737 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:04:52.73+uY4j2Ek0 (13/29)

完全に数字ミスりました……。
気を取り直して

・性別 女

・年齢 20



・性格
>>738
>>739
>>740

※>>740のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>738
34~66 >>739
67~99 >>740


・特徴
>>741
>>742
>>743

※>>743のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>741
34~66 >>742
67~99 >>743


738VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:05:51.55fc+fG6U10 (4/24)

冷静沈着


739VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:06:31.85YGgUjirG0 (4/16)

ほんわかさん


740VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:07:24.801KuLtHZ6o (4/6)

男勝り


741VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:09:13.90fc+fG6U10 (5/24)

背が高い


742VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:09:29.93YGgUjirG0 (5/16)

身長よりわずかに短い程度の黒髪ロング


743VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:09:51.684OGVH9xA0 (1/1)

耳がいい


744VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:10:42.23KfDQPnEwo (1/2)

金髪ツインテール


745 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:13:56.63+uY4j2Ek0 (14/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い






職業
>>746
>>747
>>748

※>>748のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>746
34~66 >>747
67~99 >>748






名前
>>749
>>750
>>751

※>>751のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>749
34~66 >>750
67~99 >>751


746VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:14:43.21YGgUjirG0 (6/16)

大企業の幹部


747VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:14:47.95H/hVWWRAO (9/12)

大学生


748VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:14:51.83fc+fG6U10 (6/24)

プロボクサー


749VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:15:06.88KBZqVrFAO (5/11)

サブマス


750VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:16:04.07fc+fG6U10 (7/24)

綺堂 火鉢


751VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:20:06.621KuLtHZ6o (5/6)

加藤 晶


752VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:20:36.61YGgUjirG0 (7/16)

八舞 カンナ


753 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:25:06.45+uY4j2Ek0 (15/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)



家族

>>754
>>755
>>756

※>>756のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>754
34~66 >>755
67~99 >>756






趣味

>>757
>>758
>>759

※>>759のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>757
34~66 >>758
67~99 >>759


754VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:26:02.69KBZqVrFAO (6/11)

孤児


755VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:26:38.78fc+fG6U10 (8/24)

父、自分、離婚した母


756VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:26:51.03+W1YrfY0o (2/13)

入院してる弟が一人


757VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:27:08.48H/hVWWRAO (10/12)

親はおらず兄と2人暮らし


758VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:27:15.60YGgUjirG0 (8/16)

なし(両親と妹がいたが既に全員死亡)


759VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:27:46.19fc+fG6U10 (9/24)

トレーニング


760VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:28:59.76KBZqVrFAO (7/11)

コスプレ


761VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:29:18.141KuLtHZ6o (6/6)

裁縫


762VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:29:26.71YGgUjirG0 (9/16)

かわいいもの集め


763 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:33:35.17+uY4j2Ek0 (16/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)

家族 孤児

趣味 トレーニング



好きなこと
>>764
>>765
>>766

※>>766のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>764
34~66 >>765
67~99 >>766


嫌いなこと
>>767
>>768
>>769

※>>769のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>767
34~66 >>768
67~99 >>769


764VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:34:21.40fc+fG6U10 (10/24)

相手を殴る事


765VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:36:31.34KBZqVrFAO (8/11)

弱いものいじめ


766VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:37:12.29+W1YrfY0o (3/13)

強い人と戦う事


767VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:37:49.06KfDQPnEwo (2/2)

泣き虫


768VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:38:43.874vW9g5x8O (2/2)




769VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:38:59.93+W1YrfY0o (4/13)

えっちなこと


770VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:39:14.73YGgUjirG0 (10/16)

理詰めな奴


771VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:39:59.84fc+fG6U10 (11/24)

おっぱいが小さい事


772VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:41:03.85U8uKbwrlo (2/4)

エッチなのは嫌いですとか言いながら殴りかかってくるプロボクサーとか怖過ぎ


773 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:44:11.01+uY4j2Ek0 (17/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)

家族 孤児

趣味 トレーニング

好きな事 人を殴る事

嫌いな事 えっちな事


長所
>>774
>>775
>>776

※>>776のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>774
34~66 >>775
67~99 >>776

短所
>>777
>>778
>>779

※>>779のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>777
34~66 >>778
67~99 >>779


※※※>>780のコンマ判定が(00~50)の時、長所と短所が入れ替わります※※※


774VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:45:05.03fc+fG6U10 (12/24)

喧嘩が強い


775VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:45:37.29YGgUjirG0 (11/16)

回避能力が異常に高い


776VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:46:07.67+W1YrfY0o (5/13)

スタミナに自信


777VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:46:09.94U8uKbwrlo (3/4)

反射神経が高い


778VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:47:07.30fc+fG6U10 (13/24)

不意打ちに弱い


779VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:47:38.88YGgUjirG0 (12/16)

バカ


780VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:48:37.42KBZqVrFAO (9/11)

料理下手


781VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:48:54.02+W1YrfY0o (6/13)

粗野な口調


782VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:49:26.62fc+fG6U10 (14/24)

やっぱり脳筋なのか、この貴女


783VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:50:12.406oF0oJeZo (1/3)

バカかスタミナないかどっちがいい?


784VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:50:16.38YGgUjirG0 (13/16)

スタミナに難ありとかPDAの数字によっちゃあ詰みゲーだろ…


785VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:51:23.29+W1YrfY0o (7/13)

なんかすごく黒河の女版な気がしてきた


786 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 18:54:07.69+uY4j2Ek0 (18/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)

家族 孤児

趣味 トレーニング

好きな事 人を殴る事

嫌いな事 えっちな事

>>780のコンマ判定により 長所と短所が入れ替わります

長所 頭が良い

短所 体力が無い


原作キャラとの接点(無しも可)

>>787
>>788
>>789

※>>789のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>787
34~66 >>788
67~99 >>789





ゲームとの関連性(無しも可)

>>790
>>791
>>792

※>>792のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>790
34~66 >>791
67~99 >>792


787VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:56:25.89Na70gQLSo (1/2)

手塚の彼女


788VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:56:59.60fc+fG6U10 (15/24)

矢幡とは友達


789VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:57:15.78KBZqVrFAO (10/11)

レイカの友人


790VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:57:40.98YGgUjirG0 (14/16)

高山とスパーリング経験有り


791VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:58:27.72fc+fG6U10 (16/24)

ゲーム参加した事があり、その時綺堂渚と共闘した事がある


792VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:58:47.666oF0oJeZo (2/3)

カジノ船の常連


793VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:58:54.92YGgUjirG0 (15/16)

前回殺害系のPDAではなかったものの2人殺している


794VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 18:59:30.89+W1YrfY0o (8/13)

3人殺し達成経験あり


795 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 19:06:24.34+uY4j2Ek0 (19/29)

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)

家族 孤児

趣味 トレーニング

好きな事 人を殴る事

嫌いな事 えっちな事

長所 頭が良い

短所 体力が無い

原作キャラとの接点 麗佳の友人

ゲームとの関連性 リピーター(前回殺害系のPDAではないが2人殺害)



JOKERの解除条件
>>796
>>797
>>798
>>799
>>800

※解除条件は、JOKERの機能を用いる必要があるもの、殺人が含まれているもの、またはそれらに近しい難易度のものでなければ無効となります。

解除条件については、今回のゲームに合いそうなものを私が安価の中から採用します。



796VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:06:46.35H/hVWWRAO (11/12)

奇数か偶数のプレイヤーを2人殺害
ただし殺害した1人目が奇数で2人目に偶数を殺害したり、逆に1人目が偶数の時に2人目に奇数を殺害すると首輪が作動する


797VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:06:53.346oF0oJeZo (3/3)

PDAを2台以上集め、PDAの番号の合計を21にする
ただしジョーカーで偽装した番号も加えなければならない


798VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:07:25.40fc+fG6U10 (17/24)

pdaの5台破壊


799VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:09:22.78KBZqVrFAO (11/11)

三人以上のレイポゥ


800VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:11:52.46YGgUjirG0 (16/16)

PDA2と6の所有者をそれぞれ殺害or6人殺害。


801VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:12:39.48+W1YrfY0o (9/13)

最初に化けたPDA番号の人物を[ピーーー]
なお、化けた人物がルール違反や別な人物に殺された場合、その旨が通知され再び仕切り直しになる


802VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:12:58.31E1rkIFZbo (1/1)

生存者から指1本収集


803VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:14:45.42fc+fG6U10 (18/24)

今回の貴女、人[ピーーー]事に躊躇なさそうだな


804 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 19:18:47.78+uY4j2Ek0 (20/29)

【主人公設定】

性別 女

年齢 20

性格 男勝り

特徴 耳が良い

職業 プロボクサー

名前 加藤 晶(あきら)

家族 孤児

趣味 トレーニング

好きな事 人を殴る事

嫌いな事 えっちな事

長所 頭が良い

短所 体力が無い

原作キャラとの接点 麗佳の友人

ゲームとの関連性 リピーター(前回殺害系のPDAではないが2人殺害)


JOKERの解除条件

奇数か偶数のプレイヤーを2人殺害
ただし殺害した1人目が奇数で2人目に偶数を殺害したり、逆に1人目が偶数の時に2人目に奇数を殺害すると首輪が作動する。



以上が今回のゲームの設定です。

外食へ行ってくるので、ゲーム開始まで時間を頂きます……。


805VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 19:24:07.26pmT0Vl8zo (1/2)

いてらー


806 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 20:18:34.38+uY4j2Ek0 (21/29)

【02:00】

「ん……む…………」

私は眩しさを感じて目を開けた。

「…………」

これは夢なのだろうか、と思いながら起き上がってみるが、すぐにこれは現実だと理解した。

「また、か…………」

失望と憂愁が私の心を駆け巡る――

どうやら私はあのゲームにまた参加させられてしまったみたいだ。

見覚えのあるコンクリート製の部屋、粗末な家具、軋みがうるさいベッド――

どれも見覚えがあり、懐かしさを感じた――

(あの時は…………)

私は前回のゲームで結果的に2人の人間を殺めてしまった。

記憶から抹消しつつあったものが、鮮明に蘇ってくる――

(取りあえず、PDAは――)

私は周囲を見渡しながらポケットを探ってみる。

「あった、っと…………」

私は慣れた手つきでPDAを操作してルールと解除条件を確認する……。


私のPDAに入っていたルールは?

コンマ判定

PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)

>>807
>>808

3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99


807VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:19:06.96YqnM967Do (1/7)

トゥエーイ


808VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:23:20.84pmT0Vl8zo (2/2)




809VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:30:49.54YqnM967Do (2/7)

やったー。9番で全解除条件げっとー!


810 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 20:35:30.66+uY4j2Ek0 (22/29)

私のPDAに入っていたルールは8と9だった。

開始から6時間までは戦闘禁止ということと、解除条件一覧が分かったのは出だしとしては良い感じだろう。

「JOKERか……」

私のPDAはJOKERで解除条件は“奇数か偶数のプレイヤーを2人殺害”というものだった。

単純に殺害するのではなく、奇数か偶数を連続して殺害しなければならないというのは、なかなか難しいものである。

(まあ、2にさえ注意すればいけるってことか)

JOKERの偽装機能を無効化する2の存在がJOKERである私にとっては厄介になって来るだろう。

いや、逆に2を近付けて殺すという手もあるか――

(まずはルール集めだな……)

前回とはルールは色々変わっているかもしれないので、取りあえず全部集めるべきだろう。

私はさっさと荷物をまとめて部屋から出た……。


私は移動途中に……

コンマ判定1個下

00~20 寝ている麗佳を見つける

21~40 寝ている御剣を見つける

41~60 寝ている姫萩を見つける

61~80 手塚と出会う

81~99 高山と出会う


811VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:36:20.77YqnM967Do (3/7)

へい


812VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:36:40.66LvP2x1G3o (1/1)




813 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 20:50:32.33+uY4j2Ek0 (23/29)

【03:00】

私はしばらく歩き続けていると、手塚と言う人物に出会った。

「やっぱり、主催者は意地が悪いな……。ゲーム開始から6時間までは戦闘禁止ってのはよ」

「まあ、ルールも集めないで攻撃するような馬鹿は中々いないと思うけどね」

「確かにそうだな」


手塚が持っていたルールは?

PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)

>>814
>>815

3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99




814VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:51:19.07hgB8jkCFo (1/2)

えいっ


815VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:51:41.37YqnM967Do (4/7)

ほわたあ


816VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 20:52:29.91YqnM967Do (5/7)

13台と進入禁止エリアか。


817 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 21:07:30.24+uY4j2Ek0 (24/29)

手塚が持っていたルールは3と7であり、2つとも被ることは無かった。

ルール3はPDAが全部で14台存在しているということ、5は侵入禁止エリアについて記載されていた。

「……残念なことに、主催者とやらは俺たちに殺し合いをして貰いたいみたいだな」

「なら、それに従うしかないでしょ」

「おいおい、受け入れが早くねーか? 俺はできるなら人は殺したくないぜ……?」

そんなニヤ付いた顔で言われても説得力が無いだろう。

「私もそう思ってる。けど、必要なら殺すしかないじゃない?」

「確かに、お前さんの言うとおりだ……。ま、戦闘解禁まで時間はあるし、さっさとルールを集めておこうぜ」

「そうね」

私たちはルールを完成させるために他のプレイヤーを探して歩き始めた……。

私たちは移動途中で……

コンマ判定1個下

00~20 麗佳たちと出会う

21~40 御剣たちと出会う

41~60 綺堂たちと出会う

61~80 寝ている北条を見つける

81~99 誰とも出会わない



818VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:08:20.62fc+fG6U10 (19/24)

ほい


819VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:08:22.75YqnM967Do (6/7)

スリーピングビューティ


820VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:11:16.19fc+fG6U10 (20/24)

pda盗んじゃおうか、盗むのはルールにひっかっらないし


821 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 21:14:54.56+uY4j2Ek0 (25/29)

【03:30】

私たちが部屋を回って歩いていると、ある一室で寝ている少女を見つけた。

「……寝ているが、どうするんだ?」

手塚は少し困惑した顔をして少女を見ている。

「そうね……」

私は……

1.少女のPDAを奪って去る

2.少女のPDAを確認してから起こす

3.少女のPDAを確認して去る

4.手塚に任せる

5.その他

>>822
>>823
>>824

※>>824のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>822
34~66 >>823
67~99 >>824




822VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:16:17.93+W1YrfY0o (10/13)


PDAを確認した後起こすかどうか手塚と相談


823VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:18:09.47H/hVWWRAO (12/12)

>>822



824VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:18:18.44fc+fG6U10 (21/24)




825VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:22:41.08uOcowk9Lo (1/5)

これがGONZOだったら満場一致で1だな


826 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 21:28:09.83+uY4j2Ek0 (26/29)

「取りあえずPDAを確認するわ」

私は少女に近づいて、起こさないようにPDAが有りそうな場所を探ってみた。

「PDAは5……チェックポイントの通過、か」

「なかなか当たりを引いてやがる。俺のPDAと交換してもらいたいところだな」

5となると一緒に行動するのは色々と面倒になりそうである。

「ルールは……」


少女のPDAに載っていたルールは?

PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)

>>827
>>828

3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99


827VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:28:52.34fc+fG6U10 (22/24)

ほい


828VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:28:53.34Na70gQLSo (2/2)

ksk


829VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:29:06.62uOcowk9Lo (2/5)




830 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 21:37:49.08+uY4j2Ek0 (27/29)

少女のPDAに載っていたルールは5と6だった。

5は被ったが、新たにルール6――賞金について分かった。

20億を山分けという精度は前回と変わってい無いようだ。

これで残り分からないルールは、4と7の2つとなった。

「それで、この娘をどうする? 5だから一緒に行動し辛いと思うんだけど?」

「ま、俺はルールが全部分かれば良いから、どっちでもいいぜ?」

どうやら、選択肢は私に託されたらしい。

私は……

1.少女を起こす

2.起こさずPDAを持ち去る

3.起こさずPDAを置いていく

4.その他

>>831
>>832
>>833

※>>833のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>831
34~66 >>832
67~99 >>833




831VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:38:21.46hgB8jkCFo (2/2)




832VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:38:27.20fc+fG6U10 (23/24)




833VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:40:48.80uOcowk9Lo (3/5)

3


834 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 21:56:44.31+uY4j2Ek0 (28/29)

「じゃあ、置いていくわ」

私は少女の横にPDAを置いてそのまま部屋の出口に向かった。

「意外だな。俺はてっきりPDAを持っていくのかと思ってたんだが?」

「心外ね。あなたが思っているほど、私は悪人じゃないわ」

「悪人ではない、とは言い切らないんだな」

「それを世間は偽善者と呼ぶのよ――」

まあ、私は悪側の人間なので否定が出来ないのだが――

「クク……面白いじゃねえか。お前とは旨い酒が飲めそうだ」

「さっさとルールを集めるわよ。ゲーム開始から6時間以降は面倒だし」

「……へいへい」


私たちは少女を置いて部屋を出た……。


私たちはこのあと……

00~30 ツールボックス:GPSを見つける

31~60 誰かと出会う(31~40 麗佳たち 41~50 御剣たち 51~60 綺堂たち)

61~99 ???


835VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:57:48.93+W1YrfY0o (11/13)

てりゃっ


836VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:57:49.87fc+fG6U10 (24/24)

ほい


837VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 21:58:18.84uOcowk9Lo (4/5)

さて


838 ◆WNrWKtkPz.2013/03/07(木) 22:10:20.91+uY4j2Ek0 (29/29)

早いですが今日はここまでにします。

【現状】

死者???

【体調】

体 健康

心 普通

【武器】

加藤 無し

手塚 無し

【ツールボックス】

加藤 無し

手塚 無し


【PDA情報】




5 北条




10



JOKER 加藤


839VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 22:10:54.36U8uKbwrlo (4/4)




840VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 22:13:01.11toWG8yIM0 (4/4)


このスレの住人は気づいたら悪人を善人にしてるから、今回こそは非道プレイを楽しもう


841VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 22:16:13.28+W1YrfY0o (12/13)

おつ


842VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 22:23:21.93uOcowk9Lo (5/5)


このまま手塚と組んでも良さそうに思えるけどどうなるんだろ


843VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 22:24:26.46YqnM967Do (7/7)

PDAが判明するまではアブハチトラズだと思う。


844VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 23:24:09.49QFJ94czAO (2/2)

手塚さんと元々の優希見たいな事に……ENDがね


845VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/07(木) 23:31:47.67+W1YrfY0o (13/13)

非道クリア狙うなら銃が出てこない1~2階が勝負かね
ボクサーのアドバンデージがあるうちに戦うのがベスト


846VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 01:54:39.65YKiN2jAA0 (1/1)

ボクサーなのに体力がないとは‥‥


847VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 14:13:23.98SRqmJbVg0 (1/1)

プロボクサーとしては体力がない程度なのか、それとも一般人から見ても体力がないレベルなのかで話が変わってくるな


848VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:36:01.29eXxZahjZ0 (1/11)

女子10番・曽根崎凪紗(そねざき・なぎさ)

部活は無所属。不良グループ1リーダー。クラス1低身長。
父親は反政府組織の人間。
父親に教え込まれ、銃の扱い・武術は得意。


支給武器:探知機
kill:なし
killed:なし
凶器:なし
 

外で設楽海斗(男子10番)と合流。話し掛けてきた周防悠哉(男子11番)から逃げ出す。
E=04エリアに潜伏。父親からの手紙を読み、全員を探す事を決意。麻酔銃入手。 真中那緒美(女子16番)の呼びかけ後、全員を探すために移動開始。
F=05エリアで真田勝(男子9番)に襲われるが、引き分ける。
G=06エリアで岩見智子(女子2番)・三河睦(女子17番)の死体を発見、その凄惨な光景に衝撃を受ける。 民家で矢田美晴(女子18番)と会い、仲間に誘うが拒否された為別れる。 海斗を守る事を誓う。
F=03エリアで長門悟也(男子14番)に会う。 悟也が死を受け入れている事に衝撃を受ける。
F=06エリアで悠哉から結城緋鶴(女子19番)の事を聞く。
G=06エリアで緋鶴に襲われる。負傷した海斗から緋鶴を離す為に奮闘し、麻酔弾を撃ち込むが、自身も負傷。意識を失う。ファイブセブン入手。
G=06エリアで覚醒。悠哉と羽山柾人(男子16番)に助けられていた。柾人と別れ、静養。その後悠哉と共に移動。
G=08エリアで海斗と再会。 放送後、移動。
倒れた不破千尋(男子17番)と勝を発見、2人を看取る。千尋のピアスを貰い、プログラム本部へ向かう。
本部で父の死を目の当たりにし、衝撃を受ける。爆発予定の校舎内にADGIメンバーが取り残されている事を知り、救出に向かう。竹原(元戦闘実験体)に襲われ窮地に陥るも、結城緋鷹に救われる。井上稔(ADGI)・柳瀬伊織(ADGI)を救出し、脱出の為にヘリに向かう。
ヘリ内で海斗を看取った。
失ったものの大きさに一時は抜け殻のようになるが、父からの手紙を読み、父の遺志を継ぐ為にADGIに入ることを決めた。

2年後、プログラムの妨害作戦に参戦。

 

FC2で暴れた凪紗ちゃんの2年前でした。
好き勝手に暴れてくれる凪紗ちゃんは書きやすくて好きな子です。
平穏な日は似合いません、日々喧嘩に明け暮れていた子ですからね(^_^;)


849VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:40:35.43eXxZahjZ0 (2/11)

女子7番・坂本陽子(さかもと・ようこ)

テニス部。女子運動部グループ。
何でもズバッと言ってしまう。
精神面がやや弱く、感情を押さえるのも苦手。


支給武器:ナタ
kill:今岡梢(女子1番)
killed:美作由樹(男子18番)
凶器:ナタ
 

新島恒彰(男子14番)が中原朝子(女子13番)を殺害する現場を目撃し、狂う。
G=10エリアで梢に声を掛けられるが、殺されると誤解。ナタで殺害。その恐怖からG=09エリアで隠れていたが、由樹に見つかり、恐怖で逃げようとしたがナタで首を切られ死亡。梢殺害をすべて由樹に見られていた。

 

狂ったのか何なのかよくわからないけど気の毒な子でした、陽子ちゃん。
ユキに遊ばれた感じになってしまってますからね。。
精神力の弱さが退場の原因の根源。


850VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:42:39.92eXxZahjZ0 (3/11)

男子8番・斎藤穂高(さいとう・ほだか)

軽音楽部。クラスのバンドコンビの片割れ。ボーカル担当。
稲田藤馬(男子4番)らと一緒にバンドを組んでいる。
容姿と性格の良さから、女子からの人気がとても高い。


支給武器:ヌンチャク
kill:なし
killed:結城緋鶴(女子19番)
凶器:ファイブセブン
 

藤馬と共に不破千尋(男子17番)に誘われ手伝いをする。
C=07エリアで濱中薫(女子14番)・姫川奈都希(女子15番)に会う。千尋の誘いに乗り、プログラム破壊作戦を手伝う事を決める。想い人を探す為に出て行く奈都希を見送った。
放送で奈都希の死を知り探しに行った薫の死にショックを受ける。B=08エリアに移動し、作戦準備再開。
放送で矢田美晴(女子18番)の危機を知り、作戦決行へ。「自分のやりたい事をやれ」と千尋に言われ、別れる。
E=07エリアで吉原遼(女子20番)に襲われる遠江敬子(女子12番)を救い、遼を追い払った。刀入手。
D=06エリアで放心状態の千尋と再会、励ます。突然緋鶴に肩・頭部を撃たれ即死。

 

藤馬と同じく千尋のサポート役でした。こちらも退場があっさりしてしまいました。
藤馬と比べて、思慮深いというか・・・千尋にとっては1番扱いやすい人だったんじゃないかと。


851VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:44:03.82eXxZahjZ0 (4/11)

男子12番・伊達功一(だて・こういち)

バスケ部。男子運動部グループ。
軟派な性格で、今岡梢(女子1番)の元彼氏だが、別れた原因は功一にある。
津田彰臣(男子13番)・高山淳(女子11番)とは幼馴染。


支給武器:カッターナイフ
kill:なし
killed:なし(事故死?)
凶器:なし(転落死)
 

H=02エリアの建物の屋上に彰臣と共に潜伏していたが、些細な事から争いに発展してしまう。 彰臣に両目を傷つけられ錯乱。 目が見えないまま誤って屋上から転落。

 

もう・・・何といいますか、口は災いの元ですね。
彰臣君もやり過ぎかもしれませんが、やっぱり自業自得かと。


852VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:45:27.37eXxZahjZ0 (5/11)

女子15番・姫川奈都希(ひめがわ・なつき)

バスケ部。女子運動部グループ。
さっぱりとした性格だが、口調はきつめ。
濱中薫(女子14番)と幼馴染。


支給武器:ペイントボール
kill:なし
killed:美作由樹(男子18番)
凶器:S&W M36
 

工藤久尚(男子6番)に恋心を抱いている。

薫を見つけ、共に行動。
E=06エリアで真中那緒美(女子16番)の死体を発見。 その後C=07エリアで稲田藤馬(男子4番)・斎藤穂高(男子8番)・不破千尋(男子17番)に会う。
千尋の誘いに乗り、プログラム破壊作戦を手伝う事を決めるが、久尚を探す為に別行動をとる。
F=07エリアで久尚の死体を発見、悲しみに暮れる。 由樹に襲われ、必死に逃げるが頭部に被弾し死亡。

 

ナッちゃん退場です、できれば薫ちゃんたちの許に返してあげたかったんですが・・・
向こうで久尚君と会える事を祈ります。。


853VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:46:56.07eXxZahjZ0 (6/11)

女子14番・濱中薫(はまなか・かおる)

ソフト部2番ショート。女子運動部グループ。
クラス1のおてんば娘で真中那緒美(女子16番)と共にクラスのムードメーカー。
姫川奈都希(女子15番)と幼馴染。


支給武器:コルト・ロウマン
kill:なし
killed:浅原誠(男子2番)
凶器:フランキ スパス12
 

栗原佑(男子7番)に恋心を抱いている。

恐怖に怯えていたが、長門悟也(男子14番)に諭されて立ち直る。クラスメイトを信じ続ける事を決意。奈都希と出会い、共に行動。悟也と別れる。
E=06エリアで那緒美の死体を発見。 その後C=07エリアで稲田藤馬(男子4番)・斎藤穂高(男子8番)・不破千尋(男子17番)に会う。千尋の誘いに乗り、プログラム破壊作戦を手伝う事を決める。 想い人を探す為に出て行く奈都希を見送った。 
放送で奈都希の死を知り錯乱。 奈都希の亡骸を見つけるためにデパートを飛び出す。 D=06エリアで誠と遭遇、誠に千尋の居場所を話してしまう。 駆けつけた千尋と共に逃げるが、腕と腹を撃たれ失血死。

 

薫ちゃん、書いてて楽しかったですね、口調とか・・・
元気いっぱいの子はやっぱり元気いっぱいの姿を書きたかったですね、それが悔い。
それを解消する為、座談会には出続けさせて頂きます☆


854VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:49:16.76eXxZahjZ0 (7/11)

男子13番・津田彰臣(つだ・あきおみ)

野球部エース。男子運動部グループ。
硬派。曲がった事が嫌いな性格。
伊達功一(男子12番)と高山淳(女子11番)とは幼馴染。


支給武器:アーミーナイフ
kill:なし
killed:桐島伊吹(女子4番)
凶器:ブローニング・ベビー
 

淳に恋心を抱いている。

H=02エリアの建物の屋上に功一と共に潜伏していたが、些細な事から争う。 威嚇のつもりで振ったナイフが功一の目を傷つける。 錯乱した功一が屋上から転落するのを助けられなかった。 淳と合流。
B=02エリアで淳に励まされ、生きている仲間を探す。 錯乱した伊吹を見つけ近づくが、伊吹に頭部を撃たれた。

 

曲がった事は嫌い、自分で責任を負ってしまう、真面目な感じを目指しました。
淳ちゃんからの告白に照れて何も言えないあたりが純情です(笑
良いですね、こういうタイプ・・・


855VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:50:51.41eXxZahjZ0 (8/11)

男子15番・新島恒彰(にいじま・つねあき)

部活は無所属。不良グループ2。
喧嘩好きで粗雑で乱暴。好きな言葉は下剋上。
中原朝子(女子13番)の彼氏。


支給武器:毒薬
kill:中原朝子(女子13番)
駿河透子(女子9番)
killed:真田勝(男子9番)
凶器:キャリコM950
 

頂点に立つ為に優勝を目指す。

E=08エリアで朝子を発見、毒殺。
F=01エリアで勝と透子を襲い、透子を銃殺。下剋上を成し遂げる為に勝も殺害しようとするが、怒った勝に敵わず銃殺される。

 

真田君とは反対のタイプといいますかなんと言いますか。
真田君にとっては「友達」以上にはなれない人でした。
こんな人は彼氏にしたくないです、私は。


856VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:52:12.50eXxZahjZ0 (9/11)

女子13番・中原朝子(なかはら・あさこ)

部活は無所属。女子ギャルグループ。
童顔であることを気にしている。
新島恒彰(男子15番)の彼女。


支給武器:ベレッタM92FS
kill:なし
killed:新島恒彰(男子15番)
凶器:毒薬
 

真中那緒美(女子16番)が殺される瞬間を見て怯える。 E=08エリアで恒彰に会いほっとするが、毒入りの水を飲まされ死亡。

 

怖がって怖がって、やっと信じる事が出来た矢先に殺された憐れな子。
大好きな人に裏切られて、とにかく可哀想だなぁと書きながら思いました。


857VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:53:25.05eXxZahjZ0 (10/11)

プログラム本部となる中学校と、その南にあるアスレチック公園、その中間であるE=04を、2人の少年が歩いていた。
「おい、待てよ!」

後ろを歩く少年が声を上げる。
しかし、前を歩く少年は振り返らない。

「おい、待てって!
 わからなくもないけどよ、人の話を聞けっての!!
 おい、ケースケ!!」

ぐいっと腕を掴まれ、前を歩く少年――池田圭祐(男子3番)は振り返った。
その表情は、今にも泣き出しそうだったが無理に笑みを作っている、そんな感じだった。

「す…すんません、付き合ってもらったのに… 勝さん…」

圭祐の腕を掴んでいた真田勝(男子9番)は、手を離した。

「いや、気にすんなよ。 そんな他人な仲じゃねーんだし」

勝はその場に圭祐を座らせ、自分もその前に座った。
勝は煙草を咥え、火を点けようとしたが、止めた。
煙草の煙の臭いが嫌いな圭祐を気遣ったのだろう。

「なあ、マジでいいのか?
 ずっと…言いたかったんだろ?」

「…だって…あの状況を見た後に、とてもじゃないっスけど言えませんよ…」

圭祐が俯いた。
勝は溜息を吐き、煙草を箱に戻した。

「まあ、わからなくもないけどな…
 曽根崎…ね。 あんなチビのどこがいいんだか…」

「凪紗さんはいい子っスよ?
 可愛いし、優しいし、強いし…
 何より…」

圭祐は目を閉じた。

「こんなオレに普通に声を掛けてくれた、初めての女の子っスから…」

 

 

圭祐は曽根崎凪紗(女子10番)に恋心を抱いていた。
そのきっかけは、凪紗たちのグループと勝たちのグループが停戦協定を結んだ事だろう。


858VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:54:06.36LfBUnC1io (1/2)

おっぱいって大きい方がいい?


859VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:54:15.60eXxZahjZ0 (11/11)

小学生の頃から、圭祐は自分にコンプレックスを感じていた。
細く小さな目つきの悪い目、中々治らなかった上に跡が残った頬のできもの、ぽっちゃりした体格――他にも色々とあるが、親譲りのものが多いので仕方がないとはいえ、嫌だった。
更に頭は悪く、運動能力は人並み。
おまけに声は元々低く、そこまで愛想も良くなかった。

お陰で、女子から話し掛けられたことはほとんどなかった。

中学生になり、勝たちと出会った。
お使いに行かされたり、面倒ごとを引き受けたりと、パシリ的存在だったが、不良は不良。
一層声を掛けてくれる者はいなくなった。
しかし、勝・新島恒彰(男子15番)・脇連太郎(男子20番)との付き合いは楽しかったので、そんな事を気にするのは止めた。
気にしていても仕方がない、今を楽しもう、と。

 「あ、ケースケ、隣だね、嬉しいな!」

停戦協定を結んだ中2の3学期の最初の席替えの時、初めてまともに凪紗と会話を交わした。

嬉しかった。
自分が横にいることが『嬉しい』と言ってくれた。
色々な話をしてくれた。

 「え? 女子が話し掛けてくれない?
  皆見る目ないなぁ… ケースケ、絶対いい男なのにね!
  人間外見じゃないよ、中身!!」

慰められたのかけなされたのかよくわからなかったが、たとえお世辞でも『いい男だ』と言ってくれたのは嬉しかった。

自分の中身を見てくれる女の子が、目の前にいる。

恋に落ちるのに、時間は掛からなかった。

 

だからこそ、こんなプログラムという最悪の状況になってしまったからこそ、自分の思いを伝えるつもりだった。
途中で偶然出会った勝に、ついて来てもらった。

そして――凪紗を見つけた。

体が、動かなかった。


860VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 18:54:45.35LfBUnC1io (2/2)

誤爆


861VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 20:03:17.54cHvXOomV0 (1/1)

お前のなのかそうじゃないのか知らないけど、とりあえず自分でスレ立ててパクリ文章乗せろよww
粘着しすぎてキモイわお前ww


862VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 20:14:59.074LbYmkAGo (1/1)

スルースルー
GONZOが奇数だったらかりんは待ち伏せできるし楽そうなんだけどな
>>834の???次第だけど



863VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 21:42:14.02fOPcN81AO (1/1)

???が良イベントであることを祈るのみ


864 ◆WNrWKtkPz.2013/03/08(金) 23:20:03.23ZeOOmrjK0 (1/2)

【04:00】

少女を置いていってから少し時間が経過した時、私たちはそれなりに近くから響く轟音を耳にした。

恐らく罠が作動したかルールを違反した者が現れたかの2択であるため、走って確認しに行っているところなのだが――

「なッ……!?」

先を走る手塚が驚いた顔をして急に立ち止まった。

「どうしたの?」

私は白々しく手塚の後ろから顔を出して覗きこんでみた。

「……なんだよ、あれは――」

「死体ね」

赤く染め上げられた廊下に横たわる、人間みたいなものから絶え間無く血が零れていた。

「……おい、そこのお前! これはどういうことだ?」

死体から少し離れた場所にいた、顔を青ざめさせながら佇んでいる女性に手塚は詰め寄って行った。

(……PDAは破損している、か)

死体が握りしめているPDAには銃弾が刺さっており、すぐに使い物にならないということは分かった。

何かしらルール違反をして、PDAを血眼になって見ている間に蜂の巣になったといったところだろうか。

「手塚、誰か来るみたいよ」

同じように騒ぎを聞きつけた連中がいたのか、こちらに足音が近付いてくる――



865VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 23:26:29.33eShRTafeo (1/2)

女性・・・レイカは知り合いだから、ゴーダ、ヒメハギ、シキジョウあたり?


866 ◆WNrWKtkPz.2013/03/08(金) 23:35:37.54ZeOOmrjK0 (2/2)

【04:30】

私たちは新たに3人と出会い、ルールは全て揃った。

死体の近くにいたのは綺堂という女性で、後に来たのが御剣と姫萩の高校生二人組だ。

「――結論、漆山とかいうおっさんが悪いってわけか」

ルール違反で死亡したのは漆山という中年男性らしい。

綺堂と出会ってしばらくして、強姦しようとしてルール違反してしまうという呆れた死に方には失笑してしまった。

「こ、このゲームは……本当、だったんですね…………」

「嘘だろ……!」

姫萩と御剣はずっとゲームが嘘であると思い込みながらいままで過ごしていたらしい。

「ま、こうしてルールを揃えることができたわけだし。漆山さんには感謝しないとね」

「加藤さん、そんな言い方はやめてください! 確かに漆山さんは渚さんに対して非道な事をしたけど、彼もこのゲームの被害者なんですよ!?」

「いい加減現実を見なさい。このゲームでは人の命なんて石ころ同然なのよ?」

「……俺はこのゲームを認めたく無いんです。こんな馬鹿げたもの、有ってはならない――」

「そう。いずれ認めざるを得なくなると思うけど」

前回のゲームにも御剣と同じような人間がいたが、すぐに掌を返していたような気がする。

こういった偽善タイプは、この過酷な現実に耐えきれずに破滅していくだろう。

「よし、それじゃそろそろ俺は行くぜ――」

ルールが全て揃わせてまとめ終わったのか、手塚は会話を断ち切るようにして移動し始める。

「手塚さん、俺たちと一緒に行きましょうよ。人数が多い方が協力できると思いますし」

「そうだな。でも、俺は単独行動の方がやりやすいんでな――」

手塚は私の方をチラリと見て部屋から出て行ってしまった。

(私の解除条件は制限つきで2人の殺害…………)

となると、御剣たちを的にすればすぐに条件を満たすことが出来るかもしれない。

いや、そうなると運営側からの邪魔が入ってくる可能性が高いか――

どちらにせよ今すぐに私は選択しなければならない……


私は……

1.手塚の後を追う

2.御剣たちと行動する

3.私も単独行動を取る

4.その他

>>867
>>868
>>869

※>>869のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>867
34~66 >>868
67~99 >>869


867VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 23:36:35.934b4vRr3N0 (1/1)




868VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 23:36:49.89wnZjJgCZo (1/1)




869VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 23:37:26.14mTg8yomso (1/1)




870VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/08(金) 23:38:16.48eShRTafeo (2/2)

4.御剣たち二人のPDAを聞き出す。自分のPDAはかりんの番号で誤魔化す。


871 ◆WNrWKtkPz.2013/03/09(土) 00:09:28.72QjRrywGS0 (1/2)

「それじゃ、私も」

「晶ちゃんも、行っちゃうの~?」

綺堂が悲しげな目で見てくるが、そんなことは知った事ではない。

「待ってください、神崎さん!」

「アンタは、まず頭を冷やすべきね――」

「ちょ――」

私は部屋を出てすぐに手塚を探し回り始める――



「ん……?」

私が歩き始めてすぐの場所に手塚が壁に寄りかかっていた。

「来ると思ってたぜ」

「私が来なかったらどうしたの?」

「俺は来ると確信していたからな、その場合については何も考えていない」

「ふーん……」

まあ、探す手間が無くなったので良しとしよう。

「で、どうするんだ? 組むのか、それとも同行するだけか……」

手塚は、PDAの番号を教えるか教えないか、ということを聞いているようだ。


私は……

1.私からPDAの番号を教える

2.手塚からPDAの番号を教えるように求める

3.教え合う事を拒否する

4.やっぱり単独行動を取る

5.その他

>>872
>>873
>>874

※>>874のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>872
34~66 >>873
67~99 >>874




872VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:11:31.76Bf03v58qo (1/1)

3


873VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:13:26.78OPQ+V3DW0 (1/1)




874VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:16:36.92vOsZbycy0 (1/2)

2


875 ◆WNrWKtkPz.2013/03/09(土) 00:24:19.29QjRrywGS0 (2/2)

今日はここまでです。

【現状】

死者:漆山

【体調】

体 健康

心 普通

【武器】

加藤 無し

【ツールボックス】

加藤 無し

【PDA情報】




5 北条




10



JOKER 加藤


876VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:24:40.49pwoyUQ/vo (1/1)

乙ー


877VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:25:08.45vOsZbycy0 (2/2)

乙ー


878VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:26:00.28kM6eGI7so (1/1)




879VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:30:01.70NPr2offFo (1/1)




880VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:37:19.99JGViWQc+o (1/1)


やっぱGONZOか


881VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 00:48:34.06viL5o6C+o (1/1)




882VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 08:43:25.50CYkepZ3AO (1/2)

伊藤


883VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 08:48:51.96CYkepZ3AO (2/2)

おおう、途中送信スマソ

伊藤先生と同じことしようとするからGONZO……



884VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 14:12:12.629cB35gBA0 (1/4)

男子7番・須藤大和(すどう・やまと)

部活は無所属。不良グループ。
素行が悪く喧嘩などを好むが、万引き・カツアゲなどは嫌う。
手先が器用で、心優しい一面もある。

身長/172cm
愛称/須藤サン、大和、大和くん
特記/野原惇子(女子16番)とは幼馴染・玖珂喬子(女子9番)とは恋仲


支給武器:救急箱
kill:藤野勝則(男子15番)
山神弘也(男子17番)
killed:逢坂珠尚(女子1番)
凶器:Vz61 スコーピオン
 

玖珂喬子(女子9番)と合流、本部を離れる。

A=05エリアにて潜伏。喬子に支給されたベレッタM84Fを預かる。クラスメイト同士の戦いを見て、その場を離れる。

A=03エリアで伊賀紗和子(女子3番)に遭遇。紗和子に襲われるが、常陸音哉(男子14番)・高井愛美(女子13番)に止められ助かる。紗和子の思いを知り、和解。音哉・紗和子・愛美と別れる。

A=03エリアで大谷純佳(女子5番)・惇子に遭遇。惇子に気持ちを打ち明けられ驚愕する。純佳と喬子の悲鳴で勝則の襲撃を知る。純佳と惇子を逃がし、勝則と対峙。勝則が喬子を傷つけたことに怒り、勝則を銃殺。

(過去編)
父母に見捨てられ一人暮らしをしている。家族からの愛を受けられなかったことで人間不信となり、人を突っ撥ねてきた。1年前、偶然見つけた喬子の自殺を止める。自分と重なる部分があるために励まし、生きる希望を与えた。母から「失敗作」「粗大ゴミ」扱いされたことに怒り哀しむが、喬子が自分を必要としてくれることで救われた。

D=06エリアにて潜伏していたが、鶴田香苗(女子15番)に襲われる。喬子を逃がすが、右耳に負傷。痛みで怒りが爆発して無謀にも突っ込もうとするが、突然現れた音哉に止められた。協力してその場を脱出

D=10エリアにて喬子・音哉・愛美と潜伏。不戦協定を結んだ直後、甲斐駿一(男子3番)・鳳紫乃(女子6番)に襲われる。音哉の指示により2人に殴りかかるが、苦戦。4人で撤退することを提案するが、音哉に却下され、再会を誓って喬子と戦線離脱した。

E=10エリアにて音哉・愛美の亡骸を発見し衝撃を受ける。背後から山神弘也(男子17番)に声を掛けられ、妙な違和感を感じる。喬子がフェミニストであるはずの弘也に襲われ、言葉を失う。腕負傷。弘也から決闘を申し込まれ、喬子と生き残るために戦う。激しい戦闘の末、弘也から受け取った脇差で弘也を刺殺。悲しんでいたところを、逢坂珠尚(女子1番)に襲撃される。喬子を護り、瀕死の重傷を負う。最期まで喬子と共にいることを望み、息を引き取った。

 

うーん・・・ここまで来たという感慨深さに、言葉が浮かばないです。
隠れてることが多くて戦闘は少なく、全て仲間絡みっていうね。お疲れ様。
弘也と大和、どっちが強いのか・・・皆様のご想像にお任せします。


885VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 14:13:59.849cB35gBA0 (2/4)

男子5番・北王子馨(きたおうじ・かおる)

テニス部。男子主流派運動部系。
普段は争いを好まない温和な性格で、いつもどこか気が抜けている。
部内では滝井良悟(男子10番)とペアを組み、その実力は全国クラス。

身長/171cm
愛称/馨、馨くん、馨ちゃん
特記/フランス人の母を持ち、その遺伝で栗色の毛・碧眼


支給武器:アイスピック
kill:なし
killed:滝井良悟(男子10番)
凶器:コルト・ガバメント
 

小学生の頃はイジメに遭っていた。

B=05エリアで良悟に襲われる。「嫌い」と言われた事にショックを受ける。志摩早智子(女子11番)に救われる。

早智子に過去を打ち明けた。村主環(女子12番)に襲われるが、お互い虐められていた同士だったため、見逃される。環の狙いを知り、狙われそうな人を探しに行く。

D=04エリアで、早智子から告白され、涙する。そこに出雲淑仁(男子1番)と有馬怜江(女子2番)が現れ、再会を喜んだのも束の間、怜江が発砲。その怜江を淑仁が殺害。更に自分を庇った早智子も殺害され激怒するが、人が傷つくことを望まず、淑仁を諭した。しかし、背後から現れた良悟に襲われ、頭部を撃たれ死亡。

 

どうも嫌われ街道まっしぐらだった気がしないでもない馨ちゃんでした。
サッちゃんがいなかったら何回死んでいたかわかりませんね;;
もっと天然っぷりを出したかったですが、余裕がありませんでした(>_<)


886VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 14:16:53.569cB35gBA0 (3/4)

男子3番・甲斐駿一(かい・しゅんいち)

野球部。男子主流派運動部系。
普段はほのぼのとしていて、時に天然ボケを披露する事も。
追い込まれると精神的に不安定になりがちなため、部活では先発投手にはなれない。

身長/170cm
愛称/駿一、駿くん、シュン
特記/鳳紫乃(女子6番)とは恋仲


支給武器:ベレッタM92F
kill:野原惇子(女子16番)
killed:山神弘也(男子17番)
凶器:包丁
 

紫乃と共に優勝を目指す。

遠藤勇(担当教官)の発砲で左肩負傷。

高谷貴瑛(女子14番)を襲うが、西谷克樹(男子13番)に邪魔され逃げる。紫乃と武器を交換し、ミニウージーを持つ。

E=02エリアで湧井慶樹(男子20番)を襲うが、河本李花子(女子10番)に邪魔される。李花子を負傷させるが逃げられる。

A=07エリアで潤井正純(男子2番)・加古美里(女子7番)を襲うが、美里に応戦され、フライパンで側頭部を殴られ、昏倒。目が覚めた後、紫乃に促され移動開始。

D=02エリアで西谷克樹(男子12番)を発見。入手していた包丁で刺すが、仕返しに腹部を刺される。

C=02エリアで潜伏中。

D=06エリアで鶴田香苗(女子15番)を発見。紫乃を傷つけられたことで怒り、腹部を刺す。とどめは紫乃がさした。

F=04エリアで貴瑛・村主環(女子12番)・野原惇子(女子16番)に襲撃をかける。紫乃が貴瑛を殺害。逃げる環と惇子の裏をかき、環も殺害する。怒る惇子に人質に取られるが、包丁で惇子を刺す。紫乃の指示に従い逃走。USSR マカロフ入手。

D=10エリアで常陸音哉(男子14番)・高井愛美(女子13番)・須藤大和(男子7番)・玖珂喬子(女子9番)に襲撃をかける。大和ともみ合いの末頭部を殴打されるが、無事。大和・喬子は逃がすが、音哉・愛美を追い、紫乃の手助けをした。

C=10エリアで山神弘也(男子17番)に襲われる。紫乃と責任の擦り付け合いをしていたが、弘也に頸部と腹部を刺され死亡。

 

目立った功績はないけれど、シュンがいたから紫乃があそこまで非道になれた。
最後は責任を押し付けあってたけど、死にたくないんだから、当然の行動だと思います。
書きにくい子でした、そして途中からおお振り三橋くんの影響が(苦笑


887VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/09(土) 14:19:41.789cB35gBA0 (4/4)

男子2番・潤井正純(うるい・まさずみ)

バレー部。孤児院組。
争い事を嫌う温和な性格。
人前では明るく振舞っているが、時に陰を見せる。

身長/175cm
愛称/正純、正純くん
特記/幼い頃に両親から虐待を受け、施設に引き取られた


支給武器:フライパン
kill:なし
killed:なし
凶器:NO DATA
 

出発後、梶原匡充(男子4番)・加古美里(女子7番)と合流。その場にいた須藤大和(男子7番)に「仲間でも疑え」と忠告される。

目の前でクラスメイト同士の戦いを見て錯乱。その場を離れる。

A=07エリアにて潜伏。逢坂珠尚(女子1番)を探しに行くと言う匡充を送り出す。

甲斐俊一(男子3番)・鳳紫乃(女子6番)に襲われるが、美里が応戦し、隙を作って逃走する。

D=09エリアにて潜伏。フライパンで戦った美里が母親の姿に被り恐怖する。そこに山神弘也(男子17番)が登場し、勝負を挑まれる。最初は恐怖するだけだったが、美里を人質に取られたことに激怒し、弘也を攻撃した。本気でなかった弘也と和解、美里への恐怖も消えた。

匡充の死にショックを受けている。幼い頃虐待を受け、目の前で姉の死を目撃。父親に姉の死体遺棄の手伝いをさせられたことが、トラウマの原因となっていた。

E=06エリアで珠尚と再会、襲撃を受ける。美里が怪我を負ったことに怒り、珠尚に攻撃を加え撃退。美里を護ることを誓う。

H=08エリアの礼拝堂に潜伏。放送によって、自らの優勝を知り驚愕する。美里と帰ることを望むが、珠尚に乱入され、過去を暴露される。それに怒った美里が珠尚と戦うが負け、美里を看取った。その後珠尚の機嫌を損ねさせて殺されそうになるが、玖珂喬子(女子9番)の襲撃を受けて助かる。珠尚が目の前で殺害される。プログラム終了。

喬子に感情をぶつけられ、思わず「玖珂さんこそいらない」と返してしまう。去った喬子の後を追うが、目の前で自殺を見てしまう。自分の言葉のせいで喬子が死んだと思い、錯乱。ショックで記憶を失う。

 

1年後、高校へ登校すると、自殺現場に鉢合わせる。現場を見たことで、なくした記憶が一気に押し寄せパニックに陥る。

 

物凄いへたれでごめんなさいの正純でした。
護ると決意しながらも、その機会に恵まれないまま、記憶すら失ってしまいました。
彼は、どうなったんでしょうね?


888VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:14:07.72nQ4y3AGI0 (1/109)

女子十四番/総合二十九番 藤原奈央(ふじわら・なお)

身長 163cm
体重 52kg
誕生日 3月11日
血液型 A
部活動 バレーボール部
友人 久瀬ゆかり・宗和歩
辻莉津子・寺内紅緒
時岡千波・堀内尚子
前川染香・水無瀬繭子
山崎雛子
(女子主流派グループ)
愛称 奈央さん・奈央姉

女子美化委員。
落ち着いた物腰で大人びている。名前が似ている堀内尚子と比べて、「奈央姉」と呼ばれる。
やや控えめな性格で、胸の内に思いを秘めることが多い。
他のクラスに彼氏がいる。
 

支給武器:コルト・パイソン
kill:なし
killed:水無瀬繭子(女子十七番)
凶器:コルト・パイソン
 

D=02エリアの倉庫に、寺内紅緒(女子十番)・時岡千波(女子十一番)・水無瀬繭子(女子十七番)と共に篭城。

外に偵察に出た際に、気絶している相模夕姫(女子七番)を発見、連れて帰る。夕姫の話で辻莉津子(女子九番)の最期を知る。倉庫に木下亘(男子特別参加者)が来る。亘とただならぬ関係の夕姫に説得され、亘を信用する。突如酒井真澄(男子六番)の襲撃を受け、千波を失う。夕姫・亘に逃がされる。

D=03エリアの池の畔で林一紀(男子十四番)の遺体を発見。戦場にいることを痛感。恋人の中村陽介への想いが一層膨らみ、再び会うためには隙を見て紅緒・繭子を殺害するしかないと思い立つ。Vz61スコーピオンで発砲するが当たらず、混乱状態になったところ、繭子に胸部を撃たれ死亡した。


実は千波はこの時奈央に殺される予定でした。
急に現実が見えてきて(クラスメイトに襲われるということも、人数が半分切ったことも)こういう行動に出てしまう…これまであまり書いた記憶がないタイプの子だったような。


889VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:16:35.98nQ4y3AGI0 (2/109)

女子十五番/総合三十番 堀内尚子(ほりうち・なおこ)

身長 150cm
体重 43kg
誕生日 8月15日
血液型 A
部活動 テニス部
友人 久瀬ゆかり・宗和歩
辻莉津子・寺内紅緒
時岡千波・藤原奈央
前川染香・水無瀬繭子
山崎雛子
(女子主流派グループ)
愛称 尚子・チビ尚

女子評議委員(クラス副委員長)。
クラス1小柄ながら文武両道。元気。周りをまとめるのを得意とするので、クラス内での話し合いでは中心となる。
しかし、何らかの見返りがないと動かない。内申点至上主義者で、学校内での全ての行動基準は内申点にある。
 

支給武器:S


890VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:19:11.05nQ4y3AGI0 (3/109)

女子十七番/総合三十四番 水無瀬繭子(みなせ・まゆこ)

身長 162cm
体重 47kg
誕生日 6月2日
血液型 A
部活動 陸上部
友人 久瀬ゆかり・宗和歩
辻莉津子・寺内紅緒
時岡千波・藤原奈央
堀内尚子・前川染香
山崎雛子
(女子主流派グループ)
愛称 マユ・繭ちゃん・繭姉

クールで、グループを斜めから見ているお姉さん的存在。短距離選手のため、瞬発力は随一。
冷徹な一面があり、思ったことは厳しく批判するので、周りからは怖がられることも多い。
 

支給武器:Vz61 スコーピオン
kill:藤原奈央(女子十四番)
killed:堀内尚子(女子十五番)
凶器:S


891VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:25:50.56nQ4y3AGI0 (4/109)

女子十番/総合二十二番 寺内紅緒(てらうち・べにお)

身長 166cm
体重 54kg
誕生日 11月29日
血液型 O
部活動 バスケットボール部
友人 久瀬ゆかり・宗和歩
辻莉津子・時岡千波
藤原奈央・堀内尚子
前川染香・水無瀬繭子
山崎雛子
(女子主流派グループ)
愛称 紅緒・紅サマ・紅ちゃん

女子体育委員。
女子の中では最も背が高い。
粘り強い性格のグループのリーダー格。頼られることが多い。
熱くなると前しか見えなくなる熱血っ子で、我を通そうする。
左膝を痛めている。
 

支給武器:鉢巻き
kill:なし
killed:堀内尚子(女子十五番)
凶器:S


892VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:28:23.38nQ4y3AGI0 (5/109)

<<女子三番・江南佳菜彩    女子五番・久瀬ゆかり>>
女子四番/総合七番 川西亜由子(かわにし・あゆこ)

身長 159cm
体重 47kg
誕生日 10月9日
血液型 B
部活動 軽音楽部
友人 北修司・東海林至
江南佳菜彩
(NEWS)
愛称 亜由子・アユ・ニシ

常に冷静で、周りを見て動くことができる、グループのまとめ役。。
表情が乏しく、いつも怒っているような顔をしている。無口で、自分の意見を言うことは少ない。
軽音楽部内バンド“NEWS”のギタリストで、退廃音楽に傾倒している。
 

支給武器:コルト・ロウマン
kill:なし
killed:北修司(男子四番)
凶器:毒薬
 

教室内で、プログラムに対して東海林至(男子十番)が反論。芝崎務(担任)が銃を取り出し危険に晒されるが、道下未来(男子十七番)に守られ事なきを得た。

城龍慶(男子九番)につっかかる北修司(男子四番)を止める。“NEWS”のメンバーと行動を共にする。

G=04エリアの民家に篭城。至と揉めた修司を宥めた。修司に恋心を抱いているが、修司の気持ちも知っている。

民家を訪れた篠宮未琴(特別参加者)を招き入れることに反対したが、至・佳菜彩に押されて招き入れる。未琴を警戒している模様。

うろつく未琴を牽制、居間から出ることを禁止する。

自分たちの情報を持っている未琴を訝しむ。何者かが訪ねてきて、無警戒に招き入れようとする至を牽制するも、受け入れられなかった。結果、二階堂哉多(男子十三番)・二階堂悠(女子十三番)の襲撃を受けるが、未琴に救われる。僅かに警戒を解いた模様

気分転換と空腹を満たすために料理をする。接していくうちに未琴への警戒心を解いていく。料理を食べた直後苦しみ始め、吐血して息絶えた。修司が未琴を殺害するために毒を盛った料理を手違いで食べていた。



冷静だったので、NEWS内では1番書きやすかったです。
この子がいなかったら、NEWSはもっと早くに崩壊していたかもしれません。
NEWS内の1番の功労者はアユでしょう。


893VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:31:01.01nQ4y3AGI0 (6/109)

女子三番/総合六番 江南佳菜彩(えなみ・かなせ)

身長 154cm
体重 42kg
誕生日 7月7日
血液型 A
部活動 軽音楽部
友人 北修司・東海林至
川西亜由子
(NEWS)
愛称 佳菜彩・ミナミ

人を思い遣ることができ、人がいい。誰かを疑うことをしない。
自分に対することには鈍感な面もあり、人の意見に従順すぎる面もある。
軽音楽部内バンド“NEWS”のボーカリストで、小柄ながら声は大きい。
退廃音楽に傾倒している。
 

支給武器:FN ファイブセブン
kill:なし
killed:北修司(男子四番)
凶器:コルト・ロウマン
 

教室内で、プログラムに対して東海林至(男子十番)が反論。芝崎務(担任)が銃を取り出し危険に晒されるが、橋川新(男子十四番)に守られ事なきを得た。

3番目に教室を出発。浦原舞(女子二番)が植本邦幸(男子三番)を殺害するのを目撃。

城龍慶(男子九番)につっかかる北修司(男子四番)を止める。“NEWS”のメンバーと行動を共にする。

G=04エリアの民家に篭城。

民家を訪れた篠宮未琴(特別参加者)を招き入れることに賛成、未琴を迎え入れた。

未琴とトランプで遊ぶ。友好的に接している。実は至を好きだということを未琴に知られる。

至・未琴とトランプで遊んでいたところ、二階堂哉多(男子十三番)・二階堂悠(女子十三番)の襲撃を受けるが、未琴に救われる。

気分転換と空腹を満たすために料理を始める。完成したスープを食べていたが、突然目の前で亜由子が吐血し息絶えた。犯人が修司であることにショックを受ける。修司が至を撃ったことに激高、攻撃しようとするが、修司に頭部を撃ち抜かれ死亡。



籠城した時点で崩壊フラグが立ってたかもしれないNEWSの1人でした。
あまり至に対しての想いを書くことができなかったんですが、「めっちゃ好き」というより、ほんのりといいなぁって想ってる恋の始めくらいな感じのイメージでした。


894VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:33:09.06nQ4y3AGI0 (7/109)

男子十番/総合十七番 東海林至(しょうじ・いたる)

身長 165cm
体重 52kg
誕生日 4月1日
血液型 AB
部活動 軽音楽部
友人 北修司・江南佳菜彩
川西亜由子
(NEWS)
愛称 至・ヒガシ

クラス1年下。
男子文化委員。
明るく天真爛漫、誰とでも気楽に話すことのできる性格。
深く物事を考えないことで、周りを振り回すことも多い。
軽音楽部内バンド“NEWS”のベーシストであり、退廃音楽に傾倒している。


教室内で、プログラムに対して反論。芝崎務(担任)が銃を取り出し危険に晒されるが、田村光貴(男子十二番)に守られ事なきを得た。

城龍慶(男子九番)に出くわす。揉めるが大事には至らない。“NEWS”のメンバーと行動を共にする。

G=04エリアの民家に篭城。北修司(男子四番)と揉めるが、川西亜由子(女子四番)の仲裁により解決。

民家を訪れた篠宮未琴(特別参加者)を招き入れることに賛成、快く迎え入れる。

未琴とトランプゲームをする。友好的に接している。未琴に佳菜彩のことが好きだということを知られる。

佳菜彩・未琴とトランプで遊んでいたところ、何者かが訪ねてくる。招き入れようとドアを開けたところ、二階堂哉多(男子十三番)・二階堂悠(女子十三番)の襲撃を受けるが、未琴に救われる。


気分転換と空腹を満たすために料理を始める。完成したスープを食べていたが、突然目の前で亜由子が吐血し息絶えた。佳菜彩と未琴を逃がし、犯人であると暴かれ錯乱した修司を止めようとしたが、撃たれる。仲間を思い涙する。見かねた未琴に頚部を裂かれて死亡。



EN3で最初に顔見せした(TOP絵で)至もここで退場です。
NEWS内で誰よりも最初から最後まで考えが一貫してて書きやすかったです。
「LOVE


895VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:35:13.84nQ4y3AGI0 (8/109)

男子十一番/総合十八番 関本春海(せきもと・はるみ)

身長 167cm
体重 55kg
誕生日 7月24日
血液型 AB
部活動 囲碁部
友人 秋庭俊人・来栖生馬
酒井真澄・佐藤史季
(男子主流派グループ)
愛称 春海・ハル・せっきー

ポジティブな思考を持つ自信家で、誰とでも仲良くなれることが特技。
自信のあまり鈍感で、自分が悪いことをしても気付かないことがほとんど。
髪や瞳が茶色いが、それは生まれつき。緑縁の眼鏡を掛けているが伊達であり、視力は両目共に1.5。
山崎雛子は異母姉にあたる。
 

支給武器:S


896VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:41:07.05nQ4y3AGI0 (9/109)

女子十六番 星崎かれん(ほしざき・かれん)

身長 161cm
体重 49kg
誕生日 10月11日
血液型 AB
部活動 無所属
友人 財前永佳
水田早稀
湯浅季莉
(ギャルグループ)
愛称 かれん
出身小 帝東学院初等部
親の
職業 パイロット(父)
CA(母)

非常に大人びており、冷めた性格とキツい物言い。
両親が家にいないことが多く、放任されて育った。
家政婦のいない時間帯に家を抜け出して夜遊びをしており、売春しているという噂もある。
好きなタイプは「大人の男」で、クラスの男子はガキにしか見えない。
湯浅季莉と共に奈良橋智子や室町古都美をいじめている。


 チーム: 第8班
支給武器: スタンガン
kill: なし
killed: なし(規定により首輪爆発)
凶器: 首輪
 
E=05エリアにて潜伏。生き残るためにとりあえず協力体制を取ることを全員に提案する。

G=03エリアで池ノ坊奨(男子四番)・上野原咲良(女子二番)を襲撃。奨をスタンガンで昏倒させる。駆けつけた高須撫子(女子十番)の叱咤により立ち上がった咲良に挑むが敗北し昏倒。目覚めた時にはリーダーの如月梨杏(女子四番)が死亡しており、規定により首輪が爆発して死亡。


キツい女の子が多いこのクラスでも多分トップクラスにキツくて冷たいのはかれん…だったのかなぁ←
補足すると、売春の噂は本当。遊ぶ金欲しさに。
ルールの特性を見せるために犠牲になったのです…ごめんよ。


897VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:43:23.27nQ4y3AGI0 (10/109)

女子十九番 山本真子(やまもと・まこ)

身長 144cm
体重 40kg
誕生日 3月6日
血液型 A
部活動 バドミントン部
友人 小石川葉瑠
阪本遼子
蓮井未久
平野南海
広瀬邑子
(女子主流派グループ)
愛称 真子・真子っち
出身小 帝東学院初等部
親の職業 国会議員(父)

素直で明るい性格で、人懐こい。
いざという時の集中力は抜群で、小柄で体力は周りからやや劣るが部活ではレギュラー。
女子相手には誰とでも話ができるが、男子は少し苦手というか照れてしまう。
阪本遼子・広瀬邑子と共にチビッ子トリオと称される。
出席番号が近い湯浅季莉とは小説の話で盛り上がる仲。


 チーム: 第3班(リーダー) 
支給武器: 大東亜広辞苑
kill: なし
killed: 松栄錬(男子九番)
凶器: 金槌
 
E=06エリアにて潜伏。榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)の襲撃を受けるが、鷹城雪美(女子九番)が現れそれを止める。佐伯華那(女子七番)と雪美の会話を見守る。雪美たちがやる気であることを華那が見抜き、班全員で逃げ出そうとするが、隠れていた松栄錬(男子九番)が現れ、発砲される。雨宮悠希((男子三番)に護られながら逃げようとするが、悠希が目の前で殺害され腰を抜かす。川原龍輝(男子五番)・佐伯華那(女子七番)も失う。逃げようとしたが錬に追い付かれ、金槌で何度も殴られ死亡した。



3班の中では一番怖い思いをしたと思います、真子でした。
謝られながら殴り殺されるという、あまり今までに書いたことのないパターンで退場した子でした。
多分ここで逃げ切っていれば、悠希といい感じになってたかと。という今更な話。


898VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:44:30.65nQ4y3AGI0 (11/109)


男子1番 相葉優人
(あいば・ゆうと) 女子1番 朝比奈紗羅
(あさひな・さら)
男子2番 芥川雅哉
(あくたがわ・まさや) 女子2番 上野原咲良
(うえのはら・さくら)
男子3番 雨宮悠希
(あまみや・ゆうき) 女子3番 荻野千世
(おぎの・ちせ)
男子4番 池ノ坊奨
(いけのぼう・しょう) 女子4番 如月梨杏
(きさらぎ・りあん)
男子5番 川原龍輝
(かわはら・りゅうき) 女子5番 小石川葉瑠
(こいしかわ・はる)
男子6番 木戸健太
(きど・けんた) 女子6番 財前永佳
(ざいぜん・ひさか)
男子7番 榊原賢吾
(さかきばら・けんご) 女子7番 佐伯華那
(さえき・かな)
男子8番 宍貝雄大
(ししがい・ゆうた) 女子8番 阪本遼子
(さかもと・りょうこ)
男子9番 松栄錬
(しょうえい・れん) 女子9番 鷹城雪美
(たかしろ・ゆきみ)
男子10番 城ヶ崎麗
(じょうがさき・れい) 女子10番 高須撫子
(たかす・なでしこ)
男子11番 田中顕昌
(たなか・あきまさ) 女子11番 奈良橋智子
(ならはし・ともこ)
男子12番 内藤恒祐
(ないとう・こうゆう) 女子12番 鳴神もみじ
(なるかみ・もみじ)
男子13番 原裕一郎
(はら・ゆういちろう) 女子13番 蓮井未久
(はすい・みく)
男子14番 春川英隆
(はるかわ・ひでたか) 女子14番 平野南海
(ひらの・みなみ)
男子15番 日比野迅
(ひびの・じん) 女子15番 広瀬邑子
(ひろせ・ゆうこ)
男子16番 真壁瑠衣斗
(まかべ・るいと) 女子16番 星崎かれん
(ほしざき・かれん)
男子17番 望月卓也
(もちづき・たくや) 女子17番 水田早稀
(みずた・さき)
男子18番 横山圭
(よこやま・けい) 女子18番 室町古都美
(むろまち・ことみ)
男子19番 芳野利央
(よしの・りお) 女子19番 山本真子
(やまもと・まこ)
男子20番 林崎洋海
(りんざき・ひろみ) 女子20番 湯浅季莉
(ゆあさ・きり)


899VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:46:12.78nQ4y3AGI0 (12/109)

生まれて初めて目の当たりにする、見知った人間が殺される瞬間。

田中顕昌(男子十一番)の突然すぎる死に、教室内にはいくつもの悲鳴が重なり合って響き、黒板の前に並ぶ政府の人間たちから少しでも離れようと自分の席を放棄して教室の後ろ側にクラスメイトの大半は逃げて恐怖に顔を引き攣らせている。
木戸健太(男子六番)も自分の後ろの席に座る幼馴染の鳴神もみじ(女子十二番)の手を引きながら後方に下がり、同じように朝比奈紗羅(女子一番)を連れてきた真壁瑠衣斗(男子十六番)と共にもみじと紗羅を隠すように立ち、ライド(担当教官)たちを睨みつけた。

中には、動かないまたは動けない者たちもいた。
友人が射殺される瞬間を間近で見てしまった平野南海(女子十四番)や雨宮悠希(男子三番)は腰を抜かしてしまい、その場にへたり込んでしまっていた。
アキヒロ(軍人)が放った銃弾のうちの1つが自らの机に着弾した鷹城雪美(女子九番)は座ったままじっと穴の開いた机を見つめており、隣の席の榊原賢吾(男子七番)の声にも無反応だった。

そして、健太たちをいつも引っ張っているリーダーの城ヶ崎麗(男子十番)。
麗の幼馴染であり、健太の彼女である上野原咲良(女子二番)を護るように抱き締めながら、ライドたちの動きをじっと見て警戒心を露わにしている。
近くの席の池ノ坊奨(男子四番)と高須撫子(女子十番)も2人の傍に寄り添い、やはりライドたちの動きを警戒しているようだった。

「さ…咲良…怪我してるよね…大丈夫かな…」

紗羅が後ろで不安げに呟いた。

そう、咲良は怪我をした。
アキヒロが銃を構えた瞬間、咲良は躊躇なく麗を護るために動いたのだ。
一歩間違えれば、今頃顕昌と同じ運命を辿っていたかもしれないというのに。

『上野原家の代々の家訓でね、“城ヶ崎家を守る”っていうのがあって。
 奨くんの家のも同じような家訓があるの。
 まあ、平和な今の時代に言われても、あまりピンとは来ないんだけど』

いつだったか、咲良はそう言って笑っていた。
しかし、咲良は動いた。
それは家訓が身に染みついていたのか、代々城ヶ崎家に仕えてきた上野原家の血がそうさせたのか――いや、咲良のことだから、そんな建前など関係なく、友人を護るために気が付いたら身体が動いていたのだろう。
それが、健太が心惹かれる上野原咲良という人間だ。

そんな咲良を護るのは自分であるべきなのに、今咲良を抱き締めているのは、麗。
健太よりもずっと長い間咲良を傍に置いていて。
健太が生まれるずっと昔から血で結ばれた関係があって。
2人の関係には、健太も立ち入ることはできなくて。
しかも誰がどう見ても、咲良と麗はお似合いで。
麗は健太より頭が良くて、運動ができて、テニスも上手くて、容姿も良くて、家柄も良くて――何一つ敵うことがない大きな壁だ。


900VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:46:58.46nQ4y3AGI0 (13/109)

何で、あそこにいるのが麗なんだ…何で、俺じゃないんだ…

嫉妬している場合ではないというのに健太の中ではぐるぐると黒い感情が渦巻き、教室内に漂い始めていた血の臭いと相まって、うっと呻き声を上げて口を押さえた。
健太の異変に気付いたもみじが「健ちゃん…?」と名前を呼びながら健太のブレザーの袖を掴んだが、健太はそれを振り払った。

俺が咲良を護る。
麗じゃない、俺が、咲良を、護るんだ。
あんなヤツらに、傷付けさせてたまるか。

一歩を踏み出そうとしたところで、健太は腕を掴まれた。
振り返ると、そこには瑠衣斗の端正な顔があった。
いつもと変わらない無表情で健太を見下ろし(それでも眼鏡の奥にある双眸には、明らかに怒りの色が現れていた)、低く囁いた。

「木戸、下手に動くな」

「瑠衣斗…でも、咲良が…っ」

「城ヶ崎がついてるんだ、上野原は大丈夫だよ。
 …木戸が考えてることはわからないわけじゃないけど、今は耐えろ。
 お前に何かあれば一番悲しむのは上野原だ、そうだろ?」

咲良の悲しげな表情が脳裏を過り、健太は俯いた。
咲良の悲しむ顔なんて見たくない、彼女には笑顔が何よりも似合うのだから。
咲良を悲しませることなんて、してはいけない。

ぐるぐると渦巻く感情を吐き出すように、健太は大きく深呼吸をした。
少しだけ気持ちの昂りが治まり、小さく瑠衣斗に礼を言った。

向こう見ずな行動を起こそうとした自分を止めたのが、幼馴染の紗羅やもみじではなく瑠衣斗だったことを、場違いだが少し嬉しく感じた。
瑠衣斗との付き合いは中等部に入って間もない頃からだったのだが(中等部の入学式で代表挨拶をした“学年首席”の瑠衣斗に興味を持った麗が、無理矢理グループに引っ張り込んできたのだ)、瑠衣斗はいつも何を考えているのかわからず、健太や麗が可笑しいことを言って他のメンバーが笑っていてもクスリともしなかったので、もしかすると瑠衣斗には仲間意識はなくただ引き摺られてきたから一緒にいるだけなのではないか、と思っていた。
しかし、瑠衣斗は瑠衣斗なりに健太たちを見てくれていたのだ。
麗を信頼し、健太や咲良のことを気遣ってくれるその気持ちが嬉しかった。


901VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:48:06.20nQ4y3AGI0 (14/109)

“ちょっと、殺し合いをしてもらうから”

やっぱり、そう来たか。

周りのクラスメイトたちが息を呑むのが空気で伝わってくる中、城ヶ崎麗(男子十番)は小さく溜息を吐いた。
修学旅行に行く途中に睡眠ガスで眠らされ、謎の首輪を付けられて見知らぬ教室に閉じ込められた現状――麗は1つの大きな可能性としてプログラムを予見していた。
その考えをクラス全員の前で披露するわけにはいかなかったので(プログラムかも、だなんて死刑宣告のようなものだ、言えるはずがないだろう?)、真壁瑠衣斗(男子十六番)や芳野利央(男子十九番)に話したところ2人は大きく動揺していたが(瑠衣斗の驚いた顔や、利央の慌てた声――あまりにレアなものを目にしたので、こんな状況じゃなければ笑っていただろう)、2人共心のどこかに「もしかしたらそうではないか」という考えを持っていたらしかった。

戦闘実験、通称“プログラム”。
小学4年生の社会の教科書に登場するし、国語辞典の“プログラム”という項目にも載っているし、ローカルニュースでも年に数回その話題が出るので、大東亜共和国に住む者なら知らない人などいない。
全国の中学校から任意に選出した3年生の学級内で生徒同士を戦わせ、生き残った1人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。


902VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:49:32.09nQ4y3AGI0 (15/109)

しかし、教壇に立つ男は、“戦闘実験第七十二番”と告げた。
麗が知っているプログラムとは違うものなのだろうか。
例えば戦闘実験だからさすがに戦闘はするだろうが命懸けではないとか――いや、あの男は『殺し合いをしてもらう』と言っていたのでそれはないか。

「あ、そういえば自己紹介してなかったっけなぁ。俺、今日からみんなの担任の先生になったんよ。気軽に、“ライド先生”って呼んでくれてええからな?」

男はライドと名乗り、妖艶という言葉が似合いそうな笑みを浮かべた。
中性的でどこか大東亜人離れした目鼻立ちとそれに似合う肩よりも下まで伸ばされた髪は、こんな状況でなければ女子は見惚れてしまうのではないだろうか。
ややのんびりとした関西弁は、中等部に入るまでは関西の小学校にいたというクラスで唯一関西弁を話す荻野千世(女子三番)にどこか似ていた。

「それから、右からシンちゃん、エッちゃん、アッキー。みんな俺の仲間やねん、まあ立場的には俺の助手みたいな?」

「ライド、紹介の時はあだ名で呼ばんといて、空気台無しやん。俺はエツヤ、あっちがシンでこっちがアキヒロ」

“エッちゃん”と呼ばれたライドの隣にいたエツヤが改めて紹介した。
こちらも整った顔立ちをしているが、髪には羽根を模したようなアクセサリーを付けていたり厚底の靴を履いていたり、何より他の3人が黒を基調とした服装だというのに1人だけ赤を基調とした派手な服を着ているので最も目立っている。
ライドにツッコミを入れたあたり、根は真面目なのかもしれない。

その隣にいるシンと紹介された男は4人の中では最も背が高い(とは言っても、目算で瑠衣斗と同じくらいなのではないだろうか。身長170cmの瑠衣斗はこのクラス内では平均的な身長なので、シンも周りが低いから高く見えるだけのようだ)。
猫のような口許と目は幼さを感じさせるが、薄く髭を生やしているので他の面々と同年代だろうということは見て取れる。
咥え煙草をしているのだが、今は火を点けていない。

麗から見て真ん前に立つアキヒロと呼ばれた男はライド程ではないが小柄で線も細く、一見掴み掛かれば勝てるのではないかと思わせる。
しかし、眉ひとつ動かさずに吊り上がり気味の目で教室を見回すその様子から、他の3人同様に只者ではないというオーラを感じる。

「すみません、“担任”というのはどういう意味ですか?私たちの担任は塚村先生のはずですが」

麗の2つ右隣の席の如月梨杏(女子四番)が手を挙げつつ質問をした。
銀縁の眼鏡と赤いカチューシャで飾っただけの漆黒のストレートヘアにきっちりと着こなされた制服からその几帳面さが見て取れる梨杏は、非常に成績優秀であるがそれ故に周りの人間を見下した態度を取っており、梨杏に一歩届かない麗もその対象であるために梨杏のことはあまり好きではない。
もっとも、このような状況で普段の授業中に教師に質問するのと変わらない様子で発言をする度胸は、感服せざるを得ない。


903VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 07:50:48.00nQ4y3AGI0 (16/109)

「そんなん言うたら、このクラスの親御さんはスター揃いやん。
 でも、プログラムは抽選で選ばれるんやから、親がどうとか関係ないねん。
 身分もなんも関係あらへん。
 …まあ、一応親御さんの話が出たから言っとくと、ちゃんとご家族には連絡して、
 ちゃんと了承得てるから安心してくれてええよ。
 大丈夫、反対して向かってきた人もおったけど、全治一週間くらいの怪我や。
 まあ流石に処刑とかできる身分ちゃう人もおるからなぁ。
 いやー…結構プレッシャーやったよな、シンちゃん」

「せやな、ドッキドキもんやったわ。
 めっちゃでかい家も多かったもんなぁ…監視カメラとかついてる家もあるし。
 家の門から玄関までの距離が恐ろしく長い家もあったしなぁ。
 俺もあんな家住んでみたいわぁ」

ライドとシンのやり取りに、真子はもう何も言えず俯いており、その頬を伝った涙がぽとりぽとりと机に水溜りを作っているのが確認できた。
真子のような小さな女の子を泣かせたライドたちに非常に腹が立ったが、一方で両親が政府に反抗して既にこの世を去っている、という最悪の事態を回避できていることにはほっとした。
麗には兄弟がおらず、物心ついた頃には代々経営している城ヶ崎グループを継ぐことを決められそれを前提にした教育を受けてきた。
それは両親や周りの人間がそれだけ麗に期待していたということで、その麗がプログラムというほぼ確実な死刑宣告を受けたことを「はい、そうですか」と簡単に受け入れるはずがないのだ。
怪我はしているかもしれないが、命があるならとりあえず安心だ。

麗は真子を見たその視界に瑠衣斗が入ったことで、今まで自分の頭の中を整理することで一杯一杯になり、周りの様子を見ていなかったことに気付いた。
いつも麗を慕ってくれている仲間たちは、何を感じているのだろう。
いや、当然驚愕しているのだろうけれども。
瑠衣斗の横顔は相変わらず表情がないが、握り締められた拳は強く握られており震えているのが見えた。
瑠衣斗の前にいる朝比奈紗羅(女子一番)は眼前にいるシンを睨み付けており、強気な紗羅らしいと思ったが、その胸の内は不安で一杯なのだろう。
真子の後ろの席に座る木戸健太(男子六番)も紗羅と同じようにシンを睨み、紗羅以上に怒りの感情を露わにしていた。
その後ろにいる鳴神もみじ(女子十二番)は幼い頃からの付き合いである紗羅や健太とは違い怯えの表情を浮かべていたが、麗と目が合うと無理矢理作った笑顔を浮かべて「大丈夫だよ」と口パクで伝えてきた。
視線を左側に移す。
池ノ坊奨(男子四番)は麗より前にいてその表情が確認できないが、心優しい奨のことだ、胸を痛めているだろう。
左後方にいる高須撫子(女子十番)の方を見ると、撫子はライドをじっと見ていたので必然的に麗と目が合い、端正な顔を悲しげに歪めた後麗から視線を逸らした。
そして、左隣の上野原咲良(女子二番)は俯いており、長い髪でその横顔の大半は隠され表情は確認できなかった。
プログラムということは、いつも一緒にいた仲間たちとも戦わなければならないのだろうか――いや、そんなことが、できるはずがない。


904VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:42:56.36nQ4y3AGI0 (17/109)

「それを踏まえてもらったら、基本的には何をしてもらっても構わへんよ。ここは後で説明するけど都内の離島なんやけど、人の家に勝手に入っても良い、物取っても、何か壊してもても、誰も何も文句言わん。人を騙しても、罠に掛けても、信じても裏切っても、何でもアリや。チーム同士同盟組むのも別に構わへんし、チーム内で別行動するのもアリ。あ、ただし、当然やけどこの島から出るのは禁止な。さっきちょっと触れたけど、みんなに付けてもらってるその首輪。それはかなり高性能で、みんなの位置をこっちに教えてくれる機能もあるんや。不穏な動きを見せるようなら、こっちから電波を送って爆破することもできるから」


905VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:43:33.91nQ4y3AGI0 (18/109)

成程、こちらの動きは監視されているというわけか――戦闘実験という名前なのだから、当然といえば当然だろうが。
同盟を組むのがありということは、必ずしも他のチームと敵対する必要はないということになるのか――麗は少しだけほっとした。
もちろん、最終的には敵に回さなければならないのだけれど、遭遇即戦闘しなければならないというわけではないのはありがたい(まあ、そもそもプログラム事態が全くありがたくない代物なのだけれども)。

「プログラムの終了条件は、全部で3つ。
 1つは、最後の1チームだけになった場合。
 もう1つは、生き残りがリーダーだけになった場合。
 あ、この“リーダー”は、下剋上でのし上がったリーダーも含めるからな。
 そして最後は、最後の死亡者が出てから24時間誰も死ななかった場合。
 この最後の場合は、残っている全員の首輪に電波を送って爆破するからな。
 つまり、優勝者は無しってことな」

最後の条件は、つまり、とにかく命を奪い合え、全員にその意思がないのなら実験は不成立だ、ということなのだろう。
クラスメイト同士の殺し合いなんておかしい、と考えるのは麗だけではないだろうが(むしろほぼ全員がきっとそう思っているはずだ)、この制約がある以上全員が集まって話し合う、という考えは通用しないということになる。

優勝条件は、シンプルなようでいてその実かなり複雑だ。
チームで協力すればいいというだけではない。
何らかの形でリーダーたちが結託すれば、メンバーにとっては他のチームだけでなく自分のチームのリーダーすら敵になりえてしまうのだ。
大きな精神的負荷を負うリーダーに対する配慮としてのルールなのかもしれない。
しかし、“下剋上ルール”とやらによりリーダーもチームメイトに命を狙われる可能性があるのだから、お互い様だとも言える。
チーム戦だが、結局は全員が敵になりかねない、ということだ。

「もちろんみんなにその辺に転がってるモンで戦え、とは言わん。
 みんなには、出発する時に必要な物を入れたデイパックを配る。
 エッちゃん、シンちゃん、持ってきて」

ライドに指示されたエツヤとシンが廊下に一旦出ると、黒いデイパックが大量に載った大きなカゴ車を2人がかりで教室に入れた。

「中には、水と食料、地図、コンパス、腕時計、懐中電灯、そして武器が入ってる。
 武器は、同じ物は入ってなくて、ほんま様々や。
 例えば銃とかナイフみたいなモンから、武器とは言えないモンまで…
 これは適当に配るから、何が当たるかは運次第ってことやな。
 あ、あとさっき言ってたルール説明書も入ってるから、各自確認しといてな」


906VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:44:15.70nQ4y3AGI0 (19/109)

確かに、積まれたデイパックの中には大きく出っ張った物もいくつかある。
それにしても、銃やナイフが配られるということは、本当にそれらを使って殺し合いをしなければならないということであり、プログラムに選ばれたことを今までよりも実感せざるを得なかった。

「お……おかしい…よ……こんなの……ッ」

不意に声が上がり、麗はカゴ車から声のした方へと視線を移した。
麗の2つ前に座る田中顕昌(男子十一番)がふらふらと立ち上がっていた。
地味で大人しく、普段の授業中には積極的に発言をしない顕昌が声を上げるだなんて非常に珍しいことで、それは顕昌の斜め後ろに座る親友の雨宮悠希(男子三番)ですら驚愕の表情で顕昌を見上げていることが物語っていた。

「えー…田中君?
 質問タイムはまだやねんけど――」

「し、質問というか…お、おかしいですよ、こんなの…!!」

顕昌は震える声で叫ぶと、ぐるりと回れ右をし、教室を見渡した。
その顔は蒼白で、元々垂れ下がった目は一層目尻が下がっているようにも見え、その目からはぼろぼろと涙を流していた。

「ねえ、みんな、何で…黙って聞いてるの…!?
 この人た、ち、俺たちに、殺し合えって…そんなこと言ってんだよ!?
 へ、変だよ…こんなの!!
 お、俺…俺はやらないよ、絶対にやらない、できるわけない!!


907VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:44:55.77nQ4y3AGI0 (20/109)

賛同の意を表しようとした、その時だった。
顕昌の向こう側、アキヒロが動くのが見えた。

「ふーん、やらないの、君。
 じゃあ、ここで[ピーーー]ば?」

淡々とした冷たい声。
アキヒロの手に握られた黒い何か――それは、今まで映画やテレビといった画面の向こう側でしか目にしたことのなかった、拳銃。

「田中、危ないッ!!」

麗は立ち上がり声を荒げた。
しかし、麗は、重要なことに気付いた。
麗は顕昌の2つ後方の席――そう、アキヒロの銃口の先に、麗自身もいたのだ。


908VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:55:42.39nQ4y3AGI0 (21/109)

咲良の声が聞こえたと同時に、麗は咲良に突き飛ばされて永佳の席に突っ込んでいた(それを永佳は受けきることができず、2人はもんどり打って床に倒れ、まるで麗が永佳を押し倒したようになってしまった。――ああ、確かコイツは望月卓也(男子十七番)と付き合っていたな、悪いことをしてしまった)。
起き上がる間もなく数度響いた銃声、上がる悲鳴、足音と机や椅子が動く音。

「アッキー、そんな撃つことないやんかー」

シンの場違いな程に穏やかでまったりとしたテノールボイスによりアキヒロの攻撃が止んだことにようやく気付き、麗は顔を上げた。
押し倒した際に頭突きをしてしまっていた永佳に小さく謝罪をしてから振り返り――目を見開いた。
アキヒロの銃口から麗を逃がした咲良が、左腕を押さえて座り込んでいた。
白い右手を汚しているのは、真っ赤な液体――血だった。

「咲良…ッ!!」

急いで咲良に駆け寄ると、咲良は苦痛に歪めていた顔に無理に笑顔を浮かべ――無理をして浮かべている笑顔なのにそれでも愛らしく見えてしまうのが咲良の凄いところだ――ほっと息を吐いた。

「麗くん、怪我はない…よね…良かったぁ…」

「馬鹿、お前が怪我してんだろうが!!」

「あたしはいい、いいの…麗くんが怪我してないなら、それで、あたしは…」

いいはずがあるものか。

確かに、幼い頃に親や祖父母から聞かされていた城ヶ崎家の歴史によれば、城ヶ崎家はかつては大東亜の土地に数多くあったとされる国々のうちの1つの国主の家柄で、その頃から、いやそれ以前から城ヶ崎家に仕えてきた家が2つあったという。
その2つの家は、現在までずっと城ヶ崎家と共にあり、有事の際には城ヶ崎家を最優先に護ることが現在も家訓であるとされているという。
その末裔が、池ノ坊家の奨と、上野原家の咲良。
つまり、奨と咲良は、常に麗と共にあり、万が一の時にはその身を投げ打ってでも麗を護ることを幼い頃から両親祖父母らに口酸っぱく言われてきたのだろう。


909VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:58:03.99nQ4y3AGI0 (22/109)

1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十一番・田中顕昌 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子


910VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 08:58:45.30nQ4y3AGI0 (23/109)


加害者 人数 被害者
1位 榊原賢吾(M7) 3人 川原龍輝(M5)
佐伯華那(F7)
池ノ坊奨(M4)
2位 相葉優人(M1) 1人 荻野千世(F3)
松栄錬(M9) 1人 山本真子(F19)
真壁瑠衣斗(M16) 1人 如月梨杏(F4)
財前永佳(F6) 1人 宍貝雄大(M8)
室町古都美(F18) 1人 横山圭(M18)
湯浅季莉(F20) 1人 雨宮悠希(M3)


911VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:09:43.19nQ4y3AGI0 (24/109)

「なあなあ、ビスケットいる?」

「…意外と肝が据わってるよね、千世って。
 でもまぁ…貰っとこうかなぁ」

呆れて溜息を洩らす小石川葉瑠(女子五番)に、荻野千世(女子三番)はへらっと笑みを浮かべてビスケットを1枚手渡した。

千世たちがいるのは島の北側のB=06エリア内に位置する港にある駐車場の端に停車している軽トラックの陰だ。
少し離れた場所には商店があり、千世の手にあるビスケットの袋はその商店で頂いた物のうちの1つだ。
味気ないパンだけではとても成長期の胃袋を満足させられず、商店でお菓子類や缶詰などを頂戴してきた。
商店の中に留まっていても良かったのかもしれないが、建物の中では万一誰かに襲われた時に逃げ道が少ないから危険かもしれないと葉瑠が主張したので、誰かが来るかもしれない商店からは少し離れた港へと向かい、今の場所に身を顰めることにしたのだ。

「相葉くんも、どーぞ」

「ん…ああ、ありがとねー荻野ちゃん」

優人が小さく笑ってビスケットを受け取ってくれたので、千世も笑みを返した。
班のメンバーだった宍貝雄大(男子八番)が突如殺害された上に、襲ってきた相手の内の1人が優人の親友である望月卓也(男子十七番)だったことにショックを受けてからというもの、優人はずっと元気がなく沈みきっていた。
普段関わりなどなかったけれど優人がいつも場を盛り上げるタイプの人だということは千世にもわかっていたので、その面影がないことを心配していた(プログラムという状況下でいつも通り元気一杯に振舞われればそれはそれで問題だと思うが)。
しかし、数時間前に親友の日比野迅(男子十五番)に会って話をしてからは少しずつ元気を取り戻していったようで、今のように時折笑みを浮かべるようになった。
そのことに、千世は安堵していた。

第1班のリーダーは千世だ。
普段はのんびりしていて人を引っ張っていくよりも誰かについていくタイプの千世にとって、腕に付けられた王冠の印はプレッシャーでしかない。
普段の学校生活でも、千世はいつも行動を共にしていた鷹城雪美(女子九番)にくっついて行動していた。
雪美は例えば城ヶ崎麗(男子十番)のような強烈なリーダーシップがあるわけではないけれども、さり気なく千世や佐伯華那(女子七番)や室町古都美(女子十八番)を引っ張ってくれていた。
雪美の柔らかなリーダーシップに古都美はぴったりとくっついていたし、千世も自分で物事を決めるのは苦手なので助けてもらっていたし、頭が良いのに千世以上にぼーっとしている印象の華那もきっとそうだろう。


912VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:10:22.35nQ4y3AGI0 (25/109)

しかし、今ここに雪美はいない。
千世がどれだけ重荷に思おうが、リーダーであることは変わらない。
プログラムという状況下、自分の命だけならいざ知らず、千世に万一のことがあった場合には優人と葉瑠を道連れにしてしまう。
周りに頼ってばかりいられる状況では最早ない。

とはいえやはり人を引っ張るような行動力は千世にはない。
だからせめて優人や葉瑠が元気でいられるようにしたい。
ビスケット1枚で元気になってくれるのなら万々歳だ。
千世はビスケットを1枚口に入れながらデイパックに手を突っ込み、今度はイチゴ味のキャンディーの袋を取り出した。

「なあなあ、飴ちゃんいる?」

葉瑠と優人はきょとんとしていたが、顔を見合わせて笑った。

「お菓子ばっかじゃないのさ、千世ー」

「荻野ちゃんってばそんなお菓子好きキャラだったの?
 どこの早稀ちゃんだよもー」

2人の笑顔を見て、千世もえへへっと笑った。

良かった、2人とも笑っとる。
プログラムやし笑ってばっかおれんのかもしれんけど、やっぱ人生笑っていられるんが1番やと思うから、平和な今くらい笑ってても良いやんな?

千世は空を仰いだ。
笑顔の優人と葉瑠を見て、ふとここにいない友人たちを思い出したのだ。
千世が今までいつも笑顔で過ごせたのは、優しく引っ張ってくれる雪美がいて、千世と以上にのんびりしていてたまにポカをする華那がいて、優しくて思い遣りのある古都美がいたからだ。
華那がもうこの世にいないだなんて信じられない。
きっと、どこかにいる雪美や古都美も千世と同じように悲しんでいることだろう。


913VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:11:11.66nQ4y3AGI0 (26/109)

雪美ちゃん…古都美ちゃん…元気しとるやろうか…
なあ、2人は、ちゃんと今笑っていられてるんかなぁ…?

「…おーい、千世?」

名前を呼ばれ、千世は我に返って視線を空から地上へと戻した。
目の前には吊り上がった葉瑠の瞳があり、思わず「おお…!」と声を漏らした。

「千世、どうしたのさ、急にぼーっとしちゃって。
 …あ、もしかして雲がわたあめみたいだなーって思ってたんじゃないだろうね?」

「うえぇ? ちゃうちゃう、そんなん思ってへんよー」

「どーだかねー、荻野ちゃんは第二のお菓子好きキャラ疑惑があるからなー」

「ちゃうよー、わたあめは好きやけどもー」

優人は少しずつ調子を取り戻してきたようで、いつも教室で騒いでいた時のような軽口が出るようになっていた。
千世をネタにして笑顔を取り戻してくれるのなら、いくら笑われたって構わない。
それが引っ張る力がない千世にできる数少ないことだから。

なあ、雪美ちゃん、古都美ちゃん…
うちは、笑っとるよ、元気にしとるよ…2人はどない?

「…もしかして千世さ、誰か逢いたい人とかいるの?
 空に思いを馳せてた…的な?
 え、もしかしてもしかすると、好きな人とか?!」

急に葉瑠がテンションを上げて千世に頭突きをしそうな勢いで顔をずいっと近付けた。
そういえば、葉瑠は人の色恋沙汰で盛り上がるのが好きなように見えた。
誰と誰が付き合っているとか、誰が誰を好きだとか――同じグループの子たちや、同じようにそういう話が好きらしい水田早稀(女子十七番)と話しているのを聞いたことが何度かあるし、華那は幼馴染だという川原龍輝(男子五番)との関係を疑われてよく話を聞かれていた。


914VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:12:08.21nQ4y3AGI0 (27/109)

葉瑠は顔を離し、俯いた。
きっと、葉瑠も状況のわからない友人たちを思っているのだろう。
特に、教室を出る時に阪本遼子(女子七番)は不機嫌さを顕にして興奮状態だったし、平野南海(女子十四番)は自分で立ち上がることもできない程に憔悴しきっているように見えたので、一層心配しているだろう。

「…じゃあさ、みんなを…探しに行く?」

おずおずといった感じで、優人が声を上げた。
千世と葉瑠の視線を浴びた優人は、へらっと笑みを浮かべた。

「なんかさ、俺ばっかダチの状況わかってばっかでずるい…ってのも変だけどさ…
 結局俺は今迅しか信じられないけどさ、でもそれがわかってるだけマシだし…
 じっとしててもどうしようもない…というかさ、うーん…」

しどろもどろとする優人に対して、葉瑠がとても大きな溜息を吐いた。

「このヘタレ!!…って早稀ちーが言うのもわかるわー。
 『探しに行こうぜ、俺についてこい!!』とか言ったらどうなのさ」

「だってだって、葉瑠たちがそういう気持ちじゃなかったら俺空回りじゃん!!」

「何それ情けない!!」

「あー!! 葉瑠嫌わないで俺生きていけなくなるーッ!!」

「もー鬱陶しいなぁメソメソすんなっての!!」

優人と葉瑠のやりとりに、千世はふふっと笑んだ。
ああ、この感じ、何度も見たことがある。
教室の端からいつも見ていた、ムードメーカーの優人と葉瑠のまるで夫婦漫才のようなやりとり――日頃の2人のやりとりだ。
よかった、元気を取り戻してくれた。

「ほんなら、探しに行こ、みんなのこと。
 プログラムなんてあかんって思っとる人、きっともっとおるはずやもんね。
 会えたら、きっともっと元気になれるよ」

戦いたくない、どうしたらいいのかわからない。
だから、せめて、望むことをやりたい。
仲の良い子に会いたい、話をしたい、「プログラムなんておかしいよね」って言い合いたい――それがこの状況を打開することに何一つ結び付かないのはわかっているけれど、笑顔を浮かべていられることにはきっと結び付く。

「きゃっ、あたし千世のリーダーシップに惚れる!」「そんな、葉瑠ぅ…」、そんな2人のやりとりにくつくつと笑いながら千世は立ち上がり、荷物を持った。

雪美や古都美はどこにいるだろう、2人とも木々を掻き分けて道なき道を進む姿なんて想像できないから建物の中にいたりするのだろうか、そういえば古都美は虫がとても苦手で蟻が机の上を歩いていただけでも怖がっていたっけ――


915VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:12:48.95nQ4y3AGI0 (28/109)

ミラクルみんなくる!


916VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:15:09.66nQ4y3AGI0 (29/109)

せめて笑っててほしいとか思っとったくせに、うちのせいで笑っていられなくなるとか…ほんま、うち、最低なリーダーもどきやった……

雪美ちゃん、古都美ちゃん…お別れ、言えんかった、なぁ…
最低やった…罰…やろか……
華那ちゃん……もうすぐ、行くわ――


遠くなった耳が、誰かの叫ぶ声を拾った。
色々な声が聞こえる。
何を言っているか、もうわからないけれど。

次の瞬間、背中を再び衝撃が襲った、気がした。

その衝撃は、再び銃弾を食らったものだということ。
銃弾は、千世の心臓を貫いていたということ。

周りの状況も自分の身に起こったことも、千世は理解できなかった。
理解する前に、千世は事切れていた。


917VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:16:54.49nQ4y3AGI0 (30/109)

春川英隆(男子十四番)はベレッタM92Fを下ろした。
眼前では、英隆の放った銃弾を背中から浴びた荻野千世(女子三番)がアスファルトに血の池を作りながら倒れて虫の息となっており、小石川葉瑠(女子五番)が千世の名前を必死に呼び、相葉優人(男子一番)は瀕死の千世を見て震えていた。

ああ、晴れてこれで俺も人殺しになるんだね…

引き金を引いたのはこれで二度目。
一度目は幼馴染の財前永佳(女子六番)と親しく、英隆の親友の日比野迅(男子十五番)が大切に想っている水田早稀(女子十七番)が相手だった。
初めてだったからなのか、覚悟を決めたはずなのに迷いがあったからかはわからないが、弾は早稀の命を奪うことはなかった。
しかし、今回は違う。
千世の様子を見る限り、そう長くはないだろう。

見慣れぬ部屋で目覚め、これが班対抗戦という特殊ルールが設定されたプログラムだと知らされ、班のメンバーが幼馴染の永佳・広瀬邑子(女子十五番)と親友であり永佳と付き合っている望月卓也(男子十七番)だということがわかった時、英隆は優勝するために他のクラスメイトを殺める決意をした。
これは決めていたこと、覚悟していたこと。
しかし、人の命を奪う重圧というのはこんなにも重いものなのか。
酷く気分が悪く、心臓に重石を乗せられたかのような体の内側からの重みを感じる。
永佳は平然としているように見えたけれど、宍貝雄大(男子八番)を射殺した時には同じような重みを感じていたのだろうか。

せめて、最期をちゃんと見届けよう…
ごめんね、荻野さん…でも俺は…俺たちは、死にたくないんだ…


「ああ…あああ…」


震えた言葉を成さない声が聞こえ、英隆は視線を千世から外し――目を見開いた。
ただ体を震わせながら倒れた千世を見下ろしていた優人が、その手に黒く光る英隆のそれとは形状がかなり違う拳銃(英隆の知るところではないが、コルト・パイソンという名の回転式拳銃だ)を両手でしっかりと握り、その銃口を、千世に向けていた。

「優人……」

少し下がったところで事の成り行きを見守っていた卓也が今にも泣き出しそうな目をして優人を見つめていた。
本当なら「やめろ、何やってるんだ」と叫んで優人を力ずくでも止めたいのだろうが、自身が手を汚していないとはいえ加害者側にいるのだから、そんなことができるはずがない。
その隣では、邑子も顔色を青ざめさせて優人と千世を交互に見ていた。

「優人!?
 何やってんの、アンタッ!!」

葉瑠が叫んだ。
普段の優人であれば、大好きな葉瑠に一喝されれば怯んで「葉瑠ごめんー!嫌わないでー!」などと言って泣き真似をするのだが、優人は青縁眼鏡のレンズの奥にある一重の目を血走らせ、葉瑠の言葉には反応せずに小さく口を動かしていた。

「…たくない死にたくない死にたくない死なせたくない死なせたくない死なせたくない
 …ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…


918VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:19:01.41nQ4y3AGI0 (31/109)

「…ほんと、頭が良くて口も回る人って嫌になる」

言葉を発したのは、永佳だった。

「赦すとか赦さないとか…しょうがないでしょ、これ、プログラムなんだから。
 軍の人が言ってたじゃん、『殺らなきゃ殺られる』って。
 死にたくないなら、[ピーーー]しかないでしょ」

永佳もプログラムに乗りたくて乗っているわけではない――彼女の口癖を借りるなら、“しょうがない”から武器を手に取ったのだ。
冷たい言葉を放つけれど、永佳だって本当は優しい子だということは、幼い頃からの付き合いで十分に知っている。
今だって、周りの人に嫌な思いをさせるくらいなら自分が傷付くことを選んでプログラムに乗っている。
葉瑠の怒りを買いかねないこの発言も、葉瑠の怒りの矛先を英隆から自分へ向けようとしたものだ――とするのは英隆の思い上がりかもしれないが。

葉瑠は永佳に目を遣り、小さく笑んだ。
目は全く笑っていなかったけれど。

「永佳は、割り切ったんだね、そうやって。
 割り切るのは良いけどさ、割り切った者同士てドンパチしてほしいもんだわ。
 あたしたちは、仕方ないからって割り切ることはできなかったんだよ。
 死なずに殺さずに、どうにかできないかなって、そんな甘い考えしてたわけ。
 可能性はゼロじゃないっしょ、プログラムで脱出者が出たって話も聞くしさ。
 迅くんと早稀とか、きっと麗くんのグループとか、やる気じゃない人もいるの。


919VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:19:39.46nQ4y3AGI0 (32/109)

「『うん、わかった。好きにする』…なんて言うわけないじゃん。
 生きるためには、他の班は全滅させなきゃいけないってルールだし。
 割り切れならさ、リタイアすれば?」

永佳は静かな声でそう言うと、鈍色に光る自動拳銃コルト・ガバメントを両手で持ち、ゆっくりとその銃口を葉瑠と優人へと向けた。
雄大を撃った時と同じく、その表情には迷いが感じられなかった。
それを葉瑠も感じ取ったのだろう、引き攣った笑みを浮かべた。

「へぇ、様になってるねぇ…
 成程…雄大くんを撃ったのは、永佳…かぁ」

「だったら、何?」

「逃げるッ!!」

コルト・ガバメントが火を噴くと同時に、葉瑠は立ち上がり優人の襟首を掴んでぶんっと腕を振るった。
優人はぐるんと地面を転がり、涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。

「あ…葉瑠ッ!!」

銃弾は葉瑠の左腕を貫通しており、普段から身に付けているためにややくたびれた学校指定の臙脂色ジャージがじわじわと一層濃い色に変色し始めていた。

今度こそ…今度こそ、覚悟を決めて、俺もやらなきゃ…
財前一人に任せてたらダメだ…!!

意を決し、英隆はベレッタM92Fを構えた。
それを目の端で捉えた葉瑠が、脂汗を額に滲ませながら英隆の方に顔を向け、ハッと笑い、吐き捨てるように叫んだ。

「そう、撃つなら撃てばいいさ、重罪人がッ!!
 それで、アンタもろくな死に方せずに地獄に堕ちな!!
 邑子か永佳か卓也くんか…誰に止めを刺されるのがお望み!?」

英隆は目を見開き、反射的に千世を見遣った。
リーダーである千世が味方に殺されたのなら、同じリーダーである英隆にもその可能性が大いにあるということに、今更ながら気付いたのだ。
千世に銃を向けた優人の姿に、邑子を、永佳を、卓也を重ね、3人に銃口を向けられた自分の姿が脳裏に浮かび、体が硬直した。

「その口、マジで邪魔」

永佳が再び発砲したが、弾は葉瑠にも優人にも当たることなく、軽トラックの窓ガラスを貫いただけに終わった。

「うう…うわああああッ!!」

優人が叫び声を上げ、コルト・パイソンを震える手で構え、永佳に銃口を向けた。
永佳が優人へ銃口を向けた。
引き金を絞りかけ――顔目掛けて何かが飛んで来たため、手で顔面を庇った。
葉瑠が落ちていた石を投げ付けたのだ。

「優人、それはダメッ!!
 “その2”だッ!!」

“その2”という謎の言葉に、英隆も永佳も眉間に皺を寄せた。


920VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:20:55.20nQ4y3AGI0 (33/109)

今度は葉瑠がその手に拳銃を握っていたのだ。

「…結局撃つんじゃん、小石川さんだって」

永佳の言葉に、葉瑠は鼻で笑った。

「遠慮なく撃たせてもらうよ、じゃあねッ!!」

言うが早いか、葉瑠は何の躊躇も見せず引き金を引いた。
刹那、英隆たちの視界は完全に奪われた。
正確には、急に視界全てが白く見えるほどに眩しくなり、反射的に目を閉じざるを得なくなった。
葉瑠のものらしき足音が遠ざかっていくのが聞こえるが、とても目が開けられず、その姿を追うことは叶わなかった。
訳がわからないまま、優人と葉瑠は英隆たちの前から姿を消した。
葉瑠が手にしていた銃は、優人に支給されていた偽銃セットの中の1つで、引き金を引くと指を離すまではカメラのフラッシュのような光が点き続ける“閃光銃”(平たく言えば、銃を模した明るすぎる懐中電灯)だということは英隆たちにはわからなかったが、とにかく、逃げられてしまった。

「…逃げられちゃった…か…」


921VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:21:31.78nQ4y3AGI0 (34/109)

その声に安堵感が混ざっていたことに自嘲の笑みを浮かべた。
結局直接的に誰の命を奪うこともなかったことにほっとしてしまっている――こんなことではいけないと頭ではわかっているのに。

「…ヒデ」

愛称を呼ばれ、英隆は振り返った。
卓也が今にも泣き出しそうな顔をして、英隆をじっと見つめていた。

「…やっぱ、永佳やヒデに任せて見てるだけ…なんておかしい気がする、俺。
 葉瑠が言ってた通りだよ、ダイと千世ちゃんのこと、俺らみんな加害者だ…
 でもさ、実際手を汚すのと汚さないのは、違うと思う…
 だから、俺…も…その……やっぱ……」

「何ぐだぐだ言ってるの、卓也さん」

しどろもどろになっていた卓也の横にはいつの間にか永佳が立っていた。

「卓也さんにも春川にも邑ちゃんにも、別に期待してない。
 責められて固まったり、泣いたり、吐いたり…マジで邪魔。
 やっぱりあたしが全部やる、あたしは全然平気だし」

永佳はそう吐き捨てるように言うと、しゃがみこんで泣きじゃくっている邑子のもとへと向かい、その前にしゃがむと頭を撫でながら語りかけていた。


922VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:23:09.28nQ4y3AGI0 (35/109)

「…卓也には手を汚してほしくない…
 それが財前の望みなんだから、卓也が自分を責めることはないよ。
 大切な人を護るためなら自分が犠牲になる…本当に、昔から変わらないな」

初等部の頃に比べれば捻くれてしまったように見えるけれど、中身は今も昔も変わらない――自己犠牲的な優しさは、“あの時”と同じだ。
そして、いつもそれを見ていることしかできない自分の情けなさも変わらない。
どうして今も“あの時”も、あの優しさの裏にある苦しさをわかっていながら、行動を起こすことができないのだろう――答えは簡単だ、どれだけ御託を並べてみても、結局は自分が傷付くことこそ何よりの恐怖だからだ。
なんて情けない。

「…たまに…ほんとたまになんだけどさ…
 ヒデって、もしかして、永佳のこと…好きなんじゃないのかなって思うんだよな…」

卓也の呟きはとても小さかったけれど、英隆の耳にはやけに響いて届いた。
“あの時”のことが反射的に脳裏に浮かんだので、全てを頭から追い出すように大きく息を吐いた。
あまりに大きな溜息に卓也がぎょっとしたので、誤魔化すように笑みを浮かべた。

「何言ってんの、それ財前に聞こえたら殴られるよ?
 俺はただの幼馴染、それだけ。


923VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:24:12.86nQ4y3AGI0 (36/109)

205: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/03/09(土) 18:13:34.55 ID:faf3GXVp0 [1/1] AAS
咲実はピクミン枠だから(震え声)
206: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/03/09(土) 20:38:42.26 ID:THIe3Ktq0 [1/1] AAS
どうして咲実はすぐ死んでしまうん?
207: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/03/10(日) 00:56:06.04 ID: JpM MDf0 [1/1] AAS
SGEP1のかりんちゃんあっさりやられすぎ
不意打ちされたのかな
208: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/03/10(日) 02:11:09.63 ID:5TjR2RnG0 [1/1] AAS
かりんは基本善人で殺人に抵抗感持ってるけど
麗佳は根っからの悪人気質で殺人に対してまったく抵抗感がないからその差が出たんだろう


924VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:24:57.17nQ4y3AGI0 (37/109)

戦闘記録

1 ○ アキヒロ(軍人) v.s.  田中顕昌(男子11番) ×
(5/31 2:29a.m. 田中顕昌 退場)

2 ○ 榊原賢吾(男子7番)
  湯浅季莉(女子20番) v.s.  木戸健太(男子6番) ×
 城ヶ崎麗(男子10番)
 朝比奈紗羅(女子1番)
 鳴神もみじ(女子12番)
(木戸健太・城ヶ崎麗・朝比奈紗羅・鳴神もみじ 撤退)

3 ○ 室町古都美(女子18番) v.s.  横山圭(男子18番) ×
(5/31 3:45a.m. 横山圭 退場)

4 ○ 財前永佳(女子6番) v.s.  相葉優人(男子1番) ×
 宍貝雄大(男子8番)
 荻野千世(女子3番)
 小石川葉瑠(女子5番)
(5/31 4:21a.m. 宍貝雄大 退場)
(相葉優人・荻野千世・小石川葉瑠 撤退)

5 ○ 池ノ坊奨(男子4番)
  真壁瑠衣斗(男子16番)
  上野原咲良(女子2番)
  高須撫子(女子10番) v.s.  内藤恒祐(男子12番) ×
 林崎洋海(男子20番)
 如月梨杏(女子4番)
 星崎かれん(女子16番)
(5/31 5:27a.m. 如月梨杏 退場)
(5/31 5:28a.m. 内藤恒祐 退場)
(5/31 5:28a.m. 林崎洋海 退場)
(5/31 5:28a.m. 星崎かれん 退場)


925VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:25:28.51nQ4y3AGI0 (38/109)

戦闘記録

1 ○ 日比野迅(男子15番)
  水田早稀(女子17番) v.s.  春川英隆(男子14番) ×
 望月卓也(男子17番)
 財前永佳(女子6番)
 広瀬邑子(女子15番)
(春川英隆・望月卓也・財前永佳・広瀬邑子 撤退)

2 ○ 榊原賢吾(男子7番)
  松栄錬(男子9番)
  鷹城雪美(女子9番)
  湯浅季莉(女子20番) v.s.  雨宮悠希(男子3番) ×
 川原龍輝(男子5番)
 佐伯華那(女子7番)
 山本真子(女子19番)
(5/31 7:52a.m. 雨宮悠希 退場)
(5/31 7:54a.m. 川原龍輝 退場)
(5/31 7:56a.m. 佐伯華那 退場)
(5/31 8:01a.m. 山本真子 退場)

 

 

チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十一番・田中顕昌 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子


926VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:25:57.15nQ4y3AGI0 (39/109)

男子18番 横山圭
(よこやま・けい) 女子18番 室町古都美
(むろまち・ことみ)
男子19番 芳野利央
(よしの・りお) 女子19番 山本真子
(やまもと・まこ)
男子20番 林崎洋海
(りんざき・ひろみ) 女子20番 湯浅季莉
(ゆあさ・きり)
 

 

戦闘記録

1 ○ 榊原健吾(男子7番)
  鷹城雪美(女子9番) v.s.  池ノ坊奨(男子4番) ×
 真壁瑠衣斗(男子16番)
 上野原咲良(女子2番)
(5/31 2:48p.m. 池ノ坊奨 退場)

2 △ 高須撫子(女子10番) v.s.  松栄錬(男子9番) △
 湯浅季莉(女子20番)
(高須撫子 逃走)

3 ○ 相葉優人(男子1番) v.s.  荻野千世(女子3番) ×
(5/31 4:19p.m. 荻野千世 退場)
第一班リーダー変更:荻野千世→相葉優人

4 △ 相葉優人(男子1番)
  小石川葉瑠(女子5番) v.s.  春川英隆(男子14番) △
 望月卓也(男子17番)
 財前永佳(女子6番)
 広瀬邑子(女子15番)
(相葉優人・小石川葉瑠 逃走)


927VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:26:34.28nQ4y3AGI0 (40/109)

 


東京都沖御神島(みかみじま)



禁止エリア
1日目
04:44?:E


928VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:28:11.58nQ4y3AGI0 (41/109)

「なぁ凛。今日は映画行くって言ってなかったっけ?」


ちょっと怒った感じの涼太の声が日曜の午後、気持ちのいい風が通る涼太の部屋に響く。



今日は久しぶりに涼太の部活が休みの日で、涼太が前から見たがってた映画を見る約束だった。
名前は忘れちゃった。でも涼太が好きそうな、FS物だった気がする。
昨日の夜も電話でいっぱいいっぱい、今日の映画のことしゃべった。

外でデートなんかホントに久しぶりだったから楽しみでしょうがなくて。

着てく服だって、今日の髪型だって、ガラにもなく真剣に考えたのに。


なのに。



風邪を引いてしまった。




朝、熱を測ったら37度5分。


たいした熱じゃなかったけど、朝からだるくてしょうがない。とてもじゃないけど映画なんかムリ。


熱でふらふらするのをこらえてなんとか涼太のうちまで来たんだけど。



涼太はさっきからあの調子で超フキゲン。

まぁしょうがないよね?めっちゃ楽しみにしてたしさ。



でもごめんね。今日はホントにだめみたい。




それでも元気だけが取り得。


元気なフリは得意なんだから!!





「えーっと、気が変わった、から。」


929VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:29:18.20nQ4y3AGI0 (42/109)

某日のプチオフ会後にユウキナオ様からいただきましたv
ラブ、ラブです結渡君っっvvv
ゴハン行きますとも、絶対行きますっ!!!
めっさかっこいいです、ありがとうございましたぁvvv



930VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:30:28.35nQ4y3AGI0 (43/109)

戦闘記録

1 ○ 岸田総司(担当教官補佐) v.s.  水上朱里(女子18番) ×
(5/17 1:41am 水上朱里 死亡)

2 ○ 北王子馨(男子5番)
  志摩早智子(女子11番) v.s.  滝井良悟(男子10番) ×
(滝井良悟 敗走)

3 ○ 西谷克樹(男子13番)
  高谷貴瑛(女子14番) v.s.  甲斐駿一(男子3番) ×
 鳳紫乃(女子6番)
(甲斐駿一・鳳紫乃 敗走)

4 ○ 多田尚明(男子11番) v.s.  持留奏太(男子16番) ×
(5/17 3:50am 持留奏太 死亡)

5 ○ 山神弘也(男子17番) v.s.  多田尚明(男子11番) ×
(5/17 3:51am 多田尚明 死亡)

6 ○ 逢坂珠尚(女子1番) v.s.  津村翔平(男子12番) ×
 薮内桃子(女子19番)
(5/17 5:17am 薮内桃子 死亡)
(津村翔平 敗走)


931VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:32:06.44nQ4y3AGI0 (44/109)

男子13番・西谷克樹(にしたに・かつき)

部活は無所属。孤立派。
クラス1大柄な体と強面のために、滅多に人が寄り付かない。
顔の傷は不良との喧嘩で付いたと噂されている。

身長/182cm
愛称/特になし


支給武器:ブローニング・ハイパワー9ミリ
kill:なし
killed:村主環(女子12番)
凶器:USSR マカロフ
 

顔面の傷は、母親からの虐待によって付けられたもの。
小学生の頃から、村主環(女子12番)を気にかけている。

甲斐駿一(男子3番)・鳳紫乃(女子6番)に襲われている高谷貴瑛(女子13番)を救い、共に行動する。

誰かを探している。吉住徳馬(男子18番)を探す貴瑛と共に行動し続けることにする。

F=06エリアで、滝井良悟(男子10番)に襲われている徳馬を救う。

C=03エリアで休息を取る。貴瑛に告白するか悩む徳馬の背中を押してやり、気を遣って外に出た。D=02エリアで駿一・紫乃に再び襲われ、被弾と腹部を刺されたことで瀕死の重傷を負うが、駿一を刺して逃げ出す。E=02エリアで環に発見され、上半身を撃たれる。最期に環を助けられなかったことを謝り、想いを告げ、息を引き取った

 

今作の無口ボーイ、克樹くんでした。人間不信って難しいですね。
でも、本当は優しくて、人を思いやることができる良い子だったんです、ということが伝わればなぁと思います。個人的に書きにくいけど好きな子でした。


932VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:32:58.66nQ4y3AGI0 (45/109)

独特な原作絵をうまくアニメ絵にしてるわね

444 :ななし製作委員会:2013/03/10(日) 00:11:31.00 ID:fkJWeLwH
モノクマかわいいやん

445 :ななし製作委員会:2013/03/10(日) 00:49:33.27 ID:zq1vyrl9
音楽担当誰?高田さんのあの曲じゃなくなったら世界観全く崩れると思うんだが

446 :ななし製作委員会:2013/03/10(日) 09:00:13.40 ID:IBhaVSqc
夏ということは物語シリーズの新作と被るのか
4年前化物語と同じクールだったうみねこみたいなことにはならんでくれよ


933VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:37:38.35nQ4y3AGI0 (46/109)

アニメ版凛々しくて身長165cmはあるように見える
これなら主人公とヒロインが逆転してるなんて言われないね!!

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/09(土) 22:26:01.23 ID:qLNYeIkd
かっこいい!これは楽しみだ!
しかしアニメになると今まで気にならなかった身長差が目立っちゃうってあららぎさんが

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/09(土) 23:59:37.90 ID:tf uqhRx
>>602
右下のイケメン度が異常ww
画質のせいかもわからんけど色白気味だね
あと前髪の向きが狛枝と一緒になっとる

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/10(日) 00:08:23.07 ID:loqNRaDO
>>602
予想以上にイケメンな苗木くんで驚いた
まあ原作でも裁判中はこのぐらい凛々しかったけどw
低身長だけどカッコいいっていうギャップがいいな
こりゃアニメには嫌でも期待しちゃう



934VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:38:17.81nQ4y3AGI0 (47/109)

男子7番・須藤大和
(すどう・やまと) 女子7番・加古美里
(かこ・みさと)
男子8番・隅谷雪彰
(すみや・ゆきあき) 女子8番・柏原茉沙美
(かしはら・まさみ)
男子9番・十河勇人
(そごう・ゆうと) 女子9番・玖珂喬子
(くが・たかこ)
男子10番・滝井良悟
(たきい・りょうご) 女子10番・河本李花子
(こうもと・りかこ)
男子11番・多田尚明
(ただ・なおあき) 女子11番・志摩早智子
(しま・さちこ)
男子12番・津村翔平
(つむら・しょうへい) 女子12番・村主環
(すぐり・たまき)
男子13番・西谷克樹
(にしたに・かつき) 女子13番・高井愛美
(たかい・まなみ)
男子14番・常陸音哉
(ひたち・おとや) 女子14番・高谷貴瑛
(たかや・きえ)
男子15番・藤野勝則
(ふじの・かつのり) 女子15番・鶴田香苗
(つるた・かなえ)
男子16番・持留奏太
(もちどめ・そうた) 女子16番・野原惇子
(のはら・あつこ)
男子17番・山神弘也
(やまがみ・ひろや)


935VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:39:31.23nQ4y3AGI0 (48/109)

戦闘記録

1 ○ 大谷純佳(女子5番)
  鶴田香苗(女子15番)
  山城このみ(女子20番) v.s.  藤野勝則(男子15番) ×
(藤野勝則 敗走)

2 ○ 鶴田香苗(女子15番) v.s.  大谷純佳(女子5番) ×
 山城このみ(女子20番)
(5/17 6:50am 山城このみ 死亡)
(大谷純佳 敗走)

3 ○ 甲斐駿一(男子3番)
  鳳紫乃(女子6番) v.s.  湧井慶樹(男子20番) ×
 河本李花子(女子10番)
(湧井慶樹・河本李花子 敗走)

4 ○ 滝井良悟(男子10番) v.s.  津村翔平(男子12番) ×
(5/17 9:02am 津村翔平 死亡)

5 ○ 常陸音哉(男子14番)
  伊賀紗和子(女子3番)
  高井愛美(女子13番) v.s.  四方健太郎(男子19番) ×
(5/17 10:19am 四方健太郎 死亡)

6 ○ 村主環(女子12番) v.s.  逢坂珠尚(女子1番) ×
(逢坂珠尚 敗走)

7 ○ 山神弘也(男子17番) v.s.  十河勇人(男子9番) ×
(5/17 11:17am 十河勇人 死亡)

8 ○ 出雲淑仁(男子1番) v.s.  畠山和華(女子17番) ×
(5/17 11:18am 畠山和華 死亡)


936VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:39:58.54nQ4y3AGI0 (49/109)

男子1番・出雲淑仁
(いずも・よしひと) 女子1番・逢坂珠尚
(あいさか・すなお)
男子2番・潤井正純
(うるい・まさずみ) 女子2番・有馬怜江
(ありま・さとえ)
男子3番・甲斐駿一
(かい・しゅんいち) 女子3番・伊賀紗和子
(いが・さわこ)
男子4番・梶原匡充
(かじわら・まさみつ) 女子4番・卜部かりん
(うらべ・かりん)
男子5番・北王子馨
(きたおうじ・かおる) 女子5番・大谷純佳
(おおたに・すみか)
男子6番・佐倉信祐
(さくら・しんゆう) 女子6番・鳳紫乃
(おおとり・しの)
男子7番・須藤大和
(すどう・やまと) 女子7番・加古美里
(かこ・みさと)
男子8番・隅谷雪彰
(すみや・ゆきあき) 女子8番・柏原茉沙美
(かしはら・まさみ)
男子9番・十河勇人
(そごう・ゆうと) 女子9番・玖珂喬子
(くが・たかこ)
男子10番・滝井良悟
(たきい・りょうご) 女子10番・河本李花子
(こうもと・りかこ)
男子11番・多田尚明
(ただ・なおあき) 女子11番・志摩早智子
(しま・さちこ)
男子12番・津村翔平
(つむら・しょうへい) 女子12番・村主環
(すぐり・たまき)
男子13番・西谷克樹
(にしたに・かつき) 女子13番・高井愛美
(たかい・まなみ)
男子14番・常陸音哉
(ひたち・おとや) 女子14番・高谷貴瑛
(たかや・きえ)
男子15番・藤野勝則
(ふじの・かつのり) 女子15番・鶴田香苗
(つるた・かなえ)
男子16番・持留奏太
(もちどめ・そうた) 女子16番・野原惇子
(のはら・あつこ)
男子17番・山神弘也
(やまがみ・ひろや) 女子17番・畠山和華
(はたけやま・わか)
男子18番・吉住徳馬
(よしずみ・とくま) 女子18番・水上朱里
(みずがみ・あかり)
男子19番・四方健太郎
(よも・けんたろう) 女子19番・薮内桃子
(やぶうち・ももこ)
男子20番・湧井慶樹
(わくい・けいじゅ)


937VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:41:21.79nQ4y3AGI0 (50/109)

女子20番・山城このみ(やましろ・このみ)

部活は無所属。ギャルグループ。
派手な外見をしているが、内面は素朴で優しい。
鶴田香苗(女子15番)に憧れ、いつも後を追っている。

身長/151cm
愛称/このみ、このみサン、このみちゃん


支給武器:ヌンチャク
kill:なし
killed:鶴田香苗(女子15番)
凶器:グロック17
 

山神弘也(男子17番)が好き。

A=07エリア(図書館)で藤野勝則(男子15番)に襲われる大谷純佳(女子5番)を救う。恋愛話で香苗の怒りを買い、頭部を撃たれ死亡。

 

ぱっと出で即死キャラでした、が、好きな子でした。
普段は人に気を配ることのできる良い子です、書けませんでしたが。
このみちゃんにしてみれば、何で自分が死なないといけないか全くわかりませんね(汗


938VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:42:54.61nQ4y3AGI0 (51/109)

女子18番・水上朱里(みずがみ・あかり)

ソフト部。女子運動部グループ。
元気いっぱいのクラスノムードメーカー的存在。
人に甘える事がうまい。

身長/150cm
愛称/朱里、朱里ちゃん
特記/卜部かりん(女子4番)とは幼馴染


支給武器:なし
kill:なし
killed:岸田総司(担当教官補佐)
凶器:刀
 

ルール説明中に、両親が政府の人間によって殺害された事を知り、激怒。怒りに任せて暴走しようとしたが、岸田に斬殺される。

 

最初の犠牲者は女の子でした。実は説明中に女の子が殺害されたのは初。
どうしてあそこまで逆上してしまったのかは、後ほど出てきます。


939VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:43:51.73nQ4y3AGI0 (52/109)

戦闘記録

1 ○ 逢坂珠尚(女子1番) v.s.  常陸音哉(男子14番)
 伊賀紗和子(女子3番) ×
 高井愛美(女子13番)
(常陸音哉・伊賀紗和子・高井愛美 敗走)

2 ○ 逢坂珠尚(女子1番) v.s.  吉住徳馬(男子18番) ×
 高谷貴瑛(女子14番) 
(5/18 6:50am 吉住徳馬 死亡)

3 ○ 逢坂珠尚(女子1番) v.s.  常陸音哉(男子14番)
 伊賀紗和子(女子3番) ×
 高井愛美(女子13番)
(5/18 6:56am 伊賀紗和子 死亡)
(常陸音哉・高井愛美 敗走)

4 △ 鶴田香苗(女子15番) v.s.  須藤大和(男子7番)
 常陸音哉(男子14番) △
 玖珂喬子(女子9番)
(須藤大和・常陸音哉・玖珂喬子 逃走)

5 ○ 甲斐駿一(男子3番)
  鳳紫乃(女子6番) v.s.  鶴田香苗(女子15番) ×
(5/18 10:45am 鶴田香苗 死亡)


940VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:44:35.92nQ4y3AGI0 (53/109)

戦闘記録

1 ○ 山神弘也(男子17番) v.s.  滝井良悟(男子10番) ×
(5/18 0:45 0:45am 滝井良悟 死亡)

2 ○ 常陸音哉(男子14番)
  伊賀紗和子(女子3番)
  高井愛美(女子13番) v.s.  山神弘也(男子17番) ×
(山神弘也 敗走)

3 ○ 甲斐駿一(男子3番)
  鳳紫乃(女子6番) v.s.  西谷克樹(男子13番) ×
(西谷克樹 敗走)

4 ○ 村主環(女子12番) v.s.  西谷克樹(男子13番) ×
(5/18 1:42am 西谷克樹 死亡)

5 △ 吉住徳馬(男子18番)
  高谷貴瑛(女子14番) v.s.  村主環(女子12番) △
 野原惇子(女子16番)
(和解)

6 ○ 逢坂珠尚(女子1番) v.s.  梶原匡充(男子4番) ×
(5/18 5:03am 梶原匡充 死亡)

7 ○ 村主環(女子12番)
  野原惇子(女子16番) v.s.  鶴田香苗(女子15番) ×
(鶴田香苗 敗走)


941VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:45:30.67nQ4y3AGI0 (54/109)

>>426
なるほど…サンクス!

>>429
岸監督の前作P4Aはゲーム音源&演出満載だった

432 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 20:57:02.22 ID:OesFvT41
>>431
ペルソナ良かったんだ!
それは安心できるなぁ…

433 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 20:58:20.90 ID:mWACXohn
http://iup.2ch-library.com/i/i0869808-1362829541.jpg
ゲームの本スレからアニメ設定画

434 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 21:00:31.16 ID:o4PM8nF1
>>433
再現度高いな
霧切さんはまだか

435 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 21:04:56.81 ID:u3Gts948
あんまり替わらんのな

436 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 21:10:33.21 ID:OesFvT41
苗木君かっこいいな

437 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 21:27:58.63 ID:5T2Omzsi
苗木イケメンだな
なんかキリッとしてる

438 :ななし製作委員会:2013/03/09(土) 21:36:43.04 ID:CUrzyg1F
原作に忠実にしてきたか
個人的には下手にいじられて誰これ状態になるよりずっといいと思う


942VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:47:32.19nQ4y3AGI0 (55/109)

男子20番・湧井慶樹(わくい・けいじゅ)

サッカー部。男子主流派運動部系。
口調がきつく、口喧嘩ではほとんど負けなし。
タレ目がコンプレックス。

身長/168cm
愛称/慶樹、慶樹くん
特記/河本李花子(女子10番)とは犬猿の仲

支給武器:FN P90
kill:なし
killed:山神弘也(男子17番)
凶器:鎌
 

E=02エリアで甲斐駿一(男子3番)・鳳紫乃(女子6番)に襲われる。李花子の出現により助かり、負傷した李花子を助けて逃げた。

F=02エリアで李花子と他愛ない話をしていたところに、鶴田香苗(女子15番)が現れた。慶樹のために逃げる李花子と追いかける香苗を追おうとしたところで弘也に見つかる。弘也から逃げて追いついたが、李花子は気持ちを伝え息絶えた。弘也に勝負を挑まれ襲い掛かるが、返り討ちにあって死亡。

 

書き始める前より好きになれた犬猿ペアの片割れでした。
激しい李花子に対して割と冷静だった慶樹、好きになれました。
ちなみに慶樹は「けいじゅ」ですかね、発音。


943VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:49:18.28nQ4y3AGI0 (56/109)

女子11番・志摩早智子(しま・さちこ)

卓球部。女子運動部グループ。
真面目な性格の優等生だが、冗談も通じる柔軟性がある。
優しい性格も手伝って、異性からの人気が高い。

身長/156cm
愛称/早智子、早智子ちゃん、サチ、サッちゃん


支給武器:S&W M19
kill:なし
killed:出雲淑仁(男子1番)
凶器:ワルサーPPK
 

B=06エリアで滝井良悟(男子10番)に襲われていた北王子馨(男子5番)を救出。

馨の過去を知り、驚く。村主環(女子12番)に襲われるが、見逃される。環の狙いを知り、狙われそうな人を探しに行く。

嫌な予感がする。D=04エリアで、耐え切れずに馨に告白する。いい雰囲気になったところで、出雲淑仁(男子1番)、有馬怜江(女子2番)と会う。再会を喜んだのも束の間、怜江が発砲。淑仁が怜江を殺害したことに怒る。淑仁が続けて殺害しようとした馨を庇い、被弾。失血死。

 

メガネっ娘、サッちゃんでした。
思っていたよりも行動派な子になってました、馨のためなら銃を人に向け続けましたからね・・・(汗) 好きな子でした。


944VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:50:05.49nQ4y3AGI0 (57/109)


女子11番・志摩早智子(しま・さちこ)

卓球部。女子運動部グループ。
真面目な性格の優等生だが、冗談も通じる柔軟性がある。
優しい性格も手伝って、異性からの人気が高い。

身長/156cm
愛称/早智子、早智子ちゃん、サチ、サッちゃん

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★★★★

★★★★☆

★★★★★

★★★★★

★★☆☆☆

★★★★☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

S&W M19
kill:

なし
killed:

出雲淑仁(男子1番)
死亡話数:

50話
凶器:

ワルサーPPK
 

B=06エリアで滝井良悟(男子10番)に襲われていた北王子馨(男子5番)を救出。

馨の過去を知り、驚く。村主環(女子12番)に襲われるが、見逃される。環の狙いを知り、狙われそうな人を探しに行く。

嫌な予感がする。D=04エリアで、耐え切れずに馨に告白する。いい雰囲気になったところで、出雲淑仁(男子1番)、有馬怜江(女子2番)と会う。再会を喜んだのも束の間、怜江が発砲。淑仁が怜江を殺害したことに怒る。淑仁が続けて殺害しようとした馨を庇い、被弾。失血死。

 

メガネっ娘、サッちゃんでした。
思っていたよりも行動派な子になってました、馨のためなら銃を人に向け続けましたからね・・・(汗) 好きな子でした。


945VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:52:48.12nQ4y3AGI0 (58/109)

331 :ななし製作委員会:2013/02/28(木) 04:31:09.50 ID:rGDC7Jf0
それは違うよ!!

332 :ななし製作委員会:2013/03/01(金) 22:17:26.01 ID:TiQq5VCS
今月こそは情報を…

333 :ななし製作委員会:2013/03/02(土) 18:26:02.12 ID:48FdMK9v
荒らしがいなくていいが過疎りすぎ

334 :ななし製作委員会:2013/03/02(土) 20:32:16.49 ID:tTHNAJA0
情報がないからな
ゲーム内容の話ならゲームのスレ行くし

335 :ななし製作委員会:2013/03/02(土) 20:51:32.46 ID:2f8rgp0v
去年の12月頭だっけ?発表されたの
春にやるのかなーと思ってたら3月までロクな情報出ないとは思わなかった

336 :ななし製作委員会:2013/03/02(土) 21:00:21.94 ID:QkWtPPFp
ツイッターもあるし小出しでまめに情報出してくれるかと思ったらそんなことはなかった
どうしても去年のうちにアニメ化決定を知らせたかったのだろうな

337 :ななし製作委員会:2013/03/03(日) 05:41:49.34 ID:fs4Ail7f
まあ夏だとしても情報出てるアニメは殆ど無いからな

338 :ななし製作委員会:2013/03/03(日) 08:00:53.58 ID:bqIab6bN
つってもACEに出展する夏アニメもチラホラ出てきたけどな
例のロリギリフィギュアのリリース時期もまだ不明という事からして
夏クールはちょっと厳しいかも試練。

339 :ななし製作委員会:2013/03/03(日) 12:40:15.65 ID:cLQ4Fn3g
ACE出展しないのかね
ここで情報公開すると思ってたのに

340 :ななし製作委員会:2013/03/03(日) 13:34:24.20 ID:2QsERmmi
監督は今もう作業に取かかってるみたいだから夏になるとは思うんだけどなあ

341 :ななし製作委員会:2013/03/04(月) 18:25:26.98 ID:KkUi3pTl
1クール確定か
2クールだと失速しそうだし上手くまとめて欲しいな

342 :ななし製作委員会:2013/03/04(月) 19:22:50.66 ID:vdR3HWDz
どこソースだい


946VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:54:59.43nQ4y3AGI0 (59/109)

村主環(女子12番)の双眸は、憎悪で煮え滾っていた。
1時間ほど前にようやく手に入れた銃――USSR マカロフを、目の前にいる憎悪の対象、西谷克樹(男子13番)に向けた。

 

先程、銃声を聞きつけて、もう1人の憎むべき相手、甲斐駿一(男子3番)を見つけたので、撃った。
4度も撃ったのに、逃げられた。
駿一と一緒にいた鳳紫乃(女子6番)に反撃されたことも原因だが、とにかく復讐を遂げることは叶わなかった。

しかし、神は見捨てていなかった。
ふと外を見ると、木にもたれ掛かっている人影が見えた。
近づいていくと、それが克樹であることがわかった。
環は自分の唇の端が上がるのがわかった。
楽しいわけではなく、怒りと憎悪に燃えたための、歪んだ笑みが浮かんだ。

「見つけた…逃がさない」

駿一は逃がしたけれど、今度は逃がさない。
そう、コイツだけは逃がしてはならない。
コイツは、確か“あの時”同じクラスにいた。
直接環に何かをしたわけではないけれど。

イジメに第三者なんていない……コイツの罪は、重い――

克樹は顔を上げた。
その動きの鈍さから、既にかなりの重傷を負っていることがわかる。

「す…ぐり……ッ」

息絶え絶え、といった感じだ。
駿一と紫乃にやられたのだろうか。
まぁ、関係ないけれど。
そして、今に至る。

「償え、自分の罪を」

マカロフの引き金を絞った。
一度、二度――
かちっという音が鳴った。
弾切れだ。

環は舌打ちをした。
しかし、まぁいい。
こんな死に損ない、2発で十分だ。

2発の鉛弾に胸部を貫かれた克樹は、驚くべき生命力を発揮していた。
まだ、生きていた。
虫の息であったけれども。
ごぼっと血を吐き出し、自分自身を汚していた。

環はつま先でだらんとなった克樹の腕を蹴った。
指先がぴくっと反応した。

「西谷、アンタ、わたしに何か言うこと、ない?」

そう言い、しゃがんだ。
耳を近づけないと、こんな半死人の声など聞こえないと思ったので。

事実、克樹の声は、小さく掠れていた。
それでも、聞き取ることが何とかできた。

「……ご…めん……」

環は少し驚いた。
望んだ言葉だったのだが、まさか、本当に謝ってくるとは思わなかった。
自分の殺される理由がわかっているということか。
わかっていたって関係ない、見て見ぬふりは、有罪だ。

「…わかってるんだね、アンタ。わたしがイジメを受けてたこと、知らないはずないもんね。アンタはわたしに何もしてない。…ううん、何もしてくれなかったんだ。だから、死ぬんだ、あたしに殺されて。呪うなら、過去の自分を――」
「助けて…やりたかったよ…」

環は溢れ出る言葉を止めた。
克樹が言った言葉を頭の中に入れ、考えた。
結果的に出たのは、嘲笑だった。

「ハッ、何、今更言い訳?見苦しいね、そんなに自分が可愛い!?」
「……助け…ようと…思ってた……けど……入院して……学校……行けなくて……退院したら……お前……もう……」

目を見開いた。
何それ、聞いてない、知らない。
それもそのはず、精神的に徐々に追い詰められていた環にとって、周りのクラスメイトがいるのもいないのも知ることが出来なかったのだ。


947VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:56:11.43nQ4y3AGI0 (60/109)

声をかけられ、勝則は振り返った。
そこにいたのが、少し前まで小学生だったとは思えないほど茶髪をツンツンとはねさせた、しかしまだ幼さが残る須藤大和がいた。
しかし、今とは違い、死んだように無表情だったのが印象に残った。

「…何だテメェ」

「春日小の須藤」

大和はぼそっと名乗り、勝則を見た。
その目が、肉食獣のそれのように光り、思わず怯んだ。
顔は無表情なのに、目だけが敵意を剥き出しにしていた。

「…や、やる気かよ!!」

勝則はずっと掴んでいた5人目の胸倉を離し、構えた。
5人目はその隙に半泣きで逃げたが、そんな弱いヤツのことはどうでもよかった。
今の相手の目が、あまりにも危険だったので。

 

「なぁにやってんの、大和」

 

大和の後ろに、さらに人影があった。

な、仲間かよ…ッ

勝則は視線を大和の後ろに移した。
この当時はまだ髪が黒く短かった山神弘也(男子17番)だった。
飄々としているのはずっと変わらないが、顔に殴られた痕やバンソウコウやガーゼが貼られた姿が痛々しかった。
お世辞にも強いようには見えなかった。

「何、友達? 良かったねぇ」

弘也がにこっと笑みを浮かべたが、冗談じゃなかった。
勝則は弘也を睨みつけた。
大和も同感だったらしく、肉食獣のような目を弘也に向けた。

「違う」

「うん、知ってる、大和そんな簡単にダチ作れる子じゃないもんねぇ」

「うるせぇよ、クソが」

2人の会話から察するに、そこまで仲睦まじいわけではないようだ。
というよりも、大和が人を受け付けていないように見えた。
とにかく、そんなことはどうでもいい。
話し掛けてきたくせに自分がのけ者にされていることに、腹が立った。



948VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:57:15.06nQ4y3AGI0 (61/109)

いやぁん!!
あふん!


949VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 09:59:11.79nQ4y3AGI0 (62/109)

江原清二「あーあーあー!!! たりぃうぜぇめんどくせぇ!!」
水城凛「煩いよ!!」
都竹航「…セイジ、落ち着け」
朝霧楓「騒いでも何も変わらないわ」
水原翔「こっちは静かだな」



凛「朝霧サンの言うとおり、喚いても何も変わらないんだから、ちゃっちゃとやろ!」
航「ところで、リン」
凛「なんだよ」
航「俺たちは、何故集められた?」
凛「それは…それはだな、うんと、えっと…水原ぁ!!」
翔「えー!?ちょっと凛サンそれはないっしょ!」
清二「水原とっとと説明しやがれ[ピーーー]ぞコラ」
翔「ちょ…江原ひでぇ!! んっとだな、前にStar☆Dust開設10周年ってことでアンケートしたじゃん?それの結果発表第一弾っつーわけよ」
楓「1番人気と、その他に好きな人がいれば…っていうのを合わせた人気投票。恒例行事」
凛「ってことだ、わかったか航!」
清二「知らなかったくせに随分と態度でかいなお前」
凛「あーあー、きこえないー!」

楓「とりあえず、自己紹介しましょ。忘れられてるかもしれない」
翔「俺ら出たのだーいぶ前だもんな」
航「…了解した。 ミズハラ、行け」
翔「は!?俺!?」
清二「あったりめーだろ、納得できねぇけど、お前は主役とかいうやつだったらしいからな」
凛「あ、ちなみにわたしらはここの4作目、FATED CHILDREN 2のメンバーだからねっ!」

翔「じゃ、俺から。 男子17番、水原翔(みずはら・しょう)! 一応っつーか主役だし! プログラムじゃ優勝はしてねぇけど脱出したってことでアメリ…米帝?どっちでもいっか、とにかく大東亜を出て生活してんだぜ!それから…」
凛「顔が下手な女より可愛いのが特徴。 そのくせ口が悪いんだよねっ!」
翔「うるせー!!!…ですよ!!!」
楓「何その取ってつけたような敬語」
翔「不良集団が怖いんだっての!!…てか不良集団多いっ!!」

凛「うるさいなぁもう。 …女子13番、水城凛(みずき・りん)。 ネタバレになんないのかな、まあいいのかな、わたしも水原と同じく脱出組。 一応大東亜に残って反政府活動してるってことになってるらしいよ」


950VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 10:01:58.14nQ4y3AGI0 (63/109)

第12位
久保田篤史(ENDLESS NIGHTMARE 1)


まさかこんなに上に来るなんて思わなかったです、ほんと。
久保田篤史「わー!!! ちょっとちょっと、まさか俺がこんなとこに呼ばれるとか…!!」
凛「8周年の時は作品内4位だったんだから、すっごい出世じゃん」
航「クボタアツシ…本部に攻撃を仕掛けるという脱出計画を立て実行するも、タキガワワタルに邪魔をされて失敗。 タキガワの攻撃を受けながら逃げた先で、幼馴染であり想い人であるサガミアキラに出会い、看取られて最期を迎えた」
翔「都竹って音声ソフトみたいな喋りだけど、そういう解説には向いてんのな」
楓「お調子者だけど気遣いできるところとか、プログラムっていう極限状況で政府に反抗しようとする精神がいいとか、かっこいいとか、安藤悌吾との絡みがいいとか、ラストがいいとか…そういう意見があったみたい」
篤史「ちょっと美人のおねーちゃん、俺を褒め[ピーーー]気っすか!?」
清二「ちょっと腹立つなこのテンション」
凛「なんにせよ、改稿してから人気が上がった1人だよ、よかったね」
航「(生徒絵を見て)……目つきがかなり違う。 髪が鬱陶しい」
翔「生徒絵が手元にないヤツの1つだからな、EN1は」
清二「あーあーマジうぜぇ。 とっとと一言言って帰れお前」
篤史「うっわ、ひっどい言い方だなアンタ! えっと…俺ぶっちゃけこういう人気投票的なモノには慣れてなくて何言っていいか…でも、ほんっとありがとね!!」

楓「こういう感じで進めていくわね」
清二「おっけーおっけー、わかった」



第11位
篠宮未琴(ENDLESS NIGHTMARE 3)


正直、描いててめっさ楽しかった。
篠宮未琴「えー、ちょっと、11位ってどういうことかなぁ?」
翔「文句言うなよ、チビ女! 入ってること自体ありがたく思えよな!!」
未琴「ふぅん…生意気だね、君。 爆破しちゃうけど、いいかなぁ?」
凛「いいともー!!…って違うし!! 怖いなアンタ!!」
航「シノミヤミコト…ここにちゃっかり出ているが17歳。 特別参加者としてプログラムに送り込まれた。 政府の最高機密である“天使”の1人で、主に爆発物の扱いを得意とする、通称“爆炎の天使”。 71話時点では2人の生徒を手に掛けている」
清二「…なんかよくわかんねぇけど、おっかねぇっつーのはわかった」
楓「まだ進行中の中で頑張ってランクインしたわね。 可愛い、仲間になってほしい、今後が楽しみ、最近の話では人間らしい新しい一面を見せてくれた、単なるジェノではなさそう…っていう、やっぱりこれからが気になる度No.1ってことで票が集まったんじゃないのかしら」
未琴「ぶっぶー! そんなの、あたしの魅力が迸ってるからに決まってるしぃ!」
清二「でもまだ2人だろ? それでジェノ扱いかよ」
凛「しー!! 進行が亀だから仕方ないんだって!」
未琴「否定はしないよぉ。 今の時点じゃ、真澄くんに負けてるわけだし…そろそろ頑張らないと、上がうるさいかなぁ…?」
翔「ちょっと、マジこの人おっかねぇよ!! てか政府の人間だろ!?」
凛「う……確かにまずいね、とっとと帰ってもらわなきゃ!」


951VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 10:14:01.08nQ4y3AGI0 (64/109)

男子十四番 前世亜緒(ぜんせ・あお)

支給武器 地雷
被害者 なし
加害者 相野輝己(男子3番)
死因 刃物による刺殺
最終行動 脱出を共にすると決めていた相野輝己(男子2番)にナタで刺される。
友人関係 丁本拓哉(男子15番)
所属部 パソコンクラブ(水泳部)
備考 おちゃらけていて真面目なところがある。自分より他人の意見を優先し、あまり積極的に動くのは苦手なので一歩引いてる。


952VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 10:17:54.55nQ4y3AGI0 (65/109)



「…なんで…」
星空 なおか(女子16番)は目の前で殺された
星空 れな(女子17番)の死体を見て驚く。
そして、顔をあげた。
ただ、笑っている鈴風 鈴(女子8番)の姿が在った。


「ねぇ、なおか。一緒に行動しよ?大丈夫、なおかに何かあったら私守るからね?」
「…本当に信じていいんだ?」
「いいよ、信じちゃって。私は、嘘つかないから。」
「…分かった。」







どうせ、逆らったら殺されるんだ。




何なら頭使って、殺してやる。

「ひ、酷い目にあったって…?」
青木 はる(男子4番)は成川 雨(女子12番)に
詳しく聞かせてもらおうと訊ねた。
「こういうのはもっと後になってからでいいかな。今話せる状態じゃないんでね………誰だ、そこにいるのは」
雨がそう言いはなった瞬間、銃声が聞こえた。
それにはるは驚く。
「なっ…だ、誰?」
はるが声を大きくして叫んだ。
「はるー」
はるの耳に聞き覚えのある声が届いた。
雨はルガー P08を手にして構えていた。
「はるー?いるの?何処―?」
間違いない。丁本 拓哉(男子15番)だ。
「成川さん、やめて!俺の友達なんだよ!」
「何?誰だ?」
「拓哉。丁本 拓哉!おーい、こっちだよ!」
「待ちな。さっき銃声聞こえただろ。
  あれは丁本が発砲したと見て取れるんだ。関わらないようにしとけ」
雨の発言にはるは切れそうになった。
「何で?証拠も無いのに、そんなこというの拓哉が可哀相だよ!俺独りで今から此処に拓哉連れて行く!」
そう言った途端、はるは走り出した。
何で成川さんは拓哉を信じようとしないんだ。
そうだ、放送で既にやる気になってる人が
此処に居るから。
だから、疑ってしまう。
それなら俺が拓哉はやる気じゃないって伝えてやる!
「拓哉、行こう、成川さんが待ってるんだ!」
「な、成川さんが?」
「うん、でも疑ってるみたいだけど…
 兎に角、行こう、きっと信じてくれるよ!」
はるが拓哉の手を引っ張ろうとするが
拓哉はそれを拒んだ。
「何でさ、ほら、行こう?」
「成川さんが疑うのは無理ないよ」
「…え?」
拓哉は「だって」と言い、地面を見た。
はるも拓哉に続いて下を見ようとした。
其処には人が転がっていた。
全身蜂の巣なので誰だが分からないが
手に持っていたディバッグの「BR-Boy-14」から判明すれば恐らく、前世亜緒(男子14番だろう。
「……あ、あお…っ?!もしかして…拓哉が?!」
「違うよ。俺が頼まれたんだ。亜緒…亜緒がさ…「殺して」って。止める事も、何も出来なかった。俺、最低だよな…」
「…拓哉…。でも行こう、仕方が無いって思えば…」
そうだよ。きっと、仕方が無いって思えば良い。
成川さんは分かってくれる。絶対に。
「…うん…」
【残り 32人 男子14番 前世 亜緒 死亡】


953VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 10:55:06.033Kc/eUhe0 (1/1)

つまんね


954VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:20:02.15nQ4y3AGI0 (66/109)

男子8番・滝川渉(たきがわ・わたる)

部活は無所属。男子不良組。
文武に長け、特に喧嘩の腕は逸品で、その名前は県下の同類たちに知れ渡るほど。
いつも無表情で、何を考えているのかわからない。

身長/170cm
愛称/渉


支給武器:ミニウージー
kill:津和野早苗(女子9番)
野島三奈子(女子15番)
白鳥里子(女子7番)
沼井千尋(女子14番)
三名川万世(女子19番)
山峡和哉(男子19番)
森嵩(男子18番)
深森なぎさ(女子20番)
安藤悌吾(男子1番)
大塚豊(男子3番)
久保田篤史(男子5番)
因幡彰人(男子2番)
浜本謙太(男子14番)
幸田真菜(女子5番)
相模晶(女子6番)
手塚直樹(男子10番)
killed:加賀光留(女子3番)
死亡話数:第74話
凶器:S&W M10ミリタリーポリス
 

坂ノ下愛鈴(担当教官)の甥。

出発後、外で待ち伏せ。 出てきた早苗を殺害、手塚直樹(男子10番)にも怪我を負わす。 天道千夏(女子10番)を襲うが、相模晶(女子6番)に邪魔され右肩負傷、逃走。

F=03エリアで三奈子らを襲う。三奈子・里子は殺害するも、近原公孝(男子9番)・谷口まどか(女子8番)には逃げられる。

G=04エリアで千尋を殺害する。その後晶の攻撃を受ける。あと一息で殺害できるところを、謙太に邪魔される。

G=03エリアで万世と和哉を襲う。よろけた時に時限爆弾のスイッチを押してしまい、その場を離れて2人を殺害。

B=03エリアで嵩となぎさを発見。2人から殺人をやめるよう説得されるが、それに応じずに2人を銃殺。初めて涙を見せた。一度は自分のやっていることがおかしいと感じるが、放送で愛鈴の言葉を聞き、再び殺し合いに乗ることを決意する。コルト・キングコブラ、グロック19入手。

E=04エリアで悌吾・篤史を急襲。悌吾を銃殺。篤史にも重傷を負わせるが、愛鈴に止められたためとどめを刺さなかった。愛鈴から謎のデイパックを受け取る。再び戻ってきて彰人・豊を攻撃、豊を銃殺。更に彰人も銃[ピーーー]るが、駆けつけた晶の攻撃を受け、右手小指を失い逃走。

E=03エリアに潜伏。小指の応急処置を行い、決戦に備えて休息。

F=04エリアで謙太と真菜を銃殺。

E=04エリアで晶と再会。窮地に陥るが、隙を突いて形勢逆転。晶を銃殺。直樹と戦い、直樹を倒す。それに怒りを爆発させた光留に撃たれて倒れた。

 

私の中で、渉は誰よりも純真な心を持ってるんじゃないかと思います。
喧嘩で名が知れ渡っているのも、無鉄砲な嵩を助けるため・・・とかだったら私としては萌えます(笑)書いてて楽しい子でした。


955VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:23:26.88nQ4y3AGI0 (67/109)

アニメ版凛々しくて身長165cmはあるように見える
これなら主人公とヒロインが逆転してるなんて言われないね!!

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/09(土) 22:26:01.23 ID:qLNYeIkd
かっこいい!これは楽しみだ!
しかしアニメになると今まで気にならなかった身長差が目立っちゃうってあららぎさんが

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/09(土) 23:59:37.90 ID:tf uqhRx
>>602
右下のイケメン度が異常ww
画質のせいかもわからんけど色白気味だね
あと前髪の向きが狛枝と一緒になっとる

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/10(日) 00:08:23.07 ID:loqNRaDO
>>602
予想以上にイケメンな苗木くんで驚いた
まあ原作でも裁判中はこのぐらい凛々しかったけどw
低身長だけどカッコいいっていうギャップがいいな
こりゃアニメには嫌でも期待しちゃう


956VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:25:46.87nQ4y3AGI0 (68/109)

女子6番・相模晶(さがみ・あきら)

バスケットボール部。幼稚園組。
校内1の美人と謳われるが、極度の人見知り症で無口。
心を許した人に対してすら、めったに笑顔を見せない。

身長/167cm
愛称/晶、晶ちゃん
特記/瀬戸口北斗(男子6番)とは近所に住む幼馴染

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★★★★

★★★★★

★★★★☆

★★★★★

★★★☆☆

★★★★★
 


支給武器:ワルサーPPKs
kill:上総真央(女子4番)
killed:滝川渉(男子8番)
凶器:グロック19
 

因幡彰人(男子2番)に恋心を抱いている。

北斗が殺害された事に放心状態になる。右腕負傷。徐々に思考回路が戻り激怒するが、安藤悌吾(男子1番)・彰人に止められる。最初の出発者として教室を出た。

出発後、天道千夏(女子10番)を襲う滝川渉(男子8番)と銃撃戦を繰り広げ、千夏を救う。死を覚悟して北斗の仇を討ちに行こうとするが止められ断念。ハズレ武器をひいた千夏を連れ、中学校を去った。

F=05エリアで浜本謙太(男子14番)と合流。謙太の探し人が見つかるまで行動を共にすることに。

G=04エリアで目の前で沼井千尋(女子14番)の死を見る。加害者の渉に怒りを憶え、攻撃を加える。優勢だったが、途中逆転され、渉の冷たい目に恐怖を憶える。謙太の機転により逃走成功。その後手塚直樹(男子10番)、加賀光留(女子3番)、幸田真菜(女子5番)と会い、謙太と別れる。

I=05エリアで発狂した夏生初音(女子13番)の最期を看取る。死を望んだ千夏を叱る。立ち直った千夏から目を離した隙に、上田昌美(女子2番)の襲撃を受け、千夏を失う。昌美を叱った後、単独行動。シグ・ザウエルP230入手。

G=05エリアで中森正樹(男子12番)に遭遇。一度は逃げようとするが、失敗に終わる。正樹の言動が逆鱗に触れ、後頭部を殴打して気絶させるが、右肩・左足の傷からの失血と睡眠不足から気絶。

直樹・光留に助けられ、F=04エリアで覚醒。食事をし、お礼に水を渡し、彰人を探すために移動を開始する。

E=04エリアで瀕死の久保田篤史(男子5番)と再会。悌吾の死を知る。離れた所で銃声がしたので、篤史を看取らずその場を去る。その後、渉と彰人を発見。渉を負傷させて逃がすが、彰人は事切れていた。泣いているところを真央に発見される。大塚豊(男子3番)の亡骸を盾にされて窮地に陥ったが、真央の隙を突いて反撃、銃殺。5人の復讐のため、優勝を誓う。S&W M36 チーフススペシャル・ブローニングM1910・ベレッタM92F入手。

D=03エリアで潜伏中に直樹・光留に見つかるが、冷たい言葉で追い返した。独りで戦うことを決意している。怪我で右腕は使用不可。戦いに備え、休息を取る。

E=03エリアで直樹・光留と遭遇、探知機を奪う。それを使って渉と再会、4度目の対戦となる。一度は渉を窮地に追い込むが、貧血に襲われて意識が朦朧とした隙をつかれ、背中に被弾。死を覚悟するが、現れた光留に喝を入れられる。もう一度戦おうとした時、渉が光留を狙っていることを察知、光留の代わりに背後から被弾。伝えたいことを伝え、息絶えた。

 

人として1番改稿前と変わったのは、きっと晶です。孤高のヒロインだったのが、かなり人間くさくなったと思いますが、私としてはそれで良かったと思います。
外見だけじゃなく、内面も綺麗な子。ただ、それを表に出すのが苦手なだけ。


957VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:29:09.82nQ4y3AGI0 (69/109)

苗木
日向
朝日奈
大神
小泉
舞園
辺古山
不二咲
九頭龍
セレス
十神
霧切
七海
狛枝
大和田

山田
澪田
左右田
西園寺
腐川
田中
桑田
花村
葉隠
罪木
西園寺
石丸
超高校級の詐欺師の人


958VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:39:56.59nQ4y3AGI0 (70/109)

男子 女子
1番:相川 透
あいかわ とおる 2番:飯田 健二
いいだ けんじ 3番:奥村 秀夫
おくむら ひでお 1番:石川 直美
いしかわ なおみ 2番:上原 絵梨果
うえはら えりか 3番:小野 智里
おの ちさと

4番:加藤 塔矢
かとう とうや 5番:狩谷 大介
かりや だいすけ 6番:北川 太一
きたがわ たいち 7番:剣崎 大樹
けんさき たいじゅ 4番:霧鮫 美澪
きりさめ みれい 5番:倉田 麻夜
くらた まや 6番:栗山 綾子
くりやま あやこ 7番:佐藤 千春
さとう ちはる

8番:剛田 昭夫
ごうだ あきお 9番:桜井 稔
さくらい みのる 10番:須王 拓磨
すおう たくま 11番:杉山 浩二
すぎやま こうじ 8番:島田 早紀
しまだ さき 9番:新城 忍
しんじょう しのぶ 10番:須藤 沙里菜
すどう さりな 11番:椿 美咲
つばき みさき

12番:辻本 創太
つじもと そうた 13番:坪倉 武
つぼくら たけし 14番:富岡 憲太
とみおか けんた 15番:中村 信太郎
なかむらしんたろう 12番:戸川 淳子
とがわ じゅんこ 13番:時任 乙葉
ときとう おとは 14番:戸口 彩香
とぐち あやか 15番:中井 理枝
なかい りえ

16番:名城 雅史
なしろ まさし 17番:沼川 貴宏
ぬまかわ たかひろ 18番:野村 信平
のむら しんぺい 19番:柊 靖治
ひいらぎやすはる 16番:南条 友子
なんじょう ともこ 17番:板東 小枝
ばんどう さえ 18番:氷川 恵
ひかわ めぐみ 19番:文月 麻里
ふみづき まり

20番:姫沢 明
ひめざわ あきら 21番:福本 修
ふくもと おさむ 22番:矢島 政和
やじま まさかず 23番:若松 圭吾
わかまつ けいご 20番:牧田 理江
まきた りえ 21番:森 文代
もり ふみよ 22番:吉本 早紀子
よしもと さきこ 23番:和田 裕子
わだ ゆうこ
<残り 6人>


959VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:41:39.43nQ4y3AGI0 (71/109)

PM22:46 北川太一(男子6番)
矢島政和(男子22番)に後頭部にボウガンの矢を射られ死亡。
AM0:00 プログラム2日目開始
AM1:00 第四回目の島内放送が流れる。
AM1:14 時任乙葉(女子13番)
剣崎大樹(男子7番)にコルトパイソンで額を撃ち抜かれ死亡。
AM1:47 倉田麻夜(女子5番)
沼川貴宏(男子17番)にスミス&ウエスンM19で頭部を撃たれ死亡。
AM7:00 第五回目の島内放送が流れる。
AM8:52 姫沢明(男子20番)
首輪暴発により死亡。
AM9:09 佐藤千春(女子7番)
吉本早紀子(女子22番)によりレミントンM31RSで頭部を撃たれ死亡。
AM9:12 氷川恵(女子18番)
吉本早紀子(女子22番)によりレミントンM31RSで額を撃たれ死亡。
PM12:03 矢島政和(男子22番)
沼川貴宏(男子17番)によりイングラム・サブマシンガンで全身を撃たれ死亡。
PM13:00 第六回目の島内放送が流れる。
PM15:46 桜井稔(男子9番)
杉山浩二(男子11番)によりブローニング・ハイパワー9ミリで銃殺される。
PM16:00 杉山浩二(男子11番)
吉本早紀子(女子22番)によりレミントンM31RSで頭部を撃たれ死亡。
PM17:57 辻本創太(男子12番)
須王拓磨(男子10番)によりチェーンソーで全身バラバラにされ死亡。
PM18:10 新城忍(女子9番)
須王拓磨(男子10番)によりチェーンソーで首を切断され死亡。
PM18:48 沼川貴宏(男子17番)
吉本早紀子(女子22番)の罠にかかり焼死。


960VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:43:05.41nQ4y3AGI0 (72/109)

 男子生徒は友子の首に突き刺さっている鎌を抜いた。瞬間、友子の首からはおびただしい量の血液が飛び、男子生徒の制服にかかったが、その生徒は特にそのことは気にしなかった。
 中の上くらいの高さの身長で、二重まぶたと、冷たい視線が特徴的なその顔。それは狩谷大介(男子5番)であった。
 大介はヒュッと一度鎌を振り、刃の部分に付いた血を軽くとばした。
 実にラッキーであった。とにかく自分以外の邪魔な生徒達を殺していこうと思っていたところに、出くわした友子が、大介に全く気が付いておらず、無防備な背中を見せていたのだ。このチャンスを逃すわけがなかった。
 鎌に付いた血を制服の袖でふき取った大介は、地面に倒れている友子の体を蹴り飛ばした。友子の体は2メートルほど転がったが、そこで岩にぶつかって止まった。友子の体中に新たに出来た傷から血がにじみ出していた。
 ふと横を見ると地面にはスタンガンが転がっていた。
 なんだよ! こいつの武器これかよ! シケてるな!!
 大介はスタンガンを一度拾い上げたが、すぐに元あった場所に投げ捨てた。
 またそのすぐ側には透のヌンチャクも落ちていたのだが、それは岩影に隠れていたので大介は気が付かなかった。
 誰かを殺したら鎌よりももっと良い武器が手にはいるかと思ったにの、結局これかよ。スタンガンだったらまだ鎌のほうがマシだ。
 用が済んだ大介はすぐさま洞窟をあとにした。
 外は少しずつ明るくなってきていた。とは言ってもまだまだ薄暗いが、夜明けが近いということは確かだ。先ほどよりも、辺りの様子がはっきりと分かるくらいの明るさにはなっていた。
 大介はたった今、獲物を捕らえたばかりだったが、特になにも収穫できなかったことが不満だったため、また次の獲物を探そうと思った。
 次の獲物こそ、良い武器持ってろよ。
 大介がそう思ったときだった。大介の視界の中に、林の中で動く一つの影が入ってきた。明らかに人間の影である。つまりは獲物だ。
 大介は再び鎌を握りしめ、林の中の影の方に、少しずつ近づいていった。幸い、まだ獲物の方はこちらの存在には気が付いてはいないようだ。
 気づかれないように、そっと近づいていくうちに、次第に獲物の姿が鮮明に見えるようになってきた。どうやら男子生徒のようだ。背はあまり高くはない。むしろ低い方だ。
 桜井か?
 大介は獲物の正体は、クラス内で最も背の低い桜井稔(男子9番)ではないかと考えた。シルエットもそんな感じに見える。だが、さらに近づいていく内に、その予測が間違っていることが分かった。さすがにこれだけ近づけば、はっきりと相手の姿が見える。
 濃い眉、短く切った髪、そして気の弱そうな表情。間違いない、坪倉武(男子13番)だ。
 鎌をさらにしっかりと握りしめた。そのとき大介の顔は獲物を狙うハンターの顔へと変貌していた。


961VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:43:36.48nQ4y3AGI0 (73/109)




 ドカッ!!
 振り下ろされたハンマーを雅史はギリギリのところで後ろに引いてかわした。
 雅史に当たらなかったハンマーは勢いが止まらず、そのまま地面を叩いていた。相当の威力があったのかハンマーを思いっきり叩き付けられた地面の土はえぐれて穴があいていた。
「奥村ぁ!!」
 ハンマーを雅史に向かって叩きつけようとした本人、奥村秀夫(男子3番)はもう一度ハンマーを振り上げて雅史に襲い掛かろうとしているところだった。
「なんでこんなゲームに乗ったんだ!!」
「うるさい!! 俺はまだ死にたくないんだ!!」
 秀夫はハンマーを今度は地面と水平に横から振ってきた。
 雅史はそれをまたしてもギリギリのところでかがんでかわした。
 ハンマーは秀夫にとっては相当重いものだったのだろう。再び雅史にハンマーをよけられて秀夫はハンマーを振った方向によろけていた。
 雅史はこの隙に秀夫に飛びかかった。攻撃する為ではない。秀夫が持っているハンマーを奪い取る為であった。しかし今度は秀夫が蹴り上げた右足が、正確に雅史の腹部を直撃していた。腹部に激痛が走る。
「なんでだ!! みんなで集まって、一緒に脱出する方法を考えたらいいじゃないか!!」
「そんなこと無理に決まってるだろ!! とにかく俺は生き残って家に帰るんだ!!」
「最初から諦めるな!! 方法はきっとある!!」
「うるせぇ!! 俺に構うなぁ!!」
 いつもそれなりに温厚であった秀夫が、今では獣のような形相をしていた。
 ダメだ。秀夫は我を忘れている。
 説得は無意味だろう。


962VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:44:03.23nQ4y3AGI0 (74/109)

 秀夫はまた最初の一撃と同じ様に真上にハンマーを振り上げて雅史に叩きつけようとしていた。だが雅史は三回目のハンマーでの攻撃も、またしてもギリギリのところでかわす事に成功した。
 ハンマーの重さのせいだろうか。秀夫の動きが鈍く感じた。
 今だ。
 雅史は秀夫が重いハンマーをもう一度持ち上げるのに手間取っている隙に、秀夫の脇をすり抜けて駆け出した。上手くいったらしい。秀夫は雅史が逃走を企む事を想像もしていなかったようだ。
 秀夫は急いでハンマーを持ち上げて逃げる雅史を追いかけてきた。当然雅史は全力疾走で秀夫から逃げようとしていた。
 勝機は雅史にあった。もともと足は秀夫よりも雅史の方が速かったし、そのうえ秀夫は重いハンマーを抱えての追跡だ。二人の間には確実に距離が開き始めた。
 雅史はそのままの勢いで走り続けた。こんなに目立つ逃げ方では、また別の生徒に見つかってしまうかもしれないという心配もあったが、今はそれどころではなかった。これだけ距離が開いても秀夫は一向に追跡を諦めようとしなかったからだ。おそらく雅史の姿が見えている間は、秀夫は雅史を仕留めない限りは追跡を止める気はないのだろう。秀夫の視界から消えるまで走り続ける事にした。
 二人の間にはどんどん距離が開いていった。明らかに今のままでは秀夫は雅史に追いつける筈がない距離だ。
 全力で走っているために、さすがに息が荒くなってきている自分に気づいた。だが足を止めることは許されない。なおも全力で走り続けた。
 どれくらい走っただろうか。雅史は走りながら後ろを振り返ってみた。するとそこにはもう秀夫の姿はなかった。どうやら逃げ切れたらしい。
 雅史はとりあえず深い茂みの中に入って座り込んだ。荒く息を切らしている自分の体力を回復させる為、少しの間休息をとることにした。
 今の一件で体力をかなり消耗した。体力を回復させないことには、また誰かやる気の生徒に遭遇したときに逃げ切れない。
 時折注意深く周りを見渡したが、秀夫はもう追ってくることはなかった。
 雅史は再び地図を見やった。
 これまで地図も見ずにかなりの距離を走り続けていたが、何となくの場所はつかめた。最初に向かおうと考えた集落からは遠ざかってしまったようだ。しかしいまさら目的地変更などしたくはない。休憩後このままそこに移動して待機しよう。その後のことはそれから考えたらいい。その集落で誰かに会えるかもしれないし…。
 だが雅史は秀夫の一件のせいで、他の誰かに遭遇することを恐れ始めていた。これから出会う誰かが秀夫のようにやる気になっている可能性があるからだ。そういうときは秀夫と同じく話し合いでは解決できないだろう。今のように逃げるか、応戦することを余儀なくされるのだ。
 雅史はふと気がついた。
 そうだ、デイパックの中には武器が入っていたはずだ。今まではそれが何なのかも確認せずに、ずっとデイパックにしまったままだったのだ。
 デイパックを開け武器が何なのかを確認しようとした。その武器で誰かを[ピーーー]気などは毛頭ない。しかし、やる気の生徒に遭遇したときはそれが唯一自分を守るための“盾”の役割になるのだ。
 デイパックのファスナーを開けた。まず最初に目に入ったのは水の入った500ミリリットルのペットボトル2本。コンビニで売っているようなパンが数個。脇には懐中電灯とコンパスなどがあった。そしてさらにその下に武器が入っていた。


963VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:44:51.82nQ4y3AGI0 (75/109)

 奥村秀夫(男子3番)は両手をひざに当てて、かがんだ体勢のまま大きく息を吸って吐いてを繰り返していた。
結局雅史に逃げられた。ハンマーの攻撃をことごとくかわされ、秀夫はイライラしていた。
 秀夫は出発して直後、茂みの中に入り、急いでデイパックをあけて武器を確認した。入っていたのはハンマー。ちょっとがっかりだった。なぜなら出発前の説明で榊原が銃の存在を口にしたからだ。
 こんなハンマーなどでは対抗できない。
 そう思っていたときに秀夫は茂みのそばを通り過ぎる女生徒を見たのだった。それは栗山綾子(女子6番)だった。秀夫は茂みから飛び出して綾子にハンマーで殴りかかろうと考えたのだが、綾子の手に拳銃らしきものが握られているのが見えたので、襲い掛かるのをやめたのだ。
 この距離から襲い掛かったのでは、どう考えても綾子をハンマーで殴る前に銃で撃たれてしまうのが目に見えたからであった。ので、秀夫は綾子に見つからないように、その場をやり過ごした。
 しかしそんな弱気でいてはだめだと思った。こんなハンマーひとつでは最後まで生き残れるはずがない。誰か他の生徒を倒して、もっと強力な武器を手に入れなければならないと秀夫は考え、次にそばを通りかかった生徒に襲い掛かろうと考えたのだ。
 そして次に通りかかった生徒が雅史だったのだ。だが襲撃は失敗に終わった。
 だめだ。雅史がどんな武器を持っていたのかはわからないが、これで雅史には自分がやる気になっているということがばれてしまった。おそらく次に真っ向で出会ったときは雅史は迷わず逃げるなり攻撃してくるなりしてくるだろう。
 状況は悪いほうに悪いほうに進んでいる。
 くそぉ!!
 秀夫は時計に目を向けた。
 もうほとんどの生徒が分校を出発しただろう。残っていてもあと6,7人ほどだろう。
 秀夫は分校のほうへ移動しようと考えた。分校から出て、林を通り抜けようとする生徒を待ち伏せ、茂みの中から奇襲をかけてやろうと考えたからだ。
 まだ疲れのせいで息が荒かったが、そんなことを気にしている場合ではなかった。とにかく今は強力な武器を持った誰かをこちらが仕留めることが先決なのだ。
 コンパスと地図を見ながら移動した。秀夫はさっきの追跡で自分がどの辺りにいるのかはあまり把握できなかったが、ぐずぐずしている暇はないので、なんとなくの予想と勘を頼りに歩き出した。
 ハンマーが重い。
 当然だが、ハンマーの柄自体はただの木製の棒だが、先についている鉄の部分は見た目より相当な重量感がある。デイパックと自分のリュックの重さはたいしたことはなかったが、このハンマーだけはどうにかならないかと思った。
 持ち運ぶときだけでなく、攻撃の際もこの重さが邪魔なのだ。もちろんこの重さがなければハンマーは武器として成り立たないので仕方がないが、それでもなんとかしてほしかった。
 秀夫の見覚えのある場所に出た。最初に潜んでいた場所に何とかたどり着いたのだ。
 茂みの中に腰を下ろそうとした。
「よう。やたら重そうなモンもってるな」
 男の声がしたので、秀夫は声のしたほうへ急いで向き直った。秀夫の顔から血の気がさっと引いた。そこには右手にチェーンソーを持った男子生徒がいたからだ。
「もう誰か殺したのか?」
「そ、そんなことどうでもいいだろ!!」
 低いトーンで話す男子生徒に向かって言い返したが、どうも声が裏返ってしまった。
「オイオイ、ヒステリックになるなよ」
「う、うるせえ! どっか行けよ!!」
 秀夫は大声で叫んだ。また別の誰かに見つかる可能性もあるが、そんなことは関係ない。とにかく今は目の前にいる男子生徒にこの場を離れてほしかった。目の前の男は相手が悪すぎる。今の状態はまるでサバンナの真ん中で対面したライオンと小型の草食獣のようだ。もちろん秀夫が草食獣だ。
「早くどっか行かねえと頭叩き割るぞ!」
 だが秀夫は勝機があるなどとは思ってなかった。
「そりゃあ物騒だな…。じゃあ叩き割られないようにお前を消すか…」
 男子生徒が再び低いトーンで言い、手にもっていたチェーンソーの電源スイッチに手を伸ばしたのが見えた。それをきっかけに秀夫は男子生徒にハンマーで殴りかかった。
「無駄だ!!」
 男子生徒の口調が突然強くなったかと思った瞬間、秀夫は奇妙な光景を目にした。
 目の前にはチェーンソーを持った男子生徒のほかに、もう一人別の男子生徒の姿が見えた。そしてその男子生徒には首から上がなく、両手にはハンマーを抱えていたのだ。
 そこで秀夫の意識はなくなった。秀夫が最後に見た“ハンマーを持った首のない男子生徒”は実は秀夫自身であったことを秀夫は理解できないまま事切れた。
 男子生徒は地面に転がった秀夫の首を茂みのほうへ向けて蹴飛ばした。
 首は茂みの中へ転がって行き、そのまま視界から消えた。


964VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:45:58.68nQ4y3AGI0 (76/109)

 分校の教室からまだ生徒全員が出発したわけではなかった。大柄な体格をした若松圭吾(男子23番)は持参した大きなリュックを背負い、前に出発したクラスメートたちと同じように渡されたデイパックを手にして教室を出て行った。
「これで残ったのはあと一人、女子23番だけだ! お前が最後の出発だ!! 2分後までに用意しとけ!!」
 和田裕子(女子23番)は榊原に最後の出発が近いことを告げられて怯えきっていた。
「ったくぅ!! やっとおわる!! さすがに46人、いや2人死んでたな。44人もいるとなると長かったな」
 榊原は本当に疲れているようだ。声にも最初の頃のように勢いがないし、時折自分で腰をたたいていた。
 みんなどうしているだろうか?
 裕子はそれが気がかりだった。なにせ最初のほうに出発した生徒たちは、もう分校の外で1時間以上の時間を過ごしているのだ。
 みんなで集まっているのだろうか? それとも個人でばらばらになって隠れているのだろうか? それとも…。
 裕子はその先のことは考えたくなかった。
 まさか殺し合いなんて…。
 裕子は外ではもう殺し合いが始まっているかもしれないとは考えたくなかった。とりあえず今のところは銃声らしき音も聞こえてきてはいない。この分校がよっぽどの防音設備などが整っていない限りは、外で誰かが銃を発砲したりしたら、この分校の中にいても聞こえてきているはずだ。とりあえず今のところ銃を撃った生徒などはいないということだ。裕子にはそれが外ではまだ殺し合いなど始まっていないと信じることができる希望だった。
「2分経った!! 最後の生徒出てけぇ!!」
 やっと2分経ったのか。裕子には時間が過ぎるのがとてつもなく遅く感じられた。
 裕子はそれまでに出発した生徒たちと同じように、自分のかばんとディパックを持って教室を出ようとした。
 一度だけ教室を振り返ったが、当然そこにはもう誰もいなかった。

 廊下へ一歩踏み出し、真っ暗に近い廊下をゆっくり進んだ。
 廊下はとても長く感じ、廊下を抜けるまでの時間が悠久とも思える長さに感じた。
 やっと廊下の突き当たりにある出口に差し掛かった。外も廊下と同じく真っ暗かと思っていたが、むしろ廊下よりも明るいくらいだった。月明かりのせいだろうか?

 廊下から最後の一歩を踏み出し、数時間ぶりに外に出た。真っ暗で閉じ込められていたような分校内の空気とは違い、外の空気はとても新鮮に感じた。だが空気の新鮮さなどはすぐに恐ろしさにかき消された。
 廊下の中と比べて外のほうがいくらか明るいとは言っても、それでもやっぱり外は相当に暗く、これからこの暗闇の中で誰かに襲われるかもしれないという恐怖に襲われた。
 裕子は若松圭吾が近くにいるのではないかと思った。圭吾が出発したのは、裕子が出発するたったの2分前。普通に考えると今裕子に一番近い位置にいるのは圭吾であろうと考えられるからだ。
 万が一、圭吾に襲われた場合、裕子は体格の良い彼に勝つことはできないだろう。ただこれは圭吾がこのゲームに乗ってしまっていた場合の話だ。
 裕子は圭吾が殺し合いにやる気になっていないように願った。
 だがふと前を見た瞬間、裕子は言葉を失った。圭吾は裕子の目の前。たった7メートルほど先にいたのだ。しかも圭吾はその場に立っていたわけではなかった。まるで真っ暗闇の空に点々と浮かぶ星空を眺めるかのように仰向けに倒れ、その体の周りにはどす黒い血だまりができていたのだ。


965VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:48:08.51nQ4y3AGI0 (77/109)


 裕子はその光景を目にして今まで感じたことがないような恐怖感に包まれた。たった2分前に出発したばかりの生徒が出入り口付近で死んでいるのだ。圭吾が左胸を何かで深々と突き刺されているこの光景を目にしたら、どう考えても出入り口付近で待ち伏せしていた誰かに、出てきたばかりの圭吾が襲われ、そして胸に刃物か何かを突き刺された光景など容易に想像できるであろう。そしてそれが行われたのはたったの2分前。
 それに出てくる生徒をねらった襲撃者が圭吾一人だけを襲って、そのままこの場を立ち去るとは考えにくい。
 つまり圭吾を殺した誰かはまだこの付近にいるはずなのだ。
 突然脇から影が飛び出してきた。月明かりに照らされたその影はまさしく人間の姿であった。そしてその手には銀色に光る果物ナイフが握られていた。
 裕子がその影に気がついたときはもう遅かった。裕子の胸にはセーラー服を貫通し、柄まで深々と突き刺さった果物ナイフの姿があった。
 刺された…。
 意識が遠のいていく中、裕子は最後に自分に果物ナイフを突き刺した人物の姿を見た。なんとそれは裕子と同じセーラー服を着た女子であった。
 な、なんで…?
 裕子は地面に倒れ、目の前に無言のまま、まるで裕子が死ぬのを待っているかのように、とても冷たい目で見下ろしている


966VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:48:53.25nQ4y3AGI0 (78/109)

 沼川貴宏(男子17番)は出発前に飯田健二に殴られた自分の顔をさすった。この痛みだと痣ができているかもしれない。けどそんなことは貴宏にしては大した問題ではなかった。問題は自分に支給された武器の方だ。
 貴宏は出発して分校を出たとたん、すぐにデイパックを開けて武器を確認した。もちろん銃が入っているのかどうかを確認するためだった。しかし、期待ははずれ、中に入っていたのは銃でも何でもなく、ただの斧であった。
 銃マニアの貴宏が欲しかったのは、もちろん銃オンリーだったので、斧が出てきたときはかなりがっかりだった。
 銃…。銃…。銃…。
 貴宏の頭の中では、「銃」という言葉のみがグルグルと回っていた。

 ちょうど貴宏が出発して直後の頃に、林の中で男子生徒同士が言い争う声が聞こえてきた、声の質からしておそらく名城雅史と奥村秀夫だったと思う。
 貴宏はその声が聞こえたとき、もしかしたらその二人のうち、どちらか一人でも銃を持っている可能性があるかもしれないと考え、それ欲しさに声のした方向へ急いで移動した。だが二人はどこかへ走って行ってしまったらしく、貴宏がその場に着いた頃にはすでにその姿は無かった。
 しばらくするとまた男子生徒同士の言い争う声が聞こえ、何かが回転するような機械音が聞こえたかと思った瞬間、男子生徒達の言い争う声は途切れた。
 貴宏がまた言い争う声が聞こえた方に移動すると、今度は男子生徒の姿があった。ただしその男子生徒は地面に倒れており、体には首から上、つまり頭がなかった。周りを見たところ頭などは転がっていなかったので、茂みの中に頭が転がっているなんて事を知らない貴宏には、まるでこの男子生徒の首を切断した誰かがその頭を持ち去ったように思えた。
 頭の無くなった男子生徒の体の脇には重そうなハンマーが転がっていたのが見えたが、貴宏はハンマーなどには興味がなかった。
 欲しいのは銃だけ…。
 貴宏は一度も地図など見ることなく闇雲に林の中を進んだ。あまりどこに移動しようかなどと深く考えてはいないのだ。
 林の中を歩き続け、誰か銃を持った生徒に遭遇できればそれでよいのだ。だがそう思って歩き続けていても、一向に他の生徒の姿すら見かけることがなかった。貴宏はそうなって初めてデイパックから地図を取り出したが、地図といくらにらめっこをし続けても自分の今現在の居場所すら分からなかった。しかしそのことに焦りなどは感じなかった。
 貴宏はコンパスと地図の方角を照らし合わせてみる事を忘れていたことに気がついたので、今度はコンパスを取り出して、改めて地図と照らし合わせて見た。しかし頭の良くない貴宏には結局それでも分からなかった。
 仕方がないので、貴宏は再び適当に歩き続けることにした。今のところ禁止エリアとかいうルールはまだ発動していないのだ。心配することはない。
 時間は午前3時を回っていた。
 薄暗い林の中を歩き続けていたので、目も暗闇にだいぶ慣れてきていた。そんなときに貴宏の目にあるものがうつった。いままで木々しか見えなかったこの林の中に、ポツンと一軒の小屋らしき建物が建っているのだ。
 貴宏はその小屋に近づいた。何か考えがあったわけではない。しばらく木々しか見ていなかった貴宏は、突然目の前に出現したこの小屋に、何となく惹かれたのであった。
 どうやら物置小屋のようだ。大きくはないその簡単な作りの小屋のそばには3本のシャベルが立てかけてあった。シャベルはしばらく使われた様子はない。
 貴宏は小屋の扉の前に歩み寄った。左右横に引いて開けるタイプの扉だ。
 扉もまた相当の年月の間雨ざらしになっていたのか、塗装が剥がれ、内側の金属板が錆びている姿が所々見えた。
 貴宏はふと奇妙な感覚を感じた。小屋の中から何かの気配がするのだ。
 小屋の出入り口に近づいてみた。扉は左右ともに完全に閉まっていたが、見たところ扉には鍵はついてないようだった。デイパックに入っていた懐中電灯で扉の下のレールを照らしながらじっくりと見てみると、明らかについ最近扉を開閉したような跡があった。
 貴宏は確信した。この小屋の中に誰かが潜んでいるのだ。
 普通の人間の感覚なら、誰がどんな武器を持って隠れているか分からないこの小屋の扉を開けることに躊躇があるはずなのだが、この時の貴宏はとにかく銃を手に入れたいの一心で、ためらうことなく扉を勢いよく開いた。
 すかさず中にいる人物に懐中電灯の光を向けた。
 中には数個積み上げられた段ボール箱の間に小さくなって潜んでいた栗山綾子(女子6番)がいた。そしてその手には貴宏が欲しがっていた銃が握られていた。
 貴宏にはそれが『コルトガバメント』であることがすぐに分かった。ガンマニアならそれぐらいの知識は当たり前だ。
「こ、こないで!!」
 貴弘に懐中電灯の光を向けられた綾子は涙を流しながら手に持った銃を貴宏に向けて構えた。だが貴宏はそれを見ても全くひるむことはなかった。
「こっちへ来ないでー!! 来たら、来たら本当に撃っちゃうから!!」
 貴宏が右手に支給された武器、斧を持ちながらゆらりと綾子の方に足を一歩踏み出した。
「なあ、その銃くれよ」
「いやーーーー!! こないでーーーーーー!!」
 綾子はさらに泣き叫んだが一向に引き金は引かなかった。貴宏はその理由をその時すでに分かっていた。それも貴宏がガンマニアだからこそ分かったことだ。
 貴宏は口で言っても綾子が銃を渡す気がないと分かり、綾子を殺して銃を奪おうと決めた。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
 綾子の最後の叫びと同時に貴弘は斧を振り下ろした。貴宏の腕には確かな手応えがあった。前を見るとスイカ割りで割られたスイカのように頭がグチャグチャになった栗山綾子の死体が段ボールにもたれかかっていた。


967VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:49:28.74nQ4y3AGI0 (79/109)

 飯峯中3年A組の新担任を名のる榊原吾郎は、やっと全員が出発したので、分校内のメインコンピューターなどが設置されている教室に入り、そこに置かれたソファーにどかっと座り込んで休憩を取っていた。ただ体は休憩していても頭は働かせていた。
 ソファーの前の机の上に何十枚も積み上げられた資料のコピーをじっと見つめ、時折何かを考えているように腕を組んだり、頭をかいたりしている。
 この大東亜共和国には徴兵制がない。かわりに存在している制度がこのプログラムなのだ。目的は生徒同士を戦わせ、最後の一人になるまでかかった時間をはじめ、各種の統計を重ねることだ。だがこのプログラムにはそれ以外に、世間には表沙汰にはなっていない裏の目的もある。
「榊原上官」
 兵士の一人が榊原に近寄ってきた。兵士達は榊原のことを普段から「榊原上官」と呼んでいるのだ。
「たった今女子6番が死亡しました」
 榊原はその知らせを聞いて、積み上げてある資料の隣に置いていた一枚の紙を手に取って見た。飯峯中3年A組のクラス名簿だ。榊原は女子の欄を上から順番に見ていき、女子6番の名前に目を向けた。
「栗山綾子か」
 そう口にしたかと思うと、左手に持っていたボールペンでおもむろに『女子6番 栗山綾子』の文字の上にシュッと横線を引いた。
「これで残りちょうど40人になりましたね」
「栗山を殺したのは誰だ?」
「男子の17番でした」
 榊原は再び名簿に目を向けた。
「沼川貴宏・・・ああ、あの拳銃マニアか」
「はい。首輪に内蔵されている盗聴器を通して聞こえてきた、二人が遭遇した時の会話によりますと、栗山の武器が銃で、沼川の武器は接近系の武器だと分かりました」
「ん。じゃあ圧倒的に沼川が不利じゃねえか」
「はい。でも不思議なことに栗山は銃を発砲しなかったんです。考えられるのはそこまで人を[ピーーー]ことを拒んでいたか、あるいは説明書を読んでなかったために銃の安全装置のはずし方が分からなくて撃つことができなかったかだと思われます」
 兵士の説明に対して榊原はちょっとの間考えたが、すぐに「それはちがうな」と言った。
「今回の武器にモデルガンがあっただろ? 栗山の武器がそれだったんじゃねえか?」
「どういうことですか?」
「栗山が銃を撃たなかったのはそれが偽物だったから撃てなかっただけで、沼川は拳銃マニアだ。それがモデルガンだって事にすぐに気がついたんだろう」
「なるほど、そうかんがえると栗山と沼川の立場は全く逆転する!」
 兵士は必要以上に相づちをうったが、榊原はそれに対しては全く反応を見せなかった。そしてまた山積みにされている資料の中から一枚の紙を引っぱり出した。
「確か今のところ死んだ6人の内、俺が殺した2人以外の4人を殺したのは、男子の須王と沼川、それと女子の吉本が2人殺してるんだったな」
「そうですね」
「まあ須王は予想通りだな。政府のお偉いさんの多くは須王に賭けてるしな。人気はぶっちぎりの一位だ」
 榊原が口にした「賭け」とは、プログラム内でクラスの誰が優勝するかを賭けたトトカルチョのことだ。政府の上位の役職に就く者達は、プログラムが行われると面白がってこのトトカルチョに参加したがるのだ。
「須王は前評判が良かったですしね」
「ああ、何せあいつの今までの経歴ときたらものすごいからな。プログラムを始める以前に、すでに5人殺してるなんてな」
「普通だったら完全に首が飛んでるところですね」
「普通だったらな。だがあいつは未成年という時点で少年法の関係で死刑は免れるし、それよりもあいつの両親が政府の中でのトップクラスの役職に就いてるしな。事件はすでに両親の権力によって揉み消されちまってるから警察に捕まることもなく、いまだにのうのうと生活できてるって訳だ」
 榊原は自分でしゃべりながら須王の人気ぶりを改めて納得した。
「その両親、やはり自分の息子に賭けてますね」
 榊原は大声で笑った。
「はっはっは!! 自分の息子が死ぬかもしれないというときに、賭けに参加するとは、まったく無慈悲なご両親だ」
「よっぽど息子が優勝する自信があるんでしょう」
「だがこのクラスではそうも行かないかもしれないぞ。なんせこのクラスには対抗馬とも言える霧鮫美澪もいるしな。たしか霧鮫は賭け数第2位だったな」
「ああ、彼女もかなりの経歴を持ってますしね」
「こいつの場合も殺人を犯した証拠を巧妙に消してるからな。正確に言えば霧鮫の周りをうろついてる不良仲間が証拠を消してまわっているって話だ。まあこの話も他の奴に聞いた噂程度の話だから、どこまでが実話かは俺は知らないがな」
「怖い中学生ですね」
「まだ今のところ霧鮫は目立った動きは見せてねえな」
 榊原は再び名簿に目をやった。
「このクラスにはそのほかにも有力選手が多いな。男子には剣崎大樹、こいつは確か空手の達人だったな。接近戦だったら、まずこいつに勝てる奴はいないだろうな。剣道部の剛田昭夫なんかも強そうだな。それから杉山浩二、こいつはこのクラスのスポーツ診断テストの総合計ではぶっちぎりの一位だからな。運動能力のバランスはこいつが一番だろうな」


968VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:49:59.62nQ4y3AGI0 (80/109)

 右手に持ったこのクラスのスポーツ診断テストのデータが書かれた紙を見ながら榊原が言った。
「女子では新城忍だろうな。男子の剣崎程ではないとはいえ、こいつもかなりの空手の実力者だ。あと穴を狙うとしたら椿美咲なんかも運動能力が高いからいいかもな」
「そうですね」
「まあだいだいこの辺りが票の多くを占めてるな。しかし男子の沼川や、女子の吉本とかもこの調子だとダークホースになりかねんな。このクラスのプログラムは久々に面白いことになりそうだぞ」
 榊原は本当にわくわくしてきたようだ。
「榊原上官!!」
 別の兵士が近寄ってきた。
「F?6地点で男子の10番と女子の4番が近づいてきています。おそらくこのままだと遭遇するでしょう」
 教室内に設置された巨大モニターにはこの島全体の地図が表示されており、地図の中にばらばらに赤と青の1?22の数字が表示されている。(23番は男女共に既に死亡しているので、画面からは消えていた。)
 兵士はそのモニターを指差しながら言った。兵士の指差す方を見ると、確かにF?6で青い10の数字と赤い4の数字が近づいていた。
「あれは須王と霧鮫じゃないですか?」
 先ほどから榊原と話していた方の兵士が聞いた。
「ああ、賭け数人気ナンバー1とナンバー2。どうやら序盤から事実上の決勝戦が始まるらしいな」


969VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:50:34.00nQ4y3AGI0 (81/109)

 霧鮫美澪(女子4番)はひたすら林の中を歩き続けていた。彼女はこの林の中で獲物を探しているのだ。
 このゲームで言う獲物とは、すなわち自分以外の生徒のことを指す。そう、雅史が予想していたとおり、美澪はこの殺人ゲームに乗ったのだ。彼女はとにかく誰かに出会ったら、誰だろうと問答無用で相手に襲いかかる気でいた。
 美澪の手には当然武器が握られているのだが、この武器がどうにも彼女に似つかわしくない。
 美澪のディパックに武器として入っていたのはエアウオーターガン。要するに水鉄砲のことだ。
 このエアウオーターガンは、夏祭りの夜店にでも売っているようなちゃちな水鉄砲とは違う。本体の上部に取り付けられているタンクには400ミリリットルもの水を入れておくことができ、この水を空気の圧縮された力を利用して数十メートルも離れた的に向かって撃つこともできるのだ。だが、いくら普通の水鉄砲より優れているとはいえ、やはり水鉄砲は水鉄砲である。つまり、美澪のディパックに入っていた武器は、いわゆるハズレの武器であるのだ。だとしたらなぜ美澪はそんな役にも立たないような武器を持ち歩いているのか? それは美澪にしか分からない理由があったのだ。
 バサバサッ!!
 突然、美澪の右手の茂みの奥からカラスか何かが飛び立ったが、美澪はその飛び立つ音に驚くこともなく体の方向をそちらの方へ向けて身構えた。
 音の正体がカラスか何かの仕業だと分かると、何事もなかったようにまた元の方を向き直った。
 やっぱり出発したときに分校の入口前で身を潜めて、出てきたばかりの生徒に奇襲をかけて、手っ取り早く殺していった方が良かっただろうか。
 なかなか誰とも遭遇しない今の状況に少しづつ苛立ってきていた。いくら美澪だってこんな殺人プログラムの中で死にたくはなかった。
 さっさと自分以外の生徒を始末しておかないと。私にだって、まだ生きてやりたいことはたくさんあるの。だってまだ15歳よ。遊び盛りなんだから…。
 当然だが、美澪の言う遊びとは、普通の中学生が行うような遊びではなかった。簡単に言うなら、裏の世界の遊びと言うべきであろう。
 金の為なら、売春から殺人まで何でもこなしてきた。美澪はいままでそういう世界の中で過ごしてきたのだ。
 美澪はスカートのポケットの中からワイルドセブンの箱を取り出し、その中から出した一本に、慣れた手つきでライターの火をうつした。たちまち辺りの林にワイルドセブンの煙が広がっていった。
 美澪はスーっと煙を吸い込んで、じっくりと煙の味を楽しんでから煙をはきだした。そして美澪はまだ半分も残っているタバコを、火を消すこともなく地面に捨てた。
 美澪は今度は、自分のブランド物のバッグに手を突っ込んでいろいろ探ってみた。
 美澪は目当ての物(楽しいお薬よ)が見つからなかったので、仕方なしに我慢してワイルドゼブンを一本取り出し、再び火を付けた。と同時に前方の人影に気がついた。
 誰だ?
 美澪は誰か確認しようと思ったが、そうするまでもなく、その人影の正体はすぐにわかった。
「よう。霧鮫じゃねぇか」
 この低いトーンの声には聞き覚えがある。須王拓磨(男子10番)の声だ。
「あら、須王じゃない」
 美澪は声の主に向かって話し返しながら思った。


970VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:53:44.71nQ4y3AGI0 (82/109)

「さあ覚悟しな。お前は今から俺に殺されるんだからな」
「いいえ! 死ぬのはアンタよ!」
 美澪は再びエアウオーターガンを、ニ度三度と発射しながら、少し荒げた声で言い返した。須王はそれらすべてを、いとも簡単にかわしながら話す。
「お前も俺と同じように、このゲームが始まるよりも前に、人を殺した事があるんだろ?」
「そうよ! それがどうしたって言うのよ?」
「だが、俺とお前では人を[ピーーー]理由に決定的違いがある。お前はどんな理由があろうとも、とにかく理由があって人を殺してきたんだろ?」


971VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:54:43.06nQ4y3AGI0 (83/109)

 雅史はすでに奥村秀夫に襲われ、そして殺されかけたのだ。雅史の頭にはそのときの恐怖がこびり付いてしまっていた。
 また誰かに襲われる危険性があると思った雅史は、自己防衛のために銃を捨てることが出来なかった。だが、それでも誰かに銃を発砲するということを拒んだ結果が雅史に再び銃をディパックにしまわせたのだ。
 銃など撃ちたくはないが、手放すのも怖い。そんな複雑な心境だ。
 雅史は銃をデイパックの中に入れた。デイパックの口のファスナーを閉めようと手を伸ばしたが、いつでも銃を取り出せるように開けたままにしようと考えて手を引っ込めた。
 いつでも銃を取り出せるように…。そう考えている自分にまたムカムカした。
 もう雅史はちょっとしたパニック状態に陥っているのだ。銃を使う気が少しでもあるのなら、常に手に持っていたらいいのだ。なのに銃をデイパックの中に入れておく。いくら口を開けておくとはいえ、かなり効率が悪い。突然誰かに襲われたとしても、すぐに取り出せない可能性もあるのだ。反撃できない状態、それはつまり死を意味する。だが雅史は銃を持っていると自分までこのゲームに乗ってしまう気がして怖かったのだ。
 俺は絶対にだれも殺さない。
 雅史はそう強く思った。そのときだった。雅史の右前方2メートルほど離れたところに立っている木の一部がはじけたのだ。
 雅史は急いで振り返るとそこには富岡憲太(男子14番)が銃を構えて立っていた。そうだ、雅史に向かって発砲したのだ。
 富岡まで…。
 雅史はそう考えた瞬間、自分でも驚くほどの素早さでデイパックから銃を取り出して憲太に向けて構えた。
 憲太は雅史も銃を持っているということに驚いたらしく、再び発砲することなく一目散に走ってその場を去っていった。
 ふぅ…。
 あっさりと襲撃者が去っていってくれたために雅史は安心して肩をなで下ろした。だがいくらこのゲームに乗った者が襲ってきたとはいえ、雅史はためらいなく銃をクラスメイトに向けて構えたのだ。
 だめだ、このままだと自分もこのゲームに乗ってしまう。そしてかつてのクラスの仲間達をこの手にかけてしまうかもしれない。
 雅史は自分の行った行動に嫌気がさした。
 しかし雅史は今の一件によりさらなる恐怖に襲われ、銃を手放すなんて事など、もはや考えることもできなくなってしまった。そして絶対に撃たないと自分に言い聞かせながらも、コルトパイソンを手に持って歩くことにした。
 もうどうしたらいいのか何も分からない。
 背中にリュック。左肩にはデイパック。そして右手にコルトパイソンを持って歩き出した。目的地は最初に考えていた集落。別にそこに何かがあるというわけではない。なんとなくだ。


972VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:54:54.01jL6YsQ4b0 (1/1)

荒巻何時になったらこの馬鹿アク禁にしてくれるんだろ…


973VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 11:59:09.14nQ4y3AGI0 (84/109)

「なぁんでぇ!?」
それが合図だった。
パンっと音と同時に女生徒が倒れた。
「きゃあああ!!!」
「いやぁ!!」
「やだぁ!!!」
「やめてぇ!!」
残りの39人の生徒は


974VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:01:11.63nQ4y3AGI0 (85/109)

パァン!
階段を登ってる途中、一人の男子が撃ち殺された。
「きゃあ!!」
「やだやだやだぁ!!」



975VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:01:50.71nQ4y3AGI0 (86/109)

 林の中を一人歩く姿があった。彼の名前は柊靖治(男子19番)。そう、名城雅史の親友の一人だ。
 分校を出発してから、かなりの時間が経っているのにもかかわらず、彼も雅史と同じく、仲間になれるような、話が分かるクラスメイトとは、いまだに出会えてはいなかった。と言うよりも、彼は分校を出発して以来、誰にも遭遇すらしていなかったのだ。つまりはこのゲームに乗ってしまった生徒にもまだ出くわしていない。そのせいか、彼はまだ冷静に思考を働かせ続けることが出来ていた。
 彼の目的は、とにかく話の分かるクラスメイトに出会い、そして共に脱出する方法を見つけだすということだった。考えていたことは雅史とまったく同じである。
 もちろん靖治が一番信用できる人物と言えば、雅史、それから杉山浩二(男子11番)、それに桜井稔(男子9番)であるのだが、話が分かるクラスメイトとなら誰とでも会えればいいと思っていた。
 しかし先ほど、どこかから銃声らしき音が聴こえてきた。もちろんその銃声とは富岡憲太が銃を撃ったときのものだ。しかし当然、靖治には銃を撃った人物が誰であるのかなど知る由もなかった。ただこのゲームに乗ってしまったクラスメイトが存在することは分かった。
 クラスメイトの中に、殺し合いに参加してしまった生徒がいることが分かった以上、誰かに出会ったとしても不用意に話しかけることは危険だ。話しかけようとした相手が襲いかかってくる可能性があるからだ。相手の武器によっては、こんな物ではまったく対抗できないであろう。
 靖治はディパックに入っていた武器、包丁を握りしめた。
 難しいことになってきたな。何とかして安全に仲間を集める方法はないだろうか?
 靖治は優秀な頭脳をフル回転させて考えてみたが、こんな体験などしたことがない靖治にとっては、前例のない難問であった。
 やはり一番手っ取り早いのは、雅史か浩二か稔の三人のうちの誰かに出会うことだ。
 靖治はそう結論づけた。
 そうと決まれば、とにかく歩いて雅史達を見つけようと考えた。靖治は他の生徒に見つかりにくいよう姿勢を少し低くし、足音にも気を付けながらゆっくりと歩き始めた。
 もうすぐ夜が明ける時間だとはいえ、林の中はまだ真っ暗闇で視界が悪い。少し歩いては、前後左右に誰かがいないかどうかを慎重に確認しながら、ゆっくりと歩いた。
 真っ暗な林の中は本当に不気味であった。立っている木のひとつひとつの後ろ側に、何者かが隠れているということも考えられる。そして靖治に襲いかかってくるかもしてない。そう考えると、全く恐れないというわけにはいかなかった。
 前方に立っている大きな木も不気味に感じ、とにかく全ての木から一定の距離を離しながら前へ前へと歩いた。
 歩いていると、ふと視界に奇妙な物が入った。かなり前方の一本の木の枝から、何かがぶら下がっているのである。しかし、まだその木とは距離があるうえ、林の中の暗さのせいで、そのぶら下がっている物の正体はまだ分からなかった。
 もっと近づいて見たら何か分かるかもしれない。
 靖治は少しだけ、歩くスピードを上げてその木に近づいていった。ある程度近づいたときに、そのぶら下がっている物の正体が分かった。人間の体だ。
 まだそれが誰の体であるかは分からなかったが、セーラー服を着ているのは確認できたので、女子の誰かであるということは分かった。
 靖治はさらに近づき、ついに木の根本にたどり着いた。


976VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:02:18.38nQ4y3AGI0 (87/109)


 彩香の首には枝からまっすぐに延びたロープが巻き付いていた。首を吊っている状態だ。
 くそっ!自殺か!
 靖治は自分がよく知っているクラスメイトの一人が、自分の目の前で、こんな姿でいることに愕然とした。だが、もしかしたら彩香はまだ息があるかもしれない。靖治は荷物を全て木の根本に置き、幹によじ登って枝からロープをほどき、彩香の体を地面に寝かせた。そして彩香の息があるかどうかを確かめようとしたが、すでに彩香の体は冷たくなっており、死んでいることは明らかであった。
 戸口さん…。
 靖治はべつに彩香と特別親しかった訳ではなかったが、クラスメイトの死に出くわして悲しまずにはいられなかった。
 靖治は彩香の今も見開き続けている目を閉じさせてやり、彩香に向かって両手を会わせた。
 戸口さん。俺、もう戸口さんみたいにクラスのみんなを無駄に死なせたくない。だから、だから俺。みんなに戦いをやめるように伝えるよ。そしてみんなで生きて帰る。
 だって3年A組は全員仲間じゃないか…。
 靖治の目尻から透き通った涙が流れ出た。


977VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:03:14.73nQ4y3AGI0 (88/109)

蛹鈴%蛻?°繧峨s


978VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:03:21.2559rXRImJo (1/1)

続きは次スレか
>>1000なら今回Hシーン有りで


979VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:03:51.43nQ4y3AGI0 (89/109)

 上原絵梨果(女子2番)は全くしゃべらなかった。喋る気力がないのだ。元々、気の小さい絵梨果は、仲良しグループの中でも最もおとなしい存在であった。そんな絵梨果がこんな殺し合いゲームに放り出されて、まともに喋ることなど出来るはずがなかった。
 完全に怯えきった絵梨果は意気消沈していた。
「絵梨果、大丈夫?」
 すぐとなりに座っていた眼鏡をかけた女生徒、石川直美(女子1番)が心配して話しかけてきた。
「う、うん…。だいじょうぶ…」
 絵梨果は無理矢理作った笑顔を見せながら言ったが、まわりから見ていると、どう見ても大丈夫には見えなかった。
「絵梨果、無理しなくていいんだよ」
 ちょっと気の強い性格の持ち主である小野智里(女子3番)が言った。
 そうだ、雅史が考えていたとおり、出席番号が並んでいるこの仲良しグループのメンバーの3人は集まっていたのだ。
 女子の中では一番最初に出発した直美が、次の絵梨果が外に出てくるのを待ち、絵梨果が出てきたあと、今度は入口近くに2人で身を潜ませ、奥村秀夫をやり過ごしたあとに、再び出入口から出てきた智里と合流したのだった。
 そして雅史が考えていたとおり、集まることが出来たのは、出席番号が近いこの3人だけであった。
「べ、別に無理してるわけじゃないよ…」
「あんたねぇ。私達に心配かけないように気を使ってるのかもしれないけど、そういう演技はよしなさいよ」
「智里、ちょっと落ち着こうよ。絵梨果も私達のことを考えてそう言ってくれてるんだから」
 イライラと話す智里をなだめるように直美が口を挟んだ。
 よく「類は友を呼ぶ」というが、この仲良しグループには、その言葉は相応しくなかった。なんせこのグループのメンバーは性格があまりにもバラバラだからだ。今の3人だけ見ても一目瞭然だが、このほかの3人も性格は全くバラバラであった。しかしどこかこの6人はうまが合ったらしく、自然と仲良くなっていった。もう中一以来の付き合いだ。
「ねえ、淳子達とはなんとか合流できないかな?」
 直美が話題を変えた。
「この島も広いからね。淳子達と会うよりも他の誰かに会う可能性の方が高いわけだし、探すのも安全とは言えないわね」
 直美と智里が意見を交わしているが、絵梨果にはその話に入っていく気力すらなかった。
 不安だ。もしかしたら私達は3人だけで、このまま死んでいくのだろうか? それともこの中の誰か一人だけが生き残るのだろうか?
 嫌な考えばかりが次々と絵梨果の頭の中を支配していく。絵梨果は自分に支給された、手の中に収まるくらいの小型の銃『ハイスタンダート・デリンジャー』を握りしめた。


980VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:04:29.01nQ4y3AGI0 (90/109)

「あたしはすかさず淳子に歩み寄って言ったの。『一緒にみんなを探そう』って。でも淳子はそれに応じなかった…。淳子は私達と行動することを拒否したの…」
 直美は当然のことながら、智里もその話を聞いて呆然としていた。もちろん絵梨果もだ。
「なんで…? 淳子はなんで、私達と一緒にいたくないって思ってたの?」
 直美が美咲にくってかかるようにたずねると、美咲は再び絞り出すように話し出した。
「あたしももちろん淳子にその理由を聞いたよ。そしたら淳子こう言ったの。『彼を探しに行く』って…」
「加藤君ね。」
 智里が言った。加藤とは同じクラス3年A組の男子、加藤塔矢(男子4番)のことである。
 塔矢と淳子は2年の2学期から付き合い始めたカップルなのだ。あの2人の仲の良さに関しては絵梨果もよく知っていた。あの2人はクラスの誰もが羨むような、絵に描いたようにお似合いのカップルであった。
「確かに淳子が加藤君に会いたい気持ちは分かる。でも…でも…」
 直美も淳子の気持ちは察していたが、それでも何かが納得出来なかったようだ。
「淳子はその後泣きながらこう言ったの。『もしみんなに会えたらこう伝えてくれる? 私はもうみんなに会えないかもしれない。本当にごめんなさい』って…」
 美咲も話し終える頃には、目に涙をうっすらと浮かべているようだった。
「それが淳子が見つけた答えなんだよ。直美。私は別に淳子の考えは間違っているとは思わないよ。
 たしかに、淳子が私達よりも加藤君を選んだことは残念だけど、きっと淳子も悩んだんだと思うよ。だから泣いてたんだよ」
 智里が直美にむかってやさしく言った。絵梨果にはその時の智里の口調は、今までかつて無いほどのやさしい口調に聞こえた。
「淳子…」
 直美がつぶやいたのを最後に辺りに沈黙が訪れた。4人はその場に座り込んだまま誰も口を開こうとはしなかった。
 絵梨果は、こんな時にこの場にムードメーカーの淳子がいたら、どんなにみんなを元気づけようとしてくれるだろうかと、つい思ってしまった。しかしここには淳子はいないのだ。

「私、ちょっとトイレ行って来る…」
 突然直美が暗い表情のまま立ち上がった。突然の直美の発言に絵梨果以外の2人も動揺していた。
「直美。一人で行ったら危ないよ。もし誰かに襲われたりしたら…」
 美咲が当然の意見を投げかけた。
「そうよ。ろくな武器も持たないで一人で行くなんて危険よ」
 智里も意見するが直美はそれも聞かずに行こうとした。そこで絵梨果は直美に近づいてあるものを差し出した。
「直美、どうしても一人で行くんだったらこれ持って行ってよ」
 そう言って絵梨果が直美に差し出した物は、絵梨果に支給された銃、『ハイスタンダート・デリンジャー』であった。
「絵梨果…。気持ちは嬉しいけど、これは受け取れないわ。これがなかったら今度は絵梨果が危険だし。ちょっとトイレに行くだけなんだからこんなの受け取らなくても…」


981VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:42:27.01nQ4y3AGI0 (91/109)

 ああ、そうだ、私のまわりには、こんなにも優しい仲間がいるんだ。確かに淳子に、私達よりも彼の方を選ばれてしまったことは残念だけど、私はそれでも淳子のことが大好きだ。直美だって、いつも私と仲良く優しく接してくれた…。そうだ、悲しむことなんて何もない。私はもう大切な物は手に入れているのだ。
「ねえ。直美が帰ってきたら今度は忍を探しに行かない?」
 智里が新城忍(女子9番)の名前を出した。今のところ、このグループのメンバーの中で彼女だけは唯一、出発以降の消息が全く不明のままなのだ。
「見つかるかな…?」
 絵梨果はちょっと不安だった。移動する途中、だれかと遭遇する可能性が高いからだ。他の生徒との遭遇は戦闘になる恐れもあり、あまりにも危険だ。
「大丈夫よ。美咲のレーダーもあることだし」
 確かにそうかもしれない。レーダーさえあれば、どこで生徒と遭遇するのかが事前に分かる。先にこちらが相手の存在に気が付けば、ある程度近づいて相手が誰なのかを確認しても、戦闘を避けることが出来る可能性は高い。100パーセント大丈夫とはいえないが、無いよりは、かなり安心できるだろう。
 美咲も智里の意見に反応してレーダーに目を向けた。すると同時に驚きの表情に変わった。
 態度のおかしい美咲に気が付いた絵梨果は、急いで美咲のレーダーを覗き込んで驚いた。先ほどまで画面に4つしかなかった点が5つに増えているのだ。
 画面の端にある点がおそらく直美で、画面真ん中に集まっている3つの点が絵梨果と智里と美咲なのであろう。
 じゃあ、私達のすぐ側にあるもう一つの点は…?
 絵梨果は画面が表示しているもう一つの点の方向を振り向いた。同時にその方向から何か缶のような物が飛んできた。そしてその缶のような物は3人のちょうど真ん中で地面に当たった。


982VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:43:14.45nQ4y3AGI0 (92/109)

 絵梨果たちにはトイレに行くと言ったが、別にトイレに行きたくなったわけではなかった。少しの間、一人になって考えたかったのだ。淳子のことだ。
 淳子と中学一年の時から、一番仲が良かったクラスメイトは直美であった。もちろん直美は他の友達も大切だったが、その中でも淳子は別格だったのだ。
 直美と淳子は毎日のように一緒に行動を共にしてきた。大好きだったのだ。淳子のことが…。
 だがある時、淳子に彼氏が出来た。塔矢である。
 直美は淳子に彼氏が出来たということはなんら不思議に思ってはいなかった。淳子は積極的で明るくて行動力がある。自分なんかよりもずっと異性に好かれるタイプであることは理解していた。だからいつかこんな日が来るかもしれないと、かなり前から考えたことがあった。
 だが実際にその日が来ると、いくら昔から身構えていたこととはいえ悲しかった。淳子と塔矢が一緒になることに嫉妬しているなどではない。何が悲しかったか。それは淳子と直美の距離が開いてしまったということであった。
 もちろん淳子が、直美のことを嫌いになったというわけではない。ただ淳子が今まで直美と一緒にいた時間のうち大半が、塔矢と一緒にいる時間に変わってしまった。直美はなんだか塔矢に淳子を奪われてしまったように感じたのだ。
 淳子は一番の親友だったのだ。だが淳子が自分から離れていってしまったように感じた直美は当時かなり苦しんだ。
 長い間苦しんだ末、直美はやっと淳子を応援してやれるくらいまで落ち着いた。
 そうだ、親友である自分が、淳子を後ろから支えてやらなければならないんだ。
 それ以来、直美はいつも淳子と塔矢の仲をサポートし続けた。そんな直美に淳子は感謝してくれていたようだった。直美もいつしか、淳子と塔矢の仲が良いと、自分まで嬉しくなってくるように感じるまでになっていた。
 当然だった。親友である淳子が幸せだということは、それは私の幸せでもあるのだから…。
 だから私は淳子が塔矢君の所に行ってしまったことは何ら悲しくはない。ただもう二度と会えないかもしれないという事実が悲しいのだ。
 それは淳子も同じ気持ちだったのだろう。美咲の話では淳子は泣きながら『もう会えないかもしれない。本当にごめんなさい』と言っていたのだ。
 もちろん私は生きている内にもう一度淳子に会いたい。でもそれよりも今の私は、淳子が塔矢君に無事に会えるように祈ってあげることが大切だ。


983VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:44:28.64nQ4y3AGI0 (93/109)


「智里ぉ!!」
 直美は智里の体を抱き上げて泣きついたが、智里はもう直美には何も言い返しては来なかった。
「絵梨果ぁ!! 美咲ぃ!!」
 首だけになってしまった絵梨果や、頭が完全に陥没してしまっている美咲にも近寄って泣きついたが、当然3人とも二度と口を開くことはなかった。

 そのころ3人に向かって手榴弾を投げつけ、そして3人の生命を奪った本人である吉本早紀子(女子22番)が、智里のショットガンと、美咲のレーダーを持ち、すでに去っていってしまったことなど直美は知る由もなかった。
 直美は3人の亡骸にすがりついて、ただ泣き続けていた。


984VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:46:53.87nQ4y3AGI0 (94/109)

 分校の場所から、林を南西に歩き続けていると、緩やかな坂が現れた。女生徒は迷うことなく、その坂を登り始めた。するとその先に、大きな洞穴の入口らしき空間が現れた。
 ここに隠れよう。
 ほんの少しポッチャリとした顔をこわばらせながら、南条友子(女子16番)は懐中電灯で中を照らしながら穴の中に入っていった。この中に隠れていれば、誰にも見つからないかもしれないと考えたのだ。
 私は殺し合いなんてしたくない。もちろん死にたくもない。
 元々気が弱い友子の目からは、常に涙が溢れ続けていた。分校を出発してから、この涙は一度も止まったことはない。
 これだけ涙を流していたら、自分の体内の水分はゼロになってしまうようにも思えたが、人間の目からはこんなにも涙が出るのだと言うことを、初めて知った。
 気持ちは完全に沈んでいたが、別のことを考えている方がなんだか気が楽に感じた。
 実際に中に入ってみると、穴の中は思ったよりも広かった。洞穴と言うよりも、洞窟といった方が適切かもしれない。ごつごつとした岩が露出して、隠れられそうな場所は、いくらでもあるように見えた。
 決めた。ここに隠れていよう。
 暗い洞窟の中は怖かったが、外にいるよりもいくらか安心な気がした。
 友子はとある岩影を選び、その後ろに荷物を置いて座り込もうとした。
「南条さん?」
 突然声をかけられて、驚いた友子は飛び上がりそうになった。同時に声の聞こえた方に向けてスタンガンを構えた。
「待ってよ。僕だよ」
 懐中電灯を声の聞こえた方に向けると、そこには相川透(男子1番)が立っていた。
 絶対誰もいないと思っていたこの洞窟内に、まさか自分以外の生徒が先に来ていたのでビックリした。そして同時に怖くなった。


985VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:47:22.84nQ4y3AGI0 (95/109)

 いつも明るく、どんなときでもお調子者で、クラス内でも人気者の透は、今まで学校内で泣くことなど無かったのだ。いや、もしかしたらあったのかもしれないが、少なくとも友子はそんな光景を見たことはなかった。いずれにしろ透が泣くことは珍しいことなのだろう。
 逆に友子自身は自分でも自覚していたが、どちらかというと泣き虫であった。もちろん今も涙は流れ出し続けている。
 向かい合って、そしてお互いに泣いているその光景は、もし別の誰かが見ていたとしたら奇妙な光景にしか見えなかったであろう。
「今まで一人でずっと不安だったんだ。頭がどうにかなってしまいそうなんだよ。頼むから一緒にいててくれないか」
 友子に頼み込むように言った。泣いているのにもかかわらず、不思議と透の声はしっかりとしていた。
 少しの間沈黙が訪れた。
 そして沈黙を破るかのように、友子は口を開いた。
「分かった…」
 それだけ言った。今の透の様子を見て、それが殺意を持つ者の様子には見えなかったからである。
 聞いたとたん、透の顔がパアッと明るくなりいつもの色を取り戻した。そして制服の袖で顔の涙をふき取った。
「本当! ありがとう」
 もういつもの透だ。態度も先ほどよりもさらにしっかりとしていた。
 実際のところ、友子自身も精神的にかなり楽になったようだった。今までずっと一人で行動してきたが、ずっと不安でたまらなかったのだ。しかし今は違う。殺意を持っていない一緒にいられる『仲間』とも呼べる人物が現れたのだ。


986VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:48:42.71nQ4y3AGI0 (96/109)

 男子生徒は友子の首に突き刺さっている鎌を抜いた。瞬間、友子の首からはおびただしい量の血液が飛び、男子生徒の制服にかかったが、その生徒は特にそのことは気にしなかった。
 中の上くらいの高さの身長で、二重まぶたと、冷たい視線が特徴的なその顔。それは狩谷大介(男子5番)であった。
 大介はヒュッと一度鎌を振り、刃の部分に付いた血を軽くとばした。
 実にラッキーであった。とにかく自分以外の邪魔な生徒達を殺していこうと思っていたところに、出くわした友子が、大介に全く気が付いておらず、無防備な背中を見せていたのだ。このチャンスを逃すわけがなかった。
 鎌に付いた血を制服の袖でふき取った大介は、地面に倒れている友子の体を蹴り飛ばした。友子の体は2メートルほど転がったが、そこで岩にぶつかって止まった。友子の体中に新たに出来た傷から血がにじみ出していた。
 ふと横を見ると地面にはスタンガンが転がっていた。
 なんだよ! こいつの武器これかよ! シケてるな!!
 大介はスタンガンを一度拾い上げたが、すぐに元あった場所に投げ捨てた。
 またそのすぐ側には透のヌンチャクも落ちていたのだが、それは岩影に隠れていたので大介は気が付かなかった。
 誰かを殺したら鎌よりももっと良い武器が手にはいるかと思ったにの、結局これかよ。スタンガンだったらまだ鎌のほうがマシだ。
 用が済んだ大介はすぐさま洞窟をあとにした。
 外は少しずつ明るくなってきていた。とは言ってもまだまだ薄暗いが、夜明けが近いということは確かだ。先ほどよりも、辺りの様子がはっきりと分かるくらいの明るさにはなっていた。
 大介はたった今、獲物を捕らえたばかりだったが、特になにも収穫できなかったことが不満だったため、また次の獲物を探そうと思った。
 次の獲物こそ、良い武器持ってろよ。
 大介がそう思ったときだった。大介の視界の中に、林の中で動く一つの影が入ってきた。明らかに人間の影である。つまりは獲物だ。
 大介は再び鎌を握りしめ、林の中の影の方に、少しずつ近づいていった。幸い、まだ獲物の方はこちらの存在には気が付いてはいないようだ。


987VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:49:23.10nQ4y3AGI0 (97/109)

 坪倉武(男子13番)は、近くに誰もいないか警戒し、辺りを頻繁に見回していた。そして辺りに誰の姿も見えないことに安心した武は、茂みの中をゆっくりと進んだ。
 武が進むたびに、茂みがガサガサと大きな音を立てていたのだが、武は緊張のあまりそのことに気がついていなかった。誰かが付近にいたとしたら、茂みの音のせいで武のいる場所はバレバレである。それに気が付かないほど、武は放心状態であったのだ。当然自分の近くに、ついさっき殺人を終えたばかりの大介が潜んでおり、次に武を狙っているなど、知る由もなかった。
 次の一歩を踏み出したとき、茂みの中の枝の一本がデイパックに引っかかった。
 くそっ!
 武はあせりながら引っかかっている枝をデイパックからはずした。はずした弾みで再び茂みからガサッと大きな音をさせてしまった。だが案の定武はそのことに気がつかない。
 坪倉武はもともとクラスの中ではおとなしい存在で、その上かなりドジなところがあった。そんな彼がこの殺人ゲームを順調に行えるはずがなかった。それは武自身も自覚していた。
 彼がすでにやってしまったドジ、例えばのどが渇いた武は無計画に水を飲んでいたため、デイパックに入っていた水もすでにペットボトル残り一本、それも一本の三分の二程しか残っていないのだ。飲料水をどこかで確保できるのかどうかも分からない、この殺人ゲームの最中、慎重に事を進める者ならもっと計画を持って飲むであろう。だが武にはそれがなかった。武は水を飲み続け、そして水の残りが少なくなり、初めて自分のやってしまったミスに気が付いたのだ。
 そんなドジな武が次の一歩を踏み出した時だった。武を狙っていた“ハンター”がついに姿をあらわしたのだ。
「よう。武」
 突然目前の茂みの中から、狩谷大介が出てきたので驚いた。
 狩谷大介。男子の中でのポジションは上の方でもなければ、下の方でもない。言い方を変えれば全てにおいて可も不可もない男だ。
 勉強はそこそこ、運動もそこそこといった、特に目立つような人物でもない。とにかく普通の男子生徒であったといえる。さらに言い方を変えれば全くの凡人だとも言えるだろう。
 ただ一つ大介の特徴をあげるとすれば、裏で何を考えているか分からないというちょっと怪しい部分である。親しい友人と楽しそうに話していると思いきや、誰にも見られていないときに、他の友人に睨み付けるような、冷たく怖い目を向けていたりしていることがしばしばあったのを、武は知っていた。武は普段から大介のそういう“何を考えているかわからない”という部分が本当に怖いと思っていた。
「か、狩谷くん…」
 驚きと不安のあまり、声が怖がった調子になってしまった。それを見た大介が返した。
「オイオイ武、声がふるえてるぞ。お前まさか俺のことを怖いと思ってるのか?」
 大介の言うとおりだ。確かに武は大介に対して少なからず恐怖を感じていた。なぜなら目の前に現れた大介の手には、刃先の鋭い鎌が握られているのが見えるからである。


988VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:49:53.93nQ4y3AGI0 (98/109)

 突然武の背中に何かが当たった。驚いて振り向くと、そこには一本の大木が立っていた。背中にあたったのが人間ではなかったことに少し安心したが、すぐに視線を目の前の大介に戻すと、再び恐怖が舞い戻る。
「待ってくれ!止まってくれ!こっちに来ないでくれ!」
 武は両手を前に出して、とにかく大介に近寄ってこないように頼んだが、そんなことで殺意を持っている大介が止まるわけがなかった。
「武。お前さっきからうるせえよ。そんなに怖いんなら一思いに殺ってやろうか?」
 口調はおとなしかったが、恐ろしく顔歪ませながら大介が言った。そう、ここへ来てついに大介が本性を見せたのだ。
 やっぱり狩谷はやる気になっていた。
 大介への恐怖が最高値に達した武は、走って大介のそばから逃げ出そうした。が、今度は茂みの枝が武の足に絡まって転んでしまった。
「何あわててるんだよ、武くんよぉ」
 冷ややかに笑いながら大介が近づいてきた。
 だめだ!やられる!
 目前まで迫っている大介を見てそう思った時だった。
「なあ、あんたたち」
 突然、大介の背後から女生徒が現れた。さすがに、突然の訪問者に、大介も驚いたらしく、鎌を構えたまま振り返って言った。
「なんだお前は!」
 大介は背後から現れた女生徒の顔へ視線を向けた。女生徒の正体は新城忍(女子9番)であった。そう、あの女子の仲良しグループの一人だ。


989VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:52:57.13nQ4y3AGI0 (99/109)

 龍輔は手にかけたばかりの真知子の死体をまじまじと見つめている。仕留めた獲物の大きさに満足するハンターのごとく、至福に満ち溢れた目つきをして。
 圭子は自分の身体がぶるっと震えるのを感じた。当然だろう。全身から殺意を漲らしている猛獣のようなこの男を前にして、少しの恐怖も抱かないなど、気が正常である限りはありえない。
 だが、圭子の中を支配する感情は、すぐに悲しみと恐怖のどちらでもなくなった。圭子の中を満たした感情、それは龍輔に対する怒りに他ならない。
「黒河くん! どうしてこんな酷いことを――どうして真知子を殺したのよ!」
 口が勝手に動く。
 龍輔は人を小ばかにするような顔をした。
「どうして殺したかだと? お前、それ本気で聞いてるのか? クラスメート同士で殺し合い、最後に生き残った一人だけが帰れる――これがプログラムのルールだろ。俺はそのルールに乗っ取ってごく自然に行動しただけじゃないか」
 驚くほどすらりと言い放つ龍輔は、何が楽しいのかにやにやしながら、言葉の最後に「な。優秀なあんたなら理解できるだろ。委員長さん」と皮肉るように付け加える。
 言葉の一つ一つに神経を逆撫でされた圭子は顔を歪めながら、微笑みつつこちらを見据えてくる龍輔のふざけた目を、きっと睨み返した。
「ふざけないでよ!」
「ふざけてなんていねぇよ。それよりもお前、頭がちょっとおかしいんじゃねぇか? プログラムに巻き込まれちまったら、自分が生きるためにクラスメートを殺さなければならないなんてこと、小学生でも知ってる常識だぜ。俺はあくまでも法に従ったのみ。なのにどうして俺が責められなきゃならねぇんだ?」
 たしかに彼の言い分は、大東亜という国の中では常識とされている。しかし、圭子は反政府の人間ではないけれど、共和国戦闘実験についてのみは賛同できない。
 三年も一緒に過ごしてきた仲間同士で命の奪い合いをするだなんて馬鹿げている。と、いつもそう思ってきた。だからこそ、プログラムに巻き込まれたことを言い訳に、簡単に殺しに手を汚してしまう者のことを、許すことが出来なかった。


990VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:54:31.80nQ4y3AGI0 (100/109)

 プログラムに巻き込まれるという極限状態の中、参加生徒が精神に何らかの支障をきたすということは少なくない。過去何年にもわたって行われてきたプログラムの歴史の中では、そんな者の数など知れずといった状態だ。
 そんな中、恐怖や緊張が限界点へと達してしまうと、僅かながらにでも正気を保っていた生徒でさえも、心をついに崩壊させてしまうという事態にまで発展してしまうこともある。発狂もちょうどこれに当てはまる。
 今回プログラムに参加させられることとなった、兵庫県立梅林中等学校三年六組の生徒の中にも、こんな状態に陥ってしまった生徒は存在する。
 ただでさえ乱れていた長い癖毛をさらに振り乱しながら、行く当てもなくフラフラと森林内を歩き続ける少女。氷室歩(女子十六番)。
 二年前に起こった兵庫県立松乃中等学校大火災の被災者である彼女は、事件以来壊れてしまっていた。
 火災の恐怖によって、彼女は異常をきたした自らの精神を安定させることができなくなってしまい、気持ちの高ぶりがある一定ラインを越えてしまうと、幻覚を見たり意味不明な言葉を叫んだりするようになってしまった。
 そして、今回プログラムに巻き込まれてしまったという事実には、歩の気持ちの高ぶりを非常ラインを超越させてしまうだけの力があった。そのためだろうか、今の彼女の目には、常人になら絶対に見えるはずのないような不思議な光景が映っている。
 目の前に広がっている森林内を埋め尽くすように、空気中を漂っている煙のような巨大な物体。それをよく見ると、目や鼻や口らしきものがついており、さらには自分の意思で動き回っているようで、まるで気化してしまった人間の姿のように思える。
 あれはいったい何なんだろう?
 歩がそう思っていると、これまでただ漂っていただけだった煙のような物体がこちらを振り向き、突如襲い掛かってきた。それを見て歩は驚いた。
 まさか悪霊?
 自分に襲い掛かってくる悪霊の姿に恐怖した彼女は、意味不明な叫び声を上げながら走り出した。
 逃げなきゃ! 逃げなきゃ殺されちゃう!
 死にたくないという一心で、全力疾走をする彼女。だが懸命に走ろうとしているつもりでも、どうしたことか足がふらふらと揺らぎ、真っ直ぐに走ってはくれない。
 じつは、精神異常に陥ってしまっていた歩は、平衡感覚までもを失っていたのだ。
 視界がぐらぐらと揺れる中、よろけてその場に倒れこんでしまった。
 振り返って迫る敵の姿を確認すると、やはり距離はかなり詰められており、逃げることは不可能だと思われた。
 このままじゃ殺されちゃう! いやだ! 私は帰って[たぬき]見るんだ! だからまだ死にたくない!
 継続して高まり続けた恐怖感は、歩の人生至上かつて無いほど巨大なものに成長した。そしてついに、混乱していた彼女の思想は、恐るべき方向へと向かいはじめた。
 そうだ、殺される前に殺しちゃえばいいんだぁ!
 名案を思い付いたと言わんばかりに口元をつり上げて笑んだ歩は、手に持っていた拳銃、グロック19を襲い掛かってくる悪霊へと向けた。そしてそのまま狙いを合わせもしないうちに引き金を絞った。
 腕に強い反動を受けた歩は、その勢いで身体を背後へとのけぞり、地面に頭を強く打ち付けた。だが頭の痛みなどまるで感じていないかのように、すぐさま起き上がって悪霊達へと視線を向けた。
 歩の目に映し出されたのは悪霊の最期だった。
 見事に弾を命中させられた痛みに苦しみもがき、全身を赤々とした炎で燃やされながらのたうちまわっている一匹の悪霊。歩の手の中から発射された正義の聖火に身を包まれた悪霊は、助けを求めるかのようにこちらへと手を伸ばしてきた。しかし、歩へとあと少しで届くというところで、ついにその全身は燃やし尽くされ、灰となった悪霊は一陣の風にさらわれて、その場から姿を消してしまった。
 もちろん、実際には悪霊など存在しておらず、歩が撃ち出した銃弾はあさっての方向へと飛んでいき、そのままどこか遠くにへと消えてしまっていたのだが、歩には自分の目の前でそのような出来事が起こっていたかのように思えていた。
 一つの危機を乗り越えたつもりになっていた歩は、自分には悪霊を退治できるほどの力が隠されていたのだと思い込み、そしてその発見を喜んだ。
 すごい! 手から飛び出した炎が悪霊を燃やしちゃった! 私って、こんなにも凄い力を持ってたんだ!
 もはや何者も恐れることはないと笑い出す彼女。その狂った笑い声が森林内にこだまする。
「アハッアハッ! アハハハハハハハッ!」
 だがその笑いは長くは続かなかった。歩の視線の端に、先ほどのとはまた別の悪霊の姿が映っているのに気が付いたからだ。
 笑いを止めた歩は、新たに出現した悪霊へと目を向けた。
 先ほどの煙のようなやつとは異なり、今度のは全身の筋肉を隆々と盛り上がらせている二本足の獣。頭から二本の鋭い角を伸ばしているそれは、昔読んだホラー小説の挿絵に描かれていた牛魔人とかいうのとよく似ていた。
 なんにしろ、こいつもまた邪悪な存在であるには変わりないだろう。と歩は思った。
 もはや説明不要だが、歩が見た牛魔人のような悪霊というのもまた、本当は目の前に存在などしていない。実際にその場にいたのは悪霊でもなんでもなく、どこからか走ってきた歩が突如銃を発砲したのを間近で見て、驚きのあまり腰が抜けて動けなくなっている小心者の六条寛吉(男子二十二番)だった。細身の彼は筋肉隆々の牛魔人とは似ても似つかないのだが、幻覚世界の中にいる歩の目にはそう映ったようだ。


991VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:55:48.84nQ4y3AGI0 (101/109)

 どこからか十数発の連続した銃声が聞こえたので、森の中を歩いていた一人の男は足を止めて、ふと遠くの空を見上げた。
 へぇ、誰か景気良くやってやがるな。
 そんなことを思い、どこか爬虫類に似た攻撃的な顔に笑みを浮かべたのは黒河龍輔(男子六番)。恋人の死に泣き崩れていた烏丸翠を、容赦なく背後から撃ち殺した悪魔のような男だ。
 龍輔は兵庫県立梅林中等学校の中では、最も恐れられていた不良だった。
 生活態度は悪く、学校をサボるなんてことは毎日のように行い、きちんと登校してきた日も、他の生徒に危害を加えるなど、とにかく学校にとっては目の上のたんこぶのような存在だった。
 特に問題視されていたのは彼がするイジメについて。
 気の弱い六条寛吉とかに暴力を加えたり、時には金を脅し取ったりもしていた龍輔。エスカレートしていく非行は、ある日ついに田村由唯(女子十一番)など数名の女子にまで危害が及び、いつしかそれは学校全体の問題にまで発展していた。
 生活指導がしっかりと行き届いていた平和な梅林中学校にとって、数少ない悪の中で最も存在感のある彼の存在は大きかった。
 両の耳に二つずつ着けられているシルバーピアスは、ピアス装着は厳禁という校則を嘲笑う龍輔の悪の象徴でもある。そして知らない者も多い、彼の右肩に彫られたドラゴンのタトゥーも同じ意味を持つ。
 そんな彼を前にしては、もはや「正義」などという言葉は無力に等しい。もちろんそれはプログラム内においても同じ。悪の道を突き進むことを選んだ龍輔を前にして、正義の旗を掲げることを選んだ生徒達の多くは震えることしかできないだろう。ごく一部の強者を除いては。
 龍輔は今、プログラムで生き残るという自信を持ち始めつつあった。その理由の一つとなったのが、彼の右手にしっかりと持たれているリボルバー拳銃の存在であった。元々は烏丸翠の物であったコルト・ロウマンだ。


992VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:56:43.93nQ4y3AGI0 (102/109)

 そもそも龍輔に支給された武器はファイティングナイフ一本だけであり、いくら普段からナイフを使い慣れている(理由は聞くな)彼といえど、これだけでプログラムを戦い抜くということは難しいだろう。
 そんなわけで、他の参加者に支給された武器がいかなる物か見当も付かなかった彼は、プログラム開始当初は少なからず不安を抱えなければならなかったのだ。
 そんな中で手に入れた拳銃だ。プログラム内で支給されている物の中では、おそらく当たりの部類に入るであろうそれを手に入れた途端に、彼の自信が上昇気流に乗り始めたということは想像に難しくはない。
 だが彼がこの時に手に入れた武器はこれだけではない。
 風間雅晴のデイパックの中に入っていた白い粉。数年前から世間に出回り始めた新種のドラッグ『ホワイトデビル』。愛用者ひしめく裏世界では高額で売買されているそれをも、龍輔は手に入れていたのだ。
 知り合いに“運び屋”をしたことがあるという人物がいる龍輔は、この薬物について少しだけ知識があった。といっても、想像を絶するほどの快感を得ることができるということ以外には、「痛覚が薄らぐ」だとか「筋力が増強される」という話を聞いたことがあるだけに過ぎなかったが。
 だが彼は、それだけでもこのプログラム内では十分に使い道があるかもしれないと考え、溶かして液状にしたものを注射器内に溜めて、いつでも取り出せるようにと懐にしのばせていた。
 ところが、龍輔の期待の大部分が注がれていたのは、この薬物ではなく一丁の銃の方であった。
 生半可な知識しか持ち合わせていなかった彼は知らなかったのだ。この薬物がどれほど凄まじい効果を発揮するのかを。
 空が東の方から少しずつ明るくなってきた。時刻はもう午前五時半にさしかかろうとしているところ。担当教官の田中の話によれば、あと三十分もすれば島内に放送が入るらしい。そこでこれまでに死んだ人間の名前と、禁止エリアの時間と場所とやらが発表されるのだとか。
 いったい何人死んだんだろうな。数が多いに越したことはないんだが。
 龍輔はそんなことを思いながら、薄暗い森林内をゆっくりと進む。
 しばらく歩いてふと足を止める。突き刺さるような鋭い視線が自分へと向けられているように感じたからだ。
 近くに誰かいやがるな……。
 右手の銃をしっかりと構え直し、細心の注意を払って辺りを見回した。だが物陰にでも隠れているのか、相手の姿は全く見えない。
 本能が危険信号を発し始める。いつどこから来る分からない攻撃に備え、龍輔は四方八方に意識を向けながらじっと構えた。
 思った通りだった。龍輔の正面より右に四十五度の方角の茂みがガサリと動いた途端、銀色の鉄の棒らしき物が飛び出し、ものすごいスピードで龍輔へと向かってきたのだ。
 攻撃に備えて意識を集中させていたおかげで、襲い来る敵の攻撃をなんとかギリギリで避けることが出来た。
 大ヒット映画のアクションシーン並みの、半身を仰け反らせての見事な回避。監督が見たらさぞかし驚くことだろう。
 標的を射抜くのに失敗した銀色の凶器は、森林の奥へと飛んでいき、龍輔の立ち位置から十メートル以上離れたところに立っていた木に深々と突き刺さった。その正体は二枚の羽根をつけた矢だった。
 龍輔はすぐさま体制を立て直し、矢の飛んできた方向へと銃を構えた。そして続けざまに三発撃つが、手応えを感じない。相手のいる方向は分かったが、その正確な位置まで把握できていない状態では、やはり命中させることは難しい。
「おい誰だ! 隠れてねぇで出てきやがれ!」
 しかし相手は正体を現すどころか、返事すらしない。そのかわりだと言うのか、茂みの中から再び銀の矢が飛び出し、龍輔に襲い掛かってきた。


993VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:57:32.02nQ4y3AGI0 (103/109)

 こんな所で死んでたまるかという思いから、プログラムのルールに乗っ取り、容赦なく同級生達を[ピーーー]と決めた龍輔には、迷いなく横に並んでくる人物の考えていることなど、頭を捻らずともすぐに分かる。
 自分と同じく、このプログラムのルールに乗った。それ以外に考えられない。
 だから彼はその時、自分よりも先に一歩を踏み出した御影霞と、それに遅れながらも堂々と戦場入りすることを決意した和歌子のことを、いずれ戦うことになるかもしれない強敵と見なして、警戒する必要があると判断した。するとどうだ。龍輔が強敵視した人物の一人は、今こうして他者を殺そうという考えのみに突き動かされる殺人機械となって、再び目の前に姿を現したではないか。これを案の定と言わずして何と言う。
 自分と同じ考えを持つ者の出現に、流石の龍輔も気を引き締め、そして本気になって迎え撃たねばならなかった。そこにはもはや微々たる余裕もない。
 一瞬だけ見えた相手の姿へと向けて、龍輔は走りながら発砲した。だが体制が悪かったためか、またしても外してしまったようだ。
「ちっ、クソがぁっ!」
 毒づく龍輔。相手をなかなか仕留められないそのイライラは、射撃の腕の悪い自分へではなく、銃そのものへと向けられる。
 そんな彼を嘲笑うかのように、再び茂みの裏へと姿を消してしまった和歌子が矢を放つ。
 茂みの中から飛び出した矢は、先端の刃を鋭く光らせながら、恐ろしいほど正確に龍輔へと向かっていく。だが相手も走りながらの弓的のため、ほんのわずかなズレが生じたらしく、標的を射抜くには至らなかった。
 頭の真ん中から狙いがずれ、顔のすぐ前を横切った矢は、龍輔に不気味な風圧を感じさせた。
 武器の形態が違うとはいえ、その狙いの正確さに歴然の差があるのは明確だった。もちろん、相手の位置をどれだけ正確に把握できているかの違いも、お互いの狙いの正確さに差を生じさせていただろうが、それよりも、それぞれが自分の武器をどれだけ使い慣れているかということこそが、大きな差を生み出す原因となっていたのだろう。
 誰もが存じている通り、龍輔は真面目に学校生活を送ってはいなかった不良だ。それとは違い、和歌子はプログラムに巻き込まれる以前、かつては学校中から将来を期待されていた陸上部のエースだった。
 誰もに目を輝かして見られていた和歌子の地位は、生まれながらに持ち合わせていた才能のおかげで確立されたのではない。全ては彼女の血が滲むような努力が報われた結果にすぎない。


994VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 12:58:35.35nQ4y3AGI0 (104/109)

 陸上部の厳しい練習に毎日無欠席で参加し続けるのは当然のことで、学校が休みの日でさえも、早朝と夕暮れ時のランニングは欠かさなかった。そのおかげで、和歌子は今の俊足を手に入れた。
 要するに、和歌子は努力に抜かりの無い女なのだ。そしてその性格は、プログラムに参加している今にも存分に役立っている。
 龍輔の知るところではないが、春日千秋と磐田猛の二人から逃げ去った後、和歌子は先に殺害済みの徳川良規の遺体が転がっている場所へと戻り、そこでまだ回収前だった彼の武器、ボウガンを手に入れて、以後少しの間はその弓的練習に勤しんでいたのだ。
 もちろん、いつ現れるか分からない敵に隙を見せてはならないため、それはほんの十回程度しか行われなかったが、その少しの差が、今、大きな違いとなってあらわれたのだ。
 自分の武器を何度か試し、その性能をある程度把握できていた和歌子。敵と離れた状態での銃撃は、今回が初めての龍輔。その二人の狙いのどちらが正確なのかは考えるまでもない。
 つまり、いくら和歌子のボウガンが、龍輔の武器とは違って連射がきかずとも、茂みに隠れながら素早く次の矢を装填できさえすれば、十二分に渡り合えることが出来る。そういうわけだ。
 さらに和歌子には最大の武器、自ら磨き続けた足がある。彼女は、もはや生半可な実力者では倒せぬほどの俊足の殺人山姥へと成り果てていたのだ。
 全ての要素を考慮すると、総合的に有利な立場に立っているのはもはや龍輔だとも言い切れない。ほんの少しの小さなミスを犯してしまえば、そこに付け込まれて致命的ダメージを負わされる可能性は高い。


995VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:00:11.59nQ4y3AGI0 (105/109)

 茂みの中から飛び出してきたのは矢ではなかった。それはその辺の地面にいくらでも転がっているただの石ころ。茂みの中から和歌子が投げたそれを、龍輔は矢だと思い込んでしまっただけだったのだ。
 龍輔がそれに気付いたときには、時既に遅く、一瞬遅れて茂みの中から飛び出した矢が高速で迫ってきて、対処する暇すらない彼の手から拳銃を、神業とでも言うべき正確さではじき飛ばした。
 手から離れた拳銃は宙を舞う。
 龍輔はすぐさまそれを捕まえようと手を伸ばしたが、あと少しのところで届かず、最も信頼していたその武器は崖の下へと落下してしまった。
 あの深い森の中に落ちてしまったなら、探して見つけ出すのはほぼ不可能だろう。だが今はそんなことをしている余裕はない。
 ガサリという葉と葉が擦れ合う音を耳にした龍輔は、ゆっくりそちらへと視線を向けた。
 右手にボウガンを携えた山姥が、髪に絡み付いた草木を手で払いながら、茂みの中から悠々と出てきた。龍輔は他に飛び道具を持っていないと分かっているらしく、無表情なその顔にも、どこか余裕があるように感じられた。そんな彼女の姿が、憎たらしく思えてならなかった。


996VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:01:19.11nQ4y3AGI0 (106/109)

 右手のボウガンには、早くも次の矢も装填済みで、いつでも次の攻撃を仕掛けてきそうなその様子に、龍輔は悔しながら息を呑んでしまった。
「テメェ、ナメたマネしてくれるじゃねぇか! どうなるか分かってるんだろうな!」
 威勢良く吠える龍輔。しかし冷静なる和歌子は全く動じない。だが劣勢でありながらも態度を変えないその姿は気に入らなかったのか、少し眉をしかめて怪訝そうな顔をした。
「あんた、どうやら自分が置かれている状況を理解できていないようね」
 和歌子はボウガンを構えた。そして狙いを定めて矢を放つ。
 途端、龍輔の左足に痛みが走る。高速で向かってきた矢の先端が、彼の太ももの表面を抉り取っていったのだ。
「今のはほんの脅し。だけどこれで分かったでしょ。私には、いつでもあんたを殺せるだけの力があるの。だけどすぐには殺さない。一つ、あなたが死ぬ前に、どうしても聞き出したい事があるからね」
 痛みに耐え兼ねて傷ついた足を、手で抑えながらひざまずく龍輔を、じっと見つめたまま和歌子は次の矢を装填し始めた。
「クソ野郎がっ! 何だ? 俺に聞きたいことって」
「なんてことはないわ。このクラスの人間誰もが体験した二年前の火災についてよ。火の発生元は校舎西側の一階の理科実験室。常備されていた薬品とかガスに引火して爆発が起こり、炎の勢いが増した事によって、被害は驚くほどのスピードで拡大した。これは警察の後の捜査によって判明しているわね。だけど未だに明らかになっていないことがある。そもそも火は何故発生したのかということよ。調べによって、授業の実験ミスなどによって起こった火災ではなかったと分かった。器具はきちんと片付けられていたし、ガスも閉められていたと、最後に実験室を使用したクラスの担当教師は証言している。ならば、考えられる原因は一つしか残されていない」


997VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:02:14.67nQ4y3AGI0 (107/109)

 遥かなる広がりを見せる外の景色を見ていると、窓から身を乗り出せば、何処まででも飛んでいけそうな気がした。だけど、それは単なる気のせいに過ぎず、実際にはそうはいかない。
 今の私は、籠の中に放り込まれた鳥と同じ。柵の外に出たいと思っても、自力で飛び出すことは出来ない。この首に巻きついた忌々しき金属のリングのせいで。
 藤木亜美は、窓の外の景色を眺めながら、深いため息をついた。
 彼女は現在、ビルの周りを監視するという役割に就いている。猛曰く、ビル周辺に誰かが近づいてきたとしても、それにいち早く気づきさえすれば、なんとでも対策をとることが出来るとのこと。たしかに、近づいてきたのが敵だったとしても、その接近に早く気づけば、それだけ逃げるための準備時間を作ることも出来るだろう。だけど、いつまでもこうやって延命措置ともとれる行為を続けていたところで、状況が好転しはしない。
 三日という定められた制限時間は刻々と迫る。そう、私に残された時間はもう三日も残されていない。このまま島から出ることができなければ、まだたったの十五年しか続いていない短い人生に、もうじき幕が下ろされてしまうのだ。


998VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:02:58.14nQ4y3AGI0 (108/109)

 それだけは絶対に嫌だ。残されたほんの僅かな時間が尽きるまでに、絶対にこの島から抜け出す方法を見つけてやる。
 亜美は全ての脳神経を集中させて考えた。だけど、思考能力の乏しい彼女がいくら頭を捻ったところで、良い方法が思いつくわけが無い。当たり前だ。亜美程度の頭で良案が考え付くなら、過去五十年以上に渡る共和国戦闘実験の歴史の中、参加生徒のうち何人もが会場から脱出し、今や収拾がつかなくなっていることだろう。だが、実際はそんな前例など、かの有名な一九九七年の沖木島脱走事件くらいしか聞いたことが無い。
 一年に五十クラスが選出されるプログラム、その半世紀の歴史の中で、脱走の前例はたったの一つだけ。あまりにも低い確率だ。それだけ、プログラムからの脱出は難しいということだ。
 となると、やはり残された生存方法は、たった一つに絞られてしまう。それは、プログラムのルールに従い、他の生徒を踏みつけにしてでも、最後の一人になるまで生き残るということ。
 だが、まだ正気を保てていた亜美は、それだけは選んではならぬと自身に言い聞かせた。
 もしもその禁断の決断を下してしまうなら、これまでに自分がしてきたこと全ては、いったい何だったというのだ。


999VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:04:11.46nQ4y3AGI0 (109/109)

 どんなに悲しいことが起ころうとも、皆を元気付けるために明るく努めてきた私だけど、級友達が死に続けていくなか、今後も笑顔でいることが出来るだろうか。答えは否だ。いくら皆を元気付けるためにと、明るく振る舞い続けてきた私であっても、もはや笑ってなんかいられない。それほどに、今回与えられた絶望は、あまりにも強大なものだった。
 憎々しかった。失われた幸福を我が手中に取り戻すために、悲しみに満ちた過去に背を向けて走り出していた生徒達に、まるであざ笑うかのように降りかかってきた災いが。
 気がつけば、亜美の目元からあふれ出した涙が、光り輝く筋を描いていた。
 もはや、私がいくら頑張って明るく振る舞ったとしても、皆に元気を与えることはできない。それが何よりも悲しかった。
 だがいつまでも泣いてはいられなかった。亜美はブレザーの裾で目元を拭い、流した涙の痕跡を急いで消した。背後に誰かが立っている気配を感じたからだ。
 亜美は背後に立っている人物へと振り返った。本当ならば手鏡を覗いて、涙の痕跡がきちんと消えたかどうかを確認したかったが、そんなことをする隙など見当たらなかったので仕方が無い。
 背後に立っていた人物の顔は、亜美もよく知っていた。当たり前だ。相手は一年の頃から同じ教室で机を並べた仲なのだ。顔を知らないはずが無い。
「どうしたの? 何か用でもあるの?」
 亜美は聞いた。だが相手は僅かに微笑んで見せるばかりで、質問には一向に答える様子は無い。
 相手の様子が少しおかしいように思えた亜美は、もしかして、泣いていたところを見られただろうか、と少し心配になった。だがその心配も、すぐに恐怖によってかき消されることとなった。微笑みを見せていた相手の顔が、一瞬にして恐ろしき形相にすり変わり、渾身の力が込められた両腕が伸びてきて、亜美の首をいきなり掴んできたのだ。


1000VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/10(日) 13:04:19.98Meu6wghvo (1/1)

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