◆ve5nNlnneY さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16700948.html
http://s2-d2.com/archives/16700948.html
◆0R0TlgdXHc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16700946.html
http://s2-d2.com/archives/16700946.html
◆DDBjj51DRA さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16657178.html
http://s2-d2.com/archives/16657178.html
692:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/11/29(金) 00:11:04.68:vFiFNJoDO (1/1)
乙
乙
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
693:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/11/29(金) 00:43:47.07:em/jOViAO (1/1)
乙
…原因が聖杯なのかダグバなのかは不明だが、以前の大火災で焼死体なら飽きる程見ただろうからな
乙
…原因が聖杯なのかダグバなのかは不明だが、以前の大火災で焼死体なら飽きる程見ただろうからな
694:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/11/29(金) 01:03:42.75:FDhbgPsAO (1/1)
乙
流石機動兵士正義の味方
乙
流石機動兵士正義の味方
695: ◆DDBjj51DRA:2013/11/29(金) 23:57:01.79:MRvCkgNW0 (3/3)
《>>1が帰宅して早々睡魔に負けた件。これは凛ちゃんさんの呪いか?》
《今日はお休みさせて頂きたく。忝い》
《>>1が帰宅して早々睡魔に負けた件。これは凛ちゃんさんの呪いか?》
《今日はお休みさせて頂きたく。忝い》
696:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/11/30(土) 00:11:56.25:HhxrsfM9o (1/1)
遠坂家のうっかりは伝染すると聞いたことがあったが
まさか睡魔まで伝染するとは・・・
遠坂家のうっかりは伝染すると聞いたことがあったが
まさか睡魔まで伝染するとは・・・
697:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/11/30(土) 00:13:33.80:WOAJFLrC0 (1/1)
重症になると機械音痴もうつってPCに触れなくなります
重症になると機械音痴もうつってPCに触れなくなります
698: ◆DDBjj51DRA:2013/12/01(日) 00:11:23.47:+im3eo9R0 (1/2)
「衛宮くんの違和感……確かに、それは調べておいた方がいいかも知れないわね」
学校で死体の山を見たとき、あいつは殆ど動揺していなかったように思う。
まさかあの歳の学生が死体を見慣れているということはあるまい。
そんな機会は―――――いや、あるか。この冬木には。
……だとしたら、あまり追及するような話では無い。
「だからと言って……それを『見慣れている』で済ませることが出来るかしら…」
トラウマになっていても不思議では無い。
数多の死体を―――路傍の石ころの如く転がっていたであろう人の亡骸を見て、それに慣れるなど。
そんなものは正気の沙汰では無いだろう。
衛宮くんが正気で無いと断じてしまえばそれで済む話だが、これはあまりにも極論だ。
「…『衛宮くんが正気じゃない』という可能性は、一先ず置いておきましょう」
言葉にしてみると、それが案外あり得そうだから困る。
見知らぬ誰かを救うために戦争に飛び込んで。
そのくせ死体に嫌悪は無く。
「まるで……僕らの時代の人間みたいだ」
神代の英霊が現代の高校生をそう評する異常さ。
異端者が駆けたその時代は、血と謀略の戦争時代。
その時代の人間のようだと言う言葉に納得出来てしまうほどには、わたしはあいつを異常視している。
普通じゃないと、思っている。
「まるで英雄のよう……っていうこと?」
「いや、そこまでは…どうだろう。あの時代の戦士なら、誰にでも言えることだから。見知らぬ誰かのためっていうのは、ちょっと珍しいだろうけど」
名声のため、富のため。自国のために、家族のために。あるいは見知らぬ誰かのために。
誰もが死体を直視して、あるいはそれを作り出して。必死に生きようとした時代。
「珍しいのは、人の事言えないんじゃない?」
ライダーだって、見知らぬ誰かのために異端者の汚名を被った変わり者なのだから。
「衛宮くんの違和感……確かに、それは調べておいた方がいいかも知れないわね」
学校で死体の山を見たとき、あいつは殆ど動揺していなかったように思う。
まさかあの歳の学生が死体を見慣れているということはあるまい。
そんな機会は―――――いや、あるか。この冬木には。
……だとしたら、あまり追及するような話では無い。
「だからと言って……それを『見慣れている』で済ませることが出来るかしら…」
トラウマになっていても不思議では無い。
数多の死体を―――路傍の石ころの如く転がっていたであろう人の亡骸を見て、それに慣れるなど。
そんなものは正気の沙汰では無いだろう。
衛宮くんが正気で無いと断じてしまえばそれで済む話だが、これはあまりにも極論だ。
「…『衛宮くんが正気じゃない』という可能性は、一先ず置いておきましょう」
言葉にしてみると、それが案外あり得そうだから困る。
見知らぬ誰かを救うために戦争に飛び込んで。
そのくせ死体に嫌悪は無く。
「まるで……僕らの時代の人間みたいだ」
神代の英霊が現代の高校生をそう評する異常さ。
異端者が駆けたその時代は、血と謀略の戦争時代。
その時代の人間のようだと言う言葉に納得出来てしまうほどには、わたしはあいつを異常視している。
普通じゃないと、思っている。
「まるで英雄のよう……っていうこと?」
「いや、そこまでは…どうだろう。あの時代の戦士なら、誰にでも言えることだから。見知らぬ誰かのためっていうのは、ちょっと珍しいだろうけど」
名声のため、富のため。自国のために、家族のために。あるいは見知らぬ誰かのために。
誰もが死体を直視して、あるいはそれを作り出して。必死に生きようとした時代。
「珍しいのは、人の事言えないんじゃない?」
ライダーだって、見知らぬ誰かのために異端者の汚名を被った変わり者なのだから。
699: ◆DDBjj51DRA:2013/12/01(日) 00:11:57.90:+im3eo9R0 (2/2)
「……そんな話もしたっけ。失敗だったかなぁ」
「そんなこと無いわよ」
ああ、そんなことは無い。
わたしはこれで、結構ライダーを気に入っているのだ。
例え汚名を被ろうとも、信念を貫くその姿勢に。
だからこそ、思う。
衛宮士郎には―――果たして信念があるのだろうかと。
真似しているとか。パターン化しているとか。
ライダーがそう称したことが、そのまま答えなのだろうか。
彼に信念は無く――――彼に意思はないのだろうか。
「意思は無くても、信念はあるよ。アサシンのマスターはそういう目をしていた」
「……人間観察において貴方に勝るとは思えないし、そうなんでしょうけど…」
何だ、この違和感は。
意思のない信念という言葉が、酷く恐ろしい物に聞こえる。
テコ入れで、生き方を根底から覆されそうな―――
「―――根底…」
衛宮士郎の、根底。
それについて、尋ねたくないわけが無い。
だがしかし、憚られた。
他人の過去に。他人の原初に。他人の始点に後から関わるのは、酷く危険だから。
わたしがそれをされたく無いように。桜がそれを求めなかったように。
始点とは言い方を変えれば、人生で最も後悔する場所なのだから。
《ここまで》
「……そんな話もしたっけ。失敗だったかなぁ」
「そんなこと無いわよ」
ああ、そんなことは無い。
わたしはこれで、結構ライダーを気に入っているのだ。
例え汚名を被ろうとも、信念を貫くその姿勢に。
だからこそ、思う。
衛宮士郎には―――果たして信念があるのだろうかと。
真似しているとか。パターン化しているとか。
ライダーがそう称したことが、そのまま答えなのだろうか。
彼に信念は無く――――彼に意思はないのだろうか。
「意思は無くても、信念はあるよ。アサシンのマスターはそういう目をしていた」
「……人間観察において貴方に勝るとは思えないし、そうなんでしょうけど…」
何だ、この違和感は。
意思のない信念という言葉が、酷く恐ろしい物に聞こえる。
テコ入れで、生き方を根底から覆されそうな―――
「―――根底…」
衛宮士郎の、根底。
それについて、尋ねたくないわけが無い。
だがしかし、憚られた。
他人の過去に。他人の原初に。他人の始点に後から関わるのは、酷く危険だから。
わたしがそれをされたく無いように。桜がそれを求めなかったように。
始点とは言い方を変えれば、人生で最も後悔する場所なのだから。
《ここまで》
700:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/01(日) 00:20:01.52:sJ8fKvrAO (1/1)
乙
乙
701:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/01(日) 15:45:26.79:lI+Zl2mn0 (1/1)
乙
乙
702: ◆DDBjj51DRA:2013/12/02(月) 00:33:46.89:bSOi6pGu0 (1/1)
《こうも立て続けに休むのは心苦しいのですが、いかんせん睡魔が……》
《ちょっと調子のって時間配分をミスりました。ごめんなさい、また明日ー…》
《こうも立て続けに休むのは心苦しいのですが、いかんせん睡魔が……》
《ちょっと調子のって時間配分をミスりました。ごめんなさい、また明日ー…》
703:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/02(月) 07:17:12.34:Ok5YZ2Sa0 (1/1)
把握
把握
704: ◆DDBjj51DRA:2013/12/03(火) 00:06:57.11:Qc0nrm320 (1/2)
稲穂原学園【1-C】
俺は、俺とアサシンしかいない教室でミーティングを行う。
話すのは勿論、聖杯戦争の事だ。
「アサシン。アーチャーがあそこまで言うんだから、そのアーチャーはやっぱり強いと思うか?」
「ん?えっと……アーチャー…まず最初のアーチャーがあいつで…よし!OKだ!思うぞ!」
どうやらこんがらがってしまったらしい。
言っているこちらも若干ややこしかったし、これは確かに仕方無い。
「俺が悪かった……白いアーチャーっていうのは、強いとおもうか?」
「いや、分からないな。だって情報とか全然ないし」
「……それもそうか」
遠坂も、二度遭遇して二度とも一目散に逃げ出したと言っていた。
それほどの相手と言う事だが、情報はそれだけ。
ならば話題を変えてみよう。
アサシンも戦ったことのある、バーサーカーの話だ。
「遠坂の話だと、バーサーカーは自我を取り戻してるらしい。これって脅威か?」
「そりゃ脅威だろ。狂っててあそこまで冷静だったんだぜ?正直、頭で考えたら勝てる相手じゃないな」
それは暗に、『考えなければいい』と言っているようにも聞こえる。
いや、実際にアサシンはそういう戦い方だった。
直観で対応して、直感で突撃する。
あまりにも無謀に見えて、しかしそれが最善手。
あれが、勇者の戦い方だ。
稲穂原学園【1-C】
俺は、俺とアサシンしかいない教室でミーティングを行う。
話すのは勿論、聖杯戦争の事だ。
「アサシン。アーチャーがあそこまで言うんだから、そのアーチャーはやっぱり強いと思うか?」
「ん?えっと……アーチャー…まず最初のアーチャーがあいつで…よし!OKだ!思うぞ!」
どうやらこんがらがってしまったらしい。
言っているこちらも若干ややこしかったし、これは確かに仕方無い。
「俺が悪かった……白いアーチャーっていうのは、強いとおもうか?」
「いや、分からないな。だって情報とか全然ないし」
「……それもそうか」
遠坂も、二度遭遇して二度とも一目散に逃げ出したと言っていた。
それほどの相手と言う事だが、情報はそれだけ。
ならば話題を変えてみよう。
アサシンも戦ったことのある、バーサーカーの話だ。
「遠坂の話だと、バーサーカーは自我を取り戻してるらしい。これって脅威か?」
「そりゃ脅威だろ。狂っててあそこまで冷静だったんだぜ?正直、頭で考えたら勝てる相手じゃないな」
それは暗に、『考えなければいい』と言っているようにも聞こえる。
いや、実際にアサシンはそういう戦い方だった。
直観で対応して、直感で突撃する。
あまりにも無謀に見えて、しかしそれが最善手。
あれが、勇者の戦い方だ。
705: ◆DDBjj51DRA:2013/12/03(火) 00:07:23.47:Qc0nrm320 (2/2)
「あの戦闘スキルの上に宝具まで残ってると考えると、ぞっとするな」
その勇者でさえ、恐れを抱かせるバーサーカー。
一体、どれほどの霊格なのか。
「ところでシロウさ―――」
と、いきなりもいきなり。突拍子も無くアサシンが話題を変える。
「お前、本当に強化しか出来ないの?」
「…?……どういう意味だよ」
魔術の話か?
それならば、その通りだ。
実践レベルで辛うじて行かせそうなのは、強化くらいで――――
「なんだ、やっぱり他に何かあるんじゃないか!」
「いや、投影は全然ダメなんだ。それに効率も悪い。だからずっと強化の練習ばかりしてきた」
切嗣からも、そうしなさいと言われた。
投影は非効率で、しかもリターンがリスクに見合っていない。
そんな不安定なものに頼るなら、強化を練習しなさい―――と。
「いや何言ってんだよ。投影が非効率なんて嘘だろ。あの戦争ではみんなやってた。―――ああ聖杯戦争じゃないぞ?神々の戦いだ」
それは―――神話時代の話だろうか。
俺はそっち方面について詳しく知らないので、なにも言えないが。
「そうなのか……?」
「ああ、断言する。シロウは投影を練習した方がいい。どこからともなく武器を取り出す……憧れるだろ?」
《ここまで》
「あの戦闘スキルの上に宝具まで残ってると考えると、ぞっとするな」
その勇者でさえ、恐れを抱かせるバーサーカー。
一体、どれほどの霊格なのか。
「ところでシロウさ―――」
と、いきなりもいきなり。突拍子も無くアサシンが話題を変える。
「お前、本当に強化しか出来ないの?」
「…?……どういう意味だよ」
魔術の話か?
それならば、その通りだ。
実践レベルで辛うじて行かせそうなのは、強化くらいで――――
「なんだ、やっぱり他に何かあるんじゃないか!」
「いや、投影は全然ダメなんだ。それに効率も悪い。だからずっと強化の練習ばかりしてきた」
切嗣からも、そうしなさいと言われた。
投影は非効率で、しかもリターンがリスクに見合っていない。
そんな不安定なものに頼るなら、強化を練習しなさい―――と。
「いや何言ってんだよ。投影が非効率なんて嘘だろ。あの戦争ではみんなやってた。―――ああ聖杯戦争じゃないぞ?神々の戦いだ」
それは―――神話時代の話だろうか。
俺はそっち方面について詳しく知らないので、なにも言えないが。
「そうなのか……?」
「ああ、断言する。シロウは投影を練習した方がいい。どこからともなく武器を取り出す……憧れるだろ?」
《ここまで》
706:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/03(火) 00:10:22.64:uDYZhTIDO (1/1)
まほう と 魔術 は違うと言いたいけど士郎は違うんだよな……
乙
まほう と 魔術 は違うと言いたいけど士郎は違うんだよな……
乙
707:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/03(火) 00:38:47.47:xUnBLP+f0 (1/1)
乙
乙
708:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/03(火) 01:17:18.65:dh93X8YMo (1/1)
そんなに何もない所から武器取り出したりしてたっけ・・・?
とか考えたら、バッツさん自身がディシディアでそんな事やってましたね
そんなに何もない所から武器取り出したりしてたっけ・・・?
とか考えたら、バッツさん自身がディシディアでそんな事やってましたね
709:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/03(火) 02:42:30.22:3xTu0LqNo (1/1)
>>708
しかも一度見た武器ならなんでも、同時に何本も出せてたな
>>708
しかも一度見た武器ならなんでも、同時に何本も出せてたな
710:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/03(火) 06:26:43.78:Ym5J2msHo (1/1)
バッツに限らず大抵の奴らはやってたろ
投影なしでどうやって100を超えるアイテム持ち歩くんだよ
バッツに限らず大抵の奴らはやってたろ
投影なしでどうやって100を超えるアイテム持ち歩くんだよ
711:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/03(火) 09:30:51.43:gSyCdYYUo (1/1)
無限ポケットだ
無限ポケットだ
712: ◆DDBjj51DRA:2013/12/04(水) 00:12:28.99:QvRCEkzH0 (1/5)
「武器……武器か…」
そう言えば、訊いておきたいことがあった。
少し前に見た、夢のこと。
そのときにアサシンが所持していた剣について。
「アサシン…どういう理屈かは知らないけど、夢でお前の記憶みたいなものを見たんだ」
「夢?あれかな、契約中はそういう感覚も繋がるのかもな」
腕を組んで、大袈裟に頷いて見せるアサシン。
自分の記憶を見られてこうも平然としていられるのか。
それだけ、自分の過去に恥ずべき部分がないのだろう。
あるいは、恥ずかしい過去を見られたかもしれないという可能性に思い至っていないのか。
どちらにしても、見たのは荒野を歩く姿だけなので、気にする必要は無いのだが。
「そのときに、アサシンが持っていた赤い剣―――あれはどういうものなんだ?」
「そりゃブレイブブレイドだな。オレの宝具だよ。ちょっと待ってろ、いま出して―――」
そう言ってアサシンが掌を構える。
しかし、一向に剣は姿を現さない。
「――――あれ?おかしいな……来い!『自ら誇る勇気の剣(ブレイブブレイド)』!!」
なにやら必死の形相で、なんども剣の名を口にする。
ブレイブ――――勇気の、剣。
「うそだろ!?なんで出ないんだ!?あ!まさかナイフの方か!?…『自ら蔑む臆病の刃(チキンナイフ)』!!……こっちも出ない!」
……様子がおかしい。
俺が見てもわかるほどに、アサシンが動転している。
「お、おいアサシン?どうかしたのか?」
「宝具が出ないんだ!これじゃ必殺技の無いヒーローみたいなもんだ!」
「武器……武器か…」
そう言えば、訊いておきたいことがあった。
少し前に見た、夢のこと。
そのときにアサシンが所持していた剣について。
「アサシン…どういう理屈かは知らないけど、夢でお前の記憶みたいなものを見たんだ」
「夢?あれかな、契約中はそういう感覚も繋がるのかもな」
腕を組んで、大袈裟に頷いて見せるアサシン。
自分の記憶を見られてこうも平然としていられるのか。
それだけ、自分の過去に恥ずべき部分がないのだろう。
あるいは、恥ずかしい過去を見られたかもしれないという可能性に思い至っていないのか。
どちらにしても、見たのは荒野を歩く姿だけなので、気にする必要は無いのだが。
「そのときに、アサシンが持っていた赤い剣―――あれはどういうものなんだ?」
「そりゃブレイブブレイドだな。オレの宝具だよ。ちょっと待ってろ、いま出して―――」
そう言ってアサシンが掌を構える。
しかし、一向に剣は姿を現さない。
「――――あれ?おかしいな……来い!『自ら誇る勇気の剣(ブレイブブレイド)』!!」
なにやら必死の形相で、なんども剣の名を口にする。
ブレイブ――――勇気の、剣。
「うそだろ!?なんで出ないんだ!?あ!まさかナイフの方か!?…『自ら蔑む臆病の刃(チキンナイフ)』!!……こっちも出ない!」
……様子がおかしい。
俺が見てもわかるほどに、アサシンが動転している。
「お、おいアサシン?どうかしたのか?」
「宝具が出ないんだ!これじゃ必殺技の無いヒーローみたいなもんだ!」
713: ◆DDBjj51DRA:2013/12/04(水) 00:12:55.16:QvRCEkzH0 (2/5)
《アサシンのステータスが更新されました》
クラス:アサシン
真名:バッツ・クラウザー
筋力C 耐久B 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具×
◆スキル
・気配遮断(E) 自身の気配を消す能力。彼の場合は武道家としての精神統一。集中して気を操らねば使えない。
・直感(B) 常に自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。
・専科百般(E) 生前の経験から来るスキル。現在はモンクで固定されているため、十全に発揮できない。
・勇猛(A+) 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。
・仕切り直し(A+) 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
・騎乗(B) 乗り物を乗りこなす能力。Bランクで魔獣・聖獣ランク以外を乗りこなす。
◆宝具
『自ら誇る勇気の剣』(ブレイブブレイド)
所有者:バッツ・クラウザー ランク:A++
種別:対城宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
彼が生前に愛用した剣の一本。
宝具としての効果は、勇気の総量に応じて切断の威力を上げるという単純な物。
しかし真名解放を伴った場合は別であり、勇気の総量に応じた斬撃を空間に対して行う対城宝具。
モーションから斬撃発動までに僅かなタイムラグがあり、そのため彼の背後で盛大な光と共に空間が引き裂かれる演出となる。
空間を引き裂くと言ってもあくまで真空を作り出す程度であり、対界宝具には至らない。
真名解放の以前と以後で、対人と対城の異なる二つの効果を持つ特殊な宝具。
スキル:勇猛によって勇気にブーストが掛かるため、非常に効率がいい。
なお、現在はモンクのため使用不可能。
『自ら蔑む臆病の刃』(チキンナイフ)
所有者:バッツ・クラウザー ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1 最大捕捉:1人
彼が生前に愛用したナイフの一本。
真名解放とともに攻撃することで、戦闘から離脱がする。
強制転移であるため転移先は指定することが出来ないかわりに、確実に相手の認識から外れることが可能。
真名解放に際して必要な魔力も極端に少なく、複数回の連続使用にも十分耐えうる宝具。
なお、現在はモンクのため使用不可能。
《アサシンのステータスが更新されました》
クラス:アサシン
真名:バッツ・クラウザー
筋力C 耐久B 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具×
◆スキル
・気配遮断(E) 自身の気配を消す能力。彼の場合は武道家としての精神統一。集中して気を操らねば使えない。
・直感(B) 常に自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。
・専科百般(E) 生前の経験から来るスキル。現在はモンクで固定されているため、十全に発揮できない。
・勇猛(A+) 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。
・仕切り直し(A+) 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
・騎乗(B) 乗り物を乗りこなす能力。Bランクで魔獣・聖獣ランク以外を乗りこなす。
◆宝具
『自ら誇る勇気の剣』(ブレイブブレイド)
所有者:バッツ・クラウザー ランク:A++
種別:対城宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
彼が生前に愛用した剣の一本。
宝具としての効果は、勇気の総量に応じて切断の威力を上げるという単純な物。
しかし真名解放を伴った場合は別であり、勇気の総量に応じた斬撃を空間に対して行う対城宝具。
モーションから斬撃発動までに僅かなタイムラグがあり、そのため彼の背後で盛大な光と共に空間が引き裂かれる演出となる。
空間を引き裂くと言ってもあくまで真空を作り出す程度であり、対界宝具には至らない。
真名解放の以前と以後で、対人と対城の異なる二つの効果を持つ特殊な宝具。
スキル:勇猛によって勇気にブーストが掛かるため、非常に効率がいい。
なお、現在はモンクのため使用不可能。
『自ら蔑む臆病の刃』(チキンナイフ)
所有者:バッツ・クラウザー ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1 最大捕捉:1人
彼が生前に愛用したナイフの一本。
真名解放とともに攻撃することで、戦闘から離脱がする。
強制転移であるため転移先は指定することが出来ないかわりに、確実に相手の認識から外れることが可能。
真名解放に際して必要な魔力も極端に少なく、複数回の連続使用にも十分耐えうる宝具。
なお、現在はモンクのため使用不可能。
714: ◆DDBjj51DRA:2013/12/04(水) 00:13:20.66:QvRCEkzH0 (3/5)
「なんてこった……まさか宝具が両方使えないとは…」
宝具が使えない。
さきほどアサシンが言ったように、必殺技を封じられた状態。
自らの肉体を武器とする代償に、彼はそれ以外の武器を置いてきた。
「シロウが強化の魔術師だからなのか?だから相性で、オレも裸一貫で戦えってこと?」
「いや…オレに言われたって」
「それはわかってるけどさ。アサシンならアサシンで、他にもいろいろあったんだぜ?」
「ちなみに、本当は何のクラスがよかったんだ?」
「そりゃキャスターだろ。オレのものまねは凄いからな。是非とも見せたかった」
ものまね……?
見せたいなら、別に今やってくれても構わないが……
《ここまで》
「なんてこった……まさか宝具が両方使えないとは…」
宝具が使えない。
さきほどアサシンが言ったように、必殺技を封じられた状態。
自らの肉体を武器とする代償に、彼はそれ以外の武器を置いてきた。
「シロウが強化の魔術師だからなのか?だから相性で、オレも裸一貫で戦えってこと?」
「いや…オレに言われたって」
「それはわかってるけどさ。アサシンならアサシンで、他にもいろいろあったんだぜ?」
「ちなみに、本当は何のクラスがよかったんだ?」
「そりゃキャスターだろ。オレのものまねは凄いからな。是非とも見せたかった」
ものまね……?
見せたいなら、別に今やってくれても構わないが……
《ここまで》
715:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 00:15:01.72:t8z0Wkz6o (1/1)
何でアサシンで出てきたんだよこいつww 乙
何でアサシンで出てきたんだよこいつww 乙
716:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 00:16:24.41:tRCi+bMZo (1/1)
乙!
乙!
717:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 00:16:40.92:3/oWc1qDO (1/2)
乙
バング殿と言いアサシンは宝具使用不可がデフォなのか
乙
バング殿と言いアサシンは宝具使用不可がデフォなのか
718:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/04(水) 12:42:41.65:HQhIxWGy0 (1/1)
もしかして:士郎の中に入ってる
もしかして:士郎の中に入ってる
719:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 13:51:38.02:bDCwGq/Do (1/1)
つまり士郎が作ってアサシンが使う、と
完全に武器職人扱いの本編主人公ぇ・・・
つまり士郎が作ってアサシンが使う、と
完全に武器職人扱いの本編主人公ぇ・・・
720:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 19:09:17.84:y0UGePZjo (1/1)
士郎が作ってもモンクじゃ使いこなせないだろ
士郎が作ってもモンクじゃ使いこなせないだろ
721:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 20:19:08.92:5d9rDozto (1/1)
ブレイブブレイドは真名開放前提で対城宝具専用に特化すれば剣術関係なくね?
ブレイブブレイドは真名開放前提で対城宝具専用に特化すれば剣術関係なくね?
722:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 20:26:54.55:vIp/gmrSo (1/1)
真名解放できない
真名解放できない
723:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 20:27:50.94:dNFWphuUo (1/1)
装備制限的なものにひっかかるんだろう
装備制限的なものにひっかかるんだろう
724: ◆DDBjj51DRA:2013/12/04(水) 23:34:27.28:QvRCEkzH0 (4/5)
穂群原学園【生徒会室】
葛木宗一郎は、自らのサーヴァントと対面していた。
椅子は全て開いているが、しかしどちらも座ろうとしない。
両者の間には、奇妙な緊張感が張りつめている。
「アーチャー。戦闘は今日の放課後だそうだな」
「はい。りんちゃんがそう言ってましたね」
「私は、この戦争のルールを今一把握できていない。状況の判断はお前に任せる」
「はい。わかりました」
「…………」
会話が途切れた。
葛木は真剣な面持ちでアーチャーの丸顔を捉えている。
アーチャーは笑顔を湛えて、その視線を返す。
「……アーチャー」
「どうしました?せんせい」
「その風貌は、どうにかならないものなのか?」
葛木が言いたいのは、その姿が戦争と言うワードに合っていないとうことだろう。
そもそもが児童向けのキャラクターだ。戦争とかけ離れていることは本来であれば正しい。
しかし、アーチャーは現在そのかけ離れているはずの戦争に参加している身。
だから苦言を呈さずにはいられない。
もっと具体的に言うならば、真剣味に欠けて見える。
「お前が真剣なのは百も承知だが、人間には先入観がある」
先入観…つまり、アーチャーの世界の価値観で語ると、勧善懲悪。
彼は決して負けないと無条件に思い込まされてしまう、そんな雰囲気がアーチャーには有った。
それこそ、いかに真剣で無かろうとも。
穂群原学園【生徒会室】
葛木宗一郎は、自らのサーヴァントと対面していた。
椅子は全て開いているが、しかしどちらも座ろうとしない。
両者の間には、奇妙な緊張感が張りつめている。
「アーチャー。戦闘は今日の放課後だそうだな」
「はい。りんちゃんがそう言ってましたね」
「私は、この戦争のルールを今一把握できていない。状況の判断はお前に任せる」
「はい。わかりました」
「…………」
会話が途切れた。
葛木は真剣な面持ちでアーチャーの丸顔を捉えている。
アーチャーは笑顔を湛えて、その視線を返す。
「……アーチャー」
「どうしました?せんせい」
「その風貌は、どうにかならないものなのか?」
葛木が言いたいのは、その姿が戦争と言うワードに合っていないとうことだろう。
そもそもが児童向けのキャラクターだ。戦争とかけ離れていることは本来であれば正しい。
しかし、アーチャーは現在そのかけ離れているはずの戦争に参加している身。
だから苦言を呈さずにはいられない。
もっと具体的に言うならば、真剣味に欠けて見える。
「お前が真剣なのは百も承知だが、人間には先入観がある」
先入観…つまり、アーチャーの世界の価値観で語ると、勧善懲悪。
彼は決して負けないと無条件に思い込まされてしまう、そんな雰囲気がアーチャーには有った。
それこそ、いかに真剣で無かろうとも。
725: ◆DDBjj51DRA:2013/12/04(水) 23:34:55.40:QvRCEkzH0 (5/5)
「ぼくはずっと真剣にたたかってきましたよ?」
それはそうなのだろう。
アーチャーはいつも全力だったはずだ。
だが、見ている側はそうでは無い。最後には彼が勝つことを知った上で、彼の活躍を観ている。
諦めにも似た信頼を寄せている。
しかし、今回ばかりはそうもいかない。
聖杯戦争は、勝つべくして勝つ者たちの集合だという。
ならば、必勝の法則は通用しないのではないか?
その法則を取り除いた彼に、一体なにが出来ると言うのだろうか。
「……アーチャー。お前は、どう戦うつもりだ?」
勧善懲悪の法則も無く。替えの頭も無く。
アンパンマンがその状態で、果たして何に勝てるのか。
「ぼくはアンパンマン。自慢になりますが、この国ではとっても知名度が高いんです」
「知名度…?」
確か、知名度の高さは実力の発揮できる割合に影響するのだったか。
しかし、全力を出したところで――――勝てる者とは思えない。
「それがどうした。知名度による補正が掛かって、お前はどうなっている?」
「だから、ゆうめいな弱点が逆に長所になったんです」
アンパンマンは、顔が湿ると弱くなる。
それを、逆説的に解釈すると――――
「顔が濡れないかぎり、ぼくはぜったいに負けません」
《ここまで》
「ぼくはずっと真剣にたたかってきましたよ?」
それはそうなのだろう。
アーチャーはいつも全力だったはずだ。
だが、見ている側はそうでは無い。最後には彼が勝つことを知った上で、彼の活躍を観ている。
諦めにも似た信頼を寄せている。
しかし、今回ばかりはそうもいかない。
聖杯戦争は、勝つべくして勝つ者たちの集合だという。
ならば、必勝の法則は通用しないのではないか?
その法則を取り除いた彼に、一体なにが出来ると言うのだろうか。
「……アーチャー。お前は、どう戦うつもりだ?」
勧善懲悪の法則も無く。替えの頭も無く。
アンパンマンがその状態で、果たして何に勝てるのか。
「ぼくはアンパンマン。自慢になりますが、この国ではとっても知名度が高いんです」
「知名度…?」
確か、知名度の高さは実力の発揮できる割合に影響するのだったか。
しかし、全力を出したところで――――勝てる者とは思えない。
「それがどうした。知名度による補正が掛かって、お前はどうなっている?」
「だから、ゆうめいな弱点が逆に長所になったんです」
アンパンマンは、顔が湿ると弱くなる。
それを、逆説的に解釈すると――――
「顔が濡れないかぎり、ぼくはぜったいに負けません」
《ここまで》
726:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 23:36:22.87:qAUsHp9X0 (1/1)
なるほど
そりゃ勝ち目もでてくる
なるほど
そりゃ勝ち目もでてくる
727:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 23:38:33.23:3/oWc1qDO (2/2)
敵全員水鉄砲装備が現実味を帯びてきたな
乙
敵全員水鉄砲装備が現実味を帯びてきたな
乙
728:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/04(水) 23:46:05.80:qy4Pn8Xh0 (1/1)
フラグ乙
フラグ乙
729:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/05(木) 00:03:25.55:zOidVMKAO (1/1)
乙
水か…アレ?ダグバって確か…
乙
水か…アレ?ダグバって確か…
730:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/05(木) 20:19:45.16:SNyC4GAUo (1/2)
概念的な防御補正がかかるのか
でもそれ破るだけの攻撃食らったらヤラれるからぜったいってのは勘違いだろうな
概念的な防御補正がかかるのか
でもそれ破るだけの攻撃食らったらヤラれるからぜったいってのは勘違いだろうな
731:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/05(木) 20:22:49.03:6ZWWscso0 (1/1)
どうでもいいけど、オディオと球磨川って絶対仲良いよね。
どうでもいいけど、オディオと球磨川って絶対仲良いよね。
732:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/05(木) 20:28:49.41:SNyC4GAUo (2/2)
オディオが誰かと仲良いとかないだろ
オルステッドを指してオディオって言ってんだよな?
オディオが誰かと仲良いとかないだろ
オルステッドを指してオディオって言ってんだよな?
733: ◆DDBjj51DRA:2013/12/05(木) 23:36:40.83:5cI/jRNX0 (1/1)
《アーチャーのステータスが開示されます》
クラス:アーチャー
真名:アンパンマン
筋力A 耐久E 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具EX
◆スキル
・対魔力(A) Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
・単独行動(A+) マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。単独で戦闘を行うことができる。
・戦闘続行(A) 戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
・正義の証(EX) 同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。攻撃を見切られなくなる。
・献身削身(―) 自らの頭部を回復用のエーテル塊として使用できる。
◆宝具
『――――――?――――――』
所有者:アンパンマン ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
―――――――――?――――――――
『その身不屈は愛の為』 (パワー・オブ・ヒーロー)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
水に弱いという有名すぎる弱点を逆説的に宝具へと昇華したもの。日本で召喚された場合のみ使用可能。
これは彼を観てきた者たちの願いであり、彼に対する愛の結晶。
対人宝具と銘打っているが、実質的には結界宝具に近い。
『顔が湿る』という特定の動作を除く、全ての攻撃を無効化する。
彼が現界した時点で定められる世界の法則であるため、顔を濡らす以外の攻略法は『星の開拓者』や『原初の一』を除いて皆無。
彼を害為す行為は例外なく全て無効化されるため、令呪による自害にさえ対抗する。
しかしアーチャークラスで現界したため、頭部を交換するための宝具を持ち合わせていない。
故に真価を発揮できない状態。一度濡れたらそれまでであるため、運用には慎重を規す必要がある。
《今日はこれだけ》
《アーチャーのステータスが開示されます》
クラス:アーチャー
真名:アンパンマン
筋力A 耐久E 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具EX
◆スキル
・対魔力(A) Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
・単独行動(A+) マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。単独で戦闘を行うことができる。
・戦闘続行(A) 戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
・正義の証(EX) 同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。攻撃を見切られなくなる。
・献身削身(―) 自らの頭部を回復用のエーテル塊として使用できる。
◆宝具
『――――――?――――――』
所有者:アンパンマン ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
―――――――――?――――――――
『その身不屈は愛の為』 (パワー・オブ・ヒーロー)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
水に弱いという有名すぎる弱点を逆説的に宝具へと昇華したもの。日本で召喚された場合のみ使用可能。
これは彼を観てきた者たちの願いであり、彼に対する愛の結晶。
対人宝具と銘打っているが、実質的には結界宝具に近い。
『顔が湿る』という特定の動作を除く、全ての攻撃を無効化する。
彼が現界した時点で定められる世界の法則であるため、顔を濡らす以外の攻略法は『星の開拓者』や『原初の一』を除いて皆無。
彼を害為す行為は例外なく全て無効化されるため、令呪による自害にさえ対抗する。
しかしアーチャークラスで現界したため、頭部を交換するための宝具を持ち合わせていない。
故に真価を発揮できない状態。一度濡れたらそれまでであるため、運用には慎重を規す必要がある。
《今日はこれだけ》
734:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/05(木) 23:48:51.02:gLeFnPfDO (1/1)
乙
まぁ葛木先生がマスターならアーチャーが一番なんだろうけどね
乙
まぁ葛木先生がマスターならアーチャーが一番なんだろうけどね
735:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 00:43:42.13:1ErG6HMeo (1/2)
乙乙
アンパンマンが死ぬとこ想像出来ないわ
乙乙
アンパンマンが死ぬとこ想像出来ないわ
736:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 00:52:10.80:rpUaOvwAO (1/2)
乙
ようはヌケニン(ポケモン)のふしぎなまもりと同じか
乙
ようはヌケニン(ポケモン)のふしぎなまもりと同じか
737:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/06(金) 03:10:36.51:iEQWSyDk0 (1/1)
勝利か死しかない
勝利か死しかない
738:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 07:11:37.19:3+Nz2Tvs0 (1/1)
むしろどのクラスだったら顔の交換できたん?
むしろどのクラスだったら顔の交換できたん?
739:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 07:47:06.68:1ErG6HMeo (2/2)
ライダーなら宝具でアンパンマン号出せるんじゃない?(適当)
ライダーなら宝具でアンパンマン号出せるんじゃない?(適当)
740:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 09:32:31.04:8qa00DCwo (1/1)
多分、アンパンマン号が宝具として付いてくるライダー枠が一番強いだろうな
その場合も戦場に置いとかなきゃいけないアンパンマン号の守りを固める必要があるから、弱点が無くなる訳じゃないけど
だれかアンパンマンサイズの潜水服持ってこい
もしくは顔の周囲を覆う水だけに反応して弾く結界魔術的なもの
多分、アンパンマン号が宝具として付いてくるライダー枠が一番強いだろうな
その場合も戦場に置いとかなきゃいけないアンパンマン号の守りを固める必要があるから、弱点が無くなる訳じゃないけど
だれかアンパンマンサイズの潜水服持ってこい
もしくは顔の周囲を覆う水だけに反応して弾く結界魔術的なもの
741:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 09:58:39.10:5nop8S4Jo (1/1)
アンパンマンは原作で金魚鉢みたいなの被って水中で行動してるんだぜ?
けどこの宝具、原作でカビて弱体化したり、焦がされて弱体化したりしてたけど
そういうのも無効になるんだろうか
アンパンマンは原作で金魚鉢みたいなの被って水中で行動してるんだぜ?
けどこの宝具、原作でカビて弱体化したり、焦がされて弱体化したりしてたけど
そういうのも無効になるんだろうか
742:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/06(金) 12:15:53.23:D9whHwoE0 (1/1)
人々の願いと愛の結晶ってあるし無効だろう
濡れるのが弱点っていうイメージが一番強いし
人々の願いと愛の結晶ってあるし無効だろう
濡れるのが弱点っていうイメージが一番強いし
743:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 18:27:25.95:yQHP7+eHo (1/1)
濡れたら交換できないし乾くこともないわけか
濡れちまったら仮に一時撤退できてもほぼ逆転は無理だな
濡れたら交換できないし乾くこともないわけか
濡れちまったら仮に一時撤退できてもほぼ逆転は無理だな
744: ◆DDBjj51DRA:2013/12/06(金) 20:10:54.60:0dfesP0S0 (1/1)
《諸事情で今日明日の更新は無しです》
《申し訳ない》
《諸事情で今日明日の更新は無しです》
《申し訳ない》
745:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 21:57:48.44:rpUaOvwAO (2/2)
>>743
濡れた直後に令呪で「頭よ濡れる前に戻れ」と命じたらどうなるんだ?
>>743
濡れた直後に令呪で「頭よ濡れる前に戻れ」と命じたらどうなるんだ?
746:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/06(金) 23:03:40.10:8w44QRIb0 (1/1)
把握
>>745
多分それくらいしか手段は無さそうだな
それすら出来るか怪しいが
把握
>>745
多分それくらいしか手段は無さそうだな
それすら出来るか怪しいが
747:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/06(金) 23:21:49.91:gqvT53R9o (1/1)
あ、令呪があったか
一画でいけそうな奇跡ではあるな
あ、令呪があったか
一画でいけそうな奇跡ではあるな
748:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/07(土) 09:25:12.48:NWx1fOM7o (1/1)
単純に水が被っただけならいけそうだけど宝具の効果みたいな呪いとして水を浴びるみたいな場合には令呪じゃ足りなさそう
>>747
令呪って二画とか三画使って効果上げられるんだっけ?
単純に水が被っただけならいけそうだけど宝具の効果みたいな呪いとして水を浴びるみたいな場合には令呪じゃ足りなさそう
>>747
令呪って二画とか三画使って効果上げられるんだっけ?
749:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/07(土) 12:54:28.19:eousYfYIo (1/1)
出来るスレは結構多い
スレによっては三画消費で鯖復活とかもあったし、一度に切る画数を増やせばより強い奇跡を起こせるってのはあると思う
たった三画しかない上に、補充の機会もほとんどないからね
出来るスレは結構多い
スレによっては三画消費で鯖復活とかもあったし、一度に切る画数を増やせばより強い奇跡を起こせるってのはあると思う
たった三画しかない上に、補充の機会もほとんどないからね
750:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/07(土) 13:03:20.70:k7zLRCrPo (1/1)
令呪まで使うなら「回避しろ」でいいんじゃね
令呪まで使うなら「回避しろ」でいいんじゃね
751: ◆DDBjj51DRA:2013/12/08(日) 23:51:37.92:Svuc9/i20 (1/2)
柳洞寺【客室】
「動くのは今宵の深夜、言峰綺礼に奇襲を掛けるつもりでござる」
セイバーはオディオとわたしにそう言伝ると、本堂の方へ消えていった。
今日も修行僧さんたちの稽古を付けているのだろう。
オディオはそれを薄く開いた眼で見止めてから、話を切り出す。
「……動くのは今宵…とは言うが、実際のところどうするつもりだ?」
「え? どうするつもり、とは?」
「お前はセイバーに力を貸すのかということだ、サクラ。にべも無く断っても、実際損はなかろう?」
それはそうなのだが。
しかし、得られる益と払うリスクを考えると受けた方がいいだろう。
言峰綺礼、およびそのサーヴァントを打倒することで得られる報酬。
大聖杯の接続化にあるわたしだからこそ実現可能な裏ワザを。
「もしかして、オディオは賛成じゃないんですか?」
「………まあ、あまりいい気はせんな」
「ふふ、オディオ。あなたがいい気になる出来事なんて、はたしてこの世にあるんですか?」
「―――ふむ。それもそうだな。この程度は、常々抱いている憎しみの一片に過ぎんか」
その『報酬』を当てにしているというわけでは、別段無い。
そもそも『報酬』はおまけみたいなもので、無くてもそれは構わないのだ。
『報酬』が無くても、現状でわたしは姉さんを殺せる。
能力、メンタル共に―――十分殺せる。
「だからまあ、保険みたいなものですよ。有利な要素があって、そしてどっちにしても損するものではありませんし」
「セイバーの提案に裏が無いというのもわかるからな。確かに双方に益のある話ではある。だからこそ疑ってもいるがな」
「疑り深いですね……あなたの場合は仕方ないですけど…」
柳洞寺【客室】
「動くのは今宵の深夜、言峰綺礼に奇襲を掛けるつもりでござる」
セイバーはオディオとわたしにそう言伝ると、本堂の方へ消えていった。
今日も修行僧さんたちの稽古を付けているのだろう。
オディオはそれを薄く開いた眼で見止めてから、話を切り出す。
「……動くのは今宵…とは言うが、実際のところどうするつもりだ?」
「え? どうするつもり、とは?」
「お前はセイバーに力を貸すのかということだ、サクラ。にべも無く断っても、実際損はなかろう?」
それはそうなのだが。
しかし、得られる益と払うリスクを考えると受けた方がいいだろう。
言峰綺礼、およびそのサーヴァントを打倒することで得られる報酬。
大聖杯の接続化にあるわたしだからこそ実現可能な裏ワザを。
「もしかして、オディオは賛成じゃないんですか?」
「………まあ、あまりいい気はせんな」
「ふふ、オディオ。あなたがいい気になる出来事なんて、はたしてこの世にあるんですか?」
「―――ふむ。それもそうだな。この程度は、常々抱いている憎しみの一片に過ぎんか」
その『報酬』を当てにしているというわけでは、別段無い。
そもそも『報酬』はおまけみたいなもので、無くてもそれは構わないのだ。
『報酬』が無くても、現状でわたしは姉さんを殺せる。
能力、メンタル共に―――十分殺せる。
「だからまあ、保険みたいなものですよ。有利な要素があって、そしてどっちにしても損するものではありませんし」
「セイバーの提案に裏が無いというのもわかるからな。確かに双方に益のある話ではある。だからこそ疑ってもいるがな」
「疑り深いですね……あなたの場合は仕方ないですけど…」
752: ◆DDBjj51DRA:2013/12/08(日) 23:52:04.69:Svuc9/i20 (2/2)
「そこで一応、この魔王化したわたしの戦闘方法について相談しておこうとおもいまして」
「いいだろう。では、いまの貴様の―――つまり、影の『魔法』についての考察を述べようか」
影の魔法。――――『魔法』。
これは、実際的にわたしが『魔法使い』と呼べるレベルにまで到達していることを表す。
現代科学では到底再現不可能の神秘を、この身に宿していることを示す。
わたしの魔法、『影』は、虚数と吸収の合わせ技。
その本質は変化していないが、端的に言ってこの魔法はわたしの劣等感の表れのようなものだ。
第虚数魔法、『魔の無力化』。
わたしの落とした影に触れると例外なく、魔に分類される全ての要素を根こそぎ吸い取る。
それが攻撃に類される魔術であれ、精神感応に類されるものであれ、―――魔術回路であれ、例外なく。
そして、その効力が及ぶのは影の上だけではない。
わたしの身体は、それこそ影のようなもの。
わたしに触れた魔術は消えて、私に触れた才能は無くなる。
魔術師の天敵。魔術師の対極。――――魔術師にとっての、まさに魔王。
「サーヴァントとは逆に、わたしの身体には一切の神秘が通用しないことになりますね」
「発動は任意か、それとも自動か。それで随分と使い勝手が変わるが」
「どうやら任意のようですよ。そうでなければ、この地の結界はとうに壊滅しています」
というか恐らく、令脈ごと崩壊していただろう。
そうなっていないのだから、やはりこれは任意なのだ
「成程な。では考察を述べようか。―――良い力だ。誇れ。憎しみを根源とする、劣等感の具現とは、また面白い物を見せてくれる」
そう言ってオディオは笑った。
わたしは笑わなかった。
《ここまで》
「そこで一応、この魔王化したわたしの戦闘方法について相談しておこうとおもいまして」
「いいだろう。では、いまの貴様の―――つまり、影の『魔法』についての考察を述べようか」
影の魔法。――――『魔法』。
これは、実際的にわたしが『魔法使い』と呼べるレベルにまで到達していることを表す。
現代科学では到底再現不可能の神秘を、この身に宿していることを示す。
わたしの魔法、『影』は、虚数と吸収の合わせ技。
その本質は変化していないが、端的に言ってこの魔法はわたしの劣等感の表れのようなものだ。
第虚数魔法、『魔の無力化』。
わたしの落とした影に触れると例外なく、魔に分類される全ての要素を根こそぎ吸い取る。
それが攻撃に類される魔術であれ、精神感応に類されるものであれ、―――魔術回路であれ、例外なく。
そして、その効力が及ぶのは影の上だけではない。
わたしの身体は、それこそ影のようなもの。
わたしに触れた魔術は消えて、私に触れた才能は無くなる。
魔術師の天敵。魔術師の対極。――――魔術師にとっての、まさに魔王。
「サーヴァントとは逆に、わたしの身体には一切の神秘が通用しないことになりますね」
「発動は任意か、それとも自動か。それで随分と使い勝手が変わるが」
「どうやら任意のようですよ。そうでなければ、この地の結界はとうに壊滅しています」
というか恐らく、令脈ごと崩壊していただろう。
そうなっていないのだから、やはりこれは任意なのだ
「成程な。では考察を述べようか。―――良い力だ。誇れ。憎しみを根源とする、劣等感の具現とは、また面白い物を見せてくれる」
そう言ってオディオは笑った。
わたしは笑わなかった。
《ここまで》
753:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 23:54:55.59:RbhAQ4LDO (1/1)
乙
神秘無しの先生の出番か
乙
神秘無しの先生の出番か
754:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/09(月) 00:06:11.78:V7tHjs+Zo (1/1)
完璧に、完全に、完悪にマイナスだなこの桜
敵だとクソきつい
完璧に、完全に、完悪にマイナスだなこの桜
敵だとクソきつい
755:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/09(月) 02:52:20.18:dYcRwMKAO (1/2)
>>753
桜を殴ったら回路とパスが破壊されてアンパンマンの活動が時限式になるが宜しいか?
>>753
桜を殴ったら回路とパスが破壊されてアンパンマンの活動が時限式になるが宜しいか?
756:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/09(月) 02:55:56.49:KKHSppcDO (1/2)
そもそも先生に魔術回路無くね?
そもそも先生に魔術回路無くね?
757:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/09(月) 03:11:32.45:dYcRwMKAO (2/2)
>>756
今回アンパンマン相性召喚しとるが
>>756
今回アンパンマン相性召喚しとるが
758:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/09(月) 08:09:39.83:KKHSppcDO (2/2)
召喚自体は回路無しでも出来るんだよ、一応
アンパンマンはアーチャーだから単独行動スキルで魔翌力供給無しである程度動けるし
召喚自体は回路無しでも出来るんだよ、一応
アンパンマンはアーチャーだから単独行動スキルで魔翌力供給無しである程度動けるし
759:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/09(月) 11:39:44.18:yBbG696P0 (1/1)
魔術回路無しでもマスターにはなれるんだよな
ただ魔翌力供給出来ないから普通は魂食いなり何なり手段を講じなければならないだけで
魔術回路無しでもマスターにはなれるんだよな
ただ魔翌力供給出来ないから普通は魂食いなり何なり手段を講じなければならないだけで
760: ◆DDBjj51DRA:2013/12/10(火) 00:24:18.06:8VmnE0U20 (1/3)
衛宮邸【客間】
「そろそろあいつらも帰路についたころでしょう」
「そうか。なら、いよいよだね」
いよいよ、白のアーチャーと対峙する時が来たわけだ。
と言っても、綺礼の居場所は判明していないのだから、探す手間は必要だけど。
「それでライダー。そろそろ貴方の奥の手――――もう一つの宝具について教えてもらえるかしら?」
確かにライダーは、それを切り札だと言っていた。
切り札故に、あまり使うつもりも無いとも。
「こんなイレギュラーが発生した手前、使わない訳にも行かないでしょう。切り札は切ってこそよ」
「……その宝具は、恐ろしいほど魔力を喰うよ。正直、凛でも何分持つか…」
何分持つか…?
それはつまり―――――
「…固有結界、とか?」
自身の心象風景を具現化する、魔術師でも相当に限られた者しか扱えない秘中の秘。
その点、ライダーは生前の経験が豊富だ。
魔術を扱っていたこともあるだろう。
それならば――――
「違うよ。固有結界じゃない。……そのほうがいくらか燃費が良かったくらいでね」
「……じゃあなんなのよ。説明はあるんでしょうね」
「………気は進まないけど、まあ…仕方ない、かな」
衛宮邸【客間】
「そろそろあいつらも帰路についたころでしょう」
「そうか。なら、いよいよだね」
いよいよ、白のアーチャーと対峙する時が来たわけだ。
と言っても、綺礼の居場所は判明していないのだから、探す手間は必要だけど。
「それでライダー。そろそろ貴方の奥の手――――もう一つの宝具について教えてもらえるかしら?」
確かにライダーは、それを切り札だと言っていた。
切り札故に、あまり使うつもりも無いとも。
「こんなイレギュラーが発生した手前、使わない訳にも行かないでしょう。切り札は切ってこそよ」
「……その宝具は、恐ろしいほど魔力を喰うよ。正直、凛でも何分持つか…」
何分持つか…?
それはつまり―――――
「…固有結界、とか?」
自身の心象風景を具現化する、魔術師でも相当に限られた者しか扱えない秘中の秘。
その点、ライダーは生前の経験が豊富だ。
魔術を扱っていたこともあるだろう。
それならば――――
「違うよ。固有結界じゃない。……そのほうがいくらか燃費が良かったくらいでね」
「……じゃあなんなのよ。説明はあるんでしょうね」
「………気は進まないけど、まあ…仕方ない、かな」
761: ◆DDBjj51DRA:2013/12/10(火) 00:24:46.77:8VmnE0U20 (2/3)
《ライダーのステータスが更新されます》
クラス:ライダー
真名:ラムザ・ベオルブ
筋力C 耐久C 敏捷D 魔力D 幸運D 宝具A++
◆スキル
・騎乗(A+) 乗り物を乗りこなす能力。A+ランクはすべての乗り物を乗りこなすことが出来る。
・対魔力(C) 魔術に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
・カリスマ(C) 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。複数戦闘での指揮力向上。
・軍略(A) 多人数戦闘における戦術的直感能力。自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に補正がつく。
・専科百般(E) 生前の経験と知識から来るスキル。ジョブチェンジ不可のため、十全に発揮できない。
・仕切り直し(D) 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
◆宝具
『怪鳥三羽・天地走破』(チョコボ・ザ・トリニティ)
所有者:ラムザ・ベオルブ ランク:C
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
個別の独立したユニットとして、チョコボを召喚する宝具。
黄チョコボ、赤チョコボ、黒チョコボの三羽から一体を選出する。
この宝具は常時発動しているものであり、チョコボは常にライダーの傍で霊体化している。
チョコボそれぞれが宝具に準ずる能力を持つため、戦況に分けて乗り換えることが重要となる。
また、個別ユニットであると言う特性上、二対一の状況を強いることが出来るのも強みの一つ。
『幻想の異端旅団』(タクティカル・ファンタズム)
所有者:ラムザ・ベオルブ ランク:A++
種別:対軍宝具 レンジ:不定 最大捕捉:25+α人
共に旅路を歩んだ旅団を孤立ユニットとして召喚する宝具。
現実を侵食する固有結界では無く、独立したクラス無しのサーヴァントを現界させる。
召喚出来る兵士は以下の通り。
戦士系:ナイト3名、弓使い3名、シーフ2名、モンク2名、竜騎士2名、侍1名、忍者1名
魔導師系:黒魔導師2名、白魔導師2名、時魔導師1名、風水師2名、召喚師1名、アイテム師3名
召喚されるユニットは何れも無銘であり、そのため現界するにあたって必要となる魔力量も少ない。
しかしそれはあくまで通常のサーヴァントと比べての話。
全力展開した場合は、ライダー本人を含めてバーサーカー二体分以上の消費を継続して行う事となる。
リスクに対して得られるリターンは十分で、系統の違うユニットをライダーの軍略、カリスマで更に強化して運用できる上に、一体一体が強力である。
さらに固有結界ではないため範囲の指定が無く、ユニットは自由行動が可能。それぞれがジョブに合わせた宝具を持つ。
陣地攻略戦や防衛戦など、使い方によっては非常に強力な宝具。
《ライダーのステータスが更新されます》
クラス:ライダー
真名:ラムザ・ベオルブ
筋力C 耐久C 敏捷D 魔力D 幸運D 宝具A++
◆スキル
・騎乗(A+) 乗り物を乗りこなす能力。A+ランクはすべての乗り物を乗りこなすことが出来る。
・対魔力(C) 魔術に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
・カリスマ(C) 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。複数戦闘での指揮力向上。
・軍略(A) 多人数戦闘における戦術的直感能力。自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に補正がつく。
・専科百般(E) 生前の経験と知識から来るスキル。ジョブチェンジ不可のため、十全に発揮できない。
・仕切り直し(D) 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
◆宝具
『怪鳥三羽・天地走破』(チョコボ・ザ・トリニティ)
所有者:ラムザ・ベオルブ ランク:C
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
個別の独立したユニットとして、チョコボを召喚する宝具。
黄チョコボ、赤チョコボ、黒チョコボの三羽から一体を選出する。
この宝具は常時発動しているものであり、チョコボは常にライダーの傍で霊体化している。
チョコボそれぞれが宝具に準ずる能力を持つため、戦況に分けて乗り換えることが重要となる。
また、個別ユニットであると言う特性上、二対一の状況を強いることが出来るのも強みの一つ。
『幻想の異端旅団』(タクティカル・ファンタズム)
所有者:ラムザ・ベオルブ ランク:A++
種別:対軍宝具 レンジ:不定 最大捕捉:25+α人
共に旅路を歩んだ旅団を孤立ユニットとして召喚する宝具。
現実を侵食する固有結界では無く、独立したクラス無しのサーヴァントを現界させる。
召喚出来る兵士は以下の通り。
戦士系:ナイト3名、弓使い3名、シーフ2名、モンク2名、竜騎士2名、侍1名、忍者1名
魔導師系:黒魔導師2名、白魔導師2名、時魔導師1名、風水師2名、召喚師1名、アイテム師3名
召喚されるユニットは何れも無銘であり、そのため現界するにあたって必要となる魔力量も少ない。
しかしそれはあくまで通常のサーヴァントと比べての話。
全力展開した場合は、ライダー本人を含めてバーサーカー二体分以上の消費を継続して行う事となる。
リスクに対して得られるリターンは十分で、系統の違うユニットをライダーの軍略、カリスマで更に強化して運用できる上に、一体一体が強力である。
さらに固有結界ではないため範囲の指定が無く、ユニットは自由行動が可能。それぞれがジョブに合わせた宝具を持つ。
陣地攻略戦や防衛戦など、使い方によっては非常に強力な宝具。
762: ◆DDBjj51DRA:2013/12/10(火) 00:26:48.41:8VmnE0U20 (3/3)
「……何よ、これ…!」
聖杯戦争において、多対一を強いることが出来ると言うのはとても大きい。
だからこそ、チョコボを性能を知った時に感心したのだが―――
「多対一どころか、軍対個じゃない…!」
聖杯戦争において、圧倒的に優位過ぎる宝具。
宝具で展開した25人の兵士が、それぞれの宝具を携えて行動する。
しかも固有結界内ではなく、現実の地形に則ってだ。
つまり、26人同時に奇襲を掛けることが可能だということ。
しかもその一体一体が、英霊に匹敵する実力の持ち主とは――――
「これは、確かに切り札だわ…」
「だけどその分、燃費が悪い。本当にここぞと言うとき以外は、極力使わせないでくれよ」
《ここまで》
「……何よ、これ…!」
聖杯戦争において、多対一を強いることが出来ると言うのはとても大きい。
だからこそ、チョコボを性能を知った時に感心したのだが―――
「多対一どころか、軍対個じゃない…!」
聖杯戦争において、圧倒的に優位過ぎる宝具。
宝具で展開した25人の兵士が、それぞれの宝具を携えて行動する。
しかも固有結界内ではなく、現実の地形に則ってだ。
つまり、26人同時に奇襲を掛けることが可能だということ。
しかもその一体一体が、英霊に匹敵する実力の持ち主とは――――
「これは、確かに切り札だわ…」
「だけどその分、燃費が悪い。本当にここぞと言うとき以外は、極力使わせないでくれよ」
《ここまで》
763:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/10(火) 00:50:19.08:fpC8NqODO (1/1)
乙
乙
764:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/10(火) 01:14:27.58:DXAIVl9AO (1/1)
………おぼぉ…!?
………おぼぉ…!?
765:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/10(火) 01:32:50.81:zBaWT+Nao (1/1)
こいつはひでぇや
一騎一騎個別に運用出来ないのと魔力の使用料が馬鹿でかい事を差し置いても十分チートクラスとは・・・
それでもダグバに勝てる未来が見えねぇ・・・
こいつはひでぇや
一騎一騎個別に運用出来ないのと魔力の使用料が馬鹿でかい事を差し置いても十分チートクラスとは・・・
それでもダグバに勝てる未来が見えねぇ・・・
766:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/10(火) 02:43:37.25:s7a44yFSo (1/1)
宝石剣で魔力問題は解決するとして
カリスマの指揮力向上と軍略のスキルが重複して
王の軍勢にぶつけてみたいな
宝石剣で魔力問題は解決するとして
カリスマの指揮力向上と軍略のスキルが重複して
王の軍勢にぶつけてみたいな
767: ◆DDBjj51DRA:2013/12/11(水) 00:16:00.17:TA7nfaS/0 (1/2)
この日の夜に始まる戦闘において、勝利条件は一つ。
究極の闇たる、白のアーチャーを打倒する事。
異端の騎士にして軍略家。
救世の勇者にして無手の武道家。
子供の夢の結晶と、歴史の闇に呑まれた剣士。
そして、反転した悲劇の魔王。
少女はその想いを宝石に込めて。
少年はその信念で剣を打つ。
枯れた殺意は無私のままに。
新たな魔王は、暗い暗い影を堕とした。
拍手喝采、阿鼻叫喚。
巻き起こるは、果たして何か。
この戦いの決着は、勝つも負けるも瞬く間。
その身で誘う、戦場へ。
その身が誘う、愉悦なり。
黒く濁った悪魔の神父。
白く濁った純潔の闇。
両名は、新都――――冬木の中央公園で――――
10年前に、最後の剣戟の舞台となった彼の地で―――
その顔に笑みを湛えて待つ。
この日の夜に始まる戦闘において、勝利条件は一つ。
究極の闇たる、白のアーチャーを打倒する事。
異端の騎士にして軍略家。
救世の勇者にして無手の武道家。
子供の夢の結晶と、歴史の闇に呑まれた剣士。
そして、反転した悲劇の魔王。
少女はその想いを宝石に込めて。
少年はその信念で剣を打つ。
枯れた殺意は無私のままに。
新たな魔王は、暗い暗い影を堕とした。
拍手喝采、阿鼻叫喚。
巻き起こるは、果たして何か。
この戦いの決着は、勝つも負けるも瞬く間。
その身で誘う、戦場へ。
その身が誘う、愉悦なり。
黒く濁った悪魔の神父。
白く濁った純潔の闇。
両名は、新都――――冬木の中央公園で――――
10年前に、最後の剣戟の舞台となった彼の地で―――
その顔に笑みを湛えて待つ。
768: ◆DDBjj51DRA:2013/12/11(水) 00:16:27.74:TA7nfaS/0 (2/2)
新都【中央公園】
衛宮くんたちと合流してから数時間にも満たない。
たったの数分で、私達は綺礼の居場所を確認した。
―――冬木中央公園。
まったく、いつも通りの最悪なセンスだ。
10年前の大災害。
多くの命を散らした場所で待ち構えるなどとは、正気の沙汰とは思えない。
「準備はいいかしら?」
「ああ、問題ない」
衛宮くんが返事をする。
戦闘前だというのに、少々やつれている気がするのは気のせいか?
「…調子悪そうだけど、大丈夫?」
「平気だよ。ちょっと、慣れないことをしたからさ」
「あんたがそういうなら、別にそれでもいいけど…」
ここで体調管理が出来ないやつでもないか。
サーヴァントについては、最早調子を確かめるまでもないだろう。
むしろ英気に満ち満ちている。
葛木は相変わらず、表情からはなにも分からない。
付いてきたということは、協力してはくれるのだろうが、一体彼に何が出来るというのだろう。
訊けば葛木は、魔術師でも何でもないと言う。
足手まといにならなければいいが……
「……何にせよ、ここまで来て引けないわよね。いくわよ、ライダー」
「ああ、死なば諸共だ」
不吉なことをいう……が、しかし、そのくらいの気持ちでなければ、敵うものも敵うまい。
相手はあの不条理。あの理不尽。
覚悟がなければ、ただ死ぬだけだ。
《ここまで》
新都【中央公園】
衛宮くんたちと合流してから数時間にも満たない。
たったの数分で、私達は綺礼の居場所を確認した。
―――冬木中央公園。
まったく、いつも通りの最悪なセンスだ。
10年前の大災害。
多くの命を散らした場所で待ち構えるなどとは、正気の沙汰とは思えない。
「準備はいいかしら?」
「ああ、問題ない」
衛宮くんが返事をする。
戦闘前だというのに、少々やつれている気がするのは気のせいか?
「…調子悪そうだけど、大丈夫?」
「平気だよ。ちょっと、慣れないことをしたからさ」
「あんたがそういうなら、別にそれでもいいけど…」
ここで体調管理が出来ないやつでもないか。
サーヴァントについては、最早調子を確かめるまでもないだろう。
むしろ英気に満ち満ちている。
葛木は相変わらず、表情からはなにも分からない。
付いてきたということは、協力してはくれるのだろうが、一体彼に何が出来るというのだろう。
訊けば葛木は、魔術師でも何でもないと言う。
足手まといにならなければいいが……
「……何にせよ、ここまで来て引けないわよね。いくわよ、ライダー」
「ああ、死なば諸共だ」
不吉なことをいう……が、しかし、そのくらいの気持ちでなければ、敵うものも敵うまい。
相手はあの不条理。あの理不尽。
覚悟がなければ、ただ死ぬだけだ。
《ここまで》
769:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 00:18:52.28:oG3RRnbDO (1/1)
乙
乙
770:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 00:29:10.71:6srJx6C2o (1/1)
そこはかとなく漂う最終回感・・・乙
そこはかとなく漂う最終回感・・・乙
771:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 00:29:22.15:psHjjjdKo (1/1)
乙
ライダーの宝具フルで使って、どうやら一体ずつしか燃やせないらしい隙をつければワンチャン……?
超知覚はあります^^^とか言われたらアンパンマンのもうひとつの宝具しかないけど
乙
ライダーの宝具フルで使って、どうやら一体ずつしか燃やせないらしい隙をつければワンチャン……?
超知覚はあります^^^とか言われたらアンパンマンのもうひとつの宝具しかないけど
772:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 00:41:40.87:14ZwqgWB0 (1/1)
面白い。ここで>>1がどれだけキャラを落としにかかってくるかが楽しみです。
意外に全員生存の可能性もありか....?
面白い。ここで>>1がどれだけキャラを落としにかかってくるかが楽しみです。
意外に全員生存の可能性もありか....?
773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/11(水) 05:40:52.40:akSy4/Qj0 (1/1)
それにしても、相変わらずこのスレの内容は濃いなぁ。
最高だよ。
それにしても、相変わらずこのスレの内容は濃いなぁ。
最高だよ。
774:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 16:39:05.49:UMb6YXQH0 (1/1)
一気読みしてしまった
乙乙
一気読みしてしまった
乙乙
775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 16:47:05.17:aaVc4MT3o (1/1)
なんか割りと真面目?に聖杯戦争してるなぁ
前回はランサー(と桜)のおかげで色々酷かったから…
なんか割りと真面目?に聖杯戦争してるなぁ
前回はランサー(と桜)のおかげで色々酷かったから…
776:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 20:10:39.45:Cn7Dns1p0 (1/1)
原作のサーヴァントでダグバに勝てる人はいるんだろうか王の軍勢とか完全にダグバのカモにされるよな
原作のサーヴァントでダグバに勝てる人はいるんだろうか王の軍勢とか完全にダグバのカモにされるよな
777:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 21:13:41.94:VpHx+PFzo (1/1)
>>776
ドレイク姉さん(星の開拓者)
セイバールートラストのアルトリア(アヴァロン)
あとはキャス娘とセイヴァーがワンチャンかな?
>>776
ドレイク姉さん(星の開拓者)
セイバールートラストのアルトリア(アヴァロン)
あとはキャス娘とセイヴァーがワンチャンかな?
778:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/11(水) 22:29:16.32:J/sd7EvAO (1/1)
>>777
バサクレス
>>777
バサクレス
779: ◆DDBjj51DRA:2013/12/12(木) 00:12:37.68:aKAfMGIM0 (1/2)
私とライダー、衛宮くんとアサシンは公園の外、物陰に隠れる。
最初にアーチャーと対峙するのは、此方も同じくアーチャーだ。
アンパンマンの宝具の性質を聞いた時には唖然としたものだが、しかしこの状況で味方につけるにあたってこれほど頼りになる物は無い。
白のアーチャーの怖い所は、未知の恐怖に包まれていること。
先ずはその未知を解明して貰おう。
「……失礼だが、一つ尋ねてもいいか?」
アンパンマンを霊体化させた状態で、葛木は綺礼に話しかける。
白のアーチャーがすぐ傍にいるのに普通の会話運びが出来ると言うのは、成程葛木も只者ではないらしい。
「―――何だろう。それは、私に答えられることだろうか?」
「ああ。では訊こう。―――死ぬときは、どう有りたい」
言うが速いか。
恐らく葛木は、その拳を振るったのだろう。
わたしには視認できないほどの速度で振り抜かれたそれは、人体が描いた軌道とは思えない。
まるで、それ自体が生命を宿した――――例えるなら蛇のような、しなやかで切れのある動き。
しかしその拳は、綺礼を穿つに至らなかった。
「―――速いな」
綺礼は、葛木の腕を肘裏と脇で絡め捕る。
卓越した戦闘技能。衰えたとはいえ、その身に沁み込んだ殺人拳は簡単に抜けきらない。
その状態のまま、綺礼と葛木は同時に呟く。
「「アーチャー、やれ」」
この言葉と共に、今宵の戦争は幕を上げる。
私とライダー、衛宮くんとアサシンは公園の外、物陰に隠れる。
最初にアーチャーと対峙するのは、此方も同じくアーチャーだ。
アンパンマンの宝具の性質を聞いた時には唖然としたものだが、しかしこの状況で味方につけるにあたってこれほど頼りになる物は無い。
白のアーチャーの怖い所は、未知の恐怖に包まれていること。
先ずはその未知を解明して貰おう。
「……失礼だが、一つ尋ねてもいいか?」
アンパンマンを霊体化させた状態で、葛木は綺礼に話しかける。
白のアーチャーがすぐ傍にいるのに普通の会話運びが出来ると言うのは、成程葛木も只者ではないらしい。
「―――何だろう。それは、私に答えられることだろうか?」
「ああ。では訊こう。―――死ぬときは、どう有りたい」
言うが速いか。
恐らく葛木は、その拳を振るったのだろう。
わたしには視認できないほどの速度で振り抜かれたそれは、人体が描いた軌道とは思えない。
まるで、それ自体が生命を宿した――――例えるなら蛇のような、しなやかで切れのある動き。
しかしその拳は、綺礼を穿つに至らなかった。
「―――速いな」
綺礼は、葛木の腕を肘裏と脇で絡め捕る。
卓越した戦闘技能。衰えたとはいえ、その身に沁み込んだ殺人拳は簡単に抜けきらない。
その状態のまま、綺礼と葛木は同時に呟く。
「「アーチャー、やれ」」
この言葉と共に、今宵の戦争は幕を上げる。
780: ◆DDBjj51DRA:2013/12/12(木) 00:13:05.56:aKAfMGIM0 (2/2)
その言葉を聞き届けて、先に動いたのはアンパンマンだったが、攻撃行動には移らない。
アンパンマンは白いアーチャーと葛木の間に割って入り、身を挺してマスターを庇う。
対する白いアーチャーは、緩慢ながら威圧的な動きで片手を上げる。
「―――――?」
その動作の直後に、白いアーチャーは首を傾げた。
まるで、起こるはずの現象が起こらなかったかのような挙動。
つまりそれは、白いアーチャーがアンパンマンを攻撃して、それが不発に終わったと言う事か。
何も見えなかったどころか、魔力の動きさえ感じなかった。
白のアーチャーの攻撃とは、放たれたことさえ知覚できないものなのか?
「へぇ、燃えないんだ。君が僕を楽しませてくれるんだね?」
表情は読めないけれど、しかし笑っているような気がした。
攻撃が通用しなかったという結果を受けての行動だとは、とてもではないが信じられない。
わたしは理性的だった狂戦士を想起して、思う。
これでは、どちらがバーサーカーか分からない。
「それっ!」
アンパンマンが掛け声と共に、低空を飛行する。
拳を構えて一直線。向かうのは勿論、白のアーチャーへだ。
白のアーチャーは避けようともせずに、その拳を受け止めた。
「本当に久しぶりだよ!僕とまともに戦ってくれる相手が現れるなんて!さあ!もっと僕を笑顔にしてよ!」
白のアーチャーの標的は、これで完全にアンパンマンへとシフトした。
葛木は綺礼と拮抗しているが、綺礼もまさか葛木が一人で来たとは思っていないだろう。
仕掛けるタイミングはいつか。
それを探っているはずである。
故に私たちは、よく考えなければならない。
アンパンマンの仕掛けが破られるよりも前に。
白いアーチャーが標的を移さないように。
《ここまで》
その言葉を聞き届けて、先に動いたのはアンパンマンだったが、攻撃行動には移らない。
アンパンマンは白いアーチャーと葛木の間に割って入り、身を挺してマスターを庇う。
対する白いアーチャーは、緩慢ながら威圧的な動きで片手を上げる。
「―――――?」
その動作の直後に、白いアーチャーは首を傾げた。
まるで、起こるはずの現象が起こらなかったかのような挙動。
つまりそれは、白いアーチャーがアンパンマンを攻撃して、それが不発に終わったと言う事か。
何も見えなかったどころか、魔力の動きさえ感じなかった。
白のアーチャーの攻撃とは、放たれたことさえ知覚できないものなのか?
「へぇ、燃えないんだ。君が僕を楽しませてくれるんだね?」
表情は読めないけれど、しかし笑っているような気がした。
攻撃が通用しなかったという結果を受けての行動だとは、とてもではないが信じられない。
わたしは理性的だった狂戦士を想起して、思う。
これでは、どちらがバーサーカーか分からない。
「それっ!」
アンパンマンが掛け声と共に、低空を飛行する。
拳を構えて一直線。向かうのは勿論、白のアーチャーへだ。
白のアーチャーは避けようともせずに、その拳を受け止めた。
「本当に久しぶりだよ!僕とまともに戦ってくれる相手が現れるなんて!さあ!もっと僕を笑顔にしてよ!」
白のアーチャーの標的は、これで完全にアンパンマンへとシフトした。
葛木は綺礼と拮抗しているが、綺礼もまさか葛木が一人で来たとは思っていないだろう。
仕掛けるタイミングはいつか。
それを探っているはずである。
故に私たちは、よく考えなければならない。
アンパンマンの仕掛けが破られるよりも前に。
白いアーチャーが標的を移さないように。
《ここまで》
781:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 00:15:25.65:C0Zj4KuDO (1/1)
乙
アンパンマンとダグバが戦ってる絵面が思い浮かばないw
乙
アンパンマンとダグバが戦ってる絵面が思い浮かばないw
782:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 01:28:10.20:RTF3mfYv0 (1/1)
乙
ワカメスレ見てきたけどなにあの完成度
この1はなにもんだよ
乙
ワカメスレ見てきたけどなにあの完成度
この1はなにもんだよ
783:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 01:38:07.52:2SiggFsa0 (1/1)
安心スレばかりが有名になってしまうこの頃
この人はシリアスだろうがギャグだろうがほのぼのだろうがなんだって出来るのに
安心スレばかりが有名になってしまうこの頃
この人はシリアスだろうがギャグだろうがほのぼのだろうがなんだって出来るのに
784:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 02:18:55.73:wqSWyfm/o (1/1)
安定して面白いんだけど最近安価が無いのがちょっと寂しい
次回あたり行動安価ありそうだけど
安定して面白いんだけど最近安価が無いのがちょっと寂しい
次回あたり行動安価ありそうだけど
785:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 03:49:24.83:zPzFXeNxo (1/1)
何をしようか?
どうなった?
次は?
安価ばかりのクソスレはいらん
忘れた頃に安価が来ればいい
何をしようか?
どうなった?
次は?
安価ばかりのクソスレはいらん
忘れた頃に安価が来ればいい
786:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 08:52:21.05:693KUgpJo (1/1)
>>785
何も山ほど安価出せなんて言ってない
安価スレで気がついたら1週間安価がなかったら次はいつかと楽しみにしてるだけだよ
催促しているように見えたなら悪かったな
>>785
何も山ほど安価出せなんて言ってない
安価スレで気がついたら1週間安価がなかったら次はいつかと楽しみにしてるだけだよ
催促しているように見えたなら悪かったな
787:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 09:38:09.55:WBY2rgq4o (1/1)
>>786
スマン
安価だらけになるのは嫌だって俺の願望を書いただけ
>>786
スマン
安価だらけになるのは嫌だって俺の願望を書いただけ
788:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/12(木) 10:33:16.25:I8siskxGo (1/1)
これも>>1のSSが面白いせいだ、金を払え
これも>>1のSSが面白いせいだ、金を払え
789: ◆DDBjj51DRA:2013/12/13(金) 00:36:39.30:3p+40fXz0 (1/2)
《ワカメの方は前半の文章が若干稚拙だったのが悔やまれる。ランサー召喚したあたりから本気出し始めたような記憶》
《照れるけど嬉しいです。今回も頑張ります》
状況は、一見拮抗しているように見えた。
それどころか、アンパンマンと葛木が優勢と感じるほどだ。
白いアーチャーの攻撃を物ともせず、葛木を守りながら戦うアンパンマン。
葛木はその奮闘を背に、綺礼と拳を弾き合う。
葛木の戦闘技能は嬉しい誤算だが、しかし拮抗しているという現状はあまり良い物とは言えない。
綺礼には預託令呪があり、その使い方を知っている。
令呪は葛木にだって宿ってはいるのだろうが、それを自身の強化に回すほどの余裕はないはずだ。
綺礼がその気になれば、いつだってこの状況は覆る。
ならばそれをしないのは、何の為か。
「……何か企んでるか、それとも令呪を渋ってるのか…」
「後者の可能性も十分高い。リン、ここはまだ様子見に徹したほうが無難だと思うよ」
「でも白のアーチャーがアンパンマンとの戦闘に熱中しているから、アクションを起こしやすい状況でもあるのよね」
白いアーチャーの性格が、戦闘を愉しむ類のものだったのは素直に儲けだ。
そういう好戦的な相手を足止めするのは、アンパンマンの宝具のお家芸だと言える。
あらゆる攻撃を無効化する身体。
それを破るために、白のアーチャーは拳の重さを加速させていく。
見当違いな対抗策が裏目に出て、大ぶりな攻撃が隙を付くる。
その隙を、しかしアンパンマンは一度も突こうしなかった。
「不味いな。戦闘がなまじ拮抗してしまったから、アーチャーもそれを崩せなくなってる」
「それは、どういうこと?」
「ここでアーチャーがあの白色を攻撃するのは簡単だ。だけどそれをしたら、あの神父も出し惜しみが出来なくなるだろう?」
……つまり、アーチャーは葛木の身を案じているのか。
令呪でブーストを掛けた言峰綺礼の殺人拳。
いかに葛木とて、神秘の欠片も無い人の身でそれを凌げるはずもない。
《ワカメの方は前半の文章が若干稚拙だったのが悔やまれる。ランサー召喚したあたりから本気出し始めたような記憶》
《照れるけど嬉しいです。今回も頑張ります》
状況は、一見拮抗しているように見えた。
それどころか、アンパンマンと葛木が優勢と感じるほどだ。
白いアーチャーの攻撃を物ともせず、葛木を守りながら戦うアンパンマン。
葛木はその奮闘を背に、綺礼と拳を弾き合う。
葛木の戦闘技能は嬉しい誤算だが、しかし拮抗しているという現状はあまり良い物とは言えない。
綺礼には預託令呪があり、その使い方を知っている。
令呪は葛木にだって宿ってはいるのだろうが、それを自身の強化に回すほどの余裕はないはずだ。
綺礼がその気になれば、いつだってこの状況は覆る。
ならばそれをしないのは、何の為か。
「……何か企んでるか、それとも令呪を渋ってるのか…」
「後者の可能性も十分高い。リン、ここはまだ様子見に徹したほうが無難だと思うよ」
「でも白のアーチャーがアンパンマンとの戦闘に熱中しているから、アクションを起こしやすい状況でもあるのよね」
白いアーチャーの性格が、戦闘を愉しむ類のものだったのは素直に儲けだ。
そういう好戦的な相手を足止めするのは、アンパンマンの宝具のお家芸だと言える。
あらゆる攻撃を無効化する身体。
それを破るために、白のアーチャーは拳の重さを加速させていく。
見当違いな対抗策が裏目に出て、大ぶりな攻撃が隙を付くる。
その隙を、しかしアンパンマンは一度も突こうしなかった。
「不味いな。戦闘がなまじ拮抗してしまったから、アーチャーもそれを崩せなくなってる」
「それは、どういうこと?」
「ここでアーチャーがあの白色を攻撃するのは簡単だ。だけどそれをしたら、あの神父も出し惜しみが出来なくなるだろう?」
……つまり、アーチャーは葛木の身を案じているのか。
令呪でブーストを掛けた言峰綺礼の殺人拳。
いかに葛木とて、神秘の欠片も無い人の身でそれを凌げるはずもない。
790: ◆DDBjj51DRA:2013/12/13(金) 00:37:13.10:3p+40fXz0 (2/2)
「……ライダー、打開策は考え付いてる?」
「まだ何とも言えない。情報不足だ。白いアーチャーの戦闘パターンが掴めない」
アンパンマンは白のアーチャーの飛び道具を無効化している。
これはアンパンマンの宝具の最大の長所でもあるが、現状ではそれがもどかしい。
アーチャークラスの所以であろう攻撃手段を、わたしたちは観測できない。
「まだ未知の領域が8割方残っている。取りあえず、肉弾戦は普通に行うみたいだけど…」
しかし、その威力の程は見当もつかない。
完全に無効化された打撃は、その余波さえも発生しない。
それは、破壊力の検討が全くできないことを意味する。
「こうしてみると、デメリットばかりが目立つわね……」
宝具としては規格外に優秀だ。
だが、あの宝具は周囲に危険度を知らせることが出来ない。
あるいは危険を感じさせないという点で、彼を象徴しているのかも知れないが……
「どちらにせよ、綺礼を何とかしないといけないのは確実…」
いくらアーチャーの戦闘パターンが分からなくても、だ。
あるいはこのまま、葛木が綺礼に勝利するという確率に賭けてみると言う選択もあるにはある。
しかし、そこまで任せるのは筋違いだろう。
わたしは彼らに、協力すると言ったのだから。
1、ライダーを行かせる
2、アサシンを行かせる
3、様子見を続行
4、二騎とも向かわせる
>>791
「……ライダー、打開策は考え付いてる?」
「まだ何とも言えない。情報不足だ。白いアーチャーの戦闘パターンが掴めない」
アンパンマンは白のアーチャーの飛び道具を無効化している。
これはアンパンマンの宝具の最大の長所でもあるが、現状ではそれがもどかしい。
アーチャークラスの所以であろう攻撃手段を、わたしたちは観測できない。
「まだ未知の領域が8割方残っている。取りあえず、肉弾戦は普通に行うみたいだけど…」
しかし、その威力の程は見当もつかない。
完全に無効化された打撃は、その余波さえも発生しない。
それは、破壊力の検討が全くできないことを意味する。
「こうしてみると、デメリットばかりが目立つわね……」
宝具としては規格外に優秀だ。
だが、あの宝具は周囲に危険度を知らせることが出来ない。
あるいは危険を感じさせないという点で、彼を象徴しているのかも知れないが……
「どちらにせよ、綺礼を何とかしないといけないのは確実…」
いくらアーチャーの戦闘パターンが分からなくても、だ。
あるいはこのまま、葛木が綺礼に勝利するという確率に賭けてみると言う選択もあるにはある。
しかし、そこまで任せるのは筋違いだろう。
わたしは彼らに、協力すると言ったのだから。
1、ライダーを行かせる
2、アサシンを行かせる
3、様子見を続行
4、二騎とも向かわせる
>>791
791:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/13(金) 00:42:37.85:7lTL3xhho (1/1)
2
2
792:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/13(金) 08:34:24.44:YENPlncy0 (1/1)
おつん
おつん
793: ◆DDBjj51DRA:2013/12/14(土) 00:33:25.19:Ws4QBRtB0 (1/2)
《昨日は終了宣言を失念してました。本当にごめんなさい》
ここは、アサシンに行ってもらおう。
綺礼を出し抜くにあたって、ライダーのようなタイプは相性が悪そうだ。
戦術的な意味では無くて、精神的な意味で、綺礼とライダーは対面させてはいけないと思う。
しかしその点アサシンなら―――なにも考えていないアサシンなら、一撃見舞ってあとは帰ってくるだけだ。
「アサシン。綺礼をどうにかしてきてくれる?」
「お安い御用だ。……ってあれ? マスターの方を狙うのか? あの白いの、アーチャーなんだよな?」
確かに、単独行動を持つアーチャーからしてみれば、マスターなど取るに足らないかもしれない。
だが…いや、だからこそ。そこに付け入る隙が生じる。
アンパンマンが現在攻めあぐねているのは状況が拮抗しているからで、その原因は葛木と言峰の戦闘にあるのだ。
逆に言えば、そこさえクリアしてしまえばアンパンマンは存分にその拳を振るえると言う事。
「この拮抗状態を崩したいの。それにはあなたが一番適役よ」
「とにかくあの神父をやっつければいいんだな? わかった、任しとけ!」
宣言と動作がほぼ同時。
承諾した時にはすでに、アサシンは草葉の陰から飛び出していた。
「遠坂、俺も行くぞ」
「…は? 何言ってんのよ、駄目に決まってるじゃない」
「俺だって戦える。アサシンに任せっきり、こんなところでぐずぐずしてるなんて、俺は嫌だ」
「待ちなさいっての!」
何をふざけたことを。
戦える?―――強化の魔術で戦うつもりか? あの綺礼と?
《昨日は終了宣言を失念してました。本当にごめんなさい》
ここは、アサシンに行ってもらおう。
綺礼を出し抜くにあたって、ライダーのようなタイプは相性が悪そうだ。
戦術的な意味では無くて、精神的な意味で、綺礼とライダーは対面させてはいけないと思う。
しかしその点アサシンなら―――なにも考えていないアサシンなら、一撃見舞ってあとは帰ってくるだけだ。
「アサシン。綺礼をどうにかしてきてくれる?」
「お安い御用だ。……ってあれ? マスターの方を狙うのか? あの白いの、アーチャーなんだよな?」
確かに、単独行動を持つアーチャーからしてみれば、マスターなど取るに足らないかもしれない。
だが…いや、だからこそ。そこに付け入る隙が生じる。
アンパンマンが現在攻めあぐねているのは状況が拮抗しているからで、その原因は葛木と言峰の戦闘にあるのだ。
逆に言えば、そこさえクリアしてしまえばアンパンマンは存分にその拳を振るえると言う事。
「この拮抗状態を崩したいの。それにはあなたが一番適役よ」
「とにかくあの神父をやっつければいいんだな? わかった、任しとけ!」
宣言と動作がほぼ同時。
承諾した時にはすでに、アサシンは草葉の陰から飛び出していた。
「遠坂、俺も行くぞ」
「…は? 何言ってんのよ、駄目に決まってるじゃない」
「俺だって戦える。アサシンに任せっきり、こんなところでぐずぐずしてるなんて、俺は嫌だ」
「待ちなさいっての!」
何をふざけたことを。
戦える?―――強化の魔術で戦うつもりか? あの綺礼と?
794: ◆DDBjj51DRA:2013/12/14(土) 00:33:50.13:Ws4QBRtB0 (2/2)
「強化じゃない。――――――投影(トレース)、開始(オン)」
魔力――――エーテルが彼の手の中に集まって行くのが解る。
だけど、それは、密度が異常だ。
一体、何をするつもりだ? あの量の魔力を一点に固定するなど、素人ではとても―――
「―――――創造理念、鑑定。―――――基本骨子、想定」
次々と、一から十まで、存在が構築されていく。
ただのエーテル塊ではない。それは、魔力で作ったとは思えない程精巧な一品。
「―――――――――――仮定完了(オールカット)。是、即無也(クリア・ゼロ)」
その手には、剣が握られていた。
扱いやすさを追求した構造の両手剣。
これ――――バーサーカーが所有していたもの。
再現どころでは無い。
その剣は、どこから見ても本物だった。
投影魔術――――わたしの知る技術と、衛宮くんが行った投影は、果たして同一のものなのか?
そう疑問を呈さずにはいられないほど、この魔術は異常だった。
まるで、最初からその手にあったかのように。
さも自然に、違和感など無く―――――だからこそ、異常なのだけれど。
「―――――投影、魔術……なの?」
「…アサシンにやり方を教わったんだ。触りだけな。そこから先は自己流だけど……上手く行ってるか?」
そんな事は、わたしにだって分からない。
ここまでの理不尽を見るのは、白いアーチャー以来だろう。
あの怪物に匹敵するほど、衛宮士郎の投影魔術は常軌を逸している。
《ここまで》
「強化じゃない。――――――投影(トレース)、開始(オン)」
魔力――――エーテルが彼の手の中に集まって行くのが解る。
だけど、それは、密度が異常だ。
一体、何をするつもりだ? あの量の魔力を一点に固定するなど、素人ではとても―――
「―――――創造理念、鑑定。―――――基本骨子、想定」
次々と、一から十まで、存在が構築されていく。
ただのエーテル塊ではない。それは、魔力で作ったとは思えない程精巧な一品。
「―――――――――――仮定完了(オールカット)。是、即無也(クリア・ゼロ)」
その手には、剣が握られていた。
扱いやすさを追求した構造の両手剣。
これ――――バーサーカーが所有していたもの。
再現どころでは無い。
その剣は、どこから見ても本物だった。
投影魔術――――わたしの知る技術と、衛宮くんが行った投影は、果たして同一のものなのか?
そう疑問を呈さずにはいられないほど、この魔術は異常だった。
まるで、最初からその手にあったかのように。
さも自然に、違和感など無く―――――だからこそ、異常なのだけれど。
「―――――投影、魔術……なの?」
「…アサシンにやり方を教わったんだ。触りだけな。そこから先は自己流だけど……上手く行ってるか?」
そんな事は、わたしにだって分からない。
ここまでの理不尽を見るのは、白いアーチャー以来だろう。
あの怪物に匹敵するほど、衛宮士郎の投影魔術は常軌を逸している。
《ここまで》
795:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/14(土) 00:35:35.91:ixEXN7gDO (1/1)
乙
乙
796:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/14(土) 00:45:02.60:vgHOfXuto (1/1)
乙
乙
797:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/14(土) 01:55:41.81:rHmoBYpD0 (1/1)
おつ
おつ
798:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/14(土) 13:37:24.69:Zm6+ATjAO (1/1)
武器の投影、経験憑依 あれ、ものまね師じゃね?
武器の投影、経験憑依 あれ、ものまね師じゃね?
799: ◆DDBjj51DRA:2013/12/15(日) 01:06:56.88:Z2BRzaPm0 (1/4)
アサシンが言峰綺礼のもとに到達するまで、一秒と掛からない。
公園の中心辺りで戦闘をしている相手に、その外周にある草葉の影から仕掛けたのだ。
この速さは規格外と言っていい。
それでも彼の敏捷がCランクなのは、単にその見境の無さが理由だろう。
猪突猛進、一心不乱。
全力で突っ込んだアサシンは、その速度を乗せた拳を人間相手に打ち出した。
「うらああああああ!…あっ、やべ!」
途中で気付いたのか、速度を緩めようとするが、意味は無い。
緩めようとしたところでまったく緩んでいなかったし、なによりその状態で―――拳は言峰を穿たなかったのだから。
「…って避けんのかよ!」
「あれだけ叫べば察知も容易い。流石に素では避けれなかっただろうがな」
言峰綺麗はアサシンの攻撃を、令呪一画で避けきった。
いくら令呪とはいえ、いくらアサシンクラスとはいえ、サーヴァントの全力。
避けることが出来たのは、もともと言峰綺礼が誇るポテンシャル故。
「条件は揃った。退くぞ、アーチャー!」
アサシンの登場に合わせて、言峰から放たれた言葉。
それを、白のアーチャーは全く耳に入れていない。
戦闘に集中していて、聞く耳を持たない。
「させるかって!ぜいやぁ!」
放たれるのは、二つの拳。
アサシンと葛木は、意外なことに息の合った連係を見せる。
葛木はその特異な拳を撓らせて顔へ、アサシンは腰を落としての足払い。
言峰綺麗は、再び令呪を一画切ってそれを躱して―――――
「………令呪を以て命ずる。退くぞ、アーチャー」
計三画の令呪。
今宵の戦闘で、彼女達が得られて成果は―――たったそれだけ。
アサシンが言峰綺礼のもとに到達するまで、一秒と掛からない。
公園の中心辺りで戦闘をしている相手に、その外周にある草葉の影から仕掛けたのだ。
この速さは規格外と言っていい。
それでも彼の敏捷がCランクなのは、単にその見境の無さが理由だろう。
猪突猛進、一心不乱。
全力で突っ込んだアサシンは、その速度を乗せた拳を人間相手に打ち出した。
「うらああああああ!…あっ、やべ!」
途中で気付いたのか、速度を緩めようとするが、意味は無い。
緩めようとしたところでまったく緩んでいなかったし、なによりその状態で―――拳は言峰を穿たなかったのだから。
「…って避けんのかよ!」
「あれだけ叫べば察知も容易い。流石に素では避けれなかっただろうがな」
言峰綺麗はアサシンの攻撃を、令呪一画で避けきった。
いくら令呪とはいえ、いくらアサシンクラスとはいえ、サーヴァントの全力。
避けることが出来たのは、もともと言峰綺礼が誇るポテンシャル故。
「条件は揃った。退くぞ、アーチャー!」
アサシンの登場に合わせて、言峰から放たれた言葉。
それを、白のアーチャーは全く耳に入れていない。
戦闘に集中していて、聞く耳を持たない。
「させるかって!ぜいやぁ!」
放たれるのは、二つの拳。
アサシンと葛木は、意外なことに息の合った連係を見せる。
葛木はその特異な拳を撓らせて顔へ、アサシンは腰を落としての足払い。
言峰綺麗は、再び令呪を一画切ってそれを躱して―――――
「………令呪を以て命ずる。退くぞ、アーチャー」
計三画の令呪。
今宵の戦闘で、彼女達が得られて成果は―――たったそれだけ。
800: ◆DDBjj51DRA:2013/12/15(日) 01:07:25.67:Z2BRzaPm0 (2/4)
新都【路地裏】
令呪を使ってアーチャーを引き寄せ、瞬間移動で戦場から逃れた。
戦闘を求めるアーチャーの邪魔をして、只で済むことは無い。
場合によっては何画残りの5画も切ることになるかと、身構える。
アーチャーの宝具は、一度認識した相手ならばどこからでも焼き払える遠距離戦用の代物。
発動時には一度に複数攻撃するのが基本であり、今回はライダー、アサシン、そして今代のアーチャーという三陣営を同時に落とせる絶好の機会である。
彼の求める望みは、確かにアーチャーが目覚めさせたものだが――――必ずしもアーチャーに合わせる必要は無い。
究極の闇を5画の令呪で黙らせてでも、言峰綺礼は聖杯を求める気概だった。
「アーチャー、宝具でアサシンとライダー…そしてあのアーチャーを焼き払え」
「断る……だけど、お礼は言うよ。流石は綺礼。僕を飽きさせないよね」
一瞬、言峰はアーチャーが何を言っているのか分からなかった。
そして振り返る。アーチャーの視線の先、そこに居たのは――――
「こんにちは、言峰綺礼さん。このたびはどうも、お疲れ様です」
二騎のサーヴァントと、一人の少女。
一騎は良く知る白髪の剣士、もう一騎はバーサーカーだったか。
しかしそのなかで最も脅威だったのはその何れでもない。
その少女にこそ、言峰は戦慄した。
「はは!あはははは!いいよ!この僕が抗うことも出来ないなんて!なんて楽しいんだ!」
アーチャーの足元には、影が現れていた。
ズブズブと埋没しながらも、化物は前進を続ける。
「惜しいなぁ、本当に!君たちなら僕をもっと楽しませることが出来るのに!」
「生憎わたしに、そんなつもりはないんですよ。『魔法』じゃなかっただけ手加減してるんですから」
「これでまだ本気じゃないなんて!あははは!本当に楽しいよ、この世界は!」
最早顔の半分まで影に沈んでなお、アーチャーは笑っていた。
「これだから戦いは―――――――――――――」
やめられない。
《ここまでー》
新都【路地裏】
令呪を使ってアーチャーを引き寄せ、瞬間移動で戦場から逃れた。
戦闘を求めるアーチャーの邪魔をして、只で済むことは無い。
場合によっては何画残りの5画も切ることになるかと、身構える。
アーチャーの宝具は、一度認識した相手ならばどこからでも焼き払える遠距離戦用の代物。
発動時には一度に複数攻撃するのが基本であり、今回はライダー、アサシン、そして今代のアーチャーという三陣営を同時に落とせる絶好の機会である。
彼の求める望みは、確かにアーチャーが目覚めさせたものだが――――必ずしもアーチャーに合わせる必要は無い。
究極の闇を5画の令呪で黙らせてでも、言峰綺礼は聖杯を求める気概だった。
「アーチャー、宝具でアサシンとライダー…そしてあのアーチャーを焼き払え」
「断る……だけど、お礼は言うよ。流石は綺礼。僕を飽きさせないよね」
一瞬、言峰はアーチャーが何を言っているのか分からなかった。
そして振り返る。アーチャーの視線の先、そこに居たのは――――
「こんにちは、言峰綺礼さん。このたびはどうも、お疲れ様です」
二騎のサーヴァントと、一人の少女。
一騎は良く知る白髪の剣士、もう一騎はバーサーカーだったか。
しかしそのなかで最も脅威だったのはその何れでもない。
その少女にこそ、言峰は戦慄した。
「はは!あはははは!いいよ!この僕が抗うことも出来ないなんて!なんて楽しいんだ!」
アーチャーの足元には、影が現れていた。
ズブズブと埋没しながらも、化物は前進を続ける。
「惜しいなぁ、本当に!君たちなら僕をもっと楽しませることが出来るのに!」
「生憎わたしに、そんなつもりはないんですよ。『魔法』じゃなかっただけ手加減してるんですから」
「これでまだ本気じゃないなんて!あははは!本当に楽しいよ、この世界は!」
最早顔の半分まで影に沈んでなお、アーチャーは笑っていた。
「これだから戦いは―――――――――――――」
やめられない。
《ここまでー》
801:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/15(日) 01:09:58.17:z4pHQrkDO (1/2)
乙
ダグバは消化不良起こしそうだ
乙
ダグバは消化不良起こしそうだ
802:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/15(日) 01:49:50.79:66NoNCLa0 (1/1)
乙
ダグバは令呪で本来の状態に一時的に戻れたりするのだろうか
乙
ダグバは令呪で本来の状態に一時的に戻れたりするのだろうか
803:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/15(日) 02:04:59.54:szCus+5Ko (1/1)
無理だろ
無理だろ
804:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/15(日) 17:51:00.70:onv/Lm2t0 (1/1)
ダグバ相手ならギルガメッシュも本気出すかな
ダグバ相手ならギルガメッシュも本気出すかな
805: ◆DDBjj51DRA:2013/12/15(日) 23:49:45.22:Z2BRzaPm0 (3/4)
「………かっ…」
薄い刃が喉を突く。
言峰綺礼は為すすべも無く、それこそ令呪さえ使う暇も無く。
セイバーの一太刀によって、身体から全ての力を失った。
「主君を裏切るのは、これにて二度目。もはや慣れたものでござる」
剣士は血の一滴さえ付着していない刀を重ねて払い、鞘へと納める。
これが本来の、人間と英霊が持つ差だ。
「……その言葉は、聞き捨てならんぞ」
「心配なさるな。三度目の正直という言葉もござる」
「それでは、これからよろしくお願いしますね。セイバーさん」
間桐桜が白のアーチャーを打倒して、得られる報酬。
それは彼女にもセイバーにも、双方に益のある話。
つまり、間桐桜がセイバーの新たなマスターとなること。
大聖杯の接続化にある現在、サーヴァントを何体従えようが魔力消費を気にする必要は無い。
生前に一度幕府を裏切り、そして今一度マスターを斬った。
言葉通り、三度目の正直。セイバーは、間桐桜の手足となる。
「これで、お爺様だろうが姉さんだろうが敵じゃないですね」
「セイバーなど居なくても、それは同じだったと思うがな」
間桐桜は言峰綺礼の死体を『処理』して、セイバーに手を向ける。
二騎のサーヴァントを使役するという、それだけで十分厄介なこと。
その上マスターが、魔王化した間桐桜であること。
水面下で進行する最悪の事態に、遠坂凛は気付いていない。
「―――――告げる。――汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に。――」
詠唱を始めた桜は、まるで無垢な子供のよう。
その言の葉に穢れは無く、しかし彼女にとっては、それこそが異常。
「――――聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら――」
セイバーはそれを聞き届ける。
目を瞑り、無言のまま――――まるで小鳥のさえずりに傾聴するかの如く。
「――――ならばこの命運、汝が剣に預けよう。―――」
「委細承知。セイバーの名に懸け、誓いを受けさせて頂こう」
「………かっ…」
薄い刃が喉を突く。
言峰綺礼は為すすべも無く、それこそ令呪さえ使う暇も無く。
セイバーの一太刀によって、身体から全ての力を失った。
「主君を裏切るのは、これにて二度目。もはや慣れたものでござる」
剣士は血の一滴さえ付着していない刀を重ねて払い、鞘へと納める。
これが本来の、人間と英霊が持つ差だ。
「……その言葉は、聞き捨てならんぞ」
「心配なさるな。三度目の正直という言葉もござる」
「それでは、これからよろしくお願いしますね。セイバーさん」
間桐桜が白のアーチャーを打倒して、得られる報酬。
それは彼女にもセイバーにも、双方に益のある話。
つまり、間桐桜がセイバーの新たなマスターとなること。
大聖杯の接続化にある現在、サーヴァントを何体従えようが魔力消費を気にする必要は無い。
生前に一度幕府を裏切り、そして今一度マスターを斬った。
言葉通り、三度目の正直。セイバーは、間桐桜の手足となる。
「これで、お爺様だろうが姉さんだろうが敵じゃないですね」
「セイバーなど居なくても、それは同じだったと思うがな」
間桐桜は言峰綺礼の死体を『処理』して、セイバーに手を向ける。
二騎のサーヴァントを使役するという、それだけで十分厄介なこと。
その上マスターが、魔王化した間桐桜であること。
水面下で進行する最悪の事態に、遠坂凛は気付いていない。
「―――――告げる。――汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に。――」
詠唱を始めた桜は、まるで無垢な子供のよう。
その言の葉に穢れは無く、しかし彼女にとっては、それこそが異常。
「――――聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら――」
セイバーはそれを聞き届ける。
目を瞑り、無言のまま――――まるで小鳥のさえずりに傾聴するかの如く。
「――――ならばこの命運、汝が剣に預けよう。―――」
「委細承知。セイバーの名に懸け、誓いを受けさせて頂こう」
806: ◆DDBjj51DRA:2013/12/15(日) 23:50:13.63:Z2BRzaPm0 (4/4)
衛宮邸【居間】
「……ハァ…結局逃がしちゃったわね」
「そうだね…あそこで退くと言う選択は、およそ有り得ないと踏んでいたんだけど」
何の成果も得ていないのに、令呪まで使って撤退するなんてだれが予想できるか。
あれから少し探しても見つからなかったので、わたしと衛宮くんは衛宮邸へと舞い戻った。
葛木とアーチャーは引き続き探索を行うそうだ。
「……それにしても、わたしたちって役に立ったかしら」
「確実に要らなかったよね」
ハッキリ言う……。
やはり慎重過ぎただろうか。
「でも、そりゃ慎重にもなるでしょ。あんな得体のしれないもの相手取ってるわけだし」
特攻を掛けれるのは反則染みた宝具を持つアンパンマンと、あとは何も考えてないアサシンくらいだ。
……というか、アンパンマンが報われない。
わたし達に宝具の情報を渡した上に、明確な成果も得られないなんて…。
「……そこは今度謝ろうか」
「もしくは、わたしたちで成果を出すけよね。……現状では無謀に近いけれど…」
《ここまで》
衛宮邸【居間】
「……ハァ…結局逃がしちゃったわね」
「そうだね…あそこで退くと言う選択は、およそ有り得ないと踏んでいたんだけど」
何の成果も得ていないのに、令呪まで使って撤退するなんてだれが予想できるか。
あれから少し探しても見つからなかったので、わたしと衛宮くんは衛宮邸へと舞い戻った。
葛木とアーチャーは引き続き探索を行うそうだ。
「……それにしても、わたしたちって役に立ったかしら」
「確実に要らなかったよね」
ハッキリ言う……。
やはり慎重過ぎただろうか。
「でも、そりゃ慎重にもなるでしょ。あんな得体のしれないもの相手取ってるわけだし」
特攻を掛けれるのは反則染みた宝具を持つアンパンマンと、あとは何も考えてないアサシンくらいだ。
……というか、アンパンマンが報われない。
わたし達に宝具の情報を渡した上に、明確な成果も得られないなんて…。
「……そこは今度謝ろうか」
「もしくは、わたしたちで成果を出すけよね。……現状では無謀に近いけれど…」
《ここまで》
807:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/15(日) 23:51:57.90:gkdso0feo (1/1)
おつおつー
今回のラスボスは桜かー
おつおつー
今回のラスボスは桜かー
808:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/15(日) 23:54:12.97:z4pHQrkDO (2/2)
乙
アンパンマンは優しいから気にしてないだろうが恥ずかしいよな
乙
アンパンマンは優しいから気にしてないだろうが恥ずかしいよな
809:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/16(月) 04:05:26.48:kk9FxpKjo (1/1)
乙
秘密兵器を秘密のままにできたんだ、次の機会に活躍すればいいさ
知らない間にもっと厄介なことになっちまったけどな
乙
秘密兵器を秘密のままにできたんだ、次の機会に活躍すればいいさ
知らない間にもっと厄介なことになっちまったけどな
810:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/16(月) 09:12:56.71:85wg5IVR0 (1/1)
乙
乙
811: ◆DDBjj51DRA:2013/12/17(火) 00:15:48.45:2XsoepY20 (1/4)
クラス:アーチャー(四次)
真名:ン・ダグバ・ゼバ
筋力A 耐久A 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A++
◆スキル
・対魔力(C) 魔力に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
・単独行動(EX) 魔力供給無しでも長時間現界していられる能力。EXランクではマスター不在でも行動できるようになる。
・変化(A) 文字通り「変身」する。人間体から究極体まで、任意で変身可能。
・戦闘続行(EX) 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
・魔力放出【炎】(A) 集中した魔力を炎へと変換し、瞬間的に放出する事によって攻撃することが可能。
・怪力(A) 魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性で、一時的に筋力を増幅させる。
◆宝具
『究極の闇』(キュグキョブン・ジャリ)
所有者:ン・ダグバ・ゼバ ランク:A++
種別:対軍宝具 レンジ:制限なし 最大捕捉:1000人
彼のプラズマ発火能力を宝具としたもの。
一度認識した相手であれば、距離や弊社物に干渉されずに発火させることが出来る。
これは魔力放出【炎】とは異なり、体内物質の分子・原子を分解・再構成することで発生する現象であるため、外的な防御は無効。
しかし宝具として昇華された反動か、マスターには多分な魔力消費が要求される。
ステータスの高さに加え、優秀な攻撃スキルを併せ持っているため、魔力消費というデメリットがあるこの宝具を使う場面は限られてしまう。
なお、使用する際は捕捉した攻撃対象1だろうが1000だろうが魔力消費に差が無いため、終盤における切り札となる宝具。
《ステまとめるのは楽しいけどい時間がかかる。今日はここまで。》
クラス:アーチャー(四次)
真名:ン・ダグバ・ゼバ
筋力A 耐久A 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A++
◆スキル
・対魔力(C) 魔力に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
・単独行動(EX) 魔力供給無しでも長時間現界していられる能力。EXランクではマスター不在でも行動できるようになる。
・変化(A) 文字通り「変身」する。人間体から究極体まで、任意で変身可能。
・戦闘続行(EX) 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
・魔力放出【炎】(A) 集中した魔力を炎へと変換し、瞬間的に放出する事によって攻撃することが可能。
・怪力(A) 魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性で、一時的に筋力を増幅させる。
◆宝具
『究極の闇』(キュグキョブン・ジャリ)
所有者:ン・ダグバ・ゼバ ランク:A++
種別:対軍宝具 レンジ:制限なし 最大捕捉:1000人
彼のプラズマ発火能力を宝具としたもの。
一度認識した相手であれば、距離や弊社物に干渉されずに発火させることが出来る。
これは魔力放出【炎】とは異なり、体内物質の分子・原子を分解・再構成することで発生する現象であるため、外的な防御は無効。
しかし宝具として昇華された反動か、マスターには多分な魔力消費が要求される。
ステータスの高さに加え、優秀な攻撃スキルを併せ持っているため、魔力消費というデメリットがあるこの宝具を使う場面は限られてしまう。
なお、使用する際は捕捉した攻撃対象1だろうが1000だろうが魔力消費に差が無いため、終盤における切り札となる宝具。
《ステまとめるのは楽しいけどい時間がかかる。今日はここまで。》
812:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 00:22:43.87:TZg1m1NAO (1/3)
乙
ステータスダウンしていてこの能力かよ…
乙
ステータスダウンしていてこの能力かよ…
813:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 00:24:59.01:Do0MK5fDO (1/5)
乙
最大補足数は変わってなかったな、ライダー出してたらまた燃えてたのか
乙
最大補足数は変わってなかったな、ライダー出してたらまた燃えてたのか
814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 00:52:48.05:DPIi1NHSo (1/2)
遮蔽物じゃね?
あとダグバの宝具って物理法則に依らない防御なら防げたりしないかな
遮蔽物じゃね?
あとダグバの宝具って物理法則に依らない防御なら防げたりしないかな
815:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 01:00:29.11:Czk6dJaAO (1/1)
アンパンマンでなければ即死だった………マジで
アンパンマンでなければ即死だった………マジで
816:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 13:47:16.34:Gl2PGbF8o (1/1)
死んだアーチャー名前なんやったっけ?
死んだアーチャー名前なんやったっけ?
817:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 14:30:16.14:8socT12AO (1/1)
>>814
アンパンマンの宝具も概念防御に入るだろうし火が効かない・炎そのものとかなら効かないだろ
>>814
アンパンマンの宝具も概念防御に入るだろうし火が効かない・炎そのものとかなら効かないだろ
818:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/17(火) 19:01:01.23:YdmnNdkl0 (1/1)
乙
ダグバ、お前も本調子じゃないのに十分チートだったじゃねーか…桜のこと言えないぜ
そういえば、このダグバは桜のエネルギーにでもなるんだろうか?それともタタリみたいな感じで眷属として使役されたりするんだろうか
もしそうならより勝利が絶望的に…
乙
ダグバ、お前も本調子じゃないのに十分チートだったじゃねーか…桜のこと言えないぜ
そういえば、このダグバは桜のエネルギーにでもなるんだろうか?それともタタリみたいな感じで眷属として使役されたりするんだろうか
もしそうならより勝利が絶望的に…
819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 19:21:59.75:DPIi1NHSo (2/2)
原作でもギルは食われて終わりだったから同じだろ
原作でもギルは食われて終わりだったから同じだろ
820:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 20:28:09.74:TZg1m1NAO (2/3)
セイバーオルタみたいに桜に使われるパターンもあるし、あり得る
それにプライドが異常に高いギルガメッシュと違ってン・ダグバ・ゼバは『強い奴と戦えればそれで満足』な物騒極まりない存在だしな
…ダグバの色が黒くなったら見た目がアルティメットクウガ(黒眼)と大差ないような…
セイバーオルタみたいに桜に使われるパターンもあるし、あり得る
それにプライドが異常に高いギルガメッシュと違ってン・ダグバ・ゼバは『強い奴と戦えればそれで満足』な物騒極まりない存在だしな
…ダグバの色が黒くなったら見た目がアルティメットクウガ(黒眼)と大差ないような…
821:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 20:50:40.50:Do0MK5fDO (2/5)
飽きた、とか突然言って突然反逆しても驚かないけどね
思考が普通じゃないし
飽きた、とか突然言って突然反逆しても驚かないけどね
思考が普通じゃないし
822:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 20:54:48.95:fpp1OqhCo (1/1)
桜の方が強いから問題ないだろ
桜の方が強いから問題ないだろ
823:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 21:22:15.31:Do0MK5fDO (3/5)
それを相手にする凜ちゃんさん達には問題しかないけどな!
それを相手にする凜ちゃんさん達には問題しかないけどな!
824: ◆DDBjj51DRA:2013/12/17(火) 23:02:21.68:2XsoepY20 (2/4)
衛宮邸【客間】
そして翌朝である。
前日はあのアーチャーと向き合うという精神的なストレスで参った。
この疲弊したメンタルを癒す方法――――もちろん睡眠である。
「……リン。もうすぐ10時だけど」
「…………ぅ……」
「…ごめん、聞こえなかった。なに?」
「……起きたら……死ぬ…」
この微睡を振り切って立ち上がろうものなら、瞬く間に崩れ落ちてしまうだろう。
そうして力なく倒れたわたしは受け身を取ることも出来ず、最悪の場合は頭部強打で即死である。
嗚呼、なんと恐ろしきことか。くわばらくわばら。
「……死なないよ………脳内で言い訳するな」
「…あんで言い訳してるってわかんのよぉ……」
「かれこれ何回目だと思ってるんだよ。もう大体思考は読めるって。……サーヴァントになんてこと学習させてるんだ、君は」
むしろ何故学習してしまったのだろうか。
別に放置しておいてくれてれば良いのに。
そうしたらわたしもライダーも両方ハッピーじゃないか。
うん。結論出た。
わたしをこのまま寝かせておくことこそが、一番幸せな方法だ。
「…すぅ……」
「うーん……起きないと後悔するのはリンなんだけどなぁ…」
1、ライダーは布団を引きはがした
2、ライダーはもう諦めた
>>826
衛宮邸【客間】
そして翌朝である。
前日はあのアーチャーと向き合うという精神的なストレスで参った。
この疲弊したメンタルを癒す方法――――もちろん睡眠である。
「……リン。もうすぐ10時だけど」
「…………ぅ……」
「…ごめん、聞こえなかった。なに?」
「……起きたら……死ぬ…」
この微睡を振り切って立ち上がろうものなら、瞬く間に崩れ落ちてしまうだろう。
そうして力なく倒れたわたしは受け身を取ることも出来ず、最悪の場合は頭部強打で即死である。
嗚呼、なんと恐ろしきことか。くわばらくわばら。
「……死なないよ………脳内で言い訳するな」
「…あんで言い訳してるってわかんのよぉ……」
「かれこれ何回目だと思ってるんだよ。もう大体思考は読めるって。……サーヴァントになんてこと学習させてるんだ、君は」
むしろ何故学習してしまったのだろうか。
別に放置しておいてくれてれば良いのに。
そうしたらわたしもライダーも両方ハッピーじゃないか。
うん。結論出た。
わたしをこのまま寝かせておくことこそが、一番幸せな方法だ。
「…すぅ……」
「うーん……起きないと後悔するのはリンなんだけどなぁ…」
1、ライダーは布団を引きはがした
2、ライダーはもう諦めた
>>826
825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:03:26.52:RVEJiyxVo (1/1)
2
2
826:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:04:13.34:XBZHPGDF0 (1/1)
2
2
827: ◆DDBjj51DRA:2013/12/17(火) 23:11:34.56:2XsoepY20 (3/4)
「……もう諦めよう」
リンは、ここらで一回後悔した方が今後のためだろう。
取り立てて起きる理由が(生活習慣意外に)無い状況だし、これを教訓として欲しい。
有効な作用が見られればいいが、何にせよ理不尽な叱責は避けられないので、それを含めた諦めである。
「となると、あと二時間は暇だな……僕個人で出来ることなんて限られてるし…」
出来ることと言ったら、アサシンやそのマスターと交流する事くらいだ。
そう考えると、案外悪くない時間かも知れない。
その二人と会話ないし作戦会議を行うというのは、それなりに実のある行動だろう。
「そうだな……じゃあ――――」
1、アサシンと会話
2、アサシンのマスターと会話
>>829
「……もう諦めよう」
リンは、ここらで一回後悔した方が今後のためだろう。
取り立てて起きる理由が(生活習慣意外に)無い状況だし、これを教訓として欲しい。
有効な作用が見られればいいが、何にせよ理不尽な叱責は避けられないので、それを含めた諦めである。
「となると、あと二時間は暇だな……僕個人で出来ることなんて限られてるし…」
出来ることと言ったら、アサシンやそのマスターと交流する事くらいだ。
そう考えると、案外悪くない時間かも知れない。
その二人と会話ないし作戦会議を行うというのは、それなりに実のある行動だろう。
「そうだな……じゃあ――――」
1、アサシンと会話
2、アサシンのマスターと会話
>>829
828:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:12:40.19:8/wWmLjSo (1/1)
1
1
829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:12:50.74:Do0MK5fDO (4/5)
1
1
830: ◆DDBjj51DRA:2013/12/17(火) 23:21:37.41:2XsoepY20 (4/4)
衛宮邸【道場】
僕は道場に足を運ぶ。
快活な、それでいて緊張感のある掛け声が聞こえてきたからだ。
アサシンに用―――と言うほどでもないが、少しだけ話がしてみたかった。
自分が生きた時代には、既に伝説だった人物。
参考になる話も、多分にあることだろう。
「アサシン。ちょっといいかな」
「―――ん? ああ、ライダーか。今日は早いな」
「いや、リンはまだ寝てるよ」
「そうなのか? なんだよ、あいつ案外だらしないのな。あっはははは!」
言われている。
こういう事になるから、早起きはした方がいいと思うのだが。
…あのマスターは聞き入れてくれそうもない。
一応フォローは入れておこう。
「リンがだらしないのは睡眠が絡んだ時だけ…だと思うよ、たぶん」
「なんか自信なさそうだなぁ。まあそうだよな、あいつ結構抜けてるもんな」
散々な言われようである。
……本人には言わないでおこう。僕が酷い目に遭ってしまう。
《会話内容、↓一~↓三》
《今日はここまで》
衛宮邸【道場】
僕は道場に足を運ぶ。
快活な、それでいて緊張感のある掛け声が聞こえてきたからだ。
アサシンに用―――と言うほどでもないが、少しだけ話がしてみたかった。
自分が生きた時代には、既に伝説だった人物。
参考になる話も、多分にあることだろう。
「アサシン。ちょっといいかな」
「―――ん? ああ、ライダーか。今日は早いな」
「いや、リンはまだ寝てるよ」
「そうなのか? なんだよ、あいつ案外だらしないのな。あっはははは!」
言われている。
こういう事になるから、早起きはした方がいいと思うのだが。
…あのマスターは聞き入れてくれそうもない。
一応フォローは入れておこう。
「リンがだらしないのは睡眠が絡んだ時だけ…だと思うよ、たぶん」
「なんか自信なさそうだなぁ。まあそうだよな、あいつ結構抜けてるもんな」
散々な言われようである。
……本人には言わないでおこう。僕が酷い目に遭ってしまう。
《会話内容、↓一~↓三》
《今日はここまで》
831:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:24:01.84:Do0MK5fDO (5/5)
士郎のことをどう思う?
何か気になることは無いか?
士郎のことをどう思う?
何か気になることは無いか?
832:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:24:13.33:hfT4AiGy0 (1/1)
これからの戦況についてと、アサシンから見た鯖の感想
これからの戦況についてと、アサシンから見た鯖の感想
833:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/17(火) 23:26:01.42:TZg1m1NAO (3/3)
乙
アサシンと共に旅をした仲間たちの事を聞く
乙
アサシンと共に旅をした仲間たちの事を聞く
834: ◆DDBjj51DRA:2013/12/19(木) 00:45:17.21:yIDelMhF0 (1/2)
「アサシン、これからの戦況について意見を聞いてもいいかな」
「別に構わないけど、そういうのってお前のほうが得意だとおもうぜ?」
「状況判断は得意不得意じゃないよ。多くの意見を聞いて吟味しなくちゃ始まらない」
個人的な印象だけで結論を急ぐと碌なことにならないのは、生前に嫌と言うほど思い知っている。
全員の意見を聞いて、全ジョブの役割を考察し、それから戦略を練っても遅くは無いのだ。
そこへいくと、アサシンの経験からくる戦士としての意見は是非とも聞いておきたい。
「そうだなぁ……取りあえず、一人だけ際立って強い敵がいるっていうのはポイントだよな」
敵味方の何れにせよ、一人だけが隔絶した強さをもっている場合にそのほかのユニットが取る行動は大きく分けて二つ。
その一騎を袋叩きにするか、あるいは完全に無視するかだ。
昨日は前者を選択した僕達だが、しかし今思えば後者を選ぶのも間違いでは無かったかもしれない。
白のアーチャーはイレギュラー、そういう情報が入ってきていたのだから。
聖杯の起動には英霊の魂が6つ必要だが、だからこそ―――イレギュラーを相手にする必要は無い。
「オレの心情を抜きにものを言わせてもらうと、アーチャーの二人はどっちもヤバい。正直勝てると思えないって」
「そうだよね……」
片や得体の知れぬ白い闇。片や特定の攻撃以外効かないヒーロー。
どちらも相手にしたくない。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よとは言うが、この場合はその馬が堅牢な要塞であり、更に単独行動スキルを持っている。
将を射たところで、すぐに堕ちる要塞ではないということ。
「アサシン、これからの戦況について意見を聞いてもいいかな」
「別に構わないけど、そういうのってお前のほうが得意だとおもうぜ?」
「状況判断は得意不得意じゃないよ。多くの意見を聞いて吟味しなくちゃ始まらない」
個人的な印象だけで結論を急ぐと碌なことにならないのは、生前に嫌と言うほど思い知っている。
全員の意見を聞いて、全ジョブの役割を考察し、それから戦略を練っても遅くは無いのだ。
そこへいくと、アサシンの経験からくる戦士としての意見は是非とも聞いておきたい。
「そうだなぁ……取りあえず、一人だけ際立って強い敵がいるっていうのはポイントだよな」
敵味方の何れにせよ、一人だけが隔絶した強さをもっている場合にそのほかのユニットが取る行動は大きく分けて二つ。
その一騎を袋叩きにするか、あるいは完全に無視するかだ。
昨日は前者を選択した僕達だが、しかし今思えば後者を選ぶのも間違いでは無かったかもしれない。
白のアーチャーはイレギュラー、そういう情報が入ってきていたのだから。
聖杯の起動には英霊の魂が6つ必要だが、だからこそ―――イレギュラーを相手にする必要は無い。
「オレの心情を抜きにものを言わせてもらうと、アーチャーの二人はどっちもヤバい。正直勝てると思えないって」
「そうだよね……」
片や得体の知れぬ白い闇。片や特定の攻撃以外効かないヒーロー。
どちらも相手にしたくない。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よとは言うが、この場合はその馬が堅牢な要塞であり、更に単独行動スキルを持っている。
将を射たところで、すぐに堕ちる要塞ではないということ。
835: ◆DDBjj51DRA:2013/12/19(木) 00:45:45.20:yIDelMhF0 (2/2)
「ああ、あと戦況と言えば、シロウが剣の投影をマスターしたぜ。頭の上に☆ついてる」
☆が付いているというのは冗談だとしても、それは少々意外だった。
投影なんて、それこそ神代の技法。現代の魔術師が物に出来るとは。
「しかも何かオレの知ってる投影と違っててさ。出したものがいつまでも消えないんだ」
「投影したものが消えない? …この時代の魔術で、それが可能なのか?」
それはつまり、無から有を作り出しているに等しい。
物理法則を、軽く飛び越えているじゃないか。
確か魔法の定義とは、『現代の科学力で再現不可能な魔術』だったはずだ。
それならば、彼の投影は魔法と言っていいんじゃないか?
「……それとも、『剣を打つ』という結果が魔術ってことなのか…それは、随分と無理のある解釈だぞ…」
例え素材が有ろうと無かろうと関係なく、結果だけ見れば。
『剣を造った』という結果だけ見れば、それは現代の科学力でも十分に可能だと?
「いやはや、オレの宝具まで投影できるとはな。……結局、ジョブ縛りで使えなかったけど」
「そりゃあ、モンクなら仕方な……待ってアサシン。いま、『宝具を投影出来た』って言った?」
「ん? おう、言ったぜ。それがどうかしたか?」
「それは君から見て、どんな出来だったの?」
「いやもう完璧だな。本物かと思ったくらいだ」
宝具の、投影?
アサシンが本物と見まがうほどの、そんな完成度の宝具を?
……いよいよ持ってアサシンのマスター―――エミヤシロウの魔術に疑念が沸く。
これは後で、リンと相談した方がいいかもしれない。
《ここまで》
「ああ、あと戦況と言えば、シロウが剣の投影をマスターしたぜ。頭の上に☆ついてる」
☆が付いているというのは冗談だとしても、それは少々意外だった。
投影なんて、それこそ神代の技法。現代の魔術師が物に出来るとは。
「しかも何かオレの知ってる投影と違っててさ。出したものがいつまでも消えないんだ」
「投影したものが消えない? …この時代の魔術で、それが可能なのか?」
それはつまり、無から有を作り出しているに等しい。
物理法則を、軽く飛び越えているじゃないか。
確か魔法の定義とは、『現代の科学力で再現不可能な魔術』だったはずだ。
それならば、彼の投影は魔法と言っていいんじゃないか?
「……それとも、『剣を打つ』という結果が魔術ってことなのか…それは、随分と無理のある解釈だぞ…」
例え素材が有ろうと無かろうと関係なく、結果だけ見れば。
『剣を造った』という結果だけ見れば、それは現代の科学力でも十分に可能だと?
「いやはや、オレの宝具まで投影できるとはな。……結局、ジョブ縛りで使えなかったけど」
「そりゃあ、モンクなら仕方な……待ってアサシン。いま、『宝具を投影出来た』って言った?」
「ん? おう、言ったぜ。それがどうかしたか?」
「それは君から見て、どんな出来だったの?」
「いやもう完璧だな。本物かと思ったくらいだ」
宝具の、投影?
アサシンが本物と見まがうほどの、そんな完成度の宝具を?
……いよいよ持ってアサシンのマスター―――エミヤシロウの魔術に疑念が沸く。
これは後で、リンと相談した方がいいかもしれない。
《ここまで》
836:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/19(木) 01:06:16.89:Ozitq5p1o (1/1)
乙
さぁ、投影しちゃったぞブレイブブレイド・・・
アンパンマンに持たせたらやばそうだな
乙
さぁ、投影しちゃったぞブレイブブレイド・・・
アンパンマンに持たせたらやばそうだな
837:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/19(木) 01:27:35.54:qMmMLw+jo (1/1)
投影できたけどやっぱり使えないのね
投影できたけどやっぱり使えないのね
838:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/19(木) 02:21:09.62:ONQNLChMo (1/1)
>>836
愛と勇気だけが友達だもんな
>>836
愛と勇気だけが友達だもんな
839:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/19(木) 04:19:27.06:iTdVoFWAO (1/1)
乙
本当になんでモンクで来たのさwww
乙
本当になんでモンクで来たのさwww
840:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 15:24:18.03:sZL5uo6eo (1/1)
安価だからね…
安価だからね…
841:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 19:29:37.47:Zqsn+T74o (1/1)
モンク甘く見るなよ
HP30%アップだぞ
モンク甘く見るなよ
HP30%アップだぞ
842:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 19:34:47.41:j3eIrY0yo (1/1)
アサシン枠なのは安価の結果だったと思うけど、モンクなのは自動じゃなかったっけ
安価だったら忍者辺りを選んでたろ
アサシン枠なのは安価の結果だったと思うけど、モンクなのは自動じゃなかったっけ
安価だったら忍者辺りを選んでたろ
843:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 19:38:46.77:2p4BvgwUo (1/1)
安価で忍者蹴ってモンク選んだ
安価で忍者蹴ってモンク選んだ
844: ◆DDBjj51DRA:2013/12/20(金) 20:59:12.04:ZVnvwDgJ0 (1/2)
ここからは個人的な話。
今回の聖杯戦争には全く関係の無い個人的な興味。
僕はアサシンに、一つ訊きたいことがあった。
「アサシンが共に旅をした仲間の話を聞かせてほしい」
「え? そんなの聞いてどうするんだ?」
「英霊の話を聞きたいと思うのに理由がいるかい? 仲間の話が聞きたいのは、気になったからだよ」
僕も、生前は旅団を率いて旅をした身だ。
だけどその在り方は、果たして仲間と言えただろうか。
兵士には賃金を渡していたし、解雇と雇用も繰り返した。
本当に仲間と呼べたのは数人だけで、あとは傭兵の寄せ集めみたいなものだった。
だからこそ訊きたい。
人望で集めた仲間との旅路を。彼らと築いた輝きの世界を。
「仲間かぁ……いきなり言われてもな…王女ばっかりだったってのは知ってるよな」
「お、王女ばっかりって……」
確か、四人中二人が王女だったか。
その割合で見ると確かに凄いが、王女ばっかりという言い方はしっくりこない。
それに、男性が一人いたような…
「あ、そっか。男ってことになってんだな、ファリスの奴。実はあいつ女だぞ。タイクーン王国第一王女だ」
衝撃の真実をさらっと明かされた。
しかも、確かファリス・シェルヴィッツは海賊だったはずだが…?
「王女が…なんで海賊を?」
「なんか子供のころに海に落ちたらしくてな、海賊に助けられてそのまま国には戻らず成長したんだってよ」
だからなんでそんなに軽いノリなんだ。
それって凄く重要な真実だと思うけど。
ここからは個人的な話。
今回の聖杯戦争には全く関係の無い個人的な興味。
僕はアサシンに、一つ訊きたいことがあった。
「アサシンが共に旅をした仲間の話を聞かせてほしい」
「え? そんなの聞いてどうするんだ?」
「英霊の話を聞きたいと思うのに理由がいるかい? 仲間の話が聞きたいのは、気になったからだよ」
僕も、生前は旅団を率いて旅をした身だ。
だけどその在り方は、果たして仲間と言えただろうか。
兵士には賃金を渡していたし、解雇と雇用も繰り返した。
本当に仲間と呼べたのは数人だけで、あとは傭兵の寄せ集めみたいなものだった。
だからこそ訊きたい。
人望で集めた仲間との旅路を。彼らと築いた輝きの世界を。
「仲間かぁ……いきなり言われてもな…王女ばっかりだったってのは知ってるよな」
「お、王女ばっかりって……」
確か、四人中二人が王女だったか。
その割合で見ると確かに凄いが、王女ばっかりという言い方はしっくりこない。
それに、男性が一人いたような…
「あ、そっか。男ってことになってんだな、ファリスの奴。実はあいつ女だぞ。タイクーン王国第一王女だ」
衝撃の真実をさらっと明かされた。
しかも、確かファリス・シェルヴィッツは海賊だったはずだが…?
「王女が…なんで海賊を?」
「なんか子供のころに海に落ちたらしくてな、海賊に助けられてそのまま国には戻らず成長したんだってよ」
だからなんでそんなに軽いノリなんだ。
それって凄く重要な真実だと思うけど。
845: ◆DDBjj51DRA:2013/12/20(金) 20:59:37.51:ZVnvwDgJ0 (2/2)
「じゃあライダー。次はお前の番な。聞かせてくれよ、お前の仲間の話」
「……アサシンみたいに新事実を提示したりとかは、たぶん出来ないけど…」
ゾディアックブレイブが怪物だったという話でもしたらいいのか?
それを打倒するべく、僕は異端者の汚名を被ってまで戦ったのだと。
……今言うことではないか。
このことについては、まだリンにだって話していない。
「じゃあ、そうだな……僕達は当時、異端者として追われる身だったんだけど…」
「おい、マジかよ。何やったんだお前」
「退くなよ……僕の信念に則った行動をしただけだ。それで、教会を敵に回した」
「なんだそれ!カッコいいじゃん!」
「退いたり目を輝かせたり、忙しい人だなぁ……」
「……ん? それで、仲間の話はいつになるんだ?」
「いまからその話をするところだよっ…!」
僕はアサシンを目で黙らせて、落ち着かせる。
何と言うか、本当に子どもみたいな人だ。
「協会から認定を受けた聖騎士も、同じような経緯から異端者の烙印を押されてしまった。僕と彼女の境遇は、かけ離れているようでよく似ていた」
敬愛し、忠誠を誓っていた王女から引きはがされた騎士。
彼女の芯はそれでもなお、強くてまっすぐで、可憐だった。
―――――今さら疑うものか!―――私はおまえを信じる!!
あの時に言われた言葉に、僕は何度救われたことか。
《ここまで》
「じゃあライダー。次はお前の番な。聞かせてくれよ、お前の仲間の話」
「……アサシンみたいに新事実を提示したりとかは、たぶん出来ないけど…」
ゾディアックブレイブが怪物だったという話でもしたらいいのか?
それを打倒するべく、僕は異端者の汚名を被ってまで戦ったのだと。
……今言うことではないか。
このことについては、まだリンにだって話していない。
「じゃあ、そうだな……僕達は当時、異端者として追われる身だったんだけど…」
「おい、マジかよ。何やったんだお前」
「退くなよ……僕の信念に則った行動をしただけだ。それで、教会を敵に回した」
「なんだそれ!カッコいいじゃん!」
「退いたり目を輝かせたり、忙しい人だなぁ……」
「……ん? それで、仲間の話はいつになるんだ?」
「いまからその話をするところだよっ…!」
僕はアサシンを目で黙らせて、落ち着かせる。
何と言うか、本当に子どもみたいな人だ。
「協会から認定を受けた聖騎士も、同じような経緯から異端者の烙印を押されてしまった。僕と彼女の境遇は、かけ離れているようでよく似ていた」
敬愛し、忠誠を誓っていた王女から引きはがされた騎士。
彼女の芯はそれでもなお、強くてまっすぐで、可憐だった。
―――――今さら疑うものか!―――私はおまえを信じる!!
あの時に言われた言葉に、僕は何度救われたことか。
《ここまで》
846:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 21:09:23.92:zvPoIidDO (1/1)
乙
乙
847:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 21:12:20.35:6OuFYt89o (1/1)
乙
やはりアグリアスさんはカッコカワイイ
乙
やはりアグリアスさんはカッコカワイイ
848:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 21:15:44.98:SiGgx91Mo (1/1)
乙
アリシア、ヨヨとひどい時代の後だっただけに胸に染みる言葉だったな
乙
アリシア、ヨヨとひどい時代の後だっただけに胸に染みる言葉だったな
849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/20(金) 21:44:56.42:RglMI4jAO (1/1)
乙です
乙です
850: ◆DDBjj51DRA:2013/12/22(日) 00:53:38.73:RA4ynrT80 (1/2)
「なるほど。いい奴だな、そいつ。友達になれそうだ」
それはどうだろうか。
アサシンと彼女では性格に差が有り過ぎて、噛み合わないと思う。
というか、彼女が苦労しっぱなしの関係になりそうなので、僕としては是非とも遠慮して欲しいところだ。
「まあ、彼女は女性らしさと男らしさを絶妙に兼ね備えていたからね」
「やっぱり一人はいるもんだな、そういう奴。もしかして男装とかしてた?」
「いや流石にそこまでは……いかにも騎士っていう格好だったよ」
僕の我儘でアイテム師になって貰ったときさえ、あの鎧は脱いでいなかった。
相当のこだわりがあったのだろう。
僕としては、白魔導師の格好をした彼女も少しだけ見たかったりもしたが、高望みは良くない。
どこかちぐはぐで、それもまたかわいらしかったから騎士鎧のままでOKをしたのだったか。
ここまで聞くと僕の趣味で彼女を着替えさせたかったみたいだから捕捉を入れておこう。
衣装はジョブごとに最も適した機能性を持ち、またユニットの役柄を仲間に知らる意味合いもある。
だからジョブを変える場合は、僕のように旅団の筆頭である場合を除いて衣装も変えるのが正しい。
決して、彼女のコスプレが見たかったわけでは無い。決してだ。
「…彼女の話はもういいよ……要約すると、あの時代としては仲間に恵まれていた方じゃないかな」
全幅の信頼を寄せることが出来る仲間がいたこと。
僕が親友に勝る、唯一の誉れだ。
彼は歴史の勝者で、英雄王とまで呼ばれた騎士。
しかしそれは、誰かを利用して成りあがった地位だ。
だったら僕は異端者でいい。
この思いは、当時から何も変わっていない。
「なるほど。いい奴だな、そいつ。友達になれそうだ」
それはどうだろうか。
アサシンと彼女では性格に差が有り過ぎて、噛み合わないと思う。
というか、彼女が苦労しっぱなしの関係になりそうなので、僕としては是非とも遠慮して欲しいところだ。
「まあ、彼女は女性らしさと男らしさを絶妙に兼ね備えていたからね」
「やっぱり一人はいるもんだな、そういう奴。もしかして男装とかしてた?」
「いや流石にそこまでは……いかにも騎士っていう格好だったよ」
僕の我儘でアイテム師になって貰ったときさえ、あの鎧は脱いでいなかった。
相当のこだわりがあったのだろう。
僕としては、白魔導師の格好をした彼女も少しだけ見たかったりもしたが、高望みは良くない。
どこかちぐはぐで、それもまたかわいらしかったから騎士鎧のままでOKをしたのだったか。
ここまで聞くと僕の趣味で彼女を着替えさせたかったみたいだから捕捉を入れておこう。
衣装はジョブごとに最も適した機能性を持ち、またユニットの役柄を仲間に知らる意味合いもある。
だからジョブを変える場合は、僕のように旅団の筆頭である場合を除いて衣装も変えるのが正しい。
決して、彼女のコスプレが見たかったわけでは無い。決してだ。
「…彼女の話はもういいよ……要約すると、あの時代としては仲間に恵まれていた方じゃないかな」
全幅の信頼を寄せることが出来る仲間がいたこと。
僕が親友に勝る、唯一の誉れだ。
彼は歴史の勝者で、英雄王とまで呼ばれた騎士。
しかしそれは、誰かを利用して成りあがった地位だ。
だったら僕は異端者でいい。
この思いは、当時から何も変わっていない。
851: ◆DDBjj51DRA:2013/12/22(日) 00:54:10.31:RA4ynrT80 (2/2)
衛宮邸【客間】
「……ぅん…………――――――――うん? いま何時…?」
私は布団の中でもぞもぞと動いて、時計を見―――っ…
「う、嘘でしょ……午後…2時……ですって…?」
これは酷い。
わたしでも流石にこれは酷いと思う。
独り暮らしとときはまだ自制が効いて、休日であれ少なくとも10時には起きていた。
ライダーが来てからは、彼に目覚まし役を任せきってしまっている。
その結果がこれだ。
「…………」
唖然である。言葉もなかった。
起こしてよライダー―――などとは口が裂けても言えないだろう。
きっとわたしは、呆れられたのだ。
まさかこんなことで、サーヴァントの関係が悪化するなんて……
「う……うぅ…」
わたしは布団を押し上げると、その場で膝を抱え込む。
なんだか、無性に情けなかった。
自分勝手な我儘を押し付けられる英霊の気持ちを、わたしは考えていなかったから。
彼も生前はその信念を胸に戦った騎士。
小娘の子守りなど、その矜持を汚すものでしかない。
サーヴァントとの良好な関係もなにも、それはライダーがやさしかっただけの話だった。
わたしからは、彼に何もしていない。
それのタイミングで、ライダーが扉を開けて部屋に入って来た。
「リン、流石にもう起きた方が――――って起きてる! ていうか泣いてる!? 何で!?」
「ごめん……ごめんね…ライダー…わたし…わたし…!」
「あ、謝ってる! 寝過ごしたくらいで後悔し過ぎだよ……と思ったけどこの時間は酷い!」
《ここまで》
衛宮邸【客間】
「……ぅん…………――――――――うん? いま何時…?」
私は布団の中でもぞもぞと動いて、時計を見―――っ…
「う、嘘でしょ……午後…2時……ですって…?」
これは酷い。
わたしでも流石にこれは酷いと思う。
独り暮らしとときはまだ自制が効いて、休日であれ少なくとも10時には起きていた。
ライダーが来てからは、彼に目覚まし役を任せきってしまっている。
その結果がこれだ。
「…………」
唖然である。言葉もなかった。
起こしてよライダー―――などとは口が裂けても言えないだろう。
きっとわたしは、呆れられたのだ。
まさかこんなことで、サーヴァントの関係が悪化するなんて……
「う……うぅ…」
わたしは布団を押し上げると、その場で膝を抱え込む。
なんだか、無性に情けなかった。
自分勝手な我儘を押し付けられる英霊の気持ちを、わたしは考えていなかったから。
彼も生前はその信念を胸に戦った騎士。
小娘の子守りなど、その矜持を汚すものでしかない。
サーヴァントとの良好な関係もなにも、それはライダーがやさしかっただけの話だった。
わたしからは、彼に何もしていない。
それのタイミングで、ライダーが扉を開けて部屋に入って来た。
「リン、流石にもう起きた方が――――って起きてる! ていうか泣いてる!? 何で!?」
「ごめん……ごめんね…ライダー…わたし…わたし…!」
「あ、謝ってる! 寝過ごしたくらいで後悔し過ぎだよ……と思ったけどこの時間は酷い!」
《ここまで》
852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 01:00:29.68:bwluamTDO (1/1)
乙
乙
853:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 01:03:11.13:76Kyh4OKo (1/1)
乙乙!
乙乙!
854:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 01:16:56.60:GAXJiH0Ro (1/1)
あの有名な白魔好きのラムザか
あの有名な白魔好きのラムザか
855:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 01:33:51.28:Dhh4PCOGo (1/1)
(休日って、午後三時まで寝るものじゃないの・・・?)
(休日って、午後三時まで寝るものじゃないの・・・?)
856:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 05:56:20.26:cXRLbR+Bo (1/1)
乙
まあ白魔のフードは可愛いからしょうがないね!
乙
まあ白魔のフードは可愛いからしょうがないね!
857:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 14:45:03.76:gSY/hVOQ0 (1/1)
白い魔法使いはかわいくないけどな
白い魔法使いはかわいくないけどな
858:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 16:51:37.61:Wr3ZmF9go (1/1)
映画の白い魔法使いは可愛いだろ
映画の白い魔法使いは可愛いだろ
859:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/22(日) 18:24:47.68:QWBGWHDAO (1/1)
\シャバドゥビタタッチヘンシーン/
\シャバドゥビタタッチヘンシーン/
860: ◆DDBjj51DRA:2013/12/23(月) 00:52:57.98:6QA4f6Il0 (1/2)
衛宮邸【居間】
「…………」
「拗ねないでよ…」
だってライダーが起こしてくれないし。
そりゃわたしにだって非はあるけど、それを認めさせるためだけに戦争中の貴重な時間を使うだなんて。
だがしかし、どんなに文句を思いついても口には出来ない。
今回ばかりは客観的に見て明らかにわたしが悪いのだから、ここでごねたらわたしの評価がエンゼルフォールだ。
言いたいことは無いでもないが、言ったら負け。
……反省していないわけじゃないけど、女の子はそう簡単には素直になれないのだ。
「…………」
だから無言である。
モンクはないけど、認めたくも無い。
それを示すための無様な抵抗だった。
ライダーは困った顔をして、此方をことあるごとに伺っているが―――わたしは無言である。
「リン……理不尽すぎるよ」
「…………」
もっともな感想だった。
ぐうの音も出ません。
「………悪かったわよ、わたしが子供でした」
「…やっぱりまだ怒ってるよね?」
「怒ってない!」
衛宮邸【居間】
「…………」
「拗ねないでよ…」
だってライダーが起こしてくれないし。
そりゃわたしにだって非はあるけど、それを認めさせるためだけに戦争中の貴重な時間を使うだなんて。
だがしかし、どんなに文句を思いついても口には出来ない。
今回ばかりは客観的に見て明らかにわたしが悪いのだから、ここでごねたらわたしの評価がエンゼルフォールだ。
言いたいことは無いでもないが、言ったら負け。
……反省していないわけじゃないけど、女の子はそう簡単には素直になれないのだ。
「…………」
だから無言である。
モンクはないけど、認めたくも無い。
それを示すための無様な抵抗だった。
ライダーは困った顔をして、此方をことあるごとに伺っているが―――わたしは無言である。
「リン……理不尽すぎるよ」
「…………」
もっともな感想だった。
ぐうの音も出ません。
「………悪かったわよ、わたしが子供でした」
「…やっぱりまだ怒ってるよね?」
「怒ってない!」
861: ◆DDBjj51DRA:2013/12/23(月) 00:53:24.43:6QA4f6Il0 (2/2)
「まあ、取りあえず切り替えていこうか。僕がアサシンと交流して気になったことを報告しようと思う」
「気になったこと?」
というか、わたしが寝ている間にライダーはしっかり仕事をしていた。
ますますわたしの立つ瀬がない。
「アサシンのマスター、エミヤシロウのことだ」
「衛宮くん…? 彼がどうかしたの?」
「彼が、というよりは、彼の魔術が、だね。彼の投影は、常軌を逸している」
「それは……わたしもそう思ったけど…」
無から有を生み出す魔術。
発火や発熱も、そのカテゴリに分類されるのだろうが、投影魔術は訳が違う。
あの精度で。あの現実味で。
たとえ数秒間だけだとしても、この世に形を成すことがどれほど難しいことか――――
「違うんだ、リン。数秒なんかじゃない。―――彼の投影は、消えない」
「――――消えない?」
「彼の投影は抑止力を無視して形成されている。完全に独立した物質として、この世界に固定される。概念としては、発生ではなく『創造』だろう」
炎や熱は、時間が経てば自然と消える。
投影も同じように、時間と共に消滅する。
あるべきでは無い物として、この世界から爪弾きにされる。
それがこの世界に発生した魔術だ。発生しただけで、固定されない。
しかし――――新たに物質を『創り出した』ならば、話は別。
しかし、物質の創造など…―――――それは、魔術の域では無い。
「まさか…ね…」
《ここまで》
「まあ、取りあえず切り替えていこうか。僕がアサシンと交流して気になったことを報告しようと思う」
「気になったこと?」
というか、わたしが寝ている間にライダーはしっかり仕事をしていた。
ますますわたしの立つ瀬がない。
「アサシンのマスター、エミヤシロウのことだ」
「衛宮くん…? 彼がどうかしたの?」
「彼が、というよりは、彼の魔術が、だね。彼の投影は、常軌を逸している」
「それは……わたしもそう思ったけど…」
無から有を生み出す魔術。
発火や発熱も、そのカテゴリに分類されるのだろうが、投影魔術は訳が違う。
あの精度で。あの現実味で。
たとえ数秒間だけだとしても、この世に形を成すことがどれほど難しいことか――――
「違うんだ、リン。数秒なんかじゃない。―――彼の投影は、消えない」
「――――消えない?」
「彼の投影は抑止力を無視して形成されている。完全に独立した物質として、この世界に固定される。概念としては、発生ではなく『創造』だろう」
炎や熱は、時間が経てば自然と消える。
投影も同じように、時間と共に消滅する。
あるべきでは無い物として、この世界から爪弾きにされる。
それがこの世界に発生した魔術だ。発生しただけで、固定されない。
しかし――――新たに物質を『創り出した』ならば、話は別。
しかし、物質の創造など…―――――それは、魔術の域では無い。
「まさか…ね…」
《ここまで》
862:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/23(月) 00:55:17.66:GuNGeIPDO (1/1)
乙
乙
863:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/23(月) 14:51:21.33:j3x4QpL40 (1/1)
おつー
おつー
864: ◆DDBjj51DRA:2013/12/23(月) 23:52:50.45:HzMP0t3p0 (1/1)
衛宮邸【居間】
ここまでを踏まえて、では今日の行動を考えよう。
と言っても既に時刻は午後の三時を回っている。
限られた時間で出来そうなこと…いま思いつく限りだと……
まず、衛宮くんやアサシンを交えての戦略会議。
だがこれについてはもう議論し尽くしたといっていい。
今更会議をしたところで、これまでのお浚いになるのが落ちかも知れない。
衛宮くんが今日一日で何かアクションを起こしていたのなら話は別だが、しかし彼に出来ることは限られる。
下手に動くと命が無い状況だ。台所に立っているところを見るに、そう言った情報は期待できまい。
そして次、イリヤスフィールに会いに行く。
出来ればこの選択は取りたくない。
あの少女は危険だ。単純な危険性では無く、混濁した危うさがある。
簡単に殺すと言える危うさ。簡単に標的を見逃す危うさ。
相反しているようで、その癖実に分かりやすい取り合わせだ。
その思考は、見た目通りのお子様か。
ならば彼女は何をしでかすか分からないというより、いつ動くか分からないというほうが近い。
およそ取りそうな行動パターンは決まっているが、それを実行に移すタイミングが予測できないのだ。
そして最後の選択肢。索敵だ。
これはある意味で最も試行するべき項目であり、またある意味では絶対に選ぶべきでは無い項目だ。
現状の打破を求めるなら、究極的にはこれを選択する他無い。
なにも今現在に限った話ではない。これは戦争なのだ。
戦わなければ、終わるものも終わらない。
だがしかし、圧倒的な戦力差を実感しているいま、果たして闇雲に剣を取ることが正しいと言えるか?
勝機の無い戦場に身を投げ出すことは勇気では無い。
もはや無謀ですらなく、それは体の良い自殺行為ではないか。
1、作戦会議
2、イリヤに会う
3、索敵
>>866
《少ないけどここまで》
衛宮邸【居間】
ここまでを踏まえて、では今日の行動を考えよう。
と言っても既に時刻は午後の三時を回っている。
限られた時間で出来そうなこと…いま思いつく限りだと……
まず、衛宮くんやアサシンを交えての戦略会議。
だがこれについてはもう議論し尽くしたといっていい。
今更会議をしたところで、これまでのお浚いになるのが落ちかも知れない。
衛宮くんが今日一日で何かアクションを起こしていたのなら話は別だが、しかし彼に出来ることは限られる。
下手に動くと命が無い状況だ。台所に立っているところを見るに、そう言った情報は期待できまい。
そして次、イリヤスフィールに会いに行く。
出来ればこの選択は取りたくない。
あの少女は危険だ。単純な危険性では無く、混濁した危うさがある。
簡単に殺すと言える危うさ。簡単に標的を見逃す危うさ。
相反しているようで、その癖実に分かりやすい取り合わせだ。
その思考は、見た目通りのお子様か。
ならば彼女は何をしでかすか分からないというより、いつ動くか分からないというほうが近い。
およそ取りそうな行動パターンは決まっているが、それを実行に移すタイミングが予測できないのだ。
そして最後の選択肢。索敵だ。
これはある意味で最も試行するべき項目であり、またある意味では絶対に選ぶべきでは無い項目だ。
現状の打破を求めるなら、究極的にはこれを選択する他無い。
なにも今現在に限った話ではない。これは戦争なのだ。
戦わなければ、終わるものも終わらない。
だがしかし、圧倒的な戦力差を実感しているいま、果たして闇雲に剣を取ることが正しいと言えるか?
勝機の無い戦場に身を投げ出すことは勇気では無い。
もはや無謀ですらなく、それは体の良い自殺行為ではないか。
1、作戦会議
2、イリヤに会う
3、索敵
>>866
《少ないけどここまで》
865:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/24(火) 00:07:39.89:lJwmB7o50 (1/1)
2
2
866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/24(火) 00:07:54.68:VVD7zv0ho (1/1)
2
2
867:♯子あん:2013/12/25(水) 22:47:39.68:jv3zdU/y0 (1/4)
「……不本意だけど、イリヤスフィールとコンタクトをとってみましょうか」
「うん、それがいいと思うよ。……不本意って、なんで?」
「それはまあ、ロリコンがいるからなんだけど」
戦闘になる心配より、あの少女の貞操が心配だった。
というのはさすがに冗談だとしても、しかし衛宮くんがイリヤスフィールに甘いことは確かだ。
一度殺されかけているのに、仲間に迎えようとする程度には。
「あの時といまとでは、大分状況が違ってきてる。現状なら、イリヤがわたしたちの誘いを断る理由もないでしょう」
数字の上では、三騎対一騎。ここで少数派に属そうとする理由はない。
確かに白のアーチャーは強力だが、それと比肩するほどのアーチャーがこちら側にも一騎いるのだから。
「断る理由なら、ひょっとしたらあるかもしれないよ」
「あら、貴方がいうと心配になるわね。聞かせてもらえる?」
「この同盟や白いアーチャーを選択せずに、第三勢力を結成いている…とか」
「……そんなこと…」
イリヤスフィールに限っては、ないだろう。
しかし考えてしまった。もう一つの可能性を。
バーサーカー、セイバー、キャスター。この三騎が、どういう形であれ同盟をむすぶ可能性。
揃いも揃って曲者揃い、チームプレイにはおよそ向きそうにない面子だが、打算の上の共闘ならばこれでもかというほど噛み合いそうな面々。
セイバーのマスターを、わたしたちはまだ見つけていない。
セイバーがどう動くか、わたしたちにはいまだ予測が出来ないことも含めて、それは十分にあり得る。
「……不本意だけど、イリヤスフィールとコンタクトをとってみましょうか」
「うん、それがいいと思うよ。……不本意って、なんで?」
「それはまあ、ロリコンがいるからなんだけど」
戦闘になる心配より、あの少女の貞操が心配だった。
というのはさすがに冗談だとしても、しかし衛宮くんがイリヤスフィールに甘いことは確かだ。
一度殺されかけているのに、仲間に迎えようとする程度には。
「あの時といまとでは、大分状況が違ってきてる。現状なら、イリヤがわたしたちの誘いを断る理由もないでしょう」
数字の上では、三騎対一騎。ここで少数派に属そうとする理由はない。
確かに白のアーチャーは強力だが、それと比肩するほどのアーチャーがこちら側にも一騎いるのだから。
「断る理由なら、ひょっとしたらあるかもしれないよ」
「あら、貴方がいうと心配になるわね。聞かせてもらえる?」
「この同盟や白いアーチャーを選択せずに、第三勢力を結成いている…とか」
「……そんなこと…」
イリヤスフィールに限っては、ないだろう。
しかし考えてしまった。もう一つの可能性を。
バーサーカー、セイバー、キャスター。この三騎が、どういう形であれ同盟をむすぶ可能性。
揃いも揃って曲者揃い、チームプレイにはおよそ向きそうにない面子だが、打算の上の共闘ならばこれでもかというほど噛み合いそうな面々。
セイバーのマスターを、わたしたちはまだ見つけていない。
セイバーがどう動くか、わたしたちにはいまだ予測が出来ないことも含めて、それは十分にあり得る。
868: ◆DDBjj51DRA:2013/12/25(水) 22:48:24.49:jv3zdU/y0 (2/4)
そのことをライダーに話すと、
「そうだね。この予想はむしろランサー以外が行いそうなことだ。じゃあ次は、彼女たちが取りそうな行動を言おう」
わたしたちとの同盟手結を拒む理由として、イリヤスフィールが述べるであろうそれは―――
「彼女はこう言う。『相手が誰でも関係ない。ランサー一人で、わたしには十分』」
イリヤスフィールがそのセリフを言い放つ場面は、簡単に想像できた。
セリフに対してランサーがどう出るかが鍵なのだが、しかしわたしはランサーについてよく分かっていない。
第一印象では、快活というか天真爛漫というか、お転婆な町娘というイメージだったが。
……この印象がそのまま正解なら、ランサーがイリヤスフィールに煽てられてしまうというケースは十分にあり得るだろう。
「まいったわね……そうなったら取り付く島もないじゃない」
「だから、話の展開を誘導するのが今回のリンの仕事だ。脅威を交渉材料にするんじゃなくて、利益を提示することが重要かな」
「白のアーチャーを打倒するのが目的なのに、その恐ろしさを隠しながら交渉する……って、いうほど簡単じゃないわよ?」
こちらの真意を隠して、尚且つ相手に利益がある提案をしなければならない。
この場合は交渉相手がイリヤスフィールであることが、難易度を跳ね上げていると言える。
彼女が欲するものとは何だろうか。
戦力は、求めていないだろう。
仲間と呼べるものも、いまの彼女には事足りている。
魔術師として求めるものはなく、人として求めるものもない。
これのどこに、果たして交渉の余地があるのか。
「そう難しく考えなくてもいいんじゃない? 極論、アサシンのマスターに交渉を担当して貰ってもいいだろう」
それは自殺行為なんじゃないかしら。
ライダーの提案に一抹の不安を覚えたのは、これが初めてだった。
≪ここまで≫
そのことをライダーに話すと、
「そうだね。この予想はむしろランサー以外が行いそうなことだ。じゃあ次は、彼女たちが取りそうな行動を言おう」
わたしたちとの同盟手結を拒む理由として、イリヤスフィールが述べるであろうそれは―――
「彼女はこう言う。『相手が誰でも関係ない。ランサー一人で、わたしには十分』」
イリヤスフィールがそのセリフを言い放つ場面は、簡単に想像できた。
セリフに対してランサーがどう出るかが鍵なのだが、しかしわたしはランサーについてよく分かっていない。
第一印象では、快活というか天真爛漫というか、お転婆な町娘というイメージだったが。
……この印象がそのまま正解なら、ランサーがイリヤスフィールに煽てられてしまうというケースは十分にあり得るだろう。
「まいったわね……そうなったら取り付く島もないじゃない」
「だから、話の展開を誘導するのが今回のリンの仕事だ。脅威を交渉材料にするんじゃなくて、利益を提示することが重要かな」
「白のアーチャーを打倒するのが目的なのに、その恐ろしさを隠しながら交渉する……って、いうほど簡単じゃないわよ?」
こちらの真意を隠して、尚且つ相手に利益がある提案をしなければならない。
この場合は交渉相手がイリヤスフィールであることが、難易度を跳ね上げていると言える。
彼女が欲するものとは何だろうか。
戦力は、求めていないだろう。
仲間と呼べるものも、いまの彼女には事足りている。
魔術師として求めるものはなく、人として求めるものもない。
これのどこに、果たして交渉の余地があるのか。
「そう難しく考えなくてもいいんじゃない? 極論、アサシンのマスターに交渉を担当して貰ってもいいだろう」
それは自殺行為なんじゃないかしら。
ライダーの提案に一抹の不安を覚えたのは、これが初めてだった。
≪ここまで≫
869:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/25(水) 22:50:43.27:jtr/G0AAO (1/1)
>>867
乙、だけど酉がwww
>>867
乙、だけど酉がwww
870: ◆DDBjj51DRA:2013/12/25(水) 22:53:35.59:jv3zdU/y0 (3/4)
うん、酉バレしちゃったぜ☆
まあいいや、これからは文章で本人証明とさせて頂く
うん、酉バレしちゃったぜ☆
まあいいや、これからは文章で本人証明とさせて頂く
871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/25(水) 22:54:37.82:OxhoJ6WAO (1/1)
乙
乙
872:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/25(水) 22:55:37.74:NdnB9DMIo (1/1)
やだ……カッコいい……!
はおいといて、変えたほうがいいんじゃないだろうか
やだ……カッコいい……!
はおいといて、変えたほうがいいんじゃないだろうか
873:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/25(水) 22:56:49.80:EcZW0wAr0 (1/1)
おつー
乱心院さんの場合真面目に成りすましとかあり得るから変えた方がいいと思う
前に一回安心の方を荒らされてるし
おつー
乱心院さんの場合真面目に成りすましとかあり得るから変えた方がいいと思う
前に一回安心の方を荒らされてるし
874: ◆0R0TlgdXHc:2013/12/25(水) 23:00:16.26:jv3zdU/y0 (4/4)
じゃあこれで!はい!
ご迷惑おかけします…
じゃあこれで!はい!
ご迷惑おかけします…
875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/25(水) 23:03:16.86:SaNXQsB5o (1/1)
クリスマスに生まれた酉を祝福せなあかんな
乙
クリスマスに生まれた酉を祝福せなあかんな
乙
876: ◆0R0TlgdXHc:2013/12/27(金) 23:31:28.61:qDYOo/7i0 (1/2)
【商店街】
「で、結局俺を連れてきたわけか」
「そうよ、悪い? わたしじゃイリヤとの交渉はできないわ」
白いアーチャーを打破するまでの間とはいえ、信用できないマスターに共闘を申し込むというのは気が引ける。
その点衛宮くんは何故かイリヤスフィールに半ば同情しているみたいだし、ここは一任してしまおう。
他ならぬライダーの提案だ、無下にはしたくない。
「でも、葛木達に話をしておかなくていいのか?」
「別にいいでしょう。あのアーチャーなら、仲間が増えることを歓迎してくれると思うし」
仲間というよりは、一時的な共同戦線というか、停戦協定のようなものだ。
現状アーチャー陣営との関係も似たようなものであり、ならば文句を言われる筋合いもなかろう。
なにより、白のアーチャーを打倒できるならそれで構わないのだから。
そのあとは後腐れなく、正々堂々と相対する心積りである。
「衛宮くん、あなただって例外じゃないのよ。時期がきたら容赦はしない」
「……ああ、こっちこそ」
数秒の沈黙は、決意の時間だったのか。
鋭い目付きと低い声音で、彼は避けようのない決裂を容認する。
容認というより、それは覚悟だったのかもしれない。
わたしと戦う覚悟。わたしを打ち負かす覚悟。わたしを殺す覚悟。
「……ごちゃごちゃ考えるのはここまで。行くわよ、衛宮くん」
わたしは考えることを止めて、公園の方へと足を向けた。
【商店街】
「で、結局俺を連れてきたわけか」
「そうよ、悪い? わたしじゃイリヤとの交渉はできないわ」
白いアーチャーを打破するまでの間とはいえ、信用できないマスターに共闘を申し込むというのは気が引ける。
その点衛宮くんは何故かイリヤスフィールに半ば同情しているみたいだし、ここは一任してしまおう。
他ならぬライダーの提案だ、無下にはしたくない。
「でも、葛木達に話をしておかなくていいのか?」
「別にいいでしょう。あのアーチャーなら、仲間が増えることを歓迎してくれると思うし」
仲間というよりは、一時的な共同戦線というか、停戦協定のようなものだ。
現状アーチャー陣営との関係も似たようなものであり、ならば文句を言われる筋合いもなかろう。
なにより、白のアーチャーを打倒できるならそれで構わないのだから。
そのあとは後腐れなく、正々堂々と相対する心積りである。
「衛宮くん、あなただって例外じゃないのよ。時期がきたら容赦はしない」
「……ああ、こっちこそ」
数秒の沈黙は、決意の時間だったのか。
鋭い目付きと低い声音で、彼は避けようのない決裂を容認する。
容認というより、それは覚悟だったのかもしれない。
わたしと戦う覚悟。わたしを打ち負かす覚悟。わたしを殺す覚悟。
「……ごちゃごちゃ考えるのはここまで。行くわよ、衛宮くん」
わたしは考えることを止めて、公園の方へと足を向けた。
877: ◆0R0TlgdXHc:2013/12/27(金) 23:31:59.76:qDYOo/7i0 (2/2)
白銀の雪を連想させる、小さな少女。
澄んだ空を想起させる、朗らかな少女。
二人は戯れに時を過ごす。
ランサーが召喚に応えたのは、今から二ヶ月前。
雪の降りやまぬ辺境、冬の城にて彼女は第二の生を受ける。
マスターは人造の少女、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
召喚方法はしっかりと手順に則った触媒召喚だったが、相性は良好だと自負している。
アインツベルンの当主が望んだサーヴァントは、もっと位の高い大英雄だったのだろう。
希望した触媒が手に入らず、ランサーは否応なしに呼ばれた英霊。
だからあからさまに邪険にされたが、しかしイリヤはそうではなかった。
それ以前に、ランサーを使い魔の類とすら思っていない。
まるで友達のように。姉のように。
彼女はランサーを慕い、ランサーは彼女を守ろうと誓った。
「ねえランサー。ランサーは、わたしといて楽しい?」
いつのことだったか、イリヤはランサーにそんなことを問うた。
サーヴァントとマスターの間には、魔力のパスと―――あとは最低限の信頼関係があればいい。
だからそもそも、『楽しいか』などという質問は意味を持たないものであり、サーヴァントによっては憤怒することもあろう。
戦争に生きながら―――戦争に生きたからこそ、戦争を嫌う者もいる。
マスターとサーヴァントは言うなれば、国と兵隊の関係なのだから。
その質問は、『戦争は楽しいか』と問われているに等しい。そう解釈することも、出来なくは無いのだ。
だが、その反面。
ランサーのように、信頼関係を重んじるサーヴァントも居る。
そんな英霊が、少女の質問を曲解する筈もない。
彼女はそのとき、素直に答えた。
いつもと変わらぬ調子で。いつもと変わらぬ言葉で。
「モチのロンよ!決まってるじゃない!」
胸を張って、声を張って―――堂々と言い切る。
誰かと共にいることは楽しいことだと、その考えに疑いもなく。
≪ここまで≫
白銀の雪を連想させる、小さな少女。
澄んだ空を想起させる、朗らかな少女。
二人は戯れに時を過ごす。
ランサーが召喚に応えたのは、今から二ヶ月前。
雪の降りやまぬ辺境、冬の城にて彼女は第二の生を受ける。
マスターは人造の少女、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
召喚方法はしっかりと手順に則った触媒召喚だったが、相性は良好だと自負している。
アインツベルンの当主が望んだサーヴァントは、もっと位の高い大英雄だったのだろう。
希望した触媒が手に入らず、ランサーは否応なしに呼ばれた英霊。
だからあからさまに邪険にされたが、しかしイリヤはそうではなかった。
それ以前に、ランサーを使い魔の類とすら思っていない。
まるで友達のように。姉のように。
彼女はランサーを慕い、ランサーは彼女を守ろうと誓った。
「ねえランサー。ランサーは、わたしといて楽しい?」
いつのことだったか、イリヤはランサーにそんなことを問うた。
サーヴァントとマスターの間には、魔力のパスと―――あとは最低限の信頼関係があればいい。
だからそもそも、『楽しいか』などという質問は意味を持たないものであり、サーヴァントによっては憤怒することもあろう。
戦争に生きながら―――戦争に生きたからこそ、戦争を嫌う者もいる。
マスターとサーヴァントは言うなれば、国と兵隊の関係なのだから。
その質問は、『戦争は楽しいか』と問われているに等しい。そう解釈することも、出来なくは無いのだ。
だが、その反面。
ランサーのように、信頼関係を重んじるサーヴァントも居る。
そんな英霊が、少女の質問を曲解する筈もない。
彼女はそのとき、素直に答えた。
いつもと変わらぬ調子で。いつもと変わらぬ言葉で。
「モチのロンよ!決まってるじゃない!」
胸を張って、声を張って―――堂々と言い切る。
誰かと共にいることは楽しいことだと、その考えに疑いもなく。
≪ここまで≫
878:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2013/12/27(金) 23:35:27.42:V7SPxvJS0 (1/1)
乙
乙
879:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 09:00:13.63:Jf+mV/9O0 (1/4)
今回のランサーって誰だっけ
前回は球磨川さんだったけど
今回のランサーって誰だっけ
前回は球磨川さんだったけど
880:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 10:43:14.74:5Yk8K8b3o (1/1)
>>879
エステルさんのことディスんのやめろよ・・・
>>879
エステルさんのことディスんのやめろよ・・・
881:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 11:36:12.12:Jf+mV/9O0 (2/4)
アハト翁直々に「ショボい」ってディスられてますし...
アハト翁直々に「ショボい」ってディスられてますし...
882:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 13:17:26.48:OCIHzdNco (1/1)
そりゃアメコミ大好きアハト翁からしてみたらショボいだろうなぁ・・・・
そりゃアメコミ大好きアハト翁からしてみたらショボいだろうなぁ・・・・
883:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 19:48:52.20:Jf+mV/9O0 (3/4)
アハト翁ならスーパーマンをバーサーカーで呼び出せとか言いかねん
アハト翁ならスーパーマンをバーサーカーで呼び出せとか言いかねん
884:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/30(月) 21:32:56.48:Jf+mV/9O0 (4/4)
もし切嗣がダグバを呼び出してしまったらどうするんだろう
もし切嗣がダグバを呼び出してしまったらどうするんだろう
885: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/03(金) 13:34:02.40:5fSZE0Rs0 (1/5)
【商店街・公園】
俺はイリヤと対峙する。
もっとも、向こうには対峙なんて心構えは無いだろう。
昼間のイリヤは、戦おうとしない。遠坂の言っていたことは本当のようだ。
もちろん俺には、夜のイリヤが戦う理由さえも見当が付かないのだが、それは一先ず置いておくとして。
本題を切り出す。
イレギュラーなサーヴァントたる、白のアーチャーのことを。
しかし、俺が想像していたような反応―――つまり驚くとか、そういうリアクションを、イリヤは取りはしなかった。
「しってるわ。サーヴァントの気配が8つあったのは感じていたもの」
やはりイリヤはマスターとして規格外らしい。
あの遠坂でさえ、サーヴァントの残数までは図り知れていなかった。
ここで俺は遠坂の方に話を振る。
「知っているなら話ははやいじゃないか。遠坂、さっそくイリヤを――――」
「ちょっといいかしら、イリヤ。――感じて『いた』っていうのは、どういうこと?」
それは―――言葉の綾ではないのか?
幼いが故の言い間違いもあるだろうし、そもそも言語からして慣れていないのだから――
「まさかとは思うけど……既にどこかの陣営が脱落しているの?」
「――――そうよ。あなたたちのいう『白のアーチャー』は脱落したわ。倒したのはたぶん、マキリの杯」
イリヤが告げる一言。
それは驚愕すべき事実であるとともに、喜ばしい報であるはずだった。
しかし遠坂の表情は依然として固く、何より悲壮だった。
【商店街・公園】
俺はイリヤと対峙する。
もっとも、向こうには対峙なんて心構えは無いだろう。
昼間のイリヤは、戦おうとしない。遠坂の言っていたことは本当のようだ。
もちろん俺には、夜のイリヤが戦う理由さえも見当が付かないのだが、それは一先ず置いておくとして。
本題を切り出す。
イレギュラーなサーヴァントたる、白のアーチャーのことを。
しかし、俺が想像していたような反応―――つまり驚くとか、そういうリアクションを、イリヤは取りはしなかった。
「しってるわ。サーヴァントの気配が8つあったのは感じていたもの」
やはりイリヤはマスターとして規格外らしい。
あの遠坂でさえ、サーヴァントの残数までは図り知れていなかった。
ここで俺は遠坂の方に話を振る。
「知っているなら話ははやいじゃないか。遠坂、さっそくイリヤを――――」
「ちょっといいかしら、イリヤ。――感じて『いた』っていうのは、どういうこと?」
それは―――言葉の綾ではないのか?
幼いが故の言い間違いもあるだろうし、そもそも言語からして慣れていないのだから――
「まさかとは思うけど……既にどこかの陣営が脱落しているの?」
「――――そうよ。あなたたちのいう『白のアーチャー』は脱落したわ。倒したのはたぶん、マキリの杯」
イリヤが告げる一言。
それは驚愕すべき事実であるとともに、喜ばしい報であるはずだった。
しかし遠坂の表情は依然として固く、何より悲壮だった。
886: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/03(金) 13:34:29.13:5fSZE0Rs0 (2/5)
わたしはイリヤの話を聞いて―――もっと具体的に言うなら、『マキリの杯』という単語を聞いて確信した。
アインツベルンのホムンクルスであるこの少女の魔術回路は、見れば見るほど不可解で奇妙だ。
まるで、人外にしか為せない異端を背負うための量であり編成。
「……イリヤ…あなたが――――聖杯の器なの?」
突拍子もない。
だが、アインツベルンの魔術師ならば技術的にも道徳的にも、可能だろう。
自立する聖杯。なるほどそれは効率がいい。施行する価値はあるかもしれない。
「へぇ? よくわかったね、リン。見直しちゃった」
だからと言って、実際にやるとなると話は違う。
わたしの目の前で明朗な微笑みを浮かべている少女こそが、此度奪い合われる聖杯そのものなのだ。
「そうよ、わたしが小聖杯。わたしはこの戦争で使われるために造られた」
実感もへったくれもない。
わたしの脳がシグナルを放つ。道徳的な拒絶を。文化的な拒絶を。本能的な拒絶を。
「もちろん、役目が終わったらわたしは死ぬけど…だからこそ今を楽しんでおきたいの」
人の身でありながら人を争奪するという行為。
それを下劣と感じるようでは、まだ魔術師として未熟だろうか。
心の贅肉が捨てきれていないだろうか。
わかっている。この気持ちは魔術師としては恥ずべきものだ。
わたしはわたしの中のナニカを、心の奥に終おうとして――――その時、衛宮士郎の声を聞いた。
「なんでさ。そんなのは駄目だ。お前がその運命を受け入れていようと関係ない。俺はお前を死なせないぞ」
その声ははっきりと断じていた。間違っているのは魔術師の常識だと。
その目はしっかりと見据えていた。救うべき少女が、薄く湛えた涙を。
わたしはイリヤの話を聞いて―――もっと具体的に言うなら、『マキリの杯』という単語を聞いて確信した。
アインツベルンのホムンクルスであるこの少女の魔術回路は、見れば見るほど不可解で奇妙だ。
まるで、人外にしか為せない異端を背負うための量であり編成。
「……イリヤ…あなたが――――聖杯の器なの?」
突拍子もない。
だが、アインツベルンの魔術師ならば技術的にも道徳的にも、可能だろう。
自立する聖杯。なるほどそれは効率がいい。施行する価値はあるかもしれない。
「へぇ? よくわかったね、リン。見直しちゃった」
だからと言って、実際にやるとなると話は違う。
わたしの目の前で明朗な微笑みを浮かべている少女こそが、此度奪い合われる聖杯そのものなのだ。
「そうよ、わたしが小聖杯。わたしはこの戦争で使われるために造られた」
実感もへったくれもない。
わたしの脳がシグナルを放つ。道徳的な拒絶を。文化的な拒絶を。本能的な拒絶を。
「もちろん、役目が終わったらわたしは死ぬけど…だからこそ今を楽しんでおきたいの」
人の身でありながら人を争奪するという行為。
それを下劣と感じるようでは、まだ魔術師として未熟だろうか。
心の贅肉が捨てきれていないだろうか。
わかっている。この気持ちは魔術師としては恥ずべきものだ。
わたしはわたしの中のナニカを、心の奥に終おうとして――――その時、衛宮士郎の声を聞いた。
「なんでさ。そんなのは駄目だ。お前がその運命を受け入れていようと関係ない。俺はお前を死なせないぞ」
その声ははっきりと断じていた。間違っているのは魔術師の常識だと。
その目はしっかりと見据えていた。救うべき少女が、薄く湛えた涙を。
887: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/03(金) 13:34:54.36:5fSZE0Rs0 (3/5)
「え?―――シロウ、なに言ってるの?」
涙といっても、水滴が頬を伝っているわけでは無い。
ともすればそれは、生理現象で片付く程度の薄い薄い涙液だったかもしれない。
例えそうでも、衛宮士郎は変わらずあの台詞を言い放っただろう。
もしイリヤが泣いていなかったとしても、その声音は十分に悲劇を感じさせるに足りていた。
わたしでさえ、それは感じ取ったのだから……衛宮士郎が見逃すはずもなかった。
「助けるっていったんだ。この言い方が気に入らないなら、ただのお節介とでも思ってくれ。とにかく、お前は死なせない」
「そんなの、無茶だよ。わたしはこの戦争のために生まれてきた。だから例え聖杯を使わなくったって、わたしの寿命は――」
「だったら聖杯を使って、イリヤの延命を望めばいい。それなら誰にも迷惑は掛からない」
「それは、駄目よ…だって、アインツベルンには悲願があって…」
返すイリヤの声量は、もはや聞き取れないほどに小さい。
まっすぐな言葉と眼差しに、たじろぐのも無理はないが――――
わたしはその光景を見て、押し黙るしか無い。
なぜなら、衛宮士郎が救うべき対象は自動的にもう一つ追加されてしまったのだから。
『マキリの杯』。
その言葉が表す意味を、流石のわたしでさえ見落とすことは無かった。
見落とすことは―――出来なかった。
これを士郎が知れば、今と同じようなことをいうのだろう。
イリヤが特別なわけでは無い。ただ単に、衛宮士郎に見境が無いだけだ。
ならばその見境の無さで、この上ないほどの枷を―――非業の器を二人分も背負ってしまった時…――――
―――待つのは果たして、非業以外にあり得るだろうか。
「え?―――シロウ、なに言ってるの?」
涙といっても、水滴が頬を伝っているわけでは無い。
ともすればそれは、生理現象で片付く程度の薄い薄い涙液だったかもしれない。
例えそうでも、衛宮士郎は変わらずあの台詞を言い放っただろう。
もしイリヤが泣いていなかったとしても、その声音は十分に悲劇を感じさせるに足りていた。
わたしでさえ、それは感じ取ったのだから……衛宮士郎が見逃すはずもなかった。
「助けるっていったんだ。この言い方が気に入らないなら、ただのお節介とでも思ってくれ。とにかく、お前は死なせない」
「そんなの、無茶だよ。わたしはこの戦争のために生まれてきた。だから例え聖杯を使わなくったって、わたしの寿命は――」
「だったら聖杯を使って、イリヤの延命を望めばいい。それなら誰にも迷惑は掛からない」
「それは、駄目よ…だって、アインツベルンには悲願があって…」
返すイリヤの声量は、もはや聞き取れないほどに小さい。
まっすぐな言葉と眼差しに、たじろぐのも無理はないが――――
わたしはその光景を見て、押し黙るしか無い。
なぜなら、衛宮士郎が救うべき対象は自動的にもう一つ追加されてしまったのだから。
『マキリの杯』。
その言葉が表す意味を、流石のわたしでさえ見落とすことは無かった。
見落とすことは―――出来なかった。
これを士郎が知れば、今と同じようなことをいうのだろう。
イリヤが特別なわけでは無い。ただ単に、衛宮士郎に見境が無いだけだ。
ならばその見境の無さで、この上ないほどの枷を―――非業の器を二人分も背負ってしまった時…――――
―――待つのは果たして、非業以外にあり得るだろうか。
888: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/03(金) 13:35:22.12:5fSZE0Rs0 (4/5)
【間桐邸】
決着を付けよう。
わたしはセイバーを味方につけたこのタイミングで、そう決意した。
長らく縛られてきた呪縛を断つ。それがどれほど為し難いかは、痛いほど身に染みている。
それでも、断ち切ろうと思った。
このまま暗くて惨めな畜生染みた『修練』を積み重ねるくらいなら、ここで死んでも本望だ。
「何をいうやら。貴様があの老い耄れに敗れるなど天地逆さになろうと無い。ましてや私が付いているのだ」
オディオはわたしを励ましてくれる。
いや、励ますというよりも、事実を述べたまでだろう。
実際、わたしはサーヴァントだって殺せる身。いくら優れた魔術師でも、対処には万全を要するだろう。
さらに言えば、あの『人』は人外だ。その身全てが己の総べたる蟲である。
万全でもなく、人ですらないあの魔物が―――『魔王』に勝てる道理もない。
「では、拙者は退いておる故。存分にその恨み果たされよ」
セイバーはそう言って霊体化した。
この反逆に無粋を働くつもりはないと、そういうことだろう。
よくわかってくれている。
わたしの手で下すからこそ、この行動に意味があるのだ。
「行きましょう、オディオ。キャスターの相手は任せます」
「無論だ。私の相手が『伝説の勇者』とは、これも運命の悪戯か?」
憎悪を込めた笑みで、真の魔王は狂気と進む。
彼の者は、もはや狂化するまでもなくバーサーカー。
理性の内に狂い、栄光の内に狂った者。或は言い方を変えるなら、周囲に狂わされた者。
「討ち果たして見せようではないか。これは、我らが運命に対する反逆だ」
【間桐邸】
決着を付けよう。
わたしはセイバーを味方につけたこのタイミングで、そう決意した。
長らく縛られてきた呪縛を断つ。それがどれほど為し難いかは、痛いほど身に染みている。
それでも、断ち切ろうと思った。
このまま暗くて惨めな畜生染みた『修練』を積み重ねるくらいなら、ここで死んでも本望だ。
「何をいうやら。貴様があの老い耄れに敗れるなど天地逆さになろうと無い。ましてや私が付いているのだ」
オディオはわたしを励ましてくれる。
いや、励ますというよりも、事実を述べたまでだろう。
実際、わたしはサーヴァントだって殺せる身。いくら優れた魔術師でも、対処には万全を要するだろう。
さらに言えば、あの『人』は人外だ。その身全てが己の総べたる蟲である。
万全でもなく、人ですらないあの魔物が―――『魔王』に勝てる道理もない。
「では、拙者は退いておる故。存分にその恨み果たされよ」
セイバーはそう言って霊体化した。
この反逆に無粋を働くつもりはないと、そういうことだろう。
よくわかってくれている。
わたしの手で下すからこそ、この行動に意味があるのだ。
「行きましょう、オディオ。キャスターの相手は任せます」
「無論だ。私の相手が『伝説の勇者』とは、これも運命の悪戯か?」
憎悪を込めた笑みで、真の魔王は狂気と進む。
彼の者は、もはや狂化するまでもなくバーサーカー。
理性の内に狂い、栄光の内に狂った者。或は言い方を変えるなら、周囲に狂わされた者。
「討ち果たして見せようではないか。これは、我らが運命に対する反逆だ」
889: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/03(金) 13:35:52.47:5fSZE0Rs0 (5/5)
時を同じくして間桐邸。
間桐臓硯はキャスターの『最終調整』を行っていた。
辛うじて機能を果たしている刻印蟲の機能で、桜が標的をマキリとしてのは知っていた。
巻き起こるであろう事態に備えて、万難を排すべく念を入れて蟲を繰る。
キャスターの肢体に、数多の偉業を這わせ続ける。
「………」
その姿に、かつての栄光は残存しない。
もはや朽ちたかというほどの虚ろな目で、無言のままに虚空を見る。
骸と言われようが否定さえしないだろうが、その絵面は死体に這い回る蛆を連想させるには十分過ぎた。
それほどまでに無気力で、よもや戦いに馳せ参じることなど到底不可能と思える。
「さて……そろそろじゃ、キャスター。迎え撃つ準備をせよ」
「…………」
生きた屍の如く、腐った死体の如く身を持ち上げるかつての勇者。
その力ない挙動とは裏腹に、その身には魔力が満ち満ちていた。
「…………………」
首を上げる。見据えるのは階段の上部、蟲蔵の入り口。
扉を開けて入って来たのは、本来打つべき宿敵の系譜。
しかしもはやこの場には勇者の影『しか』無く―――――――
「……お爺様。あなたを殺します」
「来るがいい、『伝説の勇者』。摂理を覆すのはさぞ愉快だろう!」
かつて勇者だった者たちは、互いに植えつけられた闇を翳す。
≪ここまで≫
時を同じくして間桐邸。
間桐臓硯はキャスターの『最終調整』を行っていた。
辛うじて機能を果たしている刻印蟲の機能で、桜が標的をマキリとしてのは知っていた。
巻き起こるであろう事態に備えて、万難を排すべく念を入れて蟲を繰る。
キャスターの肢体に、数多の偉業を這わせ続ける。
「………」
その姿に、かつての栄光は残存しない。
もはや朽ちたかというほどの虚ろな目で、無言のままに虚空を見る。
骸と言われようが否定さえしないだろうが、その絵面は死体に這い回る蛆を連想させるには十分過ぎた。
それほどまでに無気力で、よもや戦いに馳せ参じることなど到底不可能と思える。
「さて……そろそろじゃ、キャスター。迎え撃つ準備をせよ」
「…………」
生きた屍の如く、腐った死体の如く身を持ち上げるかつての勇者。
その力ない挙動とは裏腹に、その身には魔力が満ち満ちていた。
「…………………」
首を上げる。見据えるのは階段の上部、蟲蔵の入り口。
扉を開けて入って来たのは、本来打つべき宿敵の系譜。
しかしもはやこの場には勇者の影『しか』無く―――――――
「……お爺様。あなたを殺します」
「来るがいい、『伝説の勇者』。摂理を覆すのはさぞ愉快だろう!」
かつて勇者だった者たちは、互いに植えつけられた闇を翳す。
≪ここまで≫
890:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/03(金) 13:48:33.49:Q8ud1p/T0 (1/1)
あけおめ乙
ロトェ……
あけおめ乙
ロトェ……
891:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/03(金) 13:55:29.63:wBJOOtFMo (1/1)
あけおつ
あけおつ
892:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/03(金) 14:04:06.41:sfVdYK7DO (1/1)
乙
ロトの扱い雑すぎワロタ
乙
ロトの扱い雑すぎワロタ
893:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/03(金) 14:06:44.58:IoQKRBcyo (1/1)
あけましておめでとう
ロトは勇者だけど、陣営も属性もなにもかもついてなかったなぁ
あけましておめでとう
ロトは勇者だけど、陣営も属性もなにもかもついてなかったなぁ
894: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/05(日) 00:32:54.49:LYmRLe/S0 (1/4)
先に動いたのはオディオ。
その身に纏うのは、マスターから――及び大聖杯から直接送り込まれる際限なき魔力。
両足に魔力を込めて解き放つ。
「くははははは!! 受け止めてみろ!この程度で死なれては興醒めだ!」
『魔力放出』。
Aランクを誇るそのスキルの性能は、最早肉体を弾丸へと変える。
下層に位置するキャスターに向かって跳んだオディオの身体は、放物線さえも描かない。
流星の如く一直線だった。―――ただし、その輝きは暗い紫色だが。
「…………」
キャスターはそれを、無気力のままに盾で受け止めた。
力無い動きでもなお受け止めることができたのは、その盾が宝具である故。
『勇者の盾』(シールド・オブ・ブレイバー)。
その当時、世界で最高の防御力を誇った盾は、接した全ての衝撃を弾く。
「そうだ、それで良い! さあ得物を構えろ!伝説の剣か!?聖なる呪文か!?」
弾かれたオディオは体性を立て直しながら着地する。
彼の保有するスキル、『対英雄』の効果を受けた上で攻撃を受け切ったキャスター。
これほどまでの実力を誇るならば、例え相手が失意のうちにあろうともそこを討つことに躊躇いは無い。
何せ、これは元来無謀。
魔王が勇者に挑み、あまつさえ勝利を掴み取ろうというのだ。
世界の摂理が認めないだろう。数多の逸話が証明している。
ならば否定する。ならば破壊する。ならば反逆してこそだろう。
世界の摂理など、覆せば良い。数多の逸話など、鼻で笑ってやる。
「魔王を討つのが勇者の宿命ならば、そこには加護が有るのだろう? ならば貴様を殺せば、それは神殺しにも相成ろう」
虚ろな瞳のまま、キャスターはその言葉に耳を傾ける。
加護――――果たして神は、未だ彼を守護しているのか。
天の声は、既に聞こえては来なかった。
先に動いたのはオディオ。
その身に纏うのは、マスターから――及び大聖杯から直接送り込まれる際限なき魔力。
両足に魔力を込めて解き放つ。
「くははははは!! 受け止めてみろ!この程度で死なれては興醒めだ!」
『魔力放出』。
Aランクを誇るそのスキルの性能は、最早肉体を弾丸へと変える。
下層に位置するキャスターに向かって跳んだオディオの身体は、放物線さえも描かない。
流星の如く一直線だった。―――ただし、その輝きは暗い紫色だが。
「…………」
キャスターはそれを、無気力のままに盾で受け止めた。
力無い動きでもなお受け止めることができたのは、その盾が宝具である故。
『勇者の盾』(シールド・オブ・ブレイバー)。
その当時、世界で最高の防御力を誇った盾は、接した全ての衝撃を弾く。
「そうだ、それで良い! さあ得物を構えろ!伝説の剣か!?聖なる呪文か!?」
弾かれたオディオは体性を立て直しながら着地する。
彼の保有するスキル、『対英雄』の効果を受けた上で攻撃を受け切ったキャスター。
これほどまでの実力を誇るならば、例え相手が失意のうちにあろうともそこを討つことに躊躇いは無い。
何せ、これは元来無謀。
魔王が勇者に挑み、あまつさえ勝利を掴み取ろうというのだ。
世界の摂理が認めないだろう。数多の逸話が証明している。
ならば否定する。ならば破壊する。ならば反逆してこそだろう。
世界の摂理など、覆せば良い。数多の逸話など、鼻で笑ってやる。
「魔王を討つのが勇者の宿命ならば、そこには加護が有るのだろう? ならば貴様を殺せば、それは神殺しにも相成ろう」
虚ろな瞳のまま、キャスターはその言葉に耳を傾ける。
加護――――果たして神は、未だ彼を守護しているのか。
天の声は、既に聞こえては来なかった。
895: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/05(日) 00:33:25.28:LYmRLe/S0 (2/4)
勇者ロトとは、即ちあらゆる勇者の原型である。
彼がセイバーやセイヴァー、ブレイバーのクラスで召喚されていたら、その武勇に並び立つものなど居ないだろう。
しかしそこには条件があり、余程のことが無ければロトが剣士として現界することは無い。
条件とは、相性である。
マスターと精神性が限りなく似通っていることを条件として、彼は勇者の身として第二の生を受けることができる。
セイバーが空席ならそこに組み込まれて、埋まっているならイレギュラークラス。
ただしマスターとの相性が芳しくない、今回のようなケースは別だ。
剣は封じられて、乏しい魔力を行使せざるを得ないキャスタークラスに押し込まれる。
それでも彼は大英霊。最弱のクラスでありながらも、十分に勝ち残ることができる実力を誇るのだが―――――
「………」
彼は現在、すべての勝機を失っていると言っていい。
マスターの愚かな『調整』のせいで、殆どのスキルは失われている。
戦闘に関する有用なスキルは、総じて無効になっている有様だ。
マスターは、それでも勝てると踏んでいるのだろう。
確かにキャスターの宝具は強力だし、彼の魔術も神代のそれではある。
だからと言って、英霊に対する扱いとしてあの『調整』を褒めることが誰に出来ようか。
無論、そうでなくてはロトが間桐臓硯に従うことは無かっただろう。
令呪による強制も意味はない。たった三画で埋まるほど、ロトと臓硯の差異は小さくない。
「……………」
故に、思うのだった。
呪術によって無理やり従わされている身で、傀儡の如く鞭を振りながら思う。
出来れば殺してくれ、と。
この有様で、何が勇者だ。救うべき世界もなければ、救いを求める者もいない。
最早この世界に、勇者の居場所はどこにも無かった。
勇者ロトとは、即ちあらゆる勇者の原型である。
彼がセイバーやセイヴァー、ブレイバーのクラスで召喚されていたら、その武勇に並び立つものなど居ないだろう。
しかしそこには条件があり、余程のことが無ければロトが剣士として現界することは無い。
条件とは、相性である。
マスターと精神性が限りなく似通っていることを条件として、彼は勇者の身として第二の生を受けることができる。
セイバーが空席ならそこに組み込まれて、埋まっているならイレギュラークラス。
ただしマスターとの相性が芳しくない、今回のようなケースは別だ。
剣は封じられて、乏しい魔力を行使せざるを得ないキャスタークラスに押し込まれる。
それでも彼は大英霊。最弱のクラスでありながらも、十分に勝ち残ることができる実力を誇るのだが―――――
「………」
彼は現在、すべての勝機を失っていると言っていい。
マスターの愚かな『調整』のせいで、殆どのスキルは失われている。
戦闘に関する有用なスキルは、総じて無効になっている有様だ。
マスターは、それでも勝てると踏んでいるのだろう。
確かにキャスターの宝具は強力だし、彼の魔術も神代のそれではある。
だからと言って、英霊に対する扱いとしてあの『調整』を褒めることが誰に出来ようか。
無論、そうでなくてはロトが間桐臓硯に従うことは無かっただろう。
令呪による強制も意味はない。たった三画で埋まるほど、ロトと臓硯の差異は小さくない。
「……………」
故に、思うのだった。
呪術によって無理やり従わされている身で、傀儡の如く鞭を振りながら思う。
出来れば殺してくれ、と。
この有様で、何が勇者だ。救うべき世界もなければ、救いを求める者もいない。
最早この世界に、勇者の居場所はどこにも無かった。
896: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/05(日) 00:33:52.45:LYmRLe/S0 (3/4)
クラス:キャスター
真名:ロト
筋力A 耐久A 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具A
◆スキル
・陣地作成(×) 魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。魔術師ではないため使用不可。
・道具作成(×) 魔力を帯びた器具を作成可能。魔術師ではないため使用不可。
・啓示(A) "天からの声"を聞き、最適な行動をとる。現在は『調整』の影響で使用不可。
・コレクター(A) より品質の良いアイテムを取得する才能。
・精霊の加護(EX) 武勲を立てうる戦場に限り、幸運を呼び寄せる能力。現在は『調整』の影響で使用不可。
◆宝具
『勇者の盾』(シールド・オブ・ブレイバー)
所有者:ロト ランク:C
種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
かつて世界最高の防御力を誇った盾。
盾として機能する面へのダメージを、一切合財はじき返す。
また、火炎や吹雪などの波状攻撃は面に触れた瞬間に無効化される。
本来は『王者の剣』と共に運用するのだが、キャスタークラスでは持ち合わせていない。
そのため対人宝具であり、専守の性能となる。
『―――?―――』(―――?―――)
所有者:ロト ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
『―――?―――』(―――?―――)
所有者:ロト ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
≪ここまで≫
クラス:キャスター
真名:ロト
筋力A 耐久A 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具A
◆スキル
・陣地作成(×) 魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。魔術師ではないため使用不可。
・道具作成(×) 魔力を帯びた器具を作成可能。魔術師ではないため使用不可。
・啓示(A) "天からの声"を聞き、最適な行動をとる。現在は『調整』の影響で使用不可。
・コレクター(A) より品質の良いアイテムを取得する才能。
・精霊の加護(EX) 武勲を立てうる戦場に限り、幸運を呼び寄せる能力。現在は『調整』の影響で使用不可。
◆宝具
『勇者の盾』(シールド・オブ・ブレイバー)
所有者:ロト ランク:C
種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
かつて世界最高の防御力を誇った盾。
盾として機能する面へのダメージを、一切合財はじき返す。
また、火炎や吹雪などの波状攻撃は面に触れた瞬間に無効化される。
本来は『王者の剣』と共に運用するのだが、キャスタークラスでは持ち合わせていない。
そのため対人宝具であり、専守の性能となる。
『―――?―――』(―――?―――)
所有者:ロト ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
『―――?―――』(―――?―――)
所有者:ロト ランク:?
種別:? レンジ:? 最大捕捉:?
≪ここまで≫
897:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 00:37:37.17:fRJvlhgAO (1/3)
妖怪には人の心がわからない
妖怪には人の心がわからない
898:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 00:39:54.04:0BgmFikn0 (1/1)
おつー
あの扱いなら仕方がないとはいえ荒みすぎやろ
おつー
あの扱いなら仕方がないとはいえ荒みすぎやろ
899:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 05:03:42.21:+eVQ0Ux5o (1/1)
キャスター(物理)
虫爺以外が召喚してたら無双してたんだろうなこれ
キャスター(物理)
虫爺以外が召喚してたら無双してたんだろうなこれ
900:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 09:37:12.01:Qh49FMzio (1/1)
>>266,>>651,>>691
一成は生きてるの?死んでるの?
生きているのにシンデルマン
>>266,>>651,>>691
一成は生きてるの?死んでるの?
生きているのにシンデルマン
901: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/05(日) 11:07:27.63:LYmRLe/S0 (4/4)
>>900
一成さんのこととか正直深く考えてなかったですハイ
思慮不足でしたが、本筋にはほぼ無関係ですので……
>>900
一成さんのこととか正直深く考えてなかったですハイ
思慮不足でしたが、本筋にはほぼ無関係ですので……
902:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 23:32:56.35:fRJvlhgAO (2/3)
この世界に生まれるオディオな何て名前だろうか
汚泥悪?
この世界に生まれるオディオな何て名前だろうか
汚泥悪?
903:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 23:49:10.35:q5qwXgps0 (1/1)
この世全ての悪(オディオ)でもういいんじゃない?
この世全ての悪(オディオ)でもういいんじゃない?
904:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 23:51:21.75:A+hw3SWNo (1/1)
O 大人になっても
D 童心を忘れない
O 女教師
O 大人になっても
D 童心を忘れない
O 女教師
905:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/05(日) 23:52:58.14:fRJvlhgAO (3/3)
>>904
SSF
>>904
SSF
906: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/07(火) 21:15:24.10:FGeLxJIJ0 (1/3)
わたしは間桐臓硯と対峙した。
これまでずっと目を背けてきたモノ。
抗うべき怨敵に抗える現状の、何と正しく素晴らしいことか。
復讐は正当な権利であり、それは是が非でも成し遂げなければならない。
何故ならば、復讐とはギャンブルだから。
勝てば官軍、負ければ賊軍というのは復讐にだって当てはまる。
勇者が魔王を討つことだって、元を正せば復讐に他ならない。
物語の主軸に『復讐』を据える作家など、それこそ比喩無く腐るほど居る。
だから勝たねば。
摂理を壊す―――オディオ同様、今のわたしは魔王なのだから。
勝って自らを、肯定しなければならない。
「まあでも……すぐに死ねるとは思わないでください」
「……桜よ…貴様、儂を殺せるというのか?」
間桐臓硯は嫌味な笑みを浮かべている。
確かに、現状わたしには決定的な攻撃手段がない。
いま目の前にいる間桐臓硯が仮初なのは知っているし、だからこの触覚を消そうが取り込もうが無意味なのもわかる。
「殺せないでしょうね。だから、すぐには死ねないでしょう」
「すぐには、では無い。永遠にだ。貴様では儂を殺すことは叶わん」
「それも……まあ、予想はしていましたよ。わたしには殺せない。その程度は策を打っておいて当然です」
だからと言って、此方がこれから行うことに別段変化があるわけでもなかった。
わたしが受けた恥辱屈辱。わたしが抱いた嫌悪憎悪。
ただ死ぬ程度で晴らせるものでは到底無い。
その身は蟲で、決して滅ぶことは無い?―――なるほどそれは都合がいい。
ならば永遠に、滅べぬことを嘆くが良い。
わたしは間桐臓硯と対峙した。
これまでずっと目を背けてきたモノ。
抗うべき怨敵に抗える現状の、何と正しく素晴らしいことか。
復讐は正当な権利であり、それは是が非でも成し遂げなければならない。
何故ならば、復讐とはギャンブルだから。
勝てば官軍、負ければ賊軍というのは復讐にだって当てはまる。
勇者が魔王を討つことだって、元を正せば復讐に他ならない。
物語の主軸に『復讐』を据える作家など、それこそ比喩無く腐るほど居る。
だから勝たねば。
摂理を壊す―――オディオ同様、今のわたしは魔王なのだから。
勝って自らを、肯定しなければならない。
「まあでも……すぐに死ねるとは思わないでください」
「……桜よ…貴様、儂を殺せるというのか?」
間桐臓硯は嫌味な笑みを浮かべている。
確かに、現状わたしには決定的な攻撃手段がない。
いま目の前にいる間桐臓硯が仮初なのは知っているし、だからこの触覚を消そうが取り込もうが無意味なのもわかる。
「殺せないでしょうね。だから、すぐには死ねないでしょう」
「すぐには、では無い。永遠にだ。貴様では儂を殺すことは叶わん」
「それも……まあ、予想はしていましたよ。わたしには殺せない。その程度は策を打っておいて当然です」
だからと言って、此方がこれから行うことに別段変化があるわけでもなかった。
わたしが受けた恥辱屈辱。わたしが抱いた嫌悪憎悪。
ただ死ぬ程度で晴らせるものでは到底無い。
その身は蟲で、決して滅ぶことは無い?―――なるほどそれは都合がいい。
ならば永遠に、滅べぬことを嘆くが良い。
907: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/07(火) 21:16:09.58:FGeLxJIJ0 (2/3)
「現在、時刻は正午ぴったり。外は太陽サンサンです。貴方はここから出られない」
「そうじゃな。して、それがどうした? その程度では弱点にもならんぞ」
いままで通りならばそうだろう。日差しに弱いことを知っていた上で歯向かうことすら出来なかったのだから。
だけど、それは昔の話。
いまのわたしには――――魔王化したわたしには、封じられていた魔術がある。
「わからないんですか? 逃げ場がないんですよ? この蔵の蟲、『全て』を消去されたとしても」
間桐臓硯が日光を苦手とするのは、偏にそれが蟲に対する害症だからに他ならない。
即ち現在、この蟲蔵には間桐臓硯が使役する『全て』の蟲が存在するということ。
もしかしたらその中に本体が紛れているかもしれないし、例えそうでなかろうと問題ない。
全ての蟲を消されて、もう一度生成するのには膨大な魔力を消費するだろう。
「魔力の枯渇は、魔術師を死に至らしめる。そうでなくても屈辱でしょう? 手足も無く、刺激もなく、ただ生きているなんて」
「――――…愚かな。まだ気付いておらんのか」
気付いて……?
此方を惑わせための言惑?
何にせよ、これからやるのは此方にデメリットの無い行いだ。
あわよくば間桐臓硯を殺せて。
最低でも憎むべき蟲共を殲滅出来る。
「ここで止まる理由がありません。何を言っても無駄ですよ」
「ほう、無駄と来たか。その言葉は、お主のほうがよっぽど似合っておるわ」
そう言って間桐臓硯は笑った。
わたしは笑わなかった。
「現在、時刻は正午ぴったり。外は太陽サンサンです。貴方はここから出られない」
「そうじゃな。して、それがどうした? その程度では弱点にもならんぞ」
いままで通りならばそうだろう。日差しに弱いことを知っていた上で歯向かうことすら出来なかったのだから。
だけど、それは昔の話。
いまのわたしには――――魔王化したわたしには、封じられていた魔術がある。
「わからないんですか? 逃げ場がないんですよ? この蔵の蟲、『全て』を消去されたとしても」
間桐臓硯が日光を苦手とするのは、偏にそれが蟲に対する害症だからに他ならない。
即ち現在、この蟲蔵には間桐臓硯が使役する『全て』の蟲が存在するということ。
もしかしたらその中に本体が紛れているかもしれないし、例えそうでなかろうと問題ない。
全ての蟲を消されて、もう一度生成するのには膨大な魔力を消費するだろう。
「魔力の枯渇は、魔術師を死に至らしめる。そうでなくても屈辱でしょう? 手足も無く、刺激もなく、ただ生きているなんて」
「――――…愚かな。まだ気付いておらんのか」
気付いて……?
此方を惑わせための言惑?
何にせよ、これからやるのは此方にデメリットの無い行いだ。
あわよくば間桐臓硯を殺せて。
最低でも憎むべき蟲共を殲滅出来る。
「ここで止まる理由がありません。何を言っても無駄ですよ」
「ほう、無駄と来たか。その言葉は、お主のほうがよっぽど似合っておるわ」
そう言って間桐臓硯は笑った。
わたしは笑わなかった。
908: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/07(火) 21:16:36.61:FGeLxJIJ0 (3/3)
わたしは、影を操って、それを蟲蔵のありとあらゆる至るところへまき散らした。
オディオの邪魔をしないように細心の注意を払いながらも、確実に蟲を抹消しきったはずだった。
なのに――――
「……なんで、貴方が居るんですか」
「そんなもの、蟲を殺しきれなかったからに決まっておろうが」
殺しきれなかった、というだけならまだ納得はできたかもしれない。
間桐臓硯が笑みを崩さず立っている、というだけならまだ理解はできたかもしれない。
だけどこれはおかしい。
蟲が―――――蟲が――――――――
「蟲が、増えるなんて…――――いったい、何をしたんですか…?」
わたしが魔術を使用したと同時に、蟲蔵の中身は一気に量を倍にした。
それはこの目で見た感想であり、実際は三倍かもしれないし四倍かもしれない。
とにかく、増えた。
わたしが魔力を練れば練るほど、まるでそれを追い越すかのように。
「カカッ…儂がお前の身体に蟲を仕込んでおること、よもや忘れてはいまいな」
「………ああ、すっかり失念してました。なるほど、合点が行きましたよ」
わたしの魔力を、ひいては大聖杯の魔力を喰らったということか。
それならば、この爆発的な量の増殖も頷ける。
「呑気じゃな。どれ、もっと悲観するべきではないか?」
「なんでですか? どんなに足掻こうと所詮は蟲。出るたびに蹴散らせばいいだけです」
「ならば言い切ってやろう。――――我が本体は、貴様の心臓じゃ」
―――――――――――――その言葉だけで十分だった。
わたしの心は凍り付く。
「魔術回路と一体となっている刻印蟲を含め、儂は貴様が健在な限り無敵よ。――儂を殺したいのなら、自決する他に無い」
≪ここまで≫
わたしは、影を操って、それを蟲蔵のありとあらゆる至るところへまき散らした。
オディオの邪魔をしないように細心の注意を払いながらも、確実に蟲を抹消しきったはずだった。
なのに――――
「……なんで、貴方が居るんですか」
「そんなもの、蟲を殺しきれなかったからに決まっておろうが」
殺しきれなかった、というだけならまだ納得はできたかもしれない。
間桐臓硯が笑みを崩さず立っている、というだけならまだ理解はできたかもしれない。
だけどこれはおかしい。
蟲が―――――蟲が――――――――
「蟲が、増えるなんて…――――いったい、何をしたんですか…?」
わたしが魔術を使用したと同時に、蟲蔵の中身は一気に量を倍にした。
それはこの目で見た感想であり、実際は三倍かもしれないし四倍かもしれない。
とにかく、増えた。
わたしが魔力を練れば練るほど、まるでそれを追い越すかのように。
「カカッ…儂がお前の身体に蟲を仕込んでおること、よもや忘れてはいまいな」
「………ああ、すっかり失念してました。なるほど、合点が行きましたよ」
わたしの魔力を、ひいては大聖杯の魔力を喰らったということか。
それならば、この爆発的な量の増殖も頷ける。
「呑気じゃな。どれ、もっと悲観するべきではないか?」
「なんでですか? どんなに足掻こうと所詮は蟲。出るたびに蹴散らせばいいだけです」
「ならば言い切ってやろう。――――我が本体は、貴様の心臓じゃ」
―――――――――――――その言葉だけで十分だった。
わたしの心は凍り付く。
「魔術回路と一体となっている刻印蟲を含め、儂は貴様が健在な限り無敵よ。――儂を殺したいのなら、自決する他に無い」
≪ここまで≫
909:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 13:19:09.19:dKo1j/Gm0 (1/1)
おつー
おつー
910:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 13:24:05.41:1n1fRSRio (1/2)
おつー
桜ルート知らないんだけどさ、この桜って一回オルステッドに胸刺されて死んでるんだけどこれって自決に入らないの?
おつー
桜ルート知らないんだけどさ、この桜って一回オルステッドに胸刺されて死んでるんだけどこれって自決に入らないの?
911:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 19:29:12.70:mXRj67tAo (1/2)
>>910
オルステッドに刺されたのは喉だろ
>>910
オルステッドに刺されたのは喉だろ
912:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 19:37:59.35:7N7Ar9/+0 (1/1)
爺が勝てるビジョンが相変わらず見えない
爺が勝てるビジョンが相変わらず見えない
913:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 19:52:04.34:1n1fRSRio (2/2)
>>911
喉だったか、胸は士郎だっけ?
あの辺ダグバ理論ばっかで見返す気になれないわ
>>911
喉だったか、胸は士郎だっけ?
あの辺ダグバ理論ばっかで見返す気になれないわ
914:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/08(水) 19:56:54.60:mXRj67tAo (2/2)
>>913
士郎も喉
>>913
士郎も喉
915: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/12(日) 16:36:03.45:AGgOqcUu0 (1/5)
自決する他無い。
間桐臓硯はそういった。
なるほど、わたしの心臓に本体が巣食っているというならば自決が手っ取り早い手段ではあるだろう。
だが、この妖怪は何もわかっていない。
わたしが既に人間を止めてしまっていることを、全く計算に入れていない。
「そうですか。心臓にいるあなたの本体を殺せば、あなたはしっかり死ぬ訳ですね?」
「無論、そうなっては一溜りもない。しかし分かっているか? 心臓を穿てば、貴様とて死ぬ。故に自決じゃ」
分かっているわけないだろう。
自殺なんて理解の範疇を超えている。
道連れなんかじゃ意味が無い。一方的に殺す。諧謔的に笑って殺す。
そもそもわかっていないのはそちらの方だ。
わたしの力は――――わたしの『魔法』は――――――
「体内とは盲点でしたね。教えてくださってありがとうございます。これで、いつでもあなたを殺せる」
第虚数魔法、『魔力の消滅』
魔に類されるものを完膚なきまでに滅する、非情なまでに現実的な魔法。
これが魔法たる所以は、魔術を否定するところにある。
現代科学で為しえない事こそ魔法であるならば――真祖だって殺せるコレは、魔法以外の何物でもない。
この魔法を行使したのは、セイバーとの戦闘のみ。
あの時には、自身の体内まで闇を伸ばしてはいなかった。
「……体内にまで『魔法』を使うと、魔術は使えなくなっちゃいますね」
わたしの魔術回路を犠牲に、間桐臓硯を殺しきる。
魔術を行使する機構は失われるけれど、問題ないだろう。
その状態でも、魔法は使える。この闇は、喉奥に根付いているから。
決して潤わぬ渇きの如く、魔術師の殲滅を求めるのだから。
自決する他無い。
間桐臓硯はそういった。
なるほど、わたしの心臓に本体が巣食っているというならば自決が手っ取り早い手段ではあるだろう。
だが、この妖怪は何もわかっていない。
わたしが既に人間を止めてしまっていることを、全く計算に入れていない。
「そうですか。心臓にいるあなたの本体を殺せば、あなたはしっかり死ぬ訳ですね?」
「無論、そうなっては一溜りもない。しかし分かっているか? 心臓を穿てば、貴様とて死ぬ。故に自決じゃ」
分かっているわけないだろう。
自殺なんて理解の範疇を超えている。
道連れなんかじゃ意味が無い。一方的に殺す。諧謔的に笑って殺す。
そもそもわかっていないのはそちらの方だ。
わたしの力は――――わたしの『魔法』は――――――
「体内とは盲点でしたね。教えてくださってありがとうございます。これで、いつでもあなたを殺せる」
第虚数魔法、『魔力の消滅』
魔に類されるものを完膚なきまでに滅する、非情なまでに現実的な魔法。
これが魔法たる所以は、魔術を否定するところにある。
現代科学で為しえない事こそ魔法であるならば――真祖だって殺せるコレは、魔法以外の何物でもない。
この魔法を行使したのは、セイバーとの戦闘のみ。
あの時には、自身の体内まで闇を伸ばしてはいなかった。
「……体内にまで『魔法』を使うと、魔術は使えなくなっちゃいますね」
わたしの魔術回路を犠牲に、間桐臓硯を殺しきる。
魔術を行使する機構は失われるけれど、問題ないだろう。
その状態でも、魔法は使える。この闇は、喉奥に根付いているから。
決して潤わぬ渇きの如く、魔術師の殲滅を求めるのだから。
916: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/12(日) 16:36:31.34:AGgOqcUu0 (2/5)
その言葉を聞いて、間桐臓硯は焦燥に駆られて。
その言葉を聞いて、キャスターはしかし何も変わらず。
その言葉を聞いて、オディオは純粋に笑みを浮かべた。
彼の笑みは邪悪でこそあったものの、今までの嘲笑染みたそれとは一線を画している。
つまり、憎しみがそこには存在しなかった。
魔王の誕生を憂いながらも喜び、そして桜が憎しみの形を確立したことに対して――オディオは確かに笑っていた。
「素晴らしい……素晴らしいぞ、サクラ! 貴様は私と同じになった!」
オディオは振るわれる鞭を捌きながら、声高に述べる。
魔桜オディオのあり方を語る。
「『他者の憎しみを生み出し』『人間の憎しみによって生み出され』『人間を憎み、絶望し』『憎しみを生み出す人間を抹殺しようとする』!」
それはかつての同族達が持ちえた性質。
それは彼が併せ持つ憎しみの形。
「貴様は魔術師にとっての最悪だ! なればこその、その魔法! 私と同格の魔王の誕生を憂い、そして憎もうではないか!!」
オディオの宝具はきっかけを与える。
触発されれば魔王となり、因子が無ければその場で死ぬ。
つまり、彼は復讐の機会を与えているのだ。
魔王とならねば抗うことすら出来なかった状況に、一筋の道を切り開く。
人間に取っては悪夢でしかない宝具でも、桜にとっては―――――それは確かに光だった。
「判決を下すが良い!制裁を加えるが良い!! 『勇者』を討つことなどよりも、そちらの方が一際重要だ!」
オディオとは憎しみ。
憎しみを乗せた刃を振るうことを、彼の魔王は止めなかった。
「憎しみに身を任せ、その絶望を乗り越えて見せろ! その先にある、更なる絶望に会いまみえたとき、私はもう一度貴様の手を取ろう!」
その言葉を聞いて、間桐臓硯は焦燥に駆られて。
その言葉を聞いて、キャスターはしかし何も変わらず。
その言葉を聞いて、オディオは純粋に笑みを浮かべた。
彼の笑みは邪悪でこそあったものの、今までの嘲笑染みたそれとは一線を画している。
つまり、憎しみがそこには存在しなかった。
魔王の誕生を憂いながらも喜び、そして桜が憎しみの形を確立したことに対して――オディオは確かに笑っていた。
「素晴らしい……素晴らしいぞ、サクラ! 貴様は私と同じになった!」
オディオは振るわれる鞭を捌きながら、声高に述べる。
魔桜オディオのあり方を語る。
「『他者の憎しみを生み出し』『人間の憎しみによって生み出され』『人間を憎み、絶望し』『憎しみを生み出す人間を抹殺しようとする』!」
それはかつての同族達が持ちえた性質。
それは彼が併せ持つ憎しみの形。
「貴様は魔術師にとっての最悪だ! なればこその、その魔法! 私と同格の魔王の誕生を憂い、そして憎もうではないか!!」
オディオの宝具はきっかけを与える。
触発されれば魔王となり、因子が無ければその場で死ぬ。
つまり、彼は復讐の機会を与えているのだ。
魔王とならねば抗うことすら出来なかった状況に、一筋の道を切り開く。
人間に取っては悪夢でしかない宝具でも、桜にとっては―――――それは確かに光だった。
「判決を下すが良い!制裁を加えるが良い!! 『勇者』を討つことなどよりも、そちらの方が一際重要だ!」
オディオとは憎しみ。
憎しみを乗せた刃を振るうことを、彼の魔王は止めなかった。
「憎しみに身を任せ、その絶望を乗り越えて見せろ! その先にある、更なる絶望に会いまみえたとき、私はもう一度貴様の手を取ろう!」
917: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/12(日) 16:37:02.99:AGgOqcUu0 (3/5)
喉を起点として、わたしの憎しみが身体の中を駆け巡る。
わたしの魔法に、魔力は一切使用しない。
喉に回線を置いた後天的な超能力という解釈が最も正しいのかもしれないが、しかしこれは魔王の技。
ならばその名に『魔』を冠するほうが、わかりやすくていいだろう。
「命を犠牲に誰かを殺すなんて嫌です。それがあなたみたいな妖怪なら尚更。なので、わたしの魔術回路を生贄にすることで勘弁してください」
闇が身体を侵していく。
この闇は、元々わたしの一部。わたしの心で、わたしの憎しみ。
だから怖くなかったし、だからこそ気持ちが悪かった。
「――――!……桜、お主…!…やめ、ろ……やめんか!」
先ずは足から。
徐々に徐々に、けれど確実に。身体を蝕む刻印蟲を消していく。
こんなにもあっさりと。こんなにも簡単に。
魔術回路を捨てるだけで、わたしは間桐の支配から解放された。
「……ああ…馬鹿だな、わたし」
こんなことなら、さっさと捨ててしまえばよかったんだ。
魔術回路なんて、わたしはそもそも要らなかったし。
これが魔術師にとっての命だというなら、命の方を捨ててもよかった。
今だからこそ、そう思う。あんなに、死ぬことだけは拒絶していたわたしが思う。
「生きていたって、いいことなんて無いんです。だからわたしは殺します。憎きこの世界を、憎しみから救ってあげます」
間桐臓硯は呪詛を吐きながら死んでいく。
その言葉も、憎しみだろう。
「オディオ。人間を殺しましょう。この世界には憎しみが多すぎます」
喉を起点として、わたしの憎しみが身体の中を駆け巡る。
わたしの魔法に、魔力は一切使用しない。
喉に回線を置いた後天的な超能力という解釈が最も正しいのかもしれないが、しかしこれは魔王の技。
ならばその名に『魔』を冠するほうが、わかりやすくていいだろう。
「命を犠牲に誰かを殺すなんて嫌です。それがあなたみたいな妖怪なら尚更。なので、わたしの魔術回路を生贄にすることで勘弁してください」
闇が身体を侵していく。
この闇は、元々わたしの一部。わたしの心で、わたしの憎しみ。
だから怖くなかったし、だからこそ気持ちが悪かった。
「――――!……桜、お主…!…やめ、ろ……やめんか!」
先ずは足から。
徐々に徐々に、けれど確実に。身体を蝕む刻印蟲を消していく。
こんなにもあっさりと。こんなにも簡単に。
魔術回路を捨てるだけで、わたしは間桐の支配から解放された。
「……ああ…馬鹿だな、わたし」
こんなことなら、さっさと捨ててしまえばよかったんだ。
魔術回路なんて、わたしはそもそも要らなかったし。
これが魔術師にとっての命だというなら、命の方を捨ててもよかった。
今だからこそ、そう思う。あんなに、死ぬことだけは拒絶していたわたしが思う。
「生きていたって、いいことなんて無いんです。だからわたしは殺します。憎きこの世界を、憎しみから救ってあげます」
間桐臓硯は呪詛を吐きながら死んでいく。
その言葉も、憎しみだろう。
「オディオ。人間を殺しましょう。この世界には憎しみが多すぎます」
918: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/12(日) 16:37:29.05:AGgOqcUu0 (4/5)
「是非もない。それこそが私の願い。必ずや聖杯をこの手に得る」
間桐臓硯というマスターを失ったことで、キャスターは目に見えて力を失った。
オディオにとって、相手はもはや打倒すべき勇者などではなかった。
「摂理に抗えなかったのは残念だが、しかし機会はまだあるだろう。ガイア、アラヤの抑止力を相手取らねばならないしな」
摂理を覆すことを、現在のキャスターに臨むことはできない。
彼は『精霊の加護』を――――ガイアの加護を失っていたのだから。
魔王の相手として相応しき勇者とは、とてもではないが言えない状態だった。
「…………」
「…その無言は、縛られていたからというわけではなさそうだな。私への挑発としては、中々に上出来だった」
かつて勇者であったころ。
それを思い出すたびに、オディオは憎しみを再燃させる。
挑発は結果的に、オディオの強化に他ならなかった。
「………………」
最早、半身が見えず残った部分も光子となって散っている。
キャスターはその散り際に何を思うのか。
「さらばだ、忌まわしき蛮勇の剣士。貴様の絶望も、貴様の憎しみも―――私が共に壊しておいてやろう」
オディオの剣は振り下ろされて。
キャスターの残滓はこの世界から形を消した。
≪ここまで≫
「是非もない。それこそが私の願い。必ずや聖杯をこの手に得る」
間桐臓硯というマスターを失ったことで、キャスターは目に見えて力を失った。
オディオにとって、相手はもはや打倒すべき勇者などではなかった。
「摂理に抗えなかったのは残念だが、しかし機会はまだあるだろう。ガイア、アラヤの抑止力を相手取らねばならないしな」
摂理を覆すことを、現在のキャスターに臨むことはできない。
彼は『精霊の加護』を――――ガイアの加護を失っていたのだから。
魔王の相手として相応しき勇者とは、とてもではないが言えない状態だった。
「…………」
「…その無言は、縛られていたからというわけではなさそうだな。私への挑発としては、中々に上出来だった」
かつて勇者であったころ。
それを思い出すたびに、オディオは憎しみを再燃させる。
挑発は結果的に、オディオの強化に他ならなかった。
「………………」
最早、半身が見えず残った部分も光子となって散っている。
キャスターはその散り際に何を思うのか。
「さらばだ、忌まわしき蛮勇の剣士。貴様の絶望も、貴様の憎しみも―――私が共に壊しておいてやろう」
オディオの剣は振り下ろされて。
キャスターの残滓はこの世界から形を消した。
≪ここまで≫
919:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 17:06:34.18:6IL5IAYxo (1/1)
かっけー
かっけー
920:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 17:16:47.98:WiHXRblIo (1/1)
かっこいい、がしかしロトは本当に哀れだな……
綺麗な桜に呼ばれてたりしたらもっと活躍できただろうか
かっこいい、がしかしロトは本当に哀れだな……
綺麗な桜に呼ばれてたりしたらもっと活躍できただろうか
921: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/12(日) 17:26:52.83:AGgOqcUu0 (5/5)
ロトはイリヤがマスターだと一番輝いたと思う
桜の鯖は描く側の楽しさ的にダークヒーローかラスボスが安定
ロトはイリヤがマスターだと一番輝いたと思う
桜の鯖は描く側の楽しさ的にダークヒーローかラスボスが安定
922:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 17:31:50.73:b3/bORJn0 (1/1)
ダークヒーロー……クマーのことか
ダークヒーロー……クマーのことか
923:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 17:32:51.05:qtuTX6RJo (1/1)
イリアが連れてるセイバーロトをいつか見てみたいもんだ
乙
イリアが連れてるセイバーロトをいつか見てみたいもんだ
乙
924:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 18:00:15.92:jEPbjQT9o (1/1)
王道を歩んだロトじゃなくて効率プレイや外道プレイみたいな特殊ルート進んだロトだったら読みたいな
王道を歩んだロトじゃなくて効率プレイや外道プレイみたいな特殊ルート進んだロトだったら読みたいな
925:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/12(日) 20:25:47.41:9+YCR1uA0 (1/1)
安定の面白さ。
俺みたいにこのスレ見てから、ライブアライブ知った奴も多いはず。
安定の面白さ。
俺みたいにこのスレ見てから、ライブアライブ知った奴も多いはず。
926:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/13(月) 04:54:32.64:LmFmRAgB0 (1/1)
乙
この2人はアルトリウスとかどう思うだろう
乙
この2人はアルトリウスとかどう思うだろう
927:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/14(火) 08:00:15.71:0Ljirl2DO (1/1)
乱心院さんのスレに出るキャスター達は何故こうも不憫なのか
乱心院さんのスレに出るキャスター達は何故こうも不憫なのか
928: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/14(火) 22:35:31.33:1XDjICUS0 (1/2)
【新都】
葛木宗一郎は、歩きながら思考する。
考えるのは、ここ最近毎日のように夢に見る事柄。
それはアーチャーの記憶でもなければ、自身の過去でもない。
ただ暗い闇の中で、一点の光だけが見える世界。
聞こえる音は、たった一言の問いかけのみ。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
その問いに、答えることはできなかった。
人を殺すため生み出され、役目を終えてもまだ生きている。
現状、葛木の人生に意味は無い。生まれてきた意味を、喪失しているのだから。
枯れた殺人鬼である彼にとって、その夢で見る光は明るすぎた。
目が眩むような閃光とはお世辞にも言えない、蛍のような優しい光。
だからこそ――――葛木の目には眩しく映る。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
分からなかった。
考えた事が無いとは言わない。理由付けができないとも言わない。
しかし、そうやって導き出した答えに、葛木本人が納得できていなかった。
生み出された理由は分かる。 / 【生まれてきた意味は知らない。】
やるべきことは、成し遂げてきた。 / 【やりたいことは、何も無かった。】
残されたのは最低限の社会的地位と、えも言われぬ虚無感のみ。
何のために生まれた? 殺すために生まれた。
何をして生きる? 人を殺して生きる。
今更遅い。その生き方は、もう出来ない。
意味も希望も、自ら捨ててしまったくせに。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
繰り返されるその問いに答えられないのが、何故か無性に嫌だった。
【新都】
葛木宗一郎は、歩きながら思考する。
考えるのは、ここ最近毎日のように夢に見る事柄。
それはアーチャーの記憶でもなければ、自身の過去でもない。
ただ暗い闇の中で、一点の光だけが見える世界。
聞こえる音は、たった一言の問いかけのみ。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
その問いに、答えることはできなかった。
人を殺すため生み出され、役目を終えてもまだ生きている。
現状、葛木の人生に意味は無い。生まれてきた意味を、喪失しているのだから。
枯れた殺人鬼である彼にとって、その夢で見る光は明るすぎた。
目が眩むような閃光とはお世辞にも言えない、蛍のような優しい光。
だからこそ――――葛木の目には眩しく映る。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
分からなかった。
考えた事が無いとは言わない。理由付けができないとも言わない。
しかし、そうやって導き出した答えに、葛木本人が納得できていなかった。
生み出された理由は分かる。 / 【生まれてきた意味は知らない。】
やるべきことは、成し遂げてきた。 / 【やりたいことは、何も無かった。】
残されたのは最低限の社会的地位と、えも言われぬ虚無感のみ。
何のために生まれた? 殺すために生まれた。
何をして生きる? 人を殺して生きる。
今更遅い。その生き方は、もう出来ない。
意味も希望も、自ら捨ててしまったくせに。
『何のために生まれて―――――何をして生きるのか?』
繰り返されるその問いに答えられないのが、何故か無性に嫌だった。
929: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/14(火) 22:36:01.26:1XDjICUS0 (2/2)
「……アーチャー。奴らの反応はあったか?」
葛木は傍らの、彼にはあまりにも似合わないサーヴァントに向かって言葉を投げる。
霊体化しているため、目に見えて反応が返ってくることは無い。
返事があったのは、脳内だ。
念話による意思疎通。葛木には方法がわからないため、アーチャーからの一方的なアクセス。
(全然みつかりません。ひょっとしたら、深山町のほうかもしれませんね)
遠坂凛、衛宮士郎らと離れて単独行動を開始してからもう直ぐ丸一日が経過する。
深山町を探索するついでに、情報を共有しておこうと葛木は考えた。
「では、深山町に向かうぞ。柳洞寺に戻る用事もある」
葛木が選択を誤ったのはここだ。
勿論、彼はそのことに気づかない。
間桐桜と彼女が引き連れるサーヴァント二騎が柳洞寺を拠点にしていることなど、この時点では知る由もない。
ましてや、間桐桜が現在どのような状況にあるかなど、推し量れという方が酷だろう。
何せ、葛木宗一郎は人間である。
魔術師でもなければ、勇者でもない。
ただ少し人の殺し方を知っているというだけの、大多数のその一人。
「………」
故に、魔王と対峙した後に廻って来る末路など、碌なものにはなりはしない。
傍らに立つヒーローの威光を持ってしても、二人の魔王は荷が重いだろう。
だからこれは、消化試合の意味合いが強い。
しかし――――――――――――
「………何のために生まれて……何をして生きるのか…」
勝ち目がないのは、答えを得ていない現状の葛木宗一郎に限るという注釈が必須であることは、言うまでも無い。
人が確かな答えを得たとき、世界は勇気を力に変える。
≪ここまで≫
「……アーチャー。奴らの反応はあったか?」
葛木は傍らの、彼にはあまりにも似合わないサーヴァントに向かって言葉を投げる。
霊体化しているため、目に見えて反応が返ってくることは無い。
返事があったのは、脳内だ。
念話による意思疎通。葛木には方法がわからないため、アーチャーからの一方的なアクセス。
(全然みつかりません。ひょっとしたら、深山町のほうかもしれませんね)
遠坂凛、衛宮士郎らと離れて単独行動を開始してからもう直ぐ丸一日が経過する。
深山町を探索するついでに、情報を共有しておこうと葛木は考えた。
「では、深山町に向かうぞ。柳洞寺に戻る用事もある」
葛木が選択を誤ったのはここだ。
勿論、彼はそのことに気づかない。
間桐桜と彼女が引き連れるサーヴァント二騎が柳洞寺を拠点にしていることなど、この時点では知る由もない。
ましてや、間桐桜が現在どのような状況にあるかなど、推し量れという方が酷だろう。
何せ、葛木宗一郎は人間である。
魔術師でもなければ、勇者でもない。
ただ少し人の殺し方を知っているというだけの、大多数のその一人。
「………」
故に、魔王と対峙した後に廻って来る末路など、碌なものにはなりはしない。
傍らに立つヒーローの威光を持ってしても、二人の魔王は荷が重いだろう。
だからこれは、消化試合の意味合いが強い。
しかし――――――――――――
「………何のために生まれて……何をして生きるのか…」
勝ち目がないのは、答えを得ていない現状の葛木宗一郎に限るという注釈が必須であることは、言うまでも無い。
人が確かな答えを得たとき、世界は勇気を力に変える。
≪ここまで≫
930:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/14(火) 23:44:38.89:LMI3XOxDO (1/1)
乙
葛木先生に問いかけると重くなるな
乙
葛木先生に問いかけると重くなるな
931:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 00:07:49.41:bPtejMHFo (1/1)
最低限の社会的地位
最低限の社会的地位
932: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/15(水) 00:22:05.05:P1JYtF/d0 (1/2)
必要最低限って入力したつもりだったんだよ……
必要最低限って入力したつもりだったんだよ……
933:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 00:35:25.20:zZqlvYS1o (1/1)
意味変わらなくね?
学校の先生なんて風聞のいいまともな地位だと思うってこと
意味変わらなくね?
学校の先生なんて風聞のいいまともな地位だと思うってこと
934: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/15(水) 00:48:08.35:P1JYtF/d0 (2/2)
俺もそう思うよ
ただ、葛木先生もそう思ってるかと訊かれたら微妙かと
俺もそう思うよ
ただ、葛木先生もそう思ってるかと訊かれたら微妙かと
935:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 00:52:35.24:E/ohO+6o0 (1/1)
出たよ、作品内の文章を作者の意見だと思っちゃう奴
お前もういちいち突っ掛かるのやめろよ
出たよ、作品内の文章を作者の意見だと思っちゃう奴
お前もういちいち突っ掛かるのやめろよ
936:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 00:56:19.42:qGQEFrMeo (1/1)
>お前もういちいち突っ掛かるのやめろよ
>いちいち突っ掛かるのやめろよ
>突っ掛かるのやめろよ
突っ掛かるのやめろよ……
>お前もういちいち突っ掛かるのやめろよ
>いちいち突っ掛かるのやめろよ
>突っ掛かるのやめろよ
突っ掛かるのやめろよ……
937:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 01:09:46.70:V7mWX2K30 (1/1)
まぁ自己解釈(笑)を押し付けてくるダグバTUEEEEさんよかマシでしょ
まぁ自己解釈(笑)を押し付けてくるダグバTUEEEEさんよかマシでしょ
938:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/15(水) 03:15:46.98:AB4W5rLJ0 (1/1)
分からないなんて、そんなのは嫌だ
分からないなんて、そんなのは嫌だ
939: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/18(土) 12:32:45.08:+uw7EDHO0 (1/2)
【柳洞寺】
「魔術回路を失わなかったのは僥倖だな」
わたしは一仕事を終えて柳洞寺に帰還した。
間桐臓硯と間桐慎二が居なくなった今、間桐邸を拠点とすることも出来る。
しかし、わたしはそれを選択しない。
あの場所は、嫌いだ。
「どうやら、魔術回路はわたしの一部ということらしいですね。オディオの現界を維持することができて良かったです」
間桐臓硯を打倒する際に、わたしはわたしの身体を侵食した。
あらゆる魔を消滅させるその『魔法』を持ってして、間桐臓硯を抹消した。
それと同時に自身の魔術回路が消滅することも覚悟していたが、そうはならなかったようだ。
「ただまあ、魔術は使えませんけどね。あれは刻印蟲と一体化した魔術回路だからできたこと。いまでは質が変わっちゃいましたから」
刻印蟲と一体だった魔術回路が、もとに戻った。
完全に元通りとまでは流石に言えないが、見られるものにはなっている。
つまり、わたしの身体からは間桐の要素が消え去ったということ。
『調整』の結果として変化していた髪色も、いまは黒色だ。
「わたしに残されたのは使えない魔術回路と、影の魔法だけ。これでも十分、魔術師に取っては最悪でしょう」
「幻想の破壊。理想の否定。空想の殺戮。幻想、理想、空想を追い求める魔術師にとってみれば、認めたくもない存在だろう」
「地に足着けて歩くことに怯えてるだけでしょう? 現実を見れない人たちは、わたしが地面に引きずりおろします」
「貴様が言う目的も、十分に理想ではあるがな」
【柳洞寺】
「魔術回路を失わなかったのは僥倖だな」
わたしは一仕事を終えて柳洞寺に帰還した。
間桐臓硯と間桐慎二が居なくなった今、間桐邸を拠点とすることも出来る。
しかし、わたしはそれを選択しない。
あの場所は、嫌いだ。
「どうやら、魔術回路はわたしの一部ということらしいですね。オディオの現界を維持することができて良かったです」
間桐臓硯を打倒する際に、わたしはわたしの身体を侵食した。
あらゆる魔を消滅させるその『魔法』を持ってして、間桐臓硯を抹消した。
それと同時に自身の魔術回路が消滅することも覚悟していたが、そうはならなかったようだ。
「ただまあ、魔術は使えませんけどね。あれは刻印蟲と一体化した魔術回路だからできたこと。いまでは質が変わっちゃいましたから」
刻印蟲と一体だった魔術回路が、もとに戻った。
完全に元通りとまでは流石に言えないが、見られるものにはなっている。
つまり、わたしの身体からは間桐の要素が消え去ったということ。
『調整』の結果として変化していた髪色も、いまは黒色だ。
「わたしに残されたのは使えない魔術回路と、影の魔法だけ。これでも十分、魔術師に取っては最悪でしょう」
「幻想の破壊。理想の否定。空想の殺戮。幻想、理想、空想を追い求める魔術師にとってみれば、認めたくもない存在だろう」
「地に足着けて歩くことに怯えてるだけでしょう? 現実を見れない人たちは、わたしが地面に引きずりおろします」
「貴様が言う目的も、十分に理想ではあるがな」
940: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/18(土) 12:33:11.83:+uw7EDHO0 (2/2)
「しかしサクラ、分かっているか? その理想、只為すだけでは憎しみの連鎖を生むだけだ」
オディオの言はもっともだ。
流石は、憎しみすらも憎む魔王。
彼の根本は、憎まれることを憎しみ、憎む己さえも憎む矛盾にある。
故に彼は憎しみを嫌悪する。誰よりも強い憎しみを振りかざしながら。
「ええ、ですから……そのあとはお任せします、オディオ」
オディオ―――――オルステッドにとっての救済とは、憎しみからの解放。
それは憎しみの権化たる彼には、決して訪れないもの。
それは憎しみの化身たる人間では、かくも得難きもの。
唯一救いがあるとするなら―――――
「殺すか。憎しみを抱く、その前に」
「ええ。人間は何を為したって憎しみを生むんですから、そうする他にありません」
たとえば、先輩を憎んでいた兄さんのように。
たとえば、わたしが憎んでいるお父様のように。
他人のためにことを為しても、他方からは憎まれる。
切り捨てることでしか、人は人を救えない。この世に正義は存在しない。
「どちらかを切り捨てて、どちらかを救うなんて不公平ですよね」
「その通りだ。救うという行為ほど、憎しみを生むものは無い」
「だからどちらも切り捨てる。どちらも殺せば、恨みっこなしです」
「そうして何もなくなった世界には、憎しみさえも存在しない。嗚呼、何と素晴らしきことか」
極論だという事も、暴論だということも分かっている。
だけどこれしか、救いが無い。
「だったらわたしは魔王でいい。世界を救いましょう、オディオ」
「だから私は魔王なのだ。世界を殺すぞ、サクラ」
≪ここまで≫
「しかしサクラ、分かっているか? その理想、只為すだけでは憎しみの連鎖を生むだけだ」
オディオの言はもっともだ。
流石は、憎しみすらも憎む魔王。
彼の根本は、憎まれることを憎しみ、憎む己さえも憎む矛盾にある。
故に彼は憎しみを嫌悪する。誰よりも強い憎しみを振りかざしながら。
「ええ、ですから……そのあとはお任せします、オディオ」
オディオ―――――オルステッドにとっての救済とは、憎しみからの解放。
それは憎しみの権化たる彼には、決して訪れないもの。
それは憎しみの化身たる人間では、かくも得難きもの。
唯一救いがあるとするなら―――――
「殺すか。憎しみを抱く、その前に」
「ええ。人間は何を為したって憎しみを生むんですから、そうする他にありません」
たとえば、先輩を憎んでいた兄さんのように。
たとえば、わたしが憎んでいるお父様のように。
他人のためにことを為しても、他方からは憎まれる。
切り捨てることでしか、人は人を救えない。この世に正義は存在しない。
「どちらかを切り捨てて、どちらかを救うなんて不公平ですよね」
「その通りだ。救うという行為ほど、憎しみを生むものは無い」
「だからどちらも切り捨てる。どちらも殺せば、恨みっこなしです」
「そうして何もなくなった世界には、憎しみさえも存在しない。嗚呼、何と素晴らしきことか」
極論だという事も、暴論だということも分かっている。
だけどこれしか、救いが無い。
「だったらわたしは魔王でいい。世界を救いましょう、オディオ」
「だから私は魔王なのだ。世界を殺すぞ、サクラ」
≪ここまで≫
941:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/18(土) 12:49:04.59:c2wj3OEu0 (1/1)
なんというラスボス...
これはキアラにも匹敵するかもしれん
なんというラスボス...
これはキアラにも匹敵するかもしれん
942:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/19(日) 15:10:39.51:JEYlyVbAO (1/1)
聖杯の泥ならアンパンマンにも効きそうだな
聖杯の泥ならアンパンマンにも効きそうだな
943:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/19(日) 19:24:02.76:eCq7GTgAO (1/1)
スレ序盤:ダグバはやばい
スレ現在:魔王桜ヤバすぎる
この圧倒的な絶望感、流石は原作ラスボスと言うべきか……
スレ序盤:ダグバはやばい
スレ現在:魔王桜ヤバすぎる
この圧倒的な絶望感、流石は原作ラスボスと言うべきか……
944:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/19(日) 20:36:42.27:IrrBbdWfo (1/1)
間桐の魔術が使えないだけで魔術自体は使えるんじゃないの?
桜の魔術回路でどんな魔術が使えるのかはわからんが
間桐の魔術が使えないだけで魔術自体は使えるんじゃないの?
桜の魔術回路でどんな魔術が使えるのかはわからんが
945:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 10:08:11.70:96UX4Nbc0 (1/1)
原作でも桜は魔術習ってないから影以外は使えないはず
原作でも桜は魔術習ってないから影以外は使えないはず
946:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 10:11:09.99:LE0QrjUFo (1/1)
原作でちゃんさんとの決戦時に呪文詠唱してたから一応魔術使えると思う
原作でちゃんさんとの決戦時に呪文詠唱してたから一応魔術使えると思う
947:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 21:36:59.36:CNOvMnll0 (1/1)
ダグバが弱い訳じゃない
桜との相性が致命的に悪かっただけで、サーヴァントだけが相手なら充分勝ち目はあったと思う
ダグバが弱い訳じゃない
桜との相性が致命的に悪かっただけで、サーヴァントだけが相手なら充分勝ち目はあったと思う
948:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:13:25.20:yFIRX5DAO (1/1)
>>947
ぶっちゃけ今の桜と相性のいい鯖は居ないだろ
>>947
ぶっちゃけ今の桜と相性のいい鯖は居ないだろ
949:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:30:10.96:rM3umzCJo (1/3)
>>942
というか泥はアンパンマンに有効な攻撃の1つだよな確か
なんかの映画で泥でアンパンマン固められてた気がする
>>942
というか泥はアンパンマンに有効な攻撃の1つだよな確か
なんかの映画で泥でアンパンマン固められてた気がする
950:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:30:53.35:rM3umzCJo (2/3)
>>942
というか泥はアンパンマンに有効な攻撃の1つだよな確か
なんかの映画で泥でアンパンマン固められてた気がする
>>942
というか泥はアンパンマンに有効な攻撃の1つだよな確か
なんかの映画で泥でアンパンマン固められてた気がする
951:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:31:19.50:rM3umzCJo (3/3)
スレ終盤なのに連投済まない・・・
スレ終盤なのに連投済まない・・・
952:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:44:44.98:SyRqKoYSo (1/1)
物理的な泥じゃなくて魔術的な空間の侵食みたいなもんじゃないのか
原作で中から黒セイバー出てきたりしたよな?
泥の中で凛を桜と同じ目に合わせたら泣いて謝ってるとか言ってたような
物理的な泥じゃなくて魔術的な空間の侵食みたいなもんじゃないのか
原作で中から黒セイバー出てきたりしたよな?
泥の中で凛を桜と同じ目に合わせたら泣いて謝ってるとか言ってたような
953:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:53:51.86:hQP3F9glo (1/1)
そうか、この桜ってダグバ喰らったからダグバ出せるんだな
勝てる未来が見えぬ・・・
そうか、この桜ってダグバ喰らったからダグバ出せるんだな
勝てる未来が見えぬ・・・
954:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:56:42.84:VPnsjHf5o (1/1)
>>953
原作で食われたギルが出てこなかったからダグバも出てこないんじゃないかな
本人の属性とか何かしら条件があるだけかもしれんけど
>>953
原作で食われたギルが出てこなかったからダグバも出てこないんじゃないかな
本人の属性とか何かしら条件があるだけかもしれんけど
955:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/20(月) 22:57:37.06:KHi+5StTo (1/1)
我様よろしく扱い切れなくて消化されてもおかしくないよな
我様よろしく扱い切れなくて消化されてもおかしくないよな
956: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/21(火) 00:31:01.05:qU/VB0b/0 (1/2)
「では、私は行くぞ。もし何かあったら令呪で呼ぶか、もしくは…気に入らないが、セイバーにでも頼れ」
「はい。お気をつけて」
そう言い残して、オディオは霊体化した。
わたしが付いていかない方がいい用事というのも、オディオにはある。
単独行動スキルはEXランクで所有しているので、任せてしまっても問題ないだろう。
オディオが居なくなってから数分、わたしは少しだけ間桐のことを考えていた。
兄さん―――間桐慎二は、最低の人格だった。
自分を客観視する、ということは徹底してしない。自己肯定と自己欺瞞の塊。
おじさん―――間桐雁夜は、愚か者だった。
勇気と無謀を一緒くたにして考えていた。その上で、何も出来ない役立たず。
「……でもまあ…今思うと、そこそこ見どころはあったんですよね」
あくまで、魔王としての意見だ。
間桐桜個人としては、間桐家の人間には基本的に嫌悪しかない。
だけど、その二人とも―――――憎しみの純度は高かったと思う。
「許せないのは、間桐臓硯」
あの怪物だけは違った。
憎むものではなく、憎しみを生むもの。
オディオにもっとも近く、オディオが最も嫌う憎しみの形。
「…桜殿。殺めた魂を重ねて呪うのも程々に致せ」
「あれ? セイバーさん?」
わざわざ実体化して話しかけてきた、という事は…
「なにかありましたか?」
「サーヴァントの気配でござる。この柳洞寺に向かっているようでござるな」
「では、私は行くぞ。もし何かあったら令呪で呼ぶか、もしくは…気に入らないが、セイバーにでも頼れ」
「はい。お気をつけて」
そう言い残して、オディオは霊体化した。
わたしが付いていかない方がいい用事というのも、オディオにはある。
単独行動スキルはEXランクで所有しているので、任せてしまっても問題ないだろう。
オディオが居なくなってから数分、わたしは少しだけ間桐のことを考えていた。
兄さん―――間桐慎二は、最低の人格だった。
自分を客観視する、ということは徹底してしない。自己肯定と自己欺瞞の塊。
おじさん―――間桐雁夜は、愚か者だった。
勇気と無謀を一緒くたにして考えていた。その上で、何も出来ない役立たず。
「……でもまあ…今思うと、そこそこ見どころはあったんですよね」
あくまで、魔王としての意見だ。
間桐桜個人としては、間桐家の人間には基本的に嫌悪しかない。
だけど、その二人とも―――――憎しみの純度は高かったと思う。
「許せないのは、間桐臓硯」
あの怪物だけは違った。
憎むものではなく、憎しみを生むもの。
オディオにもっとも近く、オディオが最も嫌う憎しみの形。
「…桜殿。殺めた魂を重ねて呪うのも程々に致せ」
「あれ? セイバーさん?」
わざわざ実体化して話しかけてきた、という事は…
「なにかありましたか?」
「サーヴァントの気配でござる。この柳洞寺に向かっているようでござるな」
957: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/21(火) 00:31:40.93:qU/VB0b/0 (2/2)
【衛宮邸】
遠坂とイリヤは、一旦家に帰した。
イリヤにも、いろいろと考えることがあるのだろう。
俺は大見得を切ったのだから、それに見合うだけの覚悟と実力が必要だ。
「アサシン。ちょっと付き合ってくれるか?」
「修行か? ああ、いいぜ。男だもんな、そりゃ強くなりたいよな」
「そういうわけじゃないんだけどな」
だが、身の回りの誰かを守れるくらいの力は、身に着けて起きたい。
子供のころから強化の魔術は修練してきたし、肉体も鍛えてきた。
最近では、アサシンから教わった投影も、精度はあまり高くないとはいえ出来るようになった。
魔術師として。正義の味方として。
衛宮切嗣の後を継ぐものとして。
胸を張れるように。
「先ずは投影するところから始めないとな。シロウ、そこが時間かかるんだよなぁ」
「まだ慣れてないんだよ、ちょっとくらいは我慢してくれ」
自宅の門に手を掛けて、中へと入る。
道場の方へ足を運ぼうとして―――――――悪寒が走った。
そこにいたのは、月のように輝く騎士。
「随分と待たせてくれるな。魔王の因子は十分育ったか?」
≪ここまで≫
【衛宮邸】
遠坂とイリヤは、一旦家に帰した。
イリヤにも、いろいろと考えることがあるのだろう。
俺は大見得を切ったのだから、それに見合うだけの覚悟と実力が必要だ。
「アサシン。ちょっと付き合ってくれるか?」
「修行か? ああ、いいぜ。男だもんな、そりゃ強くなりたいよな」
「そういうわけじゃないんだけどな」
だが、身の回りの誰かを守れるくらいの力は、身に着けて起きたい。
子供のころから強化の魔術は修練してきたし、肉体も鍛えてきた。
最近では、アサシンから教わった投影も、精度はあまり高くないとはいえ出来るようになった。
魔術師として。正義の味方として。
衛宮切嗣の後を継ぐものとして。
胸を張れるように。
「先ずは投影するところから始めないとな。シロウ、そこが時間かかるんだよなぁ」
「まだ慣れてないんだよ、ちょっとくらいは我慢してくれ」
自宅の門に手を掛けて、中へと入る。
道場の方へ足を運ぼうとして―――――――悪寒が走った。
そこにいたのは、月のように輝く騎士。
「随分と待たせてくれるな。魔王の因子は十分育ったか?」
≪ここまで≫
958:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/21(火) 00:37:58.24:D4uus7M4o (1/1)
魔王が迎えに来た
魔王が迎えに来た
959:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/21(火) 08:01:21.89:dqMWwrlXo (1/1)
ヒロインかな?
ヒロインかな?
960:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/21(火) 16:08:49.26:hlLaifot0 (1/1)
乙
乙
961: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/22(水) 23:07:20.97:Xml1RKtl0 (1/2)
魔王の因子。魔王の因子。魔王の因子。
そして思い出す。
喉を貫かれ、殺された先でみた暗闇の夢。
【覚えておくがいい。―――――誰しもが魔王になりえる事を。『憎しみ』がある限り、 いつの世も。】
背を走っていた悪寒が、別の感情へと形を変える。
それは闇のように暗く、炎のように激しく、氷のように冷徹な――――
「そう、それが憎しみだ。学友を殺した私が憎かろう。憎しみを生む私が憎かろう!」
騎士は吠える。
言葉の中に混じった狂気も、今の俺には知覚出来ない。
眼前の敵は、それほどまでに危険で、それほどまでに憎い相手だ。
とても冷静でなど居られない。今すぐ切り伏せてしまいたい。
喉の渇きを忘れようとするように、俺は復讐を渇望している。
【かたきをうつ。みんなをころしたおまえがにくい―――!】
「良い眼だ!良い気迫だ!お前は君臨する側では無いな! それは王ならぬ、反逆者の相か!」
「シロウ! しっかりしろ!なに乗せられてんだ!」
アサシンが俺の肩に手を掛けるが、それで止まるほど衛宮士郎は気丈ではなかった。
最早、自分を憎しみに駆られた戦闘兵器とさえ認識できる。
そして何より怖かったのは、今の自分を客観視している俺がいること。
自分ではない自分を、止めるでも後押しするでもなく見つめている俺の存在。
【こんなことははじめてだ。あまりのにくしみでついにくるってしまったか?】
「そうだ、狂え。正義の味方になると約束したのだろう? その道は、狂わねば到底走破出来ない修羅の道!!」
バーサーカーは雄弁に語る。
正義とは、如何に醜悪かを。
魔王の因子。魔王の因子。魔王の因子。
そして思い出す。
喉を貫かれ、殺された先でみた暗闇の夢。
【覚えておくがいい。―――――誰しもが魔王になりえる事を。『憎しみ』がある限り、 いつの世も。】
背を走っていた悪寒が、別の感情へと形を変える。
それは闇のように暗く、炎のように激しく、氷のように冷徹な――――
「そう、それが憎しみだ。学友を殺した私が憎かろう。憎しみを生む私が憎かろう!」
騎士は吠える。
言葉の中に混じった狂気も、今の俺には知覚出来ない。
眼前の敵は、それほどまでに危険で、それほどまでに憎い相手だ。
とても冷静でなど居られない。今すぐ切り伏せてしまいたい。
喉の渇きを忘れようとするように、俺は復讐を渇望している。
【かたきをうつ。みんなをころしたおまえがにくい―――!】
「良い眼だ!良い気迫だ!お前は君臨する側では無いな! それは王ならぬ、反逆者の相か!」
「シロウ! しっかりしろ!なに乗せられてんだ!」
アサシンが俺の肩に手を掛けるが、それで止まるほど衛宮士郎は気丈ではなかった。
最早、自分を憎しみに駆られた戦闘兵器とさえ認識できる。
そして何より怖かったのは、今の自分を客観視している俺がいること。
自分ではない自分を、止めるでも後押しするでもなく見つめている俺の存在。
【こんなことははじめてだ。あまりのにくしみでついにくるってしまったか?】
「そうだ、狂え。正義の味方になると約束したのだろう? その道は、狂わねば到底走破出来ない修羅の道!!」
バーサーカーは雄弁に語る。
正義とは、如何に醜悪かを。
962: ◆0R0TlgdXHc:2014/01/22(水) 23:07:48.96:Xml1RKtl0 (2/2)
「そもそも貴様は何を持って正義とする? 世界を救う事か? 個人を救う事か?」
正義の定義とは、一体何か。
悪を倒すこと? 信念を貫くこと? 人を殺さないこと? 誰かの役に立つこと?
では、悪とは何だ? 信念とは何だ? 人間とは? 誰かとは?
曖昧なものにそれらしい解説を付けて取り繕った空想の剣。
正義とは悪と同様、不安定な不条理に他ならない。
「愚かな。何か救うことは、最上の悪事だ。救われなかった者は憎しみを抱き、その憎しみは救われた者と救った者に向けられる」
地獄へ続く螺旋階段。悪意塗れの永久機関。
先に待つのは闘争、反逆、謀殺、復讐。
憎み憎まれ、殺し合う。
剣は殺しの道具故、正義の剣など有りはしない。
「私は敗北が悪だと言った。だが、正義が勝つとは言っていないだろう?」
負ければ賊軍、これは揺るぎなき真実であり、否定しようのない確定事項。
だが、勝つことで正義を名乗れるほど、神様は人間にやさしくない。
「その実例が私だ。私は生涯を栄光の勝利で飾ってきた。親友と剣を競い合い、敵を討つべく野を進み、あらゆる戦に勝ってきた」
その経歴に、一切の汚点は無かった。
『オルステッド』という名の勇者は、今もこの世界に語り継がれる大英霊。
オルステッドに関する伝承は、全てそこで潰えている。
英雄のその先など、今やどこにも語り継がれていない。
「しかし私は正義足りえなかった! 栄光の最果ては、憎しみに塗れた復讐劇! 私は世界に絶望し、憎しみを憎む魔王となった!」
語り継がれていないのは、語り継ぐ余人が居なかったから。
英雄は人知れず、世界を滅ぼす魔王となった。
≪ここまで≫
「そもそも貴様は何を持って正義とする? 世界を救う事か? 個人を救う事か?」
正義の定義とは、一体何か。
悪を倒すこと? 信念を貫くこと? 人を殺さないこと? 誰かの役に立つこと?
では、悪とは何だ? 信念とは何だ? 人間とは? 誰かとは?
曖昧なものにそれらしい解説を付けて取り繕った空想の剣。
正義とは悪と同様、不安定な不条理に他ならない。
「愚かな。何か救うことは、最上の悪事だ。救われなかった者は憎しみを抱き、その憎しみは救われた者と救った者に向けられる」
地獄へ続く螺旋階段。悪意塗れの永久機関。
先に待つのは闘争、反逆、謀殺、復讐。
憎み憎まれ、殺し合う。
剣は殺しの道具故、正義の剣など有りはしない。
「私は敗北が悪だと言った。だが、正義が勝つとは言っていないだろう?」
負ければ賊軍、これは揺るぎなき真実であり、否定しようのない確定事項。
だが、勝つことで正義を名乗れるほど、神様は人間にやさしくない。
「その実例が私だ。私は生涯を栄光の勝利で飾ってきた。親友と剣を競い合い、敵を討つべく野を進み、あらゆる戦に勝ってきた」
その経歴に、一切の汚点は無かった。
『オルステッド』という名の勇者は、今もこの世界に語り継がれる大英霊。
オルステッドに関する伝承は、全てそこで潰えている。
英雄のその先など、今やどこにも語り継がれていない。
「しかし私は正義足りえなかった! 栄光の最果ては、憎しみに塗れた復讐劇! 私は世界に絶望し、憎しみを憎む魔王となった!」
語り継がれていないのは、語り継ぐ余人が居なかったから。
英雄は人知れず、世界を滅ぼす魔王となった。
≪ここまで≫
963:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/22(水) 23:09:08.14:yPKBKmcYo (1/1)
乙
乙
964:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/22(水) 23:11:25.31:dV7/+6g0o (1/1)
乙
乙
965:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/23(木) 00:29:46.15:sc4LYWsm0 (1/1)
アヴェンジャー化かな?
アヴェンジャー化かな?
966: ◆ve5nNlnneY:2014/01/23(木) 01:43:23.13:g0EYrvkB0 (1/1)
≪また安心スレで酉をさらしてしもうた……何度もすまん、新酉です≫
≪また安心スレで酉をさらしてしもうた……何度もすまん、新酉です≫
967: ◆ve5nNlnneY:2014/01/25(土) 00:18:50.72:Y5qRiFQw0 (1/4)
衛宮士郎は、その手に剣を投影する。
形作るのは扱いやすさに重きを置いた両手剣。
憎き魔王と、同じ得物。
「シロウ!? まさか戦うつもりかよ!」
「当たり前だ!こいつは人間を殺した!とてもじゃないが、見逃せない!」
錬成した剣を地面と水平の中段に構えて、衛宮士郎はオディオへと向かう。
対するオディオも、静かに剣を抜いていた。
「力量差も測れないか。いい傾向だな、後は邪魔な『呪い』を拭い去るだけ…」
鋼と鋼が接触し、小さく火花を散らす。
水平に振りぬかれた模造の剣と、それを遮る正規の剣。
月下の剣戟は、悲鳴の如く甲高い異音と、生命の如く儚い輝きで彩られていた。
衛宮士郎は冷徹に刃を剥き、オディオは冷静にそれを捌く。
「悪を切ることに迷いは無いか。まさに偽善だな」
「そんな言葉で、俺が止まると思ったか!」
「まさか。 偽善は、大いに結構。真なる善ほど虫唾の走るものは無い」
争い無くして叶う願いはこの世に無い。
真なる善とは、争い自体を否定すること。
ならば、それほど偽りに満ちた信念も無いだろう。
偽善か否か以前に、善とはそもそも虚構である。
「誇れ!その偽善は尊い!悪を討とうとするその信念に敬意を表そう!」
オディオは笑う。
彼の宝具は、全てを悪性へ転化する。
尊い信念が反転したとき、この偽善者はどうなるのか。
その様は、一つの希望が潰える瞬間。
魔王の身として、これが楽しくないはずがない。
衛宮士郎は、その手に剣を投影する。
形作るのは扱いやすさに重きを置いた両手剣。
憎き魔王と、同じ得物。
「シロウ!? まさか戦うつもりかよ!」
「当たり前だ!こいつは人間を殺した!とてもじゃないが、見逃せない!」
錬成した剣を地面と水平の中段に構えて、衛宮士郎はオディオへと向かう。
対するオディオも、静かに剣を抜いていた。
「力量差も測れないか。いい傾向だな、後は邪魔な『呪い』を拭い去るだけ…」
鋼と鋼が接触し、小さく火花を散らす。
水平に振りぬかれた模造の剣と、それを遮る正規の剣。
月下の剣戟は、悲鳴の如く甲高い異音と、生命の如く儚い輝きで彩られていた。
衛宮士郎は冷徹に刃を剥き、オディオは冷静にそれを捌く。
「悪を切ることに迷いは無いか。まさに偽善だな」
「そんな言葉で、俺が止まると思ったか!」
「まさか。 偽善は、大いに結構。真なる善ほど虫唾の走るものは無い」
争い無くして叶う願いはこの世に無い。
真なる善とは、争い自体を否定すること。
ならば、それほど偽りに満ちた信念も無いだろう。
偽善か否か以前に、善とはそもそも虚構である。
「誇れ!その偽善は尊い!悪を討とうとするその信念に敬意を表そう!」
オディオは笑う。
彼の宝具は、全てを悪性へ転化する。
尊い信念が反転したとき、この偽善者はどうなるのか。
その様は、一つの希望が潰える瞬間。
魔王の身として、これが楽しくないはずがない。
968: ◆ve5nNlnneY:2014/01/25(土) 00:19:25.35:Y5qRiFQw0 (2/4)
アサシンは焦っていた。
止めに入ろうにも、両者の戦いには立ち入る隙が無い。
バーサーカーは、只でさえ強力なサーヴァント。
加えて、その剣技に何故か追従している衛宮士郎。
繰り広げる打ち合いは、生前にも数えるほどしか見られなかった領域だった。
「シロウの投影は普通じゃない……それって、つまりこういう事か…?」
剣を投影する。
それと同時に――――――その剣に纏わる全てを投影する。
刀匠の意思を。刀剣の歴史を。啜った血潮を。振るった猛威を。担い手の技巧を。
自身と投影物とで完全に模倣し、この現世に再現する。
まさに、剣だ。剣に特化した投影魔術。
その魔術を扱う衛宮士郎は、一振りの剣。―――彼の身体は―――――
「――――――『体は剣で出来ている。』―――」
何かがおかしい、そうアサシンは思った。
新しい呪文? それはいい。成長の証に他なるまい。
ただ――――その詠唱は、何かが違うと。
「――――『血潮は鉄で――心は硝子。』―――『幾たびの戦場を越えて不敗。』――」
何かに突き動かされるように。何かを渇望するように急成長する彼の魔術。
それが、取り返しの付かない過ちであるように思えてならない。
「――――『ただの一度も敗走はなく、――――ただの一度も――――』」
『理解されない。』と、衛宮士郎は言葉を紡ぐ。
剣戟の中にあっても、その声は酷く冷徹に響き渡る。
『理解されない』?
違う。そうではない。――――――その詠唱は間違っている。
「違う!正気に戻れシロウ!お前の正義はそうじゃない!!」
≪ここまで≫
アサシンは焦っていた。
止めに入ろうにも、両者の戦いには立ち入る隙が無い。
バーサーカーは、只でさえ強力なサーヴァント。
加えて、その剣技に何故か追従している衛宮士郎。
繰り広げる打ち合いは、生前にも数えるほどしか見られなかった領域だった。
「シロウの投影は普通じゃない……それって、つまりこういう事か…?」
剣を投影する。
それと同時に――――――その剣に纏わる全てを投影する。
刀匠の意思を。刀剣の歴史を。啜った血潮を。振るった猛威を。担い手の技巧を。
自身と投影物とで完全に模倣し、この現世に再現する。
まさに、剣だ。剣に特化した投影魔術。
その魔術を扱う衛宮士郎は、一振りの剣。―――彼の身体は―――――
「――――――『体は剣で出来ている。』―――」
何かがおかしい、そうアサシンは思った。
新しい呪文? それはいい。成長の証に他なるまい。
ただ――――その詠唱は、何かが違うと。
「――――『血潮は鉄で――心は硝子。』―――『幾たびの戦場を越えて不敗。』――」
何かに突き動かされるように。何かを渇望するように急成長する彼の魔術。
それが、取り返しの付かない過ちであるように思えてならない。
「――――『ただの一度も敗走はなく、――――ただの一度も――――』」
『理解されない。』と、衛宮士郎は言葉を紡ぐ。
剣戟の中にあっても、その声は酷く冷徹に響き渡る。
『理解されない』?
違う。そうではない。――――――その詠唱は間違っている。
「違う!正気に戻れシロウ!お前の正義はそうじゃない!!」
≪ここまで≫
969:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 00:21:59.75:4XQOGmcio (1/1)
乙
乙
970:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 00:26:57.64:bg+Ki6DAO (1/1)
乙
士郎がアーチャーになりかけてる………
乙
士郎がアーチャーになりかけてる………
971:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 01:05:53.95:dCjX3FwBo (1/1)
乙
バッツさんがキャスターかセイバーだったら余裕で止められるんだろうにな
乙
バッツさんがキャスターかセイバーだったら余裕で止められるんだろうにな
972:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 09:29:29.21:fIIcbnjxo (1/1)
あついな
あついな
973: ◆ve5nNlnneY:2014/01/25(土) 16:05:06.73:Y5qRiFQw0 (3/4)
【柳洞寺・山門】
山門から石段を見下ろす、白髪の剣士。
その隣には、全てを終わらせて原点へと回帰した少女。
組み合わせとしては、無くも無いだろう。
少なくとも、セイバー―――錆白兵に文句は無かった。
ある一点を除けば、彼は武士の見本のような人格だ。
己が忠を尽くすべき相手には、全力で仕えるのが流儀。
故に、この関係には微妙な距離感を覚えている。
彼は彼女の正当なサーヴァントでは無く、仕えるに値する者なのかも未だ不明だった。
もしも間桐桜が召喚したサーヴァントがかの魔王オディオではなく、この侍だったら。
また別の関係を築いていたのかも知れないが―――――
「気配が二つ―――片や殺気、片や明気。不釣り合いな組み合わせでござるな」
「それは、サーヴァントとそのマスターで間違いありませんね?」
セイバーは首を縦に振って肯定する。
殺気などまるでないが、しかし歴戦の風格を感じさせる気配――――これは、違いなく英雄のそれだ。
剣を合わせるに不足の無い相手。
もとよりセイバーには『合わせる』剣など無いのだが。
「『薄刀・針』では、鍔迫り合いが出来ぬのが悲しい所。いっそこれを禁じて見るのも面白いかも知れぬな」
「セイバーさんがそうしたいのなら、別に構いませんが……それで勝てないとかは嫌ですよ?」
「承知。主に仕える身として、手抜かりなく切り結ぶ所存でござる」
セイバーはまだ見ぬ英霊に向けて、その薄弱な刀身を抜き放つ。
いつぞやのように剣も抜けないというのは、如何にも恰好が付かないだろう。
【柳洞寺・山門】
山門から石段を見下ろす、白髪の剣士。
その隣には、全てを終わらせて原点へと回帰した少女。
組み合わせとしては、無くも無いだろう。
少なくとも、セイバー―――錆白兵に文句は無かった。
ある一点を除けば、彼は武士の見本のような人格だ。
己が忠を尽くすべき相手には、全力で仕えるのが流儀。
故に、この関係には微妙な距離感を覚えている。
彼は彼女の正当なサーヴァントでは無く、仕えるに値する者なのかも未だ不明だった。
もしも間桐桜が召喚したサーヴァントがかの魔王オディオではなく、この侍だったら。
また別の関係を築いていたのかも知れないが―――――
「気配が二つ―――片や殺気、片や明気。不釣り合いな組み合わせでござるな」
「それは、サーヴァントとそのマスターで間違いありませんね?」
セイバーは首を縦に振って肯定する。
殺気などまるでないが、しかし歴戦の風格を感じさせる気配――――これは、違いなく英雄のそれだ。
剣を合わせるに不足の無い相手。
もとよりセイバーには『合わせる』剣など無いのだが。
「『薄刀・針』では、鍔迫り合いが出来ぬのが悲しい所。いっそこれを禁じて見るのも面白いかも知れぬな」
「セイバーさんがそうしたいのなら、別に構いませんが……それで勝てないとかは嫌ですよ?」
「承知。主に仕える身として、手抜かりなく切り結ぶ所存でござる」
セイバーはまだ見ぬ英霊に向けて、その薄弱な刀身を抜き放つ。
いつぞやのように剣も抜けないというのは、如何にも恰好が付かないだろう。
974: ◆ve5nNlnneY:2014/01/25(土) 16:05:34.84:Y5qRiFQw0 (4/4)
石段の下部、現れたのは桜の知っている人物だった。
「葛木先生………と…あれ、は……?」
葛木宗一郎の隣に立つ、あり得ない生命体に驚愕する。
これが聖杯戦争という特殊なシチュエーションでなければ、疑ったのは自分の頭の方だっただろう。
全体的に丸い。茶色のマントと赤色の衣服。そしてなにより、その顔面。
「……アンパンマン…?」
「それがやつの真名でござるか?……面妖な…化生の類か…」
セイバーにしては珍しく、真実とは正反対の予想だ。
彼はむしろ、化生を打ち倒す側の者。
この現代において、誰もが真っ先に知るヒーロー。
「気を付けてください、セイバー…! 彼の知名度は最高クラス、どんな性能になっているかわかりません…!」
「今の桜殿にそこまで言わしめるとは………」
大抵の英雄は、武勇の先に悲惨な最期が待っている。
救国の王が部下の反乱で生涯を終えるように。
不死の英霊がその弱点を突かれて命を落とすように。
しかし彼は英雄ではなく、ヒーローだ。
そもそもが、神話には類を見ない勧善懲悪。
幾度となく弱点を突かれて、それでもなお、勝利する者。
「頭部以外の無敵性と一撃必殺の宝具があるというのは、まず間違いありません…!」
その予想は、確かに的を得ていたが、それでもまだ足りなった。
アンパンマン。彼の宝具は―――――必中必倒。
≪ここまで≫
石段の下部、現れたのは桜の知っている人物だった。
「葛木先生………と…あれ、は……?」
葛木宗一郎の隣に立つ、あり得ない生命体に驚愕する。
これが聖杯戦争という特殊なシチュエーションでなければ、疑ったのは自分の頭の方だっただろう。
全体的に丸い。茶色のマントと赤色の衣服。そしてなにより、その顔面。
「……アンパンマン…?」
「それがやつの真名でござるか?……面妖な…化生の類か…」
セイバーにしては珍しく、真実とは正反対の予想だ。
彼はむしろ、化生を打ち倒す側の者。
この現代において、誰もが真っ先に知るヒーロー。
「気を付けてください、セイバー…! 彼の知名度は最高クラス、どんな性能になっているかわかりません…!」
「今の桜殿にそこまで言わしめるとは………」
大抵の英雄は、武勇の先に悲惨な最期が待っている。
救国の王が部下の反乱で生涯を終えるように。
不死の英霊がその弱点を突かれて命を落とすように。
しかし彼は英雄ではなく、ヒーローだ。
そもそもが、神話には類を見ない勧善懲悪。
幾度となく弱点を突かれて、それでもなお、勝利する者。
「頭部以外の無敵性と一撃必殺の宝具があるというのは、まず間違いありません…!」
その予想は、確かに的を得ていたが、それでもまだ足りなった。
アンパンマン。彼の宝具は―――――必中必倒。
≪ここまで≫
975:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 16:48:53.73:WLaV2xneo (1/1)
乙
つえーよアンパン
乙
つえーよアンパン
976:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/25(土) 20:01:33.78:ojEJr3xlo (1/1)
宝具も性能もまるわかりで、なお恐ろしい圧倒的ヒーロー「アンパンマン」
本当に謎な取り合わせね
宝具も性能もまるわかりで、なお恐ろしい圧倒的ヒーロー「アンパンマン」
本当に謎な取り合わせね
977:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/26(日) 00:19:15.82:gEpPPT7oo (1/1)
乙です
映画だと大気圏突破からの突入くらいは普通にやってのけるからなあのアンパン
宇宙から燃えながら突っ込んでバーニングアンパンチとか言ってたような記憶がある
乙です
映画だと大気圏突破からの突入くらいは普通にやってのけるからなあのアンパン
宇宙から燃えながら突っ込んでバーニングアンパンチとか言ってたような記憶がある
978:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/26(日) 18:40:14.50:CExP5L930 (1/1)
やっぱアソパソマソやべぇ
やっぱアソパソマソやべぇ
979:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/26(日) 19:10:19.49:VfsRgNoVo (1/1)
無駄に早起きしたから今日アンパンマンを見たが、
なんか水鉄砲マントで防いでたな
あんなこともするのかと驚いた
無駄に早起きしたから今日アンパンマンを見たが、
なんか水鉄砲マントで防いでたな
あんなこともするのかと驚いた
980:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/26(日) 19:53:41.32:JbrZHbwAO (1/1)
>>979
ばいきんまんも不意打ちで水鉄砲当てるまでは上手く行くんだよな
必ず逆転されているだけで
>>979
ばいきんまんも不意打ちで水鉄砲当てるまでは上手く行くんだよな
必ず逆転されているだけで
981:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/27(月) 13:07:08.86:FewR4PY/o (1/1)
能力で言えば穴があるのは分かりきってるんだがそれでも最後は勝つんだろうっていう
日本人の心に刷り込まれた概念は恐ろしいもんがあるな
能力で言えば穴があるのは分かりきってるんだがそれでも最後は勝つんだろうっていう
日本人の心に刷り込まれた概念は恐ろしいもんがあるな
982:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/27(月) 13:23:32.33:/j96kGFu0 (1/1)
グラップラーのサーヴァント カカロット並にヤバいな
グラップラーのサーヴァント カカロット並にヤバいな
983: ◆ve5nNlnneY:2014/01/28(火) 01:02:21.71:Vp76cb9U0 (1/2)
「セイバーさん、アンパンマンの弱点は頭です! 顔が湿ると弱体化する筈ですから!」
「心得た」
桜の指示に対して、セイバーは端的に返答した。
その声に焦りは無い。
相手が強者だと分かっているからこそ、焦ってはいけない。
確実に――――かつ一瞬で、幕を下ろす。
「覚悟――――!」
大上段に薄刀を構えて、空気を切るように振り下ろす。
というのも、アーチャーとセイバーの間には距離があり、段数にして20以上の石段を挟む。
空気を切るように、というより、空気を切るために、というのが正しい。
彼が切り裂いた空間は、彼の刃と成り替わるのだから。
「せんせい! 伏せて!」
アーチャーが葛木の前に回って、その真空波を受け止める。
顔面では無く体で相殺したが、しかし特別頭を庇った様子もない。
「……弱点は真に水だけでござるか」
決めるつもりで行った。
その顔を叩き斬り、それで終いにするつもりだった。
しかし、斬れぬだろうという予感も、なかったわけでは無い。
桜の言う通り、顔を湿らせて弱体化するのが最短の攻略法か。
「面倒な相手でござる。手順を踏まねば打倒できぬとは、未だかつて見ぬ相手でござるな」
セイバーは刀を握り直し、もう一度アーチャーと距離を取った。
門の下へ跳んで戻り、桜の横で構えを取る。
「セイバーさん、アンパンマンの弱点は頭です! 顔が湿ると弱体化する筈ですから!」
「心得た」
桜の指示に対して、セイバーは端的に返答した。
その声に焦りは無い。
相手が強者だと分かっているからこそ、焦ってはいけない。
確実に――――かつ一瞬で、幕を下ろす。
「覚悟――――!」
大上段に薄刀を構えて、空気を切るように振り下ろす。
というのも、アーチャーとセイバーの間には距離があり、段数にして20以上の石段を挟む。
空気を切るように、というより、空気を切るために、というのが正しい。
彼が切り裂いた空間は、彼の刃と成り替わるのだから。
「せんせい! 伏せて!」
アーチャーが葛木の前に回って、その真空波を受け止める。
顔面では無く体で相殺したが、しかし特別頭を庇った様子もない。
「……弱点は真に水だけでござるか」
決めるつもりで行った。
その顔を叩き斬り、それで終いにするつもりだった。
しかし、斬れぬだろうという予感も、なかったわけでは無い。
桜の言う通り、顔を湿らせて弱体化するのが最短の攻略法か。
「面倒な相手でござる。手順を踏まねば打倒できぬとは、未だかつて見ぬ相手でござるな」
セイバーは刀を握り直し、もう一度アーチャーと距離を取った。
門の下へ跳んで戻り、桜の横で構えを取る。
984: ◆ve5nNlnneY:2014/01/28(火) 01:02:47.74:Vp76cb9U0 (2/2)
「桜殿。ここはひとつ、趣向を変えてみてはいかがか」
「趣向を変える?」
「どうやら、拙者ではあの化生を正面から打倒できぬようで」
だから打開策として、趣向を変えるというのだろう。
しかし、一太刀切り結ぶどころか空を斬って逃げ帰ってきただけのセイバーが何を言う。
アンパンマンを打倒できない、というのは納得だが。
しかしたったあれだけで打開策が見つかるというのは、それはそれで異常だ。
「異常、でござるか。それはなんとも、的を射てござる」
「……どういうことですか?」
セイバーは無表情のまま淡々と言葉を続ける。
溜めもなにも無く、平々に『異常な』趣向を告げる。
「ここは、拙者が主の方を。桜殿が従者の相手をするというのはどうでござろうか」
――――言葉が出なかった。
それは、わたしでは発想できない―――まさに『異常』な趣向。
「何を驚く。桜殿の魔法とやらは、我らには一撃必殺でござろう。ならばこれ程効率の良い戦運びはあるまい」
わたしがアンパンマンを打倒する。
打倒できなかろうと、抑えていればいい。
その間に、セイバーが葛木を斬るだろう。
「で、でも―――」
「仮にも魔王たる者が、一体何を怯えているのでござろうか」
魔王だからこそ、怯えるのだろう。相手は勧善懲悪の権化。
果たしてオディオに出来なかった摂理崩しが、わたし如きに出来るだろうか。
≪ここまで≫
「桜殿。ここはひとつ、趣向を変えてみてはいかがか」
「趣向を変える?」
「どうやら、拙者ではあの化生を正面から打倒できぬようで」
だから打開策として、趣向を変えるというのだろう。
しかし、一太刀切り結ぶどころか空を斬って逃げ帰ってきただけのセイバーが何を言う。
アンパンマンを打倒できない、というのは納得だが。
しかしたったあれだけで打開策が見つかるというのは、それはそれで異常だ。
「異常、でござるか。それはなんとも、的を射てござる」
「……どういうことですか?」
セイバーは無表情のまま淡々と言葉を続ける。
溜めもなにも無く、平々に『異常な』趣向を告げる。
「ここは、拙者が主の方を。桜殿が従者の相手をするというのはどうでござろうか」
――――言葉が出なかった。
それは、わたしでは発想できない―――まさに『異常』な趣向。
「何を驚く。桜殿の魔法とやらは、我らには一撃必殺でござろう。ならばこれ程効率の良い戦運びはあるまい」
わたしがアンパンマンを打倒する。
打倒できなかろうと、抑えていればいい。
その間に、セイバーが葛木を斬るだろう。
「で、でも―――」
「仮にも魔王たる者が、一体何を怯えているのでござろうか」
魔王だからこそ、怯えるのだろう。相手は勧善懲悪の権化。
果たしてオディオに出来なかった摂理崩しが、わたし如きに出来るだろうか。
≪ここまで≫
985:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/28(火) 01:12:31.55:YVy+tqLFo (1/1)
魔王対アンパンマン……か
本来のスペック十二分に発揮すると勝ち目がねぇな
魔王対アンパンマン……か
本来のスペック十二分に発揮すると勝ち目がねぇな
986:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/28(火) 03:53:09.29:xDm/kn4b0 (1/1)
おつー
おつー
987: ◆ve5nNlnneY:2014/01/30(木) 23:32:01.98:uO32wSJt0 (1/2)
アーチャーの宝具『正義の拳に勇気を込めて(レジェンド・オブ・アンパンチ)』は、全ての混沌、全ての悪を打ち砕く。
その真名を解放したとき、それは即ち彼が勝利するときだ。
何故なら必中。何故なら必倒。
その一撃は必ず相手を打倒する。その一撃は決して外れることが無い。
効率も、威力も、命中精度も、燃費も―――――その全てが最高の性能。
『正義の拳に勇気を込めて(レジェンド・オブ・アンパンチ)』と、『その身不屈は愛の為(パワー・オブ・ヒーロー)』。
最強の矛と、最強の盾。
しかしそこに矛盾は無い。しかしそれに不思議はない。
彼はヒーロー。勝つべくして勝つ宿命の元に生まれた、生粋の英雄。
「くずき先生、無事ですか?」
「……うむ。問題ない」
難点があるとしたら、彼は宝具を悪人にしか行使しない事か。
その縛りさえなければ、彼は文句なく最強のサーヴァント。
苦戦すること無く他の六騎を降参させるだろう。
「アーチャー。あれには宝具を撃たないのか?」
「うーん、悩みどころです。どちらも、本物の悪い人にはみえません」
魔王とその従者にたいしてそう言えるのも、アーチャーの度量の広さか。
或は、真に討つべき元凶の存在に感づいているのか。
何にせよ、彼はこの戦いで真っ先に宝具を使用することは無かった。
それはつまり、予定調和の決壊を意味する。
アーチャーがその完全性をいまいち発揮出来ていないのは、彼の甘さと勘の良さ故。
しかし甘さを否定しては、彼の存在が成り立たない。
彼はアンパンマン。――――どこまでも甘い、慈愛のヒーローなのだから。
アーチャーの宝具『正義の拳に勇気を込めて(レジェンド・オブ・アンパンチ)』は、全ての混沌、全ての悪を打ち砕く。
その真名を解放したとき、それは即ち彼が勝利するときだ。
何故なら必中。何故なら必倒。
その一撃は必ず相手を打倒する。その一撃は決して外れることが無い。
効率も、威力も、命中精度も、燃費も―――――その全てが最高の性能。
『正義の拳に勇気を込めて(レジェンド・オブ・アンパンチ)』と、『その身不屈は愛の為(パワー・オブ・ヒーロー)』。
最強の矛と、最強の盾。
しかしそこに矛盾は無い。しかしそれに不思議はない。
彼はヒーロー。勝つべくして勝つ宿命の元に生まれた、生粋の英雄。
「くずき先生、無事ですか?」
「……うむ。問題ない」
難点があるとしたら、彼は宝具を悪人にしか行使しない事か。
その縛りさえなければ、彼は文句なく最強のサーヴァント。
苦戦すること無く他の六騎を降参させるだろう。
「アーチャー。あれには宝具を撃たないのか?」
「うーん、悩みどころです。どちらも、本物の悪い人にはみえません」
魔王とその従者にたいしてそう言えるのも、アーチャーの度量の広さか。
或は、真に討つべき元凶の存在に感づいているのか。
何にせよ、彼はこの戦いで真っ先に宝具を使用することは無かった。
それはつまり、予定調和の決壊を意味する。
アーチャーがその完全性をいまいち発揮出来ていないのは、彼の甘さと勘の良さ故。
しかし甘さを否定しては、彼の存在が成り立たない。
彼はアンパンマン。――――どこまでも甘い、慈愛のヒーローなのだから。
988: ◆ve5nNlnneY:2014/01/30(木) 23:32:53.46:uO32wSJt0 (2/2)
≪アーチャーの情報が更新されました≫
◆宝具
『正義の拳に勇気を込めて』 (レジェンド・オブ・アンパンチ)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対悪宝具 レンジ:1~1000 最大捕捉:1人
彼の代名詞にして、文字通り必殺技。
空中で構えを取り、真名解放と共に自ら砲弾となって拳を放つ。
彼がアーチャーたる所以でもある。
この宝具の能力は、『必ず命中する』と『相手を絶対にノックダウンする』の二つ。
招く結果はサーヴァントの消滅では無く、気絶である。
気絶させるのに必要なだけの攻撃力に自動調整して放たれるため、相手を殺すことは無い。
相手がどんなに弱くても気絶までしか暴力が展開されず、逆にどのような耐久力・防御力を誇る相手でも気絶する。
彼が四次アーチャーにこの宝具を使わなかったのは、止めが刺せないから。
気絶から復帰した後に激昂、または暴走する相手とは相性が悪い。
『その身不屈は愛の為』 (パワー・オブ・ヒーロー)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
水に弱いという有名すぎる弱点を逆説的に宝具へと昇華したもの。日本で召喚された場合のみ使用可能。
これは彼を観てきた者たちの願いであり、彼に対する愛の結晶。
対人宝具と銘打っているが、実質的には結界宝具に近い。
『顔が湿る』という特定の動作を除く、全ての攻撃を無効化する。
彼が現界した時点で定められる世界の法則であるため、顔を濡らす以外の攻略法は『星の開拓者』や『原初の一』を除いて皆無。
彼を害為す行為は例外なく全て無効化されるため、令呪による自害にさえ対抗する。
しかしアーチャークラスで現界したため、頭部を交換するための宝具を持ち合わせていない。
故に真価を発揮できない状態。一度濡れたらそれまでであるため、運用には慎重を規す必要がある。
≪ここまで≫
≪アーチャーの情報が更新されました≫
◆宝具
『正義の拳に勇気を込めて』 (レジェンド・オブ・アンパンチ)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対悪宝具 レンジ:1~1000 最大捕捉:1人
彼の代名詞にして、文字通り必殺技。
空中で構えを取り、真名解放と共に自ら砲弾となって拳を放つ。
彼がアーチャーたる所以でもある。
この宝具の能力は、『必ず命中する』と『相手を絶対にノックダウンする』の二つ。
招く結果はサーヴァントの消滅では無く、気絶である。
気絶させるのに必要なだけの攻撃力に自動調整して放たれるため、相手を殺すことは無い。
相手がどんなに弱くても気絶までしか暴力が展開されず、逆にどのような耐久力・防御力を誇る相手でも気絶する。
彼が四次アーチャーにこの宝具を使わなかったのは、止めが刺せないから。
気絶から復帰した後に激昂、または暴走する相手とは相性が悪い。
『その身不屈は愛の為』 (パワー・オブ・ヒーロー)
所有者:アンパンマン ランク:EX
種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
水に弱いという有名すぎる弱点を逆説的に宝具へと昇華したもの。日本で召喚された場合のみ使用可能。
これは彼を観てきた者たちの願いであり、彼に対する愛の結晶。
対人宝具と銘打っているが、実質的には結界宝具に近い。
『顔が湿る』という特定の動作を除く、全ての攻撃を無効化する。
彼が現界した時点で定められる世界の法則であるため、顔を濡らす以外の攻略法は『星の開拓者』や『原初の一』を除いて皆無。
彼を害為す行為は例外なく全て無効化されるため、令呪による自害にさえ対抗する。
しかしアーチャークラスで現界したため、頭部を交換するための宝具を持ち合わせていない。
故に真価を発揮できない状態。一度濡れたらそれまでであるため、運用には慎重を規す必要がある。
≪ここまで≫
989:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/30(木) 23:33:46.06:nUAuNnvao (1/1)
乙 水に濡れない限り無敵って解釈する発想に脱帽
乙 水に濡れない限り無敵って解釈する発想に脱帽
990:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/30(木) 23:37:38.42:LfthGukao (1/1)
なんやこのチート! まぁ神霊の類に近いもんになるか
なんやこのチート! まぁ神霊の類に近いもんになるか
991:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/30(木) 23:39:18.27:0ue4cvnL0 (1/1)
乙
ライダーだったらアンパンマン号でパン焼けたのかな
乙
ライダーだったらアンパンマン号でパン焼けたのかな
992: ◆ve5nNlnneY:2014/01/31(金) 20:01:28.29:x5v0tRyx0 (1/5)
【深山町・歩道】
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、衛宮邸へ向かっていた。
夕方に公園で話をして数分後、彼女はもう一度、彼と話しておきたいと思ったのだろう。
「いいの? 今って夜よ? 戦争の時間じゃない?」
「今日は特別。だって、明日にはどうなってるかわからない体だもの」
彼女は聖杯の器。脱落した英霊の魂は、その小さな体に収められる。
肉体にかかる負荷が一定値を超過すると、彼女は言葉を紡げない。
だから喋れる今のうちに。シロウが喋ってくれるうちに。
「ま、イリヤがいいならいいんだけど。あたしもそのほうが楽でいいわー」
「ランサーは、もうちょっと緊張した方がいいと思うけど。アサシンだっているんだよ?」
一度戦闘になって、互角以上の戦いを魅せた相手だ。
油断は禁物であり、ランサーの気の抜けた発言に突っかかりたくなる気持ちも分かる。
その意見は大抵の場合正しいし、警戒するに越したことはないだろう。
しかし相手があのアサシンで、こちらがこのランサーの場合は例外と言っていい。
「大丈夫大丈夫。あのアサシンなら、こっちがぼーっとしてれば仕掛けてこないわよ」
それはアサシンとしてどうなんだろう、と思うイリヤだったが、しかし否定も出来ない。
無手の拳術家で、三騎士の一角に正々堂々と向かい合ったアサシン。
彼ならば、無駄な争いは避けるだろうし、戦うとなれば正面から相対することを選ぶだろう。
「じゃあ大丈夫ね。 いくよ、ランサー。これでシロウとのお話は最後だから」
最後の対話。そのつもりで、イリヤは衛宮邸に向かう。
次に会ったら敵同士。別れ際に、そう言い残すつもりで。
【深山町・歩道】
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、衛宮邸へ向かっていた。
夕方に公園で話をして数分後、彼女はもう一度、彼と話しておきたいと思ったのだろう。
「いいの? 今って夜よ? 戦争の時間じゃない?」
「今日は特別。だって、明日にはどうなってるかわからない体だもの」
彼女は聖杯の器。脱落した英霊の魂は、その小さな体に収められる。
肉体にかかる負荷が一定値を超過すると、彼女は言葉を紡げない。
だから喋れる今のうちに。シロウが喋ってくれるうちに。
「ま、イリヤがいいならいいんだけど。あたしもそのほうが楽でいいわー」
「ランサーは、もうちょっと緊張した方がいいと思うけど。アサシンだっているんだよ?」
一度戦闘になって、互角以上の戦いを魅せた相手だ。
油断は禁物であり、ランサーの気の抜けた発言に突っかかりたくなる気持ちも分かる。
その意見は大抵の場合正しいし、警戒するに越したことはないだろう。
しかし相手があのアサシンで、こちらがこのランサーの場合は例外と言っていい。
「大丈夫大丈夫。あのアサシンなら、こっちがぼーっとしてれば仕掛けてこないわよ」
それはアサシンとしてどうなんだろう、と思うイリヤだったが、しかし否定も出来ない。
無手の拳術家で、三騎士の一角に正々堂々と向かい合ったアサシン。
彼ならば、無駄な争いは避けるだろうし、戦うとなれば正面から相対することを選ぶだろう。
「じゃあ大丈夫ね。 いくよ、ランサー。これでシロウとのお話は最後だから」
最後の対話。そのつもりで、イリヤは衛宮邸に向かう。
次に会ったら敵同士。別れ際に、そう言い残すつもりで。
993: ◆ve5nNlnneY:2014/01/31(金) 20:01:54.84:x5v0tRyx0 (2/5)
【衛宮邸・庭】
衛宮士郎の詠唱を、アサシンは遮った。
その詠唱は間違っている。その成長は間違っている。
その先にあるものが絶望だと、アサシンは直観していた。だから――
「でええい!!」
「っ―――!」
士郎の頭部を即答で蹴りぬいた。
士郎はオディオとの鍔迫り合いと間違った詠唱に集中していて、感づくことさえ出来ず一撃を受ける。
紛いなりにも、彼はアサシン。無論、一発KOである。
「……正気か? 貴様の主だろう?」
「少なくともお前よりは正気だよ。あのまま続けてたら、士郎は『お前』になってたんだろ?」
「…直観か。厄介なスキルもあったものだ」
自らのマスターを攻撃するという行為は、この状況で最も取り難い選択だ。
しかし同時に、かなり有効な手段だったとも言える。
彼は心を鬼にして衛宮士郎の正義を守り――――
そしてこれから、その身を挺して衛宮士郎の命を守る。
「オレじゃあ、お前には勝てないよ。そんなことは分かってる」
「ならばここで私を食い止めようと、訪れる結果は同じだろう?」
「いや違う。―――勝てないけど、追い返せないとは言ってない。退いてもらうぜ、ここはシロウの家なんだ」
アサシンは構えを取った。
握った拳に、力を溜める。
【衛宮邸・庭】
衛宮士郎の詠唱を、アサシンは遮った。
その詠唱は間違っている。その成長は間違っている。
その先にあるものが絶望だと、アサシンは直観していた。だから――
「でええい!!」
「っ―――!」
士郎の頭部を即答で蹴りぬいた。
士郎はオディオとの鍔迫り合いと間違った詠唱に集中していて、感づくことさえ出来ず一撃を受ける。
紛いなりにも、彼はアサシン。無論、一発KOである。
「……正気か? 貴様の主だろう?」
「少なくともお前よりは正気だよ。あのまま続けてたら、士郎は『お前』になってたんだろ?」
「…直観か。厄介なスキルもあったものだ」
自らのマスターを攻撃するという行為は、この状況で最も取り難い選択だ。
しかし同時に、かなり有効な手段だったとも言える。
彼は心を鬼にして衛宮士郎の正義を守り――――
そしてこれから、その身を挺して衛宮士郎の命を守る。
「オレじゃあ、お前には勝てないよ。そんなことは分かってる」
「ならばここで私を食い止めようと、訪れる結果は同じだろう?」
「いや違う。―――勝てないけど、追い返せないとは言ってない。退いてもらうぜ、ここはシロウの家なんだ」
アサシンは構えを取った。
握った拳に、力を溜める。
994: ◆ve5nNlnneY:2014/01/31(金) 20:02:20.50:x5v0tRyx0 (3/5)
オディオが剣を振り下ろす。
彼の放つ斬撃は、今回の戦争で見たどの攻撃よりも鋭利で、何より威圧的だった。
その理由は、オディオの持つスキルにある。
「『対英雄』。貴様のステータスは総じて二段階低下しているはずだが……それでもここまで動けるか」
「へへっ、真の英雄をなめるなよっ!」
引き攣った笑みで、そう返すアサシン。
余裕はない。直観で何とか凌いでいるのが実情だ。
今現在も、紙一重で生きながらえている。
剣先は鼻先を掠めるし、足回りはおぼつかない。
それでも彼は背を向けなかった。
一発逆転の可能性に賭けて、拳に力を溜め続ける。
「貴様、自分を英雄と言ったか! くはは、無様な! 伝説の剣も無く、無手で戦う貴様がか!?」
「うるさい、知るか! 剣なんてなくても魔王は倒せるっつーの!」
「ならば、その言葉通り実行してみせろ!」
「言われなくても――――せいっ!」
拳を突き出す。
至極単純な正拳突き。
しかし、溜めに溜めたその威力と速度はけた違いだ。本来ならばAランク以上の攻撃力を誇っただろう。
しかし、眼前の相手はオディオ。アサシンは『対英雄』の効果を受けている。
「その程度か? 蚊の止まるような拳速だな」
オディオは、特に目立った動きも無く突き出された拳を躱す。
それもそうだろう。現在のアサシンの筋力と敏捷は――――Eランクまで劣化している。
オディオが剣を振り下ろす。
彼の放つ斬撃は、今回の戦争で見たどの攻撃よりも鋭利で、何より威圧的だった。
その理由は、オディオの持つスキルにある。
「『対英雄』。貴様のステータスは総じて二段階低下しているはずだが……それでもここまで動けるか」
「へへっ、真の英雄をなめるなよっ!」
引き攣った笑みで、そう返すアサシン。
余裕はない。直観で何とか凌いでいるのが実情だ。
今現在も、紙一重で生きながらえている。
剣先は鼻先を掠めるし、足回りはおぼつかない。
それでも彼は背を向けなかった。
一発逆転の可能性に賭けて、拳に力を溜め続ける。
「貴様、自分を英雄と言ったか! くはは、無様な! 伝説の剣も無く、無手で戦う貴様がか!?」
「うるさい、知るか! 剣なんてなくても魔王は倒せるっつーの!」
「ならば、その言葉通り実行してみせろ!」
「言われなくても――――せいっ!」
拳を突き出す。
至極単純な正拳突き。
しかし、溜めに溜めたその威力と速度はけた違いだ。本来ならばAランク以上の攻撃力を誇っただろう。
しかし、眼前の相手はオディオ。アサシンは『対英雄』の効果を受けている。
「その程度か? 蚊の止まるような拳速だな」
オディオは、特に目立った動きも無く突き出された拳を躱す。
それもそうだろう。現在のアサシンの筋力と敏捷は――――Eランクまで劣化している。
995: ◆ve5nNlnneY:2014/01/31(金) 20:02:48.00:x5v0tRyx0 (4/5)
全力の拳が避けられて、反撃の剣を紙一重で躱し――――
その時点で、アサシンは覚悟を決めた。
オディオには勝てないし、このままでは為す術も無く敗北するのが関の山だろう。
お互いに宝具は使用出来ず、そして地力に明確な差が存在するという現状。
レベル1でエクスデスに挑んでいるようなものだ。
「だったら、死ぬ気で行くしかないよなぁ…」
どうせ死ぬなら、一矢報いなければ。
せめて、マスターの安全だけでも確保できれば。
そうなれば、彼は躊躇なく切り札を切れる。
そして、幸運にもアサシンの希望は届く。
彼が誰かを守ることに、世界は味方をしてくれる。
「――――――シロウ!?」
「イリヤ!ランサー! ナイス!よく来た!」
正門から顔を覗かせた少女の姿。
それを見止めた今、最早アサシンに迷いは無い。
≪ここまで≫
全力の拳が避けられて、反撃の剣を紙一重で躱し――――
その時点で、アサシンは覚悟を決めた。
オディオには勝てないし、このままでは為す術も無く敗北するのが関の山だろう。
お互いに宝具は使用出来ず、そして地力に明確な差が存在するという現状。
レベル1でエクスデスに挑んでいるようなものだ。
「だったら、死ぬ気で行くしかないよなぁ…」
どうせ死ぬなら、一矢報いなければ。
せめて、マスターの安全だけでも確保できれば。
そうなれば、彼は躊躇なく切り札を切れる。
そして、幸運にもアサシンの希望は届く。
彼が誰かを守ることに、世界は味方をしてくれる。
「――――――シロウ!?」
「イリヤ!ランサー! ナイス!よく来た!」
正門から顔を覗かせた少女の姿。
それを見止めた今、最早アサシンに迷いは無い。
≪ここまで≫
996: ◆ve5nNlnneY:2014/01/31(金) 20:03:15.79:x5v0tRyx0 (5/5)
997:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/31(金) 20:04:26.38:xgtVt9kXo (1/1)
乙
乙
998:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/31(金) 20:04:36.65:dErg/MP4o (1/1)
おつー
おつー
999:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/31(金) 20:07:14.43:OvABBomO0 (1/1)
>>1000だったら、この面子でアポ
>>1000だったら、この面子でアポ
1000:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/31(金) 20:10:14.37:d+AUZItoo (1/1)
>>993
足刀
直感
>>993
足刀
直感
◆DDBjj51DRA さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16657178.html
http://s2-d2.com/archives/16657178.html
◆0R0TlgdXHc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16700946.html
http://s2-d2.com/archives/16700946.html
◆ve5nNlnneY さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16700948.html
http://s2-d2.com/archives/16700948.html
コメント 0