やる夫が正史を書くようです２８（その1）（完）

最終更新： 2013年06月02日 23:31

13/6/2 23:31

◆ZXqVVWPHtc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16594763.html

1：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/02(日) 23:31:35.32：rINXoZG2o (1/3)

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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370183495

モバＰ「泰葉からチョコもらった時の話？」

絵里「なんとかストロガノフ！」穂乃果「そう、カレーです」

タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ！」タマ「！！！！！！！」

玲音「風邪を引いてしまったようだ…」

苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」

2：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/02(日) 23:32:39.87：rINXoZG2o (2/3)

3：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/02(日) 23:33:17.20：rINXoZG2o (3/3)

【まとめブログ・アンテナサイト様】

俺速でやる夫を纏めるブログ様　 http://orehaya.blog73.fc2.com/　
やる夫ＢＯＸ様　　　　　　　.　　　　 http://yaruobox.blog11.fc2.com/
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やる夫wiki　　　　　　　　　　　　　　.http://ja.yaruo.wikia.com

【主要参考資料】

　●正史三国志１～８　ちくま学芸文庫
　●中国の歴史０３　ファーストエンペラーの遺産　講談社
　●中国の歴史０４　三国志の世界　講談社
　●中国の歴史０５　中華の崩壊と拡大　講談社
　●図説中国文明史５　魏晋南北朝　創元社
　●三国志　正史と小説の狭間　白帝社
　●西晋の武帝　司馬炎　白帝社

【お約束】

※やる夫（陳寿）が『三国志』を書くのを生暖かく見守るスレです。

※基本、正史三国志準拠のフィクション・やる夫スレです。

※現在、蜀が滅びました。

※長文・ネタバレに関しては気になさる方もいらっしゃるので、ご配慮いただけるとありがたいです。　

※投下中、>>1がレスを返す事はありません。

4：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/02(日) 23:51:54.20：2j7OGyEmo (1/1)

新スレ乙です。
きっちりはマリーナボイスがツボなのです

5：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/02(日) 23:52:28.57：+isX577Go (1/1)

擦れ勃て乙＆埋めネタ乙。

たぶん、1000ぴったりだと思ってレスしなくて良かったわ。
続きに期待！！

6：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/02(日) 23:56:33.25：HR/t/cRCo (1/1)

乙ー
夏姫は周りが畜生過ぎて悪女って感じはしないなあ
周りを畜生にするという意味で悪なのか

7：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/03(月) 00:08:03.52：WFd3o05v0 (1/1)

>>1乙

夏姫の話は、やらない夫伍子胥スレで前にやってたな
でも最近になって中国の方で、新説が発掘それて通説が覆りそうとかちょっと話題になってた
夏徴舒は息子じゃなくて旦那だったとかなんとか

8：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/03(月) 00:26:16.73：IkHJgemyo (1/1)

乙ですー

所謂傾国っていわれる女性って本人は特に何もしてない（美人で皇帝や王に愛されただけ）のに
親戚とか周囲の臣下とかそういう奴らが権力欲で色々やって、最終的に女性に全部罪をなすりつけてこの悪女め！ってパターンも多いからねぇ
男性からすりゃ憎たらしい存在になるのかもしれないが、どうしてもそういうタイプの女性を「悪女」とは呼べない
旦那に愛されて尽くすことが当時の女性の存在意義だったのに、どうして責められなきゃダメなのか

9：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/03(月) 00:50:41.28：4hPmRru4o (1/1)

うめたて乙
きっちりちゃんが荒ぶる準備をしていてﾊｧﾊｧ

10：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/03(月) 08:30:10.78：Y/6SpX+Ao (1/1)

夏姫は後宮スレで初めて知ったわ
あれから関連図書も見たけど、周囲の男共に恵まれないにもほどがある、
という印象しか浮かばなかったわ
状況だけ見れば、裏で男操ってた悪女の可能性も無い訳じゃないが

11：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/03(月) 21:49:31.37：x+Gn0zqfo (1/1)

立て乙ー
そろそろ陸抗ヤミちゃんの胃がキリキリし始める頃か…

12：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/04(火) 00:55:55.15：0pA4Moyr0 (1/1)

夏姫春秋って宮城谷先生の小説のタイトル名っすね
悪女っていうと三大悪女ぐらい能動的で強烈な個性がないとぴんとこないな

13：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/08(土) 13:17:01.16：BGcTlvcD0 (1/1)

とりあえず>>1のAAにまずギョッとしたのは自分だけだろうかｗｗ

善くも悪くも能動的には動かなかった劉禅と
ひたすら悪い方向に能動的積極的に動き回った孫晧
なのに近現代まで不人気な知名度を誇るのは前者という理不尽

14：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/08(土) 13:28:17.36：HlPzMcDNo (1/1)

だって横山版三国志蜀滅亡までしか書いてないんだもの
孫皓どころか二宮もほとんど描かれてないし

15：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/08(土) 14:59:18.86：mg2VCt3wo (1/1)

横山三国志最終巻って孔明のライバルたる司馬懿と孔明の弟子である姜維の
その後を描いただけのおまけ編みたいなものだったな

晋呉並立の15年間はあらすじしか知らないので投下が楽しみだ

16：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 15:32:49.95：p6H+4tV+o (1/1)

宮城谷三国志が・・・

17：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 16:16:05.46：CJipTRFao (1/1)

宮城谷三国志は蜀滅亡まで進んでいたよね
順帝と曹騰の幼少期から書いてくれたおかげで後漢中盤からの流れを把握できた

安帝まではやる夫と後漢初頭で取り上げられていたけど
順帝から霊帝までの後漢後期の歴史はやる夫スレでの未踏の地になっているはず？

18：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 19:03:04.96：rKeqlTX3o (1/1)

>>13
両方知ってる奴なら劉禅は擁護のしようもあるけど孫皓は全く庇い様がないので安心していい

そしてムカつくのは両者とも投降した後のんびり余生を過ごしているという事だ

19：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 19:26:20.34：k4bicJbvo (1/2)

別に孫皓が善政敷こうと実際よりも暴虐働こうとどっちにしろ詰んでたのは確かだから別に孫皓を責める気にもなれない

そして後世劉禅を責める意見が多いのに対して孫皓がそこまで責められないのは（暴君って評価で安定してるけど）
蜀に比べて呉が滅んだことに対して同情する人があんまりいなかったからじゃないかとか言ってみる
呉好きだけど

20：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 20:45:36.32：JpP9k2Vzo (1/2)

小覇王の再来と呼ばれてたのにな。＞孫晧
三国鼎立してたのに気付いたら残り一国でしたじゃ
発狂するのもわからんではないが正直やり過ぎだわ。
二宮の変みたいなことがまた起きても不思議じゃないのに起きなかったのは
そんなこと今更やっても意味がないと呉内の賢人は悟ってたのではと。

21：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 20:49:49.02：MUBV0F6xo (1/1)

このスレの描写だと幼少期に親が死んだことを悲憤してるのが描かれてたな、孫晧
成人するまでずーっと親族重臣の内ゲバばっか見続けてれば人格ぶっ壊れるのもわかる気がする

22：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 21:07:36.37：k4bicJbvo (2/2)

孫皓の特徴として人と目を合わせることが出来ないっていうのが史書にあるのを
視線恐怖症っていう精神的な病気だったんじゃないかって言ってるのをどっかで見たことがある
あんまりなんでも病気に結びつけるのはどうかと思うが、それ見てすごく納得した自分もいる

というか、史書の記述だと孫策の再来とか皇帝になるとかの占いの結果を内心ほくそ笑んでたけど隠してたって悪意のあるかかれ方してたけど
皇帝即位までの状況で廃太子にされた奴の息子にそんな占い結果や評判が立ったら暗殺怖いから普通隠すよね

23：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 21:14:43.84：M0ovDo0Po (1/1)

>>19
井波律子氏は、かなり孫晧に同情的でした。

>>20
偏見かも知れませんが、もし孫策がこの時期に呉の皇帝になっていたら、
やはり孫晧のようになった可能性はあると思います。

孫策のような人は勃興期にはよくても、守りに立つとああなってしまうような…

24：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 22:46:23.78：eBS2BONMo (1/28)

※３０分ぐらいしたら始めます。

※とりあえず今回は司馬昭まわりの話が中心です。

25：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:14:37.74：eBS2BONMo (2/28)

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|ｲ　 ' 　 |:::::;|l 　 Ⅳ |　|::::::::::| | /j/ 　 |::::::::::|　　ﾐ⌒Y. . !＼:::::∧ |　 |
.从　|　　|／从　.| ヽ|　､::::::ﾉﾉ'　　　　､::::::ﾉ　　〃'＾ }. . |. 　＼:::| |　 ,　　.このスレの作者は投下中レスに答えませんし、
　 .ヽ|　　　　　ヽﾄ､_.{　　　　　　　　　　　〈(　／. . .|　　ヾ|ﾉイ　　 .投下内容のネタバレはやめてくださいね。
　　　　　　　　　八　""　　　　　　　　　 ""　)〉.. . . . .|
　　　　　　　　　 }｀ヽ个: .　　　t　_⌒)　　　 /'.. . . . . ..|　　　　　　　　　では、本編です
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26：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:15:49.58：eBS2BONMo (3/28)

【紀元２６４年４月　魏首都　洛陽】

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　　　　　　　　／ｨ'双双双双双'／ .||　 | 　||　.,ｨi'蕊蕊㌢|:f,!/ .:| ∩　 `'　./＿/＿/＿/＿/＿/＿
　　　　　　／ｨ'双双ﾇ双双ﾇ／|| |　＼ |.　 ,ｨi'蕊蕊㌢.|f,!|／＼|. ｀′∩ ./＿/＿/＿/＿/＿/＿/
　　　 .／ｨ'双双ﾇ双双ﾇ入′.|| | ＼　 ,ｨi'蕊蕊㌢ |f,!|／　　/＼　 `'./＿/＿/＿/＿/＿/＿/__
　　　／ｨ'双ﾇ双ﾇ双双;／|| |/＾ｉ| |　 ,ｨi'蕊蕊㌢l |f,!.|／⌒vﾍ∧.　＼ ./＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿
＼／ｨ'双双ﾇ双ﾇ;双入　 || |／|| |ｨi'蕊蕊㌢　f,!.|.／　 /^ヽ　.|＼　 . /＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/
;＼＼'ﾇ双ﾇ;双;双／|| |/＾i| |　 || |蕊蕊㌢| |f,! ／　 | . ||　 l　 | 　.＼/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/__
乂;;＼＼'双双入　 || |／l| |/＾i| |蕊㌢　f,!.|／　＼| . ||　 |　.|　　 /＿/.γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
乂;乂;｀;<＼／|| |/＾l!| |　 || |／ll |㌢| |f,! ／　＼＼　　||　 | . | ∩/＿/　|　　今日はお二人に相談がありまして……　　 .|
乂;;乂;/;ｨ＼＼.l |／.|| l/＾ｉ| |　.|| |　f,!,|／　　　　＼＼　＼.|　|. ｀/＿/　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
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27：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:18:51.83：eBS2BONMo (4/28)

　　　　　　　　　　　,　- "´￣￣｀ﾞ　‐ ､
　　　　　　／:::::::::::::;､::::::::::::::;::';:::::::;＼
　　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l　　　　　晋王殿下の位は高く、
　　　　 /:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l　　　　天朝の臣下一同、皆が敬意を尽くしています。
　　　　 !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|
　　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|　　　そこで今日は、三公が連れ立って拝礼しようと思うのですが
　　　　 l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　"´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l　　　　　　　　　　　　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',　　　　　　　　　　　　　　　　,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : ､: ヽ ',
　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',　　　　　　　　　　　　　　　,:.,': : :i :i i: : : :ﾊ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:.i: : : |　｀ﾞ¨´ 　　｀￣´ `¨¨ﾞ|: : :|: |
　　　　　　　　　　　　魏　司空　荀顗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.| : :丁￣ﾞ¨＞､　 ,＜¨ﾞ￣Τ: :.|: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.|: : :|､,,　　　冫　'､　　､,| : :.|: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:.ｌ: : :|,'ヾ==〃ヽ--' ヾ=＝ゞ:| : : l: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.|: : :|'､　　　ﾉ , ヽ　　　ﾉi :. :.|: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.|: : :|ﾍ` ー ´　　　ﾞー　ｲ':| :.:.:|: |
　　　　　　　　　　　　異論はありません　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:.l: : :|:: i＼　 ´￣｀　／i:.:.:| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;::i : : i ::|:::::i＞ ,　　　イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-､ ´,-一ﾍ;,i:::::| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,';:.i: : : |一'ﾞ　　〃∨ヾ. 　ゞ-┤:.:.:|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'´￣｀¨∨: : : ∧ 　　　//　ハ　　　 :|: : :.i/´ ￣｀',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　　　 /; : : :.iヾヽ__,ノ^｛⌒｝へ_ 　　/;|: : :.| 　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　丶　　ｊ: : : / ／; ; ;;彡ゞソミ; ; ＼//ﾞ|:.:.:. | 　　　 i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　司徒　何曾

28：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:20:14.15：eBS2BONMo (5/28)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __＿, -‐ー‐- ､　　　　　　　　　　　 |　　王祥殿はどう思われます？　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 , ´　　　　　　　　＼　　　　　　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　／,　　　　　　ー､_　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,イ"´　,　　;' _　　　　　 "ヽ,　ﾍ
　　　　　　　　　　　 , '⌒ヽ　;|　,／　　 , -‐‐-､　　　i
　　　　　　　　　　 ,'ﾞ:::::::::::｀､　{ /　_,　'"´::::::::::::::::ヽ ,:} |
　　　　　　　　　　ﾍ__,'^ヾ::::::ﾊi |;;く_:::::;;;;::::∠ ⌒ ｰ' |r y
　　　　　　　　　　　ゝ弋_'ｰ'ﾗゝﾞ"ｰ-;;, ﾆ'ｰ'ﾆﾗ　　　　'､
　　　　　　　　　　　l　,'　 :.:.''"{;|　　 `ヽ';:.:..　　　　 l|´ヽ l
　　　　　　　　　　　{ |　　　　;;/'　　　┐　　　　 { |r} |　ｉ
　　　　　　　　　　　ゞﾍ　　ﾞﾞ"ゝ-‐'^　ﾞ''''' 　　┌ノ |二' /　　　　　確かに、殿下の位階と権勢は尊貴と言えるだろう
　　　　　　　　　　　 `゛ﾘ　,´二二二二｀ヽ　　|{　 {ｰ t'
　　　　　　　　　　　　　|　}i ､, -‐‐‐- _ 　ヽl　　| 　 |;, ﾍ
　　　　　　　　　　　　　|　|l　､ _______　 ,`　ｌ| 　 ;;　　';;　ﾍ=､
　　　　　　　　　　　　　| ,;'　｀三　｀.　　 ||　　; 　/ ;　冫}ヽ
　　　　　　　　　　　　　};/　　 ≡　　　　 ||　　　/　;,／〃三ヽ
　　　　　　　　　　　∠ﾍ　　三　　　　 ||　＜"／ /三三三ヽ
　　　　　　　　　　t三三ﾍ　三　　　　イ;;'" ／　/二三三∥＝
　　　　　　-‐ .∥三三./lゝ ─── ＜:;:;'" ／　／/三三二=∥三三
三三三三三 ∥三三/ i::ヾ'';:;:;:;:;:;:;:;; '"　／　／　/三三三三∥三三三
三三三三 ∥　三./|　|:　　;:;:;.. 　　／　／　 /三三二＝∥三三三
三三三三∥ 三 /　|　|　　;:;'' 　／　／　　 /三三三二=∥三三三

　　　　　　　　　　　　　魏　太尉　王祥

29：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:21:34.95：eBS2BONMo (6/28)

　　　　　　　　　　　　 , '⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 {"l " '|
　　　　　　　　　＿ノ|i＝| ∧_＿
　　　　　　┌ ''"::::::il::l´ T /|::::i:::::::::￣",ヽ
　　　　　　 l::::∥:::::l::l',　y　 |::::|:::::::::::::∥:::i
　　　　　 /l::∥:○i::lゝ'　　 |::::|:::Ο,':∥::::ゝヽ
　　　　 ∧ |::|l::::::::i:|´ 川　|::::|:::::::,':∥／,ﾊ:::＼
　　　 ∠:::i:::',:|l::::::::l:lヾ＝="ﾞi:::::|:::::;:∥:::,ｲ:::::::::::::＼　　　だが、殿下はこの国の宰相であり、ワシらはこの国の三公。
　　　{:::::､:ヾ:::::::::::::l::r'´エ ‐┘:::i::::::∥::::/:::::::::::::／
　　　＼::ゝゞ;;::::::::l::l三三三|::::';::::Y:::/::::::::::::く　　　　　王と公の位階の隔たりは一等に過ぎず、席次はほぼ同じ。
　　　　ヽ､:::::i:::::::::{::l三三三 }:::::',::::ゝ,::::::::::::::/
　　　　　l::::::::i:::::::::l::l､ｰ-‐‐‐"ﾍ::::',::::::{:::::::::::/　　　　　　天子の三公が
　　　　 l::::::::l:::::::::l:|　`ヽ､　　ﾍ:::::',::::ヽ::::::/　　　　　　軽々しく他人に拝礼してよいという話なぞ聞いた事がない
　　　　　￣t:::::::::l:| |　　　　　　ﾍ::::',::::ゝ:;/
　　　　　　ヽ::::::l:l |　　　　　　ﾍ::::::/
　　　　　　　　＼:l| |　;､　　　　ﾍ__|
　　　　　　　　　ヾ´|､　ヽ､　　　　 |
　　　　　　　　　　|　| ヽ　　` 　　　/
　　　　　　　　 |　|　＼　　　　 |
　　　　　　　　　　 |　|　　ヽ､　　 l
　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　 ||　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　 r　　　　　　　|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　司馬昭が晋王になった後、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　司空の荀顗が三公の面々で司馬昭に拝礼しようと提案した。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .司徒の何曾は特に反対しなかったが、太尉の王祥はこれを拒絶している
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

30：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:23:12.99：eBS2BONMo (7/28)

　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'"´丿ヽ￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　／ ,r;:;:､ ⌒　　　,ｨ;:!
　　　　　　　　　　　　　　/　 ,ｲ;:;:;;:;::ゞ､ i ,r;:;:;:,､j
　　　　　　　　　　　　 _」 ,′'´r ｪｪ-､　 j;:ｲｪｪ､l､　
　　　　　　　　　　　 / ゝ,ｲ j　`ヽ｀"´.::;;　ﾄ､"´ ヾi　　　　　お前の言っている事は、
　　　　　　　　　　　 ! ,ｲl〈〈　　　 ,ィjﾊﾉ｡｡,j､､,,. 　l　　　　　天朝の名誉を損ない、殿下の人徳を傷つけるに等しい。
　　　　　　　　 |　 Y」 i;　,r'´r-､ﾆﾆﾆ＝　i! ,/
　　　　　　　　　　　 !　　,'　 /　,ｲ,ゞ-j!ｰi!ーl-{ i! |　　　　　.君子は人を愛するのにも礼の掟に従うものだ。
　　　　　　　　　 ,＞,ｲ　 ,!　 i/　　　　　　　,! il,!
　　　　　　　　　　/.:.:/ i　.,'　 / -‐' "´￣￣｀`､ﾊヽ　　　　ワシは絶対に拝礼せんからな
　　　　　　　　／.:.:/　 | ,' ／　　‐'´￣￣｀`ヽ　`j ,!
　　　　　　 _／.:.:.:.:i　　l　ゝ､_　　　　　 ,:;' ヽー' /ヽ
　　　＿,,,／.:i|.:.:.:.:.:.:|　　ﾞ､　　　　　　　　,:'　　　　/.:.:.:＼＿
＿,ィ´.:.:.:.:.:.:.:.:i|.:.:.:.:.:.:|　　　`ゝ､. : . : . : . : . : . : .／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|.:.:.:.:.:.:|　　　 i　｀`ｰ､.:.:.:.,､-‐,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:　　　　　　　　　／:::::::::::::;､::::::::::::::;::';:::::::;＼
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|.:.:.:.:.:.:|　　　 l　　　　￣　　//.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　まあ、無理強いするつもりはありませんので、お気になさらず　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　"´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　｀ｰ､ィ:::ｌ | l |-|　　,ｲ|ヽ､ｌ::::::ﾄ､///:.:.l::::::l:.:.:.:.:.ヽ

31：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:25:11.33：eBS2BONMo (8/28)

　　　　　　　　　　|　　　Υ|　　＼＼:.:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |＼＼ .`' . |　／/＼/ '＼
　　　　　　　　　　|　　　 | |　 /^ヽ＼＼ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : | 　＼＼　／.　/＿/＼/ '＼
　　　　　　　　〈＼. 　 | |　∧　.|　　＼＼: : : : : : : : : : : : : : :.:.:,ｨ|　　　＼_〕／/＿/＿/＼/ '＼
　　　　　　　　　 |＼＼ | ／ｨА.:|　　　 .＼＼: : : : : : : : : :..:::,ｨ蕊| .∩　　　 |　 /＿/＿/＿/ ＼/
　　　　　　　　 |　｀／ｨ'双ﾇА 　/^ヽ.　＼＼: : : : : ..,ｨi蕊ｱ' |　`′∩　|　/＿/＿/＿/＿/＿
　　　　　　　　 |　／ｨ'双双双А　||　 | 　　＼＼ ,ｨi'蕊蕊/　| ∩　 `'　.| /＿/＿/＿/＿/＿/
　　　　　　　 .／ｨ'双双ﾇﾇ双 Α ||　 |.　./^ヽ　,ｨｉ'蕊蕊㌢ｌ／|　`′∩　 /＿/＿/＿/＿/＿/__
　　　　　　　　／ｨ'双双双双双'／ .||　 | 　||　.,ｨi'蕊蕊㌢|:f,!/ .:| ∩　 `'　./＿/＿/＿/＿/＿/＿
　　　　　　／ｨ'双双ﾇ双双ﾇ／|| |　＼ |.　 ,ｨi'蕊蕊㌢.|f,!|／＼|. ｀′∩ ./＿/＿/＿/＿/＿/＿/
　　　 .／ｨ'双双ﾇ双双ﾇ入′.|| | ＼　 ,ｨi'蕊蕊㌢ |f,!|／　　/＼　 `'./＿/＿/＿/＿/＿/＿/__
　　　／ｨ'双ﾇ双ﾇ双双;／|| |/＾ｉ| |　 ,ｨi'蕊蕊㌢l |f,!.|／⌒vﾍ∧.　＼ ./＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿
＼／ｨ'双双ﾇ双ﾇ;双入　 || |／|| |ｨi'蕊蕊㌢　f,!.|.／　 /^ヽ　.|＼　 . /＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/
;＼＼'ﾇ双ﾇ;双;双／|| |/＾i| |　 || |蕊蕊㌢| |f,! ／　 | . ||　 l　 | 　.＼/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/__
乂;;＼＼'双双入　 || |／l| |/＾i| |蕊㌢　f,!.|／　＼| . ||　 |　.|　　 /＿/＿/＿/ γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
乂;乂;｀;<＼／|| |/＾l!| |　 || |／ll |㌢| |f,! ／　＼＼　　||　 | . | ∩/＿/＿/＿/＿|　　　晋王殿下のおなーりー　　　 |
乂;;乂;/;ｨ＼＼.l |／.|| l/＾ｉ| |　.|| |　f,!,|／　　　　＼＼　＼.|　|. ｀/＿/＿/＿/＿/ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
乂乂/;乂;;乂＼＼　|| |／l| l/＾i| |　／!　　./^ヽ　＼＼ . . .|. ./＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿
乂;;;/乂乂乂乂;＼＼ |　 || |／| |／ ./:　:　:||　 |. : :.　＼＼.| /＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/
乂/乂;乂乂;;乂;乂;;r<＼ l| l　.l| |　 /.:::: : : :||　 |: : : : : : : ＼|/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/_
乂;;乂;乂乂;乂;乂;/乂＼＼!'＾i! |／.:::: : : : :||　 | : : : : /^ヽ /＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/__
/乂乂乂乂;乂乂/;乂;;乂＼＼l |: : : : : : : :.:.:＼|: : : : :||　 |/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/__

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.拝礼とは、君主などの命令を拝受する際などに使用され、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　両手を組んで頭をたれ、次いで両手を両脇に戻す礼の仕方だ。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　つまり荀顗の提案は、司馬昭が君主であると言うのに等しい。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　気骨の士として知られた王祥にすれば、看過できる話ではなかった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

32：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:27:18.12：eBS2BONMo (9/28)

　　　　　　　　　　　　　　, -「＼‐- .._
　　　　　　　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　　　　　i{. .:/ ./／'´￣｀　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　　　　　i:､::{ _{´　　　　､　　　 ,　 Vｿ
　　　　　　　　　ゝ:`{ﾒ,　　=＝ﾐ　　､_　/'
　　　　　　　　　｀`i{､＿　""　 ,、　, ｀`ﾞ{= ､
　　　　　　　人､__メ　　　{　ｿ　ノ　〉
　　　　　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...`" .ィ'´｀ヽ /
　　　　　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
　　　　　　　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼
　　　　　　　ヽ: :､: :__ . . :くく.ィ　　oﾞ"ゝ_ゝ　. ｒ: }　　　　　　　　　　　　　　遅くなったかしらー
　　　　　　／　　／T: .　: ＼､　　￣ }i:､ :i ﾚﾉ
　　　　／ー- ｖ　　|: : : : . . ｀丶､､ﾟ_／ﾄ､　ヽ
.　　　〈　　　＼　 ,ﾚ. : : : :　　く.／i､＼L_ヽ__ ＼
.　　　　 }: .　　　　ヽ〉 _　 _　　　　ノi､`"　｀､-‐　＼
.　　　 |: : : .　　　　＼V {　　 .ィ__ｒﾍヽ　　　＼　 : :}
.　　　 i: : : : : .　　　　ヽ⌒7ｲｒ┘: i:　: L＼　　丶: :ヽ
　　　　 'i: : : : : : : .　　　i}_ノｒ.┘:i:　i:　: i: ヽへ　　丶: : i
　　　　 ,}; : : : : : : : .　〃_ｊ:　:　: ､: i:　:/:　: ゝ_＼　ヽ: i
　　　　/i{: : : : : : : : : 〃ｊ:　:　:　:　:ヽ /:　:　/:　ﾞ､ﾍ　ヽ:!
.　　 /:_ｊ|: : : : : : : ／_ﾉ:　:　:　:　:　:丶:　／:　:　:｀ゝヽ. ﾞi
　　 /'_ｒ;i: : : : : :／ﾄ/:　:　:　:　:　/:　:　}´:　:　:　:　:　Lﾍﾍ
.　　ﾚ': ハ: : :／ﾄ､!:　:　:　:　:　/:　:　:/:　:　:　:　:　:　:{ ）､!
　く_へﾌ､￣,､ﾙ'､:　:　:　:　:　:/:　:　:/:　:　:　:　:　:　:　}ゝﾍ

　　　　　　　　魏　晋王　司馬昭（字：子上）

33：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:28:07.12：eBS2BONMo (10/28)

　　　　　　／:::::::::::::;､::::::::::::::;::';:::::::;＼
　　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l　
　　　　 /:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l　
　　　　 !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|　　　　　　　　　晋王殿下におかれましては御機嫌麗しゅう
　　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|　
　　　　 l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　"´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l　
　　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',
　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 ,.ィｆ三ﾆヽ　　＼
　　 /　｀ｰ､ィ:::ｌ | l |-|　　,ｲ|ヽ､ｌ::::::ﾄ､///:.:.l::::::l:.:.:.:.:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　 /　 :.｛_,///ﾉ⌒ ｰ'　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ三ミ ≧彡ヒ五ｿ.:.. 　ｌ´ヽ '，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{化孑　　　　ー　　　　 |r} |　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉　ゝ-=_^ン　　　　〈. |二' ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　 r―― ´ ￣ ',　　　　ｰ.:　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｙ -‐‐-― 丶_'，　　　｜　ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜　三　　　　　‘，　　 :|　　幺
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜　}　　　　　 :ﾊ　　.:| 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ｜　:.　　　　　 .:|｜／.:　　／;';';';'｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　/ 　 :..　　　　 .:.:l／　　／;';';';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍﾟｺﾘ　　　ヘ丶　　　　　　..:.:／:/ 　／;';';';';';';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...:::´;';';'|　　ー―――　　..:/.: ／;';';';';';';';';';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.........::´;';';';';';';';'| 　 }:.　　 }!:.　　 .:.' ／;';';';';';';';';';';';';';';';';';

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　結局司馬昭が参内して来ると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　荀顗は拝礼したものの、王祥は拝礼せず、丁寧に会釈しただけだった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .興味深いのは、それを見た司馬昭の反応である
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

34：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:29:09.66：eBS2BONMo (11/28)

　　　　　／　　　 ',　＼.　｛ /了示ｋ
.　　　／　　　　　　 ',　　 ' ,　{ﾍ（{_薔X}
.　　/　　　　　　　　　 >　、　｀Y{ :7^ﾊ::》
.　/　　　　　 .,' / ,／　　｀丶､ yﾊﾝv彳
　i　　　　　 _::i　i /　　　'´｀　　｀ﾘﾊ_ﾉ
　l　　　: :i　 ,'rヾ＝=.､　　,x"=、　 /i｀ー'
　',　　 : :|　: :i ト、　 )）　/ ﾋし　　 i ﾉ　　　　　　　　　王祥殿。
　ヾ　 : :i　: :ト、）ﾉ　 '　弋ｿ　　｀ハ
　　　ヾ;､:＼:l.i >/、　　　　　　 /　l　　　　　　　　今日になって初めて、貴方の大きな愛顧の情が分かったわ
　　　　　＞ｼ=￣}　、　　｀ーﾉ_}ノ
　　　　｛: :_-=‐￣}└ｔ＞ - ―<´ _}
　　　　入: :_-－〕V └〔ﾆ下二〕
.　　　/　〔: :_＝‐〕ヾ　| i7/ヽヽ
　　　/ 　　〔: :_‐ ゝ　、/,' 　＼＼
　　　}　　　　〔彡ｸ　　 Y''i　　 o｝ｘ」
　　 /　　　　　.ﾉｼ　　　 i 弋_　 c/　!　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 ,.ィｆ三ﾆヽ　　＼
　　 {　　　, ｨ_７　　　　ｙ　　｀=ﾉ ,/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 :.｛_,///ﾉ⌒ ｰ'　　　　',
　　 └‐〈/!＼〉　　　　ﾉ　　　く　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ三ミ ≧彡ヒ五ｿ.:.. 　ｌ´ヽ '，
　　　　ﾉぃ|」　＼ l　＼　　　　ヽ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{化孑　　　　ー　　　　 |r} |　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉　ゝ-=_^ン　　　　〈. |二' ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　 r―― ´ ￣ ',　　　　ｰ.:　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｙ -‐‐-― 丶_'，　　　｜　ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜　三　　　　　‘，　　 :|　　幺
　　　　　　　　　　　　　　　はっ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｜　}　　　　　 :ﾊ　　.:| 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ｜　:.　　　　　 .:|｜／.:　　／;';';';'｀:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　/ 　 :..　　　　 .:.:l／　　／;';';';';';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ丶　　　　　　..:.:／:/ 　／;';';';';';';';';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....:::´;';';'|　　ー―――　　..:/.: ／;';';';';';';';';';';';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.........::´;';';';';';';';'| 　 }:.　　 }!:.　　 .:.' ／;';';';';';';';';';';';';';';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　........:::::::::;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';| 　 !:　　 {:.　　／;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';

35：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:30:12.80：eBS2BONMo (12/28)

　　　　　　　　　　　　　　, ､ -－､, －- ､,
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
　　　　　　　　　　 , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　　　　　,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : ､: ヽ ',
　　　　　　　　　　,:.,': : :i :i i: : : :ﾊ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
　　　　　　　　　 ':.l: : : ﾚﾘ: : : ∧jﾊ: : : :ﾉi |: : ﾘ : | :.!
　　　　　　　　ｌ:.i: : : |　｀ﾞ¨´ 　　｀￣´ `¨¨ﾞ|: : :|: |
　　　　　　　　|:.| : :丁￣ﾞ¨＞､　 ,＜¨ﾞ￣Τ: :.|: |
　　　　　　　　|:.|: : :|､,,　　　冫　'､　　､,| : :.|: |
　　　　　　　ｌ:.ｌ: : :|,'ヾ==〃ヽ--' ヾ=＝ゞ:| : : l: l
　　　　　　　 |:.|: : :|'､　　　ﾉ , ヽ　　　ﾉi :. :.|: |
　　　　　　　 |:.|: : :|ﾍ` ー ´　　　ﾞー　ｲ':| :.:.:|: |
　　　　　　　　 !:.l: : :|:: i＼　 ´￣｀　／i:.:.:| :.:.:|:.:|　　　　　　（これでは拝礼した我々が馬鹿みたいではないか）
　　　　　　　 ;::i : : i ::|:::::i＞ ,　　　イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　 ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-､ ´,-一ﾍ;,i:::::| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　 ,';:.i: : : |一'ﾞ　　〃∨ヾ. 　ゞ-┤:.:.:|:.:|
　　　　 ,'´￣｀¨∨: : : ∧ 　　　//　ハ　　　 :|: : :.i/´ ￣｀',
　　　　 ! 　　　 /; : : :.iヾヽ__,ノ^｛⌒｝へ_ 　　/;|: : :.| 　　　　',
　　　 !　丶　　ｊ: : : / ／; ; ;;彡ゞソミ; ; ＼//ﾞ|:.:.:. | 　　　 i
　　　｜　　',　 |/: : i; ; ; ; ／;;;く　〉;;;;＼; ; ＼i: : : | 　　　　 !
　　　　i 　　　', .〉: : :|彡／;/;/::::::Y:::::ﾊヾ;;＼.ノ|:.:.:ノ　,　'　　 |
　　　　ｌ　　　ｿへ:._i｀´　/;;/　(:;;)〉:::i;;;;.!::::::::::::::::::::',〃　　 /
　　　　ｌ.　　　｛::::::::::::::::::::/;;/:::::::::: /:::::i;;;;;.!::::::::::::::::::::｝: : :__ 〈
　　　　!. 　　　',:::::::::::::::::/+〈:::::::::::i:::::::|;＋i::::::::::::::::::/／へ｀ヽ
　　　 | 　　　',:::::::::::::::＼/::::::::::::!::::::ヘ;/::,,､∠ヾ´ 　　ヽ､ヽ〉

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.彼は王祥を咎めるどころか、むしろ感心する態度を見せたのだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　元々王祥は司馬家寄りの人物ではなく、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　高貴郷公の変における振舞いを見ても、曹髦に同情的だった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　司馬昭はそんな人物に対しても不快感を露わにせずに接している
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

36：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:31:17.29：eBS2BONMo (13/28)

: : : l:i|:　|:i:i:i:i:i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::’:::::'´::::::/／::::::: /:/ /ｨ/!|: : /　:｜
: : : l:i|:　|:i:i:i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 丶::::/´:::::::／'´ﾚ':::::/::|: /.: :ﾙ′
: : :.!:ｉ|:　|:ｉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::> 　　　　　 ::/∨/!: :/､
: : :|:ｉ:|:　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::' 　　　　　　　 .:/ : : ' j,ｨ'＼＼
: : l:i:::|:.. |:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　 :/: : :　l|"　　＼＼
: :.!:ｉ:ｉ:|::. |:i:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::::::::::::::::: 　　　　　　　 /: : :　　|　　　　ヾ　､
: :ｌ:ｉ:ｉ:ｉ|::: |::i:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`￢…‐- ．__　　　　　　　　ｨ: : : 　　 |　　　　　ﾑ　)
: !i:ｉ:ｉ:ｉ:|:: |::::i:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::: 　￣　　　　／ｌ|: : :　　　|　　　／／
:l:ｉ:ｉ:ｉ:i:i:|: |:i:i:i:i:i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´ 　　　　　／: : : l!: : 　　　 |　　／／
｀...、, -|:.|..､_:i:i:i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　ィ: : : : : : l!: :　　　 | ／／
_ ノ＼. |:.|　　￣｀ ‐ 、::::::::::::::::::::::::::::::　　　　．- ィ ´| : |: : : : : : |: : 　　　　|´／
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:.:.:.:.:.:.:.:.!:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　 :|　, -r ‐'⌒r‐ y´: :l! : | : |:　: : : : :l:: : : :.　　　|　　_) ノ
-:.､:.:.:.:.:ｌ:|:.:.:.:.:.:.:.:.ハ￣ `ー､　 :V ／:.:.:.: : : :.:.:.ヽ: :l!: :.| : |: 　 : : : :|: : : : .　　 |￣-´

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.かつて、兄である司馬師は、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「疑わしきは消せ」とばかりに敵と見なした人間を抹殺し尽くした。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　廃帝曹芳こそ丁重に遇したとはいえ、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .そうした姿勢が毌丘倹・諸葛誕の乱の引き金となった感は否めない。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　寛容な態度を見せられても、それ以上に恐怖を憶えるのが彼の特徴だ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

37：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:32:40.95：eBS2BONMo (14/28)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : :＼ヽ､: . :｀丶､: : . ＼(　/　　　_ハ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:　: / : :/｀丶､､: . : . ｀丶: :辷!-‐-<__仁vヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:　: ´:　/　　　　　｀丶､:｀ヽヽ_ム-‐〈　ﾍｺ〉人
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾞ: . :l : . /　　　　　　　　　｀丶ﾐ､（∧　ヽ二ﾉ |〔
　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :l,､≠ ‐‐ - ､,_　　　　　 _,, ..ム∧　　 |ノV
　　　　　　　　　　　　　　　　 !: : :|/　､ァぅ‐`､ヾ　　　　 '~,r￢く＼ﾍ__ノl;」ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,:l :.{ 　_ﾒ_ノrｯc}`　　　　　　'{_ノｯﾞvドくこﾋ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ :.!　　ヽ辷ン　　　　　　　ヽこ:シ´　 !::〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　 f⌒ﾊ　　 ~ ￣´　　　！　　　｀￣ ` 　ﾊ⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ (.. ',　　　　　　r=＝=┐　　　　 ,ﾞ..) ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 {!　＼t‐',　　　　　|´　　 |　　　　　　たノ　}}　　　　　この天下はお兄様のものかしら！
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;､＿ﾏヽ　　　　　ヽ､__ ノ　　　　　メ､＿_ ノ'
　　　　　　　　　　,. -─- ､　　r‐''"´￣￣｀ヽ､　　　　　　　　　 .イ´;:￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　,.-''"´￣＞-､）　 |: 〕. . . . . : ;;;;;;;;〉|＞､＿,. ‐''|´〈;;;;;;;;; . . . 　　〔 .}
　　　　　／　　／　　　〉-､〈_‐ﾆニニヱヽ/_ﾉ／={ :::: }=＼ズ;;r;;;:二二`_ヽ_〈
　　　　　/　　　 /　　　　/　　ヽ_￣ﾌ;;;;;_∠二イ_::::;:イ￣l＼::: ＼＼_;;;;;;;;;;;;､‐''"ヽ､
　　　　　!　　　　　　　　´　　 /　}√´　　　　;;;;;;|ﾞ/:::| Ｏ |:::ﾊ､:::/;;￣｀"' ゞ､　　　　＼
　　　＿_ヽ　　　　　　／　/_{　　 . . . ._:_;_;;|l:::::|　　│:::|　〉;;;;;. . . .　　＼　　　　＼
　　　＼　ヽ　　　　　　　　　ｲ　 |ヽ_､ィ:三≦__|::: |　　　|:::::| _二≧､ヽ､　　/　　　　　 !
　　￣￣￣`､　　　　　　　　 }､/´|''"´. . . .:;;;;〈:::::|　○　|:::::|〉;;;;;. . . . ｀ヽ`´　l　　　　　|
　　　　＼　ヾ;ヘ　　　　　ノ:.:.)くム_z=ﾆ二≦＼| 　　 !／ｰ=ﾆ二ゝ､丿　.:l:..　〃　/
　　　　　＞/｀>:.＼　　　　 _」:.:.f　／ _／／　　　　　　　､ _ 　ノﾍ匕￣　　.::{:.:../: .／
　　　　／ Z| （:.:.:.:｀ヾ､　　 /:.:.:.:.Y/　　＼ゝ､　　　　　　　｀ヽ~二二ノ: . 　. :.:l!:.: イ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.対して司馬昭は、表面上は寛容と謙譲を全面に押し出していた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　天下に並ぶ者のいない権力者となっても、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　こんな発言を重ねていた人である。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　その影響もあったのか、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　史書等で語られる司馬昭は、どこか間の抜けた人物に描かれてしまった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

38：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:33:58.89：eBS2BONMo (15/28)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_...._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-':::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　ただ、兄弟どちらの態度が優れているのかと言えば後者だろう。
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　　これから先の事を考えれば、
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l　　 .余計な敵を作らないに越した事はないからだ
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

39：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:34:49.40：eBS2BONMo (16/28)

【紀元２６４年６月　魏首都　洛陽】

―　相国府　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└i_､　　　 . 　 .　 .. . : ::|
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　.　... :::|
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三三三三三三三三三 └ｉ_､i'''"　　 .. .:: :::|
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＼ . :|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　 .晋王朝の成立は、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.よく司馬家三代の悲願であるかのように言われる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　しかし、司馬懿にその意志があったかは疑わしく、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬師はそれが視野に入る前に命を落とした。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　両者の生き方と死に様を見る限り、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　そこまで計画的な天下簒奪だったとは思えないのである
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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40：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 23:36:47.97：NKoMEkaIo (1/1)

前を目指して進んで気がついたら自分が一番になってしまったみたいなのはあるよね

41：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:36:57.94：eBS2BONMo (17/28)

　　　　　　　　　　 /,-r　へヽ､ヽヽ､　＼
　　　　　　　　　 / /, |　i　､.＼＼ヽ＼　i
　　　　　　　　　 |.//,ﾘ,ヽ＼､ヽ＼ヽ､ヽﾞiﾉﾘ!
　　　　　　　　　 || | |llﾑ､ﾐ､ヽ､'_-_ヽ‐ヽ|ﾉﾉ!
　　　　　　　　　 || | |ｌﾄｲﾒヽ_ヾ´f'ﾟｈｱ､,!彡)
　　　　　　　　 |! | ﾄ|ｌiヾ'´ ,　｀'ｰ' |ヾﾊﾗﾘ　　　　　　　　　　私を相国府の従事中郎に？
　　　　　　　　　 | | |ｌｌﾄi,＼｀一　 ,ｨ| | | |ﾘ
　　　　,-ﾆﾆ-､　_|.| |ｌｌ|_,r‐1i'┬r='‐'| | | |
　　 ,f´'-―-｀>'　|| |ｌ|ﾄﾏ‐'r'r'r'　　.ﾉﾘi | |-―-
　　 {彡='ニｽﾞ　　|| |i |ヽ､,| | |,　／ﾉ l l |
　　f,ｲ/r'(人＼　 | |l､!rシ/, ヽヽ　/,ｲ |ﾘ
　　!''､(　ヾ /,＼ Yヽ! Y'ｉｿｿ/ ∨ 彡'||ﾉ､｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　_-ﾆ（' ＼（　｀' | | | | |　　　ﾉノ|　ヾﾆ二　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ヽ￣＼　ゞ_､__
　　　,-‐-ゝ,｀ｰヽ,　_⊥!┴､!　　　　 ,ｲ__r'´_,-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／入　＼　_jl´frｫ j}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　` ーヽﾊ-メ_jヽ.
　　　　　　　　　　魏　秘書監　羊祜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　,' ,. - 　　　　´｀ヾヽ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ｲ　 , =､　　ｫ= ､川!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞﾊ, ﾊｫ.j 　　辷j　|ﾒ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾊ ::::　　 '　　::::　ｲ_ ヾ
　　　　ええ、前々から考えていた話よ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.,ゝゝ､　｀　´　イミミjノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l!V:三} ﾞ＞＜　ゝ-'⌒丶
　　　　やっぱり貴方ほどの人が秘書監で終わるのは勿体無いし……　　　　　　 /　ゝﾘ!　jハ! 　ﾚ′　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　 :.:! 　 o 　〈　　-　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　l:.:.|'＼ o _ .人 l 〆ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 :.:.|　/介!V　　イ´
　
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　実際に天下簒奪の絵図面を描いたのは司馬昭だろう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼がどうやって天下簒奪をするつもりだったのかは、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .史書を追えば自然と見えてくる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

42：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:38:18.82：eBS2BONMo (18/28)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　もう、身の危険を心配する必要はないでしょう？　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　ィ::　　　｀丶
_..　ー--～ー一-ァ::´::::::::::.　　　　　ヽ
::::::::::::::::::::::::::::＞:´:::::::::::::::::::::: ..　　　　 ‘.z､
::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::rミ､　　::::::::.　　　　 V:＞､
::::::::::::::::／::::::::::::::::::::h;;＞ミ､　　　　　　　ヽ:::::::＞'Z
::::::::: ／::::::::::::::::::::::::::｀ヽz::::::::｀ｰz､_　　　　 V:::::::::::::＼,_
:::::/ｱ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ー::::¨´:::::::　　　　　V::::::::::::::::::::^｀ゞ、
:ｲV::::::::::i::::::::::::r≠::　,_:::::::::::::::::::::::::::　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::乂_　ｨ
::|::::＞=ﾐ|､:::::::弋:::....　¨　〉::::::::::::::::::::　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::^::{　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼　
::|;:.《 ● |:.ﾄ､::::::::｀:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::　　　　　}!:::::::;ィi:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　|　　 …………　　　|
::V八¨¨7:ﾘ:,ィ:::::／:::::::::::::::::::::::::::::/|::::　　 /::／ｱ::/:.ｲ:|::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿／
:.:.〉:.:.ア八:.:./イ{::::::::::::_::::::::::::::::::/:.|:::　　/ﾚ:.:／ヽ:.:./:.:|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:/:::／:.:.:.:.:７Ｙ／ー:.〃}:ト､:::::::/::::|:::::／/:.:./:::::. |:/:.::.:|ｨｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾍ
:／.:.:.:.:.:.:.:/／:.:.:.:.:.:.{{ ,●　 >/:::::/／:.:/:.:./:f^::ｱ}':.:.:.:/:./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

　　　　　　　　　　　　魏　鎮西将軍　鍾会

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.父と兄の権威と実績を背景に魏に君臨し、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　曹操が果たせなかった巴蜀進攻を果たして晋公となる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　次に三国の一角たる蜀を滅ぼして晋王となる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そして、最後に呉を滅ぼして天下統一を果たし、魏帝に帝位禅譲を迫る
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

43：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:39:14.37：eBS2BONMo (19/28)

　　　／　　　　　　　　　　＼
　　/　.／　　　　　　／_!　　ヽ
　　!／　 , /　ｧ‐'''フ／　　|　 l　 ',
　 / 　.／/／ー' 〃ー'　　ヽ､|　, i
　,　／|　'´　 -　　　　-　　　 |　|_|
　!/i　 l　￣￣｀　　　´￣￣｜｜｝　　　　　　　　　そこまで評価して頂けるのは嬉しいのですが……
. 〈｜　!　　　　　　　　　　　　|　.!ｲ
　l｀|　 | ∪　　　　　　　 |　.l.l　　　　　　　　　 .はたして私などでお役に立てるかどうか……
　|｜　|　　　　r――┐　　 , !　 !{.
. ヽ|　｜＼　　｀￣￣´　,.イ　|　 ||:
.　 | 　.!＞{::｀:ｰr:┬:r‐:´::: }＜!　.|
　 ,|　｜:::::＼::::|:: |:::|::::_:／::::::|　 !
／.|　｜::::::::::／::∧::＼:::::::::::::!　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::､::::::､::::::､::::/::::jL､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/::/＼:::＼:::辻-く仁､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::i::/__　｀ーﾐ _∧ ﾆ/{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::ﾚ.ｧﾆ､ヽ　ィﾆ､ﾍ_ﾉﾚ'
　　　　心配御無用。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ:｣ ´込ｿ　 . 　込ｿ i::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./∧ ￣　r==┐￣ ∧ヽ
　　　　何か分からない事があれば、荀勗に聞けばいいわ。　　　　　　　　　, --､ {!`ｰヽ. 　､___ﾉ　メｰ' i}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣>‐､｣::_:_:_-:i＞┬＜!:-:_:_:_:」i
　　　　大抵の事はなんとかなるでしょう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／　/　ﾄ､7∠イ::i⌒i:::iヽ:ﾆ:ﾆ:ノ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ヽ　　　 ´/､ __ﾆ｣:::! ﾟ i:::l〉=:､. .ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼___＼　　ﾉ/r=_ _｢i::! ﾟ i:/{!三:`ｰ' i　,,　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／z{::::＼　/::Y <<.　　　､ﾆr=_ノ .::i.:/ ／

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.この時代、「禅譲」「簒奪」の言葉の意味はまだ重かった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　それを成し遂げるには、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　是が非でも大義名分が必要になってくる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　新の王莽・後漢の光武帝は皇帝即位の正統性を緯書に求めたが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　司馬昭は「天下統一」という確固たる実績で新王朝を開こうとしたのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

44：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:41:55.00：eBS2BONMo (20/28)

　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::.
　　　　　.′::::::::::__::::／ /:::/＼::::ﾊ::::::::.
　　　　　 .:::::::::::_＿_｀　./／'ー‐＼:ｌ:::i::::}
　　　　 {::::::::〈{　r'ﾊ. /　‐┬ ─ｧj|:::}:::'
.　　　　 ':::::: ゝ .乂ﾉ　　乂ツ　ﾑｲ ;)　　　　　　　（ようやくまともな同僚が来てくれたのかしら？）
　　　　　　'::从つ　　　　　　⊂ /:/イ:{
　　　　　　　 V≧:...　 r 、　　イ／::::::::::,　　　　　　　（阮籍や鍾会に比べたらって、比べるのが失礼ね）
　　　　　　　 /:::::::::::::y⌒ヾ　V:::::::::::::::::::':.
.　　　　　　 '::::::::::::::/　　 }}___》::::::::::::::::}ヽ:
　　　　　　　 {::::ﾄ､:::く_____彡⌒',{:::::::::::::/　}'
　　　　　　乂{　ヽ/:.　｜　　冫::ノ}:/
　　　　　　　　　 /＞:.　{┬.r'∧〉
　　　　　　　　 .乂,{_└'’}_」-┘
.　　　　　　　　　 :. ￣|￣:. 　 {
　　　　　　　　　　　 'r.┤　　ｒf/,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
.　　　　　　　　　　 ∨}.　　 V/}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　魏　相国従事中郎　荀勗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　申し上げます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　只今、蜀より衛瓘様の使者が参りました　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

45：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:43:23.23：eBS2BONMo (21/28)

　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　ィ´￣　　｀ヽ
　　　　　　　　　　.　/　 rｰ- ､　ヽム
　　　　　　　　　　 /1　/,､＼　f⌒Y⌒Y
　　　　　　　　　　 ! | //　＼　ﾄ､{} /!
　　　　　　　　　　ト!'　__　　` ＜ヽ／/
　　　　　　　　　.　 Yi ｨr;ﾐ　　ｨr;ﾐ下ｦ
　　　　　　　　　　　ゞ ,,ゞ'　 ,　ゞ',,ﾑ'
　　　　　　　　　　fﾆ今,､　r-_ｧ r会ｭ　　　　　　　　　　　　　　用件は何かしら？
　　　　　　　　　「{三-'r-｀Tブ了三}
　　　　　　　　ﾉj=イ!　７∧_〉=_ｧヘ
　　　　　　　 /　　{ |!' /∧ﾏj=7 　　 !
　　　　　　　 1　　〉Yｲ_o} |_ノ　　　ト、
　　　　　　　　}-' ﾌ }__r､｀〉{　　　　　i　ヽ
　　　　　　　　レ'　　r､　´　〉　　　_んく
　　　　　　／　　, ｲ- ﾄ､　} ー /´ 　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　. /　　／j　　/｀∨-ｰ〈　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　ひとつは献上したい品があると。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　
　　　　もうひとつは蜀の安南将軍霍弋の使者を連れてきたと　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　前置きが長くなったが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭が晋王となった魏の咸熙元年（二六四年）は……
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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46：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:44:34.29：eBS2BONMo (22/28)

　　　f´　-―〈 {:;｛＠}､:}ｿ1
　　 /{　-―　く／:.＼>l　!
　　l| Y´￣二二ゝｴソﾍl |
　　ﾊl| /´_　　ｨr::ﾍ　>=V　　 _
　｜ヾ fｒ:ﾍ　　ゝ-' / ソ　　/⌒',
　　{　∧ ｰ'　＿.､　{ 厶〉__/　　 }　　　　　　　　　荀勗。
　　　 {　丶┌､{ノイ三.｝　}　　i'ｰ､
　　　＼「/ ､_|７〉{二」イ　r┤ /＼　　　　　　貴方の眼は正しかったわね。
　　　　　[ | __/ｿl|/ て｢　人＼.ノ＿ノ
　　　　　 /}__∠ﾘ　＼＿}Y_}ゝ┘不　　　　　　　 .衛瓘は実によくやってくれている
　　　　　l 〈r｣､ ―-　｀ﾊ　〈 }∠ﾚ'´
　　　　 /く/＼/　　　　{ ＼￣ /
　　　く_/へ　　　　　　＼￣
　　,／:ヽ7ｰｔ＼　　ｌ　＼
　／:::::::::/: : : ∟.j＼　 l 　　ヽ
/::::::::::／: : : : :{: :廴 i＼　　　ハ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::／:::::::::::::::::＼:::::::::::ﾍ
:::::::::/: : : : : : : }ﾉ: : :} 　＼　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::/:::::::／::::::::::::::/ﾊ::::::::::X:::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::!::::::/ :::::::::::::::/ |:::!ヽ:::::::::. :::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::: |:: /::::::::::::::::,:'　,:::,'　＼:::|:::::|:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::rt|:::!:::::::::::;ｨK.　/:/,x‐-- ,ﾒ::::::!,、!
　　　　　　私は進言しただけに過ぎません。　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::! i|:::l;xｨfr心　 /ｨ　　,ｨぅﾃﾄx:::::!ﾘ::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:::::ﾒ|::::! 弋Iツ　　　　　弋iシﾑ:::|'::::!
　　　　　　殿下の御決断が正しかったのでしょう。　　　　　　　　　　　　　 .::::::::: !:: ト,,,,,,,,　　　　　　　　ｲ7:: |:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::λ::iヽ　　　　 '　　　　ﾊ:::|:::::|
　　　　　　後は彼の力量です　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::/:::!::|::::ゝ、　ー一　　 .ｲ:::::!::|:::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::/:::::|:::!:::::::::::jゝ、　　ｔ:´::::::::::|:::!::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::/::::::::!::|:::::::,r''} 　｀ ´　{frx::::::::|:::|::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::::::::/::,ｨ≠!::|ﾃ´: : }　　　　　 { : : : : |:::!≧x、

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼にとって、追い風となる出来事が続く
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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47：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:48:14.33：eBS2BONMo (23/28)

　　　〃⌒　,､
　　　 !ｉ　　 ,l　｀ヽく⌒ヽー-- .､
　　　 {ゝ.__/＼. 　＼ヽヽ. ,.- ､＼
　　　｀ｰ'〈　 ,/`ー､＼　 {l　>-､ﾊ
　　　　ﾊ /　　　　`ー､{l /ｒ〈l} .}
　　　　〉 i ⌒　　　　'⌒ヾ::|'1| /
　　　　　ヽl,.'f´ﾐ、　ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ
　　　　　／ !弋リ . 　弋リﾄ/)　└,　　　　　　　　　　では、日を改めて会うとしましょうか。
　　　　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､
　　　　〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/　　　　　　　　　使者には遠路はるばる御苦労だったと伝えておきなさい
　　　〈　〈　　 !　´.>　{｀~´　　 :　　｀￣｀ヽ
　　　 'ｧ-,rL　ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ-　　ﾃｰ- ､　　 |
　　　　（（　 ', ヾ´￣ﾞヾｿ　　　　＼／　　　 !
　　　　　｀ﾞ.　　', |　　 /ﾊ　　　＜l:i　　　 .|
　　　　　　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､＿__,ﾉヽ
　　　　　　ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ　　　｀＾V_､￣´ﾊ　ヽ.
　　　　　　／人ﾉ　　 <´＼　　　　ヽl∨ﾞ　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　 /イLノ y　　｀（. ＼__　　　　　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　　　　　　　　　　　はっ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

48：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:49:10.32：eBS2BONMo (24/28)

【紀元２７０年冬　晋首都　洛陽】

―　陳寿の家　―

　　　　　　　/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ヽ
　　　　　 /_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/::::::ヽ
　　　　　　/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/::::::::::::
　　　　　　　　|　;　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::|
　　　　　　　　|　　　　　　　ﾞ　　　　　　　 ;　　　　|::::::::::::::|
　　　　　　　　|　＿＿＿　　　　　　　　　'　　　　|::::::::::::::|
　　　　　　　　| /_/_/_/_/_/　　　＿＿＿ﾞ＿＿＿. 　|::::::::::::::|
　　　　　　　　| 　|　　　　|　　　　|〃　　　||〃　　　|;　|::::::::::::::|
　　　　　　　　| 　|　　　　|　　　　|　　　〃||　　　〃|　;|::::::::::::::|
　　　　　　　　| 　|o 　　ﾞ|　　　　￣￣￣, ￣￣￣　;|::::::::::::::|
　　　　　　　　| 　|　　　　|　　　ヾ　　,　　　　　　　|:::::::::／
　　　　　　　　| 　|.＿＿_ﾞ|　　　　　　　,, 　　　　|:::／
　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　司馬昭が帝王となる日は近い。　　　　　　　　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　当時の人々は、誰もがそう思った事だろう　　　　　　　　　　'´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l

49：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:50:54.07：eBS2BONMo (25/28)

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）＿＿＿_　　　　　　なんかすげぇ久しぶ……
　 |　　　　　｀ ⌒／ ─'　'ー＼　
.　 |　　　　　／（ ○）　（○）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　嫌ですね。
.　ヽ　　　／　　⌒（n_人__）⌒ ＼
　　ヽ　　　|、　　　　（　　ヨ　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　蜀滅亡の話をしてから数日しか経っていませんよ？
　　　/　　　`ー─－　　厂　　　／
　　　|　　､＿　　__,,／　　　　＼ﾊﾞﾝｶﾞｲﾍﾝﾊﾌｼｷﾞｼﾞｸｳﾀﾞｼ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　　　今回は晋王司馬昭の動向を中心に取り扱う　　　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_

50：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:53:12.23：eBS2BONMo (26/28)

【紀元２６４年６月　魏　益州　成都】

　　　　l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| i
　　＼､|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Ｍ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾚ,.ィ´
- ､､,_」;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　Ｎ､;;;;;;;;;;;;;;;;;/　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Ｎ　　　　ヽ;;;;;;;;;/　　　ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　＿｣;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ!　　　　　　 ∨∨　　　 |;;;;;;;;;;;;;;７´
￣｀ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､　　　 ‐ ､　　　　　　　　｀i;;;;;;;;;/
　　＿>;;;;;;;;;;;;;;;;Ｎヽｖ- ‐ ﾐ:､__　　 _,,ｨｧ￢､ｖｊ!;;;;;/
ヽ、｀ヽ;;/ｒク7;;;ﾄ､ﾐｉ{　{:::〉 l}>-ｚ=i <i{ 〈:::} }/ Vﾆ,ヽ　　 ,_,ィ＝-､　＿
　';'､　 { !､ﾚﾊ､!　ヾﾐ=－ｼﾞ~´　　　｀ﾆ=‐'" ,}K //　　/／＿,　／,ィ
＼};;;ヽ、>､－ i ヽ、　　　　 /ﾞ　'^! 　､、 ./ﾉ-'/　　/;;{'´ ＿,/;∠ノ;;　 .珍しい璧と玉印が手に入ったから献上したい。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀￣| }､　 /　＿＿_　＿＿　l　ﾉl|'IIﾞ_,ノ-';;;;ﾉ'´;;;;;;／;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／| ヾﾐーﾑ三三三三三ﾐﾆジﾉⅲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'　　玉印には「成信」と読める文字が彫ってあるが、
;;;;;;;;;;;;;;;ｒ‐＜|!ヽ,l　｀ヾﾐ{从儿从儿从州' /Y＾＾i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　 .どうも赤眉の頃の公孫述が作らせたみたいだ。
;;;;;;;;;;;;;ナ'　ノ　｀ﾄ､　｀'ﾐ三三三三三ﾂハヽへ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;Ｉニｺ　　　　/ ! |ヽ､,　｀￣´　｀￣´ /!　　　Ｚ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　せっかくだから、
;;;;;;;;;<,　　　　/{　　| i､ヾ冖''´　　　｀ア´ i　　}　IニI;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　 .晋王殿下の即位祝いにさせてもらうぜ
;;;;;;;;匕　　　ヽ〉　ｌ | ヽ＼＿＿＿/　　 l　 ′ _,}_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;レ1　　　　　ヽ!　｀￣＼　／　ｌ　|　　　｀丁;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;匕┐　　　　　 !　　　､_/／　　 /　　　　　K;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;Uｖi　　　}　　ヽ　　　´　　／　　　　ｒ､Y;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾙ'〉,, ′　　　　､＿,　　　ｒ‐､ｒｖﾍ_};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

　　　　　　　　　　魏　鎮西将軍　衛瓘

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.咸熙元年六月。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鍾会の後任の鎮西将軍になった衛瓘が、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　成都で手に入れた璧と玉印を朝廷に献上した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　これらは、周の成王が唐叔から献上された禾を周公に贈った故事に倣い、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　百官に示された上で官府に収蔵された
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

51：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:54:36.06：eBS2BONMo (27/28)

【紀元２６４年６月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　 i三へ:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_x彡'三三|
　　　　　　　　　 |三 r=ミー‐r==く￣ ,:三三彡ｲ|
　　　　　　　　　 Ⅳ ,.二´　　`一"　　ﾞ＝彡彡⌒i
　　　　　　　　ﾘゝｪミ､.ｉ |　才ｧ-､　　彡彳ｿ/　　　　　　　　衛瓘め。
　　　　　　　　 1 　￣ｲｌ |::.ゝ~￣　　彡「´ノ
　　　　　　　　　　ヽ.　　/:: ｀､　　　　　彡i"′　　　　　　　　都が恋しくなったと見える
　　　　　　　　　／ｨﾍ　ヽ--='　　 _　　彡ト､
　　　　 .． "´{　l//∧ ､＿＿__ ノ `　.イ j/∧ﾐｘ
　　.． "´　　　ヽ＼//＼こ二´　　／ / ////}　}`　　、
／　　　　　　　　＼＼//｀ー一　´　ノ./////j /　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r /ヽ r--L　　,x≦ヽ　　/＼
　　　　　　　　　　　　魏　中護軍　賈充　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《　　 /:.:.:.:.:.:.:｀´:.:.:.:.:.:.:.:＼__　 {__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{,x≦:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:/:',:.:.:.:.:.:.: l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.: | >
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.!ゝ-‘，:.:.:.:.|:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.| {===-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.|　　 }:.:.:.: ⊥⊥:._|:.:.: : |/＼
　　ですが、今帰って来られても余計な問題が増えるだけ。　　　　　　　 |:.:.:.:|斗丁l￣｀ i:.:.:.:.:.:.:/:./|:.:|:.:.: : |:.|＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.: !:.:!:| ,x≦､':.:.:.:, : /T≧､l:.:.:./∧:.:.:}
　　相応しい後任も見当たりませんし、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:.:.:.: l:.lﾘ　トｲ:.:.:.:.:./　トｲ /:./l /ゝ }:i
　　当面は蜀の鎮撫に当たってもらわなければ……　　　　　　　　　　　　∨: : ﾘ　　ヒｼ＼{ヽ　ヒｼ〃:.:.|ﾉ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧＞--＼:.:.∧　　　｀ﾉ/　　　/ !:.:.:|　　　--≠-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 }　　　ト:人　　　 /　　　,ｲ:.:.:.l ＜　／　　 ‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　ｉ　　　　 ∨:.:{:＞　　｀　　＜:.:.:.:/　　 {― ､　　　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　l　　　　　ヽ{ {　　＞＜／　7 /　　　‘，::::::}　　　}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　尚書左僕射　裴秀

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .衛瓘は鍾会の乱の後も蜀に留まって戦後処理に当たっています。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　その後、徐州に飛ばされ鎮東将軍に、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　続いて青州に飛ばされ征東大将軍になるのですが……
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.鄧艾の一件で、洛陽に戻し辛い雰囲気があったのかもしれません
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

52：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/09(日) 23:57:17.03：eBS2BONMo (28/28)

　　　　　　　 ,ｒ T ´￣＞ ―､
　　　　　／ﾊ丶ヽ {　/￣ヽ二ﾍ
　　　　　/　 /'´＼ヽ　}｜　_ｆZﾊ }｣
　　　　　ｌ //＿　　丶､ヽ／　}ﾋｼ∨
　　　　　l /´ __､　　￣ﾞヽ／_ﾑ／
　　　ｒ:ﾚ Yｆ::い　　ﾗ::ぃ　「 T´
　　　込!　ゝ:ｿ . 　{::::ｿ !/Ｙ´　　　　　　　　　　　.さて、使者殿。
　　　 /{!´ ヽ""､_　　　r ｰ|! ┐
　　　＼ー'彡＞ .｀´イ{ゞ=' 丿　　　　　　　　　　　貴方の用件をうかがいましょう
　　　　 l〈＿_ 〉イ＾ト､ f´￣〕、
　　　　/　Ｌ.ﾉ／l¨l＼ └ｔ‐彳 ',
　　〈　　ゞ=' /cヽ　〉┘７¨　〉
　　　　 Y　,ィ⌒i c　 /｀ヽ　　／
　　　　｣/l }、　}､c/｛　 /ﾄ､/
　　　　〉 l }::::Y /{}ヽ{トｲ/　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　我が主霍弋より預かった上奏文をご覧下さいと使者Aは答えます　　　　　　 |/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ　　　　　　 ..ｲ:i : : :{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}从{: ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　,.＜ //ヾゝ八__／:.:.// ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{　( ⌒ )

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ほぼ時を同じくして、蜀の安南将軍霍弋の使者が洛陽に現れた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　この時期、永安では呉軍の包囲が続いている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

53：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/09(日) 23:59:01.14：JpP9k2Vzo (2/2)

投下ありだとっ！？

54：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:00:13.15：poGcySNRo (1/64)

　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:, :.:.:.:.:､:.:＼
　　':.:.:.:.:.:. /:.:.:.ｉ:.:.:.:ｌ:.:.:ﾄ :.:.:ト
　/:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:|:.:.:.廾ナ!:.:ﾘ
　 7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:|r=ｫⅣ}
　ｲ:.ｌ:.:.:.:.:/::::( |:.:.:.:l　tj　'
　' Ⅵ:.:.:.:.:.:::::::∧:.:.:|　　　〉　　　　　　　　驚くべき事に、霍弋はここに至るまで魏に降伏していなかった
　　jハ:::::::::::::/　', .:|　 -/
　　　　Ｖ:::::/′　',:.|--ｲ
.　　　从/　　　 lヾ:川
　　イ　{ 　ヽ　ﾞ㍉℡、
　／　　ゝ　　　　ﾉ　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　二ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　彼の統治下にあった南中の官民もですね　　　　　　　　　　　　　　/　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||

55：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:00:55.85：poGcySNRo (2/64)

【紀元２６３年１１月　魏　益州　建寧郡】

:.:./ /:.:.ｉ:.:ｉ:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.lｉ:.:.:.:.:/:.:.ｨ￣ﾒ　　 :.!:.:.l:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:ｉ:.:.:.: !　ヽ:.l
:.:.{　ｉ:.:.:.!:!:.:.:.ｲ:.:.:.:.:.:l:.l:.:.:.:.l:.:/.l:.:/ 　＼:l:.:.:l:.:ｉ!:.:.:.:.l:.:.:.l:.:.:.:.|　　 :|
:.:.:ヽヽﾉ!:.:./:.!:.:.:.:.:.:l:.:!:.:.:.:!:'　l:/ 　　　　l‐､!:l:l:.:.:.:.:l:.:.:.!:.:.:.:.l　　 !
:.:.:.:冫 =l:.:.ｉ:.:.l:.:.:.:.:.:l:/l:.:.:/　 .l'　 ''ヾ,, 　.! ｉ:ｉl:.l:.:.:.:.ﾊ:.:.l､:.:.:.:l　　/
:.／:/ー:.:.:ll:.:.:!:.:.:.:.:ｉ'　l:.:l　　ｌ.　　　｀　l::l:.:!:.l:.:.:./ l:.:.'　､:.:.l　　　　　　　陛下は鄧艾に降伏しましたか。
／l:'　　ｉl:.:l !:.:.!:.:.:.:! 　 !l　　 !　　　　　 l:!:.:ｲ:!:.:/　l/　　＼!
　/　　 !l:l　!:.:.l:.:.:l　　 !　　　　　　　　 ',://'.:.:'　./　　　　丶__　　　　これより哭礼を行った上、
　{./　　　!:.　!:.:.!:.!　　　　　　　　　　　　　､／　 '　　　　　　　　　　　　.三日間に渡って喪に服しましょう
　/　　　 :.:.:､l:.:!:!　　　　　 _　__, ‐‐　 ´
./　　　　 :.:.:,.‐l:.!　　　　　　 _冫'
　　　　.-‐ ' 　 ll ＼　　　 /:.:./
　／　　　　 ! 　 `　 _　ノ !:/

　　　　　　蜀　安南将軍　霍弋　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ 　　 .ﾄl!: : |
　　　　ですが、陛下が降伏した以上、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l:/|/ ノ　　　　＼　ト、: |
　　　　我々も魏に恭順の意を示した方が良いと官吏Aは進言します　　　　　|/!:ll　● 　　　● 　ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃.ｲ:i : : {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　/⌒l　　 __,　イﾄ:}从{: :ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /ゝ八__／:.:.// ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　l.:|.|oi//:.:.:.:.{.{ﾋ;_、_｝

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　何故霍弋はすぐに降伏しなかったのか？
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼は配下の諸将に次のように説明している
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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56：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:03:05.17：poGcySNRo (3/64)

　　　　　　　　　　　　　　. .- ‐ : ..､
　　　　　　　.　　　　_, ´: : : : : : : : : :_:::::ー....
　　　　　　　　／: : : : : : ::::::::: : ::/: : : : ＼::::::::ヽ..._
　　　　　　　/: : : : :/: : ／::ヽ:::/: :＼ : : : : ヽ:::::::＿_::_ー-
　　　　　　/: : : : :/ ::/ : : : : :Y: :: : ::::＼: : : : :ヽ::::ヽ
　　　　　/　　　/　/　　　::::,､_:::　　 :::::ヽ　 :::::ヽ:::ヽ
　　　　/,: : : : : |: :|: . . ::/ /　　|　.:.　:::::::ヽ : :::::::k:::::l
　　　／´i: : : : : :|: :| : : :::|::/_ _ 　| ::::　::::::::::l: : : :::| .|::|
　　　　　i:::'l: : r　ヽ|: : :::ｫ/ __ _ ヽ|:|､:::::::|,:､::l: : :::::l　ﾘ　　今、交通は途絶し、陛下の安否も分からないのですから、
　　　　　i/ l ::::t卩|| : ::/|　'､k｡ｶ　`|ヽ:::::|Z|::l : ::ﾄ､|　　　.重大な決定や我が身の進退を軽々しく決めてはいけません。
　　　　　　t|::::::＼| : :/　　　　　　　 t::j ::ｆ:l:: ::::| .|
　　　　　　　|:::::::::::::|: :|.　　　　　　　　>:/:::|､::::/　　　　もし、陛下が魏と講和され、礼遇されているのなら、
　　　　　　 /}::::::::::| |::|　　　　_ _ _ . '::::/::::/ |::/　　　　　それから南中を保って降伏しても遅くはありません。
　　　　　/　ﾚ|::／　`|＼　　ヽ--'::::/l::∧| ﾚ
　　　　 /､　.　'　＼　　:::::＼　　.:::, '　l/　 |　　　　　　　万が一、危険な目に遭われて辱めを受けたのなら……
　　 .／　ヽ　　　　　`　､　 .::.` -,'､､　　　　　　., ..､
　／　　　　ヽ　　　　　　Ａ:::::::|/ ::}.::ヽ　　　　./ :::::l
　　　　　　　　＼　　　/:::{o`::|__､l::::::}　　　　, '　..:::/　　　. - _´｀,ー__､
　　　　　　　　::::::＼/　::::|　i::| /::::::::|　　／　__;;k'　 --´‐‐ ...￣....`::､:::`,
　･･･ -　､　　　　　　　　＼`||　::::::{　／　　　　　　 ..:::::::::::::_:: ‐　 ' ￣
　　　　　　`　　　.　　　　　　`|| 　 :l ./　　　　　　..:::::_:: -
　　　　　　　　i　　　　.　　　　　|､　l,/　　　　.......::::::-
　　　　　　　i　　　　.　　　　　|.|　l＼ _　 .:::::::::k'
　　　　　　　　＼　　　　　　　　|. |/　　　ー‐:::::'/

57：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:03:57.82：poGcySNRo (4/64)

　　　　　　　　　　　　　___＿＿＿＿　　　　　　＿ ,
　　　　　　　　　　　 , '´::::::::::::::::::, ' - ､::￣￣二 - '´
　　　　　　　　　　/_:::::::::::_:::::::::/::,_:::::::::｀ヽ｀ﾞヽ
　　　　　　　　, '´~:::::::::::::/｀ヽ/:::::::ヽ:::::::::ヽ､::::ヽ.
　　　　　　　 /::::::::::::::::::l:::::::::::!,ﾍ::::､::::＼　　ヾヽ',
　　　　　　　l:::::::::::::::::::::l　　| l'''''ﾍヽ　ヽ::::::::ヽヽ.
　　　　　　　j::j　　　　_l:::::::l!.|　　ヽ_::ﾄ､::ｫ'´:::::ﾄﾍ
　　　　　 /ｲ::::::::::::::ﾉ }:::::::ﾊ.!, ''´,_〉､! ﾞ仡::::::::| ヽ
　　　　　　′ﾘ:::::::::::/ .ﾊ:::::::l ヽ <ゞ'　｀ヽ､Y､::::l　　　　　 .その時こそ、僕は死を覚悟で抵抗するつもりです。
　　　　　　　ﾍ::::|// .ﾑ-,..,.j.　 `　´　　　ノﾍ:/
　　　　　　　　ﾉｲ.ヽ!　'　'　! ヽ　　　　, ィ'|　　　　　　　　降伏の早さを議論する必要はありませんよ
　　　　　　　　　|ﾌ入　　　　　l　　ｰ'ィ'ﾍl
　　　　　　　　 ,ヘ　ﾍ　　　ト　､＿ﾉ､　｀
　　　　　　　／　ヽ ',　　　　jｧ /　/ !　ヽ
　　　　　／　　　　　/ゝ..＿..ﾉ｀Y Y　/ 　 }
　　　／ ,..........　　　', 　　　　ｌ}_|./　　 j
　　 /, '´　　　｀ヽ　ﾊ_　　　ノ　ｌ　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　 //　　　　　　　 ∨　｀` ￣　　 l 　./〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　j j 　　　　､　　　 l　　　　　　　　l ,._ll′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|ﾍ　　　　　　 ..ｲ:i : : :{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}从{: ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　,.＜ //ヾゝ八__／:.:.// ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　( ⌒ ) { {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{　( ⌒ )

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　そうこうするうちに鍾会の乱があり、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　劉禅が洛陽に移って安楽県公に封じられた事が伝わってきた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　霍弋は主の安否を確認した後、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　管轄下にある南中六郡の郡太守と連名で魏への帰順を申し出た。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　蜀討伐・鍾会の乱の混乱の間、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　南中をまとめ上げた彼の手腕は一驚に値する
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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58：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:05:34.84：poGcySNRo (5/64)

【霍弋さんたちの上奏文】

　　　i: : : : : : ;;;;;;;;i　　　　 i : : : : : : : : : ;;;;;;,, : : : : : : : : : :
　.､　 .i : : : : : ;;;;;;;i　　　　　i : : : : : : : : : :;;;;;;;, : : : : : : : : :
　ヾ;､丶: : : : ;;;;;;;;i　　　　　i : : : : : : : : : ;;;;;;;;,, : : : : : : : :
　　　`､丶: : : : ;;;;;;i　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;., : : : : : : :
..i`.､　ヽ丶: : : :;;;;;;;i　　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;,, : : : : : :
...l b:`:.､i. 丶: : : :;;;;;;i　　　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　l.t:::ty:l　丶: : : :;;;;,,i_, - ‐＝＝=====ｯｭｒ｡＿:_ ;;;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　 ``ｫ;;;j| 　丶: : : ::;;;i　:　:　:ｪｫ=-　:＼ : : : : ￣:￣;;;;;;;;;;､;;;;;;,, : :　　　　　.人間は三者のおかげで生きております。
.　　　　;l 　　丶: : : :;;i:　:　:":　:　　　　＼: : : : : : : : ;;;;;;;;l:＼;;;;;;,, :
＼　　/　　　.∧: : : ;;i:　_ｨｪｪ､_　　　　　＼: : : : : : : :;;;;;ヽ: :＼;;;;;　　　　その仕え方はどの場合も同じで、
　 .＼/　　　/ : :ヽ: : :;;i　:-`´｀≡ｮ､_　　　　＼: : : : : : :;;;;ヽ:　: :＼　　　.危難があれば一命を捧げるものと聞いております
　　　＼　 /:　: 　:ヽ: : ヽ :　｀､　　|;;o｀k‐y-r,,,,_`__､: : : : ::;;;丶:　:　:
　　.　　`<:　:　: 　: ヽ: :ヽ　　ヾ､.ヽ;;;ヽ`' ﾉ;;;;'-'''''':＼;;;; : : ;;;丶:　:　:
　　　　　ヽ　:　: 　:　丶::ヽ　　　　｀ ` ｰ｀´."　:　:　:　: ＼; ; ;;;;;丶:　:　:
` ､.　　　ヽ:　:　: 　　丶ヽ　　　　　　:　:　:　:　:　:　:　:　: ＼;;;;;;;丶:　: :
.　`､:.　　　ヽ:　:　:　　　丶､　　　　　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　＼;;;丶:　:
:　: ヽ:.　　　ヽ:　:　:　　　丶､　　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　丶`､: :
:　:　ヽ::.　　　ヽ:　:　　　　　＼　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　 `: :
:　: 　:ヽ:::.　　　ヽ:　:　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: : :
`ヽ､:　 :､::.. 　　　ヽ:　:　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: :
　　`ヽ､､::..　　　ヽ､:　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　三者とは、父・母・主君を指す
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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59：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:07:01.67：poGcySNRo (6/64)

　　　i: : : : : : ;;;;;;;;i　　　　 i : : : : : : : : : ;;;;;;,, : : : : : : : : : :
　.､　 .i : : : : : ;;;;;;;i　　　　　i : : : : : : : : : :;;;;;;;, : : : : : : : : :
　ヾ;､丶: : : : ;;;;;;;;i　　　　　i : : : : : : : : : ;;;;;;;;,, : : : : : : : :
　　　`､丶: : : : ;;;;;;i　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;., : : : : : : :
..i`.､　ヽ丶: : : :;;;;;;;i　　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;,, : : : : : :
...l b:`:.､i. 丶: : : :;;;;;;i　　　　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　l.t:::ty:l　丶: : : :;;;;,,i_, - ‐＝＝=====ｯｭｒ｡＿:_ ;;;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　 ``C;;j| 　丶: : : ::;;;i　:　:　:ｪｫ=-　:＼ : : : : ￣:￣;;;;;;;;;;､;;;;;;,, : :
.　。　　;l 　　丶: : : :;;i:　:　:":　:　　　　＼: : : : : : : : ;;;;;;;;l:＼;;;;;;,, :　　　　　今、臣の国は敗れ、主君は降伏なさり、
＼　。 /　　　.∧: : : ;;i:　_ｨｪｪ､_　　　　　＼: : : : : : : :;;;;;ヽ: :＼;;;;;　　　　 .死を貫こうにも拠り所がありません。
　 .＼/　　　/ : :ヽ: : :;;i　:-`´｀≡ｮ､_　　　　＼: : : : : : :;;;;ヽ:　: :＼
　　　＼　 /:　: 　:ヽ: : ヽ :　｀､　　|;;o｀k‐y-r,,,,_`__､: : : : ::;;;丶:　:　: :　　　それゆえ臣礼をとり、敢えて二心を抱きません
　　.　　`<:　:　: 　: ヽ: :ヽ　　ヾ､.ヽ;;;ヽ`' ﾉ;;;;'-'''''':＼;;;; : : ;;;丶:　:　:
　　　　　ヽ　:　: 　:　丶::ヽ　　　　｀ ` ｰ⊂つ　:　:　:　:＼; ; ;;;;;丶:　:　:
` ､.　　　ヽ:　:　: 　　丶ヽ　　　　　　:　:　:　:　:　:　:　:　: ＼;;;;;;;丶:　: :
.　`､:.　　　ヽ:　:　:　　　丶､　　　　　　　　.　○:　:　:　:　:　:　＼;;;丶:　:
:　: ヽ:.　　　ヽ:　:　:　　　丶､　　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　丶`､: :
:　:　ヽ::.　　　ヽ:　:　　　　　＼　.　:　:　:　:　:。:　:　:　:　:　:　:　:　:　 `: :
:　: 　:ヽ:::.　　　ヽ:　:　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: : :
`ヽ､:　 :､::.. 　　　ヽ:　:　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:。　:　::　:　:　:　:　:　:　:　: :
　　`ヽ､､::..　　　ヽ､:　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:○:　:　:　:　:　:　:　:　:　: :

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　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　 _ノ　ヽ､_　＼　　　　　　　　　　　霍弋殿、さぞ無念だったに違いないお
／　 /⌒)　　　⌒ﾟo　＼　　　　　　　　　 .
|　　/　/（__人__）　　　 |　　　　　　　　　
＼/　/ 　｀ ⌒´ 　　／　　　　　　　　　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .

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60：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:07:51.44：poGcySNRo (7/64)

【紀元２６４年６月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　/. : : :＼: : : : : : : : ﾞ : 八∧　　_く:i:{｀Yt込{--=ｾろﾊ
　　　　　　,: : : : :/ { ＼: : : : : : : : : :辷 >'´//ﾊト=彡´ﾘ=ﾐ//ハ: }､
　　　　　　 ,: : : : :' : ﾘ　｀ﾞ＜: : : : : 乂ﾍ//／￣ゝ-＜　　/ {ヾ': i :
　　　　　　 ,ﾞ : : : : : /　　　　　　｀ﾞｰ-=ﾆ斗く｀ヽ　　　　 ,ｲノ∨: :|::i
　　　　　 |: : : :, 〃　　　　　　　　　　　　￣｀ゝ心､　／ﾉ: : : ﾏ: ; :|
　　　　　 i: ; : ; /　　　　　　　　　　　　　z=＝=-弌乏.イ＼: : ﾊ :: ;
　　　　　　',:{ : !{　　　 ,.z＝-　　　　　　　　　　　　｀　　ヾﾐ､ヽ: : : :;
　　　　　　ﾏ :ﾑ　　／´　_　　　　　　　　　r'´　　　　　　　∨ハ: : ,
　　　　　　 ∨:ﾊ　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　　　匁:､:∨
　　　　　　　　∨∧　　　　　　　　　　　　　　r 彡＝ミ､　／}｀ヽ./
　　　　　　　　ヾzﾊ　彡＝ミ､｀　　　　　　 '´　　　　｀ (　ﾉノﾑ_　　　　実に素晴らしい態度かしら。
　　　　　　　　　　{,. ﾑ 'ﾞ　　　｀　　　　　　 V/〃ヽ　, '´ ,ｲ: : :}
　　　　　　　　　,ｲﾍ　　〃/〃 '　　　 ':,　　　　　　　　　ムイ｀ヽ. /　　　　霍弋には今後とも南中の統治を任せましょう
　　　　　　　 //　｀_､ﾊ　　　　　　　　　 _ ,　　　　　　,:ﾞ＿___彡ﾍ
　　　　　　 {:{／. : : :ム　　　　　　｀´　　　　　　　／-＝ミ: : : :ハ
　　　　　　　　{ゞ:､ : : : : : : ＞.　　　　　　　　　イ: : : :｀ヾヽﾏ: :彡ﾞ.
　　　　　　　　ゝ: : : :_彡'´.: :ノ　　｀≧::._＿ _ ＜　ﾑ: : : : : : : ∨´　　｀ヽ
　　　　　　　,　イ: : : :｀ヾ'´｀ヽ._＿／　, {__{ﾄ　｀ヽ _.ゞ-=＝ﾐ､: : }　　　　　　＼
　　　　＞'´　　 !: : : : : : : :}　//{　　彡'　 }下､　{: : : : : ≦彡'´　　　　　　　　＼
　　　ｲ　　　　　ゝ､: : : 彡'　〃. ゝ＜ /.:rz | |:...ヽLz=ﾐ: : :.Y　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　　|　　　　　r≦:´｀ｰ-､//.::::::::/ 〃.:::::: | i::::::r-､_ノ. :／　　　　　　　　　　　　　　i
　　　ﾑ.　　　人: :＞ﾁ: :ﾉ,′.::::/　∧.:rz.::!｜:八: :｀Yｲ'　　　　　　　　　　　　　 /
.　　　∧　､　　 ∨≧z{ {:!:::::∨_ ∧:::::::::::{ﾄﾑ_ ｀ヽ}丿{　　　　　　　　　　　　,　　 '
　　　　ゝ　　　　　二フ , ヾ､:::::::::::::::::rz:::::ゝー＝´〃　　　　ヽ　　　､　　ノ　／

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　司馬昭は霍弋たちの帰順を喜び、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　霍弋を南中都督に任命し、その他の者の官職はこれまでどおりとした。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .魏側にしてみれば、彼らの帰順は渡りに船だった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

61：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:09:14.00：poGcySNRo (8/64)

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　正直な所、我々は南中まで手が回りませんでしたからね
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　異民族統治の面倒さ考えれば、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　現地知ってる人間がいた方がいいはずだお。　　　　　　　　　　　　　　|　　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　それと、南中まとめて帰順したのが大きい気がするお　　　　　　　　　　 .|　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／

62：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:13:32.67：poGcySNRo (9/64)

【紀元２６４年６月　魏首都　洛陽】

―　杜預邸　―

　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　ｆ'/ Ｋ7-､
　　 _,　ｨ^'ﾍ'''”:::::："::.そ
_,,､/:::ﾞて”::："::.”::.::：::.."::''､_
”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::..`-'^､_　　＿＿＿＿＿＿
::”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.`,´ _ｒ=､　 _ｒ=､　,_ｒ=､､
::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::”:::":.::：::...:∠　 ',|田|　',|田|　',|田| ＼／＼　　 _
”:::":.::：::..”:::":.::：::..”:::":.::：::.:..”:::":.::`ﾍ_、＿＿＿＿＿＿＿_＼ｪi. ＼ｆ´:
:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.:::そ王! !王王| |王王| |＿,,_,ノ::"
::":.::：:::..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：::.:”〈ｔｔｔｔｔ| ﾄｔｔｔｔｔｔ| |ｔｔｔｔｔｔ.! ! ｒ'::"::ﾞ::"
:::”:::":.::：::.:..”:_":.::：::.:..”:::":.::：::.:..”:::":.::：:/_ _ |_| ._ _　!_! _ _　| |.ｆ::"::'::::'"
``＼:..”:::":.::：::.:..”:::":.::..”:::":.::：::.:: :::：::.<´‐‐ﾞi　ｆ ‐‐ﾞi　ｆ --ﾞi　!l::"::::::::::::
　　ｌ";ﾞ;ヽ:..”:::":.W`'''－'^＾_`ー-‐''`^`ｨ'ﾞ'""::;;ｒ､I_I_I｣ .|_Ｉ_Ｉ_I.! .!:::":::":::":
　　 |:lii;;;; i;|;レ'_;ｨ　｜　ｆ´::ヽ‐､_-､⌒､　ｒ==========ｒ''´`~;7 ＞､:::"::
　　,|;ii;l;|;;:ll!:;;!　 l|　 |　｢,,＿__ ｒ';;::::ﾐヽ::ｨ⌒､／￣￣＼ i::;;;;:::＿::_::,⊥＿
　　|:;:il!;;;ii;;ll!;|＿l|,,-'　　<ﾆﾆﾆﾆﾞ､ｒ::⌒ヽ　ﾞ､　　　　　　ｒ'´::;;::;;::;:::::;;::;;;;
　　!:il!;";;iiﾞ;;ll;|　　　　　　〉―― 〉_ｒ-''´`'''‐-‐ ､　　　　ｌ;;;;;;;;::;;::;;::;;;;;;;;;;;;
　 ,|:;:il!;;;ii;;ll;;ｌ;;|　　　　　 /――‐｢;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>　　　ｌ::::::::::::::::::::::::;;;;;;
　 |:;:il!;;;ii;;ll;;ｌ;;ｌ|　　　　／＿＿　〉;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ　　　　ヽ:::;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　お越しになるのでしたら、事前に言ってもらえれば良かったのに……　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

63：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:16:12.18：poGcySNRo (10/64)

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　　　　｜　　 ( ●) (●）
.　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　そうすれば、しっかりした饗応の準備を整えましたよ？
　　　　　　　 .|　　　　　　　|
　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ､ _　＿＿__
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //⌒ゝ'´￣｀丶、｀ヽ_, へ
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ﾚ／　〈＿　　　　/´　ヽ_｜
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　／　　￣ヽ　＼ﾑ卯.〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　/ 　, '　　　　　　　＼　＼　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　　 l　,　 /　　　　　　　　　 V　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, _‐‥'´　ﾊ　　　　l　|　l '´￣｀　　　　´￣｀' l　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{-、￣　´　{　　　　'. l　!z=＝ﾐ　　　　彡＝=j　l/
　　　　そこまでしてもらう必要はないわよ。　　　　　　　|〈 |　　 _, -‐'　　　　 'ﾊ | ///　　　.　　　///|/ ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾイ´|l　|l　　　　　ｒ人l　　　　ｔ._‐（　　　ﾉ厶〉
　　　　近くまで来たついでに、　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌLjＬj |　　　　　{ミ　ト　　　　　　　イﾐ＿ｿ
　　　　世間話をしに立ち寄っただけだから　　　　　　　　　　￣ﾍヽ __　　／ Y彡　〉__.}＞ｎ＜{__{　彡ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ/　　　匕彡　〈_| |_〉　{ミﾌ￣ヽ
　　　　妹の顔も見ておきたかったし　　　　　　　　　　　　　　　　/　　´　〕　　　　トゝ　　c　　 =彳　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ｒ､〉　　　　ヽ　　 c　　　/　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ｝　ィ　　　＼　c　／　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「Y}　　∨ﾍ.|　　　　　＞＜　　　　　 / 　 /

64：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:17:39.78：poGcySNRo (11/64)

.〃⌒　,､
.!ｉ　　 ,l　｀ヽく⌒ヽー-- .､
.{ゝ.__/＼. 　＼ヽヽ. ,.- ､＼
.｀ｰ'〈　 ,/`ー､＼　 {l　>-､ﾊ
　　ﾊ /　　　　`ー､{l /ｒ〈l} .}
　　〉 i ⌒　　　　'⌒ヾ::|'1| /
　　ヽl,.'f´ﾐ、　ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ
　　／ !弋リ . 　弋リﾄ/)　└,　　　　　　　　　　　　　ところで、蜀はどうだったのかしら？
　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､
　　〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/
　〈　〈　　 !　´.>　{｀~´　　 :　　｀￣｀ヽ
　 'ｧ-,rL　ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ-　　ﾃｰ- ､　　 |
　（（　 ', ヾ´￣ﾞヾｿ　　　　＼／　　　 !
　　｀ﾞ.　　', |　　 /ﾊ　　　＜l:i　　　 .|
　　　　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､＿__,ﾉヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ　　　｀＾V_､￣´ﾊ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　　u　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、　　　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨヽ-ー　≦ノ7
　　　　　私などが言うまでもなく、すでに御存知なのでは？　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"....:::::::::::::::::::::::::::ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿.:::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r :::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀,::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V

65：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:19:30.35：poGcySNRo (12/64)

　　　　　〈､_　　　 ‐-　　＿　 ∠　 /::;:| |::::ﾍ　く
　　　　　　廴￣二　─　_＿_____,厶〈::/::| |::ﾄ､:〉く
　　　　　 | i ｢￣￣￣ ¨¨ ⌒ー- ､レ､|::| |::ﾄ､_fﾞ｢
.　　　　､l |　　　　　､_,　- ´__ 　ミﾐ;ＬｌＬｌｉｉ！　　　 .生の意見は多いに越した事はないでしょう。
　　　　　ヽ|　 __,　　　　ィ'´ 〒、　!Y＾ヽ　l　,′
.　　　　　　 ',´ ,ニ､　　　ゞﾆｿ　′ l | fj/ / /　　　　　聞こえてくるのは、
.　　　　　　　ﾊﾊ､ｨｿ　　　　　　　　　// 厶 'イ.　　　　　鄧艾の目に余る独断専行と、姜維の立居振舞い。
　　　　　　　 { ﾊ "´　､　　　　　　u くく〈二不,
　　　　　！八　　　　 _ ＿　　　〉〉ゝ、＿j..　　　　貴方の目にはどう映ったのかしら？
.　　　　　〃X> 、　´ 　　　　／/{/ /＿_了'
　　　　　　 {{ r‐f'⌒.＞、 __ ,.イ＿_/_　＼∠_
　　　　　　_八_j /　 ´￣ ──くヾー┬､＼ｲ __人
　　　　下、　￣廴　　ﾉ｢丁 l::ﾄ､＼{ /:::/.⌒ヽＹ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　！￣}_　 └t＿ |:::|　|::|　＼:':::/　（__ﾉﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 __,ノ　ヽ､_
　　　　 ,ｲ　　 └ｚ____　　Yﾉ　|::| 　〈¨′ 　 r─　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　（___人__）i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　鄧艾殿に関しては、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .人､　　　　　 |
　　　　独断専行と言われても仕方のない部分がありました。　　　　　　　　　　　_,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　ただ、あの措置に同情する声は満ち満ちています　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i

66：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:20:15.98：poGcySNRo (13/64)

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　　　　　　　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |.　　　` ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　 .姜維に関しては、
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　かねてより聞いていた以上に立派な人物と見受けられました。
　　　　　　　　　 iヽ　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }:::.`＞ｰ-´-くヽ- 、___、　　　　　　百聞は一見に如かずとはよく言ったものです
　　　　　　　　　 _/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ７¨:.ヽ
　　　　　　　__／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::＼
　　　　,.-<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　r´.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::ヽ
　　 }:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　i {　 /　｀.＜-===厂｀Y⌒＼___　/{
　　 f:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i: /.:::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　乂､人　　　　＼=.{　　 Ⅵ　　） i/ .{／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..,イ　 .八 .＼　｀ミ.　ヽ）　　 Ⅵ ./___　/　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　 /　＼　＼　　「　　）气／ｲミ､ヽ.／圭圭}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　 /　　　＼　　〈-‐===={{ （ｨ⌒ ）.}}/⌒＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 .'　　.／ -=ミ　　　＼zz､ヽ圭圭}}{､｀Y＇ノ圭ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　{ 　 /　　__ .､　　　　.＼　}圭／厂}ヽ=‐彳￣＼::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　 i　i { 　ｨ斧ﾐ､　　　　x弐ﾐ､ー,　/　{圭{　　　　ノ＼::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂 ‘， {{ r'Yi　　　　'　つｨ:>､Yヽ./|圭{　　　 /　　　ヽ :}
　　親を捨て、国を裏切った男が立派とは面白くない冗談ね　　　ヽ.i　.込ク　　　　　 /.ｒ':::Y}}乂　 |圭＼ -='　　　　 }: }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`"　,　　　　 i込zﾂ.ﾞ　} ／⌒ヽヽ　　　./ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　　　　　　　｀"　　 / i ﾑい丿.圭>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　､　　　　　　　　　ｲ .ﾉ／⌒ヽ:／）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　.＜　／　　,ｨ　　　.（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `=:::::::::夭三三／　　／ '　　　／`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::／　　　 {　. ／　　　　イ　　／⌒＼

67：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:21:10.68：poGcySNRo (14/64)

　　　　　　　, -「＼‐- .._
　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　/　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　i{. .:/ ./／　　、　　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ　　　　　立身出世を目指して国を裏切り、
　　i:､::{ _{´　＿＿＼　　ノ＿Vｿ　　　　　　功を焦って多くの兵を犠牲にした挙句、寝返った国すら滅ぼした。
　　ゝ:`{ﾒ, 　 { 弋ﾂ　　弋ﾉ /'
　　｀`i{､＿　xxx　　　 ,xx{= ､　　　　　　人が根本を軽んじるとどうなるか？
　　人､__メ　　　 , -'、ノ　〉
　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...　　ィ'´｀ヽ /　　　　　　他山の石としなければならないわね
ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／）￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／∠___ ヽ､,_　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ／ ,-イ）（＝）!!! |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l /　/（__人___）　　 |
　　　手厳しいですね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　', ｀⌒ ´　 u　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　 ',　　　　　　|
　　　ただ、鍾会があれほど姜維に傾倒するとは思いませんでした　　　　　　 .j　　ﾉ　　　　　/|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j,　_、___　ｨ／::＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___／ ...:::::::::::ヽV￣￣￣:::::::::::::::::...´´''' ､､､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　:::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ::／ ...:::::::::::::::::::::::: /;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::: l

68：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:22:06.64：poGcySNRo (15/64)

　　　ｨ　 ,　　　　　／　､　､ｒﾍ_ -､ﾞｒ,｡ﾐ}i}
　　 / |　/　,　　／　　　＼＼´:::_;ｨ､__ﾝくﾞ
　　 !　ﾚ′/／_ --- ‐　　＼_ Lヽ　　〉:)　　　　　まったくかしら。
　　 !　i!　i　　　,.-､､　　　　＼｀} ﾚｨ-/'´
　　 l 〃｀=,　ｲ辷.ｿ｀　　　 __ -ヽ 7У　　　　　　　あるいは、同類同士気があったのかしら？
　　ヽ! ﾘ〃　ヾ- '　　　　　ｨ升iｙ'/´
　　　 ,〉-i!　　 ""　　　 , 　ﾞ--"〈）　　　　　　　　 .まあ、親を軽んじる者に相応しい末路と言えるでしょう
　　 ,/ 　ヾ--t‐'　　ー -　　""/´ﾞヽ　
　　,'　　 ,-＝V-､　,.---,　__,／｀ヽ　}
　　ヽ､,ノﾑ´　,.ｲﾌ´ .‐夭´｀_r､=､_ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　{
　　　　　　そういえば、親で思い出したのですが……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　先日の故相国と故忠武侯への追贈について、　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::::::::::::::::::::::::::::.、
　　　　　　お聞きしたい事がありまして……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ｰ-:::::::::::::::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「r'、　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} r'、　ﾍ､ /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/ ム､} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　い､{　Ｙ::::::::::::::::＼::::V:::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　{|V.::::::::::::::: ＼V:::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これに先立つ五月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭は亡き父と兄に晋王の位と諡号を追贈している
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

69：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:23:25.17：poGcySNRo (16/64)

【もう一度、司馬家の恐怖を思い出そうぜ】

　　|l |〔(|ﾉ|| |)〕| |ｌ|ｌ|ｉ|| | |l |l|l|ｌ | |ｌ|ll| ||l|ｌ|l||ｌ| l|ｌ|_|l |〈〈__/ 小､_ﾉﾘ
　　|l |〔(|彡=く | |ｌ|||ｌ|| | |l l|ｌ∥| |ｌ|ll| l∥|_」!イ | |l | |ト-1l| |ト-く
　　||／ｲ|く__ﾉ八|ｌ||||ｌ| | |l l|　| | | | | Τ|l j≫≦ミﾒ |ｌ| |:| | |ｌ　| |
　　||ヾノ小ｰく | |ｌ|||l | ｌ | ⊥ | ｌ | | | 　 |〃ｌ　o　l　 |ｌ|〈ﾉ | |l　| |
　　||／ｲｌ|く__〉〉|l |ｌ|, イ |　|　| ｌｌ | ｌ　　　　､=彡　ｌﾘ | |l|丨 | |
　　||ヾノ小ー1丨ﾍ| | ≫＝ミ　　　　　　　　　　 /　| |l|｜ :| |
　　|| | |il |il |ili　|il |l 〃{　 o 　　　　　　　　　　　 | |l| ｜::| |
　　|| | |il |il |ili　|il l::　　ヽ=彡　　　　､　　　　　　　ハｌl|亅::| |
　　|| | |il |il |ili　|il |:∧　/ヽ　　　　　　　　ィ　　　 /| |ｌ＼i:::::| |
　　|| | |il |il |ili　|il |: /∨　ﾉ　　 ┐ ＜ __／　　 / l| |ｌ｜|::: | |
　　|| | |il |il |ili　|il 　|　ｌ　ﾄ　l´　ノ　　　　　　　　ｲ_.∥|ｌ｜|-..| |
　　|| | |il |il |ili　|il |｜ |　 |___|　｛　　＿_　　／／|∥|ｌ｜l:::::::＼
　　|| | |il |i,- ──-ヽ＼＼ヽ　￣　　｀ヽ_／::::::|∥|ｌ｜|:::::::::::::＼
　　|| | |／:::::::::::::::::::::::::＼＼｀　　　　　 |::＼:::::|／|ｌ｜|:::::::::::::::::::＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　晋の宣王　　　　　　　　　　　　.;:' 　;'::::_イ　　　　　 |! 　;'　;'| 　　　　|　　ﾊ l ﾄ　l　l　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:' 　 ;'イ　ﾊ　　　　i　l i;'　.'　ﾊ l　__　　! ﾊ.　|_.ィ |-j─l! 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:' 　　 ; イ | | 　　i　! ! ! 　;' .;'| ! ( ⌒ゝ_l ｨ_!´|,ﾆVﾉ_)从!ゞ　!　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;'　　　 ;　ﾚ'| |　　 |　!::!ﾆ!;' ;'二!二_ヽlー|/'fｰ'(V≦(オjノ:::∧::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;.'　　　　,;'　　　l l　　 |　i::l.;';.'__V.=!≦　`ヽ!　` -､._`'≦乂_:/:::::∨　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:'　　　 _;‐'; 　　 l l ﾊ　丶ゝ;';''´l: : !!: : ):::::::::::::::::::::::::::￣`ーヽ!::::::Y::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .;'　　　;''"　ﾉ　　　　l ゝヽ　 ;';'ゝ､:::ゝ-‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ=´::::Vjﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;'"　　　 'ｰ､　ヽ､　;'"´'";r､＼ ;';'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾋ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .;'　,.-‐--‐-､._':;i;ﾞ'‐' ';　 ("r､ﾉ,;' ;' 　ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/!::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . /l　　　　　f'ﾞ''‐､''''" 　,.､ﾞ'';_,,,,; 　::: ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::|::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　l ''､.....,.....,_ゝ;;;___)　.,r'''-'i　;;;;:"; :::::/:::ゝ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ__:::| ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'''''‐-!､_　｀ﾞ'''''´　,'.　　l 　　 i ::/::::::::::|::＞-__:::::::::::::::::::::::::r⌒フ__　ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　｀'‐､　　 ,)､　　,l 　　　 '," :::::::: |::／　ﾉ_＞ｰr-√ __∠_ : : : `フ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　晋の景王

70：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:24:39.34：poGcySNRo (17/64)

【紀元２６４年６月　魏首都　洛陽】

―　杜預邸　―

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　__,.ノ、
　　　　　　　　　　　 | 　　　　　（ ●)(
　　　　　　　　　　 |　　　　　（＿_ﾉ｀,
　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾝ′
　　　　　　　　　 _ﾉ　｀､　　　　 7
　　　　　　　　　　,ｲ:. ヽ､＜ヽ,、___　ﾉ　　　　　　　　　宣は優れた善徳があまねく行き渡る意味があり、
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7　　　　　　　　　　　景は物事の本道によって義を行う意味があります。
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　 .どちらも美諡には変わりありませんが……
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　（なお、『三国志』の陳寿による本文では、司馬宣王・景王と呼称される）
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

71：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:25:56.04：poGcySNRo (18/64)

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　.|　U　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　何故「文」と「武」を取っ払ったのかなと？
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　　　厂丶,丶　v　〉　　　　　　　妻が不思議がっておりまして……
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"::::::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、
/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ;;;;;;; )
;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;V／.....￣　',;;;;|
;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;〈　;;;;:::::::::::... ',;;i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-――-- ､
;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::::＼::::::::::::::::::::::;;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　＿_　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rく二、　　 /r冖ミヽ＿ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾊ　＼　 {｜__rrュ'⌒ヾj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 { ,′｀ヽ､　｀ヽく::._{_{タﾉヽ、}｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌj　＿　｀ー-ﾍ￣´ ＼::ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r|'´　　､　　￣｀ヽ ┬ｰ彳 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃| ≡ﾐ　　　＿_　　}_／　,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l__ｌ "　　,　　´￣ヾ　ﾊ }　/
　　あくまでも晋としての諡号であって、魏の諡号ではないわよ。　　　　　　　r仆､ヽ、　rｰ ┐ "　厶ｲ∠、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　l {｀ミ=ｧ个ヽ--'__, イ{_＿＿_ハ
　　それに、まだ大仕事が残っているかしら　　　　　　　　　　　　　　　 /::ヽ::｀ヽヽ､__｝/　ｌ::7ﾄ /　,' 厂￣｀ヽ｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀‐rｰ､:人｀＞/,　 |/l:|/　/　r=＝=ノ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ┤/　/　　ｌ |　 |　/　/　仁二}′　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 二ﾆＹ´　　　| ｌ　ﾚ′/　　ｨ＾ヽr‐'′ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　／{　 _二｣７　　∧ |　､_／　／/　　|　　ｈ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三三＞」＿r￢|7　 /　Vﾍ　　／／　　｜　　｢｀ヽl＿

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　謙譲だのなんだの言ってるけど、
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　自分用に一番いい諡号とっといただけにしか見えないお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

72：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:27:25.10：poGcySNRo (19/64)

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ　
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、　　　　　　　　　　　（天下統一、か）
　　　　　　　　　　.人､　　　　厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ:::::: )　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　}
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　￣/ミ: .
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /　'　　　　'　　　〉ﾞ｀Y.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　〃⌒ヽ.{　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　〃　 /　⌒　 } ＠ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　　　　/　　//　彡＝ミ　 __ゝrく}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　{⌒i∧　' ' '　　ヽヾ!ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　＼八ろ　.)　　} ＿ '　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入从ﾑ　　人ノ　　,ｲ}
　　　　　　けれど、譙周の件は残念だったわね。　　　　　　　　　　　　　　　　.／彡ｲ　| ＞　＿　イ彡ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }≦彡}.７r:介くー'´ ｀ヽ{
　　　　　　ぜひとも都に招いて話をしたかったわ　　　　　　　　　　　　　　　／ゞ了　/ /ハヽ:.＼　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 }: : : :rz : : :| 　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　＼: : : rz :ﾉ ,　.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .Y⌒ヽ　｀ーx介x |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 /　.ﾊ｀ーﾁ　　　＿__丶　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ 人＿彡｀　＜＿ノ　　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__{＿i＿＿ハ＿＿＿＿＿＿＿〉＿_j＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞=＝≡ﾆ三ﾆ≡＝=＜

73：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:28:07.92：poGcySNRo (20/64)

　　　　　　　 _,.　-―- ､,.-‐､__
　　　 __　,／.:.:.:.: ,-― ' ,.- ヮi {
　　〃､ヽ.:.:.:.:.:.: } ┌‐ﾋ薔ﾊ y !
　　亅/.:.:. 〉、.:.:. ヽ＼へ〒ヽ_ﾉ、
　　　i.: l.:.,'　｀￣ =－-､l」ﾆ´i_〉!
　　　∨:.{　＿, 　／x‐=､i!ﾍY.:.l
. 　　ヽ:ﾍ　,=､　　弋_ｿ　l!ﾉ//　　　　　　　 .なんとか人を介して譙周を呼べないものかしら？
　　　　ﾞﾗ､i::ﾘ　　　　 /.:/.:i__
　　　　　 {::ﾊ､_ ｀っ　／ｼ.: ,ｲ　ヽ　　　　　　貴方が蜀で知り合った世にも奇妙な饅頭は譙周の弟子と聞いたわ。
　　　　　ﾚ-{ﾞｰ.i/jﾄ､-‐ﾉ:／.ｨ　　',
　　　　　 /　〈ﾆ/ﾉ}{ヽヾj .;.:. ﾉ　　ﾊ　　　　　そういう線から動かせれば良いのだけど……
.　　　 ,ﾊ　　>ｊ､ ' ,ﾍ、｀ヲ' _ ＿ ∠
　　　　ト-､_.ﾉし､_ﾑｯ ,f‐|　ﾊ, ｒ､ﾆ} !
　　　 ,> //｀1__ ,ｲ｀´ﾉ_,. ‐＾､l! ! 「´
　　　 |,/　　　　/‐v‐iﾍ　　ヽ_」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　｀| 　　 /| i^i 「　.}　　　ｉ |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　ヽ､_
　　　　　ヽ-／　´　｀　　＼　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　 ( ○) (○）
　　　　　 ,／　　　　　　　　￣　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　｀ ⌒´ﾉ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／￣＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　'､／￣ヽ　'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,／(:::::ヽ､　 __'-r´￣ヽ　 v
　　　　　　　　　　　あの、どこでそれを……　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::::::::::＼　:::::::::::::::j_γ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ　　　 r、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞニﾆ彡〉,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. i ;;;;;;;;;;;;;;;;::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::::∧^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::∧i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;;:::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::∧ ::::::::::::::::∧|

74：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:32:39.60：poGcySNRo (21/64)

　　　　　　　／　　　　　　／　　　　　　　　/|／‐=========
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　／　　　 ‐=======
　、　　　　　-/　　　　　＼　　　　　／　　　　　　 ‐=====
　＼／￣￣　　　　　　　　　　　／　　 ∨　　　　 ‐====　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 /　　　　 jI斗-──＜　　　 ∨　　　　　‐===　　　　　|　　唐彬が色々教えてくれたわ　　 |
／　/　　　　 / 　　／　　　　　　　　　　 ∨ 　　　 ‐= /　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　/ 　　／　　　　　＼　　　　　　 |∨.　　　ｉ=/
　　　　　 -=　　／　　　　　　　　 |i　　　　　　 }|. ∨　￤　|/
　　　　-===|／│　　　　　　 /　 |lハ　　　　　}|─|| |-|　│
　　　-=====＼ |　　　　　　/ //∧|　 | |　　/　八-jI斗 |　│
　　-=========>　　　　／/ｲ　ﾘ　 | l　 , // 才⌒7　　 !
　　___＿jI斗匕　　　／　　　-- 　 |　 ///　fr仞/　　　/
￣　　 /　/　　　　　イ　 jI斗r扞ミ　|//イ　匕ｼ　人〈
.斗--/　ｲ　　　　 /　 | 爪_)r廴Л　　j,:′ 　{ 　厶イ　个=--
‐‐‐‐| /‐|　　　 /　抓　∨::z＞'’ 　/　　　 ',　　│　　l.|‐‐‐
‐‐‐‐|[‐‐| 　/　 / l │　＼￣　　　　　　　　/　　从　从‐‐‐
‐‐‐‐|[‐‐|　　　　　乂＿＿､　　　　　　　　　 _､　|[／‐‐‐‐‐
‐‐‐‐|　‐乂＿　　　　　｀ヽ　　　　　 ___　ノ　 ‐‐ヽ|‐‐‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐==｀ヽ　　　 |＼　　　　　　 ‐=＼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐=====　　　　|__、≧　.,_　　　.ｲ=====〉‐‐‐‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐====|　/　 /==＼　三三千‐==== /‐‐‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐===| 　　/===/===========/=/‐‐‐‐‐‐‐‐　　　　　　　　　　　　　　　 .／￣￣￣￣￣￣＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 …………　　　|
　　　　　　　　　　魏　相国掾属　唐彬　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿／

75：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:33:17.98：poGcySNRo (22/64)

　　　 //´ 　 , -）'´_＿　｀＞、
　　　 { ｒ－くｒ￢j´　＿}　_, ハ
　　　　¨'入 {,　ｲｔろﾊ＿〉　/ ﾊ
　　　　 ! - ＼/ｌ¨TＫ.＼　 /,'　Y
　　　　 !　 ,_　｀|　ﾄ､j＼/ //　 |　
　　　　 Y ､__,,　Ｌ.｣/こY　/　　,'　　　　　　　　　　　いつ誰に見られても構わない立居振舞いを心がけなさい。
　　　　ノ　⌒ 　,〃 ┘ﾉ　　　/　　
　　　　丶_ , ""　ゞ=' r'⌒!,／　　　　　　　　　　　　.まあ、とにかくよく帰って来たわね
　　　　　＼　　　_　仁ﾆj/　
　　　　　　　｀天Y／{三ヲ｛
　　　　　 /＼' ／、匸ﾌ,＼}
　　　　　フｲ__|　､_　＿ /　〉
　　　　　 /┘/j　〈ノlト-' イﾍ
　　　　　/l　 {＿,　　|＼ /　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　／ｌ｜　／　　 |　 {＼/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｀ ⌒´　　 u.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　.ｲ
　　　　　　　　　　　　……かないませんね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__「ヽｰ'ーｰ"／7_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''":::＼:::￣￣:::::/::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |

76：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:35:22.78：poGcySNRo (23/64)

【紀元２６４年７月　魏首都　洛陽】

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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭にとっては朗報が舞い込む
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77：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 00:36:14.46：75NW1I4Uo (1/4)

そりゃ完璧士大夫の家のあんたから見りゃ姜維は親不孝の不忠者でしかるべき最後だったかもしれんが…
司馬昭の自分は忠孝心に溢れてますよアピールが苦手

78：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:38:04.10：poGcySNRo (24/64)

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￣￣i::ｌ:::::::::::|レ':::／==　 |　i! !j 　 |
:::::::::::l::! ::::::',:|::::;ｲｹ￣｀　/　｀､ﾐ､　　　　　　　　　　　　呉の孫休が死にました。
:::::::::::｀|:＼::::Y´i!:::!｀ﾊ　　　　 |￣
:::::::::r‐',::::::＼',ﾍ弋::ノ　　　　　　!　　　　　　　　　　　　.甥の孫皓が皇帝になったそうです
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!ヽ::::::::::::∧:::::::::', 　 /´!:::::// /
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!::::::::∨:/／　＼::::::＼ｌ::::ﾄ. ｌ / ./､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ /／＼　　　　｀ヽ、ﾄﾍ三{薔}〉
::::::::::::／　　　＼:::::ﾄ､:| i ｀i_/ｉ |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ｌ f'´ ､,r=ｭﾐｭ､　　　　二{〉、ヾﾂ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 !{　 -{liｸｯ }｀　　　ｨ,r=､,ヾ〉,>}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f´｀ヾ,　　_ゝ‐'‐　　　 rfｲ`, }/>ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ=＝ｷﾆヽﾄ　　　　　　　　 ! ｀ヾ´ﾄ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　 r―ミｪ､_　　　　　　 -=ｭ　　　ﾊ'
　　　　　　　とりあえずは様子見ね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノミｭ　｀ヾゝ、　　　　　｀>ｲﾍ}、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヾミｭｪ-､　ミ[二ミｪ､__　　 ,r'´　￣｀ヽ
　　　　　　　東興の轍は踏みたくないわ　　　　　　　　　 {　　　　　　 _」、　　｀ヾー彡｀爪￣＞‐〈｀7　｀ヾミ､　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ、　　 ,ｨ'´ 　｀ヽ　　 >　　 ||_＞彡'´_]ヾ､　　＼_ゝ､r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヾﾐ、　　__}｀~´　　　 <／､ヾﾆ´　　＼　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ」｀ー､/　／ｌ/　　　　 ||　｀ヾｭミｪ､＿,ｲﾋ'´ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ||　　　｀ヾ〉　 || |　　ﾉ

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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　呉の皇帝孫休が病にかかり逝去、享年三十歳。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　次の皇帝には孫休の子ではなく、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .兄孫和の長男である孫皓が即位する運びとなる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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79：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 00:38:27.47：75NW1I4Uo (2/4)

・・・来たか

80：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:39:27.21：poGcySNRo (25/64)

【>>76修正】
【紀元２６４年７月　魏首都　洛陽】

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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭にとっては朗報が舞い込む
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　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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81：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:40:25.74：poGcySNRo (26/64)

　　　　　＿＿＿
.　　　　 ,..-'´: : : : : : ｀:.-..、
.　　 , :'´ . . . . . . . . . . : : . ヽ
　　/ｨ: : : : : : : : : : : : :、: : : ﾍ
　　ｌ: : : :}ｲﾊ: :lｲ/ﾊﾍ{ : : : : i
　　　}ｲ: : |Tﾊヾﾄ T沁|: : :r ､:{
. 　　 Ⅵ:ﾍﾋﾘ　　ﾋrﾘ|: : :ｉｲ:i　　　　　　このあたりの呉の事情に関しては次回詳述する。
　　　　}ﾍ: :ヽ　、　　 !: :/}ﾊｲ
.　　　　　Ⅵ「＞r一ィ}:ｲ　　　　　　　　 .ただ、呉の代替わりには、司馬昭も何か思う所があったのかもしれない
.　　　　　　 ∧. |　/　　.>、
　 |￣￣￣￣￣|/　／:::}ヽ
　 |　　　　　 |!イ/:::::∧ {
　 |　　　　　 |:∨:::::/::::{~
　 L.二二二二｣:〈ゝ:ｲ:::::::〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒　　⌒　　＼
　　　　　そういや晋王の太子って、まだ決まってなかったような　　　　　　　　　／　（ー）　（ー）／^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（__人__）（　/　　〉|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ ⌒´　　〈／ ⌒^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――――――― ＼ _ _ ＿）

82：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:41:21.59：poGcySNRo (27/64)

【紀元２６４年９月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　,〈｀ヽ、　｛l´　ヽiﾕｉｭ
　　　　　　　 /　,＼｀ｰ- r―:薔:､ﾂ
　　　　　　　,　 /　｀`ｰ､__ゞ´、>ｲﾍ　
　　　　　　　 ! ｲー-､　　 , -ー'くヽ !　　　　　　　／　　　　うちの子を撫軍大将軍にするわ！
　　　　　　　', l　ｨぅ:ﾐ　　ｨぅ:ﾐ　ﾊＶ　　　　　　　／
　　　　　　　ゞ　ゞ=″.::!　ゞ=" ﾑﾂ　　　　　　, 　　　　　　　　私に遠慮する事なく、
　　　　　　／｛ﾊ　　 T⌒T　　ﾊｿ＼　　　　/ 　,　　　　　　　.ビシバシしごいてやってほしいかしら！！
　　　　　　 l＿- ゝ､　ヽ..ノ　　ィ¨ｰ__,ﾉ-､　　/ ／
　　　　　　　!, -=､/＞:.二.:＜lz―-ｲ　、 i_／ /
　　　　　,　-‐'´L＿ｿ〈／¨＼〉く, ＝く　　ヽ　　　
　　　　 /.　　く＿｣ : : / c ヽ: :l|iー'７　 ,　 , -ー‐､　　　　　　　　　　　　　 (>'´: : : : : : : : -‐兀￣￣｀¨¨: : :ﾆゝ
　　　　ｌ i　　　Ｌ.ノ!: :|: :c: :|: :ｌ|｀ヽ.」 '´　 /　　　｀丶､　　　　　　.　　　　ヽ: : : : : : : : :_／厶く:: : : : : : : : : :厶
　　　　　〉　‐　＿ト弋:_:_c_:_:_ノ￣ｒ---‐'′　　　　　｀ ' ｰ-　　　　　＿rｸ′: : ;:r＜＞'´　/ ヽ>､ : : : : : ∧ﾑ
　　　　／　／´　｣　　／Ｔ＼　　-Ｌ_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ : : : ／ﾉ了 /　,'　ｌ￤l ｢ヽ>､ : : ﾉ: :ヽ]
　r‐ '´ ｰ､l/　　／‐'　　　｣!　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　！: //l /l l　|　 |　ｌ|｜ｌ | |　l!｀ﾏ: : : :_:_〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 ∨ﾉ川 { | ｨ￢ﾊ l | | r廾　ｌ|　l }） /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／, ' |l | l | ,ｨfた j l ｌ,ｨf心ﾘ|　/ Ｖ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　〉〈　ヽｿハ V:丿　,　 V::ﾉ八V　/ / 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽY＾ヽ､＞彡　　　 .　　く二＞彳　∨
　　　　　　右も左も分からないけど、よろしく……　　　　　　　　　　　　　　く_≧ミゝ｀てニ＞r - ィ升≦ ＜ミン´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{{⌒ソフ´: : : :>‐､ _rベ : ｀ヽ/乃ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈: : :r-v′　l 　 ,⊥ ┐:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :,' ￣｀ヽ/〉'´ : : : : l: : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ /: : : : : く: : : : : : : : ｌ :冫

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　撫軍大将軍　司馬炎（字：安世）

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　九月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭は長男の司馬炎を撫軍大将軍に任命した
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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83：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:43:41.14：poGcySNRo (28/64)

　　　　　　　　　,ｨ〈／ : : : : : ＞'´ : : : ヽ.
　　　　　　　 ,-`-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ,-､
.　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : ,ｨ : : : : : : : : ｀丶､
　　　　　　/ : : : : : : : / : //l//l: : : : :l: : : : : : : : l
　　　　　 ,': : : : :l: : l: :!: : i ｌ｀ ´,': : : :./: : : : : : : : :|
　　　　　,': : : l: :|: : |: |＿|｜　,': : : :/: /: : : : : : : :|
　　　　　!: l : |: :|: :ィV! : l｀ﾄ / : :_∠_/ :/: :,: : : : :.|　　　　　　　　　　　よろしくされてしまいました
　　　　　|: |: :| : | : |,イ示ミ/: : ／/;ｲ `ト /: : : :i: :|
　　　　　|: |: :| : |､ |. |{_Y}　∨´〉 ´　l//:/: :/: ,':l :|
　　　　　∨!: | : | ﾄ! ゝ- '　/／ ,ニﾆ/イ: :/: /: l: |
　　　　　　ヽ:!ヽl | 　　　´,　　￣｀ヾ/ ｲ: /: /l:/
　　　　　　　 |: :l: :ﾄ､　　､　　　　　　'ｨ'/イ: :/〃
´｀ヾヽ､　　 |: :|: |:{{ヽ､　￣　　_..イ: |: : !／ ′　
　, -}　＼　　',: :!: !/´ｰ-ﾐｰ‐ Ｔ:}}: l:|: :!: :l　 , - ､　　　　　　　　　　　　　　／.:::::::::::::::::::::::::::::人::::::::::∨:::::∨:::::::::::::.、
/:.:ノ　　　ヽ- ',: ',;|　　　ハ_ﾊ´ﾍｰ-|: l: / ´　　　ヽ　　　　　　　　　　　 , .::::::::::::::::::::/ :::::／　＼::::::|:::::::::|:::::::::::::::::∨
: : { , ﾍｰ-､　}　ヽ:|、　./ fﾊヽ}.　〉-|:// _.. -‐　　ｲ　　 .　　　　　　　　 /.:::::::::::::::::／ :::: '==──　＼|:::::::::|::::::::::::::::::: ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:::::/:::／　／　斗ﾖ芳ミｘ __ |:::::::::|::::::::::::::::::: ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::i|::: ｲー=′　　　 _):::|　　}i´ 八::::::|:::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 }八:::::: _灯|　　　乂り　 'ﾞ　′:::::::|⌒Y :::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::: Vり　　　　　　　 "" /.:::::::::: 八r!| :::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　､　　　　　　　　厶イ:::::: |　_ノ.::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::{"　　　　　　　　 |::::::: |⌒ :::::::::::.∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　-‐-､　　　　 i|:::::: 八:::∨:::::::::. ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::{ ＼　　　　_　　　　 |::∧_ ＞─==ミ::::.
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　この撫軍大将軍という将軍職、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　過去に就任したのは司馬懿と司馬師しかいなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　特に後者の場合、父の死後に衛将軍から降格する形で就任している。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　つまり、司馬炎の撫軍大将軍就任が意味するのは……
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

84：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:44:19.90：poGcySNRo (29/64)

　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　……次の司馬家の当主、次の晋王は司馬炎であると示したに等しい
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　― ＼　　┏┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 (●)　ヽ＼　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　（⌒　　(●) |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉　　￣ヽ__）　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／´　　　　　_＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|

85：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:45:33.27：poGcySNRo (30/64)

　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ　　　　魏で太子が立てられるのは、皇帝の死の間際が常だった。
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　その結果どうなったかと言えば、
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/　　　　明帝死亡時の宮廷暗闘であり、正始政変であり、晋王の出現である。
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､　　　　　そうした問題を避けようとするのなら、
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/　　　　　後継者の指名は事前に行う事に越した事はない
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　┏┛　　　　　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・　　　＿＿_⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　　┏┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　｜　(●) 　 | 　　 (●)　ヽ＼　・
　　　　　　　　　ちょっと質問いいかお？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　｜　　（__ﾉl　　（⌒　　(●) |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　　　　　　ヽ
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86：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:45:59.36：poGcySNRo (31/64)

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　　　　｜　　 ( ●) (●）
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　　　　　　　 .|　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　なんでしょう？
　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　答えられる範囲であれば答えますが
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_＿__　　　　　━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　―　　＼　　 ┏┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　( ●)　　＼　・
　　　　　いやね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　｜　　（__ノ￣　　　 /
　　　　　曹操親子の時みたいな後継者争いはなかったのかなと？　　　　　　　｜　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　　　 (,＿＼.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

87：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:47:26.65：poGcySNRo (32/64)

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　＼
　　　　　／　　─ 　 ─ ＼
　　　　／　　（●）　（●）＼
　　　.|　　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　たまに、洛スポの三面記事で、
　　　＼　　　　｀ ⌒/￣￣￣￣￣￣ /　　 .「皇帝派VS斉王派、骨肉の暗闘！！」みたいな記事があるし……
　　　　（⌒　　　　　/ 　　　　　　　　/
　　　　i＼　　＼　,(つ　　　　　　　　⊂)　　　呉じゃ、実際に二宮の変みたいなガチもあったわけで……
　　　　| 　＼　　 y(つ＿＿＿＿＿⊆)
　　　　|　　　ヽ＿ノ　　　　|
　　　　|　　　　　　　　　　|_
　　　　ヽ、___　　　　￣ヽ　ヽ
　　　　と_＿＿_＿＿＿ノ＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　u　 |
　　　　　　またそんな風聞を真に受けて……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、　　　,ｲ
　　　　　　だいたいあの義兄上が、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　そんなポカやらかすと思います？　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノﾄ、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　,.　ー、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:::::ゝソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼

88：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:48:47.37：poGcySNRo (33/64)

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼ﾎｼﾞﾎｼﾞ
　　　／（ ●）　（●）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　　　　　俺たちのカナさんは何かをやってくれる人だと信じてるお
　 |　　　ｍj |ー'´　　　　 |
　＼　〈＿_ﾉ　　　　　　／
　　　　ノ　　ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（一）（一）　　　|
　　　　　まったく……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　義兄上は後継者に関しては前々から考えていたはずですよ。　　　　　　　　　 .{ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､　　　　r､ヽ　　　　　　/
　　　　　今の陛下と斉王殿下には絶対的な差がありましたから　　　　　　　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼>ヽ　 |｀｝ >　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　 /,1　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ノ .｜　　　　 |　|

89：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 00:50:56.12：Lt8ZHjDzo (1/1)

うーん

90：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:51:16.38：poGcySNRo (34/64)

【紀元２６４年９月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ (::___:;;)　/
　　　　　　　　　　　　　 /.._　,'　　　　　',. _
　　　　　　　　　　　　 /　　| ﾌヽヽ /　／lﾉ :＼
　　　　　　　＿_＿,／;:;.　 |,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',;:;:;:;:;＼　　　　　　　　　 .兄上。
　　　　　　/´;:;:;:;:＜,;:;:;:;.　 | _ 　　' l 　　 __L＿:;:;:;:.＼
　　　 _,.‐'.ゝ、;:;:;:;:;:;:;￣ ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ､_‐´￣;:;:;ﾉヽ、　　　　撫軍大将軍への就任、お祝い申し上げます
‐‐'"´;:;:;:;:;:、;:＼;:;:;:;:;:;:;:;'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/;:;:;:, ヘ,
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.＼;:;:｀;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ 　 }　　　ﾄ、;:;:;:;:;:;:;:/j_／;:;:;:;:;:;l
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.＿￣ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;／　ﾉ　　　 │;:;:;:;:;:;:,イ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
‐‐'´￣￣´　　￣｀tｰ､ ∠´　　　　　　　　{;:;:;:;:;:;:.ｿ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　r､　　 ,ｲ_;:;:｀ｰ｀ｰ､／}　　┌‐'´;:;:;:;:./;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
　　 r‐'「ヽ」／￣　∨｀ー､__/ 　'-､＿」ヽ、;:;:;:./;:;:;:;:;:;:;:;:;/　　　　　　　　　　　　＿__,ヾ: r-､: : : {￣}: :＿: : :./＿_
　　r┴-ヒ´_r‐　　ｉ|;:;:;:;:;:;:;:;:｀ﾞ'''''''''''ー‐-､ヽ_/;:;:;:;:;:;:;:;:/　←２４８年生　　　　　ヾ: : ゝ‐'ｰ-,ゝ'´｀¨ゞ＜　}: :ヽ: :./
　　￣''''ｰ-＿-‐'''ｉﾚ ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀;:;:;:;:;:;:;:;:;:./　　　　　　　　　　　　.　　 rｔ:_: ;ィ ´/ /｀¨´｀´ ｀ー:ﾆ´: :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ f‐､/　/ﾚ'{ﾊ、　ノﾚ'i　　　i￣
　　　　　　　　　　　　魏　衛将軍　司馬攸　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く'fゞ' ∧ l {_　|　｀´ |　 l l　l　:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´r7／: :.ヽ'/　 r‐‐┐ r┘!　!/ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-'｀ヾ、_: :.｀ヽゝ- ' r､〉r'　´ く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_:_:.r==ftｭ､_:ｰt｀)ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.ゞ介ヾ_》: : :￣ }t_
　　　　　　　　　　　　　　ありがとー　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : /　!: : : i｀ヾ、: l- '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _く: : : ／　 !: : :.ﾍ　｀´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 _ゝy｀¨´　　　{_:_:__:_〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >'xｰ､｀ー'ヽ__,-､_r､〉　←２３６年生
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 tfｭ＞'´￣　　｀r‐､r‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　　　　　 l><lｭ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　第一に、この両者は十二歳の年齢差がありました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　普通、これだけ年の差があれば、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .斉王殿下を後継者にしようなんて発想は出てきません
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

91：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:52:42.89：poGcySNRo (35/64)

　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　ﾐ　　　　　ｨ、'　!
　　　　　　　　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'　　　　　　　　　　　　されど、我々の責任は重大です。
　　　　　　　 '' 十‐- 　.,｀ィ　　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　｀!､　　〉　　　　　　　　　　　互いに気を抜かずに精進致しましょう
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、ヾ
　　　　　ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -――‐-v冖v-―――- ､
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く: : : :r＞―^ｰﾍノ）=＝ﾐ : : : :|
　　／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｸﾍ:／　 ,　　　 ,　ﾋr┬- ､: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 rｸ : :/　　 /　　 l　|　厶:ヾ､:_:》 :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 K_:_:/　 / ,′　　l　|l　 | 厶 : : : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　l/| レ1　 / lﾒ､_/l　 l|ヽ､／ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /　l　|イ／|　/ / ＼｀7　ﾘ=ミ＿＿〉
　　　　　　　　　もっと喜んだらいいのに……　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶イ＞l | ●　　′● /| /ヽ、｀二}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く// ,小⊃ ､_,､_,,　⊂⊃=＜|　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_{_fて(ﾍ　　　　　　ｨ　/⌒i } 匸´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__＞,､ __,　イァ/　 / ｀￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ // : : :_:_∨_:__: :ﾍ__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// : : { {:r介､: :}}:ヾ:::彡'
　
───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　第二に、両者の婚姻先の家格です
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

92：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:53:33.21：poGcySNRo (36/64)

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　嫁取りかお？
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　さぞかし立派な名門が相手に違いないお
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ｰ-､　＿ｒ‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ　ヽ､,_　　＼.　　 7;:::::::::＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |　　〃:::::::::::::::::::｀ ''‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|‐≦ｲ::.::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　|｀ ⌒´　　　　|　　└‐-､__::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　まあ、陛下に限って言えば名門には違いありませんが……　　　　|　　　　　　　 |　　　　　　　｀ヽ.::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　.ｲ　　　　 __,. -＜丶､.:::::::::::::::::/
　　まずは陛下の相手を話しておきましょうか　　　　　　　　　　　　　 __「ヽｰ'ーｰ"／7一＾V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｒ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''":::＼:::￣￣:::::/::::::::::::.､::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::_ｒ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::_､-'ﾞ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ;;;;;::::::::::::::::::|;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l′

93：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:54:22.00：poGcySNRo (37/64)

【紀元２５０年代後半　魏首都　洛陽】

　　l　　/ ／　　＼＿＿＿辷＼ l＿,l:::::〉'l
　　l 　 i／　　　　　　　　　く厶＿ｿV　l
　　｜　:|　 - ―- ､　　　　,　-―　- ＼ヽＶ
　　∨ .:l　､. ┴ ､丶　　　 /,. ┴ 、　|ヽV
　　　V‐､!　/ｔｰぃ::i 　　　　　ｔ‐ぃ:::ｉY　lｰY　
　　／!´ハ　弋ｔ:::ノ　　　　　　弋ｔ:::ノ　 l￣ﾒ､　　　　　　　うちの安世の妻は貴方の娘を迎えたい。
　 /　ヽくﾊ　,､,､,､　　 ::i} 　　 ,､,､,､　ﾊ／　|
　 ! _, --- ﾊ　　　　､ _ .. _ , 　　　 /ー-､ /　　　　　　　そう阮籍に伝えてもらえないかしら
／＼＿／　＼　　　　　ｰ　　　／.＿_／＼＿
ヽ　　＿　　　ト　、　　　　ィ ´ゝ-- ､- ､　＼
　 lz:'´二三＞‐ '′｜＞‐＜　|　ｒ‐┴‐-､ヽ.＿／
￣/´　　　｀ヽ　／:::::::/ｰヽ::::::＼l 　　　｀ヽ
　└――-､　 / ＼:::／| 　 |＼:／ゝ､z=＝…┘
　　　　／｀ソ　　 /::::| Ｃ |::::ヽ　「　￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　ですが、阮籍殿が承知するのでしょうか？　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　最初、義兄上は陛下の妻に阮籍の娘を迎えるつもりでした。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　これだけ見ても、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .義兄上が阮籍に悪感情を持っていなかったのが分かります
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

94：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:55:04.42：poGcySNRo (38/64)

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　　あの、阮籍殿は今日も……？
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　　　　　　_＿jヽ､　_＿＿___
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　＞: : : : : : : : : : : : ｀: . 、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : :l {: : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ′/: : : :入 : !:ヽ: : l: : : : 、: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′/: : ! : l: /__ ‘,:ﾄ､: :､:{ヘ: : : ',: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 lﾊ: :l: : l/　　　｀　ヾ{｀ｰ-､: :.l: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ{>.:{ゞ=＝'　　　､、___ .>/: : :′
　　　　　　ええ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ノ: :i｀,,,,,　__　　　｀¨´.i/: : :.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ＞ ∧ 　 .}/:::::::7　 ''''_ノ/ヽ/
　　　　　　とてもじゃないけど、お見せできない状態よ　　　　　　　　　　｀ヽ/}: :>、　ー ′　　//f./:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ 」-く:､≧_＿　 -≦: ¨´､: .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::ヽ　 }､:::::::::::::::::::::/ ､}ノ　｀゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::::｀ヽ',　j::｀¨¨¨¨´::/　∧　　 __ ノ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::}二）::::::::::::::（二）:::i.　/　　＜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　阮籍の子　阮渾

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　ただ、事情を察した阮籍は二ヶ月間酔っ払い続け、話をやり過ごします。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　そのため、使者は用件を言い出せず、婚姻話は立ち消えになりました
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

95：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:57:31.43：poGcySNRo (39/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└iγ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三 |　申し訳ありませんでした　　 |
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三三三三三三三三　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
. .　 : : i!.　ｉ';;;;;;;|　 |:: : :. ,,､‐''　　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 |　　　. . ..:: ::|
.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　　　　　.. : : |
　 :　 : i! .ｉ';;;;;;;;;|　 |: 　. __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 i_　　　..: :|
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───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.さすが阮籍、そこに痺れる憧れない。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　けど、なんでよりによってこいつの娘なんだお？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────

96：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 00:58:29.84：poGcySNRo (40/64)

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　何分、話を切り出そうにも、その機会すら得られず……
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -_―-､　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //´ 　 , -）'´_＿　｀＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ｒ－くｒ￢j´　＿}　_, ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨'入 {,　ｲｔろﾊ＿〉　/ ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! - ＼/ｌ¨TＫ.＼　 /,'　Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　 ,_　｀|　ﾄ､j＼/ //　 |
　　　　阮籍らしいと言えば阮籍らしいかしら。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y ､__,,　Ｌ.｣/こY　/　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　⌒ 　,〃 ┘ﾉ　　　/
　　　　だからこそ、縁談話を持っていったのだけどね。　　　　　　　　　　　　　　丶_ , ""　ゞ=' r'⌒!,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　_　仁ﾆj/
　　　　破談になった場合の事は考えてあるから、気にする必要はないわ　　　　　　｀天Y／{三ヲ｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼' ／、匸ﾌ,＼}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フｲ__|　､_　＿ /　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /┘/j　〈ノlト-' イﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/l　 {＿,　　|＼ /　 }

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .兗州陳留郡の阮氏は名門ですよ？
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　それに加えて、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　阮籍が権力から距離をとっていたのも大きいでしょう。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.言い換えれば、外戚としては理想的な存在でした
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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97：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:00:38.22：poGcySNRo (41/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
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　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三 |　お召しにより参上しました　|
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三三三三三三三三　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　結局、義兄上が白羽の矢を立てたのは……
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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98：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 01:01:42.60：75NW1I4Uo (3/4)

AAの選び方に若干の悪意を感じるｗｗ

99：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:04:45.77：poGcySNRo (42/64)

　　　　　 _　　　　　　　　　　つ
　　 i⌒／ﾞｉ:.─‐-　　､r─、　　つ
　　 ,ワ;r--':::::::::::::::.:::::::.｀'<￣ヽ　　つ
　 / (l　ヽ:::::l:::::::::i:::::::ｉ::::::ｉ:::ﾞｉ. ,/
　｀''i`⌒::::i_ﾊ__::_ﾊ;_;ﾊ:::::::},:::l'´　　　　　　　　　だ、大将軍閣下におかれましては御機嫌麗しく……
　 !:::::i::::::i 　ノ　　　｀ヽﾄ::i　
　l::::::::i:::::i 　●　　　●　li:;}　　　　　　　　　　わ、私は、使者の役目を命じられた楊駿、字を文長と言います
　く::::::::i;;⊂⊃　､_,､_,　⊂ll;i>
　（⌒ヽ'';:;j 　　（_.ノ　　ﾉ'i´⌒)
　ヽ￣ヽ、＞､ __,　イ,　＼／
　　　ヽ.　　　,/ヽ、　/ゝ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..:::/:::::::::::::＼:::ヽ::::::::::::∨:::::::ヽ
　　　　　　　　￣.|ﾞ~~　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:::{:::::､::ヽ:::::::::::: |::::::::::::::|:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/:: |:::::::＼::＼ :::: |::::::::::::::}::::::::::::::::::.
　　　魏　弘農郡の人　楊駿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.':::!:::: |!:::::::ヽ＼_}､::::| ::::::::::: |_::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::|::::::|{:::::::::::ｨﾁ示Ⅵ::::::::::::::|,ﾊ:::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::|::::::ト＼:::::iﾋ刈　 !:::::::::::::| ﾉ::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|:::{::::::|ｨﾊ｀¨ ゞ '　　|:::::::::::::}'::::::::::::::::::::::::.
　　　　同じく弟の楊済、字を文通と申します。　　　　　　　　　　|:::::＼}ﾄ{ｿ　　　　 |::::::::::,ｲ:::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::|}:ﾑ　　　_　　 |:::::::::i::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::.
　　　　都のしきたりに疎い若輩にて、　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::||:|:::::.､ ´　　　,.|:::::::::|::{ﾏ＼:::::::::::::::::::::::.
　　　　御無礼の段は平に御容赦くださいますよう　　　　　　　 |:::::::::|{:ﾄ､:::::::＞-イ }|:::::: ﾘヽヽr}＼:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::j ﾘ　＼:::::::::／/|:::::::{__,％/　 i/＼::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::/{　　　＞ /ｨ, { {:::::::|___／　　{ニﾆ｀ヽ､:::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::/::|　　 /ニ/ 〈 / ,|::::: |-ィ＼　 |ニニニ ∨:::::::::: ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　楊駿の弟　楊済

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　ｱｲﾄﾞﾙ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　「四世太尉」と謳われたかつての名門、弘農楊氏でした
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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100：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:05:44.00：poGcySNRo (43/64)

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　弘農楊氏っていうと、あの楊修の家かお？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／: : : :/ : /: : : : : : :ｉ: : : : : : : : :. : : : ‐ ― :ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :. 　
　　　そう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.　　
　　　「四知」の逸話で有名な　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼　　
　　　後漢の太尉楊震を祖に持つ大豪族である。　　　　　　　　 {'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'　
　　　もっとも彼らは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　春秋時代の叔向の子孫と称していたりする　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{ 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ　

101：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:11:12.55：poGcySNRo (44/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.................
　　　　　　　　　　　　　　　＿ﾊ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:..､
　　　　　　　　　　　　　／ :.:.:.:.:.:.:.:.: ヾ' :.:.:.:. ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ,: .:.:.:.://:./:.:.:/ﾍﾍ:.: }:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:/.:{ｰﾊ‐:.{　　j:.:ﾊ :}:}ヽ
　　　　　　　　　　　　 l :.:./:.:.ィ:ﾊヽ　　癶｀j/ｿ
　　　　　　　　 /^　　　 jﾊ:.:/:.:弋ﾂ　　　ﾋﾘ　:.:.:l
　　　　　　　　　　j　l　　　　　 ,/l:.:.l　　　　 '　 ,: .: |
.　　　　　 , /¨⌒､ |　　　　　| /ヽ　ｰ‐ ' ／l:.:ﾊ!
　　　　　　〈 ', ',　{ ヽ. 　　　　 /,⊥_｀＿-__　　|/　　　　　　　　　 .私の母は袁術の妹なんです。
　　　　　　　{¨¨／　〉　　 ......- ､┘　　　 | {､＿＿
　　　　　　　ヽ　　 /　　/::::::::::::: ＼　　　　ヽ　　､:::::::ヽ　　　　　　丞相は父と折り合いが悪かったのですが、
.　　　　　／l　　l｀ヽ .}::::::::::::::::::::ｌ:＼　　 ./::::｀:...... ､::::::.＿　　　　.私の才能は高く評価してくださる素晴らしい方です
.　　　　　 l　.!　　V ∨::::::::::::::::::: |:::::::ヽ／ ::::::::::::::::｀ヽ::::::::}､
　　　　　〉ヽ　／　';ヽ:::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::＼
.　　　　 ∧　￣　　　/: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::/::::::::::::::::＼
.　　　　　ヽﾍ　　／ :: |:::::::;ｲl :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　 l::::｀:ｰ::´:::::::::/:::::/ 　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}＼:::::::::::::::::::::: 〉
.　　　　　ヽ ::::::::::::::: /::／　　＼ :::::::::::::::::::::::::::::::::: {／ｰ─ ､::::::: /
　　　　　　　＼::::: ／ ´　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　';::::/
　　　　　　　　｀¨　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::/⌒ヽ　　!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, 　　} 　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,　 {_´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　楊彪の子　楊修

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　「四世太尉」の最後の一人楊彪は袁術の妹を妻としていた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そのせいか袁紹・曹操に目の仇にされ、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　特に曹操との関係は悪く、漢王朝の命運は尽きたと言って引退してしまう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　息子の楊修はその才気を曹操に愛されたものの……
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

102：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:16:09.45：poGcySNRo (45/64)

　　　　　 /ﾆＹ二ヽ
..　　　　/( 0)( ０）ヽ
　　　／⌒｀´⌒　　　＼
　　 |　　　　　　（-、　 |
　　ヽ＿＿＿ノ　　|　 |　　　　　　　　　楊修！
.　　　 | |r┬ー|　　l　,/
　　　　 ! l　|　/　 /／　　　　　　　　　　.魏王殿下の御命令により、お前を処刑するっていう！！
　　　　　ヾ二,／⌒ヽ＼
　　　　 ./ゝ／|( ● )|　i＼
　　　　|ﾉ/／＼＿ノ　^i:::::|
　　　　 |^:::::::::::|＿|,-''iつl/
　　　　 |^:::::::::::::::[__|_|／〉
　　　　　　　　　　[ニニ〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{__,... -..､ __,／─‐..､
　　　　　　　　　　└―'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.......ij........ij...............￣...ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.....、___∧∧、____..ij.＼￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/../.「｝././!/ ヽ_/|/从j.......N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ﾊ/./ .}.乂＿_ノヽ、__〉〈...N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ /.X┌───‐┐>V、ヽ
　　　　　　　　　　　私が何をしたーッ！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /ｲ....',|∨`´`´`V |/....Y　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （ヽ .! ... |　　　　　 .|..／　 /
　　　　　　　　　　　これは太子党の陰謀だーッ！！！　　　　　　　　　　　.ヽ､ |...ノ|　　　　　 .|´　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　ヽ、└───‐┘／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨¨}　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |　　　　　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　曹操の後継者争いで、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　曹植を積極的に支援したのが問題となったのか、突然処刑されてしまう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その後、楊修の子は魏・晋に仕えるも、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .これが原因となって楊氏の嫡流は衰えてしまった。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　「金日磾の明が自分にはなかった」とは息子の死を知った父の感想である
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

103：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:17:24.57：poGcySNRo (46/64)

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　|　　　（__人__）　　　 |　　　　　『唯才令』とは何だったのか？
　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ　　　　　　　楊修さんの最期はそんなことを考えさせられます
　　　/ 　　　　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　　／　r─--⊃、　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　｀二ﾆﾆうヽ.　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: .,: : : i: : : : : : : : : : : : : ,､:: : : : : : : : :.: |: : : ::::::::::::::::::|::::::::/::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : ,|: : /: : : : ∧: : : : : . :: ::|ヽ: : : : : : . .::.| : : :::::::::::::::::::|:::: /::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|::/: : : ―ト-､:ヽ: :.:: : : | 斗―‐―-:::.i::::::::::::::::::::::::::|:::/:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :.:|::::::.::|　ﾚ'　＼ :::::i　 __ ＼ヽ､:::::|: ::::::::::::::::::: : |/::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ::::: |: :::ﾍ:i ｨ=ミ､. 　＼|　-‐≦＝=ﾐ､|: ::::::::::::::::::://::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :::| : : :ヽ`ﾄ':::}　　　　　イﾟ'::.:::::i} 》 i:: :::::::::::::::://iヽ::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :::∧: ::: :ヽ代ｿ　　　　　マヽ‐ｿ/　|:: :::::::::::::::/:|〉｝:::::::::::::::::/|::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :/　ヽ:::i:::::i　 ,　　　　　　　｀¨´ 　　i::::::::::::::::/: / /::::::::::::::::/　ﾚ
　　　司馬昭はそんな家に縁談話を持ちかけた　　　 |:/　　 |::|:::从ヽ　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::/ イ::::::::::∧/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　i: | :::∧　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::|::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚヽ::::::ヽ　｀`　　　　　　　　/::::::::::::::/::/:::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ::::::::i＼　　　　　　　　　ｲ /:::::::://ﾚヽ:::/｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: |　ヽ　_ 　　　＜　ﾚ'|::::::/|/　i ∧'／:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|　　　　　／ヽ　　　　|:::/ /　　／:::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿イ　　.∧　　　i/　　／::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ´/　　　 /　／ .〉　　ノ　.／:::::::::::::::::::::::::::::::＼

104：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:18:57.13：poGcySNRo (47/64)

【紀元２５０年代後半　魏首都　洛陽】

　　　　　　　 ':::::::::::/::::::/::::::::/:::::::;:::::::::}:::i::::::::.
　　　　　　　　 /:::::::: /::::::/:,::::::/:::::::/::::::::/::::ﾊ::::,::.
　　　　　　 /::::::__/::::::/:/_／'::／/::::: / !:: !:!:: |:::.
　　　　　　　 '::::::/ィ{:::::::{/イ /ｲヽ/:::::::/　|:: |:|::::l:::|　　　　　大将軍におかれましては、
　　　　　　　,:::::::{　 |:::::::| 沁≧､　{ｲ／ -‐}从|:::;::::|　　　　　御子息の司馬炎様と年の釣り合う娘を御所望との事。
　　　　　　 ,::::::: 乂_|:::::::| 弋)ﾂ　　　ィﾁ斥 i/}/:::::|
　　　　　　, :::::::::::::: |:::::::|　　　　　　弋ソ / ,|:::::: |　　　　　ちょうど私たちの姪に相応しい娘がおります
　　　　　 /:::::::::::::::: |:::::::|　　　　　　'　　　/ノ |:::::: |　
.　　　　 / ::::::::::::::::: |:::::::ﾄ､　　 - ､　　,..:::::::::::|:::::: |
　　　　/::::::/::::::/::::_|:::::::| 　　　　イ::::::::::::: |:::::: |
.　　　/::::::/::::::/:::/Y!:::::::!　　｀i¨´::::: |:::::::::::::: |:::::: |　　　　　　　　　　　　　　　　　 .r‐-、　＿__　 _、
　　 /::::::/,.ィニﾆ{　{|:::::::l 　　 |⌒ヽ､|:::::::::::::: |:::::: |　　　　　　　　　　　　　　　＿ .|　/-''":::::::::::::゛ヾΥ＿、
.　 /:::::://ニニニ!　|:::::::|　　　 { liヽ　＼ｰ､::::|:::::: |　　　　　　　　　　　　　　　 |_＿(〉'"”i:::::::::::::::::::::::::::＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/〉ヽ'::::i:::::|::::::::::::|::::::ヽ`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//ヾ-':::::::::::|::::|!:::::::::::|!::::::::）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::|:::::::::|＿ /-/|::::::::メ|:._::::ｿ:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::|::::::::|-‐"　　￣￣ .゛''ｨ::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', ,ヘ、|　三三　　　三 |ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∠〉ヾ、χ'く""　＿__　""ﾉ　|
　　　　　楊艶と言って、それはそれは良く出来た娘なのです　　　　　　<::::::::ヾ,　　ヽ　!__ノ__.／　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　゛‐/　)‐--λゝ￣）_|＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　|二|＿|=.|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /＼＿/-"||　|ヽ.|＿__,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 / |―"|　|" .|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿__/　.|　　|　|　 |　　.ﾉ

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　弘農楊氏は司馬家から持ちかけられた縁談に飛びつきました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　なお、今出てきた彼らは弘農楊氏の傍流の出です
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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105：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:19:44.85：poGcySNRo (48/64)

　　　　　　/.:／.:::::::::::::::::::､:::::,::::::::::::::::::＼::ヽ
　　　　　 l::/.:::::::::rf≧ミx､::Y::,x≦ミ、:::::::::vﾊ
　　　　　 |'.:::::::::::f'"´￣￣｀¨´￣￣｀ﾍ:::::::ﾘ::::.
　　　　　 i:　:.:::::::|＝＝＝(YY)＝＝＝|:::::::::::::}
　　　　　 l:.　::::::::|-＝=ミ　｀´　-‐=＝ｲ:.:.::::|:::|
　　　　　 |:.:::.: : ::|　x=ミ、　　　 x=ミ､|::: ::::|:::|
　　　　　 |:::::..::::ｉ:|ｲ:::ﾄ､} 　　　　ｲ::ﾄ､}ﾞY::::::::l:::l　　　　　　　　　　　　　不束者ですがよろしくお願いします
　　　　　,j::::::.:::::i:代７り　　　　弋fり_,}:::::::::|::l
　　　　　l:{:::::::::::i:ｌ　　　　 { 　　　 ,'::::::::::}:{
　　　　　i小::::::::i:|::::､　　　-　-　　 .ｲ:::::::::/:ﾊ
　　　　　|::i:::ヽ⌒ヽi:l＞ .　　　. ＜:ｉ:!⌒Ｙ/::::l
　　　　　|::ｌ:::::::::',:::::|fム|　｀　 ´　|ハi:|::::::ﾊｉ:::::|
{￣｀丶、|::ｌ::::::::::|:::::|｣　}⌒ヽ f⌒｢　ﾊ|:::::{:::{:::::L..．-‐ ￢

　　　　　　　　　魏　司馬炎の妻　楊艶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:l|＼|　|lll　/lll |　　 |　|　|　|　|　|　| ||　|＿|//　|　 |　/／／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:l||／ |　|lll　|lll| |　|　 |　|　| ,| | |　|. |　,イ::::::ヾ'|　|　 | /　／　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l|／　　|　|lll　|llll |　|　 |　 |／|　|　|　′ 弋:::ン/／　 |/／　　／.,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ,､., ＼|lll |llll ||　|　 |／ |_ _|　|　　　　　　　　＼　/,,,,,＿.　｜ /l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾞ|　｀ﾟ'ﾞ/llllﾞ|／| '|　／:::::ヽ　　　　　　""" ／ /＿_　/＼|,,//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ!、 /llllﾞ,ﾝ　＼ﾞx 弋:::ン　　`　 _　　　 |∠''　((,,（..,,,.　'''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|llﾚ'/＝＝ﾞ'＼　　　　　　丶 )　　　｜　_　∨'' 　　　 _　___＿＿,,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　（＿_　,,,,/　ﾞ'フ"　　　　　　　,／　ﾔr―－''''''""""¨ 　　　　|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒ 、）／./ ,,￣/｀`:ﾞﾟ'ヶｖ ,, -‐'''ｿ　　　l ｌ　　　　　　　　　　　　　 ,-‐-`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣））＼ ''''',' ,/　/-==　- ～l´　　　 ,.'-‐-､　　　もっと　　　　,＝ニヾ||l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　￣／ヽ、,′　　　|　`、　　〈_,.rニ＝、　　　　　　　　,ﾆ=d λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／、　　　　　　|　 .|　＼／（ｒ_rk=ﾆ、　美人がいい　>‐-.､_ r　

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　結果、陛下は楊駿・楊済の姪の楊艶を妻とします。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　彼女が現在の皇后で、すでに世継ぎも生んでいます
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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106：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:21:16.54：poGcySNRo (49/64)

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　まったくこの漁色家ときたら……
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　.で、斉王の嫁さんはどうなんだお？
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V／:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　賈充殿の御息女ですよ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::::::::::::::::::::::::::::.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｰ-:::::::::::::::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「r'、　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} r'、　ﾍ､ /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/ ム､} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　い､{　Ｙ::::::::::::::::＼::::V:::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　{|V.::::::::::::::: ＼V:::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|

107：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:22:52.44：poGcySNRo (50/64)

【紀元２６４年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　 |:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::|
　　　　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,l＿|
　　　　　　　　,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::|
　　　　　　　 /＿,,　--―――‐t―――----┴-{
　　　　　　 /三ミミ三三三三三　　　 r―､　　rﾐ、
　　　　　　 ,'三ミミ三三三三三彡'　　　｀￣　　ヾ'i
　　　　　　,'三ミミ三三三三シ´　　　_,. - 、 :　　__ l、
　　　　　 ,'ﾐﾐ.r＝=､三三三ミ　　.:.:.:.:ｨ'"でi、.:.　:,rtｯ'
　　　　　 l三{/ﾉ入＼三三ﾐ　　.:.:.:.:.｀`＝ﾞ^ .:　 'iｰ{
　　　　　 ',三!l fラ人ヾ三ミ　　　　　　　　　　　 ', ﾞ',
　　　　　　ヾ:tヽんぅ　 ',三ｼ　　　　　　　　 ,r __　） !　　　　　　　　　　　　　　は？
　　　　　　　丶丶二,ノ l三'ﾞ　　　　　　　,.　`´ 'ｰｲ ,'
　　　　　　　　ヾミ　　　',三　,'　 ,:'´　／　　 _,,__,、/
　　　　　　　　 l三　　　`'"　/　/　／_,∠二,ｰｱﾉ/
　　　　　　　　,l^`'　　　 .:.:.:.:l　,'　　,. h､:.:ﾞ':.:.lf´,'/
　　　　　　　/7　　 .:' ,::' .:.:.:.:; :;　　:,　ヾゞｚｪｿ ;/
　　　　　　 ∧',　　,'　　 ,. - 、　　丶､_｀'一' /
　　　＿＿/:::ヽヽ、　　.::.::.::.::丶、　　　　ﾞﾞﾞﾞ /
　　rf　　（::::::::＼＼　　 .::.::.::.::.::`'.: ,-､--―くr-、
-‐（丶、_ ｀丶､::::,ゝ＼＿＿＿＿／ /:::::::::::ノ　ﾉー-- ､、

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　は？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

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108：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:23:23.39：poGcySNRo (51/64)

　　　　　　r=､、　　＿＿ __
　　　　　l|　＼r'´￣　　 _ｒ' 二＞,　ﾍ
　　　　　　l|　/　ﾄ、ヽ　r'´, ｨ'Ｚこく　　 |
　　　　　 ∨　/| ＼　〔「 ,{ {-｣} ｝-┬'
　　　　　　/'　//　　＼{j/ ゝ辷ソ＼＼
　　　　　　|　/ l　＼　　＼/､__|｜/l＼＼
　　　　　　ヽﾊ/ ｙ=ミ　　彡='､ｌヽ!｣　 ∨　　　　　もう一度言うわよ！
　　　　　　　ヽ{ ﾊｒり　　　 l ｒりY∨ﾊ　
　　　　　　　 |lﾍ.r‐､　、　　 ¨´　 |lｿl |　　　　　　　　もうすぐ起家する
　　　　　　／|l　 l　 l Y ￣ヽ　／|!┐　　　　　　　　うちの大猷の妻に貴方の娘をもらいたいかしら！！
　　　　　 {彡'|　-|　 !､!　　ノイ　j彡!￣ヽ
　　　　　　Y／彡l　/　￣　　｛彡二7　　ﾊ
　　　　　　｛ ∨　ヽ{ /￣{_}￣　Y´￣ﾐi　　ﾍ
　　　　　　｢l/　ヽ　|＼＿_l　　　テァ;┘〈　小、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:||;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　〈j〈　ヽ　/　,＿＿)＼＿ゝ┘|　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;:;:;:＿＿＿jl|＿＿_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　く/::::＼_ノイl　/　　ヽ　 /　/ﾍ　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ::7´ ,r=ぅ　　　r- ､￣｀`i丶､;:;:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::ｼ　 "´　　　　｀ ~´　　ｨ'ミ::::`'i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）::/ ,. -－､　　 , -－､　｀ヾ::::::::},
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::l.:.,ｨ句丶y'.:　　ｨ句丶､:.:.　ﾞi:::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}::l:.:.｀￣,.:'´ .:　:　｀ﾐ￣.:.:.:.:.:.　l:::::::ﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::l　　 , '　,r'　　ヽ、　　　:.:.:.　}:::/^'i l
　　　　　き、聞こえておりまする。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N!　　　 /ﾞ'^'- '^'ﾞヽ　　　　　 l::fｸ //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l l!　　 /　 ,..,_,..、　丶　　　　 l:lぅ,ﾉﾉ
　　　　　し、しかし、麿の娘は十にもなっておりませぬ。　　　　　　　　　　　しi　 i 　 ,ｲｴｴｴ>､　ヽ　　　 ,l:ゝ- '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. l l　l{､:.:.:.:ﾉ:.:.:l）　l　　　ｲ::ﾉ
　　　　　こ、これでは、若君が●女性愛者の汚名を残しますぞ　　　　　　　　　ヾ! l ヽゝｪｪｪｧﾂ　 }　　 ,/:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >､　 `ｰ-‐ '"　ノ　,ィ'{^~ﾞﾞ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l, ﾄ、　　　　　 ,ィ" Y lﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/:.:.:ヽヽ.` ‐--‐ '"´　　 / ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r‐</:.:.:.:.:丶丶　ヾ ,ｿ　　　　/ /:.:.ヽ‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ ''"^ヽ　丶､:.:.:.:.:＼＼　　　　　／／:.:.:.:.:ヽ } lｰ--

109：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:24:11.92：poGcySNRo (52/64)

　　　 .|_;:_;:_;:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:i;:_;:_;:_;:_;:_;:|
　　　 |_;:_;:_;:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:;i;:_;:_;:_;:_;:_;:;|
　　　　 |＝ﾆニﾐ　　 , 一,　　　､ｰ､　ヾﾐi
　　　　/ﾆ三彡ゞ,. ..　`""´　　　　`"　 ,iﾐi
　　　,i三ﾆ彡ﾗ".: 　 , -‐‐-'. 　 .: ｰ- ､.ヾi
　　　ゞ彡彡'. .:　　,ｨ'で入　.　'. ,ｨ'で)'､ ∥
　　　,r=ﾐﾆ彡 ::　　｀ﾞﾞﾞ"´ﾉ.::　 ',｀ﾞﾞﾞ"´　.|
　　 ii ﾉ,,ゞ彡 : ::.　　　　 ' ,::: 　 ', 　　 .:|　　　　　　　　　　と、とにかく、もうしばらく猶予を頂きたいでおじゃ！
　　　ヽ.( 〉ヾﾘ : : ::... 　　/ゝ =､_,,r｀､　 ::l　
　　　ヽ　"ヾﾘ : : : :::..　,'　　　: :　　 i　.::l
　　　　｀卅ヾi : : : .:::　: 　_,ｨｪｪｪｭ､ :i　::i
　　　　　' 'ヾ| ', : : .:::　i 〈-‐‐rー, i　i .:/
　　　　　　　ヽヽ: : :::　i　ヽｚｪｪｪｭﾘ :! /
　　　　　　 ,､.|: :ヽ: ::.. ヽ　ヽﾆ二ﾉ　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-―‐　ー- ､
　　　　　 /i |ﾉ: : : ヽ: :.　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　／　　　　　　　　　＼
　　　　/:ヽ＼: : : : .｀ﾞｰ- ､..,,,,,,...ノ |＼,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　　_,,/::::::::ヽ＼: : :.　:.　 ::　　 / ./:::::ヾヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　ノ´＼::::::::::::::ヽ＼: :.　:　 ::.　 / /::::::::::::ヽ i ｀` ｰ- ､,,　　　　　　　　　　　　 l/　　 l/　　　｀ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 -'　　　｀ｰ　　 >-、 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ━　　　 ━　ｒ=っ У
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 /ﾊ　　　　　　　　　|l ＿'_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ「､　　 n　　　 ,.ィﾞ＿　i
　　　　　落ち着きなさい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　／└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　ﾊ
　　　　　欲しいのはそっちじゃなくて、貴方の先妻の娘よ　　　　　　　 ,'⌒　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　テ　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ノ　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　| 　ヽ _　　　_ノ　 ',　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　　 /　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　｀//!ﾄ--'　　　　ヽ　　　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /　/　　　｀/lj　　　　　　　 |　　　ヽ

110：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:26:19.76：poGcySNRo (53/64)

　　　　 |＿＿＿＿＿＿＿_|_|
　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;|
　　　　/-‐ﾆ三三三　､っ　　 rﾐ
　　　 /三ミﾐ三三彡　　ﾆ､　　ﾆ､　　　　　　.そうは言いましても、あれは謀反人李豊の孫！
　　　,'三ミﾐ三彡ｼ　 ::ｨでi､　 .rｯl　
　　　{ﾐ{.r-､ヾﾐﾐｼ　　 ::｀＝＾:　ﾄ {　　　　　　若君の輝かしい未来に泥を塗るだけですぞ！！
　　　｀ﾐヾヽヾﾐ゛　　　　　　r､ _) .}
　　　　ヾ二　ﾐ　 ::/ ／　＿ﾆ_ /　　　　　　殿下も若君を日頃から可愛がっておられたではありませぬか！！！
　　　　　ﾄﾐ　　 ::' /　／-'-'ｱ/
　　　　　/　.: ::::.:.: i :　::ヾｪｪｼ:./
　　　　 /7　 ::'　.　,-、ヾ｀一 /
　r-一∧＼:::　　:::::::｀ー-､‐<,-､.
.f ヾ　 :::::ゝ＼＿＿＿／/::::::ﾉﾉー､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ノ　∧｀ヽ　｀ヾ` r'ﾝヾﾆ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　＞'　`＜_　　 <ﾞv　　〉vi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ /／＼　　　　｀ヽ、ﾄﾍ三{薔}〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ｌ f'´ ､,r=ｭﾐｭ､　　　　二{〉、ヾﾂ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 !{　 -{liｸｯ }｀　　　ｨ,r=､,ヾ〉,>}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f´｀ヾ,　　_ゝ‐'‐　　　 rfｲ`, }/>ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ=＝ｷﾆヽﾄ　　　　　　　　 ! ｀ヾ´ﾄ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　 r―ミｪ､_　　　　　　 -=ｭ　　　ﾊ'
　　　　　　　　　　　　賈充　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノミｭ　｀ヾゝ、　　　　　｀>ｲﾍ}、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヾミｭｪ-､　ミ[二ミｪ､__　　 ,r'´　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　 _」、　　｀ヾー彡｀爪￣＞‐〈｀7　｀ヾミ､　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ、　　 ,ｨ'´ 　｀ヽ　　 >　　 ||_＞彡'´_]ヾ､　　＼_ゝ､r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヾﾐ、　　__}｀~´　　　 <／､ヾﾆ´　　＼　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ」｀ー､/　／ｌ/　　　　 ||　｀ヾｭミｪ､＿,ｲﾋ'´ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ||　　　｀ヾ〉　 || |　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　r‐'´　　ヾｭ､　　　　　 || | //

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.可愛がってた子供に、
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　麻呂みたいなヨゴレの娘を嫁がせるとか頭おかしくね？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　常識的に考えて
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

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111：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:27:58.82：poGcySNRo (54/64)

　　　　　　　　ｒ､- --ｭ__
　　　　　 ,. ´ゝ　　ｒｒ‐､jﾆヽ
　　　　 ,.′ ,/ ＼｛ l､{薔} ﾘ
　　　　　ﾚ'／　　　ﾞ＝lｲ~~ﾝ^l
　　　　 !|´⌒　　 ''　｀~ζｼ　　　　　　　　.だからこそかしら。
　　　　 ,,ｭ}. ー　､　ー‐　{､ﾘ
　　　　 k.,〉ﾍ　　ｒ‐､　　〃ｲ　　　　　　　　貴方の私に対する忠誠心は一点の曇りもない。
　　　 ,..ｺ::i-､ゝ､_　　,.ｨ _ ハ
　　 / 　ﾞ{::´ン::仁ﾄ:ﾍ,--ｒ〈￣ヽ　　　　　　 .あの子を助けてやってほしいのよ
　　 |:ｲ　そ_ﾘ｀i:!｡|:!｀>‐ ソ　ｒ,/
　　冫ヽ　ゝｨ '」.｡ﾚ　､ﾆ）　　＼
　／　､　 /　＞ｒｒv'´　「￣＼_　＼
. ﾊ　　ヽ,/　　｀´∧‐'　ヽ- ／　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;:;:;:;:;:;:;:;:l;:;:;:;:;:;:;:;:｀丶､;:;:;:;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,l;ｨ'----┴――--､、;:丶､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ7 '"＾　　　^`'　　 ,ｨ'三ミ､_〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:/, ﾆ丶　　,r,=-、　ヾ:::::::ﾐヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃ｨ'｡｀>ｿ { ィ'｡｀'ｧ::..　 !::::::ミ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:! ｀~´/　,l、￣´ 　 ,. }:::::三<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ll　　 (､っ）　　　　 : ,l::::ｼ久'l
　　　　　　（殿下は、この麿をそこまで買って下さるか！）　　　　　　　　 l　　 ,.,__､　　　　　,:' f::/ﾝﾉ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ､ f{二ﾐｧ ,）　　　　{,ﾂ>-‐'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ`ー '　: ヽ　　　,_ｿ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶､＿＿,　-―''"/,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,} ヽﾆニ　 =彡ｼ,ンヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/(`＝- r‐ ''"　／ ,／丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽヽ、＿;＿_,∠..ィ"-――ｭ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,∠三二二,,＿＿＿,,.　 -― ''"~⌒`丶､、_

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .私も不思議に思ったのですが、賈氏には男がいないんですよ。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　 .外戚として権勢を振るおうとしても、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　肝心の権勢を振るう人間が賈充殿ぐらいしかいなかったのが現実でした。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.比較的御しやすい外戚と思われたのかもしれません
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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112：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:29:33.72：poGcySNRo (55/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└i_､　　　 . 　 .　 .. . : ::|
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三 ≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
. .　 : : i!.　ｉ';;;;;;;|　 |:: : :. ,,､‐''　　__i┘三三三三三三-=ニ　　　　　恐れながらも謹んでッ！！！　　　　　　　≦
.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　 :　 : i! .ｉ';;;;;;;;;|　 |: 　. __i┘三三三三三三三三三三／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼　
:　 ..　￣￣￣￣i! |　i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.└i　 . :: |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＼ . :|

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .賈充殿を斉王殿下の義父にする事で、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　後継者争いの芽を摘んでおくつもりだったのかもしれません。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　 .
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　まあ、憶測の域は出ませんがね。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.ただ、いずれにしろ、家格の面では弘農楊氏と雲泥の差がありました
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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113：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:32:44.91：poGcySNRo (56/64)

　　　　　「￣´.:.:.:.:.:r‐≧､､
　　　　／:.:＼:.:.:.:..://⌒ヽ/ﾆヽ
　　　　　/:.:.〃:/ ＼:.:.〉ヽ　{薔} vﾞ)
　　　　 !:.://;/　　　｀ヾ入､　//:i
　　　　　!/'´,.--､　　 ,.--､ヽ､/:.:|
.　　　　ぃ　　　　　　　　　　i:.:V
　　　　　代　⌒　 ,　 ⌒　　 }ｼ,　　　　　　　　　　　　　……という次第になったかしらー
　　　　　ハ_'､_　┌‐┐　　,ｒﾆ〈ﾘ
　　　　 ∨ ニ＞.｀__´_ ,.イ＝=/
　　　　　〉､ニｿ〈介ﾄヽ { ﾆ､/- ､
　　　,／　　}=〈〈八〉´ 1__l/　　ヽ
　　　 l　　　ﾃ l　：　　,l ﾃ　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　　　 _
.　　　＼　､ , ノ＞＝＜ヾ　　〃ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　／ l
　　　　 |　　 {.　 ∞　　 /　　/´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ｌ::::.、、　　　　　／.:: /
　　　　　 l　　 !　.∧ 　,/　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、／ .::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >　ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　ノ　　　＼_ ;
　　　　　　　　　　　　　（私がいったい何をした？）　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　　＿＿　l⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::l＞＜l ::ｉ　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::＼／:::::l　　|

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　確かに斉王殿下のバックに麻呂がいりゃ、
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　まともな名士は殿下を帝位に据えようとは考えなさそうだお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

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114：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:35:42.64：poGcySNRo (57/64)

　　　　　 /　　　　　　　　　　 ::.､::.‐-ﾊ=-‐ ､
　　　　　-‐,′.:'　　　 ,':　　　 .::..　　　　ﾊ::..　 l:ヽ:.. ﾊ
　　　 /　 :ｉ　 i　　 .　 /: 　　 ,'.::l:::::..　ｉ:.　 l=-‐'l､: i:　 l
　　　ｉ　. .:|　 l 　 '::. /' 　 ,'　/.::ﾉ｀ヽ:::. |::　 |:: :/:l::ｉ::|:　 |
　　「　‐- |　.:|　ｉ: /l 　 /　/／　　 }:::ｉ|::　 | -‐　￣/　|
　　　＼　》|　::|　 |/‐|‐'/ｊ／´ `ｰ─ﾉノ'|::　 | 》　／::i:　　　　（こんな素敵な人と結婚できるなんて思ってなかった）
　　　|　ヽ |　::|　 |,ｨ==ミ､　　 ',ｨ==ｚ､|::,'　|,.イ:;ハ::::|:,..|
　　　 |　 .: :l　::| ｉ: ﾄ弋zﾘ　　　弋z:ﾘ 'l,′ l:: :i,'　 |: ,:':: |
　　　 | : :i: :|　::| |::ﾊxxx　　　　 xxxｘ/ 　 ,'::..:| 　 l/::: : |
　　　 l : :|: :|　.:| |:l:人　　 `　　　　 /,.ｲ:./ｊ人|　 /::,':: : |　
　　　,′::|: :|　,'| |:|::::::::..、　(⌒ヽ　 ..イ::::|/::ﾉ　　 ,':::::l:::ﾊ |　　　　　　　　　　　　　＼ヾ:, ∨///＞ｲ,' /
　　/　 ::ﾉ: :| ::/ヽ:lｒ‐､}三三三|l￣￣l|三{ ,.‐- .. {::::.::l::| } |　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ﾄ､ゝ=彡{　ﾉ
　/ ,':::/: ::ﾉ|:/／｀　 `ｰ-,===ll__TT_ｊ|==,/ ┌‐｀ヽ::::|::lﾉ..|　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　｀ー ' ´ ヽ
./ /::/::::'´::／￣　7　　/　/:/　.{{_}}　|:{〈.　 l　　　 V::: :. |　　　　　　　　　　　　　　　　ー-､　　ヽ　　j　 ∨ノ
,'　:::,':.::: :::/　　　 / 　 /　/:/ 　 :|{.ｊj　|:| ::.　＼　　 l:､: :人　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　 __　　ﾊ　 ;　／
l　: :l:: :ｉ ::,′　　／　 / _/:/_　　　　 _|:|__:.､　　＼__|:::ヽ:: :.＼　　　　　　　　　　 ,´　　ゞtヽ　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　｀　　 } i ´ ヽ
　　　　　　　　　　魏　賈充の娘　賈荃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　＿　　　　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　彡-　｀Y jノﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／}＞､ゝ--ムｲ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ{ |ム {: : :>xtj-ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞.:::::::::| !::∧￣{　}i}　}ハ>､
　　　　　（やはり父上は私を愛してくださっておられる）　　　　　　　　＞.:::´:::＞.:::::::::! !::::∧　}　{}　{:::∧::::::｀.＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ::::::::ヽ:::::::::::::::::::! !::::::∧ {　{;{　}::::∧:::::::::ﾑﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::::ﾑ::::::::::::::{ {:::::::::∧}　}}＞-rュマ:::＞v∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　｜::::::::::::::ﾑ:::::::::::ト｀＜::::ﾍ(_く__ﾉ_ノつ＞'　/ ﾉ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　八:::::::::::::::ハ::::,:::':::::::＞｀Y＞'　ー 'ﾞ　_ 彡.'／ﾑ

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

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115：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:36:48.75：poGcySNRo (58/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　＿＿_　　　　　　　　　　 /　ｰ､_ 　　　＼　　　ちょっと麻呂の所行って、他の娘さんもらってくるお。
　　　　　／　　　＼　　　　　　　　　l, （● ）　　　 |
　　　　／　 ⌒　　 ⌒＼　　　　　 i,!､＿）　　　　 .|　　　姉があれなら妹たちも美人に違いないお
　　　／　（ ●）　（＜）ヽ　　　　　 1⌒　　　　　　 l
, ―-､ l 　　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　 l　　　　　 /
|　-⊂)＼　　　　｀ ⌒´ 　／　　　　　　　ヽ　　　　　 /
|　　|_ ／　　　　　､　＼　　　　　　　　 .ﾉ　　　 .く　　　　　　　　　　悪い事言わんからやめなさい。
ヽ　　｀　,.|　　　　　　　 |　　|　　　　　　 |　　　　　 |
　｀－ ´ |　　　　　　　 .| 　 |　　　　　　 |　　　　 |　　　　　　　　　ま、とにかく、これが陛下と斉王殿下の差です
　　　　　 |　　　　　　（t 　）　　　　　　 |　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／:/: : : :/: : :./:.: :.:.ｲ:i:.:.:.小:. :. :.ヽ: : : :. : : : : .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : ｲ / : /: : /:ｉ: : : /.|:|! : : |　､: : : : :. :. :.ｉ : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / / ': : :': : :.ｉ/|＿/　|ﾊ: : :.| 　ヽ＿ｉL: : |:. :.:ｉ: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'.:/　':.:|: : :|!:匕|「| :/　｀{　､:.ﾊ　´　＼{ヽ｀ |:. :.:|:.:.:ｉ:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　 |: :|: : :|ｌ: : | ｘﾃ笊ミ　　ヽ乂ィ笊伝ﾐy:ハ: :l: : ﾄ､:..
　　　　　確かに司馬昭は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{' 　 |: :|: : 八: :|《 {うｆ:j::}　　　　　 r':ｆ:j:::} 》': : : :.!: :.l　｀＼
　　　　　二人の子の扱いに差をつけていた。　　　　　　　　　　　　.　|: ﾊ: ｉ:.小 :.　乂:::ソ　　　　乂:::ソﾊ /: /）:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:'　从:.:|: ヾ:.　　　　　 '　　　　ﾑｲ:.:/ｲ∧乂
　　　　　しかし、後継者候補当人の感情はまた別問題である　　　　,八! ヾ : ｉハ　　　　 _　　　　　 : : : ｲﾉ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨: : ヽ　　　　　　　　　　ｲ: :/}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: : 从:＞　　　　　 .＜ /: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人: :.| ヾ小　≧≦　小/: ﾍ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >乂:. :r'　　　　ノｲ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : :|　＿＿　 /:. :.: :.:＼

116：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:37:47.10：poGcySNRo (59/64)

【紀元２６４年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　/　ｲ´ ,. |　　　　　　　｀ヾ.　ﾊヽ
　　　　./　 /　ハ.!　|　|　|　　|　　!　　',　',
　　　 /　　i　 iヾｰ!　!　i! l!　 .ﾄ､ l.|　　 |　|
　　　i　　　!　,L==∀∨!斗＝|‐トi!　　 |　|
　　　|　　　Y´|ィチミ　Ⅵ '仔ぅﾐx!　　 .!　|
　　　| .'　　 Ⅵ.ﾏ__ﾘ　　ヾ　b__ﾝｲ!　　ﾘ　 !　　　　　　　　　可愛らしいお嬢さんではありませんか
　　　| ﾄ,　　ﾊゝ　　　､　　　 l　　.′　|
　　 .Ⅶﾊ　　圦　　　 _ ＿, 　 .ｲ　　ﾊ　　.!
　　　ヾ| ',.　 |.:.:.＞ .　　　 .イ:Y　 ./.:.:＼∧
　　　　 .}〈|　 |.:./.:.:r!≧=≦-'1|　 .ﾊ.:.r‐‐' ﾊ
　　　 ./　!　 l/_.:.人__Y__ . -‐i!　 L_V_,､＿!

　　　　　　　魏　司馬師の妻　羊徽瑜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　＼＼ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f|　　　　ヽ　＼ Y ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |{＼ i＼　＼　 ', ! ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|__ ＼_＞-ミ、ﾄ j　 }、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :ゝ、　TTヽY∨ ﾘ　ﾘ,　
　　　　　　　　　　　　　　　　まったくですね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　 |　 !|　 └' 　 ', ∨　ﾉヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 | 　 |、　　　 /ｭ ∨:{　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 |　　| ＼￣／_人　辷、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　{ r┬┐::::{ 　廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |!　 )} j　{::::::::}　! {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,人_ノﾘﾅゝ:::: ﾄ､ヽゞ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬攸は司馬昭の三男であるが、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　実子のいなかった司馬師の家を継いでいる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬師の家には妻だった羊徽瑜がおり、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .司馬攸は義母に当たる彼女に誠心誠意仕えていた。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　その羊徽瑜の弟が羊祜である
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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117：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:39:25.06：poGcySNRo (60/64)

　　　　　ﾄ:::::::::｀''- ..,, ;;;;;;;;;;;;｀'' -...., . .- ''´|
　　　　　 i:::::::::::::::::::三　｀'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;,
　　　　 /ﾆ､::::::::::::::::三　　､;;;;;; ｀"´ ,,,,,　i;;;i
　　　　{ (　_',::::::::::/　　　　　　　　　　""　|/
　　　　', '<i ヾ:::::::i　　､､,,三、　　　,,.-、 i
　　　　 ',､ヾヽi:::::i　　　'-ヽソヾ　　 /,'ｯﾌ､i　　　　　これを機に、羊家の皆々様とも仲良くしたいものでおじゃる。
　　　　　ヽ__.. i::::i　　　　､￣ﾉ　　| ;ﾆノ.i　
　　　　　ﾉ,.-|　i::i　　　　　　　　　 |　　　i　　　　　　今後とも何卒よしなに
.　　　　　　　i,ｨ''"',　　　　／､_　 ::::　　 /
　　　　　　 /',',',　 ',　　／　　　ヽ_ノ　 /
.　　　　　ｲ',',',',', ', ',　( ,.---::;;;;､_,. } /
　　　　　/ '',',',',',', ', ',- ､　,.__`ｰ´ノノ
　　 ,.-イ　　''',',',.',', ',:',　　　　,ノ／､,,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=…_- ._　　　
　 (　 {´　　　 ',',',',', :',.','---─ '´ﾘ　 ', ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　´ ／　〉ヽ＼　
''´´ヽ((''- ..,　　',',',',', .',.',ソ　 ./ /　　　',) }ｰ..,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　ｲ　ﾊ、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　./　 //}　/ .ハ∧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 !　/　 //ｲ／ｲ　/ ∧　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l　| 　　l厶/／ / / Ⅵl|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧l　| :i 　 l彡ヘ　レ' _,//ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　｛　',　| :l 　 | `ｰ‐ 　 ´　|i!｛｜
　　　　　　　　　　　　　　　　こちらこそ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _{＼{__j__i　Ⅵ　　　 ′从j 1　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ＼＼　l ∧i＞。｀_´ ｲ Ⅵ人　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　ー‐|ﾊ∧::::ｰz‐くヽ{ｰ＜｀Y⌒ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {＿j´￣＜l　i ∧::::::::}　l |:}::::::::', ',　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　｀ヽ　|　!　 l:､_:_j　{ |':::::::::::! | / 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 :} |　!　 |::::::::} /ヽ＼:::::j..

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　そして、妻の父親となるのが賈充である。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　どちらも司馬昭政権の最高幹部であり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その二人が揃って司馬攸の側に立っている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　傍目に見れば、そうとしか見えないだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

118：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:40:37.10：poGcySNRo (61/64)

　　＼:::::::::／　　　　　　　　ヽ　　　　　　｡|:::::::::::／
　　　_＼.:　　　　　　　　　　　　i_,ｨ===　､　 ∨:／＿
　／ __ '　　　　　　　　　 :"　　　　ヾ　{::}　　　　｀ヽ　
〃　′|　　　　'　＿/_,ｲ　 ,　/､＿＿　　ﾞﾐ　ﾟ＼￣ヽ　 }　　　　　 .あれ？
|　 {　/|　 |i　ｉ　 / ,/:|　 / /　　　　　　ﾞﾐ／|::::∧　 }　/　
ゝ=-/::|　 |l　 |　/j /　j ,ｲ /　　　　　　 .ﾞﾐ／|::::::::|　ﾉイ　　　　　　うにゅー食べないんですか？
　＜:::::|　 |l　 l/　　┃　 |/　　　 ┃　　　ﾞﾐ／Ⅳ::::|　
　　 .￣Ⅳ从　l.　　 ┃　　　　　　┃　　 .〃¨Y｡＼:!　　　　　　　　　いらないなら私に下さい
　　　　ヽ| ヽ{　　　　　　　　　　　　 {{ '＾ﾉ{　　 `
　　　　　圦　""　　　　　　　 ""　 /)〉´. |
　　　　　　　 |. .≧ｭ．　　ヽ　　　 .　イ/'. .ｉ. .|
　　　　　　　 |. . ｉ .ｌ. .|. .}￣￣　 {./. ./. .ｲ . |. .|　　　　　　　　　　　／　／　　　　　　　　　＼｀　　　　＼
　　　　 , イ. . .| .|. .| ´　　　 /i. ., . /.| . .|. .|　　　　　　　　　　 /　　/ 　　　　,' ,'　　 i　} }　｝　　ヽ　　　　　　＼
　　　　 /: /: : : | .|. .|ヾ=====ｲ/| .{. .,. .|. . |. .|　　　　　.　　　　　 / 　 /　　,'　　　/〃　　 |　| |　ﾄ､　}　　｝　　　＿_ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,r=ミ{　　 {　　　{ {ｌ　i　　|　| |　 | |　.!　　}　　　＜ヽ
　　　　　　　　　　魏　郎中　羊琇　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 {　　 { {|、{ 　 }､_l_| .i | | | |　　} ／　 } },/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ、　＼　 {_ﾘ'´ヽノ　,}ﾘﾚ'ﾚ! }ﾉ }　　´　{　 { ｛{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　＼ヽ. ヽ{仡ﾐ　　　　仡示ﾐ }　} ヽ､　＞ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　ノ｝＞} Vﾉ　　　　辷ツ_ﾉノ~＝ァﾆ二　 /__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 <＞ｧ｀}__{::::::　　__r　　::::::: }三 , ＝ﾐ､　 /三_/
　　　　　　　　　　うん、いらない　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　<三>ﾆ/´￣ヽ／´￣ヽ{ニ／　　　 .｀〈ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'y‐/　　　 /　　　　　〉'´　　　　　　 }　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　{　　　／　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ryf／｀￣￣￣￣フ´　　　　　　　 ,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {t/　　　　　　　ヽ　＿＿　　＿＿}　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　　´　　　　ノ}、　 ´　　|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　普通の人間ならば、これで慌てない方がどうかしている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まして司馬炎という人は……
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

119：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:41:27.43：poGcySNRo (62/64)

　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　/　　　　　　 !　　　 }ﾐﾒ､: :/: : ::ｨ: '::´:{{ハ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　/　　　　 i　　　　　　 l　　　　ゞ:V:_:ｨ'´: : _: : : :ﾒハ
　　　　　　　　　　　　　　　　//　 i　　　　乂. 　　　　　　|　　　　ヽ: : : : ／iヽ￣｀　 i
　　　　　　　　　　　　　　 iｲ　 l 　　＿_ﾊ　　　　　　/　ｨ　　　　　>.／　 ,|ハ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 {'i .　 l　　　从八ヾ　　､_＿ｨ＿/_i　　/　 |￣　　 |　＼　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　.li ｨ=ﾐﾒ､　　　 .//イ /￣〃　 /　　　　/　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､ﾊ　ﾄ､ilけk}ヽ　／彳ミﾒ､ィ' 　 ./　　　　/　　　　　　｀ｰ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ >､', 弋ソ　｀"　 {{けオﾐ､イ.／　,　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　／-'´￣ト' "" 　　　　　辷ツ　〃彡''_.／ｲ　　　　　　　＿＿ _
　　　　　　　　　　　　　　　/　　ヽニ彡､　　､　　　　　"" 　イノイ≦　 il＿　,,　ィ ''´￣￣｀
　　　　　　　　　　　　　　　{　-＝彳_ィハ　　 -(　　　　　　　ﾉ＿　　　　＞￣
　　　　　　　　　　　　　　　 Y´　,,_≠〃フ＞､　　　　　　　　イー＜＞_/ハ￣＞- ､　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽイ三＝≠＝-､ー -,―　 ´　 |＞､ノﾌ｀ー -ミ''ー　､ _ ｀ー'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >=／: : : : : : ＞イi　　　　　 >=-''´￣ヽ＿}}　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : ´: : :il　_. . .ｨ: ':´/: : : : : : : : :ヾー＝-'' ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : :ｨ＝＝v＝ﾐﾒ､: : :r': ´: : : : : : : : : : : ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　……良くも悪くも普通の人間だった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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120：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:43:20.28：poGcySNRo (63/64)

　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
　　　 |　　　　　　　　　　続く　　　　　　　　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
　　　 |________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､　　　　　この続きは水曜日の２２：００から投下予定
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

121：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/10(月) 01:46:06.56：poGcySNRo (64/64)

【>>100と>>101の間に入ります】

　　　　　　　　　　　　　 ..　- ─……‐-. .､
　　　　　　　　　　,.　'"´ . : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
　　　　　　　　,．'´. : : : : : : ,.: : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　／. :./: : :/:/: : /:l: : : |: :l:l: : : : : :.！
　　　　　　　 , ｲ: :〃l: : :/:/: : /: :|: : : |: :|:|: :|: :i: : ::`ヽ
　　　　　　　　 |: 〃 l: :/:/_L/1 : |: : /|: :|:|: :|: :|: : :.:.:.::.';
　　　　　　　　 |/ Ⅳl:/l/　{ 　|: /|: /. |: :|:|: :|: :|: : l: :.l:！
　　　　　　　　 {　∧Ⅵｨ行ﾐヽ|/ .|/￣「/ﾒ､/: /: : l: :.l:！
　　　　　　　　 ,′: :l　辷ｿ　　　　ﾆ二_l/l: /: : ./: :.l: l
　　　　　　　　 l: l: : l　　　,　　　〒ﾃﾃﾐV/: : /: :./l: {　　　後漢において弘農楊氏は、
　　　　　　　　 l/l: : ﾄ､　　　　　　辷ｿﾉ: : :,.ｲ: : /l人{　　　袁氏と双璧を成す名門豪族だった。
　　　　　　　　　 l: : l/ ヽ　｀　　　　〃: ∠ノl／
　　　　　　　　＼|　　＞r‐r‐ ＜ィ´l/l／　　　　　　　　ところが彼らは、魏の時代には勢威を失ってしまう
　　　　　　　　　　　　 l:/　,.　-─┴┐
　　　　　　　　　　　　　　∠二二ヽ　　　！
　　　　　　　　　　　 ,. ｲ. : : : : :.ヽ. ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　 ,. ィ77.ｲ. : : : : : : :.', ！　　　`､
　　　　　　　∠∠//.:.:l. : : : : : :.:.:.:l　|　　　　ﾊ
　　　　　　 |:l i.ll:/.:.:.::j. : : : : : :.:.:.:.l　|　　　　 j:{
　　　　　　 |:| i/.:.:.:.:.:{. : : : : : :.:.:.:.:l　L_ ＿ __{」
　　　　　　 |:| l.:.:.:.:.:.:j. : : : : : :.:.:.:.::L_ ＿＿_」」
　　　　　　　ﾚ'1. : :.:.:.l. : : : : : :.:.:.l/. : : : : : :/Y´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　なして？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／

122：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 02:01:06.84：QY4d9KGE0 (1/1)

乙おつ

阮籍行動が面白すぎ

123：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 02:03:29.25：xxD6qoAUo (1/1)

乙

司馬家の嫁取りだけど、後世を知ってる身からしたら、うーんって思うけど
二代目皇帝があれな以上どうにもなんなかったのかなーと思う。

124：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 02:04:00.28：kPmx4GRl0 (1/1)

乙乙
対立する恐れのある兄弟に嫁の家格で差をつける辺り家光と忠長みたいだな。
あれは菓子だったけど

125：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 10:28:56.22：75NW1I4Uo (4/4)

乙ですー

楊修さんは丁兄弟（曹操の親戚）の代わりに見せしめ的に処刑されたんだろうなって
曹丕自身は楊修と親しくしようとしていたが楊修が曹植と仲良くし始めてからは冷たくあしらわれたとか色々話が残ってますね
そういや曹丕と曹植は正妻の家格に差があったっけ

126：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 18:30:33.70：2l3eGkgOo (1/1)

>>124
織田家でも信長と信勝の兄弟でやってるね

127：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/10(月) 21:19:20.40：XlhNO2vLo (1/1)

お疲れ様でした。

>>116
「司馬攸が司馬師の家を継いだ」

これだけで十分憶測を呼ぶ話ですね。結果論としては。
単純にNo.2を兄の跡継ぎにしただけにしても。

128：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/11(火) 22:06:37.04：fSNmahWB0 (1/1)

司馬昭「俺は兄上に司馬家を返したいんだ（棒）」

昭さんの行動・発言には大体　（棒）　が付くよな

129：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/12(水) 05:43:47.14：D8pbAp4bo (1/1)

それでもどっかの仲謀よりかは兄孝行だと思う

130：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/12(水) 11:13:52.40：PTthdyw4o (1/4)

どっかの厨房さんは司馬昭と違って跡継いだ時政権不安定で色々あったから
兄の家優遇するわけにいかなかったんだろうかね

131：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/12(水) 11:23:08.82：t5hKaZV10 (1/1)

表面的にはどんなに忠孝に則った言動をしても、
全部裏があるように思えてしまうのが、司馬昭の気の毒な所であり人徳でもある

132：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 21:50:15.11：NKUSUu5Xo (1/35)

　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
　　　 |　　　　　３０分ほど遅れます　　　　　　.|:::::::::::::|　　ゝ::::|
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
　　　 |________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､　　　　　　　　呉が三国ではないという風潮
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

133：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:37:22.59：NKUSUu5Xo (2/35)

【>>119の続き】

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）＿＿＿_
　 |　　　　　｀ ⌒／ ─'　'ー＼　　　　　　　　普通というよりボンク……ﾑｸﾞｯ
.　 |　　　　　／（ ○）　（○）＼
.　ヽ　　　／　　⌒（n_人__）⌒ ＼
　　ヽ　　　|、　　　　（　　ヨ　　　　|　　　　　　　　　　おっとそこまでだ
　　　/　　　`ー─－　　厂　　　／
　　　|　　､＿　　__,,／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,;-ーｰ-;;...〟,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／,'::::::,:::::,:::::::::::::::::::::::::、ﾞ:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,／ｹ/:,'::::l::l:l:ﾞl::､:::ﾞl､::ﾞl::ﾞl:::::ﾞlヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"´ ,/,jj::l:::ﾊl:l:ヾ:_ヽ:::::ﾞl:::ﾞl::ﾞl::::l::ﾞヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,j',l::l'l,ﾆ,'lヾ､'',二ﾞ_'ヾ:l:::l:::::l::､ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,j ,j''l:lﾞﾔj 　ﾞ '廴ｱﾃ:l:lﾞl:ﾞl::l:ヾ:､
　　　　私の言う普通の人間は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,j　l|　、　　｀´,l'::;ハﾞ〉':ﾄ'､
　　　　良くも悪くも普通の思考と決断を行える人をいう。　　　　　　　　　　　　, 'ﾝﾂ'ﾌﾞj　　　 lヽ.　o　　 ,/:;ｲｰ':::l'j' ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', l"r' / /　　　　ﾞ|! ﾞヽ､,,ィ'/;''　lﾞj';:l､l'
　　　　本当にダメな人間はそれすらできない。　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞv' '　' ,'ｭ,.、　　　　　__,ォ" 　　l>)、ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.､,_　　j,_　　,,;-'",／l　　／"　,＞､
　　　　が、司馬炎は彼なりに頭を捻って行動を起こした　　　　　　　　　　　　　｀）: ﾞ':':7" ,;´,l' ,r',-_.､,,／　／,;-ｰヾ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/: : : : :l,イ | l　|´｀ﾞﾞﾞ7　　,/ ／: : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : l'､: : | | .|　　/　 ,/'／: : : : : ,: :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/: : : : : :.l':.ヽ:lﾞl l |　./　／／: :/: : : :/: :.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : : :,: }: : :ﾞl,ﾞl.l,| /,／イ: : : .l: : : :/: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'l: : : :／/: : :,;オﾄ,l'"'": :|: : : .|: : /: : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､:;_〟--'"　 l:,,rﾞk': : : : l: : :.| ;/: : : : : :|

134：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:38:25.03：NKUSUu5Xo (3/35)

【紀元２６４年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　r一､xxｪｪｪx
　　　　　　　　　　　　　　　 rx〆¨─＝={　　 ,､
　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　　　　|　 _/　＼
　　　　　　　　　　　　　　ヽ/　　　_＿　 |∠．　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　＼　 /(_／´,z}l{　｀ヽ. 　ﾊry ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼7_＿／_≧x ､_,,≧x/｀Y´¨`ー- ．
　　　　　　　　　　　　　　 (　/1´/´　／ ,, 　＞》`ー←-､　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 `| l| il　 /7ノ/ ｿ,　　`ｰ y＼　＼　i
　　　　　　　 ,,.. /⌒`ｰ'’｀ヾ:.ゞ､＼/rf7ﾊ|l　　 ,　// | ヽ...ノ/´
　　　　　　　 r┘ ／ ¨￣｀⌒ーゝ、_,i　ｰ'’l|_,.ノ＜ /　!､￣ﾉi
　　　　　　 (　〆:　　　　　　＼ ∧ r 、'　 txｿノ:　ﾉ L.／ソ
　　　　　　 r'’/　　　　　　　　　 /r‐-∧､_ .ｿ　r┴z／　　ﾉ7L..ﾉ　　　　　　　廃嫡なんて冗談じゃないの！
　　　　　　 } /ー─一'￣￣￣__,、_／/7　 -＜}　彡　／ノ
　　　　　　　ｲ,,..＞''”￣/´￣/´￣　//:/　　　　r一｀ヾﾊ､{ノ
　　　　　弋_,.へ. ／　　 .′　　//ｉ::|　　　　/}_,,.ﾉ¨ﾉ´/
　　　　　　　　　フ、ー-． i　　 // l|::|　　　 }}〆／ .ノ
　　　　　　　　 _ヽ.　ーyハ! ←一''”l|::|　　　　|`ｰイ
　　　　　　＞ヾつ　　弋＿,, z　／l|::|　　　　|─{´
　　　　　　[≧x`＼｢]　r一''”(_,,... 　 ||::| 　　 .ﾉ／　　　　　　　　　　　/￣￣￣ /_/_/
　　　　　／X＼_ﾗｰ.ゝ　　　　 `ー||::| 　／　　　　　　　　　　　　 / ./二/　/　/￣￣￣/_/_/
　　　　 .／ XX　／　　　　　　　 |Lj_〆　　　　　　　　　　　　 /__,--,　 /　/ ./二/　/　/￣￣￣/_/_/
　　　／ XXx ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /___ノ　./__,--,　 /　./ ./二/ ./　/￣￣￣ /_/_/
　　/:..｀ヽ. ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /___ノ.　./__,--,　 /　./ ./二/　/
　./::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /___ノ.　./__,--,　 /
　 `ー一’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /___ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　少なくとも司馬炎は、父が後継者に司馬攸を望んでいると感じていた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そして、司馬攸側に立っているように見える
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　賈充と羊祜が父の寵臣である事も理解していた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そうなると、その両者に対抗でき、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　父に物を言える味方が必要になってくる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

135：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:40:51.20：NKUSUu5Xo (4/35)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　/⌒i　　　　　　　/`l　_ 　 ,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..､　.|　 / ,..-､　,､. 　 l　 |/ 〉 .〈 .|　　,.-､
　　　 ┌冖v-――--､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ ,l |　　l　 |ﾚ'　_,,」 .｀'´　　〉
　／,^ ﾍノ）=＝ﾐ : : : |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 i'　'´_,,、　　 ,!　L.-ヾ=,'　　l､_,.. ､「Zノ
　! /　/　l |　厶:ヾ､:_:》:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　し''´　」 _,.-'´　 _, - '_´　　　　　ﾞl_,〉
　i　! ,′　l |l　 | 厶 : :_:_ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 ,,.-''´　(_,.- '´|　L-'´ _)
　丶|/!/|,ノ＼｀7 .ﾘ=ミ__〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　,.-'´　 ,.-'"
　　｀!（× ）ヽ| / ヽ｀＼}_　　　＿　　　三ニ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..l､_ﾉ　　　　｛,.- '´| |
.　　　ヽっ　　|=＜彡ヽ彡>ー':´: : ｀ｙ,　　　　三ニ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|,i
　　(,| ｀‐-（_l_.:_:_:.,/ ､: : : : : : : : : :!)二二ヽ､　三ニ
´　　￣￣　　　　｀´￣￣￣￣~~ 　　　｀¨　　三ニ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ズザザザー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__r===､r--､r‐-≧ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐‐r―――――――‐ ヽ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧ヽ :.‘，--､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r' /￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ {:.:.:.‘，:.:.ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,x':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.∧ ゝ:.:.:i:.ミ:.＼{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {¨:.:.:.:.:.:.:.:.:r∨:.:.:.:.:.|:.-――:､l:.:.:.∧ {:./:.i:.＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ∨:.:.:. |从:.:廴L/ヽ:.:.:.i⌒i:.:l:.:.l ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:l ,∨:.:.:.|　/ ﾊ:::ら |:.:.:.|　 }:./:.:.}:!
　　　　　　　　あらヒナちゃん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:/ヽx､ヽ:.ﾄ､　乂:シ｜:.,ｲ- ':/7_/:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:《ﾏヽ}::,′　　　 |:/:.:.|､/===='
　　　　　　　　そんなに慌てて、何か急用でも？　　　　　　　　　　　　 ‘，:.:.:.:.:.＼ゞ､　　　　　ｲ:. : | ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ＿ヽヽ　　 r,　　／|:.:. |´　/ /=========┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|　　　 _／ｲx|:.:.:.!　/ /　　／:::ヽ　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.l r――‐| ∧| 〃 / /　　/::::::::::::::ゝ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 l:.:.:.l　　　/ /: :.∧　/　i 　 ,′:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ,′　　i /乂/|:ヽ' l　l　∧::::::::::::::::::::::::〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　》　　 /:.:.:.:.:.:.l::::::|　 l　｀ヽヽ:::::::::::::::::/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　まだ、司馬炎が撫軍大将軍になる前の話だろう
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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136：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:41:53.84：NKUSUu5Xo (5/35)

ｲィ-'　/　　 /　/　　　　　l　ヽ　　ヽヽjヽ
　　　 l　　　j ,ｲ|　　　　　||　ヽ!　　 |　　 |＼
　　　 !　l　ﾊ| {l.ノ　　ヽﾘ|　ﾉl|　　 l　　 !ヽ
ﾄ､　　{弋ﾄ_ｴj≦ﾄヽ　 /ﾉﾉ7ﾅ十‐ｲ'　 //
＼ヽ､ヽ 7,＜:ヽヽ　｀´　/,＜:ヽjくﾉ_ ｲ'′　　　　　　　裴秀殿！
＿ソ T　l::T:}.:|　　　　　{::T:}.:} ﾉ'7ヽ/　_　-
- {二ヽl､ゞ--'　　　、　　ｰ‐'-　/‐_ 二{ ＿　　　　　 .ヒナはお父様の跡目を継げないの？
二}ニｰ<〈 '''''　　/ ーﾍ　 '''''　/r‐_'_-j‐--'
./＞＞｀ノヽ、　 {　　　 }　 ,　く'-ｧ＞r_ｰﾆ=
　￣　　　　 ,.＞‐｀_ｰ_´＜､　　￣　　　｀}￣
、､　　　//ィ　￣/ Hヽ￣ヽ＼　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐､_ノ丁Y⌒7ｰ-┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__くヽ／⌒ヾ＜＞―ぐ＾ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈厂￣: : : : : : : : : : : : ∨ 〕- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　: : : : : : : : : : : : : : : :∨┐: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 / : : /: : : /: /: : : : : : : : : ∨〕 : : ',　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　 ,':/ : /〃:./: :ﾑｲ:.: : : : : :|: :│〉: : : :!　
　　　ああ、なるほど。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l: : :|:|:|: :|:!:/"^} : / |: ｌ.:|: :│{ : : :│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l: : :|:|:|:‐l:ﾄ{　/: :/|: |: ｌ.:|: :│〉 : : ,'　
　　　先日の司馬攸殿の御婚儀は盛大に催されましたからねぇ。　　　　　| l: : :|:|:|: f沁Y: ノ 77ﾄ､/|: | |_〕:|:l:/⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|∧: :ｌ:|:|: | ﾋj Ⅵ'^行心､j: l:ﾉ_〉:|/彡⌒
　　　ヒナちゃんが不安に思うのも無理はありません　　　　　　　　　　　　ヾ. ＼j∧l{　　jﾉ　込ｸ '/ｲ:/シ;川ミ`ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :/ヽ､ _　　　　/: :/巛彡ｲ∧ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 : /　　fﾞﾄ- rｰ／:,∠ｼ⌒　ﾉ'　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:| :/　_xく| |_ _,ン:／／了´￣`l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅳ くr‐'^ｌ | Y＜フ^＼ノ￣＼_じﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j/f＾　　 | 厂〈:::::::::::::::::::::::::＼ﾉ

137：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:44:04.96：NKUSUu5Xo (6/35)

　　　　　　　　　,ｨ〈／ : : : : : ＞'´ : : : ヽ.
　　　　　　　 ,-`-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ,-､
.　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : ,ｨ : : : : : : : : ｀丶､
　　　　　　/ : : : : : : : / : //l//l: : : : :l: : : : : : : : l
　　　　　 ,': : : : :l: : l: :!: : i ｌ｀ ´,': : : :./: : : : : : : : :|
　　　　　,': : : l: :|: : |: |＿|｜　,': : : :/: /: : : : : : : :|　　　　ですが、余程の事がない限り、
　　　　　!: l : |: :|: :ィV! : l｀ﾄ / : :_∠_/ :/: :,: : : : :.|　　　　長幼の序は守らなければなりません。
　　　　　|: |: :| : | : |,イ示ミ/: : ／/;ｲ `ト /: : : :i: :|
　　　　　|: |: :| : |､ |. |{_Y}　∨´〉 ´　l//:/: :/: ,':l :|　　　　それが天下に範を示さなければならない司馬家なら特に。
　　　　　∨!: | : | ﾄ! ゝ- '　/／ ,ニﾆ/イ: :/: /: l: |
　　　　　　ヽ:!ヽl | 　　　´,　　￣｀ヾ/ ｲ: /: /l:/　　　　 .かく言う私は妾腹だったりしますけど
　　　　　　　 |: :l: :ﾄ､　　､　　　　　　'ｨ'/イ: :/〃
´｀ヾヽ､　　 |: :|: |:{{ヽ､　￣　　_..イ: |: : !／ ′
　, -}　＼　　',: :!: !/´ｰ-ﾐｰ‐ Ｔ:}}: l:|: :!: :l　 , - ､
/:.:ノ　　　ヽ- ',: ',;|　　　ハ_ﾊ´ﾍｰ-|: l: / ´　　　ヽ
: : { , ﾍｰ-､　}　ヽ:|、　./ fﾊヽ}.　〉-|:// _.. -‐　　ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ⌒fzx､; : :､ⅶエェｯr'",:.'　:　:　キ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杙: : : ::fzx､r' . . / _,,ｨxｪェァ : : :ｷ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ,.'´｀`ｰ｀¨.ﾍﾒヾ_;_;_;_;:: : ﾘ: : : :ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　, 　 /　　､　　　　.ﾍ:: ﾘ: : :メ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　 /i　　　 i　　　 i　ﾍ､ﾘイﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 i 　iﾘ |　i　 ∧i　 i　i　 i　　ヾi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　,　!ソ :.､!　! ./　i　ﾘ ,'　ﾉi　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,rl　i　i.i.b::::iヾﾘﾒ ,.圦ｲiｲ ∧ﾘ　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l｀ゞ､__.杙..:ﾒ.　　.b::::ゞi ﾑイ　　　　ｿi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､ト=ｿ､｀¨　　　弋;;メﾉ人＿＿__,.イ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ゝ-=r'/,,`:.､_ヽ＿＿,イ､ﾉニﾒ＿＿＿,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 ii ｀＞n=:.＜´　｀ヾ､;ﾘ､＿＿,イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ Y´/ ∧　｀ヾi　　　ヽ　ｨ´´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r,r'"´ ｀:.ヽ､iヽ.ソ　　　 l　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　衍　　　　r.､i_｀´ i　....　 .ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ込､....::::r'ミ　i_._ﾉ : : :ｿ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |,,イ　｀¨¨∧､_ .ﾘiヽ　 |｀ヽ、

138：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:45:27.36：NKUSUu5Xo (7/35)

　　　　　　　|／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　＼
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　　　　　 ,′:.:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:‘，:.:.:.: : l:.:.:.:.:.:.:.:.‘，　　/
　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:/ヽ ‘，:.:.:.:.:.:i:.:.:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ／
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.: : |:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.{　　　∨:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l:.:
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.: : |:.|:.:.: : |:.:.:.:.:i　　　　∨:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. : |:.:.
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|　　　　 ∨:.:.:ﾉ:.:.:.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.
　　　　　 |:.: : |:.:.:.:.:. リ---:|:.:.:.:.:|　　　　　}:.／__}＿__|__:.:|:.:.:.:.:/:.:.:.
　　　　　 |:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:| |: : |｀ヽ:l　　　　丁/　　ｉ:.:.:.:|:.:.:.:l:.:.:.:/:.:.:.:.
　　　　　 |:.: : | ﾏ:.:.:.:.:.l 《外≧㍉l　　　 {/,x≦孑二干ゝ:|:.:./ヽ:.:.:.　　　　　　御心配なく。
　　　　　 !:.: : l　∨:.:.:∧ 戈こツ　　　　ヽ　戈ここツ./:.:.:|/　 }:.:.:
　　　　　 ∨:. l　 ∨:.: ∧　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:/　 /:.:/　　　　　　　後嗣の件は私に任せてください
.　　　　　 ∨:.{　　＼:. ∧　　　　　′　　　　　 /:.:.:.:/ ／:／
　　　　　　　ヽ{　　　￣ト　　　　　ﾏ　 7　　　　 ./:.:.:.:/¨:.／
　　　　　　　　＼　　　　|:.:.＞　　　　　　　　　　/:.:.:.:/￣
　　　　　　　　/ ＞--　|:.:.:.:.:.:.:＞　　　　＜ /:.:.:.:/　　　　 ,x≦
　　　　　＿＿/＿＿　　 |:.:.:.／　{/＿二　＜ /:.:.:.:/　　 ,x≦
　　　ｲ　　　　　　　　　 l / γ⌒', ﾑ　　　 ,′:.:./,x≦
　　／:: |　　　　　　　/ 　 / 〃　 }}l ﾑ　　/:.:.:／　/
.／::::::::::|＿＿＿＿ /　 /／ {　　ﾉﾉﾏﾑ　 /:.／　 /
i::::::::::／　　　　　 /　／:/:.:. ¨¨|::|　ﾏﾑ〃／　 /＿＿
|:::::::_l　　　　　　　／:.:./:.:./:.: : |: |　ﾏﾑ /　　 /
|::::::|　　　　　　／:.:.:.:.:.:／:.:.:. : |:::|　　｀ /　　 /

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬炎は父の片腕である裴秀を頼った。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　司馬昭政権の最高幹部のうち、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭との付き合いが最も古く、正始政変後から苦楽を共にした人だ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　狙い所は悪くなかった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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139：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:46:46.46：NKUSUu5Xo (8/35)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三|　　ヒナちゃんは多くの人望を集めています　 |
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
. .　 : : i!.　ｉ';;;;;;;|　 |:: : :. ,,､‐''　　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 |　　　. . ..:: ::|
.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　　　　　.. : : |
　 :　 : i! .ｉ';;;;;;;;;|　 |: 　. __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 i_　　　..: :|
:　 ..　￣￣￣￣i! |　i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.└i　 . :: |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＼ . :|

140：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:48:30.44：NKUSUu5Xo (9/35)

　　　　/, ー､/::::::::::::::::::＼｀ヽ.､
　　　ｒ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼,-';::ヽ
　　／::::::::::::::::::::::::::::i::::';:::::::::ヽ〈:::::',
　　l:::::::::::::::::::ﾄ､l';::::::::l:::::i::::::::::::',　i:::::i
　　l:i::::::::::::::::l:l;:- i:::::::ｌi:::::l:l::::::::::ｉ　）::::l , -ｰ　　　　　　　これは天意と言ってよいでしょう。
　　l:l::::::l:::::::l::l:l　 l::::::/ l::ﾉl:i';:::::::l,-く::::l／ー､
　　l:l:::::::ｌ:::::::';:ｌ',　';::::ｌイてスi:::::;ｲ　l:::l:二ヽ　　　　　　元々ヒナちゃんは人臣らしからぬ相をしていますし、
　　l:l::::::::ｌ:::::::';.ｲヽヽﾄ　l:::::::」 !:/::lプ:/ﾄ､',ヽ',　　　　　　.跡目は長幼の序を守るべきではないでしょうか？
　　 ',!';::::::';::::':;l !:ﾘ　リ　'"´ ノl::::::lノ';::ｌ ';ｌ　 ',
　　　', ヽ､::ヽ::::l" ､　　　　 ,.ｲ!::::::l';::r'　 !　　
　　　　　　　l:::::l｀ ‐ ､＿／　 l:::::;ｲﾉ　　, ｲヽ
　　　　　　　l::::::l　└ ﾆl,ｨ‐ '´l::/､＿／　 l　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ _
　　　　　／ ';:::::l￣lﾉ /:::',　ノ// /　, へﾉ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,「⌒`´ ,.== ､_ _｀､
　　　　　L, ｨ､ヽ:', /l/'､::ﾉiヽ // /／l／::ヽ＞、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／j　　ヽif　 fｫ;ﾊ `l! ＼
　　　　ソ　＼ /／:;'::/::l　 / ／　ヽ::::::::＼ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　＼　ゞrゞzハ/　　ヽ
　　　　　 l　 ,. - '´::::::::/::::::l /　l　　＿ﾉ::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ﾉ_　　　⌒_ ＼_.／ヽヽ　　!
　　　　　/:）入::::::::::ノ::::::::::」　 l／l／::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l. l _｀　　　r､ﾊ. ヽ＼　＼!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Yﾊi　　　ゝ-'　　z, - ､:| ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -l ` 丶_ __　"　　　li ﾝﾉﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　l　　V　ﾉ　ゝr ─-く::ノ
　　　　裴秀。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-　r ､　｀　　　_jﾆ　ンｰヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.r⌒`ーr:::
　　　　その言葉を待っていたわ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　,`二ヾ/Y 'ｰヾ_ノ　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　 L二,ﾉ:.:.:.L二V 　　　　　　l
　　　　貴方が大猷を後継ぎになんて言い出したらどうしようかと思ったわ　　　　　ヽ_　 {三 }ｏ:.:.:くヾ<ゝ　　　　〆／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/､_ン:.´:.:､_:.:_jﾉ´　トゞ､`　　|´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ ! _ヾ!:.o:.／　　　 |　　|　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__/ノ_/::f::j::ヽ　.__　　　|　　|　　 |

141：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:50:19.51：NKUSUu5Xo (10/35)

　　／「／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　く
　　〉/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　ト、
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ::::',
　　,':::::::::::::::::::::l:l';:/l:::::::::::i:::::::::::::::::::',　」:::i　　　　　　　　　　やっぱりそういう事ですか。
　　ｉ::::::::::::::::::l::l::l'"´l:::::::::il:::l:::::::::::::::::i　l:::::l
　　l:l:::::::::l:::::::l::l::l　 /::::::/l:::l::l:::::::::::::i:l 「:::::l　　　　　　　　　.私たちにヒナちゃん推しをさせるように仕向けて、
　　!:ｌ:::::::::l:::::::l::';:ｌ /::::::/-リﾘl::::l::::::;ｲﾉ::';:ﾉ二ﾆヽ　　　　　 .ヒナちゃんに対する責任を負わせると。
　 l::li::::::::::l::::::l.,ｲヽ';::::/ イプ､l::l::::/::l::::::/三ﾆヽ ',
　　';l l::::::::::l:::::l　ｌ::! ヽﾄ,　l::::::ｲl:l::/::::l:;:イl';:ヽ ', ﾉ　　　　　 .普通の人なら長子相続が正しいと思いますものね。
　　.', ヽ､:::::';::::l "　　ﾘ　｀`,,,/ｲ:::::::l';:l::l ﾘリソ
　　　／　l:ヽ';ヽl＼　ー┐　 ,.ｲ::::::/l:';lﾉ , -'"´￣ヽ　　　　さすがカナさん、お人が悪い
　／　　 l:::::::::::l',　｀ ‐r‐ ' ´ /::::/';'リ／　　 ,.へ　l
./,.へ　　 lヽ::::::l､i ／l:l___／/:::/ 〉ｱ　 , -'´ l ／Y
.ヽ／　＼ ',　';::l　l /::::::l　 /／／　, -'´　　　ヽ　l
　 l　　　　ヽ　 ';l, -─┐ヽ　／　「　,　-‐ｰ､_ﾉヽフ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　｀ヽ
／:::L,.へ　　／ , -' ´ ﾌl::::::::/　ｒ'´　　　l-'"´lヽ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　入　　　　　 ,ｲY=ﾐｰ､　:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　＞'ﾞ　＼　　　 j /　　ヽｿr､:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　彡ー　　　｀ヽ　〈ー'´ｼrﾐz､ヽヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Yﾞ､__　　　　　　｀ヾ､{彡'≧そ'ﾉ　j ,｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ,ｲYﾍﾞ　　　　_ 　｀ } ﾞー－illlゞシﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,'　ﾄ､ソ　　　´＞=ﾐ､_｀i｀´￣｀ﾞ´　 ,'
　　　　　　　袁紹や劉表、孫権……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ! '''　　 '　　　 jﾟ｡(::;jk　|　　i　/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ .人　　　　　　　｀ｰ'ﾞ　i|ヽ-､ ' ´' ／
　　　　　　　みんなお家騒動になったのを見れば、　　　　　　　　　　　　　　　　.＼　 j)　 r- ､゛゛　 }}り｀:jﾞ.／
　　　　　　　そう考えない方がどうかしているかしら　　　　　　　　　　　　　　　　「ﾐヽ.___,ﾉミ:､｀ヽ'ゞz-ｲ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､≧＝ヾﾐ:､＼ノ_彡'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{三}　-=ニj´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j=Yﾞ=-ｼ'´,'　 ,ﾍ　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{_r{≧ｲ､ jz'´ーゞﾐx.i_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ゝzヾ'. ノ｀ヽi,.イフ＝ｰﾐ:､

142：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:52:58.31：NKUSUu5Xo (11/35)

　　　　　 __／　. : : : : : : : : : : : : : : : :: ｀ヽ､　く
　　　／　.　:　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ,>
　　　 |　.　:　:　:　: : ﾍﾊ: : :.:.:.:.|:.:.|: : : : : : : : :|く:i
　　　 |　. : : : :.:.:|: : :|ﾐﾍi: : : : :.|:.:.| : |:.:.:: : : : :| ﾉ:L＿
　　　 | . : : : :|: :.|: : :|　 |: : :.:､⊥:.|:_.:}.: |: : :.:.:.|ｴ_:|. : : .｀ヽ
　　　 |:|: |: :|:.|: ⊥イ{_ ！: : : /l.:/l:,ﾊ｀Tﾒ､::|: K´ l:.:.:ﾄ､＼|　　　そうなると、賈充さんは司馬攸殿の監視役ですか。
　　　 |:| :|: :|.:|:|:V ＞ﾃ l: : : :/〒＜ﾒl/l/:.: :|: l_」/.: l:|.ヽ
　　　 |:| :|: :|:从ﾊ , ｲ｡1ヽ :.〈　l｡1 ｀N: : : :.l/l.:ハ.:.l:|.: |　　　　.まあ、司馬攸殿に限って妙な事は考えないでしょうけど、
　　　 |:| :|: :|: : :ハヽりﾉ　ヽ.:.)　りﾉ_ﾉ l: :./ﾘﾉ′ Vﾘヽ|　　　　.当のヒナちゃんが不安がっていましてね。
　　　 Nヽ＼＼|/´) ,,,, 　　ﾚ'　　　,,,,,, l ｲ:.:.:l:.|
　　　　　　　ヽl.|　ﾊ　　'　　　　　　ﾊ/:l: :l:.|　　　　　　　　　.廃嫡されるのではないかと……
　　　　　　　ヽ　ヽ　　｀　　 ,. イ:./:/:/〃
　　　　　／⌒ヽヽ　｀＞ _-＜ _ノ /:∧V/
　　　　 /__　　　／＼　リ　ﾚ'く　 /／｀`Y´｀7⌒Y ⌒i
　　　／: :ﾉ　／　　　 V　/ﾊﾍﾍ　〃　　 j　 l: : :く __ノ
　 .ィ´: : : |＼ﾚ'ヽ　　　 V し' ノﾉﾚ'　　 /　ﾌ´7: : ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /ヽ-　― - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　 _　　｀ヽ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /　　　 ',　ﾉ{ミｘ､　　Y´￣｀ヽ
　　　　それぐらいの危機感は持ってもらわないと困るわ。　　　　　　　　　　　,ィ７ __ ヽ　　 Vl{三_,ィニヽ　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//lr ´/::》　　　 ∨￣{〈｀Y´〉}ミx､　/
　　　　あの子もなんというか、のんびりし過ぎてるのよ。　　　　　　　　　　　 {/　/､ゞ'　　　　　_ヽ　弋｀´ノ､ヾミ}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣ !'''　'　　　´/: ㍉､ﾉﾘ {ﾐ}ヾﾐ彡'
　　　　私の時みたいに、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ｀ミ､ニﾉ､　､　　　弋:::ン}ゞ'_-{ﾐ} '´／
　　　　実地での経験を積ませるべきだったかしら？　　　　　　　　　く´ ｀ヽ´　　　ヽ､　　 ''' ｀〃y / 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ({_,ﾉノゝ'´　　　　 x､_/二二〃´ l __｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　,ｲ〃》 ´　ヽ} 　 /　_｀ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ // /　　　　ヽ　}´､｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,.ｨ'､/-' 　　　　ﾉｰ-､ﾉ

143：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします：2013/06/12(水) 22:54:04.12：Ah4rtJlIo (1/1)

悪い例に事欠かない上、それなりに上手く言ったのが魏だものなあ

144：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:54:18.18：NKUSUu5Xo (12/35)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ｒ==＜::::::::::::::::::::::,:::,､_ zfzｪ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::::｀丶:::::::ｨ'＾〆｀Y⌒ヽ７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 ,ゝ:::::::::::::::::::＼:}}┼={{哥}}ニi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ‐‐‐‐'7:/::::}`　　‐-　___込.//ｰ.＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:i::::/　　　　''"￣ ~"|_|爻多|_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:i〃_..　　　 ,ｨ弐ﾐ､　〉'￣ii:::i::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　,ｚz､　　燧ｧ' /　_.ノ}:i:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ､遂ﾘ　　　"゛ .}乂￣ミ|--､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧"　`__.....　　.}三::::ミ/　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ミ:ゝ，..._　　.イ:）::::::::/ 　　　　ヽ
　　　　一度、上に立つ者の気構えを聞いてみましょうか　　　　　　　＞､:::::::| ,‐‐r=Y {三ミi /　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}三ミｲ ´　{ :个}:ミУ‘，　　./　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::: |　　 { ./ｧ＞'　　，　 ,　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:У|i　　乂{{　　}}＼　＼ ,　./　　￣￣￣＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__Ⅵ　　{{父}}　i　　　:|　〃　　　　　~
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≠㍉ﾊ　 .Ⅶ.／　　　 }.､／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　|　　／　　　 /: :乂　≧　　‐- ．.
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145：1 ◆ZXqVVWPHtc：2013/06/12(水) 22:56:09.08：NKUSUu5Xo (13/35)

　　　　　　　　　　　　　　ｨﾁ ┴─‐ r＜　i　i　|
　　　　　　　　　　　,.　´´フ´ 〉＿／　　　｀　､つ'´／｀ヽ
　　　　　　　 ,　　 ´　　／　/ /　　 ,／　　/　＼/　　　〉
　　　　,. 　 ´　　　　／　　ｌ　i　　 //　　 /　　　　ヽ　／
　　／　　　　／　　　 |　| l　〃i　　/l　　　　　 ∨
　 /　　　　　／　　　　　l　| トLL_',　 !_l | 　　　　　lﾍ{
　 ∨　　　／　_ =＝＝ Y彡ﾉ斗Tヽヽ|　|∨　　 /　 l　｀　　　　　　　　　　　　試験？
　　　ミﾐｈYて´　 _＿＿_ ミﾐｈ､　ｈソ　　　ヽlノ/　ﾉl
　　　|￣￣＞ ´　　　　 (にニ　　｀　　　 r､/彡´/
　　　＼-─ヽ　　＿＿___ノ＜´　　　　 , /ｿ '´
　　　　｀ ─=-＝＝ｨノノヘ.　　　　 c　　 ∧)
　　　　　　　　　　/ /´　　　ヽヽ　 __　　＜辷)
　　　　　　　/ /　　　　　　）　　　ミ辷≧ｿ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽヽ
　　　　　　　／　｀　､　　　　< ｌｌ＼､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.|　〕
　　　　　　 /　　　　/　　　　　〉=〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ . : : : : : : ﾊﾊ: : : : : : : : : : : : : : | ｲﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : : : : : ミ彡: : : :.|:.: : |: : : : : : :|　〕 .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: :.:.:.|　 ,': : : : :|: : l:|: :.|: : : : | 〈: : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: : ﾊ|　,': : : : ,ｲﾍ､l:| : |: : : : |　〕: : L_
　　はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: ﾒメ､ l: : :ィ´_ﾉ:ﾉﾘ.:ノ: : : : l 〈: : : l: : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:: lV: :ﾘ　｀〈::イ`=〒＝ﾃ7: : : :./_ノ: : /⌒ヽ: :
　　カナさんはヒナちゃんと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∩　　 |.:.: :l: ヽ|＝'　 )ﾉ　ヽﾋ｡りﾉi:l: : :./ : : :／ヽ　　i: :
　　この国の在り方について議論したいと言っていまして。　　　　　| |　　 V: :l: : :ﾊ　 ,　　　　｀,,,,´ ﾘ: : ｲﾉ／i: :l.:|　　 l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /^| ∩　　　VVN: ヽ　　　　　　 /:／/イ　/: :.l:.|
　　恐らくヒナちゃんが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./´l ﾉ　 l |　　　_.ノ´|: | ＞ヽ)　　 ,. イ: : :/: ヽ: : : ://
　　後継者に相応しいか試すつもりでしょう　　　　　　　　　　 lﾉJ 　　 l　,. ｲ__) 　 |: Lr ｭ｀エ´｀ヽ/.:.ィ⌒ヽ:.＼//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ﾉ　/ (　　　　　ヽ|　　　　　　/--ｲ　　　ヽｰ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,. イ　_ﾉ ,.　 -‐ '´: : ﾉ((ん ,. '´:.:.:.:.::.`ヽ　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「￣|｀ｰ---‐' | /,.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(⌒Y／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::',　ｲ
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やる夫が正史を書くようです２８（その2）

◆ZXqVVWPHtc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16594763.html

元スレ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370183495

モバP「寒い季節になったなあ...」

セレナ「なんとしてもサトシを手に入れたい」

一歩「倒れろ！倒れろ！倒れろぉ！」ｽﾞｶﾞ！ｽﾞｶﾞ！　ぼく「っ…」

洋榎「恭子！後は頼んだで！」恭子「任せてください」

御坂「ちょっとあんた」上条「げえっ！！！ビリビリ！！！」

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