599以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:03:33Teh24YRY (68/139)

幼「してもらったわ」

幼「誕生日、お祝いして貰ったもの」

友「は? そんなもの・・・」

幼「そんなものが!」

幼「わたしには、大切なことなの・・・!」

幼「他の人は当たり前だって思うことが、わたしには特別なことなの!」

幼「嫌なこととか、苦しいことだってたくさんあったけど・・・」

幼「それでも・・・っ、それだけじゃなかったから・・・」

幼「楽しくて、嬉しかった思い出だって、わたしにはあるんだもの・・・っ」

幼「幸せだって思ったことが、ちゃんとあったもの!」


600以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:04:42Teh24YRY (69/139)

幼「・・・お父さんとお母さんが、わたしのこと嫌いでも・・・」

幼「わたしは、二人のこと嫌いになんてなれない・・・なれないよ!」

幼「恨んだりなんて・・・っ」

幼「だって・・・」

幼「二人は、わたしのお父さんとお母さんだもん」

幼「代わりなんてどこにもいない・・・」

幼「これからもずっと、わたしのお父さんとお母さんだから・・・っ」

幼「あなただって!」

友「違う!!」


601以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:05:23Teh24YRY (70/139)

友「親がするべきことをしてないんだ!」

友「誰が親だなんて思うかよ!」

友「あんなヤツらと同じ血が流れてるかと思うと、反吐が出る・・・ッ」

幼「・・・・・・」

友「でも、幼馴染さんがそこまで言うなら・・・」

友「いいよ、わかったよ」

幼「じゃあ・・・!」

友「俺のやりたいように、やらせてもらう」

幼「!?」


602以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:05:56Teh24YRY (71/139)

友「実のところ、幼馴染さんがYESって言ってくれる気はしなくてな」

友「騙したようで悪いんだけど、初めからこうするつもりだった」

幼「こうする、って・・・」

友「幼馴染さん引っ越すって言うからさぁ、急がないとダメだろ?」

友「安直かもしれないけど、幼馴染さんは女だし定番かなって」

友「ただ、今日の今日まで、自分でそれを実行する踏ん切りがつかなくってさ」

友「まあ、なんだ。幼さんに色目は使わないって、男に言った気がするし」

友「人をたかって、そいつらに犯ってもらうことにしたよ」

幼「な・・・っ」


603以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:06:39Teh24YRY (72/139)

友「・・・せっかく男に言ってやったのによ」

友「目を離すなって。友人の忠告を無視するから・・・」

友「・・・こんなことしちまったら、もうダチでも何でもねえか」

友「せめてもの罪滅ぼしってわけじゃないけど・・・」

友「事が済んだら、俺は警察に行くよ。自首する」

友「それで幼馴染さんの気が晴れるとは、到底思わないけどな」ゴソゴソ

友「・・・ほら、これで歩けるようになったろ」

友「さ、移動しようか」グイッ

幼「・・・と、・・・」ボソ


604以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:07:28Teh24YRY (73/139)

友「ん? なんて?」

幼「お・・・とこ・・・っ」

友「ああ、男?」

友「来るわけないだろ」

友「俺がこの場所によく来るなんて、教えたことないし・・・」

友「それに、知ったって来れねえよ、アイツは」ハハ

友「たかが幼馴染一人のためによ」

幼「くるもん・・・」


605以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:08:35Teh24YRY (74/139)

幼「おとこは、くるもん・・・っ」

幼「ヒーローなんだから!」

友「ヒーローって・・・あいつが?」

友「ははっ、そりゃなんの冗談だ?」

友「俺は小学生以前のあいつのことは知らないけどさ」

友「中学に入って、初めて知り合った時の第一印象は『暗いヤツ』だったよ」

友「何をするにも人の顔色を伺うし、付き合いは悪いし、とにかく自分に自信がない」

友「それでも、波長っていうの? 不思議と居心地悪くなかったんで、つるむ機会もそこそこあって・・・」

友「ある日、聞いたんだ」


606以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:09:45Teh24YRY (75/139)

友「自分には幼馴染がいて、その子のことが好きだったのに、何も言えないまま離れ離れになった」

友「その事を、ずっと後悔してるって」

幼「・・・!」

友「呆れたね」

友「女なんて、星の数ほどいるってのに。その中の、たった一人のためにさ」

友「・・・・・・でも・・・・・・」

友「そういうこと言えるヤツだから、ダチになれたのかもな・・・」

友「俺も、あいつみたいに言えたらって・・・」

友「・・・まあ、もう遅いけどな」


607以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:11:11Teh24YRY (76/139)

幼「たす、けて・・・」

友「はは・・・そうだな。いいや、呼んでみたら?」

幼「助けて・・・っ、男・・・!」

友「ぜんぜん聞こえねえぞ?」ハハ

幼「助けてぇ! 男ぉっ!」

友「ほら、もっと大きな声で叫ばないと」

幼「っ・・・~~!!」

幼「たすけてっ、男ぉーーー!」

友「そうそう、その調子その調子」


608以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:12:11Teh24YRY (77/139)

幼「おとこぉーーーっ!!」

・・・

友「・・・ほら見ろ。来るわけないだろ?」

・・・ぁ

幼「!」ピクッ

ぉ・・・ぁ・・・

友「来るわけ・・・ないんだよ」

・・・さな・・・ぁぁぁ


609以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:12:53Teh24YRY (78/139)

幼「・・・っ、ぅ、ひっく・・・!」

友「くる、わけ・・・」

おさ・・・ぁぁっ

友「そんな、まさか・・・」

おさなぁぁぁぁッッ

友「男!?」


610BGM 運命の先へ2012/12/13(木) 08:14:28Teh24YRY (79/139)





男「幼ぁぁぁぁぁっっ!!」

友「まさか本当に・・・男!?」

友「どうしてこの場所が・・・!」

友「くそっ、来い!」グイッ!

幼「ぁぅ・・・!」

男「!? 幼ーーーーッ!!」


611以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:15:22Teh24YRY (80/139)

友「まだ、ここに着いてから三十分も経ってないだろ!?」

友「どうやって追いついて・・・!」

友「あんな・・・ッ」

友「たかがママチャリでか!?」

男「ママチャリじゃない!」

男「トライマグナムシャイニングスピンソニック号・・・ッ」

男「だあああああっっ!!」バッ


612以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:16:09Teh24YRY (81/139)

飛び上がる。
扱ぎ手を失った自転車が、速度に乗ったまま、友の進行方向へ滑る。

友「・・・ッ!!」

途中、小石によってタイヤを跳ね上げられた自転車が、勢いはそのままに傾きながら友の右側へ倒れこむ。

友「!?」

友が、半身を引いて躱す。

自転車はそのまま、金属音を立てながら地面の上を小さく滑った。
前輪が、カラカラと空回る。

体勢を崩した友が、尻餅を。

その向こうに、彼女の姿。


613以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:18:01Teh24YRY (82/139)

男「幼ッ!!」

一歩。

友「・・・・・・」

遮るように。

男「・・・幼!」

幼「お、おと・・・こ」ポロポロ

男「ぼくはきたよ!」

幼「・・・、・・・っ」コクコク!

ぐらっ。
地面が小さく揺れた。
昇降機が作動し、ぼくたち三人の立つ足場が持ち上がる。
隅から囲むように、安全保護用の鉄柵がせり出す。

――――17:00


614以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:19:56Teh24YRY (83/139)

男「友・・・」

男「どうして・・・!」

男(幼に、こんなことをしたんだ!?)

男「どうして・・・!」

男(ぼくたちは、こんなことになっちゃったんだ!?)

友「男・・・」


615以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:20:43Teh24YRY (84/139)

友「人生に、理不尽や不公平を感じたことはないか?」

友「わけもわからないまま、状況に揉みくちゃにされる」

友「否が応にも従わざるを得ない」

友「抗うことは決して出来なくて・・・」

友「最悪というものがあったとして、まさにそこに行き着くように全てがお膳立てされるような・・・」

友「言い換えるなら、運命といっていいもんだ」

男「運命・・・」

友「俺はある。あるんだよ」


616以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:21:24Teh24YRY (85/139)

友「俺たちに、選択権はない」

友「いつだって、『選択させられる』のが俺たちだ」

友「俺たち《子供》とあいつら《親》と・・・なにがちがう?」

友「同じ人間のはずだ。平等であるべきだろ?」

友「理不尽には、怒りを覚えるのが人間なんだ」

友「嫌なことに嫌だと言って、何が悪い?」

友「どうにも出来ないのなら、せめて仕返しをしようと思うことの、何が悪い?」


617以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:21:59Teh24YRY (86/139)

友「向こうだって好き勝手やってるじゃないか」

友「それに倣うことの、何が悪い?」

友「俺は間違ったことはしていない」

友「親の都合なんて関係あるか!」

友「これは、個人が持つ正当な権利だ!」

友「なのに・・・それをおまえが邪魔する理由はなんだ?」

友「俺はな、正しい事をしているんだ!」

友「おまえだって、そう思うだろう!?」


618以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:24:07Teh24YRY (87/139)

男「・・・友は、いま幸せなの?」

男「ぼくは、比べてばかりだったよ」

男「けど、これからは胸を張ってそう言いたい」

男「もう・・・さよならはたくさんだ」

男「友が正しいのか間違ってるのか、ぼくにはわからない」

男「でも、一つだけ。たしかに言えることがある」

男「現実を受け止められなかったのは、自分の責任だ」

男「誰の責任でもない。そう、親は関係ないよ」

男「逃げ出したのは、友が弱かったからだ」


619以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:25:30Teh24YRY (88/139)

男「ぼくはもう、子供でいることはやめる」

男「大人になるんだ。すぐにはなれなくても・・・」

男「これからは、そうなるための努力をしていく」

男「・・・理由?」

男「惚れた女を助けに来るのに――」





男「理由がいるもんかぁぁぁぁッ!!」


620以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:26:13Teh24YRY (89/139)

幼の元へ駆ける。
力強く。
友も、こちらへ向かってくる。
手にはスタンガン。

ぼくは、自分を過小評価も、過大評価もしない。
だから。

男(こういうことだってやってみせる!)

掴みあげる。
倒れた自転車のハンドルを。

そのまま、力任せに――。

男「あああああッ!」

友「な――――!?」


621以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:26:38Teh24YRY (90/139)

投げつけた自転車が、正面から友の体を薙ぎ倒す。

一歩。

男(友、幼を泣かせたな!)

男「この一発は・・・ッ」

男「謝らないぞ!」

腰を屈めて、思い切り。
殴られたことはあっても、殴った事なんてないから、加減なんて利かない。

そして、一歩。

彼女は、もうすぐそこだ。


622以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:27:33Teh24YRY (91/139)

男「幼っ・・・!」ギュッ

幼「おとこ・・・ひっく、おとこ、男ぉ・・・!」ポロポロ

幼「・・・こわかった・・・こわかったよぉ・・・っ」

男「大丈夫。もう、大丈夫だ!」

男「どこも怪我はない!? いま、手を自由にするから!」

幼「来てくれるって、信じてた・・・っ、男・・・!」

男「よし、解けた! あとは――」

幼「――!? 男、うしろ・・・っ!」

男「え?」

バヂッ!!


623以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:29:13Teh24YRY (92/139)

男「ぎッ、ぁ゛・・・~~!?」

友「べつに、謝らなくていいぜ・・・」

男(いたい・・・いたいイタイ痛い!)

友「謝るのは、むしろ俺のほうだ」

友「悪いな。ヒーローごっこは、これで終わりだ」

男(やっぱり、漫画やドラマのようにはいかないか・・・)

ヂヂヂッ・・・!

男(くそォ・・・!)

幼「っ・・・~~~!!」


―ただ泣いて、ヒーローの助けを待つだけのヒロインは・・・!


624以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:30:02Teh24YRY (93/139)

幼「! だめえええぇぇッ!!」

幼が、友に頭からぶつかってゆく。

友「!? 何を・・・!」

男(! う、ご・・・ッ)

男「けええええええッ!!」

幼の首筋にスタンガンを押し当てようとする友に、もたれ込むようにして体当たりする。

友「なんで・・・ッ!?」

幼「男・・・っ!」

男「幼・・・っ!」

男・幼「あああああああぁぁーーーッッ!!」


625以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:31:18Teh24YRY (94/139)

幼は左腕。
ぼくは、スタンガンを握る友の右腕に絡み付いたまま。
二人で体を持ち上げるようにして、友を押し退けていく。

目を瞑って、力の限り、ひたすらに。

衝撃。
友の背中が、鉄柵にぶつかる。
すかさず、友の手に組み付いて、スタンガンを取り上げようとする。

友「! くそったれぇッ!」ドガッ

男「ぐ・・・っ!」

脇腹を、思い切り蹴り飛ばされて転ぶ。
友の手から零れたスタンガンを、目で追いかける。
まだ痛みが尾を引く体に鞭打って駆け寄り、鉄柵の向こうへ蹴り飛ばす。


626以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:32:41Teh24YRY (95/139)

友「! この・・・ッ」

男「幼、もういい! こっちに・・・!」

幼「だめ!」

幼「離さない・・・!」

幼「わたしが離したら、この人はまた一人だもの!」

友「!?」

男「幼・・・」

友「・・・はなれろ・・・」

友「離れろおおおッ!!」ブンッ


627以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:33:45Teh24YRY (96/139)

幼「きゃあッ!」ガンッ

男「幼!」

鉄柵に頭をぶつけた幼が、力を緩める。
それでも友は、腕を振り回す。

その結果――。

幼「―――ぇ」

幼の体は、鉄柵に乗り上げて。

友「ぁ・・・・・・?」

そのまま、下へ。

友「―――!」

友が手を伸ばすが、裾を掠めただけ。

幼の顔が、ぼくの視界から。


628以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:37:08Teh24YRY (97/139)

男「―――!!!!」

反射的に、ぼくは飛び出した。

鈍い痛みは、一瞬で吹き飛んだ。
躊躇うことなく、鉄柵の向こうへ飛び降りる。

幼「・・・! ・・・!」

男「掴めッ!!」

幼の目が大きく開き、涙が溢れる。

両手が伸びた。

必死に手を伸ばす。

手繰り寄せる。

幼の頭を抱え込むようにして、抱きしめる。

強く、抱きあった。


629以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:37:44Teh24YRY (98/139)

・・・・・・

幼「男・・・っ、男・・・!」

幼「ねえ、返事してよぅ!」

男「・・・聞こえてるよ、幼・・・」

幼「!? 男・・・!」

幼「ぅ・・・、ぁ・・・っ」

幼「ぁ~~~~っっ!!」ガバッ

男「・・・怪我は、ない?」

男「・・・痛いところは・・・?」


630以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:38:36Teh24YRY (99/139)

幼「あちこちぶつけて、すごく痛いけど・・・」

幼「わたしは、ぜんぜんへいき」

幼「男が、庇ってくれたから・・・っ」

男「そっか・・・」

男「・・・よかったぁ・・・」ニコ

幼「でも、男が・・・!」

幼「たくさん、怪我して・・・っ」

幼「み、みぎうで・・・いっぱい血が・・・!」


631以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:39:21Teh24YRY (100/139)

男「枝とか・・・色んなとこに引っ掛けたから・・・」

男「でも、だからこうして助かったんだろうね」

男「落ち所が良かった・・・」

男「反対側だったら・・・。下、何にもないから・・・やばかった」

男「まったく・・・ぼくを出家させるつもりか?」

幼「っく・・・ぐす、ひっく・・・」ポロポロ


632以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:40:07Teh24YRY (101/139)

男「・・・15メートルくらいかな・・・」

男「昇降機で上ってた分と、坂下の急傾斜も併せて・・・」

男「子供の頃は、もっとずっと高く感じたけど・・・――」

男「! ゲホッ、ゲホッ・・・ッッ~~!?」

幼「男!?」

男「ーーッ・・・ぶっとい枝にぶつかった時、かな・・・一回・・・」

男「背中、ひどく痛めたみたい」ハハ

幼「ごめん・・・ごめんなさい・・・!」

幼「わたしのせいで・・・っ」


633以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:40:41Teh24YRY (102/139)

男「謝るのはナシだよ」

幼「でもぉ・・・っ」ポロッ

男「こんなの、なんてことない」

男「体中・・・熱いし、痛いし・・・右腕と左足は折ちゃったのか動かないけどさ・・・」

男「痛みを感じるうちは・・・まだ、正常に生きてるってことだから・・・」

幼「すぐに、救急車を呼ぶからね!」

男「ううん・・・その必要はないよ」

幼「ど、どうして!?」

男「それは・・・」


634以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:41:10Teh24YRY (103/139)

幼「! この音・・・」

男「ここへ来る前に、呼んでおいたんだ・・・それと、パトカーも一応・・・」

幼「男が?」

男「いや、後輩に頼んで・・・」

男「きっとここに友がいるだろうってことも、後輩に聞いたんだ」

幼「・・・・・・」

男「そしたら、さ」ニコ

男「さすが、幼馴染だよね、ハハ・・・痛ッ・・・!」


635以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:42:08Teh24YRY (104/139)

幼「わたし行って・・・誰か呼んでくるね!」

幼「すぐに人を連れてくるから。すぐだからね!?」

男「待って、幼・・・」

男「その前に、伝えたいことがあるんだ」

幼「そんな・・・! あ、後で聞くから!」

男「だめだ」

幼「だって!」

男「いまじゃないとダメだ」

男「いま、幼を守れたぼくじゃないと・・・」


636以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:42:42Teh24YRY (105/139)

幼「・・・・・・」

男「ぼくの・・・上着の内側・・・」

男「ジャケットの内ポケットに、箱が入ってるから取ってくれる?」

幼「うん」コク

男「ごめんね。体動かすの、ちょっと辛くって・・・」

ゴソゴソ

幼「これ・・・?」

男「やっぱり箱は潰れちゃったか・・・」


637以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:43:06Teh24YRY (106/139)

男「開けてみて」

幼「・・・・・・」カコ

幼「・・・・・これ・・・・・・」

幼「ゆび、わ・・・?」

男「それ、幼につけていてほしいんだ」

男「これから、ずっと・・・」

幼「・・・・・・」


638以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:43:52Teh24YRY (107/139)

男「・・・あの、もしイヤなら・・・」スッ

幼「!」バッ

幼「あ・・・っ///」

男「ありがとう」

男「・・・左手を貸して」

幼「・・・・・・」ソッ

男「・・・ぅ、ぎ・・・!」ググッ

幼「! 男、わたし自分で・・・!」


639以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:44:14Teh24YRY (108/139)

男「ぼくが、つけてあげたいんだ。自分の手で・・・」

男「・・・お願いだよ」

幼「・・・・・・うん」

男「・・・・・・」

幼「・・・・・・ぴったり・・・・・・」

男「サイズ、オヤジの言った通りだったかぁ・・・借りが出来ちゃったな」

幼「男・・・わたしね・・・」


640以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:44:41Teh24YRY (109/139)

男「好きだよ」

幼「!」

男「ずっと。これからも、世界で一番好きだ」

男「・・・引越しなんてするな」

男「もう幼と離れたくない」

男「幼が、ぼくの勇気なんだ」

男「ずっと、そばにいてくれ」

男「ずっと、ぼくの横で笑っててくれ」

男「ずっと、ぼくのことを照らしていてくれ」


641以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:45:25Teh24YRY (110/139)

男「どこにも行かないでくれ」

幼「・・・・・・」

男「ぼくの、お嫁さんになってくれ」

幼「・・・っっ」ポロッ

男「これだけのことを言うのに・・・ずいぶん、遠回りしちゃった」

男「待たせて、ごめんね」

幼「・・・・・・・・・ばか」

幼「ばかだよ、男は」


642以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:46:01W4um3Vn6 (1/2)

エンダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


643以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:46:01Teh24YRY (111/139)

幼「でも・・・ありがとう」

幼「とっても嬉しい・・・」

幼「わたしいま、すごく・・・すごく、幸せ」ニコッ

幼「だけど・・・」

幼「もうあんまり無茶・・・しないでね」

幼「わたしは、自分よりも男が傷付くことの方が辛いの」

幼「男がいなくなったらわたし・・・とても生きていけないよ・・・」

幼「だから、ね?」

男「・・・わかった」

幼「本当に、お願いだよ?」


644以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:46:21Teh24YRY (112/139)

男「・・・それで、その・・・」

幼「?」

男「返事は・・・」

幼「・・・・・・うん」

幼「男がそう言うなら・・・そうする」

幼「男の・・・そばに、ずっといるね」


645以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:47:12Teh24YRY (113/139)

遠くから、ぼくを呼ぶ声がする。
先輩、と。

幼は立ち上がると、息を吸い込み、声を張り上げた。

幼「こっちです! 怪我人がいます、早く来てください!!」

二度三度叫ぶと、幼は膝を付き、そっとぼくの胸に耳を寄せた。

ぼくの鼓動を感じるように。

ぼくが、確かに生きているということを噛み締めるように。


646以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:48:29Teh24YRY (114/139)

大勢の気配が、慌しく近づいてくる。

ぼくはゆっくりと目を閉じた。
ぼくの左手を、幼が包むように握る。
そこにハッキリと伝わる、指輪の感触。

冷たいはずの指輪が、ぼくにはとても温かいものに感じられた。


そして翌日。
幼は、東京へと引っ越していった。

さよならは、なかった。


647以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:50:42RJfo6kfM (1/1)

えっ


648以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:50:42Teh24YRY (115/139)



――――

――――――

それでも、時は巡り続ける。
ふと気が付くと、木枯らしは過ぎ、積もった雪も解けて。

おぼろ雲が、空を泳ぐ。

日向に、タテハチョウが舞う。

花が咲き、山が笑う。

風が、春の匂いを運んでくる。


649以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:51:15Teh24YRY (116/139)

三月。
卒業式の日。

体育館に、歌声が響く。
別れを惜しみ、新たな門出を祝福する。

『仰げば尊し』

今日、ぼくはこの学校を卒業する。


650以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:51:51Teh24YRY (117/139)

あれから。
ぼくは二週間の入院、一月半の通院を課せられた。
原因は、全身の打撲に裂傷。

左足の骨折は、問題なかった。
ギプスで固めていたら、勝手にくっついた。

若さって素晴らしい。

だけど、右腕の方には問題があった。
神経系が軽度の損傷を受けたとかで、完全に元通りになるのは難しいと診断された。


651以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:52:11Teh24YRY (118/139)

具体的には、握力が落ちた。
といっても、今のところ日常生活に支障はない。

つまるところは、柔道やテニスをするのが難しくなっただけだ。
あとは、本格的にギターをするとか、ボーリングで極端に大きいボールを投げるとか。

男「ああ、それだけですか」

医者はしばらく面食らっていた。


652以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:52:31Teh24YRY (119/139)

ただ、オヤジには謝った。

男「勝手に傷つけて、ごめん」

男父「おまえが自分で決めて、自分で行動した結果だ」

男父「それを責める理由は、ワシにはない」

男父「だが、その体はオマエの財産だ。・・・本当の親から貰った、な」

男父「これから先も、一生付き合っていかなくちゃならんモンだ」

男父「大切に使ってやらんとな」ポン

そう言って、頭を撫でられた。
いつか、幼い頃にそうしてもらったように。


653以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:52:58Teh24YRY (120/139)

いつの間にか、校歌斉唱、閉式の言葉と過ぎ、いよいよ卒業生退場。
式に参列した人たちからの拍手に見送られる。

体育館を出て、校舎と結ぶ連絡通路へ進むと、在校生が掲げる花のアーチ。

後輩「・・・・・・」

目が合う。


654以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:53:26Teh24YRY (121/139)

結局友は、当初の予定通りに引っ越すことになった。
ただし、父親にも、母親にも付いて行くことはしなかった。

一人で暮らして行くことを選んだ。
もちろん妹も一緒に。

高校を卒業して、働く。
独り立ち。

それが、友の・・・友と、後輩の選択だった。


655以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:55:18Teh24YRY (122/139)

あの日、警察への説明に、ぼくは足を滑らせたて転んで怪我を負ったと主張した。
幼も、何も言わずぼくに追随してくれた。

警官「そんなわけあるか!」

そりゃそうだ。
ぼくだってそう思う。

後日、退院間際という頃になって、友が後輩に連れられてきた。


656以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:56:04Teh24YRY (123/139)

友「・・・なんで本当のことを言わなかった」

男「言ってほしかったの?」

友「そうすりゃ、俺は・・・!」

男「悪いけど、楽なんてさせないよ」

男「友の思うようにはさせない。してやるもんか」

男「ぼくはともかく、幼を危険な目に遭わせたんだ」

男「償いはしてもらう」


657以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:56:54Teh24YRY (124/139)

友「俺に・・・どうしろってんだ?」

友「いまさら俺に・・・!」

友「俺にはもう、何にもねえんだ・・・ッ」

パシン!

友「ぇ・・・」

後輩「何にもないなんて・・・そんなこと言わないでよ・・・」

後輩「友ちゃんは、まだ生きてるんだよ!?」

後輩「ここに・・・あたしのそばに、ちゃんといるじゃん・・・っ」グスッ


658以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:57:47Teh24YRY (125/139)

後輩「あたしがいるじゃん!」

後輩「あたしに、友ちゃんがいるみたいに!」

後輩「ずっと、友ちゃんのそばにいるから・・・!」

後輩「友ちゃんが、この先どこへ行っても、何をしてても・・・っ」

後輩「だから・・・っ、だか、らぁ・・・ッ」ポロポロ

後輩「自分には何にもないなんて、そんな寂しいこと言わないでよぉ・・・っ!」

そう言って、後輩が友の顔を抱き寄せる。

見つめあって・・・。

二人で、号泣した。


659以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:58:38Teh24YRY (126/139)

友「必ず償う。一生をかけて、必ず」

男「なら、ぼくが・・・」

男「『ぼくたち』が望むのはたった一つだよ」

男「これからは自分のことを・・・」

男「幸せだって、胸を張って言えるようになってほしい」

男「後輩と、一緒にさ・・・」


660以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 08:59:52Teh24YRY (127/139)

これから先、友と後輩がどうなるのか、ぼくにはわからない。
誰にもわからない。
二人にもわからない。

だけど二人は。
少なくとも、信じて生きていくはずだ。

『自分たちは、幸せだ』と。

男(そうだよな?)

後輩は、口元に小さな笑みを作って頷く。
ぼくは、力強く頷き返してから、アーチをくぐった。


661以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:01:07Teh24YRY (128/139)

昇降口から、中庭へ。

そして、幼は。

幼とは、あれから連絡を取っていない。
電話も、メールも一件も送っていない。

彼女は何も言わずに、ぼくの前から姿を消した。

悲しいとは、思わなかった。

寂しいとは、思わなかった。

なぜなら、ぼくは、信じていたから。
きっとまた、すぐに逢えると。

あの日誓った、彼女の左手に懸けて。


662以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:01:45Teh24YRY (129/139)

中庭の先、校門の横の、桜の大樹。
それを見上げる、女の子。

肩にかかった黒髪が、春風に流れる。

ひらりと。
花びらが、ぼくの視界を掠める。



春が、来ていた。


663BGM Thanks2012/12/13(木) 09:03:03Teh24YRY (130/139)



男「綺麗に咲いたね」

横に並ぶ。肩が触れるほどに。
自然に、そうすることが出来た。

幼「・・・・・・」

男「髪、切ったんだね」

幼「願掛け、みたいなもの」

幼「・・・たくさん・・・たくさん、時間がかかった」

幼「でも、わたし頑張れたわ」

幼「今日まで・・・あなたに勇気をもらったから」

左手の薬指を、愛しげに撫でる。


664以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:04:05Teh24YRY (131/139)

男「もう、どこにも行かない?」

幼「・・・・・・」

相変わらず無口で。

幼「返事、まだちゃんと言ってなかったから」

男「・・・・・・」

幼「『ごめんなさい』」

幼「友達には、なれない」


――結婚を前提に、友達になってくれないかな


665以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:05:15Teh24YRY (132/139)

幼「それから・・・」

幼「『よろしくお願いします』」


――ぼくの、お嫁さんになってくれ


幼「これからは・・・」

幼の手が、ぼくの右手を握る。

幼「わたしが、あなたの右手になるから」

指を絡めて、しっかりと繋ぎあう。


666以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:06:23Teh24YRY (133/139)

幼「あなたのこと、ずっと守るから・・・だから・・・」

幼「わたしを・・・男の太陽で、いさせてくれますか?」

幼「・・・もう、男と離れたくない」

幼「ずっと、わたしのそばにいてください」

男「もちろん」

男「でも・・・」

右手に、力を込める。
限界まで。
これがいまのぼくだって。

そして。


667以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:07:02Teh24YRY (134/139)

男「幼は、『こっち』」

手を牽き、左側に立たせる。
絡み合った指を解いて、左手で繋ぎなおす。

男「惚れた女を守るのは、男の仕事だよ」

男「幼はそこにいて、ぼくのことをずっと見てて、離さないでいて」

男「そうすれば、ぼくは真っ直ぐに歩き続けられるから」

男「ずっと、どこまでも・・・」

男「幼が居れば、ぼくは幸せだって、胸を張って言える」ニコ


668以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:08:08Teh24YRY (135/139)

幼「・・・っ」

幼の顔がくしゃっと歪んで、閉じた瞼から涙が零れる。
ぼくは、それを優しく拭う。

右手で。

そして、彼女の頬を撫でる。

男「愛してる」

幼「・・・・・・」

そっと、目を閉じる。
相変わらず過激で。


669以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:09:47Teh24YRY (136/139)

唇同士が触れ合うだけの、フレンチキス。
幼の顔は、真っ赤になっていた。
たぶん、ぼくの顔も。

気付けば、周りは人だらけ。
卒業生、在校生、保護者、教職員に来賓の人たち。

肩を寄せ合って立つ、友と後輩の姿も。

みんな、卒業式に参列した人たちだ。
それなら、ついでに祝ってもらおう。

ぼくたちの門出に、どうか祝福を。


670以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:11:00Teh24YRY (137/139)

二度目の口付け。

幼「男・・・」

花が咲く。
ぼくにとっては、どんな花よりも価値のある花だ。

この花を、枯らさないようにしよう。
心に誓う。


671以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:14:46Teh24YRY (138/139)

幼「髪、また伸ばすから」

そう、ぼくには・・・――。

幼「お料理も、もっと勉強するから」

誰よりも愛しくて、何よりも大切な。

幼「男がいれば、わたしは幸せだって、胸を張って言えるから」

かけがえのない、ぼくだけの太陽。



幼「だいすきだよ!」ニコッ


――・・・ぼくには、幼馴染がいる。

Fin


672以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 09:17:31Teh24YRY (139/139)

最後まで読んで下さった方、お付き合いありがとうございました。
進行中、乙や支援をくれた方、とても励みになりました。

前作は女が男を救う話だったので、今回はその逆でした。
本当は、きまぐれオレンジ☆ロードとRANGEMANを足して割ったような話を考えてました。
うん。面影ないね。
×女(お嬢様)×幼馴染ときたので、次の機会があるなら×妹かな。
もうすでにマンネリ感が半端ないけど。
最後に野島先生、また台詞お借りしました。


673以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 10:16:09hPdXKJYA (1/1)

乙!

ちなみに、フレンチキスは所謂ディープキスのことだぞ


674以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 10:24:17dCSSA/5g (1/1)


楽しめた

ただ糞親どもには何らかの制裁が欲しかったけどな


675以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 10:41:04Up5ov8e. (1/1)


いい話だった!
予想はしてたけど、さすがに幼の家庭の方はダメだったか
ところで前作って?これ続き物?


676以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 17:29:28W4um3Vn6 (2/2)

乙乙
お嬢様って便所飯のやつかな?
妹モノのほうも期待して待ってます


677以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 17:40:27q/uw1jeU (1/1)

いやー
面白かった


678以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 17:57:48lKDxqpV. (1/1)

乙乙乙
とうとう終わってしまったか…面白かった
ただ、確かに幼馴染や友の親に制裁がないのは残念だ


679以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 18:33:56dF3ecl8c (1/1)

お疲れ様でした
久しぶりに更新が楽しみなSSでした
やっぱりエンターテインメントの基本は笑顔とハッピーエンドだね


680以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/13(木) 23:52:42/QvzzMvY (1/1)

乙!ハッピーエンドでよかった
>>1の妹SSも楽しみにしてる


681以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/14(金) 00:06:27i98Xj4BM (1/1)

(*゚O゚)乙


682以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/14(金) 00:46:06/IO3hgWk (1/1)

乙!
2人が幸せになってくれてよかったわ


683以下、名無しが深夜にお送りします2012/12/14(金) 21:29:4947MrH1GE (1/1)

乙乙

面白かったよ!!