1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 04:07:15.96UevRgkzzO (1/2)

※クロス注意
好きな作品だけにやるのが一番怖いクロス

独自設定、独自解釈があります
原作好きの方はご容赦を

わりと思いつきなので二時間十三分並みのボリュームはないかと

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402945635



2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 04:09:35.38UevRgkzzO (2/2)


16th May
:南太平洋上

:S.H.I.E.L.D.艦船操舵室



船員「あの、艦長、これを見てください」

艦長「…ん?なんだ?」


一人の部下に促されるまま、そのモニターに目を通す。


センサーが太平洋海域にて、異常なほどの巨大な魚影、そして放射能値の上昇を感知した。


船員「これは一体、何なんでしょう」


艦長「……さあな、計器類の故障じゃないか?」


そう答えた男の態度は、いかにも不真面目そうで

あまり仕事に対して真摯というふうには思えなかった。


それに対して部下も異を唱えようとしたのだが、次の瞬間にはモニターから反応は消えてしまい

彼の主張もまた、その基盤を失ってしまうのだった。



艦長「ほらな」


船員「そんな、いやでも…しかし」

男は、腑に落ちていない部下を尻目にその場を後にする。



陰でいやらしく、ニヤリと口角をあげて


艦長「……ハイル・ヒドラ」


ただそれだけ呟いた。



3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 05:01:40.35pm4uWPCrO (1/1)

期待


4VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 09:40:38.52nxz/6p6so (1/1)

アベと何のクロスだろう
あとどれ準拠のアベなんだろう気になる期待


5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 10:31:29.46uO9TMRIAO (1/1)

27th May :
ロサンゼルス
コンペティション会場


真昼間からトニー・スタークは自慢の武器を連れて

大衆の前で悠々と演説を続けていた。


トニー「バァンっ!」


スーツ「」バタンッ


彼が手のひらで銃を撃つ真似をすると、無人のアイアンマンが1人でに倒れ

会場の笑いを誘っていた。


手を差し伸べてそいつを引っ張り起こし、改めて観客に彼を紹介した。



この日は、対放射線事故用に開発された白銀のパワードスーツ

そのお披露目会であった。


これは、近年発生する原発事故に対応するという"お題目"のもとに開発されたものである。


トニー「…勿論、私しては自身の推奨するクリーンエネルギーを広めたいところだが生憎そうもいかなくてね」



トニー「世の中、アメリカ製というだけで拒否する者やら、あとは既得権益を惜しむ連中の多いこと多いこと」



皮肉っぽくそう語り、がっくりと大仰に肩を落とすとアイアンマンスーツが慰めるようにしてその肩に手を置いた。


お茶目な演出に、観客の関心も大いにに引いていったのだった。


トニー「まあ構わないがね、どんなことにも対処するのが我ら"ヒーロー"の役目なんだから」


スーツ「」



6VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 10:39:16.32FL1JejavO (1/1)


トニー「スリーマイル、チェルノブイリ…そして福島、私たちが忘れてはいけないことは未だに数多くあるが」

トニー「こいつは簡単にいえば放射線を吸収・除去し、その空間を無害にすることを主眼においている」

スーツ「」エッヘン


トニー「装着者は勿論、その周りの作業員の安全を確保することが、これまでよりずっと容易になるはずだ、そうだろう?キミ」


スーツ「」ドヤァ

トニー「はいはいどうも、そこで話は逸れるが…私は日本車が好きでね、何台か持っているんだが」

トニー「そんな親愛なるニッポンのある会社と今度提携するんだが、そのことにちなんで、こいつはこう名付けよう……『アイアンマン マークX』!!」


合図とともにシアターの巨大画面に、デカデカと"X"が映し出され

客席が大いに湧き上がった。


それを眺めながら、彼は1人苦笑する


これでまた自分はまた敵を作っただろうな、そう思った。



7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 10:48:27.50PVKscYYrO (1/1)


こいつの本来の使い道は、"対核兵器用迎撃スーツ"

核兵器をより高い次元で無力化することが、マークXの"本当の"生まれた理由であった。


搭載された装備により核反応を瞬間的に抑制し、弾頭の起爆後でも核被害を抑制することが出来る


こいつが国内に五機も配備されれば、核攻撃による脅威は完全に無くなるものとされていた。


トニー「まったく、よく出来たヒーローだよ」

マークX「?」


これはかつて、アメリカが自国の領土に核を撃ったことを教訓にして
彼が設計した、戒めの象徴であった。




8VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 10:50:59.37znc1PjvGO (1/1)

同時刻:西海岸 浜辺


ブルース「……なんだ、いったい」


ブルース・バナーは、このところ落ち着かない日々を送っていた。


最近、遠くから誰かに見つめられているような気がする

だがそれに敵意はない、誰か、自分と同種のものの視線

仲間を求めるような、そんな叫び声が聞こえてくるようだった。


ブルース「誰なんだ、どこから見ている……」


ここのビーチに来たのも、その気配に誘われてのことだった。


その叫び声は、"もう一人の彼"よりもずっと大きく、かつ悲痛なもので

とても聞くに耐えなかった。


ここに来れば、その答えが見つかるような気がしたのだったが

今のところ何も分かったことはない


ブルース「………」


ただ相変わらず

海の向こうに巨大な気配がにじり寄ってくるのを感じていた。




9VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 10:57:05.07qrzMDMa3O (1/1)

一旦休

全体のチープさと浅学さがなんとも
それが古き良き東宝特撮らしさといえば…
でも言い訳にしか聞こえないな

一応は分かりやすいようにヒーロー側はハリウッド版準拠、所々都合のいいところは他からも要素は取り入れる

あまりコミック版よりだと勝ち目が無さそうなので


10VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/17(火) 11:18:43.11Zrt+kNuAO (1/1)

ちなみに、核の影響だけで誕生する通常のGはマーベル世界に普通に存在する。
その影響で対G戦艦が竣工されてるしサンファイアが皇家に迎え入れられてる話があったりする


11VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 11:27:32.877jsdlSdZO (1/2)

あー福島ってだしちゃったねー不謹慎厨沸くぞー


12VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 11:48:13.57TDU3vrcSO (1/1)

これ、GはGでも東映版VS仕様とかGMK版が相手だと頑張って、撃退するにしても被害甚大は確実だろうな


13VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 12:03:04.80HIlq8OncO (1/2)

怪物の王、放射能
もしかしてゴジラかな?


14VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 13:46:36.54zw+z4+Dgo (1/1)

ゴジラみたいな怪獣とか
ウルトラマン風の巨人とか
あるいはゴリラみたいな巨大ロボットによるベルトスクロールアクションがあったっけ

一瞬そっちを連想したけど違うのかな


15VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 14:03:58.837jsdlSdZO (2/2)

これはあれだね、福島の事故をネタに金を稼ぐアメリカ人の話だね、あの震災を食い物にしてるわ
で、こんな話を書くって事はアメリカがいないと日本は放射能をどうにかできないって言ってるのと同じだね、>>1は反日のアメリカ人かな?

こうやって震災をネタにしてもの書けるとか頭おかしいよね、心がないね、頭おかしいサイコパスなのかな?
しかも戦争を煽ってるような描写もあるね、これは救いようもありませんねー


16VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/17(火) 15:02:18.91XDWBBD1N0 (1/1)

基本アベンジャーズの敵はアベンジャーズのどのメンバーよりもアホみたいに強いよね




17VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/17(火) 15:38:08.399MdRyLzi0 (1/1)

>>15は元々不謹慎厨に対するアンチさんです
それが成りすましをしてる屑なんで気にしないでください


18VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 15:45:40.65UbogAyDgO (1/3)

>>17
あのスレからやってきた非国民かな?
スレタイに3.11とか入れてわざわざ馬鹿にしてるようなSS書いてる作者に
>こういうssでたかが地震と津波程度で可哀想な人アピールして国民の血税を浪費してる被災者も、偽善者ぶってる不謹慎厨も心から笑顔にしてやってくれ
とかのたまう此処の>>1と同じ福島を笑い物にする屑だから無視していいよ

俺は不謹慎にも福島や核をネタにSSを書こうとするゴミを駆除してるんだから、俺の行動こそが正義だしW


19VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 15:49:28.61Dvy23+41O (1/1)

不謹慎なスレはすべて潰す!!!!


20VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 15:52:51.07HIlq8OncO (2/2)

おうID変えんなや。NGが面倒だろ


21VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 15:54:31.07480RZ0JXO (1/1)

まさか、こいつらがキングオブモンスターだと言いたいのか…だとしたらなんという策士!!
というか普通に続き気になるから続けてくれると嬉しい


22VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 15:55:51.7188bfXy6+0 (1/1)

>>15>>18
そんだけ元気なら騙し取った生活保護全額返金して働けよ犬畜生の売国奴


23VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 16:18:52.39UbogAyDgO (2/3)

>>20
携帯だから勝手にかわんだよWWそんなこともわからない餓鬼だから原発問題とかわかんねぇんだろうな、餓鬼がインターネットしちゃだめですよー?

>>22
お前だって福島に一銭も払ってない守銭奴だろ?国民全員が原発問題に取り組んでるのに自分が損だからって金払わない基地外がなにいってるのWWW


24VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 16:26:44.64jnGkV7Kio (1/1)

PC接続でもモデム・ルーターの電源コンセント抜き差しでいくらでもID変えられるんだよな・・・


25VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 16:42:19.76UbogAyDgO (3/3)

>>24
知ってるわーそんなどや顔で説明されなくても判ってる事話されても困るわー
で、末尾ってしってる?WW


26VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/17(火) 17:52:27.81zwyOS/fSO (1/1)

>>25
報告しておいたから



27VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 02:28:12.06/TXhF3mAO (1/2)

スリーマイルもチェルノブイリもビキニ環礁のマグロ漁船すら不謹慎厨の中では不謹慎ではないらしい。
あれか。日本人というだけで不謹慎という奴か。

まぁ放射能怪獣だろうと無許可採掘星人だろうと水爆パワーで退治すりゃいいのさHAHAHAとかラズベリー賞ものの不謹慎だしな。


28VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 04:32:33.97i2K75X1cO (1/1)

マーベルにゴジラがマジでいるとは聞いてるけど、実際読んだ事ないんだよね
最近何かで出たりしてるのかな?


29VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 07:29:27.09YLMsYB1RO (1/1)

>>27
別にあれは日本関係ないし
言ってしまえばテレビや大手出版社が福島をネタに収益に走るのは不謹慎じゃないし

でもSSで話題にしたり話のネタにするのは不謹慎で、不謹慎な奴は徹底的に人格攻撃していいんだよ
3日間に及ぶ話し合いの末そう決まったからね、仕方ないんだよ


30VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 12:32:15.79ypzpJMvA0 (1/1)

これだから嫌儲民は


31VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 12:40:52.40i4HpZmEgO (1/1)

ググったらゴジラってマーヴルに出てたのか…
そのときのタイトルがこのスレタイについてたのね


32VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 13:01:36.416UIyyNcPO (1/1)



何事もなく終わりそうであったこのショーであったが

しかし、その最中にトニーの耳に突然呼び出し音が届いてしまった。


トニー「…なんだ?どうしたジャービス」

観衆を前にして顔色は少しも変えず、彼はそれに応対した。


J.A.R.V.I.S.『トニー様、緊急のお電話が入っています』


トニー「後にしろ、もうすぐでショーを終わらせる、それから」


J.A.R.V.I.S.『ですが、申し訳ありません』


そう謝罪したあと、電子音声が途切れ、代わりに彼にとって聞きたくない声が届いたのだった。


?『トニー、酷くまずいことになった、今どこにいる』


トニー「……分かっているくせに、それともそんなことも分からないくらい耄碌したのか?」


声の主はS.H.I.E.L.D.長官 ニック・フューリー、その人だった。




33VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 13:05:48.56OhfvfrPBO (1/1)



ニック『ああ、だからまず君に話している、その場所はまずいんだ!』


トニー「どうしてだ?…ロシアのテロリストにでも狙われているってのかい?それとも北朝鮮?」


ニック『人間相手なんて、だったらどれだけマシだったか…!』


なんとも苦々しい口調で、ニックがそう吐き捨てた。


直後、会場は地響きに襲われ、観客の悲鳴と動揺が広がった。


トニー「!?…なんだ、地震か?随分と珍しいが…」


ニック『……地震じゃあない、もっと強大で恐ろしい…化け物だ』


次の瞬間、衝撃がトニー達の立つ地面を襲った。

地震のような継続的なものではなく
もっと荒々しい、殴りつけるようなパワーを感じた。


いや胸騒ぎを覚え、トニーは会場の舞台から飛び降り出口へと走った。

どうせもう、彼の話を聞く人間はそこにはいなかった。



34VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 13:09:03.52Ndb0YoAQO (1/1)



彼は、その様をはるか遠く岬の端から見つめていた。

ブルース「………っ」

ただ黙って、そいつを見つめていた。



巨大な影、その荒々しい表皮と歪な背びれ

鋭い爪と、凶暴な肢体

眼は怒りに血走っていて、灼熱の息を吐く口には何本も牙が並んでいる。


身長は250フィートを超え、その重さは離れた所から見るだけでは計り知れない


「……GRRrrrr…」


そいつが唸るだけで誰もがすくみ上がり、人々はあまりのことに逃げることを一瞬遅れた。



ブルース「……やあ長官殿、何の用かな?」


ブルースは着信を知らせる携帯電話を取り出し

特別回線から届いた着信に応えた。


ニック『バナー博士、そこから見えているか?』


ブルース「ああ、よく見えているよ、あれは一体なんなんだ?」


ニック『分からん、だがとにかく君たちに招集をかけることになった』


ブルース「まあ、だろうね、僕が役に立つとは思えないけど」


自身が思うにあの様子では、もう一人の"彼"の手にも余りそうであった。


沖の軍艦からの砲撃も物ともせず、ソイツはズンズンと進んでいく。


ニック『一先ずはトニー、アイアンマンが応戦するだろうが…恐らくは』


ブルース「彼か、ふむ」



35VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 13:52:42.54/TXhF3mAO (2/2)

GMKゴジラは第二次大戦不謹慎厨への怒りが日本へ牙を剥かせた。
鬼畜米英と吹き込まれてきたチビとお[ピザ]の怨念が執り憑いたゴジラは、果たして何処へ往くのかな?


36VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:10:58.77LO0QuPRbO (1/6)


トニー「あれは幻覚か?出番前の酒を飲みすぎたせいなのか……最近はドラッグも控えてたんだがな」


彼はこれまでにない絶叫と動乱の中、呆然と佇んでいた。


海から上がってきたソイツは、

そのデカい歩幅をきかせて瞬く間に市街地まで侵入し

地響きを引き連れながら歩き続けている。


道路は人で溢れ、建物は崩れていき

かつてのエイリアン襲撃を思わせる様相だった。


「「………っ!!」」

逃げ惑う人々のなかに、トニーは請うような瞳を幾つも見た。


トニー「……まぁ、そうなるよな」


これでは仕方ないと、彼も臨戦の意思を固めるしかなかった。


マークX「?」

白銀の彼が自分を指差すようにしていたが、

トニー「ダメだ、お前にはまともな武器は積んでないんだからな」


マークX「」ガックリ


彼の出番ではなかった。



37VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:11:27.33LO0QuPRbO (2/6)


揺れる地面の上を走り抜け

トニーは会場前のロータリーに停車していた
真っ赤な愛車に飛び乗った。


運転席ではなく、そのボンネットの上に


トニー「…さてと、勝てるのか?あんなの…」


彼の両足の靴底にセンサーが反応して、ボンネットの板が真っ二つに割り開いた。


そこから金属アームが幾つも伸びて、最初に彼の足を鎧で包んだ。


そのまま徐々に全身を覆い、腰、腕を真っ赤な鋼鉄で彩っていく


胸のアーク・リアクターが輝き、頭まで鉄面を被れば


トニー・スタークのもう一つの顔、アイアンマン、その勇姿がロスの路上に現れたのだった。




38VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:12:07.99LO0QuPRbO (3/6)


子供「あ、あれは!」

男「アイアンマン、アイアンマンだ!」

女「愛してるわっ!トニー!」


人々のそんな声援の中を、アイアンマンはブースターの噴射で飛び上がり


目の前に迫る馬鹿デカい脅威に向かって突っ込んでいった。


アイアンマン「あれは、トカゲの化け物か?それともまさか、恐竜…?」


その巨躯は、逞しい二本足でそびえ立ち

長い尻尾を振るいながら、我が物顔で街中を我が物顔で練り歩いていた。


よく見聞きするティラノサウルスに似ていたが、それにしては頭が小さく、下半身がズングリしているように思えた。



アイアンマン「まあいい、まずは挨拶代わりだ…!」


内蔵の小型ミサイルの照準を合わせ、その化け物に向かって発射した。


巡洋艦程度なら充分に沈められる威力をもっていたが、果たして効くかどうかは分からない


それ位に、強大で、かつ重圧を放っていた。




39VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:12:51.24LO0QuPRbO (4/6)

同時刻:ワシントン

兵舎


スティーブ・ロジャースはラジオの速報を聴いて、首を傾げていた。


スティーブ「……これは、何かの冗談だろうか…」


1938年、火星人の襲来を知らせるラジオ放送があったが

当然ながら大嘘の内容であった。


あれから70年以上も経ったこの世で
相変わらずそんなジョークを放送するものだろうか


そんなことを、ボンヤリと彼は考えていた。


だが、ニックからの電話が入るや否や

それがジョークではないとたちどころに知ることとなった。


もちろん、直ぐには受け入れられなかったが



40VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:13:37.83LO0QuPRbO (5/6)


ニック『キャプテン!今直ぐに迎えを送る、招集だ』


スティーブ「あ、ああそれは構わないが、一体何が起こって…」


ニック『その問いに答えてやれるほどこっちも余裕はない、それに答え自体用意できていないんだ』

彼の声は酷くピリピリしていて、とても会話になるものではなかった


仕方なく電話を切って、スティーブはソファの脇に置いた"盾"を手に取り
外に出た。


その頃にはもう上空にS.H.I.E.L.D.のVTOL機が待機していた。


パイロット「迎えに上がりました、キャプテン!」


スティーブ「ああ、相変わらず準備だけは手際のいいことだ」


あと長官も尻拭いも覚えてくれるとありがたいな、

という言葉はとりあえず飲み込んでおくのだった。



41VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:17:07.55LO0QuPRbO (6/6)


いくつもビルが破壊されていく中で、アイアンマンは戦闘を続行していた。


しかし手の内の兵器は全て使い果たしても、その敵には傷一つ負わせた気がしない。


ミサイルもレーザーも撃ち尽くした。

自慢のリパルサーレイを全開出力で何発も当てたが怯むだけで、何事もないように向かってくる


アイアンマン「参ったな、分かってはいたんだが、こうも無力とは…」


J.A.R.V.I.S.『トニー様、エネルギー残量が10%を切りました、これ以上の戦闘続行はオススメ出来ません』


アイアンマン「だろうな、続けても甲斐がないと思う、だが……ん?」


その言葉の途中で、彼はその生物の放つ

激しい光を見た。


背ビレが発光して、マグマのような熱を帯びている。



アイアンマン「な、何だ?…一体」

J.A.R.V.I.S.『急激なエネルギー上昇を確認、危険です トニー様』


アイアンマン「は?」


発光はヒレからその顎にまで広がり、口腔で渦を巻いた。


アイアンマン「……なんて、光だ」


その光の中に、トニーは自分のアーク・リアクターと同種の存在を感じた。


J.A.R.V.I.S.『トニー様』


アイアンマン「…ああっ!しまった!」


牙の間から炎が上がり、そのまま火炎の帯は光線のように空へと伸びて

回避の遅れたアイアンマンに襲いかかった。



42VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:26:06.073DGVYColo (1/1)

この絶望感は素晴らしい


43VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 14:26:52.168Ii6BFMEO (1/1)


「…!?」


その瞬間、地面のコンクリートが砕けて、地下鉄の線路内まで続く巨大な穴が空いた。

その穴に化物は足をとられ、思わずよろめき


結果、光線は少しばかりアイアンマンから逸れていった。


アイアンマン「うおっ!?…なんで!」


しかしながら、遠巻きながらもその光線の威力は凄まじく

その激しい熱量と膨大な放射線は
スーツの機能不全を起こすには充分であった。


J.A.R.V.I.S.『トニー様、今のダメージは想定を遥かに超えています』


アイアンマン「だろうな、全く…これじゃあどの道避けようもないか……あっ」


少しずつ高度が下がっていき、やがて噴射までも完全に止まってしまって

重力のままに地面へと落ちていく。


アイアンマン「まずいっ!非常に!」


パラシュートもないスカイダイビングをする羽目になった彼は、

思考を巡らせ緊急用のシステムを起動させて見にまとったアーマーを全て分解し脱ぎ捨てた。


J.A.R.V.I.S.『解除します』

トニー「ぷはっ!?ああ見晴らしがいいな、うおおあぁぁぁぁあああっ!!!」



身一つで彼は落下し、コンクリートの地面がせまってくる


その中で、トニーは中空に差し出された白銀の腕に救い上げられた。



44VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 15:23:48.88RcI59vwNO (1/1)

キャップにどうしろと…


45VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 17:48:22.98elbwzE2g0 (1/1)

いいSSじゃないか。アメコミ好きの自分にとって応援したくなる


46VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 18:09:31.71Mdo8zvVe0 (1/1)

ちな、スパイディやウルヴィーの出番はあるんやろか…雰囲気的に映画版アベかなぁ


47VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 18:46:48.27XHjvjul40 (1/1)

>>46
出ても尻尾でホームランされて終わりそう>ウルヴィー


48VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 19:55:56.41LLUuEKG80 (1/1)

ゴジラSSは他にも見たことあるが、ガメラSSってないのかな…ギャオス大好き


49VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 19:57:49.11x7J0Bnaeo (1/1)

ウォーバリーンって大量破壊攻撃とか広範囲攻撃とか無いのによくメイン張り続けられるな


50VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 20:03:42.42qZm92vY7O (1/1)

ファンタスティックフォーあたりが何とかしてくれるのを密かに期待


51VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 20:13:33.79WJBZma5TO (1/1)

ウルヴァリンはなんかロマンがあるからな


52VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 20:18:45.29aBWhaM7Wo (1/1)

デップー呼んで原作見て貰えば万事解決


53VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 22:58:18.46n+CP8N51o (1/1)

社長がオキシジェン・デストロイヤーくらい作ってくれる
誰が使うかって?そりゃあ…


54VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/18(水) 23:51:31.60bzrqCiIRo (1/1)

あれ、これって日本版のゴジラ?


55VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/18(水) 23:58:38.43U4Lmag0f0 (1/1)

ネタバレ:ピムが主役


56VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/19(木) 00:22:32.61rFYxfEOso (1/1)

>>55
ジャイアントマンやめてさしあげろ


57VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/19(木) 01:29:32.5672X97NtRO (1/1)

これはフェニックスキラーまったなし


58VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/19(木) 18:45:27.86XSBph8DSO (1/1)

>>54
アメリカ版だと社長で死ぬし…


59VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/20(金) 13:28:10.72JqeJbGYAo (1/1)

>>58
やっぱりマグロ食ってるようなのは駄目だな


60VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/21(土) 01:00:03.953pNe4wt90 (1/1)

我セントリーぞ


61VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:03:59.41QtbNWbOe0 (1/11)



ブルースのもう一つの名前、ハルク


ハルク「ガァォオァァァアアアアアアッッ!!」


彼が渾身の力を込めて地面を両手で殴りつけると、

路上に大穴が空いて、僅かながら敵を沈み込ませることができた。


だがしかし、現状で出来たことといえばそれだけで

あとは、自分よりずっと大きいその化け物を見上げるしかなかった。


ハルク「グゥウウアッ、ガァォァァアアオアアアアアッ!!」


いくら彼が吠えても、相手の耳朶に届くかどうかも怪しかった。


「GAAAAAAAAA!!GAAAAA!!!!!」

反面、敵の放つ吠え声は、その臓腑にまでズシリと響くほどだというのに




62VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:06:02.77QtbNWbOe0 (2/11)


トニー「はぁ…はぁ…や、よくやった、いい子だ」


まだ無事だった高層ビルの屋上に、彼はアーマーを遠隔操作してなんとか降り立った。


トニー「よくやったぞ、いい子だ」

マークX「」


トニー「急なアドリブだったが、上手く信号を受け取ってくれたみたいだな…」


状況は最悪だったが、さっきの光線は酷い破壊力と同時に

彼に一縷の解決方法を提示してくれた。


トニー「はぁ……よし、それじゃあ今度はペアでいくとしようか!」

そう言って指を鳴らすと、白銀のボディが稼働して、彼を受け入れるように展開した。

装着して、システムを手動に切り替えると、彼はまた空へと飛び上がった。


アイアンマン「……よしよし、さぁて…ジャーヴィス」


J.A.R.V.I.S.『はい、確かに先程の熱線で周囲の放射線濃度が上昇しています』


アイアンマン「そうだな、つまりは…奴はあの博士のご兄弟らしいな」



そこから導き出される可能性は、図らずもこの対核兵器アーマーが役に立ちそうであるということだった。




63VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:15:29.97QtbNWbOe0 (3/11)


その頃になると、ようやくというか軍の配備も整い攻撃を始めていた。


しかし
戦闘機や、戦車が並び次々と爆撃を浴びせても


そいつは怯むどころか、反対に怒りを湧き上がらせて、怒号をあげるばかりだった。


「GRRRRAAA!!…GAAAAAAAAAAAA!!」


なす術なし、アイアンマンすら太刀打ちでいない状況で隊員たちにそんな空気が広がっていた。


その空の中、人間型の機体がその巨体に詰め寄る。



アイアンマン「随分とデカイ顔をしてくれるじゃないか、バケモノめ…」


「…GaAAA」



一度跳ね除けた相手の再登場に

唸り、嘲笑とも聞こえるような鳴き声を発して

そいつがまた一つ吠えてやろうと、顎を大きく開いた。



アイアンマン「ふんっ、そこだあっ!」

上手く挑発にのったと、谷より深く開かれたその口に

彼が両腕からありったけの弾を食らわせてやった。


「ッ!!!?!?」


アイアンマン「……当たりはしたな、流石に」


化け物は急激な脱力感に襲われ、酷い目眩がしているらしい

何が起こった、そう言いたげに化け物は目を白黒させた。



"試作型カドミウム弾"


元はミサイル弾頭の核反応を抑制する装備であったが

どういうわけか、この生物にはそれがいくらか通用したらしい。




64VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:16:31.35QtbNWbOe0 (4/11)


みるみるうちに張り詰めた筋肉が萎んで弛緩していき、

滾っていた力が収まっていくのを肌で感じ取れた。


アイアンマン「……やったか?」


「………GRRrr…ッ!!」



兵隊長「…ち、チャンスだ、撃てーっ!!」


そこから矢継ぎ早に撃ち込まれる軍の攻撃にも怯み、血を流すようになって

化け物が恐れ、弱っていくのが誰の目にも明らかだった。


踵を返し、逃げ道である海へと退いて去っていこうとしていた。


兵士「逃がすなーっ!」


兵士「撃てーっ!」


それを逃がすアメリカ軍人ではなく
次々に弾薬の雨を降らせていった。


その光景を、アイアンマンは屋上の淵に座り込んで眺めていた。


装備といえばあれっきりだった上に、ミサイル追撃を想定したこのスーツは極限まで軽量化が図られており

敵と正面からやり合うことには向かないのだ。

なので、もう何もかも出来ることは無くなっていた。


アイアンマン「………ふぅ、まったく…」




65VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:21:40.82QtbNWbOe0 (5/11)



?「あらら、あの子もう帰っちまうわけ?今からが面白いとこなのに…」


アイアンマン「…は?」


?「おっつーアイアンメ~ン!顔合わせるのは、ほら…アレ以来じゃね?知らないけど」


アイアンマン「お前か、いつも急に現れて心臓に悪いやつだ」


いつの間にか、その隣に妙に奇怪な人物がポップコーンを片手にヤンキー座りをしていた。


全身赤いタイツを着こんで、拳銃と刀を携えたそいつは、やけに軽い口調でトニーに話しかけてきた。



デッドプール「とりあえずコニチワー、あんま知らない方のトニーさんコニチワー」


アイアンマン「こんにちは、な……それで、何でここにいる」



デッドプール「いやさぁ、何かデカい見世物があるっていうからTwitterのネタにと思って見物にきたわけよ!」


アイアンマン「……そうかい、まあそんなことだろうと思ったよ」


デッドプール「あ、オレちゃんの見る?フォロワーとか多分そっちんよりマジすげーけど」


アイアンマン「遠慮しておくよ、そんなもの興味ないからね」


デッドプール「そーかいそーかい」



アイアンマン「今はそんなことより、あっちの方が重要だ」


デッドプール「はぁ?あれェ?……ああ"ゴジラさん"のことね、うんうん大事だわなアレは」



66VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:23:07.31QtbNWbOe0 (6/11)


アイアンマン「……え?今なんて、ゴジラ?」


?「そ、ゴジラゴジラ、むかーしヤンキースにいたバッターなんだけど、あ、もう違うか!」


アイアンマン「お前、話すならちゃんと話してくれ、全然内容が」



?「あ待って!ヤベェわ、電話かかってきちゃった呼び出しだよオイオイオイオイィ!ヘルプだってさ!!えっへん!」


アイアンマン「ちょっと待て、さっきなんて言った!お前アレを知ってるのか?」


?「んなの知るかよオレにはかんけーし!じゃーなー!会ったら奥さんによろしく言っといてよ!」


アイアンマン「はあ?あのな私は結婚なんかしていないぞ」


?「ちっげーよ!オレ様のハニーちゃんのことだよ!もうっ!」


アイアンマン「…………」



?「またな!まあテメぇのことはぁ、気が向いたら殺しに殺しに来てやっからよ…うっひょおぉーーっ!」ピョーンッ


アイアンマン「そうかい」


それだけ言い残して、そいつは屋上の縁から飛び降りていった。

後に覗き込んでも、そこには落ちていく人影は欠片も見えないのだった。



67VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:24:49.51QtbNWbOe0 (7/11)


まあ彼にはそんなことを気にする余裕もなかった。

いまだに歩みを止めない目の前の、ゴジラといったか


何事も呼び名は必要であるが、しかし


奴は一体何者なのか、彼はそればかり気になって仕方がなかった。


トニー「ったく、ヒーローってやつも楽じゃない、気軽に投げ出すことも出来ないんだから」


放射能の怪物か、それとも異界から招かれたか


色々と"専門家"達の意見を聞きたいところではあった。


それに関してはいえば、招集がかかったというのは
ありがたいことではあった。



68VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:29:03.61QtbNWbOe0 (8/11)


ロジャースもとい、キャプテンアメリカが現場に到着したとき

彼は自らの目を疑った。


キャプテン「何なんだこれは、一体……」


ロスの街が、瓦礫の山と焼け野原に変わっている。

竜巻と地震と津波が同時に来たとしても、ここまでの惨状にはとてもならないだろう。


加えて報告によると、周囲一帯の放射線量も濃く

一体ここで、何が起こったというのか

彼には想像もつかなかった。



その後の陸海空軍の追撃もむなしく

件の"怪獣 ゴジラ"はその姿を海深くへと、およそどんなセンサーも届かないようなところまで、信じられないスピードで潜行し、逃げおおせていった。


あとはこの広い海のどこか

海溝の底か、火山のそばにいるかなんていう、想像に任せるほかはなかった。



69VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:30:36.25QtbNWbOe0 (9/11)


ということで、今回キャプテンは結果的に事後処理へと回る羽目になってしまったのだった。


キャプテン「全く、まだ事情も飲み込めてないっていうのに、これだから…」


隊員「ぎ、ぎゃぁあああっ!!」


愚痴をこぼしかけていたキャプテンは、
突如響き渡った悲鳴に即座に振り向いた。


みれば、自分が率いていた隊員たちの数名が
人間ほどのサイズはありそうな虫にまとわりつかれてパニックになっていた。


?「キーっ!…キーーっ!」


フナムシにも似たそいつらは、次々浜の岩陰や茂みの中から現れて猛威をふるってきた。


長く伸びた口元の針で人を刺し、捕食しようとしている


隊員「た、助け…」

キャプテン「この、こいつ!」


駆けつけたキャプテンは
隊員に食らいついた一匹に盾を投げつけてまずは弾き飛ばす。

外殻がゆがんで、地面で「キーキーっ!」鳴いているそいつの腹を思い切り踏み抜いてトドメをさした。


キャプテン「各員、陣形をとって互いをフォローしあうんだ!敵はただの虫ケラだぞ!恐れることはない!」


「「り、了解!」」


その言葉に鼓舞されて、隊員たちもようやく冷静さを取り戻し


隊列を組み直し、虫の掃討を始めた。


瞬く間に虫は駆除されていき、おおよそ
目立った怪我人もでることはなかった。


被曝対策用の分厚い装備を着込んでいたことが功を奏したのだ。


キャプテン「一体、何を食ったらこんなに大きくなるんだ、こいつらは」


彼は一匹を無傷で捕まえて、しげしげと眺めてみた。


こうも巨大になると、虫もエイリアンも違いはないように思えていたのだった。



70VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:42:18.82XPrT73Vco (1/1)

ショッキラスとはなかなかマイナー?な怪獣だな


71VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 00:49:48.95QtbNWbOe0 (10/11)

>>65誤字ったなんか

今更ながら>>1はアメコミはにわかなんで
書籍として持ってるのはウォッチメンとキルズ・マーベルユニバースくらい

あとはとっつきやすいアルティメットを適当に読んだ位でいわゆる正史はあまり

東宝特撮は大抵は分かるんですが、タイトルが分かりづらかったか…

他所のアメコミ×とある、みたいながっつりクロスして注釈まで入れちゃうのは無理です。


72VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 01:12:36.15GiVAgKSSO (1/1)

ゴジラに着いてたフナムシだったっけ?


73VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 03:03:27.80QtbNWbOe0 (11/11)

30th May:

S.H.I.E.L.D. 本部:
ミーティングルーム


薄暗い部屋の円卓にて、フューリー長官を中心に

"アベンジャーズ"のメンバー、

トニー・スタークとブルース・バナー、
スティーブ・ロジャースが険しい面持ちで座っていた。



ニック「さて、よもやまた君たちに招集をかけざるを得ない状況になるとは、まったく難儀なことだ」


トニー「挨拶はいいからさっさと始めてくれ、私だって忙しいんだ」


彼のそんな不躾な物言いにスティーブも難色を示したが

長官に視線で制されてしまったので口を挟むことはやめた。



ニック「確かに、我々は早急に対処しなければならない……あの怪物、ゴジラに対して…」


ブルース「ゴジラ、ね…」

スティーブ「なんとも洒落たネーミングだな、スターク」


トニー「僕が考えたわけじゃない、そこは勘違いしないでくれ、諸君」


ゴジラという名前は、トニーが彼の会いたくもない人物から聞いただけのことだったが


誰も彼も暗中模索の中で、その名前というのは一つの突破口となったのだった。


ニック「1954年のことだ、アジアの島国である日本の古い記録にその名前が載っていた」


ブルース「……ニッポン?」


トニー「へえ、それはまた偶然だな」


スティーブ「そんな記録が残っていたのなら予め対策が出来たんじゃないのか?長官…」


その意見は横で聞く分には至極まっとうな意見のように思える。

しかしそれは今となってはのことであり、ニックは涼しい顔をしていた。



74VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:12:40.819Y6l0PITO (1/7)


ニック「ならキャプテン、君は外国の記録に"身長150フィートで口から火を吹く放射能の怪物"なんて記述があったら、それを信用するというのか?」


スティーブ「……それは」


ブルース「まあ、普通はたちの悪い冗談だと思うだろうね…そんな荒唐無稽な話は」


トニー「その頃に起きておいてくれればよかったのにな、キャプテン?」


スティーブ「…うるさい、それは言うな」


一度は前のめりになるほどの勢いで追及したスティーブも、いとも簡単に言い負かされて

すごすごと引き下がるしかなかったのだった。


トニー「とはいえ、だ、それでも言い逃れできない過失があったんじゃないのか?」


ニック「というと?」


トニー「話によれば、君たちは一度は洋上で異変に気付いていたらしいじゃないか、ん?」


スティーブ「なにっ!?それは本当なのか?」


ニック「……どこで聞いた、まさかまた侵入したわけじゃないだろうな」


トニー「さぁてね、でもここで問題なのはおたくらS.H.I.E.L.D.の管理のずさんさだと思うけどね」


ニック「………そうか、そうだな」


スティーブ「……フューリー」


ニック「そのことに関しては反論はない、彼らも鯨か魚群くらいにしか思わなかったようだ」


トニー「魚群、なるほどね……だといいんだけど」


スティーブ「……?」


ニック「責任は私にある、だからこそ、今後の対策には全力を注ぐ必要があるのだ……皆、協力してくれ」


ブルース「それはまあね、あながち僕なんかは他人事ではないわけだし」



75VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:13:40.009Y6l0PITO (2/7)


トニー「まあ、手伝うことはやぶさかじゃあない、こっちもスーツ一着分の借りがあるしな」


ニック「助かる…」


スティーブ「まったく、こんな規格外な時にこそ"神様"の力を借りたいものだがな…」


トニー「人の都合に左右されないのが神様ってもんだよキャプテン」


スティーブ「そんなものか…」


ニック「まあ一旦"彼"のことは忘れよう…さて」



長官がテーブルのパネルを操作すると、壁一面のモニターに各々の資料が映し出された。


ニック「記録によると、かつて東京に現れたゴジラは、その後海に消えて行方が分からなくなっていた」



スティーブ「…そしてその後、何十年も経ってから、今度はアメリカに現れた、どういうことだ?」


ブルース「さてね、生物がそれだけ長い間消息を断っていたということは、何か休眠状態にあったと考えるのが妥当だろう」


トニー「成る程ね……ああよかったじゃないかキャプテン、同衾の仲間がいたってことだ」


スティーブ「茶化すな、スターク」


ニック「問題は、なぜ今になって起きたか、その原因だ…」


ブルース「……ふむ」


きっかけさえ分かれば、何かしらアレを呼び寄せる元凶も分かりそうなものだったが

その答えを探すことは一先ずおくことにした。


トニー「……まあいいじゃあないか、来てしまったものは仕方ない」


ニック「そうか、そう言ってもらえると心強いよ」


ブルース「じゃあ次か、彼の捕まえたあの虫の話にしよう」


トニー「ああ、bugは苦手だ…」


スティーブ「あれか、あれは普通の虫と見ていいものなのか?エイリアンかなにかじゃ」



76VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:15:45.019Y6l0PITO (3/7)


モニターには、水槽に入れられた虫の映像が大写しになった。

別室からの生中継映像である。


ブルース「宇宙からきたというとはないだろう、恐らくは放射線を浴びて細胞が変異した個体だと思われる」


トニー「へえ、君みたいにかい?」


ブルース「ああ、だがアレと僕とでは本質的なところで違うものだといえる」


ニック「というと?」


今度モニターに映し出されたのは、ハルクとフナムシの比較画像

そして各種の数値データとグラフだった。


そこからはキャプテンが蚊帳の外になるくらい専門的な話が続いたのだが、要約するとこうだ


ハルクのケースでは、特定の放射線であるガンマ線を爆発的に浴びて生まれた。

いわば無理やり生物の形を歪めた結果であった。

だから、まるで形状を記憶するかのようにハルクから元のバナー博士の姿に戻れるのだという。


一方この虫は、長期間に様々な放射線で汚染された環境

恐らくはゴジラの皮膚に寄生していたため、それに適応するためにゆるやかに進化した結果と推測される。


であるから、こうして時間が経過しても姿形に変化は見られないのだった。


ニック「……つまり、あのゴジラはハルクのように小さくなってはくれないということか」


ブルース「あぁ、その可能性が高いと思うね」


スティーブ「……なるほど、そうか」


トニー「それはまた、いい話が聞けたよホント」



77VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:17:03.289Y6l0PITO (4/7)

31th May

太平洋 海底


海底を捜索中のアメリカの潜水艦が妙な信号を受け取った。


相手の国籍は不明、信号の内容はSOSのそれであった。


ただ、なにかひどく慌てているようでそれ以上のことは分からなかった。


船員「……なんだったのでしょうか」

やがては、その信号さえも途絶えてしまった。


艦長「さあな、位置は記録しておいて、本国に連絡しよう」


船員「はっ!」



78VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:20:54.779Y6l0PITO (5/7)

1st June

S.H.I.E.L.D.施設内
トニー・スターク研究室


トニー「………」


研究室内で一人、彼は設計図を書きていた。

今度は対核兵器ではなく、対ゴジラ用の兵器を作り上げるためにだった。



前回の戦いで、カドミウムが効果的なのは実証済みだ

あとはそこからさらに発展させて

さらには他方面からも攻める方針で幾つかのアイデアを書き留めていた。


そこへ、もう一人の博士が訪れた。


ブルース「やあスターク、調子はどうかな?」


トニー「ああ、上々だ…まったくの暗中模索ってわけでもないしな」


ブルース「それは良かった……ところで、良いニュースと悪いニュースがあるんだが、どっちから聞きたい?」


その問いに、トニーは顔を空中に浮かぶ図面から逸らすこともなく返した。


トニー「そういうときは、良い方から聞くものだろうな、その方がオチがつく」


ブルース「そうか、良いニュースてのは、我らがアメリカ軍が領海内で中国の原潜を見つけたってことだ…」


トニー「………へえ、そりゃすごい」


彼の声色からは、もうこの話のオチが分かっているかのような、浮かない感じがした。


トニー「一応聞こうか…それで?」


バナー博士は、トニーに向かって
黙ってタブレットを差し出して、その画像を見せた。



79VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:22:01.349Y6l0PITO (6/7)


ブルース「S.H.I.E.L.D.の無人潜航艇が見つけたんだ」


トニー「………」


薄暗い海の底で、バラバラになった巨大な鉄クズがあたりに散らばっていた。


爪で抉られ、牙で割かれて

実際に見たわけではないが、彼らにはそれが容易に想像できていた。


ブルース「まったく、核燃料を食べて生きているなんて生物は始末におえないな…」


トニー「同感だな、君が言うと特に説得力があるよ」


ブルース「そりゃどうも」



80VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:23:59.599Y6l0PITO (7/7)

2nd June

アラスカ

北極圏沿岸


緊急指令によって呼び出されたキャプテンアメリカは、戦闘機を駆り

その海から上がってきた怪獣と対峙していた。


後方ではバナー博士が待機していたが、ハルクとしてではなくあくまで研究者としてだった。


ちなみに、トニーはまだ研究室に篭り切りだった。


?「ギュィアアアエアアアっ!!」


というのも、この怪獣はゴジラとはまた別種、大きさもいくらか小さい個体だった。


トカゲや恐竜よりも、図鑑でいうところのセイウチに近い姿をしている。


ブルース「いつから、この地球は怪物の蔓延る星になったんだ?」


?「ギュゥウウウアアア…」


キャプテン「各機、波状攻撃で敵を攻撃!これ以上陸へは上がらせるな!!」


彼の発破をかけられると、戦闘機や戦車隊が陣形を組んで敵に爆薬の雨を降らせた。


?「ギュォォアアアッ!ガァァアアッ」


ゴジラとは違う、明らかに怯み
血を流して負傷したように這いずっていた。


キャプテン「……勝てる、だがこれは弱すぎる」


いくらゴジラより小さいとはいえ、それでも巨大な相手だ

それなのにと、キャプテンが違和感を覚えるほどに敵は呆気なかった。



81VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:32:21.87E6+/6Tg5O (1/5)


その違和感のまま、そのセイウチの化物は攻撃を始めて一時間もしないうちに動かなくなってしまった。


即座に、バナー博士を含む調査隊がその死骸を調べ始めた。


一応、放射能汚染度を計測したがそう高い数値を示すことはなかった。


その腹部にざっくりと空いた、大きな爪で引っ掻かれたような傷跡以外からは



ブルース「どう思う?キャプテン」


キャプテン「……これは、まるで何かに襲われたような感じだな」


ブルース「だろうな…」


二人の目の前にはいま、巨大なセイウチの腹に空いた大穴があり


そこからダラダラと血が流れ、その周りを調査員たちが動き回っていた。


ブルース「ともすれば、その相手とは…」

キャプテン「……ゴジラか」


ブルース「その通りだ…つまり奴は、この先の北極の海にいたということだ」


キャプテン「そんな所で、一体何を…」


ブルース「さてね、まあとりあえずこいつの骨格はいい標本になりそうだ」


キャプテン「確かにな…」



82VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:34:04.14E6+/6Tg5O (2/5)


彼ら調査隊の見たてでは、

この怪獣はゴジラとは無関係の個体であることが結論づけられた。


恐らくは、北極の氷の中に眠っていた古代の生物であり

それがゴジラの接近により、その気配によってか目覚めてしまった。

両者は交戦、この巨大セイウチの方が敗戦を喫したという推論だった。


トニー「なるほどね、つまり奴さんは北極の海を渡り、今は大西洋に抜けたというわけだ」


ブルース『ああ、つまり今度は東海岸の方が危なくなってきたってことだ』


トニー「……ふむ、あくまで標的がアメリカっていう前提だがね…その前にはカナダもロシアもあるだろうに」


ブルース『だね、それじゃあ数日調査したら戻るよ』


トニー「ああ、わかった」


通信を切って、彼は部屋に並ぶ
完成した三体の新しい"息子たち"を見渡した。



83VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:35:14.12E6+/6Tg5O (3/5)


トニー「………」


これまでのナンバリングとはやはり別方向
Xのナンバーをつけた三体だった。


チタニウム合金に人工ダイヤモンドを合わせて耐熱補強をより一層施し、通常武装も積ませた以下三機。


『マーク スーパーX』
マークXをそのまま改造、発展進化させた白銀の機体。

改良型カドミウム弾を装備し、それにのみ特化させたアイアンマン

暫定ではあるが、対ゴジラに最も効果を期待できる。


『マーク SX2』
ゴジラの武器である熱線対策に重きを置いた緑色の機体


合成ダイヤモンドによる耐熱放射線反射板を前面に出して装備し

ゴジラの熱線を計算上は一万倍にして撃ち返すことができる。

その戦術的特性から三体の中で唯一、装着機構をオミットしている。


『マーク SX3』
別視点からゴジラの熱線対策を備えた青い機体

ブリザードのコールド・スーツをモデルに製作された。

冷凍ミサイルと超低温レーザーを装備

生物の肉体を凍らせて、その働きを抑制することに主眼をおいている。


トニー「…これで勝てれば、苦労は無いんだが」


作っておいてなんだが、彼はどうにも勝てるとは思っていなかった。

たしかに一度は退けたのは事実だ、

しかしそれは、トドメを刺せてはいないということなのだ。


トニー「……まったく、こんなものを読むんじゃあなかったな」


彼の机の上には、とある資料が置かれていた。

それにより彼は、ゴジラの真実を知ったのだ。


ビキニ環礁における水爆実験

それにともなう放射能汚染の中からヤツは産まれたのだ。


核兵器という人間の過ちが、あの化物を産み出したのだということを。


この資料から、そんな筆者の禍々しいまでの思いが煙のように立ち上っていた。

ゴジラは人間の罪の象徴であり、同時に迷い子であると


トニー「……誰も彼も、余計なことばかり残していくな」


彼はそんな風に苦々と一人呟き

そして、この時ばかりは自らの祖父を恨んだ。



84VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:35:59.02E6+/6Tg5O (4/5)


となると、もはや奴の標的は見えてきた。


北極海を通り抜け、大西洋、東海岸へ

ニューヨーク
マンハッタン島


スターク・タワー
そしてアーク・リアクター


加えて、あそこは"核"が落とされかけた場所だ。


トニー「奴が来るとしたら、これ以上におあつらえ向きな場所はそうないだろうな」


よりによって自分のビルがまたも狙われるとは


まったく不運な事だと、彼は頭を抱えるのだった。



85VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 12:37:10.88E6+/6Tg5O (5/5)


かつてゴジラの日本襲撃に関して、その過程・被害に関する資料はいくらでもあった。


しかし、その結末に関する資料となると、反面その数はほとんど無かった。

ある日、忽然と奴は姿を消したとしか一般には伝えられていない。


トニー・スタークは、東京湾に沈んだ"芹沢大助"のことを知るよしもなかった。





86VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 13:10:34.47pR4ZjCt/o (1/1)

映画設定じゃないから第二次大戦は祖父の代か
スーパーX2の1万倍、設定そのままかよww


87VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 14:19:56.18057SPP94o (1/1)

熱線を反射させるといえば「ファイヤーミラー」だったっけ
どのゴジラ作品か忘れちまったが・・・


88VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/22(日) 14:27:54.18FQkzbYYAO (1/1)

>>81
マグマェ・・・


89VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 14:53:27.53sBWFaawPO (1/1)

てかカドミウムって活動停止には追い込めるけど戦車程度の攻撃が効くとようになる訳じゃないんじゃ…


90VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 15:56:19.671YYTGM+4o (1/1)

1万倍に増幅して反射ってどういう理屈だよと当時は思ったけど、
あれは収束して光線化したものを撃ち返してるので
焦点のエネルギーが元の1万倍ってことらしいな


91VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 17:51:08.30E2AUqxvAO (1/1)

>>89
カドミウムはゴジラにとっての筋弛緩剤みたいなもんだと思えばいいさ


92 ◆t8EBwAYVrY2014/06/22(日) 20:07:52.86mIn8QhRd0 (1/2)

アベとゴジラは共演経験済みだけど、映画版のアベとの共演は新鮮だね。このゴジラは2014のハリウッド版ゴジラなのか?だとしたらスゲーサイズだけど
トニーがゴジラバスターアーマー(メカゴジラ)作るとか、シールドがGフォースと共同戦線組んだりとか、妄想がとまらねー
ちなみに、MARVELの原作コミックでのシールドには対ゴジラ用の部署とかもあるそうな。ヘリキャリアが飛んでるのもゴジラ対策とかいう話をどっかで聞いた気が・・・
つまりゴジラとMARVELは黄金コンビなんだよ!

>>71で持ち出してもらったアメコミSS書いてた者です。期待してるのでがんばってくらはい
あと、ぼくはデストロイアがすきです


93VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 20:20:24.19PXcBhkYso (1/1)

>>92
おう、来ると思ったがさすがに余所じゃ取り外しとけよ


94VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/22(日) 20:27:24.21mIn8QhRd0 (2/2)

>>93
うん・・・迷ったんだけど、名指しで上げてもらったから酉ありのがいいかと思ったんだ
今後はひっそり名無しで応援するね
ガッジィラァ


95VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/22(日) 20:30:39.61Fa1qquxIo (1/1)

あんま知らない方のトニーって
よく知ってる方のトニーはお金大好きトニー・マスターズか?


96VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/23(月) 23:34:51.25Pw1o9ri4o (1/1)

>>95
や、ディズニー映画の方にはデッドプール出てないから漫画の方のデッドプールか来たんじゃない?
映画の社長はハルクを宇宙に捨てるような奴とは別人だし
お前さんの言う通りタスクマスターの方だったらごめん


97VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/24(火) 23:55:29.24rm8yHD1bo (1/1)

>>96
あ、確かに…
考えてみればデプーはTasky呼びしてて本名トニー・マスターズってことさえ
知らんかもしれないと改めて思った
まあその本名も後付けなのかもしんないけど
個人誌はかっこよかったよタスキー?


98VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:23:09.389c34Dw2s0 (1/1)

なんか色々と恐縮です。
一応ユニバースとしては今んとこシネマティックに近い
映画に出てないヒーローは別次元の同一人物、微妙に立ち位置が違う感じで、ご都合主義万歳
もとよりそんなにたくさんは出せない

デッドプールに関しては他のssを読んでマブカプやってたらキャラわかんなくなってきた。

デストロイア出したいけど似たようなので綴りの違う奴いるからなぁ


99VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:27:09.56YKeM6YcnO (1/2)

5th June

ニューヨーク市
沖合100キロ地点


米軍の警戒網に、ようやくゴジラが引っかかった。


「GAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaa!!!」


海を割って現れた山のような巨体は

ロスに出現した時よりまた一回りも二回りも大きくなっているように見えた。


軍隊長「撃てーーーっ!!」


掛け声とともに、海上の戦艦からおびただしい数の砲撃を浴びせたが

ゴジラはビクともせず、逆に放射火炎を吹き荒らし

艦隊を焼き尽くし、海の藻屑と変えていった。


ニューヨーク市民は、にじり寄る脅威に恐れをなし、続々と避難をしていく。


トニーの予想が、どうにか当たった形になったことが幸いした。




100VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:28:59.31YKeM6YcnO (2/2)


ゴジラの脅威が迫る中で、セントラルパークに一人の老人が佇んでいた。

それは白髪と白いひげに、サングラスをかけて

ライフル銃を担ぐ、軍人然とした男だった。


?「この恐竜が!この!この野郎め!!」


彼は退役軍人であり

かつてマーシャル諸島で日本軍と戦い、負傷した元軍曹であった。


終戦後、帰国してからは「俺は恐竜を見た!」と言い回っては

皆から"ウソつき"だの気が触れただのと言われて、晩年まで過ごしたのだった。



元軍曹「リベンジだ!今度は負けねえぞ!この野郎!トカゲのバケモンめ!!」


そんな彼の眼前まで、ゴジラはミサイルの雨を浴びながらも歩を進めていたのだった。


やがて、大型戦闘機による絨毯爆撃が開始され、セントラルパーク周辺は爆音と煙に飲み込まれた。


「…………ーーーーッ!!」

その中を、ゴジラはまるでシャワーでも浴びているかのように
涼しい顔で振り返り、火炎を放って敵機を撃ち落とした。


?「ひぃいいいっ!?で、デカイ顔しやがってこの田舎モンがあっ!」



101VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:36:16.81KTkU2acuO (1/1)

また誤字った。
書き溜めして修正するの忘れてる


102VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:50:11.62zhn9R+90O (1/4)


怪獣はゆっくりと、エネルギーに惹きつけられる方向へ

スターク・タワーへと進んでいく。


キャプテン「くそ!ゴジラっ!」


S.H.I.E.L.D.のVTOL機を率いてキャプテンも必死で応戦するが、
その進路を逸らすことすらままならなかった。


「GRRRR……GAAAAAAAAAA!!!」


煩いハエをはたき落とすかのように、その太く長い尻尾が振るわれて

巻き込まれて何機か墜落させられた。


キャプテン「くっ!?」


何とか彼も避け切ったのだが

態勢を立て直す寸前、ゴジラの光る口腔が目の前に接近した。


キャプテン「こ、のぉぉぉぉおおおおっっ!!」



103VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:51:02.11zhn9R+90O (2/4)


その青白い光の激流に飲み込まれる寸前

SX2が間に入って、キャプテンの機体を庇った。


前面を展開させ、本来は人が搭乗する空間に設置された反射板を広げて

放射熱線を受け止め跳ね返す。


「GRRAAA!?!?」


自分の熱線を何倍にもしてレーザーで返され、ゴジラは皮膚と肉を焼かれた。


キャプテン「た、助かった、スタークか?」


トニー『やはりだいぶ苦戦しているな、キャプテン』


キャプテン「ああ、まるで終わりの見えないマラソンだ…効いている気がしない」


トニー『まあそうだろう』


キャプテン「ところでスターク、君はどこにいるんだ?」


ゴジラの周囲を、三機のアイアンマンが三面から取り囲み攻撃を開始した。


左右後方からカドミウム弾、冷凍攻撃の挟み撃ち

前方は熱線を遮る反射板を備えてゴジラを包囲していた。


トニー『君が見える位置にはいる、とだけ言っておこう』


キャプテン「そうか…ならいいが!」


機体を改めて立て直し、キャプテンもアイアンマンと共に砲撃を再開したのだった。


三機のアイアンマンが駆けつけたことにより、目に見えてゴジラの動きが鈍りはじめた。


しかし、それでも撃退するまでには至らず、目立ったダメージも与えられないでいた。


キャプテン「こいつっ!報告にあったのより、なんだか強くないか?体格も随分と大きくなったようにみえるぞ!」


トニー『さてね、粗悪な核燃料(ジャンクフード)で少し太ったんじゃないかな?』


キャプテン「それは笑えないジョークだな!スターク!」



104VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:51:48.23zhn9R+90O (3/4)


その拮抗した状況にもう一手

ハルク「がぁぁぉあああっ!」


緑の巨人が、ビルの壁面からゴジラの頭部へ向けてジャンプした。

キャプテン「博士!」


ゴジラ「GAARRRAA!!?」


トニー『まったく、生身だってのに無茶してくれる』


その勢いのまま、ゴジラの横っ面に拳をあらん限り叩き込み

驚愕で開いた口を両腕でつっかえて固定した。


ハルク「ぐぅゥウう、いマ、ダァァアアアア!」


相当きついのか、かろうじて絞り出した彼の声にトニーが反応した。


トニー『こいつはありがたいっ!』

後方のスーパーXを斜め前方まで移動させて、その開いた口に照準を合わせる。


トニー『またこいつを食らわせてやるっ!!』


ゴジラ「GAAAAAa…?!」

ゴジラの口元めがけて発射されたカドミウム弾頭が次々炸裂し、ゴジラを大きくよろめかせることに成功した。


だがその代わり、その余波を浴びたハルクまでも脱力して

その手を放してしまっていた。


そこでゴジラが頭を振ったものだから、トニーも間に合わないくらいの勢いで振り落とされ

300フィート以上もの高さから地面に激突、そのままビルの瓦礫の下敷きになってしまった。


キャプテン「くそっ!博士が!」


トニー『おいキャプテン!気を抜くんじゃない!』


集中が乱れたところに、今度はゴジラの剛腕が迫り、

キャプテンの乗る戦闘機が弾かれて墜落してしまう。


キャプテン「ぐぁぁぁああっ!?」


トニー『っ!』



105VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 02:53:26.50zhn9R+90O (4/4)


「ーーー!!!!」


流石のゴジラも、ここにきて死に物狂いになったのか

エネルギーを振り絞り、放射火炎を吐き出した。


トニー『くっ!』


それをSX2の反射板で受け止める。

しかし、万全に思えた機体から警告が発せられる。


J.A.R.V.I.S.『警告、SX2のボディが融解を始めています、今すぐ退避を』


トニー『なんだと?!バカな、想定ではまだ余裕があるはずだ!』


J.A.R.V.I.S.『機体温度の上昇が想定値を超えています、このままだと』


音声が鳴り終わる前に、SX2が火花を散らして溶けていき

滅茶苦茶の方向に熱線を反射し始めた。


J.A.R.V.I.S.『退避を、トニー様』


トニー『くっ!?』


熱線の反射をSX3は回避できたものの、肝心要のスーパーXのスラスターを直撃してしまい

ボロボロのSX2とともに弧をえがいて落ちていった。


トニー『……なんて奴だ、結局残ったのは一人だけってのか?』


「………grrrrr」


怪獣が一層怒りを滲ませた眼差しで

正面のスターク・タワーを睨みつけた。

あまりの迫力に彼もすくみ上がってしまう。


トニー『ったく…あんまり見つめるなよ、照れるじゃないか…』

そう言うのが精一杯だった。



106VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 12:45:27.843oDfkWSSO (1/1)

いくら形が変わっても、やはりスーパーXシリーズは落とされるのかwwwwww


107VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 13:09:51.05hzlNCtlTo (1/1)

まあゴジラ映画では大体新兵器の類は落ちるからな
もちろん最後までしっかり働いたのもあるけど


108VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 21:09:48.78v/QUkdnNO (1/1)

この絶望感こそゴジラらしいけどどうやったら勝てるんだこれ…


109VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/25(水) 21:11:13.45WDiDLjhao (1/1)

お、お帰り頂く方向で…


110VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:11:42.6685y1AfjJO (1/4)


ハルク「………ぐ、ぅぅ」


薄暗いビルの陰、瓦礫の山の中に緑の大男は埋まってしまっていた。

気絶しているようで、このまま元の姿に戻ってしまうと重みで潰れてしまうかもしれなかった。


ハルク「ぐ、ぐぐぐ…」


?「ん?ああっ!大変!」


そこに、一つの小さな人影が近づいてきた。

避難勧告が出ているというのに、まだ人が残っていたのだ。


それはまだ若い少女だった。
茶色の長髪にネコミミのついた帽子をかぶって、ややボーイッシュな子供らしい格好をしている。


その少女が、なにを思ったのか男の上の瓦礫に手をかけ、力を入れた。


?「……ほっ!」


すると、瞳がほのかに光り、その背格好には似つかわしくないような腕力が湧き出して軽々と瓦礫の山を撤去していった。

中には自分よりもはるかに大きくて重い塊もあるというのに、実に軽やかな動きであった。

?「うんしょ、よいしょ、ほいしょ!」



111VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:13:20.2985y1AfjJO (2/4)


トニー『どうしたゴジラ!一体なにがそんなに憎いっていうんだ』


「……gr……g」


トニー『核を撃ったことか?原爆を産みだした私の祖父か?それともこのリアクターが気に入らないっていうのか?』


彼はなおもゴジラを撹乱しながら冷凍攻撃を続けていた。

切り札であるカドミウムが効かなくなった今、彼に残った手段は一つだけだったからだ。

だがそのためには、この暴れん坊にもう少し大人しくなってもらう必要があるのだ。


トニー『もう少し、じっとしてもらうわけにはいかないのかね、このワガママ君は』



?「……」



112VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:15:40.5285y1AfjJO (3/4)


キャプテン「…ぐ、うぅ…なんとか、生きてるか…だが」


不時着して、ボロボロのコクピットで、キャプテンは傷を押さえて苦悶していた。
腹部に多少深い傷ができていたが、命に別状はないとみえる。

そんな、身動き一つとれない彼の元に、外から防弾ガラスを素手でブチ破る者がいた。


?「なんだ、伝説の兵士ってのも化け物相手じゃ手も足も出ないってか…」

キャプテン「な、なんだ??」


?「おら、掴まれ…オレが引っ張ってやるからよ」


半ば強引にキャプテンの手を取った男は

大きな髑髏の描かれた防弾服を着て、ロケットランチャーを担いでいた。

弾頭が螺旋状に鋭く尖っていて
独立して回転する刃がいくつも付いた特別製だった。


キャプテン「誰だか知らないが…随分と自信満々に言うじゃないか…いったい」


パニッシャー「ああ、少なくとも"殺す"技術にかけちゃ、オレはアンタよりは手慣れてるからな」



113VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:17:33.8385y1AfjJO (4/4)


「……?」

ゴジラが、自身の異変に気付いたのはその時だった。


絶えず足を進める中で、徐々に体を拘束される感覚

カドミウムによる脱力感とは別に、何かで足元を縛られるような感覚がするのだった。


「…?……?」



トニー『なんだあれは……糸、か?』

J.A.R.V.I.S『糸ですね、それもそうとうに強靭なものです』


いつの間にか、ゴジラの下半身に何百本もの糸が幾重にも絡まり、その足の動きを強固なまでに拘束していた。


J.A.R.V.I.S.『トニー様、メールが届いています』


トニー『何だこんなときに、誰からだ』


J.A.R.V.I.S.『それが』



114VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:21:08.21Nj6ksYHaO (1/4)


?「"やあアイアンマン、生憎とこっちも忙しくてこれくらいしか手伝えないんだ、いや悪いね、それじゃ"」



J.A.R.V.I.S.『親愛なる隣人より P.S. トカゲの相手はこりごりだ、だそうです』


トニー『なるほど、そいつは助かるなあ……それにどうやら、もう一人助っ人もいるようだし』

J.A.R.V.I.S『そうですね』


パニッシャー「………へっ、奴さん見えてるみてえだな…」

キャプテン「…は?」


ビルの陰から髑髏の男が歩み出て、ランチャーの照準を覗き込んだ
とはいえ、適当に撃ってもそうそう外すような的でもないのだが


パニッシャー「これでも喰らいなっ!!」


叫び、発射された弾はゴジラの横っ腹に着弾し
そこから弾頭が肉を削るように刃を回転させ、抉り、体内にまで侵入していった。


「GAAAAAAAAAAapAaHGAAAGAA!?!?」


トニー『へえ、ありゃ凄いな』


筋肉まで削り取ったところで、火薬のタイマーが切れたのか、そこで爆発した。



115VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:22:50.89Nj6ksYHaO (2/4)


ブルース「いやまったく……不甲斐ないな、こんなお嬢さんに助けられるとは」


?「べつに、そんな大したことじゃないよ?」


少女が瓦礫をよけ終わった頃、示し合わせたかのようにして、彼の変身もとけてしまった。
今は元通りのただの人間の姿になっている。


ブルース「そうか、君も能力を……なるほどどうりで力持ちなわけだ」


?「んー、えっと、気味悪がらないの?」


ブルース「まさか、むしろこんな緑色の大男なったりする半裸の人間のほうが気持ち悪いだろう?」


?「ああそれもそっか、にしても急に小さくなるんだもん、まるで冗談みたい」


ブルース「ん、ああ…まあね」


外では、怪物の悲鳴と一際激しい爆撃音が響いていた。おちおちと休んでもいられない状況である。


ブルース「それでもまあ一応は……ヒーロー、らしいんだけどね」

?「へぇー」


ブルース「まあそんなことより、ここは危ないから早く逃げなさい、寝るなら避難してからだよ」


?「あい、りょうか~い…ふぁぁ」


ブルース「………」


彼は、その様子に一抹の不安を覚えながらも、手いっぱいだったので彼女の腕力を信じることにした。

そして、いまだ騒音やまぬ通りへ向き直って体に力を入れると
怒りのままに、力を解放した。




116VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:24:58.75Nj6ksYHaO (3/4)


「GGGRRRRRAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!?」


体を拘束され、倒れることもできないまま、ゴジラは息も絶え絶えに

しかし尚もスターク・タワーを睨んでやまなかった。


「ーーー!!!」


トニー『まだくるか…っ』


必殺の熱線を、今度は直接タワーに浴びせかけてきた。

いくらエネルギーが落ちてきているとはいえ、なおもその輝きと破壊力は脅威だった。


トニー『…しょうがないなあ!』


その間に、最後に残っていたアイアンマンが立ちふさがる。


トニー『くっ!?』


キャプテン「そんな、スタークッ!!?」


耐熱仕様とはいえ、まともにくらってはただで済むわけはない。

スーツの表面がドロドロと溶け始め、アラームも鳴り止むことはない。


トニー『これは、ちょっとヤバイかな…』


キャプテン「やめろ!逃げるんだ!!君はそんなにタワーが大事なのか!?」


トニー『ああ、大事だね…これがないと、うおっ!?』


噴射口の光が弱々しくなり、徐々に高度を維持できなくなっていく。



117VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:26:14.62Nj6ksYHaO (4/4)


キャプテン「スタークッ!!」


その時、瓦礫の中からハルクが飛び出し、地面を蹴ってダッシュしてきた。


ハルク「ガァァォァウアオアアオアアアアアアッ!!!!」


そのまま地面に転がっていた"スーパーX"の首根っこを拾い上げて遠投の要領で思い切り投げ飛ばした。


スーツはそのまま飛んでいき、ゴジラの熱線の中に突っ込んで
その眼前で爆散した。


「ーーー?!?!?」

スーツに残っていたカドミウムの残弾が反応を阻害し、エネルギーを奪われて放射火炎は途切れさせることができた。

しかし、空中のアイアンマンの方もまた、風前の灯なのだった。


トニー『……』


やがて飛行を維持できなくなり、墜落を始めた。

キャプテン「お、おいっ!」


ハルク「!??」


ハルクが振り返ったときには、もう首から地面に激突してグシャリと砕けてしまっていた。



118VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:29:59.08QZRamGfXO (1/3)


キャプテン「………」


その様を、キャプテンは黙ってみているしかなかった。

駆け寄ることすら、彼は出来なかった。


「…………」


ここまで傷だらけになっていても、ゴジラは未だ健在だった。

何がそんなに憎いのか
諦めることもなく、糸を引きちぎろうともがいている。



ハルク「ーーーーーーーッ!!!!」


ハルクの悲痛な遠吠えが、マンハッタンの街に響き渡っていた。


めくらめっぽう吐き出される放射能の火炎に
ガラスも鉄もコンクリートも
全て灼熱の中でドロドロとに溶けて

放射能の毒に侵食されていった。


ハルク「グオアァアア、ガッ!?」


「……GRRAAA…ッ!!」


踏み出そうとするハルクの上に、糸を振り切った巨大でコブだらけの足がのしかかる。

ハルクの呻きが、コンクリートの地面の中に埋れていった。


キャプテン「…………」


ニック『キャプテン、他の隊員たちと連絡が取れない、状況を説明してくれ』


天を仰ぎ見て、キャプテンはこの時ばかりは祈った。

その目に映るのは馬鹿な男が守ろうとした巨大な塔と

それを狙い、侵攻してくる怪獣の姿だけだった。


ニック『君は無事なのか?キャプテン!!』

キャプテン「ああ、無事だ…だが」


その先を言おうとした瞬間、彼はその出現に目を見開いた。

はるか先、超人の視力でしか捉えられないような離れた場所に、どこかで見たような人影が現れたのだった。



119VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:31:51.06QZRamGfXO (2/3)


数分前:

スタークタワー最上部


ダミー「」ウィーン
ユー「」ウィーン


トニー「さてと、なんとか仕上がりそうだな博士」


セルヴィグ「そうだな、ギリギリだったがどうしてもコレの安全性だけは確保しておかないと」


その場では二人の博士が、機械の前に立ち、最後の仕上げを行っていた。

目の前の機械、それはかつてロキがこの地に設置した"ワームホール発生装置"
その改良品だった。


セルヴィグ「しかし驚いたな、異次元の技術をここまで復元するとは、いやはや」


トニー「正確には復元じゃあない、他所から手に入れてきた"マイクロブラックホール生成機"と連結させて作ったツギハギの兵器さ」


この装置によって開かれるゲートは一方向に向かって膨大な引力を発生させる。

そこにゴジラを吸い込ませることで、ここから追い払うという寸法だ。


トニー「とはいえ、ここまで完成させられたのは、ひとえに君の"経験"が活きたからだが」


セルヴィグ「よしてくれ、あの事件に関しては今でも後ろめたいんだ、これが少しでも埋め合わせになればいいんだが」


トニー「そうだな」



120VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:33:27.71QZRamGfXO (3/3)


J.A.R.V.I.S『トニー様、作戦中のスーツが全機墜落しました』


トニー「ああ見てたよ、まあ自動操縦じゃあここらが限界だろうな」


彼はそんな相棒の言葉を聞くと、装着していたヘッドギアをそこらに捨て
すぐに傍らの赤いスーツケースを手に取り
ゴジラの佇む先へと近づいていった。


トニー「J.A.R.V.I.S、アーク・リアクターのエネルギーを全て装置に送れ、セルヴィグ博士、あとは頼む」


J.A.R.V.I.S『了解しました』

セルヴィグ「任された」


スーツケースを展開させ、腕を突っ込むと肘までが鉄の鎧に包まれ

そのまま腕を広げると胸、そして背中が覆われる。

そしてジャンプすると足まで装着が完了し、そのまま空中へと飛翔した。




121VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:40:18.5264HL3U/IO (1/1)


飛び上がりながら頭部を装着し終わる彼の、その姿をキャプテンは空の中に見つけたのだった。


キャプテン「なっ、スタークッ!?」


アイアンマン『やあキャプテン』



金色と赤、金属の化身が青い光を放って
その憤怒と二度目の直接対峙した。

アイアンマン「ここまでよくもまあ、散々やってくれたじゃないか……悪い子だ」


「………………………………」



J.A.R.V.I.S『スタンバイモードで待機します』

セルヴィグ『こっちの準備はオーケーだ、どうする?』


アイアンマン「ああ、照準をセットしたら、すぐにそこから離れろ、スーツを一着迎えにいかせる」


セルヴィグ『了解した、それじゃあな…健闘を祈る』


そうして通信を切ると、地下のリアクターからエネルギーが送られて
機械の部位が発光、熱を帯びて
その砲身に力が集まりはじめた。

照準はゴジラ、その頭部に向けて
射線は空へ抜けるようにして機械が構えた。



パニッシャー「何する気だ?奴は…」


アイアンマン「ジャービス…博士の避難は済んだか?」

J.A.R.V.I.S『はい、既に安全圏にまで避難しています』


アイアンマン「ならば撃て、奴もそう待ってはくれないだろ…!」



122VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:43:57.40HhVJ2zckO (1/1)

J.A.R.V.I.S『了解しました』


その言葉を合図に、複雑な光の粒子の混じり合う光線が
光り輝く、その鋭い砲口から発射された。

その奔流に、怪獣を頭から飲み込もうと進んでいく。


「!!?」

アイアンマン「っ!」


しかしながら、ゴジラは低く姿勢を落として
その射線から逃れた。

光はその背びれを少し掠めただけだ。


アイアンマン「…だが、残念だったな!」


その時、砲身本体の数値の一つがゼロになり、そこから新しいカウンターが始まった。


「grr!?GRAAAAAAAAH!?!?」


光の先端が炸裂して空間に大穴を開けた。
現れたのは周囲の物体を飲み込む強大な重力を放つ
異次元へと続くブラックホール

その全てを捻じ曲げて吸い尽くす力に
光も、そして怪獣でさえも、逃れることは出来ない。


ゴジラは、その巨体を後頭部から後ろに押し倒されるような形で
穴へと吸い寄せられていく。




123VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/28(土) 22:46:54.65ovF+6I5k0 (1/1)

Dタイド作戦か。あの時はどうなったっけか?


124VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:47:53.82aYiq77LgO (1/1)

ここでいうブラックホールは所謂キン肉マン的なもので


125VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:54:47.22R8Mmb0LBO (1/2)


だが力は未だ拮抗していた。
この作戦において、それではダメだったのだ。


アイアンマン「ジャービス!残り時間は!」


J.A.R.V.I.S「リアクターの出力だと、穴を維持できる時間はあと一分もありません」


アイアンマン「チッ、やはりか…想定外ばかりだ!」


異世界の技術を代用するのには、まだ彼の才能も追いついてはいなかった。
突貫工事なら尚更だ。


アイアンマン「仕方が無い、ジャービス、スーツのパワーを全部胸に集めろ!」

J.A.R.V.I.S『了解しました』


充填が終わるまで、ゴジラがまだ怯んでいるうちに彼は地上まで降り立ち、
重力の嵐の中、今にも大穴に飲み込まれそうな巨体を見上げた。
そして、そこで足を踏ん張る。


アイアンマン「後のことは考えなくていいからな!これで決める!」


ユニビーム発射口に力が集まるのを彼は感じた。
同時に、各部の補助モーターが切れはじめて最低限の姿勢維持しか働かなくなっていく。


J.A.R.V.I.S『出力400%、生命維持は可能ですが、発射後のスーツの限界が』

アイアンマン「構わないと言っているだろ!早く!」


言い終わるより先に、敵の放射熱線に負けず劣らずの高威力の光線をアイアンマンが発射した。


アイアンマン「ぐぉあぁぁぉああっ!!」



126VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/28(土) 22:55:54.45R8Mmb0LBO (2/2)


その圧力に思わず悲鳴がもれた。
こんな馬鹿げた出力のビームは
彼もこれまで撃ったことがなかった。

スーツはもとい、体までもバラバラになりそうな勢いだった。


アイアンマン「なんだ、こんなものかな?意外と、大したこと、ないなぁ!」


ゴジラに致命傷を負わせるまでにはいかないが、危うい均衡のバランスをちょいと押してやるだけのことは出来たようで


「…GAAAAAAA!?!?」


次第にも、その体の内の尻尾と背ビレが少しづつ穴の中へと沈み込んでいった。


アイアンマン「よ、よぉし、このままいけ、ば…!」


彼もそう思った矢先に
ブツン、とヒューズが切れたようにリアクターから光が失われ、各部から火花を吹いてアイアンマンの体が倒れた。

当然、ビームの攻撃も途切れてしまうのだった。


アイアンマン「しまった!?」


「GRAAAAAAAAAAAAH!!!!」


その中断を狙って、ゴジラが渾身の力で態勢を立て直そうともがいた。



127VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:27:04.88j52u5Q8/0 (1/10)


ハルク「グゴォオオアガアアアアアアアアッ!!!」


そこを、意識の戻ったハルクが全力で阻止せんと巨体を持ち上げ
怪力でその片足を上方に弾き飛ばし、戻りかけたバランスを崩した。


「GGAAA!!?」



?「ぬおりゃぁあああっ!!!」


それに続いて、よろけた腹に雷の衝撃が見舞われる。
何故か傷だらけのソーの持つハンマー、ムジョルニアの一撃だった。


アイアンマン「ここで雷様のご登場とは、遅すぎるな…」


地についていた残りの片足も浮き上がって、支えを失った体は歪みの奥へと落ちていくだけだった。


ソー「すまない、多少遅れてしまったな」


ハルク「……グルルル」


体の半分以上が飲まれた先は加速度的に四肢の吸収が進んでいき

響き渡る悲しげな断末魔だけを残して、縮んでいく穴の向こうへと消え去っていった。



アイアンマン「……終わった、のか?」


ハルク「…………グ、ぅ」


張り詰めた空気が弛緩していくと、それとともにハルクの体からも怒気が薄れて、元の姿へと戻っていった。


ブルース「……うぐ、まったく…体はあちこちボロボロ、火傷も酷いなこれは」


ソー「私を睨むな、こっちだって色々とあったのだからな」


ブルース「そうかい、ならまあ…仕方が無いな」



128VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:28:36.82j52u5Q8/0 (2/10)


互いを称え、労をねぎらうヒーロー達

この時ばかりは、彼らも緊張をといて
言うなれば油断していた。



「ーーーーッ!!」

だからこそ、穴の閉じてしまう直前
そこに強引に捻じ込まれた顎に

その発する光に反応することが出来なかった。


アイアンマン「な、なんだっ?!」


ブルース「しまった、奴はまだ!」


狙いもつけずに闇雲に放たれた熱線は、図らずも、地に伏したアイアンマンに向けて伸びていく。


アイアンマン「ジャービス!おいジャービス!」


必死に呼びかけても、予備エネルギーまで使い果たしたスーツは指一つほとんど動かせず逆に枷となって
ただ、怨みのこもった灼熱を彼はその身に受けざるを得なくなった。


アイアンマン「くそっ!こんな!」



129VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:30:14.07j52u5Q8/0 (3/10)


キャプテン「スタァァァァアアアアクッ!!」


精悍な太く逞しい脚で地面を走り
寝転ぶアイアンマンの上にキャプテンが覆いかぶさるようにして盾を構えた。


アイアンマン「あっ?!」


キャプテン「ぐ、ぐぅうぅぅううおオオ、ォォォオオオアアアアアアアッ!!?」


盾で防ぎ、遮っても余りある熱が彼のヘルメットとコスチュームを焦がした。


それでも倒れることなく何とか耐え凌ぎ、一心不乱にその嵐が過ぎ去るのをただ待った。



「ーーーー!!……grrr…」


やがて、その咆哮は止み
今度こそ怪物の狂気は永遠に消え去り
二度と、この世界に訪れることはなくなったのだった。




130VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:31:56.50j52u5Q8/0 (4/10)



スティーブ「…がはあっ!?…はぁ…はぁ…ったく!」


熱されて焼けていたヘルメットを脱ぎ捨てて、彼もようやく苦痛から解放されて、一息ついた。


アイアンマン「………あぁ、いやあ助かったよキャプテン、ファインプレーだったな」


スティーブ「…君は、こんな時くらいその軽口はやめられないのか…?」


アイアンマン「生来染み付いたものだからね、仕方ないのさ」



かくして、合衆国アメリカを襲った
ゴジラ騒動はここに一旦の終結を迎えたのだった。



131VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:33:58.59j52u5Q8/0 (5/10)


しかしながら、残った街並みは酷いもので
焼け野原と瓦礫の山、オマケに放射能の汚染度も凄まじく

向こう何年かはとても人の住める場所では無くなっていたのだった。


トニー「ああまったく、君がもうすこし早く来てくれれば私も相当に楽できたはずなのだが…」


ソー「とはいうがな、我がアスガルドでも別の大きな問題があったのだ」


ブルース「それは、何があったんだい?君の傷の具合をみるに、只事ではなかったのは確かだが」



ソー「うむ、何処ぞかよりやって来た化け物でな、"頭が三つあり、翼の生えた四つ足の黒い竜"が襲って来たのだ」


ブルース「…なんとまあ」


トニー「そりゃまた傑作だな、まさしく神話の化物退治だったというわけか」


ソー「茶化すな、必死の攻防だったのだぞ、まるであれは負のエネルギーを凝縮して生まれたような、悪夢のような敵だった」


ブルース「なるほどね」




132VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:35:36.35j52u5Q8/0 (6/10)


スティーブ「なあ、アンタ」


パニッシャー「ん?なんだ、なんか用か?ヒーロー」


スティーブ「何処に行くんだ?そのまえに洗浄と汚染度のチェックを受けた方がいいぞ、私の方から口利きするからあっちで」


パニッシャー「いらねえよ、この程度ならシャワー浴びて酒飲んで小便すれば元通りよ」


スティーブ「…いや、だが」


パニッシャー「それに、これでオレにもスーパーパワーが宿ったりしてな、なんてよ」


スティーブ「………」


パニッシャー「そんな顔するなって、オレの風体からして何と無く察しろよ、」


スティーブ「…そうか、そうだな」


パニッシャー「ふんっ…じゃあなキャプテン、またどっかで会おうぜ」


スティーブ「ああ、今回は助けられたな、恩に着る」



パニッシャー「まあ恐らくは、二度と組むことはないと思うがな」

キャプテン「確かにな…」



133VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:37:05.64j52u5Q8/0 (7/10)



騒動の終結の後
フューリー長官は呼び出しを受け

モニターに映ったお歴々の前に連れ出された。
どの顔も、この世界を裏から表から動かす、主導権を持った者達だった。


?「今回の事件、またもニューヨークが被害に遭っているが、どういうことか説明出来るのかね?長官」


ニック「いいえ、現在復興作業と並行して調査中です」


?「一部では、アイアンマン…アーク・リアクターが原因ではないかという声も上がっているが」


ニック「事実無根です、彼は関係ないでしょう」


?「…そうか、だといいのだがね…結論によってはアベンジャーズ解散も視野に入れておかなければならなくなるが」


?「ですが、被害状況からみてもおよそ全てを看過できるものではありません」


ニック「そうですか?」


現にマンハッタン島が死の世界になってしまったというのに、この男はずっと涼しい顔をしていた。

その持ち前の非情さがもたらすものなのか、あるいは


?「この前のエイリアン被害よりずっと壊滅的だ、水質や土壌汚染も深刻だしそれに…」



ニック「そのことで、あなた方に私を責める権利があるのでしょうか?」


?「……なんだと?」


ニック「もっと言えば、貴方たちは"ヤツ"にすら文句を言うことも出来ないはずだと、私は考えますがね」


?「不躾な物言いは、いい加減控えたまえよ、長官殿」


?「私たちとて、君ほどは汚れてはいないとは思うがね」


ニック「……なるほど、そうですか」




134VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:39:17.89j52u5Q8/0 (8/10)


20th July

一ヶ月が経った。

ニューヨークの復興はスタークインダストリーの後ろ盾もあって着々と進んでいる。


騒動の英雄達はまた散り散りになって
今日もまた世界のどこかへと行ってしまった。


そんな頃に、日本のある小洒落たバーでトニーが知り合いの女性を相手に、
件の騒動の話題で花を咲かせていた。


七海「へえ、それでアイアンマン達がまた大活躍だったんですね」


トニー「まあね、まあ快勝というわけにはいかなかったが」


七海「ふんふん、いやあ大惨事があったことはもちろんこっちにも届いてましたけど、こうして直に当事者の話を聞くと迫力が違います」


トニー「ここでの話はオフレコで頼むよ?……本当なら僕はここにいたらマズイんだからね」


七海「はぁい、ちぇ…折角の特大スクープなのになぁ、なんちゃって」


トニー「ははは…」




135VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:42:38.83j52u5Q8/0 (9/10)


トニー「さて、そろそろホテルに戻るかな、いやいや友人と話せていい息抜きになったよ」


七海「いえいえ、それじゃあタクシーでも呼びますか?さすがにここで"スーツ"は着れませんよね」


トニー「いや、迎えはもう呼んである、とびきりタフで飲酒運転の心配のない運転手がね」


七海「…?」



スティーブ「……スターク、人を呼びつけておいて運転手呼ばわりか?」


トニー「怒るなよ、君もいい東京見物はしてきたんじゃないかな?」


スティーブ「この国は落ち着かない、どうしてもついこの間まで敵国だった気がしてな」


トニー「違いない、それに道も狭いしな」


七海「…え、ええーっ!もしかして、キャプテンさんですか?!」


トニー「まあね、ああ紹介するよ…こちら友人の太田七海、ジャーナリストだ…悪いね、まだ彼は日本語は不得手みたいで」


七海「ま、マイネームイズ、ナナミ・オオタ、です」


スティーブ「ああ…まったく、君は何処に行っても女連れだな」


トニー「是非そこは甲斐性といって欲しいね」




136VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 00:47:44.30j52u5Q8/0 (10/10)



夜の繁華街を二人を乗せた車が走る。

ニューヨークに比べたら狭い道に自動車が溢れて
実にノロノロとした進み具合だった。


トニー「へえ、君にしてはいい車を借りたな、センスがいい」


スティーブ「だが馬力が足りない」

トニー「こんな国ですっ飛ばしたら、すぐに壁にぶつかるぞ?」

スティーブ「…だな、こじんまりとした国だ」


トニー「にしても君がCDを聞くとは思わなかった、一生レコードかと思っていたのだが」


スティーブ「ようやく追いついてきたんだよ、いつまでも戦時中じゃないんだからな」


トニー「そうかい、だが…僕の趣味にはまだまだだがね」


そう言って、彼が手元の端末を操作すると、スティーブのかけた音楽が途切れ、トニー好みの"イカした"音楽に変わった。


けたたましいギターとドラムの音が停車した車内に大音量で響き渡るのだった。


スティーブ「……多分スターク、君とは一生かかっても相容れないと思うな」


トニー「だろうね、むしろ対立していた方がしっくりするくらいだ」





137VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/29(日) 10:58:26.63Q2QhvOEH0 (1/1)

あれ?red ronin


138VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 16:30:10.96T39/JO5Ko (1/1)

和製アニメアイアンマンのジャーナリストかww


139VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 18:45:30.68fB1mlzEQO (1/1)

アスガルドではキング ギドラが現れたのか…
でもソーが倒したならもう出番はなさそうだな


140VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/29(日) 21:11:11.20arwo5llHo (1/1)

ところでネコミミフードってだれ?他のは判るけどこいつだけ判らん
というか、今ゆめりあプレイしてるからねねこにしか見えない・・・


141VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 02:12:42.986E+2ApDSO (1/2)

>>139

特徴から判断するとどちらかと言えばカイザーギドラじゃね?


142VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/30(月) 02:17:05.55+isxPENE0 (1/1)

負のエネルギーの凝縮が比喩じゃなければデスギドラっぽいけどな


143VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 02:17:58.451ydmp5Pto (1/1)

キングギドラなら「金色で2本足」だな
大昔から含めて登場回数は結構多い。モスラ映画にも出たし


144VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 02:32:37.78TUDj/ARjo (1/1)

>>143
モスラの恐竜モシャモシャ食うところはやっつけにも程があって瞠目した覚えがあるわ


145VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 07:07:20.94yfKd6jhdO (1/2)

>>141
ごめん
ゴジラはあんまり詳しくないから間違えたわ


146VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 07:17:30.14Yj5CQ0bBO (1/1)

デスギドラ相手だと封印しか止める手段がないぞ…


147VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 09:55:28.11yfKd6jhdO (2/2)

>>143
特徴教えてくれてありがとう


148VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 18:22:54.20YAJZFc2hO (1/2)


??:深夜
マンハッタン島


そのひとしきり激闘を終えた後の、焼け野原のビル街跡地で、

対放射線スーツを着込んだ数人の人間が暗闇の街中を徘徊していた。


?「各員…採集作業を開始せよ」

?「「はっ!」」


手に手に、何やら採取用の機材を持ち、辺りに散らばっていた生物の体液や、焦げた肉片を集めては

保存用のカプセルに入れて、保冷機能を備えたボックスにまとめて収集していった。



やがて、作業を終えた彼らは極秘の潜水艇に乗り、海を渡った。

辿り着いた先は、およそ人の手のはいってないように見える無人島

その地下に潜む軍事基地
ドクロの掲げられた秘密基地だった。




149VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 18:24:08.77YAJZFc2hO (2/2)


?「……ご命令の通り、"G"の組織サンプルを入手しました」


?「ご苦労だったな、大義だったぞ…」


一人、赤いドクロが壇上で手を上げると
その場にいた全員が両手を掲げて叫んだ。


「「ハイル ヒドラ!!ハイル ヒドラ!!ハイル ヒドラ!!」」


?「……く、クク、クククク…」


暗闇の中でドクロが笑う。
手中に収めたその新たな"刃"を弄びながら。





150VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 19:26:20.316E+2ApDSO (2/2)

うわ、また面倒くさい連中がG細胞を…


151VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 19:30:26.62q2q793SQO (1/1)

これが本当のスカルアイランド
んで本筋はここで終わり。
デスギドラ云々は単にソーを出せなかったことの言い訳

途中に出てきた猫耳少女は趣味で、マーベルコミック『ランナウェイズ』に出てくるモリー・ヘイズってキャラ
個人的に好きだから出しただけだす。

好きといってもスマホアプリのマーベルグローバルコミックやらで1話200円払ってちょいちょい読んでる程度のもんなんだがな
数冊はタダで読めるし(アプリの種類によりけり、原文だったり、翻訳でも機械翻訳に突っ込んだ程度だったりだけど)
残念ながら、まだGALACTAやBIG HERO 6やらは読めない
なんでだろ、表紙に問題でもあるんだろうか…


152VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 20:28:30.78j2r/dcI6O (1/1)

落書きモリー↓
http://i.imgur.com/mZUgP47.jpg

絵面に関しては元の絵はかなりバタ臭いっす(一部作画が日本人だったりするけど)
キャラの感じももっとヤンチャで子供っぽいと思う


153VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/06/30(月) 22:10:33.44zaWKNVuu0 (1/1)

おつです!次回の敵役怪獣が予想できるな。一つの首を切り落としても、そこからまた首が生えるヒドラ+G細胞・・・
モリーはけっこう最近のキャラだけど、最新の展開では大人版モリーも登場したそうな

>>152
かわいすぎ。周囲もかわいすぎ


154VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/30(月) 23:45:14.83Bkcx9zKpo (1/1)

こういう「引き」がアメリカ映画らしいよね、乙!

G細胞を使ってといえば・・・ビオランテ?


155VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/01(火) 00:04:49.77NyB2uJa/o (1/1)

ブラックホール…G細胞…うっ、頭が


156VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/01(火) 01:33:18.89EmNcpE1SO (1/1)

>>155
次元裂け目とかからモゲラとかスーパーメカコジラが落ちてこない限り勝てる見込みがないから勘弁してwwwwww


157VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/02(水) 11:07:00.26vh9UkCYxo (1/1)

>>152
デッドプールがヘッドプールになってるな


158VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/02(水) 20:16:44.72F7nPqpMAO (1/1)

>>156
次元裂け目から芹沢博士が!


159VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/03(木) 00:22:23.26dAvffryuO (1/1)

全然関係ないけどPS3か4でゴジラのゲームが出るそうだ
ファンとしては嬉しい限り!


160VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/04(金) 00:49:07.91gJyttfzMO (1/1)

超ゴジラとか初めて知ったは


161VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:01:56.50xAQEhKTM0 (1/8)

その後の ハルク
ーーーー
中国 西部:


ブルース・バナー博士はこの頃、中国の僻地を転々としながら、ヤブ医者まがいのことをして生計を立てていた。


ブルース「……ふぅ」


寒村にて、間借りした倉庫の隅でボロ椅子に座りながら、
草を煮出した薬膳茶をすすり、擦り切れた新聞に目を通していた。


ブルース「こんな片田舎でも、問題は色々とあるものだな…」


新聞にはいつもは民族紛争のことがよく書かれていたが、近頃はこれに加えて奇妙な記事が載っていた。


"奇形おたまじゃくし、人間を襲う!"


なんでも、おたまじゃくしのバケモノが人を襲い、かなりの人数が被害にあっているのだという。

彼も、その被害者の手当てをしたことがあるが、実に奇妙な症状だったと覚えている。


『…い、いきなり…ドロの中から飛び出してきてあの野郎、お、おいらの顔に…っ!』


そう語った男の顔は半分が腐って爛れており、灰色に変色していた。


ブルース「………」


このところ続いた怪獣騒ぎにすっかり当てられ、博士自身も嫌な予感がしてならなかった。



162VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:03:16.50xAQEhKTM0 (2/8)



「ぎ、ぎゃああああああっ!!」


事件は、そう思っていた矢先に
突然訪れたのだった。


ブルース「な、なんだ一体!?」


村人「た、たいへんだお医者様よぉ!」


ブルース「何かあったのかい?!」


急な悲鳴が響いたかと思ったら、顔なじみの村人が駆け込んできて何事か、半ば叫ぶように話し出した。


村人「バケモンだ!バケモンが村に来やがって!」

ブルース「バケモノ、もしかかてお化けおたまじゃくしか?」


村人「ちげえよぉ!そんなチンケなもんじゃねえ!兎に角、あんたも逃げねえと!」


親切心からそれだけ伝えるのが限界だったのか、村人は言い終わるとひどく慌てたように外へ出て、向こうへと逃げていった。


ブルース「………」



163VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:04:16.38xAQEhKTM0 (3/8)


それに続くように、彼も外へ出る。

なるほど、何やら騒ぎが村人の逃げた反対方向から聞こえてくる。


ブルース「………」


少しの逡巡の後、彼はその方向へと歩を進め、やがては走り出したのだった。


しかしその先には、凄惨たる光景が広がっていた。


「…う、うぐぅああ……ぁぁ」

「た、……たす…けて…ぇ」


ブルース「な、何てことだ、これは…」


村はずれの道で、人々が倒れ、うめき声をあげていた。

皆一様に体がグズグズに腐り、崩れて動けなくなっていた。




164VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:05:07.61xAQEhKTM0 (4/8)


ブルース「これは、こんなの……っ!」


キッと彼が睨みをきかせた先に、事の犯人はヌラリと佇んでいた。

村人たちの肉体を腐らせた原因は、その皮膚にまとわりついたヘドロのだった。

ヘドロは悪臭を放ちながら点々と続いており、犯人の足元に溜まりを作っていた。


というより寧ろ、犯人はヘドロそのものだったのだ。


ヘドラ「……ゴポ、ゴポプボポポ…」


ブルース「なんだこいつは?生き物、なのか?」


大きさにして3~4メートルほど、ヘドロの塊が人型になっていて、浮き出た大きな眼球でこちらを見つめていた。


ブルース「生き物じゃあない、だが、明らかに意思を持っている!」

ヘドラ「ゴプォオッ!」


彼がその考えに至った瞬間、バケモノが途端に襲いかかって来た。

ブルース「うぉあっ?!」


下部から内部の有毒ガスを噴出させて、その勢いで彼にのしかかるようにしてきたのだ。



165VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:05:52.71xAQEhKTM0 (5/8)


ブルース「う、ぷ…ごふっ!?」


ヘドラ「ゴボポポポポポ…ゴポポ」


ヘドロの中でもがきながら、溺れるように埋もれていく。

やがて体がすっかり覆われて、指先さえ見えなくなる。


人間一人を飲み込んだヘドロ溜まりはお山を作ってボコボコと大きな泡を吹いている。


静寂、その場には少しも生物の音がせず
ただ、ヘドロの起こす気味の悪い鳴き声だけが響いていた。



ヘドラ「ゴボポポポポポ……ゴッ?」


その静寂を破ったのは、一振りの太い、文字通りの剛腕

そして、爆音のような獣の咆哮だった。



166VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:09:00.96xAQEhKTM0 (6/8)



ハルク「グォォォオアアアアアアッッ!!!」


緑の巨人がヘドロの体組織を引き裂いて、その中から這い出て来た。

体中に張り付いたヘドロのカケラから煙がのぼり、焦げたような匂いをあげていた。


ハルク「グォォオ、ガァァアアアアッ!!」


ヘドラ「ゴポポッ!?」


たじろいだように見えたバケモノに、今度はハルクが襲いかかり、その眼球に拳を打ち込んでぶち抜いた。

ハルクが触れた所からヘドロが乾いて硬質化し、ボロボロと灰になっていく。


ヘドロ「ピッ、ギィィィィイイイイイ?!」


ハルク「ガアアアアアアアアアッ!!!」


ハルクが、滅茶苦茶にヘドロの塊を引き裂いて、その全てを灰に変えていく。

その暴走は、最後の一欠片、頭のように思えた部分を踏み潰してしまうまで続いたのだった。




167VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:09:44.16xAQEhKTM0 (7/8)


その騒乱の後、立っていたのはいつものように半裸のブルース・バナーだけだった。


ブルース「っ!…はぁ、はぁ…はぁぁ」


彼自身、傷つき疲弊していて、まったく無事というわけではなかったが、目立った症状はみられなかった。


ブルース「……ふぅ、まったく、なんだったんだあれは、この」


少年「…っ」

ブルース「…ああ、君は…見てたのかい?」


林の間に、一人の少年が隠れるように立っていた。

どうやら一連の光景を見ていたようで、怯えたような顔をしてブルースを見ていた。


ブルース「参ったな、正体を見られたか……ふむ」


少年「……?」




168VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:10:39.23xAQEhKTM0 (8/8)


ブルース「ああ、今のはその…ハルクっていってね、うん、パワフルだろ?」


少年「……浩克?」


ブルース「そうだ、ハルクだ」


ここで、事はいったん終わりを見せた。

しかしこれは、後の"巨大な"事件の
ほんの前触れでしかなかったのだった。

………………………
『超人ハルク 対 ヘドラ』



169VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 03:43:24.88oDgS4ZAno (1/1)

おおう、続きが来てたのか


170VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/06(日) 08:57:03.08yHPx4l4AO (1/1)

続編キタ━(・∀・)━!!!!


171VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/07/06(日) 17:28:46.27BY7LnHyo0 (1/1)

フランケンシュタイン対地底怪獣みたいww


172VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 21:25:32.53p02W/KGGO (1/2)


その頃の、キャプテンアメリカ
ーーー

新宿,
夕方:

怪獣襲撃ののち、スティーブ・ロジャースはトニー・スタークに連れられ東京に来ていた。

トニーは半分観光だのなんだのといっていたが、彼にとってこの国は落ち着かないことこの上なかった。


スティーブ「………」


かつての敵国の地で、かつての敵兵と同じ顔が並んでいる。

当時のような鬼気迫る雰囲気はいまは薄れてはいるが、それでも落ち着けるものではない


スティーブ「………」


ひとえにあの戦争で負わせた敗戦の傷からくる、その後ろめたさなのか、
彼にはそんな気がしていたのだった。




173VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 21:26:26.23p02W/KGGO (2/2)


そのとき、不意に新宿の街の人垣が割れた。

それはただ単に偶然人の流れが途切れて、そう見えただけなのだが


スティーブ「ん、なんだ?」


彼はその開かれた空間の先に、こちらを見つめる人影を見つけたのだった。


岡崎「………」


ボロを着て、半ばホームレスのような格好をした男が一人、
憎しみとも、哀れみともつかない表情でスティーブを見つめていた。


スティーブ「………」


その顔に、僅かに薄気味悪さを覚えた彼は、その場から離れて大通りから外れていった。

できるだけ、その人物から離れるために



岡崎「………キャプテン、アメリカ…彼が、この地に」




174VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:39:33.46kSg6wH140 (1/21)


視線から逃れるために、ただ足早に歩を進めていると、いつの間にか人っ気のない路地裏にまで来てしまっていた。


不自然なほどに人間がいない場所だ、彼はそこにまんまと誘い込まれたと気づくことは、このとき出来なかったのだった。


スティーブ「しまったな、慣れない場所だとすぐにこうなる、この国は細かい路地が多くてどうにも…」



利重「……っ!!」


無言で、スティーブを斬りつけにかかった者がいた。
音もなく近づき、その凶刃でもって殺そうとしてきたのだ。


スティーブ「ぬあっ!?なんだいったい!」


利重「……チィッ!!」


間一髪、スティーブはそれを回避して、その犯人の方に振り返る。

悔しげに舌打ちしたその男は、片手に日本刀を持ち、もう片方にはやけに古めかしいピストルを持って銃口を向けてきていた。


スティーブ「なんだ君は、これは…日本のサムライというのは人殺しという意味なのか?」


利重「黙れ!人殺しは貴様だろう、キャプテンアメリカ!」


スティーブ「!?…知っているのか、何故」


利重「ああ、ずっと大昔のことだが、忘れようと思っても忘れられない……我ら大日本のあの屈辱の歴史だけは!」


スティーブ「…っ!」


彼はこの時、盾を置いてきてしまったことを後悔した。

変に目立つことを避けてのことだったのだが、布で包んででも持ってくるべきだったように思えた。




175VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:41:35.10kSg6wH140 (2/21)



利重「………」


スティーブ「………」


睨み合いのまま、じりじりと距離を詰められる。

このままでは敵の有効射程にまで近寄られてしまう、彼が危惧したその瞬間に


岡崎「やめろ!利重!」

利重「っ!」


聞き慣れない叫び声が響き、目の前の男が一瞬それに怯んだ。


スティーブ「(今だっ!)」


その隙を見逃さず、スティーブが動く、
めくらに放たれる銃弾を避けて、そばにあったゴミ箱の蓋を取り、フリスビーのように投擲した。

男の手首に当たって、ピストルを弾き落とす。


利重「しまった!くそ!」


慌てて拾い直し、再び構えた時には
もうその背の高い外人の姿はなかった。


利重「ーーーっ!くそっ!くそっ!畜生!」


岡崎「やめるんだ利重、お前は…」


利重「岡崎、何故邪魔をするんだ、奴は」


岡崎「分かっている、だが俺たちにはそれよりもやることがあるはずだ、今は」


利重「だが、今こそ屈辱を晴らす機会だぞ!奴のせいで俺たちが」


岡崎「戦争は!……終わったんだ、利重」


利重「………岡崎」



176VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:45:09.85kSg6wH140 (3/21)


彼らは、かつての第二次戦争末期に生み出された機械の兵士

敵国アメリカの超人兵士に対抗するために作られた存在だった。


鋼鉄によって改造された人造人間たちだったのだが、のちにその計画は秘密裏のまま凍結された。


彼らは戦時下日本の忘れ形見として
老いることもなく、かつての姿のまま今日まで生きながられていた。


彼らは当時三人、もとい三体分作られていた。


ともに水泳でオリンピックを目指していた仲間たち

岡崎、利重、

そして最後の一人


岡崎「俺たちにはやるべきことがある、"鍋島"を…止めなければならない」


利重「……そう、だが…くっ」


最後の兵士、かつての友を殺す。

そのために、彼らは今日まで生きてきたのだった。



177VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:47:01.28kSg6wH140 (4/21)




冷や汗を拭いながら、スティーブは夕闇の中、命からがら敵から逃れた。

気がつけば、辿り着いた先は薄暗い地下駐車場だった。


スティーブ「…?」


カラカラカラと、乾いた音がする。
ローラーの転がる音だ。


スティーブ「…この音は」


音の先を探ると、一人の男がローラーボードに乗ってこちらにゆっくりと進んできていた。


ユースケ「」


スティーブ「……っ!?これは?!」


そいつは、直立して固まったまま、ボードの上で死んでいた。

全身に銃撃をうけて絶命していたのだ。


ユースケ「」


スティーブ「なんと、奇妙な殺され方だ…」


?「きゃあーーーっ!?」


そう思っているさなかに、今度は女の悲鳴が響いた。

真に恐怖した人間の悲鳴だった。


スティーブ「なんなんだこの国は!こんなに物騒だとは聞いてないぞ、スターク!」




178VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:48:32.57kSg6wH140 (5/21)


全身を鎧で覆った何かが、刀を振るって、目の前の女を切り刻んでいた。


女「ぐえぇぇ…」


女は全身が血まみれになり、全裸で壁に磔にされた。

あとに残ったのは、壁に描かれた真っ赤な血の人型だけ


女「」


ジンラ號「…………」


まるで力士か達磨のような、その怪人は蛇腹の鎧を身につけ

目の前のその惨状を、ただ黙って見ていた。
憐みも嘆きもなく無表情で


スティーブ「…はぁ、はぁ…はぁ」


ジンラ號「………」


スティーブ「今度は、なんだきさまは!」


ジンラ號「………」


現れた新たな敵に、彼は
鍋島こと"ジンラ號"は振り返り、機関銃を構えた。

またもこれはやけに古めかしい銃器だった。




179VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:51:32.11kSg6wH140 (6/21)



それが火を吹き、銃弾の雨がスティーブ、キャプテンアメリカに襲いかかった。


スティーブ「くそっ!」


そばに停車していた車の影に転がり込んでそれを回避する。


ジンラ號「………」


スティーブ「まったく本当になんて国だ!ここは!」


とんだ望まぬ形で巻き込まれた、この長い悪夢の夜は
彼にとって、未だ宵の口といったところであった。

…………………………
キャプテンアメリカ VS ミカドロイド



180VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:52:38.65kSg6wH140 (7/21)



そして、アイアンマンは
ーーーーー

???,
在日米軍基地:


怪獣騒ぎを終えて、トニー・スタークは一つの仮説をたてていた。

それは、この地球にはまだあのような怪物が潜んでいる可能性があるというものだった。


トニー「まったく、だからってこんな女っ気のないところにくるのは、嫌なもんだねホント」


彼は、兵器開発の天才として今回はゴジラにかつて襲われたこの地に出向き
対怪獣兵器開発の視察に訪れていたのだった。


米軍基地、その地下深くにそれはあった。

広大な空間を占領する、巨大な影、それが今回の旅行の目的の一つだった。




181VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:54:16.55kSg6wH140 (8/21)



神宮寺「やあ、ドクタースターク、会えて光栄だよ」


トニー「私もだ、はじめましてドクター神宮寺」


彼はそこ開発棟研究室にいた初老の男性、神宮寺博士
そしてその助手を務める伊吹吾郎と握手を交わした。


伊吹「伊吹です、お噂はかねがね」


トニー「そりゃどうも、君も博士に負けず劣らずの研究をしているとか」


伊吹「ええまあ、とはいっても、大したものでもありませんが…少しロボット工学に明るいものでして」


トニー「なるほどね、私もロボットには多少知識がある方だから興味があるよ」


伊吹「またまた、ご謙遜を」


トニー「ふぅむ、では見せてもらっても?」


伊吹「ええ、是非とも…では、おーい」


彼が呼びかけると、研究室の影から立ち上がる者がいた。

尖った頭に般若のような顔立ち、二本足で立つが人間ではないものだ。

ジェットジャガー「………」


トニー「へえ、すごいな…まるで人が入ってるみたいに動くじゃないか」


伊吹「名前はジェットジャガーといいます、あなたのアイアンマンスーツには及びませんが…」


トニー「いやいやそんなことはない立派なものだ、ただ……デザインが多少イマイチだな、レトロというか」


伊吹「はは、そこは僕の趣味でして、鉄腕アトムやマジンガーなんかが参考になってるんです、とはいえ、デザインセンスがないのは承知の上ですけど」


ジェットジャガー「………」

トニー「……なるほどね」




182VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:55:25.83kSg6wH140 (9/21)



通された先にあったそれは、彼のよく知るものだった。

ヘリキャリア、日本の基地で建造された機体であり、今回の視察の対象でもあった。


トニー「ふむ、なるほど……もう完成しているのか?」


神宮寺「ええ、準備さえ整えば飛び立つことは可能です」


トニー「…こんなものが国内で造られていると知れたら、四方八方から怒られるだろうね、この国は」


神宮寺「ですが、背に腹はかえられません、怪獣相手に手は抜けませんからな」


トニー「なるほど、ところで…」


そこで彼は言葉を切り、ヘリキャリアの先端に着目した。




183VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:56:06.27kSg6wH140 (10/21)


トニー「聞くが、あれはなんだ?」


神宮寺「ああ、あれですか?かっこいいでしょう?」


ヘリキャリアの先端部分には他の機とは違い、何故か巨大なドリルが付いていたのだった。

トニーには意味が分からなかった。これで敵に特攻するとでもいうのだろうか

日本人はほとほと神風なんてものを崇拝しているものだなと、中ば呆れてしまった。


神宮寺「先端からは冷凍光線を発射して、固めた敵をドリルで砕こうって寸法ですよ、はっはっはっ!」


トニー「な、なるほど…てっきり僕は地中を掘り進もうなんて考えているのかと」


神宮寺「それもいいかもしれませんな!あっはっはっはっ」


トニー「……」




184VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:58:38.49kSg6wH140 (11/21)


世界で五隻目のS.H.I.E.L.D.の飛行空母
その改良(?)型でもある
"ヘリキャリア ナンバー 5.5"


トニー「………」


その視察を進める中で、彼は
改めて日本人のセンスに対する疑いをつよめていくのだった。


ジェットジャガー「」


トニー「んー、なんというか…流石はマンガの国だね」


神宮寺「はっはっは、だろう?」




185VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 22:59:37.68kSg6wH140 (12/21)

ーーー
ーー


アメリカ,ワシントン,
広場:

少し時間は遡り


"朝鮮戦争戦没者慰霊碑"
その前に立つ一人の男の影があった。


悔しげに唇を噛み、その戦没者たちに対して、悔しさをぶちまけるでもなく

ただ静かに、怒りに震えていた。


その祈りや、恨みが届いたかどうかは定かではないが

こののち、彼の祖国で異変が起こることになるのだった。




186VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:00:31.47kSg6wH140 (13/21)



北朝鮮,
平壌:

人々の影もまばらの中、コンクリートの地を割って、現れいでた者がいた。

体長10mほど、牛に似た頭を持った化け物が這い上がり、その地に立ち上がった。


平壌市民1「き、きゃあああ!!」

平壌市民2「ひえぇぇええっ!!?」


人々は恐れおののき、その化け物を畏怖した。

とてもかなう相手でもないと、しかし奇妙な敬意すらも覚えるのだと
直感でそう感じたのだった。


プルガサリ「…ブォォォォオオオ!!!」


怪物は、歩き始めると南下を始めて、かの38度線

韓国との国境まで進撃を始めたのだった。



187VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:03:05.09kSg6wH140 (14/21)


摩訶不思議ともいえることだが、この怪物は北朝鮮のも、韓国の軍隊の攻撃もものともせず、

その上、散らばった鉄くずを食べ始め徐々にその体を大きくしていくのだった。


プルガサリ「ブオオオオオッ!!!」


国境の壁を破壊し、韓国にまで侵入すると、そこからはただ漫然としていた先程とはうってかわり、力の限り暴れ回った。


ビルも橋もやすやすと破壊し尽くし、在韓米軍基地を見つけては片っ端から火の海に変えていった。


その様子を遠く見ていた人たちは、もはや恐ろしさを超えて一つの
突拍子もない結論に辿り着いたのだった。


北軍人1「……将軍だ、将軍様がお戻りになったのだ!!」


軍人2「将軍さま!!」


敵国の惨状に、男たちは歓喜に打ち震え、女たちは涙を流して叫び狂ったのだった。




188VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:05:44.65kSg6wH140 (15/21)



トニー・スタークは、その一連の様子を日本のテレビを通じて知ることになった。

さっきからの緊急速報で、全番組はこの事件のことしか放送していない。


韓国の国内が火の海に飲まれ、またも瓦礫の山と焼け野原となっていく。

在韓米軍も手も足も出ない化け物
現地の人は昔の神話になぞらえて"プルガサリ"と呼んでいるようだった。


トニー「プルガサリ、決して死なない化け物、ねぇ…」


伊吹「博士、これはいったい」


神宮寺「分からん、だがとても異常なことが起きているということは確かだ」


トニーはチャンネルをそこで朝鮮中央テレビに変えた。


恐怖に陥る韓国国内とは対照的に、こちらは誰しもが喜びの中で手を叩き、踊り

件の怪物を崇拝するかのように深々と手をつき膝をつき、お辞儀をし続けていた。

テロップには、ハングル文字で
"将軍の帰還!"そう書かれていた。


トニー「……まいったな、これは」


まるっきりたちの悪い宗教のようなその光景に、さしものアイアンマンも辟易してしまっていた。



189VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:06:58.63kSg6wH140 (16/21)



彼は携帯を取り出して、今同じ国にいるであろう連れに連絡をとった。

神界へのホットラインはないし、
こういう時に一番役に立ちそうなハルクとは今は連絡がつかないでいた。

おのずと、呼ぶ相手は限られていたのだった。


トニー「もしもしキャプテン?…いま暇かな?」


スティーブ『っ!スタークか?!今ちょっと手が離せないんだが!』


しかし、電話をかけた相手も、何やら忙しそうにしていた。

後ろがやけに煩い、まるで激戦地で銃声の真っ只中にいるような音がする。

そこは日本だというのに、だ。


トニー「んん?今すぐこっちに来られないか?緊急事態なんだが」


スティーブ『それはこっちもだ、わけのわからない奴らに追い立てられていま』


電話はそこで強制的に途切れた。最後に聞こえたのは、金属の潰れる鋭い音だった。


トニー「キャプテン?…なんだいったい、あっちはあっちで面倒こととはね…」


神宮寺「いったいどうしたんだね?ミスタースターク」


トニー「いや別に、なんでもないさ、ところで」


神宮寺「なんだい?」

トニー「どうやら、早速こいつを飛ばすことになりそうだ…これは」



190VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:08:43.48kSg6wH140 (17/21)



緊急の通信が入り、アベンジャーズの一員
アイアンマンに米軍の救助をせよという指令が正式に下った。


このままでは在韓米軍は壊滅、怪物の進路からして日本に向かってくることは必死のことと思えたのだった。


かくして、不運なことに鋼鉄のヒーローが、鉄を食らう怪物と戦う羽目になってしまったのだった。

………………

アイアンマン 対 プルガサリ




191VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:18:43.46kSg6wH140 (18/21)



宇宙ステーション・ナンバーナイン


隊員「隊長!地球に向けて何か巨大な物体が!」


隊長「なにィ?!」



ギャラクタス「…………………………………………………」


宇宙からやってきて、地に降り立ったそいつはおよそ怪獣と呼ばれるものたちよりはるかに巨大だった。

その体躯は魔力のようなものを帯びていて、神にも等しい
むしろそれ以上の威圧感を放っていた。


ギャラクタス「………聞け…地球の者たちよ、我が名はギャラクタス…」



隊長「なんてこった、あんなデカブツを我々が相手できるわけない…!」


隊員「ど、どうすればいいんだ!」





192VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:26:00.81kSg6wH140 (19/21)



電宅:


電一「…ふぅ、やっぱり日本人は風呂だな……はっ!」



ギャラクタス「我は今より、この星を喰らう……それが」


一「……よーし!」


冷蔵庫開け、缶ビールプシュ
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク


一「…っ!かーーっ、うまい!」ピカーーッ


説明しよう!電一は気持ち良くなると、身長二千メートルの巨人
"電エース"に変身するのだ!


電エース「…っ!」



ギャラクタス「我の役割であり……そして………使命なのだ…!」


電エース「でゅわわっ!どすんっ!」


ギャラクタス「な、……なんだ、貴様はっ!」




193VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:27:28.69kSg6wH140 (20/21)



電エース「でやっ!でや!…でや!びしゅしゅ!ぷしゅ!」


ギャラクタス「痛っ!?痛たっ?!誰なのだ一体!」


電エース「ぶしゅーっ!」バシバシッグリグリグリ


電エースはスカイツリーを武器として戦うのだ!


ギャラクタス「くっ……無礼なっ!!」

電エース「どわぁあっ!?」ドテーンッ


危うし電エース、一体この勝負の行方は
そして、私たち人類の未来はどうなってしまうのか

待て!次回!




194VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:31:13.23kSg6wH140 (21/21)

以上の短編は完全に思いつき
オチまで考えてなければ書く気もない

かといって吐き出すためにスレ立てするほどでもない
もうしばらく、25日までにはオチはつける


195VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/13(日) 23:57:51.51vvI56yRbo (1/1)

ミカドロイドって今知ってる人いるんだろうか……


196VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/07/14(月) 16:10:11.62X8pFByBU0 (1/1)

日本作品側の元ネタほとんど知らんけど、ギャラクタスに痛いって言わせれるほどスゲーのか・・・いや、ギャグか
アイアンマンの相手がブラ=サガリかと思った


197VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/07/16(水) 19:34:46.39Omb3PAAN0 (1/1)

電エースとはマニアックなやつをまあ確かにやつならなんでもアリ度でギャラくタスに対抗できるわ
加藤礼次郎や破李拳竜じたい知ってるやつどんだけいるよ


198VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/17(木) 01:30:02.66ZKtCddAp0 (1/2)


時空の歪みへと吸い込まれていったゴジラは
遥か遠くの、別の世界へと辿り着いていた。

体感距離にしてみれば一瞬のことだったが、もはやそこは計り知れないほど遠くの次元にまで飛ばされていたのだった。


「……GRrrr…」


しかし、ゴジラが追い落とされたそこは
先ほどとまったく同じ光景のように思えた。

ただ違うところといえば、やけに周囲の空気が重苦しく、不気味で薄暗く

底知れぬ恐ろしさに満ちていたのだった。


「……………grr?」


?「な、なんだ……突然現れた、あの化物は」


そのゴジラの巨影を目の当たりにして、驚愕している男が一人
崩落した街中に立っていた。



199VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/17(木) 01:31:42.24ZKtCddAp0 (2/2)


真っ赤なスーツにマントを羽織り、特殊金属のヘルメットをかぶった老体ながらたくましい男

エリック・レーンシャーことマグニートーその人だった。


マグニートー「コイツは一体、どこから……ワープしてきたとしか思えん」


彼は傷だらけで血塗れで、身体中が疲弊で満ちていた。

精神もすりきれ、ただ立っていることさえやっとのようにも見える。


そこに現れたゴジラの姿をみて、さしもの気丈な心にも
ヒビがはいってしまったのか


マグニートー「………この世界は、終わるのか……?」


そんなことを呟き

絶望感に囚われて、生きることを含め何もかもを
諦めてしまったのだった。



200VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 01:59:38.31UGxQGRMr0 (1/9)


?「ゲヒヒヒっ、ゲヒイッ!!」


マグニートー「ぐおっ、があああ!!ぁ、ぁ」


動きが止まった彼の背後に、汚らしい影が近寄り
その鋼鉄の爪を、背中から横っ腹めがけて突き刺したのだった。


マグニートー「し、ま…った…くそぉぉ…」


?「へ、へへはひひひひ!ようやくだ、ようやくテメエを殺せる日が来たぜ、あ?マグスよぉ」


マグニートー「……ろ、ろー…がん…」


その正体は、ウルヴァリン
かつてX-MENの中心人物でもあった彼だが
今は体中腐って爛れて悪臭を放ち、見るも無残な姿になっていた。

しかしながらそれは、よく見ると
暗闇の中からマグニートーの周囲を取り囲んでいた他の者たちもそれは同様であった。


ルーク・ケイジ「ざまあねえな、かつての強敵様もここでおわりかぁ?!!!」


ソー「貴様ほどの戦士なら、さぞその血肉も美味いことだろうなぁ!!」


カーネルアメリカ「ナチ公を憎むもの同士、仲良くしようぜぇ????」


皆一様に、かのゾンビと化して
まるでご馳走でも見るかのようにマグニートーに熱い視線を送っていた。




201VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:00:33.54UGxQGRMr0 (2/9)


マグニートー「ぐ…ぅぅぅ……くっ……こ、ろせ…」


ウルヴァリン「イヤだね、みーんなアンタのことを生きたまま喰らいたくてしょうがねえんだシシシシシ!、簡単にはキヒシシヒシヒシシヒしししヒヒ!!!!」


ルーク「ぎひひぎひひひひひ!!」

スパイダーマン「ひひはひはひはひひひはひひ!!!」


デアデビル「におうっ!?におおおほほほおぉぉおおっ!!」


理性を失くした彼らは、ただの貪欲な獣のように
その血流溢れる肉塊へとよだれを振りまきながら群がっていく。

ボロボロの爪を食い込ませ、肉を食いちぎり、湧き出る空腹感を慰めるゾンビたちなのだった。


マグニートー「………ご……ぉ……ぉ」


ウルヴァリン「うめぇ…うめぇ!」


ジャイアントマン「ぐひしし、しーーーっかり食っとけよお前らぁぁぁ…!」


エンジェル「……ぁぁああ?」


ジャイアントマン「あっちにぃ、まだまだデカ物がきてくれたみてえだからなぁ」


ウルヴァリン「ゴクンッ……だなぁ」


骨までしゃぶり尽くして、ゾンビ達は
地響きを振りまく、山のような巨大な肉の獲物に標的を定めたのだった。


ジャイアントマン「ありゃあなかなかに、食べ応えがありそうだぜえっ!」


マグニートーの残った部分は、まるでチキンのそれのように放ってしまって
ゾンビたちは腐った足を引きずるようにして駆け出していくのだった。




202VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:01:13.54UGxQGRMr0 (3/9)


ハルク「ハルクのぉおっ!ハルクのにくぅぅうううっ!!!」


「!?!?」


真っ先に遭遇したハルクを見て、流石にゴジラも驚いた。

さっきまで戦っていたはずの相手が、まるきり人が変わったかのように飛びついてきて
有無を言わさず食らいついてきた。
明らかに様子がおかしい事は、怪獣にも分かることだった。


それに合わせるようにして、他のゾンビヒーローたちも続々とそこに集まり始める。


ソー「ぬぉぉおほおおっ!これならば食い出がありそうだなぁあっ!!」


ハルク「だめっ!!ぜんぶハルクのぉおっ!!にくぅううっ!!」


スパイダーマン「一人占めするなっ!!」


アイアンマン「我々も食うぞっ!!」


ムーンナイト「わたしも、いや俺の肉だぁあっ!?俺もおれもえろおれもおへれとっ!!」




203VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:01:46.94UGxQGRMr0 (4/9)



「GRRRR……GRAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」


とめどなく押し寄せてくる敵の大群に相対して、ゴジラもまた咆哮で応える。

だがそれは、目の前の異様な光景に対して恐怖してしまいそうな自分を奮い立たせようとする行為のようにも見えてしまうのだった。


ジャイアントマン「ギヒビビヒ、奴さんビビってんのかぁあ?まあそうだろうな、俺だって、こんな気持ちわりい奴ら目の前にしたららえへへははあ!」


どうやら、ゾンビ達は普段は理性と知恵のあるようにみえるのだが、空腹時には言葉のない食欲だけの生き物に成り下がってしまうようで


デアデビル「ひひひぃ?!」

エンジェル「にくぅうっ!?」


ミスマーベル「ふへふろひふひへふほふへふほぬそへすひひひっっ!!」

ノヴァ「はーーっへっはっはっばっはっ!!」


呂律が回らないというレベルではない、鳴き声にも等しい音しか口から発することが出来なくなってきていた。



204VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:02:22.77UGxQGRMr0 (5/9)


そんなヤツらが一挙に攻め立てて、そのゴジラの皮膚に食らいつく。


巨体の上、鈍重なゴジラでは、空をも飛び回るゾンビヒーローたちの追従から逃れることは出来ず、抵抗する他はなかった。


「GAAAAAAAAAAAA!!!!GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」


サイクロップス「ぎゃっ!?!?」


ウルヴァリン「ぐえっ!?」


ハルク「ぎゃっ!?」


太い尻尾を必死に振り回し、死体をまとめて吹き飛ばした。


ジャイアントマン「ぬおおはぁあっ!!」


そこへ、30mほどの巨人が腰にがっぷり四つに組みつき、御構い無しに食い始める


「GAAAAAAGAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」




205VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:03:09.31UGxQGRMr0 (6/9)



ザ・シング「ゲヒッ、むしゃむぎゃ」

Mr.ファンタスティック「ごくジュる、グシシシッ」



足元では足首の腱までを小さなゾンビ達に食いちぎられて、ゴジラはバランスを崩して建物へと倒れこむ。


ブラックパンサー「…ぁ、が」


倒壊する建物の中で、1人のヒーローが瓦礫に押しつぶされて死んでしまった。


「…GRrrrr……」


倒れ伏したゴジラは、改めて空を見た。

嫌な空だった。
真っ暗でどす黒い雲で覆われていて、世界の黄昏なんていう言葉がお似合いだった。


加えて言うなら、地上においてもそれは変わらないことだった。


ジャイアントマン「倒れた、のろまな、トカゲ」


ソー「もう、皿の上の、にく、にく!」


アイアンマン「これならば、しばらくは食うにはこまららららないいい!」


ゾンビ「ゲヒひひひ」

ゾンビ「ぐへへへひへへ」


多い尽くす無数の影達が、後ろに地獄を連れてきていた。




206VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:03:50.98UGxQGRMr0 (7/9)


「………grr…」


ウルヴァリン「クソぅがっ!たっぷり食わせてもらウゥ!」


ハルク「ハルクにもぉおっ!」


ジャイアントマン「さて、じゃあなぁ…ディナーの時間だ!!」


死骸にまとわりつく蟻のようにゾンビ達が一斉に食事を始める。

薄皮を一枚一枚食い破るように、すこしづつ
ゴジラの肉を侵食していくのだった。


「…ーーーーッ!!!」


ジャイアントマン「………ぁあ??」




207VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:04:34.33UGxQGRMr0 (8/9)



死霊の蔓延る街に、一筋の光の柱が吹き上がった。

灼熱の炎がトグロを巻いて
焼死体の山を作り上げる。


「GAAAAAARAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」


ジャイアントマン「ちぃ!しぶといトカゲだ!」


なおも死体達は、そびえたつ肉の塔にむかって戦いを挑み続けた。

その争いは、永遠とも思える時間の流れの中
続いていくのだった。



208VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 02:05:11.32UGxQGRMr0 (9/9)


ーー
アース96169:


リード「………というわけなんだ、この世界の調査を君に頼みたい、やってくれるかい?」


Mr.ファンタスティック、リード・リチャーズは振り返り、そこにいたカメラを首に下げた男に言った。


フランク「…………むぅ」


フランク・ウェスト、世界中を飛び回るジャーナリストだが
最近はもっぱらゾンビの専門家としての仕事が主となっている。


リード「ゾンビのスペシャリストとして、君の意見が聞きたいところだが、どうだい?」


フランク「いや、こいつは」


目の前のモニタに映し出された光景は、まさしく地獄絵図だった。

勝手知ったる仲であるヒーロー達が腐肉となって世界中を駆けずり回っていた。

その上、そのゾンビヒーロー達が相手しているのは冗談みたいな巨大な怪獣ときている。


彼としては正直なことをいうと


フランク「腕につけるチェーンソーがあっても無理だな」


リード「だよねぇ」


たとい何億積まれても出来ない相談なのであった。






209VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 03:28:18.82l4e3ehquo (1/1)

マーベルゾンビーズか・・・と思ったらウェストwww


210VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/07/18(金) 04:43:02.42cLhVphiSo (1/1)

前半シリアス、後半おまけのギャグパート、って感じなのかな・・・乙ww