に守られている

夏凜「友奈……」

それは、友奈が見つけた一つの答え


569 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 22:57:20.271qe5IJ/7o (7/15)


本来、敵の攻撃から身を守る方法である加護を

自身の突撃を阻害されない為に展開した攻撃方法

友奈「夏凜ちゃん下がって!」

そんなものを被害なしに止められるすべのない夏凜は

悔しそうに歯を噛み、刀の柄をへし折りそうなほどに強く握る

夏凜「友奈ッ!」

そんな力の使い方は誰も望んでない

ましてや、そんなやり方で貢献などすれば

天乃は絶対に許さない

全てを知っていると自負はしない

けれどそれでも、夏凜はそう思った

目の前で、友奈と御霊が衝突する

桃色の火花を散らす衝撃は眩い

しかし、夏凜は一瞬も逃さず記憶にとどめる

見るべき人がいない

知るべき人がいない

だから、夏凜は伝えるために、それから眼を逸らすことはなかった


570 ◆QhFDI08WfRWv2016/11/19(土) 23:09:25.861qe5IJ/7o (8/15)


園子「まだまだ遠いけど」

園子と蠍座の距離はまだまだ遠く

友奈や天乃達のような近接特化のタイプでは絶対になす術のない距離

園子も、二年前はどうしようもなかった

何もできなかった

だからこそ願い、望み、与えられたその力を、浮遊する刃に込めていく

園子「少し、上にずれる癖があるから」

練習で撃った際、言われたことを繰り返し口にして

園子は触手のような補助機能を駆使して跳躍すると

園子「二人とも下がって!!」

友奈と夏凜に当たらないように狙い定め――投擲のごとく刃を放つ

友奈に声は届かなかったし、夏凜にも聞こえたのかは分からない

けれど、夏凜は振り返ることなく友奈の型を掴むと

後ろに跳び、樹木の陰に隠れる

その瞬間、園子の放った一撃が蠍座の御霊を貫き、吹き飛ばす

殺しきれなかった勢いは大爆発のような炸裂音を轟かせ、木々を吹き飛ばし砂塵をまき散らせる

天乃の一撃にも匹敵するそれを目の当たりにして、

夏凜はまた一つ、先代との実力の差を感じた