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706:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/03/01(水) 20:01:16.47:YWwL0rNQ0 (1/1)
ゆっくりでええやでー
イッチは待たせ方がうまいな
ゆっくりでええやでー
イッチは待たせ方がうまいな
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
707:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/03/21(火) 14:07:57.03:FzzllpvNo (1/1)
あとちょっとで書き上げられそうです。
お仕事が異様に忙しくなって更新が遅れています。ごめんよ。
ラストを書く上でこの物語を読み返していると、だんだんとウェーク島を観光してみたくなった。たぶん三日くらいで帰りたいとか思うのだろうけれど。
あとちょっとで書き上げられそうです。
お仕事が異様に忙しくなって更新が遅れています。ごめんよ。
ラストを書く上でこの物語を読み返していると、だんだんとウェーク島を観光してみたくなった。たぶん三日くらいで帰りたいとか思うのだろうけれど。
708:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/03/22(水) 20:56:06.29:WS02URPXO (1/1)
今から更新が待ちきれないぞい
今から更新が待ちきれないぞい
709:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 02:57:48.88:awnviBj5o (1/33)
やっとこさ書き終わったので全投下します。遅くなってごめんよ。
なんか思った以上に多くなった。やっぱり私は短く終わらない。
やっとこさ書き終わったので全投下します。遅くなってごめんよ。
なんか思った以上に多くなった。やっぱり私は短く終わらない。
710:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 02:58:28.08:awnviBj5o (2/33)
川内「じゃあ、おやすみ提督! 次こそは夜戦しようね♪」
提督「それは川内の努力次第だ。──良い夢を見ろよ」
川内「♪」フリフリ
ガチャ──パタン
提督「……積極的過ぎるのも困りものだな。……まあ、私も寝るか」スッ
提督(これからどうなる事やら……)スタスタ
コンコンコン──
提督「む? 利根か、入れ」
ガチャ──パタン
利根「……ふむ。相変わらずノックだけで誰が来たのか分かっておるようじゃのう」
提督「経験だ。少しでも変えられると分からん。ところでこんな時間に来るとは珍しい。どうしたんだ?」
利根「まあなんじゃ。海を見ながら饅頭を食べておったら不思議な事があったのじゃ」
提督「不思議な事?」
利根「うむ。金剛が挨拶に来てのう。これが別れと言うておった」
提督「……………………」
利根「聞くに、このままでは悪い影響しか与えぬとな。ならば後は見守るのみに徹するらしいぞ。妙に優しく満足した顔じゃったよ」
提督「……すまんな。あまりにも急な事でお前を呼んでやれんかった」
利根「なに。我輩は金剛ともう一度だけ話せただけで充分じゃ。金剛達が我輩と提督を恨んでおらず、見守ってくれていると分かっただけで充分なのじゃ」
提督「……そうか」
利根「それで提督よ、もう一つ金剛に言われた事がある」
提督「なんだ?」
利根「後ろ髪を引かれるのは分かるが、提督もちゃんと心を寄せるのじゃぞ。そんなのでは金剛に叱られてしまうのじゃ」
川内「じゃあ、おやすみ提督! 次こそは夜戦しようね♪」
提督「それは川内の努力次第だ。──良い夢を見ろよ」
川内「♪」フリフリ
ガチャ──パタン
提督「……積極的過ぎるのも困りものだな。……まあ、私も寝るか」スッ
提督(これからどうなる事やら……)スタスタ
コンコンコン──
提督「む? 利根か、入れ」
ガチャ──パタン
利根「……ふむ。相変わらずノックだけで誰が来たのか分かっておるようじゃのう」
提督「経験だ。少しでも変えられると分からん。ところでこんな時間に来るとは珍しい。どうしたんだ?」
利根「まあなんじゃ。海を見ながら饅頭を食べておったら不思議な事があったのじゃ」
提督「不思議な事?」
利根「うむ。金剛が挨拶に来てのう。これが別れと言うておった」
提督「……………………」
利根「聞くに、このままでは悪い影響しか与えぬとな。ならば後は見守るのみに徹するらしいぞ。妙に優しく満足した顔じゃったよ」
提督「……すまんな。あまりにも急な事でお前を呼んでやれんかった」
利根「なに。我輩は金剛ともう一度だけ話せただけで充分じゃ。金剛達が我輩と提督を恨んでおらず、見守ってくれていると分かっただけで充分なのじゃ」
提督「……そうか」
利根「それで提督よ、もう一つ金剛に言われた事がある」
提督「なんだ?」
利根「後ろ髪を引かれるのは分かるが、提督もちゃんと心を寄せるのじゃぞ。そんなのでは金剛に叱られてしまうのじゃ」
711:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 02:58:54.87:awnviBj5o (3/33)
提督「……そうだな。だが、少しの時間は貰いたい。その間に前へ進めるよう『思い出』にしておく」
利根「うむ。それが良いぞ」
提督「……利根、窓の外を見ないか?」ゴトッ
利根「うん? 夜の海なぞ見てどうするのじゃ?」
提督「いつもやっていただろう。アレだ」スッ
利根「なるほどのう。じゃから椅子を用意したのじゃな。──ほれ、のしかかるぞー」ノシッ
提督「……………………」
利根「……うーむ。違うのう」
提督「やはりそう思うか」
利根「という事は、提督もかの?」
提督「ああ。場所が違うからか、それとも椅子に座っているからか。向こうは汚れた畳の上だったからなぁ」
利根「どうなのじゃろうなぁ……。またあの島に行けば分かるかも知れぬが」
提督「名案だ。行くか」
利根「……なぬ?」
提督「この横須賀鎮守府は、一応ウェーク島を確保している扱いなんだ」
利根「なんと。そうであったのか」
提督「何度か行き来した事から、横須賀の管轄となってしまった。……まあ、あんな東の果てにあるような場所は補給も満足に出来ないから放棄したいくらいなんだが」
利根「ふむ。じゃが、それとの話の繋がりがよく分からぬぞ」
提督「ウェーク島を軍事施設として開発可能か周辺の島々も含めて視察に行くとでも言えば通るだろう」
利根「補給が満足に出来ぬのにか?」
提督「総司令部としては活用できるのであれば活用したいそうだ。あの場所を確保して拠点に出来るのであれば戦線が一気に広がるという考えらしい」
利根「ふうむ」
提督「……そうだな。だが、少しの時間は貰いたい。その間に前へ進めるよう『思い出』にしておく」
利根「うむ。それが良いぞ」
提督「……利根、窓の外を見ないか?」ゴトッ
利根「うん? 夜の海なぞ見てどうするのじゃ?」
提督「いつもやっていただろう。アレだ」スッ
利根「なるほどのう。じゃから椅子を用意したのじゃな。──ほれ、のしかかるぞー」ノシッ
提督「……………………」
利根「……うーむ。違うのう」
提督「やはりそう思うか」
利根「という事は、提督もかの?」
提督「ああ。場所が違うからか、それとも椅子に座っているからか。向こうは汚れた畳の上だったからなぁ」
利根「どうなのじゃろうなぁ……。またあの島に行けば分かるかも知れぬが」
提督「名案だ。行くか」
利根「……なぬ?」
提督「この横須賀鎮守府は、一応ウェーク島を確保している扱いなんだ」
利根「なんと。そうであったのか」
提督「何度か行き来した事から、横須賀の管轄となってしまった。……まあ、あんな東の果てにあるような場所は補給も満足に出来ないから放棄したいくらいなんだが」
利根「ふむ。じゃが、それとの話の繋がりがよく分からぬぞ」
提督「ウェーク島を軍事施設として開発可能か周辺の島々も含めて視察に行くとでも言えば通るだろう」
利根「補給が満足に出来ぬのにか?」
提督「総司令部としては活用できるのであれば活用したいそうだ。あの場所を確保して拠点に出来るのであれば戦線が一気に広がるという考えらしい」
利根「ふうむ」
712:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 02:59:22.93:awnviBj5o (4/33)
提督「実際に私達はウェーク島で暮らしていた事がある。だから総司令部も出来るならば活用したいのだろう。結果など火を見るより明らかだがな」
利根「……つまる所、サボると考えて良いのか?」
提督「そうとも言う」
利根「まったく……。あの島でサボり癖が付いたのではないか?」
提督「出撃待機命令なんてものを出す方が悪い」
利根「じゃが、この鎮守府全員を連れて行く訳にはいかぬじゃろ。そこはどうするのじゃ?」
提督「何人かを連れて行くだけに留める。そしてその間、大淀に指示書を渡して鎮守府を任せよう」
利根「……猛反対しそうじゃなぁ」
提督「さて、それはどうか分からんな」
利根「ふむ?」
提督「まあ、そんなに長い間でもない。なんとかなるだろうさ」
利根「なるのであれば良いがのう……」
……………………
…………
……
提督「実際に私達はウェーク島で暮らしていた事がある。だから総司令部も出来るならば活用したいのだろう。結果など火を見るより明らかだがな」
利根「……つまる所、サボると考えて良いのか?」
提督「そうとも言う」
利根「まったく……。あの島でサボり癖が付いたのではないか?」
提督「出撃待機命令なんてものを出す方が悪い」
利根「じゃが、この鎮守府全員を連れて行く訳にはいかぬじゃろ。そこはどうするのじゃ?」
提督「何人かを連れて行くだけに留める。そしてその間、大淀に指示書を渡して鎮守府を任せよう」
利根「……猛反対しそうじゃなぁ」
提督「さて、それはどうか分からんな」
利根「ふむ?」
提督「まあ、そんなに長い間でもない。なんとかなるだろうさ」
利根「なるのであれば良いがのう……」
……………………
…………
……
713:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 02:59:55.22:awnviBj5o (5/33)
カチン──
提督「──さて、大淀」
大淀「は、はいっ!」ピクンッ
提督「この部屋の鍵を掛けた事で分かると思うが、用意はしてきているな?」
大淀「はいっ……! ちゃんと持ってきています!」
提督「しかし……お前も不思議な子だ。鎖で繋がれたいだなんて」
大淀「へ、変……ですか……?」ビクッ
提督「珍しくはあるが、そういう人も居るだろう。人など十人十色だ。私はこのくらいでは動じんよ」
大淀「良かった……。では、お願いします……!」スッ
提督「……待て。なんだこれは。手枷にしては大きくないか?」ジャラ
大淀「あの……ですね? 手首ではなく、こっちの方が良いなぁと思いまして……」チョン
提督「首……という事は、首輪か……」
大淀「は、はい……」
提督「……………………」
大淀「て、提督……あの……その……ごめんなさい……」
提督「いや……手枷ではなく首輪となると、また別の意味になりそうで困っているんだ……」
大淀「えっと……? 別の意味とは?」
提督「手枷ならば互いに束縛されているという認識も出来るが、片方が首輪だとペットや奴隷のような気にしかならん」
大淀(……ペットや奴隷)
大淀「ワ、ワン……?」
提督「……私は大切な子をペット扱いにせんぞ」
カチン──
提督「──さて、大淀」
大淀「は、はいっ!」ピクンッ
提督「この部屋の鍵を掛けた事で分かると思うが、用意はしてきているな?」
大淀「はいっ……! ちゃんと持ってきています!」
提督「しかし……お前も不思議な子だ。鎖で繋がれたいだなんて」
大淀「へ、変……ですか……?」ビクッ
提督「珍しくはあるが、そういう人も居るだろう。人など十人十色だ。私はこのくらいでは動じんよ」
大淀「良かった……。では、お願いします……!」スッ
提督「……待て。なんだこれは。手枷にしては大きくないか?」ジャラ
大淀「あの……ですね? 手首ではなく、こっちの方が良いなぁと思いまして……」チョン
提督「首……という事は、首輪か……」
大淀「は、はい……」
提督「……………………」
大淀「て、提督……あの……その……ごめんなさい……」
提督「いや……手枷ではなく首輪となると、また別の意味になりそうで困っているんだ……」
大淀「えっと……? 別の意味とは?」
提督「手枷ならば互いに束縛されているという認識も出来るが、片方が首輪だとペットや奴隷のような気にしかならん」
大淀(……ペットや奴隷)
大淀「ワ、ワン……?」
提督「……私は大切な子をペット扱いにせんぞ」
714:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:00:22.34:awnviBj5o (6/33)
大淀「じゃ、じゃあご主人様というのは」
提督「奴隷にするくらいならば解放して自由に行動させる」
大淀「……では、開放された奴隷が首輪を外したがらないという設定でお願いします」
提督(……いつの間にイメージプレイになっているんだ?)
提督「…………どうしてそうなったんだ、まったく……。ならば、条件を呑んで貰うからな」
大淀「条件ですか?」
提督「私は少しの間、ウェーク島へ視察へ行く予定を立てようと思っている。その間の鎮守府を大淀が指揮して欲しい。指示書は用意する」
大淀「それは……結構大変ですね……」
提督「もしこの条件を呑んでくれるというのならば、首輪を認める」
大淀「……………………呑みます。私、やります!」
提督「よろしい」ジャラ
大淀「あ……っ」ピクッ
提督「手触りの良い首輪だ。苦しかったり痛かったりはしないか?」
大淀「はいっ。緩めて下さっているので、そんな事はありません」ドキドキ
提督「さて大淀。ただ首輪を付けられたかったという訳ではなさそうだが、何を考えていたんだ?」
大淀「そ、その……まずは、引っ張って下さると……とても嬉しいです」
提督「そうか」クイッ
大淀「ん……っ」ピクッ
大淀「…………っ」フルフル
提督(……これは、大淀なりの発散方法なのだろうか。……少しだけでも付き合ってやるべきか)
提督「苦しそうだな。外してやろうか」
大淀「い、イジワルを言わないで下さい……」
大淀「じゃ、じゃあご主人様というのは」
提督「奴隷にするくらいならば解放して自由に行動させる」
大淀「……では、開放された奴隷が首輪を外したがらないという設定でお願いします」
提督(……いつの間にイメージプレイになっているんだ?)
提督「…………どうしてそうなったんだ、まったく……。ならば、条件を呑んで貰うからな」
大淀「条件ですか?」
提督「私は少しの間、ウェーク島へ視察へ行く予定を立てようと思っている。その間の鎮守府を大淀が指揮して欲しい。指示書は用意する」
大淀「それは……結構大変ですね……」
提督「もしこの条件を呑んでくれるというのならば、首輪を認める」
大淀「……………………呑みます。私、やります!」
提督「よろしい」ジャラ
大淀「あ……っ」ピクッ
提督「手触りの良い首輪だ。苦しかったり痛かったりはしないか?」
大淀「はいっ。緩めて下さっているので、そんな事はありません」ドキドキ
提督「さて大淀。ただ首輪を付けられたかったという訳ではなさそうだが、何を考えていたんだ?」
大淀「そ、その……まずは、引っ張って下さると……とても嬉しいです」
提督「そうか」クイッ
大淀「ん……っ」ピクッ
大淀「…………っ」フルフル
提督(……これは、大淀なりの発散方法なのだろうか。……少しだけでも付き合ってやるべきか)
提督「苦しそうだな。外してやろうか」
大淀「い、イジワルを言わないで下さい……」
715:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:00:49.18:awnviBj5o (7/33)
提督「どうしてだ? 苦しい事から開放するんだぞ。それの何がイジワルだと言う」
大淀「そ、それは…………その……」
提督「ほら、言ってくれなければ分からんぞ」クイッ
大淀「あっ……ぅ……。好き……だから、です……」
提督「何が好きなんだ?」
大淀「こうされるのが、好きだから、です……」
提督「こうされるのであれば誰でも良さそうだな」
大淀「そ、そんな事は──んっ!」ビンッ
提督「ほう。ただ引っ張っただけでそんな表情を浮かべているというのにか?」
大淀「提督だけです……! 私が、こんな風になってしまうのは、提督にだけです……!」
大淀「だから、その……もう少し、強く……」
提督「……………………」
大淀「…………? 提督……?」
提督「……やはり、私には合わん」
大淀「え、えっと……?」
提督「どうも奴隷のようにしか見えなくて胸糞が悪くなる……。私は、例えままごとでもお前をそんな風に扱いたくないという事なのだろう」ジャラ
大淀「あ……首輪、外されて……」
提督「やはりこうでなくてはな」ソッ
大淀「……ふふっ。そうですね。先ほどの少し乱暴に扱って下さるのも良かったですけれど、こうして優しく頬を撫でられる方がずっと良いですね」ニコ
提督「すまんな。私は鬼畜にはなれないようだ」
大淀「いえ。私の方こそ我侭を言ってしまい、すみませんでした。そして、それに付き合って下さってありがとうございます」
大淀「ですが……」ジャラ
提督「うん?」
大淀「よいしょ……。こうして、鎖を外した首輪は付けさせて下さい」
提督「気に入ったのか」
大淀「恥ずかしながら……。なんだか、提督に束縛されていると感じると愛おしくて」
提督「……なるべくだが、それは人前に見せないように。流石にファッションとしても無理がある」
大淀「う……で、では、今この時だけは許して下さいね」
提督「ああ。この時は許そう」
大淀(……考えていた通りにはいきませんでしたが、これはこれで良いものですね♪)
…………………………………………。
提督「どうしてだ? 苦しい事から開放するんだぞ。それの何がイジワルだと言う」
大淀「そ、それは…………その……」
提督「ほら、言ってくれなければ分からんぞ」クイッ
大淀「あっ……ぅ……。好き……だから、です……」
提督「何が好きなんだ?」
大淀「こうされるのが、好きだから、です……」
提督「こうされるのであれば誰でも良さそうだな」
大淀「そ、そんな事は──んっ!」ビンッ
提督「ほう。ただ引っ張っただけでそんな表情を浮かべているというのにか?」
大淀「提督だけです……! 私が、こんな風になってしまうのは、提督にだけです……!」
大淀「だから、その……もう少し、強く……」
提督「……………………」
大淀「…………? 提督……?」
提督「……やはり、私には合わん」
大淀「え、えっと……?」
提督「どうも奴隷のようにしか見えなくて胸糞が悪くなる……。私は、例えままごとでもお前をそんな風に扱いたくないという事なのだろう」ジャラ
大淀「あ……首輪、外されて……」
提督「やはりこうでなくてはな」ソッ
大淀「……ふふっ。そうですね。先ほどの少し乱暴に扱って下さるのも良かったですけれど、こうして優しく頬を撫でられる方がずっと良いですね」ニコ
提督「すまんな。私は鬼畜にはなれないようだ」
大淀「いえ。私の方こそ我侭を言ってしまい、すみませんでした。そして、それに付き合って下さってありがとうございます」
大淀「ですが……」ジャラ
提督「うん?」
大淀「よいしょ……。こうして、鎖を外した首輪は付けさせて下さい」
提督「気に入ったのか」
大淀「恥ずかしながら……。なんだか、提督に束縛されていると感じると愛おしくて」
提督「……なるべくだが、それは人前に見せないように。流石にファッションとしても無理がある」
大淀「う……で、では、今この時だけは許して下さいね」
提督「ああ。この時は許そう」
大淀(……考えていた通りにはいきませんでしたが、これはこれで良いものですね♪)
…………………………………………。
716:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:01:17.22:awnviBj5o (8/33)
瑞鳳「…………」ウズウズ
瑞鳳「…………」キョロキョロ
瑞鳳(ううぅ……。提督にどうにかして欲しい……。でも、昨日みたいに誰かが提督と一緒にお楽しみしていたらどうしよう……)
瑞鳳(……誰も居ないよね? ちょっと聞き耳立ててみよっと……)ソッ
加賀『──提督、お嫁さんを探しているという話を耳にしたのですが』
提督『川内か……? まったく……どうして話を広めたりしたんだ……』
加賀『いえ、救護妖精から聞きました。──それで、単刀直入に言いますが、私なんてどうですか?』
提督『救護妖精め……。ちなみにだが、これからどうなるかは加賀の努力次第だ』
加賀『……早い話、貴方に振り向いて貰えるようにすれば良いのね』
提督『そういう事だ。私は誰でも良いという訳ではない』
加賀『それでしたら……これから少しばかりお相手して頂けますでしょうか。外堀なんて無視をして、本丸を直接落とします』
提督『言っておくが、いかがわしい手段を取ろうものならば説教するからな』
加賀『……本丸ではなく、二の丸や三の丸から攻めますね。お酒なんて如何ですか?』
瑞鳳(やっぱり居た……。提督、人気だなぁ……)スッ
瑞鳳(今日は諦めておこ……。他の人が居ない時があれば良いなぁ……)トボトボ
──しばらくして
北上『にしても、本当に堅物だよねぇ提督ってさー。その気にならなくてもハーレム出来るってのにさー」
提督『生憎、一途でありたいんでな』
北上『まーそうだよねー。あ、パンツ見せてあげよっか? その気になるかもよ?』
提督『お前が見せるのが先か、私がお前を吊るすのが先かの勝負をするんだな?』
北上『じょ、冗談だってば~……もー……。まあ、それなら一緒にダラダラしましょうかー』
────────────────。
瑞鳳「…………」ウズウズ
瑞鳳「…………」キョロキョロ
瑞鳳(ううぅ……。提督にどうにかして欲しい……。でも、昨日みたいに誰かが提督と一緒にお楽しみしていたらどうしよう……)
瑞鳳(……誰も居ないよね? ちょっと聞き耳立ててみよっと……)ソッ
加賀『──提督、お嫁さんを探しているという話を耳にしたのですが』
提督『川内か……? まったく……どうして話を広めたりしたんだ……』
加賀『いえ、救護妖精から聞きました。──それで、単刀直入に言いますが、私なんてどうですか?』
提督『救護妖精め……。ちなみにだが、これからどうなるかは加賀の努力次第だ』
加賀『……早い話、貴方に振り向いて貰えるようにすれば良いのね』
提督『そういう事だ。私は誰でも良いという訳ではない』
加賀『それでしたら……これから少しばかりお相手して頂けますでしょうか。外堀なんて無視をして、本丸を直接落とします』
提督『言っておくが、いかがわしい手段を取ろうものならば説教するからな』
加賀『……本丸ではなく、二の丸や三の丸から攻めますね。お酒なんて如何ですか?』
瑞鳳(やっぱり居た……。提督、人気だなぁ……)スッ
瑞鳳(今日は諦めておこ……。他の人が居ない時があれば良いなぁ……)トボトボ
──しばらくして
北上『にしても、本当に堅物だよねぇ提督ってさー。その気にならなくてもハーレム出来るってのにさー」
提督『生憎、一途でありたいんでな』
北上『まーそうだよねー。あ、パンツ見せてあげよっか? その気になるかもよ?』
提督『お前が見せるのが先か、私がお前を吊るすのが先かの勝負をするんだな?』
北上『じょ、冗談だってば~……もー……。まあ、それなら一緒にダラダラしましょうかー』
────────────────。
717:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:01:44.13:awnviBj5o (9/33)
飛龍『あの、ですね提督。急に話題を変えますが……お嫁さんを探しているって本当ですか……!?』
提督『……飛龍、救護妖精は一体どんな風に言ったんだ』
飛龍『え? 提督が新しいお嫁さんを考えているとかって聞きましたけど』
提督『…………まったく……』
飛龍『……えーと、もしかして違ってました?』
提督『いや……そうだな……正確には色々と悩んでいる』
飛龍『誰にするか、ですか?』
提督『それ以前に、私の心の準備の方がだな……』
飛龍『なんだか意外ですね……もっと、こう──』
提督『とは言ってもだな……──』
────────────────。
飛龍『あの、ですね提督。急に話題を変えますが……お嫁さんを探しているって本当ですか……!?』
提督『……飛龍、救護妖精は一体どんな風に言ったんだ』
飛龍『え? 提督が新しいお嫁さんを考えているとかって聞きましたけど』
提督『…………まったく……』
飛龍『……えーと、もしかして違ってました?』
提督『いや……そうだな……正確には色々と悩んでいる』
飛龍『誰にするか、ですか?』
提督『それ以前に、私の心の準備の方がだな……』
飛龍『なんだか意外ですね……もっと、こう──』
提督『とは言ってもだな……──』
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718:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:02:10.90:awnviBj5o (10/33)
ヲ級『ね、ね! 今日は、姫がワッフルを、作ったよ!』
提督『ほう。空母棲姫が作ったワッフルか』
利根『楽しみじゃ。物凄く楽しみじゃ』
空母棲姫『……そんなにワクワクとされると恥ずかしいのだけれど』
利根『これがワクワクせずに居れる訳がなかろう』
提督『正直に言うと、私も非常に興味深く思っている』
ヲ級『ほら、姫』
空母棲姫『……この子ほど上手には出来ていないわよ』
利根『おおー……良い香りじゃぁ……。ほんのりと柔らかい甘い香りは最高じゃ』
空母棲姫『……ほら、さっさと食べなさい』
提督『照れ隠しが下手になってきているぞ』
空母棲姫『誰のせいですか……もう……』
────────────────。
ヲ級『ね、ね! 今日は、姫がワッフルを、作ったよ!』
提督『ほう。空母棲姫が作ったワッフルか』
利根『楽しみじゃ。物凄く楽しみじゃ』
空母棲姫『……そんなにワクワクとされると恥ずかしいのだけれど』
利根『これがワクワクせずに居れる訳がなかろう』
提督『正直に言うと、私も非常に興味深く思っている』
ヲ級『ほら、姫』
空母棲姫『……この子ほど上手には出来ていないわよ』
利根『おおー……良い香りじゃぁ……。ほんのりと柔らかい甘い香りは最高じゃ』
空母棲姫『……ほら、さっさと食べなさい』
提督『照れ隠しが下手になってきているぞ』
空母棲姫『誰のせいですか……もう……』
────────────────。
719:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:02:39.93:awnviBj5o (11/33)
瑞鶴『で、決まったの?』
響『お嫁さん』
提督『決まるも何も、まだ私自身、心の準備が出来ていない』
響『心の準備って?』
提督『私が誰かを受け入れる心構えがまだなんだ』
瑞鶴『えーっと……提督の金剛さんへの想いを断ち切る為って意味……?』
提督『そんな所だ。……これが中々に難しくてな』
響『司令官の事だから、本当の結婚をしようと考えてたんだよね?』
提督『ああ』
響『じゃあ、簡単に割り切れる事じゃないさ。時間は掛かって当然だよ』
瑞鶴『んー、と……うまくは言えないけど……焦る事はないから、ゆっくり頑張れば良い……わよ?』
提督『ありがとう、二人とも』
響『ん。もっと頭を撫でてくれて良いんだよ?』
瑞鶴『……なんだろ。結構良いわねこれ』
────────────────。
瑞鶴『で、決まったの?』
響『お嫁さん』
提督『決まるも何も、まだ私自身、心の準備が出来ていない』
響『心の準備って?』
提督『私が誰かを受け入れる心構えがまだなんだ』
瑞鶴『えーっと……提督の金剛さんへの想いを断ち切る為って意味……?』
提督『そんな所だ。……これが中々に難しくてな』
響『司令官の事だから、本当の結婚をしようと考えてたんだよね?』
提督『ああ』
響『じゃあ、簡単に割り切れる事じゃないさ。時間は掛かって当然だよ』
瑞鶴『んー、と……うまくは言えないけど……焦る事はないから、ゆっくり頑張れば良い……わよ?』
提督『ありがとう、二人とも』
響『ん。もっと頭を撫でてくれて良いんだよ?』
瑞鶴『……なんだろ。結構良いわねこれ』
────────────────。
720:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:03:06.71:awnviBj5o (12/33)
瑞鳳(うー……うぅー……いつも誰か居て、全然頼めない……。で、でも、今日こそは大丈夫……よね……?)オズオズ
提督『──という訳で、今後は無理をするんじゃないぞ。あと、約束したんだろう? その通りに自分は大事にするんだぞ』
金剛『ハイ……』
瑞鳳(また誰か居る……。もう我慢の限界になってきてるのに……)
提督『よろしい。ならば説教は終わりだ』
瑞鳳「!」
提督『それで金剛、この中でどの茶葉が一番好きだ?』
金剛『え? ……えっと、これデス』
提督『そうか。長い説教で疲れただろう。これくらいしか出来んが許してくれ』
金剛『あ……。……これくらい、だなんて事はないデス。私はとっても嬉しいデスっ』
提督『そう言ってくれると、私も気が楽になるよ』
瑞鳳(あぅ……またダメなの……? そうだ……ああすれば……!)
…………………………………………。
瑞鳳(うー……うぅー……いつも誰か居て、全然頼めない……。で、でも、今日こそは大丈夫……よね……?)オズオズ
提督『──という訳で、今後は無理をするんじゃないぞ。あと、約束したんだろう? その通りに自分は大事にするんだぞ』
金剛『ハイ……』
瑞鳳(また誰か居る……。もう我慢の限界になってきてるのに……)
提督『よろしい。ならば説教は終わりだ』
瑞鳳「!」
提督『それで金剛、この中でどの茶葉が一番好きだ?』
金剛『え? ……えっと、これデス』
提督『そうか。長い説教で疲れただろう。これくらいしか出来んが許してくれ』
金剛『あ……。……これくらい、だなんて事はないデス。私はとっても嬉しいデスっ』
提督『そう言ってくれると、私も気が楽になるよ』
瑞鳳(あぅ……またダメなの……? そうだ……ああすれば……!)
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721:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:03:37.82:awnviBj5o (13/33)
カチ──コチ──カチ──コチ──
提督(……マルヒトマルマル。そろそろ瑞鳳との約束の時間か)チラ
コンコンコン──
提督「入──」
ガチャ──パタン
瑞鳳「……………………」
提督(……事情は分かっているから、入室許可の事は後で言っておくか)
提督「瑞鳳、鍵を閉めておいてくれ」
瑞鳳「……はい」
カチン──
瑞鳳「この時間なら……誰も来ない。これで……誰も入れない……よね?」トコトコ
提督「……そうだな」
瑞鳳「えへ……えへへ……。やっと……やっと二人きりになれました……」ソッ
提督「こら。どこに手を伸ばしている。まだ私は受け入れると言っていないぞ」
瑞鳳「……本当にガードが固いですね。でも……提督、見て下さい……」シュル
提督「む……」
パサッ
瑞鳳「女の子って、何日も我慢してたら……こんなになっちゃうんだよ……? もう、パンツ穿いてる意味、あるのかな……って思ってるの」
瑞鳳「それに……すっごく恥ずかしいです……。恥ずかしいのに……それ以上に、自分が抑えれないんです……」
瑞鳳「だから……提督ぅ……私の身体……まさぐって……?」
提督(仕方が無い……か……)
カチ──コチ──カチ──コチ──
提督(……マルヒトマルマル。そろそろ瑞鳳との約束の時間か)チラ
コンコンコン──
提督「入──」
ガチャ──パタン
瑞鳳「……………………」
提督(……事情は分かっているから、入室許可の事は後で言っておくか)
提督「瑞鳳、鍵を閉めておいてくれ」
瑞鳳「……はい」
カチン──
瑞鳳「この時間なら……誰も来ない。これで……誰も入れない……よね?」トコトコ
提督「……そうだな」
瑞鳳「えへ……えへへ……。やっと……やっと二人きりになれました……」ソッ
提督「こら。どこに手を伸ばしている。まだ私は受け入れると言っていないぞ」
瑞鳳「……本当にガードが固いですね。でも……提督、見て下さい……」シュル
提督「む……」
パサッ
瑞鳳「女の子って、何日も我慢してたら……こんなになっちゃうんだよ……? もう、パンツ穿いてる意味、あるのかな……って思ってるの」
瑞鳳「それに……すっごく恥ずかしいです……。恥ずかしいのに……それ以上に、自分が抑えれないんです……」
瑞鳳「だから……提督ぅ……私の身体……まさぐって……?」
提督(仕方が無い……か……)
722:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:04:05.28:awnviBj5o (14/33)
提督「……手伝うのは今回だけだぞ。おいで」スッ
瑞鳳「! ありがとうございますっ……!」ソッ
提督(まずは……そうだな。抱き締めてあげるか。少し痛いくらいが好きと言っていたしな)ギュッ
瑞鳳「…………ッぁ……んっ……」ピクッ
提督(……うん?)
瑞鳳「は、ぁ……はぁー……ぁ……」
提督(……まさか。背中を撫でてみよう)ナデ
瑞鳳「!!」ゾクゾクッ
瑞鳳「あっぅ……! てぇ、とく……? 瑞鳳、に……何をしたの……っぁ!」フルフル
瑞鳳「触られてるだけ、なのに……! ギュッって、してくれてるだけ、なのにっ……はっぁ……!」ピクンッ
提督(……本当に全身が敏感になっているのか。…………ふむ)ギュゥッ
瑞鳳「あッ!? や……! ひ、ぅ……! そ、れぇ……っ!!」ビクッ
瑞鳳「は、ぁッ……!! ~~~~~~~~っっ!!」ギュゥゥ
瑞鳳「ッ!! ふ、ぁっ!! ぁあぁ……!!」ビクッビクン
提督(果てた……? ただ抱き締めただけだぞ?)
瑞鳳「ぎゅっ……て……してもらっひゃ……だけなのにぃ……」
瑞鳳「てぇとくの……せいだよ……? こんなになるまで……ほっとくなん────んぅッ!?」ビクッ
提督「ならば、瑞鳳が満足するまでやろう」ギュゥゥ
瑞鳳「ヤッ……! あぁ、ぅん……!! んんっ……ふぅッ──くぅん!」ゾクゾクッ
瑞鳳(あぁ……あったかくて……優しく、て……きもちいい、痛みだ……)
瑞鳳(あたま……ポーって……なるぅ……)
…………………………………………。
提督「……手伝うのは今回だけだぞ。おいで」スッ
瑞鳳「! ありがとうございますっ……!」ソッ
提督(まずは……そうだな。抱き締めてあげるか。少し痛いくらいが好きと言っていたしな)ギュッ
瑞鳳「…………ッぁ……んっ……」ピクッ
提督(……うん?)
瑞鳳「は、ぁ……はぁー……ぁ……」
提督(……まさか。背中を撫でてみよう)ナデ
瑞鳳「!!」ゾクゾクッ
瑞鳳「あっぅ……! てぇ、とく……? 瑞鳳、に……何をしたの……っぁ!」フルフル
瑞鳳「触られてるだけ、なのに……! ギュッって、してくれてるだけ、なのにっ……はっぁ……!」ピクンッ
提督(……本当に全身が敏感になっているのか。…………ふむ)ギュゥッ
瑞鳳「あッ!? や……! ひ、ぅ……! そ、れぇ……っ!!」ビクッ
瑞鳳「は、ぁッ……!! ~~~~~~~~っっ!!」ギュゥゥ
瑞鳳「ッ!! ふ、ぁっ!! ぁあぁ……!!」ビクッビクン
提督(果てた……? ただ抱き締めただけだぞ?)
瑞鳳「ぎゅっ……て……してもらっひゃ……だけなのにぃ……」
瑞鳳「てぇとくの……せいだよ……? こんなになるまで……ほっとくなん────んぅッ!?」ビクッ
提督「ならば、瑞鳳が満足するまでやろう」ギュゥゥ
瑞鳳「ヤッ……! あぁ、ぅん……!! んんっ……ふぅッ──くぅん!」ゾクゾクッ
瑞鳳(あぁ……あったかくて……優しく、て……きもちいい、痛みだ……)
瑞鳳(あたま……ポーって……なるぅ……)
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723:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:04:32.51:awnviBj5o (15/33)
瑞鳳「ぁ…………ふ……ぁー……」ピクンッ
提督(……本当に抱き締めただけで、ここまでなるとは思わなかった)
提督「……瑞鳳、大丈夫か?」
瑞鳳「んっ……ぁ……」ポー
提督「やり過ぎたのだろうか……」
瑞鳳「ぁ……」コテン
瑞鳳「…………すー……」
提督(寝てしまった……。まあ……何回も絶頂していたようだから当たり前か)
提督(身体は拭いてやった方が良いのだろうか。……いや、辞めておこう。拭いても嫌がられないのは分かるが、そういうのはしっかりとした関係になってからだ。それならば起きた時に風呂に入って貰った方が良い)スッ
スタスタ──ポフッ
瑞鳳「ん……………………すー……」
提督「良い夢を見てくれよ」ナデ
提督(さて……私の方は毛布とソファで良いか。……と、その前に着替えるとしよう。色々と汚れてしまった)
提督「……これで満足してくれていたら良いんだが」
…………………………………………。
瑞鳳「ぁ…………ふ……ぁー……」ピクンッ
提督(……本当に抱き締めただけで、ここまでなるとは思わなかった)
提督「……瑞鳳、大丈夫か?」
瑞鳳「んっ……ぁ……」ポー
提督「やり過ぎたのだろうか……」
瑞鳳「ぁ……」コテン
瑞鳳「…………すー……」
提督(寝てしまった……。まあ……何回も絶頂していたようだから当たり前か)
提督(身体は拭いてやった方が良いのだろうか。……いや、辞めておこう。拭いても嫌がられないのは分かるが、そういうのはしっかりとした関係になってからだ。それならば起きた時に風呂に入って貰った方が良い)スッ
スタスタ──ポフッ
瑞鳳「ん……………………すー……」
提督「良い夢を見てくれよ」ナデ
提督(さて……私の方は毛布とソファで良いか。……と、その前に着替えるとしよう。色々と汚れてしまった)
提督「……これで満足してくれていたら良いんだが」
…………………………………………。
724:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:04:59.44:awnviBj5o (16/33)
瑞鳳「ん……」パチッ
瑞鳳(あれ……ここドコだろ……? 私の部屋じゃない……?)モゾ
瑞鳳「──ハッ!」
瑞鳳(そ、そうだった……! 昨日、我慢できなくなって提督に……! ……って、提督、どこだろ?)キョロ
提督「む……起きたのか」モゾ
瑞鳳「あれ……えっと、提督? なんでソファで寝てるの?」
提督「一緒に寝るのはマズいだろう」
瑞鳳「私は良いと思うんだけど……」
提督「瑞鳳が良くても、他の者は良く思わんぞ。次は自分が、と言ってくるのが目に見える」
瑞鳳(そういえば……一途でありたいって言ってたっけ)
瑞鳳「……んっと、一つ良いですか?」
提督「どうした?」
瑞鳳「提督は、一夫多妻とか二人以上と関係を持つのが嫌なんですか?」
提督「ああ。好きではない」
瑞鳳「どうしてだろ……」
提督「愛するのならば一人が良い。第一夫人だの正室側室だのと序列を作るのも嫌いだ。愛するのならば全力で愛するべきだよ。それに、愛情が偏るのも嫌いだ」
瑞鳳「……………………」
提督「不思議か?」
瑞鳳「……ううん。そういう人も居るんだなって思ったの」
提督「瑞鳳は一夫多妻に賛成なのか」
瑞鳳「……どうなのかな。たぶん、賛成だと思う」
提督「曖昧だな……」
瑞鳳「一夫多妻だったら……私と気兼ねなく……その……まぐわって、くれるの……かなって思って……」
提督「恥ずかしいのならば無理して言わなくても良いんだぞ……?」
瑞鳳「あうぅ……」
提督「まあ、この話は終わらせておこう。朝礼の時間になる前に身体を洗ってきなさい」
瑞鳳「はーい」
瑞鳳(って……別に私の身体、好きにしても良かったのになぁ。提督なら信用できるのに……)
……………………
…………
……
瑞鳳「ん……」パチッ
瑞鳳(あれ……ここドコだろ……? 私の部屋じゃない……?)モゾ
瑞鳳「──ハッ!」
瑞鳳(そ、そうだった……! 昨日、我慢できなくなって提督に……! ……って、提督、どこだろ?)キョロ
提督「む……起きたのか」モゾ
瑞鳳「あれ……えっと、提督? なんでソファで寝てるの?」
提督「一緒に寝るのはマズいだろう」
瑞鳳「私は良いと思うんだけど……」
提督「瑞鳳が良くても、他の者は良く思わんぞ。次は自分が、と言ってくるのが目に見える」
瑞鳳(そういえば……一途でありたいって言ってたっけ)
瑞鳳「……んっと、一つ良いですか?」
提督「どうした?」
瑞鳳「提督は、一夫多妻とか二人以上と関係を持つのが嫌なんですか?」
提督「ああ。好きではない」
瑞鳳「どうしてだろ……」
提督「愛するのならば一人が良い。第一夫人だの正室側室だのと序列を作るのも嫌いだ。愛するのならば全力で愛するべきだよ。それに、愛情が偏るのも嫌いだ」
瑞鳳「……………………」
提督「不思議か?」
瑞鳳「……ううん。そういう人も居るんだなって思ったの」
提督「瑞鳳は一夫多妻に賛成なのか」
瑞鳳「……どうなのかな。たぶん、賛成だと思う」
提督「曖昧だな……」
瑞鳳「一夫多妻だったら……私と気兼ねなく……その……まぐわって、くれるの……かなって思って……」
提督「恥ずかしいのならば無理して言わなくても良いんだぞ……?」
瑞鳳「あうぅ……」
提督「まあ、この話は終わらせておこう。朝礼の時間になる前に身体を洗ってきなさい」
瑞鳳「はーい」
瑞鳳(って……別に私の身体、好きにしても良かったのになぁ。提督なら信用できるのに……)
……………………
…………
……
725:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:05:26.16:awnviBj5o (17/33)
提督「──以上が本日の任務となる。周辺警備ばかりで退屈かもしれないが、もう少しの間だけ我慢してくれ。そして、最後に報告がある。三日後より私はウェーク島へ出発する事となった」
全員「!!」
提督「詳しく言うと、ウェーク島を軍事利用できるかどうかの判断をする為に足を運ぶ。上層部としてもあの場所を利用できるのであれば色々と有利に働くだろうと思っているらしい。だが、私一人が向かうというのは非常に危険だ。私もそんな無謀な事はしたくない。そこで、私と一緒に調査してくれる者を募集する。人数は六人前後。それとは別に空母棲姫とヲ級は連れて行く予定だ。希望する者は朝礼終了後、提督室へ向かってくれ」
提督「なお、予め言っておくが自給自足な上に娯楽も電気も食糧も水も何も無い。……ああ、寝床も爆破されたので作らなければならんな。つまり、バカンスなどとは完全に真逆の完全なサバイバルとなる事を留意しておくように」
提督「以上。何か質問はあるか?」
川内「……あの、提督」スッ
提督「どうした、川内」
川内「それって本当に暮らしていけるの……? というか、何日そこに居なきゃなの……?」
提督「一応、なんとか出来た経験はあるから出来ない事は無いだろう。たかが半月から一月くらいだ。なんとでもなる。……まあ、あくまで毎日同じ食べ物とサバイバル及び何も無い暮らしをどうにか出来る精神を持っているのならば、という話だが」
川内「うわぁ……」
加賀(流石に……それは耐えられないかもしれないわ……。ついて行きたいのに……ついて、行きたいのに……)
提督「他に質問がある者は居るか?」
龍田「は~い。その間の鎮守府はどうなるのかしら?」
提督「提督代行として大淀に指揮して貰う。とは言っても、管理と遠征、警備くらいだとは思うが、大変なはずだ。皆で協力して支えて欲しい」
龍田「その言い方だと出撃はしないようだけれど、大丈夫なのかしら~」
提督「上からの許可も下りている。その点は問題無い」
龍田「あらぁ~。だったら、私は残りますね。私達のお家を護るのも、とーっても大事ですもの」
提督「理解が早くて助かる。ある意味で言うと調査よりも、私が留守の間この鎮守府を護り通す方が難しいかもしれん。私が帰ってきた時に鎮守府が瓦礫の山へとなっていては洒落にもならん」
提督「他に質問がある者は居るか? ……………………居ないようだな。では、朝礼は終わりだ。各自、自由にして良し」
…………………………………………。
提督「──以上が本日の任務となる。周辺警備ばかりで退屈かもしれないが、もう少しの間だけ我慢してくれ。そして、最後に報告がある。三日後より私はウェーク島へ出発する事となった」
全員「!!」
提督「詳しく言うと、ウェーク島を軍事利用できるかどうかの判断をする為に足を運ぶ。上層部としてもあの場所を利用できるのであれば色々と有利に働くだろうと思っているらしい。だが、私一人が向かうというのは非常に危険だ。私もそんな無謀な事はしたくない。そこで、私と一緒に調査してくれる者を募集する。人数は六人前後。それとは別に空母棲姫とヲ級は連れて行く予定だ。希望する者は朝礼終了後、提督室へ向かってくれ」
提督「なお、予め言っておくが自給自足な上に娯楽も電気も食糧も水も何も無い。……ああ、寝床も爆破されたので作らなければならんな。つまり、バカンスなどとは完全に真逆の完全なサバイバルとなる事を留意しておくように」
提督「以上。何か質問はあるか?」
川内「……あの、提督」スッ
提督「どうした、川内」
川内「それって本当に暮らしていけるの……? というか、何日そこに居なきゃなの……?」
提督「一応、なんとか出来た経験はあるから出来ない事は無いだろう。たかが半月から一月くらいだ。なんとでもなる。……まあ、あくまで毎日同じ食べ物とサバイバル及び何も無い暮らしをどうにか出来る精神を持っているのならば、という話だが」
川内「うわぁ……」
加賀(流石に……それは耐えられないかもしれないわ……。ついて行きたいのに……ついて、行きたいのに……)
提督「他に質問がある者は居るか?」
龍田「は~い。その間の鎮守府はどうなるのかしら?」
提督「提督代行として大淀に指揮して貰う。とは言っても、管理と遠征、警備くらいだとは思うが、大変なはずだ。皆で協力して支えて欲しい」
龍田「その言い方だと出撃はしないようだけれど、大丈夫なのかしら~」
提督「上からの許可も下りている。その点は問題無い」
龍田「あらぁ~。だったら、私は残りますね。私達のお家を護るのも、とーっても大事ですもの」
提督「理解が早くて助かる。ある意味で言うと調査よりも、私が留守の間この鎮守府を護り通す方が難しいかもしれん。私が帰ってきた時に鎮守府が瓦礫の山へとなっていては洒落にもならん」
提督「他に質問がある者は居るか? ……………………居ないようだな。では、朝礼は終わりだ。各自、自由にして良し」
…………………………………………。
726:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:06:00.12:awnviBj5o (18/33)
──ウェーク島
利根「……まあ、なんとなくこうなりそうじゃとは思っておったわ」トントントン
提督「小屋の建築の事か? それとも、この島に来るメンバーの事か?」カンカンカンカン
瑞鶴「響ちゃーん! 釘持って来て貰って良いー?」
響「すぐに持って行くよ」タタッ
飛龍「金剛さん、いっせーのでいきますよ!」
金剛「イエス。掛け声はお任せしマス」
瑞鳳「空母棲姫さん。作った木炭ってどこに置いとくと良いの?」
空母棲姫「家が出来るまでは竈の隣に置いておきましょうか。見た感じ、そろそろ出来そうよ」
ヲ級「獲ったお魚、捌いたよ!」タタッ
空母棲姫「ありがとう。次は調理器具を持ってきて頂戴?」
ヲ級「はーい!」
利根「無論、メンバーの方じゃ。我輩の予想とほぼ違いが無いぞ」トントン
提督「奇遇だな。私もこのメンバーになると思っていた。強いて言うならば、長門や加賀が希望してこなかったという事くらいか」カンカンカン
利根「加賀は来ぬじゃろうな。さぞかし食事の事で悩んだじゃろうなぁ」ゴトゴト
提督「長門は長門であいつらしい答えだったな」ガンッガンッ
利根「どんな敵が来ても護れるように、じゃったか? あやつは本当にどこまでも真面目じゃのう」
提督「本当にな。──さて、こんな所か」
利根「うむ! 前よりも立派になったぞ!」
飛龍「ふぅー……疲れちゃった」
金剛「持ってきた資材のほとんどを使ったネ」
──ウェーク島
利根「……まあ、なんとなくこうなりそうじゃとは思っておったわ」トントントン
提督「小屋の建築の事か? それとも、この島に来るメンバーの事か?」カンカンカンカン
瑞鶴「響ちゃーん! 釘持って来て貰って良いー?」
響「すぐに持って行くよ」タタッ
飛龍「金剛さん、いっせーのでいきますよ!」
金剛「イエス。掛け声はお任せしマス」
瑞鳳「空母棲姫さん。作った木炭ってどこに置いとくと良いの?」
空母棲姫「家が出来るまでは竈の隣に置いておきましょうか。見た感じ、そろそろ出来そうよ」
ヲ級「獲ったお魚、捌いたよ!」タタッ
空母棲姫「ありがとう。次は調理器具を持ってきて頂戴?」
ヲ級「はーい!」
利根「無論、メンバーの方じゃ。我輩の予想とほぼ違いが無いぞ」トントン
提督「奇遇だな。私もこのメンバーになると思っていた。強いて言うならば、長門や加賀が希望してこなかったという事くらいか」カンカンカン
利根「加賀は来ぬじゃろうな。さぞかし食事の事で悩んだじゃろうなぁ」ゴトゴト
提督「長門は長門であいつらしい答えだったな」ガンッガンッ
利根「どんな敵が来ても護れるように、じゃったか? あやつは本当にどこまでも真面目じゃのう」
提督「本当にな。──さて、こんな所か」
利根「うむ! 前よりも立派になったぞ!」
飛龍「ふぅー……疲れちゃった」
金剛「持ってきた資材のほとんどを使ったネ」
727:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:06:28.14:awnviBj5o (19/33)
瑞鶴「……なんだか懐かしいなぁ」
瑞鳳「え? 懐かしい……?」
瑞鶴(やばっ……。そういえば瑞鳳って私達とほとんど会ってないんだった……)
瑞鶴「あー……え、とね? 前にもこういう事をやった事があるの。うん。だから懐かしいってね?」
瑞鳳「へぇー……。なんだか意外ですね」
瑞鶴「あ、あははは……」
瑞鶴(……ってか、憶えられてなかったのね。……なんだかちょっとショック)
響「後は家具だけかな? とは言っても、ベッドくらいだけど」
提督「そうだな。それが終わってから飯としよう」
空母棲姫「では私達はこのまま、おゆはんの準備をするわ」
ヲ級「美味しいの、作るよ!」
提督「ああ。楽しみにしているぞ」ナデ
ヲ級「えへー♪」
瑞鳳「…………」ヂー
提督「……瑞鳳も、頑張ってくれ」ナデ
瑞鳳「! はいっ!」
空母棲姫(あら、可愛らしい……)
提督「さて、各々のやるべき事に戻ろう。暗くなる前に終わらせるぞ」
全員「はいっ!」
…………………………………………。
瑞鶴「……なんだか懐かしいなぁ」
瑞鳳「え? 懐かしい……?」
瑞鶴(やばっ……。そういえば瑞鳳って私達とほとんど会ってないんだった……)
瑞鶴「あー……え、とね? 前にもこういう事をやった事があるの。うん。だから懐かしいってね?」
瑞鳳「へぇー……。なんだか意外ですね」
瑞鶴「あ、あははは……」
瑞鶴(……ってか、憶えられてなかったのね。……なんだかちょっとショック)
響「後は家具だけかな? とは言っても、ベッドくらいだけど」
提督「そうだな。それが終わってから飯としよう」
空母棲姫「では私達はこのまま、おゆはんの準備をするわ」
ヲ級「美味しいの、作るよ!」
提督「ああ。楽しみにしているぞ」ナデ
ヲ級「えへー♪」
瑞鳳「…………」ヂー
提督「……瑞鳳も、頑張ってくれ」ナデ
瑞鳳「! はいっ!」
空母棲姫(あら、可愛らしい……)
提督「さて、各々のやるべき事に戻ろう。暗くなる前に終わらせるぞ」
全員「はいっ!」
…………………………………………。
728:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:06:54.89:awnviBj5o (20/33)
提督「……やはり、良いなぁ」
利根「うむー……」ノシッ
響「落ち着く」チョコン
飛龍(あの……何をやっているんですか、あれ……? 食べ終わってやる事が無くなったら、三人が夕暮れの海を窓からボーっと眺めているんですけど……)ヒソ
金剛(えっと……この島でステイしている間、ああしているのが日常だったのデス。きっと、それで落ち着くんじゃないかな……と……)ヒソ
瑞鶴(懐かしい光景ねぇ……。あの時はずーっとこの姿を見てた気がするわ)ヒソ
瑞鳳「…………」ヂー
利根「うん? どうしたのじゃ瑞鳳よ?」
瑞鳳「あ……えっと、私も……くっつきたいなって……」
利根「あー、なるほどのう。ほれ、どこにでもくっつくと良いぞ」
提督「私の意志は関係無しか?」
利根「お主が断るとは到底思えぬ」
提督「よく分かっているようで。──おいで、瑞鳳」
瑞鳳「! うんっ!」ギュ
利根「ふむ。右腕にしがみ付くか」
飛龍「…………」ウズウズ
瑞鶴「…………」チョンチョン
飛龍「?」
瑞鶴「左、空いてるわよ?」
飛龍「え、ええと……」ウズ
提督「……やはり、良いなぁ」
利根「うむー……」ノシッ
響「落ち着く」チョコン
飛龍(あの……何をやっているんですか、あれ……? 食べ終わってやる事が無くなったら、三人が夕暮れの海を窓からボーっと眺めているんですけど……)ヒソ
金剛(えっと……この島でステイしている間、ああしているのが日常だったのデス。きっと、それで落ち着くんじゃないかな……と……)ヒソ
瑞鶴(懐かしい光景ねぇ……。あの時はずーっとこの姿を見てた気がするわ)ヒソ
瑞鳳「…………」ヂー
利根「うん? どうしたのじゃ瑞鳳よ?」
瑞鳳「あ……えっと、私も……くっつきたいなって……」
利根「あー、なるほどのう。ほれ、どこにでもくっつくと良いぞ」
提督「私の意志は関係無しか?」
利根「お主が断るとは到底思えぬ」
提督「よく分かっているようで。──おいで、瑞鳳」
瑞鳳「! うんっ!」ギュ
利根「ふむ。右腕にしがみ付くか」
飛龍「…………」ウズウズ
瑞鶴「…………」チョンチョン
飛龍「?」
瑞鶴「左、空いてるわよ?」
飛龍「え、ええと……」ウズ
729:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:07:21.53:awnviBj5o (21/33)
提督「……ほら、おいで」
飛龍「ぅ……。で、では、お言葉に甘えて……」ソソッ
利根「どうじゃ? どんな感じじゃ?」
飛龍「……もうちょっとだけ近付きたいかな」ギュ
瑞鶴「瑞鳳と同じになったわね」
瑞鳳「やっぱりこうなりますよね?」
提督「腕すら動かせん……」
金剛(……なんだか、娘にとっても懐かれているダディみたいネ)
空母棲姫「提督、皆、明日の朝食なの、だけ……ど……?」
提督「…………」
空母棲姫「……どういう状況なのかしら、これ」
ヲ級「提督、人気者!」
響「落ち着くよ。とても」
利根「うむ」
空母棲姫(……苦労しているのね。でも、それを顔に出さないのは貴方らしいわ)
提督「……それで、朝食がどうしたんだ?」
空母棲姫「朝食は焼き魚にしようと思っているのだけれど、他にリクエストはあるかしら。あるのならば作ろうと思いまして」
提督「私は焼き魚に賛成だ。朝はサッパリとした物が良い」
利根「我輩も同意見じゃぞ」
響「それが良いな」
瑞鶴「あ、私はちょっとだけ濃い味が良いな」
飛龍「焼き魚ですか。楽しみですっ」
金剛「私も楽しみデース」
瑞鳳「…………」コクコク
提督「……ほら、おいで」
飛龍「ぅ……。で、では、お言葉に甘えて……」ソソッ
利根「どうじゃ? どんな感じじゃ?」
飛龍「……もうちょっとだけ近付きたいかな」ギュ
瑞鶴「瑞鳳と同じになったわね」
瑞鳳「やっぱりこうなりますよね?」
提督「腕すら動かせん……」
金剛(……なんだか、娘にとっても懐かれているダディみたいネ)
空母棲姫「提督、皆、明日の朝食なの、だけ……ど……?」
提督「…………」
空母棲姫「……どういう状況なのかしら、これ」
ヲ級「提督、人気者!」
響「落ち着くよ。とても」
利根「うむ」
空母棲姫(……苦労しているのね。でも、それを顔に出さないのは貴方らしいわ)
提督「……それで、朝食がどうしたんだ?」
空母棲姫「朝食は焼き魚にしようと思っているのだけれど、他にリクエストはあるかしら。あるのならば作ろうと思いまして」
提督「私は焼き魚に賛成だ。朝はサッパリとした物が良い」
利根「我輩も同意見じゃぞ」
響「それが良いな」
瑞鶴「あ、私はちょっとだけ濃い味が良いな」
飛龍「焼き魚ですか。楽しみですっ」
金剛「私も楽しみデース」
瑞鳳「…………」コクコク
730:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:07:48.03:awnviBj5o (22/33)
提督「それに、そんなに贅沢をしては後が持たん。質素に頼む」
空母棲姫「分かりました。では、暗くなるまで仕込みと保存食を作っておきますね」
ヲ級「姫、どっちが、多く出来るか、勝負!」トコトコ
空母棲姫「……負けないわよ」スタスタ
瑞鶴「本当、頼りになる二人ね」
提督「本当にな。私達も私達で出来る事をやるぞ」
全員「はーい」
…………………………………………。
提督「それに、そんなに贅沢をしては後が持たん。質素に頼む」
空母棲姫「分かりました。では、暗くなるまで仕込みと保存食を作っておきますね」
ヲ級「姫、どっちが、多く出来るか、勝負!」トコトコ
空母棲姫「……負けないわよ」スタスタ
瑞鶴「本当、頼りになる二人ね」
提督「本当にな。私達も私達で出来る事をやるぞ」
全員「はーい」
…………………………………………。
731:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:08:15.44:awnviBj5o (23/33)
飛龍「うわぁ……夜になると本当に暗いですね……」
瑞鳳「月の光だけ明るくて……なんだろ、なんだか神秘的……」
空母棲姫「夜の海を見るのは初めてなの?」
瑞鳳「夜の海をこうやって見た事が無くて……」
利根「普通は見れても作戦行動中じゃからのう」
空母棲姫「なるほどね。──良いでしょう? こういう風に平和的に海を見るというのも」ナデナデ
ヲ級「くー……くー……」
提督「ああ。とても良い。いつまでもこうしていたいくらいだよ」
瑞鳳「……………………」
提督(……うん?)
金剛「? 瑞鳳? 真顔でどうしたデスか?」
瑞鳳「! ……んっと、もう少し近くで海を見てくるね?」スッ
瑞鶴「え? ……行っちゃった」
金剛「どうシタのでショウか……」
空母棲姫「少し寂しそうな顔をしていたようにも見えましたが……」
飛龍「…………あの」チラ
提督「ああ。私が行こう」スッ
金剛「わ、私も行って良いデスか?」
提督「いや、私一人で行く。何人も一緒だと瑞鳳も臆するかもしれん」
金剛「……ハイ」
提督「まあ、任せておけ。これでも提督をやっているんだからな」ポンポン
飛龍「うわぁ……夜になると本当に暗いですね……」
瑞鳳「月の光だけ明るくて……なんだろ、なんだか神秘的……」
空母棲姫「夜の海を見るのは初めてなの?」
瑞鳳「夜の海をこうやって見た事が無くて……」
利根「普通は見れても作戦行動中じゃからのう」
空母棲姫「なるほどね。──良いでしょう? こういう風に平和的に海を見るというのも」ナデナデ
ヲ級「くー……くー……」
提督「ああ。とても良い。いつまでもこうしていたいくらいだよ」
瑞鳳「……………………」
提督(……うん?)
金剛「? 瑞鳳? 真顔でどうしたデスか?」
瑞鳳「! ……んっと、もう少し近くで海を見てくるね?」スッ
瑞鶴「え? ……行っちゃった」
金剛「どうシタのでショウか……」
空母棲姫「少し寂しそうな顔をしていたようにも見えましたが……」
飛龍「…………あの」チラ
提督「ああ。私が行こう」スッ
金剛「わ、私も行って良いデスか?」
提督「いや、私一人で行く。何人も一緒だと瑞鳳も臆するかもしれん」
金剛「……ハイ」
提督「まあ、任せておけ。これでも提督をやっているんだからな」ポンポン
732:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:08:41.90:awnviBj5o (24/33)
提督「各自、眠くなったら寝てしまいなさい。……言っておくが、ベッドは人数分作ったんだから自分のベッドで寝るように」スタスタ
全員「はーい」
飛龍「──金剛さん、瑞鳳ちゃんが気になるんですか?」
金剛「えっと……気になるというよりも、なんとなく同じのような気がシテ……」
響「同じって?」
金剛「……私と、同じような雰囲気だったのデス。心に整理を付けたと思っていながら、寂しくなるあの気持ちを感じていたように見えまシタ」
瑞鶴「ああ……下田の……」
金剛「…………」コクリ
利根「なるほどのう……。まあ、提督ならばなんとかするじゃろう。きっと励まして帰ってくるぞ」
空母棲姫「当然そうでしょうね」
響「ホント、空母棲姫さんって最初の頃と変わったよね」
空母棲姫「現状を受け入れただけよ。私自身はこれといって大きくは変わっていないわ」ナデ
ヲ級「ん~……♪」
瑞鶴「良い夢見てそうねぇ……」
…………………………………………。
提督「各自、眠くなったら寝てしまいなさい。……言っておくが、ベッドは人数分作ったんだから自分のベッドで寝るように」スタスタ
全員「はーい」
飛龍「──金剛さん、瑞鳳ちゃんが気になるんですか?」
金剛「えっと……気になるというよりも、なんとなく同じのような気がシテ……」
響「同じって?」
金剛「……私と、同じような雰囲気だったのデス。心に整理を付けたと思っていながら、寂しくなるあの気持ちを感じていたように見えまシタ」
瑞鶴「ああ……下田の……」
金剛「…………」コクリ
利根「なるほどのう……。まあ、提督ならばなんとかするじゃろう。きっと励まして帰ってくるぞ」
空母棲姫「当然そうでしょうね」
響「ホント、空母棲姫さんって最初の頃と変わったよね」
空母棲姫「現状を受け入れただけよ。私自身はこれといって大きくは変わっていないわ」ナデ
ヲ級「ん~……♪」
瑞鶴「良い夢見てそうねぇ……」
…………………………………………。
733:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:09:08.27:awnviBj5o (25/33)
ザザァ──……
瑞鳳「…………」ボー
瑞鳳「……今頃、何してるんだろ」
瑞鳳「……………………提督……」
提督「──呼んだか?」
瑞鳳「!!」ビクンッ
提督「隣、座るぞ」スッ
瑞鳳「…………」
提督「瑞鳳、今は暗いか? それとも明るいか?」
瑞鳳「え……?」
提督「どうだ?」
瑞鳳「……………………え、っと……暗い、かな……?」
提督「そうか。私は明るいと思う」
瑞鳳「どうして? 夜なのに……」
提督「この綺麗な夜の海を見れて機嫌が良い。だから明るいんだ」
瑞鳳「ぁ、なるほど……」
提督「だが、瑞鳳は暗いようだな」
瑞鳳「……うん」
提督「聞いても良いか?」
瑞鳳「…………うん。提督になら、言える……と、思うかな……?」
瑞鳳「ん、とね……? ちょっとだけだけど、気になってるの。……『提督』の事」
ザザァ──……
瑞鳳「…………」ボー
瑞鳳「……今頃、何してるんだろ」
瑞鳳「……………………提督……」
提督「──呼んだか?」
瑞鳳「!!」ビクンッ
提督「隣、座るぞ」スッ
瑞鳳「…………」
提督「瑞鳳、今は暗いか? それとも明るいか?」
瑞鳳「え……?」
提督「どうだ?」
瑞鳳「……………………え、っと……暗い、かな……?」
提督「そうか。私は明るいと思う」
瑞鳳「どうして? 夜なのに……」
提督「この綺麗な夜の海を見れて機嫌が良い。だから明るいんだ」
瑞鳳「ぁ、なるほど……」
提督「だが、瑞鳳は暗いようだな」
瑞鳳「……うん」
提督「聞いても良いか?」
瑞鳳「…………うん。提督になら、言える……と、思うかな……?」
瑞鳳「ん、とね……? ちょっとだけだけど、気になってるの。……『提督』の事」
734:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:09:50.68:awnviBj5o (26/33)
提督「それは、私ではないな?」
瑞鳳「…………」コクン
瑞鳳「今頃、どうしてるのかなって……。今になって思えば、あんなに酷い事ばっかりされてきたのに、なんだか気になっちゃうの」
瑞鳳「私、おかしいのかな……。酷い事も苦しい事も、辛い事もいっぱいされたのに、大丈夫なのかなって思ったり、辛い目に遭ったりしてないかなって思ってる……」
提督「瑞鳳がそれだけ優しいという事だろう」
瑞鳳「なのかな……。自分の事なのに、よく分かんなくて……。そもそも、こんなに綺麗な夜の海を見て、どうして『提督』の事を思い出したのかな……」
提督「……そればっかりは私には分からん。ただ分かるのは、お前が優しいという事くらいだよ」
瑞鳳「…………ありがと、提督」
提督「うん?」
瑞鳳「私の事、気に掛けてくれて……ありがと。きっと、提督は優しいから私がこんな気持ちになってる事に気付いたんだよね」
提督「さてな。それは秘密にしておこう」
瑞鳳「もー……すぐにそうやって逸らかすんだから……。でも……提督のそういう不思議なトコ、私は好き」
瑞鳳「今見てる海みたいに、ただ冷たいように見えて綺麗。……ちょっとだけ、羨ましいなって思うくらいに。返答とかすっごく素っ気無く聞こえるのに、ちゃんと話を聞いてくれてて、ちゃんと話してくれて、ちゃんと見てくれてる……」
瑞鳳「実はね? そういうの……叶ったら良いなって、ずっと思ってたの。……『提督』が、そうなってくれたら良いなって、思ってた。厳しくても良いから──怖くても良いから──酷い事をされても良いから──……。私をちゃんと見て、私を大切にしてくれたらなって……」
瑞鳳「……『提督』が連れていかれた時の話を聞く限りだと、もう『提督』は提督じゃなくなってるんだよね?」
提督「……そうだな。提督としての肩書きは、後日すぐに剥奪されたよ」
瑞鳳「そっか……。じゃあ、もう会えないのかな……」
提督「……ああ」
瑞鳳「そっか……。うん、そうだよね……」
瑞鳳「…………」チラ
提督「…………」
提督「それは、私ではないな?」
瑞鳳「…………」コクン
瑞鳳「今頃、どうしてるのかなって……。今になって思えば、あんなに酷い事ばっかりされてきたのに、なんだか気になっちゃうの」
瑞鳳「私、おかしいのかな……。酷い事も苦しい事も、辛い事もいっぱいされたのに、大丈夫なのかなって思ったり、辛い目に遭ったりしてないかなって思ってる……」
提督「瑞鳳がそれだけ優しいという事だろう」
瑞鳳「なのかな……。自分の事なのに、よく分かんなくて……。そもそも、こんなに綺麗な夜の海を見て、どうして『提督』の事を思い出したのかな……」
提督「……そればっかりは私には分からん。ただ分かるのは、お前が優しいという事くらいだよ」
瑞鳳「…………ありがと、提督」
提督「うん?」
瑞鳳「私の事、気に掛けてくれて……ありがと。きっと、提督は優しいから私がこんな気持ちになってる事に気付いたんだよね」
提督「さてな。それは秘密にしておこう」
瑞鳳「もー……すぐにそうやって逸らかすんだから……。でも……提督のそういう不思議なトコ、私は好き」
瑞鳳「今見てる海みたいに、ただ冷たいように見えて綺麗。……ちょっとだけ、羨ましいなって思うくらいに。返答とかすっごく素っ気無く聞こえるのに、ちゃんと話を聞いてくれてて、ちゃんと話してくれて、ちゃんと見てくれてる……」
瑞鳳「実はね? そういうの……叶ったら良いなって、ずっと思ってたの。……『提督』が、そうなってくれたら良いなって、思ってた。厳しくても良いから──怖くても良いから──酷い事をされても良いから──……。私をちゃんと見て、私を大切にしてくれたらなって……」
瑞鳳「……『提督』が連れていかれた時の話を聞く限りだと、もう『提督』は提督じゃなくなってるんだよね?」
提督「……そうだな。提督としての肩書きは、後日すぐに剥奪されたよ」
瑞鳳「そっか……。じゃあ、もう会えないのかな……」
提督「……ああ」
瑞鳳「そっか……。うん、そうだよね……」
瑞鳳「…………」チラ
提督「…………」
735:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:10:30.36:awnviBj5o (27/33)
瑞鳳「……ねぇ。なんとなくは分かってるけど、教えて欲しい事があるの」
提督「なんだ?」
瑞鳳「……『提督』は、どうなっちゃったの?」
提督「……………………」
瑞鳳「良くて牢屋の中で、悪いと……殺されてるのかなって」
提督「…………………………………………」
瑞鳳「……そっか。言えないって事は、そういう事だよね」
提督「…………」ポン
瑞鳳「……えへ。こうやって頭を撫でられるのも、慣れちゃったなぁ。初めは叩かれるのかと思っちゃったりしたけど、今はもう安心しちゃってる」
瑞鳳「…………なんだろ。なんだか、胸にポッカリ穴が空いたみたい。悲しいのかも寂しいのかも分かんなくて……なんだか変な気持ち」
提督「……瑞鳳は、私の艦娘になって後悔していないか?」
瑞鳳「ん……うん。優しいし、困った時は助けてくれるし、何よりも安心させてくれるから後悔なんてしてないよ」
提督「そうか……」
瑞鳳「……………………」
提督「…………」
瑞鳳「……うん。ここに置いていこう」
提督「置いていく?」
瑞鳳「うん。『提督』……ううん。『あの人』への縛られたみたいな感情。ここに置いて帰ろうって思ったの」
提督「辛くないか?」
瑞鳳「ちょっとね……? でも、なんだか不思議。辛い事は幸せだったはずなのになぁ……。この辛さは、なんだかヤな気分……」
提督「……そうか」ナデ
瑞鳳「……ねぇ。なんとなくは分かってるけど、教えて欲しい事があるの」
提督「なんだ?」
瑞鳳「……『提督』は、どうなっちゃったの?」
提督「……………………」
瑞鳳「良くて牢屋の中で、悪いと……殺されてるのかなって」
提督「…………………………………………」
瑞鳳「……そっか。言えないって事は、そういう事だよね」
提督「…………」ポン
瑞鳳「……えへ。こうやって頭を撫でられるのも、慣れちゃったなぁ。初めは叩かれるのかと思っちゃったりしたけど、今はもう安心しちゃってる」
瑞鳳「…………なんだろ。なんだか、胸にポッカリ穴が空いたみたい。悲しいのかも寂しいのかも分かんなくて……なんだか変な気持ち」
提督「……瑞鳳は、私の艦娘になって後悔していないか?」
瑞鳳「ん……うん。優しいし、困った時は助けてくれるし、何よりも安心させてくれるから後悔なんてしてないよ」
提督「そうか……」
瑞鳳「……………………」
提督「…………」
瑞鳳「……うん。ここに置いていこう」
提督「置いていく?」
瑞鳳「うん。『提督』……ううん。『あの人』への縛られたみたいな感情。ここに置いて帰ろうって思ったの」
提督「辛くないか?」
瑞鳳「ちょっとね……? でも、なんだか不思議。辛い事は幸せだったはずなのになぁ……。この辛さは、なんだかヤな気分……」
提督「……そうか」ナデ
736:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:11:00.92:awnviBj5o (28/33)
瑞鳳「……ねぇ、提督」
提督「どうした?」
瑞鳳「折角ベッドを用意したけど……今日だけは一緒に寝て良い? ……ちょっとじゃないくらい、寂しいから」
提督「……夜中に寝惚けて入ってきたという事にするんだぞ? 私もフォローを入れておく」
瑞鳳「うん……♪ ありがと、提督」
提督「さて、そうと決まったら先に戻っていなさい」
瑞鳳「提督は?」
提督「私はもう少しだけ、この海を見ておくよ。……私も、色々と考えたい事があるんだ」
瑞鳳「ん……遅くならないでね?」
提督「ああ」
瑞鳳「それじゃ……先に戻ってるね?」スッ
トコトコ──
提督「…………」
提督「……………………」
提督「…………………………………………」
利根「──まったく。何をしておるのじゃ?」
提督「! 利根と金剛か」
金剛「あの……大丈夫デスか?」
提督「ああ。ボーっとしていただけだ。──瑞鳳の様子はどうだった?」
利根「寂しさが薄れておった。今は他の者と同じく布団の中じゃよ」
提督「そうか。私もそろそろ戻らなければな」
瑞鳳「……ねぇ、提督」
提督「どうした?」
瑞鳳「折角ベッドを用意したけど……今日だけは一緒に寝て良い? ……ちょっとじゃないくらい、寂しいから」
提督「……夜中に寝惚けて入ってきたという事にするんだぞ? 私もフォローを入れておく」
瑞鳳「うん……♪ ありがと、提督」
提督「さて、そうと決まったら先に戻っていなさい」
瑞鳳「提督は?」
提督「私はもう少しだけ、この海を見ておくよ。……私も、色々と考えたい事があるんだ」
瑞鳳「ん……遅くならないでね?」
提督「ああ」
瑞鳳「それじゃ……先に戻ってるね?」スッ
トコトコ──
提督「…………」
提督「……………………」
提督「…………………………………………」
利根「──まったく。何をしておるのじゃ?」
提督「! 利根と金剛か」
金剛「あの……大丈夫デスか?」
提督「ああ。ボーっとしていただけだ。──瑞鳳の様子はどうだった?」
利根「寂しさが薄れておった。今は他の者と同じく布団の中じゃよ」
提督「そうか。私もそろそろ戻らなければな」
737:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:11:27.74:awnviBj5o (29/33)
利根「そうじゃぞー? 金剛が酷く心配しておったのじゃ」
金剛「!? あ、えと……その……!!」ワタワタ
提督「……すまん。心配を掛けさせてしまった」
金剛「だ、大丈夫デス……! ハイ……えっと……大丈夫デス」
提督「……くくっ」
利根「なんじゃそれは……」
金剛「あの……? 私、何か変な事でも言いまシタか……?」
提督「いやなに。まるで榛名みたいだと思っただけだ」
利根「うむ。あやつは『大丈夫』という言葉が口癖じゃったからのう」
金剛「ぁぅ……」
提督「くくくっ……はははは」
金剛「そ、そんな笑う事ないじゃないデスかぁ!」
提督「いや、すまん……くくっ……」
金剛「ぅー……」ヂー
利根(うむ。良いのう。これは良いのじゃ。……じゃが、金剛が少し問題かのう?)
金剛「ぅぅー……」ヂー
提督「いやはや、悪かった。頼むから機嫌を直してくれないか?」
金剛「むぅ……しょうがないデスね……」
利根「……うーむ。うぅむ……うーむ……」
金剛「? どうしたデスか、そんなに悩んで?」
利根「いやー……少し思う所があるからのう」
利根「そうじゃぞー? 金剛が酷く心配しておったのじゃ」
金剛「!? あ、えと……その……!!」ワタワタ
提督「……すまん。心配を掛けさせてしまった」
金剛「だ、大丈夫デス……! ハイ……えっと……大丈夫デス」
提督「……くくっ」
利根「なんじゃそれは……」
金剛「あの……? 私、何か変な事でも言いまシタか……?」
提督「いやなに。まるで榛名みたいだと思っただけだ」
利根「うむ。あやつは『大丈夫』という言葉が口癖じゃったからのう」
金剛「ぁぅ……」
提督「くくくっ……はははは」
金剛「そ、そんな笑う事ないじゃないデスかぁ!」
提督「いや、すまん……くくっ……」
金剛「ぅー……」ヂー
利根(うむ。良いのう。これは良いのじゃ。……じゃが、金剛が少し問題かのう?)
金剛「ぅぅー……」ヂー
提督「いやはや、悪かった。頼むから機嫌を直してくれないか?」
金剛「むぅ……しょうがないデスね……」
利根「……うーむ。うぅむ……うーむ……」
金剛「? どうしたデスか、そんなに悩んで?」
利根「いやー……少し思う所があるからのう」
738:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:11:54.21:awnviBj5o (30/33)
提督「思う所?」
利根「うむ。まあ簡単な話じゃ」
提督・金剛「?」
利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」
金剛「…………」
提督「……うん? どういう意味だ?」
利根「提督の隣が暇をしておる。そう言っておるのじゃ」
提督「…………」
利根「ほれ金剛よ、何をしておるのじゃ。さっさと提督の隣に座らぬか」グイグイ
金剛「え……え……?」
利根「ほれほれ早く」
金剛「ハ、ハイ……」チョコン
利根「……うむ。うむうむ。やはりこうでなくてはな」
金剛「…………?」
提督「……利根」
利根「すまぬが提督よ、我輩は急に眠気がやってきたのでー寝るっ。あんまり遅くならぬようにするのじゃぞー」トコトコ
金剛「……行ってしまいまシタ」
提督「思う所?」
利根「うむ。まあ簡単な話じゃ」
提督・金剛「?」
利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」
金剛「…………」
提督「……うん? どういう意味だ?」
利根「提督の隣が暇をしておる。そう言っておるのじゃ」
提督「…………」
利根「ほれ金剛よ、何をしておるのじゃ。さっさと提督の隣に座らぬか」グイグイ
金剛「え……え……?」
利根「ほれほれ早く」
金剛「ハ、ハイ……」チョコン
利根「……うむ。うむうむ。やはりこうでなくてはな」
金剛「…………?」
提督「……利根」
利根「すまぬが提督よ、我輩は急に眠気がやってきたのでー寝るっ。あんまり遅くならぬようにするのじゃぞー」トコトコ
金剛「……行ってしまいまシタ」
739:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:12:21.54:awnviBj5o (31/33)
提督「まったく……」
金剛「あの……良いのデスか? よく分からないまま隣に座ってしまいまシタが……」
提督「……ああ。折角の時間だ。少し話し相手になってくれるか?」
金剛「…………? テートクも利根みたいによく分からない事を言うデース……」
提督「まあ、気にするな。いつか分かるかもしれんぞ」
金剛「いつかって、いつなのデスか……もー……」
提督「くくっ。さあ、それはいつかな──?」
金剛「うー……。テートク? いくらなんでも──」
提督「まあ、それは──」
金剛「もー……──」
提督「────?」
金剛「────────」
提督「────。────」
金剛「────────? ……────」
提督「まったく……」
金剛「あの……良いのデスか? よく分からないまま隣に座ってしまいまシタが……」
提督「……ああ。折角の時間だ。少し話し相手になってくれるか?」
金剛「…………? テートクも利根みたいによく分からない事を言うデース……」
提督「まあ、気にするな。いつか分かるかもしれんぞ」
金剛「いつかって、いつなのデスか……もー……」
提督「くくっ。さあ、それはいつかな──?」
金剛「うー……。テートク? いくらなんでも──」
提督「まあ、それは──」
金剛「もー……──」
提督「────?」
金剛「────────」
提督「────。────」
金剛「────────? ……────」
740:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:12:48.10:awnviBj5o (32/33)
利根「…………」チラ
利根「……やはり、提督の隣には金剛が合っておるのう。──うむ。うむうむうむ。それに、我輩も気付いた事があるのじゃ」
利根「──我輩は、提督のあの笑顔を見ていたいのじゃなぁ」
利根「我輩達はお互いに一度壊れてしもうたが、それでも変わらぬものはある」
利根「提督は金剛を──我輩は提督のあの笑顔を──。それらを求めておる。……まあ、こう思う事自体が壊れて居るのかもしれぬが」
利根「頼んだぞ、金剛よ。我輩は、提督のその笑顔を見ていたいのじゃからな」
提督「────────」
金剛「────」
利根「…………」ニヤ
利根「くくっ。今日は良い夢を見られそうじゃ」
利根「……金剛、瑞鶴、響よ。我輩達は捻じ曲がりながらも前へ進むぞ。だから、安心して見ておってくれ」
利根「──これからが楽しみじゃ♪」
──── 利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 True End ────
利根「…………」チラ
利根「……やはり、提督の隣には金剛が合っておるのう。──うむ。うむうむうむ。それに、我輩も気付いた事があるのじゃ」
利根「──我輩は、提督のあの笑顔を見ていたいのじゃなぁ」
利根「我輩達はお互いに一度壊れてしもうたが、それでも変わらぬものはある」
利根「提督は金剛を──我輩は提督のあの笑顔を──。それらを求めておる。……まあ、こう思う事自体が壊れて居るのかもしれぬが」
利根「頼んだぞ、金剛よ。我輩は、提督のその笑顔を見ていたいのじゃからな」
提督「────────」
金剛「────」
利根「…………」ニヤ
利根「くくっ。今日は良い夢を見られそうじゃ」
利根「……金剛、瑞鶴、響よ。我輩達は捻じ曲がりながらも前へ進むぞ。だから、安心して見ておってくれ」
利根「──これからが楽しみじゃ♪」
──── 利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 True End ────
741:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 03:15:17.78:wA88TRM5o (1/1)
おつ!
おつ!
742:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/03(月) 03:26:07.65:awnviBj5o (33/33)
これにて『利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」』の物語は終わりです。
何年ものの長い間、お付き合い下さいましてありがとうございました。
壊れた物は完全に直る事は無いように、壊れた人もまた、完全に直る事は無いようです。
提督も利根も、金剛さんも瑞鶴も響ちゃんも、瑞鳳も、度合いは違えどどこかしら壊れて直っていません。
解決はしても元には戻らないのは、その状態で進むしかないというものです。
あと、なんか前々作辺りの細かい設定を流用してごめんよ。分からなくてもあんまり問題はありませんが、知りたいと思った方は下のURLを辿って下さいませ。
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382027738/
どこかで誰かが仰っていましたが、物語は終わったけどレスが少し残っていますので、少しだけ皆の希望のショートストーリーを書くかもしれません。予定は未定。
何か読みたい展開などがあって書き込んで下さいましたら拾うかも。予定は未定。
機を見てHTML依頼は出しますので、出した時は報告します。
一応、本編を現行で読めず、レスしたかったのにレス出来なかった人の為にこのSS専用のアドレスを晒しておきますので、何か感想やその他を書き残したい方が居ましたら下のアドレスにどうぞ。返せるだけ返します。
kongou_zuikaku_hibiki@yahoo.co.jp
これにて『利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」』の物語は終わりです。
何年ものの長い間、お付き合い下さいましてありがとうございました。
壊れた物は完全に直る事は無いように、壊れた人もまた、完全に直る事は無いようです。
提督も利根も、金剛さんも瑞鶴も響ちゃんも、瑞鳳も、度合いは違えどどこかしら壊れて直っていません。
解決はしても元には戻らないのは、その状態で進むしかないというものです。
あと、なんか前々作辺りの細かい設定を流用してごめんよ。分からなくてもあんまり問題はありませんが、知りたいと思った方は下のURLを辿って下さいませ。
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382027738/
どこかで誰かが仰っていましたが、物語は終わったけどレスが少し残っていますので、少しだけ皆の希望のショートストーリーを書くかもしれません。予定は未定。
何か読みたい展開などがあって書き込んで下さいましたら拾うかも。予定は未定。
機を見てHTML依頼は出しますので、出した時は報告します。
一応、本編を現行で読めず、レスしたかったのにレス出来なかった人の為にこのSS専用のアドレスを晒しておきますので、何か感想やその他を書き残したい方が居ましたら下のアドレスにどうぞ。返せるだけ返します。
kongou_zuikaku_hibiki@yahoo.co.jp
743:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 03:29:29.36:ry+NmZ5Jo (1/1)
乙
乙
744:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 03:46:21.10:gWkv2hB8O (1/1)
そういうのは載せない方が本当はいいんだけどね
載せると荒らしなどの格好の餌食になるしそうなった人このサイトに結構いる
確か載せないって暗黙の了解つかルールだとか聞いたことある
そういうのは載せない方が本当はいいんだけどね
載せると荒らしなどの格好の餌食になるしそうなった人このサイトに結構いる
確か載せないって暗黙の了解つかルールだとか聞いたことある
745:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 04:49:54.75:dBE7RoSM0 (1/1)
このSS専用のアドレス
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746:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 07:22:33.94:y7+mKHSJO (1/1)
>>745
荒らしにはそんなの関係ないしその先が荒らされたら気分害する人もいるってことだろ
>>745
荒らしにはそんなの関係ないしその先が荒らされたら気分害する人もいるってことだろ
747:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 08:34:59.48:3g3KBKQco (1/1)
完結乙!
過去作同様とても素晴らしい作品でした
完結乙!
過去作同様とても素晴らしい作品でした
748:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 08:51:07.46:Fw1krKyVo (1/1)
乙です
乙です
749:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 09:58:54.96:mexN9+j5o (1/1)
漸く完結か乙
漸く完結か乙
750:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/03(月) 10:41:34.15:apncpL6A0 (1/1)
本当にお疲れさまでした!
棚ぼた含めて大淀ェ…
それとあんだけボロボロだった面々で、ここまで巻き返せるだけ凄いのか優しさからかw
リクエストはメインのメンバー以外の鎮守府組が、今後どんな風なアピールに出てるかとかどうでしょう?
本当にお疲れさまでした!
棚ぼた含めて大淀ェ…
それとあんだけボロボロだった面々で、ここまで巻き返せるだけ凄いのか優しさからかw
リクエストはメインのメンバー以外の鎮守府組が、今後どんな風なアピールに出てるかとかどうでしょう?
751:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/04(火) 02:49:00.58://LJJql60 (1/1)
乙でした!
乙でした!
752:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/04(火) 09:01:43.00:DQDFD1WWO (1/1)
お疲れ様
二年三ヶ月リアルタイムで追えて良かったわ
お疲れ様
二年三ヶ月リアルタイムで追えて良かったわ
753:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/04(火) 13:08:48.77:9GA5F5/Xo (1/1)
おつおつ!
おつおつ!
754:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/14(金) 01:43:35.19:6zQG3Lrc0 (1/1)
乙!ほんとにこのシリーズ大好きだよ!
乙!ほんとにこのシリーズ大好きだよ!
755:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/19(水) 01:44:39.54:Pat0QSv5o (1/4)
ちょっとしたオマケ。
>>750を見て川内さんが思い浮かんだので殴り書いたものを投下します。超短いです。
ちょっとしたオマケ。
>>750を見て川内さんが思い浮かんだので殴り書いたものを投下します。超短いです。
756:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/19(水) 01:45:21.28:Pat0QSv5o (2/4)
「ね、提督」
ベッドに腰掛けた私の膝の上で機嫌良さそうにしている、良い香りの髪を下ろした川内が私を呼ぶ。
最近、彼女は寝る前に必ずと言って良いほどヒッソリと私の部屋へ訪れていた。理由は言わずもがな、私を誘惑する為だそうだ。
「どうした?」
初めこそはベッドの中に潜り込んでいたり露骨にいかがわしい事をしようと誘惑をしていたのだが、数日前からめっきりとそれが無くなった。
何かがあったのか、それとも心境の変化なのかは分からないが、私は内心ホッとした。正直に言うと、真正面から誘われるのは苦手なのだ。言葉遊びを多用する私にとって、直接的に面と向かって言われると返しようが無くなる。茶化すのも手かもしれないが、それは彼女に対して失礼なのでやりたくない。
「新しく作戦が始まっても、こうやって部屋に来て良い?」
意外な言葉だったので、少し驚いて手が止まってしまった。
止まった櫛を、再び彼女のサラリとした髪へ滑らせながら答える。
「構わんぞ。……むしろ、作戦があろうと無かろうと来そうなものだと思っていた」
「アハハ! 流石に提督の邪魔になるかもしれないから確認するってー」
いつものように、あどけない口調でそう言う川内。
だが、そこから続いた言葉は、そうでなかった。
「……だって、嫌われたくないしね」
いつもの彼女が晴れだとすれば、今の川内は雨雲がジワリと空を覆い始めたような灰色の寂しさだ。
何があったのだろうか──。そう思って訊いてみるも、ちょっとね、と返されてしまった。
顔が見えていない事もあり、真意は全く分からない。ただ言えるのは、川内は少しナーバスになっているのだろう、という事だけだ。
「……そうか」
あまり深くは踏み込まず、いつもの口癖を口にする。それと同時に、川内の頭をゆっくりと撫でた。
何も言わず背中を預けてくる川内。髪が近くなった事で、香りが強く鼻腔を刺激してくる。その香りの強さは彼女との距離を表しているのだが、心は真逆と離れていた。
理由など簡単だ。私は卑怯者だからである。これだけ好意を示してくる子に対し、答えを保留しているのだから。本来ならば、ハッキリと返答をした方が良いのだろう。
ズキリ、と胸が痛む。彼女を撫でる手が止まる。今の私の状態で言えば、誰に対してもOKを出すつもりは無い。それはつまり、毎晩健気に私と時間を過ごす彼女へ首を横に振るという事だ。
……その時、間違いなく彼女は悲しむだろう。もしかすると、今まで見せた事の無い涙を流すかもしれない。
それが、私は怖い。
卑怯だと分かっていても、優柔不断だと思っていても……それでも、私は踏み止まってしまう。
ヴァルハラから見守ってくれている金剛のような、特別な子が出来るまで私はこのままだろう。
「……ん。提督?」
撫でる手が止まり、頭に置いているだけとなった事が気になったのか、川内が首を捻って私へ横顔を見せてきた。
どこか諦めているような、そんな雰囲気の笑顔。それが、酷く儚く見える。この撫でていた手を動かせでもしたら崩れてしまいそうなくらい、彼女の顔は脆そうに映った。
「……………………」
「……そっか」
儚い笑顔が柔らかく変化する。母性があるというのか、それとも慈愛があるというのか、人を安心させる笑顔だ。
「ゆっくりで良いんだよ? それに今の私は、今のままが良いしね」
そう言いながら、彼女はベッドに置いた私の手に手を重ねてくる。
男のそれとは違ったほっそりとしている柔らかな感触。それが、堪らなく胸に痛みを与えてきた。
……いつまで、私は囚われているのだろうか。いつになったら心の整理を付けられるのだろうか。
「……そんな顔、しないで欲しいなぁ」
身体を捻り、向かい合う形となる川内。……傍から見るとビジュアルが非常によろしくないな、これは。
「ちょっとだけ、許してね」
「ね、提督」
ベッドに腰掛けた私の膝の上で機嫌良さそうにしている、良い香りの髪を下ろした川内が私を呼ぶ。
最近、彼女は寝る前に必ずと言って良いほどヒッソリと私の部屋へ訪れていた。理由は言わずもがな、私を誘惑する為だそうだ。
「どうした?」
初めこそはベッドの中に潜り込んでいたり露骨にいかがわしい事をしようと誘惑をしていたのだが、数日前からめっきりとそれが無くなった。
何かがあったのか、それとも心境の変化なのかは分からないが、私は内心ホッとした。正直に言うと、真正面から誘われるのは苦手なのだ。言葉遊びを多用する私にとって、直接的に面と向かって言われると返しようが無くなる。茶化すのも手かもしれないが、それは彼女に対して失礼なのでやりたくない。
「新しく作戦が始まっても、こうやって部屋に来て良い?」
意外な言葉だったので、少し驚いて手が止まってしまった。
止まった櫛を、再び彼女のサラリとした髪へ滑らせながら答える。
「構わんぞ。……むしろ、作戦があろうと無かろうと来そうなものだと思っていた」
「アハハ! 流石に提督の邪魔になるかもしれないから確認するってー」
いつものように、あどけない口調でそう言う川内。
だが、そこから続いた言葉は、そうでなかった。
「……だって、嫌われたくないしね」
いつもの彼女が晴れだとすれば、今の川内は雨雲がジワリと空を覆い始めたような灰色の寂しさだ。
何があったのだろうか──。そう思って訊いてみるも、ちょっとね、と返されてしまった。
顔が見えていない事もあり、真意は全く分からない。ただ言えるのは、川内は少しナーバスになっているのだろう、という事だけだ。
「……そうか」
あまり深くは踏み込まず、いつもの口癖を口にする。それと同時に、川内の頭をゆっくりと撫でた。
何も言わず背中を預けてくる川内。髪が近くなった事で、香りが強く鼻腔を刺激してくる。その香りの強さは彼女との距離を表しているのだが、心は真逆と離れていた。
理由など簡単だ。私は卑怯者だからである。これだけ好意を示してくる子に対し、答えを保留しているのだから。本来ならば、ハッキリと返答をした方が良いのだろう。
ズキリ、と胸が痛む。彼女を撫でる手が止まる。今の私の状態で言えば、誰に対してもOKを出すつもりは無い。それはつまり、毎晩健気に私と時間を過ごす彼女へ首を横に振るという事だ。
……その時、間違いなく彼女は悲しむだろう。もしかすると、今まで見せた事の無い涙を流すかもしれない。
それが、私は怖い。
卑怯だと分かっていても、優柔不断だと思っていても……それでも、私は踏み止まってしまう。
ヴァルハラから見守ってくれている金剛のような、特別な子が出来るまで私はこのままだろう。
「……ん。提督?」
撫でる手が止まり、頭に置いているだけとなった事が気になったのか、川内が首を捻って私へ横顔を見せてきた。
どこか諦めているような、そんな雰囲気の笑顔。それが、酷く儚く見える。この撫でていた手を動かせでもしたら崩れてしまいそうなくらい、彼女の顔は脆そうに映った。
「……………………」
「……そっか」
儚い笑顔が柔らかく変化する。母性があるというのか、それとも慈愛があるというのか、人を安心させる笑顔だ。
「ゆっくりで良いんだよ? それに今の私は、今のままが良いしね」
そう言いながら、彼女はベッドに置いた私の手に手を重ねてくる。
男のそれとは違ったほっそりとしている柔らかな感触。それが、堪らなく胸に痛みを与えてきた。
……いつまで、私は囚われているのだろうか。いつになったら心の整理を付けられるのだろうか。
「……そんな顔、しないで欲しいなぁ」
身体を捻り、向かい合う形となる川内。……傍から見るとビジュアルが非常によろしくないな、これは。
「ちょっとだけ、許してね」
757:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/19(水) 01:45:50.23:Pat0QSv5o (3/4)
多少の不安の色を見せる声で、彼女は私に抱き付いてきた。
あまりに急な事だったので対応も出来ず、されるがままとなってしまう。
……分からん。川内が何を考えてこうしたのか、まったく分からない。
「ね、提督。こうやってさ、ギューって抱き締めたら落ち着くよ?」
「落ち着く……?」
更に予想外の言葉を投げられ、彼女が口にした言葉をそのまま返してしまった。
……何がどう落ち着くというのだろうか。いまいち理解できない。
「うん。護ってくれているみたいで、怖い事とか不安な事とか全部考えなくても良くてさ、絶対に危険なんて無くて、それですっごいあったかいんだよ? 落ち着く以外ないじゃん?」
まるで父親に甘える娘のようだ──。
真っ先に思いついた言葉がそれだった。だが、それを口にすると不機嫌になりそうなので止めておく。娘じゃなくて女の子として見てーと言いそうだ。
「そうか」
なので、その言葉で濁して頭を撫でる。すると、気持ち良さそうに声を漏らす少女の姿がそこにあった。
私はいつも以上に甘えてくる川内の頭を撫で続ける。川内は余程気に入ったらしく、その状態を維持していた。
──が、五分もすると変化が訪れる。彼女は段々と体重を私へ預け、私を抱き締めている腕が徐々に下がり、力無く私の腰元へ落ちたのだ。
どうしたのだろうか、と一瞬だけ思ったが、すぐに事態を理解する。
何も難しい事などない。眠ってしまっただけのようだ。いつもならば眠たくなると自分の部屋へ戻るのだが……。
「……ほら川内。自分の部屋で寝なさい」
「ん……んん……?」
背中をポンポンと叩き、夢の中へと旅立ってしまった彼女をこちらへ戻す。未だまどろみの中に居る彼女は、眠たそうな目で私を見詰めてきた。その瞳には何か意志がある訳でもなく、ただただ私を見ているだけだ。
「ここで寝るぅ……」
「……こら、川内」
また珍しい事に、我侭を言ってきたので軽く叱り、無理にでも自分の部屋へ戻そうとする。風紀上よろしくないからだ。他の子達が真似でもしたら収拾つかなくなってしまう。
──いつもなら、そうしただろう。
「……ちゃんと布団の中で寝なさい。風邪をひくぞ」
だが、今日はそうしなかった。寂しそうな顔をした彼女の顔を見たからか、それとも自分の心が不安定になっているからか、はたまた両方か──。
……本当、弱くなってしまったな、私よ。
川内は、はぁい、と間延びした返事をして、彼女はもそもそと布団の中へと潜り込む。そして、布団から顔を出すとこちらへ両手を伸ばしてきた。
本当ならばその腕の中に身を収めるのが良いのだろうが、今の私ではそれは出来ない。
少しだけ考えて、その両手に腕を伸ばしてみる。すると、ゆっくりと私の腕を抱き締めて寝息を立て出した。
「今回だけだぞ……?」
聞こえていないのを分かった上で忠告する。
そんな意味の無い言葉を紡ぎながら、私も彼女と同じ布団の中へと入った。
「うん……てぇとく……すきだよ……」
若干、呂律の回っていない愛の告白。一体、彼女はどのような夢を見ているのだろうか。
空いているもう片方の手で彼女の頭を二撫でほどして、私も目を閉じた。
(──出来る事ならば、誰も悲しまない未来を描きたいものだ)
そんな叶わない願いを心で呟き、意識を手放す為に頭の中を空っぽにする。
ああ……本当に、そうなれば良いのにな……。
しがらみだらけの私の心。それが解かれるのは、一体いつになるのだろうか。
少なくとも今日、そのしがらみは僅かながら解かれたと信じたい──。
多少の不安の色を見せる声で、彼女は私に抱き付いてきた。
あまりに急な事だったので対応も出来ず、されるがままとなってしまう。
……分からん。川内が何を考えてこうしたのか、まったく分からない。
「ね、提督。こうやってさ、ギューって抱き締めたら落ち着くよ?」
「落ち着く……?」
更に予想外の言葉を投げられ、彼女が口にした言葉をそのまま返してしまった。
……何がどう落ち着くというのだろうか。いまいち理解できない。
「うん。護ってくれているみたいで、怖い事とか不安な事とか全部考えなくても良くてさ、絶対に危険なんて無くて、それですっごいあったかいんだよ? 落ち着く以外ないじゃん?」
まるで父親に甘える娘のようだ──。
真っ先に思いついた言葉がそれだった。だが、それを口にすると不機嫌になりそうなので止めておく。娘じゃなくて女の子として見てーと言いそうだ。
「そうか」
なので、その言葉で濁して頭を撫でる。すると、気持ち良さそうに声を漏らす少女の姿がそこにあった。
私はいつも以上に甘えてくる川内の頭を撫で続ける。川内は余程気に入ったらしく、その状態を維持していた。
──が、五分もすると変化が訪れる。彼女は段々と体重を私へ預け、私を抱き締めている腕が徐々に下がり、力無く私の腰元へ落ちたのだ。
どうしたのだろうか、と一瞬だけ思ったが、すぐに事態を理解する。
何も難しい事などない。眠ってしまっただけのようだ。いつもならば眠たくなると自分の部屋へ戻るのだが……。
「……ほら川内。自分の部屋で寝なさい」
「ん……んん……?」
背中をポンポンと叩き、夢の中へと旅立ってしまった彼女をこちらへ戻す。未だまどろみの中に居る彼女は、眠たそうな目で私を見詰めてきた。その瞳には何か意志がある訳でもなく、ただただ私を見ているだけだ。
「ここで寝るぅ……」
「……こら、川内」
また珍しい事に、我侭を言ってきたので軽く叱り、無理にでも自分の部屋へ戻そうとする。風紀上よろしくないからだ。他の子達が真似でもしたら収拾つかなくなってしまう。
──いつもなら、そうしただろう。
「……ちゃんと布団の中で寝なさい。風邪をひくぞ」
だが、今日はそうしなかった。寂しそうな顔をした彼女の顔を見たからか、それとも自分の心が不安定になっているからか、はたまた両方か──。
……本当、弱くなってしまったな、私よ。
川内は、はぁい、と間延びした返事をして、彼女はもそもそと布団の中へと潜り込む。そして、布団から顔を出すとこちらへ両手を伸ばしてきた。
本当ならばその腕の中に身を収めるのが良いのだろうが、今の私ではそれは出来ない。
少しだけ考えて、その両手に腕を伸ばしてみる。すると、ゆっくりと私の腕を抱き締めて寝息を立て出した。
「今回だけだぞ……?」
聞こえていないのを分かった上で忠告する。
そんな意味の無い言葉を紡ぎながら、私も彼女と同じ布団の中へと入った。
「うん……てぇとく……すきだよ……」
若干、呂律の回っていない愛の告白。一体、彼女はどのような夢を見ているのだろうか。
空いているもう片方の手で彼女の頭を二撫でほどして、私も目を閉じた。
(──出来る事ならば、誰も悲しまない未来を描きたいものだ)
そんな叶わない願いを心で呟き、意識を手放す為に頭の中を空っぽにする。
ああ……本当に、そうなれば良いのにな……。
しがらみだらけの私の心。それが解かれるのは、一体いつになるのだろうか。
少なくとも今日、そのしがらみは僅かながら解かれたと信じたい──。
758:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A:2017/04/19(水) 01:47:54.68:Pat0QSv5o (4/4)
以上でオマケ終了です。今度こそこの物語は終わりです。
もしかしたら小説になろうとかで何かを書くかもしれませんが、見付けた時はひっそりと応援して下さいますと幸いです。
それでは、だいたい一週間後にHTML依頼を出します。お疲れ様でした。
以上でオマケ終了です。今度こそこの物語は終わりです。
もしかしたら小説になろうとかで何かを書くかもしれませんが、見付けた時はひっそりと応援して下さいますと幸いです。
それでは、だいたい一週間後にHTML依頼を出します。お疲れ様でした。
759:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/19(水) 14:35:58.62:kDJ6HnWA0 (1/1)
こういう川内も珍しいけどなかなか良いなあw
本当にお疲れさまでした!
こういう川内も珍しいけどなかなか良いなあw
本当にお疲れさまでした!
760:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/06/06(火) 02:13:50.02:L+MoWKbSO (1/1)
おつでした
おつでした
761:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/07/12(水) 17:50:08.65:js4tyLwz0 (1/1)
あ
あ
762:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/09/07(木) 03:09:46.33:9NChUYtOo (1/1)
乙
丁寧で引き込まれる物語だった
乙
丁寧で引き込まれる物語だった
763:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2019/09/27(金) 08:59:17.72:roi98Fny0 (1/1)
やたやた
やたやた
764:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2020/05/30(土) 01:55:05.07:PTKUhZxq0 (1/1)
まだ活動しているんだろうか?
まだ活動しているんだろうか?
◆I5l/cvh.9A さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16755564.html
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◆Vwy6LzUNHA さんの作品一覧
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