仁奈「約束でごぜーます！」ﾕﾋﾞｷﾘｰ

Ｐ「はいはい」ｹﾞﾝﾏﾝｰ

柚「なんの話？」ﾋｮｺ

Ｐ「雨宿りの話」

柚「あー。いいねえ。雨宿りはいいよー」ﾆﾍﾗ

Ｐ「そうか？」

柚「うんっ」

Ｐ「そうか」

柚「うんうん」ｺｸｺｸ

仁奈「明日雨は降りやがりますか？」

Ｐ「予報ではそうだな」

仁奈「じゃあ明日！　えと、仁奈はいつもより少し早く来やがるですよ。なのでお外で待っててくだせー」

Ｐ「了解」

楓「ふふ。雨宿りの約束なんて、なんだか素敵ですね」

Ｐ「楓さん。そうですか？」

楓「はい。梅雨ですから」ﾆｺ

Ｐ（説明になってないです）

楓「前から思っていたんですけど、梅雨って、漢字で書くとおいしそうですよね」ﾌﾌ…

Ｐ「ま、まあ、実際の気候よりさっぱりしてそうで、い、いいですよね」

楓「はい」ﾆｺ

比奈「なに意味不明なこと言ってんでスか」

Ｐ「うるさいやい」

―――翌日


ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ


仁奈「♪」

仁奈「着きやがりました。えっと…」ｷｮﾛｷｮﾛ

仁奈「Ｐはまだいないみたいでごぜーます…ちょっと早かったですね」ﾓﾌ

仁奈「ここで待ちやがります」ｽﾄﾝ

仁奈「……」


ｻﾞｱｱｱｱｱ…

仁奈「…」ﾎﾞｰ


ｶﾞﾁｬ


美玲「ん」

仁奈「？」

仁奈「美玲おねーさん！　おはようごぜーます！」

美玲「うん…」

美玲「えと、なにしてんの？」

仁奈「雨宿りです！」ﾆﾊﾟｯ

美玲「そ、そか」

美玲（なんで嬉しそうなんだ？　コイツ）

美玲「…」ｼﾞｯ

仁奈「どうかしやがりましたか？」

美玲「あっ…いや、…」

美玲「…………その…」ｺﾞﾆｮ

仁奈「？」

美玲「…そ、その、レインコート…いいセンスだな」ｳﾝ

仁奈「…」

仁奈「…えへ。ありがとうごぜーます」ﾆｺ

美玲「…ん」

仁奈「♪」ﾆｺﾆｺ

ｻﾞｱｱｱｱｱｱ…



美玲「でも…なんでレインコート着てるのに、雨宿りしてるんだ？？」

仁奈「あ、それは…」

美玲「！」ﾋﾟｰﾝ

美玲「分かった！　お気に入りだから汚したくない、とかか！　そうだろ！」

仁奈「…」ﾓﾌ…

美玲「し、しょうがないなあ。そしたらウチが、一緒の傘に入れてやるよ」ｶﾞｻ

仁奈「……」ﾓﾌﾓﾌ…

美玲「…？　どうかしたか？」

仁奈「…なんでもねーですよ…」

美玲（今度は急に落ち込んだ……）ﾅﾝﾅﾝﾀﾞ…

仁奈「もふ…」

美玲「？　おーい」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

仁奈（仁奈はいまここに、Ｐと雨宿りするためにいやがります。けど…）

美玲「聞いてるかー」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

仁奈（美玲おねーさんと相合傘……）ﾓﾌ…

美玲「…ひ、ひょっとして、ウチと同じ傘に入るの、い、嫌だったか…？」

仁奈「捨てがてーです！」ｸﾞﾜｯ

美玲「」ﾋﾞｸｯ

仁奈「美玲おねーさん！　は、どこへ行くつもりでいやがりますか！？」

美玲「き、急になんだよ、声大きいよ…」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

美玲「ち、ちょっとコンビニまで…仁奈が行きたい場所があるなら、そこまで一緒に行ってやっても……嫌じゃなければ…」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

仁奈「美玲おねーさんの行きたいところが、仁奈の行きてーところですよ！」

美玲「へ？」

仁奈「仁奈はおねーさんと相合傘がしてーです！」ﾆﾊﾟｯ

美玲「…………」

美玲「い、いや…べ、べつに…一緒に相合傘がしたいか、とは、聞いてないし…」//

仁奈「そうと決まれば善は急げですよ！　行きやがりましょう！」ﾊﾟｼ

美玲「わっ、ひ、引っ張るな、こら……わ、分かったから…」ﾊﾞｼｬ

ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ


仁奈「お買い物でごぜーますか？」

美玲「うん。おなかすいて…お菓子でも買おうかなって」ﾊﾞｼｬ

仁奈「なるほどです」ｺｸﾝ

美玲「…」

美玲「仁奈もなにか食べる？」

仁奈「う…に、仁奈は今月のお小遣いを、ぜんぶモフ費に使ってしまったので…今日は我慢するですよー…」

美玲「モフ費ってなんだ」

ﾎﾟﾝ


美玲「じゃあ一個だけ、ウチが買ってやる」

仁奈「！　ホントでごぜーますか！？」

仁奈「…あ、いや…おねーさんには、いつもお世話になってばかりで……申し訳ねーですよ…」ｼｮﾎﾞﾝ

美玲「気にすることないよ。ウチは…仁奈の、お、おねーさんだし」

仁奈「…」

仁奈「えへへ。はい。美玲おねーさんは美玲おねーさんでごぜーます」ﾆｺ

美玲「うん」ｺｸ

仁奈「……でもー…」ｳｰ

美玲「…」ﾌﾝ

美玲「じゃあウチが買ったお菓子を一緒に食べるのはどうだ？」

仁奈「…」ｲｯｼｮ…

仁奈「そ、それは…魅力的なごてーあんでごぜーます…！」ｼﾞｭﾙ

美玲「よだれよだれ」ｺﾞｼ

仁奈「むむぐ」

仁奈「し、失礼しやがりました」

美玲「うん」ｸｽ

仁奈「それでよろしくお願いするですよ」ﾍﾟｺ

美玲「おう」

仁奈「えへへーおねーさんと一緒でごぜーますー♪」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

美玲「……」ﾌﾝ

仁奈「お礼に今度、おねーさんをモフモフにしやがります！」

美玲「？　それ、お礼になってない気がするけど…」

仁奈「えっ」

美玲「だって仁奈が得するだけじゃん」

仁奈「！　ば、バレやがりました！」

美玲「ばれないと思ってたのか」

仁奈「てへーでごぜーます」ﾍﾟﾛｰ

美玲「ばーか」ﾍﾟｼ

仁奈「あう」ﾓﾌ

ﾊﾞｼｬｯ


美玲「足元もちゃんと…モフモフした長靴なんだな」

仁奈「はい！　ぬくもこしやがります。梅雨なので奮発しやがりました！」ﾌﾝｽ

美玲（モフ費かな？）



美玲「着いた」ﾌﾙﾌﾙ

仁奈「ありがとーごぜーました、美玲おねーさん」ﾍﾟｺ

仁奈「相合傘、楽しかったですよ！」ﾆﾊﾟｯ

美玲「…あ、そ」

美玲「へへ。大げさなやつ」

仁奈「そんなことねーですよ！」

美玲「はいはい。帰りもどうせ相合傘だし」

仁奈「はい！　なので帰りも楽しみでやがります！」

美玲「…はいはい」

ｳｨｰﾝ


「いらっしゃいませー　…？」

（なんかすごい可愛いのが二人も来たわ！？）


美玲「とっとと用事を済ませるぞー」

仁奈「お菓子を買うだけでごぜーます」

美玲「う、うるさいなあ！」

仁奈「てへ」


（可愛い）ｶﾜｲｲ

・
・
・


ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ


…ﾎﾟﾂ…


仁奈「？」

美玲「お」

仁奈「……」

仁奈「…雨…上がりやがりましたね」

美玲「だな」ｽｯ

仁奈「……ただの曇りになりやがりました…」

美玲（また落ち込んだ……）ﾖｸﾜｶﾝﾅｲ…

仁奈「これじゃＰと雨宿りできねーですよ……」ｽﾞｰﾝ

美玲（…ああ、そういう…）

美玲「…」ﾌﾝ


ﾎﾟﾝ


仁奈「？」ﾓﾌ

美玲「雨なんてまだいくらでも降るって。だから元気出せ」

美玲「それに、雨宿りくらいだったら、ウチがいつでも付き合ってやるよ」

仁奈「……」

美玲「…な、なんだよ」

仁奈「にへ。なんでもねーですよー…」ｴﾍﾍ

仁奈「そうですね。そうでごぜーますね」ｺｸｺｸ

仁奈「じゃあ次雨が降った日には、Ｐと三人で、雨宿りしやがりましょう！」

美玲「……」

美玲「いや、べつにアイツは一緒じゃなくていいや…」

Ｐ「ひどくね」

美玲「」ﾋﾞｸｯ

仁奈「あ、Ｐ！　おはよーごぜーます！」ﾍﾟｺ

Ｐ「おう。まったくどこ行ってたんだ、ずっとここで待ってたのに」

仁奈「ごめんなさいですよ」ﾍﾟｺ

美玲「お、おどかすなよ、ばか」

Ｐ「びっくりした？」

美玲「！　し、してないモンッ！　ばーか！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

Ｐ「ひどい、ていうかいたいってば」ｲﾃｲﾃ

Ｐ「雨、上がっちゃったな」

仁奈「そうでごぜーますね」

仁奈「……えへへ、でも、今日のところは――」


美玲「？」

美玲「わ……ね、ねえねえ、見て見て。ほら」ｸﾞｲ

Ｐ「ん？　…おお」

Ｐ「…」

美玲「…」

Ｐ「晴れたなー」

美玲「うん」

Ｐ「雲間から射す陽ざしって綺麗だよな」

美玲「うん…」ﾎﾞｰ


ｸｲ


Ｐ「ん」

仁奈「…ねえ、Ｐ」

Ｐ「うん」

仁奈「今日のところは、――Ｐと、美玲おねーさんと、素敵な雨上がりを過ごせたので、仁奈は満足するですよ」

Ｐ「…そっか。ならよかった」

仁奈「はい」ｺｸﾝ

美玲「…」ﾎﾞｰ…



仁奈「にへ。仁奈は梅雨も、雨も、嫌いじゃねーです！」



―――おしまい

終わりです。


楓さんの誕生日SSを、またしてもだらだらと、謎の梅雨ステマSS化して続けてしまいました。ごめんなさい。
なお>>1が特別梅雨が好きということではない模様。雨だと移動が大変。


もしまた書くことがあれば、今度は四人をしっかり絡ませたいです。
お読み頂きありがとうございました。