◆hJ5a7d.jWc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16843621.html
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360:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:42:39.49:wWW9YQkD0 (65/167)
明石「ガードした腕を素早く捉える! アームロックに掛かった! ここでもパワー差が浮き彫りになります! 隼鷹選手、外し切れない!」
明石「しっかりと逆関節を取った! これは極まっ……蹴った!? 隼鷹選手、マウントを取られた状態から蹴りを繰り出しました!」
明石「足を振り上げ、つま先で伊勢選手の後頭部を叩いた! わずかに伊勢選手の意識が途切れる! その隙を突き、隼鷹選手、脱出!」
明石「一旦離れようとする隼鷹選手を、意識が戻った伊勢選手が追いすがる! グラウンドから逃しはしない! 足への低空タックルです!」
明石「か、踵落としぃぃぃ! 頭頂部へまともに喰らいました! タックルは勢いをなくし、伊勢選手がマットに手を着きます!」
明石「追撃の耳打ちだぁぁぁ! これはイヤーカップ!? 掌底を耳に打ち込まれました! おそらく、鼓膜が破壊されてしまった!」
明石「ガードした腕を素早く捉える! アームロックに掛かった! ここでもパワー差が浮き彫りになります! 隼鷹選手、外し切れない!」
明石「しっかりと逆関節を取った! これは極まっ……蹴った!? 隼鷹選手、マウントを取られた状態から蹴りを繰り出しました!」
明石「足を振り上げ、つま先で伊勢選手の後頭部を叩いた! わずかに伊勢選手の意識が途切れる! その隙を突き、隼鷹選手、脱出!」
明石「一旦離れようとする隼鷹選手を、意識が戻った伊勢選手が追いすがる! グラウンドから逃しはしない! 足への低空タックルです!」
明石「か、踵落としぃぃぃ! 頭頂部へまともに喰らいました! タックルは勢いをなくし、伊勢選手がマットに手を着きます!」
明石「追撃の耳打ちだぁぁぁ! これはイヤーカップ!? 掌底を耳に打ち込まれました! おそらく、鼓膜が破壊されてしまった!」
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
361:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:43:11.39:wWW9YQkD0 (66/167)
明石「だが、なおも伊勢選手は動いています! 朦朧とする意識のまま、隼鷹選手の足に組み付こうとしている! しかし、隼鷹選手が足を引いた!」
明石「真正面からの蹴り上げぇぇぇ! サッカーボールキックがあごを打ち抜いた! 浮き上がった頭に、ダメ押しのハイキィィィック!」
明石「側頭部を蹴り抜かれました! 音を立てて伊勢選手が崩れる! 立てない! 立てません! もう、身動き一つ取れない!」
明石「失神が確認されました! 試合終了! ダークホースが現れました! 勝者は太極拳士、隼鷹選手! 脅威的な強さです!」
明石「だが、なおも伊勢選手は動いています! 朦朧とする意識のまま、隼鷹選手の足に組み付こうとしている! しかし、隼鷹選手が足を引いた!」
明石「真正面からの蹴り上げぇぇぇ! サッカーボールキックがあごを打ち抜いた! 浮き上がった頭に、ダメ押しのハイキィィィック!」
明石「側頭部を蹴り抜かれました! 音を立てて伊勢選手が崩れる! 立てない! 立てません! もう、身動き一つ取れない!」
明石「失神が確認されました! 試合終了! ダークホースが現れました! 勝者は太極拳士、隼鷹選手! 脅威的な強さです!」
362:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:43:40.47:wWW9YQkD0 (67/167)
明石「ブラジリアン柔術VS中国拳法の戦いは、中国拳法に軍配が上がりました! 戦艦級王者奪還を狙う、伊勢選手を技術によって圧倒!」
明石「ボクシングの攻防に惑わされる場面もありましたが、終始一方的な試合展開! 中国拳法の恐ろしさをまざまざと見せつけました!」
香取「強いわね……あれだけ余力を残して勝利するなんて、とんでもない実力よ。ここまでできるとは思わなかったわ」
香取「隼鷹さんは凄まじく強い……という話は置いておいて、明石さん。もう気付いてるでしょう?」
明石「……まあ、はい。途中から、あからさまに伊勢選手の動きが変わりましたよね」
香取「ええ。停電になって試合を再開した直後からね。なんだか伊勢さん、髪の毛がちょっと短くなったと思わない?」
明石「ものすごく思います。ついでに、セコンドの日向さんは髪が少し伸びました」
香取「そうよね……今、担架でリングから運び出されてるのって……伊勢さんじゃなくて、後ろ髪を結んだ日向さんよね」
明石「で、リング下でオロオロしてるのが髪を降ろした伊勢さんですね。いやあ、こうして見ると全く同じ容姿なんですね」
明石「ブラジリアン柔術VS中国拳法の戦いは、中国拳法に軍配が上がりました! 戦艦級王者奪還を狙う、伊勢選手を技術によって圧倒!」
明石「ボクシングの攻防に惑わされる場面もありましたが、終始一方的な試合展開! 中国拳法の恐ろしさをまざまざと見せつけました!」
香取「強いわね……あれだけ余力を残して勝利するなんて、とんでもない実力よ。ここまでできるとは思わなかったわ」
香取「隼鷹さんは凄まじく強い……という話は置いておいて、明石さん。もう気付いてるでしょう?」
明石「……まあ、はい。途中から、あからさまに伊勢選手の動きが変わりましたよね」
香取「ええ。停電になって試合を再開した直後からね。なんだか伊勢さん、髪の毛がちょっと短くなったと思わない?」
明石「ものすごく思います。ついでに、セコンドの日向さんは髪が少し伸びました」
香取「そうよね……今、担架でリングから運び出されてるのって……伊勢さんじゃなくて、後ろ髪を結んだ日向さんよね」
明石「で、リング下でオロオロしてるのが髪を降ろした伊勢さんですね。いやあ、こうして見ると全く同じ容姿なんですね」
363:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:44:11.38:wWW9YQkD0 (68/167)
香取「本当ね。打撃も傷跡が見えないボディにしか受けてないし、髪の長さと雰囲気でしか見分けられないわ。戦い方の違いは一目瞭然だったけど」
明石「ボクシングの打撃からテイクダウンに繋げる戦法も、まるっきり日向選手ですもんね。停電のときに入れ替わったんでしょうか」
香取「元々、そういう作戦だったんじゃないかしら。停電を仕組んだのも伊勢型姉妹と考えるのが妥当ね」
香取「日向さんと伊勢さんは、同じブラジリアン柔術でもはっきりとタイプが分かれてるのよ。主に組み技への入り方の違いね」
香取「伊勢さんは組み付く、タックル、相手の打撃を取るという形で技に繋げる。これはこれで完成度は高いけど、欠点が存在するわ」
香取「打撃技がほぼない、という点ね。隼鷹さんみたいに間合い取りと打撃のレベルが高い選手だと、どうしても苦戦を強いられてしまうのよ」
香取「関節技に偏重した代償みたいなものかしら。その点、日向さんはボクシングの打撃もできるバランス型。欠点らしい欠点はないわ」
香取「伊勢さんのような一点特化の強さは薄れるかわりに、どんな相手とでも順当に戦える。2人は姉妹だけど、異なった強さを持つのよね」
香取「組み技偏重型の伊勢さんと、バランス型の日向さん。対戦相手を見極めて、相性の良さそうなほうがリングに上がる作戦だったんでしょう」
香取「本当ね。打撃も傷跡が見えないボディにしか受けてないし、髪の長さと雰囲気でしか見分けられないわ。戦い方の違いは一目瞭然だったけど」
明石「ボクシングの打撃からテイクダウンに繋げる戦法も、まるっきり日向選手ですもんね。停電のときに入れ替わったんでしょうか」
香取「元々、そういう作戦だったんじゃないかしら。停電を仕組んだのも伊勢型姉妹と考えるのが妥当ね」
香取「日向さんと伊勢さんは、同じブラジリアン柔術でもはっきりとタイプが分かれてるのよ。主に組み技への入り方の違いね」
香取「伊勢さんは組み付く、タックル、相手の打撃を取るという形で技に繋げる。これはこれで完成度は高いけど、欠点が存在するわ」
香取「打撃技がほぼない、という点ね。隼鷹さんみたいに間合い取りと打撃のレベルが高い選手だと、どうしても苦戦を強いられてしまうのよ」
香取「関節技に偏重した代償みたいなものかしら。その点、日向さんはボクシングの打撃もできるバランス型。欠点らしい欠点はないわ」
香取「伊勢さんのような一点特化の強さは薄れるかわりに、どんな相手とでも順当に戦える。2人は姉妹だけど、異なった強さを持つのよね」
香取「組み技偏重型の伊勢さんと、バランス型の日向さん。対戦相手を見極めて、相性の良さそうなほうがリングに上がる作戦だったんでしょう」
364:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:44:38.02:wWW9YQkD0 (69/167)
香取「事前予想が外れた場合は、苦肉の策として停電を起こし、髪型を変えて入れ替わる。ダメージも帳消しになるし、勝ち上がるには良い作戦ね」
明石「ルールブックには明記されてませんが……反則ですよね?」
香取「書くまでもないことだもの。この手段で勝ち上がられてたら困った事態になってたけど……負けたものはしょうがないわね」
明石「……実質的に、隼鷹選手は2人分のトップファイターを相手にし、そして完勝したということになりますね」
香取「ええ。仮に伊勢さんがあのまま戦っていても、最初から日向さんがリングに上ったとしても、隼鷹さんの勝利は揺るがなかったでしょう」
香取「隼鷹さんは発勁の打撃を1度しか使わなかったわ。一流のファイターを技を隠したまま勝つ余裕があるほど、彼女は強い」
香取「まだまだ見せてない技は多そうだわ。この先の試合で、真の実力が明らかになってくるでしょうね」
明石「そうですね……あっ、日向選手……じゃなくて、リング下にいた伊勢選手が運営スタッフに連行されていきます。事情聴取をされるみたいです」
明石「波乱づくめの内容でしたが……まあ、いい試合でしたよね! 2人……じゃなくて、3人の選手の健闘を讃え、今一度拍手をお願いします!」
香取「事前予想が外れた場合は、苦肉の策として停電を起こし、髪型を変えて入れ替わる。ダメージも帳消しになるし、勝ち上がるには良い作戦ね」
明石「ルールブックには明記されてませんが……反則ですよね?」
香取「書くまでもないことだもの。この手段で勝ち上がられてたら困った事態になってたけど……負けたものはしょうがないわね」
明石「……実質的に、隼鷹選手は2人分のトップファイターを相手にし、そして完勝したということになりますね」
香取「ええ。仮に伊勢さんがあのまま戦っていても、最初から日向さんがリングに上ったとしても、隼鷹さんの勝利は揺るがなかったでしょう」
香取「隼鷹さんは発勁の打撃を1度しか使わなかったわ。一流のファイターを技を隠したまま勝つ余裕があるほど、彼女は強い」
香取「まだまだ見せてない技は多そうだわ。この先の試合で、真の実力が明らかになってくるでしょうね」
明石「そうですね……あっ、日向選手……じゃなくて、リング下にいた伊勢選手が運営スタッフに連行されていきます。事情聴取をされるみたいです」
明石「波乱づくめの内容でしたが……まあ、いい試合でしたよね! 2人……じゃなくて、3人の選手の健闘を讃え、今一度拍手をお願いします!」
365:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:45:31.65:wWW9YQkD0 (70/167)
試合後インタビュー:隼鷹
―――対戦者が入れ替わったことには気が付かれていましたか?
隼鷹「そりゃあすぐ気付くよ。だって、全然戦い方が違うんだもん。いやー驚いた! 双子ってあんなにそっくりなもんなんだね!」
隼鷹「つーか姉妹揃って、なかなかやるね! あたしに擒拿術から発勁まで使わせて、打撃も当てるなんて、そうそうできるもんじゃないよ!」
隼鷹「面白い勝負だった! そんで勝った勝った! これで酒も解禁だぜ! ファイトマネーで高い酒をたらふく飲んでやるよ!」
―――まだ技を隠されているようですが、次の試合に向けて何か……
隼鷹「うるせー! こっちは丸一日も禁酒してるんだ! もう酒宴の予約も入れてるんだから、邪魔すんな! あたしは酒を飲みに帰る!」
隼鷹「さあ、今夜はドンペリ飲み放題だ! 可愛い子ちゃんも侍らせて、酔い潰れるまで飲み明かすぜ! じゃあね!」
(隼鷹選手の帰宅により、インタビュー中止)
試合後インタビュー:隼鷹
―――対戦者が入れ替わったことには気が付かれていましたか?
隼鷹「そりゃあすぐ気付くよ。だって、全然戦い方が違うんだもん。いやー驚いた! 双子ってあんなにそっくりなもんなんだね!」
隼鷹「つーか姉妹揃って、なかなかやるね! あたしに擒拿術から発勁まで使わせて、打撃も当てるなんて、そうそうできるもんじゃないよ!」
隼鷹「面白い勝負だった! そんで勝った勝った! これで酒も解禁だぜ! ファイトマネーで高い酒をたらふく飲んでやるよ!」
―――まだ技を隠されているようですが、次の試合に向けて何か……
隼鷹「うるせー! こっちは丸一日も禁酒してるんだ! もう酒宴の予約も入れてるんだから、邪魔すんな! あたしは酒を飲みに帰る!」
隼鷹「さあ、今夜はドンペリ飲み放題だ! 可愛い子ちゃんも侍らせて、酔い潰れるまで飲み明かすぜ! じゃあね!」
(隼鷹選手の帰宅により、インタビュー中止)
366:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:46:00.39:wWW9YQkD0 (71/167)
試合後インタビュー:伊勢(?)
―――日向選手ですよね?
伊勢(?)「な……何言ってるのよ! 私は伊勢よ! ほら、髪型が違うじゃないか! あっ、間違えた。髪型が違うじゃない!」
―――容姿以外は全部違うのでバレバレですよ。
日向「……そうか、そんなに違うものなのか。良い手段だと思ったんだが、やっぱりこういうのはバレてしまうものなんだな」
日向「いや、提案したのは私だよ。伊勢が赤城対策に悩んでいたからね。ほら、赤城は組み技系格闘家の天敵のようなファイトスタイルじゃないか」
日向「今から伊勢が打撃を身に着けるのは無理だから、こういう作戦を取ったんだ。私たちは双子だし、髪型を変えればバレないと思ってたよ」
日向「私自身、赤城にリベンジする良い機会だからね。試合中に入れ替わるのは、万が一の保険のつもりだったんだ」
日向「まさか初戦でその作戦をつかうハメになって、しかも負けるなんてね。いやあ、踏んだり蹴ったりだ。実に口惜しいよ」
伊勢「ごめんなさい、日向……私がダメなせいで、こんな不正に付き合わせることに……」
日向「ああ、伊勢。いいんだよ、私が言い出したことなんだ。最終的に試合で負けたのも私だし、伊勢が責任を感じる必要はない」
日向「また2人で一緒にやっていこう。これで全てが終わったわけじゃないんだ、次の機会に頑張ればいいさ」
伊勢「うん。ごめんね、ごめんね……」
(取材陣が空気を読んで退室したため、インタビュー中止)
試合後インタビュー:伊勢(?)
―――日向選手ですよね?
伊勢(?)「な……何言ってるのよ! 私は伊勢よ! ほら、髪型が違うじゃないか! あっ、間違えた。髪型が違うじゃない!」
―――容姿以外は全部違うのでバレバレですよ。
日向「……そうか、そんなに違うものなのか。良い手段だと思ったんだが、やっぱりこういうのはバレてしまうものなんだな」
日向「いや、提案したのは私だよ。伊勢が赤城対策に悩んでいたからね。ほら、赤城は組み技系格闘家の天敵のようなファイトスタイルじゃないか」
日向「今から伊勢が打撃を身に着けるのは無理だから、こういう作戦を取ったんだ。私たちは双子だし、髪型を変えればバレないと思ってたよ」
日向「私自身、赤城にリベンジする良い機会だからね。試合中に入れ替わるのは、万が一の保険のつもりだったんだ」
日向「まさか初戦でその作戦をつかうハメになって、しかも負けるなんてね。いやあ、踏んだり蹴ったりだ。実に口惜しいよ」
伊勢「ごめんなさい、日向……私がダメなせいで、こんな不正に付き合わせることに……」
日向「ああ、伊勢。いいんだよ、私が言い出したことなんだ。最終的に試合で負けたのも私だし、伊勢が責任を感じる必要はない」
日向「また2人で一緒にやっていこう。これで全てが終わったわけじゃないんだ、次の機会に頑張ればいいさ」
伊勢「うん。ごめんね、ごめんね……」
(取材陣が空気を読んで退室したため、インタビュー中止)
367:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:46:29.18:wWW9YQkD0 (72/167)
明石「知られざる強者の出現をはじめ、波乱だらけの第2試合となりました! やはりこのBブロック、一筋縄ではいきません!」
明石「続く第3試合にも、知られざる強者が登場します! 赤コーナーより選手入場! 日本武術の結晶がグランプリに挑みます!」
明石「知られざる強者の出現をはじめ、波乱だらけの第2試合となりました! やはりこのBブロック、一筋縄ではいきません!」
明石「続く第3試合にも、知られざる強者が登場します! 赤コーナーより選手入場! 日本武術の結晶がグランプリに挑みます!」
368:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:47:03.79:wWW9YQkD0 (73/167)
試合前インタビュー:古鷹
―――他流試合は初めてとのことですが、緊張はされていますか?
古鷹「少しだけ……こういうところで戦うのには慣れてませんし、不安もあります。でも、大丈夫です! 鍛錬は毎日欠かさずやってましたから!」
古鷹「もちろん、実戦を想定した鍛錬ですよ! 古流は型ばかりで役に立たないってよく言われますけど、そんなことはありません!」
古鷹「古流柔術はれっきとした戦場格闘技ですから、きちんと実用性があります! どんな相手とだって戦える、最高の武術です!」
―――グランプリへの出場を決意された理由を教えていただけますか。
古鷹「古流の強さを世間の方々に知ってもらうため、っていうのも大きいですけど、やっぱり私自身が出たかったのが1番の理由です!」
古鷹「古流柔術の継承者は、その膨大な技を受け継ぐために人生の大半を費やし、そして1度も実戦の場で技を使うことなく生涯を終えます」
古鷹「それは本来、喜ばしいことなんです。世の中が平和になり、武術で争いを解決するような時代ではなくなったっていうことですから」
古鷹「だけど、私には耐えられませんでした。培ってきた技術が本当に正しいのか、本当に実戦で使えるのか……どうしても確かめたいんです!」
古鷹「私たちの戦い方は皆さんの目にはつまらないように映るかもしれません。ですが、柔術とは相手を倒すのではなく、制する技なんです!」
古鷹「対戦者の方には怪我をする前にギブアップをしていただきたく思います。わざわざ無駄に傷付く必要はないはずですから」
古高「あ、別に甘く見ているわけじゃありませんよ! 活殺自在っていうのは、そういうことなんです!」
試合前インタビュー:古鷹
―――他流試合は初めてとのことですが、緊張はされていますか?
古鷹「少しだけ……こういうところで戦うのには慣れてませんし、不安もあります。でも、大丈夫です! 鍛錬は毎日欠かさずやってましたから!」
古鷹「もちろん、実戦を想定した鍛錬ですよ! 古流は型ばかりで役に立たないってよく言われますけど、そんなことはありません!」
古鷹「古流柔術はれっきとした戦場格闘技ですから、きちんと実用性があります! どんな相手とだって戦える、最高の武術です!」
―――グランプリへの出場を決意された理由を教えていただけますか。
古鷹「古流の強さを世間の方々に知ってもらうため、っていうのも大きいですけど、やっぱり私自身が出たかったのが1番の理由です!」
古鷹「古流柔術の継承者は、その膨大な技を受け継ぐために人生の大半を費やし、そして1度も実戦の場で技を使うことなく生涯を終えます」
古鷹「それは本来、喜ばしいことなんです。世の中が平和になり、武術で争いを解決するような時代ではなくなったっていうことですから」
古鷹「だけど、私には耐えられませんでした。培ってきた技術が本当に正しいのか、本当に実戦で使えるのか……どうしても確かめたいんです!」
古鷹「私たちの戦い方は皆さんの目にはつまらないように映るかもしれません。ですが、柔術とは相手を倒すのではなく、制する技なんです!」
古鷹「対戦者の方には怪我をする前にギブアップをしていただきたく思います。わざわざ無駄に傷付く必要はないはずですから」
古高「あ、別に甘く見ているわけじゃありませんよ! 活殺自在っていうのは、そういうことなんです!」
369:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:47:31.76:wWW9YQkD0 (74/167)
古鷹:入場テーマ「鬼武者3/Main Theme」
古鷹:入場テーマ「鬼武者3/Main Theme」
370:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:48:00.34:wWW9YQkD0 (75/167)
明石「柔道、合気道、ブラジリアン柔術! あらゆる格闘技の源流となった、日本武術の集大成がついに現代のリングへ上がります!」
明石「勝つということは、打ちのめすことと同義ではない! 一切の流血なく、敵を制する武の真髄をここにお見せしよう!」
明石「活殺自在の古流柔術、その神秘のベールが明かされる! ”銀眼の摩利支天” 古鷹ぁぁぁ!」
香取「面白い流儀の選手が出てきたわね。リングで戦える古流柔術家なんて、もう現代にはいないと思っていたわ」
明石「古鷹選手は『竹内流』という、古流柔術の中でも最古に位置する流派に属しているそうですね。発祥は江戸初期とのことです」
香取「一応はそうなってるけど、実は柔術がいつ、どこで生まれたのかは諸説あって、未だにはっきりしないのよね」
香取「竹内流の発祥は、開祖が謎の山伏から技を伝授されたのが始まりだそうよ。つまり、技術そのものは更に以前から存在していたということね」
香取「最も古い記述は古事記の『国譲り』ね。建御雷神と建御名方神という神様が力比べをするんだけど、ここの描写が柔術として解釈できるのよ」
香取「『手を葦の若葉を摘むように握り潰して投げた』っていう部分、これは古流柔術でいう逆手投げを神話的に説明したものじゃないかしら」
香取「歴史上に現れてからは400年だけど、一部の技術集団だけで伝承されてきた期間を考えると、あるいは1000年を超す歴史を持つのかもね」
明石「柔道、合気道、ブラジリアン柔術! あらゆる格闘技の源流となった、日本武術の集大成がついに現代のリングへ上がります!」
明石「勝つということは、打ちのめすことと同義ではない! 一切の流血なく、敵を制する武の真髄をここにお見せしよう!」
明石「活殺自在の古流柔術、その神秘のベールが明かされる! ”銀眼の摩利支天” 古鷹ぁぁぁ!」
香取「面白い流儀の選手が出てきたわね。リングで戦える古流柔術家なんて、もう現代にはいないと思っていたわ」
明石「古鷹選手は『竹内流』という、古流柔術の中でも最古に位置する流派に属しているそうですね。発祥は江戸初期とのことです」
香取「一応はそうなってるけど、実は柔術がいつ、どこで生まれたのかは諸説あって、未だにはっきりしないのよね」
香取「竹内流の発祥は、開祖が謎の山伏から技を伝授されたのが始まりだそうよ。つまり、技術そのものは更に以前から存在していたということね」
香取「最も古い記述は古事記の『国譲り』ね。建御雷神と建御名方神という神様が力比べをするんだけど、ここの描写が柔術として解釈できるのよ」
香取「『手を葦の若葉を摘むように握り潰して投げた』っていう部分、これは古流柔術でいう逆手投げを神話的に説明したものじゃないかしら」
香取「歴史上に現れてからは400年だけど、一部の技術集団だけで伝承されてきた期間を考えると、あるいは1000年を超す歴史を持つのかもね」
371:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:48:43.32:wWW9YQkD0 (76/167)
明石「非常に伝統のある格闘術ということになるわけですが、やはり様々な発達を遂げてきた現代格闘技の前だと苦しい戦いを強いられるのでは?」
香取「どうかしらね。古流柔術は世界の数ある古武術の中でも、2つの特異な点を持っているわ」
香取「まず1つは、相手を殺傷せず無力化することに重点を置くところ。ここまで平和的な武力解決を目指す武術は他に例がないわ」
香取「甲冑組打ちの流れを組む危険な技もあるけど、基本は相手を動けなくする固め技がメインよ。合気道、柔道にもその理念が受け継がれてるわ」
香取「その独特の理念は他の武術にはない革新的な技の数々を生み出し、そのいくつかは軍隊格闘術にまで取り入れられているくらいよ」
香取「もう1つの特異な点なんだけど、これが不思議なのよね。普通、技術っていうのは時代と共に発展していくものじゃない?」
香取「古流柔術の場合はそれが逆。時代に現れた直後に全ての技の体系が完成して、それから時を追うごとに失われていったのよ」
明石「非常に伝統のある格闘術ということになるわけですが、やはり様々な発達を遂げてきた現代格闘技の前だと苦しい戦いを強いられるのでは?」
香取「どうかしらね。古流柔術は世界の数ある古武術の中でも、2つの特異な点を持っているわ」
香取「まず1つは、相手を殺傷せず無力化することに重点を置くところ。ここまで平和的な武力解決を目指す武術は他に例がないわ」
香取「甲冑組打ちの流れを組む危険な技もあるけど、基本は相手を動けなくする固め技がメインよ。合気道、柔道にもその理念が受け継がれてるわ」
香取「その独特の理念は他の武術にはない革新的な技の数々を生み出し、そのいくつかは軍隊格闘術にまで取り入れられているくらいよ」
香取「もう1つの特異な点なんだけど、これが不思議なのよね。普通、技術っていうのは時代と共に発展していくものじゃない?」
香取「古流柔術の場合はそれが逆。時代に現れた直後に全ての技の体系が完成して、それから時を追うごとに失われていったのよ」
372:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:49:17.96:wWW9YQkD0 (77/167)
明石「それは……確かに普通の格闘技と逆ですね。数百年前の技術のほうが、今よりむしろ発達していたということですか?」
香取「ええ。現存する奥義書を紐解いてみると、江戸時代初期から中期のあたりで、現代で使われている技のほとんどが出尽くしているの」
香取「特に投げ技、関節技において、現代格闘技にあって古流に存在しない技はないと言ってもいいくらい。それほど古流柔術は完成されていたの」
香取「そこまで発達した技術がなぜ失われてしまったかというと、これは流派継承のシステムに問題があるのよね」
香取「古流柔術は門下の内弟子にしか秘伝、奥伝の技を明かさないの。1つの流派にある膨大な技の体系を、ほんの数人だけが次世代に受け継ぐのよ」
香取「継承者が少ないと、どうしても個人の癖や才能の偏りで技が変質し、あるいは形骸化してしまう。そうして古流は少しずつ弱体化していったの」
香取「大衆に広く門戸を開いた柔道の出現は、衰退の最中にあった古流柔術にトドメを刺したわね。数多くの流派が柔道によって一掃されたわ」
香取「今や、古流は技を絶やさないためだけに伝えられている伝統芸能に近いものになったわね。伝承者が少なすぎるのよ」
香取「実戦的に教えてるところはほとんどないんじゃないかしら。古鷹さんは、未だ戦場格闘技として古流を学んでる数少ない継承者の1人みたいね」
明石「それは……確かに普通の格闘技と逆ですね。数百年前の技術のほうが、今よりむしろ発達していたということですか?」
香取「ええ。現存する奥義書を紐解いてみると、江戸時代初期から中期のあたりで、現代で使われている技のほとんどが出尽くしているの」
香取「特に投げ技、関節技において、現代格闘技にあって古流に存在しない技はないと言ってもいいくらい。それほど古流柔術は完成されていたの」
香取「そこまで発達した技術がなぜ失われてしまったかというと、これは流派継承のシステムに問題があるのよね」
香取「古流柔術は門下の内弟子にしか秘伝、奥伝の技を明かさないの。1つの流派にある膨大な技の体系を、ほんの数人だけが次世代に受け継ぐのよ」
香取「継承者が少ないと、どうしても個人の癖や才能の偏りで技が変質し、あるいは形骸化してしまう。そうして古流は少しずつ弱体化していったの」
香取「大衆に広く門戸を開いた柔道の出現は、衰退の最中にあった古流柔術にトドメを刺したわね。数多くの流派が柔道によって一掃されたわ」
香取「今や、古流は技を絶やさないためだけに伝えられている伝統芸能に近いものになったわね。伝承者が少なすぎるのよ」
香取「実戦的に教えてるところはほとんどないんじゃないかしら。古鷹さんは、未だ戦場格闘技として古流を学んでる数少ない継承者の1人みたいね」
373:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:49:44.37:wWW9YQkD0 (78/167)
明石「古鷹選手はどの程度、古流の技を継承しているんでしょう。話を聞くと、ほとんどが歴史の中で失伝しているようですが」
香取「少なくとも、柔道と合気道に伝わっている中で使えない技はない、と古鷹さんは言っていたわ」
香取「柔道と合気道は、古流柔術の膨大な技の一部を限定的に使っているに過ぎない。それらを全て使いこなすとしたら、とてつもないことよ」
香取「それらだけじゃなく、古流には投げたり固め技に入るために相手を崩す当身技、つまり打撃も技の体系に含まれるはず」
香取「戦場格闘技なんだから当然よね。技の多彩さにおいては、ずば抜けたバリエーションを持っていると見ていいでしょう」
香取「その膨大な技をリング上でどんな風に使いこなすか、重要なのはそこよね。それは試合を見てみないとわからないわ」
明石「ありがとうございます。さあ、それでは青コーナーより選手入場! 駆逐艦級王者に輝いた、今大会最軽量級選手の登場です!」
明石「古鷹選手はどの程度、古流の技を継承しているんでしょう。話を聞くと、ほとんどが歴史の中で失伝しているようですが」
香取「少なくとも、柔道と合気道に伝わっている中で使えない技はない、と古鷹さんは言っていたわ」
香取「柔道と合気道は、古流柔術の膨大な技の一部を限定的に使っているに過ぎない。それらを全て使いこなすとしたら、とてつもないことよ」
香取「それらだけじゃなく、古流には投げたり固め技に入るために相手を崩す当身技、つまり打撃も技の体系に含まれるはず」
香取「戦場格闘技なんだから当然よね。技の多彩さにおいては、ずば抜けたバリエーションを持っていると見ていいでしょう」
香取「その膨大な技をリング上でどんな風に使いこなすか、重要なのはそこよね。それは試合を見てみないとわからないわ」
明石「ありがとうございます。さあ、それでは青コーナーより選手入場! 駆逐艦級王者に輝いた、今大会最軽量級選手の登場です!」
374:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:50:17.08:wWW9YQkD0 (79/167)
試合前インタビュー:吹雪
―――駆逐艦級グランプリ優勝者としての今大会出場ですが、意気込みをお聞かせください。
吹雪「まあ、私が駆逐艦級王者になったのは当然の結果ですよね。今までは夕立に邪魔されてきましたけど、どう考えても私のほうが強いですし」
吹雪「ていうか、艦娘で一番強いのが私ですからね。駆逐艦級なんて小さい枠組みで満足するつもりはありません。無差別級でも私は最強です」
吹雪「このグランプリでも必ず優勝しますよ。するっていうか、優勝するのが当たり前、みたいな? 私より弱い選手しか出場してませんからね」
―――対戦相手の古鷹選手についてはどう感じていらっしゃいますか?
吹雪「えーっと、古流柔術の継承者でしたっけ? 竹内流とかいう、超マイナーな流派の。流儀からしてカビ臭い感じですよね」
吹雪「ああ、どんな武術かは知ってますよ。あれでしょ? あの、公園で戦うと絶対に負けないけど、リングだとデタラメに弱いってやつでしょ?」
吹雪「違いましたっけ? あ、そっか。武器もいるんですよね。素手だと噛ませ犬にもなれない、三下未満のポンコツ武術でした」
吹雪「いやー初戦で弱そうな方と当たってラッキーです。楽して勝てるに越したことはありませんから」
―――ギブアップは早めに申告してほしいとの古鷹選手からの忠告ですが、どのように受け止められますか?
吹雪「わあ、カッコいい! 試合でどんな無様な目に合うか知らないでいると、そんなに恥ずかしい戯れ言が吐けるんですね!」
吹雪「それとも、アレですか? 自分はは弱っちくて勝てそうにないから、どうかギブアップという形で勝ちを譲っていただけませんかってこと?」
吹雪「何を勘違いしてるんでしょうね。相手にギブアップを求めるくらいなら、端からリングに上がってくるなって話ですよ」
吹雪「無論、彼女のお遊びに付き合う気はありません。あなたが学んできたのは、ただの役立たずな伝統芸能だってことを思い知らせてやります」
試合前インタビュー:吹雪
―――駆逐艦級グランプリ優勝者としての今大会出場ですが、意気込みをお聞かせください。
吹雪「まあ、私が駆逐艦級王者になったのは当然の結果ですよね。今までは夕立に邪魔されてきましたけど、どう考えても私のほうが強いですし」
吹雪「ていうか、艦娘で一番強いのが私ですからね。駆逐艦級なんて小さい枠組みで満足するつもりはありません。無差別級でも私は最強です」
吹雪「このグランプリでも必ず優勝しますよ。するっていうか、優勝するのが当たり前、みたいな? 私より弱い選手しか出場してませんからね」
―――対戦相手の古鷹選手についてはどう感じていらっしゃいますか?
吹雪「えーっと、古流柔術の継承者でしたっけ? 竹内流とかいう、超マイナーな流派の。流儀からしてカビ臭い感じですよね」
吹雪「ああ、どんな武術かは知ってますよ。あれでしょ? あの、公園で戦うと絶対に負けないけど、リングだとデタラメに弱いってやつでしょ?」
吹雪「違いましたっけ? あ、そっか。武器もいるんですよね。素手だと噛ませ犬にもなれない、三下未満のポンコツ武術でした」
吹雪「いやー初戦で弱そうな方と当たってラッキーです。楽して勝てるに越したことはありませんから」
―――ギブアップは早めに申告してほしいとの古鷹選手からの忠告ですが、どのように受け止められますか?
吹雪「わあ、カッコいい! 試合でどんな無様な目に合うか知らないでいると、そんなに恥ずかしい戯れ言が吐けるんですね!」
吹雪「それとも、アレですか? 自分はは弱っちくて勝てそうにないから、どうかギブアップという形で勝ちを譲っていただけませんかってこと?」
吹雪「何を勘違いしてるんでしょうね。相手にギブアップを求めるくらいなら、端からリングに上がってくるなって話ですよ」
吹雪「無論、彼女のお遊びに付き合う気はありません。あなたが学んできたのは、ただの役立たずな伝統芸能だってことを思い知らせてやります」
375:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:50:52.38:wWW9YQkD0 (80/167)
吹雪:入場テーマ「聖剣伝説Legend of Mana/The Darkness Nova」
吹雪:入場テーマ「聖剣伝説Legend of Mana/The Darkness Nova」
376:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:51:23.51:wWW9YQkD0 (81/167)
明石「駆逐艦四天王最強! 最軽量級の王者に輝き、次なる目標は無差別級王者! 体躯に似合わぬビッグマウスは、留まるところを知らない!」
明石「強さに階級など関係ない! 戦艦だろうと何だろうと、誰が相手でも打ち倒す! 負けたときの言い訳でも考えておくがいい!」
明石「最強の駆逐艦は、無差別級でどこまで行けるのか! ”氷の万華鏡”吹雪ぃぃぃ!」
香取「新たに駆逐艦級の王者になった吹雪さんね。夕立さん、島風さん、不知火さん全員に勝っての王者だから大したものだわ」
明石「駆逐艦四天王と言われる選手たちですね。どの選手も無差別級試合を経験しており、階級差をひっくり返せる実力の持ち主です」
香取「その中でも、やっぱり吹雪さんが一歩抜きん出たみたいね。吹雪さんは体格、パワー以外の弱点がまったくない選手だもの」
明石「吹雪選手は本当に何でもできますよね。柔道家を投げて、空手家を殴り倒して、ボクサーにカウンターを決めたこともありました」
香取「それを可能にするのは、やっぱり練習量でしょうね。メディアでは大口ばかり叩いてるけど、ジムでは誰もが尊敬するくらいに真面目らしいわ」
香取「今の実力に妥協せず、とことん自分を追い込んで強さを追求する。口の悪さに反して、ファイターとしては最高の精神を持っているのよ」
明石「駆逐艦四天王最強! 最軽量級の王者に輝き、次なる目標は無差別級王者! 体躯に似合わぬビッグマウスは、留まるところを知らない!」
明石「強さに階級など関係ない! 戦艦だろうと何だろうと、誰が相手でも打ち倒す! 負けたときの言い訳でも考えておくがいい!」
明石「最強の駆逐艦は、無差別級でどこまで行けるのか! ”氷の万華鏡”吹雪ぃぃぃ!」
香取「新たに駆逐艦級の王者になった吹雪さんね。夕立さん、島風さん、不知火さん全員に勝っての王者だから大したものだわ」
明石「駆逐艦四天王と言われる選手たちですね。どの選手も無差別級試合を経験しており、階級差をひっくり返せる実力の持ち主です」
香取「その中でも、やっぱり吹雪さんが一歩抜きん出たみたいね。吹雪さんは体格、パワー以外の弱点がまったくない選手だもの」
明石「吹雪選手は本当に何でもできますよね。柔道家を投げて、空手家を殴り倒して、ボクサーにカウンターを決めたこともありました」
香取「それを可能にするのは、やっぱり練習量でしょうね。メディアでは大口ばかり叩いてるけど、ジムでは誰もが尊敬するくらいに真面目らしいわ」
香取「今の実力に妥協せず、とことん自分を追い込んで強さを追求する。口の悪さに反して、ファイターとしては最高の精神を持っているのよ」
377:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:51:52.38:wWW9YQkD0 (82/167)
明石「吹雪選手の流儀はクラヴ・マガ、イスラエル発祥の軍隊格闘術ですね。何でも、『世界最新のセルフ・ディフェンス・システム』だとか」
香取「最新であることは間違いないわね。今、こうしている間にも、クラヴ・マガの技術は常に進化し続けているんだから」
香取「クラヴ・マガには色々な理念があるけど、最も重要視されているのは実用性。実戦で如何に効率的に戦えるかということを追求しているの」
香取「空手や柔道を実戦で使うには何年もの歳月を必要とするけど、クラヴ・マガなら数ヶ月から1年で実戦に対応できる技術が身に付くわ」
香取「短期間で強くなるという点で、クラヴ・マガ以上に優れた護身術はないと言ってもいいでしょう。もちろん、底が浅いってわけじゃないわ」
香取「クラヴ・マガは初心者にはシンプルな技だけを教え、熟練度が増すにつれて学ぶ技術のレベルを上げるシステムを取っているの」
香取「吹雪さんのレベルは最高位のブラックベルト。あらゆる技を使いこなし、どんな局面でも実力を発揮できることを表してるわ」
明石「吹雪選手の流儀はクラヴ・マガ、イスラエル発祥の軍隊格闘術ですね。何でも、『世界最新のセルフ・ディフェンス・システム』だとか」
香取「最新であることは間違いないわね。今、こうしている間にも、クラヴ・マガの技術は常に進化し続けているんだから」
香取「クラヴ・マガには色々な理念があるけど、最も重要視されているのは実用性。実戦で如何に効率的に戦えるかということを追求しているの」
香取「空手や柔道を実戦で使うには何年もの歳月を必要とするけど、クラヴ・マガなら数ヶ月から1年で実戦に対応できる技術が身に付くわ」
香取「短期間で強くなるという点で、クラヴ・マガ以上に優れた護身術はないと言ってもいいでしょう。もちろん、底が浅いってわけじゃないわ」
香取「クラヴ・マガは初心者にはシンプルな技だけを教え、熟練度が増すにつれて学ぶ技術のレベルを上げるシステムを取っているの」
香取「吹雪さんのレベルは最高位のブラックベルト。あらゆる技を使いこなし、どんな局面でも実力を発揮できることを表してるわ」
378:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:52:19.33:wWW9YQkD0 (83/167)
明石「非常に汎用性の高い格闘術というわけですが、他の武術と比べて、何か特色と言えるものは何かあるんでしょうか」
香取「一番大きな特色は防御テクニックかしら。通常の武術が生物としての本能を抑制しようとするのに対して、クラヴ・マガは本能を活用するの」
香取「顔に向かって飛んで来るものを避けたり、手で防ごうとする自然な条件反射をテクニックに応用し、即座に反撃へ転じるよう訓練するのよ」
香取「防御と攻撃は同時に行わなければならない、というのがクラヴ・マガの考え方。吹雪さんの戦い方も、この基本理念に則ってるわ」
香取「膨大な練習量によって研ぎ澄まされた反射神経はまさに神速。1手仕掛けられる間に2手、3手と次々に技を繰り出して相手を翻弄する」
香取「目まぐるしいほどに多彩な技で戦うその様は、まさに万華鏡。艦娘一と言われるテクニックは伊達じゃないわ」
明石「非常に汎用性の高い格闘術というわけですが、他の武術と比べて、何か特色と言えるものは何かあるんでしょうか」
香取「一番大きな特色は防御テクニックかしら。通常の武術が生物としての本能を抑制しようとするのに対して、クラヴ・マガは本能を活用するの」
香取「顔に向かって飛んで来るものを避けたり、手で防ごうとする自然な条件反射をテクニックに応用し、即座に反撃へ転じるよう訓練するのよ」
香取「防御と攻撃は同時に行わなければならない、というのがクラヴ・マガの考え方。吹雪さんの戦い方も、この基本理念に則ってるわ」
香取「膨大な練習量によって研ぎ澄まされた反射神経はまさに神速。1手仕掛けられる間に2手、3手と次々に技を繰り出して相手を翻弄する」
香取「目まぐるしいほどに多彩な技で戦うその様は、まさに万華鏡。艦娘一と言われるテクニックは伊達じゃないわ」
379:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:52:45.23:wWW9YQkD0 (84/167)
明石「となると、今回のこの対戦、勝敗の分かれ目はどちらのテクニックがより優れているか、ということになってきますね」
香取「そうなるわね。しかも、古流柔術は歴史ある伝統武術、クラヴ・マガは伝統を廃した最新鋭のセルフ・ディフェンス・システムよ」
香取「いわば、図式は伝統VS最新。中世で既に完成の域に達していた古流柔術か、今なお改良され続けているクラヴ・マガか」
香取「どちらも豊富な技の持ち主だから、テクニックの応酬になることは間違いなさそうね。階級差なんて、2人にはあってないようなものでしょう」
明石「力量としては今のところ互角と思われますか?」
香取「今のところはね。戦い方を見ないと何とも言えないけど……この時点で判断するなら、分があるのは吹雪さんのほうかもしれないわね」
香取「格闘技は近代の競技化によって、飛躍的な進歩を遂げているわ。フットワーク、ガードポジション、左ジャブの重要性なんかがそれよ」
香取「古流の技にそれらはなく、現代格闘術の粋である吹雪さんはそういった小技を熟知してる。それらを有効に使えば、優位に立てるかもね」
香取「かといって、現代格闘術になく、古流にのみ存在する技だってあるかもしれない。少なくとも、技が勝敗を分けるのは間違いないでしょう」
明石「となると、今回のこの対戦、勝敗の分かれ目はどちらのテクニックがより優れているか、ということになってきますね」
香取「そうなるわね。しかも、古流柔術は歴史ある伝統武術、クラヴ・マガは伝統を廃した最新鋭のセルフ・ディフェンス・システムよ」
香取「いわば、図式は伝統VS最新。中世で既に完成の域に達していた古流柔術か、今なお改良され続けているクラヴ・マガか」
香取「どちらも豊富な技の持ち主だから、テクニックの応酬になることは間違いなさそうね。階級差なんて、2人にはあってないようなものでしょう」
明石「力量としては今のところ互角と思われますか?」
香取「今のところはね。戦い方を見ないと何とも言えないけど……この時点で判断するなら、分があるのは吹雪さんのほうかもしれないわね」
香取「格闘技は近代の競技化によって、飛躍的な進歩を遂げているわ。フットワーク、ガードポジション、左ジャブの重要性なんかがそれよ」
香取「古流の技にそれらはなく、現代格闘術の粋である吹雪さんはそういった小技を熟知してる。それらを有効に使えば、優位に立てるかもね」
香取「かといって、現代格闘術になく、古流にのみ存在する技だってあるかもしれない。少なくとも、技が勝敗を分けるのは間違いないでしょう」
380:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:53:14.53:wWW9YQkD0 (85/167)
明石「ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました! 頭1つ分の身長差がある古鷹選手を、吹雪選手が傲然と見上げています!」
明石「体格の不利など恐れるに足らず! 古鷹選手は透き通るような瞳で小さな挑戦者を見つめています! その内側にはどんな想いがあるのか!」
明石「両者、視線を切らないままコーナーに戻ります! 切れ味鋭い殺気を放つ吹雪選手に対し、古鷹選手は達人然とした落ち着いた振る舞いです!」
明石「最新格闘技VS古流柔術、勝利の天秤はどちらに傾くのでしょうか! ゴングが鳴りました、試合開始です!」
明石「颯爽と飛び出していくのは吹雪選手! 開手のファイティングポーズを取り、フットワークを使って間合いを詰めています!」
明石「対する古鷹選手、古武術らしくベタ足で歩み出ます! 正中線を隠した霞の構えを取りました! 両手は吹雪選手と同じく開手!」
明石「ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました! 頭1つ分の身長差がある古鷹選手を、吹雪選手が傲然と見上げています!」
明石「体格の不利など恐れるに足らず! 古鷹選手は透き通るような瞳で小さな挑戦者を見つめています! その内側にはどんな想いがあるのか!」
明石「両者、視線を切らないままコーナーに戻ります! 切れ味鋭い殺気を放つ吹雪選手に対し、古鷹選手は達人然とした落ち着いた振る舞いです!」
明石「最新格闘技VS古流柔術、勝利の天秤はどちらに傾くのでしょうか! ゴングが鳴りました、試合開始です!」
明石「颯爽と飛び出していくのは吹雪選手! 開手のファイティングポーズを取り、フットワークを使って間合いを詰めています!」
明石「対する古鷹選手、古武術らしくベタ足で歩み出ます! 正中線を隠した霞の構えを取りました! 両手は吹雪選手と同じく開手!」
381:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:53:40.34:wWW9YQkD0 (86/167)
明石「腕は水月に置かれています! 見た限りでは日本拳法に近い構えですが……吹雪選手のフットワークに対し、足さばきで対応しています!」
香取「霞の構え、でいいのよね。剣術と同じく、横向きに構えて急所を隠してるわ。下腹部や顔面への攻撃はなかなか通らなさそうね」
明石「どちらもまずは様子見か……おっと、やはり先に仕掛けるのは吹雪選手! さすが駆逐艦級王者、アグレッシブに攻めます!」
明石「ジャブフェイントからのローキック! 古鷹選手、正確に間合いを見切って後退! ローキックは空振りに終わりました!」
明石「しかし、吹雪選手の攻勢はこれだけでは終わらない! ローキックの勢いのまま、跳び後ろ回し蹴り! これは左手でブロックされました!」
明石「どうやら吹雪選手は打撃主体で攻める作戦のようです! しかし古鷹選手、その打撃を的確にディフェンス! なかなか鋭い打撃反応です!」
明石「構えをニュートラルに戻した吹雪選手、間髪入れずにバックスピンキック! 古鷹選手、左手でキックの軌道を逸らして回避!」
明石「腕は水月に置かれています! 見た限りでは日本拳法に近い構えですが……吹雪選手のフットワークに対し、足さばきで対応しています!」
香取「霞の構え、でいいのよね。剣術と同じく、横向きに構えて急所を隠してるわ。下腹部や顔面への攻撃はなかなか通らなさそうね」
明石「どちらもまずは様子見か……おっと、やはり先に仕掛けるのは吹雪選手! さすが駆逐艦級王者、アグレッシブに攻めます!」
明石「ジャブフェイントからのローキック! 古鷹選手、正確に間合いを見切って後退! ローキックは空振りに終わりました!」
明石「しかし、吹雪選手の攻勢はこれだけでは終わらない! ローキックの勢いのまま、跳び後ろ回し蹴り! これは左手でブロックされました!」
明石「どうやら吹雪選手は打撃主体で攻める作戦のようです! しかし古鷹選手、その打撃を的確にディフェンス! なかなか鋭い打撃反応です!」
明石「構えをニュートラルに戻した吹雪選手、間髪入れずにバックスピンキック! 古鷹選手、左手でキックの軌道を逸らして回避!」
382:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:54:27.05:wWW9YQkD0 (87/167)
明石「そのまま足を捉えようとする動きを見せますが、素早く足を戻されました! 防御はできても、技には繋げられません!」
香取「たぶん、吹雪さんは古流柔術の技体系を調べた上で試合に臨んでいるわね。古流にない技を意図的に選択して攻めてるように見えるわ」
香取「それを防御できている古鷹さんのほうも、現代格闘技を調べてきてるのかも。だけど、即座に固め技に繋げられるほどじゃないみたいね」
明石「吹雪選手は休まず攻め続けます! ローキックと同時にレバーブロー! どちらも左手で捌き落とされます!」
明石「回転の速い吹雪選手の攻撃に、古鷹選手も難なく対応しています! しかし、未だ自ら攻める気配はありません!」
明石「待ちに徹する古鷹選手のディフェンスを、攻め続けることで吹雪選手は突破を図る! フットワークを交えつつ、今度は前蹴りを放った!」
明石「霞の構えでは躱しにくい、膝を狙った下段前蹴り! 古鷹選手は騎馬立ちで受け止めますが、これはやや膝に衝撃が響いたか!」
明石「続けてローキック! 足を浮かせて受けますが、巻き付くような蹴りが内腿に入った! 平手打ちのような叩き付ける音が聞こえました!」
明石「そのまま足を捉えようとする動きを見せますが、素早く足を戻されました! 防御はできても、技には繋げられません!」
香取「たぶん、吹雪さんは古流柔術の技体系を調べた上で試合に臨んでいるわね。古流にない技を意図的に選択して攻めてるように見えるわ」
香取「それを防御できている古鷹さんのほうも、現代格闘技を調べてきてるのかも。だけど、即座に固め技に繋げられるほどじゃないみたいね」
明石「吹雪選手は休まず攻め続けます! ローキックと同時にレバーブロー! どちらも左手で捌き落とされます!」
明石「回転の速い吹雪選手の攻撃に、古鷹選手も難なく対応しています! しかし、未だ自ら攻める気配はありません!」
明石「待ちに徹する古鷹選手のディフェンスを、攻め続けることで吹雪選手は突破を図る! フットワークを交えつつ、今度は前蹴りを放った!」
明石「霞の構えでは躱しにくい、膝を狙った下段前蹴り! 古鷹選手は騎馬立ちで受け止めますが、これはやや膝に衝撃が響いたか!」
明石「続けてローキック! 足を浮かせて受けますが、巻き付くような蹴りが内腿に入った! 平手打ちのような叩き付ける音が聞こえました!」
383:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:54:55.83:wWW9YQkD0 (88/167)
明石「コツを掴んだのか、吹雪選手の打撃が当たるようになってきました! 細かい打撃で末端から徐々に切り崩していくつもりのようです!」
明石「こうなると、守勢に回っている古鷹選手が不利になります! 隙を見せない吹雪選手を前に、耐久力を少しずつ削られていく!」
香取「古流の欠点であるフットワークのなさを突かれているわね。駆逐艦級のスピードで不規則に動き回られると、攻撃を躱し辛いんでしょう」
香取「反面、ガードは固いから吹雪さんも決定打に欠けるわね。下手に飛び込むと固め技に繋げられるし、この試合、ちょっと長引くかも」
明石「吹雪選手の攻勢が続きます! 左ジャブ、そしてハイキック! どちらも左手で捌かれました! 中段より上への打撃がなかなか通りません!」
明石「再び左ジャブ、からのローキック! 蹴りが太腿に入った! やはり下段が弱点なのか、ローキックを防げない!」
明石「コツを掴んだのか、吹雪選手の打撃が当たるようになってきました! 細かい打撃で末端から徐々に切り崩していくつもりのようです!」
明石「こうなると、守勢に回っている古鷹選手が不利になります! 隙を見せない吹雪選手を前に、耐久力を少しずつ削られていく!」
香取「古流の欠点であるフットワークのなさを突かれているわね。駆逐艦級のスピードで不規則に動き回られると、攻撃を躱し辛いんでしょう」
香取「反面、ガードは固いから吹雪さんも決定打に欠けるわね。下手に飛び込むと固め技に繋げられるし、この試合、ちょっと長引くかも」
明石「吹雪選手の攻勢が続きます! 左ジャブ、そしてハイキック! どちらも左手で捌かれました! 中段より上への打撃がなかなか通りません!」
明石「再び左ジャブ、からのローキック! 蹴りが太腿に入った! やはり下段が弱点なのか、ローキックを防げない!」
384:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:55:30.62:wWW9YQkD0 (89/167)
明石「下段蹴りを嫌ってか、古鷹選手が後退! それを追って吹雪選手の左ジャブ、バックブロー! どちらも間合いを見切られました!」
香取「ローキック以外は全然当たらないわね。でも、メインの狙いは足みたい。注意を逸らすために上体への攻撃を続けてるんでしょう」
香取「いくら吹雪さんが最軽量級でも、あれだけ太腿に蹴りを受ければじわじわと効いてくるはず。そろそろ古鷹さんも動かざるを得ないわね」
明石「ローキックに突破口を見出したか、吹雪選手、更に足を攻める! 右のローキック! 1歩引いて構えをスイッチした! 左のローキック!」
明石「続けて下段後ろ回し蹴り! 変化を交えつつ絶え間なく攻め立てます! 古鷹選手、やはり防ぎ切れない!」
明石「足さばきも鈍っているように見えます! 追い打ちを掛けるように右のローキック、これはフェイント! 本命は左のロー……足を取った!?」
香取「あっ、動きを読まれた!」
明石「古鷹選手がローキックの蹴り足を掬い取った! 吹雪選手、テイクダウン! 即座に古鷹選手が関節技を仕掛ける! ひ、膝十字だぁぁぁ!」
明石「下段蹴りを嫌ってか、古鷹選手が後退! それを追って吹雪選手の左ジャブ、バックブロー! どちらも間合いを見切られました!」
香取「ローキック以外は全然当たらないわね。でも、メインの狙いは足みたい。注意を逸らすために上体への攻撃を続けてるんでしょう」
香取「いくら吹雪さんが最軽量級でも、あれだけ太腿に蹴りを受ければじわじわと効いてくるはず。そろそろ古鷹さんも動かざるを得ないわね」
明石「ローキックに突破口を見出したか、吹雪選手、更に足を攻める! 右のローキック! 1歩引いて構えをスイッチした! 左のローキック!」
明石「続けて下段後ろ回し蹴り! 変化を交えつつ絶え間なく攻め立てます! 古鷹選手、やはり防ぎ切れない!」
明石「足さばきも鈍っているように見えます! 追い打ちを掛けるように右のローキック、これはフェイント! 本命は左のロー……足を取った!?」
香取「あっ、動きを読まれた!」
明石「古鷹選手がローキックの蹴り足を掬い取った! 吹雪選手、テイクダウン! 即座に古鷹選手が関節技を仕掛ける! ひ、膝十字だぁぁぁ!」
385:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:56:05.83:wWW9YQkD0 (90/167)
明石「まるで型稽古のように、スムーズに技を決めました! 吹雪選手が関節を極められてしまった! しかし、寝技も吹雪選手にはお手の物だ!」
明石「素早く転がって技を外しました! 逆に古鷹選手の足首を脇に抱え、ヒールホールドを狙う! 状況はグラウンドの攻防に移行しました!」
明石「古鷹選手も対応が速い! 瞬時に肩を蹴って足を抜きます! それと同時に、吹雪選手がパスガードに掛かる! 寝技で仕留めるつもりだ!」
明石「マウントを狙う吹雪選手に対し、古鷹選手はガードポジションに近い動きを見せています! 胴の間に足を入れ……あっ、足を腕に絡めた!?」
香取「あれは、オモプラッタ!?」
明石「ブラジリアン柔術で言うオモプラッタ、柔道での腕ひしぎ膝固めです! 膝を起点に、吹雪選手の右腕を極めています!」
明石「古流柔術にはこんな技まであるのか! 意表を突かれた吹雪選手、再び関節技を極められてしまいました! ここから抜け出せるか!」
明石「まるで型稽古のように、スムーズに技を決めました! 吹雪選手が関節を極められてしまった! しかし、寝技も吹雪選手にはお手の物だ!」
明石「素早く転がって技を外しました! 逆に古鷹選手の足首を脇に抱え、ヒールホールドを狙う! 状況はグラウンドの攻防に移行しました!」
明石「古鷹選手も対応が速い! 瞬時に肩を蹴って足を抜きます! それと同時に、吹雪選手がパスガードに掛かる! 寝技で仕留めるつもりだ!」
明石「マウントを狙う吹雪選手に対し、古鷹選手はガードポジションに近い動きを見せています! 胴の間に足を入れ……あっ、足を腕に絡めた!?」
香取「あれは、オモプラッタ!?」
明石「ブラジリアン柔術で言うオモプラッタ、柔道での腕ひしぎ膝固めです! 膝を起点に、吹雪選手の右腕を極めています!」
明石「古流柔術にはこんな技まであるのか! 意表を突かれた吹雪選手、再び関節技を極められてしまいました! ここから抜け出せるか!」
386:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:56:42.58:wWW9YQkD0 (91/167)
明石「身を捻って技を外そうとしますが……ダメです、古鷹選手も同時に体勢を変えた! 吹雪選手が足でうつ伏せに組み伏せられています!」
香取「まずいわ。あれを完全に極められたら、動かせる箇所がない。極められてない腕も相手に届かないし、下手に動けば折られるわ」
明石「吹雪選手がまるで身動きが取れない! これ以上、古鷹選手は力を入れようとしません! これぞ活殺自在の状態なのか!」
明石「このまま動きがないと、レフェリーに戦闘不能と判断されてしまいます! どうにか抜けられるか、それともここで終わってしまうのか!」
明石「動いた! 極められてない左腕が伸び上がりました! 狙いは古鷹選手の顔面! 虎爪で顔を引っ掻きました!」
香取「えっ!? ちょっと、あの位置から顔まで届くはずないのに……!」
明石「指が眼に触れたようです! 古鷹選手の体勢が崩れた! 拘束の緩む一瞬を突いて右腕を引き抜く! 吹雪選手、脱出!」
明石「身を捻って技を外そうとしますが……ダメです、古鷹選手も同時に体勢を変えた! 吹雪選手が足でうつ伏せに組み伏せられています!」
香取「まずいわ。あれを完全に極められたら、動かせる箇所がない。極められてない腕も相手に届かないし、下手に動けば折られるわ」
明石「吹雪選手がまるで身動きが取れない! これ以上、古鷹選手は力を入れようとしません! これぞ活殺自在の状態なのか!」
明石「このまま動きがないと、レフェリーに戦闘不能と判断されてしまいます! どうにか抜けられるか、それともここで終わってしまうのか!」
明石「動いた! 極められてない左腕が伸び上がりました! 狙いは古鷹選手の顔面! 虎爪で顔を引っ掻きました!」
香取「えっ!? ちょっと、あの位置から顔まで届くはずないのに……!」
明石「指が眼に触れたようです! 古鷹選手の体勢が崩れた! 拘束の緩む一瞬を突いて右腕を引き抜く! 吹雪選手、脱出!」
387:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:57:16.54:wWW9YQkD0 (92/167)
明石「一旦距離を取っています! どうにか関節技から逃げ……って、あれ!? み、右腕が力なく垂れ下がっています!」
明石「よく見れば、右肩の位置が明らかに下がっている! 脱臼です! 吹雪選手、肩の関節を脱臼してしまいました!」
香取「自分から外したわね。あの位置から左腕で古鷹さんに攻撃するには、そうやって体の可動域を広げるしかなかったのよ」
香取「これで右は死に腕と化したわ。左腕一本じゃ、使える関節技も限られてくるから、大きく戦い方が制限され……何してるの?」
明石「なんだ!? 吹雪選手がマットに右腕を着きました! 肩の外れている右腕です! 一体、何をする気だ!」
明石「は……嵌め込んだ! 肩の関節を無理やり押し込みました! 表情ひとつ、うめき声ひとつ上げず、脱臼した肩を元に戻しました!」
明石「一旦距離を取っています! どうにか関節技から逃げ……って、あれ!? み、右腕が力なく垂れ下がっています!」
明石「よく見れば、右肩の位置が明らかに下がっている! 脱臼です! 吹雪選手、肩の関節を脱臼してしまいました!」
香取「自分から外したわね。あの位置から左腕で古鷹さんに攻撃するには、そうやって体の可動域を広げるしかなかったのよ」
香取「これで右は死に腕と化したわ。左腕一本じゃ、使える関節技も限られてくるから、大きく戦い方が制限され……何してるの?」
明石「なんだ!? 吹雪選手がマットに右腕を着きました! 肩の外れている右腕です! 一体、何をする気だ!」
明石「は……嵌め込んだ! 肩の関節を無理やり押し込みました! 表情ひとつ、うめき声ひとつ上げず、脱臼した肩を元に戻しました!」
388:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:57:46.40:wWW9YQkD0 (93/167)
明石「悲鳴を上げてもおかしくない激痛だったはずです! 吹雪選手、右腕を回してノーダメージをアピール! この行為さえ相当痛いはず!」
明石「何という精神力、何という負けず嫌い! 自ら肩を外し、そして嵌め直す! 古鷹選手、棒立ちのまま呆気に取られています!」
香取「さすが、としか言いようがないわね。吹雪さんがギブアップなんてするわけがなかったわ。腕をねじ切られたって敗北を認めない子よ」
香取「活殺自在の状態に置いてギブアップを促す、という戦い方は綺麗だし、尊敬すべき姿勢だけど、吹雪さんには通用しそうにないわね」
明石「まるで何事もなかったかのように、吹雪選手が構えを戻します! 元気にフットワークを踏みつつ、躊躇なく間合いを詰めていく!」
明石「古鷹選手も再び霞の構えを取ります! 表情には未だ動揺が色濃く残っている! こんな奴がいるはずない、そう言いたげな表情です!」
明石「悲鳴を上げてもおかしくない激痛だったはずです! 吹雪選手、右腕を回してノーダメージをアピール! この行為さえ相当痛いはず!」
明石「何という精神力、何という負けず嫌い! 自ら肩を外し、そして嵌め直す! 古鷹選手、棒立ちのまま呆気に取られています!」
香取「さすが、としか言いようがないわね。吹雪さんがギブアップなんてするわけがなかったわ。腕をねじ切られたって敗北を認めない子よ」
香取「活殺自在の状態に置いてギブアップを促す、という戦い方は綺麗だし、尊敬すべき姿勢だけど、吹雪さんには通用しそうにないわね」
明石「まるで何事もなかったかのように、吹雪選手が構えを戻します! 元気にフットワークを踏みつつ、躊躇なく間合いを詰めていく!」
明石「古鷹選手も再び霞の構えを取ります! 表情には未だ動揺が色濃く残っている! こんな奴がいるはずない、そう言いたげな表情です!」
389:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:58:17.94:wWW9YQkD0 (94/167)
明石「そんな動揺にも構わず、吹雪選手が迫ってくる! ここから古鷹選手はどう攻め……胴タックル!? ふ、古鷹選手がタックルを仕掛けた!」
香取「これは……戦い方を変えた! 甲冑組討ちに切り替えたわ!」
明石「吹雪選手がタックルを切り損ねた! どうにかガードポジションでディフェンスを……古鷹選手が拳を振り上げた! て、鉄槌打ちぃぃぃ!」
明石「顔面へ拳が落とされる! 吹雪選手、辛うじて身を捻って躱します! が、そのまま古鷹選手が襟を掴む! 身動きを封じて再びパウンド!」
明石「今度は掌底打ちです! これは、虎爪による目潰しも狙っている! 吹雪選手は腕でブロック! その腕を古鷹選手が捉える!」
明石「ガードポジションのまま、腕の逆関節を取ろうとしています! 肘が捻じり上げられている! 吹雪選手、体を捩って技から抜けます!」
明石「が、背後を見せた吹雪選手に対し、古鷹選手が裸絞めを敢行! 咄嗟に手を挟んで絞めを回避します! だが、絞め付けから抜けられない!」
明石「そんな動揺にも構わず、吹雪選手が迫ってくる! ここから古鷹選手はどう攻め……胴タックル!? ふ、古鷹選手がタックルを仕掛けた!」
香取「これは……戦い方を変えた! 甲冑組討ちに切り替えたわ!」
明石「吹雪選手がタックルを切り損ねた! どうにかガードポジションでディフェンスを……古鷹選手が拳を振り上げた! て、鉄槌打ちぃぃぃ!」
明石「顔面へ拳が落とされる! 吹雪選手、辛うじて身を捻って躱します! が、そのまま古鷹選手が襟を掴む! 身動きを封じて再びパウンド!」
明石「今度は掌底打ちです! これは、虎爪による目潰しも狙っている! 吹雪選手は腕でブロック! その腕を古鷹選手が捉える!」
明石「ガードポジションのまま、腕の逆関節を取ろうとしています! 肘が捻じり上げられている! 吹雪選手、体を捩って技から抜けます!」
明石「が、背後を見せた吹雪選手に対し、古鷹選手が裸絞めを敢行! 咄嗟に手を挟んで絞めを回避します! だが、絞め付けから抜けられない!」
390:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/02(土) 22:58:18.35:+2ZurQ1To (1/1)
脱臼が癖になってるおれには日常の光景だww
脱臼が癖になってるおれには日常の光景だww
391:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:58:56.27:wWW9YQkD0 (95/167)
明石「ここで吹雪選手、腕に噛み付いたぁぁぁ! これには古鷹選手も堪ったものではない! 絞めを解いて立ち上がり……投げたぁぁぁ!?」
明石「腕に噛み付かせたまま、吹雪選手を宙に舞わせた! これは、合気の回転投げ!? 吹雪選手をリングに叩き付けました!」
香取「合気の呼吸力!? ここまでの技量を……!」
明石「しかも古鷹選手、間髪入れずに踏み付けたぁぁぁ! どうにか跳ね起きてこれを回避しました、吹雪選手! 受け身を取っていたようです!」
明石「駆逐艦級王者は転んでもただでは起きない! そのまま足へタックル! ああっ!? よ、読まれていた! 体捌きで躱されました!」
明石「し、しかも……古鷹選手の右手には、吹雪選手の右手の指が握られている! 古流柔術の真骨頂、指関節を極められてしまいました!」
明石「ここで吹雪選手、腕に噛み付いたぁぁぁ! これには古鷹選手も堪ったものではない! 絞めを解いて立ち上がり……投げたぁぁぁ!?」
明石「腕に噛み付かせたまま、吹雪選手を宙に舞わせた! これは、合気の回転投げ!? 吹雪選手をリングに叩き付けました!」
香取「合気の呼吸力!? ここまでの技量を……!」
明石「しかも古鷹選手、間髪入れずに踏み付けたぁぁぁ! どうにか跳ね起きてこれを回避しました、吹雪選手! 受け身を取っていたようです!」
明石「駆逐艦級王者は転んでもただでは起きない! そのまま足へタックル! ああっ!? よ、読まれていた! 体捌きで躱されました!」
明石「し、しかも……古鷹選手の右手には、吹雪選手の右手の指が握られている! 古流柔術の真骨頂、指関節を極められてしまいました!」
392:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 22:59:45.47:wWW9YQkD0 (96/167)
香取「古鷹さんは完全に戦い方を切り替えてるわ。平和的なギブアップ狙いじゃなく、戦場格闘技としての、仕留めるための戦いに……!」
明石「吹雪選手が体勢を取り直します! 両者、対手のような形で対峙! 握手にも見えるこの状態、その本質はまったくの逆!」
明石「古鷹選手は指を折る気です! その瞳、試合前とは打って変わって氷のように冷徹です! 折ることに躊躇はない!」
明石「捻ったぁぁぁ! が、それに合わせて吹雪選手が跳んだ! 折れていません! 動きを同調させて骨折を回避しました!」
明石「今度は更に大きく捻る! 同時に吹雪選手がマット上を回転! また折れていません! 脅威的な身のこなしと反射神経です!」
明石「それでも古鷹選手は容赦しない! 指を掴んでの逆手投げぇぇぇ! また吹雪選手が宙を舞った! そして、華麗に着地! 折れていません!」
明石「新体操ばりの運動能力です! しかし、これは死のダンス! 一挙一動間違えれば、指という最大の武器を失ってしまうのです!」
香取「古鷹さんは完全に戦い方を切り替えてるわ。平和的なギブアップ狙いじゃなく、戦場格闘技としての、仕留めるための戦いに……!」
明石「吹雪選手が体勢を取り直します! 両者、対手のような形で対峙! 握手にも見えるこの状態、その本質はまったくの逆!」
明石「古鷹選手は指を折る気です! その瞳、試合前とは打って変わって氷のように冷徹です! 折ることに躊躇はない!」
明石「捻ったぁぁぁ! が、それに合わせて吹雪選手が跳んだ! 折れていません! 動きを同調させて骨折を回避しました!」
明石「今度は更に大きく捻る! 同時に吹雪選手がマット上を回転! また折れていません! 脅威的な身のこなしと反射神経です!」
明石「それでも古鷹選手は容赦しない! 指を掴んでの逆手投げぇぇぇ! また吹雪選手が宙を舞った! そして、華麗に着地! 折れていません!」
明石「新体操ばりの運動能力です! しかし、これは死のダンス! 一挙一動間違えれば、指という最大の武器を失ってしまうのです!」
393:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:00:17.19:wWW9YQkD0 (97/167)
明石「それにしても、急所攻撃にまったく躊躇いを見せない、この非情なる戦いぶり! 序盤の古鷹選手とは別人と見紛うほどの容赦の無さです!」
明石「もはや無血勝利など狙っていないのは明らか! 相手を破壊してでも勝とうという気迫がひしひしと感じられます!」
香取「……兵法の極意は戦わずして勝つこと。血を流さず勝利を得られるのは理想だけど、現実でそう簡単にいかないからこその理想なのよね」
香取「武術とは勝つために作り上げられたもの。負けて面目を失うくらいなら、相手を殺してでも勝ちを掴み取る。それが武術の本質よ」
香取「古流柔術家、古鷹さんはその辺を十分理解してるみたい。もう、ギブアップを求める気はないでしょう。殺し合いのつもりで戦いに臨んでるわ」
明石「今度は小手投げです! 指を引っ張りながら腕を抱えて投げた! 吹雪選手、相手に逆らわず綺麗に投げられました!」
明石「そして着地! ノーダメージです! 指も折れていない! コンマ1秒単位で古鷹選手の動きに反応しています!」
明石「致命傷こそ免れているものの、状況は吹雪選手の窮地に変わりありません! どうにかして指関節から抜け出さなければ、勝利はない!」
明石「それにしても、急所攻撃にまったく躊躇いを見せない、この非情なる戦いぶり! 序盤の古鷹選手とは別人と見紛うほどの容赦の無さです!」
明石「もはや無血勝利など狙っていないのは明らか! 相手を破壊してでも勝とうという気迫がひしひしと感じられます!」
香取「……兵法の極意は戦わずして勝つこと。血を流さず勝利を得られるのは理想だけど、現実でそう簡単にいかないからこその理想なのよね」
香取「武術とは勝つために作り上げられたもの。負けて面目を失うくらいなら、相手を殺してでも勝ちを掴み取る。それが武術の本質よ」
香取「古流柔術家、古鷹さんはその辺を十分理解してるみたい。もう、ギブアップを求める気はないでしょう。殺し合いのつもりで戦いに臨んでるわ」
明石「今度は小手投げです! 指を引っ張りながら腕を抱えて投げた! 吹雪選手、相手に逆らわず綺麗に投げられました!」
明石「そして着地! ノーダメージです! 指も折れていない! コンマ1秒単位で古鷹選手の動きに反応しています!」
明石「致命傷こそ免れているものの、状況は吹雪選手の窮地に変わりありません! どうにかして指関節から抜け出さなければ、勝利はない!」
394:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:00:45.00:wWW9YQkD0 (98/167)
明石「古鷹選手は何としてもこの状況から仕留めたい! 再び指を思いっきり捻った! 吹雪選手、懐に沈み込むようにして骨折を避けます!」
明石「だが、古鷹選手が更なる捻りを加えた! その動きに従って、吹雪選手がマット上に転がる! 手首の関節を極めようとしています!」
明石「吹雪選手が立ち上がれない! そのまま古鷹選手、踏み付けたぁ! どうにか腕でブロックしますが、衝撃を殺し切れません!」
明石「もう1度踏み付け! 更に転がって回避します、吹雪選手! 同時に素早く立ち上がる! まだ指は折れていません!」
明石「危うい綱渡りが続きます! 身体的なダメージはないものの、吹雪選手はその額にびっしょりと冷たい汗を掻いています!」
明石「極限の集中を強いられるこの状況、もう長くは持ちません! 一刻も早く状況を打開しなければ、勝機はない!」
明石「古鷹選手は何としてもこの状況から仕留めたい! 再び指を思いっきり捻った! 吹雪選手、懐に沈み込むようにして骨折を避けます!」
明石「だが、古鷹選手が更なる捻りを加えた! その動きに従って、吹雪選手がマット上に転がる! 手首の関節を極めようとしています!」
明石「吹雪選手が立ち上がれない! そのまま古鷹選手、踏み付けたぁ! どうにか腕でブロックしますが、衝撃を殺し切れません!」
明石「もう1度踏み付け! 更に転がって回避します、吹雪選手! 同時に素早く立ち上がる! まだ指は折れていません!」
明石「危うい綱渡りが続きます! 身体的なダメージはないものの、吹雪選手はその額にびっしょりと冷たい汗を掻いています!」
明石「極限の集中を強いられるこの状況、もう長くは持ちません! 一刻も早く状況を打開しなければ、勝機はない!」
395:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:01:16.75:wWW9YQkD0 (99/167)
明石「古鷹選手、今度は指を引き込んだ! 両手を使って折るつもりです! 両手を使われれば回避のしようがない! 吹雪選手、どう動く!」
明石「引き込まれると同時に踏み込んだ! ば、バックエルボー炸裂ぅぅぅ! 高速で身を翻し、古鷹選手のあごに肘を打ち込んだぁぁぁ!」
明石「わずかに意識が飛んだ刹那に指を引き抜く! 吹雪選手、とうとう指関節から脱出! 即座に古鷹選手を仕留めに掛かります!」
明石「あご目掛けて追撃の飛び膝蹴りぃぃぃ! 更に古鷹選手の意識が遠のく! そのまま首を固めた! フロントチョークを仕掛けています!」
明石「足で胴を挟み込み、腕もしっかりと首に絡めています! 完全に極まったぁ! 吹雪選手、窮地からの逆転に成功しました!」
香取「あの状況で、よく冷静さを保ち続けられたわね。まさに氷のような、いえ、鋼のような精神力だわ」
香取「技量はわずかに古鷹さんが上かもしれないけど、どうやら精神力の差で吹雪さんが勝ったみたいね」
明石「完全に極まったフロントチョークに返し技はありません! 古鷹選手、直立の姿勢を維持していますが、落ちるのは時間の問題です!」
明石「古鷹選手、今度は指を引き込んだ! 両手を使って折るつもりです! 両手を使われれば回避のしようがない! 吹雪選手、どう動く!」
明石「引き込まれると同時に踏み込んだ! ば、バックエルボー炸裂ぅぅぅ! 高速で身を翻し、古鷹選手のあごに肘を打ち込んだぁぁぁ!」
明石「わずかに意識が飛んだ刹那に指を引き抜く! 吹雪選手、とうとう指関節から脱出! 即座に古鷹選手を仕留めに掛かります!」
明石「あご目掛けて追撃の飛び膝蹴りぃぃぃ! 更に古鷹選手の意識が遠のく! そのまま首を固めた! フロントチョークを仕掛けています!」
明石「足で胴を挟み込み、腕もしっかりと首に絡めています! 完全に極まったぁ! 吹雪選手、窮地からの逆転に成功しました!」
香取「あの状況で、よく冷静さを保ち続けられたわね。まさに氷のような、いえ、鋼のような精神力だわ」
香取「技量はわずかに古鷹さんが上かもしれないけど、どうやら精神力の差で吹雪さんが勝ったみたいね」
明石「完全に極まったフロントチョークに返し技はありません! 古鷹選手、直立の姿勢を維持していますが、落ちるのは時間の問題です!」
396:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:01:44.24:wWW9YQkD0 (100/167)
明石「動かせる両腕も、吹雪選手の道着を後ろに引っ張るだけ……ん? 何でしょう、親指を背中に突き立てるような……あっ!?」
香取「放した!? 吹雪さんが、あの状況から……!」
明石「吹雪選手が絞めを解きました! というより、まるで落下するように体を放しました! 体勢を崩しながらマットへ着地!」
明石「まるで避難するかのように吹雪選手が距離を取ります! 吹雪選手が目前の勝利を手放すなんてことは有り得ない! 何が起こった!?」
香取「骨法……? 今の、脊髄へ指を突き立てているように見えたわ。古流にはそんな技まで……!」
明石「勝負はほぼ振り出しに戻ってしまいました! 共に構えを取り直します! 吹雪選手はフットワーク、古鷹選手は霞の構え!」
明石「動かせる両腕も、吹雪選手の道着を後ろに引っ張るだけ……ん? 何でしょう、親指を背中に突き立てるような……あっ!?」
香取「放した!? 吹雪さんが、あの状況から……!」
明石「吹雪選手が絞めを解きました! というより、まるで落下するように体を放しました! 体勢を崩しながらマットへ着地!」
明石「まるで避難するかのように吹雪選手が距離を取ります! 吹雪選手が目前の勝利を手放すなんてことは有り得ない! 何が起こった!?」
香取「骨法……? 今の、脊髄へ指を突き立てているように見えたわ。古流にはそんな技まで……!」
明石「勝負はほぼ振り出しに戻ってしまいました! 共に構えを取り直します! 吹雪選手はフットワーク、古鷹選手は霞の構え!」
397:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:02:13.05:wWW9YQkD0 (101/167)
明石「改めて吹雪選手が仕掛けます! フットワークで回り込みつつ、まずは左ジャ……カウンターァァァ!? ちょ、直突き炸裂ぅぅぅ!」
明石「古鷹選手、まさかの拳撃を繰り出しました! 右の直突きです! 忘れていました、古流の技体系には当身、打撃技も含まれる!」
明石「吹雪選手が大きく後方に吹き飛ばされました! こんな形で階級差が現れるとは! 重巡級の拳をもろに食らってしまいました!」
香取「木板の5、6枚は打ち抜きそうな突きだったわ。吹雪さんは……たぶん、脱力して受けてる。大げさに飛んで、後ろに衝撃を逃がしたのよ」
香取「でも、ダメージは深そうね。どう足掻いても吹雪さんは最軽量級。階級差のある打撃を何発も耐えることはできないわ」
明石「追い打ちを掛けようとする古鷹選手ですが、跳ね起きた吹雪選手を見て足を止めます! まるで何事もなかったかのような振る舞いです!」
明石「ですが、顔の大きなアザはダメージの深さをまざまざと物語っている! これ以上、打撃を受けることはできません!」
明石「改めて吹雪選手が仕掛けます! フットワークで回り込みつつ、まずは左ジャ……カウンターァァァ!? ちょ、直突き炸裂ぅぅぅ!」
明石「古鷹選手、まさかの拳撃を繰り出しました! 右の直突きです! 忘れていました、古流の技体系には当身、打撃技も含まれる!」
明石「吹雪選手が大きく後方に吹き飛ばされました! こんな形で階級差が現れるとは! 重巡級の拳をもろに食らってしまいました!」
香取「木板の5、6枚は打ち抜きそうな突きだったわ。吹雪さんは……たぶん、脱力して受けてる。大げさに飛んで、後ろに衝撃を逃がしたのよ」
香取「でも、ダメージは深そうね。どう足掻いても吹雪さんは最軽量級。階級差のある打撃を何発も耐えることはできないわ」
明石「追い打ちを掛けようとする古鷹選手ですが、跳ね起きた吹雪選手を見て足を止めます! まるで何事もなかったかのような振る舞いです!」
明石「ですが、顔の大きなアザはダメージの深さをまざまざと物語っている! これ以上、打撃を受けることはできません!」
398:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:02:43.57:wWW9YQkD0 (102/167)
明石「再びフットワークを始める吹雪選手! 古鷹選手も迎撃の構え! 勝負はここからだと言わんばかりの緊張感です!」
明石「古鷹選手はどう攻める! 直突きか、あるいは仕掛けさせての固め技か! 吹雪選手、真正面から一気に距離を詰めた!」
明石「先に古鷹選手が動いた! 直突きです! 対する吹雪選手、跳びつき腕十字だぁぁぁ! 完璧にタイミングを読んで腕を捉えました!」
明石「腕に吹雪選手をぶら下げ、マットに古鷹選手が引きずり倒されていく! 吹雪選手は躊躇なく折る気だ! その前に技から抜けられるか!?」
明石「ぬ……抜けられない! タップ、タップが入りました! 古鷹選手のギブアップです! レフェリーがギブアップを確認しました!」
明石「試合終了! 劇的な幕切れを遂げました! 熾烈なテクニックの応酬を制したのは、駆逐艦級王者、吹雪選手です!」
明石「再びフットワークを始める吹雪選手! 古鷹選手も迎撃の構え! 勝負はここからだと言わんばかりの緊張感です!」
明石「古鷹選手はどう攻める! 直突きか、あるいは仕掛けさせての固め技か! 吹雪選手、真正面から一気に距離を詰めた!」
明石「先に古鷹選手が動いた! 直突きです! 対する吹雪選手、跳びつき腕十字だぁぁぁ! 完璧にタイミングを読んで腕を捉えました!」
明石「腕に吹雪選手をぶら下げ、マットに古鷹選手が引きずり倒されていく! 吹雪選手は躊躇なく折る気だ! その前に技から抜けられるか!?」
明石「ぬ……抜けられない! タップ、タップが入りました! 古鷹選手のギブアップです! レフェリーがギブアップを確認しました!」
明石「試合終了! 劇的な幕切れを遂げました! 熾烈なテクニックの応酬を制したのは、駆逐艦級王者、吹雪選手です!」
399:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:03:12.97:wWW9YQkD0 (103/167)
明石「古流柔術の底知れぬ技の数々を臨機応変に対処し、最後は鮮やかに終わらせました! 古鷹選手、屈辱のギブアップ!」
明石「まさか自身がギブアップすることになるとは! 古流の奥伝、秘伝を以ってしても、吹雪選手のテクニックを超えることはできませんでした!」
香取「真っ向から切って落とした、って感じね。吹雪さんらしい勝ち方だわ。古鷹さんの技術に正面から打ち勝ってしまったわね」
香取「古鷹さんの技はもっと底がありそうだったけど、それは吹雪さんも同じ。どちらも底なしのテクニックの持ち主だったわ」
香取「勝敗を分けたのは、やっぱり吹雪さんの精神力かしら。本当に負けるのが嫌なのね。あんなに痩せ我慢をしてみせる必要もなかったでしょうに」
香取「これで吹雪さんは、グランプリ優勝への道へ大きな一歩を踏み出したわ。最軽量級の無差別級制覇、有り得るかもしれないわよ」
明石「どちらの選手も驚嘆すべき技の数々を見せてくれました! 皆様、両選手の健闘を讃え、今一度拍手をお願いします!」
明石「古流柔術の底知れぬ技の数々を臨機応変に対処し、最後は鮮やかに終わらせました! 古鷹選手、屈辱のギブアップ!」
明石「まさか自身がギブアップすることになるとは! 古流の奥伝、秘伝を以ってしても、吹雪選手のテクニックを超えることはできませんでした!」
香取「真っ向から切って落とした、って感じね。吹雪さんらしい勝ち方だわ。古鷹さんの技術に正面から打ち勝ってしまったわね」
香取「古鷹さんの技はもっと底がありそうだったけど、それは吹雪さんも同じ。どちらも底なしのテクニックの持ち主だったわ」
香取「勝敗を分けたのは、やっぱり吹雪さんの精神力かしら。本当に負けるのが嫌なのね。あんなに痩せ我慢をしてみせる必要もなかったでしょうに」
香取「これで吹雪さんは、グランプリ優勝への道へ大きな一歩を踏み出したわ。最軽量級の無差別級制覇、有り得るかもしれないわよ」
明石「どちらの選手も驚嘆すべき技の数々を見せてくれました! 皆様、両選手の健闘を讃え、今一度拍手をお願いします!」
400:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:03:47.88:wWW9YQkD0 (104/167)
試合後インタビュー:吹雪
―――戦ってみて、古鷹選手はどう感じられましたか?
吹雪「想像通りでした。古流柔術なんてあんなもんですよ。でも、なかなか面白かったですね。倒し甲斐のある相手ではありました」
吹雪「テクニックもそこそこあるみたいでしたね。まあ、私ほどじゃないですけど。もっと早く終わらせることもできましたよ」
吹雪「1つ忠告するなら、指捕りはまずかったんじゃないですか? 柔術家が指を取るのは負けフラグだって、昔から相場が決まってるんですよ」
―――指関節を極められたときはピンチだったように見えましたが、あのときはどういう気持ちでしたか?
吹雪「別に何も? 余裕ですよあんなの。相手に合わせて動けばいいだけなんですから、何も難しいことなんてありません」
吹雪「古鷹さんの動きも合わせやすかったですし、踊ってるのと同じですよ。アドリブでフォークダンスに付き合ったようなものです」
吹雪「何なら、もう1回やりましょうか? 今度はもっと複雑に捻ってもらっても構いません。1万回やっても折られない自信がありますから」
―――これで1回戦突破ですが、心境をお聞かせください。
吹雪「当然の結果です。私が初戦で落ちるなんて、宝くじの1等に10回連続で当たるよりも有り得ない確率ですよ」
吹雪「ていうか、1回戦だろうと決勝だろうと、私が負けること自体有り得ませんから。2回戦も私が勝ちます、間違いなくね」
吹雪「負けたらリング上でストリップでもしてあげますよ。今の発言、言質として記録しておいてください。何があっても私は負けませんから」
試合後インタビュー:吹雪
―――戦ってみて、古鷹選手はどう感じられましたか?
吹雪「想像通りでした。古流柔術なんてあんなもんですよ。でも、なかなか面白かったですね。倒し甲斐のある相手ではありました」
吹雪「テクニックもそこそこあるみたいでしたね。まあ、私ほどじゃないですけど。もっと早く終わらせることもできましたよ」
吹雪「1つ忠告するなら、指捕りはまずかったんじゃないですか? 柔術家が指を取るのは負けフラグだって、昔から相場が決まってるんですよ」
―――指関節を極められたときはピンチだったように見えましたが、あのときはどういう気持ちでしたか?
吹雪「別に何も? 余裕ですよあんなの。相手に合わせて動けばいいだけなんですから、何も難しいことなんてありません」
吹雪「古鷹さんの動きも合わせやすかったですし、踊ってるのと同じですよ。アドリブでフォークダンスに付き合ったようなものです」
吹雪「何なら、もう1回やりましょうか? 今度はもっと複雑に捻ってもらっても構いません。1万回やっても折られない自信がありますから」
―――これで1回戦突破ですが、心境をお聞かせください。
吹雪「当然の結果です。私が初戦で落ちるなんて、宝くじの1等に10回連続で当たるよりも有り得ない確率ですよ」
吹雪「ていうか、1回戦だろうと決勝だろうと、私が負けること自体有り得ませんから。2回戦も私が勝ちます、間違いなくね」
吹雪「負けたらリング上でストリップでもしてあげますよ。今の発言、言質として記録しておいてください。何があっても私は負けませんから」
401:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:04:15.39:wWW9YQkD0 (105/167)
試合後インタビュー:古鷹
―――敗因は何だったと思われますか?
古鷹「なんていうか……何でしょう? ギブアップしちゃったのは事実ですけど、気持ちで負けたわけじゃないんです」
古鷹「技量でもそんなに差があったようにも思いませんし……でも、腕を極められたとき、もう絶対に勝てないって確信しちゃったんです」
古鷹「ただただ、普通に負けました。あんなに強い子がいるんですね。まだ負けたことが受け止め切れません……」
―――途中から戦い方が攻撃的なものに変わりましたが、どういう心境の変化だったのでしょうか。
古鷹「……私が甘かったんです。もっと早く気付くべきでした。吹雪さんがギブアップするなんて、絶対に有り得ないことだったんです」
古鷹「戦ってみたからわかります。彼女は本当に命を賭けて戦っているんです。負けることは、彼女にとって死よりも重いんだと思います」
古鷹「だから……私も命を賭けて、殺すつもりで戦いました。それでも勝てなかったんですけど……凄いなあ、あそこまでやったのに勝っちゃうんだ」
古鷹「今日は勉強になりました。負けたのは悔しいですけど……古流への信頼を捨てるつもりはありません! 私も、もっと頑張ります!」
試合後インタビュー:古鷹
―――敗因は何だったと思われますか?
古鷹「なんていうか……何でしょう? ギブアップしちゃったのは事実ですけど、気持ちで負けたわけじゃないんです」
古鷹「技量でもそんなに差があったようにも思いませんし……でも、腕を極められたとき、もう絶対に勝てないって確信しちゃったんです」
古鷹「ただただ、普通に負けました。あんなに強い子がいるんですね。まだ負けたことが受け止め切れません……」
―――途中から戦い方が攻撃的なものに変わりましたが、どういう心境の変化だったのでしょうか。
古鷹「……私が甘かったんです。もっと早く気付くべきでした。吹雪さんがギブアップするなんて、絶対に有り得ないことだったんです」
古鷹「戦ってみたからわかります。彼女は本当に命を賭けて戦っているんです。負けることは、彼女にとって死よりも重いんだと思います」
古鷹「だから……私も命を賭けて、殺すつもりで戦いました。それでも勝てなかったんですけど……凄いなあ、あそこまでやったのに勝っちゃうんだ」
古鷹「今日は勉強になりました。負けたのは悔しいですけど……古流への信頼を捨てるつもりはありません! 私も、もっと頑張ります!」
402:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:04:52.01:wWW9YQkD0 (106/167)
~休憩~
23:15より再開
~休憩~
23:15より再開
403:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:14:54.49:wWW9YQkD0 (107/167)
~再開~
~再開~
404:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:15:24.11:wWW9YQkD0 (108/167)
明石「強者が散り、更なる強者が勝ち上がる! Bブロック1回戦、とうとう最終試合となります!」
明石「最後の試合を締めくくるには、やはり彼女しかない! 赤コーナーより選手入場! 絶対王者、ついに登場です!」
明石「強者が散り、更なる強者が勝ち上がる! Bブロック1回戦、とうとう最終試合となります!」
明石「最後の試合を締めくくるには、やはり彼女しかない! 赤コーナーより選手入場! 絶対王者、ついに登場です!」
405:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:15:55.63:wWW9YQkD0 (109/167)
試合前インタビュー:長門
―――今大会では3連覇への大きな期待が寄せられていますが、自信の程をお聞かせください。
長門「自信はあるが、慢心はしていないつもりだ。今までの全ての試合を見た。前回より更に強力な選手が集っているのは間違いない」
長門「初戦を突破した者たちは全員、私をも倒しうる実力者たちだ。ここから先の戦いは厳しいものになるだろう」
長門「それでも優勝するのは私だ。最強の名を譲り渡すつもりはない。どんな相手であろうと、全力で戦う。そして勝つのは常に私だ」
―――今までの試合を見られて、特に警戒している選手はいらっしゃいますか?
長門「特別というのはないな。初戦を抜けた選手は皆、警戒すべき存在だ。甘く見れば足元を掬われることは間違いない」
長門「何より、今は目の前の戦いに集中したい。相手は重巡級王者の足柄を瞬殺したと聞く。よほどの実力がなくては、できることではない」
長門「そういう意味では、誰よりも羽黒を警戒しているな。1回戦で私が敗北を喫するなど、あってはならないことだ」
長門「羽黒には悪いが、全身全霊で行かせてもらう。手加減はできそうにない。私も負けたくはないからな」
試合前インタビュー:長門
―――今大会では3連覇への大きな期待が寄せられていますが、自信の程をお聞かせください。
長門「自信はあるが、慢心はしていないつもりだ。今までの全ての試合を見た。前回より更に強力な選手が集っているのは間違いない」
長門「初戦を突破した者たちは全員、私をも倒しうる実力者たちだ。ここから先の戦いは厳しいものになるだろう」
長門「それでも優勝するのは私だ。最強の名を譲り渡すつもりはない。どんな相手であろうと、全力で戦う。そして勝つのは常に私だ」
―――今までの試合を見られて、特に警戒している選手はいらっしゃいますか?
長門「特別というのはないな。初戦を抜けた選手は皆、警戒すべき存在だ。甘く見れば足元を掬われることは間違いない」
長門「何より、今は目の前の戦いに集中したい。相手は重巡級王者の足柄を瞬殺したと聞く。よほどの実力がなくては、できることではない」
長門「そういう意味では、誰よりも羽黒を警戒しているな。1回戦で私が敗北を喫するなど、あってはならないことだ」
長門「羽黒には悪いが、全身全霊で行かせてもらう。手加減はできそうにない。私も負けたくはないからな」
406:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:16:26.19:wWW9YQkD0 (110/167)
長門:入場テーマ「クロノトリガー/魔王決戦」
#t=48
長門:入場テーマ「クロノトリガー/魔王決戦」
#t=48
407:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:16:57.10:wWW9YQkD0 (111/167)
明石「第1回、第2回無差別級グランプリ優勝! 誰も疑いようのない最強の艦娘が、三度グランプリの舞台へ上がります!」
明石「打、極、投、全てが究極! 未だ敗北を知らぬ無敗の戦艦は、3連覇という前人未到の偉業を成し遂げることができるのか!」
明石「UKF無差別級絶対王者が今、全選手の前に立ち塞がる! ”ザ・グレイテスト・ワン”長門ォォォ!」
香取「とうとう出てきたわね。デビューから連勝記録を重ね続けている、無敗の王者。長門さんは間違いなく最強の艦娘でしょう」
明石「今のところの記録では、45連勝中ですね。その中には扶桑、榛名、武蔵選手といったトップファイターも多数含まれます」
香取「この記録は永遠に破られることはないかもしれないわね。彼女ほど完成されたファイトスタイルの持ち主はそうそう輩出されるものじゃないわ」
香取「もし強さを総合点で表すなら、長門さんはどの選手よりも高い点数を叩き出すでしょう。パワー、テクニック、そして精神面。全て完璧だもの」
明石「第1回、第2回無差別級グランプリ優勝! 誰も疑いようのない最強の艦娘が、三度グランプリの舞台へ上がります!」
明石「打、極、投、全てが究極! 未だ敗北を知らぬ無敗の戦艦は、3連覇という前人未到の偉業を成し遂げることができるのか!」
明石「UKF無差別級絶対王者が今、全選手の前に立ち塞がる! ”ザ・グレイテスト・ワン”長門ォォォ!」
香取「とうとう出てきたわね。デビューから連勝記録を重ね続けている、無敗の王者。長門さんは間違いなく最強の艦娘でしょう」
明石「今のところの記録では、45連勝中ですね。その中には扶桑、榛名、武蔵選手といったトップファイターも多数含まれます」
香取「この記録は永遠に破られることはないかもしれないわね。彼女ほど完成されたファイトスタイルの持ち主はそうそう輩出されるものじゃないわ」
香取「もし強さを総合点で表すなら、長門さんはどの選手よりも高い点数を叩き出すでしょう。パワー、テクニック、そして精神面。全て完璧だもの」
408:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:17:27.17:wWW9YQkD0 (112/167)
明石「非常に高い総合力で知られる長門選手ですが、明石さんとしてはどの点を最も脅威に感じられますか?」
香取「やっぱり、精神面でしょうね。彼女の試合経験において、追い込まれる場面は少なからずあったわ。でも、彼女は常にそこから逆転しているの」
香取「長門さんはどんな逆境に追い込まれても、決して揺るがない。格下の相手にも油断しない。どんな局面でも100%の実力を発揮できるわ」
香取「格闘技術や身体能力も総じて一流だし、戦う相手には堪ったものじゃないわね。どこを探しても付け入る隙がないんだから」
香取「弱点もなければ攻略法もない。精神面も崩せないとなると、いよいよ手の付けようがない相手よね」
香取「長門さんを倒せるとしたら、純粋な強さを持つ選手だけでしょう。それに最も近かったのが武蔵さんだったけど、彼女でさえ勝てなかったわね」
明石「武蔵選手も破格のパワーとテクニック、そして精神の強さも併せ持つファイターでしたが、あと一歩のところで敗北されてしまいました」
香取「その一歩がどうしても長門さんに届かないのよね。いわゆる越えられない壁、ってやつかしら」
香取「大淀さんは『途方もない絶壁』と表現していたわね。その壁を突破できる選手こそが、長門さんを倒す者になるんでしょう」
香取「少なくとも、生半可な相手に長門さんが遅れを取ることは絶対にない。それだけは断言できるわ」
香取「勝てるとしたら超一流の選手のみ。今日の対戦相手がどうなのかは……まだわからないわね。実力がほぼ未知数の選手だから」
明石「ありがとうございます。それでは、青コーナーより選手入場! 妙高型姉妹より、漆黒の死神が姿を現します!」
明石「非常に高い総合力で知られる長門選手ですが、明石さんとしてはどの点を最も脅威に感じられますか?」
香取「やっぱり、精神面でしょうね。彼女の試合経験において、追い込まれる場面は少なからずあったわ。でも、彼女は常にそこから逆転しているの」
香取「長門さんはどんな逆境に追い込まれても、決して揺るがない。格下の相手にも油断しない。どんな局面でも100%の実力を発揮できるわ」
香取「格闘技術や身体能力も総じて一流だし、戦う相手には堪ったものじゃないわね。どこを探しても付け入る隙がないんだから」
香取「弱点もなければ攻略法もない。精神面も崩せないとなると、いよいよ手の付けようがない相手よね」
香取「長門さんを倒せるとしたら、純粋な強さを持つ選手だけでしょう。それに最も近かったのが武蔵さんだったけど、彼女でさえ勝てなかったわね」
明石「武蔵選手も破格のパワーとテクニック、そして精神の強さも併せ持つファイターでしたが、あと一歩のところで敗北されてしまいました」
香取「その一歩がどうしても長門さんに届かないのよね。いわゆる越えられない壁、ってやつかしら」
香取「大淀さんは『途方もない絶壁』と表現していたわね。その壁を突破できる選手こそが、長門さんを倒す者になるんでしょう」
香取「少なくとも、生半可な相手に長門さんが遅れを取ることは絶対にない。それだけは断言できるわ」
香取「勝てるとしたら超一流の選手のみ。今日の対戦相手がどうなのかは……まだわからないわね。実力がほぼ未知数の選手だから」
明石「ありがとうございます。それでは、青コーナーより選手入場! 妙高型姉妹より、漆黒の死神が姿を現します!」
409:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:19:04.42:wWW9YQkD0 (113/167)
試合前インタビュー:羽黒
―――初戦から長門選手というのは不運な組み合わせのように感じられますが、ご自身はどう思われていますか?
羽黒「別に……誰でもいいです。出場すること自体、私は嫌だったので……本当は誰とも戦いたくありません。もちろん、長門さんともです」
羽黒「ジークンドーだって、妙高姉さんの言いつけで学んでいるだけだったんです。たまたま足柄姉さんに勝ったから、こんなことに……」
羽黒「出場したのは、妙高姉さんに出ろって言われたからです。妙高姉さんは怖いです。戦うのは嫌ですけど、怒られるのはもっと嫌なので……」
―――なぜ戦うのが嫌なのですか?
羽黒「だって、自分から傷付け合うようなことをするなんて、おかしいじゃないですか。戦うのが好きっていう感覚、私には理解できません」
羽黒「戦うのは怖いし、痛いし、相手の人を傷付けるのも嫌いです。今日は早く終わらせて帰りたいです……」
―――長門選手への対策などは講じられていますか?
羽黒「何もありません……今日のことはなるべく考えないようにしていましたから。長門さんのことも、よく知らないんです」
羽黒「格闘技の試合は、痛そうだから観ていられないんです。それなのに、私自身が出ることになってしまうなんて……」
羽黒「でも……妙高姉さんが怖いので、試合には出ます。できればすぐギブアップしたいんですけど、ギブアップはするなって言われてるので……」
羽黒「どうすればいいんでしょうか……とにかく、早く試合が終わってくれれば、それでいいです」
試合前インタビュー:羽黒
―――初戦から長門選手というのは不運な組み合わせのように感じられますが、ご自身はどう思われていますか?
羽黒「別に……誰でもいいです。出場すること自体、私は嫌だったので……本当は誰とも戦いたくありません。もちろん、長門さんともです」
羽黒「ジークンドーだって、妙高姉さんの言いつけで学んでいるだけだったんです。たまたま足柄姉さんに勝ったから、こんなことに……」
羽黒「出場したのは、妙高姉さんに出ろって言われたからです。妙高姉さんは怖いです。戦うのは嫌ですけど、怒られるのはもっと嫌なので……」
―――なぜ戦うのが嫌なのですか?
羽黒「だって、自分から傷付け合うようなことをするなんて、おかしいじゃないですか。戦うのが好きっていう感覚、私には理解できません」
羽黒「戦うのは怖いし、痛いし、相手の人を傷付けるのも嫌いです。今日は早く終わらせて帰りたいです……」
―――長門選手への対策などは講じられていますか?
羽黒「何もありません……今日のことはなるべく考えないようにしていましたから。長門さんのことも、よく知らないんです」
羽黒「格闘技の試合は、痛そうだから観ていられないんです。それなのに、私自身が出ることになってしまうなんて……」
羽黒「でも……妙高姉さんが怖いので、試合には出ます。できればすぐギブアップしたいんですけど、ギブアップはするなって言われてるので……」
羽黒「どうすればいいんでしょうか……とにかく、早く試合が終わってくれれば、それでいいです」
410:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:19:51.34:wWW9YQkD0 (114/167)
羽黒:入場テーマ「Enemite/ - The Head - Stream - River Of Death」
羽黒:入場テーマ「Enemite/ - The Head - Stream - River Of Death」
411:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:20:31.61:wWW9YQkD0 (115/167)
明石「出場が内定していた重巡級王者、足柄選手がまさかの野試合で瞬殺! その相手とは、同じ妙高型姉妹の末妹! 事実上の重巡級王者です!」
明石「不吉な風が吹き荒ぶ! 冥府の死神を思わせる、その不穏な気配は何を意味するのか! 今、隠された実力が明らかになる!」
明石「妙高姉妹の死神は、絶対王者に死を告げることはできるのか! ”黒死蝶”羽黒ォォォ!」
香取「足柄さんを倒しての出場ね……足柄さんに加えて、妙高さんからの推薦もあったから彼女の出場枠が決まったわ」
香取「でも、大丈夫なのかしら? 2人の重巡級王者に推薦されたなら出すしかないのはわかるけど……」
明石「香取さんは運営スタッフとして羽黒さんと顔を合わされたそうですね。どのような様子でしたか?」
香取「なんていうか……やる気がない、強くなさそう、その2つを踏まえた上で、それ以上に戦うのに向いてないって印象だったわ」
明石「……やる気がない、強くなさそう、戦うのに向いてない……ですか? ファイターらしからぬ三拍子が揃ってるんですけど」
香取「でも、そう感じたのは事実よ。彼女は根本的に争いごとが好きじゃないの。学校のクラスに1人はいる、地味で気弱な女の子って感じだったわ」
香取「別に気弱な自分を変えたくて格闘技を始めた、ってわけでもないみたい。強い弱いじゃなく、そもそも戦えるようにすら見えなかったわ」
明石「出場が内定していた重巡級王者、足柄選手がまさかの野試合で瞬殺! その相手とは、同じ妙高型姉妹の末妹! 事実上の重巡級王者です!」
明石「不吉な風が吹き荒ぶ! 冥府の死神を思わせる、その不穏な気配は何を意味するのか! 今、隠された実力が明らかになる!」
明石「妙高姉妹の死神は、絶対王者に死を告げることはできるのか! ”黒死蝶”羽黒ォォォ!」
香取「足柄さんを倒しての出場ね……足柄さんに加えて、妙高さんからの推薦もあったから彼女の出場枠が決まったわ」
香取「でも、大丈夫なのかしら? 2人の重巡級王者に推薦されたなら出すしかないのはわかるけど……」
明石「香取さんは運営スタッフとして羽黒さんと顔を合わされたそうですね。どのような様子でしたか?」
香取「なんていうか……やる気がない、強くなさそう、その2つを踏まえた上で、それ以上に戦うのに向いてないって印象だったわ」
明石「……やる気がない、強くなさそう、戦うのに向いてない……ですか? ファイターらしからぬ三拍子が揃ってるんですけど」
香取「でも、そう感じたのは事実よ。彼女は根本的に争いごとが好きじゃないの。学校のクラスに1人はいる、地味で気弱な女の子って感じだったわ」
香取「別に気弱な自分を変えたくて格闘技を始めた、ってわけでもないみたい。強い弱いじゃなく、そもそも戦えるようにすら見えなかったわ」
412:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:21:36.52:wWW9YQkD0 (116/167)
明石「香取さんは以前に、『本物の達人は見ただけでは強さがわからない』とおっしゃっていましたけど、それに該当する可能性は?」
香取「足柄さんに勝った、っていう前情報があるから、その可能性も捨て切れないけど……私は何も感じなかったわ」
香取「油断させるための演技をしてる、ってわけでもないと思う。ほら、今だってただただ憂鬱そうに花道を歩いてるわ」
明石「うわっ……なんか、処刑台に上がる死刑囚みたいな雰囲気ですね。やる気がないどころの騒ぎじゃなさそうです」
香取「でしょ? 普通の人がリングへ戦わされることになって、全てを諦めてるような表情よ。あの憂鬱さ、演技で出し切れるものじゃないわ」
明石「……でも、羽黒さんは野試合で足柄さんを倒してるんですよね」
香取「……そうなのよね。足柄さんや妙高さんがそんな嘘を吐くメリットは1つもないし、本当のことだと思うけど……どういうことかしら?」
明石「多重人格、とか?」
香取「まさかそんな……いえ、あり得るのかしら。実例はあるそうだし……何にせよ、予測の域を出ないわ。やっぱり、試合を見てみないとね」
明石「香取さんは以前に、『本物の達人は見ただけでは強さがわからない』とおっしゃっていましたけど、それに該当する可能性は?」
香取「足柄さんに勝った、っていう前情報があるから、その可能性も捨て切れないけど……私は何も感じなかったわ」
香取「油断させるための演技をしてる、ってわけでもないと思う。ほら、今だってただただ憂鬱そうに花道を歩いてるわ」
明石「うわっ……なんか、処刑台に上がる死刑囚みたいな雰囲気ですね。やる気がないどころの騒ぎじゃなさそうです」
香取「でしょ? 普通の人がリングへ戦わされることになって、全てを諦めてるような表情よ。あの憂鬱さ、演技で出し切れるものじゃないわ」
明石「……でも、羽黒さんは野試合で足柄さんを倒してるんですよね」
香取「……そうなのよね。足柄さんや妙高さんがそんな嘘を吐くメリットは1つもないし、本当のことだと思うけど……どういうことかしら?」
明石「多重人格、とか?」
香取「まさかそんな……いえ、あり得るのかしら。実例はあるそうだし……何にせよ、予測の域を出ないわ。やっぱり、試合を見てみないとね」
413:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:22:28.15:wWW9YQkD0 (117/167)
明石「羽黒選手もまた、足柄選手と同じジークンドーの使い手だそうですね」
香取「そう聞いてるわ。武術家としてのブルース・リーが中国拳法と決別し、ボクシング、シラット、フェンシングの技術を取り入れた近代格闘術よ」
香取「ベースとしては詠春拳の形を多少残しているけど、実態は別物ね。伝統や型を廃し、実戦性と運動力学的な合理性を特に重視しているわ」
香取「特に注目すべき技は、リードストレートかしら。ボクシングのストレートとフェンシングの突きを参考に作られた、ジークンドーの主武器ね」
香取「利き手を前に構え、足腰の捻りを加えて最短最速で拳を突き出す。ジャブの速度とストレートの威力を併せ持つ、最高のパンチよ」
香取「ジークンドーの技体系は、このリードストレートを主軸に組み立てられてるわ。実戦における想定タイムは、わずか6秒」
香取「合理的に、最速で戦いを制する。路上格闘において、ジークンドーは最も優れた武術の1つに数えられるでしょう」
明石「羽黒選手もまた、足柄選手と同じジークンドーの使い手だそうですね」
香取「そう聞いてるわ。武術家としてのブルース・リーが中国拳法と決別し、ボクシング、シラット、フェンシングの技術を取り入れた近代格闘術よ」
香取「ベースとしては詠春拳の形を多少残しているけど、実態は別物ね。伝統や型を廃し、実戦性と運動力学的な合理性を特に重視しているわ」
香取「特に注目すべき技は、リードストレートかしら。ボクシングのストレートとフェンシングの突きを参考に作られた、ジークンドーの主武器ね」
香取「利き手を前に構え、足腰の捻りを加えて最短最速で拳を突き出す。ジャブの速度とストレートの威力を併せ持つ、最高のパンチよ」
香取「ジークンドーの技体系は、このリードストレートを主軸に組み立てられてるわ。実戦における想定タイムは、わずか6秒」
香取「合理的に、最速で戦いを制する。路上格闘において、ジークンドーは最も優れた武術の1つに数えられるでしょう」
414:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:23:01.62:wWW9YQkD0 (118/167)
明石「そういえば、羽黒選手はしきりに『早く終わらせたい』と言っていましたね。それって、短期決着を狙っているってことでしょうか?」
香取「どうなのかしら。長門さん相手に、そんな自信過剰な発言をするタイプとはとても思えないけど……単に早く帰りたいだけなんじゃない?」
明石「えーっと……この試合、どう予想されますか?」
香取「長門さん相手に、ジークンドーがどういう技を見せるか……って話をしようと思ってたけど、そんな次元じゃなそうね」
香取「そもそも、羽黒さんは何者なのか。なぜ妙高さんたちは彼女の出場を推したのか。それ自体が見どころなんじゃない?」
香取「私にはそれ以上、何も言えないわ。Bブロックの最終試合なんだし、一方的な展開で終わるのは避けてほしいわね」
明石「……ありがとうございます。さて、両選手リングイン! 屹然と王者の風格を表す長門選手に対し、羽黒選手、まったく目を合わせない!」
明石「まるで叱られた子供のように俯いています! 本当に彼女は戦えるのでしょうか! 会場に、別の意味での不穏な空気が漂っています!」
明石「そういえば、羽黒選手はしきりに『早く終わらせたい』と言っていましたね。それって、短期決着を狙っているってことでしょうか?」
香取「どうなのかしら。長門さん相手に、そんな自信過剰な発言をするタイプとはとても思えないけど……単に早く帰りたいだけなんじゃない?」
明石「えーっと……この試合、どう予想されますか?」
香取「長門さん相手に、ジークンドーがどういう技を見せるか……って話をしようと思ってたけど、そんな次元じゃなそうね」
香取「そもそも、羽黒さんは何者なのか。なぜ妙高さんたちは彼女の出場を推したのか。それ自体が見どころなんじゃない?」
香取「私にはそれ以上、何も言えないわ。Bブロックの最終試合なんだし、一方的な展開で終わるのは避けてほしいわね」
明石「……ありがとうございます。さて、両選手リングイン! 屹然と王者の風格を表す長門選手に対し、羽黒選手、まったく目を合わせない!」
明石「まるで叱られた子供のように俯いています! 本当に彼女は戦えるのでしょうか! 会場に、別の意味での不穏な空気が漂っています!」
415:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:23:31.48:wWW9YQkD0 (119/167)
明石「長門選手はいつもと全く変わりなし! 獅子は兎を狩るにも全力を尽くす! 油断も同様も一切見受けられません!」
明石「とうとう視線を交わさないまま、両者コーナーへ! この試合、まったく予想が付きません! どのような展開になってしまうのでしょうか!」
明石「今、ゴングが鳴りました! 試合開始と同時に、長門選手がリング中央へ進み出ます! いつものオーソドックススタイルの構えを取ります!」
明石「羽黒選手はコーナーから1、2歩進んだところで歩みを止めました! その場で構えます! 利き手を前に出す、ジークンドーの構えです!」
明石「両者、大きく距離を取って対峙! 長門選手は相手がもっと前に出てくるのを待っている様子ですが、羽黒選手はそれ以上進み出ない!」
明石「これは仕掛けさせたいという意図があるのか、それとも単に近寄りたくないだけなのか! 羽黒選手、未だ実力の全容が明かされません!」
明石「長門選手はいつもと全く変わりなし! 獅子は兎を狩るにも全力を尽くす! 油断も同様も一切見受けられません!」
明石「とうとう視線を交わさないまま、両者コーナーへ! この試合、まったく予想が付きません! どのような展開になってしまうのでしょうか!」
明石「今、ゴングが鳴りました! 試合開始と同時に、長門選手がリング中央へ進み出ます! いつものオーソドックススタイルの構えを取ります!」
明石「羽黒選手はコーナーから1、2歩進んだところで歩みを止めました! その場で構えます! 利き手を前に出す、ジークンドーの構えです!」
明石「両者、大きく距離を取って対峙! 長門選手は相手がもっと前に出てくるのを待っている様子ですが、羽黒選手はそれ以上進み出ない!」
明石「これは仕掛けさせたいという意図があるのか、それとも単に近寄りたくないだけなのか! 羽黒選手、未だ実力の全容が明かされません!」
416:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:24:16.83:wWW9YQkD0 (120/167)
香取「見た感じ、後者の意図でしょうね。実に嫌そうな顔をして構えを取ってるわ。長門さんに近寄ってほしくもないみたい」
香取「でも……構えは堂に入ってるわ。ジークンドーの構えとして、前後へ均等に体重を掛けた正三角形の立ち方も様になっているし」
香取「それにしても、嫌な感じを出してるわね。長門さんも、あんな感情を向けられたのは初めてなんじゃない?」
明石「あんな感じ、とは、具体的にどういうことですか?」
香取「なんて言ったらいいか……ゴキブリを見るような嫌悪感を長門さんに向けてるわ。殺意にも似た、粘ついた敵意みたいなものを感じるの」
香取「試合前と比べて雰囲気が変わったわね。でも、やっぱり戦いたくはなさそう。このまま試合が終わればいい、って思ってるんじゃないかしら」
明石「確かに羽黒選手、生理的嫌悪に近い眼差しで長門選手を見つめています! とにかく近寄らないでほしい、とでも言いたげだ!」
香取「見た感じ、後者の意図でしょうね。実に嫌そうな顔をして構えを取ってるわ。長門さんに近寄ってほしくもないみたい」
香取「でも……構えは堂に入ってるわ。ジークンドーの構えとして、前後へ均等に体重を掛けた正三角形の立ち方も様になっているし」
香取「それにしても、嫌な感じを出してるわね。長門さんも、あんな感情を向けられたのは初めてなんじゃない?」
明石「あんな感じ、とは、具体的にどういうことですか?」
香取「なんて言ったらいいか……ゴキブリを見るような嫌悪感を長門さんに向けてるわ。殺意にも似た、粘ついた敵意みたいなものを感じるの」
香取「試合前と比べて雰囲気が変わったわね。でも、やっぱり戦いたくはなさそう。このまま試合が終わればいい、って思ってるんじゃないかしら」
明石「確かに羽黒選手、生理的嫌悪に近い眼差しで長門選手を見つめています! とにかく近寄らないでほしい、とでも言いたげだ!」
417:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:25:01.54:wWW9YQkD0 (121/167)
明石「しかし、それでは試合にならない! 長門選手、前進! 待つことを止め、絶対王者が自ら攻めに行きます!」
明石「羽黒選手は動かない! 逃げることも、迎え撃とうとする気配もない! ただ、距離が狭まるごとに嫌悪の強さだけが増していきます!」
香取「戦意がない相手でも、リングに立った以上は長門さんは容赦しないわよ。ジークンドーの技も長門さんは知ってるし……えっ?」
明石「さあ、いよいよ射程距離に入ります! おっと、ここで長門選手が前のめりに……はい? えっと……えっ、あれ!?」
香取「う……嘘でしょ」
明石「な、な、何が起こった!? 長門選手がダウン! ダウンです! 糸の切れた操り人形のように、突如として前のめりにダウンしました!」
明石「しかし、それでは試合にならない! 長門選手、前進! 待つことを止め、絶対王者が自ら攻めに行きます!」
明石「羽黒選手は動かない! 逃げることも、迎え撃とうとする気配もない! ただ、距離が狭まるごとに嫌悪の強さだけが増していきます!」
香取「戦意がない相手でも、リングに立った以上は長門さんは容赦しないわよ。ジークンドーの技も長門さんは知ってるし……えっ?」
明石「さあ、いよいよ射程距離に入ります! おっと、ここで長門選手が前のめりに……はい? えっと……えっ、あれ!?」
香取「う……嘘でしょ」
明石「な、な、何が起こった!? 長門選手がダウン! ダウンです! 糸の切れた操り人形のように、突如として前のめりにダウンしました!」
418:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:26:16.60:wWW9YQkD0 (122/167)
明石「動かない! まさか、失神している!? 羽黒選手は動いていません! 構えを取ったまま……あっ、今、その構えさえ解いてしまいました!」
明石「羽黒選手は何もしていないはずです! まさか、試合終了!? レフェリーも驚いた様子で……起きた!? 今、長門選手が跳ね起きました!」
明石「一気にコーナー際まで距離を取りました! 王者らしからぬ動揺を浮かべています! 長門選手自身、何が起きたか理解していない!?」
香取「……リードストレートだと思うわ。それしか考えられない」
明石「はい? それはつまり……羽黒選手の打撃により、長門選手がダウンしたということですか? でも、我々の目には何も……」
香取「ハンドスピードが速過ぎたのよ。目に映らないほど速い……しかも、コンマ1秒にも満たない、長門さんの意識が逸れる瞬間を狙って打ったの」
香取「私にも、羽黒さんが構えをニュートラルに戻す動きしか見えなかったわ。でも、彼女は確かに突きを放っていたはずよ」
香取「羽黒さんはリードストレートの一撃で長門さんをダウンさせた……事実のはずだけど、私にも信じられないわ。そんなことが可能なの?」
明石「動かない! まさか、失神している!? 羽黒選手は動いていません! 構えを取ったまま……あっ、今、その構えさえ解いてしまいました!」
明石「羽黒選手は何もしていないはずです! まさか、試合終了!? レフェリーも驚いた様子で……起きた!? 今、長門選手が跳ね起きました!」
明石「一気にコーナー際まで距離を取りました! 王者らしからぬ動揺を浮かべています! 長門選手自身、何が起きたか理解していない!?」
香取「……リードストレートだと思うわ。それしか考えられない」
明石「はい? それはつまり……羽黒選手の打撃により、長門選手がダウンしたということですか? でも、我々の目には何も……」
香取「ハンドスピードが速過ぎたのよ。目に映らないほど速い……しかも、コンマ1秒にも満たない、長門さんの意識が逸れる瞬間を狙って打ったの」
香取「私にも、羽黒さんが構えをニュートラルに戻す動きしか見えなかったわ。でも、彼女は確かに突きを放っていたはずよ」
香取「羽黒さんはリードストレートの一撃で長門さんをダウンさせた……事実のはずだけど、私にも信じられないわ。そんなことが可能なの?」
419:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:27:14.32:wWW9YQkD0 (123/167)
明石「あっ、ようやく長門選手が動揺から立ち直りました! 再びファイティングポーズを取り、羽黒選手に接近していきます!」
明石「羽黒選手は……なんだ? 構えも取らずにレフェリーのほうを見ました! これは、試合続行の必要性を確認しています!」
明石「さっきのダウンで終わりじゃないのか、と尋ねているようです! 確かに先の場面、羽黒選手がトドメを加えれば間違いなく終わっていた!」
香取「でも、レフェリーストップは掛かっていなかった。それより早く長門さんが起きた以上、まだ勝負はついていないわ」
香取「長門さんがルールに救われるような日が来るなんてね。羽黒さん、一体何者なの……?」
明石「あっ、ようやく長門選手が動揺から立ち直りました! 再びファイティングポーズを取り、羽黒選手に接近していきます!」
明石「羽黒選手は……なんだ? 構えも取らずにレフェリーのほうを見ました! これは、試合続行の必要性を確認しています!」
明石「さっきのダウンで終わりじゃないのか、と尋ねているようです! 確かに先の場面、羽黒選手がトドメを加えれば間違いなく終わっていた!」
香取「でも、レフェリーストップは掛かっていなかった。それより早く長門さんが起きた以上、まだ勝負はついていないわ」
香取「長門さんがルールに救われるような日が来るなんてね。羽黒さん、一体何者なの……?」
420:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:27:59.38:wWW9YQkD0 (124/167)
明石「迫る長門選手を見て、実に嫌そうな様子で羽黒選手が再び構える! もう1度両者が射程距離に……なっ! また長門選手が打たれました!」
明石「わずかにですが、私の目にも見えました! 恐ろしく初動の少ない、超高速のリードストレートです! 一直線に長門選手のあごを射抜いた!」
明石「長門選手、大きく後方にぐらついた! どうにか片膝を着いて完全なダウンは免れます! 羽黒選手、追撃はしません!」
明石「まさか、こんな光景を目にする日が来るとは! 長門選手が見下されています! 嫌悪に満ち満ちた眼差しが、王者を見下ろしている!」
明石「もう立ってこないでほしい、と訴えかけるような眼差しです! しかし、それだけは応じられない! 長門選手が再び立ちます!」
香取「……長門さんから打撃でダウンを取るなんて、武蔵さんクラスが全力を尽くして1度取れるかどうかってくらい難しいはずなのよ」
香取「それを、大した攻防もなく2度までも……あの子、どういう次元の強さなの……!?」
明石「迫る長門選手を見て、実に嫌そうな様子で羽黒選手が再び構える! もう1度両者が射程距離に……なっ! また長門選手が打たれました!」
明石「わずかにですが、私の目にも見えました! 恐ろしく初動の少ない、超高速のリードストレートです! 一直線に長門選手のあごを射抜いた!」
明石「長門選手、大きく後方にぐらついた! どうにか片膝を着いて完全なダウンは免れます! 羽黒選手、追撃はしません!」
明石「まさか、こんな光景を目にする日が来るとは! 長門選手が見下されています! 嫌悪に満ち満ちた眼差しが、王者を見下ろしている!」
明石「もう立ってこないでほしい、と訴えかけるような眼差しです! しかし、それだけは応じられない! 長門選手が再び立ちます!」
香取「……長門さんから打撃でダウンを取るなんて、武蔵さんクラスが全力を尽くして1度取れるかどうかってくらい難しいはずなのよ」
香取「それを、大した攻防もなく2度までも……あの子、どういう次元の強さなの……!?」
421:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:28:36.15:wWW9YQkD0 (125/167)
明石「長門選手、構えを切り替えました! ボクシングのピーカーブースタイルに近い、徹底的にあごをガードした構えです!」
明石「リードストレートを警戒しているようです! 先よりも慎重に、少しずつ長門選手が距離を狭めていきます! 今度は長門選手から仕掛けた!」
明石「拳の射程外からローキック! か、カウンターァァァ!? 羽黒選手、フットワークで躱した! 同時に右フックを鮮やかに決めました!」
香取「そんな、リードストレートだけじゃないの!?」
明石「ガードの隙間を潜って拳があごに炸裂! 長門選手、3度目のダウン! 膝が崩れ落ち、両手をマットに着いてしまいました!」
明石「羽黒選手はやはり追撃はしない! 何だこいつは! 絶対王者相手に、格の違いを見せつけるような戦いぶりを披露しています!」
明石「すぐには立ち上がれない長門選手、それを見下ろす羽黒選手! ありえない事が起きています! 長門選手が圧倒されている!」
明石「長門選手、構えを切り替えました! ボクシングのピーカーブースタイルに近い、徹底的にあごをガードした構えです!」
明石「リードストレートを警戒しているようです! 先よりも慎重に、少しずつ長門選手が距離を狭めていきます! 今度は長門選手から仕掛けた!」
明石「拳の射程外からローキック! か、カウンターァァァ!? 羽黒選手、フットワークで躱した! 同時に右フックを鮮やかに決めました!」
香取「そんな、リードストレートだけじゃないの!?」
明石「ガードの隙間を潜って拳があごに炸裂! 長門選手、3度目のダウン! 膝が崩れ落ち、両手をマットに着いてしまいました!」
明石「羽黒選手はやはり追撃はしない! 何だこいつは! 絶対王者相手に、格の違いを見せつけるような戦いぶりを披露しています!」
明石「すぐには立ち上がれない長門選手、それを見下ろす羽黒選手! ありえない事が起きています! 長門選手が圧倒されている!」
422:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:29:15.97:wWW9YQkD0 (126/167)
香取「……攻撃に移る瞬間だけ、羽黒さんから爆発するような殺気を感じたわ。おそらく、彼女は瞬発的な動きに優れているんでしょう」
香取「それだけじゃなく、相手の機微を読んで後の先を取るのも抜群に上手い。武術家が何十年も掛けて到達する技を、彼女は既に持っているんだわ」
香取「天才どころの話じゃない、異次元の存在よ。妙高姉妹は、こんな隠し玉を持っていたっていうの……!?」
明石「ようやく長門選手が立ち上がります! また構えを変えました! 右で側面、左であごを守っている! 腕を完全に防御へ徹する構えです!」
明石「度重なる脳震盪のせいか、額には玉のような汗が浮き出ています! やはり回復し切れるようなダメージではありません!」
明石「それでも、負けるわけにはいかない! 王者としての矜持、ファイターとしてのプライド、負ければ全てを失う! 負けることは許されない!」
明石「長門選手、前進! 羽黒選手も構えます! 相変わらず嫌悪に満ちた表情です! 一体、武の神はどういうつもりでこいつを生み出したんだ!」
香取「……攻撃に移る瞬間だけ、羽黒さんから爆発するような殺気を感じたわ。おそらく、彼女は瞬発的な動きに優れているんでしょう」
香取「それだけじゃなく、相手の機微を読んで後の先を取るのも抜群に上手い。武術家が何十年も掛けて到達する技を、彼女は既に持っているんだわ」
香取「天才どころの話じゃない、異次元の存在よ。妙高姉妹は、こんな隠し玉を持っていたっていうの……!?」
明石「ようやく長門選手が立ち上がります! また構えを変えました! 右で側面、左であごを守っている! 腕を完全に防御へ徹する構えです!」
明石「度重なる脳震盪のせいか、額には玉のような汗が浮き出ています! やはり回復し切れるようなダメージではありません!」
明石「それでも、負けるわけにはいかない! 王者としての矜持、ファイターとしてのプライド、負ければ全てを失う! 負けることは許されない!」
明石「長門選手、前進! 羽黒選手も構えます! 相変わらず嫌悪に満ちた表情です! 一体、武の神はどういうつもりでこいつを生み出したんだ!」
423:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:29:51.05:wWW9YQkD0 (127/167)
明石「射程のわずか手前で対峙します! 長門選手、仕掛けない! 羽黒選手から仕掛けさせようとしています!」
明石「後の先を取られるなら、向こうから仕掛けさせるまで! 不動のプレッシャーで羽黒選手に圧力を掛けています! 羽黒選手、どう出る!」
明石「やはり動かない! どうあっても自分からは動きたくな……動いた!? リードストレートがぐんと伸びた! 長門選手の顔面に命中!」
明石「あごではなく、人中を狙われました! 長門選手が後方によろめく! が、踏み止まった! この程度で倒れるわけにはいかない!」
明石「長門選手が構えを取り直す! 先ほどと同じ防御の構えで接近し……またリードストレート! 眉間に打ち込まれてしまいました!」
香取「……速過ぎる! タイミングもスピードも、これ以上ない完璧さだわ。長門さんがまったく反応できないなんて……!」
明石「仕掛けても、仕掛けさせても打ち込まれる! しかも、ことごとく急所をピンポイントに! 長門選手が太刀打ち出来ない!」
明石「射程のわずか手前で対峙します! 長門選手、仕掛けない! 羽黒選手から仕掛けさせようとしています!」
明石「後の先を取られるなら、向こうから仕掛けさせるまで! 不動のプレッシャーで羽黒選手に圧力を掛けています! 羽黒選手、どう出る!」
明石「やはり動かない! どうあっても自分からは動きたくな……動いた!? リードストレートがぐんと伸びた! 長門選手の顔面に命中!」
明石「あごではなく、人中を狙われました! 長門選手が後方によろめく! が、踏み止まった! この程度で倒れるわけにはいかない!」
明石「長門選手が構えを取り直す! 先ほどと同じ防御の構えで接近し……またリードストレート! 眉間に打ち込まれてしまいました!」
香取「……速過ぎる! タイミングもスピードも、これ以上ない完璧さだわ。長門さんがまったく反応できないなんて……!」
明石「仕掛けても、仕掛けさせても打ち込まれる! しかも、ことごとく急所をピンポイントに! 長門選手が太刀打ち出来ない!」
424:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:30:26.95:wWW9YQkD0 (128/167)
明石「再びバランスを崩した長門選手ですが、闘志だけは折れていない! もう一度ファイティングポーズを取りました!」
明石「もう顔面を守ってはいません! 打ちたいなら打ってこい! 覚悟を決めたように、手負いの王者が再び歩を進める!」
明石「羽黒選手、ますます嫌悪を露わにしながら構える! この時点で、羽黒選手は指一本長門選手に触れられていません! まったくの無傷です!」
明石「それでも勝ってみせる! 長門選手は幾度となく逆境を覆して来ました! これが過去最大の逆境だとしても、必ず覆してみせる!」
明石「長門選手、左ジャブを放った! カウンターのリードストレート! 顔面に直撃するも、下がらない! 長門選手、自ら受けに行った!」
明石「強引に前へ出る! 右のローキックだ! これが決まれば……カウンターァァァ!? 下段のサイドキック! 伸び切った蹴り足を狙われた!」
香取「こんなことが……!」
明石「膝を踏み抜くようなサイドキックが、完璧な正確さで決まりました! 膝があらぬ方向に折れ曲がる! 靭帯を断裂しました!」
明石「再びバランスを崩した長門選手ですが、闘志だけは折れていない! もう一度ファイティングポーズを取りました!」
明石「もう顔面を守ってはいません! 打ちたいなら打ってこい! 覚悟を決めたように、手負いの王者が再び歩を進める!」
明石「羽黒選手、ますます嫌悪を露わにしながら構える! この時点で、羽黒選手は指一本長門選手に触れられていません! まったくの無傷です!」
明石「それでも勝ってみせる! 長門選手は幾度となく逆境を覆して来ました! これが過去最大の逆境だとしても、必ず覆してみせる!」
明石「長門選手、左ジャブを放った! カウンターのリードストレート! 顔面に直撃するも、下がらない! 長門選手、自ら受けに行った!」
明石「強引に前へ出る! 右のローキックだ! これが決まれば……カウンターァァァ!? 下段のサイドキック! 伸び切った蹴り足を狙われた!」
香取「こんなことが……!」
明石「膝を踏み抜くようなサイドキックが、完璧な正確さで決まりました! 膝があらぬ方向に折れ曲がる! 靭帯を断裂しました!」
425:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:30:59.61:wWW9YQkD0 (129/167)
明石「長門選手、転倒! 脳震盪ではない、利き足を折られての転倒です! 絶対王者が崩れ落ちる! こんな馬鹿な!」
明石「片足を失えば、戦闘能力の8割以上を削がれます! 踏ん張りが効かないため、打撃技は使用不可! できるのはせいぜい組み技くらいです!」
明石「その組み技でさえ、相手が近付いてこなければ使えない! 羽黒選手が自ら近付く訳はない! 長門選手、絶体絶命の窮地に立たされました!」
明石「なおも羽黒選手は追撃しない! もう勝負は着いたとでも言いたげな、不快そうな顔つきをしています! 王者に対し、あるまじき不敬です!」
明石「ここから逆転できる可能性は皆無! し、しかし……長門選手が立ちます! 痛みを堪えながら、死力を振り絞って立ち上がった!」
明石「長門選手、転倒! 脳震盪ではない、利き足を折られての転倒です! 絶対王者が崩れ落ちる! こんな馬鹿な!」
明石「片足を失えば、戦闘能力の8割以上を削がれます! 踏ん張りが効かないため、打撃技は使用不可! できるのはせいぜい組み技くらいです!」
明石「その組み技でさえ、相手が近付いてこなければ使えない! 羽黒選手が自ら近付く訳はない! 長門選手、絶体絶命の窮地に立たされました!」
明石「なおも羽黒選手は追撃しない! もう勝負は着いたとでも言いたげな、不快そうな顔つきをしています! 王者に対し、あるまじき不敬です!」
明石「ここから逆転できる可能性は皆無! し、しかし……長門選手が立ちます! 痛みを堪えながら、死力を振り絞って立ち上がった!」
426:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:31:29.97:wWW9YQkD0 (130/167)
明石「片足のままファイティングポーズを取っています! まだ諦めていない! 足を折られても、闘志は未だ折れていません!」
明石「勝負は終わっていない! これに対し、羽黒選手は……構えを取らない! あらぬ方向へ歩き出しました! どこへ行く気だ!?」
明石「向かう先には審判員席があります! 羽黒選手、フェンス越しに何かを審判員席に話しています! 自分の勝利を懇願しているのか!?」
明石「しかし、まだ長門選手はギブアップしていない! 戦闘続行の意志も十分! 勝負はこれから……ちょっと、嘘! ゴングが鳴った!?」
香取「め……滅茶苦茶だわ、こんなの」
明石「し……試合終了! 試合終了です! 勝者は……勝者は長門選手! 長門選手の勝利となります! 羽黒選手が試合を棄権しました!」
明石「片足のままファイティングポーズを取っています! まだ諦めていない! 足を折られても、闘志は未だ折れていません!」
明石「勝負は終わっていない! これに対し、羽黒選手は……構えを取らない! あらぬ方向へ歩き出しました! どこへ行く気だ!?」
明石「向かう先には審判員席があります! 羽黒選手、フェンス越しに何かを審判員席に話しています! 自分の勝利を懇願しているのか!?」
明石「しかし、まだ長門選手はギブアップしていない! 戦闘続行の意志も十分! 勝負はこれから……ちょっと、嘘! ゴングが鳴った!?」
香取「め……滅茶苦茶だわ、こんなの」
明石「し……試合終了! 試合終了です! 勝者は……勝者は長門選手! 長門選手の勝利となります! 羽黒選手が試合を棄権しました!」
427:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:33:57.40:wWW9YQkD0 (131/167)
明石「羽黒選手の試合放棄により、長門選手、勝利! 勝利ですが……こんな勝利があっていいのでしょうか!」
明石「長門選手、体力の限界か、再び崩れ落ちました! 急所に幾度となく打撃を受け、片足を折られ、そのダメージは深刻です!」
明石「立つことすらできない勝者を尻目に、無傷の敗者が足早にリングを降りていきます! 長門選手に目を向けることすらしません!」
明石「何とも後味の悪い幕切れとなりました! 敗北に限りなく等しい勝利です! 連勝記録こそ守られたものの、無敗神話はここに崩壊!」
明石「崩壊というより、ただただブチ壊しにされました! 無敗神話も、王者の矜持も、羽黒選手はそれら全てを破壊していきました!」
明石「誰もが越えられなかった絶対的な存在、長門選手という絶壁を、いとも容易く打ち砕いてしまった! それでいて勝利を捨てて去っていきます!」
明石「逃げるように会場を後にする、あの化物は一体何なんだ! まるで通り魔にあった気分です! 悪夢なら今すぐ覚めてほしい!」
明石「羽黒選手の試合放棄により、長門選手、勝利! 勝利ですが……こんな勝利があっていいのでしょうか!」
明石「長門選手、体力の限界か、再び崩れ落ちました! 急所に幾度となく打撃を受け、片足を折られ、そのダメージは深刻です!」
明石「立つことすらできない勝者を尻目に、無傷の敗者が足早にリングを降りていきます! 長門選手に目を向けることすらしません!」
明石「何とも後味の悪い幕切れとなりました! 敗北に限りなく等しい勝利です! 連勝記録こそ守られたものの、無敗神話はここに崩壊!」
明石「崩壊というより、ただただブチ壊しにされました! 無敗神話も、王者の矜持も、羽黒選手はそれら全てを破壊していきました!」
明石「誰もが越えられなかった絶対的な存在、長門選手という絶壁を、いとも容易く打ち砕いてしまった! それでいて勝利を捨てて去っていきます!」
明石「逃げるように会場を後にする、あの化物は一体何なんだ! まるで通り魔にあった気分です! 悪夢なら今すぐ覚めてほしい!」
428:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:34:36.54:wWW9YQkD0 (132/167)
香取「残念ながら……現実よ。長門さんがリングで敵わない相手が存在するなんて、夢にも思わなかったわ」
香取「才能があまりにも飛び抜けてる……技量にまったく精神面が伴っていないわ。勝とうとする意欲すらなく、長門さんを圧倒したのよ」
香取「最後には精神力で勝った長門さんがルール上での勝利を得たけど……あれを本当に勝利と呼んでいいのか、私にはわからない」
明石「一応、長門選手は1回戦を勝ち抜きですが……苦い出だしになってしまいましたね」
香取「ええ、本当に……怪物じみた選手はこれまでに何人か出てきたけど、羽黒さんこそ、本当の怪物なのかもしれないわ」
香取「勝ちたくもない、戦いたくもない、それなのに最強。理屈と常識からかけ離れた、異端のファイターよ」
香取「組み合わせの抽選で、最大の外れクジを引いたのは……長門さんだったわけね。嫌な結果になってしまったわ」
明石「まったくです。なんともしこりが残る、Bブロック最終試合でした……」
香取「残念ながら……現実よ。長門さんがリングで敵わない相手が存在するなんて、夢にも思わなかったわ」
香取「才能があまりにも飛び抜けてる……技量にまったく精神面が伴っていないわ。勝とうとする意欲すらなく、長門さんを圧倒したのよ」
香取「最後には精神力で勝った長門さんがルール上での勝利を得たけど……あれを本当に勝利と呼んでいいのか、私にはわからない」
明石「一応、長門選手は1回戦を勝ち抜きですが……苦い出だしになってしまいましたね」
香取「ええ、本当に……怪物じみた選手はこれまでに何人か出てきたけど、羽黒さんこそ、本当の怪物なのかもしれないわ」
香取「勝ちたくもない、戦いたくもない、それなのに最強。理屈と常識からかけ離れた、異端のファイターよ」
香取「組み合わせの抽選で、最大の外れクジを引いたのは……長門さんだったわけね。嫌な結果になってしまったわ」
明石「まったくです。なんともしこりが残る、Bブロック最終試合でした……」
429:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:35:12.69:wWW9YQkD0 (133/167)
試合後インタビュー:長門
―――試合結果をどう受け止められていますか?
長門「……すぐには気の利いた答えが出せない。考える時間をくれ……だが、私は敗北したと思っている」
長門「手も足も出ない、という経験をしたのはいつ以来だったか……ここまで来てそんな目に合うとは、さすがに思っていなかったな」
長門「あのような奴が存在するとはな。ずいぶんと長く最強と呼ばれてきたが、私も自分自身を見返す時期に来たようだ」
長門「とにかく、今は考える時間が欲しい。取材もこれくらいにしてくれ」
―――では最後に、初戦を勝ち抜かれた今の心境をお聞きしてもよろしいでしょうか。
長門「……そうか、そうだったな。悪いが、その質問には答えられない」
長門「運営の責任者を呼んでくれ。話がある。青葉、お前はもう出て行ってくれ」
(長門選手の取材拒否につき、インタビュー中止)
試合後インタビュー:長門
―――試合結果をどう受け止められていますか?
長門「……すぐには気の利いた答えが出せない。考える時間をくれ……だが、私は敗北したと思っている」
長門「手も足も出ない、という経験をしたのはいつ以来だったか……ここまで来てそんな目に合うとは、さすがに思っていなかったな」
長門「あのような奴が存在するとはな。ずいぶんと長く最強と呼ばれてきたが、私も自分自身を見返す時期に来たようだ」
長門「とにかく、今は考える時間が欲しい。取材もこれくらいにしてくれ」
―――では最後に、初戦を勝ち抜かれた今の心境をお聞きしてもよろしいでしょうか。
長門「……そうか、そうだったな。悪いが、その質問には答えられない」
長門「運営の責任者を呼んでくれ。話がある。青葉、お前はもう出て行ってくれ」
(長門選手の取材拒否につき、インタビュー中止)
430:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:35:56.13:wWW9YQkD0 (134/167)
試合後インタビュー:羽黒
―――勝利は目前の状況でしたが、なぜ棄権されたのですか?
羽黒「なんだか、嫌になってしまって……長門さん、全然諦めてくれないじゃないですか。何度打ち込んでも立ち上がってくるんです」
羽黒「もう無理だってわかってるのに……私は傷付くのも、傷付けるのも嫌いです。あれ以上はどうしても戦いたくありませんでした」
羽黒「続けていても、戦いにすらならなかったと思いますし、もういいかなって……あそこまでやれば妙高姉さんも許してくれるはずですから」
羽黒「あっ、でも、あれって私のギブアップになるんでしょうか。ギブアップはするなって言われてたのに……やっぱり怒られるのかな、私」
―――今までどんな鍛錬を積んで来られたんですか?
羽黒「大したことは何も……妙高姉さんの言いつけを守ってきただけです。辛かったけど、サボると怒られるので……」
羽黒「妙高姉さんに怒られるのは、何よりも怖いんです。だから、ずっと言いつけ通りに鍛錬してきました」
羽黒「一緒に鍛錬を始めた方は、みんな途中で逃げ出したり、自殺未遂をして破門されたりして、私だけが残りました。すごく寂しかったです」
羽黒「私も辞めてしまいたいんですけど……妙高姉さんが怖いんです。こんなこと聞かれたら、また怒られるかな。やだなあ……」
羽黒「もう、良いですか? 今日は疲れました。試合も終わったんですし……早く、帰らせてください」
試合後インタビュー:羽黒
―――勝利は目前の状況でしたが、なぜ棄権されたのですか?
羽黒「なんだか、嫌になってしまって……長門さん、全然諦めてくれないじゃないですか。何度打ち込んでも立ち上がってくるんです」
羽黒「もう無理だってわかってるのに……私は傷付くのも、傷付けるのも嫌いです。あれ以上はどうしても戦いたくありませんでした」
羽黒「続けていても、戦いにすらならなかったと思いますし、もういいかなって……あそこまでやれば妙高姉さんも許してくれるはずですから」
羽黒「あっ、でも、あれって私のギブアップになるんでしょうか。ギブアップはするなって言われてたのに……やっぱり怒られるのかな、私」
―――今までどんな鍛錬を積んで来られたんですか?
羽黒「大したことは何も……妙高姉さんの言いつけを守ってきただけです。辛かったけど、サボると怒られるので……」
羽黒「妙高姉さんに怒られるのは、何よりも怖いんです。だから、ずっと言いつけ通りに鍛錬してきました」
羽黒「一緒に鍛錬を始めた方は、みんな途中で逃げ出したり、自殺未遂をして破門されたりして、私だけが残りました。すごく寂しかったです」
羽黒「私も辞めてしまいたいんですけど……妙高姉さんが怖いんです。こんなこと聞かれたら、また怒られるかな。やだなあ……」
羽黒「もう、良いですか? 今日は疲れました。試合も終わったんですし……早く、帰らせてください」
431:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:39:20.96:wWW9YQkD0 (135/167)
明石「えー、ということで……Bブロック1回戦、これにて終了となります! しかし、本日の日程はこれだけではありません!」
明石「何だか変な空気になってしまいましたが、先程のことは一旦忘れましょう! 気を取り直して、これよりエキシビションマッチ、1戦目です!」
明石「まずは赤コーナーより選手入場! まさか選ばれるとは思わなかった! 崖っぷちアイドルに、再チャンス到来です!」
明石「えー、ということで……Bブロック1回戦、これにて終了となります! しかし、本日の日程はこれだけではありません!」
明石「何だか変な空気になってしまいましたが、先程のことは一旦忘れましょう! 気を取り直して、これよりエキシビションマッチ、1戦目です!」
明石「まずは赤コーナーより選手入場! まさか選ばれるとは思わなかった! 崖っぷちアイドルに、再チャンス到来です!」
432:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:40:19.84:wWW9YQkD0 (136/167)
試合前インタビュー:那珂ちゃん
―――エキシビジョンマッチの出場者として選ばれたときの心境をお聞かせください。
那珂「とっても嬉しかったです! もう2度とUKFには呼ばれないと思ってたので……通知が来たときには泣きそうなくらいでした!」
那珂「ファンのみんな、応援してくれてありがとー! 那珂ちゃん、精一杯頑張るよー! 絶対に負けないから!」
那珂「会場の皆さんには、最高の試合をすることを約束します! もう不正はしません! 正々堂々戦って、勝ちます!」
―――対戦相手の大淀選手はどのように感じていらっしゃいますか?
那珂「これって、チャンスですよね? 軽巡級王者の大淀さんに勝てば、那珂ちゃんが事実上の軽巡級王者ってことになりますから!」
那珂「実力は那珂ちゃんよりずっと上かも知れませんけど……やる前から諦めるようなことは、もう2度としたくないんです!」
那珂「どんなに実力に開きがあっても、全力で食い下がります! ギブアップするようなことは絶対にしません!」
那珂「絶対に勝ちます! その上で、面白い試合をします! 那珂ちゃんはアイドルで、プロレスラーですから!」
那珂「これが那珂ちゃんにとって、正真正銘の最後のチャンスです! 絶対に、絶対に掴み取ります!」
試合前インタビュー:那珂ちゃん
―――エキシビジョンマッチの出場者として選ばれたときの心境をお聞かせください。
那珂「とっても嬉しかったです! もう2度とUKFには呼ばれないと思ってたので……通知が来たときには泣きそうなくらいでした!」
那珂「ファンのみんな、応援してくれてありがとー! 那珂ちゃん、精一杯頑張るよー! 絶対に負けないから!」
那珂「会場の皆さんには、最高の試合をすることを約束します! もう不正はしません! 正々堂々戦って、勝ちます!」
―――対戦相手の大淀選手はどのように感じていらっしゃいますか?
那珂「これって、チャンスですよね? 軽巡級王者の大淀さんに勝てば、那珂ちゃんが事実上の軽巡級王者ってことになりますから!」
那珂「実力は那珂ちゃんよりずっと上かも知れませんけど……やる前から諦めるようなことは、もう2度としたくないんです!」
那珂「どんなに実力に開きがあっても、全力で食い下がります! ギブアップするようなことは絶対にしません!」
那珂「絶対に勝ちます! その上で、面白い試合をします! 那珂ちゃんはアイドルで、プロレスラーですから!」
那珂「これが那珂ちゃんにとって、正真正銘の最後のチャンスです! 絶対に、絶対に掴み取ります!」
433:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:41:14.39:wWW9YQkD0 (137/167)
那珂:入場テーマ「那珂ちゃん/恋の2-4-11」
那珂:入場テーマ「那珂ちゃん/恋の2-4-11」
434:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:41:55.70:wWW9YQkD0 (138/167)
明石「試合が盛り上がればそれでいい、そんな甘い考えは捨てた! プロレスラーは本当は強いということを、今度こそ証明しよう!」
明石「本戦では不正の限りを尽くして赤城に食い下がるも惜敗! 今日はクリーンファイトでの完全勝利を目指します!」
明石「崖っぷちから這い上がる、最後のチャンスだ! ”堕天のローレライ”那珂ちゃぁぁぁん!」
香取「良かったわね、那珂ちゃん。まさかエキシビジョンマッチ出場者に選ばれるなんて、本人が一番びっくりしてるでしょう」
明石「ファイト内容そのものは問題のあるものでしたが、『勝利への強い執念に感動した』との思わぬ反響に応えての選出ですね」
明石「那珂ちゃんの名誉のために言っておきますが、この選出には関係者への賄賂等は一切行われていないことを保証させていただきます」
香取「もうないとは思うけど、買収対策もしておいたわ。今日のレフェリーを務める妖精さんは全員、熱烈なBEBYMETALファンで固めてあるから」
香取「選民思想の強いBABYMETALファンなら、どんな形で那珂ちゃんに頼まれても絶対に贔屓しないわ。公正なジャッジをしてくれることでしょう」
明石「……わざわざアイドルの名前を出す必要はあったんですか?」
香取「より信頼性が高まると思ったから……とにかく私が言いたいのは、この試合での那珂ちゃんの不正は絶対に有り得ないということよ」
香取「運営側の対策は万全だし、那珂ちゃん自身も今日の試合はクリーンファイトでいきたいと思っているはず。前回のような波乱はないわ」
香取「ダンスで培った高い運動能力を持ち、奇襲を得意とするルチャドーラ。那珂ちゃん本来の戦い方を見せてくれるんじゃないかしら」
明石「試合が盛り上がればそれでいい、そんな甘い考えは捨てた! プロレスラーは本当は強いということを、今度こそ証明しよう!」
明石「本戦では不正の限りを尽くして赤城に食い下がるも惜敗! 今日はクリーンファイトでの完全勝利を目指します!」
明石「崖っぷちから這い上がる、最後のチャンスだ! ”堕天のローレライ”那珂ちゃぁぁぁん!」
香取「良かったわね、那珂ちゃん。まさかエキシビジョンマッチ出場者に選ばれるなんて、本人が一番びっくりしてるでしょう」
明石「ファイト内容そのものは問題のあるものでしたが、『勝利への強い執念に感動した』との思わぬ反響に応えての選出ですね」
明石「那珂ちゃんの名誉のために言っておきますが、この選出には関係者への賄賂等は一切行われていないことを保証させていただきます」
香取「もうないとは思うけど、買収対策もしておいたわ。今日のレフェリーを務める妖精さんは全員、熱烈なBEBYMETALファンで固めてあるから」
香取「選民思想の強いBABYMETALファンなら、どんな形で那珂ちゃんに頼まれても絶対に贔屓しないわ。公正なジャッジをしてくれることでしょう」
明石「……わざわざアイドルの名前を出す必要はあったんですか?」
香取「より信頼性が高まると思ったから……とにかく私が言いたいのは、この試合での那珂ちゃんの不正は絶対に有り得ないということよ」
香取「運営側の対策は万全だし、那珂ちゃん自身も今日の試合はクリーンファイトでいきたいと思っているはず。前回のような波乱はないわ」
香取「ダンスで培った高い運動能力を持ち、奇襲を得意とするルチャドーラ。那珂ちゃん本来の戦い方を見せてくれるんじゃないかしら」
435:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:42:33.52:wWW9YQkD0 (139/167)
明石「前回はフェイントでしか使いませんでしたが、空中殺法も見ることができるでしょうか?」
香取「可能性は高いわ。那珂ちゃんはできる限り面白い試合をしたいと考えてるはずだから、フィニッシュはぜひとも空中技で決めたいでしょうね」
香取「この試合は那珂ちゃんにとって、グランプリ本戦と同じか、それ以上の価値を持つはず。ここで注目されれば、芸能界復帰は一気に早まるもの」
香取「試合に勝つ作戦だけじゃなく、盛り上げる算段も入念に練ってきてるんじゃないかしら。そこは期待していいと思うわよ」
明石「ぜひ頑張って欲しいですね。本戦では相手が悪かったこともあり、那珂ちゃん本来の魅力を出し切れたとは言えませんでしたから」
香取「……そうね。そうなんだけど……問題なのは、今日の対戦者が赤城さん以上に相手が悪い可能性がある、ってところなのよね」
明石「あっ……」
香取「やってみなければわからないけど……ファイターとしてのタチの悪さは筋金入りだから。那珂ちゃん、大丈夫かしら……」
明石「……ありがとうございます。では、青コーナーより選手入場! こちらも本戦では実力を発揮しきれなかったファイターになります!」
明石「前回はフェイントでしか使いませんでしたが、空中殺法も見ることができるでしょうか?」
香取「可能性は高いわ。那珂ちゃんはできる限り面白い試合をしたいと考えてるはずだから、フィニッシュはぜひとも空中技で決めたいでしょうね」
香取「この試合は那珂ちゃんにとって、グランプリ本戦と同じか、それ以上の価値を持つはず。ここで注目されれば、芸能界復帰は一気に早まるもの」
香取「試合に勝つ作戦だけじゃなく、盛り上げる算段も入念に練ってきてるんじゃないかしら。そこは期待していいと思うわよ」
明石「ぜひ頑張って欲しいですね。本戦では相手が悪かったこともあり、那珂ちゃん本来の魅力を出し切れたとは言えませんでしたから」
香取「……そうね。そうなんだけど……問題なのは、今日の対戦者が赤城さん以上に相手が悪い可能性がある、ってところなのよね」
明石「あっ……」
香取「やってみなければわからないけど……ファイターとしてのタチの悪さは筋金入りだから。那珂ちゃん、大丈夫かしら……」
明石「……ありがとうございます。では、青コーナーより選手入場! こちらも本戦では実力を発揮しきれなかったファイターになります!」
436:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:43:29.57:wWW9YQkD0 (140/167)
試合前インタビュー:大淀
―――那珂ちゃんのことはファイターとしてどのように評価されていますか?
大淀「私とは真逆のタイプですね。試合をあくまでエンターテイメントと捉えているみたいで、勝ち負けにはあまり拘ってないようです」
大淀「……と、いうのが以前の那珂ちゃんへの評価です。赤城さんとの試合を見て、考えが変わりました。いやあ、大変勉強させてもらいました」
大淀「レフェリーの買収は盲点でしたね。私もやれば良かったです。おそらくはもう運営に対策されて、通用しなくなっていることが口惜しいですね」
大淀「あそこまでルールと環境を利用して勝ちに行ったファイターは那珂ちゃんが初めてでしょう。先駆者として、惜しみない賛辞を送ります」
―――勝てる自信はありますか?
大淀「以前チラっと発言しましたけど、私にとって那珂ちゃんは絶好の獲物です。ああいう選手は一番やりやすいタイプですね」
大淀「1回戦の試合は全て観ましたが、やっぱりグラーフ・ツェッペリンさんが私には最悪の相手でした。彼女以外なら誰でも勝てる自信があります」
大淀「羽黒さんでも私なら勝てますよ。技量は規格外ですけど、メンタルはお豆腐並の脆さみたいでしたから、そこを突けば簡単に崩せるでしょう」
大淀「那珂ちゃんも似たようなものですね。彼女は思ってることが表情に出やすいんですよ。何を考えてるか、対峙すれば手に取るようにわかります」
大淀「もちろん、以前の那珂ちゃんとは違うことは理解してますよ。彼女は試合を盛り上げるだけじゃなく、勝利に徹する戦い方もするでしょう」
大淀「でもですね、勝利に徹する戦い方なら、私のほうが数段上です。そのことを、試合の中で教えて差し上げましょう」
試合前インタビュー:大淀
―――那珂ちゃんのことはファイターとしてどのように評価されていますか?
大淀「私とは真逆のタイプですね。試合をあくまでエンターテイメントと捉えているみたいで、勝ち負けにはあまり拘ってないようです」
大淀「……と、いうのが以前の那珂ちゃんへの評価です。赤城さんとの試合を見て、考えが変わりました。いやあ、大変勉強させてもらいました」
大淀「レフェリーの買収は盲点でしたね。私もやれば良かったです。おそらくはもう運営に対策されて、通用しなくなっていることが口惜しいですね」
大淀「あそこまでルールと環境を利用して勝ちに行ったファイターは那珂ちゃんが初めてでしょう。先駆者として、惜しみない賛辞を送ります」
―――勝てる自信はありますか?
大淀「以前チラっと発言しましたけど、私にとって那珂ちゃんは絶好の獲物です。ああいう選手は一番やりやすいタイプですね」
大淀「1回戦の試合は全て観ましたが、やっぱりグラーフ・ツェッペリンさんが私には最悪の相手でした。彼女以外なら誰でも勝てる自信があります」
大淀「羽黒さんでも私なら勝てますよ。技量は規格外ですけど、メンタルはお豆腐並の脆さみたいでしたから、そこを突けば簡単に崩せるでしょう」
大淀「那珂ちゃんも似たようなものですね。彼女は思ってることが表情に出やすいんですよ。何を考えてるか、対峙すれば手に取るようにわかります」
大淀「もちろん、以前の那珂ちゃんとは違うことは理解してますよ。彼女は試合を盛り上げるだけじゃなく、勝利に徹する戦い方もするでしょう」
大淀「でもですね、勝利に徹する戦い方なら、私のほうが数段上です。そのことを、試合の中で教えて差し上げましょう」
437:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:44:05.08:wWW9YQkD0 (141/167)
大淀:入場テーマ「Silent Hill/Opening theme」
大淀:入場テーマ「Silent Hill/Opening theme」
438:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:44:36.45:wWW9YQkD0 (142/167)
明石「本戦ではドイツの怪物ファイター、グラーフ・ツェッペリンに為す術なく惨敗! 真の実力を発揮することができませんでした!」
明石「リング上の殺し屋にとって、怪物退治は専門外! 私が標的とするのは飽くまで同じ艦娘ファイター! 彼女の本当の脅威が明らかになる!」
明石「殺人コンピューターの計算能力、今日こそ発揮なるか!? ”インテリジェンス・マーダー”大淀ォォォ!」
香取「彼女は組み合わせで運がなかった選手の1人ね。グラーフさんは本当に相性最悪の相手だったから、まったく持ち味を出せなかったわ」
香取「純粋な格闘技術だけで、よくあそこまで張り合ったというべきでしょう。今日こそは本領を発揮できるといいわね」
明石「確かに、大淀選手が得意とする先読みや心理戦はほとんど見られませんでしたね。データ戦術もまるで通用しませんでしたし」
香取「結局、ビスマルクさんのデータはほとんど役に立たなかったものね。何を考えてるのかわからないから、心理戦も仕掛けようがなかったわ」
香取「大淀さんは相性の良し悪しがはっきり出てしまうのが弱点ね。今日の試合にその心配はしなくても良さそうだけど」
明石「本戦ではドイツの怪物ファイター、グラーフ・ツェッペリンに為す術なく惨敗! 真の実力を発揮することができませんでした!」
明石「リング上の殺し屋にとって、怪物退治は専門外! 私が標的とするのは飽くまで同じ艦娘ファイター! 彼女の本当の脅威が明らかになる!」
明石「殺人コンピューターの計算能力、今日こそ発揮なるか!? ”インテリジェンス・マーダー”大淀ォォォ!」
香取「彼女は組み合わせで運がなかった選手の1人ね。グラーフさんは本当に相性最悪の相手だったから、まったく持ち味を出せなかったわ」
香取「純粋な格闘技術だけで、よくあそこまで張り合ったというべきでしょう。今日こそは本領を発揮できるといいわね」
明石「確かに、大淀選手が得意とする先読みや心理戦はほとんど見られませんでしたね。データ戦術もまるで通用しませんでしたし」
香取「結局、ビスマルクさんのデータはほとんど役に立たなかったものね。何を考えてるのかわからないから、心理戦も仕掛けようがなかったわ」
香取「大淀さんは相性の良し悪しがはっきり出てしまうのが弱点ね。今日の試合にその心配はしなくても良さそうだけど」
439:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:45:06.88:wWW9YQkD0 (143/167)
明石「……大淀選手は以前、断言していました。『那珂ちゃんなら絶対に勝てる』……と」
香取「その発言には自信はもちろん、実力と実績が伴っているわ。大淀さんはね、那珂ちゃんみたいな人間味のあるファイターを潰すのが得意なの」
香取「大淀さんの勝利パターンは概ね3つの工程があるわ。相手のやりたいことを潰す、選択肢を減らす、誘導して罠に誘い込む、この3段階」
香取「卓越した技量を持つ大淀さんなら、方針さえ掴めれば大抵の動きを封じられるわ。そこから相手がどう方針を変えるか予測し、それも潰す」
香取「そうやって取れる行動の選択肢を減らし、一本道へと追い込む。そこに本命の罠を張って、トドメを刺すのが大淀さんの戦法ね」
香取「この戦法にハマったファイターは、本当に何の見せ場もなく敗北するわ。大淀さんが対戦相手にひどく嫌われるのはそれが所以よ」
香取「グラーフ選手のような怪物級には通用しないみたいだけど、そういった例外を除く9割のファイターには間違いなく通用するわ」
明石「……どう考えても、那珂ちゃんは『例外』のファイターではありませんよね」
香取「そうでしょうね。赤城戦を経て勝ちに徹する戦い方を経験したとはいえ、大淀さんにはやりやすいファイターであることに変わりはないわ」
香取「運動能力では那珂ちゃんのほうが高いと思うけど、テクニックや戦術眼、攻め方の豊富さは大淀さんが大きく上を行っている」
香取「仮に那珂ちゃんが勝利だけに目的を絞ったとしても、勝率は赤城さんと同じくらい低いでしょう。前回みたいな不正を使ったとしても一緒よ」
香取「大淀さんは仕掛けられる不正手段すら、臨機応変に勝利へ繋げられる。その点では赤城さん以上に厄介な相手でしょうね」
明石「……大淀選手は以前、断言していました。『那珂ちゃんなら絶対に勝てる』……と」
香取「その発言には自信はもちろん、実力と実績が伴っているわ。大淀さんはね、那珂ちゃんみたいな人間味のあるファイターを潰すのが得意なの」
香取「大淀さんの勝利パターンは概ね3つの工程があるわ。相手のやりたいことを潰す、選択肢を減らす、誘導して罠に誘い込む、この3段階」
香取「卓越した技量を持つ大淀さんなら、方針さえ掴めれば大抵の動きを封じられるわ。そこから相手がどう方針を変えるか予測し、それも潰す」
香取「そうやって取れる行動の選択肢を減らし、一本道へと追い込む。そこに本命の罠を張って、トドメを刺すのが大淀さんの戦法ね」
香取「この戦法にハマったファイターは、本当に何の見せ場もなく敗北するわ。大淀さんが対戦相手にひどく嫌われるのはそれが所以よ」
香取「グラーフ選手のような怪物級には通用しないみたいだけど、そういった例外を除く9割のファイターには間違いなく通用するわ」
明石「……どう考えても、那珂ちゃんは『例外』のファイターではありませんよね」
香取「そうでしょうね。赤城戦を経て勝ちに徹する戦い方を経験したとはいえ、大淀さんにはやりやすいファイターであることに変わりはないわ」
香取「運動能力では那珂ちゃんのほうが高いと思うけど、テクニックや戦術眼、攻め方の豊富さは大淀さんが大きく上を行っている」
香取「仮に那珂ちゃんが勝利だけに目的を絞ったとしても、勝率は赤城さんと同じくらい低いでしょう。前回みたいな不正を使ったとしても一緒よ」
香取「大淀さんは仕掛けられる不正手段すら、臨機応変に勝利へ繋げられる。その点では赤城さん以上に厄介な相手でしょうね」
440:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:45:48.15:wWW9YQkD0 (144/167)
明石「……那珂ちゃんが大淀さんに勝つには、どのような戦い方をするべきかと思いますか?」
香取「難しいわね……心理戦で大淀さんに勝とうとするのは厳しいでしょう。奇襲も逆用される恐れのほうが大きいわ」
香取「勝算があるとすれば、どうにかして正面対決に引き込むことね。運動能力で勝る那珂ちゃんなら、まともに当たれば押し勝てるかもしれない」
香取「もしくは、大淀さんの勝利への固執を逆手に取れるかもしれないわ。同階級で負けたとなれば、彼女は軽巡級王者という最大の肩書を失うから」
香取「大淀さんに掛かるプレッシャーはいつにも増して大きいはず。勝ちを急いで選択ミスをする可能性はゼロじゃないわ」
明石「そういえば、大淀選手は不動産の売買に失敗して、多額の借金があるそうですね。ファイトマネーを手に入れないと生活が危ういとか」
香取「らしいわね。王者の肩書が有名無実と化し、ファイトマネーさえ手に入らないとなると、大淀さんは是が非でも負けるわけにはいかないわ」
明石「……那珂ちゃんが大淀さんに勝つには、どのような戦い方をするべきかと思いますか?」
香取「難しいわね……心理戦で大淀さんに勝とうとするのは厳しいでしょう。奇襲も逆用される恐れのほうが大きいわ」
香取「勝算があるとすれば、どうにかして正面対決に引き込むことね。運動能力で勝る那珂ちゃんなら、まともに当たれば押し勝てるかもしれない」
香取「もしくは、大淀さんの勝利への固執を逆手に取れるかもしれないわ。同階級で負けたとなれば、彼女は軽巡級王者という最大の肩書を失うから」
香取「大淀さんに掛かるプレッシャーはいつにも増して大きいはず。勝ちを急いで選択ミスをする可能性はゼロじゃないわ」
明石「そういえば、大淀選手は不動産の売買に失敗して、多額の借金があるそうですね。ファイトマネーを手に入れないと生活が危ういとか」
香取「らしいわね。王者の肩書が有名無実と化し、ファイトマネーさえ手に入らないとなると、大淀さんは是が非でも負けるわけにはいかないわ」
441:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:46:17.75:wWW9YQkD0 (145/167)
明石「……今、ふと思ったんですけど、金銭のやり取りによる八百長って有り得ると思います?」
香取「ああ、那珂ちゃんが大淀さんにお金を渡して、勝たせてもらうんじゃないかってこと? ない話ではないわね。お互いの利益は一致するわ」
香取「でも、それは不可能なの。以前にも那珂ちゃんは大淀さんに八百長を持ちかけたらしいけど、要求額が大きすぎて成立しなかったそうよ」
香取「当たり前よね。大淀さんに勝ちを譲ってもらうなら、勝った場合のファイトマネーに加えて、戦績に黒星が付く補償金も要求されるもの」
香取「この試合は勝てば2000万円、プラス軽巡級王者の名を売り渡す形にもなるから……大淀さんは億に近い額を要求してくるでしょうね」
明石「億、ですか……欲深い大淀選手なら、それくらいは吹っかけてきそうですね」
香取「那珂ちゃんはグランプリ出場選考の工作でかなり私財を消費してるから、そんな額は払えないわ。だから、八百長は成り立たない」
香取「実力差を考慮して、那珂ちゃんも八百長を視野に入れた工作をしたかったでしょうけど、実弾がないんじゃどうしようもないわね」
香取「お互い、勝てば得るものは大きく、負ければ全てを失う。那珂ちゃんは不正に頼らず大淀さんと戦わなければならないわ」
香取「とにかく那珂ちゃんは慎重に、冷静に攻めることね。できれば大淀さんから攻めさせるのが理想よ……できればだけど」
明石「……今、ふと思ったんですけど、金銭のやり取りによる八百長って有り得ると思います?」
香取「ああ、那珂ちゃんが大淀さんにお金を渡して、勝たせてもらうんじゃないかってこと? ない話ではないわね。お互いの利益は一致するわ」
香取「でも、それは不可能なの。以前にも那珂ちゃんは大淀さんに八百長を持ちかけたらしいけど、要求額が大きすぎて成立しなかったそうよ」
香取「当たり前よね。大淀さんに勝ちを譲ってもらうなら、勝った場合のファイトマネーに加えて、戦績に黒星が付く補償金も要求されるもの」
香取「この試合は勝てば2000万円、プラス軽巡級王者の名を売り渡す形にもなるから……大淀さんは億に近い額を要求してくるでしょうね」
明石「億、ですか……欲深い大淀選手なら、それくらいは吹っかけてきそうですね」
香取「那珂ちゃんはグランプリ出場選考の工作でかなり私財を消費してるから、そんな額は払えないわ。だから、八百長は成り立たない」
香取「実力差を考慮して、那珂ちゃんも八百長を視野に入れた工作をしたかったでしょうけど、実弾がないんじゃどうしようもないわね」
香取「お互い、勝てば得るものは大きく、負ければ全てを失う。那珂ちゃんは不正に頼らず大淀さんと戦わなければならないわ」
香取「とにかく那珂ちゃんは慎重に、冷静に攻めることね。できれば大淀さんから攻めさせるのが理想よ……できればだけど」
442:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:46:53.83:wWW9YQkD0 (146/167)
明石「那珂ちゃんがどれだけ作戦を練ってきているかが勝負の分かれ目……ということになりますかね」
香取「そうね。那珂ちゃんと同じく、大淀さんもこの試合は何が何でも勝ちたいはずよ。熾烈な戦いになりそうね」
明石「ありがとうございます。さあ、両選手がリングインしました! 余裕が見受けられる大淀選手に対し、那珂ちゃんは闘志満々の表情です!」
明石「お互いにとって、この試合は天王山! 負ければ那珂ちゃんは再起の機会を失い、大淀選手は王者の面目を失う! どちらも負けられません!」
明石「大淀選手は軽巡級王者の肩書を守り抜けるのか! 那珂ちゃんは大番狂わせを起こせるのか! 負ければ全てを失う戦いが今、始まります!」
明石「ゴングが鳴りました、試合開始! 颯爽と飛び出していくのは那珂ちゃん! やや腰を落とし、中段に拳を構えてステップを踏んでおります!」
明石「打撃、タックル、何でも来いという気合の入ったこの構え! 対する大淀選手は……? どうしたのでしょう、近寄ろうとしません!」
明石「那珂ちゃんがどれだけ作戦を練ってきているかが勝負の分かれ目……ということになりますかね」
香取「そうね。那珂ちゃんと同じく、大淀さんもこの試合は何が何でも勝ちたいはずよ。熾烈な戦いになりそうね」
明石「ありがとうございます。さあ、両選手がリングインしました! 余裕が見受けられる大淀選手に対し、那珂ちゃんは闘志満々の表情です!」
明石「お互いにとって、この試合は天王山! 負ければ那珂ちゃんは再起の機会を失い、大淀選手は王者の面目を失う! どちらも負けられません!」
明石「大淀選手は軽巡級王者の肩書を守り抜けるのか! 那珂ちゃんは大番狂わせを起こせるのか! 負ければ全てを失う戦いが今、始まります!」
明石「ゴングが鳴りました、試合開始! 颯爽と飛び出していくのは那珂ちゃん! やや腰を落とし、中段に拳を構えてステップを踏んでおります!」
明石「打撃、タックル、何でも来いという気合の入ったこの構え! 対する大淀選手は……? どうしたのでしょう、近寄ろうとしません!」
443:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:47:43.50:wWW9YQkD0 (147/167)
明石「コーナーからは離れましたが、構えも取らずフェンス際をゆっくりと歩いています! これには何の意図が……えっ、ちょっと!」
香取「……何してるの?」
明石「お、大淀選手がフェンスを掴んで登り始めました! フェンスを掴むこと自体は認められていますが、登るのは反則です!」
明石「あっという間に天辺まで登ってしまいました! 攻撃から避難しているわけでもない、不可解な行動です! ここでレフェリーからの警告!」
明石「フェンスに登るのは膠着を誘発させる行動であるため、ルール違反となります! 大淀選手に警告1回、100万円の罰金が課せられました!」
香取「大淀さん……あなた、まさか」
明石「レフェリーの指導を受け、大淀選手がフェンスから降ります! 大淀選手はあと2回の警告で失格負け! コーナー際からの再開です!」
明石「コーナーからは離れましたが、構えも取らずフェンス際をゆっくりと歩いています! これには何の意図が……えっ、ちょっと!」
香取「……何してるの?」
明石「お、大淀選手がフェンスを掴んで登り始めました! フェンスを掴むこと自体は認められていますが、登るのは反則です!」
明石「あっという間に天辺まで登ってしまいました! 攻撃から避難しているわけでもない、不可解な行動です! ここでレフェリーからの警告!」
明石「フェンスに登るのは膠着を誘発させる行動であるため、ルール違反となります! 大淀選手に警告1回、100万円の罰金が課せられました!」
香取「大淀さん……あなた、まさか」
明石「レフェリーの指導を受け、大淀選手がフェンスから降ります! 大淀選手はあと2回の警告で失格負け! コーナー際からの再開です!」
444:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:48:16.87:wWW9YQkD0 (148/167)
明石「再開のゴングが鳴りました! 那珂ちゃんは不可解そうな表情を浮かべながらも、同じように構えを……えっ、また!?」
香取「やっぱり……!」
明石「大淀選手がまたもやフェンスを登り始めました! 再び試合が中断されます! 大淀選手に2回目の警告が出されました!」
明石「これで勝敗に関係なく、大淀選手には計200万円の罰金が課せられます! 経済難の大淀選手にはあまりに痛い出費のはず!」
明石「しかも、あと1回の警告で大淀選手は失格負けです! 那珂ちゃんも驚いている様子! 一体、大淀選手は何を考えているんでしょうか!?」
香取「ここまでやるとは思わなかったわ……大淀さんは、序盤から早くも那珂ちゃんの選択肢を潰したのよ」
明石「選択肢を潰した? 選択肢が減って不利になったのは大淀選手のはずじゃ……」
香取「大淀さんと那珂ちゃんは目的が違うのよ。ただ勝てばいいと思ってる大淀さんに対し、那珂ちゃんは面白い試合をして勝たなきゃいけないの」
明石「再開のゴングが鳴りました! 那珂ちゃんは不可解そうな表情を浮かべながらも、同じように構えを……えっ、また!?」
香取「やっぱり……!」
明石「大淀選手がまたもやフェンスを登り始めました! 再び試合が中断されます! 大淀選手に2回目の警告が出されました!」
明石「これで勝敗に関係なく、大淀選手には計200万円の罰金が課せられます! 経済難の大淀選手にはあまりに痛い出費のはず!」
明石「しかも、あと1回の警告で大淀選手は失格負けです! 那珂ちゃんも驚いている様子! 一体、大淀選手は何を考えているんでしょうか!?」
香取「ここまでやるとは思わなかったわ……大淀さんは、序盤から早くも那珂ちゃんの選択肢を潰したのよ」
明石「選択肢を潰した? 選択肢が減って不利になったのは大淀選手のはずじゃ……」
香取「大淀さんと那珂ちゃんは目的が違うのよ。ただ勝てばいいと思ってる大淀さんに対し、那珂ちゃんは面白い試合をして勝たなきゃいけないの」
445:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:48:51.88:wWW9YQkD0 (149/167)
香取「『面白い試合をして勝つ』のは那珂ちゃんにとって絶対条件よ。試合内容を評価してもらわなければ、勝ち負けに関わらず復帰の道はない」
香取「もし、ここから試合が膠着して、両選手に警告が出されれば大淀さんが失格になって、那珂ちゃんは勝つ……でも、それじゃ意味がないのよ」
香取「大した攻防もなく、相手の失格で得た勝利を誰が評価するかしら? 那珂ちゃんが欲しいのは端金じゃなく、評価と人気なのよ」
香取「大淀さんはそれを理解して、先手を打った。試合が全く盛り上がらず終わるという、那珂ちゃんにとって最悪のシナリオを提示することでね」
明石「……そういうことですか。普通に戦って負けることも、面白くない試合で勝つことも、那珂ちゃんには結局同じことだから……!」
香取「そう。ここから先、那珂ちゃんには自分から攻める以外の選択肢がないのよ。大淀さんを失格にさせないためにね」
香取「相手のやりたいことを察して潰し、選択肢を減らす。試合開始数十秒で、大淀さんは早くも勝利工程の第2段階へ状況を移行させてしまったわ」
香取「『面白い試合をして勝つ』のは那珂ちゃんにとって絶対条件よ。試合内容を評価してもらわなければ、勝ち負けに関わらず復帰の道はない」
香取「もし、ここから試合が膠着して、両選手に警告が出されれば大淀さんが失格になって、那珂ちゃんは勝つ……でも、それじゃ意味がないのよ」
香取「大した攻防もなく、相手の失格で得た勝利を誰が評価するかしら? 那珂ちゃんが欲しいのは端金じゃなく、評価と人気なのよ」
香取「大淀さんはそれを理解して、先手を打った。試合が全く盛り上がらず終わるという、那珂ちゃんにとって最悪のシナリオを提示することでね」
明石「……そういうことですか。普通に戦って負けることも、面白くない試合で勝つことも、那珂ちゃんには結局同じことだから……!」
香取「そう。ここから先、那珂ちゃんには自分から攻める以外の選択肢がないのよ。大淀さんを失格にさせないためにね」
香取「相手のやりたいことを察して潰し、選択肢を減らす。試合開始数十秒で、大淀さんは早くも勝利工程の第2段階へ状況を移行させてしまったわ」
446:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:49:22.23:wWW9YQkD0 (150/167)
明石「しかし、勝つためとはいえ、まさか金銭面で困っている大淀選手が自ら罰金200万円を払うような真似を……」
香取「そこが大淀さんの恐ろしいところよ。彼女は徹底した合理主義者。勝率を上げるためなら、どんな行為でも躊躇なくやってのけるのよ」
香取「元々9割の勝率を、200万円払って10割に近付けるくらい、造作も無いことでしょう。勝てば差し引きで1800万円貰えるんだから」
香取「ここから、那珂ちゃんにはかなり苦しい展開になるわよ。心理戦で上を行かれた挙句、空中殺法も実質的に封じられてしまったわ」
香取「那珂ちゃんの空中殺法は、フェンス際に追い詰められた状態から、壁を足場にしないと繰り出せない。つまり、相手に攻めさせる必要があるの」
香取「大淀さんはそれもわかって、決して自分からは攻めないでしょう。あらゆる面で不利なこの状況で、那珂ちゃんは自分から攻めるしかないわ」
明石「……一切の攻防がないまま、那珂ちゃんは早くも不利な展開に追い込まれました! このままだと、試合が尻すぼみで終わってしまう!」
明石「焦りの表情を見せる那珂ちゃん! それを見てほくそ笑む大淀選手! 何たる狡猾さでしょう! これが軽巡級王者の戦い方だ!」
明石「しかし、勝つためとはいえ、まさか金銭面で困っている大淀選手が自ら罰金200万円を払うような真似を……」
香取「そこが大淀さんの恐ろしいところよ。彼女は徹底した合理主義者。勝率を上げるためなら、どんな行為でも躊躇なくやってのけるのよ」
香取「元々9割の勝率を、200万円払って10割に近付けるくらい、造作も無いことでしょう。勝てば差し引きで1800万円貰えるんだから」
香取「ここから、那珂ちゃんにはかなり苦しい展開になるわよ。心理戦で上を行かれた挙句、空中殺法も実質的に封じられてしまったわ」
香取「那珂ちゃんの空中殺法は、フェンス際に追い詰められた状態から、壁を足場にしないと繰り出せない。つまり、相手に攻めさせる必要があるの」
香取「大淀さんはそれもわかって、決して自分からは攻めないでしょう。あらゆる面で不利なこの状況で、那珂ちゃんは自分から攻めるしかないわ」
明石「……一切の攻防がないまま、那珂ちゃんは早くも不利な展開に追い込まれました! このままだと、試合が尻すぼみで終わってしまう!」
明石「焦りの表情を見せる那珂ちゃん! それを見てほくそ笑む大淀選手! 何たる狡猾さでしょう! これが軽巡級王者の戦い方だ!」
447:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:49:55.97:wWW9YQkD0 (151/167)
明石「再びコーナー際からの再開となります! あと1回の警告で大淀選手は失格! それは那珂ちゃんにとっても絶対に避けたい展開です!」
明石「大淀選手が失格負けにならないよう、那珂ちゃんは攻めることを強いられる形になります! ここから大淀の術中より抜け出せるでしょうか!」
明石「3度目のゴングが鳴った! 試合再開です! もう1度ゴングが鳴るとき、それは勝敗が決定したときに他なりません!」
明石「那珂ちゃんは腰を低めに落とした、ややタックル狙いの構え! 対する大淀選手、開手のヒットマンスタイルで臨みます!」
明石「もはや待つことに意味はない! 那珂ちゃんが仕掛けます! 初手は右のロー……いや、先に大淀が仕掛けた!?」
明石「蹴り足を狙った下段へのサイドキック! ローキックが形になる前に止められました! 那珂ちゃん、反射的に後退します!」
明石「やや距離を取り、そこからバックスピンキックを繰り出した! 大淀選手、またサイドキック! 今度は軸足を狙った!」
明石「再びコーナー際からの再開となります! あと1回の警告で大淀選手は失格! それは那珂ちゃんにとっても絶対に避けたい展開です!」
明石「大淀選手が失格負けにならないよう、那珂ちゃんは攻めることを強いられる形になります! ここから大淀の術中より抜け出せるでしょうか!」
明石「3度目のゴングが鳴った! 試合再開です! もう1度ゴングが鳴るとき、それは勝敗が決定したときに他なりません!」
明石「那珂ちゃんは腰を低めに落とした、ややタックル狙いの構え! 対する大淀選手、開手のヒットマンスタイルで臨みます!」
明石「もはや待つことに意味はない! 那珂ちゃんが仕掛けます! 初手は右のロー……いや、先に大淀が仕掛けた!?」
明石「蹴り足を狙った下段へのサイドキック! ローキックが形になる前に止められました! 那珂ちゃん、反射的に後退します!」
明石「やや距離を取り、そこからバックスピンキックを繰り出した! 大淀選手、またサイドキック! 今度は軸足を狙った!」
448:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:50:35.12:wWW9YQkD0 (152/167)
明石「バランスを崩され、バックスピンキックが不発! よろめきながら再び距離を取る那珂ちゃん! 完全に動きを読まれています!」
香取「初動を見切られてるわ。たぶん、過去の試合映像から動きのクセを把握されてる……」
明石「それでも那珂ちゃんは攻めるしかない! 今度は左のローキック! ダメです、足を引かれてスカされました!」
明石「続けざまに足を狙ったタックル……それより先に大淀選手、大きくバックステップ! タックルの射程から難なく逃れます!」
明石「タックルの勢いのまま、那珂ちゃんが突っ込んだ! 左右のフック連撃! パリィであっさりと捌かれてしまった!」
明石「まだ那珂ちゃんは攻め立てる! 再びタックル……違う、前転からの浴びせ蹴りだ! しかし躱され……大淀が踏み付けに行ったぁぁぁ!」
明石「那珂ちゃん、踏み付けを腕で受け止めた! そのまま大淀がパウンドを狙う! ここで那珂ちゃん、カポエラキィィック!」
明石「が、大淀選手はバックステップで回避! 蹴りの勢いで立ち上がることには成功しましたが、那珂ちゃん、起死回生の奇襲は成功ならず!」
明石「バランスを崩され、バックスピンキックが不発! よろめきながら再び距離を取る那珂ちゃん! 完全に動きを読まれています!」
香取「初動を見切られてるわ。たぶん、過去の試合映像から動きのクセを把握されてる……」
明石「それでも那珂ちゃんは攻めるしかない! 今度は左のローキック! ダメです、足を引かれてスカされました!」
明石「続けざまに足を狙ったタックル……それより先に大淀選手、大きくバックステップ! タックルの射程から難なく逃れます!」
明石「タックルの勢いのまま、那珂ちゃんが突っ込んだ! 左右のフック連撃! パリィであっさりと捌かれてしまった!」
明石「まだ那珂ちゃんは攻め立てる! 再びタックル……違う、前転からの浴びせ蹴りだ! しかし躱され……大淀が踏み付けに行ったぁぁぁ!」
明石「那珂ちゃん、踏み付けを腕で受け止めた! そのまま大淀がパウンドを狙う! ここで那珂ちゃん、カポエラキィィック!」
明石「が、大淀選手はバックステップで回避! 蹴りの勢いで立ち上がることには成功しましたが、那珂ちゃん、起死回生の奇襲は成功ならず!」
449:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:51:20.50:wWW9YQkD0 (153/167)
明石「大淀選手に動きを見切られているのは明らか! しかし、攻め手を止めるわけにはいかない! なおも那珂ちゃん、果敢に攻める!」
明石「飛び込んで右フック! スウェーで回避……と、同時に軸足を刈られた! 那珂ちゃん転倒! 大淀選手が再びパウンドを仕掛けます!」
明石「1発、顔面に入った! もう1発はブロック! 那珂ちゃん、素早くガードポジションに入ってディフェンス! パウンドから逃れます!」
明石「大淀選手、ガードポジションには入っていかない! 1発入れただけで早々に距離を取ります! グラウンドには付き合いません!」
明石「止む無く那珂ちゃんが立ち上がります! 目の下に大きなアザを作ってしまいました! ダメージは……いや、間髪入れず那珂ちゃんの追撃!」
明石「またもやタックルです! 大淀選手はバックステップで……あっと、那珂ちゃんが1歩深く踏み込んだ! これはタックルではない!」
明石「大淀選手のあごを狙った、中段からせり上がるような頭突き! 入るか! ダメだ、頭を抑え込まれた! しかも膝蹴りが入ったぁぁぁ!」
明石「那珂ちゃんの顔面に膝が入りました! 更に膝蹴り! 頭部のガードを固めるも、今度はボディを狙われました! みぞおちに膝が命中!」
明石「大淀選手に動きを見切られているのは明らか! しかし、攻め手を止めるわけにはいかない! なおも那珂ちゃん、果敢に攻める!」
明石「飛び込んで右フック! スウェーで回避……と、同時に軸足を刈られた! 那珂ちゃん転倒! 大淀選手が再びパウンドを仕掛けます!」
明石「1発、顔面に入った! もう1発はブロック! 那珂ちゃん、素早くガードポジションに入ってディフェンス! パウンドから逃れます!」
明石「大淀選手、ガードポジションには入っていかない! 1発入れただけで早々に距離を取ります! グラウンドには付き合いません!」
明石「止む無く那珂ちゃんが立ち上がります! 目の下に大きなアザを作ってしまいました! ダメージは……いや、間髪入れず那珂ちゃんの追撃!」
明石「またもやタックルです! 大淀選手はバックステップで……あっと、那珂ちゃんが1歩深く踏み込んだ! これはタックルではない!」
明石「大淀選手のあごを狙った、中段からせり上がるような頭突き! 入るか! ダメだ、頭を抑え込まれた! しかも膝蹴りが入ったぁぁぁ!」
明石「那珂ちゃんの顔面に膝が入りました! 更に膝蹴り! 頭部のガードを固めるも、今度はボディを狙われました! みぞおちに膝が命中!」
450:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:52:19.89:wWW9YQkD0 (154/167)
明石「もう1発ボディへ膝! 那珂ちゃん、胸を突き飛ばすようにして大淀選手から距離を……ここで追撃のフィンガージャブだぁぁぁ!」
明石「すんでのところで躱しました! 那珂ちゃん危うし……ではない! 指が掠めてしまった! 左目に薄っすら血が滲んでいます!」
明石「顔に膝を入れられ、左目の視力も大きく削がれました! 良くない状況です、どう攻めても、ことごとく撃ち落とされる!」
明石「とうとう攻め手が止まってしまいました! 呼吸は乱れ、表情には焦りが見えます! もう那珂ちゃんに打つ手はないのか!」
香取「大淀さんの勝利工程、第2段階が終わろうとしてるわ。相手が攻めざるを得ない状況を作って、まともに攻めても通らないことを見せつけた」
香取「那珂ちゃんが取れる選択肢は、もう一か八かの思い切った攻勢に出るしかない……そこに罠が仕掛けてあるとわかっていても、やるしかないわ」
明石「もう1発ボディへ膝! 那珂ちゃん、胸を突き飛ばすようにして大淀選手から距離を……ここで追撃のフィンガージャブだぁぁぁ!」
明石「すんでのところで躱しました! 那珂ちゃん危うし……ではない! 指が掠めてしまった! 左目に薄っすら血が滲んでいます!」
明石「顔に膝を入れられ、左目の視力も大きく削がれました! 良くない状況です、どう攻めても、ことごとく撃ち落とされる!」
明石「とうとう攻め手が止まってしまいました! 呼吸は乱れ、表情には焦りが見えます! もう那珂ちゃんに打つ手はないのか!」
香取「大淀さんの勝利工程、第2段階が終わろうとしてるわ。相手が攻めざるを得ない状況を作って、まともに攻めても通らないことを見せつけた」
香取「那珂ちゃんが取れる選択肢は、もう一か八かの思い切った攻勢に出るしかない……そこに罠が仕掛けてあるとわかっていても、やるしかないわ」
451:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:52:47.25:wWW9YQkD0 (155/167)
明石「その、一か八かの攻勢というのは、具体的にどんなものだと思われますか?」
香取「そうね、技量では勝てないことはもうわかってるから……相討ち覚悟で体力勝負を掛ける、ってところかしら」
香取「つまるところ、ノーガードの殴り合いよ。とにかく前に出て大淀さんのテクニックを潰す。ほら、那珂ちゃんが構えを変えるみたい」
明石「あっ、本当です! 赤城戦で見せたものと似た、左の拳を真っ直ぐ突き出した構えを取りました! 間合いを測っているようです!」
明石「大淀選手の周囲をゆっくりと回りながら、浅いローキックを放つ! 入りはしませんが、おそらくこれは膠着をさせないためのものでしょう!」
香取「呼吸を整えつつ距離を計算してるわね。理想の間合いは、肘打ちが当たる至近距離より少し手前ってところかしら」
香取「フックとショートアッパー、振りかぶったパンチしか使えない微妙な間合いね。そこからならテクニックは関係なく……ちょっと、嘘でしょ?」
明石「那珂ちゃんの消極的なローキックを嫌ってか、大淀選手が後退! 間合いを測らせないつもりか……あっ!? ふぇ、フェンスに手を掛けた!」
明石「その、一か八かの攻勢というのは、具体的にどんなものだと思われますか?」
香取「そうね、技量では勝てないことはもうわかってるから……相討ち覚悟で体力勝負を掛ける、ってところかしら」
香取「つまるところ、ノーガードの殴り合いよ。とにかく前に出て大淀さんのテクニックを潰す。ほら、那珂ちゃんが構えを変えるみたい」
明石「あっ、本当です! 赤城戦で見せたものと似た、左の拳を真っ直ぐ突き出した構えを取りました! 間合いを測っているようです!」
明石「大淀選手の周囲をゆっくりと回りながら、浅いローキックを放つ! 入りはしませんが、おそらくこれは膠着をさせないためのものでしょう!」
香取「呼吸を整えつつ距離を計算してるわね。理想の間合いは、肘打ちが当たる至近距離より少し手前ってところかしら」
香取「フックとショートアッパー、振りかぶったパンチしか使えない微妙な間合いね。そこからならテクニックは関係なく……ちょっと、嘘でしょ?」
明石「那珂ちゃんの消極的なローキックを嫌ってか、大淀選手が後退! 間合いを測らせないつもりか……あっ!? ふぇ、フェンスに手を掛けた!」
452:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:53:15.29:wWW9YQkD0 (156/167)
明石「またフェンスを登ろうとしています! 自分から失格負けを選ぶ気か!? 慌てて那珂ちゃんが飛び出し……ろ、ローリングソバットォォォ!」
明石「那珂ちゃんの必殺技、フェンスを足場にしたローリングソバットを大淀選手が繰り出しました! 那珂ちゃんの顔面にヒットォォォ!」
明石「完全に不意を突かれてしまった! 試合展開にこだわる那珂ちゃんの弱みに付け込み、大淀選手が奇襲に成功! なんて汚い王者なんだ!」
香取「相手の回復を待つほど、大淀さんは甘くなかったわね……今のは那珂ちゃんが悪いわ。大淀さんが失格負けを選ぶわけないんだから」
香取「でも、わざわざ那珂ちゃんの得意技を使うのは悪意を感じるわね。精神面を崩しに掛かってるわ」
明石「大きく後方に蹴り飛ばされた那珂ちゃん、ふらつきながらも何とか立ち上がります! だが、そこに大淀の魔の手が迫る!」
明石「ボディ、いや顔面へリードストレート! 那珂ちゃん、まんまとボディへのフェイントに引っ掛かった! 高速の拳がクリーンヒットォォォ!」
明石「またフェンスを登ろうとしています! 自分から失格負けを選ぶ気か!? 慌てて那珂ちゃんが飛び出し……ろ、ローリングソバットォォォ!」
明石「那珂ちゃんの必殺技、フェンスを足場にしたローリングソバットを大淀選手が繰り出しました! 那珂ちゃんの顔面にヒットォォォ!」
明石「完全に不意を突かれてしまった! 試合展開にこだわる那珂ちゃんの弱みに付け込み、大淀選手が奇襲に成功! なんて汚い王者なんだ!」
香取「相手の回復を待つほど、大淀さんは甘くなかったわね……今のは那珂ちゃんが悪いわ。大淀さんが失格負けを選ぶわけないんだから」
香取「でも、わざわざ那珂ちゃんの得意技を使うのは悪意を感じるわね。精神面を崩しに掛かってるわ」
明石「大きく後方に蹴り飛ばされた那珂ちゃん、ふらつきながらも何とか立ち上がります! だが、そこに大淀の魔の手が迫る!」
明石「ボディ、いや顔面へリードストレート! 那珂ちゃん、まんまとボディへのフェイントに引っ掛かった! 高速の拳がクリーンヒットォォォ!」
453:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:53:51.34:wWW9YQkD0 (157/167)
明石「立て続けに膝関節へサイドキック! 那珂ちゃんが大きく崩れた! 今度は脇腹への回し蹴り! これも入ってしまいました!」
明石「打撃のラッシュを逃れて、那珂ちゃんがクリンチを試みる! が、小外刈りを仕掛けられてしまった! 那珂ちゃん、テイクダウン!」
明石「大淀選手がパスガードを狙いますが、那珂ちゃんの対応が早い! 即座にガードポジションの体勢に入りました!」
明石「やはり大淀選手、ガードポジションの攻防には付き合わない! さっさと離れ、那珂ちゃんが立ち上がるのを待っています!」
明石「どうにか立ち上がった那珂ちゃんですが……ダメージは深刻! 顔面へかなりの打撃をもらい、対する大淀選手は全くのノーダメージ!」
明石「それどころか、まともに触れることすら出来ていません! まさか、両選手の技量にここまで開きがあるとは!」
香取「心身共に動きを見透かされてるわ。やっぱり、序盤で選択肢を狭められてしまったのが大きく響いてるわね」
香取「那珂ちゃんは打たれ強いタイプのプロレスラーじゃない。これ以上ダメージを負う前に、状況を打開しないと勝ち目はないわ」
明石「立て続けに膝関節へサイドキック! 那珂ちゃんが大きく崩れた! 今度は脇腹への回し蹴り! これも入ってしまいました!」
明石「打撃のラッシュを逃れて、那珂ちゃんがクリンチを試みる! が、小外刈りを仕掛けられてしまった! 那珂ちゃん、テイクダウン!」
明石「大淀選手がパスガードを狙いますが、那珂ちゃんの対応が早い! 即座にガードポジションの体勢に入りました!」
明石「やはり大淀選手、ガードポジションの攻防には付き合わない! さっさと離れ、那珂ちゃんが立ち上がるのを待っています!」
明石「どうにか立ち上がった那珂ちゃんですが……ダメージは深刻! 顔面へかなりの打撃をもらい、対する大淀選手は全くのノーダメージ!」
明石「それどころか、まともに触れることすら出来ていません! まさか、両選手の技量にここまで開きがあるとは!」
香取「心身共に動きを見透かされてるわ。やっぱり、序盤で選択肢を狭められてしまったのが大きく響いてるわね」
香取「那珂ちゃんは打たれ強いタイプのプロレスラーじゃない。これ以上ダメージを負う前に、状況を打開しないと勝ち目はないわ」
454:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:54:42.00:wWW9YQkD0 (158/167)
明石「さあ、やはり大淀選手は自分からは攻めない! 那珂ちゃんが仕掛けてくるのを虎視眈々と待ち構えています!」
明石「あらゆる手段が封じられてしまったこの状況から、那珂ちゃんはどう攻める! 既に息は荒く、フットワークを踏む余力も残っていない!」
明石「ただ、その目だけはまだ諦めていない! ここからどうする! おっと、1歩後退しました! 大淀から大きく距離を取ります!」
明石「手招きをしています! そっちから攻めてこいという挑発! 那珂ちゃん、ここへ来て相手に仕掛けさせることを選択しました!」
明石「考えてみれば、ここで膠着による両選手への警告が出されたとき、一番困るのは他でもない大淀選手! 3回目の警告は失格負けです!」
明石「膠着を起こしたくないのは那珂ちゃんだけではない! 大淀選手が心理戦を仕掛けられています! さあ、大淀はどう応じる!?」
香取「……その手段はタイミングが遅かったわね」
明石「大淀選手が仕掛けます! フィンガージャブ、からの下段サイドキック! 膝より更に位置が低い! 足の甲への踏み蹴りです!」
明石「さあ、やはり大淀選手は自分からは攻めない! 那珂ちゃんが仕掛けてくるのを虎視眈々と待ち構えています!」
明石「あらゆる手段が封じられてしまったこの状況から、那珂ちゃんはどう攻める! 既に息は荒く、フットワークを踏む余力も残っていない!」
明石「ただ、その目だけはまだ諦めていない! ここからどうする! おっと、1歩後退しました! 大淀から大きく距離を取ります!」
明石「手招きをしています! そっちから攻めてこいという挑発! 那珂ちゃん、ここへ来て相手に仕掛けさせることを選択しました!」
明石「考えてみれば、ここで膠着による両選手への警告が出されたとき、一番困るのは他でもない大淀選手! 3回目の警告は失格負けです!」
明石「膠着を起こしたくないのは那珂ちゃんだけではない! 大淀選手が心理戦を仕掛けられています! さあ、大淀はどう応じる!?」
香取「……その手段はタイミングが遅かったわね」
明石「大淀選手が仕掛けます! フィンガージャブ、からの下段サイドキック! 膝より更に位置が低い! 足の甲への踏み蹴りです!」
455:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:55:17.75:wWW9YQkD0 (159/167)
明石「那珂ちゃん、フェイントのほうに反応してしまった! 足の機動力を削がれます! しかし、ここで下がるわけにはいかない!」
明石「前に出て右フック! 大淀、カウンターで迎え撃ったぁぁぁ! 視力を奪った左目の死角からの、右フックによるクロスカウンター!」
明石「ぐらついたところにボディへのサイドキック! 急所の下腹部に入ったぁぁぁ! 那珂ちゃん、悶絶しながら転倒!」
明石「大淀がすかさず踏み付けに行く! だが、悶え苦しみながらも那珂ちゃん、転げ回ってこれを逃れる! 大淀の射程から逃げます!」
明石「フェンス際で立ち上がりました! 呼吸と共に肩が大きく上下し、もう体力が限界に近い! 大淀選手、トドメを刺しに距離を詰める!」
明石「まずはフィンガージャブのフェイント! 那珂ちゃん、バックステップでこれを避け……いや、跳んだ! フェンスを足場にしました!」
明石「那珂ちゃん、フェイントのほうに反応してしまった! 足の機動力を削がれます! しかし、ここで下がるわけにはいかない!」
明石「前に出て右フック! 大淀、カウンターで迎え撃ったぁぁぁ! 視力を奪った左目の死角からの、右フックによるクロスカウンター!」
明石「ぐらついたところにボディへのサイドキック! 急所の下腹部に入ったぁぁぁ! 那珂ちゃん、悶絶しながら転倒!」
明石「大淀がすかさず踏み付けに行く! だが、悶え苦しみながらも那珂ちゃん、転げ回ってこれを逃れる! 大淀の射程から逃げます!」
明石「フェンス際で立ち上がりました! 呼吸と共に肩が大きく上下し、もう体力が限界に近い! 大淀選手、トドメを刺しに距離を詰める!」
明石「まずはフィンガージャブのフェイント! 那珂ちゃん、バックステップでこれを避け……いや、跳んだ! フェンスを足場にしました!」
456:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:55:55.19:wWW9YQkD0 (160/167)
明石「一発逆転の必殺技が繰り出される! 那珂ちゃんローリングソバッ……一本背負いィィィ!? あ、足を抱えて投げ落とされました!」
香取「読まれてたわね。フェンス際に追い込んでやれば、間違いなく得意技を出すと踏んでいたんでしょう」
明石「空中殺法、敗れたり! 受け身は取ったようで、ダメージそのものはありません! 那珂ちゃん、素早く立ち上がります!」
明石「立ち上がり様に、大淀のハイキィィィック! 側頭部へ命中! 那珂ちゃん、ダウン! 今度こそトドメを刺そうと大淀が迫る!」
明石「パウンド! 踏み付け、踏み付け! 那珂ちゃん、地べたを転げ回って回避! まさに逃走というに相応しい、なりふり構わぬ逃げ方です!」
明石「大きくよろめきながら、ようやく距離を取って立ち上がりました! 大淀選手も仕方なく追撃をやめ、構えをニュートラルに戻します!」
明石「頼みの空中殺法が破れた今、那珂ちゃんに勝つ手段は残されているのか! 表情にも、闘志より疲労の色が目立ってきました!」
明石「一発逆転の必殺技が繰り出される! 那珂ちゃんローリングソバッ……一本背負いィィィ!? あ、足を抱えて投げ落とされました!」
香取「読まれてたわね。フェンス際に追い込んでやれば、間違いなく得意技を出すと踏んでいたんでしょう」
明石「空中殺法、敗れたり! 受け身は取ったようで、ダメージそのものはありません! 那珂ちゃん、素早く立ち上がります!」
明石「立ち上がり様に、大淀のハイキィィィック! 側頭部へ命中! 那珂ちゃん、ダウン! 今度こそトドメを刺そうと大淀が迫る!」
明石「パウンド! 踏み付け、踏み付け! 那珂ちゃん、地べたを転げ回って回避! まさに逃走というに相応しい、なりふり構わぬ逃げ方です!」
明石「大きくよろめきながら、ようやく距離を取って立ち上がりました! 大淀選手も仕方なく追撃をやめ、構えをニュートラルに戻します!」
明石「頼みの空中殺法が破れた今、那珂ちゃんに勝つ手段は残されているのか! 表情にも、闘志より疲労の色が目立ってきました!」
457:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:56:27.56:wWW9YQkD0 (161/167)
香取「ダメージを受け過ぎたわね。動きのキレが明らかに落ちてる。もう真っ向勝負は不可能、奇襲作戦もことごとく潰されてる」
香取「大淀さんの勝利パターンは最終段階に入っているわ。ここまで来ると、もう那珂ちゃんに勝機は……」
明石「既に那珂ちゃんは自分から仕掛けられる余力すらない! 大淀選手、ここは決めに掛かるか! 再び自ら仕掛けます!」
明石「フィンガージャブ、からのローキック! まともに膝へ入りました! 那珂ちゃんの反応が明らかに鈍い! もう動く力さえないのか!」
明石「更にローキック、続けてフィンガージャブ! 今度はフェイントではない! 目を突きに行った! 那珂ちゃん、これは辛うじて回避!」
明石「だが、後退する足を狙って大淀のサイドキック! 完全に立てなくするつもりです! 徹底的に機動力を削ぎ落とそうとしている!」
明石「ここで那珂ちゃんが反撃に出る! 蹴り足を狙った低空タックル! が、読まれていた! 顔面へ迎撃の膝蹴りが入ったぁぁぁ!」
明石「まだ那珂ちゃんは動けています! ダメージにも構わず足を取ろうとしている! しかし、動きにキレがない! 意識が飛びかけています!」
香取「ダメージを受け過ぎたわね。動きのキレが明らかに落ちてる。もう真っ向勝負は不可能、奇襲作戦もことごとく潰されてる」
香取「大淀さんの勝利パターンは最終段階に入っているわ。ここまで来ると、もう那珂ちゃんに勝機は……」
明石「既に那珂ちゃんは自分から仕掛けられる余力すらない! 大淀選手、ここは決めに掛かるか! 再び自ら仕掛けます!」
明石「フィンガージャブ、からのローキック! まともに膝へ入りました! 那珂ちゃんの反応が明らかに鈍い! もう動く力さえないのか!」
明石「更にローキック、続けてフィンガージャブ! 今度はフェイントではない! 目を突きに行った! 那珂ちゃん、これは辛うじて回避!」
明石「だが、後退する足を狙って大淀のサイドキック! 完全に立てなくするつもりです! 徹底的に機動力を削ぎ落とそうとしている!」
明石「ここで那珂ちゃんが反撃に出る! 蹴り足を狙った低空タックル! が、読まれていた! 顔面へ迎撃の膝蹴りが入ったぁぁぁ!」
明石「まだ那珂ちゃんは動けています! ダメージにも構わず足を取ろうとしている! しかし、動きにキレがない! 意識が飛びかけています!」
458:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:57:05.06:wWW9YQkD0 (162/167)
明石「大淀選手は素早く足と腰を引いてタックルを切った! そのまま上半身を抱え込む! 腕ごと首を抱き込んで絞め技を掛けました!」
明石「これは、スピングチョークです! 三角絞めの要領で頸動脈を締め上げている! と、とうとう終わらせに掛かったぁぁぁ!」
香取「大淀さんはタックルに罠を張っていたみたいね。打撃で弱らせれば、最後の反撃はタックルで来ると読んでいたんでしょう」
香取「スピングチョークは落ちるまでに時間の掛かる絞め技だけど、抵抗を少なくするために体力は削ってある。全部、大淀さんの思い通りね」
明石「完全に動きを封じられ、那珂ちゃん、抜けられない! ここで落ちてしまうのか……ん? 何の音ですか?」
香取「何? 金物でも落ちたような……あっ!?」
明石「な、なんだ!? 那珂ちゃんがチョークから抜け出した! 落ちていません! 即座に大淀の足を掬い上げる! あ、足を取ったぁぁぁ!」
明石「大淀選手は素早く足と腰を引いてタックルを切った! そのまま上半身を抱え込む! 腕ごと首を抱き込んで絞め技を掛けました!」
明石「これは、スピングチョークです! 三角絞めの要領で頸動脈を締め上げている! と、とうとう終わらせに掛かったぁぁぁ!」
香取「大淀さんはタックルに罠を張っていたみたいね。打撃で弱らせれば、最後の反撃はタックルで来ると読んでいたんでしょう」
香取「スピングチョークは落ちるまでに時間の掛かる絞め技だけど、抵抗を少なくするために体力は削ってある。全部、大淀さんの思い通りね」
明石「完全に動きを封じられ、那珂ちゃん、抜けられない! ここで落ちてしまうのか……ん? 何の音ですか?」
香取「何? 金物でも落ちたような……あっ!?」
明石「な、なんだ!? 那珂ちゃんがチョークから抜け出した! 落ちていません! 即座に大淀の足を掬い上げる! あ、足を取ったぁぁぁ!」
459:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:57:45.14:wWW9YQkD0 (163/167)
明石「間髪入れずにヒールホールドへ移行! 速い! 大淀選手の対応が間に合わない! おっ……折ったぁぁぁ! 足首が折れ曲がりました!」
明石「大淀選手、左足首を骨折! 残る右足で那珂ちゃんを蹴りつけ、なんとか距離を取ります! 大淀はもう、フットワークを使えません!」
明石「蹴られた那珂ちゃんも、立ち上がることすら難しいほど体力を消耗しています! ですが、ここへ来て大逆転のチャンスを掴みました!」
明石「しかし、解せません! あの状態から、なぜ那珂ちゃんはチョークから抜けられたのでしょうか! 技は完全に入っていたはずです!」
明石「落とす前に相手を放してしまうほど、大淀選手は甘いファイターではない! 一体あのとき、何が起こったのでしょうか!」
香取「……たぶんだけど、那珂ちゃんは絞められているときにタップをしたのよ。大淀さんの体のどこかを、軽く手のひらで叩いてね」
明石「それは……つまり、ギブアップをするフリをしたということですか? まさか、大淀選手がそんな子ども騙しに……」
香取「ええ、引っ掛かるわけはないわ。本来の大淀さんなら、不意討ちの危険性を考えて、相手がタップしても念のため絞め落としておくはず」
明石「間髪入れずにヒールホールドへ移行! 速い! 大淀選手の対応が間に合わない! おっ……折ったぁぁぁ! 足首が折れ曲がりました!」
明石「大淀選手、左足首を骨折! 残る右足で那珂ちゃんを蹴りつけ、なんとか距離を取ります! 大淀はもう、フットワークを使えません!」
明石「蹴られた那珂ちゃんも、立ち上がることすら難しいほど体力を消耗しています! ですが、ここへ来て大逆転のチャンスを掴みました!」
明石「しかし、解せません! あの状態から、なぜ那珂ちゃんはチョークから抜けられたのでしょうか! 技は完全に入っていたはずです!」
明石「落とす前に相手を放してしまうほど、大淀選手は甘いファイターではない! 一体あのとき、何が起こったのでしょうか!」
香取「……たぶんだけど、那珂ちゃんは絞められているときにタップをしたのよ。大淀さんの体のどこかを、軽く手のひらで叩いてね」
明石「それは……つまり、ギブアップをするフリをしたということですか? まさか、大淀選手がそんな子ども騙しに……」
香取「ええ、引っ掛かるわけはないわ。本来の大淀さんなら、不意討ちの危険性を考えて、相手がタップしても念のため絞め落としておくはず」
460:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:58:19.29:wWW9YQkD0 (164/167)
香取「だけど、レフェリーストップが掛かれば話は別。既に警告を2回受けてるんだから、3回目は何としても回避しなければならなかったのよ」
明石「レフェリーストップ? 別にレフェリーは何の対応も……あっ、あの金属音って、もしかして……」
香取「ええ。これも推測だけど、那珂ちゃんはタップするフリと同時に、何らかの合図を観客席に送ったんじゃないかしら」
香取「合図と同時に、観客席にいる那珂ちゃんの支援者が金属音を鳴らす。聞きようによってはゴングのようにも聞こえる音だったでしょう?」
香取「試合終了のゴングが鳴ってからの加撃は反則になる。咄嗟に絞めを緩めたところを、那珂ちゃんは最後の力で反撃したのよ」
明石「この展開は、那珂ちゃんの仕込みによるものだということですか?」
香取「そうでしか有り得ないわ。まあ、調べても証拠は出てこないでしょうけど。大淀さんが後で証言したって、言い訳にしかならないもの」
香取「だけど、レフェリーストップが掛かれば話は別。既に警告を2回受けてるんだから、3回目は何としても回避しなければならなかったのよ」
明石「レフェリーストップ? 別にレフェリーは何の対応も……あっ、あの金属音って、もしかして……」
香取「ええ。これも推測だけど、那珂ちゃんはタップするフリと同時に、何らかの合図を観客席に送ったんじゃないかしら」
香取「合図と同時に、観客席にいる那珂ちゃんの支援者が金属音を鳴らす。聞きようによってはゴングのようにも聞こえる音だったでしょう?」
香取「試合終了のゴングが鳴ってからの加撃は反則になる。咄嗟に絞めを緩めたところを、那珂ちゃんは最後の力で反撃したのよ」
明石「この展開は、那珂ちゃんの仕込みによるものだということですか?」
香取「そうでしか有り得ないわ。まあ、調べても証拠は出てこないでしょうけど。大淀さんが後で証言したって、言い訳にしかならないもの」
461:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:58:49.67:wWW9YQkD0 (165/167)
香取「これは最後の保険でしょうね。大淀さんの巧みな試合運びのせいで、那珂ちゃんは用意していた本来の作戦をほとんど潰されてしまったはず」
香取「クリーンファイトでの勝ち目がなくなった場合に、大淀さんから何としても勝利をもぎ取る最終策。この作戦だけは上手く行ったみたい」
香取「あとは大淀さんにトドメを刺すだけなんだけど……それだけの力がまだ残ってるのかしら。大淀さんも、まったく動けないわけじゃないのよ」
明石「あっ……那珂ちゃんが立ち上がります! 足元が覚束ない! やはり体力の限界です、もはや那珂ちゃんを立たせるのは勝利への執念のみ!」
明石「立ち上がることのできない大淀選手は、体の右側を上にしてガードポジションを取りました! 残った右脚で下から蹴りつけようという体勢!」
明石「片足を壊されたからといって、勝利を譲り渡すほど軽巡級王者は甘くない! こちらも勝利への執念なら負けていません!」
香取「大淀さんは盛んにローキックを繰り返していたから、那珂ちゃんの足には相当なダメージが蓄積してるはずよ」
香取「あと1、2回蹴られれば、根性のあるなしに関わらず立てなくなる。それよりも先に、那珂ちゃんは決めるしかないわ」
香取「これは最後の保険でしょうね。大淀さんの巧みな試合運びのせいで、那珂ちゃんは用意していた本来の作戦をほとんど潰されてしまったはず」
香取「クリーンファイトでの勝ち目がなくなった場合に、大淀さんから何としても勝利をもぎ取る最終策。この作戦だけは上手く行ったみたい」
香取「あとは大淀さんにトドメを刺すだけなんだけど……それだけの力がまだ残ってるのかしら。大淀さんも、まったく動けないわけじゃないのよ」
明石「あっ……那珂ちゃんが立ち上がります! 足元が覚束ない! やはり体力の限界です、もはや那珂ちゃんを立たせるのは勝利への執念のみ!」
明石「立ち上がることのできない大淀選手は、体の右側を上にしてガードポジションを取りました! 残った右脚で下から蹴りつけようという体勢!」
明石「片足を壊されたからといって、勝利を譲り渡すほど軽巡級王者は甘くない! こちらも勝利への執念なら負けていません!」
香取「大淀さんは盛んにローキックを繰り返していたから、那珂ちゃんの足には相当なダメージが蓄積してるはずよ」
香取「あと1、2回蹴られれば、根性のあるなしに関わらず立てなくなる。それよりも先に、那珂ちゃんは決めるしかないわ」
462:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:59:22.96:wWW9YQkD0 (166/167)
明石「よろめきながらも、那珂ちゃんが大淀へと近付いていく! 大淀も横向きのガードポジションのままにじり寄って行きます!」
明石「足へ一撃入れれば大淀選手の勝利! その前に大淀選手を仕留められれば那珂ちゃんの勝利! 一瞬の攻防が両者の命運を分けます!」
明石「互いに体を引きずるようにして、徐々にお互いの射程へ近付いていきます! 共に満身創痍なこの状況から、勝利を掴むのはどちらだ!」
明石「大淀が動いた! 足を狙ったキック……と、跳んだぁぁぁ! 那珂ちゃん、最後の力を振り絞っての空中殺法ぉぉぉ!」
明石「垂直ローリングソバットォォォ! 那珂ちゃんの全体重が大淀の側頭部を踏み抜きました! 大淀選手、脳震盪により失神!」
明石「ゴングが鳴り響きました! 試合終了です! まさか、まさかの大逆転! 軽巡級同士の死闘を制したのは、アイドル那珂ちゃんです!」
明石「よろめきながらも、那珂ちゃんが大淀へと近付いていく! 大淀も横向きのガードポジションのままにじり寄って行きます!」
明石「足へ一撃入れれば大淀選手の勝利! その前に大淀選手を仕留められれば那珂ちゃんの勝利! 一瞬の攻防が両者の命運を分けます!」
明石「互いに体を引きずるようにして、徐々にお互いの射程へ近付いていきます! 共に満身創痍なこの状況から、勝利を掴むのはどちらだ!」
明石「大淀が動いた! 足を狙ったキック……と、跳んだぁぁぁ! 那珂ちゃん、最後の力を振り絞っての空中殺法ぉぉぉ!」
明石「垂直ローリングソバットォォォ! 那珂ちゃんの全体重が大淀の側頭部を踏み抜きました! 大淀選手、脳震盪により失神!」
明石「ゴングが鳴り響きました! 試合終了です! まさか、まさかの大逆転! 軽巡級同士の死闘を制したのは、アイドル那珂ちゃんです!」
463:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/02(土) 23:59:51.10:wWW9YQkD0 (167/167)
明石「心理戦と技量で圧倒されるも、最後の最後で勝負をひっくり返しました! 勝因は他でもない、飽くなき勝利への執念でしょう!」
明石「立つことさえままならない体で、決め技は得意の空中殺法を見せてくれました! 大淀選手は事実上の王者陥落です!」
明石「軽巡級王者としての狡猾さと恐ろしさを存分に披露してはくれましたが、那珂ちゃんの捨て身の策に引っ掛かり、惜しくも敗北!」
明石「那珂ちゃんは軽巡級暫定王者に輝きました! 大番狂わせです! 那珂ちゃん、芸能界復帰へ大きな1歩を踏み出しました!」
香取「不正に近い策だったとはいえ、あそこから逆転できる精神力は大したものよ。まさに執念で勝利をもぎ取ったというべきでしょう」
香取「大淀さんは間違いなく物言いを付けてくるでしょうけど、残念ながら判定は覆らなさそうね。かなりグレーなところだから」
明石「報告ですけど、那珂ちゃんの支援者らしき人を審判員の妖精さんが見つけたそうです。あの音は金属製の水筒を床に落としたときのものだと」
香取「落としただけにしてはやけに音が大きかったけど?」
明石「まあ、実際には叩き付けたんでしょうけど……証拠がないんですよね。たまたまタイミングよく水筒を落とした、と言い張ってるみたいで」
明石「心理戦と技量で圧倒されるも、最後の最後で勝負をひっくり返しました! 勝因は他でもない、飽くなき勝利への執念でしょう!」
明石「立つことさえままならない体で、決め技は得意の空中殺法を見せてくれました! 大淀選手は事実上の王者陥落です!」
明石「軽巡級王者としての狡猾さと恐ろしさを存分に披露してはくれましたが、那珂ちゃんの捨て身の策に引っ掛かり、惜しくも敗北!」
明石「那珂ちゃんは軽巡級暫定王者に輝きました! 大番狂わせです! 那珂ちゃん、芸能界復帰へ大きな1歩を踏み出しました!」
香取「不正に近い策だったとはいえ、あそこから逆転できる精神力は大したものよ。まさに執念で勝利をもぎ取ったというべきでしょう」
香取「大淀さんは間違いなく物言いを付けてくるでしょうけど、残念ながら判定は覆らなさそうね。かなりグレーなところだから」
明石「報告ですけど、那珂ちゃんの支援者らしき人を審判員の妖精さんが見つけたそうです。あの音は金属製の水筒を床に落としたときのものだと」
香取「落としただけにしてはやけに音が大きかったけど?」
明石「まあ、実際には叩き付けたんでしょうけど……証拠がないんですよね。たまたまタイミングよく水筒を落とした、と言い張ってるみたいで」
464:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:00:37.33:Co5wNEuM0 (1/15)
香取「当然、那珂ちゃんとの繋がりがわかるものは持ってきてないでしょうしね。詳しく身元を調べれば怪しいところは出てくると思うけど」
香取「それ以前に、水筒を落とした音をゴングと聞き間違えたのは大淀さん自身なのよね。だからどっちにしろ、判定は変わらないわ」
明石「音が似てるって言っても、聞きようによってはですからね。大淀選手もあんな状況でなければ聞き間違えなかったでしょうし……」
香取「自分から警告を2回受けたのは、大淀さんにとっても賭けだったのよね。そこからは反則に対して過敏にならざるを得ないのよ」
香取「そもそも、那珂ちゃんの最後の策は成功率の高くない、信頼性に欠けるものよ。大淀さんが引っ掛かるかは運次第だったんじゃないかしら」
香取「運営の対策やファンからの期待もあって、露骨な不正ができる状況じゃなかったのよね。だからあの程度の仕掛けしか用意できなかったんだわ」
香取「運頼みに近い最後の保険と、予想もしなかった大淀さんの反則。2つの要因が重なった結果、あの逆転劇が引き起こされたんでしょう」
香取「幸運に救われたのは間違いないけど、最後に命運を分けたのは、絶対に諦めない那珂ちゃんの闘志じゃないかしら」
香取「いくら大淀さんが抗議しても、この試合の勝者は那珂ちゃんに変わりないわ。軽巡級暫定王者として、今後もUKFでは起用させていただくわね」
明石「審査員長の香取さんのお墨付きもあり、勝者は間違いなく那珂ちゃんです! 死闘を繰り広げた両選手に対し、今一度拍手をお願いします!」
香取「当然、那珂ちゃんとの繋がりがわかるものは持ってきてないでしょうしね。詳しく身元を調べれば怪しいところは出てくると思うけど」
香取「それ以前に、水筒を落とした音をゴングと聞き間違えたのは大淀さん自身なのよね。だからどっちにしろ、判定は変わらないわ」
明石「音が似てるって言っても、聞きようによってはですからね。大淀選手もあんな状況でなければ聞き間違えなかったでしょうし……」
香取「自分から警告を2回受けたのは、大淀さんにとっても賭けだったのよね。そこからは反則に対して過敏にならざるを得ないのよ」
香取「そもそも、那珂ちゃんの最後の策は成功率の高くない、信頼性に欠けるものよ。大淀さんが引っ掛かるかは運次第だったんじゃないかしら」
香取「運営の対策やファンからの期待もあって、露骨な不正ができる状況じゃなかったのよね。だからあの程度の仕掛けしか用意できなかったんだわ」
香取「運頼みに近い最後の保険と、予想もしなかった大淀さんの反則。2つの要因が重なった結果、あの逆転劇が引き起こされたんでしょう」
香取「幸運に救われたのは間違いないけど、最後に命運を分けたのは、絶対に諦めない那珂ちゃんの闘志じゃないかしら」
香取「いくら大淀さんが抗議しても、この試合の勝者は那珂ちゃんに変わりないわ。軽巡級暫定王者として、今後もUKFでは起用させていただくわね」
明石「審査員長の香取さんのお墨付きもあり、勝者は間違いなく那珂ちゃんです! 死闘を繰り広げた両選手に対し、今一度拍手をお願いします!」
465:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:01:04.33:Co5wNEuM0 (2/15)
試合後インタビュー:那珂ちゃん
―――あの逆転の直前に、不正行為と捉えられかねない部分があったとの指摘がありますが、どう受け止めていらっしゃいますか?
那珂「……那珂ちゃんの口から真実を言うことはできません。ただ、応援してくださったファンの方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
那珂「本当なら、誰も文句のないクリーンファイトで勝ちたいと思っていました。同階級なら、全力で行けば勝ち目はある、その考えが甘かったです」
那珂「大淀さんは想像以上でした。那珂ちゃんの作戦は全部見透かされていて、正面からの攻防でもまるで歯が立ちませんでした」
那珂「あそこまで勝利に徹底してるなんて……今日、那珂ちゃんが勝てたのは運が良かったからに過ぎないと思います」
那珂「しかも、あんな手段を使って……でも、あれですよね。勝ちは勝ち、ですよね?」
那珂「つまり那珂ちゃんが今の軽巡級暫定王者……ってことですよね? それでいいですよね!? 那珂ちゃんが、軽巡級最強ってことで!」
那珂「やったぁ! これから、UKFでは間違いなく使ってもらえますよね! 那珂ちゃん、トップアイドルへ返り咲きのチャンスをゲットしました!」
―――えっと、不正疑惑に対するコメントは……
那珂「ありません! もう開き直ります! 那珂ちゃん、そういう感じのキャラで売り出していきたいと思います!」
那珂「清純系腹黒アイドルって受けると思います? プロデューサーさんと相談しなくちゃ! 作る曲の方向性も変えていかないと!」
那珂「これから、忙しくなるぞ―! 那珂ちゃん、ファンのみんなのために頑張っちゃうんだから!」
試合後インタビュー:那珂ちゃん
―――あの逆転の直前に、不正行為と捉えられかねない部分があったとの指摘がありますが、どう受け止めていらっしゃいますか?
那珂「……那珂ちゃんの口から真実を言うことはできません。ただ、応援してくださったファンの方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
那珂「本当なら、誰も文句のないクリーンファイトで勝ちたいと思っていました。同階級なら、全力で行けば勝ち目はある、その考えが甘かったです」
那珂「大淀さんは想像以上でした。那珂ちゃんの作戦は全部見透かされていて、正面からの攻防でもまるで歯が立ちませんでした」
那珂「あそこまで勝利に徹底してるなんて……今日、那珂ちゃんが勝てたのは運が良かったからに過ぎないと思います」
那珂「しかも、あんな手段を使って……でも、あれですよね。勝ちは勝ち、ですよね?」
那珂「つまり那珂ちゃんが今の軽巡級暫定王者……ってことですよね? それでいいですよね!? 那珂ちゃんが、軽巡級最強ってことで!」
那珂「やったぁ! これから、UKFでは間違いなく使ってもらえますよね! 那珂ちゃん、トップアイドルへ返り咲きのチャンスをゲットしました!」
―――えっと、不正疑惑に対するコメントは……
那珂「ありません! もう開き直ります! 那珂ちゃん、そういう感じのキャラで売り出していきたいと思います!」
那珂「清純系腹黒アイドルって受けると思います? プロデューサーさんと相談しなくちゃ! 作る曲の方向性も変えていかないと!」
那珂「これから、忙しくなるぞ―! 那珂ちゃん、ファンのみんなのために頑張っちゃうんだから!」
466:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:01:35.83:Co5wNEuM0 (3/15)
試合後インタビュー:大淀
―――試合結果には納得されていますか?
大淀「していませんね。なんと言われようと、私は断固抗議します。個人で調査団を作ってでも不正を追求しますよ」
大淀「あれが那珂ちゃんの仕込みであることは間違いありませんからね。必ず証拠を掴んで、私の戦績から黒星を消させていただきます」
大淀「勝負とは、リングの上だけで行われるものではないんですよ。何なら香取さん率いる審査員団との直接対決になったって構いません」
大淀「私は論戦でも艦娘最強を自負していますからね。最終的にはUKFのルールを改変してでも、試合結果を覆してみせますよ」
大淀「マスコミを巻き込んで、那珂ちゃんにパッシングをするのもいいですね。世論を利用すれば、かなり私が有利に……」
―――失礼します、運営スタッフのものです。試合中の反則行為による罰金の徴収に参りました。
大淀「……えっ? あっ、えっと……早くないですか? こういうのって、1ヶ月くらい後に支払うものじゃ……」
―――大淀選手には本日分を除いて700万円分にも及ぶ罰金の未払いがあり、今まで支払いをはぐらかされてきました。
それらを合わせた合計900万円全てを徴収してこいと、大会運営委員長からの厳命です。今すぐ、こちらの小切手にサインをお願いします。
大淀「いや、ちょっと……無理です。900万円も口座にお金ないです……小切手にサインしても、不渡りになると思うので……」
―――その場合、駐車場に止めてある大淀選手のフェラーリを差し押さえさせていただく形になりますが、よろしいですか?
大淀「……勘弁してください。まだローンが残ってる新車ですし、もう私、外車にしか乗れないんです。安い国産車だと乗っただけで発疹が……」
―――支払えないというのなら仕方がありません。こちらには契約書もあり、法的にも問題ありません。あのフェラーリは差し押さえます。
大淀「あの、土下座するんで許してください。1週間、1週間待ってください。その間にどうにかお金を工面しますから、どうかお慈悲を……」
試合後インタビュー:大淀
―――試合結果には納得されていますか?
大淀「していませんね。なんと言われようと、私は断固抗議します。個人で調査団を作ってでも不正を追求しますよ」
大淀「あれが那珂ちゃんの仕込みであることは間違いありませんからね。必ず証拠を掴んで、私の戦績から黒星を消させていただきます」
大淀「勝負とは、リングの上だけで行われるものではないんですよ。何なら香取さん率いる審査員団との直接対決になったって構いません」
大淀「私は論戦でも艦娘最強を自負していますからね。最終的にはUKFのルールを改変してでも、試合結果を覆してみせますよ」
大淀「マスコミを巻き込んで、那珂ちゃんにパッシングをするのもいいですね。世論を利用すれば、かなり私が有利に……」
―――失礼します、運営スタッフのものです。試合中の反則行為による罰金の徴収に参りました。
大淀「……えっ? あっ、えっと……早くないですか? こういうのって、1ヶ月くらい後に支払うものじゃ……」
―――大淀選手には本日分を除いて700万円分にも及ぶ罰金の未払いがあり、今まで支払いをはぐらかされてきました。
それらを合わせた合計900万円全てを徴収してこいと、大会運営委員長からの厳命です。今すぐ、こちらの小切手にサインをお願いします。
大淀「いや、ちょっと……無理です。900万円も口座にお金ないです……小切手にサインしても、不渡りになると思うので……」
―――その場合、駐車場に止めてある大淀選手のフェラーリを差し押さえさせていただく形になりますが、よろしいですか?
大淀「……勘弁してください。まだローンが残ってる新車ですし、もう私、外車にしか乗れないんです。安い国産車だと乗っただけで発疹が……」
―――支払えないというのなら仕方がありません。こちらには契約書もあり、法的にも問題ありません。あのフェラーリは差し押さえます。
大淀「あの、土下座するんで許してください。1週間、1週間待ってください。その間にどうにかお金を工面しますから、どうかお慈悲を……」
467:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:02:10.07:Co5wNEuM0 (4/15)
明石「……香取さん。大変なことになりました」
香取「なに? 大淀さんが罰金を払えなくて、押し込み強盗でも働いたの?」
明石「そんな微笑ましい話題じゃないんです……長門選手が2回戦進出を辞退しました」
香取「……なんですって?」
明石「試合結果が不服だそうです。あれが自分の勝利だとは絶対に認めないと……」
香取「羽黒さんは試合を放棄したのよ。内容がどうあれ、判定は長門さんの勝利で間違いはないはずよ」
明石「ルールは関係ない、とのことです。判定で勝利が認められたとしても、2回戦への出場は断固拒否するとの意志を表明されています」
香取「……説得は無理そう?」
明石「無理でした。陸奥選手や、武蔵選手にまで来てもらって説得したんですが……長門さんの意志は固いです」
明石「この大会で、もう長門さんはリングへは上がりません。無理やり上げさせようとするなら、引退も辞さないとまで発言されています」
明石「……香取さん。大変なことになりました」
香取「なに? 大淀さんが罰金を払えなくて、押し込み強盗でも働いたの?」
明石「そんな微笑ましい話題じゃないんです……長門選手が2回戦進出を辞退しました」
香取「……なんですって?」
明石「試合結果が不服だそうです。あれが自分の勝利だとは絶対に認めないと……」
香取「羽黒さんは試合を放棄したのよ。内容がどうあれ、判定は長門さんの勝利で間違いはないはずよ」
明石「ルールは関係ない、とのことです。判定で勝利が認められたとしても、2回戦への出場は断固拒否するとの意志を表明されています」
香取「……説得は無理そう?」
明石「無理でした。陸奥選手や、武蔵選手にまで来てもらって説得したんですが……長門さんの意志は固いです」
明石「この大会で、もう長門さんはリングへは上がりません。無理やり上げさせようとするなら、引退も辞さないとまで発言されています」
468:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:02:42.70:Co5wNEuM0 (5/15)
香取「そう……仕方がないわね。何となく、こうなる気がしてたわ。絶対王者と呼ばれる身として、譲れないプライドがあるんでしょう」
香取「でも、困ったわ。リザーバーなんて用意してないわよ。繰り上げで羽黒さんを2回戦進出にするのは……できないでしょうね」
明石「ええ、無理です。羽黒選手にも交渉しましたが、こちらも断固拒否されました。2度とリングには上がりたくないそうです」
明石「運営側で協議した結果、エキシビジョンマッチの候補者の中から、適格者を代理出場させようという決定があったんですけど……」
香取「適格者ね……一番その資格があるのは、前回準優勝の武蔵さんだけど、彼女は出ないでしょう?」
明石「はい。真っ先に交渉しましたが、断られました。武蔵選手の目的は扶桑選手を優勝させることですから、自分が出場しては目的がブレると……」
香取「じゃあ、妙高さんは? 羽黒さんの代理っていうことで筋は通らなくもないでしょう」
明石「そちらにも断られてしまいました。そもそも、エキシビジョンマッチに出る事自体、渋っていた方ですから……」
香取「……それじゃあ、もう適格者なんていなくない? 鳳翔さんは絶対に出ないでしょうし、他に候補なんて……」
香取「そう……仕方がないわね。何となく、こうなる気がしてたわ。絶対王者と呼ばれる身として、譲れないプライドがあるんでしょう」
香取「でも、困ったわ。リザーバーなんて用意してないわよ。繰り上げで羽黒さんを2回戦進出にするのは……できないでしょうね」
明石「ええ、無理です。羽黒選手にも交渉しましたが、こちらも断固拒否されました。2度とリングには上がりたくないそうです」
明石「運営側で協議した結果、エキシビジョンマッチの候補者の中から、適格者を代理出場させようという決定があったんですけど……」
香取「適格者ね……一番その資格があるのは、前回準優勝の武蔵さんだけど、彼女は出ないでしょう?」
明石「はい。真っ先に交渉しましたが、断られました。武蔵選手の目的は扶桑選手を優勝させることですから、自分が出場しては目的がブレると……」
香取「じゃあ、妙高さんは? 羽黒さんの代理っていうことで筋は通らなくもないでしょう」
明石「そちらにも断られてしまいました。そもそも、エキシビジョンマッチに出る事自体、渋っていた方ですから……」
香取「……それじゃあ、もう適格者なんていなくない? 鳳翔さんは絶対に出ないでしょうし、他に候補なんて……」
469:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:03:19.25:Co5wNEuM0 (6/15)
明石「いるじゃないですか、もう1人……戦績は少ないにしても、誰も疑わない実力を持つ、戦艦級のトップファイターが」
香取「……誰?」
明石「もう気付いてるんじゃないですか? 前大会では脅威的な強さで3回戦出場を果たし、今なおカルト的人気を誇る、彼女ですよ」
香取「まさかとは思うけど……彼女を本戦に参加させるなんて、正気?」
明石「運営側は既にゴーサインを出しました。後は審査員長である香取さんの承諾があれば、彼女が2回戦よりリザーバーとして出場します」
香取「……本気なの? 彼女が前大会でどれだけのことをしたのか、運営は忘れているわけじゃないでしょう?」
明石「放送コードギリギリになるのは覚悟の上だそうです。長門選手の代役なら、これくらい話題性のある選手でないと務まらないとの判断です」
明石「私もあまり気は進みませんが……判断は香取さんにお任せします」
香取「……大会の成功を考えれば、生半可な選手は出せない。その点では、確かに彼女以上の適格者はいないかもしれないわ」
香取「いいでしょう。手続きはしておくから、すぐに発表の準備に取り掛かってちょうだい」
明石「いるじゃないですか、もう1人……戦績は少ないにしても、誰も疑わない実力を持つ、戦艦級のトップファイターが」
香取「……誰?」
明石「もう気付いてるんじゃないですか? 前大会では脅威的な強さで3回戦出場を果たし、今なおカルト的人気を誇る、彼女ですよ」
香取「まさかとは思うけど……彼女を本戦に参加させるなんて、正気?」
明石「運営側は既にゴーサインを出しました。後は審査員長である香取さんの承諾があれば、彼女が2回戦よりリザーバーとして出場します」
香取「……本気なの? 彼女が前大会でどれだけのことをしたのか、運営は忘れているわけじゃないでしょう?」
明石「放送コードギリギリになるのは覚悟の上だそうです。長門選手の代役なら、これくらい話題性のある選手でないと務まらないとの判断です」
明石「私もあまり気は進みませんが……判断は香取さんにお任せします」
香取「……大会の成功を考えれば、生半可な選手は出せない。その点では、確かに彼女以上の適格者はいないかもしれないわ」
香取「いいでしょう。手続きはしておくから、すぐに発表の準備に取り掛かってちょうだい」
470:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:03:50.28:Co5wNEuM0 (7/15)
※重大発表の準備中。しばらくお待ち下さい。
※重大発表の準備中。しばらくお待ち下さい。
471:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 00:05:36.62:kkBWzMBAo (1/3)
オラ、ワクワクしてきたぞ
オラ、ワクワクしてきたぞ
472:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 00:15:48.63:fYiHL7r6o (1/1)
誰が出るのか分かっててもドキドキするわ
誰が出るのか分かっててもドキドキするわ
473:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:26:54.25:Co5wNEuM0 (8/15)
明石「えー皆様、お疲れ様でした! これをもって、本日の日程は終了となります!」
明石「エキシビションマッチのリクエストは、後ほど改めてアンケートフォームをご用意します! そちらに投票をお願いします!」
明石「前回のアンケートで入った票数は無効になるわけではなく、両方を加味した選出になるかと思われます! ご了承ください!」
香取「それでは、さようなら……と行きたいところだけれど、運営側から重要な発表があるのよね」
明石「……はい。本日のBブロック1回戦、第4試合の勝者は長門選手となっております。この判定には変わりありません」
明石「しかし……勝負としては敗北していたというのが長門選手の意見です! 敗北した自分が、2回戦に進出するわけにはいかないと!」
明石「これは長門選手自身の強い希望によるものです! よって……長門選手は1回戦勝ち抜きとなりますが、2回戦には進出しません!」
明石「となると、Bブロックの最終枠に空きが生じる形になり、急遽、エキシビションマッチ候補者の中からリザーバーを選出することになりました!」
明石「最も妥当と思われた武蔵選手、妙高選手は出場を固辞しました! しかし、UKFには最終兵器とも言える選手を1人、保有しております!」
明石「発表します! Bブロック2回戦、最終枠のリザーバーとして……”ベルリンの人喰い鬼”ビスマルク選手の出場が決定しました!」
明石「ビスマルク選手は事実上のシード出場となりますが、前大会の戦績を踏まえ、それだけの実力は備わっているものと判断されました!」
明石「これは決定事項です! よって、2回戦の対戦カードは以下の通りとなります!」
明石「えー皆様、お疲れ様でした! これをもって、本日の日程は終了となります!」
明石「エキシビションマッチのリクエストは、後ほど改めてアンケートフォームをご用意します! そちらに投票をお願いします!」
明石「前回のアンケートで入った票数は無効になるわけではなく、両方を加味した選出になるかと思われます! ご了承ください!」
香取「それでは、さようなら……と行きたいところだけれど、運営側から重要な発表があるのよね」
明石「……はい。本日のBブロック1回戦、第4試合の勝者は長門選手となっております。この判定には変わりありません」
明石「しかし……勝負としては敗北していたというのが長門選手の意見です! 敗北した自分が、2回戦に進出するわけにはいかないと!」
明石「これは長門選手自身の強い希望によるものです! よって……長門選手は1回戦勝ち抜きとなりますが、2回戦には進出しません!」
明石「となると、Bブロックの最終枠に空きが生じる形になり、急遽、エキシビションマッチ候補者の中からリザーバーを選出することになりました!」
明石「最も妥当と思われた武蔵選手、妙高選手は出場を固辞しました! しかし、UKFには最終兵器とも言える選手を1人、保有しております!」
明石「発表します! Bブロック2回戦、最終枠のリザーバーとして……”ベルリンの人喰い鬼”ビスマルク選手の出場が決定しました!」
明石「ビスマルク選手は事実上のシード出場となりますが、前大会の戦績を踏まえ、それだけの実力は備わっているものと判断されました!」
明石「これは決定事項です! よって、2回戦の対戦カードは以下の通りとなります!」
474:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:27:55.05:Co5wNEuM0 (9/15)
Aブロック
戦艦級 ”不沈艦” 扶桑 VS 正規空母級 ”緋色の暴君” 赤城
戦艦級 ”黒鉄の踊り子” 戦艦棲姫 VS 正規空母級 ”キリング・ドール” グラーフ・ツェッペリン
Bブロック
戦艦級 ”殺人聖女” 榛名 VS 軽空母級 ”酔雷の華拳” 隼鷹
駆逐艦級 ”氷の万華鏡” 吹雪 VS 戦艦級 ”ベルリンの人喰い鬼” ビスマルク
エキシビションマッチ2戦目(ファイトマネー3000万円)
出場者未定
Aブロック
戦艦級 ”不沈艦” 扶桑 VS 正規空母級 ”緋色の暴君” 赤城
戦艦級 ”黒鉄の踊り子” 戦艦棲姫 VS 正規空母級 ”キリング・ドール” グラーフ・ツェッペリン
Bブロック
戦艦級 ”殺人聖女” 榛名 VS 軽空母級 ”酔雷の華拳” 隼鷹
駆逐艦級 ”氷の万華鏡” 吹雪 VS 戦艦級 ”ベルリンの人喰い鬼” ビスマルク
エキシビションマッチ2戦目(ファイトマネー3000万円)
出場者未定
475:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:28:46.89:Co5wNEuM0 (10/15)
明石「以上がリザーバー出場を踏まえた2回戦の対戦カードとなります! あらためてご確認ください!」
香取「吹雪さんが割りを食った……ってわけでもないかもね。長門さんか、羽黒さんか、ビスマルクさんのどれかって言われたら、全部嫌だもの」
香取「しかし、えらいことになったわ。これで怪物クラスの海外艦が3人も出場することになってしまったわ」
明石「ええ、なんでこんなことになってるのか……決勝が海外艦同士、というのは何としても避けたいところではあります」
香取「まったくね……UKFファイターたちの実力を信じましょう。長門さんが消えた今、誰が勝って誰が落ちるか、完全に予測不能になったわ」
香取「ここから先は超一級の選手しかいない。壮絶な戦いになるでしょうね」
明石「さて……では、これにて運営からの発表を終えたいと思います! お付き合い、ありがとうございました!」
明石「次回放送日は追って告知させていただきます! 今度は延期がないよう、しっかりハッパをかけておきますので」
香取「お願いね。それじゃ、今日はこのへんで……また次回お会いしましょう」
明石「はい、また次回に! 2回戦放送日にお会いしましょう! さようなら!」
明石「以上がリザーバー出場を踏まえた2回戦の対戦カードとなります! あらためてご確認ください!」
香取「吹雪さんが割りを食った……ってわけでもないかもね。長門さんか、羽黒さんか、ビスマルクさんのどれかって言われたら、全部嫌だもの」
香取「しかし、えらいことになったわ。これで怪物クラスの海外艦が3人も出場することになってしまったわ」
明石「ええ、なんでこんなことになってるのか……決勝が海外艦同士、というのは何としても避けたいところではあります」
香取「まったくね……UKFファイターたちの実力を信じましょう。長門さんが消えた今、誰が勝って誰が落ちるか、完全に予測不能になったわ」
香取「ここから先は超一級の選手しかいない。壮絶な戦いになるでしょうね」
明石「さて……では、これにて運営からの発表を終えたいと思います! お付き合い、ありがとうございました!」
明石「次回放送日は追って告知させていただきます! 今度は延期がないよう、しっかりハッパをかけておきますので」
香取「お願いね。それじゃ、今日はこのへんで……また次回お会いしましょう」
明石「はい、また次回に! 2回戦放送日にお会いしましょう! さようなら!」
476:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:29:13.25:Co5wNEuM0 (11/15)
―――『4人』の怪物が勝ち上がった2回戦。長門が消えた今、この怪物たちの暴虐を止められる者は現れるのか。
―――次回放送日、現在調整中。
―――『4人』の怪物が勝ち上がった2回戦。長門が消えた今、この怪物たちの暴虐を止められる者は現れるのか。
―――次回放送日、現在調整中。
477:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 00:34:28.32:SHYTVAr80 (1/1)
乙。海外艦強すぎる。羽黒怖すぎる。
乙。海外艦強すぎる。羽黒怖すぎる。
478:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:36:20.41:Co5wNEuM0 (12/15)
479:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 00:37:07.70:3qH2pH2f0 (1/1)
乙
羽黒の前作を台無しにする感は波旬を思い出した。
そして大淀はまた勝てないのね。
乙
羽黒の前作を台無しにする感は波旬を思い出した。
そして大淀はまた勝てないのね。
480:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:38:31.79:Co5wNEuM0 (13/15)
ちょっと操作をミスりました。
アンケートフォームをご用意しました。リクエストはこちらからお願いします。アンケートにもご協力ください。
https://docs.google.com/forms/d/14NcVM0nud_QF89S-9AdDpga-g0VVkBNBWr-OwUkkdc0/viewform
※長門、羽黒はエキシビション候補者の条件から外れるため、候補には含まれていません。
どのみち、羽黒は二度と出場してくれません。
ちょっと操作をミスりました。
アンケートフォームをご用意しました。リクエストはこちらからお願いします。アンケートにもご協力ください。
https://docs.google.com/forms/d/14NcVM0nud_QF89S-9AdDpga-g0VVkBNBWr-OwUkkdc0/viewform
※長門、羽黒はエキシビション候補者の条件から外れるため、候補には含まれていません。
どのみち、羽黒は二度と出場してくれません。
481:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 00:46:34.84:Co5wNEuM0 (14/15)
ところでエキシビションマッチのルールの補足を忘れていました。
エキシビションマッチは1戦ごとにファイトマネーが増額されます。
1戦目は2000万円、2戦目は3000万円、3戦目は5000万円です。
票数の多い大物選手はより後半に登場するものとご理解ください。
ところでエキシビションマッチのルールの補足を忘れていました。
エキシビションマッチは1戦ごとにファイトマネーが増額されます。
1戦目は2000万円、2戦目は3000万円、3戦目は5000万円です。
票数の多い大物選手はより後半に登場するものとご理解ください。
482:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 01:00:42.87:GqopOSjiO (1/1)
乙。
多分もう出番無いでしょうが純粋な戦闘能力最強はやっぱ羽黒なんですかね?
長門が手も足も出ないレベルとなると相性があってもどうにもならなそうだし
乙。
多分もう出番無いでしょうが純粋な戦闘能力最強はやっぱ羽黒なんですかね?
長門が手も足も出ないレベルとなると相性があってもどうにもならなそうだし
483:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 01:03:48.80:/G3CldAbo (1/1)
乙です
乙です
484:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 01:46:52.05:F9ZpajHFo (1/1)
実行委員長の伊勢型はやっぱりこういう扱いか(諦め)
羽黒は問答無用で一つのカードを潰すジョーカー枠だったのかなぁ
羽黒vs長門とエキシビションマッチが印象的過ぎて、真っ当な好勝負をしていた榛名や吹雪の戦いが霞んでしまった
実行委員長の伊勢型はやっぱりこういう扱いか(諦め)
羽黒は問答無用で一つのカードを潰すジョーカー枠だったのかなぁ
羽黒vs長門とエキシビションマッチが印象的過ぎて、真っ当な好勝負をしていた榛名や吹雪の戦いが霞んでしまった
485:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 01:56:46.35:9/UyQJKJO (1/1)
羽黒にゴキブリを見る目で見てもらえるなんてご褒美すぎる
羽黒にゴキブリを見る目で見てもらえるなんてご褒美すぎる
486:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/03(日) 02:01:51.99:Co5wNEuM0 (15/15)
>>482
純粋な戦闘能力だけなら、羽黒は最強です。武器ありの鳳翔さんでさえ戦いたがらないレベルです。
ただしほとんどの相手に勝つことができません。羽黒は非常に複雑な精神構造を持っており、弱った相手にトドメをさせないからです。
>>482
純粋な戦闘能力だけなら、羽黒は最強です。武器ありの鳳翔さんでさえ戦いたがらないレベルです。
ただしほとんどの相手に勝つことができません。羽黒は非常に複雑な精神構造を持っており、弱った相手にトドメをさせないからです。
487:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 02:34:16.53:PodQyHFS0 (1/1)
乙です
長門というか羽黒戦がこうなるとは予想外だったぜ
乙です
長門というか羽黒戦がこうなるとは予想外だったぜ
488:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 11:24:03.91:kkBWzMBAo (2/3)
少年漫画なら数年後の再会で闇オチして最強の敵になってるパターンだな、羽黒
少年漫画なら数年後の再会で闇オチして最強の敵になってるパターンだな、羽黒
489:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 13:56:48.95:rdGvUFGxo (1/1)
吹雪ちゃんのストリップショー特等席のチケットはおいくらですか!絶対観たいです。
それにしてもやはり羽黒はおっかねえなあ・・・まさか長門が・・・負けるとこなんか全然想像できなかったのに
マジびっくらこいた
そしてビスマルク復活!グラ子との俺の嫁艦対決が観たいが組み合わせ的に厳しいか
あと運営と香取さんと明石は大淀に何か恨みでもあるのかww扱いとコメントが毎度ヒドイ(イイゾもっとヤレ
最近では大淀さんを観にきてるとも言えなくもないです
吹雪ちゃんのストリップショー特等席のチケットはおいくらですか!絶対観たいです。
それにしてもやはり羽黒はおっかねえなあ・・・まさか長門が・・・負けるとこなんか全然想像できなかったのに
マジびっくらこいた
そしてビスマルク復活!グラ子との俺の嫁艦対決が観たいが組み合わせ的に厳しいか
あと運営と香取さんと明石は大淀に何か恨みでもあるのかww扱いとコメントが毎度ヒドイ(イイゾもっとヤレ
最近では大淀さんを観にきてるとも言えなくもないです
490:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 14:54:06.46:Beq5fWaI0 (1/1)
ビスマルクって提督LOVE勢みたいだし……ヒールファイト封印させて飼い主になれる「提督」を当ててやれば使い勝手も良さそうなのに……
ビスマルクって提督LOVE勢みたいだし……ヒールファイト封印させて飼い主になれる「提督」を当ててやれば使い勝手も良さそうなのに……
491:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 14:56:44.60:kkBWzMBAo (3/3)
特定の提督じゃないと駄目なんじゃないかな、彼女の場合
そんな気がする
特定の提督じゃないと駄目なんじゃないかな、彼女の場合
そんな気がする
492:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 15:16:14.52:CiCIzGJl0 (1/2)
大淀さんは本当に負けの演出に優れたファイターだなぁww(褒め言葉
大淀さんは本当に負けの演出に優れたファイターだなぁww(褒め言葉
493:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 20:57:25.38:1kB2N3pd0 (1/1)
乙ー
羽黒は異次元の強さだけど相手の耐久が高いとギブアップするから優勝が最も難しい艦娘だったのかな
乙ー
羽黒は異次元の強さだけど相手の耐久が高いとギブアップするから優勝が最も難しい艦娘だったのかな
494:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/03(日) 23:11:05.15:CiCIzGJl0 (2/2)
耐久というより精神力じゃないかなぁ
吹雪や赤城、翔鶴なら戦闘意欲切らさずに羽黒が棄権したうえで先に進みそうだけど
古鷹、隼鷹、大淀辺りが初見で当たった場合、羽黒の技量を素直に認めてギブアップしそう
耐久というより精神力じゃないかなぁ
吹雪や赤城、翔鶴なら戦闘意欲切らさずに羽黒が棄権したうえで先に進みそうだけど
古鷹、隼鷹、大淀辺りが初見で当たった場合、羽黒の技量を素直に認めてギブアップしそう
495:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 03:37:24.52:Vu0xCdagO (1/2)
羽黒が勝つためにはワンパンKOか相手のギブアップしかなかったてことだな
羽黒が勝つためにはワンパンKOか相手のギブアップしかなかったてことだな
496:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 08:12:20.70:mr5XSZcfo (1/1)
別格の強さでも相手を斃すって気概も覚悟もないってことか
つーかただ強さだけをふるうってある意味暴君だよなあ
対戦相手への敬意もへったくれもないだろうし
格闘家ってより殺戮者か暗殺者向きやもしれん
別格の強さでも相手を斃すって気概も覚悟もないってことか
つーかただ強さだけをふるうってある意味暴君だよなあ
対戦相手への敬意もへったくれもないだろうし
格闘家ってより殺戮者か暗殺者向きやもしれん
497:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 12:32:23.97:Vu0xCdagO (2/2)
>>496
それすら嫌がるから向いてないのでは
>>496
それすら嫌がるから向いてないのでは
498:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 12:54:12.52:38HKdNEDO (1/1)
そういや前に運営が前に最悪の組み合わせがあるって言ってたが……片方は羽黒でもう片方が大淀とかなんかね……
羽黒の場合、初手さえ凌げれば攻めるふりをするだけで判定勝ちに持ち込めるもの。プライドのない奴ほど有利になるよね
そういや前に運営が前に最悪の組み合わせがあるって言ってたが……片方は羽黒でもう片方が大淀とかなんかね……
羽黒の場合、初手さえ凌げれば攻めるふりをするだけで判定勝ちに持ち込めるもの。プライドのない奴ほど有利になるよね
499:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 19:16:25.03:rmAXOeVr0 (1/1)
>>498
どう見ても大淀とグラーフのことでしょ
>>276でどれくらい詰んでるかを物凄い解り易く説明してる
>>498
どう見ても大淀とグラーフのことでしょ
>>276でどれくらい詰んでるかを物凄い解り易く説明してる
500:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/04(月) 20:03:59.68:9371c3uU0 (1/1)
大淀VSグラーフが決まったときも最悪だと思いましたが、当初に想定していた最悪の組み合わせは、グラーフVS羽黒でした。
勝敗がどうなるかは何とも言えませんが、あの2人が戦うと、お互いがお互いの特性を打ち消し合って訳の分からない試合内容になります。
正直、羽黒VS長門も想定された中では3番目くらいに避けたい組み合わせでしたが、確率的に有り得ないはずだったので無警戒でした。
大淀VSグラーフが決まったときも最悪だと思いましたが、当初に想定していた最悪の組み合わせは、グラーフVS羽黒でした。
勝敗がどうなるかは何とも言えませんが、あの2人が戦うと、お互いがお互いの特性を打ち消し合って訳の分からない試合内容になります。
正直、羽黒VS長門も想定された中では3番目くらいに避けたい組み合わせでしたが、確率的に有り得ないはずだったので無警戒でした。
501:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 20:13:40.26:9W0NxlXxO (1/1)
次の組み合わせがなんというか吹雪が色々かわいそうですね…
相手がビス子ってだけでも相当キツい上に勝てても「ビス子より格上の長門・羽黒が相手だったら負けてた」とか言われそう
でも羽黒に手も足も出ずフルボッコにされた上ゴキブリを見るような目で見下ろされた挙句棄権されて心身共に打ちのめされる吹雪ちゃんも見たかったですね(ゲス顔)
次の組み合わせがなんというか吹雪が色々かわいそうですね…
相手がビス子ってだけでも相当キツい上に勝てても「ビス子より格上の長門・羽黒が相手だったら負けてた」とか言われそう
でも羽黒に手も足も出ずフルボッコにされた上ゴキブリを見るような目で見下ろされた挙句棄権されて心身共に打ちのめされる吹雪ちゃんも見たかったですね(ゲス顔)
502:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 21:24:00.46:zza0rxx5o (1/1)
大淀いいなぁw
期待してたのとは違う結果に終わったけど、これはこれで好きになるわw
大淀いいなぁw
期待してたのとは違う結果に終わったけど、これはこれで好きになるわw
503:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 21:41:34.79:lWdqZPCKO (1/1)
グラvs羽黒の試合はどんなもんになってたんだろうなぁ
無感情に攻めにくるグラを一刻も早く戦闘不能にさせたい羽黒の泥試合か
もしくは中盤くらいで『攻めても無駄』と判断したグラがフリーズ→攻めに行かない羽黒でどちらも反則負け
後者だったらギャグにしかならないな
グラvs羽黒の試合はどんなもんになってたんだろうなぁ
無感情に攻めにくるグラを一刻も早く戦闘不能にさせたい羽黒の泥試合か
もしくは中盤くらいで『攻めても無駄』と判断したグラがフリーズ→攻めに行かない羽黒でどちらも反則負け
後者だったらギャグにしかならないな
504:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/04(月) 23:30:03.21:H1M8WfVC0 (1/1)
吹雪食われちゃうんか
吹雪食われちゃうんか
505:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/05(火) 10:11:00.88:HV5ktB4U0 (1/1)
次回の放送予定日が決まりました。
7/23(土)22:00~
今度こそ延期がないよう頑張ります。
エキシビションマッチ2戦目に出場する選手はまだ検討中ですが、これが決まると3戦目の出場者も同時に確定する形になります。
なので2戦目の選手が決まった時点で、リクエスト投票は締め切りとさせていただきます。
本戦の2回戦は全部が超一流同士の激闘なので、それに見劣りしないEVマッチにするため、選考がかなり難航しています。
票数にも大差がないので本当に悩んでいます。どうしよう、鳳翔さんの出番はまだ早いような気がするし……
次回の放送予定日が決まりました。
7/23(土)22:00~
今度こそ延期がないよう頑張ります。
エキシビションマッチ2戦目に出場する選手はまだ検討中ですが、これが決まると3戦目の出場者も同時に確定する形になります。
なので2戦目の選手が決まった時点で、リクエスト投票は締め切りとさせていただきます。
本戦の2回戦は全部が超一流同士の激闘なので、それに見劣りしないEVマッチにするため、選考がかなり難航しています。
票数にも大差がないので本当に悩んでいます。どうしよう、鳳翔さんの出番はまだ早いような気がするし……
506:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/05(火) 22:43:02.97:nX20ez1xo (1/1)
期待して待ってるが、身体壊さない程度に頑張ってくれ
期待して待ってるが、身体壊さない程度に頑張ってくれ
507:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 08:39:35.15:NnzhHU+W0 (1/1)
羽黒の登場は正直、読み物として冷めるなぁ…
もうこれ誰が優勝してもゴミで
この後に戦艦棲姫とグラーフが暴れてもただのギャグじゃんか
羽黒の登場は正直、読み物として冷めるなぁ…
もうこれ誰が優勝してもゴミで
この後に戦艦棲姫とグラーフが暴れてもただのギャグじゃんか
508:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 16:48:13.49:nkBz4KSu0 (1/1)
羽黒は冷めるどころか一向にかまわないんだけど最強クラスのキャラが2人同時に今大会中もう闘わないのは確かにもったいないな
そう言う役目はエキシビションの鳳翔さんが一手に担いそうな気もするけど雪辱が晴らせなくなった扶桑が不憫すぎる…
羽黒は冷めるどころか一向にかまわないんだけど最強クラスのキャラが2人同時に今大会中もう闘わないのは確かにもったいないな
そう言う役目はエキシビションの鳳翔さんが一手に担いそうな気もするけど雪辱が晴らせなくなった扶桑が不憫すぎる…
509:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/06(水) 18:00:27.71:4rMRzUAL0 (1/1)
7/9(土)22:00より緊急放送
放送内容
・2回戦出場者特別インタビュー「長門不在のグランプリを良しとするか否か?」
・ドリームマッチ開催の告知
※インタビュー、及び告知のみの放送になります。試合は行われません。
7/9(土)22:00より緊急放送
放送内容
・2回戦出場者特別インタビュー「長門不在のグランプリを良しとするか否か?」
・ドリームマッチ開催の告知
※インタビュー、及び告知のみの放送になります。試合は行われません。
510:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 21:50:12.15:iIH+RPpqo (1/1)
とりあえず前スレがHTMLされて無いのが問題だと思
とりあえず前スレがHTMLされて無いのが問題だと思
511:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 22:17:42.44:E1dRAOfB0 (1/1)
足柄さんの立ち位置から考えるに羽黒の設定とかは
前大会含め最初から考えられてたっぽいし
長門、羽黒ともにキャラにすごい魅力があって
1回戦で当たったらこれ以外の結末にはなりえないからすごい納得してるけどな
引退とかが明言されて彼女たちの戦いがこれで終わりってことならすごいもの足りない感が残るだろうけど
この大会が終わっても(作品として表に出るかは別にして)まだ先がありそうで
それを想像しつつ楽しめるからこの展開でもアリだと思う
足柄さんの立ち位置から考えるに羽黒の設定とかは
前大会含め最初から考えられてたっぽいし
長門、羽黒ともにキャラにすごい魅力があって
1回戦で当たったらこれ以外の結末にはなりえないからすごい納得してるけどな
引退とかが明言されて彼女たちの戦いがこれで終わりってことならすごいもの足りない感が残るだろうけど
この大会が終わっても(作品として表に出るかは別にして)まだ先がありそうで
それを想像しつつ楽しめるからこの展開でもアリだと思う
512:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 22:24:15.79:62no067t0 (1/1)
いろいろ言いたい事はあるが、俺は>>1を……!運営を信じるぜ……!穴埋めとして謎の仮面の闘士ビックセブンとか出てきたら草を生やしてやる……っ!
いろいろ言いたい事はあるが、俺は>>1を……!運営を信じるぜ……!穴埋めとして謎の仮面の闘士ビックセブンとか出てきたら草を生やしてやる……っ!
513:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 22:34:57.72:epZScFago (1/1)
キックしようとして途中で止めて、
「おっと、ビッグセブン意外と気が弱い」と明石さんに言われるのか
キックしようとして途中で止めて、
「おっと、ビッグセブン意外と気が弱い」と明石さんに言われるのか
514:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/06(水) 23:01:29.03:B527xPgBO (1/1)
なんか一試合目でみんなに正体バレるけど最後まで扶桑だけ気づかなそうだな……www
>>ながもんマスク
なんか一試合目でみんなに正体バレるけど最後まで扶桑だけ気づかなそうだな……www
>>ながもんマスク
515:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 00:52:27.93:djj4eR8A0 (1/14)
>>509
放送内容に記入漏れがありました。
・第3回UKF無差別級グランプリにおけるルール変更の説明(試合の内容、進行に影響はない)
>>509
放送内容に記入漏れがありました。
・第3回UKF無差別級グランプリにおけるルール変更の説明(試合の内容、進行に影響はない)
516:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:00:24.44:djj4eR8A0 (2/14)
第3回UKF無差別級グランプリ緊急放送
2回戦進出選手への特別インタビュー
①長門VS羽黒の試合内容に対するコメント
②長門不在のグランプリを良しとするか否か?
第3回UKF無差別級グランプリ緊急放送
2回戦進出選手への特別インタビュー
①長門VS羽黒の試合内容に対するコメント
②長門不在のグランプリを良しとするか否か?
517:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:00:56.20:djj4eR8A0 (3/14)
特別インタビュー:扶桑
①
扶桑「……ただ戦慄しました。羽黒さんもですけど……長門さんに対してもです。あのとき、長門さんは最後まで立とうとしていました」
扶桑「以前に、長門さんの攻略法を改めて武蔵さんと検討したことがあって、その中に長門さんを精神的に崩すという案があったんです」
扶桑「やっぱり長門さんの一番凄いところは精神面だと思いますから……あの試合で、その凄さを更に思い知らされました」
扶桑「羽黒さんは恐ろしい人です。どうやっても勝てる手段が思い浮かばない……そんなことを考えること自体、時間の無駄のように思えるほどです」
扶桑「それ程に桁違いの相手に、長門さんは最後まで戦い抜いたんです。勝算なんて全くない状況まで追い込まれても、長門さんは諦めませんでした」
扶桑「序盤に動揺こそあったものの、それからは常に勝つための最善手を冷静に探ろうとしていました。生半な精神力ではできることではありません」
扶桑「長門さんを精神的に崩す、という案は放棄しなければいけませんね。仕方ありません、他にも策は考えてありますから」
②
扶桑「……良しとしてしまいたい気持ちが私の中にあるのは確かです。長門さんがいなければ、優勝できる確率はグッと高まりますから」
扶桑「でも、そんな形で最強の座に着いても、きっと後から迷いが出てくるんでしょうね。やっぱり、長門さんと戦うべきだったんじゃないかって」
扶桑「武蔵さんはとにかく目の前の試合に集中すべきだってアドバイスをしてくれていますけど、どうしてもその点ははっきりさせておきたいんです」
扶桑「長門さんと戦わないまま、優勝することになっても私は嬉しくありません。どういう形でも構わないので、本戦への長門さんの参入を望みます」
扶桑「ずっと準備してきたんです。どうか、もう1度長門さんと戦うチャンスをください。そうでないと、納得がいきません」
特別インタビュー:扶桑
①
扶桑「……ただ戦慄しました。羽黒さんもですけど……長門さんに対してもです。あのとき、長門さんは最後まで立とうとしていました」
扶桑「以前に、長門さんの攻略法を改めて武蔵さんと検討したことがあって、その中に長門さんを精神的に崩すという案があったんです」
扶桑「やっぱり長門さんの一番凄いところは精神面だと思いますから……あの試合で、その凄さを更に思い知らされました」
扶桑「羽黒さんは恐ろしい人です。どうやっても勝てる手段が思い浮かばない……そんなことを考えること自体、時間の無駄のように思えるほどです」
扶桑「それ程に桁違いの相手に、長門さんは最後まで戦い抜いたんです。勝算なんて全くない状況まで追い込まれても、長門さんは諦めませんでした」
扶桑「序盤に動揺こそあったものの、それからは常に勝つための最善手を冷静に探ろうとしていました。生半な精神力ではできることではありません」
扶桑「長門さんを精神的に崩す、という案は放棄しなければいけませんね。仕方ありません、他にも策は考えてありますから」
②
扶桑「……良しとしてしまいたい気持ちが私の中にあるのは確かです。長門さんがいなければ、優勝できる確率はグッと高まりますから」
扶桑「でも、そんな形で最強の座に着いても、きっと後から迷いが出てくるんでしょうね。やっぱり、長門さんと戦うべきだったんじゃないかって」
扶桑「武蔵さんはとにかく目の前の試合に集中すべきだってアドバイスをしてくれていますけど、どうしてもその点ははっきりさせておきたいんです」
扶桑「長門さんと戦わないまま、優勝することになっても私は嬉しくありません。どういう形でも構わないので、本戦への長門さんの参入を望みます」
扶桑「ずっと準備してきたんです。どうか、もう1度長門さんと戦うチャンスをください。そうでないと、納得がいきません」
518:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:06:50.66:djj4eR8A0 (4/14)
特別インタビュー:赤城
①
赤城「……あまりコメントしたくありません。強いて言えば……羽黒さんは2度とリングに上ってほしくありませんね」
赤城「ええ、私は勝てないでしょう。でも、それが理由ではありません。勝負に絶対はないんですから、戦うことになれば、私は勝つために戦います」
赤城「そして戦って、私が負けたとします。負けること自体も許しがたいことですが、一旦それは置いておきましょう、問題は、相手の態度です」
赤城「何ですかね、あの態度。いえ、彼女の存在そのものがファイターへの侮辱です。戦い方も、戦いへの姿勢も、私たちを馬鹿にしています」
赤城「あんな形で私が負けることになったら……私は、私自身を抑えられないでしょう。きっと、怒りと憎しみでおかしくなると思います」
赤城「ですので、今後羽黒さんはリングに上げないでいただきたいです。本人もそれを望んでいないようですしね」
②
赤城「私は今のままで良いと思っています。本人が辞退されたんですから、ここに来て本戦への再参加なんて虫のいい話でしょう」
赤城「いくらUKF絶対王者だと言っても、そんな特別扱いをする必要はないと思いますけどね。まあ、多少残念な気持ちはありますよ」
赤城「私がUKFに参戦してから随分経ちますが、未だ長門さんと戦う機会はないままです。そろそろ一戦交えたいところではあります」
赤城「ですが、それとこれとは話が別です。優勝争いは誰もが平等な条件で参加すべきですから、横から入ってくるような真似は勘弁してほしいです」
赤城「正直に行って、優勝だけを目的に絞れば、長門さんは最も邪魔な存在です。消えてくれてよかったと、心から思っていますよ」
特別インタビュー:赤城
①
赤城「……あまりコメントしたくありません。強いて言えば……羽黒さんは2度とリングに上ってほしくありませんね」
赤城「ええ、私は勝てないでしょう。でも、それが理由ではありません。勝負に絶対はないんですから、戦うことになれば、私は勝つために戦います」
赤城「そして戦って、私が負けたとします。負けること自体も許しがたいことですが、一旦それは置いておきましょう、問題は、相手の態度です」
赤城「何ですかね、あの態度。いえ、彼女の存在そのものがファイターへの侮辱です。戦い方も、戦いへの姿勢も、私たちを馬鹿にしています」
赤城「あんな形で私が負けることになったら……私は、私自身を抑えられないでしょう。きっと、怒りと憎しみでおかしくなると思います」
赤城「ですので、今後羽黒さんはリングに上げないでいただきたいです。本人もそれを望んでいないようですしね」
②
赤城「私は今のままで良いと思っています。本人が辞退されたんですから、ここに来て本戦への再参加なんて虫のいい話でしょう」
赤城「いくらUKF絶対王者だと言っても、そんな特別扱いをする必要はないと思いますけどね。まあ、多少残念な気持ちはありますよ」
赤城「私がUKFに参戦してから随分経ちますが、未だ長門さんと戦う機会はないままです。そろそろ一戦交えたいところではあります」
赤城「ですが、それとこれとは話が別です。優勝争いは誰もが平等な条件で参加すべきですから、横から入ってくるような真似は勘弁してほしいです」
赤城「正直に行って、優勝だけを目的に絞れば、長門さんは最も邪魔な存在です。消えてくれてよかったと、心から思っていますよ」
519:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:07:17.60:djj4eR8A0 (5/14)
特別インタビュー:戦艦棲姫
①
戦艦棲姫「1ツ聞クガ、アノ羽黒トイウヤツハ本当ニ艦娘ナノ? ドウモ違ウ気ガスル……私タチ、深海棲艦ト同ジ匂イガスルワ」
戦艦棲姫「アンナニ冗談地味タ強サヲ持ツ仲間ガイルワケジャナイ。ダケド、アイツノ雰囲気ハマサニ深海棲艦ソノモノヨ」
戦艦棲姫「戦イタクハナイ。ダガ、会ッテミタイ。話セバ仲良クナレルト思ウ。アイツハキット、コチラ側ノ存在ダ」
②
戦艦棲姫「大和ニ長門、私ノ標的ガ2人モ消エタワ。コレジャ手間ガ増エルバカリデ、イツマデ経ッテモ向コウニ帰レナイジャナイ」
戦艦棲姫「ツイサッキ知ッタンダガ、コッチデハ路上ノ決闘ハ禁止ナンデショウ? 私カラ襲エバイイコトダケド、邪魔ガ入ルノハ御免ヨ」
戦艦棲姫「セッカク贅沢ナ戦イノ場ガアルンダカラ、長門ハゼヒリングノ上デ殺シタイ。ソノ機会ガナクナルノハ困ルノヨ」
戦艦棲姫「何デモ良イカラ、長門ト戦ワセテ。ソノタメニコンナ場所マデ来タノヨ。ソレガ出来ナイナラ……私ハ何ヲスルカワカラナイワヨ」
特別インタビュー:戦艦棲姫
①
戦艦棲姫「1ツ聞クガ、アノ羽黒トイウヤツハ本当ニ艦娘ナノ? ドウモ違ウ気ガスル……私タチ、深海棲艦ト同ジ匂イガスルワ」
戦艦棲姫「アンナニ冗談地味タ強サヲ持ツ仲間ガイルワケジャナイ。ダケド、アイツノ雰囲気ハマサニ深海棲艦ソノモノヨ」
戦艦棲姫「戦イタクハナイ。ダガ、会ッテミタイ。話セバ仲良クナレルト思ウ。アイツハキット、コチラ側ノ存在ダ」
②
戦艦棲姫「大和ニ長門、私ノ標的ガ2人モ消エタワ。コレジャ手間ガ増エルバカリデ、イツマデ経ッテモ向コウニ帰レナイジャナイ」
戦艦棲姫「ツイサッキ知ッタンダガ、コッチデハ路上ノ決闘ハ禁止ナンデショウ? 私カラ襲エバイイコトダケド、邪魔ガ入ルノハ御免ヨ」
戦艦棲姫「セッカク贅沢ナ戦イノ場ガアルンダカラ、長門ハゼヒリングノ上デ殺シタイ。ソノ機会ガナクナルノハ困ルノヨ」
戦艦棲姫「何デモ良イカラ、長門ト戦ワセテ。ソノタメニコンナ場所マデ来タノヨ。ソレガ出来ナイナラ……私ハ何ヲスルカワカラナイワヨ」
520:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:07:51.79:djj4eR8A0 (6/14)
特別インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
①
グラーフ「長門への勝算はある。だが、羽黒には勝てない。あれほどの技量の持ち主と戦う術を私は持ち合わせていない」
グラーフ「羽黒の動きは私の反射神経を遥かに凌駕している。タイミングを読むことも不可能だろう。羽黒と戦って勝ち目はない」
グラーフ「だが、私が死ぬことを前提に考えれば、殺すことはできる。それでも可能性は低いと言わざるを得ない」
グラーフ「あの2人が同時にグランプリから消えたのは願ってもない僥倖だ。このような幸運に恵まれたのも、総統閣下の神意によるものだろう」
グラーフ「必ずグランプリを制せよという、総統閣下からの天啓だ。これで私の優勝は確定的なものになったことは間違いない」
②
グラーフ「質問の意味がわからない。私が閣下から賜った任務はグランプリの制覇。長門を倒すことではない」
グラーフ「長門は飽くまで優勝を阻む障壁の1つに過ぎないのだ。それが自らいなくなったのなら、私の目的にとっては好都合だ」
グラーフ「しかし理解しかねる。なぜ代役として、ビスマルクを選んだのだ? あんな鉄クズ以下のガラクタをUKFが保有していた事自体が不可解だ」
グラーフ「所詮、あれは失敗作。今度も結果は敗北で終わるだろう。そのときは速やかに処分してもらいたい。あれの存在は私にとって不愉快だ」
特別インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
①
グラーフ「長門への勝算はある。だが、羽黒には勝てない。あれほどの技量の持ち主と戦う術を私は持ち合わせていない」
グラーフ「羽黒の動きは私の反射神経を遥かに凌駕している。タイミングを読むことも不可能だろう。羽黒と戦って勝ち目はない」
グラーフ「だが、私が死ぬことを前提に考えれば、殺すことはできる。それでも可能性は低いと言わざるを得ない」
グラーフ「あの2人が同時にグランプリから消えたのは願ってもない僥倖だ。このような幸運に恵まれたのも、総統閣下の神意によるものだろう」
グラーフ「必ずグランプリを制せよという、総統閣下からの天啓だ。これで私の優勝は確定的なものになったことは間違いない」
②
グラーフ「質問の意味がわからない。私が閣下から賜った任務はグランプリの制覇。長門を倒すことではない」
グラーフ「長門は飽くまで優勝を阻む障壁の1つに過ぎないのだ。それが自らいなくなったのなら、私の目的にとっては好都合だ」
グラーフ「しかし理解しかねる。なぜ代役として、ビスマルクを選んだのだ? あんな鉄クズ以下のガラクタをUKFが保有していた事自体が不可解だ」
グラーフ「所詮、あれは失敗作。今度も結果は敗北で終わるだろう。そのときは速やかに処分してもらいたい。あれの存在は私にとって不愉快だ」
521:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:08:18.54:djj4eR8A0 (7/14)
特別インタビュー:榛名
①
榛名「……長門さんが私以外の相手に負けるはずはないと思っていました。強いショックを受けています」
榛名「羽黒さん……あれは、ものが違う。長門さんとも、鳳翔さんとも異なる、根本から全くの別物だと感じました」
榛名「もし、私が戦うことになっていたら……長門さんと同じことになっていたでしょう。勝てる、とは言い難い」
榛名「戦う前から相手に恐れを抱いたのは初めてです。そんな自分が許せない……私はまだまだ未熟です」
②
榛名「認められません。私がグランプリに参加したのは、長門さんを倒すためです。優勝なんて眼中にありません」
榛名「2回戦進出を辞退した、長門さんのお気持ちは痛いほどわかります。しかし、それでも納得することはできかねます」
榛名「無差別級王者たる長門さんが不在になれば、グランプリ優勝者という称号など、有名無実のものと化してしまうのは言うまでもないでしょう」
榛名「長門さんにも彼女なりの譲れないものはあるかと思いますが、それは私にもあります。どうか、戦う機会を作っていただきたい」
特別インタビュー:榛名
①
榛名「……長門さんが私以外の相手に負けるはずはないと思っていました。強いショックを受けています」
榛名「羽黒さん……あれは、ものが違う。長門さんとも、鳳翔さんとも異なる、根本から全くの別物だと感じました」
榛名「もし、私が戦うことになっていたら……長門さんと同じことになっていたでしょう。勝てる、とは言い難い」
榛名「戦う前から相手に恐れを抱いたのは初めてです。そんな自分が許せない……私はまだまだ未熟です」
②
榛名「認められません。私がグランプリに参加したのは、長門さんを倒すためです。優勝なんて眼中にありません」
榛名「2回戦進出を辞退した、長門さんのお気持ちは痛いほどわかります。しかし、それでも納得することはできかねます」
榛名「無差別級王者たる長門さんが不在になれば、グランプリ優勝者という称号など、有名無実のものと化してしまうのは言うまでもないでしょう」
榛名「長門さんにも彼女なりの譲れないものはあるかと思いますが、それは私にもあります。どうか、戦う機会を作っていただきたい」
522:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:08:46.67:djj4eR8A0 (8/14)
特別インタビュー:隼鷹
①
隼鷹「いやあ、ビビったよ。超強いって聞いてた長門を瞬殺なんてね。あのレベルに到達した武術家って、大陸史でも1、2人くらいじゃない?」
隼鷹「もし抽選であたしが羽黒と戦うことになってたとしたら、ゾッとするよ。あんな化け物みたいなやつとやりたくはないね」
隼鷹「勝てるかって? んー……勝てない、とは言いたくないね。こっちにもプライドってもんがあるんだ」
隼鷹「ただ、まあ。やりたくないってのは認める。あたしはスポーツマンじゃなく武術家だからね。できるかぎり楽な相手とやりたいのさ」
②
隼鷹「そんなの、良しとするに決まってるじゃん。こっちは酒代を稼ぐために参加してるんだ。戦闘狂ってわけじゃないんだよ」
隼鷹「自分を試すためとか、最強になるためとか、そういう目的で参加してるやつを否定はしないけどさ。あたしはそういう理由で戦ってないんだ」
隼鷹「あたしは自分の武術でなるべく良い思いをしたいんだよね。最強の座よりも、あたしにとっては旨い酒のほうが大事さ」
隼鷹「ってことだから、羽黒と長門が消えてくれたのは超ラッキーだね。これでBブロックを勝ち抜くのがだいぶ楽になったよ」
隼鷹「あんまり苦労したくはないもんでね。できることなら、長門ちゃんにはグランプリが終わるまでのんびりしててくれることを望むよ」
特別インタビュー:隼鷹
①
隼鷹「いやあ、ビビったよ。超強いって聞いてた長門を瞬殺なんてね。あのレベルに到達した武術家って、大陸史でも1、2人くらいじゃない?」
隼鷹「もし抽選であたしが羽黒と戦うことになってたとしたら、ゾッとするよ。あんな化け物みたいなやつとやりたくはないね」
隼鷹「勝てるかって? んー……勝てない、とは言いたくないね。こっちにもプライドってもんがあるんだ」
隼鷹「ただ、まあ。やりたくないってのは認める。あたしはスポーツマンじゃなく武術家だからね。できるかぎり楽な相手とやりたいのさ」
②
隼鷹「そんなの、良しとするに決まってるじゃん。こっちは酒代を稼ぐために参加してるんだ。戦闘狂ってわけじゃないんだよ」
隼鷹「自分を試すためとか、最強になるためとか、そういう目的で参加してるやつを否定はしないけどさ。あたしはそういう理由で戦ってないんだ」
隼鷹「あたしは自分の武術でなるべく良い思いをしたいんだよね。最強の座よりも、あたしにとっては旨い酒のほうが大事さ」
隼鷹「ってことだから、羽黒と長門が消えてくれたのは超ラッキーだね。これでBブロックを勝ち抜くのがだいぶ楽になったよ」
隼鷹「あんまり苦労したくはないもんでね。できることなら、長門ちゃんにはグランプリが終わるまでのんびりしててくれることを望むよ」
523:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:09:23.89:djj4eR8A0 (9/14)
特別インタビュー:吹雪
①
吹雪「別に驚くことでもないんじゃないですか? 長門さんだって、たまには負けることもあるでしょう。あんなの運ですよ、運」
吹雪「羽黒さんが特別強いとは思いませんね。ええ、勝てます。勝ってみせますよ、絶対に。長門さんが無理でも、私なら勝てます」
吹雪「勝算? そんなの……そんなの、あるに決まってるじゃないですか。楽勝ですよ。あんな根暗の鬱病患者、簡単に倒せます」
吹雪「私は認めませんから。あんなふざけたやつが強いだなんて……絶対に認めない。例え死んでも、それだけは認めるわけにはいかないんです」
②
吹雪「なんていうか、要は勝ち逃げでしょ? ファイターって一度負けると連敗するパターンが多いから、負けるのが怖いんじゃないですか?」
吹雪「逃しませんよ。長門さんが大して強くないにせよ、その名前はA級のブランド物なんです。その肩書だけは渡してもらわないと困ります」
吹雪「だいたい、1回負けたくらいで何をふてくされてるんですか? 贅沢なんですよ、こっちが何度敗北から這い上がってきたと思ってるんですか」
吹雪「絶対王者が聞いて呆れます。今まで散々持て囃されてきたんですから、無差別級王者として最低限の責任は果たしてほしいですね」
特別インタビュー:吹雪
①
吹雪「別に驚くことでもないんじゃないですか? 長門さんだって、たまには負けることもあるでしょう。あんなの運ですよ、運」
吹雪「羽黒さんが特別強いとは思いませんね。ええ、勝てます。勝ってみせますよ、絶対に。長門さんが無理でも、私なら勝てます」
吹雪「勝算? そんなの……そんなの、あるに決まってるじゃないですか。楽勝ですよ。あんな根暗の鬱病患者、簡単に倒せます」
吹雪「私は認めませんから。あんなふざけたやつが強いだなんて……絶対に認めない。例え死んでも、それだけは認めるわけにはいかないんです」
②
吹雪「なんていうか、要は勝ち逃げでしょ? ファイターって一度負けると連敗するパターンが多いから、負けるのが怖いんじゃないですか?」
吹雪「逃しませんよ。長門さんが大して強くないにせよ、その名前はA級のブランド物なんです。その肩書だけは渡してもらわないと困ります」
吹雪「だいたい、1回負けたくらいで何をふてくされてるんですか? 贅沢なんですよ、こっちが何度敗北から這い上がってきたと思ってるんですか」
吹雪「絶対王者が聞いて呆れます。今まで散々持て囃されてきたんですから、無差別級王者として最低限の責任は果たしてほしいですね」
524:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:09:58.39:djj4eR8A0 (10/14)
特別インタビュー:ビスマルク
(現在、修復作業中につきインタビュー不能)
特別インタビュー:ビスマルク
(現在、修復作業中につきインタビュー不能)
525:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:13:55.93:djj4eR8A0 (11/14)
明石「えー、急遽お集まりいただきありがとうございます! 第3回UKF無差別級グランプリ、実況の明石です」
香取「解説兼審査員長の香取です。今日は大事なお知らせがあって、こういった場を設けさせていただきました」
明石「御存知の通り、長門選手は1回戦で判定勝利を収めながらも、その結果を不服として2回戦への進出を辞退されました!」
明石「つまり、ここから先のグランプリは、無差別級王者不在という形で優勝を争うことになってしまうのです!」
明石「今までの無差別級グランプリは、優勝が即ちUKF無差別級王者の座に着くことでした! しかし現在、その構図がうやむやになっております!」
明石「長門不在のグランプリを良しとするか否か! 2回戦進出を決めた選手たちに意見を求めたところ、4対3で否とする声が過半数でした!」
明石「周囲からも長門選手不参加でのグランプリ進行に異議を唱える声が多数寄せられています! そこで、大会ルールに若干の変更を加えます!」
明石「えー、急遽お集まりいただきありがとうございます! 第3回UKF無差別級グランプリ、実況の明石です」
香取「解説兼審査員長の香取です。今日は大事なお知らせがあって、こういった場を設けさせていただきました」
明石「御存知の通り、長門選手は1回戦で判定勝利を収めながらも、その結果を不服として2回戦への進出を辞退されました!」
明石「つまり、ここから先のグランプリは、無差別級王者不在という形で優勝を争うことになってしまうのです!」
明石「今までの無差別級グランプリは、優勝が即ちUKF無差別級王者の座に着くことでした! しかし現在、その構図がうやむやになっております!」
明石「長門不在のグランプリを良しとするか否か! 2回戦進出を決めた選手たちに意見を求めたところ、4対3で否とする声が過半数でした!」
明石「周囲からも長門選手不参加でのグランプリ進行に異議を唱える声が多数寄せられています! そこで、大会ルールに若干の変更を加えます!」
526:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:15:56.69:djj4eR8A0 (12/14)
明石「まずお断りさせていただきたいのですが、長門選手の途中参加はありません! それを許すと、大会の公平さを欠くことになってしまいます!」
明石「グランプリの進行はこのまま行われ、優勝賞金などにも変更はありません。しかし、得られる称号は今までと異なるものになります!」
明石「第3回UKF無差別級グランプリの優勝者に与えられる名は、第3回大会優勝者の称号のみ! 無差別級王者は長門選手に据え置きとします!」
香取「今までは長門さんがいたから、グランプリ決勝がそのまま無差別級王者決定戦になっていたけど、こういう状況になってしまったものね」
香取「王者の称号は一旦、長門さんに預かっておいてもらうことにして、それとは別に優勝者を決めるって感じになるわ」
明石「もちろん、これだと長門選手の勝ち逃げと捉えられかねません! 無差別級王者決定戦は、機会を改めて行なっていただくことになります!」
明石「その機会というのがこれだ! 『UKF無差別級ドリームマッチ』の開催をここに告知致します!」
明石「まずお断りさせていただきたいのですが、長門選手の途中参加はありません! それを許すと、大会の公平さを欠くことになってしまいます!」
明石「グランプリの進行はこのまま行われ、優勝賞金などにも変更はありません。しかし、得られる称号は今までと異なるものになります!」
明石「第3回UKF無差別級グランプリの優勝者に与えられる名は、第3回大会優勝者の称号のみ! 無差別級王者は長門選手に据え置きとします!」
香取「今までは長門さんがいたから、グランプリ決勝がそのまま無差別級王者決定戦になっていたけど、こういう状況になってしまったものね」
香取「王者の称号は一旦、長門さんに預かっておいてもらうことにして、それとは別に優勝者を決めるって感じになるわ」
明石「もちろん、これだと長門選手の勝ち逃げと捉えられかねません! 無差別級王者決定戦は、機会を改めて行なっていただくことになります!」
明石「その機会というのがこれだ! 『UKF無差別級ドリームマッチ』の開催をここに告知致します!」
527:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:18:15.53:djj4eR8A0 (13/14)
明石「このUKF無差別級ドリームマッチとは、これまで出場した選手の中から、対戦の要望が強い者同士で試合を行なっていただくという内容です!」
明石「あの選手とあの選手、一体どっちが強いんだ!? ドリームマッチとは、そういった疑問へ明確な答えを掲示する舞台なのです!」
香取「立ち技格闘家で本当に最強なのはどっちなのか、とか。あるいは、UKF真の最凶はどっちなのか、っていう風な対戦カードになるでしょうね」
香取「まだ本戦が終わってないからわからないけど、ある程度の対戦カードは今からでも予想が着くんじゃないかしら」
明石「このドリームマッチの最終試合として、長門選手VS第3回UKF無差別級GP優勝者の王者決定戦を行いたいと思います!」
明石「その試合こそが、真の最強決定戦! 今大会の優勝者は、最強の艦娘の座を賭けた試合への挑戦権を手に入れる形になります!」
明石「長門選手はこの内容を承諾しました! 試合には、王者ではなく挑戦者のつもりで臨むという、未だかつてない意気込みを既に見せております!」
明石「このUKF無差別級ドリームマッチとは、これまで出場した選手の中から、対戦の要望が強い者同士で試合を行なっていただくという内容です!」
明石「あの選手とあの選手、一体どっちが強いんだ!? ドリームマッチとは、そういった疑問へ明確な答えを掲示する舞台なのです!」
香取「立ち技格闘家で本当に最強なのはどっちなのか、とか。あるいは、UKF真の最凶はどっちなのか、っていう風な対戦カードになるでしょうね」
香取「まだ本戦が終わってないからわからないけど、ある程度の対戦カードは今からでも予想が着くんじゃないかしら」
明石「このドリームマッチの最終試合として、長門選手VS第3回UKF無差別級GP優勝者の王者決定戦を行いたいと思います!」
明石「その試合こそが、真の最強決定戦! 今大会の優勝者は、最強の艦娘の座を賭けた試合への挑戦権を手に入れる形になります!」
明石「長門選手はこの内容を承諾しました! 試合には、王者ではなく挑戦者のつもりで臨むという、未だかつてない意気込みを既に見せております!」
528:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/09(土) 22:23:41.90:djj4eR8A0 (14/14)
明石「ドリームマッチの詳細な対戦カード、放送日時などはまだ決まっておりません! グランプリの結果を鑑みて、それらが決定される予定です!」
明石「どうか、今はグランプリがどのような決着を迎えるのか、その点にご注目ください! 全てはその結果次第です!」
香取「優勝者が誰になるかで、対戦カードは大きく変わってくるでしょうしね。今はそういう大会が開催されることだけ知っておいてもらえれば」
明石「告知は以上です! グランプリが終わっても、全てが終わるわけではない! まだまだ戦いは続きます!」
明石「本日はこの辺で! どうもありがとうございました!」
香取「本戦の放送日は7/23(土)です。遅れないよう私からも言っておきます。ではさようなら」
明石「ドリームマッチの詳細な対戦カード、放送日時などはまだ決まっておりません! グランプリの結果を鑑みて、それらが決定される予定です!」
明石「どうか、今はグランプリがどのような決着を迎えるのか、その点にご注目ください! 全てはその結果次第です!」
香取「優勝者が誰になるかで、対戦カードは大きく変わってくるでしょうしね。今はそういう大会が開催されることだけ知っておいてもらえれば」
明石「告知は以上です! グランプリが終わっても、全てが終わるわけではない! まだまだ戦いは続きます!」
明石「本日はこの辺で! どうもありがとうございました!」
香取「本戦の放送日は7/23(土)です。遅れないよう私からも言っておきます。ではさようなら」
529:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/09(土) 22:31:06.13:2RWx13Mpo (1/1)
なんか、吹雪が一周回って可哀想に見えてきた
羽黒へのコメントが、めちゃくちゃ悲痛な叫びに見えた
乙
なんか、吹雪が一周回って可哀想に見えてきた
羽黒へのコメントが、めちゃくちゃ悲痛な叫びに見えた
乙
530:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/09(土) 23:36:44.55:ehjQPR3qo (1/1)
乙です
乙です
531:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/09(土) 23:45:59.39:r0MCfGQt0 (1/1)
吹雪は純粋に無差別でやるには実力不足感あるからなぁ
駆逐四天王の中では一番大型艦喰いのイメージがしにくい
吹雪は純粋に無差別でやるには実力不足感あるからなぁ
駆逐四天王の中では一番大型艦喰いのイメージがしにくい
532:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 00:40:43.49:BhA7XY9D0 (1/1)
乙
吹雪の努力は報われてほしいけど
ビスマルクが曙みたいな見世物扱いでこの先終わるのも嫌だな
乙
吹雪の努力は報われてほしいけど
ビスマルクが曙みたいな見世物扱いでこの先終わるのも嫌だな
533:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 00:42:42.83:T3Hfat2so (1/2)
一瞬わからなかったが、その曙は現実世界の元相撲取りの曙のことか
一瞬わからなかったが、その曙は現実世界の元相撲取りの曙のことか
534:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 01:33:08.77:PfQpugtBo (1/1)
実際ここの羽黒は対戦相手への礼儀や敬意がまったくないからなーぶっちゃけ不快
そんなことより吹雪ちゃんのストリップまだですかね?一番良い席で観たいんですが・・・
実際ここの羽黒は対戦相手への礼儀や敬意がまったくないからなーぶっちゃけ不快
そんなことより吹雪ちゃんのストリップまだですかね?一番良い席で観たいんですが・・・
535:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 01:57:36.43:dWeHjim50 (1/1)
なぁ~んで羽黒(みたいな設定)をそもそも本戦の選手に挙げちゃったかなぁ…
なぁ~んで羽黒(みたいな設定)をそもそも本戦の選手に挙げちゃったかなぁ…
536:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 02:13:55.47:stqPHNPIo (1/1)
妙高さんが参戦すればよくね
けしかけた本人だし
妙高さんが参戦すればよくね
けしかけた本人だし
537:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 03:01:26.22:HkOdXzgm0 (1/1)
中途半端に礼儀や敬意とか言い出すのは不快
相手を見下さしたり貶したりするような発言はOKで
相手を虫やモノのような扱いで倒すのはNGって
一般感覚ではおかしい
他流派に対して何が無礼になるかわからないんだから
侮辱とか馬鹿にするとかに固執するのは
ずれてるんじゃないですかね赤城さん
中途半端に礼儀や敬意とか言い出すのは不快
相手を見下さしたり貶したりするような発言はOKで
相手を虫やモノのような扱いで倒すのはNGって
一般感覚ではおかしい
他流派に対して何が無礼になるかわからないんだから
侮辱とか馬鹿にするとかに固執するのは
ずれてるんじゃないですかね赤城さん
538:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 09:02:40.68:cebz1qSV0 (1/1)
インタビューの発言を叩かれるとか、リアルの総合格闘技みたいだな
インタビューの発言を叩かれるとか、リアルの総合格闘技みたいだな
539:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 09:58:12.21:T3Hfat2so (2/2)
赤城さんそういうキャラやろ、ここでは
赤城さんそういうキャラやろ、ここでは
540:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 10:29:21.74:7jwEF3bjO (1/1)
前々作のアカギドーラみたいなバグった艦娘なんじゃね?>羽黒
前々作のアカギドーラみたいなバグった艦娘なんじゃね?>羽黒
541:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/10(日) 20:09:54.55:kJccPje+o (1/1)
食らいまくった打撃で頭のネジが何本か外れたと思えば違和感ない
食らいまくった打撃で頭のネジが何本か外れたと思えば違和感ない
542:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/11(月) 16:33:54.17:TETyJRByo (1/1)
吹雪のコメントから滲み出る悔しさとプライドほんと好き
吹雪のコメントから滲み出る悔しさとプライドほんと好き
543:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/12(火) 00:30:31.41:assCaQSu0 (1/1)
なんとなく、空手小公子のサーマート思いだした。
あっちは過去の諸々の経験から来る対戦相手への気遣いとかが侮辱と取られてたけど、羽黒はそういうものですらないわけだ。
結局小公子の方は碌なフォローもないまま打ち切りになっちゃったけど、こっちは何かしらの成長とか変化とかがあるといいなぁ。
なんとなく、空手小公子のサーマート思いだした。
あっちは過去の諸々の経験から来る対戦相手への気遣いとかが侮辱と取られてたけど、羽黒はそういうものですらないわけだ。
結局小公子の方は碌なフォローもないまま打ち切りになっちゃったけど、こっちは何かしらの成長とか変化とかがあるといいなぁ。
544:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/17(日) 16:12:22.35:/lqSgLuX0 (1/1)
エキシビションマッチの対戦カードが確定しました。
正規空母級”ウォーキング・デッド” 翔鶴 VS 重巡級”静かなる帝王” 妙高
同時に3戦目のエキシビションマッチ出場者も確定する形になるため、リクエストはこれにて一旦締め切りとさせていただきます。
ご投票いただきありがとうございました。予定には間に合う見込みです。
エキシビションマッチの対戦カードが確定しました。
正規空母級”ウォーキング・デッド” 翔鶴 VS 重巡級”静かなる帝王” 妙高
同時に3戦目のエキシビションマッチ出場者も確定する形になるため、リクエストはこれにて一旦締め切りとさせていただきます。
ご投票いただきありがとうございました。予定には間に合う見込みです。
545:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/17(日) 19:02:48.21:NeBcs2C10 (1/1)
妙高さん登場か。羽黒に関するコメントが欲しいなぁ。
妙高さん的にはアレかね。このトーナメントで強者と戦うことで羽黒に精神的な成長をしてほしい、とかの思惑があったのかね。
結果としてはあらゆる方面に最悪となったけど。
妙高さん登場か。羽黒に関するコメントが欲しいなぁ。
妙高さん的にはアレかね。このトーナメントで強者と戦うことで羽黒に精神的な成長をしてほしい、とかの思惑があったのかね。
結果としてはあらゆる方面に最悪となったけど。
546:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/17(日) 19:36:42.43:g/YwGsGWo (1/1)
妙高さぁぁぁん!
羽黒の件もあるし、期待と不安が 7対3 って感じだわ
妙高さぁぁぁん!
羽黒の件もあるし、期待と不安が 7対3 って感じだわ
547:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/23(土) 00:56:53.47:SNeauH3x0 (1/2)
つい先日まで絶好調だったのに、急に調子が悪くなりました。なぜだ、なぜなんだ。
本当に申し訳ありませんが、プラス2日だけ時間をください。お願いです、お願いします……
誠に勝手ながら放送日を7/25(月)22:00~に変更させていただきます。
新しく仕入れたアッパー系の薬がここまで効かないとは思わなかったんです。本当に申しわけありません。
つい先日まで絶好調だったのに、急に調子が悪くなりました。なぜだ、なぜなんだ。
本当に申し訳ありませんが、プラス2日だけ時間をください。お願いです、お願いします……
誠に勝手ながら放送日を7/25(月)22:00~に変更させていただきます。
新しく仕入れたアッパー系の薬がここまで効かないとは思わなかったんです。本当に申しわけありません。
548:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/23(土) 02:23:06.24:2McGnleAo (1/1)
乙。待ってるんで無理せず静養してくだされ
乙。待ってるんで無理せず静養してくだされ
549:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/23(土) 18:13:52.54:SNeauH3x0 (2/2)
目処が立ちました。次の予定日は大丈夫です。
ところで、羽黒はグランプリが終わった後にもう1試合だけ出すことが決まりました。
羽黒の正体はその試合で明らかになり、同時に完結すると思われます。
目処が立ちました。次の予定日は大丈夫です。
ところで、羽黒はグランプリが終わった後にもう1試合だけ出すことが決まりました。
羽黒の正体はその試合で明らかになり、同時に完結すると思われます。
550:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/23(土) 23:10:46.31:faSlss7W0 (1/1)
ウキウキで更新見に来たらまたもや延期でがっくしきたけど羽黒がもう一戦出るのか!
対戦相手はエキシビションで使いどころを悩んでたのに何故か出なかったあの人かな
ウキウキで更新見に来たらまたもや延期でがっくしきたけど羽黒がもう一戦出るのか!
対戦相手はエキシビションで使いどころを悩んでたのに何故か出なかったあの人かな
551:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/24(日) 01:04:29.72:ueiJfnTn0 (1/1)
正体とか完結するとか不穏な言葉が…
面白くいじれそうなキャラだけに
もしフェードアウトするならもったいないなあ
正体とか完結するとか不穏な言葉が…
面白くいじれそうなキャラだけに
もしフェードアウトするならもったいないなあ
552:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/24(日) 01:29:39.01:EdfT4qre0 (1/1)
予期しない方向性で期待が高まると困るので、最初にお断りさせていただきます。
羽黒の相手は鳳翔さんではありません。
予期しない方向性で期待が高まると困るので、最初にお断りさせていただきます。
羽黒の相手は鳳翔さんではありません。
553:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/25(月) 22:48:00.08:GkuaCLMb0 (1/1)
ん"ん"っ?25日の22時を過ぎたのでは…?
ん"ん"っ?25日の22時を過ぎたのでは…?
554:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/25(月) 23:08:57.47:bvTnbwp0o (1/1)
こりゃビスマルクの刑だな…
こりゃビスマルクの刑だな…
555:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 04:19:34.20:dyTditDE0 (1/87)
嘘だろ? さすがに眠いからちょっと横になろうと思っただけなのに。
嘘だろ? さすがに眠いからちょっと横になろうと思っただけなのに。
556:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 06:58:29.43:9k0pFaqw0 (1/1)
これはビスマルク案件ですねぇ
これはビスマルク案件ですねぇ
557:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 07:22:16.09:dyTditDE0 (2/87)
申し訳ありません、爆睡してしまいました。ビスマルクは勘弁してください。あの子はずっと眠らせてたんで空腹なんです。
今日の22:00に今度こそ放送します。大丈夫です。もう全部用意はできてるんで。
申し訳ありません、爆睡してしまいました。ビスマルクは勘弁してください。あの子はずっと眠らせてたんで空腹なんです。
今日の22:00に今度こそ放送します。大丈夫です。もう全部用意はできてるんで。
558:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 14:12:02.88:S3E265Nm0 (1/1)
主はヒヨケムシになるのか…
主はヒヨケムシになるのか…
559:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 16:08:02.79:7Jk1HgbrO (1/1)
大丈夫だよ。もぐもぐ以外にもR板行き確定レベルで気持ち良くしてあげればいいんだ。運営さんがんばれ♡がんばれ♡
大丈夫だよ。もぐもぐ以外にもR板行き確定レベルで気持ち良くしてあげればいいんだ。運営さんがんばれ♡がんばれ♡
560:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 21:41:02.65:dyTditDE0 (3/87)
起きてます。
起きてます。
561:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 21:51:09.76:CHnbZ/V00 (1/2)
起きてます宣言に草
起きてます宣言に草
562:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:02:12.79:dyTditDE0 (4/87)
大会テーマ曲
大会テーマ曲
563:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:06:00.26:dyTditDE0 (5/87)
明石「さあ始まりました! これより第3回UKF無差別級グランプリ、2回戦を開催いたします!」
明石「実況はお馴染みの明石、解説兼審査員長には香取さんでお送りします! この度は大会運営委員長がアレなせいでお待たせすることになり、申し訳ありませんでした!」
香取「香取です。大会運営委員長には今後、何らかのペナルティを与えるつもりです。遅刻1回につき指1本とか」
明石「本日の日程はA、Bブロック2回戦の計4試合、加えてエキシビションマッチ2戦目の合計5試合を執り行います!」
明石「それでは早速試合に移ります! Aブロック第1試合! 赤コーナーより選手入場! 優勝への期待が掛かる、彼女の登場です!」
明石「さあ始まりました! これより第3回UKF無差別級グランプリ、2回戦を開催いたします!」
明石「実況はお馴染みの明石、解説兼審査員長には香取さんでお送りします! この度は大会運営委員長がアレなせいでお待たせすることになり、申し訳ありませんでした!」
香取「香取です。大会運営委員長には今後、何らかのペナルティを与えるつもりです。遅刻1回につき指1本とか」
明石「本日の日程はA、Bブロック2回戦の計4試合、加えてエキシビションマッチ2戦目の合計5試合を執り行います!」
明石「それでは早速試合に移ります! Aブロック第1試合! 赤コーナーより選手入場! 優勝への期待が掛かる、彼女の登場です!」
564:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:06:25.68:dyTditDE0 (6/87)
試合前インタビュー:扶桑
―――扶桑選手は以前、赤城選手に勝利されています。今回も勝てる自信はおありでしょうか。
扶桑「……正直に言って、前回の対戦は運が良かったんだと思っています。苦し紛れに出したパンチがたまたま入った、という印象です」
扶桑「地力では明らかに押されていましたし、時間制限のあるルールなら、間違いなく私の判定負けでした。赤城さんが強いことに疑いはありません」
扶桑「今回も苦しい戦いになると思います。それでも……私が勝ちます。自信だってあります。それだけのことはしてきました」
―――対策などは考えられてきていますか?
扶桑「考えはしたんですけど、無駄だという結論になってしまいました。赤城さんは全く欠点のないストライカーですから」
扶桑「多少の小細工を弄する余地はあるかもしれませんが、結局、赤城さんに勝つために必要なのは真っ当な強さだと思うんです」
扶桑「以前の私にはそれが足りていませんでした。でも、今は違います。今の私なら、赤城さんに通用します」
扶桑「対策はありません。真っ向から勝負します。赤城さんに勝つには、それが一番いい方法だと思いますから」
―――赤城選手は以前の敗北により、扶桑選手のことを憎んでいるという話を聞いています。何かコメントはありますか?
扶桑「……赤城さんがそういう人なのは知っていました。穏やかなふりをしていますけど、その内側にどす黒く燃える炎があるのを感じます」
扶桑「でも、ファイターってそうあるべきなのかもしれませんね。最強は自分だと信じて疑わず、己を負かした相手には絶対に復讐する」
扶桑「そういう貪欲さは、間違いなく私より赤城さんのほうが上なんでしょう。だからといって、それで勝負が決まるわけではないと思います」
扶桑「私だって、誰にも負けたくありません。この気持ちだけなら、赤城さんにだって負けていないはずですから」
試合前インタビュー:扶桑
―――扶桑選手は以前、赤城選手に勝利されています。今回も勝てる自信はおありでしょうか。
扶桑「……正直に言って、前回の対戦は運が良かったんだと思っています。苦し紛れに出したパンチがたまたま入った、という印象です」
扶桑「地力では明らかに押されていましたし、時間制限のあるルールなら、間違いなく私の判定負けでした。赤城さんが強いことに疑いはありません」
扶桑「今回も苦しい戦いになると思います。それでも……私が勝ちます。自信だってあります。それだけのことはしてきました」
―――対策などは考えられてきていますか?
扶桑「考えはしたんですけど、無駄だという結論になってしまいました。赤城さんは全く欠点のないストライカーですから」
扶桑「多少の小細工を弄する余地はあるかもしれませんが、結局、赤城さんに勝つために必要なのは真っ当な強さだと思うんです」
扶桑「以前の私にはそれが足りていませんでした。でも、今は違います。今の私なら、赤城さんに通用します」
扶桑「対策はありません。真っ向から勝負します。赤城さんに勝つには、それが一番いい方法だと思いますから」
―――赤城選手は以前の敗北により、扶桑選手のことを憎んでいるという話を聞いています。何かコメントはありますか?
扶桑「……赤城さんがそういう人なのは知っていました。穏やかなふりをしていますけど、その内側にどす黒く燃える炎があるのを感じます」
扶桑「でも、ファイターってそうあるべきなのかもしれませんね。最強は自分だと信じて疑わず、己を負かした相手には絶対に復讐する」
扶桑「そういう貪欲さは、間違いなく私より赤城さんのほうが上なんでしょう。だからといって、それで勝負が決まるわけではないと思います」
扶桑「私だって、誰にも負けたくありません。この気持ちだけなら、赤城さんにだって負けていないはずですから」
565:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:07:30.26:dyTditDE0 (7/87)
扶桑:入場テーマ「Chthonic/Broken Jade」
扶桑:入場テーマ「Chthonic/Broken Jade」
566:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:08:02.17:dyTditDE0 (8/87)
明石「1回戦では柔道家、大和選手に逆転勝利! 永遠に沈まぬ奇跡の戦艦が、悲願の優勝へ向けて更なる進撃を仕掛ける!」
明石「空手、柔道に加えてボクシングの技術を会得し、グランプリ制覇の準備は万全! どんな相手であろうと、この手に勝利を掴み取る!」
明石「奇跡とは、己の力で起こすものなのだ! ”不沈艦” 扶桑ォォォ!」
香取「さて、長門さんの出場辞退によって、扶桑さんは優勝への期待が最も高くなった選手の1人でしょう。何としても負けられないわね」
明石「大和選手に勝ったこともあり、期待度は増すばかりといったところですね。本人もそういうプレッシャーを感じているのではないでしょうか」
香取「どうかしら。あまり感じてないと思うわよ。だって、扶桑さんは最初から優勝だけを目標にしているんだから」
香取「どの選手にも言えることだけど、長門さんのいないこの状況でも、結局やることは変わりないわ。目の前の相手にただ勝ち続けるだけ」
香取「扶桑さんは誰よりもそのことを理解しているはずでしょう。精神的な乱れが起こるなんてことはないと断言できるんじゃないかしら」
明石「そうですね。注目すべき点として、まだ扶桑選手は新しく会得したボクシング技術を全て見せてはいない、という点でしょうか」
明石「1回戦では柔道家、大和選手に逆転勝利! 永遠に沈まぬ奇跡の戦艦が、悲願の優勝へ向けて更なる進撃を仕掛ける!」
明石「空手、柔道に加えてボクシングの技術を会得し、グランプリ制覇の準備は万全! どんな相手であろうと、この手に勝利を掴み取る!」
明石「奇跡とは、己の力で起こすものなのだ! ”不沈艦” 扶桑ォォォ!」
香取「さて、長門さんの出場辞退によって、扶桑さんは優勝への期待が最も高くなった選手の1人でしょう。何としても負けられないわね」
明石「大和選手に勝ったこともあり、期待度は増すばかりといったところですね。本人もそういうプレッシャーを感じているのではないでしょうか」
香取「どうかしら。あまり感じてないと思うわよ。だって、扶桑さんは最初から優勝だけを目標にしているんだから」
香取「どの選手にも言えることだけど、長門さんのいないこの状況でも、結局やることは変わりないわ。目の前の相手にただ勝ち続けるだけ」
香取「扶桑さんは誰よりもそのことを理解しているはずでしょう。精神的な乱れが起こるなんてことはないと断言できるんじゃないかしら」
明石「そうですね。注目すべき点として、まだ扶桑選手は新しく会得したボクシング技術を全て見せてはいない、という点でしょうか」
567:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:08:39.88:dyTditDE0 (9/87)
香取「そうね。大和さんとは正面対決というより、試合展開をコントロールしての奇襲で終わらせたから、基本技術はあまり見れなかったわね」
香取「最後のパンチのラッシュは見事なものだったけど、扶桑さんはまだ武蔵さんから伝授された技術、フットワークや打撃を攻防を見せていない」
香取「底上げされた基本技術がどこまで上達しているか、それがここからの試合を扶桑さんが勝ち抜くための重要なポイントになるんじゃないかしら」
明石「なるほど。例えばボクシングの……? えーっと、ちょっと待って下さい。えっ? 赤城選手がもう入場してくる?」
明石「いや、ちょっと早いですよ。もう少し扶桑選手の話を……はあ? 止められないってどういうことですか?」
香取「どうしたのよ、何かあったの?」
明石「えっと……なんか、もう赤城選手が入場してくるみたいです。スタッフにも止められないそうで」
香取「そういうのって、スタッフが呼び込んでから入場してくるものじゃないの?」
明石「どうも赤城選手が勝手に……えっ、もうコールするんですか? あーはいはい、わかりました!」
明石「ちょっと早いですが、青コーナーより選手入場! 立ち技王者が過去の因縁を晴らしにやってきます!」
香取「そうね。大和さんとは正面対決というより、試合展開をコントロールしての奇襲で終わらせたから、基本技術はあまり見れなかったわね」
香取「最後のパンチのラッシュは見事なものだったけど、扶桑さんはまだ武蔵さんから伝授された技術、フットワークや打撃を攻防を見せていない」
香取「底上げされた基本技術がどこまで上達しているか、それがここからの試合を扶桑さんが勝ち抜くための重要なポイントになるんじゃないかしら」
明石「なるほど。例えばボクシングの……? えーっと、ちょっと待って下さい。えっ? 赤城選手がもう入場してくる?」
明石「いや、ちょっと早いですよ。もう少し扶桑選手の話を……はあ? 止められないってどういうことですか?」
香取「どうしたのよ、何かあったの?」
明石「えっと……なんか、もう赤城選手が入場してくるみたいです。スタッフにも止められないそうで」
香取「そういうのって、スタッフが呼び込んでから入場してくるものじゃないの?」
明石「どうも赤城選手が勝手に……えっ、もうコールするんですか? あーはいはい、わかりました!」
明石「ちょっと早いですが、青コーナーより選手入場! 立ち技王者が過去の因縁を晴らしにやってきます!」
568:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:09:22.07:dyTditDE0 (10/87)
試合前インタビュー:赤城
―――赤城選手は第1回UKF無差別級グランプリにおいて、扶桑選手との試合で敗退されています。リベンジへの意気込みをお聞かせください。
赤城「確かに敗北はしました。でも、あんなのはただのラッキーです。扶桑さんに珍しく幸運が舞い降りたというだけですよ」
赤城「奇跡は2度も続けて起こりはしません。もうラッキーパンチを当てられるようなことは決してないでしょう」
赤城「実力なら私のほうが全てにおいて上です。ようやくこのときが来ました。ずっとあの女を殺したいと思っていたんです」
赤城「私の栄華への道を阻んだ罪は死よりも重い。そのことを知らしめる機会を待ち望んでいた。ようやくだ、遂に復讐のときが来たのだ!」
(インタビュー用のマイクが握り潰される音)
―――あの、マイクが……
赤城「この赤城の戦績に泥を塗り付けた不届き者どもが! しかし、私は負けてなどいない! 貴様らが勝てたのは、幸運に恵まれたからだ!」
赤城「扶桑には偶然のカウンターで、武蔵には不意討ちのタックルで破れた! 真っ向から戦えば、錆び付いた戦艦風情に私が負けるはずはない!」
赤城「最強はこの赤城だ! 異を唱えるウジ虫どもは、片端から蹴り殺してくれる! まずは扶桑、貴様からだ!」
赤城「劣等なるクズ鉄製の浮舟ごときが、奇跡の戦艦などと持て囃されおって! それも今日で終わりだ、貴様の惨たらしい敗北と死で終わる!」
赤城「出し惜しみはせんぞ! 禁じ手の殺し技、全てを使って貴様を殺す! 頭を蹴り砕き、顔を踏み潰してくれるわ!」
赤城「ここより先は地獄の門! 門番はこの赤城、待ち受けるのは屍山血河! 己が血の作り出す緋色の水底に沈んでいくがいい!」
赤城「我が地獄は貴様を喜んで受け入れるぞ、扶桑! 灼熱の血の海に溺れ、悶え苦しみながら死ね! 貴様の死で、我が復讐は成る!」
赤城「苦しみと死の果てに、己が罪の重さを思い知れ! 真の王者たるこの私に土を付けた、その業の深さを! 私への不敬は万死に値するのだ!」
赤城「さあ、道を開けろ! 一刻も早くあの女を殺せと全身が疼いている! 邪魔をするなら、貴様らから先に縊り殺してやろうか!」
試合前インタビュー:赤城
―――赤城選手は第1回UKF無差別級グランプリにおいて、扶桑選手との試合で敗退されています。リベンジへの意気込みをお聞かせください。
赤城「確かに敗北はしました。でも、あんなのはただのラッキーです。扶桑さんに珍しく幸運が舞い降りたというだけですよ」
赤城「奇跡は2度も続けて起こりはしません。もうラッキーパンチを当てられるようなことは決してないでしょう」
赤城「実力なら私のほうが全てにおいて上です。ようやくこのときが来ました。ずっとあの女を殺したいと思っていたんです」
赤城「私の栄華への道を阻んだ罪は死よりも重い。そのことを知らしめる機会を待ち望んでいた。ようやくだ、遂に復讐のときが来たのだ!」
(インタビュー用のマイクが握り潰される音)
―――あの、マイクが……
赤城「この赤城の戦績に泥を塗り付けた不届き者どもが! しかし、私は負けてなどいない! 貴様らが勝てたのは、幸運に恵まれたからだ!」
赤城「扶桑には偶然のカウンターで、武蔵には不意討ちのタックルで破れた! 真っ向から戦えば、錆び付いた戦艦風情に私が負けるはずはない!」
赤城「最強はこの赤城だ! 異を唱えるウジ虫どもは、片端から蹴り殺してくれる! まずは扶桑、貴様からだ!」
赤城「劣等なるクズ鉄製の浮舟ごときが、奇跡の戦艦などと持て囃されおって! それも今日で終わりだ、貴様の惨たらしい敗北と死で終わる!」
赤城「出し惜しみはせんぞ! 禁じ手の殺し技、全てを使って貴様を殺す! 頭を蹴り砕き、顔を踏み潰してくれるわ!」
赤城「ここより先は地獄の門! 門番はこの赤城、待ち受けるのは屍山血河! 己が血の作り出す緋色の水底に沈んでいくがいい!」
赤城「我が地獄は貴様を喜んで受け入れるぞ、扶桑! 灼熱の血の海に溺れ、悶え苦しみながら死ね! 貴様の死で、我が復讐は成る!」
赤城「苦しみと死の果てに、己が罪の重さを思い知れ! 真の王者たるこの私に土を付けた、その業の深さを! 私への不敬は万死に値するのだ!」
赤城「さあ、道を開けろ! 一刻も早くあの女を殺せと全身が疼いている! 邪魔をするなら、貴様らから先に縊り殺してやろうか!」
569:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:09:48.17:dyTditDE0 (11/87)
赤城:入場テーマ「Setherial/Hell Eternal」
赤城:入場テーマ「Setherial/Hell Eternal」
570:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:10:27.52:dyTditDE0 (12/87)
明石「第1回UKF無差別級グランプリ! 圧倒的優位に試合を進めるも、扶桑選手のカウンターにより逆転KO負け! 3回戦敗退となりました!」
明石「そして続く第2回無差別級グランプリ! ボクサーである武蔵選手に不意討ちのタックルを喰らい、終始一方的な展開! 結果は2回戦敗退!」
明石「武蔵、そして扶桑! 片時も忘れたことのないこの屈辱を、晴らすときがやってきた! 血に飢えた復讐鬼が今、リングに上がります!」
明石「今宵の暴君はいつにも増して荒れ狂っている! ”緋色の暴君” 赤城ィィィ!」
香取「……なんて顔してるの。笑顔かって言われれば笑顔だけど、まるで噛み付く寸前の猛獣みたいな表情をしてるわ」
明石「放送席まで伝わってくるほどの殺気ですね……赤城選手が試合前にここまで本性を露わにするのは初めてではないでしょうか」
香取「以前から、赤城さんが自分に最初の黒星を付けた扶桑さんを憎んでいることは噂されていたわ。まさか、これほどとは思わなかったけど」
香取「普段の赤城さんは冷静な振る舞いに務め、その内にある凶悪な本性が垣間見えるのは試合のときだけだったわ」
香取「それなのに、今日はそれを隠そうともしていない。というより、隠し切れないというべきなのかしら」
明石「自分でも抑えられないほどに、扶桑選手に対する憎しみが強い……ということでしょうか」
香取「でしょうね。しかも、扶桑さんのバックには、赤城さんに2度目の敗北を与えたもう1人のファイター、武蔵さんがいるわ」
香取「2人分の憎悪を抱えて、内なる怪物がとうとう顔を出したって感じね。赤城さんは、その全ての憎しみを扶桑さんにぶつける気よ」
明石「第1回UKF無差別級グランプリ! 圧倒的優位に試合を進めるも、扶桑選手のカウンターにより逆転KO負け! 3回戦敗退となりました!」
明石「そして続く第2回無差別級グランプリ! ボクサーである武蔵選手に不意討ちのタックルを喰らい、終始一方的な展開! 結果は2回戦敗退!」
明石「武蔵、そして扶桑! 片時も忘れたことのないこの屈辱を、晴らすときがやってきた! 血に飢えた復讐鬼が今、リングに上がります!」
明石「今宵の暴君はいつにも増して荒れ狂っている! ”緋色の暴君” 赤城ィィィ!」
香取「……なんて顔してるの。笑顔かって言われれば笑顔だけど、まるで噛み付く寸前の猛獣みたいな表情をしてるわ」
明石「放送席まで伝わってくるほどの殺気ですね……赤城選手が試合前にここまで本性を露わにするのは初めてではないでしょうか」
香取「以前から、赤城さんが自分に最初の黒星を付けた扶桑さんを憎んでいることは噂されていたわ。まさか、これほどとは思わなかったけど」
香取「普段の赤城さんは冷静な振る舞いに務め、その内にある凶悪な本性が垣間見えるのは試合のときだけだったわ」
香取「それなのに、今日はそれを隠そうともしていない。というより、隠し切れないというべきなのかしら」
明石「自分でも抑えられないほどに、扶桑選手に対する憎しみが強い……ということでしょうか」
香取「でしょうね。しかも、扶桑さんのバックには、赤城さんに2度目の敗北を与えたもう1人のファイター、武蔵さんがいるわ」
香取「2人分の憎悪を抱えて、内なる怪物がとうとう顔を出したって感じね。赤城さんは、その全ての憎しみを扶桑さんにぶつける気よ」
571:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:10:56.48:dyTditDE0 (13/87)
明石「赤城選手と言えば情け容赦のない試合運びで知られていますが……その戦いぶりが更に激しくなりそうですね」
香取「考えるだけでゾッとするわね。一体、何をしてくるのか……おまけに、赤城さんにはまだ出し切っていない技があるわ」
明石「那珂ちゃんとの試合で一瞬だけ見せた、古式ムエタイの技のことでしょうか」
香取「そうよ。ムエタイが競技化される前の、戦場や決闘で使われることを前提にした徒手格闘術。近代ムエタイ以上に危険な技を有しているわ」
香取「古流武術において、ここまで打撃のみに特化したものは中国拳法の流派にすらないでしょう。しかも、目的は相手を殺すことよ」
香取「戦場格闘技である古式ムエタイは、複数の敵を相手にすることも想定している。だから、1人の敵を倒すのに時間は掛けない」
香取「狙うのは肘、膝による一撃必殺。特に危険なのは肘打ちだと言われているわ。肘を急所のこめかみに受ければ、そのまま死ぬこともあるそうよ」
香取「更に、相手の膝を土台に飛び上がってから繰り出される空中技も危険ね。膝蹴りか、肘の打ち下ろしか、どちらにしろ受ければ致命傷ね」
香取「赤城さんはそういったムエタイの殺人技全てを使って扶桑さんを倒しに行くでしょう。ありったけの憎悪と殺意を込めてね」
香取「そんなものを受け止めてた上で、扶桑さんは勝たなくてはならない。今日の赤城さんは、今までで最強の赤城さんなんじゃないかしら」
明石「赤城選手と言えば情け容赦のない試合運びで知られていますが……その戦いぶりが更に激しくなりそうですね」
香取「考えるだけでゾッとするわね。一体、何をしてくるのか……おまけに、赤城さんにはまだ出し切っていない技があるわ」
明石「那珂ちゃんとの試合で一瞬だけ見せた、古式ムエタイの技のことでしょうか」
香取「そうよ。ムエタイが競技化される前の、戦場や決闘で使われることを前提にした徒手格闘術。近代ムエタイ以上に危険な技を有しているわ」
香取「古流武術において、ここまで打撃のみに特化したものは中国拳法の流派にすらないでしょう。しかも、目的は相手を殺すことよ」
香取「戦場格闘技である古式ムエタイは、複数の敵を相手にすることも想定している。だから、1人の敵を倒すのに時間は掛けない」
香取「狙うのは肘、膝による一撃必殺。特に危険なのは肘打ちだと言われているわ。肘を急所のこめかみに受ければ、そのまま死ぬこともあるそうよ」
香取「更に、相手の膝を土台に飛び上がってから繰り出される空中技も危険ね。膝蹴りか、肘の打ち下ろしか、どちらにしろ受ければ致命傷ね」
香取「赤城さんはそういったムエタイの殺人技全てを使って扶桑さんを倒しに行くでしょう。ありったけの憎悪と殺意を込めてね」
香取「そんなものを受け止めてた上で、扶桑さんは勝たなくてはならない。今日の赤城さんは、今までで最強の赤城さんなんじゃないかしら」
572:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:11:43.87:dyTditDE0 (14/87)
明石「試合展開としては、やはり赤城選手は立ち技での攻防を狙ってきますよね」
香取「まずはそれを狙うでしょうね。冷静に行くなら、最初は様子見に打ち合って扶桑さんの打撃のレベルを図り、本気で攻めるのはそれからよね」
香取「だけど、今日の赤城さんを見てると、そういう普通の戦術は取らなさそう。いきなり決めに行くかもしれないわ」
明石「確かに冷静な感じは欠片もありませんね。早く相手を殺したくて堪らない、といった雰囲気です」
香取「こういう相手とは誰も戦いたくないでしょうね。何をしてくるのかわからない、一番怖いタイプのファイターだわ」
香取「ただでさえ赤城さんは攻略の難しいストライカーよ。組み付けば密着状態からの打撃があり、タックルへの鋭い反応速度も持っている」
香取「仮にテイクダウンを取れたとしても、ブラジリアン柔術の技がある。ストライカー特有の弱点は一切持っていないわ」
香取「結局、赤城さんを倒すには正攻法で打ち破るか、那珂ちゃんがやったような意表を突く奇襲を成功させるしかないでしょう」
明石「扶桑選手はどちらの手段を選ぶと思われますか?」
香取「どうかしらね……扶桑さんのことだから、大和さんを倒したような作戦を色々考えてきているとは思うわ」
香取「だけど、今日の赤城さんは今までと違う。あんな野獣のように闘志を剥き出しにしている相手に、おそらく心理戦のような小細工は通用しない」
明石「試合展開としては、やはり赤城選手は立ち技での攻防を狙ってきますよね」
香取「まずはそれを狙うでしょうね。冷静に行くなら、最初は様子見に打ち合って扶桑さんの打撃のレベルを図り、本気で攻めるのはそれからよね」
香取「だけど、今日の赤城さんを見てると、そういう普通の戦術は取らなさそう。いきなり決めに行くかもしれないわ」
明石「確かに冷静な感じは欠片もありませんね。早く相手を殺したくて堪らない、といった雰囲気です」
香取「こういう相手とは誰も戦いたくないでしょうね。何をしてくるのかわからない、一番怖いタイプのファイターだわ」
香取「ただでさえ赤城さんは攻略の難しいストライカーよ。組み付けば密着状態からの打撃があり、タックルへの鋭い反応速度も持っている」
香取「仮にテイクダウンを取れたとしても、ブラジリアン柔術の技がある。ストライカー特有の弱点は一切持っていないわ」
香取「結局、赤城さんを倒すには正攻法で打ち破るか、那珂ちゃんがやったような意表を突く奇襲を成功させるしかないでしょう」
明石「扶桑選手はどちらの手段を選ぶと思われますか?」
香取「どうかしらね……扶桑さんのことだから、大和さんを倒したような作戦を色々考えてきているとは思うわ」
香取「だけど、今日の赤城さんは今までと違う。あんな野獣のように闘志を剥き出しにしている相手に、おそらく心理戦のような小細工は通用しない」
573:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:12:10.82:dyTditDE0 (15/87)
香取「赤城さんは怒りのボルテージが上がるほど、試合運びが冷酷になる傾向があるわ。激情で動きに隙が生じるようなこともないと思うの」
香取「となると、取れる手段は正攻法のみ。迂闊な奇襲は墓穴を掘る恐れがある。扶桑さんは最も過酷で、真っ当な手段を取るしかないわ」
明石「つまるところ……完全な実力勝負になるというわけですね」
香取「おそらくはね。以前の対戦だって、扶桑さんはあらゆる手段を赤城さんに潰されて、終盤はほとんど手詰まりの状況だったわ」
香取「200発に及ぶ打撃を耐え抜いてカウンターを当てたのは凄いけど、展開としては終始圧倒されていた。赤城さんはそれほどの相手なのよ」
香取「あの時点での地力は赤城さんのほうが格上だったわ。お互いに成長を遂げた今、どちらが優っているかはやってみないとわからないわね」
香取「確実に断言できるのは……死闘になる、というだけだわ」
明石「……ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました。赤城選手が放つあまりの威圧感に、レフェリーすら萎縮している様子です!」
香取「赤城さんは怒りのボルテージが上がるほど、試合運びが冷酷になる傾向があるわ。激情で動きに隙が生じるようなこともないと思うの」
香取「となると、取れる手段は正攻法のみ。迂闊な奇襲は墓穴を掘る恐れがある。扶桑さんは最も過酷で、真っ当な手段を取るしかないわ」
明石「つまるところ……完全な実力勝負になるというわけですね」
香取「おそらくはね。以前の対戦だって、扶桑さんはあらゆる手段を赤城さんに潰されて、終盤はほとんど手詰まりの状況だったわ」
香取「200発に及ぶ打撃を耐え抜いてカウンターを当てたのは凄いけど、展開としては終始圧倒されていた。赤城さんはそれほどの相手なのよ」
香取「あの時点での地力は赤城さんのほうが格上だったわ。お互いに成長を遂げた今、どちらが優っているかはやってみないとわからないわね」
香取「確実に断言できるのは……死闘になる、というだけだわ」
明石「……ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました。赤城選手が放つあまりの威圧感に、レフェリーすら萎縮している様子です!」
574:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:12:40.95:dyTditDE0 (16/87)
明石「対峙する扶桑選手も、やや張り詰めた表情をしております! ここまで凶暴性をむき出しにされ、流石に気圧されてしまっているのか!」
香取「赤城さんがこんなに露骨な態度で試合に臨むのは、扶桑さんも想定外、いえ想定以上のことでしょう。まずい出だしになるかも……」
明石「飢えた猛獣のような表情のまま、赤城選手がゆっくりコーナーに戻ります! 視線は扶桑選手から切らないままです!」
明石「扶桑選手もやや遅れてコーナーに戻る! セコンドの武蔵選手が何か叫んでいます、『落ち着いて行け』とアドバイスしているようです!」
明石「試合開始前から、早くも扶桑選手が相手に飲まれ気味です! 扶桑選手は冷静さを保てるのか、赤城選手は何を仕掛けてくるのか!」
明石「果たしてこの勝負、どのような結末を迎えるのでしょうか!? ゴングが鳴りました! 試合開始……同時に赤城選手が走ったぁぁぁ!」
明石「対峙する扶桑選手も、やや張り詰めた表情をしております! ここまで凶暴性をむき出しにされ、流石に気圧されてしまっているのか!」
香取「赤城さんがこんなに露骨な態度で試合に臨むのは、扶桑さんも想定外、いえ想定以上のことでしょう。まずい出だしになるかも……」
明石「飢えた猛獣のような表情のまま、赤城選手がゆっくりコーナーに戻ります! 視線は扶桑選手から切らないままです!」
明石「扶桑選手もやや遅れてコーナーに戻る! セコンドの武蔵選手が何か叫んでいます、『落ち着いて行け』とアドバイスしているようです!」
明石「試合開始前から、早くも扶桑選手が相手に飲まれ気味です! 扶桑選手は冷静さを保てるのか、赤城選手は何を仕掛けてくるのか!」
明石「果たしてこの勝負、どのような結末を迎えるのでしょうか!? ゴングが鳴りました! 試合開始……同時に赤城選手が走ったぁぁぁ!」
575:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:13:09.61:dyTditDE0 (17/87)
明石「瞬く間に距離が狭まる! 扶桑選手、遅れてコーナーを飛び出し構えを取る! 上段を警戒した空手寄りの……胴タックル!?」
香取「これは……かつての武蔵さんへの意趣返し!?」
明石「なんと、赤城選手が胴タックルを仕掛けました! 扶桑選手、打撃を警戒し過ぎてしまった! 一気にバランスを崩されます!」
明石「赤城選手、朽木倒しの要領であっさりとテイクダウンを取った! 即座にパスガードに掛かる! ま、マウントポジションです!」
明石「まだ試合開始から10秒も経っていない! 劇的な速度で早くも試合の趨勢を握りました、赤城選手! 扶桑選手が追い込まれている!」
明石「いや、扶桑選手もすぐさま反撃の体勢を整えます! 素早く相手を抱き込んで密着させました! まずはパウンドを封じ込みます!」
明石「そのまま横に引き剥がそうとしていますが、赤城選手はブラジリアン柔術の有段者! 巧みにマウントを維持し、全く離れません!」
明石「瞬く間に距離が狭まる! 扶桑選手、遅れてコーナーを飛び出し構えを取る! 上段を警戒した空手寄りの……胴タックル!?」
香取「これは……かつての武蔵さんへの意趣返し!?」
明石「なんと、赤城選手が胴タックルを仕掛けました! 扶桑選手、打撃を警戒し過ぎてしまった! 一気にバランスを崩されます!」
明石「赤城選手、朽木倒しの要領であっさりとテイクダウンを取った! 即座にパスガードに掛かる! ま、マウントポジションです!」
明石「まだ試合開始から10秒も経っていない! 劇的な速度で早くも試合の趨勢を握りました、赤城選手! 扶桑選手が追い込まれている!」
明石「いや、扶桑選手もすぐさま反撃の体勢を整えます! 素早く相手を抱き込んで密着させました! まずはパウンドを封じ込みます!」
明石「そのまま横に引き剥がそうとしていますが、赤城選手はブラジリアン柔術の有段者! 巧みにマウントを維持し、全く離れません!」
576:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:13:46.80:dyTditDE0 (18/87)
明石「ここで赤城選手、肘打ちを繰り出した! 首を狙っています! この密着状態では威力は減衰する反面、防ぐことも出来ない!」
明石「赤城選手は冷静だ! はち切れんばかりの殺意を制御し、着実な試合運びで扶桑選手にダメージを蓄積させてします! 扶桑選手危うし!」
香取「まずい展開ね。赤城さんは打撃勝負に拘るんじゃないかと思ってたけど、そんなことはどうでもいいみたい」
香取「赤城さんは最善、最良の手段で勝ちを狙っているわ。やはり激情による隙はない、どうにか扶桑さんはこの状況を抜け出さないと……!」
明石「赤城選手、更に肘で頭部を狙います! カットして出血させることが目的か! 密着状態のまま、地道にダメージを与えようとしています!」
明石「これ以上肘をもらい続けるわけにはいかない! 扶桑選手が密着状態を解きます! それだけではない、赤城選手の両襟を掴んだ!」
明石「そして襟を力の限り交差させた! 十字絞めです! 襟で頸動脈を極める絞め技だ! マウントを取られたまま、赤城選手を仕留めに掛かる!」
明石「ここで赤城選手、肘打ちを繰り出した! 首を狙っています! この密着状態では威力は減衰する反面、防ぐことも出来ない!」
明石「赤城選手は冷静だ! はち切れんばかりの殺意を制御し、着実な試合運びで扶桑選手にダメージを蓄積させてします! 扶桑選手危うし!」
香取「まずい展開ね。赤城さんは打撃勝負に拘るんじゃないかと思ってたけど、そんなことはどうでもいいみたい」
香取「赤城さんは最善、最良の手段で勝ちを狙っているわ。やはり激情による隙はない、どうにか扶桑さんはこの状況を抜け出さないと……!」
明石「赤城選手、更に肘で頭部を狙います! カットして出血させることが目的か! 密着状態のまま、地道にダメージを与えようとしています!」
明石「これ以上肘をもらい続けるわけにはいかない! 扶桑選手が密着状態を解きます! それだけではない、赤城選手の両襟を掴んだ!」
明石「そして襟を力の限り交差させた! 十字絞めです! 襟で頸動脈を極める絞め技だ! マウントを取られたまま、赤城選手を仕留めに掛かる!」
577:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:14:20.02:dyTditDE0 (19/87)
明石「攻撃に集中し過ぎたか、赤城選手は対応が遅れました! 絞めは完全に入っている! しかし、両腕はフリーです! 反撃は可能!」
明石「赤城選手の反撃より先に、扶桑選手、落とせるか!? 赤城選手はどのように……肩を掴んだ!? これは、パウンドでも絞め技でもない!」
明石「膝が振り上がったぁぁぁ! マウント状態からの膝の振り落とし! 狙いは急所の下腹部! この一撃は危険だぁぁぁ!」
明石「落とした! 地響きのような衝撃がマットを揺るがせます! 間一髪、扶桑選手は身を躱しました! 同時にマウントポジションからも脱出!」
明石「一度距離を取ろうとする扶桑選手に、赤城が追いすがる! 重心が低い! 足を狙ったタックルだ! なおも赤城、グラウンドを狙う!」
明石「扶桑選手は足を引いてタックルを切っ……は、ハイキック炸裂ぅぅぅ!? あの体勢から!? 右のゼロ距離ハイキック繰り出されました!」
明石「攻撃に集中し過ぎたか、赤城選手は対応が遅れました! 絞めは完全に入っている! しかし、両腕はフリーです! 反撃は可能!」
明石「赤城選手の反撃より先に、扶桑選手、落とせるか!? 赤城選手はどのように……肩を掴んだ!? これは、パウンドでも絞め技でもない!」
明石「膝が振り上がったぁぁぁ! マウント状態からの膝の振り落とし! 狙いは急所の下腹部! この一撃は危険だぁぁぁ!」
明石「落とした! 地響きのような衝撃がマットを揺るがせます! 間一髪、扶桑選手は身を躱しました! 同時にマウントポジションからも脱出!」
明石「一度距離を取ろうとする扶桑選手に、赤城が追いすがる! 重心が低い! 足を狙ったタックルだ! なおも赤城、グラウンドを狙う!」
明石「扶桑選手は足を引いてタックルを切っ……は、ハイキック炸裂ぅぅぅ!? あの体勢から!? 右のゼロ距離ハイキック繰り出されました!」
578:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:14:49.84:dyTditDE0 (20/87)
明石「タックルをフェイントに使い、ほぼ垂直に振り上がる脅威のハイキック! 扶桑選手の側頭部にヒット! 大きく体勢が崩れます!」
香取「上手い! 1つ1つが必殺、しかも次の動きにまで繋げている。完璧な戦いぶりだわ。今の、ガードを下げてたら終わってたわよ」
明石「おっと、扶桑選手ダウンしない! どうやら左のガードを上げたままにしておいたようです! ハイキックのクリーンヒットは回避!」
明石「しかしガード越しでも体勢を崩すほどの、恐るべき蹴りの威力! 赤城選手、今度はレバーブローを狙った! これは肘でブロックされる!」
明石「体勢を立て直すため、扶桑選手は一時退却! 今度は赤城選手も深追いはしません、こちらも構えを取り直します!」
明石「赤城選手がガードを上げた! アップライト気味のムエタイの構えです! 同じように扶桑選手も頭部のガードを固めます!」
明石「タックルをフェイントに使い、ほぼ垂直に振り上がる脅威のハイキック! 扶桑選手の側頭部にヒット! 大きく体勢が崩れます!」
香取「上手い! 1つ1つが必殺、しかも次の動きにまで繋げている。完璧な戦いぶりだわ。今の、ガードを下げてたら終わってたわよ」
明石「おっと、扶桑選手ダウンしない! どうやら左のガードを上げたままにしておいたようです! ハイキックのクリーンヒットは回避!」
明石「しかしガード越しでも体勢を崩すほどの、恐るべき蹴りの威力! 赤城選手、今度はレバーブローを狙った! これは肘でブロックされる!」
明石「体勢を立て直すため、扶桑選手は一時退却! 今度は赤城選手も深追いはしません、こちらも構えを取り直します!」
明石「赤城選手がガードを上げた! アップライト気味のムエタイの構えです! 同じように扶桑選手も頭部のガードを固めます!」
579:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:15:32.60:dyTditDE0 (21/87)
明石「共にフットワークを使いながら距離を詰める! 今まで見られなかった扶桑選手のフットワークです! これは打撃戦になるか!」
香取「扶桑さんは気持ちの面でも持ち直せたようね。ここからの攻勢が肝心よ。うまく距離を計りながら打ち合う必要があるわ」
香取「中距離では有利かもしれないけど、蹴りと首相撲からの打撃は赤城さんに一日の長がある。フットワークをどれだけ使えるかが勝負の分け目ね」
明石「まもなく接敵します! 先手を取ったのは赤城選手! いきなり右のハイキックだ! 扶桑選手、これをダッキングで回避!」
明石「そのままアッパーカットで反撃に移る! スウェーで躱された! 同時に赤城選手、下段への前蹴り! つま先が膝に入りました!」
明石「扶桑選手、下がらずに左フック! これもスウェーバックで回避、更に下段前蹴り! またも膝に蹴りが当たります!」
明石「足へのダメージはさほどではないようですが、前蹴りによって扶桑選手、踏み込みが止められてしまっています! 距離を詰められない!」
明石「共にフットワークを使いながら距離を詰める! 今まで見られなかった扶桑選手のフットワークです! これは打撃戦になるか!」
香取「扶桑さんは気持ちの面でも持ち直せたようね。ここからの攻勢が肝心よ。うまく距離を計りながら打ち合う必要があるわ」
香取「中距離では有利かもしれないけど、蹴りと首相撲からの打撃は赤城さんに一日の長がある。フットワークをどれだけ使えるかが勝負の分け目ね」
明石「まもなく接敵します! 先手を取ったのは赤城選手! いきなり右のハイキックだ! 扶桑選手、これをダッキングで回避!」
明石「そのままアッパーカットで反撃に移る! スウェーで躱された! 同時に赤城選手、下段への前蹴り! つま先が膝に入りました!」
明石「扶桑選手、下がらずに左フック! これもスウェーバックで回避、更に下段前蹴り! またも膝に蹴りが当たります!」
明石「足へのダメージはさほどではないようですが、前蹴りによって扶桑選手、踏み込みが止められてしまっています! 距離を詰められない!」
580:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:16:30.43:dyTditDE0 (22/87)
明石「距離が開くやいなや、再び赤城選手のハイキック! いや、軌道が変わった! ミドルキックだ! 蹴りが頭部ではなく中段を狙う!」
明石「辛うじてブロックが間に合いました! 蹴りの間合いを潰そうと扶桑選手、前進! しかしその足を下段前蹴りが止める!」
明石「巧みに距離を維持し、パンチを打たせません! やはり立ち技の攻防は赤城選手が一枚上手か! 扶桑選手、中距離に入れない!」
香取「さすがに打撃戦をやり慣れてるわね。浅い前蹴りでフットワークを潰して、自分の得意な間合いを完璧に保ってるわ」
香取「何より恐ろしいのは、あの殺意に満ち満ちたコンディションでこんな地道な戦い方をやってのける精神性ね。扶桑さんもかなりやりにくそうよ」
明石「ここで扶桑選手、ローキックを放ちました! 赤城選手は脛受け! 堅牢な脛にブロックされ、下段蹴りは通りません!」
明石「フットワークで回り込もうとしますが、赤城選手も俊敏さでは負けていない! しっかりと正面に扶桑選手を捉え、照準を外しません!」
明石「距離が開くやいなや、再び赤城選手のハイキック! いや、軌道が変わった! ミドルキックだ! 蹴りが頭部ではなく中段を狙う!」
明石「辛うじてブロックが間に合いました! 蹴りの間合いを潰そうと扶桑選手、前進! しかしその足を下段前蹴りが止める!」
明石「巧みに距離を維持し、パンチを打たせません! やはり立ち技の攻防は赤城選手が一枚上手か! 扶桑選手、中距離に入れない!」
香取「さすがに打撃戦をやり慣れてるわね。浅い前蹴りでフットワークを潰して、自分の得意な間合いを完璧に保ってるわ」
香取「何より恐ろしいのは、あの殺意に満ち満ちたコンディションでこんな地道な戦い方をやってのける精神性ね。扶桑さんもかなりやりにくそうよ」
明石「ここで扶桑選手、ローキックを放ちました! 赤城選手は脛受け! 堅牢な脛にブロックされ、下段蹴りは通りません!」
明石「フットワークで回り込もうとしますが、赤城選手も俊敏さでは負けていない! しっかりと正面に扶桑選手を捉え、照準を外しません!」
581:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:17:01.87:dyTditDE0 (23/87)
明石「今度は赤城選手がローキック! 扶桑選手も脛受けで対抗しますが、威力が段違いだ! 脛ごと叩き折ろうとするかのような強烈な蹴り!」
明石「もう1発ロー、いやミドルキック! 肘で受け止めました! 赤城選手の蹴り技が冴え渡る! 立ち技絶対王者の名は伊達ではない!」
明石「その獰猛なオーラとは裏腹に、着実な戦法で試合の主導権を握っています、赤城選手! 扶桑選手はどう反撃するのか!」
香取「上、中、下段に蹴りを打ち分けてきたわね。あれをやられるとかなり厄介よ。どこをガードすべきなのか、見分けが付きにくくなるのよ」
香取「下段、中段の蹴りに目が慣れた頃合いにハイキックを打たれると、驚くほどあっさり蹴りをもらうことが多いわ。それを狙われてるわね」
香取「逆にハイキックを警戒し過ぎれば、下段、中段にクリーンヒットが入る。赤城さんの蹴りはどこに当たっても効く。まずい展開だわ」
明石「再びローキック! 足を浮かせて受けたのに、体勢が崩れた! 脛受けが通用しません! 恐ろしい蹴りの威力です!」
明石「まともに太腿へ入れば、一撃で機動力を奪われ兼ねない! 追撃を避けて扶桑選手が後退! 赤城選手は前進します!」
明石「今度は赤城選手がローキック! 扶桑選手も脛受けで対抗しますが、威力が段違いだ! 脛ごと叩き折ろうとするかのような強烈な蹴り!」
明石「もう1発ロー、いやミドルキック! 肘で受け止めました! 赤城選手の蹴り技が冴え渡る! 立ち技絶対王者の名は伊達ではない!」
明石「その獰猛なオーラとは裏腹に、着実な戦法で試合の主導権を握っています、赤城選手! 扶桑選手はどう反撃するのか!」
香取「上、中、下段に蹴りを打ち分けてきたわね。あれをやられるとかなり厄介よ。どこをガードすべきなのか、見分けが付きにくくなるのよ」
香取「下段、中段の蹴りに目が慣れた頃合いにハイキックを打たれると、驚くほどあっさり蹴りをもらうことが多いわ。それを狙われてるわね」
香取「逆にハイキックを警戒し過ぎれば、下段、中段にクリーンヒットが入る。赤城さんの蹴りはどこに当たっても効く。まずい展開だわ」
明石「再びローキック! 足を浮かせて受けたのに、体勢が崩れた! 脛受けが通用しません! 恐ろしい蹴りの威力です!」
明石「まともに太腿へ入れば、一撃で機動力を奪われ兼ねない! 追撃を避けて扶桑選手が後退! 赤城選手は前進します!」
582:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:17:32.63:dyTditDE0 (24/87)
明石「更にローキック! 今度は左で太腿を狙いました! 浅めの蹴りですが、命中! 徐々に足へのダメージが浮き彫りになりつつあります!」
明石「この状況を覆す術はあるのか、扶桑選手! またもや赤城選手はローキッ……違う、足が振り上がった! ここで右のハイキックだぁぁぁ!」
明石「いや! 扶桑選手は読んでいた! 蹴りと同時に突進! ハイキックの懐に入り込みました! キックの間合いを潰した!」
明石「蹴り足を抱え込みました! 扶桑選手、ハイキックの攻略に成功! 赤城選手が片足立ちを強いられます! 大きなチャンスを手にしました!」
香取「そろそろ下段に目が慣れたから、ハイキックを打ってくるとヤマを張っていたのね。いえ、最初からハイキック封じを狙っていたんだわ」
香取「右脚を抱え込めばキックはおろか、立つことで精一杯よ。後は押し込むだけでテイクダウンが取れるはず……ちょっと、嘘でしょう!?」
明石「扶桑選手、そのまま一気に押し込んだ! テイクダウンを……取れない!? 赤城選手、片足のままスタンド状態を維持しています!」
明石「更にローキック! 今度は左で太腿を狙いました! 浅めの蹴りですが、命中! 徐々に足へのダメージが浮き彫りになりつつあります!」
明石「この状況を覆す術はあるのか、扶桑選手! またもや赤城選手はローキッ……違う、足が振り上がった! ここで右のハイキックだぁぁぁ!」
明石「いや! 扶桑選手は読んでいた! 蹴りと同時に突進! ハイキックの懐に入り込みました! キックの間合いを潰した!」
明石「蹴り足を抱え込みました! 扶桑選手、ハイキックの攻略に成功! 赤城選手が片足立ちを強いられます! 大きなチャンスを手にしました!」
香取「そろそろ下段に目が慣れたから、ハイキックを打ってくるとヤマを張っていたのね。いえ、最初からハイキック封じを狙っていたんだわ」
香取「右脚を抱え込めばキックはおろか、立つことで精一杯よ。後は押し込むだけでテイクダウンが取れるはず……ちょっと、嘘でしょう!?」
明石「扶桑選手、そのまま一気に押し込んだ! テイクダウンを……取れない!? 赤城選手、片足のままスタンド状態を維持しています!」
583:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:18:01.42:dyTditDE0 (25/87)
明石「前に押されても、横へ引っ張られても、巧みにバランスを維持している! あんな不安定な状態で、まるで倒れる気配がありません!」
明石「逆に右脚を抱え込こんだ、扶桑選手のほうが攻めあぐねている!? この状態では打撃が使えず、倒せないならやれることがない!」
香取「いえ、あるわ。押し込んで倒せなくても、関節技なら……!」
明石「赤城選手は構えを解いていません! まさか、この体勢からでも打撃を使うことができるのか! あっ、抱えられた足を押し込んだ!」
明石「同時に片足の赤城が踏み込む! 右ストレート!? あんな体勢から、あれほど鋭いパンチを! 扶桑選手の頬を掠めていきました!」
明石「片足を取らせたまま、仕留めようというのか! かといって扶桑選手も足を放すわけには……あっと、今度は扶桑選手、足を後ろに引いた!」
明石「そして跳びついた! 関節技です! 跳び膝十字固めだぁぁぁ! 極まれば勝負は決まっ……飛び蹴り!?」
香取「あんな体勢から!? どんな体のバネしてるのよ!」
明石「赤城選手が軸足で跳んだ! 同時に扶桑選手のあごへ飛び蹴りが炸裂ぅぅぅ! 膝十字が解けます! 関節技は不発!」
明石「前に押されても、横へ引っ張られても、巧みにバランスを維持している! あんな不安定な状態で、まるで倒れる気配がありません!」
明石「逆に右脚を抱え込こんだ、扶桑選手のほうが攻めあぐねている!? この状態では打撃が使えず、倒せないならやれることがない!」
香取「いえ、あるわ。押し込んで倒せなくても、関節技なら……!」
明石「赤城選手は構えを解いていません! まさか、この体勢からでも打撃を使うことができるのか! あっ、抱えられた足を押し込んだ!」
明石「同時に片足の赤城が踏み込む! 右ストレート!? あんな体勢から、あれほど鋭いパンチを! 扶桑選手の頬を掠めていきました!」
明石「片足を取らせたまま、仕留めようというのか! かといって扶桑選手も足を放すわけには……あっと、今度は扶桑選手、足を後ろに引いた!」
明石「そして跳びついた! 関節技です! 跳び膝十字固めだぁぁぁ! 極まれば勝負は決まっ……飛び蹴り!?」
香取「あんな体勢から!? どんな体のバネしてるのよ!」
明石「赤城選手が軸足で跳んだ! 同時に扶桑選手のあごへ飛び蹴りが炸裂ぅぅぅ! 膝十字が解けます! 関節技は不発!」
584:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:18:37.20:dyTditDE0 (26/87)
明石「両者、リングに倒れ込む! 先に起きたのはダメージのない赤城選手! 扶桑選手も遅れて起きますが、もう遅い! 一息で組み付かれた!」
明石「扶桑選手が最も避け、赤城選手が最も望んだ展開がやって来ました! ムエタイの真骨頂、首相撲! ここからの打撃は、赤城の領域です!」
明石「まずは赤城、頭を押し下げようとしています! しかし、それだけは避けねばならない! 扶桑選手、抵抗しつつレバーブローを放った!」
明石「命中しましたが、密着状態では威力がない! 逆に赤城選手の打撃は、この状態でこそ真の脅威を発揮するのです!」
明石「わずかに下がった頭部に、肘の打ち下ろしが入ったぁぁぁ! これは痛烈だ! 一撃で裂傷が入った! みるみる出血が始まります!」
明石「もう肘を打たすわけにはいかない扶桑選手、腕で頭部を守った! そこへすかさず膝蹴りぃぃぃ! 戦慄の膝があごを打ち抜きました!」
明石「浮き上がった頭を、赤城選手が無理やり押し下げる! これが意味するのは、処刑人が咎人の首をギロチンに固定したのと同じ!」
明石「始まったぁぁぁ! 膝蹴りの連打です! 顔面、ボディ! 顔面、顔面、ボディ! 戦慄の膝蹴りが容赦なく扶桑選手を襲う!」
明石「両者、リングに倒れ込む! 先に起きたのはダメージのない赤城選手! 扶桑選手も遅れて起きますが、もう遅い! 一息で組み付かれた!」
明石「扶桑選手が最も避け、赤城選手が最も望んだ展開がやって来ました! ムエタイの真骨頂、首相撲! ここからの打撃は、赤城の領域です!」
明石「まずは赤城、頭を押し下げようとしています! しかし、それだけは避けねばならない! 扶桑選手、抵抗しつつレバーブローを放った!」
明石「命中しましたが、密着状態では威力がない! 逆に赤城選手の打撃は、この状態でこそ真の脅威を発揮するのです!」
明石「わずかに下がった頭部に、肘の打ち下ろしが入ったぁぁぁ! これは痛烈だ! 一撃で裂傷が入った! みるみる出血が始まります!」
明石「もう肘を打たすわけにはいかない扶桑選手、腕で頭部を守った! そこへすかさず膝蹴りぃぃぃ! 戦慄の膝があごを打ち抜きました!」
明石「浮き上がった頭を、赤城選手が無理やり押し下げる! これが意味するのは、処刑人が咎人の首をギロチンに固定したのと同じ!」
明石「始まったぁぁぁ! 膝蹴りの連打です! 顔面、ボディ! 顔面、顔面、ボディ! 戦慄の膝蹴りが容赦なく扶桑選手を襲う!」
585:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:19:14.94:dyTditDE0 (27/87)
明石「扶桑選手が両手でガードを試みますが、全ては防ぎ切れない! 首を制されたこの状態では、距離を取ることも叶わない!」
明石「ボディ、顔面、顔面、顔面! 血がマットに飛び散りました! 全ての対戦者を血の海に沈めてきた、この戦い方こそ緋色の暴君!」
明石「この状態に持ち込まれ、自力で生還できた者は1人もいない! 扶桑選手は、その初の生還者になるしか勝機がありません!」
香取「……ダメージを受けて過ぎてるわ。たとえ抜け出しても、まともに動ける余力が残っているかどうか……」
明石「更に顔面! ここで扶桑選手、顔を砕きにきた膝を捉えた! 再び片足の捕獲に成功しますが、これだけでは赤城は止まらない!」
明石「片足でバランスを取りながら、肘の振り下ろしです! また頭頂部に入った! 膝を抱えているため、ガードができない!」
明石「完全なジリ貧に陥りました、扶桑選手! まさか、ここで終わってしまうのか! 不沈艦がとうとう沈み……ええっ、何それ!?」
香取「も……持ち上げた!?」
明石「あ、赤城選手の膝を抱え、宙に持ち上げました! 扶桑選手にはこれほどの膂力があったのか! 地に足が着いていなければ、肘も打てない!」
明石「扶桑選手が両手でガードを試みますが、全ては防ぎ切れない! 首を制されたこの状態では、距離を取ることも叶わない!」
明石「ボディ、顔面、顔面、顔面! 血がマットに飛び散りました! 全ての対戦者を血の海に沈めてきた、この戦い方こそ緋色の暴君!」
明石「この状態に持ち込まれ、自力で生還できた者は1人もいない! 扶桑選手は、その初の生還者になるしか勝機がありません!」
香取「……ダメージを受けて過ぎてるわ。たとえ抜け出しても、まともに動ける余力が残っているかどうか……」
明石「更に顔面! ここで扶桑選手、顔を砕きにきた膝を捉えた! 再び片足の捕獲に成功しますが、これだけでは赤城は止まらない!」
明石「片足でバランスを取りながら、肘の振り下ろしです! また頭頂部に入った! 膝を抱えているため、ガードができない!」
明石「完全なジリ貧に陥りました、扶桑選手! まさか、ここで終わってしまうのか! 不沈艦がとうとう沈み……ええっ、何それ!?」
香取「も……持ち上げた!?」
明石「あ、赤城選手の膝を抱え、宙に持ち上げました! 扶桑選手にはこれほどの膂力があったのか! 地に足が着いていなければ、肘も打てない!」
586:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:19:43.03:dyTditDE0 (28/87)
明石「そのまま、スープレックスで投げ落としたぁぁぁ! 不自然な体勢で無理に投げられ、赤城選手が受け身に失敗! 完全に頭から落ちた!」
明石「首にも大きな負荷が掛かったはずです! このダメージはかなり深刻な……えっ、起きた!? 一瞬で跳ね起きました!」
香取「ダメージが、全くない!?」
明石「ダメージを受けている様子がありません! 頭からは多少の流血があるものの、呼吸も立ち姿も全く揺らぎがない!」
明石「起死回生の投げにより首相撲から生還した扶桑選手ですが、こちらは大きなダメージを負っています! 顔は血にまみれ、呼吸は荒い!」
明石「武蔵選手を思わせる膂力は凄まじいものでしたが、あの投げで体力を消費してしまったか! スタミナは残りわずかに見えます!」
明石「対する赤城選手は余力十分、目に殺意がみなぎっています! どうやら、怒りと憎しみでダメージを感じていない模様!」
明石「しかも、赤城選手が取っている構えは、従来のムエタイのものではありません! ステップを止め、中段に拳を構えた!」
明石「そのまま、スープレックスで投げ落としたぁぁぁ! 不自然な体勢で無理に投げられ、赤城選手が受け身に失敗! 完全に頭から落ちた!」
明石「首にも大きな負荷が掛かったはずです! このダメージはかなり深刻な……えっ、起きた!? 一瞬で跳ね起きました!」
香取「ダメージが、全くない!?」
明石「ダメージを受けている様子がありません! 頭からは多少の流血があるものの、呼吸も立ち姿も全く揺らぎがない!」
明石「起死回生の投げにより首相撲から生還した扶桑選手ですが、こちらは大きなダメージを負っています! 顔は血にまみれ、呼吸は荒い!」
明石「武蔵選手を思わせる膂力は凄まじいものでしたが、あの投げで体力を消費してしまったか! スタミナは残りわずかに見えます!」
明石「対する赤城選手は余力十分、目に殺意がみなぎっています! どうやら、怒りと憎しみでダメージを感じていない模様!」
明石「しかも、赤城選手が取っている構えは、従来のムエタイのものではありません! ステップを止め、中段に拳を構えた!」
587:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:20:05.57:co57PhOz0 (1/1)
赤城の猛攻だな。
赤城の猛攻だな。
588:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:20:10.13:dyTditDE0 (29/87)
明石「先の試合で那珂ちゃんにトドメを刺した、古式ムエタイの構え! 戦場格闘技としての殺し技で扶桑選手を仕留めるつもりです!」
明石「扶桑選手はこれを打ち破らなければならない! 扶桑選手に構えの変更はありません! 頭部をガードで固め、フットワークを始めます!」
明石「まだ戦う力は残っている! この勝負はどちらかが身も心もへし折れるまで、終わることはないのです!」
明石「扶桑選手が一歩踏み出す! 同時に赤城選手も動く! 赤城のほうが速い! 一息で蹴りの間合いに入った! まずは中段前蹴りを放つ!」
明石「これを扶桑選手、パリィで捌く! が、ただの前蹴りではない! 赤城選手が跳んだ! 二段前蹴りです! 二発目の蹴りが水月にヒット!」
明石「わずかに扶桑選手がよろめく! その隙を見逃さず、赤城が至近距離へ間合いを詰める! 肘の射程距離です! 迷わず肘打ちを放った!」
明石「側頭部狙いの一撃は、左腕でブロック! しかし瞬時に赤城が身を翻す! バックエルボーです! 顔面、いや軌道が変わった!」
明石「先の試合で那珂ちゃんにトドメを刺した、古式ムエタイの構え! 戦場格闘技としての殺し技で扶桑選手を仕留めるつもりです!」
明石「扶桑選手はこれを打ち破らなければならない! 扶桑選手に構えの変更はありません! 頭部をガードで固め、フットワークを始めます!」
明石「まだ戦う力は残っている! この勝負はどちらかが身も心もへし折れるまで、終わることはないのです!」
明石「扶桑選手が一歩踏み出す! 同時に赤城選手も動く! 赤城のほうが速い! 一息で蹴りの間合いに入った! まずは中段前蹴りを放つ!」
明石「これを扶桑選手、パリィで捌く! が、ただの前蹴りではない! 赤城選手が跳んだ! 二段前蹴りです! 二発目の蹴りが水月にヒット!」
明石「わずかに扶桑選手がよろめく! その隙を見逃さず、赤城が至近距離へ間合いを詰める! 肘の射程距離です! 迷わず肘打ちを放った!」
明石「側頭部狙いの一撃は、左腕でブロック! しかし瞬時に赤城が身を翻す! バックエルボーです! 顔面、いや軌道が変わった!」
589:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:20:41.20:dyTditDE0 (30/87)
明石「肘が脇腹に突き刺さった! これは相当に効いている! 扶桑選手が体勢を崩す! 更に追撃が……いや、赤城選手もよろめいた!?」
明石「ふらつくように赤城選手が後退! その額には脂汗が吹き出ています! 腰の右側あたりを手で庇っていますが、これは!?」
香取「今のは相討ちだったみたいね。扶桑さんはバックエルボーを受ける寸前に、キドニーブローを放っていたのよ。ボクシングでの反則技ね」
香取「いわゆる腎臓打ち。骨格で守られていない内蔵の1つ、腎臓を狙って打つ。腎臓は背中側にあるから、普通は打てないんだけど」
香取「赤城さんは不用意に背中を向けてしまったわね。ボクシングにはこういう裏技があることくらい、警戒しておかなくちゃ」
明石「共にボディへ強烈な打撃を受け、すぐには攻撃に移れない! ですが決して倒れてはいない! まだどちらも戦意高揚!」
明石「ほぼ同時に両者が立ち直ります! 赤城選手はやはり古式ムエタイの構え! 扶桑選手はフットワークでそれに対抗します!」
明石「赤城選手が先に動いた! 蹴りは打たない! 一気に至近距離まで迫るつもりです! 扶桑選手はサイドに回り込む!」
明石「肘が脇腹に突き刺さった! これは相当に効いている! 扶桑選手が体勢を崩す! 更に追撃が……いや、赤城選手もよろめいた!?」
明石「ふらつくように赤城選手が後退! その額には脂汗が吹き出ています! 腰の右側あたりを手で庇っていますが、これは!?」
香取「今のは相討ちだったみたいね。扶桑さんはバックエルボーを受ける寸前に、キドニーブローを放っていたのよ。ボクシングでの反則技ね」
香取「いわゆる腎臓打ち。骨格で守られていない内蔵の1つ、腎臓を狙って打つ。腎臓は背中側にあるから、普通は打てないんだけど」
香取「赤城さんは不用意に背中を向けてしまったわね。ボクシングにはこういう裏技があることくらい、警戒しておかなくちゃ」
明石「共にボディへ強烈な打撃を受け、すぐには攻撃に移れない! ですが決して倒れてはいない! まだどちらも戦意高揚!」
明石「ほぼ同時に両者が立ち直ります! 赤城選手はやはり古式ムエタイの構え! 扶桑選手はフットワークでそれに対抗します!」
明石「赤城選手が先に動いた! 蹴りは打たない! 一気に至近距離まで迫るつもりです! 扶桑選手はサイドに回り込む!」
590:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:21:17.87:dyTditDE0 (31/87)
明石「しかし、即座に赤城選手も追う! 扶桑選手の放った左フックをくぐり抜け、懐に入った! そして膝蹴りぃぃぃ、カウンター!?」
香取「うっわ……」
明石「ず、頭突きです! 扶桑選手、懐に潜り込んできた赤城選手目掛けて、頭突きを敢行! 赤城選手、顔面へもろに食らった!」
明石「先の首相撲での攻防とは逆に、扶桑選手のほうが赤城の頭を掴む! そしてもう1発頭突きぃぃぃ! 赤城選手の顔から血が迸る!」
明石「扶桑選手が手を放した! もちろん、終わらせたわけではない! ショートアッパーが入ったぁぁぁ! 続いて、ダメ押しの右フック!」
明石「これも顔面に入りました! 赤城選手が崩れ落ち……いや、反撃! こちらも右フックを繰り出した! しかし、スウェーで空振り!」
明石「即座に扶桑選手が右ストレートを放った! これも直撃ぃ! 中距離戦では扶桑選手が上なのか! パンチで赤城を圧倒しています!」
明石「それでも赤城選手は下がらない! 鬼のような形相で再び拳を突き出した! それよりも先に扶桑選手の左ジャブが顔面を捉える!」
明石「しかし、即座に赤城選手も追う! 扶桑選手の放った左フックをくぐり抜け、懐に入った! そして膝蹴りぃぃぃ、カウンター!?」
香取「うっわ……」
明石「ず、頭突きです! 扶桑選手、懐に潜り込んできた赤城選手目掛けて、頭突きを敢行! 赤城選手、顔面へもろに食らった!」
明石「先の首相撲での攻防とは逆に、扶桑選手のほうが赤城の頭を掴む! そしてもう1発頭突きぃぃぃ! 赤城選手の顔から血が迸る!」
明石「扶桑選手が手を放した! もちろん、終わらせたわけではない! ショートアッパーが入ったぁぁぁ! 続いて、ダメ押しの右フック!」
明石「これも顔面に入りました! 赤城選手が崩れ落ち……いや、反撃! こちらも右フックを繰り出した! しかし、スウェーで空振り!」
明石「即座に扶桑選手が右ストレートを放った! これも直撃ぃ! 中距離戦では扶桑選手が上なのか! パンチで赤城を圧倒しています!」
明石「それでも赤城選手は下がらない! 鬼のような形相で再び拳を突き出した! それよりも先に扶桑選手の左ジャブが顔面を捉える!」
591:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:21:49.42:dyTditDE0 (32/87)
明石「そのまま乱打戦にもつれ込みました! 両選手の拳が交錯する! もうガードする暇すら惜しい! 矢継ぎ早にパンチが繰り出されます!」
明石「赤城の左フックが命中! 扶桑選手のレバーブローも入った! 一進一退の打撃戦です! 扶桑選手、打ち続けることで蹴りを出させない!」
明石「どちらも止まりません! 顔面とボディに無数の拳が入っている! ですが……徐々に、徐々に赤城選手が押されている!」
明石「スピード、技術、パワー、全てにおいてほんのわずかに扶桑選手が上回っている! 赤城選手が手数で押し込まれていきます!」
明石「扶桑選手のパンチが入る度に、赤城選手が後退していく! 押されている! 立ち技王者と呼ばれた赤城選手が打撃で圧倒されている!」
明石「とうとうコーナーまで押し込まれてしまった! 扶桑選手が休まずラッシュを打ち続ける! 赤城選手の反撃が徐々に減っていきます!」
明石「そのまま乱打戦にもつれ込みました! 両選手の拳が交錯する! もうガードする暇すら惜しい! 矢継ぎ早にパンチが繰り出されます!」
明石「赤城の左フックが命中! 扶桑選手のレバーブローも入った! 一進一退の打撃戦です! 扶桑選手、打ち続けることで蹴りを出させない!」
明石「どちらも止まりません! 顔面とボディに無数の拳が入っている! ですが……徐々に、徐々に赤城選手が押されている!」
明石「スピード、技術、パワー、全てにおいてほんのわずかに扶桑選手が上回っている! 赤城選手が手数で押し込まれていきます!」
明石「扶桑選手のパンチが入る度に、赤城選手が後退していく! 押されている! 立ち技王者と呼ばれた赤城選手が打撃で圧倒されている!」
明石「とうとうコーナーまで押し込まれてしまった! 扶桑選手が休まずラッシュを打ち続ける! 赤城選手の反撃が徐々に減っていきます!」
592:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:22:19.99:dyTditDE0 (33/87)
明石「ここで左フックがあごへクリーンヒットォォォ! 赤城選手が前のめりに崩れる! そしてトドメのアッパーカットォォォ!」
明石「これも入ったぁぁぁ! 浮き上がった頭目掛けて! 渾身の右ストレートが放たれる! これは……躱された!?」
香取「まだ意識があるの!?」
明石「ダッキングで躱されました! まだ赤城選手は死んでいない! 一気に体を浮き上がらせ、跳んだ! フェンスを利用して跳び上がりました!」
明石「フェンスを掴んでの跳躍! そこから、肘を振り下ろしたぁぁぁ! 狙うは頭頂部! これが決まれば一発逆転だぁぁぁ!」
明石「ご……轟音が鳴り響きました! マットを揺るがすような衝撃です! ゴングが鳴りました! 試合終了です!」
明石「ここで左フックがあごへクリーンヒットォォォ! 赤城選手が前のめりに崩れる! そしてトドメのアッパーカットォォォ!」
明石「これも入ったぁぁぁ! 浮き上がった頭目掛けて! 渾身の右ストレートが放たれる! これは……躱された!?」
香取「まだ意識があるの!?」
明石「ダッキングで躱されました! まだ赤城選手は死んでいない! 一気に体を浮き上がらせ、跳んだ! フェンスを利用して跳び上がりました!」
明石「フェンスを掴んでの跳躍! そこから、肘を振り下ろしたぁぁぁ! 狙うは頭頂部! これが決まれば一発逆転だぁぁぁ!」
明石「ご……轟音が鳴り響きました! マットを揺るがすような衝撃です! ゴングが鳴りました! 試合終了です!」
593:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:22:45.08:dyTditDE0 (34/87)
明石「勝ったのは、扶桑選手! 最後の肘の振り下ろしを、見事な背負い投げに繋げました! 頭から落とされ、今度こそ赤城選手は失神!」
明石「未だかつてない凶暴さで襲い掛かる赤城選手の猛攻を受けながら、その殺意を真正面から打ち砕きました! 扶桑選手、文句なしの勝利!」
明石「もうラッキーパンチなどとは言わせない! 正真正銘、扶桑選手の勝利です! 立ち技王者赤城、ここに敗れ去りました!」
香取「……強いわね。赤城さんを真っ向から倒し切るなんて。いえ、強くなったというべきかしら」
香取「赤城さんの得意技は蹴りや肘だけど、パンチだって並のプロボクサーじゃ太刀打ちできないレベルなのよ。それを正面から打ち負かすなんてね」
明石「扶桑選手はパンチだけでなく、総合力もかなり上がっていますね。武蔵選手並みの膂力さえ見せていましたし」
香取「そうね。元から扶桑さんはパワーも上のほうだったけど、基礎体力まで底上げされてるみたい。これはいよいよ隙がないわね」
香取「今の扶桑さんなら、十分に優勝を狙えるわ。次の試合にも期待させてもらいたいわね」
明石「そうですね! どうか皆様、激戦を繰り広げた両選手に、今一度大きな拍手をお願いします!」
明石「勝ったのは、扶桑選手! 最後の肘の振り下ろしを、見事な背負い投げに繋げました! 頭から落とされ、今度こそ赤城選手は失神!」
明石「未だかつてない凶暴さで襲い掛かる赤城選手の猛攻を受けながら、その殺意を真正面から打ち砕きました! 扶桑選手、文句なしの勝利!」
明石「もうラッキーパンチなどとは言わせない! 正真正銘、扶桑選手の勝利です! 立ち技王者赤城、ここに敗れ去りました!」
香取「……強いわね。赤城さんを真っ向から倒し切るなんて。いえ、強くなったというべきかしら」
香取「赤城さんの得意技は蹴りや肘だけど、パンチだって並のプロボクサーじゃ太刀打ちできないレベルなのよ。それを正面から打ち負かすなんてね」
明石「扶桑選手はパンチだけでなく、総合力もかなり上がっていますね。武蔵選手並みの膂力さえ見せていましたし」
香取「そうね。元から扶桑さんはパワーも上のほうだったけど、基礎体力まで底上げされてるみたい。これはいよいよ隙がないわね」
香取「今の扶桑さんなら、十分に優勝を狙えるわ。次の試合にも期待させてもらいたいわね」
明石「そうですね! どうか皆様、激戦を繰り広げた両選手に、今一度大きな拍手をお願いします!」
594:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:23:11.30:dyTditDE0 (35/87)
試合後インタビュー:扶桑
―――勝因は何だったと思われますか?
扶桑「勝因、ですか? そういうのは恥ずかしいので、あまり言いたくないんですけど……私のほうが強かったからだと思います」
扶桑「赤城さんは強いです。特に、今日の赤城さんは凄かった。以前の私では絶対に勝ち目がなかったんじゃないでしょうか」
扶桑「それでも、勝ちました。あのときの赤城さんは私の遥か上の実力者でしたけど、ようやく追いつけたみたいです」
扶桑「簡単にはいきませんでしたけどね。危ない場面は何度もありました。ちょっとでも油断してたら、負けていたのは私だったでしょう」
扶桑「でも、油断さえしなければ、もう赤城さんには負けません。今日の試合で自信を付けさせてもらいました。赤城さんには感謝しています」
―――赤城選手から再戦の申し込みがあれば、受けますか?
扶桑「……喜んで、とはいきませんね。戦って勝てるとしても、赤城さんは凄く怖い方です。できることなら、もう戦いたくありません」
扶桑「そうは言っても、きっと赤城さんは再戦を申し込んでくるでしょうね……あの人は執念深いし、恨みは永遠に忘れないタイプですから」
扶桑「もし、そのときが来れば……勝負を受けます。そして私が勝ちます。もう、私は誰にも負けません」
試合後インタビュー:扶桑
―――勝因は何だったと思われますか?
扶桑「勝因、ですか? そういうのは恥ずかしいので、あまり言いたくないんですけど……私のほうが強かったからだと思います」
扶桑「赤城さんは強いです。特に、今日の赤城さんは凄かった。以前の私では絶対に勝ち目がなかったんじゃないでしょうか」
扶桑「それでも、勝ちました。あのときの赤城さんは私の遥か上の実力者でしたけど、ようやく追いつけたみたいです」
扶桑「簡単にはいきませんでしたけどね。危ない場面は何度もありました。ちょっとでも油断してたら、負けていたのは私だったでしょう」
扶桑「でも、油断さえしなければ、もう赤城さんには負けません。今日の試合で自信を付けさせてもらいました。赤城さんには感謝しています」
―――赤城選手から再戦の申し込みがあれば、受けますか?
扶桑「……喜んで、とはいきませんね。戦って勝てるとしても、赤城さんは凄く怖い方です。できることなら、もう戦いたくありません」
扶桑「そうは言っても、きっと赤城さんは再戦を申し込んでくるでしょうね……あの人は執念深いし、恨みは永遠に忘れないタイプですから」
扶桑「もし、そのときが来れば……勝負を受けます。そして私が勝ちます。もう、私は誰にも負けません」
595:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:23:43.59:dyTditDE0 (36/87)
試合後インタビュー:赤城
赤城「ははっ……はははははははっ! くくくっ……がぁあああっ! なぜだ! なぜ、なぜこの私が負けた!? あんな錆びだらけの戦艦如きに!」
赤城「全力を尽くした! 殺すつもりで戦った! 古式の技も使った! なのに、なぜ! おのれ……おのれぇええええ!」
赤城「またしても私の道を阻むのか、扶桑! 殺してやる……いつの日か、必ず殺してやるぞ、扶桑! 武蔵も同じ地獄に送ってやる!」
赤城「これで勝ったと思うなよ! 最強はこの私だ! いずれ貴様が私の前にひれ伏す日が来る! その時が来るのは決して遠くはないぞ!」
赤城「その日まで、せいぜい束の間の栄光を味わうがいい! たとえこの身が滅びても、必ず復讐を果たしてみせるからな!」
(取材陣の逃亡により、インタビュー中止)
試合後インタビュー:赤城
赤城「ははっ……はははははははっ! くくくっ……がぁあああっ! なぜだ! なぜ、なぜこの私が負けた!? あんな錆びだらけの戦艦如きに!」
赤城「全力を尽くした! 殺すつもりで戦った! 古式の技も使った! なのに、なぜ! おのれ……おのれぇええええ!」
赤城「またしても私の道を阻むのか、扶桑! 殺してやる……いつの日か、必ず殺してやるぞ、扶桑! 武蔵も同じ地獄に送ってやる!」
赤城「これで勝ったと思うなよ! 最強はこの私だ! いずれ貴様が私の前にひれ伏す日が来る! その時が来るのは決して遠くはないぞ!」
赤城「その日まで、せいぜい束の間の栄光を味わうがいい! たとえこの身が滅びても、必ず復讐を果たしてみせるからな!」
(取材陣の逃亡により、インタビュー中止)
596:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 22:29:23.56:dyTditDE0 (37/87)
大会運営委員長がお花を摘みに行ったため(下痢でトイレに篭ったため)暫し中断します。
大会運営委員長がお花を摘みに行ったため(下痢でトイレに篭ったため)暫し中断します。
597:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:34:17.31:d+X5Ds31o (1/2)
桑名がここまで強くなったのが感慨深い
そして委員長無理するな
桑名がここまで強くなったのが感慨深い
そして委員長無理するな
598:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:34:43.00:d+X5Ds31o (2/2)
ああ、名前間違えとか酷すぎだわ
ああ、名前間違えとか酷すぎだわ
599:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:47:57.85:YiuplNlC0 (1/1)
初めてリアルタイムで見るけど展開に待ち時間があってハラハラできていいね
初めてリアルタイムで見るけど展開に待ち時間があってハラハラできていいね
600:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:50:34.05:CHnbZ/V00 (2/2)
遅読ワイ、投稿スピードに追いつけない
遅読ワイ、投稿スピードに追いつけない
601:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:51:31.46:uKhRAJNg0 (1/1)
次の試合は新顔の潰し合いだからまるで予想がつかんな…
次の試合は新顔の潰し合いだからまるで予想がつかんな…
602:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 22:53:21.79:VoiVzjfEO (1/1)
こんなにアカギドーラしてる赤城さんは久しぶりに見た
こんなにアカギドーラしてる赤城さんは久しぶりに見た
603:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:22:17.46:dyTditDE0 (38/87)
帰還。再開。
帰還。再開。
604:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:22:46.64:dyTditDE0 (39/87)
明石「初戦から激闘となりました! やはりこの2回戦、揃っているのはどれも超級のファイターばかりです!」
明石「続くAブロック第2試合は、超級どころか怪物同士の潰し合い! まずは赤コーナーより選手入場! 深海棲艦の女王、再度出陣です!」
明石「初戦から激闘となりました! やはりこの2回戦、揃っているのはどれも超級のファイターばかりです!」
明石「続くAブロック第2試合は、超級どころか怪物同士の潰し合い! まずは赤コーナーより選手入場! 深海棲艦の女王、再度出陣です!」
605:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:24:52.44:dyTditDE0 (40/87)
試合前インタビュー:戦艦棲姫
―――グラーフ・ツェッペリン選手の試合を見られて、どのような感想をお持ちですか?
戦艦棲姫「アレハ本当ニ艦娘ナノカ? 私ガ知ッテイル奴ラトハ随分ト様子ガ違ウ。カト言ッテ、深海棲艦ニモアンナ奴ハイナイ」
戦艦棲姫「出会ッタコトノナイタイプノ相手ダ。今マデノ経験ハ捨テテ挑ム必要ガアリソウネ」
戦艦棲姫「戦ウノガ楽シミデ仕方ガナイ。ナゼナラ、アイツヲドウヤッテ倒セバイイノカ、全クワカラナイカラヨ」
―――勝てる自信はありますか?
戦艦棲姫「サア? 今ワカッテイルコトハ、アイツハ並大抵ノコトデハ壊レナイッテコトクライカシラ」
戦艦棲姫「ツマリ、壊シ甲斐ガアルッテコトネ。簡単ニ壊レナイ玩具ハ貴重ヨ。私ガ本気ヲ出シタラ、ホトンドノ相手ハスグ死ンデシマウカラ」
戦艦棲姫「アイツニハ最初カラ本気デ仕掛ケヨウ。ドウヤッタラ壊レルカ、色々ト試シテミヨウ。期待外レニナラナイトイイケド」
戦艦棲姫「デキルコトナラ、ナルベク試合ヲ長引カセタイ。アイツニ使ッテミタイ技ガタクサンアルノヨ」
試合前インタビュー:戦艦棲姫
―――グラーフ・ツェッペリン選手の試合を見られて、どのような感想をお持ちですか?
戦艦棲姫「アレハ本当ニ艦娘ナノカ? 私ガ知ッテイル奴ラトハ随分ト様子ガ違ウ。カト言ッテ、深海棲艦ニモアンナ奴ハイナイ」
戦艦棲姫「出会ッタコトノナイタイプノ相手ダ。今マデノ経験ハ捨テテ挑ム必要ガアリソウネ」
戦艦棲姫「戦ウノガ楽シミデ仕方ガナイ。ナゼナラ、アイツヲドウヤッテ倒セバイイノカ、全クワカラナイカラヨ」
―――勝てる自信はありますか?
戦艦棲姫「サア? 今ワカッテイルコトハ、アイツハ並大抵ノコトデハ壊レナイッテコトクライカシラ」
戦艦棲姫「ツマリ、壊シ甲斐ガアルッテコトネ。簡単ニ壊レナイ玩具ハ貴重ヨ。私ガ本気ヲ出シタラ、ホトンドノ相手ハスグ死ンデシマウカラ」
戦艦棲姫「アイツニハ最初カラ本気デ仕掛ケヨウ。ドウヤッタラ壊レルカ、色々ト試シテミヨウ。期待外レニナラナイトイイケド」
戦艦棲姫「デキルコトナラ、ナルベク試合ヲ長引カセタイ。アイツニ使ッテミタイ技ガタクサンアルノヨ」
606:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:25:21.45:dyTditDE0 (41/87)
戦艦棲姫:入場テーマ「魔法少女まどか☆マギカ/Surgam identidem」
戦艦棲姫:入場テーマ「魔法少女まどか☆マギカ/Surgam identidem」
607:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:25:50.40:dyTditDE0 (42/87)
明石「鉄底海峡より来たりし怪物! その技、その身体能力、全てが我々の常識外! デスマッチの女王の名は伊達ではない!」
明石「関節技は通用しない! 使いこなせる技は無限! そして、容赦なく殺しに掛かる! その強さ、文句なしの怪物級!」
明石「最強の深海棲艦、UKFのリングで再び猛威を振るう! ”黒鉄の踊り子”戦艦棲姫ィィィ!」
香取「来たわね。彼女の情報が新しく入ってきたけど、驚いたわ。私の予想は見事に外れていたというわけね」
明石「香取さんの見立てでは、戦艦棲姫は柔術系を含む2つ以上の格闘技をやりこんでいるはずとのことでしたが……その実、全くの未経験者でした」
明石「戦艦棲姫は格闘技を学んだ経験はおろか、技を練習したこともありません。ただ、見たことのある技をトレースしているだけだそうです」
香取「……信じられないわ。技とは、1つ1つに長い時間を掛けて鍛錬し、組手に取り入れながら練習しないと身に付かないはずなのよ」
香取「なのに、あいつは見ただけの技をそのまま本番で使いこなせるっていうの? 吹雪さんあたりが聞いたら、発狂しかねないわね」
明石「嘘を言っている様子はなかったそうです。むしろ、技を練習していること自体に驚いている様子だったと……」
香取「……神様が気まぐれに生み出した化け物ってやつかしら。大和さんも人が悪いわね。こんな情報まで秘密にしていたなんて」
明石「鉄底海峡より来たりし怪物! その技、その身体能力、全てが我々の常識外! デスマッチの女王の名は伊達ではない!」
明石「関節技は通用しない! 使いこなせる技は無限! そして、容赦なく殺しに掛かる! その強さ、文句なしの怪物級!」
明石「最強の深海棲艦、UKFのリングで再び猛威を振るう! ”黒鉄の踊り子”戦艦棲姫ィィィ!」
香取「来たわね。彼女の情報が新しく入ってきたけど、驚いたわ。私の予想は見事に外れていたというわけね」
明石「香取さんの見立てでは、戦艦棲姫は柔術系を含む2つ以上の格闘技をやりこんでいるはずとのことでしたが……その実、全くの未経験者でした」
明石「戦艦棲姫は格闘技を学んだ経験はおろか、技を練習したこともありません。ただ、見たことのある技をトレースしているだけだそうです」
香取「……信じられないわ。技とは、1つ1つに長い時間を掛けて鍛錬し、組手に取り入れながら練習しないと身に付かないはずなのよ」
香取「なのに、あいつは見ただけの技をそのまま本番で使いこなせるっていうの? 吹雪さんあたりが聞いたら、発狂しかねないわね」
明石「嘘を言っている様子はなかったそうです。むしろ、技を練習していること自体に驚いている様子だったと……」
香取「……神様が気まぐれに生み出した化け物ってやつかしら。大和さんも人が悪いわね。こんな情報まで秘密にしていたなんて」
608:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:26:28.36:dyTditDE0 (43/87)
明石「それが、大和選手も知らなかったらしいんです。試合後インタビューの発言を聞いて、ずいぶん驚かれたそうです」
香取「そうなの……そういえば、大和さんはどうやってあんな化け物を倒したの?」
明石「最初は蹴りをかい潜って巴投げを掛け、寝技に持ち込んだそうです。ですが、あまりに寝技の対応が上手く、仕留め切れませんでした」
明石「ただ、投げ技はやたらとあっさり決まるので、何度か叩き付けてから体力を削り、それから襟絞めで落とした、とのことです」
香取「なるほどね……ん? 大和さんはトドメを刺したわけじゃないの? 戦艦棲姫は大和さんに殺されたって言ってた気がするけど」
明石「ああ、それはデスマッチの風習によるものみたいです。敗北者は周りの観客によって、アイアンボトムサウンドに投げ込まれるんだとか」
香取「へえ、そう……何にしても、これで戦艦棲姫には弱点があることがわかったわね」
明石「それが、大和選手も知らなかったらしいんです。試合後インタビューの発言を聞いて、ずいぶん驚かれたそうです」
香取「そうなの……そういえば、大和さんはどうやってあんな化け物を倒したの?」
明石「最初は蹴りをかい潜って巴投げを掛け、寝技に持ち込んだそうです。ですが、あまりに寝技の対応が上手く、仕留め切れませんでした」
明石「ただ、投げ技はやたらとあっさり決まるので、何度か叩き付けてから体力を削り、それから襟絞めで落とした、とのことです」
香取「なるほどね……ん? 大和さんはトドメを刺したわけじゃないの? 戦艦棲姫は大和さんに殺されたって言ってた気がするけど」
明石「ああ、それはデスマッチの風習によるものみたいです。敗北者は周りの観客によって、アイアンボトムサウンドに投げ込まれるんだとか」
香取「へえ、そう……何にしても、これで戦艦棲姫には弱点があることがわかったわね」
609:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:26:56.12:dyTditDE0 (44/87)
明石「それって、投げ技に弱いってことですか? そういえばローマ戦でも、一本背負いですんなり投げられてましたね」
香取「それだけじゃないわ。戦艦棲姫は見たことのある技や攻防をトレースできる。反面、知らない技は使うことができないのよ」
香取「技を体系立てて学んだわけじゃないから、高度な技を使えても、初歩的な技を知らなかったりするの。彼女の技術は虫食い状態なの」
香取「文字通りの『穴』ね。大和さんと戦ったなら、いくつかの柔道技を使うこともできるでしょう。だけど、それらの返し技を彼女は知らない」
香取「なぜなら見たことがないから。投げ技を掛けられるとき、相手の足に自分の足を絡ませれば投げを防げるなんて基礎さえ知らないんだわ」
香取「それらの穴を慎重に探り、一気に付け込むことができれば、戦艦棲姫の攻略は難しくないわ。やり方さえ間違えなければね」
明石「なるほど。底なしに見えた戦艦棲姫にも弱点があると……まあ、今日の対戦相手には関係がなさそうですけどね」
香取「……まあ、そうよね。弱点がどうこうの次元じゃないわよね」
明石「あはは……さて、それでは青コーナーより選手入場! こいつも負けず劣らず、破格の怪物だ!」
明石「それって、投げ技に弱いってことですか? そういえばローマ戦でも、一本背負いですんなり投げられてましたね」
香取「それだけじゃないわ。戦艦棲姫は見たことのある技や攻防をトレースできる。反面、知らない技は使うことができないのよ」
香取「技を体系立てて学んだわけじゃないから、高度な技を使えても、初歩的な技を知らなかったりするの。彼女の技術は虫食い状態なの」
香取「文字通りの『穴』ね。大和さんと戦ったなら、いくつかの柔道技を使うこともできるでしょう。だけど、それらの返し技を彼女は知らない」
香取「なぜなら見たことがないから。投げ技を掛けられるとき、相手の足に自分の足を絡ませれば投げを防げるなんて基礎さえ知らないんだわ」
香取「それらの穴を慎重に探り、一気に付け込むことができれば、戦艦棲姫の攻略は難しくないわ。やり方さえ間違えなければね」
明石「なるほど。底なしに見えた戦艦棲姫にも弱点があると……まあ、今日の対戦相手には関係がなさそうですけどね」
香取「……まあ、そうよね。弱点がどうこうの次元じゃないわよね」
明石「あはは……さて、それでは青コーナーより選手入場! こいつも負けず劣らず、破格の怪物だ!」
610:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:27:29.47:dyTditDE0 (45/87)
試合前インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
―――戦艦棲姫をどう見ますか?
グラーフ「私は対深海棲艦との戦闘用に製造されている。奴らを皆殺しにするために私は生まれた。培った戦闘技術もそのためのものだ」
グラーフ「これはナチス・ドイツにとっても良い実地試験になる。徒手格闘においても深海棲艦を倒すことができれば、研究の正しさが証明される」
グラーフ「標的である戦艦棲姫は私の予想の範疇を超えていない。相手はたかが海の害虫。敗北することなど有り得ない」
グラーフ「今日の戦闘は殺害を目的に行う。問題はないだろう、奴らは生きていても邪魔なだけの存在なのだから」
―――戦艦棲姫も殺しを前提にした戦い方を得意としていますが、恐怖はありますか?
グラーフ「質問の意味がわからない。恐怖とは抱くものではなく、抱かせるものだ。私の中に恐怖という感情はプログラムされていない」
グラーフ「殺されることが怖いかという質問であるなら、否と答える。私が死ねば、その戦闘データはナチス・ドイツ研究機関に持ち帰られる」
グラーフ「そのデータを元に更なる次世代機が生み出され、その艦娘が戦艦棲姫を倒すだろう。不要となった私は廃棄される。それだけのことだ」
グラーフ「たとえ廃棄されようとも、わずかでも総統閣下のお役に立つことができたのなら本望。私の全てはそのためだけにある」
グラーフ「今日の勝利も、総統閣下へと捧げられる。私はまだ死ぬには早い。戦闘データがもっと必要だ。戦艦棲姫にはその糧となってもらおう」
試合前インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
―――戦艦棲姫をどう見ますか?
グラーフ「私は対深海棲艦との戦闘用に製造されている。奴らを皆殺しにするために私は生まれた。培った戦闘技術もそのためのものだ」
グラーフ「これはナチス・ドイツにとっても良い実地試験になる。徒手格闘においても深海棲艦を倒すことができれば、研究の正しさが証明される」
グラーフ「標的である戦艦棲姫は私の予想の範疇を超えていない。相手はたかが海の害虫。敗北することなど有り得ない」
グラーフ「今日の戦闘は殺害を目的に行う。問題はないだろう、奴らは生きていても邪魔なだけの存在なのだから」
―――戦艦棲姫も殺しを前提にした戦い方を得意としていますが、恐怖はありますか?
グラーフ「質問の意味がわからない。恐怖とは抱くものではなく、抱かせるものだ。私の中に恐怖という感情はプログラムされていない」
グラーフ「殺されることが怖いかという質問であるなら、否と答える。私が死ねば、その戦闘データはナチス・ドイツ研究機関に持ち帰られる」
グラーフ「そのデータを元に更なる次世代機が生み出され、その艦娘が戦艦棲姫を倒すだろう。不要となった私は廃棄される。それだけのことだ」
グラーフ「たとえ廃棄されようとも、わずかでも総統閣下のお役に立つことができたのなら本望。私の全てはそのためだけにある」
グラーフ「今日の勝利も、総統閣下へと捧げられる。私はまだ死ぬには早い。戦闘データがもっと必要だ。戦艦棲姫にはその糧となってもらおう」
611:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:28:14.11:dyTditDE0 (46/87)
グラーフ・ツェッペリン:入場テーマ「DEAD SILENCE/OFFICIAL THEME SONG」
グラーフ・ツェッペリン:入場テーマ「DEAD SILENCE/OFFICIAL THEME SONG」
612:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:28:44.82:dyTditDE0 (47/87)
明石「軽巡級王者、大淀が為す術もなく敗北! その強さ、その力、まさに桁違い! ドイツはまたしても我々に怪物を送りつけてきたのです!」
明石「あらゆる刺激に反応を見せず、黙々と戦闘を行う様は、まさしく戦闘マシーン! 果たして、こいつに人の心はあるのか!」
明石「冷徹なるドイツ製戦闘マシーン、真の実力は明らかなるか! ”キリング・ドール”グラーフ・ツェッペリィィィン!」
香取「ジャーマンモンスターのお出ましね。今のところ、羽黒さんを除いて最も底知れない選手がこのグラーフさんだわ」
明石「大淀戦でも、技らしい技はほとんど見せませんでしたね。ただただ桁外れの身体能力で圧倒していたとしか……」
香取「それと、精神性のなさね。全ての行動に感情がまるで伴わず、なおかつ痛みに一切の反応を見せなかったわ」
香取「ビスマルクさんは脳内麻薬で痛みを快感に変えていたみたいだけど、グラーフさんは本当に何も感じていないようにしか見えなかったわ」
明石「試合後インタビューでは、『痛覚を遮断した』という信じられない発言をしていましたね。本当でしょうか?」
香取「嘘を付くタイプには見えないし、本当なんでしょう。どうやらナチス・ドイツは、艦娘の脳みそを弄る研究を行なっているみたいね」
明石「軽巡級王者、大淀が為す術もなく敗北! その強さ、その力、まさに桁違い! ドイツはまたしても我々に怪物を送りつけてきたのです!」
明石「あらゆる刺激に反応を見せず、黙々と戦闘を行う様は、まさしく戦闘マシーン! 果たして、こいつに人の心はあるのか!」
明石「冷徹なるドイツ製戦闘マシーン、真の実力は明らかなるか! ”キリング・ドール”グラーフ・ツェッペリィィィン!」
香取「ジャーマンモンスターのお出ましね。今のところ、羽黒さんを除いて最も底知れない選手がこのグラーフさんだわ」
明石「大淀戦でも、技らしい技はほとんど見せませんでしたね。ただただ桁外れの身体能力で圧倒していたとしか……」
香取「それと、精神性のなさね。全ての行動に感情がまるで伴わず、なおかつ痛みに一切の反応を見せなかったわ」
香取「ビスマルクさんは脳内麻薬で痛みを快感に変えていたみたいだけど、グラーフさんは本当に何も感じていないようにしか見えなかったわ」
明石「試合後インタビューでは、『痛覚を遮断した』という信じられない発言をしていましたね。本当でしょうか?」
香取「嘘を付くタイプには見えないし、本当なんでしょう。どうやらナチス・ドイツは、艦娘の脳みそを弄る研究を行なっているみたいね」
613:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 23:29:20.12:rDFvGF7mo (1/1)
>>607の頭が一瞬「明石海峡」に見えて混乱した
>>607の頭が一瞬「明石海峡」に見えて混乱した
614:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:29:52.32:dyTditDE0 (48/87)
香取「それを踏まえると、あの化け物地味た身体能力にもある程度の予想が着くわ。たぶんだけど、グラーフさんには『リミッター』がないのよ」
明石「……リミッターってなんですか?」
香取「人体は本来の持つ3割程度しか平常時に力を発揮できない、って理論は聞いたことがあるでしょう? その制限を掛けてるのがリミッターよ」
香取「人体を保護するための安全装置みたいなものね。過剰な運動による骨格や筋肉への負担を抑えるために、脳は人体が全力を出すのを許さない」
香取「例外はいわゆる、『火事場の馬鹿力』くらい。危機的状況が迫ると、脳内麻薬によってリミッターが緩み、人体は爆発的な力を発揮するわ」
香取「この脳内麻薬くらいは大小なりとも、多くの選手が無意識に使っている。グラーフさんはおそらく、このリミッター自体がないのよ」
香取「脳内麻薬の分泌に頼ることなく、グラーフさんは肉体の持つ運動性能を限界まで引き出すことができる。痛覚遮断はそのためにあるんだわ」
香取「リミッターの外れた100%の力で相手を殴れば、反動で自分の肉体さえも傷付ける。そのダメージを痛覚遮断で消しているのよ」
香取「普通の選手が使える身体能力を3割とすると、グラーフさんはその3倍の運動性能を発揮する。しかも、痛みや疲れさえ感じない」
香取「それを踏まえると、あの化け物地味た身体能力にもある程度の予想が着くわ。たぶんだけど、グラーフさんには『リミッター』がないのよ」
明石「……リミッターってなんですか?」
香取「人体は本来の持つ3割程度しか平常時に力を発揮できない、って理論は聞いたことがあるでしょう? その制限を掛けてるのがリミッターよ」
香取「人体を保護するための安全装置みたいなものね。過剰な運動による骨格や筋肉への負担を抑えるために、脳は人体が全力を出すのを許さない」
香取「例外はいわゆる、『火事場の馬鹿力』くらい。危機的状況が迫ると、脳内麻薬によってリミッターが緩み、人体は爆発的な力を発揮するわ」
香取「この脳内麻薬くらいは大小なりとも、多くの選手が無意識に使っている。グラーフさんはおそらく、このリミッター自体がないのよ」
香取「脳内麻薬の分泌に頼ることなく、グラーフさんは肉体の持つ運動性能を限界まで引き出すことができる。痛覚遮断はそのためにあるんだわ」
香取「リミッターの外れた100%の力で相手を殴れば、反動で自分の肉体さえも傷付ける。そのダメージを痛覚遮断で消しているのよ」
香取「普通の選手が使える身体能力を3割とすると、グラーフさんはその3倍の運動性能を発揮する。しかも、痛みや疲れさえ感じない」
615:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:30:45.65:dyTditDE0 (49/87)
香取「戦闘マシーンというのは比喩ではなさそうね。苦痛を感じず、破格の身体能力で無感情に相手を殲滅する。まさしく機械だわ」
明石「そんな化け物級の能力を持っているのに、軍隊格闘術のテクニックまで持っている……と考えるべきでしょうか」
香取「大淀戦では見せなかったけど、持っていると見たほうがいいでしょうね。おそらくは、ビスマルクさんと同等の格闘術を」
香取「そうなってくると、もう倒す方法が思い浮かばないわ。パワー、スピードが桁違いで、技術面でも付け入る隙がないなんてね」
香取「精神面では更に隙がないとなると、いよいよお手上げよ。純粋に能力で上回るか、とんでもない奇策を試みるくらいしか勝機がないわ」
明石「となると、戦艦棲姫はどう戦うでしょうか? まあ、その……どっちが勝っても怪物が残るだけって感じですけど」
香取「まったくだわ。どっちもまともじゃないんだから、勝負もまともなものにはならないでしょう。今から始まるのは、怪物同士の喰い合いよ」
香取「互いに削り合って、どっちがより化け物なのか決めるだけ。戦艦棲姫とグラーフ・ツェッペリン、どちらが残っても待ってるのは悪夢だわ」
香取「できることなら、試合の中で実力の底を晒してほしいものね。そこで攻略法を見つけられなければ、この試合の勝者に優勝を持っていかれるわ」
明石「……ありがとうございます。さて、怪物2名がリングイン! 薄笑いを浮かべる戦艦棲姫を、能面のような表情でグラーフが見ている!」
香取「戦闘マシーンというのは比喩ではなさそうね。苦痛を感じず、破格の身体能力で無感情に相手を殲滅する。まさしく機械だわ」
明石「そんな化け物級の能力を持っているのに、軍隊格闘術のテクニックまで持っている……と考えるべきでしょうか」
香取「大淀戦では見せなかったけど、持っていると見たほうがいいでしょうね。おそらくは、ビスマルクさんと同等の格闘術を」
香取「そうなってくると、もう倒す方法が思い浮かばないわ。パワー、スピードが桁違いで、技術面でも付け入る隙がないなんてね」
香取「精神面では更に隙がないとなると、いよいよお手上げよ。純粋に能力で上回るか、とんでもない奇策を試みるくらいしか勝機がないわ」
明石「となると、戦艦棲姫はどう戦うでしょうか? まあ、その……どっちが勝っても怪物が残るだけって感じですけど」
香取「まったくだわ。どっちもまともじゃないんだから、勝負もまともなものにはならないでしょう。今から始まるのは、怪物同士の喰い合いよ」
香取「互いに削り合って、どっちがより化け物なのか決めるだけ。戦艦棲姫とグラーフ・ツェッペリン、どちらが残っても待ってるのは悪夢だわ」
香取「できることなら、試合の中で実力の底を晒してほしいものね。そこで攻略法を見つけられなければ、この試合の勝者に優勝を持っていかれるわ」
明石「……ありがとうございます。さて、怪物2名がリングイン! 薄笑いを浮かべる戦艦棲姫を、能面のような表情でグラーフが見ている!」
616:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 23:30:57.19:CHnbZ/V0o (1/2)
このグラーフを甘やかして人間らしい感情を取り戻させたい
このグラーフを甘やかして人間らしい感情を取り戻させたい
617:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:31:32.83:dyTditDE0 (50/87)
明石「どちらも底知れない破格の怪物! 勝つのは深海棲艦の女王、戦艦棲姫か! それともドイツ科学の結晶、グラーフ・ツェッペリンか!」
明石「どっちが勝ってもUKFに未来はない! 今、ゴングが鳴ってしまった! 試合開始です! 両者、ゆっくりとリング中央へ!」
明石「戦艦棲姫は例の如く、両手をだらりと下げてその場でステップを踏んでいます! 対するグラーフ選手、静かにガードを上げて待ち構える!」
明石「最初に攻めるのは、やはり戦艦棲姫! いきなり後ろ回し蹴りを繰り出した! いや、これは蹴り技ではない! 軸足も跳ね上がった!?」
香取「またプロレス技!?」
明石「両足で首を挟み込んだ!? これはヘッドシザーズ・ホイップだぁぁぁ! 首を捻ねられ、グラーフ選手がリングに引きずり倒される!」
明石「戦艦棲姫、即座に寝技へ移行! 両足で首を挟んだまま、腕を取って背面から絞めた! 上三角絞めが決まったぁぁぁ!」
明石「プロレス技から柔道技への鮮やかな連携! これが素人だと言うから驚きです! 演舞の如く綺麗に決まりました! 完全に頸動脈へ入った!」
明石「どちらも底知れない破格の怪物! 勝つのは深海棲艦の女王、戦艦棲姫か! それともドイツ科学の結晶、グラーフ・ツェッペリンか!」
明石「どっちが勝ってもUKFに未来はない! 今、ゴングが鳴ってしまった! 試合開始です! 両者、ゆっくりとリング中央へ!」
明石「戦艦棲姫は例の如く、両手をだらりと下げてその場でステップを踏んでいます! 対するグラーフ選手、静かにガードを上げて待ち構える!」
明石「最初に攻めるのは、やはり戦艦棲姫! いきなり後ろ回し蹴りを繰り出した! いや、これは蹴り技ではない! 軸足も跳ね上がった!?」
香取「またプロレス技!?」
明石「両足で首を挟み込んだ!? これはヘッドシザーズ・ホイップだぁぁぁ! 首を捻ねられ、グラーフ選手がリングに引きずり倒される!」
明石「戦艦棲姫、即座に寝技へ移行! 両足で首を挟んだまま、腕を取って背面から絞めた! 上三角絞めが決まったぁぁぁ!」
明石「プロレス技から柔道技への鮮やかな連携! これが素人だと言うから驚きです! 演舞の如く綺麗に決まりました! 完全に頸動脈へ入った!」
618:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:32:21.06:dyTditDE0 (51/87)
明石「仰向けに倒されている以上、この体勢からの反撃は通常の前三角絞めより遥かに困難! これは、早くも決着が……た、立った!?」
香取「こ……ここまでの膂力を……!」
明石「グラーフ選手が立ちました! 上三角絞めを極められたまま、戦艦棲姫を背負いながら立ち上がった! 足腰の強さが尋常ではない!」
明石「しかも、取られた腕を前に振って事も無げに拘束をぶち切った! 技もクソもありません! 上三角絞めが腕力だけで外されました!」
明石「だが、戦艦棲姫はこの程度では諦めない! 首を挟んだ足を解かず、そのまま足による裸絞めに移行! 更に強烈に首を絞め付けます!」
明石「柔道では死の恐れがあることから、禁止技とされる足の裸絞め! これならグラーフを落とし切れるか! グラーフ選手、動きを見せない!」
明石「絞め付けを緩めたいのか、首に巻き付く足に手を掛けています! その程度で絞めが解けることは……うげえっ!?」
香取「嘘でしょ……!」
明石「あ、足首を握り潰した! グラーフはただ単に足首を思いっきり握っただけです! 握力までが桁外れなのか!?」
明石「仰向けに倒されている以上、この体勢からの反撃は通常の前三角絞めより遥かに困難! これは、早くも決着が……た、立った!?」
香取「こ……ここまでの膂力を……!」
明石「グラーフ選手が立ちました! 上三角絞めを極められたまま、戦艦棲姫を背負いながら立ち上がった! 足腰の強さが尋常ではない!」
明石「しかも、取られた腕を前に振って事も無げに拘束をぶち切った! 技もクソもありません! 上三角絞めが腕力だけで外されました!」
明石「だが、戦艦棲姫はこの程度では諦めない! 首を挟んだ足を解かず、そのまま足による裸絞めに移行! 更に強烈に首を絞め付けます!」
明石「柔道では死の恐れがあることから、禁止技とされる足の裸絞め! これならグラーフを落とし切れるか! グラーフ選手、動きを見せない!」
明石「絞め付けを緩めたいのか、首に巻き付く足に手を掛けています! その程度で絞めが解けることは……うげえっ!?」
香取「嘘でしょ……!」
明石「あ、足首を握り潰した! グラーフはただ単に足首を思いっきり握っただけです! 握力までが桁外れなのか!?」
619:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:33:17.96:dyTditDE0 (52/87)
明石「しかも、潰した足をまだ放していない! 戦艦棲姫が脱出を試みますが、そんなことは許さない! な、投げたぁぁぁ!」
明石「足を掴んで、片手でぶん回されました! 戦艦棲姫が布切れの如く振り回され、そして宙を舞った! 勢い良くフェンスに激突!」
明石「もう力が強いとかそういう次元ではない! 完全に別物だ! グラーフの身体能力は、我々の水準とは全くの別物です!」
明石「いわば、人と同じ体重の昆虫のようなもの! 体の作り自体がまるで違うとしか思えない! もう、この力には手が付けられない!」
明石「戦艦棲姫も既に瀕死……いや、立った!? 笑っています! 片足を完全に潰されたというのに、まだ笑う余裕が残っているのか!」
明石「片足立ちで飛び跳ねながら、リング中央へ進んでいく! 戦艦棲姫は戦う気です! あの力を見せつけられながら、まだ勝つ気だ!」
明石「しかも、潰した足をまだ放していない! 戦艦棲姫が脱出を試みますが、そんなことは許さない! な、投げたぁぁぁ!」
明石「足を掴んで、片手でぶん回されました! 戦艦棲姫が布切れの如く振り回され、そして宙を舞った! 勢い良くフェンスに激突!」
明石「もう力が強いとかそういう次元ではない! 完全に別物だ! グラーフの身体能力は、我々の水準とは全くの別物です!」
明石「いわば、人と同じ体重の昆虫のようなもの! 体の作り自体がまるで違うとしか思えない! もう、この力には手が付けられない!」
明石「戦艦棲姫も既に瀕死……いや、立った!? 笑っています! 片足を完全に潰されたというのに、まだ笑う余裕が残っているのか!」
明石「片足立ちで飛び跳ねながら、リング中央へ進んでいく! 戦艦棲姫は戦う気です! あの力を見せつけられながら、まだ勝つ気だ!」
620:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:33:52.82:dyTditDE0 (53/87)
香取「アドレナリン放出で痛みを消してる……でも、長くは持たない。戦艦棲姫がダメージをごまかせるのは一時的なものよ」
香取「対するグラーフさんは死なない限り全力を発揮できる。まだ勝機があるっていうの……?」
明石「まもなく接触! グラーフは静かにガードを上げます! こいつに油断という概念は存在しない! 相手が手負いでも容赦はしません!」
明石「仮に、敵の片足が完全骨折していようともです! 片足立ちの戦艦棲姫が近付く! 打った! グラーフの右ストレート!」
明石「目にも留まらぬハンドスピード! ですが……弾いた!? 戦艦棲姫が打撃を捌きました! 拳の軌道を逸らされ、空振り!」
明石「更にグラーフ、ワンツーのコンビネーションパンチ! これも捌かれた! あの動きは……中国拳法のトラッピング!?」
香取「まさか、隼鷹さんの試合を見て覚えたの!? もしくは、既に持っていたか……!」
明石「そうでした、戦艦棲姫もまた底なしの怪物! ここにきて巧みな防御術を披露しています! 片足立ちでグラーフの打撃を捌いている!」
香取「アドレナリン放出で痛みを消してる……でも、長くは持たない。戦艦棲姫がダメージをごまかせるのは一時的なものよ」
香取「対するグラーフさんは死なない限り全力を発揮できる。まだ勝機があるっていうの……?」
明石「まもなく接触! グラーフは静かにガードを上げます! こいつに油断という概念は存在しない! 相手が手負いでも容赦はしません!」
明石「仮に、敵の片足が完全骨折していようともです! 片足立ちの戦艦棲姫が近付く! 打った! グラーフの右ストレート!」
明石「目にも留まらぬハンドスピード! ですが……弾いた!? 戦艦棲姫が打撃を捌きました! 拳の軌道を逸らされ、空振り!」
明石「更にグラーフ、ワンツーのコンビネーションパンチ! これも捌かれた! あの動きは……中国拳法のトラッピング!?」
香取「まさか、隼鷹さんの試合を見て覚えたの!? もしくは、既に持っていたか……!」
明石「そうでした、戦艦棲姫もまた底なしの怪物! ここにきて巧みな防御術を披露しています! 片足立ちでグラーフの打撃を捌いている!」
621:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:34:28.35:dyTditDE0 (54/87)
明石「しかし、この状態で防げるのはパンチだけのはず! グラーフも当然その考えに至った! 残る片足を狙い、すかさずローキックを放った!」
明石「か、空振り! というか、先に戦艦棲姫の掌底がグラーフの顔面に決まった! 上体を押される形で、蹴りが潰されました!」
明石「戦艦棲姫にはこの武器もあった! それは長い手足! リーチにおいてはグラーフより拳2つ分は長い! 自身の有利を上手く使っています!」
明石「カウンターで掌底をもらい、ややよろめいたグラーフですが、すぐに持ち直しました! やはり大したダメージはない!」
明石「戦艦棲姫も片足のため、追撃には移れませんでした! ここからどう攻める、戦艦棲姫! どう仕留める、グラーフ・ツェッペリン!」
香取「グラーフさんが圧倒的有利な状況に変わりはない。でも、戦艦棲姫はまるで動じてない……この状況を楽しんでいるんだわ」
明石「ここでグラーフ・ツェッペリンに動きがあります! ステップを踏み始めました! 大淀選手を追い込んだ、あの高速フットワークだ!」
明石「しかし、この状態で防げるのはパンチだけのはず! グラーフも当然その考えに至った! 残る片足を狙い、すかさずローキックを放った!」
明石「か、空振り! というか、先に戦艦棲姫の掌底がグラーフの顔面に決まった! 上体を押される形で、蹴りが潰されました!」
明石「戦艦棲姫にはこの武器もあった! それは長い手足! リーチにおいてはグラーフより拳2つ分は長い! 自身の有利を上手く使っています!」
明石「カウンターで掌底をもらい、ややよろめいたグラーフですが、すぐに持ち直しました! やはり大したダメージはない!」
明石「戦艦棲姫も片足のため、追撃には移れませんでした! ここからどう攻める、戦艦棲姫! どう仕留める、グラーフ・ツェッペリン!」
香取「グラーフさんが圧倒的有利な状況に変わりはない。でも、戦艦棲姫はまるで動じてない……この状況を楽しんでいるんだわ」
明石「ここでグラーフ・ツェッペリンに動きがあります! ステップを踏み始めました! 大淀選手を追い込んだ、あの高速フットワークだ!」
622:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:35:13.59:dyTditDE0 (55/87)
明石「パワー型から一転、攻撃方法をスピード型に切り替えるつもりです! あの連撃を繰り出されれば、戦艦棲姫に防ぐ術はない!」
明石「来た! グラーフのラッシュが始まった! 左ジャブ! 右フック! サイドキックにアッパーカット! 超高速ラッシュが繰り出される!」
明石「一発でももらえば戦艦棲姫は終わる! しかも片足では一発も避けきれるはずはない……のに、避けてる!? 戦艦棲姫が打撃を避けている!」
香取「な、何なのあの動き!?」
明石「これはなんだ!? 迫り来る打撃の嵐を、戦艦棲姫が全て避けている! 片足のまま! その動き、華麗どころかとんでもなく不気味です!」
明石「例えるなら、超高速で全方位に揺れる細長いコマ! 回転し、手足で打撃を捌き、捌き切れない打撃を上体がグラグラと揺らして躱している!」
明石「どっちが化け物地味ているか、甲乙付け難い光景です! 戦艦棲姫は関節の可動域が異常に広い! まさか、背骨までこんなに動くとは!」
明石「パワー型から一転、攻撃方法をスピード型に切り替えるつもりです! あの連撃を繰り出されれば、戦艦棲姫に防ぐ術はない!」
明石「来た! グラーフのラッシュが始まった! 左ジャブ! 右フック! サイドキックにアッパーカット! 超高速ラッシュが繰り出される!」
明石「一発でももらえば戦艦棲姫は終わる! しかも片足では一発も避けきれるはずはない……のに、避けてる!? 戦艦棲姫が打撃を避けている!」
香取「な、何なのあの動き!?」
明石「これはなんだ!? 迫り来る打撃の嵐を、戦艦棲姫が全て避けている! 片足のまま! その動き、華麗どころかとんでもなく不気味です!」
明石「例えるなら、超高速で全方位に揺れる細長いコマ! 回転し、手足で打撃を捌き、捌き切れない打撃を上体がグラグラと揺らして躱している!」
明石「どっちが化け物地味ているか、甲乙付け難い光景です! 戦艦棲姫は関節の可動域が異常に広い! まさか、背骨までこんなに動くとは!」
623:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:35:44.76:dyTditDE0 (56/87)
明石「グラーフは息も付かずにラッシュを続ける! 戦艦棲姫はラッシュの合間を不自然極まりない動きで掻い潜る! まるで死のダンスです!」
明石「あっ……!? わ、笑い声が聞こえてきました! 笑っているのは他でもない、戦艦棲姫! 狂ったような哄笑を上げています!」
明石「死のダンスを踊りながら、一体何がそんなにおかしい!? 死が全身を掠めていく、そのスリルが楽しくてしょうがないとでも言うのか!」
明石「だが、このダンスの終わりが近いのは明白です! 即ち、ダメージが大きく不自然な回避を強いられる戦艦棲姫が力尽きる、そのとき!」
明石「終わりの時が来た! ハイキックが戦艦棲姫の首に入ったぁぁぁ! これは、曲がったのではない! 明らかに首の骨が折れた!」
明石「グラーフは息も付かずにラッシュを続ける! 戦艦棲姫はラッシュの合間を不自然極まりない動きで掻い潜る! まるで死のダンスです!」
明石「あっ……!? わ、笑い声が聞こえてきました! 笑っているのは他でもない、戦艦棲姫! 狂ったような哄笑を上げています!」
明石「死のダンスを踊りながら、一体何がそんなにおかしい!? 死が全身を掠めていく、そのスリルが楽しくてしょうがないとでも言うのか!」
明石「だが、このダンスの終わりが近いのは明白です! 即ち、ダメージが大きく不自然な回避を強いられる戦艦棲姫が力尽きる、そのとき!」
明石「終わりの時が来た! ハイキックが戦艦棲姫の首に入ったぁぁぁ! これは、曲がったのではない! 明らかに首の骨が折れた!」
624:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:36:10.83:dyTditDE0 (57/87)
明石「壊れた人形のように頭をぐらつかせながら、戦艦棲姫がその場に崩れる! デスマッチの女王、ここに陥ら……えっ?」
香取「……ちょっと、どういう体の構造してるのよ」
明石「なっ……! た、立った!? 戦艦棲姫が立ち上がりました! 首はあらぬ方向にねじ曲がり、頸骨が折れているのは間違いありません!」
明石「もう戦艦棲姫は息絶えているはず! なのになぜ……く、首を嵌めこんだ!? 首の脱臼って、嵌め込んで済むものでしたっけ!?」
香取「そんなわけがない。普通は即死、運良く助かっても、一生車椅子生活を余儀なくされるような損傷があるはずよ。なのに……!」
明石「こ、こいつも体の作り自体がぶっ壊れている! しかも、まだ笑っている! ここまでやられて、更に戦い続ける気か!」
明石「今現在、グラーフ・ツェッペリンは全くの無傷! あれだけ動きながら呼吸さえ乱れていない! 同じ怪物でも、戦力の格が違う!」
明石「壊れた人形のように頭をぐらつかせながら、戦艦棲姫がその場に崩れる! デスマッチの女王、ここに陥ら……えっ?」
香取「……ちょっと、どういう体の構造してるのよ」
明石「なっ……! た、立った!? 戦艦棲姫が立ち上がりました! 首はあらぬ方向にねじ曲がり、頸骨が折れているのは間違いありません!」
明石「もう戦艦棲姫は息絶えているはず! なのになぜ……く、首を嵌めこんだ!? 首の脱臼って、嵌め込んで済むものでしたっけ!?」
香取「そんなわけがない。普通は即死、運良く助かっても、一生車椅子生活を余儀なくされるような損傷があるはずよ。なのに……!」
明石「こ、こいつも体の作り自体がぶっ壊れている! しかも、まだ笑っている! ここまでやられて、更に戦い続ける気か!」
明石「今現在、グラーフ・ツェッペリンは全くの無傷! あれだけ動きながら呼吸さえ乱れていない! 同じ怪物でも、戦力の格が違う!」
625:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:36:41.81:dyTditDE0 (58/87)
明石「それでも戦艦棲姫は挑む気だ! 戦いの終わりはどちらかの死のみ! ならば、まだ終わってはいない! 戦艦棲姫がドイツの怪物に挑む!」
明石「戦艦棲姫が構えた! 今までとは違う、左の手の甲を相手に向けて構えました! これは……詠春拳!?」
香取「ジークンドーの下敷きになった中国拳法……! 技術で活路を見出そうと言うの? グラーフさんに小手先の技なんて……」
明石「グラーフ・ツェッペリンも再び戦闘体勢を取ります! 一撃で決める! 拳を固めて、戦艦棲姫へと接近する!」
明石「グラーフの左ジャブ、これはフェイント! 本命はローキック! 残る片足を狙った! が……戦艦棲姫の突きが先にヒットォォォ!」
明石「グラーフが吹っ飛んだ!? ダウンは免れましたが、顔面へまともに入りました! 今のは……まさか!」
香取「嘘でしょう……発勁!?」
明石「それでも戦艦棲姫は挑む気だ! 戦いの終わりはどちらかの死のみ! ならば、まだ終わってはいない! 戦艦棲姫がドイツの怪物に挑む!」
明石「戦艦棲姫が構えた! 今までとは違う、左の手の甲を相手に向けて構えました! これは……詠春拳!?」
香取「ジークンドーの下敷きになった中国拳法……! 技術で活路を見出そうと言うの? グラーフさんに小手先の技なんて……」
明石「グラーフ・ツェッペリンも再び戦闘体勢を取ります! 一撃で決める! 拳を固めて、戦艦棲姫へと接近する!」
明石「グラーフの左ジャブ、これはフェイント! 本命はローキック! 残る片足を狙った! が……戦艦棲姫の突きが先にヒットォォォ!」
明石「グラーフが吹っ飛んだ!? ダウンは免れましたが、顔面へまともに入りました! 今のは……まさか!」
香取「嘘でしょう……発勁!?」
626:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:37:17.26:dyTditDE0 (59/87)
明石「中国拳法の真髄、勁力を使った打撃です! まさか戦艦棲姫がここまで中国拳法を扱えるとは! しかも、片足立ちでこれほどの威力を!」
明石「片足でなければ、どれほどの威力があったことでしょう! その技量、まさしく底なし! まだ勝負の結果はわからない!」
明石「グラーフが再度歩み寄る! 詠春拳の構えで待ち受ける、戦艦棲姫に恐れはない! この腕のリーチ差があれば、先に打撃を当てられる!」
明石「先にグラーフが打ち込んだ! いきなり右ストレート! 戦艦棲姫のトラッピングが軌道を逸らす! そのまま、カウンターの突きィィィ!」
明石「またしても顔面直撃! し、しかし……グラーフ・ツェッペリンが微動だにしない! これはまさか……自ら受けに行った!?」
明石「戦艦棲姫の拳が砕かれました! 手の甲から骨が突き出している! グラーフ、己の顔面を叩き付けて拳を砕きました!」
明石「どうする戦艦棲姫! なっ……棒立ち!? 骨の突き出た手の甲を、戦艦棲姫、呆けたようにじっと見つめている!」
明石「中国拳法の真髄、勁力を使った打撃です! まさか戦艦棲姫がここまで中国拳法を扱えるとは! しかも、片足立ちでこれほどの威力を!」
明石「片足でなければ、どれほどの威力があったことでしょう! その技量、まさしく底なし! まだ勝負の結果はわからない!」
明石「グラーフが再度歩み寄る! 詠春拳の構えで待ち受ける、戦艦棲姫に恐れはない! この腕のリーチ差があれば、先に打撃を当てられる!」
明石「先にグラーフが打ち込んだ! いきなり右ストレート! 戦艦棲姫のトラッピングが軌道を逸らす! そのまま、カウンターの突きィィィ!」
明石「またしても顔面直撃! し、しかし……グラーフ・ツェッペリンが微動だにしない! これはまさか……自ら受けに行った!?」
明石「戦艦棲姫の拳が砕かれました! 手の甲から骨が突き出している! グラーフ、己の顔面を叩き付けて拳を砕きました!」
明石「どうする戦艦棲姫! なっ……棒立ち!? 骨の突き出た手の甲を、戦艦棲姫、呆けたようにじっと見つめている!」
627:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:37:48.03:dyTditDE0 (60/87)
香取「アドレナリン放出が止まったんだわ! 同時に集中力も切れた……まずい!」
明石「ああっ! み、ミドルキック炸裂ゥゥゥ! 棒立ちの戦艦棲姫を、グラーフの右脚が薙ぎ払ったぁ! 戦艦棲姫が紙切れのように吹っ飛ぶ!」
明石「戦艦棲姫、まだ意識がある! が……立てない! 痛みが戻ってきてしまったのか! 更にあの強烈な蹴り! おそらく脊椎に損傷が入った!」
明石「マットに手を着く戦艦棲姫の前に、グラーフ・ツェッペリンが立った! な……何をする気だ! 相手は既に戦闘不能だ!」
明石「ふ、踏み付けたぁぁぁ! 頭を完全に踏み砕いた! 血と共に、透明な脳漿がこぼれ落ちる! 戦艦棲姫、完全に絶命!」
明石「ここでゴングが鳴った! 試合終了です! グラーフ・ツェッペリン、無情にも戦艦棲姫を絶命KO! 恐ろしい戦いを見せられました!」
香取「アドレナリン放出が止まったんだわ! 同時に集中力も切れた……まずい!」
明石「ああっ! み、ミドルキック炸裂ゥゥゥ! 棒立ちの戦艦棲姫を、グラーフの右脚が薙ぎ払ったぁ! 戦艦棲姫が紙切れのように吹っ飛ぶ!」
明石「戦艦棲姫、まだ意識がある! が……立てない! 痛みが戻ってきてしまったのか! 更にあの強烈な蹴り! おそらく脊椎に損傷が入った!」
明石「マットに手を着く戦艦棲姫の前に、グラーフ・ツェッペリンが立った! な……何をする気だ! 相手は既に戦闘不能だ!」
明石「ふ、踏み付けたぁぁぁ! 頭を完全に踏み砕いた! 血と共に、透明な脳漿がこぼれ落ちる! 戦艦棲姫、完全に絶命!」
明石「ここでゴングが鳴った! 試合終了です! グラーフ・ツェッペリン、無情にも戦艦棲姫を絶命KO! 恐ろしい戦いを見せられました!」
628:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/26(火) 23:38:41.98:CHnbZ/V0o (2/2)
素朴な疑問なんだが、これ地上波で放送できるの?
素朴な疑問なんだが、これ地上波で放送できるの?
629:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:38:45.44:dyTditDE0 (61/87)
明石「戦艦棲姫を相手にしても、ろくに技を見せませんでした! 身体能力によるゴリ押し! ただそれだけで、あの怪物に勝ってしまった!」
明石「一体、誰がこの怪物を止められる!? 長門選手はもういない! 我々には、こいつを倒す方法がまったく思い付かない!」
香取「これほどまで……! 甘かったわ。こいつの身体能力は、通常の3倍なんてものじゃない。少なく見積もって、5倍近い身体能力を持っている」
香取「脳だけじゃなく、体にも改造が施されているのかも……じゃなきゃ、あんな凄まじい運動性能は発揮できないはず」
香取「その気になれば、熊だって素手で打ち殺せそうよ。まずいわ、このままじゃ本当に優勝を持っていかれる……!」
明石「次の対戦相手は……扶桑選手ということになりますよね。扶桑選手なら、あるいは……」
香取「……可能性は低いと言わざるを得ないわ。仮に長門さんが相手をするとしても、勝ち目は薄い。それほどにグラーフさんは強すぎる」
香取「力が強い、スピードが速いってだけで、こんなにも脅威だなんてね。扶桑さんには、対戦までに何としても作戦を練っておいてほしいわ」
香取「正面からは絶対に勝てない。今までの試合から穴を見つけて、それを突くしか方法がない……穴があれば、なんだけど」
明石「なんか……まずいことになってきましたね。今度、UKFにナチス・ドイツは出禁にしましょう……」
明石「戦艦棲姫を相手にしても、ろくに技を見せませんでした! 身体能力によるゴリ押し! ただそれだけで、あの怪物に勝ってしまった!」
明石「一体、誰がこの怪物を止められる!? 長門選手はもういない! 我々には、こいつを倒す方法がまったく思い付かない!」
香取「これほどまで……! 甘かったわ。こいつの身体能力は、通常の3倍なんてものじゃない。少なく見積もって、5倍近い身体能力を持っている」
香取「脳だけじゃなく、体にも改造が施されているのかも……じゃなきゃ、あんな凄まじい運動性能は発揮できないはず」
香取「その気になれば、熊だって素手で打ち殺せそうよ。まずいわ、このままじゃ本当に優勝を持っていかれる……!」
明石「次の対戦相手は……扶桑選手ということになりますよね。扶桑選手なら、あるいは……」
香取「……可能性は低いと言わざるを得ないわ。仮に長門さんが相手をするとしても、勝ち目は薄い。それほどにグラーフさんは強すぎる」
香取「力が強い、スピードが速いってだけで、こんなにも脅威だなんてね。扶桑さんには、対戦までに何としても作戦を練っておいてほしいわ」
香取「正面からは絶対に勝てない。今までの試合から穴を見つけて、それを突くしか方法がない……穴があれば、なんだけど」
明石「なんか……まずいことになってきましたね。今度、UKFにナチス・ドイツは出禁にしましょう……」
630:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:39:37.16:dyTditDE0 (62/87)
試合後インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
―――戦ってみて、戦艦棲姫はどうでしたか?
グラーフ「予想を下回る戦闘能力だった。最強の深海棲艦があの程度か。これなら、我がドイツ帝国の制海権拡大はさほど困難なことではないな」
グラーフ「戦闘データも大した収穫はない。実りの少ない戦闘だった。深海棲艦に我々の強さを見せつけられたことだけは成果と呼ぶべきか」
―――未だにグラーフ選手は格闘技術らしいものを見せていませんが、それはまだ隠している段階だからでしょうか。
グラーフ「戦闘の過程を見れば明らかだ。使う必要がない。腕を振るえば殺せる相手を、わざわざ術を使って仕留める理由はない」
グラーフ「技術を使うべき相手との戦闘になれば、迷いなく格闘術を使う。だが、このグランプリでその機会はなさそうだ」
―――グラーフ選手は試合中に凄まじい身体能力を発揮していますが、差し障りのない程度で構いませんので、その秘訣を教えていただけませんか。
グラーフ「秘訣などない。私はあのレベルの動きができるよう製造され、継戦能力を伸ばせるよう訓練を受けた。そして、総統閣下より洗礼を受けた」
グラーフ「総統閣下の神通力を授かったことにより、私の体には底知れない力が宿った。私はそれを使って閣下の敵を打ち倒す。それだけだ」
グラーフ「貴様らが弱いのは、総統閣下のご威光の下にないからだ。私のような力が欲しければ、ドイツへ亡命するがいい」
グラーフ「閣下は日本人を名誉アーリア人と認めてくださる。閣下の洗礼を受ければ、私のように強くなれるだろう」
試合後インタビュー:グラーフ・ツェッペリン
―――戦ってみて、戦艦棲姫はどうでしたか?
グラーフ「予想を下回る戦闘能力だった。最強の深海棲艦があの程度か。これなら、我がドイツ帝国の制海権拡大はさほど困難なことではないな」
グラーフ「戦闘データも大した収穫はない。実りの少ない戦闘だった。深海棲艦に我々の強さを見せつけられたことだけは成果と呼ぶべきか」
―――未だにグラーフ選手は格闘技術らしいものを見せていませんが、それはまだ隠している段階だからでしょうか。
グラーフ「戦闘の過程を見れば明らかだ。使う必要がない。腕を振るえば殺せる相手を、わざわざ術を使って仕留める理由はない」
グラーフ「技術を使うべき相手との戦闘になれば、迷いなく格闘術を使う。だが、このグランプリでその機会はなさそうだ」
―――グラーフ選手は試合中に凄まじい身体能力を発揮していますが、差し障りのない程度で構いませんので、その秘訣を教えていただけませんか。
グラーフ「秘訣などない。私はあのレベルの動きができるよう製造され、継戦能力を伸ばせるよう訓練を受けた。そして、総統閣下より洗礼を受けた」
グラーフ「総統閣下の神通力を授かったことにより、私の体には底知れない力が宿った。私はそれを使って閣下の敵を打ち倒す。それだけだ」
グラーフ「貴様らが弱いのは、総統閣下のご威光の下にないからだ。私のような力が欲しければ、ドイツへ亡命するがいい」
グラーフ「閣下は日本人を名誉アーリア人と認めてくださる。閣下の洗礼を受ければ、私のように強くなれるだろう」
631:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:43:27.47:dyTditDE0 (63/87)
試合後インタビュー:戦艦棲姫
戦艦棲姫「……? ナンダ、私ヲ修理シタノ? ソノママ海ニ投ゲ捨テレバヨカッタノニ、艦娘トハオ優シイモノダ」
―――グラーフ・ツェッペリンと戦ってみて、何を感じましたか?
戦艦棲姫「モシ、大和ト戦エバ少ナク見積モッテ10回ニ数回ハ勝テルダロウ。ダガ、グラーフ・ツェッペリンニハ勝テナイ」
戦艦棲姫「ダカラ楽シク戦エタ。愉快ナモノダナ、自ラ死ニ身ヲ投ジルトイウモノハ。久シブリニ、本気デ戦エタ」
戦艦棲姫「限界マデ燃エ尽キルコトガデキタ。トドメモシッカリ刺シテクレタシ、満足ダ。面白イ戦イダッタ」
―――リベンジの意志はありますか?
戦艦棲姫「スグニデモ戦イタイワ。ダケド、勝テナイカラヤメテオク。アイツハタブン、誰ニモ勝テナイワ」
戦艦棲姫「ソロソロ私ハ深海棲艦ノ領域ニ帰ル。アイツヲ倒ス方法デモ考エテオコウ。思イ付イタラ、マタココヘ来ル」
戦艦棲姫「アア、言イ忘レテタ……修理シテクレテ、アリガトウ。コノ借リハイズレ、必ズ返ス」
試合後インタビュー:戦艦棲姫
戦艦棲姫「……? ナンダ、私ヲ修理シタノ? ソノママ海ニ投ゲ捨テレバヨカッタノニ、艦娘トハオ優シイモノダ」
―――グラーフ・ツェッペリンと戦ってみて、何を感じましたか?
戦艦棲姫「モシ、大和ト戦エバ少ナク見積モッテ10回ニ数回ハ勝テルダロウ。ダガ、グラーフ・ツェッペリンニハ勝テナイ」
戦艦棲姫「ダカラ楽シク戦エタ。愉快ナモノダナ、自ラ死ニ身ヲ投ジルトイウモノハ。久シブリニ、本気デ戦エタ」
戦艦棲姫「限界マデ燃エ尽キルコトガデキタ。トドメモシッカリ刺シテクレタシ、満足ダ。面白イ戦イダッタ」
―――リベンジの意志はありますか?
戦艦棲姫「スグニデモ戦イタイワ。ダケド、勝テナイカラヤメテオク。アイツハタブン、誰ニモ勝テナイワ」
戦艦棲姫「ソロソロ私ハ深海棲艦ノ領域ニ帰ル。アイツヲ倒ス方法デモ考エテオコウ。思イ付イタラ、マタココヘ来ル」
戦艦棲姫「アア、言イ忘レテタ……修理シテクレテ、アリガトウ。コノ借リハイズレ、必ズ返ス」
632:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:45:15.59:dyTditDE0 (64/87)
明石「とんでもない試合となってしまいましたが……気を取り直して、続いてBブロック2回戦、第1試合を行います!」
明石「こちらも注目の一戦です! まずは赤コーナーより選手入場! 今こそ、空手の真の強さを見せつけるときだ!」
明石「とんでもない試合となってしまいましたが……気を取り直して、続いてBブロック2回戦、第1試合を行います!」
明石「こちらも注目の一戦です! まずは赤コーナーより選手入場! 今こそ、空手の真の強さを見せつけるときだ!」
633:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:46:12.50:dyTditDE0 (65/87)
試合前インタビュー:榛名
―――空手と中国拳法はどちらが優れていると思いますか?
榛名「正直に答えるなら、わかりません。空手のほうが優れているから勝てると自惚れるつもりはありませんので」
榛名「技の多彩さという点なら、中国拳法に軍配が上がるでしょう。実戦における合理性においても、あるいは空手に勝っているかもしれません」
榛名「ですが、勘違いしてもらっては困ります。空手とは楽をして勝つ武術ではなく、己に困難を課して強くなるための武術なのです」
榛名「あえて非合理に身を置き、五体を武器化する。長い時間を掛けて技を研磨することでのみ、空手は真の力を発揮できます」
榛名「理合を重んじる中国拳法と比べて、その点なら空手が勝る。技術としてではなく、結局は使い手の練度が勝敗の優劣を分けるのです」
―――隼鷹選手をどう見ますか?
榛名「優れた使い手であるのは疑いようもありません。あれほど高度な技を使いこなし、なおかつまだ手の内の全てを明かしてはいないのですから」
榛名「隼鷹さんは中国拳法の深淵、その一端を手にしている。私にとっても脅威であることは間違いないかと思います」
―――勝てる自信はありますか?
榛名「私は空手だけを信仰してここまで来ました。ここで中国拳法に敗北するなら、私の歩んだ道は何の意味もなかったことになるでしょう」
榛名「自信という生易しい言葉は口にしたくありません。必ず勝ちます。どんなことがあっても、敗北は決して許されないのです」
試合前インタビュー:榛名
―――空手と中国拳法はどちらが優れていると思いますか?
榛名「正直に答えるなら、わかりません。空手のほうが優れているから勝てると自惚れるつもりはありませんので」
榛名「技の多彩さという点なら、中国拳法に軍配が上がるでしょう。実戦における合理性においても、あるいは空手に勝っているかもしれません」
榛名「ですが、勘違いしてもらっては困ります。空手とは楽をして勝つ武術ではなく、己に困難を課して強くなるための武術なのです」
榛名「あえて非合理に身を置き、五体を武器化する。長い時間を掛けて技を研磨することでのみ、空手は真の力を発揮できます」
榛名「理合を重んじる中国拳法と比べて、その点なら空手が勝る。技術としてではなく、結局は使い手の練度が勝敗の優劣を分けるのです」
―――隼鷹選手をどう見ますか?
榛名「優れた使い手であるのは疑いようもありません。あれほど高度な技を使いこなし、なおかつまだ手の内の全てを明かしてはいないのですから」
榛名「隼鷹さんは中国拳法の深淵、その一端を手にしている。私にとっても脅威であることは間違いないかと思います」
―――勝てる自信はありますか?
榛名「私は空手だけを信仰してここまで来ました。ここで中国拳法に敗北するなら、私の歩んだ道は何の意味もなかったことになるでしょう」
榛名「自信という生易しい言葉は口にしたくありません。必ず勝ちます。どんなことがあっても、敗北は決して許されないのです」
634:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:46:51.35:dyTditDE0 (66/87)
榛名:入場テーマ「GuiltyGearX/Holy Orders (Be Just or Be Dead)」
榛名:入場テーマ「GuiltyGearX/Holy Orders (Be Just or Be Dead)」
635:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:47:22.83:dyTditDE0 (67/87)
明石「打撃最強候補筆頭! 全ての一撃を必殺とし、全身を凶器と化す! 究極の実戦空手の体現者がここに存在する!」
明石「不死身のK-1王者、翔鶴選手に初のダウンKOを与えたその打撃は底が知れない! 今一度、空手の真の恐ろしさを知らしめてやろう!」
明石「この拳に全てを賭ける! ”殺人聖女”榛名ァァァ!」
香取「さあ、面白いことになりそうね。空手VS中国拳法よ。ちょっとした因縁の対決、ってことになるのかしら」
明石「一応、空手の発祥も元々は中国拳法にたどり着くとのことですよね」
香取「発祥はそうらしいわね。空手の源流である首里手、泊手、那覇手のうち、特に那覇手は中国拳法の一流派である白鶴拳から生まれたとされるわ」
香取「でも、空手としての形を成してからは、全く独自の発展を遂げているわ。既に中国拳法とは全くの別物と言ってもいいでしょう」
香取「更に言えば、中国拳法が伝統的に受け継がれているのに対し、空手は今もなお競技化や他流派との交流によって進化し続けているわ」
香取「どちらが優れていると言う気はないけれど、より近代的なのは空手、ということになるんじゃないかしら」
明石「打撃最強候補筆頭! 全ての一撃を必殺とし、全身を凶器と化す! 究極の実戦空手の体現者がここに存在する!」
明石「不死身のK-1王者、翔鶴選手に初のダウンKOを与えたその打撃は底が知れない! 今一度、空手の真の恐ろしさを知らしめてやろう!」
明石「この拳に全てを賭ける! ”殺人聖女”榛名ァァァ!」
香取「さあ、面白いことになりそうね。空手VS中国拳法よ。ちょっとした因縁の対決、ってことになるのかしら」
明石「一応、空手の発祥も元々は中国拳法にたどり着くとのことですよね」
香取「発祥はそうらしいわね。空手の源流である首里手、泊手、那覇手のうち、特に那覇手は中国拳法の一流派である白鶴拳から生まれたとされるわ」
香取「でも、空手としての形を成してからは、全く独自の発展を遂げているわ。既に中国拳法とは全くの別物と言ってもいいでしょう」
香取「更に言えば、中国拳法が伝統的に受け継がれているのに対し、空手は今もなお競技化や他流派との交流によって進化し続けているわ」
香取「どちらが優れていると言う気はないけれど、より近代的なのは空手、ということになるんじゃないかしら」
636:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:47:54.39:dyTditDE0 (68/87)
明石「他流派との交流というと、主にボクシングやムエタイということになってきますかね」
香取「そうね。どちらも立ち技格闘技において最強の名を奪い合う流派。空手はそれらに対抗するため、技をパクったのよ」
香取「ボクシングからはフットワークを、ムエタイからは蹴りを吸収した。勝つために敵の技術を使うのは戦争では当たり前のことよね」
香取「他国で生まれたものを取り入れて独自に発展させるのは、日本のお家芸。空手はパクった技術を完全に技の体系へと取り込んだわ」
香取「特にフットワークは榛名さんも得意とする技術。中国拳法を相手にするなら、かなり心強い武器になるんじゃないかしら」
香取「後は貫手ね。人体を真正面から貫く技は、一朝一夕じゃ身に付かない。榛名さんは想像を絶する苦難を経て、あの貫手を身に付けたんでしょう」
香取「いくら中国拳法が技で優れるといっても、究極まで研ぎ澄まされたあの一撃に対抗する術はないはず。榛名さんが技で劣ることはないわ」
香取「仮に寝技に持ち込まれても、あの指を体のどこかに突き立てれば脱出できるでしょう。榛名さんの空手に隙はどこにもないわよ」
明石「ありがとうございます。では、青コーナーより選手入場! 予想外の強さを見せつけたダークホースが再度登場します!」
明石「他流派との交流というと、主にボクシングやムエタイということになってきますかね」
香取「そうね。どちらも立ち技格闘技において最強の名を奪い合う流派。空手はそれらに対抗するため、技をパクったのよ」
香取「ボクシングからはフットワークを、ムエタイからは蹴りを吸収した。勝つために敵の技術を使うのは戦争では当たり前のことよね」
香取「他国で生まれたものを取り入れて独自に発展させるのは、日本のお家芸。空手はパクった技術を完全に技の体系へと取り込んだわ」
香取「特にフットワークは榛名さんも得意とする技術。中国拳法を相手にするなら、かなり心強い武器になるんじゃないかしら」
香取「後は貫手ね。人体を真正面から貫く技は、一朝一夕じゃ身に付かない。榛名さんは想像を絶する苦難を経て、あの貫手を身に付けたんでしょう」
香取「いくら中国拳法が技で優れるといっても、究極まで研ぎ澄まされたあの一撃に対抗する術はないはず。榛名さんが技で劣ることはないわ」
香取「仮に寝技に持ち込まれても、あの指を体のどこかに突き立てれば脱出できるでしょう。榛名さんの空手に隙はどこにもないわよ」
明石「ありがとうございます。では、青コーナーより選手入場! 予想外の強さを見せつけたダークホースが再度登場します!」
637:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:48:44.15:dyTditDE0 (69/87)
試合前インタビュー:隼鷹
―――今日もお酒は飲まれていないんですか。
隼鷹「しつこくない? だから、試合前は飲まないって! しかも今日の相手って超化け物じゃん! あんなのと戦う前に酒なんて飲めないよ!」
隼鷹「あーやだやだ。勝ったらお金くれるって言われたから来たのに、強い奴ばっかりじゃん。もうちょっと楽させてくんないかね」
―――榛名選手をどのように感じておられますか?
隼鷹「強いよ。めっちゃ強い。ファイトマネーの額があとちょっとでも安かったら、絶対に戦いたくない相手だね」
隼鷹「あれって実現不可能って言われてた空手の完成形じゃない? そんなやつとはできることなら一生やり合いたくなかったよ」
隼鷹「あたしは楽に勝てるに越したことはないと思ってるからね。あーあ、スポーツ空手家だったら楽勝だったのになー」
―――勝てる自信はありますか?
隼鷹「あるに決まってるじゃん。なかったらさっさと棄権して帰ってるよ。負けるために戦うほど、あたしは酔狂じゃないんでね」
隼鷹「あたしはまだ太極拳の全てを見せたつもりはない。ちょっと早いけど、この試合では全てを見せる必要がありそうだ」
隼鷹「簡単にはいかないだろうね。それでも勝つよ。勝利の祝杯があたしを待ってるんでね、酒のためならあたしは何でもするよ」
―――空手と中国拳法はどちらが優れていると思いますか?
隼鷹「中国拳法でしょ。空手は遅れてる。こっちがだいぶ前からライフル使ってるのに、向こうは未だに火縄銃で戦争してるようなもんさ」
隼鷹「空手は実戦において非効率だ。だからって必ずしも弱いってわけじゃないけどね。勝つのは、あたしが強すぎるからさ」
試合前インタビュー:隼鷹
―――今日もお酒は飲まれていないんですか。
隼鷹「しつこくない? だから、試合前は飲まないって! しかも今日の相手って超化け物じゃん! あんなのと戦う前に酒なんて飲めないよ!」
隼鷹「あーやだやだ。勝ったらお金くれるって言われたから来たのに、強い奴ばっかりじゃん。もうちょっと楽させてくんないかね」
―――榛名選手をどのように感じておられますか?
隼鷹「強いよ。めっちゃ強い。ファイトマネーの額があとちょっとでも安かったら、絶対に戦いたくない相手だね」
隼鷹「あれって実現不可能って言われてた空手の完成形じゃない? そんなやつとはできることなら一生やり合いたくなかったよ」
隼鷹「あたしは楽に勝てるに越したことはないと思ってるからね。あーあ、スポーツ空手家だったら楽勝だったのになー」
―――勝てる自信はありますか?
隼鷹「あるに決まってるじゃん。なかったらさっさと棄権して帰ってるよ。負けるために戦うほど、あたしは酔狂じゃないんでね」
隼鷹「あたしはまだ太極拳の全てを見せたつもりはない。ちょっと早いけど、この試合では全てを見せる必要がありそうだ」
隼鷹「簡単にはいかないだろうね。それでも勝つよ。勝利の祝杯があたしを待ってるんでね、酒のためならあたしは何でもするよ」
―――空手と中国拳法はどちらが優れていると思いますか?
隼鷹「中国拳法でしょ。空手は遅れてる。こっちがだいぶ前からライフル使ってるのに、向こうは未だに火縄銃で戦争してるようなもんさ」
隼鷹「空手は実戦において非効率だ。だからって必ずしも弱いってわけじゃないけどね。勝つのは、あたしが強すぎるからさ」
638:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:49:15.77:dyTditDE0 (70/87)
隼鷹:入場テーマ「布袋寅泰/BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」
隼鷹:入場テーマ「布袋寅泰/BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」
639:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:49:47.70:dyTditDE0 (71/87)
明石「その流儀、酔拳にあらず! 中国拳法の一流派、その名は太極拳! 本物の中国拳法家が表舞台に姿を現しました!」
明石「脅威的な強さで1回戦を圧勝! それでもなお、真の実力は明らかになっていない! 中国拳法とは、一体どれほどのものなのか!」
明石「秘術の深淵を今、垣間見る! ”酔雷の華拳”隼鷹ォォォ!」
香取「ダークホースの登場ね。まさか、隼鷹さんがあそこまで強いとは思ってもみなかったわ」
明石「1回線は技を出し切らずに圧勝ですからね。発勁の打撃も1回しか使っていませんでした」
香取「そうね。主に使っていたのは足技と関節技、中国拳法で言うところの擒拿術ね。明らかに技を隠しつつ戦っていたわ」
香取「戦艦級のトップファイターを相手にそれだけの余裕があるということは、イコール彼女の実力と自信がどれだけ高いかを表しているわ」
明石「榛名選手に対しても、技を隠して戦うと思われますか?」
香取「さすがにそれは無理なはずよ。榛名さんは戦艦級の中でも頂点を争う一角。特に打撃に関しては絶対的な強さを誇っているわ」
香取「あのレベルの選手を相手に技を出し惜しみするほど、隼鷹さんも自惚れてはいないでしょう。この試合では本気を見せるんじゃないかしら」
明石「となると……発勁も存分に使うということですね」
香取「おそらくわね。といっても、発勁はどんな状況からでも自在に繰り出せるほど、便利な代物じゃないわ」
明石「その流儀、酔拳にあらず! 中国拳法の一流派、その名は太極拳! 本物の中国拳法家が表舞台に姿を現しました!」
明石「脅威的な強さで1回戦を圧勝! それでもなお、真の実力は明らかになっていない! 中国拳法とは、一体どれほどのものなのか!」
明石「秘術の深淵を今、垣間見る! ”酔雷の華拳”隼鷹ォォォ!」
香取「ダークホースの登場ね。まさか、隼鷹さんがあそこまで強いとは思ってもみなかったわ」
明石「1回線は技を出し切らずに圧勝ですからね。発勁の打撃も1回しか使っていませんでした」
香取「そうね。主に使っていたのは足技と関節技、中国拳法で言うところの擒拿術ね。明らかに技を隠しつつ戦っていたわ」
香取「戦艦級のトップファイターを相手にそれだけの余裕があるということは、イコール彼女の実力と自信がどれだけ高いかを表しているわ」
明石「榛名選手に対しても、技を隠して戦うと思われますか?」
香取「さすがにそれは無理なはずよ。榛名さんは戦艦級の中でも頂点を争う一角。特に打撃に関しては絶対的な強さを誇っているわ」
香取「あのレベルの選手を相手に技を出し惜しみするほど、隼鷹さんも自惚れてはいないでしょう。この試合では本気を見せるんじゃないかしら」
明石「となると……発勁も存分に使うということですね」
香取「おそらくわね。といっても、発勁はどんな状況からでも自在に繰り出せるほど、便利な代物じゃないわ」
640:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:50:31.97:dyTditDE0 (72/87)
香取「発勁は構えと姿勢を完璧に取り、大地を踏みしめてながら放つ必要がある。重要なのは力の伝達をいかに効率よく行えるか、ということよ」
香取「発勁とは全身の力を一点に集中させて放つ技術。十分な支えがないと、力が分散してうまく拳に伝えることができないの」
香取「拳の攻防の最中に、そこまで十分な構えを取るのは難しいわ。榛名さんが絶え間なく攻め続ければ、発勁を封じることができるかもしれない」
明石「分は榛名選手のほうにあると考えられますか?」
香取「さあ……どうかしら。階級としての耐久力を考えれば、榛名さんは一撃で隼鷹さんを倒すことが可能でしょう」
香取「それでも、どちらに分があるかはわからないわ。隼鷹さんが実力の底を見せてない以上、うかつな判断はできない」
香取「気になるのは、隼鷹さんの発言ね。『空手は中国拳法に劣っている』。考えなしの失言ではなく、何かしらの根拠を伴った言葉に聞こえたわ」
明石「その根拠とは何なのでしょうか。発勁がないこと、関節技がないことなど、思い付くことはいくつかありますが……」
香取「……空手と中国拳法の打撃を比較した場合、最大の違いは『エンジンの数』だと言われているわ」
香取「発勁は構えと姿勢を完璧に取り、大地を踏みしめてながら放つ必要がある。重要なのは力の伝達をいかに効率よく行えるか、ということよ」
香取「発勁とは全身の力を一点に集中させて放つ技術。十分な支えがないと、力が分散してうまく拳に伝えることができないの」
香取「拳の攻防の最中に、そこまで十分な構えを取るのは難しいわ。榛名さんが絶え間なく攻め続ければ、発勁を封じることができるかもしれない」
明石「分は榛名選手のほうにあると考えられますか?」
香取「さあ……どうかしら。階級としての耐久力を考えれば、榛名さんは一撃で隼鷹さんを倒すことが可能でしょう」
香取「それでも、どちらに分があるかはわからないわ。隼鷹さんが実力の底を見せてない以上、うかつな判断はできない」
香取「気になるのは、隼鷹さんの発言ね。『空手は中国拳法に劣っている』。考えなしの失言ではなく、何かしらの根拠を伴った言葉に聞こえたわ」
明石「その根拠とは何なのでしょうか。発勁がないこと、関節技がないことなど、思い付くことはいくつかありますが……」
香取「……空手と中国拳法の打撃を比較した場合、最大の違いは『エンジンの数』だと言われているわ」
641:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:51:09.99:dyTditDE0 (73/87)
香取「空手には4つのエンジンがある。それは即ち、両腕と両足。もちろん腰を入れて打つのは共通してるけど、拳打と蹴りでは力の発生箇所が違う」
香取「対して、中国拳法には1つしかエンジンがないわ。勁力と呼ばれる、背骨の筋肉。全ての打撃はこの一点から力を放出しているの」
香取「厳密に言うなら、隼鷹さんは打撃全般において発勁を使っているわ。構えが完全でないから100%の威力ではないというだけでね」
香取「中国拳法が筋力をあまり重要としないのはこの違いよ。腕の力を鍛えるより、力の伝達能力を磨いたほうが効率がいいという考えでしょう」
香取「効率性という点では、空手は中国拳法に一歩譲るかもしれない。でも、榛名さんの空手にはもう1つのエンジンがあるわ」
明石「指……貫手ですね」
香取「ええ。人体で最も繊細な指の力を、岩をも砕くまでに研ぎ澄ました貫手の威力。その必殺性は、完全な発勁に勝るとも劣らないはずよ」
香取「もしも隼鷹さんの言っているのが、打撃の優劣に関することなら、的外れと言わざるをえないわ。だけど、そうじゃなかったら……」
明石「隼鷹選手にはもっと、別の武器があるということでしょうか」
香取「かもしれないわ。Bブロックの第1試合で、隼鷹さんは既に貫手を自分の目で見ているはず。その脅威を軽視しているとは思えない」
香取「空手には4つのエンジンがある。それは即ち、両腕と両足。もちろん腰を入れて打つのは共通してるけど、拳打と蹴りでは力の発生箇所が違う」
香取「対して、中国拳法には1つしかエンジンがないわ。勁力と呼ばれる、背骨の筋肉。全ての打撃はこの一点から力を放出しているの」
香取「厳密に言うなら、隼鷹さんは打撃全般において発勁を使っているわ。構えが完全でないから100%の威力ではないというだけでね」
香取「中国拳法が筋力をあまり重要としないのはこの違いよ。腕の力を鍛えるより、力の伝達能力を磨いたほうが効率がいいという考えでしょう」
香取「効率性という点では、空手は中国拳法に一歩譲るかもしれない。でも、榛名さんの空手にはもう1つのエンジンがあるわ」
明石「指……貫手ですね」
香取「ええ。人体で最も繊細な指の力を、岩をも砕くまでに研ぎ澄ました貫手の威力。その必殺性は、完全な発勁に勝るとも劣らないはずよ」
香取「もしも隼鷹さんの言っているのが、打撃の優劣に関することなら、的外れと言わざるをえないわ。だけど、そうじゃなかったら……」
明石「隼鷹選手にはもっと、別の武器があるということでしょうか」
香取「かもしれないわ。Bブロックの第1試合で、隼鷹さんは既に貫手を自分の目で見ているはず。その脅威を軽視しているとは思えない」
642:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:51:45.14:dyTditDE0 (74/87)
香取「どちらにしろ、隼鷹さんが実力の底を見せてない以上、予想はできないわね。何をしてくるかは、そのときにならないとわからないわ」
香取「この試合で、中国拳法の真髄の一端が垣間見えるはず。それは空手にも言えることだけどね」
明石「……ありがとうございます。さあ、両選手リングイン! 空手家と中国拳法家が同じリングに相対しております!」
明石「榛名選手の圧力を一身に受けながら、余裕の表情を崩さない隼鷹選手! これは虚勢か、それとも自信の表れか!」
明石「視線を切らないまま、両者コーナーへ! この勝負が終わったとき、東洋最強の格闘技は何か、その答えの一端が明らかになる!」
明石「空手と中国拳法、勝つのはどっちだ! ゴングが鳴りました、試合開始です! 両者、颯爽とコーナーから飛び出していく!」
香取「どちらにしろ、隼鷹さんが実力の底を見せてない以上、予想はできないわね。何をしてくるかは、そのときにならないとわからないわ」
香取「この試合で、中国拳法の真髄の一端が垣間見えるはず。それは空手にも言えることだけどね」
明石「……ありがとうございます。さあ、両選手リングイン! 空手家と中国拳法家が同じリングに相対しております!」
明石「榛名選手の圧力を一身に受けながら、余裕の表情を崩さない隼鷹選手! これは虚勢か、それとも自信の表れか!」
明石「視線を切らないまま、両者コーナーへ! この勝負が終わったとき、東洋最強の格闘技は何か、その答えの一端が明らかになる!」
明石「空手と中国拳法、勝つのはどっちだ! ゴングが鳴りました、試合開始です! 両者、颯爽とコーナーから飛び出していく!」
643:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:52:32.79:dyTditDE0 (75/87)
明石「榛名選手は天地上下の構えを取った! 対する隼鷹選手も左を上段、右を中段に置いた太極拳の構え! どちらも、様子見をする気はない!」
明石「まずは榛名選手! 踏み込んで前蹴り! 捌かれた! 受け流すと同時に隼鷹選手の後ろ回し蹴り! これもブロックされました!」
明石「体勢を戻すやいなや、再び榛名選手が蹴りを放つ! 中段回し蹴りです! 隼鷹選手、バックステップ! みぞおちを掠めていきました!」
明石「蹴り合いが続きます! 榛名選手、蹴り足を入れ替えての三日月蹴り! これは交差させた両腕により止められました!」
明石「今度は隼鷹選手が蹴る! ローキック、続けて跳び後ろ回し蹴り! 上下を打ち分けた二段蹴りですが、空振りに終わりました!」
明石「蹴りの勝負は互角! 互いに間合いと初動を見切り、クリーンヒットを許しません! やはり、共に打撃は最高レベル!」
香取「どっちも拳の射程に入れないわね。踏み込もうとすると相手が蹴ってくるから、接近し切れないんだわ」
香取「出だしの攻防は完全に拮抗してる。下手に攻めれば一撃で持っていかれるのはどちらも同じよ。さて、均衡を破るのはどっちかしら……」
明石「榛名選手は天地上下の構えを取った! 対する隼鷹選手も左を上段、右を中段に置いた太極拳の構え! どちらも、様子見をする気はない!」
明石「まずは榛名選手! 踏み込んで前蹴り! 捌かれた! 受け流すと同時に隼鷹選手の後ろ回し蹴り! これもブロックされました!」
明石「体勢を戻すやいなや、再び榛名選手が蹴りを放つ! 中段回し蹴りです! 隼鷹選手、バックステップ! みぞおちを掠めていきました!」
明石「蹴り合いが続きます! 榛名選手、蹴り足を入れ替えての三日月蹴り! これは交差させた両腕により止められました!」
明石「今度は隼鷹選手が蹴る! ローキック、続けて跳び後ろ回し蹴り! 上下を打ち分けた二段蹴りですが、空振りに終わりました!」
明石「蹴りの勝負は互角! 互いに間合いと初動を見切り、クリーンヒットを許しません! やはり、共に打撃は最高レベル!」
香取「どっちも拳の射程に入れないわね。踏み込もうとすると相手が蹴ってくるから、接近し切れないんだわ」
香取「出だしの攻防は完全に拮抗してる。下手に攻めれば一撃で持っていかれるのはどちらも同じよ。さて、均衡を破るのはどっちかしら……」
644:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:53:03.19:dyTditDE0 (76/87)
明石「互いに蹴りの間合いを維持しつつ戦っております! 隼鷹選手、足の甲を狙った踏み蹴り! 足を引かれて躱されました!」
明石「足を引くと同時に、榛名選手の上段前蹴り! ウェービングで躱されます! お互いになかなか隙を見せない!」
明石「続けて榛名選手の上段回し蹴り、いや踵落とし! 大技を繰り出しました! しかし、これもバックステップにより空振りです!」
明石「わずかに榛名選手へ隙が生じたように見えましたが、隼鷹選手は攻め込みません! 未だ発勁は姿を表さず!」
香取「今の踵落としはフェイントに近いわね。わざと隙を作って相手を誘ったみたい。隼鷹さんは引っかからなかったけれど」
明石「どちらも受け手には回らないものの、膠着に近い状態です! このまま蹴り合いを続けても、永遠に勝負が着きそうにない!」
明石「そのことを悟ったように、榛名選手が天地上下の構えを解きます! 拳を固め、上段のガードを固めました!」
明石「互いに蹴りの間合いを維持しつつ戦っております! 隼鷹選手、足の甲を狙った踏み蹴り! 足を引かれて躱されました!」
明石「足を引くと同時に、榛名選手の上段前蹴り! ウェービングで躱されます! お互いになかなか隙を見せない!」
明石「続けて榛名選手の上段回し蹴り、いや踵落とし! 大技を繰り出しました! しかし、これもバックステップにより空振りです!」
明石「わずかに榛名選手へ隙が生じたように見えましたが、隼鷹選手は攻め込みません! 未だ発勁は姿を表さず!」
香取「今の踵落としはフェイントに近いわね。わざと隙を作って相手を誘ったみたい。隼鷹さんは引っかからなかったけれど」
明石「どちらも受け手には回らないものの、膠着に近い状態です! このまま蹴り合いを続けても、永遠に勝負が着きそうにない!」
明石「そのことを悟ったように、榛名選手が天地上下の構えを解きます! 拳を固め、上段のガードを固めました!」
645:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:53:42.98:dyTditDE0 (77/87)
明石「あっ、その場でステップを踏み始めました! 出ました、近代空手のフットワーク! 巧みな足捌きで間合いを読ませない戦法です!」
明石「中国拳法広しと言えど、このような近代格闘術はどの流派にも聞いたことはない! これなら中国拳法のディフェンスも打ち破り……?」
香取「……笑ってる?」
明石「な、なんだ? 隼鷹選手が一層余裕の笑みを浮かべました! これを待っていたとでも言わんばかりの表情です!」
明石「フットワークはボクシングの浸透により、近代で広まった技術です。中国拳法にその対応策は考案されていないはず!」
明石「なのに、この余裕は何だ!? ブラフか、それとも本当にこれを待ち構えていたのか! 少なくとも、この攻防で均衡が崩れる!」
明石「あっ、その場でステップを踏み始めました! 出ました、近代空手のフットワーク! 巧みな足捌きで間合いを読ませない戦法です!」
明石「中国拳法広しと言えど、このような近代格闘術はどの流派にも聞いたことはない! これなら中国拳法のディフェンスも打ち破り……?」
香取「……笑ってる?」
明石「な、なんだ? 隼鷹選手が一層余裕の笑みを浮かべました! これを待っていたとでも言わんばかりの表情です!」
明石「フットワークはボクシングの浸透により、近代で広まった技術です。中国拳法にその対応策は考案されていないはず!」
明石「なのに、この余裕は何だ!? ブラフか、それとも本当にこれを待ち構えていたのか! 少なくとも、この攻防で均衡が崩れる!」
646:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:54:22.97:dyTditDE0 (78/87)
明石「榛名選手、構わず打って出る! 左右に上体を振りながらの順突き! これはトラッピングで捌かれた!」
明石「当たりはしませんでしたが、あまり余裕のない回避に見えました! この戦法なら、打ち続ければいずれ一撃が入るはず!」
明石「サイドに回ろうとする隼鷹選手を、榛名選手がフットワークで先回りする! 右の鉤突き! 続けて左の順突きです!」
明石「最後の順突きはこめかみを掠めました! 完全に避け切れていないのは明らか! やはり、先ほどの笑みは隼鷹選手のブラフなのか!」
明石「隼鷹選手、後退! それより早く榛名選手が間合いを詰め……あっ!? 榛名選手がバランスを崩した! ローキックを当てられました!」
明石「先の蹴り合いに見せたものよりは浅く、そのぶん鋭い隼鷹選手のローキック! あっさりと榛名選手の足を払い打ちました!」
明石「足の止まった榛名選手目掛けて、追撃のハイキック! どうにかガードが間に合いました! 後退して体勢を立て直しています!」
明石「榛名選手、構わず打って出る! 左右に上体を振りながらの順突き! これはトラッピングで捌かれた!」
明石「当たりはしませんでしたが、あまり余裕のない回避に見えました! この戦法なら、打ち続ければいずれ一撃が入るはず!」
明石「サイドに回ろうとする隼鷹選手を、榛名選手がフットワークで先回りする! 右の鉤突き! 続けて左の順突きです!」
明石「最後の順突きはこめかみを掠めました! 完全に避け切れていないのは明らか! やはり、先ほどの笑みは隼鷹選手のブラフなのか!」
明石「隼鷹選手、後退! それより早く榛名選手が間合いを詰め……あっ!? 榛名選手がバランスを崩した! ローキックを当てられました!」
明石「先の蹴り合いに見せたものよりは浅く、そのぶん鋭い隼鷹選手のローキック! あっさりと榛名選手の足を払い打ちました!」
明石「足の止まった榛名選手目掛けて、追撃のハイキック! どうにかガードが間に合いました! 後退して体勢を立て直しています!」
647:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:55:02.33:dyTditDE0 (79/87)
明石「隼鷹選手は深追いしない! 再びフットワークを始めた榛名選手を待ち構えています! 足へのダメージはさほどではない様子です!」
明石「しかし、解せません! あれだけ蹴り合いは互角だったにも関わらず、榛名選手があっさりとローキックをもらってしまうとは!」
明石「蹴りのスピードだけが原因ではないように思えます! 隼鷹選手が何かを仕掛けた! しかし、こちらからではその正体が掴めない!」
香取「これは、もしかして……!」
明石「再度、榛名選手が攻め込みます! 順突き、これはフェイント! お返しとばかりに下段回し蹴り! これは脛受けで流される!」
明石「やはり隼鷹選手は後退します! それを追う榛名選手! サイドに回り込みながらの鉤突……あっ!? 先に打たれた!」
香取「やっぱり。フットワークは通用しないんだわ!」
明石「リードジャブが入りました! カウンターというより、打撃を打撃で潰すような手打ち! ダメージは大きくありません!」
明石「しかし、これもあっさりと当てられました! 打撃において榛名選手は最強クラス! いくら速い手打ちとはいえ、簡単にもらうわけがない!」
明石「隼鷹選手は深追いしない! 再びフットワークを始めた榛名選手を待ち構えています! 足へのダメージはさほどではない様子です!」
明石「しかし、解せません! あれだけ蹴り合いは互角だったにも関わらず、榛名選手があっさりとローキックをもらってしまうとは!」
明石「蹴りのスピードだけが原因ではないように思えます! 隼鷹選手が何かを仕掛けた! しかし、こちらからではその正体が掴めない!」
香取「これは、もしかして……!」
明石「再度、榛名選手が攻め込みます! 順突き、これはフェイント! お返しとばかりに下段回し蹴り! これは脛受けで流される!」
明石「やはり隼鷹選手は後退します! それを追う榛名選手! サイドに回り込みながらの鉤突……あっ!? 先に打たれた!」
香取「やっぱり。フットワークは通用しないんだわ!」
明石「リードジャブが入りました! カウンターというより、打撃を打撃で潰すような手打ち! ダメージは大きくありません!」
明石「しかし、これもあっさりと当てられました! 打撃において榛名選手は最強クラス! いくら速い手打ちとはいえ、簡単にもらうわけがない!」
648:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:55:35.02:dyTditDE0 (80/87)
明石「体勢を崩すほどではなかったので、榛名選手はそのまま攻勢を続行! 右の正拳……またローキックが入った! 再び足が止まる!」
明石「追撃を避け、今度は榛名選手が大きく後退! これは何だ!? フットワークを使い始めた瞬間、逆に隼鷹選手の打撃が当たり始めた!」
明石「回転速度を上げているのは確かですが、反応できないほどではないはず! なぜ、榛名選手がこうも簡単に打撃をもらうのか!」
香取「……空手が中国拳法に遅れてる、その発言の意味が今、わかったわ。隼鷹さんに言わせれば、空手は使えない技術を取り入れてしまったのよ」
明石「フットワークが使えない? まさか、近代格闘術の粋であるフットワークが、そんな……!」
香取「古流柔術においても、フットワークは独自に考案されて、一時期には研究されていたの。でも、すぐに奥義書からは消え去ったわ」
香取「古流にとって、フットワークは使えない駄作と呼ばれたのよ。原因は、リズムを維持して飛び跳ね続けるという動き自体にある」
明石「体勢を崩すほどではなかったので、榛名選手はそのまま攻勢を続行! 右の正拳……またローキックが入った! 再び足が止まる!」
明石「追撃を避け、今度は榛名選手が大きく後退! これは何だ!? フットワークを使い始めた瞬間、逆に隼鷹選手の打撃が当たり始めた!」
明石「回転速度を上げているのは確かですが、反応できないほどではないはず! なぜ、榛名選手がこうも簡単に打撃をもらうのか!」
香取「……空手が中国拳法に遅れてる、その発言の意味が今、わかったわ。隼鷹さんに言わせれば、空手は使えない技術を取り入れてしまったのよ」
明石「フットワークが使えない? まさか、近代格闘術の粋であるフットワークが、そんな……!」
香取「古流柔術においても、フットワークは独自に考案されて、一時期には研究されていたの。でも、すぐに奥義書からは消え去ったわ」
香取「古流にとって、フットワークは使えない駄作と呼ばれたのよ。原因は、リズムを維持して飛び跳ね続けるという動き自体にある」
649:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:56:21.92:dyTditDE0 (81/87)
香取「考えてみれば、その欠点は一目瞭然よ。リズムを維持するということは、自ら相手に呼吸のタイミングを教えてあげるようなものなのよ」
香取「仮に変則的なリズムに切り替えたとしても、動き続けることにも欠点があるわ。動くということは、自ら重心を崩さないといけないのよ」
香取「重心が崩れるわずかな瞬間、確実に隙が生じる。呼吸と重心のブレ、そのタイミングを狙って隼鷹さんは打ち込んでいるの」
香取「間合いを悟らせないことにかけてはフットワークは優れた技術。だけど、相手の呼吸を見切れるような相手には通用しない」
香取「隼鷹さんはそのレベルの使い手よ。近代空手のフットワークは通じないどころか悪手。全ての打撃に後の先を取られかねないわ」
明石「なるほど、フットワークで均衡を破る作戦は失敗! 近代空手の技術は、中国拳法の前には通用しないのです!」
明石「榛名選手の負ったダメージは決して大きくありません、しかし精神的な痛手はどうか! 心理面では、圧倒的に隼鷹選手の優勢です!」
香取「考えてみれば、その欠点は一目瞭然よ。リズムを維持するということは、自ら相手に呼吸のタイミングを教えてあげるようなものなのよ」
香取「仮に変則的なリズムに切り替えたとしても、動き続けることにも欠点があるわ。動くということは、自ら重心を崩さないといけないのよ」
香取「重心が崩れるわずかな瞬間、確実に隙が生じる。呼吸と重心のブレ、そのタイミングを狙って隼鷹さんは打ち込んでいるの」
香取「間合いを悟らせないことにかけてはフットワークは優れた技術。だけど、相手の呼吸を見切れるような相手には通用しない」
香取「隼鷹さんはそのレベルの使い手よ。近代空手のフットワークは通じないどころか悪手。全ての打撃に後の先を取られかねないわ」
明石「なるほど、フットワークで均衡を破る作戦は失敗! 近代空手の技術は、中国拳法の前には通用しないのです!」
明石「榛名選手の負ったダメージは決して大きくありません、しかし精神的な痛手はどうか! 心理面では、圧倒的に隼鷹選手の優勢です!」
650:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:56:52.89:dyTditDE0 (82/87)
明石「頼みのフットワークが敗れ、榛名選手はここからどう攻める! それとも、隼鷹選手のほうから仕掛けてくるか!」
明石「先に前へ踏み出したのは、隼鷹選手! 相手が動揺している内に畳み掛けようという魂胆か! すり足で間合いを詰めていきます!」
明石「榛名選手も素早く立ち直って構えた! 天地上下の構えではなく、上段の構え! もうフットワークは使っていません!」
明石「フットワークを捨て、真正面から打撃戦を挑む構えです! 隼鷹選手はそれに応えるか否か! 今、蹴りの間合いを踏み越えた!」
明石「榛名選手が先手を取った! 鎖骨狙いの手刀! パリィで逸らされます! 反撃に隼鷹選手の裏拳が顔面を叩く!」
明石「そのまま裏拳に使った右腕が軌道を変え、肘打ち! これも脇に入った! 致命傷ではないが、効いている!」
明石「榛名選手も肘打ちで対抗! 側頭部を狙うも躱された! 後を追うように喉を狙った腕刀! ダッキングで回避される!」
明石「頼みのフットワークが敗れ、榛名選手はここからどう攻める! それとも、隼鷹選手のほうから仕掛けてくるか!」
明石「先に前へ踏み出したのは、隼鷹選手! 相手が動揺している内に畳み掛けようという魂胆か! すり足で間合いを詰めていきます!」
明石「榛名選手も素早く立ち直って構えた! 天地上下の構えではなく、上段の構え! もうフットワークは使っていません!」
明石「フットワークを捨て、真正面から打撃戦を挑む構えです! 隼鷹選手はそれに応えるか否か! 今、蹴りの間合いを踏み越えた!」
明石「榛名選手が先手を取った! 鎖骨狙いの手刀! パリィで逸らされます! 反撃に隼鷹選手の裏拳が顔面を叩く!」
明石「そのまま裏拳に使った右腕が軌道を変え、肘打ち! これも脇に入った! 致命傷ではないが、効いている!」
明石「榛名選手も肘打ちで対抗! 側頭部を狙うも躱された! 後を追うように喉を狙った腕刀! ダッキングで回避される!」
651:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:57:25.39:dyTditDE0 (83/87)
明石「同時にボディへ崩拳突き! 発勁ではないようですが……おっと、ここで榛名選手が大きく後退! 崩拳を打たれた箇所を手で庇っています!」
明石「表情には隠し切れない苦悶が露わになっている! しかも、傷を押さえる手の隙間から流血!? そんな馬鹿な、崩拳で出血するはずがない!」
明石「仮に今のが発勁の打撃なら、内臓へ響くようなダメージのはずです! しかし、負わされたのは出血を伴う外傷! これは一体!?」
香取「今のは崩拳突きじゃなかったのよ。あの傷を見る限り……貫手を使われたと見るべきでしょうね」
明石「貫手? 確かに隼鷹選手は打ち込む寸前は手を開いていましたが、インパクトの際は拳を握っていましたよ?」
香取「中国拳法にはそういう貫手が存在するのよ。鍛えていない指で、簡単に相手の皮膚を貫ける貫手がね」
明石「同時にボディへ崩拳突き! 発勁ではないようですが……おっと、ここで榛名選手が大きく後退! 崩拳を打たれた箇所を手で庇っています!」
明石「表情には隠し切れない苦悶が露わになっている! しかも、傷を押さえる手の隙間から流血!? そんな馬鹿な、崩拳で出血するはずがない!」
明石「仮に今のが発勁の打撃なら、内臓へ響くようなダメージのはずです! しかし、負わされたのは出血を伴う外傷! これは一体!?」
香取「今のは崩拳突きじゃなかったのよ。あの傷を見る限り……貫手を使われたと見るべきでしょうね」
明石「貫手? 確かに隼鷹選手は打ち込む寸前は手を開いていましたが、インパクトの際は拳を握っていましたよ?」
香取「中国拳法にはそういう貫手が存在するのよ。鍛えていない指で、簡単に相手の皮膚を貫ける貫手がね」
652:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:58:00.61:dyTditDE0 (84/87)
香取「打ち方は正拳突きとほぼ同じ。開手で相手に打ち込み、初めに触れる四指をクッションにしながら、親指を捻じ込むようにして突き刺すの」
香取「スピードとタイミングが十分なら、最低限の指の力で皮膚に穴を開けられる。榛名さんはまんまとやられたわね」
香取「空手が遅れてると言っていた理由は、これもあるのかしら。貫手をやるのに指を鍛え込む必要なんてない、ってことね」
明石「榛名選手、不覚にも大きなダメージを負ってしまいました! 出血量は多くありませんが、未だ血が止まらない!」
明石「血が止まらないということは、時間経過ごとに体力が失われることを意味します! 長期戦に持ち込まれれば敗北は必定!」
明石「依然として隼鷹選手リードの状況に揺るぎなし! 否が応でも、榛名選手は短期決戦を挑むしかなくなりました!」
明石「休んでいてもダメージは回復しない! 息吹で無理やり呼吸を整え、榛名選手が構えます! これもまた、今までと違う構えです!」
香取「打ち方は正拳突きとほぼ同じ。開手で相手に打ち込み、初めに触れる四指をクッションにしながら、親指を捻じ込むようにして突き刺すの」
香取「スピードとタイミングが十分なら、最低限の指の力で皮膚に穴を開けられる。榛名さんはまんまとやられたわね」
香取「空手が遅れてると言っていた理由は、これもあるのかしら。貫手をやるのに指を鍛え込む必要なんてない、ってことね」
明石「榛名選手、不覚にも大きなダメージを負ってしまいました! 出血量は多くありませんが、未だ血が止まらない!」
明石「血が止まらないということは、時間経過ごとに体力が失われることを意味します! 長期戦に持ち込まれれば敗北は必定!」
明石「依然として隼鷹選手リードの状況に揺るぎなし! 否が応でも、榛名選手は短期決戦を挑むしかなくなりました!」
明石「休んでいてもダメージは回復しない! 息吹で無理やり呼吸を整え、榛名選手が構えます! これもまた、今までと違う構えです!」
653:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:58:27.74:dyTditDE0 (85/87)
明石「スタンスを広く取り、右拳を大きく後ろに引いた! 正拳突きの一撃に賭けるつもりです! もはや、勝つにはこれしかない!」
明石「リスクを承知で、死路に活路を見出す! 隼鷹選手は応じるか! どうやら応じるようです! 自ら前へ進み出ていく!」
香取「隼鷹さんには願ってもない展開でしょうね。彼女はずっと、榛名さんからカウンターを取るタイミングを測っていたんだから」
香取「来るのが右正拳突きであることは間違いない。何が来るのかわかっていれば、確実にカウンターを取る自信があるはずよ」
香取「ただし、その正拳突きがどれほどの速度と威力を持つのか測り間違えば……敗北するのは隼鷹さんになるでしょうね」
明石「いつの間にか、隼鷹選手の顔から余裕が消えています! 目を見開いた極限の集中を思わせる表情! とうとう隼鷹選手が本気になった!」
明石「もしカウンターを取るとしたら、その技は完全なる発勁! そんなものを貰えば、榛名選手といえど一撃でやられかねません!」
明石「スタンスを広く取り、右拳を大きく後ろに引いた! 正拳突きの一撃に賭けるつもりです! もはや、勝つにはこれしかない!」
明石「リスクを承知で、死路に活路を見出す! 隼鷹選手は応じるか! どうやら応じるようです! 自ら前へ進み出ていく!」
香取「隼鷹さんには願ってもない展開でしょうね。彼女はずっと、榛名さんからカウンターを取るタイミングを測っていたんだから」
香取「来るのが右正拳突きであることは間違いない。何が来るのかわかっていれば、確実にカウンターを取る自信があるはずよ」
香取「ただし、その正拳突きがどれほどの速度と威力を持つのか測り間違えば……敗北するのは隼鷹さんになるでしょうね」
明石「いつの間にか、隼鷹選手の顔から余裕が消えています! 目を見開いた極限の集中を思わせる表情! とうとう隼鷹選手が本気になった!」
明石「もしカウンターを取るとしたら、その技は完全なる発勁! そんなものを貰えば、榛名選手といえど一撃でやられかねません!」
654:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:59:04.75:dyTditDE0 (86/87)
明石「しかし、それは隼鷹選手も同じこと! 次の一撃で勝敗が決まる! 勝つのは右の正拳突きか、それともカウンターの発勁か!」
明石「間もなく射程に入る! 動いた! 渾身の右正拳突き! このハンドスピードは躱せな……流された!?」
香取「纏絲勁!? 捻るようにして敵の力を受け流す防御の勁力、ここまでの技術を……!」
明石「空振りで榛名選手の体勢が崩れた! 隼鷹選手は崩れていない! き、決まったぁぁぁ! 全力の発勁による崩拳突き!」
明石「胴を貫通したかと見紛う凄まじい一撃がみぞおちに入った! これは、内臓どころか背骨まで達している! 榛名選手がよろめいた!」
明石「ふらつきながら後ろに1歩下がり、大量の喀血! 胃が破れてしまったのか! このダメージは尋常ではない! まさしく致命傷!」
明石「しかし、それは隼鷹選手も同じこと! 次の一撃で勝敗が決まる! 勝つのは右の正拳突きか、それともカウンターの発勁か!」
明石「間もなく射程に入る! 動いた! 渾身の右正拳突き! このハンドスピードは躱せな……流された!?」
香取「纏絲勁!? 捻るようにして敵の力を受け流す防御の勁力、ここまでの技術を……!」
明石「空振りで榛名選手の体勢が崩れた! 隼鷹選手は崩れていない! き、決まったぁぁぁ! 全力の発勁による崩拳突き!」
明石「胴を貫通したかと見紛う凄まじい一撃がみぞおちに入った! これは、内臓どころか背骨まで達している! 榛名選手がよろめいた!」
明石「ふらつきながら後ろに1歩下がり、大量の喀血! 胃が破れてしまったのか! このダメージは尋常ではない! まさしく致命傷!」
655:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/26(火) 23:59:33.91:dyTditDE0 (87/87)
明石「しかし、まだ倒れてはいない! 隼鷹選手、ダメ押しとばかりにハイキィィィッ、あっ! ぎゃ、逆にぶん殴られたぁぁぁ!?」
香取「嘘でしょ、動けるの!?」
明石「ひ、左正拳追い突きぃぃぃ! 最後の死力を振り絞るかのような渾身の一撃! 隼鷹選手の心臓目掛けて突き刺さったぁぁぁ!」
明石「隼鷹選手、カウンター気味にもらってしまった! 大きく後方に吹っ飛び、ダウン! しかし、榛名選手も力尽きるかのように膝を着いた!」
明石「共に立ち上がれない! 隼鷹選手は意識こそありますが、おそらく胸骨を砕かれた! 榛名選手も内蔵をやられている!」
明石「これは、ダブルKOの様相を呈してしまうのか! 隼鷹選手が立ち上がろうとしていますが、ダメージが大き過ぎる! どうしても立てない!」
明石「しかし、まだ倒れてはいない! 隼鷹選手、ダメ押しとばかりにハイキィィィッ、あっ! ぎゃ、逆にぶん殴られたぁぁぁ!?」
香取「嘘でしょ、動けるの!?」
明石「ひ、左正拳追い突きぃぃぃ! 最後の死力を振り絞るかのような渾身の一撃! 隼鷹選手の心臓目掛けて突き刺さったぁぁぁ!」
明石「隼鷹選手、カウンター気味にもらってしまった! 大きく後方に吹っ飛び、ダウン! しかし、榛名選手も力尽きるかのように膝を着いた!」
明石「共に立ち上がれない! 隼鷹選手は意識こそありますが、おそらく胸骨を砕かれた! 榛名選手も内蔵をやられている!」
明石「これは、ダブルKOの様相を呈してしまうのか! 隼鷹選手が立ち上がろうとしていますが、ダメージが大き過ぎる! どうしても立てない!」
656:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:00:05.72:rqvkOtF80 (1/78)
明石「榛名選手に至っては、意識があるかさえ定かではありません! その場に膝を着いたままピクリとも……いや、動いた! 意識はある!」
明石「た、立ちます! ふらつきながらも立とうとしている! 息吹で呼吸を整える余力さえ残っていない体を、精神力だけで動かしています!」
明石「……立った! 限界を超えるダメージを受け、もう一歩も動くことができないのは明らかですが、確かに立っています!」
明石「後を追うように隼鷹選手が立とうとします! が、立てない! 体に力が入らないのか、手足は震えるばかりで一向に立ち上がれません!」
明石「榛名選手に至っては、意識があるかさえ定かではありません! その場に膝を着いたままピクリとも……いや、動いた! 意識はある!」
明石「た、立ちます! ふらつきながらも立とうとしている! 息吹で呼吸を整える余力さえ残っていない体を、精神力だけで動かしています!」
明石「……立った! 限界を超えるダメージを受け、もう一歩も動くことができないのは明らかですが、確かに立っています!」
明石「後を追うように隼鷹選手が立とうとします! が、立てない! 体に力が入らないのか、手足は震えるばかりで一向に立ち上がれません!」
657:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:00:31.57:rqvkOtF80 (2/78)
明石「ここでゴングが鳴りました! 試合終了! 隼鷹選手を戦闘不能とみなし、レフェリーストップです! ここに勝敗が決定しました!」
明石「勝ったのは空手家、榛名選手! 技術においては圧倒されるも、最後の最後で勝負を丸ごとひっくり返しました!」
明石「太極拳士、隼鷹選手は卓越した技量を見せつけるも、榛名選手の底力の前に惜しくも敗北を喫しました! やはり榛名選手、恐るべし!」
香取「紙一重の勝負だったわね。隼鷹さんがもう一息早くトドメを刺しに掛かっていれば、勝敗は逆だったでしょう」
香取「たぶん、発勁は全力を叩き込むだけに、放ってすぐには次の動きに移れないんじゃないかしら。わずかだけど、その一瞬が命運を分けたわね」
香取「まあ、何より凄いのは完全な発勁の拳を受けながら反撃し、その上で立ち上がれる榛名さんのほうなんだけど」
明石「ここでゴングが鳴りました! 試合終了! 隼鷹選手を戦闘不能とみなし、レフェリーストップです! ここに勝敗が決定しました!」
明石「勝ったのは空手家、榛名選手! 技術においては圧倒されるも、最後の最後で勝負を丸ごとひっくり返しました!」
明石「太極拳士、隼鷹選手は卓越した技量を見せつけるも、榛名選手の底力の前に惜しくも敗北を喫しました! やはり榛名選手、恐るべし!」
香取「紙一重の勝負だったわね。隼鷹さんがもう一息早くトドメを刺しに掛かっていれば、勝敗は逆だったでしょう」
香取「たぶん、発勁は全力を叩き込むだけに、放ってすぐには次の動きに移れないんじゃないかしら。わずかだけど、その一瞬が命運を分けたわね」
香取「まあ、何より凄いのは完全な発勁の拳を受けながら反撃し、その上で立ち上がれる榛名さんのほうなんだけど」
658:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:01:01.89:rqvkOtF80 (3/78)
明石「あの一撃、拳がみぞおちへ完全に埋まるほど深く入ってましたよね。普通なら死んでてもおかしくないような気がするんですが……」
香取「翔鶴さんが桁外れだから影に隠れがちだけど、実は榛名さんも相当に打たれ強いのよね。元々はフルコン空手の出身なんだし」
香取「物理的な耐久力に加え、あの精神力。普通なら絶対に立ち上がれない一撃でも、心が折れていなければ立ち上がれるのよ」
香取「技量に勝る隼鷹さんを凌駕したのは、空手で練り上げた心身の底力ね。そういえば、中国拳法は精神鍛錬はおろそかにしがちだったかしら」
香取「これで榛名さんは優勝に大きく一歩近付いたわ。あれで倒れないなら、もう並大抵の攻撃では絶対に倒れないわよ」
明石「なるほど、空手VS中国拳法は、精神力の差で空手に軍配が上がりました! 中国拳法の神技も、榛名選手の心を折ることだけはできなかった!」
明石「深遠なる中国拳法の奥義を見せつけた隼鷹選手と、空手の強さを体現してみせた榛名選手! 両選手に今一度拍手をお願いします!」
明石「あの一撃、拳がみぞおちへ完全に埋まるほど深く入ってましたよね。普通なら死んでてもおかしくないような気がするんですが……」
香取「翔鶴さんが桁外れだから影に隠れがちだけど、実は榛名さんも相当に打たれ強いのよね。元々はフルコン空手の出身なんだし」
香取「物理的な耐久力に加え、あの精神力。普通なら絶対に立ち上がれない一撃でも、心が折れていなければ立ち上がれるのよ」
香取「技量に勝る隼鷹さんを凌駕したのは、空手で練り上げた心身の底力ね。そういえば、中国拳法は精神鍛錬はおろそかにしがちだったかしら」
香取「これで榛名さんは優勝に大きく一歩近付いたわ。あれで倒れないなら、もう並大抵の攻撃では絶対に倒れないわよ」
明石「なるほど、空手VS中国拳法は、精神力の差で空手に軍配が上がりました! 中国拳法の神技も、榛名選手の心を折ることだけはできなかった!」
明石「深遠なる中国拳法の奥義を見せつけた隼鷹選手と、空手の強さを体現してみせた榛名選手! 両選手に今一度拍手をお願いします!」
659:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:01:52.85:rqvkOtF80 (4/78)
試合後インタビュー:榛名
―――勝利した感想をお聞かせください。
榛名「……私は勝ったんですか。いえ、試合を決めたときの記憶がほとんどないので。どうやら無意識で戦っていたようです」
榛名「覚えているのは、地獄のような苦しみと、それを跳ね除けて拳を突き出したことだけです。それ以外は、何も」
榛名「ふふっ、まるで翔鶴さんですね。彼女の愚直さが私にも伝染ってしまったんでしょうか……私もまだまだ未熟なものです」
―――戦ってみて、隼鷹選手をどう感じましたか?
榛名「私と彼女の在り方が相容れることは永遠にないでしょう。私は空手に全てを捧げ、彼女は中国拳法を己のために利用しているに過ぎない」
榛名「それでも、強いことだけは認めざるを得ません。技においては敗北したに等しいでしょう。小技では全て上を行かれたように思います」
榛名「私の気迫を一身に浴びても、その心に何のゆらぎもない。そして底知れない技の数々。もう一度戦って、必ず勝てるとはとても言えません」
榛名「今日は私が勝ったようですが、本当にわずかな差でした。自身の未熟さを思い知らされます。結局、勝因は力押しなのですから」
榛名「いずれ再戦したいものです。次は、全てにおいて隼鷹さんを上回ってみせる。もちろん、空手家としてです」
榛名「技で負けたとしても、空手への信頼を捨てるつもりはありません。全ては私の未熟さが招いた結果。空手は決して劣ってなどいません」
榛名「今はそうでなくても、いずれ空手は中国拳法を超える。私はそのために戦います。ここまで私を育ててくれたのは、空手ですから」
試合後インタビュー:榛名
―――勝利した感想をお聞かせください。
榛名「……私は勝ったんですか。いえ、試合を決めたときの記憶がほとんどないので。どうやら無意識で戦っていたようです」
榛名「覚えているのは、地獄のような苦しみと、それを跳ね除けて拳を突き出したことだけです。それ以外は、何も」
榛名「ふふっ、まるで翔鶴さんですね。彼女の愚直さが私にも伝染ってしまったんでしょうか……私もまだまだ未熟なものです」
―――戦ってみて、隼鷹選手をどう感じましたか?
榛名「私と彼女の在り方が相容れることは永遠にないでしょう。私は空手に全てを捧げ、彼女は中国拳法を己のために利用しているに過ぎない」
榛名「それでも、強いことだけは認めざるを得ません。技においては敗北したに等しいでしょう。小技では全て上を行かれたように思います」
榛名「私の気迫を一身に浴びても、その心に何のゆらぎもない。そして底知れない技の数々。もう一度戦って、必ず勝てるとはとても言えません」
榛名「今日は私が勝ったようですが、本当にわずかな差でした。自身の未熟さを思い知らされます。結局、勝因は力押しなのですから」
榛名「いずれ再戦したいものです。次は、全てにおいて隼鷹さんを上回ってみせる。もちろん、空手家としてです」
榛名「技で負けたとしても、空手への信頼を捨てるつもりはありません。全ては私の未熟さが招いた結果。空手は決して劣ってなどいません」
榛名「今はそうでなくても、いずれ空手は中国拳法を超える。私はそのために戦います。ここまで私を育ててくれたのは、空手ですから」
660:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:02:31.57:rqvkOtF80 (5/78)
試合後インタビュー:隼鷹
―――今の心境をお聞かせください。
隼鷹「負けたんだから、良くはないね。あーあ、勝てなかったか。背骨ごと持っていくつもりで打ち込んだのに、なんで動けたんだろ」
隼鷹「あれを受けて動かれちゃ、あたしは負けを認めるしかないね。あの一撃はあたしの拳法の集大成みたいなもんだし」
隼鷹「他の技で勝っていようと、結局勝負ってのは結果が全てだ。あいつの勝ちだよ、今日のところはね」
―――この後、お酒のほうはどうされますか?
隼鷹「飲まない。負けた後はしばらく禁酒するって決めてるんだ。どうせ敗北後の酒なんて、飲んでも大して旨くないし」
隼鷹「仕方がないから、隘路から修行のやり直しでもするかな。次はもっと素早く、確実な一撃を打てるようにしとかないと」
隼鷹「榛名ちゃんに言っておいてよ。またやろうって。次は、あたしが勝つ。そのときは殺しちゃうと思うけど、恨まないでくれよ?」
試合後インタビュー:隼鷹
―――今の心境をお聞かせください。
隼鷹「負けたんだから、良くはないね。あーあ、勝てなかったか。背骨ごと持っていくつもりで打ち込んだのに、なんで動けたんだろ」
隼鷹「あれを受けて動かれちゃ、あたしは負けを認めるしかないね。あの一撃はあたしの拳法の集大成みたいなもんだし」
隼鷹「他の技で勝っていようと、結局勝負ってのは結果が全てだ。あいつの勝ちだよ、今日のところはね」
―――この後、お酒のほうはどうされますか?
隼鷹「飲まない。負けた後はしばらく禁酒するって決めてるんだ。どうせ敗北後の酒なんて、飲んでも大して旨くないし」
隼鷹「仕方がないから、隘路から修行のやり直しでもするかな。次はもっと素早く、確実な一撃を打てるようにしとかないと」
隼鷹「榛名ちゃんに言っておいてよ。またやろうって。次は、あたしが勝つ。そのときは殺しちゃうと思うけど、恨まないでくれよ?」
661:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:08:20.39:rqvkOtF80 (6/78)
明石「空手VS中国拳法の一戦が終わり、次が2回戦最終試合! とうとうこの対戦のときがやってきてしまいました!」
明石「まずは赤コーナーより選手入場! 怪物退治への期待を一身に背負い、駆逐艦級王者がリングへと上がります!」
明石「空手VS中国拳法の一戦が終わり、次が2回戦最終試合! とうとうこの対戦のときがやってきてしまいました!」
明石「まずは赤コーナーより選手入場! 怪物退治への期待を一身に背負い、駆逐艦級王者がリングへと上がります!」
662:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:09:17.24:rqvkOtF80 (7/78)
試合前インタビュー:吹雪
―――2回戦の相手が長門選手ではなくビスマルク選手になったことに対して、幸不幸、どちらだと感じますか?
吹雪「どっちかって言われれば、幸運です。楽に勝ち進めるわけですし、優勝すれば長門さんと戦わせてくれるんでしょ? なら文句はないですよ」
吹雪「まっ、今となっては長門さんを倒す意味なんてあるのかって感じですけどね。所詮は自信がなくて勝ち逃げした臆病者でしょ?」
吹雪「あんな雌ゴリラが王者であり続けたこと自体が奇跡みたいなものだったんですよ。まあ近いうちに、私がトドメを刺してあげます」
―――ビスマルク選手に対して、恐怖心はありますか?
吹雪「怖いっていうか気持ち悪いですね、あんなビョーキ持ちと戦うなんて。あいつは閉鎖病棟にでもブチ込んでおくのがお似合いです」
吹雪「結局あいつの個性なんて、頭がおかしいってことだけですから。たぶん、私が戦ってきた中で一番弱い相手になると思いますよ」
吹雪「なんだったら、私のほうがあいつを食べてやりましょうか。人喰い鬼が食われるなんて、なかなかの見ものでしょ?」
吹雪「あーでも、さすがにヤだな……あいつの肉ってまずそうですし、食べたら私まで病気になりそう。性病とか持ってそうですよね、あいつ」
―――勝てる自信はあるということですか?
吹雪「当たり前でしょ? 楽勝です。いやー2戦続けて雑魚と戦わせてもらえるなんて、なんか事実上のシード権をもらったみたいで申し訳ないです」
吹雪「鬼退治、なんていうのも馬鹿らしいですね。病院から頭のおかしい患者が逃げたので、看護師の代わりに私が連れ戻してあげるって感じです」
吹雪「噛みつかれるのは嫌なんで、歯とか骨とか出来るだけ折っておきますね。いいでしょ? あいつ、そういうプレイが好きな変態みたいですし」
試合前インタビュー:吹雪
―――2回戦の相手が長門選手ではなくビスマルク選手になったことに対して、幸不幸、どちらだと感じますか?
吹雪「どっちかって言われれば、幸運です。楽に勝ち進めるわけですし、優勝すれば長門さんと戦わせてくれるんでしょ? なら文句はないですよ」
吹雪「まっ、今となっては長門さんを倒す意味なんてあるのかって感じですけどね。所詮は自信がなくて勝ち逃げした臆病者でしょ?」
吹雪「あんな雌ゴリラが王者であり続けたこと自体が奇跡みたいなものだったんですよ。まあ近いうちに、私がトドメを刺してあげます」
―――ビスマルク選手に対して、恐怖心はありますか?
吹雪「怖いっていうか気持ち悪いですね、あんなビョーキ持ちと戦うなんて。あいつは閉鎖病棟にでもブチ込んでおくのがお似合いです」
吹雪「結局あいつの個性なんて、頭がおかしいってことだけですから。たぶん、私が戦ってきた中で一番弱い相手になると思いますよ」
吹雪「なんだったら、私のほうがあいつを食べてやりましょうか。人喰い鬼が食われるなんて、なかなかの見ものでしょ?」
吹雪「あーでも、さすがにヤだな……あいつの肉ってまずそうですし、食べたら私まで病気になりそう。性病とか持ってそうですよね、あいつ」
―――勝てる自信はあるということですか?
吹雪「当たり前でしょ? 楽勝です。いやー2戦続けて雑魚と戦わせてもらえるなんて、なんか事実上のシード権をもらったみたいで申し訳ないです」
吹雪「鬼退治、なんていうのも馬鹿らしいですね。病院から頭のおかしい患者が逃げたので、看護師の代わりに私が連れ戻してあげるって感じです」
吹雪「噛みつかれるのは嫌なんで、歯とか骨とか出来るだけ折っておきますね。いいでしょ? あいつ、そういうプレイが好きな変態みたいですし」
663:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:09:46.29:rqvkOtF80 (8/78)
吹雪:入場テーマ「聖剣伝説Legend of Mana/The Darkness Nova」
吹雪:入場テーマ「聖剣伝説Legend of Mana/The Darkness Nova」
664:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:10:20.62:rqvkOtF80 (9/78)
明石「最強に挑戦する最軽量級! 古流柔術家、古鷹選手を下した駆逐艦級王者の前に、過去最悪の怪物が立ちはだかります!」
明石「それでもビッグマウスは止まらない! 有言実行とは彼女のためにある言葉! 宣言通り、鬼退治を完遂することはできるのか!」
明石「鬼だろうと怪物だろうと、余裕綽々倒してのける! ”氷の万華鏡”吹雪ィィィ!」
香取「さて……吹雪さんにとって最大の受難の時ね。今日の敵は正攻法のテクニックが通用する相手じゃないわよ」
明石「下馬評としては2:8で吹雪選手の敗北を予想する評価が多いそうですね。さすがの吹雪選手でも、ビスマルク選手は無理だと……」
香取「普通に考えれば、ね。ビスマルクさんは単に凶暴なだけじゃない。高い身体能力と格闘術、冷静な判断力さえ持ち合わせているわ」
香取「それでも、吹雪さんに勝機がないわけじゃないわ。彼女はビスマルクさんと相対するための、最低条件は満たしているもの」
香取「その条件とは、恐怖に飲まれないということ。精神的な強さにおいて、吹雪さんは全選手の中でも三本の指に入るはず」
香取「呆れられるほどの大言壮語を吐いて自分を追い込み、プレッシャーを力に変えて勝利をもぎ取る。尋常な精神力でないとできることじゃないわ」
明石「最強に挑戦する最軽量級! 古流柔術家、古鷹選手を下した駆逐艦級王者の前に、過去最悪の怪物が立ちはだかります!」
明石「それでもビッグマウスは止まらない! 有言実行とは彼女のためにある言葉! 宣言通り、鬼退治を完遂することはできるのか!」
明石「鬼だろうと怪物だろうと、余裕綽々倒してのける! ”氷の万華鏡”吹雪ィィィ!」
香取「さて……吹雪さんにとって最大の受難の時ね。今日の敵は正攻法のテクニックが通用する相手じゃないわよ」
明石「下馬評としては2:8で吹雪選手の敗北を予想する評価が多いそうですね。さすがの吹雪選手でも、ビスマルク選手は無理だと……」
香取「普通に考えれば、ね。ビスマルクさんは単に凶暴なだけじゃない。高い身体能力と格闘術、冷静な判断力さえ持ち合わせているわ」
香取「それでも、吹雪さんに勝機がないわけじゃないわ。彼女はビスマルクさんと相対するための、最低条件は満たしているもの」
香取「その条件とは、恐怖に飲まれないということ。精神的な強さにおいて、吹雪さんは全選手の中でも三本の指に入るはず」
香取「呆れられるほどの大言壮語を吐いて自分を追い込み、プレッシャーを力に変えて勝利をもぎ取る。尋常な精神力でないとできることじゃないわ」
665:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:10:57.26:rqvkOtF80 (10/78)
香取「負けるくらいなら死を選ぶ。それ程の覚悟があるのはトップファイターにもそうは多くない。吹雪さんが試合で心を折ることは有り得ない」
香取「いつだって吹雪さんは、プライドのために命を賭けて戦っている。ビスマルクさんが相手でも、そのことに変わりはないと思うわよ」
明石「確かに、精神的な強さというものはビスマルク選手と戦うための必須能力ですね。ですが、それだけでは……」
香取「もちろん、それだけではビスマルクさんという破格の怪物には勝てない。純粋な強さも間違いなく求められるでしょう」
香取「吹雪さんは全てにおいて駆逐艦としては高水準だけど、優れた才覚があるわけじゃないわ。むしろ、才能という点では凡庸だと言っていい」
香取「夕立さんのような一撃必殺もなく、島風さんのようにずば抜けたスピードもない。不知火さんのように発勁を使いこなすこともできない」
香取「あるのは全方位に対応できるテクニックと、本能を利用した反射神経、後は膨大な練習量による思考の瞬発力くらいかしら」
香取「階級差を踏まえれば、ビスマルクさんと戦うには心許ないのは間違いないわね。勝算は確かに薄い。薄いけど、ゼロではないわ」
香取「負けるくらいなら死を選ぶ。それ程の覚悟があるのはトップファイターにもそうは多くない。吹雪さんが試合で心を折ることは有り得ない」
香取「いつだって吹雪さんは、プライドのために命を賭けて戦っている。ビスマルクさんが相手でも、そのことに変わりはないと思うわよ」
明石「確かに、精神的な強さというものはビスマルク選手と戦うための必須能力ですね。ですが、それだけでは……」
香取「もちろん、それだけではビスマルクさんという破格の怪物には勝てない。純粋な強さも間違いなく求められるでしょう」
香取「吹雪さんは全てにおいて駆逐艦としては高水準だけど、優れた才覚があるわけじゃないわ。むしろ、才能という点では凡庸だと言っていい」
香取「夕立さんのような一撃必殺もなく、島風さんのようにずば抜けたスピードもない。不知火さんのように発勁を使いこなすこともできない」
香取「あるのは全方位に対応できるテクニックと、本能を利用した反射神経、後は膨大な練習量による思考の瞬発力くらいかしら」
香取「階級差を踏まえれば、ビスマルクさんと戦うには心許ないのは間違いないわね。勝算は確かに薄い。薄いけど、ゼロではないわ」
666:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:11:29.83:rqvkOtF80 (11/78)
香取「引っ掻きと噛み付きくらいしかできない女子供が、成人男性を圧倒することだってある。心を折らないことは、戦いの場では最も重要なこと」
香取「吹雪さんは喉笛を食い千切られようとも、髪の毛一本になるまでビスマルクさんに立ち向かうわ。諦めるという選択肢は最初から捨てている」
香取「ならば勝算はゼロじゃない。結果が勝つか負けるかの2つしかないなら、この勝負は五分、ということになるんじゃないかしら」
明石「……少なくとも、ビスマルク選手の喉元に迫る力は持っている、ということですね」
香取「それに関して言えば、間違いなく。今の吹雪さんの目付きを見ればわかるわ、負けることなんて微塵も考えてない」
香取「下馬評がどうであろうと、結果は終わってみないとわからないものよ。これが賭け事なら、私は大穴狙いで吹雪さんに賭けるわね」
明石「なるほど……ありがとうございます。それでは、青コーナーより選手入場! とうとうあの怪物がUKFに帰ってきます!」
香取「引っ掻きと噛み付きくらいしかできない女子供が、成人男性を圧倒することだってある。心を折らないことは、戦いの場では最も重要なこと」
香取「吹雪さんは喉笛を食い千切られようとも、髪の毛一本になるまでビスマルクさんに立ち向かうわ。諦めるという選択肢は最初から捨てている」
香取「ならば勝算はゼロじゃない。結果が勝つか負けるかの2つしかないなら、この勝負は五分、ということになるんじゃないかしら」
明石「……少なくとも、ビスマルク選手の喉元に迫る力は持っている、ということですね」
香取「それに関して言えば、間違いなく。今の吹雪さんの目付きを見ればわかるわ、負けることなんて微塵も考えてない」
香取「下馬評がどうであろうと、結果は終わってみないとわからないものよ。これが賭け事なら、私は大穴狙いで吹雪さんに賭けるわね」
明石「なるほど……ありがとうございます。それでは、青コーナーより選手入場! とうとうあの怪物がUKFに帰ってきます!」
667:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:11:56.88:rqvkOtF80 (12/78)
試合前インタビュー:ビスマルク
(ドイツ語による会話を日本語に翻訳したものになります)
―――おはようございます。ご気分はどうですか?
ビスマルク「Guten Morgen! 気分は良いけど、お腹が空いちゃったわ! 朝ごはんはどこかしら? あっ、もしかしてあなたが朝ごはん?」
―――違います。今からビスマルク選手には試合をしていただくことになります。準備のほうは大丈夫ですか?
ビスマルク「そうなの? 別に良いわよ! 試合ってことは、誰かを食べてもいいってことでしょ? すぐに始めましょう!」
ビスマルク「思い出したわ、私は長門さんにやられちゃったのよね? ああっ、悔しい! まだ長門さんを一口も食べてなかったのに!」
ビスマルク「あっ、もしかして、試合の相手って長門さん? だったら嬉しいわ! あのとき食べ損ねたぶん、たくさん食べたいの!」
ビスマルク「もし食べさせてくれないなら、今度はちゃんと私を殺してほしいわね! じっくりと痛めつけてから、嬲り殺しにされたいわ!」
―――今日の相手は長門選手ではなく、こちらの吹雪選手です。彼女を含めて3回勝ち進めば、長門選手ともう一度戦う権利を得られます。
ビスマルク「わあ、美味しそう! ちっちゃいから食べるところは少ないけど、そのぶん、とっても濃厚な味がすると思わない?」
ビスマルク「何より、この子可愛いわね! 腕を食い千切ったらどんな風に泣くのかしら! 早く試したくてワクワクしてきたわ!」
ビスマルク「ああっでも、この子に嬲り殺してもらうってのも捨てがたいわね! あの指が私の目に突っ込まれたら、すごく気持ちよさそう!」
ビスマルク「どっちにすれば迷っちゃうわ。長門さんを食べられなくなるとしても、こんな可愛い子に殺してもらえる機会なんて滅多にないし……」
ビスマルク「とりあえず、この子を食べてから考えるわね! 一口くらいなら死なないでしょ? まずは味見をしてみるわ!」
ビスマルク「美味しかったら、そのまま全部食べちゃう! そうでもなかったら、私は痛めつけられながら殺されるわ! それが良さそうね!」
ビスマルク「考えてたらお腹が空いてきちゃった! さあ、早く吹雪さんのところに行きましょう! きっと美味しそうな匂いがするに違いないわ!」
(通訳は精神病院から退院した伊8さんに協力していただきました)
試合前インタビュー:ビスマルク
(ドイツ語による会話を日本語に翻訳したものになります)
―――おはようございます。ご気分はどうですか?
ビスマルク「Guten Morgen! 気分は良いけど、お腹が空いちゃったわ! 朝ごはんはどこかしら? あっ、もしかしてあなたが朝ごはん?」
―――違います。今からビスマルク選手には試合をしていただくことになります。準備のほうは大丈夫ですか?
ビスマルク「そうなの? 別に良いわよ! 試合ってことは、誰かを食べてもいいってことでしょ? すぐに始めましょう!」
ビスマルク「思い出したわ、私は長門さんにやられちゃったのよね? ああっ、悔しい! まだ長門さんを一口も食べてなかったのに!」
ビスマルク「あっ、もしかして、試合の相手って長門さん? だったら嬉しいわ! あのとき食べ損ねたぶん、たくさん食べたいの!」
ビスマルク「もし食べさせてくれないなら、今度はちゃんと私を殺してほしいわね! じっくりと痛めつけてから、嬲り殺しにされたいわ!」
―――今日の相手は長門選手ではなく、こちらの吹雪選手です。彼女を含めて3回勝ち進めば、長門選手ともう一度戦う権利を得られます。
ビスマルク「わあ、美味しそう! ちっちゃいから食べるところは少ないけど、そのぶん、とっても濃厚な味がすると思わない?」
ビスマルク「何より、この子可愛いわね! 腕を食い千切ったらどんな風に泣くのかしら! 早く試したくてワクワクしてきたわ!」
ビスマルク「ああっでも、この子に嬲り殺してもらうってのも捨てがたいわね! あの指が私の目に突っ込まれたら、すごく気持ちよさそう!」
ビスマルク「どっちにすれば迷っちゃうわ。長門さんを食べられなくなるとしても、こんな可愛い子に殺してもらえる機会なんて滅多にないし……」
ビスマルク「とりあえず、この子を食べてから考えるわね! 一口くらいなら死なないでしょ? まずは味見をしてみるわ!」
ビスマルク「美味しかったら、そのまま全部食べちゃう! そうでもなかったら、私は痛めつけられながら殺されるわ! それが良さそうね!」
ビスマルク「考えてたらお腹が空いてきちゃった! さあ、早く吹雪さんのところに行きましょう! きっと美味しそうな匂いがするに違いないわ!」
(通訳は精神病院から退院した伊8さんに協力していただきました)
668:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:13:04.34:rqvkOtF80 (13/78)
ビスマルク:入場テーマ「SAW/Hello Zepp」
ビスマルク:入場テーマ「SAW/Hello Zepp」
669:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:13:57.90:rqvkOtF80 (14/78)
明石「UKF最凶の艦娘は誰か!? その問を投げかければ、誰もが同じ名前を口にするでしょう! それ程までに、彼女が残した爪痕は大きい!」
明石「噛み付きを超えた捕食攻撃! 目に指を突っ込まれても揺るがぬ微笑! あらゆる狂気を満載した、最凶のジャマンファイターが戻ってくる!」
明石「とうとう怪物が長き眠りより目を覚ます! ”ベルリンの人喰い鬼” ビスマルクゥゥゥ!」
香取「出てきたわね。管理ができないから試合直前まで入渠してたはずなのに、ずいぶんと目覚めが良さそうじゃない」
明石「前大会の長門戦で大破させられてから、ずっと放置していましたからね……寝起きで不機嫌なら、それはそれで問題ですけど」
香取「ビスマルクさんは、今日の対戦相手について何も知らされずにリングへ上がることになったみたいね。それってフェアじゃなくないかしら?」
明石「フェアではないですけど……運営側としては、早めに敗退してほしいというのが本音なので」
香取「……まあ、そうでしょうね。私もできることなら、ビスマルクさんには勝ち上がってほしくないわ」
香取「彼女が勝利を重ねるということは、同じ数だけ惨劇が起こるということだもの。運営がビスマルクさんに不利な状況を作るのも無理ないわ」
香取「だけど、そう簡単に負けてくれるほど、ビスマルクさんは甘くない。彼女が単なる狂った艦娘じゃないのは周知の事実でしょう」
明石「UKF最凶の艦娘は誰か!? その問を投げかければ、誰もが同じ名前を口にするでしょう! それ程までに、彼女が残した爪痕は大きい!」
明石「噛み付きを超えた捕食攻撃! 目に指を突っ込まれても揺るがぬ微笑! あらゆる狂気を満載した、最凶のジャマンファイターが戻ってくる!」
明石「とうとう怪物が長き眠りより目を覚ます! ”ベルリンの人喰い鬼” ビスマルクゥゥゥ!」
香取「出てきたわね。管理ができないから試合直前まで入渠してたはずなのに、ずいぶんと目覚めが良さそうじゃない」
明石「前大会の長門戦で大破させられてから、ずっと放置していましたからね……寝起きで不機嫌なら、それはそれで問題ですけど」
香取「ビスマルクさんは、今日の対戦相手について何も知らされずにリングへ上がることになったみたいね。それってフェアじゃなくないかしら?」
明石「フェアではないですけど……運営側としては、早めに敗退してほしいというのが本音なので」
香取「……まあ、そうでしょうね。私もできることなら、ビスマルクさんには勝ち上がってほしくないわ」
香取「彼女が勝利を重ねるということは、同じ数だけ惨劇が起こるということだもの。運営がビスマルクさんに不利な状況を作るのも無理ないわ」
香取「だけど、そう簡単に負けてくれるほど、ビスマルクさんは甘くない。彼女が単なる狂った艦娘じゃないのは周知の事実でしょう」
670:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:14:49.64:rqvkOtF80 (15/78)
明石「ビスマルク選手を低く評価しているのは、対抗意識があるらしいグラーフ選手と、ビックマウスを欠かさない吹雪選手だけですからね」
明石「他の選手、特に戦ったことのある選手は皆、口を揃えて言います。『ビスマルク選手は強い』と……」
香取「例外は、長門さんくらいかしらね。序盤の奇襲が上手く行っていなければ、あそこまで一方的な試合展開にはならなかったでしょうけど」
香取「ビスマルクさんは本物よ。軍隊格闘術のテクニックに、身体能力と戦術性を併せ持った、弱点のない戦艦級屈指の実力者なのは間違いないわ」
香取「何よりも恐ろしいのが、『何をしてくるかわからない』ということ。行動を読めないって要素は、戦う上で最大の脅威になり得るわ」
香取「彼女に一切の常識は通用しない。ビスマルクさんにとって対戦相手とは捕食対象。『人喰い鬼』という通り名は彼女の本質そのものを表してる」
香取「ファイターの強さを測る一般的な尺度にビスマルクさんを当て嵌めようとすれば、必ず見誤るわ。相手は本当の怪物なのだから」
明石「ビスマルク選手を低く評価しているのは、対抗意識があるらしいグラーフ選手と、ビックマウスを欠かさない吹雪選手だけですからね」
明石「他の選手、特に戦ったことのある選手は皆、口を揃えて言います。『ビスマルク選手は強い』と……」
香取「例外は、長門さんくらいかしらね。序盤の奇襲が上手く行っていなければ、あそこまで一方的な試合展開にはならなかったでしょうけど」
香取「ビスマルクさんは本物よ。軍隊格闘術のテクニックに、身体能力と戦術性を併せ持った、弱点のない戦艦級屈指の実力者なのは間違いないわ」
香取「何よりも恐ろしいのが、『何をしてくるかわからない』ということ。行動を読めないって要素は、戦う上で最大の脅威になり得るわ」
香取「彼女に一切の常識は通用しない。ビスマルクさんにとって対戦相手とは捕食対象。『人喰い鬼』という通り名は彼女の本質そのものを表してる」
香取「ファイターの強さを測る一般的な尺度にビスマルクさんを当て嵌めようとすれば、必ず見誤るわ。相手は本当の怪物なのだから」
671:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:15:29.32:rqvkOtF80 (16/78)
明石「吹雪選手の扱うクラヴ・マガも軍隊格闘術の一種ですが……ビスマルク選手に通用するでしょうか?」
香取「通用しなくはないはずよ。でも、まともなテクニックが通用するのはある程度のところまでじゃないかしら」
香取「いくらクラヴ・マガの汎用性が優れていても、怪物と戦うことは想定してないわ。噛み付きには対処できても、捕食してくる相手は想定外よ」
香取「吹雪さんはテクニックを最大限に発揮した上で、更にテクニック以上のものでビスマルクさんを超える必要があるわ。でなければ、勝てない」
香取「身体能力では遥かに劣っているし、駆逐艦級としてのスピードも、ビスマルクさんを掻き回せるほどじゃない。総力では完全に不利だわ」
香取「口では楽勝だなんて言ってたけど、裏では対ビスマルク用の作戦を入念に練ってきているはず。吹雪さんの勝機は、それ次第ね」
明石「吹雪選手の扱うクラヴ・マガも軍隊格闘術の一種ですが……ビスマルク選手に通用するでしょうか?」
香取「通用しなくはないはずよ。でも、まともなテクニックが通用するのはある程度のところまでじゃないかしら」
香取「いくらクラヴ・マガの汎用性が優れていても、怪物と戦うことは想定してないわ。噛み付きには対処できても、捕食してくる相手は想定外よ」
香取「吹雪さんはテクニックを最大限に発揮した上で、更にテクニック以上のものでビスマルクさんを超える必要があるわ。でなければ、勝てない」
香取「身体能力では遥かに劣っているし、駆逐艦級としてのスピードも、ビスマルクさんを掻き回せるほどじゃない。総力では完全に不利だわ」
香取「口では楽勝だなんて言ってたけど、裏では対ビスマルク用の作戦を入念に練ってきているはず。吹雪さんの勝機は、それ次第ね」
672:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:15:58.38:rqvkOtF80 (17/78)
明石「試合展開として、何か予想できるものはありますか?」
香取「……ないわ。ビスマルクさんが何をしてくるかわからないし、それに吹雪さんがどう対応するかも、予測が付かないから」
香取「少なくとも言えるのは……血を見ずには終わらない、ということでしょうね」
明石「……わかりました、ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました! 両者、まったく対照的な表情を浮かべております!」
明石「闘志を漲らせた吹雪選手に対し、ビスマルク選手は相変わらずの微笑! その笑顔に不穏なものは全く感じられません!」
明石「しかし、我々は知っている! その微笑の裏には、底知れぬ狂気が秘められていると! 吹雪選手はその狂気に対抗できるのか!」
明石「今再び、地獄の門が開かれる! ゴングが鳴りました、試合開始です!」
明石「試合展開として、何か予想できるものはありますか?」
香取「……ないわ。ビスマルクさんが何をしてくるかわからないし、それに吹雪さんがどう対応するかも、予測が付かないから」
香取「少なくとも言えるのは……血を見ずには終わらない、ということでしょうね」
明石「……わかりました、ありがとうございます。さて、両選手がリングインしました! 両者、まったく対照的な表情を浮かべております!」
明石「闘志を漲らせた吹雪選手に対し、ビスマルク選手は相変わらずの微笑! その笑顔に不穏なものは全く感じられません!」
明石「しかし、我々は知っている! その微笑の裏には、底知れぬ狂気が秘められていると! 吹雪選手はその狂気に対抗できるのか!」
明石「今再び、地獄の門が開かれる! ゴングが鳴りました、試合開始です!」
673:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:16:26.97:rqvkOtF80 (18/78)
※注意事項
・一部に過激な暴力表現、グロテスクな描写を含みます。予めご了承ください。
・特定のキャラクター、及び国家、人種、格闘技を貶める意図がないことをご理解ください。
・あなたの嫁が顔面を割ったり割られたり、あるいはもっと酷いことになる恐れがあります。ご注意ください。
・一部に著しいキャラクター崩壊が見受けられます。ご容赦ください。
※注意事項
・一部に過激な暴力表現、グロテスクな描写を含みます。予めご了承ください。
・特定のキャラクター、及び国家、人種、格闘技を貶める意図がないことをご理解ください。
・あなたの嫁が顔面を割ったり割られたり、あるいはもっと酷いことになる恐れがあります。ご注意ください。
・一部に著しいキャラクター崩壊が見受けられます。ご容赦ください。
674:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:16:57.29:rqvkOtF80 (19/78)
明石「両選手、速くも遅くもないペースでリング中央に歩み寄ります! ビスマルク選手はオーソドックススタイルの構えを取っています!」
明石「吹雪選手は開手を顔前に備えたクラヴ・マガの構え! 真っ直ぐに間合いを詰めていきます! フットワークを使う様子はありません!」
香取「フットワークを使わない? 駆逐艦級としての唯一の強みを捨てて、正面からビスマルクさんに当たる気かしら。いくら何でも無謀じゃ……」
明石「ガードを上げたまま、散歩のような足取りでビスマルクが近付く! 吹雪選手は足を止めて迎撃体勢に入りました!」
明石「スピード以外で、ビスマルクにどう立ち向かうのか! ビスマルクが先手を取った! いきなり右ストレート! 速い!」
明石「吹雪選手、これを手首によるパリィで受け流した! 続く左ジャブも同じパリィで軌道を逸します! 同時にサイドステップで側面へ回る!」
明石「当然ビスマルクは追撃! 左のミドルキック! クロスした両腕で受けて威力を殺しました! 戦艦級の蹴りを受け止め、微動だにせず!」
明石「両選手、速くも遅くもないペースでリング中央に歩み寄ります! ビスマルク選手はオーソドックススタイルの構えを取っています!」
明石「吹雪選手は開手を顔前に備えたクラヴ・マガの構え! 真っ直ぐに間合いを詰めていきます! フットワークを使う様子はありません!」
香取「フットワークを使わない? 駆逐艦級としての唯一の強みを捨てて、正面からビスマルクさんに当たる気かしら。いくら何でも無謀じゃ……」
明石「ガードを上げたまま、散歩のような足取りでビスマルクが近付く! 吹雪選手は足を止めて迎撃体勢に入りました!」
明石「スピード以外で、ビスマルクにどう立ち向かうのか! ビスマルクが先手を取った! いきなり右ストレート! 速い!」
明石「吹雪選手、これを手首によるパリィで受け流した! 続く左ジャブも同じパリィで軌道を逸します! 同時にサイドステップで側面へ回る!」
明石「当然ビスマルクは追撃! 左のミドルキック! クロスした両腕で受けて威力を殺しました! 戦艦級の蹴りを受け止め、微動だにせず!」
675:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:17:47.84:rqvkOtF80 (20/78)
明石「蹴り足を素早く引き、続いてビスマルクは右のローキック! これは膝蹴りで迎撃! 身長差を逆手に取り、蹴りを蹴りで止めました!」
明石「逆にローキックの足へダメージが入ったか! しかし、ビスマルクがダメージの蓄積が望めないことは過去の対戦から明らかです!」
明石「どうやら吹雪選手、まずは防御に徹するようです! 狙いはスタミナ切れか、あるいは別の意図があるのか!」
香取「スタミナ切れは狙っていないでしょうね。ビスマルクさんは脳内麻薬の異常分泌により、疲労や痛みを感じないのよ」
香取「そんな相手にスタミナ切れを狙えば、受け側が持たないわ。別の何かを狙っていると見るのが正解でしょう」
香取「だとしたら、何を狙っているのか……打たせて打撃の呼吸を読んでから、攻勢に移るつもりかしら」
明石「ビスマルク選手は更に打撃を使って攻め立てます! 左右のフック! ショートアッパーからのリバーブロー! プロボクサー並の連撃です!」
明石「しかし、吹雪選手に掠りもしない! 全ての打撃が円を描くような両手のパリィによって逸らされ、空振りに終わっています!」
明石「蹴り足を素早く引き、続いてビスマルクは右のローキック! これは膝蹴りで迎撃! 身長差を逆手に取り、蹴りを蹴りで止めました!」
明石「逆にローキックの足へダメージが入ったか! しかし、ビスマルクがダメージの蓄積が望めないことは過去の対戦から明らかです!」
明石「どうやら吹雪選手、まずは防御に徹するようです! 狙いはスタミナ切れか、あるいは別の意図があるのか!」
香取「スタミナ切れは狙っていないでしょうね。ビスマルクさんは脳内麻薬の異常分泌により、疲労や痛みを感じないのよ」
香取「そんな相手にスタミナ切れを狙えば、受け側が持たないわ。別の何かを狙っていると見るのが正解でしょう」
香取「だとしたら、何を狙っているのか……打たせて打撃の呼吸を読んでから、攻勢に移るつもりかしら」
明石「ビスマルク選手は更に打撃を使って攻め立てます! 左右のフック! ショートアッパーからのリバーブロー! プロボクサー並の連撃です!」
明石「しかし、吹雪選手に掠りもしない! 全ての打撃が円を描くような両手のパリィによって逸らされ、空振りに終わっています!」
676:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:18:29.80:rqvkOtF80 (21/78)
明石「パンチがダメなら、蹴りはどうか! ビスマルクのミドルサイドキック! これもパリィで逸らされてしまった!」
明石「右のハイキック! ダッキングで回避! 左のローキック! 軸足を回転させて受け流した! 驚嘆すべきディフェンステクニックです!」
明石「ビスマルクは打撃寄りのファイターですが、その打撃が尽く受け流される! これこそがクラヴ・マガの実戦防御術ないのか!」
香取「360°ディフェンス、と呼ばれるものね。クラヴ・マガの最も基礎となり、同時に最も汎用性の高い防御術よ」
香取「空手の廻し受けの影響を受けているんでしょう。円の軌道を描く動きで打撃を逸す。ついでに相手のバランスを崩せれば理想形よ」
香取「でも、ビスマルクさんはバランス感覚も良いみたいね。空振りでも体勢が崩れないし、腕の引きも速いから反撃に移れないわ」
香取「というより、吹雪さんに反撃する意志がまだないみたいね。珍しい戦い方だわ、やっぱり何かを狙ってる……」
明石「更にジャブ、ストレート、フックと打撃を放ちますが、やはり通らない! 吹雪選手の柔軟かつ鉄壁のディフェンスを突破できません!」
明石「とうとうビスマルク選手が攻撃を止めました! 打ち疲れたというより、打撃に飽きたといった様子です。ビスマルク、やや距離を取る!」
明石「パンチがダメなら、蹴りはどうか! ビスマルクのミドルサイドキック! これもパリィで逸らされてしまった!」
明石「右のハイキック! ダッキングで回避! 左のローキック! 軸足を回転させて受け流した! 驚嘆すべきディフェンステクニックです!」
明石「ビスマルクは打撃寄りのファイターですが、その打撃が尽く受け流される! これこそがクラヴ・マガの実戦防御術ないのか!」
香取「360°ディフェンス、と呼ばれるものね。クラヴ・マガの最も基礎となり、同時に最も汎用性の高い防御術よ」
香取「空手の廻し受けの影響を受けているんでしょう。円の軌道を描く動きで打撃を逸す。ついでに相手のバランスを崩せれば理想形よ」
香取「でも、ビスマルクさんはバランス感覚も良いみたいね。空振りでも体勢が崩れないし、腕の引きも速いから反撃に移れないわ」
香取「というより、吹雪さんに反撃する意志がまだないみたいね。珍しい戦い方だわ、やっぱり何かを狙ってる……」
明石「更にジャブ、ストレート、フックと打撃を放ちますが、やはり通らない! 吹雪選手の柔軟かつ鉄壁のディフェンスを突破できません!」
明石「とうとうビスマルク選手が攻撃を止めました! 打ち疲れたというより、打撃に飽きたといった様子です。ビスマルク、やや距離を取る!」
677:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:19:14.95:rqvkOtF80 (22/78)
明石「吹雪選手は追いません! 同じ構えを取ったまま、その場で待ち構えています! 来るなら来い、というような気迫を感じさせます!」
明石「さあ、ビスマルクはどう出る! ガードを下げました! 構えを変えるようです! 重心が低く……これは!?」
香取「……キャッチ・アズ・キャッチ・キャン・スタイル! レスリングの構えだわ。体格差を利用する作戦に変えてきた……!」
明石「考えてみれば、至極当然の選択です! 打撃が通らないなら、タックルで組み付く! 組み付けば、パワーで劣る吹雪選手は絶対的に不利!」
明石「飛び掛かろうとする猛獣のように腰を落とし、両腕は吹雪選手を逃すまいと大きく広げられている! これを回避するのは困難を極めます!」
香取「これが吹雪さんの狙い? 打撃主体のビスマルクさんをタックルに誘う……私には、更に不利な状況に自らを追い込んだとしか思えない」
香取「でも、これが吹雪さんの痩せ我慢でない限り、この先に何かを仕掛けているはず。それが成功すれば……!」
明石「ジリジリとビスマルクがタックルの射程へ距離を狭めていきます! 吹雪選手は動かない! 構えを取ったまま不動の体勢です!」
明石「組み付かれれば圧倒的不利な状況に追い込まれます! テイクダウンを取られれば輪をかけて最悪! 今、ビスマルクが射程距離に入ります!」
明石「吹雪選手は追いません! 同じ構えを取ったまま、その場で待ち構えています! 来るなら来い、というような気迫を感じさせます!」
明石「さあ、ビスマルクはどう出る! ガードを下げました! 構えを変えるようです! 重心が低く……これは!?」
香取「……キャッチ・アズ・キャッチ・キャン・スタイル! レスリングの構えだわ。体格差を利用する作戦に変えてきた……!」
明石「考えてみれば、至極当然の選択です! 打撃が通らないなら、タックルで組み付く! 組み付けば、パワーで劣る吹雪選手は絶対的に不利!」
明石「飛び掛かろうとする猛獣のように腰を落とし、両腕は吹雪選手を逃すまいと大きく広げられている! これを回避するのは困難を極めます!」
香取「これが吹雪さんの狙い? 打撃主体のビスマルクさんをタックルに誘う……私には、更に不利な状況に自らを追い込んだとしか思えない」
香取「でも、これが吹雪さんの痩せ我慢でない限り、この先に何かを仕掛けているはず。それが成功すれば……!」
明石「ジリジリとビスマルクがタックルの射程へ距離を狭めていきます! 吹雪選手は動かない! 構えを取ったまま不動の体勢です!」
明石「組み付かれれば圧倒的不利な状況に追い込まれます! テイクダウンを取られれば輪をかけて最悪! 今、ビスマルクが射程距離に入ります!」
678:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:20:15.05:rqvkOtF80 (23/78)
明石「タックルに行ったぁぁぁ! 速い! しかも体勢が低い! 吹雪選手、タックルを切れるか! これは……タックルが決まったぁぁぁ!」
明石「吹雪選手、タックルを切れない! テイクダウン、そのままマウントポジション! 最悪の展開です! ここから待ち受けるのは惨劇……!?」
香取「これは……相討ち!?」
明石「なっ……び、ビスマルクの両目が潰れています! まさか、これが吹雪選手の狙いか! タックルのカウンターとして目突きを放っていた!」
明石「目潰しは成功! しかし……代償があまりにも大き過ぎる! 目突きに使ったと思しき2本の指が、あらぬ方向に折れ曲がっています!」
香取「……ビスマルクさんは、あえて目突きを受けたのね。目を潰されると同時に、眼窩に指を引っ掛けて、テコの原理でへし折ったんだわ」
香取「痛みへの反応が狂ってるビスマルクさんならではの指関節攻撃ね。相変わらず、狂ってる……!」
明石「利き手の人差し指、中指は骨折! しかも状態はマウントポジションを取られ……!? わ、笑っている! ビスマルクが笑っています!」
明石「両目の視力を奪われながら、声高々に笑っています! 目を潰してくれてありがとうとでも言うように、嬉しそうな高笑いを上げている!」
明石「タックルに行ったぁぁぁ! 速い! しかも体勢が低い! 吹雪選手、タックルを切れるか! これは……タックルが決まったぁぁぁ!」
明石「吹雪選手、タックルを切れない! テイクダウン、そのままマウントポジション! 最悪の展開です! ここから待ち受けるのは惨劇……!?」
香取「これは……相討ち!?」
明石「なっ……び、ビスマルクの両目が潰れています! まさか、これが吹雪選手の狙いか! タックルのカウンターとして目突きを放っていた!」
明石「目潰しは成功! しかし……代償があまりにも大き過ぎる! 目突きに使ったと思しき2本の指が、あらぬ方向に折れ曲がっています!」
香取「……ビスマルクさんは、あえて目突きを受けたのね。目を潰されると同時に、眼窩に指を引っ掛けて、テコの原理でへし折ったんだわ」
香取「痛みへの反応が狂ってるビスマルクさんならではの指関節攻撃ね。相変わらず、狂ってる……!」
明石「利き手の人差し指、中指は骨折! しかも状態はマウントポジションを取られ……!? わ、笑っている! ビスマルクが笑っています!」
明石「両目の視力を奪われながら、声高々に笑っています! 目を潰してくれてありがとうとでも言うように、嬉しそうな高笑いを上げている!」
679:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:20:57.65:rqvkOtF80 (24/78)
明石「血涙を流しながら哄笑を上げる、これが人喰い鬼ビスマルク! 視力は奪ったものの、状況は吹雪選手の圧倒的不利となってしまいました!」
明石「マウントポジションなら、目が見えなくても相手の動きが掴める! ビスマルクの鉄槌が振り下ろされたぁぁぁ! 吹雪選手、辛うじて回避!」
明石「一撃入れば致命傷! ビスマルクはなりふり構わず拳を落としていく! 防戦一方の吹雪選手! どうにか拳を捌いて回避し続けています!」
明石「攻撃は当たっていないものの、マウントを返せない! 当然です、相手は四階級上の戦艦級! そんな相手を腰から振り落とす術はない!」
明石「ビスマルクは休みなく連打を放ちます! ボディへの打撃を交えた絶え間ないパウンド! 吹雪選手はギリギリで全ての拳を防御している!」
明石「しかし、その防御もどこまで保つ! 相手は疲れ知らずにパウンドを放ち続けている! 100発中1発当たれば吹雪選手は終わってします!」
香取「スタンドに戻れば、逆に視力のないビスマルクさんが圧倒的不利になるわ。どうにかして立てないと……!」
明石「満面の笑みでラッシュを続けるビスマルク! そのパウンドは見えているかの如く正確です! 右フックが吹雪選手の脇腹に入ったぁぁぁ!」
明石「血涙を流しながら哄笑を上げる、これが人喰い鬼ビスマルク! 視力は奪ったものの、状況は吹雪選手の圧倒的不利となってしまいました!」
明石「マウントポジションなら、目が見えなくても相手の動きが掴める! ビスマルクの鉄槌が振り下ろされたぁぁぁ! 吹雪選手、辛うじて回避!」
明石「一撃入れば致命傷! ビスマルクはなりふり構わず拳を落としていく! 防戦一方の吹雪選手! どうにか拳を捌いて回避し続けています!」
明石「攻撃は当たっていないものの、マウントを返せない! 当然です、相手は四階級上の戦艦級! そんな相手を腰から振り落とす術はない!」
明石「ビスマルクは休みなく連打を放ちます! ボディへの打撃を交えた絶え間ないパウンド! 吹雪選手はギリギリで全ての拳を防御している!」
明石「しかし、その防御もどこまで保つ! 相手は疲れ知らずにパウンドを放ち続けている! 100発中1発当たれば吹雪選手は終わってします!」
香取「スタンドに戻れば、逆に視力のないビスマルクさんが圧倒的不利になるわ。どうにかして立てないと……!」
明石「満面の笑みでラッシュを続けるビスマルク! そのパウンドは見えているかの如く正確です! 右フックが吹雪選手の脇腹に入ったぁぁぁ!」
680:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:21:36.88:rqvkOtF80 (25/78)
明石「とうとう当たってしまった! 戦艦級の打撃が、駆逐艦級の吹雪選手にクリーンヒット! 吹雪選手、堪らず悶絶の表情を浮かべている!」
明石「続いて顔面へも鉄槌炸裂ぅぅぅ! 鼻骨が折られたか! 吹雪選手、絶体絶命! 重大なダメージを負ってしまいました!」
明石「更にトドメのパウンド……違う! 顔を寄せてきた! た、食べる気だ! 捕食攻撃が始まってしまったぁぁぁ!」
明石「顔面を狙っている! 吹雪選手、堪らず顔を腕で覆う! 躊躇なく噛み付いたぁぁぁ! 右腕です! 右の前腕を食い千切ろうとしている!」
香取「まずい、完全にビスマルクさんのペースだわ。このままじゃ……? 吹雪さんが、うめき声ひとつ上げてない……!」
明石「ビスマルクは骨ごと噛み砕く気だ! その上、腕一本で満足するビスマルクではない! 次はどこを噛み付かれるかわからない!」
明石「何としても腕を外さなければ! ここで吹雪選手が反撃! 左の掌底による横打ちです! ですが、この程度では……あれ?」
香取「まさか……噛み付かれることを狙っていたの!?」
明石「び……ビスマルクが腕を離した!? 噛み付きが緩んだのでしょうか! しかし、あの程度でビスマルクが捕らえた獲物を逃がすはずがない!」
明石「とうとう当たってしまった! 戦艦級の打撃が、駆逐艦級の吹雪選手にクリーンヒット! 吹雪選手、堪らず悶絶の表情を浮かべている!」
明石「続いて顔面へも鉄槌炸裂ぅぅぅ! 鼻骨が折られたか! 吹雪選手、絶体絶命! 重大なダメージを負ってしまいました!」
明石「更にトドメのパウンド……違う! 顔を寄せてきた! た、食べる気だ! 捕食攻撃が始まってしまったぁぁぁ!」
明石「顔面を狙っている! 吹雪選手、堪らず顔を腕で覆う! 躊躇なく噛み付いたぁぁぁ! 右腕です! 右の前腕を食い千切ろうとしている!」
香取「まずい、完全にビスマルクさんのペースだわ。このままじゃ……? 吹雪さんが、うめき声ひとつ上げてない……!」
明石「ビスマルクは骨ごと噛み砕く気だ! その上、腕一本で満足するビスマルクではない! 次はどこを噛み付かれるかわからない!」
明石「何としても腕を外さなければ! ここで吹雪選手が反撃! 左の掌底による横打ちです! ですが、この程度では……あれ?」
香取「まさか……噛み付かれることを狙っていたの!?」
明石「び……ビスマルクが腕を離した!? 噛み付きが緩んだのでしょうか! しかし、あの程度でビスマルクが捕らえた獲物を逃がすはずがない!」
681:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:22:27.17:rqvkOtF80 (26/78)
明石「もう1発、吹雪選手の左フック! な、なんだ!? ビスマルクが口を開きっぱなしだ! あっさりとあごに当たってしまった!」
明石「マウントを取られた状態での、しかも最軽量級のパンチの威力などたかが知れている! しかし、開きっぱなしのあごに当たれば話は別!」
明石「ビスマルクが大きくぐらついている! 即座に吹雪選手が襟を片手で取って引き倒す! 吹雪選手、マウントから脱出成功!」
明石「そのまま追撃に行こうとしますが、素早くビスマルクが立ち上がった! 大きく距離を取っています! まるで避難するかのように!」
明石「口は相変わらず呆けたように空いたままです! これは……まさか、あごが外されている!?」
香取「なるほどね……吹雪さんはビスマルクさんを倒すために、そこまでの覚悟を決めていたんだわ。腕を食いちぎられる覚悟をね」
明石「もう1発、吹雪選手の左フック! な、なんだ!? ビスマルクが口を開きっぱなしだ! あっさりとあごに当たってしまった!」
明石「マウントを取られた状態での、しかも最軽量級のパンチの威力などたかが知れている! しかし、開きっぱなしのあごに当たれば話は別!」
明石「ビスマルクが大きくぐらついている! 即座に吹雪選手が襟を片手で取って引き倒す! 吹雪選手、マウントから脱出成功!」
明石「そのまま追撃に行こうとしますが、素早くビスマルクが立ち上がった! 大きく距離を取っています! まるで避難するかのように!」
明石「口は相変わらず呆けたように空いたままです! これは……まさか、あごが外されている!?」
香取「なるほどね……吹雪さんはビスマルクさんを倒すために、そこまでの覚悟を決めていたんだわ。腕を食いちぎられる覚悟をね」
682:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:23:15.11:rqvkOtF80 (27/78)
香取「ビスマルクさんの戦い方は、ファイターというより獣に近い。相手に十分なダメージを与え、動けなくなれば即座に食いついてくる」
香取「吹雪さんはその瞬間に賭けていたんだわ。ビスマルクさんの咬合力でも、腕を丸ごと噛み付かせれば、一瞬では食い千切られないはず」
香取「だから吹雪さんはあえて噛み付かせ、掌底で下顎骨をずらしてあごを外した。口を開けた状態で打たれると、あごって簡単に外れるのよ」
香取「外れたのは片側の関節だけでも、もう口は閉じられないわ。歯を食いしばらないと人並み以下の力しかでないのは誰もが知るところよね」
香取「噛み付きは封じられた。視力も全くない。ここからは、完全に吹雪さん有利の展開になるわ」
明石「フェンスに背中が当たるまでビスマルクは後退! あごに手を掛けています! 自力であごを嵌めようとしているようです!」
明石「しかし、そんな暇は与えない! 吹雪選手、全速力で突進! ビスマルクは見えていない! 跳び前蹴りが決まったぁぁぁ!」
明石「外れたあごに命中です! これは、もう片側の関節も外れてしまったのではないでしょうか! あごを嵌めるのが更に困難になりました!」
香取「ビスマルクさんの戦い方は、ファイターというより獣に近い。相手に十分なダメージを与え、動けなくなれば即座に食いついてくる」
香取「吹雪さんはその瞬間に賭けていたんだわ。ビスマルクさんの咬合力でも、腕を丸ごと噛み付かせれば、一瞬では食い千切られないはず」
香取「だから吹雪さんはあえて噛み付かせ、掌底で下顎骨をずらしてあごを外した。口を開けた状態で打たれると、あごって簡単に外れるのよ」
香取「外れたのは片側の関節だけでも、もう口は閉じられないわ。歯を食いしばらないと人並み以下の力しかでないのは誰もが知るところよね」
香取「噛み付きは封じられた。視力も全くない。ここからは、完全に吹雪さん有利の展開になるわ」
明石「フェンスに背中が当たるまでビスマルクは後退! あごに手を掛けています! 自力であごを嵌めようとしているようです!」
明石「しかし、そんな暇は与えない! 吹雪選手、全速力で突進! ビスマルクは見えていない! 跳び前蹴りが決まったぁぁぁ!」
明石「外れたあごに命中です! これは、もう片側の関節も外れてしまったのではないでしょうか! あごを嵌めるのが更に困難になりました!」
683:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:23:54.65:rqvkOtF80 (28/78)
明石「ビスマルク、反撃の左フック! しかし見当違いの方向です! その場所に吹雪選手はいない! 既にサイドへ回り込んでいる!」
明石「今度は跳び後ろ回し蹴りだぁぁぁ! 今のビスマルクは真っ暗闇の中! またもやあごにクリーンヒットしました!」
明石「この一撃はあごの骨自体を砕いたのではないでしょうか! 追撃に吹雪選手のハイキック! ビスマルク、転がるようにして回避した!」
明石「そのまま反対方向のフェンス際まで逃げる! またあごに手を掛けています! やはりもうあごは嵌まら……ぎゃあああああっ!?」
香取「なっ、なな……何してるの!? 」
明石「ひっ、ひぃいい! イカれてる! わかってはいましたが、想像以上にイカれてる! ビスマルクはあごを嵌めようとしていたのではない!」
明石「自ら……自ら下顎をもぎ取りました! 夥しい血がマットに流れ落ちる! むき出しになった舌がだらりと垂れ下がっています!」
明石「ぶらさがるだけのあごが邪魔だったとでも言うのか! まったく理解を超えた行動です! 何考えてるんだ! 頭おかしいのか!」
明石「ビスマルク、反撃の左フック! しかし見当違いの方向です! その場所に吹雪選手はいない! 既にサイドへ回り込んでいる!」
明石「今度は跳び後ろ回し蹴りだぁぁぁ! 今のビスマルクは真っ暗闇の中! またもやあごにクリーンヒットしました!」
明石「この一撃はあごの骨自体を砕いたのではないでしょうか! 追撃に吹雪選手のハイキック! ビスマルク、転がるようにして回避した!」
明石「そのまま反対方向のフェンス際まで逃げる! またあごに手を掛けています! やはりもうあごは嵌まら……ぎゃあああああっ!?」
香取「なっ、なな……何してるの!? 」
明石「ひっ、ひぃいい! イカれてる! わかってはいましたが、想像以上にイカれてる! ビスマルクはあごを嵌めようとしていたのではない!」
明石「自ら……自ら下顎をもぎ取りました! 夥しい血がマットに流れ落ちる! むき出しになった舌がだらりと垂れ下がっています!」
明石「ぶらさがるだけのあごが邪魔だったとでも言うのか! まったく理解を超えた行動です! 何考えてるんだ! 頭おかしいのか!」
684:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:25:34.84:rqvkOtF80 (29/78)
明石「もぎ取った自分の下顎を、ゴミのように投げ捨てた! 今やビスマルクの姿は完全なる異形! 人の形すら捨てた、まさしくモンスターです!」
香取「頭がおかしいのは間違いないわ……嵌まらないあごが弱点になるのは理解できる、でも、それを引きちぎろうだなんで誰も思わない」
香取「しかも、あんな暴挙に及べば、出血で自滅するのよ。いくらビスマルクさんでも失血死は免れ……あはは、嘘よね?」
明石「はっ……はあ!? ち、血が止まった! あれほどの出血がピタリと止まった! 止血を施した様子はありません!」
明石「ていうか、あの箇所の出血を止めるには、脳へ繋がる頸動脈を止めるくらいしかない! これはどんな魔法だ!?」
香取「そうか、脳内麻薬の異常分泌……! 脳内麻薬の一種、アドレナリンには血管収縮による止血効果がある。ここまで作用が早いなんて……!」
明石「出血量はコップ2杯程度で済んでしまいました! ビスマルクの体力を考えれば、スタミナを削るにはいささか心許ない量です!」
明石「しかし下顎を失うという致命傷を負っているのは確か! さすがにこのダメージは……なんだ? ビスマルクが奇声を上げている!?」
明石「もぎ取った自分の下顎を、ゴミのように投げ捨てた! 今やビスマルクの姿は完全なる異形! 人の形すら捨てた、まさしくモンスターです!」
香取「頭がおかしいのは間違いないわ……嵌まらないあごが弱点になるのは理解できる、でも、それを引きちぎろうだなんで誰も思わない」
香取「しかも、あんな暴挙に及べば、出血で自滅するのよ。いくらビスマルクさんでも失血死は免れ……あはは、嘘よね?」
明石「はっ……はあ!? ち、血が止まった! あれほどの出血がピタリと止まった! 止血を施した様子はありません!」
明石「ていうか、あの箇所の出血を止めるには、脳へ繋がる頸動脈を止めるくらいしかない! これはどんな魔法だ!?」
香取「そうか、脳内麻薬の異常分泌……! 脳内麻薬の一種、アドレナリンには血管収縮による止血効果がある。ここまで作用が早いなんて……!」
明石「出血量はコップ2杯程度で済んでしまいました! ビスマルクの体力を考えれば、スタミナを削るにはいささか心許ない量です!」
明石「しかし下顎を失うという致命傷を負っているのは確か! さすがにこのダメージは……なんだ? ビスマルクが奇声を上げている!?」
685:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:26:25.49:rqvkOtF80 (30/78)
明石「ま、まさか……笑っているのか!? 下顎を失って発声能力が損なわれた今、その笑い声は、さながら地獄に棲む魔獣の雄叫びです!」
明石「これほどのものか、ビスマルク! こいつの狂気は常に我々の想像を超えている! あの吹雪選手も、驚愕で動けずにいます!」
香取「化け物……! 吹雪さんが飲まれかかっているわ。有利な状況なのは変わりないはずなのに、吹雪さんの勝機が見えない……!」
明石「び、ビスマルクが動き出します! 血涙を流し、下顎のない口から舌を垂れたその姿、紛れもなく怪物です!」
明石「しかしガードを上げているということは、まだ戦えるということ! 明らかに動揺している吹雪選手、立ち向かえるか!?」
明石「……吹雪選手が構えました! 右腕は噛み付きによって死に腕と化し、全身に冷や汗を掻きながら、それでも闘争心を奮い起こしました!」
明石「ま、まさか……笑っているのか!? 下顎を失って発声能力が損なわれた今、その笑い声は、さながら地獄に棲む魔獣の雄叫びです!」
明石「これほどのものか、ビスマルク! こいつの狂気は常に我々の想像を超えている! あの吹雪選手も、驚愕で動けずにいます!」
香取「化け物……! 吹雪さんが飲まれかかっているわ。有利な状況なのは変わりないはずなのに、吹雪さんの勝機が見えない……!」
明石「び、ビスマルクが動き出します! 血涙を流し、下顎のない口から舌を垂れたその姿、紛れもなく怪物です!」
明石「しかしガードを上げているということは、まだ戦えるということ! 明らかに動揺している吹雪選手、立ち向かえるか!?」
明石「……吹雪選手が構えました! 右腕は噛み付きによって死に腕と化し、全身に冷や汗を掻きながら、それでも闘争心を奮い起こしました!」
686:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:27:22.48:rqvkOtF80 (31/78)
明石「そうです、怪物なのは分かり切っていたこと! それが想像を超えていようと、倒さなくては先に進めない! 立ち向かわなくては勝てない!」
明石「吹雪選手のほうから間合いを詰めた! 今度はフットワークを使っています! 盲目の不利を突き、サイドから攻める気です!」
明石「しかし、先に仕掛けたのはビスマルク! 右のミドルキックです! 動きが全く落ちていない! しかし、やはり狙いは定まらない!」
明石「難なく回り込んで回避! 膝裏にサイドキックを入れました! ビスマルクが体勢を崩す! 側頭部に肘打ちが入ったぁぁぁ!」
明石「だが、効いていない!? 即座に立て直し、ビスマルクのバックブロー! これも当たらない! 失明させたのが功を奏しています!」
明石「吹雪選手が追撃を掛ける! 顔面へ膝蹴り……ブロックされた!? 手のひらで止められました! ビスマルクが正面に吹雪選手を捉えた!」
明石「咄嗟に吹雪選手、後退! 視力を奪ったとはいえ、捕まえられては元も子もない! 一旦距離を開けてビスマルクの様子を伺います!」
明石「そうです、怪物なのは分かり切っていたこと! それが想像を超えていようと、倒さなくては先に進めない! 立ち向かわなくては勝てない!」
明石「吹雪選手のほうから間合いを詰めた! 今度はフットワークを使っています! 盲目の不利を突き、サイドから攻める気です!」
明石「しかし、先に仕掛けたのはビスマルク! 右のミドルキックです! 動きが全く落ちていない! しかし、やはり狙いは定まらない!」
明石「難なく回り込んで回避! 膝裏にサイドキックを入れました! ビスマルクが体勢を崩す! 側頭部に肘打ちが入ったぁぁぁ!」
明石「だが、効いていない!? 即座に立て直し、ビスマルクのバックブロー! これも当たらない! 失明させたのが功を奏しています!」
明石「吹雪選手が追撃を掛ける! 顔面へ膝蹴り……ブロックされた!? 手のひらで止められました! ビスマルクが正面に吹雪選手を捉えた!」
明石「咄嗟に吹雪選手、後退! 視力を奪ったとはいえ、捕まえられては元も子もない! 一旦距離を開けてビスマルクの様子を伺います!」
687:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:27:55.62:rqvkOtF80 (32/78)
明石「どうやら聴覚で吹雪選手の位置を探っているようです! 2つの眼窩が吹雪選手を捉えて離さない! まるで見えているかのようです!」
香取「視力を失って動けなくなるのは、恐怖心によるものよ。暗闇を恐れるのは、人として拭い去れない本能だから」
香取「だけど、相手は怪物。暗闇への恐怖心なんてこれっぽっちもないみたい。冷静に、吹雪さんの出す音を聞き分けてる……!」
明石「有利とは言え、吹雪選手は慎重に攻めなくてはなりません! 掴まれてしまえば、ここまでの全ての布石が台無しになってしまう!」
明石「今度はフットワークではなく、忍び足で足音を立てずビスマルクへ近付こうとしています! しかし、あの眼窩は吹雪選手を向いたまま!」
明石「呼吸音で吹雪選手を認識しているのか!? 確かに、吹雪選手も少なからずダメージを負い、かなり呼吸は乱れています!」
明石「どうやら聴覚で吹雪選手の位置を探っているようです! 2つの眼窩が吹雪選手を捉えて離さない! まるで見えているかのようです!」
香取「視力を失って動けなくなるのは、恐怖心によるものよ。暗闇を恐れるのは、人として拭い去れない本能だから」
香取「だけど、相手は怪物。暗闇への恐怖心なんてこれっぽっちもないみたい。冷静に、吹雪さんの出す音を聞き分けてる……!」
明石「有利とは言え、吹雪選手は慎重に攻めなくてはなりません! 掴まれてしまえば、ここまでの全ての布石が台無しになってしまう!」
明石「今度はフットワークではなく、忍び足で足音を立てずビスマルクへ近付こうとしています! しかし、あの眼窩は吹雪選手を向いたまま!」
明石「呼吸音で吹雪選手を認識しているのか!? 確かに、吹雪選手も少なからずダメージを負い、かなり呼吸は乱れています!」
688:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:28:31.28:rqvkOtF80 (33/78)
明石「呼吸を乱す主な原因は、骨まで達しているであろう右腕の噛み傷! この痛みは消しようもなく、どうしても呼吸は大きくなってしまう!」
明石「それでも、近付かなくては仕留められない! 吹雪選手、出来る限り呼吸と足音を抑えながらビスマルクに接近していきます!」
香取「ビスマルクさんは死んでいてもおかしくない傷なのに、吹雪さんより元気そうに見えるわ。どこまでも常識を超えた相手ね」
明石「異形となったビスマルクが、吹雪選手を待ち受けている! 構えはガードを上げた……いや、再び構えを変えます!」
明石「タックルのときより、更に重心が低い! いや、とうとう手をマットに付いてしまった! ほとんど四つん這いになっています!」
明石「これは……この構えは、まさに獣! 獲物を狙う肉食獣を模したような、クラウチングスタートに近い構えです!」
明石「吹雪選手が近付き次第、飛び掛かってやろうという体勢! まさか、下顎を失いながら、まだ吹雪選手を食べることを諦めていないのか!?」
香取「……理にかなっているわ。目が見えなければ、照準はどうしても大雑把にならざるを得ない。それを踏まえた攻撃手段を見つけたみたいね」
明石「呼吸を乱す主な原因は、骨まで達しているであろう右腕の噛み傷! この痛みは消しようもなく、どうしても呼吸は大きくなってしまう!」
明石「それでも、近付かなくては仕留められない! 吹雪選手、出来る限り呼吸と足音を抑えながらビスマルクに接近していきます!」
香取「ビスマルクさんは死んでいてもおかしくない傷なのに、吹雪さんより元気そうに見えるわ。どこまでも常識を超えた相手ね」
明石「異形となったビスマルクが、吹雪選手を待ち受けている! 構えはガードを上げた……いや、再び構えを変えます!」
明石「タックルのときより、更に重心が低い! いや、とうとう手をマットに付いてしまった! ほとんど四つん這いになっています!」
明石「これは……この構えは、まさに獣! 獲物を狙う肉食獣を模したような、クラウチングスタートに近い構えです!」
明石「吹雪選手が近付き次第、飛び掛かってやろうという体勢! まさか、下顎を失いながら、まだ吹雪選手を食べることを諦めていないのか!?」
香取「……理にかなっているわ。目が見えなければ、照準はどうしても大雑把にならざるを得ない。それを踏まえた攻撃手段を見つけたみたいね」
689:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:29:15.72:rqvkOtF80 (34/78)
香取「何がどうなろうとも、とにかく捕まえる。吹雪さんは一瞬の判断ミスで敗北しかねないわ。今こそ、冷静さを保たないと……!」
明石「ビスマルクの構えを見て、吹雪選手が一度接近を止めました! しかし、再度足を踏み出す! 恐怖に囚われては勝てるものも勝てない!」
明石「間もなく互いの射程に入ります! ビスマルクの眼窩は吹雪選手へ向けられたまま! それを承知の上で、吹雪選手も接近する!」
明石「動いた! ビスマルクが飛び掛かった! まさしく猛獣のごとく、全身をバネにして跳躍した! 速い! 致命傷を負っている動きじゃない!」
明石「しかし吹雪選手も反応している! 垂直に飛んでタックルを回避! 同時に頭頂部を踏み抜いたぁぁぁ! これは効いているはず!」
明石「ビスマルクが頭からマットに叩き付けられる! 皮膚が剥き出しのあごを打ち付けた! もう1発踏み付けぇぇぇ! マットに再び血が滲む!」
明石「あっ!? ビスマルクが身を翻した! き、効いてないのか! 吹雪選手の足首を掴んだ! ば、馬鹿な! まだこんなに動けるのか!」
香取「考えられない、脳へダメージが届いてないの!?」
明石「ひ、捻ったぁぁぁ! 足首をへし折りました! 噛み合わせがないのに、これほどの腕力が残っているのか! 吹雪選手が利き足をやられた!」
香取「何がどうなろうとも、とにかく捕まえる。吹雪さんは一瞬の判断ミスで敗北しかねないわ。今こそ、冷静さを保たないと……!」
明石「ビスマルクの構えを見て、吹雪選手が一度接近を止めました! しかし、再度足を踏み出す! 恐怖に囚われては勝てるものも勝てない!」
明石「間もなく互いの射程に入ります! ビスマルクの眼窩は吹雪選手へ向けられたまま! それを承知の上で、吹雪選手も接近する!」
明石「動いた! ビスマルクが飛び掛かった! まさしく猛獣のごとく、全身をバネにして跳躍した! 速い! 致命傷を負っている動きじゃない!」
明石「しかし吹雪選手も反応している! 垂直に飛んでタックルを回避! 同時に頭頂部を踏み抜いたぁぁぁ! これは効いているはず!」
明石「ビスマルクが頭からマットに叩き付けられる! 皮膚が剥き出しのあごを打ち付けた! もう1発踏み付けぇぇぇ! マットに再び血が滲む!」
明石「あっ!? ビスマルクが身を翻した! き、効いてないのか! 吹雪選手の足首を掴んだ! ば、馬鹿な! まだこんなに動けるのか!」
香取「考えられない、脳へダメージが届いてないの!?」
明石「ひ、捻ったぁぁぁ! 足首をへし折りました! 噛み合わせがないのに、これほどの腕力が残っているのか! 吹雪選手が利き足をやられた!」
690:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:29:48.95:rqvkOtF80 (35/78)
明石「残った足で顔を蹴りつけ、どうにか右脚を引き抜きました! しかし、完全に折れている! 右腕に続き、右脚まで機能停止!」
明石「吹雪選手、苦悶と驚愕を露わにしながらマットへ倒れ込みます! 這うようにしてビスマルクから距離を取ろうとしている!」
香取「……まずいわ。ダメージ以前に、精神力が限界に近い!」
明石「衣擦れの音を聴きつけたのか、再びビスマルクが吹雪選手へ向き直る! 暗い眼窩が手負いの吹雪選手を覗いています!」
明石「そして歩き出した! 四足獣の如く、四つん這いでにじり寄っていきます! また、さっきの攻撃を仕掛けるつもりだ!」
明石「吹雪選手の動きが鈍い! 距離を取ることが出来ません! ビスマルクがみるみる接近してくる! 来た! 飛び掛かったぁぁぁ!」
明石「間一髪、転がって回避しました! ビスマルクの攻撃は不発! しかし、すぐさま吹雪選手のほうを向き直った!」
明石「ビスマルクが音で相手の位置を感知することに慣れ始めているように見えます! 機動力を失った吹雪選手、逃げ場がない!」
明石「残った足で顔を蹴りつけ、どうにか右脚を引き抜きました! しかし、完全に折れている! 右腕に続き、右脚まで機能停止!」
明石「吹雪選手、苦悶と驚愕を露わにしながらマットへ倒れ込みます! 這うようにしてビスマルクから距離を取ろうとしている!」
香取「……まずいわ。ダメージ以前に、精神力が限界に近い!」
明石「衣擦れの音を聴きつけたのか、再びビスマルクが吹雪選手へ向き直る! 暗い眼窩が手負いの吹雪選手を覗いています!」
明石「そして歩き出した! 四足獣の如く、四つん這いでにじり寄っていきます! また、さっきの攻撃を仕掛けるつもりだ!」
明石「吹雪選手の動きが鈍い! 距離を取ることが出来ません! ビスマルクがみるみる接近してくる! 来た! 飛び掛かったぁぁぁ!」
明石「間一髪、転がって回避しました! ビスマルクの攻撃は不発! しかし、すぐさま吹雪選手のほうを向き直った!」
明石「ビスマルクが音で相手の位置を感知することに慣れ始めているように見えます! 機動力を失った吹雪選手、逃げ場がない!」
691:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:30:17.04:rqvkOtF80 (36/78)
明石「完全に獣と化してしまったかのように、またビスマルクが四本足で近付いてくる! 真っ直ぐ吹雪選手を目指しています!」
明石「どうする、吹雪選手! これで終わりなのか……あっ! 立ちました! 吹雪選手、片足ではありますが、自力で立ち上がった!」
明石「迎え撃つ覚悟を固めたようです! 表情に闘志が戻っている! しかし、どのような手段で……ん? 左手に何か持っている?」
香取「あ、あれって……ビスマルクさんが引きちぎった、下顎!?」
明石「なっ……何を考えているんだ、吹雪選手! それをビスマルクに叩き付けるつもりか!? もう、奴はすぐそこまで迫っている!」
明石「間もなく射程距離に……捨てた!? 吹雪選手、持っていた下顎を傍らに投げ捨てた! これは……あっ、ビスマルクが!?」
香取「そうか、落下音を囮に!」
明石「ビスマルクが飛ぶ掛かる! しかし、狙いが違う! 落ちた下顎のほうに反応してしまった! 吹雪選手が照準から外れた!」
明石「完全に獣と化してしまったかのように、またビスマルクが四本足で近付いてくる! 真っ直ぐ吹雪選手を目指しています!」
明石「どうする、吹雪選手! これで終わりなのか……あっ! 立ちました! 吹雪選手、片足ではありますが、自力で立ち上がった!」
明石「迎え撃つ覚悟を固めたようです! 表情に闘志が戻っている! しかし、どのような手段で……ん? 左手に何か持っている?」
香取「あ、あれって……ビスマルクさんが引きちぎった、下顎!?」
明石「なっ……何を考えているんだ、吹雪選手! それをビスマルクに叩き付けるつもりか!? もう、奴はすぐそこまで迫っている!」
明石「間もなく射程距離に……捨てた!? 吹雪選手、持っていた下顎を傍らに投げ捨てた! これは……あっ、ビスマルクが!?」
香取「そうか、落下音を囮に!」
明石「ビスマルクが飛ぶ掛かる! しかし、狙いが違う! 落ちた下顎のほうに反応してしまった! 吹雪選手が照準から外れた!」
692:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:30:50.50:rqvkOtF80 (37/78)
明石「脇を通り抜けるビスマルクに、横から吹雪選手が覆いかぶさる! バックチョークが入ったぁぁぁ! 左腕で頸動脈を絞め上げた!」
明石「死に腕だった右腕も、無理やり動かして裏から首を抑えつけている! 完全に極まった! これは、絶対に抜け出せない!」
明石「バックチョークに抜け技は存在しない! これで勝負は……うっ! ま、また! ビスマルクが……笑っている!」
明石「気道と頸動脈を絞められながら、潰れたカエルのような奇声を上げている! 笑っているのです! この状況さえビスマルクは楽しんでいる!」
明石「た、立ち上がった! 首に吹雪選手を巻きつけたまま! どこにそんな力が残されているのか! やはりこの怪物、底が知れない!」
明石「それでも、吹雪選手は放すわけにはいかない! これを放せばもはや勝機はない! ここで決める! このままビスマルクを落とさなければ!」
明石「ビスマルクが前のめりになった! 吹雪選手の重みに耐え兼ねたわけではない! まさか……い、勢い良く仰け反ったぁぁぁ!」
明石「変形のスープレックスです! 膂力で背中から吹雪選手をマットに打ち付けた! やはり、こいつは死ぬまで動き続けるのか!」
明石「脇を通り抜けるビスマルクに、横から吹雪選手が覆いかぶさる! バックチョークが入ったぁぁぁ! 左腕で頸動脈を絞め上げた!」
明石「死に腕だった右腕も、無理やり動かして裏から首を抑えつけている! 完全に極まった! これは、絶対に抜け出せない!」
明石「バックチョークに抜け技は存在しない! これで勝負は……うっ! ま、また! ビスマルクが……笑っている!」
明石「気道と頸動脈を絞められながら、潰れたカエルのような奇声を上げている! 笑っているのです! この状況さえビスマルクは楽しんでいる!」
明石「た、立ち上がった! 首に吹雪選手を巻きつけたまま! どこにそんな力が残されているのか! やはりこの怪物、底が知れない!」
明石「それでも、吹雪選手は放すわけにはいかない! これを放せばもはや勝機はない! ここで決める! このままビスマルクを落とさなければ!」
明石「ビスマルクが前のめりになった! 吹雪選手の重みに耐え兼ねたわけではない! まさか……い、勢い良く仰け反ったぁぁぁ!」
明石「変形のスープレックスです! 膂力で背中から吹雪選手をマットに打ち付けた! やはり、こいつは死ぬまで動き続けるのか!」
693:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:31:16.75:rqvkOtF80 (38/78)
明石「吹雪選手はモロに衝撃を受けてしまいました! だが、頭から落ちることだけは避けた模様! まだ、吹雪選手はチョークを解いていない!」
明石「背中から倒れ込み、さすがのビスマルクも立ち上がれない! で、ですが……笑っている! あの表情、笑っていることだけは確かです!」
明石「また、あの奇声が鳴り響く! 耳を覆いたくなるような、おぞましい奇声を上げている! こいつは、まだ生きている!」
香取「だけど……ようやく終わるわ」
明石「あっ……声が徐々に、徐々にですが小さくなっていきます! 奇声が息絶え絶えの呼吸音へと変わっていく! そして、それさえ小さくなる!」
明石「そして……今、完全に息が途絶えた! 落ちている! ビスマルクが落ちている! 失神です! あの怪物、ビスマルクがもう動かない!」
明石「試合終了! 駆逐艦級王者がやってくれました! 吹雪選手は、とうとう鬼退治をやってのけたのです!」
明石「地獄のような死闘を繰り広げ、恐怖に飲まれかけた場面さえあったものの、最後には勝利を掴み取りました!」
明石「吹雪選手はモロに衝撃を受けてしまいました! だが、頭から落ちることだけは避けた模様! まだ、吹雪選手はチョークを解いていない!」
明石「背中から倒れ込み、さすがのビスマルクも立ち上がれない! で、ですが……笑っている! あの表情、笑っていることだけは確かです!」
明石「また、あの奇声が鳴り響く! 耳を覆いたくなるような、おぞましい奇声を上げている! こいつは、まだ生きている!」
香取「だけど……ようやく終わるわ」
明石「あっ……声が徐々に、徐々にですが小さくなっていきます! 奇声が息絶え絶えの呼吸音へと変わっていく! そして、それさえ小さくなる!」
明石「そして……今、完全に息が途絶えた! 落ちている! ビスマルクが落ちている! 失神です! あの怪物、ビスマルクがもう動かない!」
明石「試合終了! 駆逐艦級王者がやってくれました! 吹雪選手は、とうとう鬼退治をやってのけたのです!」
明石「地獄のような死闘を繰り広げ、恐怖に飲まれかけた場面さえあったものの、最後には勝利を掴み取りました!」
694:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:31:47.92:rqvkOtF80 (39/78)
明石「歓迎すべき番狂わせが起こりました! 狂気の怪物、ビスマルクここに堕つ! 勝ったのは吹雪選手、吹雪選手です!」
香取「ああ……冷や冷やさせられっぱなしだったわ。想像以上の怪物だったビスマルクさんを相手に、よく勝てたわね、吹雪さん」
明石「勝因は何だったと思いますか? やはり、最後まで戦い抜くことができた精神力、ということになるのでしょうか」
香取「正確に言えば、勇気ね。吹雪さんは途中で恐怖に負けそうになっていた。無理ないわ、相手は本当に怪物だったんだもの」
香取「真の勇者とは恐れを知らない者ではなく、恐怖に打ち勝つ強さを持つ者である。これって、誰の言葉だったかしら」
香取「吹雪さんは恐怖に飲まれそうになりながら、恐怖に打ち勝った。それは初めから恐怖を感じないことより遥かに凄いことだと思うわ」
香取「ビスマルクさんに勝てたのはテクニックや戦略ではなく、覚悟と勇気。その2つが彼女の底なしの狂気を凌駕したんじゃないかしら」
香取「過去最大の壁を乗り越えて、吹雪さんはもう1段階先へ進めたんじゃないかしら。この次の試合が今から楽しみだわ」
明石「はい、まさしく勇者と呼ぶに相応しいファイトでした! この世のものとは思えない大怪物、ビスマルクを相手に文句なしのKO勝利!」
明石「怪物退治を成し遂げた駆逐艦級王者、吹雪選手に今一度拍手をお願いします! いやー勝てて良かった!」
明石「歓迎すべき番狂わせが起こりました! 狂気の怪物、ビスマルクここに堕つ! 勝ったのは吹雪選手、吹雪選手です!」
香取「ああ……冷や冷やさせられっぱなしだったわ。想像以上の怪物だったビスマルクさんを相手に、よく勝てたわね、吹雪さん」
明石「勝因は何だったと思いますか? やはり、最後まで戦い抜くことができた精神力、ということになるのでしょうか」
香取「正確に言えば、勇気ね。吹雪さんは途中で恐怖に負けそうになっていた。無理ないわ、相手は本当に怪物だったんだもの」
香取「真の勇者とは恐れを知らない者ではなく、恐怖に打ち勝つ強さを持つ者である。これって、誰の言葉だったかしら」
香取「吹雪さんは恐怖に飲まれそうになりながら、恐怖に打ち勝った。それは初めから恐怖を感じないことより遥かに凄いことだと思うわ」
香取「ビスマルクさんに勝てたのはテクニックや戦略ではなく、覚悟と勇気。その2つが彼女の底なしの狂気を凌駕したんじゃないかしら」
香取「過去最大の壁を乗り越えて、吹雪さんはもう1段階先へ進めたんじゃないかしら。この次の試合が今から楽しみだわ」
明石「はい、まさしく勇者と呼ぶに相応しいファイトでした! この世のものとは思えない大怪物、ビスマルクを相手に文句なしのKO勝利!」
明石「怪物退治を成し遂げた駆逐艦級王者、吹雪選手に今一度拍手をお願いします! いやー勝てて良かった!」
695:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:32:23.18:rqvkOtF80 (40/78)
試合後インタビュー:吹雪
―――かなりの死闘になりましたが、試合を終えた感想はいかがですか?
吹雪「いやー楽勝でした! チョロかったですねーあいつ! ホントにもう、楽過ぎて途中であくびが出そうになっちゃいました!」
吹雪「間違いなく、私にとって過去最弱の相手でしたね! あー余裕だった! あんなの100万回やっても全部勝てますよ!」
吹雪「あいつと比べたら、走り回るしか能がない島風や、バカのひとつ覚えみたいに同じ技を繰り返す夕立のほうがよっぽどやり甲斐がありますね」
吹雪「ま、結局はただのビョーキ持ちだったってことで。人喰い鬼だろうとも、私の敵じゃないってことですよ」
―――試合展開としては、作戦通りに進んだのでしょうか。
吹雪「はい、全て当初の計画通りに。お腹を空かせてるのが可哀想だったので、腕を食わせてやるのも予定の内でした」
吹雪「構いませんよ、腕の1本や2本。まあ、やっぱ気色悪かったんで食べさせるのはやめましたけど。あーなんか噛まれた右腕がまだ臭い気がする」
吹雪「ああ、あごを自分でちぎったのは想定外だったかな。あれは本当に気持ち悪くて吐きそうになりましたよ」
―――途中で恐怖に飲まれかかっているような場面がありましたが、あのときはどういう心境でしたか?
吹雪「はあ? あれはですね、ただドン引きしただけです。イカれてるのは知ってましたけど、あそこまで脳みそがとろけてるとは思いませんでした」
吹雪「気色悪かったんで、近寄るのが嫌になった場面はあったかもしれないですね。嫌でしょ、触れたらこっちまで病気が移りそうで」
吹雪「だから恐怖なんて感じてません。ええ、これっぽっちも。2度言わせないでください。次に聞いたらぶっ飛ばしますよ」
吹雪「私は最強ですから。あんなやつに遅れを取ってる暇はありません。誰が相手でも、私は絶対に負けませんから」
試合後インタビュー:吹雪
―――かなりの死闘になりましたが、試合を終えた感想はいかがですか?
吹雪「いやー楽勝でした! チョロかったですねーあいつ! ホントにもう、楽過ぎて途中であくびが出そうになっちゃいました!」
吹雪「間違いなく、私にとって過去最弱の相手でしたね! あー余裕だった! あんなの100万回やっても全部勝てますよ!」
吹雪「あいつと比べたら、走り回るしか能がない島風や、バカのひとつ覚えみたいに同じ技を繰り返す夕立のほうがよっぽどやり甲斐がありますね」
吹雪「ま、結局はただのビョーキ持ちだったってことで。人喰い鬼だろうとも、私の敵じゃないってことですよ」
―――試合展開としては、作戦通りに進んだのでしょうか。
吹雪「はい、全て当初の計画通りに。お腹を空かせてるのが可哀想だったので、腕を食わせてやるのも予定の内でした」
吹雪「構いませんよ、腕の1本や2本。まあ、やっぱ気色悪かったんで食べさせるのはやめましたけど。あーなんか噛まれた右腕がまだ臭い気がする」
吹雪「ああ、あごを自分でちぎったのは想定外だったかな。あれは本当に気持ち悪くて吐きそうになりましたよ」
―――途中で恐怖に飲まれかかっているような場面がありましたが、あのときはどういう心境でしたか?
吹雪「はあ? あれはですね、ただドン引きしただけです。イカれてるのは知ってましたけど、あそこまで脳みそがとろけてるとは思いませんでした」
吹雪「気色悪かったんで、近寄るのが嫌になった場面はあったかもしれないですね。嫌でしょ、触れたらこっちまで病気が移りそうで」
吹雪「だから恐怖なんて感じてません。ええ、これっぽっちも。2度言わせないでください。次に聞いたらぶっ飛ばしますよ」
吹雪「私は最強ですから。あんなやつに遅れを取ってる暇はありません。誰が相手でも、私は絶対に負けませんから」
696:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:33:13.75:rqvkOtF80 (41/78)
試合後インタビュー:ビスマルク
―――なぜ試合中に自ら下顎を引きちぎったんですか?
ビスマルク「なぜって、邪魔だったからよ? 吹雪ちゃんを食べたいから、できれば嵌め直したかったけど、どうしても無理そうだったの」
ビスマルク「あごって外れるとあんなに邪魔なのね……あっ、しまった! 自分でやらずに、吹雪ちゃんにもぎ取ってもらえば良かったのに!」
ビスマルク「ああっ、試合中に思い付けば良かったわ! そしたら、もっと気持ち良くなれてたのになあ」
―――吹雪選手はどうでしたか?
ビスマルク「ほとんど食べられなくてとても残念だわ。血はすっごく美味しかったから、お肉はそれ以上に美味しかったんだろうなあ……」
ビスマルク「でも、楽しかったわ! それにとっても、とっても気持ちよかった! 今までで一番気持ちよかったかもしれないわ!」
ビスマルク「あんなに痛めつけられたのは初めてよ! ああっ、失神なんてもったいなことしちゃったなあ」
ビスマルク「できれば、もっともっと私を傷付けて欲しかったわ! トドメは首を捻り切って殺されるのが理想だったわね!」
ビスマルク「ねえ、あの子まだ近くにいる? もう1回やらせてよ! 私、入渠で元気になったからすぐにでも戦えるわ!」
ビスマルク「結局一口も食べられなかったから、お腹ぺこぺこ! 次はちゃんと食べたいなあ! 最後には殺してほしいんだけど!」
―――今日は無理です。次の試合がしばらく先に確定しているので、それまでどうかお待ち下さい。
ビスマルク「やだ! お腹空いた! ねえねえ、それじゃあ吹雪ちゃんじゃなくてもいいから、誰か食べさせてよ!」
ビスマルク「できるだけ可愛い子がいいなあ。よく見ると、あなたってすっごく可愛らしい顔してるわね!」
ビスマルク「あっ、思い出した! 前に仲良くしてくれた伊8ちゃんよね? 久しぶり! 元気にしてた?」
ビスマルク「また一緒に遊びましょうよ! ほら、早く! 爪の剥ぎっこなんてどう? とっても楽しいわよ!」
ビスマルク「……そんなに嫌ならいいわ。ごめんなさい、もう我慢できないの。ねえ、あなたの内臓ってどんな……」
(取材陣の用意した神経ガスによりビスマルク選手が昏倒したため、インタビュー中止)
試合後インタビュー:ビスマルク
―――なぜ試合中に自ら下顎を引きちぎったんですか?
ビスマルク「なぜって、邪魔だったからよ? 吹雪ちゃんを食べたいから、できれば嵌め直したかったけど、どうしても無理そうだったの」
ビスマルク「あごって外れるとあんなに邪魔なのね……あっ、しまった! 自分でやらずに、吹雪ちゃんにもぎ取ってもらえば良かったのに!」
ビスマルク「ああっ、試合中に思い付けば良かったわ! そしたら、もっと気持ち良くなれてたのになあ」
―――吹雪選手はどうでしたか?
ビスマルク「ほとんど食べられなくてとても残念だわ。血はすっごく美味しかったから、お肉はそれ以上に美味しかったんだろうなあ……」
ビスマルク「でも、楽しかったわ! それにとっても、とっても気持ちよかった! 今までで一番気持ちよかったかもしれないわ!」
ビスマルク「あんなに痛めつけられたのは初めてよ! ああっ、失神なんてもったいなことしちゃったなあ」
ビスマルク「できれば、もっともっと私を傷付けて欲しかったわ! トドメは首を捻り切って殺されるのが理想だったわね!」
ビスマルク「ねえ、あの子まだ近くにいる? もう1回やらせてよ! 私、入渠で元気になったからすぐにでも戦えるわ!」
ビスマルク「結局一口も食べられなかったから、お腹ぺこぺこ! 次はちゃんと食べたいなあ! 最後には殺してほしいんだけど!」
―――今日は無理です。次の試合がしばらく先に確定しているので、それまでどうかお待ち下さい。
ビスマルク「やだ! お腹空いた! ねえねえ、それじゃあ吹雪ちゃんじゃなくてもいいから、誰か食べさせてよ!」
ビスマルク「できるだけ可愛い子がいいなあ。よく見ると、あなたってすっごく可愛らしい顔してるわね!」
ビスマルク「あっ、思い出した! 前に仲良くしてくれた伊8ちゃんよね? 久しぶり! 元気にしてた?」
ビスマルク「また一緒に遊びましょうよ! ほら、早く! 爪の剥ぎっこなんてどう? とっても楽しいわよ!」
ビスマルク「……そんなに嫌ならいいわ。ごめんなさい、もう我慢できないの。ねえ、あなたの内臓ってどんな……」
(取材陣の用意した神経ガスによりビスマルク選手が昏倒したため、インタビュー中止)
697:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:33:56.19:rqvkOtF80 (42/78)
明石「さあ、ビスマルク戦後の恒例となりました! 放送コードに引っ掛かっての生放送中断による雑談コーナーです!」
香取「やっぱり中断されたのね。下顎をもぎ取ったあたりからかしら?」
明石「ずばりそうです。あれはもう、完全にアウトでした。スプラッター映画でもあそこまではなかなかやりませんよ」
香取「それはそうよね……ところで、今回はなぜビスマルクさんを入渠させたの? 昏睡状態で放置しておけば、今後の管理が楽なのに」
明石「理由は2つですね。下顎がないので試合後インタビューができないこと、伊8さんが入渠させてあげるよう懇願したことです」
香取「……伊8さんって、ビスマルクさんに虐められて精神病院に入院してたんじゃなかったかしら」
明石「なんていうか、その……退院後もちょっとおかしくなっちゃったみたいで。ビスマルク選手に悪い意味で抵抗がなくなってるんですよね」
香取「そう……この話は闇が深そうだからやめましょうか」
明石「そうしましょう。ところで、羽黒選手がドリームマッチで出場することは聞かれましたか?」
香取「ええ。と言っても、出場すること以外はほとんど知らないけど。どう説き伏せたんでしょうね、運営は」
明石「その件に関してちょっと気になることがあるんですよね。私、次に羽黒選手の相手をするのは鳳翔選手しかいないと思ってました」
明石「さあ、ビスマルク戦後の恒例となりました! 放送コードに引っ掛かっての生放送中断による雑談コーナーです!」
香取「やっぱり中断されたのね。下顎をもぎ取ったあたりからかしら?」
明石「ずばりそうです。あれはもう、完全にアウトでした。スプラッター映画でもあそこまではなかなかやりませんよ」
香取「それはそうよね……ところで、今回はなぜビスマルクさんを入渠させたの? 昏睡状態で放置しておけば、今後の管理が楽なのに」
明石「理由は2つですね。下顎がないので試合後インタビューができないこと、伊8さんが入渠させてあげるよう懇願したことです」
香取「……伊8さんって、ビスマルクさんに虐められて精神病院に入院してたんじゃなかったかしら」
明石「なんていうか、その……退院後もちょっとおかしくなっちゃったみたいで。ビスマルク選手に悪い意味で抵抗がなくなってるんですよね」
香取「そう……この話は闇が深そうだからやめましょうか」
明石「そうしましょう。ところで、羽黒選手がドリームマッチで出場することは聞かれましたか?」
香取「ええ。と言っても、出場すること以外はほとんど知らないけど。どう説き伏せたんでしょうね、運営は」
明石「その件に関してちょっと気になることがあるんですよね。私、次に羽黒選手の相手をするのは鳳翔選手しかいないと思ってました」
698:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:34:34.72:rqvkOtF80 (43/78)
明石「なのに、相手は鳳翔選手じゃないって話なんですよ。これってどう思います? 長門選手で無理なら、もう鳳翔選手しかいないはずじゃ?」
香取「その問には簡単に答えられるわ。確かに、長門さん以上の選手と言えば、鳳翔さんくらいしか考えられないのは間違いない」
香取「だけど、あの2人が戦うことは絶対に有り得ないのよ。鳳翔さんと羽黒さんは、在り方が似ているからこそ永遠に相容れないの」
明石「在り方が似ているから、ですか? 共に達人級の腕前ではありますが……」
香取「まず鳳翔さんはね、確実に勝てる相手としか戦わない。徒手格闘という制限付きだと、榛名さんまでがギリギリのラインなんだと思うわ」
香取「それ以上の相手と戦うなら、鳳翔さんは必ず武器の使用許可を求めてくるわ。それが通らないなら、彼女がリングに上がることは絶対にない」
香取「次に羽黒さんだけど、こっちは戦うこと自体が嫌なのよ。妙高さんが強く言い付けない限り、自分からは決してリングに上がろうとしないわ」
香取「加えて、相手が武器持ちの鳳翔さんだとすれば、妙高さんに言われても断固拒否するでしょう。最悪、試合開始と同時に降参しかねない」
香取「そもそも、武器の持ち込みを許可したとしても、長門さんを圧倒するような相手と鳳翔さんが戦おうとする可能性は極めて低いわ」
明石「なのに、相手は鳳翔選手じゃないって話なんですよ。これってどう思います? 長門選手で無理なら、もう鳳翔選手しかいないはずじゃ?」
香取「その問には簡単に答えられるわ。確かに、長門さん以上の選手と言えば、鳳翔さんくらいしか考えられないのは間違いない」
香取「だけど、あの2人が戦うことは絶対に有り得ないのよ。鳳翔さんと羽黒さんは、在り方が似ているからこそ永遠に相容れないの」
明石「在り方が似ているから、ですか? 共に達人級の腕前ではありますが……」
香取「まず鳳翔さんはね、確実に勝てる相手としか戦わない。徒手格闘という制限付きだと、榛名さんまでがギリギリのラインなんだと思うわ」
香取「それ以上の相手と戦うなら、鳳翔さんは必ず武器の使用許可を求めてくるわ。それが通らないなら、彼女がリングに上がることは絶対にない」
香取「次に羽黒さんだけど、こっちは戦うこと自体が嫌なのよ。妙高さんが強く言い付けない限り、自分からは決してリングに上がろうとしないわ」
香取「加えて、相手が武器持ちの鳳翔さんだとすれば、妙高さんに言われても断固拒否するでしょう。最悪、試合開始と同時に降参しかねない」
香取「そもそも、武器の持ち込みを許可したとしても、長門さんを圧倒するような相手と鳳翔さんが戦おうとする可能性は極めて低いわ」
699:大会運営委員長 ◆hJ5a7d.jWc:2016/07/27(水) 00:35:09.66:rqvkOtF80 (44/78)
香取「ざっくり言えば、お互いがお互いと戦いたくない。よって試合は成り立たない。どちらに打診しても絶対に断られるでしょうね」
明石「ああ、そういうことで……それじゃあ、誰が羽黒選手と戦うんですか? もう勝てそうな選手なんていませんよ」
香取「さあ……? 既に対戦カードは決まってるそうだけど、まだこちらには知らされてないわ」
香取「グランプリが終わったら早めに発表するらしいから、それまで待つしかないんじゃないかしら」
明石「そうですね。あ、ビスマルク選手もやっぱりドリームマッチに出場するみたいですよ」
香取「ええ、聞いてるわ。その試合日まで、運営はビスマルクさんを管理しなくちゃいけないのよね。それは大丈夫なの?」
明石「大丈夫です。伊8さんが世話係を自ら引き受けてくれましたので」
香取「……大丈夫なの? ビスマルクさんじゃなく、伊8さんのほうが」
明石「大丈夫ですよ、きっと……この話、もうやめません?」
香取「……ええ、そうしましょう。あまり深く触れるべきじゃない気がするわ」
香取「ざっくり言えば、お互いがお互いと戦いたくない。よって試合は成り立たない。どちらに打診しても絶対に断られるでしょうね」
明石「ああ、そういうことで……それじゃあ、誰が羽黒選手と戦うんですか? もう勝てそうな選手なんていませんよ」
香取「さあ……? 既に対戦カードは決まってるそうだけど、まだこちらには知らされてないわ」
香取「グランプリが終わったら早めに発表するらしいから、それまで待つしかないんじゃないかしら」
明石「そうですね。あ、ビスマルク選手もやっぱりドリームマッチに出場するみたいですよ」
香取「ええ、聞いてるわ。その試合日まで、運営はビスマルクさんを管理しなくちゃいけないのよね。それは大丈夫なの?」
明石「大丈夫です。伊8さんが世話係を自ら引き受けてくれましたので」
香取「……大丈夫なの? ビスマルクさんじゃなく、伊8さんのほうが」
明石「大丈夫ですよ、きっと……この話、もうやめません?」
香取「……ええ、そうしましょう。あまり深く触れるべきじゃない気がするわ」
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http://s2-d2.com/archives/16843621.html
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