1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 21:21:30.44A4SUh9ra0 (1/8)

勇者「お前引退すんのか?歳?」


面白いネタを見つけたので噛みついてみる。


魔王「主は童(わらわ)に喧嘩でも売ってんのかや?」


目の前の狐耳と立派な毛並みの尻尾を生やした女に凄まれる。

こんな可愛いだけのケモ耳娘に見えても魔王だって言うのだから恐ろしいもんだが、まぁそれは置いておこう


魔王「魔王城に乗り込んで来おったお主が持ちかけてきた和平条約、それに童が同意し人間界魔界共に平和にしようと約束したのはいつだったかや」

勇者「900年前」

魔王「そう、900年前…ってそんなわけあるかや!!」ゲシッ

勇者「ノリツッコミいただきましたー」

魔王「喜ぶなや!!」


うん、反応も上々


勇者「で、話を戻そうか」キリッ

魔王「脱線は主のせいじゃろが!」

魔王「…コホン、まぁ童と主が和平条約を結んだ事、これに反発した魔物が少なからずいることは知っておるかや?」

勇者「いや、でも容易に想像がつく。破壊や殺戮は魔物達にとって最高の快楽だしな」

魔王「そのとおりなのじゃ、そういう魔物どもが最近『反魔王派』なるふざけたものを立ち上げおったんじゃ」

勇者「で、お前は派閥争いに負けたと」

魔王「というより朝気がついたら魔王城から閉め出されておったのじゃ」

勇者「ダサっ」


寝ている間に運び出されても気づかないなんて本当に魔王かこいつ、ダサすぎるぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1354018890



2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 21:33:17.30A4SUh9ra0 (2/8)

魔王「ちなみに身に付けていた武器やなんかももちろん取られておる」

勇者「ついでに着ている服も剥がされてそのまま来てくれれば良かったのに…」

魔王「前々から思っておったがお主は本当に勇者なのかや?」


何故か呆れたように言われた…むぅ


勇者「そりゃ確かに魔王と戦わずに和平交渉を持ちかける勇者なんて稀だろうな」

魔王「出会ってすぐセクハラする勇者の方が稀じゃ、しかも魔王に向かって」

勇者「そんな勇者がいるのか!?」

魔王「お主のことじゃ!」


3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 21:45:46.67A4SUh9ra0 (3/8)

勇者「で、結局魔王城から追い出されたホームレス狐がなんの用なわけ?」

魔王「ぶっとばされたいのかやお主?」

魔王「いくら枯れようとも童は魔王じゃ、このままで終わらせるつもりはありんせん」


尻尾の毛が逆立つ、相当怒ってるな。怖っ


勇者「それで?」

魔王「うむ、童は一番近くの魔物と人間が入り乱れる町にて潜み、魔王城内部と反魔王派の情報を集めておった。」

勇者「よくバレなかったな」


けっこう魔物の出入りも激しい町だから誰か一人くらい気付きそうなものだが


魔王「童は変装や隠密活動はかなり得意なんじゃ、どうじゃすごいじゃろ」


なんか尻尾が犬みたいに左右にすごく揺れてる

そうかそうか褒めてほしいのか、よし頭を撫でてやろう


魔王「!?、っ何するんじゃ!」ゲシッ

勇者「ぐはぁっ」


なでなでしてあげようとしたら後ろ回し蹴り食らった。しどい…


4VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 22:03:13.53A4SUh9ra0 (4/8)

魔王「それでじゃ、情報を集めた結果以下のことが分かったんじゃ」

魔王「まず一つ、奴らはすでに童の後継者を立てておるようじゃ。童が直々に指名したと嘯いての。」


再び毛が逆立つ。うん、いつ見ても立派な毛並みだ。


魔王「主よ、童の話聞いておるのかや?」

勇者「聞いてる聞いてる(棒)」

魔王「…まぁ、よい。次に、奴らは童が死んだと方々に伝える。その後、新魔王体制が人間界への宣戦布告をするらしいんじゃ」

勇者「つまり、再び人間界の危機というわけか。…めんどくさいけど仕方ない、やってやんよ。」

魔王「そうか、勇者よやってくれるのかや!感謝するぞ♪」

勇者「そうかそうか、抱きついてきてもいいんだぞ」HAHAHA

魔王「しかし、その童の後継者という者の正体がまったく分からないのじゃ」

勇者「スルー!?」

魔王「ま、それが童が主の下に来た理由なのじゃ。せっかく平和にしたこの世界の危機、主に何とかしてほしいんじゃ」

勇者「まぁ確かに魔物が攻めてくるというのなら断るわけにはいかないが」

魔王「それでこそ勇者なのじゃ♪」


5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 22:27:47.72A4SUh9ra0 (5/8)

勇者「そう言いつつ、何故お前は俺の部屋の絨毯の上に寝転がってポテチの袋を開けようとしているんだ?」

魔王「あぁ、主が後継者を倒しに行っておる間に童がこの家を守っておく。安心して行ってくるがよいのじゃ」

勇者「何言ってんだお前も来いよ」

魔王「いやじゃ、たまには童も夫の帰りを待つ主婦を演じてみたいのじゃ」

勇者「どうせ戦うのがめんどくさいだけだろ。」

魔王「そうとも言うのじゃ」

勇者「サボんな、働けよ魔王」

魔王「せっかく魔王の座から追い出されたんじゃからゆっくりしたいじゃろ!」

勇者「ゆっくりすんな、せっかく平和にしたこの世界の危機とか言ったのはお前だろ」

魔王「だからお主がやってくれるんじゃろ?」

勇者「手伝いはするが、誰も一人でやるなんざ言ってねえ。もちろんお前も一緒だ」

魔王「しょうがない、手伝ってやるのじゃ!」ワッサワッサ

勇者「それ、俺のセリフ」


尻尾が嬉しそうにワサワサと左右に揺れている
…可愛いなぁもう


6VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 22:33:07.42A4SUh9ra0 (6/8)

勇者「覇王の剣、性騎士の鎧、制覇者の盾、守護神のカブト…って一時は売り飛ばそうとした装備だなどれも」

魔王「売り飛ばしておったらレベルは高いくせに装備はひのきの棒に皮の鎧という何の縛りプレイじゃと言いたくなる状況になってたのじゃな」

勇者「 [レベルを上げて]最低装備で呪文使わずクリアする![物理で殴れ] とか?」

魔王「やるのかや?」

勇者「勘弁してくれ…」


そんなことより

[ここは]ドキッ☆危ない水着だらけのパーティーで世界を救う(ポロリもあるよ)[ハーレム]

とかがしたい!


魔王「パーティーメンバーは全員マッチョの戦士なんじゃな」


頭の中の水着美女が危ない水着(もちろん女性用)を着たマッチョマンズに変わる


勇者「ふんぎゃー!!」


それらが筋肉を見せつけながら迫って来る白昼夢を見ました


勇者「人の幸せな想像を邪魔するなんて!」

魔王「卑猥な妄想はNGじゃ、顔に出ておったしの」


7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 22:41:23.88A4SUh9ra0 (7/8)

勇者「よし、これで行く準備は万全だ」


何があってもいいようにゴムも大量に用意したしな


魔王「童はとっくに出来ておるのじゃ」

勇者「あれ?お前武器とかいらないのか?」


魔王「いらぬ、童には魔王としての魔力と大妖怪化狐としての妖力がありんす、それだけで十分なのじゃ」


魔王の尻尾の毛がざわつき、空気が彼女を中心に渦巻く
おー、怖い怖い


魔王「ところで主よ。」

勇者「何?告白?俺はもちろんオッケーだよ。幸せな家庭を作ろうぜ!」

魔王「話が飛躍しすぎなのじゃ!…それよりその大荷物の中、少し拝見させてもらえるかや?」

勇者「!!?…そりゃまたなんで」

魔王「なに、不必要な物が無いか少し調べるだけなのじゃ」


げ…ゴム入れてたのバレた?


勇者「無い無い、ちゃんと調べたから大丈夫」

魔王「主を疑うわけじゃないんじゃが、まぁ少し見せるんじゃ」

勇者「断る!俺にだってプライバシーはある」

魔王「…じゃあ実力行使でやるのじゃ」ザワザワ


魔王の尻尾が膨れ上がりまわりの空気が渦を巻く

尻尾が青白く光り、妖力が高まっていく

そして俺の荷物が宙に浮く

向かう先は魔王の手元


勇者「って、えぇー!!妖力使うなんて卑怯だーカムバック、マイバック!」

魔王「問答無用なのじゃ♪」


結局全て焼き捨てられました。暇つぶしのエロ本まで(号泣)


8VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/27(火) 22:57:25.38A4SUh9ra0 (8/8)

魔王「そういえばお主との二人旅は初めてじゃな、ちゃんと童を守ってくりゃれ?」

勇者「かわいこぶってんじゃねえぞ、自分の身ぐらい自分で守れるだろ。」


そう、いくら可愛い顔しててもこいつは大妖怪であり魔王だ。

その気になればそこらの小ボス級程度ならいくら束になってかかって来ても尻尾を一振りするだけで十分すぎるだろう


勇者「…本気を出せば、だけどな」


その目線の先には先ほどの俺の言葉をスルーして各地の観光スポットを確認しながら子供さながらに騒ぐ魔王の姿があった


魔王「ほうほう、ここは温泉が最高なのかや。さぞや気持ち良いのじゃろうな」

勇者「何だと!!?」


光の早さで魔王の見ている観光ガイドブックを覗きにいく

勇者「お、おおぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおぉおぉおおぉおぉぉぉぉぉおおおおおお」

魔王「ぬ、主よ目が血走っておるぞ。そんなに温泉好きなのかや?」


違う、俺が見ているのはその隣の欄だ。

何かを狙っているかのように、注意してないと気づかないぐらい小さな文字ではあるが
「全て混浴です」
確かにそう書いてある

…よし、絶対覚えておこう

いや、やましい気持ちとかじゃないからどっちかっていうと優しさだよ。

旅で疲れるであろう魔王を気遣って温泉で疲れを癒してもらえたらなぁって考えているだけだよ

決して裸をみたいとか湯煙に紛れて胸揉みたいとか思って無いから

フフフフフ、温泉万歳!


魔王「主よ」

勇者「ひゃい!!」

魔王「何をしておるのじゃ?旅にでるのじゃろ?」

勇者「は、あはははは行く行く。さぁレッツゴー」

魔王「…?ところでまずはどこに向かうのじゃ?お主のことじゃからいきなり魔王城に突入はしないじゃろうが」

勇者「それもおもしろそうだが、たった二人だけじゃなぁ。…まずは」


①勇者「王様にあいさつしてからかな」
②勇者「かつての仲間を集めようかと思ってる」

>>10


今日は寝る。
続いたら明日また書きに来る


9VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/11/28(水) 03:05:08.10JAXoQ7bq0 (1/1)

2
期待


10VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)2012/11/28(水) 05:19:48.80V8+AdlL/0 (1/1)



完結支援


11VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/11/28(水) 13:14:55.93cyEVCj7AO (1/2)

期待。
だが、一人称の「わらわ」は童ではなく妾だぞ。


12VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/11/28(水) 14:33:22.82SQYViBuVo (1/1)

「童」のせいで、魔王が幼女狐にしか見えない

そして、性騎士の鎧で吹いた


13VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:06:25.81qVbq2lVg0 (1/19)

ヤバイヤバイ、気が付いたらこんな時間だわ23時には寝なきゃいけないから電車内で書き溜めたぶんだけ投下する。

>>11
マジか、指摘ありがとう

>>12
勇者「見た目的には間違っちゃいないな」

魔王「主よ、今妾の悪口を言ってなかったかや?」

勇者「HAHAHA、そんなの気のせいだよマイハニー」

魔王「そうか、では罰を受けるのじゃ」

勇者「だから気のせいだってば!!」

魔王「罰として妾が満足するまで狐の着ぐるみを着て踊りを踊って見せるのじゃ」ワッサワッサ

勇者「発想がかわえぇー」

魔王「場所は平均40℃の南国なのじゃ♪」

勇者「発想がこえぇー!!」


勇者「ちなみに性騎士の鎧とは騎士が男のみという時代に作られた由緒ただしき物でな、股間が開いて男の象徴であるフェニックスが雄雄しく剃りたてる素晴らしい鎧なのだ!」ババーン

魔王「そんな由緒無いじゃろ変態が!」


14VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:11:06.85qVbq2lVg0 (2/19)

>>8の続き


勇者「かつての仲間を集めようかと思ってるんだよ」

魔王「…かつての仲間とは主が妾のところへ来たときに連れておった奴らのことかや?」

勇者「あぁ、と言ってもあれから一度も会ってないんだけどな。」


肩をすくめる。


魔王「…妾と主との二人旅はどうなる」


睨まれる

実は魔王と和平条約を結んだあとはすぐにそれぞれ別れて別々の道を進んだり故郷に帰ったりしたんだよなぁ


15VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:13:12.24qVbq2lVg0 (3/19)

勇者「二人旅なんて俺は言って無いよ…………それに女は大勢いたほうがいいし」


最後の一言は聞こえないように小さく言う


魔王「最後が少し聞こえなかったのじゃが、何故か殺したくなったの」

勇者「なんでもないです。ごめんなさい」


脊髄反射的に謝ってしまった。俺の意思は何故こんなにも弱いのか


16VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:16:35.55qVbq2lVg0 (4/19)

魔王「…ではとっとと仲間とやらのところに行くとしようじゃないかや」

勇者「あぁ、さてここから一番近いのは魔法使いか…あいつは確か大きく素晴らしい乳をしていたな」

魔王「何で胸基準なんじゃ!」



目を閉じて思い出してみたら脳裏に浮かぶのは首から下とヘソから上、つまりは胸だけだったから仕方ない


17VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:18:07.41qVbq2lVg0 (5/19)

勇者「大丈夫、俺は貧乳も守備範囲内だ!」

魔王「妾を見て言うなや!けっこうあるじゃろうが」

男「うん、確かに魔法使いより小さくはあるが見た目はそこそこあるかも。それではちょっと失礼して」スッ

魔王「触ろうとするなや!」バチコーン

勇者「ひでぶ!」


胸の大きさを測ってやろうとしたらビンタされた。…ちょっと気持ち良いかも


18VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:21:26.01qVbq2lVg0 (6/19)

魔王「まったく主は…………………妾にも心の準備と言うものがあるのじゃというに」

勇者「うん?何だって?」

魔王「な、何でもないのじゃ!!」ワサワサ


焦っているかのように尻尾が激しく揺れている。


勇者「?どうした?俺に惚れたか?」

魔王「やはり言おうかや。一度死ねなのじゃ」バサ


揺れていた尻尾が止まる


勇者「HAHAHA、そういうジョークはもう少しオブラートに包んで言うものだよ。ハニー」

魔王「…この世に一辺の細胞も残さず死ねなのじゃ」

勇者「オブラートが溶けた!?」


19VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:23:48.44qVbq2lVg0 (7/19)

魔王「ところで、本当にあの小娘のところに行くのかや?」

勇者「あいつがどうした?お前あいつのこと苦手だったか?」

魔王「いや、妾は良いが、主はあやつらと喧嘩別れしたんじゃなかったかや?」

勇者「うーん、覚えがないなぁ。嫌われるほどのことはしてないし…」


20VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:24:43.58qVbq2lVg0 (8/19)

魔王「誉めていないのじゃ!」

勇者「まぁあれらのスキンシップが別れた原因じゃないことは確かだ」

魔王「何故そんなに自信を持って言えるんじゃ…」

勇者「だってそこまで嫌がってなかったし」HAHAHA

魔王「それは主がそう思っているだけじゃと思うのじゃが…」


21VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:26:28.44qVbq2lVg0 (9/19)

勇者「せいぜい変態勇者と呼ばれていたぐらいだ」

魔王「それは十分嫌われておるんじゃないかや?まぁ確かに別れた直接の原因は別のところにあるのじゃが」

勇者「ほら、やっぱり!」

魔王「何故そこでテンションが上がるんじゃ!」



22VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:27:26.46qVbq2lVg0 (10/19)

勇者「で、直接の原因って何さ」

魔王「本当に覚えてないのじゃな…ハァ」


魔王は何故かため息をついた。なんだ?恋煩いか?


魔王「…」ギロ


睨まれた


魔王「…主は鈍感とかそういうレベルを超越しておるのじゃな」

勇者「それが俺クオリティ!」ドヤァ


23VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:28:58.40qVbq2lVg0 (11/19)

魔王「…まったく主は……確かあの小娘は親の敵討ちのために妾を追っていたはずじゃ」

勇者「あぁ、魔物に殺されたらしいからな」

魔王「なるほどの、しかし主は妾を庇い小娘の復讐を邪魔したではないかや?」

魔王「しかもその際、『あたしとあいつのどっちが重要なんだよ!』と問われ、妾を選んだではないかや?」

勇者「それが嫌われる理由になりうるか?」


24VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:31:59.90qVbq2lVg0 (12/19)

そうなのか、まったく気づかなかった。じゃあさっさと会いに行って求婚するか


魔王「つまりじゃ、小娘は好いていた男に振られるように裏切られ、復讐すら果たせなかったのじゃ。さぞや主を怨んでおるじゃろうな」

勇者「だって実際あいつ個人の復讐心よりお前が必要だったんだ。魔物と人間が手を取り合って暮らせる世界を作るために」

魔王「なんで主は変態なのにそういうところだけ勇者らしい選択をするんじゃ…」

勇者「それは俺がただの変態ではなく変態勇者だからだ!」ババーン

魔王「その台詞がかっこいいと思ったら大間違いじゃ!」


25VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:33:44.11qVbq2lVg0 (13/19)

>>24
間違えた





魔王「十分過ぎるのじゃ。よいか?あの小娘は大層主を好いておった。」


そうなのか、まったく気づかなかった。じゃあさっさと会いに行って求婚するか


魔王「つまりじゃ、小娘は好いていた男に振られるように裏切られ、復讐すら果たせなかったのじゃ。さぞや主を怨んでおるじゃろうな」

勇者「だって実際あいつ個人の復讐心よりお前が必要だったんだ。魔物と人間が手を取り合って暮らせる世界を作るために」

魔王「なんで主は変態なのにそういうところだけ勇者らしい選択をするんじゃ…」

勇者「それは俺がただの変態ではなく変態勇者だからだ!」ババーン

魔王「その台詞がかっこいいと思ったら大間違いじゃ!」




26VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 22:34:48.45qVbq2lVg0 (14/19)

書き溜めもう切れた。あと二十五分で頑張って書けるだけ書く


27VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:06:39.94qVbq2lVg0 (15/19)

勇者「大丈夫だよ。あいつ心広いから」

魔王「むしろ心が広くないと主のような変態とは付き合えないのじゃ」

勇者「褒め言葉をありがとう」

魔王「褒めておらぬのじゃ!」

勇者「俺には褒め言葉」キラキラ

魔王「そんなにキラキラした目でこっちを見るなや変態勇者!」

勇者「ゾクゾクする言葉をありがとう!」


ロリっ娘(ロリっ狐とも言う)になじられるのもいいね、知らなかったよ


28VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:07:15.27qVbq2lVg0 (16/19)

魔王「…そういえば主は妾に一緒に住もうなどと言い出したじゃろ?」

勇者「あぁ、平和協定を結んですぐだろ?」

魔王「うむ、まぁ人間世界の政治や人間にとっての平和など色々学ぶ必要のあった妾には嬉しい話じゃったがの…」

勇者「そうだろうそうだろう。俺にとっても良いことしかなかったよこの数年」


29VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:08:02.62qVbq2lVg0 (17/19)

魔王「しかし主は仲間の表情に気づかなかったのかや?」


うん?エロイ顔でもしていたのだろうか、俺も魔王とのエロいイベントに胸を膨らませていたしな

事実そういうイベントがあったかって?……この世には知ってはいけない事実という物があるのさ


魔王「皆ショックを受けておった。主が完全に妾に取られたと思ったのじゃろうな」


取られる?はて何の話だろうか?下着かなんかか?


30VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:08:31.82qVbq2lVg0 (18/19)

魔王「誰とは言わぬが今にも泣きそうな顔をしていた者もおったぞ。本当に主は何でそういうとこだけ鈍感なんじゃ」

勇者「本当に残念だ。気づいていればその場で抱きしめてやったのに」


そしてドサクサに紛れて胸も揉めたろうに


魔王「…」ギュー

勇者「あたたたたた、足踏まないで」


31VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:12:45.34qVbq2lVg0 (19/19)

魔王「ふん、…まぁその鈍感さのおかげで妾が主を独り占めできるからよしとするのじゃ♪」ワッサワッサ

勇者「!!?」


尻尾を振りながら年相応(見た目年齢)に可愛く甘えるように擦り寄ってきた。なにこれかわええええええ

今「リア充爆発しろ」とか思った全国の悲しき男どもに告げよう、俺はすでに爆弾岩と共に爆発ランデブーを170回ぐらいしているんだよ

だからといって嫌な思い出だと言うこと以外には別に何も無いんだけどね


魔王「お、あれに見えるは町ではないかや?」


と、そんな風に話しながら歩いていたら町が見えた

①確か魔法使いの住んでいる町だ
②魔法使いの住んでいる町ではないけどもう遅いし今日はあの町で休むか

>>33


今日はここまでのようです。安価地点まで来れて良かった


32VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/28(水) 23:22:38.894/+rBUSY0 (1/1)

2



33VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2012/11/28(水) 23:24:22.23cyEVCj7AO (2/2)




34VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/11/28(水) 23:48:22.08pqyCpEJvo (1/1)

乙でした


35VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/11/29(木) 13:33:09.10VhQl+DT9o (1/1)

安価スレならスレタイに安価って入れろボケ


36VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 13:59:16.904Tf/3t890 (1/2)

どうせ魔法使いに会うなら安価せずに2を書いてから1書けばいいんじゃない?


37VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 14:07:44.544Tf/3t890 (2/2)

連投ですまんが、>>8でも1を書いてから2を書けば話は繋がるだろうし、ただイベントを減らすだけなら安価はせず全部書いて欲しい


38VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 21:48:22.66Uri7oLWS0 (1/13)

>>35
悪い、次があったら気をつける
>>37
了解、安価は分岐点のときと展開に詰まったときのみにしとく


39VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 21:49:15.12Uri7oLWS0 (2/13)

確か魔法使いの住んでいる町だ


勇者「あぁ、魔法使いはあの町に住んでいるはずだよ。一度も連絡もらってなかったから引っ越ししてる可能性もあるけどそれはやめてほしいなぁ」

魔王「…主は妾との二人旅に未練は無いのかや?」

勇者「無い」


俺はハーレム思想なのだ。魔王と二人イチャラブもいいがやっぱり沢山の美人に囲まれていたい


勇者「」チラッ


こいつにはおっぱい成分が足りないんだよなぁ


勇者「…」ジー

魔王「主よ、何を考えておる?そしてどこを見ているんじゃ」

勇者「いや、物足りなさを感じてさ」

魔王「何にじゃ!」ドガッ

勇者「痛い!でも気持ちいい」

魔王「変態じゃ!!」ガッ


40VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 21:50:30.51Uri7oLWS0 (3/13)

勇者「それはともかく魔物も出なかったし無事に着いて良かったじゃん」


顔にくっきりと小さくて可愛い靴の跡をつけながら言う

まぁ出てもぶっ倒すだけだが


魔王「こんなこと言ってるとフラグになって出てきたりするんじゃがな」

勇者「違いない」ハハハ


デデーン
野生の魔物が


魔王「広範囲中級閃光魔法!」チュドーン


41VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 21:53:48.39Uri7oLWS0 (4/13)

野生の魔物が


魔王「どうしたんじゃ主よ?町に入るのじゃろ?」


野生の魔物が…


勇者「いや、今魔物が現れて一瞬で消え去ったけど…」


野生の魔物が…


魔王「うむ、せっかくの二人旅を邪魔しおってからに、お仕置きとして吹っ飛ばしただけなのじゃ」フフン


鼻を鳴らして満足げに言う

野生の魔物が……


勇者「早すぎてシステムメッセージがついて行けてねえよ↑途中まで言いかけたままで迷ってるじゃねえか、若干かわいそうだよ」


野生の魔物が……


魔王「別に良いじゃろ、ずっと出しとけなのじゃ」


野生の魔物が……


勇者「邪魔だよ!↑」


野生の魔物が…えっと、えーっと…


勇者「どうすんだよこれ…↑」



野性の魔物が…

野性の魔物が特に出番も無く滅亡した


魔王「↑なんとかなったようなのじゃ」

勇者「なんか悲しいよ!!某ゲームの『返事がないただの屍のようだ』並みに哀愁が漂ってるよ」

魔王「うるさいの、ではこれでどうじゃ?↓」


お気の毒ですが冒険の書1冒険の書2冒険の書3はあなたの命と共に消えてしまいました。


勇者「うぎゃあああああああ、トラウマがああああああああああ」


バタッ


魔王「しまった、やりすぎたのじゃ…まぁ面白かったから良いか♪」ワッサワッサ


42VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:05:03.44Uri7oLWS0 (5/13)

…………


勇者「…まさか俺の命が冒険の書そのものだったなんて」

魔王「そんなわけあるかや。まぁようやく起きたのじゃな、今悪夢にうなされておったぞ」

勇者「なんだ、あれは夢なのか」


魔王「そ、そうなのじゃ。あれはただの夢じゃ、主はいきなり出てきた魔物に催眠魔法をかけられて眠ってしまったのじゃ」

勇者「なんてことだ、記憶まで若干途切れている。俺としたことが魔物の気配にすら気がつかなかったのか…」

魔王(言えぬ、調子に乗りすぎて妖力を使った軽い幻覚と催眠暗示をかけてしまった。などとても言えぬのじゃ)

勇者「じゃあ魔王が俺をここまで運んで来てくれたのか?」

魔王「ま、まぁそうなるのぅ。妾の妖力を使えば人一人宙に浮かべて移動させるなど簡単なことなのじゃ、感謝するがよい」フフン


腰に手を当てて鼻を鳴らす、でもそれはただ虚勢を張ってるだけ

実際は少し罪悪感があったりする


43VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:07:12.15Uri7oLWS0 (6/13)

勇者「そうか、ありがとうな」ナデナデ

魔王「~っ///」カアア


俺の腰より少し高い程度の位置にある魔王の頭を撫でる

サラサラの髪と頭の上から生えている耳の今までの何よりも手触りのいい毛並みがすごく気持ちいい、なんか癖になりそう


魔王(卑怯なのじゃ。このタイミングでそんな爽やかで暖かい笑顔を浮かべながら頭を撫でるなんて卑怯過ぎるのじゃー。うぅ、罪悪感だけがどんどん増してゆく)


しかし罪悪感はあるもののプライドが邪魔して謝ることも真実を話すことも出来ない魔王なのであった。


勇者(ヤバい、なんだこの魔王可愛すぎだろ!)


今日はやけに大人しく頭を撫でさせてもらえた。と思ったら真っ赤になって俯いてるんだもん、いつもは立っている耳も気持ち良さそうに寝てるし、尻尾はすごく嬉しそうに左右に振られている。

こいつ本当は狐じゃなくて犬なんじゃないのかな?まぁ、狐も犬科だけどね

いや、そんなことよりも


勇者「魔王可愛すぎ、もう我慢できないっ」バッ

魔王「な、なにするのじゃ、ひゃぁっ///」


頭を撫でていた手を放し、一瞬で後ろに回してそのまま抱きしめた


44VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:19:06.63Uri7oLWS0 (7/13)

勇者「もう、可愛すぎるぞ!」ギュー

魔王「っ~///さすがにこれはダメなのじゃ。やー、放せー」ジダバタ


さらに顔を真っ赤にして、暴れだす。やべえ、マジ可愛い


勇者「いいじゃん、お前がかわいすぎるのか悪いんだー」

魔王「いやじゃー、さすがに恥ずかしすぎるのじゃ、うぅ」バッサバッサ


尻尾も激しく暴れているがその様子まで可愛くてたまらないわー


勇者「よいではないか、よいではないかー。あぁこの尻尾もモフモフしててすごく手触りがいい!なんて素晴らしい毛並みなんだ!」スリスリ


抱きしめたまま魔王のモフモフ狐尻尾をすりすりと触る


魔王「た、たわけ!尻尾は、尻尾だけはダメなんじゃ。力が、力が抜けるぅ。ん~っ、たわけ!放せ!バカ!変態!ロリコン!変態ロリコン!」


俺が変態ロリコンだって?失敬な、俺は変態勇者だ。間違えても変態ロリコンじゃないよ。

変態ロリコンってのは本人の許可無く幼女にベタベタ触ったり、嫌がっているのに抱きしめたりいじったりする奴のことを言うんだよ。
誰だよそんなことしている奴は、最低最悪のクソ野郎だな


45VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:26:29.70Uri7oLWS0 (8/13)

魔王「それは、丸々、主のことじゃろうが!!いつまでやってんじゃ、このたわけがー!!」

勇者「のわー!!」グワッシャーン


世界が縦に一回転する、いや、回転してんのは俺か調子に乗りすぎたな。

ところでなんで俺は吹っ飛んだんだ?あいてをぶっ飛ばす魔法なんて無いし、妖術か?

いや、妖術を使う種族は尻尾を掴まれたら使えないはず

あぁ、なんだただ単純に力技で投げ飛ばされたんだ。あのちっこい体のどこにこんな力があるんだろう?

新ジャンル、怪力系幼女…流行りそうもないな

これらのことを考えるのにかかった時間、投げ飛ばされてから壁に激突するまで約0.15秒


46VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:32:24.00Uri7oLWS0 (9/13)

その後


勇者「ヤバい、魔王が拗ねて話しすら聞いてくれなくなった」

魔王「ふん、なのじゃ」プイ


そっぽ向かれた、俺はけっこうナイーブなんだよ。そんなに冷たくされたら傷ついちゃうよ…まぁ、完全に俺の自業自得だけどな

いい子の皆はちゃんと理性で欲望を押さえつけような?


勇者「それにしてもどうしようか?」

勇者「…」


見つめるは手のひら、その上には財布あり


勇者「……確かこの町はすごくおいしい肉を出すレストランがあったかな」

魔王「」ピク


魔王の耳が反応した。幼女(見た目的な意味)とはいえ所詮は狐、肉食なのだ


勇者「金はたっぷりあるし、二人が腹一杯になるぐらい食べれるだろうな」

魔王「」バサバサ


顔は相変わらずそっぽを向いているが尻尾は正直に「食わせろ」と暴れている。もう一押しだな


勇者「さっきは本当に悪かったよ、反省している。お詫びにさ、この町で一番旨い肉が出る店に連れていってやるよ」

魔王「…………………」

魔王「しょ、しょうがないのう主は、本当は妾のようなおなごを食い物で釣ろうなぞ最低の行為じゃが、と、特別に許してやるのじゃ」フリフリ


目をキラキラさせて尻尾を左右に降りながら、どこからどう見ても苦笑いがでるほどの最高の上機嫌で魔王が振り向く


魔王「さぁ主よ、早く連れていってくれなのじゃ」

手を差しのべてくる。俺は恭しくその手を取って夜の町へと連れ出すのだった

…まぁ、ただのお食事なんだけどね


47VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:35:07.99Uri7oLWS0 (10/13)

その後宿にて

勇者「たらふく食われた…」

魔王「主がたらふく食えと言ったのではないかや、妾は満足なのじゃ♪」


いや、まさかこんなに食うとは…俺の食べる分の金がほとんど無かったじゃねえか。


勇者「お前一緒に暮らしていた時こんなに食わなかっただろ…」

魔王「それは主一人で作れる量を考えてねだっておったからじゃ」


じゃあ持って来た金と俺が食べる分のことを考えてください


魔王「あー満足じゃ」


魔王がさぞ幸せそうに呟く。

いいですね、幸せそうで。こっちは腹減ったよ!!


勇者「はぁ、魔法使いのところに行くのは明日だな。疲れた、俺はもう寝るよ。お休み」


魔王ががつがつ食っている間にとっくに夜になっているしな


魔王「うむ、お休みなさいなのじゃ主よ」


48VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:35:53.52Uri7oLWS0 (11/13)

数十分後


魔王(全く先ほどは酷い目にあったのじゃ)

少し目が覚めてしまい、今日あったことを暇潰しに反復すると先ほど勇者に抱きしめられたことが鮮明に浮かんできた

魔王(あの時は恥ずかしさのほうが上じゃったが少し、ほんの少しだけ嬉しかったのじゃ)

魔王(でももうやってくれないじゃろうな…頼んでみようかや)

魔王(いやいや、魔王としてそんなことを頼むわけにはいかぬ。むぅ、むむー)

魔王「の、のぅ主よ今日は冷えるのぉ」

勇者「う…うん」

魔王(よし、起きておる)

魔王「一人では寒くてかなわぬのじゃ…そっち行ってよいかや?」

勇者「あぁ」

魔王(うむ、変態なこやつのことじゃ。たぶんまた抱きしめてくるじゃろう)

魔王「クフフ♪」


ちなみに勇者は寝ぼけて返事しただけである。


49VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:36:36.42Uri7oLWS0 (12/13)



魔王「結局ずっと寝たまんまじゃないかやこやつ!」

魔王(あー、もう昨日の夜何を妾はワクワクしておったのじゃ)


魔王はベッドから飛び降りてイライラを紛らわせるために部屋を歩き回る。


魔王「あー、もうバカバカしい。起きろたわけが!」ドガッ

勇者「わー、何?地震?逃げよう、貴重品!!」

魔王「寝ぼけんななのじゃ!」

勇者「あ、何だ夢か…」グー

魔王「二度ねするなや!」ドガッ

勇者「???何で俺こんなに怒られてんの?」

魔王「ふん、じゃ」

勇者「何で拗ねてんの?昨日飯おごって機嫌直したはずじゃ…」


50VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/29(木) 22:40:01.97Uri7oLWS0 (13/13)

数時間後



ついに来た、来てしまった。なんてことだ

勇者「ここが魔法使いの家か…こんな豪邸に住んでいたなんて」

魔王「主の家の2倍近くあるのじゃ…」

勇者「よし、チャイムを鳴らそう」


ピーンポーン

チャイムといったらこれ、と言わんばかりのありふれた音が鳴り響く


「ハーイ」

インターホンから声がする。

さて、なんて言おうか普通に挨拶するかそれとも普通とは一風変わった挨拶で驚かせようか

勇者「>>51」


51VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/11/30(金) 00:45:29.69O4qCRuSAo (1/2)

あなたの勇者、見参


52VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/11/30(金) 00:46:16.92O4qCRuSAo (2/2)

>>45
流行るかどうかはともかく、需要はあります



53VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:13:07.21h5KWHt2o0 (1/18)

勇者「あなたの勇者、見参」ブチッ、ツーツー


切られた!?


勇者「おかしくない?名乗った瞬間インターホンの回線切られたよ!?見参のけの部分で切られたよ!?そこまで嫌われてんの!?」

魔王「きっとあれじゃ、早く主に会いたくてさっさと切って今玄関に向かっている最中…」


ドタドタと家の中を走り回る音がする

ドタドタドタドタ、ガチャン、バタ


54VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:25:15.31h5KWHt2o0 (2/18)

魔王「じゃ、無さそうじゃの…」


見ると窓という窓の雨戸が人外の早さで閉められていく

ガチャン、ガチャン、バタバタ、ピーガチャン

おまけにセキュリティロックの音までした。機械化はここまで来てたんだね、すごいね、ずっと魔法に頼っていたから機械なんて触る機会も無かったよ。奇怪だね、不思議だね、昔はあんなに慕ってくれていたのに今じゃ完全に拒否られてるよ心のATフィールド全開だよ


勇者「機械、機会、奇怪、フ、フフフフフ」


魔王「壊れやすい心じゃな…そんなくだらんこと言わず頑張るんじゃ」

勇者「…うん」


「最上級バリア魔法!」


勇者「リアルATフィールド貼られた!?」


防御力最高峰のバリアが家を包む


55VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:33:12.43h5KWHt2o0 (3/18)

勇者「機械ってすごいね、ATフィールドまで再現するなんて」

魔王「これは魔法じゃ、ATフィールドではないのじゃ中和も侵食もせずとも剥がす術はあるのじゃ」

勇者「ダメだよ、嫌われた俺には彼女の絶対防御領域に立ち入ることは許されないんだ。中和も侵食も拒絶されるだけさ」

魔王「じゃから、それ以外にも方法はあるといっておるのじゃ」

勇者「いいんだ。どうせ俺はいらない子なんだ。そうさ、こんな変態は皆の敵なんだ。もう僕山にこもる」

魔王「主よ、よくそんなナイーブな性格で今まであれこれしてこれたの…」


56VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:43:57.91h5KWHt2o0 (4/18)

勇者「そうだ山に籠ろう、下界に降りるときはエロ本の調達の時だけにして完全に他人との交流を断とう。そうすれば誰にも傷つけられないもう何も怖くない」

魔王「主よ、しっかりするんじゃ!それではもうただのへたれた変態ではないかや!!」

勇者「あぁ、俺はそれでいい。俺なんかはヘタレ変態位でちょうどいいんだ。あぁ、割りきっちゃえば世界は本当に美しく見えてきたよ。Hello new,world」

魔王「その新世界へは旅立ってはならぬ!戻って来いなのじゃー」


57VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:48:56.87h5KWHt2o0 (5/18)

勇者「俺に話しかけないでくれ、他人との繋がりが怖いんだ」

魔王「あぁ、そんなの主じゃ無い!いつもの主はどこに言ったんじゃ!あのたわけで無駄に自信たっぷりでバカで大間抜けで妾の頼りにいつもなってくれる勇者はどこに言ったんじゃ!!」

勇者「ゆう…しゃ?」

魔王「そうじゃ!変態で、エロくて、好き勝手で、それでいていつも優しくしてくれる…妾の…妾の大好きな勇者は!!」

勇者「………………………………………そうだ」

魔王「主…よ?」


58VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:52:51.25h5KWHt2o0 (6/18)

勇者「そうだ、俺は勇者、変態勇者なんだ!へたれた変態じゃなく、堂々と変態行為をしながら世界を救う勇者だ!!一人の女に嫌われたからなんだ、世界はどこまでも広く、女は星の数より多い!!」

魔王「そうじゃ、それでこそ主なのじゃ」

勇者「ありがとう魔王、お前のおかげでようやく自分を取り戻すことができ・・へぐぅ!!!」ゴォイイイン

魔王「ぬ、主よー」


上のほうからフライパンらしき物が落ちてきて魔王の頭を直撃した。


59VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 17:56:40.72h5KWHt2o0 (7/18)

>>56ミス1

×上のほうからフライパンらしき物が落ちてきて魔王の頭を直撃した。

○上のほうからフライパンらしき物が落ちてきて勇者の頭を直撃した。


60VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 18:04:09.83h5KWHt2o0 (8/18)

>>59ミス2

×>>56

○>>58


61VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 18:04:44.00h5KWHt2o0 (9/18)

「何よその茶番劇!結局ただの変態の清清しいほど最低最悪な開き直り物語じゃないの!!」


フライパンを絶妙なコントロールで投げてきたであろう人物、魔法使いその人が窓から顔を出して叫ぶ

かかったな魔法使い、知っていたぜボケには突っ込まずにいられないお前の性格を!!


勇者「魔王、今だやれー」

魔王「了解なのじゃー」ザワザワ


目を一瞬合わせて意思疎通、いたずら好きな奴というのは性別も年齢も関係なく互いの考えてることが一瞬で通じ合うことがあるものだ

魔法使いが窓から顔を出した瞬間、魔王の妖術で魔法使いを家の外へと引きずり出す。

もちろん怪我しないように妖術で浮かせてね


62VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/11/30(金) 18:07:41.09MbDDOL3Mo (1/1)

魔術じゃなくて妖術なのか?


63VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 20:08:30.19h5KWHt2o0 (10/18)

>>62

魔王「妾は純粋な魔物では無く大妖怪である化狐の血を濃く受け継いでいる妖獣なのじゃ」

勇者「この世界には主に分けて5つの種族が存在する。魔物、人間を含めた動物、妖怪または妖獣、聖獣、そして神獣等だ。」

勇者「ちなみに全て出てくるかは不明なただの設定だけどな」

魔王「そして妖獣であり魔物でもある妾は魔法も妖術も使うことができるのじゃ」

魔王「ちなみに魔法との違いじゃが、主に魔法は魔力さえ持っていればどの種族でも使える上に学べば魔力が許す限り全ての魔法を使えるんじゃ。もちろん強力な魔法ほど魔力が必要じゃがな」

魔王「しかし相当な魔力を持った者でなければ『呪文詠唱』が必要になるのじゃ。そこに隙が生まれる。」

勇者「俺も魔王も魔力がかなりあるから『呪文詠唱』はすでに必要ないがな」

魔王「逆に妖術は発動の際のラグが無く、『呪文詠唱』も必要ない。思い描いてすぐに発動する。しかし妖怪族にしか使えず、使える妖術の数もその属性も生まれついてのものじゃ、全ての妖怪がそれぞれ違った妖術を覚える。」

魔王「妾の魔術の特性は主に『欺き』じゃ。幻覚、幻聴、虚像を産み出したり果ては全ての者に見つけ出すことができなくなる隔離空間を作ることさえできるのじゃ」

魔王「そして『浮遊』物を浮かしたり動かしたり自由自在なのじゃ、しかしこちらは集中する必要があるからあまり戦闘向きではないがの」



もう少し後で明かすつもりの設定だったけど別に今明かしても関係しね


64VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 20:34:04.05h5KWHt2o0 (11/18)

>>61の続き

皆はやらかしちゃった後に「どうしてこうなった」とか「どうしてこんなことをしちゃったんだろう」とか思ったことないかな?

俺はけっこうあるよ。特に今の状況とかそうだな


勇者「なんでこうなっているんだろう…」

魔法使い「それはあたしのセリフだー、どうしてこうなってんだよ!これ解けー」ジタバタ


目の前の少女がもがき、足掻き、よじり、跳ねる。

少し話が長くなるがまずは今の状況を説明しよう。

すばらしい手際で少女を家から連れ出し、魔王の妖術で作り上げた隔離空間に縄で縛って閉じ込めてある。はい説明終了

うん、酷い状況だね、誘拐拉致監禁ほかにどんな罪に問われるかな


魔法使い「っていうかなんで亀甲縛りなんだよ!」


65VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 21:00:16.77h5KWHt2o0 (12/18)

勇者「いやぁ、手がかってに動いてさ」

魔法使い「んないい加減な言い訳あるか!!」


ちなみに「エイリアンハンドシンドローム」とかいって手が意思に反して勝手に動いたり場合によっては自分を殺そうとする病気があるらしいよ。凄いね人体の神秘


魔法使い「そしてなんで魔王までいるんだよ!!お前らそろってあたしに何をしようとしているんだ」

魔王「妾は勇者に言われてやってだけじゃ、全責任はこやつにある」

勇者「んなぁ!?」

魔王「ということで説明よろしくなのじゃ」


うっわ、丸投げされた。確かに拉致監禁誘拐は俺の指示かもしれんがおまえのためでもあるだろ…あるのかな?


勇者「…かくかくしかじか、まるまるさんかく、いあいあくとぅるふ」


66VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 21:00:52.75h5KWHt2o0 (13/18)

---------- 説明中 -----------


67VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 21:13:36.11h5KWHt2o0 (14/18)

ということで俺は魔王の後継者のこととか話したわけだ


魔法使い「ふんふん、なるほど。わかったわ、逃げ出そうとはしないからこの縄解いてちょうだい」


お、冷静になったようだ。この魔法使いは焦ったり怒ったりすると男言葉になるらしい。元々ボーイッシュだったのを矯正でもしたのだろうか


勇者「そういうわけで俺は」

魔法使い「私をまた仲間に引き寄せようといているの?」

勇者「いや、結婚を申し込みに来たんだ」ドーン

魔法使い「なっ!!」


魔法使いは絶句している。


魔王「主よ…」

勇者「どうした魔王、そんな汚物にたかる蛆虫を見るような目つきでこっちを見ないでほしい失礼だ」

魔王「お主に失礼という概念があったのが驚きじゃ…」

魔王(ま、でもこれでこの小娘も完全に引くじゃろう。また二人旅続行じゃ♪)


68VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 21:31:14.83h5KWHt2o0 (15/18)

そして数秒後


魔法使い「ば、バッカじゃねえの?お、お前にはそそそ、そいつがいるじゃねえかよ。なのにあたしにな、な何行ってんだよ///」

魔王(何で顔赤くなってんじゃー!)

勇者「ふ、俺の心は美しいものから美しいものへと渡り鳥なのさ」

魔王「何じゃそりゃなのじゃ!」ゲシ


かっこいいこと言ったと勘違いしているような顔の勇者のすねを思いっきり蹴ってやる


勇者「ぎゃー、そこはらめぇー」

魔王「変な声出すなや!!」ドゴッ


もう一発今度はボディーブロー


勇者「すんませんすいません。でも…気持ちいい」

魔王「変態なのじゃ!!」ドッガーン


フィニッシュにダイナマイトパンチをお見舞いする。


勇者「こんな勇者ですが仲間に戻ってきてくださいお願いします」ズサー

魔法使い「ヒッ」


そりゃ脅えるよね、目の前でタコ殴りされた変態がこんなことを言いながら自分のところに滑ってきたら…吹っ飛ばされただけだよ


魔法使い「…」


魔法使いは考え込む、そして数秒後結論を出してきた


①魔法使い「いいわ、でもその前にお願いがあるの」
②魔法使い「ごめんなさい、あたしはこの町でやらなきゃいけないことがあるから旅には行けないわ」

>>70


69VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 21:39:13.12bWgl7aCDO (1/1)

①希望
理由は王道だから


70VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 22:27:57.586w48SpmV0 (1/1)

1


71VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/11/30(金) 23:19:31.33BzD44Mcao (1/1)

イイネ!


72VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 23:33:33.87h5KWHt2o0 (16/18)

魔法使い「いいわ、でもその前にお願いがあるの」

勇者「おう、なんでもどんとこい!」

魔王(なんでじゃ!なんでそんなあっさりこの変態を許せるんじゃ…うぅ、二人旅がぁ)


横を見るとしょんぼりして犬みたいに魔王が尻尾と耳と共に項垂れていた。シュンとしている耳ってなんか可愛いよね


魔法使い「とある町に最近魔女が出るって類の噂があるのよ。それを確認しに行きたいの」

勇者「その町って?」

魔法使い「魔術、妖術、機械技術によって栄える町、ウィチルラルクよ。ここから北北西の方角にあるわ」

魔王「ウィチルラルクじゃと!?」

勇者「魔王、いつの間に!?」


いつの間にか復活した魔王がいきなり割り込んでくる。眼差しは真剣だった


魔王「ウィチルラルクといったのかや!?」

魔法使い「え、えぇ。何かあるの?」

魔王「…い、いや可能性で物を語るのは性分ではないのじゃ。忘れてほしいのじゃ」


何があったのだろうか、もしかして昔の男でもいるのか?


魔王「たわけ!」ギュウ

勇者「あだだだだだ」


そんなことを考えたら足踏まれた。尻尾を見ると本気で怒ってるっぽい、図星なのか?

いや、分かったぞ!これは「気づいてほしい」というサインなんだ。何に?悩みにだ!!

よし、そうと決まれば行動だ!


魔王「余計な詮索も余計な行動もせんでよいのじゃ!!」ギュウウウ

勇者「痛いです、痛いです。ごめんなさいごめんなさい」


深入りするなというサインだったらしい。わかんねーよ


73VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 23:47:48.39h5KWHt2o0 (17/18)

>>69
王道は人気が高いから王道なのだよ。
ということでやっぱりこういう、お使いイベ…じゃなかった依頼イベントは外せませんね

>>71
サンキューです


今から少し横道に反れてSS(サイドストーリー)をするよ。


74VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/30(金) 23:56:45.60h5KWHt2o0 (18/18)

その頃 魔界、魔王城内部王の座間


バタン

モブ魔物A「ま、魔王様大変です。魔王様!」ハァハァ


魔物が一体、息を切らせながら魔王のいる部屋に駆け込んできた。そう、新しく魔王になった者の前に


新魔王「なんだ騒々しい。落ち着いてから話せ」

モブ魔A「それでは失礼ながら息を整える時間をもらいます」ヒッヒッフー、ヒッヒッフー


息を整えて(?)一旦落ち着き、一呼吸置いてから話す。


モ魔A「あの…えと、元魔王が生きていたようです。しかも勇者と一緒に行動を共にしているようで」


75VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 00:15:37.57/9Y7Y+8a0 (1/12)

新魔王「バカな…確かに死体はこの目で確認した。生きているなどと…」

モ魔A「こちらも目で持って確認しました。他にも耳、鼻…見た目も声も臭いも完全に元魔王です」

新魔王「どういうことだ!!落ち着け、考えを整理しよう素数を数えて落ち着くんだ。0124…素数ってこれだけか」

モ魔B(…大丈夫なのかなこの魔王様…かなりアホだけど)

新魔王「元魔王が寝ているときにあいつに運び出させて殺させてその後殺した報告を俺が受けて…うーむ、ちっとも分からない」

モ魔B「そいつ一人に運び出させて殺させたんですか?」

新魔王「その通りだ。あいつがどうしても一人でやりたいと言い張ったのでな…何故あの元魔王は生きているんだ?うーん」

モ魔B(怪しい奴そいつ意外にいねーじゃん。アホなのか、やっぱりアホなのかこの人は)

新魔王「うーむ?」


76VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 00:26:10.29/9Y7Y+8a0 (2/12)

新魔王「そうか、元魔王を運び出したあいつが一番怪しい。お前ら全員奴を探しに行け!!」

モ魔B「おせえよ」


すでに数十分は経過していた。

しかも側近がそれとなくヒントを言ってからとっくに十分ちょっと経っている。

この魔王に一抹の不安を拭い去れないモブ魔物Bであった


77VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 00:49:16.98/9Y7Y+8a0 (3/12)

魔王城内部


『 元魔王を運び出したあいつが一番怪しい。お前ら全員奴を探しに行け!! 』


そんな言葉が魔王城内を駆け巡る。魔法を使って城内全てに聞こえるようにしてあるのだ。


「やっと始まったか。楽しい楽しい鬼ごっこがよ」


そうやって呟くと自分の特徴が流れている間に準備体操をする。走るための準備を


『 犬のような顔つきで 』

「狼だバカヤロウ」

『真っ黒な毛をして犬の耳と尻尾が云々』

「狼だっつってんだろう。やっぱ前の魔王のほうがいいぜ、全ての魔物ことを考えてくれたもんな~っと」チャリ


最後に伸びをして首をコキコキ鳴らす。腕と足についた足枷と契れた鎖がチャリンと鳴った


『裏切り者しろうを捕まえて殺せ!』

神狼「名前は正確に。俺は神狼(みろう)だ」


モ魔C「あれ、あいつじゃねえのか?」

モ魔D「あいつだ、しろうだ。捕まえろ!」

モ魔Σ「やっちまえー」

神狼「お前らごときに捕まえられっかよ。」ググ


足に力を込める。

よーい


神狼「どん!」ダッ


一瞬で遠くまで駆け出した。モブの魔物たちはただ唖然と見守ることしか出来なかった


78VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 01:25:44.75/9Y7Y+8a0 (4/12)

神狼「さて、どこへ逃げようかなっと」


神風並みの疾風となり疾走する。時にはおちょくるように足を止めて後ろを振り向きながら

時にはわざと大声や大きな音を立てて気を引いたりしている。


神狼「ほら、俺はこっちだノロマども」


挑発

俺は生まれてこの方スリルだけを求めて生きてきた。今だってそうだ。

裏切り者として全魔物に追いかけられ、広大な城の中で追い詰められる。なかなかのスリルだ


モ魔FZ「とうとう追い詰めたぜ。うぇへっへっへ」


ふむ、袋小路か甘い甘い


モ魔ITU「おいおい壁に向かって走ってどうすんだよ。その壁は押しても隠し扉にはならねえぞ」ハハハハハ


笑いが上がる


神狼「こうすんだよっ!」ダッ


壁を蹴る、回転して天井を蹴る、一番前の魔物の頭に着地、ダッシュ


モ魔SE「頭がいたいよー」


ぬるいぬるい、その後色んな魔法が俺を殺そうと飛び交うが一つもあたりやしない。


神狼「さて、そろそろ外に出るか…」


出口を目指して一直線、しかし


空間が歪みを見せた。


神狼「空間変異魔法!?しまった罠か」


出口は突如に闘技場へと変化していった。そこに現れたのは


  「そのとおりだよわんこ君、噛み付く相手を間違えちゃったようだね。結末は死に決定だよ」

  「あはは、裏切るなんてバカだよねー。結局ボクたちに殺されちゃうってのにさぁ」

  「笑止千万、不届千万、懲罰千億」

  「グルルルル、おまえ大きくない、壊しがい無さそう。すぐ終わらせる」


神狼「やべえな、四天王といっきにやれってのか」



神狼「へへ、血が滾るぜ。やっぱり人生にはスリルがねえとな」ゾクゾク


続く


79VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 01:27:06.32/9Y7Y+8a0 (5/12)

今日はここまでです。この神狼の話はまた少し本編が進んだら書きます。
おやすみなさい


80VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/12/01(土) 01:29:33.83GBQ3nFb8o (1/2)

わくてか


81VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/12/01(土) 01:30:23.90GBQ3nFb8o (2/2)

乙んこー


82VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 01:35:25.03Zx4trI/DO (1/1)

おやプー、楽しみに舞ってる



83VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/12/01(土) 07:04:09.70/q7f1LPao (1/2)

乙でした


84VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 14:17:42.98/9Y7Y+8a0 (6/12)

>>72の続き


魔法使いの故郷を旅立って数日が過ぎた。運がよければ今日当たりウィチルラルクにつくだろう

あれから色々あったぞ。

親の仇と憎んでいた魔法使いが魔王といつの間にか仲良くなっていたりな、…「いつか変態を懲らしめる同盟」とか聞こえた気がしたが気のせいだろう。

後はスライムから美味しい出汁が取れることを発見したり、一角ウサギの肉も案外美味しいことを発見したり

リンゴの形をした魔物は初級火炎呪文で普通より美味しい焼きリンゴになることを発見したり、あれこれ何の旅だっけ?美食屋になった覚えはねーよ?

魔王と魔法使いが俺を取り合って三日三晩激しいバトルを繰り広げたり

その後俺が「俺が二人同時に愛すればいいだけじゃないか」って言ってハッピーエンドにしたりその日の夜に三人で…


魔王「何記憶捏造しておるんじゃ変態!」

魔法使い「最後の二行まるっきり嘘ばっかりじゃないのよ!!」


ドカッゲシッボコドカドスドス


はい、事実はフルボッコにしてくる人数が増えただけです。痛いです(泣)



勇者「…最近の俺の魔力は主に回復のためだけに使われている気がする。」

魔王「自業自得じゃないかや」

魔法使い「そうね、あたしたちだってあなたが大人しくしていれば何もしないわよ。」


わかったよ、大人しく脳内で妄想しているよ。…触手に襲われた魔法使いが


魔法使い「脳内妄想も禁止だ!!」

勇者「いってぇ!何で分かった!?」

魔王「じゃから主は顔に出すぎているんじゃ…」


ここ最近のいつもの会話(?)パターン、もといじゃれあいである。


85VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 14:19:00.02/9Y7Y+8a0 (7/12)

しかし、平和は唐突に崩れ去る


86VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 14:51:53.08U6xm9WxR0 (1/1)

え?


87VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 14:56:54.86/9Y7Y+8a0 (8/12)

勇者「!?」

魔王「!?」


……


勇者「感じたか…?」

魔王「う、うむ。何じゃ、この体中の毛穴が開くような悪寒…恐怖を呼び起こすようなこの殺気は」


二人同時に察知した何かの発する気配、それが流れ出てくる方法を見た。


そこには人間のような影が立っており、太陽を背に崖の上から勇者たちを見下ろしていた


??「二人…か」


それが殺気を向けるは多分、俺と魔王


88VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 16:31:17.51/9Y7Y+8a0 (9/12)

>>87ミス2


ゾワッ

勇者「!?」

魔王「!?」


……


勇者「感じたか…?」

魔王「う、うむ。何じゃ、この体中の毛穴が開くような悪寒…恐怖を呼び起こすようなこの殺気は」


二人同時に察知した何かの発する気配、それが流れ出てくる方向を見た。


そこには人間のような影が立っており、太陽を背にして崖の上から勇者たちを見下ろしていた


??「二人…か」


それが殺気を向けるのは多分、俺と魔王


89VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 19:24:55.96/9Y7Y+8a0 (10/12)

??「」スッ


バッ

その影がこっちに飛び降りてきた。

ちなみにここは砂塵吹き荒む荒野である。

あんな高いところから飛び降りたとなれば、着地時に砂煙が舞い上がるのは当たり前


ドダッ


そいつは俺の目の前に降りてきた。砂煙が俺とそいつを包む


ズッ


勇者「うおっ」


砂煙の中から手が突き出てきた。避けるのが後ちょっと遅れていたら顔面を抉られていただろう。


勇者「参ったな、不利だ」


こっちはどこにあいつがいるか分からないがあいつはこっちが見えているかのようだ。


勇者「ぐっ」


今度は足が突き出てくる。やはりこっちの位置が分かるんだな


勇者「なら砂煙を吹き飛ばせばいい。初級風魔法」


ヒュウウウウ

砂嵐が晴れる。

そこに立っていたのは


??「…回避に関しては良い反応だな」


人間だった


90VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 21:31:04.59/9Y7Y+8a0 (11/12)

だが人間といってもあやふやなものだ。

腕と足と体格からしか人間と判断できない。

顔は狐のお面をかぶっており見えない。

服は最初は黒い和服かと思ったが違う、白い服だ。

白い和服に見たことも無い謎の文字が全身に所狭しと書き込まれ、それを何故か死装束のような着かたで着ている。


異様過ぎる。


勇者「お前何者だ?人間か?盗賊には見えないが目的を一応聞いておこう」

狐面の男「………よこせ」

勇者「は?」

狐面の男「お前の力をよこせ」


狐面の男が一瞬で間合いを詰めてきた

空気がざわつく、この気配は魔王の妖術の気配に似ている。


狐面の男「妖術変化」


腕が刃へと変わる。


魔王「主よ、逃げろ!そやつは人間では無い!!」

勇者「何!?」ガキイイィイン

狐面の男「ふんっ」

勇者「がっ」ズサアアア


とっさに盾でガードする、しかし力は相手のほうが上だったためこちらが弾き飛ばされてしまった。


狐面の男「…そうか、俺はすでに人間ではないのか」


刃になった自らの腕を見て呟く

もちろん狐面のせいで表情は見て取れないのだがおかしい、声からもいっさい感情が見えない。まるで機械のような一定調子の平坦な声


狐面の男「…いや、もうどうでもいい」


再び顔をこちらに向ける。目が合った。狐のお面から覗く瞳は狂気の色を湛えていた

何かを固執するような、たった一つの目的だけを執拗に見据える狂気の瞳


魔王「主よ!何をしておる!早く逃げよ」


魔王が再び叫ぶ。俺はどうするべきか、目の前の危険な奴を放って置くべきなのか?それとも…


①戦う
②逃げる


>>92


91VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 21:47:35.37+5i4Xppr0 (1/1)

1


92VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 22:20:51.08/q7f1LPao (2/2)

1


93VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/01(土) 23:57:44.15/9Y7Y+8a0 (12/12)

勇者「ふぅ、ほかに選択肢はねえよな。」

魔王「主よ!」


魔王の制止は聞かない、剣を抜いて狐面と対峙する。


勇者「なんと言われようと俺は勇者だ。勇者の存在意義ってのは人々を守ることだよ。それは例え変態勇者だったとしても揺るぎない"勇者としての決意"だ」


そう、それが俺の勇者となった理由であり少年時代から受け継いでいる決意だ。

別にもてるからちやほやされるからという理由だけで勇者になったわけじゃない、大半はこのもてるという理由のためだけどね


魔王「主…そうじゃったな主は勇者じゃ。…腐っても鯛というわけかや」


あれ?俺軽く罵倒されてない?


魔法使い「はっ、ゆ、勇者あたしも手伝うよ」


魔法使いがようやく金縛りから解放された。いい加減驚くと硬直する癖なんとかならないものか


勇者「で、三対一なわけだがどうする?来る?」

狐面「心配ない。問題もない」スッ


狐面が左手をかざす。先ほどと同じように妖術の気配がする。


狐面「妖術、完全結界」


俺と魔王、それに狐面を囲むドームのような結界が張られる。逃がす気はないってか


狐面「弱者に用は無い。俺が用があるのはお前らだ」

勇者「らしいね。見た目的には凄く弱そうなのが結界内に一人残っているけど」

魔王「主よ、それはもはや妾のことではないじゃろうな?」

勇者「どうだろうね」

魔王「いいじゃろう。ならば妾にやらせてもらうのじゃ」

勇者「…いいよ」


94VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/02(日) 02:27:39.93Ul0muqV30 (1/2)

力でもためているのかそれともこっちの出方を伺っているのか狐面は動かない。今ならやれるかもしれない


魔王「超級火炎魔法なのじゃ!!」ボォオオォオォオオオオ


魔王が手を向けた先、狐面の上空に太陽が落ちてきたかのような巨大な炎の光球が現れ狐面に向かって落下する


魔王「避けれるものなら避けきって見せろなのじゃ」

狐面「」ス


狐面が今度は右手を掲げた。


狐面「くれおう みあげりな かる くろろ」


呪文詠唱だ。唱え終わると同時に頭上に迫っていた炎の球が掲げた右手に吸い込まれていった。


魔王「魔法を吸い込んだじゃと!?そんな魔法聞いたこともないのじゃ」

狐面「こりあるく けいか どぎ みらる ろろく るか なりげあみ うおれく」

魔王「…なんじゃこのでたらめな魔法は」


狐面の手から吸い込んだ火炎球が二倍の大きさで出てきた。しかも二倍のスピードでこっちに来る。しまったこの距離だと避けきれない

ならば!


勇者「魔王!っがああぁあぁああぁっぁあ」ボアアアアアアアアアアアアアアアア

魔王「主よ!」

勇者「…かはっ、黒炭にはなってねえな。丈夫な鎧でよかったよ」


強がりは言うが体力をかなり持っていかれた。なんとか魔王を庇うことはできたが俺自身が危ない。

…本気を出すしかねえな


勇者「なぁ魔王、あいつの足止めを頼む」

魔王「主が戦う気なのかや!?妾を庇ってそんなに怪我を負いおって…回復が先じゃ」

勇者「んな暇ねえよ。後ででいい、それより」

勇者「俺は覇王の剣の封印を解く、そのための呪文詠唱中あいつの足止めをしてもらいたい。」

魔王「な…分かったのじゃ、任せよ」


魔王は一瞬悩んだが何も言わずに承知した

結局は勇者に頼るしかないのだ。


勇者「あぁ信じたぜ、頼む魔王」


95VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/02(日) 10:05:58.69rDD5J73u0 (1/1)

中々に熱い


96VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/02(日) 18:07:52.55Ul0muqV30 (2/2)

すいません今日は書けそうにありません
次の木曜日から火曜日まで期末試験なので流石に今日は勉強に没頭します。
平日は電車内で書き溜めしてるので明日からは書き溜めぶんだけ投下します


…1週間切ってたのに何でエヴァ見に行ったんだろう僕OTL


97VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/02(日) 21:04:05.21nVPfVpdDO (1/1)

>>96
試験頑張ってください、書き貯め分期待してまーす
私も同じ時期に試験だから勉強しなければ……

エヴァは仕方ないですよ、モヤモヤする上に気になる予告ですから!
まぁ見に行っても結果あやふやでモヤモヤしますが…


98VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 16:53:24.30GdSY2xo/o (1/1)

>>96
がんばってください!
僕も中二の中間という「ある意味大事だ」といわれていたのにエヴァ見に行ってテストの点数がひどい状態になりましたからww
最初あたりから見ていますし応援しとります


99VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:12:19.91YQvzmPZW0 (1/14)

勇者「"覇王の剣に封印されし破滅の悪魔よ。俺の呼び声が聞こえるか、貴様を呼ぶこの声を聞き届けよ。"」

狐面「」ス、ダッ


狐面が俺のほうへ走ってくる。頼んだぞ、魔王


魔王「妖術、幻覚狂気群行(ファントムパレード)!!」


魔王の尻尾がザワザワと震え、妖力が集中して狐面に襲い掛かる


狐面「…これは幻覚か、俺のまだ持ってない力だ」


狐面がそう呟きながら見えない何かを追い払うようなしぐさをする


勇者「"今の貴様は封印されし獣なり、そして今一度その力を解き放とう"」

勇者「"我が刃となり従うがいい"」

勇者「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ る りえー うが=なぐる ふたぐん いあ いあ くとぅるー いが まぐな いんどぅるむ!!」


グオ゙オ゙オ゙ォォォオ゙ォォオ゙ォオ゙オ゙


100VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:12:56.08YQvzmPZW0 (2/14)

勇者の手に握られている剣が呪文に呼応するかのごとく咆哮した。

その唸り声は獣のような、それでいて地獄の底から響くようなおぞましいものだった。

空気が震え、結界の外にいる小鳥や動物たちがけたたましく喚きながら逃げ出し、魔法使いですら思わず硬直してしまうほど恐ろしい"気配"が剣から流れ出る。


狐面「この気配、感じるぞ強者の波動を」


狐面がこちらを一点の迷いも無く凝視する。


魔王「な、まだ幻覚のとける時間では…」

勇者「しょうがないさ、覚醒したこの剣から流れ出る波動は感じないほうがおかしいからな。そうだろ?」

狐面「…探したぞ」

勇者「やっぱお前の狙いはこいつか」

狐面「…」


101VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:14:46.38YQvzmPZW0 (3/14)

者「まぁいいさ、一応言っておくが手放すつもりはないよ。ついでだからこれをどこで手に入れたか教えてやるよ」

勇者「こいつは昔、伝説の魔道師に封印された海底都市ルルイエの遺跡群に行ったとき、偶然発見した物だ。」

勇者「石碑によればこの剣は『混沌の覇王』と呼ばれた英雄が、当時大陸を支配していた大悪魔を封印したものらしい。もちろん本当に悪魔が存在したかは分からねえし、俺はそんなもの信じてないけどな」

勇者「だけどな、これから流れ出る禍々しい気は確かに悪魔と言ってもいいかもしれないな。はい何か質問ある?」

狐面「…よこせ」


狐面が拳を構える


勇者「無理な相談だ」


こっちも剣を振り上げる。


102VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:19:42.83YQvzmPZW0 (4/14)

勇者「巻き添えを食らうからな、魔王下がってろ!」

魔王「う、うむ」

魔王(な、なんなのじゃあの剣から流れる気は…妾ですら感じたことがない恐怖)


魔王ともあろうものが脅えていた。あの剣に、いくら魔王と言えど恐怖を感じた。そして"あれと戦っていたら死んでいた"ということも


魔王(悪魔じゃと?あれはそんな生易しいものではない。)


魔王であるからこそ感じ取ってしまったあの気配の本質、それは破壊と狂気と絶望を振りまく者


魔王(これは、この気配は神のものじゃ。それも邪悪なる神、邪神のそれじゃ)

勇者「行くぜ、覇王の剣。」


封印されているものの本性も知らず覚醒した邪悪な力を揮う正義の勇者、それは魔王の目には冒涜的なほどに異様な組み合わせに見えた。


魔王(主は、何者なんじゃ?)



103VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:23:10.65YQvzmPZW0 (5/14)

勇者「うおおぉぉぉおお」ブンッ


覇王の剣で虚空を切る。普通なら何も起こらないが、覚醒したこの剣は違う。


狐面「遠距離型もか」


そう、どこまでも行く衝撃波、その範囲は広大にして音速で飛んでゆく


狐面「…」ヒュン

勇者「な、消えた!?」


狐面が消えた。走るわけでも飛んだわけでもなく、その場から煙のように消えた。もちろん衝撃波は狐面がいたはずのところをすり抜けて飛んでゆく


勇者「ど、どこだ!?…逃げたわけじゃ」


いや、俺の剣を見るあの異様な執着心を佩びたあの目を見るに逃げるなんていう選択肢は選ばないはず


魔王「主よ!後ろじゃ!!」


104VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:24:17.90YQvzmPZW0 (6/14)

勇者「何!?」

狐面「遅い…」ガッ

勇者「がっ」ズサアアァアァァ


振り向く暇も無く背中に衝撃が来て吹っ飛ばされた、鎧にヒビが入る。


勇者「バカな…素手、だよな?」

狐面「あぁ、素手だ。」ヒュン


また狐面が消える。


勇者「まさか…瞬間移動!?」


あたりをキョロキョロ見渡す。だがどこにもいない。


狐面「その通り」


105VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:26:03.90YQvzmPZW0 (7/14)

またすぐ後ろから声


勇者「くっ、ガハッ」ドガァ


そしてまた吹っ飛ばされる。


狐面「陳腐で在り来たりだが、最強だ。」ヒュン


消える。

確かにどこに現れるか分からないなら勝てる見込みはない。だが真後ろに来ると分かってるなら後ろを向いて構えていればいい


勇者(さぁ、こい)

狐面「残念だったな」


また背中から聞こえる。


106VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:29:12.04YQvzmPZW0 (8/14)

勇者「!?」バキッ


殴られる。ついに鎧が完全に壊れた。


狐面「次で終わりだ」ヒュン


勇者「そうかな、まだ手は残ってるぜ」


そう、まだ手は一つだけ残っているんだよ


107VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:32:08.68YQvzmPZW0 (9/14)

そう、ここまでやられて分かったことがある。

こいつが使っているものは瞬間移動なんて大層なものじゃない。

小規模の空間転移術、つまりはワープだ。

何が違うかって?全然違うね

瞬間移動は一瞬で別の場所に移動する術だが、ワープは空間の座標同士を繋いでショートカットで移動する術だ。

瞬間移動の下位能力でしかなく、消えてからショートカットを移動して現れるまでにタイムラグが生じる。

そしてそのタイムラグは、こいつの場合3秒もある。

その3秒間が勝利への鍵だ


108VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:35:25.16YQvzmPZW0 (10/14)

勇者「り からまりあるく くくる かいまなし きゅうたに きある くがいしな」

タイムリミットは3秒間に合うか

勇者「きりくえむ かりあかし なくどれあ かかいな くしらみゆ えいか ちりむ」


それなりに魔力があれば大抵の魔法は呪文詠唱を省いて放つことが出来る。

しかし膨大な魔力を持つ勇者でも呪文詠唱を必要とする強力な魔法は存在する。

その数少ない強力な魔法の一つがこれだ。

特別長く、特殊で強力な魔法


109VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:36:08.31YQvzmPZW0 (11/14)

勇者「みにま ぐりやどむ かいと ぴりおむ」


頼む、間に合え,

間に合え!


勇者「くがいなと がりあくすなて くーかい えんどぅかり あしな まきな…」

魔王「主よ、後ろじゃ!!」

狐面「…終わりだ」ブン


110VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:39:38.46YQvzmPZW0 (12/14)

勇者「くがいなと がりあくすなて くーかい えんどぅかり あしな まきな…」

魔王「主よ、後ろじゃ!!」

狐面「…終わりだ」ブン



勇者「フッ」ス

狐面「!?…避けた、だと?」

勇者「終わるのはお前だ!」ザッ


まだ長い間この剣を覚醒させたまま自我を維持して闘うことは出来ない。これで蹴りをつける!

覚醒した覇王の剣が獲物を噛み砕く牙のように狐面の顔に襲いかかる。


狐面「くっ」


狐面がワープして牙の驚異から逃れようとする。

そのモーションも見切った、剣をさらに突き出す



勇者「逃がすかあぁあぁあああああぁぁああ」


111VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 22:58:47.20YQvzmPZW0 (13/14)

魔法使い「シリアスなところ悪いんだけど>>102で『邪悪な力を揮う正義の勇者、』なんて言っているわよね?この勇者ってどこが『"正義"の勇者』なのかしら?」
魔王「確かにこやつの行動で正義を貫いているところを見たことがないのじゃ」
勇者「そんなことないだろ冗談がきついぜハニーたち」HAHAHA
魔法使い「セクハラばっかりしてるくせに何言っているのかしら」
魔王「変態が正義などとばかげておるのじゃ」
勇者「ちくしょー、そこまで言われる謂れはねーよ。うえぇーん暗黒面に落ちてやるー」

と、登場人物の愚痴はこれにて今回の投下は終了です。


>>97,98

ありがとうございます。

前回の試験は一教科だけ赤点とって
「これがせめて70でも行っていれば学年5位だったのに残念だったね」と先生にクラスメイト全員の前で大声で言われやがりました。公開処刑ですか、そうですか。そんな悔しさだけが大きくなる報告いらなかったです。

↑こんなことがあったので万遍に全教科漏れなく勉強に精を出します。前回は得意だと思ってて調子こいてその教科だけ勉強しなかった結果だからね\(^o^)/


やっぱり皆エヴァ見に言っちゃうんですね。破からもう何年も待っているから仕方ないね、仕方ないよね?
まぁ破で終わって永遠にモヤモヤしたままじゃ無かっただけ良しとしましょう

最終章で全ての複線を回収してくれることを願いますよ。何年後に公開か知らないけど


112VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 23:00:23.97YQvzmPZW0 (14/14)

>>111ミス1

×と、登場人物の愚痴はこれにて今回の投下は終了です。

○と、登場人物の愚痴は置いといて、これにて今回の投下は終了です。



113VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 23:21:53.63QuYQkxO0o (1/1)

なんちゅうもんを召喚してくれたんや、なんちゅうもんを…


114VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/03(月) 23:42:29.55re/JCd4Lo (1/1)

cthulhu r'lyeh のやつはわかったけど

り からまりあるく くくる~がわからんな・・・
これなに?


115VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/04(火) 01:30:06.05n7lWUgPx0 (1/1)

>>113
一応言うと召還とは少し違います。勇者は「覚醒」と呼んでいますが実際は「封印されている"何か"」の力のほんの一部を開放して剣と持ち手に宿しているだけです。
シャーマンキングを知っている人は憑依合体やらオーバーソウルやら思い浮かべてくれればいいと思います。違っているところはシャーマンキングで言う霊が元々剣に宿っている点ぐらいですから


>>114
それはクトゥルフまったくとは関係ないまったく別の魔法です。
どんな効果かは後のお楽しみということで


クトゥルフ知らない人はごめんなさい。
ただ名前や設定などを一部引用しているぐらいなので元ネタ知らないとストーリーが理解できないような事態はありません。
そうでなくても強くストーリーに絡んでくる場合は最低説明はします。


116VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:26:34.43jb0V6UX60 (1/16)

バキ


獲物を噛み砕いた確かな感触が腕を伝う。

しかし


狐面「…ぐ」


ワープして少し離れた場所に現れた狐面には傷一つついていなかった。

せいぜい狐のお面が割れている程度である。


勇者「かすった…だけ」


そんな…タイムリミットだ


117VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:27:28.77jb0V6UX60 (2/16)

勇者「…"再び海底の深淵の淵にて眠りに着くが良い。ふんぐるい むぐんんらふり くとぅるふる るりえー あぐな くとぅるーとぅる"」


これ以上体力を奪われる前に再び封印する。

積みだ。電池切れだよちくしょう

だが、最後までは倒れられない。

力を振り絞って立ち上がる。

しかし、目に飛び込んできたのは異様な光景だった。


狐面「ぐああぁぁぁあぁ、があああああああ」


うずくまって何やら呻いている。


勇者「何が…どうなってるんだよ」

狐面「あ、ああぁぁぁああ」


狐面が呻きながら顔を上げる。割れた狐のお面、本来なら割れて出来た穴から人間の素肌が見えただろう

しかし魔王は「そやつは人間では無い!!」と言った。今なら明確にそれを確信できるだろう。何故ならば

お面の割れて空いた部分からは"人間の素肌など少しも見て取れなかった"からだ。


118VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:28:33.37jb0V6UX60 (3/16)

それどころかその穴からは炎が吹き出ていた。墨よりもドス黒く、深淵よりも深い闇の色をしている炎、それがお面から吹き出しているのだ

もちろん血ではない。じゃあ何だ?あの闇の炎はまるで、あのお面自体が内に何かを"封印"していたかのようじゃないか

いや、異変はそれだけではない。


狐面「がっぁあああああああ」


狐面が叫ぶたびに、それに呼応するかのごとく

服全体にびっしりと刻まれた呪文のような謎の文字群が声に合わせて明滅している。


119VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:29:23.37jb0V6UX60 (4/16)

狐面「くっ、ううぅぅ」


狐面はお面の割れた箇所に手を押し当てる。怪我をした人間がそうするように

しかし指の隙間からチロチロと黒い炎が見えている。


狐面「よく、よく当てたなぁ」

狐面「もう俺は戦えない、悔しいがこれまでのようだ。」


狐面が重病人のようにゆっくり立ち上がる。


狐面「さらばだ、次に会うときまでにせいぜい力をつけてくるがいい。」


そしてこちらを振り向き、呪うような恨みと憎しみ妬みと執着心とをごちゃごちゃに混ぜた狂気の眼差しを向ける


狐面「そして次あったとき、その剣もろとも貴様らの力を 全 て 奪 い つ く し て や る。」


最後の言葉には今日初めて感情がこもっていた。曰く怒り


120VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:30:07.23jb0V6UX60 (5/16)

勇者「待て!!」


剣を構える。

ここで倒さなければ


狐面「…」ヒュン


しかし剣先が届く前に、かすりもせず狐面はワープしてどこかに逃げた。


魔王「………終わったのかや?」

勇者「終わってない」

魔王「な…?」

勇者「あいつは絶対またこの剣の前に現れるはずだ。倒さなきゃ終わりとは
いえない…」ギン


狐面が消えた一点を睨む


121VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:31:48.78jb0V6UX60 (6/16)

魔王「…主よ、いまはいいんじゃないかや?"一応生き延びた"それだけで今日はおわりにしようじゃないかや」

勇者「…そうだな」スチャ


剣を腰の鞘に収める。

そうさ、今日は終わりにしよう。今のイベントで少しは高感度上がったはずだしな。フヒヒ


勇者「と、言うわりに結界が無くならないな。」


そう、何故か結界が無くならない。


122VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:34:04.46jb0V6UX60 (7/16)

まさか術者を殺さないといけないパターン?


勇者「やばい再び積みだ!!」

魔王「何じゃと!?この結界が剥がせぬと言うのかや!!?」

勇者「やべーよやべーよ、やっぱり逃がすんじゃなかった。あの死服ヘンテコお面野郎!」

魔王「な、な、な、なんじゃそりゃなのじゃー。もしかして妾はここで一生こやつと生きなければならぬのかや!!?」

勇者「不束者ですがよろぴくお願いします♪」

魔王「絶対絶対嫌なのじゃー、魔法使い何とかしてくれなのじゃ」

魔法使い(結界外)「え、あたし?」


123VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:34:33.08jb0V6UX60 (8/16)

魔王「お願いじゃ、こやつと一生閉じ込められているなんてごめんじゃ」

勇者「俺もこんなところは嫌だー、どうせならラブホの一室に閉じ込められたい!」

魔法使い(結界外)「…分かった。魔王だけ外に出す方法を考えてみる」

勇者「俺は!?」

魔王「主はこの中で独身貴族を一生続けておるがいいぞ」

勇者「この中何もないよ!?独身貴族どころか飢え死にを待つホームレスだよ!!」


124VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:36:08.55jb0V6UX60 (9/16)

勇者「…なぁ魔王、これも妖術なら魔王何とかできないの?」

魔王「うむ、やってはみたが妾の妖術とは少し毛色が違うもののようでの、妾には解除できなかったのじゃ」

勇者「じゃあもうここで暮らすしかないか、贅沢は言えないけど早く子供を作ろうね♪」

魔王「ふむ、自害も考えるべきじゃの」

勇者「そんなに嫌!?」


125VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:37:06.38jb0V6UX60 (10/16)

結界外


魔法使い(どうしようどうしよう、妖術なんて分からないよぅ。魔法解除もやってみたけど聞かないし、うえぇーん誰か助けてー)オロオロ


- まったく、しょうがない人なのです -


魔法使い(え?)


どこからか脳内に直接響くような声が聞こえた。

キョロキョロ見渡してから見ると立派な毛並みの黒猫がいた。…尻尾が途中で二つに分かれている。


ピト


黒猫が結界に触れるとたちまち消えていった。


126VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:37:49.42jb0V6UX60 (11/16)

勇者「おぉ!結界が消えたぞ」


少し残念な気もする…いや、違う。今のなし、えーと、やったーありがとー万歳だー(棒読み)


勇者「魔法使いが解いてくれたのか?すげーじゃん」

魔法使い「いや、あたしじゃなくて、あれ」


魔法使いの指差す方向を見ると二つに分かれた尻尾を揺らして歩く黒猫の姿が見えた


勇者「猫?」

魔法使い「うん、あの猫が消してくれたの」

勇者「ふ~ん、不思議なこともあるものだ」


猫は「早く来い」とでも言うように俺たちをちらと振り返り、また前を見て歩き出した


127VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:38:28.20jb0V6UX60 (12/16)

勇者「あ、待って」


しかし、瞬きをしていたら猫は消えていた。


勇者「本当に不思議なこともあるんだな、なぁ魔王」

魔王「…」


魔王は珍しく俺の言葉にも反応せず考え事に没頭していた。猫が消えていった方向を凝視しながら


勇者「おーい、魔王~」


目の前で手を降ってみる

反応無し

これは何をしても気づかなそうだな


128VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:40:15.15jb0V6UX60 (13/16)

勇者「ニヒヒ」ソー


そーっと気づかれないように静かに魔王の少ししかない膨らみに手を…


魔王「何をしておるんじゃー!!」ドガッ

勇者「うぎゃー」


見事なまでのローリングソバットを食らいました。どこに?金的にです(泣)


129VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:40:54.98jb0V6UX60 (14/16)

勇者「痛たたたた、何するんだよ。ちくしょー」

魔王「それは間違えなく100%完璧に妾の台詞じゃ。お主は何をしようとしておったんじゃ?」


わー、目の前に修羅みたいな顔の狐がいるよ。


勇者「いや、愛しい魔王の成長を確かめようかと」


そうだ。どれだけ大きくなっているか父親的視点で確かめようとしただけさ、僕は悪くない!


魔王「そんなの確かめるだけなら触らなくとも出来るじゃろが!」

勇者「じゃあ、俺の神の目で見てやろう。お前のスリーサイズは上から…」

魔王「言わんで良いのじゃ!!」ドガッ


まったく同じ箇所に追加攻撃。もうやめて、勇者のライフはとっくに0よ!


130VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:41:51.36jb0V6UX60 (15/16)

魔法使い「ねぇ勇者、そういえばさっきの戦いで最後に使った魔法ってなんだったの?」


魔王とのじゃれあい(セクハラと暴力の醜い応酬)がようやく一段落したところで魔法使いが回復魔法をかけるついでに尋ねてくる。

"魔法使い"として知らない魔法は極力知っておきたいのだろう。


勇者「あれか?あれはな、相手の次の一手を読む特殊な魔法だ」


131VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 00:44:10.55jb0V6UX60 (16/16)

切りが悪いけど今日の書き溜め分はこれで終了です。

…試験二日前だけど勉強飽きたorz


132VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/05(水) 11:20:47.829Y3jYXs3o (1/1)

乙でした

前日、試験中ぐらいは勉強した方がいいんじゃね


133VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 00:34:05.5608xQDajZ0 (1/17)

故か魔王と過ごしていた平和な数年間の内に覚えた魔法だ。出来ればこのまま平和になって戦闘用魔法は使わなくていい世界になってほしかったがな


魔法使い「すごい、そんな特殊な魔法聞いたことないわよ。」

勇者「俺もだ。あの海底都市に行ったときからかな、知らない魔法を覚え始めたのって」


もしくは海底都市内のあの遺跡に立ち寄ってからか…それともこの剣を手にしてからか


134VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 00:35:09.2108xQDajZ0 (2/17)

勇者「でもこの魔法、けっこうタイミングがシビアなんだよ」

魔法使い「どういうことなの?」

勇者「"相手の次の行動を読む"ことしか出来ないからな『右に数歩歩く』とかどうでもいいことしか読めない場合もある。そこで攻撃してくるかどうか知りたいってのに」

魔法使い「けっこう難しいわね。」

勇者「あぁ、でも上手いタイミングでやれば相手がどんな技を使ってくるかどんな魔法を使ってくるかが分かるからけっこう使える。…上手いタイミングで使えればな」

魔王「ならば先ほどの戦いでは奴が現れるポイントを読んだのかや?」

勇者「その通り、あのタイミングで次の一手といったら現れる場所以外にないからな。安心して使うことが出来たよ」

魔王「しかし呪文詠唱が長いのぉ」

勇者「そう、凄い早口で3秒ギリギリいけるかどうかだったからなぁ。危なかったぜ」

魔法使い「とことん使いにくいのね」

勇者「そういうことだな、早くもっと魔力を高めて呪文詠唱を省けるようになりたいものだ。」


135VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 00:37:18.4608xQDajZ0 (3/17)

勇者「っと。そういえば魔王、お前さっきのあの狐面が人間じゃないって言ったよな?じゃあなんなんだ?」

魔王「なんじゃ?ずいぶん唐突じゃな」


べ、別に忘れてたわけじゃないんだからね。胸揉もうとしたり殴られたりしているうちに忘れてたとかそういうのじゃないんだからね


魔王「…まぁいいじゃろ。あ奴はただの人間では無いことはもはや明白じゃがそれだけではない。妖怪、魔物、神獣、あらゆる存在の気配があれに詰められておる」

勇者「合成獣(キメラ)?」

魔王「いや、それとは少し違うのじゃ。それに、感じたことのないほどの禍々しい気配も混じっておった。…そして何故か妖怪でしか使えないはずの妖術を使っておった」

勇者「……厄介だな、今回と同じ手が通じそうな奴には見えないし…あいつの言ったとおり新しい力でも身につける必要があるかな」


修行編でもやるか、とりあえず甲羅背負って石でも拾って来よう



136VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:17:27.2308xQDajZ0 (4/17)

勇者「おぉ、なんと斬新ですばらしい発想だ!」

魔王「完全にパクリではないかや!!」

勇者「じゃあ無難に滝行にするかウェヘヘヘ」

魔王「何を期待しておるんじゃ!」


そりゃもう、滝行するにはまず服を脱がなきゃいけないからして…


勇者「よし、修行編はエバリデイオール滝行に決定!!」ハァハァ

魔王「煩悩まみれの決定を下すなや!!」ドガッ

勇者「ぎゃあ!」


最近突っ込みの威力上がってません?何だご褒美か


137VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:18:24.4908xQDajZ0 (5/17)

勇者「おぉ、なんと斬新ですばらしい発想だ!」

魔王「完全にパクリではないかや!!」

勇者「じゃあ無難に滝行にするかウェヘヘヘ」

魔王「何を期待しておるんじゃ!」


そりゃもう、滝行するにはまず服を脱がなきゃいけないからして…


勇者「よし、修行編はエバリデイオール滝行に決定!!」ハァハァ

魔王「煩悩まみれの決定を下すなや!!」ドガッ

勇者「ぎゃあ!」


最近突っ込みの威力上がってません?何だご褒美か


138VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:18:52.7208xQDajZ0 (6/17)

??「ようやく来ましたですね。会いたかったのですよ…キツネちゃん」


139VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:19:19.2208xQDajZ0 (7/17)

なんというか、すごいわこれ。お祭り騒ぎだ、

別に祭りをやっているわけではなく活気で満ち溢れているのだ。


「安いよ安いよー、少しの魔力で魔法が使えるようになる魔具のペンダントに攻撃魔法の威力を上げるネックレス!」

「すごいのあるぞー、最新の機械式武器だ!!」

「そこの奥さん、魔力で動く玩具をお子さんにどうです?」

「魔術と科学技術の合同開発!!魔力を装填して弾として打ち出せる"魔力変換銃"最新モデルだよー」


ちょっと歩くだけで売り文句が弾丸のように耳に入ってくる。うるさいぞそこの弾幕


140VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:20:13.7508xQDajZ0 (8/17)

魔王「すごいもんじゃの、ここは差し詰め人間の技術の粋が集める町と言うわけかや」

勇者「そうだな、武器マニアだったらここに何日でも飽きずにいられそうだ。ってか全世界の武器があんじゃねえの?」

魔王「ま、可愛い妾には似合わぬごつい町なのじゃ」

勇者「魔法少女もののアニメに出てきそうな可愛らしい武器なら探せばあるかもよ?」


141VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:23:24.1308xQDajZ0 (9/17)

ちなみに魔法使いはガトリング砲が飾ってあるショーウィンドウにかじりついている。しかも何故か機械義肢を改造して手の代わりに取り付けるタイプ


勇者「お前こういうの腕に着けたいわけ?」

魔法使い「むしろ全身武器に改造してみたいわ」

勇者「ショッカー本部でも行ってくれば?」

魔法使い「仮面ライダーもいいわね。『仮面ライダーマジカル』とかどうかしら」

勇者「仮面ライダーウィザードに弟子入りしてきたら?」


適当にドライな返事してたら後ろで「シャバドゥビタッチヘーンシーン」と魔王の可愛い声が聞こえた。

やめて、その愛らしい声で変な変身呪文唱えないで


142VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:24:16.5108xQDajZ0 (10/17)

勇者「おい魔法使い、お前ここに来た目的忘れてるぞ。ほら、魔女探しの前に宿屋を取りに行こう」


ガラスにキスしそうな勢いで別の店のショーウィンドウに飾ってあるバズーカ砲を見つめている魔法使いを無理やりひっぺがして引きずって行く

何で魔法使いなんてやってんだろうこの子


そんでもって、その後良い宿屋は見つかったのだが…


143VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:30:56.4708xQDajZ0 (11/17)

フロントにて

女将「はい、大人二人子ども一人だね」

魔王「おいこら主よ、その"子ども"とはいったい誰のことなのじゃ?」

女将「もちろんあんたのことだよ。他に子どもがいるかい?ここは子どもは半額だよ」

魔王「この妾が子どもじゃと!?ふざけるでない!!妾を誰じゃと思っておる、恐れ多くも妾こそ魔王なのじゃ!」


魔王が変なところにキレてた。まためんどくさいことに…


144VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:31:46.5308xQDajZ0 (12/17)

慌てて手で口を塞ぐ。


勇者「アハハー、すいませんねぇこいつ最近反抗期で、まぁ可愛いもんですよ。あ、お代はこれで」

女将「あいよ、これは部屋の鍵だよ、203号室ね。戸締まりはしっかり頼むよ」

勇者「あ、どうも」ペコリ

魔王「むー、むごー」バッサバッサ


危ない危ない、本当に大人三人分取られちゃたまらんからな


145VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:32:24.1408xQDajZ0 (13/17)

しっぽまで大いに暴れている魔王を抱きかかえる。もちろん手は口から離さずを得ないけどね


魔王「やー、離せなのじゃー。妾を抱きかかえるでない!」

勇者「じゃあこれで」ギュウウ

魔法「誰が抱きしめろと言ったんじゃ!?離せなのじゃ」

勇者「可愛いなぁ」スリスリ

魔王「っ///…いいかげんにしろなのじゃー」ジタバタバッサバッサ

魔法使いと「この部屋みたいね。そろそろ離しなさい、本気で嫌がっているわよ」


しょうがない。手を離すか

俺の抱擁から解放されたロリっ狐は魔法使いの陰に隠れ、顔だけ出してグルルル唸ってる。やっぱり犬みたいな奴だ、イヌ科だけどさ


146VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 01:41:02.1308xQDajZ0 (14/17)

中途半端だけどここで書き溜めが切れたため今日はここまでです。

>>132
心配してくれてありがとう。でも電車内で書き溜めしているので家ではちゃんと勉強してますよ、眠い -_-

ただし試験日程が土日を挟んでいるため土日は投下できません


147VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 10:53:50.68V+VsYwhOo (1/1)

乙でした


148VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 22:34:28.6008xQDajZ0 (15/17)

電車で寝てしまったため少しし書き溜められなかった

ところでサブタイと言うものを思いついたのだが

>>31あたりまで第一話「人と狐が出会いて始まり」

>>137まで「人と狐は戦に踊る」

それ以降は「闇夜に猫は浮かびて笑う」

ありきたりだね、厨二病だね、しょうがないね仕方ないね。


149VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 22:35:31.5308xQDajZ0 (16/17)

魔王「主よ、妾が何を怒っておるか解ってるんじゃろな?」

勇者「分かってるよ」

魔王「ならば何故止めたのじゃ!!主もかや!主も妾を子どもじゃと思っておるのかや!?」バッサバッサ


ごめん、癇癪起こしてる子ども以外に見えない


勇者「っていうかお前、前に俺にロリコンっつったじゃん。自分がロリって認めてんじゃん!」

魔王「それとこれとは話が別じゃ!妾を子ども扱いするのが嫌なんじゃ!!」


だから癇癪起こした子どもにしか見えないってば


魔王「なんじゃ主は、妾に魅力が無いと言うのかや!?」


言ってない。うわーん、この狐めんどくさいよ。魔法使い、魔法使い助けて大人の女性の君なら宥められるでしょ!?


魔法使い「…」


目ぇ逸らすな!

しょうがない、自分でなんとかしよう


勇者「いや、お前はかなり魅力的だよ」

魔王「」ピク


よし、耳が反応した


勇者「いざというとき頼りになる大人らしさとか」


そんな場面無かったけど


魔王「」ピクピク


勇者「その可憐すぎる可愛さとか!」

魔王「」ワッサワッサ


とりあえず誉めとけ、やけくそだ!


勇者「その美しい毛並みのしっぽとか、思わず抱きつきたくなるモフモフしっぽとか、抱き枕にしたらさぞ気持ちよく眠れそうなそのフカフカしっぽとか!」


けっきょくただしっぽ誉めてるだけになっているけど魔王は満足気だからいいや

顔がほんのり赤くなってるし、にやけそうになってるのをなんとか押し留めようとしてるのも見てとれるし、そのくせしっぽは嬉しさを隠そうとせず可愛く揺れてるし

あと一押しだな、とどめの言葉だ!


勇者「>>150」


150VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 22:43:08.54JeJh/8aT0 (1/2)

愛してるよ


151VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 22:48:36.1308xQDajZ0 (17/17)

おk、でも明日の試験勉強であれだからまた書き溜めて明日投下する


152VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/06(木) 22:50:25.66JeJh/8aT0 (2/2)

>>151分かりました


153VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/07(金) 22:44:28.60r78Nlldk0 (1/3)

勇者「愛してるよ。」ギュ


最終奥義、抱きしめてからの愛の囁き。


魔王「ひゃう!?えっ、なっ、妾っえ、えっ!?あっ、そこはダメじゃ。」ジタバタ



言っとくけど抱きしめてるだけだからね?耳に息は吹き掛けたけどさ

…それにしてもやっぱ抱き心地最高だわこの子、可愛いし肌はスベスベだし可愛いししっぽはモフモフフカフカだし反応が可愛いし、可愛いし!


魔王「ぬ、主よっ。わ、んっ放せ…放せ……なのじゃ」


さらに抱きしめる腕に力を込める。するとどうだ、大人しくなったではないか!


154VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/07(金) 22:45:06.28r78Nlldk0 (2/3)

魔王「ん…主よ…」


それどころか魔王のほうも長さが足りてない腕で俺に抱きついてきた

マジか!?うおおおおおお、勝った。何の勝負か知らんが勝った、第三部完!

ところで俺どうしよう?せっかく抱きついてきてくれているのに放すのはあれだし、かといってこのままもなぁ


魔王「」チラ

勇者「!?」


抱きついたまま俺の顔を見上げる魔王、つまりは上目遣い…


155VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/07(金) 22:46:33.83r78Nlldk0 (3/3)


ケモ耳ロリっ狐の上目遣いとかどんだけ破壊力抜群なのさ、俺ノックアウト寸前

ってかこの状況は色々ヤバい!俺の中の欲望という名の邪龍が制御出来なくなる!!収まれ俺の煩悩

ってこれやっちゃっていいの?魔王の目がそう言っている気がする。

いやいや、仮に言ってても勇者としてどうなんだ!?変態勇者っていったって越えちゃいけない一線ってものがあるよ!


魔王「」ジー

勇者「…」←人生最大の葛藤中


①自分は勇者の前に男だ、欲望にしたがってこそ男じゃないか
②いくら変態勇者っつったって欲望の制御ぐらいできなきゃダメでしょ、俺は勇者俺は勇者俺は勇者…

>>157


今日も少ないですがここまでです。早くテスト終わってほしい…


156VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/07(金) 23:15:26.47CCK2ggY9o (1/1)

乙でした

1


157VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/08(土) 00:07:52.37uiB+Lww+o (1/1)

1でいいじゃないか!
乙!



158VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/08(土) 13:07:57.69tPLmwCYb0 (1/1)

なんかこの世界……南極の地下に、進化して、ある種族に反逆を起こした構成変化
生命体とか、何かを封じたかの様なでっかいフタとか、どこかから来たカニっぽい
カビ型生命体が地中の石ころを取りに来てたり、木星にもなんかあったりしてそうだな。


159VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/08(土) 16:28:07.23PkmA2GYmo (1/1)




160VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/10(月) 17:29:25.86BXEs6BDH0 (1/1)

>>1だ。
今日はついに行き帰りどっちも電車内で寝てしまって書き溜めできなかった許してくんさいww
まぁ、テストは明日までだから明日から本気出せばいいよねwwww

と言うことで今日は無しです。いるかどうかだけど期待している人いたらごめんなさい…






…いきおいでこんな流れに雪崩れ込んだけどエロシーンちっとも書けないわ\(^o^)/


161VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/10(月) 17:59:45.40tJmn9PX/0 (1/1)

おつ


162VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 00:09:26.55vwGENfBDO (1/1)

乙彼さんでーす

微エロでもいいのでなにとぞお願いします、つーか魔王とイチャイチャしてれば私は構わないのでエロくなくても構わない!
いや、エロは好きだけどね、けど激甘にイチャイチャしてるのも好きだからさ、とりあえず勇者と魔王がイチャつけば万事オッケーさ☆(←何様だよ




163VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:41:24.09g9YrvldT0 (1/32)

>>1「ようやく期末試験終わったよ。もうヘトヘト…でもこれで投下量が増えるよやったねたえちゃん」

勇者「おいやめろ」


>>158
勇者「あと、とある寂れた漁村で魚面の人間がいるってうわさが立ったり"グレートオールドワン"って呼ばれてる神を信仰している部族がいたり、感受性豊かな人々がいっせいに海底からやってくる巨大な化け物の夢を見たり」

魔法使い「架空(と言われている)の神話を題材に小説を書いていた怪奇小説家が謎の失踪を遂げたり、夢の国に出かけてきたっていう作家が現れたり」(*某ネズミーランドは関係ありません)

魔王「南極探検に出かけた大学教授たちが帰ってくるなり精神病院に送られたり、地下鉄に乗っていたら巨大な鉤爪を持った人間のような何かが蠢いているのが目撃されたり」

三人『関係はまったくないだろうけどこの世界ではこんなことが起きてるらしいよ』

>>1「他のは知らんが最後のは現実世界でも実際によくあることだろう?俺も見たことあるし」

三人『え?』

>>1「え?」



>>161,162

sageて報告したからだれもレスしてないと思ったらいたとは、わざわざチェックしに来てくれてありがとうございます。

楽しみに待っててくれる人がいるということだけで書く気力が上がります!

>>162

物は試しということでエロを書いてみたらエロイ言葉を覚えたての小学生が書いたような酷い出来になりましたのでそうしましたww自分の妄想力とロリっ狐魔王への愛が導くまま書きました


164VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:42:49.87g9YrvldT0 (2/32)

自分は勇者の前に男だ、欲望にしたがってこそ男じゃないか

勇者だからそんなことをしちゃいけないだって?越えちゃいけない一線があるだって?

超えちゃいけないなら思いっきりその線を踏んでやれ!

そう、俺は変態勇者だからな。だから


まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!←(言ってみたかっただけ)


魔王「…主よ?」


前言撤回、上目遣いの破壊力にまず俺がぶっ倒れそうです

っていうかもう"理性"という名のリミッター外してビーストモードになっていいですか?

答えは聞いてないけどね

ということで続行


165VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:44:55.42g9YrvldT0 (3/32)

勇者「あー、もう魔王可愛すぎるぞー」ギュウウ

魔王「…///」


魔王は顔を真っ赤にしてうつむくが俺はお構い無しに魔王を抱きしめる


魔王「や、主よ…やはりさすがの妾も少し、ほんの少しじゃが…恥かしいのじゃ///」シュウウウ


おぉ、顔から湯気が出てきたぞ


勇者「じゃあやめるか?」

魔王「………いや、やめんでよい///」シュウウ


166VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:46:31.82g9YrvldT0 (4/32)

勇者「あぁもう可愛いなぁ」スリスリ

魔王「…ぁぅ///」シュウウ


抱きしめたまま頬ずりする。俺はもうパーフェクトにニヤけ顔だろうね

だってしょうがないよマジ可愛すぎるだもんこの子、いやこの狐か

顔とかニヤけるのを必死に堪えてんだよ。顔も真っ赤になって耳までほんのり赤が来ているし…いつか沸騰しそうだけどもう湯気出てるしそろそろかな?

なんてそんなくだらないことを考える暇も無いほどに見入ってしまうこの可愛さは文章では伝わるまい!


167VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:47:33.43g9YrvldT0 (5/32)

勇者「魔王、可愛い!好きだ」スリスリスリスリ

魔王「…うぅ///」ワサワサ


それにしても傍から見たら確実に通報されるだろうね。

完全に見た目幼女に年上が無理矢理抱きついて頬ずりしているように見えるだろうからね。あながち間違っちゃいないけど…

おかしいな、俺ロリコンじゃなかったはずなんだけどな。…ついこの間までおっぱいはできるだけ大きいほうがいいって思っていたぐらいだし

いや、魔王も思ったよりあるな…成長途中の中学生並み?…少なくとも揉むことは出来そうだ


勇者「…」ソー

魔王「///」ペチ


揉もうとして手をそーっと膨らみの辺りに伸ばしたら叩かれた。ダメですか、そうですか。


168VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:49:19.35g9YrvldT0 (6/32)

じゃあ尻尾でも触って


魔王「ひゃあ、ぬ、主よ尻尾の付け根は弱いんじゃ…///」

勇者「いいじゃん、触り心地すごいいいよ。マジ心地いい」


さらさらした長い髪の毛を撫で、空気を含んだモフモフの毛並みのほんのり暖かい狐尻尾を撫でまわし、すりすりする。今まで味わったことがないほどにすばらしい触り心地

俺はもう夢心地…このまま死んでも未練なく成仏できそうだわ


魔王「…あ、あのな主よ、そこは…えと、他のとこより少し…敏・・感なんじゃ///」

勇者「ほほぉ」ニヤリ

魔王「あっ…こら主よ、だからそこは…ダメじゃと、んっ」


反応が面白いので後数分は尻尾の付け根部分をスリスリしていよう


169VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:49:59.59g9YrvldT0 (7/32)

魔王「ぬ、主よ…やめっ、あ、んぅ」


やっぱり通報されるべきだな俺…されても反省も後悔もないけど


魔王「い、いいかげんに…んっ、いいかげんに、やめぬか」


しょうがない、そろそろやめてあげよう。

しかし、その代わり


勇者「じゃあこっちは?」

魔王「えっ、わっ、え?な」


170VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:50:45.22g9YrvldT0 (8/32)

魔王の顔に顔を近づける。真っ赤になってる、可愛い…

さすがにこの純情そうな子にエッチしたいと言っても肢体を拝むどころか俺が死体になって死界を彷徨うことになりそうだからな…え?上手くないって?アリエナーイ…

少なくとも照れ隠しに最上級魔法を放ってきそうだしそれは勘弁だ

だから、キスぐらいしてしまえ!ここまでやっておいてキスの一つもしないとか変態勇者以前に男としてどうなんだ!!


勇者「じゃあ目を閉じて、行くよ」ス


ロックオンして目をつぶる。

発射!


171VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:51:17.42g9YrvldT0 (9/32)

…手ごたえなし・・・だと!?


魔王「…///」


あれ?避けられた?

もう一回


魔王「///」スッ


絶妙なタイミングで避けられる。

ちなみにこの後何回やっても出来なかったので断念、さすが魔王、近距離回避もお手の物とかパネェ


172VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 12:51:46.95g9YrvldT0 (10/32)

勇者「だめか?」


出来る限り最高のイケメンボイス(自称)で優しく言う


魔王「…今はまだ・・だめじゃ///」


搾り出すような小さすぎる声で言う。


魔王「そうじゃな…今はまだじゃ」

魔王「じゃから、これで我慢してくりゃれ?」



チュ


173VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 13:37:03.44g9YrvldT0 (11/32)

勇者「な、え?えぇ!?」


今度は俺が真っ赤になる番だった。

何ということだ。魔王が背伸びをして俺の頬にキスをしたのだ。

キスされたところが未だに感触と熱を覚えていた。


魔王「…クフッ、この続きはいつか…世界が平和になったときなのじゃ」


魔王が素晴らしい笑顔(まだ少し赤い)で笑いながら言う。

あぁ、なんだこれ、幸せすぎる。もうここがゴールでいいんじゃないかな?


174VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 13:38:56.63g9YrvldT0 (12/32)

…なんかいい景色、いやお花畑が見えるなぁ。あ、お花畑の向こうで死んだ父ちゃんが手を振ってる、俺を呼んでいるのかなぁ





勇者「わが生涯に…一片の悔い無し」バタッ

魔王「主よ!?」


幸せすぎて頭がオーバーヒートしてぶっ倒れました。俺って弱いね、やっぱり精神修行が必要かも


175VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 13:58:48.21g9YrvldT0 (13/32)

そのころ、村はずれの某所


??「まったく、遅いと思ったらキツネちゃんは何をしているですか!!せっかくこのボクが待っていてあげていると言うのになのです」


その真っ黒い服に身を包んだ人物は水晶球で勇者たちを、いや魔王を見ていた。…少し怒りながら

強力な魔力を持って人知を超えた力を揮う、もはや人間から逸脱している存在、人は彼女のことをこう呼ぶ。


"闇夜の魔女"と


176VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:09:37.51g9YrvldT0 (14/32)

宿屋


幸せすぎて臨死体験をしてしまった。天国行きかけた

でも目覚めるとここも天国だと分かる。


魔王「すーすー」


俺は床にぶっ倒れてたはずがベッドに寝かせられ、魔王も一緒に寝息を立てていた。

可愛いなぁ

頭を撫でる。


177VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:10:42.68g9YrvldT0 (15/32)

魔王「はっ、ぬ、主よ妾が寝ている間に何かしておらぬじゃろうな!?」


飛び起きやがった。しかも開口一番疑われた…俺は今起きたばっかりだからそんなことする暇無かったというのに

…する暇あったら?と聞かれたら答えに詰まるけどな


勇者「してねえよ。俺が寝込みを襲うような奴に見えるか?」


イケメンオーラ()を放ちながら言う


魔王「見えるのじゃ」


即答された。俺そんなに信用無いかね?

…おい誰だ今「警戒しないほうがおかしい」とか言った奴


178VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:11:58.69g9YrvldT0 (16/32)

……


魔王「…のう、主よ……先ほど眠っている間、うなされておったのじゃが、どうかしたのかや?」


あぁ、そうか。夢は天園の夢だけじゃなかったな


勇者「なぁに、死んだ親父の夢を見ていただけだよ。なんてことはない、ただの記憶の鑑賞会さ」


そう、夢の中で幼い頃の記憶を見ていただけだ。

家の玄関、親父はおれそっくりなお調子者の笑顔を浮かべて元気に「ちょっくら世界の平和を取り戻しに行って来るぜ」と笑っていた。

そして遂に帰ってこなかった。

俺が魔王退治の旅に出たきっかけの一つは「旅をしていればいつかどこかで出会えるかも」というものだった。もちろんその願いすらも叶わなかった。


179VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:12:37.22g9YrvldT0 (17/32)

勇者「いや、死んだってのはおかしいな。行方不明ってだけだ、生きているかもしれないし」


「余計なことを聞いてしまった」と落ち込む魔王を元気づけるように笑って言う。


魔王「…そうじゃな、悪かったのじゃ」

勇者「そういえば俺の家系は代々勇者なんだけどさ、"魔王"ってのも家系かなんかで繋がってるのか?」


暗い話題を避けたくて別の話題に変える


180VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:16:18.73g9YrvldT0 (18/32)

魔王「うむ、しかし完全に血筋で決まるわけではないのじゃ。」

魔王「父王が相応しくないと思えば別の者にやらせることもあるし、幼少時代を見ていた周りの大人の意見も尊重して本当に相応しいか協議してから決めるのじゃ」

勇者「へぇ、けっこうしっかりしているんだなぁ」

魔王「そんなことはないのじゃ。本当にしっかりしておったら今みたいに二派に分断されておらぬ…それに妾の血筋は呪われておる」

勇者「呪い!?」


181VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:17:18.57g9YrvldT0 (19/32)

魔王「うむ、妾の家系の者が魔王になると必ず何かしら不幸が起こる。」


魔王は暗記した物を思い出すように目を閉じる。


魔王「確か2代前の魔王は…実の母に殺されかけたらしいんじゃ」

勇者「は!?」


いきなり衝撃的すぎるよ


魔王「なんでもその母はどうしても他の者を魔王にしたかったらしくての、しかもそれが浮気した相手との子らしかったのじゃ。」

魔王「実の母に裏切られた当時の魔王は深い絶望の闇を抱えたまま魔王となり、憂さ晴らしに人間界に戦争を仕掛けていたりしたらしい。知らぬかや?」

勇者「残念ながら俺ぁ歴史大嫌いでまともにやってない」

魔王「そうかや、まぁよい。5代前の魔王はあらぬ罪を着せられた恋人が一家もろとも死刑にされ、その罪を着せたであろう者との結婚を余儀なくされたそうじゃ」


人間も魔物もドロドロした部分は似通っているんだね。別に知りたくなんて無かったよ


182VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:17:58.91g9YrvldT0 (20/32)

魔王「他にも、禁じられているにも拘らず人間に恋してしまった奴が見せしめに家族から友人にいたるまで、ありとあらゆる知り合い縁者全て目の前で殺されたそうじゃ。もちろん相手の人間もじゃな。しかもその後洗脳まがいのことをされ、"王"とは名ばかりのほとんど奴隷のような扱いを受けたらしい。」

勇者「…マジに呪われていそうな家系だ。じゃあお前にもいつか不幸が訪れるのか?」

魔王「…今妾がどんな状況に置かれてるのか主は忘れたのかや?」

勇者「………あぁ、そういえばお前ほーむれs」

魔王「ホームレスって言うななのじゃ!!」ゲシッ

勇者「ぐっ、すいません!」


腹に喰らった、ヤバいさっき食った肉が…


183VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:18:39.85g9YrvldT0 (21/32)

……


魔王「…このまま楽しい時が続けばいいのじゃが…」


魔王が泣きそうな顔で暗く小さく言う。こいつも怖いんだな…先祖のことと自分の状況が重なって

そんな悲しそうな今にも泣きそうな、いや少し涙目にすらなっている顔で喋ってる魔王を見ると興奮s……じゃなかった、とある決意が沸いてくる。


勇者「-大丈夫だよ」

魔王「え?」


184VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:19:24.69g9YrvldT0 (22/32)

勇者「大丈夫だ。何があろうと、起きようと、お前は俺が絶対に守ってやる。お前の盾にでも、剣にでもなってやるよ。どんな不幸が降りかかろうと、どんな強敵が現れようと構わない。最後の最後まで俺が守り抜いてやる。」

魔王「主…ところでさきほど人間との恋に堕ちた魔王の話をしなかったかや?」

勇者「うん、したな」

魔王「……主も殺されてしまうのじゃ、全ての魔物総動員で…それでも、それでも主は妾を好いてくれるのかや?いっしょに着いて来てくれるのかや?」ジワ


魔王の目からはもう、涙が溢れかけていた。


勇者「>>186」


185VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:31:30.53SX3gnr8DO (1/1)




186VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 14:32:31.48pFRyl4uh0 (1/1)

人は、いつか死ぬさ。だが、まだ俺にその気は無いよ


187VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 15:20:12.65Fd68JC/3o (1/1)

>>186
うまくつなげ過ぎww


188VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 16:23:23.41g9YrvldT0 (23/32)

勇者「人は、いつか死ぬさ。だが、まだ俺にその気は無いよ」


不適に笑う。そう、まだ俺は死ぬわけにはいかないさ


勇者「言ったろ、俺が絶対にお前を守る。最期までな、それまでは消えないし死にもしない。なんたってこの広すぎる世界にはやり残したことがいっぱいあるからな」


心配そうに俺を見る魔王の頭を撫でる。


勇者「だからそんなに心配するな。泣きそうになってるぞ」

魔王「っ…」バッ


涙を指摘してやると魔王は俺の腕を払って後ろを向き、ごしごしと涙を拭ってからこちらを見て笑った。


魔王「それでこそ主じゃ、その笑みでずっと妾の傍に立ってるがよいのじゃ」

勇者「それが望みならいつまでだってそうしてやるよ。お前も涙よりその強がりの笑顔のほうが似合ってるしな」

魔王「だ、誰が強がりじゃ!」


189VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 16:29:18.53g9YrvldT0 (24/32)

勇者「くっくっく、泣きたくなったらいつだって泣いていいんだぜ?」

魔王「じゃから妾は泣いてなど…」

勇者「魔王、辛いんだろ?辛いときはな、楽しいときのように皆で分かち合えばいいんだよ。内に溜めてんじゃねえよ、吐き出しちまえ」

魔王「…」

勇者「俺が全て受け止めてやるよ。泣きたくなったらいつでも言え、この胸も腕の中も、全てお前を包み込む用意をしとくぜ?」

魔王「主よ・・・」


190VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 16:34:25.49g9YrvldT0 (25/32)

魔王「主はホント…本当に…」


お?


魔王「本当に変態じゃな」


ずこーっ


勇者「何で!?違くね!?普通ここで俺に抱き付いて泣きだすところだろ!?」

魔王「やはりそういうことじゃったか、考えておることが見え見えなんじゃこの変態」


抱きついてきて泣き出す魔王を見ることは出来なかったがニカーと良い笑顔を浮かべた魔王は中々の見ものだった。真っ赤に腫らした目もな


魔法使い「ただいまー」


191VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 16:44:24.60g9YrvldT0 (26/32)

色々興味のある店を周っていたらしい魔法使いが帰ってきた。

さっきはよくも一人逃げてくれたな…どうもありがとうございます!

それはそうと何故か魔法使いは俺と魔王を交互に見る。

泣き腫らした目をした魔王、すっきり満足したような顔をしている俺…そして皺のよってるベッドを彼女の目線が紡ぐ


魔法使い「…魔王ちゃん、勇者に何かされたのね!!」

勇者「なんでそうなるんだよ!」


魔法使いが我が子を狙っている狼を見るような目で睨んでくる。

酷い、俺そんなに信用無いの?


魔法使い「言ってみなさい、何をされたの?大丈夫怖くないから」

勇者「怖いのはお前の思い込みだよ!俺何にもしてないから!!」

魔法使い「勇者には聞いてません」


うわぁ、声が冷たい。魔王、頼む誤解を解いてくれ


魔法使い「私に言ってみなさい。何をされたの?」

魔王「>>193」


192VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 17:04:33.20+gXDP9BAO (1/1)

妾に抱きついて髪撫でたり尻尾を撫でたり…///


193VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 18:32:12.59DUad183Fo (1/2)

魔法使いが考えつくあらゆる事よりすごいこと


194VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 18:32:44.85Y0qn2RLt0 (1/1)

ち、ちょっと昔話をしていただけじゃ!
妾に抱きついて髪を撫でたりしっぽを撫でたりなんかはしておらぬのじゃぞ///
本当じゃぞ///


195VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 20:06:29.38g9YrvldT0 (27/32)

魔王「主が思いつくあらゆるものよりすごいことじゃ」

勇者「へ?」

魔法使い「わ、私が思いつく…………あ、あぅあぅぁう///」


…何を考えているんだろうか、少なくともロクなことじゃないな

顔色が焦りの色から怒りの色になったり恥ずかしさの色になったり、忙しいね。信号機みたいだ

ってそんなこと考えてる場合じゃないよ


勇者「何言ってくれてんだ魔王!!」


こいつこう見えてかなり妄想力あるって言うのに…あぁ、魔法使いの頭の中が覗けたらさぞかしモザイクな世界が広がってんだろうな。…さすがの俺もちょっと遠慮したい


196VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 20:09:43.62g9YrvldT0 (28/32)

魔王「だって…だって本当のことじゃろ?」

勇者「どこがだ!」


ここぞとばかりに涙を浮かべるな!


魔法使い「うわああぁぁあぁぁああぁぁあ、もう勇者なんてしらねえよおおぉぉぉおお」ダッ

勇者「ちょっとぉ!それ誤解だってば!!…足はええ」


あぁ、魔法使いが目も顔も真っ赤にして泣きながら走り去って行ってしまった。


勇者「魔王!お前どう収拾つけるんだよこれ、ってか何がしたいんだお前は!!」

魔王「妾は主との二人旅がしたいだけなのじゃ♪」

勇者「………はぁ」


頭痛してきた…


どうすっかなぁ、今すぐ追いかけるべきか。頭が冷えるまで待つべきか…待つとしてもいつまで待ちゃあいいんだよ


行動自由安価
>>198


197VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 21:42:41.14Dsw3uyaTo (1/1)

安価とりたいけど人がいねえのか

もちろん魔王との二人旅で(キリッ


198VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 21:44:39.83DUad183Fo (2/2)

取らせてやるよ
>>197で


199VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 22:06:36.33g9YrvldT0 (29/32)

勇者「しょうがない。…分かったよ、お前との二人旅な」

魔王「本当に!?本当にいいのじゃな!!」バッサバッサ


尻尾が激しく動いて喜びを示す。ご主人の帰りに喜ぶ犬かお前は……ありだな、今度首輪でも買ってこようか


魔王「くー、やったぞ。妾が勝ち取ったのじゃ!」


何の話だ。何の

…まぁ詮索しないほうがよさそうだな、精神衛生上

っていうかこいつさっきのセリフはこれを狙って言ったな、策士…なんて奴だこの女狐

いや、それは無いと信じておこう。ロリは純粋のはずだ、こいつもそうだと思い込んでおこう。これも精神衛生上


勇者「じゃあもうこの町に用は無いかな」



200VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 22:17:44.22g9YrvldT0 (30/32)

魔王「いや、少し待ってほしいのじゃ」

勇者「何だ?お前も機械兵器に魅入られたか?」

魔王「うむ、たしかにかっこいいが可憐な妾にはどれも似合わぬな」

勇者「大丈夫、最近は可愛い娘が機関銃をぶっ放すハードボイルド萌えアニメがあると聞く」

魔王「なんじゃその矛盾しておるジャンル名…って話を逸らすでない!」

勇者「はいはい、続けていいよ。どのみち名前しか知らないアニメだからこれ以上パロディネタ広げられないし」

魔王「じゃあ最初から使わなければいい話ではないかや」

勇者「おぉ」ポン

魔王「そこで『初めて気づいた』みたいな仕草をするななのじゃ!・・・話を続けてもいいかや?」


うん、結局話は逸れていってたね


201VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 22:26:35.73g9YrvldT0 (31/32)

魔王「魔法使いが言っていた"魔女"少し気になるんじゃ」

勇者「確かに魔法を使うものとして俺も少し気になるな」

魔王「じゃろ?ついでじゃから行ってみぬかや?」

勇者「あぁ、いいぞ…………あんなにフラグ立てといて出さないのも可哀想だしな」

魔王「ところで主よ」

勇者「何だ?」

魔王「妾は居場所知らぬぞ。主は魔女とやらの居場所は知っておるのかや?」

勇者「………あ」


しらねーや


魔王「どうするんじゃ?」

勇者「…だめもとだけど村長にでも聞きに行ってみるか」


202VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 22:28:47.34g9YrvldT0 (32/32)

今日はここまでにして寝ます。おやすみなさい

…ギャグシーンとシリアスシーンの繋ぎをもっと上手にしたいものだ


203VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/12(水) 01:19:35.37flRVWBvco (1/1)

>>198
ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・
乙乙


204VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/12(水) 01:41:52.29PdDBPbLDO (1/1)

乙でした


205VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/12(水) 21:30:47.993L9AG7/G0 (1/1)

おつ


206VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 17:01:51.88XoY4wfRL0 (1/8)

村長「どうも勇者様方、こんな寂れた村によくぞお越しくださいました。」

勇者「どこがだよ。思いっきりお祭り騒ぎだったじゃん」

村長「時に勇者様、あなたにとって正義とは何ですかな?」

勇者「"可愛い"だな、可愛いは正義だ」

魔王「即答かや」

勇者「何を言う、世の中男も女も人間も動物も全て可愛いが正義だろ」ババァーン

魔王「なんじゃその世界観…」

村長「おぉ、その通りですぢゃ。話が合いますな」

魔王「えぇー」

勇者「当たり前だ。なんたってこの世界の全人間の共通認識だからな」

村長「なんとも素晴らしいですな」

魔王「ダメだこの二人、早く何とかしないとなのじゃ…」


207VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 17:09:42.67XoY4wfRL0 (2/8)

村長「では同士よ、何かお困りごとですかな」

勇者「あぁ、村長なら魔女について何か知らないかなと」

村長「魔女ですか、あれはとても可愛らしい…ゴホン、とても恐ろしい方ですじゃ」

勇者「恐ろしい?」

村長「あなた方のように魔女に会いに行かれたかたは何人もいますが…どれも殺され、食われ、生きて戻った方は一人もおらず…」


脳裏に"魔女"予想図が出来上がる。

何百年と生きる老婆、お菓子の家に潜みやって来た子供を捕まえては大釜で煮たりかまどで焼いたり…


勇者「悪い、俺は少し急用を思い出した。それじゃ魔女には魔王だけで会いに行ってくれ、じゃあな。」


早々に退散しなければ


魔王「ちょっと待てい、どこに行くんじゃ主よ」

勇者「あいたたた、耳を掴まないで」


逃走失敗


208VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 17:32:00.91XoY4wfRL0 (3/8)

魔王「何逃げ出そうとしておるんじゃ、それでも勇者かや?」

勇者「だって俺負け戦嫌いだもん、魔女なんかに勝てるわけないし…」

魔王「変態のくせにへたれとかただのダメ人間ではないかや!!」

勇者「痛い、痛い痛い痛い。分かったから耳を引っ張るのは止めて!」

魔王「喜ぶがよい、主も妾と同じケモ耳にしてやるのじゃ」ギュー

勇者「ならないよ、どっちかって言うとドワーフの耳みたいになっちゃうよ」

魔王「大丈夫、そっちの方がイケメンじゃ」

勇者「耳じゃん、顔関係ないじゃん!」

魔王「村長よ、なんだって良いのじゃ、その魔女とやらの居場所について答えよ」

勇者「逃げたい…お願いだから放してー」


209VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 20:10:05.59XoY4wfRL0 (4/8)

その後、結局なんだかんだでいっしょに行く羽目になった


勇者「嫌だよー、この森絶対なんか出るじゃん。昼間なのに真っ暗だし」


定番だよね、まっくらくらい魔女の森…不気味すぎて泣きそう


魔王(何故妾はこのへたれを好きになってしまったのじゃろう…)


勇者「ま・ま・ま・魔王、俺は強くて誰かを守ってくれる人が好きだぞ」

魔王「死ねなのじゃ」

勇者「えぇー!?」


210VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 20:41:49.45XoY4wfRL0 (5/8)

魔女の家


闇夜の魔女「ふっふっふ、ようやく来たのですね。待たせた罰としてボクの仕掛けた罠の実験台になってもらうですよ」

???「お師匠様、なんだか悪役みたいだよ?」

闇夜の魔女「だって怒ってるんですよ!たまには悪者で行きたいのですよ」

???「死んだらどうする?どうする?」

闇夜の魔女「キツネちゃんは大丈夫なのですよ、あんなので死ぬぐらいだったらボクが殺しちゃってますですよ☆」

???「違うよ、勇者さんのことだよお師匠様」

闇夜の魔女「もちろん勇者ちゃんも死んだらこれまでですよ。キツネちゃんもそんな軟弱な男を選ばないはずなのです」

???「アハハ、あれあたしでもきっつかったんだよ?普通の人間には無理だよぉ」

闇夜の魔女「ふっふっふ、じゃあ死ねなのですよー」

???「アッハッハ、この二人じゃ悪役は無理だねー」


211VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 22:05:46.54XoY4wfRL0 (6/8)

勇者「俺こういうの苦手なんだよー、っていうか押さないでよ。恐怖で死んじゃうよ」

魔王「死ぬなら死ねなのじゃ!ほら行くのじゃ」

勇者「無理無理無理、俺は化け物と戦えても幽霊は嫌いなんだよ」

魔王「魔物の中には幽霊みたいなタイプもいたじゃろうが…」

勇者「あれは魔物だからいいんだよ。だって実態あるもん」

魔王「あ、おばけじゃ」

勇者「みゃあああああああああぁぁあああ」

魔王「なんじゃ、その情けない悲鳴は、妾にしがみつくな。あぁもう、ただの冗談じゃ」

勇者「ぐすん、冗談?お化けいない?」

魔王「情けな!なんじゃ主の普段とのギャップ、それでも勇者かや」

勇者「勇者だってな、勇気が出ない者なこともあるのだよ。いつだって勇ましき者じゃないのだよ」

魔王「そう言いながら尻尾をモフモフするななのじゃ。」

勇者「よし、モフモフしてたら元気が出てきた気がする。」

魔王「けっこうこの状況を楽しんでるではないのかや!?」


そりゃな、お化け屋敷に入ったカップルのごとく楽しませてもらうさ


勇者「って、何じゃありゃああぁぁぁあああ。勇者、後ろ後ろおぉおぉおお!」

魔王「何じゃお主、さっきの仕返しかや?そんなテンプレでは妾は動かぬぞ?」

勇者「テンプレはお前の反応だよ、ってかフラグだよ。後ろだ!」

魔王「…これはまたテンプレじゃな」


魔王の後ろに現れたそれは、まんまどっかでみたような歩く大木のお化けだった。


212VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 23:27:57.15XoY4wfRL0 (7/8)

魔王の後ろに現れたそれは、まんまどっかでみたような歩く大木のお化けだった。

怖い顔が幹に彫られた大木が鋭い枝を腕のように振るいながらところどころから現れる。


魔王「ひぃ、ふぅ、みぃ…ふぅ、数えるのが面倒になったのじゃ」

勇者「三つしか考えてねえだろ。40、50、まだまだ増えるな。うん、数えるのが面倒になった」

魔王「怖くないのかや?ヘタレ勇者よ」

勇者「へっ、お前を守るって言ったろ?あれは俺たちを攻撃しようとしている。なら守るために剣を取るだけさ」チャキ


覇王の剣を抜く。怖さは無い、だって倒せるんだもん


勇者「まぁ剣を抜く必要はないな。本物の木々に燃え移らないようにコントロールして火炎呪文で焼き払えばいいんだろ?」

魔王「ならやってみるのはどうじゃ?そんな簡単には見えないがの」

勇者「試してみる価値はあるだろ。最上級火炎呪文、広範囲型!」ボアアァァアア


広範囲に広がる炎の津波が大木お化けを包みこむ


213VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 23:28:39.47XoY4wfRL0 (8/8)

少し少ないけど今日はここまでです


214VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 00:40:36.61jqJFI8Qho (1/1)

乙でした


215VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 14:34:28.89ysm3gXQ30 (1/1)

まぁ炎が効かなかったとして、やり様はいくらでもあるわな


216VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 20:17:57.84FStrwuOE0 (1/7)

勇者「…やっぱそう簡単にはいかないか。そりゃそうだよな、手間が省けるならそれでいいのに」


何がどうなっているかは知らないが炎は全て森の上空を囲う純粋な闇に吸い込まれ、飲まれるように消えていった。


魔王(この独特すぎる術、やはり"闇夜の魔女"というのは「やつ」のことなのじゃな…)


魔王「ハァ…」

勇者「どうした?俺に恋煩いしたか」キラッ

魔王「とっととあやつらを倒してから言うのじゃな、魔法が使えないなら妾の出番は無しじゃ」

勇者「働けよ、魔法が使えないからといって戦えないようじゃ魔王なんか務まらないはずだろ」

魔王「無論そうじゃが、色々な手を尽くして妾の城では敵が魔法封じを使えないようにしてあるからその心配は無いのじゃ。それに妾の魔力は無限大じゃからの、魔力回復薬も大量にもっておるのじゃ」

勇者「バランスブレイカーすぎるだろ。倒せなくて挑戦者が泣くぞ」

魔王「妾は他の魔王のようにバランスを保って負けるようなへまはしたくないだけなのじゃ。というより負け戦などしないだけじゃ」

勇者「鬼畜乙」


217VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 20:45:20.44FStrwuOE0 (2/7)

勇者「さてはてそんなアホい会話をしている内にあいつらワラワラ集まってきたなぁ…」


うーん、一人のショッカーがオールライダーに追い詰められる画像を思い出したなぁ

違うのは俺らがやられ役じゃないって事だ。


魔王「頑張れなのじゃー」バッ、バリボリ

勇者「ポテチ開けてくつろぎモードになるな!ってかどこに隠し持ってた。どこで買ってきた!!」

魔王「まぁ、妾が本気を出せば確かにこやつらは殲滅できるじゃろう…が、鬼神となるのは少し恥ずかしいのでな。」


魔王(それに試されているのは、多分)


勇者「はいはい、俺がやりますよ。派手に魅せるのは嫌いじゃねえしな」スッ


覇王の剣を抜く、さぁ戦いだ


魔王(…こやつじゃ)


①覇王の剣の力を解放、瞬殺する
②覇王の剣の力を解放せずにそのまま戦う

>>219


218VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 21:29:08.48hloLU890o (1/1)

なんか嫌な予感がするからあえての②



219VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 21:30:18.43ranzjSFA0 (1/1)

2


220VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 22:23:06.46FStrwuOE0 (3/7)

勇者「まぁ、封印を解く必要はねえな。行くぜ、相棒」チャキ


覇王の剣を構える。どこからか怪物の唸り声が聞こえた気がした。


魔王(…あれは暴走する心配は無いのじゃろうか)


勇者「はぁっ」ザシュ


もはや作業ゲーです。ってな顔で次々やってくる木々(?)を次々ぶった切る。こいつはマサカリじゃねえんだがな。


勇者「おっと」ヒョイ


すました顔で避けて後ろに立つ大木に剣を突き出す。


勇者「ぬるいぬるい、絵的にも文章的にもつまらねえなぁ…もっと楽しめるような奴は出てこねえのかよぉ!」


グルオオォォオオオオオ


勇者の希望に答えるかのように闇から獣の雄叫びが聞こえた。

そして


勇者「小ボスの登場か?」


現れた者はどんな奴か?

>>212


221VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 22:37:44.13SQ8INpbLo (1/1)

キングボンビー


222VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 22:38:14.68TLOAZ2EIO (1/1)

>>221


223VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 22:45:27.82FStrwuOE0 (4/7)

ぼっちが桃鉄なんかやるかよ
悪いね、名前しか知らんのだよ
再安価
>>224


224VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 22:48:11.01eFWCYQOAO (1/1)

全部の魔法を吸収して回復出きる上物理攻撃の効かないゴースト


225VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 23:24:27.51FStrwuOE0 (5/7)

勇者「…ごめん、俺戦線離脱」

魔王「待つのじゃ。何を逃げようとしておる」

勇者「最悪の敵が出た。ゴーストなんて見るのもいや…ってか怖い」

魔王「よく見ろ!魔物にもいたじゃろあんなの!」

勇者「…何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない何も見えない」

勇者「…よし、自己暗示で何とか怖さを防いだぞ」

魔王「便利じゃな、主の自己暗示」


目の前にいるのは魔物だ。俺の嫌いな姿をしているだけだ。


勇者「うおおぉおぉ!!」


スカ


勇者「何!?」


すり抜けた!?


勇者「…幽霊怖い」

魔王「自己暗示じゃ!!」

勇者「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」

勇者「よし!足腰がくがくだけど一応いける!!」

魔王「かっこつけ損ねておるぞ」


小ボス「オオォォオオォオオオ」


ゴーストが唸り、体を捻ると大量のエネルギー球のような物が飛び出し、勇者めがけて襲い掛かってきた


勇者「ちっ」


226VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 23:26:34.11FStrwuOE0 (6/7)

魔女の家


闇夜の魔女「始まったのです。ボクの最高傑作の性能がどこまでやれるか楽しみなのですよ!」

???「お師匠様、完全に趣旨変わってるね。試すのは勇者さんじゃなかったの?」

闇夜の魔女「どっちもなのです。」



227VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/14(金) 23:29:03.22FStrwuOE0 (7/7)

本当はもうちょっと書きたいけど明日は部活なんかで早いから寝ます
今日はここまで!解散


228VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/15(土) 00:20:17.25Ws+J1iEJo (1/1)

乙でした


229VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/15(土) 20:05:49.92rxkVU1yt0 (1/4)

集合!


230VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/15(土) 20:06:20.38rxkVU1yt0 (2/4)

ヒュ


避ける。


勇者「数が多いな。だが、俺をやるには手数が足りねえよ」


覇王の剣を構える

こいつで全て叩き落してやる


勇者「剣技、神狩り鎌(カガリガマ)!!」ブウゥゥン


神さえも狩る大振りの剣技が空気を引き裂く。


勇者「な!?」-ザシュ


剣はエネルギー球をすり抜けて地面に亀裂を作る。


勇者「ぐぁああああ-」


体中に痺れるような痛みが走り、記憶が一瞬消し飛ぶ


231VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/15(土) 20:42:49.60rxkVU1yt0 (3/4)

ゴーストはニヤニヤ笑っている。三日月のようないやらしい笑みだ


勇者「物理は効かない、魔法はさっきのように闇に吸い込まれるだけだろう、しかもあいつの攻撃は防げない…」


どうする


魔王「ファァアー」


魔王は力貸してくれそうにないし…ってか欠伸とかひでえ

ま、欠伸の間抜け面が可愛いからいいか…ってそんな場合じゃねえ


ゴースト「フィエエエエエエ」ヒュンヒュンヒュン


先ほどよりも多くの数のエネルギー球が飛ぶ


勇者「覇王の剣のもう一つの力を使うか」


この剣にはいくつか特殊な力があるらしい。

その一つが

魔力で作られた魔法的エネルギーの産物を吸い取る能力


232VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/15(土) 22:30:28.50rxkVU1yt0 (4/4)

勇者「俺の魔力もやるぜ相棒」

勇者「-くえるくとぅるー いあどまるどるく えぐどりあくと まきむとるくるく だーく おーるど わん とりたみな -」


ちょっとした呪文を唱える。


勇者「覇王の剣、モード、吸収」


ウォォォオオオォォオオオ


覇王の剣が咆哮と共に黒く光る。深淵の底より深く、闇よりも濃い黒い光だ。


ゴ、ギュルルルルルルル


全てのエネルギー球が剣に吸い込まれてゆく、いやそれだけでは無い。


魔王「おぉ」

勇者「!?こりゃあ…」


233VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 00:17:31.67hz8p8EgQ0 (1/2)

ゴースト本体と闇が覇王の剣に吸い込まれてゆく

森を覆っていた闇もゴーストも全てが吸い込まれて消えていった。

闇が晴れ、明るくなるとようやく剣は止まった。


魔王「終わったかや?凄い性能じゃなその剣」

勇者「本当に最後まで傍観決め込みやがって…この剣にはまだまだ秘められた性能があると俺は思うぞ」


「その剣の秘密を知りたいのですか?」


勇者「誰だ!?」チャキ

闇夜の魔女「君たちが探していた魔女なのですよ。にぱー☆」


そう言って森の奥から現れたのは全身を夜色のゴシックロリータ調のドレスで包み、黒猫の耳と尻尾が生えている幼い少女だった。


闇夜の魔女「ボクのお家にようこそなのです。歓迎しますですよ、勇者ちゃんもキツネちゃんも」


234VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 00:18:00.74hz8p8EgQ0 (2/2)

今日はここまで、解散!


235VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 00:26:13.83e64aZI1so (1/1)

ひょおおおおおおおお
ねこみみいぃぃぃぃぃぃぃ
狐っこぉおぉぉぉぉぉぉぉ!!!

乙乙


236VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 14:57:36.43YtnIe6ifo (1/1)

乙でした


237VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 15:43:09.78g8YrF8GAo (1/1)

おつかれ




238VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 22:35:43.26dlLlP/3B0 (1/8)

>>235

勇者「ケモ耳最高ー!狐最高ー!!」

勇者「あぁ、狐尻尾、猫耳、尻尾、狐尻尾!もふもふ、もふもふもふもふもふもふ、くんかくんか、あぁ、もfmふくんかくんヵもふもふもふもふもふおうふ」

魔王「落ち着けなのじゃ!!」ゲシ

勇者「もふもf・・ぶべら!」


はっじまっるよー


239VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 22:36:31.36dlLlP/3B0 (2/8)

王よりも年下に見える幼い少女

廃退的な美を備えた黒いゴシックロリータ調のドレスを着込み、黒い魔女帽を被っている。

冬の夜空のように澄んだ吸い込まれそうな黒い瞳、星を散りばめたような綺麗な夜色の長いさらさらな髪

そして、魔女帽を突き破って生えているように見える黒い猫耳とスカートの中から出ている猫の尻尾

それが表すことは、魔王と同じ…妖怪の類だということ


魔王「やはり魔女とゆうのは主のことかや、出世したものじゃな」

闇夜の魔女「キツネちゃんよりもボクは魔法の才能がありましたのですよ」

勇者「お前、こいつ知っているのか?ってか仲悪そうだな」


こっそり耳打ちする。


240VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 22:43:23.16dlLlP/3B0 (3/8)

魔王「幼馴染じゃが昔っから気に食わぬ奴なのじゃ、本当ならもう会いたくなかったのじゃ」


尻尾が不機嫌そうに揺れる。不機嫌そうにでも揺れてるモフモフ尻尾は可愛いです。


闇夜の魔女「そう言いながら結局会いにきてくれたキツネちゃんはツンデレさんなのです☆」

魔王「…むかつくのじゃ」

闇夜の魔女「にぱー☆」


挑発するように笑う魔女とますます不機嫌になる魔王、面白いなこの二人


241VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 22:51:53.88dlLlP/3B0 (4/8)

闇夜の魔女「さて、勇者ちゃんに会うのは初めてなのです、だから一応自己紹介をしますですね」


そう言うとにぱーと笑いながら長い髪をふわりと浮かせてその場で回る。後ろを向いたときに見えた尻尾は

先で二本に別れていた


闇夜の魔女「ボクは妖怪猫又にして、全ての闇を見通す夜の支配者、『闇夜の魔女』なのです。」

勇者「猫又か、だから尻尾が二本なんだな」

闇夜の魔女「フフ、それを言うならキツネちゃんはもっと凄いのですよ。九本ありますです」


魔女はそう言いながら家の扉を開けて「ボクのお家にようこそなのです。」と笑顔で入るように促す。


242VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 22:53:51.77dlLlP/3B0 (5/8)

勇者「お前九尾の化け狐だったのか?」


とても九本あるようには見えない


魔王「うむ、じゃが全て出すと妾の妖力が大きすぎて敵に察知されてしまうのでな、いつもはしまっておるのじゃ」

勇者「へぇ、どこにしまっているんだ?スカートの中か?」


気になるのでめくってみよう


魔王「なにするのじゃ!」ゲシ!

勇者「ぶべらぁ!」


久々の後ろ回し蹴りが顔面にクリーンヒット▼

快心の一撃、勇者は倒れた▼

魔王は経験値をゲットした▼


243VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 23:11:53.03dlLlP/3B0 (6/8)

勇者「って、殺す気か!」

魔王「ちっ、死ななかったか」

勇者「何か不吉なフレーズが聞こえた!?」

闇夜の魔女「アハハ、違うのですよ。キツネちゃんは一応変身能力がありますです。それでいつも一本に見せているだけなのです。」

勇者「ってことは耳も尻尾も取り去ることも出来んのか」

魔王「うむ、出来るのじゃ。しかしこのモフモフ尻尾と狐耳は妾のアイデンティティなのでな、決して取り去ることはありんせん。一本は残しておくのじゃ」

勇者「九本になるところが見てみたい!」

魔王「ダメじゃ」

勇者「えー」ブーブー


244VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 23:24:32.44dlLlP/3B0 (7/8)

魔王「何子供みたいな拗ね方しておるんじゃ!さっきも言ったじゃろうが、妾は尻尾を出したら妾独特の妖力が漏れて敵に察知されてしまうのじゃ」

勇者「みーたーいー」ジタバタ

魔王「駄々っ子かや!」

闇夜の魔女「見せてあげればいいじゃんなのです。ボクの暗闇の結界が張ってある限りはこの森の中で起こっていること、魔力や妖力も外に漏れ出したり察知されたりされることはなありませんです」


窓から身を乗り出しながら暗闇の結界を張りなおしている魔女がそう言う。

そういえばさっき覇王の剣が全部吸い込んじまったんだっけな

それを考えると、この剣に吸い込まれたものはどこに行くんだろう…とも考えてしまう。

もしかして自らの糧としている?

何のために?今まで貯めた魔力を開放するモードがあるのか?この剣の中に封じられている者の封印を強くするためか?それとも…


封印を完全に解くため………



…俺はもしかしたら何かとんでもない勘違いをしていたのだろうか、この剣はそんな便利な物ではなく、もっと本当に恐ろしい何か…


245VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/17(月) 23:25:26.12dlLlP/3B0 (8/8)

少ないですが、今日はここまでで
おわるよー


246VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 01:02:43.49mqCbDbBVo (1/2)

乙でした


247VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 22:27:39.98hxdub8lm0 (1/5)

やばいな、今日は時間も書き溜めも無い…

後三十分で書けるだけ書く


248VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 22:28:13.57hxdub8lm0 (2/5)

魔王「あー、分かった分かった。今見せてやるのじゃ」

勇者「マジで!?」キラキラ

魔王「凄い目がキラキラしておるぞお主…」


そりゃなるさ、だってもふもふ×9でしょ!?さっきまで考えていた背筋も凍るような考えが些細なものに思えてきたよ!!


魔王「はぁ、見ておれ」ザワザワ

勇者「おぉー」キラキラ


すげぇ、モフモフ×9だ!価値は×9000だ!!


魔王「何の価値じゃ…」

勇者「やべぇ、モフモフが俺を呼んでる!」

魔王「妾は呼んでおらぬわー!こ、これ強く握るでない!!うひゃあ、もっと優しく触らぬか」


ルパンダイブで九本のモフモフに飛び込む、触り心地が凄くいいよこれ半端無い


249VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 22:42:28.83hxdub8lm0 (3/5)

勇者「もふもふ、もふもふもふもふもふもふ、くんかくんか、あぁ、もfmふくんかくんヵもふもふもふもふもふおうふ」

魔王「使い回しじゃないかや!!」

勇者「あぁ、やばいよ。気持ちよすぎだよこの毛並み!好きだわー、この毛並みいいわー」

魔王「そ、そりゃあ、毎日毛づくろいは欠かしてないからのぅ///」

闇夜の魔女「キツネちゃん顔赤ーい」アハハハ

魔王「うるさいわ!」

勇者「やばい、これを布団にして寝たいぐらいのもふもふ感と面積!ここどこ?天国」

魔王「天国でも何でもかってに逝っておれ」

勇者「あぁ、マジ天国だわこの毛並みは!今すぐ毛刈りして俺専用の布団に仕立てたい!!」

魔王「させるわけないじゃろうが!ってかいつまでやっておるつもりじゃ!!」サッ

勇者「イテッ」ドガッ


無理矢理引っぺがされる。


魔王「まったくなのじゃ、もうしまうぞ」サー

勇者「あぁ、俺のもふもふ…」

魔王「妾の尻尾なのじゃ!…で、でもたまになら触らせても-」

???「お師匠様ー、飲み物持ってきたよー」


魔王の小さすぎて聞き取れないセリフを遮って女の子が飲み物を持って入ってきた


250VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 23:06:29.09hxdub8lm0 (4/5)

その女の子は闇夜の魔女とは対照的に明るい色の服を着た子だった。

オレンジ色の髪、金色の瞳、赤や黄色などの明るい色の今風の服を着たヒマワリのような笑顔の女の子、見た目的には魔王や魔女よりもありそうだ。

っていうか確実にその二人よりも背も胸もでかい


闇夜の魔女「あ、お疲れなのですよ。紹介するのです、ボクの弟子の暁の魔女見習いなのです。」ニパー

暁の魔女見習い「始めましてだよ。あたしはお師匠様の弟子なのー」ニパー

勇者「似てる…」

魔王「ってかお主は弟子は取らぬ主義ではなかったかや」

闇夜の魔女「まぁね、その証拠に村長に"魔女は人を食う"って噂を流させたのはボクだもん」

勇者「それで来る勇気があるかどうか試したと?」

闇夜の魔女「うん、次にあの森とボクの仕掛けを突破できるかだね。」

魔王「それで最後に面接試験かや?ずいぶん狭き門じゃな」

闇夜の魔女「アハハ、森を突破できない程度の人に教えることなんて何もないよ。勇気がないのは論外だよ☆」

勇者「で、それで受かったのがこの子か?」


魔女のとなりでにぱー☆と笑うヒマワリのような女の子を見る


闇夜の魔女「そうだね、その子は見た目充分に素質はあるよ。肝は据わってるし魔力も記憶力も精神力も全部そろってるよ」

暁の魔女見習い「えへん、すごいでしょ。もっと褒めてよ、お師匠様♪」

闇夜の魔女「そして可愛いもん」ナデナデ

暁の魔女見習い「えへへ~」


頭を撫でる。この二人も可愛いなぁ、見た目的に言えば撫でるほう逆じゃないかな?


魔王「主が褒めるなど、相当なものなのじゃな」

闇夜の魔女「うん、弟子ちゃんはいずれすっごい魔女になるんだよ。ボクを継いで、いやボクとは真逆に」


闇夜の魔女「全ての闇を照らす朝焼けの光、"暁の魔女"として魔女七席の末席に座ることを許されるさ」


その夜色の瞳には確信と野望の光が渦巻いていた


251VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 23:07:43.11hxdub8lm0 (5/5)

もう三十分経ったか、はやいなぁ。授業中もこれだけ早く感じればいいのに…

と言うことで今日はこれだけ


252VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/18(火) 23:10:29.47mqCbDbBVo (2/2)

乙でした


253VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 16:31:42.41D2thExu/0 (1/1)

おつ


254VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 18:50:16.754w8b7Z9M0 (1/14)

さて、今日も始めようか


255VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 18:53:53.684w8b7Z9M0 (2/14)

魔王「主がそこまで人を褒めるとは珍しいこともあったのじゃな」

夜の魔女「そうかもねなのです。でもそれを言うならキツネちゃんもずいぶん丸くなったのです」

勇者「そうなのか?」

夜の魔女「それはそれは、大妖怪の名にも魔王の名にも恥じない凶暴さんの暴れんぼうさんのときもあったのですよ」


信じられん…この可愛い狐っ娘にそんな不良さん時代があったなんて


魔王「誰にでも知られたくない過去と言うものはありんす。それ以上喋ったら殺すのじゃ」ジ


夜の魔女を睨め付けて言う


夜の魔女「キツネちゃんがここまで可愛くなったのは勇者ちゃんのおかげでもあるのです。キツネちゃんの友人として勇者ちゃんにはいくら感謝してもしたりないのです。にぱー☆」

魔王「な、な、何を言っておるんじゃ///」

夜の魔女「どうしたのキツネちゃん、顔が真っ赤なのですよ?真っ赤なのですよ?」


大事なことなので(ry


256VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 19:32:13.044w8b7Z9M0 (3/14)

魔王「ぐぬぬ、許せんのじゃ!殺すのじゃあ」

夜の魔女「やってみろなのですよ。鬼さんここまでおいでーなのです」


家の中をくるくると踊るようにして走る二人は本当に輝いて見えた。

あぁ、時間が経つのが惜しい。


勇者「このまま、時間が止まらないもんかな。何も起こらず幸せなまま」


何気なくつぶやいたその一言、それがこの何よりも楽しい時間を壊してしまった。


暁の魔女見習い「…その望みを願うには、もう何もかもが遅すぎるんだよ………」

勇者「え?」


空気が凍りつく、まるで俺が忘れていたかった悪い知らせを思い出させたように

そして、その例えは的を射ていたのかもしれない


257VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 20:01:11.424w8b7Z9M0 (4/14)

夜の魔女「そうだったのです。ここでキツネちゃんたちを待っていた目的を忘れていたのです。」

魔王「目的、そんなものあったのかや?」

夜の魔女「はい、キツネちゃんも気づいているはずですよ。木々や風が噂していますです、星々や月が恐怖に駆られているのです。」

勇者「おい、何の話だよ…天変地異でも起こるってのか?」

夜の魔女「その程度のレベルではありませんです。もうすぐ、自然の摂理を完全に捻じ曲げる程に恐ろしく禍々しい災厄が外宇宙からやってきますです」


夜の魔女「強大で名状しがたい恐怖、それがボクたちですら知る由もない異次元の彼方からやってくるのです。」


それはあまりにも大きすぎる、地球規模の余命宣告

…時間は、あまり残されてはいない


258VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 20:18:11.834w8b7Z9M0 (5/14)

勇者「なんだよそれ…どうしようもねえじゃねえか。そんなでかすぎるのをどうしろってんだよ」

魔王「主よ…」


二人して言葉を無くしてしまう。そりゃそうだ


勇者「勇者っつったって、俺にもどうしようもねえよ…」

夜の魔女「ふふ、違いますですよ勇者ちゃん、勇者ちゃんだからこそ、この災厄を振り払えるのですよ。」

勇者「それってどういう…」

魔王「まさか、その剣」

勇者「へ、覇王の剣か?」


確かにこいつは便利だがそんな強大な敵に対して使えるのか?


夜の魔女「この剣は特別なのですよ。勇者ちゃんはその"特別"に選ばれたのです。」


259VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 20:22:43.544w8b7Z9M0 (6/14)

>>255~258

×夜の魔女

○闇夜の魔女


丸々間違えてたOTL


260VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 20:34:22.294w8b7Z9M0 (7/14)

勇者「じゃあこの剣があれば、世界の危機を救えるってのか?」

闇夜の魔女「ただし、よくある修行編を生き残らなければいけないのです」

勇者「は?」

闇夜の魔女「その剣の本当の力を勇者ちゃんはまだ引き出せてはないのですよ。」

魔王「ちょっと待つのじゃ、その剣の正体を主は」

闇夜の魔女「分かっていますですよ。リスクも何も全て」

魔王「ならば何故なのじゃ!」

闇夜の魔女「リスクが大きいということはメリットも大きいのですよ。とくにこれはなのです」

暁の魔女見習い「お師匠様はすごいのですよー、なんでも見通せるのですよ」

魔王「しかし」

闇夜の魔女「キツネちゃん、そのために修行編突入なのですよ」




魔王は何を言ってるんだ?確かにこいつは魔力なんかを吸い取るが気をつければいいだけなのに…


261VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 21:02:57.174w8b7Z9M0 (8/14)

勇者「なぁ、こいつはそんな危険な物じゃ」

闇夜の魔女「充分危険なのですよ。例えるならば猿がマシンガンをそれと知らずに撲殺用に使っているようなものなのです」

勇者「例えが酷いな」

闇夜の魔女「ちなみにもうすぐ"トリガーを引く"ということを覚えそうなのです。誰に銃口を向けて引くのかは神のみぞ知るなのです。」

勇者「だから例えが酷いって」

闇夜の魔女「では撲殺用に爆弾を使っているのです。もうすぐ"起爆スイッチを押す"ことを覚えてしまいそうなのです」

勇者「被害が広がった!?」

魔王「実際それほど怖いものだと思うのじゃ…」


262VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 21:25:05.834w8b7Z9M0 (9/14)

闇夜の魔女「まぁそういうことで-」

勇者「-ちょっと待った!お前、この剣のことを教えてくれるとかさっき言ってなかったか!?」

闇夜の魔女「言いましたですよ。それを知るための修行編でもあるのですよ。」

勇者「え?そうなの?」

闇夜の魔女「なのです♪その剣はルルイエのものですね?」

勇者「あ、あぁ、そうだが…」

闇夜の魔女「では古代遺跡の町『無銘都市』に向かうのです」

勇者「無銘都市?あそこ古代遺跡なんてあったっけ?何も無かったような…」


本当に何もないただの町だったはず。少なくとも魔王城に行く前に立ち寄ったときはそうだった。


闇夜の魔女「つい数年前に発掘されてしまったのですよ。…もしかして何かの前触れだったのかもしれないのですよ。」


発掘されて"しまった"?


263VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 21:52:21.414w8b7Z9M0 (10/14)

勇者「で?その古代遺跡に何かあるのか?」

闇夜の魔女「"何か"どころの騒ぎではないのですよ。人間も妖怪も魔物も、現存する全ての知的生命体の祖先が生まれるずっと前に建てられた超古代先史文明の遺跡なのです」

魔王「超古代先史文明かや、それは少し興味あるのじゃ」ワサワサ


おい、さっき俺の心配をしてたのはどうした


勇者「でもそんな大昔の遺跡に何があるってんだよ」

闇夜の魔女「その剣の秘密と太古から続く大いなる宇宙の秘密なのです」


先生、前者と後者の規模のギャップについていけません


264VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 22:12:37.084w8b7Z9M0 (11/14)

闇夜の魔女「未来の闇を見通すボクの魔術に狂いは無いのですよ。その町に行けば何もかも上手くいくはずなのですよ」

勇者「うさんくせえ…」

魔王「主よ、この化け猫を疑いたくなる気持ちは激しく分かるのじゃが。残念なことに本物じゃ、妾はこやつを擁護したくはないが、保障はするのじゃ」

闇夜の魔女「さすがキツネちゃん、ツンデレ可愛いのです♪」

魔王「ちっ、ふざけんななのじゃ」


あの魔王が俺以外に舌打ち!?いったい何があったんだこの二人…


265VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 22:37:35.034w8b7Z9M0 (12/14)

勇者「まぁいいか、行ってみるさ。いいな?魔王」

魔王「うむ、妾は主にどこまでもついて行くのみなのじゃ」

勇者「じゃあ…あ、そういえば」

魔王「どうしたのじゃ?主よ」

勇者「しまった…無銘都市っていえばあいつがいるのか。あー、会いたくねえなぁ…」

魔王「仲の悪い奴でもおるのかや?」

勇者「あぁ、仲が悪いどころか会った瞬間殺しかかってくる厨二病馬鹿がいるんだった…」

闇夜の魔女「それも大丈夫なのですよ。」

勇者「あ、そうなの?」

闇夜の魔女「心配は完全に無いのです♪心配も無いのですよ」


いい笑顔だなこいつ、闇夜の魔女なんて言うから怖いイメージしかないけど可愛い子だ。となりから魔王の舌打ちがまた聞こえたが聞こえなかったことにしよう。


暁の魔女見習い「お師匠様、大変だよー事件だよー」


セリフの内容とは真逆に緊張感のカケラも無い声が響く、真っ黒な夜色の水晶球を手にした魔女見習いが立ち上がって言う


闇夜の魔女「どうしたのです?見習いちゃん」

暁の魔女見習い「魔物が大量にウィチルラルクに攻め込んできたんだよー」


266VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 23:14:54.524w8b7Z9M0 (13/14)

魔王「なんじゃ、もう生きておるのがバレたのかや」

勇者「あれ?お前追い出されたんじゃなかったのか?」

魔王「本当は殺される予定だったのじゃが、信頼おける部下に頼んで色々偽装したのじゃ。奴らにバレるまでは『敵を騙すにはまず味方から』なのじゃ」

勇者「ふーん、それにしちゃ早いな」

魔王「いや、あ奴はよくやってくれたのじゃ」

闇夜の魔女「まあ、キツネちゃんは黙っていてくださいなのです。ここはボクの町なのですよ。ボクが守りますです。見習いちゃん、数は?」

暁の魔女見習い「うーん、三秒あれば町殲滅できちゃうぐらい」

闇夜の魔女「ボクを基準に考えると?」

暁の魔女見習い「遊びながらでも一瞬で全滅だね。魔物たちのほうが」


それを聞くと魔女はぞっとするような笑顔を浮かべた。見るものを冬の闇夜のように底冷えさせる狂気に満ちた笑顔だ


闇夜の魔女「それじゃ、見習いちゃんが言うように遊びながら全滅してくるです。キツネちゃんたちは手を出さないでくださいなのですよ」

勇者「そういうわけにはいかねえよ。どうせあいつらの狙いは俺たちだ。手伝うぜ」

暁の魔女見習い「やめておいたほうがいいよ。お師匠様の"遊び"に巻き込まれちゃう」

闇夜の魔女「そういうことなのです。ボクの町に踏み込んでくる災厄はボクが振り払うのです。勇者ちゃんたちはその水晶で鑑賞していると良いのですよ」

勇者「だけど…」

魔王「主よ、・本・当・に嫌々じゃが、強さだけなら妾の唯一認めておる親友じゃ。心配は要らぬ」


「本当に」の部分を強調して言う


闇夜の魔女「ありがと、ツンデレキツネちゃん♪」

魔王「前言撤回じゃ、一度殺されてみろなのじゃ!!というか妾が殺す、そして生き返らせて殺してを繰り返してやるのじゃ」

闇夜の魔女「やれるものならやってみろですよ、じゃあ行って来るです。ちゃんと水晶でボクの活躍を見ていてくださいなのです。」


闇夜の魔女は夜色の闇に包まれて煙のように消えていった。


267VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/19(水) 23:15:47.894w8b7Z9M0 (14/14)

今日はここまで、また明日


268VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 00:08:45.99PmtSnCc/o (1/2)

乙でした


269VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 00:48:47.82AJcycYxKo (1/1)

すまん

魔法使いちゃんはどうなったんでしょう・・・


270>>12012/12/20(木) 15:12:55.93MCYU/DSk0 (1/15)

>>269
安価で魔法使いは置いていって勇者と魔王の二人旅と言うことになったからその後は考えてなかったわww

じゃあ多数決でこの後魔法使いを出すかどうか決めよう、締め切りは今日中↓から始め!

あと、今日は用事があるからそれが終わり次第投下する。(何時になるかは不明)


271VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 16:48:31.54VoyZcoi8o (1/1)

おつー

魔法使いも出してイチャラブ展開を所望するお


272>>12012/12/20(木) 19:17:54.42MCYU/DSk0 (2/15)

さて、これから投下を始める。
投下途中にも多数決のレスしていいからね?


273>>12012/12/20(木) 19:19:21.51MCYU/DSk0 (3/15)

水晶球を覗き込むと、確かにやばい数の魔物の大群がやってきていた。

まだ町中には入ってきてはいないが、進行方向は間違いなくこの町、そして町の中にあるこの森の中だろう。

正に数の暴力、あの数を動員してくるということはどういうことか

そう、裏を返せば新魔王は俺たちに生きていてほしくないのだ。

いける、俺たちに生きていてほしくないということは俺たちなら新魔王の企みをぶっ潰せる可能性があると相手は思っているのだ。

可能性がゼロならわざわざこの数を動員しては来ないはずだからな

だが、困った。これからもこの数が攻めてくる可能性があるということか…まぁ来る度ぶっ飛ばせばいいだけだけどな、なんとも単純明快

水晶球を見ていると魔物たちの前に"闇"が現れる。闇夜の魔女の特殊な魔法なのだろうか、消えたときと同じようにその純粋な闇からスッと闇夜の魔女が出てきた。

それを見たであろう町の人たちの歓声が聞こえてきた。


「魔女様が来たぞー」「これで一安心ね」「もうおしまいだぜ魔物ども」「魔女様そんな奴ら消し去っちまえー」


勇者「凄い人気だな」

暁の魔女見習い「そりゃそうだよ、お師匠様はこの森に住ませてもらう代わりにこういった用心棒っぽいことをしているからね。今まで何度も守ってきたんだもん」

魔王「それであんなに慕われておるんじゃな、面白くもない」


魔王がまたご機嫌斜めだ、あとでまた肉とか奢るかな


魔王「主は食い物で釣る以外にももっと覚えるべきじゃ」プイ


拗ねられてしまった…何故だ


274>>12012/12/20(木) 19:22:49.76MCYU/DSk0 (4/15)

魔物「何だ貴様は」


魔物が進撃をいったん止めていきなり現れた魔女に眉をひそめながら話しかける。


闇夜の魔女「それはこちらのセリフなのです。この町に何の用ですか?」

魔物「勇者と元魔王がこの町にいるはずだ。差し出せば悪いようにはしない」

闇夜の魔女「断るです。」

魔物「何?」

闇夜の魔女「その二人ならここにはいないと言っているのです。」

魔物「何故庇うかは知らぬが隠し立てしても何にもならないぞ」

闇夜の魔女「ふふふ」

魔物「何がおかしい」

闇夜の魔女「いえ、魔物の情報網も案外たいしたことはないのですね。と思ったまでのことなのです。その二人ならすでに旅立っていったですよ」

魔物「…仮にそうだとしてもこの町は我らの同胞を沢山殺してきた武器を大量に生産、出荷している。いないなら潰させてもらうぞ、さぁ早く差し出せ」

闇夜の魔女「断るです。」

魔物「ならば貴様も町もまとめて潰してから探す」

闇夜の魔女「ふふふ、くっくっくっく」


魔女は笑う、冬の夜風にように身を引き裂くような冷たい笑みと笑い、そして"闇夜の魔女"の名に相応しく、見た目の幼さに相応しくない邪悪な顔


275>>12012/12/20(木) 19:25:47.50MCYU/DSk0 (5/15)

闇夜の魔女「誰が誰を潰すって?」

魔女は空に向かって吼えるように一頻り笑った後、続ける。

闇夜の魔女「下等な魔物ごときが、ボクを潰すと言いましたですか?魔女七席の座に名を連ねるこのボクを?」

闇夜の魔女「やってみろですよ。後悔してももう遅いのです、君たちに勝ち目は万に一つも無いですよ。」

魔物「威勢のいいことだな、ガキのくせして」

闇夜の魔女「その言葉そっくりそのままお返しするですよ。」


闇夜の魔女「ケツの青いガキが!!大人ぶるにはまだ2000年早いのです」ギン


276>>12012/12/20(木) 19:27:43.58MCYU/DSk0 (6/15)

魔物「ふざけるな、やっちまえお前ら!」

闇夜の魔女「暗黒の闇に呑まれて混沌の最奥、深淵の最果てに消えろなのです」


魔女が右手を挙げると手の平から闇が広がる


魔物「な、なんだこれは…」


魔物が狼狽えるのも仕方ない、何故なら上空に伸びたその"闇"は魔物たちの真上でドーム状に広がり、逃げる間もなく魔物たちと魔女とを囲み、外界から隔絶した。

水晶球の視点も"闇"の中に移る。


魔物「なんだこれは、卑怯だぞ貴様」

闇夜の魔女「数の暴力をしかけてきたやつに言われたくはないのです。にぱー☆」


どこからかそんな声がするが魔物たちはどこから聞こえているかは分からない、互いの姿は見えど敵である魔女は完全に闇に同化し、溶け込んでいる。


277>>12012/12/20(木) 19:29:16.21MCYU/DSk0 (7/15)

闇夜の魔女「ボクはここなのですよ、分かりませんですか?」


分かるはずもない、"闇"に完全に溶け込んでいるのか声は"闇"全体から響いているのだ。


闇夜の魔女「そっちから来ないならボクから行くのですよ」


ぞっとするような冷たい声がして、瞬間魔物の叫び声とうめき声で埋め尽くされた。

見えない牙と爪により一瞬で噛み千切られ、引き裂かれ、たちまち漆黒の闇に血の赤が滲む。


魔物「う、うわぁあぁああぁぁぁ。ちゅ、中級閃光魔法!」


魔物の閃光魔法が辺りを照らす。魔女には当たらなかったが、その姿を一瞬照らす。

その姿は巨大な黒猫、いや巨大な黒い虎だ。

尻尾が途中で2本に分かれている真っ黒な虎

しかしその姿は再び闇に包まれ、見えなくなった。

そして、再び悲鳴が木霊する


278>>12012/12/20(木) 19:33:23.01MCYU/DSk0 (8/15)

闇夜の魔女「なんだ、全然大したことないのです。手加減はしましたのですからせめて全員で一分は保ってほしいのです。」


闇が晴れた時、そこには肉塊が浮かんだ真っ赤な大きい水溜まりと、鮮血を浴びて黒いゴスロリ服を赤く飾った残忍な魔女が佇むのみだった。


町長「いやいや、魔女様ありがとうございます。あなたのおかげでまたこの町は救われました」

闇夜の魔女「ボクもこの町には色々助けてもらっているからお互い様なのですよ。にぱー☆」


先ほどとはうって変わって明るい笑顔で言う。


闇夜の魔女「でもかなり汚してしまったのです。」


そう言うと再び闇を手のひらから作り出す。


闇夜の魔女「お掃除なのですよー」


かけ声に合わせて手のひらの闇が蠢き、うねり、伸びた。

それはまさに闇の触手

その触手が鮮血の水溜まりの中をまさぐり、雑多にちりばめてある肉塊に触れるや否や、質量保存の法則を完全に無視して闇の中に吸い込んだ。


闇夜の魔女「はい、お掃除終了なのです」


たった数秒で肉塊と血溜まりは手のひらの小さな闇に全て吸い込まれて、跡すら残さず消えさった。


279>>12012/12/20(木) 19:34:33.62MCYU/DSk0 (9/15)

町長「いやはや素晴らしい腕前ですな」

闇夜の魔女「お世辞はけっこうなのですよ。それではボクは戻るのです。」

町長「はい、明日お礼の品といつもの食料を持って改めてお礼に行かせてもらいます。」

闇夜の魔女「この時期は魚に期待しておくです。」


そう言いながら闇夜の魔女は闇に包まれて消えて行った。


280>>12012/12/20(木) 19:37:31.51MCYU/DSk0 (10/15)

闇夜の魔女「ただいまですよー、キツネちゃん勇者ちゃん、ボクの活躍を見てくれてましたですか?」

勇者「うん、すごすぎる。すごすぎてすごさがよく分からなかった。」

闇夜の魔女「じゃあボクと闘ってみる?」

勇者「遠慮しとく、闇に飲まれたくない」

暁の魔女見習い「ところでお師匠様、なんで魔術も魔法も使わなかったの?」

勇者「え、あの闇のドームは違うの?」

闇夜の魔女「だって、ボクが魔術使ったら瞬殺しちゃって見せ場がすぐ終わっちゃうのですよ」

勇者「いや、充分瞬殺だったろ」

闇夜の魔女「ちなみに、"闇"はボクの固有の妖術なのですよ。」

勇者「あんなすごいのを生まれ持ってるとかすげぇ。」

暁の魔女見習い「そうだよー、お師匠様はすごいんだよー」

闇夜の魔女「その通りなのですよー、ボクはすごいのですよー」


可愛いなぁ、撫でたくなってきた


281>>12012/12/20(木) 19:45:50.17MCYU/DSk0 (11/15)

書き溜め切れた。さぁ書くか


282>>12012/12/20(木) 19:55:24.41MCYU/DSk0 (12/15)

勇者「本当にすごいなぁ、よし撫でてやろう。」ナデナデ


闇夜の魔女「えへへ、勇者ちゃんに撫でられちゃったですよー」


魔王とはまた違った反応でいいなぁ

とか思っていたら後頭部に衝撃と痛み


暁の魔女見習い「あちょー」ゲシッ

勇者「のわー」ドガッ


デレデレしながら頭を撫でてたら魔女見習いにライダーキック食らった。


暁の魔女見習い「こらー、あたしのお師匠様に触るなー!」

魔王「そうじゃ、主が妾以外を撫でるなど許さぬ」グリグリ


そんでもって魔王にジト目でグリグリ踏まれる。ケモ耳幼女にジト目で踏まれるとかマジヤバイよ、すごい興奮するよこれ

でも欲を言えば痛い靴じゃなくてニーソがいいです。痛いのは嫌いなんです。


勇者「あいたたたた、どうしたのキツネちゃん?嫉妬?」

魔王「なっ、…死ねなのじゃ///」ドガッ

勇者「ブゴッ」


全力の踵落としを腹に食らいました。調子に乗りすぎましたさーせんwww


283>>12012/12/20(木) 22:00:24.96MCYU/DSk0 (13/15)

そのまま気絶をし、目が覚めると魔王は旅支度を済ましていた。


魔王「ほれ、起きたかや?そろそろ出発するのじゃ」

勇者「え?もうすか?俺もう少し魔女ちゃんと戯れていたいんだけど」

魔王「ふざけるななのじゃ、妾はとっととあ奴から離れたいのじゃ」

闇夜の魔女「にぱー☆」


うん、疲れ果てた顔の魔王と北極星のように輝ききった魔女を見るだけで何があったかわかるね。


勇者「俺が眠っている間にからかわれ続けたとかそんな感じか?」

魔王「…いいからとっとと行くのじゃ」

闇夜の魔女「楽しかったのですよ、魔王ちゃん。にぱー☆」

暁の魔女見習い「ばいばーい、お師匠様に触るのは許さないけどまた来てねー」

魔王「ちっ」


今日の魔王は何故か怖いです。


闇夜の魔女「あ、勇者ちゃん」

勇者「何?」


魔王に手を引かれて無理矢理この町から連れ出される寸前声をかけられる。


闇夜の魔女「キツネちゃんをよろしくなのですよ。ボクは勇者ちゃんを信頼して全てを託すのです。」

勇者「…あぁ、任せとけって何があっても世界も魔王も守り通してやるよ」

魔王「ふん、妾に言った言葉の使い回しではないかや。…またの、化け猫」

闇夜の魔女「またねなのです。キツネちゃん」






魔王と勇者が去った後、小さな声で闇夜の魔女はつぶやいた。


闇夜の魔女「また…会えるといいのです。」


本当に悲しそうな顔をして、もう会えない事を確信する悲しみを孕んだ小さくか細い声で


284VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 22:08:02.26qYwmPzXDO (1/1)


投下途中に失礼、投票させて戴きます
魔法使いちゃんも可愛かったけど魔王と二人っきりでイチャイチャしてて欲しいので、魔法使いちゃんはてぃうんてぃうんの方向で(´・ω・`)


285VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 22:18:12.232bTtT+LIO (1/1)

魔法使いなんていなかったんや


286>>12012/12/20(木) 22:41:22.37MCYU/DSk0 (14/15)

>>284
投下途中にも投票レスオッケーって言ったから大丈夫っすよ

このままじゃ魔法使いは除外になっちゃうよ。魔法使いを出してほしい人は投票早くね、期限は日付変更までだから


287>>12012/12/20(木) 23:06:32.12MCYU/DSk0 (15/15)

暁の魔女見習い「お師匠様、今日はなんだか無理して強がってたね。無理矢理笑顔を作ってたでしょ?」

闇夜の魔女「…分かってしまいましたですか」


その夜色の瞳はすでに潤んでいた。


暁の魔女見習い「分かるよ。他ならないお師匠様のことだもん。」

闇夜の魔女「そうですね、長年ボクに付き添ってくれたものですね。分かっちゃうのですね」

暁の魔女見習い「どうしたの?もしかしてキツネさんのこと?」

闇夜の魔女「…」

暁の魔女見習い「やっぱりお師匠様も辛いんだね。」

闇夜の魔女「…辛いかって?あたりまえなのですよ…誰だって、ボクだって…」

暁の魔女見習い「? お師匠様、泣きそうになっているよ?」

闇夜の魔女「ボクだって…死ぬことが確定している未来にっ、親友を止められないどころか送り出さなきゃいけないのが辛くないわけないのですっ」


魔女の目からはすでに止めることが出来ない量の涙が溢れていた。


288VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 23:53:20.33PmtSnCc/o (2/2)

シッポのない娘はいりません


289>>12012/12/21(金) 00:07:15.993foNqX170 (1/10)

もう一レス書こうと思ったけどタイムオーバーだ。今日はここまでです。

多数決の結果魔法使いは今後出ません、出してほしかった人すいません。

>>288
話があうな、俺も尻尾が大好きだ!
感情表現に揺れる尻尾が大好きだ!
モフモフの揺れる尻尾が大好きだ!
尻尾万歳、尻尾最高尻尾大好きだ!


290VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/21(金) 19:11:09.57DBuaKtzHo (1/1)

おつー
さすがスレ主
俺はシッポなしもいいがシッポありだとかなり萌える
獣耳もプラスしたホロは大好きだ
モフモフしたい!
ファサファサ揺れるシッポへダイブしたい!
そのまま踏まれたい!



291>>12012/12/21(金) 22:13:59.283foNqX170 (2/10)

>>1「尻尾と耳は最高の萌え要素だ!!(独断と偏見)なんたってもふもふだし、かわいいし!ホロももちろん大好きだがストパンやドッグデイズも欠かせない(その三つしか知らなかったり)

以下略

>>1「よーし、乗ってきたしこのまま読むのに五時間かかるほど語りつくすぞ!」

勇者「SSスレでやってんじゃねえよ!!」ゲシッ

>>1「のわぁっ、何するんだ。突っ込みは魔王ちゃんって決まってんだろうが!お前に蹴られたても嬉しくないんだよ。かっこいいシーン減らすぞこのやろー」

勇者「何言ってんだ。魔王のお仕置きもご褒美も俺だけのものに決まってんだろ。踏まれていいのは俺だけだ。」

魔王「ほほぉ、ならば望みどおり踏んでやろう」ムギュウ

勇者「いたたたた、スパイクはやめてー、痛いのは嫌いなの!ニーソでやって、肌触りが良くて肌に優しいニーソで」

闇夜の魔女「勇者ちゃんたちが馬鹿やっている間にこのSSを乗っ取ってしまうのです!これからはボクが主役で行くのですよー」

暁の魔女見習い「そうだね。あたしとお師匠様で百合SSにしちゃおー」

???「いや、おおかみこd…ではなく狼耳と尻尾を持った私がヒロインをやるのが王道だろう」

全員「お前の出番はもっと後だ、フライングするな!!」


カオスってきたところで始めるよー↓


292>>12012/12/21(金) 22:15:30.323foNqX170 (3/10)

闇夜の魔女「最初はほんの小さな不安だったのです。小さな不安はやがて少しづつ大きくなり、ついには無視できない大きなものになりましたです。」


魔女はほとんど泣きながら話し始めた。時々しゃくりをあげながら


闇夜の魔女「ボクは闇を見通す力を持っていることは知っていますですね。それで、不安というボクの闇を見通してみようと思ったのです。」


未来は一寸先も見えない完全なる闇である。全ての闇を見通す力を持っている闇夜の魔女は完全なる未来予知さえ出来てしまう。


闇夜の魔女「未来を見てしまったとき、ボクは愕然としたのです。こんなことなら、不安なんて押し殺して気にしなければ良かったのです。」

暁の魔女見習い「………何が見えたの?」


闇夜の魔女「どの未来でも、キツネちゃんは確実に死んでしまうということなのです!!」


魔女は、今まで我慢していたものを吐き出すように声を荒げて言う。

そして堰を切ったように泣き出した


293>>12012/12/21(金) 22:30:58.343foNqX170 (4/10)

暁の魔女見習い「ねぇお師匠様、お師匠様はまだ希望を捨ててはいないんだよね?だから勇者さんに全部託したんでしょ?」


魔女見習いは泣きじゃくる小さな魔女を後ろから抱きしめて、子をあやす母親のような優しい声で語りかける。


闇夜の魔女「どの未来でも何故かキツネちゃんは一人で立ち向かっていってたのです。でも、でも二人ならと思ってしまうのです。一人増えたって、何も変わりはしないはずなのに!」

暁の魔女見習い「…あたしはまだ見習いだけど、全ての闇を照らす暁の魔女だよ。だからお師匠様の不安という闇も取り去ってあげるよ。」

暁の魔女見習い「お師匠様みたいに未来予知も出来ないけど。でも、これだけは分かるよ。勇者さんなら結末を変えられる。狐さんを導いてあげる光になれる。これ、魔女の勘と女の勘ね」


ニシシといたずら好きの猫のように笑う。自分の師匠を元気づけるつもりで

しかし、魔女は少しも元気付けられてはいなかった。それどころか未だに涙は流れ続ける。


闇夜の魔女「キツネちゃんを導く光り?…まったくもって真逆なのですよ」

暁の魔女見習い「え?逆?何が?」

闇夜の魔女「勇者ちゃんは…ボクが覗いた勇者ちゃんの本質は、完全に"闇"だったのです」


294>>12012/12/21(金) 22:40:36.983foNqX170 (5/10)

暁の魔女見習い「え?嘘…勇者なのに?」

闇夜の魔女「勇者だとかが関係あるかは分かりませんです。でも、ボクでも見たことないほどの窮極の闇を心に抱えて…いや、心が"それ"で満たされていたのです。」


初めて会った時はぞっとした。この世に、この世界にこんな深い闇を持った人間がいるなんて…闇夜の魔女であるが故に意識せずに見抜いてしまった本質


闇夜の魔女「ボクの魔術の源は、昔心の奥底に押し殺した大きすぎる闇なのです。でも勇者ちゃんのそれは遥かにボクのを凌駕してましたです。」

暁の魔女見習い「…何が、何があったの?彼の過去に」

闇夜の魔女「分かりませんです」

暁の魔女見習い「え?」


闇夜の魔女は俯く、分からないといった。どんな闇でも見抜くはずなのに


闇夜の魔女「ボクも勇者ちゃんの過去と闇の源を覗こうとしました。…でも阻まれました。」


295>>12012/12/21(金) 22:53:45.513foNqX170 (6/10)

闇夜の魔女「勇者ちゃんの心の闇は、闇夜の魔女であるボクを拒んだのです。濃すぎる闇…または深すぎる闇はボクには立ち入ることすら許してくれませんでした。まるで高い壁のように勇者ちゃんの心を覆っているのです。」

闇夜の魔女「数多の未来の可能性でキツネちゃんが一人で立ち向かって行ったのは、多分勇者ちゃんの闇に怯えたボクが余計なことを言って二人を分かれさせてしまったためなのですよ。」

暁の魔女見習い「でも、だったら大丈夫じゃないの?未来予知の未来とは違って勇者さんも一緒に立ち向かってるんでしょ?」

闇夜の魔女「分からないのです…勇者ちゃんにキツネちゃんといっしょに行くように言ったあの時から、未来予知すら深い闇に阻まれました」

暁の魔女見習い「え、それって…」


296>>12012/12/21(金) 23:04:07.473foNqX170 (7/10)

闇夜の魔女「そういうことです。勇者ちゃんは、関わった全てを闇で包んでいきます。だから不安でもどうなる分からない以上託すしかないのですよ。正しいとただただ信じて…」

暁の魔女見習い「本当に…何者なの?」

闇夜の魔女「僕にもわかりませんです。あんな深い闇を持った人間が本当にいるのかどうかも…でも世界を救う唯一の希望なのです。」


滅びに向かう世界を救うために、闇を頼る。

本来なら光の勇者の出番だろうに…でもこの世界にいるのは、大きすぎる闇を抱えた謎の勇者…その過去を知るものは誰一人としてすでに残っていない


297>>12012/12/21(金) 23:19:21.663foNqX170 (8/10)

勇者の過去①


勇者に現存する過去の記憶というものは数年しか遡ることが出来ない。

思い出せる記憶が数年分しかないのだ。

仲間には普通に生まれ、普通の家庭で育ったように言ったが本当は親の顔すら知らない。


そんな勇者の一番最初の記憶は突然始まる

始まりはとある城下町に行った時だ。何故行ったのか、目的すら思い出せない。

そこの城では予言の勇者というのを探していたらしい。

そして、来た日時と服装、特徴が予言に完全に一致する者がいた。それが俺だった。


「君は世界を照らす唯一の光だ。」「平和を呼ぶ福音だ。」「光の勇者様だ」


等と散々おだてられた。

でも心のどこかで違うと思っていた。無いはずの記憶が強く否定していた。

でもそれらを押し殺して王の命令に従った。

おだてられたのが気持ち良かったわけではない。人気者になりたかったわけでもない。

何故かそうすれば救われる気がした。


世界のためも人間のためも関係無い。

自分の心の救済のためだけに世界を救う

それが一番最初の決意


298>>12012/12/21(金) 23:37:53.943foNqX170 (9/10)

魔王城での内部紛争②

>>78の続き

魔王城、入り口付近の闘技場


神狼「やべえな、四天王といっきにやれってのか」

神狼「血が滾るぜ」ニヤリ


まったくもって良い趣向だぜ、四天王全員がちっこい狼一匹にリンチを働くってのか?


神狼「まぁいいや、全員で来いよ」

四天王1「あれ?ずいぶん余裕だねぇ、わんこ君に恐怖は無いのかな?」

四天王2「言われなくても皆で殺すよ。だってそれがボクたちに下された命令だもの」

四天王3「命令了解、殺戮執行、卑怯上等」

四天王4「ぐるる おしゃべり にがて はやく たたかえ」

神狼「悪い、三番目のお前言っている言葉意味がちっとも分からねえ」

四天王3「…考察推奨、理解要求」

神狼「日本語でおk」

四天王3「四字熟語、日本使用」

神狼「お前四字熟語知らねえだろ」

四天王3「四字熟語、漢字四字」

神狼「…じゃあ「肉」と「食」という漢字を使って四字熟語を作ってみろ」

四天王3「焼肉定食」

神狼「お前は絶対四字熟語を知らない!」

四天王3「牛肉俺食(う)」

神狼「てめぇが食いたいだけだろ!」

四天王1「どうだっていいよ!!そいつと話したら切り無いから!」


299>>12012/12/21(金) 23:53:30.903foNqX170 (10/10)

神狼「そうだった。馬鹿と戯れている場合ではなかった。」

四天王3「馬鹿否定、我超天才」

四天王2「馬鹿なこと言ってないで早く始めようよ」

四天王3「馬鹿否定」

四天王4「ぐるるる はやく はじめろ ばか」

四天王3「…原点回帰、目標殲滅」


三番目もようやく臨戦態勢に入る。

さて、緊張感もようやく漂い始めてきたな

しかし、飛び掛るタイミングを計っている時


「待ていお前ら!!」


声が響いた。その声の主は


神狼「てめぇ」ギリ

新魔王「何だね、王を目の前にしてその態度は」


魔王を蹴落として新しい魔王になった男だ。


300>>12012/12/22(土) 00:24:05.59NRMeuy0A0 (1/12)

神狼「ふ、悪いが俺はてめえを王なんて認めた覚えはねえぞ」

新魔王「では何だ?まだあのアホな狐を支持しているというのか。」

神狼「…アホな狐?」ピク

新魔王「違うのか?奴は俺の策略など知らずにのんびりと過ごしていた。その結果がどうだ、お前の助けが無ければ死ぬところだったではないか」

神狼「く、くっくっく」


バカだこいつ


新魔王「何だ、なにがおかしい」

神狼「何もかもだよバカ、魔王は全部分かっていたぜ。それこそ初期の初期からお前の企みは全部な」

新魔王「はったりだ。ならば、何故奴は魔王城を追い出されている?何故逃げ回っている」

神狼「くくく、本当にお前はバカだよ。お前程度の企みを見抜けないわけがないだろう。魔王は俺に全てを頼んでいたんだよ」


そう、自分の愛する部下を殺させないように本当に必要な一部の部下にだけ伝えた。こいつの企みを潰す方法を


神狼「魔王の計画はこうだ。まず俺が精巧に作られた魔王の死体をお前に見せて時間稼ぎ。」

神狼「次に、時間稼ぎの間俺は内部での情報収集…お前が間抜けなおかげでずいぶん捗ったな」ニヤリ

新魔王「…」

神狼「その間、魔王は勇者と合流、もちろんすでに合流している。」

神狼「逃げ回っているんじゃない。準備をしているんだ。お前を殺し、再び玉座を取り戻す準備をな」

神狼「お前が盗み取った偽りの玉座でふんぞり返っている間に足元から少しづつ崩していっているんだよ。聞こえなかったか?全てが瓦解していく音がよ」


301>>12012/12/22(土) 00:33:46.95NRMeuy0A0 (2/12)

神狼「後は俺がここを出てあいつらに、俺が得た情報を渡せば完全にお前の偽りの玉座をぶっ壊せる」


不適に笑う。チェックメイトだ。相手にそう思わせるために

しかし、不適に笑ったのは新魔王もだった。


新魔王「馬鹿はお前だ。正直に喋るなんて、本当にバカだよ」

神狼「は、勝機があるから言ったんだよ。もう計画が完全にバレてもいい段階に来たからな。これは宣戦布告だ」

新魔王「ではその宣戦布告を土産に冥土に行くがいい。やれ、四天王」

四天王1「ということらしいね。手加減はしないよ」

四天王2「さすがにボクたち四人相手はきついでしょ?」

四天王3「命令了解、惨殺殺戮」

四天王4「グルル ようやく か」


再び四天王どもが臨戦態勢に入る。


神狼「血が滾るねぇ、本気を出そうか。ついでにこの俺の正体を教えてやるよ。実は俺は魔物じゃねえんだ。」


神狼が体に力を入れると膨らみ、大きくなり全身の形が変わる。

神狼が立っていた場所にいたのは


全身に風をまとった巨大な黒い狼


神狼「神獣、疾風の神狼だ。」


神狼「魔物ごときが、神に敵うと思うなよ」


302>>12012/12/22(土) 00:34:18.00NRMeuy0A0 (3/12)

さて、今日はここまでです。おやすみ


303VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/22(土) 11:18:04.1593kmImAm0 (1/1)

おつ


304>>12012/12/22(土) 16:22:21.00NRMeuy0A0 (4/12)

さてと、始め!


305>>12012/12/22(土) 16:22:49.29NRMeuy0A0 (5/12)

新魔王「神獣だと…?」

神狼「あぁ、それを知ってもなおこいつらをけしかけるのか?命を落とすことになるぞ」

新魔王「かまわん、やれ」


なんて奴だ。部下に勝ち目があるとでも思っているのか?

何の躊躇いもなく命を捨てさせる命令を下しやがった。


神狼「いいだろう。神に戦いを挑むということがどういうことか教えてやろう」


狼の化神は吼える。天井に阻まれて見えぬ満月に向かって遠吠えをあげる。

その慟哭は百戦錬磨の魔物の四天王さえも震えあがらせた。


神狼「行くぞ」ス


前足を振り上げる。

まだ前足のリーチで届く範囲に敵はいない。


ビュン


しかし、爪の先から衝撃波のようなものが出て、壁も四天王も引き裂いた。


神狼「なんだ、かまいたち一発じゃないか。脆いな」

真空波で切り裂かれ、何が起こったか知る間もなく絶命した四天王を食らう。

そして新魔王に対し、再び話しかける。



神狼「どうだ。魔物の中でも最強と呼ばれた四人が一発だ、これが風の神の裁きだよ」


306>>12012/12/22(土) 16:34:25.71NRMeuy0A0 (6/12)

風の神、その化身は狼だと言われている

ならば風を司る神獣も狼であるのは必然なのだろう。


だが、そんな神の裁きを見ても尚、新魔王は勝利を確信した顔を崩さない。


新魔王「…一つ聞きたい。そんな力を持って何故あの狐の味方をする?」

神狼「幼なじみだからな、友人に頼まれたんだ。断る理由はねえよ」


幼い頃は狐と猫と狼、妙な組み合わせだがよく遊んだものだ。

大きくなり、神獣と魔王、別々の道を歩んで別れたというのに友人として頼ってくれた。

本当に嬉しかった。どんな頼みでも聞いてやろうと思った。

もしかしたら俺は知らず知らずの内にあいつに惹かれていたのかもしれないな…

だから


神狼「だから早くお前の企んでいる計画を全てあいつに伝えなきゃいけない。」

新魔王「ふ、お前は俺の計画を全て見抜いたとでも?」

神狼「さっきも言っただろ?そのために魔物のふりしてまでここにいたんだよ」

新魔王「ではお前は俺が超古代に失われたはずの禁断の知識をずっと調べていたことを知っているか?」


307>>12012/12/22(土) 17:34:43.02NRMeuy0A0 (7/12)

神狼「何?」


俺の反応を見て新魔王はニヤリと口元を歪める


新魔王「俺はな、とある神話について調べているんだよ。」

神狼「そんなものは人間が作り出した空想だ。」

新魔王「そうかな?ならばお前はなんなんだ?」

神狼「強すぎる力を持ったただの獣だよ。神獣と言えど本当に神様なわけがねえだろ」

新魔王「だが生態系の頂点に立つ、その神のごとき力は本物だ。そうだろう?」

神狼「何が言いたい」

新魔王「ふ、俺は常々思っていた。この世界には数多くの神話がある。そのいくつかには"本物"が紛れているんじゃないかとな。そう、お前ら神獣もその一つだろう」

新魔王「そして見つけ出したのだよ。本物の邪悪なる神々について記した神話をな!」

神狼「…まさか」


背筋に嫌な汗が浮かぶ、最悪の予想が脳裏に浮かぶ


308>>12012/12/22(土) 20:56:51.11NRMeuy0A0 (8/12)

新魔王「その神話について調べるのは骨が折れたよ。なんたってこの神話について書かれた本はほとんど焚書処分されたからな。」


新魔王は上機嫌に「魔導書として危険すぎたためだ」と付け加えた。


新魔王「それでもいくつかは物好きな人間が使い方も知らずに大事に保管しててね、すでに世界には一、二冊しか残ってない貴重な本なのだが、なんとか手に入ったよ。」

新魔王「なんならタイトルを読み上げようか?ネクロノミコン、エイボンの書、セラエノ断章、屍食教典義、黄衣の王、等だ。我ながらよく集まったものだよ」

神狼「本物…」


タイトルを聞けば分かる…どれもこれも、「クトゥルフ神話」と総称される神話、実在する邪悪な神々についての神話に関連する魔道書だ


神狼「お前…何を考えている。何をする気だ」

新魔王「くくく、聞きたいか?」


新魔王の瞳には狂気が渦巻いていた


309>>12012/12/22(土) 22:03:28.63NRMeuy0A0 (9/12)

新魔王の瞳には狂気が渦巻いていた


新魔王「俺はな、この邪悪なる神々について調べているとき、とある一体の神格に目を奪われた。」

新魔王「そいつについての一文はこうだ。曰く、その神は無限の外宇宙の中心部にして恐怖と狂気が渦巻く窮極の混沌の最深部、無定形の心無き踊り子と下劣なくぐもった太鼓の連打、呪われたか細いフルートの調べに囲まれて存在する暴走するエネルギーの塊」

新魔王「全ての邪悪なる神々の創始者にしてなべての存在の創造主、全てを作り出し、見たもの全てを破滅させる魔の王。」

神狼「まさか…お前は……」

新魔王「その恐ろしさ故誰もあえてその名をも口にしようとしない果てしなき窮極の邪神、万物の王にして盲目白痴の神、無限の中核に棲む原初の混沌、その名を」

新魔王「窮極の邪神、魔王アザトース」


310>>12012/12/22(土) 22:28:48.71NRMeuy0A0 (10/12)

神狼「お、お前は、本当にそんな恐ろしいことをしようとしているのか!!!!」


震えが止まらない。こいつが話したのはそれほどに…いや、どんなものより恐ろしい存在のことだった。


新魔王「くくく、そうさ、俺は奴を、本物の邪神を本物の魔王を俺の目の前に召喚する。」

新魔王「ゾクゾクするだろう?本物の神が見れるんだぜ?俺みたいな"魔物の王"じゃない。"魔の王"だどれほど恐ろしい存在か興味が湧かないか?」

神狼「ふ、ふざけるな!お前は狂っている。興味本位でそんなことが許されるわけがない!!」

新魔王「許されない?誰にだ?神様にか?そりゃ最高のジョークだな、俺がしようとしているのは神の召喚だぜ?」アッハハハハ


目の前の狂信者は笑っている。狂ったように、いや完全に狂っている。狂気に満ちた冒涜的なまでに恐ろしい考えを抱えて、しかも実行しようとしているなんて


神狼「狂っている…」

新魔王「そうかもしれないな、俺は狂っている。で?だからどうした?何も変わりやしない。窮極の邪神は召喚され人間界は終わる。」

神狼「やめろ!!!人間界だけではすまないぞ!!この星に呼び出したりなんかしたら、魔界もこの星も、いやこの宇宙そのものが一瞬で消されてしまう!!」


神狼の必死の警告にも耳を貸さず新魔王はただただ笑っている。


311>>12012/12/22(土) 22:38:33.41NRMeuy0A0 (11/12)

少なめですいませんが今日はここまでです。




魔王「おいこら、今日は何故妾の出番がないのじゃ!」

勇者「まぁまぁ、たまにはいいじゃん。これもストーリー的に必要なんだし」

魔王「脇役は黙っておれなのじゃ!これは主人公の問題じゃ」

勇者「俺主人公だよ!?」

魔王「人気にあるやつが主人公に決まっておるのじゃ!主など最下位にも等しいのじゃ」

勇者「違うよ、俺人気あるよ(多分)ってか登場キャラ少ないのに最下位も何もないでしょ!ってか主人公は人気で決まるわけじゃないし」

魔王「どのみち妾が主人公なのは揺るがないのじゃ!そうじゃなきゃ嫌なのじゃー」ジタバタワサワサ

勇者「何それワガママ!?何か魔女たちが出てきてから魔王荒れてるよ!?」

魔王「あぁ?魔女じゃ?」

勇者(げ、地雷踏んだ?)


その後、勇者の悲鳴が楽屋裏に木霊するのだった。


312>>12012/12/22(土) 23:27:59.72NRMeuy0A0 (12/12)

ところでアンケートなんだが、ケモ耳尻尾無しの女キャラはレギュラーで必要無しだと思うか否か


313VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 01:25:16.5723Ub0b9Lo (1/1)

乙乙

いてもいい
いてもいいけど
俺はケモ耳が好きだ
いてもいいけど
俺はケモ耳が好きだ


314VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 03:18:22.63WbylP1DDO (1/2)

乙でした

ちなみにアンケートは>>313に全面的に同意、強いて言うならモフモフとモフモフとモフモフを追加意見


315VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 05:13:14.888EruySI/o (1/1)

おっぱいは正義だ

モフモフがついて無くても、優しい性格のおっぱいお姉さんがいれば良い


316VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 09:32:33.856141INb4o (1/1)

いやモフモフと獣耳こそ正義だ
おっぱいはちっぱいがなおよろし


317VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 10:41:53.55ujmi5QSPo (1/1)

乙でした

ケモ耳なし女の必要性がわからない



318VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 14:55:13.31J40gCYqc0 (1/1)

刺身のツマとか、ハンバーガーのピクルスってとこじゃね?


319VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 18:27:21.96WbylP1DDO (2/2)

>>316
君とは仲良くなれそうだ、今度飲みに行こうジャマイカ


320VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 19:36:15.43gva9o5KIO (1/1)

>>316
すべての真理を一言で表したな
いつか飲みに行こうじゃないか(ゲス声


321>>12012/12/23(日) 20:14:16.365P6QdbXf0 (1/7)

>>316,319-320
よう兄弟俺も同感だぜ、飲みに行くなら俺も連れて行ってくれよ

勇者「おい未成年」


始めます。


322>>12012/12/23(日) 20:14:44.555P6QdbXf0 (2/7)

勇者「剣技、桜華狂咲!」ズバアア

魔物たち「ミギャアアアア」


数で来る卑劣な魔物たちを次々となぎ払う。技名は叫んだほうがかっこいいのさ

桜華狂咲(おうかくるいざき)、意味?どんな技かって?そんなものないよ、必要なものは語感とインスピレーションさ


勇者「剣技、桜華乱咲!」ドバァアアア

魔物たち「ムンギャエロオオオオ」


桜華乱咲(おうかみだれざき)、ただ適当に斬っているだけである。

まぁ、俺ほどの天才(レベルが高いだけ)にもなれば技など無くとも充分なのさ


魔王「主よ、後ろじゃ」

勇者「おう!剣技、一閃斬り!」ズバーン

魔物「ポオオオオオオ」

魔王「主よ、右斜め後ろじゃ」

勇者「はいよ!」シャ

魔物「ピエエエエ」

魔王「いいぞー主よー」

勇者「ってかお前も戦えよ!」


さっきから魔物は岩に腰掛けてただ応援しているだけである。

若干棒読みだし


323>>12012/12/23(日) 20:59:31.475P6QdbXf0 (3/7)

魔王「主はこの妾に戦えというのかや?狩りは男の仕事なのじゃ。それに妾はか弱い女子(おなご)ではないかや」

勇者「誰がか弱いだ!お前魔王だろ」


血飛沫を上げながら叫ぶ、魔物退治が完全に作業ゲーです。


魔王「妾は上に立つ者として命令していただけじゃ、戦など率先してするわけないじゃろ。ほれほれ、ちゃんと妾を守れなのじゃ♪」


見ると魔王の座っている岩に魔物がじわじわとにじり寄っている。


勇者「あぁ、もうメンドクサイなぁ!どうして俺がここまでしなきゃいけないんだよ。」グシャアア


メンドクサイが仕方ない。なんだかんだ言っても大切な奴だし、ちゃんと守らなきゃいけないしな…俺少しツンデレ化してない?


魔王「というか主よ。何故魔法を使わないのじゃ?」

勇者「…あ」ブシャア


完全に存在忘れていたかも


魔王「確か主の魔法には対多数用の魔法があったのではないかや?」


①勇者「…忘れていた。使うわ」
②勇者「ま、魔法ばっかり使ってたら腕が訛るからな、縛りだよ縛り」
③勇者「(その他、自由安価)」

>>


324>>12012/12/23(日) 21:04:40.375P6QdbXf0 (4/7)

>>323

安価ミス

>>326


325VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 21:38:22.73D3OmU+iIo (1/1)

使わない、なぜならその方がかっこいいから!


326VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 22:11:51.6882J0LANu0 (1/1)




327>>12012/12/23(日) 22:42:10.105P6QdbXf0 (5/7)

勇者「使わない、なぜならその方がかっこいいから!」

魔王「ふむ、まぁいいじゃろう。きちんと妾を守ってくれるのなら良しとするのじゃ」

勇者「お前も戦えよ…」

魔王「無論嫌なのじゃ♪」


一時間後


勇者「はぁ、はぁ…なんとか片付いた。」

魔王「何じゃ、ほんの数百体で疲れたのかや、だらしないのじゃ」

勇者「簡単に言うなよ…俺だって人間なんだよ。疲れないわけねえだろ」ゼェ、ハァ


周りには死屍累々、息絶えた魔物はすぐに土に還るだろうが流れ出た血の跡と死臭は数日は消えないだろうなぁ。


魔王「ところで気になるのじゃが」

勇者「ん、何?」

魔王「その剣、血を吸い上げておらぬか?」


見ると魔物を倒してついた血が全て刀身に吸い上げているのだ。服や素肌についた血を


勇者「わ、何じゃこりゃ」


ガチャ


驚いて剣を落とす。

すると地面にこびりついた血さえも吸い上げてゆく


勇者「いったい…なんなんだってんだよ」


328>>12012/12/23(日) 23:14:04.925P6QdbXf0 (6/7)

驚いて硬直していると結局倒した魔物の血を全て吸い尽くしてしまった。

しかし刀身が真っ赤になったわけではなく、少しの曇りすらなくただただいつも通りである。少なくとも見た目は

とりあえず剣を手に取って歩き出す。


勇者「雰囲気が違う…なんか『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』なんて文字が背景に見える気がする」

魔王「なんじゃそりゃなのじゃ」

勇者「血を吸ってパワーアップした的な?剣のレベルが上がった的な?」

魔王「この剣長く使ってきたんじゃないのかや?前にもこんなことはなかったのかや?」

勇者「無いな。今までは俺の呪文詠唱無しに動きはしなかった…」

魔王「ふむ…主よ、この剣専門家に見てもらったらどうなのじゃ?」

勇者「刀鍛冶か?」

魔王「うむ、もしかしたら何か分かるやも知れぬのじゃ」

勇者「そういえば俺たちが行こうとしている遺跡でこの剣については分かるはずじゃなかったか?」

魔王「出来るだけ早いほうがいいじゃろ…何か嫌な予感がするのじゃ」

勇者「ま、いいけどね」


そんな会話をしながら歩いていると町が見えてきた。


329>>12012/12/23(日) 23:14:57.465P6QdbXf0 (7/7)

今日はここまで!

ところでまたアンケートです。

次に出す予定のキャラの髪型がいまいち決まらないのでそれをお願いします。

明日は朝から夜まで出かけるので、期限は明日の夜自分が帰ってきて書き始めるまでです(もしかしたら明日書けないかもだけど)


ちなみにそのキャラは

・もちろん女
・銀髪赤眼
・狼耳&尻尾(銀)
・いたずら好きなクーデレ(リトバスの来ヶ谷の姉御みたいな性格で)
・一人称は「私」
・妖怪と人間のハーフ
・おっぱいの大きさ未定(ついでにアンケートに書いてもおk)

な感じです。

アンケートで多かった髪形にします。見事に一つもかぶってなかったらアンケートの中から>>1の好みで決めます


330VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 23:52:51.51Ff5iLmsoo (1/1)


長さは肩くらいまで、外跳ねのクセっ毛でもちろんちっぱい


331VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 00:22:32.26XDHtN9q6o (1/3)

狼・・・だと・・・(感涙
収穫の十二月というお話があってだな・・・

ちっぱいで
肩位少し長めの外はねで

というかつまり>>330で


332VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 01:05:26.14KYgJbR4DO (1/2)

愚問だな、というより答える必要性がないな
なぜなら私の思いは彼等(>>330,>>331)と同じ!!

いつか気が向いたら一人称[俺,オレ]の見た目男っぽくて言葉遣いも荒いのに、可愛いとか言われたり女扱いされたり抱き締められたりすると顔真っ赤にして恥ずかしがる感じでひんぬーを気にしてる獣耳っ子が見たいなー
つーか上は俺の要望、獣耳は世界の希望


333>>12012/12/24(月) 07:12:10.88gVmEoezI0 (1/23)

>>329
やべ、「ジト目」を入れるの忘れてた…

でも今更だしなぁ…どうしようか?入れてもいい?


334VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 10:02:57.81VgKRQjhq0 (1/3)

いいよ!


335VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 10:27:12.66XDHtN9q6o (2/3)

ジト目もいいけど根は元気な子がいいなー(チラッチラッ

>>1の好きなようにやればいいと思うよ!


336VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 13:12:15.13COdVfaFso (1/1)

腰ぐらいの長さで、大きくもなく、小さくもなく


337VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 17:00:40.8426/REFmuo (1/2)

おっぱいは、正義だ。
ばいんばいんでほにんほにんが良い。

頼む。


338VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 19:45:31.13XDHtN9q6o (3/3)

それよりみんな、今日はクリスマスっていう日らしいで(ニッコリ


339VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 20:41:58.02VgKRQjhq0 (2/3)

へー


340VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 21:19:35.01KYgJbR4DO (2/2)

>>338
俺の知り合いは猫耳の女の子と一緒に過ごすらしいぜ……



341VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 21:21:47.05B/SjmE4qo (1/1)

>>337
いやおっぱいは程よい大きさもしくはちっぱいが正義だ
デカいとむしろ気持ち悪い


342>>12012/12/24(月) 21:25:21.14gVmEoezI0 (2/23)

魔王「くふふ、今宵も寂しそうな主らにこの妾が言ってやるのじゃ」

魔王「メリークリスマスなのじゃ♪」ワサワサ

勇者「かわいいよ、可愛いよ魔王!!」

魔王「うむ、そう言われるのは嬉しい。じゃがな」

魔王「何故妾がミニスカサンタコスなぞせねばならぬのじゃ!!」

勇者「是非その姿で前かがみに」ハァハァ

魔王「これ以上何させる気じゃ」ゲシッ

勇者「いたぁ!!」


アンケートの結果は多かった>>330で行こうと思います。

>>331
ググッた。面白そう!金に余裕があったらぜひ手にとって見たい

>>332
俺のハートにドストライク!
でも今のところ終幕までの流れと登場キャラは一応考えているんだよ。でもそういうキャラ大好きだから検討しとく



始めます。


343>>12012/12/24(月) 21:27:23.53gVmEoezI0 (3/23)

勇者「剣技、桜華狂咲!」ズバアア

魔物たち「ミギャアアアア」


数で来る卑劣な魔物たちを次々となぎ払う。技名は叫んだほうがかっこいいのさ

剣技、桜華狂咲(おうかくるいざき)、意味?どんな技かって?そんなものないよ、必要なものは語感とインスピレーションさ


勇者「剣技、桜華乱咲!」ドバァアアア

魔物たち「ムンギャエロオオオオ」


桜華乱咲(おうかみだれざき)、ただ適当に斬っているだけである。

まぁ、俺ほどの天才(レベルが高いだけ)にもなれば技など無くとも充分なのさ


344>>12012/12/24(月) 21:28:29.22gVmEoezI0 (4/23)

魔王「主よ、後ろじゃ」

勇者「おう!剣技、一閃斬り!」ズバーン

魔物「ポオオオオオオ」

魔王「主よ、右斜め後ろじゃ」

勇者「はいよ!」シャ

魔物「ピエエエエ」

魔王「いいぞー主よー」

勇者「ってかお前も戦えよ!」


さっきから魔物は岩に腰掛けてただ応援しているだけである。

若干棒読みだし


345>>12012/12/24(月) 21:30:27.36gVmEoezI0 (5/23)

>>343-344

ぐあああああ、間違えたあああああああああ
アホみたいなミス2


346>>12012/12/24(月) 21:36:08.24gVmEoezI0 (6/23)

第4話,狼との再開は不気味な月夜に


魔王「ここが目的地かや?」

勇者「いや、無銘都市はもう少し先だよ。ただ今日中に着きそうにないからな、野宿は嫌だろ?」

魔王「なんじゃ、せっかく口に出さないようにしておったのに知っていたのかや」

勇者「そりゃ野宿のときは決まって機嫌悪けりゃ誰だってわかるよ」


こいつは機嫌が悪いと本当に手が付けられない、

この間なんか抱きしめたら機嫌直るだろうと思って後ろから抱きしめたら本気で殴られました。自業自得?因果応報?そんな言葉俺の辞書には無いな


勇者「と、いうことで今日は宿屋だ!」

魔王「うむ、久々にベッドで眠れるのじゃ」ワッサワッサ


本当に野宿は嫌だったんだな、尻尾に喜びの感情が出てるよ。可愛すぎます。鼻血出そう


勇者「もちろんベッドはダブル一つで良いよな」

魔王「うむう…む?って良い分けないじゃろが!!」ドガッ

勇者「ぐふっ」


よほど嬉しかったのか人の話も聞かずに返事をしていた…なんで途中で気づくかな

とりあえず見事なまでの回し蹴りを喰らいました。回し蹴りをするときにふわりと浮くスカートって何かいいよね、絶対領域!


347>>12012/12/24(月) 21:37:00.77gVmEoezI0 (7/23)

勇者「でも今頷いたよね?頷いたよね?」

魔王「わ、妾のミスじゃ。勘違いするななのじゃ!」

勇者「ふははははは、もう遅いわ今日の寝床はピンクなホテルに決まりだ!」

魔王「そこまでは言ってないのじゃ!あ、これ主よどこへ行く!!」

勇者「ラ○ホテルの予約だ!」ダッ


走る、走る、俺たち~♪

じゃなくてこの町のホテルに予約しに行こうと走り出した。予約さえしちまえばこっちのものよ、変態勇者の真髄見るがいい


348>>12012/12/24(月) 21:37:36.99gVmEoezI0 (8/23)

魔王「いいかげんにするのじゃ!」ザワザワ


後ろで何かすごく小さな木々のざわめきのような音がする。いや、これは尻尾の毛がいっせいに逆立つ音だ。

つまりは魔王が妖術を使う合図の音


魔王「妖術、ポルターガイストなのじゃ!」

勇者「おぉ、体が浮く」

魔王「一辺死んで来いなのじゃあ!!」


ヒュ


勇者「ギャアアアアアアアアああああああああああああああああああああああ」


キラッ


こうして俺は魔王のサイコキネシスで空高く舞い上げられて星になりましたとさ、チャンチャン


魔王「これにてこのSSは"完"なのじゃ♪」


349>>12012/12/24(月) 21:46:46.87gVmEoezI0 (9/23)

勇者「終わってたまるかああああああああああああああああああああああああああ」


ドガーン


地面に頭から落ちた。


勇者「いてててて。ふぅ、anotherなら死んでたな」

魔王「ふむ、妾は普通でも死んでいたと思ったのじゃが」

勇者「まさかマジで殺す気だったのかお前?」

魔王「…過去などどうでもいいことなのじゃ」


目線を逸らしながら尻尾をゆっくりと左右に振る。


350>>12012/12/24(月) 21:47:22.99gVmEoezI0 (10/23)

勇者「ギャグ補正と主人公補正が無けりゃ死んでたからな、真面目にどうでも良くない。」

魔王「す、すまぬのじゃ」シュン


素直に謝る魔王、うん、人間素直が一番だよね。こいつが人間じゃないとかはさておきさ

それにしてもシュンとしてる魔王は可愛い、いつも元気よく動いている耳や尻尾が力なく垂れているのとか


勇者「まぁ、ちゃんと反省してるみたいだし許すさ。な?」ナデナデ

魔王「うぅ…///」


魔王は頭を撫でると赤くなる。ついでに尻尾が元気を取り戻す。


351>>12012/12/24(月) 21:47:51.15gVmEoezI0 (11/23)

勇者「だから罰として今夜は一晩中モフモフしまくる。それで許してやろう。」

魔王「ちょいと待てなのじゃ、よくよく考えれば元々主の自業自得だったはずなのじゃ」

勇者「自業自得?なにそれうまいの?」

魔王「では因果応報じゃ」

勇者「難しい言葉言わないで、頭がショートする」

魔王「するか!つまりは元々主が悪いのじゃ」

勇者「ナ、ナンノコトヤラ」

魔王「なんじゃその棒読みは!」

勇者「さ、さて、まずは勇者の使命を果たさなきゃな。町長の家に行くとしよう」

魔王「こら、話を逸らすななのじゃ!」


352>>12012/12/24(月) 21:49:47.45gVmEoezI0 (12/23)

…勇者も魔王も気づかなかった。ここで勇者が生きていたのは実は覇王の剣のおかげだったということに、そして覇王の剣そのものが魔力を使っていたということに


353>>12012/12/24(月) 21:50:36.60gVmEoezI0 (13/23)

勇者の使命として「かならず町や村に行ったら代表者に会って困り事が無いかどうか聞かなければならない。」というのがある。

王様もめんどくさいことを言うもんだ。そんなんだから昨今のRPGはお使いゲーばっかりになるんだ。


魔王「ふむ、主はきちんと"勇者の使命(という名のお使い)"はこなしておるのじゃな、少し意外なのじゃ。」

勇者「なんだよ、俺がサボっているとでも思ったのか?ちゃんと勇者の仕事ぐらいはするさ、俺はただの変態じゃなくて変態勇者なんだからな」キリッ

魔王「主はそれをかっこいいと思って言っておるのかや?」

勇者「ま、ともかく俺だってちゃんと仕事はするってことだよ。」

魔王「うむ、見直したのじゃ♪」

勇者「それに、お使いイベントの中で美少女との出会いがあるかもしれないしな」

魔王「少しでも見直して損したのじゃ」ギュウウウ

勇者「いてててて、今日はなんだかきつい、痛い」


踵で足の指辺りを中心的にやられた。体は小さいのに力が強いから痛いんだよ。

俺は完全なMじゃないから痛みには慣れないんだよね、痛みをむしろ快感と思える方々がある意味羨ましいです。

昔の仲間の戦士(♂)が頭に一瞬思い浮かんだ。…今頃あいつはどこぞのSMクラブで…うん、やめておこう

とりあえず意識の外に追いやる。俺の記憶メモリーは女のためだけにあるから男は覚えている必要ないもん、むしろあいつは忘れたい


354>>12012/12/24(月) 22:00:12.60gVmEoezI0 (14/23)

町長宅


魔王「『今日は忙しいから明日来てね。ばいちゃ☆』…と、書いてあるのじゃ」

勇者「………何じゃそりゃ!?」


町長の家、勇者の使命を果たすためにわざわざ来てやったのにコギャルみたいな丸文字でそんなことが書いてある立て札が家の扉の前に


勇者「せっかく来たのにまた明日来いってか!?ってか『ばいちゃ』ってなんだよ!古いよ!死語ってレベルじゃねーよ!!」

魔王「…主よ、こんなところで騒ぎ立ててもどうにもならぬのじゃ。また明日来れば良いではないかや。」

勇者「こんなむかつく文章を書くような奴のところにわざわざ明日も来るとか嫌だぜ…もういいよこの町は、めんどくさいから鍛冶屋行って、食料そろえて、寝て、明日この町出よう」

魔王「主は"勇者の仕事"はちゃんとするたちではなかったのかや?がっかりじゃな」

勇者「うぅ…わぁったよ、明日来てやるよ畜生…」


魔王に踊らされてる感がする…

ってか最近逆らえなくなってきてるような

否、断じて否!今日の夜、それを証明してやる。ベッドの上での出来事を楽しみにしているが良い


勇者「ふ、ふふふふふふふふ」


不気味に肩を揺らして笑う勇者であった。

無論魔王が引いていたのは言うまでもない。


355>>12012/12/24(月) 22:00:12.60gVmEoezI0 (15/23)

町長宅


魔王「『今日は忙しいから明日来てね。ばいちゃ☆』…と、書いてあるのじゃ」

勇者「………何じゃそりゃ!?」


町長の家、勇者の使命を果たすためにわざわざ来てやったのにコギャルみたいな丸文字でそんなことが書いてある立て札が家の扉の前に


勇者「せっかく来たのにまた明日来いってか!?ってか『ばいちゃ』ってなんだよ!古いよ!死語ってレベルじゃねーよ!!」

魔王「…主よ、こんなところで騒ぎ立ててもどうにもならぬのじゃ。また明日来れば良いではないかや。」

勇者「こんなむかつく文章を書くような奴のところにわざわざ明日も来るとか嫌だぜ…もういいよこの町は、めんどくさいから鍛冶屋行って、食料そろえて、寝て、明日この町出よう」

魔王「主は"勇者の仕事"はちゃんとするたちではなかったのかや?がっかりじゃな」

勇者「うぅ…わぁったよ、明日来てやるよ畜生…」


魔王に踊らされてる感がする…

ってか最近逆らえなくなってきてるような

否、断じて否!今日の夜、それを証明してやる。ベッドの上での出来事を楽しみにしているが良い


勇者「ふ、ふふふふふふふふ」


不気味に肩を揺らして笑う勇者であった。

無論魔王が引いていたのは言うまでもない。


356>>12012/12/24(月) 22:01:56.68gVmEoezI0 (16/23)

鍛冶屋


巌鉄「如何にも、わしがこの町唯一の刀鍛冶、巌鉄(がんてつ)じゃ」ドーン


刀鍛冶を訪ねたら「いかにも職人」ってな感じの頑固そうな爺さんが効果音付きで出てきた。

なんかモンスターボールを作ってくれそうな名前の人だ。

ちなみに魔王は町の人が巌鉄について「かなり職人気質の頑固な爺さんだよ」と苦笑いで言っていたのを聞くや否や「妾は食料を集めてくるのじゃ」といって逃げ出した。

あいつは頑固者が苦手らしい。確かにあのわがまま属性じゃ相性悪そうだもんなぁ


勇者「少し、俺の剣を見てほしいんですけど」

巌鉄「なんじゃ?打ち直してほしいのか?」

勇者「いえ、そうではなく。少し変なんですよ、どこがどう変かと問われると説明が辛いですけど…曰くのある剣で」

巌鉄「ふむ、呪いとかなら専門外じゃが…どれ、見せてみろ」


とりあえず、覇王の剣を渡す。

手から離した時、命より大事な物を手離してしまったような、一番好きな人との今生の別れのような、そんな変な感じがした。


357>>12012/12/24(月) 22:02:52.38gVmEoezI0 (17/23)


巌鉄「これは…ほぉ、なかなかの業物じゃ。しかし妙な…」


思ったよりおしゃべりな爺さんだ。


巌鉄「これをどこで手に入れた?」

勇者「まぁ、離せば長くなるけど、かくかくしかじか(>>101参照)」

巌鉄「なるほど…簡潔に言おう。まず、これの材質は鉄ではない」

勇者「マジ!?」


初っ端から衝撃です。


358>>12012/12/24(月) 22:03:37.61gVmEoezI0 (18/23)

巌鉄「見ろ、この業火」


巌鉄爺さんが指差したかまどには中級火炎魔法並みの業火が舞っていた。


巌鉄「これが普通の剣に使われる鉄じゃが、これをこの火の中に少し入れると赤くなる」


確かにかまどに少し入れてから出すと真っ赤になっている。


巌鉄「がこの剣は少しも赤くならないどころか曇りもせず、熱くすらならない。」


まったくもってその通り、恐る恐る触ってみるが暖かくすらなってない。冷たいままだ。


巌鉄「他にも、この刀身に使われている材料には金属にあるはずの延性が無い。」ガキイイィン


そう言いながら金属製のハンマーで思いっきり刀身を叩く

爺さんが言いたいことはつまり、普通の鉄は叩けば金属特有の"延性"によって形が多少変わるがこれはちっとも変わらないとのこと


359>>12012/12/24(月) 22:04:25.40gVmEoezI0 (19/23)

巌鉄「しかもこれは長年使っているのじゃろ?」

勇者「あぁ、少なくとも数年間」

巌鉄「そんなに長い間これで戦っていて刃こぼれの一つもない。いや、それどころか傷一つすらない。」

巌鉄「見た目も鋭さも金属と変わりないのに金属の特徴が一つも無い。強いて言えば金属光沢ぐらいなもんだ。」


そう言いながら磁石を近づけては離す。もちろん磁石に反応することは無かった。


勇者「じゃあこれは何で作られているんだ?」

巌鉄「分からん。見つけた場所から言うと、大昔に耐えてしまった材料で作られたのか…それかまだ確認されていない未知の鉱物?もしかしたらこの星のものではないかもな」

勇者「…」

巌鉄「はっはっは、最後のはさすがに冗談じゃ。ほれ、返すぞ」ガチャ

勇者「あ、あぁ」


剣を渡される。手に持ったとき、異様にフィットした。まるで元々自分の体の一部だったかのように、手放してから抱えていた違和感が完全に無くなった。


巌鉄「すまんな、あまり力にはなれなかったようじゃわい。」

勇者「いや、それでも色々分かったさ。ありがとよ爺さん、お金はどれくらい?」

巌鉄「いや、金は貰わん。わしも面白いものを見せてもらったお礼じゃ、やはり世界は広いもんじゃ」


そう言って笑い出す。

何が頑固者だ。かなり気さくな爺さんじゃねえか、町の奴らに騙されたっ

内心ビクビクして行った俺が馬鹿みたいじゃないか…魔王には言わないでおこう


360>>12012/12/24(月) 22:04:57.10gVmEoezI0 (20/23)

その後、魔王と合流


魔王「で、どうだったのじゃ?」

勇者「かなりおっかない頑固者だったぞ(棒読み)」

魔王「そ、そうだったのかや(やはり行かなくて正解だったのじゃ)」


後半なんかゴニョゴニョと小声が


勇者「後半何だって?」

魔王「な、なんでもないのじゃ」プイ


そっぽを向く魔王、その尻尾は大きく左右へ

ははーん


勇者「何か『行かなくてよかった』的なことを言ったか?」

魔王「ほとんど聞こえておるではないかや!」

勇者「ほほぉ、あてずっぽが当たったな」

魔王「しまったのじゃ!?」


驚いてとっさに口に手をやる魔王、やっぱり苦手なんだな頑固者


361>>12012/12/24(月) 22:06:15.90gVmEoezI0 (21/23)

勇者「まさか、お前苦手なのか?そういう頑固な人間」

魔王「そ、そういうわけではないのじゃ!」

勇者「じゃあどういうわけなのかな?口を滑らせてしまったキツネちゃん?」

魔王「それは・・その…うぅ、ぁぅ」


恥ずかしそうに俯く魔王、尻尾も苦しそうに揺れている。

おぉ、葛藤が見て取れるねぇ。


勇者「言えないと言うことは図星かぁ、やっぱり苦手なんだね。」

魔王「くうぅ、覚えておれよ…」ワッサワッサ


今度は怒りに揺れる尻尾である。


362>>12012/12/24(月) 22:13:47.24gVmEoezI0 (22/23)

その後、宿屋到着


魔王「主よ、先に言っておくが、ベッドはシングルを二つじゃからな。ダブル一つの部屋にするななのじゃ」

勇者「へいへい」


なんてな、俺がそれで妥協するわけないだろ!

エロが書けないなら(>>1の技量的な問題で)ギリギリセーフな感じで同じベッドの上で一晩中モフモフするぐらいは許されるはずだ!

だから、俺は何とかしてダブル一つの部屋にしてやるぜ!!

でもどうしようか、宿屋の手続きの間こいつをどっかにやって勝手に手続きは出来ないし…(泊まる人数を確認するために全員そろってないと手続きは出来ない)

「一人だけどダブルで!」なんて言うのもおかしいし…

魔王を論破するか?それともどうにかして…う~ん


>>364


363VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 22:28:19.5726/REFmuo (2/2)

おっぱいは、正義だ。


ではなく、宿屋の主人に「実は新婚で、嫁が恥ずかしがりやで以下略」とこっそり耳打ちして協力を仰ぐ。


364VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/24(月) 22:31:20.02VgKRQjhq0 (3/3)




365>>12012/12/24(月) 22:51:43.63gVmEoezI0 (23/23)

勇者「あの、ご主人、少し頼みがあるんだが。」


魔王が手持ち無沙汰に宿屋内を見て周っているのを確認してこっそり耳打ちする


ご主人「へぇ、なんでしょうか」

勇者「実は俺とあいつは新婚でね、嫁が恥ずかしがりやで全然進展しなくて困ってんだよ。それで無理矢理リードしようと思ってね、ベッドはダブル一つで頼めるか?もちろんあいつには内緒で」

ご主人「…へぇ、そいつは面白そうですがね。とりあえず、夫婦を証明できますか?」


げ、そう来るか…


>>367


366VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 00:51:52.47Z6fFMQWAo (1/3)

冬の風呂上りは辛い

とりあえず魔王抱きしめつつケモミミの素晴らしさを語ってゴリ押し


367VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 01:47:06.06DKCvhoL4o (1/1)




368兵士2012/12/25(火) 17:13:33.89hJYnouye0 (1/1)

うわ引きそうwやべぇなw


369>>12012/12/25(火) 18:50:48.74a0czDCo/0 (1/9)

勇者「おーい、魔王ちょっと来てくれ」


宿屋に飾ってあるこの辺の山々の風景写真を見ている魔王を呼ぶ


魔王「何じゃ、主よ」


テトテトと可愛い小走りで魔王がやってくる。

走るたびに揺れる狐耳と尻尾が可愛すぎるよ。

見るとご主人もその尻尾と耳を交互に見つめている。あの瞳の中には感情と理性の間で揺らめく葛藤が見える。これはいけるな


勇者「」ニヤリ

勇者「魔王、確保」ギュー

魔王「ひゃあ!?い、い、いきなりなにするんじゃ」ワサワサ


いきなりすぎて驚いたのか顔が真っ赤になっている。尻尾も悶え狂うように動き回っている。俺の心も悶え苦しんでいる。こいつ可愛すぎるだろ


370>>12012/12/25(火) 18:53:45.83a0czDCo/0 (2/9)

勇者「あぁ、もう可愛すぎる」スリスリ

魔王「こ、これ、他人の前なのじゃ、やめるのじゃあ」ジタバタ


暴れるけど頬擦りしながらさらに力をこめて押さえつける。実際はそこまで嫌がってないだろう。だってこの怪力系幼女のことだ、本気で嫌がっているなら今頃吹っ飛ばされている。


勇者「無理無理、やめられないよ。この抱き心地の良さ、触り心地の良さ、すべすべのほっぺ、もふもふのしっぽ、そしてふにふにのちっちゃなm…」

魔王「そこは触るななのじゃ!」ゲシッ

勇者「まごふっ」


371>>12012/12/25(火) 18:56:23.45a0czDCo/0 (3/9)

小さくて可愛いとある部分を揉んだらいきなり蹴られた。

相変わらず美しい後ろ回し蹴りだ。思わず腹痛が…

しかし、今日は引き下がれない理由がある!全てはダブルベッドのため!!

くるっと回ってワンターン、魔王を抱き締めたり頬擦りしたりしながらご主人に振り向く


勇者「どうだご主人、こんなにイチャイチャラブラブ出来ることが夫婦の証明だ」ドーン

魔王「ふ…夫婦…ぁぅ///」


なんか腕の中の魔王の体温が著しく上がったような気もするが気のせいだろう。


372>>12012/12/25(火) 18:59:57.26a0czDCo/0 (4/9)

勇者「さぁ、どうだ!」

ご主人「いや、無理ですよ。」

勇者「貴様、この子の可愛さ、ひいてはケモ耳しっぽの可愛さを分からぬと言うのか!!」


俺の見込みじゃこいつは絶対にケモ耳かしっぽフェチだ!

ちなみに俺はしっぽ派だ。もふもふの揺れるしっぽが大大大好きなんだ!

あ、もちろん耳とワンセットじゃなきゃダメだけどな


373兵士2012/12/25(火) 20:41:41.19j5dXD/mf0 (1/1)

笑えたww


374>>12012/12/25(火) 21:47:09.79a0czDCo/0 (5/9)

勇者「ならば教えてやろう。この芸術的ともいえる可愛さを誇る魔王の可愛さを」


釣られてちっちゃな魔王の頭の上の狐耳を見る主人、可愛いと言われて嬉しかったらしくその狐耳はくすぐったそうに動いている。…文法?何言ってんだ正常じゃないか


勇者「まずは見ろ、この形の整った狐耳を!金色の長く美しい髪と相まって良さが倍増だ!感情を表し、シュンとなったりピクピク動いたりする様は萌えなどという言葉で表せないほどの可愛さだ!そう、これこそ某ヒロインが唱えた"蕩れ"という言葉を使うに値するものじゃないか!!しかも普通の人間には無いというレア感がケモ耳の素晴らしさをよりいっそう際立たせる。ファンタジー世界だからこそ許される完全無欠の属性、それがケモ耳なんだよ。その中でも狐耳は特別~(限りなく長いため省略します)


二時間後


勇者「次にこの美しいしっぽだ!美しく愛おしく可愛らしいこの尻尾だ!!全世界のどの毛皮を集めて比べても群を抜いて大差をつけてトップに躍り出るほどの可愛さと美しさを持ったこの尻尾だ!感情を表して揺れたりシュンとなったり逆立ったりピーンとなったりワッサワッサとゆらゆらと揺れる様はもう言葉では言い表せないほどに可愛い!可愛い意外に表す言葉が見つからない!!喜びを表し悲しみを表し時には恥ずかしさや怒りすら表すもう超可愛いとしか言葉が出ない。そうだろ?そうなんだよ!!中でも狐の尻尾ってのは形が良く触り心地がよくもふもふでふんもっふでもう顔をうずめたくなる(いくらなんでも長すぎるので省略です)


5時間後


勇者「どうだ、分かったかああぁぁあああああ!!」ビシッ

勇者「そうだ、これでも分からないならもう一度説明しなおしてやるぜ?もっとボリューム大目に」

ご主人「分かりました、分かりましたよ。認めますよ。あなたの勝ちです。お願いですから早く部屋に行ってくださいー(半泣き)」


この数時間で何故かすごいゲンナリしてしまったご主人に部屋の鍵を渡される。残念だ。後7時間は尻尾だけで語れたのに

それにしても尻尾はほとんど感情と勢いだけで喋っていた気がする。主に可愛いとしか言ってない気がする

ちなみに魔王は

①嬉しそうに聞いていた。
②途中から飽きて勇者の腕の中で半分寝てる
③途中から飽きて宿屋の中を探検していた
④自由安価

>>376


375VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 22:03:05.94Z6fFMQWAo (2/3)

安価もうとったからksk


376VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 22:07:48.30udcyLJ61P (1/1)

3


377>>12012/12/25(火) 22:25:49.05a0czDCo/0 (6/9)

勇者「おい魔王、終わったぞ。」

魔王「おぉ、終わったのかやずいぶん長かったのじゃな」

勇者「あぁ、かなり白熱した。」


まぁ俺が一方的に熱くなってただけだけどさ


魔王「というかもう夜なのじゃ。何を話しておったらこんなに遅くなるのじゃ?」

勇者「それはもう、本当に可愛いお前についてだ」

魔王「…///」


なんて返せばいいのか分からないのか無言でうつむく魔王、尻尾を見るにとりあえず恥ずかしがりながら喜んでるね。尻尾がほうきみたいに床を掃いているよ


378>>12012/12/25(火) 22:44:39.54a0czDCo/0 (7/9)

魔王「そ、そういえば主よ」

勇者「何だ?」


いきなり話題を変えて逃げたな、まぁいいけど…ええと、404号室はどこかなと


魔王「主が話しておる間に町へ出て買い物など済ませておったのじゃ」


そう言うとこの町で買い込む予定だった分の食料を出す。…それらはどこにしまっていたし

あと、俺の財布…


勇者「…って財布!?あ、いつの間に!!?」


後ろポケットに無かった。こいつ、いつの間に盗賊に転職したんだ…魔王、恐ろしい子


魔王「主が話に夢中になりすぎたのが悪いんじゃ。簡単に取れたのじゃ♪」


くそっ、得意げにしやがって…


勇者「…それはともかく」


財布をしまいながら恨めしげに言う。


勇者「お前宿屋の中を探検してたんじゃなかったのか?」

魔王「うむ、よくよく考えれば七時間も宿屋の中で満足できるわけがないのじゃ。じゃから少し変えたというわけなのじゃ」

勇者「いやいや、安価を都合よく変えちゃダメでしょ…ってメタネタはここまでにしておこう」


皆はちゃんと後先考えようね(苦笑い)


勇者「お、ようやく見つけた。404号室だ。」


ようやく見つかった。地味に広いぞこの宿屋

開いて入ると部屋の光景が目に飛び込んでくる。

部屋の中は

>>380


379VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 22:51:20.05/mn4GzHpo (1/1)

全体的に艶かしいピンクの部屋(回転ベッド付き)


380VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 23:11:41.17Z6fFMQWAo (3/3)




381>>12012/12/25(火) 23:26:32.22a0czDCo/0 (8/9)

勇者(なんじゃこりゃああああああ)


うん、なんて言えばいいんだろうね。一言で言えば酷い部屋だったよ。なんか桃色だ、淡い桃色の光で満たされている部屋だ。

どうしろっての?ヘタレの俺と18いかない>>1にどうしろっての?俺は一緒のベッドでもふもふ出来ればよかったんだよ。濃厚なしエロは出来ないし書けないんだよ。

今まで官能小説もエロイssもロクに読んでないから書けないってば、この間試しに書いてみたらエロイ単語を覚えたての小学生並みの出来になったっての

いやいや、そういう問題じゃねえよ。その前に魔王が…


魔王「…」


唖然、絶句、やめて、俺を睨まないで、俺はここまで頼んでねえよ。ってか何でこの一見ボロい宿屋にこんなホテル顔負けの部屋があんだよ。

いや、そういう場合でもない。何とかしなければ魔王からの信頼が一気に地に落ちかねない。なんとか、何とかフォローを入れたい。入れなければ!!


>>383


382VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 23:36:50.816weEhYlo0 (1/1)

部屋間違ってるんじゃね?主人に確認してみるか


383>>12012/12/25(火) 23:38:49.54a0czDCo/0 (9/9)

眠気MAXだから寝るわ、安価に被ってたら↓に


384VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/25(火) 23:43:46.26o3s+gu/ao (1/1)

他にないか聞いてくる

(しかし、元々ダブルの部屋はここだけ)


385>>12012/12/26(水) 19:25:08.99w2XNLNJH0 (1/3)

魔王「主よ…」ジー


わー、思いっきりジト目だー

ヤバいね、このまま行くと同室すら拒否られそうだ。


勇者「…さ、さすがにこれは酷いな、うん、部屋変えてもらおう。」スタスタ


魔王の手を引いてフロントに戻ろうとする。


魔王「主よ、今妾の反応を見て決めなかったかや?」

勇者「無い無い無い無い無い無い無い」ブンブン


手も首も激しく振って否定する。


魔王「ふむ…まぁよいか。どの道この部屋には泊まらぬのじゃろ?」

勇者「あぁ、他に部屋がないか聞いてこよう」


よ、良かった。とりあえず誤解だけは避けられる


386>>12012/12/26(水) 21:43:39.89w2XNLNJH0 (2/3)

ご主人「他の部屋?ダブルベッドはあそこだけですよ」

勇者「はぁあ!?一室だけってどういうことだよ。普通もっとあるだろ!!」

ご主人「個人経営ですからね。普通とは違うんですよ。」ニヤリ


魔王が「ダブルベッドとはどういうことじゃ?」とかいう視線を向けてきたがまぁこの際無視しておこう


ご主人「どうしてもというのなら他の宿屋にしたらどうです?ま、先ほどの長話のせいで遅くなりましたから探すのは困難でしょうが」ニヤニヤ


くっそ、さっきの恨みかこんちくしょう。


魔王「主よ、普通にシングル二つでいいのじゃ。妾は早く寝たいのじゃ」


不機嫌そうにしっぽが床を掃く


>>388


387VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/26(水) 22:19:35.89GjdxU/YQo (1/1)

シングルの部屋は1つしか空いてません
ツインは満室です


388VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/26(水) 23:09:43.3705MD5FTn0 (1/1)




389>>12012/12/26(水) 23:18:49.41w2XNLNJH0 (3/3)

すごく少なくて申し訳ないのですが今日はここまでです。
明日明後日と諸事情で書けなくなります。


390VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/27(木) 11:03:43.87SH3QINBBo (1/1)

おつー


391>>12012/12/28(金) 20:31:53.27rzXeb7Z20 (1/4)

予定より早く書けるようになった。始めるよっと


392>>12012/12/28(金) 20:32:52.80rzXeb7Z20 (2/4)

ご主人「ツインの部屋は全て埋まってますよ。シングルが一つある程度ですねぇ」

勇者「嘘だ!そんな繁盛しているようには見えないぞ」

ご主人「見かけが全てではありませんよ。これでもほぼ満室です。」

勇者「ぐっ…」

ご主人「どうします?もう真夜中ですからねぇ、今から宿を探すのはさぞ骨が折れるでしょうね」


くそ、ニヤニヤしやがって

その笑顔の裏には「この時間帯では見つかってもどこもお高いでしょうね」という意味合いを孕んでいる


勇者「あぁ、もういいよシングルでも!魔王さえベッドで寝れれば俺は床に寝袋で転がって寝てるから」

勇者「それでいいか?魔王?」

魔王「>>394」


393VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/28(金) 23:00:35.30EuOoBOLDO (1/1)

安価とる人なかなか来ないかもだけど
kskst


394VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/28(金) 23:12:27.92ukHC1oJ1o (1/1)

仕方なくさっきのダブルの部屋へ(ただし勇者は床)


395>>12012/12/28(金) 23:37:46.72rzXeb7Z20 (3/4)

魔王「わざわざ、他の部屋に移動せずともあの部屋でいいのじゃ」

勇者「え、それって」キラキラ

魔王「目を輝かせるななのじゃ!もちろん主は床じゃからな」

勇者「…も、もちろんだ。それが当然だよな」

魔王「なぜそこで本気で残念そうな顔をするのじゃ」ジトー

勇者「ナ、ナンデモナイカナ」

ご主人「ちなみにコン○○ムは二番目の引き出しに入ってるからね」ニヤニヤ

勇者「そんな説明はいらんわ!」


396>>12012/12/28(金) 23:50:45.40rzXeb7Z20 (4/4)

部屋


いや、無理だって…ここだけ雰囲気が全然違うよ。何で一室だけこんな部屋があるんだよ。


魔王「妾はもう寝るのじゃ…今日、というかこの部屋であまり起きている気にはなれぬ」

勇者「え、もう寝るの?」

魔王「何度も言うが、主は床じゃ」

勇者「分かってますよ…分かってますとも」


ちなみに俺、泣いてます。そりゃそうでしょ、こんな色々目覚めちまいそうな部屋にいてどうやって何も考えず寝ろと?

色々考えが膨らみますよ。なのに現実は、せっかくのダブルベッドなのに俺一人床だよ。毎日の日課である魔王の顔見ながら就寝することすら出来ない。

ふざけんなあのご主人、この町出るとき魔法で宿ごと焼き払ってやろうか。

とはいえ、どうしようか

魔王はもう寝ているしな…こんな部屋にいて何もせずに一晩過ごす気か変態勇者よ?

でもここでやったら流れ的に信用ガタ落ちしそうだしな…寝顔鑑賞だけでガマンすべき?


行動自由安価
>>398


397>>12012/12/29(土) 00:14:08.91byGLhBQ+0 (1/1)

眠いから寝る。安価に被ってたら↓に


398VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/29(土) 07:25:48.86L3B/Aeaqo (1/1)

悶々としていつつも眠気に勝てず熟睡
朝、目覚めると何故か魔王が一緒の布団で寝ていらっしゃる
テンパって布団から脱しようとするも、ジョニー付近をガッシリ掴まれていて失敗


399VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 05:27:48.00C8woWr9DO (1/1)

安価スレならスレタイに入れとけよ(そうしたら読まないからさ)

出だし面白かったのに残念


400VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/31(月) 03:08:16.05Hf6jNJ6DO (1/1)

>>399
スレタイに入れた方が良いってとこは同意だけど、序盤から安価はあったからその指摘は今更感が…
まぁ安価嫌いな人には死活問題だから仕方無いかな、ちなみに俺は安価好きっすから>>1を応援する



401>>12012/12/31(月) 21:50:15.97IUG7YuSZ0 (1/7)

そうだよな、安価嫌いな人もいるもんな。
何故タイトルに入れ忘れたのか昔の俺を小一時間問い詰めたいよOTL
始める


402>>12012/12/31(月) 21:51:21.04IUG7YuSZ0 (2/7)

勇者「やるしかない。」


とは言ったものの未だ悶々と考えている。だって仕方ないじゃん俺だって色々考えるよ

魔王可愛いとか、魔王大好きとか、魔王可愛すぎるとか魔王モフモフしたいとか魔王大好きすぎて死ねるとか魔王可愛いとか魔王可愛いとか魔王可愛いとか

あと、モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ…


勇者「うん、本当に色々考えているな俺は」


…………


勇者「突っ込み不在って怖い。…ってか寂しい」


いつもだったら「色々どころかほとんど一つじゃろうが!!」とか言って突っ込んでくれるんだが…熟睡中である。


403>>12012/12/31(月) 22:04:25.73IUG7YuSZ0 (3/7)

キツネちゃんキツネちゃん、起きてよ起きてよこの中で寝るのは色々きついよ…かといって起こす勇気もないけど

えぇい、俺の弱虫め!!とっとと襲ってしまえばいいものの…ってか襲うのは流石にまずいって

いや、じゃあせめてちっぱ…胸を揉むぐらいいいじゃないか。いいや、それで目を覚ましちまったら俺ジ・エンド

いや、だったら…いえ、いや、いや…


404>>12012/12/31(月) 22:42:42.14IUG7YuSZ0 (4/7)



チュンチュン、小鳥が窓辺でさえずる。

うん、いつの間にか寝てたんだな、朝チュンの割には結局何もできてないけどね


勇者「いい朝だ、さて、今日も変態勇者業に専念するか」


うん?なんか違和感…主に人間の体温を感じる。俺よりかなり背の低い人間の体温を


勇者「って…魔王!?」


魔王さんがかなり低いところで俺にしがみつきながら熟睡していらっしゃる…ドユコト?


405>>12012/12/31(月) 22:55:24.85IUG7YuSZ0 (5/7)

ってかマジで何があったの??昨日は何も無しに寝てしまったはず…いやいややばいよ相変わらず可愛すぎる寝顔だよマイサンが元気になっちゃうよ


勇者「ってか早く抜け出さないと!」


じゃないと何が起こるかわかったもんじゃない


ムンズ


脱け出せない

え?ドユコト?

状況が掴めないので整理しよう





大変だ俺のジョニーががっちりホールドされてる。ジョニーよ、つかまってしまうとはなさけない


406>>12012/12/31(月) 23:13:38.25IUG7YuSZ0 (6/7)

勇者「いやいや、そんな小洒落たジョーク言っている場合じゃない…なんとかして魔王が目覚める前に…」

勇者「早く…おきな、い…と」

魔王「ふあぁーあ、よく寝たのじゃあ」

魔王「ん?主よ~おはよお、なのじゃー」

勇者「あ、あぁ…良いお目覚めで…ちなみに俺は青ざめて」


起きやがった。この状況で…俺の中に鳴り響くはレッドアラート、目の前はブラックアウトのホワイトワールド

これから何が起こるかを思うと目の前が真っ暗になって意識が飛びそうになったり真っ白になって気絶しそうになったり目眩がするんだなこれが


407>>12012/12/31(月) 23:20:01.27IUG7YuSZ0 (7/7)


魔王「何を朝っぱらから固まっておるのじゃお主?…っ!!?」


あぁ、気づいてしまったか、俺の顔と自分の手を交互に見る魔王…俺は何にもしていません


勇者「お、俺は何もしてない…何もしてないぞ!?」

魔王「いや、わ、妾ここここそそそこ、こ、こ、これは…わ、妾は…あ、あぅ…///」


あ、真っ赤になってる可愛い♪

しかし次に飛び込んできたのは拳である


魔王「もう一度眠れなのじゃ!!///」バキ

勇者「理不尽だ!!」


もう一度眠る羽目になってしまった。


408>>12013/01/01(火) 00:10:56.74uqd/flzw0 (1/5)

夢の中にて


ここは多分俺の夢の中

最近本当に変な夢ばかりだ。

まず一つにここが夢だと理解できること、そしてもう一つ、こういう夢を見るときは大抵あの人が出てくる


「また会いましたね。勇者さん」


女神のように美しい幼女が俺に語りかける。

魔王や闇夜の魔女なんかと同じように見た目だけ幼女で雰囲気は大人びている優しい表情の美少女

夢に出てくると言うよりは夢を通じて話しかけているそうで


409>>12013/01/01(火) 00:32:56.02uqd/flzw0 (2/5)

勇者「本当に最近はよく来るね」

「必要なのよ。私にはあなたとの雑談が」

勇者「必要?」

「えぇ、あなたが元気でいることが私の希望なの」


意味不明すぎるよ

でも意味を聞いたところではぐらかされるのだから思い切って別の質問に切り替えてみよう


勇者「…いつも聞きそびれてはいるが君は何者なんだ?」

「では今日も聞きそびれてもらいます。まだ知るべきではないことですから」


結局はぐらかされるのな、じゃあ色々質問を…一つぐらい答えてくれるかもしれない


勇者「じゃあ何で君は俺の夢に来る?どうやって来ているんだ?しかも俺は決まって夢から覚めるときには忘れているし、俺に意味はあるのか?」


そう、何故か夢から覚めるとすっぱり忘れてしまう。そして、何故かこの夢を見るときだけ思い出す。


「そうね、じゃあ最初の質問だけ。私の存在については…"魔女"とだけ答えておきましょう。」


…もしかして魔女って皆幼女なの?

未だ魔女は二人(こいつの言っていることが正しければだが)しか見ていないがそんな素敵な考えが頭を駆け巡る。

しかし本当に魔女なのか?闇夜の魔女は"魔女"と言われても何故か違和感が無かった。それだけの黒いオーラをまとっていた。

でも目の前の魔女と名乗る子供はむしろ真逆の白いオーラをまとっていた。近くにいるだけで安心できるような、いや希望を持てるような不思議な雰囲気のオーラを


410>>12013/01/01(火) 01:35:03.35uqd/flzw0 (3/5)

ってか結局答えるのは最初の質問だけかよ


謎の魔女(仮)「まぁ、でも今日は雑談しに来たんじゃないわ。」

謎の魔女「警告しに来たのよ」

勇者「警告?」

謎の魔女「気をつけなさい、ニャルラトホテプが動き出したわ。」

勇者「誰?新魔王?」


気をつけなきゃならない相手ってのがまず思いつかない。

俺に敵意を持ちそうな奴は、そいつとあの狐面と…漆黒の厨二病ぐらいだもんなぁ、あの町に行ったときに会わなければいいけど


謎の魔女「そんな小物よりもよっぽど厄介な存在よ。」


マジか、魔王の後継者は小物だったのか…じゃあ小物に負けたあのキツネちゃんは…うん、これ以上考えたら殺されそうだからやめておこう


謎の魔女「あいつは本当に厄介よ。どう転んでも思い通りになるように練り上げた恐ろしく完璧な計画を幾重にも張り巡らすほどに狡猾で臆病」

勇者「臆病?じゃあ弱いのか?」


なるほど、弱いから自分から来ないでその完璧な計画とやらで俺を倒そうとしているわけか…しかし、どんな人間にも"完璧"はありえないんだ。

絶対、計画の綻びを突いてボロを出させてやるよ。そこから敵の所在を掴んで直接ぶちのめしに行けばいい。


謎の魔女「逆よ、とてつもなく強いわ。あなたじゃどう転んでも倒せない。」


411>>12013/01/01(火) 02:01:38.09uqd/flzw0 (4/5)

勇者「マジ?…どうしようもないじゃん」


凄い計画を張り巡らしている上にそれをすり抜けても待っているのはとてつもなく強い敵だなんて


謎の魔女「そうでもないわ、やりようはいくらでもあるわ。」

勇者「どんなやりようがあるってんだよ」

謎の魔女「さて?それはあなたが探すことよ…時間ね、そろそろ目覚めなさい」

勇者「待てよ、色々聞きたいことが」

謎の魔女「じゃあ先ほどの質問をもう一つだけ答えてあげるわ」

謎の魔女「この夢に私が現れるのは私の魔女としての力、あなたが現実でこの夢の中で得た知識を忘れるのも同じ魔術、でも今日は一つだけ記憶を持って出てほしいわ」

勇者「さっきの警告か?」

謎の魔女「えぇもちろん、さっきも言ったけど今日はそのためだけに来たのよ。」

勇者「…分かった。何者か知らないけどその名に肝を命じておく」

謎の魔女「えぇ、精々気をつけなさい。相手は百年先を見据えた罠を張るような奴よ…あなたはすでに脅威の中にいるわ」


女神のような魔女は意味深な言葉を残して消え去った。

こうなったら夢が覚めるのもすぐだな

視界が白いもやに包まれて薄れてゆく、あぁ目が覚める。

…現実はどういう状況だったっけ?


412>>12013/01/01(火) 02:50:50.28uqd/flzw0 (5/5)

現実


勇者「ん・・・」


床、妖しい部屋の真ん中で寝袋で寝ている。そうだ、ここで殴られて二度寝(強制&自動的に)したんだった。

ん?床?寝袋にしちゃ柔らかすぎるような…いや、モフモフでワサワサで…ってかこれは


勇者「魔王の尻尾!?」


しかも九本!?


勇者「マジで!?何で!?何がどうなってるの!?」


何故か俺は魔王の九尾に抱かれて寝ていた


魔王「くふ、いいお目覚めだったかや?」


天使がいました。俺の頭を撫でながら座っている柔らかい表情の幼女の天使です。


413>>12013/01/02(水) 00:29:15.13xGDcEBuz0 (1/9)

嬉しそうに動く耳が見える。ちなみに俺も凄く嬉しいよ!


魔王「ちなみに妾のスカートに触ったり中を覗こうとしたりしたら二度と触らせてやらぬのじゃ」

勇者「…すいません」


手を引っ込める。くそ、バレたか…

でもこの尻尾のモフモフに触っているだけでも幸せだわぁー

モフモフモフモフ…


魔王「主よ、そんなに嬉しいかや?」

勇者「そりゃもちろん。魔王にこんなに引っ付いていられるのも九尾にモフモフと出来るのも幸せだ」

魔王「そ、そうかや…///」


耳がさっきより嬉しそうに動き、俺がモフモフといじっている尻尾も動く


414>>12013/01/02(水) 01:18:06.09xGDcEBuz0 (2/9)

勇者「ってか九尾を出して大丈夫なのか?確か妖力が漏れて敵に感知されるんじゃ…」

魔王「ふふ、それは大丈夫なのじゃ。この宿屋の主人が魔力感知されないようにバリアのような物を張っているようでの」

勇者「何者だよあいつ…」


後でぶっ飛ばそうと思っていたがやめておこう。この状況も奴のおかげと言えなくも無いし


魔王「ま、先ほど殴ってしまったお詫びじゃ…まぁ、その…妾も悪かったのじゃ。」


モジモジとしながら消え入りそうな声で謝る魔王


勇者「可愛すぎる!」ギュー

魔王「ひゃあ!?こ、こら主よ…またかや!またなのかや!!」ワサワサ


いつも通り抱きしめる。可愛いは正義だからね、ここまで可愛かったら殴られたって許せちゃうよ。


415>>12013/01/02(水) 15:05:02.96xGDcEBuz0 (3/9)

魔王「まったく主は…」ワッサワッサ


まったくと言いながら嬉しそうに尻尾を揺らす魔王である。


勇者「そう言えばお前は何故俺の寝袋に潜り込んでいたんだ?」

魔王「」ピク


魔王の尻尾の動きが止まる。


勇者「昨日は何も無かったはずだよな?」

魔王「あ、いや…妾は…」ワサワサ


そして焦ったようにまた激しく揺れだす。


勇者「?」

魔王「…主は、何も覚えていないのかや?」

勇者「え?えぇ?」


何!?俺やっぱり何かしたの!??


魔王「やはり…あれは主の意思ではなく酒の勢いだったのじゃな」グスン


魔王(口から出任せ&嘘泣きじゃ、本当は夜中に目が覚めて寂しくなっただけじゃが………そんな事恥ずくて言えるはずもないじゃろうが!!///)


何!?何でそんな泣きながら顔赤くしてるの!?


勇者「な、なぁ…俺、やっぱり何か………した、のか?」


恐る恐る聞いてみる。


魔王は

①顔を赤くして無言で俯く

②ここでネタばらし、魔王「まったくの嘘じゃ♪」

③強がってるフリをして、魔王「もちろん何も無かったのじゃ」

④魔王「(自由安価)」


>>417


416VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/02(水) 15:09:38.07QcIufcvRo (1/1)

kskst


417VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/02(水) 15:26:08.65C0MBNplqo (1/1)

①だ


418>>12013/01/02(水) 15:54:43.08xGDcEBuz0 (4/9)

魔王「…///」

勇者「…ええぇぇえぇえええ!!」


顔を赤くして無言で俯く魔王、それを見て俺の中に溢れるは罪悪感である。

やばいよ、色々ヤバいよ!俺はイチャラブしてればそれでよかったのに!もっとKEN☆ZENな関係でいたかったのに

やっちまったのか!?女の子の口からはとても言えないような、恥ずかしいことをしてしまったのか!?この魔王が無言で真っ赤になって俯くような事を


勇者「…責任はちゃんと取ります」


頼む、俺の勘違いであってくれ!!「責任?何のことじゃ?」とか言ってくれええ



①勇者に抱き付いて 魔王「妾を大切にしてくりゃれ?」

②これ以上やったらまずいのでそろそろネタバラし

③魔王「(自由安価)」

>>420


419VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/02(水) 16:43:36.86FyvtnjbLo (1/1)

1


420VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/02(水) 22:46:04.20YMDbD7BDo (1/1)

だが2で!


421VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/02(水) 22:46:20.59zs8zoZy2o (1/1)

1その後2


422>>12013/01/02(水) 23:05:57.28xGDcEBuz0 (5/9)

魔王「ぷ、ぷくくくく」

勇者「へ?」


魔王が肩を震わして笑っている。尻尾も小刻みに揺れている。


魔王「たわけが。見事に引っかかったのじゃ」


m9的な感じで思いっきり笑われた。え?ドユコト?

えっと、つまり…


勇者「だーまーしーたーなー!!」


やられた!おもいっきりやられた!


魔王「そんなことあるわけないじゃろうが、全部嘘なのじゃ♪」


太陽のように明るい笑顔で言われる、


勇者「うがあああああああああ、よくも男の純情を踏みにじったなこんちきしょー」ドカドカ


捕まえてお仕置きだ。と捕まえようと部屋の中を踊るように走る魔王を追いかける

広いなこの部屋


魔王「ふふ、主の日ごろに行いが悪いんじゃ。」ヒラリ


一瞬の動作で避けられる


勇者「ぐ」


あぁ、確かに思いましたよ。俺なら酒の勢いでやるかもしれないって!酒なら記憶無くしているかもしれないって…でも、だからといって


勇者「だが、ゆるさーん!!」ダッ

魔王「くくく、主に捕まる妾ではないのじゃ」ヒラリ


また避けられる。なんて回避力だ


魔王「ところで主よ、町長のところに行かなくてよいのかや?」

勇者「あ…忘れていた。魔王、チェックアウトするぞ」

魔王「了解なのじゃ♪」


魔王(ふぅ、なんとか布団に潜り込んでいた件からは話をそらせたのじゃ)


423>>12013/01/02(水) 23:21:08.07xGDcEBuz0 (6/9)

宿屋、カウンター


ご主人「ゆうべはおたのしみでしたね」

勇者「え?」

ご主人「ゆうべはたのしみでしたね」ニヤリ

勇者「なにそれこわい」


424>>12013/01/02(水) 23:40:18.93xGDcEBuz0 (7/9)

>>423
どうでもいいところだけどミス一

×ご主人「ゆうべはたのしみでしたね」ニヤリ

○ご主人「ゆうべはおたのしみでしたね」ニヤリ


425>>12013/01/02(水) 23:53:52.02xGDcEBuz0 (8/9)

町長の家


町長「どうも、私が町長です。」


町長は立派な髭を生やした厳格そうな人物だった。

少なくともあんな立て札は立てそうにない。


町長「おぉ、あなたがかの有名な光の勇者様ですか」



-お前が光?笑わせるな-



勇者「…光だとかはやめてくれ。俺はそんな大層な人間じゃない」



-そうだ、お前は光なんかじゃない。記憶の蓋を開け。俺を思い出せ-



町長「何故ですか?あなたは世界を平和に導いた光ではありませんか」



-お前の中にあるのは大きく深く、濃い闇だよ-



勇者「やめてくれ!」


俺の心の奥底から響く嫌な声を振り払う

俺は記憶が無い。仲間と出会い、世界平和の旅を始める前の記憶は…


426>>12013/01/02(水) 23:58:30.21xGDcEBuz0 (9/9)

しかし、よくある話とは違い、俺は記憶を取り戻したいとは思わない。

何故なら過去を思い出そうとすると必ず"奴"が表れるからだ。

自分自身には違いないが自分であるはずかない。俺はあそこまで恐ろしい気配をまとってない

声も顔も変わらない。しかし酷いボロをまとい、痩せ細った姿の実に貧しい自分だ。

そいつが囁くのだ。俺の本質は"闇"であると

だから俺は過去を取り戻したくなんかない。闇に戻るくらいなら今の変態のまm…じゃなくて変態勇者のままでいい。

しかも、最近あいつは日常にも出てくるようになった。そして「記憶を取り戻せ」と囁く

初めて奴が出てきたのは海底遺跡ルルイエに行った時だったな。


427>>12013/01/03(木) 00:04:42.85kmxFIPgX0 (1/12)

「…よ」

魔王「主よ!」

勇者「わっ!?」


魔王の声で現実に引き戻される。


魔王「主よ、どうしたのじゃ?いきなり怒鳴ったり黙りこくったりしおって」

勇者「え、あ、…すまん。いや、すいませんでした。」


深々と腰を折り、町長に謝る。


町長「いえ、私も調子に乗り過ぎましたね。すいません」

勇者「はい、ところで俺達がここに寄った理由だけど、国王の命令で困りごとがあれば、解決するように言われている。何かないかな?」


無ければいいんだけどな


428>>12013/01/03(木) 00:09:09.43kmxFIPgX0 (2/12)

町長「それが、情けないことにあるのです。」


あぁ、めんどくさい…せめて、内容はそんなにめんどくさいことがありませんように


町長「実は数年前から町外れの森に見たことの無い魔物が住み着いていたようでして、よく人が襲われているのです。」

勇者「見たことの無い?」

町長「はい、他の町にも確認を取りましたがどこでも発見例の無い魔物でした。」


新種か?魔王の方を見る


429>>12013/01/03(木) 00:24:00.64kmxFIPgX0 (3/12)

魔王「ふむ…妾は知らぬのじゃ。ここ十年数間は新種の報告は無いはずじゃ」


勇者「新種が生まれたけど報告されてないって可能性は?」

魔王「絶対とは言えぬが、ほぼ無いと思って良いのじゃ」

勇者「そうか…」


内容も中々にめんどくさいものだな


魔王「しかし…」

勇者「しかし?」

魔王「少し気になるのじゃ…」

勇者「何がだ?」

魔王「いや…」


魔王は顔を上げ、町長の顔を見る


魔王「それは本当に魔物だったのかや?」


430>>12013/01/03(木) 00:25:39.25kmxFIPgX0 (4/12)

今日はここで終わりです。

もっと魔王を可愛く書けないものかな…文章力の無さが悔やまれるなぁ


431VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 14:21:47.53kmxFIPgX0 (5/12)

町長「…分かりません。魔物だと言う確証はありません。いえ、それどころか生きて帰った者達は『魔物とは違う』と言っておりました」

魔王「やはりの…」

勇者「おい、どういうことだかさっぱりだぞ?」

魔王「つまり、魔物ではない"何か"が人間を襲っているということなのじゃ。」

町長「あの、すいませんが新種の魔物と言う可能性も捨て切れませんよ?だって他に食う目的以外で人間を襲う生き物などいないではありませんか」

魔王「可能性じゃ、どちらもあくまで可能性にすぎぬのじゃ」


魔王が難しい顔して考え込む


勇者「何二人して難しく考えてんだよ。」

魔王「む?」

勇者「どっちにしろ倒しちまえば問題ないだろ?ま、俺に任せておけ」


432VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 14:22:23.62kmxFIPgX0 (6/12)

魔王「…単細胞なのじゃ」

勇者「えぇ!?」ガーン


ドヤ顔でよくある主人公のセリフを言ったら罵倒された。やはり二番煎じのパクリはダメなんでしょうか?


町長「で、あのー、やってくれるのですか?」

勇者「もちろん。この俺がぱぱっと解決してやりますよ。」

町長「頼もしい!あんと頼もしくお優しい勇者様だ。」

勇者「はっはっは、そうだろそうだろもっと褒めろ!」

魔王「やっぱり単細胞じゃな」


聞こえない聞こえない、都合のいいこと意外は聞く気無し


433VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 14:24:05.14kmxFIPgX0 (7/12)

町長「これは王様にも感謝しなくてはですね。」

勇者「そんなのは適当でいいよ。感謝の言葉を手紙で送っとく程度でおk」

町長「そういうわけには行きませんよ。あ、勇者様にも何かお礼をしなくてはですね。」

勇者「いえいえ、正義の手前そんなの貰えませんよ」


魔王(よくもここまで心にも無い事が言えるのじゃ)


町長「いえ、何でも言ってください。金でも何でも差し上げますよ」


①勇者「ぱふぱふのタダ券一年分で!」

②勇者「この町で一番の宝を」

③勇者「いえ、せっかくですが断らせていただきますよ。」

④勇者「(自由安価)」

>>


434VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 14:32:49.70quqyuLweo (1/1)

娘さんはいますか?


435>>12013/01/03(木) 14:41:31.08kmxFIPgX0 (8/12)

安価先指定し忘れたから>>434で行くわ


436>>12013/01/03(木) 14:52:18.35kmxFIPgX0 (9/12)

勇者「娘さんはいますか?」

町長「…いることにはいますが」


俺は「それでは」と一息おいてから叫ぶように言った


勇者「娘さんをくださ…」

魔王「いきなり何を言っておるんじゃお主は!!」ドガッ

勇者「ぐがっ」


相変わらず鋭い後ろ回し蹴りが延髄に向かって飛んできた。


勇者「あいたたたた」


すかさず腕ひしぎ!?何それご褒美…ってあいたたたたた


魔王「主はまだその病気治ってないのかや?さっきの『責任取ります』はどこに言ったのじゃ?」ギリギリ

勇者「痛い痛い痛い」


だってさっきちらっと奥さんが見えたけどかなりの美人だったよ?これは娘さんも美人に違いないじゃないか


町長「>>438」


437VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 14:54:44.55V6NWNAyjo (1/1)

ですが・・・実は・・・ついてるんです


438VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 17:40:47.06utwnN3gco (1/1)

娘(38)職業ニート


439>>12013/01/03(木) 18:12:06.25kmxFIPgX0 (10/12)

町長「おぉ、もらってくれますかありがたい。娘は38歳のニートなのですが貰い手が無くて困っていたのですよ。」


美人来い!


魔王「何期待に胸を膨らましているのじゃ!」

勇者「期待するなってほうが無理ってもんですよ!」ワクワク

町長「娘よ、来なさい。」

勇者「ワクワク」


現れた娘は

①ブスだった
②不細工だった
③超不細工だった
④もう、めがっさ不細工だ


440>>12013/01/03(木) 18:15:28.14kmxFIPgX0 (11/12)

勇者「っておかしいだろ!なんで選択肢がブスしかないんだよ!!」

魔王「運命はどう転ぼうと転ぶ前に決まっておるのじゃな…」

勇者「いや、俺は信じるね。奇跡って奴を」


ガチャ


音がした。ドアの開く音が


「あの、呼びましたか?お父様」


清楚な女の子を連想させる透き通った声がした


441>>12013/01/03(木) 21:27:44.15kmxFIPgX0 (12/12)

勇者「…」

町長「お前の結婚候補が来てくれたよ」

勇者「チェンジで」

魔王「奇跡は起きなかったようじゃな…」


残念、けっこうなブスでした。


町長「では、娘をよろしくお願いします」


魔王(ほれほれ、観念して夫婦になると言ったらどうなのじゃ?)ヒソヒソ

勇者(ふざけんな、俺はあんな不細工好みじゃねえよ)ヒソヒソ


顔で人を判断するのは好みじゃないけど、さすがにこれと結婚する気にはなれんよ。

魔王(では今更何と言って断る気じゃ?)

勇者(>>443)


442VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/03(木) 21:30:59.19m8Z6hs+Lo (1/1)

今日はいい天気ですねぇ~(棒)


443VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/04(金) 08:13:10.02ZifW+BbJo (1/1)

その魔物は美しい娘を生け贄にささげよと命令してきていて、村長は生け贄に自分の娘を出すのが嫌だから何かしらの方法で顔を整形してブサイクにしてあるだけで、実は超絶可愛い清楚系おっぱいキャラ。


444>>12013/01/04(金) 08:32:54.27k6NZKMa20 (1/7)

>>441は場面安価じゃなくてセリフ安価だから再安価

>>444


445>>12013/01/04(金) 08:42:53.72k6NZKMa20 (2/7)

朝っぱらからミス一
>>446


446VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/04(金) 15:01:50.27yCiBZTc+0 (1/1)

すいません、かえってください。(土に)


447>>12013/01/04(金) 22:14:38.56k6NZKMa20 (3/7)

勇者(すいません、かえってください。)

勇者(で)

魔王(主には失礼という概念は無いのかや?)

勇者(俺だからな)

魔王(妾は知らぬからな、なのじゃ)


娘「あ、あの」

勇者「すいま…」

娘「こんなブサイクな人は嫌だわ。お父様、もっとかっこいい男はいなかったの!?」


ブチッ


勇者「んだぁ!?てめえみたいなありえないほどのブスにブサイク呼ばわりされるほど俺は落ちぶれちゃいねーぞ!!」

魔王「おぉ、主が女相手にキレるとは…」


そりゃ俺だってキレるさ、少なくとも俺はこいつ程酷い顔はしてないはず。


魔王「それは幻想じゃな」

勇者「!!?」


448>>12013/01/04(金) 23:26:19.08k6NZKMa20 (4/7)

娘「まぁ、酷いこと言うのね!ブサイクのクセに」

勇者「うるせえ、お前のほうがブサイクだろ土に還れ!」

魔王「ストレートに言ったの」

娘「お父様、お父様も何か言ってよ!!」

町長「娘や、今のはお前が悪いよ。そんなんだからいつまで経っても結婚できないんだ。」


そうだそうだー、ってかお前じゃ一生無理だー


勇者「魔王、魔物のいる森に行くぞ。」


めんどくさいことになる前にここを出よう。


魔王「めんどくさくなる原因はいつでも主じゃろうが」

勇者「お前も大概だよ。町長、魔物退治したら報告に来るよ。」

町長「ちょっと待て、せっかくの旦那候補!!」


何か聞こえたような気がしたが無視して町長宅を出る。


449>>12013/01/04(金) 23:42:36.74k6NZKMa20 (5/7)

魔王「主よ…」チョイ、チョイ

勇者「何だ?」

魔王「腹が減っては戦が出来ぬ、じゃ」

勇者「…つまり飯が食いたいと?」

魔王「」コクコク


頷く度にしっぽが揺れる。もちろん顔には肉希望と書いてある。


勇者「はぁ、まぁいいか。でも俺は腹を満たす物より心を癒す何かがほしいよ」


まさかあんなブスにブス呼ばわりされるとは…

うん、いい加減忘れよう。心を強く持とう、俺はブサイクじゃない


魔王「心を癒したいのなら妾の笑顔でも見ておれば良いではないかや?」ワサワサ

勇者「素晴らしい笑顔だが自分で言うか?それ」


まぁ可愛いからいいか


450>>12013/01/04(金) 23:55:47.11k6NZKMa20 (6/7)

勇者「あれ、あの後姿は…」


その後、色々とうだうだやっていたら夜になってしまった。

森に行くのは明日にして宿屋を探そうとした時、月の光りを浴びて空を仰ぎ見ている人物を見かけた。その後姿には見間違えようの無い程見覚えがあった


勇者「もしかして…………銀狼?」

銀狼「ん?あぁ、懐かしい声…それに臭いだ。」


そいつは俺の声を聞いてゆっくり振り返る。

普通の少女より少し高い背、外側に少し跳ねた肩まで伸びている白銀の髪、そして髪と同じ白銀のモフモフな狼の尻尾と耳

振り向いた顔は懐かしい優しげな表情、妖しい赤を湛えている瞳


銀狼「久しぶりだね。また会えると信じていたよ、少年」ファサ


その娘、白銀の狼の化身は月光を浴びて淡く光る尻尾を揺らし、八重歯を見せてニヤリと笑いかけた。


451>>12013/01/04(金) 23:56:51.82k6NZKMa20 (7/7)

ようやく新キャラを出せたところで今日はここまで


452VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/05(土) 02:01:20.89H14t+NNFo (1/1)

ふ う ぅ ぉ ぉ お あ あ ぁ ぁ ぁ あ ! ! !
乙乙


453VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/05(土) 07:25:00.84cWK5Vh6Io (1/1)

乙でした


454>>12013/01/05(土) 21:17:46.49RUuEOCIr0 (1/8)

昨日まおゆうやってたね。自分の書いたSSがアニメ化とか羨ましいなぁ

さて今日も始めようか


455>>12013/01/05(土) 21:20:21.86RUuEOCIr0 (2/8)

銀狼「白銀の狼は神の使いと言われているね。でも私だったら、むしろその神を噛み殺して主従を逆転してみせるよ」

銀狼「それぐらい私は神様とやらが嫌いで嫌いで、信じてはいないんだ。でも運命だけは信じているよ。」

銀狼「フフッ、そう心配などするな、私と君とは必ず再び出会う運命だよ。だから運命を信じて、それまで一時お別れだ。さよなら、少年」


そう言って彼女は俺の下を去った。印象的だったのは寂しげに揺らめく瞳のなかの赤、それに月光を浴びて淡い青に光った白銀の髪と尻尾

俺が旅立って一番最初に出会った仲間であり、一番信頼していた姉のような存在である。


456>>12013/01/05(土) 21:40:18.72RUuEOCIr0 (3/8)

勇者「…久しぶり、俺は、俺はもう会えないかと思っていたよ。まさかこんなところで会えるなんて」

銀狼「酷いな、言ったじゃないか『絶対に会えるから心配するな』と。少年は私の言うことを信じてはいなかったのかな?」


しっぽをぐるりと回し、いたずらを楽しむように笑う。


勇者「…ぐ、悪かったよ。」


ぐうの音も出ない。…声には出たけど


457>>12013/01/05(土) 21:40:57.84RUuEOCIr0 (4/8)

銀狼「ところでその娘は誰かな?出来れば少年から紹介してほしいな。」


俺の後ろで控えめに、いや空気を呼んで黙っているように見せかけて実は残っていた食料をあさっていた魔王を指差して銀狼は言う。


魔王「む?だそうじゃぞ、主よ。妾の活躍を漏らさず伝えるが良いのじゃ」


当の魔王はさして興味も無さそうに言う。

紹介してほしいのならせめて肉をかっ喰らうのをやめろ。こんな肉欲娘(肉を強く欲する食欲的な意味で)を魔王と紹介するのは気が引ける。

ついでに言うとお前の活躍とかほとんど見ないぞ。いつも俺に戦い任してるくせして


458VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/01/05(土) 22:33:40.00kKk6MEDX0 (1/1)

銀狼は、神喰狼なのか?


459>>12013/01/05(土) 23:08:51.32RUuEOCIr0 (5/8)

>>458
ごめん、その神喰狼ってのは知らないなぁ

何かの神話だったら内容だけ聞いて名前だけ忘れてるってのはあるかもだけど…登場作品は?


460>>12013/01/05(土) 23:09:23.77RUuEOCIr0 (6/8)

勇者「あー、うん、こいつは…こう見えて一言で言うなら魔王だ。」

魔王「よろしくなのじゃ」フリフリ


尻尾を振りながら肉にかぶりついている魔王はもう子犬にしか見えない。


勇者「もう一つ言うなら…」

銀狼「『もう一つ言うなら魔物と妖怪のハーフ』かな?」

魔王「うむ、ついでに言えば妾はキングオブ妖獣、九尾の化狐なのじゃ」


だから子犬にしか見えないって


銀狼「そうか、私は神に近し妖獣、白銀の賢狼だ」


お前も張り合うなよ。ってかお前は神が嫌いじゃなかったのか?


魔王「ならば妾は神なる妖獣、神狐なのじゃ」


銀狼を睨んで言う魔王、ってかお前も張り合うんかい。


銀狼「なら私は神を超えし妖獣、白銀の神狼だ」


反面、涼しげな顔で張り合う銀狼だった。楽しそうだな、おい


魔王「なら妾は全世界を…」

勇者「ストップ、ストップ。終わらないから!」


とりあえず止める。多分この魔王が銀狼に負けてすぐに終わるんだろうけど、そうしたら不機嫌になった魔王をあやす羽目になる。

めんどくさいのはごめんだからな


461>>12013/01/05(土) 23:37:47.36RUuEOCIr0 (7/8)

魔王「何じゃ主よ、妾の言葉を遮るとはいい度胸ではないかや?」


しっぽが不機嫌に揺れる。どのみち不機嫌にはなるんだな

銀狼はと言えば不機嫌どころかやっぱり楽しそうだ。


勇者「お前が意地の張り合いしたら終わらねーだろ」

銀狼「まったくもって残念だな、少年が遮らなければ私ももっと続けたかったのだけどな」


魔王とは違い、しっぽは縦に振って喜びを表現する


勇者「お前はお前で…まぁいいや、こんなところで何やってたんだ?」


とりあえず聞きたかったことを聞く、本当にまさかここで会えるとは思ってなかったしな


462>>12013/01/05(土) 23:55:42.46RUuEOCIr0 (8/8)

銀狼「こんなところとは酷いな、これでも私の住んでいる愛しき都だよ」

勇者「でもこの時間に何してたんだ?」

銀狼「ふふっ、上を見てみなよ、少年。」

勇者「え?」


上を向く、そこには淡く光っている満月しかなかった。

が、その青白い光は目を奪うには申し分ないぐらいきれいだった。


魔王「ふむ、たしかに綺麗な満月じゃな。主よ、月見団子、もしくはたまには狐らしく油揚げが食べたいのじゃ。お供えしてくりゃれ?」

勇者「食べ物ばっかりだな、お前魔王の威厳って知ってるか?」

魔王「知らぬ、妾は妾のやりたいようにやるのじゃ」

銀狼「違うよ化け狐、私の言いたいことはこうだ。こんな美しくも妖しい月が出ている夜は何かが起こるね、例えば」


銀狼「謎の化け物の出現、とかだ。ほら少年、来たぞ」


勇者「?」


どこか近くで魔物のような声が聞こえた


463>>12013/01/06(日) 00:35:24.34erpQXxEK0 (1/16)

勇者「魔物か!?」

魔王「ふむ、妾たち狙いかや?格の違いとやらを見せてやろうじゃないかや。主よ、やっちまえ!なのじゃ。」

勇者「お前もたまには戦えよ…」

魔王「無論、嫌じゃ」

勇者「はぁ…」


これだよ…俺も肩を並べて戦ってくれる仲間がほしいや


銀狼「ふふっ、少年、ならば私が一緒に戦ってあげるよ。昔のようにね」

勇者「マジか、そりゃありがたいよ。魔王が全然戦ってくれないから一人じゃ辛くてよ」

魔王「何じゃ主よ!それは妾への当てつけかや?」

勇者「銀狼、頼むぞ。俺はお前なら安心して背中を任せられる。」

銀狼「ああ少年、私に任せればいい。君のパートナーとして最高の活躍を期待していいよ」

魔王「く、無視するななのじゃ主よ!主のパートナーならば妾がいるではないかや!」

勇者「一緒に戦ってくれる奴が最高のパートナーだなー」

魔王「く~」


魔王のしっぽが悔しそうに小刻みに揺れる。

そうだ、そのまま挑発に乗れ、たまにはお前も戦ってくれ


464>>12013/01/06(日) 00:43:56.61erpQXxEK0 (2/16)

魔王「…というか主よ、もしかして妾を挑発しているのかや?」


ギクッ


魔王「やはりの」

勇者「何故分かったし…」

魔王「妾を誰じゃと思っておる。主の心など簡単に読めるのじゃ」

勇者「見た目のせいで子供にしか見えないからな…正直侮っていた。」

魔王「あー、また子ども扱いしおったのじゃ!!」


しまった、地雷踏んだ。


銀狼「少年、少年。そろそろ戦いに行かなければいけないと私は思うよ」

魔王「だそうじゃ、主よ。ご冥福を祈るのじゃ」

勇者「あっさり死んだことにしないでくれる!?」


魔物の声がしたところへ向かう。

しかし、そこにいたのは魔物には見えない"化け物"だった。


465>>12013/01/06(日) 01:20:26.09erpQXxEK0 (3/16)

勇者「こいつらは、魔物…なのか?」

銀狼「違うよ。こいつらが最近森から現れた化け物だ。ただ、魔物の匂いはしない。」


そりゃそうだ。魔物はもうちょっとフォルムがしっかりしている。

でもこいつらは、なんというかあるべき形をした生き物じゃない。

もとの形をごちゃごちゃにこねくり回して作り変えた子供の粘土細工のような名状しがたい形をしている。

ひねり、まげて、つぶして、のばして、そんな無邪気で悪質な過程を得て変化したようなものが歩き回ってこっちに近づいてくる。


魔王「異形じゃな、こんなイキモノ、魔物どころか妾の知識には無いのじゃ」

勇者「俺も聞いたことがねえよ。なんだこいつら」

銀狼「そうか、やはり他のところでは出ていないのか。少年ならば何か知っていると期待したんだけどな」

勇者「残念ながらな。さて、腕は鈍っちゃいねえよな銀狼」チャキ


覇王の剣を構える。


銀狼「むしろ絶好調だよ少年、爪も牙もね」ザワザワ


尻尾の毛が逆立ち、手が白銀の毛に覆われ、爪が鋭い鉤爪に変化する。

赤い目が鋭い紅へと変わり、八重歯も立派な牙になる。


466>>12013/01/06(日) 01:25:07.15erpQXxEK0 (4/16)

勇者「行くぜ、銀狼」

銀狼「行くよ、少年」


互いに小さく含み笑いをする。いつぶりだろうか、こんなに戦いにワクワクするのは


しかし


勇者「おりゃあああああ」


化け物「」ギョロリ


斬りかかろうとしたその時

化け物の体に、見てしまった。顔を

潰れ、曲げられ、表面から変に曲がった指のようなものが大量に生えている顔を


変わり果ててはいるが、確かに人間の顔が化け物の体の真ん中に埋め込まれている。


その目は勇者を凝視していた。



-懐かしい顔だな、よく知っている顔だ-



また、あの声が…


467>>12013/01/06(日) 01:26:18.56erpQXxEK0 (5/16)

今日はここまでです。…そろそろ冬休みの宿題しなきゃ


468厨二病でごめんね!!2013/01/06(日) 10:58:07.8626ZMuZNO0 (1/2)

>>458っス、ごめんあれフェンリルって読んでくれ


469>>1、大丈夫俺もバリバリ厨二病だ2013/01/06(日) 20:02:29.72erpQXxEK0 (6/16)

あぁ、北欧神話のね。

北欧神話はあまり詳しくないから、少しイメージとして入っている程度で完全にモデルにしているわけじゃないんだよ

始めようかな


470>>12013/01/06(日) 20:03:14.41erpQXxEK0 (7/16)

-なぁおい、思い出せよ。お前は記憶を取り戻したいとは思わねえのか?-



勇者「…」


内側から響く声が聞こえないように目の前の化け物に意識を集中する。



-そいつ殺すのか?記憶を取り戻してから後悔しても知らねえぜ?-



勇者「…るせぇよ」

銀狼「ん?何か言ったかい、少年」

勇者「いや、気にしなくていい」


どの道取り戻す気もない。こいつも今敵として俺の前に立つから殺すだけだ


勇者「覚悟しやがれ、化け物」

化け物「・・・」


化け物が俺を凝視しながら口を動かす。歪、見ているだけで胸糞悪くなるような歪な形に歪んでいる口を

その口の動きは「ユ ル サ ナ イ」と言っているように見えた。


471>>12013/01/06(日) 20:27:06.38erpQXxEK0 (8/16)

それを見たとき、俺の中に何かの記憶が流れ込んできた


「許さない」                       「お前のせいだ」             「まだ足りねえよ」


                    「…えさえ生まれてこなければ」                       「・・・みごが」

                                               「悪魔め…」             
 




                    「死ね!死ね!何度でも、何度でも!!!」



勇者「うああああああああ」


覇王の剣を振るう、顔を滅多切りにしてやる。手も、体も、何もかも、切り裂いて、引きちぎって、引き裂いて、ゴミに、塵芥に


勇者「死ね、死ね、死ね、死ねえええええええ!!」


俺の中を色々な感情が巡る。それをこいつに叩きつける

恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを恨みを
                  恨みを
       恨みを                     殺意を                       憎しみを


            破壊衝動を                           怒りを


                                                      制裁を      
                           復讐を              
              


                狂気を                       


………


472>>12013/01/06(日) 20:45:15.10erpQXxEK0 (9/16)

気がついたら俺の前には化け物の死骸が転がっていた。


勇者「…何が起きたんだ?」

銀狼「それはこっちのセリフだよ少年、一体どうしたんだい?」

勇者「こいつは銀狼が倒したのか?」

銀狼「違うよ、少年だ。君は錯乱したように叫びながら少しの間こいつを切りまくっていたよ。死んでもなお、ね。」

勇者「…」

銀狼「もしかして覚えてないのかい?」

勇者「…覚えてない」


本当だ。何も覚えてないし思い出せない。一体俺は…


魔王「主よ、そんな答えの出なさそうな疑問を解こうとしている場合じゃ無さそうじゃ」

勇者「どうした?」

魔王「あれじゃ」


それは森からやってくる。化け物の大群だった。