609以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/02(木) 01:55:39NwY1U9VA (2/4)

――――

『おいガキ。俺は面倒が嫌いなんだ』

『だから一度しか言わねぇ。聞き返したら燃やす。死なない程度にな』

少女『…………』コクコク

『今日からお前に俺の知る知識、生きる術を教えてやる』

『魔法だけじゃねぇ。料理、洗濯、狩猟、農業、漁業……そういうのも全部だ』

少女『…………』コクリ

『覚えなきゃならねぇ事はゴマンとあるが……』

『生きる上で大事なのは二つだけだ』

少女『?』

『一つ目は『金』だ』

少女『……お金』

『金は万能だ。何でも買える。食いもんも買える。服も買える。本も買える』

『言い換えりゃ『時間』を買えるってこった』

少女『……?』


610以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/02(木) 02:06:30NwY1U9VA (3/4)

『薬草を種から育てるのと買うのはどっちが早い?』

少女『……買う方』

『だろ?魔法は膨大な学問だ。極めようとするなら一分一秒だって惜しいんだ』

『だから金はたくさん持て。そして買えるもんは全部金で買え』

少女『…………』コクリ

『二つ目はもっと大事だ。『借りるな』。まんまだ』

『貸しは山のように作れ。そして後でいいようにこっちで料理すれば儲かる』

『ただな、借りだけは絶対に作るな』

『止むに止まれず借りたとしてたら、目的果たしてすぐ返せ』

『借りは時にお前のチャンスを奪いにやってくる』

『それが嫌なら借りるな。借りたらすぐ返せ。でないと……』

少女『……もやす』ガクガク

『よくわかってるじゃねぇか。んじゃまぁ早速授業を始めよう――』

――――――――
――――
――


611以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/02(木) 02:16:30NwY1U9VA (4/4)

――――

チュンチュン

魔法使い「…………」ムクリ

魔法使い「……夢か」

魔法使い「……懐かしい夢だったな」

魔法使い「元気にしておられるだろうかお師匠さま……」

魔法使い「あ、勇者には話したっけ――」

シーン…

魔法使い「……そうか。抜けたんだよね」

魔法使い「……アハハ、いもしない勇者に話しかけるなんて軽くホラー……」

魔法使い「…………」

魔法使い「みんなは今頃遺跡で頑張ってるのか……」

魔法使い「…………」

魔法使い「ダメダメ!切り替え切り替え!」パンパンッ


612以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/19(日) 13:03:54H9alr3Ts (1/1)

続きまだかな


613以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/21(火) 11:57:11wwmAOdBs (1/1)

レバーを左下に入れながら、じっと待つんだ('-ω-)


614以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 05:11:43KdCKBP/s (1/4)

魔法使い(そう、いつも通り、1人になっただけ)

魔法使い(……それに勇者との貸し借りだってもうない)

魔法使い(カクゲーを教えてもらった代わりに――)

魔法使い(私が知る限りの魔法の情報、成り立ち、体系に至るまで惜しみなく教えたし……)

魔法使い(型ごとに技の速さに微妙に差が出ることに着目して私が分析、フレームという概念も提供したわ)

魔法使い(……ポーションだってタダであげたしね)

魔法使い(…………)

魔法使い(……無駄に長く一緒に居たせいで感傷的になってるだけ)

魔法使い(そう、それだけよ)

魔法使い(…………)

魔法使い(……顔、洗ってこよう)

ゴソゴソ  カサッ

魔法使い(……手紙?)

《 魔法使いへ 》

魔法使い「……勇者の字だ」


615以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 05:12:47KdCKBP/s (2/4)

 『魔法使いへ』

 『色々伝えたい事があったのだが、女戦士が暴れたり、予定よりも早く準備が整ったりで、時間が取れなかった』

 『だから手紙に記すことにした。見づらい字ですまない』

 『まずはお礼を』

 『魔法使いの考えてくれた【フレーム】。これによってカクゲーは更なる発展を遂げる事は間違いない』

 『今まで曖昧だった速さの基準を数値化する事によって、技の優劣が容易につけられるようになったからだ』

 『感謝してもしきれない。本当にありがとう』


魔法使い(……フフ。当然でしょ。技術なんて最適化してナンボなんだから)カサッ


 『次に、謝罪を』

 『魔法使いの意見を退けてすまなかった』


魔法使い(…………)


 『最終的に女戦士の案を取ったのは、魔王討伐とは関係なく私がこの街を救おうとしているからだ』

 『――魔法使いにはまだ話していなかったかもしれないが……私の村は過去に魔物の群れに襲われたのだ』


616以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 05:14:14KdCKBP/s (3/4)

魔法使い(!)


 『幼かった私は、何度も思った。力さえあれば、と』


魔法使い(…………)


 『そして、今の私には力がある』

 『私のような思いをこの街の子供に、住民たちにさせたくはない』

 『……すまない、魔法使い』


魔法使い(……勇者)カサッ

魔法使い(……え?)


 『最後に』

 『賞金首の報酬をいつかどこかで返そうと思っていたのだが、中々ものが見当たらなくてな』

 『金品は持っておらず、何故か魔法使いは腕甲を嫌がるしで正直困り果てていたんだ』


魔法使い(……チャラにしてあげたのに、勇者はマジメだね。……腕甲は死んでもいらないけど)


617以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 05:18:21KdCKBP/s (4/4)

 『そこで名案を思いついた。魔法使いなら絶対に喜ぶ『お礼』だと思ってな』


魔法使い(……! 勇者、こ、これって……まさか……!)


 『察しのいい魔法使いなら分かったはずだ。そう、これは我が故郷への地図だ。目印や難所についても出来るだけ細かく描いたつもりだ』

 『戦い終わったら渡すつもりでいたのだが……実際、何が起こるか分からないからな』

 『これを持って賞金首の件は手打ちにしてもらいたい』

 『里の人間はよそ者に対して警戒する。だから私の名を出すと良い。名は勇者の方ではなく、本名の男の方でないと通じないから注意してくれ』

 『そうすれば中に入り、師匠の許しが出れば里を見て周ることもできるだろう』

 『魔法使いが学べる、あるいは知りたいものがあるかもしれない』


魔法使い(……ゆう、しゃ……)


 『……もうそろそろ行かねばならないようだ』

 『生きてまた会おう。そして何もかもうまくいったその後、魔法使いさえ良ければまた一緒に旅をしよう』

 『いってきます』

 『勇者より』


618以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 12:05:41HgKj28IU (1/1)

男前すぎ泣いた


619以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/22(水) 19:37:47BzOuwTIo (1/1)

なんで死ぬみたいな雰囲気だしてんだよ!
魔法使いが追っかけちゃうだろ!


620以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/23(木) 19:31:04yQYem8bc (1/1)

勇者が勇者すぎる


621以下、名無しが深夜にお送りします2013/05/31(金) 01:14:21ywl9eDdk (1/1)

マダカナー。


622以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/03(月) 23:24:41A8yIqS2s (1/1)

まだマテル


623以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/04(火) 00:06:08xGvjFa8s (1/1)

そろそろサマソ


624以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/05(水) 15:53:26l8zPw.xw (1/1)

そろそろターンパンチがファイナルまで溜まる


625以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/06(木) 19:04:21jI2HFAdk (1/3)

――――

勇者「…………」

女戦士「ん?どうした勇者」

勇者「いや、何でもない」

女戦士「おいおいしっかりしてくれよ。これから敵の本拠地に乗り込むってのに呆けてたら安心して背中任せられないだろうが」

勇者「そうだな。すまなかった」

僧侶「そそっその時はわわわっ、わたしがたたた盾にななな」ガタガタ

女戦士「……なぁ僧侶。何だったら街に残ってても良かったんだぜ?」

僧侶「いっ、いえ!勇者さんにお供するときっ、決めた以上最後までついていきます!」ガクガク

勇者「無理はしないでくれ僧侶さん。『いのちだいじに』、だ」

僧侶「はっ、はい!」

女戦士「たった1人の回復要員だしな。僧侶が欠けたらバランスが悪いし、あたしと勇者と……あ」

勇者「…………」

僧侶「…………」オロオロ

女戦士「……まぁいいや。んで勇者、乗り込むのに何か作戦とかあるか?」


626以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/06(木) 19:41:28jI2HFAdk (2/3)

勇者「領主のくれた情報と地図によると遺跡の西側部分に街の人たちが閉じ込められているらしい」カサッ

女戦士「デッケェ宮殿だったんだな。間取りを見る限り、本来召使いとかが寝泊まりする区画か?」

勇者「東側に王の間とあるから恐らくそうだろうな。見れば分かる通り、建物の周りに何もないから非常に見通しがいい」

女戦士「……見つからずに連れ出すのは困難ってワケか。できれば一戦おっ始める前に救出するのがベストなんだがなぁ……」

勇者「そこで私の作戦はこうだ。……真正面から切り込む」

僧侶「えぇぇぇぇ!?勇者さん何言ってるんですか?」

女戦士「あたしは大歓迎の血の毛たっぷりの作戦だな。……が、街の人たちの安全はどうするんだ軍師さん?」

勇者「まず私たちを救出班と陽動班の二手に分けて襲撃」スッ

勇者「陽動班は逃げ回りつつ出来るだけ敵を打ち倒し、敵に増援を呼ばせるように暴れ回る――救出班はその混乱に乗じて西エリアに乗り込み、手薄になった警備を突破し救出」

勇者「安全な場所まで誘導した後、陽動班合流し、大将に仕掛ける」

勇者「……無茶は承知だ。ただ人命を優先するならこの案しかないだろう」

女戦士「勇者、その案に乗ったぜ。少なくともあたしの作戦より勝ち目がありそうだ」

僧侶「女戦士さんの作戦ってどういうのですか?」

女戦士「片っ端から斬る」

僧侶「…………」


627以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/06(木) 23:16:43jQ/qppYY (1/1)

戦士の作戦大好きだ


628以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/06(木) 23:24:05jI2HFAdk (3/3)

女戦士「で、どう分けるんだ?」

勇者「救出班は目立たない方がいいだろう。だから陽動班が2人で、救出班が1人だ」

女戦士「よっしゃ!暴れる役目はあたしが――」

勇者「女戦士は救出班だ」

女戦士「――ッなンでだよッ!?」

勇者「すまない。……私の体が隠密目的に向いてないから、としか……」

僧侶「確かに勇者さんが戦う時結構音が出ますよね。この前モンスター倒した時も『パコォォォォォンッ!』って凄い音出てましたし」

女戦士「ぐぬぬぬッ!」

勇者「……頼む」

女戦士「ぐっ……分かったよ。あれだぞ、全部倒したりすんなよ。あたしが暴れる分取っとけよな」

僧侶「って待ってください勇者さん!わたし陽動班なんですか!?」

勇者「ああ」

僧侶「あわわわわ……よく考えたら最初からわたし陽動班確定じゃないですか……」ブルブル

勇者「大丈夫。私の命に変えても守り切る」

僧侶「あ……はい……///」


629以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 00:12:45QnLIRuzw (1/7)

――――

勇者「――オークマン、ブラウニー、それにスライムナイト」

僧侶「基本は【下段ガード】基本は【下段ガード】……」ブツブツ

女戦士「おーおー。思ってたより数揃えてやがるな」

僧侶「攻撃が来ない事を確認して落ち着いて距離を取る……」ブツブツ

勇者「……女戦士」

女戦士「そんな心配そうな声出すなって。荒事には慣れてるし、忍び込むのもこれが初めてってワケじゃない」

勇者「街の人たちを頼む」

女戦士「任しとけ。あたしが行って10分経ったら始めてくれよ」

勇者「了解した」

女戦士「ほんじゃぁチャチャッと終わらせますか」タンッ

ストッ

僧侶「わー、女戦士さん猫みたいですね」

勇者「頼もしい限りだ。……こちらも準備を整えるとしよう」

僧侶「は、はい!」


630以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:06:20QnLIRuzw (2/7)

――――

オークマン「……二日酔いがひどいブヒ。早番なのすっかり忘れてたでブヒ」

シュトッ

オークマン「……ブヒ?」

勇者「いざ尋常に――」スッ

僧侶「しょ、勝負です!」ガクガク

――――

プギィィィィィ…

女戦士「お?おっ始めやがったか」

ガチャッ

スライムナイト「何だぁ?今の叫び声は……って……」

女戦士「よっ」

スライムナイト「し、侵入――」

ドゴォッ

女戦士「――っと、駆けつけるならあっちにな」


631以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:18:28QnLIRuzw (3/7)

――――

女戦士「ええっと確かこっちの廊下を……」

ガタッ

女戦士「――ッ」チキッ

――ヒュッ

「ひっ……!」

女戦士「ッと……何だ?子ども?」

「こ、ころさないで……」

女戦士「あぁ、悪い悪い。てっきりモンスターかと思ったからよ」

「……おねぇちゃん、だれなの?」

女戦士「あたしは女戦士。お嬢ちゃんは?」

「わたし、幼女っていうの……」

女戦士「幼女ちゃん、あたしは敵じゃない。街の人たちを助けに来たのさ」

幼女「ほっ、ほんとう!?」

女戦士「本当だよ。幼女ちゃんは何でこんなところにいるんだ?」


632以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:29:50QnLIRuzw (4/7)

幼女「……わたし、からだがちいさいから、おりをすりぬけて、それで……」

女戦士「助けを求めようとしたんだな?」

幼女「……うん」

女戦士「偉いな。でも姉ちゃんが来たからにはもう安心だ」ナデナデ

幼女「うん!」

女戦士「幼女ちゃん、街の人たちが捕まってるところまで案内できるか?」

幼女「できるよ。こっち!」タッ

――――

テクテク

女戦士「なぁ幼女ちゃん」

幼女「なぁに?」

女戦士「街の人たちは無事なのか?」

幼女「うん。でもこわいひとたちに、しぬまではたらかされるっていわれてて、みんなかなしいの」

女戦士「……ひどいな。早く助けてあげないとな」

幼女「おねぇちゃんがきてくれてよかった」


633以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:42:18QnLIRuzw (5/7)

テクテク

幼女「おねぇちゃんはひとりできたの?」

女戦士「いんや。仲間と一緒に来たよ」

幼女「……いないよ?」キョロキョロ

女戦士「ここにはな。今幼女ちゃん達を救うのに二手に別れてるのさ」

幼女「いっぱい?たすけてくれるひとたくさんいるの?」

女戦士「あたし含めて3人だよ」

幼女「……すくないね」

女戦士「まぁ多くはないけどな。でもな、強いし頼りになる仲間たちだぜ?……まぁ1人はちょっと頼りないんだけど」

幼女「おねぇちゃんよりつよいの?」

女戦士「……うーん、悔しいけど……あたしより遥かに強いな」

幼女「おねぇちゃんすごくつよそうなのに」

女戦士「ハハッ、こう見えてもドラゴン位なら倒せるんだぜ?」チキンッ

幼女「それはかなりのもさだね。あたまはよわそうだけど」

女戦士「まぁ確かに頭は良く……ん?」


634以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:45:03qSFAiDVQ (1/1)

やっぱり…


635以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:45:34go9XkwPA (1/1)

魔よう女だったか


636以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 01:53:51pyXgP.0E (1/1)

ほう……


637以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 02:05:56QnLIRuzw (6/7)

幼女「こっちははずれかぁ……さかばからのほうこくにあったじんぶつぞうとそっくりだったのになぁ」

女戦士「……幼女、ちゃん?」


幼女「……気味が悪い呼び方をするでない。虫唾が走るわ」

シュォォォォン…

魔妖女「久し振りに人間になぞ化けたのぅ。……最も此方の腕はまったく鈍っておらんようじゃが」ホホホ

女戦士「てっ、テメェッ!」

魔妖女「此方を手前呼ばわりとはなんと無礼な……」

魔妖女「此方は魔妖女。魔王さまに仕える高貴でまことに美しい魔の眷属ぞ?ここまで来た褒美じゃ、特別に此方を様付けで呼んでも良い――」

女戦士「へっ!丁度いい!手間が省けたぜ!大将首貰い受ける!」チキッ

魔妖女「――此方がまだ喋っているであろう?」

――ビキッ

女戦士「なッ……か、体が動かない……ッ!?」ギシッ

魔妖女「見た目から期待はしておらんが……まったく知性の低い雌猿よのぅ」フワフワ

女戦士「てンめぇ……!あたしに何しやがった」

魔妖女「会った瞬間からお主には強い『魅惑《チャーム》』をかけておる。もう己の意思じゃ指一本動かせぬ、此方の人形じゃ」ホホホ


638以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 03:57:55QnLIRuzw (7/7)

魔妖女「此方からの質問じゃ。街道付近で此方らの同胞を傷めつけたのはお主らか?」

女戦士「けっ!誰が敵の親玉なんかに――」

魔妖女『 お 主 ら か え ?』

女戦士「ぐっ……そっ、そうだ。あたし、たちがやっ、た……」ギシッ

魔妖女「ほぅほぅ!では、当たりじゃのぅ。これで手柄は此方が独り占めじゃ!」ホホホ

女戦士「クソッ……!」

魔妖女「さて、問題は別の場所で暴れておる人間かの。はて……どうしたものか」

魔妖女「……!」

魔妖女「ほほ、此方はいい考えを思いついたぞ。聞けぃ雌猿」

女戦士「雌猿じゃねぇ!女戦士だ!」

魔妖女「此方にとっては猿じゃ。故に名前など必要ないわ。……宴じゃ。宴を開くのじゃ」

女戦士「……う、宴だぁ?」

魔妖女「砂以外見るものがなくて退屈しておったからのぅ。良い余興じゃ」

女戦士「……何言ってるんだコイツは……」

魔妖女「そうと決まれば急がなければのぅ……」


639以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/07(金) 09:28:11em3L1mxc (1/1)

はよ


640以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 03:10:30mz5WsK76 (1/4)

――――

勇者「飛燕疾風脚ッ!」ビシッ―

―パコォォォォォン!

オークマンG「プギィィィィィィッ!?」


僧侶「あわわわわわわ!こ、こっち来ないでくださいー!」タッタッタッ

オークマンI「プギィッ!この小娘め!さっきからチョロチョロと逃げ――」

勇者「暫烈拳ッ!」ドゴゴゴゴゴゴゴッ―

オークマンI「ぶっ!ブキィッ!?あぶっ!ぐぶひはァ!」


―パコォォォォォン!!

オークマンI「ぶ、ぶひぃぃぃぃぃぃっ!?」

勇者「……よし。僧侶さん大丈夫か?」

僧侶「何回か鉄球に当たりましたけど、むっ、無傷です!でもすごい怖かったです……」ガクガク

勇者「ケガがないなら良かった。……そろそろ女戦士がこちらに合流する頃合いだと思うんだが――」

「なんとまぁ……此方の親衛隊がぼっこぼこにされているではないか」


641以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 03:28:50mz5WsK76 (2/4)

勇者「誰だ!」

魔妖女「此方は魔妖女、と紹介するのも飽きたのぅ。まぁ良い。……お主があの雌猿が言って……おった……」

勇者「……雌猿?」

魔妖女「……ふむぅ……ほぉう……これは……」ジロジロ

魔妖女「お主、イ~イ男じゃのぅ♪」


勇者「…………」

僧侶「……は、はい?」

魔妖女「しかも我に遥かに及ばぬとは言えこれだけの豚を蹴散らす実力、実に見事じゃ」ホホホ

魔妖女「……のぅお主、此方に仕えてみる気はないかの?」

僧侶「なっ、何言ってるんですかあなたッ!?」

魔妖女「もちろん給金はた~んと弾むぞ?召使いも好きなだけつけてやろう。女が欲しければ此方の奴隷をあてがってやっても良いぞ」

勇者「…………」

魔妖女「それにお主が望むならば……畏れ多くも此方が相手をしてやっても構わぬしのぅ♪」クネリ

―ドタプンッ

僧侶「…………」


642以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 03:58:00D3aYmS8g (1/1)

魔妖女さん人生楽しそうやね(´・ω・`)


643以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 04:00:44mz5WsK76 (3/4)

魔妖女「どうじゃ?こんな小さな街の用心棒より、此方の方がよっぽど条件が良いじゃろ?ん?」

「――ッバカ野郎ッ!んな条件に乗るワケねぇだろうが!」

勇者「……その声は、女戦士!」

僧侶「女戦士さん!」

魔妖女「……此方の命令に背いて勝手に喋るとは、面倒のかかる雌猿よのぅ」

勇者「女戦士。その鎖は……」

女戦士「……面目ない。捕まっちまった」

魔妖女「まぁそういうワケじゃ。この雌猿は此方にホイホイと騙されてホレ、この通りじゃ」

魔妖女「本当はお主らをボコボコにしてそれを酒の肴にして宴を開き、更にそれを見せつけて奴隷どもの教育を兼ねようと思っておったのじゃがのぅ……」

魔妖女「此方の気が変わった。そこの此方好みの男子よ、名は何という?」

勇者「……勇者だ」

魔妖女「ほほ!勇者とな!此方は益々気に入ったぞ!是非とも此方のものにしたい!」

魔妖女「……そこでじゃ勇者とやら。此方とげぇむをしようではないか」

勇者「ゲーム?」

魔妖女「そうじゃ。げぇむをして勝負し、勇者が勝てば女戦士は返そう。負ければお主らは全員死ぬまで此方の奴隷じゃ。悪くはない条件じゃろぅ?」


644以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 04:44:53mz5WsK76 (4/4)

勇者「……従わなければ?」

魔妖女「当然今そこにいる雌猿は返さぬぞ。死ぬよりもっとひどい目に合わされるかもしれんしのぅ」ホホホ

勇者「分かった、従おう。……ただ、頼みがある」

魔妖女「頼みとな?」

勇者「私が勝ったら、女戦士と砂漠の街の人たちも解放して欲しい」

魔妖女「ふむぅ、しかしそれだと釣り合いが取れぬのぅ……。此方は譲歩するのに、何もないのじゃ張り合いはないしのぅ……」チラチラ

勇者「……分かった。では私が負けたなら、魔妖女に生涯仕えると誓おう」

女戦士「なッ――」
僧侶「ゆっ、勇者さぁぁぁぁぁんッ!?」

魔妖女「ホホ!確かにそれなら釣り合いは取れるのぅ♪良い良い、頼みを聞いてやるぞ」フワフワ

勇者「ゲームの内容はなんだ?」

魔妖女「単純明快じゃ。1対1で戦い、どちらかが倒れるまでのですまっち。凶器の使用も反則もどんと来いの死合じゃの」

僧侶「バ、バーリ・トゥード……」

魔妖女「血湧き肉踊る最高の見世物になるのぅ♪――おい豚ども!監禁している奴隷どもを連れてくるのじゃ」―ブヒィッ!シャーッス!ヨウジョタンッ!

魔妖女「それとそこのチビども!王の間に即席の闘技場を設けよ。酒と食事の準備も忘れるでないぞ」―カシコマリマシター!メロメロー!マヨージョサマー!

勇者「…………」


645以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 09:09:17WLbvmlMc (1/1)

羨ましい


646以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 09:25:28ADBUYKow (1/1)

幼女なのにドタプン……だと……?
けしからんな


647以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 10:21:21VK4cB1Gc (1/1)

え、幼女にクネリされてもあんまり…


648以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 13:59:40zlUKT7Go (1/1)

幼女じゃなぁ…出直して参れ


649以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/08(土) 15:23:28dDKLmRWE (1/1)

幼女に厳しいなお前ら


650以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 01:27:45WCbwqGLI (1/1)

俺がもたってくNE!


651以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 02:46:56s/wjAfDo (1/4)

――――

魔妖女「見れば見るほど良い男じゃのぅ♪引き締まった筋肉に凛々しい顔立ち……是非とも此方のモノにしたいのぅ」

ザワザワ…

「――お、おい何だ?何が始まるんだ?」

「あの若者が俺たちを救いに来てくれたみたいなんだ」

「どうやらあの魔女にあの男が勝てば俺たちは自由の身らしい――」

魔妖女「もう一度聞くが勇者よ、此方のモノになる気はないのかえ?わざわざお主が傷つかぬとも良いのじゃぞ?」

勇者「ない」

魔妖女「ほほ!言い切りおったか!頑固に一途、うぅむ益々お主が欲しくなったぞ!」

女戦士「ごちゃごちゃうるせぇな!さっさと勝負しろデカ乳女!」

魔妖女「ホホ、雌猿の癖にひがみよるか。まぁ此方の美貌とすたいるじゃ無理もないかのぅ」シナッ

魔妖女「見よこの、ぼんっ、きゅっ、ばんっのぱぁふぇくとぼでぃ」クネリ

魔妖女「そこのちんちくりんのまな板や、割れ割れ腹筋の雌猿とは比べものにならぬ」

僧侶「たっ、平じゃないです!少しならわたしだって……!」
女戦士「猿じゃねぇ!このッ……何百年も生きてるクソババァめッ!」

魔妖女「色気がないからと言って喚くのは醜いのぅ。お主らではろくに年上のお姉さんぷれいもままならぬだろうに」ホホホ


652以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 02:57:43s/wjAfDo (2/4)

魔妖女「我が下僕たちよ!この世で一番美しいのは誰じゃ!」

ブヒブヒィッッ!シャッース!ヨウジョタンガテッペンデブヒィィィ!
ハイハーイ!メロメロー!マヨージョサマガイッチバンデース!

魔妖女「この世で一番スタイルが良くてボンキュッバンなのは誰じゃ!」

ブブブブヒィィィッ!シャーッス!ヨウジョタンノムネモミテーデブヒィィィ!
ハイハーイ!メロメロー!マヨージョサマガボンキュッバンデース!

魔妖女「この世で一番大人の色気溢れるお姉さんは誰じゃ!」

ブヒッヒッヒー!シャーッス!ヨウジョタンシカイナイデブヒィィィィィ!
ハイハーイ!メロメロメローン!マヨージョサマイガイアリエマセーーーーン!

魔妖女「その高貴で美し~い此方が今からげぇむを執り行う!下僕に奴隷どもも目をかっぽじって最後まで見届けるのじゃぁ!」

―ブヒヒヒィィィ!
―オォォォォォォォ!

魔妖女「――ふぅ。それでは第一戦目を始めるとするかの」

女戦士「……何?一戦目?」

魔妖女「そうじゃ。まず手頃な豚を勇者にあてて――」

女戦士「なッ、お前が戦うんじゃねぇのかよ!?」

魔妖女「……はて?いつ此方がそんな事言ったかのぅ?」ホホホ


653以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 03:16:35s/wjAfDo (3/4)

魔妖女「1対1の死合としか此方は言っておらんぞ。故に勇者は軽く100戦はしてもらう事になるかの」

魔妖女「此方以外戦える者がいなくなったら、勿論此方が相手をするがのぅ。まァ、万に一つもないじゃろうが」ホホホ

女戦士「てン、めぇ……!」ギチィッ

女戦士「…………」

女戦士「勇者なめんじゃねぇぞ乳牛女……」ギロッ

オークマンZ「貴様ッ!さっきから黙って聞いていれば――」

魔妖女「まぁ良い良い。此方が勇者のナニをなめているというのじゃ?」

女戦士「へっ。いくら数がいたところで豚合の衆だ。さっきまでぶっ倒されてた奴が束になってかかっても……勇者には勝てねぇんだよ」

オークマンZ「……ほぅ」ニヤニヤ

魔妖女「それはそれは困るのぅ」フワフワ

女戦士「……何が可笑しい」

魔妖女「ホホ、それは戦いが始まってからのお楽しみじゃ♪」

オークマンZ「そういう事だ雌猿」

女戦士「――あァッ!?」ギロッ

オークマンZ「そ、そういう事なのです女戦士様」ガクガク


654以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 03:30:38IS1I.SAY (1/1)

そろそろ世紀末始まるか?


655以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 03:47:28.y0lvPJQ (1/1)

世紀末勢なら三桁でも余裕だな
最終ラウンドだと小パンから即死するゲームだし


656以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 04:02:38s/wjAfDo (4/4)

――――

魔妖女「それでは第一死合を行うぞ」

魔妖女「ルールは単純。1対1で反則無しじゃ。仲間の支援なぞもっての外じゃ」チラッ

勇者「……僧侶さん」

僧侶「は、はい。……あの、わたし、応援しますからっ!勇者さん頑張れーって、応援しますからっ!」タッ

魔妖女「関係者以外はりんぐを下りたようじゃの。それでは死合開始――の・前・に♪」フワフワ

僧侶「へ?」
女戦士「あ?」

魔妖女『オークマンAよ』

オークマンA「ブッブヒッ!?はははははいでブヒィッ!」

魔妖女『お主は此方の為に戦ってくれるのかの?』

オークマンA「そっ、もっ、勿論でブヒッ!命を賭けて戦うでブヒッ!」

魔妖女『 命 を …… そ れ は 本 当 か え ? 』

オークマンA「ブッ……は、はい。命を賭けますで、ぶひ」

魔妖女『 持 て る 力 の す べ て を 使 い 、例 え 手 足 が 千 切 れ よ う と も 、此 方 の 為 に 戦 っ て く れ る か の ? 』

オークマン『ブシュー……チカラ、スベテ使ウ。オデ、ツヨイ。オデ、シンデモ、妖女タンノ為ニ、タタカウ。ブシュルルルッ!』


657以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/09(日) 14:02:09imi0KIx2 (1/1)

メーカーがパッチ当ててない、公認バグはよ


658以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 00:50:04KkRBrLOA (1/1)

格ゲーならば疲労は無いから問題ないな。


サバイバルモードだとキツイが


659以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 02:06:162ld20fBI (1/7)

女戦士「な、なんだありゃ……筋肉が不自然に隆起して目も血走ってやがる……」

オークマンZ「ブヒヒ、あれこそ妖女たんの真骨頂!『魅惑《チャーム》』で強烈な暗示をかけて、俺たちの脳のリミッターを外しているんだブヒ」

女戦士「あァ!?仲間の支援は無しだってアイツが言ったんだぞ!」

魔妖女「支援なぞしておらんわ。コレはただの個人的な応援じゃ。のぅ?」

オークマンA「妖女タンノ応援。オデ、シヌマデ、タタカエル」ブシュー

女戦士「くっ……!」

魔妖女「さて、此方の下僕も準備万端のようじゃ」フワフワ

オークマンA「ブシュー……コロス。勇者コロス。オデモラウ。ホウビモラウ」

―フワリ

魔妖女「此方も正直、もう辛抱堪らぬしのぅ」ホホホ

女戦士「クソッ、勇者!負けるんじゃねぇぞ!」

僧侶「勇者さーん!頑張れー!」フリフリ

勇者「…………」スッ

魔妖女「――死合開始じゃ♪」ヒュッ

―ボワァァァァン!


660以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 02:23:302ld20fBI (2/7)

タンッ

女戦士「――バックステップ!いい判断だ勇者!間合いを取ってフットワークでかき回せ!」

オークマンA「逃ゲルナッ!」ダダッ

勇者「…………」ピタァ

女戦士「あぁ!?あいつ何立ち止まって――」

僧侶「ゆ、勇者さん……!」


勇者「――ッ」グッ―


女戦士「か、構えた……?」


ググッ―

勇者「――波動拳ッ!」


オークマンA「!?」
女戦士「!」
僧侶「!」

魔妖女「……ほぅ」


661以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 02:42:002ld20fBI (3/7)

―ベチィッ!

オークマンA「ブヒュァッ!」

勇者「…………」

女戦士「何なんだよ今の火の玉は……」

僧侶「は、初めて見ました!勇者さん魔法使いさんみたいに火の玉出せたんですね!」

魔妖女「……体つきからして武闘家だと思っておったがのぅ。魔法の心得もあるとは意外じゃ」

女戦士(何だよアレ……超カッコイイじゃねぇか……何であの技あたしに教えなかったんだ勇者の奴……許さねぇ――)

僧侶(ゆ、勇者さん超カッコいいです!こ、こうですかね、腰だめに手をこうやってそれでええと、こう、えいやー!って感じで掌を前に――)

魔妖女(……ふむ、魔力は微弱――此方が気付かない程度ならMPも多くないじゃろう。……牽制に魔法を使う魔法拳士と言ったところかの)

オークマンA「…………」

オークマンA「妖女タンノ前デ、オデ、恥カイタ」

オークマンA「……コロス!勇者コロス!絶対ニ、コロス!ガァァァァァッ!」ダダッ


勇者「波動拳ッ!」

ベチィッ!

オークマンA「ゴブヒュァッ!」


662以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 02:52:182ld20fBI (4/7)

オークマンA「ッガァァァァッ!」ダダッ

勇者「波動拳ッ!」

ベチィッ!

オークマンA「ブベェッ!」

オークマンA「……コ、コロス!」ダダッ

勇者「波動拳ッ!」

ベチィッ!

オークマンA「ドブファッ!?」ヨロッ

オークマンA「オ……オ……ブオォォォォォッ!」ダダッ

勇者「波動拳ッ!」

ベチィッ!

オークマンA「アブババァッ!?」グラリ

女戦士「す、すげぇ。あの豚がまったく近寄れねぇ」

僧侶「でも火の玉をアレだけ受けてもまだ倒れないなんて……あの豚さん怖いです」

魔妖女「痛みなぞ感じてない上に、身体能力も増々じゃ。あの程度で倒れはせぬわ。……ふむ、しかしそれにしても興味深い技じゃのぅ」クネリ


663以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 03:04:012ld20fBI (5/7)

――――

オークマンA「ブシュー……ブシュー……」ジリッ

勇者「…………」


女戦士「もう少しで勝負が付きそうだな」

僧侶「あの『波動拳』だけで、豚さん倒れる寸前ですよ」

女戦士「あぁ。触れさせもしてないのはすごいさ……ただな――」

女戦士「魔法使いみたいにMP切れ起こさないかと心配でな……」

僧侶「ああーっ!?も、もうかなりの回数撃ってますよ!それこそ数えられないくらいに!」

女戦士「……もし一戦目でMP切れになったら、後の強化豚に真正面から挑まなきゃならねぇ」

女戦士「そうなったら流石に勇者も無傷ではいられない。……しかも回復もできないんだしな」

僧侶「……うぅ」ズーン


勇者「波動拳ッ!」

オークマンA「――ブヒッ!」ダンッ!

女戦士「あの豚飛びやがった!」


664以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 03:15:572ld20fBI (6/7)

―ヒュォォ!

オークマンA「勇者ノ首ッ!貰ッタァッ!」

勇者「…………」

――――

女戦士「クソッ!『波動拳』を繰り返したのが裏目に出たのか……!」

僧侶「! 女戦士さん。アレを!」

女戦士「どうした僧侶。何が……あ……!」

僧侶「大丈夫です女戦士さん!勇者さん、豚さんをきっちり見据えてます!」

女戦士「それに全身の力を大地へと溜めるあの構えは――」

僧侶「そうです!わたしたちが何度も見た『アレ』ですよきっと!」

――――

グググッ…!

勇者「――ッ」ダンッッッ

―グンッ

勇者「――昇竜拳ッ!」


665以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 03:47:122ld20fBI (7/7)

―ドゥクシッ!

オークマンA「ブビルボファァッ!?」
―ズシャー!

女戦士「決まったー!理想的な対空だぜ!」

僧侶「豚さんがこっちに跳んだ速さの分、威力がすごいです!」

オークマンA「オ……グ……ブ、ブシュー……」ヨロヨロ

勇者「波動拳ッ!」

ベチィッ
オークマンA「ブファァッ!?」

オークマンA「ア……グ……ガアッ!!」ダンッ

勇者「昇竜拳ッ!」

ドゥクシッ!
オークマンA「ゴボッ!?……ブホッ……」
ズシャー!

勇者「波動拳ッ!」
勇者「波動拳ッ!」
勇者「波動拳ッ!」
―屈弱K x n
勇者「波動拳ッ!」
勇者「昇竜拳ッ!」


666以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 10:29:51Ktlr1md. (1/1)

鬼や、鬼がおる


667以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 14:48:53yqCI6dT2 (1/1)

カクゲー内の波動拳はやっぱり魔力消耗しないのかね


668以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 15:27:14wSyV1fYE (1/1)

勇者にmpないし大丈夫なんじゃね?


669以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 16:33:293rJrmvYw (1/1)

むしろゲージが溜まるんだろ


670以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 18:13:420wMWswgw (1/1)

殺意に目覚めるのか


671以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/10(月) 22:41:07AVIuBi3Y (1/1)

トラウマを垣間見た


672以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 02:55:12CEGTQtss (1/1)

赤い波動拳ってのもあるんだぜ?


673以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 03:58:47fkHDlo/U (1/2)

――――

ズシャァァ…

オークマンA「」

K.O.

YOU WIN PERFECT

勇者「…………」ウデクミッ

フワフワ

魔妖女「……勝負続行は不可能……のようじゃのぅ」

魔妖女「…………」

魔妖女「……第一戦は勇者の勝利とする」

女戦士「ぃよっっしゃぁぁぁ!」

僧侶「――ぅうー!頑張れ頑張れ勇者さんっ!頑張れ頑張れ勇者さぁぁぁんっ!」


魔妖女「……ふむぅ。1人目で魔力を使い切るような無計画な男に……最後まで頑張れとはちと酷ではないのかえ?」

僧侶「それでもっ!それでも勇者さんなら何とかしてくれるんです!」キラキラ

魔妖女「………………気に入らぬのぅ。次の豚!此方の前へ来い!」ガジガジ


674以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 04:38:35fkHDlo/U (2/2)

――4豚目

勇者「虎煌拳ッ!」
ベチィィンッ

オークマンD「ブホッ!?」

勇者「おぅりゃぁっ!」

ボグッ パァァァンッ―

オークマンD「」ドサッ…

魔妖女「……ホホ、思うてたよりずっと魔法よりの拳士だったのぅ。人の癖になかなかやりおるわ」ガジガジ

――27豚目

勇者「クラエー!クラエー!クラエー!クラエー!――」
ボゥッ ボゥッ ボゥッ ボゥッ ―

オークマン2「ロ、クニ、動ケ……ッ」

勇者「ウォルィァッ!」

ボボゥッ…

オークマン2「」ドシャァ…

魔妖女「……ま、まぁまだ1/3程度じゃろぅ?計算の内じゃ。それに此方のものになるには、弱くてはお話にならぬからのぅ。ホ、ホホ」ガジガジ


675以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 06:43:54RwxF62Xk (1/1)

魔妖女には是非龍子の拳での必殺トドメでおねしゃっす


676以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 07:27:27BEQ8aVMw (1/2)

あっ…(察し)


677以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 07:30:42BEQ8aVMw (2/2)

ウメハラは開店から閉店まで対戦で勝ち続けたなんて逸話あるくらいだし
勇者なら100戦くらい余裕だな


678以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 13:28:32TDzxyTa2 (1/1)

勇者にブレイブルー設定は危なすぎると 今実感した


679以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 18:15:46vSr5zQ76 (1/1)

>>678
大丈夫だ、この勇者もっとヤバいジョインジョイントキィしてたから


680以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 18:19:4943Qc4Fgg (1/1)

そのうちテレッテーはありますか?


681以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 20:49:55mVwIRWiA (1/1)

その昔ガンダムWのカクゲーがあってだな…


682以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 22:10:39JXHW1kLU (1/1)

前から思ってたが深夜板にしてはこのスレ書き込み数多いよな
なんか珍しい


683以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/11(火) 22:14:22HDqcsSAc (1/1)

そのうちバグって空中を走り出しそうだ


684以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/12(水) 08:42:16aVogGIlM (1/1)

レインボーかよwww


685以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 03:56:15tJJjKJzg (1/4)

――72豚目

勇者「烈風拳ッ!ダブル烈風拳ッ!」
ビシィ ベシベッシ―

オークマン47「ブヒィッ!?イイ加減ニ――」ダンッ

勇者「ライジングタックルッ!」

ガガガガッ

オークマン47「」ズシャァ…

魔妖女「……此方の強化した下僕を……こうもあっさりと……」

魔妖女「…………」

魔妖女「なんなのじゃ……お主は一体何者なのじゃ……」ワナワナ

魔妖女「魔法を放ち続けても一向に尽きる気配はないし、そもそもお主から感じる魔力も不安定じゃ」

魔妖女「それにお主が展開している結界は何じゃ?此方でも干渉できないソレは何なのじゃ!?」

魔妖女「お主は……お主は一体何者なのじゃぁ!」プルプル

勇者「……私は勇者、通りすがりのただの拳士だ」

魔妖女「お、お主のような拳士がいるわけなかろう!」

勇者「……魔妖女、次の者を頼む」コキコキッ


686以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 04:00:01tJJjKJzg (2/4)

魔妖女「くっ!……うぬぅぅぅ!」ガジガジ

魔妖女(このままでは確実に此方が勇者と戦うはめになってしまうではないか……!)

魔妖女(こんな意味不明の力と技を持った男子なぞと戦いとうないしのぅ……)

魔妖女(まだ弱っておれば此方もやりようがあるのじゃが……)

チラッ

勇者「シッ!……フッ、フッ」ペカー!

魔妖女(弱っておるどころか生き生きしておるではないか!一体どういう体の構造をしておるんじゃ!そもそも人間なのかぇ!?)

魔妖女(何かいい手はないものかのぅ……)

魔妖女(…………!)

魔妖女(そうじゃ!その手があったのぅ!)

魔妖女「……コホン。雌猿、ちとこちらへ来い」チョイチョイ

女戦士「……あァん?何でテメェの言うことに――」

魔妖女『 こ ち ら へ 来 い 』

女戦士「ガッ……!は、い」ギシッ

魔妖女『 良 い か ? ―― で ―――― し た ら ―― じゃ。 分 か っ た か の ぅ ? 』ボソボソ


687以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 04:02:57tJJjKJzg (3/4)

女戦士「わ、かり……まし、た……!」ギチッ

魔妖女「ほほ。それでは頼んだぞ」フワフワ

――――

女戦士「よ、よう、勇、者」

勇者「おお、女戦士か。ケガとかしてない――」

女戦士「――す、まん」ギュッ

僧侶「ああああああああああっ!!!」

勇者「おっ、と……?」

女戦士「しば、らく……こ、のままで……」ギュゥッ

勇者「……やっぱりどこかにケガを――」

僧侶「女戦士さん何やってるんですかぁ!それは勝った時にやるハグですよハグ!もしくは抱擁ですよ!それを何の脈絡なくやるなんて――」

女戦士「あ、あた……し、から……!」ギュゥゥゥ

勇者「……?」

女戦士「逃げ、ろ……!あぐっ!?」ギシッ ギュゥゥゥ

勇者「……逃げる?」


688以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 04:11:28tJJjKJzg (4/4)

スッ

魔妖女「残念時間切れじゃ。もう少し雌猿の忠告が早ければ良かったのにのぅ。……雌猿は後でお仕置きじゃが」

魔妖女「雌猿に押さえられてろくに動けぬじゃろぅ?」

勇者「いっ――」

魔妖女「問答無用じゃ!此方の『魅惑《チャーム》』をとくと食らうが良い!」

―ギンッ!

勇者「…………」ガッ

女戦士「す、すま、ねぇ……勇、者……」ギュゥゥ

魔妖女「…………」ジーッ

勇者「…………」

魔妖女「……充分じゃろ。ほほ、最初からこの手を使っておれば手間が省けたというに……此方はついうっかりしておった」テヘ

魔妖女「さぁ勇者よ、我が下僕となるがよい!」

女戦士「すま、ねぇ……勇者……」ギュゥゥ


勇者「断る」コキコキ

魔妖女「」


689以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 06:11:46C9NoI.wU (1/1)

格ゲーにピヨりあっても魅了無いもんな、多分


690以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 07:14:24cAPGdwvA (1/1)

有ったとしてもレバガチャで……
まさか首をコキコキってそういう?


691以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 07:49:127awZgyL6 (1/1)

状態異常は自然治癒するからなぁ


692以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/13(木) 10:30:52JWfUV0gI (1/1)

レバー方向が上下左右反転するとかはあるけど…DotダメージもRPGと違って時間治癒だしなぁ…w


693以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 04:58:067gKmcO3c (1/3)

魔妖女「……な、何故じゃ!?お主、此方の『魅了《チャーム》』が効いておらんのか!?」

勇者「……チャーム?」

魔妖女「くっ……!もう一度!もう一度じゃ!『魅了《チャーム》』が効かぬはずないのじゃ!」

―ギィンッ!

勇者「…………」ガッ

魔妖女「こ、今度こそ――」

勇者「……?」コキコキ

魔妖女「な”っ!?……何故じゃぁぁぁぁ!ありえん!ありえんのじゃ!」

―ギィンッ

勇者「…………」ガッ

魔妖女「うぬぅぅぅぅ!此方の『魅了《チャーム》』にかからない者など――」

―ギィンッ

勇者「……?」ガッ

魔妖女「い・な・い・の・じゃぁぁぁぁ!」
―ギィンッ ギィンッ ギィンッ ギィンッ パチッ♪

勇者「…………」ガッ


694以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 05:13:497gKmcO3c (2/3)

魔妖女「き、効かぬ……此方の『魅了《チャーム》』が……勇者にまるで効かぬ……」

勇者「……『ちゃぁむ』と言うのは、先程から繰り出している技の名前か?」コキコキ

魔妖女「そうじゃ!此方のせくしぃさと瞳術を組み合わせた全くもって新しい催眠術に何故お主はかからんのだ!」

勇者「かかるも何も……あれだけ【予備動作】が大きければ【ガード】は簡単に間に合うからな」

魔妖女「……な、なに?がぁど?」

勇者「【ガード不能】でもない技を当てたいなら、相手の意識を散らして狙いにいくべきだろう。【中下段】を執拗に狙った後の【投げ】は通りやすいのと同じだ」

魔妖女「ちゅう、げ?お、お主は一体何の話をしておるのだ!」

勇者「あるいは相手を【ピヨ】らせるか、【有利フレーム】を大きく取って当てるか、私の【牽制】に合わせて技を振るか――やりようは幾らでもある」

魔妖女「つ、つまりどういう事なのじゃ!?」

勇者「……ガードを固めた私に『ちゃぁむ』とやらは効かない」


魔妖女「魔王領随一の魔術師と謳われた此方の術が……お主には、効かぬのか……」

魔妖女「…………」

魔妖女「……ならば」カッ

魔妖女『 …… 女 戦 士 よ 。剣 を 構 え ぃ 』

勇者「!」


695以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 05:32:537gKmcO3c (3/3)

女戦士「くっ……!」ギシッ チキッ

勇者「……何をするつもりだ魔妖女」

魔妖女「この雌猿は聞くところによると、剣の名手らしいのぅ」フワフワ

魔妖女「で、あれば己の首を斬り落とすくらい――造作もないはずよのぅ」ホホホ

勇者「くっ……」

僧侶「そっ、そんな!ひどいです!」

女戦士「きっ、たねぇ……真、似、しやがっ、てぇ……!」ギチチッ

魔妖女「そうなるのは嫌じゃろう勇者?此方とてそのような気分の悪くなるものを見とぉはないからのぅ」

魔妖女「……そこで、じゃ。お主が此方のものになるのであれば――この雌猿や奴隷どもを解放してやっても良い」

勇者「……街の人たちもか?」

魔妖女「そうじゃ。此方の親衛隊もこの通り壊滅状態じゃしの。……どうじゃ、痛み分けということで手を打たぬかの?」

勇者「…………」

魔妖女「言うまでもなく、断れば斬首じゃのぅ……」ホホホ

勇者「……私は――」

女戦士「やめ、ろ……ッ!」ギシィッ


696以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 05:43:31ePPdFD9M (1/1)

あれ これって女戦士一回倒せばリセットされるんじゃね(


697以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 06:24:587vvk2kBo (1/2)

負けても2ラウンド目には治ってるもんな


698以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 07:22:59VSflYmOQ (1/1)

だよなぁ…


699以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 07:42:30tdi7zioA (1/1)

今更だけどあんまり先読みして展開潰してやるなよ


700以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 10:14:34Eo5dqNxk (1/1)

まぁ格ゲーだからね、先読みは仕方ないね

……これそういうSSじゃねーから!!


701以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 12:27:58yjsRhk3g (1/1)

いずれ勇者がどっかのダンディーみたいにHAIKUを読んだり
大事件の人みたいに岩盤ぶん投げて相手ごと砕いたりするんだろうか


702以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 12:29:24ndZGXrMU (1/1)

DIOとトキはでてくんじゃね?


703以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/14(金) 15:06:397vvk2kBo (2/2)

金バするんかな


704以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/15(土) 02:08:19XZDG8Prg (1/4)

僧侶「女戦士さんっ!」

女戦士「こんな人質を盾にっ……交渉するような、クソババアに従うんじゃぁねぇ……!」ギシィッ

勇者「……女戦士」

女戦士「倒せ!そいつをっ、倒せっ勇者っ!あたしは、どうなっても、構わねぇ……だから……ッ!」ギシィィッ

魔妖女「雌猿は何を言っておるのだ!?勇者が条件を飲めばお前は助かるのじゃぞ!?」

女戦士「仲間にっ、迷惑……かけるくらいならっ!あたしはっ!死んだ方がッ……マシだッ!」ギチィッ

―シュラァ

魔妖女「な、何をしておるっ!?」

女戦士「テメェが、あたしを殺るっつーなら、その前にっ、あたしが自分で、ケリつけてやるっ、ってんだよ……」ギシッ カタカタ

僧侶「女戦士さん駄目です!早まっちゃ駄目ですよ!」

女戦士「おぅ勇者、……僧侶のこと、頼んだぜ」ギチチッ カキンッ

勇者「……ああ」

女戦士「……またな」

ヒュッ―


「 ―― 『 火 球 』 !!」


705以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/15(土) 02:25:42XZDG8Prg (2/4)

―ボボゥッ!

女戦士「熱ッ!熱ッ!アツゥイッ!!尻がああああぁぁっ!焦げるぅぅぅぅぅ!」ゴロゴロ

勇者「……今の魔法は――」

女戦士「クソッ!あたしの尻に炎魔法叩き込んだカス野郎はどこだ!なます斬りにしてやるぜチクショウめ!」


「……折角『魅了《チャーム》から解放してあげたのに、散々な言われようね」

勇者「その声は、やはり……!」

勇者「魔法使い!」
僧侶「魔法使いさん!」
女戦士「ま、魔法使い!?」

シュトッ

魔法使い「腹を裂く覚悟を決めるくらいなら、最初から捕まらないようにしなさいよね。……まったく」ハァ

女戦士「あァ?子どもに四天王の親玉が化けてたんだよ。見た目そっくりだから分かるワケねーだろが」

魔法使い「厳重警戒されてるエリアに、子どもが1人だけぽつんといたら不自然でしょうが。それを考える脳ミソもないの?」

―プッツゥン

女戦士「……理屈じゃねぇ……きっと生理的にこいつが嫌いなんだ……表で白黒つけようじゃねぇか貧弱黒もやしッ!」パキポキッ

僧侶「今は争ってる場合じゃありません二人とも!敵前ですよ!敵陣ですよ!事態は緊迫しているんですよーッ!!」ブンブン


706以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/15(土) 02:55:08XZDG8Prg (3/4)

魔妖女「何という事じゃ此方の『魅了《チャーム》』が……。いや!それよりもお主!勇者のパーティーと別れたはずではなかったのか!?」

魔法使い「……それを知ってるってことは、やっぱり街の中にスパイが常駐してるのね」

魔妖女「ぐっ……!まァ雑魚がいくら増えたとて状況は変わらんわ!此方にはまだたくさんの奴隷が人質としておるのだからのぅッ!」ビッ

魔法使い「……人質?どこにいるのかしら?」

魔妖女「お主の眼は節穴かえ?この通り奴隷がたっ……ぷり……………奴隷どもがいないではないかぁぁぁ!」ブワッ

魔法使い「当然よ。あんた達があーだこーだと、広場の真ん中で暴れている内に……全員避難させちゃったからね」

魔妖女「……なん……じゃと……」

魔法使い「賞金稼ぎの鉄の掟その1《侵入する時は裏口から堂々と》。食堂がザル警備だったから楽勝だったわ」

魔法使い「そうねぇ……今頃街の人たちは街に着いてる頃だわ。あ、勿論ラクダも食料も根こそぎいただいたから。宝物庫はまだこれからだけど」ニッ

魔妖女「」


勇者「……魔法使い」

魔法使い「……何?」プイッ

勇者「……何故、戻ってきてくれたんだ?」

魔法使い「……だって……勝手に押し付けて、勝手に消えて……それで……」ブツブツ

勇者「……?」


707以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/15(土) 03:07:22XZDG8Prg (4/4)

魔法使い「――ッうっさい!私の流儀に反したから来ただけ!」

勇者「流儀?」

魔法使い「それも建前だし!本当は、街の人助けたらお金を領主からふんだくれるって思っただけだし!」

魔法使い「遺跡には年代物の書物と宝物があるからどさくさに紛れて私物にしたかっただけだし!」

魔法使い「四天王倒したら魔王倒さなくても一生それだけで暮らせるだけの名誉が手に入られるから来ただけだし!」

勇者「お、おう」

魔法使い「だからあんたたちの為でも!街の人たちの為でも!ましてや勇者!あんたの為でもないの!」

魔法使い「ぜぇ~~~んぶ私の為なの!分かったかしら!?」ダンダンッ

勇者「…………」

勇者「……ああ、でも、それでも――」

勇者「助かった。……ありがとう」ペコリ

魔法使い「くっ……!///」プイッ

魔法使い「お、お礼は後でいいから。それに今回はサービスじゃなくて貸しよ。後でちゃんと返してもらうからね!」

勇者「ああ。ちゃんと返す」

魔法使い「……分かってるならいいけど」


708以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/15(土) 06:16:16o8uDWSV6 (1/1)

魔法使いはかわいいなぁ


709以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 18:45:319zqkV2IQ (1/3)

魔法使い「まぁそんなワケで……もうあなたの人質はいないし――」

魔法使い「『魅了《チャーム》』が如何に強力であろうと……【ガード】で防げる以上、あたしたちが操られることもない」

魔法使い「加えてあなたは勇者に魔物の大半をK.O.されて、手駒の数もあとほんの少し豚を残すのみ」

魔法使い「こっちは私も加わって更に隙のないパーティーになっちゃったしね」

魔妖女「…………」

魔法使い「このまま降伏するなら、痛めつけたりしないで無事に捕虜にしてあげるけど――」

魔法使い「――どうする?」


―ビシッ

魔妖女「……此方に向かって……今……何と、言った?」

―ピシッ

魔妖女「……此方が、降伏……じゃと……?」

―ピシッパキッ

魔妖女「高貴な此方を……!高貴な此方に向かって……!」ワナワナ


魔妖女『 舐 め る な 小 娘 ぇ !!!!! 』ゴァッ


710以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 19:04:389zqkV2IQ (2/3)

―ビリビリッ…

女戦士「おわっ!」

僧侶「ひいっ!?」

―ヒュォォォ…

勇者「風が……」

―ペキッ ピシッ

魔妖女「此方を誰だと思うておる!此方は高貴にして崇高な魔の眷属!」バッ

魔妖女「お主ら人間とは生まれながらにして格が違うのじゃ!能力も!美貌も!寿命も!すべて此方が格上でっ、お主らが格下じゃ!」バッ

魔妖女「その人間風情がっ……!100年ぽっちも生きられぬ小娘如きがっ……!此方に……此方に何を言ったのじゃぁぁぁぁ!!」ゴゴゴゴゴ…

―パキンッ

―ッゴッバォンッ!

勇者「危ない!」
僧侶「わわっ」
女戦士「熱っ……あちちち。な、何だ今のは!?」

魔法使い「……ようやっと正体を現したわね、魔妖女」

「……………」フワリ


711以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 19:51:209zqkV2IQ (3/3)

女戦士「ありゃ尻尾か?やたらフサフサしたのが……ひぃふぅみぃ――」

僧侶「頭の上に耳がついてます!もふもふのけもみみがついてます!」

勇者「随分と判定が縦に横に膨らんだな……あの尻尾は個別に動かすことは可能なのだろうか」

魔法使い「狐の耳に狐の尻尾……狐妖、もしくは狐仙の類。バカげた魔力とMPも納得だわ……」

狐妖女「お主らは……此方を怒らせた……」ゴォォォォ…

狐妖女「此方を虚仮にした罪は重い……!全身消し炭になるまで……!じっ~~~~~くりと此方の炎で炙ってやるわっ!」ボワッ

―バオッ

女戦士「……おー怖ぇ。口から火ぃ吹いてるぜ。ちょっとしたドラゴンブレスだな」

僧侶「カ、カンカンに怒ってますよ!魔妖女さんすっごいコワイ顔してますよ!」ガタガタ

女戦士「てか何故煽った魔法使い。あのクソババァ本気出しちまったぞ?」

魔法使い「あの手のタイプは冷静な方が厄介よ。直情的になった方が御しやすいってものよ」

勇者「頭に血が昇っては、拾える勝利も容易く落とすからな」

女戦士「ははぁ、なるほどねぇ」

魔法使い「……まぁ、まともに当たって勝てればの話なんだけど」

女戦士「……おい」


712以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 20:06:18e9ao7Llk (1/1)

判定ってw
やっぱ考えるとこはそこなんだなww


713以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 22:17:48o1NsKHy. (1/1)

問題は尻尾の判定が先まであるかどうかか


714以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 22:45:45tOX5FT42 (1/1)

先生ー!MUGENは格ゲーの内にはいりますかー?


715以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 22:51:00OBDic9jA (1/1)

入らんだろ


716以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/16(日) 23:44:40bZccZPG2 (1/1)

今深夜で読んでる作品の中で一番面白い


717以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 04:08:305hkpEIOA (1/3)

魔法使い「冗談よ。勝算はある」

魔法使い「私の鑑定眼――もとい観察眼に間違いがなければ、魔妖女の防御力はとても低いはずだから」

僧侶「ほ、本当ですか?」

魔法使い「値は張りそうだけど、見栄えばかりにこだわった装備品だし……何より私と同じ魔法使いタイプ。叩けたらわりとあっさりじゃないかしら」

狐妖女「……丸聞こえじゃぞ小娘」ボワッ

魔法使い「あら、聞こえてた?お年を召されてるから、耳が遠いと思って油断したわ。聞かなかったことにしてもらえない?」

狐妖女「~~ッ!!」ブチッ


女戦士「……あー。今のクソババァの心境、ちょっとだけ分かるわ。ちょっとだけな」

―ググッ

狐妖女「此方の……!下僕よ……!」ワラァ…

勇者「来るぞ!」

―ギィンッ

勇者「アジる!」カッ
女戦士「来ると分かってりゃぁな!ほっ!」ガッ
僧侶「あわわわわわ!」ガッ
魔法使い「ハッ!」ガッ


718以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 04:16:195hkpEIOA (2/3)

ブ、ブヒッ!?

狐妖女『 こ の 小 娘 ど も を …… 血 祭 り に あ げ て や れ ! 』

……

『ブオォォォォォォォォォォォ!!』

女戦士「来るぜ来るぜ豚の大群がよぉ!しかも全員ブチ切れ効果のオマケ付きだぜハッハー!」グルングルン

僧侶「こ、コワイですよー!何で女戦士さんそんなに嬉しそうなんですかー!?」ガタガタ

勇者「私は魔妖女の相手をしよう。みんなには周りを抑えてもらえるとありがたい」

魔法使い「……悪いわね。貧乏くじを引かせてしまって」

勇者「……貧乏くじか。いや、私は自分の未熟さを恥じるよ魔法使い」

魔法使い「え?」

勇者「街を救えるのか、自分たちが負けてしまうか分からない。そんな局面なのにも関わらず――」

勇者「――強敵と拳を合わせられることが……嬉しくて堪らないと感じているのだから」グッ

勇者「恐らくどこまでいっても、私は武人なのだろうな……」

魔法使い「……勇者」

勇者「……さぁ、行こうか」


719以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 04:24:525hkpEIOA (3/3)

――――

狐妖女「……勇者か」ボワッ

勇者「ああ」

狐妖女「残念じゃが……もうどんな条件であろうと――」

勇者「いいさ。戦おう」ニカッ

狐妖女「……そうか、いいじゃろう」ボウッ

狐妖女「せめてもの手向けじゃ……!此方の全身全霊最大出力の炎でもって焼き払ってくれよう……!」ゴォォォォ…

勇者(……集中するんだ。型に命を宿らせる為に――)スッ


 (――ジョイン)

狐妖女「……む?何じゃ?今の――」

 (ジョイン ジョイン ジョイン ジョイン レェイ)

 (デデデデ ザタイムオブレトビューション)

 (バトーワン デッサイダッデステニー――)

勇者「――南斗水鳥拳伝承者の名にかけて、貴様を処刑する!」シャオ!

狐妖女「お、お主そんなテンションの男子じゃったか!?」ボウッ


720以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 06:28:16thgHeAUs (1/1)

美しい……


721以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 06:39:45yqeDdtu2 (1/1)

ばとーわんだと


722以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 13:15:07TypcIIb2 (1/1)

そのうちヴァンパイアのチェーンコンボとか、SFの必殺キャンセル→超必殺のコンボが出てくるのかな


723以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 13:45:45Nmx/8Akw (1/1)

女戦士が舞とモリガン辺り身に付けねーかなー


724以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 16:00:22zGk09Gb2 (1/1)

う……美しい……ハッ!?


725以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 18:48:56BrEWRIws (1/1)

世紀末でも1、2を争うインチキ性能キャラキタアアアアア


726以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 19:01:27PjGyzvAM (1/1)

これは空気入れられちゃいますねー


727以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 21:42:36Bw4ijK5k (1/1)

この勇者の故郷が闘劇DVDを参考にしてるならアルカディアのも含めるとBBはCSまでかー
個人製作物のコンボDVDとかだとしたら他にも色々と出てきそうだけどw


728以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/17(月) 23:37:30nQEDu6xY (1/1)

もしかしてMUGENなのかな だったらまさに未知数なわけだな


729以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/18(火) 22:34:0840OZsU.E (1/1)

MUGENありにしたら、何でもありになっちゃうからダメだろ
弱パン→即死コンボとか普通にできるキャラとかいるし


730以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 02:58:02bz/qOODE (1/1)

というか手を出した方が死ぬとか、力が…勝手に…したりとか、ボッ立ちのまま上下移動した挙句宙を舞うとか本当に何でもありになるから困る


731以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 03:24:55uyKqeFLE (1/3)

――――

女戦士「へっへー!」―ザシュッ

ブキィィィィ!?

魔法使い「……何よ突然。気持ち悪いわね」―ゴキンッ

ブキュゥゥゥゥ!?

僧侶「ひぃやぁぁぁぁぁ!」ダダダダッ

ブオォォォォォ!! ドドドドッ

女戦士「勇者に会う前のあたしだったらもっと苦戦してたなぁ、と思ったらついな」

魔法使い「というと?」

女戦士「例えば【牽制】だな。何もない空間に剣を……振るッ!」ブンッ

―ザシュッ

ブキィィィィ!?

女戦士「【読み】さえ当たればこの通り。……まぁ今は猪突猛進の豚野郎ばっかりだから【牽制】の【リスク】もクソもないが」

魔法使い「勇者は技を【置く】とか言ってたわね。……私の魔法にも応用が利くと、色々と戦略の幅が広がりそうだけど」

女戦士「んー、できるんじゃねぇか?」


732以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 03:31:34uyKqeFLE (2/3)

魔法使い「……根拠は?いや、あんたに根拠を効いても――」

女戦士「勇者も火の玉ボンボン撃ってたしな」ザシュッ

魔法使い「なッ!?そ、そんなの私聞いてないわよ!?」

女戦士「見てなかったのか?」

魔法使い「避難最優先で戦闘を眺めてる余裕なんかなかったわよ!」ゴキョッ

女戦士「あー、それなら仕方ないか。撃ってたよ。そりゃもう数え切れないほどに」

魔法使い「……あのMPで数えきれないほど、ですって……」ブツブツ

女戦士「火の玉だったり、地を這う炎だったり色々あったけどな」

魔法使い「……なるほど、つまり私のメラとかも応用すれば何とか……」ブツブツ

女戦士「いいよなー。俺もああいうカッチョいい技使いたいもんだぜ」

魔法使い「……でも私のMPをそのまま使うとなるとあっさりMP切れに……」ブツブツ

女戦士「はどうけんっ!――って言って剣をぶん投げるのはちょっと違うよな……それじゃ一回しか使えないしなぁ」

魔法使い「……女戦士、さっさとこいつら片付けて勇者に加勢するわよ!」ゴキンッ

女戦士「あいよ。大将首はあたしも欲しいから……なッ!」ズバシュッ

僧侶「ひにゃぁぁぁぁぁ!」ダダダダッ


733以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 03:48:06uyKqeFLE (3/3)

――――

勇者「フッ。どうした?」クイクイ

狐妖女「勇者だけはまともじゃと思うておったのに……!いちいち癇に触る連中じゃ!」ボワッ

ゴォォォォ…

狐妖女「……そう言えば小娘が防御がどうのこうのと言っておったのぅ」

狐妖女「確かに此方の防御やHPは低い。たおやかで儚げな美貌の此方の見た目通りじゃ」

勇者「…………」

狐妖女「じゃがのぅ。HPや防御力に頼ることがどういう意味か、お主も分からないワケではあるまい?」

狐妖女「それは攻撃に『当たってしまう』弱者が気遣うことで、『当たらない』此方には関係のない話なのじゃ」

狐妖女「生まれながらにして高貴な闇の眷属であり、真に強い此方にとって……そもそも構えや備えは無用」


狐妖女「――右手に『メラミ』」ゴゥッ

狐妖女「――左手に『メラミ』」ゴゥッ

狐妖女「ホホ、此方は同時に複数の魔法を操ることが可能じゃ。更にMPは万を優に超えておる。そして――」

狐妖女「そこから繰り出される此方の魔法の『 無 呼 吸 連 打 』」ゴゥッ

狐妖女「分かるかの?つまり『ずっと此方のた~ん』――故に守る必要など皆無なのじゃ」ボゥッ


734以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 11:20:166iPDeSzk (1/1)

スペックwww


735以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 13:12:28nysM6cwI (1/1)

この妖女フラグぶっ立ててやがる


736以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 17:13:22WquzONJc (1/1)

レイを相手に飛び道具で封殺できるとか


737以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 21:21:01TwpcfVRo (1/1)

トキが壊れてる事ぐらいしかしらないんだがレイはバグ昇竜以外に弾抜けでもあるの?


738以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/19(水) 22:10:17XTZmMBnQ (1/1)

00ガンダム思い出した


739以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/24(月) 22:47:329wcs8bTU (1/1)

3段ジャンプしてからバリア貼って飛燕流舞うっててもいいのよ


740以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/25(火) 19:53:11kf3e.Ono (1/2)

勇者「わめいてないでさっさとかかってこい」クイクイ

―プッツゥン

狐妖女「 …… お 主 は ! 何 が あ っ て も ! 絶 対 に 黒 焦 げ に し て や る の じ ゃ ー ! 」

狐妖女「――右手に『メラミ』!」ゴゥッ
狐妖女「――左手に『メラミ』!」ゴゥッ

狐妖女「尽きることのない此方の爆炎を喰らうがよいっ!!」ゴォォォォ…

ッゴッバオン!!

狐妖女「魔法無呼吸連打『グミ撃ちメラミ』じゃっ」

ッボゥ!ボボボボボボボボボボボボ――
ッゴゥ!ボボボボボボボボボボボボ――

狐妖女「此方の炎のお味はどうじゃ勇者よ!!ホッホッホ!!」キュドッ キュドッ―



勇者「――どこを見ているっ!」

―― 空中 ↓B

狐妖女「い、いつの間に上に――」

ゲシッ
狐妖女「ぶにゃぁっ、いっ、痛いっ!何をするのじゃぁ!」


741以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/25(火) 20:16:28kf3e.Ono (2/2)

―― 空中 ↓B x 4

勇者「どこを見ていどこを見ていどこを見ていどこを見ているっ!」ゲシッゲシッゲシッゲシッ

狐妖女「このっ……痛っ、いい加減に、あ痛っ、しろぶみゃぁっ!?」

狐妖女(ぐぬぬ……!じゃが逃げ場のない空中に跳んだのは悪手じゃっ!)

狐妖女(広範囲魔法でお主のいる空間ごと焼き尽くしてくれるっ!)ヒィン―

勇者「――!」

狐妖女「――『ベギラマ』!!」ゴッ―

―― 空中 ←←

―フォンッ

狐妖女「なっ、なんじゃとっ!?」

―ッバオンッ!!

勇者「…………」スタッ

狐妖女「お、お主……」フルフル

狐妖女「い、今空中を……!空中を『走り』おったな!」ゴォッ

勇者「…………」


742以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/25(火) 20:41:08wW/Erww. (1/1)

空中ダッシュなんて常識だろ


743以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/25(火) 20:41:20z9CSL1Ss (1/1)

ダカダカ


744以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/25(火) 20:56:31XQor6rwE (1/1)

今の世の中ペルソナが使えるだけの高校生達でも空中走れるもんな


745以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 02:29:47G4t7SbEQ (1/3)

――――

女戦士「……今の見たかよ魔法使い」ザシュッ

魔法使い「……ええ、この目でハッキリと」ゴキンッ

僧侶「うわぁぁぁぁぁんっ!!」ダダダダッ ブオォォォォォッ!

女戦士「カクゲーって空も走れるのかよ……」ギィンッ

魔法使い「浮遊系の魔法詠唱でもないし、興味深いわ」パシッ ブンッ

――――

狐妖女「何じゃ?一体お主は何者なんじゃ?無傷で此方の親衛隊を倒し尽くし、見たこともない炎の魔法を駆使し、さらには空中を走りだすっ!」

狐妖女「本当に何者なのじゃ?そもそもお主は人間ではないのかっ!?」

勇者「…………」タンッ

狐妖女(『空中での疾走』――浮いたまま自由自在に動いていた訳ではなかったのぅ)

狐妖女(恐らく跳躍中は1回、ないしは2回しか使えない限定的な風魔法か、浮遊魔法じゃろうな)

狐妖女(――詠唱の素振りさえなかったのは、さしもの此方も驚いたがのぅ)

狐妖女(……要は戦えるフィールドが地面だけでなく空間まで広がっただけの話じゃ)

狐妖女(即攻撃、火力に転ずるものでなければ、此方が警戒するまでもない。……問題はそう、種族じゃ)


746以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 02:53:38G4t7SbEQ (2/3)

勇者「…………」

狐妖女「……そうか、喋らぬか……ならばっ、無理矢理喋らせるまでじゃっ!」

狐妖女「――右手に『ベギラマ』!」ゴゴゥッ
狐妖女「――左手に『ベギラマ』!」ゴゴゥッ

狐妖女「さっきの無呼吸連打を上回る爆炎じゃ!単体や1グループなどとまどろっこしい事は言わん!すべ――」

「こっちがパーティーってことの忘れてないかしら?」
「片付いたから助太刀に来たぜ勇者ー!」

魔法使い「――『メラ』!」ゴォッ…バオンッ!

―― →強斬

女戦士「オォオオオォオォォオォオォォォッ!!」ッッッブンッ!


狐妖女「~~ッ!ええいっ!小賢しいっ!小娘と雌猿の相手など『しっぽ』で充分じゃぁっ!」ゴォォォォ…

―― 地上 ←←

女戦士「!」カカッ
魔法使い「!」カカッ

狐妖女「―― 一の尾から『ベギラマ』!」ゴゴゥッ

ッゴッバ!ボボゥッ!―ゴォオォオォ…


747以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 03:20:31G4t7SbEQ (3/3)

女戦士「熱っ……!げ、床の石が溶けて溶岩みてぇになってやがる!」サッ

魔法使い「腐っても魔妖女ね。こんなの触れたら黒焦げどころか……通り越して液体か気体になっちゃうわ」サッ

女戦士「……にしても」チラッ

タンッ

 タンッ

―― 空中 ↓/←+C

――『南斗狂鶴翔舞』――

勇者「フゥゥゥゥ・・・!」

魔妖女「ぐぬぬぅ!今度はバリアじゃとっ!?」

―― 空中 ↓\→+B

勇者「飛燕流舞!」ビシュッ

魔妖女「何じゃっ!?かっ、かまいたち!?あの高さから……う、美し――はぐぁっ!?」ザシュッ

勇者「飛燕流舞!」ビシュッ

魔妖女「う、美しい――みぎゃぁっ!?」ザシュシュ


女戦士「……マジで底が知れねぇぜカクゲー。空中で跳ねるとか一体何食えば出来るようになるんだよ」サッ ―ボボゥッ!


748以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 06:17:46n6Vt1.Ko (1/2)

妖星の妖女……


749以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 09:24:40YL8my2kI (1/1)

魔妖女ノリ良いなww


750以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 11:54:0972uQvLHc (1/1)

ノリいいというか反応までカクゲーに取り込まれて強制されてる感じじゃね?


751以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 19:07:55NXKfpuR. (1/1)

これ闘劇2012のビデオだったらペルソナつかえるなw


752以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 21:53:15RvKyuzw. (1/1)

というかRPG側が格ゲー側に勝てる方法が思い付かん


753以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 22:00:40n6Vt1.Ko (2/2)

そもそも防御とガードの性能がなぁ……


754以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/26(水) 22:08:53V6VLL2zM (1/1)

ガード無効の貫通ビームで薙ぎ払おうぜ


755以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 00:25:57uA0KVe6M (1/1)

強制敗北イベントでも起こせば…


756以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 00:36:03nIb2t6s. (1/1)

射撃ならグレイズできるんじゃね


757以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 01:17:47FCc5GrvE (1/1)

今北斗キャラインストールしてるから・・・


758以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 01:40:04ztE9mpfw (1/1)

妖女ちゃんはいつバウンドするんです?


759以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 03:55:30E2dh7df2 (1/5)

魔妖女「ハッ!?……く、屈辱じゃぁ……!」ゴォォォォ…

魔妖女「此方が、此方が弄ばれるなどぉ……!」ゴゴゴゴゴ…

魔妖女「あってはならんのじゃぁぁぁぁ!!!!」ブワッ

『一』ゴゥッ! 『ニ』ゴゥッ! 『三』ゴゥッ!
『四』ゴゥッ! 『五』ゴゥッ! 『六』ゴゥッ!
『七』ゴゥッ! 『八』ゴゥッ! 『九』ゴゥッ!

魔妖女「ふーっ!ふーっ!ふーーーーーっ!」ギラギラ

勇者「!」

魔法使い「クソババァのしっぽに……!」

魔法使い「……ええ。炎が灯ったわ。全部で9つの尾――九尾ね」

魔妖女「んもぅっ!今度は本当に本当に本っ~~~~~~~当に容赦せんのじゃっ!」

魔妖女「今度は此方の両の腕で行う無呼吸連打のっ……上の上っ!」

魔妖女「此方の持つ炎系最強呪文『メラゾーマ』!」

魔妖女「それを――此方の9つの尾を加え――計11箇所の同時詠唱、高速詠唱魔法の乱打っ!!」

魔妖女「――その名も『九尾爆炎弾《テイル・フレア・ボムズ》』+『二手爆炎弾《グミ撃ちメガ盛り》』じゃっ!」

ゴクリ
魔法使い「メラゾーマの高速連射……ですって……!?」ツツー


760以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 04:08:28E2dh7df2 (2/5)

女戦士「なぁヤバそうなのは分かるんだけどよ。どれ位やばいんだ?」

魔法使い「……そうね。さっき石が溶けたでしょ?」

魔法使い「あれよりもっと熱くて取り返しつかなそうなヤツが、この部屋――いえ、ひょっとしたらこの遺跡全体に広がる感じかもね」

女戦士「……超ヤバいじゃん」
魔法使い「……超ヤバいわね」

僧侶「そ、それ、は……ハァハァ、ヤバ、いで、すね、ハァハァ……」ハァハァ

女戦士「お、マラソン終わったのか?」

僧侶「ええ、振り、向い、っら酸、欠で倒れ、うぷっ、たっ、豚さ、ん、がたく、さんいっ…ので」ゼェゼェ

魔法使い「一回お水飲んで落ち着きなさい」

僧侶「んふーっ!んふーっ!」グビグビ ガブガブ

僧侶「――っぱぁーーー!それで今どんな状況ですか?」

女戦士「勇者が相手の動向を伺ってたら、マジギレしてガチモードのスイッチ入れちゃった」

僧侶「なるほど。魔妖女さんのガチモードの魔法はどれくらいヤバいんですか?」

女戦士「もう何か、アレだよ、超ヤバいってレベルじゃないくらいの超ヤバイレベルだよ」

僧侶「分かりました。つまり今までにない最大のピンチってことですね」

魔法使い「……何でそれで通じるのか、興味深いわ」ブツブツ


761以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 04:13:02E2dh7df2 (3/5)

カカッ ボボボボゥッ! キュドドドドドッ―
カカッ スコシハヤルヨウダナ…

魔法使い「時間がない。皆、聞いて」

魔法使い「これからパーティープレイで魔妖女に仕掛ける!……予定だったけど」

魔法使い「今の我々は明らかにお荷物。魔妖女とまともに当たるなんて無理な話」

魔法使い「だから後方支援として勇者をサポートしていく形にする」

女戦士「……悔しいが、今のあたしの力じゃどうにもならねぇからな」

魔法使い「私とあんたは前線に寄れるところまで行って、援護攻撃を」

魔法使い「あの威力の魔法だから、基本避け優先で。万が一避けきれなかった時は【ガード】して」

魔法使い「かなりの【削り】か【状態異常】を覚悟しなきゃならないから……気をつけて」

魔法使い「……僧侶さん」

僧侶「は、はいっ」

魔法使い「残念だけど、あなたは後ろに控えておいてもらえるかしら?その……――」

僧侶「――攻撃も、まともな回復もできない僧侶が前線近くにいても邪魔になるから……ですね?」

魔法使い「…………うん。その、ごめん」

僧侶「…………いえっ!とんでもないですっ!勇者さま、女戦士さん、魔法使いさん、皆さんの無事をここで祈っていますからっ!」フンッ


762以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 04:31:09E2dh7df2 (4/5)

――――

魔妖女「これほどの魔法のみだれうちじゃというに……まだ避けおるかぁッッ!!」ゴァッ

タンッ
 タンッ

――『南斗狂鶴翔舞』――

勇者「フゥゥゥゥ・・・!」

―フォン

スタッ

魔妖女「――『九尾爆炎弾《テイル・フレア・ボムズ》』からの『二手爆炎弾《グミ撃ちメガ盛り》』!!」

ゴッバオッッキュドドドドドドドドドドドド―

勇者(必殺の魔法の連撃……だが怒りに我を忘れ、乱雑に撃っている)

勇者(何もない空間――真空地帯もある。低姿勢技で避けつつ、【牽制】と【飛び道具】で削っていけばこのまま――)

―キュドッ―

勇者(!? その方向はマズイッ!!)タッ―



僧侶「……ええとお薬と、それから湿布とかを――」


763以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/27(木) 04:39:13E2dh7df2 (5/5)

ゴォォォォ―
僧侶「……へ?」クルッ

勇者(間に合う……いや間に合わせるッ!)

僧侶「……あっ、うっ!――」ギュゥ


カッ―ゴッバオンッゴオオォオォオオオォォォォッ!!!!

勇者「ガッ……!なんて、威力……!」ブスブス

僧侶「ゆ、ゆ、ゆっ、勇者さんっ!!」ヘタリ

勇者「僧侶さん……!早くッ……離れてッ……!くれッ……!」ジジッ ボワッ

僧侶「……で、でもでも、ち、治療を――」

勇者「離れろッ!!!」

僧侶「ひっ!?」

勇者「……このままだとッ……2人ともダメージをッ……!だからッ……早くッ……!」ボッボボゥ

僧侶「……うっ……!ご、ごめんなさいっ!」ダッ


魔妖女「ホホ!ホッホォ!ついに!ついについについに!捉えたぞぉ……!勇~者よっ♪ホホ、そーれぃ!」ゴォォォォ…

キュドドドドドドドドドドドド!!


764以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 04:25:02KFaxjPDo (1/5)

魔妖女「ホホ、気持ちいいのぅ堪らんのぅ♪お主への鬱憤が溜まっている分、快感も一塩じゃ♪」ゴォォォォ…

キュドドドドドドド―

勇者「ぐっ……!」ガガガガガ――

魔妖女「……ふむぅ、此方のメラゾーマの連弾をまともに受けよるか。もう驚きもせんが大したものよのぅ」

魔妖女「神の加護、宝具による結界……あるいは人ではならざる――我らに極めて近い種族なのか。もうどうでもいいがのぅ」ホホ

魔妖女「お主の頑強さや身の軽さのこなしには、流石の此方も舌を巻いた。脱帽じゃ」

魔妖女「……じゃがこうなってはお主の勝ちは万に一つ、那由多の一つもない」

魔妖女「勇者の白鳥の如き華麗な動きは、此方の無呼吸連打によって地面に縫い止められたのじゃ」

魔妖女「最早お主には反撃は愚か、指一本たりとも動かす隙も与えぬ」

勇者「ぐぅっ……!」ガガガガガ――

魔妖女「それにのぅ……物事には限り――必ず限界があるのじゃ」

魔妖女「此方が如何に高貴であろうとMPは無限ではない。それはお主の体力しかり、じゃ」

魔妖女「見える、見えるぞ勇者よ。お主の美しい体躯に刻まれるだめぇじがしっかりとのぅ♪」ホホ

勇者「――ァァッ!」ガガガガガ――

魔妖女「あぁ……嗚呼、なんと唆る表情をするのじゃ。頬が火照って堪らぬ……お主はやはりイイ男じゃ……」ゾクゾクッ


765以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 04:50:34KFaxjPDo (2/5)

――――

僧侶「……ぅ……ぅう……」グス

女戦士「クソッ!あの狐ババァめ!」

魔法使い「あの爆炎の嵐の中じゃ……私たちは援護どころか助け出すことさえ――」

女戦士「じゃぁ勇者を見捨てろって言うのかよっ!」

魔法使い「落ち着きなさい!あのまま私たちが無策に近付いても無駄死にするだけって言ってるのよ!」

女戦士「何か……!何かねぇのかよ!お前頭いいんだろ?こういう時に頭使わなくていつ使うんだよ!」

魔法使い「考えてるわよ!全力で!私だって……私だってこのままじゃ借りを――」

ッゴッバオンッ!ッキュドドドドドドド―

僧侶「!」
女戦士「!」
魔法使い「!」

僧侶「…………」グス

女戦士「……ババァの魔法の【ガード硬直】がヒドすぎて【ジャンプ】や【バクステ】で逃げられる隙間もない」

魔法使い「……【無敵時間】がある『昇竜拳』などの【必殺技】を使おうにも、無敵が切れた瞬間に無数のメラゾーマをまともに喰らう事になる」

僧侶「……勇者……さん……」ブルブル


766以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 05:04:43KFaxjPDo (3/5)

――――

魔法使い「…………」ジーッ

女戦士「何か、何か手は……」

魔法使い「シーッ!静かにして!」ジーッ

女戦士「お、おう。何かアイディアでも――」

魔法使い「……やっぱりおかしいわ」ジーッ

僧侶「……何がですか?」

魔法使い「最初勘違いかと思ったけれど……やっぱり……」ブツブツ

女戦士「何だよ!早く言えよ!」

魔法使い「……私の見間違えでなければ――」

僧侶「…………」
女戦士「…………」

魔法使い「――勇者のMPが増えてる」

女戦士「……はぁ?」

僧侶「勇者さんの、MPが増え……てる、ですか?」

魔法使い「ええ。それも確実に以前よりね。今も上昇しているわ」


767以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 05:11:37KFaxjPDo (4/5)

女戦士「あいつのMPって1かもしくは1未満とかだろ?それが何で今更……」

魔法使い「分からない。回復薬を飲んだわけでもなく、種を食べてMP上限を増やしたのではない。とすれば……」

僧侶「カクゲーの『何か』によってMPの回復が起こっている、そういうことですか?」

魔法使い「ええ。MPが何だと言われてしまえばそこまでだけど……ゴメン。でもこれは関係ない話かもね」

女戦士「……いや、魔法使い。どうやらそうでも無さそうだぜ」ジーッ

魔法使い「え?」

女戦士「あの勇者の【ガード】、時折あいつの全身が光るのに気付いたか?」

――――

勇者「くっ……!」ガガカ ガガ

――――

魔法使い「! 白く光った。光が一瞬にして全身に……!」

女戦士「で、多分なんだが……今、勇者のMPを見てくれないか」

魔法使い「……なんてことなの……僅かではあるけど、MPが増えてるわ……!」

女戦士「うん、やっぱりそうか」

魔法使い「やっぱり、って……あなた何か知ってるの?」


768以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 05:32:12KFaxjPDo (5/5)

女戦士「知ってるって程じゃないんだが……。前にあたしが【ガード】のイメージ稽古を受けたの、覚えてるか?」

魔法使い「……ああ。あのボコボコにされてた時のヤツね。覚えてるわよ」

女戦士「あの時、最後の勇者の一撃を防いだガード……まぁ偶々防げただけなんだが」

女戦士「その【ガード】が特別な【ガード】だったらしい」

僧侶「……特別な、【ガード】?」

女戦士「何でも攻撃をギリギリまで引き付けて【ガード】すると、直前ガード――【直ガ】ってのになるんだと」

女戦士「【直ガ】は【ガード硬直】を減らせるスンゴい【ガード】で、『げぇじ』とかも少しだけ貯まるとか何とか」

魔法使い「げ、げぇじ?」

女戦士「それが何なのかは知らないし、あん時は【ガード】が出来て小躍りしてたから気にならなかったけどよ」

女戦士「今の魔法使いの話を合わせると、その『げぇじ』ってのがMPの事なんじゃないのか?」

魔法使い「……確かにそうだとすると話の辻褄が合うわ。今MPが増え続けてるのも、【直ガ】で『げぇじ』貯めをしているからと考えれば説明がつくし」


僧侶「……でも、もしそうだとして――」

僧侶「――もしそうだとしたら、勇者さんは、MPを貯めて何を為さるつもりなんでしょう」

魔法使い「……【必殺技】はそもそもMPを使用しない――いえ、そもそもMPを必要としない」

僧侶「……ええ。だとしたら、勇者さんが今MPを貯めているのは一体何の為に……」


769以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 05:32:28pvzZarwI (1/1)

全部完璧にガードしてんのかよwww


770以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 05:48:15GJ.LCzt2 (1/1)

ウメハラかよ


771以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 06:11:47QG.woBtw (1/2)

これが世界か……


772以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 07:26:04wfID470w (1/1)

直ガだと削りも無いよな


773以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 10:11:56PBGk/zZs (1/1)

あれ、これ今星いくつ減ってんだろ


774以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 10:23:238B7YTjbI (1/1)

超必来るか!?


775以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 17:46:59bGqDJy9E (1/1)

死兆星見せれば即死ビーム出せるからゲージ溜める必要すらなさそうな


776以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 21:09:47mBfvxmBQ (1/1)

那由多の一つって……?
こういう時、「刹那もない」って言わない?


777以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 21:22:08QG.woBtw (2/2)

那由多に一つってのは、1/10^10^10……に一つも勝つ確率がないって事じゃね?


778以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/28(金) 23:15:59Ht6sa8l6 (1/1)

なるほどそういう表現か、俺がバカだった


779以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/29(土) 03:09:250Z14dNlc (1/1)

そんなに小さくねぇよ・・・
那由多に一つなら1/10^60程度だろ とマジレス

慣用表現だから数学的厳密性とは無縁だけれど


780以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/29(土) 12:37:079Y0BEvk6 (1/1)

那由多でバトルってたらアンデルセンのセリフのアレかと……


781以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/29(土) 15:05:30KRMe9652 (1/1)

俺もアンデルセンかと・・・


782以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/29(土) 20:46:50v07uQgfc (1/1)

アーカード「ガードしなかったら死んだ」


783以下、名無しが深夜にお送りします2013/06/30(日) 19:16:56jNyyhFsA (1/1)

おもしろいね


784以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/07(日) 20:30:51aTTq5/pE (1/1)

更新待ってる


785以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 04:04:09CvLYD.3k (1/6)

――――

キュドドドドドドド―

狐妖女(…………)

狐妖女(此方の無呼吸連打に隙はない。更にMPもまだまだたっぷり残っておる)

狐妖女(勇者のHPも3割――多目に見積もっても4割じゃろう)

狐妖女(そうじゃ。例えまともにメラゾーマを当てなくとも……確実にこのまま削り切り、憐れ勇者は黒焦げなのじゃ)

狐妖女(……深く考えるまでもなく、此方が圧倒的に有利なのじゃ)

狐妖女(…………)


勇者「ぐっ……!くっ……!」カ ガカ ガカ


狐妖女(じゃと言うのに、何なのじゃ勇者のあの瞳は)

狐妖女(絶望、憂い、諦め――そう言ったネガティブな意思を微塵も感じぬ)

狐妖女(むしろ、むしろあの瞳は、あの瞳からは……こんな状況になってもなお、戦う意思を感じられるのじゃ!)

狐妖女(何故じゃ。何故そんな……ハッ!?)

狐妖女(まさかこの期に及んであやつは――)


786以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 04:06:23CvLYD.3k (2/6)

――――

僧侶「勝とうとしています」

女戦士・魔法使い「え?」

僧侶「勇者さんは勝とうとしている、そう言ったんです」

女戦士「……あの状況からか?」

僧侶「ええ、あの状況からです」

魔法使い「……僧侶さんは何故そう思うの?」

僧侶「わたしはいつも弱くて、皆さんに助けてもらってばっかりです……」

僧侶「その中で、勇者さんから学んだ――いえ、教えてくれた言葉があるんです」

僧侶「『投げない』、『捨てゲーしない』、『やり込みは裏切らない』、そして――」

僧侶「――『折れない心』です」

魔法使い「折れない、心?」

僧侶「『強大な敵に会い、完膚なき程に叩きのめされても、折れない心があるなら戦える』」

僧侶「『心が折れない限り、人は――俺は――俺たちは、戦い続けることができる』と……」

僧侶「だから勇者さんは倒れません。勝つために、今勇者さんはありとあらゆる手を模索しているはずです」


787以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 04:10:40CvLYD.3k (3/6)

女戦士「……………」ジーッ


勇者「ハッ……!ガァッ……!」カ ガカ カ カ
ズ…


女戦士「!」

女戦士「みんな勇者を見てくれ!」

僧侶「……! ゆ、勇者さんっ!」

魔法使い「……! あ、ありえない!そんな事可能なの!?」

女戦士「見りゃ分かる。つまり可能なんだろうよ!」

魔法使い「勇者が……!狐妖女のいる方へ『近づける』なんて……!」

――――

キュドドドドドドド―

狐妖女(! ありえぬッ!)

狐妖女(離れるならまだしも、此方の方へ寄ってくるじゃとぉッ!?)

狐妖女(此方へ近づけば近づく程に、魔弾幕の密度と激しさが増すだけじゃ。本当に何を考えておるのだこの男子はッ!?)

狐妖女(――まさか死ぬ為に……いや!ありえぬッ!あの瞳は!こうなってもなおッ、此方を倒そうとする意思を持つ瞳ッ!)


788以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 04:32:37CvLYD.3k (4/6)

――――

キュドドドドドドド―
カ ガカ カ カ カ ガカ カ カ―
ズズッ…

僧侶「…………」ゴクリ

女戦士「可能な限り全ての魔法を【ガード硬直】の少ない【直ガ】で防ぎ――」

魔法使い「何フレームあるかないかの隙間を見て、歩みを少しずつ進める」

女戦士「……当然前進するには【ガード】は解かなきゃならない」

魔法使い「つまり、数フレームの間、まともに喰らえば蒸発必死の必殺火炎魔法を目の前に、無防備な姿で歩く、と」ツツー

僧侶「…………」ガクガクブルブル

女戦士「狂気の沙汰ってレベルじゃねぇぞ。触れたら即死亡なのに、一瞬とは言えガードを解いて歩くなんてよ……!」ゾクリ

魔法使い「……その狂気、魔妖女も気づいているみたいね」

――――

キュドドドドドドド―

狐妖女(も、最早ッ!き、気のせいではないッ!此奴確実に此方の方へ近付いて来ておるッ!)

狐妖女(あの此方の無呼吸連打の合間を縫うようにして……!)


789以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 04:49:09CvLYD.3k (5/6)

狐妖女(バケモノ……化け物じゃ……命を失う事をまるで厭わぬ、恐ろしい化け物じゃ……)

狐妖女(その早さは遅々とはしてはおるが、万が一ということもあり得るしのぅ。更に此方の無呼吸11連打をより完全にするべく――)

狐妖女(此方がほんの少し、後ろへ下がる。それだけで良いはずじゃ。そう、後は圧倒的に此方が勝つだけじゃ……)

狐妖女「ほっ!」フワッ

――――

勇者「!」カ カ カ カ カ

――――

僧侶「狐さん後ろに飛びました!」

女戦士「相変わらず炎撒き散らしたままかよ!チクショウ!」

魔法使い「……いえ、勇者はコレを待っていたのよ!」

魔法使い「MPは450を超えてる。『何か』の為に貯めたのよ」

魔法使い「そしてそれを『解き放つ』のなら、今しかないっ!」

――――

勇者(今まで一番大きい『隙間』だ。……そして足りている、何もかも)

勇者「シャォォォォォォ……!!」ギチチッ
―タンッ


790以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 05:04:52CvLYD.3k (6/6)


勇者「覚悟っ!」ピキーン!



―― 地上 ↓\→↓\→+A ――



 ―― レ イ 究 極 奥 義 ――



――『 南 斗 凄 気 網 波 』――
   ナ ン ト セ イ キ モ ウ ハ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


791以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 09:24:45vaXoWr/A (1/1)

歩かれるとバクステしたくなっちゃう


792以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 16:48:409paiLwA6 (1/1)

Negative Warning
って表示が絶対に出てる筈


793以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 18:03:18/YAQV60Y (1/1)

ジャスガ続けてても出たっけ?


794以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 23:15:25QZmTwQ3I (1/1)

MP450とかゲージ4本半ありそう・・・


795以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/09(火) 23:43:38ePbfW2z2 (1/1)

テレッテーでひん剥けるんだっけ?


796以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/10(水) 00:28:20G6yVonkM (1/1)

>>795
それ原作再現なんで
あとテーレッテーな


797以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/10(水) 02:32:31XDIMMinI (1/1)

続きはよっ!!


798以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/13(土) 22:35:57zTm0GpOU (1/1)

支援


799以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/16(火) 11:00:42NOavFRnY (1/1)

ケルナグール的なRPGな話かこれは


800以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/17(水) 10:22:30px7aYCo. (1/1)

また懐かしいものをwww


801以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/17(水) 14:07:48HNPLLgtY (1/1)

今こそ格闘もののRPG作れば売れるんじゃね?
ケルナグールみたいなやついいじゃん
ついでにシューティングのRPGも作ればいいのに


802以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/17(水) 18:16:42PmWvYcJc (1/1)

おっと頭脳戦艦ガルの悪口はそこまでだ


803以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/17(水) 18:30:20Z.DvFd46 (1/1)

レガイア伝説とか良かった


804以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/19(金) 19:36:473ZswJGtQ (1/2)

僧侶(えっ……って、わわっ!?え、どこですかここ!?)

女戦士(なっ、何だ!?急に辺りが暗く……てか真っ暗じゃねぇか!)

魔法使い(これは……まるで闇の中に私たちが浮いているようね)


僧侶(あれれ?勇者さんの動きが止まってます)

女戦士(クソッ、体が動かねぇ。……いや待てよ、これは――)

魔法使い(――感覚がどこまでも研ぎ澄まされて、まるで時が止まったように感じているのね)


僧侶(ふわー……魔妖女さんも空中で凍ったみたいに止まってます)

女戦士(ほーん、これが貯めに貯めたMPの片鱗って訳か)

魔法使い(これが、これがカクゲーの世界。勇者の到達している境地……)


僧侶(……勇者さんはやっぱりカッコいいなぁ)

女戦士(まぁ、これで終わりってこたぁないわな。何が起こるか楽しみだぜ)

魔法使い(MP450から繰り出される必殺技……一体何が飛び出すのかしら)


805以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/19(金) 20:01:193ZswJGtQ (2/2)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

勇者「切り裂けっ!」

ズァァッ ビシュシュシュシュシュ―

狐妖女「なッ!?」

狐妖女(は、早いっ!先程見たかまいたちの比ではないのじゃ!腕の先端がまるで見えぬっ!)

狐妖女(超速度の腕から放たれる無数の真空の刃――恐ろしい男じゃ、まだこんな技を隠し持っていたとはのぅ……)

狐妖女(――じゃが!)

狐妖女(幾ら超速度で数があろうと、お主の目の前にあるのは此方の奥技、『九尾爆炎弾』と『二手爆炎弾』による超連射のメラゾーマじゃ)

狐妖女(想像を絶する光と高熱を放つ、此方のすぺしゃるな超威力の火炎系究極魔法!)

狐妖女(例え1つや2つかまいたちで掻き消したところで何の用も成さぬ。……此方に刃が届かなければお主の負けじゃ)

狐妖女(……これまでじゃな勇者)

狐妖女(さぁ!此方の炎の牙に屠られるがよいっ!)

―― ゴァッ

―― ビシュッ

カッ…!


806以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/19(金) 20:03:15EX97kSDs (1/1)

結界外のやつも動かずにみてるだけ状態にしてしまうの
テーレッテーは聞こえるのかしら


807以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/20(土) 04:54:51WY6BHV7U (1/2)

―― フッ

狐妖女(バっ……バカなっ!?)

狐妖女(こ、此方の……此方の……ぷらちなぷれみあむな超威力のメラゾーマが……!)

狐妖女(かっ、かまいたちと相殺ッ!?)

―― フッ フッ

狐妖女(ありえぬ……メラゾーマと……あの小さなかまいたち一つが同じ威力じゃと……ッ!)

狐妖女(一体どういう技の構造を――いっ、いかんッ!)

狐妖女(もしそうならば……そうならば此方のメラゾーマの数が圧倒的に足りぬ!)

狐妖女(此方のメラゾーマを相殺できる威力を持った、かまいたちが此方に届いてしまったら……)ゾゾッ

狐妖女(ああ、ああ……、駄目じゃ……間に合わぬ……あれよりも更に強力な魔法を撃つには遅すぎ――)

ビシュシュシュシュシュ!!

狐妖女(グッ、ガっ、あッ――)

狐妖女「に"ょわ"あ"あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

― ッドシャァ…

K.O.


808以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/20(土) 07:43:57kuhATif6 (1/1)

さすが勇者(梅)


809以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/20(土) 08:17:53HMiE6LAA (1/1)

???「にょわ~☆」


810以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/20(土) 11:42:06ipQB2v3A (1/1)

紙装甲だなww


811以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/20(土) 23:55:41WY6BHV7U (2/2)

勇者「これぞ南斗聖拳の真髄っ」キュポッ グビグビ

 ウ ィ ー ン
― W I N ―

  レ ェ イ
― R E I ―


僧侶「…………」

女戦士「…………」

魔法使い「……今の――」

女戦士「ぃよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」グッ
僧侶「やったぁぁぁぁぁっ!」ピョンッ

女戦士「あンの野郎素手で四天王の一角落としやがった!しかもタイマンでだ!」

僧侶「流石です勇者さん!すごいですっ!強くてカッコ良いですっ!」

狐妖女「」

プシュー

魔妖女「」


魔法使い「……え?」


812以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 01:30:424CL9/uBc (1/3)

魔妖女「……ぅ……ぁ……」ピクピク


魔法使い「!」

魔法使い「下がって皆!まだ魔妖女は生きてるわ!」

女戦士「なッ、渋てぇクソババァめ……!」チキッ

僧侶「あわわわわわ!」


勇者「いや魔法使い、もう大丈夫だ」

魔法使い「大丈夫って何がよ!まだ変身とか超回復残してたら大変な事に――」

勇者「心配ない。ラウンドは取った。本人の回復力次第だが、しばらくはろくに戦えないだろう」

女戦士「……回復力?しばらく戦えない?」

僧侶「ど、どういう事でしょう勇者さん……」


勇者「……む?」

勇者「…………」

勇者「……ああ」ポンッ

勇者「まだ皆には伝えてなかったな。カクゲーは――」


813以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 02:22:584CL9/uBc (2/3)

――――

魔法使い「…………」

女戦士「…………」

魔法使い「……豚だらけね」

女戦士「……ああ」

魔法使い「……縛るの、大変だったわね」

女戦士「……縄も足りなかったしな。カーテンとか絨毯で簀巻きにしたりして……まあ、大変だったな」

魔法使い「…………」

女戦士「…………」

魔法使い「……私、あの豚とあの豚の頚椎、確実に破壊したはずなんだけど」

女戦士「……あたしはあっちの豚とこっちの豚の頸動脈をきっちり斬った記憶があるな」

魔法使い「血、出てたわよね」

女戦士「そっちもそっちでやたら鈍い音してたよな」

魔法使い「……で、何でこいつら生きてるワケ?」

女戦士「……まぁ、さっき勇者が言ってた通りじゃねぇのか?」


814以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 03:19:414CL9/uBc (3/3)

僧侶「ええと、何でしたっけ。カクゲーは究極の波動拳とかなんとか……」

女戦士「究極の昇竜拳じゃなかったか?ナンか傷つけるの良しとしないとかナンとか……」

魔法使い「……活人拳、ね。それじゃどっちも傷つける気満々じゃない」

女戦士「あぁ、ソレだ。あたしの故郷にもそんな道場あった気がするな。人を活かす剣だとかそんなのがよ」

魔法使い「……でも、それって武の精神的な話でしょ?」

女戦士「ああ。心と体を育てる……まぁ、ガキの時分にゃ丁度いい稽古だな」

魔法使い「その活人剣の流派で、相手をメッタ打ちにしたら――相手は生きてたりする?」

女戦士「そもそもメッタ打ちなんざしねぇが……まぁ死ぬ。鈍器だろうと刃物だろうと、メッタ打ちにすりゃぁ当然だ」

魔法使い「そうよね。メッタ打ちにすりゃ死ぬものよね」

女戦士「…………」

魔法使い「……この豚共は死ぬどころか傷一つ負ってないし、服に血痕すらないのよ?」

僧侶「えぇと、つまり、そのっ……た、戦う前まで戻されたのでしょうか?」

魔法使い「……そう、なのかしら……」ガシガシ

女戦士「まぁいいんじゃねぇのか?首を取ってわざわざ持ってくより、歩いて貰った方が手間かからないしな」ハハッ

魔法使い「……うー、駄目だ……何か感覚が麻痺してきて段々分からなくなってきたわ……」ガシガシ


815以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 03:22:34HKnt0E/A (1/1)

時の砂………!


816以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 06:19:31/pa4oU.g (1/1)

格ゲーだもんな、破れた服がround2!とか始まったら直ってるもんな


817以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 10:17:25MUkfShok (1/1)

面白いなこのSS


818以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 13:20:46t.wHjzNQ (1/1)

ぜ、絶命奥義…


819以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/21(日) 20:24:006/yDma8U (1/1)

真っ二つにしたって生き返るのが格ゲー…


820以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/23(火) 22:43:00e4H9lRW6 (1/1)

メッサツゴウショウリュウ


821以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/23(火) 23:08:02OBrXwV.Q (1/1)

格ゲーだからどんなピンチでも諦めない
格ゲーだから殺さない
格ゲーだから女でも殴る(これは一工夫してたけど)

バトル系のめんどくさくなりがちな点を簡単に解決しているな


822以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/23(火) 23:22:01nV8FO2U6 (1/1)

格ゲーだからパンモロ平気も加えたいところだ


823以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/24(水) 01:22:32PlkS1tmY (1/1)

ブレイブルーだと見えないけどな


824以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/24(水) 01:50:597AR8VjwI (1/1)

格ゲーだから100回地面に弾んでも辛うじて大丈夫


825以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/28(日) 18:24:41wkSLTPwA (1/1)

しえん!


826以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/29(月) 21:55:24y4xo2Sjw (1/1)

発想が良いね
面白いので支援


827以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/30(火) 23:14:28noUvSzSE (1/2)

――――

魔妖女「ぁぅ……駄目じゃ……此方は攻め専門で……受けはちと……ぅぅ……」ビクビク

勇者「……む?」

魔妖女「ふわぁッ!?………………なっ、何じゃ夢か……」

勇者「目が覚めたようだな」

魔妖女「……うむ……ヒドい夢じゃった……」ショボショボ

勇者「そうか」

魔妖女「…………」ボー…

勇者「…………」


魔妖女「ッにょわぁぁ!」

勇者「どうした?」スッ

魔妖女「ヒっ、ヒィィッ!?こっ、こっちに来るでな――ひにゃあああああぁぁぁぁぁ!!」

魔妖女「――あふぅ」カクン

魔妖女「」ブクブク…

勇者「…………」


828以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/30(火) 23:26:13noUvSzSE (2/2)

僧侶「勇者さん触れもせずに魔妖女さん倒しちゃいました……」

女戦士「ハハッ。カクゲーの【奥技】をまともに食らったんだ。トラウマにもなるだろうよ。ざまぁみろってんだ」

魔法使い「いい気味よ。でも色々聞きたいこともあるから、寝てもらってても困るのよね……」

女戦士「任せな。あたしにいい考えがある」

魔法使い「…………」

女戦士「何だその目は。まぁ見てなって」グルグル

女戦士「活を入れるっつってな。こう、この辺りをこんな角度で押し込むと、気をやってても目が覚めるのさ」ヒュッ ヒュッ

魔法使い「へぇ、あなたそんな器用な事できたのね」

女戦士「心得のあるおっさんに習ったんだよ。ほいじゃまぁ――」

女戦士「――うおりゃぁぁぁぁぁッッ!」ブンッ

ボグッ

魔妖女「ぎにゃぁぁぁぁぁ!なっ、何事じゃぁ!?」バッ

女戦士「おお、すげぇ。初めてやったけどうまくいったな」

僧侶「え、えぇー……」

魔法使い「……あたしが気絶してもそのまま放っておいてね女戦士」


829以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/30(火) 23:55:545yA4RYb6 (1/1)

キタカ!
Σ====④


830以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/31(水) 00:06:434vcgeixs (1/1)

――――

魔妖女「こ、此方をどうするつもりじゃ」ガタガタ

女戦士「首を斬る」チキッ

魔妖女「ひっ」ビクッ

魔法使い「コラコラ、斬らないわよ」

魔妖女「……ふぅ」ホッ

魔法使い「洗いざらい吐いてもらってからじゃないと困るわ」

魔妖女「ひぃぃっ!」ビクビクッ

僧侶「……お二人とも何だか生き生きしてますね」

勇者「……ああ」

魔法使い「まぁ半分は冗談だけど」

魔妖女「は、半分!?」

魔法使い「そうね、まず手始めに……あなたが魔王軍で担っていた役割と部下の情報」

魔法使い「潜入させているスパイ全員のリスト。それから――」

魔法使い「――財宝と古文書をあるだけいただこうかしら?」ニマァ


831以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/31(水) 01:45:48.tzgs3pc (1/1)

今更だが、格ゲーってことはザッパとかアナカリス?的な存在にもなれるのかな


832以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/31(水) 06:16:52j6oAfc/2 (1/1)

そうなるとアメコミヒーローにもなれそうで怖い


833以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/31(水) 07:24:34M1XMv1fQ (1/1)

世紀末バスケ出来るんだし大概はいけるだろ
CPU専用とかは怪しいが


834以下、名無しが深夜にお送りします2013/07/31(水) 19:00:36YQOhERyM (1/1)

当然触手のような攻撃も可能なんだろうな(期待)


835以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 00:38:5974SsFLok (1/1)

勇者は魔王を倒すために旅してるの?
「俺より強い奴に会いに行く」為じゃないの?


836以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 01:31:36FOoOQIfE (1/1)

>>835
最初の数レス読み返してこい


837以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 02:02:23kCf4cq7Q (1/1)

もう半年以上前なのか……


838以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 14:01:17i7sl02qE (1/1)

支援、好き

間違いだったらすまないが、もしかして 友の女体化 もこの人の作品?


839以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 16:58:036mEheGjs (1/1)

>>836
お前アホだろ


840以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 19:02:38XzuIEJQ6 (1/1)

>>838
女体化はしらないけど、寒いときはお兄ちゃんになんてろってのとか、お前はコブラッとかは書いてたと記憶してる


841以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/01(木) 22:57:42znM7Zv4w (1/1)

>>839


842以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/02(金) 03:55:46XonmPUzM (1/1)

>>839


843以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/02(金) 12:37:41XpvNFBDA (1/1)

>>839
赤くしときますね^^


844以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/04(日) 00:20:31KIFCJ0fM (1/1)

続き早く書けよ


845以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/05(月) 13:35:43yhjNVYhA (1/1)

これは面白い


846以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/05(月) 20:48:18Jwzf6mYo (1/1)

続きまだ?


847以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/06(火) 21:13:0649xfwf.E (1/1)

ゲージをためてるんだろ、少し待とうぜ
wktk


848以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/06(火) 21:43:30yZWulDj6 (1/2)

ひょっとしてお金入れないと続き書いてくれないとか!?


849以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/06(火) 21:48:23yZWulDj6 (2/2)

INSERT COIN
なのか!?


850以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/07(水) 02:49:35CjGKK1s2 (1/1)

now loading...


851以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/07(水) 16:38:08Lq/mLL/E (1/1)

そういえばネオジオCDのNow Loadingは人知を超える長さだったな


852以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/10(土) 20:14:23nbxoYMDk (1/2)

ひょっとしてもう書かないつもりなのか?
そりゃねえだろ……


853以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/10(土) 20:27:14nbxoYMDk (2/2)

2ちゃんねるのとあるスレにスレ住人みんなから「もう書くな出て行け」って
言われてるのにまだやめないアホの荒らしがいるんだが
ここはその逆だな
みんなが「面白い!続き書いて!」って言ってるのにもう書いてくれないなんて……
こんなもんなんだろうな…世の中なんて……


854以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/10(土) 20:40:34uKt0b8Cs (1/1)

まだ二週間も経ってないのに、諦めるの早すぎだろ
人によっては、一月ぐらい空くんだから気長に待とうや


855以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/11(日) 11:55:20DVzJX.4U (1/1)

別のを先週書いてたから失踪してるわけじゃないよ
ついでにこの>>1はゆっくりだから気長に待つしかないわ


856以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/11(日) 12:22:51CsISFPsE (1/1)

別のってどこのスレ?


857以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/11(日) 16:52:42Z61kv9es (1/1)

>>855
その別のを書いてた人とこのスレの>>1が同じ人だってなんでわかるの?


858以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/11(日) 20:00:56WPGjG1U2 (1/1)

>>856
幼馴染「おまえはコブラッ!」~とかそんな感じの
なんか落ちてる
朝まで生きてた

>>857
寒いときはお兄ちゃんに限るとかそんなSS書いてたときにこれも書いてるって自分で晒してたから


859以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/12(月) 23:16:48UkNtI1zs (1/1)

>>858
その別のやつとカクゲーとどっちが面白い?


860以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 00:19:293OIf7iO. (1/1)

自分で探して読むくらいの努力しろよks


861以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 20:49:46F0RGtfB6 (1/3)

もう落ちてるんだろ?


862以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 21:00:500/fFX2sg (1/1)

だから探せって言われてんだろROMってろ


863以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 23:31:20F0RGtfB6 (2/3)

お兄ちゃんSSとかってあんまり好きくないから探す気なんかおこらないもの


864以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 23:33:09F0RGtfB6 (3/3)

見つけても読まないし


865以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/13(火) 23:35:23rq/nbXY2 (1/1)

じゃあ読むなよwwww
マジで無駄な話するなよお前ら
スレが埋まったらどうすんだ


866以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 00:02:03Tos5KK3U (1/1)

臭いやつは黙ってNG入れとけ


867以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 02:08:53eJoTtds. (1/5)

ご無沙汰してます
このスレで完結させようと試みましたが、無理ゲーでした
なので話がキリの良いところまで進んだら次スレを立てます
>>900越えたら誘導入れるまでレス控えて貰えると助かります

遅くて本当にすまん


868以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 02:10:46tnOb071. (1/1)

おk把握
ちゃんと完結させてくれるなら気長でも問題ないさ


869以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 02:13:56eJoTtds. (2/5)

――――

魔法使い「……ふぅ、まぁこんなところね」

魔妖女「うぅ……喋りすぎで喉が痛いのじゃ……」

女戦士「結構あやふやなところ多かったけどよ、それでいいのか?」

魔法使い「概略を掴めるだけでも、大分違うわよ。実務は現場にいる部下に任せてたんでしょうし」

魔妖女「……此方は……これからどうなるのじゃ?」

女戦士「……斬首かな?」

魔妖女「ひっ……!」

魔法使い「まずは砂漠の街で色々聞かれるんじゃないかしら」

魔法使い「あなたが犯してきた悪事とか、魔王軍の情勢とか……まぁ私と変わらないわね」

女戦士「まぁ、方法はもっと乱暴だろうがな」

魔法使い「最終的には王都に護送されるか、あるいは領民と領主の怒りが収まらなければ――」

―クイッ

女戦士「広場で頭と胴体がさようなら、ってとこだろ」

魔妖女「……うぅ」


870以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 02:28:33eJoTtds. (3/5)

魔妖女「……た、頼む勇者!」

勇者「む?」

魔妖女「も、もう二度と悪事は働かぬ!金輪際人にも危害を加えぬし、魔王様に仕えるのもやめる!」

魔妖女「じゃから……じゃから此方を、此方を見逃してくれまいか!」

勇者「…………」

魔法使い「そ――」

女戦士「寝言言ってんじゃねぇぞクソババァ」

女戦士「さんざあたし達を殺そうとしておいて、今度ぁ自分の命は惜しいだぁ?調子が良いにも程があるぜ」ケッ

魔妖女「う……」

女戦士「殺してるならな、殺されても文句が言えねぇんだよ」

僧侶「女戦士さん……」

女戦士「それにテメェは四天王の一角背負ってるんだ。むしろ死に際はでんと構えて然るべきだろうが」

女戦士「みっともなく命乞いをする行為が、お前を慕っている部下の目にどう映るのか――考えてものを言えよ」

魔妖女「……うぅ……ひっく……ぐす……」

勇者「…………」


871以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 02:51:25eJoTtds. (4/5)

――――

「勇者様がっ!勇者様がお帰りになられたぞー!」

「おぉ……あのお方が……。何と凛々しいお顔つきなのじゃ」

「そう、そうなんだよ!あの人達が俺達を助けてくれたんだ!命の恩人なんだ!」

「聞いた話じゃ、ここらの街道の魔物を一掃したのも勇者一行らしいぜ」

「それなら俺も聞いたな。金を積まれた訳でも、依頼でもないのに片っ端から退治してくれたとかなんとか……」

「っへぇ!それじゃまるで伝説の勇者みてぇじゃねぇか!こちとら自分の事だけで精一杯だってのに……ありがたやありがたや……」


僧侶「……えへへ」

魔法使い「……急にどうしたの?」

僧侶「ハッ……!街の皆さんが勇者さんの事褒めちぎってるのが嬉しくてつい顔がっ」

女戦士「だらしない顔の僧侶がいたら、勇者の株が落ちるかもな」

僧侶「そ、そんなっ!?わたし、これ以上勇者さんに迷惑をかける訳には――」ワタワタ

女戦士「冗談だよ。凱旋だぜ?誰もそんなの気にしないって。ほらスマイルスマイル、ピースしとけピース」ブイブイ

魔法使い「……株を落としてるのはむしろあなたよ……」

勇者「…………」


872以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/14(水) 03:23:31eJoTtds. (5/5)

ブヒィ… トボトボ… ズズッ ズズッ…

―ゾロゾロ

「……オークマンにブラウニーにスライムナイト、捕虜にしちゃ随分と多くねぇか?元はどれだけいたんだありゃ」

「それがよ、信じられねぇかもしれねぇが……勇者様が全員生け捕りにしたらしいんだこれが」

「ハァァッ!?こ、こいつら全員を……生け捕りだって!?」

「……四天王の一人と部下をまとめて相手して……そんな余裕あるのかよ……」ゴクリ


魔妖女「……うぅ……ぅ……」グスッ

―ジャラ…ジャラ…


「……あれが噂の魔妖女か」

「催眠の魔法で色んな奴を骨抜きにしちゃぁ密偵に仕立てあげてたって話だぜ」

「それに人の生き血が大好物だって話だ。だから今回街の奴を攫ったのも……」

「そ、それ本当なの!?じゃぁうちの旦那も勇者様が助けてくれなかったらもしかして――」

「見てくれは良くたって魔族なんて皆そんなもんさ。野蛮で狡猾で……まぁとにかくクズなんだよ」

「ケッ、鎖に繋がれていいザマだぜまったくよ」ペッ


873以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/19(月) 22:09:10OB6pB5FQ (1/1)

支援age


874以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/20(火) 00:07:481R7qn51s (1/1)

>>873
無駄な書き込みすんなよ
スレが埋まったらどうすんだ


875以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/20(火) 02:09:294sZNFhuk (1/1)

>>867
こう言ってるし、ちょっとならいいんじゃないの?


876以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/21(水) 21:57:07/poDntnk (1/1)

>>875
無駄な書き込みするなと言ったばかりだろうが


877以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 17:32:38s58XZrdE (1/1)

>>876
掲示板なのに書き込みしたらダメとか、バカじゃね
雑談されたくなかったら、そもそもこんな所やめて他所で書くだろ


878以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 18:22:12kQ4agl9Y (1/1)

無駄に埋めるなって事だろ…(´Д`)


879以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 21:20:41d34jf4iQ (1/1)

>>873の支援アゲはスレが700番台に突入して落ちそうだったから上げただけの事

それに対して無駄レスとか言っちゃうレスがまず無駄レス
そのレスにあててのレスもハッキリ言って無駄レス
そのレスに(ry

内容に関しての雑談をするとかならともかく
これ以上スレを埋めただの埋めてないだのの不毛なレスで埋めるのはやめないか?
>>1が区切り良くかけるように当面は700番台くらいまでスレが落ちたらアゲとけば良いのよ、把握したかな?
分かったら二度と他人にこんな臭い説明をさせないようレスには気をつけような

文句(或いは意見)が有る人がもしいたらここじゃなく酒場なり休憩所なりで話してな
勿論どこのスレから来たかとかは書かないでね荒れるから、以上うるさいのは>>1の投下まで消えます


880以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 22:55:01Mkrbygnw (1/1)

いや>>1来てもそのままROMってろよ


881以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 23:16:14PZjNRhn2 (1/1)

>>874や>>879みたいな勘違い自治体厨くんが一番害悪


882以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 23:26:5863lm.2lk (1/1)

>>865
おい聞いてんのか?
お前に言ってんだぞ


883以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/22(木) 23:30:04H7.maNQI (1/1)

正直>>1以外全員害悪


884以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/23(金) 01:33:41a79YcqGY (1/1)

それで続きはまだ?


885以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/23(金) 14:50:37yWNDWvbA (1/1)

>>883
そう思ってるなら掲示板は向いてない
小説サイトにでも行ってろ


886以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:05:56g8Us0cVw (1/8)

――――

使者「ささ、どうぞこちらへ。あなた方のお帰りを皆心待ちにしておりました」

領主「民のみならず街まで危機から救っていただけるとは……あなた方には本当に感謝してもしきれませぬ」

領主「ささやかではありますが祝いの席を設けさせていただきました」

女戦士「さ、酒が……あ、あんなに……!」

僧侶「ご、ごちそうが……テーブルから溢れそうです……!」

魔法使い「フフ、悪く無いわね」


勇者「……領主様、二三伺いたい事があります」

領主「何でしょう勇者殿?」

勇者「今回の魔妖女の一件、犠牲になった方はどれほどいたのでしょうか?」

領主「そうですな。攫われていた民は多少衰弱してるとは言え、皆無事に戻ってきておりますし――」

領主「精々が偵察に行かせた兵士がケガを負った位でしょう」

勇者「…………」

領主「これも皆、勇者殿、そして皆様のお力あってのもの」

領主「もし我々が攻め込んでいたならば……人質の命は愚か、勝つ事すら危うかったでしょう」


887以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:18:36g8Us0cVw (2/8)

――――

使者「ここの位置で喋っていただければ、風の呪文で遠くまで声が届く仕組みになっております」

勇者「ありがとうございます」

領主「…………」

――――

ザワザワ…

「もうちょっと前へ詰めろおっさん!そっちののっぽはしゃがめ!全然見えないだろうが――」

「勇者様、一体どんなお話をされるのかしらねぇ。武勇伝とか、やっぱり激励の――」

「さっきは人がすごくて見る事すらできなかったからな。今度はこの特等席で勇者様の演説を――」

――――

ジャラ…

魔妖女「こ、此方をこの高やぐらに連れてくると言うことは……つ、つまり……!」ガクガク

女戦士「黙って歩け」

僧侶「魔法使いさん、な、何が始まるんでしょう?」

魔法使い「…………」


888以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:20:59g8Us0cVw (3/8)

ミス。抜けました。


889以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:22:45g8Us0cVw (4/8)

――――

使者「ささ、どうぞこちらへ。あなた方のお帰りを皆心待ちにしておりました」

領主「民のみならず街まで危機から救っていただけるとは……あなた方には本当に感謝してもしきれませぬ」

領主「ささやかではありますが祝いの席を設けさせていただきました」

女戦士「さ、酒が……あ、あんなに……!」

僧侶「ご、ごちそうが……テーブルから溢れそうです……!」

魔法使い「フフ、悪く無いわね」

勇者「……領主様、二三伺いたい事があります」

領主「何でしょう勇者殿?」

勇者「今回の魔妖女の一件、犠牲になった方はどれほどいたのでしょうか?」

領主「そうですな。攫われていた民は多少衰弱してるとは言え、皆無事に戻ってきておりますし――」

領主「精々が偵察に行かせた兵士がケガを負った位でしょう」

勇者「…………」

領主「これも皆、勇者殿、そして皆様のお力あってのもの」

領主「もし我々が攻め込んでいたならば……人質の命は愚か、勝つ事すら危うかったでしょう」


890以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:23:35g8Us0cVw (5/8)

勇者「……領主様にお願いがあるのですが――」

領主「はい、それはもう何なりと。して、それはどのような――」

――――――
――――
――


女戦士「で、何故あたしらは広場まで連れてこられたんだ?」グビグビ

僧侶「ふぁんふぇふぉふゅぅひゃふぁばっ――ぶふっ!?げほっえ”ぇっほっ!?」ボロボロ

魔法使い「ハァ……あんた達、飲み物と食い物位置いて来なさいよ」

女戦士「飲める時に飲んでおくんだよ。一寸先は闇ってな。……んで?」

魔法使い「勇者が伝えたい事があるらしいの。……領主様を含めたここの街すべての人達に――」

僧侶「ッぶはっ!ゆ、勇者さんの演説が聞けるんですか!?」

女戦士「っへぇ。でもよ、あいつそんな柄だったか?」

魔法使い「……人の話は最後まで聞きなさいよ。街の人達に加えて――」ビッ

魔法使い「――魔妖女とその部下達にも、って話よ」

僧侶 「……え?」
女戦士「……あ?」


891以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:24:18g8Us0cVw (6/8)

――――

使者「ここの位置で喋っていただければ、風の呪文で遠くまで声が届く仕組みになっております」

勇者「ありがとうございます」

領主「…………」

――――

ザワザワ…

「もうちょっと前へ詰めろおっさん!そっちののっぽはしゃがめ!全然見えないだろうが――」

「勇者様、一体どんなお話をされるのかしらねぇ。武勇伝とか、やっぱり激励の――」

「さっきは人がすごくて見る事すらできなかったからな。今度はこの特等席で勇者様の演説を――」

――――

ジャラ…

魔妖女「こ、此方をこの高やぐらに連れてくると言うことは……つ、つまり……!」ガクガク

女戦士「黙って歩け」

僧侶「魔法使いさん、な、何が始まるんでしょう?」

魔法使い「…………」


892以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:45:22g8Us0cVw (7/8)

「……おい。勇者様の近くにいるのってよ……」

「女戦士さんか?いやーいい体してるよなぁ。腹筋が堪らなく――」

「バカ。その左だ左」

「……魔妖女じゃねぇか。何であんなところにいるんだ?」

「……こいつぁひょっとすると……アレかもしれねぇな」クイッ

「ああ、なるほどな。確かにコレかもしれねぇな」クイッ

――――

勇者「…………」

勇者『 街の皆さんに頼みたい事があります 』

ザワザワ…

「――勇者様が……頼み事だって?」

勇者(……女戦士、鎖を)

女戦士(ん?……おう。ほらよ)

ジャラ…

魔妖女「ひっ……こ、此方はこんな場所で……くっ……」


893以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 00:55:22g8Us0cVw (8/8)

勇者「……魔妖女、もう少し近くへ」

魔妖女「うぅ……」ズズ…

勇者「…………」グッ

―バギンッ

魔妖女「…………ん?」

「…………」

女戦士・僧侶・魔法使い「…………」

領主・使者「…………」


勇者『 ――どうか、魔妖女を許していただきたいのです 』

女戦士「ばッ――」

僧侶「ええっ!?――」

魔法使い「勇者っ!?――」

使者「ゆ、勇者様!?な、なな、何という――」

領主「…………」

ドヨドヨ…


894以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/25(日) 14:25:03OaRKSiCw (1/1)

流石勇者



895以下、名無しが深夜にお送りします2013/08/31(土) 17:46:32WStmfWfs (1/1)

支援あげ


896以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/01(日) 16:23:087zSqV90M (1/1)

遅すぎ


897以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/02(月) 07:52:28Eoi5KrAU (1/1)

べつに週刊連載とかしてるわけじゃないんだから大人しく待てよ


898以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/05(木) 00:33:21w/Oq/7xI (1/1)

週刊連載にしてくれ
お金払うから


899以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/08(日) 18:29:10lwh5Zpw6 (1/2)

「――お、おい。今勇者様が、何かトンデモねぇ事言ったような……お、俺の空耳か?」

「いや、俺も聞こえたぞ。魔妖女を許してもらいたいって――」

「――どういうこった……てっきり俺ぁ公開処刑か何かだと」

ザワザワ…

女戦士「ッんの大バカ野郎!あたしらに相談もよこさねぇでいきなり何やらかしてんだ!」ガァッ

僧侶「き、きっと勇者さんの事だから何かふ、深い考えが……何か考えがあるんですよね魔法使いさん!?」アワワワ

魔法使い「何を思って勇者が言ったのかなんて分からない。……でも確実にこの流れはマズいわ」ガジガジ

使者「領主様!よろしいのですか!?魔王に仕える四天王に情けをかけるなどと――おぉ神よ……」

領主「…………」


――――――
――――
――


領主『……勇者殿、それは本気で言っておられるのか』

勇者『はい。魔妖女を罰し、処刑するのではなく――』

勇者『――魔妖女を許し、味方につけるのです』


900以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/08(日) 19:21:35lwh5Zpw6 (2/2)

領主『……魔妖女は古より連綿と続く狐妖の末裔、生粋の魔の眷属ですぞ?』

領主『それに仮にも一度は勇者殿の命を狙った身。……何故そのような事を』

勇者『……拳を合わせた私だからこそ分かる事もあります』

勇者『それに戦いの後、私に助けを求めた魔妖女の瞳には……強い自責と後悔の念が見て取れました』

勇者『反省を促し、正しい道を示せば心強い味方になる事でしょう』

領主『……うぅむ』

領主『各地に潜入している魔妖女の部下達を寝返らせ、逆スパイとして働かせる……』

領主『確かに、勇者殿の仰る通り魔王軍に対する有効打になりうるかもしませんな』

領主『――ただし、それは魔妖女が本当の意味で我々の味方であれば、の話です』

領主『魔王に対する忠誠を捨て、魔妖女が改心したのか。それを確認できない限りは私としても、いえ、何より民が許さないでしょう』

領主『我が領地で起きた件故、砂漠の街の法にて裁けはしますが……いくら私の裁量とて限度がある。……民を蔑ろにしては国は成り立ちませぬ』

勇者『…………』

勇者『……では、どうか。私に街の方達に説得の機会を与えていただけませんでしょうか』

領主『勇者殿……』

勇者『何卒、私に機会を』バッ


901以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/09(月) 00:04:53urLsDVaA (1/1)

おつつ


902以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/09(月) 01:37:007vFwhh8Y (1/2)


――
――――
――――――

領主「…………」


勇者『 魔王に仕える事を辞め、改心すると魔妖女は誓いました 』

勇者「……そうだな魔妖女?」

魔妖女「あ、う、うむ、確かに、そうは、言ったの……じゃが……」チラリ


ドヨドヨ… ザワザワ…

「――確かに今勇者様が――」

「――まさか勇者様が魔妖女に操られて――」

「――人外ったって見た目はイイ女だからよ。やっぱり――」

ザワザワ… ドヨドヨ…


魔妖女「……の、のう勇者――」クイクイ

勇者『 ですから、どうか魔妖女を許していただきたい。そして―― 』


903以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/09(月) 03:49:297vFwhh8Y (2/2)

――――

女戦士「クソッ!これ以上見ちゃいらんねぇッ!殴ってでも止めてくるッ!」ズカズカ

ガシッ

僧侶「ま、待って!待ってください女戦士さん!」ズルズル

女戦士「なッ!?ちょ、邪魔だ!離せ!何故止めるんだ僧侶!」

魔法使い「……そうよ僧侶さん。今は何としても勇者を止める必要があるわ」

僧侶「で、でもでも!」

魔法使い「街の人達の勇者を見る目つきを見なさい」

僧侶「う……」

魔法使い「混乱もしているし、それと共に疑念も多少抱き始めてる。……下手したら私達もまとめて逆賊扱いになるかもしれない」

僧侶「……でも」グッ

僧侶「でも、もし本当に魔妖女さんが悔い――そして改め、これからの行いを正そうとしているのなら……」

僧侶「それを、ちゃんと分かっていて、勇者さんが今あそこに立っているのなら……!」

僧侶「最後まで聞き届けるべきじゃないかって、そのっ、うまく言えないけどっ、最後のチャンスなんじゃないかって……わたしっ、そう思うんですっ!」

女戦士「だぁっ!そんな綺麗事じゃぁ片付けられねぇから!止めるってあたしは言ってんだよ!」


904以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/10(火) 04:12:49vBTozEBg (1/2)

――――

ドヨドヨ…

「――どけ!どいてくれっ!道を空けてくれっ!」

勇者「……む?」

ズイッ

「……勇者様、俺ぁそこで小せぇ店開いてる商人ってもんだ」

勇者「…………」

商人「2ヶ月程前にな、俺のカミさんがそこの魔妖女に攫われたんだ」ビッ

魔妖女「うっ……」

商人「カミさん助けようにも――俺ァ商いしかできねぇ役立たずで……ここの兵士は街を守るのに手一杯だ」

商人「だから領主様は俺達に代わって、通りかかる勇者証持った奴らに頭下げて頼んでくれたんだ。礼金も宝物も弾むからってよ」

商人「……でも誰も首を縦に振りゃしねぇ。そりゃそうだ。勇者証持ってたって、あいつら別に勇者でもなんでもねぇんだ」

商人「金になったって死んじまえばそれで終わりだ。……別にそれを悪く言うつもりはねぇ。同じ立場だったら俺だってそうするさ」

商人「……だから正直俺ァもうあきらめてたんだ」

商人「ガキにもそう言い聞かせてよ、何とかカミさん無しでやっていこうってよ……そう、心に決めたとこだったんだよ」


905以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/10(火) 04:29:49vBTozEBg (2/2)

商人「――でもあんたは違った!」

商人「報酬のそろばん弾くどころか、そいつを二つ返事で引き受けて、そんで、そんで――」

商人「勇者様は、あんたはうちのカミさんを……!大事な大事なカミさんを俺の家に連れ戻してくれたんだ!」

商人「俺のカミさんだけじゃねぇ!この街の攫われちまった奴らを全員五体満足で返してくれたんだ!」

商人「あんたは感謝してもしきれねぇ大恩人なんだよ!」

――――

ザワザワ…

「――そうだわ。わたし達の恩人である事には変わりない――」

「――私のところの娘も勇者様に助けていただいたんだから――」

商人「だから勇者様、俺たちに……素直に、真っ直ぐに感謝させてくれねぇかな……」

勇者『 ……真っ直ぐ? 』

商人「……ああ。これ以上勇者様が魔妖女の肩持っちまうとよ、色々と良からぬ事を思う連中が出てくるはずだ」

商人「――だからもうよ、そんな血も涙もないような奴に、情けなんかかけないで欲しいんだよ」

商人「そうすりゃ皆手放しで勇者様を――」


勇者『 ――それは出来ない 』


906以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/10(火) 05:10:10foOn1Xbc (1/1)

いいおとこやでえ


907以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/15(日) 19:57:3732JO.Oj2 (1/1)

さてどうなる

保守age


908以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/19(木) 17:10:22QykukWQ. (1/1)

おつ

女体化の方は落ちちゃったみたいね…残念


909以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 02:23:08H8G5Iuds (1/3)

勇者『 人質は無事戻り、魔妖女は降伏し、心を入れ替えると誓った 』

勇者『 償う意志があるのなら、それが贖える罪ならば…… 』

勇者『 機会を与え、改心の道を歩ませるのが道理ではないだろうか? 』

商人「……ッ」

勇者『 奪われたから奪い返す。痛みを受けたから相手に痛みを与える 』

勇者『 終わらぬ恨みの連鎖は……やがてお互いを滅ぼす 』

勇者『 【かぶせ】に【かぶせ】ても永遠に決着は付かない 』


商人「……確かにあんた言う通りかもしれねぇ。それが、正しい行いなのかもしれないさ」

商人「もしこの女が『人』だったら俺も納得したかもしれねぇ」

商人「――だがこいつは四天王で!人をかどわかす魔妖女だ!」

商人「嘘をついてないって証が何処にある?俺たちを襲わないって証はどこにある?」

商人「こいつが改心したと嘘を付き、俺達を襲わないって保証はどこにあるんだ!?」

商人「あんた達が去った後に襲われたら俺たちは一溜りもねぇんだよ!」

ザワザワ… ドヨドヨ…

勇者『 ………… 』


910以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 02:48:20T5d9Gln6 (1/1)

話の展開が丁寧だなあ


911以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 02:51:59H8G5Iuds (2/3)

――――

魔妖女(何なのじゃ……?一体何故なのじゃ……?)

魔妖女(……此方は確かに心を改めると勇者に言いはした。じゃが――)

魔妖女(此方は、此方は死にとうない一心で……命乞いをしたに過ぎぬ)

魔妖女(……その此方に対して何故勇者はここまでするのじゃ?)

魔妖女(何故己の立場を危ぶめてまで此方を庇うのじゃ?)

魔妖女(種族すら違う、一度はお主を殺そうとした此方を……何故そこまで信じられるのじゃ?)

魔妖女(分からぬ……此方にはまったくもって理解できぬが……)

魔妖女(…………)

魔妖女(勇者のあの瞳――限りなく真っ直ぐなその眼差し……)

魔妖女(それを思うと、胸を鷲掴みされたかのように苦しくなる……これは……)

魔妖女(何なのじゃ……?この胸を満たすこの気持ちを、温かさを……勇者――お主は見透かしておるのか?)

魔妖女(勇者……)

魔妖女(此方は……)

魔妖女(此方は……此方は……ッ!)


912以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 03:16:30H8G5Iuds (3/3)

――――

魔妖女「……そうじゃ」

魔妖女「此方は魔妖女。高貴にして崇高な魔の眷属。誰もが羨む美貌と魔力を欲しいままにする――魔妖女なのじゃ」

勇者「……む?」

魔妖女「勇者よ。その場所を貸してはくれまいかの」

勇者「…………」スッ

魔妖女「……礼を言うぞ勇者。お主の此方に対する働き、決して無駄にはせぬ」

魔妖女「例えここで命尽きたとしても――お主から受けただけの恩は返すつもりじゃ」

勇者「……魔妖女?」

――――

「――な、なんだ?魔妖女が前に出てきたぞ……」

「……命乞いか?この期に及んで浅ましい――」

――――

―バッ

魔妖女『 聞こえるか砂漠の街の民よ!此方は魔妖女!高貴にして崇高なる魔の眷属じゃ! 』


913以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 04:55:457ZbzLrKE (1/1)

更新キター


914以下、名無しが深夜にお送りします2013/09/27(金) 07:36:08vhItP9CE (1/1)

勇者△

続きを待ってる


915以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/02(水) 01:53:13Lhm/L62w (1/3)

魔妖女『 此方は勇者に敗れ、二度と悪事を働かぬと確かに誓った! 』

魔妖女『 じゃが此方は昨日まで魔王軍に身を置き、魔王の臣下であった身―― 』

魔妖女『 そこの男が言うた通り……信ずる価値などないと断ぜられても、詮無き話じゃ 』

魔妖女『 ――じゃが安心せぃ砂漠の街の民よ。もう此方を信ずる必要もない 』

魔妖女『 お主らが望むのであれば、此方はこの身を差し出そう。斬るなり焼くなり、好きにするがいい! 』

ザワザワ… ドヨドヨ… ザワザワ… ドヨドヨ…

勇者「早まるな魔妖女、それでは――」

魔妖女「良いのじゃ勇者。……これで良い」

魔妖女「此方は助かりたいあまりに、命より大切なものを投げ出すところじゃった」

魔妖女「……どうあっても此方は大将、頭じゃ。あの者達を導いてここまで来た尊い魔妖女さまなのじゃ」

魔妖女「ならば死に際がみっともなくて良い道理などない。死ぬなら堂々と優美に、じゃ」

勇者「魔妖女……」

魔妖女「その覚悟をくれたのは他でもないお主と……いやお主だけじゃ。重ねて礼を言うぞ勇者よ」

魔妖女「それに肝心要はここからじゃ。……最後まで此方を見届けよ勇者」

勇者「…………」


916以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/02(水) 02:13:17Lhm/L62w (2/3)

魔妖女『 ――此方はもうどうなっても構わぬが……此方の命が尽きる前にやらねばならぬ事がある 』

魔妖女『 偽か正かも分からぬ命乞いを信じ、此方に情をかけた勇者に―― 』

魔妖女『 同じ分――いや!それ以上の恩を返したいのじゃ! 』

バッ

魔妖女『 故に!此方の奥技を以って、勇者の誠意に此方は応えよう! 』

魔妖女『 お主らに未来永劫の安寧を与え、其れを此方の礼としよう! 』

――――

オークマン「ブ、ブヒッ!?ま、まさか魔妖女様はアレを使うおつもりじゃ……!」

ブラウニー「魔妖女様ッ!それを使っては体がッ!早まってはいけませーん!うわぁぁん!」

――――

魔妖女『 ……此方の、忠実なる僕たちよ…… 』グッ

魔妖女『 ……よォく目に焼き付けておくのじゃ。お前たちを従えていた魔妖女は……最後まで美しく、高貴であったと! 』

魔妖女『 街の者も皆見ておくが良い!魔王軍随一の魔導師と呼ばれた此方の秘儀中の秘儀を! 』

―バォッ

狐妖女『 ――はぁぁぁぁぁぁ……! 』ゴゴゴゴゴ…


917以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/02(水) 02:22:30Lhm/L62w (3/3)

――――

「ひッ……!?ば、化け物!狐の化け物だ!」

「クソッ!やっぱり口だけかよ!魔物ってのはどこまでもいっても――」

―ビュオォォォォォォォ!!

「なっ、何だ!?風が急に……!」

「風だけじゃねぇぞ。空の様子が何だか妙な具合に……!」

――――

領主「……乾いた風が四方八方から。もしや――」

―ザッ

兵士「申し上げます!東の方角!距離にして約2km!巨大な砂嵐が発生しました!」

領主「……やはりか。しかし妙であるな。前兆の報告などまったく受けてはおらぬが」

兵士「いえ、それが突然湧くようにして現れまして――」

ザッ

兵士2「もっ、申し上げます!す、砂嵐が……!巨大な砂嵐が西に発生しました!」

領主「……何!?」


918以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/08(火) 21:42:33PWUPL0H6 (1/1)

支援あげ


919以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/08(火) 22:23:13mIreqVyQ (1/1)

うーん、仲間にはならんのかな?


920以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/11(金) 15:08:57evNf9Jw6 (1/2)




921以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/11(金) 15:50:47vQSZi.sI (1/1)

支援

他のやつの続きもみたい


922以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/11(金) 23:15:15evNf9Jw6 (2/2)

続きキニナル


923以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/12(土) 16:31:20ORD7Tayk (1/1)

マダー?


924以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/15(火) 00:57:04BBbl9PNY (1/3)

兵士2「きょ、距離にして約2km――報告によれば先程の砂嵐と合わせて真っ直ぐこちらへ向かっております!」

領主「何と折の悪い……ッ!速やかに民を屋内へ避難させよ!足の遅き者は――」

ザッ
兵士3「申し上げますッ!先程の2つの砂嵐に加えて大きな砂嵐が北に発生しましたッ!進路は――」

兵士4「申し上げますっ!南と南東、それぞれに砂嵐が発生しましたっ!地平線が霞む程のかつてない――」

兵士5「もも、申し上げます!南西、北東に――」

――――

使者「あ、あぁ、ありえませぬぞ……ッ!同時に砂嵐が8つも生まれ、そのどれもが街に向かっているなどと……!」

使者「か、風向きや季節!何もかもがチグハグで理屈に合いませぬ!な、何かの間違いだ……きっとそうに違いない……アァ……」フラフラ

領主「……………」

領主「……もしや」

ポンッ

女戦士「領主様の考えてる通りだろうよ。偶然じゃぁないさ」

領主「ではやはりこの砂嵐は……」

女戦士「少々賑やかになるからよ。そっちのふらふらしてんのと一緒に離れてて貰えるか領主様」

女戦士「……とっちめなきゃならねぇ奴が2人もいるんでな」パキポキッ


925以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/15(火) 01:08:32BBbl9PNY (2/3)

――――

―ヒュオッ

勇者(!)

―― 地上(当て身) ↓/←+A

――『北斗破流掌』――

勇者「激流では勝てぬ……」ビシッ

女戦士「ぐッ!……速ぇな。見てから間に合うのかよッ!」ズシャァ

魔法使い「――『メラ』!」ゴォッ―

勇者「む!」バッ

―― →↓\+B

――『北斗無想流舞』――

ナギッ

―― 地上(飛び道具に対して) ↓/←+C

――『北斗流弧陣』――

勇者「激流に身を任せる」スッ


926以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/15(火) 01:55:57BBbl9PNY (3/3)

ピィン―ゴォッ―

魔法使い「! ――『メラ』!」ゴォッ―

―ッバォン! ―ッバォン!

魔法使い「相殺できたって事は……マホカンタと同じ性質かしら」


勇者「……女戦士、魔法使い」

女戦士「……もういい。ここまでだ」

魔法使い「あれを見なさい勇者」

――――

狐妖女『 ――あぁぁぁぁぁぁ……ッ! 』ゴゴゴゴゴ…

――――

魔法使い「魔力に煌めく八つの尾。そしてこの街に迫る八つの砂嵐……」

魔法使い「魔妖女と戦ったあなたなら分かるはずよ。あの砂嵐を操っているのが一体誰なのか」

勇者「…………」

女戦士「いいか勇者。お前は魔妖女を信じ、そして裏切られたんだ」

女戦士「素直にそれを認めろ。そしてそこをどくんだ。もう魔妖女をかばう理由もないだろう?」


927以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/15(火) 07:38:59aUXSvNb6 (1/1)

おお…気になる引きが続くなぁ


928以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/16(水) 12:13:40Dd173KBo (1/1)

続きが気になって仕事がてにつきません


929以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/18(金) 23:43:42iNxWXicA (1/1)

勇者「…………」

勇者「……私は――」グッ

勇者「――私は、魔妖女を信じる」スッ


魔法使い「……そう」

女戦士「こんな状況になっても、認めねぇか」

魔法使い「魔妖女が言葉通りに恩返しをして、街は安泰。……まだそんな『かもしれない』を信じているの?」

勇者「…………」

女戦士「けどな。あたしらにその危険を冒す権利なんざないんだ」

魔法使い「あなたがバカな真似をやめないというならば――」

女戦士「力づくでもお前を止めて、魔妖女を討つぜ」

―ザッ

魔法使い「街の人達の為、私の為、そして――」

―チキッ

女戦士「お前の為にな」


930以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/19(土) 02:01:440RaAq23M (1/1)

―ヒュォォォォォ…

勇者「…………」

女戦士「…………」ググッ

魔法使い「…………」ユラァ…

『 まっ、待ってくださいっ!! 』

勇者「!」

女戦士「……下がってろ僧侶。話は終わったはずだ」

僧侶「終わってません!お願いですから、わたしの話を聞いてください!」

魔法使い「時間がないの。これ以上魔妖女の呪文に時間を与えれば本当に取り返しのつかない事に――」

僧侶「違うんです!聞いてください!魔妖女さんはまだ……!『まだ』呪文を唱えていないんです……!」


女戦士「……な、に?」

僧侶「魔力を溜め、闘気を高めてはいても……!呪文を唱えてはいないんです!」

僧侶「でっ、ですから今の砂嵐と魔妖女さんは無関係なんですっ!」

女戦士「何……だと?おい魔法使い、そうなのか?」

魔法使い「…………」


931以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/20(日) 22:44:58smCH.SLM (1/1)

はよぅしてくれぇ!


932以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/28(月) 04:33:10/6siqDmg (1/1)




933以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/28(月) 09:35:58Wokuyj0A (1/1)




934以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/28(月) 09:41:44qB1Xbjz. (1/1)

ずっと待ってるで


935以下、名無しが深夜にお送りします2013/10/31(木) 23:32:55PAFRb78I (1/1)

魔法使い「僧侶さん、『まだ』ではなく、『既に』だったらどうかしら?」

僧侶「……え?」

魔法使い「前もって唱えた呪文が、魔妖女の何かをきっかけに発動したとしたらどうかしら?」

僧侶「でも、その、それは――」

―メラァ

狐妖女『 その通りじゃ 』ボゥッ

僧侶「魔、魔妖女さん……?」

狐妖女『 あの砂嵐は、此方が放った極大真空呪文《バギクロス》 』

狐妖女『 触れる物すべてを切り裂く真空の刃――人でも魔物でも、それこそ街でさえ千々に吹き飛ぶ代物じゃ……それを計八つ 』

狐妖女『 そこの黒帽子の言う通り……此方の合図か、あるいは此方に危機が及んだ場合に発動するように呪文を組んでおいたのじゃ 』

魔法使い「……やっぱりね」

魔法使い「陣を眼前で構えながらも街を長期間攻めなかったのは、正確な地理の情報を得、街を破壊するのに充分な呪文を用意する為―― 』

魔法使い「違うかしら?」

狐妖女『 違わぬの。流通の要所を潰し、魔王軍に更なる有利を築く為にはそれが一番確実じゃったからの 』

狐妖女『 本来は砂漠の街の要人を攫った上で魅惑《チャーム》をかけ、手駒とするまでが此方の計画での 』


936以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/01(金) 00:09:37RBw7Yjr6 (1/2)

狐妖女『 お主らのせいでそれも成らず……挙句の果てには勇者に大敗を喫し、この有り様じゃ 』

狐妖女『 あのバギクロスは、失態を演じた此方を滅し、同時に魔王軍を勝利に近づける為の此方の最後の策―― 』


狐妖女『 ――……のはずじゃった 』

女戦士「……あ?」

狐妖女『 今は違う、と言っておる。じゃから此方はこれからあのバギクロスを止めるのじゃ 』

魔法使い「何ですって!?一度発動した呪文を止められるわけが……!」

狐妖女『 出来る。同等か、それ以上の呪文をぶつければ良い話じゃ 』

―メラァ

狐妖女『 この通り準備は万端整った。後は此方の奥技を撃つまで 』

狐妖女『 ……のぅ黒帽子。……仮に此方を今倒したとしても、バギクロスは止まらぬ 』

狐妖女『 そしてお主にはあの呪文を止める程の力はない。勇者とてそれは変わらぬじゃろう 』

魔法使い「だからあんたを信じろとでも?更なる破壊をもたらすかもしれないあなたを……野放しにしろとでも言うの?」

狐妖女『 ……言うべき事は言うた。後はお主らの好きにせい。どの道この技の途中、此方は隙だらけじゃしの 』―ゴォッ

女戦士「魔法使いッッ!」

魔法使い「……ッ!」ギリッ


937以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/01(金) 00:45:04RBw7Yjr6 (2/2)

スッ

狐妖女『 右の腕より『メラゾーマ』…… 』メラァ

スッ

狐妖女『 左の腕より『ベギラゴン』…… 』ゴォッ

フワリ

狐妖女『 一の尾より『レゴール』 』ビシッ


狐妖女『 ――合体!! 』バチッ


狐妖女『 閃熱大炎ッッ、岩石獣化ッッ……『メゾラゴール』!!! 』カッ―

ゴオォォオォォオォォオ―



勇者「む……!」

女戦士「チッ……!」

僧侶「きゃぁっ!」

魔法使い「くっ!合体魔法……!?まだこんな奥の手を……!」


938以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/01(金) 08:38:466krHAm.. (1/1)

また気になるところで…!


939以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/04(月) 22:51:53zp7w3qRk (1/4)

―ギャカッ

魔法使い「炎の嵐が、八つに裂けて……!」

僧侶「砂嵐に向かっていきますっ!」

女戦士「あんなに上空だってのに、なんて熱さだ……」

勇者「…………」

狐妖女『 ――大焼成ッッ! 』

―ピキッ

―ッバオォォォォン―

――ッ ――――ッ

魔法使い「……大魔法と大魔法の対消滅?こんなのってまるで……古典や神話の世界の話じゃない……」

女戦士「! みんな見ろ!」

僧侶「炎の壁に遮られて……砂嵐が止まってます!?」


…オォオオォ

勇者「……何だ?」

…オォオォオオォォ …ゥオォオオォォォ


940以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/04(月) 22:57:11zp7w3qRk (2/4)

勇者「……声?」

―ビシッ パキキッ

―ズズ…

ガシッ

女戦士「おいおいおいおい……」

僧侶「ななななっ!?」

魔法使い「巨大な石の……腕!?」

―ズズ…

ガシッ

―ウオオオオオオオオオオオォォォ!!

ズズズズズズズ…

勇者「……石の、巨人?」

女戦士「ありゃぁゴーレムじゃねぇか!」

僧侶「ええっ!?ゴーレムさんってもっとその、小さいって程じゃないですけど、この位のっ」ワタワタ

魔法使い「……私たちの知っているゴーレムは確かにその通りね。こんな、外壁を悠々と超すサイズなんて聞いた事ないわ……」ゴクッ


941以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/04(月) 23:01:25zp7w3qRk (3/4)

女戦士「さっきまであんなクソデケェ奴いなかったろうが!どうやってあたし達に感付かれずに……」ハッ

女戦士「……まさかっ!」

魔法使い「……ええ。恐らく、そうなんでしょうね」

魔法使い「これこそが魔妖女の本当の狙い。合体魔法による超級の魔物召喚。媒体はあの砂嵐。なら当然、召喚した数も――」

―ウオオオォオオォォオオオォォォ!! ―ウオオオォオオオオォオオォォォ!! ―ウオオオオォオオオォオオォォォ!! ―ウオオオォォオオオオオオォォォ!!

―ウオオオオォォォォオオオォォォ!! ―ウオオオォォォオオオオオォォォ!! ―ウオオオオォォオオオオォォォン!!

魔法使い「――八つ。それも四方八方から。……逃げ場は、ないわ」

勇者「……すごい雄叫びだ」

――――

「――ば、化け物……」

「……ひぃっ!?じょじょ冗談じゃねぇぞ!お、俺は逃げる――」

「――逃げるったってどこに逃げれば……」

――――

魔法使い「……私の判断ミス、ね」スッ

女戦士「……気にすんな。乗ったあたしもあたしだ」チキッ


942以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/04(月) 23:48:36zp7w3qRk (4/4)

狐妖女『 ――此方の新たな僕よ!ゴーレム共よ!此方がそなたらの主、魔妖女じゃ! 』

狐妖女『 生まれたばかりのそなたらに……新たな命を与える! 』

―『ウオオオオオオオオオオオォォォ!!』

魔法使い「――ッ!」タッ
女戦士「――っ!」ダッ

魔法使い(――術者を叩けば、統制が取れた動きは出来なくなるはず)
女戦士(それからあのゴーレムを食い止める。……それしか手はない!)


狐妖女『 ――まずは全員仲良く回れ右じゃぁっ! 』ビシッ

魔法使い「…………」ピタッ
女戦士「…………」ピタッ

魔法使い「――って!?」
女戦士「――なにィ!?」

―『ウオオオオオオオオオオオォォォ!!』

―ズズンッ ズズンッ

狐妖女『 八方へ睨みを利かすのじゃ!ありとあらゆる攻撃はその鉄壁の体躯で受け!街へ害為す者はその拳で粉砕せよ! 』

狐妖女『 そなたらの新たな命は『砂漠の街の守護』ッッ!例え塵芥の一つになったとしても……守る事をやめるのはこの魔妖女が許さんのじゃぁッッ! 』バァァン

―『ウオオオオオオオオオオオォォォ!!』


943以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 00:07:15yURGiMm. (1/2)

ザワザワ…

「……お、おい。聞いたかよ、今の……」

「聞くには聞いたが……それこそ信じられるかよ!四天王だぞ?魔妖女だぞ!?」

「でもよ。砂嵐も無くなって、あの巨人みたいな魔物も動く気配もねぇし……」

ザワザワ…

狐妖女『…………』フワリ

―シュォォォォン…

魔妖女「……フゥ」ストッ

魔妖女「これで……これで良い。此方の為すべき事は……うっ」グラリ

勇者「魔妖女っ!」ガシッ

魔妖女「おお、勇者か。どうじゃ、此方の見事なゴーレム錬成術は?」フフン

勇者「……見事だ。門外漢の私でも分かる程にな」

魔妖女「そうじゃろうそうじゃろう。本来は固定された地形に対する範囲魔法でな。移動する対象となると――あぐっ!」ギクンッ

勇者「魔妖女、無理をするな。今は休――」

魔妖女「そうもいかんのじゃ勇者よ。……此方にはもう時間がない」ヨロリ


944以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 00:40:13yURGiMm. (2/2)

勇者「……時間が?」

魔妖女「この姿を保っていられるのももう限界なのじゃ」

魔妖女「此方にとって魔力とは生命力そのもの。その魔力も先程の合体魔法で底をついた。……分かるかの?」

勇者「魔妖女……」

魔妖女「最後の頼みを聞いてくれぬか勇者」

勇者「…………」

魔妖女「この街の領主をここへ連れて来て欲しいのじゃ」

勇者「……領主様を?」

魔妖女「此方の最後の我儘を叶えられるかは……領主にかかっておるからの」

勇者「……分かった」

魔妖女「礼を言うぞ勇者。何から何まで、本当に」

魔妖女「……お主は最後まで此方を信じてくれた。誰しも疑って当然の此方を、最後まで」

勇者「…………」

魔妖女「こほん。つまり……ありがとう――なのじゃ///」

勇者「魔妖女……」


945以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 01:22:502CIQIC1. (1/1)

デレた、のか……?


946以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 02:00:46NlnJNMVU (1/1)

どうか救いを...


947以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 08:59:52QMSRh6Es (1/1)

これはよいデレ…助かってほしいが


948以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/05(火) 09:38:30gDrxAfak (1/1)

……チビ……狐…?


949以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/06(水) 00:07:055jbFS1Lk (1/1)

まだわからん。例えばまだ戦闘中とか・・・


950以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 00:29:34kmA6EVso (1/6)

――――

ザワザワ…

「あれは……領主さま!」

「領主さまと魔妖女が向き合って……一体何が始まるんだ?」

ザワザワ…


領主『 ……それで、用とは何か、魔妖女よ 』

魔妖女『 ………… 』スッ

…ズザッ

魔妖女『 ………… 』ペコリ


ザワザワ…!

「ま、ま、魔妖女が……膝をついて、頭を……!」

「四天王の一角が、ど、どど土下座!?」

ザワザワ…!

魔妖女『 砂漠の街に、そして街の民に対する数々の無礼――この魔妖女が深くお詫び申し上げます 』


951以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 00:32:51kmA6EVso (2/6)

領主『 ………… 』

魔妖女『 最も、このようにお詫びしたとて、此方の罪が消える訳ではありませぬが…… 』

領主『 ……あの砂嵐はお主が仕掛けたものか? 』

魔妖女『 魔王直々の命によって此方が唱えたもの。……相違ありませぬ。 』

領主『 ……あの巨大な石の傀儡は何か? 』

魔妖女『 此方の魔法によって生を受けた魔法生物でございます 』

魔妖女『 術者の意に従い、例え半身を失おうと己の使命を全うする、此方の忠実な僕――この街を未来永劫守るようにと命を授けております 』

領主『 ……砂嵐を止め、石の傀儡へと変えた理由は何か? 』

魔妖女『 せめてもの領主様と民への罪滅ぼし、そして―― 』チラリ

魔妖女『 ――恩に報いる為でございます 』

領主『 ……では、それをお主の保身や魔王軍の為の虚言ではなく、真と証するに足るものはあるか? 』

ザワザワ…

魔妖女『 ……何も、ありませぬ 』

ザワザワ…!

領主『 ……ふむ 』


952以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 00:41:29kmA6EVso (3/6)

魔妖女『 元より助かろうと言う意志はありませぬ領主様。……此方は砂漠の街の裁きを受ける所存にございます 』

領主『 ………… 』

魔妖女『 勇者に敗れ、力を失った此方とて魔王軍の将の一人である事は変わらず…… 』

魔妖女『 また凶行を起こした身がのうのうと生を受けていては……道理が通りませぬ 』

領主『 では、お主は死罪を自ら進んで受けると? 』

魔妖女『 はい。……ですが、その…… 』

領主『 ……何か? 』

魔妖女『 非礼を承知を申し上げます 』

魔妖女『 せめてこの世を去る前に、叶えて欲しい願いが二つございます 』

領主『 ……それは何か? 』

魔妖女『 一つは部下達の死罪を……此方の命と引き換えに赦していただきたいのです 』


オークマン「ブヒッ!?……まっ、魔妖女様!そんなっ、俺たちの為に……!」

ブラウニー「おいら達の事なんてどうでもいいんです魔妖女様ーー!!」


領主『 ……もう一つは何か? 』


953以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 01:01:06kmA6EVso (4/6)

魔妖女『 ……領主様は領主であると同時に、教会の大司教であられると聞き及んでおります 』

領主『 ……? 確かにそうだが…… 』


魔妖女『 ……領主様に、婚姻を、結んでいただきたいのです 』

領主『 ……何? 』

魔妖女『 死罪を受け、御霊となるその前に、此方とある方の婚姻を結んでいただきたいのです…… 』

ザワザワ…

領主『 ……そ、それは誰か? 』

魔妖女『 ……その、ゆ、勇者殿と……こ、婚姻を結んでいたきたいのです…… 』


女戦士「――んがっ!?」

魔法使い「――ぶほっ!!」

僧侶「……………………………………………………へ?」


―スクッ

魔妖女『 もし此方がこの世を去るならば……此方は、此方は……!』

魔妖女『 ――勇者殿の妻として――死にたいのですっ! 』ドンッ


954以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 01:02:36kmA6EVso (5/6)

―シーン


『………………………………』


『――ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!?』

ザワザワ…! ドヨドヨ…! ザワザワ…! ドヨドヨ…!


領主「な、何と……!」

女戦士「」

魔法使い「」

僧侶「」

オークマン・ブラウニー・スライムナイト「」

魔妖女「~~~~~ッ!」フルフル



勇者「…………む?」


――つづく


955以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 01:05:30nGzyfKsk (1/1)

良い所で…


956以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 01:43:44kmA6EVso (6/6)

とりあえずここで一区切り
少し書き溜めたら次スレ立てます
誘導分の1レス分は残して貰えると助かります

いつも遅くてごめんなさい
レス、励みになってます
いない時、保守ありがとうございました

展開がぶっぱ気味ですが、まだ続きます


957以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 07:52:38LOv/f2j2 (1/1)

狐っ娘の改心からの嫁入りとは分かってらっしゃる
後は魔力を使い果たした魔妖女の姿が大人なのか幼女なのか、それが問題だ

続きに期待して待ってる


958以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 09:05:14sV7MiT6U (1/1)

狐娘幼女とか俺得乙


959以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 10:09:42xbnwH6gA (1/1)

あんまり展開の予想とか書き込みたくないんだけど
…なんか某作品の結婚式のシーンが頭をよぎって不安すぎる


960以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 19:03:44TIiYYLiA (1/1)

幼女になるとかふざけんな
何のためのナイスバディだよ


961以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 21:04:25l9/Toibc (1/1)

あれ?俺、いつからロリババアだと錯覚してた?


962以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/07(木) 21:35:35Gzr9p8Zc (1/1)

或いはロリ巨乳という可能性もなきにしもあらず?


963以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/08(金) 02:19:593m293mv. (1/1)

絶対待ってる


964以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/08(金) 07:55:01WJC6ulYA (1/1)

まさかの土下座から求婚ぶっぱw
この勇者だと反応の予想がつかんのう

気長に待ってますぜ乙


965以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/08(金) 16:15:35gw3jWsG6 (1/1)

ロリババア()とか要らんからマジで


966以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/08(金) 19:01:29wD4jDa5k (1/1)

ロリは結構です


967以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/10(日) 00:01:38SbpIOgXw (1/3)

【意味】 狐の嫁入りとは、日が照っているのに、雨がぱらぱら降ること。日照り雨。天気雨。

【狐の嫁入りの解説】
【注釈】 狐の嫁入りは、夜に遠くの山野で、狐火と呼ばれる無数の灯火が一列に並んでいる様子を、狐が嫁入りする行列の提灯に見立てて呼んだもの。
天気雨が降るときには狐の嫁入りがあるという俗言から、日が照っているのに雨がぱらぱらと降ることを「狐の嫁入り」と言うようになった。

雨どころか砂嵐でしたね


968以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/10(日) 00:04:56SbpIOgXw (2/3)

ところで最近の勇者の活躍
カクゲーっぽいことやってないじゃん
書くの遅いからそうなるんだぜ


969以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/10(日) 03:00:54N8dFMAG2 (1/1)

ちゃんと魔妖女戦で格ゲーしてたろ
世紀末を核ゲーと呼んでいいのかはおいて
会話の所も格ゲー要素入れろって言うなら話は別だけども


970以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/10(日) 21:47:38SbpIOgXw (3/3)

ちげーよ
もう1ヶ月もカクゲーやってないって言ってるんだよ


971以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/20(水) 21:38:08aMt8RS4Y (1/1)

ほしゅ


972以下、名無しが深夜にお送りします2013/11/30(土) 21:56:5798eKE.M2 (1/1)

ほしゅ


973以下、名無しが深夜にお送りします2013/12/03(火) 23:09:3742i0g4jY (1/1)

ほほしゅ


974以下、名無しが深夜にお送りします2013/12/14(土) 07:21:12IXrC19LQ (1/1)

ほす


975以下、名無しが深夜にお送りします2013/12/16(月) 02:10:06AhNOhjyg (1/1)

新スレ立てました

勇者「古代魔法『カクゲー』」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1387127276/

カクゲー分増々で頑張りたいです


976以下、名無しが深夜にお送りします2013/12/18(水) 00:41:24prNyrzkw (1/1)

乙です