1レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/21(日) 16:29:53.64+c4QfWjF0 (1/2)

~ ごあいさつ ~

こちらは、『スマイルプリキュア!』の第2期を想定した自作のストーリーを SS形式で展開していくスレとなっています。
投稿の作法や文体などに至らない点がありましたら、随時ご指摘いただけますと幸いです。

作品の主なルールは下記の通りです。


・地の文無し(基本的にセリフと擬音のみ)

・内容はあくまで『プリキュア』シリーズっぽく作成します
 キャラ崩壊や、シリーズを著しく逸脱する内容 (エロとか残酷描写とか) はありません

・設定は基本的に原作『スマイルプリキュア!』を踏襲します
 ※意図的に崩す場合は注釈を入れます

・本作では原作終了後、中学3年生となったみゆき達を描いていきます
 新しい設定・キャラ・敵を盛り込んだ完全オリジナルストーリーとなります

・毎週日曜 AM 8:30 更新予定
 (本家『プリキュア』と同じ時間)


本シリーズの過去スレはこちら

・Part 1(第1話 ~ 第11話)
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360385907/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366529393



2レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/21(日) 16:33:12.10+c4QfWjF0 (2/2)

第12話 作成中!

4/28(日) 更新予定です。


3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/23(火) 10:18:00.47f/6wlWvSO (1/1)

当日に立てなよ……


4レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 08:29:30.81FVRusVK/0 (1/99)

>>3
これは失礼しました。
次からは気を付けます。。


『スマイルプリキュア レインボー!』

このあとすぐ!


ですが、現在最終チェック中なので、もう少しだけお待ちください。。


5レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:18:05.34FVRusVK/0 (2/99)

『スマイルプリキュア レインボー!』

再開します!


6レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:18:37.42FVRusVK/0 (3/99)

~ 七色ヶ丘市 道路 ~


バッタリ


5人「…………」

ビリーズ「…………」


7レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:19:09.30FVRusVK/0 (4/99)

ビリーズ「げぇっ、プリキュア!?」

なお「あぁーっ! あんた! ……あー、……えっと……、ビリ……ビリ……、ビリリン!」

ビリーズ「誰だよ! オレはビリーズだ! 4文字しかないのになんで憶えらんねえんだよ、バカか! バーカ!」

なお「くぅっ……、会っていきなりバカ呼ばわり……絶対許さない! 行くよ、みんな!」

みゆき「え? ……う、うん……」

あかね「……子どものケンカかいな」


8レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:19:35.64FVRusVK/0 (5/99)

ビリーズ(……周りには人間がいねえから、心も吸えねえ……。アキラメーナ出してもしょうがねーんじゃねえのか……!?)

ビリーズ(……かといって、自分で戦うのは絶対イヤだ……! そんなめんどくさい事、誰がやるか……!)

ビリーズ(……どうする……どうするオレ……!?)


シアンナ(回想)『ただ、ちょっと特殊な描き方をしていてね、近くの人間に催眠術をかける能力を持っているわ』


ビリーズ(……待てよ。シアンナの作った "ギャラリー・D" みたいに、描き方変えたらアキラメーナに特殊能力を持たせる事もできるか……?)

ビリーズ(……とりあえずやってみるか! ダメだったら全力で逃げよう!)


9レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:20:06.85FVRusVK/0 (6/99)

(中略)


5人「輝け! スマイルプリキュア!!」


ビリーズ「実体を持ってキャンバスから現れよ、アキラメーナ!」

アキラメーナ(蛇口型)「アキラメーナァッ!」


10レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:20:32.52FVRusVK/0 (7/99)

サニー「まずは小手調べや! うちから行くで! サニー・パァーンチッ!」

ビリーズ「アキラメーナ! 受け止めろ!」

アキラメーナ(蛇口型)「アキラ――」


ドガァッ! ズガァァァンッ!


サニー「……ありゃ? 軽くパンチしただけやのに、吹っ飛んでもーた」

アキラメーナ(蛇口型)「ア……アガガ……」グググ…

ビューティ「……ずいぶん効いているようですね」


ビリーズ「弱っ! 一発で動けねーの!? 弱いな、おい!」


ビリーズ(そうか……! 特殊能力を持たせると、そっちに力取られてメチャメチャ弱くなっちまうのか……!)

ビリーズ(心も吸えねえ……ロクに戦えねえ……。シアンナもセルリアもプリキュア相手に使いたがらないわけだぜ……!)


11レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:21:01.65FVRusVK/0 (8/99)

ハッピー「……どうしよう。やっつけちゃっても、いいのかな?」

ピース「なんだか、ちょっとかわいそうだね……」

マーチ「一気にやっちゃおうよ。ほっといたって、悪さするだけだよ」


ビリーズ「ちくしょう……、言ってろ! いいか! こいつにはなぁ、恐ろしい特殊能力が――」

ハッピー「プリキュア! ハッピー・シャワーァァッ!!」ドバァァァッ!

ビリーズ「おい、バカやめろ! まだ早ぇよ! 特殊能力があるんだってばよ! 使わせろ!」


ドォォォォォォォォンッ!!


アキラメーナ(蛇口型)「アガァァァァァ……」シュワァァァァ…

ビリーズ「あぁーっ! モロに食らった! ヤッベ、消えちまう!」


12レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:21:51.87FVRusVK/0 (9/99)

ビリーズ「おい、アキラメーナ! このまま消えるなよ!? せめて特殊能力使え! ガンバれ!」

アキラメーナ(蛇口型)「ア……ガァァァッ!」ブシュッ! ブシュッ! ブシュッ! ブシュッ! ブシュッ!


ビューティ「!? 蛇口から何か黒い液体が――きゃっ!?」ベシャッ

マーチ「わっ!?」ベシャッ

サニー「うわっ!?」ベシャッ

ハッピー「わわっ!?」ベシャッ

ピース「ひゃぁっ!?」ベシャッ


ビリーズ「お、おお……、お前……! 最後の力を振り絞って……!」

アキラメーナ(蛇口型)「アガァ……」シュワァァァァ…

ビリーズ「よくやった! 感動したぜ! お前がナンバーワンだ!」


ハッピー「うっ……くぅ……! 何コレ……取れない……っ!」


ビリーズ「で、プリキュア! まんまと食らったな! そいつはアキラメーナの出した特殊な闇の絵の具だ! 簡単には取れねえぜ!」


13レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:22:18.90FVRusVK/0 (10/99)

ビリーズ「……さて、とりあえず一発食らわせられたし、オレはもう帰る! その絵の具の恐ろしさはすぐに出る! ビビって腰抜かすんじゃねぇぞ! じゃあな!」シュバッ


サニー「あ! ま、待ちぃ! くっ……追おうにも、絵の具のせいで前が全然見えへん……!」

ピース「体中ベタベタして気持ちワルいよぉ……!」


14レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:22:54.83FVRusVK/0 (11/99)

~ 3分後 ~

あかね?「……ふう。ようやく前が見えるようになってきた……。みんな、大丈夫!?」

みゆき?「ええ、幸い、ケガはないようですね」

なお?「わたしもだいじょうぶだよ」

れいか?「はぁ……、でも気持ち悪かったぁ……。あのベタベタした感じはとりあえずなくなったみたい」

やよい?「しっかし、何やったんやろなぁ、今の。ただの目つぶしやったんかな」


ポップ「何をしたかったのかわからんでござるが……、とりあえず無事でよかったでござる。皆の衆、れいか殿」

れいか?「え? れいか殿? ポップ、何言ってるの? わたし、やよいだよ?」

ポップ「……へ……?」


みゆき?「…………!」


15レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:23:24.32FVRusVK/0 (12/99)

みゆき?「み、皆さん……これは……! まだ理解が追いついていませんが……とんでもないことが起こっているかもしれません……!」

やよい?「奇遇やな、みゆき……。うちもそう思っとったとこや……!」

あかね?「……いや、みゆきちゃん、"かも" じゃないよ……! おかしい……絶対におかしい……!」

なお?「だ、だよね? やっぱりおかしいよね? だって――」


16レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:23:50.33FVRusVK/0 (13/99)

なお?「どうしてわたしがそこにいるのぉっ!!?」


やよい?「なんでうちがそこにおるんやぁ!!?」


れいか?「なんでわたしがそこにいるのぉっ!!?」


あかね?「どうしてあたしがそこにいるの!!?」


みゆき?「なぜ私がそこにいるんですか!!?」


17レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:24:24.41FVRusVK/0 (14/99)




スマイルプリキュア レインボー!

第12話「なにこれー!? みゆきがなおで、あかねがやよい!?」






18レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:25:25.21FVRusVK/0 (15/99)

~ ふしぎ図書館 ~

ポップ「……えー、では、状況を整理するでござる」


ポップ「アキラメーナの出した闇の絵の具を浴びたプリキュアの皆の衆は、なんと、それぞれ違う者の姿にさせられてしまった、と。そういうことでござるな?」

みゆき?「ええ……、その通りです、ポップさん」

ポップ「その物言い……。今、みゆき殿の姿をしているのは、れいか殿でござるな」


キャンディ「ええー? みゆきがれいかクル? じゃあ、みゆきはどこクルぅ?」

なお?「あ、はーい! キャンディ、わたしがみゆきだよ!」

キャンディ「みゆき? なおじゃないクル? なにがなんだかわかんないクルぅ……」


ポップ「……うむ。このままでは混乱するばかりでござる。まず、誰が誰の姿をしているのか、はっきりさせるでござる」


19レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:26:20.76FVRusVK/0 (16/99)

ポップ「みゆき殿」

なお?「はーい!」


ポップ「あかね殿」

やよい?「ほーい」


ポップ「やよい殿」

れいか?「はい!」


ポップ「なお殿」

あかね?「はい」


ポップ「れいか殿」

みゆき?「はい」


ポップ「これで、誰が誰だかわかったでござるな。つまり、こうでござる。紙に書き出してみるでござる」カキカキ


20レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:26:47.40FVRusVK/0 (17/99)

~ 画用紙 ~

皆の衆の姿はこう変わったでござる!


みゆき殿 → なお殿

あかね殿 → やよい殿

やよい殿 → れいか殿

なお殿 → あかね殿

れいか殿 → みゆき殿


21レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:27:37.80FVRusVK/0 (18/99)

オニニン「……また何ともおかしなことになったオニ」

ウルルン「いや、しかし、あのビリリンとかいうヤツが得意げだったのもうなずけるウル……。ニオイまで今の姿と同じになっちまってるウル」

キャンディ「前にキャンディがみゆきになっちゃったことがあったクル。その時にちょっと似てるクル!」

マジョリン「ああ、あたしがマジョリーナだった時に作った "イレカワ~ル" マジョ? あれはケッサクだったマジョ!」


みゆき(なおの姿)「もう! 笑い事じゃないよぉっ!」


22レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:28:09.75FVRusVK/0 (19/99)

れいか(みゆきの姿)「……ウルルンさん。ニオイまで変わっている、と言いましたか?」

ウルルン「ああ、そうだウル、みゆ……じゃない、れいか」

れいか(みゆきの姿)「……と、言う事は……」

なお(あかねの姿)「何、れいか? 気になることがあるの?」

れいか(みゆきの姿)「……ええ」


れいか(みゆきの姿)「……今の姿では、プリキュアへの変身はどうなるのでしょうか?」

あかね(やよいの姿)「んー、そういえばそやな。どうなるんやろ? ウルルン、こっち来ぃ。ちょっと変身してみよか」

ウルルン「おうウル」


23レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:28:44.13FVRusVK/0 (20/99)

ウルルン「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

あかね(やよいの姿)「プリキュア! スマイルチャージ!!」


シーーーーン…


あかね(やよいの姿)「…………」


やよい(れいかの姿)「あ、ダメなんだ。やっぱり、わたしのカッコだから、サニーにはなれないのかなぁ?」

オニニン「ならあかね、今度はおれ様と試してみるオニ」

あかね(やよいの姿)「ん、わかったわ。やってみる」


24レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:29:38.55FVRusVK/0 (21/99)

オニニン「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

あかね(やよいの姿)「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー!

ゴーゴー! レッツゴー、ピース!!


ピース(あかね)「ぴかぴかぴかりん♪ じゃん・けん・ポンやっ!(グー) キュアピース!!」


みゆき(なおの姿)「おぉーっ! 変身できたぁ!」

ポップ「なるほど……、今の姿に対応したプリキュアにしか変身できないのでござるな……。なんと不思議な……。これも、闇の絵の具の魔力でござろうか……」


ピース(あかね)「…………」

なお(あかねの姿)「ん? どうしたの、ピース……じゃない、あかね。頭抱えて、うずくまって」

ピース(あかね)「…… "ぴかぴかぴかりん♪" って、勝手に口が動いたわ……。これ、言わなあかんの? 恥ずかしすぎるぅ……!」

やよい(れいかの姿)「えー! なんでぇ!? カワイイのにぃ……」


25レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:30:37.34FVRusVK/0 (22/99)

れいか(みゆきの姿)「プリキュアへの変身については理解できました。ですが、まだまだ問題は山積みです……」


やよい(れいかの姿)「……なんだか、キリっとしてるみゆきちゃん、ヘンな感じ……」

みゆき(なおの姿)「えぇ!? ひどいよ、れい……じゃない、やよいちゃん! それじゃ、いつもわたしがボーっとしてるみたいじゃない! はっぷっぷー!」

ピース(あかね)「にしし、当たっとるやないか」


なお(あかねの姿)「れいかの言う通りだよ。どうやったら元に戻れるのかもわかんないし、そもそも、戻れるのかどうか……」

れいか(みゆきの姿)「それに何より、まず直面する大きな問題があります」

みゆき(なおの姿)「大きな問題?」

れいか(みゆきの姿)「……各自、もうすぐ家に帰らなければならない、ということです……」

4人「…………!」


なお(あかねの姿)「それはつまり……、今、自分がなっている人の家に、ってことだよね……?」

れいか(みゆきの姿)「……ええ……」


26レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:32:27.15FVRusVK/0 (23/99)

みゆき(なおの姿)「そうだよね……。このまま自分のホントの家に帰ったら――」


みゆき(なおの姿)(予想)『ただいまーっ! おかーさーん、お腹すいたー!』

育代(みゆき母)(予想)『あら、緑川さん、いらっしゃい。みゆきはまだ帰ってないわよ』

みゆき(なおの姿)(予想)『違うよ、お母さん! わたし! みゆきだよ!』

育代(みゆき母)(予想)『……? み、緑川さん、大丈夫? おうちに連絡しましょうか?』


みゆき(なおの姿)「――みたいなことに……」

ピース(あかね)「……まあ、そうなるやろな。おかしくなったと思われるだけやで」


27レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:33:10.29FVRusVK/0 (24/99)

れいか(みゆきの姿)「……ですが、こうしていても仕方がありません。ひとまず、それぞれ今の自分の姿のパートナーといっしょに、家に帰りましょう」


みゆき(なおの姿)「じゃあ、わたしはマジョリンといっしょになおちゃんちに」

ピース(あかね)「うちはオニニンといっしょにやよいんちに」

やよい(れいかの姿)「わたしはポップといっしょにれいかちゃんの家に」

なお(あかねの姿)「あたしはウルルンといっしょにあかねの家に」

れいか(みゆきの姿)「私はキャンディといっしょにみゆきさんの家に、ということになりますね」


れいか(みゆきの姿)「もしこのような事になっていることがそれぞれのご家族に知れれば、不必要な心配をさせてしまいかねません。皆さん、できるだけ、その人と同じ行動をするよう心がけましょう」

4人「……うん」


ポップ「……タイヘンなことになってしまったでござるなぁ……」

キャンディ「……クルぅ……」


28レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:33:44.11FVRusVK/0 (25/99)

~ ギャラリー・D ~

シアンナ「――なるほど。それで、プリキュア達を別の姿に変えることに成功した、というわけね」

ビリーズ「おう! いやー、我ながらうまくいったもんだ! あいつらの慌てる顔が目に浮かぶぜ!」

セルリア「……でも……それ……意味……あるの……?」

ビリーズ「意味ぃ? んなこたどーでもいいだろ。あいつらにはやられっぱなしなんだぜ? "困らせた" ってだけでスカッとするぜ、なっはっは!」

セルリア「……みみっちい……」

ビリーズ「んだよ、いちいちケチつけやがって! じゃあ、お前ならどーすんだよ!?」

セルリア「……もっと……仕事に……役に立つような……ことをする……」

ビリーズ「ほぉー、役に立つ事? そりゃなんだ? 言ってみろ、ほれほれ!」

セルリア「…………腹立つ……!(ギリッ)」


シアンナ「二人とも、そこまでにしなさい。みっともない」


29レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:34:31.95FVRusVK/0 (26/99)

シアンナ「でも、偶然とはいえ、案外効果はあるかもしれないわね」

ビリーズ「……へ?」

シアンナ「もしこれでプリキュア達の生活リズムが乱れれば、戦いにも支障が出るかもしれない。次に出くわした時優位に事を運べるかもしれないわ」

ビリーズ「…………」


ビリーズ「……お、おお、それそれ、それだよ! それを狙ってたんだよ! さすがシアンナ、オレの作戦を全部言ってくれたぜ! わかってるぅー!」

シアンナ・セルリア「…………」


シアンナ「考えてなかったでしょう、そんなこと。また適当な事言って……」

セルリア「……絶対……考えて……なかった……」

ビリーズ「そ、そんなことねーよ! オレだってやる時はやるっつーの!」

セルリア「……嘘だ……」

シアンナ「嘘ね」

ビリーズ「くぅっ……、二人してバカにしやがって……!」


30レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:35:48.73FVRusVK/0 (27/99)

ビリーズ「見てろ! アイツらが元に戻る前に、今度こそケチョンケチョンにしてやる!」

シアンナ「あら、今日は随分と仕事熱心ね。これから行くの?」

ビリーズ「はぁ? んなわけねーだろ。今日はもう遅いから寝る。明日やってやらぁ! んじゃな、お休みー」


スタスタスタ…


セルリア「……遅いって……まだ18時……」

シアンナ「全く……、どうしようもない怠けぶりね……」

セルリア「……私が……行こうか……?」

シアンナ「……いいわ、放っておきなさい。一応 "明日やる" とは言ってることだし。少しは自分でやらせないとますます怠けるだけよ」

セルリア「……迷惑ばかり……かけて……。……使えない……奴……」


31レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:36:18.46FVRusVK/0 (28/99)

~ 緑川家 ~

みゆき(なおの姿)「おじゃましま……じゃなくって、た、ただいまー……」


トタトタトタ


ゆうた(なお弟・次男)「なおねーちゃん、おかえりー!」

こうた(なお弟・三男)「おかえりー!」

みゆき(なおの姿)「あー、ゆうたくんにこうたくん! ただいまー!」

ゆうた「"くん" ?」

こうた「"くん" ?」

みゆき(なおの姿)「あ、そうだ、"くん" つけちゃダメなんだ……。な、なんでもないよ! ゆうた、こうた!」


32レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:36:48.42FVRusVK/0 (29/99)

ゆうた「ねえねえ、なおねーちゃん、あそぼー!」

こうた「あそぼー!」

みゆき(なおの姿)「え? あ、な、なおねーちゃん、ちょっと疲れちゃったかなー……。また今度にしない?」

ゆうた「えーっ、やだー! あそぼーよー!」

こうた「あそぼーあそぼー!」


みゆき(なおの姿)(困ったなぁ……。今日はこんなになっちゃってヘロヘロなのにぃ……。どうしよう……)


33レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:37:22.95FVRusVK/0 (30/99)

とも子(なお母)「こら、ゆうた、こうた! 遊ぶのは後にしな!」

ゆうた・こうた「えーっ!?」


みゆき(なおの姿)(おおっ、やったぁ! 相手してあげなくてすみそう! なおちゃんのお母さん、ありがとう!)


とも子「遊ぶより、お風呂が先でしょ! なおに入れてもらいな! なお! 悪いけど、二人をお風呂に入れてやって!」

みゆき(なおの姿)「……え?」


みゆき(なおの姿)(け、結局相手するのぉ!? そ、そんなぁ……!)


とも子「あ、それと、お風呂上がったらお夕飯の準備、手伝ってね、なお」

みゆき(なおの姿)(ひえーっ! ハ、ハードすぎる……! なおちゃん、いつもこんなことしてるのー!?)


34レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:38:08.96FVRusVK/0 (31/99)

~ 黄瀬家 ~

あかね(やよいの姿)「ただいまー」

千春(やよい母)「あら、やよい、お帰りなさい」

あかね(やよいの姿)「あ、やよいのお母ちゃん! おじゃましますー」

千春「……え? "おじゃまします"?」


あかね(やよいの姿)(あ……あかん。つい、いつもの感覚で……。ご、ごまかさんと……!)


あかね(やよいの姿)「ちゃ、ちゃうねん! 今のは、夕ご飯の支度ジャマしてもーた、っちゅーことなんやで!」

千春「な、なに? どうしたの、やよい。関西弁みたいな話し方して……」


あかね(やよいの姿)(ひーっ! せやった! 関西弁もあかんのやったーっ!)


あかね(やよいの姿)「な、なんでもあら……ないよ、母ちゃん」

千春「か、母ちゃん? ……ホントにどうしたの、やよい。何かヘンよ?」


あかね(やよいの姿)("母ちゃん" もあかんのかい! もうどうしたらええのかわからんわー!)


あかね(やよいの姿)「ご、ごめんなさい! 部屋に戻るね!」

千春「あ、ちょ、ちょっと、やよい!」


ダダダダッ バタン


35レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:38:57.49FVRusVK/0 (32/99)

~ 黄瀬家 やよい自室 ~

あかね(やよいの姿)「……あかん。いきなりポカやってもーた……。バレてもーたかな……」

オニニン「とりあえず、その言葉づかいをどうにかするオニ。あと、やよいは母親のことを "ママ" って呼ぶオニ」

あかね(やよいの姿)「お、おお、せやった。アドバイス、サンキューな、オニニン。とりあえず、これ以上ボロ出さんようガンバるわ!」

オニニン「あかね! 言葉づかい!」

あかね(やよいの姿)「う……。バ、バレないように、ガンバるよ! ……どや?」

オニニン「"どや" 以外は大丈夫オニ」

あかね(やよいの姿)「……結構しんどいわ、これ……」


36レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:39:55.91FVRusVK/0 (33/99)

~ 青木家 ~

やよい(れいかの姿)「た、ただいまー……」


シーーーン…


やよい(れいかの姿)「……返事がないね。誰もいないのかな?」

ポップ「れいか殿の家は広いでござるから、誰が帰ってきても気づかない事が多いでござる」

やよい(れいかの姿)「へぇー、そうなんだ。広いお家っていうのもタイヘンだね」


やよい(れいかの姿)「……ところで、れいかちゃんのお部屋ってどこだっけ? 前に遊びに来た事あるけど、忘れちゃった」

ポップ「まあ、これだけ広ければ仕方ないでござるな。案内するでござる」

やよい(れいかの姿)「ありがとう、ポップ!」


37レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:41:42.25FVRusVK/0 (34/99)

やよい(れいかの姿)「……!」ピタッ

ポップ「……ん? どうかしたでござるか、やよい殿?」


やよい(れいかの姿)「……ポップ、お部屋より前に、案内してほしいところがあるの……」

ポップ「……? どこでござるか?」

やよい(れいかの姿)「……ええと、あの、その…………お、おトイレ……なんだけど……」モジモジ

ポップ「……!」


やよい(れいかの姿)「ポ、ポップ? どうしたの? で、できれば、早めに教えてもらえるとうれしいんだけど……」

ポップ「……そういえば、わからないでござる……!」

やよい(れいかの姿)「……え? ウソ、だよね……?」

ポップ「拙者達妖精はトイレを使わないでござるから……、場所がわからないでござる……!」

やよい(れいかの姿)「そ、そんなぁ! ど、ど、どうしよう!?」

ポップ「と、とにかく探すでござる!」

やよい(れいかの姿)「ひぇぇー! いきなり大ピンチだよぉー!」


38レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:42:17.71FVRusVK/0 (35/99)

~ お好み焼き屋 "あかね" (日野家) ~

なお(あかねの姿)「ただいまー」


大悟(あかね父)「おう、おかえり」

正子(あかね母)「あかね、おかえり」


なお(あかねの姿)(あ、おじさんもおばさんも仕事してる。今あたしがあかねの姿、っていうことは、手伝わないといけないのかな)


39レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:43:04.40FVRusVK/0 (36/99)

なお(あかねの姿)「お父ちゃん、お母ちゃん、お店、手伝おうか?」

正子「ああ、今日はお客さんも少ないしええよ。たまにはゆっくり休みや」

大悟「……今日は仕込みも念入りにしたいしな。店じまいの後の修行も無しや。部屋でぼーっとしとき」

正子(小声)「ふふっ、父ちゃん、あんなこと言うとるけど、ほんまはあかねの体のこと心配しとんねんで。毎日バレーに修行やと参ってまう、ってな」

なお(あかねの姿)「あ、そうなんです――そうなんだ」

大悟「母さん! 余計なこと言わんでええねん!」

正子「はいはい。……せやからあかね。今日はゆっくりしぃや」

なお(あかねの姿)「……うん、ありがとう!」


なお(あかねの姿)(……優しいなあ、あかねのおじさんとおばさん。あたし、当たり引いたかも)


40レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:43:54.76FVRusVK/0 (37/99)

~ 星空家 ~

ガチャッ


育代(みゆき母)「あら、みゆき。お帰りなさい」

れいか(みゆきの姿)「ただいま戻りました、お母様」

育代「……えっ? どうしたの、みゆき、何だかかしこまって。また何かのマネかしら?」


れいか(みゆきの姿)(はっ、いけない……。ついいつものように挨拶を……)

れいか(みゆきの姿)(そうだわ。みゆきさんのように挨拶をしなければ……みゆきさんのように……みゆきさんのように……)


れいか(みゆきの姿)「な、なんでもないよぉー、おかぁさーん。それより、おなかへっちゃったぁー。今日のご飯なぁーに?」

育代「あ、やっぱりいつものおふざけだったのね。どうしたのかと思ったわ。今日は、みゆきの大好きなハンバーグよ」

れいか(みゆきの姿)「えぇー、ほんとぉー! わぁーい、やったぁー!」

育代「うふふ、そんなに喜んでもらえると作り甲斐があるわ。これから作るから待っててね」

れいか(みゆきの姿)「はぁーい! うれしいなったらうれしいなぁー!」


れいか(みゆきの姿)(みゆきさんの話し方、こんな感じ、だったかしら……。少し大げさすぎるかも……。人を真似る、というのは思いの外難しいわ……)


41レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:44:32.06FVRusVK/0 (38/99)

~ 深夜 それぞれの家の寝室 ~

みゆき(なおの姿)(ふぇーっ……、あの後、さんざん家事お手伝いしてもうヘロヘロ……。やっと寝れるよぉ……。それにしても――)


あかね(やよいの姿)(これ、いつまで続くんやろ……。今日は何とかしのげたけども――)


やよい(れいかの姿)(ずーっと、このまんまだったら……。……なんて、まさか、そんなことないよね)


なお(あかねの姿)(そうだよ。意外と寝て起きたら元に戻ってたりして)


れいか(みゆきの姿)(とにかく、明日も学校があることだし、早く寝ましょう……)


5人「……すー……すー……」


42レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:45:02.97FVRusVK/0 (39/99)

~ 翌朝 ~

チュン チュン


5人「…………」


みゆき(なおの姿)(……戻って……なかった……)


あかね(やよいの姿)(……戻って……へんかった……)


やよい(れいかの姿)(……戻って……なかった……)


なお(あかねの姿)(……戻って……なかった……)


れいか(みゆきの姿)(……戻って……ませんでした……)


43レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:45:38.36FVRusVK/0 (40/99)

~ 放課後 ふしぎ図書館 ~

あかね(やよいの姿)「……一晩たったら直るかと思とったけど、そんなことなかったわ……」

なお(あかねの姿)「いつになったら直るのかな、コレ……。ずっとこのまま、って事はないと思うけど……」

れいか(みゆきの姿)「そうですね……。それももちろん気になりますが、それより――」


みゆき(なおの姿)「…………」ドヨーン…
やよい(れいかの姿)「…………」ドヨーン…


れいか(みゆきの姿)「みゆきさん、やよいさん。元気を出してください……」

なお(あかねの姿)「そうだよ! 苦しい時こそスマイル! でしょ?」

あかね(やよいの姿)「そうは言うけどな……。全校女子憧れのサッカー部キャプテン、生徒どころか先生からも信頼される生徒会長、七色ヶ丘中学校スーパースター二人の代わりはさすがにキツいわ……」


44レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:46:40.58FVRusVK/0 (41/99)

マジョリン「みゆき、体育の時間のサッカーで普段のなおじゃ考えられないようなミスをして、周りに呆れられてたマジョ」

みゆき(なおの姿)「(グサッ)」

マジョリン「その上、サッカー部の練習でも失敗ばかり。プレーはミスするわ、指導はできないわ……。結局、お腹痛いことにして早退。おっかけの女の子達もがっかりしてたマジョ」

みゆき(なおの姿)「(グサッグサッ)」


ポップ「やよい殿も、授業で当てられる度に答えを間違っていたでござるからな……。先生方も "優秀な青木さんが?" と驚いておられた」

やよい(れいかの姿)「(グサッ)」

ポップ「生徒会の会議でもオロオロするばかりでまとめられず、結局副会長殿に任せっきりだったでござるな」

やよい(れいかの姿)「(グサッグサッ)」


あかね(やよいの姿)「二人ともそのへんにしといてやってや……。あんまり傷口に塩塗りこむもんやあらへん……」


みゆき・やよい「……うっ、うぅ……うわぁーーーん! だって、だってぇ……!」


あかね(やよいの姿)「あぁー、ほら泣いてもた……。二人とも、アメちゃんあげるから、元気出し」

みゆき(なおの姿)「うん……、ありがと、あかねちゃん……」パク

やよい(れいかの姿)「……ふぉいひー(おいしい)」コロコロ


45レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:47:39.24FVRusVK/0 (42/99)

れいか(みゆきの姿)「みゆきさん、やよいさん、お二人の環境の激しい変化には同情します。ですが……、元に戻れない以上、また遅くならないうちにそれぞれの家に帰らなくては……」

みゆき(なおの姿)「そ、そーだったぁー……! なおちゃん、代わってぇ! みんなの面倒見るのタイヘンすぎるよぉー!」

なお(あかねの姿)「そ、そんなこと言われても……!」


れいか(みゆきの姿)「そういえば、やよいさん。今日は確か、おじい様との書道のお稽古があったはず……」

やよい(れいかの姿)「ええっ!? ム、ムリだよ! わたし、書道なんてできないよぉ!」

れいか(みゆきの姿)「ですがおじい様は厳しい方ですので……、約束を破ればとても怒られてしまうでしょう……」

やよい(れいかの姿)「そ、そんなぁ……!」


あかね(やよいの姿)「ま、みんながんばろや。きっとすぐに元に戻れるて」

みゆき・やよい「……うん……」


46レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:48:23.20FVRusVK/0 (43/99)

~ 緑川家 ~

ガラッ


みゆき(なおの姿)「ただい――」

はる(なお妹・次女)「あ、な、なおねーちゃん、お帰り! タイヘンなの!」

みゆき(なおの姿)「はるちゃ……じゃない、はる。タイヘンって、何かあったの?」

はる「こっち来て! 早く早く!」

みゆき(なおの姿)「あぁっ、腕引っ張らないでよぉっ!」


47レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:49:37.88FVRusVK/0 (44/99)

こうた「うわぁぁーん! あぁーん!」

みゆき(なおの姿)「わっ、こうた、泣いてる……。どうしたの!?」

ひな(なお妹・三女)「あ、なおねーちゃん……! こうたね、誰も遊んでくれないって泣いてるの……。おままごととかで遊んであげようとしたんだけど、"つまんないからやだ" って……」

はる「いつもはけいたにーちゃんとゆうたがヒーローごっことかで遊んでくれるんだけど、二人ともお友達と遊んでていなくて……。わたしはそういうのわかんないし……。どうしよう、なおねーちゃん……!」

みゆき(なおの姿)「そうなんだ……」

こうた「うわぁぁーん! うわぁぁぁーーーん!」


みゆき(なおの姿)(ヒーローごっこかぁ、やよいちゃんだったら得意なんだけど……、わたしもよくわかんないし……)

みゆき(なおの姿)(……でも、こうたくんかわいそう……。なんとか笑顔にしてあげたい……。わたしにできること、何かないかな……、小さい子を笑顔にしてあげられること……)


みゆき(なおの姿)(……! そうだ! いいこと思いついた!)


みゆき(なおの姿)「はる、ひな、ウチにある絵本、全部持ってきて!」

ひな「絵本……? どうするの、なおねーちゃん?」

はる「ひな、なおねーちゃんが言ってるんだから、きっとなんとかしてくれるよ。絵本、いっぱい集めよう!」

ひな「う、うん!」


48レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:50:14.65FVRusVK/0 (45/99)

ドサドサドサッ

はる「なおねーちゃん、絵本、持ってきたよ。どうするの?」

みゆき(なおの姿)「ありがと、はる、ひな! まあ見てて!」


みゆき(なおの姿)「こうた! ほら、見てごらん! 楽しいメルヘンワールドの始まり始まりぃー!」

こうた「ひっく……ひっく……めるへん……?」


みゆき(なおの姿)「昔々あるところに、赤ずきんという女の子がいました。赤ずきんは大好きなおばあさんの家に行きますが、おばあさんはすでに悪いオオカミさんに食べられてしまった後でした」

みゆき(なおの姿)「オオカミさんは言います。"ウルッフッフッフ! 赤ずきん、お前も食べてやるぅー!"。ああっ、赤ずきんちゃん、大ピンチ!」

こうた「……それ、しってる……。りょうしさんがたすけてくれるんでしょ……」

みゆき(なおの姿)「ところがどっこい!」


みゆき(なおの姿)(ここでこっちの本を重ねて……!)サッ


49レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:52:08.13FVRusVK/0 (46/99)

みゆき(なおの姿)「なんと、やってきたのは桃太郎でしたー!」

こうた・はる・ひな「えっ!?」


みゆき(なおの姿)「桃太郎、勇ましくオオカミさんに向かいます! "ややっ、このような女子を襲うとは悪いやつ! この桃太郎が成敗してくれる!"。でも、オオカミさんはとっても強い! 桃太郎もタジタジ!」

みゆき(なおの姿)「ですが、そこに空から一つの影が飛んできました! 誰だろう? 誰だろう!?」

こうた「…………!」ワクワク


みゆき(なおの姿)「助けに来てくれたのは、ピーターパンでしたー! "大丈夫かい、赤ずきんちゃん、桃太郎くん! ぼくが来たからにはもう安心だよ!"。これにはオオカミさんもビックリ!」

みゆき(なおの姿)「さあ、ピーターパンと桃太郎! 力を合わせてオオカミさんに立ち向かいます! 無事に赤ずきんちゃんを守れるのでしょうか!?」


こうた「……なおねーちゃん! つづき! つづき、どうなるの!?」ワクワク

みゆき(なおの姿)「慌てないで、こうた! 続きはね――」


ひな「こうた、すっかりごきげんになっちゃった……」

はる「……なおねーちゃん、すごい……。どうしちゃったんだろう……」


50レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:52:40.10FVRusVK/0 (47/99)

~ 1時間後 緑川家 寝室 ~

みゆき(なおの姿)「……はっぷっぷー……。疲れた……」グデーン

マジョリン「でも、さっきのみゆき、すごかったマジョ! 絵本をあんな読み方するなんて思わなかったマジョ!」

みゆき(なおの姿)「絵本は大好きだから、ああしたら面白いかな、って思って。こうたくん、喜んでくれてよかったぁ……」


51レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:53:15.50FVRusVK/0 (48/99)

みゆき(なおの姿)「……でも、なおちゃんってすごいなぁ……」

マジョリン「マジョ? なおがどうかしたマジョ?」

みゆき(なおの姿)「なおちゃん、サッカー部のキャプテンなのに、おうちのみんなのお世話もちゃんとしてるんだよね……。わたしなんかじゃ全然ムリだよ……」

マジョリン「……そうだねぇ。あたしもここでなおを身近に見てきて、つくづく感心するマジョ。すごくタイヘンなのに、いつも家族みんなの面倒はしっかり見るマジョ。……本当に、すごいマジョ」

みゆき(なおの姿)「うん……。きっと、なおちゃんがみんなを大切に思ってるからできるんだね」


52レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:54:29.48FVRusVK/0 (49/99)

~ 黄瀬家 ~

千春「やよいー! "週刊スマイル" の梅沢さんから電話よー!」

あかね(やよいの姿)「え、うち……じゃない、わたしに? はーい!」


やよい担当編集・梅沢(電話)『やあ、黄瀬さん! この間打ち合わせで保留にしてた "ミラクルピース" の主人公の部活についてだけど、もう決まった?』

あかね(やよいの姿)「え!? ぶ、部活、ですか……?」

梅沢編集(電話)『そうそう、主人公が所属する部活の設定。その場では決まらなかったけど、決まったかなって思って』


あかね(やよいの姿)(あ、あかん……。これ、やよいの描いとる漫画の話やな……。テキトーに答えたらあかんのやないやろか……!)


あかね(やよいの姿)「ス、スミマセン、実はまだ……」

梅沢編集(電話)『え、そうなの? でも、そろそろ決めないと制作に取り掛かれないでしょ。いい機会だからここで決めちゃおう! 何かないかい?』

あかね(やよいの姿)「! え、え、ええーっと……!」


あかね(やよいの姿)(な、なんやコレ……、うちが決めなあかんの……!? うち、漫画のことなんてわからへんで……。どないしたら――)


梅沢編集(電話)『ああ、そうそう。ミラクルピースは友情で戦うヒーローだから、チームワークが育てられる部活にしたいね』

あかね(やよいの姿)「……!」


53レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:55:23.15FVRusVK/0 (50/99)

あかね(やよいの姿)「……それだったら、バレーボールがいいんじゃないかと思います」

梅沢編集(電話)『おっ、バレーボールかい? またどうして?』

あかね(やよいの姿)「バレーボールは、狭いコート内に 6人しかいません。そのどこにでも、いつでもボールが飛んできます。だから、みんながガンバることがめっちゃ大事なんです」

梅沢編集(電話)『ふむふむ』

あかね(やよいの姿)「それに、攻撃にしたってそうです。ほんのちょっとトスのタイミングがズレるだけで、アタックも全然うまくいきません。チームの信頼関係がないとダメなんです」

あかね(やよいの姿)「そんなバレーボールだったら、チームワークを育てるにはピッタリなんじゃないでしょうか」

梅沢編集(電話)『なるほど……』


54レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:55:56.60FVRusVK/0 (51/99)

梅沢編集(電話)『……それいいね! 確かに黄瀬さんの言う通りだ。バレーボールでいこう!』

梅沢編集(電話)『それに、黄瀬さんからいつにも増して熱い気持ちと力強さが伝わってきたよ! それならきっといい作品が描けるね!』

あかね(やよいの姿)「……あ、は、はい! ありがとうございます!」

梅沢編集(電話)『次の作品も期待してるよ! 頑張ってね!』


ガチャン


あかね(やよいの姿)(……ふう。つい勢いで答えてもーたけど、よかったんやろか……)


55レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:57:19.53FVRusVK/0 (52/99)

~ 黄瀬家 やよい自室 ~

あかね(やよいの姿)「……あぁー、キンチョーしたわ! やよい、いっつもこんな気持ちで話し合うとるんかなぁ……」

オニニン「……あかね。やよいがタイヘンなのは、編集さんと話すことだけじゃないオニ。机の上から 2番目の引き出しを見てみるオニ」

あかね(やよいの姿)「引き出し? なんやろ」


ガラッ


あかね(やよいの姿)「なんやこれ……。原稿が山盛りやん」

オニニン「それ全部、ボツになった原稿オニ」

あかね(やよいの姿)「え!? ボツ……っちゅーことは、この漫画、失敗しとるの? ……こんなによう描けとるのに……!」

オニニン「やよいはいっつも、緊張しながら編集さんに漫画を見てもらって、それだけの失敗をしてるオニ」

オニニン「それでも絶対にあきらめないで漫画を描き続けてるオニ。毎日毎日」

あかね(やよいの姿)「…………」

オニニン「おれ様は、そんなやよいがとってもすごいと思うオニ。だからつい、応援したくなるんだオニ」


あかね(やよいの姿)「……うち、やよいに根性があるっちゅーのはわかっとった……つもりやった。けど、こんなタイヘンな思いしとったんやな……。全然知らへんかったわ……」

あかね(やよいの姿)「オニニンの言う通りや。ほんまスゴいわ、やよい……」


56レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:58:01.97FVRusVK/0 (53/99)

~ 青木家 祖父の間 ~

曾太郎(れいか祖父)「時間通りだな、れいかよ。それでは稽古を始めるとしよう」

やよい(れいかの姿)「は、はい、おじい様」


やよい(れいかの姿)(け、結局書道のお稽古することになっちゃったよぉ……。どうしよう、ヘタな字書いたら、怒られるのかなぁ……)


曾太郎「ではまず、わしが手本を見せる。それに従って書いてみるがよい」


スラスラッ


曾太郎「……うむ。これならよかろう。さあ、れいかよ、これを元に書いてみよ」

やよい(れいかの姿)「わ、わかりまし――」


やよい(れいかの姿)(……! な、なにこれ……。う、うまい、のかなぁ……? ぐにゃぐにゃしてて、何書いてあるのかわからない……。こんなの書けないよぉ……!)


57レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:58:58.48FVRusVK/0 (54/99)

曾太郎「……む? どうした、れいかよ。気が緩んでおるぞ。しっかりせんか」

やよい(れいかの姿)「は、はい! ご、ごめんなさい!」


やよい(れいかの姿)(ど、どうしよう……、れいかちゃんのおじいちゃん、怒ってる……! ちゃんと書かないと……!)

やよい(れいかの姿)(で、でも、何書いてあるのかわからないし……、聞いたら聞いたで怒られそうだし……!)


やよい(れいかの姿)(どうしよう……どうしよう……どうしよう……どうしよう……どうしよう……!)クラクラ


やよい(れいかの姿)「……(プッツン)」


58レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 09:59:50.44FVRusVK/0 (55/99)

やよい(れいかの姿)(……もう、いいや。どうせこんな字書けないもん。どうせ怒られるなら、好きなものを描こう。わたしの一番、好きなものを)

やよい(れいかの姿)「(グッ)」スラスラッ


曾太郎「むっ!? これは……!」


曾太郎(書を書くれいかから、今までにない気迫を感じる……! これまでに見せたことのないほどの……!)

曾太郎(なんという真剣さ……。まさに文字通り、研ぎ澄まされた刃のようだ……! れいか、いつの間にこれほどまでに……)


曾太郎(……い、いや、だがしかし、これは……!?)


59レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:00:18.14FVRusVK/0 (56/99)

曾太郎「れ、れいかよ。それは、何を描いておるのだ?」

やよい(れいかの姿)「……え? あっ!」


やよい(れいかの姿)(パニックになって、つい漫画のキャラクター描いちゃった……! お、怒られるぅ……!)


曾太郎「何を描いているのだと聞いておる」

やよい(れいかの姿)「は、はいっ! えっと、"ミラクルピース" です……」

曾太郎「み、みら……?」

やよい(れいかの姿)「…………!」ダラダラ


やよい(れいかの姿)(も、もう限界……! おじいちゃんの視線に耐えられない……!)


60レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:01:25.03FVRusVK/0 (57/99)

やよい(れいかの姿)「ご、ごめんなさぁー―― (ガッ)」


ドタッ!


やよい(れいかの姿)「~~~~~~~っ!」


曾太郎(……た、立ち上がろうとして、裾を踏んで顔から転んだ……!? あのれいかが……?)


曾太郎「れ、れいかよ、大丈――」


やよい(れいかの姿)「ご、ごめんなさぁーい!」ダッ


タタタタタタッ…


曾太郎「ま、待つのだれいか!」


曾太郎(……行ってしまった。一体どうしたというのだ……。まるで、いつものれいかとは別人。狐にでもつままれたようだ……)


61レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:02:19.27FVRusVK/0 (58/99)

曾太郎(……だが、しかし)チラリ

曾太郎(……この絵、"みらくるぴぃす" と言ったか)


曾太郎(これは、なかなかどうして……)


62レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:03:36.69FVRusVK/0 (59/99)

~ 青木家 れいか自室 ~

やよい(れいかの姿)「…………」

ポップ「……元気を出すでござる、やよい殿」

やよい(れいかの姿)「でもまた失敗しちゃった……。れいかちゃん、すごすぎるよ……、なんでもできちゃうんだもん……。やっぱり、わたしなんかとは元が違うんだよ……」

ポップ「……そうでもないでござるよ」

やよい(れいかの姿)「……えっ?」

ポップ「いっしょに暮らしている拙者にはわかるでござる。普段、れいか殿が陰でどれほど努力をしているか」


63レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:04:10.34FVRusVK/0 (60/99)

ポップ「学校の勉強の予習はもちろんのこと、生徒会で課題があれば、その解決のために夜通し頭を悩ませたり。おじい様殿に書を習えば、それを忘れぬよう、ひたすら復習したり」

ポップ「れいか殿はその努力にかける気持ちがすごいだけであって、それ以外はいたって普通の女の子でござるよ」

やよい(れいかの姿)「そう……なんだ」

ポップ「それを可能にしているのは、きっとれいか殿の目指す "道" のためなのでござろうな」

やよい(れいかの姿)「……れいかちゃんの目指す "道" って何なのかな? ポップは知ってるの?」

ポップ「……拙者にも、おそらくれいか殿本人にもはっきりしたことはまだわからないのでござろうが、おそらく…… "みんなを喜ばせるため" なのではないか、と思うでござるよ」

やよい(れいかの姿)「……"みんなを喜ばせるため" にガンバる……かぁ……」


64レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:05:02.79FVRusVK/0 (61/99)

~ お好み焼き屋 "あかね" (日野家) ~

なお(あかねの姿)「ただいまー」


ガヤガヤガヤ


なお(あかねの姿)(わっ、すごいお客さん……!)


大悟「お、あかね! ええとこに来たわ! 見ての通り大繁盛や! 今日はしっかり手伝い頼むで!」

なお(あかねの姿)「あ、うん、わかった!」


なお(あかねの姿)(……とは言ったものの、お好み焼き屋の手伝いなんて、うまくできるかな……)

なお(あかねの姿)(……まあ、いいか! 何とかなるよね! いざ、直球勝負!)


65レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:05:52.06FVRusVK/0 (62/99)

ジュージュー


なお(あかねの姿)「よっと」ヒョイッ


ペタンッ


なお(あかねの姿)(うん! 結構イケる! 料理の腕は家の手伝いで鍛えられてるからね。あかねほどじゃないけど、うまく焼けた!)


なお(あかねの姿)「お母ちゃん、一枚焼けたよ! これ持ってって――」

大悟「……ちょお待てや。あかね、何やそれ。そんなんお客さんに出す気やないやろな?」

なお(あかねの姿)「……えっ? そんなんって……これ、結構うまく焼けて――」

大悟「ほんまにそうか? もうそれええから、中割ってみ。生焼けなんと違うか?」


パカッ


なお(あかねの姿)「……ホントだ……。まんべんなく火が通ってない……」

大悟「ほれ見ぃ、ゆーた通りやろ」

なお(あかねの姿)「……うん……」


66レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:06:45.07FVRusVK/0 (63/99)

なお(あかねの姿)「……でも、お父ちゃん、なんでわかったの? これがうまく出来てない、って」

大悟「そんなもん、お前の作り方見とったらわかるわ。真剣さが全然足りてへんかった。遊びで作ってるような感じやったからや。いつものお前はそんなんちゃうやろ」

なお(あかねの姿)「……あたしは……」


なお(あかねの姿)(確かに、普段から練習してるわけでもないのに、何とかなると思っちゃってた……。その気楽さがお好み焼きに出ちゃったんだ……!)


大悟「……調子悪いのか知らんが、そんなん出されてもお客さんはメイワクや。商売、なめたらあかんで。今日もわいが一人でどうにかするから、お前は引っ込んどき」

なお(あかねの姿)「……わかった……」トボトボ


67レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:07:52.80FVRusVK/0 (64/99)

~ 日野家 あかね自室 ~

なお(あかねの姿)「……はぁ……」

ウルルン「なんだウル、なお。お前までみゆきややよいみたいに落ち込んじまって」

なお(あかねの姿)「落ち込みもするよ……。人のためにご飯を作って、それでお金をもらってる人の真剣さ、あたし軽く考えてた……。とっても厳しいんだ……!」


なお(あかねの姿)「あかねはスゴいなぁ……。いっつもこんなタイヘンなことして、あんなに明るく笑ってられるんだから」

ウルルン「何言ってるウル。あかねだって、しょっちゅう落ち込んだりしてるウル。"バレーの練習がうまくいかへんかったー" だの、"お好み焼き焼くん失敗したー" だの」

なお(あかねの姿)「えっ……そうなの?」

ウルルン「そうウル」


ウルルン「あいつのホントにすげえところは、それでもめげないところウル」

ウルルン「周りのみんなに元気になってほしいから、笑顔になってほしいから全力でガンバる。だからいつも太陽みたいに明るく笑えるんだウル」


なお(あかねの姿)「……そっか。あかねのスゴさ、改めてちょっと分かった気がするよ」


68レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:08:32.13FVRusVK/0 (65/99)

赤ん坊「あぁーーん! あぁぁーーーん!」


なお(あかねの姿)「えっ!? 赤ちゃんの泣き声!? お店の方からだ」

ウルルン「なんかあったウル?」

なお(あかねの姿)「わかんない……。けど、放っておけないよ! 行ってくる!」


69レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:09:13.62FVRusVK/0 (66/99)

~ お好み焼き屋 "あかね" ~

赤ん坊の母親の女性客「こ、困ったわ……、急にどうしたのかしら……!」


タタタタタ


なお(あかねの姿)「お母ちゃん、どうかした? 赤ちゃんの泣き声が聞こえたけど」

正子「ああ、あかね! 子連れで来てたお客さんの赤ちゃんが突然泣き出してもーて……。お母さんも泣き止ませられへんみたいなんや」


男性客A「なあ、奥さん。あんまり言いたかないが、その子、何とかならない? 落ち着いて食べられないよ」

赤ん坊の母親の女性客「すみません、すぐに泣きやませますので……! お願い、泣きやんで……!」


なお(あかねの姿)「…………」


70レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:09:48.32FVRusVK/0 (67/99)

なお(あかねの姿)「あの、もしよかったらあやさせてもらえないでしょうか」

赤ん坊の母親の女性客「え……? あなた、このお店の子よね。そんなことできるの?」

なお(あかねの姿)「いつも赤ちゃんの相手をしてますから、できるかもしれません」

赤ん坊の母親の女性客「そ、そうなの? じゃ、じゃあ、お願いしようかしら……」

なお(あかねの姿)「はい! やってみます!」


71レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:10:24.60FVRusVK/0 (68/99)

なお(あかねの姿)「ほぉーら、おねーちゃんがいなくなっちゃうよー! いないいない……ばぁー!」

赤ん坊「あぅ……あぁ?」

なお(あかねの姿)「あれ、すぐ泣きやんでくれたね。そしたら、ちょっと抱っこさせてね。ほらっ、高いたかーい!」

赤ん坊「……あはっ! あははっ!」

なお(あかねの姿)「うん、もう笑顔になっちゃった! キミ、強い子だね!」


客達「……お、おぉー!」パチパチパチ!

正子「あかね! あんたすごいやないの! 赤ちゃんカンペキにあやしてもーたで!」

赤ん坊の母親の女性客「ありがとう、ホントに助かったわ!」

なお(あかねの姿)「い、いやぁ、それほどでも……」


なお(あかねの姿)(お好み焼きは焼けなかったけど……、ちょっとはお店の役に立てたかな?)


72レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:11:19.71FVRusVK/0 (69/99)

~ 星空家 玄関前~

キャンディ「れいか、どうしたクル? 入らないクル?」

れいか(みゆきの姿)「ちょっと待って、キャンディ。その前に集中を。……みゆきさんのように……みゆきさんのように……みゆきさんのように…………よし!」


ガチャッ


れいか(みゆきの姿)「たっだいまー! おかぁーさーん、お腹空いちゃっ――」


育代「……はぁ……はぁ…っ…!」グデッ

れいか(みゆきの姿)「……! お母さん!? 大丈夫ですか!? お母さん!」


73レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:11:48.81FVRusVK/0 (70/99)

~ 星空家 寝室 ~

ピピピッ


れいか(みゆきの姿)「体温計は 38℃……。風邪のようですね」

育代「……ありがとう、みゆき……。お昼過ぎたくらいから急に具合が悪くなっちゃって……。ゴメンね、夕飯の支度もしないといけないのに……」

れいか(みゆきの姿)「いえ、お体は大事になさって、ゆっくり休んでください。お夕飯のしたくは、その間に私がしておきますから」

育代「みゆきが、やってくれるの……?」

れいか(みゆきの姿)「はい! 任せてください」

育代「……うれしいけど、やめておいてくれるかしら。ムリはしないで……」

れいか(みゆきの姿)「……お母さん……?」


74レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:12:16.92FVRusVK/0 (71/99)

育代「みゆき、家事あんまり得意じゃないでしょ? もし失敗してみゆきに何かあったら、って思うと、お母さん心配で……」

育代「みゆきはいっつも他の誰かのために、できないことでも一生懸命やろうとしてくれるわね……。その優しい気持ちだけで、お母さんは嬉しいわ……。だから、あまりムリはしないでね……」


れいか(みゆきの姿)「お母さん……! ……わかりました、決してムリはしません。だから、今は安心してゆっくり休んでください」

育代「ええ、わかったわ……。ありがとう……みゆき……」


75レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:13:26.66FVRusVK/0 (72/99)

~ 星空家 台所 ~

トントントン グツグツグツ


キャンディ「れいか、みゆきはお料理できないクル。やっちゃってもいいクル? ヘンに思われるかもしれないクル」

れいか(みゆきの姿)「構わないわ。みゆきさんのお母様のあの様子、見過ごせないもの。お口に優しいものを作って、早く元気になってもらいたいと思うの」

キャンディ「クル……! さすがれいかクル! みゆきだったら、お料理作ろうとしてもきっともう何か失敗しちゃってるクル」


れいか(みゆきの姿)「……それでも、きっとみゆきさんも、同じ状況になったらお料理を作ろうとするのよね」

キャンディ「クルぅ? どうしたクル、れいか? しみじみしてるクル」


れいか(みゆきの姿)「できることをやるのは簡単だわ。でも、みゆきさんは、できないことでも何とか頑張ってやろうとする。ただまっすぐに、前向きに」

れいか(みゆきの姿)「失敗を恐れず……いえ、怖くても、誰かのためなら一生懸命頑張れる。それは、とても素晴らしい事だと思うわ」

れいか(みゆきの姿)「だから、お母様からもあんなに愛されて……。私、みゆきさんのそういうところを尊敬しているの」

キャンディ「……れいか」


76レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:13:57.92FVRusVK/0 (73/99)

れいか(みゆきの姿)「キャンディ。もしかしたら今回の事件、とても良い体験になったかもしれないわね。他の人の環境に身を置くことで、その人のいいところ、素敵なところがよくわかるから」

れいか(みゆきの姿)「他の皆さんも、みんなの良さを改めて感じ始めてるんじゃないかしら」

キャンディ「クル、きっとそうクル!」


77レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:14:30.98FVRusVK/0 (74/99)

ズラッ


れいか(みゆきの姿)「ふう、お夕飯完成ね」

キャンディ「れいか、すごいクル! さすがクル――」


ピクン


キャンディ「! れいか、イヤな感じクル! たぶんデスペアランドクル!」

れいか(みゆきの姿)「えっ!? こんな時に……! キャンディ、私はみなさんに連絡を取ります! 出かける準備をしておいてください!」

キャンディ「わかったクルぅ!」


78レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:15:17.86FVRusVK/0 (75/99)

~ 七色ヶ丘市 河川敷 ~

ビリーズ「ふあぁぁぁ……。夕暮れ時になると、どうしても眠くなるんだよなぁ……。ったく、ホントはもっと寝ててーのに、シアンナが "行け" ってうるせーから……ぶつぶつ」

ビリーズ「……まあ、でも」


アキラメーナ(橋型)「アキラメーナァ!」


仕事帰りのサラリーマン「……う、あぁ……」

七色ヶ丘中学校・男子学生「……うう……」


ポチョン ポチョン


ビリーズ「濁った絵の具も取れたし、良しとすっか。……さて、もうちょっと動き回って絵の具稼ぐかな」


みゆき(なおの姿)「ちょっと待ったぁ!」


ザッ


ビリーズ「……来やがったな、プリキュア!」


79レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:15:52.77FVRusVK/0 (76/99)

ビリーズ「お前ら、まだ元に戻ってねーんだろ!? そんなんでうまく戦えんのかぁ!? 逃げるんなら今のうちだぜ!」


なお(あかねの姿)「だからって、放ってなんておけないよ!」

あかね(やよいの姿)「せやで! このまんまでも、あんたなんかちょちょいのちょいや!」

ビリーズ「言ったなこの! やれるもんならやってみやがれ!」

やよい(れいかの姿)「そうするよ! また失敗しても知らないんだから!」

れいか(みゆきの姿)「皆さん、変身しましょう!」


4人「うんっ!」


80レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:17:18.40FVRusVK/0 (77/99)

妖精達「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

5人「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー! ゴーゴー! レッツゴー!!


ハッピー(れいか)「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」

サニー(なお)「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」

ピース(あかね)「ぴかぴかぴかりん♪ じゃん・けん・ポンやっ!(パー) キュアピース!!」

マーチ(みゆき)「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」

ビューティ(やよい)「しんしんと降り積もる、清き心。キュアビューティ!!」


5人「5つの光が導く未来!」

5人「輝け! スマイルプリキュア!!」


ピース(あかね)「……ぴかりんじゃんけん 2回目……。恥ずかしすぎて、もうお嫁に行かれへん……」

ビューティ(やよい)「ええ!? そんなに!?」


81レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:18:25.77FVRusVK/0 (78/99)

ビリーズ「さて、普段と違うカッコでどんだけやれるか、見せてもらおうじゃねーか!」


マーチ(みゆき)「言われなくったって! 行くよっ!」ダッ


ギュンッ ドドドドドッ


マーチ(みゆき)「えっ!? な、何これ、走るの速すぎぃ!? と、止まれないぃぃ! 川に入っちゃうぅぅぅ!」


ザバババババッ


マーチ(みゆき)「あ、あれ? わ、すごい! 水の上走ってるよ!」

マジョリン(デコル)「マーチの脚力なら、片方の足が沈む前にもう片方の足を出して、水の上を走る事ができるマジョ!」

マーチ(みゆき)「あははっ! すごいすごい! 楽しぃーー!」


ザボ ザボ ザボ


マーチ(みゆき)「……あれ? マジョリン、ちょっとずつ沈んできてるよ?」

マジョリン(デコル)「いくらマーチでも、そんなに長くはムリマジョ」

マーチ(みゆき)「えぇー!? 早く言って――ガボガボガボ」


4人「…………」


ビリーズ「だっはははは! 川に沈んでやんの! バカじゃねーの!」


82レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:19:00.93FVRusVK/0 (79/99)

ピース(あかね)「……こ、こうなったらうちがやったんで!」

サニー(なお)「え!? みゆきちゃん、助けなくていいの!?」

ピース(あかね)「そうはゆーても……!」


アキラメーナ(橋型)「アキラメーナァ!」ドスゥゥゥン!


ビューティ(やよい)「ひゃぁっ!?」

ピース(あかね)「このままやと、あの橋の脚でペッチャンコや! うちらだけで何とかせな!」

サニー(なお)「た、確かに……! 助けてる余裕はなさそうだね……」


83レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:19:38.38FVRusVK/0 (80/99)

ピース(あかね)(……せやけど、ピースって何ができたやろか? 今一つ思い出せんわ……)

ピース(あかね)(……えーい、とりあえず、これや!)


ピース(あかね)「プリキュア!」バッ

ビューティ(やよい)「あ! あかねちゃん、それは――」


ピシャァン!


ピース(あかね)「あばびゃばばば!?」ビリビリッ


ビューティ(やよい)「――ツラいからやめた方がいいよ、って言おうとしたのにぃ……」

ピース(あかね)「……な、なんやコレ……。ピース・サンダーって、こんなにツラかったん……!?」ビクビク

ビューティ(やよい)「うん……。だからいつまでたっても "ひゃあっ" ってビックリしちゃうの」


ビリーズ「ぷぷーっ! 自分の技にも耐えらんねーのかよ! だっせーなぁ!」

ピース(あかね)「……やっ……やかましわ……!」


84レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:20:35.84FVRusVK/0 (81/99)

ビリーズ「そーれ、アキラメーナ、今だ! 踏んづけちまえ!」

アキラメーナ(橋型)「アキラメーナァ!」グアッ

ピース(あかね)「……! あかん……!」


サニー(なお)「あかね! 今助けに――」ダッ


ノロッ


サニー(なお)「遅っ!」

ウルルン(デコル)「遅いわけじゃねえウル! 普段のお前が速すぎんだウル!」

サニー(なお)「あっ……いつもの調子で走り出したからバランスが……! (ドテッ) ふぐっ」


85レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:22:01.97FVRusVK/0 (82/99)

アキラメーナ(橋型)「アキラメーナァ!」ドシィィィィン!

ピース(あかね)「うわぁぁぁぁっ!?」


ビリーズ「いよっしゃぁ! まず一人ぃっ!」

サニー(なお)「……! あ……あかねぇぇぇぇっ!!」


ザッ


ハッピー(れいか)「大丈夫よ、なお、落ち着いて。あかねさんは私が抱えて助けました」

サニー(なお)「あ、ホントだ。よ、よかった……」

ピース(あかね)「お、おおきに、れいか……!」

ハッピー(れいか)「いえ、礼には及びません。……ですが、このままでは……!」


アキラメーナ(橋型)「アガッ! アガッ! アガッ! アガッ!」ドスンッ! ドスンッ! ドスンッ! ドスンッ!

ビューティ(やよい)「わっ、たっ、ひゃっ、きゃっ!?」


ハッピー(れいか)「ハッピーとビューティにはクセがないから、私とやよいさんは何とか動けますが……。二人だけであのすごいパワーのアキラメーナと戦うのは困難です……!」

ハッピー(れいか)「ど、どないしたらええんや……!」


ビリーズ「はっはっはぁ! 予想以上に効果バツグンみたいだなぁ!? 満足に戦えねえ上に、このアキラメーナは強え! 諦めて逃げちまった方がいいんじゃねーのー?」

サニー(なお)「くっ……!」


86レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:23:19.62FVRusVK/0 (83/99)

ドドドドド…


ピース(あかね)「……ん? あれ何や? 川の方から、何か走ってくんで?」

ハッピー(れいか)「……あ、あれは……!」

ビューティ(やよい)「マーチ! みゆきちゃん!?」


ドドドドド!


マーチ(みゆき)「だぁぁぁぁぁっ!! マーチ・ロケットぉっ!」バッ


ゴチィィィィン!


アキラメーナ(橋型)「アガァッ!?」グラッ

ビリーズ「あぁ!? なんだ、アイツ! 走ってそのまま頭から突っ込みやがった!?」


マーチ(みゆき)「~~~~~~っ……! 痛ぁっ……!」

ビリーズ「バカか、お前! 頭からぶつかったらそりゃ痛えに決まってるだろーが!」

マーチ(みゆき)「で、でも……、どうせ止まれないならこうするしかないじゃない……! マーチだったらこうするよ……!」


マーチ(みゆき)「だってマーチは……なおちゃんは……いつだって体を張って、わたし達を助けてくれるから! 今のマーチは……わたしなんだもん! わたしだってそうしなきゃ!」


4人「…………!」


87レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:24:40.83FVRusVK/0 (84/99)

ハッピー(れいか)「……皆さん、みゆきさんの言う通りです。普段通りに動けないのなら、思い出してください。いつも、私達が皆さんにどのように助けられているかを」

ハッピー(れいか)「思い出してください。それぞれのいいところ、優しさを」


ピース(あかね)「いいところ……!」

サニー(なお)「優しさ……!」


ビリーズ「何ごちゃごちゃ言ってやがんだ! アキラメーナ! キュアマーチを踏み潰せ!」

アキラメーナ(橋型)「アキラメーナァ!」グアッ

マーチ(みゆき)「あ、わわっ!?」


ドスゥゥゥゥン!


マーチ(みゆき)「……っ……、……あれ? 何ともない?」

サニー(なお)「ぐぐぐぐっ……!」

マーチ(みゆき)「! なおちゃん!」

ビリーズ「キュアサニー! アキラメーナの脚を受け止めやがった!?」


サニー(なお)「あかねのいいところは……みんなの笑顔のためなら絶対めげない……熱血パワーだぁぁぁぁっ!」バッ


グアッ


ビリーズ「げっ! そのまま脚を押し返した!?」


88レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:25:17.47FVRusVK/0 (85/99)

アキラメーナ(橋型)「ア、アガァッ!?」グラッ

ビリーズ「おい、アキラメーナ! 倒れるんじゃねえぞ、踏ん張れよ!」


ビューティ(やよい)「プリキュア! ビューティ・ブリザァァードッ!!」


バキバキバキバキ


ビリーズ「あ! アキラメーナの足元の地面が凍って……!」


ツルッ


アキラメーナ(橋型)「ア、アガァァァッ!?」ドドォォォォン!

ビリーズ「あぁー! 滑ってこけちまったぁ!?」


ビューティ(やよい)「れいかちゃんのいいところは、いつだってわたし達のことを考えてくれる優しさだよ! だからわたしも、みんなの力になれるようガンバって考える!」


ピース(あかね)「! 今やっ!」


89レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:26:17.21FVRusVK/0 (86/99)

ピース(あかね)「プリキュア! (ピシャァン!) うぐっ……! ピース・サンダーァァッ!!」


バリバリバリバリ!


アキラメーナ(橋型)「ア、アガガガガガッ!?」ビリビリ

ビリーズ「あぁ!? 何でだよ! キュアピース、その技撃てないんじゃなかったのかよ!?」


ピース(あかね)「な、なめたらあかんで……! やよいのいいところは……どんな時でもあきらめない……ド根性や……! うちかてこれくらい……やったるわ……!」


アキラメーナ(橋型)「ア、アガァッ……!」グググ

ビリーズ「はっ、だけどよぉ! 一発じゃ全然倒せねえなぁ! オレのアキラメーナは強くなってるんだぜ!?」


ハッピー(れいか)「それでも構わず前に向かって突き進む。それが私が思う、みゆきさんのいいところです」


ザッ


ビリーズ「げっ! いつの間にか全員揃ってやがる! お、おい、まさか……!」

ハッピー(れいか)「そのまさかです。皆さん、一斉に攻撃しましょう。そうすれば必ず倒せるはずです。……あかねさん、大丈夫ですか?」

ピース(あかね)「……へへっ、今のうちはキュアピースやで? このくらい……へっちゃらや!」

ハッピー(れいか)「……わかりました。では、参りましょう!」


4人「うんっ!」


90レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:26:59.05FVRusVK/0 (87/99)

マーチ(みゆき)「プリキュア! マーチ・シュートォォッ!!」

ピース(あかね)「プリキュア! (ピシャァン!) っ……! ピース・サンダーァァッ!!」

ビューティ(やよい)「プリキュア! ビューティ・ブリザァァードッ!!」

サニー(なお)「プリキュア! サニー・ファイヤーァァッ!!」

ハッピー(れいか)「プリキュア! ハッピー・シャワーァァッ!!」


ドドドドドォォォォォォォォンッ!!


アキラメーナ(橋型)「アガァァァァァ……」シュワァァァァ…


ビリーズ「ま、ま、またやられたぁぁぁっ! ちっくしょぉぉぉ! もうちょっとだったのにぃぃ!」

ビリーズ「く、くそっ、今日のところはこのへんでカンベンしてやらぁ!」シュバッ


91レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:27:33.81FVRusVK/0 (88/99)

やよい(れいかの姿)「良かったぁ……、今回も何とかなったね」

あかね(やよいの姿)「一時はどうなることかと思たけどな」

れいか(みゆきの姿)「ええ、アキラメーナ、やはり強くなっていますね……。みんなで力を合わせられなければ、どうなっていたか……」

ポップ「うむ……。これは、急いだ方が良さそうでござるな……」

なお(あかねの姿)「? ポップ、"急ぐ" って何を?」

ポップ「もう少ししたら話すでござるよ」


92レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:28:08.26FVRusVK/0 (89/99)

パァッ…!


みゆき(なおの姿)「あれ? なんだか、みんな体が光ってない?」

あかね(やよいの姿)「ほ、ほんまや! なんやこれ!?」


パァァァンッ


やよい「……あ……」

なお「これ、もしかして……」

れいか「ええ、そのようですね……!」


5人「元に戻ったぁーーっ!」


なお「ビリなんとかやっつけたおかげかな?」

あかね「単に時間の問題やったのかもしれへんけどな」

やよい「どっちにしても、元に戻れてよかったぁ……! ずっとあのままだったらどうしようかと思ったよぉ……」


93レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:30:00.83FVRusVK/0 (90/99)

みゆき「……タイヘンだったけど、わたしはなおちゃんのことがわかってちょっとハッピー、かな。えへへ」

あかね「……せやな。みんな、普段は見られないみんなのええところ、見られたんちゃうか」

やよい「そうだね。前よりもっとみんなと仲良くなれそうな気がするよ!」

なお「……もう二度と姿が変わるのはゴメンだけどね。あはは」

れいか「では、皆さん、帰りましょう! それぞれの帰るべき場所へ!」


4人「おぉーっ!」


94レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:31:01.22FVRusVK/0 (91/99)

~ 数日後 星空家 ~

みゆき「たっだいまー! おかぁーさーん、お腹空い――」

育代の主婦友達A「あら、みゆきちゃん! おジャマしてるわ」

育代の主婦友達B「今日はみゆきちゃんが夕ご飯作ってくれるんですって? 楽しみだわぁ!」


みゆき「……え? お、お母さん? これって……」


育代「この間、お母さんが風邪で倒れた日、すっごくおいしい料理作ってくれたでしょ? 私、感動しちゃって……。せっかくだから、お母さんのお友達の皆さんにも作ってあげてほしいの!」

みゆき「……へ? 何? 料理? わたしが? 何で?」


みゆき(あ……。お母さんが風邪で倒れた日、って、れいかちゃんがわたしになってた日だ……! っていうことは、れいかちゃん……何かしたんだ……!)


95レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:32:02.76FVRusVK/0 (92/99)

~ 日野家 ~

赤ん坊A「おぎゃぁーっ! おぎゃぁーっ!」

赤ん坊B「わぁぁーん! うわぁーーん!」


あかね「……母ちゃん、何これ。ウチの店、いつから保育園になったん?」

正子「この間、あんたが赤ちゃんを見事にあやしてみせたやろ? あれが近所のママさん達の間で評判になったみたいやわ。"子どもを預けられるお好み焼き屋" って」

あかね「……は? 何それ? 何なん?」

正子「そーゆーわけやから、またあの子ら、あやしたってや。頼んだで!」

あかね「な、何ゆーとんの? うちはお好み焼きは焼けても、赤んぼの世話は焼けへんで? なんつって」


あかね(……ゆーとる場合ちゃうわ。なおぉー……、うちがおらん間に何てことしてくれたんや……!)


96レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:33:20.72FVRusVK/0 (93/99)

~ 七色出版("週刊スマイル" 出版社) 待合室 ~

梅沢編集「え? 主人公の部活、吹奏楽部にするの? バレーボールじゃなかったっけ?」

やよい「……え? あ、あの、何でですか? わたし、部活は吹奏楽部にしようって決めてたんですけど……」

梅沢編集「おかしいな……。この間電話した時、あんなに熱くバレーボールについて語ってくれたじゃない。だから、資料も色々集めてきたんだよ。ほら」


ドサッ


やよい「……!」

梅沢編集「役に立てば、と思って色々集めてきたんだけどな……」


やよい(バレーボールって……。もしかして、あかねちゃん、この間わたしになってる時に決めちゃったのぉ……!?)


97レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:34:01.81FVRusVK/0 (94/99)

~ 緑川家 ~

なお「――こうして、赤ずきんちゃんとおばあちゃんは猟師さんに助けられて、二人仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。……どう、こうた? 面白かった?」

こうた「……つまんなーい。なおねーちゃん、ももたろーはいつでてくるの?」

なお「え? 桃太郎? こ、こうた、これ、『赤ずきん』だよ? 桃太郎は出てこないよ?」

こうた「こないだでてきたぁ! なおねーちゃん、そのおはなししてくれたぁ! またききたいー!」

なお「……何? どういうこと?」


はる「なおねーちゃん、この間、赤ずきんを桃太郎とピーターパンが助けてくれる話してくれたじゃない」

はる「その後、オオカミさんのお腹の中から亀が出てきて、みんな連れられて竜宮城に行ったら、そこで乙姫様と人魚姫がケンカしてて、って話。……憶えてないの?」

なお「な、何それ……。どういう話?」


なお(み、みゆきちゃーん……! どんな話したの!? 内容が全く想像できないよ!)


98レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:35:22.62FVRusVK/0 (95/99)

~ 青木家 祖父の間 ~

れいか「……あの、おじい様……。この道具は……? ま、漫画用の道具、でしょうか?」

曾太郎「うむ、この間お前が描いた、この絵が気になってな」ペラッ


れいか(お、おじい様が持っている紙に描いてあるのは……。確かやよいさんの漫画のキャラクター "ミラクルピース" ……!)


曾太郎「わしはこういった絵のことは良くわからんが、この絵には力強さがある。この絵の目に魂を感じるのだ」

曾太郎「もしかしたら、お前の "道" はこういった絵を描くことなのかもしれん……。そう思い、わしなりに調べて道具を揃えてみたのだ。さあ、遠慮なく使うがよい」

れいか「…………」


れいか(や、やよいさん……。絵が上手なのは大変結構ですが……、おじい様が勘違いしてしまいました……!)


99レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:36:08.59FVRusVK/0 (96/99)

育代「さ、みゆき。この間みたいにお料理作って?」

みゆき(……れいかちゃん……)


正子「ほら、あかね! 早くその子達何とかしぃや!」

赤ん坊達「おぎゃぁーっ! おぎゃぁぁーっ!」

あかね(……なお……)


梅沢編集「……黄瀬さん、やっぱり主人公の部活、バレーボールにしない? 僕、色々ストーリー思いついちゃったんだよね」

やよい(……あかねちゃん……)


こうた「なおねーちゃーん! この間の話じゃないとやーだー!」

なお(……みゆきちゃん……)


曾太郎「どうした、れいかよ。この道具を使って、お前だけの "道" を歩むがいい」

れいか(……やよいさん……)


100レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:36:37.27FVRusVK/0 (97/99)

みゆき(……どうしてくれるのー!?)


あかね(……どうしてくれるんやぁー!?)


やよい(……どうしてくれるのー!?)


なお(……どうしてくれるのー!?)


れいか(……どうしてくれるんですかー!?)





つづく


101レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:37:34.35FVRusVK/0 (98/99)

次回予告

みゆき「ついに、メルヘンランドから 6人目の妖精さんが来ました! これでプリキュアも 6人に……と、思ったんだけど、その妖精さんのパートナーが中々見つからないの……」

みゆき「そうこうしてるうちに、デスペアランドの人はまた来ちゃうし、れいかちゃんは風邪を引いちゃうしで、大ピンチ!」

みゆき「と、その時、ついに妖精さんがパートナーを見つけました! ……え? 6人目のプリキュアって、あなたがそうなの!?」


みゆき「次回、『スマイルプリキュア レインボー!』 "誕生、藍の戦士! 6人目のプリキュアはあなたです!"」


みゆき「みんな笑顔でウルトラハッピー!」


102レインボー ◆S.wemUt41w2013/04/28(日) 10:39:29.35FVRusVK/0 (99/99)

今回はここまでです!
お読みいただいた方、ありがとうございました。

よかったら次回もまたよろしくお願いします!


第1話 ~ 第11話 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1366529393/

第12話 >>6 から


103VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/28(日) 12:03:06.9514E0xPK30 (1/1)


声優が変わった脳内再生余裕でした
次回はようやく追加戦士か
盛り上がってきたな


104VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/28(日) 12:18:26.46ea9pcCDAO (1/1)


やっぱり~ニナール系はいいよね


105VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/28(日) 12:23:17.98yAeTgBzV0 (1/1)

面白かったwwwwニチアサ繋がりでゴーバスターズのペンキロイド思い出した話だったわwww

つーかやっぱりニナール系はカオスが常識だよなぁwwww

次回は追加プリキュア。偶然かもしれんが、キョウリュウジャーとほぼ同時期という事に…


106ボーズ2013/04/29(月) 19:58:24.71MIehOngd0 (1/1)

精神がいれ変わる話は、面白かった。特に一晩経っても元に戻らない5人が同じことを思っていた所が良い。後、最後がギャグみたいなオチが気に入った


107VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/30(火) 03:49:45.24KRwPfuIAO (1/1)

こんなスレあったんだ
各話にメッセージ性と、キャラの繋がり具合の変化と、キャラが新しい物の見方に気付くの3点があるなら読みたいけど
無かったらプリキュアらしくないからいいや
本放送だけ見とく


108VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/01(水) 02:23:24.708mtEVi7A0 (1/1)

>>107君!前スレから見よう!
個人的な感想になるけどすごく『スマプリらしい』空気を感じるスレ
危惧してる内容については全部がっつり盛り込んであるから安心してええ、と思う
あと内容以外にも投稿時間とか愛を感じる

れいかちゃん風邪か……青木家は爺ちゃんとお母様以外にあまりスポット当たらなかったから父と兄の出番もあれば嬉しいなぁ


109N2013/05/01(水) 07:43:42.75luqZci8I0 (1/1)

ダメだ、腹いてぇwwww
5人とも解決しないってwwww
『どうしてくれるのー!?』wwww

スマイルプリキュア!
『またまた精神入れ替わっちゃったので今週は60分スペシャル!!』
こんなタイトルでOVAやってほしいwwww


110レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/03(金) 11:00:42.88XuouQ3G10 (1/5)

第11話上げた辺りから私事やら仕事やら執筆やらでマックスハート(いっぱいいっぱい) だったため、
ご意見ご感想に対するお返事が遅れました!
すんませんっした!

せっかく色々レスいただいているので、お返事させていただきます。


111レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/03(金) 11:44:07.07XuouQ3G10 (2/5)

>>前スレ 953 の方
いつもご感想ありがとうございます!
いただいたアイデアも興味深く読ませていただきました。

前にいただいた "妖精の組み合わせに違和感がある" というご意見がずっと引っかかってたんですが、
今回いただいたアイデアのおかげで納得がいきました。
"ウルみゆ" 派の方だったんですねえ。
ウルルン(ウルフルン) はあかねちゃんじゃなくてみゆきちゃんとくっついてほしかった、というところなんですかね?


実は、いただいたようなアイデアを考えていた時期が自分にもありました。
プリキュアがピンチになった時、バッドエンド時代の姿の三幹部がスポット参戦で助けに来る、という内容でした。
その筋の中には、プリキュア達の代わりに三幹部が体を張ってアイテムを取り返しに行く、という展開も考えていました。

また、ボツ案の一つとして、ウルルンをみゆきちゃん家に住ませて、ラブコメっぽいことをしてもいいかな、
というのもありました。こちらだったらニーズにも応えられたかもしれませんね。

ただ、先に書いた通り、あまり妖精達にフォーカスを当てるとテーマにもとる、ということや、
単純にプリキュア5人 + 妖精5人でわちゃわちゃさせたい、という考えから現在の形になりました。

でも、変身できなくなって、代わりに奮闘する、という展開だけなら盛り込めるかもですね。ちょっと考えてみます。
幸い、後半は尺があまりそうなので、どこかに入れる余地はある、かも、ないかも。。


あと一つだけ。
いただいたアイデアの中で "おお!" と思ったのは、"キスでパワーアップ" という展開ですね。
おとぎ話でも『白雪姫』やら『眠れる森の美女』やらがありますし、キスでうんぬんという展開はメルヘンっぽくていいかな、と思いました。
(軽く調べたら『白雪姫』の方はディズニーアニメ版のみの改定のようですが)

自分は『5GOGO! 劇場版』の例のシーンでも「うひょー!」と喜んでしまうタイプなので、アリかといえばアリです。
プリキュアとしてはちょっと刺激が強いかな、とも思いますが。。
別の作品だったら使える設定かもしれないですね、"キスでパワーアップ"。


乱文でスミマセンが、いただいたアイデアに対する感想はこんな感じです。
今回はご期待に応えることはできなさそうですが、よろしければ引き続きお読みください!
今後ともよろしくお願いします。


112レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/03(金) 11:59:57.90XuouQ3G10 (3/5)

>>107 さん
> 各話にメッセージ性と、キャラの繋がり具合の変化と、キャラが新しい物の見方に気付くの3点
この辺りは一応気を使っています。文章力が拙くてうまく表現できていなかったらアウツですが。。
もしよろしければご一読ください。お眼鏡にかない、楽しんでいただけたなら幸いです。


>>108 さん
フォローありがとうございます。
こういったレスはホントにうれしいです。。
表現したいことは何とかお伝えできているようで、安心しました。

『プリキュア』シリーズとしてズレとらんかどうか心配なところはありますが、
今のところは大丈夫そうですね。よかったよかった。

引き続きよろしくお願いします!
せいいっぱい、がんばるわ!


113レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/03(金) 12:11:45.67XuouQ3G10 (4/5)

>>第12話にご感想いただいた皆様

ああー、やっぱりギャグ回は受けがいい! ガンバった甲斐があった。。
『スマイル』といえばギャグですもんね。わかってるんですけどもね。


ただ悩みがあって、ギャグってメチャクチャ難しいんですよね。。まずネタが出ない。。
ギャグ話をシリーズ化して書ける方は本当に尊敬します。
こんな話、あと何回書けるか。。
"ギャグ100回分ネタください" って感じです。。


ですが、シリアスばっかりだと息が詰まってしまうのも事実。
ちゃんと息抜きできるようギャグ作れるようにならんと。
がんばろっと。。


114レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/03(金) 12:14:34.06XuouQ3G10 (5/5)

あと、第13話の更新日時についてお知らせです。

都合により 5/5 8:30 ~ のアップが不可能になってしまったため、
5/4 のどこかでアップすることになるかと思います。
よろしくお願いします。


115レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 00:24:21.341W6pFsb/0 (1/81)

すみません。。
都合が悪くなり、5/4 中のアップができませんでした。。

これからまたしばらく動けなくなるので、
第13話のアップは 5/5 の夕方ごろ? に改めさせてもらいたいと思います。

よろしくお願いしますー。


116レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 17:54:21.091W6pFsb/0 (2/81)

遅くなりましたが、『スマイルプリキュア レインボー!』 再開します!

このあとすぐ!


117レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 17:56:56.771W6pFsb/0 (3/81)

~ 放課後 ふしぎ図書館 秘密基地 ~

あかね「えーっと……ひのふのみの……、これで全員揃ったな」

ポップ「皆の衆、それぞれ忙しいところ、急に呼びたててしまってすまんでござる」

みゆき「ううん! 全然だいじょーぶだよ! また何か大事なお話があるんだよね?」

ポップ「うむ、そのために皆の衆には集まってもらったのでござる!」


なお「あれ? でも、ポップ一人なの? れいかは?」

ポップ「れいか殿は生徒会が大変忙しいらしく、今日は来られないとのことでござった」

ポップ「でも、これからする話はとても大切な事でござるから、仕方なく拙者だけこちらに来たのでござる」


118レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 17:57:48.461W6pFsb/0 (4/81)

マジョリン「それで、ポップ。"大事な話" というのはなんなんだマジョ?」

ポップ「拙者、ある事のために常々メルヘンランドとは度々連絡を取り合っていたでござるが、ついに吉報が来たのでござる!」

やよい「吉報……? 何かいいことがあったの?」

ポップ「順を追って説明するでござるよ、やよい殿」


119レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 17:59:45.811W6pFsb/0 (5/81)

ポップ「……皆の衆。ここのところ、デスペアランドの者達の力が強まっていると、肌で感じているのではござらんか?」


あかね「そういや、うちが一人でシアンナに襲われた時のアキラメーナ、エラい強かったなぁ……」

なお「あたしとれいかが工事現場で閉じ込められた時のヤツも強かった……」

みゆき「この間、わたし達の見た目が変わっちゃった時も、みんなで力を合わせなかったら危なかったよね……」

やよい「そういえば、あの "アキラメーナ" っていうの、作るたんびに強くなるんだったっけ」

ポップ「うむ……。次現れた時には、さらに強力になっている可能性もあるでござる」


ポップ「そこで、だんだん強くなっていく彼らに対抗するため、拙者は考えたのでござる。"以前より進めていた事を早く達成しなければ" と」

やよい「進めていた事? それって……」

ポップ「拙者が進めていたこと。それは……」


ポップ「新しいプリキュアを見つけることでござる!」


あかね「……新しい……」

みゆき「……プリキュア……!」


120レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:02:07.851W6pFsb/0 (6/81)

ポップ「皆の衆、このプリキュアの絵本について以前した話を憶えているでござるか?」ペラッ

みゆき「あ、そのページ……。確か、"夢の絵の具" っていうスゴい道具を使った、新しいプリキュアのためのページなんだよね?」

あかね「そういやそやった! そのページをあれば、うちら以外にも後二人プリキュアになれるんやったな!」

なお「"そういえば" って……あかね、もしかして忘れてたの?」

あかね「な、なにゆーとんねん! そんなわけないやろ! バッチリ憶えとったわ!」

なお「目泳がせて言っても説得力ないよ」

あかね「う……」


ポップ「……こほん。そうでござる。"夢の絵の具" の力で新しいプリキュアを誕生させられるはずだったでござるが、そのためにはもう一つ必要なものがあるでござる」

ポップ「それは、メルヘンランドの妖精の力でござる」


ポップ「プリキュアの誕生には、ピクチャーランドの "夢の絵の具"、メルヘンランドのデコルエネルギー、そして、皆の衆、リアルランドの人の心」

ポップ「これら三つの力が合わさることが必要なのでござる」


やよい「っていうことは、メルヘンランドの妖精さんのパートナーがいないと、新しいプリキュアも増えないんだぁ……」

あかね「せやな。うちらはウルルン達の力を借りて変身できとんのやからな」

ポップ「その通りでござる」


121レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:04:28.681W6pFsb/0 (7/81)

ポップ「前置きが長くなったでござるが、その事でつい先日、メルヘンランドから手紙が届いたのでござる」

ポップ「"プリキュアのパートナーになれる力を持った者が見つかった" と!」


4人「!!」


ポップ「実はプリキュアの絵本にページが増えたあの日から、メルヘンランドの妖精の中にプリキュアのパートナーになれる者がいないか探してもらっていたのでござる」

やよい「その妖精さんが見つかったんだね!」

あかね「そっかぁ……! それは確かにええことやな!」

みゆき「へぇー……! どんな妖精さんなんだろ!? 楽しみだなぁ……!」

ポップ「ふふ、皆の衆、もしかしたら驚くかもしれないでござるな」

なお「驚く? あたし達の知ってる妖精なの?」

ポップ「うむ、皆の衆とは一度会ったことがある者でござる。……さて、その者にはメルヘンランドからこのふしぎ図書館に来るよう伝えておいたから、もうそろそろ着くはずでござるが――」


ピカァァァァッ!


あかね「な、なんや!? 外の方でなんか光りよったで!?」

ポップ「きっと来たでござる! 皆の衆、外に出るでござるよ!」


122レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:06:15.051W6pFsb/0 (8/81)

~ ふしぎ図書館 ~

???「ポップに言われたところ、ここで合ってるペロ? メルヘンランドの外に出たことないから、少し不安ペロ……」キョロキョロ


バタンッ!


???「ペロ!? 建物から何か出たペロ!」


ドヤドヤドヤ


やよい「妖精さん、どこにいるのかなぁ?」

あかね「ん? あ、あそこ! なんかおるで!?」

なお「あ、ホントだ! 妖精っぽい子がいる……けど、あの子、どこかで見覚えが……」

みゆき「……あっ、ああぁーっ! あなたは!? 前にわたし達がメルヘンランドに行った時に会った、長靴ネコの妖精さん!?」


ポップ「"ペロー"! よく来てくれたでござる!」

ペローと呼ばれた長靴ネコ妖精「あ、ポップ! 良かったペロ。やっぱりここで合ってたペロ! プリキュアの皆さんも、お久しぶりペロ!」

みゆき「それじゃあ、あなたが……!」


ペロー「そうペロ! これから皆さんに協力することになった、長靴ネコの "ペロー" ペロ! よろしくですペロ!」


123レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:07:36.981W6pFsb/0 (9/81)




スマイルプリキュア レインボー!

第13話「誕生、藍の戦士! 6人目のプリキュアはあなたです!」






124レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:09:07.561W6pFsb/0 (10/81)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

キャンディ「ペロークル! 久しぶりクルぅ!」

ペロー「クイーン様、お久しぶりペロ! ウルルンにオニニン、マジョリンも、元気だったペロ!?」

マジョリン「なんだい、ペロー! あんたがプリキュアのパートナーになったマジョ!?」

オニニン「メルヘンランドにいた頃は特別強い力はなかったような気がするオニ」

ウルルン「そうだウル。どうやってプリキュアのパートナーとしての力をつけたウル?」

ペロー「……とってもガンバったんだペロ」


125レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:10:53.251W6pFsb/0 (11/81)

ペロー「プリキュアの皆さんには、メルヘンランドを救ってもらって、本当に感謝していたんだペロ。"いつか恩返しがしたい" 、ずっとそう思ってたペロ」

ペロー「そんな時、ポップからプリキュアのパートナーとなる妖精を探していると聞いて、"力になれるならぜひなりたい" と思ったんだペロ!」

ペロー「だからぼくは、来る日も来る日も修行にはげんだペロ!」


ペロー「ある日は滝に打たれ」

ペロー「ある日は『アリス』の白兎と一緒にウサギ跳び」

ペロー「ある日は『浦島太郎』のカメを背中に乗せて腕立て伏せ」


ペロー「その苦しい修行の日々と皆さんへの感謝の気持ちが、ぼくをプリキュアのパートナーになるまでに成長させたんだペロ!」キリッ


あかね「……プリキュアのためのパワーってそうやってつけるもんなん?」


126レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:12:23.361W6pFsb/0 (12/81)

ポップ「何はともあれ、このペローが今後新しいプリキュアのパートナーとして、拙者達と共にデスペアランドと戦ってくれる事になったでござる! 皆の衆、よろしく頼むでござる!」

ペロー「よろしくペロ!」

みゆき「こちらこそ、よろしくね! ペロー!」


やよい「……あれ? でも、新しいプリキュアって二人いるんだよね? そしたら、妖精さんも二人いないとダメなんじゃないのかな?」

ポップ「……その通りなのでござるが……、プリキュアのパートナーになれるほどの力を持つ者はほとんどいないのでござる……。今回は、ペローを見つけるだけで精一杯でござった」

あかね「せやったら、とりあえず今回増える新しいプリキュアは一人だけ、っちゅうことなんかな?」

ポップ「残念ながら、そういうことになるでござる。もう一人のパートナーについては、今後、また素質のある者が見つかるのを待つしかないでござるな……」


127レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:13:44.791W6pFsb/0 (13/81)

なお「……うーん……」

あかね「なんや、なお、むずかしい顔して? 考え事なんて似合わへんで?」

なお「ほっといてよ! ……じゃなくて、ねえ、ポップ。ちょっと気になってる事があるんだけど?」

ポップ「なんでござるか、なお殿?」

なお「ペローが来てくれたのはいいんだけど……さ」


なお「肝心のプリキュアになる人って誰なの?」


みゆき・あかね・やよい「あ」


128レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:15:05.181W6pFsb/0 (14/81)

あかね「そりゃそうやな。ペローはプリキュアになる手伝いができるだけで、プリキュアになれるわけやあらへんもんな」

やよい「誰かプリキュアになってくれる人を探さないといけないんだ……」

なお「ポップ、そっちについては心当たりないの?」

ポップ「うむ、プリキュアになれる方の心当たりは……」

みゆき「心当たりは……!?」


ポップ「…………」

4人「…………(ゴクリ)」


ポップ「……全くないでござる」

4人「(ズコッ)」


あかね「せやったら意味ないやーん! ペローだけおってもしゃーないやろ!」


129レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:17:07.751W6pFsb/0 (15/81)

ポップ「しかし、ペローもプリキュアのパートナーになれるほどの力の持ち主。もしかしたら、プリキュアになれる可能性を秘めた方の近くに行けば、何か感じるかもしれないでござる!」

あかね「そしたら、ペローはうちらの世界に行って、プリキュアになれる人を探さんとあかんなぁ」

やよい「でも、そんな人すぐに見つかるかなぁ……? タイヘンそう……」

なお「あれこれ悩んだってしょうがないよ、行動あるのみ! みんなで探せばきっと見つかるって!」

みゆき「そうだね、みんなでペローを連れて、自分の近くの人達を当たってみよう! もしかしたら、誰かプリキュアになれる人がいるかも!」

ペロー「皆さん、タイヘンだと思うけどよろしくお願いするペロ!」

みゆき「もっちろん! みんな、新しいプリキュア探し、ガンバろーっ!」


あかね・やよい・なお「おーっ!」


130レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:18:11.061W6pFsb/0 (16/81)

~ その晩 青木家 れいか自室 ~

ポップ「――と、いうわけでござる、れいか殿」

れいか「そうでしたか……。ここのところ……しばらく手紙のやり取りをしていたのは……ペローさんのような妖精さんを探すためだったのですね……」

ポップ「うむ。なので、明日からはペローと、このキャンディに作ってもらった新しいスマイルパクトを持って、新たなプリキュアになってくれる方を探すでござる!」

れいか「……わかりました……。私も……精一杯お手伝いします……」

ペロー「ぼくのパートナーが見つかるまで、しばらくこちらにいさせてもらいますペロ! よろしくペロ!」

れいか「ええ……、こちらこそ、よろしくお願いしますね……」


ポップ「……それはそうと、れいか殿、顔色が良くないようでござるが、大丈夫でござるか? 生徒会のお仕事が大変なのでは……」

れいか「……そうですね、少し、疲れてしまいました……。でも、ペローさんのパートナーの方を探すのはお手伝いします……」

ペロー「……うれしいけど、あんまりムリしないでくださいペロ……」

れいか「ありがとうございます、ペローさん……」


131レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:19:06.301W6pFsb/0 (17/81)

~ デスペアランド 王宮 玉座の間 ~

シアンナ「国王陛下。こちらが近日採取した、濁った "心の絵の具" の入ったボトルとなります。お納めください」

デスペア国王「うむ」


チャポ チャポ


デスペア国王「……やはり量が少ないな」

シアンナ「……申し訳ありません、国王陛下。以前もご報告させていただいたプリキュアという邪魔者共が想定より手ごわく……。思うように "心の絵の具" を集められていないのが現状です」

デスペア国王「言い訳はいい。私がお前達に求めるものは結果のみ。すなわち、多量の濁った "心の絵の具" の採取と、"夢の絵の具" の入手。この二つの目的を達成するためのみに行動せよ。よいな」

シアンナ「……はっ……」


132レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:20:21.391W6pFsb/0 (18/81)

大臣「お話中失礼いたします。国王陛下、シアンナ様達よりいただいた濁った絵の具から、新たな "闇の絵の具" を精製いたしました。お使いください」

デスペア国王「うむ」

シアンナ「……? 国王陛下自らが闇の絵の具をお使いになるのですか? 一体何に――」


ドックン


シアンナ「……!? 今鳴り響いた音は一体……。鼓動……?」

大臣「おお……! 国王陛下、これはついに……!」

デスペア国王「……そのようだな。……ふ、ふふふ……!」


デスペア国王「シアンナよ。私が "闇の絵の具" を何に使うのか、と聞いたな。その答えが、今の鼓動だ」


133レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:22:19.241W6pFsb/0 (19/81)

デスペア国王「私は今、"闇の絵の具" を使って、ある "怪物" を育てている」

シアンナ「"怪物" ……ですか?」

デスペア国王「そうだ。"闇の絵の具" は、その "怪物" の糧となる。お前達の採取する濁った "心の絵の具" はそのために使われているのだ」

デスペア国王「しばらく前からその "怪物" の育成は始めていたのだが、ようやくそれが実を結び始めたようだ。この鼓動は、"怪物" が息づき始めたことの証なのだからな」


デスペア国王「その "怪物" と "夢の絵の具"。二つが揃えば、私の目的は成就するのだ……!」


デスペア国王「励め、シアンナ。今よりも更に。なんとしても邪魔者・プリキュアを排除し、目的を達成するのだ」

シアンナ「かしこまりました、国王陛下。必ずやご期待に応えてみせます」


134レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:23:43.621W6pFsb/0 (20/81)

~ 翌朝 七色ヶ丘中学校 3-1教室 ~

みゆき「みんな、おはよー!」


やよい「おはよう、みゆきちゃん!」

あかね「おはよーさん!」

なお「おはよう!」

れいか「おはよう、ございます……」


みゆき「れいかちゃん、ペローって今れいかちゃんのカバンの中にいるんだっけ?」

れいか「あ、はい……。新しいスマイルパクトと一緒に、デコルになって入ってもらっています……」

みゆき「そしたら、わたしに預けてもらってもいいかなぁ? 実は、プリキュアになってくれる子に心当たりがあるんだぁ!」

あかね「おっ、そうなん? 誰?」

みゆき「えへへー、ナイショ! うまくいったら教えてあげる!」

れいか「……わかりました……。それでは、ペローさんのデコルとスマイルパクトをお預けします……。よろしく……お願いします……」

みゆき「うん!」


135レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:24:47.371W6pFsb/0 (21/81)

なお「……ところでれいか、さっきから具合悪そうだけど、大丈夫?」

ポップ(デコル)「(小声) 生徒会が忙しいらしく、昨日からずっと元気ないでござるよ……」

れいか「……大丈夫よ、なお……。ちょっと体が重いくらいだから……。今日も大事な生徒会の会議があるし、頑張らないと……」

なお「……そう? ならいいけど……。でも、れいか、ツラかったらあたし達に言いなよ?」

れいか「ええ……。ありがとう、なお……」


136レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:26:13.061W6pFsb/0 (22/81)

~ 昼休み 七色ヶ丘中学校 中庭 ベンチ ~

みゆき「うーん、いい天気ー! こんな日に外で食べるお弁当はおいしいね、木下さん!」

気弱そうな 1年女子・木下「そうですね……。味は、いつもと変わらないですけど……」

みゆき「そう? 気持ちのいい日はごはんもおいしくならない?」

木下「うちは両親が忙しいから、お弁当も冷凍食品ですし……。味はいつも同じです……」

みゆき「そっかぁ……」


137レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:27:16.051W6pFsb/0 (23/81)

みゆき「じゃあ、これあげる! わたしのお母さん特製のタコさんウィンナー! おいしいよ!」

木下「え……? でも、わたしからセンパイにあげられるようなものは何も……」

みゆき「いいよいいよぉ! だって、わたしが木下さんにあげたいのはハッピーだもん! これ食べて、ちょっとでも木下さんがハッピーになってもらえたらうれしいな!」

木下「あ……、ありがとう……ございます。いただきます……」


パクッ


木下「……おいしいです」

みゆき「ホント!? 良かったぁ!」


138レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:28:57.491W6pFsb/0 (24/81)

コソッ


みゆき「(小声) ……ねぇ、ペロー? この子、どうかなぁ? プリキュアになれそう?」

ペロー(デコル)「(小声) ……うーん……」ジィーッ…


木下「(モグモグ)」


ペロー(デコル)「(小声) ……特に何も感じないペロ」

みゆき「(小声) え、ダメ? ホントに?」

キャンディ(デコル)「(小声) みゆきぃ……。この子はプリキュアになるには、ちょっと元気が足りないと思うクル……」

ペロー(デコル)「(小声) ぼくもそう思うペロ」

みゆき「(小声) キャンディまで……。そっかぁ……。もしかしたら、って思ったけど、元気がないとダメなのかな……」


木下「……星空センパイ? カバンに話しかけて、どうかしたんですか……?」

みゆき「え!? あ、あぁー、いや、その……な、なんでもないよ! なんでも! あはは……!」

木下「……?」


139レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:30:33.991W6pFsb/0 (25/81)

~ 放課後 七色ヶ丘中学校 3-1教室 ~

みゆき「――と、いうわけで、ダメでした……」

なお「みゆきちゃんの当てって、木下さんだったんだね」

あかね「せやけど、キャンディとペローの言う通り、ちょーっとあの子には荷ぃ重い気するなぁ」

やよい「そんなことないと思うけど……。わたしだってプリキュアになれるくらいだし」

れいか「残念でしたね、みゆきさん……。次の方を当たってみましょう……」


140レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:32:50.141W6pFsb/0 (26/81)

あかね「よっしゃ、ほんなら次はうちがやったんで! ペローとパクト貸してや! バレー部のみんなを見てもらうわ」

みゆき「うん。わかった!」

やよい「もしダメだったら、漫研のみんなも見てみてよ!」

なお「それでもダメならサッカー部だね。ウチは部員多いから、あれだけいたら誰かプリキュアになれる子いるかも!」

れいか「では……、ひとまず皆さんのところを順番に回って、見てもらいましょう……。ペローさん、もし他の方のところで見つからなかったら、最後に生徒会まで来てください」

ペロー「わかったペロ!」


141レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:34:23.401W6pFsb/0 (27/81)

~ 七色ヶ丘中学校 バレーボールコート ~


タッ タッ タッ


バレー部 キャプテン・名倉 ゆか「ランニング、あと3周だよ! 七中バレー部! ファイッ、オーッ!」

あかね「ファイッ、オーッ!」

2年バレー部員・宮下 なみ「ファイッ、オーッ!」


142レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:37:06.821W6pFsb/0 (28/81)

あかね「(小声) はっ、はっ、どや、ペロー? この子らん中にプリキュアになれそうな子、おる?」

ペロー(デコル)「(小声) ……うーん……」ジィーッ…


バレー部 キャプテン・ゆか「はっ、はっ、はっ」

2年バレー部員・なみ「はっ、はっ、はっ」


ペロー(デコル)「(小声) ……ダメペロ。何も感じないペロ」

あかね「(小声) はっ、はっ、なんや! こっちもハズレかいな!」


バレー部 キャプテン・ゆか「こら、あかねぇー! なにブツブツ言ってるの!? ちゃんと練習しないと、あかねだけランニングもう 10周増やすよ!?」

あかね「ご、ごめん、ゆかぁー! ちゃんとやるから、それはカンベンしたって!」


あかね「(小声) ……しゃーない。うちはこのまま練習しとるから、後で一人でやよいんとこ行ってくれるか? 学校の人に見つからんよう、気ぃつけてな」

ペロー(デコル)「(小声) わかったペロ! あかねさん、ありがとうペロ!」


143レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:38:35.941W6pFsb/0 (29/81)

~ 七色ヶ丘中学校 漫画研究部 部室 ~


カリカリカリ


やよい「(小声) ペロー、どうかな?」

ペロー(デコル)「(小声) ……うーん……」ジィーッ…


漫研部員・美川 すず「(カリカリ)」

漫研部員・稲上 りょうこ「(カリカリ)」


ペロー(デコル)「(小声) ……やっぱりダメペロ……。よく分からないペロ……」

やよい「(小声) そっかぁ……。プリキュアになれるとしたら、美川さんか稲上さんかなぁ、と思ってたんだけど……。男の子じゃムリだろうし……」


漫研部員・河村 ゆうや「あの、部長。ちょっと教えてもらいたいところがあるんですけど、大丈夫ですか?」

やよい「えっ!? あ、う、うん、いいよ! ちょ、ちょっとだけ待ってね」

漫研部員・河村 ゆうや「あ、はい!」


やよい「(小声) ゴメン、ペロー……。わたし、このまま部活やらないといけないから、なおちゃんのところに行ってくれる?」

ペロー(デコル)「(小声) わかったペロ。がんばってくださいペロ、やよいさん!」


144レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:40:09.911W6pFsb/0 (30/81)

~ 七色ヶ丘中学校 サッカーグラウンド ~

サッカー部員・フォワード・村田 ともか「えいっ!」ドカッ

サッカー部員・キーパー「はっ!」バシッ

サッカー部員・フォワード・村田 ともか「あっ! シュート、止められちゃった……!」

なお「村田さん、軸足のつま先の向きでシュート方向わかっちゃうクセ、直ってないよ! 次は注意しながらやってみて!」

サッカー部員・フォワード・村田 ともか「は、はい! スミマセン!」


145レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:41:42.381W6pFsb/0 (31/81)

なお「(小声) どうかな、ペロー。あたしは、あの村田さんなんかいいかと思うんだけど。根性もやる気もスゴイし、プリキュアに向いてるんじゃないかな?」

ペロー(デコル)「(小声) ……うーん……」ジィーッ…


サッカー部員・フォワード・村田 ともか「たっ!」ドカッ


ペロー(デコル)「(小声) ……ピンと来ないペロ……」

なお「(小声) うーん、そうかぁ……。と、なると、あたし達の身近で残ってるのは、れいかの生徒会だけか。中々見つからないね……」

ペロー(デコル)「(小声) はいペロ……。とりあえず、れいかさんのところに行ってみるペロ」

なお「(小声) わかった。ゴメンね、力になれなくて」

ペロー(デコル)「(小声) なおさんが謝る事ないペロ! ありがとうペロ!」


146レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:43:18.361W6pFsb/0 (32/81)

~ 七色ヶ丘中学校 生徒会室 ~

れいか「それでは……、各部の予算はこのように……決めたいと思います……。大丈夫でしょうか……?」

生徒会会計・寺田 るな「はい、大丈夫だと思います」

生徒会副会長・板野 まさお「問題ありません」

れいか「では寺田さん、予算について……しっかり記録を……とっておいてください……」

生徒会会計・寺田「わかりました」


ペロー「(コソコソ)」


ペロー(来たはいいけど、ピリピリしてて、ちょっと入りづらいペロ……。でも……)


生徒会会計・寺田「(カキカキ)」


ペロー(あの子も違うみたいペロ……)


ペロー(これで、プリキュアの皆さんに紹介してもらった人達はみんなダメだったペロ)

ペロー(ぼくのパートナーは一体どこにいるペロ? どうやって探せばいいペロ……)


147レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:45:15.201W6pFsb/0 (33/81)

れいか「他に……議題は……ありますか……?」

生徒会副会長・板野「議題はありませんが……会長、大丈夫ですか? 息も荒くて、具合が良くなさそうですが……」

れいか「はぁ……はぁ……、大……丈夫……で――」フラッ


バタッ


生徒会役員達「!!」

ペロー(!!)


生徒会書記・倉田 なおき「か、会長!? 急に倒れて……、大丈夫ですか!?」

生徒会会計・寺田「……! 会長、すごい熱……! 元気ないと思ってたら、風邪引いてたんだ……!」

生徒会書記・倉田「会長、ここのところ、ずっと一人で残って作業してたから、疲れがたまってたのかな……!」

生徒会会計・寺田「しっかりしてください、会長! ……どうしよう、倉田くん!」

生徒会書記・倉田「ど、どうしようって言われても……!」


生徒会副会長・板野「みんな落ち着いて。まず保健室に運ぶんだ。それから会長のおうちの方に連絡をして、お迎えに来てもらおう」

生徒会書記・倉田「い、板野くん……、わ、わかった!」

生徒会会計・寺田「会長、立てますか? とりあえず、わたしと一緒に保健室まで行きましょう」

れいか「はぁ……はぁ……、すみません……皆さん……」


148レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:46:38.231W6pFsb/0 (34/81)

~ 七色ヶ丘中学校 生徒会室前廊下 ~

ペロー「あ、あわわわ……!」


ペロー(た、大変なことになったペロ……! れいかさんが倒れてしまったペロ……!)

ペロー(ひとまず、プリキュア探しは後回しペロ! 皆さんにこのことをお知らせするペロ!)


149レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:48:22.551W6pFsb/0 (35/81)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

あかね「なんや、それじゃ、みんな結局あかんかったんやな」

なお「うん、ペローにサッカー部員見てもらったんだけど、プリキュアになれそうな子はいない、って」

やよい「6人目のプリキュアって、どんな人なのかなぁ」

みゆき「うーーーん……、わかんない……。ペロー、学校にいる間何も言わなかったから、もしかしたら学校にはいないのかもしれないね」

あかね「せやったら、今度は町中全部から探さなあかん、っちゅーこと? そりゃもっと大変やなぁ……」


バタンッ


やよい「? 誰か入ってきたよ?」

ペロー「はぁっ……はぁっ……!」

なお「なんだ、ペローじゃない。どうかしたの、そんなに息切らして」

ペロー「み、皆さん! 大変ですペロ! れいかさんが……れいかさんが、倒れてしまったペロ!」


4人「……ええっ!!?」


150レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:50:16.181W6pFsb/0 (36/81)

~ 青木家 前 ~

みゆき「れいかちゃん、大丈夫かなぁ……。そういえば、具合悪そうだったね……」

やよい「ペロー、れいかちゃんは今家にいるの?」

ペロー「れいかさんの周りの人が "おうちの人に迎えに来てもらう" って言ってたから、たぶんそうだと思うペロ」

なお「とにかく、入ってみよう。呼び鈴、鳴らすよ」


ピンポーン


ガラッ


淳之介(れいか兄)「はい――ああ、なおちゃん。それにお友達の皆さんも」

なお「淳兄ちゃん! あの、学校でれいかが倒れた、って聞いてきたんですけど、れいかは大丈夫なんですか!?」

淳之介「落ち着いて、なおちゃん。大丈夫、僕が学校から連れ帰ってきたから、れいかは今自分の部屋で休んでるよ。心配してくれてありがとう」

なお「そうですか……、よかった……」

みゆき「はぁ……、一安心だね、なおちゃん」


淳之介「そうだ。せっかく来てくれたんだから、れいかのお見舞いしてあげてくれるかな? れいかも喜ぶと思うから」

あかね「え、ええんですか!?」

やよい「お願いします!」

淳之介「それじゃあ、上がって。部屋まで案内するよ」

4人「ありがとうございます!」


151レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:51:57.681W6pFsb/0 (37/81)

~ 青木家 れいか自室 前 ~

淳之介「ここがれいかの部屋だけど……、入るのはちょっと待ってくれるかな」

なお「あ、はい。わかりました」


淳之介「れいか、はるか、お友達の皆がお見舞いに来てくれたよ。入っても大丈夫かい?」

はるか「お友達? もしかして、なおちゃん達? ――れいかちゃん、どう?」

れいか「――――」

はるか「……そ。淳くん、れいかちゃんも大丈夫だって」

淳之介「わかった」


淳之介「大丈夫みたいだから、入ってあげて。僕がいると看病しづらいだろうから、僕は席を外すよ。後、よろしくね」

みゆき「はい! ありがとうございました!」


あかね「……ん? 今、れいかのお兄さん、"はるか" って言うとった?」

やよい「そうだね。それって、もしかして……」

はるか「ちょっと待ってね、今障子開けるから」


スラッ


はるか「あ、やっぱりみんなだ。久しぶり」

4人「はるかさん!」

はるか「ちょっとみんな。れいかちゃん熱出してるから、静かに、ね。しーっ」

4人「! す、すみません……」


152レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:54:21.691W6pFsb/0 (38/81)

~ 青木家 れいか自室 ~

れいか「皆さん、お見舞いに来てくださって……ありがとうございます……」

あかね「それはええけど……、体、大丈夫なん?」

はるか「熱が 39℃ あるの。しばらくは安静にしてないとダメだね」

やよい「さ、39℃……!? 倒れちゃうわけだよ……!」

なお「もう……。"大丈夫" だなんて言って、やっぱりムリしてた。れいか、自分がツラい時はツラいって言わないんだから……」

れいか「……ごめんなさい、なお、心配かけて……。皆さんも……」

みゆき「ううん、気にしないで。ゆっくり休んで、早く元気になってね」

れいか「……はい、ありがとうございます……!」


153レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:57:09.031W6pFsb/0 (39/81)

あかね「それにしても、はるかさんがれいかの看病してたんですね。呼ばれて来たんですか?」

はるか「ああ、みんなにはまだ言ってなかったかもしれないんだけど、私、日本に帰ってきてからは時々れいかちゃんの家庭教師をしてるの」

はるか「今日もそのつもりで来たんだけど、着いたられいかちゃんが熱出して寝てるじゃない?」

はるか「今日はおば様も用事でいないみたいだし……、淳くんは男の子だからちょっと、っていうことで、私が看病してたってわけ」

やよい「そうだったんですね……」

みゆき「でも、はるかさんが看病してくれるなら安心だね、れいかちゃん!」

れいか「ええ……、とても助かっています……!」


はるか「……そう言ってくれるのはうれしいけど、今れいかちゃんが安心してられるのは、私だけのおかげじゃないよ、きっと」

なお「え? はるかさん、それってどういう……」


154レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 18:58:56.931W6pFsb/0 (40/81)

はるか「れいかちゃん、さっきまでは結構ツラそうにしてたんだけど、みんなが来てくれてから急に落ち着いてきたんだ」

はるか「多分、いつも一緒にいるみんなが来てくれたから、安心できたんだと思う。れいかちゃんにとって一番の薬は、みんなの笑顔だったんじゃないかな」

みゆき「わたし達の笑顔が……」

はるか「れいかちゃん、本当に良かったね、いいお友達がたくさんいて。みんながいてくれたら、病気なんてすぐ飛んでっちゃうよ。だから安心して、今はしっかり休んでね」ニコッ

れいか「はるかお姉さん……! ……はいっ……!」


155レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:00:44.451W6pFsb/0 (41/81)

~ れいかのカバンの中 ~


パァァァッ…


ペロー(デコル)(……! スマイルパクトがほんの少し光ったペロ……。何かに反応したペロ……!?)


ペロー(デコル)(これってもしかして……)


156レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:01:54.011W6pFsb/0 (42/81)

~ 青木家 れいか自室 ~

はるか「さて、と。せっかくみんな来てくれたんだから、今のうちに買い物にでも行ってくるよ。れいかちゃん、何か食べたいもの、ある?」

れいか「……食べたいもの……ですか……?」

はるか「何でもいいよ。弱ってる時は食べたいものを食べるのが一番だからね」

れいか「……それでしたら……羊かんをお願い……できますか……?」

はるか「ん、わかった、羊かんだね? 大丈夫、任せて」


はるか「それじゃ、ひとっ走り行って買ってくるよ。みんなの分も買ってくるから、れいかちゃんのこと、よろしくね」

なお「はい、わかりました。お願いします、はるかさん」

はるか「うん。それじゃ、行ってきます」


スラッ ピシャッ


あかね「……"れいかが元気になったのはうちらのおかげ" やなんてゆーとったけど……、はるかさん、ずっとれいかの看病しててくれたんよな」

やよい「やっぱり優しい人だよね、はるかさんって」

れいか「……ええ……。本当に……」


157レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:03:43.241W6pFsb/0 (43/81)

れいか「私がお兄様に連れられて帰った時……、熱のせいで頭でぼんやりして……、私、不安でした……」

れいか「そんな時、はるかお姉さんが来てくれて……、まるで自分のことみたいに丁寧に私の世話をしてくれて……、……うれしかった……!」

れいか「やっぱり、私にとってはるかさんは……憧れの人なんです……!」


なお「……そっか。良かったね、れいか。はるかさんがいてくれて」

れいか「……ええ……!」


158レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:04:36.321W6pFsb/0 (44/81)

ヒョコッ


ペロー「皆さん! ちょっと聞いてほしいことがあるペロ!」

キャンディ「ペロー、しずかにしないとダメクル。れいか、今病気なんだクル」

ペロー「あ、すみません、クイーン様……。でも、とっても大事なことなんだペロ」

みゆき「? どうしたの、ペロー? 大事な事って何?」

ペロー「それは――」


ピクン


キャンディ「クル……! みんな、イヤな感じがするクル……!」

あかね「イヤな感じ? って、まさか……!」

ポップ「きっとそうでござる! キャンディ、デスペアランドでござろう?」

キャンディ「多分そうクル! あっちの方から感じるクル!」

やよい「もーっ! 何もこんな時に来なくったって……!」


159レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:06:32.341W6pFsb/0 (45/81)

れいか「……キャンディ……。今……あっちの方、って言ったの……?」

キャンディ「そうクル!」

れいか「……!」


みゆき「ど、どうしたの、れいかちゃん? 顔が青いよ?」

れいか「キャンディの指した方向には……商店街が……!」


4人「!!」


あかね「せやったら、もしかして……!」

れいか「……買い物に行ったはるかお姉さんが……危ない……! 行かないと……!」

ポップ「ムチャでござる、れいか殿! そのような体では、まともに戦えないでござる!」

れいか「でも……でも……! このままでは、はるかお姉さんが――」


ガシッ


なお「れいか、落ち着いて」

れいか「……なお……」


160レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:07:14.511W6pFsb/0 (46/81)

なお「れいか。はるかさんも、デスペアランドも、あたし達が絶対何とかするから。今は自分のことを大事に考えて、ゆっくり休んでて」

みゆき「お願い、れいかちゃん。もしそれで、れいかちゃんに何かあったら、わたし……!」

れいか「……なお……みゆきさん……」


あかね「うちらのこと、信じたってや。バッチリやったるから」

やよい「そうだよ! わたし達は、みんなの笑顔を守るスーパーヒーローなんだから! 任せてよ!」(ピース)

れいか「……あかねさん……やよいさん……」


れいか「……わかりました……。……皆さん……、はるかお姉さんのこと……よろしくお願いします……!」

みゆき「もちろん! 行こう、みんな!」

あかね・やよい・なお「うんっ!」


161レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:09:47.831W6pFsb/0 (47/81)

~ 七色ヶ丘市 商店街 ~

はるか(ちょっと奮発しちゃった。老舗和菓子屋 "名花" の羊かん、れいかちゃん、みんな、喜んでくれるかな……)


ズンッ ズンッ


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ……!」


はるか「……え……!? な、何これ……。確か、薬屋の人形の "カエルのケロちゃん" ……!? でも、大きすぎる……!」

はるか「……そういえば、前にもこんな事が……あったような……」


買い物客A「……うっ……うぅ……」

買い物客B「あぁ……」


はるか「他の人たちも、どうしたの……!? あんな怪物がいるのに、うずくまって動かない……!」


シアンナ「そこにいる人間達は心を吸われているから動けないのよ。以前のあなたと同じようにね」

はるか「!! あなた……確か、ショッピングモールで会った……!」

シアンナ「久しぶりね。また会うとは思わなかったわ」


162レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:12:18.581W6pFsb/0 (48/81)

はるか「……一体、あなたは何者なの!? 何をしているの!?」

シアンナ「答える必要はないわ。アキラメーナ、心を吸いなさい」パチンッ


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」


ズワァァァァァッ…


はるか「……あっ……うっ……。……また、力が……抜けて……」


バタッ


シアンナ「またあなたに邪魔をされてはかなわないわ。しばらく眠っていなさい」


ザッ


やよい「! みんな、あそこ!」

なお「はるかさんっ! ……間に合わなかった……!」


163レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:13:41.031W6pFsb/0 (49/81)

シアンナ「来たわね、プリキュア」

あかね「またあんたかいな! はるかさんやみんなをこんなにしよって……許さへんで!」

シアンナ「ふふ、許すも許さないも好きにしたらいいわ。プリキュア、私の作ったアキラメーナはさらに力を増している。今までのようにいくとは思わないことね」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」

なお「すごい自信……! アキラメーナ、前よりもっと強くなってるの……!?」


みゆき「……でも、どんなにスゴくったって、わたし達のやることは変わらないよ! みんな、変身しよう!」

あかね・やよい・なお「うん!」


164レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:14:38.061W6pFsb/0 (50/81)

妖精達「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

4人「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー! ゴーゴー! レッツゴー!!


ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」

サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」

ピース「ぴかぴかぴかりん♪ じゃん・けん・ポン!(チョキ) キュアピース!!」

マーチ「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」


165レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:16:54.691W6pFsb/0 (51/81)

シアンナ「……4人だけ? キュアビューティはどうしたの?」

サニー「ビューティは用事があって来られへんのや! 心配せんでも、うちら 4人だけで十分やで!」

シアンナ「よく分からないけれど、チャンスのようね。アキラメーナ、行きなさい」


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ドシンッ ドシンッ


マーチ「みんな、気をつけて! あの人形のアキラメーナ、突っ込んでくるよ!」

サニー「だいじょーぶやって! あんなマヌケな人形のパンチ、うちが受け止め――」

シアンナ「――られるかしら?」ニヤッ

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


ガシッ!


サニー「……え? 何やコレ、全然止まらへん……!」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


ドガァァァンッ!


サニー「……ぅぁっ……!」

ピース「サニー!」

シアンナ「余所見をしている暇はないわよ、キュアピース」

ピース「えっ――」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ドガッ

ピース「きゃぁぁっ!?」


ドガァァァンッ!


166レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:18:37.731W6pFsb/0 (52/81)

ハッピー「……サニー……ピース……!」

キャンディ(デコル)「あっという間にやられちゃったクル……!」

マーチ「本当に強い……! 今までとは比べ物にならない……!」

シアンナ「言ったでしょう。"今までのようにはいかない" と」


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ

ハッピー「わわっ!?」バッ

マーチ「ハッピー! とにかく逃げ回って! こんなパンチ、一回でも当たったらマズいよ!」

ハッピー「う、うん! わかった!」

シアンナ「いつまでそうしていられるかしら。じっくり見させてもらうわ」


167レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:20:34.461W6pFsb/0 (53/81)

~ 青木家 れいか自室 ~

ドスゥゥゥン… ドスゥゥゥン…


ポップ「地響きがここまで聞こえるでござる……。皆の衆、苦戦しているのでござろうか……?」

れいか「…………」ムクリ

ポップ「! れいか殿! 寝ていなければダメでござる! 皆の衆とも約束したでござろう!?」

れいか「……でも……アキラメーナは……どんどん強くなるのでしょう……? ではやはり…… 5人揃わなければ……!」

ポップ「しかし……!」

れいか「……もう、決めました……。皆さんには……心配をおかけすると思いますが……私は行きます……! 皆さんと……はるかお姉さんを……助けるために……!」

れいか「だから……お願いです、ポップさん……。私に……力を貸してください……!」

ポップ「れいか殿……」


168レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:22:25.311W6pFsb/0 (54/81)

ポップ「……れいか殿は、見かけによらず、ガンコなところがあるでござるなぁ」

ポップ「デコル・チェーンジ!」


ポンッ


ポップ(デコル)「行くのであれば、変身してから行くでござる。その方が大分ラクでござろう?」

れいか「……! ポップさんっ……!」

ポップ(デコル)「……れいか殿の願いはできるだけ叶えてあげたいでござる。そのために、拙者もありったけの力を貸すでござるよ。それが、"パートナー" というものであると、拙者は思うでござる」

れいか「……ありがとうございます……!」


ペロー「…………」


169レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:23:30.431W6pFsb/0 (55/81)

ペロー「……れいかさん、待ってくださいペロ!」

れいか「……ペローさん……?」

ペロー「行くなら、ぼくも連れていってほしいペロ! 試してみたいことがあるんだペロ!」

れいか「試したい事……?」


170レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:24:56.811W6pFsb/0 (56/81)

~ 七色ヶ丘市 商店街 ~

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ

ハッピー「はぁっ……はぁっ……わっ!?」バッ

マーチ「はぁっ……はぁっ……さすがに……疲れてきた……! ハッピー、大丈夫!?」

ハッピー「な、なんとか……! でも、ちょっとツラくなって……きたかも……!」

マーチ「避けてばかりで攻撃もできない……! どうしたらいいの……!?」


シアンナ「そろそろ体力も限界のようね。アキラメーナ、一気にトドメを」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


マーチ「……!? 脚が……重い……!? 避けきれない……っ!」

ハッピー「マーチ!」


171レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:26:23.791W6pFsb/0 (57/81)

バッ


ビューティ「ビューティ……キック……ッ!」ドカッ

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アガッ!?」グラッ


ズドォォォォン!


シアンナ「キュアビューティ! パンチを蹴って、軌道を逸らした……!? もう少しのところを……」


マーチ「ビューティ……!? 何で来たの! 寝てなきゃダメだって言ったのに!」

ビューティ「ごめんなさい……マーチ……。でも……っ! 苦しんでいる皆さんを見捨てる事は、私にはできませんでした……!」

マーチ「ビューティ……。……こっちこそ怒鳴ってゴメン。助けてくれてありがとう」


ビューティ「それに……、私が来たのは……皆さんを助けるためだけでは……ないの。もしかしたら……大きな希望が産まれるかも……しれない……」

マーチ「大きな……希望?」


172レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:27:40.461W6pFsb/0 (58/81)

シアンナ「結局来たのね、キュアビューティ。でも……」


ビューティ「はぁっ……はぁっ……!」ガクッ

ハッピー「ビューティ……! やっぱり病気が……!」


シアンナ「不調のようね。それでは来たところで意味が無い。わざわざやられに来てくれたのかしら」


サニー「……そんなこと……あらへんで……!」ググッ

ピース「……そうだよ……! ムリしてでも助けてくれたビューティは……わたし達に勇気をくれたよ……!」ググッ


シアンナ「……まだ立ち上がれるのね。大したものだわ」

シアンナ「でも、一人は不調。二人はダメージを負っている。二人は疲れて動けない。それで何ができるの?」


ハッピー「わたし達は……どんなピンチも…… 5人で乗り越えてきたの……! だから……!」

ハッピー「5人揃えば、絶対に負けない……っ!」


173レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:28:46.191W6pFsb/0 (59/81)

シアンナ「……アキラメーナ」パチンッ

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


ドガァァッ!


ハッピー「うあぁぁっ!?」

4人「ハッピー!!」


シアンナ「キュアハッピー。今の言葉、もう一度言えるかしら。その有様で」

ハッピー「う……くっ……!」


シアンナ「現実を見なさい。今のあなた達ではどうしようもないわ。何をしても無駄よ」

シアンナ「大人しく、諦めることね」


4人「……!」


174レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:29:36.531W6pFsb/0 (60/81)

はるか(…………)

はるか(……動けない……。頭が……働かない……。自分の体じゃないみたい……)

はるか(私……、なんでここに……いるんだっけ……。わからない……何も……)


ガサッ


はるか(……? 手に……何かある……。袋……?)


はるか(……あ……そうだ……。私……、れいかちゃんの……みんなのために……羊かんを買ったんだった……)

はるか(ここの羊かん……おいしいんだよね……。……みんな……きっと喜んでくれるだろうな……)


175レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:30:38.521W6pFsb/0 (61/81)

はるか(……そうだよ……。私、帰らなきゃ……れいかちゃんちに……。……病気で……つらい思いをしてるれいかちゃんを……喜ばせてあげなきゃ……!)


はるか(……れいかちゃんを……みんなを……笑顔にしてあげなきゃ……!!)


176レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:33:01.491W6pFsb/0 (62/81)

パァッ…


はるか(……何? 目の前に……光が……見える……。藍色の……光……?)


ペロー「スマイルパクトが光ってるペロ。……やっぱり、ぼくのパートナーはあなただったペロ。藍沢 はるかさん」


はるか(……え……? ネコが……しゃべってる……? 夢……なのかな……?)


ペロー「はるかさん。あなたには力があるペロ。みんなを笑顔にするための力が。ぼくと力を合わせれば、その力を使うことができるようになるペロ」


はるか(……みんなを……笑顔に……する力……)


ペロー「もし、はるかさんがみんなを笑顔にしたいのなら、この光をつかむペロ。そして、願いを込めて叫ぶペロ」


ペロー「"プリキュア・スマイルチャージ" って」


はるか(…………)


177レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:34:15.081W6pFsb/0 (63/81)

はるか(……ほしい……)


はるか(……みんなを笑顔にする力……。もしそんな力が私にあるなら……ほしい……!)


はるか(……れいかちゃんを……みんなを……笑顔にするために……!!)


178レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:35:19.501W6pFsb/0 (64/81)




ガシッ


はるか「プリキュア……スマイルチャージ……!!」






179レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:36:25.831W6pFsb/0 (65/81)

バァァァァァァッ!!


シアンナ「っ!? な、何、この光は!? 目を開けていられない……っ!」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「ア、アガァッ……!?」ブンッ ブンッ


ハッピー「……なに……?」

サニー「な、なんやこれ……!? すごい光や……!」

ピース「藍色の……光……!?」

マーチ「……あれ? あの光の中心のところにいたのって……確か……!」

ビューティ「……ペローさんの……言う通りでした……! 6人目のプリキュアは……あなただったんですね……!」


180レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:38:05.861W6pFsb/0 (66/81)

ゴー!

ゴーゴー! レッツゴー、ノーブル!!


キュアノーブル「さらさら流れる気高きせせらぎ! キュアノーブル!!」


181レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:39:42.481W6pFsb/0 (67/81)

5人「キュア……ノーブル……!」


シアンナ「キュア……ノーブル……!? 6人目の……プリキュア……!?」


ノーブル「キュア……ノーブル……? え……?」


ノーブル「…………うわっ、な、何これ!? なんかヘンなカッコになってる!!? え、何!? 何で!!?」

サニー「あ、やっぱはるかさんみたいな人でも驚くんやな。みんな、最初はあんな感じやったもんな」


182レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:41:19.291W6pFsb/0 (68/81)

ペロー(デコル)「落ち着くペロ、ノーブル! 今のあなたは伝説の戦士 "プリキュア"、キュアノーブルだペロ!」

ノーブル「あ、さっきのネコの声? でも、な、何? で、伝説の戦士? "プリキュア"? 何それ、何なの??」

ペロー(デコル)「プリキュアになったら、すごいパワーが身につくペロ! そのパワーで、あの悪いやつをやっつけるペロ!」

ノーブル「あの悪いやつって……」


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ……!」


ノーブル「……あの怪物のこと?」

ペロー(デコル)「そうペロ!」

ノーブル「……さ、さすがにムリじゃないかな……。あんなに大きいの……!」


183レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:42:48.241W6pFsb/0 (69/81)

シアンナ「まさか、ここに来てプリキュアが増えるなんて……! それにあのプリキュアは、以前、私の邪魔をしたあの少女……。やはりただ者ではなかった……!」

シアンナ「でも……」


ノーブル「ダ、ダメ……、頭がついていかない……! 何が起こってるの……!?」


シアンナ「急激な変化に戸惑っているようね。それならば、力を発揮される前に倒す……! アキラメーナ!」パチンッ

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


ノーブル「わっ! な、殴りかかってきた!?」

ペロー(デコル)「ノーブル! プリキュアのパワーでどうにかするペロ!」

ノーブル「だから何なの、それ!? そんなパワー知らないよ!」

ペロー(デコル)「……わぁっ! パ、パンチがもう目の前に――」


ノーブル(……あれ? でも、このパンチ、見える。大きいだけだ。それなら、いつも通りに――)スッ


スルッ


ドガァァァァン!


シアンナ「……!? 外した……? あの距離で……!?」

アキラメーナ(薬屋の人形型)「?? ?? アガ??」


ノーブル「――いなせた」


マーチ「あ、あれって……!」

ビューティ「はるかお姉さんの合気道の技です……! 腕を横からほんの少し押すことで、パンチを逸らしたのです……!」


184レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:44:22.411W6pFsb/0 (70/81)

シアンナ「一体何が……!? ……アキラメーナ、もう一度よ!」パチンッ

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アキラメーナァ!」ブンッ


ノーブル「それなら……」


スカッ ガシッ


シアンナ「また避けた……!? いえ、それだけじゃない……。アキラメーナの腕をつかんで……」

ノーブル「んっ!!」


ギュルッ


ドガァァァァン!!


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アガァッ!?」


シアンナ「!? アキラメーナが転ばされた……!? 何なの、あれは! 一体何をしているの!? どうして、ああも簡単にあしらわれる!?」


ピース「あれも合気道の技だね!」

サニー「前におっかない兄ちゃんに使ってた技やな!」


ノーブル「……すごい……。いつもと全然体のキレが違う……! これなら……いける!」


185レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:45:41.751W6pFsb/0 (71/81)

ペロー(デコル)「ノーブル、チャンスペロ! 今のうちにやっつけるペロ!」

ノーブル「わかった。任せて!」


ノーブル「……でも、"やっつける" って、どうしたらいいの?」

ペロー(デコル)「あ、それは――」

ビューティ「はる……キュアノーブル……! スマイルパクトに……気合を込めて下さい……! あなただけの浄化の力が出るはずです……!」

ノーブル「え? あなたは誰? 私と同じような格好してるけど……」

ビューティ「説明は後でします……! やってみてください……!」

ノーブル「気合……、浄化の力……、よくわからないけど……やってみる!」


186レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:47:02.881W6pFsb/0 (72/81)

ノーブル「すぅーー……、はぁーー……、すぅーー……、はぁーー……」

ビューティ「あれは……合気道の呼吸法……!」

ハッピー「スマイルパクトに光が溜まってく! あれならいけそうっ!」

ノーブル「(カッ)」


ノーブル「プリキュア! ノーブル・ストリィィームッ!!」


ドォォォォォォォォンッ!!


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アガァァッ!?」


サニー「これ……水や! すごい勢いの水が出たで!」

キャンディ(デコル)「ノーブルの浄化の力は "水" クルぅ!」


187レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:48:41.981W6pFsb/0 (73/81)




※作者注
 設定上、ビューティは水と氷の力を持ってるらしいですが、本作『レインボー!』では氷のみとし、
 代わりに新プリキュア・キュアノーブルが水の力を持っていることにさせていただきます。
 原作でもビューティの水要素はほとんど(全く?) なかったような気がするので。。





188レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:50:17.341W6pFsb/0 (74/81)

アキラメーナ(薬屋の人形型)「アガ……ァッ……!」グググッ

ノーブル「……あれ? やっつけられてない? すごいパワーだったのに……!?」

ハッピー「でも、今がチャンスだよ! みんなっ!」

4人「うん!」


ハッピー「プリキュア! ハッピー・シャワーァァッ!!」

サニー「プリキュア! サニー・ファイヤーァァッ!!」

ピース「プリキュア! (ピシャァン!) ひゃぁっ! ピース・サンダーァァッ!!」

マーチ「プリキュア! マーチ・シュートォォッ!!」

ビューティ「プリキュア……! ビューティ・ブリザード……!!」


ドドドドドォォォォォォォォンッ!!


アキラメーナ(薬屋の人形型)「アガァァァァァ……」シュワァァァァ…

ノーブル「……すごい……! 今度こそやっつけた……!」


シアンナ「くっ……、またしても……! 6人目のプリキュア……、キュアノーブル……!」


シアンナ「……しかし、私達の力も確実に強くなっている。プリキュア、次こそは……!」シュバッ


189レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:51:12.731W6pFsb/0 (75/81)

パァッ


はるか「あ、元に戻った」


れいか「(フラッ)」バタッ


なお「れいか!」

みゆき「れいかちゃん!」


はるか「え? れいかちゃん? っていうか、みんな? 何でここにいるの……?」

はるか「……あ、もしかして、さっき私と一緒に戦った人たちって……!」


れいか「そうです……はるかお姉さん……。私達 5人はみんな、伝説の戦士 "プリキュア" なんです……。今まで黙っていて……すみませんでした……」


はるか「……! そうだったんだ……。みんな、やけに仲がいいと思ったら……。こんな秘密を共有してたからだったんだね」


190レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:51:44.711W6pFsb/0 (76/81)

はるか「……って! そんなこと言ってる場合じゃない! れいかちゃん! じゃあ、そんな体であんな怪物と戦ってたってことなの!? ダメじゃない! 自分の体を大事にしなきゃ!」

れいか「……すみません……」

はるか「ほら、急いでおうち帰ろ! おぶってあげるから」

れいか「……はい……。ありがとう……ございます……」


191レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:55:54.271W6pFsb/0 (77/81)

れいか「はるかお姉さん……。心配おかけして……すみませんでした……。……でも、私、嬉しいんです……」

はるか「嬉しい?」

れいか「はい……! 私の憧れのはるかお姉さんがプリキュア……私達の仲間だったんですから……!」

あかね「せや! はるかさんが一緒に戦ってくれるなら、百人力やで!」

やよい「すっごく頼もしいよね!」

なお「うん! 6人目がはるかさんで良かったよ!」

みゆき「はるかさん。わたし達と一緒にプリキュアやってもらえませんか!?」


はるか「…………」


192レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:56:51.121W6pFsb/0 (78/81)

はるか(私が、"伝説の戦士・プリキュア"、かぁ……。まさかこんなことになるなんて……)

はるか(みんなは今まで、あんな怪物と何度も戦ってきたのかな。私が力になれるなら、もちろん協力したい。でも……)


はるか(……また、やらなきゃいけないことが、一つ増えちゃったな……)


193レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:58:14.541W6pFsb/0 (79/81)

れいか「……はるかお姉さん……?」

はるか「……大丈夫、任せて! 私もプリキュアになったからには、バッチリみんなの助けになるから!」

れいか「……本当ですか……! ありがとうございますっ……!」

はるか「その代わり、まだ全然わからないことだらけだから、今度ちゃんと色々教えてね!」

みゆき「はい! もちろんです!」


はるか「まだまだ新米だけど……、みんな、よろしくね!」





つづく


194レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 19:59:28.571W6pFsb/0 (80/81)

次回予告

みゆき「ついに仲間になってくれた新しいプリキュア、"キュアノーブル" こと、はるかさん!」

みゆき「とっても強くて優しくて、頼りになる人だけど、いろんなものに興味津々の妖精さん・ペローには振り回されっぱなしみたい」

みゆき「はるかさんとペロー、うまくやっていけるのかなぁ……」


みゆき「次回、『スマイルプリキュア レインボー!』 "はるか困る! ペローのドタバタ大冒険!"


みゆき「みんな笑顔でウルトラハッピー!」


195レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/05(日) 20:01:24.541W6pFsb/0 (81/81)

今回はここまでです!
お読みいただいた方、ありがとうございました。


ようやく本作オリジナルの新戦士のお披露目となりましたが、
よく考えたら、高校生以上で覚醒したプリキュアって前例がないですかね。。?
(今回覚醒したはるかは高校二年生の設定です)
唯一の高校生プリキュア・ムーンライトも覚醒は中二だったような。。

……まあ、非公式なので、その辺りはなあなあでお願いします。


よかったら次回もまたよろしくお願いします!


第1話 ~ 第11話 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360385907/

第12話 >>6 から
第13話 >>117 から


196VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 20:10:32.87bL33UaZ1o (1/1)

>>187
水が使えるから氷も生み出せるんじゃないかと


197VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 20:15:29.31CNoZWX6To (1/1)

キュアノーブルの戦闘スタイルは歴代で言うところの
キュアホワイトみたいな感じなんですかねぇ…


198VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 20:51:44.26tSU4H2Fo0 (1/1)

乙!




199VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 21:44:46.45hd8HV8yfo (1/1)



敵が青系統だから藍は寝返り枠かと思ってた


200ボーズ2013/05/06(月) 13:07:24.784sCBJs/w0 (1/1)

レインボー様お疲れ様です。ご健康、祈ってます


201HapeyRubbit2013/05/06(月) 21:00:01.745BAK1wkU0 (1/1)

>>199

いや、今の段階でセルリアがデスペアランドを裏切るとは思えないぞ


202VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/06(月) 22:36:04.06EyVljaAAO (1/1)

もしかしてSSやハトの後日談書いた人?


203レインボーさんへ9532013/05/07(火) 20:53:42.33Nc1n3ToA0 (1/1)

こんばんは。お久しぶりです。只今、書き込み読みました。簡単に言えばそうです。私はスマプリの中でこの組み合わせが一番好きなんです。この二人を「プリキュア5」のココとノゾミのように深く物語に絡ませなかったのはもったいないことだと今でも思っていますし、原作を忠実にしているのならば第一話もアニメの第一話と同じような登場人物を出して、ストーリを進行するべきではなかったのでしょうか?
それから、以前書いた「この子とこの妖精の組み合わせがイメージし辛い」と書きましたが、具体的にいうとアカネとウルルンのことなんです。私達アニメを観ていた人達だったらこの組み合わせは理解できるかもしれませんが、新規の人の場合はどうでしょうか?アカネのシンボルである太陽と狼の組み合わせは映像化された場合一瞬にして受け入れられるでしょうか?自分もサニーのコスチュームを想像してみましたが、やはりイメージがわきません。もし、サニーの『太陽』を全面的にプッシュするのであれば太陽のイメージに合う妖精とのほうがいいとおもいます。
 後、最後に質問ですが「キスがプリキュア的には刺激が強すぎる」の意味が良く分からないのですが・・・私はそんなに刺激的には感じませんでしたし、ディズニー映画観ていてもいやらしく思ったことはありませんでした。何でプリキュアだと刺激的にとらえられるのかが理解出来ません。
 乱雑な長文になりましたが、今日はこの辺で失礼させて頂きます。前回と今回の作品の感想はまた次回にさせて頂きます。それでは、お体に気をつけて次回作も楽しみにしています。おやすみなさい。


204VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/08(水) 01:44:09.26/SxfnuZFo (1/1)

>>203「原作を忠実にしているのならば第一話もアニメの第一話と同じような登場人物を出して、ストーリを進行するべきではなかったのでしょうか?」この「レインボー!」の第一話にウルルンを出すべきってこと?
「プリキュア5」の続編の「5GoGo!」の第一話も、新キャラのシロップと悪者のスコルプの出番が多めで、「プリキュア5」の一話で出てきたココの出番は少なかった気がするぞ。

「後、最後に質問ですが「キスがプリキュア的には刺激が強すぎる」の意味が良く分からないのですが…」それは保護者とか親御さんがキスは刺激が強いと思ってるからでは……。
「フレッシュ」の美希がスクール水着で登場しただけで、そういうとこから苦情来るんでしょ?本当かどうかは知らないけどさ(そのあとのプリキュアシリーズから水着シーン消滅したから本当なんだと思うけど)。
そんな人たちが「キスしてパワーアップ」な場面を見て黙ってるとは思えないし、アニメの「スマプリ」もそういう保護者の事を意識して作られたと思う。
だから「プリキュア」でキスはちょっとまずいし、原作を意識するならこの「レインボー!」でもキスはできないってことじゃないかな?
「5GoGo!」の劇場版ではキスしてたけど、それ以降やってないしね(っていうか恋愛要素そのものがハートキャッチ以降減った気が……)


205204へ2032013/05/08(水) 11:53:17.57FvWQR/IO0 (1/1)

只今、書き込み読ませて頂きました。自分は「プリキュア5gogo」まだ未視聴だから何とも言えないけれど・・・そんなに目くじら立てる必要は無いと思うな。むしろ、女の子作品からそういう恋に対する憧れ要素を取ってはいけないと思う。最近の女の子向けアニメ作品ってそういうのが消えかかっているような気がする。これは自分論だが、昨今の少子化問題などはコレが原因の一つなのかもしれないと思っている。「○○だからこれはしない」という考えはいずれ通用しなくなるだろう。
後、自分が言いたかったことは「もう少しドラマ性のあるストーリー展開要素があればいいな」ということです。コレに関しては次回具体的に語らせてもらいたいのでお時間を下さい。


206204へ2032013/05/08(水) 16:05:56.38GhxwT0bR0 (1/1)

具体的に第一話の後半パートを例を挙げると以下のような流れです。

前スレ 44行目(そのまま)

~七色ヶ丘市 公園(上空)~
    124行目(そのまま)
    45行目(そのまま)
    46行目
キャンディ「へぇっ、へぇっ、何とか、それだけ、出せたクルぅ・・・(バタッ)」
みゆき「キャンディ?!」
青髪・長身の女性画家「見つけたわよ」
みゆき「(パクトをギュッと握り締め)キャンディ、ありがとう」
 ザッ!
女性画家「?」
みゆき「町の人達やキャンディをこんな目にして・・・良くわかんないけど、絶対許さないんだから!」
女性画家「何をするつもり?」
みゆき「プリキュア!スマイルチャージ!!」
 シーン・・・
みゆき「・・・」
女性画家・アキラメーナ(樹木型)「・・・」
みゆき「あ、あははは・・・キュアデコルがないや。これじゃあ変身できない、よね・・・あ、あははは・・・」
女性画家「アキラメーナ・・・やってしまいなさい」
アキラメーナ「アキラメーナァ!」┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ!
みゆき「うひゃあぁぁぁぁぁっ!」ダダダダダッ
女性画家「何なの、あの子・・・ものすごい疲れるわ・・・一体、何なの・・・?」


207204へ2032013/05/08(水) 19:07:49.01PDKUeqdz0 (1/1)

アキラメーナ「アキラメーナァ・・・!」
みゆき「キャンディキャンディ起きてよ、キャンディ!!気絶するならキュア・・・キュアデコルも出してからにしてぇっー!」
アキラメーナ「アガァ!」ブンッブンッ
 ドンッ!ドォォン!
みゆき「わっ!ひゃっ!あっ!」
 ガッ ドタッ
みゆき「あいたた・・・」
女性画家の声「全く、手間ばかり取らせて・・・」
みゆき「あ・・・」
女性画家「追いかけっこはもうお終いよ。アキラメーナ、トドメよ」
アキラメーナ「アキラメーナァッ!」ブンッ
みゆき「(目をつむり)・・・!!」
????「ちょっと待ったぁぁぁっ!!」(130行目 抜粋)
みゆき・女性画家・アキラメーナ「???」
 カァァァァァッ!ドバァァァァァッ!!
アキラメーナ「アガァッ!」ドォォォン!
女性画家「ア、アキラメーナが吹き飛ばされた!?これは・・・桃色の光!?何が起こったの!?」



208204へ2032013/05/09(木) 05:36:54.05cXItV8660 (1/1)

~桃色の光の中~

みゆき「・・・あれ?わたし、無事なの・・・?」
 ガンッ
みゆき「いたっ!?な、何?・・・!(拾い)これ、絵本だ。『赤ずきん』・・・?」
????「何とか間に合ったウル」
みゆき「え?」
????「危ないところだったな、クイーン。それにキュアハッピー」
みゆき「あ、あなたは・・・!」

  次回へ続く


と、まあこんな感じだったら読者をより物語の世界に引き込めたかな、と思っています。


209VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/10(金) 12:42:55.55O8Y+1nYUo (1/1)

>>1「キスがプリキュア的には刺激が強すぎる」

>>203「(キスが)なんでプリキュアだと刺激的にとらえられえるのか理解できない」

>>204「(キスしたら)親や保護者から苦情が来るからでは」

>>205「女の子作品からそういう恋に対する憧れ要素を取ってはいけないと思う」←「そういう恋に対する憧れ要素」がキスの事なのかな?

>>205で言ってる「女の子作品からそういう恋に対する憧れ要素を取ってはいけないと思う」って意見そのものは個人的には正しいと思う。
だけどフレッシュ以降のプリキュアが、「恋愛要素は出すけどキスはしない」みたいな感じに現実としてなってるんだから仕方がないよ。
「プリキュアも変身アイテム等を売る商売」という要素があるのだから、玩具を買う子供の保護者が出した意見は無視できない。
「プリキュアだからキスはしない」っていうのが通用しなくなるのは、保護者の意識が変わった時なんだからいつになるか分からないし。

制作側だって親から大量に苦情が来ない範囲で、「スマイル」のあかねとブライアンや「スイート」の奏太とアコのように、
「恋に対する憧れ要素」として恋愛要素を入れようと頑張ってるんだから、>205が編集者っていう一社会人ならばそういう現場の事もわかってあげてほしいな。

>>206-208これ「203へ」じゃなくて「レインボーさんへ」の方がよかったんじゃない?
第1話で変身できないっていうのは今までになかったはずだし、テンポ的にきついんじゃないかな……
プロローグでかなり時間を取った「スイート」でも1話の最後にはキュアメロディとキュアリズムに変身したし、5の続編の「5GoGo!」は最後に5人全員が変身したはず。

仮に1話が>>208で終わったとすると、2話が「????」からの解説・変身・敵を撃破でおそらく前半が終わるので、
2話で出るはずのキュアサニーの出番が削られる。これは「ドキドキ」の六花みたいに3話に回せばいいんだけど。
ただ、ウルルンでみゆきが変身したとすると、サニーの分の新キャラの妖精を持ってこないといけないので「5人中1人だけパートナーが新キャラ」という状態になる。
>>1が5人全員を平等に扱いたいならそういう事はしたくないでしょ。


210VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/10(金) 13:30:05.28+4fvX+uIo (1/1)

長文レスは読む気しないから分からんが>>1が書きたいように書くのが一番だと思うな


211VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/11(土) 01:28:45.08CzwGvCC9o (1/1)

>>210 簡単にまとめると
編集者さんがウルルンがみゆきのキスでパワーアップという案を出す
         ↓
>>1が、「(案に対して)おお!と思った。でも(キスが)プリキュアとしては刺激が強いかな、とも思います」と返す。
         ↓
編集者さん「(キスが)何でプリキュアだと刺激的にとらえられるのかが理解出来ません」と反論
         ↓
外野の>>204「(プリキュアでキスしたら)親や保護者から苦情が来るからでは」
         ↓
編集者さん「キスに目くじらを立てる必要はないと思うし、女の子作品からそういう恋に対する憧れ要素を取ってはいけないと思う」
         ↓
外野の>>209「現実にプリキュアでは「キスしない」みたいな感じになってるし、それは商売としての都合があるから仕方がない」

簡単に言えば

>>1の「キスがプリキュアとしてはちょっと刺激が強い」という考えに反対する編集者さんVS外野(キスがNGな理由を説明)

あと、編集者さんが「第一話はこうしたら読者を引き込めたのでは?」って>>206-208の案を出してる。


212VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/11(土) 11:54:42.90Tzg/gZbAO (1/1)

編集者()さんキモすぎワロタ


213投稿者の皆々様へ2013/05/11(土) 12:40:33.95U0QoZEVM0 (1/1)

 こんにちは。今、書き込みを読ませて頂きました。『編集者』です。皆さん、色々貴重なご意見有難うございます。私は作者(さん)同様「スマイル」から入ったにわかなので「プリキュア」という作品がどういうものか分かりません。だから、今過去の作品を一生懸命観ている最中です。
 私は、ある二次創作サイトがきっかけでこの作品を知りました。それからyoutubeなどの動画サイトを見てハマリました。そして、心の中で「これは上手くすれば『美少女戦士セーラームーン』を超える大ヒット作品になるんじゃないか」と内心思っていました。しかし、本編を見るにつれ、ストーリー展開の進行に違和感を感じ、45話で視聴を切りました。なので、最終回は観ていません。今でも、私はもっと時間をかければ(キャラの設定やストーリー進行などを納得がいくまで会議をする)きっと良い作品になったのになぜ、ああなってしまった・・・と、製作側に問いたい気持ちでいっぱいです。「せっかくのチャンスをなぜ上手にいかさなかったのか」とてももったいないことだと思っています。
 こちらの作者さんが自分の意見を聞いてくれたのがとても嬉しかったので作品のさらなる発展を願って色々とアドバイスやアイデアを出していたのですが、少し独りよがりなところがあったみたいなので(本当は今回も作品に対して言いたいことがあるのですが・・・)しばらく、コメントを控える事にします。勝手ですが、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。



214VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/11(土) 13:53:38.94UL5zDHDDO (1/1)

>>213 意見や案を出して他の人や作者と激突する分には良いんじゃない?
スマイルの1年前に放送したスイートプリキュア♪も、主人公の2人が何度も喧嘩して、それを通じて仲を深めていく感じだった。

スマイルの全体を通じてのストーリー展開に不満を感じた人は、ネット上に結構いるみたいだし、着眼点はおかしくないと思う。
ちょっと「ウルみゆ」に拘り過ぎたかもしれないけど、作家が編集に意見をもらって内容に反映させるように、
編集である>>213も自分のコメントに意見されたら、それに反論するなり次のコメントに反映させればいいんじゃない?
一回編集に自分のアイデアを否定されただけで、書くのやめちゃう作家なんていないでしょ?(いるかもしれないけどさ)

もちろん、論争するなら>>1の迷惑にならない程度にしないといけないけど


215VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/11(土) 15:27:25.08/ZMnFex5o (1/1)

>>211だけ読んだがそもそもキスなんて原作に全く出ないような要素を入れたら雰囲気が原作とは変わってきちまうだろ
5だったら恋愛もありかもしれんがスマイルは友達同士でわいわいやるって感じだったろ


216VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/11(土) 23:43:35.03zSdHeroqo (1/1)

そもそもプリキュアを見てる層の女の子は恋愛にあまり興味持たないって言われてるしね


217VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/12(日) 06:39:59.48hqcUEvjAO (1/1)

そもそもプリキュアで議論してる時点で恥ずかしいんだが


218レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/12(日) 08:53:41.32u3w4P0c30 (1/1)

『スマイルプリキュア レインボー!』 のお時間ですが、
執筆が思うように進まず、14話の完成が間に合いませんでした。。

楽しみにしてくださってる方には大変申し訳ないのですが、
今週は一回お休みということにさせてもらえればと思います。

…スミマセンでしたー! ら、来週こそは必ず。。


あ、ただ、念のため補足ですが、
"編集者"さん(で、いいですか?) や皆様のレスのせいとかでは全然ありません。
単に自分が未熟で筆が詰まっただけです。精進します。。


それでは、よければ来週またお願いします!


第1話 ~ 第11話 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360385907/

第12話 >>6 から
第13話 >>117 から


219VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/12(日) 12:17:01.793jcFsZ6K0 (1/1)

仕方ないね
来週期待


220214へ編集者2013/05/19(日) 07:43:00.26DAf4Dlzz0 (1/1)

 おはようございます。あなたの投稿を読んで、少し、気が楽になりました。ありがとうございます。


221レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:16:35.47ypAfLIV40 (1/98)

二週間ぶりのご無沙汰でした!

なんか色々ご意見いただいていたのでお返事返したかったんですが、
14話完成するまで落ち着かなくて、放置気味になってしまいまいした、、スミマセン!

もう 14話は完成してますので、この後アップします!
その後お返事やらさせていただきますね。


よろしくお願いしますー!


222レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:28:01.40ypAfLIV40 (2/98)

『スマイルプリキュア レインボー!』

このあとすぐ!


223レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:30:14.39ypAfLIV40 (3/98)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

ポップ「――以上で、プリキュアに関する説明はおしまいでござる。何かわからないことはあるでござるか、はるか殿?」

はるか「ありがとう、……えっと、ポップ君だっけ。大体わかったよ」


はるか「"プリキュア" は "メルヘンランド" っていうおとぎ話の国に伝わる伝説の戦士で、私もそれになった」

はるか「そのメルヘンランドと親しかった "ピクチャーランド" っていう絵を司る国があって、そこを滅ぼした "デスペアランド" っていう悪い国が、私達の世界も狙ってる」

はるか「だから、私はプリキュアとしてみんなと力を合わせて、デスペアランドと戦っていかないといけない」


はるか「こんな感じだよね?」

ポップ「うむ、その通りでござる。その証拠に、この本を見てみるでござる。はるか殿のプリキュア・キュアノーブルが描かれているでござろう?」ペラッ

やよい「ホントだぁ! プリキュアの絵本の藍色のページがキュアノーブルになってる!」

キャンディ「新しいプリキュアが増えると、プリキュアの絵本の絵も増えるクル!」

はるか「キュア、ノーブル……。これが私……。平和を守る、伝説の戦士……」


はるか「……わかった。私、やるよ! プリキュアになったからには精一杯戦って、みんなの平和を守ってみせる!」

あかね「燃えてますなぁ、はるかさん! 頼もしいですわ!」

はるか「任せて! 中学生のみんなが頑張ってるんだもん。みんなを危ない目に合わせないためにも、高校生の私はもっと頑張らなきゃ!」


224レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:31:05.10ypAfLIV40 (4/98)

はるか「それで、キミがプリキュアに変身するために力を貸してくれるパートナーのペロー君、だよね」

ペロー「はいペロ! 長靴ネコの妖精のペローっていいますペロ。はるかさん、よろしくお願いしますペロ!」

はるか「うん、こちらこそよろしく!」


なお「はるかさん、ペローとも仲良くやっていけそう。よかったね、れいか。頼もしい仲間が増えて」

れいか「ええ、本当に……! はるかお姉さんならきっと素晴らしいプリキュアになってくれるはずです!」


みゆき「よぉーし、それじゃあ、新しいプリキュアも増えたことだし! これからも、みんなで力を合わせてガンバろーっ!」

全員「おぉーっ!」


225レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:31:52.90ypAfLIV40 (5/98)

~ 解散後 七色ヶ丘市 商店街 ~

ヒョコッ


ペロー「はるかさん、ここは何ペロ? 何だかにぎやかで、楽しそうペロ!」

はるか「ペロー君、カバンの中からあんまり顔出しすぎないでね。ペロー君みたいな生き物はこっちの世界にはいないんだから、見つかったら大騒ぎになっちゃうよ」

ペロー「ご、ごめんなさいペロ」


はるか「ここはね、商店街って言って、色んなお店がたくさん集まってる通りなんだよ」

ペロー「へええ……!」キラキラ

はるか「あ、そっか。ペロー君、私達の世界に来たばっかりなんだっけ? 色々珍しかったりするのかな?」

ペロー「はいペロ! 初めて見るものばっかりですペロ! はるかさん、どこか寄って行かないペロ!?」

はるか「うーん……、買い物してもいいんだけど、遅くなっちゃったし……。今日はもう帰ろう?」

ペロー「そうペロ……。残念ペロ……」

はるか「ゴメンね、ペロー君。また今度来ようね」

ペロー「……はいペロ」


226レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:32:39.73ypAfLIV40 (6/98)

はるか(……それにしても、"プリキュア"、ねぇ……。世の中、何が起こるかわかんないなぁ……)


おもちゃ屋・"シークレット・トイズ" のウィンドウモニター『あなたもこれでステキに変身! "魔法少女マジカル・ムーン" の "ブライトリング"、発売中!』


はるか(よく考えると、このアニメみたいなことを大マジメにやってるんだよね……)

はるか(子どものころはよくごっこ遊びとかしたけど、この年でっていうのは……、冷静に考えるとちょっと恥ずかしいかも……)


はるか(……って、何考えてるの、私。これはアニメじゃなくって、ホントのこと。遊びじゃないんだから、しっかりしないと……!)

はるか(よし、頑張ろう! 私はみんなより年上だけど、プリキュアに関しては後輩なんだし、足を引っ張らないようにしなきゃ!)


227レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:33:20.58ypAfLIV40 (7/98)

~ 藍沢家 はるか自室 ~

はるか「さ、着いたよ、ペロー君。もう元に戻っても大丈夫だよ。でも、お父さんやお母さんに見つかるとタイヘンだから、あんまり騒がないようにね」


シーーーーン…


はるか「……? ペロー君? もういいんだよ、カバンから出てきても。窮屈だったでしょ?」


シーーーーン…


はるか「……ペロー君? いるんだよね? ねえ、ってば」ゴソゴソ


228レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:35:43.88ypAfLIV40 (8/98)

~ 青木家 ~


trrrrr...

ガチャッ


淳之介(れいか兄)「はい、青木で――ああ、はるか。どうかした――」

はるか(電話)『淳くん!? れいかちゃん! れいかちゃんいる!?』

淳之介「な、何だい、そんなに慌てて……。何かあったのかい?」

はるか(電話)『と、とにかくれいかちゃんに代わって! 急いで! 大変なの!』

淳之介「……よくわからないけど、とりあえず落ち着いて。今、れいかを呼びに――」


スタスタスタ


れいか「? 私がどうかしましたか、お兄様?」

淳之介「れいか。丁度良かった。今、はるかから電話がかかってきてるんだけど、急いでれいかを出してほしい、って言ってるんだ。代わってくれるかな」

れいか「はるかお姉さんが? わかりました」


れいか「はるかお姉さんですか? 代わりました、れいかです。一体何が――」

はるか(電話)『あ、れ、れいかちゃん! あ、あのね、ちょ、ちょっと大変なことになっちゃって……!』

れいか「……大変なこと? 何かあったのですか?」


229レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:36:54.84ypAfLIV40 (9/98)

はるか(電話)『……いなくなっちゃったの……!』

れいか「え?」


はるか(電話)『ペロー君がいなくなっちゃったの!』


230レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:37:21.30ypAfLIV40 (10/98)




スマイルプリキュア レインボー!

第14話「はるか困る! ペローのドタバタ大冒険!」






231レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:38:06.25ypAfLIV40 (11/98)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

れいか「――と、いうわけで、はるかお姉さんが家に帰ったら、カバンの中からペローさんがいなくなっていたそうです」

あかね「なーるほど。さっき解散したばっかやのに、急にまた集められたと思ったら、そういうことかいな」

はるか「……私一人じゃどうしていいのかわからなくって……。みんなにも探すのを手伝ってもらおうと思ったんだ……。ゴメンね、時間も遅くなってるのに……」

やよい「そ、そんな、気にしないで下さい!」

みゆき「そうですよ! わたし達、もう同じプリキュアの仲間なんですから! 一緒にガンバって探しましょ!」

はるか「やよいちゃん、みゆきちゃん……、ありがとう……」


はるか「……でも、"プリキュアとして頑張る" って言ったばっかりなのに、もうパートナーを見失うなんて……。面目ない……」シュン

れいか「はるかお姉さん、そう気を落とさずに……」


232レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:38:39.06ypAfLIV40 (12/98)

なお「それで、はるかさん、ペローがどこでいなくなったか、心当たりはないんですか?」

はるか「みんなと別れた後の帰り道で、商店街に入った辺りまでは話してたんだけど……」

れいか「では、ペローさんがいなくなったのは、商店街からはるかお姉さんの家までの道のどこか、ということになりますね」

はるか「多分……」


ウルルン「……あー、商店街か、なるほどウル。ペローがいなくなった原因、なんとなく分かった気がするウル」

はるか「え? ホント、ウルルン君?」


233レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:39:40.01ypAfLIV40 (13/98)

ウルルン「はるか、ペローのヤツ、商店街の色んな店に興味しんしんだったりしなかったウル?」

はるか「あ、そういえばそうだったよ……! "初めて見るものばっかりだ" ってはしゃいでた」

ウルルン「なるほど、やっぱりウル」

オニニン「ああ、そうか! おれ様も、ペローがいなくなった原因、わかったオニ!」


あかね「何や、二人とも。なんか知っとる感じやなぁ」

やよい「気づいた事があるなら教えてくれる?」

オニニン「おうオニ」


234レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:41:14.26ypAfLIV40 (14/98)

ウルルン「アイツ、自分が興味あるものがあると、すぐそっちに飛んでいっちまうクセがあるウル」

オニニン「例えば、おにごっこなんかしてても、キレイなちょうちょが飛んでると、遊ぶのそっちのけで追いかけていってしまうオニ」

ウルルン「そんなアイツが色んなものがあふれてるこっちの世界に来たら、ガマンできなくなってもしょうがないウル」


れいか「と、いうことはつまり、ペローさんは商店街の何かに興味をひかれ、たまらずカバンから飛び出していってしまったかもしれない、と?」

ウルルン「多分そんなところウル」

みゆき「じゃあ、ペローは商店街のどこかにいる、ってことだよね!? そうとわかれば、すぐに探しに行こうっ!」

なお「ちょ、ちょっと待ってよ、みゆきちゃん! 商店街って言っても広いよ? アテもなしに探しても、見つかるかどうか……」

みゆき「あ、そっか……。どうしよう……」

れいか「弱りましたね……」


235レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:42:04.62ypAfLIV40 (15/98)

マジョリン「……いっひっひ、どうやら、ここはあたしの出番のようだマジョ!」

なお「な、何、マジョリン? やけに自信たっぷりみたいだけど」

マジョリン「あたしにかかれば、探しものなんて朝メシ前だマジョ!」

はるか「ホント、マジョリンちゃん!?」

マジョリン「ちゃ、"ちゃん" って……。ホントはあたしの方が年上……いや、そんなことはいいマジョ。これを見るマジョ!」ゴソゴソ


ゴトッ


みゆき「水晶玉……?」

マジョリン「ただの水晶玉じゃないマジョ! これは、あたしの魔法に反応して、探し物を探す時にヒントをくれる大発明マジョ! その名も――」


マジョリン「"サガシモノサガ~ス" マジョ!」テーレッテレー


あかね「……まんまやん」


236レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:43:01.59ypAfLIV40 (16/98)

ウルルン「あーあー、出た出たウル、マジョリンの "大発明"。みんな、あんまり期待しない方がいいウル」

オニニン「そうオニ。どうせロクなもんじゃないオニ」

マジョリン「お、お前達、何てこと言うマジョ! まだ使ってもいないのに、何でそんなことわかるマジョ!?」

ウルルン「お前はバッドエンド王国にいた頃からロクなもん作ってなかったウル!」

オニニン「そうオニ! 叩いた人が小さくなる小槌の "チイサクナ~ル" とか、撮られた人が透明になるカメラの "ミエナクナ~ル" とか、光を当てられた人が巨大ロボットになる "ロボニナ~ル" とか、しょーもないものばっかりだったオニ!」

マジョリン「効果はカンペキだったマジョ! そこまで言うことないマジョ!」プンスカ


はるか「……"バッドエンド王国" って、ウルルン君達が敵だった頃の話だよね? みんな、あの子達とどんな戦いしてたの……? 今の話から全く想像つかないんだけど……」

れいか「……ま、まぁ、色々ありまして……」


237レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:43:50.13ypAfLIV40 (17/98)

はるか「……でも、効果は確か、っていうならお願いしたいな。マジョリンちゃん、ペロー君探し、頼めるかな」

マジョリン「おお、はるかは話がわかるマジョ! じゃあ、早速やってみるマジョ! お前達! "サガシモノサガ~ス" の力を見て、腰抜かすんじゃないマジョ!」

ウルルン「わかったわかった。やるなら早くやれウル」

オニニン「みんな、離れてた方がいいオニ。急に爆発とかするかもしれないから危ないオニ」

やよい「そ、そうした方がいい、かな……?」

みゆき「マジョリーナの発明品にはあんまりいい思い出ないもんね……」


ガタッ ガタガタッ


マジョリン「…………はるか以外みんな離れちゃったマジョ……。ヒドいマジョ……」

はるか「……よく分からないけど、私は信じてるよ、マジョリンちゃん。よろしくね」

マジョリン「は、はるか……。わかったマジョ! はるかのためにガンバるマジョ!」


マジョリン「サガシモノサガ~スよ、ペローの居場所を教えたまえマジョー……」

マジョリン「むむむむむ…………、カァーーーーーーーーッ!」


ピカァーーッ!


やよい「わっ!? す、水晶球が光った!?」

あかね「うぃっ!? ほ、ほんまに爆発するん!?」


238レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:44:48.61ypAfLIV40 (18/98)

ボヤァーーーッ…


はるか「! 何か出た! みんな、水晶玉に何か映ってるよ!?」

なお「え!? 本当ですか!?」


ダダダダッ


みゆき「ホントだ! 何か映ってる!」

マジョリン「これがヒントマジョ! ペローはこれに関係するところにいるマジョ!」


あかね「うん、確かになんか映っとるな。せやけど……、これ何? 建物?」

れいか「……に、しては何だか現実離れしている建物ですね。頂上に大きなアンテナがついていますし。建物の脇についているこれは……砲台でしょうか?」

はるか「なんか、ミサイル? みたいなのもついてるね……。こんな建物、七色ヶ丘にあったかな……?」


やよい「……これは……もしかして……」ジーッ

なお「やよいちゃん? この建物に見覚えあるの?」

やよい「うん……。この造型、これは……!」


239レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:46:16.08ypAfLIV40 (19/98)

やよい「……わかったぁーーっ! これ、"DXロボッターベース 定価 \4,800(税抜)" だよ!」キラキラ

あかね「…………何て?」

やよい「だから、"DXロボッターベース 定価 \4,800(税抜)"!」


やよい「頂上についてるアンテナは "ロボッターエネルギーバリア 発生装置"! 基地を守るバリアを作るの!」

やよい「脇の砲台は "ロボッターエネルギービーム砲"! 攻めて来た悪いロボットを撃ち落とすよ!」

やよい「"大爆発ミサイル" もついてる! スゴすぎて使っちゃいけないんだけど、それでもあえて使わなきゃいけないシーンが燃えるんだよねーっ!」

やよい「そして、基地全体を包むこのキラめく "超合金"!」

やよい「間違いないよ! これは "DXロボッターベース 定価 \4,800(税抜)" だよ!」


はるか「(ポカーン)……何を言ってるのか一つもわからない……」


240レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:47:14.19ypAfLIV40 (20/98)

はるか「っていうか、"ロボッター" って何? 聞いた事ないんだけど」

れいか「『鉄人戦士ロボッター』。やよいさんの好きなロボットアニメです、はるかお姉さん」

はるか「あ、アニメの話か。なるほどね……。それがヒントってことは……」


はるか「やよいちゃん。この水晶玉に映ってるの、本物じゃないんだよね?」

やよい「え? あ、はい。表面の素材の感じからして、多分おもちゃだと思います。"超合金" は独特のテカリがあるんで、すぐわかるんです!」

なお「そんなんでわかるんだ……。さすがやよいちゃん、マニアック……」


はるか「そっか。じゃあ、探しもののヒントを出すこの水晶玉がおもちゃを映した、ってことは、ペロー君がいるのは……!」


全員「! おもちゃ屋さん!」

はるか「それも、商店街にあるおもちゃ屋、"シークレット・トイズ" だね、きっと!」


サガシモノサガ~ス『ピンポーン』


マジョリン「おお、当たりみたいマジョ!」


241レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:48:08.72ypAfLIV40 (21/98)

あかね「……ん? ちょお待って。なんや、今の "ピンポーン" って」

マジョリン「この "サガシモノサガ~ス" には、ヒントに対する答えが正解かどうか確かめる機能がついてるマジョ! どうだい、スゴいマジョ?」

あかね「せやったら、最初っから答え教えてくれるようにしたらよかったんとちゃう?」

マジョリン「……え……?」


マジョリン「…………」

全員「…………」


242レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:48:49.25ypAfLIV40 (22/98)

マジョリン「……ホントだマジョ……。なんでそうしなかったマジョ……?」

ウルルン「知るかウル!」

オニニン「言ったとおりだったオニ。やっぱりしょーもない発明品だったオニ」

マジョリン「ヒ、ヒントがわかるだけでもスゴいマジョ!? お前達、さっきから言いすぎマジョ!」


なお「まあまあ。とりあえず行ってみようよ、そのおもちゃ屋」

れいか「そうね。マジョリンさんの発明品が正しければ、ペローさんはそこにいるはずです! 行きましょう、はるかお姉さん!」

はるか「うん!」


243レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:49:49.00ypAfLIV40 (23/98)

~ 七色ヶ丘商店街 おもちゃ屋 "シークレット・トイズ" ~

ペロー「えーっと、ここのボタンを押すと……」

試遊用DXロボッターベース(ボイス)『(ビカビカーッ!) ロボッターエネルギーバリア、展開!』

ペロー「おぉーっ!」キラキラ


ペロー「じゃ、じゃあ、こっちを押すと……!」ドキドキ

試遊用DXロボッターベース(ボイス)『やむを得ん! 大爆発ミサイル、発射!』ピヨーン

ペロー「おおおぉーっ!」キラキラ


おもちゃ屋店員「……て、店長。あそこのぬいぐるみ、動いてませんか……?」

おもちゃ屋店長「君、今日日のおもちゃはバカにできないぞ? しゃべったり動いたりくらいなら簡単にするからな」

おもちゃ屋店員「そ、そういうレベルではないような気がしますが……」

おもちゃ屋店長「それより仕事仕事! 早めに商品チェック、済ませてしまってくれよ」

おもちゃ屋店員「は、はい……」


244レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:50:45.21ypAfLIV40 (24/98)

ペロー「はぁー、楽しいペロ……! はるかさんも誘ったらよかったペロ! そしたら、もっと楽しかったペロ!」


タタタタタッ


はるか「ペロー君!」

ペロー「あ、はるかさん! それに、みなさんも!」

はるか「良かった、見つかって……! あの時、私がこの店のウィンドウを見てる時に抜け出したんだね……」


みゆき「ホントにいたね、ペロー!」

キャンディ「マジョリン、スゴいクル! バッチリ見つかったクル!」

マジョリン「ふふん、そうマジョ? 結果がよければオーケーなんだマジョ。そっちの二人もホメてくれてもいいんだマジョ?」チラッ

ウルルン「けっ、トクイになってんじゃねーウル」

オニニン「たまたまうまくいっただけオニ」

マジョリン「……なんで素直にほめられないマジョ!?」プンスカ


おもちゃ屋店員「……て、店長? あの子達の持ってるぬいぐるみ、会話してるように見えますが……」

おもちゃ屋店長「だから、最近のおもちゃはすごいんだって! ほら、それより手を動かして!」

おもちゃ屋店員「は、はぁ……」


245レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:51:32.79ypAfLIV40 (25/98)

はるか「ペロー君、ダメじゃない、黙っていなくなったりして。心配したんだよ?」

ペロー「ペロ……!? はるかさん、心配させてしまったペロ……?」

ポップ「そうでござるよ、ペロー。はるか殿は、お主がいないことに気付いて、大慌てで探そうとしてたでござる」

ペロー「そ、そうだったペロ……」


ペロー「……はるかさん、ごめんなさいペロ。心配させるつもりはなかったペロ。ただ、このお店があんまり楽しそうだったから、つい……」

やよい「うんうん、わかるよ、その気持ち! おもちゃ屋ってウキウキしちゃうよね!」

キャンディ「キャンディもわかるクル! ……はるか、ペローはちょっとはしゃいじゃっただけクル。だから、あんまりペローのこと怒らないであげてほしいクル……」

はるか「……うん、大丈夫だよ、キャンディちゃん。こうして無事に戻ってきたんだから、それでいいよ。ただ、今度からは黙っていなくなったりしないでね?」

ペロー「わかったペロ……。ホントにごめんなさいペロ……」

はるか「もういいって! じゃあ、一緒に帰ろう?」

ペロー「はいペロ!」


246レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:52:16.54ypAfLIV40 (26/98)

ペロー(……はるかさんは許してくれたけど、メイワクかけてしまって申し訳ないペロ……。ちゃんと謝りたいペロ……。何か、いい謝り方はないペロ?)


ペロー(……ペロ? あれは……)


おもちゃ屋の店内モニター『あなたもこれでステキに変身! "魔法少女マジカル・ムーン" の "ブライトリング"、発売中!』


ペロー(……! いいこと考えたペロ! これならきっと……!)


247レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:53:51.30ypAfLIV40 (27/98)

~ 早朝 藍沢家 はるか自室 ~

はるか「……すー……すー……」


ゴソゴソゴソ


はるか「……すー……ん、んん……、ペロー君……? ゴソゴソ何してるの……?」

ペロー「ペ、ペロ!? 起こしてしまったペロ……? な、何でもないペロ!」

はるか「……そう……。……ふわぁ……、私、もう少し寝る……。あんまり……部屋荒らしたら……ダメだよ……」

ペロー「わ、わかったペロ」


はるか「…………すー……すー……」


ペロー(ふう……、バレちゃうところだったペロ。はるかさんをビックリさせたいから、ナイショにしないとペロ)

ペロー(……でも、はるかさんの家にあるものだけだと、ちょっと足りないペロ……。外に探しに行きたいけど、"黙っていなくならないで" って言われたし……。どうするペロ……?)


ペロー(……あ、そうだ! 黙って行かなければいいんだペロ!)


248レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:54:18.79ypAfLIV40 (28/98)

カキカキカキ


ペロー(これでよし、ペロ!)

ペロー(それじゃ、はるかさん、行ってきますペロ! 部屋の窓から外の世界にレッツゴーペロ!)


ガラッ ピョーン


はるか「……すー……すー……」


249レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:55:08.72ypAfLIV40 (29/98)

~ 朝 藍沢家 はるか自室 ~

はるか「……んっんー、いい天気……! 今日はお休みだし、約束どおり、どこか遊びに行こうか、ペロー君?」


シーーーーン…


はるか「あれ? ペロー君? ……まだ寝てるのかな」

はるか「……あ、机の上に紙が置いてある。ゆうべまではなかったと思うけど……、何かな?」ガサッ


ペロー(手紙)『はるかさん、ちょっとお出かけしてきますペロ! 黙って出て行くわけじゃないので、心配しなくてもだいじょうぶですペロ!』


はるか「…………」ポカーン


はるか「……そ……」

はるか「そういう問題じゃないでしょぉ……!?」


250レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:55:59.23ypAfLIV40 (30/98)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

はるか「…………」シュン


れいか「――と、いうわけで、はるかお姉さんが朝起きたらペローさんがいなくなっていたそうです」

あかね「……またかいな……」

はるか「……ホントに面目ない……。私がしっかり言っておかなかったからまた一人で勝手に出てっちゃって……。申し訳ないんだけど、また探すの手伝ってもらえないかな……?」

みゆき「もちろんですよ! ねぇみんな!」

やよい「うん! 今日はお休みだし、みんなでかくれんぼしてるみたいでなんだか楽しそう!」

なお「や、やよいちゃん……。はるかさん真剣だから、もうちょっと緊張感持った方が……」


ウルルン「それにしても、ったく、アイツはしょーがないウル。はるか、もうほっといたらいいんじゃねーウル? そのうち戻ってくるウル」

はるか「でも、ペロー君がいないと私はプリキュアに変身できないんだよね? もし、その間にデスペアランドが襲ってきたら困っちゃうよ」

ポップ「む……、それはそうでござるなぁ……」


251レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:56:27.06ypAfLIV40 (31/98)

はるか「そういうことだから、マジョリンちゃん。昨日のアレ、また頼めるかな……?」

マジョリン「お安い御用だマジョ!」


ゴトッ


マジョリン「サガシモノサガ~スよ、ペローの居場所を教えたまえマジョー……」

マジョリン「むむむむむ…………、カァーーーーーーーーッ!」


ピカァーーッ!


なお「それ、毎回やるの?」


252レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:58:31.16ypAfLIV40 (32/98)

ボヤァーーーッ…


マジョリン「むむ!? 何か出たマジョ! みんな見るマジョ!」

みゆき「これが今ペローがいるところのヒントだね!」

キャンディ「クル……? でも、これ何クル? どこかで見たことあるようなないようなー……。わかんないクルぅ……」


あかね「あ、これ、"王冠" やな」

キャンディ「クル? 王様がかぶるカンムリクル?」

あかね「ああ、ちゃうちゃう。"王冠" っちゅーのは、ビンのフタのことや。カタチが似とるからそう呼ぶんやで」

あかね「しかもこれ、ビールの王冠っぽいなぁ。ほれ、見てみ? "アケボノ" って書いてあるやろ。ビールのメーカーやな」

はるか「詳しい……。さすがおうちが飲食店なだけあるね!」

あかね「へへへ、おーきに」


253レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:59:17.09ypAfLIV40 (33/98)

れいか「ですが、これだけではペローさんがどこにいるのかまではわかりませんね……。ビールのキャップ、ということですから……酒屋さんなどでしょうか?」


サガシモノサガ~ス『ブッブー』


マジョリン「残念、ハズレみたいマジョ。答えが違うときはハズレの音が鳴るマジョ」

ウルルン「この機能いんのかウル……」

オニニン「ウガーッ! もうさっさと答え教えるオニ! そしたらすぐ見つかるオニ!」ガタガタ

マジョリン「ああ、バカ! サガシモノサガ~ス、ゆするんじゃないマジョ! 壊れちゃうマジョ!」


はるか「でも、確かにこれだけじゃ探しようがないね……。せめて、他にもヒントがあれば……」


ピカァーーッ!


やよい「わっ!? また水晶玉が光ったよ!?」

ポップ「さっきの王冠の絵が消えて……、新しい絵が出てきたでござる!」

なお「いくつかヒント出してくれるんだ。すごいね、コレ!」

マジョリン「ふふふん、そうマジョ? もっとホメるマジョ!」


254レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 08:59:54.91ypAfLIV40 (34/98)

なお「それで、次のヒントは――」


ボヤァーーーッ…


なお「……!? うひぃっ!? む、む、虫ぃ!!?」ガタッ

みゆき「……なおちゃん、すごい速さで離れちゃった……」

はるか「これ、トンボだね。……そういえば、なおちゃん虫ニガテなんだっけ。まだ直ってないんだ」

なお「な、直そうと思って直るもんじゃないですよーっ!」


やよい「うーん……でも、ヒントがトンボ? ますますわかんなくなっちゃったね……?」

れいか「そうですね……。王冠とトンボ……、どのような関係があるのでしょうか?」


255レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:00:39.53ypAfLIV40 (35/98)

はるか「……あれ、待って。このトンボ、"アキアカネ" だね」

みゆき「えっ? 見ただけで種類までわかるんですか?」

はるか「うん。ほら、このしっぽ――ホントはお腹なんだけど、ここが赤いでしょ? だから多分そうだと思う」

みゆき「へぇー……! はるかさん、物知りなんですね」

あかね「なんや、"アカネ" って、うちと同じ名前やなぁ。なんや親近感わくわぁ」


はるか「……あかねちゃん、今なんて言った?」

あかね「え? このトンボ、うちと同じ "アカネ" って名前や、って……」

はるか「……そういえば、あかねちゃんのお店の名前も "お好み焼き屋・あかね" だったよね?」

あかね「そ、そうですね。せやけど、それがどないしたんで――」


はるか「わかった! それだよ!」

あかね「うぇっ!? ど、どれですか!?」


256レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:01:21.95ypAfLIV40 (36/98)

はるか「第一のヒント・王冠と、第二のヒント・アキアカネ。この二つのヒントが意味するものは……」


はるか「この王冠が付いたビールを仕入れている、"お好み焼き屋・あかね" ! きっとペロー君はそこにいるはず!」

あかね「そ、そうなんです? ちょっとムリヤリやないですか?」


れいか「さすがはるかお姉さん! 間違いありません!」

あかね「間違いないん!? ほんまに!?」


サガシモノサガ~ス『ピンポーン』

あかね「当たりなんかい!」


257レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:01:51.30ypAfLIV40 (37/98)

あかね「……こんなヒントありかいな。わかりづらすぎやろ……。もっとマシなヒント出してくれたらええのに……」

ウルルン「きっとマジョリンのひねくれた性格がこの水晶玉にも受け継がれてるウル」

マジョリン「いちいちうるさいマジョ! わかったんだからいいマジョ!?」

みゆき「そうだよ! 行ってみよう、あかねちゃんち!」

はるか「うん!」


258レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:03:06.31ypAfLIV40 (38/98)

~ お好み焼き屋 "あかね" ~

ガラッ


あかね「父ちゃん! ちょっと聞きたい事あんねんけど!」

大悟(あかね父)「おや、みなさんおそろいで。っちゅーか、何やねんあかね。入ってくるなり大声出して」

あかね「あんな、この店に、こんくらいの大きさの服来たネコ、来ぃへんかった?」

大悟「ああ、おったおった! 店の裏でなんやゴソゴソやっとったで! なんや、けったいなネコやったなぁ」

やよい「やった! 大当たり!」

大悟「ん? 当たり? なんのこっちゃ?」

みゆき「あ、な、何でもないんですー。こっちの話で……えへへ」


259レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:03:54.08ypAfLIV40 (39/98)

はるか「そ、それで、そのネコ、今どうしてますか?」

大悟「ああ、追い払ったで。店のゴミやら荒らされたらたまらんからなぁ。現に、捨てよ、思うてた王冠、いくつか持ってかれてもーたみたいやし」

あかね「えーっ! じゃあ、もうおらへんのかいな!? 父ちゃん、そのコ、どっち行ったかわからへん?」

大悟「そんなん知らんがな! ……何や? そのネコに用でもあったんかいな」

れいか「え、ええ、まあ……」

なお「でも、いないんじゃしょうがないね……。一旦出直して、仕切りなおした方がいいかも」

はるか「そうしよっか……。スミマセン、お邪魔しました!」


ガラッ ピシャンッ


大悟「……? 何なんや、一体……」


260レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:04:19.46ypAfLIV40 (40/98)

~ ふしぎ図書館 秘密基地 ~

みゆき「振り出しに戻っちゃったね……」

あかね「せやなぁ。また探しなおしか……」

なお「落ち込んでてもしょうがないよ! ガンガン行こう! マジョリン、またお願い!」

マジョリン「わかったマジョ!」


マジョリン「むむむむむ…………、カァーーーーーーーーッ!」


ピカァーーッ!


やよい「今度はどう!?」


261レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:04:45.77ypAfLIV40 (41/98)

ボヤァーーーッ…


ポップ「何か出たでござる!」

れいか「これは……ベルト、でしょうか?」

みゆき「ピンク色でかわいぃーっ!」

はるか「……でも、やっぱりこれだけじゃ何のことやら……」


262レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:05:46.78ypAfLIV40 (42/98)

あかね「…………もう一回! もう一回!」

みゆき「……あかねちゃん……? 何それ?」

あかね「さっき、"他にもヒント欲しい" 言うたら2個目のヒント出たやろ!? せやから、今回も2個目のヒント出してもらうんや!」

みゆき「おおっ、なるほどーっ! よぉーし! もう一回! もう一回!」

やよい「もう一回! もう一回!」

なお「もう一回! もう一回!」

キャンディ「もう一回クル! もう一回クル!」


はるか「……えーっと……、やらないとダメ、かな、これ?」

れいか「ペローさんを見つけるためです! さあ、はるかお姉さんもご一緒に! もう一回! もう一回!」

はるか「……えぇーい、恥ずかしいけどしょうがない!」


全員「もう一回! もう一回!」


サガシモノサガ~ス『――――』


ピカァーーッ!


ウルルン「おっ、やったウル! 何か出たウル!」


263レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:07:02.59ypAfLIV40 (43/98)

ボヤァーーーッ…


やよい「わぁっ、ネコだぁ! かわい…………く、ないね、あんまり」

なお「傷だらけだし……、ずいぶん気合入った面構えのネコだね……」

あかね「ノラネコのボスって感じやなぁ」


れいか「……! 野良猫、といえば……!」

みゆき「何か知ってるの、れいかちゃん!?」

れいか「ええ。私は毎朝お兄様とジョギングをしているのですが、そのコースの途中に野良猫達が集まる空き地があるのです。何度か見かけたことがあります」

はるか「なるほど、聞いた事あるよ。野良猫って地域ごとに集まって会議するんだってね」

やよい「ネコ会議……。何を話してるのかな?」

はるか「そ、それはネコ達じゃないとわからないけど……」


264レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:08:54.02ypAfLIV40 (44/98)

あかね「ほんなられいか! それ、場所言ってみ!」

れいか「はい! ヒントの答えは、ズバリ……3丁目の空き地ですね!?」


サガシモノサガ~ス『ピンポーン』


みゆき「やったぁー! 大正解!」

なお「……あれ? でも、そしたら最初のヒントのベルトはなんだったのかな?」

はるか「とにかく行ってみよう! ヒントについても、行ってみたらきっとわかるよ」

れいか「そうですね!」


はるか(……ペロー君、もうそろそろ見つけたいな。次で会えるといいけど……)


265レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:09:41.80ypAfLIV40 (45/98)

~ 七色ヶ丘市 3丁目の空き地 ~

はるか「……こ、これは……!」


野良猫A「(グデーン)」

野良猫B「(グデーン)」

野良猫C「(グデーン)」


れいか「す、すごい数のネコ達が倒れていますね……! 一体何が……!?」


傷だらけのボスネコ「(グデーン)」


なお「あ、あそこに倒れてるネコ! さっき水晶玉に映ってたネコだ! じゃあ、やっぱりペローはここにいたのかな」


白いメス野良猫「ニャァーン」

あかね「おっ、一匹だけ無事なコがおんで! 話が聞ければええんやけど……。ウルルン、何とかならへん?」

ウルルン「ネコ語なんてわかんねーウル。イヌだったら何とかなるけどウル」

あかね「何や、ダメなん? イヌもネコも似たようなもんやん、ケチくさいなぁ」

ウルルン「ケチとかそういう問題じゃねーウル!」


266レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:10:26.14ypAfLIV40 (46/98)

キャンディ「ふっふっふ……。ここは、キャンディにお任せクル!」

みゆき「え、キャンディ、ネコの言葉わかるの!?」

ポップ「キャンディはあらゆる生き物の言葉がわかるでござるよ。幼くとも、メルヘンランド次期クイーンというのはダテではないでござる」

やよい「あ、そういえば、前に虫の言葉を聞いてたことあったね。今思うと、あれもクイーン様としての力だったのかなぁ」


キャンディ「ちょっとあのコにお話聞いてくるクル! 待っててクル!」

みゆき「頼りになるぅー! よろしくね、キャンディ!」


267レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:10:59.16ypAfLIV40 (47/98)

キャンディ『(ネコ語) もしもし。キャンディは、キャンディっていうクル。ここで何があったクル? 教えて欲しいクル』

白いメス野良猫『(ネコ語) あら、ふしぎな方ですね……。わたくしは "ジェニファー" と申します。もしかして、"あのお方" のお知り合いでしょうか?』

キャンディ『(ネコ語) あのお方……? もしかして、それって服を着たネコのことじゃないクル?』

ジェニファー『(ネコ語) そうでございます! あの方は、つい先ほど、恐ろしい野良猫一味 "マッドキャッツ" に絡まれていたわたくしを救ってくださったのです……』


268レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:11:43.78ypAfLIV40 (48/98)

~ 回想 3丁目の空き地 ~

傷だらけのボスネコ(マッドキャッツ・ボス)『(ネコ語) ジェニファー! 今日こそ、オレ様の嫁になってもらうぞ!』

ジェニファー『(ネコ語) イヤでございます! わたくし、乱暴な方はキライです!』

マッドキャッツ・ボス『(ネコ語) それなら力づくでも連れて行くのみよ!』


ザッ


ペロー『(ネコ語) 待つペロ!』

マッドキャッツ・ボス『(ネコ語) あぁん!? なんだおめーは! ヘンなカッコしやがって、どこのもんだ!?』

ペロー『(ネコ語) 通りすがりの者だペロ。けれど……、女性に乱暴するなんて、見過ごせないペロ!』

マッドキャッツ・ボス『(ネコ語) カッコつけやがって! やっちまえ!』

マッドキャッツ・構成員達『(ネコ語) ヒャッハー! イタイ目見せてやるぜーっ!』

ペロー『(ネコ語) かかって来るペロ!』


269レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:12:41.67ypAfLIV40 (49/98)

マッドキャッツ・構成員A『(グデーン)』

マッドキャッツ・構成員B『(グデーン)』

マッドキャッツ・構成員C『(グデーン)』


ペロー『(ネコ語) はぁっ、はぁっ……思い知ったペロ』

マッドキャッツ・ボス『(ネコ語) な、なんてヤツだ……。オレ様達 "マッドキャッツ" をたった一匹で、全滅させるとは……ガク』


ペロー『(ネコ語) お嬢さん、おケガはありませんかペロ?』

ジェニファー『(ネコ語) は、はい……! 助けていただき、ありがとうございました! 何かお礼をさせてもらえませんか……?』

ペロー『(ネコ語) そ、そんな、お礼なんていいペロ! 当然のことをしただけペロ。それでは、ぼくはやることがあるので失礼するペロ』

ジェニファー『(ネコ語) あ、お待ちください! せめて、こちらを受け取ってください』


スッ


ジェニファー『(ネコ語) こちらは、わたくしが飼われていたころからしていた首輪です。どうかお持ちくださいませ』

ペロー『(ネコ語) わぁ……! ピンク色でかわいいペロ……。ホントにもらってしまっていいペロ?』

ジェニファー『(ネコ語) もちろんでございます!』

ペロー『(ネコ語) これがあれば……! ありがとう、大事にするペロ! それでは、お元気でペロ!』

ジェニファー『(ネコ語) こちらこそ、ありがとうございましたー! このご恩は忘れませーん!』


270レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:13:54.40ypAfLIV40 (50/98)

~ 七色ヶ丘市 3丁目の空き地 ~

キャンディ「そうしてペローは、どこかへと去っていったみたいクル」

やよい「すごーい! まさしくヒーロー! ペロー、やるぅ!」

みゆき「お姫様も助けて、ハッピーエンドだね!」

なお「意外と肉体派なんだね、ペローって……」

れいか「なるほど。最初のヒントのピンクのベルトは、そのジェニファーさんの首輪だったんですね」


はるか「……でも、もうペロー君はここにはいないんだよね。また行き違いになっちゃった……」


はるか「…………」


271レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:14:22.96ypAfLIV40 (51/98)

はるか「……マジョリンちゃん、またペロー君探し、頼めるかな」

マジョリン「え、ここでやるマジョ? ふしぎ図書館に帰ってからやった方が良くないマジョ? 誰かに見られるかも……」

はるか「ペロー君がいなくなってから随分経つし、もうそろそろ見つけておきたいんだ。お願い」

マジョリン「わ、わかったマジョ」


れいか(……? はるかお姉さん、何だか少し様子がヘンです……、焦ってる……?)


マジョリン「むむむむむ…………、カァーーーーーーーーッ!」


ピカァーーッ!


272レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:15:48.69ypAfLIV40 (52/98)

ボヤァーーーッ…


みゆき「何か出たよ! これって……花? ちっちゃくてかわいい!」

はるか「ヒメジョオンって花だね。野草の一つで、結構どこにでもある花だよ。……このヒントから探すのは難しいかも」

あかね「ほんなら、また "もう一回" します?」

なお「こ、ここでやるのはちょっと……」


やよい「あ、ちょっと待って! この花、見たことあるよ」

はるか「ホント、やよいちゃん? どこかわかる?」

やよい「確か、公園の近くのお花畑です! たまに絵の練習に写生に行くから、多分あってると思います!」


サガシモノサガ~ス『ピンポーン』


あかね「おっ、ほんまや! やよい、ロボッター基地に続いてお手柄やなぁ!」

やよい「えへへっ」ピース

はるか「ありがとう、やよいちゃん! じゃあ、早速行ってみるよ!」ダッ

みゆき「あっ、はるかさん、待ってくださーい!」


れいか(急に走り出して……、やっぱり焦ってる……? 一体どうしたんでしょうか……)


273レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:17:01.94ypAfLIV40 (53/98)

~ ギャラリー・D ~

シアンナ「…………」ペラッ

ビリーズ「ん? シアンナ、なんだそりゃ? 本か? 何読んでんだ?」

シアンナ「この間、新しい 6人目のプリキュアが現れた、という話はしたわね」

ビリーズ「おお、聞いたなぁ、そんな話」


ビリーズ「……しっかし、ったく! プリキュアって一体何人いるんだよ! どんどん増えやがって! 実はどっかに何十人もいたりしねーだろうなぁ!?」

セルリア「……そんなに……いるわけ……ない……。……馬鹿……」

ビリーズ「っせーな! 例えば、の話だよ、例えば! そんなにいてたまるか、っつーの!」


274レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:19:01.57ypAfLIV40 (54/98)

ビリーズ「んで? その 6人目とその本と、何の関係があんだよ?」

シアンナ「実は、その 6人目のプリキュアは、私の作った力の強いアキラメーナをいとも簡単にあしらって見せたのよ。簡単に転がされて……、まるで魔法のようだった」

シアンナ「だから調べたの、彼女があの時何をしたのかを。そして、その答えが……この本よ」スッ


『実践! 合気道入門!』


ビリーズ「……なんだこりゃ? アイキドー、でいいのか?」

シアンナ「リアルランドには、人間が人間と戦うための技である "ブドー" というものがあるらしいの。この "アイキドー" はその一つのようね。単純な力では制することのできない技術らしいわ」

シアンナ「あの新しいプリキュア・キュアノーブルが使っていた技はおそらくこれね。あの時の状況と、この本に書いてある技が全く同じだから」

シアンナ「だから、次はキュアノーブルに遅れをとらないよう、この本を読んで研究している、というわけよ」


ビリーズ「はぁーん、そりゃまたご苦労なこって。"アイキドー" だかなんだか知らねーが、そんなもんすげーパワーでドカンとやっちまえばいいじゃねーか」

セルリア「…………何……聞いてたの……こいつ……。……本当に……馬鹿……」

シアンナ「……これじゃあ、キュアノーブルに絶対に勝てないわね。いい機会だから、身をもって教えてあげる。ビリーズ、ちょっとそこに立ちなさい」

ビリーズ「あん? なんだよ、オレに何かすんのか?」

シアンナ「いいから」

ビリーズ「へいへい」


275レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:19:56.40ypAfLIV40 (55/98)

ビリーズ「……んで、どうすりゃいいんだ?」

シアンナ「右腕をまっすぐ前に伸ばしなさい」

ビリーズ「ん……、こうか?」

シアンナ「その手首を掴んで……、回す!」グイッ

ビリーズ「おっ? なんだ? 景色が回っ――」


ガンッ!


シアンナ「……どう、ビリーズ? 自分の意思とは無関係に転ばされたでしょう? これがキュアノーブルの技の正体よ」

シアンナ「キュアノーブルは動いている相手にこれよりもっと複雑な技を瞬時にかけられる。相当修練していると思っていいわ。次戦う時は気をつけることね」

ビリーズ「――――」

シアンナ「……ビリーズ、聞いているの?」

セルリア「……シアンナ……、……こいつ……気絶……してる……」

ビリーズ「――――」

シアンナ「……転んだ時に頭でもぶつけたかしら……。まあ、いいわ、放っておきましょう」


276レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:20:22.72ypAfLIV40 (56/98)

セルリア「……大体……わかった……。じゃあ……今度は……私が……出る……」

シアンナ「わかったわ。けれど、対策は出来ている?」

セルリア「……要は……腕をつかまれなければ……いいんでしょ……?」

シアンナ「……何か考えがありそうね。任せるわ、セルリア」

セルリア「……うん……。……行ってきます……」シュバッ


ビリーズ「――――」


277レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:21:06.72ypAfLIV40 (57/98)

~ 七色ヶ丘市 公園付近の花畑 ~

ペロー「お花さん、ゴメンペロ。ちょっと摘ませてもらうペロ」プチッ

ペロー「ふーんふふーん♪ これとこれをくっつけて…………できたペロー!」

ペロー「ふふふっ、これがあればきっと――」


タタタタタッ


はるか「いた! ペロー君っ!」

ペロー「はるかさん! みなさん!」

みゆき「やっと見つけたよぉー……! またあちこち探し回っちゃった……」

ペロー「え? またぼくのこと探してたペロ? "心配しなくていい" って手紙、はるかさんに残してきたのに、読んでくれなかったペロ?」

はるか「…………」


ペロー「あ、でも、はるかさんが来てくれて丁度よかったペロ! 実は、これを――」ゴソゴソ

はるか「……ペロー君!!」

ペロー「ペロ……!?」ビクッ

れいか「……は、はるかお姉さん?」


278レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:21:38.56ypAfLIV40 (58/98)

はるか「ペロー君。どうしてまた勝手に出て行ったりしたの?」

ペロー「ちょ、ちょっとやりたいことがあったペロ……。手紙、残してきたからだいじょうぶかと思って……」

はるか「"黙って行かないで" っていうのは、"どこか行くなら、私に相談してから行って" って意味だよ。手紙書いても、これじゃあ黙っていなくなるのと変わらないじゃない」

ペロー「……ペロ……」


れいか「あ、あの、はるかお姉さん。ペローさんも見つかったことですし、ここは一つ穏便に……」

はるか「……もう、そうも言ってられなくなっちゃったよ。みんなにもメイワクかけちゃってるし、ペロー君には一回、しっかり言っておかないと」


279レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:22:26.62ypAfLIV40 (59/98)

はるか「いい、ペロー君。私達は、二人で力を合わせてプリキュアになって、みんなの平和を守らないといけないんだよね?」

はるか「私達は、同じ使命に向かって、どんな時でも協力し合わなきゃいけない。それがパートナーなんじゃないの?」

はるか「それなのに、ペロー君はすぐ勝手にどこかに行っちゃって……!」


はるか「……ペロー君は、プリキュアのパートナーとしての自覚が足りないんじゃないの……?」


ペロー「…………!!」


ペロー「……ぼくは……」


280レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:23:15.22ypAfLIV40 (60/98)

みゆき「……はるかさん、ちょっと言い過ぎなんじゃあ……」

あかね「そうですわ。ペローかて、こっちに来たばっかりで慣れてないんやから、しょうがないんと違います?」


はるか「……わかってる。けど、もし今後、ペロー君がいない時にデスペアランドが来たりしたら、私は何もできなくなっちゃう。だから、ペロー君にも責任をもって行動してもらわないと」

みゆき「それは、そうかもしれないですけど……」

ペロー「…………」


281レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:23:59.74ypAfLIV40 (61/98)

ピクン


キャンディ「クル……! みんな、イヤな感じがするクル……! デスペアランドクル!」

全員「……!」


はるか「来た……! 探すの、間に合ってよかった。……ペロー君、いけるよね?」

ペロー「……はいペロ……」

はるか「私も一緒に戦うよ! みんな、行こう!」


5人「はい!」


282レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:24:38.39ypAfLIV40 (62/98)

~ 七色ヶ丘市 商店街 ~

ガヤガヤガヤ


セルリア「……ここは……人が多い……。……ここで……始めよう……」


セルリア「……闇の絵の具よ……闇の絵筆よ……。キャンバスに……絶望を描き出せ……」


シュババババッ


セルリア「……現れよ……アキラメーナ……」


ズズズズズズ…


アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」


セルリア「……アキラメーナ……、心……吸って……」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」


ズワァァァァァッ…


八百屋の店主「うっ……!? な、なんでぇ、急に……力が……抜けて……」バタッ

魚屋の店主「た、立ってられな……」バタッ


ポチョン ポチョン


セルリア「……心の絵の具……少し……輝きが強い……? ……人間達に……活気……ありすぎた……かも……」


283レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:25:16.94ypAfLIV40 (63/98)

ザッ


あかね「待たんかい!」

なお「これ以上、好きにはさせないよ!」


セルリア「……来たな……プリキュア……!」


みゆき「みんな、変身しよう!」

あかね・やよい・なお・れいか「うんっ!」


284レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:25:56.92ypAfLIV40 (64/98)

妖精達「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

5人「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー! ゴーゴー! レッツゴー!!


ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」

サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」

ピース「ぴかぴかぴかりん♪ じゃん・けん・ポン!(チョキ) キュアピース!!」

マーチ「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」

ビューティ「しんしんと降り積もる、清き心。キュアビューティ!!」


285レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:27:02.07ypAfLIV40 (65/98)

はるか「私達も行くよ、ペロー君!」

ペロー「わかったペロ……!」


ペロー「デコル・チェンジ……!」

パチンッ!

レディ!

はるか「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー!

ゴーゴー! レッツゴー、ノーブル!!


キュアノーブル「さらさら流れる気高きせせらぎ! キュアノーブル!!」


286レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:27:36.40ypAfLIV40 (66/98)

セルリア「……本当に……6人に……なってる……」

サニー「そや! 言うとくけどな、この新しい仲間のノーブルはめっちゃ強いで! 覚悟しいや!」

セルリア「……知ってる……"ブドー" とかいうの……使うんでしょ……」


セルリア「……でも……」


アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュンッ ビュンッ


バチィッ! バチィッ!


ハッピー「わっ! な、何これ、電線!?」

ビューティ「左右に伸びた電線をムチのように振り回していますね……! 危険です、みなさん、気をつけて!」


287レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:28:17.58ypAfLIV40 (67/98)

ピース「……ん? あぁーっ!」

マーチ「な、何!? どうしたのピース!?」

ピース「あのアキラメーナ、腕が無いよ!?」


セルリア「……そう……。……新しい……そのプリキュアの……技は……腕を掴んで……使うもの……」

セルリア「……なら……腕が無ければ……技は使えない……! ……くくく……!」


サニー「うっ、ほ、ほんまや……! これじゃあノーブルの技使えへんやん……!」


ノーブル「……ふっ……」

セルリア「…………? ……何が……おかしい……?」


288レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:28:59.89ypAfLIV40 (68/98)

ノーブル「……大丈夫、任せて」


ザッ


ハッピー「ノーブル……?」


ノーブル「私の技が腕を取るものだけだと思ったら大間違いだよ。武道の奥深さ、見せてあげる」キッ

ピース「……ノーブル、頼もしいぃー……!」

セルリア「…………やれるものなら……やってみろ……!」


アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュンッ


ノーブル(この電線さえつかめれば……!)バッ

ノーブル(……!? ……あれ……!?)


バチィッ!


ノーブル「うあぁぁぁっ!?」

サニー「あかん、電線がモロに当たってもーた……!」

ビューティ「ノーブル! 大丈夫ですか!?」

ノーブル「う、うん、何とか……」


ノーブル「……でも、おかしい。どうして……? この間より、全然……動きが……鈍い……!」


289レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:29:39.19ypAfLIV40 (69/98)

セルリア「……口ほどにも……無い……。……アキラメーナ……」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュビュビュビュンッ


ノーブル「……!」

ノーブル(……ダメ、避けられない……! 動きが……鈍い……っ!?)


ババババチィッ!


ノーブル「うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ビューティ「ノーブルっ!」


パァァァァッ…


はるか「うぁっ!?」ドタッ

ペロー「ペロっ!?」トタッ


ハッピー「えっ!? は、はるかさん!?」

マーチ「変身が……解けちゃった……!?」


はるか「……え……!? 元に……戻ってる……!? どうして……!?」

ペロー「…………」


290レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:30:36.04ypAfLIV40 (70/98)

セルリア「……なんだ……。……新しい……プリキュア……気をつけるほどでも……なかった……。……今のうちに……仕留める……」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァ!」ズゥン


ビューティ「そうはさせませんっ! みなさん、はるかさんを守りましょう!」

サニー「もちろんや! みんなで一気に仕掛けんで!」

ハッピー・ピース・マーチ「うんっ!」


バッ


5人「だぁぁぁぁぁぁっ!」


セルリア「……ジャマ……!」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュビュビュビュンッ


ババババチィッ!


5人「うあぁぁぁぁぁぁっ!?」


ピース「うぅ……、やっぱり、強い……!」

マーチ「けど、ここでへこたれるわけにはいかないよ! ノーブルが戦えないなら、あたし達だけでなんとかしないと!」


セルリア「……できる……? ……強くなった……私のアキラメーナは……止められない……!」


291レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:32:01.88ypAfLIV40 (71/98)

ペロー「……はるかさん、ごめんなさいペロ。さっきパワーが出なかったのも、変身が解けちゃったのも……、多分、ぼくのせいペロ……」

はるか「ペロー君のせい……? どうして……?」

ペロー「さっき、はるかさんに言われた言葉が……気になってるペロ……。"プリキュアのパートナーとしての自覚が足りない" って……」

はるか「あ……」


ペロー「はるかさんの言う通りペロ……。はるかさんに言われた通り、パートナーならいつも一緒にいなきゃいけないのに、ふらふらしちゃって……メイワクばっかりかけて……!」

ペロー「……きっと、ぼくはプリキュアのパートナーには向いてないんだペロ……! 本当に……ごめんなさいペロ……!」

はるか「ペロー君……」


292レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:33:00.06ypAfLIV40 (72/98)

ガサッ


はるか「……あれ? こんなところに小さい紙袋が落ちてる。なんだろう」

ペロー「え!? あ、それは……! さっき変身解けた時に落としちゃったペロ……!?」

はるか「じゃあ、これ、ペロー君のものなの?」

ペロー「……はいペロ」


ペロー「……そうだ。その袋、開けてみてくださいペロ。中のもの、はるかさんにあげますペロ」

はるか「私に……?」ガサガサ


はるか「……! これって……!」

はるか「ピンク色のベルトの周りに花が、真ん中には王冠が貼り付けてある……。もしかしてこれ……腕輪?」

ペロー「そうですペロ。それ……はるかさんへのプレゼントなんですペロ」

はるか「プレゼント……!? ……私への……?」


293レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:34:28.71ypAfLIV40 (73/98)

ペロー「……最初、おもちゃ屋に黙って行っちゃった時、はるかさんにメイワクをかけちゃったこと、謝りたかったペロ」

ペロー「どうやって謝ろうか考えてる時に、おもちゃ屋でキレイな腕輪が目に入って……、こういうものをプレゼントしたら、はるかさんにも謝れるんじゃないかって思ったペロ……」

ペロー「だから、あんまりキレイじゃないけど……ガンバって作ったペロ」


はるか「……そういえば……」


はるか(この腕輪、マジョリンちゃんの発明のヒントにあったものばっかりで出来てる……)


はるか(王冠は、ペロー君があかねちゃんの店に行ってた時の)

はるか(ベルト……ネコの首輪は、ペロー君が空き地に行った時の)

はるか(ヒメジョオンの花は、ペロー君が空き地に行った時の)


はるか(それじゃあ、もしかして……)


はるか「……ペロー君、今日いなくなってたのって、もしかしてこれを作るために……?」

ペロー「はいペロ……。色んなものをくっつけるために使う道具は、昨日の夜にはるかさんの部屋のものを借りさせてもらいましたペロ……」


294レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:35:27.61ypAfLIV40 (74/98)

ペロー「……ぼく、はるかさんのパートナーになれて、ホントにうれしかったペロ。頼りがいがあって、優しくて……。だから、もっともっと仲良くなりたかったペロ……!」

ペロー「でも、ぼくは……パートナーにメイワクをかけるぼくは、プリキュアのパートナー失格なんだペロ……! もう、はるかさんのそばにはいられないペロ……!」

ペロー「お役に立てなくて……ホントに……ホントに……ごめんなさいペロ……!!」


はるか「…………」


295レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:35:55.69ypAfLIV40 (75/98)

はるか(……私、何やってたんだろう……)

はるか(……違う、違うよ、ペロー君……)

はるか(……ホントに……ホントにダメなのは……っ!)


はるか「……ペロー君っ!」ギュッ

ペロー「……! はるか……さん……?」


はるか「違うよ、ペロー君……! ホントにダメなのは、私の方だった……!」


296レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:38:49.32ypAfLIV40 (76/98)

はるか「私……、急にプリキュアになって戸惑うばっかりで……、ただ、精一杯やらなきゃ、ってことしか頭になかった……」

はるか「ペロー君を探してたのも、"プリキュアになれないから" っていうだけで、パートナーのペロー君のことなんて、ちっとも考えてなかった……!」

はるか「ペロー君は、ずっと、一生懸命、私のことを考えててくれてたのに……っ!」


はるか「ペロー君は、パートナー失格なんかじゃないよ。だって、ペロー君には相手を思いやる優しい気持ちがあるんだから」

はるか「……ホントに失格なのは、私の方……。ペロー君のこと思いやれなかったから、力も出ないし、変身も解けちゃった……。全部、私のせいだよ……!」

はるか「使命感や責任感も大事だけど……パートナー同士に本当に必要なのは、お互いを思いやる気持ちだったんだ……!」

はるか「私のせいでつらい想いさせて……ゴメンね……、ゴメンね、ペロー君……!」


ペロー「はるかさん……!」


297レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:39:18.69ypAfLIV40 (77/98)

ペロー「……じゃあ、ぼく、まだはるかさんのパートナーでいていいペロ?」

はるか「……もちろん……! 私ももっと頑張って、ペロー君のパートナーにふさわしくなるから……!」


はるか「だから……、一緒に頑張っていこう……?」


ペロー「……! はいペロっ!」


298レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:39:56.44ypAfLIV40 (78/98)

パァァァァァッ…


はるか「! スマイルパクトが……」

ペロー「光ってるペロ……!」


はるか「…………」
ペロー「…………」


はるか「……やろう、ペロー君! もう一度! ふたりで、力を合わせて!!」

ペロー「わかったペロ!!」


299レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:40:22.49ypAfLIV40 (79/98)

ペロー「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

はるか「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー!

ゴーゴー! レッツゴー、ノーブル!!


キュアノーブル「さらさら流れる気高きせせらぎ! キュアノーブル!!」


ノーブル「行くよ、ペロー君!」

ペロー(デコル)「はいペロ!」


300レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:41:28.14ypAfLIV40 (80/98)

5人「うあぁぁぁぁぁっ!?」ドタァッ


セルリア「……くくくっ……! ……私の力……強くなった……! ……お前達だけじゃ……もう勝てない……。……諦めろ……!」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァ……!」


ハッピー「……うぅっ……!」


セルリア「……アキラメーナ……、……トドメ……!」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュビュビュビュンッ

ビューティ「……っ!」


ノーブル「それ以上はやらせないっ!」バッ


ノーブル「ノーブル・キィーックッ!」ドガァッ!

アキラメーナ(電柱型)「アガァッ!?」グラッ


スタッ


ノーブル「みんな! ゴメン、お待たせ!」

5人「ノーブルっ!」


ビューティ「ノーブル……! パワーが戻って……!」

セルリア「…………!? ……お前は……戦えなく……なったはず……!?」

ノーブル「……戦えなくなったのは、私が何もわかってなかったせい。プリキュアの、本当の強さを」

セルリア「……何を……!?」


301レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:42:16.64ypAfLIV40 (81/98)

ノーブル「私、わかった。プリキュアは、与えられた力だけで戦うんじゃない。心で、優しさで戦うんだって」

ノーブル「それが無かったから、さっきまでの私は弱かった。……でも、今は違う!」

ノーブル「大切なパートナーと、心をつなぐ事が出来た! この心こそが強さなんだ!」


ノーブル「憶えておいて。今の私こそが、本当の、6人目のプリキュア……キュアノーブル!!」

セルリア「……キュア……ノーブル……!」


ビューティ「大切なパートナー……。良かった、はるかさん、ペローさんと仲直りできたんですね……!」

ノーブル「うん。……ちょっと時間かかっちゃったけどね」

ペロー(デコル)「もうだいじょうぶペロ! ぼく達がみんなと力を合わせれば、絶対に負けないペロ!」

サニー「やったやないですか、ノーブル! 今日がほんまのノーブル誕生日ですわ!」


ハッピー「……本当の、ノーブル……」


302レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:43:06.97ypAfLIV40 (82/98)

ハッピー「……そうだ、みんな……! ちょっと遅いけど……、"あれ" やろうよ……!」グググ…

サニー「"あれ" ……? ……ああ、"あれ" かぁ……! へへっ、ええな……それ……!」グググ…

ピース「うん……やろう……! せっかく……6人になったんだし……!」グググ…

マーチ「そうだね……! ……だったら……こんなところで、へばってなんか……いられないっ……!」グググ…


セルリア「……立ち……上がった……!? ……ボロボロの……はずなのに……!」


ノーブル「……"あれ" ? "あれ" って何?」

ビューティ「ノーブル、耳を貸してください。……ゴニョゴニョ……」

ノーブル「…………ええー……、それ、ホントに言うの? ちょっと恥ずかしいんだけど……」

ビューティ「やりましょう? だって私達、もう仲間なんですから!」

ノーブル「……仲間……」

ペロー(デコル)「はるかさん、やるペロ! きっとやる気出るペロ!」

ノーブル「ペロー君まで……」


ノーブル「……よし、わかった! やろう!」

ハッピー「そうこなくっちゃ!」


セルリア「……何だ……!? ……一体……何を……するつもり……!?」


ハッピー「それじゃあ行くよ! せーのっ!」


303レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:43:39.61ypAfLIV40 (83/98)




6人「"6つ" の光が導く未来!」


6人「輝け! スマイルプリキュア!!」






304レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:44:12.35ypAfLIV40 (84/98)

セルリア「…………。……何を……するかと思えば……。……そんな事をして……何になる……!」


ビューティ「……わかりませんか? 今、私達が何をしたのか」

ビューティ「それがわからない限り……、あなたに勝ち目はありません!」


セルリア「……何を……!?(ギリッ)」


ハッピー「行くよ、みんなっ!」

5人「うんっ!」


305レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:45:09.36ypAfLIV40 (85/98)

セルリア「……うっとうしい……! ……アキラメーナ……やれ……!」

アキラメーナ(電柱型)「アキラメーナァッ!」ビュンッ

マーチ「よっと!」


スカッ


マーチ「そんなの! あたしが本気で走れば当たんないよ! ほらほら、こっちこっち!」

アキラメーナ(電柱型)「アガガァッ!」ビュビュビュビュンッ

マーチ「よっ! ほっ! はっ!」スカッ スカッ スカッ


セルリア「……逃げ回って……ばかり……! ……やる気……あるのか……!?」

マーチ「無いよ! あたしはムリに攻撃する必要なかったんだ! 後で誰かが何とかしてくれる、って思えるから、こうやって囮になれるんだよ!」

セルリア「……囮……!?」

サニー「せや! マーチが気ぃ引いてくれとるから……うちが安心して切り込めるんや!」バッ

セルリア「……キュアサニー……! ……いつの間に……アキラメーナの……懐に……!」

サニー「サニー・パァーンチッ!」ドカァッ!

アキラメーナ(電柱型)「アガッ!?」グラッ


306レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:45:48.86ypAfLIV40 (86/98)

ハッピー「こうやって、サニーのパワーで一瞬動きが止まるから!」ガシッ

ピース「わたし達が電線をつかめるの!」ガシッ

アキラメーナ(電柱型)「ア、アガガッ!?」ジタバタ


ビューティ「そして、ハッピーとピースが左右の電線を掴み、攻撃を封じてくれるからこそ!」

ノーブル「私達の全力の攻撃を当てられる! ……行こう、ビューティ!」

ビューティ「はいっ! ノーブル!」


バッ


ビューティ・ノーブル「ダブル・プリキュアキィーックッ!」


ドガァァッ!


アキラメーナ(電柱型)「ア……ガァッ……!?」グラッ


ビューティ「動きが止まりました! ノーブル、お願いします!」

ノーブル「大丈夫、任せて! ……ハッピー、電線借りるよ!」

ハッピー「はい、どうぞ!」


307レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:46:31.54ypAfLIV40 (87/98)

ノーブル「……腕は無くても、引っ張れるところが少しでもあれば……! ……ふっ!」グィッ


フワッ


アキラメーナ(電柱型)「ア!? アガガッ!?」ジタバタ

セルリア「…………!? ……アキラメーナが……浮いた……!?」

ノーブル「だぁぁぁぁぁっ!!」ブンッ


ドスゥゥゥゥン!


ノーブル「一本! ……なんちゃって」


サニー「ほえー……! 今のあれやろ? 柔道の一本背負い! 得意なの、合気道だけやないんやなぁ!」

ビューティ「ええ! ノーブルは、お母様の合気道だけでなく、お兄様の柔道も学んでいましたから!」


セルリア「……"ジュードー"……!? ……"アイキドー" 以外にも……技が……!?」


ノーブル「完全にダウン取ったよ! みんな、一気に決めよう!」

5人「はいっ!」


308レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:47:05.06ypAfLIV40 (88/98)

ハッピー「プリキュア! ハッピー・シャワーァァッ!!」

サニー「プリキュア! サニー・ファイヤーァァッ!!」

ピース「プリキュア! (ピシャァン!) ひゃぁっ! ピース・サンダーァァッ!!」

マーチ「プリキュア! マーチ・シュートォォッ!!」

ビューティ「プリキュア! ビューティ・ブリザァァードッ!!」

ノーブル「プリキュア! ノーブル・ストリィィームッ!!」


ドドドドドドォォォォォォォォンッ!!


アキラメーナ(電柱型)「アガァァァァァ……」シュワァァァァ…


309レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:48:05.15ypAfLIV40 (89/98)

セルリア「…………負けた……!? ……優勢……だったのに……途中から……急に動きが……良くなった……!? ……なぜ……!?」


ビューティ「……まだわかりませんか? 先ほどの決め台詞のおかげです」

セルリア「…………!? ……あんな……くだらない……事で……!?」

ノーブル「今なら、私にもわかるよ……。あの掛け声で、私達みんなの気持ちが一つになった。だから、コンビネーションもバッチリ決まる」


ノーブル「プリキュアが心で戦う戦士なら、気持ちが一つになった時……何よりも強くなれる!」


ノーブル「……だよね、ビューティ?」

ビューティ「ええ、その通りです、ノーブル」


セルリア「……心で……戦う……? …………わからない……!」シュバッ


310レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:48:49.56ypAfLIV40 (90/98)

~ 七色ヶ丘市 道路 ~

やよい「それにしても、はるかさん! その腕輪、かわいいですね!」

はるか「うん、私もそう思う……。ペロー君からもらった、大切な、宝物だよ……!」

なお「ペローは今日色んなところを回ってたのは、それを作るためだったんですね いいとこあるじゃない!」

ペロー「えへへペロ……」


311レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:49:55.15ypAfLIV40 (91/98)

みゆき「……あ、そっかぁ……。『長靴をはいた猫』だ……!」

あかね「ん? どしたん、みゆき? 猫がどしたって?」


みゆき「ペローって、『長靴をはいた猫』の妖精さんなんだよね」

みゆき「『長靴をはいた猫』って、猫がご主人様を王様にするために色んなところでガンバる話なんだけど、だからペローもはるかさんのために一生懸命にガンバってたんじゃないかな」

あかね「へぇーっ、そうなんか! んで、そのお話、最後はどうなるん?」

みゆき「もちろん、ご主人様が王様になって、ハッピーエンドだよ!」

れいか「……はるかさんとペローさんも、そのお話のようにハッピーエンドになれるでしょうか?」

みゆき「きっとなれるよ! だって、ほら! ふたりとも、とってもいいスマイルなんだから!」

あかね「……せやな!」


312レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:50:28.78ypAfLIV40 (92/98)

はるか「……今日はバタバタしちゃったけど、私、ペロー君とならうまくやっていけると思う。これからもよろしくね!」ニコッ


ペロー「こちらこそよろしくペロ! はるかさん!」ニコッ





つづく


313レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:51:06.37ypAfLIV40 (93/98)

次回予告

みゆき「大切な夢、漫画家に向かって、今日もガンバるやよいちゃん!」

みゆき「でも、デスペアランドの人達が、今までになかった新しい力で私達みんなを苦しめてきたの!」

みゆき「負けないで、やよいちゃん! 大切な気持ちを……あきらめないで!」


みゆき「次回、『スマイルプリキュア レインボー!』 "輝け! やよいの大切な夢!"」


みゆき「みんな笑顔でウルトラハッピー!」


314レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 09:52:27.77ypAfLIV40 (94/98)

今回はここまでです!
お読みいただいた方、ありがとうございました。


いやあ、先週は不覚にも落としてしまいました。。スミマセヌ。。
できる限り週一ペースで続けていきますので、よかったら次回以降もまたよろしくお願いします!


第1話 ~ 第11話 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360385907/

第12話 >>6 から
第13話 >>117 から
第14話 >>223 から


315レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 11:21:43.14ypAfLIV40 (95/98)

ここからはお返事タイムです!
いただいたレスにお返事返していきます。

ホントはもっと早くに返したかったんですが、14話が出来上がるまで落ち着かず、遅くなりました。。


>>197さん
> キュアノーブルの戦闘スタイルは歴代で言うところの
> キュアホワイトみたいな感じなんですかねぇ…

そうですね。ノーブルは投げキャラということでやっていく予定です。
投げ技使うのって基本ホワイトだけですが、
サンシャインもロゼッタも合気道やってるんだからもっと投げたらいいのになぁ。。


>>ボーズさん・乙くださった皆様

応援ありがとうございます! ホントに励みになります!
せいいっぱいがんばりますので、今後ともよろしくお願いします!


>>202さん
> もしかしてSSやハトの後日談書いた人?

ああ、そういうのあるんですね。存じませんでした。
その方とは違う者ですが、よかったらこちらもよろしくお願いしますー。


316レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 11:22:34.60ypAfLIV40 (96/98)

>>"編集者" さん

お返事が多岐にわたるので、要点ごとに分割してお返事します。



・ご意見をいただく事に関して

あまり気になさらず、ガンガン出していただいて大丈夫です!
内容に関する感想は毎回参考にさせていただいてます。

ストーリー展開との折り合いはつけられないかもしれませんが、別の形で参考にさせてもらうことは出来ると思うので、
これからもご意見いただけるとありがたいです!



・"ウルみゆ" について

さて、焦点となるこちらの要素なんですが……、この際なのでハッキリ申し上げておきます。

『レインボー!』では "ウルみゆ" やりません! ホントスミマセンが、ご承知ください!


理由ですが、"恋愛要素が NG" なんじゃなくて、"原作に無い要素" だからなんですね。
"ウルみゆ" はあくまで、二次創作要素だと認識しています。

一応、この作品は原作準拠で作っているので、原作で無かった "ウルみゆ" は盛り込まない、ということにさせてもらえれば、と思います。
ご期待にそえずスミマセンが、そういうことでよろしくお願いします。


317レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 11:26:08.71ypAfLIV40 (97/98)

・プリキュアにおける恋愛要素について

自分としては "あってもいいけど無くてもいい" という感じです。

作品のテーマはシリーズ毎に違いますが、
それを描くのに大体 "友情" か "家族愛" があれば事足りる、というのが自分のイメージです。
原作『スマイルプリキュア!』でも、恋愛要素はほぼゼロでしたし。


"女の子の憧れとして恋愛要素は必要" というご意見を否定する気はありませんが、
『レインボー!』は原作に準拠するスタンスなので、多分恋愛回はやらないです。
あかねちゃんとブライアンでちょこっとあるかどうか、ってところですかね。



・"キスが刺激的" について

これは自分の主観なので、あんまり気にしないで下さい。

ただ、自分、『レインボー!』を書くに当たって『プリキュア』全シリーズ全話・全劇場版(AS含む) 視聴しましたが、
全体的に過度な恋愛描写はなかった印象です。
描いたとしても、せいぜいくっつくかくっつかないかくらいの "あまずっぺー" 展開程度で。

なので、『5GoGo!』の劇場版のキスシーンが少し刺激的に感じた、という程度の話です。



長い上にとりとめなくなってしまいましたが、
"編集者" さんへのお返事は以上です。

ご不満もろもろあるかもしれませんが、よろしければ引き続きご愛読お願いします!


318レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/19(日) 11:28:09.13ypAfLIV40 (98/98)

あと最後に、このスレでのプリキュア談義は好きにしてもらって結構です。
むしろ自分も混ぜてほしいくらいの勢いなので。
『レインボー!』本編が乱れない程度であればオールオッケーです!

そんな感じでよろしくお願いしますー。


『スマイルプリキュア レインボー!』
第1話 ~ 第11話 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360385907/

第12話 >>6 から
第13話 >>117 から
第14話 >>223 から


319VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 11:43:14.68PbPM/Wsuo (1/1)


スマプリの雰囲気が出てて毎回楽しませてもらってる


320VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 12:09:52.03N4VxguK80 (1/1)


毎回楽しませてもらってる
はるかってオリキャラだっけ?
スマプリに名前出てた?


321レインボーさんへ編集者2013/05/19(日) 12:50:40.13VOLkXAYL0 (1/1)

 色々ありましたが、(遅ればせながら)11話の感想を述べさせて頂きます。今回は「今までよりギャグ的展開で終了して面白かったな」と思いましたが・・・次回予告を読んで「何でまたメルヘンランドの妖精なの?」と、(個人的に)ガッカリしました。

 ここからは私の独り言です。

例えば、プリキュアの皆が元に戻ったシーンで以下のような展開があっても面白いんじゃないか?(?と??のセリフに自分の考えた展開が入っております)


~七色が丘市 河川敷(上空)~

?「あれが、メルヘンランドに伝わる伝説の5人の戦士・・・」
??「けどよ、兄貴・・・何かおかしくないか?(懐から本を取り出し・・・パラパラ)この二人はまあ良いとしてこの三人・・・」
?「おそらく、まだ真の力に目覚めていないだけでしょう」
??「・・・(グルル)・・・」
?「ま、気長に様子を見ることに致しましょう」シュバッ

ビューティ「ん?」
マーチ「ビューティ、どうしたの?」
ビューティ「今、誰かの気配が・・・」
マーチ「そう?気のせいなんじゃない?」
ビューティ「でも、確かに・・・」

以上です。それから、何だか自分『編集者』と呼ばれているみたいなので今度からこの名を使わせて頂きます。
 最後にずっと言い忘れたことがありまして・・・私があのアイデアを出したのにはもう一つ理由がありまして・・・①第4話の回想シーンで
妖精たちがパートナーを話し合いで決めた(三幹部妖精は『以前、迷惑をかけた相手とパートナーになる』)ということに何か引っかかりを感じたこと。②第3話の217行目でみゆきに「隠れてて」と言われたウルルンが素直に従った(仕方ないのだが)ことに違和感を感じたこと。前まで拳を交えて戦っていた者としてこのような事を女性から言われたら男性のプライドとしてはどうかな?と考えてしまいました。又、例を出しますが、こんな描写を付けたらどうでしょうか?

例 217行目(抜粋)

みゆき「じゃあ行くよ、キャンディ!ウルルンはその辺に隠れてて!」
ウルルン「え?・・・お、おう!気を付けるウル!(何かモヤモヤするウルな)」



322ボーズ2013/05/19(日) 13:09:28.41+/1yE2hn0 (1/1)

おぉ~良い話です、ペローの優しさ、それに気づくはるか更に絆が強くなって敵を倒した熱かったストーリーでした。読み入ってました。次号楽しみです。


323VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 14:31:06.57oaZsaJpAO (1/1)

長文うぜぇ


324VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 15:35:54.42Wdz5olLxo (1/1)

乙でした
ノーブル回はこれで一旦終わり?今までのシリーズの追加戦士(パッション・サンシャイン・ビート等)は結構な数の話数をもらってたから、
「3、4回はノーブルの話が続くかな」って思ってたけど、>>1が考えたオリキャラだから控えた感じ?

>321 それ11話(なお回)の感想じゃなくて、12話(入れ替わり)の感想じゃない?


325324へ編集者2013/05/19(日) 17:29:21.94iBRYyhba0 (1/1)

その通り、話数を間違えていた。指摘ありがとう。


326VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 00:47:08.94pTtGjJD+o (1/2)

そこまで思うところがあるんなら自分でスレたてて作ればいいんじゃないかな


327VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 12:02:29.43untADSoG0 (1/2)

編集者氏のウルみゆスレとな


328VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 16:41:41.42pTtGjJD+o (2/2)

編集者はウルみゆssが見たくてそれ以外はスマの雰囲気が出てる>>1のssが見たいわけだ
皆が納得するのはそれが一番だろ


329VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 22:19:08.77untADSoG0 (2/2)

実際俺もウルみゆは好きだし見たいけどこのスレでやるのは違うやろ、って思うんよな。
>>111で>>1が意図的に妖精たちからフォーカスぼかしてるって知っててなおウルルン……というかウルフルンのキャラについてツッコむってのはなんか無粋ではないかい。
好きなキャラを贔屓したい気持ちはわかるだけに余計もにょる。

だからウルみゆスレを立てよう(暴論)


330VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/21(火) 00:54:17.48uxBfaQbDO (1/1)

今回はウルみゆのアイデアがメインって訳じゃないし、>>1も意見は出して大丈夫って書いてるからいいんじゃない?
ただ、「『レインボー!』では "ウルみゆ" やりません!」とも書いてあるけど!

>>321 「何でまたメルヘンランドの妖精なの?」まぁ、ミルキィローズも変身方法が1人だけ違ったから、
「藍」と「紫」が5人とは全然違う変身をしてもありとは思うんだけど……

プリキュアらしく女の子が喜ぶような可愛い妖精をパートナーにする→だったらメルヘンランド出身の妖精でいい
じゃあメルヘンランドにいないような可愛くないゲテモノをパートナーする→可愛くないのはプリキュアらしくない
ってことになっちゃうんだよね。


331レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:28:02.382I4rDNQE0 (1/93)

『スマイルプリキュア レインボー!』

このあとすぐ!


332レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:30:03.702I4rDNQE0 (2/93)

~ 黄瀬家 やよい自室 ~

やよい「(カリカリ)」

オニニン「(ペタペタ)」


オニニン「やよい! こっちのページ、ベタ塗り終わったオニ!」

やよい「ありがとう、オニニン! ……わぁ、すごくキレイに塗れてるね!」

オニニン「ふふん。おれ様もちょっとずつウマくなってるオニ!」

やよい「オニニンが漫画手伝ってくれて、ホントに助かるよ! 一人じゃ結構タイヘンだから……。ホントにありがとう!」ニコッ

オニニン「気にすることないオニ! やよいのガンバってるところを見ると、つい手伝いたくなるだけオニ」

やよい「うん……。今度の作品は……ちょっと自信あるの。オニニンの応援にも応えられるように、力いっぱいガンバるよ!」

オニニン「その意気オニ、やよい!」


333レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:31:50.162I4rDNQE0 (3/93)

コンコン


千春(やよい母)「やよいー、いるー? 入るわよー?」


やよい「わっ、ママだ! オ、オニニン、デコルになって隠れて!」

オニニン「オニ!」ポンッ


ガチャッ


やよい「ど、どうしたの、ママ? 何かあった?」

千春「ええ。"週刊スマイル" の梅沢さんから電話よ」

やよい「梅沢さんから……? なんだろ……」


334レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:32:26.552I4rDNQE0 (4/93)

~ 黄瀬家 リビング ~

やよい「梅沢さん、お電話変わりました。黄瀬です」

やよい担当編集・梅沢(電話)『き、黄瀬さん! た、タイヘンなことになったよ!』

やよい「え……、タイヘンなこと……? なんですか?」

梅沢編集(電話)『い、いい? 落ち着いて、落ち着いて聞いてね』

やよい「は、はい……!」ゴクリ

梅沢編集(電話)『実は――』


梅沢編集(電話)『――――――――』

やよい「…………!!」


335レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:33:15.772I4rDNQE0 (5/93)

やよい「ホ、ホントですかっ、それ!?」

梅沢編集(電話)『うん! ようやくここまで来たね! 僕ももうドキドキしっ放しだよ! だから、次の作品はぜひ全力で臨んでほしいんだ』

やよい「も、も、もちろんですっ! ガンバりますっ!」

梅沢編集(電話)『楽しみにしてるよ! それじゃ!』

やよい「は、はいっ! 失礼しますっ!」


ガチャッ


やよい(……どうしよう……、ドキドキが止まらないよ……!)


336レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:33:45.132I4rDNQE0 (6/93)

千春「やよい? ずいぶん驚いてたみたいだったけど、何かあったの?」

やよい「……うん。あのね、ママ。わたし、わたしね……!」


やよい「……漫画家デビュー、できるかもしれないの……!!」


337レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:34:26.092I4rDNQE0 (7/93)




スマイルプリキュア レインボー!

第15話「輝け! やよいの大切な夢!」






338レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:35:51.482I4rDNQE0 (8/93)

~ ふしぎ図書館 ~

5人「漫画家デビュー!!?」

やよい「あ、でもまだ決まったわけじゃなくって、雑誌に載るかどうかの最終選考に残ったってだけで……」


みゆき「それでもすごいよ、やよいちゃん! だって、それで認められたらもう、プロの漫画家さんってことなんだよね!?」

あかね「そやなそやな! えらいこっちゃやないか! そうと決まったら宴会の準備せなな!」

なお「あかね、まだ気が早いって。でもやよいちゃん、いつの間にそんなスゴいことになってたの?」

やよい「作品はずっと担当の編集さんに見てもらってたんだけど……、たまたま雑誌の枠が一つ空くことになったから、編集さんがそこに載せる漫画を決める会議でわたしの作品を出してくれたんだって」

れいか「そこで、やよいさんの作品が認められた、と。素晴らしいことですね……!」

やよい「……うんっ!」

はるか「……すごいね、やよいちゃん。漫画描いてる、とは聞いてたけど、まさか、もう少しでプロになれるくらい上手だったなんて思わなかったよ!」

やよい「えへへ……何だかテレちゃいます……」


339レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:36:50.922I4rDNQE0 (9/93)

オニニン「おれ様もその話を聞いた時はビックリしたオニ……。ガンバってやよいのアシスタントしてきた甲斐があったオニ」

ウルルン「アシ……? なんだそりゃウル?」

やよい「漫画を描くためのお手伝いのことだよ。漫画ってすごくたくさん色んなことを描いたり、塗ったりしないといけないから、とってもタイヘンなの。オニニンはそのお手伝いをずっとしててくれてたんだよ!」

マジョリン「ほえー……、あのおバカでぶきっちょなオニニンがねぇ……。……ホントにできてるマジョ?」

オニニン「もちろんだオニ! やよいのために、おれ様もガンバって練習したんだオニ!」

マジョリン「ありゃ、バカにしても怒らないマジョ。何だか拍子抜けだマジョ……」

オニニン「今日はとっても嬉しい日だオニ! そんな日にいちいち怒ったりしないオニ!」ニコニコ

ウルルン「ちぇっ、つまんねえウル。……でも、よかったなウル、やよい!」

やよい「ありがとう、ウルルン!」


340レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:38:45.132I4rDNQE0 (10/93)

やよい「それでね、実はみんなに言いたいことがあって、今日はここに来たの」

あかね「? 何や、改まって」


やよい「あのね、最終選考には、わたしが今描いてる作品を提出することになったんだ。前に出した作品の作り直しなんだけど、うまくいけば、その作品が雑誌に載るかもしれないんだって」

やよい「わたし、その作品を納得いくまで精一杯描きたいの。だからわたし、みんなとしばらく遊べなくなると思う……」

なお「遊んでる時間も惜しいほどガンバりたいってことなんだね」

やよい「うん。そうなの……」

みゆき「……そっか。やよいちゃんいないと、寂しくなっちゃうね……」

れいか「ですが、これもやよいさんの "道" のため。私達は暖かく見守りましょう」

みゆき「……うん、そうだね!」


341レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:40:14.932I4rDNQE0 (11/93)

やよい「それじゃ、わたし、漫画の続き描かないといけないから、もう行くね!」

はるか「……あ、待って、やよいちゃん!」

やよい「あ、はい? なんですか、はるかさん?」

はるか「遊ぶのはダメでも、差し入れ持って行くくらいなら大丈夫かな? もしよかったら、とびっきりのおいしいスイーツ、ごちそうするから!」

あかね「あ、それええですなぁ! したら、うちもお好み焼き出前したる! 腹が減っては戦はできん、ゆーからな!」

やよい「……! もちろんです! ありがとうございます!」


みゆき「やよいちゃん、ガンバってね! やよいちゃんの漫画家デビュー、楽しみにしてるよ!」

やよい「みゆきちゃん……、みんな……! ……ありがとう! それじゃ、またね!」


パァッ…


なお「……行っちゃったね」

れいか「ええ。でも、やよいさん、とてもいい顔をしていました。あれならきっと良い結果が出るのではないでしょうか」

キャンディ「だといいクル。キャンディも、やよいの夢がかなったらとってもうれしいクル!」

みゆき「そうだね、キャンディ。わたしもだよ!」


342レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:41:49.952I4rDNQE0 (12/93)

あかね「……よっしゃ! したら、うちらもお祝いの準備、せえへんか? やよいのデビュー祝い!」

なお「あーかーねー……、だから、まだ気が早いってば。まだなれるって決まったわけじゃないんだからさ」

あかね「せやけど、お祝いするなら今から準備しといた方がええんとちゃう? 決まってから準備しても間に合わへんやろ?」

なお「それはそうだけど……」


あかね「それに、あー……えっと、なんちゅーかその……、"やよいがデビューできますように" ってお祝いの準備すれば、うまくいくような気がせえへん? よう言えへんのやけど……」

れいか「……なるほど、一種の "願かけ" というわけですね」

キャンディ「がんかけ、って何クル?」

はるか「物事がうまくいくことを祈って何かをすることだよ。この場合、私達が頑張ってお祝いの準備をするから、やよいちゃんもうまくいきますように、ってお祈りすることになるのかな」

あかね「あー、そうそう、そんな感じです!」

みゆき「それいいね! やろうやろう!」

なお「……わかった。そうと決まれば、早速準備しよう! あたし、飾りつけの材料とか買ってくるよ!」

れいか「あ、なお、それなら私も行くわ。一緒に選びましょう」

はるか「じゃあ、私は差し入れのスイーツを見繕いに行ってくるね! この間みんなで行ったショッピングモールがいいかな」


ワイワイ ガヤガヤ


あかね「にしし、こりゃやよいだけやなく、うちらも忙しくなりそうやで!」

みゆき「うん、そうだね!」


みゆき(……やよいちゃん。みんな、やよいちゃんのこと応援してるよ。うまくいくといいね……!)


343レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:42:26.632I4rDNQE0 (13/93)

~ 翌日 七色ヶ丘中学校 漫画研究部 部室 ~

やよい「(カリカリ)」


漫研部員・河村 ゆうや「部長、ぼく達、そろそろ帰ります!」

漫研部員・稲上 りょうこ「おつかれさまでした!」


やよい「(カリカリ)」


漫研部員・稲上「……あ、あの、部長……?」

漫研部員・河村「聞こえてないんでしょうか……」


漫研部員・成島 ゆういち「周りの声も聞こえないほど集中しているようだね、黄瀬さん」

漫研部員・美川 すず「うん。すごく気合入ってるみたい。そっとしておいてあげよう?」

漫研部員・稲上「そうですね、わかりました」


やよい「(カリカリ)」


漫研部員・美川(もう少しでデビューだなんて、うらやましいな、黄瀬さん。ガンバってね!)


344レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:44:52.802I4rDNQE0 (14/93)

~ さらに翌日 黄瀬家 やよい自室 ~

やよい「(カリカリ)」


コンコン


千春「やよい、ちょっといい? 入るわよ?」

やよい「……ママ? はい、どうぞ」


ガチャッ


千春「やよい、さっきお友達の皆さんが来てね。はい、これ。やよいへの差し入れですって」


ドサッ


やよい「わ……! すごい量のお菓子……。それに、お好み焼きも! ……みんな、ホントに差し入れしてくれたんだ……!」


345レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:46:16.152I4rDNQE0 (15/93)

やよい「……あれ? でも、ママ、みんなは? 家に入ってもらってないの?」

千春「……私も入ってもらうようすすめたんだけどね。"今入るとやよいちゃんのジャマになるから" って言って、差し入れだけ渡して帰って行ったわ」

やよい「そうなんだ……」

千春「代わりに、これを受け取ったの。渡しておくわね」

やよい「これって……メッセージカード……?」


ピラッ


みゆき(メッセージ)『やよいちゃんなら絶対できる! ウルトラハッピー目指してガンバって!』

あかね(メッセージ)『お好み焼きに応援パワーぎゅうぎゅう込めたで! ド根性や、やよい!』

なお(メッセージ)『弟達も、みんなやよいちゃんの漫画読むの、楽しみにしてるよ! ファイト!』

れいか(メッセージ)『例えどんなに険しい "道" でも、やよいさんなら歩みきれると信じています。頑張ってください』

はるか(メッセージ)『して欲しいことがあったら何でも言ってね! 力になるから!』


やよい「……みんな……!」


346レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:46:46.662I4rDNQE0 (16/93)

やよい「……ママ、わたし、精一杯ガンバる。応援してくれるみんなの気持ちに応えたいの」

千春「ええ。ガンバって、やよい。もちろん、ママも応援してるわ。それに……きっと、パパも」

やよい「……うんっ!」


347レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:48:07.842I4rDNQE0 (17/93)

~ 3日後 七色出版("週刊スマイル" 出版社) 待合室 ~

やよい「梅沢さん、最終選考用の作品、持ってきました!」

梅沢編集「待ってたよ! それじゃあ、見せてもらうね」

やよい「はい!」


梅沢編集「…………」ペラッ


やよい「…………」


348レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:48:46.272I4rDNQE0 (18/93)

梅沢編集「…………いい。すごくいいよ、黄瀬さん!」

やよい「! ホ、ホントですか!?」

梅沢編集「うん! 前に指摘した画力も格段に向上してるし、全体的に選考に出した時よりもぐっと良くなってる! これならいける!」

やよい「あ、ありがとうございますっ!」

梅沢編集「それじゃあ、この作品は預かるよ。明後日に最終選考の会議があるから、その時提出させてもらうね。結果が出次第、電話でおうちに連絡するよ」

やよい「はい! よろしくお願いします!」


やよい(……わたし、目いっぱいガンバれた。わたしが今できること、全部できた。だからきっとうまくいく!)

やよい(わたしの夢……。"漫画家になる" っていう、わたしの夢……! 絶対かなえるんだ……!)


349レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:49:31.642I4rDNQE0 (19/93)

~ 二日後 黄瀬家 リビング ~

やよい「…………」

千春「…………」


やよい「…………」

千春「…………」


千春「……遅いわね、連絡。もうそろそろ来てもいい頃なのよね?」

やよい「……うん……」

千春「……こうやって、ただじっと待っててもしょうがないわね。待ってて、今お茶でも――」


trrrrr...


やよい「!!」
千春「!!」


ガチャッ


やよい「はいっ、黄瀬ですっ!」


350レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:50:09.732I4rDNQE0 (20/93)

~ ふしぎ図書館 ~

あかね「……いやー、それにしても、お祝いの飾りつけ、ずいぶん豪華になったなぁ……!」

なお「あの横断幕とか、スゴイね……。大きいし、刺繍まで入ってるし……。れいかが作ったんだっけ?」


横断幕『やよいちゃん! 漫画家デビュー、おめでとう!!』


れいか「ええ。張りきりすぎてしまって、つい夜更かしまでしてしまったわ……。……ふぁ……」

はるか「ふふっ、れいかちゃんが人前であくびなんて、珍しいね。ホントに頑張ったんだ」

れいか「あ、いけない……。つい、はしたないことを……。恥ずかしいです……」

あかね「そんだけガンバったんや。きっとうまくいっとるで!」

はるか「うん、そうだといいね!」


351レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:51:39.812I4rDNQE0 (21/93)

なお「うまくいってたら、最初に連絡もらったみゆきちゃんがやよいちゃんを連れてくることになってるんだよね?」

あかね「せや! もうそろそろくるはずやから、みんな、クラッカーしっかり持ってな! 妖精のみんなも頼むで!」

ウルルン「おう、任せろウル!」

マジョリン「こんなちっこいのじゃ地味すぎるマジョ! ここは、あたしの作った "ハナビダ~ス" で盛大にやるマジョ!」

ペロー「な、何考えてるペロ、マジョリン! そんなの使ったら火事になっちゃうペロ! やめるペロ!」


ポップ「全く、みんなソワソワして……。仕方ないでござるなぁ……」フリフリ

れいか「ふふ、そういうポップさんも、しっぽが揺れてますよ?」

ポップ「む……! そ、そ、そんなことないでござるよ……! 拙者は冷静でござる」

あかね「はいはい、そういうことにしとこか」ニヤニヤ


352レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:52:13.552I4rDNQE0 (22/93)

パァッ…


全員「!!」


なお「本棚が光った! 誰か来るよ!」

れいか「きっとやよいさんですね!」

あかね「せやな! 行くで、みんな!」


全員「漫画家デビュー、おめでとぉーっ!!」


パンッ! パパンッ! パンッ!


353レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:52:44.232I4rDNQE0 (23/93)

みゆき「…………」


あかね「……って、ありゃ? みゆき一人やん……。あぁー、しもたわー、クラッカー鳴らすタイミング間違えてもーた……」

なお「だいじょうぶだって、あかね。クラッカー、まだこんなにたくさんあるんだから! 仕切りなおししよう?」

みゆき「…………ううん、なおちゃん。もう、いいの。クラッカー、鳴らさなくても……いいの……」

れいか「……みゆきさん? 浮かない顔ですが、何かあったのでしょうか……?」


みゆき「…………」


354レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:53:10.572I4rDNQE0 (24/93)

みゆき「……ダメ、だったんだって。やよいちゃんから電話があって、……やよいちゃんの漫画……選ばれなかったんだって」


全員「……え……?」


355レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:54:17.222I4rDNQE0 (25/93)

パァッ…


やよい「…………」

オニニン「…………」


みゆき「やよいちゃん……! 来ても、大丈夫なの……?」

あかね「せやで……。その……ショックなんと……違うん……?」

やよい「…………どうしても、みんなに一言言いたくって……」


やよい「……せっかく応援してくれたのに、ダメだったの……。ゴメンね、みんな……!」


356レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:55:43.332I4rDNQE0 (26/93)

~ 数十分前 黄瀬家 リビング ~

やよい(回想)『…………落選……ですか……?』

梅沢編集(回想)(電話)『……うん……。残念だけど……』

やよい(回想)『……何か、よくなかったんでしょうか……、わたしの漫画……』

梅沢編集(回想)(電話)『僕は問題ないと思ったんだけど、編集長に "まだ荒いところがある" って言われて……』

やよい(回想)『……そう……ですか……』


梅沢編集(回想)(電話)『……黄瀬さん。ムリかもしれないけど、そう気を落とさないでほしいんだ。今回の漫画、僕はとてもいいと思ったし、どんどん成長してるっていうのもわかってる』

梅沢編集(回想)(電話)『だから、めげずにこれからも漫画を描き続けてほしい。君なら、いつかきっとデビューできるよ』

やよい(回想)『……はい……』


357レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:56:44.062I4rDNQE0 (27/93)

~ 現在 ふしぎ図書館 ~

れいか「……では、惜しくも落選してしまいましたが、編集者の方は応援してくださってるんですね」

やよい「……うん……」

なお「な、ならさ、次はきっと大丈夫だよ! 編集者さんの言うとおり、あきらめないでガンバろうよ!」

あかね「せ、せやで! それに、失敗したって謝ることなんかあらへんって。うちらはいつだって、やよいの応援しとるで」

やよい「……ありがとう、みんな……。……でも……」

みゆき「でも……?」


やよい「……自信、あったんだ、今回の作品……。でも……ダメだった……」


358レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:57:32.862I4rDNQE0 (28/93)

やよい「わたし、初めて漫画送ってから、いっぱい、いっぱい漫画描いてきたの。毎日、毎日」

やよい「今度の作品はね、今までガンバってきた分を、全部出せたと思ったの。……ううん。みんなが応援してくれたから、それよりもっと良くできたと思ったんだ」


やよい「でも、ダメだった……。今のわたしの全部出しても、まだ届かなかった……。あんなにガンバったのに……!」

やよい「わたし、わかんなくなってきちゃった……。わたしが、ホントにいい漫画を描けるのかどうか……」


やよい「……わたし、ムリかもしれない……。……漫画家になんて……なれないのかもしれない……!」


みゆき「……やよいちゃん……」

あかね「…………」

なお「…………」

れいか「…………」


はるか「…………」


359レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 08:58:53.762I4rDNQE0 (29/93)

はるか「……ねえ、やよいちゃん。こういうの、好き?」ペラッ

やよい「……え、なんですか……?」


チラシ『ショッピングモール "Rainbow" に『超竜戦隊 ディノレンジャー』がやって来る! みんなで応援しよう!』


なお「ヒーローショーのチラシ、ですか?」

はるか「うん。この間、差し入れを買いに行った時に配ってたから、ついでにもらってきたんだ。まだやってるみたいだよ」

はるか「やよいちゃん、この間ペロー君探してくれた時、アニメのことすごく楽しそうに話してたじゃない? こういうのも好きかな、って思って」

オニニン「確かに、これ、やよいの大好きなヒーローオニ。よく、テレビ見ながらマネしてるオニ」

やよい「うん、わたし、こういうの好きですけど……、ごめんなさい、今はちょっと見に行く気にはなりそうも――」


はるか「……やよいちゃん、気持ち、切り替えていこ?」

やよい「……え……?」

はるか「ここでこうしてたって結果は変わらないし、イヤなことを考えちゃってツラいだけだよ、きっと。気分転換すれば、少しは気がラクになるかなと思う。どうかな?」

やよい「…………」


360レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:00:17.052I4rDNQE0 (30/93)

みゆき「……ねえ、やよいちゃん、行ってみようよ。わたしも一緒に行くから! はるかさんの言う通り、パーッと騒いじゃおうよ!」

みゆき「やよいちゃん、今とってもツラいと思う。でも、だからこそスマイルを取り戻そうよ! そしたらきっと、元気が湧いてきてうまくいくようになるよ!」

やよい「……みゆきちゃん」


あかね「うちも行くわ、やよい。人数多い方が盛り上がるやろ」

なお「あたしも行くよ。みんないっしょに楽しもう?」

れいか「……どうですか、やよいさん? ムリに、とは言いませんが……」

やよい「…………」


361レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:01:20.582I4rDNQE0 (31/93)

やよい「……うん、わかった……。……ホントは、まだ乗り気にはなれないけど……、せっかくみんなが誘ってくれてるから……」


みゆき「……! よかったぁ! じゃあさっそくみんなで行こうっ! 盛り上がろうね!」

あかね「おぉーっ!」


はるか「…………」

はるか(やよいちゃんが元気になればいいな、って思ってショーの話したけど、他のみんなも精一杯明るくしようと頑張ってくれてる。みんながやよいちゃんのこと、本当に心配してる)


はるか(……いいチームだね、スマイルプリキュア)


362レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:02:04.162I4rDNQE0 (32/93)

~ デスペアランド 王宮 玉座の間 ~

ドックン


大臣「おお、また鼓動が……。例の "怪物" も順調に育っているようですな」

デスペア国王「……いや、そうでもない。予定より成長が遅いくらいだ」


デスペア国王「"怪物"を育てるのに必要な "闇の絵の具" が完全に不足している。……リアルランドに送った奴らさえ良い働きをしていれば、このようなことにはならぬものを……」

大臣「……ご安心ください、国王陛下。その件につきましては、すでに手を打ってあります」

デスペア国王「ほう? 何かしたのか?」

大臣「はい。リアルランドにいるシアンナ様達には、私からある "秘策" をお授けしました。今頃はお三方のお手元に届いているはずです」

デスペア国王「"秘策" だと?」

大臣「その通りでございます、国王陛下」


363レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:03:11.802I4rDNQE0 (33/93)

大臣「"闇の絵の具" の精製に必要な、リアルランドの人間達の濁った "心の絵の具" 。その採取を阻んでいるのは、伝説の戦士・プリキュア」

大臣「我が "秘策" は、そのプリキュア達を打倒するためのものでございます」

デスペア国王「その効果の程、期待してよいのだな?」

大臣「はい。あれさえあれば、プリキュアなど恐れるに足りません。あれさえあれば…………くふっ……ふふっ、くふふふっ……!」

デスペア国王「……自信があるのは結構だが……、大臣よ。私の前でその品の無い含み笑いはするな、と、以前命じたはずだな……!」ギロリ

大臣「……! ……これは失礼いたしました、国王陛下。どうかお許しを」

デスペア国王「……まあ良い。吉報を待っているぞ」

大臣「ははっ」


364レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:04:12.712I4rDNQE0 (34/93)

~ ギャラリー・D ~

ガチャッ


セルリア「……シアンナ……これ……、……外に……届いてた……」

シアンナ「これは……、小包と手紙? 本国からのものね」

ビリーズ「おっ? なんだなんだ、差し入れか? ウマい物だといいんだけどよぉ!」

シアンナ「そんなわけないでしょう、黙ってなさい。まず手紙を読んでみるわ」ガサッ


シアンナ「……! これは……!」

セルリア「……なんて……書いてあるの……?」

シアンナ「大臣からの支援のようね。プリキュア達を倒すための "秘策" だそうよ。手紙に詳細が書かれているわ。読み上げるから、二人ともよく聞きなさい」


シアンナ「――――――――」

ビリーズ・セルリア「…………!」


365レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:04:56.072I4rDNQE0 (35/93)

ビリーズ「……マジかそれ。スゴくね?」

セルリア「……それがあれば……プリキュアも……倒せる……!」

シアンナ「この小包の中に "それ" が入っているようだけど……」パカッ


シアンナ「……見ての通り、数は多くないわ。慎重に使いましょう」

セルリア「……わかった……」


366レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:05:49.952I4rDNQE0 (36/93)

ビリーズ「……あれ? おい、シアンナ。その手紙、二枚重なってね? お前、一枚目しか読んでねーよな?」


ガサッ


シアンナ「……本当ね、気付かなかったわ。目ざとさだけはさすがね」

ビリーズ「もっとホメてくれてもいいんだぜ!?」

セルリア「……別に……ほめてない……。……それで……二枚目には……何が……?」

シアンナ「ちょっと待って、読んでみるわ。…… "追伸" ……」


シアンナ「"重々承知かと思いますが、"期限" が迫っております。お急ぎください"。…………だそうよ」


セルリア「…………」

ビリーズ「…………あー、そういやそうか。もう結構経ってるよなぁ、何だかんだでよ」

シアンナ「そうね。"期限" までに、できるだけ国王陛下のお役に立つのが私達の使命。二人とも、これまで以上に精を出すように。わかったわね」

セルリア「……わかった……」

ビリーズ「へいへーい」


367レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:06:39.552I4rDNQE0 (37/93)

ビリーズ(……にしても、あの小包の中に入ってる "あれ"、そんなすげーのか……。ちょっと使ってみてーな)

ビリーズ(……よし、こっそりもらっとくか! 一個くらい、バレねえバレねえ!)ソーッ


シアンナ「……さて、それじゃあ、その "秘策" を有効に使うための話し合いを――――セルリア、ビリーズはどこ?」

セルリア「……知らない……。……さっきまで……そこに……いたけど……」

シアンナ「全く、一体どこに…………まさか」


パカッ


シアンナ「……小包の中の "絵の具" が……一つ無い……!」

セルリア「……あいつが……持ってった……?」

シアンナ「慎重に使おう、と言ったばかりなのに……! …………あの……馬鹿……っ!」プルプル

セルリア「……シアンナ……怒ってる……! ……お……落ち着いて……」


368レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:08:03.262I4rDNQE0 (38/93)

~ 七色ヶ丘市 ショッピングセンター "Rainbow" 内 ヒーローショー特設ステージ前 ~

ガヤガヤガヤ


あかね「すごい人やなぁ! みんなこのショー見にきたん?」

なお「この町でこういうショーやるの珍しいからね! 弟達も連れてきたらよかったなぁ……」


やよい「…………」

オニニン(……やよい、いつもだったら真っ先にはしゃぐのに……。やっぱりまだ浮かない顔してるオニ……)


ポンッ


やよい「みゆきちゃん……」

みゆき「やよいちゃん、せっかく来たんだから、楽しもうよ! いつもみたいに、目キラキラさせてさ! ねっ?」

やよい「みゆきちゃん……」

みゆき「あ、ほら! 始まるみたいだよ!」


369レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:08:45.302I4rDNQE0 (39/93)

ジャァァァァァン!


ディノレンジャー6人『超竜戦隊! ディノレンジャー!!』

子ども達「わぁぁぁっ!!」


あかね「おっ、何や? 6人おるなぁ。よー知らんけど、こーゆーのって 5人なんちゃうの?」

やよい「…………最初は 5人だったんだけど、この間、新しい仲間が増えたんだ」

なお「へぇ……、さすがやよいちゃん、よく知ってるね!」

みゆき「それで 6人かぁ! なんだかわたし達みたいだね!」

はるか「そうだね! 私も新人だし、新しい戦士の活躍、参考にさせてもらおうかな!」


370レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:09:27.592I4rDNQE0 (40/93)

敵役・デーモンスター『ふっふっふ……! 現れたな、ディノレンジャー! 今日こそ、ここにいるヤツらを悲しみに染め、その悲しみのエネルギーで我らが偉大なる神・デーモンキング様を復活させてやる!』

ディノレッド『悪魔の怪物、デーモンスターめ、そうはさせるものか! 行くぞ、みんな!』

ディノレンジャー5人『おうっ!』


れいか「何だか、本当に私達のようですね」

なお「敵も、前のあんた達とおんなじ様な事言ってるよ、マジョリン」

マジョリン「な、なおー……、バッドエンド王国の頃のことは言わないでほしいマジョ……」

なお「ゴメンゴメン、冗談だよ!」


371レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:10:07.962I4rDNQE0 (41/93)

敵のザコ兵士達『デーっ! デーっ!』ダダダダッ

ディノブラック『レッド! ザコは俺達に任せて、デーモンスターを倒してくれ!』

ディノレッド『わかったぜ! みんな、頼む!』


ウルルン「うぉぉーっ! そこだ、やれウルぅー!」

ペロー「ガンバるペロー! 悪いヤツらをやっつけるペロー!」

ポップ「むむむ……! これは手に汗握る激しい戦いでござる……!」


あかね「盛り上がりすぎやで、あんたら……。はしゃぎすぎて、周りの人にバレへんようにな」

なお「目の色変わってる……、ポップまで……。みんな男の子だねー」


372レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:10:49.282I4rDNQE0 (42/93)

オニニン「……やよい。やよいは、応援しないオニ?」

やよい「…………」

オニニン「……はあ……」


オニニン(……やっぱり、まだすぐには元気になれなさそうオニ……)

オニニン(どうしたら、やよいをいつもみたいに明るく、元気にさせてあげられるオニ……?)


はるか「…………」


373レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:11:33.372I4rDNQE0 (43/93)

はるか「……やよいちゃん。まだショー、楽しめなさそう?」

やよい「……はい……」

はるか「そっか……。漫画のこと、よっぽどショックだったんだね……」

やよい「…………」


374レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:12:19.452I4rDNQE0 (44/93)

はるか「……ねえ、やよいちゃん。もし良かったら教えてほしいんだけど」

やよい「……なんですか……?」


はるか「やよいちゃんって、どうして漫画家になりたいのかな?」

やよい「…………え?」

はるか「あんなに一生懸命になれるんだもん。きっと、何かあると思うんだ。やよいちゃんが "漫画家になりたい" と思うわけが」


375レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:13:01.182I4rDNQE0 (45/93)

はるか「……私もね、いろんなことがうまくいかなくって、落ち込んじゃう時があるんだ」

はるか「そんな時はね、思い出すの。自分が、どうしてそのことを頑張ってるのか、その理由を」

はるか「それがわかってれば、失敗したってまた強い気持ちで立ち上がっていこう、って思える」


はるか「だから、考えてみて。やよいちゃんが "漫画家になりたい" と思う、本当の理由。やよいちゃんだけの大切な気持ち」

はるか「それがあれば、どんなにツラくったって乗り越えていけるよ、きっと」


やよい「……わたしの……大切な気持ち……」


376レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:13:45.762I4rDNQE0 (46/93)

やよい(わたし、今までただ漫画か描きたくて描いてきた。ただ、絵を描くのが好きだったから……)

やよい(……でも、わたしは本当は、漫画を描いてどうしたいんだろう……。どうして、漫画家になりたかったんだろう……)


やよい(……わたしが、漫画を描く理由……。これまで、ガンバってきた理由……)

やよい(……わたしが、本当にほしいもの……)


やよい(……それって……なんなのかな……)


377レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:14:49.922I4rDNQE0 (47/93)

みゆき「や、やよいちゃん!」

やよい「み、みゆきちゃん? ど、どうしたの?」

みゆき「ほら、いいところだよ! 一緒に応援しよう!?」


ディノレッド『今だ! 必殺、ディノブレード!!』ズバッ!

デーモンスター『ぐわぁぁぁぁっ!? お、おのれ、ディノレンジャー……! 次こそは必ずお前達を倒してみせる!』ダダダダッ…

ディノピンク『やったわ! デーモンスターが逃げてった! 私達の大勝利!』

ディノレッド『応援してくれたみんなのおかげだ! 本当にありがとう! オレ達は、これからも地球の平和を守るために戦うぜ!』


男の子A「やったぁ! パパ、やったよー! ディノレンジャーかったよー!」

男の子A の父「ああ、良かったな! お前が一生懸命応援したおかげだよ」

男の子A「うんっ!」ニコッ


やよい「…………」


378レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:15:53.562I4rDNQE0 (48/93)

~ 七色ヶ丘市 ショッピングセンター "Rainbow" 前 ~

みゆき「ショー、面白かったね! わたしずーっとドキドキしっぱなしだったよー!」

あかね「せやなぁ。なんだかんだで結構盛り上がったし」

なお「あかね、"結構" どころじゃなかったでしょ……。みゆきちゃんと一緒に "あぶなーい!" だの、"やったー!" だの大騒ぎして、ノリノリだったよね」

あかね「あ、あはは……、うちらかて、プリキュアになって似たような事やっとるやん? なんか人ごとに見えなくて……」

れいか「その気持ち、わかります。私も自分のことのように応援してしまいました」


ワイワイワイ


379レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:16:48.702I4rDNQE0 (49/93)

やよい「……はるかさん」

はるか「ん? なに、やよいちゃん?」

やよい「わたし、さっきはるかさんに聞かれた時から、ずっと考えてたんです。"漫画家になりたい" って思う、わたしの気持ちってなんだろう、って」

はるか「……そうなんだ。何かわかった?」

やよい「いえ……、今はまだ、何も……」

はるか「……そっか。すぐには難しいかもしれないね」


380レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:17:25.662I4rDNQE0 (50/93)

やよい「でも、その気持ちって、きっとすごく大事なことなんだと思います。だから、もっと良く考えてみようと思います」

やよい「……今はまだ、元気出ないですけど……、はるかさんの言うとおり、その気持ちがわかれば、きっとガンバっていけると思うから……」


はるか「……うん、その意気だよ、やよいちゃん! もし何かわからないことがあったら、またいつでも相談に乗るよ! 今はツラいかもしれないけど……頑張って!」

やよい「はい。ありがとうございます」


381レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:18:34.612I4rDNQE0 (51/93)

フラフラ


ビリーズ「……や、や、やっと、見つけたぜ、プリキュアぁ……!」


みゆき「あ、あなたは!」

れいか「デスペアランドのビリーズ!」

はるか「! あの男も……デスペアランド……!」


ビリーズ「ったくよぉ……、来てほしくねえ時には呼ばなくても来るくせに、いてほしい時にはいねえのな、お前ら……!」

ビリーズ「探したぜ……、町内くまなく三時間……! おかげで脚が棒になっちまった……!」

れいか「……私達を探して……? なぜです? あなた方にとって、私達はいない方が都合がいいのではないですか?」

ビリーズ「オレらがお前らに用事、っつったら決まってんだろ。お前らを……コテンパンに倒すためだよ! さあ、プリキュアになりやがれ。待っててやるぜ」


なお「何……? わざわざ勝負を挑んでくるなんて……、今までと違う……!?」

あかね「せやけど、放ってもおけんやろ! いつも通りこっちがコテンパンにしたるわ! みんな、行くで!」

みゆき「うんっ!」


はるか「……やよいちゃん、大丈夫? やれる?」

やよい「……はい、大丈夫です!」

はるか「OK! じゃあ、行こう!」


382レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:19:17.382I4rDNQE0 (52/93)

妖精達「デコル・チェーンジ!」

パチンッ!

レディ!

6人「プリキュア! スマイルチャージ!!」

ゴー! ゴーゴー! レッツゴー!!


ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」

サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」

ピース「ぴかぴかぴかりん♪ じゃん・けん・ポン!(グー) キュアピース!!」

マーチ「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」

ビューティ「しんしんと降り積もる、清き心。キュアビューティ!!」

ノーブル「さらさら流れる気高きせせらぎ! キュアノーブル!!」


6人「6つの光が導く未来!」

6人「輝け! スマイルプリキュア!!」


383レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:20:25.502I4rDNQE0 (53/93)

マーチ「変身したよ! そっちもアキラメーナ出しな! それとも、直接あたし達と戦うつもり!?」

ビリーズ「やらねーよ。今日もお前らの相手すんのはアキラメーナだ。……ただし、ちょっと特別製のな!」

ノーブル「……特別製……?」

ビリーズ「おうよ! 今日は……(ゴソゴソ) コイツを使うぜ!」バッ

ハッピー「絵の具……? あれ、でもいつもと色が違う? 黒くないね」

ビリーズ「そう、こいつはいつもの "闇の絵の具" じゃねえ。特別に作られた、高いパワーの "心の絵の具" だ」

ビリーズ「お前達、リアルランドの人間達の "努力する心" が凝縮されてできた絵の具、"努力の緑・キャクタスグリーン" よ!」


サニー「へ……? それじゃあ、その絵の具、ええもんちゃうの? そんなんでどう悪さするん?」

ビリーズ「まあ、そう焦んなって。見てろ、本番はこれからだ!」


384レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:21:51.552I4rDNQE0 (54/93)

ビリーズ「この絵の具 "キャクタスグリーン" を、"闇の絵の具" と混ぜ合わせる!」


ビャァァッ バチバチバチッ


ビューティ「輝いている "心の絵の具" が……、"闇の絵の具" と混ざり合って黒くなっていきます!」

ビリーズ「"心の絵の具" と "闇の絵の具" を混ぜ合わせると、"心の絵の具" が持つプラスのエネルギーが、全く正反対のマイナスのエネルギーに変わる!」

ビリーズ「つまり、"努力する心" の正反対、"怠け心" のエネルギーを持った絵の具になるんだ!」


バチィッ!


マーチ「わっ!? 光った!?」

ビリーズ「……完成だぜ。これが、お前達プリキュアを倒すための新兵器!」


ビリーズ「闇の絵の具・"怠けの緑" だ!」


ハッピー「……今までのと違うの? 色付いただけじゃなくって?」

ビリーズ「だぁーから、焦んなって! 今すぐ、その体で味合わせてやるよ! 新しい "闇の絵の具" の恐ろしさをよ!」


385レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:22:47.702I4rDNQE0 (55/93)

ビリーズ「闇の絵の具よ! 闇の絵筆よ! キャンバスに絶望を描き出せ!」


シュババババッ


ビリーズ「実体を持ってキャンバスから現れよ、アキラメーナ!」


ズズズズズズ…


アキラメーナ(ショーのパンフ型)「アキラメーナァッ!」


ビリーズ「さあ! お望みどおり、コイツの恐ろしさ、見せてやるぜ! アキラメーナ、やっちまえ!」

アキラメーナ(ショーのパンフ型)「アキラメーナァッ!」ペラッ


バァァァァァァッ!


ノーブル「何!? あのアキラメーナがページを開いたら、中から黒い光が……!」

ビューティ「……こ、これは……!」

ハッピー「わ、わっ!? か、体が……アキラメーナに向かって吸い込まれるぅ!?」


6人「わぁぁぁぁぁー……」スゥッ


ビリーズ「……よぉーし、全員入ったな? んじゃあ、オレも中入るとするか。アキラメーナ、後は任せたぜ」スゥッ

アキラメーナ(ショーのパンフ型)「アガ」


386レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:23:31.582I4rDNQE0 (56/93)

~ ?????? ~

サニー「……あいったたた……、みんなー、無事かー?」

マーチ「吸い込まれた時にあちこちぶつけたけど……、何とか」

ピース「……それにしても……、ここ、どこだろう……?」

ビューティ「全く何にもありませんね」


ビリーズ「ようこそ、プリキュア! 絶望の世界へ!」

ノーブル「絶望の世界……? ここは一体何なの!?」

ビリーズ「ここはな、新しい "闇の絵の具" を使って生み出したアキラメーナの中にできた空間、"デスペア空間" だ!」

ハッピー「デスペア……空間……!?」


387レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:24:27.422I4rDNQE0 (57/93)

ビリーズ「聞いて驚け! ここはなぁ、アキラメーナを作る時に使った "闇の絵の具" のエネルギーを自在に操ることができる!」

ビリーズ「今回使ったのは "怠けの緑"。だから、この中では "怠け心" を使ってお前たちを攻撃できんだよ! それで、お前達をデロデロに怠けさせてやっつけよう、って作戦だ!」

ビリーズ「言っとくが、その怠けパワーはスゴイぜ? お前達のやる気もあっという間になくなってお終いだ! 覚悟しとけ!」

ノーブル「私達を、ムリヤリ怠けさせることができる、ってこと……!?」

ビリーズ「そーゆーこと。スゲーだろ? ビビれ、ビビれ! だっはっはっはっは!」


ノーブル以外の5人「(シーーーーーーン…)」


ビリーズ「はっはっは……っは…………あれ?」


388レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:25:25.882I4rDNQE0 (58/93)

ビリーズ「おい、身構えてんの、新しいヤツだけじゃねーか……。他のヤツらは何でビビんねーんだよ……」


ハッピー「なんか、前にもおんなじようなことあったよね?」

ビューティ「そうですね。ジョーカーの "怠け玉"、でしたでしょうか」

マーチ「要するにアレと一緒でしょ?」


ノーブル「……? みんな、何か知ってるの? "ジョーカー"? "怠け玉"?」


ポップ(デコル)「"ジョーカー" というのは、プリキュアの皆の衆が以前戦っていた敵 "バッドエンド王国" の最高幹部だった男でござる」

ポップ(デコル)「その性格は卑劣で残忍……。人が苦しむ様を見て喜ぶような輩でござった……」

ウルルン(デコル)「おれ達が仲間だった時も、バカ丁寧な態度を取りながら、ハラん中では常に見下してやがったウル……。……イヤなヤツだったウル……!」


389レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:26:42.202I4rDNQE0 (59/93)

ビューティ「そのジョーカーが私達に仕掛けてきた攻撃の一つが、"怠け玉" です。その中の空間に入ってしまうと、誰でもみんなすぐ怠けてしまうのです」

ノーブル「なるほどね、大体わかった。……でも、みんなはそのジョーカーにも勝ってるんだよね? と、いうことは――」

サニー「そや! うちらには怠け攻撃なんて効かへんで! 一回打ち破っとるんやからなぁ!」

ビリーズ「……はぁーん、なるほど、そーゆーことか。だから全然ビビんねーわけだ。…………けどよ」


ビリーズ「"怠けたーい"。"楽したーい"。……そんな気持ちが心から完全に消えると思うか?」


ピース「……!(ドキッ) ……わ、わたし達なら、きっと大丈夫だもん……!」


ビリーズ「……はっ、まあいいや。効くか効かねーかは、試してみりゃわかるってなもんよ。とりあえず食らえや!」

ノーブル「来るよ! みんな、気をつけて!」


390レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:27:11.022I4rDNQE0 (60/93)

ビリーズ「そらよっ!」パチンッ!


バァァァァッ!


ハッピー「わっ!? な、何!?」

ビューティ「黒い光が……全身を包んで……!?」

サニー「な、なんやこれ……!? なんも見えへん……!?」

ピース「……っ!?」


391レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:29:01.962I4rDNQE0 (61/93)

ピース「……あれ? 何ともない……」

ビリーズ「……あれ? おっかしーな……。なんでキュアピースだけ平気なんだ? 他の連中みたいになるはずなんだけどよ」

ピース「……え?」


ハッピー「うわぁ、ピーター・パンだぁ! ……え!? わたしウェンディ!? どーしよどーしよ!? ……ネバーランド!? 行きます行きますぅ!」

サニー「……ブライアン……、うちも……会いたかったで……!」

マーチ「おいしーい……。こんなに沢山の高級料理……しあわせー……!」モグモグ

ビューティ「……こんなところにお布団が……。そういえば、やよいさんのお祝いの準備で……ふわぁ……寝不足気味でした……。……すー……すー……」

ノーブル「……ふふっ……、……あはっ、あはははっ……。あっははははははっ……!」


ピース「……!? み、みんな……!? 何も無いのに……、どうしたの!?」

ビリーズ「ふふん、さっきの黒い光を浴びるとだなぁ……、自分が今、最も欲しがってる幻にとりつかれるんだよ! その幻の中で、ラクして楽しーい思いができる、ってわけだ」

ビリーズ「それにしても、ぷぷっ……、あのザマで "怠けたりなんてしない" なんてよく言えたもんだ! 口ほどにもねえとは、このことだなぁ! だっはっはっは!」


ビリーズ「……の、はずなんだけどなぁ。なんでお前平気なんだよ?」

ピース「……そ、そう言われても……」


392レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:31:05.822I4rDNQE0 (62/93)

ビリーズ「……あ、わかった! そうか! お前、今なんもしたくねーんだろ!? 欲しいもんとか、やりたいもんとか、何もねーんだ! だから幻が出ねーんじゃねーの!?」

ピース「……!? ……そ、そんなこと、ないもん……。わ、わたしにだって、やりたいこと、あるもん……! わたしには……、とっても大切な……夢があって――」

ビリーズ「夢ぇ? じゃあ、なんでその夢に関係する幻とか見ねーんだよ。おかしいじゃねーか」

ピース「そ、それは……」


393レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:31:41.862I4rDNQE0 (63/93)

ビリーズ「……お前、もしかして、その夢とかいうの、別にそんなに大事じゃねーんじゃねーの?」


ピース「!!?」


ビリーズ「お、図星か? 顔が青くなったぜ?」

ビリーズ「夢ってあれだろ? 何か色々、やたらガンバったりしなきゃいけねーんだろ? お前、ホントはそれがイヤになって、もう何もやりたくねーんじゃねーの? だから幻も見ねーんだ、きっと」

ピース「…………」


394レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:32:20.662I4rDNQE0 (64/93)

ガクッ


ピース「……え……? 力が……抜ける……?」

ビリーズ「ああ、一応幻見なくても効いてんだな。この空間には怠けパワーが充満してっからよ、少しずつ気力を奪ってくんだよ。うずくまっちまって、とうとう立ってもいられなくなったみたいだな?」

ピース「……そ……んな……」

ビリーズ「丁度いいじゃねーか! ここにいりゃあ、何も考えなくって済むぜ? 好きなだけ、ゴロゴロできるし、誰も何も言わねえ。正直うらやましいくらいだぜ」


395レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:32:58.862I4rDNQE0 (65/93)

ビリーズ「まあ、ゆっくりしてけや。その間、オレは仕事してっからよ」


ポチョン ポチョン


ピース「……! それって、"心の絵の具" ……!?」

ビリーズ「おお、その通り。今、外の世界じゃアキラメーナが絵の具吸いまくってんだよ。これが、新しい "闇の絵の具" のスゴいところなんだぜ!」

ビリーズ「お前らプリキュアをこのデスペア空間に閉じ込めておけば、ジャマ者は誰もいねえ。絵の具も吸い放題、ってわけよ!」

ビリース「お前らもやっつけられるし、絵の具もたまる。一石二鳥、ってわけだ! だっはっはっはっは!」


ピース「…………」


396レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:33:46.652I4rDNQE0 (66/93)

ピース(……どうしよう……。このままじゃ、町がメチャクチャになっちゃう……。他のみんなは動けないし……、わたしが……何とかしないと……)

ピース(……でも……)


ビリーズ(回想)『……お前、もしかして、その夢とかいうの、別にそんなに大事じゃねーんじゃねーの?』


ピース(…………)

ピース(……こんな気持ちじゃ……わたし……戦えない……)


397レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:34:34.422I4rDNQE0 (67/93)

ピース(……わたしの夢……。大切だと思ってた、わたしの夢……、漫画家になる夢……)

ピース(でも、欲しいものが何でも出るこの場所で……、わたしの前には何も出ない……)

ピース(わたしはホントに……夢なんて……大切じゃないと思ってるの……? 失敗したから、もうやりたくないって思ってるの……?)

ピース(……あきらめたいって、思ってるの……?)


ピース(わたしにとって、漫画家になる夢って……そんなものだったの……?)


398レインボー ◆S.wemUt41w2013/05/26(日) 09:35:00.802I4rDNQE0 (68/93)

はるか(回想)『だから、考えてみて。やよいちゃんが "漫画家になりたい" と思う、本当の理由。やよいちゃんだけの大切な気持ち』


ピース(…………)

ピース(……わたし、なんで "漫画家になりたい" って思ったんだろう……)