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1: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:36:04.32:7HyDx93o0 (1/11)
ゆるいかんじの『スクール』のSSっつうかだべってるだけみたいな
主な仕様
◎更新不定期
◎時間軸は原作十五巻より前
◎土星わっかゴーグル君は「ゴーグル」呼称。テキトーなキャラ付けと出すかわからん能力の設定も一応済み。ベタっぽい念動系
馴れ合い、あと垣根が原作よりデレるかもしれないから嫌な人は注意
『スクール』周辺は情報少なすぎだからほぼ妄想
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407332154
ゆるいかんじの『スクール』のSSっつうかだべってるだけみたいな
主な仕様
◎更新不定期
◎時間軸は原作十五巻より前
◎土星わっかゴーグル君は「ゴーグル」呼称。テキトーなキャラ付けと出すかわからん能力の設定も一応済み。ベタっぽい念動系
馴れ合い、あと垣根が原作よりデレるかもしれないから嫌な人は注意
『スクール』周辺は情報少なすぎだからほぼ妄想
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407332154
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:37:10.63:7HyDx93o0 (2/11)
「なぁ。これどうすんだっけ」
とあるマンションの一室。
カウチに寝転がったままの少年が誰にともなく呟いた。
呑気にスマートフォンをいじるのは学園都市の生んだ最高位の能力者、超能力者第二位垣根帝督。
その声に振り返ったのは、ちらかった机の前でパソコンのキーを叩いていた少年だった。
少年がカウチの前まで部屋をつっきってくると、ぽいっとスマートフォンが放られた。
それを受け取って画面を覗くと少年は首を傾げた。
「なんスか……って、この前『スクール』でリスト作ったSNSアプリじゃないっスか。あれ、垣根さん公開アカにしちゃったんですか?」
『スクール』。毒をもって毒を制する学園都市の自浄装置、暗部組織の一つで垣根がリーダーを務めている。
この少年は、その内でも数少ない正規構成員の一人だった。
能力使用時に腰に下げた装置と頭部を繋いだゴーグルを使うために組織内では「ゴーグル」なんてそのまんまなあだ名で呼ばれている。
本人は、
「どうせならもっとカッコイイので呼んでくださいっス!」と憤慨し、愛用するハンドルネームをメンバーに教えてまわったのだが努力むなしくちっとも浸透していない。
「なぁ。これどうすんだっけ」
とあるマンションの一室。
カウチに寝転がったままの少年が誰にともなく呟いた。
呑気にスマートフォンをいじるのは学園都市の生んだ最高位の能力者、超能力者第二位垣根帝督。
その声に振り返ったのは、ちらかった机の前でパソコンのキーを叩いていた少年だった。
少年がカウチの前まで部屋をつっきってくると、ぽいっとスマートフォンが放られた。
それを受け取って画面を覗くと少年は首を傾げた。
「なんスか……って、この前『スクール』でリスト作ったSNSアプリじゃないっスか。あれ、垣根さん公開アカにしちゃったんですか?」
『スクール』。毒をもって毒を制する学園都市の自浄装置、暗部組織の一つで垣根がリーダーを務めている。
この少年は、その内でも数少ない正規構成員の一人だった。
能力使用時に腰に下げた装置と頭部を繋いだゴーグルを使うために組織内では「ゴーグル」なんてそのまんまなあだ名で呼ばれている。
本人は、
「どうせならもっとカッコイイので呼んでくださいっス!」と憤慨し、愛用するハンドルネームをメンバーに教えてまわったのだが努力むなしくちっとも浸透していない。
3: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:39:37.07:7HyDx93o0 (3/11)
ゴーグルにうなずくと垣根はだるそうに足を組んだ。
足元は革靴のままアームレストの上に掛けてしまう。
「別に連絡受けるだけの仕事用の番号だし気にして無かったんだけどさ。何かやたらとフレンド申請が来てんだけど。なんで?」
「なんでそんな動きのないアカに申請が……えーと『どこ鯖ですかコードxxxx-xxxx-……』『高レベ友求』『上位レアトレードリストあります』……あー、垣根さん。もしかして……自分の名前そのまま入れちゃいました?」
「うん」
一覧に表示されたメッセージをざっと見ると。
少年はしばらく考えてから垣根にそんなことを聞いた。
そして何だか気まずそうに頭を掻いた。
「多分……うーん、相手の勘違いっスね。うわ、知らないって怖いわー。垣根さんっスよ? こんなこと言えないって」
「あとな、なんかムカつくのがいる」
一人勝手に納得している様なゴーグルを手招くと垣根はスマホを操作してみせた。
「どいつっスか『かっけえ誤字m9(^Д^)www』うわー!」
「何なんだこれ」
ゴーグルにうなずくと垣根はだるそうに足を組んだ。
足元は革靴のままアームレストの上に掛けてしまう。
「別に連絡受けるだけの仕事用の番号だし気にして無かったんだけどさ。何かやたらとフレンド申請が来てんだけど。なんで?」
「なんでそんな動きのないアカに申請が……えーと『どこ鯖ですかコードxxxx-xxxx-……』『高レベ友求』『上位レアトレードリストあります』……あー、垣根さん。もしかして……自分の名前そのまま入れちゃいました?」
「うん」
一覧に表示されたメッセージをざっと見ると。
少年はしばらく考えてから垣根にそんなことを聞いた。
そして何だか気まずそうに頭を掻いた。
「多分……うーん、相手の勘違いっスね。うわ、知らないって怖いわー。垣根さんっスよ? こんなこと言えないって」
「あとな、なんかムカつくのがいる」
一人勝手に納得している様なゴーグルを手招くと垣根はスマホを操作してみせた。
「どいつっスか『かっけえ誤字m9(^Д^)www』うわー!」
「何なんだこれ」
4: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:41:39.60:7HyDx93o0 (4/11)
顔文字つきのメッセージを読むなりおかしな声をあげるゴーグルの少年。
意味がわからないらしく心底不思議そうな顔をする垣根に。
少年は少し悩んでから息を吐いた。
そして何故か真剣なおももちで切り出した。
「……垣根さんこれは俺の想像なんスけど。どうか怒らずに聞いてもらえますか」
「中身によるな」
「『艦隊っち』ってゲーム知ってますか」
「いや」
「戦艦がモデルになったキャラクターを育てて戦わせるオンラインゲームがあって、『艦っち』なんて呼ばれて今人気なんスよ。多分、そのユーザー間のフレンド募集してる連中に絡まれてます。このSNS名前やキーワード検索も出来るんで」
「俺そんなの知りもしねえけど。なんの関係があんだっつうの」
そこまで説明してからゴーグルはもう一度。
念をおす様に垣根の顔を見つめた。
「えっと……怒らずに聞いてもらえますか?」
「おう。言えよ」
ポーン
そこでスマホが鳴る。
軽い通知音のあとにメッセージバルーンが表示された。
それをみた垣根はほんのちょっと眉を寄せた。
顔文字つきのメッセージを読むなりおかしな声をあげるゴーグルの少年。
意味がわからないらしく心底不思議そうな顔をする垣根に。
少年は少し悩んでから息を吐いた。
そして何故か真剣なおももちで切り出した。
「……垣根さんこれは俺の想像なんスけど。どうか怒らずに聞いてもらえますか」
「中身によるな」
「『艦隊っち』ってゲーム知ってますか」
「いや」
「戦艦がモデルになったキャラクターを育てて戦わせるオンラインゲームがあって、『艦っち』なんて呼ばれて今人気なんスよ。多分、そのユーザー間のフレンド募集してる連中に絡まれてます。このSNS名前やキーワード検索も出来るんで」
「俺そんなの知りもしねえけど。なんの関係があんだっつうの」
そこまで説明してからゴーグルはもう一度。
念をおす様に垣根の顔を見つめた。
「えっと……怒らずに聞いてもらえますか?」
「おう。言えよ」
ポーン
そこでスマホが鳴る。
軽い通知音のあとにメッセージバルーンが表示された。
それをみた垣根はほんのちょっと眉を寄せた。
5: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:44:26.81:7HyDx93o0 (5/11)
「ん? さっきの奴か」
『ねえねえ間違っちゃってるけどどんな気分?』
「意味わかんねえ」
怒っている、と言うよりも呆れた顔で首を鳴らした。
たとえ外国語にも堪能な超能力者だって、外宇宙語で話しかけられてはリアクションに困る。
「あの」
「ああ。さっさと言わねえと俺の気が変わっちまうかもな」
垣根の物騒な言葉を聞いたゴーグルの少年は意を決した様に首をタテに激しく振った。
「そのゲームって、ユーザーが戦艦の上官って設定なんスよ。つまり海軍の司令官っス。だからゲーム内外でもHN提督って呼ばれたりするのが多くて……その、垣根さんの、名前があのー……多分他のやつもそれで勘違いしてるん、だ…と……思います。つうかそれくらいしか考えつきません」
「ふーん」
ごにょごにょとフェードアウトしながら自分の想像でこのできごとの背景を推理するゴーグルの少年に、垣根はつまらなそうに頷いた。
半目で小さな液晶画面を眺めるその顔から今何を考えてるかさっぱりわからない。
「ん? さっきの奴か」
『ねえねえ間違っちゃってるけどどんな気分?』
「意味わかんねえ」
怒っている、と言うよりも呆れた顔で首を鳴らした。
たとえ外国語にも堪能な超能力者だって、外宇宙語で話しかけられてはリアクションに困る。
「あの」
「ああ。さっさと言わねえと俺の気が変わっちまうかもな」
垣根の物騒な言葉を聞いたゴーグルの少年は意を決した様に首をタテに激しく振った。
「そのゲームって、ユーザーが戦艦の上官って設定なんスよ。つまり海軍の司令官っス。だからゲーム内外でもHN提督って呼ばれたりするのが多くて……その、垣根さんの、名前があのー……多分他のやつもそれで勘違いしてるん、だ…と……思います。つうかそれくらいしか考えつきません」
「ふーん」
ごにょごにょとフェードアウトしながら自分の想像でこのできごとの背景を推理するゴーグルの少年に、垣根はつまらなそうに頷いた。
半目で小さな液晶画面を眺めるその顔から今何を考えてるかさっぱりわからない。
6: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:45:19.12:7HyDx93o0 (6/11)
『スクール』の連中がそこそこの付き合いがあっても、このリーダーのことは読み切れない。例え人間の心理に精通した能力者がいても。
超能力者の思考回路は常人のそれとは違うのだ。
何を考えているのかわからない真っ黒な目のまま、ぷちっと突然切れられるのが何よりおっかない。
特にこの第二位は能力の見た目も派手だがやることも派手だ。
ちょっとしたストレスのはけ口にされて破壊されたものは数知れず、以前アジトにしていた所だって垣根が派手に吹っ飛ばしてしまってやむなく引っ越すことになった。
ちなみに判明しているうちで、最も踏んではいけない地雷が彼の能力『未元物質』にまつわる事だったりする。
「この世界には存在しない物質を生み出し操る能力」なんて、炎や電撃を出したりと言う一般的なものよりスケールの大きな力だが。
何故か能力を使うと背中に羽根が出てくる。天使の様な、と言う言葉がピッタリのメルヘンチックなやつが。
それも六枚も。
天が与えた罰ゲームかそれとも何かの代償なのかは不明らしいが。
どんなに愉快でもそこに触れてはいけない、と言うのが組織内の暗黙の了解になっていた。
『スクール』の連中がそこそこの付き合いがあっても、このリーダーのことは読み切れない。例え人間の心理に精通した能力者がいても。
超能力者の思考回路は常人のそれとは違うのだ。
何を考えているのかわからない真っ黒な目のまま、ぷちっと突然切れられるのが何よりおっかない。
特にこの第二位は能力の見た目も派手だがやることも派手だ。
ちょっとしたストレスのはけ口にされて破壊されたものは数知れず、以前アジトにしていた所だって垣根が派手に吹っ飛ばしてしまってやむなく引っ越すことになった。
ちなみに判明しているうちで、最も踏んではいけない地雷が彼の能力『未元物質』にまつわる事だったりする。
「この世界には存在しない物質を生み出し操る能力」なんて、炎や電撃を出したりと言う一般的なものよりスケールの大きな力だが。
何故か能力を使うと背中に羽根が出てくる。天使の様な、と言う言葉がピッタリのメルヘンチックなやつが。
それも六枚も。
天が与えた罰ゲームかそれとも何かの代償なのかは不明らしいが。
どんなに愉快でもそこに触れてはいけない、と言うのが組織内の暗黙の了解になっていた。
7: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:48:46.44:7HyDx93o0 (7/11)
『人が教えてやったんだからありがたく直したらw恥さらし君』
地雷原を爪先立ちでそろそろ歩いているゴーグルの少年の目の前に、燃料がポイっと投下される。これをよけたところで、別の場所がドカンといくかもしれない。
泣きたい、と言うか逃げ出したい。いいよなあネット上でどれだけ煽ってもおまえには実害ないもんね?! と顔も名前もわからないユーザーに八つ当たりしたいくらいの気分だった。
「決して! 俺は馬鹿にしてる訳じゃねえっス!!」
「つまり俺の名前がお船の提督で、おかげでお前の同類とお友達だと思われてるってことか?」
一体どこが気に障ったのか。
にやあ、と口元をつりあげた垣根の手の中でスマートフォンが嫌な音を立てはじめた。
大慌てでゴーグルは垣根をなだめた。
「垣根さん! スマホが! 画面割れます!!」
「間違ってねえよ本名だよ。一発じゃちゃんと変換できねえし検索もされねえけどな。そんなの俺の責任じゃねえよ。何なんだこいつ」
「暇なんスよきっと」
持ち主の手から避難させたスマートフォンの無事を確かめながらゴーグルの少年は見知らぬだれかさんを憐れむ様に言った。
『人が教えてやったんだからありがたく直したらw恥さらし君』
地雷原を爪先立ちでそろそろ歩いているゴーグルの少年の目の前に、燃料がポイっと投下される。これをよけたところで、別の場所がドカンといくかもしれない。
泣きたい、と言うか逃げ出したい。いいよなあネット上でどれだけ煽ってもおまえには実害ないもんね?! と顔も名前もわからないユーザーに八つ当たりしたいくらいの気分だった。
「決して! 俺は馬鹿にしてる訳じゃねえっス!!」
「つまり俺の名前がお船の提督で、おかげでお前の同類とお友達だと思われてるってことか?」
一体どこが気に障ったのか。
にやあ、と口元をつりあげた垣根の手の中でスマートフォンが嫌な音を立てはじめた。
大慌てでゴーグルは垣根をなだめた。
「垣根さん! スマホが! 画面割れます!!」
「間違ってねえよ本名だよ。一発じゃちゃんと変換できねえし検索もされねえけどな。そんなの俺の責任じゃねえよ。何なんだこいつ」
「暇なんスよきっと」
持ち主の手から避難させたスマートフォンの無事を確かめながらゴーグルの少年は見知らぬだれかさんを憐れむ様に言った。
8: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:52:19.43:7HyDx93o0 (8/11)
ポン
ポン
ポーン
ものの数分で再びメッセージが届く。
意味のないやりとりの為に貼りついているなんて、この相手はゴーグルの言葉通りよっぽど暇なのだろう。
『既読蹴んなしwあ、ひらがなじゃないとわからないかなwwwwwww』
「垣根さん、相手にしない方がいいっスよ」
「そこまでレベル低くねえよ」
ゴーグルの少年に釘をさされた垣根は手にした雑誌に目を向けたまま答えた。
心外だ、と言いたげな様子ではもう腹を立てていないらしい。
垣根の許可を得てSNS内の他のメッセージや設定のチェックをしていたゴーグルは用の済んだスマートフォンを返した。
「でも公開解除もこいつの拒否もしないんスか」
「こっちが折れたら負けた気がすんだろ」
気にしていないのかと思いきや、そんなことはないらしい。
ポン
ポン
ポーン
ものの数分で再びメッセージが届く。
意味のないやりとりの為に貼りついているなんて、この相手はゴーグルの言葉通りよっぽど暇なのだろう。
『既読蹴んなしwあ、ひらがなじゃないとわからないかなwwwwwww』
「垣根さん、相手にしない方がいいっスよ」
「そこまでレベル低くねえよ」
ゴーグルの少年に釘をさされた垣根は手にした雑誌に目を向けたまま答えた。
心外だ、と言いたげな様子ではもう腹を立てていないらしい。
垣根の許可を得てSNS内の他のメッセージや設定のチェックをしていたゴーグルは用の済んだスマートフォンを返した。
「でも公開解除もこいつの拒否もしないんスか」
「こっちが折れたら負けた気がすんだろ」
気にしていないのかと思いきや、そんなことはないらしい。
9: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:54:27.77:7HyDx93o0 (9/11)
「あれ。しつこくメッセ飛ばしてた奴来なくなりましたね」
それから小一時間近く、数分間隔で挑発的なメッセージと画像の嵐だったのだが。
気付けばぴたりと止んでいた。
「ああ。『スクール』の下の奴に声かけて、軽く灸すえさせといた」
「どんなのっスか」
垣根も、つっかかってきた相手をただ放置していたわけではないらしい。
ちょっとそわそわしながらゴーグルは椅子に座り直して話を聞く。
「電話番号から契約してる端末の名義、そっから『書庫』で所属校割り出して、組織下の奴に学校内のデータをハックさせた」
「それで」
「そいつのこの前の定期考査と『身体測定』の結果を送ってやった。『暇があるなら勉強でもしたら』っつって」
「うわあ。特定怖っ」
口ではそう言いながら、愉快そうにゴーグルの少年は笑った。
せいせいした様子の垣根は指定リスト内の受信メッセージに目を通しながら笑い返した。
「お。何かついでにそいつのプロフや背景の画像がテストの答案になるようにオマケしたらしいぞ。それもひっでえ奴。あいつらも暇だな」
「うっわあ。でも大人気ないってか意外と地味なお返しっスね」
「あれ。しつこくメッセ飛ばしてた奴来なくなりましたね」
それから小一時間近く、数分間隔で挑発的なメッセージと画像の嵐だったのだが。
気付けばぴたりと止んでいた。
「ああ。『スクール』の下の奴に声かけて、軽く灸すえさせといた」
「どんなのっスか」
垣根も、つっかかってきた相手をただ放置していたわけではないらしい。
ちょっとそわそわしながらゴーグルは椅子に座り直して話を聞く。
「電話番号から契約してる端末の名義、そっから『書庫』で所属校割り出して、組織下の奴に学校内のデータをハックさせた」
「それで」
「そいつのこの前の定期考査と『身体測定』の結果を送ってやった。『暇があるなら勉強でもしたら』っつって」
「うわあ。特定怖っ」
口ではそう言いながら、愉快そうにゴーグルの少年は笑った。
せいせいした様子の垣根は指定リスト内の受信メッセージに目を通しながら笑い返した。
「お。何かついでにそいつのプロフや背景の画像がテストの答案になるようにオマケしたらしいぞ。それもひっでえ奴。あいつらも暇だな」
「うっわあ。でも大人気ないってか意外と地味なお返しっスね」
10: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 22:56:41.60:7HyDx93o0 (10/11)
「けどそいつのゲームのデータをサーバーから消す、とかまでいくとやりすぎだろ。出来なくねえけど。馬鹿にされたくらいでんなことまでする気はねえよ」
実際にはさせる、と言う方が言葉としてはきっと正しい。
垣根帝督の行動範囲と実行可能な内容は一般的な個人のそれよりはるかに広い。
使える能力、金、人脈。そして選択肢の中には非人道的で反社会的なものも含まれている。
ほんの思い付きで社会的どころか実際に相手を消せる程度には。
そう考えると今回垣根がしたのは他に比べて優しいくらいの対処だった。
その気になればちょっとした警告以上のことが出来てしまうところまで相手に伝わっているのかわからないが。
相手もほんのちょっとのストレス解消のつもりで、言ってみればベルト持ちのプロボクサーをサンドバッグがわりにしようとしたのだ。
これくらいで済んでラッキーだとゴーグルは言ってやりたかった。
しかし。
「それはちょっと俺、垣根さんの味方出来ないっスわ」
「そう言うシャキっとした面は仕事中にしろよ」
ゲーム好きと公言するゴーグルの少年はデータ削除と言う死刑宣告並みの提案に至極真剣な目をしていた。
「あーあ。つっまんねえの。なんかオススメのアプリとかねえの。レベル上げとかめんどくせえのはパスな」
「あっ! それならこのパズルゲーなんてどうスか?」
「けどそいつのゲームのデータをサーバーから消す、とかまでいくとやりすぎだろ。出来なくねえけど。馬鹿にされたくらいでんなことまでする気はねえよ」
実際にはさせる、と言う方が言葉としてはきっと正しい。
垣根帝督の行動範囲と実行可能な内容は一般的な個人のそれよりはるかに広い。
使える能力、金、人脈。そして選択肢の中には非人道的で反社会的なものも含まれている。
ほんの思い付きで社会的どころか実際に相手を消せる程度には。
そう考えると今回垣根がしたのは他に比べて優しいくらいの対処だった。
その気になればちょっとした警告以上のことが出来てしまうところまで相手に伝わっているのかわからないが。
相手もほんのちょっとのストレス解消のつもりで、言ってみればベルト持ちのプロボクサーをサンドバッグがわりにしようとしたのだ。
これくらいで済んでラッキーだとゴーグルは言ってやりたかった。
しかし。
「それはちょっと俺、垣根さんの味方出来ないっスわ」
「そう言うシャキっとした面は仕事中にしろよ」
ゲーム好きと公言するゴーグルの少年はデータ削除と言う死刑宣告並みの提案に至極真剣な目をしていた。
「あーあ。つっまんねえの。なんかオススメのアプリとかねえの。レベル上げとかめんどくせえのはパスな」
「あっ! それならこのパズルゲーなんてどうスか?」
11: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/06(水) 23:00:22.54:7HyDx93o0 (11/11)
実際艦○れのフレンド機能にユーザー間補助とかそんなのないらしいけど
艦っちはパ○ドラとかパズ○ックスみたいなありがちアプリやよくあるカードゲームモドキを足したもんだと補完してっス
垣根提督「艦むす……?」
東京湾で迷子になったバレーボールさんがなぜか艦隊娘の残留思念てきなデータを読み取ってそこから未元物質で艦むすをつくるよ!
ってネタがさいしょうかんだんだけど
艦むすやったことなくてわかんねえのと資材も補給も整備もなにも
未元物質じゃあ無限供給っぽいからチートハーレム以外の遊びようがなさすぎて没
だれかやって
なんかかけたらまたくる
読みづらかったら言って
ドーモ
実際艦○れのフレンド機能にユーザー間補助とかそんなのないらしいけど
艦っちはパ○ドラとかパズ○ックスみたいなありがちアプリやよくあるカードゲームモドキを足したもんだと補完してっス
垣根提督「艦むす……?」
東京湾で迷子になったバレーボールさんがなぜか艦隊娘の残留思念てきなデータを読み取ってそこから未元物質で艦むすをつくるよ!
ってネタがさいしょうかんだんだけど
艦むすやったことなくてわかんねえのと資材も補給も整備もなにも
未元物質じゃあ無限供給っぽいからチートハーレム以外の遊びようがなさすぎて没
だれかやって
なんかかけたらまたくる
読みづらかったら言って
ドーモ
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/07(木) 00:21:17.65:sl3W/ZmYO (1/1)
読みづらい
読みづらい
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/07(木) 00:39:23.72:2bgx2d2QO (1/1)
何か最近改行しない奴多いな
何か最近改行しない奴多いな
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/07(木) 02:09:46.19:gfeEGcyNo (1/1)
改行じゃなくて「行間空けてくれ」って言いたいのか?
俺の環境だと改行はされてる文章に見えるんだけど
改行じゃなくて「行間空けてくれ」って言いたいのか?
俺の環境だと改行はされてる文章に見えるんだけど
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/11(月) 08:59:28.77:Z/9c5ty6O (1/1)
行間だろうね。
文句言う割には日本語自分も正しくないというね笑
行間だろうね。
文句言う割には日本語自分も正しくないというね笑
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/16(土) 19:44:31.27:YxouwVSUo (1/1)
乙。面白いです。
今はラノベの行間すごい空いてますからねー
慣れてないとこういう詰まった文章読むのは辛いのでしょうか?
すぐ慣れると思いますがー
乙。面白いです。
今はラノベの行間すごい空いてますからねー
慣れてないとこういう詰まった文章読むのは辛いのでしょうか?
すぐ慣れると思いますがー
17: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:23:34.03:HnNFepJv0 (1/10)
「ちース、今日は間にあいましたよ!」
そう言って部屋に入るゴーグルの少年だったが、彼は室内を見回して首を傾げた。
リビングルームのソファには心理定規だけが座っていた。
肝心のリーダーの姿がない。
連絡があるといつも一番乗りってくらいに待ち構えているのにだ。
「あれ? 招集かかったんじゃないんスか? 時間そろそろっスよね。垣根さんは?」
「あっち。服が決まらないんですって」
心理定規が指差した先、ドアの前には紙袋や箱が乱雑に置かれていた。
見た所買い物帰りと言った感じだった。
それにしても量がやけに多い。
「てっきり君も荷物持ちに付き合ってたのかと思った。違ったの」
心理定規の言葉にゴーグルの少年は首を振る。
今日は用事があって学校に顔を出していた。
彼も一応、真面目に学生生活は送っているつもりだった。
授業中にアプリのイベントに精を出して、休み時間に友達とノートを回しあうくらいの一般的な学生レベルで。
「ちース、今日は間にあいましたよ!」
そう言って部屋に入るゴーグルの少年だったが、彼は室内を見回して首を傾げた。
リビングルームのソファには心理定規だけが座っていた。
肝心のリーダーの姿がない。
連絡があるといつも一番乗りってくらいに待ち構えているのにだ。
「あれ? 招集かかったんじゃないんスか? 時間そろそろっスよね。垣根さんは?」
「あっち。服が決まらないんですって」
心理定規が指差した先、ドアの前には紙袋や箱が乱雑に置かれていた。
見た所買い物帰りと言った感じだった。
それにしても量がやけに多い。
「てっきり君も荷物持ちに付き合ってたのかと思った。違ったの」
心理定規の言葉にゴーグルの少年は首を振る。
今日は用事があって学校に顔を出していた。
彼も一応、真面目に学生生活は送っているつもりだった。
授業中にアプリのイベントに精を出して、休み時間に友達とノートを回しあうくらいの一般的な学生レベルで。
18: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:25:08.73:HnNFepJv0 (2/10)
「そんなにデカい用事だったんスか?」
聞けば、垣根は昼ごろにいつも使っている運転手を呼びつけて買い物に出かけていたらしい。
心理定規もその場にはいなかったらしいが、リーダーはどっかのファッションショーにでも出るのかとドライバーがこっそり口にしていたのを聞いたんだそうだ。
「いつものじゃダメなんスかね。それにあれは『スクール』での仕事着みたいなもんだって前に垣根さん、自分で言ってませんでした?」
「そう言えばこの前かな。よく行くお店で顔が覚えられたかもしれないってぼやいてたけど」
超能力者なんてネームバリューを考えたらそんなもの、とっくに学園都市じゅうに知れ渡っていてもおかしくないが。
実際は。
超能力者であっても、通称である能力名や本人のフルネーム以外は広く知られていなかったりする。
七名の超能力者のうち、一人は名前どころかどんな能力かさえ。影も形も定かではないくらいだ。
「そんなにデカい用事だったんスか?」
聞けば、垣根は昼ごろにいつも使っている運転手を呼びつけて買い物に出かけていたらしい。
心理定規もその場にはいなかったらしいが、リーダーはどっかのファッションショーにでも出るのかとドライバーがこっそり口にしていたのを聞いたんだそうだ。
「いつものじゃダメなんスかね。それにあれは『スクール』での仕事着みたいなもんだって前に垣根さん、自分で言ってませんでした?」
「そう言えばこの前かな。よく行くお店で顔が覚えられたかもしれないってぼやいてたけど」
超能力者なんてネームバリューを考えたらそんなもの、とっくに学園都市じゅうに知れ渡っていてもおかしくないが。
実際は。
超能力者であっても、通称である能力名や本人のフルネーム以外は広く知られていなかったりする。
七名の超能力者のうち、一人は名前どころかどんな能力かさえ。影も形も定かではないくらいだ。
19: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:27:19.15:HnNFepJv0 (3/10)
『未元物質』垣根帝督もその例にもれないらしい。
今は一応暗部組織にいるのだからあまり有名過ぎても困るのかもしれない。
本人もこだわりがあるのかたまに人目を気にする様な素振りを見せていた。
もしかしたら。
能力を使えば嫌でも目立ってしまうのを実は気にしているのかもしれない。
かと言って急なイメチェンに走るのはゴーグルの少年にはよくわからなかった。
例えば有名校の制服や、目立ち過ぎる特徴で相手に正体を悟られてしまう、なんてことは垣根の場合あまり心配ないように思う。
いい意味で人目を引くことがあっても。
『未元物質』垣根帝督もその例にもれないらしい。
今は一応暗部組織にいるのだからあまり有名過ぎても困るのかもしれない。
本人もこだわりがあるのかたまに人目を気にする様な素振りを見せていた。
もしかしたら。
能力を使えば嫌でも目立ってしまうのを実は気にしているのかもしれない。
かと言って急なイメチェンに走るのはゴーグルの少年にはよくわからなかった。
例えば有名校の制服や、目立ち過ぎる特徴で相手に正体を悟られてしまう、なんてことは垣根の場合あまり心配ないように思う。
いい意味で人目を引くことがあっても。
20: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:34:08.44:HnNFepJv0 (4/10)
「それ服関係あります? つか心理定規は着替えなくていいんスか」
「私? 私仕事中はこれでいいのよ」
「暗部っぽいって言うか、なんか危ない仕事みたいっスよね」
この時期はどこに行っても冷房が効いているからだろうか。
今日はきれいな色のストールを持っていたけど、心理定規の格好はいつも肩が寒そうなドレスばかりだった。
高級クラブでも似合いそうな格好をした見た目推定中学生、と言うのもなかなか怪しい。
「なあに?」
「いや! 大人っぽくてカワイーっスね!」
じっと見ていたゴーグルを心理定規は見つめ返した。
小首を傾げて上目づかいのサービスつき。
美少女にそんなことされたらテンションが上がりそうだけど、ゴーグルはさっと顔の横で両手を振ってついでに首も振る。
リーダーの次くらいに一癖あって食えないのがこの少女なのは『スクール』ならみんなが知っていた。
「はいはい。ちょっと彼の様子見てきてもらっていいかな? そろそろ電話かかってきちゃうかも」
そう言って。
長い爪を気にしながら心理定規はスマートフォンをいじりはじめた。
「それ服関係あります? つか心理定規は着替えなくていいんスか」
「私? 私仕事中はこれでいいのよ」
「暗部っぽいって言うか、なんか危ない仕事みたいっスよね」
この時期はどこに行っても冷房が効いているからだろうか。
今日はきれいな色のストールを持っていたけど、心理定規の格好はいつも肩が寒そうなドレスばかりだった。
高級クラブでも似合いそうな格好をした見た目推定中学生、と言うのもなかなか怪しい。
「なあに?」
「いや! 大人っぽくてカワイーっスね!」
じっと見ていたゴーグルを心理定規は見つめ返した。
小首を傾げて上目づかいのサービスつき。
美少女にそんなことされたらテンションが上がりそうだけど、ゴーグルはさっと顔の横で両手を振ってついでに首も振る。
リーダーの次くらいに一癖あって食えないのがこの少女なのは『スクール』ならみんなが知っていた。
「はいはい。ちょっと彼の様子見てきてもらっていいかな? そろそろ電話かかってきちゃうかも」
そう言って。
長い爪を気にしながら心理定規はスマートフォンをいじりはじめた。
21: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:36:24.28:HnNFepJv0 (5/10)
「垣根さん? 俺っス、いいっスか」
「ああ。入れ」
ノックをして、頭を下げつつ部屋に入ったゴーグルは中の様子に眉を寄せた。
リビングルームのすぐ隣の洋室はついこの前までさっぱりしていたのに。
今はどこかの服屋のバックヤードみたいな状態だった。
店ならもう少し片付いているかもしれない。
紙袋、緩衝材にビニール、空き箱も中身の服や小物も乱雑に置かれていた。
有名な服飾ブランドから、『外』の格安メーカー、中には聞いたことのないような店のものまで。
靴だけで少なくとも五つのブランドの箱が積まれていた。
ごちゃごちゃになったその中で垣根は難しい顔をして立っていた。
「聞きましたよ。垣根さんみたいなタイプが表出て人目につかないってのは難しいと思うんスけど」
「だからこうやって色々考えてんだよ。たまには気分転換してえし。けどあれこれ見すぎたな。よくわかんなくなってきやがった」
垣根の着ているものはいつもと同じ。
上着だけ近くのラックに掛けてあった。
着替えようにも何にするかまだ悩んでいるらしい。
「垣根さん? 俺っス、いいっスか」
「ああ。入れ」
ノックをして、頭を下げつつ部屋に入ったゴーグルは中の様子に眉を寄せた。
リビングルームのすぐ隣の洋室はついこの前までさっぱりしていたのに。
今はどこかの服屋のバックヤードみたいな状態だった。
店ならもう少し片付いているかもしれない。
紙袋、緩衝材にビニール、空き箱も中身の服や小物も乱雑に置かれていた。
有名な服飾ブランドから、『外』の格安メーカー、中には聞いたことのないような店のものまで。
靴だけで少なくとも五つのブランドの箱が積まれていた。
ごちゃごちゃになったその中で垣根は難しい顔をして立っていた。
「聞きましたよ。垣根さんみたいなタイプが表出て人目につかないってのは難しいと思うんスけど」
「だからこうやって色々考えてんだよ。たまには気分転換してえし。けどあれこれ見すぎたな。よくわかんなくなってきやがった」
垣根の着ているものはいつもと同じ。
上着だけ近くのラックに掛けてあった。
着替えようにも何にするかまだ悩んでいるらしい。
22: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:39:37.96:HnNFepJv0 (6/10)
「ほら、これどう思う」
垣根が近くにあった服を手に取ると、空中から真っ白なものが伸びてきてその内側に入っていった。
等身大のヒト型の風船をふくらめたみたいにあっと言う間にアイテム一式を身に着けた即席のマネキンが現れた。
「そのシャツに眼鏡は呑みサーの大学生みたいっスよ」
「こっちは」
「チャラい医学生みたいっス」
「これは」
「うーん、中堅ホスト。そのグラサンはすげーイケてるんスけど全体的にNo堅気なタダナラヌ危なさがにじみ出ちゃってます」
「お前なあ、褒めてんのかバカにしてんのか。どっちだよ」
次々と部屋の中に現れるオシャレなのっぺらぼうを前にゴーグルがそんな感想を言うと。
おかしそうに垣根は笑った。
「服は変じゃ無いんスよ。うーん、俺にもよくわかんねえっス」
シャツにジーンズでいいや、と言う一般的な男子学生の感覚と比べると垣根は敷居のちょっと高そうなものばかり好んで買っているみたいだった。
だからゴーグルもセンスの良し悪しではなく、パッと見の雰囲気でコメントを返していた。
「ほら、これどう思う」
垣根が近くにあった服を手に取ると、空中から真っ白なものが伸びてきてその内側に入っていった。
等身大のヒト型の風船をふくらめたみたいにあっと言う間にアイテム一式を身に着けた即席のマネキンが現れた。
「そのシャツに眼鏡は呑みサーの大学生みたいっスよ」
「こっちは」
「チャラい医学生みたいっス」
「これは」
「うーん、中堅ホスト。そのグラサンはすげーイケてるんスけど全体的にNo堅気なタダナラヌ危なさがにじみ出ちゃってます」
「お前なあ、褒めてんのかバカにしてんのか。どっちだよ」
次々と部屋の中に現れるオシャレなのっぺらぼうを前にゴーグルがそんな感想を言うと。
おかしそうに垣根は笑った。
「服は変じゃ無いんスよ。うーん、俺にもよくわかんねえっス」
シャツにジーンズでいいや、と言う一般的な男子学生の感覚と比べると垣根は敷居のちょっと高そうなものばかり好んで買っているみたいだった。
だからゴーグルもセンスの良し悪しではなく、パッと見の雰囲気でコメントを返していた。
23: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:45:37.45:HnNFepJv0 (7/10)
と言うか見せる服見せる服全てアイテムが被っていない。
このリーダーの頭の中には着回し、と言う言葉がないのだろうか。
これ全部買ったんだよな、着るかどうかわからないのに? とゴーグルは段々違う所が気になりはじめていた。
「じゃあこう言うのは」
中身があるのかないのかわからない言葉がプリントされた英字ロゴのTシャツ、ベストと下は黒のデニム。
さっきまでのよりは印象はぐっとラフになったが垣根は今ひとつ納得していない顔だった。
「垣根さん地がいいんスから何着てもカッコいいっスよ」
「そうか?」
「背高いしイケメンだし。あ……っと、垣根さんはモデルみたいじゃないっスかーオーラもバリバリだしー俺みたいなその他大勢顔からしたら超うらやましいっスーあれこれ気にする必要ないっスよーーー」
実はさっきからポケットの中の携帯電話が震え続けている。
心理定規だといいな、と思いながらゴーグルは垣根にあいまいな笑顔を向けた。
「そっか」
垣根はなぜか満足そうにうなづくと、別の包みを開けはじめた。
予想外の好感触に、ゴーグルの少年は視界の下で何かのパラメータが上がったことを知らせるアイコンが見えた気がした。
と言うか見せる服見せる服全てアイテムが被っていない。
このリーダーの頭の中には着回し、と言う言葉がないのだろうか。
これ全部買ったんだよな、着るかどうかわからないのに? とゴーグルは段々違う所が気になりはじめていた。
「じゃあこう言うのは」
中身があるのかないのかわからない言葉がプリントされた英字ロゴのTシャツ、ベストと下は黒のデニム。
さっきまでのよりは印象はぐっとラフになったが垣根は今ひとつ納得していない顔だった。
「垣根さん地がいいんスから何着てもカッコいいっスよ」
「そうか?」
「背高いしイケメンだし。あ……っと、垣根さんはモデルみたいじゃないっスかーオーラもバリバリだしー俺みたいなその他大勢顔からしたら超うらやましいっスーあれこれ気にする必要ないっスよーーー」
実はさっきからポケットの中の携帯電話が震え続けている。
心理定規だといいな、と思いながらゴーグルは垣根にあいまいな笑顔を向けた。
「そっか」
垣根はなぜか満足そうにうなづくと、別の包みを開けはじめた。
予想外の好感触に、ゴーグルの少年は視界の下で何かのパラメータが上がったことを知らせるアイコンが見えた気がした。
24: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:52:33.78:HnNFepJv0 (8/10)
「君ねえ。彼に何言ったの」
「……普通のことです。間違ったことはなにも言ってません」
「何でよりによってあんな……派手好きなパンクスみたいなのになっちゃったの? 全然キャラ違うじゃない。なあにあの髪型」
「逆に目を背けられそうなのにしてみたんだそうでございます。わたくしは一切関与しておりません。俺はノータッチっス!!」
二人がリビングに戻るなり。
険しい顔でゴーグルに寄ってきた心理定規がこっそり指差した先には、普段以上に跳ねた毛束を遊ばせる垣根の頭があった。
ついさっき、着替え終えた垣根が軽く髪に手櫛を入れるとあっという間にスタイリングが決まっていた。
それも『未元物質』効果だろうか。だとしたら万能すぎるとゴーグルはちょっと感動したが。
垣根が唐突に鼻歌を歌いはじめたのでゴーグルがそれを聞くチャンスはなかったのだ。
もちろん、ふっきれるどころか軽くはっちゃけてしまったらしいリーダーにスタッズだらけの派手なジャケットの趣味について意見する度胸なんて最初っからない。
んなもんあるわけない。
「君ねえ。彼に何言ったの」
「……普通のことです。間違ったことはなにも言ってません」
「何でよりによってあんな……派手好きなパンクスみたいなのになっちゃったの? 全然キャラ違うじゃない。なあにあの髪型」
「逆に目を背けられそうなのにしてみたんだそうでございます。わたくしは一切関与しておりません。俺はノータッチっス!!」
二人がリビングに戻るなり。
険しい顔でゴーグルに寄ってきた心理定規がこっそり指差した先には、普段以上に跳ねた毛束を遊ばせる垣根の頭があった。
ついさっき、着替え終えた垣根が軽く髪に手櫛を入れるとあっという間にスタイリングが決まっていた。
それも『未元物質』効果だろうか。だとしたら万能すぎるとゴーグルはちょっと感動したが。
垣根が唐突に鼻歌を歌いはじめたのでゴーグルがそれを聞くチャンスはなかったのだ。
もちろん、ふっきれるどころか軽くはっちゃけてしまったらしいリーダーにスタッズだらけの派手なジャケットの趣味について意見する度胸なんて最初っからない。
んなもんあるわけない。
25: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:54:44.66:HnNFepJv0 (9/10)
あれはゴーグルの内部パラメータの変動じゃなかったのかもしれない。
かと言って垣根の方、とは言っても好感度上昇ではなく、なにかのフラグでもなく。
もしかしたらバッドステータスかもしれない。
馬鹿なことを考えながらゴーグルが垣根の頭上に目をこらしても、もちろんアイコンとかマークとかそんな愉快なものは見えない。
「一応聞くけどね。彼の暴走防止もかねて君にお願いしたのはわかってるかな?」
「心理定規……人間、わかっててもできないことってあるんスよ。垣根さんが『心配するな、自覚はある。一回こう言うカッコしてみたかったんだよ』って言うんスよ? そこに俺がストップなんてかけられると思ってるんスか」
ゴーグルは胸をはる。
長いものには巻かれて、危ない橋は叩きもしない。
まして触らぬ垣根に祟りなし、だ。
要領よくやっていかないとこの学園都市では生き残れない。ちょっとオーバーだが。
とりあえず、ゴーグルの少年の中ではこの組織内で下げる選択肢は存在しない。
上げて、上げて持ち上げていくポジションを確立している。
「だからって……あなたたち自由すぎ。男の子ってわかんない」
使えないと心理定規の冷ややかな視線が語っていた。
あれはゴーグルの内部パラメータの変動じゃなかったのかもしれない。
かと言って垣根の方、とは言っても好感度上昇ではなく、なにかのフラグでもなく。
もしかしたらバッドステータスかもしれない。
馬鹿なことを考えながらゴーグルが垣根の頭上に目をこらしても、もちろんアイコンとかマークとかそんな愉快なものは見えない。
「一応聞くけどね。彼の暴走防止もかねて君にお願いしたのはわかってるかな?」
「心理定規……人間、わかっててもできないことってあるんスよ。垣根さんが『心配するな、自覚はある。一回こう言うカッコしてみたかったんだよ』って言うんスよ? そこに俺がストップなんてかけられると思ってるんスか」
ゴーグルは胸をはる。
長いものには巻かれて、危ない橋は叩きもしない。
まして触らぬ垣根に祟りなし、だ。
要領よくやっていかないとこの学園都市では生き残れない。ちょっとオーバーだが。
とりあえず、ゴーグルの少年の中ではこの組織内で下げる選択肢は存在しない。
上げて、上げて持ち上げていくポジションを確立している。
「だからって……あなたたち自由すぎ。男の子ってわかんない」
使えないと心理定規の冷ややかな視線が語っていた。
26: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/22(金) 23:59:31.51:HnNFepJv0 (10/10)
「俺はあれはあれでカッコいいと思うんスけど。フェスとかライブとかそう言うイベントなら」
ちょっとその辺に遊びにいこうぜ、と誘われたらゴーグルもお断りするかもしれない。
似合っているのが幸いと言うか不幸と言うか。
街中であれはとっても残念な人にみえそうだった。
中身が。
「さっきマシンガン持ってかないのかって聞かれたんだけど。どうせあんなの使わないだろうし、私邪魔なのは好きじゃないんだけどな」
壁際に置かれた鏡台とスチールラックを睨んで心理定規は頬を膨らめた。
彼女のスペースには、女の子らしいコスメやジュエリーに混じって物騒な小火器が置かれている。
もし戦闘になっても心理定規の能力は対人なら敵は居なくなる。
自分を、相手が傷つけられないような心の近い距離に置いてしまえばいい。
やりようによってはその場で人の盾も手に入るだろう。
しかし、自分からの攻撃手段は無く、乱戦にはあまり意味がないので彼女は暗部の仕事となると武器を持ち歩いているようだった。
「ギターケースに入れっぱなしのあれっスか。いいんじゃないスか? 今なら多分荷物持ってくれますよ。そうだなあ……バンドやるなら垣根さんはボーカルとかギターみたく派手なのっスかね。心理定規はキーボードか、歌えるならボーカルもいいかも。俺はベースかなあ。そうするとやっぱりもう一人、ドラムも欲しいっスよね。あはは、んなこと言って俺楽器弾けませんけどねー」
「おばかな妄想はいいから」
現実逃避しかけたゴーグルに釘を刺すと心理定規は呆れたように首を振る。
「俺はあれはあれでカッコいいと思うんスけど。フェスとかライブとかそう言うイベントなら」
ちょっとその辺に遊びにいこうぜ、と誘われたらゴーグルもお断りするかもしれない。
似合っているのが幸いと言うか不幸と言うか。
街中であれはとっても残念な人にみえそうだった。
中身が。
「さっきマシンガン持ってかないのかって聞かれたんだけど。どうせあんなの使わないだろうし、私邪魔なのは好きじゃないんだけどな」
壁際に置かれた鏡台とスチールラックを睨んで心理定規は頬を膨らめた。
彼女のスペースには、女の子らしいコスメやジュエリーに混じって物騒な小火器が置かれている。
もし戦闘になっても心理定規の能力は対人なら敵は居なくなる。
自分を、相手が傷つけられないような心の近い距離に置いてしまえばいい。
やりようによってはその場で人の盾も手に入るだろう。
しかし、自分からの攻撃手段は無く、乱戦にはあまり意味がないので彼女は暗部の仕事となると武器を持ち歩いているようだった。
「ギターケースに入れっぱなしのあれっスか。いいんじゃないスか? 今なら多分荷物持ってくれますよ。そうだなあ……バンドやるなら垣根さんはボーカルとかギターみたく派手なのっスかね。心理定規はキーボードか、歌えるならボーカルもいいかも。俺はベースかなあ。そうするとやっぱりもう一人、ドラムも欲しいっスよね。あはは、んなこと言って俺楽器弾けませんけどねー」
「おばかな妄想はいいから」
現実逃避しかけたゴーグルに釘を刺すと心理定規は呆れたように首を振る。
27: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/23(土) 00:05:00.64:t+qvKS460 (1/3)
「で、これからどこ行くんでしたっけ」
「資料のファイル開かなかったの? 第十六学区にある施設よ。ちょっとした……マナー違反が出たみたい」
第十六学区は学園都市でも優れた商業区画だ。
高額なバイトや特別待遇だけでなく、学生の奨学制度や学区内独自の制度も多い。
人も金も多く集まり流れていく地域だ。
中にはもちろん『特別』なバイトもあるのでトラブルには事欠かない場所でもあった。
『スクール』でも前に「お掃除」や「お片付け」をしたことがある。
慈善事業じゃねえんだけど、とリーダーはつまらなそうにぼやいていた。
「あー……そこだったら呑みサーの学生風でバッチリだったんスね。そう言う連中も多いし目立たなかったかも。今はどこ行っても悪目立ちしそうっスよね」
最初のでGOサインを出しておけば話は早く済んだのか、と今更になって気付き。
ゴーグルは肩を落とした。
なんか余計に疲れた気がしていた。
そんなゴーグルの気持ちは、まあわかってるんだろうけど。
垣根をまじまじとみていた心理定規はお構いなしに次の難題をふっかけた。
「で、これからどこ行くんでしたっけ」
「資料のファイル開かなかったの? 第十六学区にある施設よ。ちょっとした……マナー違反が出たみたい」
第十六学区は学園都市でも優れた商業区画だ。
高額なバイトや特別待遇だけでなく、学生の奨学制度や学区内独自の制度も多い。
人も金も多く集まり流れていく地域だ。
中にはもちろん『特別』なバイトもあるのでトラブルには事欠かない場所でもあった。
『スクール』でも前に「お掃除」や「お片付け」をしたことがある。
慈善事業じゃねえんだけど、とリーダーはつまらなそうにぼやいていた。
「あー……そこだったら呑みサーの学生風でバッチリだったんスね。そう言う連中も多いし目立たなかったかも。今はどこ行っても悪目立ちしそうっスよね」
最初のでGOサインを出しておけば話は早く済んだのか、と今更になって気付き。
ゴーグルは肩を落とした。
なんか余計に疲れた気がしていた。
そんなゴーグルの気持ちは、まあわかってるんだろうけど。
垣根をまじまじとみていた心理定規はお構いなしに次の難題をふっかけた。
28: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/23(土) 00:10:27.27:t+qvKS460 (2/3)
「やっぱり着替え直すよう言ってよ。大急ぎね」
ちょっと嫌そうに心理定規は目を伏せた。
でもまあ正直なところ、ゴーグルの少年からみたら垣根も心理定規も派手さなら同列だった。
二人の方向性がちょっと違うだけだ。
ごくごく一般的で地味な服装のゴーグルのほうがたまに浮いているような気がしてしまう。
「ええっ、垣根さん今すげー機嫌いいじゃないスか! それも珍しく! 嫌っスよ。そう言うのって女の子が言った方が効果ありそうだし、心理定規はその辺専門じゃないスか。うまい感じに誘導して下さいって」
そんな気持ちは今は伏せて、情けなく抗議するゴーグルの少年に心理定規は静かに首を振った。
何を言ってるのかしら、なんて心の声が聞こえてきそうなかんじだった。
「効果的だからいやなのよ。私、仕事前に彼の不興なんて買いたくないの。余計な事したくないでしょ」
お馬鹿さん、もおまけについてきそうだった。
「何してんだお前ら。行くんじゃねえの」
ひそひそと二人で話し込んでいる内に、今のいままで人を待たせていたとは思えない態度のリーダーからお声がかかってしまった。
「ほら、まだ間に合うわ。がんばって。ね?」
「ええー!」
いつになく上機嫌な垣根と、口元だけで笑う心理定規に挟まれて。
ゴーグルの少年は自らの不幸さを嘆くしかなかった。
「やっぱり着替え直すよう言ってよ。大急ぎね」
ちょっと嫌そうに心理定規は目を伏せた。
でもまあ正直なところ、ゴーグルの少年からみたら垣根も心理定規も派手さなら同列だった。
二人の方向性がちょっと違うだけだ。
ごくごく一般的で地味な服装のゴーグルのほうがたまに浮いているような気がしてしまう。
「ええっ、垣根さん今すげー機嫌いいじゃないスか! それも珍しく! 嫌っスよ。そう言うのって女の子が言った方が効果ありそうだし、心理定規はその辺専門じゃないスか。うまい感じに誘導して下さいって」
そんな気持ちは今は伏せて、情けなく抗議するゴーグルの少年に心理定規は静かに首を振った。
何を言ってるのかしら、なんて心の声が聞こえてきそうなかんじだった。
「効果的だからいやなのよ。私、仕事前に彼の不興なんて買いたくないの。余計な事したくないでしょ」
お馬鹿さん、もおまけについてきそうだった。
「何してんだお前ら。行くんじゃねえの」
ひそひそと二人で話し込んでいる内に、今のいままで人を待たせていたとは思えない態度のリーダーからお声がかかってしまった。
「ほら、まだ間に合うわ。がんばって。ね?」
「ええー!」
いつになく上機嫌な垣根と、口元だけで笑う心理定規に挟まれて。
ゴーグルの少年は自らの不幸さを嘆くしかなかった。
29: ◆q7l9AKAoH.:2014/08/23(土) 00:20:07.43:t+qvKS460 (3/3)
超能力者の自分だけの現実、特にセンスは未知数だぜ
麦野はあの中でも趣味良さそうだよね
下着透けちゃうストッキングはいちゃうけど
ドーモ
スマホでみるとけっこうつまってんね
中身つまらんけどつまってる
せりふまわりの行間いじってみた
ちったあマシかな
超能力者の自分だけの現実、特にセンスは未知数だぜ
麦野はあの中でも趣味良さそうだよね
下着透けちゃうストッキングはいちゃうけど
ドーモ
スマホでみるとけっこうつまってんね
中身つまらんけどつまってる
せりふまわりの行間いじってみた
ちったあマシかな
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/08/24(日) 15:07:53.36:nfKZswzH0 (1/1)
乙
面白いぞ
乙
面白いぞ
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/08/24(日) 19:47:50.53:TK2r7YrF0 (1/1)
マミ「100円ローソンが来週で閉店なんて・・・ショックだわ。」
まどマギの巴マミの日常の物語です。
この物語は見滝原100円ローソンと巴マミのエピソードである。
キャラ設定の崩壊があるかもしれないですが
ご了承下さいまし。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408390558/
マミ「100円ローソンが来週で閉店なんて・・・ショックだわ。」
まどマギの巴マミの日常の物語です。
この物語は見滝原100円ローソンと巴マミのエピソードである。
キャラ設定の崩壊があるかもしれないですが
ご了承下さいまし。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408390558/
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/25(月) 13:59:04.77:8ql7nLHv0 (1/1)
乙
なんかいい感じ、面白い
垣根提督のくだりに凄い納得して笑ってしまった
実際の小説とかだとフリガナが入る分の空きがあったりするが
こういう場だと完全に行間が詰まってるからなぁ
個々人の環境設定次第にもよりはするんだろうけども
乙
なんかいい感じ、面白い
垣根提督のくだりに凄い納得して笑ってしまった
実際の小説とかだとフリガナが入る分の空きがあったりするが
こういう場だと完全に行間が詰まってるからなぁ
個々人の環境設定次第にもよりはするんだろうけども
33: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:35:21.61:nVAsCJCm0 (1/29)
「ああっ、ダメっスよそこは」
「ばーか違うだろ。もうちょい下だ」
「右っス右!」
「と、思わせて実は反対側が安全だったりしてな」
「あなた達うるさいわよ。これで……どうかなっ?」
「あーっ!! マジっスかー!!」
「よし。次お前だな」
とあるファミレスの一角。
小さい子供むけのおもちゃを囲んで騒ぐ一団がいた。
夕方、混み合う店内の騒がしさの中でもひときわ目立ちそうな大きな声を上げて少年がテーブルにつっぷした。
目の前におかれた『黒ひげ危機一髪』のプラスティック製の剣をつまむとテーブルをつつきはじめた。
「どうしよう……残り六本っスよ」
「ああっ、ダメっスよそこは」
「ばーか違うだろ。もうちょい下だ」
「右っス右!」
「と、思わせて実は反対側が安全だったりしてな」
「あなた達うるさいわよ。これで……どうかなっ?」
「あーっ!! マジっスかー!!」
「よし。次お前だな」
とあるファミレスの一角。
小さい子供むけのおもちゃを囲んで騒ぐ一団がいた。
夕方、混み合う店内の騒がしさの中でもひときわ目立ちそうな大きな声を上げて少年がテーブルにつっぷした。
目の前におかれた『黒ひげ危機一髪』のプラスティック製の剣をつまむとテーブルをつつきはじめた。
「どうしよう……残り六本っスよ」
34: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:39:01.61:nVAsCJCm0 (2/29)
任務帰りの『スクール』はご機嫌なゲームの真っ最中だった。
ルールは簡単、負けた奴が他のメンバーの食事をおごる。
それだけ。
ただし、外の車内で待つ構成員のテイクアウト分も含まれるので一般的な学生の財布基準でみると痛い出費になりそうだった。
「心理定規、お前ほんとにあれだけでいいのか。飯食わないと逆に太るらしいぞ」
「あなたが頼みすぎなのよ」
「そっか? 和風御膳とポテトとフライ盛り合わせだろ、やっぱピザも食おっかな」
「……好きにすればいいと思うよ。メインのおかずにから揚げがあるのに揚げ物追加するのはちょっとついてけない」
呆れた様な目をする心理定規の向かいの席。
いつもの服装とは違いややハードな格好の垣根はまだメニューを眺めていた。
出かける直前の懸命なゴーグルの訴えが効いて、パンクロッカーみたいに派手なジャケットが今回陽の目をみることはなかったものの。
音楽の道を踏み外して夜の街に片足突っ込んだ若者の様な格好に余り違いはなかった。
「やっぱり! 俺が飛ばす流れっスよねこれ?」
派手なカップルとうっかり相席してしまった学生、みたいに見えるゴーグルの少年が座るのは当然の様に通路側だった。
任務帰りの『スクール』はご機嫌なゲームの真っ最中だった。
ルールは簡単、負けた奴が他のメンバーの食事をおごる。
それだけ。
ただし、外の車内で待つ構成員のテイクアウト分も含まれるので一般的な学生の財布基準でみると痛い出費になりそうだった。
「心理定規、お前ほんとにあれだけでいいのか。飯食わないと逆に太るらしいぞ」
「あなたが頼みすぎなのよ」
「そっか? 和風御膳とポテトとフライ盛り合わせだろ、やっぱピザも食おっかな」
「……好きにすればいいと思うよ。メインのおかずにから揚げがあるのに揚げ物追加するのはちょっとついてけない」
呆れた様な目をする心理定規の向かいの席。
いつもの服装とは違いややハードな格好の垣根はまだメニューを眺めていた。
出かける直前の懸命なゴーグルの訴えが効いて、パンクロッカーみたいに派手なジャケットが今回陽の目をみることはなかったものの。
音楽の道を踏み外して夜の街に片足突っ込んだ若者の様な格好に余り違いはなかった。
「やっぱり! 俺が飛ばす流れっスよねこれ?」
派手なカップルとうっかり相席してしまった学生、みたいに見えるゴーグルの少年が座るのは当然の様に通路側だった。
35: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:42:04.12:nVAsCJCm0 (3/29)
「すいません。季節のフルーツのパンケーキ二つ追加」
「垣根さん?! まだ俺やってないのに注文足さないでくださいっス! しかも二個も」
どこに剣を刺すか悩んでいるゴーグルを無視して呼び出し用のボタンを押すと、垣根はデザートまでオーダーした。
店員に似合わない愛想笑いを返した垣根は途端にしれっとした顔で前の席を指差した。
「一個はこいつのだぞ」
「何で勝手に頼んじゃうの。食べるなんて言ってないよ」
一瞬目を丸くした心理定規は細い眉を寄せて抗議する。
テーブルに乗せられていた限定メニューのカードを端に寄せると、垣根は首を振った。
「お前こればっか見てたろ。いいから我慢とかしないで食っちまえ。俺が食ってる間、ぶすっとした面が目の前にあんのは気分が悪いだろ」
「心理定規? 嫌なら俺、食べるっスよ」
「いい。二人にそんないじわるされたら我慢できそうにないし」
こうなったら食べちゃうんだから、と心理定規は頬を膨らめた。
「すいません。季節のフルーツのパンケーキ二つ追加」
「垣根さん?! まだ俺やってないのに注文足さないでくださいっス! しかも二個も」
どこに剣を刺すか悩んでいるゴーグルを無視して呼び出し用のボタンを押すと、垣根はデザートまでオーダーした。
店員に似合わない愛想笑いを返した垣根は途端にしれっとした顔で前の席を指差した。
「一個はこいつのだぞ」
「何で勝手に頼んじゃうの。食べるなんて言ってないよ」
一瞬目を丸くした心理定規は細い眉を寄せて抗議する。
テーブルに乗せられていた限定メニューのカードを端に寄せると、垣根は首を振った。
「お前こればっか見てたろ。いいから我慢とかしないで食っちまえ。俺が食ってる間、ぶすっとした面が目の前にあんのは気分が悪いだろ」
「心理定規? 嫌なら俺、食べるっスよ」
「いい。二人にそんないじわるされたら我慢できそうにないし」
こうなったら食べちゃうんだから、と心理定規は頬を膨らめた。
36: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:45:26.97:nVAsCJCm0 (4/29)
「まさかこんなおもちゃで遊ぶことになるとは思わなかったなあ」
「カードもコインもダメってなると勝負の方法は限られるけど。俺こんなん初めて触るぞ」
「んなこと言ってもっスねえ、心理戦で二人に勝てた試しがないんで。やる前から結果見えてんのはフェアじゃねえっス」
赤と白。
それぞれ小さな剣を手の中で遊ばせる二人が呆れたように笑う。
店内で売られていたおもちゃに目をつけ、これを持ってきたのもゴーグルの少年だった。
「あら。あなたたちだってサイコロやコインの出方を確率以外のやり方で決められるじゃない。でもじゃんけんもダメなの?」
「そりゃ心理定規がいるんスから。俺が何を出すかこっそり誘導してるに決まってるっス。出なきゃ仕草や会話から読み取るんスよお」
情けない声を上げるとゴーグルの少年は目の前のおもちゃをぐるぐる回し始めた。
外からみたところでたった一つのハズレがどれかはわからないだろうに。
よっぽど負けたくないのか、くだらないことに大真面目になるゴーグル。
それを見ていた心理定規は自分の頬に手を当てると大袈裟にリアクションした。
「嫌だな。もしそうなっても、そんな無駄な事しないよ?」
「思い切り損得絡んでるけどな」
「まさかこんなおもちゃで遊ぶことになるとは思わなかったなあ」
「カードもコインもダメってなると勝負の方法は限られるけど。俺こんなん初めて触るぞ」
「んなこと言ってもっスねえ、心理戦で二人に勝てた試しがないんで。やる前から結果見えてんのはフェアじゃねえっス」
赤と白。
それぞれ小さな剣を手の中で遊ばせる二人が呆れたように笑う。
店内で売られていたおもちゃに目をつけ、これを持ってきたのもゴーグルの少年だった。
「あら。あなたたちだってサイコロやコインの出方を確率以外のやり方で決められるじゃない。でもじゃんけんもダメなの?」
「そりゃ心理定規がいるんスから。俺が何を出すかこっそり誘導してるに決まってるっス。出なきゃ仕草や会話から読み取るんスよお」
情けない声を上げるとゴーグルの少年は目の前のおもちゃをぐるぐる回し始めた。
外からみたところでたった一つのハズレがどれかはわからないだろうに。
よっぽど負けたくないのか、くだらないことに大真面目になるゴーグル。
それを見ていた心理定規は自分の頬に手を当てると大袈裟にリアクションした。
「嫌だな。もしそうなっても、そんな無駄な事しないよ?」
「思い切り損得絡んでるけどな」
37: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:47:58.51:nVAsCJCm0 (5/29)
「それよりほら。料理来る前にハッキリさせちゃわない?」
いつまでも自分のターンのまま、ゲームの進行を止めているゴーグルを見かねたのか。
心理定規がそう促した。
「ううう……」
散々悩んで渋っていたゴーグルも観念したように顔を上げた。
神様仏様二次元の女神様! と唱えるとゴーグルは思い切って剣を差し込む。
だがカチン、と小さな音がしただけだった。
タルにはまった人形はピクリともしていない。
「やったあああ! やっ……あ、あのスンマセンっス」
「次。さっさと貸せよ」
勝ち誇った様に大きくバンザイをしたゴーグルは次の瞬間、素早く腕をひっこめた。
ささーっと頭を下げながら隣にタル型のおもちゃを回す。
「こう言うのは、グダグダ考えずに直感でだな――」
垣根が言い終わる前にビョン! と人形が跳ね上がった。
「ごちそうさまー」
「ご、ゴチになります」
頭を下げる二人の前で俯くリーダーはちいさくため息をついていた。
「それよりほら。料理来る前にハッキリさせちゃわない?」
いつまでも自分のターンのまま、ゲームの進行を止めているゴーグルを見かねたのか。
心理定規がそう促した。
「ううう……」
散々悩んで渋っていたゴーグルも観念したように顔を上げた。
神様仏様二次元の女神様! と唱えるとゴーグルは思い切って剣を差し込む。
だがカチン、と小さな音がしただけだった。
タルにはまった人形はピクリともしていない。
「やったあああ! やっ……あ、あのスンマセンっス」
「次。さっさと貸せよ」
勝ち誇った様に大きくバンザイをしたゴーグルは次の瞬間、素早く腕をひっこめた。
ささーっと頭を下げながら隣にタル型のおもちゃを回す。
「こう言うのは、グダグダ考えずに直感でだな――」
垣根が言い終わる前にビョン! と人形が跳ね上がった。
「ごちそうさまー」
「ご、ゴチになります」
頭を下げる二人の前で俯くリーダーはちいさくため息をついていた。
38: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:49:47.96:nVAsCJCm0 (6/29)
今回の敗者がはっきりしたところで、ゴーグルが席を立った。
心配事がなくなったのかすっかり晴れやかな顔をしていた。
「じゃあ俺飲みもの持ってくるっス」
「私ダージリン。あったかいのお願いね」
「アイス抹茶ラテ。あんま薄めんなよ」
「りょーかいっス」
少しして。
グラスを二つと湯気の立つカップを乗せたトレイを手にしたゴーグルが戻ってきた。
二人の前に飲み物を置くと、後ろを振り返りながら席に着く。
「なんかあっちにすごい客がいたんスよ」
そんな言葉を聞いて。
心理定規がカップを持ち上げながら首を傾げた。
「女子ばっかなんスけど、ドリンクバーオンリーどころか弁当とか缶詰持ち込みしてました。おまけに店員呼んでおかわり持って来いって言うんスよ!」
すごくないっスか? とゴーグルは自分の見てきたおかしなものを二人に伝えたが。
きっと席についたままの二人がその光景を見ることもこの感覚を共有することもない。
わざわざ見に行くどころか、きっとついで、で立つ用事もない筈だった。
今回の敗者がはっきりしたところで、ゴーグルが席を立った。
心配事がなくなったのかすっかり晴れやかな顔をしていた。
「じゃあ俺飲みもの持ってくるっス」
「私ダージリン。あったかいのお願いね」
「アイス抹茶ラテ。あんま薄めんなよ」
「りょーかいっス」
少しして。
グラスを二つと湯気の立つカップを乗せたトレイを手にしたゴーグルが戻ってきた。
二人の前に飲み物を置くと、後ろを振り返りながら席に着く。
「なんかあっちにすごい客がいたんスよ」
そんな言葉を聞いて。
心理定規がカップを持ち上げながら首を傾げた。
「女子ばっかなんスけど、ドリンクバーオンリーどころか弁当とか缶詰持ち込みしてました。おまけに店員呼んでおかわり持って来いって言うんスよ!」
すごくないっスか? とゴーグルは自分の見てきたおかしなものを二人に伝えたが。
きっと席についたままの二人がその光景を見ることもこの感覚を共有することもない。
わざわざ見に行くどころか、きっとついで、で立つ用事もない筈だった。
39: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:53:01.08:nVAsCJCm0 (7/29)
「随分非常識な連中だな。まぁ、お前みたいのがいないんだろ」
汗をかいたグラスを受け取ると垣根は意地悪く口元で笑った。
濁った底を混ぜ返すとカラカラと氷が音を立てた。
「それにしてもっスねえ。堂々としすぎっス。呼ばれたウェイトレスがかわいそうでしたよ」
「んな馬鹿共に構ってる暇があったらさっさと持って来いっつうの。氷、溶けてねえ?」
眉を寄せながら垣根はストローをくわえた。
それ以上の文句が飛んでこないので、どうやら気にしていた味の方は合格ラインに達していたらしい。
「ねえ、君の飲んでるそれは?」
ゴーグルの手にしたおかしな色にまじりあうジュースを心理定規が不審そうに見ていた。
「随分非常識な連中だな。まぁ、お前みたいのがいないんだろ」
汗をかいたグラスを受け取ると垣根は意地悪く口元で笑った。
濁った底を混ぜ返すとカラカラと氷が音を立てた。
「それにしてもっスねえ。堂々としすぎっス。呼ばれたウェイトレスがかわいそうでしたよ」
「んな馬鹿共に構ってる暇があったらさっさと持って来いっつうの。氷、溶けてねえ?」
眉を寄せながら垣根はストローをくわえた。
それ以上の文句が飛んでこないので、どうやら気にしていた味の方は合格ラインに達していたらしい。
「ねえ、君の飲んでるそれは?」
ゴーグルの手にしたおかしな色にまじりあうジュースを心理定規が不審そうに見ていた。
40: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 01:58:43.49:nVAsCJCm0 (8/29)
「これスか? ホワイトメロンジンジャーっス」
ゴーグルは得意げに答える。
なんて言っても、ドリンクバーに並んでいたジュースを適当に混ぜたものだ。
味はまあ、甘い炭酸飲料には違いない。
どうせ飲み放題なんだからそれぞれ一杯ずつ飲めばいいとか言ってはいけない。
これは、混ぜることに意味があるのだ。
「それ、香料と着色料がちょっと違うだけでほとんど砂糖水なんだよな。俺次コークジンジャー」
「1:2でしたっけ」
「そ。氷多めで。レモンあったっけ」
「それ他の店っス」
「やだなあ。あ、それこっちです。いただきまーす」
糖分の塊みたいな独自ブレンドを開拓する男子二人を無視して。
紅一点は目の前に運ばれてきたサラダに手を合わせた。
「これスか? ホワイトメロンジンジャーっス」
ゴーグルは得意げに答える。
なんて言っても、ドリンクバーに並んでいたジュースを適当に混ぜたものだ。
味はまあ、甘い炭酸飲料には違いない。
どうせ飲み放題なんだからそれぞれ一杯ずつ飲めばいいとか言ってはいけない。
これは、混ぜることに意味があるのだ。
「それ、香料と着色料がちょっと違うだけでほとんど砂糖水なんだよな。俺次コークジンジャー」
「1:2でしたっけ」
「そ。氷多めで。レモンあったっけ」
「それ他の店っス」
「やだなあ。あ、それこっちです。いただきまーす」
糖分の塊みたいな独自ブレンドを開拓する男子二人を無視して。
紅一点は目の前に運ばれてきたサラダに手を合わせた。
41: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:02:08.70:nVAsCJCm0 (9/29)
「そう言えば。何でお前仕事中あんな感じになんの?」
「あ、私も気になってた。話し方とか妙にカッコつけてるよね」
普段は砕けた調子のゴーグルだが、『スクール』での有事の際にはそのキャラクターが度々変わる。
口数はうんと減るし、ふざけたことも言わなくなる。
おまけに敬語。
180度の路線変更を茶化され、ゴーグルは口にしていたサンドイッチを詰まらせかけた。
水で何とか流し込むとテーブルをグラスで叩いて反論する。
「おっ俺はTPOに合わせた感じにしてるんスよ! このノリじゃイザって時にしまらないってくらい自覚あるんス」
「あったのか」
ポテトフライをマスタードとケチャップまみれにしていた垣根が意外そうに眉を上げた。
「別にそのままでいいんじゃない? おかしくてつい笑いそうになっちゃう」
「後はほら……気持ち切り替えてるんスよ。俺ゲーム以外で物騒なのはそんな得意じゃねえってゆーか。だからあれは仕事用のキャラメイクっス」
「そう言えば。何でお前仕事中あんな感じになんの?」
「あ、私も気になってた。話し方とか妙にカッコつけてるよね」
普段は砕けた調子のゴーグルだが、『スクール』での有事の際にはそのキャラクターが度々変わる。
口数はうんと減るし、ふざけたことも言わなくなる。
おまけに敬語。
180度の路線変更を茶化され、ゴーグルは口にしていたサンドイッチを詰まらせかけた。
水で何とか流し込むとテーブルをグラスで叩いて反論する。
「おっ俺はTPOに合わせた感じにしてるんスよ! このノリじゃイザって時にしまらないってくらい自覚あるんス」
「あったのか」
ポテトフライをマスタードとケチャップまみれにしていた垣根が意外そうに眉を上げた。
「別にそのままでいいんじゃない? おかしくてつい笑いそうになっちゃう」
「後はほら……気持ち切り替えてるんスよ。俺ゲーム以外で物騒なのはそんな得意じゃねえってゆーか。だからあれは仕事用のキャラメイクっス」
42: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:05:53.19:nVAsCJCm0 (10/29)
ゴーグルの言葉に垣根と心理定規は不思議そうに目を合わせた。
何言ってんだろうな?
さあ、わかんなーい
なんて無言のやりとりが聞こえてきそうだった。
「なんでそこで仲良く首傾げちゃうんスか……いーっスいーっス、俺だけ小者なのも自覚済みっス」
肩を落とすゴーグルをまじまじと見て、垣根は呆れた様に息をはいた。
改めて不思議そうに隣に目を向ける。
確かに、暗部組織や後ろ暗いものと関わりがあるようには見えない一見普通の少年だ。
普通の基準が『外』と学園都市では随分違ってしまっているとしても。
「はー。お前みたいなのがなんで『スクール』にいるんだかな」
「それは……お互い言いっこなしじゃないスか。ここで色々あった奴なんて山程いるんスから」
「……ご飯の間くらい、つまらない話はやめない?」
互いに一度視線を合わせると、三人は少しの間黙って目の前の料理を口に運んだ。
ゴーグルの言葉に垣根と心理定規は不思議そうに目を合わせた。
何言ってんだろうな?
さあ、わかんなーい
なんて無言のやりとりが聞こえてきそうだった。
「なんでそこで仲良く首傾げちゃうんスか……いーっスいーっス、俺だけ小者なのも自覚済みっス」
肩を落とすゴーグルをまじまじと見て、垣根は呆れた様に息をはいた。
改めて不思議そうに隣に目を向ける。
確かに、暗部組織や後ろ暗いものと関わりがあるようには見えない一見普通の少年だ。
普通の基準が『外』と学園都市では随分違ってしまっているとしても。
「はー。お前みたいなのがなんで『スクール』にいるんだかな」
「それは……お互い言いっこなしじゃないスか。ここで色々あった奴なんて山程いるんスから」
「……ご飯の間くらい、つまらない話はやめない?」
互いに一度視線を合わせると、三人は少しの間黙って目の前の料理を口に運んだ。
43: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:12:58.05:nVAsCJCm0 (11/29)
「取りあえず、これからの方針は前と変わらず……でいいのかしら」
一通り食べて、大したことのない会話を終えて。
そう切り出したのはサラダとデザートを食べ終え、一足先に目の前の食器を下げさせてしまった心理定規だった。
彼女が眉を寄せる視線の先では、垣根が最後に運ばれてきたパンケーキにシロップをなみなみと注いでいた。
「動くのに必要な情報を得るにしても、もうちょっと懐に潜り込まないとっスよね」
『スクール』の中では各々の利害の一致から、ある程度の活動指針があった。
いつも電話をよこすエージェントから持って来られる話とは別に、それに沿って組織として動くこともある。
「やっぱり『直接交渉権』を引き合いに出来るくらいの位置にいかないとダメかな。組織でも個人でもいいんだけど、まだそんな話が出来る様な信用も対価も不十分よね」
心理定規はそう呟くと頬杖をついた。
それに答えたのは、それまで黙ってナイフを動かしていた垣根だった。
唇についたクリームを舐めとると。
暗部組織のリーダーは、店内の雰囲気に似つかわしくない裂いた様な笑みを浮かべた。
「信用なんか必要ねえ。ただ『スクール』が便利なポジションにいれば学園都市も俺達を利用せざるを得ないからな。まぁ、こっちが黙って頷くだけのいい子ちゃんじゃねえのはあっちもわかってんだろ」
「取りあえず、これからの方針は前と変わらず……でいいのかしら」
一通り食べて、大したことのない会話を終えて。
そう切り出したのはサラダとデザートを食べ終え、一足先に目の前の食器を下げさせてしまった心理定規だった。
彼女が眉を寄せる視線の先では、垣根が最後に運ばれてきたパンケーキにシロップをなみなみと注いでいた。
「動くのに必要な情報を得るにしても、もうちょっと懐に潜り込まないとっスよね」
『スクール』の中では各々の利害の一致から、ある程度の活動指針があった。
いつも電話をよこすエージェントから持って来られる話とは別に、それに沿って組織として動くこともある。
「やっぱり『直接交渉権』を引き合いに出来るくらいの位置にいかないとダメかな。組織でも個人でもいいんだけど、まだそんな話が出来る様な信用も対価も不十分よね」
心理定規はそう呟くと頬杖をついた。
それに答えたのは、それまで黙ってナイフを動かしていた垣根だった。
唇についたクリームを舐めとると。
暗部組織のリーダーは、店内の雰囲気に似つかわしくない裂いた様な笑みを浮かべた。
「信用なんか必要ねえ。ただ『スクール』が便利なポジションにいれば学園都市も俺達を利用せざるを得ないからな。まぁ、こっちが黙って頷くだけのいい子ちゃんじゃねえのはあっちもわかってんだろ」
44: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:14:55.64:nVAsCJCm0 (12/29)
「やっぱ相当リスキーっスよ。後ろ盾も交渉材料もないし、手っ取り早くどっかの理事を引き込んじゃうとか出来ないんスか」
ドリンクバーとは別に注文したクリームソーダのアイスクリームを溶かしながら。
何気無くそう提案したゴーグルだがそれを聞いた垣根の顔が何故か不満そうになった。
むすっとした表情で再びスイーツと向かい合うリーダーに、心理定規はこれまた意味ありげに微笑む。
すっかり冷めていそうな紅茶をスプーンでくるくる混ぜながら口を開いた。
「ほら。やっぱりそうなるでしょ。だから話くらい聞いた方がいいよってアドバイスしたのになあ」
「嫌だっつってんだろ。お前やれよ」
「私にはまだそこまでのコネクションがないの。残念だけど」
「あのー。よくわかんないんスけど俺も混ぜてもらっていいスか」
ゴーグルは仲良くおしゃべりする二人に声を掛けたが、揃ってグラスとカップを突き出されてドリンクのおかわりを催促されてしまった。
「やっぱ相当リスキーっスよ。後ろ盾も交渉材料もないし、手っ取り早くどっかの理事を引き込んじゃうとか出来ないんスか」
ドリンクバーとは別に注文したクリームソーダのアイスクリームを溶かしながら。
何気無くそう提案したゴーグルだがそれを聞いた垣根の顔が何故か不満そうになった。
むすっとした表情で再びスイーツと向かい合うリーダーに、心理定規はこれまた意味ありげに微笑む。
すっかり冷めていそうな紅茶をスプーンでくるくる混ぜながら口を開いた。
「ほら。やっぱりそうなるでしょ。だから話くらい聞いた方がいいよってアドバイスしたのになあ」
「嫌だっつってんだろ。お前やれよ」
「私にはまだそこまでのコネクションがないの。残念だけど」
「あのー。よくわかんないんスけど俺も混ぜてもらっていいスか」
ゴーグルは仲良くおしゃべりする二人に声を掛けたが、揃ってグラスとカップを突き出されてドリンクのおかわりを催促されてしまった。
45: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:16:15.29:nVAsCJCm0 (13/29)
「垣根さん、いつもあんなにマネーカード持ち歩いてんスかね。ポケットにカードケースだけってどんだけ――あれ?」
テーブルの上を片付けていたゴーグルの少年が首をひねる。
用が済んだからといって買ったものを置いていくわけにもいかず。
箱に入れなおしていたおもちゃを見ると不思議そうな顔をした。
「どうしたの」
化粧を直していたらしい心理定規が荷物を取りに戻ってきた。
きれいに塗りなおされたピンクの唇を尖らせて、支度の遅いゴーグルの少年に声を掛けた。
「なんか剣が多いんスよ。ここの穴の数の割に、やけに余るような」
「勘違いじゃない?」
箱の横に印刷された仕様をみながらゴーグルはまだ首を傾げていたが。
「お前らなあ、早くしねーと車出すぞ!」
「はっ、はいいっ! 今行きます!」
疑問にけりが付く前に、強制的にピリオドが打たれる。
店の入り口から響いた怒号にゴーグルの少年はビシィ! っと背筋を伸ばした。
「垣根さん、いつもあんなにマネーカード持ち歩いてんスかね。ポケットにカードケースだけってどんだけ――あれ?」
テーブルの上を片付けていたゴーグルの少年が首をひねる。
用が済んだからといって買ったものを置いていくわけにもいかず。
箱に入れなおしていたおもちゃを見ると不思議そうな顔をした。
「どうしたの」
化粧を直していたらしい心理定規が荷物を取りに戻ってきた。
きれいに塗りなおされたピンクの唇を尖らせて、支度の遅いゴーグルの少年に声を掛けた。
「なんか剣が多いんスよ。ここの穴の数の割に、やけに余るような」
「勘違いじゃない?」
箱の横に印刷された仕様をみながらゴーグルはまだ首を傾げていたが。
「お前らなあ、早くしねーと車出すぞ!」
「はっ、はいいっ! 今行きます!」
疑問にけりが付く前に、強制的にピリオドが打たれる。
店の入り口から響いた怒号にゴーグルの少年はビシィ! っと背筋を伸ばした。
46: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 02:21:07.54:nVAsCJCm0 (14/29)
ドーモ
禁書は学園物の割に殺伐としてるから普通の学生っぽいことしてるのがみたくなる
元暗部の中では『アイテム』がその辺は恵まれてそう。今は浜面もいるし。他は一応解散しちゃったし
モ○ゲーとかでやらないかな。大覇星祭系のイベント前に7、5以外の超能力者による選手宣誓デモンストレーション。でなきゃ描き下ろしカード
残りも男女ペアで1、3と2、4とかさー舞台裏がすげー殺伐としそうだけど
って考えると漫画でやったの七位と五位で大当たりだ。実行委員がかわいそうだわ
体操着の第四位とかいろんないみでヤバいっしょ
レスありがとう
乙の一言だけでやる気があがるぜ
がんばるわーまたかけたらくる
ドーモ
禁書は学園物の割に殺伐としてるから普通の学生っぽいことしてるのがみたくなる
元暗部の中では『アイテム』がその辺は恵まれてそう。今は浜面もいるし。他は一応解散しちゃったし
モ○ゲーとかでやらないかな。大覇星祭系のイベント前に7、5以外の超能力者による選手宣誓デモンストレーション。でなきゃ描き下ろしカード
残りも男女ペアで1、3と2、4とかさー舞台裏がすげー殺伐としそうだけど
って考えると漫画でやったの七位と五位で大当たりだ。実行委員がかわいそうだわ
体操着の第四位とかいろんないみでヤバいっしょ
レスありがとう
乙の一言だけでやる気があがるぜ
がんばるわーまたかけたらくる
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/09/13(土) 03:11:47.19:XsPgkEth0 (1/1)
おつ
おつ
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/13(土) 06:31:29.75:vZ9uBWZR0 (1/2)
乙っす、原作大幅改変せずここまで面白いスクール書けるとは
続きお待ちしております
乙っす、原作大幅改変せずここまで面白いスクール書けるとは
続きお待ちしております
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/13(土) 11:21:29.64:sZwdb27R0 (1/1)
乙
なんだこいつら可愛すぎる、雰囲気が良いね
余った剣は白かったりするんだろうか
体操着の第二位と第四位が並ぶと何のプレイだとしか
乙
なんだこいつら可愛すぎる、雰囲気が良いね
余った剣は白かったりするんだろうか
体操着の第二位と第四位が並ぶと何のプレイだとしか
50: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 18:15:46.71:nVAsCJCm0 (15/29)
このSSとは関係ないんだけど
大覇星祭の選手宣誓を超能力者にやらせるかの話し合い
ネタ浮かんだんだけど、ここに落としてもいいかな
このSSとは関係ないんだけど
大覇星祭の選手宣誓を超能力者にやらせるかの話し合い
ネタ浮かんだんだけど、ここに落としてもいいかな
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/13(土) 21:35:42.54:ni7CcYJm0 (1/1)
いいんじゃないかな
まったく別ジャンルのネタってわけでもないし
いいんじゃないかな
まったく別ジャンルのネタってわけでもないし
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/13(土) 22:14:47.50:vZ9uBWZR0 (2/2)
上記の話の構成力からして、期待せざるをえないネタだね
別スレだと見つけられるか判らんし、ぜひここに落としてください
上記の話の構成力からして、期待せざるをえないネタだね
別スレだと見つけられるか判らんし、ぜひここに落としてください
53: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:17:16.55:nVAsCJCm0 (16/29)
レスあざまーっす
スレッド立てたの初めてだからこういうのやべえうれしい
まとめて失礼
>>48
まだおばかな『スクール』SSだけど、今後大幅改変入る予定
それも気に入ってもらえたらうれしっすー
>>49
剣なー、どうなんだろうなー
お互い見た瞬間、垣根も麦野も即チェンジっていいそう
>>51
ありがとー
こっからちょっと落としてく
レスあざまーっす
スレッド立てたの初めてだからこういうのやべえうれしい
まとめて失礼
>>48
まだおばかな『スクール』SSだけど、今後大幅改変入る予定
それも気に入ってもらえたらうれしっすー
>>49
剣なー、どうなんだろうなー
お互い見た瞬間、垣根も麦野も即チェンジっていいそう
>>51
ありがとー
こっからちょっと落としてく
54: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:20:06.19:nVAsCJCm0 (17/29)
>>52
即興だから期待されると自信ないw
短いからわざわざ立てるのもよくないしね
じゃあ折角前振りもしたし、お言葉に甘えて
こっから12レスくらい
台本
一応sageますスルーしてもらって結構っす
>>52
即興だから期待されると自信ないw
短いからわざわざ立てるのもよくないしね
じゃあ折角前振りもしたし、お言葉に甘えて
こっから12レスくらい
台本
一応sageますスルーしてもらって結構っす
55: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:22:04.56:nVAsCJCm0 (18/29)
※SSの内容とは関係ない一発ネタです※
頂点決戦ネタあり、あそこは時間の流れも原作本編の軋轢もあんまり影響ないギャグ特化世界なのでいーっすよね
何度でも春夏秋冬のイベントがみれるよ!
暗部解体後のどっかのギャグ次元ってことでひとつ
なかよしレベル5が定期的にみたくなる
運営委員「第一位さん入りまーす!」
一方「ったくなンなンですかァ……面倒くせェことで呼びやがって」
垣根「遅えぞ。第一位様は重役出勤ですかあー? こう言うのは最低五分前には動けよ」
一方「あァ? なンでオマエらがいるンだ」
麦野「大覇星祭の開会式ってのに超能力者の残りの面子が呼ばれたのよ。前に下二人が出たんなら、その上も使えると思ったんじゃない。こっちは迷惑だっつうの」
垣根「え。結果次第で『直接交渉権』の繋ぎがつくって話は? 第一位も来るし、当然来るよなって俺言われたぞ?」
麦野「アンタそれ、担がれたんじゃないの」
一方「超能力者を集めるって言ってもよォ。その割りに一人足りてねェみたいだけどなァ」
御坂「ごめんなさーい! 実験に付き合ってたら遅くなっ……ええっ?! 麦野沈利に一方通行も?」
麦野「来た来た。テメェなあ、人を呼ぶのにさんくらいつけたらどうなんだよ」
※SSの内容とは関係ない一発ネタです※
頂点決戦ネタあり、あそこは時間の流れも原作本編の軋轢もあんまり影響ないギャグ特化世界なのでいーっすよね
何度でも春夏秋冬のイベントがみれるよ!
暗部解体後のどっかのギャグ次元ってことでひとつ
なかよしレベル5が定期的にみたくなる
運営委員「第一位さん入りまーす!」
一方「ったくなンなンですかァ……面倒くせェことで呼びやがって」
垣根「遅えぞ。第一位様は重役出勤ですかあー? こう言うのは最低五分前には動けよ」
一方「あァ? なンでオマエらがいるンだ」
麦野「大覇星祭の開会式ってのに超能力者の残りの面子が呼ばれたのよ。前に下二人が出たんなら、その上も使えると思ったんじゃない。こっちは迷惑だっつうの」
垣根「え。結果次第で『直接交渉権』の繋ぎがつくって話は? 第一位も来るし、当然来るよなって俺言われたぞ?」
麦野「アンタそれ、担がれたんじゃないの」
一方「超能力者を集めるって言ってもよォ。その割りに一人足りてねェみたいだけどなァ」
御坂「ごめんなさーい! 実験に付き合ってたら遅くなっ……ええっ?! 麦野沈利に一方通行も?」
麦野「来た来た。テメェなあ、人を呼ぶのにさんくらいつけたらどうなんだよ」
56: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:23:29.11:nVAsCJCm0 (19/29)
御坂「えーと。そっちの人は?」
垣根「ああ、自己紹介が遅れたかな。はじめまして、俺は垣根帝督。第二位の超能力者だ。よろしく御坂美琴さん」
麦野「うわぁ」
一方「キモい」
御坂「どうも……あー、よかった超能力者って普通そうな人も私の他にいたんだ。安心したわ」
一方「残念だったなァ。こいつが一番非常識だぞ」
麦野「なーに猫被ってんだか。気持ち悪い」
垣根「人間、初対面の印象が大事なんだよ。こいつはこっち側じゃねえし、おまけに中坊だろ。無駄にビビらせてどうすんだよ」
麦野「相手で態度を使い分けるとか、性根の悪さが滲み出てるけど」
御坂「じゃあ、結局この中でまともなのは私だけかぁ」
垣根「……なぁ。こいつって実は性格悪いの? 単に口が悪いの?」
一方「口から出ちまうンだろ。悪意だらけなのはもっと酷ェぞ。まァ、悪気がないのは質が悪ィけどなァ」
麦野「第一位、アンタそのうち御坂の扱いも慣れてくるんじゃない?」
一方「オマエ相当ふざけてンなァ、麦野」
御坂「えーと。そっちの人は?」
垣根「ああ、自己紹介が遅れたかな。はじめまして、俺は垣根帝督。第二位の超能力者だ。よろしく御坂美琴さん」
麦野「うわぁ」
一方「キモい」
御坂「どうも……あー、よかった超能力者って普通そうな人も私の他にいたんだ。安心したわ」
一方「残念だったなァ。こいつが一番非常識だぞ」
麦野「なーに猫被ってんだか。気持ち悪い」
垣根「人間、初対面の印象が大事なんだよ。こいつはこっち側じゃねえし、おまけに中坊だろ。無駄にビビらせてどうすんだよ」
麦野「相手で態度を使い分けるとか、性根の悪さが滲み出てるけど」
御坂「じゃあ、結局この中でまともなのは私だけかぁ」
垣根「……なぁ。こいつって実は性格悪いの? 単に口が悪いの?」
一方「口から出ちまうンだろ。悪意だらけなのはもっと酷ェぞ。まァ、悪気がないのは質が悪ィけどなァ」
麦野「第一位、アンタそのうち御坂の扱いも慣れてくるんじゃない?」
一方「オマエ相当ふざけてンなァ、麦野」
57: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:25:40.78:nVAsCJCm0 (20/29)
垣根「で。俺たちに大覇星祭のイベントに出ろっつう話なんだよな。暗部が解体されたからって、随分と平和ボケしたもんだ」
一方「麦野オマエ、もォ断る理由がねェンじゃねェか?」
垣根「じゃあ麦野と御坂で充分だろ。俺たち来た意味ねえな。別に男女各一名、なんて縛りもねえだろうし」
御坂「ちょっと待って! 麦野と?」
麦野「私だってコイツとなんかごめんだっつうの」
垣根「ふーん。なんだ、お前ら仲良くねえんだ」
麦野「じゃあ、第一位と第三位でいいんじゃない。第二位と一緒は嫌でしょ」
一方「オマエ……それはマズいだろォが」
麦野「オリジナルとは嫌な訳?」
一方「俺個人の問題じゃねェよ」
御坂「嫌って言うか……複雑よね」
垣根「で。俺たちに大覇星祭のイベントに出ろっつう話なんだよな。暗部が解体されたからって、随分と平和ボケしたもんだ」
一方「麦野オマエ、もォ断る理由がねェンじゃねェか?」
垣根「じゃあ麦野と御坂で充分だろ。俺たち来た意味ねえな。別に男女各一名、なんて縛りもねえだろうし」
御坂「ちょっと待って! 麦野と?」
麦野「私だってコイツとなんかごめんだっつうの」
垣根「ふーん。なんだ、お前ら仲良くねえんだ」
麦野「じゃあ、第一位と第三位でいいんじゃない。第二位と一緒は嫌でしょ」
一方「オマエ……それはマズいだろォが」
麦野「オリジナルとは嫌な訳?」
一方「俺個人の問題じゃねェよ」
御坂「嫌って言うか……複雑よね」
58: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:27:48.08:nVAsCJCm0 (21/29)
垣根「御坂忙しそうだしな。メディア露出もかなり多いんだろ? じゃあ麦野と一方通行……は、ガキの教育に悪そうだな。目つき悪すぎ」
一方「腐ったドブみてェな目のヤツに言われたくねェ」
麦野「まるで自分はいいみたいな言い方ねえ。確かに子どもウケは良さそうだけどさー色々と」
垣根「テメェ、この中で一番格下の癖に俺に喧嘩売るとかいい度胸してんな。いっぺん痛い目みたくらいじゃ足りねえか?」
御坂「ちょっと、少しはまともに話し合いましょうって」
一方「もォオマエら並べば? リーダーさんよォ」
御坂「そうね。麦野と垣根さんなら二人とも丁度いいかもよ? スタイルとかバランスも」
垣根「美男美女なのはいいとして。これからたのしい運動会、ってガラじゃねえだろ。『外』でも流すんだよな確か」
麦野「何プレイだっての」
一方「オイ。せめて罰ゲームくらいにしとけ」
垣根「御坂忙しそうだしな。メディア露出もかなり多いんだろ? じゃあ麦野と一方通行……は、ガキの教育に悪そうだな。目つき悪すぎ」
一方「腐ったドブみてェな目のヤツに言われたくねェ」
麦野「まるで自分はいいみたいな言い方ねえ。確かに子どもウケは良さそうだけどさー色々と」
垣根「テメェ、この中で一番格下の癖に俺に喧嘩売るとかいい度胸してんな。いっぺん痛い目みたくらいじゃ足りねえか?」
御坂「ちょっと、少しはまともに話し合いましょうって」
一方「もォオマエら並べば? リーダーさんよォ」
御坂「そうね。麦野と垣根さんなら二人とも丁度いいかもよ? スタイルとかバランスも」
垣根「美男美女なのはいいとして。これからたのしい運動会、ってガラじゃねえだろ。『外』でも流すんだよな確か」
麦野「何プレイだっての」
一方「オイ。せめて罰ゲームくらいにしとけ」
59: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:30:06.09:nVAsCJCm0 (22/29)
垣根「まぁ、誰が出るにしてもだ。どんな感じか想定くらいしておこうぜ」
麦野「それはいいけど何でアンタが仕切ってんの」
垣根「だってお前らやる気ないだろ。これっぽっちも。こう言うのは誰かがやんねえとな、話にならねえ」
御坂「垣根さんて、意外と面倒見がいいのかな」
麦野「でも、確かに浜面は世話になったらしいのよね。滝壺のこととか」
一方「そォ言えばオマエ、口は相当ユルかったなァ。べらべら余計なことまで教えてくれてよォ」
垣根「そうか。そうかよ。そうですか。お前らそんなに俺が嫌いか」
御坂「えー。いや、ホラ今日あったばっかだし」
麦野「悪いけどさ、アンタみたいなの趣味じゃないから」
一方「ウゼェ」
垣根「俺だってテメェらなんか大っ嫌いだよ!!」
垣根「まぁ、誰が出るにしてもだ。どんな感じか想定くらいしておこうぜ」
麦野「それはいいけど何でアンタが仕切ってんの」
垣根「だってお前らやる気ないだろ。これっぽっちも。こう言うのは誰かがやんねえとな、話にならねえ」
御坂「垣根さんて、意外と面倒見がいいのかな」
麦野「でも、確かに浜面は世話になったらしいのよね。滝壺のこととか」
一方「そォ言えばオマエ、口は相当ユルかったなァ。べらべら余計なことまで教えてくれてよォ」
垣根「そうか。そうかよ。そうですか。お前らそんなに俺が嫌いか」
御坂「えー。いや、ホラ今日あったばっかだし」
麦野「悪いけどさ、アンタみたいなの趣味じゃないから」
一方「ウゼェ」
垣根「俺だってテメェらなんか大っ嫌いだよ!!」
60: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:32:32.75:nVAsCJCm0 (23/29)
御坂「まあ上から順に考えましょう。一方通行は、今回もし出るならどうするの?」
一方「もしもだろォ……カッコは前と同じでいい。面倒くせェ。最初に顔だけ出したら帰るからな」
御坂「前って……あー、あの応援団の」
一方「あれ暑いンだけどな」
御坂「じゃあほら垣根さんもあんな感じにすればいいんじゃない?」
麦野「長ランねえ、色は白でいいんでしょ。どうせ」
一方「裏地は紫ってかァ? 趣味の悪ィ」
垣根「テメェに服の話はされたくねぇ。っつうか、それだと俺は白組サイドってことでいいのか? 白手袋に白いハチマキ……あれ、結構よくねえ?」
麦野「一昔前のヤンキーみたいだなあオイ。ついでに派手な刺繍でも入れればいいんじゃないかにゃーん」
御坂「???」
一方「オイ、『超電磁砲』がついてこれてねェぞ。いつの時代のはなししてンだ」
垣根「なあ。それあんまりかわいくねえにゃーん?」
麦野「テメエらぁあ……ブチ殺し確定だぁああ!」
御坂「まあ上から順に考えましょう。一方通行は、今回もし出るならどうするの?」
一方「もしもだろォ……カッコは前と同じでいい。面倒くせェ。最初に顔だけ出したら帰るからな」
御坂「前って……あー、あの応援団の」
一方「あれ暑いンだけどな」
御坂「じゃあほら垣根さんもあんな感じにすればいいんじゃない?」
麦野「長ランねえ、色は白でいいんでしょ。どうせ」
一方「裏地は紫ってかァ? 趣味の悪ィ」
垣根「テメェに服の話はされたくねぇ。っつうか、それだと俺は白組サイドってことでいいのか? 白手袋に白いハチマキ……あれ、結構よくねえ?」
麦野「一昔前のヤンキーみたいだなあオイ。ついでに派手な刺繍でも入れればいいんじゃないかにゃーん」
御坂「???」
一方「オイ、『超電磁砲』がついてこれてねェぞ。いつの時代のはなししてンだ」
垣根「なあ。それあんまりかわいくねえにゃーん?」
麦野「テメエらぁあ……ブチ殺し確定だぁああ!」
61: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:34:42.32:nVAsCJCm0 (24/29)
垣根「まぁ、とりあえずカッコはその辺でいいとして。なんかこー、いい感じの煽り文句が欲しいよなあ」
麦野「その辺、第一位はどうだったのよ」
御坂「えっと、確か『最強の応援』だったかな?」
一方「じゃァ、コイツは『非常識な応援』でいいンじゃねェか。『上から二番目の応援』とか士気が下がンだろォが」
垣根「……『あのガキ、ケガしねェだろォなァ?(裏声)』」
御坂「ぷっ」
麦野「くふっ」
一方「垣根ェ……よっぽど愉快なオブジェになりてェらしいなァ?」
垣根「まぁ、とりあえずカッコはその辺でいいとして。なんかこー、いい感じの煽り文句が欲しいよなあ」
麦野「その辺、第一位はどうだったのよ」
御坂「えっと、確か『最強の応援』だったかな?」
一方「じゃァ、コイツは『非常識な応援』でいいンじゃねェか。『上から二番目の応援』とか士気が下がンだろォが」
垣根「……『あのガキ、ケガしねェだろォなァ?(裏声)』」
御坂「ぷっ」
麦野「くふっ」
一方「垣根ェ……よっぽど愉快なオブジェになりてェらしいなァ?」
62: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:39:49.13:nVAsCJCm0 (25/29)
垣根「用意するんなら横断幕は『未元物質』でいいぜー。間違ってもこっぱずかしいのは止めてくれ」
麦野「ふっ、ふふ…ガキの…名前とか?」
御坂「ちょっと、笑っちゃ悪いわよ」
一方「……気付いたら外堀からガッチリ埋められてた俺の気持ちなンざオマエらにゃわかンねェよ。はしゃいだアイツらにビデオ用意するだなンだって言われてから、参加するだろって話が出てくンだぞ」
御坂「ああ……それでアンタあんな似合わないことしたの」
一方「次はオマエらの番だろォなァ。楽しみにしてろォ」
御坂「なんかそう言われると嫌な想像しか出来ないんだけど……黒子とか、黒子とかマm」
麦野「ま?」
御坂「なっ、なんでもない!!」
垣根「……埋まる外堀がねえ」
垣根「用意するんなら横断幕は『未元物質』でいいぜー。間違ってもこっぱずかしいのは止めてくれ」
麦野「ふっ、ふふ…ガキの…名前とか?」
御坂「ちょっと、笑っちゃ悪いわよ」
一方「……気付いたら外堀からガッチリ埋められてた俺の気持ちなンざオマエらにゃわかンねェよ。はしゃいだアイツらにビデオ用意するだなンだって言われてから、参加するだろって話が出てくンだぞ」
御坂「ああ……それでアンタあんな似合わないことしたの」
一方「次はオマエらの番だろォなァ。楽しみにしてろォ」
御坂「なんかそう言われると嫌な想像しか出来ないんだけど……黒子とか、黒子とかマm」
麦野「ま?」
御坂「なっ、なんでもない!!」
垣根「……埋まる外堀がねえ」
63: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:43:41.43:nVAsCJCm0 (26/29)
垣根「まぁ御坂は無難でいい感じにこなしてくれるとして、問題は麦野だろうな」
麦野「私?」
一方「体操服……着ンのか」
御坂「あんまり想像できないわね。確かに」
垣根「でなきゃチアとか……あんな短いの履く?」
麦野「あんなバカみたいなカッコ、誰がっ」
垣根「多分、お前スポーツとか似合うさわやかなキャラじゃねえんだよ。一方通行もそうだろうけどさ」
一方「否定はしねェ」
麦野「ああ? テメェは似合うってのかぁ?」
垣根「おお。そこのモヤシと違って腹筋割れてっからな。確認してみるか?」
一方「そこで脱ぐんじゃねェぞ。非常識野郎」
垣根「まぁ御坂は無難でいい感じにこなしてくれるとして、問題は麦野だろうな」
麦野「私?」
一方「体操服……着ンのか」
御坂「あんまり想像できないわね。確かに」
垣根「でなきゃチアとか……あんな短いの履く?」
麦野「あんなバカみたいなカッコ、誰がっ」
垣根「多分、お前スポーツとか似合うさわやかなキャラじゃねえんだよ。一方通行もそうだろうけどさ」
一方「否定はしねェ」
麦野「ああ? テメェは似合うってのかぁ?」
垣根「おお。そこのモヤシと違って腹筋割れてっからな。確認してみるか?」
一方「そこで脱ぐんじゃねェぞ。非常識野郎」
64: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:44:49.02:nVAsCJCm0 (27/29)
垣根「いっそエロい路線でいけばいいんじゃね? ラウンドガールみたいに競技とか学校の紹介してまわれば?」
御坂「ステージ用のレーザーやライトも必要ないわね」
麦野「人のこと、馬鹿にしてんだろテメェら」
一方「……浜面が喜ぶンじゃねぇか」
垣根「あー、あいつそう言うの好きなの。チューブトップとか」
一方「バニーとかなァ」
麦野「……ぜっっったいに出ない」
御坂「へ?」
麦野「私は、そんなの絶対しないからなあっ! 畜生、帰るっ!!」
御坂「うっそ、本当に帰っちゃうの? ちょっと?」
垣根「超能力者ってさあ、めんどうなヤツばっかだな」
一方「まァな」
垣根「いっそエロい路線でいけばいいんじゃね? ラウンドガールみたいに競技とか学校の紹介してまわれば?」
御坂「ステージ用のレーザーやライトも必要ないわね」
麦野「人のこと、馬鹿にしてんだろテメェら」
一方「……浜面が喜ぶンじゃねぇか」
垣根「あー、あいつそう言うの好きなの。チューブトップとか」
一方「バニーとかなァ」
麦野「……ぜっっったいに出ない」
御坂「へ?」
麦野「私は、そんなの絶対しないからなあっ! 畜生、帰るっ!!」
御坂「うっそ、本当に帰っちゃうの? ちょっと?」
垣根「超能力者ってさあ、めんどうなヤツばっかだな」
一方「まァな」
65: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:46:16.12:nVAsCJCm0 (28/29)
垣根「……なんか、俺らも帰っていいってよ。デモンストレーションは無しだとさ」
御坂「急にどうしたの?」
垣根「前回出た、削板軍覇がどっかから聞きつけて『また出てやろうか』ってノリノリで立候補したんだと」
一方「それで懲りたってのか。下らねェ」
垣根「ああ。運営委員会の連中は超能力者が一筋縄じゃいかねえ、あいつらの思う様に動いてなんざくれねえってことを思い出したんだろうな。第七位でアレだ、その上の怪物なんて持て余すに決まってる。まぁ、賢い判断じゃねえのか」
御坂「うーん。大覇星祭自体私は好きだから、開会式くらい別にいいんだけど」
垣根「あっちは削板は使いたくないらしいから……『心理掌握』と並べば? 常盤台の株も上がるんじゃねえ。けどあいつもさー、中学生らしくねえよなあ」
御坂「!! やっぱり止めた!!」
垣根「女ってさあ、めんどうなヤツばっかだな」
一方「まァな」
垣根「……テメェ、ほんっとにやる気ねえな?」
一方「まァな」
垣根「……なんか、俺らも帰っていいってよ。デモンストレーションは無しだとさ」
御坂「急にどうしたの?」
垣根「前回出た、削板軍覇がどっかから聞きつけて『また出てやろうか』ってノリノリで立候補したんだと」
一方「それで懲りたってのか。下らねェ」
垣根「ああ。運営委員会の連中は超能力者が一筋縄じゃいかねえ、あいつらの思う様に動いてなんざくれねえってことを思い出したんだろうな。第七位でアレだ、その上の怪物なんて持て余すに決まってる。まぁ、賢い判断じゃねえのか」
御坂「うーん。大覇星祭自体私は好きだから、開会式くらい別にいいんだけど」
垣根「あっちは削板は使いたくないらしいから……『心理掌握』と並べば? 常盤台の株も上がるんじゃねえ。けどあいつもさー、中学生らしくねえよなあ」
御坂「!! やっぱり止めた!!」
垣根「女ってさあ、めんどうなヤツばっかだな」
一方「まァな」
垣根「……テメェ、ほんっとにやる気ねえな?」
一方「まァな」
66: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/13(土) 22:48:26.70:nVAsCJCm0 (29/29)
ドーモ
お目汚ししつれいっした
暗部5は口調がどうも被っていかん。麦野は口が悪すぎて一方さんと被るし
とりあえず垣根以外は「アイツ」ってのはおぼえた。ちいおぼ
新規でキャラの描き下ろし増えねえかなーって思うわけっすよ
ドーモ
お目汚ししつれいっした
暗部5は口調がどうも被っていかん。麦野は口が悪すぎて一方さんと被るし
とりあえず垣根以外は「アイツ」ってのはおぼえた。ちいおぼ
新規でキャラの描き下ろし増えねえかなーって思うわけっすよ
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/09/14(日) 01:17:52.68:aiBeIzT30 (1/1)
乙wwwwww
乙wwwwww
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/14(日) 17:28:02.33:WFb9Wojy0 (1/1)
乙
こういうレベル5のギャグ的なのとても好き、掛け合いが面白い
この4人の中で一番マシな組み合わせは……垣根と美琴?
乙
こういうレベル5のギャグ的なのとても好き、掛け合いが面白い
この4人の中で一番マシな組み合わせは……垣根と美琴?
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/14(日) 23:29:25.08:OKRHc2e70 (1/1)
乙っす、期待を裏切らない面白さでした
次回も期待しております
乙っす、期待を裏切らない面白さでした
次回も期待しております
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/15(月) 11:24:41.38:sdtYvko4O (1/1)
乙
面白い
乙
面白い
71: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:38:16.50:sCgSYa+Z0 (1/12)
ちっともみさきちでないから今から投下するわー
>>68
垣根と御坂は営業スマイルも得意っぽそうだし、関わりないからお互い嫌がる理由もなさげだよね
ただ、垣根に頼みごとすると後で何を要求されるかが怖そう
ちっともみさきちでないから今から投下するわー
>>68
垣根と御坂は営業スマイルも得意っぽそうだし、関わりないからお互い嫌がる理由もなさげだよね
ただ、垣根に頼みごとすると後で何を要求されるかが怖そう
72: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:39:39.28:sCgSYa+Z0 (2/12)
とあるマンションの一室。
広い部屋の中ではキータイプやクリックの音が折り重なる様に響いていた。
他は静かなものだ。
電源の点いたモニタの前に座る垣根も、パソコンから背を向けてじっとしていた。
手には少年漫画が一冊。
その近くには漫画が山と積まれていた。
どれもゴーグルがレンタルショップから借りてきたものだ。
ついさっきも垣根に、
「こんなにどうすんだ?」
とつっこまれたが、ゴーグルは胸を張って答えた。
「明日からたのしーたのしー夏休みっスから! パーっとまとめ読みするんス!!」
それを聞いた垣根はわざとらしく頷いていた。
もしかしたら夏休みなんて感覚がそんなにないのかもしれない。
超能力者には学校も授業もあまり重要じゃなさそうだった。
今現在『スクール』に与えられた任務は特にない。
だが、ゴーグルの少年はこの隠れ家でしばらくデスクワークの予定だった。
任務とは関係ない『スクール』の夏休みの課題、なんてところだ。
飲み物や弁当、スナック菓子をコンビニで調達し遠足気分でカンヅメの準備を進めていたところにたまたまリーダーがやってきて寛ぎはじめたのだ。
とあるマンションの一室。
広い部屋の中ではキータイプやクリックの音が折り重なる様に響いていた。
他は静かなものだ。
電源の点いたモニタの前に座る垣根も、パソコンから背を向けてじっとしていた。
手には少年漫画が一冊。
その近くには漫画が山と積まれていた。
どれもゴーグルがレンタルショップから借りてきたものだ。
ついさっきも垣根に、
「こんなにどうすんだ?」
とつっこまれたが、ゴーグルは胸を張って答えた。
「明日からたのしーたのしー夏休みっスから! パーっとまとめ読みするんス!!」
それを聞いた垣根はわざとらしく頷いていた。
もしかしたら夏休みなんて感覚がそんなにないのかもしれない。
超能力者には学校も授業もあまり重要じゃなさそうだった。
今現在『スクール』に与えられた任務は特にない。
だが、ゴーグルの少年はこの隠れ家でしばらくデスクワークの予定だった。
任務とは関係ない『スクール』の夏休みの課題、なんてところだ。
飲み物や弁当、スナック菓子をコンビニで調達し遠足気分でカンヅメの準備を進めていたところにたまたまリーダーがやってきて寛ぎはじめたのだ。
73: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:40:31.92:sCgSYa+Z0 (3/12)
「あーあ。だからどこもかしこも、下校時刻前だってのに学生だらけなのかよ。このクソ暑いのに」
むっとした顔で垣根は愚痴る。
ファミレス、ゲームセンター、カラオケなどなど。どこの娯楽施設も飲食店も浮かれた学生で溢れているだろう。
何しろ明日から夏休み。
ちょっとはしゃぎすぎても大目にみていただきたい。
「垣根さん……ちょーっとそれ、暑がってる風には見えねえっス」
今着ている長袖のジャケットをなんとかしてしまえばいいんじゃないか、とゴーグルは思う。
思うだけだ。
そこまでは口にしない。
「んなの気分だよ。気分。ったく、どうしろってんだよ。ギラついた日差しの下を呑気にお散歩でもしろってのか」
言われて目を向ければ、ここまで暑い中歩いてきた様には見えない。
汗なんてかいた様子もなかった。
街の混雑っぷりがお気に召さなかったらしいリーダーは、涼しい顔でエアコンの設定温度をいじっていた。
まさかわざわざ手伝いに来たとはゴーグルも思っていないが、どうやら本当にただ暇を潰しに来ただけらしい。
「あーあ。だからどこもかしこも、下校時刻前だってのに学生だらけなのかよ。このクソ暑いのに」
むっとした顔で垣根は愚痴る。
ファミレス、ゲームセンター、カラオケなどなど。どこの娯楽施設も飲食店も浮かれた学生で溢れているだろう。
何しろ明日から夏休み。
ちょっとはしゃぎすぎても大目にみていただきたい。
「垣根さん……ちょーっとそれ、暑がってる風には見えねえっス」
今着ている長袖のジャケットをなんとかしてしまえばいいんじゃないか、とゴーグルは思う。
思うだけだ。
そこまでは口にしない。
「んなの気分だよ。気分。ったく、どうしろってんだよ。ギラついた日差しの下を呑気にお散歩でもしろってのか」
言われて目を向ければ、ここまで暑い中歩いてきた様には見えない。
汗なんてかいた様子もなかった。
街の混雑っぷりがお気に召さなかったらしいリーダーは、涼しい顔でエアコンの設定温度をいじっていた。
まさかわざわざ手伝いに来たとはゴーグルも思っていないが、どうやら本当にただ暇を潰しに来ただけらしい。
74: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:41:15.12:sCgSYa+Z0 (4/12)
パタン、と本を閉じる音にゴーグルはふとつぶやいた。
「垣根さんて漫画はゆっくり読むんスね」
「そうか? 普通じゃねえの」
「いつも資料とかはぱーっと目通しちゃうじゃないスか。あれスか、ああ言う時ってフォトリーディングとかしてるんスか」
「ホットリーディング?」
椅子にもたれたまま垣根はかくん、と首を傾げた。
どうやら聞きなれない言葉だったらしい上になんだか聞き間違っていた。
「それだと心理定規とかの分野っス。フォトリーディング、速読法の一種っスよ」
ホットリーディングはどちらかと言うとパチモン占い師の技能で、自前に調査しまくった情報を素知らぬ顔で「たった今あなたから読み取りましたよーすごいでしょーう」なんてわざとらしく披露することを言うらしいからちょっと違うかもしれない。
パタン、と本を閉じる音にゴーグルはふとつぶやいた。
「垣根さんて漫画はゆっくり読むんスね」
「そうか? 普通じゃねえの」
「いつも資料とかはぱーっと目通しちゃうじゃないスか。あれスか、ああ言う時ってフォトリーディングとかしてるんスか」
「ホットリーディング?」
椅子にもたれたまま垣根はかくん、と首を傾げた。
どうやら聞きなれない言葉だったらしい上になんだか聞き間違っていた。
「それだと心理定規とかの分野っス。フォトリーディング、速読法の一種っスよ」
ホットリーディングはどちらかと言うとパチモン占い師の技能で、自前に調査しまくった情報を素知らぬ顔で「たった今あなたから読み取りましたよーすごいでしょーう」なんてわざとらしく披露することを言うらしいからちょっと違うかもしれない。
75: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:42:03.44:sCgSYa+Z0 (5/12)
「ああ。別に意識してねえ。能力開発されてるヤツにしたらそう言うのって工夫で何とかなるんじゃねえの」
『能力開発』も表向きは記憶術や脳科学のジャンルだ。
育脳なんて呼ばれることもあるが実質的には量子力学に基づいた『観測』がメインだ。
育てる前に捉えることが必要で、ある程度の演算能力がないと扱えない。
そんな能力者の頭脳にはその為に欠かせない訓練や開発もされていた。
もちろん個人差はある。
複雑な演算をしなければいけない高レベルの能力者の方がその辺の処理能力は高いはずだが、能力が使えてもお馬鹿さんなやつもいる。
「にしても、ああ言うのはテクニックと効率重視で実が少ないんス。かさましの専門書ならともかく小説や漫画にディッピングとかあり得ねえっスよ。様は他を読み飛ばしてるようなもんスから」
「そんなもんか」
「ファンは些細な描写も大事にしたいんスよ。アニメだって、作画で一喜一憂するし。キャラの公式プロフィールがあれば好きなものとか押さえときたいんス」
「そりゃ随分と暇だな。いや、忙しいのか?」
口と手を忙しく動かしながらモニタをにらみ続けるゴーグルに、垣根はキャスター付きの椅子を引きずりながらやる気なさそうに答えた。
読み終えた本をそばに積まれた山に戻しているらしい。
「ああ。別に意識してねえ。能力開発されてるヤツにしたらそう言うのって工夫で何とかなるんじゃねえの」
『能力開発』も表向きは記憶術や脳科学のジャンルだ。
育脳なんて呼ばれることもあるが実質的には量子力学に基づいた『観測』がメインだ。
育てる前に捉えることが必要で、ある程度の演算能力がないと扱えない。
そんな能力者の頭脳にはその為に欠かせない訓練や開発もされていた。
もちろん個人差はある。
複雑な演算をしなければいけない高レベルの能力者の方がその辺の処理能力は高いはずだが、能力が使えてもお馬鹿さんなやつもいる。
「にしても、ああ言うのはテクニックと効率重視で実が少ないんス。かさましの専門書ならともかく小説や漫画にディッピングとかあり得ねえっスよ。様は他を読み飛ばしてるようなもんスから」
「そんなもんか」
「ファンは些細な描写も大事にしたいんスよ。アニメだって、作画で一喜一憂するし。キャラの公式プロフィールがあれば好きなものとか押さえときたいんス」
「そりゃ随分と暇だな。いや、忙しいのか?」
口と手を忙しく動かしながらモニタをにらみ続けるゴーグルに、垣根はキャスター付きの椅子を引きずりながらやる気なさそうに答えた。
読み終えた本をそばに積まれた山に戻しているらしい。
76: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:42:52.94:sCgSYa+Z0 (6/12)
「あれば……それもあればの話なんスけどね。いくら脇扱いでも誕生日や身長体重くらいもったいぶらなくていいと思うんスよ……」
「なぁ、これ続きねえの」
ゴーグルのマイナーな独り言は今や当然の様に流される。
アニメやゲームの話題に垣根や心理定規がいちいちなんだそりゃ、と聞いてくることはほとんどなかった。
下部組織の下っ端くん達は、愛想笑いでたまに頷く。
「あー、借りてんのはそこまでっスね。それは『外』の作品なんで買おうにもこっちでの流通少ないんスよ。確か既刊はまだあるんスけど。気に入りました?」
「読むと続きは気になんだろ」
「じゃあ後借りたらまた持ってきます」
「っつうかここはお前の家じゃねえからな」
『スクール』の中で恐らく一番身軽な垣根から釘をさされて、ゴーグルはペコっと頭を下げた。
ここは『スクール』の隠れ家として使っている部屋だが、ゴーグル個人の荷物も多い。
物理的な重量なら心理定規もいい勝負かもしれなかった。
室内のパソコンのうち1台もゴーグルの私物だった。
一体型のオシャレなやつの隣に置かれた、今使っているミニタワーがそうだ。
ネットサーフィンにはまるで必要なさそうな機能が充実している。
「あれば……それもあればの話なんスけどね。いくら脇扱いでも誕生日や身長体重くらいもったいぶらなくていいと思うんスよ……」
「なぁ、これ続きねえの」
ゴーグルのマイナーな独り言は今や当然の様に流される。
アニメやゲームの話題に垣根や心理定規がいちいちなんだそりゃ、と聞いてくることはほとんどなかった。
下部組織の下っ端くん達は、愛想笑いでたまに頷く。
「あー、借りてんのはそこまでっスね。それは『外』の作品なんで買おうにもこっちでの流通少ないんスよ。確か既刊はまだあるんスけど。気に入りました?」
「読むと続きは気になんだろ」
「じゃあ後借りたらまた持ってきます」
「っつうかここはお前の家じゃねえからな」
『スクール』の中で恐らく一番身軽な垣根から釘をさされて、ゴーグルはペコっと頭を下げた。
ここは『スクール』の隠れ家として使っている部屋だが、ゴーグル個人の荷物も多い。
物理的な重量なら心理定規もいい勝負かもしれなかった。
室内のパソコンのうち1台もゴーグルの私物だった。
一体型のオシャレなやつの隣に置かれた、今使っているミニタワーがそうだ。
ネットサーフィンにはまるで必要なさそうな機能が充実している。
77: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:44:29.23:sCgSYa+Z0 (7/12)
「今日は合間に読もうと思って持ってきただけなんで。置いてきませんから大丈夫っス」
そうか、と返事すると垣根は別の漫画を手にとって読みはじめた。
「今日は合間に読もうと思って持ってきただけなんで。置いてきませんから大丈夫っス」
そうか、と返事すると垣根は別の漫画を手にとって読みはじめた。
78: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:45:13.77:sCgSYa+Z0 (8/12)
「垣根さんは……カリスマ性ばっちしなんで特質っスよね。操作系ってか具現化よりで中身は多系統の複合能力っぽいっスけど」
「そんなのここの能力者なんて操作か放出のどっちかってのがほとんどだろ」
ついさっき、
「休憩! 俺は今から絶賛休憩タイムに入ります!!」とハイテンションに叫んで作業を中断したゴーグルは漫画を片手に垣根とだべっていた。
「でも例外っぽいのもたまにいるみたいっスよね。レアな能力者とか。後は何でしたっけ『外』でたまーに自然発生するって言う『原石』とか。あ、このマンガじゃないスけど、磨けば光るっていいっスねえ。うらやましーっス」
「まぁ、学園都市の能力開発なんざ……たとえば必要な機材と材料を全部揃えた上で、適当な手順で人工ダイヤでも作ってる様なもんじゃねえの。発現する能力もやってみるまでわかんねえんだから。そうやって作ったもんも、それなりのカットを施せる出来かさえ怪しいレベルだろ? 磨いても光るかわからねえってのはひどい話だよな」
そうやって試行錯誤、失敗の繰り返しの中でたまたま見つけ出されたのが、この垣根の様な超能力者、と言う事になるんだろうか。
開発を受けている本人たちでさえ、この街で行われていることについてろくに知らなかったりする。
「垣根さんは……カリスマ性ばっちしなんで特質っスよね。操作系ってか具現化よりで中身は多系統の複合能力っぽいっスけど」
「そんなのここの能力者なんて操作か放出のどっちかってのがほとんどだろ」
ついさっき、
「休憩! 俺は今から絶賛休憩タイムに入ります!!」とハイテンションに叫んで作業を中断したゴーグルは漫画を片手に垣根とだべっていた。
「でも例外っぽいのもたまにいるみたいっスよね。レアな能力者とか。後は何でしたっけ『外』でたまーに自然発生するって言う『原石』とか。あ、このマンガじゃないスけど、磨けば光るっていいっスねえ。うらやましーっス」
「まぁ、学園都市の能力開発なんざ……たとえば必要な機材と材料を全部揃えた上で、適当な手順で人工ダイヤでも作ってる様なもんじゃねえの。発現する能力もやってみるまでわかんねえんだから。そうやって作ったもんも、それなりのカットを施せる出来かさえ怪しいレベルだろ? 磨いても光るかわからねえってのはひどい話だよな」
そうやって試行錯誤、失敗の繰り返しの中でたまたま見つけ出されたのが、この垣根の様な超能力者、と言う事になるんだろうか。
開発を受けている本人たちでさえ、この街で行われていることについてろくに知らなかったりする。
79: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:46:00.31:sCgSYa+Z0 (9/12)
「垣根さんは手元から離しても能力使えますよね。羽根飛ばしたりしないんスか」
「羽伸ばしたりはするけど」
何だよ、と言いたげに顔を上げた垣根の表情を確認するとゴーグルは身を乗り出した。
この流れなら大丈夫! と判断して、思い切って『未元物質』の話題を振ってみた。
「バラして飛び道具にするのカッコよくないっスか? 『フェザーショット』的な。流石に敵を操るのは別能力っぽいから難しいかもっスけど」
「カッコいいのかよ。それ」
垣根は内心複雑そうに眉を寄せた。
だがゴーグルは首を縦に振る。
『未元物質』はすごい能力だ。
単純に戦闘面だけみても高い防御性能と攻撃力、そこにオールレンジ攻撃も可能そうな飛び道具なんてプラスされたら。
もしも何かのゲームキャラならよっぽどの弱点を設けるか他のパラメータを調整しないとバランスブレイカー過ぎて禁止キャラ扱いになりそうだった。
そう思いつくとぜひ一度試してもらいたくなる。
「やってみて下さいっス。すげーカッコいいですって」
広げた六枚の翼から『未元物質』を掃射する痩身の少年……は想像するとやっぱり絵面がシュールすぎるかもしれない。
そう思ったがゴーグルは黙っておいた。
垣根は満更でもない顔をしていた。
「垣根さんは手元から離しても能力使えますよね。羽根飛ばしたりしないんスか」
「羽伸ばしたりはするけど」
何だよ、と言いたげに顔を上げた垣根の表情を確認するとゴーグルは身を乗り出した。
この流れなら大丈夫! と判断して、思い切って『未元物質』の話題を振ってみた。
「バラして飛び道具にするのカッコよくないっスか? 『フェザーショット』的な。流石に敵を操るのは別能力っぽいから難しいかもっスけど」
「カッコいいのかよ。それ」
垣根は内心複雑そうに眉を寄せた。
だがゴーグルは首を縦に振る。
『未元物質』はすごい能力だ。
単純に戦闘面だけみても高い防御性能と攻撃力、そこにオールレンジ攻撃も可能そうな飛び道具なんてプラスされたら。
もしも何かのゲームキャラならよっぽどの弱点を設けるか他のパラメータを調整しないとバランスブレイカー過ぎて禁止キャラ扱いになりそうだった。
そう思いつくとぜひ一度試してもらいたくなる。
「やってみて下さいっス。すげーカッコいいですって」
広げた六枚の翼から『未元物質』を掃射する痩身の少年……は想像するとやっぱり絵面がシュールすぎるかもしれない。
そう思ったがゴーグルは黙っておいた。
垣根は満更でもない顔をしていた。
80: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:47:47.60:sCgSYa+Z0 (10/12)
「やっぱり、四六時中『未元物質』で遊んでるうちに能力が使える様になってたりしたんスか」
「別に。俺の場合は多分……他の奴らとはやり方がちょっと違ったかもな」
垣根が自分の能力の話をするのは珍しい。
ゴーグルは期待して聞き返した。
「違うって。どんな風にスか」
「俺についた開発官どもがやったのなんざ、俺が発現出来るようになった『未元物質』ってのが何なのか、理論的にこじつけた様なもんだ。既にあった何かの理論から上手いやり方を見つけてくるんじゃなく、その為に一から積み上げなきゃならなかった訳」
垣根はそう言うと組んでいた腕をつまらなそうに伸ばした。
開いた右手の周りにはパキパキと音を立てて『未元物質』が展開されていた。
室内照明からの光を不自然にねじ曲げ、反射しながら能力の産物はトゲだらけの螺旋を描いて伸びていく。
眺めていくうちにその形が歪み、滑らかになり、最後はチリ一つ残さずにきれいさっぱり消えてしまった。
「それでも、これが何なのか誰もわからなかった。この俺だって、こいつで何が出来るのか隅から隅まで理解してる訳じゃねえ。演算式もまだ未完成って所だし」
ぷらぷらと右手を振って、垣根は息を吐いた。
飽き飽きした様に吐き捨てる超能力者だが。
それを見ていたゴーグルの声は正反対なくらい興奮していた。
「それでも超能力者って……垣根さんがマジになったらどうなるんスかね。『未元物質』完全掌握! とかしちゃったらヤバいっスね!!」
「……いいな、それ」
垣根は驚いた様に目を丸くすると、ふっと微笑んだ。
「やっぱり、四六時中『未元物質』で遊んでるうちに能力が使える様になってたりしたんスか」
「別に。俺の場合は多分……他の奴らとはやり方がちょっと違ったかもな」
垣根が自分の能力の話をするのは珍しい。
ゴーグルは期待して聞き返した。
「違うって。どんな風にスか」
「俺についた開発官どもがやったのなんざ、俺が発現出来るようになった『未元物質』ってのが何なのか、理論的にこじつけた様なもんだ。既にあった何かの理論から上手いやり方を見つけてくるんじゃなく、その為に一から積み上げなきゃならなかった訳」
垣根はそう言うと組んでいた腕をつまらなそうに伸ばした。
開いた右手の周りにはパキパキと音を立てて『未元物質』が展開されていた。
室内照明からの光を不自然にねじ曲げ、反射しながら能力の産物はトゲだらけの螺旋を描いて伸びていく。
眺めていくうちにその形が歪み、滑らかになり、最後はチリ一つ残さずにきれいさっぱり消えてしまった。
「それでも、これが何なのか誰もわからなかった。この俺だって、こいつで何が出来るのか隅から隅まで理解してる訳じゃねえ。演算式もまだ未完成って所だし」
ぷらぷらと右手を振って、垣根は息を吐いた。
飽き飽きした様に吐き捨てる超能力者だが。
それを見ていたゴーグルの声は正反対なくらい興奮していた。
「それでも超能力者って……垣根さんがマジになったらどうなるんスかね。『未元物質』完全掌握! とかしちゃったらヤバいっスね!!」
「……いいな、それ」
垣根は驚いた様に目を丸くすると、ふっと微笑んだ。
81: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:48:28.78:sCgSYa+Z0 (11/12)
「まぁ、最初から情報が足りてねえのは自覚してるけど。無い物ねだってもどうにかなる訳じゃねえし」
垣根は頭の後ろで腕を組むとそのまま深く椅子に体を沈めた。
ギィィ、と背もたれが音を立てた。
不自由はしていない、しかし現状に満足もしていない。
そんな態度がみて取れた。
「能力者の法則って言えば、垣根さんが前に調べてた事例ってのはどうだったんスか?」
「暴走能力者か? ああ、ありゃダメだ。中身も参考にはならねえ。何より使われてんのが色々と悪趣味過ぎる」
そう言うと垣根は近くの収納を漁りはじめた。
少しして、分厚い何冊かの資料と共に小さなケースを取り出した。
「……なんスか。これ」
プリントアウトされた書類の方はぱっと見て「大脳生物学」とかの難しそうなものらしいこと以外よくわからない。
そしてケースの中から出てきたのは薬局にでもありそうな小さなビニールのパウチ。
中には白い粉末がごく少量だけ封入されていた。
「まぁ、最初から情報が足りてねえのは自覚してるけど。無い物ねだってもどうにかなる訳じゃねえし」
垣根は頭の後ろで腕を組むとそのまま深く椅子に体を沈めた。
ギィィ、と背もたれが音を立てた。
不自由はしていない、しかし現状に満足もしていない。
そんな態度がみて取れた。
「能力者の法則って言えば、垣根さんが前に調べてた事例ってのはどうだったんスか?」
「暴走能力者か? ああ、ありゃダメだ。中身も参考にはならねえ。何より使われてんのが色々と悪趣味過ぎる」
そう言うと垣根は近くの収納を漁りはじめた。
少しして、分厚い何冊かの資料と共に小さなケースを取り出した。
「……なんスか。これ」
プリントアウトされた書類の方はぱっと見て「大脳生物学」とかの難しそうなものらしいこと以外よくわからない。
そしてケースの中から出てきたのは薬局にでもありそうな小さなビニールのパウチ。
中には白い粉末がごく少量だけ封入されていた。
82: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/21(日) 22:49:36.22:sCgSYa+Z0 (12/12)
「『能力体結晶』。試すか? トベるかもよ」
垣根はつまんだ袋を指で叩くと底に溜まった粉末をならしてそう言った。
封を切ったスナック菓子でもすすめる様な気軽さだった。
「いいッ?! 『体晶』ってこれっスか? 能力者何人も潰したって薬っスよね。俺いいっス、遠慮しときます」
ゴーグルは思わずのけぞって首を振った。
適性があれば、極一部の能力者には大幅な能力の上昇効果があると言われる薬品だ。
だが、暴走状態を起こす強烈な副作用の方が有名で、その名前だけならゴーグルも聞いたことがあった。
「垣根さんまさか……試しました?」
「はぁ? んな無駄なことする訳ねえだろ、俺が」
おそるおそる聞いたゴーグルは苛立った目を向けられて慌てて謝る。
ゴーグルは、この人が暴走状態になったらどうやって止めるんだろう、とか怖い想像をしてしまったのだが不要な考えだったらしい。
超能力者、現在学園都市でも最高峰に位置する能力者がわざわざ危険な賭けに手を出す理由がなかった。
「『能力体結晶』。試すか? トベるかもよ」
垣根はつまんだ袋を指で叩くと底に溜まった粉末をならしてそう言った。
封を切ったスナック菓子でもすすめる様な気軽さだった。
「いいッ?! 『体晶』ってこれっスか? 能力者何人も潰したって薬っスよね。俺いいっス、遠慮しときます」
ゴーグルは思わずのけぞって首を振った。
適性があれば、極一部の能力者には大幅な能力の上昇効果があると言われる薬品だ。
だが、暴走状態を起こす強烈な副作用の方が有名で、その名前だけならゴーグルも聞いたことがあった。
「垣根さんまさか……試しました?」
「はぁ? んな無駄なことする訳ねえだろ、俺が」
おそるおそる聞いたゴーグルは苛立った目を向けられて慌てて謝る。
ゴーグルは、この人が暴走状態になったらどうやって止めるんだろう、とか怖い想像をしてしまったのだが不要な考えだったらしい。
超能力者、現在学園都市でも最高峰に位置する能力者がわざわざ危険な賭けに手を出す理由がなかった。
83: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:32:40.75:p1jngrY10 (1/9)
「これって何で出来てるんスか」
「暴走能力者の脳内には独自の伝達回路があるらしい。そこで異常分泌される神経伝達物質なんかを集めて精製したのがそれだ。物としちゃあ、暴走時の脳内を再現しちまうのか、それとも他の能力者の伝達回路ってのに使用者が拒否反応でも起こすんじゃねえかと思うんだけど」
「あれ。拒否反応って初耳っス。どうしてそう思うんスか?」
「『多重能力(デュアルスキル)』の研究は知ってるか。俺達能力者は、まるで違う二つの能力を使う事が出来ねえ。一つの能力の幅を広げる事は出来ても、開発で開いた脳回路を元から増やすなんざ負担がデカすぎるって立証済みだろ。そこに他人のおかしなモンをブチ込んでみろ、どうなるか……っつうか拒否反応以前に気持ち悪いだろ。それ、元は他の能力者の一部だぞ」
うげっ、と舌を出すと垣根は嫌そうに顔を顰めた。
劇薬で引き起こされる危険な暴走よりも、そちらの方が余程不快だったらしい。
「複数の能力使おうとするのはやっぱ無理なんスかね……能力使用に必要な、例えばOSみたいなもんの入ったドライブのパーテーションはいじれなくても、外付けとか他ドライブ経由なら何とかならないスかね? パソコンだって、既存のOS維持したままの切り替え方法くらい幾つもあるんスから」
学園都市に居る数多くの研究者の中には、愉快でイカレた仮説を立てたり実験してみたりする人間もいる。
今のはゴーグルがほんのちょっと思いついただけの事だが、探せばどこかにそんな「実例」もありそうだった。
「これって何で出来てるんスか」
「暴走能力者の脳内には独自の伝達回路があるらしい。そこで異常分泌される神経伝達物質なんかを集めて精製したのがそれだ。物としちゃあ、暴走時の脳内を再現しちまうのか、それとも他の能力者の伝達回路ってのに使用者が拒否反応でも起こすんじゃねえかと思うんだけど」
「あれ。拒否反応って初耳っス。どうしてそう思うんスか?」
「『多重能力(デュアルスキル)』の研究は知ってるか。俺達能力者は、まるで違う二つの能力を使う事が出来ねえ。一つの能力の幅を広げる事は出来ても、開発で開いた脳回路を元から増やすなんざ負担がデカすぎるって立証済みだろ。そこに他人のおかしなモンをブチ込んでみろ、どうなるか……っつうか拒否反応以前に気持ち悪いだろ。それ、元は他の能力者の一部だぞ」
うげっ、と舌を出すと垣根は嫌そうに顔を顰めた。
劇薬で引き起こされる危険な暴走よりも、そちらの方が余程不快だったらしい。
「複数の能力使おうとするのはやっぱ無理なんスかね……能力使用に必要な、例えばOSみたいなもんの入ったドライブのパーテーションはいじれなくても、外付けとか他ドライブ経由なら何とかならないスかね? パソコンだって、既存のOS維持したままの切り替え方法くらい幾つもあるんスから」
学園都市に居る数多くの研究者の中には、愉快でイカレた仮説を立てたり実験してみたりする人間もいる。
今のはゴーグルがほんのちょっと思いついただけの事だが、探せばどこかにそんな「実例」もありそうだった。
84: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:33:48.52:p1jngrY10 (2/9)
「必要なもんを外から丸ごと持ってくるってことか? 今の段階じゃそれも難しいだろ、何しろ『自分だけの現実』や『AIM拡散力場』でさえ研究途中の分野だからな。たとえ脳を移植したって、能力は変わらないなんて話もあるし。開発してない人間に既存の能力者の機能だけあてがうとかするんなら、暴走はひとまず防げるかもしれないけど」
「あー。でもそれやると、能力開発そのものがいらなくなっちゃいますね。俺たちもお払い箱、とか」
いや、と垣根は少し何か考えてから首を振った。
いつの間にか真剣な顔をしていた。
雑談には変わりないが、つまらない内容が思わぬ方向に向かっていた。
「狙った能力者が手に入らねえうちは、『絶対能力(レベル6)』の可能性に当たるまで数をこなしたいってのも恐らくは学園都市の本音だろ。気軽にそんな真似したんじゃ本末転倒だろうけど、別に互いに潰し合う様な条件じゃねえ。まぁ、そんな技術が使えるかどうかは別として、今まで無駄に開発させられた下位能力者連中にはそれなりに同情するけどな」
現段階で、学園都市に暮らす180万の学生のほとんどは強能力者以下に振り分けられる。
日常生活で便利だと思える程度の異能さえ、手に入れられていないものが数多くいる。
「必要なもんを外から丸ごと持ってくるってことか? 今の段階じゃそれも難しいだろ、何しろ『自分だけの現実』や『AIM拡散力場』でさえ研究途中の分野だからな。たとえ脳を移植したって、能力は変わらないなんて話もあるし。開発してない人間に既存の能力者の機能だけあてがうとかするんなら、暴走はひとまず防げるかもしれないけど」
「あー。でもそれやると、能力開発そのものがいらなくなっちゃいますね。俺たちもお払い箱、とか」
いや、と垣根は少し何か考えてから首を振った。
いつの間にか真剣な顔をしていた。
雑談には変わりないが、つまらない内容が思わぬ方向に向かっていた。
「狙った能力者が手に入らねえうちは、『絶対能力(レベル6)』の可能性に当たるまで数をこなしたいってのも恐らくは学園都市の本音だろ。気軽にそんな真似したんじゃ本末転倒だろうけど、別に互いに潰し合う様な条件じゃねえ。まぁ、そんな技術が使えるかどうかは別として、今まで無駄に開発させられた下位能力者連中にはそれなりに同情するけどな」
現段階で、学園都市に暮らす180万の学生のほとんどは強能力者以下に振り分けられる。
日常生活で便利だと思える程度の異能さえ、手に入れられていないものが数多くいる。
85: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:34:47.03:p1jngrY10 (3/9)
「やっぱり超能力者から上ってのを作るのが学園都市の目的なんスかね」
能力開発を受ける為に希望を胸にやってくる子どもや、行き場のない子どもたちの為にただの親切や善意でこの街が開かれていないことは、垣根もゴーグルも嫌と言うほどわかっていた。
なんの為の能力開発か、なんてところに焦点があたった。
「さあな。だが、それだけだと思うか? だとしたら、第一位が確立した後の能力開発なんざそもそも意味なくなるだろ」
「うーん……たとえば約0.00000056%の確率のガチャを回したとして。一つでもマシなの引いたら、俺ならとりあえずそれを全力強化っスかね。次同じだけ回しても、いいのが出るとは思えないんで」
180万分の1の確率で見つかった金の卵。
それを、それこそ文字通りにレベルアップさせるなら、現在使えるベースで済ます方が早いに決まっている。
その後使うかもわからない素材を数万単位、数を揃える方が、余程手間がかかりそうだ。
「だが下は五歳から、ガキの能力者は今だって生産され続けてんだ。そんなに保険をかけたいのか、別に思惑があるのか。どっちにしろ学園都市の目的ってのがそこで止まるとはどうにも思えねえ」
学園都市は膨大なロスを抱え込んででも次の候補の発見に賭けたいのか。
それともその余剰すら必要だとでも言うのか。
たった二人の思いつきでは答えが出そうもなかった。
「やっぱり超能力者から上ってのを作るのが学園都市の目的なんスかね」
能力開発を受ける為に希望を胸にやってくる子どもや、行き場のない子どもたちの為にただの親切や善意でこの街が開かれていないことは、垣根もゴーグルも嫌と言うほどわかっていた。
なんの為の能力開発か、なんてところに焦点があたった。
「さあな。だが、それだけだと思うか? だとしたら、第一位が確立した後の能力開発なんざそもそも意味なくなるだろ」
「うーん……たとえば約0.00000056%の確率のガチャを回したとして。一つでもマシなの引いたら、俺ならとりあえずそれを全力強化っスかね。次同じだけ回しても、いいのが出るとは思えないんで」
180万分の1の確率で見つかった金の卵。
それを、それこそ文字通りにレベルアップさせるなら、現在使えるベースで済ます方が早いに決まっている。
その後使うかもわからない素材を数万単位、数を揃える方が、余程手間がかかりそうだ。
「だが下は五歳から、ガキの能力者は今だって生産され続けてんだ。そんなに保険をかけたいのか、別に思惑があるのか。どっちにしろ学園都市の目的ってのがそこで止まるとはどうにも思えねえ」
学園都市は膨大なロスを抱え込んででも次の候補の発見に賭けたいのか。
それともその余剰すら必要だとでも言うのか。
たった二人の思いつきでは答えが出そうもなかった。
86: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:35:40.55:p1jngrY10 (4/9)
「そう言えば最近出回ってるって言う……それ何だっけ?」
「『幻想御手』、まだ調査中っス。薬なのか特別な開発方法の資料なのか……それがどんなもんかもはっきりしないし、噂されてる能力増強の話もなにがなんだか」
今日は朝からインターネットの掲示板を中心に眺めていたゴーグルは椅子の上で伸びをしながら返事をした。
思い出したようにモニタに向かうと、いくつかのウェブページを開いた。
「ただ……効果はあったって話はよく聞くんスよねえ。で――これは使えそうなんスか」
コピーしたログを作業中のテキストファイルに貼り付けてゴーグルは垣根を仰いだ。
「いや。目についたもんは当たっておきたいだけだ。何が『直接交渉権』への突破口になるかわからねえからな。だが」
垣根はコキコキと首を鳴らすと眉を寄せた。
椅子から立ち上がると、ゴーグルの背後からモニタを覗いた。
マウスを取ると次々にウィンドウを開いてゴーグルがまとめていたファイルに目を通し始める。
「そう言えば最近出回ってるって言う……それ何だっけ?」
「『幻想御手』、まだ調査中っス。薬なのか特別な開発方法の資料なのか……それがどんなもんかもはっきりしないし、噂されてる能力増強の話もなにがなんだか」
今日は朝からインターネットの掲示板を中心に眺めていたゴーグルは椅子の上で伸びをしながら返事をした。
思い出したようにモニタに向かうと、いくつかのウェブページを開いた。
「ただ……効果はあったって話はよく聞くんスよねえ。で――これは使えそうなんスか」
コピーしたログを作業中のテキストファイルに貼り付けてゴーグルは垣根を仰いだ。
「いや。目についたもんは当たっておきたいだけだ。何が『直接交渉権』への突破口になるかわからねえからな。だが」
垣根はコキコキと首を鳴らすと眉を寄せた。
椅子から立ち上がると、ゴーグルの背後からモニタを覗いた。
マウスを取ると次々にウィンドウを開いてゴーグルがまとめていたファイルに目を通し始める。
87: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:36:35.39:p1jngrY10 (5/9)
「どうも、話が広がり過ぎてねえか? 知られちゃマズいもんならさっさと情報が潰されてると思うんだがその様子もねえ。デマにしては息が長いだろ」
「そうっスね。『神様の頭脳』系の噂は山ほどありますけど、これは珍しいやつっス。噂の盛り上がりと探す書き込み、使用者の実体験報告がこの一週間で明らかに増えてます。燃料、何らかの裏付けがないと普通この手の話はあっと言う間に飽きられて消えちゃうんスけど」
「はぁ? 待て。そんなのわざわざ知らせてんのかよ。馬鹿じゃねえの」
呆れた様に垣根は聞いたがあるものはあるんだから仕方ない。
「ほら。ここに元無能力者の書き込みとか、こっちは動画とかあります。みんな自分の能力に変化があれば自慢したいんスよ。あーあ。現物があると色々わかりそうなんスけど」
「美味いだけの話なんざ、どうせ存在しねえ。馬鹿なやつらはろくに考えもせずに引っかかるんだな」
どう見てもチンピラな大男が、何もないところから火を起こして大はしゃぎする。
そんなある意味微笑ましい動画を横目に。
垣根はさっき出した資料と『体晶』を元の様にしまった。
「でも、調子にのり過ぎて騒ぎを起こすやつがいるなんて話もあるんスよね。そっちが大事になると……いよいよ俺らに話が回ってきますかね」
にしし、と愉快そうにゴーグルが笑う。
だが垣根は冷め切った目を細めただけだ。
あまり期待はしていない様だった。
「どうも、話が広がり過ぎてねえか? 知られちゃマズいもんならさっさと情報が潰されてると思うんだがその様子もねえ。デマにしては息が長いだろ」
「そうっスね。『神様の頭脳』系の噂は山ほどありますけど、これは珍しいやつっス。噂の盛り上がりと探す書き込み、使用者の実体験報告がこの一週間で明らかに増えてます。燃料、何らかの裏付けがないと普通この手の話はあっと言う間に飽きられて消えちゃうんスけど」
「はぁ? 待て。そんなのわざわざ知らせてんのかよ。馬鹿じゃねえの」
呆れた様に垣根は聞いたがあるものはあるんだから仕方ない。
「ほら。ここに元無能力者の書き込みとか、こっちは動画とかあります。みんな自分の能力に変化があれば自慢したいんスよ。あーあ。現物があると色々わかりそうなんスけど」
「美味いだけの話なんざ、どうせ存在しねえ。馬鹿なやつらはろくに考えもせずに引っかかるんだな」
どう見てもチンピラな大男が、何もないところから火を起こして大はしゃぎする。
そんなある意味微笑ましい動画を横目に。
垣根はさっき出した資料と『体晶』を元の様にしまった。
「でも、調子にのり過ぎて騒ぎを起こすやつがいるなんて話もあるんスよね。そっちが大事になると……いよいよ俺らに話が回ってきますかね」
にしし、と愉快そうにゴーグルが笑う。
だが垣根は冷め切った目を細めただけだ。
あまり期待はしていない様だった。
88: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:37:30.61:p1jngrY10 (6/9)
「下手に騒ぎになって警備員や風紀委員が絡む様だとかえって俺たちの出る幕は無くなっちまう。話の裏を取る前に、表向きそれらしい体裁が整えられちまうこともあるだろうし。そしたら余計な詮索なんざした所でこっちが怪しまれるだけだ」
痛くもない腹を探られるのは誰だって嫌だろう。
でも、人間痛いところをつかれるのも癪なものだ。
ただでさえ『暗部』の首輪が付いている様な状況で、牙を剥いたのではないかと今認識されるのは『スクール』としても望ましくない。
「引き続き様子はみとけ。だが、タイミングを見誤らない様気をつけねえとな。いいカードがあっても、それを引く前にこっちがバーストしたんじゃ意味がねえ」
はーい、と少年は軽い調子で答えると机の上に置いてあった輪の様なゴーグルを頭に付けた。
同時に、それまで暗かった近くのモニタも電源が入り室内からは立ち上がったハードディスクのシーク音が幾つもしはじめた。
「下手に騒ぎになって警備員や風紀委員が絡む様だとかえって俺たちの出る幕は無くなっちまう。話の裏を取る前に、表向きそれらしい体裁が整えられちまうこともあるだろうし。そしたら余計な詮索なんざした所でこっちが怪しまれるだけだ」
痛くもない腹を探られるのは誰だって嫌だろう。
でも、人間痛いところをつかれるのも癪なものだ。
ただでさえ『暗部』の首輪が付いている様な状況で、牙を剥いたのではないかと今認識されるのは『スクール』としても望ましくない。
「引き続き様子はみとけ。だが、タイミングを見誤らない様気をつけねえとな。いいカードがあっても、それを引く前にこっちがバーストしたんじゃ意味がねえ」
はーい、と少年は軽い調子で答えると机の上に置いてあった輪の様なゴーグルを頭に付けた。
同時に、それまで暗かった近くのモニタも電源が入り室内からは立ち上がったハードディスクのシーク音が幾つもしはじめた。
89: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:38:42.46:p1jngrY10 (7/9)
「まー、俺らみたいのが多少つつき回しても、次々わいてくるんスよね。この手の話。ネタに困らないのはいいんスけど今更そんなもんどうした、ってあっちも開き直りそうでムカつきません?」
「必要なのは、中核に食らいつける程の重みのあるもんだ。上辺だけ掬い取って掻き集めた所で、これっぽっちも役に立たねえだろうし」
繋いだケーブルをいじりながらゴーグルは愚痴っていた。
休憩時間は終わったらしい。
「もしも……もし、俺が……はじめっから」
「垣根さん? 何か言いました?」
垣根の呟きは、再びキーボードに指を走らせカタカタと作業を再開したゴーグルに拾われたらしい。
「別に。少しばかり面倒だってだけだ。何でもねえ」
肩をすくめると垣根はまた椅子に座った。
頬杖をつくと窓の外を睨む様に眺める。
学生で賑わう街は日が暮れようとしていた。
「まー、俺らみたいのが多少つつき回しても、次々わいてくるんスよね。この手の話。ネタに困らないのはいいんスけど今更そんなもんどうした、ってあっちも開き直りそうでムカつきません?」
「必要なのは、中核に食らいつける程の重みのあるもんだ。上辺だけ掬い取って掻き集めた所で、これっぽっちも役に立たねえだろうし」
繋いだケーブルをいじりながらゴーグルは愚痴っていた。
休憩時間は終わったらしい。
「もしも……もし、俺が……はじめっから」
「垣根さん? 何か言いました?」
垣根の呟きは、再びキーボードに指を走らせカタカタと作業を再開したゴーグルに拾われたらしい。
「別に。少しばかり面倒だってだけだ。何でもねえ」
肩をすくめると垣根はまた椅子に座った。
頬杖をつくと窓の外を睨む様に眺める。
学生で賑わう街は日が暮れようとしていた。
90: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:39:59.43:p1jngrY10 (8/9)
ドーモ
『未元物質』のはなしする真面目ルヘンに挑戦
学園都市に知られ過ぎてたって言う『スクール』の動向が気になる
このあとはビリビリ大惨事になるから多分ゴーグルは泣くことになると思う。がんばれ
ドーモ
『未元物質』のはなしする真面目ルヘンに挑戦
学園都市に知られ過ぎてたって言う『スクール』の動向が気になる
このあとはビリビリ大惨事になるから多分ゴーグルは泣くことになると思う。がんばれ
91: ◆q7l9AKAoH.:2014/09/22(月) 02:41:27.19:p1jngrY10 (9/9)
って投下しようとしてたらまさか我が家がビリビリ大惨事だった
煙でたり色々修羅場になった
垣根「ブレーカー上がんねえしお湯出ねえぞコラぁ!!」
ゴーグル「俺のせいじゃありません!!!!」
みたいな小ネタ足そうとしたからか
その呪いか、いや能力か
魔術師の仕業か
間あいたけど、たぶん抜けはないはず
とりあえずおやすみ
って投下しようとしてたらまさか我が家がビリビリ大惨事だった
煙でたり色々修羅場になった
垣根「ブレーカー上がんねえしお湯出ねえぞコラぁ!!」
ゴーグル「俺のせいじゃありません!!!!」
みたいな小ネタ足そうとしたからか
その呪いか、いや能力か
魔術師の仕業か
間あいたけど、たぶん抜けはないはず
とりあえずおやすみ
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/22(月) 03:30:07.02:e5Zwx6bp0 (1/1)
乙
おのれ魔術師!
未元物質って何がどこまでできるのかよくわからんよね
>脇扱いでも誕生日や身長体重くらい~
名前すらないゴーグル君が言うと涙を禁じえない
乙
おのれ魔術師!
未元物質って何がどこまでできるのかよくわからんよね
>脇扱いでも誕生日や身長体重くらい~
名前すらないゴーグル君が言うと涙を禁じえない
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/22(月) 04:05:21.68:F4WqGn75O (1/1)
乙ぅ
ゴーグル君の名前はいつ知ることが出来るの
未元物質がどこから出てきたか分かっただけで垣根が世界の全てに勝てると思うあたり
垣根の中の世界から出てきたとでも思うのが妥当なのかもしれない
現実との差異の演算次第でなんでも出来るかもね
乙ぅ
ゴーグル君の名前はいつ知ることが出来るの
未元物質がどこから出てきたか分かっただけで垣根が世界の全てに勝てると思うあたり
垣根の中の世界から出てきたとでも思うのが妥当なのかもしれない
現実との差異の演算次第でなんでも出来るかもね
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/22(月) 04:40:14.76:zFV1W3KlO (1/1)
禁書はキャラ多いわりには正確な名前わからないキャラが多いんだよね
モブとメインキャラの中間みたいな
禁書はキャラ多いわりには正確な名前わからないキャラが多いんだよね
モブとメインキャラの中間みたいな
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/09/22(月) 18:23:40.03:pE0HBHw70 (1/1)
未元物質って禁書SSのどらえもん的な感じあるよね
物質を生成できるってのがとても便利、一方通行よりチートに思えてならない
未元物質って禁書SSのどらえもん的な感じあるよね
物質を生成できるってのがとても便利、一方通行よりチートに思えてならない
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/09/22(月) 21:59:43.75:TWMzwHTT0 (1/1)
新約6の未元体の垣根の発言から未元物質は垣根の自分だけの現実から生成されてるって言ってたから未元物質はAIM系の能力で確定だね
新約6の未元体の垣根の発言から未元物質は垣根の自分だけの現実から生成されてるって言ってたから未元物質はAIM系の能力で確定だね
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/09/24(水) 17:26:25.20:sdgT9vT/O (1/1)
乙
能力者は大なり小なり物理法則を突破してるが、垣根のはその中でも「無から有を引き出す」という質量保存の法則ガン無視の超異能だからな……
未元物質自体の性質も合わせて、どうも魔術寄りな能力に思えてならない
乙
能力者は大なり小なり物理法則を突破してるが、垣根のはその中でも「無から有を引き出す」という質量保存の法則ガン無視の超異能だからな……
未元物質自体の性質も合わせて、どうも魔術寄りな能力に思えてならない
98: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 00:47:35.97:iz+wV3nL0 (1/15)
一位が来る前に二位がカンストしそうだぞちくせう
前回ので一巻久しぶりに読んだ
能力開発って「もしかしたらあり得るかもしれないけど自然の状態ではまずあり得ない未来の現象の可能性」を
「それを観測した個人の頭の中から現実にひっぱり出す」みたいなことしてんだっけ
それを説教やワンパンで問答無用にブチ[ピーーー]上条はすげーなあと思うんだ
どうやら好きでやってるわけじゃないらしいのにそのおかげでメルヘンな羽しょっちゃう羽目になった垣根ってきっと頭おかしいんだろうなあと思うんだ
他にも周りを反射するやつとか、ものすごいビーム打っちゃうとか、他人をおもちゃにしてみるとか、前髪から放電するとか色々あれだけど。そんなのが自分の可能性って確かにみんな隠しきれない人格破綻者っぽいけど
>>92
それな。ゴーグルくんなんかモブの中でも名もなきモブだからな。『ブロック』のやつすら名前と過去とおかしな口調とキャラ設定あったからな
>>93
超電磁砲の外人研究者もアニメ化したら確か名前があった。つまり何らかの形で映像化されればワンチャン。それでも「ゴーグルの少年」のままかもしれないけど
>>94
あえて名前を出していないタイプがインなんとかさん、一方通行、冥土帰しあたりだとして……残りはなー期待しちゃダメなやつだよな
>>95
未元物質食べたりする話あったしね
きっとその気になれば衣食住完備出来る。なんでもありだ夢が広がる
>>96
「AIM系の能力はとりあえずなんかチートっぽい」イメージ。AIM拡散力場がよくわかんねー
あと超電磁砲SでフェブリのAIMを物質化する能力うんぬんかんぬんって出てきたときに「なんでそこで未元物質は触れられないしでてこないんだよ!」
と思った人は一人くらいいると思うんだ。なんとなく系統は近そうだよね
>>97
ほんとなんなんだ未元物質
科学発の能力のくせに天使に似た六翼なんてモロ魔術的な象徴を背負ってるあたり怪しいよな
一方通行のも風斬のも翼って作中で呼ばれてるがあっちは輪っかついてるけど形全然違うし
色々怪しんでるけどいつかかまちーが教えてくれんだと信じてる
一位が来る前に二位がカンストしそうだぞちくせう
前回ので一巻久しぶりに読んだ
能力開発って「もしかしたらあり得るかもしれないけど自然の状態ではまずあり得ない未来の現象の可能性」を
「それを観測した個人の頭の中から現実にひっぱり出す」みたいなことしてんだっけ
それを説教やワンパンで問答無用にブチ[ピーーー]上条はすげーなあと思うんだ
どうやら好きでやってるわけじゃないらしいのにそのおかげでメルヘンな羽しょっちゃう羽目になった垣根ってきっと頭おかしいんだろうなあと思うんだ
他にも周りを反射するやつとか、ものすごいビーム打っちゃうとか、他人をおもちゃにしてみるとか、前髪から放電するとか色々あれだけど。そんなのが自分の可能性って確かにみんな隠しきれない人格破綻者っぽいけど
>>92
それな。ゴーグルくんなんかモブの中でも名もなきモブだからな。『ブロック』のやつすら名前と過去とおかしな口調とキャラ設定あったからな
>>93
超電磁砲の外人研究者もアニメ化したら確か名前があった。つまり何らかの形で映像化されればワンチャン。それでも「ゴーグルの少年」のままかもしれないけど
>>94
あえて名前を出していないタイプがインなんとかさん、一方通行、冥土帰しあたりだとして……残りはなー期待しちゃダメなやつだよな
>>95
未元物質食べたりする話あったしね
きっとその気になれば衣食住完備出来る。なんでもありだ夢が広がる
>>96
「AIM系の能力はとりあえずなんかチートっぽい」イメージ。AIM拡散力場がよくわかんねー
あと超電磁砲SでフェブリのAIMを物質化する能力うんぬんかんぬんって出てきたときに「なんでそこで未元物質は触れられないしでてこないんだよ!」
と思った人は一人くらいいると思うんだ。なんとなく系統は近そうだよね
>>97
ほんとなんなんだ未元物質
科学発の能力のくせに天使に似た六翼なんてモロ魔術的な象徴を背負ってるあたり怪しいよな
一方通行のも風斬のも翼って作中で呼ばれてるがあっちは輪っかついてるけど形全然違うし
色々怪しんでるけどいつかかまちーが教えてくれんだと信じてる
99: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 00:51:27.74:iz+wV3nL0 (2/15)
「はぁあああ……マジ雷空気読んでほしいっスわーありえねえっスわー」
しょげながらキーボードを叩くゴーグルの少年の口からはやる気のない愚痴がだらだらともれていた。
ソファに転がっていた垣根がその頭を狙って本を投げつけた。
「お前それ何回言い続ける気なんだよ。聞き飽きた」
「この前の落雷で最終回の予約がパーになったんスよ……円盤になるまで悔みきれねえっス。作業途中でふっとんだデータはなんとかなるからいいんスけど」
ぶつかる直前で急に下に落ちた本を拾うと、ゴーグルは次の巻を机の横から探して投げ返した。
ゴーグルの少年は先日に引き続き『幻想御手』に関する話をネットから拾い集めていた。
垣根はたまに顔を出してダラダラしながらゴーグルが借りてきた漫画を読んでいた。
ゴーグルを追い越してすっかり先まで読んでしまったらしく、そのうちレンタルの催促とかをされそうだった。
「はぁあああ……マジ雷空気読んでほしいっスわーありえねえっスわー」
しょげながらキーボードを叩くゴーグルの少年の口からはやる気のない愚痴がだらだらともれていた。
ソファに転がっていた垣根がその頭を狙って本を投げつけた。
「お前それ何回言い続ける気なんだよ。聞き飽きた」
「この前の落雷で最終回の予約がパーになったんスよ……円盤になるまで悔みきれねえっス。作業途中でふっとんだデータはなんとかなるからいいんスけど」
ぶつかる直前で急に下に落ちた本を拾うと、ゴーグルは次の巻を机の横から探して投げ返した。
ゴーグルの少年は先日に引き続き『幻想御手』に関する話をネットから拾い集めていた。
垣根はたまに顔を出してダラダラしながらゴーグルが借りてきた漫画を読んでいた。
ゴーグルを追い越してすっかり先まで読んでしまったらしく、そのうちレンタルの催促とかをされそうだった。
100: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 00:52:43.54:iz+wV3nL0 (3/15)
「ああ、あん時はシャワーが水になったから焦ったけどすぐに戻ったな」
「こっちは突然全落ちっス。レンジもダメでした。この辺だけじゃなくて、やっぱそこそこの範囲に影響あったんスね。雷なんて予報になかった筈なんスけど」
「どっかの研究所がなんかやらかしたって話も聞かねえしな」
「人為的な落雷をあの規模で起こすのなんてどんな無茶っスか。それこそ超能力者でも呼んでこないと」
おかしな出来事、をそんな風に笑い飛ばそうとしたゴーグルだったが、はっと顔を上げると大声でしゃべり始めた。
「そう言えば。なんなんすかねー今朝! 朝の五時っスよ? 警備会社からすげー電話来たんスよ。あんまうるさいんで起きて出たら警報装置がどうの、もう用事済んでますーとか言ってなあなあで切られたんス。結局『スクール』で使ってるマンションからだったんスけど。あれもなんだったんだか。迷惑っスよね」
「ああ、あん時はシャワーが水になったから焦ったけどすぐに戻ったな」
「こっちは突然全落ちっス。レンジもダメでした。この辺だけじゃなくて、やっぱそこそこの範囲に影響あったんスね。雷なんて予報になかった筈なんスけど」
「どっかの研究所がなんかやらかしたって話も聞かねえしな」
「人為的な落雷をあの規模で起こすのなんてどんな無茶っスか。それこそ超能力者でも呼んでこないと」
おかしな出来事、をそんな風に笑い飛ばそうとしたゴーグルだったが、はっと顔を上げると大声でしゃべり始めた。
「そう言えば。なんなんすかねー今朝! 朝の五時っスよ? 警備会社からすげー電話来たんスよ。あんまうるさいんで起きて出たら警報装置がどうの、もう用事済んでますーとか言ってなあなあで切られたんス。結局『スクール』で使ってるマンションからだったんスけど。あれもなんだったんだか。迷惑っスよね」
101: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 00:54:12.59:iz+wV3nL0 (4/15)
「ああ。俺」
「へ?」
椅子のキャスターを転がしてゴーグルは思わず後ろを振り返ったが。
「私が犯人です」とあっさり自白した超能力者は呑気にコミック本のページをめくっていた。
「それ俺。そっか、お前んとこにも連絡いったのか」
大したことなさそうな垣根だが、ゴーグルはそうはいかなかった。
この超能力者がトラブルを起こしたと聞いてしまうと前例がいくつか浮かぶだけに嫌な方に考えてしまう。
「垣根さん? あそこって確かこの前借りたばっかっスよね? まさかもう何か壊しちゃったんスか!?」
「壊してねえよ。ったく、一々うるせえんだよな。ちょっと窓開けただけだっつうの」
「ああ。俺」
「へ?」
椅子のキャスターを転がしてゴーグルは思わず後ろを振り返ったが。
「私が犯人です」とあっさり自白した超能力者は呑気にコミック本のページをめくっていた。
「それ俺。そっか、お前んとこにも連絡いったのか」
大したことなさそうな垣根だが、ゴーグルはそうはいかなかった。
この超能力者がトラブルを起こしたと聞いてしまうと前例がいくつか浮かぶだけに嫌な方に考えてしまう。
「垣根さん? あそこって確かこの前借りたばっかっスよね? まさかもう何か壊しちゃったんスか!?」
「壊してねえよ。ったく、一々うるせえんだよな。ちょっと窓開けただけだっつうの」
102: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 00:55:53.21:iz+wV3nL0 (5/15)
「なんでそれで警報鳴るんスか」
そこで垣根は黙ってしまった。
ソファに本を置くと、おもむろに座りなおした。
両膝の上にそれぞれ腕を乗せて下を向いてしまう。
「……外から」
そしてぼそっと呟いた。
「はい?」
「ああもう! 外から窓開けて中に入ったんだよ! 悪いかよ!」
下を向いていた垣根は顔を上げると同時に、そりゃあ見事に逆ギレした。
外ってなんですか何してるんですかおかしいし悪いでしょう! とツッコミたくなるのを我慢してゴーグルは息をはいた。
「なんでそれで警報鳴るんスか」
そこで垣根は黙ってしまった。
ソファに本を置くと、おもむろに座りなおした。
両膝の上にそれぞれ腕を乗せて下を向いてしまう。
「……外から」
そしてぼそっと呟いた。
「はい?」
「ああもう! 外から窓開けて中に入ったんだよ! 悪いかよ!」
下を向いていた垣根は顔を上げると同時に、そりゃあ見事に逆ギレした。
外ってなんですか何してるんですかおかしいし悪いでしょう! とツッコミたくなるのを我慢してゴーグルは息をはいた。
103: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:04:49.52:iz+wV3nL0 (6/15)
「いや、そりゃ警報バッチリ作動しますよ。無人の部屋の、あのでっかい窓が玄関より先に外から開くなんて空き巣か何かに決まってるじゃないっスか。泥棒でもそんな無茶すんのはアクション映画の主役くらいっス」
『スクール』で使っている中には第三学区の某タワーマンションもあった。
それも上層階だ。
そんな所にワイヤーアクションとかで侵入を試みる命知らずがいるなら、拍手喝さいと共にブタ箱送りだろう。
そもそも窓はどうやって開けるんだ、と思ったが『未元物質』ならそれもなんかやれそうだったのでゴーグルの少年はあえてそこに触れなかった。
「言っとくけど靴は脱いだぞ。っつうか警備会社のヤツとおんなじ様なこと言ってんじゃねえよ。俺は疲れてたんだよ。エレベーター待つより直のが早いだろ」
「垣根さん……それでもせめてドアからちゃんと帰ってください。そこは常識的に」
「いや、そりゃ警報バッチリ作動しますよ。無人の部屋の、あのでっかい窓が玄関より先に外から開くなんて空き巣か何かに決まってるじゃないっスか。泥棒でもそんな無茶すんのはアクション映画の主役くらいっス」
『スクール』で使っている中には第三学区の某タワーマンションもあった。
それも上層階だ。
そんな所にワイヤーアクションとかで侵入を試みる命知らずがいるなら、拍手喝さいと共にブタ箱送りだろう。
そもそも窓はどうやって開けるんだ、と思ったが『未元物質』ならそれもなんかやれそうだったのでゴーグルの少年はあえてそこに触れなかった。
「言っとくけど靴は脱いだぞ。っつうか警備会社のヤツとおんなじ様なこと言ってんじゃねえよ。俺は疲れてたんだよ。エレベーター待つより直のが早いだろ」
「垣根さん……それでもせめてドアからちゃんと帰ってください。そこは常識的に」
104: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:09:55.96:iz+wV3nL0 (7/15)
ゴーグルはちょっとがっかりしながらそう忠告した。
しかし、ほんのちょっと前までむくれていた垣根はもう悪びれた感じもなく腕組みすると不敵に笑った。
「この俺にその常識は通用しねえ。まぁ、次からは心配いらねえよ。外からも電子ロックと認証を解除出来るようにさせたから」
「そんなの誰も出来ないっス。垣根さん専用じゃないスか……てか勝手にしちゃっていいんスか? オーナーに話通しました?」
「何かあったら後で言やいいだろ」
自分が折れると言うのはとことん垣根の中ではあり得ない事らしい。
おまけに反省もしていないし、次もあるつもりの様だった。
心理定規がびっくりしなくていいように、今度それとなく『垣根さん専用口』の話をしておこう、とゴーグルは心のメモに書いておいた。
それと。
もしかしたら大笑いするかもしれないから垣根さんのいない時にしておこう、と書き足した。
ゴーグルはちょっとがっかりしながらそう忠告した。
しかし、ほんのちょっと前までむくれていた垣根はもう悪びれた感じもなく腕組みすると不敵に笑った。
「この俺にその常識は通用しねえ。まぁ、次からは心配いらねえよ。外からも電子ロックと認証を解除出来るようにさせたから」
「そんなの誰も出来ないっス。垣根さん専用じゃないスか……てか勝手にしちゃっていいんスか? オーナーに話通しました?」
「何かあったら後で言やいいだろ」
自分が折れると言うのはとことん垣根の中ではあり得ない事らしい。
おまけに反省もしていないし、次もあるつもりの様だった。
心理定規がびっくりしなくていいように、今度それとなく『垣根さん専用口』の話をしておこう、とゴーグルは心のメモに書いておいた。
それと。
もしかしたら大笑いするかもしれないから垣根さんのいない時にしておこう、と書き足した。
105: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:12:25.44:iz+wV3nL0 (8/15)
「ああ、なんかまたお前宛に荷物来てたぞ『PC部品』だっけ。お前の棚んとこに置いといたけど。本当パソコン好きだな。全部で何台あるんだよ」
「寮の部屋の抜いても三台はありますけど……って、まさか開けました?」
「その辺は常識的だ」
垣根の言葉に一瞬肝を冷やしたゴーグルだが、慌てず騒がず落ち着いて聞き返した。
「ですよね……いや、その、中見てないんならいいんスけどね万一あると俺の信用とか社会的な生死に関わるんで困るんですよねははははは」
ゴーグルは内心必死になって脳をフル稼働させていたが、最近その手の商品は注文していなかった気がする。
多分。
だからセーフだ、もし何かあってもきっと。
多分。
学園都市は『外』以上に年齢規制のレーティングが厳しいところがあってちょっとした買い物にも苦労する。
アニメが好きなやつだと認知されているのはいいが、流石にゲームオタクの方だと『スクール』内での評価とか色んなものがガクッと下がりそうだった。
「ああ、なんかまたお前宛に荷物来てたぞ『PC部品』だっけ。お前の棚んとこに置いといたけど。本当パソコン好きだな。全部で何台あるんだよ」
「寮の部屋の抜いても三台はありますけど……って、まさか開けました?」
「その辺は常識的だ」
垣根の言葉に一瞬肝を冷やしたゴーグルだが、慌てず騒がず落ち着いて聞き返した。
「ですよね……いや、その、中見てないんならいいんスけどね万一あると俺の信用とか社会的な生死に関わるんで困るんですよねははははは」
ゴーグルは内心必死になって脳をフル稼働させていたが、最近その手の商品は注文していなかった気がする。
多分。
だからセーフだ、もし何かあってもきっと。
多分。
学園都市は『外』以上に年齢規制のレーティングが厳しいところがあってちょっとした買い物にも苦労する。
アニメが好きなやつだと認知されているのはいいが、流石にゲームオタクの方だと『スクール』内での評価とか色んなものがガクッと下がりそうだった。
106: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:13:47.57:iz+wV3nL0 (9/15)
「ああ……お前もおかしな名前で注文するんだ? この前心理定規のやつに『メルヘン・ファンシーグッズ』とか届いてたから開ける所見てたんだけどよ、期待裏切って小分けのプラスチック爆弾だったわ」
「これっぽっちもファンシーでもメルヘンでもないじゃないっスか。まるで対極っスよ」
「だよな。しかも『ぬいぐるみか何かだと思った?』とか言って鼻で笑いやがったぞあいつ。かわいくねーよな」
今いない心理定規のがっかりなニュースに二人は息を吐いた。
『スクール』の紅一点は時に変化球を放ってくる。
いや、案外自分の部屋はかわいいものだらけとかそんな感じなのかもしれない。
男子としてはそんな幻想を抱きたかった。
「顔は結構かわいいんスけどね」
「な。っつうかお前アニメ以外の女に興味あったんだ」
「そりゃま普通に」
「そう言えばあいつ、今度知り合いに頼んで大型免許の教習受けるとか言ってたな」
「ああ……お前もおかしな名前で注文するんだ? この前心理定規のやつに『メルヘン・ファンシーグッズ』とか届いてたから開ける所見てたんだけどよ、期待裏切って小分けのプラスチック爆弾だったわ」
「これっぽっちもファンシーでもメルヘンでもないじゃないっスか。まるで対極っスよ」
「だよな。しかも『ぬいぐるみか何かだと思った?』とか言って鼻で笑いやがったぞあいつ。かわいくねーよな」
今いない心理定規のがっかりなニュースに二人は息を吐いた。
『スクール』の紅一点は時に変化球を放ってくる。
いや、案外自分の部屋はかわいいものだらけとかそんな感じなのかもしれない。
男子としてはそんな幻想を抱きたかった。
「顔は結構かわいいんスけどね」
「な。っつうかお前アニメ以外の女に興味あったんだ」
「そりゃま普通に」
「そう言えばあいつ、今度知り合いに頼んで大型免許の教習受けるとか言ってたな」
107: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:16:57.03:iz+wV3nL0 (10/15)
ギャップありすぎな二球目にゴーグルはずっこけた。
心理定規と車。
それもかわいいバスガイドさんとかタクシーの運転手のお姉さんとか言うレベルじゃない。
大型車両でイメージされるのはトラックとかダンプ、ショベル、クレーン車。
まるでかわいくない、十代の女の子とは無縁そうなものばかりだ。
「いや、普通に年齢でひっかかりません?」
「技術教習だけでカード取るわけじゃねえからいいらしい。それも動けばいいってレベルで充分とか言ってやがったな。何かあっても、その辺の車やなんか使えれば確かに足には困らないだろうけど」
「ああー、前に普通車なら動かせるって言ってたかも。言ってたなあぁ。動かすってなんだろって思ったんスけど」
ちょっぴり残念な記憶を思い出してしまったゴーグルは頭を抱えた。
もしかしてピッキングとかも出来るんだろうか、なんて想像をたくましくすると心理定規が段々とマルチスキルなトンデモ少女になってしまいそうだった。
『スクール』に常識的な人はいないのだろうか誰かに聞きたくなる。
ギャップありすぎな二球目にゴーグルはずっこけた。
心理定規と車。
それもかわいいバスガイドさんとかタクシーの運転手のお姉さんとか言うレベルじゃない。
大型車両でイメージされるのはトラックとかダンプ、ショベル、クレーン車。
まるでかわいくない、十代の女の子とは無縁そうなものばかりだ。
「いや、普通に年齢でひっかかりません?」
「技術教習だけでカード取るわけじゃねえからいいらしい。それも動けばいいってレベルで充分とか言ってやがったな。何かあっても、その辺の車やなんか使えれば確かに足には困らないだろうけど」
「ああー、前に普通車なら動かせるって言ってたかも。言ってたなあぁ。動かすってなんだろって思ったんスけど」
ちょっぴり残念な記憶を思い出してしまったゴーグルは頭を抱えた。
もしかしてピッキングとかも出来るんだろうか、なんて想像をたくましくすると心理定規が段々とマルチスキルなトンデモ少女になってしまいそうだった。
『スクール』に常識的な人はいないのだろうか誰かに聞きたくなる。
108: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:22:38.92:iz+wV3nL0 (11/15)
まさかの特技にゴーグルはそれなりに驚いたのだが。
ある意味なんでもアリな超能力者はあまりその辺りは気にならなかったのか。
なんてことない調子で続けた。
「攻撃も防御も出来ねえ、その上逃げるのにも使えねえ能力だといざって時に苦労するらしいぜ。あいつも、テメェしか信じてねえ様なタイプだしな」
「いやーしたたかっスねー。でも幾ら緊急事態でもあのカッコでトラックとか乗ってほしくない様な……」
困った時誰かに助けてもらう、と言う女の子の王道がイメージできない心理定規だった。
何かあっても、能力で相手を誘導して結局は自分の力で助かってしまいそうだ。
「垣根さんは乗らないんスか? バイクとか似合いそうっスけど」
「車なんざテメェで乗るもんじゃねえ。用意させるもんだ」
今ここで口に出しては言えないが、能力で飛べてしまう人間に乗り物の必要性はあまりないかもしれない。
おまけにものすごーく上から目線な、リーダーらしいお言葉を頂戴してしまった。
まさかの特技にゴーグルはそれなりに驚いたのだが。
ある意味なんでもアリな超能力者はあまりその辺りは気にならなかったのか。
なんてことない調子で続けた。
「攻撃も防御も出来ねえ、その上逃げるのにも使えねえ能力だといざって時に苦労するらしいぜ。あいつも、テメェしか信じてねえ様なタイプだしな」
「いやーしたたかっスねー。でも幾ら緊急事態でもあのカッコでトラックとか乗ってほしくない様な……」
困った時誰かに助けてもらう、と言う女の子の王道がイメージできない心理定規だった。
何かあっても、能力で相手を誘導して結局は自分の力で助かってしまいそうだ。
「垣根さんは乗らないんスか? バイクとか似合いそうっスけど」
「車なんざテメェで乗るもんじゃねえ。用意させるもんだ」
今ここで口に出しては言えないが、能力で飛べてしまう人間に乗り物の必要性はあまりないかもしれない。
おまけにものすごーく上から目線な、リーダーらしいお言葉を頂戴してしまった。
109: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:26:49.48:iz+wV3nL0 (12/15)
駄弁っているうちにゴーグルの机の上の携帯電話が鳴った。
「もしもーし。え? スコア? ああ、マジかー。じゃあ今度更新しとくから――」
なんだかやたらハイテンションな相手と話すと、ゴーグルはすぐに通話を切ってしまった。
「ダチか」
「ええまあちょっとゲーセンで知り合ったんスよ。あえば遊ぶ顔見知りっス」
「そいつもオタク?」
「んー、まあリアル寄りっスけどね。面白いヤツですよ。ストライクゾーン激広くって」
「そこは否定しねえのか」
呆れた顔で笑うと垣根はまた漫画の続きを読み始めた。
モニタの前に戻ると、ゴーグルはなんとなしに口を開いた。
話のタネになりそうな知り合いの愉快で馬鹿な話はちらっと聞いたことがあった。
駄弁っているうちにゴーグルの机の上の携帯電話が鳴った。
「もしもーし。え? スコア? ああ、マジかー。じゃあ今度更新しとくから――」
なんだかやたらハイテンションな相手と話すと、ゴーグルはすぐに通話を切ってしまった。
「ダチか」
「ええまあちょっとゲーセンで知り合ったんスよ。あえば遊ぶ顔見知りっス」
「そいつもオタク?」
「んー、まあリアル寄りっスけどね。面白いヤツですよ。ストライクゾーン激広くって」
「そこは否定しねえのか」
呆れた顔で笑うと垣根はまた漫画の続きを読み始めた。
モニタの前に戻ると、ゴーグルはなんとなしに口を開いた。
話のタネになりそうな知り合いの愉快で馬鹿な話はちらっと聞いたことがあった。
110: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:34:12.00:iz+wV3nL0 (13/15)
「なんかこの前は……『JSの希望の星になるんやー!』って言って遠足シーズンの小学生にてるてる坊主を山ほど作って配ったとか配らないとか」
「JSって何だ」
「女子(J)小学生(S)の略、っスかね」
「それただの変態じゃねえか」
眉をひそめると垣根はズバっと言い切った。
件の知り合いなら自分は紳士だとか言いかえしそうだった。
女の子に言われるなら大喜びしそうだからやっぱり変態だろうとゴーグルも思う。
「光源氏計画なのか、単にお礼が聞きたかったのかわかんねえっスけどね」
「礼? なんでわざわざんなもん聞きてえんだ」
「さあ……なんでなんスかね」
ゴーグルもなんでそんなことをしたのか何て詳しくは知らない。
一緒にいたそいつの知り合いによると、不審者として風紀委員にしょっぴかれたらしいからうまくいったのかもあやしい。
「うーん。ちょっとしたことでいいんスけど誰かに、感謝されたい時ってありません? でも悲しいもんで、小さい子は何かあっても『ありがとうございます』って素直に言ってくれるんスけど、特に女子は年齢上がると途端に態度が辛辣になるんスよ。まぁ最近は小さい子相手だと親切も『事案』扱いになっちゃうんスけど」
「そう?」
さっきからこの話題にまるっきり共感できないらしく、垣根は首をひねっている。
「ああー……垣根さんには関係ない話っスよね。そうっスよね。垣根さんの場合、もし人とぶつかっても相手の方からお詫びしたいって連絡先とかプレゼントとか貰いそうっスよね。すいません俺が間違ってました」
「お前……どっかで人のこと見張ってんのか」
「マジスか」
冗談で言ったつもりが垣根には真剣な顔をされてしまった。
「なんかこの前は……『JSの希望の星になるんやー!』って言って遠足シーズンの小学生にてるてる坊主を山ほど作って配ったとか配らないとか」
「JSって何だ」
「女子(J)小学生(S)の略、っスかね」
「それただの変態じゃねえか」
眉をひそめると垣根はズバっと言い切った。
件の知り合いなら自分は紳士だとか言いかえしそうだった。
女の子に言われるなら大喜びしそうだからやっぱり変態だろうとゴーグルも思う。
「光源氏計画なのか、単にお礼が聞きたかったのかわかんねえっスけどね」
「礼? なんでわざわざんなもん聞きてえんだ」
「さあ……なんでなんスかね」
ゴーグルもなんでそんなことをしたのか何て詳しくは知らない。
一緒にいたそいつの知り合いによると、不審者として風紀委員にしょっぴかれたらしいからうまくいったのかもあやしい。
「うーん。ちょっとしたことでいいんスけど誰かに、感謝されたい時ってありません? でも悲しいもんで、小さい子は何かあっても『ありがとうございます』って素直に言ってくれるんスけど、特に女子は年齢上がると途端に態度が辛辣になるんスよ。まぁ最近は小さい子相手だと親切も『事案』扱いになっちゃうんスけど」
「そう?」
さっきからこの話題にまるっきり共感できないらしく、垣根は首をひねっている。
「ああー……垣根さんには関係ない話っスよね。そうっスよね。垣根さんの場合、もし人とぶつかっても相手の方からお詫びしたいって連絡先とかプレゼントとか貰いそうっスよね。すいません俺が間違ってました」
「お前……どっかで人のこと見張ってんのか」
「マジスか」
冗談で言ったつもりが垣根には真剣な顔をされてしまった。
111: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:39:16.78:iz+wV3nL0 (14/15)
「この前、カウンター席で近くの女に水ひっかけられてさ。どうせ汚れもしねえしいいって言ったんだけどよ」
ポケットをごそごそしていた垣根は取り出したものを放り投げた。
女物のハンカチだった。
シルクか何かの高そうな、なんか刺繍とかしてある。
その間に小さな紙がはさんであった。
「まさかっ、『きゃーごめんなさーい手が滑っちゃった☆』ノリの超古典的な逆ナン……ッ?!」
今時ドラマや漫画でもみないような手法なのかと、メモを手にしたゴーグルは戦慄した。
焦って書いたのか斜めに走る文字で電話番号とメアドが書いてあった。
いや。
もしかしたら、本当に心優しい女の子が何かしたくて勇気を振り絞ったのかもしれない。
学園都市だってそんな純粋な子が一人くらいいるかもしれない。
「やるよ。いらねえし」
「お、俺がもらっても何にもならないじゃないスか、いいです!!」
そんな自覚も興味すらなさそうな垣根の前では彼女のフラグは立つ前に消滅しまった様だ。
成就させたり回収するどころか構築するのにはきっと苦労するんだろう。
「この前、カウンター席で近くの女に水ひっかけられてさ。どうせ汚れもしねえしいいって言ったんだけどよ」
ポケットをごそごそしていた垣根は取り出したものを放り投げた。
女物のハンカチだった。
シルクか何かの高そうな、なんか刺繍とかしてある。
その間に小さな紙がはさんであった。
「まさかっ、『きゃーごめんなさーい手が滑っちゃった☆』ノリの超古典的な逆ナン……ッ?!」
今時ドラマや漫画でもみないような手法なのかと、メモを手にしたゴーグルは戦慄した。
焦って書いたのか斜めに走る文字で電話番号とメアドが書いてあった。
いや。
もしかしたら、本当に心優しい女の子が何かしたくて勇気を振り絞ったのかもしれない。
学園都市だってそんな純粋な子が一人くらいいるかもしれない。
「やるよ。いらねえし」
「お、俺がもらっても何にもならないじゃないスか、いいです!!」
そんな自覚も興味すらなさそうな垣根の前では彼女のフラグは立つ前に消滅しまった様だ。
成就させたり回収するどころか構築するのにはきっと苦労するんだろう。
112: ◆q7l9AKAoH.:2014/10/06(月) 01:40:18.05:iz+wV3nL0 (15/15)
ドーモ
冷蔵庫とクレーン女に比べるとゴーグルのインパクトのなさが際立つ
かわいそうに
クレーンはプラス大型特殊免許がいるんだってね
定規ちゃんがんばれ
ドーモ
冷蔵庫とクレーン女に比べるとゴーグルのインパクトのなさが際立つ
かわいそうに
クレーンはプラス大型特殊免許がいるんだってね
定規ちゃんがんばれ
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/06(月) 03:49:27.01:j2WEEcyX0 (1/1)
乙
専用口wwww
青ピ名無し繋がりかぁーとか反射的に思ってしまったのが少し悲しい
定規ちゃんは教習を受ける時もドレスなんだろうか
乙
専用口wwww
青ピ名無し繋がりかぁーとか反射的に思ってしまったのが少し悲しい
定規ちゃんは教習を受ける時もドレスなんだろうか
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/10/06(月) 09:18:46.45:EzNvtc0ZO (1/1)
マジな話、垣根は恋愛に興味無さそうだもんなー
彼女いないだろって突っ込まれても「それがどうした?」って返しそうだ
マジな話、垣根は恋愛に興味無さそうだもんなー
彼女いないだろって突っ込まれても「それがどうした?」って返しそうだ
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/06(月) 23:19:12.19:tn4JfjjXO (1/1)
どうしよう垣根がモテるビジョンが浮かばない
なんかサドっぽい女に股間踏まれてるところしか浮かばない
あの中学生みたいな精神の虫マニアが数々の女性に愛されてたという過去が暴露されたら
鬱要因にしかならなかったオティヌスからの虐待シーンも魔神様もっとやっちまいなって見方にすり替わりそう
あと俺も垣根進化させた上でランクマしました
一方通行出なさすぎてもうどうでもいいの心境
男しかいないホモパ作りたかったのにィ!!
どうしよう垣根がモテるビジョンが浮かばない
なんかサドっぽい女に股間踏まれてるところしか浮かばない
あの中学生みたいな精神の虫マニアが数々の女性に愛されてたという過去が暴露されたら
鬱要因にしかならなかったオティヌスからの虐待シーンも魔神様もっとやっちまいなって見方にすり替わりそう
あと俺も垣根進化させた上でランクマしました
一方通行出なさすぎてもうどうでもいいの心境
男しかいないホモパ作りたかったのにィ!!
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/10/12(日) 16:39:54.87:1ufmQ7Be0 (1/1)
艦コレで初春って見ると、提督+初春で帝春を連想してしまい
同時にこのスレも思い出す今日この頃
艦コレで初春って見ると、提督+初春で帝春を連想してしまい
同時にこのスレも思い出す今日この頃
117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/13(月) 14:06:19.29:qLFAkSQp0 (1/1)
レベル5の男共は女に縁がない運命なんだよ
レベル5の男共は女に縁がない運命なんだよ
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/31(金) 12:59:17.14:njB5VnQ4O (1/1)
待機
待機
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/15(土) 01:05:51.79:rO11E524O (1/1)
戻ってきてよ>>1さん
パズデックスで垣根が弱体化されたショックで死にそうなんだ
助けてよ
僕を助けてよぉ!
戻ってきてよ>>1さん
パズデックスで垣根が弱体化されたショックで死にそうなんだ
助けてよ
僕を助けてよぉ!
120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/17(月) 16:11:18.93:c+q43Nep0 (1/1)
スクールのスピンオフとかでねぇかなぁ…
スクールのスピンオフとかでねぇかなぁ…
121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/17(月) 23:29:33.81:s3Hx9eX3o (1/1)
ていとくんについてどこかで見かけた、「禁書SS界の渚カヲル」って表現は至言だと思った
ていとくんについてどこかで見かけた、「禁書SS界の渚カヲル」って表現は至言だと思った
122: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 02:53:07.59:wPRqB3Qw0 (1/12)
微かな音を立ててエアコンが室内の空気を整えている。
適当な手つきでリモコンをいじっていた少年は少ししてそれをソファの上に放り投げた。
真夏だというのに長袖のワイシャツに袖を通した少年は続いてテレビのリモコンに手を伸ばす。
昼すぎのバラエティ番組で若い女性リポーターがにこにこしながら、
「おいしーい」
「かわいーい」
「すごーい」
を繰り返すのを数パターン眺めてからチャンネルをあちこち変える。
しばらくそんなことをしてから、電源を切るとため息と共に肩を落とした。
そんな時、玄関の方から物音がした。
「ちース。やっぱ垣根さんスか」
ドアを開けるなりゴーグルの少年はそう口にした。
垣根が眉を寄せると、彼は鍵が開いていたから居ると思ったと答えた。
「最近心理定規は見てないし。夏休みっスからねえ」
「そう言うお前は? わざわざこっちに何しにきてんの」
ついこの前まで調べていた『幻想御手』にまつわる話は結局これと言って『スクール』に役立ちそうな情報は掴めないままだった。
騒ぎと、ちょっとした事件がほんの数日であっと言う間に収束したかと思うと、後には嘘か本当かわからないような噂話ばかりが残っていた。
『スクール』での目立った活動もないので、彼も特にここに来る用事はないはずだった。
「隠れ家のパソコンならセキュリティその他が『ランクB』以上で使えるんで。何かと便利なんスよ。なんか今日は、日付変わったへんからっスかね? ネットとか回線がやけに重いんス」
なんて言いながら少年は背負っていたリュックサックを降ろすが。
そんなことを言っていた癖に中から出てきたのは数台の携帯ゲーム機だった。
「はぁ。しっかし今日もつまんねえな」
ソウデスネーと返事をしながら後ろを通ろうとしていたゴーグルの少年は、ちょっと引き返すとスマホをいじっていた垣根の手元を覗きこんできた。
「あ。スコアアタックっスか? 『キャンディ☆スラッシャー』、けっこうハマりますよね」
「ああ。クエストの方はだいぶ埋まったから」
「あれ。垣根さん、チョコフォンデュのブラインドってアイテムで消せますよ?」
微かな音を立ててエアコンが室内の空気を整えている。
適当な手つきでリモコンをいじっていた少年は少ししてそれをソファの上に放り投げた。
真夏だというのに長袖のワイシャツに袖を通した少年は続いてテレビのリモコンに手を伸ばす。
昼すぎのバラエティ番組で若い女性リポーターがにこにこしながら、
「おいしーい」
「かわいーい」
「すごーい」
を繰り返すのを数パターン眺めてからチャンネルをあちこち変える。
しばらくそんなことをしてから、電源を切るとため息と共に肩を落とした。
そんな時、玄関の方から物音がした。
「ちース。やっぱ垣根さんスか」
ドアを開けるなりゴーグルの少年はそう口にした。
垣根が眉を寄せると、彼は鍵が開いていたから居ると思ったと答えた。
「最近心理定規は見てないし。夏休みっスからねえ」
「そう言うお前は? わざわざこっちに何しにきてんの」
ついこの前まで調べていた『幻想御手』にまつわる話は結局これと言って『スクール』に役立ちそうな情報は掴めないままだった。
騒ぎと、ちょっとした事件がほんの数日であっと言う間に収束したかと思うと、後には嘘か本当かわからないような噂話ばかりが残っていた。
『スクール』での目立った活動もないので、彼も特にここに来る用事はないはずだった。
「隠れ家のパソコンならセキュリティその他が『ランクB』以上で使えるんで。何かと便利なんスよ。なんか今日は、日付変わったへんからっスかね? ネットとか回線がやけに重いんス」
なんて言いながら少年は背負っていたリュックサックを降ろすが。
そんなことを言っていた癖に中から出てきたのは数台の携帯ゲーム機だった。
「はぁ。しっかし今日もつまんねえな」
ソウデスネーと返事をしながら後ろを通ろうとしていたゴーグルの少年は、ちょっと引き返すとスマホをいじっていた垣根の手元を覗きこんできた。
「あ。スコアアタックっスか? 『キャンディ☆スラッシャー』、けっこうハマりますよね」
「ああ。クエストの方はだいぶ埋まったから」
「あれ。垣根さん、チョコフォンデュのブラインドってアイテムで消せますよ?」
123: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 02:56:33.90:wPRqB3Qw0 (2/12)
パズルアプリの中でも、好き勝手にキャンディを操作して時間いっぱいひたすらポイントを稼ぐモードで遊んでいた。
ちょうど、画面の上に出てくる敵キャラが数ターンおきに邪魔をしてくるステージだった。
ボウルに入ったチョコをぶつけられると画面に並んだキャンディが少しずつ見えなくなってしまう。
チョコレートをなぞると一瞬だけ下のキャンディは見えるようになるが、それで移動してしまえばあまり意味はない。
面倒なオジャマ効果をなくすには、同じところを三回以上こするか専用のアイテムでまとめて取り除くしかない、と言うのが一般的な攻略法だった。
「いいんだよ。こういうプレイだ」
「でもキャンディ全然見えないじゃないスか。どんな縛りプレイっスか」
首をひねるゴーグルの前で、垣根は画面の上を一筆書きで素早くスワイプしてみせた。
すると。
面白い様に少年は目を丸くする。
「え? なんでそれで15も連鎖するんスか?」
「開始直後、一番最初の並びは見えるだろ。動かせば確認も出来るし」
「あー、でもまたチョコが……って、更に18? どうなってるんスかこれ」
再び塗り潰されたなんてお構いなしに、垣根が指を動かすと次々にキャンディが消えていく。
画面に浮かび上がるコンボ数にゴーグルは信じられないと言いたそうな声をあげた。
「こいつの配置と落ち方のパターンな。やってるうちに大体読めてきた。あー、二つ連鎖が足りねえってことは……ここ、丸い緑じゃなくて紫のがきやがったな」
「……本当だ」
キャンディの色も形も見えない所で垣根が指を動かすとなぞられた場所だけ一瞬キャンディが浮かび上がる。
繋げられた緑のキャンディが消えていく。
ずれたキャンディも消えて2COMBと文字が光る。
上から落ちてきたキャンディも更に増えたが、おかげで半分近く目隠しされた所が今どう並んでいるかは横から見ていてもほとんどわからない。
「見てろ。この配置なら次は後五……いや、四ヶ所落とせばもっと消えるから」
ろくに見えないゲーム画面を頭の中でシミュレートしてしまったらしく、垣根は得意そうに笑った。
すごいのだが、何かもうケタも違うレベルですご過ぎてゴーグルの少年はぼんやり口を開けて頷くしかなかった。
パズルアプリの中でも、好き勝手にキャンディを操作して時間いっぱいひたすらポイントを稼ぐモードで遊んでいた。
ちょうど、画面の上に出てくる敵キャラが数ターンおきに邪魔をしてくるステージだった。
ボウルに入ったチョコをぶつけられると画面に並んだキャンディが少しずつ見えなくなってしまう。
チョコレートをなぞると一瞬だけ下のキャンディは見えるようになるが、それで移動してしまえばあまり意味はない。
面倒なオジャマ効果をなくすには、同じところを三回以上こするか専用のアイテムでまとめて取り除くしかない、と言うのが一般的な攻略法だった。
「いいんだよ。こういうプレイだ」
「でもキャンディ全然見えないじゃないスか。どんな縛りプレイっスか」
首をひねるゴーグルの前で、垣根は画面の上を一筆書きで素早くスワイプしてみせた。
すると。
面白い様に少年は目を丸くする。
「え? なんでそれで15も連鎖するんスか?」
「開始直後、一番最初の並びは見えるだろ。動かせば確認も出来るし」
「あー、でもまたチョコが……って、更に18? どうなってるんスかこれ」
再び塗り潰されたなんてお構いなしに、垣根が指を動かすと次々にキャンディが消えていく。
画面に浮かび上がるコンボ数にゴーグルは信じられないと言いたそうな声をあげた。
「こいつの配置と落ち方のパターンな。やってるうちに大体読めてきた。あー、二つ連鎖が足りねえってことは……ここ、丸い緑じゃなくて紫のがきやがったな」
「……本当だ」
キャンディの色も形も見えない所で垣根が指を動かすとなぞられた場所だけ一瞬キャンディが浮かび上がる。
繋げられた緑のキャンディが消えていく。
ずれたキャンディも消えて2COMBと文字が光る。
上から落ちてきたキャンディも更に増えたが、おかげで半分近く目隠しされた所が今どう並んでいるかは横から見ていてもほとんどわからない。
「見てろ。この配置なら次は後五……いや、四ヶ所落とせばもっと消えるから」
ろくに見えないゲーム画面を頭の中でシミュレートしてしまったらしく、垣根は得意そうに笑った。
すごいのだが、何かもうケタも違うレベルですご過ぎてゴーグルの少年はぼんやり口を開けて頷くしかなかった。
124: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 02:59:28.34:wPRqB3Qw0 (3/12)
「いやー、すごいっスけど。垣根さん何と勝負してるんですか。ランク上位とかんなレベルじゃないですよね」
「ハイスコアとかボーナスとか。やりはじめでどうなるか見えてくるとそんなに面白くねえんだよな。落ちてくるのに合わせて配置すりゃ残りも消える。点とかその通りやりゃ出るし」
ゴーグルはためいき混じりに称賛するが、垣根は面白くなさそうだった。
これも飽きてきたな、と呟くとポケットにスマホをしまってしまう。
「あんま狙っても出ないんスけどね。うーん、じゃあパズル以外のアプリにしたらどうっスか。箱庭ものとか、それか携帯機のゲームにします? アクション系とか」
リュックからポーチを取り出すとゴーグルの少年はゲームソフトを探し始めた。
「アクションものっつうとあれだろ。敵狙ってポイント稼ぐとか、潜入して情報収集とか銃撃戦とかだろ? そう言うゲームって普段しねえようなことして遊ぶんだよな、普通は」
気乗りしないらしい垣根の言葉にゴーグルは苦笑いした。
「あー。リアルっスね。俺らたまにしますねそう言うの。気分転換には向かないかもっスね」
「な」
「でも面白いのもあるんスよ。実は最近やってる奴みつけたんで、『スクール』系の組織メンバーでパーティ組んでるのがあって――」
近くのテーブルの上に数種のゲーム機とソフトを並べて小さな見本市を展開していたゴーグルがカバンの底の方を漁る横で。
垣根は一台だけ起動している機体に目を向けた。
テーブルの端、ちょっと手の届きづらそうなところにそれだけ押しのけられていた。
「お前はいっつも、ながらで何かしてるだろ。これは何してんの?」
垣根が勝手に動いているゲーム機を手に取った瞬間。
ガキン! とおかしな音が立った。
それに慌ててゴーグルが顔をあげた。
「うわ! 垣根さん、ちょっ何してんスか? ケガとかしてねえっスか」
「別にこれくらいなんともねえけど」
「あー、びっくりした。『未元物質』スか。でも俺が動かしてる物にいきなり手ぇ出さないでください。見てない時に何か巻き込んだら怖いじゃないスか」
「あれ。これ能力っつってもお前がやってるわけじゃねえのか」
垣根は携帯ゲーム機の画面を覗いて首をかしげた。
今は止まっているそれをポーズモードにするとゴーグルは他のものと同じように並べた。
「そっス。それは範囲と対象――そのゲームなら押すボタン決めてそこにぶつけてるんで、セミオートってかそれ以外のものに触ったら止めるとか器用な設定は出来ないんス。判断は今SE聞いて俺の耳でしてたんで。いやーだからっスかね、心理定規なんて俺が能力使ってるってわかるときは近寄ってきませんよ」
「使ってる時『は』? 『も』じゃなくてか」
「え。俺そんな嫌われてます?」
「いやー、すごいっスけど。垣根さん何と勝負してるんですか。ランク上位とかんなレベルじゃないですよね」
「ハイスコアとかボーナスとか。やりはじめでどうなるか見えてくるとそんなに面白くねえんだよな。落ちてくるのに合わせて配置すりゃ残りも消える。点とかその通りやりゃ出るし」
ゴーグルはためいき混じりに称賛するが、垣根は面白くなさそうだった。
これも飽きてきたな、と呟くとポケットにスマホをしまってしまう。
「あんま狙っても出ないんスけどね。うーん、じゃあパズル以外のアプリにしたらどうっスか。箱庭ものとか、それか携帯機のゲームにします? アクション系とか」
リュックからポーチを取り出すとゴーグルの少年はゲームソフトを探し始めた。
「アクションものっつうとあれだろ。敵狙ってポイント稼ぐとか、潜入して情報収集とか銃撃戦とかだろ? そう言うゲームって普段しねえようなことして遊ぶんだよな、普通は」
気乗りしないらしい垣根の言葉にゴーグルは苦笑いした。
「あー。リアルっスね。俺らたまにしますねそう言うの。気分転換には向かないかもっスね」
「な」
「でも面白いのもあるんスよ。実は最近やってる奴みつけたんで、『スクール』系の組織メンバーでパーティ組んでるのがあって――」
近くのテーブルの上に数種のゲーム機とソフトを並べて小さな見本市を展開していたゴーグルがカバンの底の方を漁る横で。
垣根は一台だけ起動している機体に目を向けた。
テーブルの端、ちょっと手の届きづらそうなところにそれだけ押しのけられていた。
「お前はいっつも、ながらで何かしてるだろ。これは何してんの?」
垣根が勝手に動いているゲーム機を手に取った瞬間。
ガキン! とおかしな音が立った。
それに慌ててゴーグルが顔をあげた。
「うわ! 垣根さん、ちょっ何してんスか? ケガとかしてねえっスか」
「別にこれくらいなんともねえけど」
「あー、びっくりした。『未元物質』スか。でも俺が動かしてる物にいきなり手ぇ出さないでください。見てない時に何か巻き込んだら怖いじゃないスか」
「あれ。これ能力っつってもお前がやってるわけじゃねえのか」
垣根は携帯ゲーム機の画面を覗いて首をかしげた。
今は止まっているそれをポーズモードにするとゴーグルは他のものと同じように並べた。
「そっス。それは範囲と対象――そのゲームなら押すボタン決めてそこにぶつけてるんで、セミオートってかそれ以外のものに触ったら止めるとか器用な設定は出来ないんス。判断は今SE聞いて俺の耳でしてたんで。いやーだからっスかね、心理定規なんて俺が能力使ってるってわかるときは近寄ってきませんよ」
「使ってる時『は』? 『も』じゃなくてか」
「え。俺そんな嫌われてます?」
125: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:04:24.67:wPRqB3Qw0 (4/12)
結局。
おすすめをいくつか教えたものの。
今はゲームとかいいや、と言われてしまいゴーグルはテーブルの上を片付けていた。
ちょっとさびしそうだった。
「お前って普段からよく能力使ってるよな。『念動力』ってそんな便利か」
「そっスね。ちょっと物取ったりとか出来るんで便利っスよ。ちゃんと制御するならこれっスけど」
少年は定位置のパソコンの前に座ると、リュックから取り出した「ゴーグル」を横に置いた。
「それって結局、何の意味があんだっけ」
垣根も、彼が能力使用の時に機材を使っていることは知っているが、つけている時といない時の差までは気にしていなかったらしい。
必要な時に十分な成果が出せれば特に考えることでもないかもしれない。
「こいつっスか? そっスねー、ここに紙があるじゃないスか」
ゴーグルの少年の言葉にテーブルの隅にまとめられていたチラシが持ち上がった。
目の前までふわふわ浮かんできた紙切れを垣根が睨みつけると、ゴーグルはうんうんと頭を下げる。
「これを……こうっス」
バチ、バチ、バツッ。
横に一直線、少年が自分の体の前で手を動かすと紙の上にはほぼ等間隔にいくつも穴が開いていった。
「で。今度はこれと…こいつを」
少年は頭にゴーグルをはめてケーブルを腰の機械に繋ぐ。
調子でも確かめる様にウエストポーチみたく括り付けられた機材をチェックすると。
ポケットからボールの様なものを取り出した。
大きめのスーパーボールほどで、小さなレンズが付いていた。
床に置かれたボールが二つ、紙の下まで転がっていく。
そしてもう一度手を横に動かすと。
ダダダッ、とミシンでも掛けたような音と共に紙が揺れた。
さっきの倍、それ以上の速さと数で穴が空いていく。
くしゃくしゃになりながら丁度切り取り線の様に細かく穴の打たれた紙は。
最後にバリッと下に引きちぎられた。
「こうっス」
切断されたと言うには不恰好な。
強引にねじ切られた様な紙をそのまま床に落とすとゴーグルの少年は手をはたいた。
「ゴーグルの効果ってこんな感じっス。俺が一度に能力を使える規模ってそんな大したことないんスけど、視点を増やせば手数がちょっと稼げるんスよ」
結局。
おすすめをいくつか教えたものの。
今はゲームとかいいや、と言われてしまいゴーグルはテーブルの上を片付けていた。
ちょっとさびしそうだった。
「お前って普段からよく能力使ってるよな。『念動力』ってそんな便利か」
「そっスね。ちょっと物取ったりとか出来るんで便利っスよ。ちゃんと制御するならこれっスけど」
少年は定位置のパソコンの前に座ると、リュックから取り出した「ゴーグル」を横に置いた。
「それって結局、何の意味があんだっけ」
垣根も、彼が能力使用の時に機材を使っていることは知っているが、つけている時といない時の差までは気にしていなかったらしい。
必要な時に十分な成果が出せれば特に考えることでもないかもしれない。
「こいつっスか? そっスねー、ここに紙があるじゃないスか」
ゴーグルの少年の言葉にテーブルの隅にまとめられていたチラシが持ち上がった。
目の前までふわふわ浮かんできた紙切れを垣根が睨みつけると、ゴーグルはうんうんと頭を下げる。
「これを……こうっス」
バチ、バチ、バツッ。
横に一直線、少年が自分の体の前で手を動かすと紙の上にはほぼ等間隔にいくつも穴が開いていった。
「で。今度はこれと…こいつを」
少年は頭にゴーグルをはめてケーブルを腰の機械に繋ぐ。
調子でも確かめる様にウエストポーチみたく括り付けられた機材をチェックすると。
ポケットからボールの様なものを取り出した。
大きめのスーパーボールほどで、小さなレンズが付いていた。
床に置かれたボールが二つ、紙の下まで転がっていく。
そしてもう一度手を横に動かすと。
ダダダッ、とミシンでも掛けたような音と共に紙が揺れた。
さっきの倍、それ以上の速さと数で穴が空いていく。
くしゃくしゃになりながら丁度切り取り線の様に細かく穴の打たれた紙は。
最後にバリッと下に引きちぎられた。
「こうっス」
切断されたと言うには不恰好な。
強引にねじ切られた様な紙をそのまま床に落とすとゴーグルの少年は手をはたいた。
「ゴーグルの効果ってこんな感じっス。俺が一度に能力を使える規模ってそんな大したことないんスけど、視点を増やせば手数がちょっと稼げるんスよ」
126: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:07:13.66:wPRqB3Qw0 (5/12)
そのあとの話を簡単にまとめると。
能力者個人が見ているもの、一定の範囲のものを動かすのが得意な能力を何とか今以上に伸ばすために彼の『開発官』が編み出したやり方が「能力を分散して処理させること」だったらしい。
桁の多い計算を、コンピュータは莫大な演算能力にものを言わせて単純に1+1を繰り返すだけでも一瞬で解くことが出来るが。
そうはいかない人間は、効率的なやり方を模索して、たとえば掛け算を使うことで同じ問題をクリアする。
一つの画面を分割して二種類の映像を同時に流しても、慣れれば人間意外とみれてしまうものらしい。
能力のベースに大きく関わっていた「能力を使う、目の前の世界」を少しくらい増やしても彼の念動力に問題はなかった。
ケーブルだらけの土星の輪の様な機械は。
下の機材で受信する映像を切り替えて、ゴーグルに内蔵された電極から送られる信号で、外部からの情報を自身の感覚に近付けて捉える為の装置と言うことらしい。
「たとえば十二のターゲットをまとめて撃ち落とすのが難しくても、四つずつ×3なら焦らずいけるって感じっス。まあカメラ位置で被ったりするし、条件は他にもあるんスけどね」
「ふーん。お前、狙撃手の代わりする気はねえの。出来そうだよな」
「そういうのはFPSで充分っス。それに幾ら映像があっても、それで距離や正確さを稼げる様な仕組みじゃないんで。遠距離から頭や心臓に致命傷ってのは厳しいっスね」
そんな話をしばらく黙って聞いていたリーダーからの提案を、少年は申し訳なさそうに笑って断った。
「まあ俺も学校じゃ成績はそこそこっスよ。こう言うプラスαは『身体検査』の結果に反映されないんで」
拳で頭に着けた「ゴーグル」を小突くと少年は苦笑いした。
そのあとの話を簡単にまとめると。
能力者個人が見ているもの、一定の範囲のものを動かすのが得意な能力を何とか今以上に伸ばすために彼の『開発官』が編み出したやり方が「能力を分散して処理させること」だったらしい。
桁の多い計算を、コンピュータは莫大な演算能力にものを言わせて単純に1+1を繰り返すだけでも一瞬で解くことが出来るが。
そうはいかない人間は、効率的なやり方を模索して、たとえば掛け算を使うことで同じ問題をクリアする。
一つの画面を分割して二種類の映像を同時に流しても、慣れれば人間意外とみれてしまうものらしい。
能力のベースに大きく関わっていた「能力を使う、目の前の世界」を少しくらい増やしても彼の念動力に問題はなかった。
ケーブルだらけの土星の輪の様な機械は。
下の機材で受信する映像を切り替えて、ゴーグルに内蔵された電極から送られる信号で、外部からの情報を自身の感覚に近付けて捉える為の装置と言うことらしい。
「たとえば十二のターゲットをまとめて撃ち落とすのが難しくても、四つずつ×3なら焦らずいけるって感じっス。まあカメラ位置で被ったりするし、条件は他にもあるんスけどね」
「ふーん。お前、狙撃手の代わりする気はねえの。出来そうだよな」
「そういうのはFPSで充分っス。それに幾ら映像があっても、それで距離や正確さを稼げる様な仕組みじゃないんで。遠距離から頭や心臓に致命傷ってのは厳しいっスね」
そんな話をしばらく黙って聞いていたリーダーからの提案を、少年は申し訳なさそうに笑って断った。
「まあ俺も学校じゃ成績はそこそこっスよ。こう言うプラスαは『身体検査』の結果に反映されないんで」
拳で頭に着けた「ゴーグル」を小突くと少年は苦笑いした。
127: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:12:32.24:wPRqB3Qw0 (6/12)
「メジャーで、そこそこ幅のきく能力の代表みたいなとこあるよなそれ。他に何が出来んの」
「単純に物動かすのは得意っスよ。細かいものからそこそこ重いのもいけるんスけど、俺は能力での複雑な操作になるとあんまり」
意外と、他人の能力の話に興味がわいたらしい。
そう振られたゴーグルの少年は、思い出したようにパソコンで動画サイトを表示すると出てきたものを垣根に見せた。
「何これ」
「念動力の練習動画、っスかね。複雑な方が得意なやつはこんなのもいけます。やってるのは強能力者なんスけど。あーあー、俺もこれくらい小器用な使い方出来たらいいんスけど。同じ系統でもジャンル違うんスよねえ」
フレーム内の粘土がぐにゃぐにゃと伸びたり丸まったりしながら形を変えていた。
ゆっくりと、小さな子どもが遊んでいる様な動きだったが段々と形がはっきりしていく。
細部、たてがみまで作りこまれたライオンの頭がぐるりと映って再生は終了した。
「そうか? こんなん手でやった方が早いんじゃねえの」
「いやあ、ただ動かすより意外とムズい……って! そうだ、垣根さん!!」
はっとした顔をすると。
少年は急に垣根に振り返った。
そのままつかみかかりそうな勢いで話はじめた。
「罰音メクちゃんて知ってますか?!」
「あ? なんだそりゃ」
「罰音メクちゃんス。メクちゃんは『外』で生まれたソフトウェア発のヴァーチャルアイドルで十五歳の女の子っス。公式のプロフの生年月日は十月十日、なんでかって言うとローマ数字の10が――」
「いや。そこ聞いてねえしうるせえよ」
がーっとまくしたてていたところを垣根に止められたゴーグルの少年は、床に正座をしてちょっと落ち着かされた。
そして頭を勢いよく伏せながら持っていたタブレットを頭上に掲げた。
「垣根さん、これ出来ますよね? フィギュア! 作れますよね!!」
画面いっぱいに表示された画像は少女のイラストだった。
それと、さっき見せられた動画を交互に見比べながら垣根は眉を寄せた。
テンションのおかしいゴーグルの言葉を補完するなら。
垣根には『未元物質』で粘土遊びが出来るか、アニメフィギュアの様な細かいものが作れるかやって見せてくれと言いたいらしい。
「はぁ? そんなの……楽勝だ」
「そうですよね! 垣根さんは超能力者っスもんね。強能力に出来る様なのは楽勝の朝飯前っスよね!! この、初期の公式イラストってほとんどグッズにされてないんスよ。多分一生三次元でお目にかかれないと思ってたんスよ!!」
ゴーグルは、普段の態度はどうしたのかと言うくらいのものすごい勢いと食いつきだった。
おまけにまだ落ち着きが足りない上にこりてないらしい。
垣根が迷惑そうに一にらみしても、まったく効果がなかった。
「メジャーで、そこそこ幅のきく能力の代表みたいなとこあるよなそれ。他に何が出来んの」
「単純に物動かすのは得意っスよ。細かいものからそこそこ重いのもいけるんスけど、俺は能力での複雑な操作になるとあんまり」
意外と、他人の能力の話に興味がわいたらしい。
そう振られたゴーグルの少年は、思い出したようにパソコンで動画サイトを表示すると出てきたものを垣根に見せた。
「何これ」
「念動力の練習動画、っスかね。複雑な方が得意なやつはこんなのもいけます。やってるのは強能力者なんスけど。あーあー、俺もこれくらい小器用な使い方出来たらいいんスけど。同じ系統でもジャンル違うんスよねえ」
フレーム内の粘土がぐにゃぐにゃと伸びたり丸まったりしながら形を変えていた。
ゆっくりと、小さな子どもが遊んでいる様な動きだったが段々と形がはっきりしていく。
細部、たてがみまで作りこまれたライオンの頭がぐるりと映って再生は終了した。
「そうか? こんなん手でやった方が早いんじゃねえの」
「いやあ、ただ動かすより意外とムズい……って! そうだ、垣根さん!!」
はっとした顔をすると。
少年は急に垣根に振り返った。
そのままつかみかかりそうな勢いで話はじめた。
「罰音メクちゃんて知ってますか?!」
「あ? なんだそりゃ」
「罰音メクちゃんス。メクちゃんは『外』で生まれたソフトウェア発のヴァーチャルアイドルで十五歳の女の子っス。公式のプロフの生年月日は十月十日、なんでかって言うとローマ数字の10が――」
「いや。そこ聞いてねえしうるせえよ」
がーっとまくしたてていたところを垣根に止められたゴーグルの少年は、床に正座をしてちょっと落ち着かされた。
そして頭を勢いよく伏せながら持っていたタブレットを頭上に掲げた。
「垣根さん、これ出来ますよね? フィギュア! 作れますよね!!」
画面いっぱいに表示された画像は少女のイラストだった。
それと、さっき見せられた動画を交互に見比べながら垣根は眉を寄せた。
テンションのおかしいゴーグルの言葉を補完するなら。
垣根には『未元物質』で粘土遊びが出来るか、アニメフィギュアの様な細かいものが作れるかやって見せてくれと言いたいらしい。
「はぁ? そんなの……楽勝だ」
「そうですよね! 垣根さんは超能力者っスもんね。強能力に出来る様なのは楽勝の朝飯前っスよね!! この、初期の公式イラストってほとんどグッズにされてないんスよ。多分一生三次元でお目にかかれないと思ってたんスよ!!」
ゴーグルは、普段の態度はどうしたのかと言うくらいのものすごい勢いと食いつきだった。
おまけにまだ落ち着きが足りない上にこりてないらしい。
垣根が迷惑そうに一にらみしても、まったく効果がなかった。
128: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:13:27.35:wPRqB3Qw0 (7/12)
「お前さ、俺がそう言われたからって、はいそうですかってただやるとは思ってねえだろうな」
「そりゃもちろんっス。でも俺もー『未元物質』のすごさを目の当たりにしたいって言うかー垣根さんの偉大さはもう常々ひっしひし感じまくりなんスけどー……恥も無礼も承知で何とかお願いできませんでしょうか」
よっぽどそのなんとかちゃんがお気に入りなのか、ゴーグルは暴走気味なテンションでそう続けた。
今にもごりごりと床に頭をすりつけそうだった。
それに。
心底呆れきった目をすると垣根はため息をついた。
かわいそうなものを見る顔をしていた。
「仕方ねえ。見学料込みで今後のギャラ五本分な。キッチリ働けよ」
その条件だと当分ゴーグルは『スクール』での仕事がタダ働きになるのだが。
「やったああああ! 俺、俺、墓の下まで持っていくっス!」
本人はものすごく嬉しそうにバンザイまでしていた。
「あ。多分燃えねえからな、一応『未元物質』だし」
学園都市内の埋葬システムに含まれる火葬設備がDNAマップの一片すら残さない超高性能といっても、『未元物質』まで葬り去れるかは不明だ。
もちろん垣根は冗談のつもりで返したのだが。
「じゃあ、完成したメクちゃんはもしかしてこの先数百年残るって事も……」
ゴーグルは何故か真剣な声でそう聞いた。
早速目の前のモニタに勝手に開かれたウェブページにやる気なく目を通しながら垣根はうなづいた。
「かもな。一日か数十年か。まぁ俺の気が変わらなきゃだけど」
「やばい。ずーっと先の世界のどこかでもし俺のフィギュアが発見されたら、メクちゃんの愛らしさと素晴らしさと完璧さが伝わって後世も讃えられてしまう感じになっちゃいますよ。メクちゃんマジ電子の女神」
「まじもんの偶像崇拝(アイドル)かよ」
がっくりしながらツッコんだ垣根の一言もなんだかスルーされてしまった。
「お前さ、俺がそう言われたからって、はいそうですかってただやるとは思ってねえだろうな」
「そりゃもちろんっス。でも俺もー『未元物質』のすごさを目の当たりにしたいって言うかー垣根さんの偉大さはもう常々ひっしひし感じまくりなんスけどー……恥も無礼も承知で何とかお願いできませんでしょうか」
よっぽどそのなんとかちゃんがお気に入りなのか、ゴーグルは暴走気味なテンションでそう続けた。
今にもごりごりと床に頭をすりつけそうだった。
それに。
心底呆れきった目をすると垣根はため息をついた。
かわいそうなものを見る顔をしていた。
「仕方ねえ。見学料込みで今後のギャラ五本分な。キッチリ働けよ」
その条件だと当分ゴーグルは『スクール』での仕事がタダ働きになるのだが。
「やったああああ! 俺、俺、墓の下まで持っていくっス!」
本人はものすごく嬉しそうにバンザイまでしていた。
「あ。多分燃えねえからな、一応『未元物質』だし」
学園都市内の埋葬システムに含まれる火葬設備がDNAマップの一片すら残さない超高性能といっても、『未元物質』まで葬り去れるかは不明だ。
もちろん垣根は冗談のつもりで返したのだが。
「じゃあ、完成したメクちゃんはもしかしてこの先数百年残るって事も……」
ゴーグルは何故か真剣な声でそう聞いた。
早速目の前のモニタに勝手に開かれたウェブページにやる気なく目を通しながら垣根はうなづいた。
「かもな。一日か数十年か。まぁ俺の気が変わらなきゃだけど」
「やばい。ずーっと先の世界のどこかでもし俺のフィギュアが発見されたら、メクちゃんの愛らしさと素晴らしさと完璧さが伝わって後世も讃えられてしまう感じになっちゃいますよ。メクちゃんマジ電子の女神」
「まじもんの偶像崇拝(アイドル)かよ」
がっくりしながらツッコんだ垣根の一言もなんだかスルーされてしまった。
129: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:14:16.24:wPRqB3Qw0 (8/12)
「で。これってどう言う仕組みなんだ。具体的なイメージがピンとこねえんだけど」
ゴーグルが浮かれながら見せてきた個人製作だと言うCGアニメの動画とその中のグラフィックデータの、プログラムコードが表示されたモニタを前に。
垣根は首を鳴らした。
暇つぶし程度にはなると思ったのか、それともさっさと済ませてしまいたいのか。
やる気はそれなりにあるようだった。
「えっと…俺もフィギュアはそんな持って無いんスけど、どれか参考にします?」
「いらねえ」
「3Dモデルのグラフィックっスか? 俺も作る方は詳しくないんスけど。確か……初心者向けのページが」
なにやら自分の作業をしていたゴーグルがぶつぶつ言っている間に、垣根の前のパソコンが勝手に操作されていく。
テーブルの上に置かれたボールカメラがレンズの向きを調整していた。
共有ソフトでも入れて操作をリンクさせればいい、と思いつきそうだがゴーグル的にはこっちの方が楽らしい。
文字通りの遠隔操作で何も触れていない様に見えるキーボードはカチャカチャと叩かれていった。
モニタ上にはパラメータ編集に必要なコードの読み書きの解説、作成ソフトに関するページが表示された。
「ふーん。この辺の反映とかどうなってんだろうと思ったんだけど。このファイルの数値をベースにして立体化してやればいいんだよな。よし、あとこっちのソフトと他、まとめて寄越せ」
そうしてダウンロードされたファイルを幾つもいくつも開きながら垣根は独りごとの様に口を開く。
「髪って他の人形みたく塊でいいのか。それともバラかした方がいいのか」
「質感髪の毛っぽくしてあの髪型再現できるんスか」
「俺の『未元物質』に常識は通用しねえ」
「えー見てみたいっスお願いします!!」
「それと、こう言うのってどこまでしていいもんなんだ。別にリアルなのが欲しい訳じゃねえんだろ」
「顔とか体のバランスはなるべく資料の方に寄せてほしいっス」
互いにパソコンの前に向かったまま、二人はそんなことを話した。
「あ?」
「どうしたんスか」
ウィンドウを埋める文字列を眺めていた垣根は急に。
不満そうな声を上げた。
「これさ……服の下までわざわざ作り込んでんの? 見えねえのに?」
「何がっスか」
そう言われて席を立って見にきても、ゴーグルには画面に表示されたコマンドのどの列の辺りがそれなのかがよくわからないらしい。
垣根が渋い顔でキーボードを叩くと。
すぐ横のグラフィック制作ソフトのウィンドウ内の衣装とアクセサリが取り除かれベースに髪と顔のパーツ、インナーをのせた状態のモデルが現れた。
「あー。パンツくらい普通のフィギュアも履いてるっスよ。メクちゃんのパンツはピンクの水玉なんです。ほら」
ゴーグルは自分用の棚からケースを取ると1/8スケールのフィギュアを出した。
こちらはさっき垣根に見せた画像とは髪型も服装も違う。
公式発のイベント限定モノで、わざわざ『外』から苦労して取り寄せたお宝とだと言った。
付属パーツでの衣装変更に対応したスカートを外してみせる。
それを見た垣根はものすごく。
そりゃあもう今までで一番かもしれないくらい軽蔑した目をゴーグルに向けていた。
「あっ! いや、そんな酷い目で見ないで下さいっス! どんなものにもディテールにはこだわりがあるんスよ」
「……こう言うのって安請け合いしていいもんじゃねえな」
今更ながら、縁のないオタク趣味に関わってみたことを後悔しているらしい暗部組織のリーダーは。
ため息と共にモニタを眺め続けていた目元をこすっていた。
「で。これってどう言う仕組みなんだ。具体的なイメージがピンとこねえんだけど」
ゴーグルが浮かれながら見せてきた個人製作だと言うCGアニメの動画とその中のグラフィックデータの、プログラムコードが表示されたモニタを前に。
垣根は首を鳴らした。
暇つぶし程度にはなると思ったのか、それともさっさと済ませてしまいたいのか。
やる気はそれなりにあるようだった。
「えっと…俺もフィギュアはそんな持って無いんスけど、どれか参考にします?」
「いらねえ」
「3Dモデルのグラフィックっスか? 俺も作る方は詳しくないんスけど。確か……初心者向けのページが」
なにやら自分の作業をしていたゴーグルがぶつぶつ言っている間に、垣根の前のパソコンが勝手に操作されていく。
テーブルの上に置かれたボールカメラがレンズの向きを調整していた。
共有ソフトでも入れて操作をリンクさせればいい、と思いつきそうだがゴーグル的にはこっちの方が楽らしい。
文字通りの遠隔操作で何も触れていない様に見えるキーボードはカチャカチャと叩かれていった。
モニタ上にはパラメータ編集に必要なコードの読み書きの解説、作成ソフトに関するページが表示された。
「ふーん。この辺の反映とかどうなってんだろうと思ったんだけど。このファイルの数値をベースにして立体化してやればいいんだよな。よし、あとこっちのソフトと他、まとめて寄越せ」
そうしてダウンロードされたファイルを幾つもいくつも開きながら垣根は独りごとの様に口を開く。
「髪って他の人形みたく塊でいいのか。それともバラかした方がいいのか」
「質感髪の毛っぽくしてあの髪型再現できるんスか」
「俺の『未元物質』に常識は通用しねえ」
「えー見てみたいっスお願いします!!」
「それと、こう言うのってどこまでしていいもんなんだ。別にリアルなのが欲しい訳じゃねえんだろ」
「顔とか体のバランスはなるべく資料の方に寄せてほしいっス」
互いにパソコンの前に向かったまま、二人はそんなことを話した。
「あ?」
「どうしたんスか」
ウィンドウを埋める文字列を眺めていた垣根は急に。
不満そうな声を上げた。
「これさ……服の下までわざわざ作り込んでんの? 見えねえのに?」
「何がっスか」
そう言われて席を立って見にきても、ゴーグルには画面に表示されたコマンドのどの列の辺りがそれなのかがよくわからないらしい。
垣根が渋い顔でキーボードを叩くと。
すぐ横のグラフィック制作ソフトのウィンドウ内の衣装とアクセサリが取り除かれベースに髪と顔のパーツ、インナーをのせた状態のモデルが現れた。
「あー。パンツくらい普通のフィギュアも履いてるっスよ。メクちゃんのパンツはピンクの水玉なんです。ほら」
ゴーグルは自分用の棚からケースを取ると1/8スケールのフィギュアを出した。
こちらはさっき垣根に見せた画像とは髪型も服装も違う。
公式発のイベント限定モノで、わざわざ『外』から苦労して取り寄せたお宝とだと言った。
付属パーツでの衣装変更に対応したスカートを外してみせる。
それを見た垣根はものすごく。
そりゃあもう今までで一番かもしれないくらい軽蔑した目をゴーグルに向けていた。
「あっ! いや、そんな酷い目で見ないで下さいっス! どんなものにもディテールにはこだわりがあるんスよ」
「……こう言うのって安請け合いしていいもんじゃねえな」
今更ながら、縁のないオタク趣味に関わってみたことを後悔しているらしい暗部組織のリーダーは。
ため息と共にモニタを眺め続けていた目元をこすっていた。
130: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:15:16.57:wPRqB3Qw0 (9/12)
「なぁ。こんな感じでいいか」
ちょっとうんざりした様に。
コキコキ首を鳴らすと、垣根はゴーグルを呼んだ。
ゴーグルが振り向くと目の前のテーブルの上に白い水たまりの様なものが広がる。
15センチほどになるとその中から真っ白な女の子のシルエットが生えてきた。
「はやっ……ってすごいっスね。わあ! ちゃんと衣装やパーツの質感が違う!!」
瞬きする暇もないくらい、あっという間に伸びた『未元物質』はゴーグルのよく知っている形に変わっていく。
花びらの様に髪が、スカートがふわっと広がり真っ白だった全身は一瞬で鮮やかに色付いた。
「えっと。こんなだったっけ」
「うわー! うわー!!」
ゴーグルがさっき見せた動画と同じ振り付けで、テーブルの上でフィギュアが踊りはじめた。
垣根が動きを思い出しながら操作しているからか。
ぎこちない動きが照れたように見えて、また可愛らしかった。
「こんなのも出来る。ラジオ体操第二」
続いて、規則正しく体操をはじめるフィギュアにゴーグルは腹を抱えて笑った。
「いやぁ。『未元物質』ほんっとハンパないっスね。夢みたいな能力っス。垣根さんこれで食ってけるレベルっスよ。原型師とかやったらマニアが大金と菓子折りと五体投地の三点セットで押し寄せますよ。3Dプリンターなんかには真似出来ない鮮やかな仕事っぷりっス」
ますますテンションの上がったゴーグルは早口で褒めまくった。
ミクロ単位の精巧さにあらゆるキャラクターやポーズにも対応出来るだろう幅広さ。おまけに早い。
そしてそのクオリティはものづくりの素人だとはとても思えない域だ。
『未元物質』そのものを素体にせず、枠組みだけみても充分通用しそうだった。
正直、頭の中のイマジネーションを三次元に落とし込める能力がここまでとはゴーグルも思っていなかったらしい。
そんな口ぶりだった。
物体操作が出来る能力は数あれど、ここまで正確に緻密にイメージを形にし、それを自在に使いこなすのは超能力者ならではなのかもしれない。
「なぁ。こんな感じでいいか」
ちょっとうんざりした様に。
コキコキ首を鳴らすと、垣根はゴーグルを呼んだ。
ゴーグルが振り向くと目の前のテーブルの上に白い水たまりの様なものが広がる。
15センチほどになるとその中から真っ白な女の子のシルエットが生えてきた。
「はやっ……ってすごいっスね。わあ! ちゃんと衣装やパーツの質感が違う!!」
瞬きする暇もないくらい、あっという間に伸びた『未元物質』はゴーグルのよく知っている形に変わっていく。
花びらの様に髪が、スカートがふわっと広がり真っ白だった全身は一瞬で鮮やかに色付いた。
「えっと。こんなだったっけ」
「うわー! うわー!!」
ゴーグルがさっき見せた動画と同じ振り付けで、テーブルの上でフィギュアが踊りはじめた。
垣根が動きを思い出しながら操作しているからか。
ぎこちない動きが照れたように見えて、また可愛らしかった。
「こんなのも出来る。ラジオ体操第二」
続いて、規則正しく体操をはじめるフィギュアにゴーグルは腹を抱えて笑った。
「いやぁ。『未元物質』ほんっとハンパないっスね。夢みたいな能力っス。垣根さんこれで食ってけるレベルっスよ。原型師とかやったらマニアが大金と菓子折りと五体投地の三点セットで押し寄せますよ。3Dプリンターなんかには真似出来ない鮮やかな仕事っぷりっス」
ますますテンションの上がったゴーグルは早口で褒めまくった。
ミクロ単位の精巧さにあらゆるキャラクターやポーズにも対応出来るだろう幅広さ。おまけに早い。
そしてそのクオリティはものづくりの素人だとはとても思えない域だ。
『未元物質』そのものを素体にせず、枠組みだけみても充分通用しそうだった。
正直、頭の中のイマジネーションを三次元に落とし込める能力がここまでとはゴーグルも思っていなかったらしい。
そんな口ぶりだった。
物体操作が出来る能力は数あれど、ここまで正確に緻密にイメージを形にし、それを自在に使いこなすのは超能力者ならではなのかもしれない。
131: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:16:48.10:wPRqB3Qw0 (10/12)
「まあこいつで色々出来そうなのはわかったから、今回は俺にもそこまで悪い話じゃなかったかもな」
すごいすごいと手放しで褒められて悪い気もしないのか、気を取り直したらしい垣根はなんとも複雑そうに言った。
だがその呟きにゴーグルの少年は首を傾げる。
「垣根さん、今まで能力で遊んだ事ないんスか?」
「んー、別に。何が出来るかなんざあれこれ考える必要もなかったし」
「もったいないっスよ。こんなにすごい能力なのに」
惜しむ様な言葉に、垣根は片手をぞんざいに振った。
「煽てたって、もう出さねえぞ。これからはお前のお気に入りをフィギュアになんてしねえからな」
「ええっそんな! 立体でみたい子がまだ居るんスよ」
ふざけたノリで返された垣根は。
にやりと笑って足を組んだ。
「ばーか。これからキリキリ働いてもらうんだからよ。忘れんな」
「はいっス!! 何でもお申し付けくださいっス!」
最後に垣根に操作してもらい、元のイラストとそっくりなポーズを決めたフィギュアを受け取ったゴーグルは、急に不安そうにうつむいた。
「えっと……俺調子乗っていろいろしましたけど。これ本当にもらっちゃっていいんスか? 垣根さんいつも『未元物質』はすぐ処分してませんでしたっけ」
最新の科学技術をふるっても学園都市どころか恐らく世界中でも垣根帝督にしか作り出せない『未元物質』。
そんなもの欲しがる奴は山程いそうだった。
垣根がそれを勝手気ままに扱いながらも、管理はきちんとしていた様にゴーグルは見ていたらしい。
まあ、誰もこんな美少女フィギュアの材料が何かなんて気にかけないだろうが。
「返されたって、俺こんなもんいらねえし。俺にあそこまでさせたんだ。あの下らねえ時間を無駄にしやがったら許さねえからな」
「はい。一生大事にします」
「まあこいつで色々出来そうなのはわかったから、今回は俺にもそこまで悪い話じゃなかったかもな」
すごいすごいと手放しで褒められて悪い気もしないのか、気を取り直したらしい垣根はなんとも複雑そうに言った。
だがその呟きにゴーグルの少年は首を傾げる。
「垣根さん、今まで能力で遊んだ事ないんスか?」
「んー、別に。何が出来るかなんざあれこれ考える必要もなかったし」
「もったいないっスよ。こんなにすごい能力なのに」
惜しむ様な言葉に、垣根は片手をぞんざいに振った。
「煽てたって、もう出さねえぞ。これからはお前のお気に入りをフィギュアになんてしねえからな」
「ええっそんな! 立体でみたい子がまだ居るんスよ」
ふざけたノリで返された垣根は。
にやりと笑って足を組んだ。
「ばーか。これからキリキリ働いてもらうんだからよ。忘れんな」
「はいっス!! 何でもお申し付けくださいっス!」
最後に垣根に操作してもらい、元のイラストとそっくりなポーズを決めたフィギュアを受け取ったゴーグルは、急に不安そうにうつむいた。
「えっと……俺調子乗っていろいろしましたけど。これ本当にもらっちゃっていいんスか? 垣根さんいつも『未元物質』はすぐ処分してませんでしたっけ」
最新の科学技術をふるっても学園都市どころか恐らく世界中でも垣根帝督にしか作り出せない『未元物質』。
そんなもの欲しがる奴は山程いそうだった。
垣根がそれを勝手気ままに扱いながらも、管理はきちんとしていた様にゴーグルは見ていたらしい。
まあ、誰もこんな美少女フィギュアの材料が何かなんて気にかけないだろうが。
「返されたって、俺こんなもんいらねえし。俺にあそこまでさせたんだ。あの下らねえ時間を無駄にしやがったら許さねえからな」
「はい。一生大事にします」
132: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:19:04.94:wPRqB3Qw0 (11/12)
「なあ」
うきうきしながらフィギュアを捧げ持って眺めていたゴーグルだが、垣根に呼ばれて振り返った。
「アロサウルスとティラノの殴り合いって見たくねえか」
いつの間にか、テーブルの上には菓子箱サイズの小さな恐竜が二頭並んでいた。
意地の悪いにやにや笑いをはじめた垣根の前のモニタには、化石や骨格標本のWebページが映っていた。
どうやら外観の参考にしたらしい。
爬虫類を模した真っ白なものはテーブルの上を太い尻尾で叩いている。
牙のずらっと並んだ顎を見せつける様に頭を振っていた。
わーちっちゃい恐竜さんだーかわいー
とかどっかの展示物だったらのん気にながめていられそうだったが。
垣根の意味ありげな顔をみていたゴーグルはなんだか嫌そうに頬をひきつらせていた。
「えーっと、暴君フルボッコならやめてくださいっス。男子の夢を壊さないでください。どうこう言われたってティラノサウルスは知名度は間違いなくトップクラスなんスから」
「王者、暴君、ナンバーワン。御大層な名前が並んだところで、スペックは圧倒的に負けてるけどな!」
「ああああ! 酷いっス! やっぱ前脚短い!!」
小さな二頭は同時に動いた。
しかし。
ほんの一歩の差で初手を奪われ頭を押さえつけられる古代の覇者のミニチュアにゴーグルが嘆いた。
その後はなんかもう、蹂躙っていうか一方的なティラノサウルス公開処刑のフルボッコだった。
その指揮をする垣根はなんだかとってもご機嫌だった。
「なあ」
うきうきしながらフィギュアを捧げ持って眺めていたゴーグルだが、垣根に呼ばれて振り返った。
「アロサウルスとティラノの殴り合いって見たくねえか」
いつの間にか、テーブルの上には菓子箱サイズの小さな恐竜が二頭並んでいた。
意地の悪いにやにや笑いをはじめた垣根の前のモニタには、化石や骨格標本のWebページが映っていた。
どうやら外観の参考にしたらしい。
爬虫類を模した真っ白なものはテーブルの上を太い尻尾で叩いている。
牙のずらっと並んだ顎を見せつける様に頭を振っていた。
わーちっちゃい恐竜さんだーかわいー
とかどっかの展示物だったらのん気にながめていられそうだったが。
垣根の意味ありげな顔をみていたゴーグルはなんだか嫌そうに頬をひきつらせていた。
「えーっと、暴君フルボッコならやめてくださいっス。男子の夢を壊さないでください。どうこう言われたってティラノサウルスは知名度は間違いなくトップクラスなんスから」
「王者、暴君、ナンバーワン。御大層な名前が並んだところで、スペックは圧倒的に負けてるけどな!」
「ああああ! 酷いっス! やっぱ前脚短い!!」
小さな二頭は同時に動いた。
しかし。
ほんの一歩の差で初手を奪われ頭を押さえつけられる古代の覇者のミニチュアにゴーグルが嘆いた。
その後はなんかもう、蹂躙っていうか一方的なティラノサウルス公開処刑のフルボッコだった。
その指揮をする垣根はなんだかとってもご機嫌だった。
133: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/03(水) 03:20:57.15:wPRqB3Qw0 (12/12)
『未元物質』のクソ無駄使い(時価)
未元物質での再現はレコードの溝に針を落として再生って感じらしいけど、加工も設計図やベースになるデータがないとやりづらいとかあるんだろうか
索敵用に作ってたトンボは小さい方が小回りきいていいと思うんだけどでっかいのは趣味か?あと垣根って実はネッシーとか好きですか?それともありゃ病理さんの趣味でーす?
ゴーグルくんのは勝手な妄想と適当なこじつけ。ゴーグルってのは基本目に掛けるものだけど頭に着けてるものをわざわざそう呼ぶのは視覚補助目的だからかなとかなんとかでどうでしょ
ほんとはもうちょっと能力関連の話あったけどそんなに面白くなかったからカット
ほんっとお久しぶりですドーモ
ギリですんませんおやすみなさい
『未元物質』のクソ無駄使い(時価)
未元物質での再現はレコードの溝に針を落として再生って感じらしいけど、加工も設計図やベースになるデータがないとやりづらいとかあるんだろうか
索敵用に作ってたトンボは小さい方が小回りきいていいと思うんだけどでっかいのは趣味か?あと垣根って実はネッシーとか好きですか?それともありゃ病理さんの趣味でーす?
ゴーグルくんのは勝手な妄想と適当なこじつけ。ゴーグルってのは基本目に掛けるものだけど頭に着けてるものをわざわざそう呼ぶのは視覚補助目的だからかなとかなんとかでどうでしょ
ほんとはもうちょっと能力関連の話あったけどそんなに面白くなかったからカット
ほんっとお久しぶりですドーモ
ギリですんませんおやすみなさい
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/12/03(水) 04:59:51.24:U+KrcUm6o (1/1)
乙!
やっぱ面白い
乙!
やっぱ面白い
135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/03(水) 08:44:21.25:AAn2rJHkO (1/1)
乙
垣根が死んだら垣根が展開していた未元物質はどうなるのかね
やっぱ消滅するのか?
乙
垣根が死んだら垣根が展開していた未元物質はどうなるのかね
やっぱ消滅するのか?
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/12/03(水) 12:44:52.85:PFV3WBFCO (1/1)
戻ってきてくれてありがとう
今回も面白い
戻ってきてくれてありがとう
今回も面白い
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/04(木) 00:14:04.51:MVxqCv6g0 (1/1)
おおーきてた!乙!落ちたかとおもったよ
ゴーグルがヲタ化とか個性ついてるのはあんまないよな
暴走しすぎだけどwwwwSSはやりすぎくらいがおもしろいよ
なんか死亡フラグめちゃ立ってる気するけど今話はまだ夏なんだよね
秋になるとやっぱ死ぬの?
おおーきてた!乙!落ちたかとおもったよ
ゴーグルがヲタ化とか個性ついてるのはあんまないよな
暴走しすぎだけどwwwwSSはやりすぎくらいがおもしろいよ
なんか死亡フラグめちゃ立ってる気するけど今話はまだ夏なんだよね
秋になるとやっぱ死ぬの?
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/04(木) 06:40:34.39:eeejg6d40 (1/1)
フィギュアから主神の槍まで作れてしまう未元物質マジ万能。
一家に一台ていとくん。
フィギュアから主神の槍まで作れてしまう未元物質マジ万能。
一家に一台ていとくん。
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/04(木) 23:06:18.30:IMAH6BoU0 (1/1)
やってる事は物質成形系能力と大差はないんだろうけど、能力の錬度が高すぎるのと、未元物質自体馬鹿げた応用性を持ってるから、実質「万物を創造、操作する能力」といっても過言じゃないんだよな
だから無限の創造性なんて作中でも明言されてるんだし
ただ15巻垣根はその領域に至って無さそう
やってる事は物質成形系能力と大差はないんだろうけど、能力の錬度が高すぎるのと、未元物質自体馬鹿げた応用性を持ってるから、実質「万物を創造、操作する能力」といっても過言じゃないんだよな
だから無限の創造性なんて作中でも明言されてるんだし
ただ15巻垣根はその領域に至って無さそう
140: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:11:38.29:1aepIGjE0 (1/10)
うっかり頂点一日ログインしてなかったっぽ。ログボずれてたかも
なんか悔しい
パズデックスもすすまないからちょっとネタ投下しますね
いいですか、どうもありがとう
また台本。sageます
たぶん10もいかないと思うよ
うっかり頂点一日ログインしてなかったっぽ。ログボずれてたかも
なんか悔しい
パズデックスもすすまないからちょっとネタ投下しますね
いいですか、どうもありがとう
また台本。sageます
たぶん10もいかないと思うよ
141: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:16:09.91:1aepIGjE0 (2/10)
※SSの内容とは関係ない一発ネタです※
今開催中のパズデックスのあれ関係だと思ってください
メタ気味なのは仕様です
ゴーグル「垣根さん」
垣根「……」
ゴーグル「かーきーねーさん」
心理定規「それじゃダメよ。今は委員長って呼ばないと」
ゴーグル「い、委員長? 垣根…委員長?」
垣根「何だよ」
ゴーグル「俺たちのこの格好はなんなんスか」
垣根「見てわかんねえのか。制服だよ」
ゴーグル「はぁ。それでもシャツの下はいつものセーターなんスね。それで何でみんな眼鏡なんでしょうか」
垣根「……イメチェン?」
ゴーグル「そこ分かってないんスか?!」
垣根「文句あんのか」
ゴーグル「いいえいいえ」
※SSの内容とは関係ない一発ネタです※
今開催中のパズデックスのあれ関係だと思ってください
メタ気味なのは仕様です
ゴーグル「垣根さん」
垣根「……」
ゴーグル「かーきーねーさん」
心理定規「それじゃダメよ。今は委員長って呼ばないと」
ゴーグル「い、委員長? 垣根…委員長?」
垣根「何だよ」
ゴーグル「俺たちのこの格好はなんなんスか」
垣根「見てわかんねえのか。制服だよ」
ゴーグル「はぁ。それでもシャツの下はいつものセーターなんスね。それで何でみんな眼鏡なんでしょうか」
垣根「……イメチェン?」
ゴーグル「そこ分かってないんスか?!」
垣根「文句あんのか」
ゴーグル「いいえいいえ」
142: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:17:56.48:1aepIGjE0 (3/10)
ゴーグル「でも委員長眼鏡良く似合いますね。クールで知的っスね」
垣根「だろ」
心理定規「君はあんまり馴染んでないね」
ゴーグル「そうなんスよ。これ外してもいいっスか? モブモブしさに拍車がかかるって言うか、目の前にあると逆に違和感がっスね」
垣根「そうなのか」
ゴーグル「そうなんスよ」
心理定規「……だからって頭に乗せるのはありなの?」
ゴーグル「あ。ちょっと落ち着くっス」
垣根「そうなのか」
ゴーグル「そうなんスよ」
心理定規「……ちょっと。彼に変なこと教えないで」
ゴーグル「もしかしてちょっと気にいったんスか?」
垣根「……そうなんだよ」
ゴーグル「そうなんスか」
心理定規「ねえ。やめてくれる?」
ゴーグル「でも委員長眼鏡良く似合いますね。クールで知的っスね」
垣根「だろ」
心理定規「君はあんまり馴染んでないね」
ゴーグル「そうなんスよ。これ外してもいいっスか? モブモブしさに拍車がかかるって言うか、目の前にあると逆に違和感がっスね」
垣根「そうなのか」
ゴーグル「そうなんスよ」
心理定規「……だからって頭に乗せるのはありなの?」
ゴーグル「あ。ちょっと落ち着くっス」
垣根「そうなのか」
ゴーグル「そうなんスよ」
心理定規「……ちょっと。彼に変なこと教えないで」
ゴーグル「もしかしてちょっと気にいったんスか?」
垣根「……そうなんだよ」
ゴーグル「そうなんスか」
心理定規「ねえ。やめてくれる?」
143: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:19:44.21:1aepIGjE0 (4/10)
心理定規「もう。話がちっとも進まないじゃない」
垣根「そうなのか」
心理定規「や・め・て」
ゴーグル「ほら、委員長。副委員長が怒っちゃいましたよ」
心理定規「次やったらほんとに怒るよ?」
ゴーグル「さて。ところで委員長」
垣根「どうした」
ゴーグル「俺たちはどこの委員会所属なんスか」
垣根「なんだ。お前まだ気付いてなかったのか。ほら」
ゴーグル「それって……腕章っスか。あれ。四本線に、盾って」
垣根「風紀委員に決まってんだろ」
ゴーグル「え、ええ?!」
心理定規「もう。話がちっとも進まないじゃない」
垣根「そうなのか」
心理定規「や・め・て」
ゴーグル「ほら、委員長。副委員長が怒っちゃいましたよ」
心理定規「次やったらほんとに怒るよ?」
ゴーグル「さて。ところで委員長」
垣根「どうした」
ゴーグル「俺たちはどこの委員会所属なんスか」
垣根「なんだ。お前まだ気付いてなかったのか。ほら」
ゴーグル「それって……腕章っスか。あれ。四本線に、盾って」
垣根「風紀委員に決まってんだろ」
ゴーグル「え、ええ?!」
144: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:28:22.94:1aepIGjE0 (5/10)
ゴーグル「なんで風紀委員なんスか? え、まるっきり『スクール』と立ち位置逆っスよね!」
垣根「やってることはどっちも治安維持活動含まれてんだろ。一応な。んなこと言ったらあいつらの方があり得ねえだろ」
心理定規「生徒会実行委員ね」
垣根「あの第一位が会長だぞ? リーダーシップも協調性もクソもねえような、他人なんざ寄せ付けねえ孤高の悪党みたいなツラしたあれが会長だぞ。学年主席で会長だぞ?」
心理定規「彼は次席で委員長だけどね。第一位だけど選挙戦のポスターには確か『ここから先は一方通行だァ! 進入は禁止ってなァ!!』ってあったんだけど。蓋を開けたら本当に、ぶっちぎりで当選よ。他の候補に九九六九票の大差を付けてね」
ゴーグル「まじスか。ってかこの学校生徒何人いるんスか」
心理定規「書記の彼が会長の候補者だったら、全校生徒の過半数どころか八割ががそこに投じたって噂もあるんだけど。そっちは辞退しちゃったから」
垣根「そこで。お前、生徒会実行委員に並ぶ勢力って何だと思う」
ゴーグル「え。きょ、教師っスか?」
垣根「風紀委員だろ」
ゴーグル「まさか……そんな理由っスか。それで風紀委員長?」
垣根「何だよ」
ゴーグル「すいません今は呼んでません。ええーそこなんスか」
心理定規「理由なんてそんなものよ」
ゴーグル「なんで風紀委員なんスか? え、まるっきり『スクール』と立ち位置逆っスよね!」
垣根「やってることはどっちも治安維持活動含まれてんだろ。一応な。んなこと言ったらあいつらの方があり得ねえだろ」
心理定規「生徒会実行委員ね」
垣根「あの第一位が会長だぞ? リーダーシップも協調性もクソもねえような、他人なんざ寄せ付けねえ孤高の悪党みたいなツラしたあれが会長だぞ。学年主席で会長だぞ?」
心理定規「彼は次席で委員長だけどね。第一位だけど選挙戦のポスターには確か『ここから先は一方通行だァ! 進入は禁止ってなァ!!』ってあったんだけど。蓋を開けたら本当に、ぶっちぎりで当選よ。他の候補に九九六九票の大差を付けてね」
ゴーグル「まじスか。ってかこの学校生徒何人いるんスか」
心理定規「書記の彼が会長の候補者だったら、全校生徒の過半数どころか八割ががそこに投じたって噂もあるんだけど。そっちは辞退しちゃったから」
垣根「そこで。お前、生徒会実行委員に並ぶ勢力って何だと思う」
ゴーグル「え。きょ、教師っスか?」
垣根「風紀委員だろ」
ゴーグル「まさか……そんな理由っスか。それで風紀委員長?」
垣根「何だよ」
ゴーグル「すいません今は呼んでません。ええーそこなんスか」
心理定規「理由なんてそんなものよ」
145: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:33:49.85:1aepIGjE0 (6/10)
心理定規「でも。それだけじゃこの仕事は務まらないわ。実際、やってみたら彼にはピッタリだったのよ」
ゴーグル「はぁ。そうなんスか」
垣根「考えるまでもねえだろ。他の能力者どもを制圧してルールに従わせる、教師共ともそれなりに折り合いが付けられて学校外への牽制やアピールも出来るなんて器用な真似が、俺以外に出来んのか?」
ゴーグル「そう言われれば、確かにそんな気もするような」
心理定規「彼、実力だけじゃなく結構顔も利くし。副会長について生徒会役員になった元風紀委員の穴もあったしね。何か校内で問題があったからっていちいち会長以下役員のみなさまに動いて貰う訳にはいかないでしょ? あ。こんな話してるうちに、もう昼休みね」
ゴーグル「それがどうかしたんスか?」
心理定規「見てればわかるよ。彼がこの仕事のトップを任されてる理由もね」
削板「 根 性 ! ! 飯だ飯っ!!」ドバン!!
垣根「削板ぁぁぁあああああ! テメェまた備品を見境なく吹き飛ばしやがって!! 毎度毎度尻拭いするこっちの身になってみやがれクソがぁぁぁあああ! 廊下ッッッ走ってんじゃねぇよ!!」バサァァァ!!
ゴーグル「え」
心理定規「委員長の大仕事。いえ、もういつものことね」
心理定規「でも。それだけじゃこの仕事は務まらないわ。実際、やってみたら彼にはピッタリだったのよ」
ゴーグル「はぁ。そうなんスか」
垣根「考えるまでもねえだろ。他の能力者どもを制圧してルールに従わせる、教師共ともそれなりに折り合いが付けられて学校外への牽制やアピールも出来るなんて器用な真似が、俺以外に出来んのか?」
ゴーグル「そう言われれば、確かにそんな気もするような」
心理定規「彼、実力だけじゃなく結構顔も利くし。副会長について生徒会役員になった元風紀委員の穴もあったしね。何か校内で問題があったからっていちいち会長以下役員のみなさまに動いて貰う訳にはいかないでしょ? あ。こんな話してるうちに、もう昼休みね」
ゴーグル「それがどうかしたんスか?」
心理定規「見てればわかるよ。彼がこの仕事のトップを任されてる理由もね」
削板「 根 性 ! ! 飯だ飯っ!!」ドバン!!
垣根「削板ぁぁぁあああああ! テメェまた備品を見境なく吹き飛ばしやがって!! 毎度毎度尻拭いするこっちの身になってみやがれクソがぁぁぁあああ! 廊下ッッッ走ってんじゃねぇよ!!」バサァァァ!!
ゴーグル「え」
心理定規「委員長の大仕事。いえ、もういつものことね」
146: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:38:59.91:1aepIGjE0 (7/10)
ゴーグル「今のって」
心理定規「この学校一の問題児、削板軍覇。彼は特別悪い子じゃないんだけど、加減を知らないのよ。彼を鎮圧出来るのは、生徒会会長か書記。それとうちの委員長だけよ。書記の彼だとがんばっても十分くらいしかもたないのよね」
ゴーグル「原石相手に十分もたせる無能力者ってなんなんスか。いや、あのそれだけじゃなくて……委員長、飛んでましたよね?」
心理定規「そうよ。初速でF1並みのスピードの相手に、走って追いついたらいくらなんでも怖いでしょ?」
ゴーグル「いや、廊下走るのはダメで飛ぶのはありなんスか」
心理定規「……君ねえ、そんなんじゃ帰ってきてから委員長に怒られちゃうよ? 校則ちゃんと目を通してないの?」
ゴーグル「えー、と。『授業及び休み時間、教室移動の際、廊下を走ってはならない。学校行事、第二級以上の警報発動時他、特例を除く』」
心理定規「『校舎内を飛んではいけない』ってきまりは、無いのよ。あれで彼も真面目なところがあるから、ちゃんとここのルールには従ってるの」
ゴーグル「ええ?! いいんスか? そんな一休さんのとんちみたいなので」
心理定規「ちなみに、彼の機動力もこの学校で二番目よ」
ゴーグル「……会長も?」
心理定規「飛ぶの」
ゴーグル「まじスか」
ゴーグル「今のって」
心理定規「この学校一の問題児、削板軍覇。彼は特別悪い子じゃないんだけど、加減を知らないのよ。彼を鎮圧出来るのは、生徒会会長か書記。それとうちの委員長だけよ。書記の彼だとがんばっても十分くらいしかもたないのよね」
ゴーグル「原石相手に十分もたせる無能力者ってなんなんスか。いや、あのそれだけじゃなくて……委員長、飛んでましたよね?」
心理定規「そうよ。初速でF1並みのスピードの相手に、走って追いついたらいくらなんでも怖いでしょ?」
ゴーグル「いや、廊下走るのはダメで飛ぶのはありなんスか」
心理定規「……君ねえ、そんなんじゃ帰ってきてから委員長に怒られちゃうよ? 校則ちゃんと目を通してないの?」
ゴーグル「えー、と。『授業及び休み時間、教室移動の際、廊下を走ってはならない。学校行事、第二級以上の警報発動時他、特例を除く』」
心理定規「『校舎内を飛んではいけない』ってきまりは、無いのよ。あれで彼も真面目なところがあるから、ちゃんとここのルールには従ってるの」
ゴーグル「ええ?! いいんスか? そんな一休さんのとんちみたいなので」
心理定規「ちなみに、彼の機動力もこの学校で二番目よ」
ゴーグル「……会長も?」
心理定規「飛ぶの」
ゴーグル「まじスか」
147: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:44:35.82:1aepIGjE0 (8/10)
垣根「はぁ……今日の被害は西校舎一階の窓十二枚と校庭脇の木が三本。それといつもの食堂裏の自販機。っつたく、昼まるまる潰して愉快な鬼ごっこじゃねえんだぞあの野郎。いい加減御坂にもあれ止めさせてやるからな」
心理定規「お疲れさま」
ゴーグル「……そっスか。風紀委員。俺も頑張らなきゃっスね! で、俺のポジションって」
風紀委員長「G」
ゴーグル「え?」
副委員長「君ね、風紀委員Gだよ」
ゴーグル「……それ、は。ゴーグル、の?」
風紀委員長「ABCDEFG、のG。お前下っ端だぞ」
風紀委員G「そう……なんスか」
副委員長「そうなのよね。がんばって」
会長ちっとも出てこないし、初日サボりやがるとかナメてやがりますかそうですか
あのイラストの女子制服かわいいよね
心理定規ちゃんも着ませんか、ついでに眼鏡もかけませんか
あの生徒会イラストからのネタ。中高一貫の学校でイメージしたけど生徒会役員が全校合同ってあるのかなまあがくねんとかなんとかつっこんだらだめだね?
あとの超能力者はあれだ、近所にあるお嬢様校にまとまってればいいよ。たまに学校間交流会とかそんなあれで顔合わせするような
初等部から大学までがっつりエスカレーターみたいな女子校で面子は常盤台と一部の女子。会長みさきちか、替え玉の縦ロールちゃん。
麦野はスケバン。
女生徒にきゃーきゃー言われて「沈利お姉様!! 素敵ですわ!」とか呼ばれてるのみてみたい
禁書は一応学園ものジャンルな筈だけどたまに学パロをみたくなるのはなんででしょうね
ドーモ
お目汚し失礼っした
垣根「はぁ……今日の被害は西校舎一階の窓十二枚と校庭脇の木が三本。それといつもの食堂裏の自販機。っつたく、昼まるまる潰して愉快な鬼ごっこじゃねえんだぞあの野郎。いい加減御坂にもあれ止めさせてやるからな」
心理定規「お疲れさま」
ゴーグル「……そっスか。風紀委員。俺も頑張らなきゃっスね! で、俺のポジションって」
風紀委員長「G」
ゴーグル「え?」
副委員長「君ね、風紀委員Gだよ」
ゴーグル「……それ、は。ゴーグル、の?」
風紀委員長「ABCDEFG、のG。お前下っ端だぞ」
風紀委員G「そう……なんスか」
副委員長「そうなのよね。がんばって」
会長ちっとも出てこないし、初日サボりやがるとかナメてやがりますかそうですか
あのイラストの女子制服かわいいよね
心理定規ちゃんも着ませんか、ついでに眼鏡もかけませんか
あの生徒会イラストからのネタ。中高一貫の学校でイメージしたけど生徒会役員が全校合同ってあるのかなまあがくねんとかなんとかつっこんだらだめだね?
あとの超能力者はあれだ、近所にあるお嬢様校にまとまってればいいよ。たまに学校間交流会とかそんなあれで顔合わせするような
初等部から大学までがっつりエスカレーターみたいな女子校で面子は常盤台と一部の女子。会長みさきちか、替え玉の縦ロールちゃん。
麦野はスケバン。
女生徒にきゃーきゃー言われて「沈利お姉様!! 素敵ですわ!」とか呼ばれてるのみてみたい
禁書は一応学園ものジャンルな筈だけどたまに学パロをみたくなるのはなんででしょうね
ドーモ
お目汚し失礼っした
148: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:51:14.73:1aepIGjE0 (9/10)
いちお前のれすもしとくねありがとうね
>>113
部屋でくつろいでる時とかに突然窓から入ってくるけどそこで笑ったら愉快な死体の恐れがある。絶対に笑ってはいけない『スクール』24時てきな
流石に定規ちゃん女子だから暗部休みの時は私服だと思うw
>>114
「んなもん必要ねえ」って言いそう
興味ないことにはとことんドライそうだし
何を目的として何に興味があったか気になるから『直接交渉権』を得て何しようとしてたかちょっとでいいから教えてほしい鎌池先生頼む
>>115
パズデックスはドロップ率キツいから大変だよな
書き下ろしはよかった
色々根つめない方がいいよ深呼吸すると楽になるよ
って返そうと思ってたんだけど。色々あったな息してるか。こっちはまだしてる。なんとか。あいかわらず本体出ない
>>116
垣根提督(公式)
名前で呼んでくれとか言ってんのに作者に間違われるとかおいしい。誤字ほんと
帝春もいいよなー
>>117
ナンバーセブンはどこかでフラグ立ててそうな気もする基本いいひとっぽそうだし
第一位は既に……おっと誰か来たようだこんな時間に一体
>>118,119
おひさしぶりです
>>120
スピンオフとか書き下ろしイラストとか贅沢言わない。SSの初春みたいな出方でうれしいからさー
禁書超電磁砲のどっちかにコマ端のガヤでもいいからまたでないかな
>>121
なんとなくわかるようなカヲル君。原作で出番ろくにないけどおいしいネタもっててSSではネタ扱いorスルーとか?
イケメン天使でダミーなスペアで最期は愉快にぐしゃっとされるとかそっくりかな?
カブトムシ化してから自己再生するし増えるし量産型で共通点は意外とあんのかもしや
いちお前のれすもしとくねありがとうね
>>113
部屋でくつろいでる時とかに突然窓から入ってくるけどそこで笑ったら愉快な死体の恐れがある。絶対に笑ってはいけない『スクール』24時てきな
流石に定規ちゃん女子だから暗部休みの時は私服だと思うw
>>114
「んなもん必要ねえ」って言いそう
興味ないことにはとことんドライそうだし
何を目的として何に興味があったか気になるから『直接交渉権』を得て何しようとしてたかちょっとでいいから教えてほしい鎌池先生頼む
>>115
パズデックスはドロップ率キツいから大変だよな
書き下ろしはよかった
色々根つめない方がいいよ深呼吸すると楽になるよ
って返そうと思ってたんだけど。色々あったな息してるか。こっちはまだしてる。なんとか。あいかわらず本体出ない
>>116
垣根提督(公式)
名前で呼んでくれとか言ってんのに作者に間違われるとかおいしい。誤字ほんと
帝春もいいよなー
>>117
ナンバーセブンはどこかでフラグ立ててそうな気もする基本いいひとっぽそうだし
第一位は既に……おっと誰か来たようだこんな時間に一体
>>118,119
おひさしぶりです
>>120
スピンオフとか書き下ろしイラストとか贅沢言わない。SSの初春みたいな出方でうれしいからさー
禁書超電磁砲のどっちかにコマ端のガヤでもいいからまたでないかな
>>121
なんとなくわかるようなカヲル君。原作で出番ろくにないけどおいしいネタもっててSSではネタ扱いorスルーとか?
イケメン天使でダミーなスペアで最期は愉快にぐしゃっとされるとかそっくりかな?
カブトムシ化してから自己再生するし増えるし量産型で共通点は意外とあんのかもしや
149: ◆q7l9AKAoH.:2014/12/07(日) 02:54:53.51:1aepIGjE0 (10/10)
>>134,136
おつありですの
>>135
どうなんだろ。垣根は自分の死んだあととかそんな先のことは考えてなさそうだから疑問すらないかもしれない。個人的には垣根が処理してなければただの残骸として残りそうな気がする。消去も能力操作の一部みたいな。『一掃』の金ピカ粗大ごみみたいな
原作で冷蔵庫ついたのは生産、加工、操作を垣根に依存してるから延命したのかどうか
カブトムシはもうどうやって始末していいかわからない状態だけどね。メイン以下の個体も垣根化分裂オーケーならマジG並み。一人みかけると三十人はいる第二位
>>137
ゴーグル?垣根?
ゴーグルならセミみたいにいわないでやって。垣根ならカブトムシはひと夏どころか冬越えるらしいよ。なんて
ゴーグルが死ぬ意味はこのSSであんまりなさそうだからどうしようかとおもってるけど。んな先はともかく九月に入るくらいまでかけたらいいなって思ってる。もやっと話は考えてるからがんばりたい
あと実はゴーグルの扱いをどうしようか考えた時に「ゴーグル付けてないと『スクール』以下暗部組織のメンバーにろくに認識してもらえない」ってネタを仕込もうかと最初の頃思ってたんだけどやめてよかった。持たざるものからあまりに多くを奪い過ぎるところだった
でも最初は「垣根のしらないゲーム(艦っち)の話を解説する」だけで別にオタクではなかったんだけど
どうしてこうなった
>>138
一家に一台帝凍庫くん。うちにも羽根つき冷蔵庫ほしい。きっと親切に食品の期限とか聞いてなくてもべらべら教えてくれる
『この肉三日前に入れたろ。下の野菜室にキャベツがあっからそれと炒めてだな。調味料はここのポケットと、こっちの……』
そう言う話じゃないか
>>139
『回折』みたいな副産物的な効果以外だと精々形を変えるくらいだと思う。
第一位は血流操作やプラズマを作ってみようなんて実験やるまで思いつきもしなかった
第二位は自分の体を直してみるまで未元物質にそんな応用性があるなんてきっと考えもしなかった
ちょっと能力使えば即終了なら工夫することもないだろうし
15巻垣根もよくわからないことしてるけどね。ベクトルを偽装ってなんだと。向きをどうすんのと
黄砂「きなこです。通っていいですか」ってことなんだろうけど難しいよ禁書
最近1は話が長すぎて改行多すぎって怒られる。長文控えるべきか
ドーモ
ではまた
>>134,136
おつありですの
>>135
どうなんだろ。垣根は自分の死んだあととかそんな先のことは考えてなさそうだから疑問すらないかもしれない。個人的には垣根が処理してなければただの残骸として残りそうな気がする。消去も能力操作の一部みたいな。『一掃』の金ピカ粗大ごみみたいな
原作で冷蔵庫ついたのは生産、加工、操作を垣根に依存してるから延命したのかどうか
カブトムシはもうどうやって始末していいかわからない状態だけどね。メイン以下の個体も垣根化分裂オーケーならマジG並み。一人みかけると三十人はいる第二位
>>137
ゴーグル?垣根?
ゴーグルならセミみたいにいわないでやって。垣根ならカブトムシはひと夏どころか冬越えるらしいよ。なんて
ゴーグルが死ぬ意味はこのSSであんまりなさそうだからどうしようかとおもってるけど。んな先はともかく九月に入るくらいまでかけたらいいなって思ってる。もやっと話は考えてるからがんばりたい
あと実はゴーグルの扱いをどうしようか考えた時に「ゴーグル付けてないと『スクール』以下暗部組織のメンバーにろくに認識してもらえない」ってネタを仕込もうかと最初の頃思ってたんだけどやめてよかった。持たざるものからあまりに多くを奪い過ぎるところだった
でも最初は「垣根のしらないゲーム(艦っち)の話を解説する」だけで別にオタクではなかったんだけど
どうしてこうなった
>>138
一家に一台帝凍庫くん。うちにも羽根つき冷蔵庫ほしい。きっと親切に食品の期限とか聞いてなくてもべらべら教えてくれる
『この肉三日前に入れたろ。下の野菜室にキャベツがあっからそれと炒めてだな。調味料はここのポケットと、こっちの……』
そう言う話じゃないか
>>139
『回折』みたいな副産物的な効果以外だと精々形を変えるくらいだと思う。
第一位は血流操作やプラズマを作ってみようなんて実験やるまで思いつきもしなかった
第二位は自分の体を直してみるまで未元物質にそんな応用性があるなんてきっと考えもしなかった
ちょっと能力使えば即終了なら工夫することもないだろうし
15巻垣根もよくわからないことしてるけどね。ベクトルを偽装ってなんだと。向きをどうすんのと
黄砂「きなこです。通っていいですか」ってことなんだろうけど難しいよ禁書
最近1は話が長すぎて改行多すぎって怒られる。長文控えるべきか
ドーモ
ではまた
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/12/08(月) 11:50:45.68:99drIPG40 (1/1)
おお、しばらく速報来てなかったら更新されてた、ありがたや…
相性が良いのか知らんが、なんか個人的に>>1の文章は読みやすく感じられて好き
ゴーグルと未元物質の掘り下げ面白い
ていうか、なんだかんだ言ってゴーグルに対してちょっとデレてる…?(他の人間への対応の差を想像すると)
きっと冷蔵庫化した後にメクちゃんは垣根の仮の体として頑張ってくれるに違いない
おお、しばらく速報来てなかったら更新されてた、ありがたや…
相性が良いのか知らんが、なんか個人的に>>1の文章は読みやすく感じられて好き
ゴーグルと未元物質の掘り下げ面白い
ていうか、なんだかんだ言ってゴーグルに対してちょっとデレてる…?(他の人間への対応の差を想像すると)
きっと冷蔵庫化した後にメクちゃんは垣根の仮の体として頑張ってくれるに違いない
151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/12/08(月) 15:12:48.94:uPsDtnAnO (1/1)
乙乙
あの生徒会の垣根のバージョンあったらまた垣根のためだけにパズデックス課金するんですがねえ
さもなくば二度と課金しません
生徒会のやつで穏やかな美少年がごとくピアノを弾く垣根のカードなんて出ようものなら笑いすぎて死ぬと思います
乙乙
あの生徒会の垣根のバージョンあったらまた垣根のためだけにパズデックス課金するんですがねえ
さもなくば二度と課金しません
生徒会のやつで穏やかな美少年がごとくピアノを弾く垣根のカードなんて出ようものなら笑いすぎて死ぬと思います
152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/08(月) 15:30:20.43:/Wby0Wv8O (1/1)
しゃべってる中身はとにかくキャラの感じがぶれてないのがすごいと思う
垣根とか出番全然ないけどそんな感じするもん
禁書の他のキャラもみたい
しゃべってる中身はとにかくキャラの感じがぶれてないのがすごいと思う
垣根とか出番全然ないけどそんな感じするもん
禁書の他のキャラもみたい
153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/12/10(水) 15:18:59.32:1kyPsa+mO (1/1)
なぜていとくんは苦労人というか他人の尻拭い役がこうも似合うのか
乙ですの
なぜていとくんは苦労人というか他人の尻拭い役がこうも似合うのか
乙ですの
154:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/28(日) 08:41:21.50:o2mpIdZAO (1/1)
更新待ってます
更新待ってます
155:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/22(木) 23:52:07.28:iTdN/c1F0 (1/1)
まだかしら
まだかしら
156: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:28:36.35:h9xNdBB40 (1/18)
垣根の顔を見飽きてくるなんて想像もしなかったよ
フランベルジェの消費数が増えてきたよ投下するね
>>150
このSSのリーダーはわりとメンバーにデレている。心配するな自覚は無い
ちょいちょい残念な自爆があるから実はゴーグルの印象は下方修正されていく一方だと思うけど
あとさすがに美少女フィギュアになるならカブトムシのがいいと思う。もしそんときゴーグルが元気だとかわいそうだわ
読みやすいすか。ありがとうまたがんばる
>>151
ピアノ弾けるんかなw
パズデックスはクリスマスイベントがなかったことだけが残念。もうやる機会ないじゃんな
>>152
垣根はカブトムシに抜かれそうだもんね。ページ数とか
ブレるってかハズれてる気はしてんだけどだいじょうぶかな
禁書のキャラは話し方が目立つの多いのは見てて楽しいけど大変な
妹達はラクでいいな
>>153
原作での扱いから、相手の事情をあれこれ超解説する役になってしまったのが超原因じゃないかと思います。敵ともみんなよくしゃべるけどさ
>>154
大変ありがたくおもっとります
>>155
たいっへんお待たせしています
垣根の顔を見飽きてくるなんて想像もしなかったよ
フランベルジェの消費数が増えてきたよ投下するね
>>150
このSSのリーダーはわりとメンバーにデレている。心配するな自覚は無い
ちょいちょい残念な自爆があるから実はゴーグルの印象は下方修正されていく一方だと思うけど
あとさすがに美少女フィギュアになるならカブトムシのがいいと思う。もしそんときゴーグルが元気だとかわいそうだわ
読みやすいすか。ありがとうまたがんばる
>>151
ピアノ弾けるんかなw
パズデックスはクリスマスイベントがなかったことだけが残念。もうやる機会ないじゃんな
>>152
垣根はカブトムシに抜かれそうだもんね。ページ数とか
ブレるってかハズれてる気はしてんだけどだいじょうぶかな
禁書のキャラは話し方が目立つの多いのは見てて楽しいけど大変な
妹達はラクでいいな
>>153
原作での扱いから、相手の事情をあれこれ超解説する役になってしまったのが超原因じゃないかと思います。敵ともみんなよくしゃべるけどさ
>>154
大変ありがたくおもっとります
>>155
たいっへんお待たせしています
157: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:30:37.97:h9xNdBB40 (2/18)
「あれ垣根さんじゃないスか。今日こっちなんスね……おはようございますっス」
「もう昼だぞ」
ふかぶかーと頭を下げたゴーグルの少年に首をかしげると。
垣根は時計を見上げた。
「なんかいつもと違いますね。どうしたんスか」
「ああ。昨日着てたのはクリーニングに出したから代わりにな。わざわざ着替えなんざ持ってこなかったからよ」
いつもとは違う垣根の服装にゴーグルの少年は目を丸くしていた。
『スクール』での活動があるときは垣根は大体同じ様な服装だったからTシャツにジーンズなんて珍しがられてもしょうがないかもしれない。
けど垣根の発言にゴーグルの少年はますますびっくりしたようだった。
「え。ここに泊まったんスか?」
無駄に広いリビングルームだけではない。
第五学区内にあるマンションのこの部屋は、それらしく豪華な家具が並んでいてちょっとしたホテル並みの設備と雰囲気があった。
「まぁ、ベッドもあるし。一応手入れはされてるからたまには使ってやらねえとな。昨日どっかの奴が掃除に来てさ。笑えるくらいビビってたぞ。あんな奴らでも俺のこと知ってんだな」
「『スクール』下部組織の構成員スかね。ひゃー、組織トップの前で片付けって考えただけで胃が痛くなりそうっス」
垣根は意外そうに言ったけどゴーグルはなんとなく納得しているようだ。
新入りや下っ端がささいなことで取り返しのつかない結果を生まなくて済むように、リーダーである超能力者のことは話が伝わっているのだろうか。
正規構成員の知らないところでもしかしたら最低限の新人研修的なことがされているのかもしれない。
「それにしても垣根さん、こことかよく使ってるんスね」
冷房のしっかり効いた部屋の中をゴーグルの少年は不思議そうに見回した。
「お前は人のこと言えんのかよ」
「いやあ居心地よくって。テレビもデカイし。おまけに学生寮なんかとは回線速度も環境も全然違うんで。ええと……こういうのも職権濫用になっちゃうんスかね。後あの、お邪魔なら言ってくださいっス」
「ここだって『スクール』で勝手に押さえてる部屋だし。どう使おうが別にいいんじゃねえの」
リュックを降ろすとゴーグルの少年は少し考えてから申し訳なさそうに答えたが。
垣根は何ともやる気のない返事をよこした。
スニーカーのまま足を組んだ少年は、すっかり自分の部屋のように寛いでいた。
「あれ垣根さんじゃないスか。今日こっちなんスね……おはようございますっス」
「もう昼だぞ」
ふかぶかーと頭を下げたゴーグルの少年に首をかしげると。
垣根は時計を見上げた。
「なんかいつもと違いますね。どうしたんスか」
「ああ。昨日着てたのはクリーニングに出したから代わりにな。わざわざ着替えなんざ持ってこなかったからよ」
いつもとは違う垣根の服装にゴーグルの少年は目を丸くしていた。
『スクール』での活動があるときは垣根は大体同じ様な服装だったからTシャツにジーンズなんて珍しがられてもしょうがないかもしれない。
けど垣根の発言にゴーグルの少年はますますびっくりしたようだった。
「え。ここに泊まったんスか?」
無駄に広いリビングルームだけではない。
第五学区内にあるマンションのこの部屋は、それらしく豪華な家具が並んでいてちょっとしたホテル並みの設備と雰囲気があった。
「まぁ、ベッドもあるし。一応手入れはされてるからたまには使ってやらねえとな。昨日どっかの奴が掃除に来てさ。笑えるくらいビビってたぞ。あんな奴らでも俺のこと知ってんだな」
「『スクール』下部組織の構成員スかね。ひゃー、組織トップの前で片付けって考えただけで胃が痛くなりそうっス」
垣根は意外そうに言ったけどゴーグルはなんとなく納得しているようだ。
新入りや下っ端がささいなことで取り返しのつかない結果を生まなくて済むように、リーダーである超能力者のことは話が伝わっているのだろうか。
正規構成員の知らないところでもしかしたら最低限の新人研修的なことがされているのかもしれない。
「それにしても垣根さん、こことかよく使ってるんスね」
冷房のしっかり効いた部屋の中をゴーグルの少年は不思議そうに見回した。
「お前は人のこと言えんのかよ」
「いやあ居心地よくって。テレビもデカイし。おまけに学生寮なんかとは回線速度も環境も全然違うんで。ええと……こういうのも職権濫用になっちゃうんスかね。後あの、お邪魔なら言ってくださいっス」
「ここだって『スクール』で勝手に押さえてる部屋だし。どう使おうが別にいいんじゃねえの」
リュックを降ろすとゴーグルの少年は少し考えてから申し訳なさそうに答えたが。
垣根は何ともやる気のない返事をよこした。
スニーカーのまま足を組んだ少年は、すっかり自分の部屋のように寛いでいた。
158: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:33:33.15:h9xNdBB40 (3/18)
「へえー。垣根さんがジャージとかスウェット着てるとこが想像つかないんスけど」
「俺だって楽な格好くらいするぞ。流石にそれでは外に出ないけどな」
ゴーグルの
「カッコイイっスねー、どこで買うんスかそう言うの」
からはじまった普段、何着てる?トークは意外と盛り上がった。
垣根は、その辺は常識的だぞ、と返したがゴーグルは何がツボだったのか面白そうに聞いていた。
「あれ。待ってください。これ確か有名どころの……ちょっと写メ失礼します。そこのプリントんとこだけです」
スマートフォンのレンズを向けられて不快そうな目をした垣根に、慌ててゴーグルは付け足した。
はい、チーズ なんて間抜けな音声の後で少しの間何やら操作していたかと思うと。
ゴーグルの少年は垣根の服と画面を交互に眺めて大声を上げた。
「やっぱ! 最新作のシャツじゃないスか! 一枚三万以上する! 部屋着? これが?! セレブだー!!」
わざわざ画像検索して商品を特定したらしいゴーグルはなんだかとってもショックを受けていた。
「ならいつ着るんだよ。これでわざわざ出掛けんのか? こんなんでんなこと言ってお前、普段何に金使ってんの。わざわざ『スクール』にいるんだし、まるっきり金がねえ何てこともないだろ」
騒ぐゴーグルとは対照的に垣根は、おかしなものを見たように首をひねっていた。
学園都市の生きるレアアース鉱脈みたいな能力者の金銭感覚は一般学生とはずいぶん違うのかもしれない。
それでなくても超能力者だ。
どこかの研究機関とちょっと真面目な話をするだけでそれがそのまま大金に変わる、なーんてのはオーバーかもしれないけどそんなイメージがある。
そう考えれば、垣根にとって暗部での活動での成果なんてバイトどころか子どものおつかいみたいな感覚なのかもしれない。
「実は……学園都市に家族がいるんス。親は当てになんないし将来とかあるし、俺が何とか稼がないと面倒見切れないんで金が要るんス……って話だったらいい感じなんスけど――すんませんっス」
「何度も言わせんな?」
深刻そうな顔をしたかと思うと、次に笑って茶化そうとしたゴーグルの少年は。
垣根の顔を見て最終的に頭を下げた。
「へえー。垣根さんがジャージとかスウェット着てるとこが想像つかないんスけど」
「俺だって楽な格好くらいするぞ。流石にそれでは外に出ないけどな」
ゴーグルの
「カッコイイっスねー、どこで買うんスかそう言うの」
からはじまった普段、何着てる?トークは意外と盛り上がった。
垣根は、その辺は常識的だぞ、と返したがゴーグルは何がツボだったのか面白そうに聞いていた。
「あれ。待ってください。これ確か有名どころの……ちょっと写メ失礼します。そこのプリントんとこだけです」
スマートフォンのレンズを向けられて不快そうな目をした垣根に、慌ててゴーグルは付け足した。
はい、チーズ なんて間抜けな音声の後で少しの間何やら操作していたかと思うと。
ゴーグルの少年は垣根の服と画面を交互に眺めて大声を上げた。
「やっぱ! 最新作のシャツじゃないスか! 一枚三万以上する! 部屋着? これが?! セレブだー!!」
わざわざ画像検索して商品を特定したらしいゴーグルはなんだかとってもショックを受けていた。
「ならいつ着るんだよ。これでわざわざ出掛けんのか? こんなんでんなこと言ってお前、普段何に金使ってんの。わざわざ『スクール』にいるんだし、まるっきり金がねえ何てこともないだろ」
騒ぐゴーグルとは対照的に垣根は、おかしなものを見たように首をひねっていた。
学園都市の生きるレアアース鉱脈みたいな能力者の金銭感覚は一般学生とはずいぶん違うのかもしれない。
それでなくても超能力者だ。
どこかの研究機関とちょっと真面目な話をするだけでそれがそのまま大金に変わる、なーんてのはオーバーかもしれないけどそんなイメージがある。
そう考えれば、垣根にとって暗部での活動での成果なんてバイトどころか子どものおつかいみたいな感覚なのかもしれない。
「実は……学園都市に家族がいるんス。親は当てになんないし将来とかあるし、俺が何とか稼がないと面倒見切れないんで金が要るんス……って話だったらいい感じなんスけど――すんませんっス」
「何度も言わせんな?」
深刻そうな顔をしたかと思うと、次に笑って茶化そうとしたゴーグルの少年は。
垣根の顔を見て最終的に頭を下げた。
159: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:35:14.05:h9xNdBB40 (4/18)
「いや大したことじゃ、アニメのディスクとかグッズとか後はえっとゲーム機とか……」
「同じのを何台も買うから悪いんじゃねえのか」
「特典付きのやつなんですよ。ソフトと本体同梱とか多くて。それにいいんス。俺これがあればゲーム一度に何個も遊べるんで便利なんス」
ぱんぱかぱーん! とか言いながら少年は取り出したゴーグルを掲げた。
それに能力の無駄遣いだとでも言いたげな顔で垣根が尋ねた。
「そんなにして楽しいのか」
「そっスねー。乱数調整とか個体値にこだわりはじめた頃はすげー便利だったんス。あとは神おま堀りながら努力値振れるしレベルも上がるしダンジョンも潜れるし下校リロードも全部まとめて出来ます。パソコンも使えば遠征やドックの待ち時間使えるしクッキーも焼き放題っスよ。作業時間の短縮にはいいっス」
ゴーグルが口を開くたびに垣根は頭上に一個ずつクエスチョンマークが増えていく様な。
そんな顔をしていた。
「後ケータイも。幾つ持ってんだ」
「こっちはタブレットっス。これとスマホと『スクール』の連絡用のガラケーと……基本料金はちょっとプラスなんスけど、おかげで堂々アカウント複数持ちっス」
「ガラケーは何かわかるけど、スマホはお前の能力で動くのか」
「じゃじゃーん。ここにタッチペンがあります」
今度はタブレット端末のケースからカラフルなペンが出てきた。
それも何本も。
「俺がその気になれば、個人戦だけじゃなくユニオンイベントでも複垢四つは同イベ上位に入れられますよ! 手動で!!」
自慢げに、熱く語るゴーグルの少年に向けられた視線はなんとも冷やかだった。
聞いたけど。聞かなきゃよかった。
そんな様子で垣根は頭の後ろで腕を組んでいた。
「よくわかんねえけど幸せだなお前。これっぽっちも羨ましかねえけど」
「ゲームの仕様もずいぶん変わったし、そこまでしないっスけどね。報酬全部まとめられる訳じゃないし戦力分散するし。なによりフェアじゃないんで。最近はそれより別のやってるっス」
ゴーグルの少年はリュックサックから荷物を並べ始めた。
いつものパソコンの前に置かれるのはペットボトル、スナック菓子、ゲーム機と映画のディスク数枚。
そして代名詞のゴーグルがモニタの横に置かれた。
それを横目にみていた垣根は立ち上がると、一応、といった感じで声をかけた。
「俺メシ行くけど」
「はい。えーっと? 戸締りっスか留守番スか? 何かご用っスか」
玄関、垣根、大きな窓、垣根、今出したばかりのパスケースとあちこち見てからゴーグルの少年はもう一度垣根を見た。
待機中、と顔に書いてありそうな部下に対して、すでに背中を向けたリーダーは上着に袖を通していた。
「ついて来たいんなら好きにすれば」
そう言われたゴーグルは動画を逆再生したみたいに荷物を詰め直しはじめた。
「いや大したことじゃ、アニメのディスクとかグッズとか後はえっとゲーム機とか……」
「同じのを何台も買うから悪いんじゃねえのか」
「特典付きのやつなんですよ。ソフトと本体同梱とか多くて。それにいいんス。俺これがあればゲーム一度に何個も遊べるんで便利なんス」
ぱんぱかぱーん! とか言いながら少年は取り出したゴーグルを掲げた。
それに能力の無駄遣いだとでも言いたげな顔で垣根が尋ねた。
「そんなにして楽しいのか」
「そっスねー。乱数調整とか個体値にこだわりはじめた頃はすげー便利だったんス。あとは神おま堀りながら努力値振れるしレベルも上がるしダンジョンも潜れるし下校リロードも全部まとめて出来ます。パソコンも使えば遠征やドックの待ち時間使えるしクッキーも焼き放題っスよ。作業時間の短縮にはいいっス」
ゴーグルが口を開くたびに垣根は頭上に一個ずつクエスチョンマークが増えていく様な。
そんな顔をしていた。
「後ケータイも。幾つ持ってんだ」
「こっちはタブレットっス。これとスマホと『スクール』の連絡用のガラケーと……基本料金はちょっとプラスなんスけど、おかげで堂々アカウント複数持ちっス」
「ガラケーは何かわかるけど、スマホはお前の能力で動くのか」
「じゃじゃーん。ここにタッチペンがあります」
今度はタブレット端末のケースからカラフルなペンが出てきた。
それも何本も。
「俺がその気になれば、個人戦だけじゃなくユニオンイベントでも複垢四つは同イベ上位に入れられますよ! 手動で!!」
自慢げに、熱く語るゴーグルの少年に向けられた視線はなんとも冷やかだった。
聞いたけど。聞かなきゃよかった。
そんな様子で垣根は頭の後ろで腕を組んでいた。
「よくわかんねえけど幸せだなお前。これっぽっちも羨ましかねえけど」
「ゲームの仕様もずいぶん変わったし、そこまでしないっスけどね。報酬全部まとめられる訳じゃないし戦力分散するし。なによりフェアじゃないんで。最近はそれより別のやってるっス」
ゴーグルの少年はリュックサックから荷物を並べ始めた。
いつものパソコンの前に置かれるのはペットボトル、スナック菓子、ゲーム機と映画のディスク数枚。
そして代名詞のゴーグルがモニタの横に置かれた。
それを横目にみていた垣根は立ち上がると、一応、といった感じで声をかけた。
「俺メシ行くけど」
「はい。えーっと? 戸締りっスか留守番スか? 何かご用っスか」
玄関、垣根、大きな窓、垣根、今出したばかりのパスケースとあちこち見てからゴーグルの少年はもう一度垣根を見た。
待機中、と顔に書いてありそうな部下に対して、すでに背中を向けたリーダーは上着に袖を通していた。
「ついて来たいんなら好きにすれば」
そう言われたゴーグルは動画を逆再生したみたいに荷物を詰め直しはじめた。
160: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:36:15.32:h9xNdBB40 (5/18)
そのあと。
適当な店に入って腹も膨れたところで、
「次どうすんの?」
と垣根に振られてゴーグルは焦っていた。
もうちょっと詳しく話をすると。
垣根は今日は予定もないしノープランで何となく出てきたが、どうせなら外で暇を潰したい。
と言うことらしい。
いきなりそれをただついて来ただけのゴーグルの少年に言われても困ってしまう。
残念ながら『読心能力』や空気をよく読むスキルは搭載されていない。
更に、
「っつうか飯だけならデリバリーでよかったじゃねえか」
なんて言葉が出るあたりが何と言うか垣根帝督だった。
そういうの先に言えよ、なんて顔を垣根はしていたがゴーグルにそこまでの発言権はないと思う。
「じゃあ……そっスね。俺がよく行くところでいいっスか」
無言でうなづく垣根の態度には、なんだか期待より圧力が込められていそうで。
ゴーグルはいっぱいになったばかりの胃をそっと押さえた。
そのあと。
適当な店に入って腹も膨れたところで、
「次どうすんの?」
と垣根に振られてゴーグルは焦っていた。
もうちょっと詳しく話をすると。
垣根は今日は予定もないしノープランで何となく出てきたが、どうせなら外で暇を潰したい。
と言うことらしい。
いきなりそれをただついて来ただけのゴーグルの少年に言われても困ってしまう。
残念ながら『読心能力』や空気をよく読むスキルは搭載されていない。
更に、
「っつうか飯だけならデリバリーでよかったじゃねえか」
なんて言葉が出るあたりが何と言うか垣根帝督だった。
そういうの先に言えよ、なんて顔を垣根はしていたがゴーグルにそこまでの発言権はないと思う。
「じゃあ……そっスね。俺がよく行くところでいいっスか」
無言でうなづく垣根の態度には、なんだか期待より圧力が込められていそうで。
ゴーグルはいっぱいになったばかりの胃をそっと押さえた。
161: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:38:38.42:h9xNdBB40 (6/18)
「この辺って、こんなに人通りあったか」
前を進んでいた垣根は首を鳴らした。
第七学区まで移動した後、二人はひと気のなさそうな路地裏を通っていたのだが。
ずいぶんとすれ違う相手が多いことに垣根は疑問をもったらしい。
「やけに人多いっスね。もしかしてあの噂は本当なんスかね」
無言で振り返る垣根にゴーグルは続きを話した。
「建物の裏とか、あっちこっちにマネーカードが最近よく落ちてるらしくて。垣根さんいつもマネーカードっスけどもしかして…それともどっかで落としませんでした?」
「ばーか。違えよ。んなもん探すほど暇じゃねえし配るほどお人よしでもねえ。下手に口座から金を動かしたりカードで落とすより、あっちの方が金の流れは追いづらい。だからある程度まとめて用意してんの。それだけだ」
「かえって面倒なんじゃ……って! なにしてるんです?!」
ゴーグルは大声でつっこんだ。いや、叫んだ。
垣根は話しながら、近くのビルに近寄ったかと思うと壁に手を突っ込んでいた。
壁の隙間にとかヒビにってことじゃなく。
白い外壁のど真ん中に垣根の腕が突き刺さっていた。
突然そんなおかしな真似をされて叫ばずにいれようか。いや無理です。
出てきた手の中には数枚のマネーカードが握られていた。
慌てて駆け寄ったゴーグルはおそるおそる壁を叩いてみたが当然のように固かった。
目の前で手品でも見せられたような反応に、垣根は自慢げに種明かしを聞かせはじめた。
「これ『未元物質』だからな。俺にしか出せねえし、中身も劣化しねえ。暗部なんて真似してるし、もし俺に目を付けられても手元のもんを下手に押さえられない様にしてんだよ」
「そりゃあ、貸金庫なんかよりよっぽど、いや世界一安全でしょうけど」
ゴーグルがよく見ると、もともと壁ではなく建物の隙間が埋められているみたいだった。
あと、あちこちの壁や塀に落書きが目立つのにその近くはあまり汚れていなかった。
『未元物質』相手に市販のスプレーや塗料が勝てるわけもない。
勝手に加工されていることに建物の持ち主が気付いても取り除くことも出来なさそうだ。
「他にも幾つかこうやって置いてんだ。ATMもいらねえし結構使えるぞ」
「そっ、そう……っスかあ」
自慢げに語る垣根に、冬眠前にあちこちにドングリを隠しておくリスの話を思い出してしまったがゴーグルは必死に口を閉ざしていた。
そんなファンシーなものと一緒にしても喜ばないことはわかりきっていた。
オチとしてはリスは自分で隠した所を忘れてしまうんだけど、垣根ならきちんと管理しているだろう。
最近はちょっと、ほんのちょっぴり当たりが柔らかくなった様な気もするけど。
それはやっぱり超能力者で暗部のリーダーな垣根が相手なので。
うっかりや都合のいい勘違いの招いた甘さで、周囲数メートル単位の自分の墓穴を掘ったりしない様にゴーグルは気をつけていた。
能力者相手だとこれがたとえ話じゃなくガチになったりするのだからおっかなかった。
「この辺って、こんなに人通りあったか」
前を進んでいた垣根は首を鳴らした。
第七学区まで移動した後、二人はひと気のなさそうな路地裏を通っていたのだが。
ずいぶんとすれ違う相手が多いことに垣根は疑問をもったらしい。
「やけに人多いっスね。もしかしてあの噂は本当なんスかね」
無言で振り返る垣根にゴーグルは続きを話した。
「建物の裏とか、あっちこっちにマネーカードが最近よく落ちてるらしくて。垣根さんいつもマネーカードっスけどもしかして…それともどっかで落としませんでした?」
「ばーか。違えよ。んなもん探すほど暇じゃねえし配るほどお人よしでもねえ。下手に口座から金を動かしたりカードで落とすより、あっちの方が金の流れは追いづらい。だからある程度まとめて用意してんの。それだけだ」
「かえって面倒なんじゃ……って! なにしてるんです?!」
ゴーグルは大声でつっこんだ。いや、叫んだ。
垣根は話しながら、近くのビルに近寄ったかと思うと壁に手を突っ込んでいた。
壁の隙間にとかヒビにってことじゃなく。
白い外壁のど真ん中に垣根の腕が突き刺さっていた。
突然そんなおかしな真似をされて叫ばずにいれようか。いや無理です。
出てきた手の中には数枚のマネーカードが握られていた。
慌てて駆け寄ったゴーグルはおそるおそる壁を叩いてみたが当然のように固かった。
目の前で手品でも見せられたような反応に、垣根は自慢げに種明かしを聞かせはじめた。
「これ『未元物質』だからな。俺にしか出せねえし、中身も劣化しねえ。暗部なんて真似してるし、もし俺に目を付けられても手元のもんを下手に押さえられない様にしてんだよ」
「そりゃあ、貸金庫なんかよりよっぽど、いや世界一安全でしょうけど」
ゴーグルがよく見ると、もともと壁ではなく建物の隙間が埋められているみたいだった。
あと、あちこちの壁や塀に落書きが目立つのにその近くはあまり汚れていなかった。
『未元物質』相手に市販のスプレーや塗料が勝てるわけもない。
勝手に加工されていることに建物の持ち主が気付いても取り除くことも出来なさそうだ。
「他にも幾つかこうやって置いてんだ。ATMもいらねえし結構使えるぞ」
「そっ、そう……っスかあ」
自慢げに語る垣根に、冬眠前にあちこちにドングリを隠しておくリスの話を思い出してしまったがゴーグルは必死に口を閉ざしていた。
そんなファンシーなものと一緒にしても喜ばないことはわかりきっていた。
オチとしてはリスは自分で隠した所を忘れてしまうんだけど、垣根ならきちんと管理しているだろう。
最近はちょっと、ほんのちょっぴり当たりが柔らかくなった様な気もするけど。
それはやっぱり超能力者で暗部のリーダーな垣根が相手なので。
うっかりや都合のいい勘違いの招いた甘さで、周囲数メートル単位の自分の墓穴を掘ったりしない様にゴーグルは気をつけていた。
能力者相手だとこれがたとえ話じゃなくガチになったりするのだからおっかなかった。
162: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:40:34.51:h9xNdBB40 (7/18)
さすが夏休み。
やってきたゲームセンターはそこそこのにぎわいだった。
でも店内は騒がしいくらいで。
こういった店にありがちな工事現場クラスの騒音は響いていなかった。
この店では主な音源である「音ゲー」にはそれぞれ専用のヘッドフォンが用意されていて、音の問題だけではなく客同士のトラブルなんかも防いでいるらしい。
両手に荷物を持って店内を歩く少年におーい! と後ろから声がかけられた。
振り返ると、格闘ゲームコーナーのそばにいた大柄な男子が手をぶんぶん振りながら近寄ってきた。
「ああっ、やっぱりGセンセやないのちょっとぶりやねー」
野太い関西弁で話しかけてきたのはゴーグルの少年の知り合い、青髪ピアスだった。
親のセンスがひどいのではなくもちろんあだ名だ。
名前どころか、高校生という情報以外ろくに相手のことは知らないがそのへんはお互いさまだったりする。
「あ。青ピ君ちース。なあGはやめてって」
「ありゃ、略さない方が良かったん? 名無しの権兵衛センセ」
「……AAA(ノーネーム)ってつけたのは自分でもちょっとどうかと思うから。人の過去の心の傷をつつかないで欲しいっス。今は反省してるから」
ゴーグルの少年はゲームのプレイヤーカードにあえて「AAA」なんてベタな名前を登録していた。
事前にユーザー情報をいろいろ登録しておけるのに、ランキングにそんな単純な名前が並ぶことは少なかった。
逆に目立ったのかあちこちの上位にいる「ハイスコアの名無しさん」はちょっとしたネタにされていた。
そのおかげで青ピと知り合ってからも未だにそれをいじられていた。
「よお。最近俺のスコアも伸びてるんだぜい。この調子だと次はもらったにゃー」
「ええと、つっちー君だっけ。ちーっス」
青ピに遅れて寄ってきたのは青髪ピアスの友だち。
こいつも派手だった。
髪は金髪、何故か金のネックレス、そしてグラサン。
クラスメイトらしいのだが、なんだか怪しいバイトでもしていそうな雰囲気だった。
ゴーグルの少年も最初は見た目にちょっと驚いたが話してみると明るくて愉快な奴だった。
さすが夏休み。
やってきたゲームセンターはそこそこのにぎわいだった。
でも店内は騒がしいくらいで。
こういった店にありがちな工事現場クラスの騒音は響いていなかった。
この店では主な音源である「音ゲー」にはそれぞれ専用のヘッドフォンが用意されていて、音の問題だけではなく客同士のトラブルなんかも防いでいるらしい。
両手に荷物を持って店内を歩く少年におーい! と後ろから声がかけられた。
振り返ると、格闘ゲームコーナーのそばにいた大柄な男子が手をぶんぶん振りながら近寄ってきた。
「ああっ、やっぱりGセンセやないのちょっとぶりやねー」
野太い関西弁で話しかけてきたのはゴーグルの少年の知り合い、青髪ピアスだった。
親のセンスがひどいのではなくもちろんあだ名だ。
名前どころか、高校生という情報以外ろくに相手のことは知らないがそのへんはお互いさまだったりする。
「あ。青ピ君ちース。なあGはやめてって」
「ありゃ、略さない方が良かったん? 名無しの権兵衛センセ」
「……AAA(ノーネーム)ってつけたのは自分でもちょっとどうかと思うから。人の過去の心の傷をつつかないで欲しいっス。今は反省してるから」
ゴーグルの少年はゲームのプレイヤーカードにあえて「AAA」なんてベタな名前を登録していた。
事前にユーザー情報をいろいろ登録しておけるのに、ランキングにそんな単純な名前が並ぶことは少なかった。
逆に目立ったのかあちこちの上位にいる「ハイスコアの名無しさん」はちょっとしたネタにされていた。
そのおかげで青ピと知り合ってからも未だにそれをいじられていた。
「よお。最近俺のスコアも伸びてるんだぜい。この調子だと次はもらったにゃー」
「ええと、つっちー君だっけ。ちーっス」
青ピに遅れて寄ってきたのは青髪ピアスの友だち。
こいつも派手だった。
髪は金髪、何故か金のネックレス、そしてグラサン。
クラスメイトらしいのだが、なんだか怪しいバイトでもしていそうな雰囲気だった。
ゴーグルの少年も最初は見た目にちょっと驚いたが話してみると明るくて愉快な奴だった。
163: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:42:53.31:h9xNdBB40 (8/18)
「そぉ言えばセンセは平気だったん? 休みに入ってすぐ『幻想御手』なんてあやしい開発ツールの健康被害が噂になったやんか」
「あー。俺は使わなかったけど、同じクラスでぶっ倒れたのいたってメール回ってた。退院してからそれ使っても、何にもならないって悔しがってたらしいってのもセットで」
「病院送りになったのにまた使おうとしたのか? そりゃまたなんでだにゃー」
「そいつ、それ使う前はレベル1の『透視能力』だったみたいでさ。あれって効果それなりにあったんスね」
「そりゃ……」
「にゃー……」
苦笑いをするゴーグルに無言で二人は頷いた。
何故そんな無茶をしたのか、なんて説明も言葉もいらない。
聞いていた二人はそんな様子だった。
もし自分がその学生だったらどうしたか、それも考えるまでもない。
限りなくそれがゼロでも諦めたりしない。
だって、それは。
男子の夢の一つだろう。
「ああああ! カミサマってざんこくやね! ボクだってレベルが上がればウフフなことに能力が使えるかもしれないやんかー!!」
「はははー俺らにはあんまり関係ない話だにゃー」
体をグネグネさせながらうなる青髪ピアスはものすごく悔しそうだった。
他の能力者とは違い、ちょっとしたプラスαで能力が上がるゴーグルの少年自身はあまり幻想御手に魅力は感じなかった。
「うーん。売値が二十万代の時に一つくらいうちで買っとけば良かったんスかね。今じゃあれは音楽ファイルだった、って以外の話聞かないしなー」
だが、物があったらリスクがあろうとなかろうと、どっかの学生の下っ端とかが実験台にされていたかもしれない。
入手しなくてよかったのか悪かったのか。ゴーグルの少年は今更すぎる考えに首を振った。
「そぉ言えばセンセは平気だったん? 休みに入ってすぐ『幻想御手』なんてあやしい開発ツールの健康被害が噂になったやんか」
「あー。俺は使わなかったけど、同じクラスでぶっ倒れたのいたってメール回ってた。退院してからそれ使っても、何にもならないって悔しがってたらしいってのもセットで」
「病院送りになったのにまた使おうとしたのか? そりゃまたなんでだにゃー」
「そいつ、それ使う前はレベル1の『透視能力』だったみたいでさ。あれって効果それなりにあったんスね」
「そりゃ……」
「にゃー……」
苦笑いをするゴーグルに無言で二人は頷いた。
何故そんな無茶をしたのか、なんて説明も言葉もいらない。
聞いていた二人はそんな様子だった。
もし自分がその学生だったらどうしたか、それも考えるまでもない。
限りなくそれがゼロでも諦めたりしない。
だって、それは。
男子の夢の一つだろう。
「ああああ! カミサマってざんこくやね! ボクだってレベルが上がればウフフなことに能力が使えるかもしれないやんかー!!」
「はははー俺らにはあんまり関係ない話だにゃー」
体をグネグネさせながらうなる青髪ピアスはものすごく悔しそうだった。
他の能力者とは違い、ちょっとしたプラスαで能力が上がるゴーグルの少年自身はあまり幻想御手に魅力は感じなかった。
「うーん。売値が二十万代の時に一つくらいうちで買っとけば良かったんスかね。今じゃあれは音楽ファイルだった、って以外の話聞かないしなー」
だが、物があったらリスクがあろうとなかろうと、どっかの学生の下っ端とかが実験台にされていたかもしれない。
入手しなくてよかったのか悪かったのか。ゴーグルの少年は今更すぎる考えに首を振った。
164: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:48:19.85:h9xNdBB40 (9/18)
「さーて。またいつものいきますのん? 毎度勝ち逃げなんて許しまへんよーボク」
つっかまーえたー、なんてテノールで歌う青髪ピアスに肩をつかまれた。
更に反対側には金髪グラサンが寄ってきて。
暑苦しい感じに挟まれてしまったゴーグルの少年はふっと目をそらした。
「いや……今日はちょっと人と来てるんだ。ごめん」
「おやおや? そのビミョーに嫌そうな反応は、さては女子かにゃー」
「なにぃっ!? センセまさかいつの間に抜けがけを」
二人は勝手な想像で盛り上がっていたが。
他人に不用意に会わせたくない、と言う理由なら非実在のガールフレンド(仮)より暗部の上司の方がきっと上だ。
「いやいや男だって。先輩、みたいなさー。俺にもし女子の友達がいてもこんなとこには連れてきません。彼女はここだけど」
ゴーグルのウエストバッグにぶら下がったケースの中には携帯ゲーム機がのぞいていた。
ボディにはゲームのタイトルとキャラクタのシルエットが刻印されている。
「それ確か前に流行ってたやつだにゃー。なんていったっけ」
「『0−(ラブマイナス)』。好感度マイナスからはじまる超リアル恋愛シミュレーションってのが売りでさ。この間最新版が出たんだよ」
ゲーム機を嬉しそうに取り出したゴーグルの少年を囲む様にして二人は覗き込んできた。
揃って背の高い、なんとなく派手な野郎共に並ばれるとダサ男を自覚するゴーグルでは場所的にもきっとカツアゲ寸前のカモに見えるだろう。
実際はもてない男子がたまーに会えば駄弁ったりゲームする、そんな仲だ。
「センセこれクリア出来たん? 前のもそうやけど、ゲームなのに女子が冷たくない?」
「それがいいんじゃないスか。でも一周目は三年間まるまる意識外のモブで過ごして難易度がすげー上がって、BADエンドまっしぐらだった」
「うわー悲惨なやつやん。ちなみに誰が好みなん」
「俺はやっぱレンコちゃんスかねー。ちょい病み中二でツンて良くないスか」
「ボクはノノちゃんがえーなー。ロリ巨乳で後輩でドジっ子ついでにツインテやけどキャラ盛りすぎてないのが。でも、もなかちゃんもええよねえ」
「気の強い先輩キャラかと思ってると、見た目と違って天然お嬢様なんスよねえもなかちゃん。前作のスチルイベの下校のやつ」
「ケーキのやつな! あれはぐっときたわ」
「ただなあ。初期が黒髪ショートなのが惜しいんスよね」
いきなりマニアックなゲームの萌え語りを繰り広げる二人の横で、金髪が咳き込みはじめた。
「つっちーどしたん? なんやムセるとこあった?」
「いや。俺の知ってる最中ちゃんを思い出してちょっとにゃー」
「さーて。またいつものいきますのん? 毎度勝ち逃げなんて許しまへんよーボク」
つっかまーえたー、なんてテノールで歌う青髪ピアスに肩をつかまれた。
更に反対側には金髪グラサンが寄ってきて。
暑苦しい感じに挟まれてしまったゴーグルの少年はふっと目をそらした。
「いや……今日はちょっと人と来てるんだ。ごめん」
「おやおや? そのビミョーに嫌そうな反応は、さては女子かにゃー」
「なにぃっ!? センセまさかいつの間に抜けがけを」
二人は勝手な想像で盛り上がっていたが。
他人に不用意に会わせたくない、と言う理由なら非実在のガールフレンド(仮)より暗部の上司の方がきっと上だ。
「いやいや男だって。先輩、みたいなさー。俺にもし女子の友達がいてもこんなとこには連れてきません。彼女はここだけど」
ゴーグルのウエストバッグにぶら下がったケースの中には携帯ゲーム機がのぞいていた。
ボディにはゲームのタイトルとキャラクタのシルエットが刻印されている。
「それ確か前に流行ってたやつだにゃー。なんていったっけ」
「『0−(ラブマイナス)』。好感度マイナスからはじまる超リアル恋愛シミュレーションってのが売りでさ。この間最新版が出たんだよ」
ゲーム機を嬉しそうに取り出したゴーグルの少年を囲む様にして二人は覗き込んできた。
揃って背の高い、なんとなく派手な野郎共に並ばれるとダサ男を自覚するゴーグルでは場所的にもきっとカツアゲ寸前のカモに見えるだろう。
実際はもてない男子がたまーに会えば駄弁ったりゲームする、そんな仲だ。
「センセこれクリア出来たん? 前のもそうやけど、ゲームなのに女子が冷たくない?」
「それがいいんじゃないスか。でも一周目は三年間まるまる意識外のモブで過ごして難易度がすげー上がって、BADエンドまっしぐらだった」
「うわー悲惨なやつやん。ちなみに誰が好みなん」
「俺はやっぱレンコちゃんスかねー。ちょい病み中二でツンて良くないスか」
「ボクはノノちゃんがえーなー。ロリ巨乳で後輩でドジっ子ついでにツインテやけどキャラ盛りすぎてないのが。でも、もなかちゃんもええよねえ」
「気の強い先輩キャラかと思ってると、見た目と違って天然お嬢様なんスよねえもなかちゃん。前作のスチルイベの下校のやつ」
「ケーキのやつな! あれはぐっときたわ」
「ただなあ。初期が黒髪ショートなのが惜しいんスよね」
いきなりマニアックなゲームの萌え語りを繰り広げる二人の横で、金髪が咳き込みはじめた。
「つっちーどしたん? なんやムセるとこあった?」
「いや。俺の知ってる最中ちゃんを思い出してちょっとにゃー」
165: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 07:58:54.06:h9xNdBB40 (10/18)
なにやら肩を震わせていた金髪だったが、すぐ回復した。
「それにしても噂のトップランカー名無しさんが、がっつりオタだったとはびっくりだぜい。青ピと話が合うわけだにゃー。だが、こいつみたくヤバイことはあんまりしないほうがいいぜよ」
風紀委員のお世話になるぜい、とからかわれて。
ゴーグルの少年は静かに首を振った。
「逆っスから。オタクは三次元では無害でおとなしい種族だから。特に女子にはそうあるのが本来の生態なんで。青ピ君みたいな希少種と一緒にして欲しくないっスね」
「センセが冷たい! なんやもー、ボクらも信頼と実績の負け犬組仲間やない?」
「俺は非リアなんでそう言うのいーんス。二次ライフは充実してるんで」
仲間を増やそうと通行人を引きずり込もうとする妖怪かなにかの様にすがりつく青髪ピアスだったが。
ゴーグルの少年は淡々と相手をしていた。
「ほんっとに薄い女の子好きやね。ボクもそう言うん好きやけどそこまで愛は注げへんっちゅうかーやっぱリアルな子ときゃっきゃしてみたいやん。なー」
「いや、ほらタッチ出来るし。それとも俺たち三次元女子となら触れ合えるって言うんスか。あははは…そんな馬鹿な」
「はっはっは、現実は厳しいんやで。でもなセンセ、目を背けたらアカンのや! チャンスはあるっ!」
拳を握って熱く語る青髪ピアスは、そのチャンスを狙いすぎて年中風紀委員から職務質問を受けているらしいから何とも言えない。
ついでにまだ女子風紀委員とのフラグも立たないらしかった。
「でもなあギャルゲ最近やってなかったし、ボクも最新のやってみよーかなあ」
「たのしーっスよ。一家に一台一彼女。ほら」
「なんか色違いでもう一台出てきたんやけど?! どうなってるん、え。なにこれ青狸のポケットか何か?」
「限定版三人分揃えたから」
「レンタル彼女…ってなんかエッチやね」
「よーし。じゃあ俺はぬいぐるみを落とそうとしてる女子をキャッチ出来ないかあっちを見てくるぜい。今日はカミやんがいないから、フラグの回収日じゃない筈だ」
青ピが不思議そうにカバンの中をのぞきだした横で。
こう言うことには積極的らしい金髪グラサンはにゃーにゃー鳴きながら店内をうろつきはじめた。
なにやら肩を震わせていた金髪だったが、すぐ回復した。
「それにしても噂のトップランカー名無しさんが、がっつりオタだったとはびっくりだぜい。青ピと話が合うわけだにゃー。だが、こいつみたくヤバイことはあんまりしないほうがいいぜよ」
風紀委員のお世話になるぜい、とからかわれて。
ゴーグルの少年は静かに首を振った。
「逆っスから。オタクは三次元では無害でおとなしい種族だから。特に女子にはそうあるのが本来の生態なんで。青ピ君みたいな希少種と一緒にして欲しくないっスね」
「センセが冷たい! なんやもー、ボクらも信頼と実績の負け犬組仲間やない?」
「俺は非リアなんでそう言うのいーんス。二次ライフは充実してるんで」
仲間を増やそうと通行人を引きずり込もうとする妖怪かなにかの様にすがりつく青髪ピアスだったが。
ゴーグルの少年は淡々と相手をしていた。
「ほんっとに薄い女の子好きやね。ボクもそう言うん好きやけどそこまで愛は注げへんっちゅうかーやっぱリアルな子ときゃっきゃしてみたいやん。なー」
「いや、ほらタッチ出来るし。それとも俺たち三次元女子となら触れ合えるって言うんスか。あははは…そんな馬鹿な」
「はっはっは、現実は厳しいんやで。でもなセンセ、目を背けたらアカンのや! チャンスはあるっ!」
拳を握って熱く語る青髪ピアスは、そのチャンスを狙いすぎて年中風紀委員から職務質問を受けているらしいから何とも言えない。
ついでにまだ女子風紀委員とのフラグも立たないらしかった。
「でもなあギャルゲ最近やってなかったし、ボクも最新のやってみよーかなあ」
「たのしーっスよ。一家に一台一彼女。ほら」
「なんか色違いでもう一台出てきたんやけど?! どうなってるん、え。なにこれ青狸のポケットか何か?」
「限定版三人分揃えたから」
「レンタル彼女…ってなんかエッチやね」
「よーし。じゃあ俺はぬいぐるみを落とそうとしてる女子をキャッチ出来ないかあっちを見てくるぜい。今日はカミやんがいないから、フラグの回収日じゃない筈だ」
青ピが不思議そうにカバンの中をのぞきだした横で。
こう言うことには積極的らしい金髪グラサンはにゃーにゃー鳴きながら店内をうろつきはじめた。
166: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:02:07.33:h9xNdBB40 (11/18)
「さっきから気になってたんやけど、その小銭そんなにどうしたん?」
「あー。先輩のなんだ。あっちのコーナーにあるレトロゲー、『外』のゲームって電子マネーとか使えないのばっかだから。両替してきたとこ」
メダル用のプラスチックトレーに硬貨を盛ったゴーグルの少年はそう言って苦笑いした。
あえて一昔前のゲームに挑戦している「先輩」は、やっぱり余分な小銭なんて持ち歩いていなかったらしい。
「はあー。なんかセンセがそう言うん意外やね」
「いや、あの人はさーなんかもうレベルってか生き物としても格が違い過ぎて。従うのがデフォってか、己の矮小さに自然とこっちの頭が下がっていくみたいなのがっスね」
「先輩さんどんだけー」
青ピは茶化したけど。
何しろ相手は超能力者。
能力者の格付け的な意味でも、自然界の弱肉強食的な意味でもピラミッドの頂点側に振り分けられるタイプだ。
下の方に位置するゴーグルの少年の態度も自然とそうなる。
そういう風に世の中出来ている。
「ありとあらゆる次元で半端ないよ。本当に」
「おい」
「はいッ?! あ、か」
突然肩にかかった重さにゴーグルの少年がびっくりして横を見ると、そこには肘がのっていた。
そのまま視線を段々上げていくと。
ゴーグルが向こうで待たせていたはずの垣根の顔がそこにあった。
そこで我にかえったゴーグルの少年が何も言えずに顔をひきつらせていると。
垣根はそのまま肩の上に腕を伸ばして、軽く叩いてきた。
「遅えよ」
言い終わった口元は上がっていた。
口調も表情も怒っていない様にみえるのがかえって恐ろしい。
わかってんだろうなテメェいい度胸だ、的な副音声がゴーグルの少年には聞こえてきそうだった。悪い方に考え過ぎかもしれないが無いとは言い切れない。
「えーっ! 先輩さん? イケメン! 俺らレベルじゃ100人集まっても勝てる気しまへんけどぉ」
「まあ実際やりあってもそうだろうな。それでも桁が足りないと思うぜ」
「あの……やってたのはどうしたんスか。終わったんスか? これ、足りました?」
ゴーグルは足元を見ながら手に持ったトレーを示した。
実際の何百倍もの重さが肩を中心に全身にかかったかのように、少年は身動きがとれなかった。
垣根の能力なら本当に出来そうだが、そんなことをされたらゴーグルなんてあっという間にぺしゃんこだろう。
「さっきから気になってたんやけど、その小銭そんなにどうしたん?」
「あー。先輩のなんだ。あっちのコーナーにあるレトロゲー、『外』のゲームって電子マネーとか使えないのばっかだから。両替してきたとこ」
メダル用のプラスチックトレーに硬貨を盛ったゴーグルの少年はそう言って苦笑いした。
あえて一昔前のゲームに挑戦している「先輩」は、やっぱり余分な小銭なんて持ち歩いていなかったらしい。
「はあー。なんかセンセがそう言うん意外やね」
「いや、あの人はさーなんかもうレベルってか生き物としても格が違い過ぎて。従うのがデフォってか、己の矮小さに自然とこっちの頭が下がっていくみたいなのがっスね」
「先輩さんどんだけー」
青ピは茶化したけど。
何しろ相手は超能力者。
能力者の格付け的な意味でも、自然界の弱肉強食的な意味でもピラミッドの頂点側に振り分けられるタイプだ。
下の方に位置するゴーグルの少年の態度も自然とそうなる。
そういう風に世の中出来ている。
「ありとあらゆる次元で半端ないよ。本当に」
「おい」
「はいッ?! あ、か」
突然肩にかかった重さにゴーグルの少年がびっくりして横を見ると、そこには肘がのっていた。
そのまま視線を段々上げていくと。
ゴーグルが向こうで待たせていたはずの垣根の顔がそこにあった。
そこで我にかえったゴーグルの少年が何も言えずに顔をひきつらせていると。
垣根はそのまま肩の上に腕を伸ばして、軽く叩いてきた。
「遅えよ」
言い終わった口元は上がっていた。
口調も表情も怒っていない様にみえるのがかえって恐ろしい。
わかってんだろうなテメェいい度胸だ、的な副音声がゴーグルの少年には聞こえてきそうだった。悪い方に考え過ぎかもしれないが無いとは言い切れない。
「えーっ! 先輩さん? イケメン! 俺らレベルじゃ100人集まっても勝てる気しまへんけどぉ」
「まあ実際やりあってもそうだろうな。それでも桁が足りないと思うぜ」
「あの……やってたのはどうしたんスか。終わったんスか? これ、足りました?」
ゴーグルは足元を見ながら手に持ったトレーを示した。
実際の何百倍もの重さが肩を中心に全身にかかったかのように、少年は身動きがとれなかった。
垣根の能力なら本当に出来そうだが、そんなことをされたらゴーグルなんてあっという間にぺしゃんこだろう。
167: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:06:57.32:h9xNdBB40 (12/18)
「いいや。足りなかったからな、近くのヤツに借りた」
それにますます身をこわばらせるゴーグルの少年だったが特にお叱りは受けなかった。
ふーん、とつぶやくと垣根は青髪ピアスを物珍しそうに眺めていた。
「これか? 例のダチ」
「あー、えっと青髪ピアス、青ピ君っス。えーっと、こっちは……」
「こいつのセンパイさんです。どうも」
垣根のことを何と言えばいいのか、そもそも名前は教えていいんだろうか。
そんな風にゴーグルの少年がまごついている間に。
垣根はにっこり笑顔を浮かべると青ピに軽く頭を下げた。
明らかにどうみても純度100パーセントの作り笑顔だった。
青ピはめっちゃイケメンやん! などと騒いでいたが、ゴーグルは気が気ではなかった。
なんでのんきに立ち話をしていたのかちょっと前の自分を恨みたくなる、そんな気分だった。
「君は青ピ君と遊んでる? 俺ちょっと向こう見て回るけど」
「いえ、あの……ご一緒しますっス」
「じゃあセンセまたー、先輩さんもー」
垣根の後ろをおっかなびっくりついて行くゴーグルの少年と入れ替わるように、反対側の通路から金髪グラサンがもどってきた。
「いやあ最近の女子はガード固いぜい……ってそんなとこで凹んでどうしたんですたい」
ひとり残った青髪ピアスは店の壁にぐでーんともたれていた。
すっかりやる気や生気のぬけた顔をしていた。
「ははは……圧倒的な差ってのをガッツリ見せつけられた気分やでつっちー。高ランクのイケメンって……あれはもう人生勝ち組イージーモードですやん。逆立ちしたってもう無理無理無理無理」
「そう言う話ならまだ俺にだってチャンスはあるんだにゃー。メガネキャラには素顔公開と言う禁じ手があるんだぜい」
メガネもといグラサン装備な土御門が得意げに腕を組む。
あら不思議! 外した途端美形がコンニチハなんてベタな展開があるんだろうか。
ギラギラ光る青いサングラスは正直、イケメンがつけていても好みが分かれそうだった。
「ボクかてなぁ! 細目糸目は本気出したらイケメンっちゅうお約束があるんや!!」
「あ。あんなところを露出過多な金髪幼女が歩いてるにゃー」
「どこに?!」
「青ピ。瞼が開いてるようには見えないぜい」
「まだや、まだボクは本気出してへんだけですー!」
デルタフォースの一角を欠いた馬鹿コンビは寂しい掛け合い漫才をまだしばらく続けていそうだった。
「いいや。足りなかったからな、近くのヤツに借りた」
それにますます身をこわばらせるゴーグルの少年だったが特にお叱りは受けなかった。
ふーん、とつぶやくと垣根は青髪ピアスを物珍しそうに眺めていた。
「これか? 例のダチ」
「あー、えっと青髪ピアス、青ピ君っス。えーっと、こっちは……」
「こいつのセンパイさんです。どうも」
垣根のことを何と言えばいいのか、そもそも名前は教えていいんだろうか。
そんな風にゴーグルの少年がまごついている間に。
垣根はにっこり笑顔を浮かべると青ピに軽く頭を下げた。
明らかにどうみても純度100パーセントの作り笑顔だった。
青ピはめっちゃイケメンやん! などと騒いでいたが、ゴーグルは気が気ではなかった。
なんでのんきに立ち話をしていたのかちょっと前の自分を恨みたくなる、そんな気分だった。
「君は青ピ君と遊んでる? 俺ちょっと向こう見て回るけど」
「いえ、あの……ご一緒しますっス」
「じゃあセンセまたー、先輩さんもー」
垣根の後ろをおっかなびっくりついて行くゴーグルの少年と入れ替わるように、反対側の通路から金髪グラサンがもどってきた。
「いやあ最近の女子はガード固いぜい……ってそんなとこで凹んでどうしたんですたい」
ひとり残った青髪ピアスは店の壁にぐでーんともたれていた。
すっかりやる気や生気のぬけた顔をしていた。
「ははは……圧倒的な差ってのをガッツリ見せつけられた気分やでつっちー。高ランクのイケメンって……あれはもう人生勝ち組イージーモードですやん。逆立ちしたってもう無理無理無理無理」
「そう言う話ならまだ俺にだってチャンスはあるんだにゃー。メガネキャラには素顔公開と言う禁じ手があるんだぜい」
メガネもといグラサン装備な土御門が得意げに腕を組む。
あら不思議! 外した途端美形がコンニチハなんてベタな展開があるんだろうか。
ギラギラ光る青いサングラスは正直、イケメンがつけていても好みが分かれそうだった。
「ボクかてなぁ! 細目糸目は本気出したらイケメンっちゅうお約束があるんや!!」
「あ。あんなところを露出過多な金髪幼女が歩いてるにゃー」
「どこに?!」
「青ピ。瞼が開いてるようには見えないぜい」
「まだや、まだボクは本気出してへんだけですー!」
デルタフォースの一角を欠いた馬鹿コンビは寂しい掛け合い漫才をまだしばらく続けていそうだった。
168: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:09:55.26:h9xNdBB40 (13/18)
「でもさっきやってたのは無事クリアできたんスよね。よかったっス」
「ああ。コツがわかればあんなもん。軽いぜ」
どうやら、ゲームが無事クリア出来たことで垣根の機嫌はそこそこいいらしい。
これでもしコンティニューに失敗したり、途中でうんざりして止められていたら今頃ゴーグルはどうなっていたかわからない。
そんな嫌な想像をついしてしまってから、ゴーグルの少年はほっと胸をなでおろした。
店の中をうろうろしているとクレーンゲームのコーナーにやってきた。
ぬいぐるみの横に怪しい能力開発キットとかまで並んで、ごちゃごちゃしていた。
「お前の能力ってこう言うの取り放題なんじゃねえの」
「いやあ最近のゲーセンは能力者対策してあるからダメっス。前にちょっとやってみたら警報なって係員に注意されました」
「俺がやっても感知されると思うか」
「多分AIM拡散力場の変化とかを検出する仕組みになってるから難しいと思いますよ」
「ふーん」
実際に垣根がそんなことをやるとは思えないが、本人はただ気になったから聞いてみただけらしい。
ゴーグルが箱入りのヒーローもののフィギュアをみていると、横からのぞいていた垣根が口を挟んだ。
「そっちのはうまくやっても5回はかかるぞ。それにこう言うのってアームの強さも変えてるんだろ」
「うーん。それでもとれるかもしれないって思うとつい連コインしちゃうんスよね」
「ああ。まんまと乗せられてるヤツがいるな」
垣根がそう言ってガラスをつついた先には。
景品同士の間に埋まりそうになっているぬいぐるみがあった。
中ではカエルのキャラクターが小さな山を作っていた。
このクレーンゲームで遊ぶやつはどうやらそのてっぺんにある、他より数倍おおきなサイズの一匹を狙うらしい。
あちこち動かしているうちに余計取りにくくなってしまったようだ。
「でもさっきやってたのは無事クリアできたんスよね。よかったっス」
「ああ。コツがわかればあんなもん。軽いぜ」
どうやら、ゲームが無事クリア出来たことで垣根の機嫌はそこそこいいらしい。
これでもしコンティニューに失敗したり、途中でうんざりして止められていたら今頃ゴーグルはどうなっていたかわからない。
そんな嫌な想像をついしてしまってから、ゴーグルの少年はほっと胸をなでおろした。
店の中をうろうろしているとクレーンゲームのコーナーにやってきた。
ぬいぐるみの横に怪しい能力開発キットとかまで並んで、ごちゃごちゃしていた。
「お前の能力ってこう言うの取り放題なんじゃねえの」
「いやあ最近のゲーセンは能力者対策してあるからダメっス。前にちょっとやってみたら警報なって係員に注意されました」
「俺がやっても感知されると思うか」
「多分AIM拡散力場の変化とかを検出する仕組みになってるから難しいと思いますよ」
「ふーん」
実際に垣根がそんなことをやるとは思えないが、本人はただ気になったから聞いてみただけらしい。
ゴーグルが箱入りのヒーローもののフィギュアをみていると、横からのぞいていた垣根が口を挟んだ。
「そっちのはうまくやっても5回はかかるぞ。それにこう言うのってアームの強さも変えてるんだろ」
「うーん。それでもとれるかもしれないって思うとつい連コインしちゃうんスよね」
「ああ。まんまと乗せられてるヤツがいるな」
垣根がそう言ってガラスをつついた先には。
景品同士の間に埋まりそうになっているぬいぐるみがあった。
中ではカエルのキャラクターが小さな山を作っていた。
このクレーンゲームで遊ぶやつはどうやらそのてっぺんにある、他より数倍おおきなサイズの一匹を狙うらしい。
あちこち動かしているうちに余計取りにくくなってしまったようだ。
169: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:11:41.55:h9xNdBB40 (14/18)
「相当やってそうな割に思い切りが足りねえのかな。そうだな、まず取れる位置まで動かさねえとだろ」
緑色の目立つカエルの群れをしばらく眺めまわしてから。
垣根はクレーンを操作する。
上から隙間に押し込まれかけていたぬいぐるみを、周りの景品をずらすことで移動させた。
ゴーグルの少年あたりなら、硬貨を入れる前に店員を呼んで配置を直してもらう所だが垣根は呼びたくなかったのか。
それともそんなことをするなんて考えもしなかったのか。
横で立っているゴーグルのトレーに手を伸ばすと二枚、三枚と機械に次々硬貨を飲ませていた。
「で。胴をこうしてから、頭を狙う。うわーブッサイク」
容赦無く顔面を押しつぶされたカエルはかわいそうなことになっていた。
垣根は愉快そうに笑ったが小さい子がみていたら泣きそうだ。
そうやってアームで顔をぐにぐにされるうちに。
頭の重さにひっくり返る様にして一番大きなぬいぐるみが出口に向かって落ちた。
「ほら。落ちたろ」
「おおーっ! って、こいつ結構デカいっスね」
歓声を上げるとゴーグルの少年はしゃがんで景品を取り出そうと引っ張りはじめた。
取った本人の垣根はただそれを見ているだけだ。
二人がそんなことをしていると、ジャラジャラ音を立てながら女の子が走ってきた。
音源は彼女の持っているビニール袋だ。
少なく見ても福沢諭吉とチェンジしたくらいの量の小銭を握りしめているのは、グレーのスカートにブラウス、サマーセーター。
夏休みだと言うのに上から下まできっちり制服姿の女の子。
見た目は中学生くらい、ちょうど心理定規と同じくらいだった。
「相当やってそうな割に思い切りが足りねえのかな。そうだな、まず取れる位置まで動かさねえとだろ」
緑色の目立つカエルの群れをしばらく眺めまわしてから。
垣根はクレーンを操作する。
上から隙間に押し込まれかけていたぬいぐるみを、周りの景品をずらすことで移動させた。
ゴーグルの少年あたりなら、硬貨を入れる前に店員を呼んで配置を直してもらう所だが垣根は呼びたくなかったのか。
それともそんなことをするなんて考えもしなかったのか。
横で立っているゴーグルのトレーに手を伸ばすと二枚、三枚と機械に次々硬貨を飲ませていた。
「で。胴をこうしてから、頭を狙う。うわーブッサイク」
容赦無く顔面を押しつぶされたカエルはかわいそうなことになっていた。
垣根は愉快そうに笑ったが小さい子がみていたら泣きそうだ。
そうやってアームで顔をぐにぐにされるうちに。
頭の重さにひっくり返る様にして一番大きなぬいぐるみが出口に向かって落ちた。
「ほら。落ちたろ」
「おおーっ! って、こいつ結構デカいっスね」
歓声を上げるとゴーグルの少年はしゃがんで景品を取り出そうと引っ張りはじめた。
取った本人の垣根はただそれを見ているだけだ。
二人がそんなことをしていると、ジャラジャラ音を立てながら女の子が走ってきた。
音源は彼女の持っているビニール袋だ。
少なく見ても福沢諭吉とチェンジしたくらいの量の小銭を握りしめているのは、グレーのスカートにブラウス、サマーセーター。
夏休みだと言うのに上から下まできっちり制服姿の女の子。
見た目は中学生くらい、ちょうど心理定規と同じくらいだった。
170: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:12:16.10:h9xNdBB40 (15/18)
「あ。さっきの……ねえもしかしてっお兄さんもゲコラー?!」
ゲーム機の前まで走ってくるなり、女子学生はいきなり意味の分からないことを言い始めた。
「はあ? なんだって?」
不審そうな目をする垣根の前で彼女はコンコンとガラスを叩く。
その顔は得意げ、と言うかなぜか嬉しそうだ。
「ゲコ太よゲコ太。もしかして知らない? 知らない男の人でも……こういうの興味あったりするの?」
このキャラの名前はゲコ太と言うらしい。
見た目はヒゲを生やして服を着たカエルのおっさんだ。
中には服を着てないやつや、リボンか何かをつけているのもいるが。
もちろんそんなものを知らない垣根には個体差がピンとこない。
無言で視線を向けられたゴーグルの少年も首を横に振っていた。
「全然。っつうかさっきのガキじゃねえか。おいゴーグル、財布」
「あっいいのよあれくらい。ああいうのって、クリア直前でやめるの悔しいじゃない? はぁー、しっかしそれよく取れたわね。私もやってみたけど全然駄目だったわ」
ぱっと手を広げると女子学生は、財布もといゴーグルの少年を呼びつけようとした垣根を止めた。
何だかゲーセン慣れした少女は小銭を貸したことなんて気にもしていないらしい。
それよりも。
中身の減ったクレーンゲーム機を見て残念そうに肩をすくめていた。
背中の後ろに回した手の下でビニールにつまった小銭が小さく音を立てた。
「あ。さっきの……ねえもしかしてっお兄さんもゲコラー?!」
ゲーム機の前まで走ってくるなり、女子学生はいきなり意味の分からないことを言い始めた。
「はあ? なんだって?」
不審そうな目をする垣根の前で彼女はコンコンとガラスを叩く。
その顔は得意げ、と言うかなぜか嬉しそうだ。
「ゲコ太よゲコ太。もしかして知らない? 知らない男の人でも……こういうの興味あったりするの?」
このキャラの名前はゲコ太と言うらしい。
見た目はヒゲを生やして服を着たカエルのおっさんだ。
中には服を着てないやつや、リボンか何かをつけているのもいるが。
もちろんそんなものを知らない垣根には個体差がピンとこない。
無言で視線を向けられたゴーグルの少年も首を横に振っていた。
「全然。っつうかさっきのガキじゃねえか。おいゴーグル、財布」
「あっいいのよあれくらい。ああいうのって、クリア直前でやめるの悔しいじゃない? はぁー、しっかしそれよく取れたわね。私もやってみたけど全然駄目だったわ」
ぱっと手を広げると女子学生は、財布もといゴーグルの少年を呼びつけようとした垣根を止めた。
何だかゲーセン慣れした少女は小銭を貸したことなんて気にもしていないらしい。
それよりも。
中身の減ったクレーンゲーム機を見て残念そうに肩をすくめていた。
背中の後ろに回した手の下でビニールにつまった小銭が小さく音を立てた。
171: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:13:20.01:h9xNdBB40 (16/18)
「いや。別に欲しくて取った訳じゃねえし」
「そっ、そうなの? じゃあなんでやったのよ」
「強いて言やあ…ノリか? こんなのどこがいいんだか」
それを聞いて女子中学生は今度こそがっくりと肩を落とした。
膝から崩れおちてもおかしくなさそうなへこみっぷりだった。
「うっそぉ……油断してたわ。まさか他にもBIGゲコ太を取ろうって人がいるなんて全然思わなかったから、って言っててちょっと悲しいけど」
クレーンゲームコーナー内に用意されている「挑戦中」の札を横目にため息までついた。
隣で黙って様子を伺っていたゴーグルからカエルのぬいぐるみを受け取ると、垣根は眉を寄せた。
デフォルメされた両生類は確かに実物より愛らしい見た目だが、きゃあきゃあ騒がれそうな人気者には見えない。
おまけにデカい。
座らせてもタテ50センチはありそうなカエルはその名に恥じずBIGサイズだった。
しかし、それを見た女子学生は途端に落ち着きがなくなった。
おもちゃを目の前でゆらゆら〜っとされている猫みたいにそわそわしはじめた。
たいして可愛くもないカエルを見ては首を振り、また見ては頭を振っていた。
それをしばらく眺めると。
垣根はぬいぐるみの足を掴むと無造作に放り投げた。
「ゲコ太ーっ?!」
ものすごい勢いですっ飛んでいくぬいぐるみを追いかけて。
女子学生はスカートばきとは思えない、気合の入ったダッシュとスライディングを披露していた。
おかげで哀れなカエルは床に落ちる前に無事にキャッチされた。
「いや。別に欲しくて取った訳じゃねえし」
「そっ、そうなの? じゃあなんでやったのよ」
「強いて言やあ…ノリか? こんなのどこがいいんだか」
それを聞いて女子中学生は今度こそがっくりと肩を落とした。
膝から崩れおちてもおかしくなさそうなへこみっぷりだった。
「うっそぉ……油断してたわ。まさか他にもBIGゲコ太を取ろうって人がいるなんて全然思わなかったから、って言っててちょっと悲しいけど」
クレーンゲームコーナー内に用意されている「挑戦中」の札を横目にため息までついた。
隣で黙って様子を伺っていたゴーグルからカエルのぬいぐるみを受け取ると、垣根は眉を寄せた。
デフォルメされた両生類は確かに実物より愛らしい見た目だが、きゃあきゃあ騒がれそうな人気者には見えない。
おまけにデカい。
座らせてもタテ50センチはありそうなカエルはその名に恥じずBIGサイズだった。
しかし、それを見た女子学生は途端に落ち着きがなくなった。
おもちゃを目の前でゆらゆら〜っとされている猫みたいにそわそわしはじめた。
たいして可愛くもないカエルを見ては首を振り、また見ては頭を振っていた。
それをしばらく眺めると。
垣根はぬいぐるみの足を掴むと無造作に放り投げた。
「ゲコ太ーっ?!」
ものすごい勢いですっ飛んでいくぬいぐるみを追いかけて。
女子学生はスカートばきとは思えない、気合の入ったダッシュとスライディングを披露していた。
おかげで哀れなカエルは床に落ちる前に無事にキャッチされた。
172: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:16:44.97:h9xNdBB40 (17/18)
「さっき借りたの、これでチャラな。こいつもちょっとつついたら落ちたしよ」
床に座り込んだままの女子学生の近くまで歩いてくると、垣根は空いた手をポケットに入れた。
「えっ、でも……あの、ううん。貰えないわよ」
「うるせえな。だから俺には必要ねえんだ。テメェもいらねえんならそれ捨てんぞ。バラしてドラム缶の餌にする」
「だっ、ダメよそんなの!! ゲコ太にそんなことさせないわ!」
清掃ロボに食わせるぞ、と垣根が脅すと女子学生はぬいぐるみをしっかり抱きしめて首を振った。
暫く中学生と話すと垣根はその場を離れた。
女の子がぬいぐるみを抱きかかえて出口に向かうと、ゴーグルが寄ってくる。
「あの子に借りたんスか? あれって常盤台の制服っスよね確か。垣根さん常盤台に知り合い居たんスか」
「あんなの知らねえよ。近くのメダルゲームんとこで見てたらしい。俺が金が終わって、カウント眺めてたらこれ使えって小銭放ってよこしたんだよ」
「結構ガサ……ワイルドなお嬢さまっスね。それでさっきの景品は?」
「何かごちゃごちゃ言い始めたから押しつけてきた」
「ありゃ。あげちゃったんスか」
残念そうにゴーグルは言ったが垣根はせいせいしたらしい。
どう見ても似合わないぬいぐるみは持って帰ってもその後困りそうだった。
「何となく取ったけど、あんなもんどうしろっつうんだよ。まぁ、丁度いい厄介ばらいが出来た。どっちもな」
「でもあの子よっぽど欲しかったんスかね。あのカエル。はあー、お嬢さまもゲーセンで遊ぶんスね……」
「けどよ、この手のゲームって自分で取るまでが楽しいんだろ。人に譲ってもらって、それで喜べんのか」
「それはそうっスけど。プライズって非売品も多いんで、ラスワンを何したって欲しいって奴はやっぱ嬉しいんじゃないスか」
そんなもんか、と首をかしげるとそのままコキコキと鳴らしながら垣根は歩きだした。
「ほら、次。どっかねえのか」
「ちょ、ちょっと待って下さいっス!」
ゲームセンターを満喫したのか飽きてしまったのか。
気まぐれな超能力者の暇つぶしはもう少し続きそうだった。
「さっき借りたの、これでチャラな。こいつもちょっとつついたら落ちたしよ」
床に座り込んだままの女子学生の近くまで歩いてくると、垣根は空いた手をポケットに入れた。
「えっ、でも……あの、ううん。貰えないわよ」
「うるせえな。だから俺には必要ねえんだ。テメェもいらねえんならそれ捨てんぞ。バラしてドラム缶の餌にする」
「だっ、ダメよそんなの!! ゲコ太にそんなことさせないわ!」
清掃ロボに食わせるぞ、と垣根が脅すと女子学生はぬいぐるみをしっかり抱きしめて首を振った。
暫く中学生と話すと垣根はその場を離れた。
女の子がぬいぐるみを抱きかかえて出口に向かうと、ゴーグルが寄ってくる。
「あの子に借りたんスか? あれって常盤台の制服っスよね確か。垣根さん常盤台に知り合い居たんスか」
「あんなの知らねえよ。近くのメダルゲームんとこで見てたらしい。俺が金が終わって、カウント眺めてたらこれ使えって小銭放ってよこしたんだよ」
「結構ガサ……ワイルドなお嬢さまっスね。それでさっきの景品は?」
「何かごちゃごちゃ言い始めたから押しつけてきた」
「ありゃ。あげちゃったんスか」
残念そうにゴーグルは言ったが垣根はせいせいしたらしい。
どう見ても似合わないぬいぐるみは持って帰ってもその後困りそうだった。
「何となく取ったけど、あんなもんどうしろっつうんだよ。まぁ、丁度いい厄介ばらいが出来た。どっちもな」
「でもあの子よっぽど欲しかったんスかね。あのカエル。はあー、お嬢さまもゲーセンで遊ぶんスね……」
「けどよ、この手のゲームって自分で取るまでが楽しいんだろ。人に譲ってもらって、それで喜べんのか」
「それはそうっスけど。プライズって非売品も多いんで、ラスワンを何したって欲しいって奴はやっぱ嬉しいんじゃないスか」
そんなもんか、と首をかしげるとそのままコキコキと鳴らしながら垣根は歩きだした。
「ほら、次。どっかねえのか」
「ちょ、ちょっと待って下さいっス!」
ゲームセンターを満喫したのか飽きてしまったのか。
気まぐれな超能力者の暇つぶしはもう少し続きそうだった。
173: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/28(水) 08:19:35.44:h9xNdBB40 (18/18)
ドーモ。
お久しぶりです。
風斬の本体だけ取り損ねて残った専ゲコの山にうちひしがれていたら年を越してた。かなしい
頂点で垣根のイベントやってるね!おめでとう我らが第二位。お祝儀に5万ほど包みましたがSレア上条さん数人と勝利宣言しか出ませんでしたのことよ。ステップ後は同じ確率ならSSRがよかったんだけどこれも不幸か当然か
遅くなったけど今年もよろしくドーゾ
ドーモ。
お久しぶりです。
風斬の本体だけ取り損ねて残った専ゲコの山にうちひしがれていたら年を越してた。かなしい
頂点で垣根のイベントやってるね!おめでとう我らが第二位。お祝儀に5万ほど包みましたがSレア上条さん数人と勝利宣言しか出ませんでしたのことよ。ステップ後は同じ確率ならSSRがよかったんだけどこれも不幸か当然か
遅くなったけど今年もよろしくドーゾ
174:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/28(水) 08:26:24.11:N/PFKzJK0 (1/1)
よろしく、乙
よろしく、乙
175:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/28(水) 18:05:33.55:8xH18R/0O (1/1)
1乙
まさかビリビリが出るとはw
ソシャゲほどほどにしたほがいいよ
次も楽しみにしてるから
1乙
まさかビリビリが出るとはw
ソシャゲほどほどにしたほがいいよ
次も楽しみにしてるから
176:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/28(水) 18:27:15.01:g4w1WIp5O (1/1)
乙
美琴たんかわいよぉ
つっちーと青ピって垣根と身長同じなんだよな
あと頂点は垣根の絵がパズデの使い回しな上イベントオープニングが手抜きでなきゃ相当課金してた
乙
美琴たんかわいよぉ
つっちーと青ピって垣根と身長同じなんだよな
あと頂点は垣根の絵がパズデの使い回しな上イベントオープニングが手抜きでなきゃ相当課金してた
177:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/28(水) 21:29:44.93:HJD1ij/a0 (1/1)
垣根さん学園都市の広告塔だぞその子
あれ、原作では美琴の顔って広く公開されてるっけ
垣根さん学園都市の広告塔だぞその子
あれ、原作では美琴の顔って広く公開されてるっけ
178:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/28(水) 22:44:05.96:hz5Z/mBv0 (1/1)
垣根はオタクじゃなかったけどゴーグルはおたくだった
これはまだ実験発覚まえだよな美琴フラグが立つのか
垣根はオタクじゃなかったけどゴーグルはおたくだった
これはまだ実験発覚まえだよな美琴フラグが立つのか
179:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 01:58:20.58:E5sCUg6n0 (1/2)
これで実験に介入して垣根×御坂になるなら読みたくない
スクールの話じゃなかったのか
これで実験に介入して垣根×御坂になるなら読みたくない
スクールの話じゃなかったのか
180:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 02:10:20.97:bRwja/S7O (1/2)
もちつけ
もちつけ
181:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 02:31:50.49:E5sCUg6n0 (2/2)
ここのはそこそこマトモだし垣根が好きな1がかいてんだと思ってたんだよ
それを簡単にヒロインとくっくけたりするようなら幻滅した
せめて退場前の垣根っぽいのがみれると期待してきてんだよ
ここのはそこそこマトモだし垣根が好きな1がかいてんだと思ってたんだよ
それを簡単にヒロインとくっくけたりするようなら幻滅した
せめて退場前の垣根っぽいのがみれると期待してきてんだよ
182:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 02:43:33.36:bRwja/S7O (2/2)
つかまだそんな展開ねえから
つかまだそんな展開ねえから
183:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 12:21:35.01:J2Q6UrCo0 (1/1)
早とちりしすぎだろ…
まだ会話しただけじゃん
つっちーとていとくんが同じ場所に居合わせたとかかなりギリギリだなww
危うくゲーセンが抗争の舞台となるかもしれなかったな…ww
早とちりしすぎだろ…
まだ会話しただけじゃん
つっちーとていとくんが同じ場所に居合わせたとかかなりギリギリだなww
危うくゲーセンが抗争の舞台となるかもしれなかったな…ww
184:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/29(木) 20:18:27.54:gVfkfp8DO (1/1)
とあるネット小説サイトとかには、出てきた美女美少女美幼女は主人公のモノで他の男と仲良くするだけで発狂する読者が多数いるくらい「出会って会話=カップル(予定)」と短絡化する傾向にあるのがネット小説の現状
なのかもしれない
とあるネット小説サイトとかには、出てきた美女美少女美幼女は主人公のモノで他の男と仲良くするだけで発狂する読者が多数いるくらい「出会って会話=カップル(予定)」と短絡化する傾向にあるのがネット小説の現状
なのかもしれない
185:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 02:50:24.73:9xPoS0JDO (1/1)
ネタにつっこみ間にあわないww
垣根自由すぎ
ゴーグル結局名無しだし
もしかしてゴーグル装備したらいろいろ見放題か?
ネタにつっこみ間にあわないww
垣根自由すぎ
ゴーグル結局名無しだし
もしかしてゴーグル装備したらいろいろ見放題か?
186: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/30(金) 02:50:38.88:HzsbfeLe0 (1/2)
ドーモ
>>174
乙あり。ドーモ
>>175
ビリビリ中学生……一体どんな人物、ビリ坂ビ琴なんだ
わがまま枠もオマケもなくてイベントもそんなでなくて。純粋に垣根帝督に対して金が出せるのは今しかないと思ったって今考えた。アニメ化まだ待ってる
あっちは微課金で。こっちももちろんがんばる
>>176
三人とも180近いのは知ってたけど一緒なのか!
まだだまだEDがある。電話一本で暗殺中止になって垣根が文句垂れながら連れ戻されるシーンがカットされないか期待せずに待とう
>>177
注目されてるのは能力の方で本人じゃないから顔はみんな知らないのかも
でも垣根はもし知ってても興味ない関係ないやつには反応薄いかもね
>>178
フラグはどうなんだあれで立つのか。相手はゲコ太を横取りして捨てようとした顔はキレイなチンピラだぞ
ゴーグルも別にここまでオタクじゃなかったんだよ!ほんとだよ
>>179 >>181
垣根×美琴の予定もつもりもまだないけど、この先誰かといい感じになる展開になってもちゃんとみんな出てくる話にしたいよ
>>1も垣根は好きだ。『スクール』好きだ。出なきゃスレ立ててこんなことしてないよ
でも>>1の書くのが気に入ってもらえるかは人それぞれだと思う難しいけど。話が好みじゃなかったらすまないね
>>180
そうな。よいしょーよいしょ
>>182
まだな。お嬢様でも殿方と手を繋いだらお付き合いとかそんなあれじゃないよな
>>183
確かに。チンピラホストをひっかけてたら大変なことになるところだったな。土御門は科学サイドの重要人物は頭に入ってそうだし賢いから、無駄な争いは避けてくれそうだけど
垣根の方はそん時の気分次第かもしれないw
>>184
まじか。じゃあ「あいつと喋ると妊娠すんぞw」が笑えなくなったりすんの。上条さんどころじゃないフラグのインフレなの。こわいな
ドーモ
>>174
乙あり。ドーモ
>>175
ビリビリ中学生……一体どんな人物、ビリ坂ビ琴なんだ
わがまま枠もオマケもなくてイベントもそんなでなくて。純粋に垣根帝督に対して金が出せるのは今しかないと思ったって今考えた。アニメ化まだ待ってる
あっちは微課金で。こっちももちろんがんばる
>>176
三人とも180近いのは知ってたけど一緒なのか!
まだだまだEDがある。電話一本で暗殺中止になって垣根が文句垂れながら連れ戻されるシーンがカットされないか期待せずに待とう
>>177
注目されてるのは能力の方で本人じゃないから顔はみんな知らないのかも
でも垣根はもし知ってても興味ない関係ないやつには反応薄いかもね
>>178
フラグはどうなんだあれで立つのか。相手はゲコ太を横取りして捨てようとした顔はキレイなチンピラだぞ
ゴーグルも別にここまでオタクじゃなかったんだよ!ほんとだよ
>>179 >>181
垣根×美琴の予定もつもりもまだないけど、この先誰かといい感じになる展開になってもちゃんとみんな出てくる話にしたいよ
>>1も垣根は好きだ。『スクール』好きだ。出なきゃスレ立ててこんなことしてないよ
でも>>1の書くのが気に入ってもらえるかは人それぞれだと思う難しいけど。話が好みじゃなかったらすまないね
>>180
そうな。よいしょーよいしょ
>>182
まだな。お嬢様でも殿方と手を繋いだらお付き合いとかそんなあれじゃないよな
>>183
確かに。チンピラホストをひっかけてたら大変なことになるところだったな。土御門は科学サイドの重要人物は頭に入ってそうだし賢いから、無駄な争いは避けてくれそうだけど
垣根の方はそん時の気分次第かもしれないw
>>184
まじか。じゃあ「あいつと喋ると妊娠すんぞw」が笑えなくなったりすんの。上条さんどころじゃないフラグのインフレなの。こわいな
187: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/30(金) 02:54:28.57:HzsbfeLe0 (2/2)
ほんとはタイミングよく二月一日にしようと思ってたけどそれまでに190いきそうだからここでお礼とお知らせ
筆のおっそい1がスレを落とすことなく続けてこれたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いいたします
ネタ切れ…もといマンネリ防止とこんなスレでも見てくれる人に感謝を込めて
>>200
>>222
でネタ出しされた話を書いてみようと思う
別にキャラは『スクール』だけに限らないしこのSSの内容直接関係なくてもいいんで
流れてもいいし。よかったら
ドーゾよろしく
ほんとはタイミングよく二月一日にしようと思ってたけどそれまでに190いきそうだからここでお礼とお知らせ
筆のおっそい1がスレを落とすことなく続けてこれたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いいたします
ネタ切れ…もといマンネリ防止とこんなスレでも見てくれる人に感謝を込めて
>>200
>>222
でネタ出しされた話を書いてみようと思う
別にキャラは『スクール』だけに限らないしこのSSの内容直接関係なくてもいいんで
流れてもいいし。よかったら
ドーゾよろしく
188:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 03:28:09.48:4hMsEkJAO (1/1)
乙、しかし随分遠投だなww
それはともかく、青ピ登場でwktkしてたらつっちーみこっちゃんで読んでてハラハラドキドキすげえ引き込まれたわ
おもろい!
でも「ついて来たいんなら好きにすれば」が一番ワラタ
垣根wwデレ過ぎwwww
乙、しかし随分遠投だなww
それはともかく、青ピ登場でwktkしてたらつっちーみこっちゃんで読んでてハラハラドキドキすげえ引き込まれたわ
おもろい!
でも「ついて来たいんなら好きにすれば」が一番ワラタ
垣根wwデレ過ぎwwww
189:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 03:41:45.04:uHr0X9byO (1/1)
深夜に>>1乙
1さんなんで間に202でも212でも入れてくれないんだよ!的の間が広いよ
本当に当たったらなんでも書いてくれんの?
深夜に>>1乙
1さんなんで間に202でも212でも入れてくれないんだよ!的の間が広いよ
本当に当たったらなんでも書いてくれんの?
190:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 04:58:03.50:tBW1sR+aO (1/1)
「頂点につぎ込む位なら一番くじにつぎ込むべきかも!」
「頂点につぎ込む位なら一番くじにつぎ込むべきかも!」
191:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 17:05:24.89:osnlYLPbO (1/1)
垣根のSSでの名役者っぷりは異常、アカデミー助演男優賞取れるレベル
なぜか知らんがすんげー書きやすいんだよな、垣根
垣根のSSでの名役者っぷりは異常、アカデミー助演男優賞取れるレベル
なぜか知らんがすんげー書きやすいんだよな、垣根
192:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 17:15:18.35:TFIWqzB+0 (1/1)
わかる
本当垣根は異様に描きやすいんだよな
能力が自由度高すぎるし「気まぐれだから」と言えば何してもいいし
黒垣根やら白垣根やら出た関係でますますキャラの幅が広がった
口調も普通だしね
わかる
本当垣根は異様に描きやすいんだよな
能力が自由度高すぎるし「気まぐれだから」と言えば何してもいいし
黒垣根やら白垣根やら出た関係でますますキャラの幅が広がった
口調も普通だしね
193:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/30(金) 18:25:22.19:sKq9Uy570 (1/1)
垣根がゲーセンってのは似合わないのか、それとも(見た目的には)チャラくて似合うのか
マフィアの幹部って感じのスマートダンディな人が格ゲー(メルブラ)やってたりすることもあるしなぁ
そういや垣根と美琴が話のメインなSSはいくつかあるけど
はっきりとカップリングになってるのは何気に無いような……?
妹の方は見たことあるんだけど
垣根がゲーセンってのは似合わないのか、それとも(見た目的には)チャラくて似合うのか
マフィアの幹部って感じのスマートダンディな人が格ゲー(メルブラ)やってたりすることもあるしなぁ
そういや垣根と美琴が話のメインなSSはいくつかあるけど
はっきりとカップリングになってるのは何気に無いような……?
妹の方は見たことあるんだけど
194: ◆q7l9AKAoH.:2015/01/31(土) 01:51:41.14:gOU7RdIe0 (1/1)
頂点とパスデックスのイベント最終日をごっちゃにしていた1です。ヤシがずいぶん増えてました。とりあえずOPEDのスクショをとっといたよ
ドーモ
安価予告って前もってした方がいいのかと思ってたけど届くころには忘れ去られそうな気がしてきたんだぜ。まあ気長に
いっこ前のレスみのがしてたみたいだからそっちを忘れるまえに
>>185
ゴーグルなんてよぶか問題。一般的に呼ばれる名前がないと苦労するんだなあ
あー。あー…このゴーグルが二次元好きでよかったってはじめておもったかも
ソウデスネーデキマスネー。さすがに悪用はしないと思いますん
頂点とパスデックスのイベント最終日をごっちゃにしていた1です。ヤシがずいぶん増えてました。とりあえずOPEDのスクショをとっといたよ
ドーモ
安価予告って前もってした方がいいのかと思ってたけど届くころには忘れ去られそうな気がしてきたんだぜ。まあ気長に
いっこ前のレスみのがしてたみたいだからそっちを忘れるまえに
>>185
ゴーグルなんてよぶか問題。一般的に呼ばれる名前がないと苦労するんだなあ
あー。あー…このゴーグルが二次元好きでよかったってはじめておもったかも
ソウデスネーデキマスネー。さすがに悪用はしないと思いますん
195:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/01/31(土) 18:11:54.95:RXhkht2nO (1/1)
カブトムシとフレメアのはなしみてみたいんだけど
カブトムシも好き?正直あれとか白い垣根ってどう思う
カブトムシとフレメアのはなしみてみたいんだけど
カブトムシも好き?正直あれとか白い垣根ってどう思う
196:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 00:26:10.60:Kdm2vyu10 (1/3)
安価まだだろ少しくらい待てよ
安価まだだろ少しくらい待てよ
197:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 21:49:58.38:YRFeYcki0 (1/1)
垣根って以外に人気あるよな
垣根って以外に人気あるよな
198:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 22:09:18.02:avAA0+100 (1/3)
あげ
あげ
199:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 22:09:51.10:avAA0+100 (2/3)
もうすぐ節分だね帝督
上下のお口に恵方巻きをほおばってもらいながら外にも中にもたっぷり豆まきしてあげたいよ
西南西を向いて最後まで声を出さずに我慢してなきゃ駄目だからな
もうすぐ節分だね帝督
上下のお口に恵方巻きをほおばってもらいながら外にも中にもたっぷり豆まきしてあげたいよ
西南西を向いて最後まで声を出さずに我慢してなきゃ駄目だからな
200:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 22:10:51.28:avAA0+100 (3/3)
って事でガチホモキメセク輪姦垣根よろしく
って事でガチホモキメセク輪姦垣根よろしく
201:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 22:11:02.77:hXtJquh3O (1/3)
今回の面白かったからいつかゴーグルに渾身のデレをかます垣根みたいw
今回の面白かったからいつかゴーグルに渾身のデレをかます垣根みたいw
202:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 22:12:07.65:hXtJquh3O (2/3)
おいおいまじ?
おいおいまじ?
203:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 23:04:13.35:hXtJquh3O (3/3)
大丈夫かよこれ見たら1なくんじゃね
大丈夫かよこれ見たら1なくんじゃね
204:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/01(日) 23:56:15.93:Kdm2vyu10 (2/3)
>>200こえたようなのできました>>1です
ドーモ
>>188
どうせなら数字にこだわりたかったんだ。したっけ遠くなったけど
垣根のデレはまだこんなもんじゃねえぞ。奴はまだ本気のデレを隠しもっている筈
あれも、恐らくデレてるつもりなんざまるでねえだろうからな
おもろい!がうれしいよドーモ
>>189
最近1投下10レスでおさまんないから1がなんか投げるとすぐ埋まるよ。ま、ゆっくりいこうよ。そりゃー振った安価には従うよ
出来る限り努力してみるよ
って返事するつもりがな……ああ頑張るともさ
>>190
近所で置いてくれないんだよ。わたしだって形あるものにもっとお金を使いたいかも!ふれめあとお揃いのキーホルダーでいいから公式にはなにかグッズを作ってほしいんだよ!
>>191-192
わかるわかる。「冷蔵庫のあと色々あって綺麗になった垣根」も今はほぼ公式設定で通用するし。大概のことは未元物質が解決してくれる。困るのは自由度高すぎて間がもたないくらいじゃないか?
みんなそんなにSS書いてんの!そして垣根も出んの。やったね垣根仲間が増えるよ
>>193
今回はいつものオサレ上下じゃないから多少馴染むんじゃないすか
妹絡みのだと対動物電磁波除けの指輪つくってあげたやつかな?他にもある?
アルカディアにあったあれは…どうなんだろ垣根帝督だけど厳密にはそうじゃないし。123のトライアングルとか希少価値だ
>>195
1はカブトムシも嫌いじゃないし未元体の垣根ホワイトも嫌いじゃない。垣根の一部らしいしね。アナザー垣根とか垣根の中の小さな悪魔と天使とかだと思ってる。贅沢言うなら以前の雰囲気の垣根も原作に出てきて欲しいけど
ボールにされたやつはどうしてるんだろうな。世界が何度か壊された時にいなくなったのかな
フレメアとカブトムシは一回書いてみたいかも
>>196
>>1もそう思うよ!すごくね
>>197
誤字だよね?
>>198
さげるね
>>199-200
ってことでじゃないぞ?!なにそのスリジャヤワルダナプラコッテ的な語感でリズムは楽しそうだけど口にしたらこの世の希望が消え去ったかの様な苦しみに襲われそうなそれは何の呪文でせうか
もう>>199がスレ立てて書けるんじゃないか?その発想力と情熱はすごいわ畏怖の念を禁じ得ないっすわ。節分こわい
>>201
たのしかったならよかった。大丈夫だ。いつかかー垣根デレてくれっかな
>>200こえたようなのできました>>1です
ドーモ
>>188
どうせなら数字にこだわりたかったんだ。したっけ遠くなったけど
垣根のデレはまだこんなもんじゃねえぞ。奴はまだ本気のデレを隠しもっている筈
あれも、恐らくデレてるつもりなんざまるでねえだろうからな
おもろい!がうれしいよドーモ
>>189
最近1投下10レスでおさまんないから1がなんか投げるとすぐ埋まるよ。ま、ゆっくりいこうよ。そりゃー振った安価には従うよ
出来る限り努力してみるよ
って返事するつもりがな……ああ頑張るともさ
>>190
近所で置いてくれないんだよ。わたしだって形あるものにもっとお金を使いたいかも!ふれめあとお揃いのキーホルダーでいいから公式にはなにかグッズを作ってほしいんだよ!
>>191-192
わかるわかる。「冷蔵庫のあと色々あって綺麗になった垣根」も今はほぼ公式設定で通用するし。大概のことは未元物質が解決してくれる。困るのは自由度高すぎて間がもたないくらいじゃないか?
みんなそんなにSS書いてんの!そして垣根も出んの。やったね垣根仲間が増えるよ
>>193
今回はいつものオサレ上下じゃないから多少馴染むんじゃないすか
妹絡みのだと対動物電磁波除けの指輪つくってあげたやつかな?他にもある?
アルカディアにあったあれは…どうなんだろ垣根帝督だけど厳密にはそうじゃないし。123のトライアングルとか希少価値だ
>>195
1はカブトムシも嫌いじゃないし未元体の垣根ホワイトも嫌いじゃない。垣根の一部らしいしね。アナザー垣根とか垣根の中の小さな悪魔と天使とかだと思ってる。贅沢言うなら以前の雰囲気の垣根も原作に出てきて欲しいけど
ボールにされたやつはどうしてるんだろうな。世界が何度か壊された時にいなくなったのかな
フレメアとカブトムシは一回書いてみたいかも
>>196
>>1もそう思うよ!すごくね
>>197
誤字だよね?
>>198
さげるね
>>199-200
ってことでじゃないぞ?!なにそのスリジャヤワルダナプラコッテ的な語感でリズムは楽しそうだけど口にしたらこの世の希望が消え去ったかの様な苦しみに襲われそうなそれは何の呪文でせうか
もう>>199がスレ立てて書けるんじゃないか?その発想力と情熱はすごいわ畏怖の念を禁じ得ないっすわ。節分こわい
>>201
たのしかったならよかった。大丈夫だ。いつかかー垣根デレてくれっかな
205: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/01(日) 23:57:00.29:Kdm2vyu10 (3/3)
トリわすれてんじゃん
トリわすれてんじゃん
206: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/02(月) 00:00:39.05:+uDtjThP0 (1/5)
よくみたら>>198も199だしあげちゃってるのでひとつずあいて>>201も入れて、>>200-201をそれぞれかくね
次は>>222ですねよかったらよろしくドーゾ
よくみたら>>198も199だしあげちゃってるのでひとつずあいて>>201も入れて、>>200-201をそれぞれかくね
次は>>222ですねよかったらよろしくドーゾ
207:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 00:14:32.24:RAKCU9/wO (1/4)
えっ何本気なの>>200-201マジで書くんですか
割と真面目なスレだと思ってたよ?
はぁ?ガキの頃からわけ変な薬使われまくってる俺がトぶわけねえだろ何がチンポ奴隷だよ[ピーーー]とかほざいたのもつかの間
注射刺された次のコマで肉棒に囲まれてアヘ顏ダブルピースしちゃってんの?次回の垣根は?
このスレ懐深いってレベルじゃない
カウパー垂らしながら待ってる
えっ何本気なの>>200-201マジで書くんですか
割と真面目なスレだと思ってたよ?
はぁ?ガキの頃からわけ変な薬使われまくってる俺がトぶわけねえだろ何がチンポ奴隷だよ[ピーーー]とかほざいたのもつかの間
注射刺された次のコマで肉棒に囲まれてアヘ顏ダブルピースしちゃってんの?次回の垣根は?
このスレ懐深いってレベルじゃない
カウパー垂らしながら待ってる
208:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 00:15:03.07:RAKCU9/wO (2/4)
チェック外れてageてごめんなさい
チェック外れてageてごめんなさい
209: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/02(月) 01:18:11.91:+uDtjThP0 (2/5)
>>207
アゲだのサゲだのそんなのはいいよ
首置いてけ なあ >>199だ!! >>199だろう!? なあ>>199だろおまえ
真面目じゃないがゆるく『スクール』が遊んだりだらだらしたり、もしかしたら誰かといちゃつくなんてこともあるかもしれない
そんなスレのつもりだ
そんなつもりでSS速報にはじめて立てたスレなのに>>1の常識がまるで通用しないんだけどなんだこれ能力?魔術?未元物質?
次回じゃないよ。>>1は書けたら投下するから先に出来たらそっちを順番に落としてく
ここで折れたら負けた気がすんので言ったからにはきちんと書くよ。注意書きとかつければここにそういうの落としていいんか
ただ書くのは>>1だ。仕上がりは期待すんな
寒いから服は着ろよ
>>207
アゲだのサゲだのそんなのはいいよ
首置いてけ なあ >>199だ!! >>199だろう!? なあ>>199だろおまえ
真面目じゃないがゆるく『スクール』が遊んだりだらだらしたり、もしかしたら誰かといちゃつくなんてこともあるかもしれない
そんなスレのつもりだ
そんなつもりでSS速報にはじめて立てたスレなのに>>1の常識がまるで通用しないんだけどなんだこれ能力?魔術?未元物質?
次回じゃないよ。>>1は書けたら投下するから先に出来たらそっちを順番に落としてく
ここで折れたら負けた気がすんので言ったからにはきちんと書くよ。注意書きとかつければここにそういうの落としていいんか
ただ書くのは>>1だ。仕上がりは期待すんな
寒いから服は着ろよ
210:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 01:31:29.53:+uDtjThP0 (3/5)
確信した。この1は拝み倒せば一発ヤらせてくれる1だ
確信した。この1は拝み倒せば一発ヤらせてくれる1だ
211: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/02(月) 01:33:33.59:+uDtjThP0 (4/5)
とか思われたくないからこれっきりな!
とか思われたくないからこれっきりな!
212:ヤらせて下さい:2015/02/02(月) 02:04:54.10:RAKCU9/wO (3/4)
たまたま似た言動を取ってしまいましたが別人ですマジで
キメセクはリアルに人間性が壊れる恐れがあるから体だけでなく魂まで愛してる相手にはとても出来ない
垣根のことを本当に愛してるから気持ちいいって言ってくれること何でもしたいのに首締めプレイすら手が震えて出来なくて
しょっちゅう垣根に呆れられてるくらいですし
でも白濁液まみれで痙攣しながらイキ狂う垣根はむしろ見れるものなら見たいっていうか
たまたま似た言動を取ってしまいましたが別人ですマジで
キメセクはリアルに人間性が壊れる恐れがあるから体だけでなく魂まで愛してる相手にはとても出来ない
垣根のことを本当に愛してるから気持ちいいって言ってくれること何でもしたいのに首締めプレイすら手が震えて出来なくて
しょっちゅう垣根に呆れられてるくらいですし
でも白濁液まみれで痙攣しながらイキ狂う垣根はむしろ見れるものなら見たいっていうか
213:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 02:22:24.88:z3luYz4OO (1/2)
テメェらそんなにエロいこととホモが好きかよ。そうかそうかよそうですか。1をよっぽど愉快な死体にしてえとみえるな
ちょっと待て別人なの
201もホモ?ここ1以外ホモばっかなの?
垣根ゲイ督「はぁ? 俺はホモじゃねえぞ」とかそんな次スレ立てんのやだよ
>>212
そっちにもいるならそういうのはそっちの垣根にしてもらっていいか
テメェらそんなにエロいこととホモが好きかよ。そうかそうかよそうですか。1をよっぽど愉快な死体にしてえとみえるな
ちょっと待て別人なの
201もホモ?ここ1以外ホモばっかなの?
垣根ゲイ督「はぁ? 俺はホモじゃねえぞ」とかそんな次スレ立てんのやだよ
>>212
そっちにもいるならそういうのはそっちの垣根にしてもらっていいか
214: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/02(月) 02:23:50.86:z3luYz4OO (2/2)
無駄にスレ伸ばしちゃったかな…ごめんな
ちょっと落ち着くな
無駄にスレ伸ばしちゃったかな…ごめんな
ちょっと落ち着くな
215:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 04:24:50.18:jAslmr2DO (1/1)
あーうんなんか別ベクトルなことしてリフレッシュしてくるべき
あと逃げたら負けとか言わずに、連投安価とりしたルール違反の言うことはきかん、でよかったと思うの
通例上
あーうんなんか別ベクトルなことしてリフレッシュしてくるべき
あと逃げたら負けとか言わずに、連投安価とりしたルール違反の言うことはきかん、でよかったと思うの
通例上
216:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/02(月) 11:11:30.39:8k8cIY1YO (1/1)
そうそう、こういう場合は無理なら無理ってはっきり言った方が良いよ
その方が後々面倒くさくならない
そうそう、こういう場合は無理なら無理ってはっきり言った方が良いよ
その方が後々面倒くさくならない
217:ヤらせて下さい:2015/02/02(月) 19:46:12.01:RAKCU9/wO (4/4)
マジな話>>1氏無理せんでくれ
ここノンケスレだと思ってたし無理に安価ネタ使って不健全にせんでもいいと思うわけですよ
>>1が安価ネタをやめるならキメセクで狂う垣根は俺が他所で代わりに生み出すから大丈夫
マジな話>>1氏無理せんでくれ
ここノンケスレだと思ってたし無理に安価ネタ使って不健全にせんでもいいと思うわけですよ
>>1が安価ネタをやめるならキメセクで狂う垣根は俺が他所で代わりに生み出すから大丈夫
218: ◆q7l9AKAoH.:2015/02/02(月) 22:40:19.78:+uDtjThP0 (5/5)
ドーモ
ここは>>1がSS書きにくるとこだからなるべく発言はまとめていくな。昨夜は刻んだ連投失礼っした
>>215
そんなルールもあるんか。まあその分楽しい話を書いてりゃリフレッシュできると思うんだ
書きたいネタいくつもあるとパソコンに向かう時間が一週間くらいまとめて欲しいけど
>>216
やったことないだけで、書いたら何とかなるような気がしてきてるww
絶対無理ってかんじでもないのがなー。なんだっけ、男は度胸?なんでもやってみるんだっけ?
前向きに考えてみたい
>>217
別に無理はしてないさ。書いたことないの書いて!ってくるとビビるだけでな。別に>>217が書いてくれても構わんのだよガチホモキメ(ry
あとまさかホモネタがくるとか思ってなかったからびっくりしたんだよ。まあ2chだもんホモくらい居るよな
ギャグとエロは難しいからつまんなくなりそうなことだけが問題だよ
あと名前、名前気になるからやめて
とりあえず201と、あと200も浮かびそうだし書いてみるけど多分あれだ。
>>207の期待にはそえないかもな
垣根に[らめぇぇっ!]語っつうのがどうしても第一ハードル高くて違う感じになると今のところ
逆によ。まるっきり本筋と無関係として不健全っぽいのを書いて、その後で本筋の『スクール』でヤイヤイするのが嫌だなーってみんなならないか?そこだけトライしようとする上で心配なのよな
切り離して見てもらえるかな
これだけじゃなんだから。次の予定はゴーグルと心理定規です。垣根はいるけどいないかも
ドーモ
ここは>>1がSS書きにくるとこだからなるべく発言はまとめていくな。昨夜は刻んだ連投失礼っした
>>215
そんなルールもあるんか。まあその分楽しい話を書いてりゃリフレッシュできると思うんだ
書きたいネタいくつもあるとパソコンに向かう時間が一週間くらいまとめて欲しいけど
>>216
やったことないだけで、書いたら何とかなるような気がしてきてるww
絶対無理ってかんじでもないのがなー。なんだっけ、男は度胸?なんでもやってみるんだっけ?
前向きに考えてみたい
>>217
別に無理はしてないさ。書いたことないの書いて!ってくるとビビるだけでな。別に>>217が書いてくれても構わんのだよガチホモキメ(ry
あとまさかホモネタがくるとか思ってなかったからびっくりしたんだよ。まあ2chだもんホモくらい居るよな
ギャグとエロは難しいからつまんなくなりそうなことだけが問題だよ
あと名前、名前気になるからやめて
とりあえず201と、あと200も浮かびそうだし書いてみるけど多分あれだ。
>>207の期待にはそえないかもな
垣根に[らめぇぇっ!]語っつうのがどうしても第一ハードル高くて違う感じになると今のところ
逆によ。まるっきり本筋と無関係として不健全っぽいのを書いて、その後で本筋の『スクール』でヤイヤイするのが嫌だなーってみんなならないか?そこだけトライしようとする上で心配なのよな
切り離して見てもらえるかな
これだけじゃなんだから。次の予定はゴーグルと心理定規です。垣根はいるけどいないかも
219:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 11:48:08.98:Q9Aj4tZWO (1/1)
個人的には、このスレでそういうアッーなネタは見たくないなあ
まあやりたいってんなら止めないけどさ
個人的には、このスレでそういうアッーなネタは見たくないなあ
まあやりたいってんなら止めないけどさ
220:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 20:31:07.26:7ZgZEP5wO (1/2)
夢オチにしたら何やっても問題無い
夢オチにしたら何やっても問題無い
221:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 20:41:41.77:m9osCX4S0 (1/1)
垣根が心理定規とイチャイチャするのが見たいです
垣根が心理定規とイチャイチャするのが見たいです
222:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 22:34:33.40:7ZgZEP5wO (2/2)
暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根の話をだな
暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根の話をだな
223:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 22:46:39.61:2gfQgMLNO (1/1)
魔術サイド女子と垣根でかいてみてよ!
魔術サイド女子と垣根でかいてみてよ!
224:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/03(火) 23:35:52.40:/guVUp7DO (1/1)
例えば上琴の作者が同スレでいきなり上イン書いたら間違いなく荒れる
これは考えなくてもわかる筈
対処出来ないなら気軽に安価とかするべきじゃなかった
全レスは義務じゃないのと荒らしに構うやつが迷惑なのは最低限覚えておくべき
スレは作者のものた゛から好きにすればいい
中身がまともなら読むやつは勝手に読む
だが>>219のようにネタによって見たくないってやつがいるんだから配慮はすべきだ
例えば上琴の作者が同スレでいきなり上イン書いたら間違いなく荒れる
これは考えなくてもわかる筈
対処出来ないなら気軽に安価とかするべきじゃなかった
全レスは義務じゃないのと荒らしに構うやつが迷惑なのは最低限覚えておくべき
スレは作者のものた゛から好きにすればいい
中身がまともなら読むやつは勝手に読む
だが>>219のようにネタによって見たくないってやつがいるんだから配慮はすべきだ
225:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/04(水) 01:07:12.15:Br0A674a0 (1/2)
>>224イケメンやん
>>224イケメンやん
226:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/04(水) 03:30:52.44:oJKHKGTcO (1/1)
>>217
そんな物書かなくていいから…(良心)
>>217
そんな物書かなくていいから…(良心)
227:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/04(水) 04:01:49.75:3Xt6EdZiO (1/1)
キメセク輪姦もう冒頭部とプロット完成してるわ
安価に便乗悪ノリした責任を取ることは可能
鬱な話になったけど責任さえ取れればいいよね
キメセク輪姦もう冒頭部とプロット完成してるわ
安価に便乗悪ノリした責任を取ることは可能
鬱な話になったけど責任さえ取れればいいよね
228:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/04(水) 09:58:49.76:Br0A674a0 (2/2)
>>
>>
229:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/06(金) 00:15:46.32:SfpJeUqU0 (1/1)
>>228メール欄になっとるww
>>228メール欄になっとるww
230:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/07(土) 01:20:40.90:4WvV2aXuO (1/1)
スレ止まってんの
スレ止まってんの
231:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/07(土) 03:10:47.70:wy5dnr2HO (1/1)
安価箇所超えてまであんまり雑談するのもあれやん
>>1楽しみに待ってるー
安価箇所超えてまであんまり雑談するのもあれやん
>>1楽しみに待ってるー
232:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/02/24(火) 14:28:37.20:tPzjRw9U0 (1/1)
保守
保守
233:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/03(火) 00:36:05.69:O5XyRJI80 (1/1)
アイテムとの絡みも見てみたいし、(ホモとかでなく)一方通行との絡みも見たい…このSSには期待してるで?
アイテムとの絡みも見てみたいし、(ホモとかでなく)一方通行との絡みも見たい…このSSには期待してるで?
234:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/12(木) 00:02:09.91:q9PqUBjJ0 (1/1)
更新はないのですか!?
この際もう安価なんて忘れて書きたいものだけ書けばいいじゃないですか!
更新はないのですか!?
この際もう安価なんて忘れて書きたいものだけ書けばいいじゃないですか!
235:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/14(土) 14:33:04.49:sSkc2bVSO (1/1)
1ももう投げたんじゃ
禁書もSSも落ち目だし
出番のないキャラのファンもいないだろ
1ももう投げたんじゃ
禁書もSSも落ち目だし
出番のないキャラのファンもいないだろ
236:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/14(土) 15:15:29.90:yXmyR6wQO (1/1)
安価内容なんて無かったことにして戻ってきてよ>>1
垣根(非白)より好きなキャラは今も昔も恐らくこれからも存在しないしここが唯一と言っていいサンクチュアリなんだよ
安価内容なんて無かったことにして戻ってきてよ>>1
垣根(非白)より好きなキャラは今も昔も恐らくこれからも存在しないしここが唯一と言っていいサンクチュアリなんだよ
237:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/14(土) 18:06:50.29:BUQiVcDAO (1/1)
戻ってきても何も毎回こんくらいのペースじゃね?
戻ってきても何も毎回こんくらいのペースじゃね?
238:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/14(土) 23:21:43.46:P/sNz4R90 (1/1)
スクール楽しみにしてたんだけどな...
お願いだから戻ってきてくれ1...
スクール楽しみにしてたんだけどな...
お願いだから戻ってきてくれ1...
239:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/15(日) 20:42:45.15:bahnGxJ6o (1/1)
>>237
冷静に考えれば確かにそうだけど・・・
やっぱり気になるし・・・
>>237
冷静に考えれば確かにそうだけど・・・
やっぱり気になるし・・・
240:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/16(月) 09:37:16.79:c+jHplFAO (1/1)
スレ落ちそうならまだしも必要以上の催促とか端から見てて荒らしと変わらねえからな
下手すりゃモチベ下がるわ
落ち着いて待て
スレ落ちそうならまだしも必要以上の催促とか端から見てて荒らしと変わらねえからな
下手すりゃモチベ下がるわ
落ち着いて待て
241: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:14:40.28:DhZWMeoN0 (1/9)
いきなり保守劇場はっじまーるよ
青ピ「なぁなぁカミやん。昨日の『ラッスンゴレライ』みた?」
垣根「らっすんごれらい……って、あれか。ズンドコベロンチョみたいなのか」
土御門「おっ? ズンベロ知ってるなんて、ていとくんもツウだにゃー?」
垣根「ズンベロな。ああ言う救いのねえの、嫌いじゃないぜ」
土御門「不条理で涙を誘うんだにゃー」
垣根「ズンベロな」
土御門「ズンベロ」
青ピ「……なあ、あっちはどうしたん?」
ゴーグル「この前『世にも』の特選集を見たんスよ」
いきなり保守劇場はっじまーるよ
青ピ「なぁなぁカミやん。昨日の『ラッスンゴレライ』みた?」
垣根「らっすんごれらい……って、あれか。ズンドコベロンチョみたいなのか」
土御門「おっ? ズンベロ知ってるなんて、ていとくんもツウだにゃー?」
垣根「ズンベロな。ああ言う救いのねえの、嫌いじゃないぜ」
土御門「不条理で涙を誘うんだにゃー」
垣根「ズンベロな」
土御門「ズンベロ」
青ピ「……なあ、あっちはどうしたん?」
ゴーグル「この前『世にも』の特選集を見たんスよ」
242: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:16:08.19:DhZWMeoN0 (2/9)
上条「昨日は見てないなー。何か新ネタやってたか?」
土御門「いーや、いつもと一緒だったにゃー」
ゴーグル「関西人的にはありなんスか、あれ」
青ピ「なんで? 勢いまかせの体当たりもええと思うよ?」
垣根「……」
一方「……」
土御門「おやぁ? まさか二人とも、今大人気の『ラッスンゴレライ』がわからないとか言わないにゃー? 超能力者ともあろう御方が揃って、こりゃとんだモグリぜよ」
垣根「そう言うテメェらは……当然出来んだろうな?」
青ピ「そんなのあったりまえやんなー? つっちー?」
土御門「もちコースだにゃー」
上条「昨日は見てないなー。何か新ネタやってたか?」
土御門「いーや、いつもと一緒だったにゃー」
ゴーグル「関西人的にはありなんスか、あれ」
青ピ「なんで? 勢いまかせの体当たりもええと思うよ?」
垣根「……」
一方「……」
土御門「おやぁ? まさか二人とも、今大人気の『ラッスンゴレライ』がわからないとか言わないにゃー? 超能力者ともあろう御方が揃って、こりゃとんだモグリぜよ」
垣根「そう言うテメェらは……当然出来んだろうな?」
青ピ「そんなのあったりまえやんなー? つっちー?」
土御門「もちコースだにゃー」
243: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:17:47.21:DhZWMeoN0 (3/9)
土御門「ラッスンゴレライ!」
青ピ「え? え? 何て?」
土御門「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。ラッスンゴレライ説明してね?」
青ピ「ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さーん? ラッスンゴレライて何ですのん? 説明、しろと言われましても意味わからんから出来まっせーん」
土御門「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。楽しい南国ラッスンゴレライ」
青ピ「ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さーん? ラッスンゴレライてリゾートなん? でも南国言うても色々あるよ? パリ、グアム、ハワイどれですのーん?」
土御門「ラッスンゴレライ!」
青ピ「え? え? 何て?」
土御門「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。ラッスンゴレライ説明してね?」
青ピ「ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さーん? ラッスンゴレライて何ですのん? 説明、しろと言われましても意味わからんから出来まっせーん」
土御門「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。楽しい南国ラッスンゴレライ」
青ピ「ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さーん? ラッスンゴレライてリゾートなん? でも南国言うても色々あるよ? パリ、グアム、ハワイどれですのーん?」
244: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:19:02.12:DhZWMeoN0 (4/9)
青ピ「と、まあこんなもんやね」
土御門「軽いもんだぜい」
上条「おおー、完璧完璧! 別にお前らだってさあ。あれくらい知っ」
一方「出来ンぞ。俺を誰だと思ってンだ。超能力者だぞ。なァ?」
垣根「は? え、俺も?」
上条「いや、別にそこまではですね……」
土御門「止めるなカミやん。あの一方通行があそこまでいってるんだにゃー。やらせてやろうじゃないか、っははは」
ゴーグル「爆笑が隠しきれてないっスよ」
青ピ「と、まあこんなもんやね」
土御門「軽いもんだぜい」
上条「おおー、完璧完璧! 別にお前らだってさあ。あれくらい知っ」
一方「出来ンぞ。俺を誰だと思ってンだ。超能力者だぞ。なァ?」
垣根「は? え、俺も?」
上条「いや、別にそこまではですね……」
土御門「止めるなカミやん。あの一方通行があそこまでいってるんだにゃー。やらせてやろうじゃないか、っははは」
ゴーグル「爆笑が隠しきれてないっスよ」
245: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:20:46.02:DhZWMeoN0 (5/9)
垣根「…ラッスンゴレライ」
一方「え? え? なンて?」
垣根「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。ラッスンゴレライ説明して…ね?」
一方「ちょっと待ってェ、ちょっと待ってェお兄ィさァン? ラッスンゴレライてなンですかァ? 説明しろと言われましてもォ意味わからないから出来ませェン」
上条「ぷっ」
垣根「……ん? ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ……楽しい南国ラッスンゴレライ」
一方「ちょっと待ってェ、ちょっと待ってェお兄ィさァン? ラッスンゴレライてリゾートかァ? でも南国つっても色々あるよォ? パリ、グアム、ハワイどれですかァ?」
土御門「は、ははっ流石レベルが違いますたい。笑いでも圧倒的…だにゃーあっはっはっは!」
青ピ「つっちーそんな笑ったら悪いやん……アクやんも一生懸命がんばってくれたやないの…あー、あかん、これ腹筋割れるっ」
上条「くっ、く…ふ、ふふ……………」
ゴーグル「カミやんさん! ちょ、息は止めちゃダメっスよ?!」
垣根「…ラッスンゴレライ」
一方「え? え? なンて?」
垣根「ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ。ラッスンゴレライ説明して…ね?」
一方「ちょっと待ってェ、ちょっと待ってェお兄ィさァン? ラッスンゴレライてなンですかァ? 説明しろと言われましてもォ意味わからないから出来ませェン」
上条「ぷっ」
垣根「……ん? ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ……楽しい南国ラッスンゴレライ」
一方「ちょっと待ってェ、ちょっと待ってェお兄ィさァン? ラッスンゴレライてリゾートかァ? でも南国つっても色々あるよォ? パリ、グアム、ハワイどれですかァ?」
土御門「は、ははっ流石レベルが違いますたい。笑いでも圧倒的…だにゃーあっはっはっは!」
青ピ「つっちーそんな笑ったら悪いやん……アクやんも一生懸命がんばってくれたやないの…あー、あかん、これ腹筋割れるっ」
上条「くっ、く…ふ、ふふ……………」
ゴーグル「カミやんさん! ちょ、息は止めちゃダメっスよ?!」
246: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:23:56.93:DhZWMeoN0 (6/9)
垣根「おい。今の」
ゴーグル「これでムービー撮ってましたよ! 学園都市ツートップのコントなんて見れませんからね!!」
垣根「よし。しばらくはあの野郎を馬鹿にするネタが出来たな」
ゴーグル「あれ、垣根さん今の笑いどころわかったんスか」
垣根「ああ。お前らの反応から逆算した。でかした、青ピ」
青ピ「それほどでも…あるやーん?」
一方「どォ言う事だァ。オマエら人ォ馬鹿にしやがって」
上条「いやあ今のはそんなのじゃなく、微笑ましい笑いですことよ? 一方通行さんや」
土御門「カミやーん。ネタばれしたらつまらんぜよ」
垣根「テメェが関西弁なんざいきなり口にしたら気持ち悪いだろ、ってことだ。結果オーライってな」
垣根「おい。今の」
ゴーグル「これでムービー撮ってましたよ! 学園都市ツートップのコントなんて見れませんからね!!」
垣根「よし。しばらくはあの野郎を馬鹿にするネタが出来たな」
ゴーグル「あれ、垣根さん今の笑いどころわかったんスか」
垣根「ああ。お前らの反応から逆算した。でかした、青ピ」
青ピ「それほどでも…あるやーん?」
一方「どォ言う事だァ。オマエら人ォ馬鹿にしやがって」
上条「いやあ今のはそんなのじゃなく、微笑ましい笑いですことよ? 一方通行さんや」
土御門「カミやーん。ネタばれしたらつまらんぜよ」
垣根「テメェが関西弁なんざいきなり口にしたら気持ち悪いだろ、ってことだ。結果オーライってな」
247: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:25:44.52:DhZWMeoN0 (7/9)
一方「はァ? ……なン言うてるン? そないなこと気にしたはるンは流石ァ三下、お育ちがしれますわァ」
垣根「そっちこそ悪趣味やな! 京言葉ってか、きっしょ。ほんまにセンスあらへんな?」
青ピ「ちょお、二人ともそれ僕と被るやん? やめてやー」
一方「あァ?」
垣根「はぁ?」
上条「おい、なんか外国語VS外国語の壮絶な口喧嘩が始まったぞ」
ゴーグル「お互い違うので返してるんスかね。何言ってるか全然わかんねえけど怖いっス」
土御門「ドイツ、ロシア、広東…今のはタガログ語かにゃー。カミやん、能力使いだす前に止めないとまずいぜい?」
上条「へ? 俺が?」
青ピ「そうやねーアクやんに振ったのはカミやんやねー」
ゴーグル「俺らじゃとても手がだせないっスねー」
土御門「さ。その右手の出番ですたい」
一方「はァ? ……なン言うてるン? そないなこと気にしたはるンは流石ァ三下、お育ちがしれますわァ」
垣根「そっちこそ悪趣味やな! 京言葉ってか、きっしょ。ほんまにセンスあらへんな?」
青ピ「ちょお、二人ともそれ僕と被るやん? やめてやー」
一方「あァ?」
垣根「はぁ?」
上条「おい、なんか外国語VS外国語の壮絶な口喧嘩が始まったぞ」
ゴーグル「お互い違うので返してるんスかね。何言ってるか全然わかんねえけど怖いっス」
土御門「ドイツ、ロシア、広東…今のはタガログ語かにゃー。カミやん、能力使いだす前に止めないとまずいぜい?」
上条「へ? 俺が?」
青ピ「そうやねーアクやんに振ったのはカミやんやねー」
ゴーグル「俺らじゃとても手がだせないっスねー」
土御門「さ。その右手の出番ですたい」
248: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:26:50.21:DhZWMeoN0 (8/9)
垣根「ばーか! シマシマ! 貧弱モヤシ!!」
一方「うるせェ! メルヘン! ドヤ顔ホスト!!」
垣根「っつったくムカつくんだよテメェ、今日こそ白黒つけてやろうかぁ?」
一方「吠えてろ三下ァ。どっちも俺一人で足りてンだよォ」
垣根「はぁ? 勝手に羽の色パクってんじゃねえぞ?」
一方「好きでンなことしませンー勝手になったンですゥ」
上条「なんか既に物がいろいろ飛んでるんですが…あれをどうしろって……ふ、不幸だー」
垣根「ばーか! シマシマ! 貧弱モヤシ!!」
一方「うるせェ! メルヘン! ドヤ顔ホスト!!」
垣根「っつったくムカつくんだよテメェ、今日こそ白黒つけてやろうかぁ?」
一方「吠えてろ三下ァ。どっちも俺一人で足りてンだよォ」
垣根「はぁ? 勝手に羽の色パクってんじゃねえぞ?」
一方「好きでンなことしませンー勝手になったンですゥ」
上条「なんか既に物がいろいろ飛んでるんですが…あれをどうしろって……ふ、不幸だー」
249: ◆q7l9AKAoH.:2015/03/28(土) 02:30:02.95:DhZWMeoN0 (9/9)
オチないけどね。ほしゅですね。浜面も入れてやればよかったね。あいつとうとう人外までハーレムにいれたね
なんでいきなり仲良しかって、あれじゃないか。パズデックスのマイページとかなんだよきっと
ドーモ
保守だろ?生存宣言をしに来たぜ
安価とかネタをいろいろ思いついたのからいくつも書いてるとまとまんなくてね?
でもちゃんと書いてるんだね?
1のパズデックスはまだSAOとはコラボしてないらしいね?
リズムネタみてたらなつかしのオリラジをスクールでもいいんじゃないかとも思ったんだね?
垣根「『スクール』だ」
ゴーグル「お願いします!」
心理定規「……リーダーいつものやってあげて」
垣根「おう。聞きたいか? 俺の武勇伝」
ゴーグル「そのすごい武勇伝をゆったげて!」
垣根「俺の伝説ベストテン」
心理定規「…れっつごー」
暗部の超能力者はうまくのせたらやってくれそうなきがする。怖い武勇伝ばっかになりそうだけど
オチないけどね。ほしゅですね。浜面も入れてやればよかったね。あいつとうとう人外までハーレムにいれたね
なんでいきなり仲良しかって、あれじゃないか。パズデックスのマイページとかなんだよきっと
ドーモ
保守だろ?生存宣言をしに来たぜ
安価とかネタをいろいろ思いついたのからいくつも書いてるとまとまんなくてね?
でもちゃんと書いてるんだね?
1のパズデックスはまだSAOとはコラボしてないらしいね?
リズムネタみてたらなつかしのオリラジをスクールでもいいんじゃないかとも思ったんだね?
垣根「『スクール』だ」
ゴーグル「お願いします!」
心理定規「……リーダーいつものやってあげて」
垣根「おう。聞きたいか? 俺の武勇伝」
ゴーグル「そのすごい武勇伝をゆったげて!」
垣根「俺の伝説ベストテン」
心理定規「…れっつごー」
暗部の超能力者はうまくのせたらやってくれそうなきがする。怖い武勇伝ばっかになりそうだけど
250:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/28(土) 16:05:57.07:X9pI6g/DO (1/1)
>>1きてたー!
乙!
>>1きてたー!
乙!
251:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/28(土) 16:47:42.68:tA80Zq0d0 (1/1)
土ピコンビは漫才しててもあんまり違和感ないけど
一垣っていうか一方通行がやるのは違和感しかなくて腹筋がヤバい
土ピコンビは漫才しててもあんまり違和感ないけど
一垣っていうか一方通行がやるのは違和感しかなくて腹筋がヤバい
252:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/29(日) 00:57:08.77:K4yV6Jvs0 (1/1)
一通は知らなかったから元ネタの関西弁でやらなかったって事?
武勇伝のほうがみたかったここ提督とスクールのスレだよね
一通は知らなかったから元ネタの関西弁でやらなかったって事?
武勇伝のほうがみたかったここ提督とスクールのスレだよね
253:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/29(日) 10:25:58.12:rQ8EAEhmo (1/1)
個人的に
七位…薩摩弁
五位…博多弁
四位…広島弁
二位…大阪弁
を使いそうなイメージ
一位と三位はイメージ沸かない
個人的に
七位…薩摩弁
五位…博多弁
四位…広島弁
二位…大阪弁
を使いそうなイメージ
一位と三位はイメージ沸かない
254:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/29(日) 13:09:31.04:n/YdcUVf0 (1/1)
セロリは元が方言みたいなモンだろw
セロリは元が方言みたいなモンだろw
255:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/03/29(日) 14:30:34.53:8ljqEixL0 (1/1)
関西弁使う御坂はかわいいかもしれない
関西弁使う御坂はかわいいかもしれない
256:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/15(水) 00:24:46.57:NDU39e/4O (1/1)
1まだか
さっさと書けオラッ
1まだか
さっさと書けオラッ
257:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/15(水) 10:58:19.56:ZLhGm8/go (1/1)
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(;´Д`)< すみませんすぐどかしますんで
-=≡ / ヽ \______________
. /| | |. |
-=≡ /. \ヽ/\\_
/ ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-= / /⌒\.\ || || (´・ω・`) >>256
/ / > ) || || ( つ旦O
/ / / /_||_ || と_)_) _.
し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(;´Д`)< すみませんすぐどかしますんで
-=≡ / ヽ \______________
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-=≡ /. \ヽ/\\_
/ ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-= / /⌒\.\ || || (´・ω・`) >>256
/ / > ) || || ( つ旦O
/ / / /_||_ || と_)_) _.
し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
258:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/10(日) 22:22:33.85:mnt+epqg0 (1/1)
保守
保守
259:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:19:08.32:6M9N4qIs0 (1/11)
ソファに座った少女はのんびり雑誌をめくっていた。
学園都市内のブランドを扱ったファッション誌は中学生くらいの女子に向けたもので。
彼女の普段の服装と比べると並ぶ写真はどれも子供っぽく見えるものばかりだった。
『これで完璧! 最新秋ファッションのマストアイテム徹底特集! オシャレのレベルもアップしちゃおう!!』なんてフレーズが表紙を飾っている。
学区別に組まれたショップ情報。
大きく取り上げられるのは最新より一歩先、次のトレンド。
流行ることがもう決まっているから、と言うことなのだろうか。
一ヶ月以上先のことが透かしたようにわかるだなんて。
『樹形図の設計者』による精密な天気『予測』の様だ。
そんな大がかりなことに限らなくても当事者の都合はお構いなしに、第三者が作り上げた予定の上で様々なものが動いている。
自分の意志で歩いているつもりでも見えないレールの上に知らない間に乗せられているのかもしれない。
どこもかしこもそんな出来レースだらけだとしたら。
常識の、価値観の。
判断の基準はその『物差し』はどこにあればいいのか。
それを自分の外側に、他者に委ねることは簡単だ。
ただ口を開けてマジョリティの情報を飲み込んでしまえばいい。
万人受けする流行りの風潮やお約束のイメージに思考停止で流されてしまえば無駄なエネルギーを使わずに済む。
ページをめくるこの少女も時にそう言った使い分けをするタイプだった。
見た目、服装、第一印象。
○○な人と言う一人間関係の一番最初のラベルはそんな所から決まっていく。
そこから勝手に相手が考えて、都合よく解釈されるのは楽なことだ。
自己紹介文を長々と背負って歩く訳にはいかないんだし。
ソファに座った少女はのんびり雑誌をめくっていた。
学園都市内のブランドを扱ったファッション誌は中学生くらいの女子に向けたもので。
彼女の普段の服装と比べると並ぶ写真はどれも子供っぽく見えるものばかりだった。
『これで完璧! 最新秋ファッションのマストアイテム徹底特集! オシャレのレベルもアップしちゃおう!!』なんてフレーズが表紙を飾っている。
学区別に組まれたショップ情報。
大きく取り上げられるのは最新より一歩先、次のトレンド。
流行ることがもう決まっているから、と言うことなのだろうか。
一ヶ月以上先のことが透かしたようにわかるだなんて。
『樹形図の設計者』による精密な天気『予測』の様だ。
そんな大がかりなことに限らなくても当事者の都合はお構いなしに、第三者が作り上げた予定の上で様々なものが動いている。
自分の意志で歩いているつもりでも見えないレールの上に知らない間に乗せられているのかもしれない。
どこもかしこもそんな出来レースだらけだとしたら。
常識の、価値観の。
判断の基準はその『物差し』はどこにあればいいのか。
それを自分の外側に、他者に委ねることは簡単だ。
ただ口を開けてマジョリティの情報を飲み込んでしまえばいい。
万人受けする流行りの風潮やお約束のイメージに思考停止で流されてしまえば無駄なエネルギーを使わずに済む。
ページをめくるこの少女も時にそう言った使い分けをするタイプだった。
見た目、服装、第一印象。
○○な人と言う一人間関係の一番最初のラベルはそんな所から決まっていく。
そこから勝手に相手が考えて、都合よく解釈されるのは楽なことだ。
自己紹介文を長々と背負って歩く訳にはいかないんだし。
260:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:21:25.41:6M9N4qIs0 (2/11)
心理定規はどこかつまらなさそうにページをめくっていた。
次のバイトまではまだ随分と時間がある。
ただの時間潰しならカフェでもいいんだけど、暑い中歩き回るのは気が進まない。
次の相手は会話と軽い食事も楽しむタイプ。ならたとえドリンクだって無駄にお腹を膨らめるのは嫌だった。
あとは移動時間その他色々。
そんな条件を考えると、この隠れ家を使うのが今日の彼女には都合がよかった。
ほとんど荷物置き場の様な部屋でも居心地は悪くない。
使っている建物や周囲の雰囲気にふさわしく、もしかしたら少しくらいメンバーの好みに合わせているかもしれない内装や家具は、すぐにでもここに住めそうなくらい整えられていた。
少女の指が写真の横の見出しをなぞっていく。
その爪先は明るいオレンジ色に塗られていた。
心理定規は黙々と記事に目を通していた。
次の『客』は大学生だった。
確か一三学区で教育実習をしているが、女子児童となかなか話が合わないのだと前に話していた相手だ。
背伸びをしたがる年頃の女の子とは、実際の目線より少し上の話をした方が良かったりする。
こうしてページをめくりながら心理定規はコミュニケーションに必要な、会話の種を拾っておく。
とは言っても、テストの前に仕上げたノートを貸してやるような真似をするつもりはない。
彼女がするのは精々ヤマのはりかたをアドバイスするくらいのことだ。
彼女の仕事は相手の面倒を見てやることではないのだから。
その他にも。
相手によって用意するものも中身も変わるが。
彼女にいつも求められるのは、『客』の気持ちを満足させてその時間を終えることだった。
最新の保湿成分の配合されたコスメの広告。
人気のスイーツの特集ページ。
新ドラマの紹介記事。
心理定規はそこで少し、ページを戻した。
少女の目がほんのちょっと真剣にページに向かっていると。
ドアが開いて携帯電話を耳に当てたゴーグルの少年が入ってきた。
ソファに座った心理定規に気付くと、片手で(失礼しまーす)とジェスチャーしてから頭を下げて隣の部屋に入っていった。
心理定規はどこかつまらなさそうにページをめくっていた。
次のバイトまではまだ随分と時間がある。
ただの時間潰しならカフェでもいいんだけど、暑い中歩き回るのは気が進まない。
次の相手は会話と軽い食事も楽しむタイプ。ならたとえドリンクだって無駄にお腹を膨らめるのは嫌だった。
あとは移動時間その他色々。
そんな条件を考えると、この隠れ家を使うのが今日の彼女には都合がよかった。
ほとんど荷物置き場の様な部屋でも居心地は悪くない。
使っている建物や周囲の雰囲気にふさわしく、もしかしたら少しくらいメンバーの好みに合わせているかもしれない内装や家具は、すぐにでもここに住めそうなくらい整えられていた。
少女の指が写真の横の見出しをなぞっていく。
その爪先は明るいオレンジ色に塗られていた。
心理定規は黙々と記事に目を通していた。
次の『客』は大学生だった。
確か一三学区で教育実習をしているが、女子児童となかなか話が合わないのだと前に話していた相手だ。
背伸びをしたがる年頃の女の子とは、実際の目線より少し上の話をした方が良かったりする。
こうしてページをめくりながら心理定規はコミュニケーションに必要な、会話の種を拾っておく。
とは言っても、テストの前に仕上げたノートを貸してやるような真似をするつもりはない。
彼女がするのは精々ヤマのはりかたをアドバイスするくらいのことだ。
彼女の仕事は相手の面倒を見てやることではないのだから。
その他にも。
相手によって用意するものも中身も変わるが。
彼女にいつも求められるのは、『客』の気持ちを満足させてその時間を終えることだった。
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心理定規はそこで少し、ページを戻した。
少女の目がほんのちょっと真剣にページに向かっていると。
ドアが開いて携帯電話を耳に当てたゴーグルの少年が入ってきた。
ソファに座った心理定規に気付くと、片手で(失礼しまーす)とジェスチャーしてから頭を下げて隣の部屋に入っていった。
261:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:23:40.17:6M9N4qIs0 (3/11)
「ええっ?!」
「なんで…なんでなんスか? ああ、そっスね。所詮俺はその程度ってことだよねええええわかりました。よーくわかりましたって」
「はぁ? ちっぱ…いやいやだから、その風潮がさあ? なんで同系統な女子はみんなまとめてつつましやかにされてしまうのかってむしろ聞きたいね。え、嫌いじゃなかったか? んな訳ないって!」
「心にゆとりのある娘は病まないなんて誰が決めたんだ青ピくん。君はそんな固定観念に縛られる男だったのか?! いいじゃないかネガティヴ巨乳!」
「いいんだよわかってくれれば…って俺ら何の話してたんだっけ?」
何だかやけに騒がしく話していたゴーグルの少年は電話を終えたらしく部屋から出てきた。
「……おともだち?」
「うーん、まあ。友だちがいの無い友だち…っスかね。こっちはそう思ってたんスけどね」
「ふーん。ケンカでもしたの?」
喧嘩って程でもないし誤解は解けたんスけど、とゴーグルの少年は言ったが。
なんとなく歯切れの悪い返事が返ってくる。
心理定規は視線を雑誌に向けたまま、
「もやもやしてるなら言ってみたら?」
と続きを促した。
聞きたくて聞いた訳ではない、騒がしい電話の様子ではちょっと揉めた後で解決した風だったのが。
それでも「誰かに愚痴をこぼしたい空気」が垂れ流されているのを放っておけなかったのは、この少女のある種の職業病だ。
気づいてしまった、床に落ちた小さなゴミをつまんで捨てるようなものだ。
放ったまま過ごすよりはちょっと気分がいいかな、くらいの。
「ええっ?!」
「なんで…なんでなんスか? ああ、そっスね。所詮俺はその程度ってことだよねええええわかりました。よーくわかりましたって」
「はぁ? ちっぱ…いやいやだから、その風潮がさあ? なんで同系統な女子はみんなまとめてつつましやかにされてしまうのかってむしろ聞きたいね。え、嫌いじゃなかったか? んな訳ないって!」
「心にゆとりのある娘は病まないなんて誰が決めたんだ青ピくん。君はそんな固定観念に縛られる男だったのか?! いいじゃないかネガティヴ巨乳!」
「いいんだよわかってくれれば…って俺ら何の話してたんだっけ?」
何だかやけに騒がしく話していたゴーグルの少年は電話を終えたらしく部屋から出てきた。
「……おともだち?」
「うーん、まあ。友だちがいの無い友だち…っスかね。こっちはそう思ってたんスけどね」
「ふーん。ケンカでもしたの?」
喧嘩って程でもないし誤解は解けたんスけど、とゴーグルの少年は言ったが。
なんとなく歯切れの悪い返事が返ってくる。
心理定規は視線を雑誌に向けたまま、
「もやもやしてるなら言ってみたら?」
と続きを促した。
聞きたくて聞いた訳ではない、騒がしい電話の様子ではちょっと揉めた後で解決した風だったのが。
それでも「誰かに愚痴をこぼしたい空気」が垂れ流されているのを放っておけなかったのは、この少女のある種の職業病だ。
気づいてしまった、床に落ちた小さなゴミをつまんで捨てるようなものだ。
放ったまま過ごすよりはちょっと気分がいいかな、くらいの。
262:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:25:27.10:6M9N4qIs0 (4/11)
どうやらそのお友達はこの前町中でコスプレしている女の子と遭遇したらしい。
最近では、お嬢様の間でサバイバルゲームが流行ってるらしいなんて噂もある。
学園都市にはたくさんの人間がいる。
好みもそれぞれ、と言うことかもしれないが。
ゴーグルの少年がことのいきさつを話す間。
ふんふんと頷きながら心理定規はページをめくり続けていた。
「別に話してこいとか写メとらせてもらえとか、んな無茶も失礼なことも言わねっスよ。ただそんなネタがあんなら話の一つくらい振ってほしかったなーとかっスね。
『次は必ず』ってそんなポンポンチャンスが転がってたら世話ねっス。自称魔法使いな巫女さんとか気になるじゃないスか。何スかその盛った設定」
ジャンル問わず萌え語りの出来るヤツだと思ってたのは俺だけだったのかよ? ってちょっとした気持ちの行き違いがですね、とかなんとか一息で語った少年は。
オタクだった。
開き直っているのか、いろいろと諦めたのか。
それとも価値観の違いとかは気にしない人なのかは知らないけど。
こうして暗部組織のメンバーの前でも構わずシュミを話題に出来てしまうオタクだった。
女子中学生でもアニメやマンガくらいの理解はあるが、コスプレとか巫女さんみたいなワードには軽くカルチャーショックを受けるかも
って言うか引くかもしれない、とか考えないのか。
しかし。
三次元空間より点を線で繋いだ世界が好きなんだろうな、と相手の嗜好を疑いもしていなかった少女は。
この手の話題にいつもなら、
「そうねそれは残念だったわねそんな時もあるんじゃない気にしすぎると良くないよ?」
くらいのどうってことない返事でさっと流して終わらせるところを。
「君ってアニメの女の子以外も気になるんだ?」
珍しく。切らなかった。
少女とこの少年と二人で。
長く会話が続いたことはあまりなかった。
話が弾むどころか、共通の話題もほとんどない。
特別話す必要も任務以外では感じていないくらいだから、仕方ないかもしれない。
「コスプレは2.5次元っつうか。いや、まあそこは、フツーに?」
「ふうん。そうなの。普通ねえ」
「なんか…最近自分のポジションに自信がなくなってきました。俺はこれでいいんだろうか」
どうやらそのお友達はこの前町中でコスプレしている女の子と遭遇したらしい。
最近では、お嬢様の間でサバイバルゲームが流行ってるらしいなんて噂もある。
学園都市にはたくさんの人間がいる。
好みもそれぞれ、と言うことかもしれないが。
ゴーグルの少年がことのいきさつを話す間。
ふんふんと頷きながら心理定規はページをめくり続けていた。
「別に話してこいとか写メとらせてもらえとか、んな無茶も失礼なことも言わねっスよ。ただそんなネタがあんなら話の一つくらい振ってほしかったなーとかっスね。
『次は必ず』ってそんなポンポンチャンスが転がってたら世話ねっス。自称魔法使いな巫女さんとか気になるじゃないスか。何スかその盛った設定」
ジャンル問わず萌え語りの出来るヤツだと思ってたのは俺だけだったのかよ? ってちょっとした気持ちの行き違いがですね、とかなんとか一息で語った少年は。
オタクだった。
開き直っているのか、いろいろと諦めたのか。
それとも価値観の違いとかは気にしない人なのかは知らないけど。
こうして暗部組織のメンバーの前でも構わずシュミを話題に出来てしまうオタクだった。
女子中学生でもアニメやマンガくらいの理解はあるが、コスプレとか巫女さんみたいなワードには軽くカルチャーショックを受けるかも
って言うか引くかもしれない、とか考えないのか。
しかし。
三次元空間より点を線で繋いだ世界が好きなんだろうな、と相手の嗜好を疑いもしていなかった少女は。
この手の話題にいつもなら、
「そうねそれは残念だったわねそんな時もあるんじゃない気にしすぎると良くないよ?」
くらいのどうってことない返事でさっと流して終わらせるところを。
「君ってアニメの女の子以外も気になるんだ?」
珍しく。切らなかった。
少女とこの少年と二人で。
長く会話が続いたことはあまりなかった。
話が弾むどころか、共通の話題もほとんどない。
特別話す必要も任務以外では感じていないくらいだから、仕方ないかもしれない。
「コスプレは2.5次元っつうか。いや、まあそこは、フツーに?」
「ふうん。そうなの。普通ねえ」
「なんか…最近自分のポジションに自信がなくなってきました。俺はこれでいいんだろうか」
263:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:26:16.08:6M9N4qIs0 (5/11)
そんなことを言いながら、ゴーグルの少年は心理定規の横を通り過ぎると。
キャスター付きの椅子をゴロゴロ転がしてきた。
広い部屋の壁に沿ってバーのカウンターテーブルみたいな長い作業机が置かれている。
そのうち、一台のパソコンの前がここでの彼の定位置だった。
「そう言えば心理定規いるなんて久しぶりっスね、おまけにオフ仕様っスか? んで、今日は垣根さんがいないんスか」
パソコンの電源を入れながらゴーグルの少年は部屋の中を見回した。
隣の部屋はもちろん、リビングルームにもあの存在感はかけらもなかった。
窓辺のカウチも空だ。
「彼も来てたけど。出かけたわよ」
いつものドレスではなく、夏っぽい服装の心理定規は短いスカートの下で膝を揃えた。
「へーえ。どうしたんスかね」
「大したことじゃないみたいだからその内帰ってくると思うけど?」
「心理定規と垣根さんて結構仲良いとは思ってたんスけど。実際どうなんスか?」
ゴーグルが聞き返すと、綺麗に塗られたネイルが並んだ両手の間を。
すとーん!
と雑誌が滑り落ちていった。
「え? 私と彼が? え。なんで?」
それまで気にも留めていなさそうだった心理定規は。
膝の上に落ちたファッション誌ではなく、ゴーグルの少年の方を向いていた。
そんなことを言いながら、ゴーグルの少年は心理定規の横を通り過ぎると。
キャスター付きの椅子をゴロゴロ転がしてきた。
広い部屋の壁に沿ってバーのカウンターテーブルみたいな長い作業机が置かれている。
そのうち、一台のパソコンの前がここでの彼の定位置だった。
「そう言えば心理定規いるなんて久しぶりっスね、おまけにオフ仕様っスか? んで、今日は垣根さんがいないんスか」
パソコンの電源を入れながらゴーグルの少年は部屋の中を見回した。
隣の部屋はもちろん、リビングルームにもあの存在感はかけらもなかった。
窓辺のカウチも空だ。
「彼も来てたけど。出かけたわよ」
いつものドレスではなく、夏っぽい服装の心理定規は短いスカートの下で膝を揃えた。
「へーえ。どうしたんスかね」
「大したことじゃないみたいだからその内帰ってくると思うけど?」
「心理定規と垣根さんて結構仲良いとは思ってたんスけど。実際どうなんスか?」
ゴーグルが聞き返すと、綺麗に塗られたネイルが並んだ両手の間を。
すとーん!
と雑誌が滑り落ちていった。
「え? 私と彼が? え。なんで?」
それまで気にも留めていなさそうだった心理定規は。
膝の上に落ちたファッション誌ではなく、ゴーグルの少年の方を向いていた。
264:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:29:27.99:6M9N4qIs0 (6/11)
「だってよく二人で話してるじゃないスか。同じ空間にいてハブられたらさすがにわかるんスよ。俺だって」
「あのね。私たちは何? 学園都市の暗部組織でしょ。なかよしこよしのお友だちグループじゃないよね」
「そりゃ……わかってるっス。でも知り合った相手と仲良くはしたいじゃないスか。ギスギスしててもいいことないスよね」
「まあ一般的にはそうかもしれないけど。そう見える? 私だって特別親しいつもりないよ?」
むしろ逆、と言って心理定規は首を傾げた。
垣根からなのか、心理定規からなのか。
一体どう見れば仲良くしている様に見えるのかが本人にはわからなかったのか。
ちょっと真剣に眉を寄せて考えていた。
「三人でいてもそこはかとなく扱いの差を感じます」
「そこはしょうがないよ。私と君って役割が違うもの。でも君もよくやるでしょ、彼の思いつきを聞き流す係とか」
「俺はそれなりに真面目に聞いてますよ! えっ心理定規は流してるんスか」
不満そうにしていたゴーグルの少年は、心理定規のまさかのカミングアウトにガタっと体を起こした。
その勢いで椅子がぐらぐら回りそうになる。
「ああ言うのバイトで慣れてるもの。相づちはちゃんと打つよ? 機嫌悪くなっちゃったら困るし。
壁や観葉植物とか、金魚鉢に話しかけるよりは、いい話相手してるつもり」
「なんスかそれ。隠居したおじいちゃんスか。そう言えば前の部屋に水槽ありましたよね。
世話のいらない熱帯魚の。たとえばああ言うのに、したことあります?」
「ああ。あったね。そんなのも」
「あれ。女の子って動物好きじゃないスか? そんなリアクション?」
「うーん、たまに見るときれいだったけど。あれはペットって言うよりインテリアみたいだったじゃない。でも男の人は結構好きみたいよ、ああいうの。きれいで静かなものって癒されるみたい」
あきらかに気の乗らないざっくりしたリアクションにゴーグルの少年は残念そうに息を吐いていた。
きゃあ、おさかなさんかわいいよね! とかそんなのを期待していたんだろうか。
「えー。俺女の子は小さい生き物に話しかけるんだと思ってたんスけど。そんなもんなんスか……」
「それは人によるんじゃない?」
「だってよく二人で話してるじゃないスか。同じ空間にいてハブられたらさすがにわかるんスよ。俺だって」
「あのね。私たちは何? 学園都市の暗部組織でしょ。なかよしこよしのお友だちグループじゃないよね」
「そりゃ……わかってるっス。でも知り合った相手と仲良くはしたいじゃないスか。ギスギスしててもいいことないスよね」
「まあ一般的にはそうかもしれないけど。そう見える? 私だって特別親しいつもりないよ?」
むしろ逆、と言って心理定規は首を傾げた。
垣根からなのか、心理定規からなのか。
一体どう見れば仲良くしている様に見えるのかが本人にはわからなかったのか。
ちょっと真剣に眉を寄せて考えていた。
「三人でいてもそこはかとなく扱いの差を感じます」
「そこはしょうがないよ。私と君って役割が違うもの。でも君もよくやるでしょ、彼の思いつきを聞き流す係とか」
「俺はそれなりに真面目に聞いてますよ! えっ心理定規は流してるんスか」
不満そうにしていたゴーグルの少年は、心理定規のまさかのカミングアウトにガタっと体を起こした。
その勢いで椅子がぐらぐら回りそうになる。
「ああ言うのバイトで慣れてるもの。相づちはちゃんと打つよ? 機嫌悪くなっちゃったら困るし。
壁や観葉植物とか、金魚鉢に話しかけるよりは、いい話相手してるつもり」
「なんスかそれ。隠居したおじいちゃんスか。そう言えば前の部屋に水槽ありましたよね。
世話のいらない熱帯魚の。たとえばああ言うのに、したことあります?」
「ああ。あったね。そんなのも」
「あれ。女の子って動物好きじゃないスか? そんなリアクション?」
「うーん、たまに見るときれいだったけど。あれはペットって言うよりインテリアみたいだったじゃない。でも男の人は結構好きみたいよ、ああいうの。きれいで静かなものって癒されるみたい」
あきらかに気の乗らないざっくりしたリアクションにゴーグルの少年は残念そうに息を吐いていた。
きゃあ、おさかなさんかわいいよね! とかそんなのを期待していたんだろうか。
「えー。俺女の子は小さい生き物に話しかけるんだと思ってたんスけど。そんなもんなんスか……」
「それは人によるんじゃない?」
265:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:33:18.99:6M9N4qIs0 (7/11)
「そっかー…あ。垣根さんは動物平気なんスかね。もしかして、犬とか猫とか意外と好きだったりして」
心理定規はあまり興味がなさそうだったが。
生き物にやさしい不良やヤンキーはベタな設定だ。
だからって動物相手にセリフを即興吹き替えしている超能力者、とかが和んだり萌えるかと言われるとそれはまたむずかしいかもしれない。
向こうのリアクションが怖くて反応にも困りそうだ。
「鳥…はなんか嫌がりそうっスよね。『何でわざわざ狭苦しい籠に押し込めなきゃいけねーんだ?』とか言いそうな気も――」
「ね、まって…今の何?」
「え? いや垣根さんなら『おいおい、こいつら自由に飛べるんだぜ?』とか言いそうじゃないっスか?」
ゴーグルが振り返ると心理定規は口元を手で隠していた。
肩がぷるぷる震えている。
「そうじゃなくて…なにそれ彼のものまね? ねえ、なんで……なんで最後にちょっと『フッ』ってするの?」
「(キリッ)とかのがいいっスか? じゃあ――」
「やめてもう、おかしいってば」
ゴーグルの少年は調子に乗って「垣根さんあるあるネタ」的なものまねを披露した。
もちろん似てない。
それでも、垣根がまず言わなさそうなおかしな発言をなんとなくの「垣根さん風」のセリフで言い続けると。
両手で顔を覆いながら心理定規は笑っていた。
「はあ。ちょっとほっとしました」
「どうして?」
ゴーグルの少年は、自分の胸をなでおろした手でそのまま頬を掻いた。
ちょっとばつが悪そうに心理定規から目をそらしていた。
「いやー俺もしかしなくても、心理定規に嫌われてんじゃないかなーとかっスね。避けられてんのかなーって…ははは」
心理定規は。
一瞬きょとんと目を丸くすると少し考えてから首を振った。
ちょっと眉を寄せてからの五秒間、ゴーグルの少年は聞かなきゃよかった! って顔をしていた。
「好みの問題じゃなくて。そうね…人には適切な距離があるでしょ? もちろん物理的な意味でもね」
自分の能力にあてはめたのか、一言付け足すと。
心理定規はゴーグルの少年を観察するようにながめた。
「そうね。たとえば君にとって親しみがある、特別な距離をあげるなら……
一メートル二〇センチとかどう? 普段、能力の使いやすい範囲ってそれくらいじゃない?」
「何で……知ってるんスか。俺、そんなこと話してないよな?」
「どの隠れ家でも、君のスペースは物の配置がいつもそっくりよ。座る位置も。
『手が届く所に好きなものを置いておきたいタイプ』だと思ったんだけど、どうかな。君は人よりその範囲が広いみたいだしね」
もし暴走とかされても十分離れれば安心出来そうだし、と言って心理定規は得意そうにほほえんだ。
いつの間にそんなことまで見ていたのか。
ゴーグルの少年ははぁ、と感心した様に息をはいた。
そして、一瞬ドアの方を気にすると声をちょっと小さくして質問した。
「じゃあ垣根さんは? えっと。心理的にまずい距離とかって、あるんスか」
「彼は……また他の子ともちょっと違うのよね。でも対処は出来ると思うよ。ちなみに暴走されると、
あの能力だと逃げ場なんて無いし防ぐこともきっと出来ないからお手上げ。巻き込まれないですむって幸運を祈るしかないんじゃないかな」
取扱い説明書でも読み上げるような口調で心理定規はそう言うと。
顎に指先をそえながら首を傾げた。
垣根もそうだが、この少女もどちらかと言うとドライな印象がある。
たとえ相手が仲間だろうと不測の事態への警戒や注意は人一倍、それもして当たり前と言った態度だ。
垣根の方は、「何が起きてもわざわざ備える必要がない」
ので常にマイペースな自然体に見えるが頭の中はどうだかわからない。
「そっかー…あ。垣根さんは動物平気なんスかね。もしかして、犬とか猫とか意外と好きだったりして」
心理定規はあまり興味がなさそうだったが。
生き物にやさしい不良やヤンキーはベタな設定だ。
だからって動物相手にセリフを即興吹き替えしている超能力者、とかが和んだり萌えるかと言われるとそれはまたむずかしいかもしれない。
向こうのリアクションが怖くて反応にも困りそうだ。
「鳥…はなんか嫌がりそうっスよね。『何でわざわざ狭苦しい籠に押し込めなきゃいけねーんだ?』とか言いそうな気も――」
「ね、まって…今の何?」
「え? いや垣根さんなら『おいおい、こいつら自由に飛べるんだぜ?』とか言いそうじゃないっスか?」
ゴーグルが振り返ると心理定規は口元を手で隠していた。
肩がぷるぷる震えている。
「そうじゃなくて…なにそれ彼のものまね? ねえ、なんで……なんで最後にちょっと『フッ』ってするの?」
「(キリッ)とかのがいいっスか? じゃあ――」
「やめてもう、おかしいってば」
ゴーグルの少年は調子に乗って「垣根さんあるあるネタ」的なものまねを披露した。
もちろん似てない。
それでも、垣根がまず言わなさそうなおかしな発言をなんとなくの「垣根さん風」のセリフで言い続けると。
両手で顔を覆いながら心理定規は笑っていた。
「はあ。ちょっとほっとしました」
「どうして?」
ゴーグルの少年は、自分の胸をなでおろした手でそのまま頬を掻いた。
ちょっとばつが悪そうに心理定規から目をそらしていた。
「いやー俺もしかしなくても、心理定規に嫌われてんじゃないかなーとかっスね。避けられてんのかなーって…ははは」
心理定規は。
一瞬きょとんと目を丸くすると少し考えてから首を振った。
ちょっと眉を寄せてからの五秒間、ゴーグルの少年は聞かなきゃよかった! って顔をしていた。
「好みの問題じゃなくて。そうね…人には適切な距離があるでしょ? もちろん物理的な意味でもね」
自分の能力にあてはめたのか、一言付け足すと。
心理定規はゴーグルの少年を観察するようにながめた。
「そうね。たとえば君にとって親しみがある、特別な距離をあげるなら……
一メートル二〇センチとかどう? 普段、能力の使いやすい範囲ってそれくらいじゃない?」
「何で……知ってるんスか。俺、そんなこと話してないよな?」
「どの隠れ家でも、君のスペースは物の配置がいつもそっくりよ。座る位置も。
『手が届く所に好きなものを置いておきたいタイプ』だと思ったんだけど、どうかな。君は人よりその範囲が広いみたいだしね」
もし暴走とかされても十分離れれば安心出来そうだし、と言って心理定規は得意そうにほほえんだ。
いつの間にそんなことまで見ていたのか。
ゴーグルの少年ははぁ、と感心した様に息をはいた。
そして、一瞬ドアの方を気にすると声をちょっと小さくして質問した。
「じゃあ垣根さんは? えっと。心理的にまずい距離とかって、あるんスか」
「彼は……また他の子ともちょっと違うのよね。でも対処は出来ると思うよ。ちなみに暴走されると、
あの能力だと逃げ場なんて無いし防ぐこともきっと出来ないからお手上げ。巻き込まれないですむって幸運を祈るしかないんじゃないかな」
取扱い説明書でも読み上げるような口調で心理定規はそう言うと。
顎に指先をそえながら首を傾げた。
垣根もそうだが、この少女もどちらかと言うとドライな印象がある。
たとえ相手が仲間だろうと不測の事態への警戒や注意は人一倍、それもして当たり前と言った態度だ。
垣根の方は、「何が起きてもわざわざ備える必要がない」
ので常にマイペースな自然体に見えるが頭の中はどうだかわからない。
266:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:35:26.03:6M9N4qIs0 (8/11)
「対処ってどうするんスか」
「彼の心に近付き過ぎなければいいの。ムカつく味方より、つまらない敵の方が関係性としてはずっと安全よ」
雑誌を横に置きながら心理定規は足を組んだ。
一瞬、何か思い出すように視線が上に向く。
「それも狙って出来るかはわからないけど。ほら、彼って結構気まぐれでしょ?
でも彼の場合、他者への心の距離なんて扱いがほとんど一緒じゃないかな。彼の主観以外の一般的な分類もあんまり興味がないみたいだし」
「はぁ。なんかわかるようなわかんねえような…もしかして垣根さんの心理距離、測ったことあるんスか」
「会ったばかりの時にね。もちろん彼に言われてだけど。私の『心理定規』がどんな能力か知りたかったみたいだったから」
「えっどんな反応したんスか」
心理定規は返事の代わりに髪の先を人差し指に巻き付けていた。
カールした毛先がするりと逃げるのを目で追ってから口を開いた。
『ムカつくから止めろ』って。こわーい顔されちゃった。あれから、彼に力はあんまり使いたくないのよね。
勘もいいみたいだから、こっそりやってもバレそうじゃない?」
身を乗り出して聞いていたゴーグルはふと不思議そうな顔をした。
「あれ、でも仲良くなるのは悪いことじゃないっスよね? なんで精神的に近寄ると危ないんスか」
「そうね。彼に限ったことじゃないけど。興味がわくと期待するでしょ」
その反動が怖いのよ、と心理定規は真面目な目をして言った。
彼女が警告するように立てた人差し指を見つめてゴーグルは息をのんだ。
「だから。彼にあんまり期待させないこと。そしてそれを裏切らないこと、かな。それを守ってれば安全だと思うよ。これからもね」
「どうしてそうなるんスか」
頭の上にクエスチョンマークの乗っていそうなゴーグルの少年に、心理定規は眉を寄せる。
しようがないなあ、と口にはしないがなんかもうダメな子を見る顔をしていた。
「そうね、君風に言うなら……楽しく長い時間遊んでたゲームの結末がそれまでを台無しにするくらいひどかったら。ガッカリするでしょ?」
「あー…他がよくってハマった上でオチがひどいと凹み加減倍増っスね。しばらくはCMみるのもやんなりそうっス」
「それで済むならいいけど。彼の場合、本体ごとその場で壊しかねないと思わない? 『俺がこんなにやってやったのに!』とか言って」
肩をすくめる心理定規にゴーグルの少年は激しくうなづいた。
つまったり、気に食わないとゲーム機やコントローラーを叩いたり投げたりはその辺のやつでもするが。
超能力者の八つ当たりは規模がやばそうで怖い。
「すげー納得しました。いやあ、原作公式に背中を撃たれるほど辛いことはないっスよね」
「対処ってどうするんスか」
「彼の心に近付き過ぎなければいいの。ムカつく味方より、つまらない敵の方が関係性としてはずっと安全よ」
雑誌を横に置きながら心理定規は足を組んだ。
一瞬、何か思い出すように視線が上に向く。
「それも狙って出来るかはわからないけど。ほら、彼って結構気まぐれでしょ?
でも彼の場合、他者への心の距離なんて扱いがほとんど一緒じゃないかな。彼の主観以外の一般的な分類もあんまり興味がないみたいだし」
「はぁ。なんかわかるようなわかんねえような…もしかして垣根さんの心理距離、測ったことあるんスか」
「会ったばかりの時にね。もちろん彼に言われてだけど。私の『心理定規』がどんな能力か知りたかったみたいだったから」
「えっどんな反応したんスか」
心理定規は返事の代わりに髪の先を人差し指に巻き付けていた。
カールした毛先がするりと逃げるのを目で追ってから口を開いた。
『ムカつくから止めろ』って。こわーい顔されちゃった。あれから、彼に力はあんまり使いたくないのよね。
勘もいいみたいだから、こっそりやってもバレそうじゃない?」
身を乗り出して聞いていたゴーグルはふと不思議そうな顔をした。
「あれ、でも仲良くなるのは悪いことじゃないっスよね? なんで精神的に近寄ると危ないんスか」
「そうね。彼に限ったことじゃないけど。興味がわくと期待するでしょ」
その反動が怖いのよ、と心理定規は真面目な目をして言った。
彼女が警告するように立てた人差し指を見つめてゴーグルは息をのんだ。
「だから。彼にあんまり期待させないこと。そしてそれを裏切らないこと、かな。それを守ってれば安全だと思うよ。これからもね」
「どうしてそうなるんスか」
頭の上にクエスチョンマークの乗っていそうなゴーグルの少年に、心理定規は眉を寄せる。
しようがないなあ、と口にはしないがなんかもうダメな子を見る顔をしていた。
「そうね、君風に言うなら……楽しく長い時間遊んでたゲームの結末がそれまでを台無しにするくらいひどかったら。ガッカリするでしょ?」
「あー…他がよくってハマった上でオチがひどいと凹み加減倍増っスね。しばらくはCMみるのもやんなりそうっス」
「それで済むならいいけど。彼の場合、本体ごとその場で壊しかねないと思わない? 『俺がこんなにやってやったのに!』とか言って」
肩をすくめる心理定規にゴーグルの少年は激しくうなづいた。
つまったり、気に食わないとゲーム機やコントローラーを叩いたり投げたりはその辺のやつでもするが。
超能力者の八つ当たりは規模がやばそうで怖い。
「すげー納得しました。いやあ、原作公式に背中を撃たれるほど辛いことはないっスよね」
267:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:39:39.47:6M9N4qIs0 (9/11)
「だからね、もしも。それが君自身や他の誰かの為でも、たとえ彼の為でも。
結果、君のしたことが彼のやり方を裏切ることになればそこでおしまいかな。きっとそう言うの、許せないと思うよ」
「じゃあ、もし俺が心理定規や垣根さんと引き換えにでも『スクール』の内部情報を売ったりしたら……」
「それで相手には見逃してもらえても、彼がトドメを刺しに来るんじゃない?」
恐ろしいことを笑顔で口にする心理定規に、ゴーグルはひきつった顔で笑い返した。
確かに。
理由はどうあれ背信間違いなし、ってとこだけで怒りがゲージを振り切りそうだ。
相殺しようにもきっと事情なんて説明する猶予も聞いてくれる保証もない。
ゴーグルの少年はうーんとうなった。
垣根が怒ったところには何度か遭遇しているが。
あのリーダーがガチギレするとどうなるのだろうか。
ムカついたとかよく言ってるがよっぽど、イライラでもつのらないと怒鳴ったりはしないと思う。
そんな垣根帝督が本気で怒りをぶつけてきたら一体どうなるのか。
もしかしたら静かに切れるタイプかもしれない。
一見いつもと変わらない態度と軽薄な笑顔で、真っ黒な目にだけ明確な怒りを燃やしてやって来る。
そんなの恐いに決まってる。
案外、語気も荒く怒鳴り散らすなんてこともするかもしれない。
冷静さを欠いて普段のイケメンぶりをかなぐり捨てて。あの垣根帝督が感情のままに悪意と怒りをまき散らす。
そんなの悪夢でも遠慮したい。
そして。
どうあっても最後はきっと、『未元物質』での粛清コースだ。間違いない。
「怖いっスよ! 俺自分の為なんかにはぜってえ裏切れません!! そんな予定もつもりもないっスけど!!」
うわあああああ! とうっかり怖い想像をしてしまったゴーグルの少年は頭を抱えた。
「自分以外ならいいの?」
「結局俺は助からないならやるだけすっげえ損じゃないスか。いや死ぬようなのはいつだって嫌ですけど」
ね、とうなづく心理定規と珍しく意見があった。
ステータスすらわからないボスモンスターみたいなリーダーと比べたら、この二人は紙防御もいいとこだ。
危ない目には、あわないのが一番。
「だからね、もしも。それが君自身や他の誰かの為でも、たとえ彼の為でも。
結果、君のしたことが彼のやり方を裏切ることになればそこでおしまいかな。きっとそう言うの、許せないと思うよ」
「じゃあ、もし俺が心理定規や垣根さんと引き換えにでも『スクール』の内部情報を売ったりしたら……」
「それで相手には見逃してもらえても、彼がトドメを刺しに来るんじゃない?」
恐ろしいことを笑顔で口にする心理定規に、ゴーグルはひきつった顔で笑い返した。
確かに。
理由はどうあれ背信間違いなし、ってとこだけで怒りがゲージを振り切りそうだ。
相殺しようにもきっと事情なんて説明する猶予も聞いてくれる保証もない。
ゴーグルの少年はうーんとうなった。
垣根が怒ったところには何度か遭遇しているが。
あのリーダーがガチギレするとどうなるのだろうか。
ムカついたとかよく言ってるがよっぽど、イライラでもつのらないと怒鳴ったりはしないと思う。
そんな垣根帝督が本気で怒りをぶつけてきたら一体どうなるのか。
もしかしたら静かに切れるタイプかもしれない。
一見いつもと変わらない態度と軽薄な笑顔で、真っ黒な目にだけ明確な怒りを燃やしてやって来る。
そんなの恐いに決まってる。
案外、語気も荒く怒鳴り散らすなんてこともするかもしれない。
冷静さを欠いて普段のイケメンぶりをかなぐり捨てて。あの垣根帝督が感情のままに悪意と怒りをまき散らす。
そんなの悪夢でも遠慮したい。
そして。
どうあっても最後はきっと、『未元物質』での粛清コースだ。間違いない。
「怖いっスよ! 俺自分の為なんかにはぜってえ裏切れません!! そんな予定もつもりもないっスけど!!」
うわあああああ! とうっかり怖い想像をしてしまったゴーグルの少年は頭を抱えた。
「自分以外ならいいの?」
「結局俺は助からないならやるだけすっげえ損じゃないスか。いや死ぬようなのはいつだって嫌ですけど」
ね、とうなづく心理定規と珍しく意見があった。
ステータスすらわからないボスモンスターみたいなリーダーと比べたら、この二人は紙防御もいいとこだ。
危ない目には、あわないのが一番。
268:投下前半 ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:42:36.55:6M9N4qIs0 (10/11)
「まあ、そんな風にいろいろあるけど。私は彼とはビジネスライクな距離感を保たせてもらってるの。がっかりした?」
心理定規は笑ってそう聞いたけど。
思いがけずいろいろ聞かせてもらえて満足したのか、ゴーグルの少年は首をふった。
「二人並ぶと華やかでお似合いだなーとか思ったんスけど。うーん。でも俺の居場所がますますなくなりそうなんで、正直ちょっとホッとしました」
正規構成員現在わずか三名の状態でカップル成立なんてされてしまうと。
リアルに見切りをつけているゴーグルの少年でも、リア充度の高い空気にやられてしまいそうだ。
おまけにリア充爆発しろ、とか冗談でも言おうものなら速攻でアイエエエエ! カキネ=サンナンデ!? とか言ってこっちが爆発四散するはめになりそうで恐ろしい。サヨナラはきっと言えない。
いや、リーダーだっていくらなんでも公私混同して仕事中もイチャつくなんてことはないと思うが。
「つうかノロける垣根さんとか想像できねえ」
プライベートにずらっと?が並んでいそうなリーダーは。
意外なことを想像しようとしたところで、謎が深まるばかりだった。
「まあ、そんな風にいろいろあるけど。私は彼とはビジネスライクな距離感を保たせてもらってるの。がっかりした?」
心理定規は笑ってそう聞いたけど。
思いがけずいろいろ聞かせてもらえて満足したのか、ゴーグルの少年は首をふった。
「二人並ぶと華やかでお似合いだなーとか思ったんスけど。うーん。でも俺の居場所がますますなくなりそうなんで、正直ちょっとホッとしました」
正規構成員現在わずか三名の状態でカップル成立なんてされてしまうと。
リアルに見切りをつけているゴーグルの少年でも、リア充度の高い空気にやられてしまいそうだ。
おまけにリア充爆発しろ、とか冗談でも言おうものなら速攻でアイエエエエ! カキネ=サンナンデ!? とか言ってこっちが爆発四散するはめになりそうで恐ろしい。サヨナラはきっと言えない。
いや、リーダーだっていくらなんでも公私混同して仕事中もイチャつくなんてことはないと思うが。
「つうかノロける垣根さんとか想像できねえ」
プライベートにずらっと?が並んでいそうなリーダーは。
意外なことを想像しようとしたところで、謎が深まるばかりだった。
269:ここまで ◆q7l9AKAoH.:2015/05/25(月) 03:47:34.83:6M9N4qIs0 (11/11)
ドーモ
長くなったんで今回わけた
とりあえず投下だけ
続きはまた来るね
ドーモ
長くなったんで今回わけた
とりあえず投下だけ
続きはまた来るね
270:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/25(月) 05:07:07.58:7BFS1Wf+0 (1/1)
おつ
更新待ってたぜ!相変わらずいい感じにそれっぽいな
つーかゴーグルと青ピの会話が一瞬痴話喧嘩的なものかと思ったわww
おつ
更新待ってたぜ!相変わらずいい感じにそれっぽいな
つーかゴーグルと青ピの会話が一瞬痴話喧嘩的なものかと思ったわww
271:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/25(月) 13:46:57.18:Z5X06rzao (1/1)
垣根が出てきてないのが笑えるなww
垣根が出てきてないのが笑えるなww
272:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/25(月) 14:19:14.11:Uy/4op+/O (1/1)
1乙
戻ってきてくれてうれしいぜ
長くなってもいいからまた読ませてくれ
ゴーグル青ピとどんな話してんだw
安価はまだ期待しててもいいか?
1乙
戻ってきてくれてうれしいぜ
長くなってもいいからまた読ませてくれ
ゴーグル青ピとどんな話してんだw
安価はまだ期待しててもいいか?
273:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/05/25(月) 18:32:20.08:eqmdTNfH0 (1/1)
某スレの影響かゴーグルがほのぼのしてるだけでちょっと感動するわ乙
某スレの影響かゴーグルがほのぼのしてるだけでちょっと感動するわ乙
274:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 01:40:41.10:kzjStP0s0 (1/23)
「ビジネスライクかぁ。ビジネスって言えば。よく小遣い稼ぎしてるって言いますけど、心理定規っていつも何してるんスか?」
なんでそんなことを聞かれるのか。
そもそも『暗部』の知り合いなんだから、おかしな副業・バイトよりよっぽど『本業』にまつわるその他いろいろの方が気になりそうなものだけど。
不思議そうにしている心理定規にゴーグルの少年は、
「おにいちゃんは心配してます」とか言いそうな顔で続けた。
「よくあるじゃないスか。洋画とかで出てくるお姉さんはみんなちょい派手なカッコで『お金が目的じゃないの。お互いの人間関係なのよ彼はかわいそうな人なのよ』って話すじゃないスか。まさか…そう言うのはしてないっスよね?」
ちょっと品のない想像をしてますよ、と遠回し何だかストレートなんだかわからないたとえ話で尋ねられたが。
当の少女は「ハレンチですぅ」とぷんすかするとかおろおろ困ってしまう、みたいな妹系年下女子にありがちなパターンは返さなかった。
「どんな返事を期待してるのかな。あと私は純粋にお金目的だからね」
「それはなんか前に聞いた気がしますけど」
淡々とした心理定規にゴーグルの少年は苦笑いをしたがちょっとほっとした様だった。
だが、それも次の言葉を聞くまでだ。
「そうね。人によっては、ホテルに行ったりもするかな」
やっぱり?! と、目をむいて食いつくゴーグルの少年に心理定規は小馬鹿にしたように笑い返した。
それをわかってて狙ってやったのだろう。
意味ありげな言い方をした少女はリアクションに満足したのか口元を綻ばせる。
「ビジネスライクかぁ。ビジネスって言えば。よく小遣い稼ぎしてるって言いますけど、心理定規っていつも何してるんスか?」
なんでそんなことを聞かれるのか。
そもそも『暗部』の知り合いなんだから、おかしな副業・バイトよりよっぽど『本業』にまつわるその他いろいろの方が気になりそうなものだけど。
不思議そうにしている心理定規にゴーグルの少年は、
「おにいちゃんは心配してます」とか言いそうな顔で続けた。
「よくあるじゃないスか。洋画とかで出てくるお姉さんはみんなちょい派手なカッコで『お金が目的じゃないの。お互いの人間関係なのよ彼はかわいそうな人なのよ』って話すじゃないスか。まさか…そう言うのはしてないっスよね?」
ちょっと品のない想像をしてますよ、と遠回し何だかストレートなんだかわからないたとえ話で尋ねられたが。
当の少女は「ハレンチですぅ」とぷんすかするとかおろおろ困ってしまう、みたいな妹系年下女子にありがちなパターンは返さなかった。
「どんな返事を期待してるのかな。あと私は純粋にお金目的だからね」
「それはなんか前に聞いた気がしますけど」
淡々とした心理定規にゴーグルの少年は苦笑いをしたがちょっとほっとした様だった。
だが、それも次の言葉を聞くまでだ。
「そうね。人によっては、ホテルに行ったりもするかな」
やっぱり?! と、目をむいて食いつくゴーグルの少年に心理定規は小馬鹿にしたように笑い返した。
それをわかってて狙ってやったのだろう。
意味ありげな言い方をした少女はリアクションに満足したのか口元を綻ばせる。
275:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 01:43:08.32:kzjStP0s0 (2/23)
「コミュニケーションは相手との距離感もだけど環境も大事なの。仕事なんだからその辺はサービスしておかないとね。にぎやかなファミレスが安心するって人もいれば静かなバーのラウンジがいい人。
二人きりでないとなかなか口も開けない人、とか色々。でもみんな紳士的よ? 何故かよく言われるけど、そんなに気にすることかな」
誤解を招いてるのは主に服装とかじゃないかなぁ、とゴーグルは思ったけど口には出さなかった。
今はそんな風には見えないけど心理定規と言ったら夜の蝶、とかそんな言葉がしっくりきそうな派手なドレスがトレードマークだ。
ホステスとか水商売のおねーさんと言われるとそういう方面につい考えてしまう奴だっているだろう。
「それでもっスねえ。ちっちゃいこが好きな危ない『紳士』も世の中には居るんスから気をつけないと」
まるで「最終下校時刻の後はあぶないから出歩いちゃいけません」と注意する様な言い方だった。
心理定規は、
「こんな能力なんだし、使う相手は選ぶよ」とちょっとムッとした様に返した。
「それに相手は男の人ばかりじゃないわ。つまらないことでも生身の人間と話がしたい人もいるし、会話の中で考えをまとめたい人もいるのよね。
ささいなストレスや不安の解消、欲求を満たしてあげること。そんなことの対価に私はお金をもらうの。それなりにね」
相手のリラックス出来る距離感と環境で話をする。
やってるのは、セラピーにもならない人生相談や気楽な話し相手みたいなものよ、と言って心理定規はたいしたことなさそうに笑った。
「心理定規の能力って話聞くとすごそうっスけど。具体的にどうなるんスか」
「私の能力は、相手の心の中の距離を自在に調節することが出来るの。とっても大事な対象から、思い出したくもない嫌な相手まで。そっか、君にはまだ使ったことなかったっけ?」
やってみてもいい? と聞かれてゴーグルの少年はどうぞどうぞ、とうなずいた。
「コミュニケーションは相手との距離感もだけど環境も大事なの。仕事なんだからその辺はサービスしておかないとね。にぎやかなファミレスが安心するって人もいれば静かなバーのラウンジがいい人。
二人きりでないとなかなか口も開けない人、とか色々。でもみんな紳士的よ? 何故かよく言われるけど、そんなに気にすることかな」
誤解を招いてるのは主に服装とかじゃないかなぁ、とゴーグルは思ったけど口には出さなかった。
今はそんな風には見えないけど心理定規と言ったら夜の蝶、とかそんな言葉がしっくりきそうな派手なドレスがトレードマークだ。
ホステスとか水商売のおねーさんと言われるとそういう方面につい考えてしまう奴だっているだろう。
「それでもっスねえ。ちっちゃいこが好きな危ない『紳士』も世の中には居るんスから気をつけないと」
まるで「最終下校時刻の後はあぶないから出歩いちゃいけません」と注意する様な言い方だった。
心理定規は、
「こんな能力なんだし、使う相手は選ぶよ」とちょっとムッとした様に返した。
「それに相手は男の人ばかりじゃないわ。つまらないことでも生身の人間と話がしたい人もいるし、会話の中で考えをまとめたい人もいるのよね。
ささいなストレスや不安の解消、欲求を満たしてあげること。そんなことの対価に私はお金をもらうの。それなりにね」
相手のリラックス出来る距離感と環境で話をする。
やってるのは、セラピーにもならない人生相談や気楽な話し相手みたいなものよ、と言って心理定規はたいしたことなさそうに笑った。
「心理定規の能力って話聞くとすごそうっスけど。具体的にどうなるんスか」
「私の能力は、相手の心の中の距離を自在に調節することが出来るの。とっても大事な対象から、思い出したくもない嫌な相手まで。そっか、君にはまだ使ったことなかったっけ?」
やってみてもいい? と聞かれてゴーグルの少年はどうぞどうぞ、とうなずいた。
276:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 01:45:08.88:kzjStP0s0 (3/23)
ソファから立ち上がると心理定規はゴーグルの席の辺りをうろうろと見て回った。
「そうね例えば……初対面の人間が入ってきて」
出しかけの荷物がごそっとおかれたカバンの前で足を止めると。
「へえ。かわいいわね?」
心理定規が手を伸ばすとパシン! とテーブルの上のフィギュアが動いた。
そのまま彼女の手が届かなさそうなところまであっと言う間に移動する。
心理定規はちょっと目を丸くして弾かれた指先を見ていた。
「あ……あの、すんませんっス。なんかすげー嫌で、つい」
いきなりフィギュアを遠ざけてから、ゴーグルの少年は慌てて謝った。
自分で能力を使っておきながら心理定規にそこまでしたことに戸惑っている、そんな風だった。
心理定規の方は、別にショックをうけた様なそぶりも見せずにテーブルにもたれた。
「って、君の大事な大事なお人形を勝手に触ろうとしたらこうなるわよね。でも、ここでいつもくらいの距離にするとどうかしら」
「あ、そんなじゃないっスね。良かったらそれ見て下さいっス」
実は垣根さんに作ってもらったんスよ! と自慢する表情はもうすっかり普段通りに見えた。
ふーん。そうなの、と言って心理定規は一見どこにでもありそうな美少女フィギュアを手に取った。
実際は世界にひとつしかない特別製だが。
ケースに厳重に保管しておかなくても劣化したり壊れる心配がないのでゴーグルの少年は、はじめておもちゃを買ってもらった子供のように一番のお気に入りを持ち歩いていた。
心理定規はそれを不審そうな顔でしばらくみていたが、いきなりそんなもので喜ぶ非オタもあんまりいないだろう。
「さてと。今の違いは君でもわかるかな」
「そっスね。心理定規なのわかっててもムカッとするんスね。びっくりしたっス。あと、やっぱ隣に居ていきなりふんいき変わると変な感じするっス」
ソファから立ち上がると心理定規はゴーグルの席の辺りをうろうろと見て回った。
「そうね例えば……初対面の人間が入ってきて」
出しかけの荷物がごそっとおかれたカバンの前で足を止めると。
「へえ。かわいいわね?」
心理定規が手を伸ばすとパシン! とテーブルの上のフィギュアが動いた。
そのまま彼女の手が届かなさそうなところまであっと言う間に移動する。
心理定規はちょっと目を丸くして弾かれた指先を見ていた。
「あ……あの、すんませんっス。なんかすげー嫌で、つい」
いきなりフィギュアを遠ざけてから、ゴーグルの少年は慌てて謝った。
自分で能力を使っておきながら心理定規にそこまでしたことに戸惑っている、そんな風だった。
心理定規の方は、別にショックをうけた様なそぶりも見せずにテーブルにもたれた。
「って、君の大事な大事なお人形を勝手に触ろうとしたらこうなるわよね。でも、ここでいつもくらいの距離にするとどうかしら」
「あ、そんなじゃないっスね。良かったらそれ見て下さいっス」
実は垣根さんに作ってもらったんスよ! と自慢する表情はもうすっかり普段通りに見えた。
ふーん。そうなの、と言って心理定規は一見どこにでもありそうな美少女フィギュアを手に取った。
実際は世界にひとつしかない特別製だが。
ケースに厳重に保管しておかなくても劣化したり壊れる心配がないのでゴーグルの少年は、はじめておもちゃを買ってもらった子供のように一番のお気に入りを持ち歩いていた。
心理定規はそれを不審そうな顔でしばらくみていたが、いきなりそんなもので喜ぶ非オタもあんまりいないだろう。
「さてと。今の違いは君でもわかるかな」
「そっスね。心理定規なのわかっててもムカッとするんスね。びっくりしたっス。あと、やっぱ隣に居ていきなりふんいき変わると変な感じするっス」
277:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 01:47:38.46:kzjStP0s0 (4/23)
「今のは距離単位二五〇。『社会距離』くらいの心の距離まで離してみたわ」
「なんとか距離ってのは何スか?」
ゴーグルの少年は聞きなれない単語に首をひねる。
年上の男の子の疑問にも心理定規は親切に教えてくれた。
「『パーソナルスペース』って知ってるかな。人には、他人に近づかれると不快感を得る距離があるって考え方。
『社会距離』は相手と問題なく話ができる距離。仕事相手や知り合いと過ごす時の距離感って言われてるのよ」
そのあとの説明をまとめると。
分類は大きく四つ。
遠い順に『公共距離』、『社会距離』、『個体距離』、『密接距離』と分かれていてそれぞれ距離とあてはまる人間関係が決まっているらしい。
さらにその範囲をそれぞれ二つに分けたものを『近接相』、『遠方相』と呼ぶそうだ。
これは能力者じゃない普通の人が考え出したものだから、もちろん実際の相手との距離のことよ、と付け加えると心理定規は体の前で両手を向かい合わせに広げて見せた。
「一番近い『密接距離』は四五センチから。親しい…家族や友人が対象になるかな。『密接距離』の『近接相』〇から一五センチは恋人に許される距離感、ってところかしら。
だから、四五センチ以下一五センチ程度の距離に不快感を覚えない人とは友人以上のお付き合いができるかもね」
「今のは距離単位二五〇。『社会距離』くらいの心の距離まで離してみたわ」
「なんとか距離ってのは何スか?」
ゴーグルの少年は聞きなれない単語に首をひねる。
年上の男の子の疑問にも心理定規は親切に教えてくれた。
「『パーソナルスペース』って知ってるかな。人には、他人に近づかれると不快感を得る距離があるって考え方。
『社会距離』は相手と問題なく話ができる距離。仕事相手や知り合いと過ごす時の距離感って言われてるのよ」
そのあとの説明をまとめると。
分類は大きく四つ。
遠い順に『公共距離』、『社会距離』、『個体距離』、『密接距離』と分かれていてそれぞれ距離とあてはまる人間関係が決まっているらしい。
さらにその範囲をそれぞれ二つに分けたものを『近接相』、『遠方相』と呼ぶそうだ。
これは能力者じゃない普通の人が考え出したものだから、もちろん実際の相手との距離のことよ、と付け加えると心理定規は体の前で両手を向かい合わせに広げて見せた。
「一番近い『密接距離』は四五センチから。親しい…家族や友人が対象になるかな。『密接距離』の『近接相』〇から一五センチは恋人に許される距離感、ってところかしら。
だから、四五センチ以下一五センチ程度の距離に不快感を覚えない人とは友人以上のお付き合いができるかもね」
278:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 01:58:42.44:kzjStP0s0 (5/23)
『発火能力』や『発電能力』の様に、実際にある物理法則と関係のある能力者が既存のそういった化学知識を活用していることはよくあるが。
『洗脳能力』や『思念使い』、『念話能力』の様に宇宙の法則を乱していそうな、一見どうやって何をしているんだかよくわからない能力でも、そんな風に理論や学説を持ち出してくることがあるのか。
大元では、量子物理学に即している能力がほとんどだろうから、全くの無関係、無駄なんてこともないのかもしれない。
「へえー。心理定規の能力って心の距離を操作するんスよね? それでもそう言うの役に立つんスか」
「目安にはなるかな。私みたいな曖昧なものを扱う能力者は大まかに力を使うより、自分の中でも区切りを付ける指標があった方がいいのよ。
自由度が高くてもやり辛いの。ちょっとしたマイルールみたいなものかな」
でも。同じ距離単位でも、相手との関係で受け取る印象はずいぶん違うの。その辺りはひとまとめに考えちゃだめなところね、と心理定規は説明した。
そこまで話すとぱっと両手をあわせてテーブルから離れた。
「じゃあ、次はもっと驚いてもらおうかな。騙されないぞってつもりで用心してても全然いいけど」
少し離れたところにある椅子の前まで進むと。
心理定規は座る前に一度振り返った。
「ここでちょっと問題。今、私たちはどれくらいの距離があるでしょうか。どんな感じがするかな」
「さっきより、ちょっと……嫌な感じがするんスけど。席をどっか移したいくらいっスかね」
そう言うが、二人の間はゆうに三人分はスペースが空いている。
決して近すぎる距離ではないがゴーグルの少年はなんだか居心地悪そうにしていた。
「そうね。今の私たちは距離単位三〇〇以上だから君には近く感じるかも。これを段々近づけていくと、どうなるか。君にわかるかしら」
「それくらいなら。人間、嫌なやつにも敏感になるじゃないスか」
それを聞いて。
心理定規はなんだか楽しそうに笑った。
学園都市の能力者が持つのは一人ひとり違った能力だ。
自分だけの特別な力、に自信や誇りを持つような子どもは少なくない。
そして彼女もそんな子どものひとりらしい。
今からそれを披露してみせる、と告げた少女は何だかとても得意げな顔をしていた。
『発火能力』や『発電能力』の様に、実際にある物理法則と関係のある能力者が既存のそういった化学知識を活用していることはよくあるが。
『洗脳能力』や『思念使い』、『念話能力』の様に宇宙の法則を乱していそうな、一見どうやって何をしているんだかよくわからない能力でも、そんな風に理論や学説を持ち出してくることがあるのか。
大元では、量子物理学に即している能力がほとんどだろうから、全くの無関係、無駄なんてこともないのかもしれない。
「へえー。心理定規の能力って心の距離を操作するんスよね? それでもそう言うの役に立つんスか」
「目安にはなるかな。私みたいな曖昧なものを扱う能力者は大まかに力を使うより、自分の中でも区切りを付ける指標があった方がいいのよ。
自由度が高くてもやり辛いの。ちょっとしたマイルールみたいなものかな」
でも。同じ距離単位でも、相手との関係で受け取る印象はずいぶん違うの。その辺りはひとまとめに考えちゃだめなところね、と心理定規は説明した。
そこまで話すとぱっと両手をあわせてテーブルから離れた。
「じゃあ、次はもっと驚いてもらおうかな。騙されないぞってつもりで用心してても全然いいけど」
少し離れたところにある椅子の前まで進むと。
心理定規は座る前に一度振り返った。
「ここでちょっと問題。今、私たちはどれくらいの距離があるでしょうか。どんな感じがするかな」
「さっきより、ちょっと……嫌な感じがするんスけど。席をどっか移したいくらいっスかね」
そう言うが、二人の間はゆうに三人分はスペースが空いている。
決して近すぎる距離ではないがゴーグルの少年はなんだか居心地悪そうにしていた。
「そうね。今の私たちは距離単位三〇〇以上だから君には近く感じるかも。これを段々近づけていくと、どうなるか。君にわかるかしら」
「それくらいなら。人間、嫌なやつにも敏感になるじゃないスか」
それを聞いて。
心理定規はなんだか楽しそうに笑った。
学園都市の能力者が持つのは一人ひとり違った能力だ。
自分だけの特別な力、に自信や誇りを持つような子どもは少なくない。
そして彼女もそんな子どものひとりらしい。
今からそれを披露してみせる、と告げた少女は何だかとても得意げな顔をしていた。
279:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:01:37.75:kzjStP0s0 (6/23)
「さて、どうかな? 君は普通にしてていいよ。って言っても、今はあんまり会話もしたくないと思うけど」
そう言って、雑誌と自分の荷物をそばに置いてから心理定規は椅子をカラカラ引き寄せた。
特に予備動作やアクションはなく静かに心理定規の能力のテストがはじまった。
漫画やアニメにでてくる魔法や特殊能力みたいに技名を叫んだり始動キーのいらない学園都市の能力は、初見だとまず誰が何をしているかわからない。
「あ。ゴメン」
小さなポーチの中身をテーブルの上に並べていた心理定規の手元から、黒いキャップのガラス瓶が転がってきた。
パソコンに向かっていたゴーグルの少年は横目で、ラメ入りのマニキュアの瓶をキャッチすると机に置いた。
黙ってそれを押しのけるように心理定規の方に転がし返す。
「ありがと」
そう言ってにっこり笑うと。
心理定規は受け取ったマニキュアをポーチから少し、離して置いていた。
それから少しの間。
二人はちょっとずつ会話をしていた。
心理定規の能力の効き目はばっちり出ていたらしい。
いつもなら、まあ世間話くらいはするのだが。
ほとんど口を開くのは彼女の方で、それでもなかなか話は弾まなかった。
内容は特に大したこともない。
これから心理定規は用事があるとか。
『スクール』や、前にあった任務のこととか。
ゴーグルの少年のシャツに、値札のタグがつきっぱなしだったなんてつまらないことだ。
そんな風に何事もなく過ごしていた。
「さて、どうかな? 君は普通にしてていいよ。って言っても、今はあんまり会話もしたくないと思うけど」
そう言って、雑誌と自分の荷物をそばに置いてから心理定規は椅子をカラカラ引き寄せた。
特に予備動作やアクションはなく静かに心理定規の能力のテストがはじまった。
漫画やアニメにでてくる魔法や特殊能力みたいに技名を叫んだり始動キーのいらない学園都市の能力は、初見だとまず誰が何をしているかわからない。
「あ。ゴメン」
小さなポーチの中身をテーブルの上に並べていた心理定規の手元から、黒いキャップのガラス瓶が転がってきた。
パソコンに向かっていたゴーグルの少年は横目で、ラメ入りのマニキュアの瓶をキャッチすると机に置いた。
黙ってそれを押しのけるように心理定規の方に転がし返す。
「ありがと」
そう言ってにっこり笑うと。
心理定規は受け取ったマニキュアをポーチから少し、離して置いていた。
それから少しの間。
二人はちょっとずつ会話をしていた。
心理定規の能力の効き目はばっちり出ていたらしい。
いつもなら、まあ世間話くらいはするのだが。
ほとんど口を開くのは彼女の方で、それでもなかなか話は弾まなかった。
内容は特に大したこともない。
これから心理定規は用事があるとか。
『スクール』や、前にあった任務のこととか。
ゴーグルの少年のシャツに、値札のタグがつきっぱなしだったなんてつまらないことだ。
そんな風に何事もなく過ごしていた。
280:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:07:50.30:kzjStP0s0 (7/23)
「ねえ」
横から聞こえた声の近さにゴーグルが振り向くと。
ちょうど漫画雑誌を横向きに置いたくらいの所に心理定規が座っていた。
「あ、れ」
「こーんなに近くに来ちゃったけど。途中で止めなくてよかったのかな」
大体二五センチくらいの距離を実際に、更に詰めながら。
頬杖をつくと心理定規はゴーグルの目を見上げた。
「どう? 私がどこで力を使っていったかわかったかな」
「えっと……さっき化粧品拾った時? と、あと……あ。服、のも? もしかして」
つっかえつっかえの少年の『回答』に少女はうなずき返した。
どうやら悪くない答えだったらしい。
そんな彼女の反応をみながら、ゴーグルの少年は喉の奥がつかえる様な変化を感じていた。
ひどく緊張しているような違和感。
そうは言っても嫌な気分のものではなかった。
「まあまあかな。会話の中での同調、共感、そう言うのも人の心の距離を縮めるには都合がいいの。
もちろん肉体的な……例えばこうして距離を縮めたり、触ったりもね」
そう言いながら、少女の手がすっと伸びて少年のシャツに触れる。
「後は、好感ね。いい気分になると警戒心も薄らぐし」
曲がった襟をきれいに直すと小さな手は元の様に戻っていく。
指先のオレンジの軌跡を、名残惜しくみつめていたゴーグルの少年を見て。
心理定規は愉快そうに。
小さく声を上げて笑った。
「表情も大事な武器よ。ね、さっきから私が何回笑って見せたか覚えてるかしら?」
「す…すごすぎて、軽く女子が怖くなりそうなんスけど……」
「女の子だけじゃないわよ。君だって相手や行先で服装に気をつかったりするでしょ?
まあ、さすがにここまでは普段意識しないと思うけど。私はこう言う実際の感覚も能力に活用させてもらってるの」
木を隠すなら森の中、って言うよね。と心理定規は得意そうに付け足した。
何でそんなことをわざわざするのか。
問答無用で心の距離を維持しておさえつけるくらいこの能力なら簡単そうだった。
「ねえ」
横から聞こえた声の近さにゴーグルが振り向くと。
ちょうど漫画雑誌を横向きに置いたくらいの所に心理定規が座っていた。
「あ、れ」
「こーんなに近くに来ちゃったけど。途中で止めなくてよかったのかな」
大体二五センチくらいの距離を実際に、更に詰めながら。
頬杖をつくと心理定規はゴーグルの目を見上げた。
「どう? 私がどこで力を使っていったかわかったかな」
「えっと……さっき化粧品拾った時? と、あと……あ。服、のも? もしかして」
つっかえつっかえの少年の『回答』に少女はうなずき返した。
どうやら悪くない答えだったらしい。
そんな彼女の反応をみながら、ゴーグルの少年は喉の奥がつかえる様な変化を感じていた。
ひどく緊張しているような違和感。
そうは言っても嫌な気分のものではなかった。
「まあまあかな。会話の中での同調、共感、そう言うのも人の心の距離を縮めるには都合がいいの。
もちろん肉体的な……例えばこうして距離を縮めたり、触ったりもね」
そう言いながら、少女の手がすっと伸びて少年のシャツに触れる。
「後は、好感ね。いい気分になると警戒心も薄らぐし」
曲がった襟をきれいに直すと小さな手は元の様に戻っていく。
指先のオレンジの軌跡を、名残惜しくみつめていたゴーグルの少年を見て。
心理定規は愉快そうに。
小さく声を上げて笑った。
「表情も大事な武器よ。ね、さっきから私が何回笑って見せたか覚えてるかしら?」
「す…すごすぎて、軽く女子が怖くなりそうなんスけど……」
「女の子だけじゃないわよ。君だって相手や行先で服装に気をつかったりするでしょ?
まあ、さすがにここまでは普段意識しないと思うけど。私はこう言う実際の感覚も能力に活用させてもらってるの」
木を隠すなら森の中、って言うよね。と心理定規は得意そうに付け足した。
何でそんなことをわざわざするのか。
問答無用で心の距離を維持しておさえつけるくらいこの能力なら簡単そうだった。
281:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:10:43.97:kzjStP0s0 (8/23)
「だって……私が変えられるのは距離だけだから。感情も、前後の記憶のそのままだもの。いきなり変化すれば、どうしたって違和感は出ちゃうのよね」
いざと言うときにはもちろん手段を選ばないだろう。
それでもどうせなら、もっと上手に能力を使いたい。高めたい。
そんな口ぶりだった。
それでも。
頭でわかっていてどうにか出来るレベルのものじゃないくらい、今のゴーグルの少年にはわかる気がした。
それまでマウスにかかっていた右手をテーブルにつきながらゆっくり息を吐く。
だってそうだ。
心理定規は同じ組織のメンバーで。
かわいいけど女の子として特別意識したりすることはなかった。
それなのに。
隣に座った彼女とのこんな少しの距離が。
もっと近ければいいと感じたことは今までなかったはずだ。
こんな風に「冷静な判断」めいたことを考えてみても、気持ちはちっとも落ち着かなかった。
「でも、いつの間に…こんな」
心理定規から目をそらしてゴーグルの少年は少し考え込んでいたが、いったいいつの間に『普段以上に近い距離』に踏み込まれていたのかがわからない。
わかっていても無駄かもしれない。
目に見えない精神的な能力の干渉に抵抗は難しいだろう。
「だって……私が変えられるのは距離だけだから。感情も、前後の記憶のそのままだもの。いきなり変化すれば、どうしたって違和感は出ちゃうのよね」
いざと言うときにはもちろん手段を選ばないだろう。
それでもどうせなら、もっと上手に能力を使いたい。高めたい。
そんな口ぶりだった。
それでも。
頭でわかっていてどうにか出来るレベルのものじゃないくらい、今のゴーグルの少年にはわかる気がした。
それまでマウスにかかっていた右手をテーブルにつきながらゆっくり息を吐く。
だってそうだ。
心理定規は同じ組織のメンバーで。
かわいいけど女の子として特別意識したりすることはなかった。
それなのに。
隣に座った彼女とのこんな少しの距離が。
もっと近ければいいと感じたことは今までなかったはずだ。
こんな風に「冷静な判断」めいたことを考えてみても、気持ちはちっとも落ち着かなかった。
「でも、いつの間に…こんな」
心理定規から目をそらしてゴーグルの少年は少し考え込んでいたが、いったいいつの間に『普段以上に近い距離』に踏み込まれていたのかがわからない。
わかっていても無駄かもしれない。
目に見えない精神的な能力の干渉に抵抗は難しいだろう。
282:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:13:18.70:kzjStP0s0 (9/23)
「さっきの『パーソナルスペース』もだけど、男の人は自分の体の前、縦方向に意識を向ける傾向があるから横には注意がいかないのかもね。それにしても、君はパーソナルスペースが広い『他人との接触を避ける』タイプだと思ったんだけどなあ。
いつもの距離単位からあとは全然気にしなかったね。鈍いのかな。それとも、好意をもつと相手に甘くなっちゃうの?」
「一生に一人の大親友や運命の相手、なーんて言うのも私なら好きなだけ、出会う前から作り放題」
「一目ぼれって言うのも便利な言葉よね。根拠のない好意を一方的に抱いても疑いもしないの。人間は思ってる以上に上手に自分のことを騙せちゃうんだから」
「ただ距離を変えるだけでも工夫すれば色んなことが出来るのよ。君が思うよりもずっと、ね。私なら……相手の行動だってやり方次第で操ることも難しくないかな」
どうしてでしょう、と問いたげに心理定規は笑った。
「なんで…っスか?」
そこで、やっとゴーグルの少年は声を出した。
それまで頷いたり、首を振ったりと最低限のリアクションは取っていたが。
隣にいる心理定規からすっかり目が離せなくなっていた。
普段と変わらない筈の声も表情も何だかとってもキラキラしていた。
視線ひとつ、何気ない仕草の一つまで。
彼にはとびっきりの、まばゆいエフェクトをかけたみたいに見えていた。
ゴーグルの少年は知らないが。
この時、二人の間の距離単位わずかに一〇。
肩が触れ合う様な近くにいても相手の存在を許せてしまう。
それくらいの親しみを感じてしまうように調節されている。
心理定規の能力に文字通り心を奪われてしまっていた。
「さっきの『パーソナルスペース』もだけど、男の人は自分の体の前、縦方向に意識を向ける傾向があるから横には注意がいかないのかもね。それにしても、君はパーソナルスペースが広い『他人との接触を避ける』タイプだと思ったんだけどなあ。
いつもの距離単位からあとは全然気にしなかったね。鈍いのかな。それとも、好意をもつと相手に甘くなっちゃうの?」
「一生に一人の大親友や運命の相手、なーんて言うのも私なら好きなだけ、出会う前から作り放題」
「一目ぼれって言うのも便利な言葉よね。根拠のない好意を一方的に抱いても疑いもしないの。人間は思ってる以上に上手に自分のことを騙せちゃうんだから」
「ただ距離を変えるだけでも工夫すれば色んなことが出来るのよ。君が思うよりもずっと、ね。私なら……相手の行動だってやり方次第で操ることも難しくないかな」
どうしてでしょう、と問いたげに心理定規は笑った。
「なんで…っスか?」
そこで、やっとゴーグルの少年は声を出した。
それまで頷いたり、首を振ったりと最低限のリアクションは取っていたが。
隣にいる心理定規からすっかり目が離せなくなっていた。
普段と変わらない筈の声も表情も何だかとってもキラキラしていた。
視線ひとつ、何気ない仕草の一つまで。
彼にはとびっきりの、まばゆいエフェクトをかけたみたいに見えていた。
ゴーグルの少年は知らないが。
この時、二人の間の距離単位わずかに一〇。
肩が触れ合う様な近くにいても相手の存在を許せてしまう。
それくらいの親しみを感じてしまうように調節されている。
心理定規の能力に文字通り心を奪われてしまっていた。
283:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:15:53.14:kzjStP0s0 (10/23)
「向こうがそうしてくれるのよ。好感のある相手には良く思われたいし、お願いだって少しくらい聞けちゃうでしょ?
今ならちょっとわかるんじゃないかな。そんな気持ち」
手のひらで転がして、遊んで、飽きたらポイってできちゃうんだから。
そんな笑顔を向けられても。
ゴーグルの少年は今この瞬間、彼女を嫌いになんてなれそうもなかった。
「心理定規っ、ズルいっス」
「ズルいのは…イヤ?」
心理定規はわざとらしく眉を寄せてみせる。
からかわれているのはわかっていた。
能力で心の中を探られて、遊ばれているのはわかっていた。
わかっていても、それでも抗えない。
心臓は勝手に早くなる。
もちろんそんな顔だってサイコーに可愛いちょいセクシー小悪魔系あざとカワイイ心理定規ちゃんマジ暗部のヒロインごちそうさまですって気分になりますね最高にハイってヤツですねええ
我慢できなくなって、ゴーグルの少年は大きく息を吸った。
「はいっ! 好きです!!」
「あはは。君、面白い」
「向こうがそうしてくれるのよ。好感のある相手には良く思われたいし、お願いだって少しくらい聞けちゃうでしょ?
今ならちょっとわかるんじゃないかな。そんな気持ち」
手のひらで転がして、遊んで、飽きたらポイってできちゃうんだから。
そんな笑顔を向けられても。
ゴーグルの少年は今この瞬間、彼女を嫌いになんてなれそうもなかった。
「心理定規っ、ズルいっス」
「ズルいのは…イヤ?」
心理定規はわざとらしく眉を寄せてみせる。
からかわれているのはわかっていた。
能力で心の中を探られて、遊ばれているのはわかっていた。
わかっていても、それでも抗えない。
心臓は勝手に早くなる。
もちろんそんな顔だってサイコーに可愛いちょいセクシー小悪魔系あざとカワイイ心理定規ちゃんマジ暗部のヒロインごちそうさまですって気分になりますね最高にハイってヤツですねええ
我慢できなくなって、ゴーグルの少年は大きく息を吸った。
「はいっ! 好きです!!」
「あはは。君、面白い」
284:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:17:22.21:kzjStP0s0 (11/23)
ソファに座ったゴーグルの少年は自分の手を握って下を向いていた。
隣には、さっきより近い心理定規。
この後の予定は聞いていたから出かけると言うのは知っていた。
それが気になると話したら、じゃあバイトの方も試してみない? と言われてしまい。
能力で心に干渉されたゴーグルの少年はいつも以上にされるままだった。
狭いスペースで、物理的にも心理的にも彼の逃げ場はない。
「そうね。何か、不満とかある? 『スクール』の活動とかで。あ。心配しなくても、私聞いたことは他の人に漏らしたりしないから好きに話していいよ」
「うーん……そうだなあ。大したことじゃねえっつうか。ここみたいな隠れ家でよく垣根さんと会うんで、一人でゆっくりゲームが出来ないのが最近の悩みって言えば悩みで。秘密基地独り占めだーってのが楽しかったんスけど」
「ゲームくらいすれば? 彼も気にしないでしょ」
「そうなんスけど。こことか PC もテレビも画面すぐ見えるじゃないスか。いや、えっちいのはしないっスよ? まだ俺じゃ買えないんで出来ないっスけど。ギャルゲじゃない普通のでもなんとなくやりづらいんスよ」
「ふーん」
「この前もっスね、たまたま鉢合わせたら何か出かけるって言うんでついてったんスけど。結局俺が良く行くとこ回っただけみたくなって。垣根さんは……よくわかんねえっス」
「君さ、それでよくハブられてるって言えたね」
それまで相づちをうちながら、彼女の言うところの「いい話し相手いい聞き役」をしていた心理定規がふと口をはさんだ。
ソファに座ったゴーグルの少年は自分の手を握って下を向いていた。
隣には、さっきより近い心理定規。
この後の予定は聞いていたから出かけると言うのは知っていた。
それが気になると話したら、じゃあバイトの方も試してみない? と言われてしまい。
能力で心に干渉されたゴーグルの少年はいつも以上にされるままだった。
狭いスペースで、物理的にも心理的にも彼の逃げ場はない。
「そうね。何か、不満とかある? 『スクール』の活動とかで。あ。心配しなくても、私聞いたことは他の人に漏らしたりしないから好きに話していいよ」
「うーん……そうだなあ。大したことじゃねえっつうか。ここみたいな隠れ家でよく垣根さんと会うんで、一人でゆっくりゲームが出来ないのが最近の悩みって言えば悩みで。秘密基地独り占めだーってのが楽しかったんスけど」
「ゲームくらいすれば? 彼も気にしないでしょ」
「そうなんスけど。こことか PC もテレビも画面すぐ見えるじゃないスか。いや、えっちいのはしないっスよ? まだ俺じゃ買えないんで出来ないっスけど。ギャルゲじゃない普通のでもなんとなくやりづらいんスよ」
「ふーん」
「この前もっスね、たまたま鉢合わせたら何か出かけるって言うんでついてったんスけど。結局俺が良く行くとこ回っただけみたくなって。垣根さんは……よくわかんねえっス」
「君さ、それでよくハブられてるって言えたね」
それまで相づちをうちながら、彼女の言うところの「いい話し相手いい聞き役」をしていた心理定規がふと口をはさんだ。
285:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:19:58.04:kzjStP0s0 (12/23)
尋ねると言うかなんとなく、不満めいたものを感じてゴーグルの少年はドキっとした。
彼女の機嫌をそこねるような話をしたつもりはないし、あるならもっと他のところだと思う。
ゲームとか、ゲームとか。ゲームの辺が。
「え。何でっスか」
「私もプライベートで出かけたり、一緒に遊んだりなんてしないよ?」
ちょっとむっとした顔もかわいいなあなんてのん気に萌えながら、ゴーグルは慌てて言い訳した。
「一緒に遊んだって言うか。遊んでもらったのか、つきあわされたって言うのか……あれは垣根さんにも原因がっスね?
いや悪くはないかもしんないっスけど、あんな言い方されたら即『 yes 』の選択肢を選びますよ。俺は他の娘ルートでも本命の誘いは断れない、そんなプレイヤーなんスよ」
「ごめん。よく…わかんない」
「レン子ちゃ……ゲームん時の悪い癖が出たんですよ。それ以前に俺が、垣根さんに『結構ですおひとりでどうぞ』って言えると思いますか」
「それもそうだったね」
しょうがないなあ、と呟く横顔にほっとしつつ、ゴーグルの少年は思い切って提案した。
「じゃあ、あの今度心理定規もどっか行きます?」
「あら。デートに誘ってくれるの?」
「でっ、デート……はい。その、良かったら」
あえて説明しなくても、彼は三次元の女の子とのデートはしたことがない。
液晶内の2D女子なら数えるのも嫌になるくらい経験済みだ。自慢にはならないが。
「そっか、ありがとね。でも…私結構忙しいの。また、今度ね?」
トドメににっこり微笑まれて、遠まわしにお断わりされたかもなんてことはどうでもよくなっっていた。
尋ねると言うかなんとなく、不満めいたものを感じてゴーグルの少年はドキっとした。
彼女の機嫌をそこねるような話をしたつもりはないし、あるならもっと他のところだと思う。
ゲームとか、ゲームとか。ゲームの辺が。
「え。何でっスか」
「私もプライベートで出かけたり、一緒に遊んだりなんてしないよ?」
ちょっとむっとした顔もかわいいなあなんてのん気に萌えながら、ゴーグルは慌てて言い訳した。
「一緒に遊んだって言うか。遊んでもらったのか、つきあわされたって言うのか……あれは垣根さんにも原因がっスね?
いや悪くはないかもしんないっスけど、あんな言い方されたら即『 yes 』の選択肢を選びますよ。俺は他の娘ルートでも本命の誘いは断れない、そんなプレイヤーなんスよ」
「ごめん。よく…わかんない」
「レン子ちゃ……ゲームん時の悪い癖が出たんですよ。それ以前に俺が、垣根さんに『結構ですおひとりでどうぞ』って言えると思いますか」
「それもそうだったね」
しょうがないなあ、と呟く横顔にほっとしつつ、ゴーグルの少年は思い切って提案した。
「じゃあ、あの今度心理定規もどっか行きます?」
「あら。デートに誘ってくれるの?」
「でっ、デート……はい。その、良かったら」
あえて説明しなくても、彼は三次元の女の子とのデートはしたことがない。
液晶内の2D女子なら数えるのも嫌になるくらい経験済みだ。自慢にはならないが。
「そっか、ありがとね。でも…私結構忙しいの。また、今度ね?」
トドメににっこり微笑まれて、遠まわしにお断わりされたかもなんてことはどうでもよくなっっていた。
286:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:22:21.71:kzjStP0s0 (13/23)
「でも、君がそんな風に考えてるとはね。彼にはもっと懐いてるのかと思ってた」
「やっぱそこは世界が違うっつうか。俺けっこうヒールも好きなんで垣根さんみたいな人も嫌いじゃないんスけど」
ピンと来なかったのか首をかしげられてしまった。
そこでゴーグルの少年は、心理定規でも知っていそうな、超有名なアニメの悪役の名前をあげた。
けど、聞いた途端心理定規は何言ってるのこの子?! みたいな顔をしてきた。
「いや! すごいんスよ? ばいき○ま○! 頭いいしなんでも作れるし実はハイスペックなんスけど。
それをあ○ぱ○ま○をやっつけることにしか使わないんスよね。つめが甘いのと展開上いっつも返り討ちっスけど憎めない悪い奴って感じで。俺好きです」
「彼がばいき○ま○なら、私はどき○ちゃ○なの?」
「あれ、ぴったりじゃないスか? かわいいし」
ゴーグルの少年の熱弁にやっぱり首をかしげる心理定規はそんな悪役サイドのヒロインに似ているかもしれない。
雰囲気は気が強そうでわがまま、ツンっぽくて。
男相手にも命令したり手玉にとっちゃう系なイメージなのもちょっぴり。
「じゃあ君は?」
「俺は……そっスね。かびる○る○、とかじゃないスか」
「なんで?」
「いると画面が寂しくないけど、別にいなくてもいいガヤ要員とかパシリっつうか」
「……せめてマスコットってことにしておけば?」
下を向いたゴーグルの少年の自虐的なコメントに。
心理定規はものすごく同情したかんじで軽く肩を叩いてきた。
少年は、いつもよりずっと悲しかった。
「でも、君がそんな風に考えてるとはね。彼にはもっと懐いてるのかと思ってた」
「やっぱそこは世界が違うっつうか。俺けっこうヒールも好きなんで垣根さんみたいな人も嫌いじゃないんスけど」
ピンと来なかったのか首をかしげられてしまった。
そこでゴーグルの少年は、心理定規でも知っていそうな、超有名なアニメの悪役の名前をあげた。
けど、聞いた途端心理定規は何言ってるのこの子?! みたいな顔をしてきた。
「いや! すごいんスよ? ばいき○ま○! 頭いいしなんでも作れるし実はハイスペックなんスけど。
それをあ○ぱ○ま○をやっつけることにしか使わないんスよね。つめが甘いのと展開上いっつも返り討ちっスけど憎めない悪い奴って感じで。俺好きです」
「彼がばいき○ま○なら、私はどき○ちゃ○なの?」
「あれ、ぴったりじゃないスか? かわいいし」
ゴーグルの少年の熱弁にやっぱり首をかしげる心理定規はそんな悪役サイドのヒロインに似ているかもしれない。
雰囲気は気が強そうでわがまま、ツンっぽくて。
男相手にも命令したり手玉にとっちゃう系なイメージなのもちょっぴり。
「じゃあ君は?」
「俺は……そっスね。かびる○る○、とかじゃないスか」
「なんで?」
「いると画面が寂しくないけど、別にいなくてもいいガヤ要員とかパシリっつうか」
「……せめてマスコットってことにしておけば?」
下を向いたゴーグルの少年の自虐的なコメントに。
心理定規はものすごく同情したかんじで軽く肩を叩いてきた。
少年は、いつもよりずっと悲しかった。
287:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:23:52.01:kzjStP0s0 (14/23)
「あの…俺からも、聞いて…いいっスか?」
「なあに?」
「心理定規ってどう言う人が好きっスか?」
好きって言っても色々あるんだけど、と心理定規は
「一緒にいて楽しいひと、って言うのはやっぱり大事よね。あとはそうね……安定してるひとかな」
「えっと…経済的に? それとも落ち着いてるって言う前向きな解釈もオーケーでしょうか」
「そうね。精神的にもかな。だから、君とか彼とかはちょっと、ね? 特に彼は仕事もプライベートも気分次第で振り回しそうなんだもん」
やっぱり自分が振り回したい系なんだろうか。
他人を操る能力者ってわたしがだれよりいちばん! って感じするけど実際どうなんだろうか。
「じゃっ、じゃあ肉食系より草食系のほうが好きだったりします?」
「うーん、そうなるのかなぁ」
わずかな可能性に、今のゴーグルの少年は本気で喜んでいた。
勢いよくガッツポーズまでしてしまう。
そして。
その勢いのまま、気になっていたことを思い切って口にした。
「あと、あ。名前。俺っ心理定規の名前知らないっス!」
それまで。
面白そうにゴーグルの反応を見ていた心理定規は、一瞬目を丸くした。
しかし、すぐににこにこした顔で目を細める。
「あの…俺からも、聞いて…いいっスか?」
「なあに?」
「心理定規ってどう言う人が好きっスか?」
好きって言っても色々あるんだけど、と心理定規は
「一緒にいて楽しいひと、って言うのはやっぱり大事よね。あとはそうね……安定してるひとかな」
「えっと…経済的に? それとも落ち着いてるって言う前向きな解釈もオーケーでしょうか」
「そうね。精神的にもかな。だから、君とか彼とかはちょっと、ね? 特に彼は仕事もプライベートも気分次第で振り回しそうなんだもん」
やっぱり自分が振り回したい系なんだろうか。
他人を操る能力者ってわたしがだれよりいちばん! って感じするけど実際どうなんだろうか。
「じゃっ、じゃあ肉食系より草食系のほうが好きだったりします?」
「うーん、そうなるのかなぁ」
わずかな可能性に、今のゴーグルの少年は本気で喜んでいた。
勢いよくガッツポーズまでしてしまう。
そして。
その勢いのまま、気になっていたことを思い切って口にした。
「あと、あ。名前。俺っ心理定規の名前知らないっス!」
それまで。
面白そうにゴーグルの反応を見ていた心理定規は、一瞬目を丸くした。
しかし、すぐににこにこした顔で目を細める。
288:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:25:24.88:kzjStP0s0 (15/23)
「そんなの記号じゃない。呼ぶときに困らなければなんだって」
「でも大事っスよ。俺は『スクール』の『ゴーグル』ってのは結構気に入ってきたんです。ここでしか呼ばれないし。でも、能力名だと、それが自分なのか能力のことなのかわかんなくなりません?」
真剣に聞いてみたが少女から返事はない。
「そう言うの、垣根さんはなんか嫌がってるみたいじゃないっスか。だからもしかして……君も」
「……そう言うの、つまらないわよ」
さあっと波が引くように心理定規は冷めた目をして呟いた。
突然、目の前に見えない壁が現れた様だった。
そこにぶつかったゴーグルの少年はかあっとなって言葉を叩きつける。
「そんなことないだろ? なんで、そんな風に!!」
「ちょっと! もう、調子に乗らないの!!」
勢いあまって腕をつかむと心理定規にしかられた。
はっとして離した手を細い指でおさえつけられる。
「あ…俺、ごめん」
ゴーグルは慌てて謝ったが心理定規はうつむいていた。
やりすぎちゃったかな、と少し戸惑ったように呟いていた。
「そんなの記号じゃない。呼ぶときに困らなければなんだって」
「でも大事っスよ。俺は『スクール』の『ゴーグル』ってのは結構気に入ってきたんです。ここでしか呼ばれないし。でも、能力名だと、それが自分なのか能力のことなのかわかんなくなりません?」
真剣に聞いてみたが少女から返事はない。
「そう言うの、垣根さんはなんか嫌がってるみたいじゃないっスか。だからもしかして……君も」
「……そう言うの、つまらないわよ」
さあっと波が引くように心理定規は冷めた目をして呟いた。
突然、目の前に見えない壁が現れた様だった。
そこにぶつかったゴーグルの少年はかあっとなって言葉を叩きつける。
「そんなことないだろ? なんで、そんな風に!!」
「ちょっと! もう、調子に乗らないの!!」
勢いあまって腕をつかむと心理定規にしかられた。
はっとして離した手を細い指でおさえつけられる。
「あ…俺、ごめん」
ゴーグルは慌てて謝ったが心理定規はうつむいていた。
やりすぎちゃったかな、と少し戸惑ったように呟いていた。
289:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:27:05.11:kzjStP0s0 (16/23)
「仕方ないなあ。でも、これはもうおしおきね」
おしおき、なんて言いながら心理定規は隣に座ったままもう反対の手もゴーグルの少年に握らせる。
「じゃあはい。こうやって手握っててね? しっかり、ちゃんとね」
「はい」
おとなしく従うゴーグルはちょっとうれしそうにしていた。
今彼の心の中では心理定規はとても身近な存在になっている。
何も、警戒する様子も疑うそぶりもなかった。
「いくよ? 3 、 2 、 1 ……はい!」
「ひっ……?!」
短いカウントが終わると。
安心しきっていたその表情があっと言う間に変わる。
「あれっ? 急にどうしちゃったのかな? ごーぐーるくーん?」
「な、なに……なんスか? なんスかこれ?! め、心理定規っ止めて下さい!」
「何のことかしら。私何かしたかな? 隣に座ってるだけだよね?」
心理定規は目を細めている。
つかまえた虫で遊ぶ子猫みたい、と言うとちょっと可愛いが。
可愛い顔していじわるな笑みを浮かべていた。
一方、あわてるゴーグルの方はいっぱいいっぱいだ。
「嫌っス、とにかく嫌っスこれ! 怖いっス一体何と距離合わせたらこんななるんスか!! いますぐッ、能力を」
「え? なあに、きこえなーい」
「仕方ないなあ。でも、これはもうおしおきね」
おしおき、なんて言いながら心理定規は隣に座ったままもう反対の手もゴーグルの少年に握らせる。
「じゃあはい。こうやって手握っててね? しっかり、ちゃんとね」
「はい」
おとなしく従うゴーグルはちょっとうれしそうにしていた。
今彼の心の中では心理定規はとても身近な存在になっている。
何も、警戒する様子も疑うそぶりもなかった。
「いくよ? 3 、 2 、 1 ……はい!」
「ひっ……?!」
短いカウントが終わると。
安心しきっていたその表情があっと言う間に変わる。
「あれっ? 急にどうしちゃったのかな? ごーぐーるくーん?」
「な、なに……なんスか? なんスかこれ?! め、心理定規っ止めて下さい!」
「何のことかしら。私何かしたかな? 隣に座ってるだけだよね?」
心理定規は目を細めている。
つかまえた虫で遊ぶ子猫みたい、と言うとちょっと可愛いが。
可愛い顔していじわるな笑みを浮かべていた。
一方、あわてるゴーグルの方はいっぱいいっぱいだ。
「嫌っス、とにかく嫌っスこれ! 怖いっス一体何と距離合わせたらこんななるんスか!! いますぐッ、能力を」
「え? なあに、きこえなーい」
290:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:29:05.52:kzjStP0s0 (17/23)
ついさっきまで、能力で心理定規は本当にかわいいなあなんて状態になっていたゴーグルの少年だが、今の反応は真逆もいいところだった。
心理定規が嫌でいやでたまらない。
これもさっき調子に乗ったおかえしと言うことらしい。
「近い近い近いッ! ごめんなさい俺ごときが調子乗ってすいませんでした謝るんで今すぐどいてください!!」
「嫌ならはねのければ? ああ、手が塞がってると難しいの?」
ソファにひざをのせた心理定規は嫌がるゴーグルにさらに近づいた。
そして目の前に、さっきつながせた両手を持ち上げてみせる。
たったそれだけだが、隙の無い追撃だ。
それに一瞬固まるとゴーグルは目をつぶって頭を振った。
「へ。手、ぇ繋……ヒッ、無理無理無理だって! 勘弁して下さい!!」
「身動き取れないくらい嫌なの。ふーん。ねえ、そんなにダメ?」
ほぼ一方的に大声を上げるゴーグルの少年を心理定規は不思議そうに見下ろしていた。
ついさっきまで、能力で心理定規は本当にかわいいなあなんて状態になっていたゴーグルの少年だが、今の反応は真逆もいいところだった。
心理定規が嫌でいやでたまらない。
これもさっき調子に乗ったおかえしと言うことらしい。
「近い近い近いッ! ごめんなさい俺ごときが調子乗ってすいませんでした謝るんで今すぐどいてください!!」
「嫌ならはねのければ? ああ、手が塞がってると難しいの?」
ソファにひざをのせた心理定規は嫌がるゴーグルにさらに近づいた。
そして目の前に、さっきつながせた両手を持ち上げてみせる。
たったそれだけだが、隙の無い追撃だ。
それに一瞬固まるとゴーグルは目をつぶって頭を振った。
「へ。手、ぇ繋……ヒッ、無理無理無理だって! 勘弁して下さい!!」
「身動き取れないくらい嫌なの。ふーん。ねえ、そんなにダメ?」
ほぼ一方的に大声を上げるゴーグルの少年を心理定規は不思議そうに見下ろしていた。
291:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:32:02.44:kzjStP0s0 (18/23)
そんな風に騒ぐ二人の声の合間に。
部屋のドアが開いていた。
「何だ? お前らずいぶん盛り上がって――」
「っく」
「あ。おかえりなさ」
ガチャン。
開いたと思った次の瞬間。
何事もなかった様にドアは閉められてしまった。
その向こうに消えてしまった垣根に向かってゴーグルは必死に叫んでいた。
「垣根さぁん! 垣根さん心理定規っ何とかしてください!! も嫌っス! これ、助けてくだざぁい゛!!」
入り口から中の様子を伺うと。
もう一度垣根は部屋に入ってきた。
ソファの上にはぶるぶるしながら半べそのゴーグルの少年。
その上に、楽しそうな顔をした心理定規が座っている。
メンバーの意味不明な状況を見下ろしてリーダーはあきれ返った顔をしていた。
「一体何してんだお前ら」
「心理定規があ、ひど…これ…どけてくだ、ざい」
「ねえ、今の聞いた? 女の子に対してずいぶん失礼よね」
ぐすぐすしているゴーグル。
それを見下ろしてむくれる心理定規。
垣根は、はあ、とため息を吐くと面倒そうに頭を掻いた。
「お前もあんまり馬鹿で遊ぶんじゃねえ。うるせえだろ」
「はぁーい」
そんな風に騒ぐ二人の声の合間に。
部屋のドアが開いていた。
「何だ? お前らずいぶん盛り上がって――」
「っく」
「あ。おかえりなさ」
ガチャン。
開いたと思った次の瞬間。
何事もなかった様にドアは閉められてしまった。
その向こうに消えてしまった垣根に向かってゴーグルは必死に叫んでいた。
「垣根さぁん! 垣根さん心理定規っ何とかしてください!! も嫌っス! これ、助けてくだざぁい゛!!」
入り口から中の様子を伺うと。
もう一度垣根は部屋に入ってきた。
ソファの上にはぶるぶるしながら半べそのゴーグルの少年。
その上に、楽しそうな顔をした心理定規が座っている。
メンバーの意味不明な状況を見下ろしてリーダーはあきれ返った顔をしていた。
「一体何してんだお前ら」
「心理定規があ、ひど…これ…どけてくだ、ざい」
「ねえ、今の聞いた? 女の子に対してずいぶん失礼よね」
ぐすぐすしているゴーグル。
それを見下ろしてむくれる心理定規。
垣根は、はあ、とため息を吐くと面倒そうに頭を掻いた。
「お前もあんまり馬鹿で遊ぶんじゃねえ。うるせえだろ」
「はぁーい」
292:268からつづき ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:33:57.84:kzjStP0s0 (19/23)
素直に返事をして心理定規が膝から降りた後。
ゴーグルの少年は恐怖のおしおきがよっぽど嫌だったのか、ものすごくテンションが低かった。
パソコンの前に戻り、椅子の上で器用に膝を抱えるとヘッドフォンをつけて『笑える動画』みたいなタグのムービーを片っ端から流しはじめた。
かわいい彼女がいきなり目の前でぐにゃぐにゃの遠い星から来た系のバケモノに変身したり、母親がモンスターに乗っ取られていたのを見てしまった。
それくらいのショックだったのかもしれない。
「ああ。こいつの能力、ムカつくだろ? 気をつけろ、エグいことも平気でやるからな」
「もう。私は無駄に、そんな趣味の悪いことはしないよ?」
「あれでいい方なんスか……一体何と同調してたんスか?」
からかうような垣根の言葉に反論していた心理定規は。
ふりむくと唇をつりあげた。
「え? ふふふ。ナイショ」
「うー、わー。だから怖いっスって」
髪を整えていた心理定規は鏡に向かってにっこり笑った。
それはとっても可愛い笑顔だったが。
今日、女子の怖さをちょっぴり知ってしまったゴーグルの少年はまっすぐそれを見れなかった。
素直に返事をして心理定規が膝から降りた後。
ゴーグルの少年は恐怖のおしおきがよっぽど嫌だったのか、ものすごくテンションが低かった。
パソコンの前に戻り、椅子の上で器用に膝を抱えるとヘッドフォンをつけて『笑える動画』みたいなタグのムービーを片っ端から流しはじめた。
かわいい彼女がいきなり目の前でぐにゃぐにゃの遠い星から来た系のバケモノに変身したり、母親がモンスターに乗っ取られていたのを見てしまった。
それくらいのショックだったのかもしれない。
「ああ。こいつの能力、ムカつくだろ? 気をつけろ、エグいことも平気でやるからな」
「もう。私は無駄に、そんな趣味の悪いことはしないよ?」
「あれでいい方なんスか……一体何と同調してたんスか?」
からかうような垣根の言葉に反論していた心理定規は。
ふりむくと唇をつりあげた。
「え? ふふふ。ナイショ」
「うー、わー。だから怖いっスって」
髪を整えていた心理定規は鏡に向かってにっこり笑った。
それはとっても可愛い笑顔だったが。
今日、女子の怖さをちょっぴり知ってしまったゴーグルの少年はまっすぐそれを見れなかった。
293: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 02:39:16.34:kzjStP0s0 (20/23)
ドーモ
垣根、ゴーグル、ときて心理定規ちゃんの能力のターン
距離単位の謎の数値が気になってたけど「パーソナルスペース」ってのがいい感じだったからこじつけた
レスと小ネタがまた今度
ドーモ
垣根、ゴーグル、ときて心理定規ちゃんの能力のターン
距離単位の謎の数値が気になってたけど「パーソナルスペース」ってのがいい感じだったからこじつけた
レスと小ネタがまた今度
294:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/19(金) 07:49:55.03:4gR2xwEs0 (1/1)
乙
勉強になったが、よく考えたら自分の人間関係では生かせる場面がない疑惑
ゴーグルくんがビビりまくるものというと、背中から羽生やす系のホストぐらいしか思い付かない…
乙
勉強になったが、よく考えたら自分の人間関係では生かせる場面がない疑惑
ゴーグルくんがビビりまくるものというと、背中から羽生やす系のホストぐらいしか思い付かない…
295:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/19(金) 15:52:02.36:uUR+u3SzO (1/1)
1乙
いつもネタだらけでウケる
ゴークルはもげろよ!
心理定規をひざ抱っことか吹き飛べばいい
1乙
いつもネタだらけでウケる
ゴークルはもげろよ!
心理定規をひざ抱っことか吹き飛べばいい
296:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/19(金) 19:26:28.56:pnrUKCIS0 (1/1)
>>294-295
ゴーグルがひざに垣根を乗せてるって?(乱視)
>>294-295
ゴーグルがひざに垣根を乗せてるって?(乱視)
297:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/19(金) 21:01:21.37:n0mynaJmo (1/1)
なんだ。TDNホモか
なんだ。TDNホモか
298: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 23:02:37.65:kzjStP0s0 (21/23)
ドーモ
過去レスまとめ
>>219
いくらネタやギャグといっても好き嫌いってあるもんね。ごめん。書けるものなのか興味がわいてしまった
>>220
その手があったか!
>>221
ごめんそれより先にゴーグルが。ゴーグルが、うん
>>222
安価いただきました!!やった面白そうなのがきたぞ!
もしかして女装なのか?ていこちゃんをご希望なんでしょうか
ギャグで全てが許されるなら垣根に真面目にバカをやってもらおうか
>>223
キリスト教系のみなさんは能力みせた瞬間にキレないでせうか
>>224
全レスはけっこう好きでしてるんだ。スクロール長くなるけどすまんね
もしそんなネタを番外で投下する時は事前予告注意書きsage進行、あとは本文反転ってここ使えるのかな。配慮したい
アドバイスありがとう。とてもためになる
>>225
な。イケメンだにゃー
>>226
良心のある方がここにも
>>227
鬱っぽくなるよなあ胸糞注意だよなどうやると鬱らないんだろうね
そこまで出来たらあとはスレを立てるだけだながんばれ(棒)
>>228
需要はあるんじゃないかな特定層とかに(棒)
ゼロなら何故こうなったのか、こっちの安価を振り返った>>1が泣く
>>230
不肖>>1めは申し開きもございませんのことよ
>>231
おまたせー……してます
>>232
ほしゅありですよ
>>233
がっつり暗部絡みなら15巻らへんの話かな
季節感ないけどこのSSまだ夏やすみじゃん。がんばってみたい。がんばって、うん。がんばる
>>234
大変お待たせしていた>>1です
>>235
すいません
二期の頃の盛り上がりを思えば確かに今は穏やかだけど三期が来たら再沸しないかな。三期まだ諦めてないよまだ。動く未元物質と垣根みたいぞ
>>236
すいませんすいません
なかったことにしてもいいんだけど書いてしまった。もったいないからそっちはそっちで活用するね
よかったな垣根あいされてんなかきね
>>237
1のパターンが読まれている……だと……
いや、今回は長かった。スレにきたけど投下はしてないからと>>1は>>1は反省してみたり
>>238
ご心配をおかけしました
>>239
大丈夫だ。やめるときはhtml化だっけお願いして落とす宣言するから。>>1だって黙って落としたくはないぎりぎりなときあるけど
>>240
ありがとう。フォローしてもらってすまない
ドーモ
過去レスまとめ
>>219
いくらネタやギャグといっても好き嫌いってあるもんね。ごめん。書けるものなのか興味がわいてしまった
>>220
その手があったか!
>>221
ごめんそれより先にゴーグルが。ゴーグルが、うん
>>222
安価いただきました!!やった面白そうなのがきたぞ!
もしかして女装なのか?ていこちゃんをご希望なんでしょうか
ギャグで全てが許されるなら垣根に真面目にバカをやってもらおうか
>>223
キリスト教系のみなさんは能力みせた瞬間にキレないでせうか
>>224
全レスはけっこう好きでしてるんだ。スクロール長くなるけどすまんね
もしそんなネタを番外で投下する時は事前予告注意書きsage進行、あとは本文反転ってここ使えるのかな。配慮したい
アドバイスありがとう。とてもためになる
>>225
な。イケメンだにゃー
>>226
良心のある方がここにも
>>227
鬱っぽくなるよなあ胸糞注意だよなどうやると鬱らないんだろうね
そこまで出来たらあとはスレを立てるだけだながんばれ(棒)
>>228
需要はあるんじゃないかな特定層とかに(棒)
ゼロなら何故こうなったのか、こっちの安価を振り返った>>1が泣く
>>230
不肖>>1めは申し開きもございませんのことよ
>>231
おまたせー……してます
>>232
ほしゅありですよ
>>233
がっつり暗部絡みなら15巻らへんの話かな
季節感ないけどこのSSまだ夏やすみじゃん。がんばってみたい。がんばって、うん。がんばる
>>234
大変お待たせしていた>>1です
>>235
すいません
二期の頃の盛り上がりを思えば確かに今は穏やかだけど三期が来たら再沸しないかな。三期まだ諦めてないよまだ。動く未元物質と垣根みたいぞ
>>236
すいませんすいません
なかったことにしてもいいんだけど書いてしまった。もったいないからそっちはそっちで活用するね
よかったな垣根あいされてんなかきね
>>237
1のパターンが読まれている……だと……
いや、今回は長かった。スレにきたけど投下はしてないからと>>1は>>1は反省してみたり
>>238
ご心配をおかけしました
>>239
大丈夫だ。やめるときはhtml化だっけお願いして落とす宣言するから。>>1だって黙って落としたくはないぎりぎりなときあるけど
>>240
ありがとう。フォローしてもらってすまない
299: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 23:08:02.17:kzjStP0s0 (22/23)
>>250
乙ありー!ありがとうがんばりますことよ
>>251
字面もキャラも一番面白いのは一方さんだと思ったんでやってもらった!
>>252
そんな感じ!一方さんの勘違い。わかりづらくてすまんね
関西弁デフォな青ピと、つっちーの分担が逆だったらこうはならなかった
メインは垣根と愉快な仲間たちなんだけど1が妄想を書き散らすスレでもある……スマヌ、スマヌ
>>253
ごめんちょっと怖すぎていろいろ吹っ飛ばされた。何その恐怖の権化極道な第四位。アネリ付き浜面でも勝てるのかそれは
>>254
それは一方弁とか言うンですかァ?
>>255
ミコッちゃんは何がいいかね
御坂(関西)「ビリビリ言わんといて! うちは御坂美琴ゆーんやっ!!」
関西弁だとこんな感じ?
方言変換のサイトに禁書の名言打ち込むと楽しいよ
>>256
すいませんすいません、すいません
キレた麦野みたいに言って貰ってもいいですか
>>257
こいつはドーモ
かわいいAAもドーモ
>>258
保守ありですの
>>270
乙ありー!それっぽいって何っぽいんだ
なんだそりゃって読み返したらたしかになんか痴話喧嘩だったw大丈夫だゴーグルはロリショタじゃないし青ピも2D美少女じゃないから
>>271
垣根は二人の心の中に居ましたよ
>>272
ありがとうそう言ってもらえると長文でもほっとする
虹嫁の包容力の話ですよ>電話
安価は進捗かな?次かな?
次回投下で200、その後201。222はまだだから間に本筋が入る(予定)
500くらいいったらまたやるかその辺で考える。一年またぐのが先かどうかヒヤヒヤ
>>273
乙ありです
某スレとはどこのことでしょうかと>>1は気にしつつ、ほのぼのですかええ何しろまだ八月ですからねとメタな発言をかまします
ドーモ
とりあえず前々回前回レスでまたな
お前ら本当にホモが好きか好きだな好きですね三段活用
予定では次がお待ちかねのホモ安価ですけどたぶん幻想はブチ殺す
>>250
乙ありー!ありがとうがんばりますことよ
>>251
字面もキャラも一番面白いのは一方さんだと思ったんでやってもらった!
>>252
そんな感じ!一方さんの勘違い。わかりづらくてすまんね
関西弁デフォな青ピと、つっちーの分担が逆だったらこうはならなかった
メインは垣根と愉快な仲間たちなんだけど1が妄想を書き散らすスレでもある……スマヌ、スマヌ
>>253
ごめんちょっと怖すぎていろいろ吹っ飛ばされた。何その恐怖の権化極道な第四位。アネリ付き浜面でも勝てるのかそれは
>>254
それは一方弁とか言うンですかァ?
>>255
ミコッちゃんは何がいいかね
御坂(関西)「ビリビリ言わんといて! うちは御坂美琴ゆーんやっ!!」
関西弁だとこんな感じ?
方言変換のサイトに禁書の名言打ち込むと楽しいよ
>>256
すいませんすいません、すいません
キレた麦野みたいに言って貰ってもいいですか
>>257
こいつはドーモ
かわいいAAもドーモ
>>258
保守ありですの
>>270
乙ありー!それっぽいって何っぽいんだ
なんだそりゃって読み返したらたしかになんか痴話喧嘩だったw大丈夫だゴーグルはロリショタじゃないし青ピも2D美少女じゃないから
>>271
垣根は二人の心の中に居ましたよ
>>272
ありがとうそう言ってもらえると長文でもほっとする
虹嫁の包容力の話ですよ>電話
安価は進捗かな?次かな?
次回投下で200、その後201。222はまだだから間に本筋が入る(予定)
500くらいいったらまたやるかその辺で考える。一年またぐのが先かどうかヒヤヒヤ
>>273
乙ありです
某スレとはどこのことでしょうかと>>1は気にしつつ、ほのぼのですかええ何しろまだ八月ですからねとメタな発言をかまします
ドーモ
とりあえず前々回前回レスでまたな
お前ら本当にホモが好きか好きだな好きですね三段活用
予定では次がお待ちかねのホモ安価ですけどたぶん幻想はブチ殺す
300: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/19(金) 23:17:05.50:kzjStP0s0 (23/23)
あぶないあぶない
>>252ちゃんのみたがってた『スクール』の武勇伝
>>249の続きなのですよー!
コピペサボってるのは見逃して欲しいのです。でないとゴーグルちゃんがうっとおしいことになるのですよ
垣根「『スクール』だ」
ゴーグル「お願いします!」
心理定規「……リーダーいつものやってあげて」
垣根「おう。聞きたいか? 俺の武勇伝」
ゴーグル「そのすごい武勇伝をゆったげて!」
垣根「俺の伝説ベストテン」
心理定規「…れっつごー」
ゴーグル「武勇伝武勇伝、武勇でんでんででんでん」
心理定規「れっつごー」
垣根「手ぶらで暗部の仕事いく」
ゴーグル「すごい荷物係がちゃんといる」
垣根「行列あっても並ばねえ」
ゴーグル「はい! 俺と下っ端で代わりに待機!」
垣根「雨が降っても傘はいらねえ」
ゴーグル「すごい翼があるから濡れません!」
垣根「ス◯バの注文めんどくせえな」
ゴーグル「すごい!『いつもの』でトッピング追加されてる!」
垣根「電車は滅多に使わねえ」
ゴーグル「えっ、自動改札に喧嘩売ってる?!」
垣根「意味はねえけどムカついたから、割り箸あるだけ割っといた」
ゴーグル「武勇伝武勇伝武勇でんでんででんでん」
バッサァ
ゴーグル「すごいっスよ。垣根さんすご過ぎっスよ! なんでそんなにかっこいいんスか? 教えてほしいっス!!」
垣根「しゃらくせえ」
ゴーグル「ぎゃあ! い、いきなり蹴ることないじゃないスか?」
垣根「そんなもん、言葉にした瞬間に色あせちまうだろうが!」
ゴーグル「かっこいーっ!」
バッサァ
ゴーグル「原作全然出番はないけど」
垣根「まだまだ活動終わらねえ」
心理定規「…ぺけぽん」
あぶないあぶない
>>252ちゃんのみたがってた『スクール』の武勇伝
>>249の続きなのですよー!
コピペサボってるのは見逃して欲しいのです。でないとゴーグルちゃんがうっとおしいことになるのですよ
垣根「『スクール』だ」
ゴーグル「お願いします!」
心理定規「……リーダーいつものやってあげて」
垣根「おう。聞きたいか? 俺の武勇伝」
ゴーグル「そのすごい武勇伝をゆったげて!」
垣根「俺の伝説ベストテン」
心理定規「…れっつごー」
ゴーグル「武勇伝武勇伝、武勇でんでんででんでん」
心理定規「れっつごー」
垣根「手ぶらで暗部の仕事いく」
ゴーグル「すごい荷物係がちゃんといる」
垣根「行列あっても並ばねえ」
ゴーグル「はい! 俺と下っ端で代わりに待機!」
垣根「雨が降っても傘はいらねえ」
ゴーグル「すごい翼があるから濡れません!」
垣根「ス◯バの注文めんどくせえな」
ゴーグル「すごい!『いつもの』でトッピング追加されてる!」
垣根「電車は滅多に使わねえ」
ゴーグル「えっ、自動改札に喧嘩売ってる?!」
垣根「意味はねえけどムカついたから、割り箸あるだけ割っといた」
ゴーグル「武勇伝武勇伝武勇でんでんででんでん」
バッサァ
ゴーグル「すごいっスよ。垣根さんすご過ぎっスよ! なんでそんなにかっこいいんスか? 教えてほしいっス!!」
垣根「しゃらくせえ」
ゴーグル「ぎゃあ! い、いきなり蹴ることないじゃないスか?」
垣根「そんなもん、言葉にした瞬間に色あせちまうだろうが!」
ゴーグル「かっこいーっ!」
バッサァ
ゴーグル「原作全然出番はないけど」
垣根「まだまだ活動終わらねえ」
心理定規「…ぺけぽん」
301:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/20(土) 00:34:59.09:yOuiCVwWo (1/1)
心理定規のぺけぽんで俺の腹筋に会心の一撃!
>>273の某スレってのは
垣根「世界が悪意で溢れても」の事じゃあないかな?
心理定規のぺけぽんで俺の腹筋に会心の一撃!
>>273の某スレってのは
垣根「世界が悪意で溢れても」の事じゃあないかな?
302:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/20(土) 07:49:18.82:EHAR3zgb0 (1/1)
>垣根「雨が降っても傘はいらねえ」
>ゴーグル「すごい翼があるから濡れません!」
翼と水滴を煌めかせながら雨の街を歩くホスト
面白さを通り越してある種の神々しさすら感じそう
>垣根「雨が降っても傘はいらねえ」
>ゴーグル「すごい翼があるから濡れません!」
翼と水滴を煌めかせながら雨の街を歩くホスト
面白さを通り越してある種の神々しさすら感じそう
303:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/20(土) 08:52:59.62:VZUkczkYO (1/2)
>>294-297
おまいらのおかげでホモごっこのコピペ思い出したぞどうしてくれる
>>294-297
おまいらのおかげでホモごっこのコピペ思い出したぞどうしてくれる
304:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/20(土) 08:54:20.19:VZUkczkYO (2/2)
乙
帰ってきたのにびびってドア閉めちゃう垣根かわいすぎか
でも心理定規サービスしすぎ?フラグ勃った?
乙
帰ってきたのにびびってドア閉めちゃう垣根かわいすぎか
でも心理定規サービスしすぎ?フラグ勃った?
305: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/21(日) 00:38:19.31:jCisfFMW0 (1/1)
取り急ぎ
>>301
あーあそこか!ありがとう
シリアス暗部いいよなあ!かっこいいし
最近みなかったからちょっと心配してたけど生存報告きてたのか。よかった
ゴーグルは…かっこ良かったよな
頂点さんレベル5ブースターとかありませんかね。メルヘンブースターなんて贅沢言いませんから
キャラ別Bの腕時計みたいなデザインきらいじゃない
取り急ぎ
>>301
あーあそこか!ありがとう
シリアス暗部いいよなあ!かっこいいし
最近みなかったからちょっと心配してたけど生存報告きてたのか。よかった
ゴーグルは…かっこ良かったよな
頂点さんレベル5ブースターとかありませんかね。メルヘンブースターなんて贅沢言いませんから
キャラ別Bの腕時計みたいなデザインきらいじゃない
306:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/22(月) 17:22:30.91:V/jS1NtDO (1/1)
乙
ここみた後に出てきたマンガの広告がギャルと地味なオタクが付き合うなんてーなやつでなんかドキッとした
乙
ここみた後に出てきたマンガの広告がギャルと地味なオタクが付き合うなんてーなやつでなんかドキッとした
307:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/23(火) 13:00:48.52:3dLX9NzpO (1/1)
心理定規がメッチャかわいいんだけど
垣根とはイチャつかないのか
心理定規がメッチャかわいいんだけど
垣根とはイチャつかないのか
308:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/23(火) 15:03:27.18:5/rSleNAo (1/1)
逆に考えるんだ。好きだからこそいちゃつけないと考えるんだ。
逆に考えるんだ。好きだからこそいちゃつけないと考えるんだ。
309:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/24(水) 14:29:19.22:PWNFgseNO (1/1)
おまえら雑談もほどほどにな
おれは帝春も好きです
おまえら雑談もほどほどにな
おれは帝春も好きです
310: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/26(金) 00:29:05.99:JnvHKwgO0 (1/2)
ドーモ
レスと報告
>>294
大丈夫だなんかのネタにはなる問題ない
心理定規が言っていた。相手からイニシアチブぶんどるのに年齢性別問題ないと
もし心理定規≒垣根であの反応だったら、後の安価分で阿鼻叫喚地獄絵図ですわ
>>295
そうですね。おまけにミニスカですよ
>>296
君も眼鏡の度があってないのかな?(近視)
>>297
しばらく悩んじゃった。「ただの」か
>>302
垣根「かっこいーだろ? メルヘンだぜぇ?」
>>303
電車の中でWカップルのやつかね
>>304
「よくわからんけど修羅場っぽい」状況で構わずはいってきちゃうのは超能力者でも麦野と削板くらいだとおもう
定規ちゃんは格下相手になめてたらちょっと反撃されたんで仕返しをですね
って良くしつけられた予測変換ですね
>>306
それっぽいのみかけて調べたらタイトルずばり3D彼女でびびった
>>307
かわいい心理定規大好きだけど、出来る女っぽいクールなのも好きでついツンクールになてしまう
>>308
おんなごころってむずかしいのな
>>309
別に気にせず雑談してくれ。1は投下ん時に顔だすくらいだけど
埋め立てる勢いじゃなきゃ全然。保守代わりにもなるしね
安価>>200が28日以降になりそうなので一応
本文をあぶり出しで投下、どうやってもレス数が過去最多になりそうなので読みづらさを含め事前報告しておきます
モブのダサ良い名前が無事ついたのでひとあんしん
ドーモ
レスと報告
>>294
大丈夫だなんかのネタにはなる問題ない
心理定規が言っていた。相手からイニシアチブぶんどるのに年齢性別問題ないと
もし心理定規≒垣根であの反応だったら、後の安価分で阿鼻叫喚地獄絵図ですわ
>>295
そうですね。おまけにミニスカですよ
>>296
君も眼鏡の度があってないのかな?(近視)
>>297
しばらく悩んじゃった。「ただの」か
>>302
垣根「かっこいーだろ? メルヘンだぜぇ?」
>>303
電車の中でWカップルのやつかね
>>304
「よくわからんけど修羅場っぽい」状況で構わずはいってきちゃうのは超能力者でも麦野と削板くらいだとおもう
定規ちゃんは格下相手になめてたらちょっと反撃されたんで仕返しをですね
って良くしつけられた予測変換ですね
>>306
それっぽいのみかけて調べたらタイトルずばり3D彼女でびびった
>>307
かわいい心理定規大好きだけど、出来る女っぽいクールなのも好きでついツンクールになてしまう
>>308
おんなごころってむずかしいのな
>>309
別に気にせず雑談してくれ。1は投下ん時に顔だすくらいだけど
埋め立てる勢いじゃなきゃ全然。保守代わりにもなるしね
安価>>200が28日以降になりそうなので一応
本文をあぶり出しで投下、どうやってもレス数が過去最多になりそうなので読みづらさを含め事前報告しておきます
モブのダサ良い名前が無事ついたのでひとあんしん
311: ◆q7l9AKAoH.:2015/06/26(金) 00:33:52.46:JnvHKwgO0 (2/2)
>>303
ググるついでに改変したけど
ネタはこれでいいんでせうか
『スクール』でコピペ改変
ゴーグル:組織のやつらとホモごっこで盛り上がってたら垣根さんがそれっぽく「挿れてもいいんだぜ?」って俺の膝に乗って肩に腕回して
抱きつきながら言ったんだけど、
俺が「垣根さんいつももっと切羽詰って言うじゃないスかw」って返したせいで今周辺の空気がデカイ任務中みたいになっててヤバい
何より笑いが取れなかった垣根さんの無表情がヤバい
『超能力』でコピペ改変
垣根:超能力者でホモごっこしてたら一方通行がそれっぽく「やだァ早く挿れてェ」って俺の膝に乗って肩に腕回して
抱きつきながら言ってきたんだけど、
俺が「お前いつももっと上手にねだれるだろ?」って返したせいで今麦野が大爆笑しててすげーうるさい
何よりこっちを見てる食蜂の笑顔がヤバい。こっちにリモコン向けたら容赦しねえぞ
>>303
ググるついでに改変したけど
ネタはこれでいいんでせうか
『スクール』でコピペ改変
ゴーグル:組織のやつらとホモごっこで盛り上がってたら垣根さんがそれっぽく「挿れてもいいんだぜ?」って俺の膝に乗って肩に腕回して
抱きつきながら言ったんだけど、
俺が「垣根さんいつももっと切羽詰って言うじゃないスかw」って返したせいで今周辺の空気がデカイ任務中みたいになっててヤバい
何より笑いが取れなかった垣根さんの無表情がヤバい
『超能力』でコピペ改変
垣根:超能力者でホモごっこしてたら一方通行がそれっぽく「やだァ早く挿れてェ」って俺の膝に乗って肩に腕回して
抱きつきながら言ってきたんだけど、
俺が「お前いつももっと上手にねだれるだろ?」って返したせいで今麦野が大爆笑しててすげーうるさい
何よりこっちを見てる食蜂の笑顔がヤバい。こっちにリモコン向けたら容赦しねえぞ
312:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/26(金) 01:23:40.77:WL9zEGJAO (1/1)
みさきち腐女子疑惑ww
クッソワロタwwww
みさきち腐女子疑惑ww
クッソワロタwwww
313:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/26(金) 15:53:58.05:lwCz4qiT0 (1/1)
みさきちwwww
この場に御坂さんいたらどうなってたのだろうか
みさきちwwww
この場に御坂さんいたらどうなってたのだろうか
314:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/26(金) 20:44:09.72:oAn/qenYo (1/1)
顔真っ赤にして目を手で覆う(指の隙間から覗く)んじゃない?
顔真っ赤にして目を手で覆う(指の隙間から覗く)んじゃない?
315:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/27(土) 18:21:11.55:6H+HHBK5O (1/1)
みさきちわろたwwww
SSもだけどこういうちょっとしたネタすきだわ
また楽しみにしてる
みさきちわろたwwww
SSもだけどこういうちょっとしたネタすきだわ
また楽しみにしてる
316:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/29(月) 22:03:37.87:Dk2XOFmwO (1/1)
もう29日だよ>>1
もう29日だよ>>1
317:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/29(月) 23:04:26.68:dRd7G9W1o (1/1)
28日以降(6月とは言っていない)
SSは待ち難きを待ち・・・忍び難きを忍ぶ事だと昭和天皇もおっしゃっていたよ。
28日以降(6月とは言っていない)
SSは待ち難きを待ち・・・忍び難きを忍ぶ事だと昭和天皇もおっしゃっていたよ。
318:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/07/01(水) 15:26:07.35:NpRwQ9Jy0 (1/1)
SSでのみさきちって腐ってること多い気がしないでもない
HTML化されなければいくらでも待てる
むしろHTML化されてもずっと待ってる、ずっとずっとずっといつまでも…
エタって数年経つようないくつもの垣根スレだっていつかは再開するはずだからずっと待ってるんだよ……(ハイライトoff
SSでのみさきちって腐ってること多い気がしないでもない
HTML化されなければいくらでも待てる
むしろHTML化されてもずっと待ってる、ずっとずっとずっといつまでも…
エタって数年経つようないくつもの垣根スレだっていつかは再開するはずだからずっと待ってるんだよ……(ハイライトoff
319:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/07/01(水) 21:38:27.55:HdPs7ZKRo (1/1)
そうだよ(便乗)
待てばこのSSも愉快な仲間たちシリーズもいつかは復活するんだよ(ガンギマリ)
そうだよ(便乗)
待てばこのSSも愉快な仲間たちシリーズもいつかは復活するんだよ(ガンギマリ)
320: ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 00:42:10.74:uW//TFY30 (1/36)
ドーモ
まず前回のコピペ改変ですが。えーと垣根が好きな人には「者」がちゃんと見えているはずですね1にはみえます。嘘です
脳内補完をおねがいします
そしてこっから>>200の安価分を投下します
特殊ネタなので
あぶり出しsage投稿ですよろしく
ながくて辛い
ドーモ
まず前回のコピペ改変ですが。えーと垣根が好きな人には「者」がちゃんと見えているはずですね1にはみえます。嘘です
脳内補完をおねがいします
そしてこっから>>200の安価分を投下します
特殊ネタなので
あぶり出しsage投稿ですよろしく
ながくて辛い
321: ◆bdfKbGMUnwwb:2015/07/02(木) 00:46:50.99:uW//TFY30 (2/36)
ザリザリと何かが擦れる音がしていた。
不愉快だ、と垣根は雑音に眉をひそめた。
開きかけたまぶたはまだ重かった。
頭も鈍い痛みがある。
体にかかる怠い重さと不快感から逃れるため彼は目を閉じようとしたが。
視界の端に映ったきらめきが垣根にそれを許さない。
光源は光を照り返したナイフだった。
危機感が鈍った感覚に警鐘を鳴らす。
垣根はそこでようやく「なにかおかしい」と感じることが出来た。
「やっべぇ。縛る前に上剥いとけばよかったんじゃね? 腕抜けないじゃん。服切る? え、それならやっぱ起きてからしたいんだけどイイ?」
「お前ほんと頭わりーなー。 つか脱がす必要あんのー?」
「なんかさあ刃がゼンゼン通んないんだわスパっとイカねえ。ナニコレ何製? 新種の超合金シャツ?」
「ここに運んできて裸じゃねえやつとか新鮮な。逆に」
近くでは緊張感のない声が次々と上がっていた。
遮音性の高いイヤホンを耳に挿したまま外の音を拾った時のように、聞こえづらいぼんやりとした音声が垣根の耳に届く。
沈みかけた意識を引き上げると。
彼はまだはっきりとはしない視界で辺りを見回した。
うつむき気味の姿勢のまま、静かに視線をめぐらせ状況を確認していく。
どうやら、垣根は椅子に座らされているようだった。
腕は更にその後ろで縛られてでもいるのか。動かせそうになかった。
今まで気絶していたのか。それとも眠らされていたのか。
どちらにしても随分と舐めた真似をされたものだ。
目がさめる前は……どうしていたか。
確か、喫茶店でコーヒーを注文した。
口をつけた記憶はなかったから運ばれてくる前に何かされたのか。
そうして思い返し思案する垣根の視界が大きく揺れる。吐き気をもよおす程の強いめまいが襲う。
おまけに頭もひどく痛むせいか、考えが思うようにまとまらない。
能力の使用に必要な演算に集中する以前の問題があるように感じられた。
まるで、考えると言う作業そのものが、のしかかる重い痛みに端からすり潰されていくようだった。
ザリザリと何かが擦れる音がしていた。
不愉快だ、と垣根は雑音に眉をひそめた。
開きかけたまぶたはまだ重かった。
頭も鈍い痛みがある。
体にかかる怠い重さと不快感から逃れるため彼は目を閉じようとしたが。
視界の端に映ったきらめきが垣根にそれを許さない。
光源は光を照り返したナイフだった。
危機感が鈍った感覚に警鐘を鳴らす。
垣根はそこでようやく「なにかおかしい」と感じることが出来た。
「やっべぇ。縛る前に上剥いとけばよかったんじゃね? 腕抜けないじゃん。服切る? え、それならやっぱ起きてからしたいんだけどイイ?」
「お前ほんと頭わりーなー。 つか脱がす必要あんのー?」
「なんかさあ刃がゼンゼン通んないんだわスパっとイカねえ。ナニコレ何製? 新種の超合金シャツ?」
「ここに運んできて裸じゃねえやつとか新鮮な。逆に」
近くでは緊張感のない声が次々と上がっていた。
遮音性の高いイヤホンを耳に挿したまま外の音を拾った時のように、聞こえづらいぼんやりとした音声が垣根の耳に届く。
沈みかけた意識を引き上げると。
彼はまだはっきりとはしない視界で辺りを見回した。
うつむき気味の姿勢のまま、静かに視線をめぐらせ状況を確認していく。
どうやら、垣根は椅子に座らされているようだった。
腕は更にその後ろで縛られてでもいるのか。動かせそうになかった。
今まで気絶していたのか。それとも眠らされていたのか。
どちらにしても随分と舐めた真似をされたものだ。
目がさめる前は……どうしていたか。
確か、喫茶店でコーヒーを注文した。
口をつけた記憶はなかったから運ばれてくる前に何かされたのか。
そうして思い返し思案する垣根の視界が大きく揺れる。吐き気をもよおす程の強いめまいが襲う。
おまけに頭もひどく痛むせいか、考えが思うようにまとまらない。
能力の使用に必要な演算に集中する以前の問題があるように感じられた。
まるで、考えると言う作業そのものが、のしかかる重い痛みに端からすり潰されていくようだった。
322:こうか? >>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 00:56:44.29:uW//TFY30 (3/36)
見える範囲に男が三人。
一人は垣根の前に屈み、折りたたみ式のナイフをチラつかせていた。
残りも若い男だ。いずれも大学生くらいの同年代に見えた。
だがいかにも不良を絵に描いたような、路地裏のスキルアウトとは少し違う印象だった。
服装も雰囲気も全員バラバラだが。
身綺麗だった。
いい服に時間と金を割くだけの余裕があるのだろう。
そして。
服や香水だけでは隠しがたい汚臭がした。
軽蔑すべきクソ野郎に共通した、濁った臭いだ。
どうやら垣根がいるのはどこか建物の中らしい。
薄暗い部屋の中では時間も場所もはっきりしない。
床も壁も打ちっ放しのコンクリート。
生活感のない室内は清潔さには程遠かった。
埃っぽく湿った空気に、垣根は舌打とうとして。
更なる違和感に気付かされた。
「あー? こいつやっと起きたんじゃねー?」
「おい、お目覚めだって。はじめんぞ支度しろ」
好き勝手喋っていた男たちが垣根に注目し、ドアの開く音がした。
どうやら垣根の背後からもう一人、歩いてきたらしい。
カツコツとひときわ硬い靴音が床を叩く。
手には小型のハンディカメラを持っていた。
垣根の前まで回りこむと、そいつは神経質そうに眼鏡のフレームに手を伸ばした。
「これで……映ってんのかと。今時旧世代のビデオとかどんだけアナログかと。マニアックだと」
「今度の客はテープでねーと嫌なんだとー。デジタルデータは幾らでもコピーも修正も効くからとかなんとかー。
でも能力者マトにしてわざわざつかまえてくんだからすげーよなー」
「コイツのために店ごとやったんだし……おお、すっげ! なぁやっぱりオレらニュースになってんじゃん。やっべぇの」
ナイフを畳むと男は、いじっていたスマートフォンの音量を上げた。
横向きの画面の中にはネットニュースの動画が流れている。
見える範囲に男が三人。
一人は垣根の前に屈み、折りたたみ式のナイフをチラつかせていた。
残りも若い男だ。いずれも大学生くらいの同年代に見えた。
だがいかにも不良を絵に描いたような、路地裏のスキルアウトとは少し違う印象だった。
服装も雰囲気も全員バラバラだが。
身綺麗だった。
いい服に時間と金を割くだけの余裕があるのだろう。
そして。
服や香水だけでは隠しがたい汚臭がした。
軽蔑すべきクソ野郎に共通した、濁った臭いだ。
どうやら垣根がいるのはどこか建物の中らしい。
薄暗い部屋の中では時間も場所もはっきりしない。
床も壁も打ちっ放しのコンクリート。
生活感のない室内は清潔さには程遠かった。
埃っぽく湿った空気に、垣根は舌打とうとして。
更なる違和感に気付かされた。
「あー? こいつやっと起きたんじゃねー?」
「おい、お目覚めだって。はじめんぞ支度しろ」
好き勝手喋っていた男たちが垣根に注目し、ドアの開く音がした。
どうやら垣根の背後からもう一人、歩いてきたらしい。
カツコツとひときわ硬い靴音が床を叩く。
手には小型のハンディカメラを持っていた。
垣根の前まで回りこむと、そいつは神経質そうに眼鏡のフレームに手を伸ばした。
「これで……映ってんのかと。今時旧世代のビデオとかどんだけアナログかと。マニアックだと」
「今度の客はテープでねーと嫌なんだとー。デジタルデータは幾らでもコピーも修正も効くからとかなんとかー。
でも能力者マトにしてわざわざつかまえてくんだからすげーよなー」
「コイツのために店ごとやったんだし……おお、すっげ! なぁやっぱりオレらニュースになってんじゃん。やっべぇの」
ナイフを畳むと男は、いじっていたスマートフォンの音量を上げた。
横向きの画面の中にはネットニュースの動画が流れている。
323:よしよし >>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:03:44.68:uW//TFY30 (4/36)
今日の夕方、第五学区の喫茶店で薬品の流出事故があったと報じられていた。
バイク便のドライバーが荷物の受け渡しを店内で行った際に薬品の梱包に不備があることを荷受人が発見し、その場で中身の無事を確認した。
その際、容器内の高濃度の麻酔ガスが漏れ出し当時店内に居た従業員、客を含めた一二人が昏倒。
その後周辺の通行人が異変に気付き警備員に通報したため、被害は調理場で火にかかっていた鍋が焦げた程度。
幸いにも重症者や火災、関連した事故の発生には繋がっていないと言う。
荷受人は「中身がなにかは知っていたがまさか開けただけでこんなことになるとは思いもしなかった。本当に予想外の事故だった」と繰り返しそれだけをコメント。
安全管理の欠如、管理者の怠慢だとアナウンサーが淡々と語っていた。
その時店内の一人が、それも超能力者がそんな騒動の陰に隠れて連れ出されたことは。
きっと誰も知らない。
状況をひとつひとつ、ゆっくりと噛み砕くようにしていきながらも垣根は落ち着いていた。
気付いたら拘束されて知らない場所に居て。普通ならパニックになりそうなものだが、
「何でこんなことに?!」なんて、ありがちな第一声も垣根にはふさわしくなかった。
取り乱す暇があったら、ほかのことに頭を使う方がましだろう。
彼の身上ではこの状況を引き起こしそうな理由が嫌と言うほどあった。
何しろ暗部組織に所属する超能力者だ。
目的も金目当ての誘拐、交渉用の人質、下らない私刑。おかしな実験のモルモットに、なんてのもありそうだった。
そして敵になりそうな相手も多い。
下らない実験を蹴ってやった研究機関、鼻で笑ってやった研究者個人、情報を掠め取ろうとするブローカー、格下の能力者、群れるしか能のない武装無能力者ども。
潰した相手の数もいちいち覚えていない。
恨みを買うことなど気にもしていない。
垣根にはその全てを真正面から打ち払える自負があった。
その点では、搦め手で来られた今回は少しばかり慢心していたと言えるかもしれないが。
何よりそれ自身が学園都市の抱える最高クラスの実験成果。生きた傑作の超能力者だ。
垣根の身に何か――起きることの方が難しそうだが――あれば、その損失はどれほどのものになるのか。
それを防ぐ意味でも、垣根には不本意ながらいくつか後ろ盾として機能するものもあった。
そんな相手におかしな真似をして、タダですまないことくらい考えなくてもまずわかりそうなものだが。
負けることがわかりきっていても向かってくる者も中にはいる。
目の前の状況を見る限り、残念ながら学園都市にはそんな馬鹿も多いようだ。
今日の夕方、第五学区の喫茶店で薬品の流出事故があったと報じられていた。
バイク便のドライバーが荷物の受け渡しを店内で行った際に薬品の梱包に不備があることを荷受人が発見し、その場で中身の無事を確認した。
その際、容器内の高濃度の麻酔ガスが漏れ出し当時店内に居た従業員、客を含めた一二人が昏倒。
その後周辺の通行人が異変に気付き警備員に通報したため、被害は調理場で火にかかっていた鍋が焦げた程度。
幸いにも重症者や火災、関連した事故の発生には繋がっていないと言う。
荷受人は「中身がなにかは知っていたがまさか開けただけでこんなことになるとは思いもしなかった。本当に予想外の事故だった」と繰り返しそれだけをコメント。
安全管理の欠如、管理者の怠慢だとアナウンサーが淡々と語っていた。
その時店内の一人が、それも超能力者がそんな騒動の陰に隠れて連れ出されたことは。
きっと誰も知らない。
状況をひとつひとつ、ゆっくりと噛み砕くようにしていきながらも垣根は落ち着いていた。
気付いたら拘束されて知らない場所に居て。普通ならパニックになりそうなものだが、
「何でこんなことに?!」なんて、ありがちな第一声も垣根にはふさわしくなかった。
取り乱す暇があったら、ほかのことに頭を使う方がましだろう。
彼の身上ではこの状況を引き起こしそうな理由が嫌と言うほどあった。
何しろ暗部組織に所属する超能力者だ。
目的も金目当ての誘拐、交渉用の人質、下らない私刑。おかしな実験のモルモットに、なんてのもありそうだった。
そして敵になりそうな相手も多い。
下らない実験を蹴ってやった研究機関、鼻で笑ってやった研究者個人、情報を掠め取ろうとするブローカー、格下の能力者、群れるしか能のない武装無能力者ども。
潰した相手の数もいちいち覚えていない。
恨みを買うことなど気にもしていない。
垣根にはその全てを真正面から打ち払える自負があった。
その点では、搦め手で来られた今回は少しばかり慢心していたと言えるかもしれないが。
何よりそれ自身が学園都市の抱える最高クラスの実験成果。生きた傑作の超能力者だ。
垣根の身に何か――起きることの方が難しそうだが――あれば、その損失はどれほどのものになるのか。
それを防ぐ意味でも、垣根には不本意ながらいくつか後ろ盾として機能するものもあった。
そんな相手におかしな真似をして、タダですまないことくらい考えなくてもまずわかりそうなものだが。
負けることがわかりきっていても向かってくる者も中にはいる。
目の前の状況を見る限り、残念ながら学園都市にはそんな馬鹿も多いようだ。
324:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:07:52.59:uW//TFY30 (5/36)
「やばいのはこっからだろ」
「ハーイお客サマお名前なんだっけ? どれどれええっとカキネクン。え。コイツレベル5じゃん? やっべぇミンナ知ってた?」
次にメールアプリを開いていた男は仲間の前にそれを見せて歩いた。
何らかの標的のデータは最低限与えられているらしい。
それでも、超能力者と聞いても彼らの反応は大して変わらなかった。
大能力者以上はその力を兵器と比較されるくらいなのは有名だが。それにしたって拍子抜けするほど平然としている。
「アクセラレータとかレールガンは知ってっけどダークマター? ナニソレじゃね?」
「相手は情報だけでも値段が桁違いになる超能力者だと。暗部組織でアングラならマイナーってのも納得かと」
「それちゃんと効果あんのかー。事故るとやべーぞ。前みてーにボヤじゃ済まねーぞ」
「演算阻害装置は四台とも問題なく稼働中かと。薬も効いてる筈だと。搬送用の麻酔と運動機能の制限、それに加えて二種類投薬ずみだと」
カメラ役は片手で壁際に置かれた二台のスピーカーのようなものを示した。
この状態で確認はできないがおそらく垣根の背後にも同じようなものが設置されているのだろうと安易に想像がついた。
頭痛の原因はこれなのか、それとも何か投与されたと言う薬品の方か。まだ決まったわけではないが。
まず、普段通りには能力を使えない筈だと言うことを。
垣根は体の不調を通して体感していた。
「ちゃんとムショでも使われてるってイイヤツ借してもらってんだから。ヘーキっしょ」
「俺らはレベル低いから何ともねえよな。逆に」
「よおしじゃあカキネクン景気づけにカメラに向かって自己紹介オナシャース!」
バカにしたように騒ぐ男を垣根はただ睨みつけた。
いや。それしか出来ない。
体はまるで言うことを利かなかった。
立ち上がり、椅子を蹴り倒すことはもちろん。
目の前に並ぶクソ共の顔に唾を吐きかけることすら今は難しいだろう。
「やばいのはこっからだろ」
「ハーイお客サマお名前なんだっけ? どれどれええっとカキネクン。え。コイツレベル5じゃん? やっべぇミンナ知ってた?」
次にメールアプリを開いていた男は仲間の前にそれを見せて歩いた。
何らかの標的のデータは最低限与えられているらしい。
それでも、超能力者と聞いても彼らの反応は大して変わらなかった。
大能力者以上はその力を兵器と比較されるくらいなのは有名だが。それにしたって拍子抜けするほど平然としている。
「アクセラレータとかレールガンは知ってっけどダークマター? ナニソレじゃね?」
「相手は情報だけでも値段が桁違いになる超能力者だと。暗部組織でアングラならマイナーってのも納得かと」
「それちゃんと効果あんのかー。事故るとやべーぞ。前みてーにボヤじゃ済まねーぞ」
「演算阻害装置は四台とも問題なく稼働中かと。薬も効いてる筈だと。搬送用の麻酔と運動機能の制限、それに加えて二種類投薬ずみだと」
カメラ役は片手で壁際に置かれた二台のスピーカーのようなものを示した。
この状態で確認はできないがおそらく垣根の背後にも同じようなものが設置されているのだろうと安易に想像がついた。
頭痛の原因はこれなのか、それとも何か投与されたと言う薬品の方か。まだ決まったわけではないが。
まず、普段通りには能力を使えない筈だと言うことを。
垣根は体の不調を通して体感していた。
「ちゃんとムショでも使われてるってイイヤツ借してもらってんだから。ヘーキっしょ」
「俺らはレベル低いから何ともねえよな。逆に」
「よおしじゃあカキネクン景気づけにカメラに向かって自己紹介オナシャース!」
バカにしたように騒ぐ男を垣根はただ睨みつけた。
いや。それしか出来ない。
体はまるで言うことを利かなかった。
立ち上がり、椅子を蹴り倒すことはもちろん。
目の前に並ぶクソ共の顔に唾を吐きかけることすら今は難しいだろう。
325:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:10:52.31:uW//TFY30 (6/36)
「はいムリー! ですよねえってことで今日はお薬バッチなんで寂しく撮影スタートでえす」
「平気かー? 前効きすぎて呼吸止まった餓鬼いたろー」
「男と女は体格も効きも違うのだと。時間差でまた打つ。レベルの高い能力者には慎重になるべきかと……
それにあの子は弛緩剤の舌根沈下じゃなく別の薬が体質的に……」
「おーいDここカットで! ハッチャン泣かしてんじゃん? ヘイカメラ、こっちパース」
突然顔を背けた仲間からカメラを受け取ると、次の撮影係はハイテンションで寄ってきた。
あちこち遠慮なくレンズを向けてくる。
「なんだーまた思い出し泣きー? 商品ダメにしたり出荷の度に泣いてたら将来卒業式とか来た日にゃ泣き死ぬんじゃねー?」
「どうせこう言う奴が社会に出ると真面目ないい先生とか言われるようになんだろ? 逆に。世の中怖えよな。
はっちゃんの日誌キモいぜ、ガキ一人ひとり出荷まで毎日つけてんの知ってっか」
「外野がウルセーナー、ゴメンナーカキネクン。オッケー見えてる? 聞こえてっかな? うん、目はさめてんね。今からオニーサン達と遊ぼおな?」
駄弁る仲間をよそにカメラと、ペンライトを持った男は垣根の両目を確かめていた。
垣根の顎を掴むと顔を上に、横に向かせ不満げな表情を至近距離でレンズにおさめる。
そして背中に手を回すと垣根の腕を縛りつけていたものをナイフで切った。
「ハーイ。じゃあなにか一言ヨロシク」
「は、ぁ……かはッ。くゥ、お……」
何か。
このタイミングなら。聞くに耐えないほどひどい言葉が口をついておかしくない筈だ。
だと言うのに。出てきたのは言葉にならない音だった。
まるで呂律が回っていない。
息をするにも苦しげな垣根の喉は、か細い声しか出せていなかった。
「はいムリー! ですよねえってことで今日はお薬バッチなんで寂しく撮影スタートでえす」
「平気かー? 前効きすぎて呼吸止まった餓鬼いたろー」
「男と女は体格も効きも違うのだと。時間差でまた打つ。レベルの高い能力者には慎重になるべきかと……
それにあの子は弛緩剤の舌根沈下じゃなく別の薬が体質的に……」
「おーいDここカットで! ハッチャン泣かしてんじゃん? ヘイカメラ、こっちパース」
突然顔を背けた仲間からカメラを受け取ると、次の撮影係はハイテンションで寄ってきた。
あちこち遠慮なくレンズを向けてくる。
「なんだーまた思い出し泣きー? 商品ダメにしたり出荷の度に泣いてたら将来卒業式とか来た日にゃ泣き死ぬんじゃねー?」
「どうせこう言う奴が社会に出ると真面目ないい先生とか言われるようになんだろ? 逆に。世の中怖えよな。
はっちゃんの日誌キモいぜ、ガキ一人ひとり出荷まで毎日つけてんの知ってっか」
「外野がウルセーナー、ゴメンナーカキネクン。オッケー見えてる? 聞こえてっかな? うん、目はさめてんね。今からオニーサン達と遊ぼおな?」
駄弁る仲間をよそにカメラと、ペンライトを持った男は垣根の両目を確かめていた。
垣根の顎を掴むと顔を上に、横に向かせ不満げな表情を至近距離でレンズにおさめる。
そして背中に手を回すと垣根の腕を縛りつけていたものをナイフで切った。
「ハーイ。じゃあなにか一言ヨロシク」
「は、ぁ……かはッ。くゥ、お……」
何か。
このタイミングなら。聞くに耐えないほどひどい言葉が口をついておかしくない筈だ。
だと言うのに。出てきたのは言葉にならない音だった。
まるで呂律が回っていない。
息をするにも苦しげな垣根の喉は、か細い声しか出せていなかった。
326:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:13:36.86:uW//TFY30 (7/36)
椅子に座らされたままだらんと手足を投げ出して。
顔をしかめるばかりの垣根に目の前の男はにやにや笑っていた。
「ああムリムリ。喋ると疲れるよ。さっき別のお薬も打ったからアタマもぼんやりすんだろ。手え動く? ムリ?
そうだよなあっちこっちダリィよなあ。やっべぇっしょ。ヘイヘイミナサマ主役は準備オッケーよ?」
重たそうに頭を垂れる垣根を囲んで男達は立っていた。
そのうち一人が、うんざりした顔で口を開いた。
「こいつこのままヤっちゃっていいんかー? ちゃんと眠剤抜けてんのかよ。今までで一番活きがねーぞ。ぶっかけっかー?」
隣の男に水の入ったペットボトルを振って見せた。
それに、その反対側にいた眼鏡が首を振る。
「室内を無駄に汚すなと。暴れない位が好都合だと。それにこんなでも、自分の置かれた状況を理解するくらいの頭はある筈だと。
そうでないとこの先の作業の意味がなくなるかと」
「まあカキネクンもわかると思うけど。イケナイバイトとかしてっとイラネー敵が出来んじゃん?
そんなオトモダチからやっべぇオシオキしてやってって話。ザンネンでしたあ」
「目を付けられた相手が悪かったって話だと。ここまで話よこしたのは学園都市の上層ってことらしいと」
「あー? オレどっかの研究所って聞いたぞー。サンプルをおとなしくしとけってんじゃねーのー? おかげでこっちもいい迷惑だよなー。
男回されてもよーたのしくねーよ」
「アホか。これで幾らになると思ってんだよ。前金だけでもガキさばくのの倍以上だぞ。カメラ回すだけで成功報酬いくらになんのか。
後から女なんか遊び放題だろ。感謝しねえと逆に。破格の超能力者様々ってよ」
露骨に報酬の話をし始めたところで、カメラのレンズを見た眼鏡が呆れた様に頭を振った。
「お前ら……全部撮ってるんだと。少しは口をつつしめと」
「イイじゃん。リアルなドキュメンタリーつうことで。お金でなんでもするオレらみたいなんでも、イイってオシゴトくるんだしさあ」
フレームを押さえてため息をつく眼鏡。
それに、
「今さらっしょ」とへらへらしながらカメラをもったままの男は垣根の前に屈んだ。
「今度のはズイブンおっきいコだけど。いつもの出荷用みたく色々仕込んどいたらボーナスでっかなあ」
「オイオイ逆だろ。余計なことはすんなって話。プライドたっかい能力者様をひでえ目に合わせんのが今回のコンセプトだろ。
こいつ楽しませてどうすんだ逆に」
「そこまで珍しくないかと。後々自分で手を掛けたいってやつは多いものだと」
椅子に座らされたままだらんと手足を投げ出して。
顔をしかめるばかりの垣根に目の前の男はにやにや笑っていた。
「ああムリムリ。喋ると疲れるよ。さっき別のお薬も打ったからアタマもぼんやりすんだろ。手え動く? ムリ?
そうだよなあっちこっちダリィよなあ。やっべぇっしょ。ヘイヘイミナサマ主役は準備オッケーよ?」
重たそうに頭を垂れる垣根を囲んで男達は立っていた。
そのうち一人が、うんざりした顔で口を開いた。
「こいつこのままヤっちゃっていいんかー? ちゃんと眠剤抜けてんのかよ。今までで一番活きがねーぞ。ぶっかけっかー?」
隣の男に水の入ったペットボトルを振って見せた。
それに、その反対側にいた眼鏡が首を振る。
「室内を無駄に汚すなと。暴れない位が好都合だと。それにこんなでも、自分の置かれた状況を理解するくらいの頭はある筈だと。
そうでないとこの先の作業の意味がなくなるかと」
「まあカキネクンもわかると思うけど。イケナイバイトとかしてっとイラネー敵が出来んじゃん?
そんなオトモダチからやっべぇオシオキしてやってって話。ザンネンでしたあ」
「目を付けられた相手が悪かったって話だと。ここまで話よこしたのは学園都市の上層ってことらしいと」
「あー? オレどっかの研究所って聞いたぞー。サンプルをおとなしくしとけってんじゃねーのー? おかげでこっちもいい迷惑だよなー。
男回されてもよーたのしくねーよ」
「アホか。これで幾らになると思ってんだよ。前金だけでもガキさばくのの倍以上だぞ。カメラ回すだけで成功報酬いくらになんのか。
後から女なんか遊び放題だろ。感謝しねえと逆に。破格の超能力者様々ってよ」
露骨に報酬の話をし始めたところで、カメラのレンズを見た眼鏡が呆れた様に頭を振った。
「お前ら……全部撮ってるんだと。少しは口をつつしめと」
「イイじゃん。リアルなドキュメンタリーつうことで。お金でなんでもするオレらみたいなんでも、イイってオシゴトくるんだしさあ」
フレームを押さえてため息をつく眼鏡。
それに、
「今さらっしょ」とへらへらしながらカメラをもったままの男は垣根の前に屈んだ。
「今度のはズイブンおっきいコだけど。いつもの出荷用みたく色々仕込んどいたらボーナスでっかなあ」
「オイオイ逆だろ。余計なことはすんなって話。プライドたっかい能力者様をひでえ目に合わせんのが今回のコンセプトだろ。
こいつ楽しませてどうすんだ逆に」
「そこまで珍しくないかと。後々自分で手を掛けたいってやつは多いものだと」
327:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:18:31.92:uW//TFY30 (8/36)
仲間うちで楽しげに、ゲスさのにじむおしゃべりをしていたかと思うと。
そのうち一人が垣根を振り返った。
「なー。まだ何されんのかわからねーって面してねーか。誰かこいつにちゃんと教えてやればー?」
「ああ、さっさとボコらねえから不安か? 今日はそっちじゃないらしいぜ。よかったな、ってそうでもねえのか。逆に」
意味ありげに、背の高い男が笑って見せた。
頭痛をこらえ、彼らの会話からなんとかつなぎ合わせておおよその状況は把握できても。
まるで事態が飲み込めていない垣根は眉を寄せる。
どこかの大馬鹿に金を詰まれたこの馬鹿共は。
厳重に能力者を拘束しただけで、まだ何もしていない。
一方的な制裁ショーでも始めるのかと言うのも違うらしい。
人質や何らかの材料として取引でもするつもりなのか。
こんな所に閉じ込める目的が見えてこなかった。
「今からレベル5のカキネクンを、オニーサン達でブチ犯しちゃいまあす。ちゃあんと動画も撮るよ?
まあ今日は四人いるんで、満足してもらえっかなあと思いまあす。つうことで? ヨロシク」
「やっぱ頭数にはいってんかよー。今から帰っていいかー俺」
「ここで帰ると損だぞ。逆に。ほら、立たせっからそっち持て」
「お、流石に動揺しているようだと。そこまでは想定していなかったのかと」
カメラを受け取りにきた眼鏡は薄く笑うと。
頭がおかしいとしか思えない、連中の宣言に強ばる垣根の顔を見上げていた。
「やっべぇウケる。イイねえカキネクンさあモテるっしょ? イケメンだもんな。ま、男相手はさすがにはじめてっしょ」
「げー。あってもキモいだろこいつ俺より背あるぞー? つか重いー」
「なんのために作業台があんだよ」
仲間うちで楽しげに、ゲスさのにじむおしゃべりをしていたかと思うと。
そのうち一人が垣根を振り返った。
「なー。まだ何されんのかわからねーって面してねーか。誰かこいつにちゃんと教えてやればー?」
「ああ、さっさとボコらねえから不安か? 今日はそっちじゃないらしいぜ。よかったな、ってそうでもねえのか。逆に」
意味ありげに、背の高い男が笑って見せた。
頭痛をこらえ、彼らの会話からなんとかつなぎ合わせておおよその状況は把握できても。
まるで事態が飲み込めていない垣根は眉を寄せる。
どこかの大馬鹿に金を詰まれたこの馬鹿共は。
厳重に能力者を拘束しただけで、まだ何もしていない。
一方的な制裁ショーでも始めるのかと言うのも違うらしい。
人質や何らかの材料として取引でもするつもりなのか。
こんな所に閉じ込める目的が見えてこなかった。
「今からレベル5のカキネクンを、オニーサン達でブチ犯しちゃいまあす。ちゃあんと動画も撮るよ?
まあ今日は四人いるんで、満足してもらえっかなあと思いまあす。つうことで? ヨロシク」
「やっぱ頭数にはいってんかよー。今から帰っていいかー俺」
「ここで帰ると損だぞ。逆に。ほら、立たせっからそっち持て」
「お、流石に動揺しているようだと。そこまでは想定していなかったのかと」
カメラを受け取りにきた眼鏡は薄く笑うと。
頭がおかしいとしか思えない、連中の宣言に強ばる垣根の顔を見上げていた。
「やっべぇウケる。イイねえカキネクンさあモテるっしょ? イケメンだもんな。ま、男相手はさすがにはじめてっしょ」
「げー。あってもキモいだろこいつ俺より背あるぞー? つか重いー」
「なんのために作業台があんだよ」
328:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:21:55.55:uW//TFY30 (9/36)
垣根は無理やり金属製の台の上に担ぎ上げられた。
さらに両腕には手錠がかけられた。
吊り下げるのには短く、動きを封じるには少し長い鎖を引っ張られて垣根は上体ごと顔を上げさせられる。
腕は相変わらず動きもしないので、縛られても意味はない。
彼を拘束しておくつもりのものではないらしい。
「チョーエリートのレベル5が、オレらみたいなのにこんなんされちゃってんのってどんな気分?
ねえねえどんな気分? やっべ、カキネクン目チョーコエーんだけど」
怖い怖いと言いながら男の顔は笑っていた。
まるで有名な落語の一席の、その落ちのようだった。
これからはじめると告げられたのはクスリとも出来そうにない、ばかばかしいオハナシだが。
「こおゆう瞬間はオレレベル低くてよかったって思うわ。レベル高いヤツいじめんのってタマンネーじゃん」
「お。やっぱ超能力者って金もらってんだな。この服ブランドもんだろ? けど『開発』されまくってんのに、そっちは未開発かよ。逆に」
「流石に超能力者ともなると管理も厳しいのかと。この顔でこの歳まで手付かずかとうらやましい限りだと」
「いやー。ガキをいきなり喰っちまう先公もそーそーいねーだろ。そんで、てめぇが教師になるとかレア過ぎ。そーゆーのなんつーんだっけ?」
くだらない話に花を咲かせながら、男たちは分担して作業に取りかかっていた。
それを黙って聞かされる垣根は解剖実験前のラットのように台の上に置かれていた。
震える程度も、唇は動かない。
呟くことすら、ましてあらん限りの力で叫ぶことも。
出来ないことをその事実を眼前に突きつけられた垣根帝督はただ静かに喉を引きつらせた。
「なんだっけほら、歴史は繰り返すって言うだろ」
「あ。オレわかったかも。ズバリ負の連鎖じゃね? FAで。どお?」
「よくできました、かと。後で丸をつけてやると」
台に上げる時脱がせた上着を広げると男がポケットの中を探りはじめた。
垣根は無理やり金属製の台の上に担ぎ上げられた。
さらに両腕には手錠がかけられた。
吊り下げるのには短く、動きを封じるには少し長い鎖を引っ張られて垣根は上体ごと顔を上げさせられる。
腕は相変わらず動きもしないので、縛られても意味はない。
彼を拘束しておくつもりのものではないらしい。
「チョーエリートのレベル5が、オレらみたいなのにこんなんされちゃってんのってどんな気分?
ねえねえどんな気分? やっべ、カキネクン目チョーコエーんだけど」
怖い怖いと言いながら男の顔は笑っていた。
まるで有名な落語の一席の、その落ちのようだった。
これからはじめると告げられたのはクスリとも出来そうにない、ばかばかしいオハナシだが。
「こおゆう瞬間はオレレベル低くてよかったって思うわ。レベル高いヤツいじめんのってタマンネーじゃん」
「お。やっぱ超能力者って金もらってんだな。この服ブランドもんだろ? けど『開発』されまくってんのに、そっちは未開発かよ。逆に」
「流石に超能力者ともなると管理も厳しいのかと。この顔でこの歳まで手付かずかとうらやましい限りだと」
「いやー。ガキをいきなり喰っちまう先公もそーそーいねーだろ。そんで、てめぇが教師になるとかレア過ぎ。そーゆーのなんつーんだっけ?」
くだらない話に花を咲かせながら、男たちは分担して作業に取りかかっていた。
それを黙って聞かされる垣根は解剖実験前のラットのように台の上に置かれていた。
震える程度も、唇は動かない。
呟くことすら、ましてあらん限りの力で叫ぶことも。
出来ないことをその事実を眼前に突きつけられた垣根帝督はただ静かに喉を引きつらせた。
「なんだっけほら、歴史は繰り返すって言うだろ」
「あ。オレわかったかも。ズバリ負の連鎖じゃね? FAで。どお?」
「よくできました、かと。後で丸をつけてやると」
台に上げる時脱がせた上着を広げると男がポケットの中を探りはじめた。
329:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:24:10.76:uW//TFY30 (10/36)
「あったあった。元から電源切れてりゃチェッカーで見つからねえはずだよ。でもこれなら電波も拾われてねえだろ。
もしストーカーがいても盗聴の心配も無し。お互い良かったな。逆に」
他の奴にこんな状況は知られたくないだろう、と告げると。
男は取り出した携帯電話を床に捨てて踏み潰した。
垣根は自分で電源を切った覚えはなかったのだが、今更意味のない疑問だろう。
垣根の居場所を知るための手段も、外部との連絡もこれでどちらも望めなくなった。
「ここはさあ公平にジャンケンで。勝ったヤツが超高額な一番槍の権利と、栄えあるレベル5のバックヴァージンゲットだぜえ!! っつうことで! ハーイミナサマ下唇噛んで復唱」
MC気取りでまくしたてる男だが。
その場の誰も返事をしなかった。
部屋の中でじゃんけんの掛け声が間抜けに響く。
それだけなら。
子どもが、友達同士仲良くおもちゃで遊ぶ前のような。無邪気さと興奮のある声だった。
だがこれから始まるのはそんなほほえましいものではない。
かつての子どもは学園都市でいびつに育ってしまったらしい。
その今日の玩具は、超能力者だ。
「はー。まじかよー、俺おまえらと違って男は好きじゃねーよー。譲ってやっから金くんねー?」
「別にオレらもホモじゃねえってば。ファッションホモってかビジネスホモ? 金貰えんならオスガキもいっかなあくらいよ?」
「くれぐれも普段の仕事とは違うことを忘れるなと。撮影を終えたら可能な限り完品で渡す条件だと。派手に傷などつけるな、と」
お遊戯の時間と呼ぶのも悪趣味な。
観客不在の見世物が人知れず始まろうとしていた。
「あったあった。元から電源切れてりゃチェッカーで見つからねえはずだよ。でもこれなら電波も拾われてねえだろ。
もしストーカーがいても盗聴の心配も無し。お互い良かったな。逆に」
他の奴にこんな状況は知られたくないだろう、と告げると。
男は取り出した携帯電話を床に捨てて踏み潰した。
垣根は自分で電源を切った覚えはなかったのだが、今更意味のない疑問だろう。
垣根の居場所を知るための手段も、外部との連絡もこれでどちらも望めなくなった。
「ここはさあ公平にジャンケンで。勝ったヤツが超高額な一番槍の権利と、栄えあるレベル5のバックヴァージンゲットだぜえ!! っつうことで! ハーイミナサマ下唇噛んで復唱」
MC気取りでまくしたてる男だが。
その場の誰も返事をしなかった。
部屋の中でじゃんけんの掛け声が間抜けに響く。
それだけなら。
子どもが、友達同士仲良くおもちゃで遊ぶ前のような。無邪気さと興奮のある声だった。
だがこれから始まるのはそんなほほえましいものではない。
かつての子どもは学園都市でいびつに育ってしまったらしい。
その今日の玩具は、超能力者だ。
「はー。まじかよー、俺おまえらと違って男は好きじゃねーよー。譲ってやっから金くんねー?」
「別にオレらもホモじゃねえってば。ファッションホモってかビジネスホモ? 金貰えんならオスガキもいっかなあくらいよ?」
「くれぐれも普段の仕事とは違うことを忘れるなと。撮影を終えたら可能な限り完品で渡す条件だと。派手に傷などつけるな、と」
お遊戯の時間と呼ぶのも悪趣味な。
観客不在の見世物が人知れず始まろうとしていた。
330:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:26:18.78:uW//TFY30 (11/36)
垣根の両足は金属製の台の上でおさえつけられていた。
腰を高く上げた屈辱的な姿勢を強いられながら、垣根には抵抗することが出来ない。
硬い台の上に押し当てられた頬は自らの汗と唾液で濡れていた。
開いたままの口で呻くように息をするのがやっとだ。
目の前に放り出された指先にすらろくな力はこもらない。
苦痛に足掻くこともかなわない彼に許されたのは、首から上をわずかに動かす程度。
それでも。
超能力者のプライドは折れてはいなかった。
逃げ、あるいは祈り。
現実から目を背けるようなことも、苦痛に怯え固くまぶたを閉じることも垣根はしなかった。
苦悶と憎しみのこもった両目にはまだ力がある。
後ろから突かれ揺さぶられる度にジャラジャラと鎖のすれる重い音が響いていた。
そこに、濡れた肉を叩く音と荒い息が混じる。
「やっぱラクなのはイイけどつまんねえじゃん。抵抗ナシ文句ナシ悲鳴もナシってオマエらおもろい?」
ひとり騒がしい男はそんな様子をみながら。
頭をかいてぐちっていた。
何を言ってるんだこいつ、と言いたげな仲間の視線に男は頬を膨らめる。
「オレはくやビクがすきなんだよお。でもこれカンペキマグロじゃん。冷凍モノカチンコチンじゃん。カントクう、もおチョイなんとかなんないんですかあ」
「あのなあ手抜いてやって抵抗されたらどうすんだ。逆に。それよりあいつ顔色ひどいけどいいのかよ。吐くんじゃねえの」
背中に張り付いたシャツが男の手で後ろに引かれる。
脂汗をかきながら垣根はゆるんだ口を懸命に閉じようとしていた。
しかし、短い呻きがその隙間から漏れる。
乱暴に、無様に。醜態をさらし続けるその姿を映していたカメラが一歩、二歩と被写体に近寄っていった。
垣根の両足は金属製の台の上でおさえつけられていた。
腰を高く上げた屈辱的な姿勢を強いられながら、垣根には抵抗することが出来ない。
硬い台の上に押し当てられた頬は自らの汗と唾液で濡れていた。
開いたままの口で呻くように息をするのがやっとだ。
目の前に放り出された指先にすらろくな力はこもらない。
苦痛に足掻くこともかなわない彼に許されたのは、首から上をわずかに動かす程度。
それでも。
超能力者のプライドは折れてはいなかった。
逃げ、あるいは祈り。
現実から目を背けるようなことも、苦痛に怯え固くまぶたを閉じることも垣根はしなかった。
苦悶と憎しみのこもった両目にはまだ力がある。
後ろから突かれ揺さぶられる度にジャラジャラと鎖のすれる重い音が響いていた。
そこに、濡れた肉を叩く音と荒い息が混じる。
「やっぱラクなのはイイけどつまんねえじゃん。抵抗ナシ文句ナシ悲鳴もナシってオマエらおもろい?」
ひとり騒がしい男はそんな様子をみながら。
頭をかいてぐちっていた。
何を言ってるんだこいつ、と言いたげな仲間の視線に男は頬を膨らめる。
「オレはくやビクがすきなんだよお。でもこれカンペキマグロじゃん。冷凍モノカチンコチンじゃん。カントクう、もおチョイなんとかなんないんですかあ」
「あのなあ手抜いてやって抵抗されたらどうすんだ。逆に。それよりあいつ顔色ひどいけどいいのかよ。吐くんじゃねえの」
背中に張り付いたシャツが男の手で後ろに引かれる。
脂汗をかきながら垣根はゆるんだ口を懸命に閉じようとしていた。
しかし、短い呻きがその隙間から漏れる。
乱暴に、無様に。醜態をさらし続けるその姿を映していたカメラが一歩、二歩と被写体に近寄っていった。
331:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:28:39.20:uW//TFY30 (12/36)
「だから薬が効いているのは四肢中心の筋肉の動きだと。痛みや感覚はそのままだと。この馬鹿共何度言ったら覚えるのかと。
おいおいお前も、喉だけは詰まらせんなと。今回は、洒落にならねえんだと」
「なに? また腹パン? げえ。オニチクな」
撮影係に悪態をつかれ、仲間に茶化された男はうっとうしそうに息をはいた。
最初から大した気もなさそうな態度だったが。
その間もゆるい抽送は続いている。
「おめーなー……ッみてたろーが。まだ、してねーよ」
「ま、こんなんブチこまれりゃ吐きたくもなるわ。麻酔でケツも弛んでんならよかったんじゃね逆に。俺らん中でこのケチのが一番凶悪だろ」
「えー、これで緩いんかよマジかよー。けっこー……締まるぞー?」
「お前遅いんだから口じゃなく腰動かせって。後がつかえんだろ」
「変わり映えのない画面は面白みに欠けると。お前のケツを拝んで誰が得すんだと」
「いやー顔見なけりゃけっこーイケる。男でもこっちの穴は変わんねえなー」
「お、何だよカキネクンイイ顔してんよ? な、ちょいちょい。こっち撮って撮って。やっべぇってオマエにらみコロしそおな目してるって。
んん? どしたあ、ムカツクー? ソウデスネーよかったなあ」
腰を打ちつける仲間の横を通り、台の前で男はしゃがんだ。
垣根と目線をあわせながらガキ相手の馬鹿にしたような口をきいている。
いや。
そいつは道端の野良猫にでも向けるように、俺は自分より目下のモノをかわいがっています、なんて言いそうな顔をしていた。
「こいつ幸せだよなあ。異能力以上でいいなら学園都市の能力者の半分くらいストライクゾーン入りなんじゃねえか」
「ただし好き放題出来る状況に限る、かと。流石にこういう男はどうなのだと」
「レベル5で遊んでイイとかウソみてえ。やっべぇなあ」
うきうきとした呟きに男達は顔を見合わせた。
駄目だこいつ、と馬鹿に心底呆れた目をしていた。
早く何とかしないと、いけなかったのかもしれないが。すでに手遅れだろう。
「だから薬が効いているのは四肢中心の筋肉の動きだと。痛みや感覚はそのままだと。この馬鹿共何度言ったら覚えるのかと。
おいおいお前も、喉だけは詰まらせんなと。今回は、洒落にならねえんだと」
「なに? また腹パン? げえ。オニチクな」
撮影係に悪態をつかれ、仲間に茶化された男はうっとうしそうに息をはいた。
最初から大した気もなさそうな態度だったが。
その間もゆるい抽送は続いている。
「おめーなー……ッみてたろーが。まだ、してねーよ」
「ま、こんなんブチこまれりゃ吐きたくもなるわ。麻酔でケツも弛んでんならよかったんじゃね逆に。俺らん中でこのケチのが一番凶悪だろ」
「えー、これで緩いんかよマジかよー。けっこー……締まるぞー?」
「お前遅いんだから口じゃなく腰動かせって。後がつかえんだろ」
「変わり映えのない画面は面白みに欠けると。お前のケツを拝んで誰が得すんだと」
「いやー顔見なけりゃけっこーイケる。男でもこっちの穴は変わんねえなー」
「お、何だよカキネクンイイ顔してんよ? な、ちょいちょい。こっち撮って撮って。やっべぇってオマエにらみコロしそおな目してるって。
んん? どしたあ、ムカツクー? ソウデスネーよかったなあ」
腰を打ちつける仲間の横を通り、台の前で男はしゃがんだ。
垣根と目線をあわせながらガキ相手の馬鹿にしたような口をきいている。
いや。
そいつは道端の野良猫にでも向けるように、俺は自分より目下のモノをかわいがっています、なんて言いそうな顔をしていた。
「こいつ幸せだよなあ。異能力以上でいいなら学園都市の能力者の半分くらいストライクゾーン入りなんじゃねえか」
「ただし好き放題出来る状況に限る、かと。流石にこういう男はどうなのだと」
「レベル5で遊んでイイとかウソみてえ。やっべぇなあ」
うきうきとした呟きに男達は顔を見合わせた。
駄目だこいつ、と馬鹿に心底呆れた目をしていた。
早く何とかしないと、いけなかったのかもしれないが。すでに手遅れだろう。
332:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:31:38.87:uW//TFY30 (13/36)
「しんどかったねえオツカレ。アーンてしてみ? やっべぇのあんだよねえ」
「おいおい良いんかよー何食わすんだー?」
「オマエのでこんな苦しんでんだからカワイソじゃん。これくらいならヘーキヘーキちょっと元気になるだけっしょ。
ついでにさあ……ちょっとはキョーリョクしてもらえっかもよ?」
そう言いながら男はテーブルからプラスチックケースを取った。
中に入っていた薬の袋を次々破って中身を混ぜると。
垣根の口を無理やり押し開けて何色も混ざってカラフルになった粉末を落とした。
「ざ、けっ……ん?」
むせながらなんとか吐き出そうとしていた垣根は眉を寄せたかと思うと。
口の中を舌で探ってから。
何か考える様に目を細めた。
「ナー、ダイジョブっしょ? ラムネみたいっしょ。これ、元はガキ用の薬。『能力開発』の奴。
ハッチャンはキョーシになっから、色々ナイショでパクってきてくれんの。つかこんなん誰でもやってんじゃん?」
そう言って男は、別のケースからタブレット錠を粗く砕いたような薬の粒を手のひらに広げて見せた。
そのまま飴の様に自分の口に放り込む。
「いやそれ使い方おかしーだろ。今これにやったの、飲むやつじゃなく口で溶かすやつだろ? 一口で相当いってんだろ」
「ウッソォガキ用シロップのバカ飲みとかミンナしねぇの? 気分アガってタノシーよ?」
「自分で試すことではないかと。本来は小児相手の高吸収経口薬だと。それでも極少量で足りるもんだと」
経口摂取する薬剤の多くは、胃液での変質を避ける必要があるため小腸で成分が吸収されるよう加工される。
だがそれでは効果が出るのはどうしても飲んでから時間が経ってからになってしまう。
それを早める為には摂取法や薬の形態を変えなくてはいけない。
多層コーティングを施して一錠あたりの成分の吸収を調整し時間差で効き目を持続させたり。
他にも口の中、鼻、目など各所の粘膜から素早く吸収させることも可能だ。
学園都市では、対象である小さな子どもが自分でも簡単に扱えるように工夫されているものが幾つかあった。
服用からいちいち教師がついて回って、更に必要なタイミングで薬剤の効果がしっかり現れているかひとり一人調べていたら人手が幾らあっても足りなくなる。
そして。
多くのよく効く薬が、裏を返せば有効な毒物でもあるように。
本来の用途から外れたことに使用されるケースもあり得る。
「ハイ先生、オレいっつも鼻からいっぱい吸っちゃうけどダイジョブですかあ」
「小学校からやり直せるもんなら指導してやってもいいかと。お前頭は悪いが顔は良いのだと」
「わあ、先生のロリ! ペド! メガネえ!」
「眼鏡って悪口なんかー?」
「しんどかったねえオツカレ。アーンてしてみ? やっべぇのあんだよねえ」
「おいおい良いんかよー何食わすんだー?」
「オマエのでこんな苦しんでんだからカワイソじゃん。これくらいならヘーキヘーキちょっと元気になるだけっしょ。
ついでにさあ……ちょっとはキョーリョクしてもらえっかもよ?」
そう言いながら男はテーブルからプラスチックケースを取った。
中に入っていた薬の袋を次々破って中身を混ぜると。
垣根の口を無理やり押し開けて何色も混ざってカラフルになった粉末を落とした。
「ざ、けっ……ん?」
むせながらなんとか吐き出そうとしていた垣根は眉を寄せたかと思うと。
口の中を舌で探ってから。
何か考える様に目を細めた。
「ナー、ダイジョブっしょ? ラムネみたいっしょ。これ、元はガキ用の薬。『能力開発』の奴。
ハッチャンはキョーシになっから、色々ナイショでパクってきてくれんの。つかこんなん誰でもやってんじゃん?」
そう言って男は、別のケースからタブレット錠を粗く砕いたような薬の粒を手のひらに広げて見せた。
そのまま飴の様に自分の口に放り込む。
「いやそれ使い方おかしーだろ。今これにやったの、飲むやつじゃなく口で溶かすやつだろ? 一口で相当いってんだろ」
「ウッソォガキ用シロップのバカ飲みとかミンナしねぇの? 気分アガってタノシーよ?」
「自分で試すことではないかと。本来は小児相手の高吸収経口薬だと。それでも極少量で足りるもんだと」
経口摂取する薬剤の多くは、胃液での変質を避ける必要があるため小腸で成分が吸収されるよう加工される。
だがそれでは効果が出るのはどうしても飲んでから時間が経ってからになってしまう。
それを早める為には摂取法や薬の形態を変えなくてはいけない。
多層コーティングを施して一錠あたりの成分の吸収を調整し時間差で効き目を持続させたり。
他にも口の中、鼻、目など各所の粘膜から素早く吸収させることも可能だ。
学園都市では、対象である小さな子どもが自分でも簡単に扱えるように工夫されているものが幾つかあった。
服用からいちいち教師がついて回って、更に必要なタイミングで薬剤の効果がしっかり現れているかひとり一人調べていたら人手が幾らあっても足りなくなる。
そして。
多くのよく効く薬が、裏を返せば有効な毒物でもあるように。
本来の用途から外れたことに使用されるケースもあり得る。
「ハイ先生、オレいっつも鼻からいっぱい吸っちゃうけどダイジョブですかあ」
「小学校からやり直せるもんなら指導してやってもいいかと。お前頭は悪いが顔は良いのだと」
「わあ、先生のロリ! ペド! メガネえ!」
「眼鏡って悪口なんかー?」
333:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:39:29.07:uW//TFY30 (14/36)
「あ」
騒がしいおしゃべりが途切れたのは唐突だった。
べえ、っと舌を突き出して垣根が台の上で口を開けていた。
ヒナが親鳥にエサをねだるようにして、空になった口の中を晒した。
「ホーラ、カキネクン気に入ったってよ? もおチョイいっとく? 他にもタノシくなんのあっけどどうする?」
取り出した薬の小さな包みをいくつかつまんで男はにやにや笑う。
ピンクの錠剤、ライトグリーンの粉末、そのほかどれもほんの少しずつしか入っていない。
そんないくつもの薬が垣根の目の前に並んだ。
「……こ、ちの」
かすれきった声の垣根は何とか目を動かして視線で選ぶ薬を決めていた。
「イイネ! 欲しがるねえカキネクン。デモサー。こんなんでもお薬ダメって言うキビシーのがいるから、オネガイしてみよっかあ?」
眼鏡の肩をつつきながら男がはやしたてる。
それを聞いた垣根は。
鈍った筋肉を動かしてぎこちなく笑みを浮かべた。
ほんの一口、と言っても本来なら成人(一五歳以上)が服用しても多すぎる量の薬を放り込まれて。
態度を変えた超能力者を男たちは下卑た目で眺めていた。
「お。笑ったぞ。けなげな、逆に」
「ウケるー超能力者がこびてんぞー。んなしょぼい薬にー」
「ハーイ、カキネクンの貴重なスマイルいただきましたあっ。カメラサン下から、ナメてナメて。アップも撮ったげて」
「言われるまでもねえんだと」
「あ」
騒がしいおしゃべりが途切れたのは唐突だった。
べえ、っと舌を突き出して垣根が台の上で口を開けていた。
ヒナが親鳥にエサをねだるようにして、空になった口の中を晒した。
「ホーラ、カキネクン気に入ったってよ? もおチョイいっとく? 他にもタノシくなんのあっけどどうする?」
取り出した薬の小さな包みをいくつかつまんで男はにやにや笑う。
ピンクの錠剤、ライトグリーンの粉末、そのほかどれもほんの少しずつしか入っていない。
そんないくつもの薬が垣根の目の前に並んだ。
「……こ、ちの」
かすれきった声の垣根は何とか目を動かして視線で選ぶ薬を決めていた。
「イイネ! 欲しがるねえカキネクン。デモサー。こんなんでもお薬ダメって言うキビシーのがいるから、オネガイしてみよっかあ?」
眼鏡の肩をつつきながら男がはやしたてる。
それを聞いた垣根は。
鈍った筋肉を動かしてぎこちなく笑みを浮かべた。
ほんの一口、と言っても本来なら成人(一五歳以上)が服用しても多すぎる量の薬を放り込まれて。
態度を変えた超能力者を男たちは下卑た目で眺めていた。
「お。笑ったぞ。けなげな、逆に」
「ウケるー超能力者がこびてんぞー。んなしょぼい薬にー」
「ハーイ、カキネクンの貴重なスマイルいただきましたあっ。カメラサン下から、ナメてナメて。アップも撮ったげて」
「言われるまでもねえんだと」
334:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:42:27.50:uW//TFY30 (15/36)
「じゃあハーイ、リクエストのお薬ここでえす。このノリでジョーズにペロっと舐めてもらおっかなあ?
ああ? これくらいさあ、出来るよなあオイ?」
袋をまとめて破ると男は垣根の顔の横に足をかけた。
革靴の上にそのまま薬をぶちまけて、低い声でハイエナのように笑う。
「んふ……は、ぁ」
べちゃべちゃと口の周りを汚しながら犬の様に舌を這わせる超能力者の姿に。
男たちは手を叩いた。
目論見どおり、順調に。
彼らの「撮影」が進んでいるのはもちろん。
笑えるほど哀れなオモチャの状況を楽しんでいるようだった。
「超能力者が靴舐めてっぞー。爆笑もん。写真撮っていいかー? 撮影駄目? ケっチくせー」
「あああベタベタじゃんよ。全然ダメじゃんカキネクーン靴フェラもおチョイガンバって。ちゃんとキレーにしてなあ」
まともに顎を開くことも難しい状態で口元に靴の先を押しつけられる。
笑い声の響く中で垣根はひとり顔をしかめていた。
「まだ一人目だが、そろそろ注射の時間だと。お前ら遊んでばかりで無駄に時間を使うなと」
「や、だ……ね」
にらむ様に目を細めると。
垣根はいーっと歯を剥いてから舌を出した。
明らかに馬鹿にした態度を取られると、眼鏡は使い捨て注射器のパッケージを乱暴に破り捨てる。
その横で、薬のパケットがまるで子どもをあやすようにつまんで振られた。
「今度はイヤイヤ入りましたあ。まあデモ注射はしとこうな? お注射したら、こっちもあげるから」
「な…ぁ、やく…ほし……?」
そう聞いて、垣根は不快そうな表情をたちまち緩めてみせた。
それを見ていた男が爆笑して、腹を抱えた。
「おーい催促されてんぞーどっちもさっさとやればー?」
「じゃあハーイ、リクエストのお薬ここでえす。このノリでジョーズにペロっと舐めてもらおっかなあ?
ああ? これくらいさあ、出来るよなあオイ?」
袋をまとめて破ると男は垣根の顔の横に足をかけた。
革靴の上にそのまま薬をぶちまけて、低い声でハイエナのように笑う。
「んふ……は、ぁ」
べちゃべちゃと口の周りを汚しながら犬の様に舌を這わせる超能力者の姿に。
男たちは手を叩いた。
目論見どおり、順調に。
彼らの「撮影」が進んでいるのはもちろん。
笑えるほど哀れなオモチャの状況を楽しんでいるようだった。
「超能力者が靴舐めてっぞー。爆笑もん。写真撮っていいかー? 撮影駄目? ケっチくせー」
「あああベタベタじゃんよ。全然ダメじゃんカキネクーン靴フェラもおチョイガンバって。ちゃんとキレーにしてなあ」
まともに顎を開くことも難しい状態で口元に靴の先を押しつけられる。
笑い声の響く中で垣根はひとり顔をしかめていた。
「まだ一人目だが、そろそろ注射の時間だと。お前ら遊んでばかりで無駄に時間を使うなと」
「や、だ……ね」
にらむ様に目を細めると。
垣根はいーっと歯を剥いてから舌を出した。
明らかに馬鹿にした態度を取られると、眼鏡は使い捨て注射器のパッケージを乱暴に破り捨てる。
その横で、薬のパケットがまるで子どもをあやすようにつまんで振られた。
「今度はイヤイヤ入りましたあ。まあデモ注射はしとこうな? お注射したら、こっちもあげるから」
「な…ぁ、やく…ほし……?」
そう聞いて、垣根は不快そうな表情をたちまち緩めてみせた。
それを見ていた男が爆笑して、腹を抱えた。
「おーい催促されてんぞーどっちもさっさとやればー?」
335:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:46:39.43:uW//TFY30 (16/36)
「くッ、ぁ……」
垣根は天井を眺めていた。
真っ黒な目はドロドロに濁った悪意を煮詰めたように沈んだ色をしている。
今度は仰向けに寝かされ、上半身は腕ごとしっかりと固定されていた。
服を脱がされ下半身は膝を曲げた窮屈な格好でキツく縛られていた。
流れ落ちる汗に濡れた喉がひゅう、と鳴った。
「ガンバってたけどやっぱイくもんだなあ。あんだけされたらしゃあねえっしょ。なあなあ、さっきのキョーアクなオモチャ。新作?」
「いーや、買ったやつ。最高クラスの静音仕様とか馬鹿にしてんのか。逆に。音で煽って耳から犯してナンボじゃんよこう言うの。
即ポチ衝動買いはダメな。音がしない以外はいい感じなんだけど一度バラすっきゃないわ」
男は残念そうに言うと、色とりどりの悪質なジョークグッズが幾つも並んだ中から一つ選んで手に取った。
根元に並んだボタンを一つ押すと。
垣根の中をグチャグチャに掻き回していたものが動き出した。
内蔵されたLEDで色を変えながらケミカルで歪な塊がまるで深海の生き物のように蠢いている。
派手な動きに反して小さな、それも耳をすませても聞こえるかどうかの音を立てて、と言うのが何だか奇妙だった。
「うーい。おつかれ、俺そんなつかれてねえけどな。逆に」
カチャカチャ音を立ててズボンを上げると、男は垣根の顔をつかんだ。
まるでチップでもやるように口に薬をざらざら放り込む。
そして、垣根が少し咳き込むのを見て。
テーブルに置かれたボトルの水を口元、ではなく顔目掛けて無造作に零した。
「口の中パッサパサ! パッサパサだよカキネクン」
「おめーはまたなつかしーのいってんじゃねーよ!」
ぎゃはは、と耳障りな笑い声が重なった。
「くッ、ぁ……」
垣根は天井を眺めていた。
真っ黒な目はドロドロに濁った悪意を煮詰めたように沈んだ色をしている。
今度は仰向けに寝かされ、上半身は腕ごとしっかりと固定されていた。
服を脱がされ下半身は膝を曲げた窮屈な格好でキツく縛られていた。
流れ落ちる汗に濡れた喉がひゅう、と鳴った。
「ガンバってたけどやっぱイくもんだなあ。あんだけされたらしゃあねえっしょ。なあなあ、さっきのキョーアクなオモチャ。新作?」
「いーや、買ったやつ。最高クラスの静音仕様とか馬鹿にしてんのか。逆に。音で煽って耳から犯してナンボじゃんよこう言うの。
即ポチ衝動買いはダメな。音がしない以外はいい感じなんだけど一度バラすっきゃないわ」
男は残念そうに言うと、色とりどりの悪質なジョークグッズが幾つも並んだ中から一つ選んで手に取った。
根元に並んだボタンを一つ押すと。
垣根の中をグチャグチャに掻き回していたものが動き出した。
内蔵されたLEDで色を変えながらケミカルで歪な塊がまるで深海の生き物のように蠢いている。
派手な動きに反して小さな、それも耳をすませても聞こえるかどうかの音を立てて、と言うのが何だか奇妙だった。
「うーい。おつかれ、俺そんなつかれてねえけどな。逆に」
カチャカチャ音を立ててズボンを上げると、男は垣根の顔をつかんだ。
まるでチップでもやるように口に薬をざらざら放り込む。
そして、垣根が少し咳き込むのを見て。
テーブルに置かれたボトルの水を口元、ではなく顔目掛けて無造作に零した。
「口の中パッサパサ! パッサパサだよカキネクン」
「おめーはまたなつかしーのいってんじゃねーよ!」
ぎゃはは、と耳障りな笑い声が重なった。
336:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 01:54:11.14:uW//TFY30 (17/36)
「……く、くくっ……あは」
むせながら薬を舐めとった垣根は笑っていた。
汗と水分でくしゃくしゃになった髪を顔からはらいのけることも出来ないまま、口をゆがめてただ笑っていた。
やけを起こしたのか。
幾つも流し込まれてすっかりクスリがキマってしまったのか。
ギラついた目を天井に向けて彼は楽しそうに笑っていた。
「おっとお。カキネクン楽しくなってきたんじゃね? じゃあ次はオニーサンと遊んでくれたらお薬な。上手に出来たら追加したげっから」
ガチャガチャと、あちこち縛られた垣根の拘束を解きながら。
次の番が回ってきた男はケタケタ笑っていた。
「毎度ゲージュツ的な縛りだけどこれやりすぎじゃね? こんなんオーケーなの?」
「いや、ローテじゃなかったらもうちょい置いとくんだけどな」
「げー。もーちょいが小一時間だかんなー。こいつも運が良かったなー?」
「お? 逆にい?」
何本も締められた細い革ベルトを外されると、肌の上には痛々しい赤い跡がくっきりと残っていた。
別の薬剤のパケットを開けると男は垣根の前にかざして容器を振って見せる。
垣根が首を振ると、うんうん頷きながらそれを全て自分で使ってしまった。
「これもイイんだけどなあ。メッチャキラキラすんの。カキネクンは、シャキッとする方が好みかなあ?」
「だから余り調子に乗るなと。元の商品価値を損なうと報酬に響くと」
「キツイのキマるとヤバいだろうけどあれくらいならいんじゃね。今のところ問題もねえしさっさと片付けばいつもより楽な気してきたわ。逆に」
男は気の抜けた様に返すとだるそうにあくびをした。
一人、二人と用事を終えた男たちは順調な仕事の進み具合に何の疑問も抱いていないようだった。
「……く、くくっ……あは」
むせながら薬を舐めとった垣根は笑っていた。
汗と水分でくしゃくしゃになった髪を顔からはらいのけることも出来ないまま、口をゆがめてただ笑っていた。
やけを起こしたのか。
幾つも流し込まれてすっかりクスリがキマってしまったのか。
ギラついた目を天井に向けて彼は楽しそうに笑っていた。
「おっとお。カキネクン楽しくなってきたんじゃね? じゃあ次はオニーサンと遊んでくれたらお薬な。上手に出来たら追加したげっから」
ガチャガチャと、あちこち縛られた垣根の拘束を解きながら。
次の番が回ってきた男はケタケタ笑っていた。
「毎度ゲージュツ的な縛りだけどこれやりすぎじゃね? こんなんオーケーなの?」
「いや、ローテじゃなかったらもうちょい置いとくんだけどな」
「げー。もーちょいが小一時間だかんなー。こいつも運が良かったなー?」
「お? 逆にい?」
何本も締められた細い革ベルトを外されると、肌の上には痛々しい赤い跡がくっきりと残っていた。
別の薬剤のパケットを開けると男は垣根の前にかざして容器を振って見せる。
垣根が首を振ると、うんうん頷きながらそれを全て自分で使ってしまった。
「これもイイんだけどなあ。メッチャキラキラすんの。カキネクンは、シャキッとする方が好みかなあ?」
「だから余り調子に乗るなと。元の商品価値を損なうと報酬に響くと」
「キツイのキマるとヤバいだろうけどあれくらいならいんじゃね。今のところ問題もねえしさっさと片付けばいつもより楽な気してきたわ。逆に」
男は気の抜けた様に返すとだるそうにあくびをした。
一人、二人と用事を終えた男たちは順調な仕事の進み具合に何の疑問も抱いていないようだった。
337:>>200「ガチホモキメセク輪姦垣根」 ◆q7l9AKAoH.:2015/07/02(木) 02:01:38.02:uW//TFY30 (18/36)
「やあったのしかった! 久しぶりにガンバっちゃったんだけど。ハメはずしてw」
「なーにしてんだおめーは。それ好きなー」
「お前人のこと言えねえぞ。逆に。つか、痕つけすぎだろ。どんだけだ」
「カキネクンあっつくてオイシーんだって。みてみホラーここも真っ赤じゃん。心臓バックバクだし」
「だから、それは最後に一人でやれといつも言ってんだと。後どうしろと」
一斉に非難されて茶髪の男は唇を尖らせた。
子どもの様にむくれると台のそばでしゃがみ込む。
すぐ横の垣根の顔は、あちこち汚された上にものすごく不愉快そうだった。
さっき男が喜んでいた、視線だけで相手を殺しそうな目をしていた。
「エー。だってオレら生NGじゃん。イイだろこれくらいさ。ダイジョブダイジョブ、そんなに上手くかかんなかったしイケメン白も似合うからw」
「それはあくまで撮影用の預かり物だと。掃除。清掃。何より俺が不快だと」
カツカツと苛立った様子で床が叩かれる。
続いて。
パカーン、と間抜けな音を立てて。
投げつけられた除菌ティッシュのケースが男の頭に当たった。
「なんだよ。こまけえことはイイじゃんなあ。ま、よくできましたっつうことで。じゃあカキネクンやっべぇおねだり! しってくださあい!」
文句を言いながらもとりあえず顔は拭き終えると。
男はうれしそうに垣根に声をかけた。
垣根は少しうんざりした様に口を開いた。
「…ッさと、よこせ、よぉ……な?」
これでいいか、と言いたげな目を前に。
要求した男はブンブン音がしそうな勢いで首を振った。
「ブー。カワイーのがイイでえす。カワイーおねだりガンバってえカキネクンのお、チョットイイトコみてみたいーって。な?」
ぐぐぐ、と垣根の顔が更に険しくなる。
眉間にしわを寄せる垣根の前で、男は両手でバツを作ってみせた。
どこから出したのか、紙に「がんばれ❤がんばれ❤」と書いて大きく振った。
「やあったのしかった! 久しぶりにガンバっちゃったんだけど。ハメはずしてw」
「なーにしてんだおめーは。それ好きなー」
「お前人のこと言えねえぞ。逆に。つか、痕つけすぎだろ。どんだけだ」
「カキネクンあっつくてオイシーんだって。みてみホラーここも真っ赤じゃん。心臓バックバクだし」
「だから、それは最後に一人でやれといつも言ってんだと。後どうしろと」
一斉に非難されて茶髪の男は唇を尖らせた。
子どもの様にむくれると台のそばでしゃがみ込む。
すぐ横の垣根の顔は、あちこち汚された上にものすごく不愉快そうだった。
さっき男が喜んでいた、視線だけで相手を殺しそうな目をしていた。
「エー。だってオレら生NGじゃん。イイだろこれくらいさ。ダイジョブダイジョブ、そんなに上手くかかんなかったしイケメン白も似合うからw」
「それはあくまで撮影用の預かり物だと。掃除。清掃。何より俺が不快だと」
カツカツと苛立った様子で床が叩かれる。
続いて。
パカーン、と間抜けな音を立てて。
投げつけられた除菌ティッシュのケースが男の頭に当たった。
「なんだよ。こまけえことはイイじゃんなあ。ま、よくできましたっつうことで。じゃあカキネクンやっべぇおねだり! しってくださあい!」
文句を言いながらもとりあえず顔は拭き終えると。
男はうれしそうに垣根に声をかけた。
垣根は少しうんざりした様に口を開いた。
「…ッさと、よこせ、よぉ……な?」
これでいいか、と言いたげな目を前に。
要求した男はブンブン音がしそうな勢いで首を振った。
「ブー。カワイーのがイイでえす。カワイーおねだりガンバってえカキネクンのお、チョットイイトコみてみたいーって。な?」
ぐぐぐ、と垣根の顔が更に険しくなる。
眉間にしわを寄せる垣根の前で、男は両手でバツを作ってみせた。
どこから出したのか、紙に「がんばれ❤がんばれ❤」と書いて大きく振った。
◆q7l9AKAoH. さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16764863.html
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◆bdfKbGMUnwwb さんの作品一覧
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◆0S9Trjf4dQ さんの作品一覧
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