1以下、名無しが深夜にお送りします2016/08/31(水) 22:43:19D9qmzLsE (1/4)

 オマエには信じられるか?
 俺たちは全員死んだ筈だ。なのに、何度も、何度も、何度も、何度も蘇った。

 アイツ等は皆、死ぬたびに、その記憶が無くなってる。俺もそうだった。

 だが、ある日をさかいに俺だけ、記憶を維持するようになった。

 俺だけが知っている。オーバーウォッチの真の意味を。
 
 いのち
 時間を超える。

 
 世界中のあらゆる超人たちが、機械の体を手に入れる。
 
オムニック
 機械に勝つためにはそれしかなかった。

 でも、もう戦争は終わった筈だ。俺たちは長い、永い眠りについた。
 いいか、俺たちは皆、頑張らなくていいはずなんだ。それなのに何故?
 誰が目覚めさせたかも、俺は知ってる。

 目覚めた俺が一番最初に考えたことは、全員の時間を永遠に止めてやることだった。

 真の敵は強過ぎた。働き者の英雄たちに、永遠の安らぎを。それだけが唯一俺に出来ることだった。


2以下、名無しが深夜にお送りします2016/08/31(水) 23:04:57D9qmzLsE (2/4)


アンジェラ「大丈夫?目が覚めたようね」

 ここは、どこだ?俺は、確か。

ジャック「ガブリエル。お前は本当に死にそうなくらいの大怪我をしたんだ。アンジェラに感謝するんだな。彼女は命の恩人なんだぞ」

ガブリエル(両手がある。何故だ。俺の両手はタレットロボのガトリングに打たれて千切れた筈だ。そこにはお前も居ただろ。何故笑ってるジャック)

ガブリエル「ああ、本当だな。アンジェラのお陰で引き続き銃を握れそうだ」

ジャック「?そのとおりだ。だが、暫くは安め。ちょっと、着替えを取りに行ってやろう」

アンジェラ「‥‥。私も行くわ」

ガブリエル「アンジェラ。お前は待ってくれないか。少し聞きたいことがある」


3以下、名無しが深夜にお送りします2016/08/31(水) 23:15:22D9qmzLsE (3/4)

アンジェラ「なあに?ガブリエル。貴方の戦場カメラマンのまねは流石にもう飽きたわよ」

ガブリエル「違うよ。質問があるといっただろ」

ジャック「おいおいレイエス。俺たちの女神を口説く気か?明日には集団リンチだぞ」

ガブリエル「ジャック。真面目な話なんだ。頼むから着替えを取りに行ってきてくれ」

ジャック「リーダーなのに‥‥‥。くそ。お前なんてオムニックに蜂の巣にされちまえ」

ガブリエル「よし、馬鹿は去ったな。アンジェラ、俺の両手だが‥‥‥」

アンジェラ「どう考えてもおかしくないか?」


4以下、名無しが深夜にお送りします2016/08/31(水) 23:28:27D9qmzLsE (4/4)

ガブリエル「!?」

アンジェラ「ふふ。これで何度目でしょうね」

ガブリエル「お前と話をしていて、いつも不思議に思ってたことがあった」

ガブリエル「いつも瞳の奥が笑ってないんだ。お前は常に、何かに絶望していた」

ガブリエル「俺も思い出してきたよ。そして、前の俺はお前が思っているより賢かったようだ」

 俺は、ベッドのカバーに手を突っ込み、一丁のショットガンを取り出した。

ガブリエル「どこを撃ってほしい?」

アンジェラ「無駄よ。幾らでもスペアがあるわ」

ガブリエル「お前は一人だけだ。どこを撃ってほしい?」

アンジェラ「頭を。ありが‥‥」

バン!