816 ◆WgnmsRcFGw2013/05/03(金) 17:13:45.43H0YcCtsH0 (4/5)



マホ「うーん、どうでしょう?分かりやすいような、そうじゃないような……」

マホ「でも、多分マホにはこれが限界です……簡単にまとめるって言いましたけど、まとめられない!まとめにくい!」

マホ「なんというか、これまでに至る流れを汲みとってもらえたら幸いです!」

マホ「さぁ、物語もいよいよ終盤!レイヤード各地で正体不明の部隊が暴れまわり、企業の力は次第に衰退していきます!」

マホ「照さんはどうするのか?菫さんは?」

マホ「かなりゆっくりになると思いますが、それでもみなさんについて来てもらえたら嬉しいです!」

マホ「では、また次の番外編で会いましょー!さようならー!」




817 ◆WgnmsRcFGw2013/05/03(金) 17:17:39.95H0YcCtsH0 (5/5)

はい、無茶苦茶短いです。
次回の本編ですが、今日……は多分無理なので、早ければ明日明後日にでも投下に来れると思います。
ACシリーズは何故か軒並み安い!中古でSLまでなら多分千円札一枚で全部買えちゃいます。
連休ですが、まぁ何の予定もないのでたくさん書けますねヤッター


818VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/03(金) 17:23:22.16+fUp/kJso (1/1)

乙!話の整理と再確認ができてよかったです
クライマックスが楽しみ


819VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/03(金) 17:23:39.73psF8j80po (2/2)

SL無かった
これ以外はやったんだが…あ、FFもやったこと無いや


820VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/04(土) 20:54:54.81tRUC8feeO (1/1)

こういうのを読んでると無性にブキヤのVIを組みたくなってくる
積んでるデルタを引っ張り出してこようかな


821VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 00:00:59.25jN2AOS/lo (1/2)

立体ものも良いのが多いよね


822VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 00:16:43.79At2JCB2wo (1/2)

昔オラクル組み立てたけどゆるゆるだった


823VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 01:01:53.42kSMbbmCkO (1/1)

初期の物は品質のバラつきが大きかったし特にポリキャップは鬼門だったけど
ネクストになってからはある程度安定してるし関節やポリパーツが緩々だったり割れたりするって話は殆ど聞かなくなったな


824VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 20:37:10.46shXFeo6co (1/1)

105円でSLゲット
3引継ぎによりヌルゲーと化しているけど


825 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:07:58.52iS0GnWA90 (1/19)

こんばんは!なんとか来れました。
焼肉食べてました。胃がぽっこり出てるー

>>821
ルージュのキットはまだですか
>>824
やっぱり安い……私は引き継いでもアーカイブ襲撃で折れかけました。

では投下ー


826 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:09:46.61iS0GnWA90 (2/19)


◇◆◇◆

―side:菫―

―トレネシティ:自宅―


「さて……」

……腹が減ったな。
時計を見ると、もう20時に迫るというところだった。腹も減って当然か。

「今日は何にしようか」

冷蔵庫を開ける。
入っているのは、麦茶、牛乳、玉子、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、中濃ソース……

「……何もないな」

買いだめしておかなきゃな……

「ふむ」

食べるものが家に無いと来た。
じゃあ、

「食いに行くか」

幸い、金には全く困っていない。久々にラーメンでも……

「誰だ……?」

ぴーっという音が部屋から聞こえてきた。メールの受信を知らせる音だ。
PCを立ちあげ、確認する。

「仕事か……」




827 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:10:50.83iS0GnWA90 (3/19)



依頼主:ミラージュ
作戦領域:トレネシティ中心部
敵勢力:高機動型MT
作戦目標:敵部隊の全滅

『我が社が管轄しているトレネシティに対し、所属不明の襲撃部隊が侵入した。
 現地へ向かい、これを迎え撃ってもらいたい。
 本来都市を守るべき警備隊は、現在クレストと共同で訓練を行っている。
 この進攻は、警備隊の不在を見越してのことだろう。おそらくはクレストの仕業だ。
 進攻部隊はかなりの戦力を持っているが、このような卑劣な行動を、決して許すわけにはいかない。
 なお、こちらから僚機を派遣する。協力して作戦にあたってくれ。
 報酬は各々の撃破数に応じて支払おう。頼んだぞ。』


依頼主はミラージュか。で、作戦領域はトレネシティ。
……ってここじゃないか。

「飯食ってる場合じゃないな」

トレネシティには、私の家だけではなく照の家もあるし、レイヤード全体で見ても非常に重要な都市区だ。
クレストがそこを狙うとは……血迷ったか?

まぁいい。急ごうか。

「しかし……」

ミラージュの用意した僚機か……どんな奴になるやら。私の邪魔をしなければ、誰でもいいが……




828 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:11:41.64iS0GnWA90 (4/19)


―コーテックス:エントランス―


「おースミレー」

「こんばんは」

エントランスに着くと、アワイが私を待ち受けていた。
シティが危ないというのに、相変わらずいい笑顔だ。

「はいこんばんはー。依頼は確認したね?」

「ああ。受けない選択肢はないだろう。何より私の住んでいる町だ」

「よーし、じゃあ早速向かおう!敵はもう目の前だっ!」

「はいはい」

アワイのいつものテンションに呆れつつ、足早にガレージへ向かう。
行ってもやることはないんだが、私の見ていないところで不備があると面倒だからな。
作戦前の機体の調子は、自分の目で確認しておきたいところだ。

「……」

被害が広がる前に、なんとか片付けたいが。




829 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:12:59.16iS0GnWA90 (5/19)


―コーテックス:ガレージ―


一応、機体の確認をしておくか。どれ……


HEAD:MHD-RE/008
CORE:MCL-SS/ORCA
ARMS:MAL-GALE
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-OX/002
FCS:PLS-ROA
INSIDE:―
EXTENSION:MWEM-A/50
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:MWC-OC/15
BACKUNIT R:MRL-SS/SPHERE
ARMUNIT R:MWG-XCW/90
ARMUNIT L:MLB-LS/003


よし、注文通り出来ているな。
ブースタが今ある中で最速でないのは、エネルギー消費を控えるためだ。
ラジエータがこのパーツなのも同じ理由。私はエネルギー兵器しか使わないからな。
熱によるダメージを期待出来ないから、なるべく手数を増やしておきたい。

ACの調子は問題なし。あとは本番だな。





830 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:14:12.30iS0GnWA90 (6/19)


―トレネシティ:中心部―


<<作戦領域に到達!これより機体を投下しまーす>>

アワイの気の抜けた声で、機体が投下される。
それはいい。が、まず一つ気になるところがある。

<<ま、お互い精々協力するとしましょ。足引っぱらないでよね>>

「……ああ」

なぜ輸送機2機で運ぶ必要があった?同じ場所に投下するなら、1機でも構わないはずだ。
なんだかきな臭いぞ……

僚機の名前は確か……ファナティック。
四脚タイプで、マシンガンとスラッグガン、シールドを装備している。
AC名はレッドアイ、だったか?

「……」

<<……なによ>>

「いや、なんでも」

まぁ、仕事をしてくれるんなら問題はない。

<<敵さん来たよー!>>

さぁお出ましだ。


‐システム キドウ‐




831 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:15:10.22iS0GnWA90 (7/19)



敵は飛行型のMTだ。あれは……ブルースオプスリーか。
武装はライフルとレーザーキャノンだったはずだ。
ライフルはともかく、レーザーキャノンは食らうとまずい。
が、レーザーの方は射撃に準備が要るのか、着地しないと撃てなかった記憶がある。
その時に注意していれば問題ないな。

「……」

……面倒だな。
MTは飛んでいることがほとんどで、しかもやけに速い。
私の武装では、飛んでいる奴らに対して有効打になりにくいところがある。
着地したところを狙うしかないか……

<<どうしたの?遅れているみたいだけど?>>

「すまんな」

人を小馬鹿にしたような声色だ。
……

敵は数こそ少ないが、ライフルの地味な削り、レーザーの一撃と厄介だ。それに弾が当たらない。
長引きそうだな……

「っと」

左から飛んできたレーザーを前進して避け、向かってきた方向へ機体を向けレーザーライフルを発射する。
こちらを狙って停止しているMTに当たりこそするが、装甲が厚いのか沈んでくれない。

「足りないか」

MTはその場で旋回、砲身をこちらに向けてくるが、その速度より私のACの方が速いな。
続けてレーザーを3発、4発と命中させていくと、MTは装甲を辺りにばら撒き爆散した。




832 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:16:21.98iS0GnWA90 (8/19)



1機減らしたところで安心できない。MTはまだそこら中を自由に飛び回っている。

「厄介だな……」

<<このっ……鬱陶しいわね!>>

ファナティックの方も意外と苦戦しているのか、頭に血が昇っているようだ。
スラッグガンを空中にばら撒いている。

と、ここでチャンス。何を考えているのか、私から狙うのに絶好の位置にMTが陣取り、旋回してこちらを向いてくる。
しかし相手の旋回速度は相変わらず遅い。……もらった。

「……っ!おい!」

<<ちょっと!何すんのよ!!>>

私の放ったレーザーはMTに当たることなく、なぜか私の前に飛び出してきたレッドアイに命中した。

「バカ!射線に入るな!」

結局、そのMTはファナティックがスラッグガンで破壊した。

<<気をつけなさいよ>>

「……悪かったよ」

くそ……何だというんだ……




833 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:17:44.12iS0GnWA90 (9/19)



それからは気まずい空気ながらも、なんとかMTを後2機まで追い詰める。

「あと少しだ……」

と、またここで絶好の機会。MTが着地し、こちらを狙ってくる。
よし、今度こそ……!

「何!?」

私がレーザーライフルを撃つと、MTは私を狙うことをやめ、飛んで行ってしまう。
結果的に私の放ったレーザーは避けられ、その後ろでマシンガンを乱射していたレッドアイに命中する……!

<<……そっちがそのつもりなら!>>

<<レッドアイ、友軍信号を解除!仲間割れだー!>>

おいおいマジか。

「おいっ落ちつけ!」

<<うるさいっ……!!>>

レッドアイは目の前にいたMTに目もくれず、私にマシンガンを掃射しながら向かってくる。

「くそっ!」




834 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:19:23.68iS0GnWA90 (10/19)



レッドアイは一旦無視だ!先にMTを殲滅すれば、この町の危険はなくなるだろう!
町の安全が第一だ!

「チッ……」

ちょうど視界の端に入ったMTをロックオンし、オービットを発射する。
ACとMTの攻撃頻度は歴然だ。攻撃はオービットに任せて回避に専念する。

<<このっ!>>

「だから落ちつけ!悪かった!」

謝ってもファナティックは攻撃の手を緩めようとはせず、私の後を追いかけてくる。
なんでこんなことに……!

「あと1機!」

飛び回っているMT目がけ、ブーストジャンプ。そのままブレードで叩き落とす。
これで終わっただろう!

<<大型のエネルギー反応を確認……敵輸送機だー!>>

「……」

敵のものと思われる輸送機から、何かが投下される。
レーダーに反応はあるが、視認することができない。恐らくステルス機だろう。

「……」

<<待ちなさいっ!>>

……おいおいマジか。




835 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:20:28.91iS0GnWA90 (11/19)



ステルス機はレーダーにこそ映るが、単純に見えない為狙いづらいのに加え、ロックオンの妨害もしてくる。
非常に厄介だ。
それと、先ほどから追ってくるファナティックのAC、レッドアイ。マシンガンにスラッグガンと火力が高いうえ、話が通じない。
こちらも非常に厄介だ。

「……」

……やるしかないな。

レーダーを確認して、ステルス機の場所を確認する。
その内の1機にブーストダッシュで近づき、ブレードを出力。
なにもないように見える空間を一閃すると、そこから小爆発が起こり、レーダーの反応が一つ消える。

「!」

後ろから追ってくるレッドアイのマシンガンを徐々に爆発していくステルスMTで防ぎ、次のMTを探す。

「そこか」

何もないように見える場所へレーザーライフルを撃ち、放ったエネルギー弾が何かに当たり炸裂したことを確認する。
そのままブーストダッシュで近づき、ブレードを振る。

「2機」

爆発しているMTの左側の空間へ、ブレードを出力した左腕を突きだす。
確かな手ごたえと共に、レーダーの反応がまた一つ消える。

「3機」

レッドアイが息切れを起こしたのか、私との距離がさっきよりも空いている。
機体を左右に振りながらエネルギーの自然回復を待ち、十分に回復したところで上空へ。

レーダーで最後のステルスMTの位置を確認。そこへ目がけて急降下する。

「最後だ」

突き出したブレードは見事ステルスMTを捉え、空間が爆発する。
あとは……

<<また来たよ!>>

……




836 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:22:00.88iS0GnWA90 (12/19)



最初の奴らの残りだろうか。2機ほど飛行型MTが上空からこちらに向かってくる。

「またか」

地上からロックオンし、オービットを起動。
馬鹿正直に突っ込んでくる1機のMTは、正面からのオービットの集中砲火であっけなく爆散した。

「あと1機」

レッドアイの場所を確認し、なるべく飛び回っているMTへと近づく。

(よし)

ブースタをふかし、上昇。そのタイミングでレッドアイからスラッグガンが放たれ、正面からMTが突っ込んでくる。
突っ込んでくるMTを空中でいなし、飛び散るスラッグガン目がけて蹴り飛ばす。
私はその蹴り飛ばした衝撃で弾かれスラッグガンから免れるが、MTは無残にもそこへ突っ込み空中で大破した。

「……あとはお前だけだ!」

<<ちょこちょこと避けてくれちゃって……!>>

そのままビルの上に着地、すぐに離れてレッドアイに近づく。

<<このっ!>>

正面からマシンガンを撃ってくるが、こちらは上空だ。経験していればわかるが、空にいる敵はなかなか当たってくれない。
機体を左右に大きく振り、レッドアイに向かって落ちながらさらに接近。




837 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:23:43.76iS0GnWA90 (13/19)



<<ちょっ……!>>

レッドアイの懐に入り込み、ブレードを出力。そのままレッドアイの右腕を狙い振りあげる。
ブレードはACの右腕の肘を切断し、レッドアイからマシンガンを奪った。
一旦離脱。

「いいから落ちつけっ」

<<うるさい!>>

マシンガンが無くなったレッドアイは、残った武器であるスラッグガンを頼るだろう。
案の定、肩に背負っているスラッグガンの銃口がこちらに向いた。好機。

「……っ」

こちらに向いた銃口を狙い、レーザーライフルを発射。
放たれたエネルギー弾は見事にスラッグガンの銃口へ吸い込まれ、その銃身を破壊した。

<<そんなっ……>>

ブーストダッシュでレッドアイに接近し、組みつく。

「話を聞け」

<<な、なによ>>

「無駄な血は流したくないんだ。お前は私の僚機、つまり味方であって、敵じゃない。わかるな?」

<<……>>

「あとでいくらでも謝ってやるから、今は抑えてくれ。……帰るぞ」

<<チッ……わかったわよ>>

……はぁ。

<<作戦しゅーりょー!かーっこいいスミレ!>>


‐モクヒョウ タッセイ‐




838 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:24:46.37iS0GnWA90 (14/19)


―コーテックス:ガレージ前―


「おつかれさまースミレ!」

「なんだったんだ、アイツは……」

ガレージを出ると、アワイが待っていた。何故かは知らないが、いつもよりテンションが高い。

だが、本当に何だったんだ。私が指示を飛ばさなかったのが悪いのか?
いやしかし、それだと何指図してんのよ!とか言ってきそうだな……
ミラージュめ……

「今日は散々だったねぇ」

「本当にな。私はお腹が空いたよ……」

「ははは、流石のスミレもぼろぼろだね!」

お前の中の私はどんな奴なんだ。

「まぁ、いい。無事に終わったんだ。帰るとするか」

「そうしよー!」

アワイと並んでエントランスまで戻る。
あぁ……ラーメン屋ってこの時間開いているのか……?




839 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:25:58.97iS0GnWA90 (15/19)


―コーテックス:エントランス―


「……?なんかきょどーふしんな人が居るよ?」

「……確かに怪しいな」

エントランスまで戻ると、アワイの言った通りな挙動不審な女が立っていた。
足をもじもじさせながら、髪の毛をいじって時計や歩いている人をじろじろ見ている。
……怪しさ満点だな。

「あ、こっち見た」

その女の右目には赤い眼帯がしてあった。明らかに普通の奴じゃないな。
そんな微妙な視線を送っていた私と、その女の目が合う。と。

「おい、向かってくるぞ」

眼帯の女がずかずかと歩いて来て、一言。

「アンタが、リップハンター?」

「……そうだが?」

やたらと勝気な女だな。
と言うか、この声は先ほど聴いたような。

「お前がファナティックか?」

「そうよ。さっきは、その……悪かったわね」

「おー、仲直りだ!」

「うるさいっ!」




840 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:26:36.24iS0GnWA90 (16/19)



「面白いものも見れたし、私はこの辺で!じゃあねーお二人さん」

「あっ、おい」

……アワイが行ってしまった。

「……」

「……」

……おい、猛烈に気まずいぞ。

「あー……まぁ、私もよく確認してなかったし、悪かったよ。怪我はないか?」

「それは大丈夫。ありがと」

……。

(どうすればいい……!)

アワイが居なくなったことが非常に痛い。あの人懐っこさが今ここで欲しいのに……!

「……じゃあ、私は帰る。じゃあな」

「……私も帰る」




841 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:27:40.52iS0GnWA90 (17/19)


―トレネシティ:大通り―


「……」

「……」

おい、ついてくるぞこの女。

「……なぜついてくる?」

「つ、ついていってなんかないわよ!あたしの家もこっちなの」

じゃあなんで目が泳いでいるんだ?




842 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:28:39.75iS0GnWA90 (18/19)


―トレネシティ:自宅前―


「……おい」

「な、なによ」

「着いたんだが」

「どこに」

「私の家に」

「……へー……ここがアンタの家なのね」

じろじろと我が家を観察するファナティック。

「……で?お前の家は私の隣だとでも言うのか?」

「ちっ、違うわよ!この先に行ったところにあるの!じゃあね!」

そう言うと、怪しい女はそのまま夜の街へと溶けていった。

「……」

一体なんなんだ……?
……あ。

「晩飯……」

何処かに寄るつもりだったのに、そのまま家に帰ってきてしまった。
ここには、食べるものが何もないのに……

「はぁ……」

どうするかな……





843 ◆WgnmsRcFGw2013/05/05(日) 21:32:06.17iS0GnWA90 (19/19)

今回はここまでです。菫さんのパートだって言うのを忘れてました。
次回は、出来るなら明日に投下したいところです。
そうじゃなくても、三日以内には必ず来ますので……ではまた!


844VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 21:33:24.26MxoXfPq1o (1/1)

ファナティックが誰かわからない…こんなトゲトゲした人いたっけか


845VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 21:34:58.84jN2AOS/lo (2/2)

>放たれたエネルギー弾は見事にスラッグガンの銃口へ吸い込まれ、その銃身を破壊
よくあるシチュだけど菫のキャラの特性を活かしてて素直にかっこいいな
乙!


846VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 23:31:01.15At2JCB2wo (2/2)

乙です
獲物を横取りした挙句こちらに誤射してくる人だ


847VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/06(月) 01:12:56.91nsfmA/dAO (1/1)

やっと1から走って追いついた……4とfaと5くらいしか知らないんだよなー やってみようかしら


848VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/06(月) 21:00:20.913ZahVyxxO (1/1)

ようやく追いついた
こんな俺得スレがあったとは

AC3のCMは神


849VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/06(月) 22:18:57.411+7z6dhao (1/1)

OPも神、特にバックダッシュからのミサイル一斉射撃


850VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/08(水) 20:02:28.8441jsAzwPo (1/1)

SLの敵AC強いんですけど
びったり張り付いて回り込んでくるよ…?
800マシとステルスに手が伸びそうになる


851 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 20:21:11.83QaFoBx5y0 (1/24)

こんばんは。やべぇ予想外の難産でまだ書けてないよ……
とりあえずあと三時間して来なかったら今日は無理ですごめんなさい……

>>847、>>848
追い付いてくれる人がいるとは……!
>>847は旧作もやってみよう!退廃的な世界観は素晴らしいよ!
>>849
インサイドミサイルなんてなかった
>>850
SLは敵ACのAIがかなりいいんで、3と比べて強いです。
アリーナでどうしても勝てない敵が出てきたら、
MWR-AR/602を両肩に背負って武器チェンジと攻撃ボタンを交互にひたすら連打し続けてください。
もちろん武器はそのMWR-AR/602だけで、です。変な笑いが出ます。


852VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/08(水) 20:25:02.24CN+dmvSGo (1/1)

アサルトロケ百烈拳かww


853 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:33:29.62QaFoBx5y0 (2/24)

二度目のこんばんは!書けましたー……

>>852
私は最近まで全然知りませんでした。まさかあんなことが……


854 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:34:09.62QaFoBx5y0 (3/24)


―side:照―

―トレネシティ:自宅―


「ん……何……?」

気持ちよく寝ているところを、警報で起こされる。
けたたましい。

「警報?こんなことあるんだ……」

しばらくすると警報が鳴りやみ、代わりに聞き慣れた音が微かに聞こえ始めた。

「襲撃……?」

こんな都市区に……?
一体誰が……

「とりあえず……」

襲撃があったとすると、依頼が入っているかもしれない。
目もすっかり覚めてしまったし、PCを立ちあげて確認しようか。

「……やっぱり、きてた」




855 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:35:19.92QaFoBx5y0 (4/24)



依頼主:クレスト
作戦領域:グラン採掘場
敵勢力:近距離戦闘用MT、分離型MT
作戦目標:集結部隊の全滅

『キサラギの残党が、グラン採掘場に集結しつつあるとの情報を得ました。
 どうやら、先日の戦いによって総崩れとなったキサラギの部隊が合流し、体制を立て直すつもりのようです。
 この機を逃す訳にはいきません。
 ただ、あの戦闘の結果、我々も相当の被害を受けています。
 大掛かりな部隊を送り込むのは難しいのが実情です。
 そこでレイヴンに集結部隊への攻撃を依頼します。残党とはいえ、それなりの戦力が予想されます。
 僚機をこちらで同行させますので、協力して作戦を遂行してください。よろしくお願いします。』


今起きている襲撃とは関係なかった。
……かなり重要な依頼と見える。クレストがキサラギを終わらせるようだ。

「……行こう」

クレストが用意してくれた僚機……
まぁ、悪いようにはならないだろう。




856 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:36:18.06QaFoBx5y0 (5/24)


―コーテックス:エントランス―


「こんばんは」

「こんばんは」

コーテックスに着くと、尭深さんが待っていた。依頼の再確認といったところかな。

「依頼内容は確認しましたね?」

「はい」

「キサラギに、引導を渡すことになります」

「……わかっています」

依頼を受け、こなす。私はレイヴンだ。
と、まぁそんな理由もあるけど、何よりキサラギは放置しておくと何をしでかすかわからない。
あそこは言うなれば、マッドサイエンティストの楽園だ。良からぬものまで造りだしそうな勢い。
所謂危険因子の一つ、と言えなくもないだろう。

「では、ACの準備をしていてください」

「わかりました」

相手は残党とはいえ、それなりの戦力はあるだろうし、背水の陣で士気が高いかもしれない。
何が来てもいいように、万全の準備をしておこう。




857 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:37:45.48QaFoBx5y0 (6/24)


―コーテックス:ガレージ―


「お、仕事か?」

「はい。今日もお願いします」

いつものように、おじちゃんにアセンのオーダーを頼む。
今回は……


HEAD:MHD-SS/CRUST
CORE:CCH-OV-IKS
ARMS:MAH-SS/CASK
LEGS:CLC-D3TA
BOOSTER:―
FCS:PLS-ROA
INSIDE:―
EXTENSION:
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RGI-KD99
BACKUNIT R:MWC-LQ/35
BACKUNIT L:CWC-SLU-64
ARMUNIT R:MWG-MG/1000
ARMUNIT L:KES-ES/MIRROR


「こりゃあ……ガチガチだな」

「ガチガチです」

頭部、腕部、脚部を最も装甲の厚いもので固めてみた。脚部は強力な肩武装を積むためにタンクを選択。
レーダーが無いのが気になるけど、グラン採掘場は一度行っているし、まぁ迷うこともないだろう。

「嬢ちゃんがタンクとは珍しいな。しかもシールドまで持って行くたぁ」

「万全の準備を、と言われたので」

「なるほどな。ま、行って来い!」

「行ってきます」

キサラギの残党……MTだけというわけにはいかないだろうしね。




858 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:39:53.89QaFoBx5y0 (7/24)


―グラン採掘場:エレベータ―


<<よろしゅうな。レイヴン>>

「よろしく」

作戦領域に到達。
クレストの用意してくれた僚機はスタティック・マン、ストリートエネミーだった。よかった……
彼女とは以前、アリーナで戦ったことがある。
アリーナデータに書かれていた内容がちょっと怖かったので、心配していたんだけど、
実際会ってみれば、気さくで元気な人だった。ちょっと安心だ。
因みに、ストリートエネミーが彼女のレイヴンネーム。スタティック・マンがAC名だ。

<<残党とはいえ、気ぃ抜かんようにな。キサラギのことや、何が待っとるかわからへん>>

「そうですね……」

<<ま、アンタの腕はよう知っとる。心配なんかしとらせんけどな!>>

「買いかぶり過ぎです」

<<はっ、よう言うわ>>

依頼遂行の直前だというのに、つい和んでしまう。

<<……レイヴン。おしゃべりもいいですが、そろそろですよ>>

「……はい」

タカミさんに怒られてしまった。反省。

<<ほな行くで!>>

「了解」


‐システム キドウ‐




859 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:40:37.65QaFoBx5y0 (8/24)


―産業区:グラン採掘場―


<<敵は、セクション連絡路から増援を送っているようです。気をつけてください>>

グラン採掘場は、大きなゲートの向こうにある採掘場と、
そのゲートの前に置かれている、何本も存在するセクション連絡路からなっている。
その他にもあるが、大まかに言えばこの二つだ。
ふむ……

<<……二手に分かれた方がよさそうやな。どうする?>>

「じゃあ、私が先に行く」

ここで増援を迎え撃つより、先に突入した方がいいだろう。内部に配置された敵の方が数は多いだろうし。
何より、私の機体の装甲だ。中で暴れまわる為と言える。
ゲートの前で門番をしてもいいけど、せっかくたくさん積んできたんだ。

<<よっしゃ、ここは任しとき!誰も通さへんでー!>>

やっぱり元気な人だ。
……気を取り直して。

ゲートのスイッチを弄り、ロックを解除する。
何が出てくるかな……?




860 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:41:34.79QaFoBx5y0 (9/24)



「っ!」

目の前に何かが来た。とっさにシールドを構えてガードする。
……爆風が凄まじい。何だったんだろう?

<<恐らく、その中に居るMTの仕業です……エクスファー、だったでしょうか>>

「エクスファー……」

<<分離型のMTです。先ほどの兵器は、MT1機につき一つしか持っていないので、安心してください>>

安心、できるの?それは……

視界が鮮明になると、エクスファーから放たれたのであろう、爆風が凄まじい何かを確認できた。いくつかこちらに向かってくる。

「遅い……」

見た目は、弾頭に羽がついているみたい。自立してこちらを狙っている……?

肩のスラッグガンを構え、向かってくる二つの弾頭に発射する。
その二つの弾頭は私に辿り着くことなく、虚しく空中で爆発した。

スラッグガンは、言うなればショットガンの強化版のようなものだ。
殺傷力も高いけど、弾が拡散する為こういった防御にも使えるのがいい。




861 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:42:12.56QaFoBx5y0 (10/24)



「ん……」

どうやらこの部屋は、エクスファーというMT一種類だけのようだ。
飛んでくる弾頭は先ほど破壊したから、あとは残った本体だけだが……

(……鬱陶しい)

ライフルを連射してくる上、移動速度が速い。
左右にしか動かないことがほとんどだけど、切り返しがとてもスムーズで、止まることがない。
遠くから狙っているとそれがたまらなく面倒で、うまく銃器が当たってくれない。
接近してスラッグガンをぶち当てよう。

シールドとスラッグガンを構えながら、ゆっくりとエクスファーに近づいていく。
なぜか後退ということをしないので、そのまま大ダメージが狙える至近距離まで接近する。

「っ」

スラッグガンを撃つと、目の前のエクスファーが一瞬にして穴だらけになり、爆散した。黒煙を上げる暇もないらしい。

「……」

こういった後退を知らない相手に対しては、かなり有効な攻撃手段になるね。
AC戦となると、相手が速すぎて中々当たってくれないんだけど。
適材適所。……は違うかな?

「……よし」

この部屋の敵は全滅させた。弾頭、と言うか、ボムみたいなものさえなければ相手にならない。
この調子で次に向かおう。




862 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:43:01.68QaFoBx5y0 (11/24)



シールドを構えて、奥の部屋へのゲートを開く。そして後ろに下がる。
さっきは中に入った瞬間手荒い歓迎をしてもらったから、その対策だ。

「と……」

案の定ゲートを開けると、すぐに二つほどボムが迫ってきていた。
マシンガンを構え、落ちついて対処。動きが鈍いので空中でも余裕で撃ち落とせた。

さて、気を取り直して中へ入ろう。

「……」

多いなぁ……7機ぐらいかな?
さっき二つボムを壊したから、あと五つもあるのか……

「まぁ」

マシンガンを撒いていれば大丈夫だろう。
入ってすぐに部屋の隅を陣取り、壁を背にしてひたすら撃つ。
前にだけ集中していればいいし、もし攻撃を食らってもシールドにタンクと防御もかなり堅い。

何故か近寄ってきたエクスファーをスラッグガンで粉砕して、奥でふらふらしている奴もマシンガンで掃討する。

「……あ」

スラッグガンとマシンガンばかり使っていて、もう一つ持って来ていたレーザーキャノンを忘れていた。
使ってみよう。

「……」

さっきからずっと障害物に引っかかって動けていない、1機のエクスファーを狙う。
……発射。

「おお……」

オレンジ色の光を放つエネルギー弾が一直線に進み、見事そのエクスファーに命中した。
MTは、その光ったエネルギー弾がぶつかった瞬間に弾けて飛んだ。木端微塵だ。

「強いなぁ……」

この威力で弾薬費はゼロ、だそうだ。
最初から使っておけばよかったかなぁ。

「……」

終わったことをぐちぐち言っても仕方ない。
早く敵を片付けよう。ストリートエネミーも待っていることだしね。




863 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:43:49.34QaFoBx5y0 (12/24)



<<……まだ奥に反応が……?>>

「なんでしょう……?」

MTを全て破壊、これで終わりと思ったら、どうやら奥に何かが居るらしい。
エレベータを使って、下りるようだけど……

<<そっちはどうや!?終わったか?>>

「MTは全部倒したけど、地下に何かいるみたい」

<<地下か……怪しいな。どうする?>>

「……私が先に行く。後からついてこれる?」

<<OK!こっちも、もうすぐかたぁつきそうなんや!終わったらすぐ行くで!>>

「わかった。ありがとう」

話はついた。一足先に地下へ向かおう。

<<シャイン、大丈夫ですか?>>

「大丈夫。何がいるかはわからないけど、この機体だから」

この機体構成なら、何が来ても大丈夫だろう。
損傷も極軽微に収まっているし。

ゲートを開き、エレベータに乗り込む。




864 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:44:26.78QaFoBx5y0 (13/24)



<<……レイ……ヴ……通………障……>>

「え?」

エレベータが降り始めて、半分くらいだろうか。
タカミさんの声が上手く聞き取れない。

<<……………………>>

「も、もしもーし」

……返事はない。
通信障害?ざざざ、とノイズが走っていて、声は全く聞こえなくなった。

「不味いなぁ……」

強敵の予感が……

「……行こう」

エレベータが停止する。地下に着いたらしい。

<<……>>

あれは……ACか。




865 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:45:05.82QaFoBx5y0 (14/24)



<<来たな……待っとったで>>

「……」

あれは……確かDランクの……

<<誰かは知らんが……行くで!>>

「!」

相手はブーストダッシュで動きだし、マシンガンを乱射してきた。
咄嗟にシールドを構えて防ぎながら、こちらもマシンガンで応対する。

そうか……以前アリーナで戦った時と機体構成が違うから、私が誰かわからないんだ。
まぁ、それならそれでいいんだけど。

タンク型で接近されると、いくら装甲が厚くても厳しくなってしまう。
さっきと同じように、後退して壁を背に。レーザーキャノンを構えてよく狙う。

「……ここ」

<<っ!>>

相手の移動先を予想して、そこへ置くように発射。命中。

<<やるやんか……>>

「!……」

エレベータが動いている……?
ストリートエネミーが来てくれたかな?




866 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:46:06.75QaFoBx5y0 (15/24)



<<待たせたな!……クライゼン、か!?>>

<<お前、かぁ……まぁお互い仕事や。悪う思うな>>

「知り合い?」

<<まぁそんなとこや。……気いつけぇ!こいつは手強いで!>>

ふむ……

「……私は後ろから援護する。前は任せられる?」

<<っ任せとき!>>

ストリートエネミーが前に、私が後ろに。
彼女がクライゼンを引きつけ、私がレーザーキャノンを叩き込む。これでいこう。

ストリートエネミーとクライゼンは互いに撃ち合い、この地下の中心でぐるぐると回っている。
味方に当てないように、タイミングを計る。

「っ」

<<!……っとと>>

<<っ……>>

私の方にクライゼンが背中を向けた瞬間に、レーザーキャノンを発射する。
見事に狙い通りその背中を捉えて、敵ACはバランスを崩す。

<<……ごめん、シャイン!こいつは私にやらせてくれんか!?>>

「……いいけど、大丈夫なの?」

<<うちは大丈夫や。……それに、こいつとはさしでやりたいんや>>

<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>

私はシールドを構えて、邪魔にならないように待機する。
……思うところがあったんだろうか。




867 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:47:03.13QaFoBx5y0 (16/24)


―side:ストリートエネミー―


<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>

シャインがさらに下がり、シールドを構えて待機してくれている。
私はクライゼンと対峙し、互いにライフルとマシンガンを向け合っている。

この距離だと……ミサイルは使いにくいなぁ。
前半のダメージを考慮すると……短期決戦しかないか。
相手はマシンガンだし、継続的にダメージを食らうと不味い。

かといってブレードを多用すると、馬鹿にならない威力のロケットの応酬を食らうだろう。
比較的安全に使える武装は、小型ロケットとライフルだけになる。

「ちっ」

<<どうやら、腕は落ちとらんようやな……>>

「そっちもな」

お互い円を描くように回りながら、ライフル、マシンガンを撃ち合う。
双方弾丸がかすり、装甲が剥がれていく。




868 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:48:04.30QaFoBx5y0 (17/24)



<<……まさか、こうなるとはなぁ>>

「……そうやな」

言いながら、中距離でロケットを撃ち合う。
流石にノーロック武器は、動きまわっていると中々当たらない。

空中から狙ってみるか。
ライフルでけん制をいれながら、ブーストジャンプで上を取りに行く。
斜め上からロケットを乱射。……よし、2、3は入ったか?

「っ!」

<<腕は落ちてないと思ったけど、鈍っとったかぁ?……遠慮はなしやで>>

ロケットを乱射するまではよかったが、着地の隙を突かれて光波ブレードを食らってしまう。
光波ブレードは普通のブレードと違って、エネルギーの塊を前方に飛ばすものだ。
ロックオンはできないが、その代わり弾数が無限のエネルギーライフル、と思えばいいだろうか。

「……」

いかんなぁ。長引いてしまっとる。

再びライフルとマシンガンの撃ち合いになり、中々勝負が動かない。
ジリ貧ってやつやな……

いや、ここが耐え時や。何かチャンスを……!




869VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/08(水) 22:48:21.04RTxPahDRo (1/1)

やっぱり有頂天民じゃないか(歓喜)


870 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:49:03.29QaFoBx5y0 (18/24)



「!」

クライゼンのACの左腕が振りかぶられる。チャンスや!
OBを起動。そのタイミングで向こうから光波が飛んできた。
それをギリギリまで引きつけてから、エクステンションのバックブースタを使ってかわす。
かわした瞬間にOBが時間差で出力され、一気にクライゼンの場所まで接近する。

バックブースタは、横に歩いているときだけ、その方向に出力される。
バックという名がついてはいるが、横方向にも瞬間的に動ける優れものだ。

<<っ!?>>

OBで急接近しながら、ブレードを構える。
クライゼンは意表をつかれたらしく、狼狽して隙ができていた。

「っ!」

懐に一気に入り込んでOBを停止、ブレードを振り上げる。
出力したブレードは、敵ACの右腕を見事に捉えて切断した。これで鬱陶しいマシンガンは消えたな。
バックブースタを使い離脱、近距離でロケットを貰わないため再び距離を取る。

<<っ……やるやんか>>

「……当たり前や」




871 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:50:01.21QaFoBx5y0 (19/24)



マシンガンの無くなったクライゼンは、ロケットと光波ブレードで戦わざるを得なくなった。
だが、残った武装は両方がノーロック武器の為、当然なかなか当たらない。
その間に私は右腕のライフルで、堅実に相手の装甲を削って行く。
私の機体は比較的軽く、クライゼンの機体は若干重い。回避率もこちらが上。
もはや勝負がつくのは時間の問題だ。

<<……最後の、勝負や!>>

クライゼンがロケットを掃射しながら、ブーストダッシュで突撃してくる。

「……!」

私も同じように突撃、ライフルを撃ちながら進んでいく。

<<っ……!>>

「くっ……!」

お互い無防備にロケットやライフルを食らいながらも、お構いなしに突っ込んでいく。

<<これでっ……!!>>

クライゼンが光波ブレードを振りかぶり、放ってくる。
避けるつもりはない……!

「……ときぃっ!!」




872 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:51:12.94QaFoBx5y0 (20/24)



機体に衝撃が走る。でも……!
光波を食らっても、進むことはやめない。
お互いが接近した結果、そこはもう充分ブレードの当たる領域になっていた。
スタティック・マン左腕を振りかぶり、クライゼンのACの左腕ごとコアを狙い、叩っ斬る……!

「っ……!!」

出力したブレードがクライゼンのACの左腕に食い込み、火花を散らしている。
まだや、出力は続けさせてもらうで……!

<<はっ……>>

クライゼンの、自嘲したようなかすれた笑い声が聞こえた。
彼女のACの左腕は既に切断され、ブレードはその先にあるコアを削っている。

「……っ」

これ以上は、無理だ。
ブレードの出力を止め、バックブースタで離脱しながら、削れたコア目がけてライフルを命中させる。
……

「……」

<<……>>




873 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:52:01.14QaFoBx5y0 (21/24)



<<……うちの、負けやな>>

「……」

彼女のACはコアから黒煙を上げ、今にも爆発せんとしている。

「離脱、できへんの……?」

<<したところで……ごふっ>>

「!」

<<もう、持たん……>>

「なんで、こんなことになったんやろな……」

<<……ま、悔いはないなぁ。りゅーかに殺されるっちゅうんは悪くない>>

「……待っててな」

<<ふっ、地獄で会える、か。そうやな。……いつかしてくれてた膝枕、またしてくれや>>

「っ……!!」

黒煙は赤い炎になり、彼女のACのコアを包み、爆発した。

「怜……」




874 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:53:45.22QaFoBx5y0 (22/24)


―side:照―


……。

<<悪いな。と……クライゼンとは、一人でやりたかったんや>>

「いい。依頼は達成できた。……それに、勉強になった」

<<そっか。ほな、帰ろうか>>

<<……通信障害クリア。シャイン、大丈夫ですか?>>

「……終わりました」

<<作戦は成功、のようですね。帰還してください>>

ストリートエネミーと共に、エレベータに乗り込む。


‐モクヒョウ タッセイ‐




875 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:54:38.33QaFoBx5y0 (23/24)


―コーテックス:エントランス―


「シャイン。あの後、一体何が?」

「ACがいたけど、ストリートエネミーがやってくれた」

作戦は成功。被害は軽微に収まり、弾薬費はそこそこかかったものの黒字にすることができた。
ストリートエネミーは、「ほんならなー」と言うと、一人どこかへ帰って行った。

「相手のレイヴンは?」

「クライゼン。ストリートエネミーの知り合いだった」

「それは……」

クライゼン。私が最後に戦ったのは、まだアリーナDランクに居た頃だ。
地下で遭遇した時の彼女は、以前より強くなっていたように感じる。

「……」

友人だった人と、敵として出会ってしまう。

そうなった時、もし私なら――――――――





876 ◆WgnmsRcFGw2013/05/08(水) 22:59:00.87QaFoBx5y0 (24/24)

>>869
hai!

今回はここまでです。
関西弁が変じゃないか心配です。
あと「っ……」←これ好きすぎ問題。でもこれ他に表現の仕方がわからないんです……

約束しておいてこのざまです。結果的には来れましたけど……だめだー
次回の投下予定は未定です!


877VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/09(木) 00:33:40.83iBi/UV3AO (1/1)

乙ー こうなるのは、せつないぜ……むせる の方が良いのかもしれんが

良かったぜ……お前のは


878VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/09(木) 00:43:54.18DSv7CEM7o (1/1)

乙!
>そうなった時、もし私なら
なんか、嫌なフラグが立った!?


879VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/09(木) 03:10:57.76s2jxMrY4o (1/1)

おつ
だんだん照に『イレギュラー』というフレーズが近づいてくるね……


880VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/10(金) 21:50:28.42aC5LWX9Oo (1/1)

乙です
もしよかったら連載終了した後にでもキャスト表書いてくれるとうれしい



881 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:29:17.04WvBN7d9H0 (1/19)

こんばんは!いつもレスありがとうございます
アリーナ戦むずすぎワロタ
勢いで書いたんで変かもしれませんが、イメージしながらならなんとか、多分……

>>880
それはもう書くつもりです!ご安心を!

では、アリーナロイヤルミスト戦を投下ー


882 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:30:00.68WvBN7d9H0 (2/19)


◇◆◇◆

―トレネシティ:自宅―


「……」

色々考えてみたけど、よくわからない。
私にあれこれ考えるのは、早すぎるみたいだ。

「ん……」

……もやもやするなぁ。どうしようか。

「……アリーナ……」

身体を動かすことにしよう。こんなときは運動に限る。らしい。

「えーっと」

今の私のランクはB-1……じゃあ次の相手は……

「えーと……」

PCを立ちあげ、アリーナ情報を確認する。

「……ロイヤルミストさんだ」

そうか、もうAランクまで来たんだ。




883 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:31:08.20WvBN7d9H0 (3/19)



[A-3]ロイヤルミスト:カイザー

『依頼を受けることはほとんど無く、ひたすらにアリーナの上位に上ることを求め続ける。
 対AC戦を前提に組み上げられたその機体は、あらゆる状況に柔軟に対応できる、
 ハイレベルなオールラウンダー型に仕上げられており、対戦相手に一瞬たりとも気を抜くことを許さない。』


流石にAランクとなれば、これを書いている毒舌家もべた褒めだ。
トップ3……ロイヤルミストさんの戦いは、見たことが無い。
同じ依頼を受けていたようだけど、残念ながらその活躍を目で見ることはできなかった。
そのかわり、次々と敵を制圧して、他の参加したレイヴンとは一線を画していた。

彼女の機体を見ると、ショットガン、投擲銃、両肩に背負うミサイルと非常に高火力だ。
コアも、高火力のEOを持った重量級。堅さと攻撃力を兼ね備えている。
デコイを持っていこうかな……?

デコイは、ミサイルを引きつけてくれる便利なものだ。弾数が20発あるものを持っているから、
搭載していけばかなり戦いやすくなるだろうけど……

「いや……」

やっぱり、自分らしさを出そう。模範解答は嫌いじゃないけど、好きでもない。
でも、自分らしさか……

「やっぱり」

あれしかない、ね。




884 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:32:05.82WvBN7d9H0 (4/19)



「行ってきます」

少し遅めのお出かけ。

機体のアセンブリは決めた。
おじちゃんにそれを頼んで、アリーナの手続きをして、戦うだけだ。
いよいよ、Aランク。あと三人。
私の力がどこまで通用するのか……
悪いけど、試させてもらう。


……なんてね。




885 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:33:07.91WvBN7d9H0 (5/19)


―コーテックス:ガレージ―


「こんにちは」

「お、こんにちは。今日はどうした?」

おじちゃんと挨拶をかわす。

「機体のアセンブリと……」

そういえば、クレストから何かもらってたっけ。
依頼の謝礼として……みたいな感じで。

「何か届いていませんでした?」

「ああ、でっけぇ銃が届いてたぜ。しかも、俺の見たことない奴だ」

おじちゃんが見たことが無い?

「見たこと、ないんですか?」

「これでも結構長いことやってんだが、あの武器は初めて見たぜ。何なんだ?ありゃあ」

「クレストからの謝礼……らしいです」

細かいことはいいか。とりあえず、スペックを見てみよう。




886 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:34:00.61WvBN7d9H0 (6/19)



「MWG……ミラージュ製だな」

「KARASAWA……」

人の名前みたい。
でも、なんでミラージュ製?送ってきたのはクレストなのに……

「こいつぁ……すげぇな」

「……」

この武器、強い。
種類はレーザーライフル。でも、威力を見るととてもライフルなんて呼べない。
単発の威力は肩に担ぐレーザーキャノンに劣るものの、弾数は50と多い。
レーザーキャノンの一発の威力を2000としたら、このKARASAWAは1600というところか。
ただ……

「重いな……」

「はい……」

非常に重い。
軽量機に持たせると、それだけで重量過多になってしまうかもしれない。
内装と脚部によるけど。

「うーん……」

機体のアセンブリは決めていたけど、このKARASAWAも使ってみたいなぁ。
うーむ……

「で、アセンブリはどうする?嬢ちゃん」

「……これは、使いません」

今度の機会にしよう。我慢だ、我慢。




887 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:34:55.57WvBN7d9H0 (7/19)



「お、使わねぇのか?」

「はい。決めてましたし。じゃあ……」


HEAD:MHD-RE/005
CORE:CCM-OO-STO
ARMS:CAM-01-MHL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:―
EXTENSION:―
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT R:―
BACKUNIT L:CRU-A10
ARMUNIT R:KWB-SBR01
ARMUNIT L:CLB-LS-2551


「……何と戦うんだ?嬢ちゃん」

「ACです」

今回の機体はブレードオンリー。他に武器はなにもない。
それなりの機動力と、それなりの装甲が欲しかったので、中量機体に。
インサイドに何か仕込んでもよかったんだけど、そこはブレードオンリーに徹底。仕込まないことにした。

「ACって……アリーナか?」

「はい」

「相手は?」

「A-3……ロイヤルミストさんです」

「……」




888 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:35:54.31WvBN7d9H0 (8/19)



「正気か?」

「……?はい」

「お嬢は強ぇぜ?」

「そう思います」

「……勝てんのか?」

「……やってみないことには」

まだ、試してもいない。やってみないことには、わからない。

「……そうか。まぁ、わかった。やっておいてやる」

「ありがとうございます」

「いい試合にしてくれや」

「……必ず」

機体の方は大丈夫になった。アリーナの手続きに行こう。




889 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:36:56.48WvBN7d9H0 (9/19)


―コーテックス:エントランス―


「……あれ」

「……ん?お、久しぶりだな」

「お久しぶりです」

エントランスまで戻ると、珍しい人とばったり出会った。
ロイヤルミストさんだ。

「?……急いでいるようだな?」

「急いでいる、というわけではないんですが」

「ふむ、と言うと?」

「今からアリーナ戦の手続きを……」

「アリーナ戦?……ということは」

「はい、今日はよろしくお願いします」

ロイヤルミストさんの目の色が変わる。

「おお、ようやくか!長かったぞ……」

なんだかうれしそうだ。




890 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:37:58.04WvBN7d9H0 (10/19)



「えっと……?」

「ん?ああいや、やっとお前と戦えると思ってな」

「私と、戦える?」

「ああ。最初から目をつけていたんだ。きっと、ここまで昇ってくると」

そんなに期待されていたのか、私。
……あれ?じゃああれは……

「……あの、だったらあの八百長は?」

少し小声で聞いてみる。
前から気になってはいた。実際に会ってみると、ロイヤルミストさんはそんなことをする人には見えない。

「あー……あれは、ある奴に頼まれてな」

「頼まれて?」

「そうだ。そいつは変わった奴でな。たまに私も解らなくなる」

「なるほど……」

そんな人がまだ居るのか。
上位二人の内のどちらかだったりするのだろうか。




891 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:39:00.72WvBN7d9H0 (11/19)



「っと、話しすぎたな。手続きは今からだろう?」

「あ、はい。そうです」

そうだった。

「では、また後でな。楽しみにしているぞ」

楽しみに……前一度使った私のお気に入りアセンブリにすればよかったかな?
……まぁ、あんまり変わらないか。

「がんばります。それでは」

ロイヤルミストさんと別れて、アリーナの手続きに向かう。
どう戦おうかなぁ……





「柄にもなく、緊張しているな……はは」




892 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:39:59.88WvBN7d9H0 (12/19)


―コーテックス:アリーナ―


ついに、アリーナAランクに挑む時が来た。
反対側には、ロイヤルミストさんのAC、カイザーが待機している。

<<……その機体で挑むのか?>>

「はい」

<<それで、戦えると?>>

「?はい」

<<……まぁ、私の期待を裏切らなければいいが……>>

3……2……1……GO!

「……いきます」

<<どんな機体であれ、手は抜かん。全力で叩き潰す!>>




893 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:40:57.86WvBN7d9H0 (13/19)



「!」

開始直後、いきなりカイザーから大量のミサイルが飛んでくる。
引きつけながら右後ろに下がり、左へ切り返し、壁で潰す。

「と」

またミサイルの群れが向かってきた。
アリーナ中央へ向かいながらブースタで上昇し、ミサイルとの距離が近づいたところで降下。
そのままブーストダッシュで前進し、地面でミサイルを潰す。

「……もう」

第三波が向かってくる。……面倒くさい。

「っ」

向かってくるミサイルをまとめて、左腕のブレードで相殺する。

<<ほう!>>

私がミサイルとやり合っている間に、カイザーは後ろを取りにかかっていたらしい。
いつの間にか視界から消えていた。

「……」

レーダーでカイザーの位置を確認し、ブースタで上昇。ふらふらと背中を向けながらバックする。

カイザーの上空を取り、降下。背中を狙いブレードを振るが……

「……間違えた」

タイミングが早すぎたのか、カイザーの両肩ミサイルの上部を掠る程度のダメージになってしまった。




894 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:41:49.25WvBN7d9H0 (14/19)



<<チッ>>

私が一旦距離を離すと、カイザーはまたしても後ろを取ってこようとする。
彼女の機体のショットガンと拡散投擲銃の応酬は凄まじく、なかなか攻撃のチャンスがこない。
なんとか、直撃は避けておきたいところだけど……

<<とった>>

「っ!」

右の側面から現れたカイザーに、拡散投擲銃を直撃される。
拡散するまでに若干のラグがある武器だけど、ロイヤルミストさんは扱いが上手いのか、
私に直撃する瞬間で拡散するような距離から撃ってきた。
右側からもろに食らい、アマテラスが傾く。

「……!」

傾いたところで機体の腰を思いっきり回し、回した方向に左腕と右足を振り、左足を軸に回転する。
反回転ほどしたところで右足を地面に着け、カイザーと対峙。持ち直す。OBを起動。

「……」




895 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:42:37.62WvBN7d9H0 (15/19)



<<ACで……っ!?>>

持ち直した瞬間に起動したOBで、カイザーに突っ込む。

<<チッ!>>

カイザーが咄嗟に左に避ける。が、それは狙い通り。
すれ違いざまにブレードで、カイザーの左腕を切り落とす。

<<なっ>>

「それは、嫌い」

これで、拡散投擲銃はなくなった。
戦いやすくなったかな?

<<流石だな……ただではやられんか>>

「!」

カイザーがEOを起動、ショットガンを構えながら、こちらに向かってくる。
ブーストジャンプでふわふわと浮き、カイザーの攻撃を凌ぐ。
こちらは近接武器しかないため、慢性的にダメージを与える術がない。
ここは堪えて、チャンスを待つしかない。




896 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:43:38.13WvBN7d9H0 (16/19)



「っ……!」

着地する時にブースタをふかし損ねてしまい、どっすん、と重く着地したところに、カイザーのEOが直撃した。
痺れる……

「……」

レーダーで、カイザーの位置を確認する。
後ろを取られてしまっているね……

OBを起動し、右方向へかっ飛ぶ。
左右左右と入力を繰り返し、それと同時に旋回行動。方向転換し、右から大きく回り込む。
……酔いそうだ。

<<な……!?>>

カイザーの側面に張り付き、浮いたEO目がけて、右腕の射突型ブレードを突きだす。
突き出されたそれは、見事に二つのEOを串刺しにし、使用不能にした。

「それも、嫌い」

<<……っ!>>




897 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:44:41.12WvBN7d9H0 (17/19)



アマテラスの右足でカイザーを蹴り、一旦距離を離す。

<<これはっ……>>

これで、カイザーの武器はあと二つだ。
終わらせるために、カイザーに再び接近を図る。

「……」

カイザーからショットガンがばら撒かれるが、ブーストダッシュとジャンプを組み合わせて避け、進む。
カイザーは重量級なので、旋回能力はそれほど高くないだろう。
従って、私が右へ左へ、上へ下へと大きく動きながら近寄れば、危険はない。
向こうはこちらの動きについてこれず、狙いが定まらないからだ。
重量級は堅いが、鈍い。翻弄しながら攻めることが出来れば、相手は置物と化す。

「……」

カイザーへの接近に成功し、肉薄する。

<<来たな……っ!?>>

正面から攻めてきた私にカイザーがミサイルを撃とうとしたようだけど、私の方が速かった。
ハッチの開いた両肩ミサイルを、私のブレードが襲う。
両肩ミサイルと一緒に、カイザーの頭部もまとめて薙ぎ払う。これで、ただの置物だ。
あとは、この右腕の射突型ブレードをカイザーのコアに突き刺し、息の根を――――――――

「っ……!!」

すんでのところで、右腕を上に逸らす。
射突型ブレードはカイザーのコアを貫かず、頭部があった場所に突き出された。

<<……私の、負けだな>>

パネルにWINの文字が現れ、私の勝利を告げる。
が、そんなことはどうでもいい。今、私は何をしようとした?私は……

「……」

<<……?どうした?>>

「……ありがとう、ございました」

私、は……




898 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:45:34.81WvBN7d9H0 (18/19)


―コーテックス:エントランス―


「……」

エントランスの端にあるベンチに座り、ぽけーっと時計を眺める。

……

「おい、どうした?大丈夫か?」

「あ……」

気付くと、ロイヤルミストさんが私の隣に座っていた。
なんとも言えない視線を送ってくる……

「私に勝ったんだ。もう少し、嬉しそうな顔をしてもいいんじゃないか?」

「……すみません」

「はぁ……」

呆れられたらしい。

「……」

「いいか、何があったかは知らないが、悩みがあるのなら、手遅れになる前に誰かに相談しろ。
 一人で考え込んでも、答えが出ないこともある」

「……わかりました」

「……大丈夫か?本当に……」

相談、相談かぁ……
したく、ないなぁ……




899 ◆WgnmsRcFGw2013/05/13(月) 22:47:39.56WvBN7d9H0 (19/19)

あっさり気味ですが、今回はここまでです。
戦闘描写がね、うん。もうね……
次回と次々回はなるべく連日で投下したいので、また遅くなりそうです。
それではまた!


900VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/13(月) 22:57:22.20uWeHRTjFo (1/1)

ロイヤルミストさんなます斬りとかマジリスペクトッス
照にKARASAWAが合わさり最強に見える




901VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/13(月) 23:00:16.99hkqiY74AO (1/1)

乙っす

カラサワ来ちゃったか……ブレオンでここまでってことは月光来たら更にヤバそうやなー


902VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/13(月) 23:19:43.810g0n7Vvjo (1/1)

ミストさんは旋回がひどいんで軽く組めば割とやりたい放題よな
VSモードだとなぜかやたら強くなるけど
…書いて思ったけどミストさんじゃ別の人に見えちゃうな



903VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/14(火) 00:17:31.775JFnSIlio (1/1)

乙です
ブレードでミサイル切り払いって二次創作ならではの醍醐味だな
ゲームでも散弾でミサイルとかグレネード迎撃とかあっていいと思うんだ


904VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/16(木) 06:01:26.07osFiAoUyo (1/1)

次回の投下も待ち遠しいけどスレの残りからして次スレへの移行も視野に入ってきた感じ


905 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:37:20.66slCb1rKL0 (1/19)

こんばんは!出来ました~
初めてバイトの面接に行ったんですけど、どうやら履歴書が突っ込みどころ満載でぼろぼろだったらしいです。
ダメだこりゃー

>>902
旋回が低い代わりにやたらと張り付いて来て鬱陶しいです。まぁデコイさえあればげふんげふん……
「デコイさえ持っていれば俺だって倒せますよ!猿渡さん!」
>>903
そうすればゲーム内でのスラッグだって……!
>>904
絶対このスレじゃ足りませんね……次スレはどれぐらいになったら立てようかな?

では投下


906 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:38:11.86slCb1rKL0 (2/19)


―トレネシティ:自宅―


「……」

……おはようございます。
時間は朝の……8時ごろ、かな?

「シャイン……?聞いていますか?」

ああそうそう、尭深さんが来ています。
私が呼んだわけじゃなくて、勝手に入ってきたんだけど。
そういえば合鍵を渡していたっけ……

「ああ、はい……」

今尭深さんは、台所に立って朝ご飯を作ってくれている。
エプロン姿というのもなかなかいい。というか凄く似合う。

「もう……」

なんだろう。今この瞬間、何かに勝った気がする。
勝ったというか、勝ち組になったというか。

「できましたよ」

「おお……」

何で来たかはまだ聞いていないけど、とりあえず今は目の前のごちそうを頂くことにしよう。
いただきます。




907 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:39:07.06slCb1rKL0 (3/19)



「えっと、尭深さんはなぜうちに?」

「やっぱり聞いていないじゃないですか……現状の報告の為ですよ」

「そのためだけに、うちへ?」

「……迷惑でしたか?」

「いえいえとんでもない」

本当にとんでもない。

「それで、現状の報告と言うと?」

「はい。まず、管理者が操る部隊の謎の暴走、それに乗じた各社同士の小競り合い、ユニオン・キサラギの残党と、
 掃討部隊との混戦。レイヤード各地が、混乱の様相を呈しているということ」

「……」

「……中でも、管理者の部隊による被害は深刻な状況で、攻撃目標は各社の施設だけに留まらず、
 地下世界の維持に必要な設備までも、ダメージを受けている模様です」

「……」

酷い現状だ。
この世界を管理するはずの管理者が、破壊者と化してしまっている。




908 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:40:09.37slCb1rKL0 (4/19)



「そして、これに対処する為か、ミラージュが管理者に直接アクセスするためのプログラムを開発している
 という情報があること」

「ミラージュが?」

「真偽は不明ですが、そういった情報が入ってきています」

ミラージュならやりかねないけど……本当にそんなプログラムが作れるのかな……?

「そんなもの、本当に作ることができるんでしょうか」

「……わかりませんね。今まで誰も、作ろうと思いませんでしたし……」

……それもよく考えると、不思議な話だ。
これだけ人がたくさん居るなら、一人ぐらいそんなことを考える人がいてもおかしくないのに。

「うーん……」

「とにかく、私たちは依頼が来るのを待ちましょう。出来ることと言えば、それぐらいしかありません……」

「ですよね……」

レイヴンだしね。

「……あ、私からも一つ」

「なんでしょう?」

「あー……」

悩んでいたことを思い出す。けど、何と言ったらいいかわからない。

「……ごめんなさい、やっぱりなんでもないです」

「?そうですか……?」

上手くまとまらない……

「!……メールですよ、シャイン」

とりあえず、受けよう。悩んでも仕方がないし、それしかないんだ。




909 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:41:06.07slCb1rKL0 (5/19)



依頼主:クレスト
作戦領域:レヒト研究所
敵勢力:不明
作戦目標:目標データの取得後、脱出

『ミラージュの保有する最大の研究施設、レヒト研究所への侵入を依頼します。
 目標は、ミラージュが開発しているというアクセスプログラムの奪取です。
 ミラージュの真意がどこにあるかはわかりませんが、管理者を操るような無謀な試みを許すわけにはいきません。
 施設内には堅牢なセキュリティが配備されているものと思われます。十分に注意してください。』


「これは……」

「さっきの話であった、管理者へのアクセスプログラムの件ですね」

尭深さんとメールを覘きこむ。
依頼主はクレスト。どうやらさっきの情報の話は本当のことだったらしい。

「どうします?シャイン。受けますか?」

「そうですね……」

ここでぼーっとしていても、しょうがないよね。

「行きましょうか」

「わかりました。ちょうどいいですし、これからコーテックスに向かいましょう」

我が家を後にして、尭深さんと並んでコーテックスへ赴く。
さて、今回のアセンブリはどうしようかな……




910 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:42:08.72slCb1rKL0 (6/19)


―コーテックス:ガレージ―


「おはようございます」

「おう、ちょっと遅ぇけどな。おはようさん」

尭深さんとエントランスで別れて、私はACのアセンブリの為にガレージへ。
内容は、既にコーテックスに向かう途中に決めてきた。

「アセンブリか?」

「はい。じゃあ……」


HEAD:CHD-SKYEYE
CORE:CCM-OO-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:―
EXTENSION:―
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RIX-CR14
BACKUNIT R:CWR-S50
BACKUNIT L:CRU-A10
ARMUNIT R:MWG-XCB/75
ARMUNIT L:CLB-LS-2551


「……これでお願いします」

「お、嬢ちゃんにしちゃあ、えらくスタンダードだな」

今回は、オートマッピング機能がないと迷いそうなので、それがついた頭部を。
堅牢なセキュリティということで、それなりの敵が出てきても安心できる中量機体に。
脚部はMLM-MM/ORDERでもよかったんだけど、旋回速度が低いので不採用。
侵入するのは研究所であり、入り組んでいるだろうし。
また武装は威力の高いレーザーライフルを採用。比較的高火力のブレード。そして汎用性の高い小型ロケット。
KARASAWAはやっぱり重すぎるので、次の機会に見送り。早く使ってみたいけど、なかなか使えない……




911 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:42:45.89slCb1rKL0 (7/19)



「それなりの装甲、それなりの機動力、十分な火力。何が来ても大丈夫だろうな!」

「施設への侵入なんですけど、警備も厳重だということで」

タンクでも別にいいんだけど、脱出に時間がかかりそうなので没に。

「じゃあ、行ってきます」

「おう、行って来い!」

堅牢なセキュリティってどんなものなんだろう。
いまいちピンとこないなぁ……




912 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:43:28.28slCb1rKL0 (8/19)


◇◆◇◆

―エネルギー生成区:レヒト研究所―


‐戦闘システム 起動‐


<<プログラムの記録された、コンピュータがあるはずです。セキュリティに注意して、探索を進めてください>>

「わかりました」

やっぱり、道が狭い。AC一機できつきつだ。
しかも、その道がいきなりくねくねと曲がっている。マッピング機能があってよかった……

曲がりくねった通路を進み、ゲートを開く。

「!」

いつもの、マシンガンを乱射してくる小型メカが地を這っている。が……

「ロックオンできない……?」

ロックオンしようと思っても、FCSがエラーを起こしているのか、ロックオンできない。
それに、さっきから妙な音が聞こえる。これが原因?

<<ECMジャマーでしょうか。どこかに、ジャマーを発生させているものがあるはずです>>

「どこかに……」

部屋を見渡す……と。
よく見ると、小さい何かが部屋の中心で浮いている。見たことがないものだ。
あれだろうか?

ジャンプして、ブレードで破壊する。

「おお」

妙な音が聞こえなくなり、小型メカをロックオン出来るようになった。
なるほど、最優先で破壊するべきだね。

<<まだ先にいくつかあるかもしれません。気をつけてください>>

「了解」

残った小型メカをブレードとレーザーライフルで一蹴し、先へ進む。




913 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:44:19.77slCb1rKL0 (9/19)



「っと」

次のゲートを開けた瞬間、紫色のパルス弾が飛んできた。
ジャンプでかわし、その部屋の中心へ着地。
敵は三機。これまたあまり見かけない形状のMTだ。

「速い……」

意外と移動速度が速く、加えてパルス弾がちくちくと鬱陶しい。

「堅い……」

おまけに、レーザーライフル一発では壊れてくれない。
さすがにブレードはっ……と。

「ふぅ……」

ブレードは一撃らしい。すれ違ったところを一閃すると、後ろの方で爆発した。
流石にこれは耐えられないか。

「よっ……」

走ってきたMTに飛び乗り、中心部にブレードを突き刺す。
乗ったままレーザーライフルで最後の一機を破壊し、進む。

レーダーをちらっと確認すると、敵を示す赤い点がたくさん見えた。
この研究所はやっぱり広そうだ……




914 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:45:13.40slCb1rKL0 (10/19)



「ん……」

ゲートを開いて進むと、分かれ道に遭遇した。
右と左に、それぞれゲートがある。こういうときは……

「とりあえず……」

とりあえず、右に進もうかな。
本能の赴くままに、右のゲートへ。

「また、ECM……」

右のゲートを開けて入ると、またECMジャマーが。
ブーストジャンプとブレードで速やかに破壊し、残った敵を掃討にかかる。

「……」

飛んでくるパルス弾を避けながら、この部屋を見渡す。
どうやらゲートは一つしかないようで、そしてそれは私が入ってきたもの。
つまり、はずれだ。

「……」

腹いせにMTにロケットを当て、減速したところにブレードを突き刺す。
しばらく出力を続け、引きぬく。
そして振り向き、決めのポーズ。
どこかで、見たことのある倒し方だ。なんだったかな……

「……」

まぁ、いいか。正解の左のゲートに進もう。




915 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:46:12.33slCb1rKL0 (11/19)



正しいゲートに進み、開く。右と左に道が別れているらしい。
と、左からパルス弾が。

「……」

左に進み、とりあえず浮いていたECMジャマーをブレードで破壊する。
壁に向かって全力疾走を続けるMTをブレードで薙ぎ、もう一機をレーザーライフルで丁寧に壊す。

「ない……」

開いた場所ではあるが、ゲートの存在はない。行き止まりのようだ。
反対側へ進もうか……

一直線の狭い道が続いており、向こうの方からパルス弾のMTがこちらに全力で向かってくる。
一本道なら、ブレードを避ける手段もないだろう。
向かってくるMTをブレードで歓迎し、さらに奥へ。

「!……ECM」

奥に進んで突き当たったところで、ECMジャマーが。
でも、どこにいるのか見つからない。

「まぁ、いいか……」

周囲に敵もいないので、無視する。
周りに敵がいるならともかく、居ない状況でECMジャマーがあってもあまり脅威ではない。
道が続いている右へ旋回、奥を目指そう。




916 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:47:13.60slCb1rKL0 (12/19)



右を向くと、さっきと同じような一本道があり、今度はMTではなく小型メカが走ってくる。
一本道なので、ブレードとレーザーライフルで小型メカをあしらいながら進んでいく。

「!」

進んでいると、壁にゲートを見つけた。が、どうやらロックされているようで、開けることが出来ない。
奥に進むしかないようだ。

「ん……」

奥の方にいた小型メカをレーザーライフルで破壊する。
道を塞いでいた敵はいなくなり、目の前には一本の道が。
奥に向かってOBでかっ飛んだら、気持ちいいかも……

「おお……」

OBを起動し、かっ飛ぶ。
これは……いい。
風は体感できないけど、爽快な気分になる。

「!……下に」

あっという間に奥に到達。右手に通路がある。
どうやら下に部屋があるらしく、下り坂になっている。

通路の手前で方向転換、下を向く。
小型メカが下の方で動いている……

「……」

攻撃してくる前に、レーザーライフルで破壊してしまう。
マシンガンは鬱陶しいから。




917 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:48:08.51slCb1rKL0 (13/19)



坂になっている通路を下り、ゲートを開く。

<<コンピュータルームに、侵入者を確認。セキュリティレベルをSからAへ。警備部隊は速やかに配置につけ>>

<<気付かれた……!>>

「急ぎましょうか」

なにもない部屋を進み、ゲートを開く。
短い通路を進み、またゲートを開く。

「っ」

上からレーザーが降ってくる。
右へ動いてかわし、上を向いてレーザーライフルで砲台を破壊する。
……あと三つか。
ロケットとレーザーライフルで素早く片付ける。

「!……あれが……?」

D1、あるいは01と書かれた、形容し難い機械が壁に取り付けられている。
頭部COMで確認すると、どうやらあれがアクセスプログラムの在りからしい。
ACの手でその機会に触れ、解析を開始する。




918 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:49:06.91slCb1rKL0 (14/19)



<<……プログラムの入手を確認しました!脱出してください>>

「よし」

照明が白から、非常事態を表す赤色に変わる。
時間はなさそうだ。

<<繰り返す。コンピュータルームに侵入者を確認。セキュリティレベルをSからAへ。警備部隊は速やかに配置につけ>>

ゲートを開き、来た道を戻る。
マッピング機能が働いているから、迷うことはないはずだ。

「!……敵が」

迷うことはないけど、代わりに敵が復活しているらしい。
レーダーを見ると、敵の反応だらけだ。

「……」

敵は二の次、かな。
邪魔なものだけ破壊して、できるだけ早く脱出。これでいこう。
坂になっている道へのゲートを開き、気を引き締める。
ここで安心してはいけない。脱出するまでがミッションだ。




919 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:49:51.48slCb1rKL0 (15/19)



坂を塞いでいる小型メカをブレードで薙ぎ払い、上へ昇る。
すると……

「レーザー……?」

OBで飛んできた道に、さっきまではなかったレーザーで造られた網のようなものが張られていた。

「行けるかな……?」

網と言ってもまるでスカスカで『Z』の文字のようになっており、ACがギリギリ通れる隙間がある。
くぐれるかな……?

「……よし」

隙間をジャンプで掻い潜り、なんとか通り抜ける。
当たったらどうなっていたんだろう……
そんなことを考えながら、奥でたむろしている小型メカ達をレーザーライフルで片付け、OBでかっ飛ぶ。
奥に着いたら方向転換、ECMジャマーがあるが無視して、道をふさいでいるMTをブレードで掃討、さらに戻って行く。

はずれの広場に居るMT立ちを無視、ゲートを開いて通路へ入る。
はずれのゲートの敵も無視。来た道を帰って行く。




920 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:50:39.62slCb1rKL0 (16/19)



ゲートを開くとMTが待っていたけど、無視。
スタート地点まで敵を無視し続ける。

「ふぅ……」

なんとか、スタート地点まで戻ってこれた。
これといった強敵がいなくて助かった……

<<作戦は成功です。帰還してください>>


‐作戦終了 戦闘システム 解除‐




921 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:51:19.46slCb1rKL0 (17/19)


―コーテックス:エントランス―


「ふー……」

コーテックスに帰ってきて、一段落。
しかし、あんなに簡単にアクセスプログラムを奪取できてよかったんだろうか。
そんなものを作っているのなら、もっと厳重な警備をしているものと思ったんだけど……

「……ん?」

ガレージ方面の通路から、見慣れた姿の女性が歩いてくる。
菫だ。
でも、私の見慣れない、というか見たことが無い人も一緒に歩いてくる。
……誰?

「菫」

「!……っと、なんだ、お前か」

なんだ、じゃないよ。




922 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:52:11.86slCb1rKL0 (18/19)



「……誰?」

「あー……」

菫と一緒に歩いてきた、無茶苦茶に厚着をしている人のことを訊ねる。
すると菫はちらっと厚着した人に目を配り、そして答えた。

「ツインヘッドB、らしい」

「こ、こんにちは……」

ツインヘッドB……ツインヘッドB……

えーっと……?




923 ◆WgnmsRcFGw2013/05/17(金) 20:55:20.97slCb1rKL0 (19/19)

今回はここまでとなります。次回は、菫さん視点になります。
ドリームシアターの「imeges~」っていう2ndアルバムは、超名盤だと思います。何回も聞かないとぴんとこないけど……

次回の投下は明日です!


924VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/17(金) 21:52:25.92jT0UEWzDO (1/1)

そういえばクロチャー……


925VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/17(金) 23:47:09.32HvQT95U1o (1/1)


ドリームシアターはあまり聞かないけどメトロポリスは凄いと思った


926VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/18(土) 14:45:44.049loRwJyAO (1/2)

乙、ポーズの元ネタはRXかブルースか……


927 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:15:52.46q2OdJcsA0 (1/24)

こんばんは!今回は、ちょっと戻って菫さん視点になります。

>>924
AC3やって無い方は分かったんでしょうか……?
>>925
あの人達はバケモンです
>>926
一欠

では、投下していきますー





928 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:17:05.77q2OdJcsA0 (2/24)


―side:菫―

―トレネシティ:自宅―


「……」

……おはよう。
時間は……朝の8時半ごろか。

「……」

うーん、と伸びをしてベッドから起き上がる。
今日も一日、頑張るとするか。さて……

「……で?」

「?なによ」

「なんでお前がここにいるんだ?」

「なんとなく」

ファナティックが、うちに入り込んでいた。




929 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:18:05.61q2OdJcsA0 (3/24)



「ふんふーん」

こいつは以前の依頼の後から、度々私の家を訪ねて来るようになった。
追い返してもインターホンがうるさいから、仕方なく家に入れている。
そのうち朝から晩までうちに居たり、調子に乗って泊まり始めた。

「……」

次第にうちの冷蔵庫を支配し始め、食事を勝手に作るようになった。

「……」

何をしなくても食事が出るのはいいが……
一体何を考えているんだ?こいつは……

「できたわよー」

「……」

まぁ、食べ物を粗末にするわけにはいかないからな。
出されれば、私も食べるしかない。

「いただきます」

「いただきまーす」

はぁ……

「……?あんた、この音メールじゃない?」

「そうらしいな」

ぴぴぴ、とPCから音が鳴り、メールが来たことを知れせてくれる。
ところでこいつはいつ、私のメールの音を憶えたんだ?




930 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:18:41.54q2OdJcsA0 (4/24)



依頼主:ミラージュ
作戦領域:通気用ダクト C3-11
敵勢力:浮遊型戦闘メカ複数
作戦目標:全電磁波発生装置の解除

『クレスト社が、通気用のダクト内部に強力な電磁波発生装置を仕掛けたことが分かった。
 おそらく、管理者の部隊に対抗するための措置と思われる。
 問題のダクトは、複数のセクションで共用しているもので、事前に何ら通知もなかった為、
 隣接するセクションにある我が社の施設は、大きな被害を受けている。
 ダクト内には、防磁処理を施した部隊を配備して防衛に当たっているらしいが、
 そもそもあれが管理者の部隊に対して、どれほどの効果があるのかもわからん。
 ダクトに侵入し、装置の運航を停止させてくれ。
 電磁波の影響はもちろんACにも及ぶ。長時間は機体がもたんだろう。迅速に行動してくれ。』


電磁波、か。ACがショートでも起こすのだろうか。まぁ、なんにせよ厳しい依頼だな。

「なんだったのー?」

「お前も見るか?」

リビングから、ファナティックが歩いてくる。

「どれどれー……」

さて、どうするかな……
家にいても、確かにやることはないんだが……

「……あんた、これ受けるの?」

「……ああ」




931 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:19:34.25q2OdJcsA0 (5/24)



「ふーん……ご飯は?」

「悪いな、仕事が優先される」

「あっそ」

「ああ、捨てるなよ?帰って来たら食べるからな」

「はいはい、わかったわよ」

「留守は……」

「任せなさい!」

……まぁ、いいか。

「じゃ、行ってきます」

「行ってらっしゃーい」


(……ははっ)




932 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:20:10.52q2OdJcsA0 (6/24)


―コーテックス:エントランス―


「おはよー……には遅いか。こんにちは!スミレ!」

「ん」

コーテックスでは、アワイが既に待機していた。今日も元気なものだ。

「……ふふーん」

「?どうした」

……その気持ち悪い笑いはなんだ?

「スミレー、最近充実してるなー?アワイさんの目はごまかせないのだっ!」

……

「……馬鹿なこと言ってないで、さっさと行くぞ」

「あ、ごまかしたー!やっぱりー!」

「指を指すなっ!」




933 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:21:01.71q2OdJcsA0 (7/24)


◇◆◇◆

―環境制御区:ダクト「C3-11」―


<<目標は全部で四つ!急いで解除すること!>>

「了解。……妙だな」

ダクトに侵入。ダクトの内部は縦に筒状になっていて、壁には砲台がついている。
それに加え、クレストの浮遊メカと電磁波。やはり長くは持ちそうにないな。
ところで、この頭痛は何だ?

<<長時間いると、機体とか脳がやばいからね!>>

脳?脳と言ったか?

「脳もやばい?」

<<うん。当たり前じゃん?>>

「聞いてないぞ……」

<<来ちゃったからにはしょうがない!急いでね!>>

「ああ……」

やっぱり、断ればよかったか……?


‐システム キドウ‐




934 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:21:44.30q2OdJcsA0 (8/24)



まず頭部COMのマップを開いて、目標の位置を確認する。
……真下にあるな。そこから解除するか。
上の高台から飛び降り、下方にある電磁波発生装置を目指す。

「チッ……」

さっきから、頭が激しく痛む。ミラージュめ……

「……あれか」

ダクトの地面に、それらしきものを見つけた。ACで触れ、解除する。

<<目標の解除を確認!残り三つ!>>

「よし……」

どうやら、これであっているらしい。
次だ……
COMのマップを開き、次に解除するものの場所を確認する。

「上にあるな……」

ダクト内の壁にはゲートがいくつかあり、そのうちの一つに目標があるようだ。

「くそっ……」

頭が痛い……




935 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:22:24.34q2OdJcsA0 (9/24)



ブーストジャンプでダクト内を上昇し、壁のゲートを目指す。

「よし……」

少し出っ張った足場に着地し、ゲートを開く。
……ここのはずだが……

「……?」

巨大なファンがそこにあるだけで、何もない。
どこだ……?

「ん?網か」

よく見ると、通路の床に網が張ってあり、その下に道があるようだ。

「壊せるか……?」

レーザーライフルで狙い、網に向かって放つ。
すると命中した網は壊れ、その下にまたその網が。

「これで……」

続く網を全て破壊して、下にあった通路に辿り着く。
すると奥に電磁波発生装置があり、さらに床に網が。
まぁいい。網は後だ。

<<目標の解除確認!あと二つ!>>

「ふぅ……」

頭痛は若干治まってきたが、それでもまだ痛む。




936 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:23:05.82q2OdJcsA0 (10/24)



床の網を破壊して、その下の通路へ。
巨大なファンと、その反対側にはゲートがある。

「ここと繋がっていたか……」

ゲートを開いて外へ出ると、入ってきたゲートの真下に出てきた。
となると……

<<向かい側にあるゲートの中に、別のダクトに行ける道を発見!>>

「だろうな」

二つずつというわけか……面倒な……
敵を全て無視し、残ったゲートへ向かって上昇する。
足場に着地し、そのゲートを開く。
中にはやはり巨大なファンと……

「あれか」

今度は通路の横に穴が開いており、そこから下層に行けるようだ。
その通路を下り、下層へ進む。
……また、頭が痛くなってきたぞ……




937 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:23:51.40q2OdJcsA0 (11/24)



<<AC!?>>

「なっ……」

下層のダクトへのゲートを開くと同時に、パルス弾が飛んでくる。
咄嗟に左に避けると、足場から降りてしまい、ダクトの下まで一直線。
私にパルス弾を放ってきたACも、私の後を追って降りてきた。

「チッ……」

この状況でACだと……?

「くそ……」

電磁波発生装置が真横にあるせいで、余計に頭が痛い。
ん?真横……?

「!」

見ると、確かに私の真横に電磁波発生装置がある。よし、これであと一つだ。

「これで……っ!」

装置に近づく私に向かってパルス弾が飛んできた。
ジャンプして避け、装置から一旦距離を取る。
くそ、ACも居たんだった……!これでは……

<<玄ちゃんの……仇……!>>

……ん?




938 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:24:35.70q2OdJcsA0 (12/24)



なんだって?

「アワイ、あのACの情報はわかるか?」

<<んー……あれは多分、パトリオットだね。レイヴンはツインヘッドBだったかな?>>

「そいつにとって、何か特別な奴が居なかったか?」

<<いたよー。妹だったかな?ツインヘッドWって言って、以前はコンビを組んでた。死んじゃってるけど>>

おい……私は知らないぞ……

「おい、何か勘違いしていないか?」

<<何を……!妹を……玄ちゃんを殺したくせに……!>>

そう言ってパトリオットはパルス弾を放ってくるが、当たらない。
まるで見当違いの方向にパルス弾は飛んで行った。

「話を聞けっ!」

ふらふらとしているパトリオットへ近づく。

<<うるさいっ……!うぅ……!>>

くそったれ……




939 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:25:17.82q2OdJcsA0 (13/24)



「こんなことばっかりだ!」

ブーストダッシュでパトリオットに肉薄し、そのまま激突。
壁に押し付ける。

<<きゃあっ!>>

お互いのACのコアが接触し、火花を散らす。

「ハッチを開けろ!」

<<で、でも……!>>

「開けなければこのまま殺す!早くしろっ!」

そう言って、レーザーブレードを出力して見せる。
するとパトリオットのコアが開き、中から人の姿が現れた。

「よし……」

こちらもハッチを開け、上半身を覗かせる。




940 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:25:59.60q2OdJcsA0 (14/24)



「こっちへ来い!」

「え、えっと……」

「ああ、もう……待っていろ!」

コクピットから出て、私のAC、ルージュのコアの上を歩く。
ああもう、頭が痛い……!

「手を貸せ!」

パトリオットのコアに乗っているツインヘッドBの手を取り、ルージュのコアに招く。
手を引き、ルージュのコクピットの前まで来させる。

「あ、あの……きゃっ!」

そのままツインヘッドBをコクピットに押し込み、そこへ自分も入る。
流石に、きついな……

「狭いが我慢しろ。行くぞ」

ルージュをパトリオットから離す。

「ここでお前は殺したことにする。悪いが、ACは破壊させてもらうぞ」

「は、はい……」

ブレードを出力し、パトリオットのコアに突き刺す。
そのまま出力を続け、離れる。
パトリオットは壁にもたれたまま、装甲をばら撒き爆散した。




941 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:26:38.24q2OdJcsA0 (15/24)



<<ヒューッ!やるねぇスミレ!>>

「うるさいっ!」

放置していた電磁波発生装置へ向かい、解除する。

<<目標の解除を確認!あと一つ!>>

「……よし、大分よくなったぞ」

先ほどまでの頭の痛みがほとんど消えたな……
マップを開き、最後の目標の位置を確認する。
どうやら、またしても壁のゲートのどれかの中にあるらしい。

「チ……」

いい加減、敵が煩わしくなってきた。ここらで掃除しておくか……

まず目の前に現れた浮遊メカをブレードで薙ぎ払い、上昇。
機体を旋回させながら、ロックしてはオービットをばら撒く。
寄ってきた浮遊メカは、その上に着地してブレードを突き刺してやる。
オービットは順調に仕事をしてくれたようで、砲台はおとなしくなっている。
近くのゲートの足場に着地して、一休みする。敵はもうほとんどいないな……?

「すごい……」

「あと少しだな。おい、頭痛はどうだ?」

「お、治まってきました……」

「そうか」

マップで目標の位置を再度確認して、そこへ繋がっていると思われるゲートを目指す。




942 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:27:06.52q2OdJcsA0 (16/24)



「ここか」

比較的上の方にあったゲートを開き、中へ突入する。
中には巨大なファンと……天井に網。
網をレーザーライフルで破壊し、上にある通路を目指し上昇する。

「あったぞ……!」

最後の目標が、ファンの前に鎮座している。
歩いて近づき、ACで触れる。

<<機能停止します……>>

通路の照明が、赤色から白へと変わっていく。

<<全目標の解除を確認、作戦成功ー!>>

「はぁ……」

いろんな意味で、今日は散々だったな……
……ああ、

「話は後で聞く。コーテックスに着くまでそのままでいろ。できるな?」

「で、でも」

「今だけでいいんだ、頼む」

「わ、わかりました……」


‐モクヒョウ タッセイ‐




943 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:27:44.57q2OdJcsA0 (17/24)


―コーテックス:ガレージ―


「ふぅ……」

ガレージに着き、外へ。

「出れるか?」

「は、はい。んしょっと……」

「ほら」

手を差し出す。

「ありがとう、ございます」

コクピットでぎゅうぎゅうになっていたツインヘッドBを引っぱりだす。

「……」

よく見ると、格好がおかしい。パイロットスーツの上から着こみ、さらにマフラー、手袋。
いくら冷え症でも、これはないだろう……

「……」

「あの……?」

「……はっ」

いかん、長考していた。
とりあえず、落ちついて話が出来る場所に……




944 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:28:37.73q2OdJcsA0 (18/24)


―コーテックス:エントランス―


ガレージの人達になんやかんや言われたが、
「拾ってきた」と一言だけ言うと、それ以上何も聞いてこなかった。
実際その通りなんだから、頭が痛い。

「……」

しかし、落ちついて話せる場所なんて――――――

「菫」

「!……っと、なんだ、お前か」

突然声をかけてきたのは、照だった。
こいつ、私の名前をここで呼ぶなとあれほど……

「……誰?」

「あー……」

そうか、そうだよな……
ちらっと、隣を歩いていたツインヘッドBに目を向ける。

「いいな?」

「……はい」

改めて、照へ目を向ける。

「ツインヘッドB、らしい」

「こ、こんにちは……」




945 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:29:19.13q2OdJcsA0 (19/24)



「こんにちは……」

照は微妙な顔で、右手を顎に持っていく。
ほぼ無表情で非常に分かりにくいが、あれは何かを思い出している顔だ。
……そうだ、こいつなら何か知っているんじゃないか?私よりレイヴン歴は長いしな。
聞いてみるか……

「て……シャイン、お前、ツインヘッドWって知らないか?」

「……あ、思い出した。ありがと菫」

「は?」

「うん、知ってるよ。ツインヘッドW。死んじゃったけど」

「知っているんですか!?」

「う、うん……」

「……ここじゃまずい。どこか話が出来る場所へ―――――」




946 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:30:06.90q2OdJcsA0 (20/24)


―トレネシティ:自宅―


「なぜ……」

「おかえりー……って、いっぱい連れて帰ったわね」

「また知らない人……しかも、家から……?」

「まぁ、とりあえず入りなさいよ」

「ここは私の家だ!」

はぁ……
……まぁ、中へ入るか……こうなってしまったものはしょうがない……




947 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:30:41.72q2OdJcsA0 (21/24)



「……じゃあ、話を聞こうか。誰から私が妹を殺したと聞いた?」

「え?菫が殺したの?」

「そんなわけがないだろう。いいから今は喋らないでくれ」

「へー、すみれっていうのねあんた」

……

「……で、誰から聞いたんだ?」

「朝起きたらメールが入ってて、あなたが玄ちゃん、私の妹を殺したって書いてあって……」

「誰からだ?」

「それがわからなくて……」

「……普通信じるか?それ」

「うぅ……」

はぁ……
しかし誰だ?私は知らないうちに誰かから恨みでも買っていたのか……?

「……そ、そうです!そこの方が、玄ちゃんのことを知ってるって……」

「私はシャイン」

「シャイン!?」

「?」

「あぁもう、それは後だ。話してくれ」

「わかった」




948 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:31:37.68q2OdJcsA0 (22/24)



「私が以前受けた依頼で、ツインヘッドWと一緒になったことがある」

「そ、それで……?」

「……間に合わなかった。急いで駆け付けたけど、その時にはもう……」

「そう、ですか……」

「……」

「……」

「……」

「……」

……沈黙。

あぁ予想通りだよ畜生。誰がこの空気を変えてくれるんだよ私は疲れているんだよ……




949 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:33:35.54q2OdJcsA0 (23/24)



「……それで、あんたがシャインって本当?」

沈黙を破ったのは、ファナティックだった。
そういえばシャインが名乗った時、やたらとオーバーなリアクションをとっていたが……

「?そうだけど」

「……なんでそんなに強いの?」

……!

「?私が強い?」

「そうよ。こんなに短期間で、ここまで強くなるなんて。もうAランクなんでしょ?」

は?……こいつ、何時の間にそんなところまで?

「そう。あと二人。でも、私はそんなに強くない」

「あんたが強くなかったら、一体誰が強いのよ……」

「それに、私よりも菫の方が強い」

「そうよ!なんであんたはその強さでアリーナに参加してないの!?ていうかすみれってどう書くの?」

「……あ、ごめん菫。名前言っちゃった」

「……もういいよ」

好きにしてくれ……


その日の晩の食事時が、私の家とは思えない程騒がしかったのは言うまでもない。




950 ◆WgnmsRcFGw2013/05/18(土) 21:37:35.33q2OdJcsA0 (24/24)

今回はここまでになります!そして
※補足※
ファナティック+ツインヘッドBが照のことを今初めて見たというのは、アリーナ戦の時は顔を合わせてなかったからです。
描写していませんが、書いていないアリーナ戦はそういうことが多いんです。そういうことにしておいてください。
お願いします。

気付けばもう950です。で、次回と次々回が今回と前回のように若干繋がっていて、しかも多分このスレ内に入りきりません。
でもせっかくここまで来たんだから、>>1000を目指したくもあります。どうしましょう……?



951VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/18(土) 21:52:26.299loRwJyAO (2/2)

乙っす

マホの出番か、もしくは日常生活のオマケとか?


952VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/18(土) 21:56:10.02PPoqpkGso (1/1)

小ネタで埋めるのがいいんじゃないかな?


953VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/18(土) 22:14:49.12SzKA1Xfro (1/1)

次スレを準備しつつ、こちらは小ネタで埋めてギリギリで誘導とか


954VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/18(土) 22:31:57.68PivlrAeEo (1/1)

乙です
埋め支援もするしマホの出番を



955VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 11:37:43.25G19KeTvUo (1/1)

乙でした
しかしファナティックだけは誰かわからない
ヒントを読み逃してるのかな…
スレの残りは>>1のAC愛とかシリーズとの馴れ初めとかを語っていけばいいんじゃないかなw


956VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 13:27:02.51p/CK/qPuo (1/1)

何故だかファナティックはもこだと思った片目隠しているし


957 ◆WgnmsRcFGw2013/05/19(日) 17:36:25.70UgUbDFmK0 (1/1)

たくさんレスありがとうございます!
マホの出番、小ネタ、私のACとの馴れ初め等……ふむふむ
まずマホの出番ですが、あと出来ることと言ったら旧作ACの基本テクニックを紹介するぐらいしか思いつきません!
それでもよければ書くことが出来ます多分……
次に小ネタですが、これは何も思いつきません。何すりゃいいんでしょう……?
最後に馴れ初め等ですが、いざ考えてみると割と普通でした。ロボゲーしたい→AC3やる、みたいな。
とりあえず、旧作ACの基本テクニック講座的なものをやってみようかな?まぁ私もそんなに上手くはないんですが

あとファナティックがわからない方が以外と多くてなぜかびっくりしています。
彼女は後になれば絶対わかるようになる……はず
小ネタは募集してみるといいんでしょうか?


958VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/19(日) 18:55:18.92DEwV24rJo (1/1)

小ネタ…
アデューことシロでおなしゃす!


959VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 01:48:31.93Z328LHjAO (1/1)

前に一回やったパーティー回とかでもええのよ


960VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 04:08:06.79NIZrDsoCo (1/1)

白糸台勢でお風呂入る小ネタ


961VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/20(月) 04:47:11.57jYfmDmg8o (1/1)

>>788 で撃墜されてしまったMTの隊長さんから見たシャインの活躍を回収された機体のボイスレコーダーから再現


962 ◆WgnmsRcFGw2013/05/26(日) 01:56:30.45A4nIB6V40 (1/1)

ちょっと状況報告です
実は夜勤バイトが始まってて、さらに遅れそうです
ネタの提供はとても助かるんですが、このスレを埋められて、次スレを立てるのは結構後になりそうです……


963VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/26(日) 01:59:12.766TtmNYEXo (1/1)

乙~バイト頑張ってください
無理はなされないように


964VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/31(金) 21:03:32.807bBvtjDho (1/1)

ほしゅがてらに
SLってW鳥が主流らしいけどキーアサかえるっす?
それとも親指人差し指で押してR1中指R2薬指みたいな感じ?…いや流石に無理くさいか


965VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/31(金) 21:28:55.98Qso77J2DO (1/1)

PS2版はそのままやった
PSP版はキー足りないから買ってないや


966VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/31(金) 22:18:17.21HlipXuDIo (1/1)

パージを捨てればPSPでもなんとかなる


967VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 15:12:28.98Qd9mqnzCo (1/2)

わからん…ブースト押しながらW鳥って親指どうなるんです?
右武器だけでもままならない…


968VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 20:25:26.82OLGH31l8o (1/2)

キーコンフィグしないなら○ボタンを親指の付け根で押すとか
武器をリロードの長い単発型とかバースト系にするとか


969 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:46:03.944G1opFcV0 (1/26)

こんばんは!この投下が終わったら次スレ……ですね

>>963
ありがとうございます!
>>964
私は左武器ボタンを△にして、×□△を全部親指でやってます。
当然安定しません。でもPSP版なら多分大丈夫です!PS2は、うん……

今回は>>960となっています。投下開始


970時系列的には、前回と次回の間です ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:47:40.644G1opFcV0 (2/26)


◇◆◇◆

―トレネシティ:菫宅―


「お風呂に入ろう!」

「……は?」

「だーかーらー、お風呂に入るの!」

「入ればいいじゃないか」

「もーわかってないなぁ。みんなで入らなきゃ意味ないでしょ?」

「そういうものか……?というかみんなって誰だ?」

と、脱衣所から人影。

「あれ、アワイじゃない。どうしたの?」

「誰か来てるの……?」

「スミレをお風呂に誘いに来たの!ね、みんなで入った方が楽しいよね?」

「面子によるわね。まぁ、友達なんかと一緒に入ったら楽しいんじゃない?」

「だよねー!ファナティックも一緒に来る?」




971時系列的には、前回と次回の間です ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:48:34.224G1opFcV0 (3/26)



「この格好見てわかんないの?あたしはたった今宥姉と風呂入ったばっかなの!」

「ちぇー」

「さ、寒い……」

「あ、やばっ。じゃああたしは宥姉と着替えてくるから!菫は連れて行っていいわよ」

「わーい!じゃあ連れて行くね!」

「私の意志は……」




972 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:49:11.934G1opFcV0 (4/26)


―道中―


「ところで、なんで炬燵出してたの?まだ早くない?」

「ああ、新しい住民が極度の寒がりでな。わざわざ買ってきたよ」

「へーやさしいじゃん。流石スミレ!」

「はいはい。……で、今どこに向かっているんだ?」

「シャインの家!」

「……お前、知っているのか?」

「知らない!」

「はぁ……。こっちだよ、行くぞ」




973 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:49:48.964G1opFcV0 (5/26)


―トレネシティ:照宅―


ぴんぽーん。

「はい……」

「シャーインー!」

「わぷっ」

「よう」

「アワイに菫……どうしたの?」

「お風呂入ろう!」

「?いいけど……」

リビングから影。

「あの、何が……?」

「あれ?たかみーじゃん」

「アワイちゃん……どうしたの?」

「やぁ」

「リップハンターまで……」




974 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:50:29.584G1opFcV0 (6/26)



「そうだ!たかみもお風呂に入ろう!」

「え?」

「いいよね?!」

「い、いいけど……」

「じゃあけってーい!」

「どこに入りに行くの?」

「どっかの銭湯!この辺にある?」

「あるよ」

「じゃあそこにしよう!しゅっぱーつ!」

「お前……」




975 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:51:07.914G1opFcV0 (7/26)


―トレネシティ:銭湯「Special Others」―


「誰もいないみたいだね」

「貸し切りだー!」

「あんまり騒ぐなよ」

「じゃあ、入りましょうか」

脱衣。

「一番乗りー!」

疾走。

「走るなっ!……ああ、もう」

追行。

「シャインは走りませんよね?」

「?走ろうか?」

ざっ。

「じょ、冗談ですって……」

「ふふ……」

「私たちも行きましょうか」




976 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:51:45.274G1opFcV0 (8/26)


―浴場―


「見てースミレー」

「泳ぐな馬鹿っ!身体は洗ったのか!?」

「まだー」

「入るなら洗ってから入れ!」

「……」

「……」

ぺたぺた。

「ほら、髪洗ってやるから座れ」

「やったー!えへへー」

「はぁ……」

しゃかしゃか。

「んー」

「気持ち良さそうだね、アワイ」

「そうですね……」




977 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:52:29.054G1opFcV0 (9/26)



「……尭深さんも、やる?」

「えっ?」

「やる?」

「……で、では……」

ぺたぺた。すとん。

「ん?お前もか?」

「うん。アワイが気持ちよさそうだから、尭深さんにもしてあげようと思って」

「へぇ、いいじゃないか」

「うん。尭深さん、ここ座って」

「は、はい」

しゃかしゃか。

「そういえば眼鏡を外しているけど、前は見えるの?」

「はい。何となく、ですけど」

「そう」

しゃかしゃか。




978 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:53:20.654G1opFcV0 (10/26)



「ふぅ。身体はどうする?」

「洗ってー!」

タオルをはだき、ばんざい。

「恥はないのかお前……」

「ちょっとはあるよ!」

「そうは見えんがな……背中からやるぞ」

ごしごし。

「んー……」

「どう?」

「人にやってもらうのも、いいかもしれません……」

「それはよかった」

しゃかしゃか。




979 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:54:02.454G1opFcV0 (11/26)



「前は自分でやれよ?」

「えーやってよー」

「恥はどうした」

「だってスミレなら別に恥ずかしくないしー」

「なっ……はぁ、わかったよ」

「へへー」

ごしごし。

「尭深さんはどうする?」

「え?」

「身体」

「そ、それは流石に自分で……」

「そう……」

「……じゃ、じゃあ背中を……」

「!……ふふ、わかった」

ごしごし。




980 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:54:48.344G1opFcV0 (12/26)



「ほら、手をあげろ」

「はーい」

「菫、お母さんみたい」

「私が?」

「じゃあシャインがお父さんだ!」

「尭深さんは?」

「うーん……お姉ちゃんかなっ」

「私が、お姉ちゃん……」




981 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:55:30.094G1opFcV0 (13/26)



がらら。

「……あれ、照さん?」

「誠子」

「おお、随分と久しぶりだな」

「菫さんまで……」

「奇遇だね」

「はい、本当に……。尭深さんと……そちらの方は?」

「ああ、私のオペレータだ」

「アワイです!よろしくっ!」

「よ、よろしく」

ぺたぺた。




982 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:56:08.384G1opFcV0 (14/26)



「誠子はどうしてここに?」

「任務が終わったので、ちょっと寄って行こうかなと」

「なるほど」

「本当はトラファルガーさんも誘ってみたんですけど、用事があるとかで」

「トラファルガーさん?一緒だったの?」

「はい。一緒に部隊の護衛をしていました。知っているんですか?」

「うん。まだレイヴンになったばっかりの時に協力したことがある」

「そうだったんですか」

「……そういえば、あの人に聞きたいことがあったような……」

「す、すみません」

「あ、いいの。気にしないで。また会った時に聞けばいいから」

「そうですか……?」




983 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:56:44.814G1opFcV0 (15/26)



「……はい、終わり」

「ありがとうございます」

「あんっ」

「変な声を出すなっ!」

「だってー、スミレがー」

「しょうがないだろ……!」

「あの、私もしましょうか?」

「洗ってくれるの?」

「は、はい……」

「じゃあ、お願いしようかな」

「わかりました」

「……」




984 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:57:16.014G1opFcV0 (16/26)



「みなさん、とても仲がいいですね」

「そう?」

「……」

「そうか?」

「とーぜんっ」

「はい。ああー、私もキラメさんを誘えばよかったかなぁ……」




985 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:57:56.464G1opFcV0 (17/26)



湯船へ。

「ふう……」

「落ちつきますね……」

「うん……」

「ふいー」

「……もう泳ぐなよ?」

「わかってるってー。もう、スミレは心配性なんだからっ」

「はぁ……」

「よいしょ……」

遅れて一人。

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

かぽーん。




986 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:58:36.444G1opFcV0 (18/26)



「……くらえっ!」

「うおっ!?」

水鉄砲。

「お前な……」

「へへー」

「おらっ……あ?」

「あはは、スミレ下手っぴだ」

「くそ……」

「……どうやるの?」

「ええっと、手を……?」

「ああ、水鉄砲はですね、手をこう握って……」




987 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:59:19.564G1opFcV0 (19/26)



「おお、出来た」

「わぷっ」

「あ、ごめん」

「あはは」

「だ、大丈夫です……」

「……すまん、私にも教えてくれ」

「いいですよ。手をこう……」

「ふむ……こう、か?」

ぴゅっ。

「お、できましたね!」

「なるほど……おらっ」

「わっ!」

「はっはっは」

「やったなー!」


…………




988 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 20:59:57.924G1opFcV0 (20/26)


…………


脱衣所。

「入った後は!」

「入った後は?」

「コーヒー牛乳!」

「コーヒー牛乳?」

「そうだよ。とりあえず買ってこよう!」

たたた。

「おい、着替えてから……はぁ」




989 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:00:36.254G1opFcV0 (21/26)



「瓶は持ったね!」

「うん」

「はい!」

一人追加。

「ではふたを開けて、左手を腰に!」

「OK」

「準備よし!」

「準備が出来たら一気に飲め!」

ぐっ……ぐっ……ぐっ……

「「ぷはぁー!」」

「……ぷは」

「どう?おいしいでしょ?」

「うん。……おいしい」

「やっぱり、風呂上がりはこれですね!」

「……私たちは、後でゆっくり飲もうか」

「くすっ……そうですね」




990 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:01:15.694G1opFcV0 (22/26)


―帰路―


「楽しかったね!」

「うん」

「いい湯でした……」

「私たちだけでよかったな……」

「アワイさん、結構はしゃいでましたしね」

「だって楽しかったんだもん!またみんなで来ようね!」

「そうだね」

「……まぁ、悪くはなかったな」

「ふふ……」

「あはは」

夜は、更けて行く……




991 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:05:12.664G1opFcV0 (23/26)

投下終了。小ネタとは一体……
ちょっとわかりづらいような?

とりあえず次スレを立ててきます。残りは適当に埋めてもらえると助かります!
なにか質問があれば答えられる範囲で答えます!次スレで!


992 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:07:40.914G1opFcV0 (24/26)

次スレ立ててきました
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370174815/


993VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:11:10.52Qd9mqnzCo (2/2)

おっつおっつ

PS2時代のACについて教えて欲しいや
主に動きかたについて
今のとこR1押しながら×と□を交互に押すゲームになってしまってる


994VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:15:59.00H7e7uJ50o (1/1)

PS2時代のは敵の周りを旋回しながら攻撃するゲームだったな
ピョンピョン飛びながら


995VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:16:08.04qiCvg2zAo (1/2)

乙!この五人はほのぼのするね


996VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:31:06.29ZAceslVdo (1/1)

新スレの本編も期待しています


997VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:35:36.97OLGH31l8o (2/2)

ファナティックが誰だったのかやっと分かった
乙でしたあ


998 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:39:14.474G1opFcV0 (25/26)

>>993
シリーズにもよりますが、大体そんなもんです……
アリーナ上位になるとそれだけでは倒せないかもですが
ブレオンとかロケオンとか縛りを加えるとより楽しいかも?



999VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/02(日) 21:40:34.02qiCvg2zAo (2/2)

>>1000は>>1が取ろう


1000 ◆WgnmsRcFGw2013/06/02(日) 21:45:24.874G1opFcV0 (26/26)

>>1000だー!