265ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/15(水) 15:17:45.05BCrxB6gx0 (11/12)

>>264

「何れにせよ、そっちでエンデュミオンをモノにする程の主導権を握る事は難しい、
不可能と言ってもいい。そういう事か」
「ええ。プランのためのエンデュミオン、僕が見ているのはあくまでそこですから。
科学の学園都市は何れ大揺れになる。
イギリス清教をパートナーとしてエンデュミオンを確保するのも難しい」

「それで消去法の結果か、光栄な事だな英雄君に選ばれて」
「どちらからの接触だったか、それはおいておきましょう。
科学の学園都市とイギリス清教。そしてウェールズ。
余り変な方向に流れるとそちらとしても余りいい影響は無い筈です。
こちらにはこちらの立場があります。そして、そこから得るものもある」

「こちらは、あくまで裏側から状況を都合良く誘導する、か。
そう都合良く行くと思われたら買いかぶりと言うものだがな」
「小回りがきいて科学への考え方も柔軟。
あなたの頭脳と技量であれば、
繊細な仕掛けを行いながら決定的な場面に確実な手を打つでしょうね」

「煽てても何も出やしないよ。まあいいだろう。
そちらは限りなく公認に近い存在とは言え、
あの石頭共から見るならば、英雄のなんのと言っても、
お互いうろんな魔術結社同士だ。精々一口乗って利用させてもらうとしよう」

木陰から気配が消える。ネギは、木の幹に背中を預け、ふーっと息を吐いた。
そこに、駆け付けて来る者が二人。

「ああ、高音さんに、ナツメグさん」
「ネギ先生、この付近でセキュリティーから要警戒人物の警報が入ったのですが」
「いえ、特に何も」

高音の言葉にネギが応じる。

「そう言えば佐倉さんは?」
「出張です。上からの急な指示でアメリカに」

ネギの問いに、高音が答える。

「そうでしたか」
「ええ。こないだ帰って来てマカダミアナッツなんてお土産置いて向こうに蜻蛉返りですから、
一体何やってるんですかね」

ナツメグこと夏目萌も首を傾げていた。


266ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/15(水) 15:21:11.99BCrxB6gx0 (12/12)

>>265

 ×     ×

麻帆良学園都市市街地。
ネギが手を振ると、オープンカフェスターブックスのテーブルで神楽坂明日菜が手を振り返す。
ネギがそのテーブルに同席して、少しの間他愛もない世間話。

「あれ、アスナ?」
「ネギ先生?」

話も一段落と言った辺りで通りかかったのは、
柿崎美砂、椎名桜子、釘宮円の、ネギが3Aで担任するチアリーディング部三人娘だった。

「おひさーネギ君」
「アスナも、こっち戻ってたんだ」
「ん、まあね」
「すいませんご無沙汰して」
「うちらこれからカラオケなんだけど、アスナは久々だし一緒に行く?」

美砂の言葉に明日菜がチラッとネギを見て、ネギはにっこり笑って小さく頷く。

「んー、じゃあ行く」
「ネギ君も…」
「すいません、僕はこれから仕事がありますから」
「そうなんだー」
「はい。久しぶり、と言っては悪いですけど明日から僕の授業ですし」

わぁーっとハイジャンプして感涙にむせぶチア三人娘に、ネギがちょっと首を傾げる。

「じゃあねー、ネギ君」
「はい。ですから、余り遅くならない様にして下さいよー」

かくして、独り残ったネギが、両手でカップを包み込む。

「そうです。僕がやるべき事なんです。
父さんと母さんが救った、父さんが救ったアスナさんを礎とする魔法世界。
何としても成功させる。妨げるものに立ち向かう。
それは、僕がやらなければならない事なんです。
どちらに転んでも犠牲が避けられないと言うのであれば…
悪を行い世界に対し僅かばかりの正義をなそう」

今回はここまでです。続きは折りを見て。


267以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/15(水) 15:41:57.71G2ylqVSOO (1/1)


確かに大戦やグレムリンの騒乱に紛れて動けばエンデュミオンを手にする事くらいは難しく無さそうだな
まああんまり周囲に配慮しないやり方を続けてるとオッレルスあたりにあっさり潰されそうだけど


268以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/15(水) 15:43:08.96xhnJfANgo (1/1)

乙です


269以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/16(木) 23:59:44.54BIOeTx9M0 (1/1)

>>267
ネギの言ってるのでエンデュミオンとってネギの暗躍がバレたら麻帆良が地獄絵図になりそうなんだが
木原とか木原とか木原とか

その前に教え子が普通に死にかけたって自覚あるのかネギ先生?


270ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 03:38:03.21+ALxWwHt0 (1/10)

感想どうもです。

今回は、本作の続きですけどちょっと時系列とか離れた小ネタ劇場投下します。

>>266

 ×     ×

「おおおっ!」

科学の学園都市某所の路上で、青髪ピアスが奇声を発する。

「なんだー?」

近くを歩く上条当麻が尋ねる。

「レベル高っ!あの軍団。常盤台のお嬢様も」
「ん?御坂?」

反対車線側の歩道を進むのは、
御坂美琴を含む、ちょっとした軍団と言うべき人数の集団だった。

「………まーた、どっかのレベル低い研究系の暴走かにゃー………」

面子から推測を走らせた土御門元春がぼそっと言う。

「っべっ!」

上条が携帯の時計を見て叫び、ダッシュで友人達から離脱する。
丁度、青髪以下が発見したのが角を曲がってすぐだった事もあって、
そんな視線など露知らず、ズカズカと我が道を進んでいた「軍団」が足を止める。

「初春、本当にその女でしたの?」
「それが、微妙なんです」

白井黒子の質問に初春飾利が答える。

「防犯カメラの顔面認証の結果はグレー、ギリギリの数値です。
「黒鴉部隊」やシャットアウラ=セクウェンツィアの情報に就いては
元々の非公開文書も含めてネット上から実質的に削除されています」


271ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 03:43:08.32+ALxWwHt0 (2/10)

>>270

「異常に興奮していたけど訓練を受けた動きだった。
その証言から絞り込んで探し出してくれて助かった」
「エンデュミオンに関してあの部隊が変な動きをしていたのは分かっていましたから、
削除データから内部文書の顔写真を復帰させて、それで面通ししてヒットがありました」

固法美偉と初春が経緯を確認する。

「とにかく、そうだとしたら黙ってはおけないわね」

御坂美琴の声には殺気に近いものが込められていた。

「当然ですわ。警備員による捜査の対象となっていない事が信じられませんの」

美琴の言葉に黒子が憤然として言った。

「警備員サイドでは、実質としてはシャットアウラを容疑者として扱っていません。
被害者供述調書もどこかにしまわれて封印されたとしか思えません」

初春が説明する。

「職務遂行中のジャッジメントに対する殺人未遂、それで済ませる訳にはいきませんわ」

断言する黒子だが、美琴には少なからぬ懸念がある。
やはり事件の消され方が異様だ。これはやはりこの街の「闇」に関わっているのではないか?
そうだとすると、多少の経験があるとは言え、
表の住人である彼女達を巻き込むのは本来避けなければならない。

だが、だからと言って、今回は事件の内容が内容だ、
引っ込めと言って聞く筈がない。下手をすると見えない所で暴走される。
とにかく、美琴自身が基本的な状況だけでも把握する必要がある。

「何か、騒がしいですわね」
「この近くです」

黒子の言葉に初春が言う。


272ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 03:48:42.35+ALxWwHt0 (3/10)

>>271

「これって…メタル?」
「この音楽ですの?」

固法の言葉に黒子が聞き返した。
黒子は基本、ヴァイオリン標準装備の常盤台のお嬢様。
クラシック以外を知らないとは言わないが、
今聞こえて来ているものはそうした彼女の経験値からかけ離れ過ぎている。

「あの娘?」
「だと思います」

目標らしき相手を見付けて美琴と初春が言葉を交わす。

「でも、顔が見えませんね」
「取り敢えず、手でギター弾くまで待とうか」

建物の陰から通りを見て、初春と固法が言葉を交わした。

「キマッてるぅ」
「結構本格的ですね」
「と言いますか、許可は出てるんですのあの様な騒音の騒ぎを」

そこに追い付いた佐天涙子が金属バットの先端を地面に付けて歓声を上げ、
その先の光景を初春が確認し、黒子が呆れ返った様に言う。

「お姉様?」
「う、うん」

黒子に声を掛けられ、美琴が曖昧な返答をする。
簡単に言うと、美琴達のいる場所は空中歩道だ。
そして、その視線の先では、
路上ライブを半円に取り囲む舌を出して指を突き出すギャラリーが見えていた。

但し、場所は近くでも同じ歩道ではないので直接行く事は出来ないが、
少々遠くてもライブそのものを直接見る事が出来る位置関係だった。

中心で歌っているのはセミロングの黒髪の美少女。
体格はむしろ小柄、幼さを残すとも言えるが、
全体のきりっとした雰囲気がキメキメのボンテージを鋭く似合わせている。
それがエレキをかき鳴らしての分からない人間には騒音一歩手前のライブ。
逆に言うと、分からない人間であっても騒音一歩手前で留まる何かがある。


273ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 03:54:37.95+ALxWwHt0 (4/10)

>>272

「これって…」

それは電気能力者としての繊細な感覚なのかそれ以外の何かなのか、
目の前のシンガーに、美琴は何か、記憶に引っ掛かる様なものを感じていた。

「どう?碧美?あの娘…」
「んー………違う………」
「え?」

固法に尋ねられた柳迫碧美が望遠鏡を下ろして首を傾げ、そして答えた。

「うん、顔はあんな感じだったと思う。だけど…」
「だけど?」
「何て言うか、私もジャッジメントで訓練受けて、
揉み合ってる内に刺されてたから分かるけど、体格が違う。
この短期間であの大きさの変化は無い」
「やっぱり…」

初春が言う。

「防犯カメラで見付けた彼女の映像、
シャットアウラの様でシャットアウラでなさそうで、そういう結果でしたから」
「はっきりしませんわね」

「はっきりしないんです。
防犯ビデオと昔の写真を照合した顔面認証ソフトの結果は、
同一人物として通用するかしないかギリギリのグレーゾーン、
それも角度によって白と黒を行ったり来たりと言う厄介な状態だと最初に説明しました。
だから、後は肉眼で確認するしかなかったんですけど」

「そうねー、ライブはあんなだけど、彼女、
本人はなんて言うか、顔の作りもシャットアウラの昔の写真よりも柔らかいと思う」

初春の言葉に、固法も賛同する様に付け加える。


274ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 03:58:02.39+ALxWwHt0 (5/10)

>>273

加えて、初春は奇妙な経験をしている。
初春が電子的な手法でこの事件、
シャットアウラを詳しくを調査していると、奇妙な妨害を受けていた。

確かに、データ自体を隠蔽されたと言う事もあるのだが、それだけではない。
クラッキングと言った事とは根本的に違う、
どう言う訳か後から考えると理論上はケアレスミスと言うのか、
探している内に進路に齟齬が出て来てゴールに辿り着かない。

それを注意深く潰して先に進もうとすると、敢えて例えるならば、
丸で二十年前のパソコンでも無理やり使わされている様な、
誰かに妨害されていると言う感じではないが上手くいかない、
そんな変な感じで検索作業が妨害されていた。

卓越した技術と勘で辛うじてそれをくぐり抜けてここまで漕ぎ着けたのだが、
言語として理論化出来ないので、その事を初春は説明出来ていない。

「はわわわわわ」
「若いわねぇ」

佐天が口の前で両手の拳を握り、固法が腕組みして呟く。

「おほおぉーっ」
「ん?」

遅れて気が付いた初春が奇声を発して、
初春と話し込んでいた美琴もようやくそちらに目を向ける。
ライブでは、エンデュミオンを模した愉快なオブジェを相手に、
高らかな宣言と共にパフォーマンスが始まっていた。

「いけませんのっ!」
「黒子ぉ?ちょっと、なっ!?」
「いいいいいいけませんのお姉様お姉様があの様な目の毒ですのっ」

美琴が、おんぶお化けと化して美琴の目を塞ぐ黒子を振り回す。
その間に、連呼をもって秒と言う時間の壁に挑む戦いが始まり、
黒子は奇声を放ちながら急遽目を塞いだ手を美琴の耳に回す。

「くけえぇぇぇぇえええええっっっっっ!!!いけませんいけまんせのおおっ!!!!!
お姉様が是非にと仰るならばこの白井黒子」
「でええぇぇぇぇぇぇぇいいいいいっっっっっっっっっ!!!!!」


275ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 04:01:37.43+ALxWwHt0 (6/10)

>>274

地面に煙を上げる黒子を残し、ようやく美琴は隠れ観客に復帰する。
視線の先のライブでは、ドロドロと録音のドラムが響き、
それに合わせておぞましい歌が始まる。

「学園長!」

麻帆良学園で、葛葉刀子が学園長室に駆け込んだ。

「うむ、関西からの報せかの?」
「はいっ!」
「地理的には科学の学園都市
七つのラッパが鳴ったが如き禍々しい反応を察知したと、
関東関西初め全ての魔法協会、
十字教三大宗派を初めとした主立った魔術団体に緊急連絡が走ったと言う」

「そうですっ!」
「只、現時点では完全な消滅を確認。
それだけのエネルギーが一瞬で消滅した事から、
まあ、気象条件の合致か何かによる誤作動と言う事でついさっき合意が成立した所じゃふぉっふぉっ」

科学の学園都市のとある空中歩道では、
シンガーが甲高い雄叫びの如き感謝と共に膝立ちになり、
観客の絶叫のど真ん中で天に指を突き出している所だった。

「どうする?」

美琴が尋ねる。

「取り敢えず、話だけでも聞いてみましょうか。
機械が誤認する程似てるって事は」
「親戚とかかも知れない」

固法の言葉に美琴が言う。


276ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 04:05:06.02+ALxWwHt0 (7/10)

>>275

「くおおおぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」

覚めやらぬ余韻を突き破る怒声。

「こんな所で無許可で
なぁぁぁぁぁぁぁぁぁにやってるじゃんよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっっ!!!!!」
「あーあ、来ちゃったよ」
「当然ですの」

佐天の発言に黒子が無感動に言う。

「今度はちょーっとうるさ過ぎ、やんちゃが過ぎたじゃんよおおおおっっっっっ!!!!!」
「クロウ7より各員、総員総力を挙げ、
マイスイートルシファーオブリリスを絶対死守せよ、以上だ」
「ラジャー、我らが主は神にも等しき聖なるものを貶めし存在。
学園都市の犬共よりの絶対的死守を貫徹すべくより熱く寄り深き愛の闘争を開始する」

ぽかーんと眺める美琴達の前で、数人のアンチスキルと怒声を返すギャラリーとの押し合いが始まった。

「丁度いいわ、アンチスキルに手を回して事情聴取に噛ませてもらう?」

固法が言う。

「おいおい何かこの近くで電気系統飛んでるぞ、
どういうアンプ繋いで無茶な電気の不正使用でもしたじゃんよっ!?」
「やばっ!!」


277ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 04:08:21.26+ALxWwHt0 (8/10)

>>276

 ×     ×

「すいません、まだ準備中で…」

麻帆良学園都市某所。
最近出来た一軒の日本料理店で、店員の制止も無視して一人の女性客が着席する。
それを見て、可愛らしいショートカットの女性店員が前掛けを揺らしてその席に向かった。
女性客は、テーブルに立った「予約席」の目印を倒して一回転させる。

「ご注文は」
「店主のお勧めDセット特盛で」

その言葉を聞き、店内に鋭い何かが走り抜けた。

程なく、いかにも酸いも甘いもかみ分けた百戦錬磨に精悍そうな大男が、
その女性客の前に姿を現す。

「ご注文有り難うございます。
このご注文は微妙な調整が必要ですので奥へどうぞ。
その前に、最初の確認を。コースは………」
「はい。だ………だだだ………だだだてだだだだだだだてだだてだだてだだだ………
ごめんなさい出直して来ますっ!!!」

女性客は、ばびゅんと店を出て行った。


278ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 04:11:40.07+ALxWwHt0 (9/10)

>>277

 ×     ×

科学の学園都市某所。
土御門元春が携帯を使い電話を受けていた。

「じゃあ、帰っちまったのかにゃー?」
「ああー、巻いたツインテールの可愛い娘だったのよなぁ」
「つぅーっ、惜しい事したぜい」

「全くなのよな。堕天使なんて最高だったのよな」
「おいおい、ありゃあフェアリーで行くべきじゃないのかにゃー」
「いんや、あれは堕天使なのよな」
「見たろ、あんな可愛い娘、妖精さん方面でいくのがだにゃー」

「いやいや、だからこそなのよな。
ああ言う真面目で大人しそうだからこその堕天使、
ご注文の動機がアレなんだろ。それで背伸びして背伸びして
もじもじされたら一発鼻血KOなのよなあっ!」
「うんうん、それは一理あるにゃー」

「それにあの娘、ほそっこい感じだけど中身結構むっちりなのよな」
「そこまで見抜いたか!?」
「おおーっ、堕天使も堕天使、紐バージョンまで開発してる我ら、
破壊力ダイナマイトでいけるのよなっ!!」
「いやいや、だからこそだ、清楚な妖精のさり気ない切れ込みから覗く
絶妙なる絶対領域がにゃー」

「まどろっこしいのぉ…ん?おおっ」


279ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/21(火) 04:16:10.42+ALxWwHt0 (10/10)

>>278

「どうした?」
「まーた可愛こちゃんご来店なのよな。特別メニューだったら最高だ」
「ほーう」

「ああ、すらっとスタイルのいいパッキン美少女、
お?ボンテージか?」
「何?」
「おお、ボンテージ決まってるのよな。
すらりとしていながら出るトコ出てるからアピールばっちり」
「おい…」

「いや、何だあの後ろからぞろぞろと黒マント………」
「おい、ちょっと待てっ!!………」ツーツーツー

土御門がつーっと汗を浮かべて切れた電話を眺めていると、
同じ番号から着信した。

「…もしもし…」
「その節は様々に色々な意味で大変お世話になりました。
つきましては、そちらでご用意いただいた実に奇抜な装備の数々、
土御門元春プロデュースtheベストオブメイドコレクションと銘打って
しかるべき所にご連絡申し上げましたので。
それではご機嫌よう」ツーツーツー

一方的な棒読みを聞き終えて、土御門はごくりと息を呑む。
背後から微かに聞こえるのは清掃ロボットの走行音。
この科学の学園都市では珍しいものではない。
但し、土御門の耳には分かる。
清掃ロボットに上から掛かっている負荷が、
その走行音に僅かな違和感を与えている事を。

今回はここまでです。
次回も小ネタ劇場の続きです。
続きは折を見て。


280以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/21(火) 07:12:28.79XaP9v6Gko (1/1)


本編は終わったのか…
もうちょいいろんな取り合わせのバトルを見てみたかったんだがなぁ
神裂以外の聖人とか第二王女、騎士団長、傾国の女…フィアンマより少し格下くらいが一番殺し合いの見応えがあるキャラが多いのに一人も戦わずに終わるとは…


281以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/21(火) 10:17:27.95N0KK4vLIo (1/1)

乙です


282ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 14:57:53.20xk3YlZhJ0 (1/8)

それでは引き続き小ネタ劇場で
今回の投下、入ります。

>>279

 ×     ×


再び麻帆良学園都市某所の日本料理店。

「怪しげな霊装を密売していると言う情報を得て来てみれば。
まあ、そちらの方の危険は無い様ですが、
では一体誰ですかこの様なアホな事を始めたのは?
組織全体の意向とも思えませんが」

店内の方々に影法師を配置して腕組みする高音を前に、
天草式十字凄教の意思統一は一名を除く指の向きで素早く示される。

「おおおおいっお前らあっ!!!」
「なるほど、よく分かりました。
それはそれとして、あなた達は一体何を考えているのですか?」

高音の声はより強いものになる。

「関西呪術協会を経由して、
エンデュミオンの事件にも少々絡んでいたと言う非公式の報告は聞いています。
しかし、それも既に解決しています。

いくらこちらが科学の学園都市などと比べて緩い土地柄とは言え、
「魔法使い」の本拠のど真ん中に、
現在はイギリス清教の「聖人」にも深い関わりを持つ独立魔術勢力の主要構成員が
ぞろぞろ現れて店をオープンする等と、それが一体どういう意味を持つか…」

「我らは敵なのか?そのど真ん中に乗り込んで来るとは、
なかなかいい度胸よのぉ、惚れ惚れするのよな」

ニッと笑った建宮斎字を高音がギロッと睨み付ける。


283ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:03:09.83xk3YlZhJ0 (2/8)

>>282

「ご心配には及びません。
サイズの関係で表に待たせているだけですから、
イザとなったら出入り口など幾らでも拡張する事は出来ます。
それに、あなた達は私達の敵なのですか?」

「いいや、出来れば仲良くさせてもらいたいのよな」
「の割にはいかにも挑発的ですが」

「おう、確かに少々野郎って生き物に対して挑発的なメイドファッションの数々を」
「いつわこのばか殺していい?」
「一応いないと困りますのでおはぎ程度にお願いします」

棒読みで尋ねる高音に五和が淡々と応じる。

「それにしても…」

すたすたと高音に近づいた五和が、高音の胸の辺りをこんこん叩く。

「話には聞いていましたが、本当に頑丈なんですね」
「無論です。そのままでも三倍、肌にぴったり密着させれば七倍の防御力を誇る優れもの。
何なら試してみますか?」
「いいんですか?」
「支配権はこちらにありますから、
どうせならこちらの実力を少し知っていただきましょう」

かくして、高音と五和、それに浦上、対馬も加わり、
小上がりに上がり障子が閉じられ中から簾が下ろされる。

「おおっ」

その面々が出て来た時、残った面子が声を上げた。

「ほぉーお、これが」

建宮が、そのゴシック調の黒衣を上から下まで観察する。


284ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:08:18.86xk3YlZhJ0 (3/8)

>>283

「先ほども申し上げましたが、三倍から七倍の防御力、
話に聞くトリック攻撃も著しく制限される筈です。
つまり、こちらと喧嘩しよう等と馬鹿な事は考えるな、と言う意味です」
「無論なのよな。
本拠地のど真ん中で「魔法使い」とやり合うには我らじゃあちぃと苦しいのよなぁ」

「それを理解しているのなら、今後建設的な話し合いに応じて下さい。
無用の衝突は避けたいものですが、
こちらに踏み込まれてはいそいですかで終わらせる程お人好しでもありませんので」
「了解したのよな」

その時、奥のドアがガチャリと開かれた。

「パーツ色々見せてもらったよ。いいモン揃えてるな建宮さん。
後でまとめて注文するから…高音さん?」
「長谷川さん?何故ここに」
「何故って、高音さんこそどうして?」
「そうですか」

棒立ちになった高音がぽつりと言った。

「そうですか、そういう事でしたか。
今度は天草式十字凄教が関わって又白き翼が太陽系が破滅する程の大事件の予感で
こうしてはいられません直ちに情報を収集して今度こそ蚊帳の外などと言う…」
「もしもーし」

抑揚のない声でぶつぶつ言い始めた高音に長谷川千雨が声を掛け、
五和と顔を見合わせて首を傾げる。
そこで、ガラリと玄関が開く。

「あ、すいません、ちょっと取り込み中…」

「よぉーっす。
ちょっと色々あって片付くまで学園都市から出てろって事でさ、
で、こっちに店出したんだって?
ちょっと寄ってみたんだけど、表の黒い蛸人形の愉快なオブジェあれ作ったのか?

あれ、オマエ、こないだの魔法使い?
麻帆良だからいても不思議は無いか、こないだは色々大変だったな。
元気だったかなんか顔色悪いけど」

すたすたと入店した上条当麻は、気楽な仕草で高音・D・グッドマンの肩を右手でぽんと叩いた。


285ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:13:23.04xk3YlZhJ0 (4/8)

>>284

 ×     ×

麻帆良大学病院病室。

「街が変わってもラストシーンがこれってどういう事なのかな?
というか説明したよね?前スレの>>81でちゃんと説明したよね?
つまり、わざとだね、わざとなんだね、
とぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
ま?」キラーン

 ×     ×

ネギま!暦2009年

「かんぱーいっ!」

麻帆良学園都市内の居酒屋チェーン店の小上がりで取り敢えずビールを掲げていたのは、
柿崎美砂、釘宮円、椎名桜子、和泉亜子のカルテットだった。

「ビールが旨い」
「いい汗掻いたから」
「ひっさびさだもんねーっ」

一同実に清々しく旨いビールで喉を鳴らす。
つい先ほどまで、バンド活動「でこぴんロケット」として、
大きいとも言えないライブハウスでアンコールまで終えたコンサートのその後の事だった。
本日の成果やその過程を肴に賑やかにビールを空ける事暫し。

「でもねー」

既にほんのり赤くなった円が、しみじみと語り始めた。

「今でも結構きっつかったけど、社会人になったら厳しいよねー」
「んー、流石にねー」

美砂が同意する。ここの一同は将来の目標はほぼ決まっている。
その結果として現状学生だったり違ったり、
そんな、決して容易くはない時間の中で漕ぎ着けたのが今回だった。
そんな面々は、店内がちょっと静まっている事に気付いていない。


286ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:16:39.43xk3YlZhJ0 (5/8)

>>285

「じゃあ、いっそプロデビューして見る?」
「ん?」

ようやく気付いた円がそちらを見る。
靴脱ぎからこちらに来ようとしていたのは、見慣れない美少女だった。

「えーっと、誰?取り敢えず未成年?」

円が美少女に尋ねる。
中学生ぐらいのほっそりした感じの白人少女、
長い金髪に紅系のゴシック・ロリータがよく似合っている。
場違いにしてお人形の様な美少女ぶりが、ちょっと彼女の通り道に沈黙を呼んでいた。

「だいじょーぶ、私の連れだから」

その少女の背後から現れたのは、朝倉和美だった。
そして、朝倉共々でこぴんロケットの小上がりに上がり込む。

「で、この娘誰?」

美砂が改めて尋ねると、少女は名刺を差し出した。

「コンサルタント………代表?………」
「謎の天才少女」

和美が言い、ざっくり書かれた百科事典ページを表示した携帯を渡す。

「本人も出自を覚えていない孤児からアメリカでの養父母に恵まれて
天才的な頭脳で飛び級、企業経営を経て現在に至る。
私達にも無関係じゃないよ」
「どういう事?」


287ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:19:46.58xk3YlZhJ0 (6/8)

>>286

「ブレーン、或いは黒幕。
その桁違いの天才ぶりでね、公社とかいいんちょ那波さんトコとか関連企業とか、
すっごく食い込んでるんだわこの娘」
「へぇーっ」

和美の言葉に亜子が感心した様に言って少女を見る。
やはり、こうしてちょこんと座っているとお人形の様だ。
大きなイヤリングが又アクセントになっているが、それもバランスを崩していない。

「そういう訳で」

和美による紹介が一通り終わった所で、少女は口を開いた。

「プロデビューと言うのはどう?」
「プロ、って私達が?」

亜子の言葉に少女は頷く。

「でこぴんロケット、流石に最近の練習不足は否めないけど、
磨けば光るものを持っていると思うわ。
広告を扱って来たから芸能関係にも相応の実績はあるのよ」
「そうなんだー」

言って、円は天を仰いだ。

「ええ。元々人脈的にも裏の関係で非常に関係が深いと言う事もあるし、
今も言った通り才能の輝きがある。
だから、エレベーター関連の事業のイメージキャラクターとして起用すると言う話は、
これは決して夢物語ではないわ」
「悪いけど厳しいなー」

言ったのは、美砂だった。

「私達、地道に社会人するつもりだからね。
亜子なんか特にそうだけど、本当にやりたい仕事があるって訳だし。
魅力的な提案ではあるんだけどねー」


288ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:22:52.63xk3YlZhJ0 (7/8)

>>287

「そう、残念ね」

少女の反応はしごくあっさりしたものだった。

「?」

視線に気付き、桜子が自分を指差す。
少女はこっくり頷いた。

「私には、一桁の年齢の記憶がほとんど無い。
きっとロクでもない記憶だったのでしょうね。
後は彼女が説明した通り、どこかの国の孤児がアメリカの富豪の養子になって、
才能と努力で大学に飛び級して株式の世界で成功した。
経営者として情報を集める内に、全てを擲つ価値のあるプロジェクトを発見した」

「それが、今進められている宇宙のプロジェクトなんやね」

亜子の言葉に、頷く事で返事がなされる。

「ええ。本当に全てを擲って、そして賭けには勝ったみたいね。
プロジェクトは私を必要としている、少なくとも役には立っているみたい。
がむしゃらに生きて来て、それが悪いとは思わない。
今の所充実した人生だと思うわ。

努力はした。だけど、努力が出来るスタートに立てた時点で、
正体不明の孤児としては宝くじなんてレベルじゃない幸運にも恵まれた。
ねえ、椎名さん」


289ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/22(水) 15:26:10.35xk3YlZhJ0 (8/8)

>>288

「ん」

声を掛けられ、桜子は同意の表情を見せる。
他に反応の仕様も無い。

「そんな私がね、どこか惹かれるのよあなた達に。
音楽、もしかしたら遠い昔に何かあったのかしらね?
知らない過去なんて振り返るつもりもないけど、
運命とか奇蹟なんて、口に出せば陳腐な言葉を体現している私の中のどこかに。

ええ、もちろん、声を掛ける以上はビジネスとしてもきちんと考えているわよ。
でも、それだけでは済まないどこかで惹かれる所があるの。
ねえ、椎名桜子さん」

今回はここまでです。

まあ、考証的に言えば、ちょっと学園都市出てろって言われて、
ナノデバイス入れた上条さんの行った先が麻帆良学園都市でした、とか言ったら
討伐部隊出されるレベルの話ですが…

小ネタ劇場はここまで、次回は本編行きます。
と、言っても、大方終わっていますけど。

まあ、それが私の力量と見て貰ってもいいのですが、
元ネタがエンデュミオンでそれに沿った場合、政治的にどこまで広げるかも難しいです。
殲滅白書とネギを絡められないか割と真剣に頭を悩ませたりもしましたが…

続きは折を見て。


290以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/22(水) 19:28:43.62DGw6zUv4o (1/1)

乙です


291ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:29:55.39Y33oC2200 (1/9)

それでは本編再開
今回の投下、入ります。

>>289

 ×     ×

聖ジョージ大聖堂の執務室で、
デスクについた最大主教ローラ=スチュアートが神裂火織に一通の書状を渡した。

「あくまで私的なものと言う形式なれど、
我が身を省みず宇宙見学中の学生の安全のために一方ならぬ尽力をたまわったと、
かくいう理由にて先方より感謝状が届きたるのよし、受け取るがよき事」
「つまり、事を荒立てるつもりはない、と言う非公式な外交メッセージですか」

一礼して受領しながら神裂が言う。

「まあ、そう思うてよき事よ。
今回の件に就いては、魔法の側にも色々とありたる事故に」

言いながら、ローラは机の上で裏返っていた写真を手にする。

「女狐に子狐、まこと、土御門はよく言ひたる事」
「?」

ローラは、首を傾げた神裂に写真を見せる。

「これは………日本で流行っているコスチューム・プレイと言うものですか。
ファンタジーとして獣と組み合わせる事も行われているとは聞きましたが、
それにしても、可愛らしい女の子ですね」

神裂の返事を聞き、ローラは実に面白そうな笑みを浮かべて写真をデスクにしまう。

「まこと。これも、ちょっとしたカードぐらいにはなりけるかしらヒーロー殿?」


292ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:35:18.09Y33oC2200 (2/9)

>>291

 ×     ×

「科学の学園都市を訪問したネギ先生が、
それ以前の調査も含めて麻帆良に異常を察して調査の要請を行った。
ところがその書類が、こちらの事務局の段階で受理印だけを残して事務的なミスで紛失したらしく、
その間に事態が切迫したので、やむなく従者に調査指示を出した」

麻帆良学園都市ダビデ広場の一角で、高音・D・グッドマンが長谷川千雨に告げる。

「これが、今回の事件に就いて麻帆良学園、
引いては関東魔法協会が下した非公式の公式見解です。
科学の学園都市で実際に、地球が破滅する規模の大事件が進行していた。
しかもそれが科学、魔術双方に跨る事件であったために、
責任ある立場で事件の存在を知る者は皆、事件が裏の世界であっても表面化する事を望まない」

「闇から闇、そういう事ですか」

「そういう事です。そのためにあなた達は助かったのです。
科学の学園都市及びイギリス清教は、
その過程で嫌でも目に付いた筈の麻帆良学園に関する協定上の逸脱、
それに就いて深く追及する事は出来ない。

それ以外の魔術勢力はそもそも一連の事件を知らない。
科学と魔術を交差させたバベルの塔によるアルマゲドン計画など、
もしも魔術サイドでも頑迷な大勢力の耳に入ったら別のアルマゲドンが発生します。

麻帆良学園としても、実際に公式訪問中の科学の学園都市で地球規模の緊急事態と言う現実があった以上、
「英雄」でもあるネギ先生の名の下に強行されたネギ先生の従者を含む形式上の越権行為は、
言わば全ての法律をすっ飛ばしてでもそうしなければ魔法使いとしての憲法を守る事が出来なかった。
そう見るのが妥当な状況下における魔法使いとしての現場の判断として不問に付す。
こちらの学園、協会はそういう判断をしました」

そこまで言って、高音は改めて千雨の目を見据える。

「いいですか、あなた達はあくまでネギ先生の従者として、
ネギ先生の責任の下で助命されたのです。
この様な横紙破り力ずくのルール違反のねじ伏せ、こんな事は二度とありませんから、
そのつもりで決して勘違いの無い様に、いいですね」

高音の言葉に、千雨は深く頭を下げた。


293ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:40:44.28Y33oC2200 (3/9)

>>292

「密約…」

頭を上げた千雨の前で、高音がぽつりと言う。

「ドサクサに紛れて誰かが科学の学園都市とイギリス清教に、
一連の逸脱を不問に付する密約を呑ませた。そう考えるのが自然です」
「誰かが?」

高音の言葉に千雨が聞き返す。

「上の方で色々とあった様です。
正直、今回の決着に就いては関東魔法協会、麻帆良学園警備の正式所属である
私から見てよく分からない事が多い。
長谷川さんは何か聞いていますか?」

「ん?いや、私は特に」
「ネギ先生からは何か?」
「いいや、あれからも全然顔合わせてない。
うちのクラスのチア部が授業に復帰するみたいな情報掴んで来たけど、
それも直後に急用だかで流れたって話だ。今日も何人か謎の欠席してるしな」

「そう、ですか」
「高音さん?」

ついと横を向いた高音に千雨が声を掛ける。

「いえ、何でもありません」
「それに関しては高畑先生からも話は聞いてる。
むしろ、本来の目的であるエンデュミオンでレディリーがやりたい放題やらかしたから、
その後始末で前にも増して奔走する羽目になった、ってさ」

そう言って、千雨は天を仰いだ。

「もちろん、今回の事件と私達の事も色々聴かれたけど、
どやされるよりも冷たい言葉よりも応えたよ」
「それは何よりです。
そうであれば私からは以上です。くれぐれも勘違いの無い様に」
「分かりました。今回は本当に色々とご迷惑をお掛けしました」


294ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:45:50.59Y33oC2200 (4/9)

>>293

「で、ある事をよく覚えておいて下さい。
鳴護アリサさん、ですか」
「ええ」
「条理を覆し滅びにも救いにも通じる程の奇蹟の歌。
しかし、その様な事は関係無かったのですねあなたには」

「ええ」
「あの面子の中でも常識的で賢いあなたなそうさせたもの。
力には責任を伴う。何に対して責任を負うのか、大切なものに対して。
行きなさい」

千雨は、もう一度頭を下げてその場を離れた。

「上の方で、色々あった様です」

その背中を見送り、近くの低い塀に腰を下ろした高音は、
ふと呟いて親指の爪を噛む。

「そもそも、私達は何故鳴護アリサの調査に着手した?
誰の意思で何を思ってその様な指示を出した?誰がどこまで知っていた?
ネギ先生の目的がエンデュミオン。
同じ時期に好き勝手なイレギュラーとして潜入していた。
イギリス清教、レベル5まで引っ張り出された上での迅速な政治的決着…」

呟いて、高音はふっと笑う。

「ネギ先生の性格上、最も嫌う事の筈。
何よりも生徒の安全を優先し、
生徒が危ない事に首を突っ込もうとするなら率先してそれを止める、
むしろもっと人を頼れと言われ続けている程の優しい少年、
そんな私達の「英雄」ではありませんか。
何れにせよ、このままではいけませんね」

そして、高音は立ち上がる。


295ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:49:36.63Y33oC2200 (5/9)

>>294

「元々それなりの機密はあったとは言え、
プランが動き出してから徐々に進行している、組織の政治的に過ぎる傾向は少々目に余ります。
今回の事件に関しては改めて顕著です。
伏魔殿に甘んじている訳にはいきません。
微力ながら妹達を預かる身としては」

ようやく、仕掛けた魔法が時限解除されて周囲に人が戻り始める。
だが、高音は知らない。それ以前より、電子的手法でその効力外からの観察を受けていた事を。
確かにその観察は複数の目と耳により複数の脳へと情報がインプットされていた。
その観察者達同士を比較した場合、最新鋭の科学的な顔面認証、DNA型鑑定をもってしても、
別人との結論を出す事が躊躇される程に著しく酷似していた。

 ×     ×

その話術をフル活用してついでにコネを若干濫用して確保した学校内ベッドに於ける快眠の後、
たった今切った携帯を別の場所にかけ直しながらベッドの上に座り直す。

「もちろん簡単ではないけど、上手くやれば上とは別に、現場レベルとのパイプが繋がりそうだけど」
「ほう、脈ありと言う事か?」
「坊やは事を少しシャープに進め過ぎて、現場に齟齬が生じ始めているみたいだけど。
他人を動かしながら大きな仕事を推し進めるには、お利口さんだけでは足りない。
その事を理解するには少々年を食って痛い目を見なければ理解出来ないものだけど」

「実に説得力がある。クイーンの方はどうする?」
「もちろん、メインに直結している彼女との関係が最優先だけど。
聡明にして優美、それでいて熱すぎる程の情熱を秘めた女傑にして高貴な姫、
クイーンと呼んで大袈裟な所は欠片も無い相手だけど」

「確かに。そして君がそういうのなら間違いは無いだろう」
「そしてそれは、あくまで上の肩書きを前提にした関係だけど。
だから、このルートが成功したら下の、本当の力の片鱗でも掴む事が出来るかも知れないのだけど」

「あの学園の真実の力、事によっては」

「或いは、磨く前の宝石。
事前にも最近にも、霞の掛かった様な防壁に阻まれながらもじわじわと収集した情報の結果、
暫定的に「魔法の学園都市」と外で口に出しても視線を外されただけで済みそうな名称に至った、
もう一つの学園都市に可能性の存在する、「もう一つの能力」。
あのクイーンが宇宙を欲してまでコントロールしようとしている何か。
案外足下から核心に近い所に迫る事が出来るのかも知れないのだけど」


296ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:53:23.19Y33oC2200 (6/9)

>>295

「外の、そして能力の根幹にも関わりかねない事、となると、
迂闊なやり方は出来ないな」
「無論だけど。この線で下手な動きをしたら統括理事の一人や二人、
そこにくっついてる影のブレーンとやらなんてどうにでも、だけど。
ここで死ぬにはこの街にはやる事が山ほど残っているのだけど」

「それを理解しているのならいい」
「じゃあ、そういう事だけど」

かくして通話を打ち切った後、携帯を操作して今度はスケジュール帳を表示する。
本来の公式な身分に於いての日常を示している所の、
一日の半分ほどを五つだか六つだかに区切った予定表だった。

「たまには、体を動かすのもいいんだけど。
面倒だから着て行こうか」

携帯をポケットにしまい、鞄を漁る。
そして、競泳用の水着を引っ張り出してベッドの上に戻る。
ガチャリと保健室のドアが開く。

「不、幸、だ、
や、はり、胃腸の頑丈さを暴食シスターと張り合ったのが間違い、だった。
食費節約の誘惑に負けて、インデックスが、食えてたから大丈夫、だろ、おお、とおおおっ」

上条当麻が床に放り出されていた鞄に蹴躓き、
白いカーテンの区切りをがしっと手掴みにしたままその体重でカーテンの強度を軽々と凌駕する。

「こら待て上条当麻っ!!貴様どこかに姿を消す前に、
今日こそは係の希望配置、提出するまで逃すつもりは無いんだからなっ!!」
「とうまー、お昼ご飯忘れてるんだよーっ!」
「上条君。小萌先生が呼んでる」
「ちょろっとここの先生から論文を預かって来て欲しいってたたた頼まれただけで
あんたの顔を見たいとかそんな事はゼンゼンナインダカラネッ」
「近くにお店出すのでおしぼりセット持って来ましたーっ」

間違いなく本来の目的の真逆を突き進みそうな保健室空間の禍々しい歪みを余所に、
ひょいと隣のベッドに飛び移り、後に残った作業としてさっさと水着と制服を身に着ける。

「相変わらず、お前は意味不明な事になってるけどなぁ」

その一言だけを残して悠々と保健室を後にした。


297ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 14:56:36.11Y33oC2200 (7/9)

>>296

 ×     ×

麻帆良学園都市某所。

「とまあそういう訳で、
うちの天才過ぎて手に負えない先輩がみょーな関心持ってるらしいから、
そっちのお姉様にみょーな気配が無いか、
ちょっと注意しといてくれないかにゃー、お互いの平和のために」
「要件は承りましたが、留保しておいた質問に移ってよろしいですか?」

電話を受けた佐倉愛衣は淡々と尋ねる。

「何なりとドンと来いですたい」
「どうしてあなたが番号非通知でも絶対出なければならない事になっている
私の携帯の番号をご存じなんですか?」
「それはもちろん、企業秘密ですたい。
それ相応の情報交換で、と言うのなら考えないでもないんだけどにゃー」

「情報交換、ですか?」
「そ、それなりの重要機密情報と交換で。
例えば、メイちゃんのスリーサイズとか」
「ユニークな暗号ですね。
つまり、各勢力とは無関係な土御門元春個人として
麻帆良学園に宣戦を布告するから総力を挙げて消し炭にするつもりで掛かって来いや。
この様に解読して上に通達して欲しいとそういう事ですね」

「ま、待て待て待て、メイちゃんにとってもとぉーっても朗報、
悪くない情報交換ですたい」
「どの辺りがですか?今すぐそちらに直径3メートルほどの火炎ボールをお届けしなくても
頭痛が沈静化するぐらいにはいいお話しなのでしょうか?」

「そりゃあもちろんメイちゃんみたいな可愛こちゃんが
これでチラ見せしながらするっと紐を解いて抱き付いたらそれはもう、
相手がどーんな鉄板幼馴染み同居カップルだろうが横取り上等NTR必勝確実、
キューティーセクシーダイナマイトな大精霊チラメイドストリングバージョンを
オーダーメイドジャストフィットで特別に…」

佐倉愛衣は、すぅー、はぁーっと呼吸を整え、一言宣告する。


298ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 15:00:25.69Y33oC2200 (8/9)

>>297

「ご愁傷様です」
「へ?」
「遺言はお済みでしたか
あ、に、さ、ま?」
「おおおおおネコミミ和風メイドの天使様がぁぁぁ……………」ツーツーツー

テレビ電話ではなかったが、
その張り付いた笑顔など想像だけでも十分克明なものだった。

場所は再び科学の学園都市。
とあるマンションの屋上で、砂皿緻密は望遠鏡を下ろしふっと笑みを浮かべる。

「やめるの?」

その側でステファニー=ゴージャスパレスが言い、砂皿が頷く。

「今回は見送りだ」
「そう。ま、私もどっかの高校の保健室に、
なんて正直気が進まなかったから」

「本業か。それこそ貴様に任せたら阿鼻叫喚の巷と化すからな。
まあ、これは俺の勘だが、恐らく今回の仕事、
俺が仕留める前にキャンセルが来る。そんな予感がする」
「奇遇ね。行きがかり上受けたは受けたけど、
裏の流れがなんとなーくそんな風になりそうって、それは分かる。
ま、命拾いしたって事ね」

とある廃ビルの屋上で、
龍宮真名が、たった今まで砂皿緻密を映していた望遠鏡を下ろす。

「命拾いしたな」

龍宮真名は呟き、ギターケースを肩に掛けた。

「もしもし麦野ー、
例の色黒ノッポ、望遠鏡覗いただけで帰っちゃうみたいなんだけど、
このままビルごと吹っ飛ばしとくー?」

「やめろ、やらないってんなら依頼の外だ、放っておけ。
例のイレギュラーの関係で間違いない。
仕事ってんならやるが、余計ないざこざやっていい相手じゃねぇ」
「はーい。結局、命拾いしたって訳よ」


299ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/01/25(土) 15:03:32.83Y33oC2200 (9/9)

>>298

「と言う訳で、
フレンダ=センヴェルンさんは退散するみたいですー。
追跡しますかネギせんせー?」
「いえ、こちらもそのまま引き揚げて下さい。
手を出さない以上、深追いしてはいけません。
図書館チームの戦力で逆襲されたら危険過ぎます」

「了解しましたネギ先生。
その通りです。武力だけで言えば私達の適う相手ではありません。
知略も含めた全面戦争に至ったとしても七割方我々が負けるです。
お互い、命拾いしたです」

「つまり、動きは無いと言う事か。
ならば別に構わんよ。精々データを披露してくれればいい。
今の君の利害であれば、それは所詮プランの内だ。命拾いしたな。
楽しみに待たせてもらうとしよう。
星々を制するバベルの塔、それが相応しいのはこの学園都市か。
君の創り上げる新しき都とやらか」

今回はここまでです。
続きは折を見て。


300以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/25(土) 17:21:02.38Ivhn9AvMo (1/1)

乙です


301以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/01/26(日) 09:40:54.1686DqAnnf0 (1/1)

ここの作者、ほんとによくがんばるなー
尊敬するわ

がんばって完結させてくれ


302ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/03(月) 03:32:18.70Jbyh6KZu0 (1/3)

最初にお断り
今回、本編も小ネタも投下はありません。只のコラムと企画です。

現状を申し上げますと、
こないだから言ってる通り作品自体は大方終了近くです。
それで一月終わっちゃいましたから終わる終わる詐欺と言われても仕方がない所ですが。

ちょっと気になる事がありまして。

なんか、本作の状況でこのまま進んだら、その内

「ネギ野ー、仲直りしようぜー」

って感じのお誘いを受けそうな感じなのですが…
実はこの主人公二人の衝突って、実現したら結構洒落にならないのではないかと。

以下、かなり適当な話をしますんで、間違ってたらすいません。

ネギが雷体化して対決した場合、もしかしたら
上条さんが塵になるかネギがまんま消滅するか二つに一つの激突になるのでしょうか。
禁書だとオカルト魔術上等でも幽霊、霊魂の類の直接は無かったのかな。
ゴーストのある存在でも風斬は幻想殺しで消されるぽいしネギの雷体は弐の太刀で斬られてましたが。

ネギの分析力を考えると、ベースは只の男子高校生(嘘だっ!)
右手は幻想殺し、両方の意味から雷体での闘いは避けるでしょうね。
その場合、意外とネギの方がヤバイかも。

上条さんは経験上大概の仕掛けを見破りそうな上に、
一応総合力でネギが上だとしても簡単にはやられないから、
「戦いの歌」なんかは十に一つか百に一つかのチャンス狙って
右のワンパンから直接ダメージの上に防壁解除、そっから畳み掛けの逆転劇が出て来そうだし。

「雷の暴風」ぐらいなら右手で凌げそうだけど、
その上だと処理落ち確定のペンデさんその他と比較してどのぐらいの火力なのだろうかとか。
最初のお誘いの元ネタから見て、
ゼロが幾つもつくタイプの光の矢の数で圧倒、も出来ない予感。


303ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/03(月) 03:37:36.68Jbyh6KZu0 (2/3)

>>302

オーソドックスに、右手が触れる前に肉体に戦闘不能な一撃をぶち込んで終わらせる。
これがネギの勝利条件で本来、双方の戦闘力の数値的には出来ない方がおかしい話なのですが、
上条さんの場合、その辺分からない所がやたら多い訳で。
体育祭で言ってた通り、ネギは本当に普通に魔法強化使ってるから上条さんの右手は「毒手」、
上条さん自身がそこそこ強い(って事にしとく)事もあって
一度「毒手」に触れたらネギが体勢立て直す前に一気に、って危険性は決して小さくない様な。

只、ネギの側でも幻想殺しは察知するでしょうし(本作では既にしていますが)、
それに対する対策や覚悟もするでしょう。
体育祭で見る限り、魔法使用不可の素の状態でもアーティファクト込みで暴走した古老師を
受け流して一本取る程度には拳法家として普通以上に強い訳で、
学園祭の予選バトルロワイヤルでも素でしたっけあれ?

いわゆる素の格闘勝負では本物には勝てないって上条さんにとって、
古老師なんかはむしろ仮契約カード抜きの方が余裕で最悪の対戦カードですよね。
取り敢えず、魔力抜きの殴り合いをした場合、
少なくとも本気の土御門に勝てるぐらいにはネギは強い、と見てもいいのでしょうか。

雑談に続きまして、最終回直前企画。
今回のクロスの性質上、あっちこっちでバトルが展開してまして、
正直ストーリーよりもやってみたかったって対戦もあった様な気もしますが。
そういう訳で、書いてて随分楽しませていただきました。

つきましては、印象的な戦いや自分のベスト何位やらその感想やらを募集してみます。

大小色々な対戦の中から、
なんかほぼ全部な気もしますが重複あり複数回対戦ありで主要なものをエントリーして見ました。

最初の公園の戦い
長谷川千雨vs初春飾利
佐倉愛衣・上条当麻vsステイル=マグヌス・神裂火織
千雨チームvs超電磁砲チーム
犬上小太郎vs御坂美琴
長瀬楓vs白井黒子
ギリシャ電子魔術vs長谷川千雨・綾瀬夕映・初春飾利・御坂美琴

佐倉愛衣・犬上小太郎・御坂美琴他
vsジェーン・メアリエ・マリーベート(フルネーム略)・ステイル=マグヌス

続く


304ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/03(月) 03:42:48.20Jbyh6KZu0 (3/3)

>>303

ネギ・スプリングフィールドvsネセサリウス学園都市派遣組(姫神抗争)
神裂火織vs桜咲刹那・神楽坂明菜・近衛木乃香

神裂火織他vs
フェイト・アーウェルンクス・フェイトガールズ・タカミチ・T・高畑・麻帆良学園学園警備本隊

ネギ・スプリングフィールドvs一方通行
婚后グループ・御坂美琴vs図書館マイナス近衛木乃香チーム
御坂美琴vsネギ・スプリングフィールド
馬場芳郎・博士vs長谷川千雨他
垣根帝督vs犬上小太郎・村上夏美・佐倉愛衣
アマゾンの戦士vs桜咲刹那・龍宮真名・御坂美琴・食蜂操祈
パイオ・ツゥvs御坂美琴・食蜂操祈
ヒュドラvsアイテム・桜咲刹那・佐倉愛衣
ヒュドラvs桜咲刹那・佐倉愛衣・ステイル=マグヌスとその弟子三名・土御門元春
アイテムvs明石裕奈・長瀬楓・桜咲刹那他
麦野沈利vs明石裕奈
垣根帝督vs高音・D・グッドマン他
千雨チーム・風斬氷華vsシャットアウラ=セクウェンツィア

レディリー=タングルロード・魔素人形軍団
vs綾瀬夕映・アリアドネー騎士団分隊・フェイト・アーウェルンクス・麦野沈利・絹旗最愛

宇宙デーモンvsネギ・スプリングフィールド他

改めて………よく無事に終わったなこいつら………

エントリー外の対戦でも歓迎です。
実際何人見て下さってるかも分からない状況で、
馴れ合い投下そのもので本当にすいませんが、
割と長い話になりましてこの企画もちょっとやって見たかったって事です。
気が向いたら荒れない程度にお付き合い下さい。

こんな感じですいませんがぼちぼち本編の作業に戻ります。

今回はここまでです。続きは折を見て。


305以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/03(月) 12:22:31.54gkmsA0hHo (1/1)

乙です


306以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/03(月) 12:39:05.91Ka4EkdKGo (1/1)

>>303
>魔翌力なしネギと上条さんの殴り合い
凄くショボそう


307ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/04(火) 04:47:17.23bJ0/qsae0 (1/2)


 ×     ×

前言撤回と言う事になりまして真にすいませんが、
前回の続きでコラム投下回になります。

どうせだから、と言っては何ですが、この際思い付いたのまとめて書いてしまおうと。

実際、ネギま!勢全体を見た場合、上条さんと闘ったらどうなるのか?
取り敢えず男女平等って事でその辺の後味の悪さは無視するとして。

この場合、まず「気」と言うのが分かりにくいのですが、
刹那が飛ばす遠距離攻撃も含めて気弾、狗神は消滅、
建御雷、如意棒なんかは召還解除のカード化、と言った所でしょうか。

格闘・白兵戦の玄人とまともに闘ったら負ける、と言う事なら、
その基準なら四天王、犬上小太郎は勝利。
エヴァ様も合気と人形遣いで余裕でしょう、
彼女の場合、一発ぶん殴って貰った方が本人的にいいのかも知れないですが。

何かの間違いで高畑先生とマジでやり合ったら、
間違って純然たる物理に右手で突貫してミンチにされそう。
まあ、それ以前に瞬殺級のKOでしょうけど。
他の武闘派魔法先生で上条さんから見て有利っぽいのが神多羅木、シャークティ。
逆が葛葉刀子、ガンドルも訓練済みっぽいみたいですし。

上条さんが勝つと言う意味で決定的に相性が悪いのが高音さん、
その妹分二人もまず無理ですね。
戦闘手段がほぼ魔法オンリーな図書館組も上条さんの勝ち。
相手がのどかの場合、右手連結で通常無効なのか右手を突き出してる必要があるのか。

運動部で戦闘能力のある裕奈、まき絵の魔法+スピードにどこまで対応出来るか、
魔術の強者共に粘り勝ちしている上条さんなら…と思いますが。
但し、何かの間違いでアキラをマジギレさせたら基礎部分の勝負で上条さん厳しいですね。

意外と分かり難いのが神楽坂明日菜。
ハリセン・ハマノツルギは右手に当たったら多分アベアットされるのでしょうね。
カンカホウも上条さんには無理っぽいですし。
ステゴロならかなり強いと思うのですが、それなら上条さんも同じで、
剣術並に体術の修練もしていれば元々の素養も含めて明日菜勝利、との見立て。


308ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/04(火) 04:50:35.03bJ0/qsae0 (2/2)

>>307

フェイトの場合、体術的には圧勝出来るでしょうけど、
そもそもフェイト自体がどういう存在なのかって。

魔法世界人の構造を別にした場合、フェイト・ガールズで上条さんに対してかなり不利なのは焔。
但し、早めに諦めて体術に特化したら勝ち目あり。
後の連中は、非戦闘員一名と、正直どこまでが物理と言えるのか分からないのと
結界自体が作動しないなら上条さんのワンサイド?って適当な感じな分かりくさ。
同じ理屈で「幻灯のサーカス」も発動しないのか。
流石に神様から別世界に飛ばされたりはしてましたが

月詠に至っては戦闘能力的には圧倒的に上条さん不利ですが、
上条さんが月詠とぶつかるってなったらシチュエーション的に何が何でも上条さんが負ける気しない。

後は、魔法世界人の構造を無視した場合、
あっちの強そうな人相手では大凡の所が論外でしょうね。
多分トサカにも負けるのではないかと。
アリアドネー騎士団分隊相手なら勝ち目あるかも。

おおよそこんな所で。

スレ的に多少は関連ありですが、二度に渡って思い切り私物化してしまってすいません。
今度こそ本編作業に戻ります。

今回はここまでです。
続きは折を見て。


309以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/04(火) 07:29:04.42Ay01NpYSo (1/1)

戦闘の結果予想についてはだいたい異論は無いけど
上条さんの右手は明日菜とは違うからパクティオカードとか直接触れようものなら解除だけじゃ済まないと思うぞ
瞬時に塵になるだろうし、契約の強制解除も有り得る


310ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/08(土) 04:32:56.09eivvtkm+0 (1/2)

>>309
感想どうもです。今回はイレギュラーですのでまずはお礼だけ。

見付かった事があったのでひっそりと追加。

>>304

主な対戦表の中に
月詠vs天草式十字凄教を追加。
むっちゃ激戦だったのに…

>>307
上条さんの対戦結果
vs超鈴音の結果が抜けてた。
まあ、格闘白兵戦能力で四天王レベルだから普通に上条さんに勝ち目ありませんが。
只、何かの間違いで呪紋モードに入ったら逆にそれを上条さんがどうにかするでしょうけど、
呪紋を止めたとしても圧倒的に超りん有利な訳で、
従ってそもそも呪紋を使う意味が分からないと言う結局は上条さん敗北決定。

>>308
で、同じく上条さんの対戦結果の抜け。
フェイト・ガールズの中で暦関連の記述が無い…
他の面々もそうだけど、フェイト・ガールズvs上条さんってマジで分かり難い。

暦のアーティファクトって、何しろ相手が主にラカンだったもんで、
一度は環とのセットで発動したけど、何しろ相手がラカンだったし。
まき絵にもあっさり奪取されたしまともに発動した描写がほとんどない。
まあ、使われたらヤバそうって事で本作中でも
神裂、シャットアウラと真っ先に潰しに掛かってましたね、ごつごうしゅ…

時間操作系って、やっぱりどこぞの黒髪ショートカットに眼帯が厨二凛々しい
悪夢に見そうな長い爪の無限に有限な愛の戦士みたいな感じなのだろうか。


311ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/08(土) 04:36:44.04eivvtkm+0 (2/2)

>>310

で、真面目に考察して見ると、この対戦意外と面白い。
暦が上条さんの時間遅延にこだわった場合、そもそも効くかどうか分からないし、
うっかり効いたら効いた先から自分を右手で触って勝手に不意打ち状態で暦が自滅。

逆に、暦の自己速度強化で豹化から体術に持ってったらかなり勝気あり。
多分豹化した時点で格闘戦だけなら上条さんの負け。
問題は魔法世界人としての構造を無視したとして、幻想殺しで触れたら獣化が解除されるか。
それやったらペース混乱で上条さんのチャンス。

まともに行けば、高い確率で豹化+自己速度強化で上条さんの後ろを取ってしまいでしょうね。

更に更に………それで見直して見たら、
本編のシャットアウラvsフェイト・ガールズ戦で環の存在自体が丸々抜けてた…
その前の対戦、vsねーちん戦ではラカン並の非常識突破かけられてダウンしてましたが。
やっぱりシャットアウラに真っ先に潰されたんでしょうか(いや、無理だって)。
はいそうです、どう見ても私のミスですすいませんでした。

重ね重ねスレチ的な話を引き延ばしでマジすいませんでした。
今回はここまでです続きは折を見て。


312以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/08(土) 07:42:02.36xT8dBNX+o (1/1)

乙です


313以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/08(土) 10:44:02.75m0A4xPJ0o (1/1)

フェイトのネーチャン達って存在自体がファンタジーだから
上条さんに触られただけで危険なんじゃないの?
ラカン氏もそうだけど気合いで何とかしそうだw


314以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/12(水) 08:49:02.46V6CdOAl20 (1/1)

速筆先生カマち!


315ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 03:54:24.42z/7YxN5b0 (1/10)

感想どうもです。

>>306
それでもかなり強いと思いますよネギ君は。

>>309
あー、やっぱそこまでいっちゃいますか。

>>313
確かにそれで理にかなっているんですが、それを言ってしまうと魔法世界人に関する想定は終わりですね。
その要素だけ抜いた場合、上条さん魔法世界の相手だと多分トサカにも勝てない
(と言うかネギが感心するぐらい結構強いですし)ですから、
アリアドネー辺りの専業魔法使いでもない限りそれより強そうな相手には軒並み無理ですね。

それでは、本編最終回
投下入ります。

>>299

 ×     ×

「あっちの世界に留学だって?急だな」

麻帆良大学工学部の研究室で、長谷川千雨が葉加瀬聡美に言った。

「ええ、短期間ですが。
当面、総督の関係先にステイして、そこから初期の技術上の摺り合わせと言う事になります。
と、言うのが、裏の中でも表向きの事情でして、
裏側からの情報では、とにかく早めにあっちに行ってろ、死ぬぞ、
と言う情報が流れているらしいですね」

「は?」
「まあー、研究の過程で何か地雷でも踏んだのでしょうか。
ネギ先生からの依頼も残っていたのですが」
「ネギ先生から?」
「ええ。ネギ先生が触れた何かをその感覚を基に可能な限り数値化して再現する。
そういう依頼です」

「今一つよく分からないな」


316ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 03:59:33.92z/7YxN5b0 (2/10)

>>315

「ええ。今の所は「電気の様なもの」としか分かっていません。
只、どうも魔法の領域に干渉する何かがある様な。
このまま突き詰めていけば何か面白そうなものが出て来ると私の勘は囁いていたのですが、

その研究を始めた直後に留学の指示が来ましたから。
まあ、裏に関わる研究をしていればよくある事です。
精々あっちの魔法技術を取り入れて宇宙開発の先陣切ってみせますよ」

葉加瀬がアッハッハと快活に笑った。

 ×     ×

「胸糞悪くなる夢を見たんだ」

ふと足を止めて、千雨は呟いた。

「………消えちまう夢を」

こほん、と、咳払いに気付いた千雨が振り返る。
そこには、近衛木乃香が千雨の顔を覗き込む様に立っていた。
千雨がへっと笑みを浮かべると、木乃香は相変わらずにっこり無邪気な笑みを浮かべる。

もしかしたらその裏側に物凄いどす黒さが秘められているのかも知れないし、
とんでもなく高貴なのかも知れないが、
今分かっている事は、とにかく圧倒的に可愛いと言う事だ。

ひらひらと手を振って木乃香と分かれる。
こうして又、千雨は一人。
周囲を見回すといつもの賑わい、どこか他人事に感じる。
元々、長谷川千雨はやたらに群れるのとは対極の生活をして来た。

確かに最近は非常識な友人との馬鹿騒ぎも悪くはないと思うが、
同年代によくある様に、ぞろぞろと連れ立って歩く習慣も関係も余り持ち合わせていない。
だから、特に何も用事が無ければ、こうして一人で出歩いていても全く不思議ではない。

と言う訳で、研究室を出た千雨は、こうして何とはなしにダビデ広場をてくてくと歩いている。
千雨は、携帯を手にした。
何もせず、携帯をしまう。


317ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:04:40.14z/7YxN5b0 (3/10)

>>316

「千雨さーん」
「?」

現実感が無かった。

「千雨さーん」

機械的にそちらを見る。
さ程長い期間の別れではなかった筈だが、随分と長い事に感じられた。
そんな訳で、少なくとも書類上は現在でも長谷川千雨の担任教師
ネギ・スプリングフィールドが快活に手を振って駆け寄ってきた。

「ああ、ネギ先生」

取り敢えず、二人の会話はネギの後頭部にメガロ饅頭が炸裂し、
そんな魔法世界の英雄にして何れ最強の称号を手にするであろう、
取り敢えず別の世界の「最強」をこないだぶちのめして来たばかりの漢の中の漢が
本日も絶好調のチサメパンチに宙を舞った辺りからスタートしていた。

「あー、ネギ先生」
「はい」
「ネギ先生には色々と聞きたい事とか話したい事もある訳だが」
「はい」

相変わらずの屈託のない笑顔でネギは千雨の言葉を聞いている。
それを見て、千雨の頭脳は何かのヒットを告げる。
ネギ・スプリングフィールドと言う少年は、お人好しな所はお人好しである一方で、
真面目と言う点ではクソマジメと言ってもいい性格をしている。

さて、ネギ自身が今最優先としているプランも含めて、あれだけの事件。
そんな事件のかなり真ん中辺りに教え子である千雨達が居てしまった事を、
ネギが知らない筈も関心を持たない筈も無い。
これは、単に千雨の事を信じていて、
それでこちらからの話を待っていると言う事なのか。


318ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:09:54.60z/7YxN5b0 (4/10)

>>317

「色々話したい事もあるん、ですけど」

千雨は言葉を切る。
何から話すか、どう話すか、追及すべきか弁明すべきか。
そんな高度な頭脳戦が一瞬にしてフリーズする。

千雨は、その場ではっと振り返った。
ネギの事も何も、その時には頭に無かった。
目の前の光景はいつもの、麻帆良学園のダビデ広場。視覚上も、
今はそれ以外の感覚からも何の変哲もない。

だが、聞こえた。確かに聞こえた。
目に浮かぶのは、硝子のビル、立ち並ぶ巨大な風車の遠景。
そんなただ中の、人の行き交う空中通路、何の変哲もないそんな一角。
千雨の背後では、ネギが笑みを消してそんな千雨を静かに見ていた。
目を見開き、僅かに震える長谷川千雨を、静かに見ていた。

「………い、た………聞こ、えた………」

ほんの小さな、震える声を漏らした後で、

長谷川千雨は眼鏡を外し、ぐいっとその目に袖を押し付ける。

「ネギ先生」

振り返った千雨が声を掛ける。

「はい」

応じたネギは、穏やかな顔だった。
あの街の事だと言うのならば、

(私の、最高の)

最優先はたった一つ。それは、

「鳴護アリサ、って知ってるか?」

千雨が見たのは、千雨もよく知っているあの優しい笑顔だった。

-了-
後書きあり


319ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:13:24.00z/7YxN5b0 (5/10)

>>318

後書き

まずは今回投下、ラストシーンの最初の方に関しては、
正直やってみたかった、反省はしている。

映画的な本編後に引き延ばした挙げ句になんかあっさりですが、
本作はこれで終わりです。
いや、この状況の先を本格的にやるって、洒落にならな過ぎて無理ですって。

「ネギま!」も終わって禁書はその方面の趣味で嗜む程度、
もしかしたらクロスしたら面白いかも、
でも確実に手に余るから自分がやるのは現実味が無い。
そう漠然と思っていた時期がありました。
2013年の初期、映画を観て腹をくくりました。今年はこいつと心中だな、と。

「ネギま!」とのクロスも最初っから決まってたと思います。
私の二次書きの手札の中では最強札と言うかほぼ唯一のレギュラー札でもありますし、
何より「とある」との相性。
それも舞台が軌道エレベーターであるエンデュミオンと来ましたから、これはいける。
禁書牛一頭は無理でもエンデュミオンってステーキ肉一枚なら焼き上げてやろうと。

恐らく、最初の公園での戦闘シーンだと思います。
こいつは「ネギま!」とのクロスで絶対やりたいと思ったのは。

あの映画自体が結構オールスターお祭り映画みたいな性質でしたので、
それも元々のストーリーをかなり圧縮圧縮圧縮ーっしたとかで、
飛び入り参加で裏側のお話しを作り易い作りだったのは有り難かったです。
率直に言って、原作「とある」の二次は恐らく私の手に余りそうで。

つー訳で、設定前提で「とある」の原作を読み込んで
「ネギま!」も再度、流れでやっちゃう怖さがありますから緩みが無いか読み直して、
その他諸々を経てスタートした訳ですが…
まあ、書いてて難しくも面白かったです。


320ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:18:25.93z/7YxN5b0 (6/10)

>>319

この際、+にも-にも特徴的だったのが、
外部世界を科学的に圧倒していながら、学園都市自体は外部と隔絶した鎖国体制を取っている。
つまり最先端のインターネット社会でありながら鎖国、
超能力の事は、外部社会では「なんとなく」にしか知られていない。
それでいて、学園都市の内では能力を含む学園都市の技術を前提とした普通の生活が送られていて
髪の毛一欠片までDNAの徹底管理が行われていながら壁の内と外に普通に家族がいる。

…いや、マジでこれどうやって余所とクロスさせるんだよ、って。
とにかく、最先端電子情報化社会と、内部では大っぴらに等しい超能力が
何となくしか知られていない徹底した鎖国状態って根本的矛盾。

もしかしたらタイトル、主役の選択自体、この辺の感覚から出て来たのかも知れません。
設定の制約を美味しく料理するのが二次と言うもの、と言いつつ、
結局の所、結構なし崩しに出入りさせてしまいましたが。

ついでに言うと、「魔術」サイドで最高に助かったのは、
本作でも触れていますが禁書の原作本の中に本当に
ネセサリウスとネギの魔術的出身母体であるウェールズの魔術勢力の関係が書かれていた事で、
その辺割とすんなり作る事が出来ました。

そうやって書いている内に、「ネギま!」の続編がスタートして某神鳴流奥義にのけ反ったり
超電磁砲Sは正にリアルタイム進行で途中で結構使わせてもらったり。
いや、何度も言いますが、パワーバランスの難しさが想像以上、

さっきも言った通り、ネット社会と鎖国を両立するスーパー技術の位置づけとか
どっちも破壊力がとんでもないのはとんでもないからどう折り合いを付けるのかとか。
政治的な意味合いでの「魔術」と「魔法」の位置付けは案外すんなりといきましたが。

2013年アニメ映画は奇蹟の歌で始まり奇跡の魔法で終わりましたが、
こちらは年を越して奇蹟の歌で始まる一品、ようやく終わりました。
ふむ、奇跡の魔法ね、フフフフフフフフフ
妄言だ、忘れてくれ。

何はともあれ、お付き合いいただき有り難うございました。
楽しんでいただけたなら幸いです。

後書き総評は以上として、どうせやっちゃった対戦エントリーからの
授賞式形式でもう少し個別評をやってみたいと思います。
割と長丁場になった作者の自己満足ですが、よろしかったらお立ち寄りを。


321ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:21:58.66z/7YxN5b0 (7/10)

>>320

 頂上対決賞
 ネギ・スプリングフィールドvs一方通行
 タカミチ・T・高畑vs神裂火織

作中時間でも近い頃に行われた同着一位の「最強」対決。
まずは「英雄」vs「ヒーロー」、「魔法」と「科学」の最強対決。

何者かの陰謀により、
互いに「大切の者」のために夜の学園都市(科学)資材置き場で激突する事となった
「魔法」の「英雄」ネギ・スプリングフィールドと「科学」の「最強」一方通行。

正直、展開上どこまで関わりが、
と言う点で微妙ですらある「魔法」と「科学」の頂上決戦でしたが、
その戦闘内容はネギの本領発揮でした。

言う迄もなく、一方通行は相手が魔術師、魔法使いであっても、
強さとか何とか言う以前の存在自体が難敵中の難敵、
「科学」超能力者第一位は飾りでも何でもありません。

それは「魔法」の「英雄」であるネギであっても例外ではなく、
一方通行のセオリー通り、多少の演算妨害はあっても大小あらゆる攻撃が反射され、
風楯から雷体まで、ネギの身を守る術式も戦いの中で解析されて抉り取られる。
体術的にもベクトル操作が可能とする猛スピードと破壊力、
周囲全てが武器となる融通無碍の攻撃を前に、
ネギは触れたら死亡一撃必殺の大苦戦を強いられます。

が、それが圧倒的強者、「最強」一方通行のセオリーならば、
その格上とも言える相手との死闘、
追い込まれた苦境からの大逆転も又、ネギのセオリーと言う事です。

この一方通行戦の中でネギは、威嚇的に放った光の矢を反射されて以降、
どこが魔法使いなんだよと常時突っ込み待ちな得意の功夫を封印。
大小の遠距離攻撃に徹しながら風楯、
そして人体の部分破壊なら容易に回復する雷体と、
速度、攻撃力に加えて防御力も全開手加減抜きの総力戦。

そうやって、大小の遠距離攻撃の猛攻撃を加えながら
資材置き場一帯にルーンカードをばらまき、
遅延魔法と組み合わせて大量の濃縮魔術発動により
一方通行が準備したプラズマ攻撃の演算を妨害。


322ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:25:18.32z/7YxN5b0 (8/10)

>>321

ここまででも、最初の判断を一つ間違えていたら、
魔法が僅かに演算を狂わせても
風楯から雷体すら抉り取る一方通行の苦手毒手の餌食になっていた所です。
ネギは最初の攻撃から偵察攻撃を繰り返して「見」の構えで当たりながら
雷体発動も辞さず、最善の手を確実に打っていきました。

それでも、攻撃も防御も根本的に通じない一方通行相手にネギは大苦戦。
そんな中で、一見ごり押し狙いの失敗にも見えた、
反射で自分がダメージを受けながらの魔法の猛攻撃。
そして、プラズマ攻撃の前から遅延魔法と言う異様な手間暇を掛けて展開された大量のルーン魔法。

ここでネギから放たれたのが、「反射」の一方通行を前に封印していた功夫の一撃。
ネギの拳が一方通行をぶち抜き、逆転KO勝利、
と、「とある」を知っているならばこの時点でどう考えてもおかしい。
そして、「まさか」、と言うか、ネギならやりかねないと言うか…

はい、その通りです。一見無駄に見えた終盤の攻撃もそのための布石でした。

多種多様な遠距離攻撃、ルーン魔法を一方通行に向けて発動する事によって、
一方通行がそれらの魔法を反射する感触を術者として自分の身で感じて記憶する。
その身で覚えた多種多様の反射の感触に基づき、最後は勘の領域でネギが掴み取ったのが、
一方通行が攻撃を反射するその一瞬のタイミング。
そのタイミングに行われる反射方向のベクトル操作を逆用して、
突っ込んでいた拳を「引く」事で「押す」にベクトル変換、
逆の逆を行った拳によって一方通行を撃破した、と…

確かに禁書原作でも似た様な事をやった人もいましたし、
こうして書くと押しても駄目なら引いてみなってアホみたいな論理にも見えますが、
とてつもなく精緻な演算で行われる一方通行の反射がアホな訳が無い訳で。
ネギも最後は勘頼み、一か八かの賭けに他ならない事を自覚して、
しかも、一度外して僅かでも演算式を変更されたら水の泡という一発勝負。

その上、攻撃に値するだけの運動ベクトルを寸前に真逆に変換するという無理やりの力業ですから、
禁書で真似した奴もそうなった様に、
ネギも又、我が身を引き裂かれる様な強烈なダメージを受ける事となりますが、
それを緩和したのが回復可能な雷体の特性でした。


323ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:28:41.88z/7YxN5b0 (9/10)

>>322

連載中に読者コメでも「神懸かっている」と言われましたが、
原作に於けるネギも、超鈴音の超時間攻撃を打破したとんでもなく精緻な計算応用技で葉加瀬を驚嘆させ、
圧倒的な実力差のあるラカンに肉薄した際にも再確認された、
実戦中に相手の戦いを分析し応用し解決策を見出す理論派の研究者タイプと評されています。

本作に於いても、時間内であれば全攻撃反射ワンタッチ死亡の超難敵である一方通行に対して、
当初から異常を察した様に慎重にそして使える総力をもって対決し、
最後はその一撃のため一方通行の基本となるものを徹底したデータ収集で分析して見せた、
ネギが一番得意とする分析、応用の手法を徹底する事で、
戦闘能力的には格上であろう「最強」の隙をこじ開け勝利に至りました。

これは、少なくとも一方通行を相手にする限りに於いては、
ネギの理論的分析力は単純な魔法使いとしてのパワー以上の武器となった、
「魔法使い」としてならネギ以上であっても、それこそそのパワーが地球がヤバくなる規模でもなければ
一方通行の打破どころかその瞬間の生存すら危ないと言う対戦でした。

本作中で「動きが素人で助かった」と言われている通り、
これが「グループ」スカウト後で多少なりとも体系的に動ける様になってたら、
元々本作ではそれだけで体術的にもネギを追い込んだぐらい、喧嘩経験ゼロでも
スピードと演算力がある上にワンタッチアウトの苦手毒手ですからネギでも危なかったですね。
翼モードまで行ったらネギのフルパワーでも多分ヤバイと言うか黒なんて論外でしょうし。

同着表彰になった「魔術」と「魔法」の頂上決戦。
まあ、「魔術」サイドにはもっとヤバイのがゴロゴロしてはいますが
今はそこん所は、あくまで本作中で。


324ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/02/17(月) 04:32:54.33z/7YxN5b0 (10/10)

>>323

「魔術師と言うのは我が儘な存在」
原作禁書の中でしばしば語られる言葉ですが、
「魔法」の高畑先生も今回この言葉を地でいきました。
元々、決して悪い関係ではない麻帆良とイギリス清教の関係の中にあって、
本人も言っている通り、「大人」の魔法先生としては色々考えるべき事もあった筈なのですが、
この人が、明日菜をズタボロにされて黙っているとかあり得ないですね。

と言う訳で、まほら武道会でのネギ戦、ネギはその後、エヴァ様から、
ネギの成長を見るために高畑がどんなに甘く手加減していたか説教食らってましたが、
その甘さを抜いた、元々の被害者である筈の明日菜が戦慄する
本気の殺すモードで神裂を追い込む高畑先生と懸命に其れを凌ぐ神裂。

まほら武道会でのネギは全ての間合いとスピードから凄まじい速射と威力で狙われて大苦戦、
エヴァの言う通り高畑から真っ向勝負のいくつかのチャンスを貰って辛うじて勝利していましたが、
神裂はその手加減抜きで桁違いの威力に速さの拳と魔法を叩き付ける高畑に対して、
七閃、七天七刀をフル稼動して辛うじて、這々の体に近い形で生き抜いた有様。

と言ったら格好悪く見えますが、それで生きてる時点で流石は聖人様。
或いは、神裂が本格的に「聖人」を発動するのを妨害するために徹底した猛攻撃を仕掛けた、
とも考えられますが、どちらにしろ攻撃も防御も桁違いのパワー・スピード対決。

最後には、高畑先生の余りの速度と威力が、
神裂に直接対抗する、更には「聖人」としての実力を発揮するのに必要な暇を与えなかったのか。
恐らくは手数で打ち合うのは分が悪い、
勝ち目があるだけ紙一重の賭けに出た方がマシと考えたのでしょう。
刀を置いた神裂が高畑の拳を逆用した背負い投げの一発勝負で高畑をKOしての逆転勝利。
それも、神裂自身が紙一重で自分の上半身が塵になっていたと語る大接戦でした。

魔法の「英雄」と魔術の「聖人」。
共に、守ると言う誓いのためにその強大な力と称号を得た「強者」同士。
高畑は、そのまま力押しで塵にしても良かった所を、刀を置いた神裂との決闘に敢えて応じています。
そして、最後に交わした言葉は、或いは、今は強大な力を持ちながら「守れなかった者」同士。
その死闘の果て、「騎士と姫」を超えた二人に「勝者」神裂は何を見たのでしょうか。

今回はここまでです。

表彰式をもう一回、人物評を二回程予定しています。
と、言って、実の所この手の予告を厳守した試しが無いのも私なのですが…
ここの性質上あんまり馴れ合い自己満企画引き延ばしも出来ませんので、
出来ればご容赦の上気が向いたらお立ち寄りを。

続きは折を見て。


325以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/17(月) 07:47:17.24usEBCk9ho (1/1)

乙です


326ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:15:56.08a4UEuAT90 (1/8)

お久しぶりです。
掲示板自体が鯖落ちしてましたが、それを過ぎても時間が掛かってしまいました。
終了後の後書きおまけ企画ですので粛々といきます。

と言いつつ、ちょっと感想を言うと、
こういうの書いてみたかったから書いてる訳ですが、
慣れないためか我ながら言葉遣いが一定してない…どうもすいません。

引き続き、本作バトル表彰式の続きです。
ここで早速にお詫び。
表彰式次第がほぼ出来上がった結果として、一回延長になりました。
表彰式は全三回投下で今回が二回目になります。

それでは今回の投下、入ります。

>>324

 激闘賞
 犬上小太郎・村上夏美・佐倉愛衣vs垣根帝督

ざっくり言って書いてる感触からしてNo.1の激戦。
準々決勝、準決勝が一番面白い、みたいな感じですね。

鳴岸アリサ保護のために科学の学園都市に侵入、仲間の指揮を執っていた千雨と夏美は、
その事で頻発していたトラブルを調査していた暗部組織「スクール」リーダー
垣根帝督に通信用の電波を追跡させて捕獲される。
夏美の救援メールを受けた小太郎と、丁度小太郎に合流していた愛衣が現場であるビルの屋上に急行、
作中の陣営抗争の中でもトップレベルの激戦が始まる。

物理のパワーでは小太郎を圧倒し、愛衣の放つ火炎魔法に対してその炎を完全に防御するばかりか、
それを「常識の通用しない炎」に素粒子変換して火炎術者である愛衣の制御を狂わせ大火傷を負わせる。
夏美が「孤独の黒子」を使っても、屋上どころかビルごと吹っ飛ばしかねない。

超能力者第二位の圧倒的戦力を前に戦況的にも追い込まれた小太郎は、
大火傷を辛うじて治癒した愛衣と夏美に退却を指示して一人で足止めをかけようとします。

が、片や魔法世界の戦いを共にくぐり抜けたパートナー。
片や大人しそうに見えて実は誇り高い、偉大までいかなくても「優秀な魔法使い」。
目の前に大ピンチの王子様、隣に恋敵。助けを待つお姫様、を決め込むにはお転婆過ぎた様です。

と、言う訳で、「私達の喧嘩です」とばかりに王子様の助太刀へと馳せ参じた二人。
そのままでは凄まじい実力差の筈でしたが、それでも勝算ありと踏んだのは愛衣でした。


327ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:21:03.68a4UEuAT90 (2/8)

>>326

小太郎、夏美の協力を得て愛衣が放った巨大火炎魔法「燃える天空」。
それは一度は垣根の「未元物質」により愛衣の制御を離れた
「科学」の巨大火球となって愛衣を呑み込みますが、
その火球から「魔法」要素を把握した愛衣は魔法による再変換で垣根に反撃。
「科学」による制御の効かない純度の高い「魔法の炎」は垣根を覆う未元物質を焼き尽くし、
垣根が未元物質を再構成する前に小太郎がトドメの一撃を加えて逆転勝利を飾ります。

戦闘内容は、チームワークの勝利でした。
元々夏美の魔法具自体、戦闘では補助専門、但しチート、と言うものです。
戦闘要員としては上級、優秀である残る小太郎、愛衣の二人も含めて
そのままでは1+1+1vs100にも等しい戦いでした。

しかし、それぞれの特技を活かし、
噛み合うポイントを確実に突いた一点突破の作戦に集約させる事で、
圧倒的な実力差のある垣根帝督相手にワンチャンスを貫く逆転勝利を成功させました。
実際に魔法世界の半ばほとんどを一緒にいて死線をくぐり抜けて来た小太郎と夏美はとにかく、
愛衣に関しては、原作中ではほとんど接点がありません。

小太郎は時々修行に付き合っている様ですが夏美に至っては一方的にむーっとしているだけで
話した事があるのかそれ自体怪しい程です。
もしかしたら、原作+本作をセットにした場合、二人がまともに言葉を交わしたのは
本作の夜の公園でステイルの弟子達に襲撃されたのが初めてなんじゃないかってぐらい。

それがどうして、と、なると、それは作者の願望。って冗談はとにかく、
小太郎の方は単純に喧嘩屋の勘で判断したとも考えられます。
実際に使えるものは何でも使いたいと言う程に追い込まれた戦況もあって、
自分の指示に反して引き返して来た愛衣と夏美、この二人には乗る価値がある。
本質的には女は守る、殴らないが時に傲慢な「マッチョ系エセフェミ」の傾向がある小太郎でも、
少なくとも今は闘う仲間として協力する価値がある。
そう判断する材料があったのでしょう。

元々、原作中でも小太郎は、愛衣の実力に関してやや不安がある事を夏美に語っています。
但し、その不安は、拳士である自分に対して魔法使いとして後衛を任せた場合、と言う前提であって、
弱点も含めて概ね悪く無いと言う評価の下、小太郎は愛衣を自分の後衛候補と言うカテゴリーに入れている。

と、言うか、夏美の様に「家族」に含めているものは別にすると、
当面の所は女の子、少なくとも愛衣に関しては他の要素を考えていないと言う事です。
それでいて、立派な魔法使いを目指す愛衣の真摯さはきちんと評価しています。
そして、夏美に関しては今更、魔法世界を共にくぐり抜け、
その技量も人間性も相当によく理解しています。
只、この麗しい戦乙女二人の何がそこまで突き動かしているか、
その熱い想いをどこまで理解しているのやら。


328ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:26:49.01a4UEuAT90 (3/8)

>>327

さて、原作中では一方的な関係だったものが、本作中ではしばしばタイガーとドラゴンのオーラをまとって
目撃者を戦慄させて来た夏美と愛衣の関係です。
その通り、何と言うか命懸けの場面で秘めた情念もせめぎ合う理性も理解して、
その言葉を口にはしなくてもその想いは隠すつもりもなく伝わっている、
と言う静かにして凄まじい意地と意地との激突。
そこに呑み込まれた超能力者第二位超能力者垣根帝督が災難だったのかも、ってぐらいです。

戦闘の鍵を握ったのは愛衣の火炎術者としてのスキルです。
原作中での愛衣は留学先のジョンソン魔法学校を首席卒業。
年齢的に上位スキルの無詠唱魔法を使いこなす才媛、
初期のネギが相手なら圧勝出来るだろうと公式設定された、
周りが凄過ぎるだけなんです、な秀才実力派キャラです。

原作中では学園祭や魔法世界に関わったとは言え実戦経験でやや見劣りする彼女ですが、
本作ではその才媛としての才覚をフル活用して、
絶対的に自分より格上と断言したステイルの必殺魔術イノケンティウスを
同じ火炎術者として優秀な術式理論の知識と感覚を活かして分解に成功。
垣根戦でも圧倒的な実力差から大苦戦を強いられたその中から突破口を見出します。

それはどこか情報処理技能一点突破がモットーの初春飾利や
理論派戦闘の天才ネギ・スプリングフィールドにも通じるものですが、
愛衣は「天才」ネギには及ばない「秀才」。

それでも、総合力では圧倒的な優位を誇って来た垣根帝督の「未元物質」に対して、
一点突破で磨いて来た火炎術者の専門スキルが
「魔法」と「科学」の齟齬による僅かな隙を見つけ出します。

一度は自分の放った炎を「未元物質」で変換された「常識の通じない炎」で送り返されて
大火傷を負った愛衣でしたが、
火炎術者として文字通り我が身を焦がして感じ取ったものを信じたからこそ、
「魔法」と「科学」のラグにより「未元物質」が「魔法の炎」を完全に支配していない事を察知。
最後には「魔法の炎」への再変換により未元物質を焼き尽くす大逆転を成功させます。

そして、その「秀才」を支えたのも又、それぞれの得意分野を持つ者達。
小太郎と夏美がそれぞれ重傷の身を押して、本来は一般人ながら、
物理攻撃と隠蔽能力と言うそれぞれの分野で命懸けのサポートを展開します。
そうやって、圧倒的な破壊力で猛攻撃を展開する垣根に対して、
呪文詠唱時間と言う「魔法使い」の弱点をカバーして愛衣の見付けた突破口をこじ開け、
トドメの拳を叩き込むに至る。
それぞれ自分の仕事、自分の分野を活かして互いに協力したチームワークの勝利でした。


329ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:32:27.27a4UEuAT90 (4/8)

>>328

結局は相性が良かったんでしょうとか作者の願望とかはとにかく、
主に近接格闘、遠距離理論派、チート補助と言うパーティーバランスの良さもさりながら、
決して多くない会話時間(主に愛衣)でもそれだけのチームワークを成立させる、
根底に通じるものがこの三人にはあったのでしょう。

それはもちろん、以後修羅場必至の三角以下略、はとにかく、
小太郎も夏美も愛衣も、それぞれの真剣なもの、大切にしたいもの、
それを見抜き、感じ取る事が出来る感性の持ち主だったからこそ、だと思います。

辛うじて垣根を撃退した三人ですが、小太郎は狗族の回復力と言いながら度重なる羽槍攻撃で重傷を負い、
そのとばっちりでと言うべきか、やはり重傷に倒れた愛衣の事で夏美は高音さんの激怒を受けます。
ネギま!でも戦闘力上位、中の上、チート補助のバランスのとれた実力者三人を相手に
圧倒的優位に戦いを進めそこまで追い込んだ垣根帝督、
学園都市超能力者第二位の強さはやはり想像を絶していました。

しかし夏美も又、愛衣を一人死地に取り残した形の高音、魔法協会への怒りを叩き付けます。
辛うじて勝利したものの、度重なる未元物質の火炎攻撃を受け、
制御の効かない炎の直撃でギリギリまで我が身を焦がして分析をした愛衣は命に関わる重傷に倒れた、
正に命懸けの勝利でした。

そんな熱く情熱的な二人のパートナーと共に強敵からの勝利をもぎ取った、
小太郎の戦いはこれからだ…


330ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:35:44.55a4UEuAT90 (5/8)

>>329

 技能賞
 千雨チームvs超電磁砲チーム
 月詠vs天草式十字凄教

まずは本作主人公と原作のスピンオフ主役軍団がメインに絡む前者の対決、
「魔法」と「科学」の実力者同士、観客的には言わば中堅戦と言った感じの組み合わせ。
鎖国同然の科学の学園都市の情報統制に手を焼き、
ジャッジメントからの情報収集を目論んだ千雨チームでしたが、
その悪どい手口が御坂美琴、白井黒子を初めとした面子の逆鱗に触れて
猛烈な追い込みを掛けられる事になります。

ここでの一つの注目は双方のエースの比較。
超電磁砲チームは、もちろんその名がそのまま原作の主人公でもある御坂美琴。
科学の学園都市超能力者レベル5第三位の、その世界ではトップクラスの実力者。

今回の追跡戦でも、長瀬楓、犬上小太郎と言ったネギパの猛者共を向こうに回して
一歩も引かない奮闘でその実力を見せつけます。
武力だけでも科学の学園都市に鳴り響く数々の勇名に恥じないものでしたが、
何よりも脳波干渉を遮断する電磁バリアの違和感から、
僅かではあっても「孤独な黒子」を不完全なものとした功績は
この戦いの帰趨を決した大金星であり、汎用性の第三位の真骨頂でした。

対して千雨チーム、元々調査目的で武力侵略なんて論外である以上、
切り札であった「孤独な黒子」を初春・美琴コンビに撃破されての猛追に焦りを禁じ得ない中、
前線で対処したのは長瀬楓。
千雨や夏美、そして朝倉と言った、夏の戦いを経験し能力や調査スキルはあっても、
いわゆるガチにはまだまだ素人同然の面々の中で、
実践派のヴェテランと言うべき楓の存在はエースと言うに相応しいものでした。

その鋭敏な感覚と驚異的な身体能力で、厄介な白井黒子のテレポート攻撃を徹底的に察知、回避。
「天狗之隠蓑」に仲間を収納しての美琴、黒子との空中戦に際しては、
美琴を鎖で一時拘束すると言う実力行使で撃破。
その中で察したのか、楓の手裏剣攻撃を電磁力で回避して来た美琴の追跡に対して
炒って食べると美味しい天然物で足止めすると言う実用的な芸の細かさで美琴を激怒させています。


331ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:38:48.34a4UEuAT90 (6/8)

>>330

とにかく、千雨チームに関しては、元々戦闘向きではない面子を何人も抱えている事もあって、
切り札である「孤独な黒子」が不完全化したのは非常に痛い事でした。

そして、「孤独な黒子」の影響を受ける人の主観に左右されない
防犯カメラと高性能コンピューターをリンクさせた顔面認証によって、
リアルタイムに近い形でおよその居場所を特定する初春飾利。
その続きで、脳波干渉を遮断する電磁バリアに反応する僅かな違和感から、
その肉体的感覚ですぐ近くの「孤独な黒子」使用者の位置を察知して電撃攻めを掛ける御坂美琴。

本作に於いては葉加瀬聡美、長谷川千雨、そして弐集院と言った、
麻帆良学園都市でもトップクラスの電子戦の実力者相手に最後まで一歩も引かず、
千雨相手に至っては二度に渡る完封勝利で
やり過ぎ、人外との読者コメ称号を飾った情報処理一点突破娘の初春飾利。

そして、原作では科学能力系の脳波系精神干渉への電磁バリア耐性の持ち主ですが、
本作では「魔法」の認識阻害能力にもそれを応用。
完全に把握は出来なくても、レベル5第三位、最強の電気系能力者としての自分の感覚を信じて
「魔法」の影から夏美達を自分達の前に引きずり出して見せた御坂美琴。

補助系最強クラスの魔法具「孤独な黒子」を相手にしたからこそ、
あくまで自分達が培って来た「科学」で打ち破る、そんなプライドすら感じられるものでした。

そんな「魔法」の絶対防御を打ち破り、「科学」のそれぞれの能力で追い縋る美琴達に対して、
やはりあの夏の戦いをくぐり抜けた強者達。
その場面その場面の判断と葉加瀬のバックアップを受けながら切り抜けた千雨チーム。

特に、「孤独な黒子」が万全ではなくなり
「天狗之隠蓑」の性質もあって矢面に立ち続けたのが長瀬楓。
並の相手ならどうにもならない事はあの街の路地裏の連中が一番よく知っている、
美琴・黒子の恐怖の武闘派コンビとの空中戦を初めとした
超電磁砲チームを相手に凌ぎ続けた長瀬楓のスキルは流石。

原作中でも最初期からの実力者でネギパの中でも上位クラス、
ネタバレで言えば本作でネギが頼みにした頼もしさです。
結局の所、総じて見ると、このまま追跡・逃走戦を続けるのは難しいと判断した千雨チームが
反転攻勢を仕掛けるために建設現場に誘い込んだ、と見るのが妥当でしょう。


332ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:42:10.76a4UEuAT90 (7/8)

>>326に誤字、鳴護アリサが鳴岸アリサになってました。すいませんでした。
では続き。
>>331

そして、神裂火織の足止めを依頼された、と、そういう情報の流れになっている月詠と、
それを察知した天草式十字凄教も又、
エンデュミオン落成式典当日早朝に科学の学園都市で激突、壮絶な戦いを展開します。

まあ、そうであるならばほっといても流石にねーちん相手は無理だろ、
本作でも普通に原作上位ランクのせつあす相手に圧勝して
麻帆良学園都市の魔法教師生徒軍団相手に無双した聖人様ですから、
とは思いますが、エンデュミオンに絡んで時間も無限ではないでしょうしそれなりにうざい奴ですので。

とは言え、月詠と言えば刹那、龍宮と言った実力派相手に死闘を繰り広げ、
ネギやフェイトであっても決して侮る事の出来ない実力者である事に違いはありません。
しかも、京都伝統の退魔の流派である神鳴流剣士として一度は小太郎を昏倒させた術師でもあります。

隠密尾行からの数々の集団魔術を仕掛ける天草式でしたが、
月詠はその経験故か天草式の集団術式の数々を鋭く見破り対処します。

インデックスが苦手とする即興応用術式にも、
小回りの効く小太刀二刀流による即興対応と言う天草式から見て相性の悪い取り合わせと、
その利点を最大限に活かした素早い動きで陣形を攪乱し時には力業で術式をぶち破る。
一人一人が極端に強い訳ではない、それを補うために陣形、集団魔術を組み立てる天草式は、
元々が速攻タイプでそれをことごとく攪乱し叩きのめす月詠の圧倒的な実力を前に大苦戦を強いられます。

集団全体が満身創痍となり、最早ここまでかと言う寸前の所で、それは炸裂しました。
その術式はシム・トゥア・パルス。
ネギま!側の呪文ですが、調べるならば何と言う事はない、魔力供給の術式です。
天草式は、最後の力を振り絞った陣形配置でそれを発動させました。月詠に対して。
本来、シム・トゥア・パルスは、味方に魔力を供給する呪文ですので、普通ならば意味が分かりません。

しかし、この時月詠は、限界に達した天草式に戦闘狂として飽きを極め、
一掃する勢いの「気」を練っていました。そして、「気」と「魔力」は本来相反するもの。
天草式は、月詠の「気」が頂点に達するその一瞬を狙い、ありったけの「魔力」を注ぎ込みました。
神鳴流の退魔師、経験を重ねた裏の剣士として大概の事を見破る月詠も、
本来は味方に発動する筈の魔法を自分に向けられた事でとっさの理解が遅れ、
その自分に相反する術式をまともに受ける事になります。


333ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/09(日) 04:46:19.11a4UEuAT90 (8/8)

>>332

反発する力を一度に注ぎ込まれ、一瞬だけ生まれた隙に、天草式は仕掛けます。
それは、「神鳴殺し」。
かつて神鳴流との間で不幸な歴史のあった天草式が生み出した術式。
地脈龍脈等を利用して、神鳴流の個性に合わせてその力を暴走させる術式。

本来であれば神鳴流の中でも下級の術者にしか通用しないものでしたが、
格下相手の戦闘に飽きを覚えた心の傲りに「気」と「魔力」の反発の不意打ち、
そこに「神鳴殺し」を仕掛けられた事で、
月詠は丸で蟻地獄に呑まれる様に術中に呑み込まれ、
暴走による自爆の繰り返しでダメージを蓄積して行きます。

本来であれば、元々は足止めの足止めが目的。
腐っても月詠の様な強者相手に危険を冒さず
このまま自爆に任せて時間を稼いでも良かったのが天草式の立場でしたが、
そうやってボロボロに凄惨な有様でも立ち向かおうとする月詠に対して、
「救われぬ者に救いの手を」を掲げる天草式はそうはしませんでした。
かくして、天草式は最後まで正面対決では格上の相手に立ち向かいながら、
教皇代理建宮斎字「弱き者の拳」がこの激戦を締めくくります。

単独では強大すぎる程の相手に対し、
集団ごと満身創痍、ズタボロになりながらも集団で立ち向かい、策を練り、
一瞬の隙を突いてトリッキーな程の知略も用いて懸命に勝利をもぎ取る。
実に天草式らしく練り上げて来た技巧の闘いとなりました。
と言うか、あのアックアを苦しめた術式をさり気なく強行突破した月詠も凄まじいのですが…

それでも、弱き者の、守るための闘いを嘲笑し理解出来ない月詠に対しては、
刹那同様、あの魔法名を追う者達としても、
それは決して譲れない闘いに打ち勝った、と言う事です。

今回はここまでです。
続きは折を見て。


334以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/09(日) 15:25:22.53GNdjypeso (1/1)

乙です


335ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:35:58.346cFA9+qO0 (1/8)

それでは表彰式続けます、三回目です。

それでは、今回の投下、入ります。

>>333

 ハート賞
 白井黒子vs長瀬楓

超電磁砲チームによる千雨チームの追跡戦。
その果てに、白井黒子はジャッジメントとして、
負傷を押した車椅子の身でネギパでも強者の長瀬楓と激突。

楓は体の軸を揺らし続けるテレポート対策とテレポートに匹敵する驚異的な身体能力で優位に戦いを進め、
最後に車椅子も鉄矢も何もかも捨てて黒子が挑んだ合気道勝負も紙一重で楓の勝利、の筈でした。
楓が瞠目し千雨が蒼白になる激痛、後遺症を懸念した美琴が絶叫して激怒した、それでも貫いた

「ジャッジメントですの」

が重かったです。

超電磁砲チームとの逃走劇を描きながらなんとなく思ったのは、
魔法世界の警察組織の中にもそういう立場の人もいたのではないかと。
まして、魔法世界では「白き翼」は冤罪からのスタートでしたが、
学園都市での千雨チームは正真正銘ルール違反の犯罪者な訳ですから。
初春が言う通り、黒子には「引く理由が無い」んです。

あのまま戦闘を継続しても勝ち目なんて無かったでしょう。
それでもそこを貫き通した、
時には志を同じくする皆がロボットの大群を前に一歩も引かなかった一言が、
試合に負けて勝負に勝つ千雨チームのハートを撃ち抜くKOをもたらしました。


336ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:41:06.986cFA9+qO0 (2/8)

>>335

 貫禄賞
 大賞 麦野沈利vs明石裕奈
 優秀賞 御坂美琴vsステイル弟子三人衆
 優秀賞 垣根帝督vs高音・D・グッドマン

トリプル受賞になりましたが、
見ての通り科学の学園都市レベル5超能力者第二位から第四位までが勢揃い。
既に別の受賞となった通り、第一位様は「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドとの激戦の末、
ネギを大苦戦に追い込みながら惜しくも敗退。
又、第二位垣根帝督もネギパ中心メンバーを含む三人がかりの相手と大激戦の末、
文字通り瀕死の所まで相手を追い込みながら一発勝負の逆転負けを喫しています。

ネギま!の原作を知っているなら、この時点でも流石「超能力者」と十分言えるレベルの実力なのですが、
今回受賞した三つの対戦結果を先に言ってしまえば、

 麦野沈利vs明石裕奈
多少の反撃はあっても、二回対戦して二度とも麦野の原子崩しで裕奈が一方的に追いまくられて
裕奈は得意のアクロバット射撃を活かす以前の圧倒的劣勢。
しまいに麦野にとっ捕まって心が折れるまでボコボコにぶちのめされてのKO

 御坂美琴vsステイル弟子三人衆
弟子側が一斉攻撃しなかったのはミスと言えますが、
土の精霊を使うマリーベートに対して砂鉄操作で対抗。マリーベートが混乱している間に
砂鉄による顔面ボーリングボールから砂鉄剣、電撃裏拳で畳み掛けるKO。
その美琴を突風でぶっ飛ばしたジェーンに対しても冷静に軌道を計算して
ふっ飛ばされた様に見せて電磁力飛行による軌道調整から頭突き、キックでKO

 垣根帝督vs高音・D・グッドマン
エンデュミオン基部と言う場所柄で大破壊行為が難しいと言う条件の中でも、
垣根の凄まじい破壊力とスピードが本気モードの高音を圧倒。
「魔法」と「科学」の齟齬で高音の影防御を分析出来ない事に苛立つ垣根ですが、
それでも部分的な解析と力押しで「黒衣の夜想曲」と「影の鎧」を破綻させて、
高音からはほとんどまともな抵抗も受けないままに
実質的に高音を抵抗不能な丸裸の状態に追い込む垣根の圧勝。

つまり、美琴に関してはゴーレムや聖人様との対戦経験がありますが、
原作中でレベル5連中が原作中で「魔術」と「科学」が直接交戦する事はなかなか無い。
そこが設定の妙なのですが、実際に戦った場合
「並の魔術師ではレベル5には適わない」
と言う定理が「ネギま!」の中でも決して弱くはない中堅勢相手に証明されたと言う結果になりました。


337ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:47:28.616cFA9+qO0 (3/8)

>>336

明石裕奈は本作で言われている通り魔法使いとしてのキャリアはほとんどありませんが、
それでもネギ従者として魔法世界での宮殿突入戦参加やフェイト・ガールズと交戦。
学園祭での言わば模擬戦でも強烈な存在感を発揮してその身体能力潜在能力を見せつけています。

高音さんも「残念キャラ」でも「地味に強い」人です(作中読者コメより)。
中期の学園祭でもネギをそこそこ苦戦させ、魔法世界では皆を守る楯役。
少なくとも真正面から彼女の防御そのものをぶち壊した前例は原作には存在しません
(これは無理、と本人が申告したケースはありましたが)。

そして、禁書側のステイル弟子魔女も含めて、
この面子相手に圧勝を決めたレベル5と言うのは、やはり格が違い過ぎる貫禄勝ちです。

その中で大賞となった麦野沈利vs明石裕奈。
原作中でもちょっとどうかと言う言動がしばしば見られる明石裕奈。
本来賢い子で悪い子じゃないんですけどね。
それでもいっぺん痛い目見た方がいいんじゃね、
って辺りをこれでもかってばかりの展開になりました。

ファミレスでの裕奈の誤射から始まったこの対戦。
エンデュミオンでの遭遇戦でも紹介の通り、裕奈は麦野による原子崩しの追い込みに、
這々の体で逃げ回るのがやっとと言う体たらく。
裕奈が最後に仕掛けた奇策も、
麦野は裕奈の経験不足を瞬時に察して軽くあしらい心が折れるまでドツキ倒す。

その気になれば、左手一本捨てて刹那ごとあの場のネギサイド全滅も十分可能と言う
恐るべき状況に追い込んだレベル5第四位暗部の女王の貫禄勝ち。
裕奈は自分も仲間も巻き込む「裏」に関わると言う事の意味を、
足を踏み入れる入口の所で文字通り痛いぐらいに思い知らされる訳です。

と、言うか、麦野が優しいですねこの作品。
旧約時点って時期を考えても、
本来原作の麦野が裕奈をあの程度で容赦する要素なんて一つも無いんですけど。
まあ、理屈で考えたら、情報を吐かせる段階で刹那隊が到着して、
リスクを冒してやり合う積極的な理由も無いって辺りですか。
それでも相手の事がろくに分からない状態で麦野がイレギュラーを放置するものか。


338ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:52:51.066cFA9+qO0 (4/8)

>>337

進行方向が同じになった裕奈に対して
「クソガキには用は無い、邪魔なら物理で消す」と
殺す価値すら認めず一蹴する麦野。
それでも、母親もネギも通った裏に関わる道を進む裕奈。今はそういう事でした。

なんと言いますか、もしかしたらバレてるかも知れませんが、
このシチュエーションで裕奈の最後の攻撃であの奇策を仕掛けた時点で、
事が終わって「あたしって、ホント」と言い出すか否か小一時間ほど悩み抜いて断念した辺りは
プライド首の皮一枚って事で、え、手遅れ?

優秀賞その一 御坂美琴vsステイル弟子三人衆
ちょっと手荒な情報収集で佐倉愛衣を締め上げている所を
電磁波レーダーの違和感から人払いを破られる形で御坂美琴に発見されて、
能力によるリンチと言うそう間違ってもいない誤解を受けて
只でさえ虫の居所の悪かった美琴からの介入を受けたステイルの弟子三人衆。

その結果は紹介した通りですが、本作での美琴は千雨チームや電子ドラッグとの戦闘でも、
魔術が絡む相手でもあくまで自分が知る「科学」のフィールドに引きずり込んで
電気は電気、物理は物理、と言う戦い方をしています。
結果、総合力で勝るレベル5第三位の美琴はその実力通りに三人の内二人にまで圧勝、
恐怖を覚える冷徹さでそこそこ強い魔術師二人を料理しています。

原作中ではインデックスと魔法・科学理論を強引に摺り合わせて
ヒューズ・カザキリ対策に尽力した事もある美琴です。
魔術・魔法という未知の法則によって一見ねじくり曲がって見えても、
確固たる理論的支柱を持って自分の見たもの聞いたものに対処する。

本作中で夕映が美琴を評して「天才」と言った通り、それが出来るのは
美琴の一つの理論、技術に対する理論が生半可なものではない。
「究めた」所に近いからこそ、応用も利くと言うものなのでしょう。


339ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:56:10.586cFA9+qO0 (5/8)

>>338

優秀賞 垣根帝督vs高音・D・グッドマン
時に千雨達に手を上げてでも魔法サイドの「秩序と責任」を背負って来た高音さんでしたが、
エンデュミオン基部で遭遇、愛衣を傷付けた上にふざけた態度を取り続ける垣根帝督を前に、
とうとう堪忍袋の緒が切れて「私闘」に臨むに至ります。

学園祭で「派手だーっ!」と驚愕された「黒衣の夜想曲」に「影の鎧」
と言う最強モードで立ち向かった高音さんでしたが、結果は紹介の通り。

そもそもそれ以前にコタ・ハーレムをあそこまで追い込んだ時点で
「ネギま!」基準でもトップクラスと言えるのですが、
高音さんの展開する「ネギま!」最強レベルの防御を正面突破でぶち壊すと言う、
一部で「最強のかませキャラ」wと言われた
レベル5第二位が本来桁違いである事を見せつけての圧勝を飾りました。

 バカエロ賞
御坂美琴vsパイオ・ツゥ

美琴にも関わる所で、学園都市の能力開発とは別の不可思議な能力が関わる怪事件が頻発。
初春飾利の助力を得て、その鍵を握る佐倉愛衣の足取りをキャッチした美琴は学園都市地下道を探索。
一度は刹那と共にいる愛衣を発見したものの「裏の掃除屋」に妨害され、
その後、追跡中に遭遇したのが雇われたと言うパイオ・ツゥだった…

まあ、パイオ・ツゥ自体半分以上エロコメキャラですから、
仮にもラノベヒロインの一人である美琴とかち合った時点で
こういう表彰になるのは目に見えている訳ですが…

但し、片やネギパの強者達を翻弄した魔法世界の凄腕変態傭兵。
そして片や学園都市超能力者第三位。
である以上、このとてつもなく馬鹿馬鹿しい戦いが
無駄にハイクオリティに展開されるのも必然と言うもので。

美琴の電磁バリアにフェイントかまして瞬間的にでも揉みに行くパイオ・ツゥも凄まじければ、
蠱も含めたそのパイオ・ツゥの猛攻。
裸一貫の風呂場ですらネギパの猛者共を十分に堪能して逃げ切り。
ガチバトル状態で夕映をほぼKO。
チーム戦でトレジャーハンターを壊滅寸前まで追い込んだパイオ・ツゥ相手に
一歩も引かない大接戦を展開した美琴の実力も流石と言うもの。

「女子校ナメんじゃないわよ」(by 御坂美琴本作より)
「いや、それ標準じゃないですから」(by A浮さんカッコ捏造カッコトジ)


340ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 15:59:36.596cFA9+qO0 (6/8)

>>339

パイオ・ツゥが揉みに特化した時点で、その特化能力も又、ネギパ相手に神業に達しようと言う、
実際この対決でも美琴の電磁バリアすら瞬間的に欺くねーよレベルのスキルでしたが、
そんなパイオ・ツゥの揉みのスキルですら御坂美琴攻略、陥落にまでは届かなかった。
これはやはり相手が悪過ぎた。
固有スキル以上に日々の経験、鍛え方が違った、と言う事でしょうか。

それでも何でも、お互いギリギリ真面目な部分がシュールですらあるのがこの対戦。
途中で独自に事件を追跡していた食蜂操祈が介入、もう一歩の所でパイオ・ツゥ陥落と言う所でしたが
召還済みの蠱が食蜂をパニックに陥れた事で形勢逆転。

食蜂こそ能力抜きでの戦闘となるとお話しにならない人で、
しかも、食蜂vsパイオ・ツゥと言う取り合わせです。
その結果はネギま!名物、早急に講○社ロゴの美しい映像をお楽しみ下さいモードで
豊かな長い黒髪に長身ナイスバディが最高な某美少女水泳部員の如く
艶めかしい金髪の乱れ髪でナカッタコトニと痙攣する状態へと。

こんな状態でも、実の所パイオ・ツゥの方は大真面目に仕事、戦況を考えていたらしく、
美琴の能力をどこまで理解出来ていたかはとにかく、大型召還生物で美琴に超電磁砲を撃たせ、
食蜂は演算を攪乱した上にパイオ・ツゥのゴッドハンドの餌食で完全に腰の立たないKO状態。
実際に地下道での爆破事件もあり撤退指示が出ていた美琴達に対して、
パイオ・ツゥは最後の蠱の大量召還で美琴達を疲弊させ退却に追い込む。

食蜂の見立てでは、一番危険な食蜂を蠱が苦手と言う点も含めて確実に無力化する。
そして美琴も蠱も含めた物量、高速戦で電池切れ寸前に追い込まれて撤退せざるを得ない結果。

そもそもパイオ・ツゥへの依頼自体がよく分かりませんが、
拠点防衛であれば、魔法世界の裏を行く傭兵、その強かさは伊達ではない。
別の場所で「並の魔術師」では適わないのがレベル5だと書きましたが、
戦闘のクオリティに就いては、レベル5第三位御坂美琴相手に一歩も引かない激戦を展開。
夕映をKOして幾度もネギとも幾度か交戦したと言う辣腕の魔法傭兵の実力を見せつけます。

一方の御坂美琴も又、蠱をバイオテクノロジー前提で考える等の発想の有利があったとは言え、
美琴の特殊能力すら凌駕しかねない未知の強者を相手に大善戦と言った所でした。


341ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 16:10:02.076cFA9+qO0 (7/8)

>>340

 幸運賞
 馬場芳郎・博士vs長谷川千雨

これもおまけみたいな受賞ですが。
超電磁砲の原作で食蜂もちょっと言ってるけど、
超電磁砲での御坂美琴に続いて本作の長谷川千雨と、とことん相性に恵まれない連中でした。

学園暗部から一人で逃走、と、千雨にして見れば自他共に認める自殺行為だった筈が、
一点突破で相性優位のこいつらと当たったお陰で電子精霊にメカの支配権奪取させて逃走成功。
馬場にゃんに至っては、
その後科学の数十年の進歩を笑い飛ばせる恐怖のラスボス敵に回してダッシュで逃走してたり。

こいつらにしたって、特にオジギソウとか千雨以外の誰と当たっても
相当に優位だった筈ですが(作中では愛衣が似た様な相手に対して気流操作で察知、対抗してましたが)、
当たったのがよりにもよってピンポイントで相性の悪い千雨だったと。

 最優秀個人賞 御坂美琴
 優秀賞 麦野沈利
 優秀賞 寮監

これもあって無い様な基準ですが、ここまで書いてて思い付きました。
強い連中は色々いますし超能力者の上二人はやっぱり桁違いですが、美琴の受賞はバランスの良さです。

脳波干渉を遮断する電磁バリアの僅かな違和感から夏美の「孤独な黒子」を察知。
客観的には敗北しても、ネギパでも上位である楓、小太郎相手に善戦。
凄腕の電子精霊使いである千雨ですら追い込まれた
レディリーの魔術電子ドラッグを「電気は電気」で強行突破。

ステイルの弟子三人の内二人に圧勝。
ストリートファイトで図書館三人組を劣勢に追い込み、
ネギ側に手加減ありとは言えネギ相手に容易には引かない激戦を展開。
常盤台女子寮で「アマゾンの戦士」を制圧。
実力派の魔法傭兵パイオ・ツゥと激闘。

なかなかにそうそうたる実績。
応用の利きやすい能力に実際に応用を利かせて「魔法」の実力者とも渡り合うのが強みですね。
更に上位の連中がむっちゃ強いのは分かりますが、美琴ってネギま!基準だと実際どの辺なんでしょうね。
漠然と武力だけなら原作でも中の上か更に上、辺りから知恵を使うのが面白い感じですが。


342ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/13(木) 16:13:42.016cFA9+qO0 (8/8)

>>341

最優秀がみこっちゃんで優秀賞にむぎのん、
うん、間違いなくPC前に首無し死体が転がってそうな選考基準ですな。
戦闘力だけなら決して弱くはない明石裕奈との真っ向対決を
ぼっこぼこのワンサイドゲームで終わらせたのは圧巻でした。

武装掃除屋を悠々と虐殺し、ヒュドラや魔素人形なんて文字通りの化け物、
戦闘力自体が高い上に未知そのものを相手にして焦りを見せながらも、
本来の所属である「魔法」の側でも手こずる相手に麦野の打つ手は堅実にして効果的。
修羅場をくぐった暗部組織「アイテム」のリーダーにして第四位の実力と経験値は伊達ではありません。

寮監………まあ、なんだ。安定の寮監様でした。

これにて表彰式は終了、次回以降は登場人物評になります。よろしければもう少しだけお付き合い下さい。
今回はここまでです。続きは折を見て。


343以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/13(木) 16:30:56.16QbryDcfKo (1/1)

乙です


344以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/14(金) 01:42:43.54eMpTdWka0 (1/1)

>>330
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/22(土) 01:38:08.53 ID:DYVhTomyo
電磁砲のレギュラー全員に敵視されるとか
こいつら一体何したんだよ


ここがいまだによく分からんのだが

イレギュラー追跡するのは分かるけどなんであんなに激おこしてたんだ?
千雨とか逃げ回ってるだけで美琴らがやたら感情的に見えたんだが


345以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/14(金) 11:21:34.15WM8h62AS0 (1/1)

多分、1-136 のネット進入辺りから、既に初春経由でマークされてたんじゃないかと
とあるの原作から見ても、進入経路から大体の位置割り出し、防犯カメラからの映像取得、
登録者の割り出しと追跡くらいはやってのけるし>初春

ネット上で初春とドンパチ、不法侵入と思われる未登録者集団が接触してきたとなると
そりゃ逃がさんでしょ?

白井が車椅子って事は、時系列的に残骸事件後(「樹形図の設計者」の破片の争奪戦)だし
不審な公園破壊事件も起きてるし、「あれもこいつらが!」とか「また外から変なのが!」
と暴走したとしても・・・まぁ納得


346ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:12:23.150hvxEYib0 (1/12)

それでは、予告通り長すぎる後書きの人物評投下いきます。
やっぱり予告よりももう少し長くなりそうです、すいません。

それでは今回の投下、入ります。

>>342

・長谷川千雨

「何やってんだてめぇらぁぁっっっっっ!!!」

表題からして本作の主人公で、実際、およそ主人公そのものの行動を取っていました。

私自身の禁書歴、ネギま!メインと言う流れもあって、
あくまで禁書世界に潜入する発想は一般人。この立ち位置が一番適していました。

そして、魔法・魔術世界、科学世界。
その圧倒的な力、政治力を恐れながらも、
その高度な技術の影で何かを忘れがちな、仕方が無いと言ってしまいそうな大切なものに、
一般人だからこそストレートに憤りを覚え耐えきれずに行動を起こす。
それこそ上条さんを思わせるものでもありますが、
何よりもリスク計算を大事にすると自称する賢い彼女であっても、です。

それは、本来の性格なのでしょうか、それとも魔法世界に至るまで覚えたものなのでしょうか。
真面目に答えれば両方なのでしょう。
自分を傍観者と自称していたのも、無力な身の程を知っている、と言う意味になりますね。

そんな彼女が、公園ではアリサを襲撃したネセサリウスの魔術師に先頭切って制止に入り、
高音チームや美空からネセサリウスがどれ程ヤバイ集団か警告されても結局はやめない。
一時は御坂美琴に、そして垣根帝督と言った超能力者から追い回されて命の危険に晒される。
唯一の武器である電脳戦でも初春に完敗の上に
レディリーの電子ドラッグでは初春を救出するためにこれも死に恐怖する。
しまいには、諸々の危険な情勢を押し切ってエンデュミオンに突撃して、
本来は直接戦闘要員とは対極の千雨がシャットアウラから
殺す勢いで刺され銃撃されボコボコに殴り倒される。

それでも縋り付いて辿り着いた、その結果は、あの通りでした。
率直に言って私自身、本当に長谷川千雨はそこまでやるだろうか?
ネギもいない状況で、「やめだやめだ」と言い出さないとおかしいのではないか。
確かにしまいには世界の危機に関わる事でもありましたが、
その点確信があったのか?と言えば、ですが、
こういう場合彼女がどの要素で動くのか、二次屋の勝手も含めて自分が信じた勘に従わせてもらいました。


347ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:18:02.270hvxEYib0 (2/12)

>>346

本作では、ですが、「ちう」には意外なところにファンがいましたね。
そもそも学園都市の内と外とのネット通信がどういうものなのかかなりの想像頼りになりましたが、
それでも、インターネット普及社会を前提として余りに隔絶されている状況はあり得ないと言う事で。

そういう訳で、鳴護アリサと「ちう」がそれぞれお互いにファンだった事がそもそもの始まりですし、
初春飾利が見た目で見破る程の読者だった事が思わぬ展開に繋がります。
原作のネギからもホームページの内容それ自体を褒められているぐらいです。
千雨自身はあくまでも所詮は匿名性の裏の顔、と言う認識の様ですが、
初春などは完全に裏データまで掌握しての判断ではありましたが、
それでも、学園都市でそこまでの信を得た「ちう」も又、
千雨の実力であり人柄だったと言う事なのでしょう。

ネギ不在の中言い出しっぺとしてチームリーダーとなった、ならざるを得なかった千雨。
客観的に見て、稚拙と言わざるを得ない部分が少なからずありました。

実際に普通のやり方で対処出来ない状況だった以上、
和美の情報収集方法を黙認した事に就いては是非はあるでしょう。
ファミレスでアリサがさらわれた夜の経緯に関しては、
あれだけの猛者揃いの大人数の大半が途中で釘付けになり機能停止する。
これは流石は学園都市、たまたまそれだけの人材に遭遇してしまったと言う事で、
千雨を責めるのは酷な部分があります。

せめて「アイテム」と交戦に陥った運動部。
コンサート会場から隠密性の高い忍者と堂々巡りする羽目に陥った楓。
追跡したマリーベートの口車により削板軍覇と青春の汗を流す羽目に陥った古菲。
この中の一つでも機能していれば局面は大きく変わった筈です。

そして、千雨と「孤独な黒子」を使える夏美が、千雨チーム全体で怪事件を頻発させた結果、
通信電波を追跡されて学園都市暗部組織である垣根帝督に捕獲されてしまった。
結果、シャットアウラ方面から追跡していた最後の切り札だった小太郎と
麻帆良からの派遣で事に当たっていた愛衣まで千雨自身の救出に動員してしまった。
これも、学園都市恐るべし、と言ったレベルの話です。

その一方で、千雨自身が後悔していた様に、
本来遠距離偵察、通信能力のある和美を司令部である千雨サイドではなく前線に出してしまったのは、
少々結果論じみてはいますが痛かったです。
和美が司令部付きであれば各方面の状況を把握する事が可能であり、
本来精強過ぎる程精強な筈の各方面が異常なレベルで軒並みダウンしたとは言え、
和美のアーティファクトを考えるなら宝の持ち腐れを引き起こしてしまいました。


348ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:23:38.420hvxEYib0 (3/12)

>>347

そして、千雨の一瞬の焦り、判断ミスが大きなチャンスを奪ってしまったのは、
図書館三人組と婚后グループ、更には御坂美琴との間にやらなくてもいい戦闘を引き起こした、
更には宮崎のどかとインデックスとの接触でのどかが生命の危機に瀕して、
木乃香まで巻き込んだ一大事に至る遠因すら作ってしまった事です。

結果、図書館組をファミレス周囲に釘付けにしてしまい
アリサを誘拐したステイルチームの現場逃走を許してしまいました。
これは、短時間、そして命懸けの場面に酷な話ですが、
それでも情報不足の即断が過ぎた、
もうちょっとだけでも夕映から確認して回避する事は出来た場面でした。

その間に麻帆良では神裂火織が大暴れして魔法協会とイギリス清教の間で戦争すら視野に入る事態に発展。
自分達を救出して垣根帝督との激戦を繰り広げた小太郎や愛衣、
「アイテム」との交戦で絹旗から仲間を守った大河内アキラ、
パニックに近い状況で迂闊にインデックスの原典に触れてしまった宮崎のどか。
「聖人」神裂火織との激戦に至った麻帆良戦線の刹那や明日菜、木乃香、
他にも少なからぬ学園警備の魔法使い。

重傷者を含めた負傷者多数が発生し、戦争すらあり得る事態。
その事に少なからず関与して高音の逆鱗に触れ、とうとう千雨は楓の胸の中で号泣してしまいます。
無力で臆病な自分がリーダーなんて、最初から間違えていた。
そんな思い上がりのせいで大勢の人間、付いてきてくれた仲間を傷付けた、と。

そもそも、魔法世界の数々の苦難をくぐり抜けた事もあり、
個人的な資質は決して小さくないとは言っても、本人が言っている通りネットが強いだけの只の中学生。
それは客観的に正しい評価であり、頭のいい千雨自身が一番よく知っている事です。

それでも、臆病なのは人が傷付くのが怖いから、痛いから。
本当はそれぐらい情に厚い、優しい人間。
自分が無力で臆病だと言う事はよく知っている。
だからこそ、誰かを傷付けない様にクールに振る舞う。
だからこそ、その自分の心を守る装いを捨ててでもやらなければならない、
守らなければならない人がいる。

それが分かっているからこそ、御坂美琴や高音の怒り、
正義の反対側は別の正義、皆、それぞれに守るべきものがある、守りたい人がいる。
その事を理解して、傷付けてしまった人には頭を下げる。
自分が巻き込んだ結果呪いに取り込まれた初春を助け出すためには、
それを自分の責任として覚悟を決め、その事が又、御坂美琴の怒りを買う。


349ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:29:22.150hvxEYib0 (4/12)

>>348

そんな千雨の事を楓も、ネットで千雨に触れて来た初春も、
そして、力強いリーダーではなくても付いて来た、そんな千雨を手助けしたいと馳せ参じた仲間達も、
その優しさ、強さをよく理解していました。

原作では、少なくとも表面上は余り芳しくない描き方の最後になっていましたが、
又一つ、こう言ったら照れ笑いか鉄拳か、仲間と一緒に傷だらけになりながら一つの冒険を取り仕切った。
そして、ちょっとほろ苦い分かれを経験したこの長谷川千雨の未来は、
もしかしたら超りんが渡り歩いたちょっと違った世界の一つに至ったのかも、なんてな。

・佐倉愛衣

「私は、魔法使い失格です」
「私達は、そのためのま…」

終盤近くまで、ネギま!側の第二ヒロインって辺りまで出番が食い込んでました。
この娘、私が描くと、ヒロイン度や男前度なんかが多少盛り気味になる傾向がある様です。

と言う訳で、それでは原作を客観的に見た場合どうなるかと言うと、
容姿端麗、村上夏美保証書付きの普通に可愛い美少女枠
性格は至って素直で真面目、礼儀正しい。だからと言って硬すぎる訳でもなく
年相応に適度なミーハーのはしゃぎ屋。ツンデレ、ヤンデレ、DQN等々の
変な属性は今のところ無し、癖の無いいい子ちゃんタイプ。

魔法使いとしては、上の要素と共通で能力の高い優等生。
丁度、レベル5まではいかなくても、御坂美琴の能力開発に関するキャッチフレーズがしっくり来る。
つまり、才能があって真面目に努力して標準的にはその世界の学年トップクラスの実力者。

結論 お見合いで紹介するには最適のタイプ。

そんな彼女の本作の戦闘歴を見ると、

愛衣自身「絶対負けます、と言うか死にます」と即答したステイルと二度に渡って交戦
ステイルの三弟子に捕獲されて水責め拷問
学園警備として他の魔法使いと共に麻帆良で神裂火織相手の防衛戦
小太郎、夏美と共に垣根帝督との激戦
学園都市の研究所から地下で刹那と共にハイブリッド・ヒュドラ退治。アイテム、ステイルチームも参加
エンデュミオン基部での召還魔獣との防衛戦


350ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:32:32.380hvxEYib0 (5/12)

>>349

何この武闘派魔法使い?

原作中でも、周りが異常に凄過ぎるだけで年齢的には高レベルの魔法使い、
初期のネギなら圧勝出来ただろうとも明記されていますし、
その実力と素直で真面目な性格の相乗作用は理解出来ます。
それでいて、色々と年頃に似合うはしゃぎ屋の一面も持っていたりもしますが、
根があんな感じの性格で、それでもアメリカに留学して首席卒業まで頑張ったのは並ではないでしょう。

そうやって勝ち取ったものに対する相応のプライドや使命感もある筈です。
夏美との関係に象徴的に、原作読者から見ても彼女は基本「見られる側」、
その数少ない直接の心中描写が学園祭の高畑先生救出作戦です。

今回、彼女を突き動かしていたのは「魔法使い」としての「真摯さ」です。

因縁深いステイルとの交戦では、一度目は上条さんにかき回された面もありましたが二度目では完敗。
最初から勝ち目が無いと言っていた「ルーンの天才」ステイル相手に絶対やってはいけない、
相手の敵地に飛び込みイノケンティウスの射程に入ると言う致命的なミスを犯しながら、
生きて戻ったのがむしろ凄いと言うレベルで結論は完敗です。

その後も三弟子からの水責めで心が折れる寸前に追い込まれて自己嫌悪したり、
小太郎や夏美と共に垣根帝督撃破の突破口を開く金星を飾るも後を引く程の大怪我を繰り返したり、
数々の手助けを得てヒュドラとの死闘を制するも、
一時的に視力を失った上に無理がたたって完全にドクターストップ。

結局その後もエンデュミオン基部での作戦に参加していましたが、
しまいに夏美が高音にブチギレた程危険な任務を引き受けながら、
「魔法使い」を曲げまいと、そこまでボロボロになっても貫き通した。

その一念が、恋敵である夏美や上条さん。麦野の様な曲者の心まで動かして、
最後には複雑な関係のステイルからも皮肉っぽい激励?を送られています。
高音が愛衣を簡単に見捨てるとは思えません。
夏美が言う迄も無く危険過ぎる任務を高音が愛衣に任せたのも、
実際に人手不足、それでもやらなければならない「魔法使い」としての使命を、
チームのエースとして期待したからなのでしょう。

お姉様や先生であるネギや師匠である小太郎を含めて何故か目上しかいない、
ついでに言うとナツメグにも敬語を使っている愛衣ですが、
実力的には絶対適わないと言いながら、同年代のステイルとはちょっと面白い関係でした。


351ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:36:11.430hvxEYib0 (6/12)

>>350

ほんの一時、間近で共に魔術を学びながら、片や「殺し屋」の「魔術師」、片や「人助け」の「魔法使い」。
実際に本作の仕事上では殺し合いすら展開した二人ですが、
そもそも殺し合った間柄で素直ではない友誼を結ぶのは
ステイルのステイルたるゆえんごめんなさいハンバーグはご勘弁。

それでも、「真摯な魔法使い」の愛衣にはステイルがルーンに懸けた狂おしい程の情熱の一端が感じられた。
そして、なんだかんだ言っても今回の困難な仕事に最後まで食らい付いた、
それ以前の学校生活でもなかなかのやんちゃぶりで魔法を追求していた愛衣に、
ステイルも仕事で殺し合う必要がなければ多少は思う所もあった、のかも知れません。

見た所、どっちも大本命ありでフラグって事もないですが
目上に囲まれた愛衣と本来殺伐とし過ぎてる世界の住人で
そう言えば出て来るのは主に年上の女ばかりで「緩くなった」と言ってるステイルの取り合わせ。
ええ、どっちも大本命がいてどっちも、すいません、まだ黒い物体になるのは遠慮しときます。

原作では失恋確定でも元気そうで何よりです。
本作から繋がったら、結果がどうあれ直接接点を持ってしまった夏美とは
きっちりケリを付けるか先を見通す「頭のいいいい子ちゃん」で終わってしまうか、
努力でここまでの魔法使いになった彼女は、イザとなったら頑固で情熱的だと勝手に思いますよ。

と、言いますか、本作のルート、
この後明日菜封印ルートと言うかUQルートですから、もしかしたら…

・村上夏美

「王子様を助太刀して、みんなで麻帆良に帰ろうかっ!!」
「………いい、加減にしろよ、っつってんだよっ!!!」

化けましたねこの娘…
原作では出て来ない様な言動をちょくちょく描いた点。冒険でした。

能力的に宮崎のどか「いどのえにっき」と並ぶチートファクト「孤独な黒子」の使い手と言う事ですが、
結果、作者の都合wも相まって

「いつだって相手より優位な立場にいると思うのは禁物よ」

を地で行く展開。場所が科学の学園都市と言う事で、
人間の主観を狂わせる「孤独の黒子」が機械センサーと相性が悪かったり。


352ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:39:31.720hvxEYib0 (7/12)

>>351

最初の公園での戦いでは手繋ぎの先に上条さんがいて、黒鴉部隊の電子センサーにも足止め。
超電磁砲組との追跡戦では
「監視カメラ顔面認証」初春飾利「脳波干渉電磁バリア」御坂美琴のタッグで電撃の的にされて
垣根帝督戦に至っては場所ごと吹っ飛ばされると言う、
「魔法」レベルでは最高レベルとされる魔法具、
非常識バトルの唯一の武器が打破されまくる恐怖体験の連続。

元々が一般人、脇役を自覚してそんな限界に何度もぶつかりながらも、
それでも最後まで出番に食らい付いたのが本作の夏美です。
時に、原作にも無い感情をぶつけて自分から舞台によじ登りながら、です。

だからこそなのでしょう。
恋敵の魔法使いでも、友達の友達のストリートシンガーでも、
映画の中でウニ頭のヒーローがバット振って言ってた通り、
真摯に頑張って主役を掴んだヒロインを素直にリスペクトして、
そして、それを踏みにじる者には巨大な力でも先輩でも秘めていた激情を露わにした。

原作ではむーっと一方的にその素直美少女ぶりを睨んでるだけの愛衣との関係も、
そこから見たら遥かに積極的にコンタクトを取っています。
垣根帝督戦の最中には、その命懸けの状況下だからこそ、宣戦布告の応酬すら展開しています。
これは、最初にステイルチームと遭遇した公園で、
直接一緒ではなくても同じ陣営で魔法世界を闘い抜いた者同士、
今度は同じ戦いの場で言葉を交わした。そして、乙女の眼差しは同じ相手を向いていた。
スタートはそれだけで十分だったのかも知れません。

あの魔法世界での戦い、命懸けの小太郎を残しての涙の離脱も経験して、
自分に出来る事なら、喪って後悔はしないと。
蛮勇ではない、それでも恐怖に打ち勝ち前に進む、
原作の冒険のちょっとだけ先の夏美が描けたなら幸いです。

・犬上小太郎

「ちぃと、まずいかも知れんな」
「で、手筈は?」

ネギが麻帆良学園を離れていた結果として、
千雨チームの紅一点ならぬ黒一点となった犬上小太郎。
本来はやんちゃな悪ガキと言うキャラクターですが、
本作では当初から千雨の信頼を受けています。


353ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:43:13.920hvxEYib0 (8/12)

>>352

原作では、魔法世界移動後最も長い間寝食を共にするパーティーを組む事となった経緯がありますし、
曲がりなりにも裏の世界で夏美には言えない程の汚れ仕事の中を生き延びて来た小太郎です。
本作ではリアリストの千雨はその根の賢さと経験値を買っています。
そして、小太郎もその信頼に応えています。

アリサの異変に就いて千雨が最初に意見を求めたのも刹那と小太郎なら、
小太郎も又、独自の人脈から実際に刹那の情報収集ルートの危険を最初に察知して、
実際にそれは後で大変な事になっています。
そして、自分達で確認するしかないと千雨に進言した事でこの物語は始まりました。

そして、言わば千雨チームの用心棒として公園でのネセサリウスの交戦ではマリーベートを悠々と撃破。
「聖人」様は余裕綽々でしたが、神裂火織との前哨戦をこなして挽肉一歩手前の啖呵を切った事もあります。
超電磁砲チームからの追跡を受けた際には、相手エースの御坂美琴と正面対決。
レベル5のレーダー付きクイック電撃や得体の知れない不調に悩まされながらも
戦闘自体は優位に進めてその実力を見せつけています。
又、シャットアウラとも二度直接遭遇して調査のために夏美と共に部屋に潜入した事もあります。
作者の打ち明け話としては、このシャットアウラフラグももう少しなんとかしたかったですが、
ちょっと中途半端な感じで終わりました。

そして、各勢力入り乱れたアリサ争奪戦の夜には
垣根帝督の襲撃を受けた夏美、そして千雨を救出するために、
途中で合流した愛衣と共にレベル5第二位垣根帝督と言う恐るべき強敵相手の死闘を展開。
仮契約パートナーとして魔法世界をくぐり抜けた夏美、
魔法使いとして小太郎がそこそこ優秀と評価する愛衣の力を借りる両手に花状態で、
冗談はさておき打撃・遠距離・隠蔽のバランスのとれたトリオで、
レベル5第二位、桁外れの実力を誇る垣根帝督を辛くも撃退します。

この戦いは前に詳述しましたが、原作でフェイトから調に渡された小太郎のデータは、
実は余り正解では無かった事が、その調との結局は逃走に終わった交戦で明らかになっています。
つまり、本作で千雨が見込んだ通り実際には裏でそれなりの経験を積んで
優先順位を判断出来るリアリストだと言う事です。

本作での垣根戦では、実際の戦況も加味して、
垣根との激戦を考えると既に限界近くまで負傷していた愛衣と
「孤独の黒子」で逃走能力だけはある、だけしかない夏美を優先して逃がす、と言うのは賢明な判断です。
しかし、それでも戻って来たのがこの二人です。

小太郎の性格的には女は守るもの、余り嬉しくないシチュエーションの筈ですが、
この時の小太郎は即座に受け容れます。
時々修行を共にして真面目な魔法使いと評価している愛衣も含めて、
この二人が単に感情的に蛮勇を奮って戻って来る筈が無い、と言う信頼があった筈です。


354ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:46:24.540hvxEYib0 (9/12)

>>353

そして、それは的中。命からがら、小太郎と愛衣は実際重傷を負いながらも強敵垣根帝督を下すに至ります。
その戦いも三人の力をフルに発揮して一瞬のチャンスにかける。
信頼関係無しには絶対成立しない絶妙な展開であり、
裏の悪ガキがネギと出会い様々な、掛け替えのない出会い、
魔法世界の戦いをくぐり抜けた一つの結果でした。

只、その後はちょっとぱっとしません。
垣根戦での負傷により入院中として最終日の千雨チームの当初メンバーには参加出来ず、
フェイトに石にされて宇宙旅客機に搭載されての参加と言うやや冴えない始まり。
確かに、宇宙旅客機の窓から、あの映画禁書随一のぶっ飛びシーンを見せられたら
自分が放った若気の至りの一言に震え上がるのも無理は無い、君は悪くない。
その後もレディリーの召還魔獣、
特にケルベロスとの魔犬対決に専念する形での事実上のフェードアウト。

それでも、そこに至るまで今回の物語では十分「漢」を見せてくれました。
原作では、その後「男」として選ぶ相手は決まっている訳ですが…
今ん所、原作では見られなかった直接火花を散らしているせめぎ合いなど、
間違いなく彼は知らないのでしょうねだがそれでいい。

・高音・D・グッドマン

「痛い、では済まされない話なのですよ、大勢の人間が」
「誰があの娘に手を出していいと言ったあっ!?」

麻帆良学園学園警備所属として、
佐倉愛衣と夏目萌の二人妹分を引き連れて一連の騒動に介入した高音さん。
その姿勢は一貫して魔法の関わる世界の秩序のため、
ステイルにも千雨にも自制を求めて来ました。
そして、千雨チームに加え神裂火織が暴走し戦争すら現実味を帯びるに至り、彼女の怒りは爆発します。

千雨、そしてその友人達が大切なもののために暴走とも言える行動に出た、
それに反対し、時に張り飛ばしてでも立ちはだかって来た高音にも又、
大切なものがあればこその秩序でした。

「脱げ女」、「残念キャラ」の印象が強い高音さんですが、
根は真面目で自らの能力に対する使命感溢れる魔法使い。能力も決して低くはない。
魔法世界での活躍も侮れないもので、舞踏会では魔法使いでも得体の知れない魔素人形の大群相手に
(結果論として地球魔法と相性のいい相手でしたが)
愛衣が震え上がっている前で迷わず介入に踏み切り、
最終決戦の艦上ではその防御力で皆を守るために攻撃に晒されながる危険な楯役を担当。
間一髪で敗れる事にはなったものの、術式発動を巡り調との激闘も展開しています。


355ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:49:43.800hvxEYib0 (10/12)

>>354

千雨達の暴挙に巻き込まれる形で愛衣が重傷を負った。
魔法世界で自分達が命懸けで守り抜き、発動させたプラン。
多くの命に関わるそのプランが妨げられ、
あまつさえ戦争で大変な人命に関わる被害が出るかも知れない。その事に激怒する。

元より夏美に怒鳴られる迄も無く、元々が科学の学園都市を敵に回しかねない上に、
数多の魔術師を殺しに掛けて来た凄腕の危険人物。しかも能力の種類が愛衣の上位互換。
そんなステイル達とも競合する潜伏調査を愛衣一人に任せる事の危険性が分からなかった筈はありません。
それでも、そうせざるをを得なかった選択だった筈です。

だからこそ、ネギから魔法使いが羨む程の力を与えられた千雨達の無責任な暴挙。
それによって多くの人が傷つくかも知れない。
その事を、高音は一人の普通の、組織に頼らざるを得ない、
普通でしかない無力を噛み締める魔法使いとして決して看過できなかったのでしょう。

それは、愛衣の事も、この世界の事も魔法世界の事も、
魔法使いとしてルールを守る事で多くの人を守りたいから。
守りたいと言うその気持ちは、本来同じ事の筈です。
だからこそ、責任、秩序と言う言葉の礎であるその思いは、
だからこそ高音の逆鱗に触れた千雨も、そして途中直接反抗した夏美にも十分過ぎる程伝わった筈です。
互いに伝わったからこそ、レディリーの仕掛けたエンデュミオンの呪いの全貌が明らかになるに至り、
高音も柔軟に千雨達を黙認し、そして、動き出します。皆を守る「魔法使い」であるために。

守りたい大切な事があるからこその秩序、責任。
その順序があるからこそ、その限界を超えた時彼女は「私闘」に踏み切ります。
大切な妹分を傷付けた上に愚弄する学園都市超能力者第二位垣根帝督と言う、
実力的にも政治的にも最悪と言うべき相手に。
それは、ネギま!禁書のクロス作品として、一人の「魔法使い」が「我が儘な魔術師」となり、
魔術を究めるためのその思いだけは決して譲らなかった様に。

その戦闘だけを見た場合、余り褒められたものでもない。
はっきり言って相手が強すぎて歯が立たなかったと言ってしまってもいい内容でしたが、
それでも引けない事はありました。
そして、そんな彼女の責任感、その本当の所である支える熱さと優しさ。
それを知る者達が一つの奇蹟をもって報いました。

と、まあ、カッコいい女には違いなかった高音さんですが、
それでも、やはりそこは高音さん。
事、禁書とのクロスと言う事になれば、
それはもう完全武装で上条さんと交差してもらわない事には始まらないと言う事でして。


356ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:53:07.080hvxEYib0 (11/12)

>>355

・朝倉和美

「だーいじょうぶだって、この手の交渉事は得意なんだから」

公園でのネセサリウスとの交戦後に千雨チームに参加した朝倉和美。
和美が千雨等が秘かに動き回っている事を察知した結果、
彼女の性格上下手に探られるより正面から引き入れてしまった方がマシ、と決断したと言う
実に朝倉らしい展開と言う事で。

確かにその通り、原作中でも使えないネタばかり集まると言っている通り、
実の所は情に厚い所があって本当に相手を傷付ける様な事はしない、
こそこそ隠せば暴こうとするが真正面から誠意に訴えたらそれが通じる。
和美にはそういう一面があります。

しかし、今回に関しては、割とがっつり食い込んでいる割りには余りいい面が出ていない、
終わって見るとsageキャラの一人、と言われても仕方がない状態でしたね。

千雨が学園都市の情報ガードの硬さに焦りを見せる中、
その方面に長けている和美が主導権を握った結果………

学園都市のワル共が震え上がり数々の陰謀事件(の一端)を解決して来た
超電磁砲軍団の虎の尾を踏み逆鱗に触れて壮絶な追跡戦を逃げ回る羽目に陥り、
ファミレスでのアリサ争奪戦もさよの助力でもう一歩の所に漕ぎ着けながら失敗。
本来情報担当の和美が戦闘に深入りし過ぎた挙げ句の戦線離脱で司令部の千雨サイドの情報途絶
(これは主に千雨リーダーによる配置にも問題がありましたが)。

その後もエンデュミオン内でシャットアウラにインタビューを仕掛けるも、
これはまあ相手の精神状態上仕方がないとは言え錯乱させて終わると言う、
余り冴えない結果に終わってしまいました。

それでも、エンデュミオン内では、前回の失敗を踏まえた千雨の指示もあり、
相棒の相坂さよ共々索敵機能をきちんと利用して地味なところで色々役に立ってはいます。
特ダネ狙いと言いながらも
命の危険が加速度的に高まっている学園都市の千雨の元に、早い段階から飄々と付いて来た。
その行動こそが、朝倉和美だったと言う事なのでしょう。


357ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/03/18(火) 03:56:47.280hvxEYib0 (12/12)

>>356

今回はここまでですが、内容的には続きに近い話になりますね。

>>344
>>345
明石裕奈もそうですが、朝倉和美も根は情に厚いいい娘だと思うのですが、
初メイン回の修学旅行でのネギとの交渉など、
行動自体は結構ゲスい事をやりかねないキャラです。

魔法世界では自分らが冤罪状態で危なかった事もあって、
和美の諜報能力と口八丁は言わば戦場のスキルとして違和感の少なかった所ですが、
戦場のスキルを平時に使ってしまったら何が起きるか…
それを最悪によく現している言葉がチャップリン映画の英雄の基準と言う事になりますが。
魔法世界同様、学園都市も彼女達にとって
得体の知れない超能力者が蠢く異世界的な感覚もあったのかも知れません。

確かに、千雨のハッキングスキルすら容易には通用しない、
手蔓の作り様がない異境である学園都市の、
情報収集八方塞がりの中でもアリサに関わる事態が進行する現実。
情報不足による不用意な所もあったために、得意の話術を使う前に、
和美の受け持ちではない方向に事態が動き出してしまったと言う事もありました。

現実的に学園都市での低リスク情報収集が困難である以上は虎穴に入らずんば虎児を得ずであり、
その結果論として超電磁砲チームと番長同士殴り合ってから共に河原に寝転がって雨降って地固まる。
情報収集の現場の判断として十分あり得る話として簡単には割り切れませんが、
それでもやっぱり人としてどうよ、と言う事も言いたくなるやり方でもあった訳で。

と、言う訳で、この問題の鍵は、
まず、超電磁砲人脈の能力をよくよくおさらいして下さい。

その上で、

1-136
1-150
1-185

を熟読して見て下さい。

もしかしたら、何かが見えるかも知れません。

続きは折を見て。


358以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/18(火) 09:46:06.59YGVWakbEo (1/1)

乙です


359以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/03/19(水) 02:05:55.71NdDrTtLa0 (1/1)

>>357
確認した

>黒い交際って奴だね。
>和美は、茶封筒をテーブルに置いてウエイトレスに声を掛ける。
>今はそうでもないけど、ジャッジメントになりたての頃は

あーそこ突っ込んじゃった訳ね>朝倉
そりゃ佐天さんがバット振り回して怒り狂うわ


360ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 03:49:41.863zI7mWoB0 (1/12)

延び延びになってすいません。
作品終了後の後書き企画って自己満足で重ねてすいませんが、
引き続き後書き人物評になります。

それでは今回の投下、入ります。

>>357


・宮崎のどか

「ごめん、なさい。勝手に心を読んで、
あの本を、持つ者としてしてはいけない事をしました」

本作中の大失敗は、正直、人一倍人の気持ちとアーティファクトを大事にしている、
そんな原作ののどかが本来はやりそうにないチョンボでした。

だけど、そんな彼女だからこそ、普通に考えて洒落にならない、
まあ、ネギの方は半ば接待でもレールガン装填の御坂美琴に割って入る様な、
それでも無駄な争いを止めて見せたり。

基本、本作中の両作品キャラのトラブルの大半は構造的なコミュ障から生じていますので、
それこそ超電磁砲メンバーなんて本来正義感の強いいい娘揃い、だからこそ、って事ですから。
そこにのどかが入るとすーっと話が通るのも道理と言えば道理です。

話が前後になりましたが、のどかが本作の流れに本格参入したのは、千雨によるアリサ襲撃犯迎撃作戦の夜。
他の図書館組、引いては「白き翼」のメンバーと共に作戦会議に参加して、
他の面々と共に当然の事の様に作戦に参加。
「図書館三人組」チームでアリサがさらわれたファミレスに急行しますが、
情報の混乱もあり婚后三人組や御坂美琴に学園都市訪問中のネギまで巻き込んだ戦闘と言う最悪に無意味な展開。
それでも、混乱の中で事態を把握して休戦に持ち込んだのがのどかの真骨頂でしたが、
その後で最大のミスをやらかしてしまいます。

混乱の中で夕映に救出されたインデックスに「いどのえにっき」を発動してしまったために
両方の作品を知っている読者の皆様が恐れた事態に。
即死こそ免れたものの血まみれ激痛の重態に陥り、麻帆良から急行した木乃香の治癒で肉体的には回復したものの
ネギに発覚した事も含めて実質的にチームが行動不能に陥ります。

前にも書いた通り、千雨の率いる他のチームも軒並み学園都市恐るべしのトラブルに巻き込まれていた事もあり
のどか達も又、現場に肉薄しながらやらなくてもいいトラブルを引き起こした事で、
そのタイムロスはアリサ誘拐事件として致命的な結果を齎してしまいます。


361ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 03:55:59.413zI7mWoB0 (2/12)

>>360

その結果全体は誰が悪いと言うのが難しい状態でしたが、
夕映でも庇い切れず(但し、この時期の夕映はのどかに対する心の絶対恩人絶対親友意識は微妙だった筈ですが)
のどか自身が深く悔いている様に、この時ののどかの行動は戦場的な混乱に呑まれたとしか言い様のない、
多少弁護すればその前のトラブルをそうして解決した事で、
大きなタイムロスの中、惰性で効率的に動くための予防線を張ってしまったのか。

それが文字通り致命的な結果を招いてしまった上に、
みだりに他人の思考をのぞき込む「いどのえにっき」を持つ者としての倫理に悖る事を
のどか自身が一番よく知っている悔いの残る行動と結果になりました。

レディリープラン当日、のどかは独自に動き出した刹那、木乃香に同行して再び科学の学園都市に向かいます。
それは、刹那と木乃香の行動を読んでいた夕映が、
二人が学園都市の曲者共を相手にするに当たって情報収集担当が必要であると、
そのためにのどかに同行を求めたものでした。
別行動の千雨チームが念を押していた様に、その危険性は甚大なものの筈でしたが、
のどかが快諾した事は想像に難くありません。

その後も、土御門兄妹の追跡調査を初めとして、
麦野沈利からの命懸けでもあった情報収集は千雨チームにも大きな効果を与えています。

前日に力の応酬となった婚后光子の協力で刹那、木乃香と共にエンデュミオンに乗り込んでからも、
直後に庭園のリンゴに手を伸ばしたために見張りのドラゴンにフリージングされて、
幸いフリージングの後に振動を加えられるところまではいかずに又もや木乃香の治癒を受けたりもしていましたが、
その後は同行した二人と共に「アイテム」と明石裕奈の戦闘、停戦に立会い、
千雨の依頼を受けて木乃香と共に風斬氷華の救出に急行、合流を果たしています。

その後は、決着を千雨らに任せる形で風斬らと共にエンデュミオンからの脱出ルートに入りますが、
エンデュミオン侵入後の一連の流れでも、
構造的コミュニケーション障害解決のために活躍していた事が会話の端々から伺えます。
最後の最後には何気にネギや図書館仲間と共に「アイテム」による暗殺行動をウォッチしたりもしていました。

魔法世界での苦難を経てネギから一人の冒険者として認められた、
あの引っ込み思案な少女が時にとんでもなく大胆な行動でネギのため仲間のため
命懸けの情報収集で物語の鍵をも握って来た。
それは今回の、科学の学園都市と言う新たな戦場でも健在でした。
事の性質上それは秘かに、しかし着実に、
なくてはならない縁の下の力持ちとして、この本のページをするするとめくってくれました。


362ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:01:08.443zI7mWoB0 (3/12)

>>361

・神楽坂明日菜

「何、寝惚けた事言ってんの?」
「よく、分かった。
あんたが人の事をそういうにしか見れない奴だって事はね」

確か、原作ネギま!のメインヒロインだった筈です。

本作の序盤では、ネギのプランのためにお姫様として多忙な日々を送っていましたが、
それでも「白き翼」、3Aの一員として、千雨中心に動いていた事態に彼女も巻き込まれていきます。
巻き込まれた、なんて言ったら彼女は怒るかも知れませんね。
アリサの危険が迫る中、千雨が「白き翼」の招集を頼んだ相手が明日菜です。
「白き翼」の「姐さん」である事は誰しも認めると言う事です。

それでも、千雨は学園都市、そしてイギリス清教との摩擦を起こしかねない
学園都市でのアリサ誘拐勢力迎撃作戦に
明日菜が参加するのは政治的にもプランの上でも危険すぎると判断。
明日菜は多少の抵抗を見せながらも麻帆良で留守番と言う事になりましたが、
その留守部隊に向けて大事件が発生します。

情報収集のために麻帆良を訪れた神裂火織と桜咲刹那が決裂。
麻帆良、主に千雨チームの情報が掴めない事で、
刹那の口を割らせようとする神裂に対して刹那は懸命に抵抗しますが、
「白き翼」でも指折りの使い手である刹那であっても相手は「聖人」神裂火織。
刹那がズタボロに傷付けられた所に明日菜と木乃香が到着。
明日菜の結論は一つ、激怒でした。

確かに、魔法世界の姫として、
覚醒した明日菜は神裂が瞠目する程の強さを示しましたが、それでも相手は「聖人」。
明日菜、刹那、そして木乃香の三人がかりでも圧倒的な強さで迫る神裂に対して、
明日菜は死の淵を覗きながらも一歩も引こうとはしない。

そこにあった感情は親友を傷付けられた事への怒り。
只それだけで、全てを擲って「聖人」に挑み続ける。

こう書いてしまうと、今の身分も含めて考えると
理屈では馬鹿の上に無責任が付いてしまう。神裂もそこを強調していましたが、
これが神楽坂明日菜だ、と言われると説得力があり過ぎる行動です。
少なくとも、刹那が目の前でズタボロに傷付けられて、
明日菜がお姫様だからとお利口に引き下がる。
まず考えられないシチュエーションです。


363ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:06:38.423zI7mWoB0 (4/12)

>>362

そして、神裂は組織の人間として、
明日菜がお姫様だから、裏を返せば刹那はその下の人間だから、と、
明日菜には絶対言ってはいけない言葉で撤退を促してしまったのですから。

その、馬鹿が付く程の一途さ。結果論としては、流石に処刑塔は無いかも知れませんが
刹那が本格的に連れ去られる前に学園警備が介入する時間を稼ぐ事にもなりましたが、
只、目の前の友達のため。その想いは恐らく通じた筈です。
なぜなら、神裂にとってそれは恐らく、ですから。

エンデュミオンに於けるレディリープランが発動した時には、
ネギと共に宇宙に赴き、
途方もない規模のデーモンをネギと共に術式解除までの間力ずくで抑え込むと言う、
ネギと共に魔法世界初め数多の冒険を潜り抜けたお転婆原作ヒロインに相応しい活躍で
レディリー・プランの最後を飾った明日菜。

原作では、この後明日菜には途方もない運命が待ち構えています。
明日菜もその事を知っています。
身分をかなぐり捨てる様にして親友のために「聖人」との死闘に臨むのも、
そしてこの先に待つ魔法世界での運命。

かつて、自分達の安全を保障するフェイトの申し出を、
知り合ったばかりの魔法世界の大勢の人々のために根拠の無い自信と共に一蹴した様に、
原作でも又、この後人生そのものと言ってもいい犠牲を払ってでも
愛した人々のための礎となる。
並のバカではありません。底無しのバカです。

余りにも頼もしく、そして少し哀しいバカレンジャーのバカレッド。
それは、とても優しい一人の少女でした。

・近衛木乃香



桜咲刹那が侮辱を受けた

言う事や」

「命を懸けて守る?てんごも大概にしとき」


364ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:10:01.663zI7mWoB0 (5/12)

>>363

会話の中にはちょくちょく出没していましたが、
直接登場したのは千雨の依頼を受けた明日菜による「白き翼」の召集、
アリサ襲撃犯迎撃のための作戦会議の時でした。
この時は、木乃香の立場上、政治的問題やネギのプランの関わりで、
木乃香が参加するのは万一の時のリスクが高すぎるとして
千雨から留守番を求められて木乃香もそれに従っています。

その夜に麻帆良学園都市で発生した神裂侵攻事件。
刹那が、そしてその事に憤った明日菜が「聖人」神裂火織に為す術もない程に一方的に痛めつけられ、
治癒魔法で辛うじて明日菜の命を繋ぐ有様で、木乃香の思いはいかばかりのものだったでしょう。

それは、武力では到底かなわない、現に武闘派の親友二人が悉く命に関わる重傷に追い込まれている。
そして、神裂が懸命に説き聞かせている様に木乃香には「近衛の姫」としての重責があり、
それがネギや全ての事にとってどれ程大切な事か木乃香は百も承知している。
それでも何でも、到底かなわない、命に関わる、それを理解していてもなお、
木乃香はお利口に効果的な立ち回りすら考えず、
あくまでも直接神裂に立ち向かう事を選択した、それが答えでした。

最終的には学園警備の介入で窮地を脱出いる事には成功しますが、
この時の刹那、明日菜を初めとして学園警備の重軽傷者多数を治癒。
更に科学の学園都市での作戦中にインデックスの「原典」で重症に陥ったのどかに
最大術式「いぶきどのおおはらえ」を発動。
その後も一連の騒動に関わり治癒魔術を使い続けた事で
とうとう魔力失調で木乃香自身が昏倒してしまいます。

翌朝、けじめをつけるために学園都市に向かう刹那に合流した木乃香。
その理由を告げた木乃香の顔に、あの笑顔はありませんでした。

桜咲刹那が侮辱を受けた

これだけで、我が事我が痛みとして、
心の底から憤り行動するには十分すぎる理由でした。

ほわほわ娘のこの怒りは、土御門に対しても炸裂します。
そもそも、前夜の事件のけじめと言う事になるのなら、
状況的に刹那に接触していてネセサリウスとの多重スパイでもある土御門は当然にその対象です。

それはそれとして、義妹を守るためなら全てを擲ってでも、
それこそが掛け値なし、土御門元春のアイデンティティーです。
そして、全てを擲ってでも守られる対象、擲った者の姿に無力をかみしめて来た、それが木乃香です。


365ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:14:07.523zI7mWoB0 (6/12)

>>364

大切な人が傷つく事、ましてや自分のために。
その事は決して一方的に誇らしい事でも格好いい事でもない。
神が彼女に天才的な治癒能力を与えたのも、
或はその悲しみを自らの手で少しでも減じるためなのかも知れません。

今の彼女の行動原理は、アニメ第一期最終回の大決戦を初め、
第二期、neoと繰り返されて来たあの心からの叫び、
それにより、未だに囚われがちな刹那の心をも一方的な関係から解放する。
その事に他なりません。

その後も、婚后光子らの力を借りて刹那、のどかと共にエンデュミオンに乗り込み、
そこで木乃香は又独特の活躍を見せています。
庭園のドラゴンへの言葉が象徴的でした。

幸いドラゴンにフリージングされたのどかが振動される事もなく
木乃香の治癒で回復出来た事もあったためか、
魔獣として退治しようとする刹那との間に割って入って、
むしろ林檎の番をしていたドラゴンを褒めて宥めています。

考えてみれば、庭園でドラゴンが見張っている林檎にうっかり手を伸ばしてしまったのどかの行動は、
本作に於ける千雨チームの存在自体がこういう事です。
ジャッジメント・超電磁砲組も暗部組織も、
基本的には自分達の街で不法侵入者に対処しているだけです。

少し時系列が混乱しますが、木乃香は土御門との決着をつけ、
エンデュミオンでは裕奈と交戦した「アイテム」、
その首魁麦野沈利との停戦交渉を先頭に立って取り纏めています。

その時の木乃香はいつも通り、この何れ劣らぬ化け物揃いの面子を相手に、
どこか「ネギま!?」(新房昭之総監督)っぽいすっとぼけた味を見せながら、
その典雅なほわほわ笑顔に学園都市の闇に生きる
曲者、強者共が息をのむ「近衛の姫」の貫禄を包み込んで事に当たっています。

それは、一つに麦野が恐れた通り、すぐそばに控える刹那への絶対的な信頼でもあったでしょう。
それよりも何よりも、原作を見る限り元々の素質や基本的に鷹揚な育ちだと言う事もあったのでしょうが、
命を懸けて守られるに値する、そして共に闘うと誓った、
名実共に「近衛の姫」たらんと改めて腹をくくった事が、
その圧倒的な気品と覚悟を生み出したのでしょうか。


366ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:20:53.613zI7mWoB0 (7/12)

>>365

そんな木乃香は、レディリープラン決着の後も、どうも独特のポジションにいる様です。
何かこのまま、次世代の関西人脈を中心に
アレイスター、ローラ、ネギに続く第四勢力でも作り出しかねない勢いですが、
それやったら真っ先に火を噴くのは間違いなく作者の頭でしょう。

それでも、ネギとは最も親しいポジションの一人で麻帆良初め「魔法」中枢に人脈多数。
するすると仲良くなった土御門と共に刹那をいじり倒して、
そんなこのちゃんならお姫様のほわほわ笑顔でさっくりとそんな芸当をやってしまいそうです。
使えるものは何でも使って、自らの手で守りたい人たちのために。


・桜咲刹那

「二つほど申し上げておきます。確かに私も皆もまだまだ未熟。
しかし、そんな若僧にも譲れない、力一杯ぶつからなければならない信義がある。
私も又、それを譲る事は出来ない。
そして、私一人の無駄な足掻きであればそれはゼロに過ぎない。マイナスにはならない」
「大概にして下さい」

ネギパーティーの頼もしい白き翼の剣士。
本作に於ける数々の活躍も、決してその名に恥じないものでした。

ネギパの中では比較的、と言う事になりますが
「裏」に属するヴェテランとして当初から千雨の相談を受けて、
その期待通りに鳴護アリサが魔術のトラブルに巻き込まれている事を察知。
場所が魔術にとっても複雑な政治的背景を持つ科学の学園都市だと言う事で、独自の対処を約束します。

その後は暫く姿を見せませんでしたが、科学の学園都市で千雨チームが行った迎撃作戦に於いては、
万一の場合の政治的影響が大きすぎるという理由で
千雨から木乃香、明日菜と共に麻帆良残留を指示されています。
そして、千雨チームが科学の学園都市に赴いている間に、
麻帆良ひいては魔術世界をも揺るがす大事件に直面します。

麻帆良学園都市世界樹広場で待機する刹那に神裂火織が接触。
科学の学園都市で行動している麻帆良の魔法使い、
つまり千雨達の情報を提供する事を要求されますが刹那はこれを拒否。
神裂による実力行使へと発展します。


367ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:24:06.253zI7mWoB0 (8/12)

>>366

と、簡単に言いますが、裏の(比較的)ヴェテランでありネギパでもトップクラスの実力者である刹那だからこそ、
この決断の重さは並大抵のものではありません。
確かに刹那の実力はネギとの数々の戦いでも遺憾なく示された高度なものですが、相手は「聖人」神裂火織。

この時点で、確かに並外れている部類に入りつつある刹那でも、
まず刹那を含む魔術師一般にどうこう出来る相手ではない、これは言わば「聖人」の「定義」です。
加えて、相手は「魔女狩り部隊」であるネセサリウス。
神裂自身が言っていた通り、情報を欲する神裂に逆らって実力不足とあってはまず五体満足で済む話ではありません。

それでも、自分がゼロになっても決して仲間にとってのマイナスにはならない。
その決意の下に絶望的な戦いに突入。まるで「聖人」の定義に基づいた数学の様に、
神鳴流奥義を駆使して抗戦する刹那を神裂は一蹴。
刹那のダメージを加速度的に増加させるだけの圧倒的な結果に終わっています。

しかし、そこに現れた神楽坂明日菜、そして近衛木乃香。
掛け替えのない「親友」達は、裏も表も身分もない。
只、刹那が傷つけられた事に激怒し、圧倒的強者である神裂にボロボロになりながらも立ち向かっていきます。
最終的には麻帆良学園学園警備の介入で神裂の撤退と言う結果に終わりましたが、
それは只友達のため、計算も何もない、愚かと言えば愚かな戦いであり、刹那自身も悔いた筈です。

何しろ、自分自身が重傷を負いながらも、
自分の情報収集ミスで千雨達の動きの表面化を招いたと千雨に謝罪して却って千雨を追い詰めたほどです。
何よりも大事な親友を自分のために傷つけて悔いない筈はありません。
しかし、一方で思い知った筈です。大事な親友にとって、刹那自身が決して傷ついていい存在ではないと。
裏の人間だから、姫様だから、その言葉に真っ先に激怒したのが「親友」神楽坂明日菜なのですから。

神裂との激戦の後、木乃香による回復を受けたとは言え、
翌朝には病院を抜け出して「けじめをつける」ために科学の学園都市へと出発した刹那。
そんな刹那の生真面目な責任感と覚悟は、とうにみんなにお見通し。
最も身近に付き合いの長い木乃香は刹那への侮辱は自分への侮辱と同行を求め、
ネギパの名参謀バカブラック綾瀬夕映は情報収集能力と言う弱点を的確に把握して
「いどのえにっき」の使い手宮崎のどかに刹那のサポートを要請。無論のどかはこれを快諾します。

そこから刹那は、映画「エンデュミオンの奇蹟」の時系列の隙間にはまり込む様に、
早朝の学園都市で独自の行動を展開します。
当初は同行者と共に土御門をマークしていた刹那でしたが、
レディリーがプラン当日に科学と魔術の戦争を引き起こしかねないテロ事件を続発させた事で、
ちょうど魔術に関わる裏側の人間として学園都市に潜入していた刹那はその対処に忙殺されます。


368ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:27:31.663zI7mWoB0 (9/12)

>>367

土御門舞夏を追跡した先の常盤台女子寮では
御坂美琴、食蜂操祈、そして龍宮真名と共に「アマゾンの戦士」と交戦。

レディリーを黒幕とする魔術カルトに操られた常盤台女子生徒イコール高位科学能力者。
地の能力が高いため、操られていてもそこそこ強い。
憑き物によって精神的にリミッターを切られているために通常のダメージで気絶はしない。
相手も被害者であるために人道上重傷を負わせる事は躊躇される。
科学の能力者が魔術の支配下に置かれているために、
脳を中心とした肉体的負担が発生していて解決に時間をかけすぎると廃人か命に関わる。

と言う悪条件に苦戦を強いられながらも、他の面々と協力して、
本来刹那は正式には教授されていない「斬魔剣弐の太刀」を強行。
憑き物の落ちた被害者の脳は木乃香に治癒を頼んで解決に漕ぎ着けます。

そして、「アマゾンの戦士」の術式分析を依頼した佐倉愛衣からの連絡を受けて、
今度は学園都市内に現れたヒュドラ、それも、学園都市のバイオテクノロジーを核に魔術召喚した
ハイブリッド・モンスターと言うあらゆる意味でややこしい相手との激闘を展開する事になります。

元々科学の学園都市の暗部組織としてヒュドラに関わる事件に接触していた「アイテム」の面々と、
研究所跡の建物でヒュドラを前にしたドタバタ劇を展開する事になりますが、
それでも、「アイテム」麦野沈利も桜咲刹那も、業種やキャリアに違いはあっても互いに裏社会の手練れ。
ヒュドラに関わった研究所筋の「掃除屋」の介入もあって時に殺し合い寸前の反目に至る事はあっても、
ヒュドラと言う当面の脅威を前に互いに効率的な選択としての協調を展開。

研究所跡では当面の危険を避けるためにヒュドラを橋から墜落させたものの、
それでも生きていたヒュドラには逃げられる、別筋の武装集団は介入すると言った具合で
「アイテム」とはここで離別となります。
その後、別行動で学園都市地下に入った千雨チームの目撃情報で刹那と愛衣も地下に潜入します。
そこでも学園都市のプロの「掃除屋」と遭遇、愛衣を追跡して来た美琴の助けでそれを突破し、
ヒュドラを追跡して虐殺された猟犬部隊の亡骸に遭遇したりそのトップを拘束したりしながら、
追跡の果てに下水道の合流地点でヒュドラに遭遇します。

しかし、その時ヒュドラは、レディリーによるテロ事件の影響で学園都市の汚水の穢れを集約されて、
故郷の毒沼同様の環境で怪獣並にパワーアップ。
「魔法」の実力者である刹那と愛衣にして大苦戦を強いられます。

そして、その場に現れてその状態を説明したのが、刹那の元々の目的であった土御門元春その人。
刹那は彼を見た瞬間、愛衣が驚愕する本気で土御門をぶった斬りかねない殺意を示し、
その後も、冷徹な刹那には似合わぬ激しい感情の発露は、
刹那と共にヒュドラとの戦闘中の愛衣に死を覚悟させる程でした。


369ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:31:05.233zI7mWoB0 (10/12)

>>368

それでも、そんな愛衣からの叱責もあって我を取り戻した刹那は、
ヒュドラのパワーである穢れが抑え込まれた事やステイル軍団の援軍もあって改めてヒュドラ退治の中核を担当。
木乃香から授かった「建御雷」のフルパワー斬撃で大きなダメージを与え、
最終的には「不死の首」の動きをその一刀で封じた上に
東洋術式でヒュドラを元の世界に叩き返す術式を主導して見せます。

その後、瀕死の状態から木乃香の手で治癒された土御門元春と改めて会見しますが、
その時は彼を治そうと言う木乃香に従い土御門に治癒を承諾させ、
その後には、土御門と木乃香の二人がかりで
見事にいじり倒されるかわいいせっちゃんの姿がそこにはありました。

直接的な描写は抑えられていますが、刹那が土御門を「あにさま」と呼んでいた。
その事から二人が古い知り合いである事は確実です。
時期的に言って、土御門と刹那がかつて関西の魔術勢力の下にいた、
と、言うのは両方の原作読者としては至って自然な事です。

その時期があって、その後に刹那は木乃香を追う形で関東に、
土御門は魔術とは相いれない事になっている科学の学園都市に移動した事で、
程度の大小はあれども関西の魔術勢力からは裏切りととられるポジションに至っていますから、
片や関西呪術協会トップの後継者護衛を任された剣士で
片や関西引いては日本呪術の頂点の一つである陰陽寮のトップクラス。
共に関西の中枢近くにいた頃に面識があったと考えるのが自然です。

天ヶ崎千草から裏の情報を得ていた小太郎は最初から危惧していましたが、
状況から言って、刹那が土御門と接触して、その過程で土御門の人脈に連なる神裂火織が介入。
麻帆良側に負傷者多数、何より親友を巻き込み戦争すら予測される大事件に発展した。

土御門の世界では騙し騙されの駆け引きが当たり前、
それを知っていて土御門に接触する以上その覚悟がなければ甘いと言う事になりますが、
神裂侵攻の後で学園都市に潜入、土御門を追跡した刹那は、
一見いつもと変わらぬ風情の土御門は何を思っていたのでしょうか。

沈着な青い炎の剣士、そんな刹那が滅多に見せない激情。
それはむしろ人間らしいとすら言えるものでしたが、その原因は神裂の事件の事だったのか。
それ自体、刹那自身の関わりで引き起こしてしまった事を考えると激情も無理からぬ所もありますが、
それともそれ以前、共に関西の呪術の世界にいた頃の関係に原因があったのか、
それに就いての明確な描写はなされていません。

しかし、見た所、土御門がヒュドラと死闘を展開する刹那達を文字通り命懸けでサポートした、
その後は少々素直ではなくても、少なくとも刹那の殺気は氷解した様です。「兄様」と呼ぶぐらいには。


370ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:34:31.613zI7mWoB0 (11/12)

>>369

ヒュドラ事件の解決後は、婚后光子等の助力を得て木乃香、のどかと共にエンデュミオンに突入。
庭園でのドラゴンとのちょっとしたトラブルを経て、
明石裕奈を叩きのめして暗部の流儀にかけようとする麦野沈利と刃を向けての再会に至り、
木乃香の仲介で辛うじて停戦を合意した後で刹那は裕奈を殴り飛ばします。

原作では暴走して自己嫌悪した明日菜をぽこんと叩いたり、
超鈴音のボケに房紐付きのハリセンで突っ込みを入れた事はありましたが、
本格的に仲間に手を挙げた、と、言う事はなかった筈です。

表沙汰に出来ない作戦行動中の勢いが招いたミスであり、
相手がよりによって「アイテム」だったと言うのは結果論の部分があるとは言え、
科学の学園都市と言うデリケート過ぎる場所で魔法を使って戦端を開いてしまったその軽率さと危険性は
魔法の裏側でプロとして活動する刹那に殴られるのも当然、筋の通った事です。

逆に言うと、敬語に象徴される一歩引いた所のある刹那が、
母親に続くエージェントを考えている裕奈を、一方的な庇護対象ではなく生死を共にする仲間と受け取った。
だからこそ仲間の身も世界をも危うくする任務に当たる者同士として、
先輩として厳しい態度を見せた。後の会話からもそういう意味が見て取れます。

刹那自身、ヒュドラ戦で戦闘中に於いては失態と言える程の私情で後輩の愛衣から叱責されたばかりだからこそ、
そしてその失態は自分や愛衣はもちろん世界すら危険に晒す、魔法の裏の仕事とはそういうものだからこそ、
原作で見られなかった行動と言うのは、
或は魔法世界で仲間と共に歩む事で成長して身に着けた部分なのかも知れません。

エンデュミオンでは、後はギリシャ魔獣軍団とのしんがり戦を戦う小太郎以下と合流、
橋を斬り落として対処してから脱出すると言う形で実質的な退場。
しかし、刹那の出番はその後でした。

レディリー事件の一応の解決後、刹那は土御門と接触して、
ネギのプランに深く関わる事となった学園都市、イギリス清教の多重スパイである土御門に対して、
「魔法」の側から刹那が接触する事を通告します。
そして、舞夏と言う妥協の余地のない要素でネギのレディリーに対する対処に不満を示す土御門にも
一歩も引かない冷徹な態度で臨みます。

会話の内容から、既に刹那はネギと明日菜の背負った途方もない重荷を知った上で、
その二人の仲間、親友として土御門との会見に臨んでいます。
この会見は互いの真剣を察したかの様に、緊迫したやり取りの末に互いの目的のための協調を選択。
最終的に相変わらずの土御門に刹那が突っ込みの一撃を入れる。
かつてを踏まえつつ裏に関わるプロ同士、程よい緊張感を保った新たなる関係。
見た所その様な感じです。


371ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/02(水) 04:38:51.203zI7mWoB0 (12/12)

>>370

しかし、刹那が知っているのか否か、
そんな悲壮な決意でプランに関わり土御門に接触している刹那を見て、土御門も又、ある行動に出ています。

常に本音の読めない軽薄そのものに見える土御門です。
しかし、それでも、土御門はその出自から考えて決しておふざけでは済まない相手を通じて、
刹那を「妹分」と称して一本太い釘を刺しています。

土御門本人も言っている通り、他の何が嘘であっても、
彼が発する「妹」の一言は命に代えても果たさなければならない絶対の有言実行。
桜咲刹那の一途な誠は危うく、だからこそ美しく愛おしい。
だから、強い様でいながら時には命懸けでも守りたくなる様な「いい女」。
本作の中ではその真価を知る者がもう一人増えた様です。

今回はここまでです。

当初は作品中の重要度などから別の順序も考えていましたが、
気が付くとこの面子になっていましたので、
やはりここは名前の末尾、あの懐かしい順番で揃えてみました。

続きは折を見て。


372以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/04/02(水) 06:48:23.72cQxJzNOjo (1/1)

まだやってんのか


373以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/04/02(水) 08:31:44.06lNRKT9Jgo (1/1)

乙です


374ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:15:19.03wFL45CvI0 (1/10)

>>372

すいません、割とマジでそう思います私自身。
登場人物の寸評を書いて終わらせようと、元々はそのぐらいのつもりだったのですが、
個人的に手早く続けられない状況になるわ内容自体が想像以上に大きくなるわって感じで。
そんな感じで申し訳なく思う所もあるのですが、もう少し続けさせてもらいます。

今更ながら現在進行しているのが何かと言いますと
作品終了後の長すぎる後書きで思い切りネタバレありの登場人物評と言うか解説、感想に近いものです。

それでは今回の投下、入ります。

>>371

・近衛木乃香追加

エンデュミオン突入、麦野との停戦後には、千雨から風斬の救出要請を受けた事でのどかと共に別行動開始。
暴走したシャットアウラの手で重症を負った千雨や柳迫碧美の治療に当たってましたね。

柳迫の時は出血多量で貧血の治癒までは出来ませんでしたが、
そもそもこの日は朝から、しかも前夜を合わせると「いぶきどのおおはらえ」二回、
その他の治療多数なんて無茶苦茶やってますから、
調停役のみならず治癒術師としては立派過ぎるぐらいに役目を果たしています。

・朝倉和美追加

前の書き方は少々悪過ぎましたね。
作戦の結果自体のまずさからやや目立ちませんでしたが、
アリサ襲撃犯迎撃ではそのアーティファクトを駆使して当時本命だったステイルチームを真っ先に発見。
運動部+古菲の手で実質無力化に成功(後で回復されていますが)。
ファミレスにいたアリサを発見して
直接誘拐に当たったステイルチームとの攻防戦に持ち込んだのも、本来朝倉の手柄です。

後に高音に対してキレた夏美も言っていましたが、朝倉の役割を考えるならば、
この作戦中に関してはここまで漕ぎ着けたらむしろ百点満点。
その朝倉の情報を活かすべき司令部の千雨や火力担当がぽしゃったのが失敗の原因でしたから。


375ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:20:28.77wFL45CvI0 (2/10)

>>374

・長瀬楓

「だから、でござるよ」
「少し、策が過ぎたでござるな。
なかなかにスリリングでござったよ、
千雨殿初め夏にも負けぬ命懸けの戦いとなる程に」

考えて見るならば、原作「ネギま!」の中で初めて師と言うべき立場を見せたのが、
この鷹揚なのっぽの忍者、長瀬楓です。
それは、ネギに対してもであり、そして、小太郎も然り、neoではアーニャにも。

些か真面目過ぎ、或は血気に逸りがちな少年少女達の前に強く、そして温かなお姉さんとして、
この子達の第一歩を導いていました。
「ネギま!」本編ではその後の強さがわやになってそれなりに見せ場はあるみたいな感じになりましたが、
本作では改めてその立ち位置に戻って来た様です。

それは、一つに千雨の目的と合致したからで、単純化力だけでは済まない潜入調査が基本であったため、
バランスのいい忍者スキルが重宝する。
何よりも、科学の学園都市と言う出入り自体が難しい場所で、
「天狗乃隠蓑」に隠れて楓一人が越境すると言う方法が適していたと言う事もあります。
しかし、行きがかり上俄かチームリーダーとなった千雨が頼ったのが、
そうした技術的な事だけではないのは明らかです。

ともあれ、早い段階から千雨チームと同行していた楓はその期待通り、
夜の公園でのステイル軍団との衝突では風の魔術師ジェーンを空中戦で翻弄、戦線離脱に追い込み、
ステイルが千雨に炎剣を向けた時には「殺し屋」ステイルを怯ませる凄みを秘めて牽制。

超電磁砲チームとの追撃戦では御坂美琴、白井黒子の極悪レベル5風紀委員タッグに対抗。
黒子のテレポート鉄矢を瞬時に察知、空中戦や美琴の特徴を察したマキビシで度々追跡を阻止、美琴を怒りで白く輝かせ、
最後には、負傷していたとは言え並大抵の相手ではない黒子と直接対決。

テレポーターの危険性を察知して狙いを絞らせない常時振動とテレポートに匹敵する身体能力で黒子を追い込み、
そして、最終的には黒子の意気に感じて黒子の合気道に正々堂々合気道で対抗して紙一重で勝利しています。
ここまでの展開は、「ネギま!」初期を飾った武闘派としての面目躍如です。

何か引っかかる書き方である通り、
その後に千雨が「白き翼」一斉動員で仕掛けたアリサ襲撃犯迎撃作戦では、
途中で何者かにつけられているとして戦線離脱。
そのまま科学の学園都市内で忍びの者の追跡を受け、
有力メンバーである楓が堂々巡りをしている内に様々なアクシデントで千雨チームの戦線が事実上崩壊に陥ると言う、
恐らく楓自身に言わせるならば自分の力不足。申し訳の無い手痛い失態と言う事になるでしょう。


376ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:30:17.65wFL45CvI0 (3/10)

>>375

誤解の無い様に急遽加筆します。流石の楓も黒子のテレポート直埋め鉄矢を初見で見破る程エスパーじゃないですし、
黒子も取り敢えず本作では初撃でそこまではやってません。
初見はあくまでテレポから鉄矢のコンボ、以後は楓の動きが速過ぎて直埋めは無理って感じで。

しかし、負け戦のしんがりこそ力量が問われるもの。千雨も又、その事をよく分かっていました。
「天狗乃隠蓑」の事もあって、暗部組織から命からがら逃げ出した千雨が真っ先に合流した相手が楓。
楓もその期待に応えて危険なメンバー回収の矢面に立っています。

そして、麻帆良に戻ってからは、この自分の失態に号泣する千雨をも又、
かつて見守って来た者たち同様、温かく包み込んで千雨のリーダーとしての価値を諭す。
ネギパの中でもなかなか他では出来ない役回りでその真価を見せています。

レディリープラン当日には千雨チームの一員として科学の学園都市の地下から宇宙旅客機でエンデュミオンに突入。
そこでは明石裕奈と共に、行きがかりで衝突した麦野沈利率いる「アイテム」との戦闘を展開。
この時は、「アイテム」絹旗最愛の窒素装甲の概略を自分の拳を破壊する前に早くに把握。
まともな打撃の通じない絹旗に対して、
内部にダメージを与える浸透勁や力の流れだけで床に叩き付ける超絶合気道で優位に戦いを進め、
麦野が瞠目する技量を示しています。

しかし、その強さを警戒された事で、麦野が裕奈を片付けるまでの間、
楓に対処した絹旗とフレンダ=センヴェルンが足止めに徹する事を選択。
絹旗の防御力と楓のすばしっこさを見たフレンダが
釘やパチンコ玉を大量に仕込んで高速で一挙に飛ばす散弾型爆撃を展開。

楓も符の爆破などで対抗しますが、
元々がレベル4である絹旗と御坂美琴をボコり倒した事もあるフレンダのコンビ。
暗部としては褒め言葉となる堅実な小賢しさの作戦展開に楓も突破に手間取り、
裕奈相手にワンサイドゲームで圧勝した麦野が裕奈を半殺しに叩きのめすのを止めるには至らず。
実際には察知可能な「能力」と「魔法」の違いで役に立たなかった滝壺理后が空城の計よろしく
ぼーっと立っていた意図を楓が読みあぐねていたと言う事もありました。

個人評価としては、今も言った間違いなく暗部の強かな実力者である絹旗とフレンダを向こうに回して、
手加減する理由の無い二人が殺しを諦め、
むしろ押し気味の楓に対して二人が足止めに徹さざるを得なかったと言う時点で、
褒めるべきはむしろ楓と言う場面です。

その後は、木乃香の仲裁で「アイテム」との停戦が成立。
千雨からの報せでエンデュミオン落下の危険を知った事で、
利害関係が一致したフレンダ、滝壺理后を護衛する形で落下阻止のキーとなる安全装置破壊に同行、
そのまま退場となっています。


377ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:35:32.34wFL45CvI0 (4/10)

>>376

ここまででも十分に脱線している映画の物語だけならここで終わりなのですが、
最後にもう一つ、楓には出番が待っていました。

レディリープランが解決を見た後、「Blue Mars」計画のために多忙を極めていたネギが
懐かしい麻帆良の裏山で楓と合流、再会の時を迎えています。
そして、その時、楓は思わぬ行動をとっています。

喜びの再会の後、楓はネギを一発殴り倒し、ネギもそれを受け入れています。
その後の会話の内容からして、千雨が動き出す前から、
千雨がアリサに関わって動き出した時のフォローをネギが楓に依頼していた事は確かな様です。
楓に任せてネギが明確な態度を取らずにいたその結果、
少なくともネギの教え子である千雨は命に関わる危険な状況に陥った。
その事は確かなのですから、師である楓の拳をネギは受け入れたのでしょう。

その上で楓は疲れたネギを気遣い、又お風呂に入りに来たらいいと勧めていますが、
ネギはなかなか時間が取れないと感謝を伝えて別れています。
少なくともネギは、一番最初の師であり精神的にも技術的にも成熟した楓を頼みにしたからこそ、
千雨に関するフォローを依頼したのでしょう。

そして楓も、相変わらず懸命な、そうなると何も見えなくなりがちなネギの事を懸念しながら優しく見守っている様です。
恐らく、ネギの真意がどういうものだったのか、楓には見えている可能性が高いです。
本作では、皆を支え、頼りにされる。
優しい糸目の頼りになるのっぽな忍者、優しく強いバカブルーな長瀬楓さんでした。

・明石裕奈

「本当に組織のエージェントになったら色々縛られるんだろうけど、
その前に、今回はこの手で好き勝手やらせてもらうよ。
だから、ちゃちゃっと世界を救ってきましょうか」
「私、何やってんだろ」

楓の次の紹介になりましたが…
はい、sageいっちゃいましたね………
千雨の召集で迎撃作戦の会議に参加した時には要領よく千雨の説明をまとめたりしていました。

作戦当日には運動部と古菲のチームでコンテナ車に潜むステイルチームを襲撃。
魔力減退弾の一斉射撃で優位に持ち込みますが、
分母が強すぎて割り引いても強すぎるイノケンティウスの発動と
ステイルの実戦経験によるぶっちゃけハッタリに振り回される形でもう一歩及ばず。
能力が高くて悪くはないんだけど経験不足もあってもう一つ、と言う所が早くも露呈しています。
これがお祭りで遊んでるんならよかったのですが………


378ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:39:00.97wFL45CvI0 (5/10)

>>377

そして、運動部のチームでアリサのいるファミレスに合流した時に最悪のアクシデントが発動します。
実際にアリサを誘拐したステイル三弟子と交戦突入。
得意の銃撃で仕留めようとしますがメアリエの反撃を受けた結果、
その流れ弾がよりによってこれからお食事開始と言う学園都市でも最も物騒な少女四人組のテーブルに必中。

裕奈は麦野沈利の原子崩しの滅多打ちを食らって這這の体で追い回された上に、
絹旗最愛から亜子を庇う形となった大河内アキラの負傷と言う文字通り手痛い結果の末に
激怒した麦野から逃げ回る羽目に陥り、肝心のアリサ誘拐阻止に失敗すると言う結果に至っています。

これが手痛く後を引く形で、レディリープラン当日には
千雨チームの一員としてエンデュミオン突入組に参加しましたが、
そこで、別件の調査によりエンデュミオンに潜入していた麦野以下「アイテム」と再会。
この時は和泉亜子に魔力強化の注射を頼み麦野相手に自ら戦闘を開始。
楓の協力を得ながら千雨等を先行させて「アイテム」の足止めに当たります。

と、言う事だったのですが、相手はレベル5第四位、それも裏での実戦経験豊富な暗部の女王麦野沈利。
まともに喧嘩を売って無事で済むと考える方がおかしい相手で、
その通り、アクロバティック銃撃を本領とする裕奈に対して、
麦野は感情的にはとにかく戦闘的には至って沈着に無駄な動きを見せずに原子崩しで裕奈を着実に追い詰め、
裕奈は早々に桁違いの実力を思い知らさせ焦燥します。
追い詰められた末に裕奈が放った奇策も、
対人戦闘経験の違いからか拳銃動作時間の未熟さを突かれてとうとう麦野が裕奈を捕獲すると言う結末。

そうして、よりによって暗部の女王に喧嘩を売った報いとして、
麦野からは口を割って仲間を売る寸前まで滅多打ちに叩きのめされ恫喝され、
助けに入った刹那からは、魔法を使い安易に戦端を開く事となったその余りの軽率さが
停戦を仲裁した木乃香、引いては魔法協会すら危険に晒した事を含めて、
刹那としては前代未聞の鉄拳制裁が飛ぶ程に本気の怒りを買うに至り、
流石のお祭り娘明石裕奈も自己嫌悪に陥ります。

裕奈に関しては、原作では母親同様魔法サイドのエージェントを務める将来が描かれ、
本作に於いても、明らかにそれを意識して何れその道に進む者として、
世界と一人の友達のために動く千雨のチームに参加しています。

原作では、親友のアキラからあれで結構頭のいい感性の豊かな娘であると言われている裕奈です。
本作に於いても、組織に属したら色々縛られて勝手な事は出来なくなるぐらいの認識はあった様ですが、
特に麦野と関わる一連の事で、生々しい自分の痛みに加えて、
自分の判断一つで友人や組織、引いては世界の危険に関わる、
それが「裏」の仕事に関わる事だと言う恐ろしさの一端が身に染みた筈です。


379ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:42:18.57wFL45CvI0 (6/10)

>>378

そんな裕奈に対して、彼女が進もうとしているその道の先輩である刹那は、
厳しい態度をとりながらも見放しはしません。
一人で出来ないから組織に頼るのも又プロであると、
その事を教えて先輩としてしっかりと諭して歓迎すると言う刹那を前に、裕奈もようやく何かを取り戻します。
そして、ちょうど行先が一緒と言う事で、恐怖の対象以外の何物でもない麦野から逃げずに勝手に同行する形をとります。

その後、レディリープランの要であるエンデュミオンの特別展望室に辿り着いた裕奈は、
先行した夕映の一言と見たままの状況から事態を察知。
室内に大量発生した魔素人形の大群相手に得意のキレキレのガンカタを展開し、
術式を解除するインデックスの護衛と言う役割を立派に果たしています。

再婚話の時も含めて短慮な所もありますが、根は賢くてそして為すべき事には真っ直ぐな娘。
友人の友人のために迷わずエンデュミオンに同行したのもそんな裕奈だから。
致命的なものでなければ、この失敗もそこから立ち直った事も原作endへのいい糧だったのでしょうか。

・綾瀬夕映

「私は、麻帆良の魔法生徒であると共に騎士です。
騎士として守るべきものがあるです。
騎士として、再会を約した仲間がいるです。妨げる者は、斬り払うです」

ネギ・パーティーの名参謀バカブラック綾瀬夕映。
その鋭い冴えは本作でも健在でした。

魔術電子ドラッグに囚われた初春飾利を救出に向かい、
想像以上に希少な術式に苦戦する千雨が急遽協力を要請したのが本作での夕映の登場です。

悠久のシビル、レディリー・タングルロードの仕掛けた古典ギリシャ術式と
夕映のアーティファクトである自動最新更新「世界図絵」と言う相性の悪さに
夕映も苦戦を強いられますが、それでも、夕映は千雨の電子精霊の力も借りて
魔術電子ドラックを解呪。初春の救出に成功します。

こうした経緯で千雨チームに合流した夕映は、
この魔術が記録も残らぬ程に古典的なギリシャ魔術と電子技術を組み合わせた異様なもの、
従ってこれまで関わっていたネセサリウスではあり得ない、
イギリス、魔法協会に続く第三の魔術勢力が事件に関わっている事を察知します。


380ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:45:25.73wFL45CvI0 (7/10)

>>379

千雨が「白き翼」主要メンバーを率いたアリサ襲撃犯迎撃作戦にも参加。
アリサ誘拐の情報を得て、
宮崎のどか、早乙女ハルナの図書館三人組チームで現場のファミレスに向かいますが、
情報の混乱により誤って婚后三人組を襲撃。

そのため御坂美琴、ネギ先生の介入を招いた上に、
混乱の中でのどかがインデックスに「いどのえにっき」を使用して
原典の毒を受けて出血昏倒すると言うgdgd過ぎる展開に。

辛うじてのどかの治癒はかなったものの肝心のアリサ救出には失敗。
と、言う結論に終わりましたが、
そこで夕映は察知します。学園都市にエンデュミオンが建立されたその意味を。

アリアドネーで体系的に魔法を学んだ夕映だからこそ察知出来た、
軌道エレベーターと言う存在の魔術的意義、それも科学の学園都市と言う場所に建てられた事の重要性。
にも関わらず、これまでそうした事が丸で問題になって来なかった事の異常性。

諸々の疑問に端を発して、夕映は葉加瀬聡美、那波千鶴、そして長谷川千雨に協力を仰ぎ、
先の学園都市での作戦が政治的問題になっている事を渋る千雨にも有無を言わせぬ勢いで解析を進めて
恐ろしい結論、北半球壊滅に至るレディリー・プランの全貌、
そして、レディリー・タングルロードの正体、その呪わしき存在を暴き出します。

それを知った夕映は、政治的、戦力的に様々な問題を抱える中であっても、
「騎士」として為すべき事のために鳴護アリサを救出する千雨チームに合流。
それと共に、先夜の返礼に動き出す刹那、木乃香の行動を察知して、
情報収集担当として宮崎のどかを派遣する抜け目のなさを見せています。

エンデュミオン突入後はフェイトと共に、術式を何とかできるのはこいつらしかいないと言う
千雨の判断に従い術式の中枢である特別展望室に直行。
そこで術式解体に着手するも、余りにも古典的、大規模で複雑、そして破壊的な術式は
流石に「世界図絵」と言うマニュアル片手の夕映の手に余り精神的疲労だけでダウン状態。
そこに現れた最強のプロフェッショナル禁書目録インデックスにその任を譲ります。

その時、大量召喚された魔素人形からインデックスを守る事となり、
戦線の分離で大量に召喚された魔素人形から実質一人でインデックスを守る事に苦戦しますが、
そこに現れた思わぬ援軍、アリアドネー騎士団の仲間達と共にその任を果たして
インデックスが術式解体を成功させるまで彼女を守り抜いて見せました。


381ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:48:40.67wFL45CvI0 (8/10)

>>380

魔法的には急ごしらえな部分も多いネギ・パーティーの中にあって、
アリアドネーで体系的な魔法学問と魔法警備を学んだ夕映の経験は、
本作に於いて大きな役割を担っています。

元々、夕映は、主にレディリーが引き起こしていた数々の事態に就いて、
ネセサリウスを疑う千雨チームの流れに対して手口がらしくないとして最初から懐疑的でした。
それは的を射た指摘だったのですが、実際に手を出しているネセサリウスが現実的な問題であったため、
結果的にアーニャからの誤情報に振り回された部分も含めて、
夕映の疑問を突き詰める現実的な余裕はありませんでした。

「ネギま!」は「魔法」の物語ですが、「魔法」と「魔術」が同一世界でクロス、
作者の解説によるとおおよそ「魔術」の中に「魔法」がある本作に於いて、
「魔法」を学問として体系的に学んだ夕映の知識は、
その場その場で覚えて来た千雨達に対して、
「魔法使い」の立場から魔術全体の中でそれが一体何を意味しているのか、
それを指摘出来る希少なものとなっていました。

そんな夕映だからこそ、千雨達がなかなか気付かなかったエンデュミオンと言う存在の異常性、
更にそこに現れたネギの存在の意味、魔法警備の経験者としてその混乱の中で何が起きるのかと言う所まで、
ネギ不在の千雨に決定的な分析結果を的確に伝えた、
ネギ・パーティーの名参謀バカブラックの面目躍如の活躍でした。

最後には何かネギと協力して再び学園都市での作戦にも加わっていましたが、
モチベーションとなる一時の再会を経て、改めて「魔術」の奥の深さに触れて、
名参謀にして小さな騎士にとっても小さな経験ではなかった事でしょう。


382ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 02:51:47.30wFL45CvI0 (9/10)

>>381

・葉加瀬聡美

「本来、宇宙エレベーターは赤道直下に造るものです。
それを、数多の困難を乗り越えてあの場所に完成させた。さすがは科学の学園都市です。
それだけの困難を乗り越え、完成されたその姿は正に空に駆け上る天橋立。
とても、美しい」

3A、そして麻帆良の誇る天才科学者中学生葉加瀬聡美、
元々が科学と魔術、当初の千雨の認識では魔法の絡む事件と言う認識だったため、
当初から登場。状況から見て千雨が提供した写真データの拡大等を専門的に請け負っていたものと見られます。

その後、千雨チームによる科学の学園都市での調査を外部からサポート。
そもそも、科学の学園都市と言う場所は原作初期での解説からして無許可の侵入自体が難しい上に
無IDの侵入者がうろつき回った時点で電子的な警戒網に抵触してアウトって場所ですから。
(の、割には、禁書原作でもかなり変なのが早い段階から学園都市うろつき回ってるんですが、
どこまでハッタリなのか或は誰かさんの意思が働いているのやら………)
恐らく葉加瀬と茶々丸との共同作業と思われますが、
そのデフォ設定を千雨チームに限定して無効化し続けている時点で相当に凄い事です。

それでも、千雨達が直接超電磁砲チームを敵に回した時には、
科学の学園都市の防犯システムに更に上書きして千雨チームを個別にロックオンした初春飾利に対して、
葉加瀬はその事態を把握する事までは出来たものの、
初春が明らかに規則違反の異常な大容量コンピューターを無断使用する
形振り構わぬ強硬手段に出ていた事で対処は間に合いませんでした。

状況的に葉加瀬の援助無しに科学の学園都市での潜入調査は不可能ですので
一貫して千雨チームの支援に当たっていたのは確実ですが、
千雨チームがアリサ襲撃犯の迎撃を企て、失敗した後には、
綾瀬夕映と共にエンデュミオンを使用したレディリープランのシミュレーションに着手。
内容的に、魔術・科学の両面に跨るその膨大な計算、分析のかなりの部分を実行したのが
葉加瀬だったのはまず間違いないでしょう。

かくして、「白き翼」の多くのメンバーを含めた千雨チームは一人の友人であるアリサ救出のために
最後の戦いに出発。もちろん、それを今まで通りに支援していたのは確実と目されますが、
この時には前夜の失敗で麻帆良の学園警備が本格的に事態把握に動き出す、
千雨チームの行動はとても許可が得られない状況でしたので、
葉加瀬達の支援活動も又潜伏行動となった筈です。


383ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/08(火) 03:03:11.49wFL45CvI0 (10/10)

>>382

その様な中でも、婚后チームと刹那チームの合同での
「エカテリーナⅢ世号・改」の発射を陰ながら援助していたり、
レディリーの魔術電子ドラッグを突破した学園警備からのデータを千雨に提供して
「奇蹟」の核心に迫ったり、

そのついでにAIM拡散力場から人間が生まれるシステムとか
DNAと能力開発とレベルアップに必要な数学的限界を超えるための自由な発想に就いて
ちょっとした思い付きを提唱したりもしています。

そんな葉加瀬は、レディリープランの全貌発覚後、
正に全てを滅ぼす「バベルの塔」である事が明らかとなったエンデュミオンを見て、
「美しい」と称賛しています。

それは、正に「空気を読まない」事も甚だしい、最初は千雨もそう思った発言でしたが、
しかし、千雨は同時に理解しています。葉加瀬の真剣を。

エンデュミオンは数多の人々の知性と労苦が結集した「科学の粋」。
そう認めて、素晴らしい科学の成果として
自分が目指すべき高みにある存在である事を決して否定はしない。
人間が悪さをしなければ決して悪さはしない。そんな科学を否定はしない、させない。
それが葉加瀬のプライド。だからこそ、誰よりも怒り、悔しいのは彼女だったのかも知れないと。

事件後、ネギのプロジェクトとエンデュミオンの権利関係に関しても一応の合意が出来た中、
葉加瀬には魔法世界への短期留学の指示が出されます。
どういう訳か、今行かないと死ぬ様なよく分からない情報が流れたりもしていた様ですが。
改めて、柔軟に魔法を取り入れた真摯な科学者として、
こうして直接対決した葉加瀬でも容易に攻略し得なかった科学の学園都市をも凌駕する、
そんな宇宙科学の大発見をものにする日も彼女であれば遠くはない、かも知れない。

今回はここまでです。

取り敢えず、
最高に肝心なところは別にして、
「ネギま!」側での本作主要人物紹介はこれでほぼ終了って事になります。

続きは折を見て。


384VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/04/08(火) 03:04:21.67aOVRiZZTo (1/1)

乙です


385VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/04/08(火) 19:22:38.25JBVc7DX10 (1/1)

終わった話の解説をグダグダしてるのは気持ち悪い
たかが二次創作に誰もそこまで求めてないっていう


386ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:11:11.762q0o9BhF0 (1/7)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。

>>383

前回、「ネギま!」側の出番の多かったキャラがほぼ終わった、と、言う事で確認してみました所、
3A生徒の中で本作でストレートに出番が無かったのは誰だったのか?

はい、いました。
鳴滝風香、史伽姉妹、四葉五月、ザジ・レイニーデイ、以上四名様でした。
ザジに関しては、ああなっちゃうと実力的にも政治的にも使い難いって所もありましたし、
鳴滝姉妹も正直今思っても絡め様がないって感じですが、
あんだけの長丁場やっといて正直すまんでしたとも思います。

「ネギま!」側で出番の多かった面子が終わり、
3Aから脇役メンバー行きます。

しょっぱなからですが

・葉加瀬聡美追加
レディリー・プランのシミュレーション結果に就いて、
自分でも言っていた通り、
自らの研究結果として魔法人脈に報告して魔法協会がこの件で正規に動く流れを作っていた様です。
少なくとも愛衣が受け取っているのは確かで、状況的に見て高音チームや他の関係者にも渡っているでしょう。
これも、天才科学者としての葉加瀬の実績と信頼の賜物です。

・相坂さよ
原作通り、朝倉和美のパートナーとして「さよ人形」スタイルで登場。
喫茶店での超電磁砲チームとの遭遇、ファミレスでのアリサ誘拐事件では
ポルターガイストを発動して店内で一騒動を起こしつつ、
客観的には最良と言っていい手で和美をサポートしています。

エンデュミオン突入戦では「渡鴉の人見」に搭乗して偵察を担当。
風斬氷華やら魔獣馬やらを発見して後者に関しては
コンサートに突入しない様に牽制を買って出る活躍を見せてくれました。


387ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:16:15.092q0o9BhF0 (2/7)

>>386

・和泉亜子
アリサ襲撃犯迎撃作戦の「白き翼」召集から登場。
運動部チーム+古菲の布陣でコンテナ車のステイルチーム襲撃に参加、
裕奈に魔法ドーピングを注入。

運動部チームでアリサのいるファミレスに待機。
チームの明石裕奈が「アイテム」と戦端を開いてしまったために巻き込まれる形となり、
アキラとの戦闘に入った絹旗最愛を椅子でぶん殴ったために、
窒素装甲により無傷な絹旗から逆に攻撃を向けられて、その亜子を庇った大河内アキラが負傷。

エンデュミオン突入戦では他の運動部の面々と共に千雨チームとして参加。
「アイテム」との再戦では裕奈への魔力ドーピングを担当。
魔獣馬が出た時にはまき絵、夏美と共に現場に急行し、
それらの面々の協力を得てアーティファクトで馬の鎮静化に成功。

・大河内アキラ
アリサ襲撃犯迎撃作戦の「白き翼」召集から登場。
運動部チームと古菲によるコンテナ車でのステイルチーム襲撃に参加するも、
直接的な攻撃力に乏しいためか(ここでは原作寄り設定?)
どちらかと言うと後方待機。ステイルにもその点を見抜かれてステイルの威嚇に対処出来ず。
但し、話は前後するが後方担当らしくイノケンティウスに苦戦する前線の裕奈を察知して
千雨に連絡、アキラ、千雨、愛衣のリレーで対処法を伝授しています。

アリサのいるファミリーレストランに到着した時の状況からも、
主にアキラが運動部チームの通信担当だった様です。
ファミレスではチームの明石裕奈が
「アイテム」と戦端を開いてしまったために巻き込まれる形となり、
「窒素装甲」絹旗最愛とテーブルを振り回してバラバラにしてのちからもち対決を展開。

その時、加勢した亜子が絹旗に狙われた事で、
亜子を庇ったアキラが絹旗の一撃を受けながら運動部の他の面々と共に
アーティファクトを使って水から水へと、しまいにはスパリゾート安泰泉まで逃走して楓に回収される。
絹旗戦での負傷は相当苦しいものであり、
木乃香に治癒されるものの木乃香の方がそれまでの無理がたたって直後に昏倒する。

エンデュミオン突入戦にも千雨チームとして参加。
貯水槽でのギリシャ召喚魔獣との戦いでは仮契約を発動してセイレーン対策を担当。
貯水槽に飛び込み、泳ぎ回り水柱を噴射しながら(こちらはアニメ寄り?)
セイレーンの群れが仲間に向かわない様に懸命の戦いを展開。
最終的には救援に来た刹那に救われる。


388ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:21:43.882q0o9BhF0 (3/7)

>>387

・柿崎美砂
・釘宮円
・椎名桜子
事件解決後、明日菜をカラオケに誘う。
その時、ネギは明日から自分の授業だと言っていたがそれはキャンセルされた模様。

・春日美空
公園でネセサリウスと千雨チームが最初に衝突した翌日、
学校で千雨、夏美からネセサリウスに就いて尋ねられる。
ネセサリウスと一戦交えると言う仮定にドン引きで応じて
強力な魔女狩り部隊と女狐の洒落になっていない相手である事を強調。

・絡繰茶々丸
「白き翼」の主要メンバーが集結したアリサ襲撃犯迎撃作戦の会議に於いては、
科学と魔術の交差しまくったヤバ過ぎる存在であるとして留守番を仰せつかる。
夕映達がエンデュミオンを用いたレディリープランの実態をシミュレーションした際には、
その電子情報網に仕掛けられたレディリーの魔術電子ドラッグから研究室のシステムを防護。
エンデュミオン突入作戦ではどういうルートからかフェイトに従う流れで宇宙旅客機の機長を務めつつ
千雨によるエンデュミオン航空管制のハッキング作戦の補助を担当。

・古菲
アリサ襲撃犯迎撃作戦から登場。
なんか、それらしい少女が内臓潰しの横須賀以下スキルアウト軍団から原谷矢文を救出し、
ついでに横須賀から「本物の根性」に就いて聞かされると言うフラグを立てていましたので、
たぶんそうなのでしょう。

その後、運動部チームと共にコンテナ車でステイル+弟子チームを襲撃。
この時は、一緒に突入した明石裕奈が相手に魔力減退に成功したため、
無力化した生身の相手への拳が躊躇されている間にイノケンティウス召喚、
如意棒でイノケンさん粉砕するも知っての通りの即時復活、の流れ。


389ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:26:49.782q0o9BhF0 (4/7)

>>388

とにかく、混乱の中、
古菲はマリーベートをドドドドドドドドドと効果音が響く勢いで追走したものの、
途中でマリーベートに騙された形の「本物の根性」の持ち主
学園都市レベル5超能力者第七位、ナンバー7削板軍覇が、
マリーベートをチャイニーズマフィアの刺客から救出すると言う勘違いの下に事態に介入。

その隙に逃げ出したマリーベートは無事ステイル達に合流してファミレスでの誘拐事件に成功。
古菲と削板は、期待通り(誰が?)の展開でコンテナ置き場でのタイマン対決の末、
並んで地面に寝転がり健闘を称え合うと言う強者同士の名場面を展開。

翌日のエンデュミオン突入作戦では、
貯水槽で如意棒を奮ってケンタウロスの大群を足止め。
その後、より頭脳的なミノタウロスとの格闘戦を展開するも、刹那の介入で文字通り水入り。

・早乙女ハルナ
アリサ迎撃作戦より登場。
学園都市潜入直後、公園でのどかが誰かさんと睨み合いに陥り頭を抱えていましたが。

本格的に登場したのはファミレスでのアリサ誘拐事件に関連して。
その前に図書館三人組でスキルアウトに絡まれ、出遅れて後の到着となり、
千雨からの情報の混乱で誤って婚后三人組との交戦状態に突入。
一撃目のくらーけんはんどを婚后光子が手懐けた上に、
その後のゴーレムも婚后、泡浮万彬が片っ端から吹っ飛ばしたために苦戦。

更に、婚后グループに手を出した事で
ゴーレムをゴリ押しでぶち抜く火力を引っ提げて御坂美琴、
更に土御門からの報せを受けたネギ先生までが介入して来た上に、
誤解が解けた後にはのどかがインデックスの原典に触れて大出血昏倒と言う非常事態。

この時のハルナは血まみれで倒れるのどかに悲鳴を上げ狼狽して
原典を記憶するインデックスに恐怖して夕映に窘められたり、
それだけのどかと言う親友が大事だったと言う事で、
木乃香が治癒に成功した時には喜びをいっぱいに表現しています。

翌日には夕映に同行すると言う形で千雨チームのエンデュミオン突入作戦に参加。
最初の岩場から貯水槽にかけて、小太郎とのタッグで
ケルベロスと黒い装甲の機関銃部隊にゴーレムを率いて対処。
機関銃部隊の猛攻撃にゴーレムのストックも尽きる苦戦を強いられるも、刹那による救援までしのぎ切る。

事件解決後も、ネギの手助けで「アイテム」による暗殺の監視などをやっている様です。


390ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:30:50.012q0o9BhF0 (5/7)

>>389

・佐々木まき絵
アリサ襲撃犯迎撃作戦から参加。
運動部+古菲によるコンテナ車でのステイル+弟子チーム奇襲作戦では、
メアリエにリボンを巻き付けて捕獲寸前までいくもステイルにリボンを焼き切られ
ステイルのルーンの威嚇と言うかハッタリで逃げられる。これは正直仕方がない。

しかし、イノケンティウスに苦戦する明石裕奈に対して、
アキラ経由で情報を得たまき絵が術式を形成するルーンをリボンで一掃して消滅に成功。

ファミレスでのアリサ誘拐事件では、裕奈が「アイテム」との戦端を開く中で
フレンダ=センヴェルンと対決。
独自の能力対策をとったとは言え一度は美琴をぼこり倒した、
暗部での格闘スキルに長けたフレンダに対してまき絵は棍棒術で渡り合う。

エンデュミオン突入作戦では千雨達と共に先行して追いすがるセイレーンをリボンで水面に叩き付け、
千雨の同行チームが途中段々減っていく中、数少ない「火力」担当として、
通路でハルピュイアに襲撃されていた風斬氷華を救出してハルピュイアを撃退。
その後で夏美、亜子と共に魔獣馬対策に参加して皆で手懐ける事に成功して、
そのままエンデュミオンから脱出しています。
こうして見ると、本作では思った以上にお利口さんの武闘派桃色あほうどりでした。

・龍宮真名
ネギが夜の学園都市であやかを探して奔走している時、
砂皿緻密がその存在に気づいて
ステファニー=ゴージャスパレスと派手な撃ち合いになったのがそれっぽいですね。

何者かの依頼で学園都市潜伏中に「アマゾンの戦士」事件に揺れる常盤台女子寮に突入。
術式に囚われた常盤台生の大半を「麻酔弾」で解呪。
未だ術式の残る中、接近する寮監を足止めするためにそちらに向かって「二大怪獣の激突」を展開。
金色に輝きながら向かい側の建物までの勢いで吹っ飛ばされる。

事件解決後も学園都市に潜伏して暗殺阻止か何かで動いている模様。

・超鈴音
他に誰がいる、と、言う事で。
暗部の仕事として千雨達を的に掛けた馬場芳郎から
メカのコントロールからデータベースまで完全に奪取して
馬場が避暑地までダッシュで逃走する恫喝の限りを尽くしたのはどっからどう見てもこの人。


391ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:37:52.082q0o9BhF0 (6/7)

>>390

・那波千鶴
登場自体は割と最初、千雨が最初の説明の後で小太郎のいる665号室を訪ねた時から登場しています。
その後、エンデュミオンによるレディリープランを
シミュレーションする際に綾瀬夕映に乞われてこれに協力。

これは、天文学的な協力だけではなく、科学の学園都市にネギがいる理由に就いて、
那波重御令嬢として関わっている千鶴に説明を求める意味合いもあったらしく、
千鶴もネギの狙いがエンデュミオンである事を知っていました。

その後の展開から見て、実際のネギの狙い、或いは落とし所であった
エンデュミオンに対する資本注入計画に千鶴が噛んでいた可能性は大。
少なくとも雪広・那波連合資本である事は判明。

・エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
科学の学園都市での商談、結果としてはレディリー・タングルロードとの会見のために
ショッピングモール周辺を訪れたネギの前に唐突に登場。
レトロゲームの後でテレビを見ている内に何か珍しい顔を見かけたとかで、
「学園都市」内の移動として学園長に秒速で判子を押させて科学の学園都市に移動。
その後、ショッピングモールでのコンサート爆破事件の混乱が引き起こしたアクシデントで暴走状態に突入。
ネギに抑えている間に麻帆良に強制召喚。

神裂による事実上の麻帆良襲撃事件では学園長の召集で神裂と対決するも、
「聖人」の桁外れのパワーで強力な凍結魔法を巨大なかき氷にされて回避された上に
七天七刀で壁に釘づけになるまで胸板をぶち抜かれ
「後で修復してもらって下さい」とバラバラにされる羽目に。
エヴァの名誉のために付け加えると、この時の神裂は最初から駆け引き無し戦争レベルのフルパワー、
そうしなければ「聖人」神裂火織は氷河の中だったとの事。

エンデュミオン事件の最終盤にネギが聞いた言葉から見て、
最初に言っていたエヴァの知り合いの件とか、まず間違いないでしょう。


392ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/10(木) 03:41:18.172q0o9BhF0 (7/7)

>>391

・雪広あやか
何せ冒頭からの登場ですから、脇役カテゴリーに入れるのは些か無理がありますが。
冒頭、プランのために奔走するネギに同行してロンドンから科学の学園都市訪問にも同行。
そこで、案内人となった結標淡希とは熱い戦いと握手が彩る淑女の友情を育む。

或夜には、携帯電話を巡る行き違いを何者かに故意に仕掛けられて
あやか本人が知らない間に、あやかが誘拐されたとされる偽装誘拐事件が
ネギと一方通行の「最強」激突対決を引き起こしたりもしましたが、
その間にあやかは粛々と有意義な会食中。

レディリー・プランが起動、更に、映画の流れ通りならシャットアウラの関与による
エンデュミオン倒壊危機で不穏な情報が流れる中、
あやかは「だけど」が口癖の先輩からの避難勧告を悠然と拒否。

仲間を信じて、むしろその混乱を逆用してのパイプの強化利権掌握を画策。

事件終了後、以前から用意されていたと言う、
雪広、那波財閥中心のエンデュミオンへの資本介入にあやかが関与していたのはまず確実。

こうして見ますと3Aの皆さん、
小粒の出番でもそれぞれにいい仕事してました。

いっちゃん大事な所を置いたまま、
3A紹介終了、「ネギま!」サイド大方終わりのきりのいい所で、

今回はここまでです。続きは折を見て。


393VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/04/10(木) 08:07:12.18uQsNcFb+0 (1/1)

乙ッ!!!


394VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/04/10(木) 10:05:16.89W/Wr7SiGo (1/1)

乙ー


395VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/04/20(日) 20:50:08.75FXdQVGpm0 (1/1)

大☆団☆円


396ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 03:35:05.35wCQsdBaA0 (1/9)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。
「ネギま!」サイドその他編、と言った辺りです。

>>392

・近衛木乃香追加の2

なんか、いい加減ぶった斬られそうないい加減さですが。
エンデュミオン編の最後辺りにもネギの手伝いで結標の座標移動に乗って登場。
明日菜のハマノツルギでぶち抜かれた
レディリー=タングルロード相手に治癒魔法を使っています。

この時は、会話の流れからして本来「いぶきどのおおはらえ」を使う予定だったものが
土御門の治癒で一日の回数制限を超えてしまった上に、
エンデュミオンでも通常の負傷でも貧血の治癒が出来ないぐらいに連続発動で消耗してしまったために、
同じくタンカーレベル(本作より)の
魔法タンクのネギから魔力供給を受けた力ずくでの巨大治癒魔法を展開。
とにかく治癒魔法により致命傷は避ける方向で、
足りない分は有り難い禁書クロスでカエルさんに補ってもらっていました。


・夏目萌
ナツメグこと夏目萌。この娘も、結構出番がありました。
最初の夜の公園でのステイル弟子軍団によるアリサ奪取未遂事件では、
高音、愛衣と共に学園警備高音チームとして事態に介入。
同じ水魔法使いとしてメアリエの術式継続を正面対決で引き分けて阻止。
高音による捕獲へと繋いでいます。

神裂火織が麻帆良学園都市で戦闘に入った時には、
愛衣と水と火のコンビネーション攻撃を展開。

エンデュミオンが落成するレディリー・プラン当日には、
高音に従い愛衣と合流して科学の学園都市に潜入。
途中、存在を察知した魔獣の対処のために愛衣が別行動となり、
エンデュミオン基部では
愛衣を探す垣根帝督と高音が交戦状態に入ったために高音の指示でナツメグ一人で先行。


397ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 03:40:27.85wCQsdBaA0 (2/9)

>>396

その後、ヒュドラを退治しドクターストップから復帰した愛衣と合流して、
基部に残ってレディリーの術式が暴走した事による
魔獣の逃走、発覚阻止に当たっています。

事件解決後、ステイルの病室で弟子達を牽制したり
高音と共に要注意人物の警報に出動したりと、
魔法使い学園警備としてそれなりに忙しい日常を送っている様です。

・フェイト・アーウェルンクス

「言わんとする事は、割とシンプルだ。

僕の生徒に手を出すな


原作「ネギま!」全般的におけるボスキャラにして、本作時点における3A副担任。
最初の方に副担任としてちょっと出ていましたが、
本格的な登場は神裂火織の麻帆良侵入時。

裏の仕事として刹那、そして自ら巻き込まれていった明日菜、木乃香に対して
圧倒的な暴力で応じた神裂に対し、フェイトは彼女達の副担任として対応。
「僕の生徒に手を出すな」と言う至ってシンプルな理由で。

フェイト・ガールズの旧世界側での活動実験も兼ねていたとの説明もありましたが、
ともあれ露払いと言うべきフェイト・ガールズが一蹴された後に神裂とフェイトが激突。
神裂相手に石魔法で猛攻撃を展開するフェイトもそれを悉く真正面からぶち破る神裂も流石の実力の応酬。
もっとも、この二人の対決は、フェイトの側が後ろに控えた高畑の思い入れを察知し撤退。

レディリー・プラン当日には、そもそもそんな計画が成功されたら元も子もないと言う事で、
麻帆良から宇宙旅客機を引っ張り出し、先走った千雨チームや犬上小太郎をまとめて捕獲して、
宇宙課外授業中の事故の名目でエンデュミオンに突入。

直接術式に対処するためにフェイト・ガールズと綾瀬夕映を引き連れて術式のキーポイントへ直行。
途中遭遇したシャットアウラを一撃で倒す事に失敗。
フェイトの実力からしたらさ程難敵でもなさそうなシャットアウラを
フェイト・ガールズに任せると言う言わば手抜きの結果シャットアウラの暴走を許した一面も。


398ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 03:48:10.02wCQsdBaA0 (3/9)

>>397

夕映と共にレディリーの控える術式のキーポイント特別展望室に到着した後は、
術式の暴走で発生したちょっとした怪獣レベルの魔素人形相手に奮戦。
途中、歌の素晴らしさや人類の文化史に触れたりしながら
術式解除に当たるインデックスや夕映の護衛を展開。

未だ事件に就いて納得を得られていない麦野沈利に対しても
無茶な情報収集が自分の生徒に向かない様に静かに牽制しています。
原作での元々の目的からしてレディリー・プランなど論外な訳ですが、
契約は契約として、真面目に先生として生徒を守っていた様です。

夏美から見て、フェイトはこの先生と言う契約を結構気に入っている様ですが、
フェイト自身は契約を果たしているだけであるとして、
何れにせよ、「先生」と呼ばなければ高速チョークが飛ぶ。

で、神裂相手に深夜徘徊、破壊行動に出た明日菜達とか
エレベーター搭乗中に調のヴァイオリン演奏を所望した千雨への指導も万全に。
旧世界で先生を務めるに当たり、学術書から市井の俗書に至るまで熱心な勉学に勤しみ、
最近も神と悪魔の物語の原典から希望から絶望への相転移による感情エネルギーの爆発により
エントロピーを凌駕するシステムに就いての理解を深めた事で、
今後はそれを知った千雨が俗な方面に就いて一からレクチャーするとの事。

・焔・環・栞・調・暦
神裂火織の麻帆良侵入時に登場。
刹那、明日菜、木乃香が死の淵を覗くまで神裂に追い込まれた中、
簡単に突破こそされたものの調の木の根拘束や焔の突貫で時間稼ぎによる救出に成功しています。

まあ、相手が相手ですからここまで出来ればいい方。
錬成肉体による位相移動活動テストも兼ねていたとの事ですが、
環の結界は出鱈目な聖人パワーで突破され暦もいち早く危険視された道具を弾き落とされ、
結論を言えばこうなると相手が悪すぎると言う事でほぼ全員が一蹴の勢いで撃沈。
栞も対処の仕様がないと言う事で撤退。

レディリー・プラン当日にはフェイトに同行して千雨チームと共に宇宙旅客機としてエンデュミオンに突入。
フェイト、夕映と共に術式のキーポイントに向かいますが、
途中で遭遇してイレギュラーと見て襲撃して来たシャットアウラの足止めを担当。
担当、したのですが、なぜか色々テンポがずれて
実力的には格下の筈のシャットアウラにまとめてKOされてシャットアウラの暴走を許す羽目に。
しかも、一番強力な環に至っては作者が存在を忘れてたとゲロってる有様………


399ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 03:58:03.40wCQsdBaA0 (4/9)

>>398

・月詠

明記はされていませんが、およそ状況的に見て、
何者かの依頼を受けて神裂火織の足止めのために科学の学園都市に潜入。
その情報を察知した天草式十字凄教との間で、
エンデュミオン落成当日早朝の科学の学園都市の工事現場で死闘を展開します。

その前日、科学の学園都市内の電話ボックスで小萌先生と入れ違いになり、
その甘ロリミニロリ奇蹟のコラボレーションを目撃した青神ピアスを絶叫させたのも彼女でしょう。

原作で「ひな」込みとは言え刹那を瀕死の目に遭わせ
龍宮やネギ、フェイトと言った強者達にも易々とは負けなかった、
そのキレまくった戦闘狂な思考と剣技は健在。

天草式の集団戦法に対して、
それを上回るスピードでかき回す小太刀二刀流と言う相性の良さもあって、
天草式相手に圧倒的優位に戦いを展開、壊滅寸前まで追い込みます。
しかし、その戦闘狂の傲りを突かれる形で「気」と相反する「魔力」の強制注入から
神鳴流剣士に力を与える地脈龍脈を逆用して暴走させる「神鳴殺し」の
集団術式によるスイッチ攻撃を受けて自爆。

そんな中でも、天草式の鋼糸攻撃から赤い霧に呑まれながら強行突破する実力を見せましたが、
守るための弱き者の闘いを嘲笑する月詠は、
今回も又、建宮斎字の放った守るための弱き者の拳に倒れる事となります。
その後は、突如登場した巫女服に長い黒髪のよく似合う背の高い妙齢の美女に回収された模様。


400ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 04:01:15.67wCQsdBaA0 (5/9)

>>399

・タカミチ・T・高畑

「そうか。

 ア ス ナ く ん を き ざ ん だ の か



麻帆良学園に侵入した「聖人」神裂火織と、
麻帆良学園都市世界樹前広場で最強対決の激闘を展開。
明日菜を刻んだ神裂に向けられた高畑の激情と
「悠久の風」魔法世界の「英雄」として数多の死線を潜り抜けたその実力は、
フェイトが道を譲り被害者である筈の明日菜が震え上がる、
何よりも「聖人」神裂火織がワンサイドに近い所まで追いまくられる凄まじいもの。

神裂も最後には剣を置き、無手からの一本背負いで高畑の拳を逆用して高畑に勝利していますが、
それは一つ間違えば高畑の拳が神裂を粉砕していた紙一重の勝利。
神裂に本来の戦いをさせず一か八かの賭けをさせた時点で高畑の実力と本気はとてつもないものです。

或いは、その力の強大さ故に精密さを求められる「聖人」の本格発動を避けるために、
高畑がかつてネギをまほら武道会で大苦戦に追い込んだ徹底した全距離速射で神裂を追いまくって
「聖人」起動の阻止に徹したとも考えられますが、
それが簡単に出来る相手なら「聖人」じゃないと言う事でもあります。

そして、共に「守れなかった」と言う傷を抱える者同士。
全てを懸けて守るための戦いの後、何か通じる事はあったのでしょうか。

・神多羅木
学園警備魔法教師として麻帆良に侵入、乱闘する神裂火織に葛葉刀子と共に対処。
オーソドックスだが実力の高い魔法使いの遠近セット攻撃で
遠距離攻撃のカマイタチを担当して神裂を牽制し一度は風の結界に閉じ込めるも
力押しで結界を破られそのまま遠距離攻撃を警戒した神裂の手で昏倒。

・ガンドルフィーニ
学園警備魔法教師として麻帆良に侵入、乱闘する神裂火織に対処。
相性の悪い遠距離攻撃を警戒した神裂の射程距離外の非常識な距離からの速攻で昏倒。

・瀬流彦
学園警備魔法教師として麻帆良に侵入、乱闘する神裂火織に対処。
愛衣・ナツメグによる爆発誘導を受けた神裂を捕縛結界に掛けるべく
槍と魔法の隠れ札を手に準備するものの神裂に見抜かれ仲間と共にまとめて昏倒。


401ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 04:03:06.39wCQsdBaA0 (6/9)

>>400

弐集院
麻帆良学園魔法教師の電子精霊使いとして登場。
科学の学園都市に侵入した学園警備高音チーム、主に佐倉愛衣のサポートをしていたらしく、
ステイルチームと高音チーム・千雨チームが夜の公園で衝突した翌日には、
単独潜入した愛衣に学園都市内に於けるインデックスの情報を提供。

学園都市内での活動に不可欠な電子セキュリティーへの干渉を行っていたのも確かな様ですが、
御坂美琴からの情報提供を受けて
佐倉愛衣に絞り込んで防犯システムを調査する初春飾利とハッカーバトルを展開。
初春による個別マークを見破り対策を施すも初春もそれを突破する鼬ごっこの様相を呈し、
最終的には弐集院の隙を突いた初春が愛衣の居場所を特定したために美琴が愛衣との合流成功。

事件後の描写では、実はオリオン号事件の調査の過程で、
早い段階から鳴護アリサのサイトとそこからネギ周辺をマークしていた事が発覚。
その情報はネギからの要請で学園側でも学園長とネギ、弐集院に限定されていた模様。

・葛葉刀子

「この麻帆良学園都市、あなた達の見た科学の学園都市、魔法協会、イギリス清教。
引いてはあなた達が命懸けでスタートさせた魔法世界救済プラン。
世界そのもの。そこに生きる無数の人々。
大人、教師として、それを仕事とする魔法使いとして、
どれにも当てはまらないあなたにそんな責任は負わせられない」

学園警備魔法教師として麻帆良に侵入、乱闘する神裂火織に対処。

最初に刹那等関係生徒を保護して神裂に警告、
神多羅木と共に魔法使い戦闘の基本である遠近セット攻撃で神裂を苦しめるも
神多羅木の仕掛けた術が破られ神多羅木が昏倒した事で、
年月を重ねた熟練の女性剣士同士が改めて壮絶な激闘を展開。

多くの魔法教師が倒れる中でも最初に遠距離を潰された中での近接戦の専門家として、
最後まで残って高音チームと共に反撃に出ようとした所で神裂が逃走すると言う結果。

その後は、学園長からの指示で魔法、魔術の戦争にも繋がりかねない神裂事件の収拾のために
主に関西呪術協会関連の連絡役として奔走。
その途中で遠方よりの来客が
タキシードと花を一輪用意したりしてた様ですが多分彼女は知らない事でしょう。


402ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 04:06:41.92wCQsdBaA0 (7/9)

>>401

その一方で、治癒魔術の使い過ぎで昏倒した木乃香の治療を手配。
一連の騒動で憔悴した千雨にも冷静に現状を説明し、
もはや子どもに任せられる状況ではない、そんな責任は負わなくてもいいと、
大人として、プロの魔法使いとしての責任を理性的に説き聞かせています。

以上、原作第一話から登場してる高畑先生は別にして、
こうして見ると魔法先生の中でやけに扱いのいい葛葉先生でした。
まあ、相手がかんざきさんじゅうはっさいだったって事情もあった訳ですが。

・アンナ・ココロウァ
ネギの幼馴染のおしゃまなお子ちゃま女魔法使い、通称アーニャ。
何と言うか、思わぬジョーカーキャラ。
本人は善意で客観的にはいい事だと思っての行動も仕方がないんだけど、
結果としては事態を混沌に突入させた隠れた元凶。

禁書原作にも出て来るイギリス清教とウェールズの土着の魔法と言うか魔術の勢力の関係で
イギリス清教経由でネセサリウスが関わる科学の学園都市、鳴護アリサの騒動に
麻帆良の人間が関わっている事を察知した上に、
ショッピングモールでのコンサート爆破事件にイギリス清教が関与していた疑いがあると、
ウェールズに調査依頼の極秘情報が入った事をキャッチして千雨に電話。

最終的にはこれがとんでもない勘違いで、禁書の原作でもその勘違いで
事件と全然関係ない人が血みどろ爆発するとんでもない事態に発展しています。

本作に於いてはなぜか楽しいデートに発展しただけで済みましたが、
その済んだ筈の情報がどこかで止まっていた結果、
イギリス清教がアリサに対してどこまで危険なのかを把握し切れず、

無駄に焦燥した千雨が「白き翼」の精鋭部隊をネセサリウスとのガチ対決も辞さない覚悟で
魔法禁制の科学の学園都市に潜入させると言う「魔術サイド」の常識から言えば
戦争の一つ二つ勃発するレベルの暴挙に至る要因の一つとなっています。

しかも、千雨達がその作戦で這這の体で科学の学園都市から帰って来て、
恐怖の北半球壊滅エンデュミオンレディリープランの
シミュレーション完成を見計らった様に電話をかけて来て
イギリス清教が「術式の核の破壊」を視野に入れていると通告、
千雨の精神状態をMAXに追い込んでいます。



403ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 04:09:50.87wCQsdBaA0 (8/9)

>>402

それもその筈、日本の状況をどの程度把握していたかは別にして、
この時のアーニャは調査に深入りし過ぎたのか、
イギリス清教の最大主教「女狐」ローラ=スチュアートに捕獲されている有様。

まあ、探り入れるにも相手が悪すぎたとしか言い様がなく、
出会い頭に即座にアーニャから敵認定された外見の喋りの怪しいシスターからは
美味しい海鮮丼をご馳走になったりしていた様ですが。

で、結果として、ローラの公認監視の下で
探り出した情報をそのまま千雨に伝えているのですから格が違い過ぎています。
そんなの、どっからどう見ても千雨達に火を付けて「魔法」と「科学」との間に一騒動
以外の理由が見えませんから(一応対レディリーの増強って線もありますが)。
何しろ本人が認めてるぐらいですし、
この辺、ネギも静かにキレてたんでしょうね………

・アリアドネー騎士団候補学生
簡易ながらコレット、エミリー、ベアトリクス、要は夕映チームのこの三名が登場。
レディリーとの最終決戦、術式の核となる特別展望室での術式解除作業中、
術式を解除するインデックスを守護していた綾瀬夕映は、
大量に召喚された魔素人形相手に戦線の拡散で苦戦を強いられる。

そこに登場したのがこの三名の騎士候補生。
レディリーが仕掛けた巨大な召喚魔術の暴走と推測されていますが、
ここまでピンポイントな召喚はコレット曰く「奇蹟」とも。
とにかく、夕映を含めた四人は息の合った集団防御を展開。

インデックスが術式を解除するまでの防衛戦の中核となる。
その後、召喚魔術の解除と共に、夕映にちょっとした思い出とメッセージを残し、
インデックス曰く「在るべき所」へ帰還。

・クルト・ゲーデル
エンデュミオン建造の報を受け、お忍びの形での視察と非公式会談のために旧世界を訪問。
それが千雨チームによるアリサ襲撃犯迎撃作戦の失敗と
神裂火織による事実上の麻帆良襲撃事件により
戦争すら現実味を帯びた最悪過ぎるタイミングだったため、
魔法世界の文字通り浮沈に関わるプランの信用性に就いて改めて高畑とネギに釘を刺す。
この事も又、千雨を心理的に追い込んだ一因と推測される。

事件解決後、魔法世界に留学した葉加瀬を受け入れた模様。


404ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/21(月) 04:13:05.78wCQsdBaA0 (9/9)

>>403

・戦友カルテット他
まあ、お祭りって事でw

レディリーの召喚魔術が都合よく大暴走した事で一挙登場。
高音・D・グッドマンと垣根帝督の闘いに介入し、
垣根の第二位の実力を前に風前の灯まで追い詰められた高音を救出。

少し真面目に言うと、本作含めて報われない苦労人の面の多い高音さんを、
流石上に立つ者として、その命懸けの使命感をテオドラも、
多分他の面々も、その命懸けの働きで救われた魔法世界の人間としてよく見ていました。
そして、その後は、超能力者第二位の実力を誇る垣根帝督との戦い、と言う展開だったのですが、
何しろ戦友カルテットが思い切り楽しんでましたから………

政治的に余所余所しい顔をしなければならない程の魔法世界の最重要人物が揃いも揃って、
科学の学園都市のレベル5超能力者第二位と真っ向対決とか。
土御門などこれを知ったらどういう反応を示したものやら。

今回はここまでです。

はい、「ネギま!」サイドは残る一名です。

続きは折を見て。


405VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/04/21(月) 08:25:03.97bImtFC5so (1/1)

乙です


406ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:13:54.53KaGsFp1r0 (1/9)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。
「ネギま!」サイドの最後の紹介です。

>>404

・ネギ・スプリングフィールド

「戯れ言、綺麗事のために命を懸けて来ました。
一人を救えぬ者に世界の何を救う事が出来ようか」

「そうです。僕がやるべき事なんです。
父さんと母さんが救った、父さんが救ったアスナさんを礎とする魔法世界。
何としても成功させる。妨げるものに立ち向かう。
それは、僕がやらなければならない事なんです。
どちらに転んでも犠牲が避けられないと言うのであれば…
悪を行い世界に対し僅かばかりの正義をなそう」

原作「魔法先生ネギま!」の主役です。
でもって、原作で世界一つ救った「魔法世界の英雄」です。
本作に於いてもその筋では「英雄」がまんま肩書きになっています。
はい、ネギ先生の性格からして、ヤバイ予感しかしない状況です。

取り敢えず、さすがは主役と言う事で冒頭から登場。
雪広あやかと共にロンドンでプランに関するお話が一つまとまったかと思えば、
ゲートから科学の学園都市を二人で公式訪問しています。
これも、科学の学園都市で軌道エレベーターエンデュミオンが完成したのを受けて、
ネギのプラン「Blue Mars」計画にこれを利用するための商談のためと言う事。
これが、本作に於けるネギ君の基本的な立ち位置の様です。

で、どの辺が英雄なのかと言いますと、


407ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:18:54.21KaGsFp1r0 (2/9)

>>406

其の壱

麻帆良学園から魔法世界の猛者共との数々の修羅場を潜り抜けたネギ先生。
本作に於いても魔術、科学の強者共を相手にその実力を遺憾なく発揮しています。

姫神秋沙を巡ってネセサリウスの介入を招いた際には、
黒鴉部隊や警備ロボ軍団相手に凌ぎ切る等それなりに強いステイル弟子三馬鹿トリオを一コマKO、
その師匠である「魔女狩りの王」、歴戦の「殺し屋」、「ルーンの天才」
ステイル=マグヌス氏の魔法名だけを聞いて瞬間KO。

逆に言うと、魔法名を聞いておいて、しかもルーン配置完了したステイルを一蹴したと言う事ですから、
魔法使いの癖にパワー格闘タイプと言う反則気味のネギの特性はあっても尋常な強さではありません。
その後に登場した神裂火織に対しても、七天七刀に対して杖による中国式槍術と神鳴流の隠し味、
そして雷化によって「聖人」神裂火織が舌を巻く「聖人」の本気すら出しかねない勢いで堂々渡り合っています。
付け加えますと、今更ながらこの場面には作者の間違いがありまして、
八極拳の槍術と書くべき所を太極拳の槍術と書いてしまいました。

雪広あやか偽装誘拐事件では、スキルアウトや特殊部隊レベルの襲撃者を一蹴。
砂皿緻密、ステファニー=ゴージャスパレスのコンビも
白兵戦が専門のステファニーの強さを認めながら白兵戦で割と簡単にKO。
と、ここまでは悠々とクリアしていましたが、その先に待っていました、「最強」が。

何者かの情報操作により資材置き場で激突する事となった相手は
科学の学園都市「最強」、レベル5超能力者第一位一方通行その人。
完全には支配出来ない魔法相手にも有効打にならない程度には全ての攻撃を反射、
その圧倒的過ぎるベクトル操作の破壊力と汎用性は
雷体化したネギですら抉り取られる勢いでネギも大苦戦を強いられます。

それでも、ネギはそんな未知の科学の法則に対して、
持ち前の戦闘スキルの高さと理論派分析力をフル活用。
触れる事自体が危険過ぎる一方通行に対して、その危険性を早くに察知して
「見」を中心に構えながらじりじりとした動きで対応する適当なスタイルを選択。

粘りの戦いの中で一方通行の法則をじわじわと解読。
半ば偶然ながら大量のルーン魔法でベクトル演算をかき回す事でプラズマ攻撃を減退、
最後には反射を勘で読み切る形で、回復力のある雷化を生かしての引く事で押す拳で
「学園都市最強」一方通行を正面撃破する事に成功しています。



408ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:25:00.02KaGsFp1r0 (3/9)

>>407

その「最強」対決を制した後には、土御門からの連絡を受けて、
誤解から衝突した御坂美琴と図書館三人組の争いに介入。
事態は流石は第三位の勢いで図書館組に迫る美琴とそれを助けに入ったネギのストリートファイトに発展します。
学園都市の路上と言う場所と道義的な問題で余り派手な攻撃や死傷者を出せないと言う制限の下で
レベル5と直接対決する事はネギにとっても簡単ではありませんでした。

それでも、美琴が力負けする程の「白き雷」で学園都市最強のエレクトロマスターを驚嘆させた事を初め、
学園都市レベル5第三位の美琴相手に終始優位に、
簡単に言ってかなり本気でキテる外伝主人公レベル5御坂美琴に対して殺せないから厄介と言う程度の戦闘を展開。
しまいに美琴が路上でコインを用意する所まで追い込まれて、
そこで事態を把握したのどかの仲裁による戦闘終了に至っています。

ネギの実力から言って、仮に超電磁砲をぶち込んだとしてもその時は
「やったか」フラグを立てた次の瞬間にレーダー感知しても体が追い付かない勢いで
手刀でも叩きこまれて終わりでしょう。

この時点で禁書基準でもかなりとんでもなく強いと言う事になるのですが、
レディリープラン当日には「窓のないビル」に突入。
アレイスター=クロウリーとの会談に臨むも、
さすがにこの時は余りに強力過ぎる相手に圧倒されている模様でした。

それでもアレイスターから介入の承諾を得たネギは明日菜と共に宇宙に展開してデーモンを抑制。
相手はレディリーが途方もない規模で仕掛けた超巨大術式と
聖人級とされる鳴護アリサの奇蹟の歌声により召喚された地球破壊レベルのデーモンです。
明日菜と白く輝く空飛ぶ少女の助けがあったとは言え、分単位で抑え込んだだけで大変な事です。


409ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:30:29.56KaGsFp1r0 (4/9)

>>408

其の弐

英雄なんとかを好む。
本作でもローラさんが言っていました。

と言う訳で、科学の学園都市に訪問早々、
病み上がりにどこぞのお嬢様の案内役を命じられてやさぐれていた結標淡希を一発キャッチ。
結標は瞬時に淑女の嗜みを取り戻し、ネギはネギでしまいの方には涼しい顔で結構いい感じに結標を使い倒しています。

商談を兼ねて訪れたショッピングモールではその外周とコンサート会場で
とある高校切っての堅物委員吹寄制理をスキルアウトや爆発事件から救出。
そこで見かけた姫神秋沙をとある高校まで追いかけて校門前でアプローチ。
そのまま前世の因縁と噂された古本屋デートに始まり
二人で楽しく語らうひと時を過ごして土御門を悶絶させています。

レディリー・プラン阻止の最終局面では明日菜と共に宇宙に飛び出し、
その満点の星空の下、白く輝いていた豊満なおっとり少女と
楽しい語らいの一時を過ごした事がネギ先生より報告されています。
更に、どういうやり方か食蜂操祈を口説き落として協力を取り付け、
レディリー=タングルロード追放と言うデリケートな作業に漕ぎ着けています。

ビジネスとしてイギリス清教ローラ=スチュアートや
レディリー=タングルロードと言った美しき曲者と虚虚実実の会談をそつなく展開する一方、
イギリス清教の「聖人」神裂火織とは肉体言語で解り合う。
更に、ローラと提携する一方で、イギリスの魔術結社の、
多分完璧な黄金比の方向の美少女とも秘かに先の話を進めたりもしています。

加えて、イギリス清教の魔道図書館として
高音チームからも文句なしに要注意人物扱いされていた“禁書目録”インデックスとも、
図書館組とのトラブルでは初対面とは思えない会話を交わしています。


410ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:36:48.33KaGsFp1r0 (5/9)

>>409

少し真面目な話をするならば、
他の事はとにかく、かつての案内役にして座標移動の能力者だからこそ、
その知識、能力を濫用してアレイスターへの無断接触を図る事がどういう事か、
一番よく理解しているのは結標であり、ギャグ描写の域を超えて意気に感じたと言う事なのでしょう。
優しい、だからこそともすれば優し過ぎて周囲の女を傷つけるネギのあり方をも見抜いて。

吹寄のアンチ上条属性のキーは「フコウダ」です。
だとすると、ネギはその対極のストイック過ぎる程にストイックな努力家です。
もちろん、ネギが最初に名乗りを行った時点で、
姫神はネギの基本的な目的は察知していて、だからこそ簡単なぐらいに同行を決めた筈です。
そして、姫神であれば、ネギの中に自分の知っている何かを察知しても不思議ではありません。

ネギとインデックスが出会ったのがネギが麻帆良に来る前であるならば、
時期的にはインデックスに残されている過去の記憶ギリギリの線と言う事にもなります。
本作ではインデックス自身がウェールズの魔法学校で禁書目録の仕事をしていたと言っていますし、
それがインデックスが知識ではなく直接記憶している事であるならば、
その時期の魔法学校の図書館では、ネギも又秘かに禁書を読み漁っていた筈です。
もちろん、これが「とある」で言う禁書ならば、これを読んだネギが生きてる筈がないのですが。
接点がその時のものであるならば、本作の少ない描写では後の事は想像するしかありませんが。

ネギは、本来の専門ではないとは言え、並の専門家を上回る雷魔法つまり電気の使い手であり、
加えて、魔法の読心術の心得もあります。
そのためか、食蜂の能力に対しても簡易ながら防御を展開していました。
食蜂が本気になれば抜く事が出来る、但し、食蜂も無事で済むか分からないと言う事でしたが、
食蜂がその程度の事で簡単に屈するタマとも思えませんし、ここでは利害の一致で協力したのか。

簡単に言ってしまえば、柔らかな紳士の物腰の下に貫く誠意と覚悟、
それに対して女と言うもの、特に自ら修羅場を潜り抜けた者は目敏く鋭いと言う事なのかも知れません。


411ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:40:00.02KaGsFp1r0 (6/9)

>>410

其の参

一見真面目で純朴な少年、それがネギ君ですが、
世界を巻き込む超巨大プロジェクトの責任者、
それも、学園都市と言う超難物を絡めると言う事で、どうも色々ときな臭い立ち回りを見せています

まず、事件直後にオービット・ポータルに対する資本介入を主導して
エンデュミオンに関する権利関係に手を付けた。
これは土御門とネギの発言の一致からもおよそ間違いないでしょう。

レディリー本人とのショッピング・モールでの会談でも、
ネギがレディリー自身の事に就いて把握していると、明らかにそれを匂わせる発言があります。
その事から考えて、このタイミングでオービット・ポータルに何かが起きる、
ぶっちゃけて言えば最初からレディリーの計画を知っていた、そんな疑いが浮上しています。
そうでなければ、雪広、那波が用意した莫大な現金を只寝かせる大損害になっていたと言うのが土御門の見立てです。

更に問題なのは、教え子である千雨達が
科学の学園都市で暴走している事を知っていて黙認した節があると言う事です。
この事に就いては、当の千雨も、ネギの真面目で仕事熱心な性格をよく知っているからこそ、
こんな重要な事を知らなかったで表向き済ませている事に就いて不審を抱いています。
土御門は、ネギが学園都市中枢の一時占拠のために、
千雨達が学園都市に侵入している事を黙認し時が来たら一斉動員するつもりだったのでは、と推測しています。

ここで嘘をつく理由があるか、と言う事からある程度信頼出来そうな材料を集めてみますと、
ネギが千雨達に何か動きがある事を察知していたのは確かな様です。
弐集院がアリサのサイトとネギ周辺に関して掴んだ情報を
ネギが学園長に根回しして魔法協会内部でも知られない様に手配したり、
その一方で本来慎重な筈の千雨が何か危険な事をしそうな事を前提に楓に千雨の手助けを依頼しています。

そして、その後で楓に殴打されるのを、ネギは黙って受け容れています。
千雨達がネギ抜きで学園都市相手のとてつもなく危険な事態に突入していた事に就いて、
ネギにも些かなりとも責任がある。他の解釈が難しいやり取りです。

一応ネギ本人が楓に語った説明では、取り敢えず千雨達がアリサ救出に動き出していた事は知っていた様です。
そして、ネギ自身もアリサの危機に就いて把握はしていたものの、
政治的に難しい学園都市でプランの責任者の立場で介入するのは却って難しいばかりかアリサ本人も危険になると言う事で、
この際千雨達が水面下で勝手に動いてアリサを保護する。
この流れに任せる事にした。と、言う事でした
つまり、状況的に土御門の推測を否定する根拠があると言う事でもない様です。


412ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:43:26.05KaGsFp1r0 (7/9)

>>411

しかしながら、本作終盤で高音も一応その疑いを振り払う根拠としている様に、
教え子、仲間達に黙って命に関わるリスクを負わせると言うのは、
原作ネギの思考様式から言って驚愕に値する出来事であり、
本来、むしろ仲間なんだから危険に晒せとネギの方が毎回ドツかれている。
それはネギ本人も本作で結標に言っている事です。

或いは、魔法世界を戦い抜いて、アニメ第一期最終回時点でクラス全員仮契約で魔法二個大隊、
そっから未契約者をマイナス、仮契約者の強力化をプラスして、
そんな実力派魔法チームである千雨チームと「魔法」の側からは未知の部分の多い科学の学園都市の実力。
そのリスク計算をネギが見誤ったのか。

もっとも、学園都市だけならまだしも、「魔法」の世界でもアーニャですら知っている
「魔術」の「殺し屋」ステイル達が同じ領域で動いている事もネギは知っていますから、
確かにいい人でも任務となったらそうそう甘い顔も出来ない筈の「聖人」神裂火織までついてる状態で、
単純に今の千雨達なら安全だ、と考える程ネギ先生が抜けているとも思えません。

それでも、ネギはネギでレディリーがもたらした地球の危機に対しても
自分の身を挺してでもきっちり自分が出来る事を行っています。
その上で、仲間の志を尊重し仲間にリスクが生じても
「一番マシな選択」が出来る様になったのなら、それは成長と言うべきなのでしょうか。

千雨達に何も告げずに死地に赴かせると言う、原作のネギであれば重すぎる程の判断をする一方で、
ローラやレディリー、更にはアレイスターと、ネギは一癖も二癖もある利害関係者との調整にも奔走しています。
ローラとの間で実質的な同盟関係を結ぶ一方で、同じイギリスの魔術結社とも裏側で協調する動きを見せています。
ローラと魔術結社を天秤にかける動きも、政治的にも当然かも知れませんが、
楓との会話からの流れ、その前のローラとネギの会談を見た場合、
ローラが千雨達の命を利用した事もその判断に関わっているのかも知れません。

この手の政治的な世界で鵺として泳ぎ回る土御門は魔法側からの相手として桜咲刹那を当てがわれ、
明らかにネギに向けた警告を発しています。
言ってしまえば、ネギ・刹那・土御門、丸で「情」を弄ぶ様に見えたのかも知れません。

本質的な部分では余り変わっていないのかも知れません。
それは、悪い目が出ても、もし避けられない犠牲であれば、傷つき怨まれるのは自分一人で沢山だと言う。


413ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:47:19.90KaGsFp1r0 (8/9)

>>412

本来ホルマリン漬けコースでも一向に構わない、
むしろ、古典ギリシャ魔術と学園都市の最新科学を駆使して科学と魔術で
まともに戦争を起こしかけた戦犯そのものの身柄を巡って、
自分から軋轢を作る様な真似をするメリットがどこにあるか分からない。

それでもレディリーを「解放」したのは、ネギが優しいネギ君だから。
もちろんその部分が大きいとも思います。或いは、小ネタ劇場での展開自体、
ネギの仕組んだ深謀遠慮だったのかも知れませんが。

レディリーの狂気は百年後、千年後の自分の姿。
その思いはネギの心にも当然ある筈です。
誰かと深く愛し合う事になれば、その愛が深い程に付いて来られないその相手を傷つける。
そうならば、その恐怖とも又、彼は独りで戦い続けようとするのでしょう。

そして、その事を自分の胸にしまっておける、そう思っているのはネギだけなのかも知れません。
ネギ自身が実際それは決して上手く行っていない事を口に出した時、
結標淡希はいい男を助けたいと言う女を甘くみるなとお姉さんからの忠告を送っています。
楓もそんなネギを見て、たまにはのんびり湯に浸かる事を勧めています。

「心配性のお兄ちゃん」土御門元春も、所詮この手の駆け引きでは年期が違います。
そして、余り思い詰めずに道化の仮面でやり過ごすやり方も心得ています。
只一人、愛する者のための多重スパイはネギに言います。身近で誠実に自分を見ている者を忘れるな、と、
その言葉はかつて、本作での土御門の「妹分」桜咲刹那がネギに発した言葉でもあります。
何よりも誰よりも、およその察しを付けていそうな千雨が黙っているとはとても思えません。

本作でも示された通り、アレイスターが指摘したその一事が、
何よりも今のネギにとって、付け加えると刹那にとっても重い事なのでしょう。
だから、それは決して無駄になど出来ない。
元々難しい事が山積みのプランで、万に一つの失敗も許されない。
そして、その重荷を、これ以上大切な人に背負わせる訳にはいかない、と。


414ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/04/25(金) 13:53:14.03KaGsFp1r0 (9/9)

>>413

かつて千雨が言った通り、人の本質と言うものはなかなか変わらない。
紳士として先生として、友達として、大切な人達を傷つけたくない。
それなら自分だけが傷つけばいいと、なまじそれを適える程の力を持ってしまったからこそ、
なかなかその発想から抜けられないのかも知れません。

そして、自ら学園都市を見たネギは何かその核心に触れて、
その頭脳の冴えで更なる事態を予期し利用さえしようとしています。
丸で何かのラノベでも読んだかの様なその読みは、
そうであるならば最悪屍の山の上に立ち途方もない怨みを受ける事になる選択です。
それを理解すればこそネギは自分一人で、と言うのも彼の発想として十分考えられます。

しかし、いつもの麻帆良でも、そして、新たにであった闇と光の街である学園都市にも、
これも今まで通り、そんなともすれば独り善がりの、それでも嫌いじゃないぜ、と言いたくなる様な、
そんな決意をドツキ倒して付いて来ようと、
周囲の強者がそう思えてしまうのもネギの魅力であり誠意が齎す力であると。

ネギ自身が何れかの衝突を予期している様に、
学園都市も又、そんな「英雄」が何の変哲もないパワフル過ぎる日常を送っている。
そんな街を「英雄」ネギはキーポイントに選んだのですから。

今回はここまでです。

やっと、「ネギま!」サイド終了ですよ。

続きは折を見て。


415VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/04/25(金) 14:21:38.144SyfusA2o (1/1)

乙です


416ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:14:02.67PUgE3q5S0 (1/8)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。

禁書サイドに突入、と、思いきや、
終わった筈の「ネギま!」組が一部抜けてた………

>>414

・天ヶ崎千草
関西呪術協会所属の呪術師としてフェイト、
犬上小太郎等を従えて近衛木乃香の拉致、リョウメンスクナノカミの復活による
反乱を企てて失敗、投獄される。
ここまでが原作ネギま!でのお話。

当初、千雨が科学の学園都市でのアリサの異変を刹那、小太郎に相談した際、
刹那と別れた後に小太郎が千雨に告げた言葉の中に登場。
独自に科学の学園都市に就いて調査をすると言った刹那に就いて、
小太郎は想定される情報ルートが危険であるとして直接調査を促しています。
蛇の道は蛇でその情報ルートが危険であると、
かつて小太郎と組んでいた時に話していたのが千草だったと言う事です。

本作に於いて神裂火織が麻帆良学園で武力行使、特に近衛木乃香に危害が及んだ事を聞き、
イギリス清教による日本勢力全体への侮辱と激昂して
牢内で攘夷派の決起を叫び眠らされたのも描写から見てまず彼女でしょう。

原作中の描写から見て、千草が特に関西の呪術、
禁書世界とクロスするならば魔術の世界の裏事情に通じている事は察しがつきます。
本作では実際刹那の調査ルートとその結果、
本作牢内で「絵を描いたのは安倍のクソガキか」と喚いていた描写からも
その方面の基本的な情報は確実に把握していた様です。


417ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:19:08.16PUgE3q5S0 (2/8)

>>416

・パイオ・ツゥ
エンデュミオン落成当日、科学の学園都市地下道に登場。
本人によると何者かに雇われたとの事で、
描写から見て猟犬部隊のナンシー・ヴェーラ等を行動不能にしたのもこいつっぽい。
木原数多の率いる部隊もまず間違いなくこいつに召喚された巨大ミミズに遭遇するも、
こちらのミミズは科学的に焼かれて始末されたらしい。

その後で、佐倉愛衣を追跡して地下道に入った御坂美琴との戦闘に突入。
パイオ・ツゥの事なので美琴の秘めたる微かな蕾を揉むために全身全霊を傾け、
それを阻止せんとする美琴との間に壮絶な死闘を展開する。

と、こう書けば完全にふざけた話なのですが、
相手はレベル5第三位、それも最強のエレクトロマスターとして
肉体的に高感度の電磁波レーダーを実装しているのが美琴です。
その美琴相手に通常は即決カウンターKOとなる
そのレーダーを掻い潜る勢いのヒット・アンド・アウェー戦法で
美琴に間一髪まで迫り続けるパイオ・ツゥのスピード、実力、執念はかなりとんでもないもの。

結果から逆算して見てみた場合、
巨大ムカデを召喚して美琴に超電磁砲を撃たせ、大量の召喚砂蟲の数で押す作戦で美琴の疲弊を誘う。
不意打ちを仕掛けた食蜂操祈に一旦は洗脳されかけるも、
食蜂の蟲嫌いを最大限に利用しつつ「揉み倒して」のKO勝ち。
最終的には、物量作戦が功を奏して他での爆破事件の影響もあり、
美琴も電池切れで食蜂を連れた途中撤退に追い込まれています。

これをどこまで計算でやったのか明確な描写はありませんが、
食蜂は一番質が悪い自分の能力を警戒して弱点を把握して最優先で潰しに来たと分析しています。
相手は対人戦闘にも長けたレベル5超能力者二人組なのですから、
この相手に引けを取らず撤退に追い込んだ時点でその実力は見事なもの。
依頼の内容が拠点防衛ならその役割を果たしています。
魔法世界ではチーム戦でトレジャーハンターを壊滅に追い込み、
少し未来で綾瀬夕映に勝利。ネギでも手こずる辣腕の魔法傭兵なだけはあります。

今度こそ禁書サイドに突入です。
映画メイン組から


418ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:24:17.74PUgE3q5S0 (3/8)

>>417

・上条当麻

「お前が命捨てるのが、それが魔法使いだって言うんなら、
そのふざけた幻想をこの右手がぶち殺す」

我らが「英雄」上条さん、とあるシリーズの大元の原作の主人公にして、
本作の大元ネタの一つである映画「エンデュミオンの奇蹟」の主人公その人です。

「ネギま!」メインで映画で描かれた裏側を描く。
その向きが強い作品のため、全体の中での出番は決して多いとは言えませんが、
それでも、重要な所には絡んでいきます。
どう見てもこいつだろって言う人の名前が出てこないケースがあったりもしましたが、
それも含めて。

おおよそ映画と同じ行動をとっていた様です。少なくとも初めと終わりは。
路上ライブでアリサと知り合い、公園でステイルの弟子たちと交戦。
ショッピングモールのコンサート爆破では病院に運び込まれたと言う情報だけは描かれていますし、
その後のアリサのコンサート会場にも登場。
そして、エンデュミオンでの終幕に辿り着いています。
その過程で、本作の事ですから魔法の面々とも関わり合いを持ったりもしている訳です。

「魔法」と関わる事になっても、上条さんは相変わらずのヒーローです。
目の前の一人の友達の為に本気で憤り、時には命懸けの闘いにも突き進んでいく。
それは、他でもない本作で長谷川千雨以下「白き翼」の面々が選んだ道でもあります。

姫神秋沙のために、彼女に爆破事件の関与の疑いがかけられた事に本気で憤り、
その本気がネギを納得させています。
ネギも又、そういう馬鹿で単純な熱い心の持ち主を知っているから。

初対面では「魔術」との交戦中だったためにひと悶着ありましたが、
それでも、上条自身のわずかな経験から佐倉愛衣を誠実な魔法使いとして信頼しています。
「助けるため」に格上のイノケンティウスにも立ち向かった愛衣が使命のため、
全てを救おうとするために命を捨てる事を決して許さない。
みんな笑ってハッピーエンド、そこにオマエもいなければならないと。

本作の主人公ながら、エンデュミオンに突入しながらも最後の最後で限界を迎えた千雨を
上条は魔素の襲撃から救出し、千雨からバトンを受け取りゴールに向かいます。
大切な友達であるアリサ、そして、暴走しているシャットアウラを助けて欲しいと言う、
上条自身の想いそのものである千雨の願いを受け取って。


419ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:29:28.86PUgE3q5S0 (4/8)

>>418

「魔法」の乱入でしっちゃかめっちゃかなぐらいに引っ掻き回された物語。
それでも、そんなちょっとお馬鹿でそして熱い、真摯な「魔法」の想いを受け取り、
最後の舞台で決着をつけたのは学園都市のヒーローでした。

一人の友達を思い心から憤り拳一つで行動する。
そのいつもの姿は、「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドからも信頼を得ています。

魔法世界救済のため、政治的なものを抱え過ぎて
腹芸や他人の利用と言った所に手を付けざるを得ない立場の「英雄」ネギ・スプリングフィールドが
いつか衝突する、その予感を感じているのは恐らく、
利用される側のたった一人の友人のために闘えるヒーローなのでしょう。

それは、「魔法」の少女達の心にも響くものがあった筈です。
もしかしたら「勢力」が魔法支部を作る事になるかもって感じで。

と、実に格好いいヒーロー上条当麻なのですが、
そこはやっぱり上条さんです。
しかも、絡んだ相手が「ネギま!」です。

と、言う訳で、土御門が深い接触を図ろうとして刹那に一蹴された
麻帆良の可愛こちゃん達相手にもいつものペースの「不幸な出来事」を連発。
アリサ誘拐前のコンサート会場廊下では
「孤独な黒子」を発動した夏美と千雨を捕まえようとして鷲掴みを連発。
状況的に、映画のシャットアリサ爆誕場面には上条と共に千雨も立ち会っていたのでしょう。

更に、ハードな戦いの数々の末に、グロッキーとなった愛衣や千雨を支えたりもしますが
大概そういう場面にはインデックスさんが合流したりもしています。
結果、いつもの通りインデックスが牙を剥き千雨パンチに宙を舞い。
アリサの友達としてアリサから臆面の無い想いの数々を聞かされて来た千雨からは、
アリサの事を「友達」と連呼する上条をもう一発ぶん殴ってやろうかと思われたり。


420ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:32:32.28PUgE3q5S0 (5/8)

>>419

上条さんと言えば、何と言っても科学・魔術、あらゆる異能をぶち殺す「幻想殺し」です。
である以上、「魔法先生ネギま!」と絡むからには
高音・D・グッドマンさんとお近づきになるのは歴史の必然ってやつです。

映画通りの夜の公園バトルで、こちらは映画通りとは言い難い高音率いる麻帆良学園警備と遭遇した際も、
上条さんはシャットアウラと別れた後に姿を見かけた高音以下三名を追跡。
体力の限界を迎えた上条さんは、黒衣姿で横一列に並んだ高音チームのど真ん中、
高音さんの肩を右手でガシッと掌握。
結果、落ち武者と化して男子寮に生還し、
牙を隠したインデックスさんから高音さんの能力に就いて淡々とレクチャーを受けています。

小ネタ劇場を含めますと、映画ではちょっとこのパターンがずれましたが、
本作では色々あって事件の後に麻帆良を訪れ、
天草式の料理店を訪れた所で「影の鎧」を装着した高音さんと遭遇、
気さくに挨拶をした結果、
とある魔術の禁書目録の様式美通り、麻帆良に来てまで病室ラストを迎えたりしています。

・インデックス

イギリス清教の魔道図書館、禁書目録、完全記憶能力者。
常人ならチラ見だけで出血昏倒する十万三千冊の魔道書を記憶している凄い人です。

と、言う訳で、「科学」、「魔術」に加えて
「魔法」が交差した本作では結構な重さの存在感を示しています。
本作に於いては「魔法」は「魔術サイド」の中に含まれていますので、
禁書目録十万三千冊の守備範囲内、その意味では「魔法」側がカバーされる側だと言う事です。

序盤の夜の公園では映画通りに強制詠唱でメアリエの術式を妨害する一方で
インデックス達を助けようとしながら発動出来ない夏美の術式をその場で見抜いて上条が外れる事による発動に繋げ、
その後で麻帆良側の魔法や所属を悉く言い当てて千雨達を緊迫させています。

その後、上条さんが「影の鎧」を装着した高音チームを疲労困憊しながらも追跡、
頭目の高音を右手でしっかと捕まえてから落ち武者と化して寮に帰宅した際には、
寮で待っていたインデックスは高音チームの魔法の特徴を確実に説明した上で白い歯を輝かせ、
その後で魔法協会や魔法世界の政治的ポジションを含めた「魔法」に関する基礎知識もレクチャーしています。

「禁書目録」が関わって来た事で、
麻帆良学園の高音チームも政治的な重大性を恐れて千雨達に関与を禁じる事を強く警告し、
ステイルも又麻帆良側の接触を警戒してインデックスに接触しようとした佐倉愛衣と一戦交えるに至っています。


421ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:36:02.93PUgE3q5S0 (6/8)

>>420

シャットアウラが古典ギリシャ魔術の呪詛を受けた際には犬上小太郎を術者として指導、
解呪を成功させています。
小太郎は東洋魔術の系統に入ってはいますが、
それはあくまで格闘戦の補助的なもので本格的な魔術師とは言えないタイプです。

それでも、そんな小太郎を指導して、それもギリシャ魔術に東洋魔術で対抗すると言う難しい事を成功させた事に、
自分がその分野で未熟である事を理解する程度には理解している小太郎も感嘆しています。
無論、原作では魔術師どころか真逆の科学側の人間を指導して治癒を成功させているぐらいですから、
魔術の範疇に入っている小太郎ならばより容易ではあったのでしょう。

アリサが誘拐されたファミレス周辺でのトラブルの末に、
のどかが「いどのえにっき」で「魔道図書館」に触れてしまった時にも即座に事態を察知、
インデックスの指導によるネギ、夕映の治癒でものどかに取りついた禁書の毒の回復は進みませんでしたが、
木乃香がのどかの治癒を成功させた「いぶきどのおおはらえ」の見事さには、
インデックスだからこそ、と言える大変に惜しみない称賛を送っています。

エンデュミオン落成当日には、こちらも映画通りエンデュミオンで術式完成直前のレディリーの前に登場。
先行して術式を解除しようとして余りに途方もない規模と古典的な術式を前にそれを断念、
疲労困憊していた綾瀬夕映には、格の違いと言うのもおこがましい貫禄で
自分の仕事である事を当たり前の事として宣言。
ついでに、同行していたフェイトをギリシャ術式のゴーレムと見抜いて警戒していましたが、
こちらは夕映の説得を聞き入れています。

そして、夕映や召喚されたアリアドネー騎士候補生達の結界に守られ、
シャットアリサの奇蹟の歌の助け、宇宙からのネギ達の助けを受けながらも
危険極まりないとんでもない巨大術式を着実に迅速に解体していくその技術は、
魔法世界から召喚されていたエミリーにも強い印象を残しています。

以上、「魔法」を圧倒した、と言っても差支えない、
魔術のエキスパートとしての実力を本作では遺憾なく発揮しています。
そして、本作では「魔術」サイドに属する「魔法」の世界にもその高名は鳴り響いていたらしく、
高音チームの三人はこの事件でのインデックスの登場に顔を引きつらせ、
魔法学生として勉学に勤しむ綾瀬夕映にも知られていましたし、
魔法世界で外交官を目指すエミリーが収集した資料の中にもインデックスの事は記載されているとの事です。


422ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:39:22.44PUgE3q5S0 (7/8)

>>421

そのためもあって、当初はステイルにより麻帆良勢との接触が遮断されていたインデックスでしたが、
アリサ誘拐事件当日にメアリエによる拘束から救助された事が縁で綾瀬夕映と知り合い、
エンデュミオンに於ける術式解体では夕映に作業中の背中を預けるに至っています。

本来が学究肌で、かつての学業成績バカブラックも、興味のあるなしでの好き嫌いが些か強すぎた、
本来は洞察力、頭の回転に優れ得意分野は知識豊富と言うタイプの夕映です。
と、言う訳で、事件に巻き込まれながら自力で麻帆良学園の核心に辿り着き、
ネギの従者からアリアドネー騎士団候補として、
夕映は己の手で己が学ぶべきものを見出しています。

そんな夕映が、魔法の知の極みとでも言うべきインデックスを畏怖するのは当然です。
夕映のアーティファクト「世界図絵」が、最新知識を保持する自動更改機能故に、
レディリーの古典術式に対応し切れず今回の事件では苦戦を強いられています。
魔術の闇で、目に触れただけで命を落とす毒に沈んだ膨大な古今の禁書をその脳に焼き付け、
更に魔力を必要としない術式をも洗練させてきた。
そんなインデックスを前にしたならば、夕映が真摯な探究者であるからこそ、
格の違いと言う事すらおこがましいものを思い知るのも当然です。

それでも、夕映はエンデュミオンでは及ばずながらも、
或いはインデックスが来ていなければ自分の命を懸けてでも桁違いの巨大術式の解体に挑み、
そんな夕映に代わって術式解体に当たるインデックスを守護するために魔素人形との激闘に身を投じています。

仲間であるのどかがインデックスの原典に触れて命の危機に晒された際にも、
夕映はあくまで魔法に携わる者として、こちらに非があると筋目を通した態度をとっています。
もっとも、これに関しては時期的に少々微妙な問題を孕んでいる事で、
夕映の記憶が完全に回復した後であれば、
夕映の魂の救い手であるのどかの危機に違った反応を示していた可能性もありますが。

そんな夕映を、インデックスも信頼しています。
決して貶められるものではない優れた魔法技術の持ち主である事を評価し、
夕映に守られながらエンデュミオンの術式解体に専念しています。
技量の差こそ大きくとも、共に真摯な魔術の探究者として、
その評価と信頼は真実である。その事は互いに理解し合えた所でしょう。


423ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/16(金) 14:42:49.03PUgE3q5S0 (8/8)

>>422

そんな、「魔法」相手にも無双の限りを尽くしたインデックスさんですが、
「魔法」の「魔法先生ネギま!」とのクロスオーバーだからこそ、
気が気じゃない事はあります。

はい、その予感は的中。
事あるごとにズタボロになった愛衣や千雨は上条さんに体を預け、
正にネギま・禁書クロスである以上は必須とも言える
フルチューン状態の「影の鎧」高音・D・グッドマンさんとは、
インデックスさんから一度目の時に丁重なレクチャーを受けたにも関わらず
二度に渡って遭遇、右手による接触に至っています。
そして、その度にインデックスさんの白い歯はキラーンと輝く訳です。

そしてもう一つ、作中ではネギとも過去に接点があった様な、
学園都市でのネギとインデックスの顔合わせでは明らかにその様な会話や心中が記されています。
本作のインデックスはかつてウェールズの魔法学校で「禁書目録」の仕事をしていたと自分で言っており、
その時の様子からインデックスの記憶が残っている時期だとすると、
ネギが魔法学校の図書館で禁書を読み漁っていた時期に重なる可能性もあります。

無論、とあるに出て来る禁書をネギがまともに読んでいたら
ネギがその後生きて先生をしている筈もないのですが、
それはそれとして、時期的に言ってその時期に何等かの接点があった、その可能性はあります。

ネギとインデックスがどの様に出会い、言葉を交わしたのか、
本作で詳しく描かれる事はありませんでした。

しかし、この時期の魔法学校で出会っていたのならば、
アーニャに引きずられて図書館を出る程に、あの日の記憶に縛られて虚ろに禁書を読み漁るネギと
一年限りの記憶と言う重い運命に縛られながらも、傍若無人なまでに天真爛漫。
そして、シスターとしてのハートを持つインデックス。
どこか、救いがありそうな取り合わせです。

今回はここまでです。続きは折を見て。


424VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/05/16(金) 16:26:31.22Y0eyEUUFo (1/1)

乙です


425ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/18(日) 13:52:18.83kGXQB22E0 (1/4)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。
映画メインキャラ編続き

>>423

・鳴護アリサ

元ネタに当たる映画「エンデュミオンの奇蹟」のヒロインにして
本作のタイトルからして二大ヒロインの一人、って事になるのですが、
出番少なかったです。

直接本人が登場したのは、夜の公園でのステイル三弟子の襲撃一回、ほぼこれだけ。
後は、出て来ても精々電話で、って状況です。

映画で上条さんは言いました。歌が好きで、夢に向かって一生懸命。
只それだけの女の子がなぜ北半球を滅ぼす悪人になるのかと。
それは、千雨も、そして夏美も、共通する思いでした。
千雨は知っています。とある少年への熱い思いを。
友達である千雨が呆れて、そしてちょっと嫉妬してしまうぐらいに臆面もなく語る、
そこを突っ込まれて初めてあわあわする、そんな一人の女の子である事を。

映画で上条さんとインデックスが見た、
アリサの放つ希望の輝きを千雨達も目の当たりにしたのでしょう。
聖人、奇蹟の歌姫、大スター。
それでもなんでも、アリサ自身は夢を信じてひたむきに前に進んで頑張って来た。
ほんの少しの勇気と言う魔法を精一杯使って、そして願いが適った事を。

その輝きを踏み躙るのは許せない。
なぜなら、それは鳴護アリサと言う一人の少女が、自ら踏み出してその手で掴み取ったものだから。
学園都市のヒーローに、魔法の学園都市の一人の少女に、その友人達にそう思わせた、
その事こそが鳴後アリサの本当の力、魅力なのかも知れません。


426ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/18(日) 13:57:47.20kGXQB22E0 (2/4)

>>425

ほとんど顔を合わせる事すらなかった友人長谷川千雨。
それでも、一人の友人としてのちょっとした電話が、
千雨にアリサを、そんな本当は平凡な一人の少女にして大切な友達を守ろうと、その思いを奮い立たせます。
宇宙旅客機の中では、茶々丸の計らいで本人達も知らない所で疑似コラボも実現しました。
その時、二人ともそれぞれの戦場、ステージで己の闘いの真っ最中でした。

今まで知られていた「鳴護アリサ」の恐らく最後の時、
その最後のステージにして最新曲の発表に立ち会ったのは、上条当麻と長谷川千雨の二人。
時間の長い短いじゃない、と言い切ってしまうのは難しいですが、
アリサが全てを懸けた歌、その想いは通じた筈です
そのためにここまで駆けつけた、最も大切な人達だったのですから。

作者として言うなら、「歌」の力が放つあの映画の輝きを表現するには
私ごときでは色々と足りない事だらけで、ごめん、それ無理ってひれ伏した状態。
「光の塔」を背景に千雨達が駆け回りネギパーティーがひと暴れする。
そのイメージが私の妄想から文字へと発展するためには、随分と修行が不足していたと痛感しました。

・シャットアウラ=セクウェンツィア

本作投下中にも話題になりましたね。sage扱いも甚だしいと。

作者として言うなら、扱い難しかったですこの娘。
まず、最初に失敗しましたね。
記憶頼みの段階の作成で、
映画では夜の公園で最初っからド派手に爆発登場していたんですが、
本作ではそれに比べると温い描写になっていまして。

純科学サイドで「魔術」そのものの知識は最後まで無かった映画主要人物、
しかも、性格はいい加減な事が何よりも大嫌いな秩序の権化で頭も決して悪くない、
警備組織のリーダーとしてそれ相応の社会との関わりもありそうだと言う事で、
「魔術」に加えて「魔法」となると、
映画の大筋で進める場合ますます話に絡めるのが難しく。

戦闘力を見ても、強化スーツ込みでも
通常モードで麻帆良学園では相手が悪過ぎます。
何しろ秩序の人ですから、肝心のレアアース・ペレットは使い所が難しい代物ですし。
と、言う訳で、何となく前半で小太郎と絡む事が何度かあったのですが、
それ以上何かあったのかと言う事もなく。
終盤では完全にバーサーク通り魔なひどい描かれ方に………


427ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/18(日) 14:03:08.92kGXQB22E0 (3/4)

>>426

確かに、あの時点でのシャットアウラは、
映画でもアリサや上条を殺しに掛けるぐらいイッちゃってた訳ですけど。
本作ではジャッジメントを刺してしまったぐらいで、もっとひどい状態に。

元々千雨達はシャットアウラから見たらイレギュラーで、
最初からアリサと絡んでいた訳ですから、
それが邪魔して来た時点であの時点のシャットアウラなら
殺しに来てもあり得るとは思いますが。

アリサ誘拐当日にシャットアウラの動きを追跡していた小太郎が垣根戦に持って行かれたりと、
原作映画通りに動いた結果前半の出番が多いとは言えなかったシャットアウラですが、
後半でそのうっ憤晴らしの様にバーサーク状態の大暴れ。
元々、メカ込みとは言え神裂からも一応認められる程のレベル4大能力者の実力の持ち主。
原作映画でも、魔術の絡む様々に非常識な事態も
大能力者の特殊部隊と言う技量と経験で切り抜けています。

エンデュミオン内では、アリサ抹殺に動き出して以降にフェイト、夕映グループと遭遇。
フェイトの素手攻撃を間一髪交わす技量を見せた上に、対処を任されたフェイト・ガールズを突破。
サブ・コントロールでは千雨、和美を逃がすために立ちはだかった風斬氷華を
レアアース・ペレットで恐らくは一時的に爆散させています。

これは相当に凄い事で、フェイトは言うまでもなく
原作終盤までネギとガチバトルを展開した程の格闘センス、パワーの持ち主です。
それだけに初見の少女一人に使える火力を測り兼ねたと言う所もあるのでしょうが、
一撃での気絶を避けるだけでも相当な実力。

フェイト・ガールズも、それも束になってとなるとネギパの実力者達でも容易に突破できない相手で
本来シャットアウラに負ける相手ではないのですが、この場合、相性も良かった様です。
暦の道具を即座に危険と判断して排除、調は場所柄ヴァイオリンの音波攻撃に限定された上に、
本来聞くに堪えない筈のヴァイオリンがなぜかシャットアウラの音感障害と相性が良かったり、
焔の発火能力を勘で察知してカウンターしたり、
これは、見た感じ能力の発動方法が似ていたからかも知れませんが。
残る栞は直接戦闘能力はありませんし、環は作者が忘れてたと自白………

風斬氷華に至っては、
自壊自動修復しながらシェリーのゴーレムと素手喧嘩展開した天使様。
こちらも、相手が生身の人間と言う事で、
自分は安全である風斬が我が身を盾にして手加減したと考えるのが妥当ですが。


428ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/18(日) 14:08:40.00kGXQB22E0 (4/4)

>>427

結局、彼女が救われたのは映画通り、
本作では言わば映画の裏側で動いていた千雨達がダウンした後、
映画の表側で上条さんの役割だったと言う事で。

小ネタ劇場では、避難誘導していた柳迫碧美を刺した上に何らかの圧力で捜査が中止された事で、
当然の結果として超電磁砲組に付け狙われていますが、取り敢えず所在不明状態は継続中の様です。

今回はここまでです。

さあ、図面を引こう。

今日も緑溢れる火星を夢見て頑張ってるネギ君が
宝物五つコンプリートして口説き落とす勢いで
ちょっと物騒な宅急便をぶん奪るお話の執筆作業に戻るんだ。

今度ばかりは、ちうっちがまともに協力するのが最低条件として

………いや、無理。
無理無理無理無理。無理ですごめんなさい、
主に私の頭のレベル的な意味で。

一人漫才はこのぐらいにしとして

続きは折を見て。


429VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/05/18(日) 18:15:35.64yBTAPE2co (1/1)

乙です


430ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:03:08.76YUC2aVJO0 (1/11)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。

それでは今回の投下、入ります。
禁書映画メイン編です。

>>428

・レディリー=タングルロード

「そう、否定などさせない、何と言う愚かしい事っ!!」

本作の元ネタ映画「エンデュミオンの奇蹟」のネタバレによりますと、
科学の学園都市の巨大企業として軌道エレベーター「エンデュミオン」を建造運営する
オービット・ポータル代表にして、不老不死の苦しみを終わらせるために
「エンデュミオン」と鳴護アリサの「奇蹟の歌」を利用して
北半球破壊術式を発動して北半球諸共死んでやるぅと叫んでいた黒幕です。
その点、本作に於いても変わりのない所と言う事で、
「魔術」イギリス清教に加えて、「魔法」魔法協会までこの事件に絡んでくる事になります。

映画では純然たる黒幕に近いポジションでしたが、
今回は「魔法」が進行中のプロジェクトに肉薄する勢いを見せた事もあって、
レディリー自身が魔術の知識を駆使してそれに対抗する事に。

元々優秀なギリシャ占星術のシビルだった上に、
不老不死の身となって随分長い事生きていると言う事で、
本作では魔術、魔法の世界でも既に現存していないとされる術式の知識を
レディリー自身の記憶としてそのまま継続。

特に、「魔法」サイドでもネギパーティーの参謀であり魔法知識担当である綾瀬夕映は、
その源泉となるアーティファクト「世界図絵」が最新知識に自動更新するシステムであるために、
既に記録すら残っていないレディリーの魔術とは相性の悪さで苦戦を強いられます。
その点、さすがに「禁書目録」インデックスにはかなわなかった所ですが。

しかも、どういうルートか科学の学園都市の巨大企業代表になっているぐらいですので、
科学の世界、技術にも精通しており、
主にオリオン号の関係、そしてアリサやシャットアウラの関連。
計画の上で都合の悪い情報を隠蔽するためにネット空間に電子ドラッグ、電子結界を展開。


431ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:08:20.40YUC2aVJO0 (2/11)

>>430

それも、魔法の電子精霊でネットに干渉する長谷川千雨に似たものか、
科学でありながら古典ギリシャ魔術を組み合わせた独特の代物で、
通常は催眠誘導で守りたい情報から閲覧者の意識を反らすだけです。

しかし、凄腕のハッカーとしてその段階を突破した初春飾利の脳波を電磁波で干渉融合して昏倒させ、
「力の王笏」を使って初春の救出に出向いた長谷川千雨も、
初春を拘束する呪いが千雨の電子精霊ですら容易に解除できない上に
電脳空間内のイメージでケルベロスや人面鳥に襲撃され大苦戦。
電気能力による強制介入を試みた御坂美琴も逆に脳に干渉されて
錯乱状態に陥ったり強烈なダメージを受けています。

後で解説した夕映によると、あくまで電脳世界の闘いである以上デジタルな戦いなのですが、
そのため、レディリーが電子ドラッグに組み込んだギリシャ術式が余りに古いものであるため、
現代の術式を基礎とした千雨の電子精霊とはどこかロジックが噛み合わずに苦戦を強いられたとの事です。

何れにせよ、千雨の電子精霊と言えば原作「魔法先生ネギま!」で
ネット上、ハッキングの分野では大概の事を可能にして来たその分野のチートアイテムですし、
御坂美琴は学園都市最強のエレクトロマスター、超能力者レベル5第三位の実力者として
コンピューターの電気信号を支配する事はお手の物です。
その二人が二人がかりで辛うじて初春も含めて無事に撤退と言うだけで
情報収集ではそれ以上先に進む事が出来なかった時点で恐るべき技術力です。

その後もこの電子ドラッグ、電子結界はエンデュミオンを調査する
葉加瀬聡美の研究室に干渉してセキュリティーの絡繰茶々丸と衝突。
茶々丸に撃退されたもののエンデュミオンの術式の完全解読を阻止する成果を上げています。
千雨達がエンデュミオンに突入した際、
千雨による管制システムのハッキングに対して防御に当たったのも同じやり方の様です。

最終的には麻帆良学園の電子精霊使いに解体され、麻帆良側に若干の負傷者を出したものの
レディリーの隠蔽しようとした情報は麻帆良の手に渡る事となりますが、
麻帆良学園の魔法教師で電子精霊使いである弐集院によると、
当初からオリオン号事件の調査を行おうとした事に対して電子結界の妨害があった様です。

この電子結界も恐らくそうでしょうが、本作でのレディリーが三割増しぐらいに厄介なのは、
科学の学園都市の巨大経営者として学園都市の表の、或いは裏の世界に於いても
スーパー短期間でエンデュミオンを完成させる程には小さくない権力と科学技術力を持っていると言う事で、
その科学の世界での力を古の魔術に結びつけている事です。
まあ、学園都市でそんな事しといて見逃されてるのもおかしな話ですが。


432ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:14:55.43YUC2aVJO0 (3/11)

>>431

そもそも、エンデュミオンと巨大召喚魔術の組み合わせ自体が普通に考えても、
特にとあるの世界観では
本作でも夕映が即刻科学と魔術の全面戦争上等と説明しているぐらい凄まじいもので、
それを、落成当日まで隠蔽して見せた手際は尋常ではありません。

本作ではネギま!とのクロスと言う事で、
魔術的にデリケートなエンデュミオンが騒ぎになる事無く完成した事も含めて
何らかの認識阻害の魔術が使われたものと夕映達は推測しています。
これに近い事は、禁書サイドの原作でも魔術サイドが推測している様です。

その上に、本来魔術サイドの人間と言う事で魔術サイドの介入を警戒した下準備を着々と行っており、
まず、純粋に学園都市の表、裏の権力者として科学サイドによる防御を展開。

映画通りシャットアウラ率いる黒鴉部隊を動員、
術式の核となる鳴護アリサを巡りネセサリウスのステイル等と
「魔法」も入り乱れての攻防戦を展開して
最終的にその身柄の奪還、コンサート開催に成功。

謎のイレギュラーとしてアリサの周辺に干渉していた長谷川千雨のチームに対しては、
その動きを科学側による不審事件として情報操作する事により
学園暗部組織「メンバー」、「スクール」との衝突を画策。
最終的な結果はとにかく、効果としてはレディリーが土御門に語った通り、
レディリーのプランの上で障害になる千雨チームと暗部組織の両者に
決して小さくないダメージを与えています。

只、映画同様、レディリーによるこうした手法は、相手側に決定打を与えるには至っていません。
厄介な多重スパイである土御門元春に対しては、
土御門舞夏を人質にとってその動きを封じようとしたものの、

そのために莫大な費用と労力をかけて常盤台女子寮に潜伏させていた特殊部隊が
派閥の朝食会に被った事で主催としてこちらの女子寮を訪れていた
食蜂操祈に一掃されたらしき描写が為され、舞夏を人質に土御門に命令しようとした、
と言う土御門からの絶対的ギルディを利益ゼロで食らうだけで終わっています。

科学サイドの手口だけでも十分面倒な上に、
本作のレディリーはエンデュミオン召喚魔術や電子結界の様に
その科学を古典ギリシャ魔術と結びつける術を知っています。

それは、実際映画のエンデュミオンがそうである上に、
クロス相手が普通に科学と魔術を融合研究している「ネギま!」だと言う世界観もあっての事でしょう。


433ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:20:17.87YUC2aVJO0 (4/11)

>>432

肝心のエンデュミオン落成当日には学園都市各所で魔術テロを実行。
事件に介入していたイギリス清教と魔法協会が
陽動作戦と知りつつ放置できずに労力を割く状況を作っています。
オービット・ポータル系列の研究所で生物兵器の開発を進める一方で
秘かにカルト宗教団体を設立、研究者や常盤台の学生を勧誘して陽動作戦の土台としています。

カルト教団を通じて支配した研究者に生物兵器を持ち出させて研究者の手で召喚魔術と融合させて
生物兵器を核に魔獣ヒュドラを召喚した魔術と科学のハイブリッド・ヒュドラを召喚。
更に、土御門舞夏の人質確保に失敗した直後、
常盤台女子寮で「アマゾンの戦士」事件を引き起こしています。

事件に関わった食蜂操祈によると「アマゾンの戦士」とは
「戦士」となった者の脳内に流れるコード名が何かの様なもので、
ギリシャ占いサークルに偽装したカルト教団に関わった常盤台の生徒達が
そこで渡されたらしき魔法具によって「憑き物」に取り憑かれ、
不審な行動を察知、追跡していた食蜂を襲撃。
助けに入った御坂美琴、土御門を追う中で事態を察知した桜咲刹那も巻き込んでの戦闘が展開されています。

ここで使われた魔術は、後に刹那から生徒の部屋の写真を渡された佐倉愛衣が、
魔法使いの目から「誰がこんなふざけた真似をした」と激怒する程に
危険な召喚魔術を占いグッズに偽装していたものです。

しかも、憑依されていると言う事で、電撃や打撃を受けても気絶しない上に、
食蜂によると「憑き物」の「本体」が脳以外の場所から脳に悪性の信号を送っているために
食蜂が脳内データを修復しても「本体」によって再度書き換えられる鼬ごっこになる。
更に、レベル3以上が入学条件の科学の能力者である常盤台の生徒の脳に魔術が干渉しているために
早期に決着をつけないと生徒たちの脳が破壊される。
相手は操られているだけの善良な生徒であるために道義的に大怪我は避けたい、
と言う悪条件の連続に実力者揃いの三人組も苦戦。

操られた大半の生徒は別筋から介入した龍宮真名の「麻酔弾」で解呪され、
その龍宮が寮監の足止めに向かった後に残った四人の「戦士」も
それぞれ三人組の手で魔術から解放され、後遺症につながる脳外傷も木乃香の治癒魔法で回復されています。

しかし、電気能力で「戦士」の内心とシンクロした美琴が察知、
捜査に当たった固法も察した様に、常盤台の生徒として高位能力を求められる少女の内心に
占いサークルから浸食していく手口は年の功と言うものでしょうか。
それも、食蜂が気づく事が出来なかった程の短期間で常盤台に浸透したと言う事です。


434ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:23:20.90YUC2aVJO0 (5/11)

>>433

このカルト団体は、怒らせてはいけない相手を色々激怒させたと言う事で、
美琴の連絡を受けた白井黒子を初めとしたジャッジメントの捜査対象に。
しかも、本来止める側の固法が、生徒が巻き込まれたと言う事で敢えて越権捜査を許可しています。
更にその先回りをした何者かによって辛うじて生きている
嬲り殺し寸前と言うぐらいに痛めつけられています。

科学のバイオテクノロジーで作られた生物兵器を核に
ヒュドラを召喚して生み出したハイブリッド・ヒュドラも又、
エンデュミオン落成当日の魔術テロの中でも恐らく目玉としてレディリーが用意した、
確かに恐ろしく厄介な相手でした。

只、ここでも少々計算違いがあったのか或いは想定の範囲内だったのか、
前夜、他でもないレディリーの画策で暗部組織の「メンバー」、「スクール」が
千雨チームとの衝突で半ば機能停止に陥る中、
こちらは単なる偶然で千雨チームの運動部と衝突したものの
およそ無傷の暗部組織「アイテム」が事件に介入。

何者かの密告で研究所に絡む異常事態を察知したアイテムは
他の暗部が機能停止した事もあってこっちの仕事になりそうだと言う電話の女の指示もあって
偵察がてら研究所からの生物兵器持ち出しの調査、奪還に着手。

レディリーから見てハイブリッド・ヒュドラの召喚には成功したものの、
研究所が独自に雇った口封じの「掃除屋」が「アイテム」と交戦に陥ると言う「現場の判断」もあり、
その現場となった研究所跡の建物でレベル5第四位麦野沈利以下の
アイテムを敵方に引き入れてしまう結果となります。

それでも、召喚されたヒュドラの強さは並大抵のものではなく、
神話通りに切られた首から二股の首が再生し、
後に木原数多の語った所ではそれに合わせて全体も巨大化する、
毒液を噴射する遠距離攻撃も可能と言うヒュドラにはアイテムも、
魔力を察知して急行した刹那、愛衣も大苦戦。

刹那がヒュドラを二つに斬り裂いた結果二匹のヒュドラに分裂してしまうと言う事態も引き起こし、
内一匹は、麦野が原子崩しで首を全部ふっ飛ばし再生する前にフレンダが火炎弾で焼き尽くす事で退治。
もう一匹はフレンダと愛衣の合わせ技で地下通路の橋ごと地下深くまで墜落させていますが、
そこでは退治に至らず何者かが開いた穴から地下通路に逃げられています。

その後、ヒュドラは木原数多の率いる猟犬部隊の追跡を受けながら
学園都市の未使用の地下通路から爆破された壁の穴を通って下水道に逃走。
木原数多による観察実験のために動員された多数の猟犬部隊の隊員を虐殺しながら
下水道に逃げ込み、そこで刹那、愛衣に追いつかれています。


435ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:27:12.50YUC2aVJO0 (6/11)

>>434

しかし、その時に発生していた下水施設爆破事件の影響で
ヒュドラのいる下水道に本来のヒュドラの生息地に近い穢れが集約された事で
ヒュドラは「魔獣」から「怪獣」にバージョンアップ。
とんでもない攻撃力、再生力を発揮する怪獣ヒュドラに
実力派の剣士、魔法使いである二人でも大苦戦を強いられています。

それでも、水脈の穢れが強引に矯正された事で「魔獣」までランクダウンした所に
政治的事情で陽動作戦であっても放置できないステイルと三弟子も協力。
メアリエによる水魔術の縛りの中で刹那が首を全て斬り落とし
愛衣が巨大火炎魔法で決着をつけようとしたものの、途中で穢れの制御が解けた事で
逆にメアリエや愛衣が水の精霊ウンディーネの怒りを買って汚水に攻撃される羽目に陥ります。

しかし、刹那が東洋術式で首の再生を抑え込んでいる間にステイルがルーン配置を完成させて
イノケンティウスでヒュドラを焼き尽くす事に成功、
したかに見えたのですが、神話に伝わる「不死の首」が火だるまになりながら抵抗を継続。
最終的には刹那の音頭による女性陣総出での「天岩戸」の術式で
召喚を解除、あちらの世界に叩き返す事でようやく退治に成功していますが、
この時は、むしろ不完全なハイブリッド・ヒュドラと言う事で
科学と魔術の不完全に融合された繋ぎ目を外して召喚を解くのはむしろ簡単だった様です。

とにかく、陽動作戦と分かっていながらも、麻帆良とネセサリウスの貴重な戦力にアイテムまで加えて
ここまで引っ張り回したのですからハイブリッド・ヒュドラの脅威は相当なものです。
千雨チームの参謀綾瀬夕映も、そうしたレディリーの意図を読んで実力者である刹那と愛衣に対処を任せ、
リスクはあってもそれ以上の人員は動かさないと言う判断をしています。

加えて言えば、この魔術テロと同時進行で何者かに雇われた月詠が科学の学園都市に潜入、
神裂火織の足止めに動いたり、同じく何者かに雇われたパイオ・ツゥも科学の学園都市地下道に登場、
ハイブリッド・ヒュドラを追跡する猟犬部隊や一連の事件を追う御坂美琴、食蜂操祈との戦闘を行っています。
更に、複数の小規模魔術結社がヒュドラ関連の情報リークを受けて科学の学園都市に潜入しています。

この内、パイオ・ツゥは美琴、食蜂のレベル5コンビを撤退に追い込む成果を上げていますが、
月詠は不慣れな仲介人を介したために依頼を天草式十字凄教に察知されて神裂に至る前に敗退。
魔術結社はステイルによって始末されています。
明記はされていませんが、利害関係から言っても、
魔術、科学、双方に通じているレディリーの仕掛けと言うのは十分あり得る事です。


436ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:30:46.53YUC2aVJO0 (7/11)

>>435

そして、エンデュミオンの内部にも大量の召喚魔術を設置。
ケルベロスを初めとした数々のギリシャ魔獣を召喚して千雨達の行く手を阻んでいます。
ざっと見ても

ケルベロス軍団
ケルベロスと言えば三つの頭の地獄の番犬、最近映画化した医療ミステリー作品のモチーフにもなっていますが、
千雨等が戦った電子ドラッグの電子戦でも敵方のイメージとして登場しています。
エンデュミオン内の人造岩場に登場して千雨チームの行く手を阻みますが、
何か変なのが色々くっついています。

黒一色の装甲服にMG34をぶっ放して来る異様に近代的な集団、
後になると白塗り白スーツのSMG集団なんてのも加わっています。
黒い集団は電子戦でもケルベロスと共に登場して、
黒い装甲、ヘルメットに目だけが赤く光り、一斉射撃を展開するのですが、
頭の方に問題があったとかで一斉射撃の後一斉装填を開始した隙に千雨に一掃されています。

エンデュミオンの方にはケルベロスの弟で双頭の大犬オルトロスも登場。
こちらは原作ネギま!でも幻術の中で登場しています。

とにかく、少なくとも黒い軍団も小太郎いわく人間ではないと言う事で、
ケルベロス、オルトロス兄弟は小太郎、白黒軍団はハルナが引き受ける事となりますが、
犬と犬とのぶつかり合いは神話の犬兄弟に分があったらしく小太郎も押され気味、
ハルナもどこが魔術戦なのかと言う分厚い弾幕の物量攻撃に対抗するゴーレムが追い付かず。
結局小太郎、ハルナは岩場から貯水槽まで戦線を後退させながらも辛うじて死守した、と言った辺りです。

そもそもなんで又地獄の番犬ケルベロスに
赤い眼鏡に黒い装甲の機関銃軍団やら
白ずくめのSMG軍団がセットでくっついて来てるのかと言う事に就いては(以下略)

ケンタウロス、ミノタウロス
どちらもギリシャ神話に出て来る半獣半人の、取り敢えずざっくり言ってモンスターの類。
エンデュミオンの貯水槽エリアに登場。

馬人間のケンタウロスは群れで登場し、酒乱で結婚式をぶち壊して成敗されたと言う神話に倣い、
アリサのコンサートに突入して一挙に希望の歌から絶望に転換する
阿鼻叫喚の負のエネルギーを収集する事でエントロピーを凌駕する目的、
と、フェイトによって推察される。


437ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:33:59.61YUC2aVJO0 (8/11)

>>436

そういう訳で古菲によって足止めされ、中には貯水槽に叩き落とされてセイレーンに骨にされた者も。
一方、迷路の逸話で有名な牛人間ミノタウロスは単独で登場し、
こちらはもう少し頭が良かったらしく、
巨大な図体ながらそれを生かしたパワーアクションと共に意外な俊敏さでの体術攻撃を展開。
古老師との正面対決で古を苦戦させています。

セイレーン
背中に鳥の羽が生えた美女。
作中でアキラが言っていた通り、伝説の中でも後年型の人魚タイプの方が有名かも知れないけど、
元の伝説としては多分鳥人間が正しい。

こちらも貯水槽エリアに群れで登場、美しい歌で水の中に誘い込み食い殺す、と言う伝説通りの攻撃を展開。
千雨はそれに対抗するためにまずは調のヴァイオリンをスピーカーしますがその不快音は皆に美しい歌を聞き直したいと思わせ、
エレベーター内で調のヴァイオリン演奏を聞かされたフェイトから補習授業が予告されるだけの全くの逆効果。
しかし、千雨がスピーカーの混線で引っ張り込んだ「奇蹟の歌姫」鳴護アリサの歌声にはかなわず洗脳解除。

空中からの直接攻撃を開始したセイレーンに対して、
アーティファクトで人魚スタイルになった大河内アキラが自分を囮にした攪乱や水柱で足止め。
それでも千雨チームを追跡したセイレーンは裕奈の銃撃やまき絵のリボンで撃墜される。

ハルピュイア
貯水槽エリアから倉庫を突破してサブコントロールに向かう千雨達が遭遇した人面鳥。
二羽セットで風斬氷華を襲撃するも、佐々木まき絵のリボンで拘束、激突させられて近くの部屋に閉じ込められる。

ラドン
作中では竜とだけ表記、形状や状況からギリシャ神話のラドンらしきもの。
刹那、木乃香、のどかが侵入したエンデュミオン人口庭園に登場。
大量の首を持ち、口から冷気と炎を吐いて
林檎の木の林檎に手を伸ばしたのどかをフリージングしたために刹那と戦闘開始。
刹那の剣でダメージを受けるも、幸い木乃香がのどかの治癒に成功した事もあり、
ラドンが忠実な林檎の「番犬?」に過ぎない事を理解した木乃香がラドンを治癒、宥めて和解。


エンデュミオンにつながる学園都市地下道の資材置き場跡スペースに登場。
サイズは象、夕映によると草食ではない可能性があると言う事で、
千雨チームが攻撃する直前に介入したフェイトに石化されて終了。



438ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:37:52.45YUC2aVJO0 (9/11)

>>437


エンデュミオン内の魔法陣から現れた巨大馬。
こちらも肉食の可能性があり、コンサートに突入する危険があると言う事で、
発見した「渡鴉の人見」搭乗相坂さよと和泉亜子、佐々木まき絵、村上夏美が対処。
夏美、まき絵が引き付け亜子がアーティファクトの魔法薬を注入する事で馬に掛けられた呪いは解除。
以後は、途中で合流した木乃香や柳迫碧美までまとめて背中に乗せて崩壊するエンデュミオンを疾走。
彼女達を安全な場所まで避難させた後、彼女達の歌う「グローリア」を背にエンデュミオンに消える。


エンデュミオン基部エリアに大量に出現。
ギリシャ神話にポピュラーな邪悪の象徴と言う事で、首がいくつもあったり、
佐倉愛衣に言わせれば劣化コピーの出来損ない。

それでも、ボルト爆破に向かうステイルと弟子集団を襲撃し、
石化光線を放った所をナツメグこと夏目萌の銀粉水流で逆に自分が石化。
それでも大量に残る蛇を夏目萌、佐倉愛衣が食い止める事に。
しかし、その後、見るからに第一位な人の登場でまとめて挽肉、
その魔力をたどったのか、魔法陣まで破壊される事に。

しまいに、エンデュミオン内では、原作ネギま!に登場した魔素をも召喚。
魔素そのもので千雨とシャットアウラを襲撃、レアアース・ペレットの爆破で突破したシャットアウラに対して
千雨は魔素に浸食されて命の危険に晒された所を上条当麻に助け出されていますので、
状況的に「幻想殺し」で魔素は魔法陣ごと消されたのでしょう。

レディリーとの決戦の場となった特別展望室でも
ネギま!に登場した魔素人形を大量に召喚してインデックスの術式解除を妨害。
インデックスの防御に当たった夕映やそこに現れた裕奈、アイテムの麦野、絹旗をも手古摺らせる激戦を展開。
フェイトに対しては怪獣クラスの魔素人形が足止めしていましたが、
夕映は途中で召喚されたアリアドネー騎士団候補の助けも借りて防衛戦に成功。
最後には白く輝く少女に召喚術式ごと消滅させられています。

その他にも、千雨チームと途中から別行動でエンデュミオン内の特別展望室に直行した
フェイト・夕映チームもモンスターに襲撃されたとの事ですが、
こちらは安定のフェイト軍団ですからあっさり石にされた様です。

エンデュミオン内がギリシャ神話怪獣大決戦になった事に就いては、
作者の都合で言えば、ぶっちゃけ火力が足りない、と。
原作の禁書映画にネギま!が絡んだ結果、大筋を曲げずにやるのはもう一つ見せ場が………
と言う切実な事情が一つ。


439ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:41:51.09YUC2aVJO0 (10/11)

>>438

その辺の軽いジョークはさておいて、夕映の解説によると、
既にエンデュミオン内で始まっていた鳴護アリサのコンサート。
コンサートから発生するアリサを核とした膨大なエネルギーがエンデュミオンに張り巡らされた回路を通じて
召喚術式に流れ込んで発動させていたとの事です。

そして夕映は、レディリー本人と対面した際、同じ日の早朝に続発した魔術テロで、
古よりのギリシャ占星術の優れたシビルとして高度な術式の知識を持っていながら、
科学の学園都市の能力者と言う決定的に不向きな者を含めて、即席の術者を使い捨てる様にして魔術を発動した、
せざるを得なかった事情も、留まり続けると言うキーワードからある程度推察しています。

「奇跡の歌姫」鳴護アリサと、その「信徒」達が放つ膨大なエネルギー。
それを用いる事により発動がかなった、
ギリシャ魔術師としてのレディリーの真価と千雨チームは正面対決したと言う事です。
もっとも、レディリーによると、予備術式程度に思っていた魔素人形までが発動したのは、
或いはエンデュミオン内でイレギュラーな魔力を吸収したから、とも推測しています。

この様に、原作禁書映画に加えて「魔法」と言う要素が絡んで来た事に対して、
科学、魔術総動員でこの時、この瞬間のために、
何しろ目標が征服でもなんでもない地球破壊なのですから、
後先考えず形振り構わずありとあらゆる布石を打って来たレディリーですが、
本作でも後一歩の所で詰め切れず、敗北に追い込まれています。

術式を解除するインデックスとそれを守る夕映達、そして、発動が始まる術式。
地球破壊クラスのデーモンを初めとした悪魔軍団の召喚に途中までは成功するものの、
ネギと明日菜、そして白い少女の決死の時間稼ぎ、
そのわずかな時間に皆に守られたインデックスとシャット・アリサの奇蹟の歌声が術式を完全に解除。
レディリーの切望は今一歩の所で潰えています。

その後、レディリー自身が爆弾を手に特攻かけた結果麦野の原子崩しで跡形もなく消されたと言う事もあり、
地球を救ったヒーロー軍団も流石に疲労困憊限界の極みと言う事で撤退。

そんな事で死ねるものなら苦労はしないと無事復活して元の場所に戻って来たレディリーでしたが、
そこに現れたのは「魔法」の「英雄」ネギ・スプリングフィールドとそのパートナー神楽坂明日菜。
レディリーは、そんなネギに激情を叩き付けます。
今の自らの地獄、「英雄」としてやはり幼い身で世界のためにその道を選んだネギに対して、
何れ、レディリーの狂気は未来のネギの姿であると激しく負け惜しみをぶつけます。


440ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/05/19(月) 02:47:53.29YUC2aVJO0 (11/11)

>>439

ネギはそれを否定せず、そして、レディリーを、救います。
ネギ・パーティーの技能を尽くして強引にレディリーを不死の頸木から解放し、
更に、食蜂、ステイルの手で記憶と元の顔を消し去ってから地球のどこかへと追放します。
これは即ち、ネギが敢えて電話で学園都市内に向けて報告した事も含めて、
学園都市、イギリス清教双方の了解を意味する事です。

ここに、大筋の流れに沿っていた「エンデュミオンの奇蹟」からの流れが、
一つだけ大きく変更される事となりました。

「魔法」の人間として改めて土御門元春に接触した桜咲刹那は言います。
もう害はないから放置している。
既にディダロスの様な犠牲者も出しているレディリーにこれが正しい裁きなのかは分からない。
只、レディリーは、罪の前に大き過ぎる罰を前払いしている、と。

その後、小ネタ劇場では或いは、と言うシーンも描かれていますが、
最初からネギがそれでもなんでも素質は天才的であるレディリーを魔法サイドで保護する算段をしていたのか。
記憶の無い孤児を一人、確かに人命を弄んだ罰とは言え、
刹那も言っている様に確率的な大多数が死ぬよりも過酷な世界に放り出す事をネギがするだろうか。

只、今回の事件の性質上、魔術と科学のパワーバランスから地球そのものを危うくした魔術師相手に
そこまでやってしまう、「魔法」の庇護下に入れてしまうと、
学園都市やイギリス清教が黙っているだろうか、
或いはそれでも秘かに行ったのか、この大事件の直後にそれで通るものか、
と言った堂々巡りにもなりますが。

それは、ネギのヒューマニズムなのか、
或いは、レディリーの狂気に思う所があったのか。
それとも、映画の終わりに対して今回は「ネギま!」ですから、と言う事なのか。

今回はここまでです。続きは折を見て。


441VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/05/19(月) 04:08:25.931+0nUpQNo (1/1)

もういいわ


442VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/05/19(月) 07:49:53.24X8kXtHALo (1/1)

乙です


443VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)2014/05/27(火) 13:28:15.51DaSxmqVr0 (1/1)

ふむう成程のう(横山光輝風に)


444ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:18:37.8003gg7u7C0 (1/10)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。
なぜか作者が他人事の様に書いたりしてます。

それでは今回の投下、入ります。

禁書魔術陣営始まりイギリス清教サイドです。

>>440

・ステイル=マグヌス

イギリス清教会必要悪の教会ネセサリウス所属の魔術師。
ネギま!や禁書の様にパワーインフレーションが激しい作品ですと、
ちょっと目を離すとステイルの様な初期、と言うか一番最初の「強敵」の強さが微妙に見えたりもしますが、

本作の元ネタである映画「エンデュミオンの奇蹟」では、
学園都市とは妙に縁のあるネセサリウス側の言わば切込み隊長にして
上条当麻とは浅からぬ因縁がある、と言う元々のポジションから大活躍。
と、言う訳で、そこから「魔法」までクロスした本作でも
ネセサリウス側の先頭に立った戦闘でその実力を発揮しています。

鳴護アリサを巡り学園都市の裏側で「魔術」と「魔法」が交差した時、
ネギま!「魔法」サイドの「魔法使い」佐倉愛衣を二度の対戦で圧倒。
愛衣と刹那、それにアイテムと言った実力者達を苦戦させたハイブリッド・ヒュドラを、
共闘の一翼として巨大イノケンティウスで飲み込み一挙に大ダメージを与える辺り、
本作で主に愛衣から強調された「ルーンの天才」の面目躍如です。

加えて、やはりアリサを巡り対立した千雨チームの運動部+古菲チームの襲撃を受けた際には、
明石裕奈の魔力減退弾を受けながらも、減退しても戦闘力を保持した地力と
「殺し屋」の実戦経験で切り抜けています。


445ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:24:10.9603gg7u7C0 (2/10)

>>444

そのステイルの頭痛の種のなったのが、原作映画で初登場の三人の弟子達。
最初の夜の公園では、既に「魔法使い」高音・D・グッドマンに捕獲されて全滅寸前の三弟子を、
炎剣で高音さんの影法師を薙ぎ倒して救出すると言う映画よりも難易度の高い展開。

本作ではこいつらが最早三馬鹿トリオと言うべき活躍を展開した結果、
佐倉愛衣水責め事件では、それを黙過した事で根性なすごいパンチでふっ飛ばされた挙句に
触手フルアーマー高音さんに追い回され、

姫神秋沙との接触を口実に三弟子がネギ・スプリングフィールドに喧嘩を売って瞬間KOを食らったものだから、
面子の上から対戦せざるを得なくなった訳ですが、
「ルーンの天才」も魔法理論から「拳法」まで万能でこなす「魔法」の「英雄」は相手が悪過ぎたと言う事か、
魔法名を名乗るや否やネギの肘打ちを食らった上に配置したルーンまで逆に支配されて完敗しています。

映画の通りと言う事では、最初の公園で切り抜けた黒鴉部隊にアリサ誘拐後のカーチェイスで敗退、
アリサを奪い返されたのは映画通りの様です。
その後、エンデュミオン基部で弟子と共にボルト点火に向かった際には、こちらは本作独自展開で
レディリーの召喚した蛇の大群の襲撃を受け、
利害の一致した愛衣、ナツメグに蛇の対処を任せています。

原作小説でも、初期中期程の出番は、となる一方、
ペンデさんと死闘を展開したりグレムリンとの空中戦に登場したりと侮れないステイル君、
本作の元ネタの映画でも大活躍です。
禁書、ネギま!共にパワーインフレが激しい作品と言う事で、
原作では初期キャラのステイルが割を食ってる部分がありますが、本作では丁度いい比較対象が登場します。

本作でステイルに絡む機会が多かったのがネギま!側の「魔法使い」佐倉愛衣。
ネセサリウスの「ルーンの天才」として、本作では「魔法」サイドにも知られているステイルですが、
佐倉愛衣は容姿端麗成績優秀性格円満の才色兼備、
留学先のジョンソン魔法学校を首席卒業して年齢的には先端の「魔法」を使いこなす才媛。

関わりを持ったネギ・パーティーやその相手の実力が色々おかしいから勝った試しがない様にすら見えますが、
本来は登場時点で初期ネギなら圧勝できる、キャリアや理論値で言えば年齢的には実力者と言っていい「魔法使い」です。
年齢も同年代で共に火炎魔術の使い手、本作では、愛衣の留学中に知り合っていたとの事で、
術式の優劣を巡り校舎一つ溶鉱炉にしたりグラウンド一杯のイノケンティウスの鎮圧実験をやったりして
元気があってよろしいとお掃除半年を賜ったぐらいには近しい間柄だと言う事です。

それでは、この二人は似ているのかと言えば、むしろ大きく違っています。
愛衣はあくまで「魔法先生ネギま!」の「魔法使い」。
それも、一部実務に当たっているとは言え、身分はあくまで学生です。
原作の最後を見ても、このまま麻帆良学園を卒業して関東魔法協会の魔法使いになるのでしょう。


446ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:29:43.3003gg7u7C0 (3/10)

>>445

一方のステイルは、イギリス清教ネセサリウス必要悪の教会に所属する魔術師。
魔術の秩序を司る魔女狩り部隊の先兵として、
数多の魔術結社を「焼いて」来た事が原作で描かれている魔術の世界でも裏側で活動している実力者。
故に、本作ではしばしば「殺し屋」と表現されています。

本作中のレスでも少々指摘されていましたが、異端審問の専門家として、
任務中に三弟子に捕獲された愛衣への仕打ちなどお遊びに過ぎないヘビーでハードな拷問も通常業務になります。
禁書風に言うなら、一般社会からは常盤台を含む能力それ自体が秘匿されている事も含めて、
「魔術」と言う裏の存在同士、そこでそれなりの評価を受けている中でも
常盤台のお嬢さんと暗部組織ぐらいバックグラウンドが違うのがこの二人です。

そして、そのバックグラウンドはそのまま実力差にも結び付いており、
愛衣自身、ステイルの狂気と言えるルーンの習得と実戦経験の違いから、
直接対決したら負ける、と言うか死ぬ、と即答しています。
「殺し屋」の魔術は「学校」の魔法がどうこう出来る相手ではない事も理解しています。
実際に、本作では互いに必要悪の教会と麻帆良学園警備と言う任務の上で二度対戦していますが、
二度ともステイルが圧倒する形で展開して、生きて脱出した愛衣を褒めてやりたい状態で勝敗を決しています。

では、この違いは絶対的なものなのでしょうか?
「魔法先生ネギま!」の魔法の世界も又、
人間の歴史の上でありふれた闇や悲劇と隣り合わせである事は、実の所しばしば描かれています。
主人公であるネギ自身の背景からして、英雄としての輝きと共に、
魔法と言う世界の悲劇と汚点の歴史である事も知られています。

魔法と言う強力な異能と人間の欲望、感情が絡み合う、
それでも人々が暮らしている世界を守るために、時に命を懸けて地道に活動しているのが魔法使いです。
愛衣も又、魔法の世界を志す者として、
学生ながら時に命の危険もある、闇と隣り合わせのその世界で誠実な仕事を行っています。

不良神父のステイルですが、実の所は英国民の血税で働いている公務員です。
「殺し屋」に相応しい仕事はしていますが、別に私利私欲での殺人者と言う訳でもないでしょう。
魔術、と言う異能の性質上、言わば殺される本人の個人責任を完全に度外視してでも、
公共の利益オンリーの理由だけで罪なき者を殺める必要もある、単純に言えばこういう事とも推察されます。

最初に公園で千雨チームと衝突した際も、ステイルは割り込んで来た千雨に迷わず炎剣を向けています。
そのために楓から鋭い警告を受けた訳ですが、
魔術と科学の紛争に素人っぽいのが易々と嘴を挟む、それを「魔術」サイドである「魔法」サイドが容認している、
政治的な問題にも絡むプロの魔術師として我慢ならない事態であるのは、禁書の世界観から言っても理解できる事です。
イギリス清教、ネセサリウスの利害もあるでしょうから断言してしまうと綺麗事になるかも知れませんが、
大きく間違ってはいない筈です。


447ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:35:01.5503gg7u7C0 (4/10)

>>446

元々のステイルの知り合いであり、
「魔法使い」として「魔術」サイドに属する愛衣もおよそその辺の事は飲み込んでいる様で、
ステイルやその弟子から殺し合いや拷問と言った目に遭わされてはいても、
幸い大きな傷が残らなかった事もあってか千雨達にはそれも仕事の上の事と割り切った事を言っており、
その後の言動を見ても本心からそう遠くない発言なのでしょう。

実際に利害が一致したヒュドラ戦では、互いに多少の憎まれ口を叩きながらも特に私怨も見せずに協調しており、
ステイルや三弟子、愛衣、刹那、それぞれに守るべきものを背負い魔術、魔法と言った裏の世界に関わる、
殺し合いの対立があった経緯を考えるならプロ、セミプロとしてのプライドと言える態度をとっています。

その時、愛衣がステイルに「人を焼いて来たの?」と尋ね、
ステイルもヒュドラに関わり魔術結社を潰して来た事を見た所素直に答えています。
そうしたやり取りを粛々とこなす程度には、時に衝突する事はあっても、
互いに闇の必要悪としての存在を理解している様です。

そんなステイルが本作で一度だけ、自制の危うい態度をとっています。
アリサの事件に絡み目撃されたインデックスと接触しようとした愛衣をステイルは先読みしてイノケンティウスで迎撃。

上条当麻や神裂火織の介入もあり、優勢勝ちの形で愛衣を退かせる事に成功していますが、
その際、アリサの解析のためにインデックスを動員したのかと言う愛衣の問いに、
ステイルはグロッキーの愛衣に炎剣を以て応じた(上条さんがそげぶした)上に、
麻帆良がインデックスに関わるならば魔法協会ごと潰すと警告しています。

「魔法」とインデックスの接触阻止自体はネセサリウスとして正規の任務であるかも知れませんが、
この警告は慌てて神裂が取り成した上に、千雨はもちろん愛衣も滅茶苦茶なものだと断言しています。
イギリス清教の目玉兵器と言えるインデックスと魔法協会の愛衣の接触を阻止する所までは
ネセサリウスとして当然の対処と言えますが、この警告は滅茶苦茶です。

双方の影響力の大きさを考えても、その程度の事でイギリス清教がいきなり魔法協会に全面戦争を挑む筈がない。
つまり、一人の魔術師であるステイル個人の警告であると愛衣は察知しています。
そうであれば、ステイル一人が到底勝てる筈の無い戦争になる、にも関わらず、
禁書原作で言う「魔術師」と言う「我がままな存在」がそれを告げた以上、組織がどうあれ実行されると言う事も。

愛衣は、暫定的には神裂との間で魔法を代表する様な形で、
ステイルの警告を了承して千雨達にもインデックスへの接触を避ける様に釘を刺しています。


448ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:38:20.6703gg7u7C0 (5/10)

>>447

それは、例え組織を離れた個人の意思であるとは言っても、
「魔術師」と言う「我がまま」な性質上、その警告は必ず実行される。
成功はしなくてもステイル程の実力者が政治的な現実すら度外視して着手したら
「魔法」側に犠牲者が出る危険性が高いと言う現実的な判断が一つ。

同時に、期間は短くても、愛衣はステイルと共に魔術を学んでいた、と言う事です。
正確な事情をどこまで知っているかと言えば、事の性質上そこまでは知らない可能性の方が高いでしょう。
それでも、愛衣は優秀な魔法学生として魔術を学んでいます。

なればこそ、身近で学んでいたステイルがルーン魔術の習得に傾けていた狂気と言うべき情熱の一端も理解しています。
ステイルの警告の後に愛衣が行った質問、その口調から学友としての質問にも聞こえる内容からも、
その後、愛衣が千雨に漏らした推測からも、ステイルの警告が愛衣の見て来た、
魂を削る狂気にも等しいルーンへの情熱に結びついている事を。

だからこそ、脅威と同時に、魔法、魔術を学ぶ者として大事にしたい、
大切にしたいから魔術を学ぶ、そこに触れる問題であろうと言う事を感じ取っていたからこそ、
かつての学友としてその思いを汲んだ風でもあります。

本作の終盤に於いては、映画からの独自展開で、
「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドの指揮棒に従い互いに顔を合わせない状態のままに
「科学」カエル医師や食蜂操祈と協調する形で、
レディリー・タングルロードの顔を炎で整形する事でその失踪に一役買っています。

魔術と科学との間で戦争を引き起こしかけたレディリーを相手に、
実際に巻き込まれて死ぬ思いをしたステイル自身がそんな事をする義理は当然ありませんし、
そんな立場のレディリーの隠匿をステイルが幇助する以上、その判断を下す人間は自ずと限られてきます。
ステイル自身、ネギの指揮棒で演奏させられた科学との合奏である事をよく理解して行動していましたので、
組織人の魔術師としてそれに応じたと言う事なのでしょう。

その後、映画通りに入院したステイルは、土御門から一連の事件の中でのネギのきな臭い動き等を聞かされた後、
一連の事件で縁のあった愛衣からの見舞いを受けています。
最終的には協力関係で仕事をしたと言う事で儀礼的であると口に出しながら感謝の言葉を交わしながら、
絵に描いた様なツンデレを展開する二人に土御門が茶々を入れたり、
それに煽られて他愛もない憎まれ口を叩きながらしまいに土御門を追い出したり。
そして、最後に一言ずつ、言葉をかけています。


449ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:41:26.5803gg7u7C0 (6/10)

>>448

愛衣は、狂気と言うべきルーン魔術に魔術を知る女性としての畏怖と憧れを告げ、
ステイルは、お勉強は出来るんだから精々健全な魔法使いをしていればいい、と皮肉にしか聞こえない言葉をかけています。
特にステイルなどは多分に素直じゃありませんが、互いに、魔術師、魔法使いである相手を評価した言葉です。

少なくとも頭で考えている限りでは、口にも出している通り、ステイルから見て愛衣は大した存在ではないのでしょう。
一応「魔術サイド」と言う意味で外から見るなら同じでも、中の人間から見れば常盤台と暗部程に住む世界が違う相手で、
利害が相反すれば他の他人同様に焼き殺し利害が一致するなら利用する。
仕事として、魔法協会と言うバックには理屈通りの配慮はする。
只、それ以外の場所で多少個人的に関わっていた分には、真面目に魔法に取り組んでいたと言う点に関しては、
その道の知り合いとして皮肉の中に言葉通りの好感も多少は持っていたのかも知れませんが。

暗殺、拷問上等なハードな団体な筈のネセサリウスからして
最近とある少年と関わって以来とみに緩くなった、と原作で嘆息している「殺し屋」ステイルです。
その緩さに自分が引っ張られている事も理解しています。

取り敢えず人を殺した事の無さそうな、「魔術」の中でも表側に近い、
敵対する理由が無ければ怨みも無い歳の近い友人を羨む、と、言う事でもないでしょうが、
多少は思う所があったのか、取り敢えず、互いの違いと真摯さを認め合うぐらいの事はあった様です。
愛衣がヒュドラとの戦いで一時視力を失った際には、
おふざけがちな三弟子の中では比較的真面目なメアリエに「殺し屋」の表情で愛衣を病院に運ぶ様に厳命しています。
もっとも、その後で愛衣本人には足手まといだと憎まれ口をたたく有様を三弟子から「かーわいい」と評されていましたが。

もしかしたら、今後関東魔法協会の魔法使いとして「裏」と関わる愛衣と再び殺し合いに及んだり、
非情さの温度差から愛衣にステイルが辛辣な言葉を刺す事もあるかも知れませんが、
そういう一筋縄ではいかない関係にはどこかで慣れていそうです。

何となく比較対象の記述が多くなってしまいましたが、
対になる存在と照らし合う様にして「魔術」と「魔法」、
その遠い様な近い様な関係の一端を伺うにはちょうどいい。
そんな、普通に優秀、と言う流行りの若干変な日本語が似合いそうな現場担当者として
普通の裏、と言うこれ又変な表現の一端を見せてくれました。


450ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:45:04.2803gg7u7C0 (7/10)

>>449

・メアリエ=スピアヘッド
 ジェーン=エルブス
 マリーベート=ブラックホール

イギリス清教必要悪の教会ネセサリウスに所属する魔術師にして自称ステイルの弟子である三人組。
それぞれ水、風、土の魔術を使い、師匠であるステイルの炎と合わせて魔術の四大元素。
本作の元ネタである禁書映画「エンデュミオンの奇蹟」に登場。

と、言う訳で、本作でも映画通りの流れで学園都市の夜の公園に現れて鳴護アリサを強襲。
ただ、その前に、アリサの部屋撮り写真に写り込んでアリサの友人である千雨チームを呼び込んだり
学園都市内でも小太郎の鼻で存在を察知されていたっぽいですが(前者は他の可能性もありますが)。
映画で上条当麻とインデックスと言う、
どっちかと言うと火力と言うよりトリッキーな二人にも手こずった三弟子です。

本作ではその上に小太郎や楓と言うネギパの強者の参加した千雨チーム、
更に麻帆良学園警備の高音チームなんてのまで介入して来たもので、見事にフルボッコ。
と、言うのは言い過ぎで、そういう側面もありましたが、
そんな状態でも結構いい勝負でネセサリウスの侮れない実力を見せたりもしています。

問題はその後で、sageキャラ扱いとも言えますが、
そもそも、映画でも本作でも描かれた通り、
学園都市内で師匠の筈のステイルからも抜け駆けで一般人巻き込んだ強襲掛ける様な連中ですから。

と、言う訳で、麻帆良学園から調査に当たっていた佐倉愛衣を罠にかけて捕獲、
拷問にかけて情報を聞き出そうとするも、異常を察した御坂美琴や犬上小太郎、
最終的には高音の介入で這う這うの体で撤退。

しまいには、イギリス清教の所属に当たる姫神秋沙に接触したと言う理由で
よりによって「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドに喧嘩を売って
次のコマでは仲良くKOと言う無茶にも程がある流れ。

結果、戦いに負けて成果を得られなかったのみならず、
千雨や高音のチームが学園都市に潜入している状況下で水面下で動いていた土御門も
この三弟子がやたらと麻帆良関係に喧嘩を売りまくった結果その方面からの情報収集に支障を来していたらしく、
しまいに「お茶会」に招かれた土御門から殺す発言が出ています。

ここまで、本作独自展開では三馬鹿トリオと化していた彼女達。
アリサ誘拐事件当日には、コンテナ車で着替え中に千雨チームの運動部+古菲に襲撃を受け、
不意打ちで明石裕奈の魔力減退弾に苦戦しながらも、ステイルの活躍もあって辛うじて脱出。


451ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:48:09.7303gg7u7C0 (8/10)

>>450

映画通りにアリサの拉致を実行したファミレスでは、
それを阻止しようと集結した千雨チームと交戦。
相坂さよのポルターガイストや再び明石裕奈の銃撃に晒されながらも映画通りにアリサの運び出しに成功しています。
只、ここでかっ攫ったアリサは、原作映画通り黒鴉部隊に奪還された模様です。

エンデュミオン落成当日には、「魔法」の桜咲刹那、佐倉愛衣のコンビと合流する形で
ハイブリッド・ヒュドラ退治に参加。
メアリエの水捕縛を中心に愛衣による呪文詠唱をバックアップしますが、もう一歩の所で及ばず
師匠であるステイルのイノケンティウスに持って行かれる形となります。

それでも、一時は怪獣化していた「科学の魔獣」ハイブリッド・ヒュドラ相手に
「魔法」と共にそこまで持ち込んだ時点で大きな成果であり、
最終的にはヒュドラの「不死の首」を刹那の音頭で異界に送り返す「天岩戸の術式」に参加する活躍を見せています。

その後は、映画通りエンデュミオンの基部でステイルと共に爆砕ボルトの点火に参加。
途中、レディリーの召喚魔術の暴走で蛇の大群に襲撃されましたが、
こちらも和解と言うか停戦と言うか利害一致が成立した愛衣と夏目萌に助けられ、
この二人に蛇退治を任せて先を急いでいますので、後は映画通りの展開なのでしょう。

互いに「魔術」と「魔法」の前線潜入部隊として麻帆良側の佐倉愛衣と絡む機会が比較的多かった訳ですが、
言わば実習学生と社会人の違いと言う事か、
後者に当たる三弟子は学生である愛衣を利害の関係で一度は捕獲して
楽しそうに嬲りものにしながら終始愛衣を下に見た態度をとっています。

最終的には、ステイルの病室で愛衣と憎まれ口の応酬をしたりもしていますが、
高音、ナツメグも現れた事もあり、その場は、恐らくはステイルと愛衣がそうだった様に、
一応今は争う理由の無い共闘した者同士としての一礼で終わらせています。

ここで、一人ずつ寸評しますと

メアリエ
三馬鹿トリオのお姉さん格。
その点では、原作「エンデュミオンの奇蹟」の漫画版に近いのかも知れません。

最初の公園では映画通りにアリサ強奪を妨害する上条当麻を水槍で襲撃して映画通りに失敗。
同様にアリサのガードについていた長谷川千雨の電子精霊の襲撃を受けた上に
映画通りにインデックスの強制詠唱で水の術式を崩され、
更に、麻帆良学園警備の魔法使いで同じ水使いであるナツメグこと夏目萌と水魔術の力比べに引き分ける、
映画以上の奮戦の末に、ナツメグの先輩でもある高音・D・グッドマンに捕獲される寸前でステイルに救出されています。


452ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:51:31.8303gg7u7C0 (9/10)

>>451

基本、見た目も中身も幼さの残る二人よりは落ち着いたお姉さん格ですが、
公園の噴水で佐倉愛衣を拷問にかけた際、救出に現れた犬上小太郎には激昂する姿を見せています。

これは、元々魔術師メインではない小太郎が俄か仕込みの東洋水魔術の術式を使って
本職の水魔術師であるメアリエを一時拘束して見せたからですが、
これも調のスカートをアタックした様な小太郎の作戦だったのか、
小太郎の水拘束を即座に解除したメアリエに対して、その間に水中に仕込んでいた、
こちらは小太郎の本職である大量の狗神で襲撃されてKO負けしています。

話の順序は逆になりますが、他の二人に比べてやや好戦的とは言い難いメアリエですが、
やはり異端審問を得意とするネセサリウスの魔術師と言う事で、
愛衣を捕獲して拷問にかけた際には、
元々火炎魔術師でメアリエの「水」とは相性の悪い愛衣相手に実に輝いています。

ネギを襲った際には当然の如く三人まとめてダウン。
コンテナ車での襲撃では佐々木まき絵のリボンに捕獲されながら間一髪ステイルに救出されています。
ファミレスでのアリサ誘拐決行の際には、
店内で阻止に動いた明石裕奈の銃撃に対して水を動かして水差しを飛ばす攻撃で対抗。
これが功を奏して銃撃を反らしてついでに反らした先がアイテムで
結果として裕奈等運動部チームを機能停止に追い込む原因を作る活躍を見せています。

ハイブリッド・ヒュドラ戦では下水道でヒュドラを拘束する言わば花形を担当。
こないだ拷問にかけたばかりの愛衣から呪文詠唱の時間を稼いで欲しいと言われて自信満々に応じていますが、
途中で、阻止されていた下水道への穢れの流入が再開してしまったために
水を穢された精霊ウンディーネの怒りを買い攻撃準備に当たっていた愛衣を汚水に飲み込んでしまい、
箒で汚水をかち割って愛衣を救出。
ヒュドラ撃退の後には、毒水の影響で目を患った愛衣を自己精製した清水で治療し、
ステイルからは愛衣を病院に連れていく様に「殺し屋」の顔で厳命されています。

その後、エンデュミオ基部で蛇の大群に襲撃された際には、消火栓の暴走で対処しています。

最後は、ステイルの病室で何か低次元な憎まれ口を叩き合っている三弟子と高音チームの中で、
互いにお姉さん格と言う事で高音と互いに黙って頭を下げて礼を示す事で落ち着かせています。


453ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/08(日) 00:54:57.3703gg7u7C0 (10/10)

>>452

基本的にはおふざけ、やり過ぎの面のある三弟子の中ではお姉さん格として理性的に対応。
映画同様三弟子の中でもやるとなったら先頭に立ち、本作中でもそれで手柄を上げた事もあります。

「魔法」サイドとの直接紛争では、同じ水使いのナツメグとは正面対決で引き分け。
その後、学園都市に潜入した佐倉愛衣とは、学園都市に潜入して同じ獲物を狙う魔術サイド同士、
利害関係上は対となる形で、メアリエが魔術師として楽しそうに愛衣を拷問に掛ける姿も描かれます。
その愛衣とも仕事で手を組む事になった際には、本来愛衣が優秀である事もあってか、
魔術師として己の技量を誇りながらも臨時のパートナーとして仕事には一応の敬意を払っている様でもあります。

ジェーン
メアリエよりも見た目年下の細身の体格ながら、より隙間の多い魔女衣装で登場した風の魔術師ジェーン。
最初の夜の公園では長瀬楓の妨害を受けて空中戦を展開。
最終的に涼しい顔の楓に対して疲労困憊で終わっていますが、
実際の所、楓を相手にその程度で済んだだけまあまあ結構な実力です。

ショッピングモール爆破事件の後、公園で愛衣を拷問に掛け御坂美琴の介入を受けた際には、
一度は強風でふっ飛ばしたものの、美琴の電磁力による空中での調整に気づかず、
美琴の計算通りに頭突きを食らって蹴り飛ばされそのまま電撃裏拳で昏倒させられています。

ネギ襲撃では風魔術に巻き込むお膳立てをしたものと思われますが、あっと言う間にKO。
アリサ誘拐事件では相坂さよのポルターガイストに強風で対抗して切り抜ける、
エンデュミオン基部でも蛇の大群を風で吹き散らす、彼女の立場としてはお手柄です。

マリーベート
モンペっぽい衣装の探偵スタイル魔術師。
最初の公園での襲撃では、映画通りに上条さんに土の拘束を破壊された後で介入した犬上小太郎と交戦。
小太郎の東洋の土魔術は専門の土魔術師として突破したものの、
小太郎の専門である力技には対抗出来ずに風圧攻撃に敗れた上に高音の影法師に拘束される。

佐倉愛衣拷問事件では御坂美琴の介入で真っ先にレベル5第三位と交戦。
土魔術を砂鉄操作で乱されて初見で事態を把握し切れずに混乱している内に
砂鉄操作で頭部を窒息寸前のボーリング球にされ砂鉄の剣を目の前にぶっ刺されの
恐怖体験連発の挙句電撃でダウン。

コンテナ車で襲撃を受けた際には、古菲に目を付けられて激しく追跡されたものの、
そこで出会った削板軍覇をだまくらかして逆に古菲と削板を交戦させる事に成功したため、
結果としては千雨チームの重要戦力を削ぐ事に成功しています。

今回はここまでです。続きは折を見て。


454VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/08(日) 01:37:56.12rikqHWLOo (1/1)

乙です


455VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2014/06/08(日) 08:48:30.57n0zOVE8lO (1/1)

たかが二次創作で延々と設定を語ってるのは気持ち悪いな


456ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/09(月) 14:36:46.11AdwN+CTE0 (1/7)

注意書な現状報告

作品自体は終了、気軽に始めたつもりが泥沼はまり込んだ感じで
人物単位ネタバレ後書き解説が継続中。
なぜか作者が他人事みたいに書いてたりします。

それでは今回の投下、入ります。

禁書魔術サイド、イギリス清教の続きからです。

>>453

・神裂火織

イギリス清教必要悪の教会ネセサリウス所属の魔術師にして元天草式十字凄教の女教皇。
そして、「聖人」の一人。
禁書世界の魔術サイドで「聖人」と言う事になれば、それは世界に二十人といない規模の、
すごーく大ざっぱに言えばとんでもなく強い魔術師、まあ、そういう事です。

そして、今回は、元ネタの映画「エンデュミオンの奇蹟」が、
なんと言うか久々に学園都市でのネセサリウスの活動が前面に描かれ、
そういう訳で、ステイル程ではなくともステイルと共に元々その任の多かった神裂さんも活躍。
従って、それを元ネタとする本作でも、と、言う事です。

本作最初の登場で葉夜の公園でステイルの三弟子がアリサを襲撃する中、
映画通りにビルの屋上で事態を観察していた様ですが、
そこをネギま!側の犬上小太郎に察知されています。
これは、「聖人」神裂火織が本作に関わる中での言わば前哨戦の様な形となりました。

ネギパーティーでも上位の強さで、
実力の上下はおいてネギの好敵手を目指している小太郎に対して神裂は終始余裕綽々。
七閃を初めとして体術、棒術で七天七刀を抜く迄もなく小太郎を追い込み、
小太郎も内心その実力差を痛感する状態で強力な実力の、それも片鱗に過ぎないものを見せつけています。
なお、その後は、映画通りにメカ搭乗のシャットアウラとも衝突、
七閃とレアアースペレットの打ち合いを展開した様です。

インデックスとの接触を図った佐倉愛衣をステイルが迎撃した際にも登場。
既にイノケンティウスから命からがら脱出した事でグロッキーだった愛衣と対峙し、
愛衣の魔法と棒術の速攻を交わして簡単に、
それもちゃんと愛衣の技量を見極めて死なない程度にふっ飛ばして戦意を喪失させています。


457ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/09(月) 14:44:44.43AdwN+CTE0 (2/7)

>>456

イギリス清教の保護下にある姫神秋沙を連れ去り、ステイルとその弟子をダウンさせた
「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドとも対戦

魔法と共に八極拳と神鳴流の槍術を使うネギの技巧に舌を巻き、
更に雷天化したネギに半ば振り回されながらも振り切られる事なく応戦。
しまいに魔法名を名乗る戦いに移行する寸前で上条当麻が移入した事で停戦。
「魔法の英雄」を前に一歩も引けを取らない戦いを展開しています。

本作最大にして最悪の大活躍。
麻帆良学園、ネギパーティー所属の神明流剣士桜咲刹那から情報を得るべく麻帆良学園都市内で接触。
科学の学園都市で勝手に行動している千雨チームの情報提供を刹那が拒否した事で、
裏と裏の流儀で決着をつけるべく両者が激突。
ネギパでもトップクラスの実力を誇る剣士の刹那も「聖人」は相手が悪すぎたと言う事で、
神鳴流奥義を連発する刹那に対し、神裂は正面から刹那を圧倒、ボコボコに叩きのめしています。

更に、それを目撃した刹那の親友神楽坂明日菜、近衛木乃香とも衝突。
実力的には有力な剣士ではあっても未だ刹那より下である明日菜は必然的に神裂に圧倒され、
明日菜は瀕死の重傷を負っては木乃香の魔法で治癒されると言う無謀な戦いを余儀なくされます。
戦況は神裂の魔術の組織人の常識故に結果的に悪い方悪い方に
この三人の友情に触れる発言を繰り返してしまう神裂に対して三人は驚異的な粘りを見せ、
刹那も明日菜も神裂に倒されても倒されても立ち上がると言う泥沼状態に。

それでも、逆に神裂の地雷を踏んだ「覚醒明日菜」を真っ向からぶちのめした辺り、
やはりここでの、未熟者達に対する神裂の実力は圧倒的です。
しまいには、瀕死の状態でありながらその身に代えて守るべきものを守り抜こうと言う刹那に対して、
神裂も魔法名を以て応じようとしましたが、第一幕の悲劇が終わる前に第二幕が始まります。

麻帆良学園で他所の魔術師、それも「聖人」がこんな馬鹿騒ぎをして無事に済むと考える方がおかしい訳で、
まず、刹那達の副担任にして原作ネギま!ラスボスの一人であるフェイト・アーウェルンクスが
契約に従い僕の生徒に手を出すなと言うシンプルな理由で介入。

神裂は結構強いフェイト・ガールズを一蹴した後にフェイトと交戦し、
かつてのラスボスでネギとの激戦を展開したフェイトの強力な石魔法を正面突破、直接戦闘でも互角に交戦すると言う、
ネギま!基準から見ても改めてその強さが分かる戦いを展開。
しかし、そのフェイトは途中で一方的に戦闘を放棄。

その理由は、「明日菜を刻まれた」タカミチ・T・高畑に道を譲ったからです。
「聖人」と「魔法の英雄」の正面対決。
今度は「聖人」神裂火織が圧倒される番となります。


458ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/09(月) 14:50:55.00AdwN+CTE0 (3/7)

>>457

或いは居合と言う「聖人」最強の攻撃を封じるためか、
かつて武道会でネギを苦しめた全距離速射、威力絶大の高畑の拳術を前に、
神裂は何発もいいのをもらいながら実質的には逃げ回る状態。

もちろん、「聖人」の精巧な仕込みの暇を与えないと言う理屈が分かったからと言って、
それを簡単に出来るぐらいなら「聖人」じゃないと言う事で
猛然たるラッシュとそこに混在する強力過ぎる一撃を自在に操り神裂に本来の闘いをさせないその事自体が、
高畑の底知れぬ実力を示すものと言えます。

それ故に、神裂も専門である剣を放棄、高畑の拳に対して
敢えてその腕をとっての柔術で挑む事で逆転KO勝ちを納めていますが、
これは余りに危険すぎる賭けであり、一発勝負を挑んで紙一重で神裂の肉体が粉砕されていたとの事。
神裂をそんな危険な賭けに追い込んだ高畑も、その賭けに辛うじて勝った神裂も凄すぎると言う事です。

その後も、麻帆良の学園警備相手に奮戦、遠距離魔術や捕縛結界を次々と打破する一方で、
神鳴流剣士である葛葉刀子とは熟練した剣士と剣士の激戦を展開。
最後には刀子と高音チームと言う、いわばオーソドックスながら基本に忠実故に厄介な対戦を目前にして、
麻帆良でのこれ以上の戦闘はヤバ過ぎると言う事でシェリーの介入を受けて逃走しています。

おさらいします。
ネギのダチにしてライバル、ネギパでも上位に入る犬上小太郎には余裕綽々で対応。

原作ネギま!の主人公でしまいに「英雄」に相応しい力を手に入れたネギ・スプリングフィールドとの対戦では、
少なくとも「英雄」ネギが「英雄」の座を掴み取った最終形態である雷体を出すぐらいには追い込み、
流石に雷体のスピードには押され気味でしたが、それでも辛うじて振り切られず
逆にネギに七天七刀を脅威と思わせる実力を発揮して対峙した時点で上条当麻の介入で引き分け。

麻帆良学園都市では、刹那、明日菜、木乃香と言うネギパでもトップクラスの実力者相手に
実戦の結果としては火力担当である前二人を直接対決のメタメタの半殺し以上に叩きのめす圧勝。
少なくとも本気、手加減出来る状況ではない事を分かっている筈の刹那を相手に
圧倒的な実力差を見せつけている時点でネギま!的には凄いの一言です。

その上、十分実力者である通常モードの明日菜はもちろん、単に暴走して刹那にあっさり止められていた初期ならとにかく、
今ではその刹那師匠も舌を巻く姫君覚醒モードの明日菜でさえド素人の一喝と共に圧倒的にぶちのめす。
かつてのラスボス、フェイト・アーウェルンクスの従者フェイトガールズを一蹴してフェイト相手にも互角の戦闘を展開。

「魔法の英雄」でもある高畑先生相手には速射・巨大拳撃の連打に大苦戦を強いられながらも、
柔術による直接対決で相手の拳撃を逆用する一か八かの危険な賭けに勝利しての逆転勝ち。
葛葉刀子相手に剣士と剣士として激戦を展開。


459ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs2014/06/09(月) 14:58:05.54AdwN+CTE0 (4/7)

>>458

以上、ネギま!基準でその強さを見た場合、とんでもなく強いとしか言い様がないです。
本作では何者かが月詠を雇って神裂の足止めを図っていますが、
少なくとも「ひな」でも引っ張り出してこないと話になりそうにありません。
そんな人間兵器が「魔法」を相手に大暴れしたらどうなるかと言う事で、
流石に麻帆良学園での戦闘後には本気で魔法協会とイギリス清教の戦争が取り沙汰されるに至っています。

原作通り、本作でも神裂は基本的に真面目で誠実、理性的な対応で事に当たっています。
インデックスに関わってステイルが半ば「魔法」に対する宣戦布告に近い事を口走った時にも
直ちに窘めて愛衣との間に冷静な停戦を成立させ、
姫神秋沙に関わる争いでも上条当麻の協力を得る形で
「魔法の英雄」ネギ・スプリングフィールドとの間で誤解を解消しています。

そんな神裂がよりによって本作でも最悪に近い「戦争」の導火線に火を付ける様な真似をしたのも、
むしろ彼女が真面目な組織人であり「常識人」だったから、とも言えます。

桜咲刹那と言う裏側に属する人間、クレバーな計算が必要とされる立場の人間が、
政治的妥協抜きに、その道のプロであれば命が無い事が分かっている「聖人」との闘いを選択してでも、
今もただ一人の友達のために戦っている「仲間」を売らないと言う信義を貫き通す。
更に、神楽坂明日菜、近衛木乃香と言う「姫」が、「裏側」の人間のために、
「友達」を傷つけられた事を心から憤り、その身を顧みず圧倒的強者である神裂に命懸けの闘いを挑む。

神裂の言葉から見ても、ネギま!側からは当たり前とも言えるこの選択を神裂はなかなか理解できない。
結果、彼女の性格を考えると本人自身が後から相当に恥ずる所とも言えますが、
神裂が裏側のリアリズムとしてむしろ穏便に早期に決着するために行使した圧倒的暴力を過信して、
それを跳ねのけようとする刹那達との泥沼の殴り合いに陥った、と言う事です。

言い方を変えると、神裂は刹那を未熟と言っていますが、明日菜、木乃香も含めて、
裏に関わる人間として未熟だからこその、その後のリスクを考えても愚かな選択を、
既に「裏」の人間として成熟してしまった神裂には愚か過ぎて理解不能だったと言う事です。

血みどろになりながらも闘い続ける明日菜の一言を前に、
久々に神裂のあの言葉が炸裂します。
そして、「覚醒明日菜」と言うド素人を即刻叩きのめして改めてその強さを見せつけます。
それは、神裂にそんな圧倒的な強さがあっても出来なかった事。
未熟者達が或いは未熟者だからこそ、それでも、神裂の圧倒的な強さを前に貫き通そうとしている。
それを未熟者達に真正面から突きつけられて、否定せずにいるのは簡単ではなかったでしょう。