◆jPpg5.obl6 さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16593885.html
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◆2/3UkhVg4u1D さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16623606.html
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1: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 00:09:07.43:T3/Y7oyAO (1/4)
・ホモスレです
・時間軸不明、新約4巻以降平行世界もどき(=ほのぼのオッレルス家+上条さん)
・安価スレの割りに>>1は執筆ペースが遅い
・タイトル通りオッレルスさんと上条さんがフィアンマさんと恋人になるべく頑張ったり愛でたりする話
・キャラ崩壊注意
・ホモスレです
注意:安価内容によっては、濃厚なガチホモ以外にも、エログロ、百合、NLスレになりうる
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346771347
・ホモスレです
・時間軸不明、新約4巻以降平行世界もどき(=ほのぼのオッレルス家+上条さん)
・安価スレの割りに>>1は執筆ペースが遅い
・タイトル通りオッレルスさんと上条さんがフィアンマさんと恋人になるべく頑張ったり愛でたりする話
・キャラ崩壊注意
・ホモスレです
注意:安価内容によっては、濃厚なガチホモ以外にも、エログロ、百合、NLスレになりうる
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346771347
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/05(水) 00:11:15.59:UnE1OUKN0 (1/4)
はぇぇな!スレ立て乙!
はぇぇな!スレ立て乙!
3: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 00:11:27.80:NOIll0qL0 (1/2)
『グレムリン』との問題は、ひとまず片付いた。
もしかしたら残党が何かまた仕出かすかは不明なものの、ひとまず安全な情勢となり。
戦闘中の流れで学園都市から追われる立場、しかも捕まってはただでは済まない状況に陥った上条は、ひとまずオッレルス家に居候する事にした。
ほとぼりが冷めるまで、ということで。上条の事は気に入ったのか、シルビアから許可も出た。
というよりも家主はオッレルスなので、彼が許可を出せば基本的には問題無し、なのだが。
上条「……」
ここ数日酷い風邪を引いて寝込んでいた上条は、沈黙していた。
もう完治しているのだが、ここ数日の出来事を思い返しているのだ。
別に何か作業をしている訳でもなく。強いて言えば床掃除しながら。
上条が思い出していたのは、熱で苦しむ自分を献身的に看護していた、隻腕の青年の事だ。
自分の右腕を狙い、様々な危険に遭わせてきた青年は考えに歪みこそ生じていたが、性根がそんなに悪い訳でもなく。
腐っても聖職者か、自分で言うのも何だが彼の命を救ったからか、青年は丁寧に上条の世話をした。
此処に来たばかり、右腕が潰された時も、看護していたのは彼だったと後に聞き。
憎みこそしていなかったが、ある程度嫌っていた筈だったのに。上条当麻は、いつの間にやら。
上条(…どう、すっかな…)
性別こそ気にしているが、青年―――右方のフィアンマと呼ばれていた彼に、恋愛的好意を抱くようになっていた。
看病してくれていた時の優しさに惚れたのか、或いは中性的とも呼べる顔立ちに惹かれたのか、判断はつかず。
ただ漠然と、これが恋なのだと、上条は自覚してしまった。
上条(いや、何でだよ…)
一度記憶を喪った上条にとって、他人に恋愛感情を抱く(=初恋)はフィアンマが初めてだということになる。
せめて、せめてフィアンマが女性だったのなら、上条とて多少気分は晴れるのだが。
上条「…不幸だ」
それでも。
フィアンマ『…熱は、…少し、下がったか』
フィアンマ『無理に声を出す必要は無い。喉はまだ痛むだろう?』
心から安堵したような、柔らかな微笑みを思い浮かべてしまえば。
嬉しそうな声音に、白くて冷たい、心地の良い細い指先を、浮かべれば。
上条「……はー」
やっぱり、好きなのである。
『グレムリン』との問題は、ひとまず片付いた。
もしかしたら残党が何かまた仕出かすかは不明なものの、ひとまず安全な情勢となり。
戦闘中の流れで学園都市から追われる立場、しかも捕まってはただでは済まない状況に陥った上条は、ひとまずオッレルス家に居候する事にした。
ほとぼりが冷めるまで、ということで。上条の事は気に入ったのか、シルビアから許可も出た。
というよりも家主はオッレルスなので、彼が許可を出せば基本的には問題無し、なのだが。
上条「……」
ここ数日酷い風邪を引いて寝込んでいた上条は、沈黙していた。
もう完治しているのだが、ここ数日の出来事を思い返しているのだ。
別に何か作業をしている訳でもなく。強いて言えば床掃除しながら。
上条が思い出していたのは、熱で苦しむ自分を献身的に看護していた、隻腕の青年の事だ。
自分の右腕を狙い、様々な危険に遭わせてきた青年は考えに歪みこそ生じていたが、性根がそんなに悪い訳でもなく。
腐っても聖職者か、自分で言うのも何だが彼の命を救ったからか、青年は丁寧に上条の世話をした。
此処に来たばかり、右腕が潰された時も、看護していたのは彼だったと後に聞き。
憎みこそしていなかったが、ある程度嫌っていた筈だったのに。上条当麻は、いつの間にやら。
上条(…どう、すっかな…)
性別こそ気にしているが、青年―――右方のフィアンマと呼ばれていた彼に、恋愛的好意を抱くようになっていた。
看病してくれていた時の優しさに惚れたのか、或いは中性的とも呼べる顔立ちに惹かれたのか、判断はつかず。
ただ漠然と、これが恋なのだと、上条は自覚してしまった。
上条(いや、何でだよ…)
一度記憶を喪った上条にとって、他人に恋愛感情を抱く(=初恋)はフィアンマが初めてだということになる。
せめて、せめてフィアンマが女性だったのなら、上条とて多少気分は晴れるのだが。
上条「…不幸だ」
それでも。
フィアンマ『…熱は、…少し、下がったか』
フィアンマ『無理に声を出す必要は無い。喉はまだ痛むだろう?』
心から安堵したような、柔らかな微笑みを思い浮かべてしまえば。
嬉しそうな声音に、白くて冷たい、心地の良い細い指先を、浮かべれば。
上条「……はー」
やっぱり、好きなのである。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/05(水) 00:11:37.15:T3/Y7oyAO (2/4)
+
+
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:11:50.68:zy9jjPCSO (1/7)
そして安定のこの早さである。スレ建て乙。楽しみだっぜ
そして安定のこの早さである。スレ建て乙。楽しみだっぜ
6: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 00:13:05.81:NOIll0qL0 (2/2)
《>>2様 我慢出来ませんでした…》
上条の看病をしていたが為に疲弊したらしく自分の肩に頭をもたれるフィアンマの寝顔を眺め、オッレルスは表情を和ませた。
狂気や憎悪を宿す瞳も、こうして閉じれば長いまつ毛の縁取る瞼で隠されて。
寝ぼけ眼は彼の性格に合わずぼんやりと、そして潤んでいる事が多く、可愛らしい。
最も寝起きが悪いタイプではないのか、十分と経たずに本調子を取り戻してしまうのだが。
オッレルス「フィアンマ…」
ぽつりと、一言。
オッレルスの声色には、好意の色が含まれている。
フィアンマが眠っている間にしか、こうしてあからさまには出さないが。
彼が家を連れて来てしばらく接している内に、いつしかオッレルスはフィアンマに対して好意を感じるようになった。
ただ好いているというだけではない。そこには恋愛的な意味合いも含まれている。
十字教徒でもなければ常識に凝り固まらなければならない立場には居ない為、性別に関しては特に気にしない。
好きになった理由は、一体何なのか。
昔の事を悔いて泣きながら落ち込む自分に真っ直ぐな問いかけをしながら抱きついて慰めてきてくれたからか。
日常の普通の生活で、右腕が無いのは不便だろうに、誰にも、それこそ自分にも頼らず孤高に努力してる様に惚れたのか。
はっきりとした理由を挙げろと言われれば何とも言えないが。
容姿も内面も好きだ、と、オッレルスは自信を持って言える。
まだ心を完全に開いてくれている訳ではないものの、いつか、開いてくれたら嬉しいと。
そう思いながら、自分の思いつく限りの方法で好意をアピールする。
好意的に接されて嫌な人間は居ないので、この頃態度が軟化してきた気もするのだが。
オッレルス「……」
不安材料はある。
上条当麻という少年だ。
フィアンマがあちらへ惹かれる恐れを考慮せざるを得ない。
何故ならあの少年はフィアンマの命の恩人だから。
自分も確かに命の恩人に相当するのかもしれないが、あちらの方が少々有利かもしれない。
だからといって追い出す、などとみっともない真似はしないが。オッレルスはあくまで大人である。
オッレルス「……、…」
フィアンマ「…、…ん…」
今の体勢に飽きたのか、フィアンマは二度程身じろいだ後、更に深くオッレルスにもたれかかって眠った。
オッレルスの体温が心地良いのか、彼の広すぎず細すぎずしっかりとした男性的な肩が程よい枕なのかは不明だが、とにかくオッレルスに寄りかかって眠る状態が良いようだ。
属性(例:ツンデレ、ヤンデレ、クーデレ。指定が無ければデレデレで)
オッレルス>>+2
上条当麻>>+4
《>>2様 我慢出来ませんでした…》
上条の看病をしていたが為に疲弊したらしく自分の肩に頭をもたれるフィアンマの寝顔を眺め、オッレルスは表情を和ませた。
狂気や憎悪を宿す瞳も、こうして閉じれば長いまつ毛の縁取る瞼で隠されて。
寝ぼけ眼は彼の性格に合わずぼんやりと、そして潤んでいる事が多く、可愛らしい。
最も寝起きが悪いタイプではないのか、十分と経たずに本調子を取り戻してしまうのだが。
オッレルス「フィアンマ…」
ぽつりと、一言。
オッレルスの声色には、好意の色が含まれている。
フィアンマが眠っている間にしか、こうしてあからさまには出さないが。
彼が家を連れて来てしばらく接している内に、いつしかオッレルスはフィアンマに対して好意を感じるようになった。
ただ好いているというだけではない。そこには恋愛的な意味合いも含まれている。
十字教徒でもなければ常識に凝り固まらなければならない立場には居ない為、性別に関しては特に気にしない。
好きになった理由は、一体何なのか。
昔の事を悔いて泣きながら落ち込む自分に真っ直ぐな問いかけをしながら抱きついて慰めてきてくれたからか。
日常の普通の生活で、右腕が無いのは不便だろうに、誰にも、それこそ自分にも頼らず孤高に努力してる様に惚れたのか。
はっきりとした理由を挙げろと言われれば何とも言えないが。
容姿も内面も好きだ、と、オッレルスは自信を持って言える。
まだ心を完全に開いてくれている訳ではないものの、いつか、開いてくれたら嬉しいと。
そう思いながら、自分の思いつく限りの方法で好意をアピールする。
好意的に接されて嫌な人間は居ないので、この頃態度が軟化してきた気もするのだが。
オッレルス「……」
不安材料はある。
上条当麻という少年だ。
フィアンマがあちらへ惹かれる恐れを考慮せざるを得ない。
何故ならあの少年はフィアンマの命の恩人だから。
自分も確かに命の恩人に相当するのかもしれないが、あちらの方が少々有利かもしれない。
だからといって追い出す、などとみっともない真似はしないが。オッレルスはあくまで大人である。
オッレルス「……、…」
フィアンマ「…、…ん…」
今の体勢に飽きたのか、フィアンマは二度程身じろいだ後、更に深くオッレルスにもたれかかって眠った。
オッレルスの体温が心地良いのか、彼の広すぎず細すぎずしっかりとした男性的な肩が程よい枕なのかは不明だが、とにかくオッレルスに寄りかかって眠る状態が良いようだ。
属性(例:ツンデレ、ヤンデレ、クーデレ。指定が無ければデレデレで)
オッレルス>>+2
上条当麻>>+4
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/05(水) 00:15:00.67:UnE1OUKN0 (2/4)
デレッテレ
デレッテレ
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:15:18.78:zy9jjPCSO (2/7)
ヤンキーデレ
ヤンキーデレ
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:15:55.20:sf2MtbVr0 (1/4)
ksk
ksk
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:16:34.77:zy9jjPCSO (3/7)
武士デレ
武士デレ
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/05(水) 00:16:45.21:UnE1OUKN0 (3/4)
テレテレ
テレテレ
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/05(水) 00:17:36.10:UnE1OUKN0 (4/4)
どんなデレだよ!それ
どんなデレだよ!それ
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:18:04.33:sf2MtbVr0 (2/4)
訳が解らないww
訳が解らないww
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 00:19:47.58:zy9jjPCSO (4/7)
すまん…ハシャぎすぎた…ちょっと無茶ぶりしたくなって…
すまん…ハシャぎすぎた…ちょっと無茶ぶりしたくなって…
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/09/05(水) 08:58:30.33:pYUhPhmO0 (1/1)
ここから強引にNLにもってく
ここから強引にNLにもってく
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 12:52:51.55:zy9jjPCSO (5/7)
>>15好きにすればいいとは思うけど「スレ主旨がホモスレ」なのは忘れないで欲しいな
>>15好きにすればいいとは思うけど「スレ主旨がホモスレ」なのは忘れないで欲しいな
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 15:12:11.52:HxP5zxuIO (1/1)
>>15
NL?NTR?
>>15
NL?NTR?
18: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 21:37:25.73:xUrM7WYr0 (1/2)
なかなか目を覚ます様子の見えないフィアンマの髪をそっと撫で、オッレルスは表情を和ませたまま想像する。
自分に靡いてくれない恐れは大いにあるが、あの少年の方に傾かれたら、自分はどうするだろうか。
後十歳若かったら、上条の胸ぐらを掴んで容赦なく殴っていたような気がする。
没落貴族出身の割には若い頃それなりにやんちゃしていたので、何とも言えない。
オッレルス「…いや、もう丸くなったと思いたいが」
彼は所謂元ヤンである。
多分大丈夫だ、と自分に言い聞かせ、オッレルスはフィアンマの髪を指先で梳いた。
結んでみようにも、髪の量が多い事、さらさらとし過ぎていること、とこの二つの要素の影響で結べない。
結ぼうとして髪ゴムを使っても、するりと抜けてしまう。
もっと長く伸ばせばまた別問題なのかもしれないが。
暑くないのか、と一度聞いてみたところ、別に、と首を横に振られた為、きっとフィアンマは暑がりではないのだろう。
で、あるならば自分が嘆く事でもないか、と思考を片付け、オッレルスは手を引いた。
タイミング良く目を覚ましたフィアンマは、ぼんやりとした表情と少し潤んだ瞳でオッレルスを見上げ、しばし思考を停止させた。
何か事件でも起きれば、あるいは用事があれば別なのだろうが、寝起きのフィアンマは警戒心が少ない。
家猫のようだ、とオッレルスは心の片隅で思う。
オッレルス「目が覚めたみたいだな」
フィアンマ「…、…」
オッレルス「すっきりしたかい?」
フィアンマ「……」
こくん、と縦に一度動く首。
セミロングの赤い髪が少し揺れた。
起きたはいいもののまだ少し眠気は残っているのか、フィアンマはだるそうにオッレルスへ体重をかけた。
甘えているかのような体勢だが、フィアンマは別段オッレルスに好意を抱いている訳ではない。
嫌いではない、というだけ。後は、困っている姿が興味深く救いたくなる、という程度。
十分と経たずにきちんと意識を覚醒させた彼はちゃんと身体を起こし、目元を指で数度擦る。
フィアンマ「…寝過ぎたか」
オッレルス「後は夜に眠ると良い」
フィアンマ「そうだな」
昼夜逆転の生活は身体・体調に悪影響を及ぼす。
不可抗力でそのような生活を送る事になった場合以外は、避けて然るべきである。
なかなか目を覚ます様子の見えないフィアンマの髪をそっと撫で、オッレルスは表情を和ませたまま想像する。
自分に靡いてくれない恐れは大いにあるが、あの少年の方に傾かれたら、自分はどうするだろうか。
後十歳若かったら、上条の胸ぐらを掴んで容赦なく殴っていたような気がする。
没落貴族出身の割には若い頃それなりにやんちゃしていたので、何とも言えない。
オッレルス「…いや、もう丸くなったと思いたいが」
彼は所謂元ヤンである。
多分大丈夫だ、と自分に言い聞かせ、オッレルスはフィアンマの髪を指先で梳いた。
結んでみようにも、髪の量が多い事、さらさらとし過ぎていること、とこの二つの要素の影響で結べない。
結ぼうとして髪ゴムを使っても、するりと抜けてしまう。
もっと長く伸ばせばまた別問題なのかもしれないが。
暑くないのか、と一度聞いてみたところ、別に、と首を横に振られた為、きっとフィアンマは暑がりではないのだろう。
で、あるならば自分が嘆く事でもないか、と思考を片付け、オッレルスは手を引いた。
タイミング良く目を覚ましたフィアンマは、ぼんやりとした表情と少し潤んだ瞳でオッレルスを見上げ、しばし思考を停止させた。
何か事件でも起きれば、あるいは用事があれば別なのだろうが、寝起きのフィアンマは警戒心が少ない。
家猫のようだ、とオッレルスは心の片隅で思う。
オッレルス「目が覚めたみたいだな」
フィアンマ「…、…」
オッレルス「すっきりしたかい?」
フィアンマ「……」
こくん、と縦に一度動く首。
セミロングの赤い髪が少し揺れた。
起きたはいいもののまだ少し眠気は残っているのか、フィアンマはだるそうにオッレルスへ体重をかけた。
甘えているかのような体勢だが、フィアンマは別段オッレルスに好意を抱いている訳ではない。
嫌いではない、というだけ。後は、困っている姿が興味深く救いたくなる、という程度。
十分と経たずにきちんと意識を覚醒させた彼はちゃんと身体を起こし、目元を指で数度擦る。
フィアンマ「…寝過ぎたか」
オッレルス「後は夜に眠ると良い」
フィアンマ「そうだな」
昼夜逆転の生活は身体・体調に悪影響を及ぼす。
不可抗力でそのような生活を送る事になった場合以外は、避けて然るべきである。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/05(水) 21:37:32.43:T3/Y7oyAO (3/4)
+
+
20: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 21:38:49.17:xUrM7WYr0 (2/2)
シルビアの隣で夕飯の支度の手伝いをしつつ、上条は沈黙していた。
じゃがいもの皮を包丁で剥きつつ、指先こそ切らないものの、どことなく上の空。
上条「……」
原因はリビングにあったりする。
台所に多数の人間が居ても困る為、オッレルスとフィアンマは退屈を持て余し、チェスに興じているのだが。
上条がちらりとそちらを見やる度、いや見なくても、フィアンマが楽しそうに笑っているのだ。
別にフィアンマが楽しそうなことが悪いという訳ではなく。
しかし。
好きな人が他人と笑い合っていれば嫉妬してしまうのは、恋する人間にとって致し方ないと言える。
女々しすぎる、と自省しつつ生ゴミを纏め、上条はため息をついた。
ため息をついたことで多少心の整理がつく。
どう足掻いたところで、好きなものは好きだし、仕方がないのだ。
好きになってしまったのなら、もう突き通すしかない。
こちらとしても頑張って、フィアンマに自分を好きになってもらうしかない。そういう意味で。
覚悟を決めた上条の表情は日本男児らしく、凛々しいもので。
まるで切腹する心づもりを整えた武士のようだった。一度決めれば、彼はもう悩まない。
とはいっても。
ただでさえ自分は恋愛などしたことがなく、アプローチ方法などわからない。
ましてや、フィアンマという人間を自分の中で掴めている自信も無い。
結果として上条は、今隣りでテキパキと調理をしている女性―――シルビアに助けを求めてみるのだった。
上条「シルビアさん」
シルビア「ん?」
上条「…何か誤魔化すとわかりにくいと思うので直接言いますけど、…フィアンマに好かれるには、どうしたらいいんですかね…」
シルビア「……」
オッレルスに続き上条までも、と思いはしたが、シルビアは口にしない。
人が人を好きになるのにきっかけは些細な事であるし、恋する事自体に罪は無いので、これは決して悪い事ではないからだ。
そして彼女はどちらの恋も真面目に応援する。
たとえそれで修羅場になったとしても、それは周囲が回避してあげる事ではなく、フィアンマが何とかすべき事案だから。
問いかけ、もとい相談に対し。
上条よりも一応長く生きている為、完璧な恋愛指南は不可能でも、その人生経験から、シルビアは少し考えてあげた。
上条「なるべく怒らせない、とかは基本だと思うんですけど…」
シルビア「>>22してみる、なんてのは?」
シルビアの隣で夕飯の支度の手伝いをしつつ、上条は沈黙していた。
じゃがいもの皮を包丁で剥きつつ、指先こそ切らないものの、どことなく上の空。
上条「……」
原因はリビングにあったりする。
台所に多数の人間が居ても困る為、オッレルスとフィアンマは退屈を持て余し、チェスに興じているのだが。
上条がちらりとそちらを見やる度、いや見なくても、フィアンマが楽しそうに笑っているのだ。
別にフィアンマが楽しそうなことが悪いという訳ではなく。
しかし。
好きな人が他人と笑い合っていれば嫉妬してしまうのは、恋する人間にとって致し方ないと言える。
女々しすぎる、と自省しつつ生ゴミを纏め、上条はため息をついた。
ため息をついたことで多少心の整理がつく。
どう足掻いたところで、好きなものは好きだし、仕方がないのだ。
好きになってしまったのなら、もう突き通すしかない。
こちらとしても頑張って、フィアンマに自分を好きになってもらうしかない。そういう意味で。
覚悟を決めた上条の表情は日本男児らしく、凛々しいもので。
まるで切腹する心づもりを整えた武士のようだった。一度決めれば、彼はもう悩まない。
とはいっても。
ただでさえ自分は恋愛などしたことがなく、アプローチ方法などわからない。
ましてや、フィアンマという人間を自分の中で掴めている自信も無い。
結果として上条は、今隣りでテキパキと調理をしている女性―――シルビアに助けを求めてみるのだった。
上条「シルビアさん」
シルビア「ん?」
上条「…何か誤魔化すとわかりにくいと思うので直接言いますけど、…フィアンマに好かれるには、どうしたらいいんですかね…」
シルビア「……」
オッレルスに続き上条までも、と思いはしたが、シルビアは口にしない。
人が人を好きになるのにきっかけは些細な事であるし、恋する事自体に罪は無いので、これは決して悪い事ではないからだ。
そして彼女はどちらの恋も真面目に応援する。
たとえそれで修羅場になったとしても、それは周囲が回避してあげる事ではなく、フィアンマが何とかすべき事案だから。
問いかけ、もとい相談に対し。
上条よりも一応長く生きている為、完璧な恋愛指南は不可能でも、その人生経験から、シルビアは少し考えてあげた。
上条「なるべく怒らせない、とかは基本だと思うんですけど…」
シルビア「>>22してみる、なんてのは?」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 21:40:14.04:sf2MtbVr0 (3/4)
ksk
ksk
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 22:08:10.64:zy9jjPCSO (6/7)
とにかく色々話すとか
とにかく色々話すとか
23: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/05(水) 23:06:49.83:T3/Y7oyAO (4/4)
シルビア「とにかく色々話すとかしてみる、なんてのは?」
少し考えた結果は、アバウトな答え。シンプルなアドバイス。
シルビアが悩んだところで上条の恋が成就する訳でもなし、当たり前といったところだろう。
一般常識的アドバイスに、上条はこくりと頷いて笑顔を見せる。
上条「頑張ってみます」
シルビア「そ。ま、自分なりに頑張りな」
字面だけ見るとだいぶ素っ気ないが、声の調子に温かみはあり。
何だか姉でも出来たかのような気分で、上条は手伝いを続けるのだった。
調理が終わり、食事時。 フィアンマは、時折スプーンの上に乗せた食べ物を皿に落としてしまう傾向にある。
利き手で無い為、力加減に失敗するのだ。
彼はまだ何だかんだで腕を喪って久しく、慣れないので仕方のない事ではあるが、完璧主義的な性格の彼にとってこの事実は悪性のストレスであり。
フィアンマ「……、」
苛々としているからか集中しているからか、見事なまでの無表情。
フォークの握り方は上品且つ一般マナーに沿ったそれではなく、もはや人でも刺しかねない物騒なソレとなっていた。
オッレルスが手伝うor上条が手伝う>>+2
シルビア「とにかく色々話すとかしてみる、なんてのは?」
少し考えた結果は、アバウトな答え。シンプルなアドバイス。
シルビアが悩んだところで上条の恋が成就する訳でもなし、当たり前といったところだろう。
一般常識的アドバイスに、上条はこくりと頷いて笑顔を見せる。
上条「頑張ってみます」
シルビア「そ。ま、自分なりに頑張りな」
字面だけ見るとだいぶ素っ気ないが、声の調子に温かみはあり。
何だか姉でも出来たかのような気分で、上条は手伝いを続けるのだった。
調理が終わり、食事時。 フィアンマは、時折スプーンの上に乗せた食べ物を皿に落としてしまう傾向にある。
利き手で無い為、力加減に失敗するのだ。
彼はまだ何だかんだで腕を喪って久しく、慣れないので仕方のない事ではあるが、完璧主義的な性格の彼にとってこの事実は悪性のストレスであり。
フィアンマ「……、」
苛々としているからか集中しているからか、見事なまでの無表情。
フォークの握り方は上品且つ一般マナーに沿ったそれではなく、もはや人でも刺しかねない物騒なソレとなっていた。
オッレルスが手伝うor上条が手伝う>>+2
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 23:09:48.12:zy9jjPCSO (7/7)
kskしまっす
kskしまっす
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/05(水) 23:50:05.83:sf2MtbVr0 (4/4)
オッレルス
オッレルス
26: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 09:15:19.82:6zX01SaAO (1/7)
そんなフィアンマを手助けするべく動いたのは、オッレルスだった。
とはいってもフィアンマにもプライドがある為、何から何まで世話をしては嫌悪感を持たれる。
なので、オッレルスはなるべく彼のプライドを悪い意味で刺激しないようにしながら、彼の口元に食事を運んだ。
所謂『あーん』と呼ばれるものだ。
フィアンマ「…気遣いなら不要だ」
オッレルス「満腹で仕方が無いんだ。頼まれてくれないか?」
フィアンマ「…、」
善意、及び恋心という好意的な下心からの提案に、フィアンマはしばし沈黙した後、口元のスプーンをぱくりと口に含んだ。
元より恋愛云々に興味は無いし、乙女でもないため、間接キスなどという事は気にしない。
この流れに反応したのは上条だった。
口にこそ文句を出さないものの、不機嫌なオーラを纏ってしまう。
フィアンマはそれに気付く事も無く、与えられるまま食べ進めた。
こういった鈍感さにおいては、確かにフィアンマと上条は同レベルかもしれない。
食事を終え、オッレルスとシルビアは何かやらなければならないらしく、別室へ。
フィアンマと上条は二人きりでリビングに取り残され、暇を持て余しながら並んでソファーへと腰掛けた。
とにかく色々話してみる、とか。
シルビアのアドバイスを思い出し、上条は口を開く。
上条「…フ、…フィアンマ」
フィアンマ「何だ」
上条「えー、と…」
話しかけたはいいものの、こんな時に限って何故だかライトな話題は浮かばず。
上条「……」
フィアンマ「…体調が優れんのならまた寝れば良い」
上条は病み上がりで調子が悪いのだろう、と判断したフィアンマはそう素っ気なく提案する。
上条「…いや、…その…」
フィアンマ「…歯切れが悪いな。何だ」
上条「>>28」
そんなフィアンマを手助けするべく動いたのは、オッレルスだった。
とはいってもフィアンマにもプライドがある為、何から何まで世話をしては嫌悪感を持たれる。
なので、オッレルスはなるべく彼のプライドを悪い意味で刺激しないようにしながら、彼の口元に食事を運んだ。
所謂『あーん』と呼ばれるものだ。
フィアンマ「…気遣いなら不要だ」
オッレルス「満腹で仕方が無いんだ。頼まれてくれないか?」
フィアンマ「…、」
善意、及び恋心という好意的な下心からの提案に、フィアンマはしばし沈黙した後、口元のスプーンをぱくりと口に含んだ。
元より恋愛云々に興味は無いし、乙女でもないため、間接キスなどという事は気にしない。
この流れに反応したのは上条だった。
口にこそ文句を出さないものの、不機嫌なオーラを纏ってしまう。
フィアンマはそれに気付く事も無く、与えられるまま食べ進めた。
こういった鈍感さにおいては、確かにフィアンマと上条は同レベルかもしれない。
食事を終え、オッレルスとシルビアは何かやらなければならないらしく、別室へ。
フィアンマと上条は二人きりでリビングに取り残され、暇を持て余しながら並んでソファーへと腰掛けた。
とにかく色々話してみる、とか。
シルビアのアドバイスを思い出し、上条は口を開く。
上条「…フ、…フィアンマ」
フィアンマ「何だ」
上条「えー、と…」
話しかけたはいいものの、こんな時に限って何故だかライトな話題は浮かばず。
上条「……」
フィアンマ「…体調が優れんのならまた寝れば良い」
上条は病み上がりで調子が悪いのだろう、と判断したフィアンマはそう素っ気なく提案する。
上条「…いや、…その…」
フィアンマ「…歯切れが悪いな。何だ」
上条「>>28」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/06(木) 10:45:12.78:GmNAGA6mo (1/4)
加速
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28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 10:46:17.28:80DDYZzno (1/1)
すまない……果物の方が良い。
普通の食事ばかりまだ無理みたいだ……
すまない……果物の方が良い。
普通の食事ばかりまだ無理みたいだ……
29: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 12:17:24.70:6zX01SaAO (2/7)
上条「すまない、っていうか…ごめん。果物の方が良いのか? もしかして」
話をしようとして思い浮かんだのは、先程のフィアンマの食事風景。
フォークやスプーンを使う食事に四苦八苦する様は見ていて心苦しかったのだ。
上条「普通の食事ばっかりじゃ、まだ無理みたいだな、って感じて、さ。…、…いや、余計なお世話かもしれないけど」
フィアンマ「…確かに果物の方が楽ではあるが、それでは食器の扱いにいつまで経っても慣れんだろう。骨折でもあるまいし、今甘やかされたところで右腕が戻る訳でもない。余計な気遣いは無用だ」
少なくとも片腕はあるのだから、沢山の介助は要らない。
と、そういう事だ。
甘やかされるのが嫌いな性分なのかもしれないし、プライドが高いのかもしれない。
淡々とした言葉に、上条は口ごもる。
そして、ふと。
オッレルスとの会話を思い出す。
上条『…今更、なんですけど。フィアンマは何で右腕を、』
オッレルス『それを、君が知りたがるのか』
会話とも呼べない短いやり取り。
けれど、彼の瞳は、まるで自分を責めているかのようだった。
いつにない攻撃的な態度に息を呑んだ事を、思い出して。
上条「…右腕って、斬られたんだよな…?」
フィアンマ「それがどうした」
上条「……俺のせい、なのか」
フィアンマ「……>>31」
上条「すまない、っていうか…ごめん。果物の方が良いのか? もしかして」
話をしようとして思い浮かんだのは、先程のフィアンマの食事風景。
フォークやスプーンを使う食事に四苦八苦する様は見ていて心苦しかったのだ。
上条「普通の食事ばっかりじゃ、まだ無理みたいだな、って感じて、さ。…、…いや、余計なお世話かもしれないけど」
フィアンマ「…確かに果物の方が楽ではあるが、それでは食器の扱いにいつまで経っても慣れんだろう。骨折でもあるまいし、今甘やかされたところで右腕が戻る訳でもない。余計な気遣いは無用だ」
少なくとも片腕はあるのだから、沢山の介助は要らない。
と、そういう事だ。
甘やかされるのが嫌いな性分なのかもしれないし、プライドが高いのかもしれない。
淡々とした言葉に、上条は口ごもる。
そして、ふと。
オッレルスとの会話を思い出す。
上条『…今更、なんですけど。フィアンマは何で右腕を、』
オッレルス『それを、君が知りたがるのか』
会話とも呼べない短いやり取り。
けれど、彼の瞳は、まるで自分を責めているかのようだった。
いつにない攻撃的な態度に息を呑んだ事を、思い出して。
上条「…右腕って、斬られたんだよな…?」
フィアンマ「それがどうした」
上条「……俺のせい、なのか」
フィアンマ「……>>31」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/06(木) 12:19:06.51:GmNAGA6mo (2/4)
ksk
ksk
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 12:20:33.68:RsoZvfG/0 (1/1)
何を馬鹿な事を言ってるんだ貴様
何を馬鹿な事を言ってるんだ貴様
32: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 15:14:50.01:6zX01SaAO (3/7)
フィアンマ「……何を馬鹿な事を言ってるんだ、貴様」
呆れたような声に、上条はフィアンマの表情を窺う。
不思議な生き物を見るかのような顔。
上条「いやでも、」
フィアンマ「これは、……自業自得だ」
低い声でぼやき、フィアンマは脚を組む。
彼は別に上条を恨んでなどいない、むしろ、感謝している。
自分が間違っていた事に、本来すべきであった事に気付けた。
だからこそ、上条が救ったこの世界を踏みにじらせるものか、と自分が到底敵わなそうな相手にも立ち向かった、立ち向かえた。
右腕を喪った事だって、思い返せば、今までしてきた数々の所業への天罰、或いは神罰。
そう考えれば、何ら嘆くべき事案では無い。
フィアンマの心は決して弱くはなく、自分にも他人にも厳しく、つまり、他人のせいにしたりしない。
上条に感謝しているなどとは、口が裂けても言えないが。
自分のさまよってきた地獄から、煉獄へと連れ出されただけ。
また、十字教において身体などに欠損を受ける事、つまりハンディキャップ持ちになる事は、『神様から特別な試練を与えられた幸運な人』になったということ。
自分の、上条と対極に位置する最上の幸運が裏目に出たのだ、とフィアンマは思っている。
上条は十字教徒でないため、フィアンマが可哀想に思えるのかもしれないが。
フィアンマ「くだらん事を考えている暇があるなら、その時間を勉強に充てろ」
上条が本来学生である事を考慮して、本棚の空きスペースには数学の参考書や英語の勉強資料が入っている。
フィアンマはそう言い捨てると、退屈そうにそっぽを向いた。
上条としては会話を続けたい。
必死に話題を探して、捜して。
上条「あー…>>34」
フィアンマ「……何を馬鹿な事を言ってるんだ、貴様」
呆れたような声に、上条はフィアンマの表情を窺う。
不思議な生き物を見るかのような顔。
上条「いやでも、」
フィアンマ「これは、……自業自得だ」
低い声でぼやき、フィアンマは脚を組む。
彼は別に上条を恨んでなどいない、むしろ、感謝している。
自分が間違っていた事に、本来すべきであった事に気付けた。
だからこそ、上条が救ったこの世界を踏みにじらせるものか、と自分が到底敵わなそうな相手にも立ち向かった、立ち向かえた。
右腕を喪った事だって、思い返せば、今までしてきた数々の所業への天罰、或いは神罰。
そう考えれば、何ら嘆くべき事案では無い。
フィアンマの心は決して弱くはなく、自分にも他人にも厳しく、つまり、他人のせいにしたりしない。
上条に感謝しているなどとは、口が裂けても言えないが。
自分のさまよってきた地獄から、煉獄へと連れ出されただけ。
また、十字教において身体などに欠損を受ける事、つまりハンディキャップ持ちになる事は、『神様から特別な試練を与えられた幸運な人』になったということ。
自分の、上条と対極に位置する最上の幸運が裏目に出たのだ、とフィアンマは思っている。
上条は十字教徒でないため、フィアンマが可哀想に思えるのかもしれないが。
フィアンマ「くだらん事を考えている暇があるなら、その時間を勉強に充てろ」
上条が本来学生である事を考慮して、本棚の空きスペースには数学の参考書や英語の勉強資料が入っている。
フィアンマはそう言い捨てると、退屈そうにそっぽを向いた。
上条としては会話を続けたい。
必死に話題を探して、捜して。
上条「あー…>>34」
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/06(木) 15:17:46.68:GmNAGA6mo (3/4)
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 15:20:23.18:i5Snp93jo (1/1)
悪い、俺あんまり頭の良い部類に入らないんだ。この英語の本読みたいし、良ければ英語を教えてくれないか?
嫌なら、この本の内容を説明するだけでも構わないから、頼む!
悪い、俺あんまり頭の良い部類に入らないんだ。この英語の本読みたいし、良ければ英語を教えてくれないか?
嫌なら、この本の内容を説明するだけでも構わないから、頼む!
35: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 15:49:43.82:6zX01SaAO (4/7)
上条「あー…悪い、俺あんまり頭の良い部類に入らないんだ」
言いつつ、立ち上がると、上条は本棚から一冊の英語で書かれた本を手にソファーへと戻る。
上条「この英語の本読みたいし、良ければ英語を教えてくれないか? 嫌なら、この本の内容を説明するだけでも構わないから、頼む!」
フィアンマ「……、」
自分の人生を変えた恩人の些細で軽い内容の頼みを聞かない程、フィアンマは心が狭い訳ではなく。
上手く教えられる自信が無い、とのコメントに、上条は構わないと頷いた。
元より、勉強がしたくて提案したのではなく、フィアンマに勉強を教えてもらいたくて提案したのだから。
彼は暇を持て余していた事もあり、内容の説明だけでなく、単語の意味や発音、文法なども教える事にした。
フィアンマも英語について独学ではあったが、知識が正しければ問題ない。
上条が開いた本、ページの一文の横空白を、フィアンマの細い指先がなぞり、穏やかな声が上条の耳に届く。
一冊の本を二人で見るのだから、当然座る距離は間近。ほぼ密着状態。
フィアンマの長いサイドの髪が、上条の肩に触れ。
加えて、シャンプーと彼の体臭の混じるやや甘い匂いを、意識せず上条は嗅ぐ。
自分で教えてくれ、と言ったはいいものの、こんな状態で、上条が集中出来る訳が無かった。
フィアンマ「つまりこの、……幻想殺し、聞いているのか? 先程からどことなく上の空である様に感じるが」
ふと、上条が(フィアンマという自分の好きな人が物凄く近くで囁いてくるという状況の為ドキドキとしてしまい)集中していない事に気付いたフィアンマは、ストレートに指摘する。
意地悪な言い方や誇張表現はするが、彼は基本的に言葉をオブラートに包まない。
上条はというと、事実を指摘されて冷や汗をかいていた。
理由があるといってもそれは精神的なもの。
せっかく教えてくれたのにロクに聴いていませんでした、と言えば、反感を買う事は目に見えている。
フィアンマ「俺様の教え方に問題があったのなら仕方ないが。それでも構わないと言ったのはお前だろう?」
上条「…う…>>37」
上条「あー…悪い、俺あんまり頭の良い部類に入らないんだ」
言いつつ、立ち上がると、上条は本棚から一冊の英語で書かれた本を手にソファーへと戻る。
上条「この英語の本読みたいし、良ければ英語を教えてくれないか? 嫌なら、この本の内容を説明するだけでも構わないから、頼む!」
フィアンマ「……、」
自分の人生を変えた恩人の些細で軽い内容の頼みを聞かない程、フィアンマは心が狭い訳ではなく。
上手く教えられる自信が無い、とのコメントに、上条は構わないと頷いた。
元より、勉強がしたくて提案したのではなく、フィアンマに勉強を教えてもらいたくて提案したのだから。
彼は暇を持て余していた事もあり、内容の説明だけでなく、単語の意味や発音、文法なども教える事にした。
フィアンマも英語について独学ではあったが、知識が正しければ問題ない。
上条が開いた本、ページの一文の横空白を、フィアンマの細い指先がなぞり、穏やかな声が上条の耳に届く。
一冊の本を二人で見るのだから、当然座る距離は間近。ほぼ密着状態。
フィアンマの長いサイドの髪が、上条の肩に触れ。
加えて、シャンプーと彼の体臭の混じるやや甘い匂いを、意識せず上条は嗅ぐ。
自分で教えてくれ、と言ったはいいものの、こんな状態で、上条が集中出来る訳が無かった。
フィアンマ「つまりこの、……幻想殺し、聞いているのか? 先程からどことなく上の空である様に感じるが」
ふと、上条が(フィアンマという自分の好きな人が物凄く近くで囁いてくるという状況の為ドキドキとしてしまい)集中していない事に気付いたフィアンマは、ストレートに指摘する。
意地悪な言い方や誇張表現はするが、彼は基本的に言葉をオブラートに包まない。
上条はというと、事実を指摘されて冷や汗をかいていた。
理由があるといってもそれは精神的なもの。
せっかく教えてくれたのにロクに聴いていませんでした、と言えば、反感を買う事は目に見えている。
フィアンマ「俺様の教え方に問題があったのなら仕方ないが。それでも構わないと言ったのはお前だろう?」
上条「…う…>>37」
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/06(木) 16:07:50.81:GmNAGA6mo (4/4)
加速
加速
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 16:12:44.44:VzhXK47SO (1/4)
誠に申し訳ない…かくなる上は責任をとって切腹をいたす
誠に申し訳ない…かくなる上は責任をとって切腹をいたす
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 17:06:43.15:HQ+RTXDP0 (1/1)
武士だ!wwwwww
武士だ!wwwwww
39: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 19:02:44.13:dpL31S2m0 (1/3)
上条「…う…誠に申し訳ない…かくなる上は責任をとって切腹をいたす」
悩み悩んだ末、上条は至極真面目、神妙な表情で謝った。
死ぬ覚悟を決めた表情と謎の武士言葉にたじろぎ、フィアンマは動揺する。
フィアンマ「…、いや、別に怒っている訳ではない」
上条「……」
ほっと胸を撫で下ろす上条の様子を眺め、フィアンマは首を傾げる。
フィアンマ「…謝罪する時にハラキリするのは日本の文化か何かか」
上条「いや、必ずしもそういう訳じゃないけど…」
本当に申し訳ないと思うとそうするんだよ、と間違っているような微妙な知識を与える上条。
フィアンマはその説明で納得したのか、こくりと頷いた。
そして英語の勉強を再開しつつ、何度か日本について聞かれる。
フィアンマの日本に対する知識はちぐはぐで、知っていたり知っていなかったりするのだ。
知識を教え合って会話している内に緊張が解け、上条も普通に話せるようになり。
そもそも第三次世界大戦中はフィアンマに普通に(いや、攻撃的に)話しかける事が出来ていたのだから、調子を取り戻したというべきか。
上条「カレーパンは何となく甘いんだよな」
フィアンマ「辛いものが普通ではないのか」
上条「何というか、揚げドーナツの中に甘いカレーペーストが入ってるんだ」
フィアンマ「美味いのか?」
上条「作ってるところによるけど、普通のパン屋さんで買えば美味いな」
日本人は何にでもカレーを合わせる、という話題から雑談へと逸れた。
米にもパンにもナンにも、確かに日本人はカレーを合わせて食べる。
現代日本にはカレーヌードル、カレーパスタ、カレーうどんや蕎麦、ドライカレー、カレーピラフ、カレーリゾット…とカレーの関係する加工食品がある。
また、カレー粉を混ぜて揚げた唐揚げがあるのだが、上条はそれが好みだったりする。
上条「カレー好きなのか?」
フィアンマ「…必要以上に辛くなければな」
上条「…学園都市には通常の60倍辛いカレーライスとかあったな…」
フィアンマ「内臓器官を痛めそうな食事だ…」
正気じゃない、とフィアンマは緩く首を横に振り。
上条は和やかな会話が続いた事に安堵していた。
深夜。
用事を済ませたフィアンマは、どの部屋で眠るか悩んでいた。
欲情しない自信はあるが、シルビア―――女性と一緒に寝るのは良くない。
雑魚寝や選べない状況であれば仕方がないが、それ以外の他人の男女は寝室を別にするべきだ。
リビングで夜眠るには寒い。となれば、別の部屋に行かなければ。
フィアンマ「……」
上条と一緒に寝るorオッレルスと一緒に寝る>>+2
上条「…う…誠に申し訳ない…かくなる上は責任をとって切腹をいたす」
悩み悩んだ末、上条は至極真面目、神妙な表情で謝った。
死ぬ覚悟を決めた表情と謎の武士言葉にたじろぎ、フィアンマは動揺する。
フィアンマ「…、いや、別に怒っている訳ではない」
上条「……」
ほっと胸を撫で下ろす上条の様子を眺め、フィアンマは首を傾げる。
フィアンマ「…謝罪する時にハラキリするのは日本の文化か何かか」
上条「いや、必ずしもそういう訳じゃないけど…」
本当に申し訳ないと思うとそうするんだよ、と間違っているような微妙な知識を与える上条。
フィアンマはその説明で納得したのか、こくりと頷いた。
そして英語の勉強を再開しつつ、何度か日本について聞かれる。
フィアンマの日本に対する知識はちぐはぐで、知っていたり知っていなかったりするのだ。
知識を教え合って会話している内に緊張が解け、上条も普通に話せるようになり。
そもそも第三次世界大戦中はフィアンマに普通に(いや、攻撃的に)話しかける事が出来ていたのだから、調子を取り戻したというべきか。
上条「カレーパンは何となく甘いんだよな」
フィアンマ「辛いものが普通ではないのか」
上条「何というか、揚げドーナツの中に甘いカレーペーストが入ってるんだ」
フィアンマ「美味いのか?」
上条「作ってるところによるけど、普通のパン屋さんで買えば美味いな」
日本人は何にでもカレーを合わせる、という話題から雑談へと逸れた。
米にもパンにもナンにも、確かに日本人はカレーを合わせて食べる。
現代日本にはカレーヌードル、カレーパスタ、カレーうどんや蕎麦、ドライカレー、カレーピラフ、カレーリゾット…とカレーの関係する加工食品がある。
また、カレー粉を混ぜて揚げた唐揚げがあるのだが、上条はそれが好みだったりする。
上条「カレー好きなのか?」
フィアンマ「…必要以上に辛くなければな」
上条「…学園都市には通常の60倍辛いカレーライスとかあったな…」
フィアンマ「内臓器官を痛めそうな食事だ…」
正気じゃない、とフィアンマは緩く首を横に振り。
上条は和やかな会話が続いた事に安堵していた。
深夜。
用事を済ませたフィアンマは、どの部屋で眠るか悩んでいた。
欲情しない自信はあるが、シルビア―――女性と一緒に寝るのは良くない。
雑魚寝や選べない状況であれば仕方がないが、それ以外の他人の男女は寝室を別にするべきだ。
リビングで夜眠るには寒い。となれば、別の部屋に行かなければ。
フィアンマ「……」
上条と一緒に寝るorオッレルスと一緒に寝る>>+2
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 19:04:53.15:A6OGg/7M0 (1/1)
上条
上条
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 19:05:07.48:VzhXK47SO (2/4)
オッレ
オッレ
42: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 19:47:02.41:dpL31S2m0 (2/3)
カチャリ、と必要以上にドアノブを捻らず、あまり音を立てないでドアを開ける。
入った部屋はオッレルスの部屋。予想していた通り既に眠っているようで、穏やかな寝息が響いていた。
フィアンマ「……」
静かにする事を心がけながらフィアンマは近寄り、ギシ、と少しだけ音を立ててベッドに乗ると、毛布の中に潜り込んだ。
相手は女の子でないため特別甘くて良い匂いはしないが、オッレルスからはどことなく暖かで柔らかな匂いがする。
慣れも含まれているが、その辺りに癒しを感じ取りつつ、フィアンマはベッドへ横たわった。
ダブルベッドではないため狭く、つまりはオッレルスにくっつく体勢、ほとんど抱きつくような状態になるが、嫌悪感は無い。
人と身体的接触を持つ事は好きでもないし、嫌いでもない。
オッレルス「…ん、…」
眠っていながらも隣に何らかの存在が増えた事に感づいたのか、オッレルスは眉を潜める。
無意識の部分でフィアンマを敵ではないと判断すれば、半分意識は眠った状態で目を開けた。
オッレルス「…フィアンマ…?」
フィアンマ「…そうだが」
オッレルス「……、」
眠そうな表情で、オッレルスはフィアンマを抱き寄せた。
彼の方がフィアンマより少し身長が高いので、フィアンマは自然とオッレルスの表情が見えなくなる。
ただ、漠然と降り注ぐ好意の正体が掴めないまま、フィアンマは警戒せずに身を委ねた。
オッレルスの事は、嫌いではない。好きでもない。
利用する必要は無いが、自分に優しくしてくれるので、邪険には扱わない。
恋愛の関係した生活の変化を好まないフィアンマとしては、好意的な関係のその先へ進みたいという願望は無い。
だから、自分の想いの見直しはしない。誰を好きなのか、自分に問いただしたりしない。
オッレルスはフィアンマを抱き寄せたまま、彼の頭を撫でる。
さらさらとした髪の毛は表面がつやつやとしており、女性のソレと同じく、触り心地が良い。
シルビアの髪を触った方がもっともっと心地は良いだろうと頭でわかってはいても、オッレルスはフィアンマの髪を触っていたいと思う。
あばたもえくぼか、この例えは少々違うのかもしれないが、同じ特徴を見た場合、好きな人を上位に持ってきてしまうのは不可抗力だ。
フィアンマの頭を撫でている内にやがて手が止まり、オッレルスは再び眠りに堕ちた。
オッレルスの寝顔をしばしじっと見つめた後、フィアンマも目を閉じる。
何の問題もなく、夜は更けていった。
カチャリ、と必要以上にドアノブを捻らず、あまり音を立てないでドアを開ける。
入った部屋はオッレルスの部屋。予想していた通り既に眠っているようで、穏やかな寝息が響いていた。
フィアンマ「……」
静かにする事を心がけながらフィアンマは近寄り、ギシ、と少しだけ音を立ててベッドに乗ると、毛布の中に潜り込んだ。
相手は女の子でないため特別甘くて良い匂いはしないが、オッレルスからはどことなく暖かで柔らかな匂いがする。
慣れも含まれているが、その辺りに癒しを感じ取りつつ、フィアンマはベッドへ横たわった。
ダブルベッドではないため狭く、つまりはオッレルスにくっつく体勢、ほとんど抱きつくような状態になるが、嫌悪感は無い。
人と身体的接触を持つ事は好きでもないし、嫌いでもない。
オッレルス「…ん、…」
眠っていながらも隣に何らかの存在が増えた事に感づいたのか、オッレルスは眉を潜める。
無意識の部分でフィアンマを敵ではないと判断すれば、半分意識は眠った状態で目を開けた。
オッレルス「…フィアンマ…?」
フィアンマ「…そうだが」
オッレルス「……、」
眠そうな表情で、オッレルスはフィアンマを抱き寄せた。
彼の方がフィアンマより少し身長が高いので、フィアンマは自然とオッレルスの表情が見えなくなる。
ただ、漠然と降り注ぐ好意の正体が掴めないまま、フィアンマは警戒せずに身を委ねた。
オッレルスの事は、嫌いではない。好きでもない。
利用する必要は無いが、自分に優しくしてくれるので、邪険には扱わない。
恋愛の関係した生活の変化を好まないフィアンマとしては、好意的な関係のその先へ進みたいという願望は無い。
だから、自分の想いの見直しはしない。誰を好きなのか、自分に問いただしたりしない。
オッレルスはフィアンマを抱き寄せたまま、彼の頭を撫でる。
さらさらとした髪の毛は表面がつやつやとしており、女性のソレと同じく、触り心地が良い。
シルビアの髪を触った方がもっともっと心地は良いだろうと頭でわかってはいても、オッレルスはフィアンマの髪を触っていたいと思う。
あばたもえくぼか、この例えは少々違うのかもしれないが、同じ特徴を見た場合、好きな人を上位に持ってきてしまうのは不可抗力だ。
フィアンマの頭を撫でている内にやがて手が止まり、オッレルスは再び眠りに堕ちた。
オッレルスの寝顔をしばしじっと見つめた後、フィアンマも目を閉じる。
何の問題もなく、夜は更けていった。
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/06(木) 19:47:09.55:6zX01SaAO (5/7)
+
+
44: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 19:47:53.72:dpL31S2m0 (3/3)
朝、上条は家の中の誰よりも早く起きだした。
他人の家ということで緊張しているのか、何となく眠ってもすぐ目覚めてしまうのだ。
インデックスに連絡してみようにも、連絡手段は無く。
シルビアが起きるまで、朝食を作る(手伝いをする)必要も無い。
やる事が皆無な上条は、どうにも退屈を持て余していた。
仕方がないのでソファーに腰掛け、昨日フィアンマと一緒に見ていた本を読む。
教えてもらったことで、多少本の内容も理解出来るようになってきた。
自分が好きである相手の一言一句であれば注目してしまうので、その効果かもしれない。
昨日はイマイチ集中出来ていなかったのだが、何だかんだで覚えていたらしい。
今日、もし教えてもらえるならしっかり聞こう、と決意しつつ、上条はページを捲る。
本の内容は、昔ながらの恋愛小説で、ロマンチックなもの。
描写につられて、昨日の事が思い出される。
『彼女の髪からは、淡く甘い香りがしました。僕は、その香りの中に宝石にも似た輝きを見たのです(意訳)』
上条「……」
勿論、フィアンマは女ではないが。ましてや、自分の彼女(=恋人)でもない。
しかし、描写は何かと丁寧で、昨日の状況と被っていたから。思い出す。
甘さを帯びた香り。少し低い体温。細い指先。白い肌。長い睫毛。長めの髪。
上条「……、…」
乙女じゃあるまいし、と唇を噛み、上条はぱたりと本を閉じる。
これ以上考えていると気が変になりそうだったからだ。
と、起き出したらしいフィアンマが、リビングに入ってきた。
上条と同じく暇を持て余した結果、本でも読もうかと思ったのかもしれない。
フィアンマ「…早いな」
上条「あー…うん。何か目が覚めてさ。おはよう」
フィアンマ「そうか。おはよう」
上条の手元を見、フィアンマは上条に話しかける事に決めたらしい。
フィアンマ「多少は読めるようになったか?」
上条「>>46」
朝、上条は家の中の誰よりも早く起きだした。
他人の家ということで緊張しているのか、何となく眠ってもすぐ目覚めてしまうのだ。
インデックスに連絡してみようにも、連絡手段は無く。
シルビアが起きるまで、朝食を作る(手伝いをする)必要も無い。
やる事が皆無な上条は、どうにも退屈を持て余していた。
仕方がないのでソファーに腰掛け、昨日フィアンマと一緒に見ていた本を読む。
教えてもらったことで、多少本の内容も理解出来るようになってきた。
自分が好きである相手の一言一句であれば注目してしまうので、その効果かもしれない。
昨日はイマイチ集中出来ていなかったのだが、何だかんだで覚えていたらしい。
今日、もし教えてもらえるならしっかり聞こう、と決意しつつ、上条はページを捲る。
本の内容は、昔ながらの恋愛小説で、ロマンチックなもの。
描写につられて、昨日の事が思い出される。
『彼女の髪からは、淡く甘い香りがしました。僕は、その香りの中に宝石にも似た輝きを見たのです(意訳)』
上条「……」
勿論、フィアンマは女ではないが。ましてや、自分の彼女(=恋人)でもない。
しかし、描写は何かと丁寧で、昨日の状況と被っていたから。思い出す。
甘さを帯びた香り。少し低い体温。細い指先。白い肌。長い睫毛。長めの髪。
上条「……、…」
乙女じゃあるまいし、と唇を噛み、上条はぱたりと本を閉じる。
これ以上考えていると気が変になりそうだったからだ。
と、起き出したらしいフィアンマが、リビングに入ってきた。
上条と同じく暇を持て余した結果、本でも読もうかと思ったのかもしれない。
フィアンマ「…早いな」
上条「あー…うん。何か目が覚めてさ。おはよう」
フィアンマ「そうか。おはよう」
上条の手元を見、フィアンマは上条に話しかける事に決めたらしい。
フィアンマ「多少は読めるようになったか?」
上条「>>46」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 20:01:03.19:OPXOLk+90 (1/3)
ksk
ksk
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 20:10:53.55:VzhXK47SO (3/4)
おかげさまで私のような輩でも少しばかり読めるようになりました有難うございます
おかげさまで私のような輩でも少しばかり読めるようになりました有難うございます
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 20:12:00.84:VzhXK47SO (4/4)
武士る?と他人行儀になっちまう…
武士る?と他人行儀になっちまう…
48: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 20:41:31.80:GTWGi4Gn0 (1/1)
上条「おかげさまで私のような輩でも少しばかり読めるようになりました、有難うございます」
フィアンマ「…そうか」
何やらかしこまった様子での応答に、フィアンマはやや不思議そうに相槌を打つ。
そして上条の隣に座ると、昨日と同じように横から本を覗き込んだ。
再び集中出来なくなるのを感じつつ、上条はフィアンマの様子を窺う。
何だか機嫌が良さそうに思える。
上条「…何か良い事でもあったのか?」
フィアンマ「いや、よく眠れただけだ」
寝覚めが良かったので、気分が良い、とそういうことらしい。
そもそもフィアンマが不機嫌な事はほとんどない。
病気とまではいかないが、フィアンマという男は躁気質の人間である。
上条の肩に半ば顎を乗せる形で、フィアンマは声量控えめに話しかけた。
間近にある上条の耳、その鼓膜が破れないようにという普通の配慮なのだが、内緒話をされているかのようで、上条はドキドキと胸を高鳴らせる。
こしょこしょと耳打たれる言葉は声変わりなどとうに済ませた青年のソレであるというのに。
フィアンマ「わからない部分はあるか?」
上条「…、…ここの単語の意味教えてくれよ」
ドギマギとしながらも上条はそう要求することで会話を続ける。
会話を好む、やや雄弁気味なフィアンマは楽しいのか、機嫌の良さは続いた。
とはいっても、彼は怒った時にもにっこりとするため、読めないのだが。
しばらく二人で本を読んでいる内に、オッレルスがリビングへと入ってきた。
彼は二人の様子やその密着した体勢を見、嫉妬はしたが、口にも顔にも出さず。
一触即発の雰囲気とは程遠く、のんびりとした様子で挨拶した。
オッレルス「おはよう、二人共」
フィアンマ「おはよう」
上条「あ、おはようございます…」
挨拶をしたところでシルビアが入ってきたため、再度の挨拶。
朝食を作り始めた彼女の手伝いをすべく、珍しくフィアンマがキッチンへと消えた。
残されたのは上条とオッレルスの二人。
オッレルスは、上条の隣りへ腰掛ける。そして話しかけた。
オッレルス「この家には慣れたかい?」
上条「多分、もう少しで慣れるとは思うんですけど…」
オッレルス「そうか」
なら良いんだ、と、その表情は和やか。
けれど、その内面は荒れ易く、今は堪えているだけ。
オッレルス「……君は、フィアンマが好きなのか?」
上条「ッ、え、いや、」
問われ、上条は動揺する。
アプローチすると決めていても、同性への好意には後ろめたさが付き纏う。
指摘され、上条は口ごもった。どう答えるべきか。
上条「…>>50」
上条「おかげさまで私のような輩でも少しばかり読めるようになりました、有難うございます」
フィアンマ「…そうか」
何やらかしこまった様子での応答に、フィアンマはやや不思議そうに相槌を打つ。
そして上条の隣に座ると、昨日と同じように横から本を覗き込んだ。
再び集中出来なくなるのを感じつつ、上条はフィアンマの様子を窺う。
何だか機嫌が良さそうに思える。
上条「…何か良い事でもあったのか?」
フィアンマ「いや、よく眠れただけだ」
寝覚めが良かったので、気分が良い、とそういうことらしい。
そもそもフィアンマが不機嫌な事はほとんどない。
病気とまではいかないが、フィアンマという男は躁気質の人間である。
上条の肩に半ば顎を乗せる形で、フィアンマは声量控えめに話しかけた。
間近にある上条の耳、その鼓膜が破れないようにという普通の配慮なのだが、内緒話をされているかのようで、上条はドキドキと胸を高鳴らせる。
こしょこしょと耳打たれる言葉は声変わりなどとうに済ませた青年のソレであるというのに。
フィアンマ「わからない部分はあるか?」
上条「…、…ここの単語の意味教えてくれよ」
ドギマギとしながらも上条はそう要求することで会話を続ける。
会話を好む、やや雄弁気味なフィアンマは楽しいのか、機嫌の良さは続いた。
とはいっても、彼は怒った時にもにっこりとするため、読めないのだが。
しばらく二人で本を読んでいる内に、オッレルスがリビングへと入ってきた。
彼は二人の様子やその密着した体勢を見、嫉妬はしたが、口にも顔にも出さず。
一触即発の雰囲気とは程遠く、のんびりとした様子で挨拶した。
オッレルス「おはよう、二人共」
フィアンマ「おはよう」
上条「あ、おはようございます…」
挨拶をしたところでシルビアが入ってきたため、再度の挨拶。
朝食を作り始めた彼女の手伝いをすべく、珍しくフィアンマがキッチンへと消えた。
残されたのは上条とオッレルスの二人。
オッレルスは、上条の隣りへ腰掛ける。そして話しかけた。
オッレルス「この家には慣れたかい?」
上条「多分、もう少しで慣れるとは思うんですけど…」
オッレルス「そうか」
なら良いんだ、と、その表情は和やか。
けれど、その内面は荒れ易く、今は堪えているだけ。
オッレルス「……君は、フィアンマが好きなのか?」
上条「ッ、え、いや、」
問われ、上条は動揺する。
アプローチすると決めていても、同性への好意には後ろめたさが付き纏う。
指摘され、上条は口ごもった。どう答えるべきか。
上条「…>>50」
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 20:52:02.77:UOI5Eujm0 (1/2)
好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 20:54:24.58:yBVby5PCo (1/2)
…はい
…はい
51: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 21:12:09.26:6zX01SaAO (6/7)
上条「……はい」
特に思索を巡らせる事も無く、上条は頷き、肯定した。
一生懸命やっても、やり方が間違っているせいで自分より報われないどころか憎まれているところや、性根は意外に優しくて正義感が強いところ。 真面目過ぎるところ。
笑顔や、甘い香り、整った顔立ち、白い肌。
理由は多々あれど、フィアンマを好きである事に変わりはない。
上条の肯定に、オッレルスは問いかけを連ねた。
オッレルス「…どの位?」
上条「…言葉にはうまく表せませんけど、…すごく好きです」
国語的な素敵な表現は浮かばず。
真っ直ぐな発言に、オッレルスは三秒程黙った後。
大人げないとは思ったものの、こう発言した。
オッレルス「…渡さないよ」
上条「…、」
オッレルスの一言に、彼もまたフィアンマが好きなのだと感じ取れた上条は口ごもった。
上条「…、…」
オッレルス「…物品で無い以上、語弊があるが。…君には他に…禁書目録という最適な候補も居るだろう。そちらを選べばいい。君の守るべき少女なんだろう? …俺には他に誰も居ない。そして、俺には彼を幸せにする自信がある。だから、彼は絶対に渡さない」
言外にでも何でもなく、諦めろという宣言。否、冷静なる宣戦布告。
対して、しばし考えこんだ後、上条は言葉を返した。
上条「……>>52」
上条「……はい」
特に思索を巡らせる事も無く、上条は頷き、肯定した。
一生懸命やっても、やり方が間違っているせいで自分より報われないどころか憎まれているところや、性根は意外に優しくて正義感が強いところ。 真面目過ぎるところ。
笑顔や、甘い香り、整った顔立ち、白い肌。
理由は多々あれど、フィアンマを好きである事に変わりはない。
上条の肯定に、オッレルスは問いかけを連ねた。
オッレルス「…どの位?」
上条「…言葉にはうまく表せませんけど、…すごく好きです」
国語的な素敵な表現は浮かばず。
真っ直ぐな発言に、オッレルスは三秒程黙った後。
大人げないとは思ったものの、こう発言した。
オッレルス「…渡さないよ」
上条「…、」
オッレルスの一言に、彼もまたフィアンマが好きなのだと感じ取れた上条は口ごもった。
上条「…、…」
オッレルス「…物品で無い以上、語弊があるが。…君には他に…禁書目録という最適な候補も居るだろう。そちらを選べばいい。君の守るべき少女なんだろう? …俺には他に誰も居ない。そして、俺には彼を幸せにする自信がある。だから、彼は絶対に渡さない」
言外にでも何でもなく、諦めろという宣言。否、冷静なる宣戦布告。
対して、しばし考えこんだ後、上条は言葉を返した。
上条「……>>52」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 21:14:12.34:UOI5Eujm0 (2/2)
あっそ、
あっそ、
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 21:14:37.78:Jje+yzASO (1/1)
それは彼が決める事でござる
それは彼が決める事でござる
54: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/06(木) 21:29:20.68:6zX01SaAO (7/7)
上条「……あっそ、……と、すいません。でも、…何を言われても、俺は諦めませんからね」
敵意しか籠もっていない素っ気ない一言を発した後。
宣戦布告には宣戦布告を。
インデックスは確かに大切だが、上条が彼女に抱いているのは恋心ではない。
言うなれば、妹に対する兄のような何かであって、フィアンマに対する恋愛的執着とは違う。
二人が静かに睨み合っていると朝食が出来た為、配膳が始まった。
午後。
フィアンマは眠気を持て余しながら、ソファーの背もたれに身体を預けていた。
何となく体調が悪い。
吐き気はしないが、頭が痛い。
身体が怠い。
フィアンマ「…けほ、」
咳をして、はたと気が付くのは、一つの恐れ。
上条の風邪が感染ったのではないか、という懸念。
オッレルス「体調が優れないのか」
近寄り、ぺた、とフィアンマの額に手のひらで触れていつもよりやや高い彼の体温を把握したオッレルスは、表情に心配の色を滲ませる。
フィアンマ「…少し熱があるだけだ」
オッレルス「…寝た方が良いんじゃないか?」
フィアンマ「…」
提案にしばし悩んだ後、フィアンマはソファーの背もたれに手をついて立ち上がる。
朝起きた時は普通だったのに、と思いながら、ふらつきそうになり。
そのまま寝室へ消えたフィアンマを、上条は心配そうに見送った。
上条はどうする?(何もしない、有り)>>+2
オッレルスはどうする?(同上)>>+3
上条「……あっそ、……と、すいません。でも、…何を言われても、俺は諦めませんからね」
敵意しか籠もっていない素っ気ない一言を発した後。
宣戦布告には宣戦布告を。
インデックスは確かに大切だが、上条が彼女に抱いているのは恋心ではない。
言うなれば、妹に対する兄のような何かであって、フィアンマに対する恋愛的執着とは違う。
二人が静かに睨み合っていると朝食が出来た為、配膳が始まった。
午後。
フィアンマは眠気を持て余しながら、ソファーの背もたれに身体を預けていた。
何となく体調が悪い。
吐き気はしないが、頭が痛い。
身体が怠い。
フィアンマ「…けほ、」
咳をして、はたと気が付くのは、一つの恐れ。
上条の風邪が感染ったのではないか、という懸念。
オッレルス「体調が優れないのか」
近寄り、ぺた、とフィアンマの額に手のひらで触れていつもよりやや高い彼の体温を把握したオッレルスは、表情に心配の色を滲ませる。
フィアンマ「…少し熱があるだけだ」
オッレルス「…寝た方が良いんじゃないか?」
フィアンマ「…」
提案にしばし悩んだ後、フィアンマはソファーの背もたれに手をついて立ち上がる。
朝起きた時は普通だったのに、と思いながら、ふらつきそうになり。
そのまま寝室へ消えたフィアンマを、上条は心配そうに見送った。
上条はどうする?(何もしない、有り)>>+2
オッレルスはどうする?(同上)>>+3
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 21:38:57.35:OPXOLk+90 (2/3)
ksk
ksk
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/06(木) 21:43:22.57:yBVby5PCo (2/2)
看病
看病
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/06(木) 21:54:43.72:OPXOLk+90 (3/3)
何もしない
何もしない
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 00:50:53.10:M61ic+/SO (1/5)
フィアンマさんが看病されて嬉しいと感じるか、寝たいからほっといてほしいと感じるか…
わ か ら ん
フィアンマさんが看病されて嬉しいと感じるか、寝たいからほっといてほしいと感じるか…
わ か ら ん
59: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 08:42:11.28:xPTzIQNAO (1/8)
オッレルスは、フィアンマの安静を一番に願い、特に何も手を出さない事に決め。
上条は、自分がしてもらったように献身的な看護をしようと決めた。
幸い、インデックスが体調を崩した時に世話をした経験がある。
オッレルスは上条の恋敵ではあるが、行動の邪魔をする程子供ではなく。
上条「薬…は無いですよね」
シルビア「無いね。ひとまず、毛布持って行きなさい」
風邪を引いて熱を出した場合、汗をかいて治すのが一番自然な治療法。
シルビアから追加の毛布を受け取った上条は、フィアンマが行った寝室ドアをノックした後、静かに入った。
既にベッドの中へと入っているフィアンマは息を弾ませ、熱からくる悪寒に小さく身体を震わせながら唇を噛み締めている。
部屋に入ってきたのが上条だと気付いたのか、フィアンマは少しだけ視線を寄越す。
歯をガチガチと鳴らしてもおかしくない悪寒ではあったが、我慢して普通に話した。
フィアンマ「…何だ」
上条「毛布、持ってきたんだ。熱出ると寒いだろ?」
そう言いつつ、上条はフィアンマの身体、その上にかかった毛布に、持ってきた毛布を重ねる。
重みが増えたが、多少は暖かくなった。
上条「…他に、何か欲しい物とか…」
フィアンマ「…この部屋に居ろ」
上条「え、」
フィアンマ「……」
風邪を引いて弱ると、人恋しくなるというのは定番中の定番。
フィアンマ「…嫌なら構わん。出て行け」
上条「>>61」
オッレルスは、フィアンマの安静を一番に願い、特に何も手を出さない事に決め。
上条は、自分がしてもらったように献身的な看護をしようと決めた。
幸い、インデックスが体調を崩した時に世話をした経験がある。
オッレルスは上条の恋敵ではあるが、行動の邪魔をする程子供ではなく。
上条「薬…は無いですよね」
シルビア「無いね。ひとまず、毛布持って行きなさい」
風邪を引いて熱を出した場合、汗をかいて治すのが一番自然な治療法。
シルビアから追加の毛布を受け取った上条は、フィアンマが行った寝室ドアをノックした後、静かに入った。
既にベッドの中へと入っているフィアンマは息を弾ませ、熱からくる悪寒に小さく身体を震わせながら唇を噛み締めている。
部屋に入ってきたのが上条だと気付いたのか、フィアンマは少しだけ視線を寄越す。
歯をガチガチと鳴らしてもおかしくない悪寒ではあったが、我慢して普通に話した。
フィアンマ「…何だ」
上条「毛布、持ってきたんだ。熱出ると寒いだろ?」
そう言いつつ、上条はフィアンマの身体、その上にかかった毛布に、持ってきた毛布を重ねる。
重みが増えたが、多少は暖かくなった。
上条「…他に、何か欲しい物とか…」
フィアンマ「…この部屋に居ろ」
上条「え、」
フィアンマ「……」
風邪を引いて弱ると、人恋しくなるというのは定番中の定番。
フィアンマ「…嫌なら構わん。出て行け」
上条「>>61」
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 09:10:25.01:m4HE2rAc0 (1/2)
嫌なわけないだろ?
嫌なわけないだろ?
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 09:11:29.43:m4HE2rAc0 (2/2)
>>60
>>60
62: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 10:33:09.06:xPTzIQNAO (2/8)
上条「嫌なわけないだろ?」
好意があるという事を除くにしても、普通、自分が風邪を引いた時に看病してくれた人は看病してあげたいと思うもの。
ましてや、フィアンマ本人は気付いていないにしても、こうも寂しそうな顔をされてしまっては。 上条は折り畳み椅子を広げ組み立て、ベッド脇に置いて腰掛けた。
立っているのが疲れるというのもあるが、長時間此処に居るよ、というアピールの意味合いがある。
フィアンマは他人の話を聞いていない時があるため、こうして行動で表現した方が、メッセージが伝わり易い。
上条の行動に納得したのか喉が痛むのか、以降フィアンマは言葉を発さずに目を閉じた。
寝よう寝ようと心がける程、悪寒が邪魔をする。体調不良による身体の危機に半ば理性を壊されつつ、フィアンマは寂しそうな声音でぼやいた。
熱に浮かされて、思考が子供のソレに近付いているのかもしれない。
フィアンマ「…数時間此処に居たら、後はどこへなりとも消えてしまうんだろう」
問いかけとも、確認ともつかぬ言葉、語調。
フィアンマ「…誰も、俺様の傍になんて居たくないんだ」
弱気な上に幼稚な、子供が拗ねたような言葉だった。
別に良くないのに、意地を張って『別に良い』と言うかのような。
成熟した身体と言葉、普段と違う態度には大きな差違(ギャップ)があったが、上条としては好ましく思えた。
体調が悪いのだから、こちらが素なのかもしれない、と感じて。
事実、こちらが素だったりする。
幼い頃から無理のある"自立"を促された結果、彼は致命的に歪んでいるのだ。
だからこうして拗ねたり、怒ったり、嘆く事でしか、甘えられない。
上条「そんな事無いって。少なくとも、俺は傍に居たいと思ってるし」
上条「嫌なわけないだろ?」
好意があるという事を除くにしても、普通、自分が風邪を引いた時に看病してくれた人は看病してあげたいと思うもの。
ましてや、フィアンマ本人は気付いていないにしても、こうも寂しそうな顔をされてしまっては。 上条は折り畳み椅子を広げ組み立て、ベッド脇に置いて腰掛けた。
立っているのが疲れるというのもあるが、長時間此処に居るよ、というアピールの意味合いがある。
フィアンマは他人の話を聞いていない時があるため、こうして行動で表現した方が、メッセージが伝わり易い。
上条の行動に納得したのか喉が痛むのか、以降フィアンマは言葉を発さずに目を閉じた。
寝よう寝ようと心がける程、悪寒が邪魔をする。体調不良による身体の危機に半ば理性を壊されつつ、フィアンマは寂しそうな声音でぼやいた。
熱に浮かされて、思考が子供のソレに近付いているのかもしれない。
フィアンマ「…数時間此処に居たら、後はどこへなりとも消えてしまうんだろう」
問いかけとも、確認ともつかぬ言葉、語調。
フィアンマ「…誰も、俺様の傍になんて居たくないんだ」
弱気な上に幼稚な、子供が拗ねたような言葉だった。
別に良くないのに、意地を張って『別に良い』と言うかのような。
成熟した身体と言葉、普段と違う態度には大きな差違(ギャップ)があったが、上条としては好ましく思えた。
体調が悪いのだから、こちらが素なのかもしれない、と感じて。
事実、こちらが素だったりする。
幼い頃から無理のある"自立"を促された結果、彼は致命的に歪んでいるのだ。
だからこうして拗ねたり、怒ったり、嘆く事でしか、甘えられない。
上条「そんな事無いって。少なくとも、俺は傍に居たいと思ってるし」
63: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 10:34:42.30:xPTzIQNAO (3/8)
フィアンマ「けほ、……お前には、魔道書図書館の、あの女が居るじゃないか」
上条「インデックスは何というか…家族みたいなものなんだよ。今この状況とは関係無いだろ」
フィアンマ「…お前は俺様が憎いんだろう。恨めしいだろう。あの女を傷付けた俺様など、嫌悪の対象でしかない」
ふい、とそっぽを向き、フィアンマは頭から毛布を被った。
何を拗ねているのかさっぱりだが、恐らく本人もよくわかっていないことだろう。
対して、唐突に責められた(?)上条は困惑のままに、毛布を見つめた。
フィアンマ「…どうせ居なくなるのであれば、最初から優しくなどするな」
もごもごと、毛布越しの声。
完全にふてくされている。
体調不良から来るストレスの八つ当たりとしか感じられない。
上条はどうする?>>+2
フィアンマ「けほ、……お前には、魔道書図書館の、あの女が居るじゃないか」
上条「インデックスは何というか…家族みたいなものなんだよ。今この状況とは関係無いだろ」
フィアンマ「…お前は俺様が憎いんだろう。恨めしいだろう。あの女を傷付けた俺様など、嫌悪の対象でしかない」
ふい、とそっぽを向き、フィアンマは頭から毛布を被った。
何を拗ねているのかさっぱりだが、恐らく本人もよくわかっていないことだろう。
対して、唐突に責められた(?)上条は困惑のままに、毛布を見つめた。
フィアンマ「…どうせ居なくなるのであれば、最初から優しくなどするな」
もごもごと、毛布越しの声。
完全にふてくされている。
体調不良から来るストレスの八つ当たりとしか感じられない。
上条はどうする?>>+2
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 11:20:54.47:m3bm2KHd0 (1/3)
ksk
ksk
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 11:22:23.86:d72tqbLm0 (1/1)
添い寝
添い寝
66: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 12:10:32.84:xPTzIQNAO (4/8)
上条はしばらく悩んだ後、フィアンマが被っている毛布を少し剥ぎ、ちゃんとかけ直すと、椅子から立ち上がった。
フィアンマ「……、」
やはり出て行くのか、と目を伏せるフィアンマの考えに反し、上条はベッドへと潜り込んだ。
外気が入らないようなるべく静かに。
動揺しつつ悪寒に未だ小さく身体を震わせるフィアンマに、身長差の関係で抱きつきながら、上条は言う。
上条「居なくなったりしないって」
フィアンマ「…」
フィアンマはしばし黙った後、上条をぬいぐるみのように抱きしめた。
人肌で多少悪寒が紛れたのか、フィアンマはようやく眠り始める。
ありがとう、と。
聞こえた気がしたが―――聞こえなかったような気も、した。
フィアンマが見た夢の内容(アバウト可)>>+2
上条はしばらく悩んだ後、フィアンマが被っている毛布を少し剥ぎ、ちゃんとかけ直すと、椅子から立ち上がった。
フィアンマ「……、」
やはり出て行くのか、と目を伏せるフィアンマの考えに反し、上条はベッドへと潜り込んだ。
外気が入らないようなるべく静かに。
動揺しつつ悪寒に未だ小さく身体を震わせるフィアンマに、身長差の関係で抱きつきながら、上条は言う。
上条「居なくなったりしないって」
フィアンマ「…」
フィアンマはしばし黙った後、上条をぬいぐるみのように抱きしめた。
人肌で多少悪寒が紛れたのか、フィアンマはようやく眠り始める。
ありがとう、と。
聞こえた気がしたが―――聞こえなかったような気も、した。
フィアンマが見た夢の内容(アバウト可)>>+2
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 12:53:58.28:M61ic+/SO (2/5)
ksk
ksk
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 13:02:45.80:M61ic+/SO (3/5)
他の神の右席や上条、オッレルス、シルビア達がやたらと優しくしてくれる。
しばらくしたらもう一人の自分が現れて、遠くから自分を見てる。
いつの間にか遠くにいた自分と優しくされている自分と立っていた場所が入れ替わって「皆に優しくされたかったんだろう?でもやはり俺様は孤独だ。皆がこんなに優しくしてくれていても。」
何か言おうとしてもいつの間にか透明な壁越しになっていて相手の言ってる事も自分の言ってる事も伝わらない
他の神の右席や上条、オッレルス、シルビア達がやたらと優しくしてくれる。
しばらくしたらもう一人の自分が現れて、遠くから自分を見てる。
いつの間にか遠くにいた自分と優しくされている自分と立っていた場所が入れ替わって「皆に優しくされたかったんだろう?でもやはり俺様は孤独だ。皆がこんなに優しくしてくれていても。」
何か言おうとしてもいつの間にか透明な壁越しになっていて相手の言ってる事も自分の言ってる事も伝わらない
69:『sogno』 ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 18:11:28.56:n6QnNNMM0 (1/10)
気付けば、大聖堂の大広間、長机前に置かれた椅子へ腰掛けていた。
大広間といってもこちらは一般開放していない方で、主に『神の右席』に所属している人間が使っている。
目の前、小さな皿に乗せられたクッキーはテッラとヴェントが協力して焼いたもの。
その隣に置かれたティーカップの中で甘い湯気を立てる紅茶はアックアが淹れたもの。
三人共笑顔で渡してくれたことを覚えている。完全なる善意に満ちた、素敵なひとときの贈り物。
確か三人はそのまま、自分が頼んだ仕事を片付けに大聖堂から出て行ったはずだ。
かり、と歯を立てたクッキーは甘く、かといって甘いミルクティーと競合を起こす事も無く口の中に良い余韻を残す。
一言で片付けるならば、甘くて美味しい。クッキーの方に、余程質が良い砂糖でも使っているのだろうか。
『……、…』
クッキーを食べ終わり、紅茶を飲み終わり。
数時間程書類仕事に励んで、終了すれば。
自分が思っていたよりも疲れていたのか、眠気が押し寄せてくる。
うつらうつらとしながら、冷たいテーブルに頬をぺたりとつけた。
その状態で寝ようとしたはいいものの、落ち着かず、腕を枕にして目を閉じる。
どの位寝ていただろうか、意識が一時浮上した。
夢も見ない程に深い眠りだった。気分は悪くない。
そっと背中に毛布をかけられた感触に視線を上げると、シルビアと目が合った。
『もう少し寝てれば良いじゃない』
『…そうだな』
起きるにはまだ眠気が多く、少々辛かった。
だからその申し出はありがたく、再び目を閉じる。
温めてから持ってきてくれたのか、かけられた毛布は程よく暖かく、更なる眠気を誘った。
うたた寝をし、やがて今度ははっきりと目が覚めた。
頭を撫でていたのはオッレルスの手で、その手つきは酷く優しい。
『…オッレル、ス?』
『よく寝ていたみたいだな』
空腹じゃないか、欲しい物は無いか。
質問に答えつつ、外を見やる。
窓の外、遠い場所に、もう一人―――ドッペルゲンガーとでも呼称すべきか、"自分"が居た。
非現実的な状況に動揺しながら、思わず立ち上がる。
目の合った"自分"は退屈そうな顔をしていた。視線が合う。
嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
気にしなければ良いのに、一度気付いてしまえば、そちらに気を向けてしまう。
そんな俺様を引き戻すように、幻想殺しから話しかけられた。
『調子悪いのか?』
『いや、…』
ぺたり、と額に掌で触れられ。
程よい冷たさとその優しさに気分が良くなりかけたところで、『何かがおかしい』と思ってしまったからか、ぐい、と後ろに引っぱられたような感覚に陥った。
転ばないように片足を後ろに下げれば、立っていた場所は外。
先程"自分"が立っていた場所に自分が立ち、先程まで自分が居た場所には"自分"の姿。
楽しそうに笑い合うその表情は、到底俺様には出来ない、明るく優しい笑顔。
ああ、道理で妙だと思っていたんだ。俺様では似合わない。
『皆に優しくされたかったんだろう? でも、やはり俺様は孤独だ。皆がこんなに優しくしてくれていても』
所詮は、まやかし。
思わず独り言を漏らしながら、一歩踏み出す。
コツン、と当たったのは透明な壁。閉じ込められたようだ。
何を言っても届かないし、あちらの発している言葉もわからない。
当たり前の事だ。だって、自分にはああいった優しくされる資格が無い。あんな場所へは行けない。
どうしても優しさを疑ってしまう自分には、優しくされる資格なんて無い。
『……、』
『 』
窓の向こう、遠い場所に居る"自分"がこちらを見やり、何事かを言って、笑いかける。
嫌味でなく、見下しでなく、こちらにおいでと言わんばかりの慈愛に満ちた笑顔。
あんな顔は出来ない。俺様は人を愛する事が出来ない。その能力が致命的に欠けている。
他人を愛せない自分が誰かに愛してもらおうなどと。
他人に優しく出来ない自分が、誰かに優しくしてもらおうなどと。
あまりにもムシが良すぎる。ましてや、自分は罪人だ。
『……、…そうだ。何も、期待すべきではない』
最初から希望など抱かなければ、失望も、絶望もしないのだから。
自分は人類の罪を背負って死ねば、それでいい。
優しくされる必要なんて無いし、好かれようとも思わなくていい。
冷たくされた時のショックを思えば、嫌われた時の苦しみを思えば、最初から、そんなもの、要らない。
気付けば、大聖堂の大広間、長机前に置かれた椅子へ腰掛けていた。
大広間といってもこちらは一般開放していない方で、主に『神の右席』に所属している人間が使っている。
目の前、小さな皿に乗せられたクッキーはテッラとヴェントが協力して焼いたもの。
その隣に置かれたティーカップの中で甘い湯気を立てる紅茶はアックアが淹れたもの。
三人共笑顔で渡してくれたことを覚えている。完全なる善意に満ちた、素敵なひとときの贈り物。
確か三人はそのまま、自分が頼んだ仕事を片付けに大聖堂から出て行ったはずだ。
かり、と歯を立てたクッキーは甘く、かといって甘いミルクティーと競合を起こす事も無く口の中に良い余韻を残す。
一言で片付けるならば、甘くて美味しい。クッキーの方に、余程質が良い砂糖でも使っているのだろうか。
『……、…』
クッキーを食べ終わり、紅茶を飲み終わり。
数時間程書類仕事に励んで、終了すれば。
自分が思っていたよりも疲れていたのか、眠気が押し寄せてくる。
うつらうつらとしながら、冷たいテーブルに頬をぺたりとつけた。
その状態で寝ようとしたはいいものの、落ち着かず、腕を枕にして目を閉じる。
どの位寝ていただろうか、意識が一時浮上した。
夢も見ない程に深い眠りだった。気分は悪くない。
そっと背中に毛布をかけられた感触に視線を上げると、シルビアと目が合った。
『もう少し寝てれば良いじゃない』
『…そうだな』
起きるにはまだ眠気が多く、少々辛かった。
だからその申し出はありがたく、再び目を閉じる。
温めてから持ってきてくれたのか、かけられた毛布は程よく暖かく、更なる眠気を誘った。
うたた寝をし、やがて今度ははっきりと目が覚めた。
頭を撫でていたのはオッレルスの手で、その手つきは酷く優しい。
『…オッレル、ス?』
『よく寝ていたみたいだな』
空腹じゃないか、欲しい物は無いか。
質問に答えつつ、外を見やる。
窓の外、遠い場所に、もう一人―――ドッペルゲンガーとでも呼称すべきか、"自分"が居た。
非現実的な状況に動揺しながら、思わず立ち上がる。
目の合った"自分"は退屈そうな顔をしていた。視線が合う。
嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
気にしなければ良いのに、一度気付いてしまえば、そちらに気を向けてしまう。
そんな俺様を引き戻すように、幻想殺しから話しかけられた。
『調子悪いのか?』
『いや、…』
ぺたり、と額に掌で触れられ。
程よい冷たさとその優しさに気分が良くなりかけたところで、『何かがおかしい』と思ってしまったからか、ぐい、と後ろに引っぱられたような感覚に陥った。
転ばないように片足を後ろに下げれば、立っていた場所は外。
先程"自分"が立っていた場所に自分が立ち、先程まで自分が居た場所には"自分"の姿。
楽しそうに笑い合うその表情は、到底俺様には出来ない、明るく優しい笑顔。
ああ、道理で妙だと思っていたんだ。俺様では似合わない。
『皆に優しくされたかったんだろう? でも、やはり俺様は孤独だ。皆がこんなに優しくしてくれていても』
所詮は、まやかし。
思わず独り言を漏らしながら、一歩踏み出す。
コツン、と当たったのは透明な壁。閉じ込められたようだ。
何を言っても届かないし、あちらの発している言葉もわからない。
当たり前の事だ。だって、自分にはああいった優しくされる資格が無い。あんな場所へは行けない。
どうしても優しさを疑ってしまう自分には、優しくされる資格なんて無い。
『……、』
『 』
窓の向こう、遠い場所に居る"自分"がこちらを見やり、何事かを言って、笑いかける。
嫌味でなく、見下しでなく、こちらにおいでと言わんばかりの慈愛に満ちた笑顔。
あんな顔は出来ない。俺様は人を愛する事が出来ない。その能力が致命的に欠けている。
他人を愛せない自分が誰かに愛してもらおうなどと。
他人に優しく出来ない自分が、誰かに優しくしてもらおうなどと。
あまりにもムシが良すぎる。ましてや、自分は罪人だ。
『……、…そうだ。何も、期待すべきではない』
最初から希望など抱かなければ、失望も、絶望もしないのだから。
自分は人類の罪を背負って死ねば、それでいい。
優しくされる必要なんて無いし、好かれようとも思わなくていい。
冷たくされた時のショックを思えば、嫌われた時の苦しみを思えば、最初から、そんなもの、要らない。
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/07(金) 18:11:30.90:xPTzIQNAO (5/8)
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71: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 18:12:50.05:n6QnNNMM0 (2/10)
添い寝しつつ彼の体調を見守るつもりが、すっかり寝てしまっていた。
そんな上条は、フィアンマの抑え気味の笑い声で目を覚ました。
聞いているこちらが耳を塞いでしまいたくなるような、否、むしろ大声で泣いてもいいんだよと助けの手を差し伸べたくなるような、激情を堪えた声だった。
上条は抱きしめられたままなので、フィアンマの顔を見る事は出来ない。
上条「…フィアンマ?」
フィアンマ「…、…っ、…ぁ…」
フィアンマは、数度咳き込んだ。
何も言わず、懸命に笑いを堪えようと努力している。
楽しそうな声とは、到底思えない。
たとえば、誰かを馬鹿にしているような、嘲笑の色合いの強い笑い声。
フィアンマ「…っはは、ははは」
上条「……」
上条を抱きしめるのをやめ、フィアンマはくつくつと笑った。
無理をしているように見えた。
泣けばいいものを、プライドの高さ故か、笑いで誤魔化している。
喉が痛いのに笑っているため、咳き込んでしまい、呼吸困難になって。
それでも彼は、狂人の様に笑い続ける。
悪夢に魘され、ただでさえ弱った理性。
強いとはいえ、追い詰められ、弱り始めている心。
フィアンマ「くっ、はは、ぁは、げほっ、っごほ…ッ、…ははは」
上条「……、」
上条はどうする?(発言(=台詞)可)>>+2
添い寝しつつ彼の体調を見守るつもりが、すっかり寝てしまっていた。
そんな上条は、フィアンマの抑え気味の笑い声で目を覚ました。
聞いているこちらが耳を塞いでしまいたくなるような、否、むしろ大声で泣いてもいいんだよと助けの手を差し伸べたくなるような、激情を堪えた声だった。
上条は抱きしめられたままなので、フィアンマの顔を見る事は出来ない。
上条「…フィアンマ?」
フィアンマ「…、…っ、…ぁ…」
フィアンマは、数度咳き込んだ。
何も言わず、懸命に笑いを堪えようと努力している。
楽しそうな声とは、到底思えない。
たとえば、誰かを馬鹿にしているような、嘲笑の色合いの強い笑い声。
フィアンマ「…っはは、ははは」
上条「……」
上条を抱きしめるのをやめ、フィアンマはくつくつと笑った。
無理をしているように見えた。
泣けばいいものを、プライドの高さ故か、笑いで誤魔化している。
喉が痛いのに笑っているため、咳き込んでしまい、呼吸困難になって。
それでも彼は、狂人の様に笑い続ける。
悪夢に魘され、ただでさえ弱った理性。
強いとはいえ、追い詰められ、弱り始めている心。
フィアンマ「くっ、はは、ぁは、げほっ、っごほ…ッ、…ははは」
上条「……、」
上条はどうする?(発言(=台詞)可)>>+2
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 18:24:20.12:Av9WgFL2o (1/1)
かそく
かそく
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 18:24:49.56:A9zejWWvo (1/8)
背中をさすってから、フィアンマを強く抱きしめて、涙を流しながら甘えても良いと優しく囁く。その後、与太話をしながら、フィアンマと夜を明かす
背中をさすってから、フィアンマを強く抱きしめて、涙を流しながら甘えても良いと優しく囁く。その後、与太話をしながら、フィアンマと夜を明かす
74: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 18:57:58.28:n6QnNNMM0 (3/10)
上条は普段鈍い方だが、ここぞという場面では人の心の動きに敏い。
だから、意味のわからないフィアンマの笑い声にも、怖いなどとは思わず。
むしろ、可哀想だと思えた。悲しみが伝わってきた。
形容し難い悲しみや痛みは、こうして伝わってきても、形容し難く、哀しい。
フィアンマはのろのろと起き上がり、壁に背中をもたれて笑った。また咳き込む。
上条も同じく起き上がり、フィアンマの向かいに座ると、腕を伸ばして彼の背中を摩った。
噎せた時、少しでも苦しくないように、何度でも、飽きずに摩る。
笑い声から伝わる悲哀に。彼の代わりに泣いてあげながら、上条はフィアンマの身体を強く抱きしめた。
ぎゅう、と息が詰まる程強く抱きしめられ、フィアンマは笑うのをやめる。
上条「…プライドとか、色々思うところは、あるんだろう、けど」
ぐす、と鼻を啜り、感染した苦しみに泣き、上条は抱きしめたままに背中を摩ってあげた。
泣き声とはいえなるべく優しい響きを心がけながら、無言のフィアンマの耳元で、囁く。
上条「甘えても、良いんだから、な?」
フィアンマ「…、…」
先程の笑いとは一転して、沈黙したまま。
熱も下がり、背中をさすられて落ち着き、ある程度回復したフィアンマは、抱きしめられたまま、身体を預けた。
汗をかいたといえどシャワーを浴びれる程まで体調は回復していない為、身体を拭き。
病床から出られないフィアンマと、上条はいたって一般的な日常会話、下らない話をしていた。
フィアンマは上条に甘える事はしなかったが、態度が軟化した。
自分の為に泣いてくれた、と思っているのか、それは読む事が出来ない。
昼から寝入った二人は起きたのは、深夜二時頃だったため、眠気は無く。
夜を明かす為に、下らない会話を続けた。
内容がくだらないかどうかは別で。自分と話してくれるかどうかが、互いには重要だった。
自分の言葉に、本当の意味で、楽しそうに笑ってくれるフィアンマの笑顔を見ながら、上条は表情を和ませる。
少しでも元気になってくれたのなら、よかった、と。
上条は普段鈍い方だが、ここぞという場面では人の心の動きに敏い。
だから、意味のわからないフィアンマの笑い声にも、怖いなどとは思わず。
むしろ、可哀想だと思えた。悲しみが伝わってきた。
形容し難い悲しみや痛みは、こうして伝わってきても、形容し難く、哀しい。
フィアンマはのろのろと起き上がり、壁に背中をもたれて笑った。また咳き込む。
上条も同じく起き上がり、フィアンマの向かいに座ると、腕を伸ばして彼の背中を摩った。
噎せた時、少しでも苦しくないように、何度でも、飽きずに摩る。
笑い声から伝わる悲哀に。彼の代わりに泣いてあげながら、上条はフィアンマの身体を強く抱きしめた。
ぎゅう、と息が詰まる程強く抱きしめられ、フィアンマは笑うのをやめる。
上条「…プライドとか、色々思うところは、あるんだろう、けど」
ぐす、と鼻を啜り、感染した苦しみに泣き、上条は抱きしめたままに背中を摩ってあげた。
泣き声とはいえなるべく優しい響きを心がけながら、無言のフィアンマの耳元で、囁く。
上条「甘えても、良いんだから、な?」
フィアンマ「…、…」
先程の笑いとは一転して、沈黙したまま。
熱も下がり、背中をさすられて落ち着き、ある程度回復したフィアンマは、抱きしめられたまま、身体を預けた。
汗をかいたといえどシャワーを浴びれる程まで体調は回復していない為、身体を拭き。
病床から出られないフィアンマと、上条はいたって一般的な日常会話、下らない話をしていた。
フィアンマは上条に甘える事はしなかったが、態度が軟化した。
自分の為に泣いてくれた、と思っているのか、それは読む事が出来ない。
昼から寝入った二人は起きたのは、深夜二時頃だったため、眠気は無く。
夜を明かす為に、下らない会話を続けた。
内容がくだらないかどうかは別で。自分と話してくれるかどうかが、互いには重要だった。
自分の言葉に、本当の意味で、楽しそうに笑ってくれるフィアンマの笑顔を見ながら、上条は表情を和ませる。
少しでも元気になってくれたのなら、よかった、と。
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/07(金) 18:58:04.59:xPTzIQNAO (6/8)
+
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76: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 18:58:22.70:n6QnNNMM0 (4/10)
風邪が治り、一週間経ち。
上条とシルビアは買い物をすべく出かけていた。
まだほとぼりは冷めず、上条は帰ることも、インデックスに連絡を取る事も出来ない。
二人、家に残ったオッレルスとフィアンマは、暇そうに本を読んでいた。
フィアンマ「…迷惑をかけるな」
オッレルス「迷惑とは思っていないよ」
フィアンマ「そうか。…ま、心配せずとも、…その内出ていくよ」
読んでいた本を片付け、フィアンマはそう宣言する。
世界を見てこなければならない。これは上条との約束だ。
それに、自分はどこかの処刑台に上がって死ぬのが相応しい。
フィアンマ「お前はシルビアが好きなのだろう?」
ふと、思い出したようにフィアンマは提案する。
まさか自分に好意を抱いているなどとはちっとも思わないためだ。
フィアンマの的はずれな指摘に、オッレルスは目を瞬かせる。
オッレルス「…?」
フィアンマ「好き合ってもいない男女が居住を共にするか。ましてや、シルビアは子供ではなく、それなりに成熟した女だ。養う養われるの関係でもなし、好きなんじゃないのか?」
何なら結ばれる手伝いをしてやる、と言わんばかりの態度。
オッレルスはしばらく黙って発言内容を熟慮した後、こう発言した。
オッレルス「>>78」
風邪が治り、一週間経ち。
上条とシルビアは買い物をすべく出かけていた。
まだほとぼりは冷めず、上条は帰ることも、インデックスに連絡を取る事も出来ない。
二人、家に残ったオッレルスとフィアンマは、暇そうに本を読んでいた。
フィアンマ「…迷惑をかけるな」
オッレルス「迷惑とは思っていないよ」
フィアンマ「そうか。…ま、心配せずとも、…その内出ていくよ」
読んでいた本を片付け、フィアンマはそう宣言する。
世界を見てこなければならない。これは上条との約束だ。
それに、自分はどこかの処刑台に上がって死ぬのが相応しい。
フィアンマ「お前はシルビアが好きなのだろう?」
ふと、思い出したようにフィアンマは提案する。
まさか自分に好意を抱いているなどとはちっとも思わないためだ。
フィアンマの的はずれな指摘に、オッレルスは目を瞬かせる。
オッレルス「…?」
フィアンマ「好き合ってもいない男女が居住を共にするか。ましてや、シルビアは子供ではなく、それなりに成熟した女だ。養う養われるの関係でもなし、好きなんじゃないのか?」
何なら結ばれる手伝いをしてやる、と言わんばかりの態度。
オッレルスはしばらく黙って発言内容を熟慮した後、こう発言した。
オッレルス「>>78」
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 19:03:23.54:U2eKmBdSO (1/2)
かそくした
かそくした
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 19:04:37.13:A9zejWWvo (2/8)
学園都市に連れて共に暮らせ
学園都市に連れて共に暮らせ
79: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 19:23:23.74:n6QnNNMM0 (5/10)
オッレルス「…いや、そんな事は一言も言っていないが。それに、彼女はあくまで友人…様々な意味で、パートナーだよ。…君が気になっている、の間違いじゃないのか? もしもそうなら、彼女を学園都市に連れて行って、共に暮らせば良い」
フィアンマ「別に俺様は何とも思っていないが」
シルビアへの恋愛的好意を否定しようとした結果、少々攻撃的な言い方になり。
そんな珍しいオッレルスの様子に興味を抱きつつ、フィアンマは緩く首を横に振った。素っ気なく否定する。
フィアンマ自身は、誰も好きになどなったりしない。少なくとも、今は。
彼のそんな態度に些か自分の発言について反省したオッレルスは、本を閉じて片付ける。
フィアンマは退屈を持て余しながら、脚を組んだ。予定では、上条とシルビアは夕方頃まで帰ってこない。
二人が帰ってきたところで暇である事に変わりは無いのだが。
フィアンマが楽しいと感じるのは物騒な出来事であったり賭け事なので、彼が退屈だというのは平和だということになる。
フィアンマ「……」
ソファーの、自分の隣に座っているオッレルスに体重をかける形で、フィアンマはのしかかる。
何とかして退屈を紛らわせようとした結果、オッレルスにちょっかいを出す事に決めたらしい。
いくら暇だからといって他人の時間の邪魔をするというのは子供や犬猫と同レベル。
それでも構わないと思っているのか、はたまた気付いていないのか、フィアンマはオッレルスにひっついた。
オッレルスは嫌がる筈もなく、フィアンマの髪を撫でつつ抱きとめる。
オッレルス「…?」
フィアンマ「…暇なんだよ」
オッレルス「それは、分かるが」
理解してはいても、オッレルスは芸人の類ではない。
たとえ金を積まれても、人を笑わせられるかは不明だろう。
何かを要求している訳ではないらしいフィアンマは、オッレルスの右腕を触った。
筋骨隆々でもなければ脂肪がついている訳でもなく、かといって華奢でもない、いたって普通の青年の腕。
フィアンマ「…お前は性欲が薄いのか。女を買いに行っている素振りは見られないが」
単なる知的好奇心から来る、退屈紛れの問いかけ。
オッレルス「んー…>>81」
オッレルス「…いや、そんな事は一言も言っていないが。それに、彼女はあくまで友人…様々な意味で、パートナーだよ。…君が気になっている、の間違いじゃないのか? もしもそうなら、彼女を学園都市に連れて行って、共に暮らせば良い」
フィアンマ「別に俺様は何とも思っていないが」
シルビアへの恋愛的好意を否定しようとした結果、少々攻撃的な言い方になり。
そんな珍しいオッレルスの様子に興味を抱きつつ、フィアンマは緩く首を横に振った。素っ気なく否定する。
フィアンマ自身は、誰も好きになどなったりしない。少なくとも、今は。
彼のそんな態度に些か自分の発言について反省したオッレルスは、本を閉じて片付ける。
フィアンマは退屈を持て余しながら、脚を組んだ。予定では、上条とシルビアは夕方頃まで帰ってこない。
二人が帰ってきたところで暇である事に変わりは無いのだが。
フィアンマが楽しいと感じるのは物騒な出来事であったり賭け事なので、彼が退屈だというのは平和だということになる。
フィアンマ「……」
ソファーの、自分の隣に座っているオッレルスに体重をかける形で、フィアンマはのしかかる。
何とかして退屈を紛らわせようとした結果、オッレルスにちょっかいを出す事に決めたらしい。
いくら暇だからといって他人の時間の邪魔をするというのは子供や犬猫と同レベル。
それでも構わないと思っているのか、はたまた気付いていないのか、フィアンマはオッレルスにひっついた。
オッレルスは嫌がる筈もなく、フィアンマの髪を撫でつつ抱きとめる。
オッレルス「…?」
フィアンマ「…暇なんだよ」
オッレルス「それは、分かるが」
理解してはいても、オッレルスは芸人の類ではない。
たとえ金を積まれても、人を笑わせられるかは不明だろう。
何かを要求している訳ではないらしいフィアンマは、オッレルスの右腕を触った。
筋骨隆々でもなければ脂肪がついている訳でもなく、かといって華奢でもない、いたって普通の青年の腕。
フィアンマ「…お前は性欲が薄いのか。女を買いに行っている素振りは見られないが」
単なる知的好奇心から来る、退屈紛れの問いかけ。
オッレルス「んー…>>81」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 19:24:52.04:A9zejWWvo (3/8)
ksk
ksk
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 19:25:46.23:YwGENAEF0 (1/1)
女性には興味が無いのだ
女性には興味が無いのだ
82: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 19:47:52.39:n6QnNNMM0 (6/10)
オッレルス「んー…女性には興味が…」
フィアンマ「無いのか」
オッレルス「無いのだよ。…というより、…あったら、シルビアが被害に遭っていると思わないか?」
フィアンマ「…単に自制心が強いのかと思っていたのだがね」
オッレルス「自制心が強い自信はあるが」
実際、好きな人と二人きりでまったく手を出さないオッレルスは男性として自制心が強い方に入るだろう。
フィアンマはつまらなそうに体勢を変え、俯せになると、オッレルスの別にさして柔らかくない太腿に顎を乗せる。
家猫の様な振る舞いに心を和ませつつ、オッレルスはフィアンマの頭を撫でた。
フィアンマ「…ソドムの男か。女に何かトラウマでも?」
オッレルス「そういう訳でもないさ。…まぁ、まったくないと言えば嘘になるかな」
過去、貴族時代、特に好意を抱いていた訳でもなかった婚約者にこっ酷くフラれた経験がある程度。
確かに忘れられない嫌な思い出ではあるが、引きずっている訳でもなし。
フィアンマは腐っても十字教徒(ローマ正教徒)、同性愛に賛成出来ないのか、残念そうな声を出した。
フィアンマ「容姿が悪い訳でもないし、今からでも克服して相手を見つければ良いものを」
オッレルス「立場的に考えても不可能だよ」
フィアンマ「考えてみれば、それもそうか」
うつ伏せのまま左腕を伸ばし、フィアンマは退屈そうに寛ぐ。
この体勢で腰を痛めないかどうか心配しながら、オッレルスはフィアンマの髪を指先で梳いた。
触っていると気分が良いのは、恋情に愛玩の意が混ざっているからか。
フィアンマ「……お前は犬と猫ならどちらが好きなんだ」
オッレルス「>>84」
オッレルス「んー…女性には興味が…」
フィアンマ「無いのか」
オッレルス「無いのだよ。…というより、…あったら、シルビアが被害に遭っていると思わないか?」
フィアンマ「…単に自制心が強いのかと思っていたのだがね」
オッレルス「自制心が強い自信はあるが」
実際、好きな人と二人きりでまったく手を出さないオッレルスは男性として自制心が強い方に入るだろう。
フィアンマはつまらなそうに体勢を変え、俯せになると、オッレルスの別にさして柔らかくない太腿に顎を乗せる。
家猫の様な振る舞いに心を和ませつつ、オッレルスはフィアンマの頭を撫でた。
フィアンマ「…ソドムの男か。女に何かトラウマでも?」
オッレルス「そういう訳でもないさ。…まぁ、まったくないと言えば嘘になるかな」
過去、貴族時代、特に好意を抱いていた訳でもなかった婚約者にこっ酷くフラれた経験がある程度。
確かに忘れられない嫌な思い出ではあるが、引きずっている訳でもなし。
フィアンマは腐っても十字教徒(ローマ正教徒)、同性愛に賛成出来ないのか、残念そうな声を出した。
フィアンマ「容姿が悪い訳でもないし、今からでも克服して相手を見つければ良いものを」
オッレルス「立場的に考えても不可能だよ」
フィアンマ「考えてみれば、それもそうか」
うつ伏せのまま左腕を伸ばし、フィアンマは退屈そうに寛ぐ。
この体勢で腰を痛めないかどうか心配しながら、オッレルスはフィアンマの髪を指先で梳いた。
触っていると気分が良いのは、恋情に愛玩の意が混ざっているからか。
フィアンマ「……お前は犬と猫ならどちらが好きなんだ」
オッレルス「>>84」
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 19:48:23.92:A9zejWWvo (4/8)
かそきな
かそきな
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 19:49:09.10:YlJRseHVo (1/1)
気まぐれな猫より従順な犬が良いに決まっているだろう?
気まぐれな猫より従順な犬が良いに決まっているだろう?
85: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 20:11:21.04:n6QnNNMM0 (7/10)
オッレルス「気まぐれな猫より、従順な犬が良いに決まっているだろう?」
フィアンマ「猫もあれはあれで愛らしいと思うが。確かに、従順さは犬の方が上か」
オッレルス「俺の場合、犬を躾けるのが好きなだけかもしれないが」
フィアンマ「躾か。犬を飼っていた経験は?」
オッレルス「子供の頃に、少し」
指通りの良い髪に指を何度も通して触りつつ、オッレルスは問いかけに答える。
最初は反抗していた犬に適切な褒美や仕置を与えるのは、幼い頃から好きだった。
指南書は家にあったし、一生懸命躾ければ、周囲からも褒められる。
軍用犬を躾け、手の内に収める事で言外に周囲の子供を脅した経験もあった。
このような後暗い話をする程、オッレルスは頭が悪い訳でもないし、悪ぶりたい訳でもないので、沈黙。
オッレルス「君はどちらが好きなんだ?」
フィアンマ「どちらかといえば猫だな。昼寝をしている姿を眺めるのが好きだ」
放っておけば、適当に自分の時間を過ごし。
構い始めれば、主人と遊び。
そのような気まぐれさも魅力の一つだから、とフィアンマは言う。
最も好きな動物は兎らしいが。
オッレルス「ウサギは慣れさせるまでが大変じゃないか?」
フィアンマ「確かに時間はかかるが、ああも臆病だと可愛らしく思える」
自分より弱いモノが好きだ、とフィアンマは言外に告げる。
確かに、人を使ったりしている上の立場で長く生きていれば、強者より弱者を好むようになるだろう。
自分の手の平の上で転がされ、慌てふためく姿や、怯える姿は愛らしく、好ましい。
フィアンマという男性の心底、性格の根元部分はサディストである。
フィアンマ「…小型犬と大型犬では、どっちがより好きなんだ」
オッレルス「…>>87」
オッレルス「気まぐれな猫より、従順な犬が良いに決まっているだろう?」
フィアンマ「猫もあれはあれで愛らしいと思うが。確かに、従順さは犬の方が上か」
オッレルス「俺の場合、犬を躾けるのが好きなだけかもしれないが」
フィアンマ「躾か。犬を飼っていた経験は?」
オッレルス「子供の頃に、少し」
指通りの良い髪に指を何度も通して触りつつ、オッレルスは問いかけに答える。
最初は反抗していた犬に適切な褒美や仕置を与えるのは、幼い頃から好きだった。
指南書は家にあったし、一生懸命躾ければ、周囲からも褒められる。
軍用犬を躾け、手の内に収める事で言外に周囲の子供を脅した経験もあった。
このような後暗い話をする程、オッレルスは頭が悪い訳でもないし、悪ぶりたい訳でもないので、沈黙。
オッレルス「君はどちらが好きなんだ?」
フィアンマ「どちらかといえば猫だな。昼寝をしている姿を眺めるのが好きだ」
放っておけば、適当に自分の時間を過ごし。
構い始めれば、主人と遊び。
そのような気まぐれさも魅力の一つだから、とフィアンマは言う。
最も好きな動物は兎らしいが。
オッレルス「ウサギは慣れさせるまでが大変じゃないか?」
フィアンマ「確かに時間はかかるが、ああも臆病だと可愛らしく思える」
自分より弱いモノが好きだ、とフィアンマは言外に告げる。
確かに、人を使ったりしている上の立場で長く生きていれば、強者より弱者を好むようになるだろう。
自分の手の平の上で転がされ、慌てふためく姿や、怯える姿は愛らしく、好ましい。
フィアンマという男性の心底、性格の根元部分はサディストである。
フィアンマ「…小型犬と大型犬では、どっちがより好きなんだ」
オッレルス「…>>87」
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 20:33:12.57:A9zejWWvo (5/8)
かそく
かそく
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 20:33:22.68:KKw64Txmo (1/1)
愛でるなら小型犬、躾てパートナーにすえるのは大型犬だ。用途によっては嗜好も変わるだろ?
人間も同様かな?
愛でるなら小型犬、躾てパートナーにすえるのは大型犬だ。用途によっては嗜好も変わるだろ?
人間も同様かな?
88: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 21:15:31.20:n6QnNNMM0 (8/10)
オッレルス「…愛でるなら小型犬、躾てパートナーにすえるのは大型犬だ。用途によっては嗜好も変わるだろ? 人間も同様かな?」
フィアンマ「なるほど」
オッレルスに撫でられつつ、フィアンマは目を閉じる。
眠い訳ではなく、脱力して彼に全身を預けているというだけに過ぎない。
彼の頭から背中にかけてゆっくりと撫でつつ、オッレルスは口元を弛める。
フィアンマ「…言っておくが、俺様は小型犬では無いぞ」
左腕を伸ばし、オッレルスの頬にぺたりと触れながら、フィアンマは言う。
愛でられている、という自覚はあったのだ。
しかし好意を持たれているという自信には繋がらない。
オッレルス「そんなことは思っていないよ」
フィアンマ「……」
オッレルス「…触り心地が良いから、触れていたくなるんだ」
好きだから触っている、という理由の方が大きいが、まだ告白はしない。
フィアンマ「…」
しばらく考える素振りを見せた後、フィアンマは暇そうに、また問いかけた。
フィアンマ「…俺様が犬なら、飼うか?」
オッレルス「そうだな…>>90」
オッレルス「…愛でるなら小型犬、躾てパートナーにすえるのは大型犬だ。用途によっては嗜好も変わるだろ? 人間も同様かな?」
フィアンマ「なるほど」
オッレルスに撫でられつつ、フィアンマは目を閉じる。
眠い訳ではなく、脱力して彼に全身を預けているというだけに過ぎない。
彼の頭から背中にかけてゆっくりと撫でつつ、オッレルスは口元を弛める。
フィアンマ「…言っておくが、俺様は小型犬では無いぞ」
左腕を伸ばし、オッレルスの頬にぺたりと触れながら、フィアンマは言う。
愛でられている、という自覚はあったのだ。
しかし好意を持たれているという自信には繋がらない。
オッレルス「そんなことは思っていないよ」
フィアンマ「……」
オッレルス「…触り心地が良いから、触れていたくなるんだ」
好きだから触っている、という理由の方が大きいが、まだ告白はしない。
フィアンマ「…」
しばらく考える素振りを見せた後、フィアンマは暇そうに、また問いかけた。
フィアンマ「…俺様が犬なら、飼うか?」
オッレルス「そうだな…>>90」
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 21:16:44.27:ZoHLSY6n0 (1/2)
飼うより飼われたい
飼うより飼われたい
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 21:17:23.13:A9zejWWvo (6/8)
俺は分からんが、上条ならどうする?
俺は分からんが、上条ならどうする?
91: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 21:39:53.73:n6QnNNMM0 (9/10)
オッレルス「そうだな…」
何とも答え難い、とオッレルスは悩む。
迷った結果、オッレルスは質問を返すことにした。
会話のマナーとしては違反に入るが、フィアンマは心が狭くないので問題は無く。
フィアンマ「…お前が犬なら?」
オッレルス「あぁ。…少し考えてみたが、俺には分からないんだ。そもそも、人間が犬になった場合など考えないだろう」
フィアンマ「それもそうだが。…お前が犬なら、俺様は飼うだろうな」
オッレルス「…上条当麻。あの少年が犬なら、どうする?」
フィアンマ「やはり、飼うだろうな。人間として見ても、あれは中々、揶揄していて面白い」
恩人としてではなく、一人の少年として見た場合。
フィアンマにとって、上条当麻は中々に興味深く、からかって愉快な人間。
そんな答えに嫉妬からくる、やや不満足の念を残しながら、オッレルスはフィアンマの髪を弄る。
夕方、シルビアと上条が帰宅した。
予定通りの帰宅に、特に変化や事件は無く。
今度はシルビアの体調が優れないらしく、オッレルスが看病にあたり、フィアンマと上条が調理する事になった。
とはいってもフィアンマは隻腕。満足に料理が作れる筈もなく、手伝い止まり。
それでも、上条は一緒にキッチンに立っている状況というだけで充分だった。
フィアンマ「疲れたか」
上条「いや、そうでもないかな。元気かっていうと元気じゃないけどさ」
フィアンマ「また風邪を引くなよ」
上条「あー…はは、気をつけます」
作業のほとんどは上条がこなしているが、上条にとって料理などお手の物。
だから、意識半分にフィアンマの会話相手をしていれば、楽しく、且つ問題なく調理は進む。
ただ、気をつけていても、時折事故とは起こってしまうもので。
上条「あ」
手元は見ていたはずなのに、上条はうっかり右手、その指先を包丁で傷つけた。
包丁をまな板の上に置き、傷口を確認すれば、玉の様に浮き出す赤い血液。
上条「…ほっといたら血止まりそうだけどどうすっか、な」
水で流せば手当をする程でもないような、と言いかけ。
上条の右手首が掴まれたかと思えばそのまま引かれ、血の浮いている人差し指を、フィアンマが自然な流れで口に含んだ。
動揺し、固まる上条の様子を見るでもなく、フィアンマ舌先で傷口をなぞる。
指の先からぞわぞわとした、気持ち悪さとも快感ともつかない感覚が、上条の脳内を占拠した。
まだ煮込む作業はしていなかったため、何の音もしない静かなキッチンに、ややいやらしい水音が響く。
ごくり、と生唾を呑む上条の表情を見る金の瞳。長い睫毛が、上条の指に影を作る。
フィアンマ「…っ、は」
悪戯心でも湧いたのか、血液の止まりかけた上条の指先、その傷口を、フィアンマは軽く噛む。
ピリピリとした痛みと共に、再出血。
かつて自分が欲しがった右腕、その指を口内で苛めながら、フィアンマは楽しそうに口元を歪ませた。
上条はどうする?(台詞可)>>+2
オッレルス「そうだな…」
何とも答え難い、とオッレルスは悩む。
迷った結果、オッレルスは質問を返すことにした。
会話のマナーとしては違反に入るが、フィアンマは心が狭くないので問題は無く。
フィアンマ「…お前が犬なら?」
オッレルス「あぁ。…少し考えてみたが、俺には分からないんだ。そもそも、人間が犬になった場合など考えないだろう」
フィアンマ「それもそうだが。…お前が犬なら、俺様は飼うだろうな」
オッレルス「…上条当麻。あの少年が犬なら、どうする?」
フィアンマ「やはり、飼うだろうな。人間として見ても、あれは中々、揶揄していて面白い」
恩人としてではなく、一人の少年として見た場合。
フィアンマにとって、上条当麻は中々に興味深く、からかって愉快な人間。
そんな答えに嫉妬からくる、やや不満足の念を残しながら、オッレルスはフィアンマの髪を弄る。
夕方、シルビアと上条が帰宅した。
予定通りの帰宅に、特に変化や事件は無く。
今度はシルビアの体調が優れないらしく、オッレルスが看病にあたり、フィアンマと上条が調理する事になった。
とはいってもフィアンマは隻腕。満足に料理が作れる筈もなく、手伝い止まり。
それでも、上条は一緒にキッチンに立っている状況というだけで充分だった。
フィアンマ「疲れたか」
上条「いや、そうでもないかな。元気かっていうと元気じゃないけどさ」
フィアンマ「また風邪を引くなよ」
上条「あー…はは、気をつけます」
作業のほとんどは上条がこなしているが、上条にとって料理などお手の物。
だから、意識半分にフィアンマの会話相手をしていれば、楽しく、且つ問題なく調理は進む。
ただ、気をつけていても、時折事故とは起こってしまうもので。
上条「あ」
手元は見ていたはずなのに、上条はうっかり右手、その指先を包丁で傷つけた。
包丁をまな板の上に置き、傷口を確認すれば、玉の様に浮き出す赤い血液。
上条「…ほっといたら血止まりそうだけどどうすっか、な」
水で流せば手当をする程でもないような、と言いかけ。
上条の右手首が掴まれたかと思えばそのまま引かれ、血の浮いている人差し指を、フィアンマが自然な流れで口に含んだ。
動揺し、固まる上条の様子を見るでもなく、フィアンマ舌先で傷口をなぞる。
指の先からぞわぞわとした、気持ち悪さとも快感ともつかない感覚が、上条の脳内を占拠した。
まだ煮込む作業はしていなかったため、何の音もしない静かなキッチンに、ややいやらしい水音が響く。
ごくり、と生唾を呑む上条の表情を見る金の瞳。長い睫毛が、上条の指に影を作る。
フィアンマ「…っ、は」
悪戯心でも湧いたのか、血液の止まりかけた上条の指先、その傷口を、フィアンマは軽く噛む。
ピリピリとした痛みと共に、再出血。
かつて自分が欲しがった右腕、その指を口内で苛めながら、フィアンマは楽しそうに口元を歪ませた。
上条はどうする?(台詞可)>>+2
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 21:49:50.43:QG8sJpbGo (1/1)
かそく
かそく
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 21:51:24.84:A9zejWWvo (7/8)
どうした?と尋ねながら、少し強めに左手で頭を撫でる。
どうした?と尋ねながら、少し強めに左手で頭を撫でる。
94: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 22:31:48.74:n6QnNNMM0 (10/10)
動揺を表に出す訳にはいかない。
上条は密かに深呼吸すると、フィアンマを見つめた。
上条「…どうした?」
言いつつ、右手ではなく左手でフィアンマの頭を、少々強めに撫でる。
フィアンマはやめるよう催促されているように感じたのか、口を離した。
唾液の糸が、指と唇との間で引かれる。卑猥だ、と思いつつ、上条は一瞬視線を逸らした。
ぐしぐし、と頭を撫でられ、乱れた髪を指先で直しながら、フィアンマはくすりと笑う。
フィアンマ「…いや。随分と無防備になったものだ、と思ってな。俺様にされた事を忘れた訳ではあるまい?」
『ベツレヘムの星』で、右腕を切断されたこと。
勿論、忘れていない。忘れられる訳がない。
上条「いや、忘れてないけど…」
フィアンマ「また切られる、と思った事はないのか。或いは、危害を加えられると」
素っ気なく言いつつ、フィアンマは不要となった調理器具を軽く洗って片付ける。
つまらなそうな表情。発言は、まるで嫌われようとしているかのようだ。
フィアンマ「俺様はお前の『幻想殺し』にある程度詳しい。…魔術科学問わず異能の力は無効だが、包丁や果物ナイフ、一般の銃弾は有効である事を知っている。殺されると思った事はないのか?」
上条「>>96」
動揺を表に出す訳にはいかない。
上条は密かに深呼吸すると、フィアンマを見つめた。
上条「…どうした?」
言いつつ、右手ではなく左手でフィアンマの頭を、少々強めに撫でる。
フィアンマはやめるよう催促されているように感じたのか、口を離した。
唾液の糸が、指と唇との間で引かれる。卑猥だ、と思いつつ、上条は一瞬視線を逸らした。
ぐしぐし、と頭を撫でられ、乱れた髪を指先で直しながら、フィアンマはくすりと笑う。
フィアンマ「…いや。随分と無防備になったものだ、と思ってな。俺様にされた事を忘れた訳ではあるまい?」
『ベツレヘムの星』で、右腕を切断されたこと。
勿論、忘れていない。忘れられる訳がない。
上条「いや、忘れてないけど…」
フィアンマ「また切られる、と思った事はないのか。或いは、危害を加えられると」
素っ気なく言いつつ、フィアンマは不要となった調理器具を軽く洗って片付ける。
つまらなそうな表情。発言は、まるで嫌われようとしているかのようだ。
フィアンマ「俺様はお前の『幻想殺し』にある程度詳しい。…魔術科学問わず異能の力は無効だが、包丁や果物ナイフ、一般の銃弾は有効である事を知っている。殺されると思った事はないのか?」
上条「>>96」
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 22:42:54.02:m3bm2KHd0 (2/3)
ksk
ksk
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/07(金) 22:45:48.51:A9zejWWvo (8/8)
別に誰かを守って[ピーーー]たら本望だし、なんであろうと関係ねーよ。
今のお前だって俺は全力で守ってやる!
別に誰かを守って[ピーーー]たら本望だし、なんであろうと関係ねーよ。
今のお前だって俺は全力で守ってやる!
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 22:51:09.24:M61ic+/SO (4/5)
自分にころすされるかもしれないとは考えないのか?
ってフィアンマさんは聞いてるのでは…
自分にころすされるかもしれないとは考えないのか?
ってフィアンマさんは聞いてるのでは…
98: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 23:22:51.44:0DYicRl+0 (1/3)
上条「別に、誰かを守って死ねたら本望だし、なんであろうと関係ねーよ」
フィアンマ「ほう」
自分に殺されるにしても、誰かの盾になれるのなら構わない、という言葉。
上条「…ついでに言うと。守る対象にはお前だって入ってるんだからな。今のお前だって、俺は全力で守ってやる!」
フィアンマ「…変わらんなぁ、お前は」
好意から発露した発言ではなく、上条の正義感からくる発言だと思っている為、フィアンマは頓着しないし、喜ばない。
それよりもむしろ、変わらない、常軌を逸した発言に辟易する。
フィアンマ「…お前は、自分を守って死なれた人間の後味の悪さが分かるのか?」
上条「……、」
フィアンマ「軽々しく死んでもいい、などといった趣旨の言葉を口にするなよ。人の不自然な死はその後の人間の人生に大抵悪影響を与える」
もしかすると、フィアンマは誰かに守られ、その誰かは殺されてしまったのかもしれない。
上条はそう思ったが故に、何も言う事が出来なかった。
『グレムリン』のメンバーとも、死者の絡んだ重い戦いをした。
あの時の事を思い返せば、確かに自分の考えは浅はかなのかもしれない。
フィアンマ「それに、」
上条「?」
フィアンマ「…あの女は、お前が生きて無事帰る日を待っている事だろう」
インデックス。
上条からの好意的な言葉に対し、フィアンマは何度も彼女を引き合いに出す。
自分は嫌われるべきで、敬遠されるべきで、上条はインデックスの事だけ考えていろ、とそういうことなのだろう。
人間不信とまではいかずとも、一種の好意恐怖症のようなものかもしれない。
そこにどれだけのトラウマが絡んでいるのか、上条は知らない。知る必要も無いと思っている。
上条「それは、…そう、思うし。基本的には死にたくないけどさ」
フィアンマ「……」
出来上がった夕飯を適宜よそい、フィアンマは上条から視線を外す。
上条「でも、…俺は、皆守りたいって思うよ」
フィアンマ「強欲な男だ」
言い捨てて、フィアンマはキッチンから出て行った。
何かトラウマを刺激してしまったのかもしれない。
関係悪化、とまではいかないが、少々申し訳ない気持ちで、上条は小さくため息をつくのだった。
夜。
シルビアは体調が落ち着いた為、オッレルスは自分の部屋に戻ったようだ。
フィアンマは家の電気を消し、暗闇の中、少し迷う。
オッレルスの部屋で寝るor上条の部屋で寝る>>+2
上条「別に、誰かを守って死ねたら本望だし、なんであろうと関係ねーよ」
フィアンマ「ほう」
自分に殺されるにしても、誰かの盾になれるのなら構わない、という言葉。
上条「…ついでに言うと。守る対象にはお前だって入ってるんだからな。今のお前だって、俺は全力で守ってやる!」
フィアンマ「…変わらんなぁ、お前は」
好意から発露した発言ではなく、上条の正義感からくる発言だと思っている為、フィアンマは頓着しないし、喜ばない。
それよりもむしろ、変わらない、常軌を逸した発言に辟易する。
フィアンマ「…お前は、自分を守って死なれた人間の後味の悪さが分かるのか?」
上条「……、」
フィアンマ「軽々しく死んでもいい、などといった趣旨の言葉を口にするなよ。人の不自然な死はその後の人間の人生に大抵悪影響を与える」
もしかすると、フィアンマは誰かに守られ、その誰かは殺されてしまったのかもしれない。
上条はそう思ったが故に、何も言う事が出来なかった。
『グレムリン』のメンバーとも、死者の絡んだ重い戦いをした。
あの時の事を思い返せば、確かに自分の考えは浅はかなのかもしれない。
フィアンマ「それに、」
上条「?」
フィアンマ「…あの女は、お前が生きて無事帰る日を待っている事だろう」
インデックス。
上条からの好意的な言葉に対し、フィアンマは何度も彼女を引き合いに出す。
自分は嫌われるべきで、敬遠されるべきで、上条はインデックスの事だけ考えていろ、とそういうことなのだろう。
人間不信とまではいかずとも、一種の好意恐怖症のようなものかもしれない。
そこにどれだけのトラウマが絡んでいるのか、上条は知らない。知る必要も無いと思っている。
上条「それは、…そう、思うし。基本的には死にたくないけどさ」
フィアンマ「……」
出来上がった夕飯を適宜よそい、フィアンマは上条から視線を外す。
上条「でも、…俺は、皆守りたいって思うよ」
フィアンマ「強欲な男だ」
言い捨てて、フィアンマはキッチンから出て行った。
何かトラウマを刺激してしまったのかもしれない。
関係悪化、とまではいかないが、少々申し訳ない気持ちで、上条は小さくため息をつくのだった。
夜。
シルビアは体調が落ち着いた為、オッレルスは自分の部屋に戻ったようだ。
フィアンマは家の電気を消し、暗闇の中、少し迷う。
オッレルスの部屋で寝るor上条の部屋で寝る>>+2
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/07(金) 23:24:34.09:ZoHLSY6n0 (2/2)
上条
上条
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 23:24:51.12:U2eKmBdSO (2/2)
再びオッレルス
再びオッレルス
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 23:25:06.47:m3bm2KHd0 (3/3)
オッレルス
オッレルス
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/07(金) 23:32:18.76:M61ic+/SO (5/5)
オッさん人気だな
オッさん人気だな
103: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 23:59:18.16:0DYicRl+0 (2/3)
少しだけ迷った結果、昨日と同じくオッレルスの部屋で眠る事に決めた。
部屋に入ると、電気は消してあったが、オッレルスは寝付いておらず、ベッドに腰掛けている。
フィアンマ「…まだ寝ていなかったのか」
オッレルス「あぁ、…どうにも寝付けなくてね」
何をするでもなくぼんやりとしていたオッレルスは、入室してきたフィアンマを手招いた。
元より、オッレルスがどうしていてもこの部屋で寝ると決めていたフィアンマは、拒まずに隣へ腰掛ける。
ギシリ、と少しだけベッドが軋んだ。
女性に興味が無いと言っている男性と今宵も一緒に寝るとは、フィアンマも中々肝が据わった青年である。
オッレルス「…何か、あったのか?」
フィアンマ「…何の話だ」
オッレルス「夕飯時、どことなく元気が無かったように見えたから。…余計なお世話だったなら、すまない」
言おうとしていたことを先に言われてしまえば、言葉を呑み込む羽目になり。
事実、フィアンマは夕飯時、昔の事を思い返してしまって、落ち込んでいた。
今もいまいち気分が優れない。全てを上条のせいにするつもりはないが。
フィアンマ「……昔の事を思い出していたんだ」
オッレルス「……」
フィアンマ「…昔の、ことなのに、」
オッレルスは、強く促さず、かといって興味の無い態度を取るでもなく。
程よい距離で、フィアンマが話し出すのを静かに待った。
暗闇で相手の顔が見えないということもあり、少々開放的な気分なのだろうか。
フィアンマは、しばし言いよどんだ後、昔の話を始めた。
少しだけ迷った結果、昨日と同じくオッレルスの部屋で眠る事に決めた。
部屋に入ると、電気は消してあったが、オッレルスは寝付いておらず、ベッドに腰掛けている。
フィアンマ「…まだ寝ていなかったのか」
オッレルス「あぁ、…どうにも寝付けなくてね」
何をするでもなくぼんやりとしていたオッレルスは、入室してきたフィアンマを手招いた。
元より、オッレルスがどうしていてもこの部屋で寝ると決めていたフィアンマは、拒まずに隣へ腰掛ける。
ギシリ、と少しだけベッドが軋んだ。
女性に興味が無いと言っている男性と今宵も一緒に寝るとは、フィアンマも中々肝が据わった青年である。
オッレルス「…何か、あったのか?」
フィアンマ「…何の話だ」
オッレルス「夕飯時、どことなく元気が無かったように見えたから。…余計なお世話だったなら、すまない」
言おうとしていたことを先に言われてしまえば、言葉を呑み込む羽目になり。
事実、フィアンマは夕飯時、昔の事を思い返してしまって、落ち込んでいた。
今もいまいち気分が優れない。全てを上条のせいにするつもりはないが。
フィアンマ「……昔の事を思い出していたんだ」
オッレルス「……」
フィアンマ「…昔の、ことなのに、」
オッレルスは、強く促さず、かといって興味の無い態度を取るでもなく。
程よい距離で、フィアンマが話し出すのを静かに待った。
暗闇で相手の顔が見えないということもあり、少々開放的な気分なのだろうか。
フィアンマは、しばし言いよどんだ後、昔の話を始めた。
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/07(金) 23:59:19.52:xPTzIQNAO (7/8)
+
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105: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/07(金) 23:59:45.69:0DYicRl+0 (3/3)
物心つく頃には、ローマ正教の管理するイタリアの教会で過ごしていた。
特殊な右手…体質故、他人の分も盗み取るようにして幸運な幼少期。
友達は一人も居なかったけれど、寂しくはなかった。
教会に所属する神父様やシスターと話していれば気は紛れたし、自分を虐める幼稚な子供達とくだらない遊びをするよりも、ずっと、時間の有効活用だった。
神父様や、大人が居ない時。
外で遊ぶ子供達から逃げるようにして教会の中に閉じこもり、一人で遊んでいた。
魔道書の写本を読み、空想に耽る内、魔力を練り上げる術を知った。
一時的にだが、天使と思われる何かを召喚したこともある。最も、正しく道具を揃えていなかったので、イマジナリーフレンドの類だったかもしれない。
天使の言葉は、その時はよくわからなかったが、子供同士では知らないような遊びが多く、楽しかった。
しかし、生命力から魔力に変換している内に体力が尽き果て、気付けば寝ている事が多く。
それでも、それなりに。毎日が楽しかった。同じ教会の子供達に虐げられる事を除けば。
いじめの一環で、自分は水の中に突き落とされた。
それなりに流れが早く、深さもある河だったから、焦ったけれど、当時、自分は泳げず。
加えて恐怖で適当にバタついていたら足を攣ってしまい。
どうしようとパニックに陥っている内に、誰かが助けに来てくれた。
それは、神父だったり、シスターだったり。自分に優しくしてくれた人。
ただ、その時自分は幼かったから、溺れた事が怖くて、ひたすらに大人にしがみついた。
その結果、自分を助けてくれた大人達は全員死んだ。
溺れている人間はパニック状態の為、恐ろしい程の力で救助者を水中に押し込めてでも助かろうとしてしまう事が多い。
それが子供の力であっても、理性が振り切れている為、尋常ならざるパワーなのだ。
だから、大人であっても、抵抗出来ず…死んで、しまう。
自分のせいだ、と思った。
次に、やはり自分は幸運を盗むのだと感じた。
そして、優しくされるべき人間ではないと思った。
疫病神、死神もいいところで。
産まれてきた事を後悔した。
でも、死にきれなかった。
だって、また誰かが助けてくれるような気がして。
それでも、自分は愛される事を諦めきれなかった。
だから、今度は個人ではなく、世界を愛した。
スケールが大きければ、自分を助けに来る事もないだろう。死んでしまう事はない。
途中から、頭がおかしくなっていた。
世界を愛していればいつか、自分も愛してもらえるだろう。救ってもらえるだろう。
上条に止めてもらう、あの日まで。
自分はずっと、聞き分けの無い我侭な、ないものねだりな子供のままだった。
物心つく頃には、ローマ正教の管理するイタリアの教会で過ごしていた。
特殊な右手…体質故、他人の分も盗み取るようにして幸運な幼少期。
友達は一人も居なかったけれど、寂しくはなかった。
教会に所属する神父様やシスターと話していれば気は紛れたし、自分を虐める幼稚な子供達とくだらない遊びをするよりも、ずっと、時間の有効活用だった。
神父様や、大人が居ない時。
外で遊ぶ子供達から逃げるようにして教会の中に閉じこもり、一人で遊んでいた。
魔道書の写本を読み、空想に耽る内、魔力を練り上げる術を知った。
一時的にだが、天使と思われる何かを召喚したこともある。最も、正しく道具を揃えていなかったので、イマジナリーフレンドの類だったかもしれない。
天使の言葉は、その時はよくわからなかったが、子供同士では知らないような遊びが多く、楽しかった。
しかし、生命力から魔力に変換している内に体力が尽き果て、気付けば寝ている事が多く。
それでも、それなりに。毎日が楽しかった。同じ教会の子供達に虐げられる事を除けば。
いじめの一環で、自分は水の中に突き落とされた。
それなりに流れが早く、深さもある河だったから、焦ったけれど、当時、自分は泳げず。
加えて恐怖で適当にバタついていたら足を攣ってしまい。
どうしようとパニックに陥っている内に、誰かが助けに来てくれた。
それは、神父だったり、シスターだったり。自分に優しくしてくれた人。
ただ、その時自分は幼かったから、溺れた事が怖くて、ひたすらに大人にしがみついた。
その結果、自分を助けてくれた大人達は全員死んだ。
溺れている人間はパニック状態の為、恐ろしい程の力で救助者を水中に押し込めてでも助かろうとしてしまう事が多い。
それが子供の力であっても、理性が振り切れている為、尋常ならざるパワーなのだ。
だから、大人であっても、抵抗出来ず…死んで、しまう。
自分のせいだ、と思った。
次に、やはり自分は幸運を盗むのだと感じた。
そして、優しくされるべき人間ではないと思った。
疫病神、死神もいいところで。
産まれてきた事を後悔した。
でも、死にきれなかった。
だって、また誰かが助けてくれるような気がして。
それでも、自分は愛される事を諦めきれなかった。
だから、今度は個人ではなく、世界を愛した。
スケールが大きければ、自分を助けに来る事もないだろう。死んでしまう事はない。
途中から、頭がおかしくなっていた。
世界を愛していればいつか、自分も愛してもらえるだろう。救ってもらえるだろう。
上条に止めてもらう、あの日まで。
自分はずっと、聞き分けの無い我侭な、ないものねだりな子供のままだった。
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/07(金) 23:59:46.87:xPTzIQNAO (8/8)
+
+
107: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 00:01:29.62:RIUOd2A20 (1/1)
話し終えたフィアンマは、静かに目を伏せる。
ありがちな、ちょっとした悲劇の話。
甘えるなと断じられてしまえば、それまでのこと。軽い話。
だが、そのちっぽけな数人の死はフィアンマの人格に決定的な歪み、問題を与えた。
フィアンマは俯き。
前髪が、彼の瞳を覆い隠した。
『…ついでに言うと。守る対象にはお前だって入ってるんだからな。今のお前だって、俺は全力で守ってやる!』
善意に満ちた上条の発言に、恐怖を感じた。
自分は助けて欲しくなんかない。
助けて欲しいなんて言ってない。
むしろ放っておいてくれ、死なせてくれ。
善意が怖い。愛情が怖い。でも欲しい。だけれど怖い。
そうやって怖がって善意を信じない内に、世界がとてつもなく醜いものに思えてきた。
当たり前だ。綺麗なモノから目を逸らして、わざわざ世界の汚物ばかりを見てきたのだから。
しかし、そんな状況に安寧を見出していたのかもしれない。
好意恐怖症。
人間不信とはまた違うパターン。
病気なのかもしれないとは思うものの、フィアンマはどうにかする気力は無い。
自分はもっと苦しむべきで、辛い目に遭うべきで。
優しくされる資格なんてないし、求めてはいけない。
これ以上、自分を大切に思ってくれる人を。犠牲者を、増やしてはいけない。
勝手な思い込みだが、彼にとってこれは真実だ。
フィアンマ「……、…自分が殺すのとは、覚悟の方向が異なる」
オッレルス「………」
フィアンマ「…おかしいだろう。好かれたくないと思うべきで、思っているのに、それと同時に好かれたいとも思ってしまうんだ。希望を捨てきれない。気持ちが悪いだろう。どうして割り切れないのか、自分でも納得がいかん」
オッレルスはどうする?(台詞可)>>+2
話し終えたフィアンマは、静かに目を伏せる。
ありがちな、ちょっとした悲劇の話。
甘えるなと断じられてしまえば、それまでのこと。軽い話。
だが、そのちっぽけな数人の死はフィアンマの人格に決定的な歪み、問題を与えた。
フィアンマは俯き。
前髪が、彼の瞳を覆い隠した。
『…ついでに言うと。守る対象にはお前だって入ってるんだからな。今のお前だって、俺は全力で守ってやる!』
善意に満ちた上条の発言に、恐怖を感じた。
自分は助けて欲しくなんかない。
助けて欲しいなんて言ってない。
むしろ放っておいてくれ、死なせてくれ。
善意が怖い。愛情が怖い。でも欲しい。だけれど怖い。
そうやって怖がって善意を信じない内に、世界がとてつもなく醜いものに思えてきた。
当たり前だ。綺麗なモノから目を逸らして、わざわざ世界の汚物ばかりを見てきたのだから。
しかし、そんな状況に安寧を見出していたのかもしれない。
好意恐怖症。
人間不信とはまた違うパターン。
病気なのかもしれないとは思うものの、フィアンマはどうにかする気力は無い。
自分はもっと苦しむべきで、辛い目に遭うべきで。
優しくされる資格なんてないし、求めてはいけない。
これ以上、自分を大切に思ってくれる人を。犠牲者を、増やしてはいけない。
勝手な思い込みだが、彼にとってこれは真実だ。
フィアンマ「……、…自分が殺すのとは、覚悟の方向が異なる」
オッレルス「………」
フィアンマ「…おかしいだろう。好かれたくないと思うべきで、思っているのに、それと同時に好かれたいとも思ってしまうんだ。希望を捨てきれない。気持ちが悪いだろう。どうして割り切れないのか、自分でも納得がいかん」
オッレルスはどうする?(台詞可)>>+2
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/08(土) 08:55:51.48:FI+TzSVTo (1/2)
かそく
かそく
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/08(土) 09:01:18.04:FI+TzSVTo (2/2)
「うじうじ悩んで動けないまま終わって、後で悔いるより、自分の本心のままに行動した方が良いんじゃないか?」と言って、翌朝に二人で散歩に行くように促す
「うじうじ悩んで動けないまま終わって、後で悔いるより、自分の本心のままに行動した方が良いんじゃないか?」と言って、翌朝に二人で散歩に行くように促す
110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 09:43:48.35:tfEGEDcSO (1/3)
さぁ>>1はどうフォローするか…
さぁ>>1はどうフォローするか…
111: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 12:06:11.27:yYfwRh7R0 (1/2)
そう愚痴を零すフィアンマに対し、オッレルスは特に慰めの言葉をかける事はしなかった。
オッレルス「それでも、好かれたいと思っているなら。うじうじ悩んで動けないまま終わって、後で悔いるより、自分の本心のままに行動した方が良いんじゃないか? まずは本心の整理の方が先かもしれないが」
フィアンマ「…」
オッレルス「それに、…割り切れないのは、当たり前だ。…君は、あくまで普通の人間なんだよ」
人間とは不思議なもので。
平凡な人間である程、異常や特別扱いを求め。
異常な人間である程、普通や一般の扱いを求める。
オッレルス「どれ程魔術に精通していようと、君は人間だ。どれだけ幸運であっても。怪物染みていると称されても」
フィアンマ「……」
オッレルス「…助けられて死なれるのが怖いなら、力のある人間を好きになればいい。力のある人間に、好きになってもらえばいい。自分がどんなに寄りかかっても死ぬ事は無さそうな相手を」
フィアンマ「そんな人間が何処に居る」
オッレルス「…自惚れるようだが、俺はその領域に入るよ。言っただろう。君の身の安全は保障すると。最低限の自信がなければ、あんな事は言わない」
慰めではなく、選択肢と希望の提示。
フィアンマはしばらく閉口した後、オッレルスの発言を頭の中で吟味した。
苦渋が潜められているかもしれない甘いキャラメルをよくよく口の中で転がし、小さく頷く。
フィアンマ「…そうだな。…お前に身を預けるというのは、中々魅力的な提案だ」
依存先を求めているのかもしれない、とフィアンマは思う。
オッレルスとしては、依存されるならそれはそれで構わないと思っている。
これ以上黙っていては結果を急いでしまいそうだと感じたフィアンマは、オッレルスから逃れるようにベッドの中へと潜り込む。
これでは、楽園で悪魔の甘言のままに知恵の実を口にしてしまった原初の人間を笑えない。
オッレルスはしばしフィアンマの様子を眺めた後、同じくベッドの中に入った。
そして、沈黙を貫きながらそっぽを向いているフィアンマの身体を抱きしめる。
オッレルス「…俺は、…君が望むなら、ずっとこうしていても良いんだ」
フィアンマ「……俺様をこれ以上誘惑するな…」
翌朝。
早朝に目が覚めたフィアンマは、オッレルスに誘われるまま散歩に来ていた。
まだ朝早い為、街中にほとんど人は居ない。
一部、教会や食品を扱う店はもう動いているのかもしれないが。
川を見ていると嫌な思いがぶり返すので、フィアンマはなるべくそちらを見ないようにした。
雨は降らないまでも今日はかなり曇っており、寒さは増している。
ただ、暖かいよりも寒い方がはっきりと目が覚めるので、寝起きが悪い人間にとって朝の散歩は効果的かもしれない。
フィアンマ「…もう十二月か」
オッレルス「そういえばそうだな。クリスマスは十字教徒に馴染み深いイベントじゃなかったか?」
フィアンマ「毎年真面目に祈っていた訳ではなかったしな、執着は無いよ」
強いて言えば、子供の頃、ベツレヘムの星を飾る事に執着していた位だ。
執着せずとも、じゃんけんやくじ引き、話し合いで決めれば必ず自分が飾っていたのだが。
オッレルス「子供時代からロマンチストだったのか」
フィアンマ「…別にそういう訳でも、」
娯楽が少なかったからだったような、と思い返しつつ。
フィアンマ「……ロマンで思い出したが。お前はサンタクロース云々を信じていたのか?」
オッレルス「>>113」
そう愚痴を零すフィアンマに対し、オッレルスは特に慰めの言葉をかける事はしなかった。
オッレルス「それでも、好かれたいと思っているなら。うじうじ悩んで動けないまま終わって、後で悔いるより、自分の本心のままに行動した方が良いんじゃないか? まずは本心の整理の方が先かもしれないが」
フィアンマ「…」
オッレルス「それに、…割り切れないのは、当たり前だ。…君は、あくまで普通の人間なんだよ」
人間とは不思議なもので。
平凡な人間である程、異常や特別扱いを求め。
異常な人間である程、普通や一般の扱いを求める。
オッレルス「どれ程魔術に精通していようと、君は人間だ。どれだけ幸運であっても。怪物染みていると称されても」
フィアンマ「……」
オッレルス「…助けられて死なれるのが怖いなら、力のある人間を好きになればいい。力のある人間に、好きになってもらえばいい。自分がどんなに寄りかかっても死ぬ事は無さそうな相手を」
フィアンマ「そんな人間が何処に居る」
オッレルス「…自惚れるようだが、俺はその領域に入るよ。言っただろう。君の身の安全は保障すると。最低限の自信がなければ、あんな事は言わない」
慰めではなく、選択肢と希望の提示。
フィアンマはしばらく閉口した後、オッレルスの発言を頭の中で吟味した。
苦渋が潜められているかもしれない甘いキャラメルをよくよく口の中で転がし、小さく頷く。
フィアンマ「…そうだな。…お前に身を預けるというのは、中々魅力的な提案だ」
依存先を求めているのかもしれない、とフィアンマは思う。
オッレルスとしては、依存されるならそれはそれで構わないと思っている。
これ以上黙っていては結果を急いでしまいそうだと感じたフィアンマは、オッレルスから逃れるようにベッドの中へと潜り込む。
これでは、楽園で悪魔の甘言のままに知恵の実を口にしてしまった原初の人間を笑えない。
オッレルスはしばしフィアンマの様子を眺めた後、同じくベッドの中に入った。
そして、沈黙を貫きながらそっぽを向いているフィアンマの身体を抱きしめる。
オッレルス「…俺は、…君が望むなら、ずっとこうしていても良いんだ」
フィアンマ「……俺様をこれ以上誘惑するな…」
翌朝。
早朝に目が覚めたフィアンマは、オッレルスに誘われるまま散歩に来ていた。
まだ朝早い為、街中にほとんど人は居ない。
一部、教会や食品を扱う店はもう動いているのかもしれないが。
川を見ていると嫌な思いがぶり返すので、フィアンマはなるべくそちらを見ないようにした。
雨は降らないまでも今日はかなり曇っており、寒さは増している。
ただ、暖かいよりも寒い方がはっきりと目が覚めるので、寝起きが悪い人間にとって朝の散歩は効果的かもしれない。
フィアンマ「…もう十二月か」
オッレルス「そういえばそうだな。クリスマスは十字教徒に馴染み深いイベントじゃなかったか?」
フィアンマ「毎年真面目に祈っていた訳ではなかったしな、執着は無いよ」
強いて言えば、子供の頃、ベツレヘムの星を飾る事に執着していた位だ。
執着せずとも、じゃんけんやくじ引き、話し合いで決めれば必ず自分が飾っていたのだが。
オッレルス「子供時代からロマンチストだったのか」
フィアンマ「…別にそういう訳でも、」
娯楽が少なかったからだったような、と思い返しつつ。
フィアンマ「……ロマンで思い出したが。お前はサンタクロース云々を信じていたのか?」
オッレルス「>>113」
112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 12:08:01.15:vHKIrisyo (1/1)
かそきあ
かそきあ
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/08(土) 12:11:26.00:knr5VVzy0 (1/1)
今でも信じてる
今でも信じてる
114: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 12:45:12.89:yYfwRh7R0 (2/2)
オッレルス「今でも信じているよ」
フィアンマ「…今でも?」
オッレルス「いや、俺は子供じゃないし、自分の所に来るとは思っていないが。良い子の所に来る、というのは本当だと思うよ」
フィアンマ「…あれの正体は身近な人間だ」
オッレルス「正体があるということは、本当に居るということだ。…魔術にしても奇跡を再現しているだけだろう? という事は、奇跡は本当にあったんだ」
フィアンマ「………」
ロマンチストにも関わらずそこまで夢想主義者ではないのか、フィアンマは不思議そうに首を傾げる。
彼はどうやらサンタクロースを信じる事を早期にやめたらしい。
フィアンマ「…まぁ、俺様が奇跡を否定するのは、良くないか」
奇跡を象徴する自らの右腕。もとい、素質。
出力する為のモノが無い為に不完全だが、自分は魔術で再現すべき奇跡の力を握っている。
だとすれば、奇跡などどこにもないと言ってしまうのは、自己否定にも繋がる事だろう。
オッレルス「…と、そろそろ帰ろうか」
フィアンマ「そうだな」
空をみやれば、降り出した雪。
これは積もるだろうか、と思いながら二人は帰路を辿る。
フィアンマは、左腕をフリーにせず…オッレルスの腕を掴んで、歩いていた。
二人が家に帰ると、本調子を取り戻したシルビアと上条とが朝食を既に作り終え、食べ終えていた。
別に全員揃って食事をしなければならないというルールは無い為、オッレルスとフィアンマは上着を片付けて席に着き、食べ始める。
シルビア「この寒いのに朝から散歩って、風邪引くわよ」
オッレルス「目を覚ますには丁度良いかと思ったんだけど、思ったより長く出ていたようだ」
少々冷め気味のトーストを食べながら、もごもごと話す。
シルビアは呆れたような顔で肩を竦めた。
上条はというと、フィアンマの様子を見つめていた。
少し、機嫌が良さそうに見える。オッレルスと二人で、外で、何かあったのだろうか。
食事を終え、各々が自由な時間を過ごし。
オッレルスは自分の部屋に、シルビアは一応病み上がりの為安静に。
リビングに残されたのは上条とフィアンマの二人。
フィアンマは本を読む気力すら湧かないのか、ソファーへと腰掛けて暇そうな様子だった。
ちらり、と窓を見やり。隣に腰掛けて、上条は話しかける。
上条「雪降ってきたんだな」
フィアンマ「少々早い様な気もするが。雪は好きか?」
上条「>>116」
オッレルス「今でも信じているよ」
フィアンマ「…今でも?」
オッレルス「いや、俺は子供じゃないし、自分の所に来るとは思っていないが。良い子の所に来る、というのは本当だと思うよ」
フィアンマ「…あれの正体は身近な人間だ」
オッレルス「正体があるということは、本当に居るということだ。…魔術にしても奇跡を再現しているだけだろう? という事は、奇跡は本当にあったんだ」
フィアンマ「………」
ロマンチストにも関わらずそこまで夢想主義者ではないのか、フィアンマは不思議そうに首を傾げる。
彼はどうやらサンタクロースを信じる事を早期にやめたらしい。
フィアンマ「…まぁ、俺様が奇跡を否定するのは、良くないか」
奇跡を象徴する自らの右腕。もとい、素質。
出力する為のモノが無い為に不完全だが、自分は魔術で再現すべき奇跡の力を握っている。
だとすれば、奇跡などどこにもないと言ってしまうのは、自己否定にも繋がる事だろう。
オッレルス「…と、そろそろ帰ろうか」
フィアンマ「そうだな」
空をみやれば、降り出した雪。
これは積もるだろうか、と思いながら二人は帰路を辿る。
フィアンマは、左腕をフリーにせず…オッレルスの腕を掴んで、歩いていた。
二人が家に帰ると、本調子を取り戻したシルビアと上条とが朝食を既に作り終え、食べ終えていた。
別に全員揃って食事をしなければならないというルールは無い為、オッレルスとフィアンマは上着を片付けて席に着き、食べ始める。
シルビア「この寒いのに朝から散歩って、風邪引くわよ」
オッレルス「目を覚ますには丁度良いかと思ったんだけど、思ったより長く出ていたようだ」
少々冷め気味のトーストを食べながら、もごもごと話す。
シルビアは呆れたような顔で肩を竦めた。
上条はというと、フィアンマの様子を見つめていた。
少し、機嫌が良さそうに見える。オッレルスと二人で、外で、何かあったのだろうか。
食事を終え、各々が自由な時間を過ごし。
オッレルスは自分の部屋に、シルビアは一応病み上がりの為安静に。
リビングに残されたのは上条とフィアンマの二人。
フィアンマは本を読む気力すら湧かないのか、ソファーへと腰掛けて暇そうな様子だった。
ちらり、と窓を見やり。隣に腰掛けて、上条は話しかける。
上条「雪降ってきたんだな」
フィアンマ「少々早い様な気もするが。雪は好きか?」
上条「>>116」
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 17:39:08.58:Q4WeKx7e0 (1/1)
ksk
ksk
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 18:04:26.19:r8OD43ZUo (1/1)
嫌いじゃないかなー、風情があるって感じでさ
嫌いじゃないかなー、風情があるって感じでさ
117: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 20:39:05.22:BQEeFAt40 (1/3)
上条「嫌いじゃないかなー、風情があるって感じでさ」
フィアンマ「風情か」
お互い、ロシアでの雪の経験はあったが、それ以外はほとんど無く。
こうして落ち着いて見てみれば、雪に風情を感じる余裕があった。
フィアンマは窓の外、穏やかに降る雪を見つめ、ぼんやりとした表情を浮かべた。
上条「フィアンマは、雪、好きなのか?」
上条から投げかけられた言葉に思考を中断し、フィアンマは少し考えてから答える。
フィアンマ「…見ているのは、好きだった。寒くなるのは不快ではあったが」
上条「そっか。雪遊びとかは?」
フィアンマ「…昔は身体が弱かったからな。あまり、経験は無い」
楽しそうに雪合戦をする他の子供たちを見、羨ましいとは思えど。
幼い頃はひ弱で、油断すればすぐ風邪を引き、その上、外に出たところで一方的に雪玉をぶつけられるのがオチ。
だから、何も言わずに外を見ながら本を読んでいた。
『…いいなあ、…ゆきあそび…ぼくも、あそびにいきたい』
上条「じゃあ、雪降るのが落ち着いたら雪遊びしに行かないか?」
幼い頃考えていた事に呼応するように、上条が笑顔でそう誘った。
自分の考えを見抜いたかのようなタイミングで言われ、フィアンマは目を瞬かせる。
フィアンマ「…子供だな」
上条「自分でもそう思うけどな。…ほら、…雪遊びした事あったのか無かったのか、俺はわからないし」
フィアンマ「そういえばそうだったか」
上条は、七月二十八日を含めたそれ以前のエピソード記憶を持たない。
だから、雪は触れれば冷たいものだとわかっていても、雪で遊んだ記憶は無い。
自分が遊びたいんだ、とわざわざアピールすることで自分のプライドを尊重しているのだろうか、とフィアンマは思う。
悲壮感を漂わせてしまった、と上条は慌てて笑みを持ち直す。
上条「雪合戦とかはともかく、雪だるま位なら誰でも作るだろ?」
フィアンマ「…雪遊びの普通とやらはわからんが」
付き合う分には構わない、とフィアンマは頷いた。
やった、と機嫌が良くなる上条の様子はほとんど子供である。
年齢から考慮して、多少子供っぽくてもさして問題は無いのだが。
フィアンマ「…そうだな。お前を雪に埋めるのは楽しいかもしれん」
上条「埋葬!?」
数時間後。
雪が一旦止んだ為、フィアンマと上条は外に出てきた。
アパートメントの裏はあまり人気も無く、雪も程よく積もっている。
埋葬する、というのはあくまで冗談であり。
上条は何をするか悩み、フィアンマは黙々と雪うさぎを作っていた。
上条「雪うさぎ?」
フィアンマ「……」
少々童心に帰っているのか、フィアンマの口数は少ない。
こくん、と無言で頷くと、フィアンマは雪うさぎの耳を雪で立体的に作っていた。
吐息は真っ白。寒さからか、頬は少し赤くなっている。
幼児体型でも何でもないのだが、しゃがみこんで雪うさぎを作るフィアンマの姿に幼さと可愛さを覚えながら、上条は表情を和ませた。
フィアンマ「お前は、何か作らないのか」
上条「>>119」
上条「嫌いじゃないかなー、風情があるって感じでさ」
フィアンマ「風情か」
お互い、ロシアでの雪の経験はあったが、それ以外はほとんど無く。
こうして落ち着いて見てみれば、雪に風情を感じる余裕があった。
フィアンマは窓の外、穏やかに降る雪を見つめ、ぼんやりとした表情を浮かべた。
上条「フィアンマは、雪、好きなのか?」
上条から投げかけられた言葉に思考を中断し、フィアンマは少し考えてから答える。
フィアンマ「…見ているのは、好きだった。寒くなるのは不快ではあったが」
上条「そっか。雪遊びとかは?」
フィアンマ「…昔は身体が弱かったからな。あまり、経験は無い」
楽しそうに雪合戦をする他の子供たちを見、羨ましいとは思えど。
幼い頃はひ弱で、油断すればすぐ風邪を引き、その上、外に出たところで一方的に雪玉をぶつけられるのがオチ。
だから、何も言わずに外を見ながら本を読んでいた。
『…いいなあ、…ゆきあそび…ぼくも、あそびにいきたい』
上条「じゃあ、雪降るのが落ち着いたら雪遊びしに行かないか?」
幼い頃考えていた事に呼応するように、上条が笑顔でそう誘った。
自分の考えを見抜いたかのようなタイミングで言われ、フィアンマは目を瞬かせる。
フィアンマ「…子供だな」
上条「自分でもそう思うけどな。…ほら、…雪遊びした事あったのか無かったのか、俺はわからないし」
フィアンマ「そういえばそうだったか」
上条は、七月二十八日を含めたそれ以前のエピソード記憶を持たない。
だから、雪は触れれば冷たいものだとわかっていても、雪で遊んだ記憶は無い。
自分が遊びたいんだ、とわざわざアピールすることで自分のプライドを尊重しているのだろうか、とフィアンマは思う。
悲壮感を漂わせてしまった、と上条は慌てて笑みを持ち直す。
上条「雪合戦とかはともかく、雪だるま位なら誰でも作るだろ?」
フィアンマ「…雪遊びの普通とやらはわからんが」
付き合う分には構わない、とフィアンマは頷いた。
やった、と機嫌が良くなる上条の様子はほとんど子供である。
年齢から考慮して、多少子供っぽくてもさして問題は無いのだが。
フィアンマ「…そうだな。お前を雪に埋めるのは楽しいかもしれん」
上条「埋葬!?」
数時間後。
雪が一旦止んだ為、フィアンマと上条は外に出てきた。
アパートメントの裏はあまり人気も無く、雪も程よく積もっている。
埋葬する、というのはあくまで冗談であり。
上条は何をするか悩み、フィアンマは黙々と雪うさぎを作っていた。
上条「雪うさぎ?」
フィアンマ「……」
少々童心に帰っているのか、フィアンマの口数は少ない。
こくん、と無言で頷くと、フィアンマは雪うさぎの耳を雪で立体的に作っていた。
吐息は真っ白。寒さからか、頬は少し赤くなっている。
幼児体型でも何でもないのだが、しゃがみこんで雪うさぎを作るフィアンマの姿に幼さと可愛さを覚えながら、上条は表情を和ませた。
フィアンマ「お前は、何か作らないのか」
上条「>>119」
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 21:25:45.84:tfEGEDcSO (2/3)
んー…そうだな、俺も何か作ってみよっかな…フィアンマ、よかったら一緒に作らないか?
雪『達磨』。
んー…そうだな、俺も何か作ってみよっかな…フィアンマ、よかったら一緒に作らないか?
雪『達磨』。
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 21:35:13.84:kiPrqTRr0 (1/1)
俺は楽しそうに遊んでるフィアンマを見てるだけで十分だ
手伝ってほしいなら別だけどな
俺は楽しそうに遊んでるフィアンマを見てるだけで十分だ
手伝ってほしいなら別だけどな
120: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 22:08:44.73:BQEeFAt40 (2/3)
上条「俺は楽しそうに遊んでるフィアンマを見てるだけで十分だ。あ、手伝ってほしいなら別だけどな」
フィアンマ「そうか」
楽しそうに遊んでいる、と。
ともすれば揶揄にも聞こえそうな言葉だったが、怒る事もなく、否定もせず。
だいぶ立体的な雪うさぎを作ったフィアンマはその辺りの木の実を応用して兎の瞳とする。
完成した雪うさぎの形を崩さないように撫で、フィアンマは手袋越しとはいえ長時間雪に触れて冷えた手へと息を吐きかける。
隻腕でよくも、と思う程に良い出来だ。彼には彫刻の才能があるのかもしれない。
フィアンマはしばし考え込んだ後、立ち上がって上条を見、楽しそうに笑んでみせる。
戦時中、上条の記憶に色濃く残る酷薄な笑みとは打って変わって、無邪気な笑顔だった。
フィアンマ「雪だるまを作る。手伝ってもらおうか」
上条「良いぞ」
作った覚えは無くとも、完成イメージさえ頭にあれば存外作れるもので。
そもそも雪遊びにこれといった定形は無い為、好きに雪だるまを作って良いのだ。
上条が作った大きめの雪玉に雪を貼っつけては丸め、ごろごろと転がし。
上条の腰に届く程のサイズの雪玉は、短時間で作ったにしては少々脅威的だった。
もう一つ、土台の大きな雪玉だけではなく、中サイズの雪玉を作り。
大きな雪玉に中サイズの雪玉を乗せれば、基本形の雪だるまは出来上がり。
後は好きなように、バケツを被せて帽子に見立ててみたり、木の枝を突き刺して手足の見立てても良い。
フィアンマは一つ作っただけでは知的好奇心が満ち足りなかったのか、まだ雪を消費していない地面に近寄るべく、上条の服裾を軽く引いた。
くいくい、と引かれるままに、雪の余りが多い場所で、もう一つ雪だるまを作り始める。
よほど雪遊びが楽しいのか、或いは上条という他人と一緒に遊んでいるのが楽しいのか。
どちらにせよ、子供のようだ、と上条は思う。別に、蔑みの意味合いを持っている訳ではなく。
身体が弱かった、ということは、雪遊びに限らず、あまり子供らしい遊びを経験していないのだろう。
ふと、上条は思い出したように誘った。
上条「フィアンマ、春になったら、花見してみないか?」
フィアンマ「…花見?」
上条に、お花見をした記憶は無い。
フィアンマも、桜を見た事は無かった。
上条「何だろ、言い換えるとピクニックみたいな感じかな」
フィアンマ「…、…あの女と行け。俺様を巻き込むな」
守られない約束はしたくない。
そう言わんばかりにはっきりとそう言い放ち、フィアンマはそっぽを向く。
上条「…どうしてそんなにインデックスの事気にするんだよ」
フィアンマ「…どうしてだと思う?」
答えるのも面倒だ、というよりも、答えなくてもわかるだろうと言わんばかりの表情。
上条「どうしてって…>>122」
上条「俺は楽しそうに遊んでるフィアンマを見てるだけで十分だ。あ、手伝ってほしいなら別だけどな」
フィアンマ「そうか」
楽しそうに遊んでいる、と。
ともすれば揶揄にも聞こえそうな言葉だったが、怒る事もなく、否定もせず。
だいぶ立体的な雪うさぎを作ったフィアンマはその辺りの木の実を応用して兎の瞳とする。
完成した雪うさぎの形を崩さないように撫で、フィアンマは手袋越しとはいえ長時間雪に触れて冷えた手へと息を吐きかける。
隻腕でよくも、と思う程に良い出来だ。彼には彫刻の才能があるのかもしれない。
フィアンマはしばし考え込んだ後、立ち上がって上条を見、楽しそうに笑んでみせる。
戦時中、上条の記憶に色濃く残る酷薄な笑みとは打って変わって、無邪気な笑顔だった。
フィアンマ「雪だるまを作る。手伝ってもらおうか」
上条「良いぞ」
作った覚えは無くとも、完成イメージさえ頭にあれば存外作れるもので。
そもそも雪遊びにこれといった定形は無い為、好きに雪だるまを作って良いのだ。
上条が作った大きめの雪玉に雪を貼っつけては丸め、ごろごろと転がし。
上条の腰に届く程のサイズの雪玉は、短時間で作ったにしては少々脅威的だった。
もう一つ、土台の大きな雪玉だけではなく、中サイズの雪玉を作り。
大きな雪玉に中サイズの雪玉を乗せれば、基本形の雪だるまは出来上がり。
後は好きなように、バケツを被せて帽子に見立ててみたり、木の枝を突き刺して手足の見立てても良い。
フィアンマは一つ作っただけでは知的好奇心が満ち足りなかったのか、まだ雪を消費していない地面に近寄るべく、上条の服裾を軽く引いた。
くいくい、と引かれるままに、雪の余りが多い場所で、もう一つ雪だるまを作り始める。
よほど雪遊びが楽しいのか、或いは上条という他人と一緒に遊んでいるのが楽しいのか。
どちらにせよ、子供のようだ、と上条は思う。別に、蔑みの意味合いを持っている訳ではなく。
身体が弱かった、ということは、雪遊びに限らず、あまり子供らしい遊びを経験していないのだろう。
ふと、上条は思い出したように誘った。
上条「フィアンマ、春になったら、花見してみないか?」
フィアンマ「…花見?」
上条に、お花見をした記憶は無い。
フィアンマも、桜を見た事は無かった。
上条「何だろ、言い換えるとピクニックみたいな感じかな」
フィアンマ「…、…あの女と行け。俺様を巻き込むな」
守られない約束はしたくない。
そう言わんばかりにはっきりとそう言い放ち、フィアンマはそっぽを向く。
上条「…どうしてそんなにインデックスの事気にするんだよ」
フィアンマ「…どうしてだと思う?」
答えるのも面倒だ、というよりも、答えなくてもわかるだろうと言わんばかりの表情。
上条「どうしてって…>>122」
121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/08(土) 22:15:02.89:tfEGEDcSO (3/3)
…!お前、まさかロリk
…!お前、まさかロリk
122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/08(土) 22:18:49.58:RbbeF8U30 (1/1)
お前……インデックス好きなのか!?
だったら俺はどうしたら…
お前……インデックス好きなのか!?
だったら俺はどうしたら…
123: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/08(土) 22:52:01.05:BQEeFAt40 (3/3)
上条「どうしてって…お前……まさかインデックスの事が好きなのか!? だったら、俺はどうしたら…」
それが事実であるならば、上条当麻大ショックである。
確かに、ある意味、上条はインデックスをフィアンマに寝盗られたようなもので。
取り返したにしろ、フィアンマがインデックスを好きであったなら。
好きだという気持ちが、感情表現が歪んだ結果、ああして利用したとしたなら。
そういえば、インデックスとフィアンマの意識は遠隔制御霊装を通して繋がっていたこともある。
もしかして、あの時口説いていたのだろうか。そうだったなら、自分はそれの邪魔をしたのか。
道理でオッレルスに対するそれよりも態度が冷たい訳である。また、戦時中自分を殺そうとしたことにも納得がいく。
だが、どうしても自分はフィアンマが好きで。そして、インデックスのことも大切だ。
この二人がくっつくことで幸せならば、自分は、自分は――――
思い余った結果、考えがどんどんと飛躍していき。
濡れ衣も良いところだと思っていたフィアンマだが、上条がぶつぶつと口に出す内容が気に障り。
後半の言葉こそ聞こえていなかったが、苛立ちが頂点に達した結果。
フィアンマはほとんど実体を持たない『第三の腕』で上条を吹っ飛ばした。
魔術とも科学ともつかない異能の力の塊からの攻撃を受け、上条は受身を取りつつもだいぶ遠くまで追いやられた。
幸い、地面は雪である。多少勢い強く吹っ飛ばされたところで、怪我などしない。
げほ、と咳き込みながら戻って来た上条は今の攻撃で頭が冷えたのか、フィアンマの様子を恐る恐る窺う。
上条「…違うのか?」
フィアンマ「違う。…むしろ、ヤツには会いたくない」
戦時中、意識が繋がった瞬間、あの少女はフィアンマを諭した。
貴男が今やっている事は間違っている、沢山の人を傷つけるなんて良くない。
そんな綺麗事ばかりを並べ立てられ、その美しさや優しさに『汚染』されたが故に、意思が揺らぎかけた程。
自分の邪魔をする人間は、フィアンマは基本的に好かない。
フィアンマ「……お前は、ほとぼりが冷めたらあの女の所へ戻るのだろう。そうすれば、俺様ともう会う事も無い」
上条「会う事は出来るだろ、」
フィアンマ「必要が無い。…お前は、俺様とは違う。穏やかに幸福を享受する権利がある」
戦時中、あれ程自分たちは似ていると言っておきながら。
自分と上条は違うとはっきり言ったフィアンマは、二つ目の雪だるまを完成させる。
フィアンマ「だから、春過ぎにお前と会う事は無い。勿論、ほとぼりが冷めていなければ日本に行く事もない」
上条「…、」
フィアンマ「そして、…勇気が出なければ、俺様はオッレルスの温情によって此処に居る。勇気が出れば、お前に言われた通り世界を見て回り――――何処かで処刑される」
低い声に、上条は息を詰める。
フィアンマが処刑される。死ぬ。
そんな事、上条当麻は考えていなかったから。
考えなしに救ったから。
先程の無邪気さは消え、そこには一人の青年の姿しか無かった。
戦争を引き起こした大罪人、極悪非道の戦犯。
その重責を負うには、その身はあまりにも細く、頼りなかったが。
フィアンマ「どちらにせよ、お前が帰れば俺様と会う事はもう二度と無い。だから、出来もしない約束などするな。俺様に対して楽しい誘いをかける位なら、あの女にしてやれ。その方がずっと生産的で、現実的で、達成可能なのだから」
世界を見て回れば死ぬ事は決まっている。ならば、期待など持たせないで欲しいと。
ここから出なければ、何を見る事も無い。上条ともう会わないのだから、期待などさせるなと。
どちらにせよ、上条とフィアンマはその内離れる事が確定している。
多少無茶をしてフィアンマを学園都市に連れ込む事は出来ても、アレイスターに感づかれて殺されるのが関の山。
ここまで罪を重ねたフィアンマに、今更明るい未来など訪れない。選択肢の幅は極めて狭く、先は見えている。
フィアンマ「叶わない希望なら、最初から抱かない方が良い」
人生最大の賭けを、世界を相手取って負けたのだから。この罰は最も。
もう自分には何も無いし、何も欲しいとは思わない。
黙っている上条に対し、フィアンマはのんびりと問いかける。
フィアンマ「…さて、そろそろ戻るか。日も暮れてきた事だしな。遊びが過ぎた」
上条「…>>125」
上条「どうしてって…お前……まさかインデックスの事が好きなのか!? だったら、俺はどうしたら…」
それが事実であるならば、上条当麻大ショックである。
確かに、ある意味、上条はインデックスをフィアンマに寝盗られたようなもので。
取り返したにしろ、フィアンマがインデックスを好きであったなら。
好きだという気持ちが、感情表現が歪んだ結果、ああして利用したとしたなら。
そういえば、インデックスとフィアンマの意識は遠隔制御霊装を通して繋がっていたこともある。
もしかして、あの時口説いていたのだろうか。そうだったなら、自分はそれの邪魔をしたのか。
道理でオッレルスに対するそれよりも態度が冷たい訳である。また、戦時中自分を殺そうとしたことにも納得がいく。
だが、どうしても自分はフィアンマが好きで。そして、インデックスのことも大切だ。
この二人がくっつくことで幸せならば、自分は、自分は――――
思い余った結果、考えがどんどんと飛躍していき。
濡れ衣も良いところだと思っていたフィアンマだが、上条がぶつぶつと口に出す内容が気に障り。
後半の言葉こそ聞こえていなかったが、苛立ちが頂点に達した結果。
フィアンマはほとんど実体を持たない『第三の腕』で上条を吹っ飛ばした。
魔術とも科学ともつかない異能の力の塊からの攻撃を受け、上条は受身を取りつつもだいぶ遠くまで追いやられた。
幸い、地面は雪である。多少勢い強く吹っ飛ばされたところで、怪我などしない。
げほ、と咳き込みながら戻って来た上条は今の攻撃で頭が冷えたのか、フィアンマの様子を恐る恐る窺う。
上条「…違うのか?」
フィアンマ「違う。…むしろ、ヤツには会いたくない」
戦時中、意識が繋がった瞬間、あの少女はフィアンマを諭した。
貴男が今やっている事は間違っている、沢山の人を傷つけるなんて良くない。
そんな綺麗事ばかりを並べ立てられ、その美しさや優しさに『汚染』されたが故に、意思が揺らぎかけた程。
自分の邪魔をする人間は、フィアンマは基本的に好かない。
フィアンマ「……お前は、ほとぼりが冷めたらあの女の所へ戻るのだろう。そうすれば、俺様ともう会う事も無い」
上条「会う事は出来るだろ、」
フィアンマ「必要が無い。…お前は、俺様とは違う。穏やかに幸福を享受する権利がある」
戦時中、あれ程自分たちは似ていると言っておきながら。
自分と上条は違うとはっきり言ったフィアンマは、二つ目の雪だるまを完成させる。
フィアンマ「だから、春過ぎにお前と会う事は無い。勿論、ほとぼりが冷めていなければ日本に行く事もない」
上条「…、」
フィアンマ「そして、…勇気が出なければ、俺様はオッレルスの温情によって此処に居る。勇気が出れば、お前に言われた通り世界を見て回り――――何処かで処刑される」
低い声に、上条は息を詰める。
フィアンマが処刑される。死ぬ。
そんな事、上条当麻は考えていなかったから。
考えなしに救ったから。
先程の無邪気さは消え、そこには一人の青年の姿しか無かった。
戦争を引き起こした大罪人、極悪非道の戦犯。
その重責を負うには、その身はあまりにも細く、頼りなかったが。
フィアンマ「どちらにせよ、お前が帰れば俺様と会う事はもう二度と無い。だから、出来もしない約束などするな。俺様に対して楽しい誘いをかける位なら、あの女にしてやれ。その方がずっと生産的で、現実的で、達成可能なのだから」
世界を見て回れば死ぬ事は決まっている。ならば、期待など持たせないで欲しいと。
ここから出なければ、何を見る事も無い。上条ともう会わないのだから、期待などさせるなと。
どちらにせよ、上条とフィアンマはその内離れる事が確定している。
多少無茶をしてフィアンマを学園都市に連れ込む事は出来ても、アレイスターに感づかれて殺されるのが関の山。
ここまで罪を重ねたフィアンマに、今更明るい未来など訪れない。選択肢の幅は極めて狭く、先は見えている。
フィアンマ「叶わない希望なら、最初から抱かない方が良い」
人生最大の賭けを、世界を相手取って負けたのだから。この罰は最も。
もう自分には何も無いし、何も欲しいとは思わない。
黙っている上条に対し、フィアンマはのんびりと問いかける。
フィアンマ「…さて、そろそろ戻るか。日も暮れてきた事だしな。遊びが過ぎた」
上条「…>>125」
124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 00:06:20.46:G7m24vk50 (1/6)
ksk
ksk
125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 00:22:09.59:3WxO/55SO (1/8)
…いや、まだ遊びは終わってねぇ。もう少し時間をくれ。
なぁフィアンマ、なら、俺と旅に出ないか?
お前の人生最大の賭けを止めた責任をとる意味でも。一緒に世界を見に行こう。二人でなら、俺たちならそうそう捕まったりなんかしない。
例え悲惨な最後でも、テメーで決めた信念に従った結果と受け入れて、見事な切腹してみせる。考えてみてくれないか?
インディアナの事は…きちんと責任を果たしてからじゃなきゃ会えぬ。
今の俺では、勝手だけど、責任を果たすと言った以上はインディゴと会うのはその後にしたい。武士に二言はない!
…いや、まだ遊びは終わってねぇ。もう少し時間をくれ。
なぁフィアンマ、なら、俺と旅に出ないか?
お前の人生最大の賭けを止めた責任をとる意味でも。一緒に世界を見に行こう。二人でなら、俺たちならそうそう捕まったりなんかしない。
例え悲惨な最後でも、テメーで決めた信念に従った結果と受け入れて、見事な切腹してみせる。考えてみてくれないか?
インディアナの事は…きちんと責任を果たしてからじゃなきゃ会えぬ。
今の俺では、勝手だけど、責任を果たすと言った以上はインディゴと会うのはその後にしたい。武士に二言はない!
126: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 01:53:53.51:pZpBI6oAO (1/5)
上条「……いや、まだ遊びは終わってねぇ。もう少し時間をくれ」
フィアンマ「…、」
帰ろうかと一歩踏み出したまま、フィアンマは其処に留まる。
そして、上条の様子を眺め、次の言葉を待った。
上条「なぁ、フィアンマ、…なら、俺と旅に出ないか?」
フィアンマ「…何を」
上条「後悔はしてないけど、…お前の、人生最大の賭けを止めた責任をとる意味でも。一緒に、世界を見に行こう。二人でなら、……俺たちなら…そうそう捕まったりなんか、しない」
先程二人で作った雪だるまの頭をぺたぺたと撫で、上条は真剣な表情で言う。
上条「例え悲惨な最後でも、テメーで決めた信念に従った結果と受け入れて、見事な…そうだな、切腹してみせる。考えてみてくれないか?」
一緒に死んでやる、とでも言っているのだろうか。
嬉しさよりも、フィアンマの心には困惑が先立った。
上条「インディアナの事は…きちんと責任を果たしてからでなければ、会えぬ。今の俺では、……勝手だけど、…責任を果たすと言った以上は、インディゴと会うのは…その後にしたい。武士に二言はない!」
フィアンマ「…言っている意味が、よく分からんのだが」
上条「俺は、フィアンマと一緒に旅をしたい。世界を見て来いって言った のは、俺だから」
上条は一歩踏み出し、フィアンマに近寄る。
気圧され、フィアンマは一歩後ろに下がった。
上条「だから、希望を抱かないなんて言うな。無駄な期待なんて、そんな風に考えるなよ。叶わない希望も確かにあるけど、世界はそればっかりじゃない。俺が教えてやるから、」
フィアンマ「……考えておく」
上条の善意と愛情から、フィアンマは逃げた。
いつか向き合わなければならないという事位、分かっているが。
上条「……いや、まだ遊びは終わってねぇ。もう少し時間をくれ」
フィアンマ「…、」
帰ろうかと一歩踏み出したまま、フィアンマは其処に留まる。
そして、上条の様子を眺め、次の言葉を待った。
上条「なぁ、フィアンマ、…なら、俺と旅に出ないか?」
フィアンマ「…何を」
上条「後悔はしてないけど、…お前の、人生最大の賭けを止めた責任をとる意味でも。一緒に、世界を見に行こう。二人でなら、……俺たちなら…そうそう捕まったりなんか、しない」
先程二人で作った雪だるまの頭をぺたぺたと撫で、上条は真剣な表情で言う。
上条「例え悲惨な最後でも、テメーで決めた信念に従った結果と受け入れて、見事な…そうだな、切腹してみせる。考えてみてくれないか?」
一緒に死んでやる、とでも言っているのだろうか。
嬉しさよりも、フィアンマの心には困惑が先立った。
上条「インディアナの事は…きちんと責任を果たしてからでなければ、会えぬ。今の俺では、……勝手だけど、…責任を果たすと言った以上は、インディゴと会うのは…その後にしたい。武士に二言はない!」
フィアンマ「…言っている意味が、よく分からんのだが」
上条「俺は、フィアンマと一緒に旅をしたい。世界を見て来いって言った のは、俺だから」
上条は一歩踏み出し、フィアンマに近寄る。
気圧され、フィアンマは一歩後ろに下がった。
上条「だから、希望を抱かないなんて言うな。無駄な期待なんて、そんな風に考えるなよ。叶わない希望も確かにあるけど、世界はそればっかりじゃない。俺が教えてやるから、」
フィアンマ「……考えておく」
上条の善意と愛情から、フィアンマは逃げた。
いつか向き合わなければならないという事位、分かっているが。
127: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 01:54:33.11:pZpBI6oAO (2/5)
室内に戻り、フィアンマは上着一切を片付けると、リビングのソファーで一人、膝を抱えていた。
上条は雪で冷えた身体を温める為にシャワーを浴びている。
思い返すのは、投げかけられた好意。
選択肢。
『…俺は、…君が望むなら、ずっとこうしていても良いんだ』
『一緒に、世界を見に行こう』
自分はきっと、どちらの手を取っても良いのだろう。
こうして好意の値踏みをする事は罪深いと知っているのに。
上条がシャワーを浴び終えてリビングに現れると同時、自室で何らかの作業を終えたらしいオッレルスもリビングに入ってきた。
そして膝を抱えて悩んでいるフィアンマに気が付くと、お互い覚悟を決めた様子で彼に近づいた。 フィアンマは二人の様子を見、得体の知れない緊迫感に座り直す。
ソファーは存外広い為、フィアンマの右席にオッレルスが、フィアンマの左席に上条が座った。
沈黙。
緊張。
静寂。
先に口を開いたのは、上条当麻。
室内に戻り、フィアンマは上着一切を片付けると、リビングのソファーで一人、膝を抱えていた。
上条は雪で冷えた身体を温める為にシャワーを浴びている。
思い返すのは、投げかけられた好意。
選択肢。
『…俺は、…君が望むなら、ずっとこうしていても良いんだ』
『一緒に、世界を見に行こう』
自分はきっと、どちらの手を取っても良いのだろう。
こうして好意の値踏みをする事は罪深いと知っているのに。
上条がシャワーを浴び終えてリビングに現れると同時、自室で何らかの作業を終えたらしいオッレルスもリビングに入ってきた。
そして膝を抱えて悩んでいるフィアンマに気が付くと、お互い覚悟を決めた様子で彼に近づいた。 フィアンマは二人の様子を見、得体の知れない緊迫感に座り直す。
ソファーは存外広い為、フィアンマの右席にオッレルスが、フィアンマの左席に上条が座った。
沈黙。
緊張。
静寂。
先に口を開いたのは、上条当麻。
128: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 01:56:10.32:pZpBI6oAO (3/5)
上条「…フィアンマ」
フィアンマ「…何だ」
上条「…俺は、フィアンマが好きなんだ。同性だし、おかしいと思うだろ。でも、好きなんだよ。諦められなかった。…さっき一緒に世界を見に行こうって言ったのも、一緒に居たかったからなんだ。インデックスの事は、妹みたいに思ってるだけで、フィアンマの事はもっと好きなんだ。恋愛的な意味合いで。沢山のものを見て欲しい。笑いかけてもらえればもっといい。だから、付き合ってくれ」
共に世界を知ろう、と上条は言う。
瞳には愛情が満ち溢れていた。
答えに迷うフィアンマに、オッレルスが声をかけた。
オッレルス「フィアンマ、」
呼びかけられ、フィアンマはオッレルスと視線を合わせた。
こちらもまた、強い愛情の籠もった瞳であり。
フィアンマ「……」
オッレルス「…君が好きだよ。もちろん、恋愛的意味合いで。君の笑顔一つで幸せを感じられる位には安い男に成り下がった。…何があっても俺は死なないで君の傍に居るよ。幸せにしてみせる。盲目的に思うかもしれないが、心から君を愛おしく思っているんだ。フィアンマ、俺と付き合ってはくれないか」
真剣な告白だった。
二人の男の好意に板挟みにされ、フィアンマは口ごもる。
この際同性という事は放り置いても良い。
性別など、子を成す為にあるのだから。
フィアンマの台詞決定投票安価区間は>>130-134です。
同数になった場合はその2つで再安価投票となります。
選択肢は以下のみ。
1.「…お前は俺様に優しくしてくれた。が、…それでも俺様は、あちらを選ぶよ。すまないな、」(上フィアルート)
2.「…お前には感謝している。だが、…お前と共に生きる未来が、想像出来なかった」(オレフィアルート)
3.「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」((オレ+上)フィア、所謂ハーレムルート)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
よろしくお願いいたします。
上条「…フィアンマ」
フィアンマ「…何だ」
上条「…俺は、フィアンマが好きなんだ。同性だし、おかしいと思うだろ。でも、好きなんだよ。諦められなかった。…さっき一緒に世界を見に行こうって言ったのも、一緒に居たかったからなんだ。インデックスの事は、妹みたいに思ってるだけで、フィアンマの事はもっと好きなんだ。恋愛的な意味合いで。沢山のものを見て欲しい。笑いかけてもらえればもっといい。だから、付き合ってくれ」
共に世界を知ろう、と上条は言う。
瞳には愛情が満ち溢れていた。
答えに迷うフィアンマに、オッレルスが声をかけた。
オッレルス「フィアンマ、」
呼びかけられ、フィアンマはオッレルスと視線を合わせた。
こちらもまた、強い愛情の籠もった瞳であり。
フィアンマ「……」
オッレルス「…君が好きだよ。もちろん、恋愛的意味合いで。君の笑顔一つで幸せを感じられる位には安い男に成り下がった。…何があっても俺は死なないで君の傍に居るよ。幸せにしてみせる。盲目的に思うかもしれないが、心から君を愛おしく思っているんだ。フィアンマ、俺と付き合ってはくれないか」
真剣な告白だった。
二人の男の好意に板挟みにされ、フィアンマは口ごもる。
この際同性という事は放り置いても良い。
性別など、子を成す為にあるのだから。
フィアンマの台詞決定投票安価区間は>>130-134です。
同数になった場合はその2つで再安価投票となります。
選択肢は以下のみ。
1.「…お前は俺様に優しくしてくれた。が、…それでも俺様は、あちらを選ぶよ。すまないな、」(上フィアルート)
2.「…お前には感謝している。だが、…お前と共に生きる未来が、想像出来なかった」(オレフィアルート)
3.「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」((オレ+上)フィア、所謂ハーレムルート)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
よろしくお願いいたします。
129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 02:03:59.89:3WxO/55SO (2/8)
ある意味難しい選択だなksk
ある意味難しい選択だなksk
130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 02:11:27.76:G7m24vk50 (2/6)
すごく悩むけど3で
すごく悩むけど3で
131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 02:15:20.47:3WxO/55SO (3/8)
そげぶ考えるのが楽しそうだから1で
そげぶ考えるのが楽しそうだから1で
132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 02:23:01.57:xCQVyETr0 (1/1)
3だな
3だな
133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 04:20:21.70:FsdOtyYqo (1/1)
世界を見に行って欲しい
1で
世界を見に行って欲しい
1で
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/09(日) 06:51:05.68:RLqNLBWV0 (1/1)
2
2
135: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 07:10:15.63:pZpBI6oAO (4/5)
投票ありがとうございます。
結果
1:2票
2:1票
3:2票
で1と3が同数なので、再安価投票とさせていただきます。
フィアンマの台詞決定投票安価区間(再)は>>137-141です。
選択肢は以下のみ。
1.「…お前は俺様に優しくしてくれた。が、…それでも俺様は、あちらを選ぶよ。すまないな、」(上フィアルート)
2.「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」((オレ+上)フィア、所謂ハーレムルート)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
度々お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
投票ありがとうございます。
結果
1:2票
2:1票
3:2票
で1と3が同数なので、再安価投票とさせていただきます。
フィアンマの台詞決定投票安価区間(再)は>>137-141です。
選択肢は以下のみ。
1.「…お前は俺様に優しくしてくれた。が、…それでも俺様は、あちらを選ぶよ。すまないな、」(上フィアルート)
2.「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」((オレ+上)フィア、所謂ハーレムルート)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
度々お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/09(日) 07:22:33.63:pZpBI6oAO (5/5)
遠過ぎた…ksk
遠過ぎた…ksk
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 07:27:26.43:CwaseKs70 (1/1)
2で
2で
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 07:55:21.90:Qiucrj8vo (1/1)
3も見たいが……
1で!!!!!
3も見たいが……
1で!!!!!
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 08:49:08.06:vUeCA96Bo (1/1)
1
1
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 09:24:33.68:3WxO/55SO (4/8)
ではバランスとるため3と言っておく
ではバランスとるため3と言っておく
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 13:01:14.75:G7m24vk50 (3/6)
2
2
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 15:42:18.85:3WxO/55SO (5/8)
そして再安価か…やり方変えた方がいいような
そして再安価か…やり方変えた方がいいような
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 16:27:01.50:G7m24vk50 (4/6)
>>142
選択肢1と2しかないから3が2になってハーレムルートなんじゃないの?
>>142
選択肢1と2しかないから3が2になってハーレムルートなんじゃないの?
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 16:54:18.71:3WxO/55SO (6/8)
あ、3なんてなかった…ミスったな…
なんで3が2としてカウントされるかわからんが、1が2票、2が2票、無効1票だから同数じゃ?もしくは後1票誰か入れたら決まるかもだけど
あ、3なんてなかった…ミスったな…
なんで3が2としてカウントされるかわからんが、1が2票、2が2票、無効1票だから同数じゃ?もしくは後1票誰か入れたら決まるかもだけど
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 17:19:01.13:G7m24vk50 (5/6)
>>144
ハーレムルートって意味で3に投票したんじゃないのか?
まぁ、どうなるのかは>>1に任せるか
>>144
ハーレムルートって意味で3に投票したんじゃないのか?
まぁ、どうなるのかは>>1に任せるか
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 20:03:12.72:3WxO/55SO (7/8)
まぁ念のために2と言っとく。ハーレムはそんなにアレだけどオッさんが何か不憫だし。
まぁ念のために2と言っとく。ハーレムはそんなにアレだけどオッさんが何か不憫だし。
147: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 21:46:09.33:Di+p0ueV0 (1/2)
《投票結果:上フィアルート(2) ハーレムルート(2+訂正票が1) 左記の結果より、ハーレムルートとなります。二度に渡る投票にご協力いただき、ありがとうございました》
フィアンマ「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」
考えて考えて。値踏みして、思慮を深め。
けれど、どちらも選ぶ事は出来なかった。
きっと自分に愛する能力が無いからだろう、とフィアンマは思う。
優しさを受けたいと思ってしまったから、好意を拒絶出来ない。
かといってどちらかを好きになると自信を持てない。選べない。
どちらかを切り捨てなければ、かえって自分が切り捨てられるのが世の常。
決断力だけは自信があったのに、とフィアンマは思う。
ああ、でもそうやって選ぶ為に大切に出来そうなものを効率重視に捨ててきたのだから、こうして迷っている方がマシなのかもしれない。
心中で弁解を並べ立てながら、二の句を次げずに黙りこくったフィアンマの頭を、オッレルスの手が撫でる。
そして、優しく語りかけた。
オッレルス「…君一人に責任と選択を負わせるというのも少々酷な話だったんだ。気に病む必要は無い」
そんなオッレルスを見、上条はしばらく考え込んだ後、何やら吹っ切れたような表情を浮かべた。
選べないと言うのなら、それでも仕方がない。だからといって嫌いになるでもなし。
オッレルスは上条を見、困り気味な笑みを浮かべて提案した。
オッレルス「…一番である必要は無い。恋人が二人居てダメだという法律は無いし、あるなら破れば良いというだけだ」
上条「半分こ、ってことですか」
別にグロテスクな意味合いではなく。
フィアンマという一人の個人を共有し、嫉妬しないでいようという協定。
上条はこくりと頷いて、フィアンマの左手をそっと握る。
告白を受け入れてもらっても今すぐ世界を見て回るつもりではなかったのだ、今はこの状態で構わない。
曖昧な答え出したにも関わらず見捨てられなかったことに、フィアンマは目を瞬かせた。
彼は人を愛した事が無い。だから、ちょっとやそっとでは嫌いにならないということがわからない。
急に二人の恋人が出来たフィアンマは、生活が変化しないようひっそりと祈りながら閉口する。
相手方を選ばれ独りになることのなかった二人の男は、とても満足そうだった。
夜。
夕方の告白を思い返しつつ、フィアンマは濡れた髪をタオルで拭いていた。
あれでよかったのだろうか。いや、どの道を選んでもそれなりに後悔はしただろう。
あまりにも自分勝手な理由且つ利己的な選択だったが、二人はそれでも自分を好きでいてくれると言う。
嬉しくない、と言えば確実に嘘になる。だが、他人に胸を張れる恋愛模様でないことは確かだ。
そもそも人間に完全なものはない、と無理やり結論付けて自分を擁護し、フィアンマは寝室を見やる。
上条と寝るorオッレルスと寝る>>+2
《投票結果:上フィアルート(2) ハーレムルート(2+訂正票が1) 左記の結果より、ハーレムルートとなります。二度に渡る投票にご協力いただき、ありがとうございました》
フィアンマ「…選べない。どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」
考えて考えて。値踏みして、思慮を深め。
けれど、どちらも選ぶ事は出来なかった。
きっと自分に愛する能力が無いからだろう、とフィアンマは思う。
優しさを受けたいと思ってしまったから、好意を拒絶出来ない。
かといってどちらかを好きになると自信を持てない。選べない。
どちらかを切り捨てなければ、かえって自分が切り捨てられるのが世の常。
決断力だけは自信があったのに、とフィアンマは思う。
ああ、でもそうやって選ぶ為に大切に出来そうなものを効率重視に捨ててきたのだから、こうして迷っている方がマシなのかもしれない。
心中で弁解を並べ立てながら、二の句を次げずに黙りこくったフィアンマの頭を、オッレルスの手が撫でる。
そして、優しく語りかけた。
オッレルス「…君一人に責任と選択を負わせるというのも少々酷な話だったんだ。気に病む必要は無い」
そんなオッレルスを見、上条はしばらく考え込んだ後、何やら吹っ切れたような表情を浮かべた。
選べないと言うのなら、それでも仕方がない。だからといって嫌いになるでもなし。
オッレルスは上条を見、困り気味な笑みを浮かべて提案した。
オッレルス「…一番である必要は無い。恋人が二人居てダメだという法律は無いし、あるなら破れば良いというだけだ」
上条「半分こ、ってことですか」
別にグロテスクな意味合いではなく。
フィアンマという一人の個人を共有し、嫉妬しないでいようという協定。
上条はこくりと頷いて、フィアンマの左手をそっと握る。
告白を受け入れてもらっても今すぐ世界を見て回るつもりではなかったのだ、今はこの状態で構わない。
曖昧な答え出したにも関わらず見捨てられなかったことに、フィアンマは目を瞬かせた。
彼は人を愛した事が無い。だから、ちょっとやそっとでは嫌いにならないということがわからない。
急に二人の恋人が出来たフィアンマは、生活が変化しないようひっそりと祈りながら閉口する。
相手方を選ばれ独りになることのなかった二人の男は、とても満足そうだった。
夜。
夕方の告白を思い返しつつ、フィアンマは濡れた髪をタオルで拭いていた。
あれでよかったのだろうか。いや、どの道を選んでもそれなりに後悔はしただろう。
あまりにも自分勝手な理由且つ利己的な選択だったが、二人はそれでも自分を好きでいてくれると言う。
嬉しくない、と言えば確実に嘘になる。だが、他人に胸を張れる恋愛模様でないことは確かだ。
そもそも人間に完全なものはない、と無理やり結論付けて自分を擁護し、フィアンマは寝室を見やる。
上条と寝るorオッレルスと寝る>>+2
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 22:04:39.87:G7m24vk50 (6/6)
ksk
ksk
149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/09(日) 22:23:45.94:3WxO/55SO (8/8)
オッさん
オッさん
150: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/09(日) 23:43:18.37:Di+p0ueV0 (2/2)
ぐしり、とタオルでやや乱暴に自分の髪を拭き。
フィアンマは連日の夜に倣うかのようにしてオッレルスの部屋へと入った。
電気は消されているが、またもや彼は起きている。
促されるまでもなくフィアンマはオッレルスの隣へと腰掛けた。
まだ眠る時間には早いとも言える。別に寝てしまっても構わないが。
フィアンマ「また眠れんのか」
オッレルス「寝つきは悪くない筈なんだが、どうにも」
肩を竦め、オッレルスはフィアンマの手中からタオルを攫う。
そして、そのタオルは自分の膝元に適当に置き、口の中で何事か詠唱してからフィアンマの髪を撫でた。
自らが司りその名を自称する狩猟の神の力。その力を応用した術式は、本来動物から剥いだ革を乾かす為に用いられる。
ただ、出力の調整をしていれば存外問題はなく。
オッレルスがフィアンマの髪を触っていく内に、水気がなくなっていった。
髪をなるべく傷めないよう、ストレートアイロンでもかけるかのように慎重に、丁寧に。
温かい手に触れられて心地が良いのか、フィアンマはうとついた。
一度湯冷めした身体に再び心地良い暖かさを与えれば、眠気は自然と誘発されていく。
オッレルス「……」
犬猫の毛をブラシで梳かしているかのようだ、とオッレルスは思う。
いや、動物と同じように扱うつもりは毛頭無いが。
夕方の告白を受け入れられた以上、自分も選ばれた以上、自分はフィアンマの恋人である。
となれば、多少何かしてしまってもいいような。いやしかし、今はまだ我慢するべきか。
フィアンマはだいぶ眠くなってきたのか、オッレルスの肩に軽く頭をもたれる。
このまま放っておけばうたた寝することだろう。
完全に髪を乾かし終わったオッレルスは手を引き、タオルをひとまず行動の邪魔にならない場所まで除ける。
フィアンマ「…ん…」
オッレルスの傍に居心地の良さを覚えながら、フィアンマはうたた寝を始める。
寝息は穏やかで、薄い胸板が上下するのがよく見えた。
自分より少しだけ身長が低く、年齢も少し低い青年の様子を眺め、オッレルスは悩む。
オッレルスはどうする?>>+2
ぐしり、とタオルでやや乱暴に自分の髪を拭き。
フィアンマは連日の夜に倣うかのようにしてオッレルスの部屋へと入った。
電気は消されているが、またもや彼は起きている。
促されるまでもなくフィアンマはオッレルスの隣へと腰掛けた。
まだ眠る時間には早いとも言える。別に寝てしまっても構わないが。
フィアンマ「また眠れんのか」
オッレルス「寝つきは悪くない筈なんだが、どうにも」
肩を竦め、オッレルスはフィアンマの手中からタオルを攫う。
そして、そのタオルは自分の膝元に適当に置き、口の中で何事か詠唱してからフィアンマの髪を撫でた。
自らが司りその名を自称する狩猟の神の力。その力を応用した術式は、本来動物から剥いだ革を乾かす為に用いられる。
ただ、出力の調整をしていれば存外問題はなく。
オッレルスがフィアンマの髪を触っていく内に、水気がなくなっていった。
髪をなるべく傷めないよう、ストレートアイロンでもかけるかのように慎重に、丁寧に。
温かい手に触れられて心地が良いのか、フィアンマはうとついた。
一度湯冷めした身体に再び心地良い暖かさを与えれば、眠気は自然と誘発されていく。
オッレルス「……」
犬猫の毛をブラシで梳かしているかのようだ、とオッレルスは思う。
いや、動物と同じように扱うつもりは毛頭無いが。
夕方の告白を受け入れられた以上、自分も選ばれた以上、自分はフィアンマの恋人である。
となれば、多少何かしてしまってもいいような。いやしかし、今はまだ我慢するべきか。
フィアンマはだいぶ眠くなってきたのか、オッレルスの肩に軽く頭をもたれる。
このまま放っておけばうたた寝することだろう。
完全に髪を乾かし終わったオッレルスは手を引き、タオルをひとまず行動の邪魔にならない場所まで除ける。
フィアンマ「…ん…」
オッレルスの傍に居心地の良さを覚えながら、フィアンマはうたた寝を始める。
寝息は穏やかで、薄い胸板が上下するのがよく見えた。
自分より少しだけ身長が低く、年齢も少し低い青年の様子を眺め、オッレルスは悩む。
オッレルスはどうする?>>+2
151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 01:04:28.07:g23QxCXN0 (1/3)
ksk
ksk
152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 02:08:41.21:imvKYAySO (1/7)
起こさないように瞼に軽くキス。
…正直、君は俺ではなく、彼を選ぶのではないかと思ってた。
なんとなく、彼と君は似ている気がするしね。共通点も多い。
君が俺には見せない無邪気さを、彼といる時には出していたようにも見えた。
たまに彼を力一杯殴り続けたくなる時があったくらい嫉妬してたよ。
まぁ、夜に俺の所にきて甘えてくれる君を彼は知らないだろうから、その辺はイーブンな気もするが。
…フィアンマ、俺も選んでくれてありがとう。
君を独占出来ないのは少し気に入らないが、君が選び、望む事なら俺は何だって喜んで受け入れてやる。
彼とだってうまくやっていくようにするよ。
…ずるいな、君は。俺をこんなに夢中にさせるなんて。
起こさないように瞼に軽くキス。
…正直、君は俺ではなく、彼を選ぶのではないかと思ってた。
なんとなく、彼と君は似ている気がするしね。共通点も多い。
君が俺には見せない無邪気さを、彼といる時には出していたようにも見えた。
たまに彼を力一杯殴り続けたくなる時があったくらい嫉妬してたよ。
まぁ、夜に俺の所にきて甘えてくれる君を彼は知らないだろうから、その辺はイーブンな気もするが。
…フィアンマ、俺も選んでくれてありがとう。
君を独占出来ないのは少し気に入らないが、君が選び、望む事なら俺は何だって喜んで受け入れてやる。
彼とだってうまくやっていくようにするよ。
…ずるいな、君は。俺をこんなに夢中にさせるなんて。
153: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 11:13:58.18:0gw4yO3m0 (1/2)
悩んだ結果。
これといって何か、性的な意味合いを含む行動を、彼は起こさなかった。
オッレルスは、フィアンマを起こしてしまわないよう気をつけながら、そっと、彼の閉じられた瞼へと軽い口付けを施す。
フィアンマは目を覚ますでもなくうたた寝を続け、静かに寝息を零している。
夕刻の出来事を思い返しながら、オッレルスは声量を抑えた、低く穏やかな声で語りかけた。
オッレルス「…正直、君は俺ではなく、彼を選ぶのではないかと思ってた。なんとなく、彼と君は似ている気がするしね。共通点も多い。君が俺には見せない無邪気さを、彼といる時には出していたようにも見えた。たまに彼を力一杯殴り続けたくなる時があったくらい嫉妬してたよ」
罪の告解というよりは、ただの告白。告露。
恐らくフィアンマは起きていたとしても、オッレルスを責める事はないだろう。
自らの考えが絶対的な善ではないとわかってしまった今、フィアンマはもう、他人に自分の思いを強制しない。
それは逆に、自分の考えに自信を無くしてしまったことをも意味している。
彼は何かと極端なので、良ければとことん良く、悪ければどん底まで落ちる。
上条との相違点は、少々マイナス面の思い込みが強いところか。
しかし、ネガティブな面が深いからこそ、策謀家なのかもしれない。
オッレルス「まぁ、夜に俺の所にきて甘えてくれる君を彼は知らないだろうから、その辺はイーブンな気もするが」
言葉にならない寝言を漏らすフィアンマの様子に愛おしさを募らせながら、オッレルスはその指先でフィアンマの頬を触る。
子供のぷにぷにとした、触っていて心地の良い頬とは程遠いが、触り心地は悪くなかった。
否、オッレルスにとってはフィアンマの身体の一部でありさえすれば、何だっていいのかもしれない。
オッレルス「…フィアンマ、俺も選んでくれてありがとう。君を独占出来ないのは少し気に入らないが、君が選び、望む事なら俺は何だって喜んで受け入れてやる。彼とだってうまくやっていくようにするよ」
本当なら、独り占めにしてしまいたい。
自分だけを好きになってもらいたい。
それがダメなら、誰も好きにならないでいてもらいたい。
でも、それはあくまで自分の勝手な願いに過ぎない。
どちらも手放せない。
そう彼に言わせてしまう位には、自分と上条当麻との魅力は、彼にとってイーブン。
で、あるならば。妥協する他無いのだ。
彼がどちらとも安息なる関係を築いていたいと言うのなら、それに応じよう。
自分がフィアンマを好きになったのはいつだっただろうか、とオッレルスは思い返す。
明確に好いているということを自覚したのは、過去を嘆いて泣いた後だった。
いつものようにどうにもならないことを悔やんで泣くオッレルスを、シルビアはそっとしておく事にした。いつもの事だから。
けれど、フィアンマにとって、オッレルスが泣く事はいつもの事ではない。
だから、不確定なれども自分の中の善性に従って、手を差し伸べた。
『泣いて、いるのか』
フィアンマは誰かに手を差し伸べた事などなかった。
だが、それは上条に止めてもらうまでの話。元に戻してもらうまでの話。
愛する能力はやはり致命的に欠けているものの、彼自身は優しさを持った普通の青年だ。
優しくなければ、人の悪意に対して傷つく事も無い。優しさが無いのは、心が無い事とほぼ同義なのだから。
差し伸べられた手を、オッレルスは当初、拒否しようとした。
だが、フィアンマは持ち前の粘り強さで手を引く事はなく。
どうしようもない悲哀と悔恨に打ちひしがれるオッレルスに抱きつき、フィアンマは考えつくだけの言葉で慰めた。
時に、幼い子供の無意味なマッサージが、金を払って他人にしてもらうマッサージに勝るように。
人を慰めた事の無いフィアンマの一生懸命な様子は、言葉は、拙いながらもその不慣れさでオッレルスの心を癒した。
『…痛むのだろう?』
たかが思い出し泣きに過ぎないというのに。心が痛いのだろうと。
咳き込む肺病患者にでもするかの如く、フィアンマは優しくオッレルスの背中を摩った。
人を泣き止ませる方法なんて知らない。どうすれば心を癒せるかわからない。
そんな困惑をなるべく隠して、それでも自分を支えてくれたことを、癒してくれたことを、オッレルスは忘れない。
無条件で愛する理由など、その事案のみでも充分過ぎる程だった。
悩んだ結果。
これといって何か、性的な意味合いを含む行動を、彼は起こさなかった。
オッレルスは、フィアンマを起こしてしまわないよう気をつけながら、そっと、彼の閉じられた瞼へと軽い口付けを施す。
フィアンマは目を覚ますでもなくうたた寝を続け、静かに寝息を零している。
夕刻の出来事を思い返しながら、オッレルスは声量を抑えた、低く穏やかな声で語りかけた。
オッレルス「…正直、君は俺ではなく、彼を選ぶのではないかと思ってた。なんとなく、彼と君は似ている気がするしね。共通点も多い。君が俺には見せない無邪気さを、彼といる時には出していたようにも見えた。たまに彼を力一杯殴り続けたくなる時があったくらい嫉妬してたよ」
罪の告解というよりは、ただの告白。告露。
恐らくフィアンマは起きていたとしても、オッレルスを責める事はないだろう。
自らの考えが絶対的な善ではないとわかってしまった今、フィアンマはもう、他人に自分の思いを強制しない。
それは逆に、自分の考えに自信を無くしてしまったことをも意味している。
彼は何かと極端なので、良ければとことん良く、悪ければどん底まで落ちる。
上条との相違点は、少々マイナス面の思い込みが強いところか。
しかし、ネガティブな面が深いからこそ、策謀家なのかもしれない。
オッレルス「まぁ、夜に俺の所にきて甘えてくれる君を彼は知らないだろうから、その辺はイーブンな気もするが」
言葉にならない寝言を漏らすフィアンマの様子に愛おしさを募らせながら、オッレルスはその指先でフィアンマの頬を触る。
子供のぷにぷにとした、触っていて心地の良い頬とは程遠いが、触り心地は悪くなかった。
否、オッレルスにとってはフィアンマの身体の一部でありさえすれば、何だっていいのかもしれない。
オッレルス「…フィアンマ、俺も選んでくれてありがとう。君を独占出来ないのは少し気に入らないが、君が選び、望む事なら俺は何だって喜んで受け入れてやる。彼とだってうまくやっていくようにするよ」
本当なら、独り占めにしてしまいたい。
自分だけを好きになってもらいたい。
それがダメなら、誰も好きにならないでいてもらいたい。
でも、それはあくまで自分の勝手な願いに過ぎない。
どちらも手放せない。
そう彼に言わせてしまう位には、自分と上条当麻との魅力は、彼にとってイーブン。
で、あるならば。妥協する他無いのだ。
彼がどちらとも安息なる関係を築いていたいと言うのなら、それに応じよう。
自分がフィアンマを好きになったのはいつだっただろうか、とオッレルスは思い返す。
明確に好いているということを自覚したのは、過去を嘆いて泣いた後だった。
いつものようにどうにもならないことを悔やんで泣くオッレルスを、シルビアはそっとしておく事にした。いつもの事だから。
けれど、フィアンマにとって、オッレルスが泣く事はいつもの事ではない。
だから、不確定なれども自分の中の善性に従って、手を差し伸べた。
『泣いて、いるのか』
フィアンマは誰かに手を差し伸べた事などなかった。
だが、それは上条に止めてもらうまでの話。元に戻してもらうまでの話。
愛する能力はやはり致命的に欠けているものの、彼自身は優しさを持った普通の青年だ。
優しくなければ、人の悪意に対して傷つく事も無い。優しさが無いのは、心が無い事とほぼ同義なのだから。
差し伸べられた手を、オッレルスは当初、拒否しようとした。
だが、フィアンマは持ち前の粘り強さで手を引く事はなく。
どうしようもない悲哀と悔恨に打ちひしがれるオッレルスに抱きつき、フィアンマは考えつくだけの言葉で慰めた。
時に、幼い子供の無意味なマッサージが、金を払って他人にしてもらうマッサージに勝るように。
人を慰めた事の無いフィアンマの一生懸命な様子は、言葉は、拙いながらもその不慣れさでオッレルスの心を癒した。
『…痛むのだろう?』
たかが思い出し泣きに過ぎないというのに。心が痛いのだろうと。
咳き込む肺病患者にでもするかの如く、フィアンマは優しくオッレルスの背中を摩った。
人を泣き止ませる方法なんて知らない。どうすれば心を癒せるかわからない。
そんな困惑をなるべく隠して、それでも自分を支えてくれたことを、癒してくれたことを、オッレルスは忘れない。
無条件で愛する理由など、その事案のみでも充分過ぎる程だった。
154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/10(月) 11:13:59.13:IbrFrEJAO (1/1)
+
+
155: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 11:14:55.12:0gw4yO3m0 (2/2)
オッレルス「…ずるいな、君は。俺をこんなに夢中にさせるなんて」
フィアンマの身体をベッドに横たわらせ、オッレルスは呟く。
彼に、他人を愛する能力が無いであろうことは何となくわかる。
それでもいつか自分の事を好きになってもらえたらいいと願うのは我が儘ではなく、健気な事に入るのではなかろうか。
余計な雑念を振り払うべく、オッレルスもベッドに入り込むと、フィアンマの身体を抱きしめた。
強すぎず、起こしてしまわないように。実はもうフィアンマは目を覚ましてしまったのだが。
オッレルス「…好きだよ。…こんなにも他人を好きだと思ったのは、初めてだ」
フィアンマ「……、…」
フィアンマ(俺様は、こんなにも欠落している。欠陥がある。お前に愛を返してやれるかどうかもわからない。それ位察しているのだろう。それなのに何故、…そもそも俺様が人の恋心を理解しようとする事に無理があったか)
何があっても死なないで傍に居る。
自分の恐怖心を、臆病さを理解した上で、幸せにするとオッレルスは宣言した。
フィアンマは、口に出さずに思う。
どうやったらこの莫大な愛情に対して何か返せるだろうか、と。
包容力というヤツだろうか。
不思議と、オッレルスの善意に恐怖を覚える事は無かった。
フィアンマはどうする?>>+2
オッレルス「…ずるいな、君は。俺をこんなに夢中にさせるなんて」
フィアンマの身体をベッドに横たわらせ、オッレルスは呟く。
彼に、他人を愛する能力が無いであろうことは何となくわかる。
それでもいつか自分の事を好きになってもらえたらいいと願うのは我が儘ではなく、健気な事に入るのではなかろうか。
余計な雑念を振り払うべく、オッレルスもベッドに入り込むと、フィアンマの身体を抱きしめた。
強すぎず、起こしてしまわないように。実はもうフィアンマは目を覚ましてしまったのだが。
オッレルス「…好きだよ。…こんなにも他人を好きだと思ったのは、初めてだ」
フィアンマ「……、…」
フィアンマ(俺様は、こんなにも欠落している。欠陥がある。お前に愛を返してやれるかどうかもわからない。それ位察しているのだろう。それなのに何故、…そもそも俺様が人の恋心を理解しようとする事に無理があったか)
何があっても死なないで傍に居る。
自分の恐怖心を、臆病さを理解した上で、幸せにするとオッレルスは宣言した。
フィアンマは、口に出さずに思う。
どうやったらこの莫大な愛情に対して何か返せるだろうか、と。
包容力というヤツだろうか。
不思議と、オッレルスの善意に恐怖を覚える事は無かった。
フィアンマはどうする?>>+2
156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 13:44:15.34:imvKYAySO (2/7)
ksk
ksk
157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 13:55:21.78:g23QxCXN0 (2/3)
頬にキスする
頬にキスする
158: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 14:19:42.70:NtDVOCJ40 (1/1)
フィアンマはオッレルスに抱きしめられ、彼の肩辺りに顔を埋めたまましばらく考える。
恋愛や愛情というものは未だにわからないが、幼い頃、自分は神父やシスターに何をされて嬉しかっただろうか。
頭を撫でられること。それから、お菓子をもらうこと。一緒に散歩してもらうこと。
一番幸せな気分になれたのは、おやすみなさいのキスだった。そんな気がする。
そう考えたフィアンマは目を開け、少し身体をズラすと、オッレルスの頬へ軽く口づけた。
妙に気恥ずかしいのは、自分からした事が無かったからだ。される事はあっても。
オッレルスはというと、フィアンマはもう既に眠っていると思っていたこと、このような事をされるとまったく考えていなかったこととで、固まっていた。
現実の状況に対して、脳内処理が追いつかない。戦闘中であればどんなに驚くような事であってもすぐに対処法が浮かぶのに。
フィアンマは自分の行為に羞恥心がくすぐられたため、すぐさま毛布の中へと引っ込んだ。
そしてオッレルスの胸板に自分の顔を押し付けて押し黙る。無かった事にしたいのかもしれない。
当然、無かった事に出来る訳もなく。
オッレルスは笑みを浮かべつつ、フィアンマの髪を撫で、頬を触り、ぎゅう、と強めに抱き寄せた。
オッレルス「…本当に狡いな、君は…」
フィアンマ「ッ、…さっさと眠ったらどうだ」
オッレルス「かえって、しばらく眠れそうにない」
寝たら今の幸せな気持ちが中断されてしまうじゃないか、などと。
一々口説くような言い回しに口ごもり、フィアンマは目を閉じて無理やり再び寝入るよう努力するのだった。
翌朝。
フィアンマは目を覚まし、朝方特有の寒さからオッレルスにくっついたまま離れずに居た。
もう少し、昼に近づけば気温も上がる筈だ。そうしたら、ベッドから出ていける。
怠惰は良くない事だとわかってはいても、二度寝というものは心地が良いものだ。
それにしても昨夜は久しく羞恥というものを感じた、とフィアンマは思い返す。
それでも、あんな少しの行動で、幸せだと言ってもらえるなら、悪くない。
自分が笑顔になっただけでもこの男は幸せだと感じられるというのだから、なるべく明るくいよう。
鼾をかかずにすやすやと静かに眠るオッレルスの冷たい頬を、毛布の中で温めた手で触りつつ、フィアンマは色素の薄い金の髪を見つめた。
白にも等しい、透き通った金の髪。美しい、と思う。
フィアンマ「……時折お前は俺様の容姿を褒めるが、お前も大概だと思うがね」
褒め言葉の独り言。
オッレルス「…>>160」
フィアンマはオッレルスに抱きしめられ、彼の肩辺りに顔を埋めたまましばらく考える。
恋愛や愛情というものは未だにわからないが、幼い頃、自分は神父やシスターに何をされて嬉しかっただろうか。
頭を撫でられること。それから、お菓子をもらうこと。一緒に散歩してもらうこと。
一番幸せな気分になれたのは、おやすみなさいのキスだった。そんな気がする。
そう考えたフィアンマは目を開け、少し身体をズラすと、オッレルスの頬へ軽く口づけた。
妙に気恥ずかしいのは、自分からした事が無かったからだ。される事はあっても。
オッレルスはというと、フィアンマはもう既に眠っていると思っていたこと、このような事をされるとまったく考えていなかったこととで、固まっていた。
現実の状況に対して、脳内処理が追いつかない。戦闘中であればどんなに驚くような事であってもすぐに対処法が浮かぶのに。
フィアンマは自分の行為に羞恥心がくすぐられたため、すぐさま毛布の中へと引っ込んだ。
そしてオッレルスの胸板に自分の顔を押し付けて押し黙る。無かった事にしたいのかもしれない。
当然、無かった事に出来る訳もなく。
オッレルスは笑みを浮かべつつ、フィアンマの髪を撫で、頬を触り、ぎゅう、と強めに抱き寄せた。
オッレルス「…本当に狡いな、君は…」
フィアンマ「ッ、…さっさと眠ったらどうだ」
オッレルス「かえって、しばらく眠れそうにない」
寝たら今の幸せな気持ちが中断されてしまうじゃないか、などと。
一々口説くような言い回しに口ごもり、フィアンマは目を閉じて無理やり再び寝入るよう努力するのだった。
翌朝。
フィアンマは目を覚まし、朝方特有の寒さからオッレルスにくっついたまま離れずに居た。
もう少し、昼に近づけば気温も上がる筈だ。そうしたら、ベッドから出ていける。
怠惰は良くない事だとわかってはいても、二度寝というものは心地が良いものだ。
それにしても昨夜は久しく羞恥というものを感じた、とフィアンマは思い返す。
それでも、あんな少しの行動で、幸せだと言ってもらえるなら、悪くない。
自分が笑顔になっただけでもこの男は幸せだと感じられるというのだから、なるべく明るくいよう。
鼾をかかずにすやすやと静かに眠るオッレルスの冷たい頬を、毛布の中で温めた手で触りつつ、フィアンマは色素の薄い金の髪を見つめた。
白にも等しい、透き通った金の髪。美しい、と思う。
フィアンマ「……時折お前は俺様の容姿を褒めるが、お前も大概だと思うがね」
褒め言葉の独り言。
オッレルス「…>>160」
159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 14:37:59.31:g23QxCXN0 (3/3)
ksk
ksk
160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 17:20:06.64:qMTEzHTQ0 (1/1)
いやぁ、それほどでも
いやぁ、それほどでも
161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 17:27:30.33:imvKYAySO (3/7)
そうかな?あまり気にした事はなかったな。君は俺の容姿は好ましいかい?
君が気に入ってくれるなら俺も捨てたもんじゃないな…
…ところで、上条くんは顔芸が得意なのかな?さっきからもの凄い顔でこっちを見てるんだが、そろそろ起きた方がいいのかな
そうかな?あまり気にした事はなかったな。君は俺の容姿は好ましいかい?
君が気に入ってくれるなら俺も捨てたもんじゃないな…
…ところで、上条くんは顔芸が得意なのかな?さっきからもの凄い顔でこっちを見てるんだが、そろそろ起きた方がいいのかな
162: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 18:14:13.06:HR+C0Zm20 (1/3)
オッレルス「…いやぁ、それほどでも」
フィアンマ「…起きていたのか」
オッレルス「今起きたんだ」
独り言の筈だったのだが、意外な返答。
狸寝入りをしていたのか、とジト目で睨むフィアンマに対し、苦笑い混じりにオッレルスはそう言う。
確かに冷えていた頬に触れられればその温かさに目を覚ます事は有り得るかもしれない。
フィアンマは機嫌を直し、オッレルスの髪に手を伸ばす。
特に気を遣って手入れされている訳でもないが、柔らかめで、触っていて心地は良かった。
オッレルスが自分の髪を撫でるのは心地良いからか、と首を傾げつつ手を引いたフィアンマは、続いて自分の髪に触れる。
確かに硬い髪質ではないが、自分のものだからか、そんなに楽しさは無く。
フィアンマ「…他人で無ければ意味が無いのか」
オッレルス「…何の話をしているんだ?」
フィアンマ「いや、髪について色々と思うところがあっただけだ」
オッレルス「?」
昼に近づく午前十時。
シルビアと上条が調理する様子を時折見つつ、フィアンマは一人でチェスをして遊んでいた。
何かを再現しているようだが、上条にはわからない。見る事が出来ない。
オッレルスはというと、チェスに加わるでもなく盤面を眺めている。
何にせよ楽しそうだ、と上条は懸命に嫉妬心を押さえ込んだ。
シルビア「これからしばらく家空けるんだけど、その間の食事は頼んでいい?」
上条「あ、はい。大丈夫ですよ」
シルビア「そ。ところで、解決したみたいね」
上条「解決というか…まぁ、現状維持というか、そんな感じですけど」
自分が、いや、自分もフィアンマの恋人であるという自覚がいまいち湧かない。
どちらも、という答えが出るとは思わなかった。
確かに自分はフィアンマを好いているが、オッレルスの方を取ったとして全然おかしくないだろうな、と思ったからだ。
フィアンマの正確な年齢はわからないが、自分よりもオッレルスの方に年齢が近いだろうし、正直自分はまだ子供。
魔術についてはまだまだわからない部分があり、フィアンマとは得ている知識量や方向性が違う、つまりは話が毎回弾む訳でもない。
それでも、彼は自分のこともオッレルスのことも選んだ。二人の恋人。
独り占め出来ない事は少々悔しいが、仕方がないとも思う。自分もそれを受け入れよう。
上条「しばらくってどれ位ですか?」
シルビア「んー…>>164(日数)くらいかな」
オッレルス「…いやぁ、それほどでも」
フィアンマ「…起きていたのか」
オッレルス「今起きたんだ」
独り言の筈だったのだが、意外な返答。
狸寝入りをしていたのか、とジト目で睨むフィアンマに対し、苦笑い混じりにオッレルスはそう言う。
確かに冷えていた頬に触れられればその温かさに目を覚ます事は有り得るかもしれない。
フィアンマは機嫌を直し、オッレルスの髪に手を伸ばす。
特に気を遣って手入れされている訳でもないが、柔らかめで、触っていて心地は良かった。
オッレルスが自分の髪を撫でるのは心地良いからか、と首を傾げつつ手を引いたフィアンマは、続いて自分の髪に触れる。
確かに硬い髪質ではないが、自分のものだからか、そんなに楽しさは無く。
フィアンマ「…他人で無ければ意味が無いのか」
オッレルス「…何の話をしているんだ?」
フィアンマ「いや、髪について色々と思うところがあっただけだ」
オッレルス「?」
昼に近づく午前十時。
シルビアと上条が調理する様子を時折見つつ、フィアンマは一人でチェスをして遊んでいた。
何かを再現しているようだが、上条にはわからない。見る事が出来ない。
オッレルスはというと、チェスに加わるでもなく盤面を眺めている。
何にせよ楽しそうだ、と上条は懸命に嫉妬心を押さえ込んだ。
シルビア「これからしばらく家空けるんだけど、その間の食事は頼んでいい?」
上条「あ、はい。大丈夫ですよ」
シルビア「そ。ところで、解決したみたいね」
上条「解決というか…まぁ、現状維持というか、そんな感じですけど」
自分が、いや、自分もフィアンマの恋人であるという自覚がいまいち湧かない。
どちらも、という答えが出るとは思わなかった。
確かに自分はフィアンマを好いているが、オッレルスの方を取ったとして全然おかしくないだろうな、と思ったからだ。
フィアンマの正確な年齢はわからないが、自分よりもオッレルスの方に年齢が近いだろうし、正直自分はまだ子供。
魔術についてはまだまだわからない部分があり、フィアンマとは得ている知識量や方向性が違う、つまりは話が毎回弾む訳でもない。
それでも、彼は自分のこともオッレルスのことも選んだ。二人の恋人。
独り占め出来ない事は少々悔しいが、仕方がないとも思う。自分もそれを受け入れよう。
上条「しばらくってどれ位ですか?」
シルビア「んー…>>164(日数)くらいかな」
163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 18:25:20.90:imvKYAySO (4/7)
ksk
ksk
164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 18:46:09.15:LI/iw+B30 (1/1)
一週間
一週間
165: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 19:06:49.98:HR+C0Zm20 (2/3)
シルビア「んー…一週間くらいかな」
上条「わかりました」
シルビア「ま、もっと早く用が済んだら予定より早く戻る」
上条「何時に行くんですか?」
シルビア「このご飯食べたら行くつもり」
調理を終え、皿にそれぞれ朝食をよそいつつ、シルビアは思い出したように言葉を付け加える。
シルビア「何やってもいいけど、何かやらかしたら掃除しといてね。部屋」
上条「何かやらかすって何ですか…」
シルビア「いやぁ、ほら。色々あるじゃない?」
肩を竦め、よそい終えたシルビアはテーブルに食事を並べていく。
上条はフォーク等を配膳しつつ、シルビアの言葉の意味に気付いて思わず顔を赤くした。
つまり、そう、性行為に及んだ場合は痕跡をある程度消してくれとそういうことである。
からかわれている、とわかっていても、つい言い返す他無かった。
上条は性的な知識がそれなりにある、健全な男子高校生だ。
上条「出来ないし、しませんよ!」
シルビア「はいはい」
一人話がまったく読めていないフィアンマのみが、首を傾げるのみだった。
昼過ぎ。
ずっしりと積もった雪を窓越しに眺め、フィアンマは暇を潰していた。
読書をしようにも本棚にあるほとんどの本は読み終えてしまったし、覚えていることの再確認をする必要もない。
ソファーの真ん中に座る彼は、両隣の瞳が交わすバチバチとした見えない敵意を肌で感じ取りながら閉口していた。
上条もオッレルスも読書をしているのだが、時折軽く敵意を向け合っている。
やはりどちらかを選んだ方が良かったのか。いやしかし、選べないのだから仕方がない。
オッレルスも上条も仲良くしようとは思っているのだが、どうしてもうまくいかないもので。
どちらかに寄りかかればどちらかが落ち込む気がしている為、動く事が出来ない。
いやしかし、退屈を解消するためには何かしてみた方が楽しいかもしれない。
フィアンマはしばらく悩んだ後、手を伸ばして一つの箱を手に取った。
所謂ポッ…フラ…チョコプレッツェルである。
フィアンマ「……、…」
どちらとポッキーゲームをする>>+2
シルビア「んー…一週間くらいかな」
上条「わかりました」
シルビア「ま、もっと早く用が済んだら予定より早く戻る」
上条「何時に行くんですか?」
シルビア「このご飯食べたら行くつもり」
調理を終え、皿にそれぞれ朝食をよそいつつ、シルビアは思い出したように言葉を付け加える。
シルビア「何やってもいいけど、何かやらかしたら掃除しといてね。部屋」
上条「何かやらかすって何ですか…」
シルビア「いやぁ、ほら。色々あるじゃない?」
肩を竦め、よそい終えたシルビアはテーブルに食事を並べていく。
上条はフォーク等を配膳しつつ、シルビアの言葉の意味に気付いて思わず顔を赤くした。
つまり、そう、性行為に及んだ場合は痕跡をある程度消してくれとそういうことである。
からかわれている、とわかっていても、つい言い返す他無かった。
上条は性的な知識がそれなりにある、健全な男子高校生だ。
上条「出来ないし、しませんよ!」
シルビア「はいはい」
一人話がまったく読めていないフィアンマのみが、首を傾げるのみだった。
昼過ぎ。
ずっしりと積もった雪を窓越しに眺め、フィアンマは暇を潰していた。
読書をしようにも本棚にあるほとんどの本は読み終えてしまったし、覚えていることの再確認をする必要もない。
ソファーの真ん中に座る彼は、両隣の瞳が交わすバチバチとした見えない敵意を肌で感じ取りながら閉口していた。
上条もオッレルスも読書をしているのだが、時折軽く敵意を向け合っている。
やはりどちらかを選んだ方が良かったのか。いやしかし、選べないのだから仕方がない。
オッレルスも上条も仲良くしようとは思っているのだが、どうしてもうまくいかないもので。
どちらかに寄りかかればどちらかが落ち込む気がしている為、動く事が出来ない。
いやしかし、退屈を解消するためには何かしてみた方が楽しいかもしれない。
フィアンマはしばらく悩んだ後、手を伸ばして一つの箱を手に取った。
所謂ポッ…フラ…チョコプレッツェルである。
フィアンマ「……、…」
どちらとポッキーゲームをする>>+2
166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 19:09:31.24:ezWPp8Af0 (1/1)
ポッキー言うてしまってるやないですか
ksk
ポッキー言うてしまってるやないですか
ksk
167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 19:16:57.26:imvKYAySO (5/7)
フィアンマさんが口の端で二本くわえれば皆でできると思うの
フィアンマさんが口の端で二本くわえれば皆でできると思うの
168: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 19:38:07.71:HR+C0Zm20 (3/3)
《>>166様 最後の最後で油断してしまいました。てへぺろ、という事でお許しください》
フィアンマの知る十字教の教えの中には、『もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、彼に飲ませなさい。・・・悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい』というものがある。
本来は敵を愛せよとそういう訳なのだが、言葉通りに取れば、フィアンマは二人が争わないようにすべきである。
どちらかを選ぶというのは差別的で良くない。自分が多少無理をすれば双方を満たせるのであれば、そちらの方が良いに決まっている。
自分の中の絶対的な善を信頼出来なくなっているフィアンマは、ひとまず十字教に頼ってみることにした。
どう言葉を発するか悩み、フィアンマは彼らしくなくおずおずと切り出した。
フィアンマ「…ポッキーゲームがしたい」
上条「ポッキーゲーム?」
オッレルス「プレッツェルの両端を口に咥えて食べていくゲームか」
どちらとするのか、と言わんばかりの視線を両方向から受け、フィアンマは言葉を足す。
フィアンマ「……三人で」
オッレルス「……」
上条「……」
二人はそれで納得したのか、こくりと頷く。
フィアンマは箱の中、小袋から二本、折れていないプレッツェルを取り出しながら思う。
一夫一婦制の何と楽で健全な事だろうか、と。いや、自分が選んだ事なのだが。
争って欲しくない、と思っている以上、これからもこうして努力していかなければならないだろう。
フィアンマ「…、ん」
二本共チョコレートのついている方を口端に咥え、フィアンマは箱を眼前のテーブルに置いた。
促されるまでもなく、オッレルスはフィアンマにとって左側から、上条は右側からプレッツェルを食べ始める。
口の中で溶けるチョコレートの甘味と苦味を感じ、味のあるものに呼応してうっかり零れそうになる唾液を飲み込みつつ、フィアンマはおとなしくしていた。
彼にその気は無いのだろうが、プレッツェルを二本咥えるという少々無理のある口の形に眉を潜めつつ唾液を呑み込む姿は中々エロティックだ。
腐っても聖職者にも関わらず色気を漂わせ振りまくフィアンマだが、実を言うとファーストキスすらしたことがない。
つまり、より早くプレッツェルを食べ終えた方がフィアンマのファーストキスを、遅れた方がセカンドキスを頂く事となる。
かりかり、ぽり、もぐもぐ。
ともすれば小動物が餌でも食べているかのような音だけが部屋に響く。
シルビアという気を遣うばき相手が居ないから、何でもやり放題である。
先に食べ終えた方はどちらか>>+2
《>>166様 最後の最後で油断してしまいました。てへぺろ、という事でお許しください》
フィアンマの知る十字教の教えの中には、『もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、彼に飲ませなさい。・・・悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい』というものがある。
本来は敵を愛せよとそういう訳なのだが、言葉通りに取れば、フィアンマは二人が争わないようにすべきである。
どちらかを選ぶというのは差別的で良くない。自分が多少無理をすれば双方を満たせるのであれば、そちらの方が良いに決まっている。
自分の中の絶対的な善を信頼出来なくなっているフィアンマは、ひとまず十字教に頼ってみることにした。
どう言葉を発するか悩み、フィアンマは彼らしくなくおずおずと切り出した。
フィアンマ「…ポッキーゲームがしたい」
上条「ポッキーゲーム?」
オッレルス「プレッツェルの両端を口に咥えて食べていくゲームか」
どちらとするのか、と言わんばかりの視線を両方向から受け、フィアンマは言葉を足す。
フィアンマ「……三人で」
オッレルス「……」
上条「……」
二人はそれで納得したのか、こくりと頷く。
フィアンマは箱の中、小袋から二本、折れていないプレッツェルを取り出しながら思う。
一夫一婦制の何と楽で健全な事だろうか、と。いや、自分が選んだ事なのだが。
争って欲しくない、と思っている以上、これからもこうして努力していかなければならないだろう。
フィアンマ「…、ん」
二本共チョコレートのついている方を口端に咥え、フィアンマは箱を眼前のテーブルに置いた。
促されるまでもなく、オッレルスはフィアンマにとって左側から、上条は右側からプレッツェルを食べ始める。
口の中で溶けるチョコレートの甘味と苦味を感じ、味のあるものに呼応してうっかり零れそうになる唾液を飲み込みつつ、フィアンマはおとなしくしていた。
彼にその気は無いのだろうが、プレッツェルを二本咥えるという少々無理のある口の形に眉を潜めつつ唾液を呑み込む姿は中々エロティックだ。
腐っても聖職者にも関わらず色気を漂わせ振りまくフィアンマだが、実を言うとファーストキスすらしたことがない。
つまり、より早くプレッツェルを食べ終えた方がフィアンマのファーストキスを、遅れた方がセカンドキスを頂く事となる。
かりかり、ぽり、もぐもぐ。
ともすれば小動物が餌でも食べているかのような音だけが部屋に響く。
シルビアという気を遣うばき相手が居ないから、何でもやり放題である。
先に食べ終えた方はどちらか>>+2
169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 19:40:58.10:actf8pvC0 (1/1)
同着で上条とオッレとキスしてしまった状態になり
オエー
同着で上条とオッレとキスしてしまった状態になり
オエー
170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 20:16:37.95:imvKYAySO (6/7)
上でいいや
上でいいや
171: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/10(月) 20:48:52.25:cu32N/nI0 (1/1)
《>>168 ×ばき ○べき》
順調に食べ進めるペースは急ぎ気味で、ほぼ同じ。
つまりは進む距離もまた同じな訳で。
ほぼ同タイミングにフィアンマとキスをしたオッレルスと上条だったが、それは同時にお互いの唇へも触れた事を意味していた。
唇を離した上条とオッレルスはとてつもない精神的ショックに打ちひしがれる。
予想が出来ていなかった訳ではないが、それでも、結構キツいものがあった。
好きでもない同性とのキスなど人生の汚点でしかない。
浅はかな強欲からこの様な結果を生み出したフィアンマはというと、反省するでもなく。
フィアンマ(…男の唇など、どれも同じだと思うが)
そんな事を呑気にも考えつつ、フィアンマは自分の唇回りについたチョコを舌先で舐めとる。
先程よりも甘ったるい気がするが、恐らく気のせいだろう。
フィアンマ「…大丈夫か」
オッレルス「…あまり大丈夫ではないな」
上条「……、…」
グロッキーな二人の様子を見つつ、フィアンマはマイペースに箱を手にして、袋内のチョコプレッツェルを取り出しかじる。
ショックから立ち直り始めた二人はどうにかそんなマイペースな彼の食べる様子を眺めつつ自分を落ち着かせるのだった。
夕方。
何となく口の中がベタついて落ち着かないから、という理由で洗面所へ行ったフィアンマは、かれこれ一時間程帰って来ない。
上条「…いくら何でも遅すぎる気が…」
オッレルス「見に行こうか」
体調が悪くなったのだろうか、などといった二人の予測とは裏腹に。
健康体そのもののフィアンマは、しかし、洗面所から出られないでいた。
最初は普通に歯磨きをした後、口の中を水で濯いでいたのだ。
途中、遠隔攻撃術式を受けた為、いたって普通に妨害した。防御が間に合わないときは妨害が一番だ(ただし魔術的知識を多量に必要とする)。
だが、妨害の仕方が『除外』ではなく、他の魔術記号を混ぜる『加工』だった為(咄嗟に防いだので間違えたのだ)、術式が歪んだ。
ついでに攻撃を返した為、相手方の魔術師は昏倒していることだろう。
だから、彼は別に何かダメージを受けてしまったという訳ではない。
いや、現在進行形で精神的ダメージを受けているのでそうとも言い切れない。
フィアンマ「…、ッ」
フィアンマは鏡を見つつ、恐る恐る、自分の頭に触れた。正確には『耳』に。
飾りではなく、本物の猫の耳は、感覚が繋がっていた為、猫と同じ反応となる。
びく、と身体を震わせたフィアンマは、不快感に眉を潜めた。
フィアンマ(……シュールな光景だ。先程欲張った天罰か)
尻尾をズボン内に収納しておくのは苦しい。
ので、仕方がなくズボンの一部を犠牲にし、出した尻尾は結構長かった。
自分の意思で動くのか、と思いつつ尻尾を揺らし。
へた、と猫耳が垂れた。
なまじ元の術式を確認せずに記号を混ぜた為、どうすれば元に戻るのかわからない。
右方のフィアンマにあるまじき失敗だ。
コンコン、と洗面所のドアが叩かれ、フィアンマはどうしようかとドアを見遣った。
上条の右手は術式はともかく、起こってしまった事実は消去出来ない筈。
ますます尻尾と耳を垂らしながら、フィアンマは仕方なくドアを開けた。
ドアを開けてもらった二人は、目の前の光景にしばし沈黙していた。
フィアンマの困惑を表すように垂れた尻尾はゆっくりと揺れ、耳はへたりと垂れている。
フィアンマ「…色々と事情があった結果、こうなった。趣味ではないし、飾りでもない」
上条「>>173」
オッレルス「>>175」
《>>168 ×ばき ○べき》
順調に食べ進めるペースは急ぎ気味で、ほぼ同じ。
つまりは進む距離もまた同じな訳で。
ほぼ同タイミングにフィアンマとキスをしたオッレルスと上条だったが、それは同時にお互いの唇へも触れた事を意味していた。
唇を離した上条とオッレルスはとてつもない精神的ショックに打ちひしがれる。
予想が出来ていなかった訳ではないが、それでも、結構キツいものがあった。
好きでもない同性とのキスなど人生の汚点でしかない。
浅はかな強欲からこの様な結果を生み出したフィアンマはというと、反省するでもなく。
フィアンマ(…男の唇など、どれも同じだと思うが)
そんな事を呑気にも考えつつ、フィアンマは自分の唇回りについたチョコを舌先で舐めとる。
先程よりも甘ったるい気がするが、恐らく気のせいだろう。
フィアンマ「…大丈夫か」
オッレルス「…あまり大丈夫ではないな」
上条「……、…」
グロッキーな二人の様子を見つつ、フィアンマはマイペースに箱を手にして、袋内のチョコプレッツェルを取り出しかじる。
ショックから立ち直り始めた二人はどうにかそんなマイペースな彼の食べる様子を眺めつつ自分を落ち着かせるのだった。
夕方。
何となく口の中がベタついて落ち着かないから、という理由で洗面所へ行ったフィアンマは、かれこれ一時間程帰って来ない。
上条「…いくら何でも遅すぎる気が…」
オッレルス「見に行こうか」
体調が悪くなったのだろうか、などといった二人の予測とは裏腹に。
健康体そのもののフィアンマは、しかし、洗面所から出られないでいた。
最初は普通に歯磨きをした後、口の中を水で濯いでいたのだ。
途中、遠隔攻撃術式を受けた為、いたって普通に妨害した。防御が間に合わないときは妨害が一番だ(ただし魔術的知識を多量に必要とする)。
だが、妨害の仕方が『除外』ではなく、他の魔術記号を混ぜる『加工』だった為(咄嗟に防いだので間違えたのだ)、術式が歪んだ。
ついでに攻撃を返した為、相手方の魔術師は昏倒していることだろう。
だから、彼は別に何かダメージを受けてしまったという訳ではない。
いや、現在進行形で精神的ダメージを受けているのでそうとも言い切れない。
フィアンマ「…、ッ」
フィアンマは鏡を見つつ、恐る恐る、自分の頭に触れた。正確には『耳』に。
飾りではなく、本物の猫の耳は、感覚が繋がっていた為、猫と同じ反応となる。
びく、と身体を震わせたフィアンマは、不快感に眉を潜めた。
フィアンマ(……シュールな光景だ。先程欲張った天罰か)
尻尾をズボン内に収納しておくのは苦しい。
ので、仕方がなくズボンの一部を犠牲にし、出した尻尾は結構長かった。
自分の意思で動くのか、と思いつつ尻尾を揺らし。
へた、と猫耳が垂れた。
なまじ元の術式を確認せずに記号を混ぜた為、どうすれば元に戻るのかわからない。
右方のフィアンマにあるまじき失敗だ。
コンコン、と洗面所のドアが叩かれ、フィアンマはどうしようかとドアを見遣った。
上条の右手は術式はともかく、起こってしまった事実は消去出来ない筈。
ますます尻尾と耳を垂らしながら、フィアンマは仕方なくドアを開けた。
ドアを開けてもらった二人は、目の前の光景にしばし沈黙していた。
フィアンマの困惑を表すように垂れた尻尾はゆっくりと揺れ、耳はへたりと垂れている。
フィアンマ「…色々と事情があった結果、こうなった。趣味ではないし、飾りでもない」
上条「>>173」
オッレルス「>>175」
172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 20:53:26.35:BlF8BKv+0 (1/2)
ksk
ksk
173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/10(月) 21:01:12.09:BlF8BKv+0 (2/2)
もふもふしてよかですか!
もふもふしてよかですか!
174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 22:27:42.19:imvKYAySO (7/7)
ksk
ksk
175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/10(月) 22:32:06.99:xwBt/sxto (1/1)
ふむ。これなら秋葉原でバイトをさせても問題ないほどだな
ふむ。これなら秋葉原でバイトをさせても問題ないほどだな
176: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 00:11:29.44:dmMfDpxV0 (1/1)
上条「もふもふしてよかですか!」
オッレルス「ふむ。これなら秋葉原でバイトをさせても問題ないほどだな」
各々の反応は割と冷静且つ呑気でシュールなものだった。
フィアンマは尻尾を揺らし、オッレルスを見やる。
フィアンマ「…アキハバラ?」
オッレルス「日本の都市の事だ」
上条「ああ、何か有名だったな、あそこ」
次いで、最後の発言者たる上条を見て。
フィアンマ「…もふもふとは何だ。何らかの儀式か」
上条「実際にやればわかると思うけど、ひとまずリビング行こうぜ」
ここじゃ寒いから、と上条は洗面所からの撤退を要求する。
これを呑んだ青年達はこくりと頷き、リビングへと戻った。
上条はというと、フィアンマの尻尾を触りたい衝動を懸命に堪える。
家に帰っていないため、久しくスフィンクスに触っていないのだ。
猫に触りたい、もふって癒されたい、というのは猫好きにとって宿命である。
リビングに戻ったフィアンマは、ソファーに座らされ、好き勝手に身体を触られていた。
上条は思う存分フィアンマを抱きしめ、頭を撫でて愛でている。
フィアンマは上条の行動を『もふもふ』という儀式だと認識したらしく、おとなしく尻尾を揺らしていた。
オッレルスはというと、彼の隣に腰掛けてフィアンマの背中を撫でている。
犬好きだが、猫も嫌いではないのだ。
感覚は猫と人間の境目にあるらしく、フィアンマは抗えずに喉を鳴らしていた。
背中を撫でられる度に快感が訪れ、頭を撫でられると安堵する。
尻尾を握られるのは気持ちが悪いが、耳をちょいと突かれるのはこそばゆい。
上条「耳本物なんだな。動いてるし」
フィアンマ「だから飾りではないと言っているだろう、…ん、」
オッレルス「背中を撫でられた時の反応も猫のソレに近いみたいだな」
フィアンマ「ん、にゃ…ん…」
ごろごろと喉を鳴らし、フィアンマは息を乱す。
ひっきり無しに触られるせいで落ち着かない。
術式を行使して吹き飛ばせば良いのかもしれないが、そこまで苛立っている訳でもない。
心地良いというよりも気持ち良いという感覚ではあるのだが、生憎フィアンマは快楽というものを知らない。
肩こり等がしないよう気をつけて自己管理してきたため、マッサージ等も受けず。
性行為、自慰すらした事が無いため、性的快感も知らず。
故に、苦痛には強くとも、快楽には弱い。基本的にストイックな性格だというのもあるが。
猫耳をピンと立て、尻尾を立てて喉を鳴らす様は、可愛いの一言。
白い肌、やや中性的に整った顔立ち、その頬を紅潮させつつ快感に身悶える姿は。
上条「……」
オッレルス「……」
珍しく、オッレルスと上条の意見がかっちりと噛み合った。
――――ムラムラする。
オッレルスはどうする?>>+2
上条はどうする?>>+3
上条「もふもふしてよかですか!」
オッレルス「ふむ。これなら秋葉原でバイトをさせても問題ないほどだな」
各々の反応は割と冷静且つ呑気でシュールなものだった。
フィアンマは尻尾を揺らし、オッレルスを見やる。
フィアンマ「…アキハバラ?」
オッレルス「日本の都市の事だ」
上条「ああ、何か有名だったな、あそこ」
次いで、最後の発言者たる上条を見て。
フィアンマ「…もふもふとは何だ。何らかの儀式か」
上条「実際にやればわかると思うけど、ひとまずリビング行こうぜ」
ここじゃ寒いから、と上条は洗面所からの撤退を要求する。
これを呑んだ青年達はこくりと頷き、リビングへと戻った。
上条はというと、フィアンマの尻尾を触りたい衝動を懸命に堪える。
家に帰っていないため、久しくスフィンクスに触っていないのだ。
猫に触りたい、もふって癒されたい、というのは猫好きにとって宿命である。
リビングに戻ったフィアンマは、ソファーに座らされ、好き勝手に身体を触られていた。
上条は思う存分フィアンマを抱きしめ、頭を撫でて愛でている。
フィアンマは上条の行動を『もふもふ』という儀式だと認識したらしく、おとなしく尻尾を揺らしていた。
オッレルスはというと、彼の隣に腰掛けてフィアンマの背中を撫でている。
犬好きだが、猫も嫌いではないのだ。
感覚は猫と人間の境目にあるらしく、フィアンマは抗えずに喉を鳴らしていた。
背中を撫でられる度に快感が訪れ、頭を撫でられると安堵する。
尻尾を握られるのは気持ちが悪いが、耳をちょいと突かれるのはこそばゆい。
上条「耳本物なんだな。動いてるし」
フィアンマ「だから飾りではないと言っているだろう、…ん、」
オッレルス「背中を撫でられた時の反応も猫のソレに近いみたいだな」
フィアンマ「ん、にゃ…ん…」
ごろごろと喉を鳴らし、フィアンマは息を乱す。
ひっきり無しに触られるせいで落ち着かない。
術式を行使して吹き飛ばせば良いのかもしれないが、そこまで苛立っている訳でもない。
心地良いというよりも気持ち良いという感覚ではあるのだが、生憎フィアンマは快楽というものを知らない。
肩こり等がしないよう気をつけて自己管理してきたため、マッサージ等も受けず。
性行為、自慰すらした事が無いため、性的快感も知らず。
故に、苦痛には強くとも、快楽には弱い。基本的にストイックな性格だというのもあるが。
猫耳をピンと立て、尻尾を立てて喉を鳴らす様は、可愛いの一言。
白い肌、やや中性的に整った顔立ち、その頬を紅潮させつつ快感に身悶える姿は。
上条「……」
オッレルス「……」
珍しく、オッレルスと上条の意見がかっちりと噛み合った。
――――ムラムラする。
オッレルスはどうする?>>+2
上条はどうする?>>+3
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/11(火) 00:22:36.89:bJh243cz0 (1/1)
ksk
ksk
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/11(火) 00:28:55.00:Fryb4wEQo (1/1)
ヤる
ヤる
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/11(火) 00:30:03.89:Z34Og/cSO (1/2)
オナ○ーをネットリ教える。のち乳首開発
オナ○ーをネットリ教える。のち乳首開発
180:小ネタ ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 12:17:31.75:h87zF/fAO (1/7)
《アキハバラで働けるフィアンマさん、が浮かんだので投下します》
ここはアキハバラに在る、『とある』メイドカフェ。
『可愛ければ性別なんてどうでもいいではありませんか、ご主人様』をテーマに、日夜容姿端麗な店員達がひしめいている。
営業時間は10:00~19:00。
因みに今日はにゃんにゃんデー(2/22)の為、メイドの皆さんは猫耳ヘッドドレスや猫尻尾ベルトを着けている。
このヘッドドレスやベルトは装着者の心拍数を読み取って動く優れものだ。
店員はロリ服風のふわふわとしたデザインのメイド服を着ている為、性別は顔や声から読み取るしかない。
可愛ければ性別なんてどうでもいい、という客ばかりが来ている為、問題は無いのだが。
それぞれ個性的な源氏名がついており、独占料金を…つまりは、お金を多く支払う事で指名も出来る。
曜日によって属性が違い、例えば月曜日と水曜日はツンデレメイドデー、木曜日はヤンデレメイドデー、などとなる。
本日は金曜日の為、いたって普通のデレデレデーだ。
とは言ってもメイドそれぞれに簡易ストーリーが与えられている為、プライド高めだったり卑屈だったりと性格が分かれる。
だからこそ指名が生きるのだ。
『幼い頃に一家離散してしまい独りぼっちで生きてきた為、ご主人様に対してもプライドが高いメイドさん』であるフィアンマは、指名を受け、お客様…否、ご主人様たる上条の隣に座っていた。余談だが、おさわりOKは頭や髪、肩まで。お尻などは普通に通報される。
また、フィアンマには『みかにゃん』『みはにゃん』という愛称がある。理由は不明だが、大天使ミカエルに基づいているという話が客の中に根付いている。
上条は先程から、注文し、運ばれてきたオムライスを指差しつつ、フィアンマを口説いていた。
《アキハバラで働けるフィアンマさん、が浮かんだので投下します》
ここはアキハバラに在る、『とある』メイドカフェ。
『可愛ければ性別なんてどうでもいいではありませんか、ご主人様』をテーマに、日夜容姿端麗な店員達がひしめいている。
営業時間は10:00~19:00。
因みに今日はにゃんにゃんデー(2/22)の為、メイドの皆さんは猫耳ヘッドドレスや猫尻尾ベルトを着けている。
このヘッドドレスやベルトは装着者の心拍数を読み取って動く優れものだ。
店員はロリ服風のふわふわとしたデザインのメイド服を着ている為、性別は顔や声から読み取るしかない。
可愛ければ性別なんてどうでもいい、という客ばかりが来ている為、問題は無いのだが。
それぞれ個性的な源氏名がついており、独占料金を…つまりは、お金を多く支払う事で指名も出来る。
曜日によって属性が違い、例えば月曜日と水曜日はツンデレメイドデー、木曜日はヤンデレメイドデー、などとなる。
本日は金曜日の為、いたって普通のデレデレデーだ。
とは言ってもメイドそれぞれに簡易ストーリーが与えられている為、プライド高めだったり卑屈だったりと性格が分かれる。
だからこそ指名が生きるのだ。
『幼い頃に一家離散してしまい独りぼっちで生きてきた為、ご主人様に対してもプライドが高いメイドさん』であるフィアンマは、指名を受け、お客様…否、ご主人様たる上条の隣に座っていた。余談だが、おさわりOKは頭や髪、肩まで。お尻などは普通に通報される。
また、フィアンマには『みかにゃん』『みはにゃん』という愛称がある。理由は不明だが、大天使ミカエルに基づいているという話が客の中に根付いている。
上条は先程から、注文し、運ばれてきたオムライスを指差しつつ、フィアンマを口説いていた。
181:小ネタ ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 12:19:01.39:h87zF/fAO (2/7)
上条「もっと美味しくなる魔法かけてくれよ」
フィアンマ「かけずとも食せる」
へた、と尻尾を垂らしつつ揺らし、フィアンマはそっぽを向いた。
あくまでも設定に沿って接客している為尊大だが、彼の素はかなり良い子である。
上条「フィアンマが魔法かけてくれたオムライスがいいんだ」
フィアンマ「…一緒にやってくれるか?」
ぴこ、と耳を立てつつのお願いに、上条は笑顔で頷いた。
フィアンマ「…じゃあ、俺様と同じ身振り手振りを頼む」
上条「せーの、」
オムライスを美味しくする魔法、といっても、可愛い店員さんが可愛い身振りをしてくれるだけであり。
フィアンマは定型通りに、やや羞恥を感じている表情で呪文を唱える。
実際彼の年齢から考慮すれば物凄く恥ずかしいのだが、仕事なので仕方が無い。
指名をしてくれる客をキープする為にも、多少渋ってもサービスはしなければ。
フィアンマ「…もえもえにゃんにゃん、み…みはにゃんパワー」
上条「…」
招き猫の様な動きをとった後、右手を『にゃんにゃん』と二回動かして終了。
上条当麻、とある高校一年生男子としては、とってもときめいた。
フィアンマ「…俺様の"奇跡"で浄めてやったんだ、感涙に咽んで食せよ、肉塊」
上条「ありがとな」
ほのぼのとしながら上条はフィアンマの頭を撫で、制服のポケットに五千円札をそっと入れ込む。この店ではチップ制が認められているからだ。
上条「もっと美味しくなる魔法かけてくれよ」
フィアンマ「かけずとも食せる」
へた、と尻尾を垂らしつつ揺らし、フィアンマはそっぽを向いた。
あくまでも設定に沿って接客している為尊大だが、彼の素はかなり良い子である。
上条「フィアンマが魔法かけてくれたオムライスがいいんだ」
フィアンマ「…一緒にやってくれるか?」
ぴこ、と耳を立てつつのお願いに、上条は笑顔で頷いた。
フィアンマ「…じゃあ、俺様と同じ身振り手振りを頼む」
上条「せーの、」
オムライスを美味しくする魔法、といっても、可愛い店員さんが可愛い身振りをしてくれるだけであり。
フィアンマは定型通りに、やや羞恥を感じている表情で呪文を唱える。
実際彼の年齢から考慮すれば物凄く恥ずかしいのだが、仕事なので仕方が無い。
指名をしてくれる客をキープする為にも、多少渋ってもサービスはしなければ。
フィアンマ「…もえもえにゃんにゃん、み…みはにゃんパワー」
上条「…」
招き猫の様な動きをとった後、右手を『にゃんにゃん』と二回動かして終了。
上条当麻、とある高校一年生男子としては、とってもときめいた。
フィアンマ「…俺様の"奇跡"で浄めてやったんだ、感涙に咽んで食せよ、肉塊」
上条「ありがとな」
ほのぼのとしながら上条はフィアンマの頭を撫で、制服のポケットに五千円札をそっと入れ込む。この店ではチップ制が認められているからだ。
182:小ネタ ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 12:20:40.51:h87zF/fAO (3/7)
ちなみに上条は彼に会い、こうしてチップを与える為に平日、放課後の時間のほとんどをアルバイトに費やしている。
女の子にモテない(と思い込んでいる)彼にとって、この時間は短くとも至上至高最高最良の癒しでありときめきなのだ。決して高校生がキャバクラ遊びにハマったみたいで不憫だ、などと言ってはいけない。
上条「じゃあ、」
フィアンマ「…早めに帰って来い、当麻。い、…行って、らっしゃい」
オムライス(\1800)を食べ終わった上条はミルクティー(\540)を飲み、帰っていった。
チップが多い客は名前を覚えてもらえる上に、帰る時(退店時)にその指名したメイドさんからハグをしてもらえる。
どちらもWin-Winなシステムなのだった。
偽名や設定を伝えれば、メイドさんはそれに合わせて会話をしてくれる。職業や名前を捏造する事も可能。
此処はそういう遊び場所なのだから。
フィアンマ「…お帰り、オッレルス」
オッレルス「ああ、今日も君に逢えて良かった」
フィアンマ「待っていたんだぞ、お前の帰りを―――ずっと」
金と演技、ひと時の遊興で構築されている人間関係ではあるけれども。
それなりの楽しさに、フィアンマは尻尾を立てて接客するのだった。
ちなみに上条は彼に会い、こうしてチップを与える為に平日、放課後の時間のほとんどをアルバイトに費やしている。
女の子にモテない(と思い込んでいる)彼にとって、この時間は短くとも至上至高最高最良の癒しでありときめきなのだ。決して高校生がキャバクラ遊びにハマったみたいで不憫だ、などと言ってはいけない。
上条「じゃあ、」
フィアンマ「…早めに帰って来い、当麻。い、…行って、らっしゃい」
オムライス(\1800)を食べ終わった上条はミルクティー(\540)を飲み、帰っていった。
チップが多い客は名前を覚えてもらえる上に、帰る時(退店時)にその指名したメイドさんからハグをしてもらえる。
どちらもWin-Winなシステムなのだった。
偽名や設定を伝えれば、メイドさんはそれに合わせて会話をしてくれる。職業や名前を捏造する事も可能。
此処はそういう遊び場所なのだから。
フィアンマ「…お帰り、オッレルス」
オッレルス「ああ、今日も君に逢えて良かった」
フィアンマ「待っていたんだぞ、お前の帰りを―――ずっと」
金と演技、ひと時の遊興で構築されている人間関係ではあるけれども。
それなりの楽しさに、フィアンマは尻尾を立てて接客するのだった。
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/11(火) 12:22:07.82:h87zF/fAO (4/7)
フィアンマさんが浄めてくださった奇跡のオムライスなど畏れ多くて食べられません…飾って崇拝したい。
フィアンマさんが浄めてくださった奇跡のオムライスなど畏れ多くて食べられません…飾って崇拝したい。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/11(火) 17:05:28.54:Z34Og/cSO (2/2)
ほう……ならば俺も通いつめふぅ…
前から思ってたがそういう系統の店の飲食物の料金がぼったくり過ぎだよ。最早違法じゃね?たいした食材も使ってないくせに。
いくら猫耳メイドフィアンマさんでも魔法とかで大金を支払うとか…ふぅ…騙され過ぎだろwwwwww魔法を一緒にかけてくれとか可愛い事を…ふぅ。
素晴らしい小ネタだった。オッレルスさんは何を頼むか少し気になったな(キリッ
ほう……ならば俺も通いつめふぅ…
前から思ってたがそういう系統の店の飲食物の料金がぼったくり過ぎだよ。最早違法じゃね?たいした食材も使ってないくせに。
いくら猫耳メイドフィアンマさんでも魔法とかで大金を支払うとか…ふぅ…騙され過ぎだろwwwwww魔法を一緒にかけてくれとか可愛い事を…ふぅ。
素晴らしい小ネタだった。オッレルスさんは何を頼むか少し気になったな(キリッ
185: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 23:52:17.44:OmUNaWfT0 (1/4)
《>>184様 ぼったくりではありません。魔法に対する正当報酬なのです、恐らく。オッレルスさんは季節のパフェ(時価。本日は\6800)を注文し、みはにゃんにあーんしてもらいました》
最初に動いたのは上条だった。
オッレルスと視線を合わせるなり、示し合わせたかの如くフィアンマから離れ。
続いたオッレルスは細く見えて存外ある腕力にてフィアンマを横抱きに抱き上げ、寝室へと移動した。
訳もわからず運ばれ、フィアンマは不可解そうな表情で尻尾をぷらぷらと揺らす。
カマトトぶっている訳ではなく、本当に先の展開が読めない為、困惑しているのだ。
沈黙したまま尻尾を揺らすフィアンマをベッドに横たわらせ、上条とオッレルスは彼の両隣り空きスペースに膝をついて彼を見下ろした。
オッレルス「…フィアンマ」
フィアンマ「…何だ」
オッレルス「セックスをしよう」
フィアンマ「…性別がどうかしたのか」
上条「…純粋なんだな」
フィアンマ「何の話だ」
二人の性欲から来る熱に気圧され、フィアンマは固まりつつ聞き返す。
得体の知れない恐怖に猫耳はふるふると震えている。
上条はフィアンマの髪を撫でて宥め、セックスについて簡易的に説明した。
つまりは性行為だと理解し、フィアンマはぶんぶんと首を横に振る。
パニック状態にあるからか、少々拒否姿勢が子供っぽい。
フィアンマ「…意義を感じられん」
オッレルス「強いて言えば性欲の解消、といったところか。無意識に君が誘惑するのが悪い」
フィアンマ「誘惑など、」
していない、と不服そうな表情を浮かべるフィアンマへ、オッレルスが口付ける。
そのまま舌を伸ばし、絡ませ、フィアンマの上衣へ手がかけられた。
深い口づけと舌先の動きに翻弄され、目を瞑るフィアンマのズボンへ、上条が手をかけた。
そのまま、タイミングを図るでもなく、しかしほぼ同じようなスピードで服が脱がされていく。
同じ人間を好きになるということは、好みが同じ。つまり、オッレルスと上条は本来気が合うのだ。
フィアンマ「ん、ん、…ぅ…」
ロクな抵抗も出来ないまま服を脱がされ、フィアンマは困った表情で目を開ける。
唾液は生ぬるく、甘い訳ではなく、かといって特段苦味や酸味がある訳でもない。
ただ、吐息が間近にある事でほんの少しだけ安心感は得られるかもしれない、とフィアンマは思う。
快楽に疎いフィアンマにとって、自分にメリットがあるかどうかは心地よさで判断される。
まだ萎えた自身に上条の手が触れ、フィアンマは咄嗟に上条の手首を掴む。
上条「別に痛い事はしないって、…そういえば、オナった事あるのか?」
フィアンマ「は、…オナ…?」
キスを中断し、オッレルスに抱きしめられながら、フィアンマは首を傾げる。
上条が迷った結果オナニーとしっかり言い換えれば、力なく首を横に振った。
フィアンマ「…する必要が無かった。そもそもよく分からん」
上条「じゃあ、教えてやるよ」
言いつつ、上条はオッレルスに許可を取りつつもベッドサイドの小さなタンスからローションボトルを取り出す。
ぬるつく中身を手の上で温め、フィアンマの左手へと垂らした。
そして、同じくローションにまみれた自分の右手で、フィアンマの左手を誘導した。
萎えた自身をそっと握りこませ、そのまま、子供が箸使いを覚える時に大人が子供の手の上からやってやるように、上下に緩く扱く。
くちゅぐちゅ、とローションの水気による水音が響いた。
腰から下が痺れるような感覚に動揺し、フィアンマは上条を見る。
《>>184様 ぼったくりではありません。魔法に対する正当報酬なのです、恐らく。オッレルスさんは季節のパフェ(時価。本日は\6800)を注文し、みはにゃんにあーんしてもらいました》
最初に動いたのは上条だった。
オッレルスと視線を合わせるなり、示し合わせたかの如くフィアンマから離れ。
続いたオッレルスは細く見えて存外ある腕力にてフィアンマを横抱きに抱き上げ、寝室へと移動した。
訳もわからず運ばれ、フィアンマは不可解そうな表情で尻尾をぷらぷらと揺らす。
カマトトぶっている訳ではなく、本当に先の展開が読めない為、困惑しているのだ。
沈黙したまま尻尾を揺らすフィアンマをベッドに横たわらせ、上条とオッレルスは彼の両隣り空きスペースに膝をついて彼を見下ろした。
オッレルス「…フィアンマ」
フィアンマ「…何だ」
オッレルス「セックスをしよう」
フィアンマ「…性別がどうかしたのか」
上条「…純粋なんだな」
フィアンマ「何の話だ」
二人の性欲から来る熱に気圧され、フィアンマは固まりつつ聞き返す。
得体の知れない恐怖に猫耳はふるふると震えている。
上条はフィアンマの髪を撫でて宥め、セックスについて簡易的に説明した。
つまりは性行為だと理解し、フィアンマはぶんぶんと首を横に振る。
パニック状態にあるからか、少々拒否姿勢が子供っぽい。
フィアンマ「…意義を感じられん」
オッレルス「強いて言えば性欲の解消、といったところか。無意識に君が誘惑するのが悪い」
フィアンマ「誘惑など、」
していない、と不服そうな表情を浮かべるフィアンマへ、オッレルスが口付ける。
そのまま舌を伸ばし、絡ませ、フィアンマの上衣へ手がかけられた。
深い口づけと舌先の動きに翻弄され、目を瞑るフィアンマのズボンへ、上条が手をかけた。
そのまま、タイミングを図るでもなく、しかしほぼ同じようなスピードで服が脱がされていく。
同じ人間を好きになるということは、好みが同じ。つまり、オッレルスと上条は本来気が合うのだ。
フィアンマ「ん、ん、…ぅ…」
ロクな抵抗も出来ないまま服を脱がされ、フィアンマは困った表情で目を開ける。
唾液は生ぬるく、甘い訳ではなく、かといって特段苦味や酸味がある訳でもない。
ただ、吐息が間近にある事でほんの少しだけ安心感は得られるかもしれない、とフィアンマは思う。
快楽に疎いフィアンマにとって、自分にメリットがあるかどうかは心地よさで判断される。
まだ萎えた自身に上条の手が触れ、フィアンマは咄嗟に上条の手首を掴む。
上条「別に痛い事はしないって、…そういえば、オナった事あるのか?」
フィアンマ「は、…オナ…?」
キスを中断し、オッレルスに抱きしめられながら、フィアンマは首を傾げる。
上条が迷った結果オナニーとしっかり言い換えれば、力なく首を横に振った。
フィアンマ「…する必要が無かった。そもそもよく分からん」
上条「じゃあ、教えてやるよ」
言いつつ、上条はオッレルスに許可を取りつつもベッドサイドの小さなタンスからローションボトルを取り出す。
ぬるつく中身を手の上で温め、フィアンマの左手へと垂らした。
そして、同じくローションにまみれた自分の右手で、フィアンマの左手を誘導した。
萎えた自身をそっと握りこませ、そのまま、子供が箸使いを覚える時に大人が子供の手の上からやってやるように、上下に緩く扱く。
くちゅぐちゅ、とローションの水気による水音が響いた。
腰から下が痺れるような感覚に動揺し、フィアンマは上条を見る。
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/11(火) 23:52:20.37:h87zF/fAO (5/7)
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187: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 23:52:53.63:OmUNaWfT0 (2/4)
フィアンマ「っぁ、…何、ん…」
上条「気持ちい?」
フィアンマ「痺れ、っん…は、ぁ…」
上条「その痺れるのが気持ちいいって事なんだぞ」
フィアンマ「……、…?」
オッレルス「純粋そのものだな。何だか悪い事をしているみたいだ」
上条「そうですね…」
電気でも流されているかの如く、上条を見上げる金の瞳は不安げに揺れる。
ときめきつつ、上条はフィアンマに手淫の方法を囁く。
オッレルスはその間、手のひらに垂らしたローションをその体温でもって温めた。
温感ローションではないため、きちんと温めてから使わないと問題ありなのだ。
上条「何となく動きはわかっただろ。今度は自分でやらないと、身につかないぞ」
フィアンマ「、…ん…」
自慰に知的好奇心が湧いたのか、上条の手が離れても、フィアンマは自分自身を緩く扱く。
上条の囁きのままに尿道口を指先で擦り、雁首周りを強めに刺激して。
今までこういった行為をしてこなかったが故に拙い手技だからか、はたまた忍耐強いのか、中々絶頂に達する事は無く。
じれったい感覚に眉を潜めるフィアンマの後孔に、オッレルスのぬるつく指が触れた。
フィアンマ「、っあ」
オッレルス「痛かったら言ってくれ」
フィアンマ「う、」
ローションでしっかりと滑りを保った指先は、存外抵抗無くフィアンマの胎内に挿入された。
痛いというよりも気味の悪い感覚に眉を寄せ、その感覚を誤魔化す為に自慰を続行する。
それを良い事に指を増やしていきつつ、フィアンマの表情を窺いながら、オッレルスは慣らす愛撫を行う。
上条は時折フィアンマの自慰のサポートをしつつ、自らの下衣を寛げた。
取り出した半勃ちの自身をフィアンマ自身に近づけ、ねだるように囁く。
上条「自分にしてるついでに、してくれよ」
フィアンマ「あ、っぐ…重ね、て、すれば、いい、のか?」
上条「そうそう。俺も手伝うから、っぅ」
よくわからないまま、フィアンマは上条自身も合わせて懸命に扱く。
拙い手技に、かえって興奮しながら、上条も協力して自慰をした。
正確にはこれは『兜合わせ』と呼ばれるものだが、フィアンマはそんな事は知らない。
オッレルスの指先が胎内のしこり―――所謂前立腺付近を刺激し、フィアンマの身体が跳ねた。
ようやく慣れ始めた性器からのそれとはまた違う特殊な快感にびくつき、フィアンマはオッレルスを見、視線を合わせる。
オッレルス「痛かったならすまない」
フィアンマ「…ちが、…何、か…」
何かおかしい。
言いかけ、再び刺激を与えられ、自然と身体がビクついた。
へたり、と垂らしたままの耳が震える。
フィアンマ「っぁ、…何、ん…」
上条「気持ちい?」
フィアンマ「痺れ、っん…は、ぁ…」
上条「その痺れるのが気持ちいいって事なんだぞ」
フィアンマ「……、…?」
オッレルス「純粋そのものだな。何だか悪い事をしているみたいだ」
上条「そうですね…」
電気でも流されているかの如く、上条を見上げる金の瞳は不安げに揺れる。
ときめきつつ、上条はフィアンマに手淫の方法を囁く。
オッレルスはその間、手のひらに垂らしたローションをその体温でもって温めた。
温感ローションではないため、きちんと温めてから使わないと問題ありなのだ。
上条「何となく動きはわかっただろ。今度は自分でやらないと、身につかないぞ」
フィアンマ「、…ん…」
自慰に知的好奇心が湧いたのか、上条の手が離れても、フィアンマは自分自身を緩く扱く。
上条の囁きのままに尿道口を指先で擦り、雁首周りを強めに刺激して。
今までこういった行為をしてこなかったが故に拙い手技だからか、はたまた忍耐強いのか、中々絶頂に達する事は無く。
じれったい感覚に眉を潜めるフィアンマの後孔に、オッレルスのぬるつく指が触れた。
フィアンマ「、っあ」
オッレルス「痛かったら言ってくれ」
フィアンマ「う、」
ローションでしっかりと滑りを保った指先は、存外抵抗無くフィアンマの胎内に挿入された。
痛いというよりも気味の悪い感覚に眉を寄せ、その感覚を誤魔化す為に自慰を続行する。
それを良い事に指を増やしていきつつ、フィアンマの表情を窺いながら、オッレルスは慣らす愛撫を行う。
上条は時折フィアンマの自慰のサポートをしつつ、自らの下衣を寛げた。
取り出した半勃ちの自身をフィアンマ自身に近づけ、ねだるように囁く。
上条「自分にしてるついでに、してくれよ」
フィアンマ「あ、っぐ…重ね、て、すれば、いい、のか?」
上条「そうそう。俺も手伝うから、っぅ」
よくわからないまま、フィアンマは上条自身も合わせて懸命に扱く。
拙い手技に、かえって興奮しながら、上条も協力して自慰をした。
正確にはこれは『兜合わせ』と呼ばれるものだが、フィアンマはそんな事は知らない。
オッレルスの指先が胎内のしこり―――所謂前立腺付近を刺激し、フィアンマの身体が跳ねた。
ようやく慣れ始めた性器からのそれとはまた違う特殊な快感にびくつき、フィアンマはオッレルスを見、視線を合わせる。
オッレルス「痛かったならすまない」
フィアンマ「…ちが、…何、か…」
何かおかしい。
言いかけ、再び刺激を与えられ、自然と身体がビクついた。
へたり、と垂らしたままの耳が震える。
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/11(火) 23:52:56.39:h87zF/fAO (6/7)
+
+
189: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 23:53:17.09:OmUNaWfT0 (3/4)
だいぶ拡がってきたソコへ、少々冷たさの引いたローションを垂らしつつ、オッレルスは指を増やした。
圧迫感に息を詰めつつも手を動かす事をやめないフィアンマの薄い胸板を、上条が撫でる。
日に当たっている顔でさえ白いのだから、当然、陽に曝されない肌など、もっと白く。
白く、適度に筋肉はついているものの薄い胸、その突起に指先を這わせ、上条はフィアンマの頬へと口づけた。
くすぐったさに身じろぎ、フィアンマは上条を見上げる。
慣れない快感や圧迫感にただならぬ疲労を感じつつも、背徳感は無かった。
上条の指先はフィアンマの胸突起を軽く挟み、押し潰し、優しく撫で、ぐりぐりと刺激する。
最初こそまったくもって無反応だったが、執拗な責めに突起は淡く色付き、痛みとも快感ともつかない謎の感覚がフィアンマに痺れを与える。
上条がその様にさりげなく乳首開発をしている内にオッレルスは指を引き抜き、勃起している為にやや苦心しつつ取り出した自身を数度扱き、今まで散々慣らしてきたフィアンマの後孔へと、その先端を宛てがった。
腕を動かしつつ、フィアンマは思わずオッレルスの顔と、彼自身を見比べる。
そして引きかけた腰を掴む形で、オッレルスはフィアンマと視線を合わせた。
オッレルス「…ダメか?」
フィアンマ「ダメも何も、…ん、っん…好きに、しろ」
元より、女性でないフィアンマに処女云々のこだわりは無い。
恐怖や混乱はあれど、知的好奇心と今ある快感をたぐり寄せれば大概の苦痛は乗り越えられそうだった。
ぐりゅ、と挿入され、圧迫感に咳き込みつつもどうにか力を抜くべく、フィアンマは快感の方へ精神を集中させながら目に涙を浮かべた。
呼吸が苦しい。うまくできない。
やがてゆっくりとした抜き差しが始まり、無理やり押し広げられるやや被虐的な、しかし本能的な快感に、フィアンマは唇を噛む。
強く噛みすぎて切れてしまわないように、と上条が乳首責めを一時中断し、フィアンマの唇をなぞり、自分の指を噛ませた。
上条の指を舐め、噛み、ぐす、と鼻を啜りつつ、フィアンマはオッレルスを見上げる。
オッレルスは腰を動かしつつも、フィアンマの髪を撫でた。素直な猫耳がぴんと立つ。
オッレルス「好きだよ、フィアンマ、」
フィアンマ「ぁ、っう、ん、んあ、ッ」
上条「は、ぁ…フィアンマ、好きだ」
フィアンマ「い、っああ、ん、っく、ふぁ、っん…」
愛が無くともセックスは出来る。
自分側に愛情というものがないこと。
そのことを惜しく思いつつ、フィアンマは、時計に、視線と意識の先を、移した。
だいぶ拡がってきたソコへ、少々冷たさの引いたローションを垂らしつつ、オッレルスは指を増やした。
圧迫感に息を詰めつつも手を動かす事をやめないフィアンマの薄い胸板を、上条が撫でる。
日に当たっている顔でさえ白いのだから、当然、陽に曝されない肌など、もっと白く。
白く、適度に筋肉はついているものの薄い胸、その突起に指先を這わせ、上条はフィアンマの頬へと口づけた。
くすぐったさに身じろぎ、フィアンマは上条を見上げる。
慣れない快感や圧迫感にただならぬ疲労を感じつつも、背徳感は無かった。
上条の指先はフィアンマの胸突起を軽く挟み、押し潰し、優しく撫で、ぐりぐりと刺激する。
最初こそまったくもって無反応だったが、執拗な責めに突起は淡く色付き、痛みとも快感ともつかない謎の感覚がフィアンマに痺れを与える。
上条がその様にさりげなく乳首開発をしている内にオッレルスは指を引き抜き、勃起している為にやや苦心しつつ取り出した自身を数度扱き、今まで散々慣らしてきたフィアンマの後孔へと、その先端を宛てがった。
腕を動かしつつ、フィアンマは思わずオッレルスの顔と、彼自身を見比べる。
そして引きかけた腰を掴む形で、オッレルスはフィアンマと視線を合わせた。
オッレルス「…ダメか?」
フィアンマ「ダメも何も、…ん、っん…好きに、しろ」
元より、女性でないフィアンマに処女云々のこだわりは無い。
恐怖や混乱はあれど、知的好奇心と今ある快感をたぐり寄せれば大概の苦痛は乗り越えられそうだった。
ぐりゅ、と挿入され、圧迫感に咳き込みつつもどうにか力を抜くべく、フィアンマは快感の方へ精神を集中させながら目に涙を浮かべた。
呼吸が苦しい。うまくできない。
やがてゆっくりとした抜き差しが始まり、無理やり押し広げられるやや被虐的な、しかし本能的な快感に、フィアンマは唇を噛む。
強く噛みすぎて切れてしまわないように、と上条が乳首責めを一時中断し、フィアンマの唇をなぞり、自分の指を噛ませた。
上条の指を舐め、噛み、ぐす、と鼻を啜りつつ、フィアンマはオッレルスを見上げる。
オッレルスは腰を動かしつつも、フィアンマの髪を撫でた。素直な猫耳がぴんと立つ。
オッレルス「好きだよ、フィアンマ、」
フィアンマ「ぁ、っう、ん、んあ、ッ」
上条「は、ぁ…フィアンマ、好きだ」
フィアンマ「い、っああ、ん、っく、ふぁ、っん…」
愛が無くともセックスは出来る。
自分側に愛情というものがないこと。
そのことを惜しく思いつつ、フィアンマは、時計に、視線と意識の先を、移した。
190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/11(火) 23:53:18.27:h87zF/fAO (7/7)
+
+
191: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/11(火) 23:54:17.00:OmUNaWfT0 (4/4)
翌朝。
朝までに後片付けやら風呂やら、フィアンマに至ってはイき過ぎて体力が尽きた為か気を失っていたので介助して風呂に入れるやら。
やるべき事を終えたタチ側二人は、リビングに来ていた。
フィアンマは寝顔ながらも疲れきっていたので、起こさないでいてあげようと考えたため、毛布でしっかりとくるんであげた。
今頃はすやすやと眠っている事だろう。
セックスを終え、互いに独占欲が和らいだ二人は、仲良さ気に会話していた。
ちょうど、ハーレムにおいてその妾同士が友達になるのと同じ原理である。
朝とはいってもまだ空腹は感じていないので、朝食作りに向かう事もなく、のんびりとした会話。
オッレルス「…そういえば、君はフィアンマのどの辺りが好きなんだ?」
上条「どの辺り…んー…」
結構沢山あるため、上条は悩む。
上条「オッレルスさんはどの辺りが好きなんですか?」
オッレルス「んー…>>193かな」
返ってきた答えに頷き、上条は浮かんだ『好きな部分』について答える。
上条「俺は>>195ですかね」
翌朝。
朝までに後片付けやら風呂やら、フィアンマに至ってはイき過ぎて体力が尽きた為か気を失っていたので介助して風呂に入れるやら。
やるべき事を終えたタチ側二人は、リビングに来ていた。
フィアンマは寝顔ながらも疲れきっていたので、起こさないでいてあげようと考えたため、毛布でしっかりとくるんであげた。
今頃はすやすやと眠っている事だろう。
セックスを終え、互いに独占欲が和らいだ二人は、仲良さ気に会話していた。
ちょうど、ハーレムにおいてその妾同士が友達になるのと同じ原理である。
朝とはいってもまだ空腹は感じていないので、朝食作りに向かう事もなく、のんびりとした会話。
オッレルス「…そういえば、君はフィアンマのどの辺りが好きなんだ?」
上条「どの辺り…んー…」
結構沢山あるため、上条は悩む。
上条「オッレルスさんはどの辺りが好きなんですか?」
オッレルス「んー…>>193かな」
返ってきた答えに頷き、上条は浮かんだ『好きな部分』について答える。
上条「俺は>>195ですかね」
192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/11(火) 23:54:49.70:po0InYqIo (1/2)
かそき
かそき
193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/11(火) 23:55:27.51:po0InYqIo (2/2)
幼い頭の中かな。成長しようと必死でかわいいな
幼い頭の中かな。成長しようと必死でかわいいな
194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 00:03:51.04:P1sWOoc20 (1/1)
ksk
ksk
195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 00:51:09.15:CQP/txISO (1/6)
美人、スレンダー、年上、頭が良い、可愛い服も似合ってる、かっこいい時もある、白くて美肌、たまに照れ屋、一生懸命、ちょっと歪んでるけどいつも頑張ってる…睫毛長いところとか瞳の色が綺麗なところとか鎖骨くっきりしてて色っぽいとか、あぁ後はいつも良い匂いするしあれって体臭なのか香水なのかでも香水なんか着けてないだろうし体臭かな、後は拗ねた顔も可愛いし、顔真っ赤にしたところなんてときめくし…魔術師としても優秀だろ? 好ましいところなんて沢山あるけど他に挙げるとすれば…髪の色が赤くて綺麗だろ、手触りも絹みたいでさらさらしてて、濡れてるとちょっと伸びてエロいんだよな…あぁ後抱いてみると肩細いとか指細いとか、語調がキツいのも最近慣れたからか不快どころか照れ隠しで暴言吐いてるのかどうかも分かるしそこもまた魅力なんだよな。あ、それと腰も細いんだよな、スレンダーってさっき言ったから分かると思うんだけど、抱いてみると本当に細いんだよ。後は結構喋る方だけど普段は物静かにしてたりとか、若干乱暴で暴走気味なのは否めないけど、とにかく可愛い。喋る声は別に媚びてない低いモンなんだけどまぁちょっといかがわしい事した時の声は可愛いし甘いしちょっぴり高めで…いや本当に語り尽くせな
美人、スレンダー、年上、頭が良い、可愛い服も似合ってる、かっこいい時もある、白くて美肌、たまに照れ屋、一生懸命、ちょっと歪んでるけどいつも頑張ってる…睫毛長いところとか瞳の色が綺麗なところとか鎖骨くっきりしてて色っぽいとか、あぁ後はいつも良い匂いするしあれって体臭なのか香水なのかでも香水なんか着けてないだろうし体臭かな、後は拗ねた顔も可愛いし、顔真っ赤にしたところなんてときめくし…魔術師としても優秀だろ? 好ましいところなんて沢山あるけど他に挙げるとすれば…髪の色が赤くて綺麗だろ、手触りも絹みたいでさらさらしてて、濡れてるとちょっと伸びてエロいんだよな…あぁ後抱いてみると肩細いとか指細いとか、語調がキツいのも最近慣れたからか不快どころか照れ隠しで暴言吐いてるのかどうかも分かるしそこもまた魅力なんだよな。あ、それと腰も細いんだよな、スレンダーってさっき言ったから分かると思うんだけど、抱いてみると本当に細いんだよ。後は結構喋る方だけど普段は物静かにしてたりとか、若干乱暴で暴走気味なのは否めないけど、とにかく可愛い。喋る声は別に媚びてない低いモンなんだけどまぁちょっといかがわしい事した時の声は可愛いし甘いしちょっぴり高めで…いや本当に語り尽くせな
196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/12(水) 01:16:14.24:S5Vn/aUAO (1/5)
デジャヴ…
デジャヴ…
197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 01:17:56.22:CQP/txISO (2/6)
でしょうな。引用して削っただけですからな。
でしょうな。引用して削っただけですからな。
198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/12(水) 01:23:18.53:S5Vn/aUAO (2/5)
読み返すとちょっと恥ずかしいですけど後悔はしてませんしね…事実ですし…。
読み返すとちょっと恥ずかしいですけど後悔はしてませんしね…事実ですし…。
199:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 01:35:42.66:CQP/txISO (3/6)
わかる気はする(笑)が、俺は>>1の愛が素晴らしいと思ったのであえて自分の言葉ではないものを書いた。
後悔はしてない
わかる気はする(笑)が、俺は>>1の愛が素晴らしいと思ったのであえて自分の言葉ではないものを書いた。
後悔はしてない
200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/12(水) 01:43:34.82:S5Vn/aUAO (3/5)
愛だけは有り余ってます…フィアンマさんマジ大天使ガチ神上なので…。
いつも良い安価内容が来るので楽しくやらせていただいております…
雷が酷いので小ネタが浮かびそうです。
総合投下だと事前設定を書かないと違和感があるので小ネタ(上フィア・オレフィア)が書けたらこのスレに投下しますが、お気軽に読み飛ばしていってください。
愛だけは有り余ってます…フィアンマさんマジ大天使ガチ神上なので…。
いつも良い安価内容が来るので楽しくやらせていただいております…
雷が酷いので小ネタが浮かびそうです。
総合投下だと事前設定を書かないと違和感があるので小ネタ(上フィア・オレフィア)が書けたらこのスレに投下しますが、お気軽に読み飛ばしていってください。
201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 01:50:59.05:CQP/txISO (4/6)
マジか…楽しみに読ませてもらうわー
マジか…楽しみに読ませてもらうわー
202: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/12(水) 02:04:38.16:S5Vn/aUAO (4/5)
猫耳事件より、数ヶ月後のとある日の事。
右方のフィアンマは、またしても失敗した。
何に失敗したかというと、術式防御である。
今回は洗顔中だったので視界が塞がれていた…という事を言い訳にしておこう。
故に、現在。
フィアンマの頭からは長い長い―――兎の耳が生え、垂れている。
兎にも何種類かあるが、恐らく、分類するのであれば『ロップイヤー』といったところだろう。
尻尾は今回ズボンから出していないが、そこだけ丸くもこりとして違和感があった。
続く不幸に。
つくづく獣に縁があるとため息をついていたフィアンマは、今現在、オッレルスに抱きついて耳を震わせている。
今回は精神への影響がだいぶ強く。
臆病さで染め上げられたフィアンマは、自分の意思とは関係無く、外の…地響きする程に大きな雷の音に震えていた。
へた、と完全に垂れきっている兎耳を見やりつつ、オッレルスはさらさらとしたフィアンマの髪、頭を優しく撫でて抱きしめる。
兎は何かと臆病だが、慣れれば人間(=主に飼い主)に抱っこされたり撫でられたりするのが好きな生き物だ。
オッレルス「…前から苦手だったか? 雷」
フィアンマ「そんな訳が無いだろう。俺様の年齢を幾つだと、ぅきゅっ」
思っている、と言いかけ、爆弾でも落ちたかのような、或いは花火でも打ち上げたかのような、ドゴォン、という音にびくりとし、フィアンマはひしっとオッレルスに抱きついた。
オッレルス「君は27歳だろう」
フィアンマ「そうだよ。…精神の方に影響が出ているからだ。それさえ無ければ、この様な過剰反応などせんよ」
オッレルスはフィアンマの頭から背中にかけて丁寧に撫で、抱きしめてあやす。
余談だが、フィアンマに術式を仕掛けた諸悪の根源たる魔術師は、ミンチという例えが世辞に聞こえるような状態にされた。
右方の燃える赤曰わく、"火による洗礼(パブテスマ)"、またの名を"救済"であるそうだが。
猫耳事件より、数ヶ月後のとある日の事。
右方のフィアンマは、またしても失敗した。
何に失敗したかというと、術式防御である。
今回は洗顔中だったので視界が塞がれていた…という事を言い訳にしておこう。
故に、現在。
フィアンマの頭からは長い長い―――兎の耳が生え、垂れている。
兎にも何種類かあるが、恐らく、分類するのであれば『ロップイヤー』といったところだろう。
尻尾は今回ズボンから出していないが、そこだけ丸くもこりとして違和感があった。
続く不幸に。
つくづく獣に縁があるとため息をついていたフィアンマは、今現在、オッレルスに抱きついて耳を震わせている。
今回は精神への影響がだいぶ強く。
臆病さで染め上げられたフィアンマは、自分の意思とは関係無く、外の…地響きする程に大きな雷の音に震えていた。
へた、と完全に垂れきっている兎耳を見やりつつ、オッレルスはさらさらとしたフィアンマの髪、頭を優しく撫でて抱きしめる。
兎は何かと臆病だが、慣れれば人間(=主に飼い主)に抱っこされたり撫でられたりするのが好きな生き物だ。
オッレルス「…前から苦手だったか? 雷」
フィアンマ「そんな訳が無いだろう。俺様の年齢を幾つだと、ぅきゅっ」
思っている、と言いかけ、爆弾でも落ちたかのような、或いは花火でも打ち上げたかのような、ドゴォン、という音にびくりとし、フィアンマはひしっとオッレルスに抱きついた。
オッレルス「君は27歳だろう」
フィアンマ「そうだよ。…精神の方に影響が出ているからだ。それさえ無ければ、この様な過剰反応などせんよ」
オッレルスはフィアンマの頭から背中にかけて丁寧に撫で、抱きしめてあやす。
余談だが、フィアンマに術式を仕掛けた諸悪の根源たる魔術師は、ミンチという例えが世辞に聞こえるような状態にされた。
右方の燃える赤曰わく、"火による洗礼(パブテスマ)"、またの名を"救済"であるそうだが。
203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/12(水) 02:05:12.47:S5Vn/aUAO (5/5)
うさんまさんのお話でした。
小ネタですので、本編展開には関係がありません。
うさんまさんのお話でした。
小ネタですので、本編展開には関係がありません。
204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 02:07:23.44:CQP/txISO (5/6)
1レスかよwwwwwwだがうさンマさんの可愛いさは認める!(キリッ
1レスかよwwwwwwだがうさンマさんの可愛いさは認める!(キリッ
205: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/12(水) 18:21:31.25:fPpkglzt0 (1/2)
オッレルス「んー…頭の中が幼いところかな。成長しようと必死でかわいいと思うが」
返ってきた答えに頷き、上条は浮かんだ『好きな部分』について答える。
上条「俺は美人、スレンダー、年上、頭が良い、可愛い服も似合ってる、かっこいい時もある、白くて美肌、たまに照れ屋、一生懸命、ちょっと歪んでるけどいつも頑張ってる…睫毛長いところとか瞳の色が綺麗なところとか鎖骨くっきりしてて色っぽいとか、あぁ、後はいつも良い匂いするしあれって体臭なのか香水なのかでも香水なんか着けてないだろうし体臭ですかね、後は拗ねた顔も可愛いし、顔真っ赤にしたところなんてときめくし…魔術師としても優秀ですし。 好ましいところなんて沢山あるけど他に挙げるとすれば…髪の色が赤くて綺麗で、手触りも絹みたいでさらさらしてて、濡れてるとちょっと伸びてエロいところとか…あぁ、後は抱いてみると肩幅はあるのに肩細く感じるとか指細いとか、語調がキツいのも最近慣れたからか不快どころか照れ隠しで暴言吐いてるのかどうかも分かるしそこもまた魅力だなと。あ、それと腰も細くて、スレンダーってさっき言ったから分かると思うんですけど、抱いてみると本当に細くて。守ってやりたくなりますね。後は結構喋る方だけど普段は物静かにしてたりとか、若干乱暴で暴走気味なのは否めないけど、とにかく可愛い。喋る声は別に媚びてない低いモンなんだけど、まぁ、ちょっといかがわしい事した時の声は可愛いし甘いしちょっぴり高めで…いや本当に語り尽くせないですね…」
怒涛の惚気に引くでもなく、むしろ同意だと、オッレルスは頷く。
オッレルス「語るには魅力的な部分が多いからな。聞いておいて何だが、愚問だったかもしれない。寝顔は悪夢を見ている時以外穏やかで年齢に見合わず子供っぽかったり達観していたりと不安定でそれもまた可愛らしい。魔術攻撃から守ってあげられなかったのだから少々不謹慎だが、あの猫の耳と尻尾もよく似合っていた。俺は犬派だが、猫も悪くないどころか良いものだと思えるようになった程だ。可哀想だからしなかったが、尻尾を少し触ったら嫌そうな顔をしたかもしれない。君は慣れ親しんでいるかもしれないが、俺はあまり彼から嫌そうな表情を向けられた事が無いんだ。まぁ、代償として甘え方も君に対するものとはだいぶ違う訳だが。身長はそれなりに高い方とはいえ届かない場所に向かって背伸びした結果第三の腕を用いるところも短気というより堪え性が無いという愛らしさを感じられる。何だろうな、こういう例えは良くないのかもしれないが、愛玩動物的雰囲気がある。昨夜はその傾向が顕著に感じられた」
息巻くでも無くそうのんびりと語るオッレルスに対し、上条は反論せずに頷いた。
好きな相手について惚気けている上、自分の好きな相手について良く言われれば悪い気はしない。
恋人が同一人物というのは甚だモラルがなっていないが、そろそろ慣れてきたのだ。
争っていたところで、フィアンマは困るだけだろうし、最悪どちらかを選ばれかねない。
自分が選ばれるだろうという自信が無い二人は、安定の道を進む事にした。
目を覚ましたフィアンマは、毛布の中で丸まっていた。
尻尾だけを毛布から出し、ゆるゆると揺らす。
眠いような、眠くないような。
寝起き特有の心地良い微睡みに浸りつつ、フィアンマは目元を擦った。
そして欠伸を噛み殺して飲み込み、時計を見てみた。
針が指し示すのは、昼近い時刻。だいぶ寝ていたようだ、とフィアンマは思う。
起き上がろうとは思ったものの、昨夜の同意の上での行為の余波によって腰が痛かった。
丸一日事務に耽っていてもここまで痛む事は今まで無かった。
快楽の代償であるならば仕方がない、と禁欲主義のフィアンマは考える。
微睡みから抜け出したフィアンマは、リビングまで来た。
上条とオッレルスは会話をしていたものの、だるそうにのろのろと歩いてきたフィアンマへ視線を向ける。
オッレルス「…大丈夫そうか?」
フィアンマ「…腰が痛む」
へた、と猫耳を垂らし、痛む腰を尻尾で摩り。
この状態の解決法が浮かぶより先に、尻尾の扱いに慣れたようだ。
二人に促されるままソファーに座ったフィアンマは、腰の鈍痛に数度ため息をつく。
上条「……」
上条はどうする?>>+2
オッレルス「んー…頭の中が幼いところかな。成長しようと必死でかわいいと思うが」
返ってきた答えに頷き、上条は浮かんだ『好きな部分』について答える。
上条「俺は美人、スレンダー、年上、頭が良い、可愛い服も似合ってる、かっこいい時もある、白くて美肌、たまに照れ屋、一生懸命、ちょっと歪んでるけどいつも頑張ってる…睫毛長いところとか瞳の色が綺麗なところとか鎖骨くっきりしてて色っぽいとか、あぁ、後はいつも良い匂いするしあれって体臭なのか香水なのかでも香水なんか着けてないだろうし体臭ですかね、後は拗ねた顔も可愛いし、顔真っ赤にしたところなんてときめくし…魔術師としても優秀ですし。 好ましいところなんて沢山あるけど他に挙げるとすれば…髪の色が赤くて綺麗で、手触りも絹みたいでさらさらしてて、濡れてるとちょっと伸びてエロいところとか…あぁ、後は抱いてみると肩幅はあるのに肩細く感じるとか指細いとか、語調がキツいのも最近慣れたからか不快どころか照れ隠しで暴言吐いてるのかどうかも分かるしそこもまた魅力だなと。あ、それと腰も細くて、スレンダーってさっき言ったから分かると思うんですけど、抱いてみると本当に細くて。守ってやりたくなりますね。後は結構喋る方だけど普段は物静かにしてたりとか、若干乱暴で暴走気味なのは否めないけど、とにかく可愛い。喋る声は別に媚びてない低いモンなんだけど、まぁ、ちょっといかがわしい事した時の声は可愛いし甘いしちょっぴり高めで…いや本当に語り尽くせないですね…」
怒涛の惚気に引くでもなく、むしろ同意だと、オッレルスは頷く。
オッレルス「語るには魅力的な部分が多いからな。聞いておいて何だが、愚問だったかもしれない。寝顔は悪夢を見ている時以外穏やかで年齢に見合わず子供っぽかったり達観していたりと不安定でそれもまた可愛らしい。魔術攻撃から守ってあげられなかったのだから少々不謹慎だが、あの猫の耳と尻尾もよく似合っていた。俺は犬派だが、猫も悪くないどころか良いものだと思えるようになった程だ。可哀想だからしなかったが、尻尾を少し触ったら嫌そうな顔をしたかもしれない。君は慣れ親しんでいるかもしれないが、俺はあまり彼から嫌そうな表情を向けられた事が無いんだ。まぁ、代償として甘え方も君に対するものとはだいぶ違う訳だが。身長はそれなりに高い方とはいえ届かない場所に向かって背伸びした結果第三の腕を用いるところも短気というより堪え性が無いという愛らしさを感じられる。何だろうな、こういう例えは良くないのかもしれないが、愛玩動物的雰囲気がある。昨夜はその傾向が顕著に感じられた」
息巻くでも無くそうのんびりと語るオッレルスに対し、上条は反論せずに頷いた。
好きな相手について惚気けている上、自分の好きな相手について良く言われれば悪い気はしない。
恋人が同一人物というのは甚だモラルがなっていないが、そろそろ慣れてきたのだ。
争っていたところで、フィアンマは困るだけだろうし、最悪どちらかを選ばれかねない。
自分が選ばれるだろうという自信が無い二人は、安定の道を進む事にした。
目を覚ましたフィアンマは、毛布の中で丸まっていた。
尻尾だけを毛布から出し、ゆるゆると揺らす。
眠いような、眠くないような。
寝起き特有の心地良い微睡みに浸りつつ、フィアンマは目元を擦った。
そして欠伸を噛み殺して飲み込み、時計を見てみた。
針が指し示すのは、昼近い時刻。だいぶ寝ていたようだ、とフィアンマは思う。
起き上がろうとは思ったものの、昨夜の同意の上での行為の余波によって腰が痛かった。
丸一日事務に耽っていてもここまで痛む事は今まで無かった。
快楽の代償であるならば仕方がない、と禁欲主義のフィアンマは考える。
微睡みから抜け出したフィアンマは、リビングまで来た。
上条とオッレルスは会話をしていたものの、だるそうにのろのろと歩いてきたフィアンマへ視線を向ける。
オッレルス「…大丈夫そうか?」
フィアンマ「…腰が痛む」
へた、と猫耳を垂らし、痛む腰を尻尾で摩り。
この状態の解決法が浮かぶより先に、尻尾の扱いに慣れたようだ。
二人に促されるままソファーに座ったフィアンマは、腰の鈍痛に数度ため息をつく。
上条「……」
上条はどうする?>>+2
206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/12(水) 18:22:11.39:31N6S2A3o (1/3)
かそなき
かそなき
207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/12(水) 18:22:56.84:31N6S2A3o (2/3)
フィアンマを膝の上に乗せて頭を撫でつつ、耳に息を吹きかける
フィアンマを膝の上に乗せて頭を撫でつつ、耳に息を吹きかける
208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/12(水) 18:23:01.61:n5m2LWAP0 (1/1)
コルセット買ってくる
コルセット買ってくる
209: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/12(水) 20:04:27.03:fPpkglzt0 (2/2)
憂鬱そうなフィアンマの身体を、ひょいと抱き上げ、上条は自分の膝上に乗せた。
『ベツレヘムの星』から脱出させる時は疲れきっていたが為に引きずっていったというだけで、上条は本来フィアンマの軽い細身の身体などこうして自由に持ち上げられる。
上条は自分の膝上に座らせたフィアンマの頭を優しく撫でる。
ついでに腰も摩って、ひたすらに、その手つきでもって甘やかした。
上条「ちょっと無理させてごめんな」
フィアンマ「……、…別段気にしていない。自らが望んだ結果だ。本気で拒絶した訳でもない俺様が、文句を言える立場には立てない」
ぴこぴこと猫耳を動かし、フィアンマは上条に寄りかかった。
オッレルスはというと嫉妬心が湧かなくなった為、二人の様子を見守っている。
上条はほのぼのとしながらフィアンマの頭を撫で、腰を摩っていたの、だが。
嬉しそうに動く猫耳が視界に入れば、つい、悪戯心が湧いて。
ふぅ、と息を吹きかけた。唐突なイタズラに、フィアンマはびくりとする。
フィアンマ「み、」
上条「…くすぐったい?」
フィアンマ「……」
フィアンマは何も言わず、無言で尻尾を動かしたかと思うと、上条の右手首に巻きつけた。
ぐぐぐぐぐ、と締め付けられ、上条は慌てて謝罪を口にする。
上条「ごめん、ごめんって! いたたたたたッ!」
フィアンマ「…」
ふしゃー、と威嚇せんばかりの態度。
神経が鋭敏な猫耳は引っ張られれば痛いし、息を吹きかけられればくすぐったさと気味悪さが混ざって感じられる。
決して気持ちよくも、心地よくも無い。
謝った上条に対し、フィアンマはべしべしと尻尾を叩きつける。
地味に痛いので、上条は涙目で謝った。こと、日常生活内でのちょっとした暴力に対し、上条は無力であった。
オッレルスはどうする?>>+2
憂鬱そうなフィアンマの身体を、ひょいと抱き上げ、上条は自分の膝上に乗せた。
『ベツレヘムの星』から脱出させる時は疲れきっていたが為に引きずっていったというだけで、上条は本来フィアンマの軽い細身の身体などこうして自由に持ち上げられる。
上条は自分の膝上に座らせたフィアンマの頭を優しく撫でる。
ついでに腰も摩って、ひたすらに、その手つきでもって甘やかした。
上条「ちょっと無理させてごめんな」
フィアンマ「……、…別段気にしていない。自らが望んだ結果だ。本気で拒絶した訳でもない俺様が、文句を言える立場には立てない」
ぴこぴこと猫耳を動かし、フィアンマは上条に寄りかかった。
オッレルスはというと嫉妬心が湧かなくなった為、二人の様子を見守っている。
上条はほのぼのとしながらフィアンマの頭を撫で、腰を摩っていたの、だが。
嬉しそうに動く猫耳が視界に入れば、つい、悪戯心が湧いて。
ふぅ、と息を吹きかけた。唐突なイタズラに、フィアンマはびくりとする。
フィアンマ「み、」
上条「…くすぐったい?」
フィアンマ「……」
フィアンマは何も言わず、無言で尻尾を動かしたかと思うと、上条の右手首に巻きつけた。
ぐぐぐぐぐ、と締め付けられ、上条は慌てて謝罪を口にする。
上条「ごめん、ごめんって! いたたたたたッ!」
フィアンマ「…」
ふしゃー、と威嚇せんばかりの態度。
神経が鋭敏な猫耳は引っ張られれば痛いし、息を吹きかけられればくすぐったさと気味悪さが混ざって感じられる。
決して気持ちよくも、心地よくも無い。
謝った上条に対し、フィアンマはべしべしと尻尾を叩きつける。
地味に痛いので、上条は涙目で謝った。こと、日常生活内でのちょっとした暴力に対し、上条は無力であった。
オッレルスはどうする?>>+2
210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/12(水) 20:04:59.71:31N6S2A3o (3/3)
加速任せた
加速任せた
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/12(水) 20:16:23.07:CQP/txISO (6/6)
どうやら君は猫の扱いをあまりよく知らないらしいな
俺の所においでフィアンマ
で自分の所に持ってきて膝にのっける
どうやら君は猫の扱いをあまりよく知らないらしいな
俺の所においでフィアンマ
で自分の所に持ってきて膝にのっける
212: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/13(木) 20:04:40.03:x6qDAtEW0 (1/2)
そんな様子を見かねて、オッレルスは口を開く。
オッレルス「どうやら君は、猫の扱いをあまりよく知らないらしいな」
上条「ぅぐ、」
確かにスフィンクスを愛でていたのは主にインデックス。
彼女に比べれば、世話方法には詳しくても愛で方には自分は疎い。
言い返せず口ごもる上条の膝上に居るフィアンマの頭を撫で、オッレルスは優しく誘った。
オッレルス「俺の所においで、フィアンマ」
フィアンマ「…」
上条を叩くのをやめた尻尾をぷらんと垂らし、フィアンマはオッレルスの膝上に移った。
少々大人気なかった事を自覚したのか、フィアンマは猫耳をへたんと垂らす。
オッレルスはそんな彼を宥め慰めるように頭を撫で、背中を撫でる。
そして顎下をくすぐり、頬へと軽く口づけた。
こそばゆさと心地よさにごろごろと喉を鳴らし、フィアンマはオッレルスに寄りかかる。
安心しているのか、完全に重心ごと預けきっていた。
重心を移されたところでさして重くも無い為、オッレルスは和やかな気分でフィアンマの頭を幾度も撫でる。
耳には強く触れてしまわないように気をつけ、しつこ過ぎないように、一定ペースで。
フィアンマ「……」
優しく撫でられるのはいたく気持ちがいい。
眠りそうになるフィアンマの腰に触り、オッレルスはしばらく考える素振りを見せた後に口の中で何事かを呟いた。
狩猟の為に動物の感覚を麻痺させる、という伝承からなる術式の応用は、回復術式。
一時的にフィアンマの腰の痛みを麻痺させることで、楽にしようと考えた訳である。
フィアンマ「…しかし、この状態はどうにかならんものか」
オッレルスの肩に頭をもたれ、猫耳をぴくぴくと動かしつつ、痛みを癒されながらフィアンマはぼやく。
正直尻尾は邪魔だし、耳は鋭敏で弱点だ。魔術師としては弱点は好ましくない。
不満の感情が表れてか、尻尾の毛が逆立っている。
上条「解決法…でも俺の手で触ってもどうにもならないしな…」
オッレルス「>>214をしてみようか」
そんな様子を見かねて、オッレルスは口を開く。
オッレルス「どうやら君は、猫の扱いをあまりよく知らないらしいな」
上条「ぅぐ、」
確かにスフィンクスを愛でていたのは主にインデックス。
彼女に比べれば、世話方法には詳しくても愛で方には自分は疎い。
言い返せず口ごもる上条の膝上に居るフィアンマの頭を撫で、オッレルスは優しく誘った。
オッレルス「俺の所においで、フィアンマ」
フィアンマ「…」
上条を叩くのをやめた尻尾をぷらんと垂らし、フィアンマはオッレルスの膝上に移った。
少々大人気なかった事を自覚したのか、フィアンマは猫耳をへたんと垂らす。
オッレルスはそんな彼を宥め慰めるように頭を撫で、背中を撫でる。
そして顎下をくすぐり、頬へと軽く口づけた。
こそばゆさと心地よさにごろごろと喉を鳴らし、フィアンマはオッレルスに寄りかかる。
安心しているのか、完全に重心ごと預けきっていた。
重心を移されたところでさして重くも無い為、オッレルスは和やかな気分でフィアンマの頭を幾度も撫でる。
耳には強く触れてしまわないように気をつけ、しつこ過ぎないように、一定ペースで。
フィアンマ「……」
優しく撫でられるのはいたく気持ちがいい。
眠りそうになるフィアンマの腰に触り、オッレルスはしばらく考える素振りを見せた後に口の中で何事かを呟いた。
狩猟の為に動物の感覚を麻痺させる、という伝承からなる術式の応用は、回復術式。
一時的にフィアンマの腰の痛みを麻痺させることで、楽にしようと考えた訳である。
フィアンマ「…しかし、この状態はどうにかならんものか」
オッレルスの肩に頭をもたれ、猫耳をぴくぴくと動かしつつ、痛みを癒されながらフィアンマはぼやく。
正直尻尾は邪魔だし、耳は鋭敏で弱点だ。魔術師としては弱点は好ましくない。
不満の感情が表れてか、尻尾の毛が逆立っている。
上条「解決法…でも俺の手で触ってもどうにもならないしな…」
オッレルス「>>214をしてみようか」
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/13(木) 20:05:06.50:fB4uBZt5o (1/3)
加速
加速
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/13(木) 20:16:18.97:7VCuOc8V0 (1/1)
またシよう
またシよう
215: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/13(木) 22:49:21.19:x6qDAtEW0 (2/2)
オッレルス「一つ、もう一度セックスをしてみようか」
フィアンマ「断る」
きっぱりと言い、フィアンマは一度オッレルスの身体を尻尾で叩く。
腰が痛くなり、快楽に疲れ、そもそも性行為を好かないフィアンマには今のところデメリットしか感じられない。
知的好奇心を満たす為であれば、一度行為に至ればそれだけで充分。
元に戻れる可能性の一つとして提示しただけであるため、オッレルスは悩みつつ引き下がる。
上条はフィアンマの尻尾を見つめつつ、よくわからないながらも問いかけた。
上条「俺は魔術師じゃないからよくわかんねえけど、術式の逆算みたいなのって出来ないのか?」
フィアンマ「知っていれば問題無いが…」
頭の中にその術式に関する知識がなければ、逆算など出来ない。
しかし考えてみるしかないだろう、とフィアンマは思考を開始する。
人の身体に獣の要素を入れるのだから…。
深く真剣に考えているからか、呼応して猫耳が動く。
触りたいという気持ちを抑え込み、上条は立ち上がって台所に移動した。
これ以上彼に不快ないたずらをしてしまうと、うっかり嫌われかねない。
朝昼兼用の昼食、何を作る?(料理名)>>+2
オッレルス「一つ、もう一度セックスをしてみようか」
フィアンマ「断る」
きっぱりと言い、フィアンマは一度オッレルスの身体を尻尾で叩く。
腰が痛くなり、快楽に疲れ、そもそも性行為を好かないフィアンマには今のところデメリットしか感じられない。
知的好奇心を満たす為であれば、一度行為に至ればそれだけで充分。
元に戻れる可能性の一つとして提示しただけであるため、オッレルスは悩みつつ引き下がる。
上条はフィアンマの尻尾を見つめつつ、よくわからないながらも問いかけた。
上条「俺は魔術師じゃないからよくわかんねえけど、術式の逆算みたいなのって出来ないのか?」
フィアンマ「知っていれば問題無いが…」
頭の中にその術式に関する知識がなければ、逆算など出来ない。
しかし考えてみるしかないだろう、とフィアンマは思考を開始する。
人の身体に獣の要素を入れるのだから…。
深く真剣に考えているからか、呼応して猫耳が動く。
触りたいという気持ちを抑え込み、上条は立ち上がって台所に移動した。
これ以上彼に不快ないたずらをしてしまうと、うっかり嫌われかねない。
朝昼兼用の昼食、何を作る?(料理名)>>+2
216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/13(木) 22:49:36.29:fB4uBZt5o (2/3)
かそく
かそく
217:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/13(木) 22:50:12.18:Tn7NIGNO0 (1/1)
タラコスパ
タラコスパ
218:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/13(木) 22:50:40.20:fB4uBZt5o (3/3)
カレー(フィアンマは甘口、二人は辛口と別々に)
カレー(フィアンマは甘口、二人は辛口と別々に)
219: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/14(金) 15:51:30.01:3IptXtEAO (1/4)
《フィアンマさんが性に無知じゃなかったらタチ、という小ネタが浮かんだので。旧約並の策士注意》
真剣な告白だった。
二人の男の好意に板挟みにされ、フィアンマは口ごもる。
この際同性という事は放り置いても良い。
性別など、子を成す為にあるのだから。
フィアンマが出した結論、いたってシンプルだった。
フィアンマ「どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」
どちらも手放さない。
手放したくない。
自分を好いてくれる人間は、尽くしてくれる。
それ即ち自らが抱える使用人と同義。
自分を守る盾はなるべく沢山あった方がいいに決まっているし、性欲を解消出来る相手が作れるのなら作っておいた方が何かと便利。
申し訳無さそうな表情を浮かべるフィアンマに対し、オッレルスや上条は心から、それでもいいとの答えを出した。
右方のフィアンマという男が、本来どれだけ策謀家か、という事を、忘れて。
《フィアンマさんが性に無知じゃなかったらタチ、という小ネタが浮かんだので。旧約並の策士注意》
真剣な告白だった。
二人の男の好意に板挟みにされ、フィアンマは口ごもる。
この際同性という事は放り置いても良い。
性別など、子を成す為にあるのだから。
フィアンマが出した結論、いたってシンプルだった。
フィアンマ「どちらも手放せない、…この答えが最悪である事は、分かるが、それでも…」
どちらも手放さない。
手放したくない。
自分を好いてくれる人間は、尽くしてくれる。
それ即ち自らが抱える使用人と同義。
自分を守る盾はなるべく沢山あった方がいいに決まっているし、性欲を解消出来る相手が作れるのなら作っておいた方が何かと便利。
申し訳無さそうな表情を浮かべるフィアンマに対し、オッレルスや上条は心から、それでもいいとの答えを出した。
右方のフィアンマという男が、本来どれだけ策謀家か、という事を、忘れて。
220: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/14(金) 15:53:50.85:3IptXtEAO (2/4)
上条は、顎がどうかなってしまうのではないのかと思ってしまう程に長い時間、フィアンマ自身へ愛撫していた。
否、させられていた。
やめようとする度に、フィアンマが名残惜しそうな顔をして自分の名前を呼ぶものだから、やめるにやめられない。
上条「ん、っぐ…」
フィアンマ「、っは」
上条の髪を掴み、ぐい、と喉深く自身を挿入する。
ゴムの様な感触。
ぐにぐにとした、粘膜。されている方としては、単純に気持ちがいい。
えづく上条の様子を見下ろし、フィアンマは彼が自分の顔を見る事すらままならないのを逆手に取り、泣きそうな声を出す。
上条の性格から考えて、脅迫よりは、こうして哀願する方が効果的だと知っているからだ。
フィアンマ「…、すまない」
上条「ん、ぐ」
フィアンマ「…嫌わ、ないでくれ」
上条「けほ、っ」
上条が口を離し、自分の顔を見るまでの二秒間で、フィアンマは目を伏せ、本当に泣きそうな顔をしてみせた。
彼はその気になれば、どこまでも俳優になれる。 漸く手に入れた、自分を愛する人間。
離してなるものか。
もっと自分に依存させなければ。
自分が居ないだけで呼吸さえままならないと、そんなところまで堕とさなくては。
歪んだ感情で、優しい愛情をねじ曲げながら、フィアンマは心中にて嗤う。
上条はフィアンマの様子を見、眉を下げれば、心配そうにその身体を抱きしめた。
しっかりと抱きしめた上で、甘く囁く。
上条「嫌いになんか、なる訳ねえだろ」
フィアンマ「…、当麻」
上条「ッ、」
下の名前を呼ばれ、漂う気恥ずかしさに顔を赤くする上条の頬へ、フィアンマは慣れない様子で口付ける。
不慣れを装った、様子で。
そして、フィアンマは上条の頭を撫で、問いかけた。
フィアンマ「…また乱暴にしてしまっても、嫌わない、か?」
上条「大丈夫だって」
そんなに自分は弱くない、とアピールする上条に、フィアンマは少年の身体を強く抱きしめて甘めに囁いた。
フィアンマ「…、続きを」
上条「あ、あぁ」
上条は、顎がどうかなってしまうのではないのかと思ってしまう程に長い時間、フィアンマ自身へ愛撫していた。
否、させられていた。
やめようとする度に、フィアンマが名残惜しそうな顔をして自分の名前を呼ぶものだから、やめるにやめられない。
上条「ん、っぐ…」
フィアンマ「、っは」
上条の髪を掴み、ぐい、と喉深く自身を挿入する。
ゴムの様な感触。
ぐにぐにとした、粘膜。されている方としては、単純に気持ちがいい。
えづく上条の様子を見下ろし、フィアンマは彼が自分の顔を見る事すらままならないのを逆手に取り、泣きそうな声を出す。
上条の性格から考えて、脅迫よりは、こうして哀願する方が効果的だと知っているからだ。
フィアンマ「…、すまない」
上条「ん、ぐ」
フィアンマ「…嫌わ、ないでくれ」
上条「けほ、っ」
上条が口を離し、自分の顔を見るまでの二秒間で、フィアンマは目を伏せ、本当に泣きそうな顔をしてみせた。
彼はその気になれば、どこまでも俳優になれる。 漸く手に入れた、自分を愛する人間。
離してなるものか。
もっと自分に依存させなければ。
自分が居ないだけで呼吸さえままならないと、そんなところまで堕とさなくては。
歪んだ感情で、優しい愛情をねじ曲げながら、フィアンマは心中にて嗤う。
上条はフィアンマの様子を見、眉を下げれば、心配そうにその身体を抱きしめた。
しっかりと抱きしめた上で、甘く囁く。
上条「嫌いになんか、なる訳ねえだろ」
フィアンマ「…、当麻」
上条「ッ、」
下の名前を呼ばれ、漂う気恥ずかしさに顔を赤くする上条の頬へ、フィアンマは慣れない様子で口付ける。
不慣れを装った、様子で。
そして、フィアンマは上条の頭を撫で、問いかけた。
フィアンマ「…また乱暴にしてしまっても、嫌わない、か?」
上条「大丈夫だって」
そんなに自分は弱くない、とアピールする上条に、フィアンマは少年の身体を強く抱きしめて甘めに囁いた。
フィアンマ「…、続きを」
上条「あ、あぁ」
221: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/14(金) 15:55:16.32:3IptXtEAO (3/4)
オッレルスの身体をベッドに押し倒し、フィアンマはその細い指先で、彼の首筋をなぞった。
遠慮をする必要は無い。 どうやら、自分は愛されているらしいのだから。欲情の籠もった視線を注がれ、フィアンマの体躯に見合わぬその威圧感に、しかしたじろぐ事無く、オッレルスは彼を見上げた。
フィアンマ「…」
オッレルス「…君が俺の事も選んでくれただけで、俺は充分だ。何もかも満たされている。好きにしたらいい」
フィアンマ「…そうか」
上条と違って、オッレルスは単なる色仕掛けでは依存に走らない。
そもそも既にフィアンマに依存気味な部分があるのだから、今更依存し直す必要など、無い。
オッレルスはフィアンマの髪に触れ、優しく頬へと触れる。
オッレルス「例え君が打算で双方を選択したにしても、俺は君を愛しているよ」
フィアンマ「……必死だな」
オッレルス「それは、君の方もそうじゃないか?」
何の後ろ盾も支えも無く、独りきりのフィアンマは、与えられた果実を手繰り寄せる。 もっともっと自分が快楽を感じられるように粉砂糖を振り掛け、シロップ漬けにし。
食べる頃には甘過ぎるソレを飲み込めば、身体に害が出る。
依存させようとしているのは、自分がしてしまいかけだから。
図星を突かれ、フィアンマは獰猛無慈悲な本性を剥き出しにした。
フィアンマ「…だから何だ。俺様を愛していると先に言ったのはお前達だろう?」
オッレルス「そうだな。だから、好きなだけ俺達を不安がらせ、傷付け、引き寄せればいい。ただし、俺は依存と愛情を両立させる。混同はしない。……おいで、フィアンマ」
オッレルスの身体をベッドに押し倒し、フィアンマはその細い指先で、彼の首筋をなぞった。
遠慮をする必要は無い。 どうやら、自分は愛されているらしいのだから。欲情の籠もった視線を注がれ、フィアンマの体躯に見合わぬその威圧感に、しかしたじろぐ事無く、オッレルスは彼を見上げた。
フィアンマ「…」
オッレルス「…君が俺の事も選んでくれただけで、俺は充分だ。何もかも満たされている。好きにしたらいい」
フィアンマ「…そうか」
上条と違って、オッレルスは単なる色仕掛けでは依存に走らない。
そもそも既にフィアンマに依存気味な部分があるのだから、今更依存し直す必要など、無い。
オッレルスはフィアンマの髪に触れ、優しく頬へと触れる。
オッレルス「例え君が打算で双方を選択したにしても、俺は君を愛しているよ」
フィアンマ「……必死だな」
オッレルス「それは、君の方もそうじゃないか?」
何の後ろ盾も支えも無く、独りきりのフィアンマは、与えられた果実を手繰り寄せる。 もっともっと自分が快楽を感じられるように粉砂糖を振り掛け、シロップ漬けにし。
食べる頃には甘過ぎるソレを飲み込めば、身体に害が出る。
依存させようとしているのは、自分がしてしまいかけだから。
図星を突かれ、フィアンマは獰猛無慈悲な本性を剥き出しにした。
フィアンマ「…だから何だ。俺様を愛していると先に言ったのはお前達だろう?」
オッレルス「そうだな。だから、好きなだけ俺達を不安がらせ、傷付け、引き寄せればいい。ただし、俺は依存と愛情を両立させる。混同はしない。……おいで、フィアンマ」
222:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/14(金) 15:56:01.05:3IptXtEAO (4/4)
フィアンマさんはマジ天使なのでこんな事しない気もしますが…。
余談でした。
フィアンマさんはマジ天使なのでこんな事しない気もしますが…。
余談でした。
223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 20:30:54.54:P8fuTJuSO (1/1)
強気フィアンマさんもいいじゃーい乙。
強気フィアンマさんもいいじゃーい乙。
224: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/14(金) 21:49:46.53:OPYiqjnm0 (1/1)
上条は冷蔵庫の中を覗いた結果、たらこスパゲッティを作る事にした。
幸いバターもある為、美味しいものが出来る事だろう。
二人はよくよく考え、元に戻す為の術式を協力して組みつつ、おもむろにリビングで儀式を始めた。
儀式とはいってもそんなに長々と時間がかかるものでもなく。
上条が食事を作り終えた頃には、フィアンマは元の状態へと戻っていた。
名残惜しいような気分になりつつ、上条はフォーク等を配膳した。
上条「元に戻って良かったな」
フィアンマ「あぁ」
不便さが無くなり機嫌を良くしたフィアンマはそう返事をしつつ席に着く。
食器の扱いにもだいぶ慣れたと思われる。彼が他人に甘えなかったからだろう。
オッレルスはリビングの片付けをした後、上条に短く礼を言って席に着いた。
たらこが少々しょっぱかった為先程から何度も水を飲みつつ、フィアンマは時計を見やる。
あまりにも退屈だ。腰の痛みは一時的に麻痺しているため、割と元気になったのだ。
フィアンマ「……」
さて、何をしようか、と悩み。
どちらに何をする?>>+2
上条は冷蔵庫の中を覗いた結果、たらこスパゲッティを作る事にした。
幸いバターもある為、美味しいものが出来る事だろう。
二人はよくよく考え、元に戻す為の術式を協力して組みつつ、おもむろにリビングで儀式を始めた。
儀式とはいってもそんなに長々と時間がかかるものでもなく。
上条が食事を作り終えた頃には、フィアンマは元の状態へと戻っていた。
名残惜しいような気分になりつつ、上条はフォーク等を配膳した。
上条「元に戻って良かったな」
フィアンマ「あぁ」
不便さが無くなり機嫌を良くしたフィアンマはそう返事をしつつ席に着く。
食器の扱いにもだいぶ慣れたと思われる。彼が他人に甘えなかったからだろう。
オッレルスはリビングの片付けをした後、上条に短く礼を言って席に着いた。
たらこが少々しょっぱかった為先程から何度も水を飲みつつ、フィアンマは時計を見やる。
あまりにも退屈だ。腰の痛みは一時的に麻痺しているため、割と元気になったのだ。
フィアンマ「……」
さて、何をしようか、と悩み。
どちらに何をする?>>+2
225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/14(金) 22:11:15.01:ledC0QnI0 (1/1)
ksk
ksk
226:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/14(金) 22:12:10.39:C+VAWB4zo (1/1)
上条の肩を揉んでみる
上条の肩を揉んでみる
227:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/15(土) 02:03:35.57:GFjm7uXSO (1/2)
そしてうしろから抱きすくめるわけか
そしてうしろから抱きすくめるわけか
228: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/15(土) 18:07:17.58:eAKwFsuy0 (1/1)
幸い、暇を潰すべく構える人間は二人居る。
と、オッレルスがちょうど席を外した。
彼は彼で色々とやる事があるので部屋に行ったのだろう。
上条はフィアンマと同じく退屈なのか、ソファーにおとなしく座って本を手にした。
タイトルはシンデレラ。有名な童話だが、英語版なので、上条にとっては勉強になるだろう。
フィアンマはこちらへちょっかいを出す事に決めたのか、ソファー後ろから上条の肩に手をかけた。
そしてやわやわと触った後、その硬さに首を傾げた。
フィアンマ「凝っているのか」
上条「あー、何だかんだで使ってるからな」
右肩を指差し、上条は肩を竦める。
確かに『幻想殺し』を行使する時は右腕を動かす事となる。
フィアンマは唐突に生えてきた上条の腕を思い返しつつ、その右肩に触った。
そして断り無しに肩もみを始めたのだが、彼自身にはあまり握力が無い上、左手は利き手で無い為力が弱く。
毒に薬にもならないやわやわとした揉み方にほのぼのとしつつ、上条は一生懸命に本を読む。
上条「…」
ページを捲る手が止まれば、フィアンマが上条の悩む単語の意味を口にする。
上条「…何で分かるんだ?」
フィアンマ「ん?」
上条「俺が悩んでるところ」
フィアンマ「見れば分かるが。お前はわかりやすい性格をしているよ」
上条「…そうか?」
何を考えているかわからない、と言われるのも地味に傷つくが。
何を考えているかわかりやすい、と言われるのもそれはそれで微妙な気分である。
うーん、と首を傾げる上条の様子を眺め、フィアンマは肩もみに疲れたのか、少年に後ろから寄りかかる。
後ろから抱きしめられるかのような体勢となり、上条は一層口ごもった。
上条「……」
フィアンマ「それなりに美味だった」
上条「あ、うん…そっか、よかった」
先程の昼食の事だろう、と判断し、上条は頷く。
フィアンマは暇なのか、上条の髪や頬を弄り、玩具の様にして遊ぶ。
無邪気さは感じられるものの、そこはかとなく色気が含まれている。
フィアンマ「…、」
退屈が高じてか、眠気を感じつつ、フィアンマは上条の首筋を撫でた。
そしてそっと顔を近付け、ガリ、と歯を立てる。
上条「い、ッ!?」
インデックスが普段自分にしてきたような、不満さを湛えたものではなかったため、反応が遅れた。
びくつく上条の首筋へさらに深く犬歯を突きたて、フィアンマは口を離す。
フィアンマ「……普通の子供だな」
上条「何が!?」
フィアンマ「反応が。つまらん」
そんな無茶な、と上条は思う。
ズキズキと痛む首筋は、出血こそしていないものの痣が残ってしまいそうで。
何故こんな事をしたのかと問いかけたところで、彼は答えないだろう。
なので、上条はこう思う事にした。
上条(…多分>>230のためだろ)
幸い、暇を潰すべく構える人間は二人居る。
と、オッレルスがちょうど席を外した。
彼は彼で色々とやる事があるので部屋に行ったのだろう。
上条はフィアンマと同じく退屈なのか、ソファーにおとなしく座って本を手にした。
タイトルはシンデレラ。有名な童話だが、英語版なので、上条にとっては勉強になるだろう。
フィアンマはこちらへちょっかいを出す事に決めたのか、ソファー後ろから上条の肩に手をかけた。
そしてやわやわと触った後、その硬さに首を傾げた。
フィアンマ「凝っているのか」
上条「あー、何だかんだで使ってるからな」
右肩を指差し、上条は肩を竦める。
確かに『幻想殺し』を行使する時は右腕を動かす事となる。
フィアンマは唐突に生えてきた上条の腕を思い返しつつ、その右肩に触った。
そして断り無しに肩もみを始めたのだが、彼自身にはあまり握力が無い上、左手は利き手で無い為力が弱く。
毒に薬にもならないやわやわとした揉み方にほのぼのとしつつ、上条は一生懸命に本を読む。
上条「…」
ページを捲る手が止まれば、フィアンマが上条の悩む単語の意味を口にする。
上条「…何で分かるんだ?」
フィアンマ「ん?」
上条「俺が悩んでるところ」
フィアンマ「見れば分かるが。お前はわかりやすい性格をしているよ」
上条「…そうか?」
何を考えているかわからない、と言われるのも地味に傷つくが。
何を考えているかわかりやすい、と言われるのもそれはそれで微妙な気分である。
うーん、と首を傾げる上条の様子を眺め、フィアンマは肩もみに疲れたのか、少年に後ろから寄りかかる。
後ろから抱きしめられるかのような体勢となり、上条は一層口ごもった。
上条「……」
フィアンマ「それなりに美味だった」
上条「あ、うん…そっか、よかった」
先程の昼食の事だろう、と判断し、上条は頷く。
フィアンマは暇なのか、上条の髪や頬を弄り、玩具の様にして遊ぶ。
無邪気さは感じられるものの、そこはかとなく色気が含まれている。
フィアンマ「…、」
退屈が高じてか、眠気を感じつつ、フィアンマは上条の首筋を撫でた。
そしてそっと顔を近付け、ガリ、と歯を立てる。
上条「い、ッ!?」
インデックスが普段自分にしてきたような、不満さを湛えたものではなかったため、反応が遅れた。
びくつく上条の首筋へさらに深く犬歯を突きたて、フィアンマは口を離す。
フィアンマ「……普通の子供だな」
上条「何が!?」
フィアンマ「反応が。つまらん」
そんな無茶な、と上条は思う。
ズキズキと痛む首筋は、出血こそしていないものの痣が残ってしまいそうで。
何故こんな事をしたのかと問いかけたところで、彼は答えないだろう。
なので、上条はこう思う事にした。
上条(…多分>>230のためだろ)
229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/15(土) 20:13:01.91:YKRKIDR30 (1/1)
ksk
ksk
230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/15(土) 23:44:25.22:GFjm7uXSO (2/2)
これは俺様のモノだ、っていうマーキング
これは俺様のモノだ、っていうマーキング
231: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/16(日) 00:49:28.45:t+VJNXxk0 (1/1)
上条(…多分、これは俺様のモノだ、っていうマーキングのためだろ)
いうなればキスマークのような。
そう思うと先程の激痛がとてもとても愛おしいものだと思え始める。
傍から見ればどう見てもマゾヒストに目覚めた少年なのだが、上条はそのことに気付けない。
フィアンマは上条から離れ、時計を見遣った後何やら考える素振りを見せ、キッチンへと消える。
そしてまた水を飲みつつ、暇を持て余した。
上条をからかって時間を潰すには、退屈な時間が長すぎる。
そもそも他人に対して仕方なく時間を費やす事はあっても、楽しく時間を満たしてもらったことはほとんどなかった。
学術的な会話で満たされたことはあっても、冗談を言い合う事は少なく。
なので、フィアンマは他人と楽しく穏やかに時間を過ごす事に慣れない。
上条を放る事にしたフィアンマは、気まぐれにオッレルスの部屋を訪れた。
丁度やる事が終わったのか、オッレルスはフィアンマを見やり、薄く笑む。
オッレルス「暇なのか?」
フィアンマ「あぁ」
おいで、と誘われるままに、フィアンマはオッレルスの隣に座る。
若干の眠気に欠伸を噛み殺し、退屈を持て余す。
フィアンマ(…暇だな)
オッレルスに何をする>>+2
上条(…多分、これは俺様のモノだ、っていうマーキングのためだろ)
いうなればキスマークのような。
そう思うと先程の激痛がとてもとても愛おしいものだと思え始める。
傍から見ればどう見てもマゾヒストに目覚めた少年なのだが、上条はそのことに気付けない。
フィアンマは上条から離れ、時計を見遣った後何やら考える素振りを見せ、キッチンへと消える。
そしてまた水を飲みつつ、暇を持て余した。
上条をからかって時間を潰すには、退屈な時間が長すぎる。
そもそも他人に対して仕方なく時間を費やす事はあっても、楽しく時間を満たしてもらったことはほとんどなかった。
学術的な会話で満たされたことはあっても、冗談を言い合う事は少なく。
なので、フィアンマは他人と楽しく穏やかに時間を過ごす事に慣れない。
上条を放る事にしたフィアンマは、気まぐれにオッレルスの部屋を訪れた。
丁度やる事が終わったのか、オッレルスはフィアンマを見やり、薄く笑む。
オッレルス「暇なのか?」
フィアンマ「あぁ」
おいで、と誘われるままに、フィアンマはオッレルスの隣に座る。
若干の眠気に欠伸を噛み殺し、退屈を持て余す。
フィアンマ(…暇だな)
オッレルスに何をする>>+2
232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/16(日) 01:36:59.35:M2/Mi4Lk0 (1/2)
ksk
ksk
233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/16(日) 03:11:56.23:VOxyDg6SO (1/2)
イタズラしてみるか。
オッレルス、ちょっと目を閉じて無抵抗でいろ……
そしてキス
とみせかけ投げっぱなしジャーマン→プレンバスター→アルゼンチンバックブリーカー→パイルドライバー→フライングクロスチョップ→上手投げ→鼻の頭かぷり
その後、オッレルスの過去のヤンキー時代の武勇伝をいくつか聞いてみる
イタズラしてみるか。
オッレルス、ちょっと目を閉じて無抵抗でいろ……
そしてキス
とみせかけ投げっぱなしジャーマン→プレンバスター→アルゼンチンバックブリーカー→パイルドライバー→フライングクロスチョップ→上手投げ→鼻の頭かぷり
その後、オッレルスの過去のヤンキー時代の武勇伝をいくつか聞いてみる
234: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/16(日) 18:19:00.44:9qv1sRgS0 (1/1)
悩むまでもなく、平和的な接触が浮かばないのであれば、悪戯する他無く。
やる事を決めたフィアンマはオッレルスを見上げて言う。
フィアンマ「オッレルス、しばらく目を閉じて無抵抗でいろ……」
オッレルス「…構わないが」
一体何事かと思いつつ、もしや口づけの類ではないだろうかとの期待を忍ばせながら、オッレルスは目を閉じる。
フィアンマはそんなオッレルスの頬をぺたりと触り、接吻するかの様に唇を近づけ。
唐突に彼の背後に回ったかと思うと、『神の如き者』の力の一端を秘めた片腕の剛力で身体を掴み上げ、後ろへと放った。
ジャーマンスープレックスの形を伴ってはいるが、しっかり支えていない辺り非常に危険である。
続いてフィアンマはオッレルスを逆さまに抱え上げ、且つ後方へと投げる。
そして、その勢いで背面をベッドのマットレスへと叩き付けた。
唐突に開始されたプロレスごっこ(半分程本気)に何とも言えないような気分になりつつ、アルゼンチンバックブリーカーによって背骨を痛めつけられないよう、オッレルスは魔術的なガードを施した。
『天使の力』を応用した腕力で投げられて普通に呼吸をしていられる辺り、魔神になり損ねたといえど、オッレルスは人間の範疇を超えている。
脳震盪を起こさないよう気をつけつつ続いてガードを施すオッレルスの身体をぐいと引き寄せ、釘打ち機の様に彼の頭をマットレスに落とし。
足を床について跳び、真上から降ってきた手刀をオッレルスは平然と受け止める。
彼はそのままフィアンマのズボン、腰に巻かれたベルトを掴み、ぐいと上手に投げた。
フィアンマはベッド端に足を引っ掛け、どうにかベッド上へと戻った。最後の最後で返されるとは思わなかったのか、少々子供っぽく拗ねている。
オッレルス「急に危ないじゃないか?」
フィアンマ「いたって普通に対処していた人間が言う事ではないな」
むすくれたまま、フィアンマはオッレルスの鼻頭を軽く甘噛みした。
悪戯半分、本気半分。
幼い頃到底やる事の叶わなかったプロレスごっこをやってみたかったというのもあったが、急な行動だった。
人間、甘やかされれば願望や本性が出てしまうものである。
その辺りを汲み取っているのか、オッレルスは別に彼を責めたりはしない。そもそも温厚な性格だというのもあるが。
身体を動かして疲れたのか、フィアンマはオッレルスに寄りかかって座る。
オッレルスはきちんとベッドに座り直し、フィアンマの髪を撫でた。
フィアンマ「…退屈だ。…何か、昔話のストックは無いのか」
オッレルス「…そういえば、あまりそういったプライベート的会話はしていなかったか」
たとえば、武勇伝の様なものはないのか。
そう問いかけて、話を促して、フィアンマはオッレルスのセーター裾を握る。
そんな事を問われても、と考えつつ、オッレルスはのんびりと語った。
貴族階級にあったにも関わらず軽犯罪仲間が居ただとか。
家を傾かせるべく散財してみただとか。
他に口に出せない様な事もオッレルスは経験があったが、口には出さなかった。
なるべく美しい面だけ見せていたいと思うのが、恋心。
オッレルス「……」
多少汗をかいてもさらさらとしているフィアンマの髪を撫であやし、オッレルスは心地よさに目を細める。
フィアンマ「…幼年期にお前と会っていたら、また違っていたかもしれんな」
オッレルス「違っていた、というと?」
フィアンマ「俺様の人生の話だ」
きっと会っていたにしても、教会の孤児と没落寸前といえど貴族の子息では、そんなに仲良くなれなかったかもしれないけれど。
それでも、天使や大人だけと話していたが故に歪んだ今の自分よりは、まともな人間になれたかもしれない。
フィアンマ「……」
もっと早く、会えれば良かった。
そうしたら、人を愛せない障害に苦しむ事もなかっただろう。
もしも、の話をしたところでどうにかなる訳でもないというのに。
フィアンマ「…俺様は、お前を好きになりたい。…だが、その能力に欠ける」
オッレルス「…>>236」
悩むまでもなく、平和的な接触が浮かばないのであれば、悪戯する他無く。
やる事を決めたフィアンマはオッレルスを見上げて言う。
フィアンマ「オッレルス、しばらく目を閉じて無抵抗でいろ……」
オッレルス「…構わないが」
一体何事かと思いつつ、もしや口づけの類ではないだろうかとの期待を忍ばせながら、オッレルスは目を閉じる。
フィアンマはそんなオッレルスの頬をぺたりと触り、接吻するかの様に唇を近づけ。
唐突に彼の背後に回ったかと思うと、『神の如き者』の力の一端を秘めた片腕の剛力で身体を掴み上げ、後ろへと放った。
ジャーマンスープレックスの形を伴ってはいるが、しっかり支えていない辺り非常に危険である。
続いてフィアンマはオッレルスを逆さまに抱え上げ、且つ後方へと投げる。
そして、その勢いで背面をベッドのマットレスへと叩き付けた。
唐突に開始されたプロレスごっこ(半分程本気)に何とも言えないような気分になりつつ、アルゼンチンバックブリーカーによって背骨を痛めつけられないよう、オッレルスは魔術的なガードを施した。
『天使の力』を応用した腕力で投げられて普通に呼吸をしていられる辺り、魔神になり損ねたといえど、オッレルスは人間の範疇を超えている。
脳震盪を起こさないよう気をつけつつ続いてガードを施すオッレルスの身体をぐいと引き寄せ、釘打ち機の様に彼の頭をマットレスに落とし。
足を床について跳び、真上から降ってきた手刀をオッレルスは平然と受け止める。
彼はそのままフィアンマのズボン、腰に巻かれたベルトを掴み、ぐいと上手に投げた。
フィアンマはベッド端に足を引っ掛け、どうにかベッド上へと戻った。最後の最後で返されるとは思わなかったのか、少々子供っぽく拗ねている。
オッレルス「急に危ないじゃないか?」
フィアンマ「いたって普通に対処していた人間が言う事ではないな」
むすくれたまま、フィアンマはオッレルスの鼻頭を軽く甘噛みした。
悪戯半分、本気半分。
幼い頃到底やる事の叶わなかったプロレスごっこをやってみたかったというのもあったが、急な行動だった。
人間、甘やかされれば願望や本性が出てしまうものである。
その辺りを汲み取っているのか、オッレルスは別に彼を責めたりはしない。そもそも温厚な性格だというのもあるが。
身体を動かして疲れたのか、フィアンマはオッレルスに寄りかかって座る。
オッレルスはきちんとベッドに座り直し、フィアンマの髪を撫でた。
フィアンマ「…退屈だ。…何か、昔話のストックは無いのか」
オッレルス「…そういえば、あまりそういったプライベート的会話はしていなかったか」
たとえば、武勇伝の様なものはないのか。
そう問いかけて、話を促して、フィアンマはオッレルスのセーター裾を握る。
そんな事を問われても、と考えつつ、オッレルスはのんびりと語った。
貴族階級にあったにも関わらず軽犯罪仲間が居ただとか。
家を傾かせるべく散財してみただとか。
他に口に出せない様な事もオッレルスは経験があったが、口には出さなかった。
なるべく美しい面だけ見せていたいと思うのが、恋心。
オッレルス「……」
多少汗をかいてもさらさらとしているフィアンマの髪を撫であやし、オッレルスは心地よさに目を細める。
フィアンマ「…幼年期にお前と会っていたら、また違っていたかもしれんな」
オッレルス「違っていた、というと?」
フィアンマ「俺様の人生の話だ」
きっと会っていたにしても、教会の孤児と没落寸前といえど貴族の子息では、そんなに仲良くなれなかったかもしれないけれど。
それでも、天使や大人だけと話していたが故に歪んだ今の自分よりは、まともな人間になれたかもしれない。
フィアンマ「……」
もっと早く、会えれば良かった。
そうしたら、人を愛せない障害に苦しむ事もなかっただろう。
もしも、の話をしたところでどうにかなる訳でもないというのに。
フィアンマ「…俺様は、お前を好きになりたい。…だが、その能力に欠ける」
オッレルス「…>>236」
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/16(日) 20:40:56.10:M2/Mi4Lk0 (2/2)
ksk
ksk
236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/16(日) 22:27:53.67:VD0F/JgSO (1/1)
好きになりたいと思ってくれるならそれで十分だよ
好きになりたいと思ってくれるならそれで十分だよ
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/16(日) 23:26:28.99:VOxyDg6SO (2/2)
そんなことはないと思うが……
もし、君がそう思って、気にしているなら俺が教えるよ。
人の愛しかたも、そんな君を俺がどれだけ愛しているかも
そんなことはないと思うが……
もし、君がそう思って、気にしているなら俺が教えるよ。
人の愛しかたも、そんな君を俺がどれだけ愛しているかも
238: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 07:06:40.71:lovQhUvAO (1/4)
少し質問なのですが、当スレの読者様方は三次創作(例:キャラクター×キャラクターの子供)は苦手ですか?
少し質問なのですが、当スレの読者様方は三次創作(例:キャラクター×キャラクターの子供)は苦手ですか?
239: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 08:42:44.84:rNsHn74k0 (1/1)
オッレルス「…好きになりたいと思ってくれるなら、それで…十分だよ」
そもそも、好きになりたいと好きになった事とに、どれだけの差違があるだろう。
良い人間になりたいと志した人間がその瞬間良い人間である様に、何かやりたいと望んだ時、その者はやり遂げてこそいないが、つまるところ完成形と、精神的にはほぼ同一なのではないだろうか。
ましてや、好意などというものは完全に精神的なもの。
だから、『好きになりたい』と『好き』にさしたる違いなんて無い。
故に、フィアンマの発言は、オッレルスにとって嬉しく、また喜ばしい事であり。
人を好きになることについて定形などどこにもない。愛情表現だって、人それぞれ。
何を強制する必要も、教える必要も無い。人を愛する能力が備わっていない、というのは、あくまでフィアンマ一人の主観。
もしかしたらそうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
フィアンマ「……」
オッレルス「…最初は真似から始めれば良い」
フィアンマ「…真似?」
オッレルス「例えば挨拶は、周囲の大人を見つつ子供の頃に教わるでもなく自然に学んだものだろう。それと同じだ。…俺は、完全に君が人を愛する能力に欠けているとは思わない。器用過ぎて不器用に動けないんだろうということは感じられるが。色々と真似をしていれば、いつか自分なりの満足がいく愛情表現が見つかるよ」
フィアンマ「……、」
果たしてそうだろうか、とは思いつつも。
思い込みは無理やりにでも放り捨てなければ逃れる事が出来ないため、フィアンマはその"真似"とやらをしてみることにした。
ぎこちない様子で、左手をオッレルスの頬に沿わせる。
頬から首筋へ手を伝わせ、慣れない様子で抱きしめた。身長差故に抱きつく形になるが。
フィアンマ「…スキンシップをとればいいのか、…基準が分からん」
オッレルス「…その内、きっと解る」
しばらく日数を重ね。
ほぼ予定通り、少しだけ遅れ気味にシルビアが帰ってきた。
シルビア「ただいま」
オッレルス「お帰り」
一足早く彼女に挨拶を済ませた上条とフィアンマは、二人で暇を潰していた。
具体的には上条がいつも就寝する際に使用している寝室にて、チェスを行っている。
ルールを教えてもらったはいいもののまだまだ戦術を組み立てるには知識が浅く、うぐぐと上条は唸る。
上条「少しは手加減しろよ…」
フィアンマ「しているじゃないか」
幾つか、フィアンマ側には駒が足りない。
将棋でいうところの飛車角落ち状態だ。
余談だが、猫事件の時に犠牲にしたズボンは無事修復した。
上条「うー…」
フィアンマ「俺様を止めに来た時は驚くべき頭の回転の速さを見せたじゃないか」
上条「ゲームと現実じゃ違うだろ」
フィアンマ「それもそうか。チェック」
上条「!」
また負ける、と焦りつつ駒を見つめる上条の様子を眺め、フィアンマは静かに問う。
フィアンマ「…お前は、愛するとは何をすることだと思う?」
上条「愛する? んー…」
難しい質問だ、と上条は思う。
好きなものは好きで、好きだから大切にする、という当たり前の事しか、自分は実行してきていないから。
上条「>>241ってことかな」
オッレルス「…好きになりたいと思ってくれるなら、それで…十分だよ」
そもそも、好きになりたいと好きになった事とに、どれだけの差違があるだろう。
良い人間になりたいと志した人間がその瞬間良い人間である様に、何かやりたいと望んだ時、その者はやり遂げてこそいないが、つまるところ完成形と、精神的にはほぼ同一なのではないだろうか。
ましてや、好意などというものは完全に精神的なもの。
だから、『好きになりたい』と『好き』にさしたる違いなんて無い。
故に、フィアンマの発言は、オッレルスにとって嬉しく、また喜ばしい事であり。
人を好きになることについて定形などどこにもない。愛情表現だって、人それぞれ。
何を強制する必要も、教える必要も無い。人を愛する能力が備わっていない、というのは、あくまでフィアンマ一人の主観。
もしかしたらそうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
フィアンマ「……」
オッレルス「…最初は真似から始めれば良い」
フィアンマ「…真似?」
オッレルス「例えば挨拶は、周囲の大人を見つつ子供の頃に教わるでもなく自然に学んだものだろう。それと同じだ。…俺は、完全に君が人を愛する能力に欠けているとは思わない。器用過ぎて不器用に動けないんだろうということは感じられるが。色々と真似をしていれば、いつか自分なりの満足がいく愛情表現が見つかるよ」
フィアンマ「……、」
果たしてそうだろうか、とは思いつつも。
思い込みは無理やりにでも放り捨てなければ逃れる事が出来ないため、フィアンマはその"真似"とやらをしてみることにした。
ぎこちない様子で、左手をオッレルスの頬に沿わせる。
頬から首筋へ手を伝わせ、慣れない様子で抱きしめた。身長差故に抱きつく形になるが。
フィアンマ「…スキンシップをとればいいのか、…基準が分からん」
オッレルス「…その内、きっと解る」
しばらく日数を重ね。
ほぼ予定通り、少しだけ遅れ気味にシルビアが帰ってきた。
シルビア「ただいま」
オッレルス「お帰り」
一足早く彼女に挨拶を済ませた上条とフィアンマは、二人で暇を潰していた。
具体的には上条がいつも就寝する際に使用している寝室にて、チェスを行っている。
ルールを教えてもらったはいいもののまだまだ戦術を組み立てるには知識が浅く、うぐぐと上条は唸る。
上条「少しは手加減しろよ…」
フィアンマ「しているじゃないか」
幾つか、フィアンマ側には駒が足りない。
将棋でいうところの飛車角落ち状態だ。
余談だが、猫事件の時に犠牲にしたズボンは無事修復した。
上条「うー…」
フィアンマ「俺様を止めに来た時は驚くべき頭の回転の速さを見せたじゃないか」
上条「ゲームと現実じゃ違うだろ」
フィアンマ「それもそうか。チェック」
上条「!」
また負ける、と焦りつつ駒を見つめる上条の様子を眺め、フィアンマは静かに問う。
フィアンマ「…お前は、愛するとは何をすることだと思う?」
上条「愛する? んー…」
難しい質問だ、と上条は思う。
好きなものは好きで、好きだから大切にする、という当たり前の事しか、自分は実行してきていないから。
上条「>>241ってことかな」
240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 11:42:59.15:SAzS6pjSO (1/1)
>>238
別に俺はなんとも
ksk
>>238
別に俺はなんとも
ksk
241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 15:12:38.35:5d/5SqgSO (1/4)
愛する、ねぇ……
その愛情の種類にもよるとは思うけど、やっぱり基本的にはその人の全て、具体的に言うなら…理念や生き方、趣味やら性癖をわかってあげること、その人の望んでる事をしてあげる事、自分がその人を大事にする人間であり続ける事、じゃないか?
一方的な愛ならともかく、自分とその人の間の愛を作るなら、これこれこういう事をしたら愛した事になる、愛されてる、なんてならないんじゃないかな。
愛はすぐには生まれ辛いものだと思うし。
愛する、ねぇ……
その愛情の種類にもよるとは思うけど、やっぱり基本的にはその人の全て、具体的に言うなら…理念や生き方、趣味やら性癖をわかってあげること、その人の望んでる事をしてあげる事、自分がその人を大事にする人間であり続ける事、じゃないか?
一方的な愛ならともかく、自分とその人の間の愛を作るなら、これこれこういう事をしたら愛した事になる、愛されてる、なんてならないんじゃないかな。
愛はすぐには生まれ辛いものだと思うし。
242: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 15:31:57.96:4mu5MJBz0 (1/1)
上条「愛する、ねぇ……。その愛情の種類にもよるとは思うけど、やっぱり基本的にはその人の全て、具体的に言うなら…理念や生き方、趣味やら性癖をわかってあげること、その人の望んでる事をしてあげる事、自分がその人を大事にする人間であり続ける事、じゃないか? 一方的な愛ならともかく、自分とその人の間の愛を作るなら、これこれこういう事をしたら愛した事になる、愛されてる、なんてならないんじゃないかな。愛はすぐには生まれ辛いものだと思うし。愛情は目に見えるよう証明出来ないし、決まった形も無いから、何もしてないのに浮気を疑われたりする訳で」
恋愛や愛情とは精神的な充足によってしか測れない。
愛情表現だとプレゼントをやたら贈る人も居るが、それだって受け取る側の解釈一つではただのゴマすりや趣味に捉えられたり、実際そうだったりと。
こういったものが『愛』で、こういったものは『愛』ではない、とは誰にも言い切れない。
そもそもそういった愛情一切については十字教徒たるフィアンマがよく知っている事では、と上条は口に出さないまでも思いつつ首を傾げた。
上条「お互いが認識して初めて出来上がるのが愛情ってことじゃないかって、俺は思うんだけど」
愛だと言い張って何かを押し付ける事なら誰にだって出来るだろう。余程相手を嫌いじゃなければ。
しかし、その行動を相手が嬉しがるかどうかよくよく吟味する事が本当の愛情ではないだろうか、と上条は思う。
相手になるべく喜んで欲しい。間違った道には進まないで欲しい。これも一つの愛情。
健全ではない形になれば、自分とだけ一緒に居て欲しい、どんな道を進むにしても止めないから傍に置いて欲しい。
上条「…なんて、俺もまだまだよくわかんないけどな、その辺は」
女の子にモテる訳でもなし、と上条は笑う。
沢山恋愛をしてきた人間でもなければ、語り尽くす事は出来ない。
かつて『神の子』は世界は全て愛で出来ていると語ったが、それだけでは語り尽くせない部分だってあるだろう。
何度も言うように、愛に決まった形などないのだから。
勉強でどうにかなるものではないのか、とフィアンマはため息をつく。
こればっかりは魔術の様に才能のみでも勉強のみでもどうにもならない。
フィアンマ「…道のりは険しいが、これもまた世界を知る一つか」
聖書全編の暗唱は出来るが、愛について詳しいとはお世辞にも言えない。
その内この障害を乗り越えられればいい、と。ひとまずフィアンマは気軽に考える事にした。
フィアンマ「そういえば」
上条「ん?」
フィアンマ「お前は女に『仕事と自分どっちが大切なのか』と聞かれたらどう答える?」
二人の内の一人としても、仮にも恋人に向かってする話ではない。
告白を承諾してもらっただけで本当の恋人になるにはまだまだ遠いな、と上条はチェスの駒を片付けつつがっくりと肩を落としながら考えた。
上条「んー…>>244」
上条「愛する、ねぇ……。その愛情の種類にもよるとは思うけど、やっぱり基本的にはその人の全て、具体的に言うなら…理念や生き方、趣味やら性癖をわかってあげること、その人の望んでる事をしてあげる事、自分がその人を大事にする人間であり続ける事、じゃないか? 一方的な愛ならともかく、自分とその人の間の愛を作るなら、これこれこういう事をしたら愛した事になる、愛されてる、なんてならないんじゃないかな。愛はすぐには生まれ辛いものだと思うし。愛情は目に見えるよう証明出来ないし、決まった形も無いから、何もしてないのに浮気を疑われたりする訳で」
恋愛や愛情とは精神的な充足によってしか測れない。
愛情表現だとプレゼントをやたら贈る人も居るが、それだって受け取る側の解釈一つではただのゴマすりや趣味に捉えられたり、実際そうだったりと。
こういったものが『愛』で、こういったものは『愛』ではない、とは誰にも言い切れない。
そもそもそういった愛情一切については十字教徒たるフィアンマがよく知っている事では、と上条は口に出さないまでも思いつつ首を傾げた。
上条「お互いが認識して初めて出来上がるのが愛情ってことじゃないかって、俺は思うんだけど」
愛だと言い張って何かを押し付ける事なら誰にだって出来るだろう。余程相手を嫌いじゃなければ。
しかし、その行動を相手が嬉しがるかどうかよくよく吟味する事が本当の愛情ではないだろうか、と上条は思う。
相手になるべく喜んで欲しい。間違った道には進まないで欲しい。これも一つの愛情。
健全ではない形になれば、自分とだけ一緒に居て欲しい、どんな道を進むにしても止めないから傍に置いて欲しい。
上条「…なんて、俺もまだまだよくわかんないけどな、その辺は」
女の子にモテる訳でもなし、と上条は笑う。
沢山恋愛をしてきた人間でもなければ、語り尽くす事は出来ない。
かつて『神の子』は世界は全て愛で出来ていると語ったが、それだけでは語り尽くせない部分だってあるだろう。
何度も言うように、愛に決まった形などないのだから。
勉強でどうにかなるものではないのか、とフィアンマはため息をつく。
こればっかりは魔術の様に才能のみでも勉強のみでもどうにもならない。
フィアンマ「…道のりは険しいが、これもまた世界を知る一つか」
聖書全編の暗唱は出来るが、愛について詳しいとはお世辞にも言えない。
その内この障害を乗り越えられればいい、と。ひとまずフィアンマは気軽に考える事にした。
フィアンマ「そういえば」
上条「ん?」
フィアンマ「お前は女に『仕事と自分どっちが大切なのか』と聞かれたらどう答える?」
二人の内の一人としても、仮にも恋人に向かってする話ではない。
告白を承諾してもらっただけで本当の恋人になるにはまだまだ遠いな、と上条はチェスの駒を片付けつつがっくりと肩を落としながら考えた。
上条「んー…>>244」
243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 17:42:08.48:5d/5SqgSO (2/4)
そんな事を聞く女性とは付き合いたくないかな。だってさ、例え真実その女性を愛していても、仕事が本当に大事でも、「勿論君が大事に決まってる」って答えなきゃダメじゃないか。そんなわかりきった答えの確認なんてされたくないな。
それにその質問をされるって事は、多分男側の仕事が大事な時期だったり、忙しすぎたり、責任があったり、女性を養ったりするためにしなきゃいけないから側にいられないって事だよな?それを理解してくれない、妥協できない人とはちょっと。
それにそんな事を聞かれるって事は、その女性が愛されてるって感じてないって事だろ?俺ならそんな事を感じさせないくらい愛そうと全力で努力するね。
ただ、もしフィアンマに「仕事と俺様、どっちが大事なんだ」って聞かれたなら、「勿論フィアンマが大事だ。なんなら証明として今すぐ仕事をやめてくる」って答えるかな(笑)
あ、ちなみに俺はオリキャラに関しては大丈夫です
そんな事を聞く女性とは付き合いたくないかな。だってさ、例え真実その女性を愛していても、仕事が本当に大事でも、「勿論君が大事に決まってる」って答えなきゃダメじゃないか。そんなわかりきった答えの確認なんてされたくないな。
それにその質問をされるって事は、多分男側の仕事が大事な時期だったり、忙しすぎたり、責任があったり、女性を養ったりするためにしなきゃいけないから側にいられないって事だよな?それを理解してくれない、妥協できない人とはちょっと。
それにそんな事を聞かれるって事は、その女性が愛されてるって感じてないって事だろ?俺ならそんな事を感じさせないくらい愛そうと全力で努力するね。
ただ、もしフィアンマに「仕事と俺様、どっちが大事なんだ」って聞かれたなら、「勿論フィアンマが大事だ。なんなら証明として今すぐ仕事をやめてくる」って答えるかな(笑)
あ、ちなみに俺はオリキャラに関しては大丈夫です
244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 17:58:41.68:5d/5SqgSO (3/4)
皆には悪いが安価上。
皆には悪いが安価上。
245: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 18:59:37.61:mZFmlqEw0 (1/1)
《>>240様 >>243様 わかりました、お答えいただきありがとうございます》
上条「んー…そんな事を聞く女性とは、正直付き合いたくないかな。だってさ、例え、真実その女性を愛していても、仕事が本当に大事でも、『勿論君が大事に決まってる』って答えなきゃダメじゃないか。そんなわかりきった答えの確認なんてされたくないな。それにその質問をされるって事は、多分男側の仕事が大事な時期だったり、忙しすぎたり、責任があったり、女性を養ったりするためにしなきゃいけないから側にいられないって事だよな? それを理解してくれない、妥協できない人とはちょっと…。それに、そんな事を聞かれるって事は、その女性が愛されてるって感じてないって事だろ? 俺なら、そんな事を感じさせないくらい愛そうと全力で努力するね。……ただ、もしフィアンマに『仕事と俺様、どっちが大事なんだ』って聞かれたなら、『勿論フィアンマが大事だ。なんなら証明として今すぐ仕事をやめてくる』って答えるかな」
笑い混じりに、上条はそう答える。
そもそもフィアンマはそんな事を言い出さない人間だとわかっているからこそ、多少キツくも言える。
フィアンマ「…まぁ、俺様は言わんが。参考に気になっただけだ」
上条「ん、そっか」
チェスの駒を片付け終わり、チェス盤も片付けた上条はのんびりと笑む。
ついでなので聞き返す事にした。
上条「じゃあ、仮に俺がそういう事言ったらフィアンマはどうするんだ?」
フィアンマ「そうだな。『大事な仕事に大切なお前を使わせてもらう』と答えるが」
上条「ですよねー」
『幻想殺し』を持っている上条に対して最も適した回答だ、上条は項垂れる。
もっとロマンある、せめて普通の回答が欲しかったところだが、フィアンマに普通とやらを求める事がそもそも無茶だったかもしれない。
夜、フィアンマはオッレルスの部屋へとやってきた。
まだ眠る気にはなれないフィアンマは毛布を捲り、オッレルスの寝顔を眺める。
うたた寝なのか、時折起きているかのような身じろぎを見せて。
フィアンマ「……」
眠るか、と口の中で呟き、フィアンマはベッドの中へと入り込んだ。
オッレルスの隣へと横たわって、しかし眠気が催さないまま、じっとオッレルスの寝顔を見つめ。
集中する視線がこそばゆかったのか、目を覚ましたオッレルスは、フィアンマの髪を撫でた。
そしてそっと顔を近づけ、軽く、一度だけ口付ける。
ちゅ、と少々可愛らしいリップ音に目を細め、フィアンマは問いかけた。
フィアンマ「…起こしたか? ……それとも、狸寝入りか」
オッレルス「>>247」
《>>240様 >>243様 わかりました、お答えいただきありがとうございます》
上条「んー…そんな事を聞く女性とは、正直付き合いたくないかな。だってさ、例え、真実その女性を愛していても、仕事が本当に大事でも、『勿論君が大事に決まってる』って答えなきゃダメじゃないか。そんなわかりきった答えの確認なんてされたくないな。それにその質問をされるって事は、多分男側の仕事が大事な時期だったり、忙しすぎたり、責任があったり、女性を養ったりするためにしなきゃいけないから側にいられないって事だよな? それを理解してくれない、妥協できない人とはちょっと…。それに、そんな事を聞かれるって事は、その女性が愛されてるって感じてないって事だろ? 俺なら、そんな事を感じさせないくらい愛そうと全力で努力するね。……ただ、もしフィアンマに『仕事と俺様、どっちが大事なんだ』って聞かれたなら、『勿論フィアンマが大事だ。なんなら証明として今すぐ仕事をやめてくる』って答えるかな」
笑い混じりに、上条はそう答える。
そもそもフィアンマはそんな事を言い出さない人間だとわかっているからこそ、多少キツくも言える。
フィアンマ「…まぁ、俺様は言わんが。参考に気になっただけだ」
上条「ん、そっか」
チェスの駒を片付け終わり、チェス盤も片付けた上条はのんびりと笑む。
ついでなので聞き返す事にした。
上条「じゃあ、仮に俺がそういう事言ったらフィアンマはどうするんだ?」
フィアンマ「そうだな。『大事な仕事に大切なお前を使わせてもらう』と答えるが」
上条「ですよねー」
『幻想殺し』を持っている上条に対して最も適した回答だ、上条は項垂れる。
もっとロマンある、せめて普通の回答が欲しかったところだが、フィアンマに普通とやらを求める事がそもそも無茶だったかもしれない。
夜、フィアンマはオッレルスの部屋へとやってきた。
まだ眠る気にはなれないフィアンマは毛布を捲り、オッレルスの寝顔を眺める。
うたた寝なのか、時折起きているかのような身じろぎを見せて。
フィアンマ「……」
眠るか、と口の中で呟き、フィアンマはベッドの中へと入り込んだ。
オッレルスの隣へと横たわって、しかし眠気が催さないまま、じっとオッレルスの寝顔を見つめ。
集中する視線がこそばゆかったのか、目を覚ましたオッレルスは、フィアンマの髪を撫でた。
そしてそっと顔を近づけ、軽く、一度だけ口付ける。
ちゅ、と少々可愛らしいリップ音に目を細め、フィアンマは問いかけた。
フィアンマ「…起こしたか? ……それとも、狸寝入りか」
オッレルス「>>247」
246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/17(月) 19:00:11.74:dMLzXRGxo (1/2)
安価下
安価下
247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 20:56:05.78:IdCX6iJ70 (1/1)
あんまり深くなかっただけで寝てたよ
あんまり深くなかっただけで寝てたよ
248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/17(月) 20:56:46.67:5d/5SqgSO (4/4)
…どっちだと思う?
…どっちだと思う?
249: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 21:57:50.80:FJY1bud/0 (1/1)
オッレルス「あんまり深くなかっただけで、寝てたよ」
フィアンマ「そうか」
オッレルス「…狸寝入りは嫌いなのか?」
フィアンマ「必要の無い嘘は基本的に好かん」
オッレルス「必要があったら良いのか」
フィアンマ「所謂『優しい嘘』と職務上の駆け引きにおける嘘であれば、良いんじゃないか? ただし、その嘘を墓場まで持ち込む勇気があるのなら」
オッレルス「なるほど」
彼の目にかかるやや長い金髪を指先で退け、緑の瞳と視線を合わせつつ、フィアンマは話す。
自分の瞳を気に入ってくれているのだろうか、とオッレルスは首を傾げる。
起きたとはいえまだ若干眠く、この眠気を振り切ってまでやるべき事は何も無い。
フィアンマと会話するというのも有用な時間活用ではあったものの、オッレルスはひとまず安眠を優先するのだった。
ぎゅう、と強めにフィアンマの身体を抱きしめ、オッレルスは再び目を閉じる。
オッレルス「…おやすみ」
フィアンマ「…、おやすみ」
オッレルスのセーターの柔らかな感触を指先で確かめた後。
二十分程遅れて、フィアンマは眠りに就くのだった。
翌朝。
オッレルスはフィアンマより早めに目を覚ました。
何故か。
自分とフィアンマの間に、フィアンマを幼くしたような少年…いや、幼児が居たからだ。
見た目はそれよりも幼いが、四、五歳程度だろうか。
まったくの他人の気配に対して察知し、素早く起きた為、時刻はまだ五時半。
警戒すべき雰囲気は感じ取れなかったものの、魔術攻撃を受けた感覚も無い為、驚きを隠し得ない。
まさか昨夜のキスで子供が出来ちゃいました、とか、そんなメルヘンな展開があるはずもなく。
オッレルス「……」
????「…みー」
オッレルスに不思議そうに見つめられて目が覚めたらしい子供はぺたんとベッドに尻をついて座り、オッレルスを見上げる。
そして、ぱあっと表情を明るくしながら問いかけた。
????「! ほんとのぱぱ?」
オッレルス「……、」
心底嬉しそうな表情での問いかけに、オッレルスは沈黙する。
何となく、こう、フィアンマを幼くして、毒気を抜いて、更に無邪気にした感じがする子供だ。
ひとまず何か言葉を返してあげよう、と悩んだ結果、オッレルスはひとまず質問をしてみることにした。
オッレルス「…とりあえず、名前は?」
????「なま、…みけーら」
オッレルス「ミケーラ君か。何処から来たんだ?」
ミケーラ「いたりあ」
オッレルス「また随分と範囲が広いな…」
ミケーラ「えっと、いたりあの、ばちかんちかく」
オッレルス「…」
ミケーラ「…ぱぱじゃ、ないの?」
オッレルス「…>>251」
オッレルス「あんまり深くなかっただけで、寝てたよ」
フィアンマ「そうか」
オッレルス「…狸寝入りは嫌いなのか?」
フィアンマ「必要の無い嘘は基本的に好かん」
オッレルス「必要があったら良いのか」
フィアンマ「所謂『優しい嘘』と職務上の駆け引きにおける嘘であれば、良いんじゃないか? ただし、その嘘を墓場まで持ち込む勇気があるのなら」
オッレルス「なるほど」
彼の目にかかるやや長い金髪を指先で退け、緑の瞳と視線を合わせつつ、フィアンマは話す。
自分の瞳を気に入ってくれているのだろうか、とオッレルスは首を傾げる。
起きたとはいえまだ若干眠く、この眠気を振り切ってまでやるべき事は何も無い。
フィアンマと会話するというのも有用な時間活用ではあったものの、オッレルスはひとまず安眠を優先するのだった。
ぎゅう、と強めにフィアンマの身体を抱きしめ、オッレルスは再び目を閉じる。
オッレルス「…おやすみ」
フィアンマ「…、おやすみ」
オッレルスのセーターの柔らかな感触を指先で確かめた後。
二十分程遅れて、フィアンマは眠りに就くのだった。
翌朝。
オッレルスはフィアンマより早めに目を覚ました。
何故か。
自分とフィアンマの間に、フィアンマを幼くしたような少年…いや、幼児が居たからだ。
見た目はそれよりも幼いが、四、五歳程度だろうか。
まったくの他人の気配に対して察知し、素早く起きた為、時刻はまだ五時半。
警戒すべき雰囲気は感じ取れなかったものの、魔術攻撃を受けた感覚も無い為、驚きを隠し得ない。
まさか昨夜のキスで子供が出来ちゃいました、とか、そんなメルヘンな展開があるはずもなく。
オッレルス「……」
????「…みー」
オッレルスに不思議そうに見つめられて目が覚めたらしい子供はぺたんとベッドに尻をついて座り、オッレルスを見上げる。
そして、ぱあっと表情を明るくしながら問いかけた。
????「! ほんとのぱぱ?」
オッレルス「……、」
心底嬉しそうな表情での問いかけに、オッレルスは沈黙する。
何となく、こう、フィアンマを幼くして、毒気を抜いて、更に無邪気にした感じがする子供だ。
ひとまず何か言葉を返してあげよう、と悩んだ結果、オッレルスはひとまず質問をしてみることにした。
オッレルス「…とりあえず、名前は?」
????「なま、…みけーら」
オッレルス「ミケーラ君か。何処から来たんだ?」
ミケーラ「いたりあ」
オッレルス「また随分と範囲が広いな…」
ミケーラ「えっと、いたりあの、ばちかんちかく」
オッレルス「…」
ミケーラ「…ぱぱじゃ、ないの?」
オッレルス「…>>251」
250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/17(月) 21:58:10.73:dMLzXRGxo (2/2)
かさく
かさく
251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/17(月) 22:00:45.59:gaWeNquq0 (1/1)
ちょっと待っててな
色々調べてくるから
ご飯が食べたかったら冷蔵庫から好きな物を食べなさい
ちょっと待っててな
色々調べてくるから
ご飯が食べたかったら冷蔵庫から好きな物を食べなさい
252: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 23:06:56.31:lovQhUvAO (2/4)
オッレルス「…ちょっと、待っていてくれな。色々調べてくるから。……ご飯が食べたかったら、冷蔵庫から好きな物を食べなさい」
不安げな問いかけに嘘をつく訳にもいかず。
ひとまずそう優しく諭したオッレルスは、静かに部屋から出て本棚の並ぶ部屋に籠もった。
残されたミケーラは眠るフィアンマを見、少し悩んだ後、フィアンマの肩まで毛布をかけ、てちてちと部屋を出て行った。 やって来たのはリビング。
お腹が空いたので、オッレルスに言われた通り、冷蔵庫から何か拝借しようとしたのだが。
ミケーラ「…みー」
いかんせん、慎重が届かなかった。
彼は6歳になったばかりなのだが、見目はそうとは思えない程に幼いし、気も弱い。
ミケーラ「…みー」
鳴いてはみるものの、助けは来ない。
何か梯子になる様なものは、踏み台になる様なものは、探して辺りを見回せど、そんなものは見つからない。
お腹が空いた、とイタリア語でもにょもにょと幼児っぽく呟いた彼は、続いてジャンプをしてみた。
スポーツ万能どころか、その真逆―――病弱で、深窓の令息並みに運動の出来ないミケーラに、ジャンプ力など無い。
手元に、唯一のお友達の兎のぬいぐるみ『みかえるさま』が居ない事もあり、段々と心細くなってきた。ついでに言うと、空腹感も増している。
ミケーラ「…おなか、すいた」
ぺたん、とその場にへたり込む。
これまでは『みかえるさま』が何とかしてくれたし、猫の真似をすれば神父様やシスターさんが助けてくれた。
彼にとって魔法の言葉である『みー』も、ここでは通用しなかったようだ。
どうしよう、と迷った結果、ミケーラは神様にお祈りしてみる事にした。どうやらここには自分をいじめてくる人は居ないようだし、神様に甘えればどうにかなるかもしれない。
オッレルス「…ちょっと、待っていてくれな。色々調べてくるから。……ご飯が食べたかったら、冷蔵庫から好きな物を食べなさい」
不安げな問いかけに嘘をつく訳にもいかず。
ひとまずそう優しく諭したオッレルスは、静かに部屋から出て本棚の並ぶ部屋に籠もった。
残されたミケーラは眠るフィアンマを見、少し悩んだ後、フィアンマの肩まで毛布をかけ、てちてちと部屋を出て行った。 やって来たのはリビング。
お腹が空いたので、オッレルスに言われた通り、冷蔵庫から何か拝借しようとしたのだが。
ミケーラ「…みー」
いかんせん、慎重が届かなかった。
彼は6歳になったばかりなのだが、見目はそうとは思えない程に幼いし、気も弱い。
ミケーラ「…みー」
鳴いてはみるものの、助けは来ない。
何か梯子になる様なものは、踏み台になる様なものは、探して辺りを見回せど、そんなものは見つからない。
お腹が空いた、とイタリア語でもにょもにょと幼児っぽく呟いた彼は、続いてジャンプをしてみた。
スポーツ万能どころか、その真逆―――病弱で、深窓の令息並みに運動の出来ないミケーラに、ジャンプ力など無い。
手元に、唯一のお友達の兎のぬいぐるみ『みかえるさま』が居ない事もあり、段々と心細くなってきた。ついでに言うと、空腹感も増している。
ミケーラ「…おなか、すいた」
ぺたん、とその場にへたり込む。
これまでは『みかえるさま』が何とかしてくれたし、猫の真似をすれば神父様やシスターさんが助けてくれた。
彼にとって魔法の言葉である『みー』も、ここでは通用しなかったようだ。
どうしよう、と迷った結果、ミケーラは神様にお祈りしてみる事にした。どうやらここには自分をいじめてくる人は居ないようだし、神様に甘えればどうにかなるかもしれない。
253: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/17(月) 23:08:49.79:lovQhUvAO (3/4)
しばらくお祈りを続け、それが効果を発揮したのか否か、起き出した上条がリビングに入ってきた。
そして、フィアンマに対し美人度-20%、愛らしさ50%増しの幼い子供を発見する。
ミケーラは上条を見、これ幸いと涙目で飛びついた。
ミケーラ「みー。…おなかすいた、」
上条「…えーっと、どこの子なん、だ?」
上条はミケーラの言葉を無視した訳ではない。
単純に、幼児のそれにしても、イタリア語は英語以上に上条にとって難解で、分からなかったのだ。
話して訴えても分かってもらえないのか無視されているのか、とにかく自分の言葉は上条に届かないのだと理解したミケーラは、じわじわと目に涙を溜めていく。
ミケーラ「ぅ…」
上条「!? え、ええと、フィアンマの弟か何かか…? 何で泣きそうなんだ、」
これまで、上条には子守の経験も無ければ、イタリア語を学んだ事も無く。
インデックスの様にジェスチャーを交えてくれたり、いっそ動物的に噛み付いてくれたなら空腹なのかとか、アバウトにでも理解出来るのだが。
どうしよう、と上条は焦る。
上条はどうする?>>+2
しばらくお祈りを続け、それが効果を発揮したのか否か、起き出した上条がリビングに入ってきた。
そして、フィアンマに対し美人度-20%、愛らしさ50%増しの幼い子供を発見する。
ミケーラは上条を見、これ幸いと涙目で飛びついた。
ミケーラ「みー。…おなかすいた、」
上条「…えーっと、どこの子なん、だ?」
上条はミケーラの言葉を無視した訳ではない。
単純に、幼児のそれにしても、イタリア語は英語以上に上条にとって難解で、分からなかったのだ。
話して訴えても分かってもらえないのか無視されているのか、とにかく自分の言葉は上条に届かないのだと理解したミケーラは、じわじわと目に涙を溜めていく。
ミケーラ「ぅ…」
上条「!? え、ええと、フィアンマの弟か何かか…? 何で泣きそうなんだ、」
これまで、上条には子守の経験も無ければ、イタリア語を学んだ事も無く。
インデックスの様にジェスチャーを交えてくれたり、いっそ動物的に噛み付いてくれたなら空腹なのかとか、アバウトにでも理解出来るのだが。
どうしよう、と上条は焦る。
上条はどうする?>>+2
254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/17(月) 23:15:23.33:lovQhUvAO (4/4)
>>252
×慎重
○身長
>>252
×慎重
○身長
255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 00:04:49.55:9LbIkD9SO (1/5)
他界他界ー、肩車して散歩
他界他界ー、肩車して散歩
256: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 00:25:06.07:j/MnSd6AO (1/8)
テンパった結果、上条はミケーラの小さな身体をひょいと抱き上げ、そのまま所謂『高い高い』をして優しくあやす。
空腹感は消えないものの遊んでもらえた事で多少気が紛れたのか、泣き出す事なく、ミケーラは目を瞬かせる。
続いて上条は彼を肩車すると、てくてくとリビング内をゆっくり適当に歩いて散歩をしてみた。
上条のツンツンとした髪の毛に興味を示しつつ、ミケーラは普段よりとてつもなく高い視点から見る世界に目を輝かせる。
上条「…これでいい、のか?」
それにしてもこの子供は誰なのだろうか、と思いつつ、上条はミケーラが落ちてしまわない様気をつけつつ歩く。
途中、頭上からくきゅるると可愛らしい腹の虫の鳴き声が聞こえ、そうしてようやく、上条は彼が空腹である事に気がついた。
上条はミケーラを一旦降ろし、優しく頭を撫でてあげた後、冷蔵庫を開けて適当な朝食を作り始める。
フレンチトーストだとか、オムレツだとか、ウインナーを軽く炒めたものだとか。
調理作業中盤から漏れ出す良い匂いに反応しつつ、ミケーラは上条のズボンをくいくいと引っ張った。
そして、期待の籠もった視線を上条に向ける。
調理と、料理をよそう作業が終わった上条は火を止めフライ返しを水に浸け、ミケーラを見下ろした。
上条「ん?」
ミケーラ「…ほんとのぱぱ?」
先程、オッレルスに投げかけたのと同じ質問。
イタリア語では上条に通じない事がそれとなく分かったのか、ゆっくりとした語調にて、英語での問いかけ。
英語は話せないがゆっくり話されて聞く位ならどうにか理解出来た上条は、悩み、携帯電話を取り出す。
北極海に落ちた時に携帯はおじゃんになってしまった為、これはオッレルスに連絡用代替機器として借りている。
翻訳機能がついている為、日本語を打ち込めばイタリア語だろうが英語だろうが読み上げ、言葉を返してくれる優れもの。 ただし、聞き取って翻訳はしてくれない。
打ち込む内容を、考える。
上条「…『>>258』、っと」
テンパった結果、上条はミケーラの小さな身体をひょいと抱き上げ、そのまま所謂『高い高い』をして優しくあやす。
空腹感は消えないものの遊んでもらえた事で多少気が紛れたのか、泣き出す事なく、ミケーラは目を瞬かせる。
続いて上条は彼を肩車すると、てくてくとリビング内をゆっくり適当に歩いて散歩をしてみた。
上条のツンツンとした髪の毛に興味を示しつつ、ミケーラは普段よりとてつもなく高い視点から見る世界に目を輝かせる。
上条「…これでいい、のか?」
それにしてもこの子供は誰なのだろうか、と思いつつ、上条はミケーラが落ちてしまわない様気をつけつつ歩く。
途中、頭上からくきゅるると可愛らしい腹の虫の鳴き声が聞こえ、そうしてようやく、上条は彼が空腹である事に気がついた。
上条はミケーラを一旦降ろし、優しく頭を撫でてあげた後、冷蔵庫を開けて適当な朝食を作り始める。
フレンチトーストだとか、オムレツだとか、ウインナーを軽く炒めたものだとか。
調理作業中盤から漏れ出す良い匂いに反応しつつ、ミケーラは上条のズボンをくいくいと引っ張った。
そして、期待の籠もった視線を上条に向ける。
調理と、料理をよそう作業が終わった上条は火を止めフライ返しを水に浸け、ミケーラを見下ろした。
上条「ん?」
ミケーラ「…ほんとのぱぱ?」
先程、オッレルスに投げかけたのと同じ質問。
イタリア語では上条に通じない事がそれとなく分かったのか、ゆっくりとした語調にて、英語での問いかけ。
英語は話せないがゆっくり話されて聞く位ならどうにか理解出来た上条は、悩み、携帯電話を取り出す。
北極海に落ちた時に携帯はおじゃんになってしまった為、これはオッレルスに連絡用代替機器として借りている。
翻訳機能がついている為、日本語を打ち込めばイタリア語だろうが英語だろうが読み上げ、言葉を返してくれる優れもの。 ただし、聞き取って翻訳はしてくれない。
打ち込む内容を、考える。
上条「…『>>258』、っと」
257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 01:08:31.17:9LbIkD9SO (2/5)
ローラだよ~
ローラだよ~
258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 01:25:10.82:GV73euw80 (1/1)
お父さん探してるの?
お父さん探してるの?
259: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 07:49:36.47:j/MnSd6AO (2/8)
上条「…『お父さん探してるの?』、っと」
打ち込み終わり、英語に翻訳された言葉が、携帯から発される。
上条を聴覚に問題のある人間だと認識したのか、ミケーラは携帯の音をよく聞き、悩んだ。
捜していると言えば確かにそうだが、必死に捜している訳でもなく。
何となく上条からお人好しの雰囲気を受け取ったミケーラは、ふるふると首を横に振った。
神は自力で苦難を乗り越えた者にこよなく祝福を与えるのだから、こんな、自分の都合で必要以上に振り回してしまってはいけない。
ミケーラはどうにか英語の知識を絞り出し、ゆっくりとしたスピードで言葉を言う。
ミケーラ「…さがしてるけど、…いっしょうけんめいさがしてるんじゃなくて…」
上条「…」
真剣に言葉を聞きつつ、上条は脳内の英語知識と、聞き取れる単語を重ね合わせる。
ミケーラ「…ここどこ?」
ふと、思い返した様にミケーラが首を傾げる。
上条「…何というか、…オッレルスさんの家」
ミケーラ「……おうち?」
道理で内装が教会っぽく無い筈だ、と合点がいったのか、ミケーラはなるほどなるほどと相槌を打つ。
ミケーラ(…なんでぼく、しらないおうちにいるの?)
不可解そうな表情を浮かべるミケーラをひとまずあやし、上条は配膳を始めて呼び掛ける事で食事へ誘導した。
食べ物の良い匂いを嗅ぎ、そもそもお腹が空いて上条にすがりついた事を思い出したミケーラは現在地についての思考・考察を放り出して食事を見つめる。
椅子が高いから食べられないのか、と判断した上条は椅子に座り、ミケーラを手招きした後、抱き上げて自分の膝に座らせた。
上条「…『お父さん探してるの?』、っと」
打ち込み終わり、英語に翻訳された言葉が、携帯から発される。
上条を聴覚に問題のある人間だと認識したのか、ミケーラは携帯の音をよく聞き、悩んだ。
捜していると言えば確かにそうだが、必死に捜している訳でもなく。
何となく上条からお人好しの雰囲気を受け取ったミケーラは、ふるふると首を横に振った。
神は自力で苦難を乗り越えた者にこよなく祝福を与えるのだから、こんな、自分の都合で必要以上に振り回してしまってはいけない。
ミケーラはどうにか英語の知識を絞り出し、ゆっくりとしたスピードで言葉を言う。
ミケーラ「…さがしてるけど、…いっしょうけんめいさがしてるんじゃなくて…」
上条「…」
真剣に言葉を聞きつつ、上条は脳内の英語知識と、聞き取れる単語を重ね合わせる。
ミケーラ「…ここどこ?」
ふと、思い返した様にミケーラが首を傾げる。
上条「…何というか、…オッレルスさんの家」
ミケーラ「……おうち?」
道理で内装が教会っぽく無い筈だ、と合点がいったのか、ミケーラはなるほどなるほどと相槌を打つ。
ミケーラ(…なんでぼく、しらないおうちにいるの?)
不可解そうな表情を浮かべるミケーラをひとまずあやし、上条は配膳を始めて呼び掛ける事で食事へ誘導した。
食べ物の良い匂いを嗅ぎ、そもそもお腹が空いて上条にすがりついた事を思い出したミケーラは現在地についての思考・考察を放り出して食事を見つめる。
椅子が高いから食べられないのか、と判断した上条は椅子に座り、ミケーラを手招きした後、抱き上げて自分の膝に座らせた。
260: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 07:51:26.90:j/MnSd6AO (3/8)
上条(あ、何かフィアンマに似た匂いがする)
ミケーラ「…みー?」
上条「…あ、ええと…食べていいぞ」
食べていいのかとばかりに見上げてくる、金色の丸っこい瞳。
携帯電話をしまった為に翻訳機能を使えない上条は、四苦八苦しながらも食事に手をつけて良いとのジェスチャーをしてみせる。
上条のジェスチャーから意味を受け取ったミケーラは、丁寧にお祈りをしてから食べ始めた。
フレンチトーストを口に含んだはいいものの、何せ口が小さい為、ハムスターの様に膨らんでいく。
お腹が空いているからついつい急いで食べたくなるのは大人でも子供でも有り得るが、子供の場合喉に詰まる恐れが高い。 上条は、ゆっくり、と口に出して諭しつつ、噎せない様にミケーラの髪や背中を撫でる。
食べ終わっても撫でられ、あやされていたが為に眠気を催したか、或いは満腹状態で上条という人肌の温かさと密着していていたからか、眠くなってきたらしいミケーラは、小さな指でぐしぐしと瞼を擦った。
上条「赤くなっちゃうぞ」
ダメ、と上条自身もまだ少年ながら、優しい父親の様に窘めつつ、いっそひとまず眠ってもらおう、と上条は背中をぽんぽんと叩いて寝かしつける。
上条(…俺とフィアンマの間に子供が出来たらこんな感じ、なのか)
まず有り得ない事だが、性格は兎も角、容姿はフィアンマに似ている子供をあやしつつ、上条はそんな事を思う。
好きな人との間に子供を儲け、且つ子供は母親似であって欲しいと願うのは男性の本能的願望だ。フィアンマは男なので、実現する事は無いのだが。
上条(あ、何かフィアンマに似た匂いがする)
ミケーラ「…みー?」
上条「…あ、ええと…食べていいぞ」
食べていいのかとばかりに見上げてくる、金色の丸っこい瞳。
携帯電話をしまった為に翻訳機能を使えない上条は、四苦八苦しながらも食事に手をつけて良いとのジェスチャーをしてみせる。
上条のジェスチャーから意味を受け取ったミケーラは、丁寧にお祈りをしてから食べ始めた。
フレンチトーストを口に含んだはいいものの、何せ口が小さい為、ハムスターの様に膨らんでいく。
お腹が空いているからついつい急いで食べたくなるのは大人でも子供でも有り得るが、子供の場合喉に詰まる恐れが高い。 上条は、ゆっくり、と口に出して諭しつつ、噎せない様にミケーラの髪や背中を撫でる。
食べ終わっても撫でられ、あやされていたが為に眠気を催したか、或いは満腹状態で上条という人肌の温かさと密着していていたからか、眠くなってきたらしいミケーラは、小さな指でぐしぐしと瞼を擦った。
上条「赤くなっちゃうぞ」
ダメ、と上条自身もまだ少年ながら、優しい父親の様に窘めつつ、いっそひとまず眠ってもらおう、と上条は背中をぽんぽんと叩いて寝かしつける。
上条(…俺とフィアンマの間に子供が出来たらこんな感じ、なのか)
まず有り得ない事だが、性格は兎も角、容姿はフィアンマに似ている子供をあやしつつ、上条はそんな事を思う。
好きな人との間に子供を儲け、且つ子供は母親似であって欲しいと願うのは男性の本能的願望だ。フィアンマは男なので、実現する事は無いのだが。
261: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 07:52:37.53:j/MnSd6AO (4/8)
上条に誘導されるまま眠り始めたミケーラは穏やかな寝息を立て、眠ったまま、すりすりと上条に甘える。
上条「…可愛いな」
父性本能を刺激され、ほのぼのとしつつ上条は呟く。
と、そのタイミングで、リビングにシルビアが入ってきた。
シルビア「…子供? ……あの馬鹿、いつの間に…」
上条「多分拾ってきたんじゃないと思いますよ」
直感から考え、そうオッレルスをフォローしながら、ミケーラを起こさないよう気をつけて上条は表情を和ませる。
元々子供は嫌いじゃないし、好きな人に似ていれば可愛いものだし、愛らしくて良い子なので、多分今涎を服に垂らされても苛立ちはしないだろう。
シルビアはオッレルスが居る部屋へ行き、代わりとばかりにフィアンマがリビングに来た。
そして上条を見て朝の挨拶を投げかけようとして―――上条の膝上で眠る子供の存在に気がついた。
フィアンマ「…、隠し子か。驚いたな」
上条「>>263」
上条に誘導されるまま眠り始めたミケーラは穏やかな寝息を立て、眠ったまま、すりすりと上条に甘える。
上条「…可愛いな」
父性本能を刺激され、ほのぼのとしつつ上条は呟く。
と、そのタイミングで、リビングにシルビアが入ってきた。
シルビア「…子供? ……あの馬鹿、いつの間に…」
上条「多分拾ってきたんじゃないと思いますよ」
直感から考え、そうオッレルスをフォローしながら、ミケーラを起こさないよう気をつけて上条は表情を和ませる。
元々子供は嫌いじゃないし、好きな人に似ていれば可愛いものだし、愛らしくて良い子なので、多分今涎を服に垂らされても苛立ちはしないだろう。
シルビアはオッレルスが居る部屋へ行き、代わりとばかりにフィアンマがリビングに来た。
そして上条を見て朝の挨拶を投げかけようとして―――上条の膝上で眠る子供の存在に気がついた。
フィアンマ「…、隠し子か。驚いたな」
上条「>>263」
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/18(火) 09:40:41.82:sFrGzOtX0 (1/1)
踏み台
踏み台
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 11:35:38.53:9LbIkD9SO (3/5)
ああ、実はずっと前からヴェントと愛し合ってて、父親として認知してくれって………………
ってんなわけないだろ!この年から子供作る勇気ないわ!
ああ、実はずっと前からヴェントと愛し合ってて、父親として認知してくれって………………
ってんなわけないだろ!この年から子供作る勇気ないわ!
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 11:53:30.66:9LbIkD9SO (4/5)
なんか変な感じに…ノリツッコミムズい
なんか変な感じに…ノリツッコミムズい
265: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 12:30:47.92:j/MnSd6AO (5/8)
上条「ああ、実はずっと前からヴェントと愛し合ってて、父親として認知してくれって………………って、んなわけないだろ! この年から子供作る勇気ないわ!」
フィアンマ「一晩の過ち、とはよく聞く話だからな。作る気が無くとも受精すれば子は成せる。…隠し子でないなら、何だ? 懲りずにオッレルスが拾ってきた子供か」
フィアンマの問い掛けと上条のノリツッコミの騒がしさに目が覚めたのか、ミケーラはもぞもぞと上条の服の中に入り込む。
所謂『ないない』であり、上条に守ってもらおうという動きである。
ミケーラ「…みー」
不満そうな声を出し、ミケーラは上条に引っ付いて甘え、服の中から出てこようとはしない。
上条は困惑しながらも服越しにミケーラの背中をぽんぽんと軽く叩いてあやす。
華奢で小さな彼が潜り込んできたところで、そんなに服は突っ張らないし、苦しくもないので、怒ってはいない。
上条「出ておいでー」
ミケーラ「やー」
上条の促す言葉にそう駄々をこね、ミケーラは出ずに眠ろうとする。
フィアンマはそんな二人の様子を眺めた後近寄り、上条の服をめくりあげた。
渋々、といった様子でフィアンマの方を振り返ったミケーラは、じっとフィアンマを見つめた後、ぴこん、と頭からアイデアひらめき電球でも飛び出したかの様に目を見張る。
ミケーラ「! ほんとのぱ「違う」…ぅ」
最後まで言わせずにそうきっぱりと否定したフィアンマは、ミケーラと視線を合わせたかと思うと、僅かに眉をひそめた。幼少期、鏡やガラスを見ればいつだって自分を見返していた姿と同じ。
つまり、ミケーラはフィアンマの子供時代そのままなのである。
上条「ああ、実はずっと前からヴェントと愛し合ってて、父親として認知してくれって………………って、んなわけないだろ! この年から子供作る勇気ないわ!」
フィアンマ「一晩の過ち、とはよく聞く話だからな。作る気が無くとも受精すれば子は成せる。…隠し子でないなら、何だ? 懲りずにオッレルスが拾ってきた子供か」
フィアンマの問い掛けと上条のノリツッコミの騒がしさに目が覚めたのか、ミケーラはもぞもぞと上条の服の中に入り込む。
所謂『ないない』であり、上条に守ってもらおうという動きである。
ミケーラ「…みー」
不満そうな声を出し、ミケーラは上条に引っ付いて甘え、服の中から出てこようとはしない。
上条は困惑しながらも服越しにミケーラの背中をぽんぽんと軽く叩いてあやす。
華奢で小さな彼が潜り込んできたところで、そんなに服は突っ張らないし、苦しくもないので、怒ってはいない。
上条「出ておいでー」
ミケーラ「やー」
上条の促す言葉にそう駄々をこね、ミケーラは出ずに眠ろうとする。
フィアンマはそんな二人の様子を眺めた後近寄り、上条の服をめくりあげた。
渋々、といった様子でフィアンマの方を振り返ったミケーラは、じっとフィアンマを見つめた後、ぴこん、と頭からアイデアひらめき電球でも飛び出したかの様に目を見張る。
ミケーラ「! ほんとのぱ「違う」…ぅ」
最後まで言わせずにそうきっぱりと否定したフィアンマは、ミケーラと視線を合わせたかと思うと、僅かに眉をひそめた。幼少期、鏡やガラスを見ればいつだって自分を見返していた姿と同じ。
つまり、ミケーラはフィアンマの子供時代そのままなのである。
266: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 12:31:16.58:j/MnSd6AO (6/8)
フィアンマ(…確かに過去、俺様は会う相手が男性であれば父親か、女性であれば母親かと尋ねていたが。口癖も、同一のものか)
何をどうしたら、一体全体何があったら、こんな事が起きるというのか。 魔術的に細工を受けたか、とフィアンマは自分の身体を確かめる。
変調は無い。
ミケーラ「…みー?」
フィアンマ「…」
上条の服を離し。
ぺた、とミケーラの頬に左手で触れ、フィアンマは眉を寄せる。
どうやらいたって普通に生きている人間のようだ。
自分の記憶を元に、<妖精>の様な生き物を作られたのだろうか、とフィアンマは現在の状況を冷静に考察する。
一方、フィアンマに触れられた事で意味、はたまた手続き記憶の部分共有を得たのか、ミケーラは上条の服にはもう入らず、視線を合わせようとしながら日本語で話し掛けつつ上条を見上げた。
実に無邪気な笑顔である。
ミケーラ「ごはんおいしかった」
上条「…良かったな」
よしよし、とミケーラの頭を撫で、だいぶ懐かれたと思いながら上条は心を和ませる。
ミケーラ「…おにいちゃん、いいひと?」
悩むフィアンマには見向きもせず、上条を見つめたまま、ミケーラは首を傾げた。
上条「……」
上条はどうする?(台詞可)>>+2
フィアンマ(…確かに過去、俺様は会う相手が男性であれば父親か、女性であれば母親かと尋ねていたが。口癖も、同一のものか)
何をどうしたら、一体全体何があったら、こんな事が起きるというのか。 魔術的に細工を受けたか、とフィアンマは自分の身体を確かめる。
変調は無い。
ミケーラ「…みー?」
フィアンマ「…」
上条の服を離し。
ぺた、とミケーラの頬に左手で触れ、フィアンマは眉を寄せる。
どうやらいたって普通に生きている人間のようだ。
自分の記憶を元に、<妖精>の様な生き物を作られたのだろうか、とフィアンマは現在の状況を冷静に考察する。
一方、フィアンマに触れられた事で意味、はたまた手続き記憶の部分共有を得たのか、ミケーラは上条の服にはもう入らず、視線を合わせようとしながら日本語で話し掛けつつ上条を見上げた。
実に無邪気な笑顔である。
ミケーラ「ごはんおいしかった」
上条「…良かったな」
よしよし、とミケーラの頭を撫で、だいぶ懐かれたと思いながら上条は心を和ませる。
ミケーラ「…おにいちゃん、いいひと?」
悩むフィアンマには見向きもせず、上条を見つめたまま、ミケーラは首を傾げた。
上条「……」
上条はどうする?(台詞可)>>+2
267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/18(火) 12:36:38.06:5lxoTLzO0 (1/2)
踏み台
踏み台
268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/18(火) 13:17:57.08:5lxoTLzO0 (2/2)
もちろん
もちろん
269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 13:31:51.71:9LbIkD9SO (5/5)
いい人でありたい…あろうとする人かな
いい人でありたい…あろうとする人かな
270: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 15:38:53.82:a70QRtoV0 (1/1)
上条「もちろん」
ミケーラ「じゃあかみさまにおいのりしてあげる」
きっと幸せになれるよ、と言葉を付け加え、ミケーラはにこにこと笑む。
そして上条にくっついたまま、しっかりと視線を合わせて問いかける。
ミケーラ「おにいちゃんのおなまえ、は?」
上条「上条当麻。…っと、ヨーロッパじゃ逆に言わないとダメなんだっけ。それだと…当麻=上条だな」
ミケーラ「とうま?」
上条「当麻」
ミケーラ「とうまおにいちゃん」
上条「そうそう、覚えるの早いな。偉いぞ」
まるでフィアンマに甘い声でお兄ちゃんと呼ばれているかの様でどきりとしつつ、上条はミケーラを褒める。
上条は子供は褒めて育てるべきだとの考えの人間だからだ。
フィアンマは思考が纏まったのか、オッレルスの部屋に入った。
シルビア、オッレルス、フィアンマの三人が揃えば、どうにかこの状況を解決する手立てが見つかるかもしれない。
上条に背中を向ける形で膝に座り直したミケーラはぱたぱたと脚を動かし、窓を見やる。
どっさりと積もった雪は白く、身長の低いミケーラにはちょっとした山にも見えたし、それと同時に、自分を普段虐めるイジメっ子達の居ない外とは物珍しいものでもあった。
じー、と若干羨ましそうに外を見つめ、ミケーラは落ち込む。
ミケーラ「……」
上条「…もしかして、雪遊びしたいのか?」
ミケーラ「…みー。…おそとでれないよ。ぼく、すぐおかぜひいちゃうから、だめだって」
せっかく自分が外に出て行っても雪玉をぶつけられないで済むというのに。
もっと身体が強かったら。気が強かったら。
一度でいいから、雪で好きに遊んでみたい。
あくまでフィアンマの六歳までの記憶しか持ち合わせないミケーラは、雪遊びの思い出が無かった。
いつもの様に本を読んで我慢すれば、こんな、何かがしたいなんて要らぬ欲望は消える。
そう考えたミケーラは、上条に寄りかかった。
ミケーラ「…ごほんよんで」
上条「本?」
快諾したいところだけれど、本棚に並ぶのは英語やらイタリア語やらの本。
フィアンマが隣に居てようやく一冊英語の本が理解出来る程度になれたのだ。
しかし、断ってこれ以上悲しませるというのも心が痛む。
この子供が誰なのかは読めずわからない上条だが、何となく、フィアンマにとても似ていると感じられたから。
事実、ミケーラは過去のフィアンマでもあるのだが。妙に鋭い上条である。
上条はどうする?>>+2
上条「もちろん」
ミケーラ「じゃあかみさまにおいのりしてあげる」
きっと幸せになれるよ、と言葉を付け加え、ミケーラはにこにこと笑む。
そして上条にくっついたまま、しっかりと視線を合わせて問いかける。
ミケーラ「おにいちゃんのおなまえ、は?」
上条「上条当麻。…っと、ヨーロッパじゃ逆に言わないとダメなんだっけ。それだと…当麻=上条だな」
ミケーラ「とうま?」
上条「当麻」
ミケーラ「とうまおにいちゃん」
上条「そうそう、覚えるの早いな。偉いぞ」
まるでフィアンマに甘い声でお兄ちゃんと呼ばれているかの様でどきりとしつつ、上条はミケーラを褒める。
上条は子供は褒めて育てるべきだとの考えの人間だからだ。
フィアンマは思考が纏まったのか、オッレルスの部屋に入った。
シルビア、オッレルス、フィアンマの三人が揃えば、どうにかこの状況を解決する手立てが見つかるかもしれない。
上条に背中を向ける形で膝に座り直したミケーラはぱたぱたと脚を動かし、窓を見やる。
どっさりと積もった雪は白く、身長の低いミケーラにはちょっとした山にも見えたし、それと同時に、自分を普段虐めるイジメっ子達の居ない外とは物珍しいものでもあった。
じー、と若干羨ましそうに外を見つめ、ミケーラは落ち込む。
ミケーラ「……」
上条「…もしかして、雪遊びしたいのか?」
ミケーラ「…みー。…おそとでれないよ。ぼく、すぐおかぜひいちゃうから、だめだって」
せっかく自分が外に出て行っても雪玉をぶつけられないで済むというのに。
もっと身体が強かったら。気が強かったら。
一度でいいから、雪で好きに遊んでみたい。
あくまでフィアンマの六歳までの記憶しか持ち合わせないミケーラは、雪遊びの思い出が無かった。
いつもの様に本を読んで我慢すれば、こんな、何かがしたいなんて要らぬ欲望は消える。
そう考えたミケーラは、上条に寄りかかった。
ミケーラ「…ごほんよんで」
上条「本?」
快諾したいところだけれど、本棚に並ぶのは英語やらイタリア語やらの本。
フィアンマが隣に居てようやく一冊英語の本が理解出来る程度になれたのだ。
しかし、断ってこれ以上悲しませるというのも心が痛む。
この子供が誰なのかは読めずわからない上条だが、何となく、フィアンマにとても似ていると感じられたから。
事実、ミケーラは過去のフィアンマでもあるのだが。妙に鋭い上条である。
上条はどうする?>>+2
271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/18(火) 15:43:41.46:8QGNVuamo (1/1)
加速下
加速下
272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/18(火) 16:00:15.95:Cg6pHMIQ0 (1/1)
日本の昔話を聞かせる
日本の昔話を聞かせる
273: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 23:06:23.73:j/MnSd6AO (7/8)
上条「本、は…うーん。昔話じゃダメか?」
ミケーラ「むかしばなし? はむれっと? つぁるとぅすとらかくかたりき?」
上条「い、いやいや。日本の昔のお話」
まさか昔話と聞いて有名文学の名前が飛び出すとは思っていなかった上条は訂正し、頭を撫でてあやす。
ミケーラの首が縦に振られたのを見、名前を聞いた後、上条はのんびりと日本昔話を語り始めた。
『かぐや姫』、『浦島太郎』、『桃太郎』。
ミケーラ「『おに』はわるいの?」
上条「うん、悪い奴だな」
ミケーラ「…そっか。じゃあ、…ぼくも、『おに』なのかな」
しゅん、と落ち込むミケーラを抱きしめ、上条は首を横に振る。
上条「ミケーラは何も悪い事してないだろ。だから鬼じゃないぞ」
ミケーラ「…ぼくがいると、ぼくしかいいおもいできない、から。みんながふしあわせになるらしくて。…うんがよすぎて、きもちわるいんだって。ぼくがいきてるだけで、まわりからたくさんこううんをすいとっちゃうから、だれもいっしょにいたくないんだ。…みんな、…ぼくのこと、きらいなんだ。…ぼくがわるいから、しかたないけど」
目を伏せ、ミケーラは肩を落とす。
そして上条が黙った事に気付くと視線をさまよわせ、わざとらしく明るい声で促した。
風邪を引いたフィアンマが悪夢に魘されて笑い転げた様に。
落ち込んだ時程、『彼』は明るく振る舞うのだろう。
上条「本、は…うーん。昔話じゃダメか?」
ミケーラ「むかしばなし? はむれっと? つぁるとぅすとらかくかたりき?」
上条「い、いやいや。日本の昔のお話」
まさか昔話と聞いて有名文学の名前が飛び出すとは思っていなかった上条は訂正し、頭を撫でてあやす。
ミケーラの首が縦に振られたのを見、名前を聞いた後、上条はのんびりと日本昔話を語り始めた。
『かぐや姫』、『浦島太郎』、『桃太郎』。
ミケーラ「『おに』はわるいの?」
上条「うん、悪い奴だな」
ミケーラ「…そっか。じゃあ、…ぼくも、『おに』なのかな」
しゅん、と落ち込むミケーラを抱きしめ、上条は首を横に振る。
上条「ミケーラは何も悪い事してないだろ。だから鬼じゃないぞ」
ミケーラ「…ぼくがいると、ぼくしかいいおもいできない、から。みんながふしあわせになるらしくて。…うんがよすぎて、きもちわるいんだって。ぼくがいきてるだけで、まわりからたくさんこううんをすいとっちゃうから、だれもいっしょにいたくないんだ。…みんな、…ぼくのこと、きらいなんだ。…ぼくがわるいから、しかたないけど」
目を伏せ、ミケーラは肩を落とす。
そして上条が黙った事に気付くと視線をさまよわせ、わざとらしく明るい声で促した。
風邪を引いたフィアンマが悪夢に魘されて笑い転げた様に。
落ち込んだ時程、『彼』は明るく振る舞うのだろう。
274: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/18(火) 23:07:27.81:j/MnSd6AO (8/8)
誰も、自分と一緒に居たくないんだ。
フィアンマ程年齢を重ねた人間の発言ならば分からないでもないが、この歳の子供の口からそのような言葉が出てくるというのは、恐ろしい事だ。
いじめられていたのだろうか、と上条は思う。
悪い子なんかじゃない。むしろ、素直に甘えて、懐いて、可愛くて良い子だと思う。
少なくとも、自分にとっては。
ミケーラ「……、…あっ、う、つづき! おはなしのつづき、して」
上条「…>>276」
誰も、自分と一緒に居たくないんだ。
フィアンマ程年齢を重ねた人間の発言ならば分からないでもないが、この歳の子供の口からそのような言葉が出てくるというのは、恐ろしい事だ。
いじめられていたのだろうか、と上条は思う。
悪い子なんかじゃない。むしろ、素直に甘えて、懐いて、可愛くて良い子だと思う。
少なくとも、自分にとっては。
ミケーラ「……、…あっ、う、つづき! おはなしのつづき、して」
上条「…>>276」
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 01:16:13.49:/7EdkwwSO (1/5)
ksk
ksk
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 01:21:19.41:/7EdkwwSO (2/5)
じゃあ、俺のオリジナルの話を聞いてみてくれないか?タイトルは「不幸な少年」。
内容は自分の今までの人生。
最後のシーンは、今その少年は幸せで友達も恋人もいる。君が今は不幸でも、いつか必ず幸せになる時がくる。大事で、大好きな人ができると伝える
じゃあ、俺のオリジナルの話を聞いてみてくれないか?タイトルは「不幸な少年」。
内容は自分の今までの人生。
最後のシーンは、今その少年は幸せで友達も恋人もいる。君が今は不幸でも、いつか必ず幸せになる時がくる。大事で、大好きな人ができると伝える
277: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 03:47:07.95:ImqYDrbAO (1/9)
上条「…じゃあ、俺のオリジナルの話を聞いてみてくれないか? タイトルは『不幸な少年』」
ミケーラ「…?」
オリジナル、との言葉に首を傾げつつ、ミケーラは一度こくんと頷いた。大した話ではない。
ところどころオブラートに包んだ、自分の戦いの話。
人生の話。
上条「…そいつは、世界を救いたかったんだ。でも、やり方を間違えちゃったんだ」
ミケーラ「…せかい?」
上条「そうそう。ヒーローみたいに、救いたかったんだと思う。やり方が間違ってさえいなければ、素敵な考えだったんだ。…少年は、それは違うって止めたんだ。誰かを傷つけて幸せになったって、そんな幸せに意味は無いから」
ミケーラ「…みー」
上条「…ちょっと難しい話だったかな」
苦笑しつつミケーラを甘やかし、上条は考え考えゆっくりと語る。
上条「…今、その少年は幸せだよ。友達も居て、恋人も居るんだ。……だから、ミケーラが今は不幸でも、いつか必ず幸せになる時がくる。大事だな、大好きだな、って思える人が見つかる。誰かに優しく出来るヤツは、いつか優しくしてもらえるんだよ」
ミケーラ「…、」
上条「それにな。ミケーラは、皆自分の事嫌いで、誰も一緒に居たくないんだー、なんて言うけど、俺はミケーラの事嫌いなんかじゃないし、一緒に居て楽しいよ。俺が幸せになれるように、神様にお祈りしてあげるって言ってくれたのも嬉しかったしさ」
ミケーラ「…とうまおにいちゃんだいすき!」
上条の右腕を抱きしめ、ミケーラは幸せそうに笑む。
柔らかな子供のほっぺたが腕に触れ、心地よい感触に上条は心を和ませた。
上条「…じゃあ、俺のオリジナルの話を聞いてみてくれないか? タイトルは『不幸な少年』」
ミケーラ「…?」
オリジナル、との言葉に首を傾げつつ、ミケーラは一度こくんと頷いた。大した話ではない。
ところどころオブラートに包んだ、自分の戦いの話。
人生の話。
上条「…そいつは、世界を救いたかったんだ。でも、やり方を間違えちゃったんだ」
ミケーラ「…せかい?」
上条「そうそう。ヒーローみたいに、救いたかったんだと思う。やり方が間違ってさえいなければ、素敵な考えだったんだ。…少年は、それは違うって止めたんだ。誰かを傷つけて幸せになったって、そんな幸せに意味は無いから」
ミケーラ「…みー」
上条「…ちょっと難しい話だったかな」
苦笑しつつミケーラを甘やかし、上条は考え考えゆっくりと語る。
上条「…今、その少年は幸せだよ。友達も居て、恋人も居るんだ。……だから、ミケーラが今は不幸でも、いつか必ず幸せになる時がくる。大事だな、大好きだな、って思える人が見つかる。誰かに優しく出来るヤツは、いつか優しくしてもらえるんだよ」
ミケーラ「…、」
上条「それにな。ミケーラは、皆自分の事嫌いで、誰も一緒に居たくないんだー、なんて言うけど、俺はミケーラの事嫌いなんかじゃないし、一緒に居て楽しいよ。俺が幸せになれるように、神様にお祈りしてあげるって言ってくれたのも嬉しかったしさ」
ミケーラ「…とうまおにいちゃんだいすき!」
上条の右腕を抱きしめ、ミケーラは幸せそうに笑む。
柔らかな子供のほっぺたが腕に触れ、心地よい感触に上条は心を和ませた。
278: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 03:49:21.75:ImqYDrbAO (2/9)
と、オッレルスの部屋から出て来たフィアンマがリビングに現れ、不快感を露わにミケーラを見やる。
上条「あ、原因っていうか、この子の身元分かったのか?」
フィアンマ「あぁ。過去の俺様を抜き出して作った生き物がそれだ」
上条「…つまりフィアンマの子供時代って事か」
なるほど似ているはずだ、と上条は呑気に頷く。 対してフィアンマは卓上に放置されていた果物ナイフを手にしたかと思うと、プラスチックの鞘から抜いた。
ギラリと鈍く輝くナイフの刃を見、上条は眉をひそめる。
フィアンマ「…そいつを寄越せ」
上条「どうするつもりだよ」
フィアンマ「本来存在すべきでない者は土に還す」
土に還る、というのは、死ぬという事。
それを行う(=還す)という事はつまり、殺す気なのだ。
他に解決策が見つからなかったのか、過去の自分の存在が不愉快なのか、何にせよ、何もしていない幼い子供を手にかけるとは酷い選択だ。
魔術では上条に邪魔をされる事が分かっているから、果物ナイフで犯行に及ぼうとしているのだろう。
フィアンマは好き好んで人を殺す猟奇敵な趣味は持ち合わせていないが、必要ならば幾らでも殺す人間だ。
表情も、視線も、本気しか感じられない。
フィアンマ「…何、こちらへ引き渡せばそれで良い」
上条はどうする?(台詞可)>>+2
と、オッレルスの部屋から出て来たフィアンマがリビングに現れ、不快感を露わにミケーラを見やる。
上条「あ、原因っていうか、この子の身元分かったのか?」
フィアンマ「あぁ。過去の俺様を抜き出して作った生き物がそれだ」
上条「…つまりフィアンマの子供時代って事か」
なるほど似ているはずだ、と上条は呑気に頷く。 対してフィアンマは卓上に放置されていた果物ナイフを手にしたかと思うと、プラスチックの鞘から抜いた。
ギラリと鈍く輝くナイフの刃を見、上条は眉をひそめる。
フィアンマ「…そいつを寄越せ」
上条「どうするつもりだよ」
フィアンマ「本来存在すべきでない者は土に還す」
土に還る、というのは、死ぬという事。
それを行う(=還す)という事はつまり、殺す気なのだ。
他に解決策が見つからなかったのか、過去の自分の存在が不愉快なのか、何にせよ、何もしていない幼い子供を手にかけるとは酷い選択だ。
魔術では上条に邪魔をされる事が分かっているから、果物ナイフで犯行に及ぼうとしているのだろう。
フィアンマは好き好んで人を殺す猟奇敵な趣味は持ち合わせていないが、必要ならば幾らでも殺す人間だ。
表情も、視線も、本気しか感じられない。
フィアンマ「…何、こちらへ引き渡せばそれで良い」
上条はどうする?(台詞可)>>+2
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 04:09:51.29:/7EdkwwSO (3/5)
いっそ差しだしてやろうかいやしないけどksk
いっそ差しだしてやろうかいやしないけどksk
280:名無しNIPPER:2012/09/19(水) 05:35:57.58:JZdRbbKD0 (1/1)
本当にそれがただしいのか問い詰める
本当にそれがただしいのか問い詰める
281: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 07:44:41.35:ImqYDrbAO (3/9)
今のフィアンマが、自分に敗れて尚『聖なる右』一辺倒とは、上条は思わない。
再戦すれば、恐らく自分は負けるだろう。
だから、暴力ではなく、言葉で彼を止めようと決める。
たとえ歪んでいても、やり方を間違えても、彼自身にはそれなりの良心が宿っている筈だから。
上条「…渡さない」
フィアンマ「…」
上条「俺はフィアンマに人を殺して欲しくない。…こんな、何も悪い事をしてない子供が傷つかなきゃならない理由なんて無いだろ」
フィアンマ「…存在してはならない命だ」
上条は、御坂妹の事を思い浮かべる。
彼女もまた、実験で殺されるべきだった命。
喪われる事が確定していた、『あの日』以降、存在してはならない命。
でも、自分はそんな事は思わなかった、だから助けた。
どんな罪人にだって生きる権利はきっとあるし、つまり、どんな人間だって、生きていていいんだ。
存在してはならない、なんて理由で殺されてしまうなら、それこそ間違ってる。
たとえこれが狭い価値観だと批判されても構わない。
上条はミケーラを庇う様にしっかりと抱きしめる。
上条「本当にそれしかないのかよ? 生きてるんだぞ。生きてるんだ。普通に会話して普通に呼吸して普通に笑って。物じゃないんだ。そんなあっさり殺す事が、正しいって言うのかよ。それが絶対に良い事だって、フィアンマは胸張れるのか。また戦争中みたいに、『絶対的な善』を思い込んで間違えるってのかよ」
人を打てば、自分の手が痛むように。
人を傷つければ、自分も傷ついてしまう様に、世界は出来ている。
フィアンマを大切に思っている上条は、彼にもう傷ついて欲しくなかった。
今のフィアンマが、自分に敗れて尚『聖なる右』一辺倒とは、上条は思わない。
再戦すれば、恐らく自分は負けるだろう。
だから、暴力ではなく、言葉で彼を止めようと決める。
たとえ歪んでいても、やり方を間違えても、彼自身にはそれなりの良心が宿っている筈だから。
上条「…渡さない」
フィアンマ「…」
上条「俺はフィアンマに人を殺して欲しくない。…こんな、何も悪い事をしてない子供が傷つかなきゃならない理由なんて無いだろ」
フィアンマ「…存在してはならない命だ」
上条は、御坂妹の事を思い浮かべる。
彼女もまた、実験で殺されるべきだった命。
喪われる事が確定していた、『あの日』以降、存在してはならない命。
でも、自分はそんな事は思わなかった、だから助けた。
どんな罪人にだって生きる権利はきっとあるし、つまり、どんな人間だって、生きていていいんだ。
存在してはならない、なんて理由で殺されてしまうなら、それこそ間違ってる。
たとえこれが狭い価値観だと批判されても構わない。
上条はミケーラを庇う様にしっかりと抱きしめる。
上条「本当にそれしかないのかよ? 生きてるんだぞ。生きてるんだ。普通に会話して普通に呼吸して普通に笑って。物じゃないんだ。そんなあっさり殺す事が、正しいって言うのかよ。それが絶対に良い事だって、フィアンマは胸張れるのか。また戦争中みたいに、『絶対的な善』を思い込んで間違えるってのかよ」
人を打てば、自分の手が痛むように。
人を傷つければ、自分も傷ついてしまう様に、世界は出来ている。
フィアンマを大切に思っている上条は、彼にもう傷ついて欲しくなかった。
282: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 07:47:29.04:ImqYDrbAO (4/9)
上条の説得に折れたか負けたか、はたまた殺さなければならない理由は重い内容で無かったのか、フィアンマは果物ナイフをプラスチックの鞘に収めた。
そして苛立ち気味に卓上へ置くと、溜め息をつく。
フィアンマ「…今しばらく、他の解決策を探す。…そいつが居たところで、俺様が死ぬ訳でもないしな」
上条「………」
上条とフィアンマのやり取りの内容は解らないまでも、意見が対立している時特有の不穏な雰囲気は敏感に感じ取ったのか、ミケーラはおずおずと言った。
ミケーラ「…みー。…けんかしちゃだめ。ふうふはなかよくする。ひとのいかりはみずからをやく」
上条「…喧嘩じゃないんだけどな。後、夫婦でもないし」
一気に脱力しつつ、上条はミケーラをあやす。
部屋から出、フィアンマに近寄ってきたオッレルスは、ひとまず惨劇が起きていない事に安堵しつつも、窘める様に言った。
オッレルス「…流石に殺すというのは決断が早過ぎる」
フィアンマ「……」
オッレルス「…君は色々と思い出して不愉快かもしれないが、今しばらくは我慢してくれないか?」
フィアンマ「…此処で面倒を看、育てる気か?」
オッレルス「>>284」
上条の説得に折れたか負けたか、はたまた殺さなければならない理由は重い内容で無かったのか、フィアンマは果物ナイフをプラスチックの鞘に収めた。
そして苛立ち気味に卓上へ置くと、溜め息をつく。
フィアンマ「…今しばらく、他の解決策を探す。…そいつが居たところで、俺様が死ぬ訳でもないしな」
上条「………」
上条とフィアンマのやり取りの内容は解らないまでも、意見が対立している時特有の不穏な雰囲気は敏感に感じ取ったのか、ミケーラはおずおずと言った。
ミケーラ「…みー。…けんかしちゃだめ。ふうふはなかよくする。ひとのいかりはみずからをやく」
上条「…喧嘩じゃないんだけどな。後、夫婦でもないし」
一気に脱力しつつ、上条はミケーラをあやす。
部屋から出、フィアンマに近寄ってきたオッレルスは、ひとまず惨劇が起きていない事に安堵しつつも、窘める様に言った。
オッレルス「…流石に殺すというのは決断が早過ぎる」
フィアンマ「……」
オッレルス「…君は色々と思い出して不愉快かもしれないが、今しばらくは我慢してくれないか?」
フィアンマ「…此処で面倒を看、育てる気か?」
オッレルス「>>284」
283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 07:51:24.69:/JcA60pro (1/1)
ksk
ksk
284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/19(水) 08:29:14.61:ihqUdoat0 (1/1)
不服か?
不服か?
285: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 10:24:37.33:ImqYDrbAO (5/9)
オッレルス「不服か?」
フィアンマ「……」
聞かずとも、フィアンマの表情には不服だと言わんばかりの不機嫌さが滲んでいた。
だが、ここで駄々をこねるつもりも無ければ、家主と居候という立場を忘れている訳でもないフィアンマは、口には出さない。
読み取れとも思っていない。
自分一人が我慢すれば済む問題なのだから、ここは余計な事を言わない方が良い。
彼は確かに傲慢な性格をしているが、自分勝手ばかりという訳ではないのだ。
フィアンマの沈黙をこれ幸いと肯定に捉え、フォローする様にオッレルスは彼を抱きしめて頭を撫でる。
ミケーラはマイペースらしく、上条に甘えつつ問い掛ける。
ミケーラ「…みか、…うさぎさん、しらない?」
上条「兎?」
ミケーラ「うん。ぼくのともだちなんだ」
上条の表情から、自分の大切なぬいぐるみは此処に無いのだと理解したミケーラは、やや残念そうに肩を落とす。
無いものは無いのだから、我が儘は言わない。
オッレルス「不服か?」
フィアンマ「……」
聞かずとも、フィアンマの表情には不服だと言わんばかりの不機嫌さが滲んでいた。
だが、ここで駄々をこねるつもりも無ければ、家主と居候という立場を忘れている訳でもないフィアンマは、口には出さない。
読み取れとも思っていない。
自分一人が我慢すれば済む問題なのだから、ここは余計な事を言わない方が良い。
彼は確かに傲慢な性格をしているが、自分勝手ばかりという訳ではないのだ。
フィアンマの沈黙をこれ幸いと肯定に捉え、フォローする様にオッレルスは彼を抱きしめて頭を撫でる。
ミケーラはマイペースらしく、上条に甘えつつ問い掛ける。
ミケーラ「…みか、…うさぎさん、しらない?」
上条「兎?」
ミケーラ「うん。ぼくのともだちなんだ」
上条の表情から、自分の大切なぬいぐるみは此処に無いのだと理解したミケーラは、やや残念そうに肩を落とす。
無いものは無いのだから、我が儘は言わない。
286: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 10:25:43.87:ImqYDrbAO (6/9)
上条は食器を洗い、フィアンマはその手伝いをして。
解決策を考えてみたところでまだ浮かばないオッレルスは、ソファーにて、静かに読書をしていた。
ミケーラは退屈なのか、オッレルスの隣に座って横から本を覗きこんでいる。
ミケーラ「…きょうかい、かえらなくていい?」
おっかなびっくり、といった様子での、問い掛け。
先程此処で育てる云々といった会話を聞いて理解したらしい。
オッレルス「あぁ、此処に居ると良い」
ミケーラ「うん。…、…とうまおにいちゃんはだいすき。きんぱつのおにいちゃんはいいひと。…あかがみのおにいちゃんは、ぼくのこときらい?」
オッレルス「私の名前はオッレルス。そのままの呼称でも構わないし、好きに呼んでくれ。……彼は、」
将来の君だから複雑な感情を抱いているのだろう、と言ったところで困惑するだけだろう。
先程上条とフィアンマが言い争った原因が自分にあると判断したようだ。嫌われているのなら近寄らない、という意思を感じる。
オッレルス「…んー…>>288」
上条は食器を洗い、フィアンマはその手伝いをして。
解決策を考えてみたところでまだ浮かばないオッレルスは、ソファーにて、静かに読書をしていた。
ミケーラは退屈なのか、オッレルスの隣に座って横から本を覗きこんでいる。
ミケーラ「…きょうかい、かえらなくていい?」
おっかなびっくり、といった様子での、問い掛け。
先程此処で育てる云々といった会話を聞いて理解したらしい。
オッレルス「あぁ、此処に居ると良い」
ミケーラ「うん。…、…とうまおにいちゃんはだいすき。きんぱつのおにいちゃんはいいひと。…あかがみのおにいちゃんは、ぼくのこときらい?」
オッレルス「私の名前はオッレルス。そのままの呼称でも構わないし、好きに呼んでくれ。……彼は、」
将来の君だから複雑な感情を抱いているのだろう、と言ったところで困惑するだけだろう。
先程上条とフィアンマが言い争った原因が自分にあると判断したようだ。嫌われているのなら近寄らない、という意思を感じる。
オッレルス「…んー…>>288」
287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/19(水) 11:08:18.59:Hmssgmmr0 (1/1)
kskst
kskst
288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 12:31:56.50:/7EdkwwSO (4/5)
君に俺や彼を取られるかもと恐いだけなんじゃないかな
君に俺や彼を取られるかもと恐いだけなんじゃないかな
289: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 13:26:21.14:ImqYDrbAO (7/9)
オッレルス「…んー…君に、俺や彼を取られるかも、と恐いだけなんじゃないかな」
フィアンマが大方ミケーラに対して抱いている感情の予測はついているにも関わらず、オッレルスはしれっとその様な事を言った。
あながち嘘でもないが、それが主かというとそうでもない。
ミケーラは不可解そうな様子でオッレルスのセーターの柔らかな生地を指先で弄ぶ。
ミケーラ「…みー。とったりしないもん」
オッレルス「あくまでも彼がそう思っているだけだよ。じきに態度も軟化すると思うよ」
ミケーラ「…なんか?」
オッレルス「刺々しくならなくなる、という事だよ」
くいくい、とオッレルスのセーターを引っ張って遊ぶミケーラを窘めるでもなく、読書を続行しつつ、そう説明する。
ひとまず嫌われてはいないらしい、と安心したらしいミケーラはしばらくセーターで遊ぶ。
作業を終えた上条とフィアンマは、二人の向かいソファーに座った。
上条はどことなく機嫌の悪いフィアンマの様子を見、何をすべきか悩む。
フィアンマ「……『神の如き者』様は、どうした」
急に話しかけられたミケーラはきょとんとした後、寂しそうに首を横に振った。
ミケーラ「…ねるまえはいてくれたのに、…どこにもいない」
上条「…さっき言ってた兎がどうこうって話か?」
上条の疑問にどう答えるか悩むミケーラの代わりに、フィアンマが答えを紡ぐ。
フィアンマ「……この歳の頃に持っていた兎のぬいぐるみだ。天使を堕し、宿らせて使役していた。とはいえ、専ら話し相手にする為だったが」
オッレルス「この歳で、か。奇跡的な運の良さと魔術の才だな」
フィアンマ「俺様の内に宿る力の総量を考慮すれば、それ程不可思議でもあるまい」
オッレルス「それもそうか」
読書をやめ、オッレルスが本を片付けにソファーから立ち上がり、ミケーラは外を見やった後、何度か部屋の中と交互に視線を移し、上条に言った。
ミケーラ「とうまおにいちゃん、…ゆ、ゆき」
上条「…雪が、どうしたんだ?」
ミケーラ「…ゆきあそび、してみたい。いちじかんでいいから」
風邪を引くとはわかっていても、外に出ても雪玉をぶつけられる恐れが無いのをよくよく確認すれば、我慢出来なかった。
ちょっとだけでいいから、と強請るミケーラに、上条は少し間を取ってから、言葉を返した。
上条「…>>291」
オッレルス「…んー…君に、俺や彼を取られるかも、と恐いだけなんじゃないかな」
フィアンマが大方ミケーラに対して抱いている感情の予測はついているにも関わらず、オッレルスはしれっとその様な事を言った。
あながち嘘でもないが、それが主かというとそうでもない。
ミケーラは不可解そうな様子でオッレルスのセーターの柔らかな生地を指先で弄ぶ。
ミケーラ「…みー。とったりしないもん」
オッレルス「あくまでも彼がそう思っているだけだよ。じきに態度も軟化すると思うよ」
ミケーラ「…なんか?」
オッレルス「刺々しくならなくなる、という事だよ」
くいくい、とオッレルスのセーターを引っ張って遊ぶミケーラを窘めるでもなく、読書を続行しつつ、そう説明する。
ひとまず嫌われてはいないらしい、と安心したらしいミケーラはしばらくセーターで遊ぶ。
作業を終えた上条とフィアンマは、二人の向かいソファーに座った。
上条はどことなく機嫌の悪いフィアンマの様子を見、何をすべきか悩む。
フィアンマ「……『神の如き者』様は、どうした」
急に話しかけられたミケーラはきょとんとした後、寂しそうに首を横に振った。
ミケーラ「…ねるまえはいてくれたのに、…どこにもいない」
上条「…さっき言ってた兎がどうこうって話か?」
上条の疑問にどう答えるか悩むミケーラの代わりに、フィアンマが答えを紡ぐ。
フィアンマ「……この歳の頃に持っていた兎のぬいぐるみだ。天使を堕し、宿らせて使役していた。とはいえ、専ら話し相手にする為だったが」
オッレルス「この歳で、か。奇跡的な運の良さと魔術の才だな」
フィアンマ「俺様の内に宿る力の総量を考慮すれば、それ程不可思議でもあるまい」
オッレルス「それもそうか」
読書をやめ、オッレルスが本を片付けにソファーから立ち上がり、ミケーラは外を見やった後、何度か部屋の中と交互に視線を移し、上条に言った。
ミケーラ「とうまおにいちゃん、…ゆ、ゆき」
上条「…雪が、どうしたんだ?」
ミケーラ「…ゆきあそび、してみたい。いちじかんでいいから」
風邪を引くとはわかっていても、外に出ても雪玉をぶつけられる恐れが無いのをよくよく確認すれば、我慢出来なかった。
ちょっとだけでいいから、と強請るミケーラに、上条は少し間を取ってから、言葉を返した。
上条「…>>291」
290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/19(水) 13:32:37.28:/7EdkwwSO (5/5)
よし行こう!どっちが先に外出れるか競争しよう
よし行こう!どっちが先に外出れるか競争しよう
291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/19(水) 13:36:41.98:PzfgU8ab0 (1/1)
あぁ、じゃあ一緒に遊ぼうか
くれぐれも気を付けなきゃダメだからな?
あぁ、じゃあ一緒に遊ぼうか
くれぐれも気を付けなきゃダメだからな?
292: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 14:29:18.88:ImqYDrbAO (8/9)
上条「…あぁ、じゃあ一緒に遊ぼうか。くれぐれも、気を付けなきゃダメだからな?」
ミケーラ「はーい」
上条の返事に嬉しそうに笑むとミケーラはソファーから降り、上条に近寄って服をくいくいと引く。
微笑ましい気分になりつつなけなしの防寒装備をし、させ、上条はミケーラを連れて外に出た。
オッレルスは本を片付け終わり、先程まで上条が座っていた、フィアンマの隣に腰掛ける。
オッレルス「…彼は良い父親になるタイプだろうな。年齢が近いから懐かれている、というのもあるかもしれないが」
フィアンマ「……普通の女を愛していれば、家庭を築き、幸せにはなれただろうな」
窓越しに、雪で何かを作っているミケーラと、そんな様子を眺める上条の姿が見える。
オッレルスとフィアンマはそんな二人の様子を眺めつつ、それぞれ似たような事を思った。
世界から追われている自分の様な人間は、ああいった普通の幸せとは無縁だ、と。
フィアンマ「…じきに風邪を引くだろうな」
オッレルス「そんなに身体が弱いのか」
フィアンマ「毎回死ぬには至らんが、熱を出す」
楽しそうにはしゃぐ子供二人を見て、大人二人の心中に浮かぶのは、自分達がどれだけ諦めてきたか、という事だった。
オッレルス「…雪遊びか。そういえば、俺もした事は無かったな」
フィアンマ「没落したと言えど貴族であったのならば、それも仕方のない事だろう」
この間の人生初雪遊びを思い返し、フィアンマは淡々と言葉を返した。
上条と一緒に居ない彼は、無邪気さを得られないし、見せてくれない。
それを少し惜しく思いつつ、寒いから、と言い訳を口にして、オッレルスはフィアンマを抱きしめた。
上条「…あぁ、じゃあ一緒に遊ぼうか。くれぐれも、気を付けなきゃダメだからな?」
ミケーラ「はーい」
上条の返事に嬉しそうに笑むとミケーラはソファーから降り、上条に近寄って服をくいくいと引く。
微笑ましい気分になりつつなけなしの防寒装備をし、させ、上条はミケーラを連れて外に出た。
オッレルスは本を片付け終わり、先程まで上条が座っていた、フィアンマの隣に腰掛ける。
オッレルス「…彼は良い父親になるタイプだろうな。年齢が近いから懐かれている、というのもあるかもしれないが」
フィアンマ「……普通の女を愛していれば、家庭を築き、幸せにはなれただろうな」
窓越しに、雪で何かを作っているミケーラと、そんな様子を眺める上条の姿が見える。
オッレルスとフィアンマはそんな二人の様子を眺めつつ、それぞれ似たような事を思った。
世界から追われている自分の様な人間は、ああいった普通の幸せとは無縁だ、と。
フィアンマ「…じきに風邪を引くだろうな」
オッレルス「そんなに身体が弱いのか」
フィアンマ「毎回死ぬには至らんが、熱を出す」
楽しそうにはしゃぐ子供二人を見て、大人二人の心中に浮かぶのは、自分達がどれだけ諦めてきたか、という事だった。
オッレルス「…雪遊びか。そういえば、俺もした事は無かったな」
フィアンマ「没落したと言えど貴族であったのならば、それも仕方のない事だろう」
この間の人生初雪遊びを思い返し、フィアンマは淡々と言葉を返した。
上条と一緒に居ない彼は、無邪気さを得られないし、見せてくれない。
それを少し惜しく思いつつ、寒いから、と言い訳を口にして、オッレルスはフィアンマを抱きしめた。
293: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/19(水) 14:31:11.68:ImqYDrbAO (9/9)
上条「何作ってるんだ?」
ミケーラ「ゆきうさぎさん!」
所変わって、外。
雪を積んで何やら成形していたミケーラは、奇しくもフィアンマと同じく、雪兎を作っていた。
よほど兎が好きなのだろう、と和みながら、上条は手元を見つめる。
芸術的かどうかはともかく、まあ、兎には見える出来だ。
上条「…雪遊び初めてなのか」
ミケーラには少し悪いと思いつつも、幼少期のフィアンマについて知るべく、上条は話し掛ける。
ミケーラ「うん。…いつもは、おかぜひいちゃうからしんぷさまにとめられるのと…あと、おそとでさきにあそんでるこに、ゆきだまぶつけられるって、わかるから」
上条「…そっ、か。…いつも、どんな本読んでるんだ?」
ミケーラ「えっと…せいしょと、こてんぶんがくと、まどうしょのしゃぼん。えほんもよむ」
上条「読書好きなのか? 偉いな」
ミケーラ「…おそと、あんまりでないから。あと、ちしきにはきんかいのかちがあるんだよ」
書庫は自分の城だ、とぼやきつつ、雪兎を作り終わったミケーラは、続いて雪だるまを作る。
上条「金塊の価値、分かるのか…?」
ミケーラ「…みー。わかんない。でも、おべんきょうはいいことなんだって。よのなかにはおべんきょうさせてもらえないひともいるし、そのひとたちにおしえられるくらいあたまよくなりなさいってしんぷさまが。きんべんじっちょくはびとく、ゆえにはばかることなくじっせんせよって、みかえるさまにもいわれた。……とうまおにいちゃんは、おべんきょうすき?」
上条「う」
無邪気な言葉が胸に突き刺さる。
勉強なんか正直出来ないし大嫌いだが、正直に答えたら軽蔑される気がする。
上条「……>>295」
上条「何作ってるんだ?」
ミケーラ「ゆきうさぎさん!」
所変わって、外。
雪を積んで何やら成形していたミケーラは、奇しくもフィアンマと同じく、雪兎を作っていた。
よほど兎が好きなのだろう、と和みながら、上条は手元を見つめる。
芸術的かどうかはともかく、まあ、兎には見える出来だ。
上条「…雪遊び初めてなのか」
ミケーラには少し悪いと思いつつも、幼少期のフィアンマについて知るべく、上条は話し掛ける。
ミケーラ「うん。…いつもは、おかぜひいちゃうからしんぷさまにとめられるのと…あと、おそとでさきにあそんでるこに、ゆきだまぶつけられるって、わかるから」
上条「…そっ、か。…いつも、どんな本読んでるんだ?」
ミケーラ「えっと…せいしょと、こてんぶんがくと、まどうしょのしゃぼん。えほんもよむ」
上条「読書好きなのか? 偉いな」
ミケーラ「…おそと、あんまりでないから。あと、ちしきにはきんかいのかちがあるんだよ」
書庫は自分の城だ、とぼやきつつ、雪兎を作り終わったミケーラは、続いて雪だるまを作る。
上条「金塊の価値、分かるのか…?」
ミケーラ「…みー。わかんない。でも、おべんきょうはいいことなんだって。よのなかにはおべんきょうさせてもらえないひともいるし、そのひとたちにおしえられるくらいあたまよくなりなさいってしんぷさまが。きんべんじっちょくはびとく、ゆえにはばかることなくじっせんせよって、みかえるさまにもいわれた。……とうまおにいちゃんは、おべんきょうすき?」
上条「う」
無邪気な言葉が胸に突き刺さる。
勉強なんか正直出来ないし大嫌いだが、正直に答えたら軽蔑される気がする。
上条「……>>295」
294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/19(水) 15:01:10.58:NOcD0B0e0 (1/1)
kskst
kskst
295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 03:49:35.94:z3QBZp160 (1/2)
ふ、普通かな
ふ、普通かな
296: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 11:44:02.21:Tp0yaDMAO (1/3)
上条「……ふ、普通かな 」
苦心の末、上条は曖昧な答えを返した。
日本語とは便利なものである。
日本の高校生のほとんどは何だかんだで勉強が好きな者は少ない為、嘘ではない。
ミケーラは上条の返事に、自分の中での『普通』、つまりは勤勉なのだと解釈した為、満足そうにはにかんだ。
ミケーラ「…だるまさんってすごいね」
上条「? 雪だるまか?」
ミケーラ「ううん、ゆきだるまのもとのだるま、そのもとのだるまさん。いっしょうけんめいがんばってるうちに、てあしがくさりおちちゃったんだって」
恐らく達磨大師についての話だろう。
そこまで頑張れるすごいな、神様から試練を戴いたのかな、などと機嫌良くぼやきながら雪だるまを作るミケーラに、上条は何とも言えない気分になった。
大人になってから世界を救おうとしたのだから、ミケーラは、フィアンマという人間は、自分が思っている以上に生真面目で敬虔なのかもしれない。
―――或いは、歪んだ形だとしても敬虔にならなければ生きていられなかったのか。
上条「……ふ、普通かな 」
苦心の末、上条は曖昧な答えを返した。
日本語とは便利なものである。
日本の高校生のほとんどは何だかんだで勉強が好きな者は少ない為、嘘ではない。
ミケーラは上条の返事に、自分の中での『普通』、つまりは勤勉なのだと解釈した為、満足そうにはにかんだ。
ミケーラ「…だるまさんってすごいね」
上条「? 雪だるまか?」
ミケーラ「ううん、ゆきだるまのもとのだるま、そのもとのだるまさん。いっしょうけんめいがんばってるうちに、てあしがくさりおちちゃったんだって」
恐らく達磨大師についての話だろう。
そこまで頑張れるすごいな、神様から試練を戴いたのかな、などと機嫌良くぼやきながら雪だるまを作るミケーラに、上条は何とも言えない気分になった。
大人になってから世界を救おうとしたのだから、ミケーラは、フィアンマという人間は、自分が思っている以上に生真面目で敬虔なのかもしれない。
―――或いは、歪んだ形だとしても敬虔にならなければ生きていられなかったのか。
297: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 11:44:55.23:Tp0yaDMAO (2/3)
ミケーラ「できたー」
どこから持ってきたのか、再利用出来そうにないゴミレベルのバケツを雪だるまに被せ、帽子に見立て。
拾ったらしい小さな石を目として押し込み、完成させた雪だるまを見た後、ミケーラは上条を見上げる。
褒めて褒めて、と言わんばかりの様子を眺めつつ、上条はミケーラの頭を撫でた。
上条「よく頑張ったな。結構デカいし、すごいぞ」
そう和やかに褒め称え、上条はアパートメントを見やった。
だいぶ時間が経っている。
上条「寒いから、そろそろ戻ろうぜ」
ミケーラ「うん、…くちっ」
フィアンマが予想していた通り、風邪を引いたミケーラはくしゃみをすると残念そうな顔をした。 もっと早く切り上げるべきだったか、と上条は保護者として反省しながら、中に戻り。
オッレルスは暇そうに時計を見ており、フィアンマは疲れているのか、彼の肩に頭をもたれて眠っている。
上条は自分がいつも使っている方の寝室にミケーラを連れて行き、毛布をしっかりとかけた。
もちろん、少し濡れた防寒装備は脱がし、片付けて。
ミケーラ「…ごめんなさい」
ミケーラ「できたー」
どこから持ってきたのか、再利用出来そうにないゴミレベルのバケツを雪だるまに被せ、帽子に見立て。
拾ったらしい小さな石を目として押し込み、完成させた雪だるまを見た後、ミケーラは上条を見上げる。
褒めて褒めて、と言わんばかりの様子を眺めつつ、上条はミケーラの頭を撫でた。
上条「よく頑張ったな。結構デカいし、すごいぞ」
そう和やかに褒め称え、上条はアパートメントを見やった。
だいぶ時間が経っている。
上条「寒いから、そろそろ戻ろうぜ」
ミケーラ「うん、…くちっ」
フィアンマが予想していた通り、風邪を引いたミケーラはくしゃみをすると残念そうな顔をした。 もっと早く切り上げるべきだったか、と上条は保護者として反省しながら、中に戻り。
オッレルスは暇そうに時計を見ており、フィアンマは疲れているのか、彼の肩に頭をもたれて眠っている。
上条は自分がいつも使っている方の寝室にミケーラを連れて行き、毛布をしっかりとかけた。
もちろん、少し濡れた防寒装備は脱がし、片付けて。
ミケーラ「…ごめんなさい」
298: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 11:46:13.52:Tp0yaDMAO (3/3)
落ち込んだミケーラは、心底からの謝罪を繰り返す。
上条が、大丈夫だと宥めても、飽きずに謝罪を繰り返した。
熱が出てきているのか、熱に浮かされた時特有の危うく幼い声音での謝罪は、止まない。
書き記したのなら四百字詰め作文用紙でも埋め尽くすのではないか、という程に。
ミケーラ「…いつもみたいにほんをよまないから。そとになんてでるから、おかぜをひいて、とうまおにいちゃんにめいわくをかける。……ぼくがわるいんじゃない。だれもわるくない。せかいがわるい、こんなせかいだいきらい」
フィアンマが人の善意を信じられなくなり、世界が歪んでいると決め付けたのは、こういった時なのだろうか、と上条は思う。
行き場の無い怒りと悲しみを、いじめっ子にも周囲の大人にも押し付けず。
かといって自分が悪いとは思いたくないから、自分を取り巻く世界全体が間違っていると見做す。そんな彼に誰かが手を差し伸べてあげていれば、彼は歪まず、苦しまず、あんな事をしなかったのかもしれない。
魔術的な歪みだとか、世界を救わないと罪悪感がある、というのは、動機の後付けなんだろう。
嫌い、としばらく掠れた声でぼやき、ミケーラは毛布を頭から被る。
上条はどうする?>>+2
落ち込んだミケーラは、心底からの謝罪を繰り返す。
上条が、大丈夫だと宥めても、飽きずに謝罪を繰り返した。
熱が出てきているのか、熱に浮かされた時特有の危うく幼い声音での謝罪は、止まない。
書き記したのなら四百字詰め作文用紙でも埋め尽くすのではないか、という程に。
ミケーラ「…いつもみたいにほんをよまないから。そとになんてでるから、おかぜをひいて、とうまおにいちゃんにめいわくをかける。……ぼくがわるいんじゃない。だれもわるくない。せかいがわるい、こんなせかいだいきらい」
フィアンマが人の善意を信じられなくなり、世界が歪んでいると決め付けたのは、こういった時なのだろうか、と上条は思う。
行き場の無い怒りと悲しみを、いじめっ子にも周囲の大人にも押し付けず。
かといって自分が悪いとは思いたくないから、自分を取り巻く世界全体が間違っていると見做す。そんな彼に誰かが手を差し伸べてあげていれば、彼は歪まず、苦しまず、あんな事をしなかったのかもしれない。
魔術的な歪みだとか、世界を救わないと罪悪感がある、というのは、動機の後付けなんだろう。
嫌い、としばらく掠れた声でぼやき、ミケーラは毛布を頭から被る。
上条はどうする?>>+2
299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 12:50:13.99:W666HrbAO (1/1)
ksk
ksk
300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 18:10:13.46:gbxI9BFSO (1/3)
毛布の上から頭を撫でつづける。
風邪治療のために必要な事する
毛布の上から頭を撫でつづける。
風邪治療のために必要な事する
301: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 20:23:55.57:JPoF/8660 (1/3)
上条は手を伸ばし、毛布越しに幾度もミケーラの頭を撫でる。
そして、かつてフィアンマに言った事と同じ様な事を、もう少し噛み砕いて言った。
上条「…確かに、世界が悪いのかもな。でも、それだけじゃないと俺は思うよ。…少なくとも今日の風邪については、ミケーラも俺も、誰も悪くない。寒かったし、ミケーラの身体が弱いなら、風邪を引くっていうのも仕方の無い事なんだ。それを馬鹿にするヤツが良くないだけで。…外に出るのは悪い事じゃない」
ミケーラ「…みー」
上条「でも、悪い部分だけの人間も居ないし、悪いだけの世界も無い。良い部分だって、確かにある。だから、そうやって決め付けるのは良くない」
ミケーラ「…」
上条の言葉を遮断するかの様に、ミケーラは毛布の中で丸まる。
そんな彼の様子に苦笑しつつ、上条は優しく毛布越しに撫で続けながら言葉をかけた。
たとえどんな態度を取られても。
上条にとって、この少年が将来の自分の恋人である事に変わりは無く。
何の理由も無しに優しく出来るのも、諭す気になれるのも、当然の事だ。
ミケーラとフィアンマの様子や発言を脳内で重ね合わせ、フィアンマはこの頃からあまり精神的には成長していないのか、と上条は思う。
悪い意味で達観している彼は、今頃オッレルスと穏やかな時間を過ごしている事だろう。
上条「それにな、上条さんは迷惑だなんて思ってないぞ。お前の看病をしてくれた人が今までどんな人間だったのかは知らないけど、俺は迷惑だなんて思わない。面倒臭いとも思わない」
ミケーラ「…ほんと?」
ひょこ、と毛布から顔を覗かせ、ミケーラが問いかける。
本当、と上条は頷き、咳をしたミケーラの背中を摩る。
上条「何か食べたい物とかあるか?」
ミケーラ「…みー。…あの、きいろいのがたべたい」
上条「黄色?」
バナナだろうか、と首を傾げる上条に、ミケーラは上手く説明出来ないもどかしさに眉を潜めた。
説明上手且つ説明好きなフィアンマと比べてこの頃は説明下手だったのか、と思いながら、上条は急かさずに話を聞く。
ミケーラ「きいろくて、あとしろくて、ぷにぷにしてるの」
上条「ぷにぷに?」
ミケーラ「うー…」
伝わらない、と項垂れ、言葉を練っているのがよく解る。
ほっぺた位柔らかいの、と言われ、上条は問いかけた。
上条「もしかしてプリンか? 甘いやつなら多分それ」
ミケーラ「たぶん、それ」
上条の言葉後半を繰り返しながら、こくこくと首を二度縦に振り。
わかった、と頷いた彼はミケーラを寝かしつけた後、部屋から出てきた。
買うよりも作った方が良さそうだ。
一方、オッレルスに寄りかかって寝ていたフィアンマは、だるそうに目を覚ます。
少々の空腹を感じつつ彼は隣を見やり、眠るオッレルスを起こさない様にして離れた。
丁度上条が来た為、何をしに来たのだろうかと思いつつ近寄る。
フィアンマ「…『あれ』は風邪を引いたか」
上条「一応、ある意味自分には変わりないんだし、生きてるんだから物みたいに言うなよ。…風邪引いたみたいだ。で、プリン食べたいって言われたから作ろうと思うんだけど」
フィアンマ「…作れる物なのか?」
不思議そうに問われ、上条はほのぼのと笑みを浮かべながら頷いた。
上条「フィアンマも食べるか?」
フィアンマ「…、」
無言のまま、彼は一度だけ首を縦に振る。
上条(じゃあ量は決まったな。…何プリンにしよう)
何風味のプリンを作る?(通常可)>>+2
上条は手を伸ばし、毛布越しに幾度もミケーラの頭を撫でる。
そして、かつてフィアンマに言った事と同じ様な事を、もう少し噛み砕いて言った。
上条「…確かに、世界が悪いのかもな。でも、それだけじゃないと俺は思うよ。…少なくとも今日の風邪については、ミケーラも俺も、誰も悪くない。寒かったし、ミケーラの身体が弱いなら、風邪を引くっていうのも仕方の無い事なんだ。それを馬鹿にするヤツが良くないだけで。…外に出るのは悪い事じゃない」
ミケーラ「…みー」
上条「でも、悪い部分だけの人間も居ないし、悪いだけの世界も無い。良い部分だって、確かにある。だから、そうやって決め付けるのは良くない」
ミケーラ「…」
上条の言葉を遮断するかの様に、ミケーラは毛布の中で丸まる。
そんな彼の様子に苦笑しつつ、上条は優しく毛布越しに撫で続けながら言葉をかけた。
たとえどんな態度を取られても。
上条にとって、この少年が将来の自分の恋人である事に変わりは無く。
何の理由も無しに優しく出来るのも、諭す気になれるのも、当然の事だ。
ミケーラとフィアンマの様子や発言を脳内で重ね合わせ、フィアンマはこの頃からあまり精神的には成長していないのか、と上条は思う。
悪い意味で達観している彼は、今頃オッレルスと穏やかな時間を過ごしている事だろう。
上条「それにな、上条さんは迷惑だなんて思ってないぞ。お前の看病をしてくれた人が今までどんな人間だったのかは知らないけど、俺は迷惑だなんて思わない。面倒臭いとも思わない」
ミケーラ「…ほんと?」
ひょこ、と毛布から顔を覗かせ、ミケーラが問いかける。
本当、と上条は頷き、咳をしたミケーラの背中を摩る。
上条「何か食べたい物とかあるか?」
ミケーラ「…みー。…あの、きいろいのがたべたい」
上条「黄色?」
バナナだろうか、と首を傾げる上条に、ミケーラは上手く説明出来ないもどかしさに眉を潜めた。
説明上手且つ説明好きなフィアンマと比べてこの頃は説明下手だったのか、と思いながら、上条は急かさずに話を聞く。
ミケーラ「きいろくて、あとしろくて、ぷにぷにしてるの」
上条「ぷにぷに?」
ミケーラ「うー…」
伝わらない、と項垂れ、言葉を練っているのがよく解る。
ほっぺた位柔らかいの、と言われ、上条は問いかけた。
上条「もしかしてプリンか? 甘いやつなら多分それ」
ミケーラ「たぶん、それ」
上条の言葉後半を繰り返しながら、こくこくと首を二度縦に振り。
わかった、と頷いた彼はミケーラを寝かしつけた後、部屋から出てきた。
買うよりも作った方が良さそうだ。
一方、オッレルスに寄りかかって寝ていたフィアンマは、だるそうに目を覚ます。
少々の空腹を感じつつ彼は隣を見やり、眠るオッレルスを起こさない様にして離れた。
丁度上条が来た為、何をしに来たのだろうかと思いつつ近寄る。
フィアンマ「…『あれ』は風邪を引いたか」
上条「一応、ある意味自分には変わりないんだし、生きてるんだから物みたいに言うなよ。…風邪引いたみたいだ。で、プリン食べたいって言われたから作ろうと思うんだけど」
フィアンマ「…作れる物なのか?」
不思議そうに問われ、上条はほのぼのと笑みを浮かべながら頷いた。
上条「フィアンマも食べるか?」
フィアンマ「…、」
無言のまま、彼は一度だけ首を縦に振る。
上条(じゃあ量は決まったな。…何プリンにしよう)
何風味のプリンを作る?(通常可)>>+2
302:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/20(木) 20:25:23.32:BBsE6GNjo (1/2)
加速
加速
303:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/20(木) 20:25:35.72:dimRb/od0 (1/1)
普通のやつと
黒ゴマプリン
普通のやつと
黒ゴマプリン
304:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 20:26:44.75:gbxI9BFSO (2/3)
複数可なのか?いや別にいいとは思うが
複数可なのか?いや別にいいとは思うが
305: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 21:45:51.52:JPoF/8660 (2/3)
調理を始める上条の隣に立ち、フィアンマは手伝うでもなく、退屈そうに上条の手元を見つめる。
上条が作っているのは、卵と牛乳から作る普通の焼きプリンと、偶々戸棚から発見した黒ごまを用いた黒ごまプリン。
ごりごりごり、と黒ごまを摺っている様子が物珍しいのか、フィアンマは興味の惹かれるままに上条の手元を観察し続ける。
フィアンマ「…何を作る気だ」
上条「ん、こっちは黒ごまプリン。身体に良いんだぞ、ゴマ」
フィアンマ「……」
ゴマを摺る、という言葉が浮かびつつも沈黙を守り、フィアンマはある程度摺られた胡麻から漂う良い匂いに首を傾げた。
木の実、アーモンドやピーナッツというものにはそれなりに親しみがあるものの、黒ごまにはそれが無い。
謎の粉に見えるらしく、かといって横から手を出すのも品が無いと考えるフィアンマはぐっと我慢した。
流石につまみ食い、ましてや擦っただけのそれを舐める程子供ではない。
上条はそんな彼の様子に気がついたのか、スプーンを持ち出して摺り胡麻を少し掬い、口元へ運ぶ。
上条「はい、あーん」
フィアンマ「…、ん」
興味が羞恥に勝ったのか、そもそもこの程度の行為に羞恥を感じない性質なのか、フィアンマは拒否せずにスプーンを口に含む。
最低限の矜持は持ち合わせているが、無駄に格好つける程、彼のプライドは高くない。
フィアンマ「……」
もぐもぐ、と口を動かし、舌先で味をよくよく確かめているフィアンマの口内からスプーンを引き出して片付け、上条は問いかける。
上条「…好きな味か?」
フィアンマの反応(アバウト可)>>+2
調理を始める上条の隣に立ち、フィアンマは手伝うでもなく、退屈そうに上条の手元を見つめる。
上条が作っているのは、卵と牛乳から作る普通の焼きプリンと、偶々戸棚から発見した黒ごまを用いた黒ごまプリン。
ごりごりごり、と黒ごまを摺っている様子が物珍しいのか、フィアンマは興味の惹かれるままに上条の手元を観察し続ける。
フィアンマ「…何を作る気だ」
上条「ん、こっちは黒ごまプリン。身体に良いんだぞ、ゴマ」
フィアンマ「……」
ゴマを摺る、という言葉が浮かびつつも沈黙を守り、フィアンマはある程度摺られた胡麻から漂う良い匂いに首を傾げた。
木の実、アーモンドやピーナッツというものにはそれなりに親しみがあるものの、黒ごまにはそれが無い。
謎の粉に見えるらしく、かといって横から手を出すのも品が無いと考えるフィアンマはぐっと我慢した。
流石につまみ食い、ましてや擦っただけのそれを舐める程子供ではない。
上条はそんな彼の様子に気がついたのか、スプーンを持ち出して摺り胡麻を少し掬い、口元へ運ぶ。
上条「はい、あーん」
フィアンマ「…、ん」
興味が羞恥に勝ったのか、そもそもこの程度の行為に羞恥を感じない性質なのか、フィアンマは拒否せずにスプーンを口に含む。
最低限の矜持は持ち合わせているが、無駄に格好つける程、彼のプライドは高くない。
フィアンマ「……」
もぐもぐ、と口を動かし、舌先で味をよくよく確かめているフィアンマの口内からスプーンを引き出して片付け、上条は問いかける。
上条「…好きな味か?」
フィアンマの反応(アバウト可)>>+2
306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 21:52:21.12:gbxI9BFSO (3/3)
フィアンマさんは基本的に何でも食べそうでなんか悔しいから徹底的に無理な反応を
フィアンマさんは基本的に何でも食べそうでなんか悔しいから徹底的に無理な反応を
307:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/20(木) 21:53:00.22:BBsE6GNjo (2/2)
なんか不思議な味だなと興味深そうに味わう
なんか不思議な味だなと興味深そうに味わう
308: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/20(木) 22:46:17.20:JPoF/8660 (3/3)
フィアンマ「…不可解な味がする」
上条「あー、ヨーロッパの方ではあんまり食べないもんな」
フィアンマ「最初は黒チョークの粉にしか見えなかったが。とうとう狂気が日常生活に支障を及ぼしたのかと先程心配になったのだが、まともな様で何よりだ」
上条「!? きょ、狂気って…上条さんが頭おかしいみたいに言うなよ」
フィアンマ「実際おかしいと思うぞ?」
ざらざらとした、決してなめらかではない粉を呑み込み、黒胡麻特有の香りと味を何度も味わい、フィアンマは首を傾げる。
慣れないというのもあるが、甘い訳でもなく、かといって木の実の様に油っ気も無い、何やら不思議な味だ。
果たしてこれがプティングとして無事分離せず完成形を成すのだろうかと不安を抱きつつ、フィアンマは上条の調理作業を眺めた。
牛乳と卵黄を混ぜて火にかけ、漉してから容器に注ぐ。こちらは普通のプリン。
容器に注いだ後はオーブンレンジで何分か焼き、その間に黒胡麻を、次のプリン種に投入してよく混ぜる。
これもまた、舌触りを滑らかにする為にしっかりと漉してから容器へと注ぎ。
フィアンマの発言にむすくれつつ調理作業を行う上条に謝罪の言葉をかけるでもなく、フィアンマは黒胡麻プリン種を見つめた。
フィアンマ(…コールタールに酷似しているな)
そんな事を思いつつ。
いくら親しみが無いとはいえ、例えがあんまりである。
上条「大体俺のどの辺がおかしいんだよ」
フィアンマ「自己犠牲精神と、あの時俺様を助けた事だな」
上条「あの時はまだやる事があったから…」
フィアンマ「俺様を放り置いて『やる事』を成した後、脱出すれば良かっただろう。脳震盪を起こしていたのだから、回復する筈も…、…なるほど」
自分を、復活した場合また襲ってくるという危険因子だと判断したから、脱出させた。
そうすれば自分がまた危険に晒される事は少ない。
上条には助けてくれる人間が沢山居るのだから、問題は無かったのだ。
あの時はさっぱりわからなかったが、そういうことか、とフィアンマは納得する。
感謝すべき事案ではないような気がしてきた。
自分は素敵な錯覚を起こして、煉獄に堕されたのだから。
人間不信論者特有の嫌な解釈だ。
加速度的に、彼は万人の評価を自分の中で落としていく。
フィアンマ(…まぁ、これも罪滅ぼしか)
自分はもっと苦しむべきなのだから、別にいい。何でもいい。どうでもいい。
そう素っ気なく自分の思いを切り捨て、フィアンマは、上条がプリン種を注いだ容器をしまった冷蔵庫扉を見る。
フィアンマ「どれ位で出来上がるものなんだ」
上条「ざっと三時間位かな」
フィアンマ「そうか。…お前は子供好きなのか?」
上条「ん? 何でだ?」
フィアンマ「『あれ』…、…ヤツと遊んでいただろう? 親しくしている様だったからな。子供が好きなのかと思っただけだ」
あくまで自分だと認める気がないのか、自分の記憶から創られた生き物に嫌悪感を覚えているのか、ミケーラについて語るフィアンマの口調は刺々しい。
上条「んー…>>310」
フィアンマ「…不可解な味がする」
上条「あー、ヨーロッパの方ではあんまり食べないもんな」
フィアンマ「最初は黒チョークの粉にしか見えなかったが。とうとう狂気が日常生活に支障を及ぼしたのかと先程心配になったのだが、まともな様で何よりだ」
上条「!? きょ、狂気って…上条さんが頭おかしいみたいに言うなよ」
フィアンマ「実際おかしいと思うぞ?」
ざらざらとした、決してなめらかではない粉を呑み込み、黒胡麻特有の香りと味を何度も味わい、フィアンマは首を傾げる。
慣れないというのもあるが、甘い訳でもなく、かといって木の実の様に油っ気も無い、何やら不思議な味だ。
果たしてこれがプティングとして無事分離せず完成形を成すのだろうかと不安を抱きつつ、フィアンマは上条の調理作業を眺めた。
牛乳と卵黄を混ぜて火にかけ、漉してから容器に注ぐ。こちらは普通のプリン。
容器に注いだ後はオーブンレンジで何分か焼き、その間に黒胡麻を、次のプリン種に投入してよく混ぜる。
これもまた、舌触りを滑らかにする為にしっかりと漉してから容器へと注ぎ。
フィアンマの発言にむすくれつつ調理作業を行う上条に謝罪の言葉をかけるでもなく、フィアンマは黒胡麻プリン種を見つめた。
フィアンマ(…コールタールに酷似しているな)
そんな事を思いつつ。
いくら親しみが無いとはいえ、例えがあんまりである。
上条「大体俺のどの辺がおかしいんだよ」
フィアンマ「自己犠牲精神と、あの時俺様を助けた事だな」
上条「あの時はまだやる事があったから…」
フィアンマ「俺様を放り置いて『やる事』を成した後、脱出すれば良かっただろう。脳震盪を起こしていたのだから、回復する筈も…、…なるほど」
自分を、復活した場合また襲ってくるという危険因子だと判断したから、脱出させた。
そうすれば自分がまた危険に晒される事は少ない。
上条には助けてくれる人間が沢山居るのだから、問題は無かったのだ。
あの時はさっぱりわからなかったが、そういうことか、とフィアンマは納得する。
感謝すべき事案ではないような気がしてきた。
自分は素敵な錯覚を起こして、煉獄に堕されたのだから。
人間不信論者特有の嫌な解釈だ。
加速度的に、彼は万人の評価を自分の中で落としていく。
フィアンマ(…まぁ、これも罪滅ぼしか)
自分はもっと苦しむべきなのだから、別にいい。何でもいい。どうでもいい。
そう素っ気なく自分の思いを切り捨て、フィアンマは、上条がプリン種を注いだ容器をしまった冷蔵庫扉を見る。
フィアンマ「どれ位で出来上がるものなんだ」
上条「ざっと三時間位かな」
フィアンマ「そうか。…お前は子供好きなのか?」
上条「ん? 何でだ?」
フィアンマ「『あれ』…、…ヤツと遊んでいただろう? 親しくしている様だったからな。子供が好きなのかと思っただけだ」
あくまで自分だと認める気がないのか、自分の記憶から創られた生き物に嫌悪感を覚えているのか、ミケーラについて語るフィアンマの口調は刺々しい。
上条「んー…>>310」
309:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/20(木) 23:17:52.35:z3QBZp160 (2/2)
ksk
ksk
310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/21(金) 00:14:38.96:2LR/HUYM0 (1/3)
子供は嫌いじゃないよ。それにあの子はフィアンマだしな
子供は嫌いじゃないよ。それにあの子はフィアンマだしな
311: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/21(金) 08:20:06.36:IS+EY4AAO (1/4)
上条「んー…子供は嫌いじゃないよ。それに、あの子はフィアンマだしな」
フィアンマ「…合致点より相違点の方が大きいだろう」
上条「年齢が違うし、そりゃそうだけど…でも、似てる部分もある」
人間に対して怖がりなところだとか。
人格の根本的な部分に宿る、劣等感だとか。
フィアンマが本来持ち合わせている優しさや無邪気さを良い形で出力したのなら、ミケーラの様な愛らしさになるのだろう。
日本には、三つ子の魂百まで、という言葉があり。
それに沿えば、フィアンマの本質は気弱で臆病で、優しい愛されたがりだと分かる。
勿論本人は否定するだろうが、記憶を喪うか死にでもしない限り、人の本質や本性は変わらない。
上条「元々可愛くて良い子なのと、この子もフィアンマなんだな、って思ったら優しく出来るし、別の意味合いでも可愛いと思う」
フィアンマ「…、手を出すなよ。殺すのは構わんが」
上条「出さねえよ! 上条さんショタコンじゃないから! …何かこう、…フィアンマと俺の間に子供が出来たらこんな感じなのかな、って思ったりは、するけど」
フィアンマ「夢想主義だな」
上条のもごもごと照れ混じりな言葉を一刀両断して、フィアンマは肩をすくめる。
フィアンマ「…ヤツは俺様の過去の具現化。例えば、猫を擬人化したようなものだ。それは猫だと言えない様に、ヤツも俺様ではない。ただの悪趣味な作り物だ」
上条「何でそんなに嫌いなんだよ…」
フィアンマ「…生理的に受け付けません、といった具合か」
上条「んー…子供は嫌いじゃないよ。それに、あの子はフィアンマだしな」
フィアンマ「…合致点より相違点の方が大きいだろう」
上条「年齢が違うし、そりゃそうだけど…でも、似てる部分もある」
人間に対して怖がりなところだとか。
人格の根本的な部分に宿る、劣等感だとか。
フィアンマが本来持ち合わせている優しさや無邪気さを良い形で出力したのなら、ミケーラの様な愛らしさになるのだろう。
日本には、三つ子の魂百まで、という言葉があり。
それに沿えば、フィアンマの本質は気弱で臆病で、優しい愛されたがりだと分かる。
勿論本人は否定するだろうが、記憶を喪うか死にでもしない限り、人の本質や本性は変わらない。
上条「元々可愛くて良い子なのと、この子もフィアンマなんだな、って思ったら優しく出来るし、別の意味合いでも可愛いと思う」
フィアンマ「…、手を出すなよ。殺すのは構わんが」
上条「出さねえよ! 上条さんショタコンじゃないから! …何かこう、…フィアンマと俺の間に子供が出来たらこんな感じなのかな、って思ったりは、するけど」
フィアンマ「夢想主義だな」
上条のもごもごと照れ混じりな言葉を一刀両断して、フィアンマは肩をすくめる。
フィアンマ「…ヤツは俺様の過去の具現化。例えば、猫を擬人化したようなものだ。それは猫だと言えない様に、ヤツも俺様ではない。ただの悪趣味な作り物だ」
上条「何でそんなに嫌いなんだよ…」
フィアンマ「…生理的に受け付けません、といった具合か」
312: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/21(金) 08:20:54.45:IS+EY4AAO (2/4)
冗談めかして言いながらも、つん、とそっぽを向き、フィアンマは時計を見つめる。
ともすればプリンが早く出来上がらないものだろうかと待つ子供の様にも見えた。
上条「…話変わるけどさ。プリン好きなのは分かったんだけど、ケーキは好きなのあるのか?」
フィアンマ「…>>314」
冗談めかして言いながらも、つん、とそっぽを向き、フィアンマは時計を見つめる。
ともすればプリンが早く出来上がらないものだろうかと待つ子供の様にも見えた。
上条「…話変わるけどさ。プリン好きなのは分かったんだけど、ケーキは好きなのあるのか?」
フィアンマ「…>>314」
313:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/21(金) 08:47:44.12:ejIOjttDo (1/1)
加速
加速
314:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/21(金) 08:53:27.46:MkGyH4+T0 (1/1)
ガトーショコラ
ガトーショコラ
315: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/21(金) 16:45:23.38:IS+EY4AAO (3/4)
フィアンマ「…ガトーショコラ」
成人男性としては平均的な回答だ。
そんなに甘党じゃないのか、と判断しつつ、上条はのんびりとした笑みを浮かべる。
上条「もし行ける事が出来たら、いつか食べに行こうな。ガトーショコラ」
フィアンマ「…その時、果たしてお前に金があるかどうかは分からんがな」
上条「う、いや、多分あるって」
フィアンマ「どれだけ稼ごうと。…魔道書図書館の食費で消えるんじゃないか?」
上条「う」
フィアンマ「よもや、女役の恋人に払わせるとは言うまい?」
くすくすと笑って、フィアンマは上条の髪を弄る。
そして上条の後ろに回り、ぽつりと呟いた。
フィアンマ「…例え、その"いつか"が訪れないと知っていても。……時に夢想し、妄想してみるのは、悪くないな」
上条「訪れないって決めつけてんじゃねえよ」
はー、と上条は深く深くため息をつく。
フィアンマ「お前が思っている程、俺様を取り巻く世界は甘くない」
子供の言う事だと心中で一蹴すればいい事を、わざわざ反論するのは。
或いは、そんな事は無いと否定して欲しいからかもしれない。
ただ、罪を犯したといえど、たかが少女への偽証のそれしか犯していない彼には、フィアンマの相反する感情など、理解出来ず。
上条「お前が、悔いてないからだろ」
フィアンマ「…、」
突き放す様な、一言。
上条の正義感が強いが故に出た言葉なのかは、分からないものの。
事実、フィアンマは自らの所業は虚しく馬鹿馬鹿しい行動だと思っているだけで、心から悔やんでいる訳ではない。
だって、自分は悪くない。
多少悪いかもしれないが、完全に、自分一人が悪い訳じゃない。
そもそも上条に甘えの感情を出した事が間違いだったか、と無意識下に判断して。
フィアンマ「…お前は、優しさを模した暴力が得意だな。俺様も同じ様な事をしたし、事実、正しい意味で悔いてはいないのだから…責めている訳ではないよ」
柔らかな声音で、諭す様に。
傷ついた事を覆い隠している様にも見えた。
フィアンマ「…さて、完全に出来上がったら声をかけろ」
冷蔵庫を一度指差し、フィアンマはキッチンからリビングに戻ろうとする。
上条はどうする?>>+2
フィアンマ「…ガトーショコラ」
成人男性としては平均的な回答だ。
そんなに甘党じゃないのか、と判断しつつ、上条はのんびりとした笑みを浮かべる。
上条「もし行ける事が出来たら、いつか食べに行こうな。ガトーショコラ」
フィアンマ「…その時、果たしてお前に金があるかどうかは分からんがな」
上条「う、いや、多分あるって」
フィアンマ「どれだけ稼ごうと。…魔道書図書館の食費で消えるんじゃないか?」
上条「う」
フィアンマ「よもや、女役の恋人に払わせるとは言うまい?」
くすくすと笑って、フィアンマは上条の髪を弄る。
そして上条の後ろに回り、ぽつりと呟いた。
フィアンマ「…例え、その"いつか"が訪れないと知っていても。……時に夢想し、妄想してみるのは、悪くないな」
上条「訪れないって決めつけてんじゃねえよ」
はー、と上条は深く深くため息をつく。
フィアンマ「お前が思っている程、俺様を取り巻く世界は甘くない」
子供の言う事だと心中で一蹴すればいい事を、わざわざ反論するのは。
或いは、そんな事は無いと否定して欲しいからかもしれない。
ただ、罪を犯したといえど、たかが少女への偽証のそれしか犯していない彼には、フィアンマの相反する感情など、理解出来ず。
上条「お前が、悔いてないからだろ」
フィアンマ「…、」
突き放す様な、一言。
上条の正義感が強いが故に出た言葉なのかは、分からないものの。
事実、フィアンマは自らの所業は虚しく馬鹿馬鹿しい行動だと思っているだけで、心から悔やんでいる訳ではない。
だって、自分は悪くない。
多少悪いかもしれないが、完全に、自分一人が悪い訳じゃない。
そもそも上条に甘えの感情を出した事が間違いだったか、と無意識下に判断して。
フィアンマ「…お前は、優しさを模した暴力が得意だな。俺様も同じ様な事をしたし、事実、正しい意味で悔いてはいないのだから…責めている訳ではないよ」
柔らかな声音で、諭す様に。
傷ついた事を覆い隠している様にも見えた。
フィアンマ「…さて、完全に出来上がったら声をかけろ」
冷蔵庫を一度指差し、フィアンマはキッチンからリビングに戻ろうとする。
上条はどうする?>>+2
316:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/21(金) 16:48:55.38:2LR/HUYM0 (2/3)
ksk
ksk
317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/21(金) 17:00:08.41:ZuO2Yg600 (1/1)
ゲームしながら時間つぶす
ゲームしながら時間つぶす
318: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/21(金) 19:57:06.01:IS+EY4AAO (4/4)
少し言い方がキツかっただろうかとは思ったものの、間違った事は言っていない為、訂正も呼び止めもせず。
上条はミケーラの眠る寝室に行き、プリンが冷え出来上がるまで、トランプカードの透視ゲームをして遊んで時間を潰した。
もちろん、全問ハズレである。
フィアンマにプリンを渡し、ミケーラにも普通のプリンを渡し。
黒ごまプリンはひとまず傍らに置き、上条は少しずつミケーラに食べさせていた。
自分で食べさせても良かったのだが、取り落とされた場合ベッドが汚れる為に、少しずつ、『あーん』を繰り返す。
上条「美味しい?」
ミケーラ「おいしい」
にへら、と柔らかな笑みを浮かべ、ミケーラはプリンを食べる。
少し寝たからだろうか、回復している様に見えた。
ミケーラ「とうまおにいちゃん、おりょうりじょうず」
上条「まぁ、よく作ってるからな」
最近はもやし料理ばっかだったが、と思いつつ。プリンを食べさせ終わり、自分の分の黒ごまプリンを食べる上条の手元に、ミケーラは興味を示した。
ミケーラ「もくたんぷりん?」
上条「違う違う、黒ごま」
ミケーラ「…ごま? ……、みー」
不思議そうに首を傾げるミケーラに黒ごまプリンを食べさせ、その微妙な反応に頭を撫でてあげながら、上条は薄く笑んだ。
ミケーラ「…ぼく、おっきくなったらとうまおにいちゃんとけっこんする。それでね、まいにちおいしいごはんつくってもらって、まいにちあさとよるにきすするんだ。おにいちゃんのこと、たいせつにする。…だめ?」
上条の服袖を握り、何の前触れも無く、ミケーラは告白した。
否、プロポーズである。幼い子供とはいえイタリア人男性、口説き文句は本気そのもので、中々ロマンがあった。
上条「>>320」
少し言い方がキツかっただろうかとは思ったものの、間違った事は言っていない為、訂正も呼び止めもせず。
上条はミケーラの眠る寝室に行き、プリンが冷え出来上がるまで、トランプカードの透視ゲームをして遊んで時間を潰した。
もちろん、全問ハズレである。
フィアンマにプリンを渡し、ミケーラにも普通のプリンを渡し。
黒ごまプリンはひとまず傍らに置き、上条は少しずつミケーラに食べさせていた。
自分で食べさせても良かったのだが、取り落とされた場合ベッドが汚れる為に、少しずつ、『あーん』を繰り返す。
上条「美味しい?」
ミケーラ「おいしい」
にへら、と柔らかな笑みを浮かべ、ミケーラはプリンを食べる。
少し寝たからだろうか、回復している様に見えた。
ミケーラ「とうまおにいちゃん、おりょうりじょうず」
上条「まぁ、よく作ってるからな」
最近はもやし料理ばっかだったが、と思いつつ。プリンを食べさせ終わり、自分の分の黒ごまプリンを食べる上条の手元に、ミケーラは興味を示した。
ミケーラ「もくたんぷりん?」
上条「違う違う、黒ごま」
ミケーラ「…ごま? ……、みー」
不思議そうに首を傾げるミケーラに黒ごまプリンを食べさせ、その微妙な反応に頭を撫でてあげながら、上条は薄く笑んだ。
ミケーラ「…ぼく、おっきくなったらとうまおにいちゃんとけっこんする。それでね、まいにちおいしいごはんつくってもらって、まいにちあさとよるにきすするんだ。おにいちゃんのこと、たいせつにする。…だめ?」
上条の服袖を握り、何の前触れも無く、ミケーラは告白した。
否、プロポーズである。幼い子供とはいえイタリア人男性、口説き文句は本気そのもので、中々ロマンがあった。
上条「>>320」
319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/21(金) 20:34:04.41:1lyUaUhTo (1/1)
ksk
ksk
320:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/21(金) 20:44:07.21:2LR/HUYM0 (3/3)
いいよ。楽しみだな
いいよ。楽しみだな
321: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 14:06:03.04:8GJoeAes0 (1/3)
上条「いいよ。楽しみだな」
よしよし、とミケーラの頭を撫で、上条は実に軽い気持ちで承諾する。
確かにこの子はフィアンマでもあるが、それと同時にフィアンマと同一の存在ではないというのに。
告白に色よい返事を受けた事が嬉しかったのか、ぱあっと表情を輝かせ、一度咳をした後、ミケーラはおとなしく横になった。
上条は食べ終わったプリンのゴミ達を引き連れて一旦キッチンへ戻るとゴミを始末し、部屋に戻る。
ミケーラはぬくぬくと毛布にくるまったまま、上条の手を引っ張った。
ミケーラ「…みー。…そいねして」
上条「…」
くい、と引かれるまま、仕方無いな、といった様子で上条は隣に横たわる。
そして小さい身体を抱きしめ、背中をぽんぽんと叩いてあやした。
しばらくあやされ、寝かしつけられている内に眠くなったのか、ミケーラは目を瞑る。
そして上条に甘えた後、静かな眠りについた。上条も追うように、うっかりと眠った。
プリンを食べ終え、機嫌を良くしたフィアンマは、オッレルスに絡んでいた。
機嫌を良くした理由はもう一つあり、先程酒を呑んだからでもある。
上条との会話の後、プリンを食べ、それでも尚機嫌の良くならなかったフィアンマに強請られるままオッレルスが酒を与えたところ。
止める間もなくガバガバと呑み、結果として酔っ払ったという訳である。
酔い癖はさほど悪いものでもなく、強いて言えばキス魔といったところか。
ただ、隣に居るのはまったくの他人ではなくオッレルスである為、支障は存在しなかった。
フィアンマ「…ん、…ん…」
止めどもなくキスをされ、オッレルスは宥める様に彼の髪を撫でる。
フィアンマ「…俺様が、わるいのか」
拗ねた様な声で、フィアンマがぼやく。
フィアンマ「…そもそも、何で俺様が世界をすくわなければならなかったか、わかっているのか。勝手なことばかり言いやがって。ふざけやがって」
くそったれ、とむすくれるフィアンマの髪を撫で、オッレルスは苦笑しつつ声をかける。
オッレルス「…>>323」
上条「いいよ。楽しみだな」
よしよし、とミケーラの頭を撫で、上条は実に軽い気持ちで承諾する。
確かにこの子はフィアンマでもあるが、それと同時にフィアンマと同一の存在ではないというのに。
告白に色よい返事を受けた事が嬉しかったのか、ぱあっと表情を輝かせ、一度咳をした後、ミケーラはおとなしく横になった。
上条は食べ終わったプリンのゴミ達を引き連れて一旦キッチンへ戻るとゴミを始末し、部屋に戻る。
ミケーラはぬくぬくと毛布にくるまったまま、上条の手を引っ張った。
ミケーラ「…みー。…そいねして」
上条「…」
くい、と引かれるまま、仕方無いな、といった様子で上条は隣に横たわる。
そして小さい身体を抱きしめ、背中をぽんぽんと叩いてあやした。
しばらくあやされ、寝かしつけられている内に眠くなったのか、ミケーラは目を瞑る。
そして上条に甘えた後、静かな眠りについた。上条も追うように、うっかりと眠った。
プリンを食べ終え、機嫌を良くしたフィアンマは、オッレルスに絡んでいた。
機嫌を良くした理由はもう一つあり、先程酒を呑んだからでもある。
上条との会話の後、プリンを食べ、それでも尚機嫌の良くならなかったフィアンマに強請られるままオッレルスが酒を与えたところ。
止める間もなくガバガバと呑み、結果として酔っ払ったという訳である。
酔い癖はさほど悪いものでもなく、強いて言えばキス魔といったところか。
ただ、隣に居るのはまったくの他人ではなくオッレルスである為、支障は存在しなかった。
フィアンマ「…ん、…ん…」
止めどもなくキスをされ、オッレルスは宥める様に彼の髪を撫でる。
フィアンマ「…俺様が、わるいのか」
拗ねた様な声で、フィアンマがぼやく。
フィアンマ「…そもそも、何で俺様が世界をすくわなければならなかったか、わかっているのか。勝手なことばかり言いやがって。ふざけやがって」
くそったれ、とむすくれるフィアンマの髪を撫で、オッレルスは苦笑しつつ声をかける。
オッレルス「…>>323」
322:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 14:37:14.58:0tLHZCnAO (1/1)
ksk
ksk
323:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 14:42:20.09:WlKecMav0 (1/1)
いっそ二人で逃げるか
いっそ二人で逃げるか
324: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 15:33:54.51:8GJoeAes0 (2/3)
オッレルス「…いっそ、二人で逃げるか」
フィアンマ「…なにからだ」
オッレルス「何もかも、から。やるべき事も、上条君の事も見捨てて。シルビアは…一人で生きていける事がわかっているからな」
上条とミケーラとを見捨て。
シルビアにはイギリスで一人で生きてもらう形で、ここから逃げる。
世界がどうなろうと、自分達はもう関わらない。
どれだけの人間が傷つこうと、耳を塞ぎ、目を閉じ、何も見ないで逃げる。
魅力的な提案ではあったが、フィアンマはふるふると首を横に振って、オッレルスにキスをする。
フィアンマ「…逃げん」
オッレルス「…そうか」
半ば本気だったんだけどな、と残念そうにオッレルスは苦く笑う。
逃げないとは言ってもまったくもって逃げたくない訳ではないのか、フィアンマは不満そうな表情を浮かべた。
まるでこれでは拐えと言っているかの様だ、と思いつつ、オッレルスはフィアンマを宥める。
オッレルス「……じゃあ、…俺が君を無理矢理に連れて逃げると言ったら。抵抗するか?」
人間は酔っている時、一番本性が出るという。
たとえ今日のこの瞬間の事を覚えていなくとも、この質問に対する答えで、フィアンマの考えが解る。
フィアンマはオッレルスの首筋へ口付け、目を伏せて。考えて。
フィアンマ「…>>326」
オッレルス「…いっそ、二人で逃げるか」
フィアンマ「…なにからだ」
オッレルス「何もかも、から。やるべき事も、上条君の事も見捨てて。シルビアは…一人で生きていける事がわかっているからな」
上条とミケーラとを見捨て。
シルビアにはイギリスで一人で生きてもらう形で、ここから逃げる。
世界がどうなろうと、自分達はもう関わらない。
どれだけの人間が傷つこうと、耳を塞ぎ、目を閉じ、何も見ないで逃げる。
魅力的な提案ではあったが、フィアンマはふるふると首を横に振って、オッレルスにキスをする。
フィアンマ「…逃げん」
オッレルス「…そうか」
半ば本気だったんだけどな、と残念そうにオッレルスは苦く笑う。
逃げないとは言ってもまったくもって逃げたくない訳ではないのか、フィアンマは不満そうな表情を浮かべた。
まるでこれでは拐えと言っているかの様だ、と思いつつ、オッレルスはフィアンマを宥める。
オッレルス「……じゃあ、…俺が君を無理矢理に連れて逃げると言ったら。抵抗するか?」
人間は酔っている時、一番本性が出るという。
たとえ今日のこの瞬間の事を覚えていなくとも、この質問に対する答えで、フィアンマの考えが解る。
フィアンマはオッレルスの首筋へ口付け、目を伏せて。考えて。
フィアンマ「…>>326」
325:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/22(土) 15:34:13.81:lpaNvvlFo (1/2)
加速下
加速下
326:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 15:36:00.95:4T1jRVOSO (1/4)
そこに俺様の意思が介在してないなら全力で抵抗するかもな
そこに俺様の意思が介在してないなら全力で抵抗するかもな
327: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 16:34:46.29:8GJoeAes0 (3/3)
フィアンマ「そこに、俺様の意思が介在していないのなら。…全力で抵抗するかもな」
徹底的な否定でもなく。肯定的な意見でもなく。
意思を読み取れという無茶振りの答えに、オッレルスは表情を和らげた。
半分は逃げたいという意思で、半分は逃げたくないという意思。
だから、形程度の抵抗位はするだろうけれど。本気で嫌がる事は無いだろう。
彼にも魔術師や男性としてのプライドがあるので、ある程度は抵抗するだろう。
オッレルス「…君は姫向きだな」
フィアンマ「こんな可愛げも無く愛らしくもない強力な姫が居てたまるか」
退屈そうに言い、フィアンマはオッレルスの頬に口付け、甘く歯を立てる。
オッレルスはフィアンマの左手首をそっと掴み、引き寄せて手を握った。
オッレルス「…ひとまず、宣言はしておくよ。その内、君と何処かへ逃げたい」
フィアンマ「…そうか」
やめろ、とは言わなかった。
馬鹿な考えだと蔑まれる事も無かった。
もしかすると、彼はそれなりに追い詰められているのかもしれない。
フィアンマは沈黙に耐え兼ねたのか、また酒を煽る。
オッレルス「…そろそろやめないと急性アルコール中毒で倒れるぞ」
フィアンマ「普段呑まないんだ、すこしくらい、良いだろう」
ツマミも無しによくもまぁここまで、と思いつつ、オッレルスは酒瓶を片付ける。
抱きつき魔も兼ねているのか、フィアンマは片付けのオッレルスにくっついて離れない。
それを咎めるでもなく酒瓶とグラスを片付け、オッレルスはフィアンマを抱きかかえた。
酒臭さに少しだけ噎せ、けほけほと咳をした後、フィアンマを自分の寝室のベッドへ横たわらせる。
フィアンマ「…お前は、本当に俺様がすきだな」
オッレルス「好きだよ」
フィアンマ「俺様も、お前のことはきらいじゃない」
振り回したい訳ではなく、嘘をつかないだけ。
嫌いじゃない。好ましい。でも、愛しているとは程遠い。
オッレルスが自分にしてくれるように、自分はこの男の為に何もかも投げ出せるのかというと、フィアンマは頷けない。
それが歯痒く残念だ、と思う位には、フィアンマはオッレルスを好きなのだが。
初恋の一つや二つ、した経験があれば、と思いながら、フィアンマはオッレルスの手を握る。
フィアンマ「…俺様がていこうしなかったら、何処までも、…どこまでも、逃げるつもり、なのか」
オッレルス「>>329」
フィアンマ「そこに、俺様の意思が介在していないのなら。…全力で抵抗するかもな」
徹底的な否定でもなく。肯定的な意見でもなく。
意思を読み取れという無茶振りの答えに、オッレルスは表情を和らげた。
半分は逃げたいという意思で、半分は逃げたくないという意思。
だから、形程度の抵抗位はするだろうけれど。本気で嫌がる事は無いだろう。
彼にも魔術師や男性としてのプライドがあるので、ある程度は抵抗するだろう。
オッレルス「…君は姫向きだな」
フィアンマ「こんな可愛げも無く愛らしくもない強力な姫が居てたまるか」
退屈そうに言い、フィアンマはオッレルスの頬に口付け、甘く歯を立てる。
オッレルスはフィアンマの左手首をそっと掴み、引き寄せて手を握った。
オッレルス「…ひとまず、宣言はしておくよ。その内、君と何処かへ逃げたい」
フィアンマ「…そうか」
やめろ、とは言わなかった。
馬鹿な考えだと蔑まれる事も無かった。
もしかすると、彼はそれなりに追い詰められているのかもしれない。
フィアンマは沈黙に耐え兼ねたのか、また酒を煽る。
オッレルス「…そろそろやめないと急性アルコール中毒で倒れるぞ」
フィアンマ「普段呑まないんだ、すこしくらい、良いだろう」
ツマミも無しによくもまぁここまで、と思いつつ、オッレルスは酒瓶を片付ける。
抱きつき魔も兼ねているのか、フィアンマは片付けのオッレルスにくっついて離れない。
それを咎めるでもなく酒瓶とグラスを片付け、オッレルスはフィアンマを抱きかかえた。
酒臭さに少しだけ噎せ、けほけほと咳をした後、フィアンマを自分の寝室のベッドへ横たわらせる。
フィアンマ「…お前は、本当に俺様がすきだな」
オッレルス「好きだよ」
フィアンマ「俺様も、お前のことはきらいじゃない」
振り回したい訳ではなく、嘘をつかないだけ。
嫌いじゃない。好ましい。でも、愛しているとは程遠い。
オッレルスが自分にしてくれるように、自分はこの男の為に何もかも投げ出せるのかというと、フィアンマは頷けない。
それが歯痒く残念だ、と思う位には、フィアンマはオッレルスを好きなのだが。
初恋の一つや二つ、した経験があれば、と思いながら、フィアンマはオッレルスの手を握る。
フィアンマ「…俺様がていこうしなかったら、何処までも、…どこまでも、逃げるつもり、なのか」
オッレルス「>>329」
328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 16:40:15.20:4T1jRVOSO (2/4)
無論。地獄の果てまで逃げてやるさ
無論。地獄の果てまで逃げてやるさ
329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 20:54:31.03:K4t0fHez0 (1/4)
あぁ、どこまでも、どこまでも。さ
あぁ、どこまでも、どこまでも。さ
330: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 21:46:24.59:wxBvhLmH0 (1/5)
オッレルス「あぁ。どこまでも、どこまでも。さ」
フィアンマ「…、」
手を握り返し、オッレルスが微笑む。
フィアンマが望むなら、世界中敵に回したまま、逃げ延びてみせると、そう自信を持ってこの男は言うのだ。
自分の身の安全を保障すると宣言した時も、今の様に自信がある様子だったな、とフィアンマは思う。
他人を見捨ててでも、世界の誰よりも、ただ一人自分を選んでくれるというのか。
それ程までに愛される資格も無ければ、愛される様な性格もしていないのに、とフィアンマは思っている。
だが、それはあくまで自己判断であって、彼は自分と一緒に居れば幸せなのかもしれないなあ、とも思えた。
ただ、自分が傍に居るだけで、幸せそうな顔をしてくれるなら、悪く無い、嬉しい。
酔っているからか、うまく思考が働かなかった。表面的な、一層的な考えに留まる。
損得なんて考えられないから、素直な感情でのみ、オッレルスの言葉を判断した。
フィアンマ「…俺様は、…なにも、できないのに?」
オッレルス「何も出来ない事は無いだろう?」
フィアンマ「シルビアの、様に。料理も、うまくない。家事全般が、不得意だ。魔術も、…おまえより、勝ってる訳でも、ない。右腕もない、から…おまえに、迷惑をかける。人を慰めることばも、うまく浮かばない。だから、お前が落ち込んでいても、上手くなぐさめられない。やさしくない。愛するのうりょくがない。何も、かえせない。お前がのぞむことを、できない。学も、常識も、ない。俺様には、なにもないんだ」
あるのは、魔術の才能と計り知れない幸運だけ。
仮に自分が女性だったとしても子供を作るだとか結婚するだとかは立場的に不可能であるため、計算に入れないにしても。
自分には人間として足りないものが多すぎて、それは実際に人間関係の構築にあたって障害をもたらしている。
それでもいい、何でもいい、とオッレルスは応える。
足りないなら、自分が補えばいいから、と。
オッレルス「足りないなら、二人で作ればいい。俺は、君が一緒に居てくれればいい。それが幸せなんだ。優しい慰めの言葉が欲しいなら、自分で録音再生すればいい。落ち込んだ時、俺が欲しいのは慰めじゃなく、君からの抱擁だ」
フィアンマ「…」
くい、と引かれるまま、オッレルスは毛布に潜り込んだ。
そして、抱きついてくるフィアンマの背中や髪を優しく撫でる。
フィアンマがオッレルスにこうも懐疑的になってしまうのは、それまで損得で全てを判断してきたから。
理由のある愛は楽だ。建設的な友好関係は良い。打算的な協力関係はわかりやすい。
だって、理由がある。説明出来るし、説明されてわかる、理由が。
そうしたら、誰かを愛する事の出来ない障害のあるフィアンマにも、よくわかった。
金の繋がり、身体の繋がり、血の繋がり。
そうやって理由のつく論理的な関係を感覚的に理解しなければ、とフィアンマは思う。
狂人の真似をする者が既に狂人である様に。恋する人の真似をする者は、既に恋をしている。
甘いアルコールが背中を押すまま、フィアンマは口を開いて告白した。
フィアンマ「俺様、は。俺様も。…お前の、ことを―――」
以降、どちらを描写するかについて、投票安価区間は>>321-325です。
選択肢は以下のみ。
1.オッレルスとフィアンマ
2.上条とミケーラ(=ショタのフィアンマ)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
よろしくお願いいたします。
オッレルス「あぁ。どこまでも、どこまでも。さ」
フィアンマ「…、」
手を握り返し、オッレルスが微笑む。
フィアンマが望むなら、世界中敵に回したまま、逃げ延びてみせると、そう自信を持ってこの男は言うのだ。
自分の身の安全を保障すると宣言した時も、今の様に自信がある様子だったな、とフィアンマは思う。
他人を見捨ててでも、世界の誰よりも、ただ一人自分を選んでくれるというのか。
それ程までに愛される資格も無ければ、愛される様な性格もしていないのに、とフィアンマは思っている。
だが、それはあくまで自己判断であって、彼は自分と一緒に居れば幸せなのかもしれないなあ、とも思えた。
ただ、自分が傍に居るだけで、幸せそうな顔をしてくれるなら、悪く無い、嬉しい。
酔っているからか、うまく思考が働かなかった。表面的な、一層的な考えに留まる。
損得なんて考えられないから、素直な感情でのみ、オッレルスの言葉を判断した。
フィアンマ「…俺様は、…なにも、できないのに?」
オッレルス「何も出来ない事は無いだろう?」
フィアンマ「シルビアの、様に。料理も、うまくない。家事全般が、不得意だ。魔術も、…おまえより、勝ってる訳でも、ない。右腕もない、から…おまえに、迷惑をかける。人を慰めることばも、うまく浮かばない。だから、お前が落ち込んでいても、上手くなぐさめられない。やさしくない。愛するのうりょくがない。何も、かえせない。お前がのぞむことを、できない。学も、常識も、ない。俺様には、なにもないんだ」
あるのは、魔術の才能と計り知れない幸運だけ。
仮に自分が女性だったとしても子供を作るだとか結婚するだとかは立場的に不可能であるため、計算に入れないにしても。
自分には人間として足りないものが多すぎて、それは実際に人間関係の構築にあたって障害をもたらしている。
それでもいい、何でもいい、とオッレルスは応える。
足りないなら、自分が補えばいいから、と。
オッレルス「足りないなら、二人で作ればいい。俺は、君が一緒に居てくれればいい。それが幸せなんだ。優しい慰めの言葉が欲しいなら、自分で録音再生すればいい。落ち込んだ時、俺が欲しいのは慰めじゃなく、君からの抱擁だ」
フィアンマ「…」
くい、と引かれるまま、オッレルスは毛布に潜り込んだ。
そして、抱きついてくるフィアンマの背中や髪を優しく撫でる。
フィアンマがオッレルスにこうも懐疑的になってしまうのは、それまで損得で全てを判断してきたから。
理由のある愛は楽だ。建設的な友好関係は良い。打算的な協力関係はわかりやすい。
だって、理由がある。説明出来るし、説明されてわかる、理由が。
そうしたら、誰かを愛する事の出来ない障害のあるフィアンマにも、よくわかった。
金の繋がり、身体の繋がり、血の繋がり。
そうやって理由のつく論理的な関係を感覚的に理解しなければ、とフィアンマは思う。
狂人の真似をする者が既に狂人である様に。恋する人の真似をする者は、既に恋をしている。
甘いアルコールが背中を押すまま、フィアンマは口を開いて告白した。
フィアンマ「俺様、は。俺様も。…お前の、ことを―――」
以降、どちらを描写するかについて、投票安価区間は>>321-325です。
選択肢は以下のみ。
1.オッレルスとフィアンマ
2.上条とミケーラ(=ショタのフィアンマ)
番号で投票してください。
同IDにつき一票です。(=連投無効)
よろしくお願いいたします。
331: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 21:47:32.54:XmG+os0AO (1/5)
>>332-336でお願いします。
>>332-336でお願いします。
332:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/22(土) 21:49:16.79:7SpeacK30 (1/1)
2
2
333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 21:58:26.05:4T1jRVOSO (3/4)
では1と言おう
では1と言おう
334:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 22:00:51.59:K4t0fHez0 (2/4)
1
1
335:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/22(土) 22:01:00.96:lpaNvvlFo (2/2)
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336:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 22:01:55.60:wxBvhLmH0 (2/5)
1一択
1一択
337:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 22:10:47.23:K4t0fHez0 (3/4)
>>336
何参加してんだww
>>336
何参加してんだww
338: ◆jPpg5.obl6:2012/09/22(土) 22:12:03.04:XmG+os0AO (2/5)
書き込みが途中で切れました
結果
1:3票
2:1票
1一択かと思いきや2の方もいらっしゃったので、2の方には申し訳ありませんが1でいかせていただきます。
投票に御協力いただき、ありがとうございました。
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1:3票
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1一択かと思いきや2の方もいらっしゃったので、2の方には申し訳ありませんが1でいかせていただきます。
投票に御協力いただき、ありがとうございました。
339: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 22:25:06.15:wxBvhLmH0 (3/5)
《>>337様 事故です。オレフィア大好きな時期だとかそういう訳じゃないです。上フィアも勿論好きです。書き込みが途中で切れた、という事故です》
フィアンマの告白から、二ヶ月程が経過して。
ほとぼりが冷め、上条は学園都市へと戻る事になった。
解決策の見つからなかったミケーラを連れて戻る姿は、さながらシングルファザーの様で。
フィアンマは上条と世界を見に行く事は無く、オッレルスの元へと留まった。
何も知らず、耳を塞ぎ、目を閉じて。たった一人を愛して愛される生活を選んだから。
それは井戸に身を投げる行為にも酷似していた。井の中の蛙でいることの安息を選択したのだ。
オッレルスが選んだ事ならば、と納得したシルビアは、一言二言言葉を残してアパートメントを去った。
別に去らなくても、と引き止めたものの、そこまで無粋ではないとの言葉だった。
ただ、必要であればいつでもまた戻ってくるし、力は貸すとの事で。
オッレルス「一気に寂しくなったな」
フィアンマ「そうだな。…選択とは切り捨てる事だ」
オッレルス「必ずしもそうとは限らないが。…ところで、何でそんなに離れているんだ?」
フィアンマ「他意は無い」
オッレルス「…俺が近づいた距離の分だけ離れるじゃないか?」
フィアンマ「…他意は無いと言っているだろう。俺様を信用したらどうだ」
だから、現在オッレルスが頭を悩ませているのはシルビアと関係が悪化したかどうかではなく。
フィアンマがやたらと自分から離れるようになってしまったことだ。
《>>337様 事故です。オレフィア大好きな時期だとかそういう訳じゃないです。上フィアも勿論好きです。書き込みが途中で切れた、という事故です》
フィアンマの告白から、二ヶ月程が経過して。
ほとぼりが冷め、上条は学園都市へと戻る事になった。
解決策の見つからなかったミケーラを連れて戻る姿は、さながらシングルファザーの様で。
フィアンマは上条と世界を見に行く事は無く、オッレルスの元へと留まった。
何も知らず、耳を塞ぎ、目を閉じて。たった一人を愛して愛される生活を選んだから。
それは井戸に身を投げる行為にも酷似していた。井の中の蛙でいることの安息を選択したのだ。
オッレルスが選んだ事ならば、と納得したシルビアは、一言二言言葉を残してアパートメントを去った。
別に去らなくても、と引き止めたものの、そこまで無粋ではないとの言葉だった。
ただ、必要であればいつでもまた戻ってくるし、力は貸すとの事で。
オッレルス「一気に寂しくなったな」
フィアンマ「そうだな。…選択とは切り捨てる事だ」
オッレルス「必ずしもそうとは限らないが。…ところで、何でそんなに離れているんだ?」
フィアンマ「他意は無い」
オッレルス「…俺が近づいた距離の分だけ離れるじゃないか?」
フィアンマ「…他意は無いと言っているだろう。俺様を信用したらどうだ」
だから、現在オッレルスが頭を悩ませているのはシルビアと関係が悪化したかどうかではなく。
フィアンマがやたらと自分から離れるようになってしまったことだ。
340:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/22(土) 22:32:12.20:XmG+os0AO (3/5)
+
+
341:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/22(土) 22:32:49.21:XmG+os0AO (4/5)
+
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342: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 22:32:53.09:wxBvhLmH0 (4/5)
《スレの趣旨が変わったので、スレタイの変更を明記しておきます。
変わらずお楽しみいただければ幸いです。
本来であれば一度落として新しくスレ立てすべきなのかもしれませんが、勿体ないので続けます。
読まずとも別段今後の展開には影響を及ぼさないので、読み飛ばしていただいて結構です》
スレタイ
オッレルス「フィアンマと正しい意味で恋人になったのに、距離が…」フィアンマ「…安価で愛情表現する」
・上条さんは学園都市へ帰りました
・ホモスレです
・時間軸不明、新約4巻以降平行世界もどき
・更新は不規則です
・タイトル通り恋人オッレルスさんへの恋愛感情を自覚したフィアンマさんが愛情表現について頑張るお話
・キャラ崩壊注意
・ホモスレです
注意:安価内容によっては、濃厚なガチホモ以外にも、エログロ、百合、NLスレになりうる
《本編再開します》
《スレの趣旨が変わったので、スレタイの変更を明記しておきます。
変わらずお楽しみいただければ幸いです。
本来であれば一度落として新しくスレ立てすべきなのかもしれませんが、勿体ないので続けます。
読まずとも別段今後の展開には影響を及ぼさないので、読み飛ばしていただいて結構です》
スレタイ
オッレルス「フィアンマと正しい意味で恋人になったのに、距離が…」フィアンマ「…安価で愛情表現する」
・上条さんは学園都市へ帰りました
・ホモスレです
・時間軸不明、新約4巻以降平行世界もどき
・更新は不規則です
・タイトル通り恋人オッレルスさんへの恋愛感情を自覚したフィアンマさんが愛情表現について頑張るお話
・キャラ崩壊注意
・ホモスレです
注意:安価内容によっては、濃厚なガチホモ以外にも、エログロ、百合、NLスレになりうる
《本編再開します》
343:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/22(土) 22:32:54.35:XmG+os0AO (5/5)
+
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344: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/22(土) 22:45:28.04:wxBvhLmH0 (5/5)
一歩近づけば、一歩離れ。
二歩近づけば、二歩離れ。
自分が嫌なのかと問えば、決してそんな事は無いそうで。
触れれば、決して表情を見せようとはしない。
自分が何かしてしまったのかと問いかけてみても、言葉を濁らせる。
一緒に寝ていたにも関わらず、上条の居た寝室の方へと行って眠り始めるようになった。
自分の愛情表現に何か問題があっただろうか。
オッレルスは色々と考えてみたものの、そもそも彼が悪い訳ではないので、答えなど見つかる訳もなかった。
フィアンマはというと、そんな自らの行動について、反省はしていた。
毎晩毎晩どうして逃げてしまうのだろうかと頭を悩ませた結果、自分は病気なのではないかとため息が出た程に。
所謂恋煩いだ。しかも、オッレルスが抱いているような柔らかなそれではなく、甘酸っぱいもので。
相手は恋人なのだからその胸に飛び込んで愛を囁けば良いのだし、何の問題も無いのだが、実際オッレルスと距離を詰めると言葉が出てこなくなるのだ。
頭を撫でられれば息が詰り、抱きしめられると胸が苦しい。
呼吸器系と心臓の病気を併発してしまったかのようだ、とフィアンマは肩を落とす。
どうしたらいいのだろうか。これが初恋の痛みというものなのか。道理で初恋は叶わないというジンクスが出来上がる筈だ。何しろアプローチどころじゃない。
コンコン、とドアをノックされ、フィアンマはドアを見やる。
そして乾いた唇を軽く舐めて唾液にて潤し、返事をした。
フィアンマ「何だ」
オッレルス「入っても良いか?」
フィアンマ「…構わんが。そもそもお前が家主だろう」
顔を合わせると、例の如く言葉が出てこなくなった。
フィアンマは視線をシーツに落とし、ベッドに落ち着き無く座り直す。
オッレルスはフィアンマの隣に腰掛けると、優しい声音で問いかけた。
オッレルス「…体調が、悪いのか?」
悪いと言えば悪い。
主にオッレルスが近づいてくると悪くなる。
それは決して嫌いだからストレスを感じているとか、そういう訳じゃなくて。
愛おしさに焦がれる余り、心身のコントロールが利かなくなるのだ。
フィアンマ「…>>346」
一歩近づけば、一歩離れ。
二歩近づけば、二歩離れ。
自分が嫌なのかと問えば、決してそんな事は無いそうで。
触れれば、決して表情を見せようとはしない。
自分が何かしてしまったのかと問いかけてみても、言葉を濁らせる。
一緒に寝ていたにも関わらず、上条の居た寝室の方へと行って眠り始めるようになった。
自分の愛情表現に何か問題があっただろうか。
オッレルスは色々と考えてみたものの、そもそも彼が悪い訳ではないので、答えなど見つかる訳もなかった。
フィアンマはというと、そんな自らの行動について、反省はしていた。
毎晩毎晩どうして逃げてしまうのだろうかと頭を悩ませた結果、自分は病気なのではないかとため息が出た程に。
所謂恋煩いだ。しかも、オッレルスが抱いているような柔らかなそれではなく、甘酸っぱいもので。
相手は恋人なのだからその胸に飛び込んで愛を囁けば良いのだし、何の問題も無いのだが、実際オッレルスと距離を詰めると言葉が出てこなくなるのだ。
頭を撫でられれば息が詰り、抱きしめられると胸が苦しい。
呼吸器系と心臓の病気を併発してしまったかのようだ、とフィアンマは肩を落とす。
どうしたらいいのだろうか。これが初恋の痛みというものなのか。道理で初恋は叶わないというジンクスが出来上がる筈だ。何しろアプローチどころじゃない。
コンコン、とドアをノックされ、フィアンマはドアを見やる。
そして乾いた唇を軽く舐めて唾液にて潤し、返事をした。
フィアンマ「何だ」
オッレルス「入っても良いか?」
フィアンマ「…構わんが。そもそもお前が家主だろう」
顔を合わせると、例の如く言葉が出てこなくなった。
フィアンマは視線をシーツに落とし、ベッドに落ち着き無く座り直す。
オッレルスはフィアンマの隣に腰掛けると、優しい声音で問いかけた。
オッレルス「…体調が、悪いのか?」
悪いと言えば悪い。
主にオッレルスが近づいてくると悪くなる。
それは決して嫌いだからストレスを感じているとか、そういう訳じゃなくて。
愛おしさに焦がれる余り、心身のコントロールが利かなくなるのだ。
フィアンマ「…>>346」
345:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 22:47:07.12:K4t0fHez0 (4/4)
ksk
ksk
346:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/22(土) 22:49:40.79:4T1jRVOSO (4/4)
お前に触れると呼吸が止まる
お前に触れると呼吸が止まる
347: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 00:21:35.02:o4NXlAVAO (1/3)
フィアンマ「…お前に触れると呼吸が止まる」
オブラートや余計な装飾に包み飾らない言い方は、ともすれば魔術攻撃を受けた事に関する報告であるかの様だった。
オッレルスはその可能性を思い浮かべ、いやしかしそれならばむしろそうだとはっきり言うだろうと考え直す。
オッレルス「…完全に?」
フィアンマ「…あまり上手く出来なくなる」
こんなに好きなのに。
こんなに好きだからこそ。
人を愛するという感覚がこんなに苦しいものだとは、とフィアンマはシーツをきつく握った。
オッレルス「…物理的なものか?」
自分の匂いか、或いは服の匂いか。
そちらに問題があるのだろうかと首を傾げるオッレルスに対し、フィアンマは緩く首を横に振る。
フィアンマ「…精神的な、ものだ。…理由は自覚している」
恋人に恋をして逃げてしまう、など笑い話もいいところだ。
性欲が先行したドキドキではなく、心情的なドキドキが先行する辺り、思考は乙女的だ。
性的な事に強い興味が無いからだろうが。
フィアンマ「…申し訳ないとは思っているのだが」
オッレルス「…少しだけ、解決策が浮かんだんだけど、良いかな?」
フィアンマ「何だ」
オッレルス「>>349」
フィアンマ「…お前に触れると呼吸が止まる」
オブラートや余計な装飾に包み飾らない言い方は、ともすれば魔術攻撃を受けた事に関する報告であるかの様だった。
オッレルスはその可能性を思い浮かべ、いやしかしそれならばむしろそうだとはっきり言うだろうと考え直す。
オッレルス「…完全に?」
フィアンマ「…あまり上手く出来なくなる」
こんなに好きなのに。
こんなに好きだからこそ。
人を愛するという感覚がこんなに苦しいものだとは、とフィアンマはシーツをきつく握った。
オッレルス「…物理的なものか?」
自分の匂いか、或いは服の匂いか。
そちらに問題があるのだろうかと首を傾げるオッレルスに対し、フィアンマは緩く首を横に振る。
フィアンマ「…精神的な、ものだ。…理由は自覚している」
恋人に恋をして逃げてしまう、など笑い話もいいところだ。
性欲が先行したドキドキではなく、心情的なドキドキが先行する辺り、思考は乙女的だ。
性的な事に強い興味が無いからだろうが。
フィアンマ「…申し訳ないとは思っているのだが」
オッレルス「…少しだけ、解決策が浮かんだんだけど、良いかな?」
フィアンマ「何だ」
オッレルス「>>349」
348:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 00:25:03.52:eFTRmwySO (1/5)
Ksk
Ksk
349:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 00:35:45.81:RYNK1rIU0 (1/2)
キスしよう
キスしよう
350: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 00:50:33.96:o4NXlAVAO (2/3)
オッレルス「キスしよう 」
フィアンマ「…、」
今さっき呼吸がダメになると言ったばかりだろう、と言わんばかりの視線に、オッレルスは苦笑する。
オッレルス「…俺にも、何となく、君の呼吸困難の訳は分かるよ。慣れしか無い」
フィアンマ「…」
フィアンマは手を伸ばし、オッレルスの服を掴んで握った。
誘う様に一度引き、そっと目を瞑る。
緊張しているのか、睫毛が震えていた。
そんな様子さえも愛おしいばかりで、口元を弛ませつつ、オッレルスはフィアンマの髪を撫でた。 そして頬を撫で、軽く口付ける。
数回、角度を変えながらの優しい口付けを与えられ、フィアンマは唇から吐息を漏らした。
やっぱり、息が苦しい。ただキスをしているだけで息を乱されては、何かいけない事をしているかの様だ。
そうは思いながらも、オッレルスは何度も口付けて愛でる。
愛し、優しくし、甘やかし、あの少年からも勝ち取った、可愛い恋人。
釣った魚に餌をやらないどころか、餌を与えて肥えさせるタイプの男性であるオッレルスは、キスをしたままにフィアンマをベッドに押し倒した。体重が軽いからか、ぽすり、という音が鳴る。
フィアンマ「…、…」
オッレルス「…苦しい?」
フィアンマ「…」
こく、とフィアンマの首が一度縦に動く。
肯定を意味する挙動に、オッレルスは目を細めて小さく笑う。
幸せだ。
好きな人が、自分に恋煩いをしてくれている。
フィアンマ「…オッレルス」
オッレルス「ん…?」
フィアンマ「…奉仕、してやろうか」
おずおずと、フィアンマはオッレルスのズボンに触る。
どこで学んだのか、それとも考えたのか。
どちらにせよ驚愕に値する、と考えつつ、オッレルスはフィアンマを見やった。
フィアンマ「…嫌ならいい」
オッレルス「>>352」
オッレルス「キスしよう 」
フィアンマ「…、」
今さっき呼吸がダメになると言ったばかりだろう、と言わんばかりの視線に、オッレルスは苦笑する。
オッレルス「…俺にも、何となく、君の呼吸困難の訳は分かるよ。慣れしか無い」
フィアンマ「…」
フィアンマは手を伸ばし、オッレルスの服を掴んで握った。
誘う様に一度引き、そっと目を瞑る。
緊張しているのか、睫毛が震えていた。
そんな様子さえも愛おしいばかりで、口元を弛ませつつ、オッレルスはフィアンマの髪を撫でた。 そして頬を撫で、軽く口付ける。
数回、角度を変えながらの優しい口付けを与えられ、フィアンマは唇から吐息を漏らした。
やっぱり、息が苦しい。ただキスをしているだけで息を乱されては、何かいけない事をしているかの様だ。
そうは思いながらも、オッレルスは何度も口付けて愛でる。
愛し、優しくし、甘やかし、あの少年からも勝ち取った、可愛い恋人。
釣った魚に餌をやらないどころか、餌を与えて肥えさせるタイプの男性であるオッレルスは、キスをしたままにフィアンマをベッドに押し倒した。体重が軽いからか、ぽすり、という音が鳴る。
フィアンマ「…、…」
オッレルス「…苦しい?」
フィアンマ「…」
こく、とフィアンマの首が一度縦に動く。
肯定を意味する挙動に、オッレルスは目を細めて小さく笑う。
幸せだ。
好きな人が、自分に恋煩いをしてくれている。
フィアンマ「…オッレルス」
オッレルス「ん…?」
フィアンマ「…奉仕、してやろうか」
おずおずと、フィアンマはオッレルスのズボンに触る。
どこで学んだのか、それとも考えたのか。
どちらにせよ驚愕に値する、と考えつつ、オッレルスはフィアンマを見やった。
フィアンマ「…嫌ならいい」
オッレルス「>>352」
351:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 00:51:45.51:eFTRmwySO (2/5)
…じゃあ、お願いしようかな
…じゃあ、お願いしようかな
352:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 00:57:30.17:RYNK1rIU0 (2/2)
↑
↑
353: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 13:58:30.19:/OncTwtF0 (1/1)
オッレルス「…じゃあ、お願いしようかな」
その返答にこくりと頷いたフィアンマは、手をかけたままのズボンを寛げていく。
この状態では到底出来ないから、と促されるまま、居る位置が逆になる。
オッレルスを押し倒す形でぐいぐいとズボンを脱がしたフィアンマは、まだ萎えているままのソレに触れる。
左手のみの作業となるので脱がすまでに少々時間はかかった上、現在身体を支えられていないが、気にしない。
どんなにみっともない姿を晒してしまっても、この男は自分を嫌わないという事が、解るから。
無理をしなくてもいい、と言いながら、別に制止はせず、オッレルスはフィアンマの髪を撫でる。
首を横に振り、フィアンマは舌先をオッレルス自身の先端に這わせる。
勿論経験は無いので技工は無く、お世辞にも気持ち良いとは言えないが、その一生懸命な顔でオッレルスは一週間程ヌけそうだった。
オッレルス「苦しいなら手でも、」
フィアンマ「…ん、」
手を使いつつ、舌や口も使い。
経験や知識も乏しいままに、それでも取り組むのは彼の本質が堅実な努力家だからだろうか。
カリ周りを舐める舌の動きに息を少しばかり乱し、オッレルスは唇を軽く噛んだ。
噎せそうになりながらも呑み込む様にして喉奥にて奉仕されたところで、耐え兼ねて射精した。
どろどろとした不味い体液に咳き込み、白く濁ったそれが付着した頬を指先で拭って、フィアンマはベッド上に座る。
ちょっとだけ、近づかれると心拍数がおかしくなる症状は緩和された気がした。
精液をティッシュで拭い、片付けながら、オッレルスは落ち着いた声音で問いかける。
オッレルス「…どこで学んだのかはさておき。急にどうして、こういったことをしようと思ったんだ?」
性行為は疲れる、とフィアンマは言っていたはずで。
オッレルスの問いかけに対し、フィアンマは片付け半分にもごもごと答える。
フィアンマ「……、…>>355」
オッレルス「…じゃあ、お願いしようかな」
その返答にこくりと頷いたフィアンマは、手をかけたままのズボンを寛げていく。
この状態では到底出来ないから、と促されるまま、居る位置が逆になる。
オッレルスを押し倒す形でぐいぐいとズボンを脱がしたフィアンマは、まだ萎えているままのソレに触れる。
左手のみの作業となるので脱がすまでに少々時間はかかった上、現在身体を支えられていないが、気にしない。
どんなにみっともない姿を晒してしまっても、この男は自分を嫌わないという事が、解るから。
無理をしなくてもいい、と言いながら、別に制止はせず、オッレルスはフィアンマの髪を撫でる。
首を横に振り、フィアンマは舌先をオッレルス自身の先端に這わせる。
勿論経験は無いので技工は無く、お世辞にも気持ち良いとは言えないが、その一生懸命な顔でオッレルスは一週間程ヌけそうだった。
オッレルス「苦しいなら手でも、」
フィアンマ「…ん、」
手を使いつつ、舌や口も使い。
経験や知識も乏しいままに、それでも取り組むのは彼の本質が堅実な努力家だからだろうか。
カリ周りを舐める舌の動きに息を少しばかり乱し、オッレルスは唇を軽く噛んだ。
噎せそうになりながらも呑み込む様にして喉奥にて奉仕されたところで、耐え兼ねて射精した。
どろどろとした不味い体液に咳き込み、白く濁ったそれが付着した頬を指先で拭って、フィアンマはベッド上に座る。
ちょっとだけ、近づかれると心拍数がおかしくなる症状は緩和された気がした。
精液をティッシュで拭い、片付けながら、オッレルスは落ち着いた声音で問いかける。
オッレルス「…どこで学んだのかはさておき。急にどうして、こういったことをしようと思ったんだ?」
性行為は疲れる、とフィアンマは言っていたはずで。
オッレルスの問いかけに対し、フィアンマは片付け半分にもごもごと答える。
フィアンマ「……、…>>355」
354:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/23(日) 14:30:59.67:Hc2e2+P4o (1/4)
かそくした
かそくした
355:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 16:09:18.05:eFTRmwySO (3/5)
愛する、というのはその人の望む事をしてやる事だろう?…お前がしたいんじゃないかと思った
愛する、というのはその人の望む事をしてやる事だろう?…お前がしたいんじゃないかと思った
356: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 19:51:59.56:o4NXlAVAO (3/3)
フィアンマ「……、…愛する、というのはその人の望む事をしてやる事だろう? …お前が、したいんじゃないかと…思った」
オッレルス「…ありがとう。でも、俺は何も求めていないよ。君が一緒に居て、且つ理不尽に辛い思いをしていないのなら、幸せなんだ」
着衣を正し。
片付けを終わらせたフィアンマの手を引き、オッレルスはベッドに座って抱きしめた。
少しずつ何かを積み上げて階段にする様な策謀家は、つまり、個人に対しては健気だという事。
今まで他人に尽くすという事を自分の意思では決してしてこなかったフィアンマが、わざわざオッレルスが望んでいそうな事を予想して、頑張る。どこまでも頑張ってくれそうだからこそ、オッレルスは求めない。
本当に求めるのは、本当に必要な時だけでいい。オッレルスは愛されるよりも愛したいタイプで、フィアンマは愛するより愛されてみたいタイプなのだろう。
だから、相性が良いのかもしれない。
フィアンマ「…余計だったか」
オッレルス「いや、嬉しかったよ」
抱きしめられながら、残念そうな声音での言葉に、オッレルスは首を横に振り、指先でフィアンマを愛でる。
調度品、或いは人形を扱う様な丁寧な手付きに、フィアンマは呼吸ペースを整えながら視線を迷わせた。
フィアンマ「…何か、…本当に望む事は、無いのか。…些細な内容でも」
オッレルス「…>>338」
フィアンマ「……、…愛する、というのはその人の望む事をしてやる事だろう? …お前が、したいんじゃないかと…思った」
オッレルス「…ありがとう。でも、俺は何も求めていないよ。君が一緒に居て、且つ理不尽に辛い思いをしていないのなら、幸せなんだ」
着衣を正し。
片付けを終わらせたフィアンマの手を引き、オッレルスはベッドに座って抱きしめた。
少しずつ何かを積み上げて階段にする様な策謀家は、つまり、個人に対しては健気だという事。
今まで他人に尽くすという事を自分の意思では決してしてこなかったフィアンマが、わざわざオッレルスが望んでいそうな事を予想して、頑張る。どこまでも頑張ってくれそうだからこそ、オッレルスは求めない。
本当に求めるのは、本当に必要な時だけでいい。オッレルスは愛されるよりも愛したいタイプで、フィアンマは愛するより愛されてみたいタイプなのだろう。
だから、相性が良いのかもしれない。
フィアンマ「…余計だったか」
オッレルス「いや、嬉しかったよ」
抱きしめられながら、残念そうな声音での言葉に、オッレルスは首を横に振り、指先でフィアンマを愛でる。
調度品、或いは人形を扱う様な丁寧な手付きに、フィアンマは呼吸ペースを整えながら視線を迷わせた。
フィアンマ「…何か、…本当に望む事は、無いのか。…些細な内容でも」
オッレルス「…>>338」
357:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/23(日) 19:53:09.20:Hc2e2+P4o (2/4)
加速下
加速下
358:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 19:53:49.27:ZLgObi2+0 (1/2)
ウェディングドレスを着て死にたい
ウェディングドレスを着て死にたい
359: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 20:45:05.55:AQEJbZG60 (1/2)
オッレルス「…ウェディングドレスを着て死にたい」
フィアンマ「…そんなに着たいのか」
オッレルス「正確には、タキシードを着ている君が見てみたい。結婚式とは良いものだと思わないか?」
フィアンマ「お前もタキシードを着れば、…この際それは良い。…そんなに良いものでもない」
神前と、神父たる自分の前で誓っておきながら、心が別れる夫婦を、フィアンマは知っている。
あれ程幸せそうな表情で、確かな感情で誓ったくせに、あっさりとそれを破るのだ。
それを思うと、むしろ式など行わなければいいのに、とフィアンマは思う。
だから、あまり良いものだとは思えない。
元より賛同を求めて言った訳ではないからか、オッレルスは気分を害した様子が無い。
オッレルス「君とは結婚式というものに対しての視点がそもそも違うか。…子供の頃、他人の大人の結婚式がとても魅力的に映ったんだ。幸せの象徴だろう」
フィアンマ「…確かに、あれはそういう儀式だが」
葬式が、人の死を悼む生者の為の儀式である様に。
結婚式は、婚礼する二人が神とお互いと呼んだ親族や友人達に対して自分達が結ばれる事を表明する為の、幸福な儀式。
死が二人を別つまで。
ローマ正教においての婚礼はそれが基本的な理念だ。
死んでしまえば他に心変わりしてしまっても仕方がない。生きている者は生きている者を愛するべきだ。
けれど、死ぬまでは隣で生きる伴侶に縛りつけられる。
たかが一度式をしてしまった思い出が、神前で誓った想いが、二人の身を拘束する。
どの辺りが魅力的なのか、フィアンマにはわからなかった。
フィアンマ「…、」
沈黙して、考えてみる。
誰もが自分達が愛し合う事を認めてくれて、祝福してくれて。
有り得ない。可能性が1%も無い出来事に、何の旨みも無かった。
フィアンマ「…まぁ、賑やかさは無いだろうな」
オッレルス「それならそれで良いさ。…君を連れて逃げると宣言したこの身で、公然と認められたいとは思わない」
そもそも自分も追われる立場にあるのだから、とオッレルスは肩を竦める。
つまり、求めている事は無いらしい。
フィアンマは背後のオッレルスの身体を預け、左手で彼の髪を触った。
フィアンマ「…愛の逃避行に憧れたクチか」
オッレルス「そういう文学は好んで読んでいたが、一緒に逃げたい、連れて行きたいと思う様な人間は俺の人生で二人しか居ないな。君と」
フィアンマ「シルビアか」
オッレルス「妹の様なものだからな」
フィアンマ「……、…俺様を、」
オッレルス「?」
フィアンマ「…選んでくれて、…あり、がとう」
自分は、上条とオッレルス、どちらかを選ぶ事が出来なかった、そんな弱い人間だった。
そんな人間なのに、オッレルスは付き合いの長く優しい女性であるシルビアより、自分を選んでくれた。
フィアンマ「…今の言葉は忘れろ」
オッレルス「…>>361」
オッレルス「…ウェディングドレスを着て死にたい」
フィアンマ「…そんなに着たいのか」
オッレルス「正確には、タキシードを着ている君が見てみたい。結婚式とは良いものだと思わないか?」
フィアンマ「お前もタキシードを着れば、…この際それは良い。…そんなに良いものでもない」
神前と、神父たる自分の前で誓っておきながら、心が別れる夫婦を、フィアンマは知っている。
あれ程幸せそうな表情で、確かな感情で誓ったくせに、あっさりとそれを破るのだ。
それを思うと、むしろ式など行わなければいいのに、とフィアンマは思う。
だから、あまり良いものだとは思えない。
元より賛同を求めて言った訳ではないからか、オッレルスは気分を害した様子が無い。
オッレルス「君とは結婚式というものに対しての視点がそもそも違うか。…子供の頃、他人の大人の結婚式がとても魅力的に映ったんだ。幸せの象徴だろう」
フィアンマ「…確かに、あれはそういう儀式だが」
葬式が、人の死を悼む生者の為の儀式である様に。
結婚式は、婚礼する二人が神とお互いと呼んだ親族や友人達に対して自分達が結ばれる事を表明する為の、幸福な儀式。
死が二人を別つまで。
ローマ正教においての婚礼はそれが基本的な理念だ。
死んでしまえば他に心変わりしてしまっても仕方がない。生きている者は生きている者を愛するべきだ。
けれど、死ぬまでは隣で生きる伴侶に縛りつけられる。
たかが一度式をしてしまった思い出が、神前で誓った想いが、二人の身を拘束する。
どの辺りが魅力的なのか、フィアンマにはわからなかった。
フィアンマ「…、」
沈黙して、考えてみる。
誰もが自分達が愛し合う事を認めてくれて、祝福してくれて。
有り得ない。可能性が1%も無い出来事に、何の旨みも無かった。
フィアンマ「…まぁ、賑やかさは無いだろうな」
オッレルス「それならそれで良いさ。…君を連れて逃げると宣言したこの身で、公然と認められたいとは思わない」
そもそも自分も追われる立場にあるのだから、とオッレルスは肩を竦める。
つまり、求めている事は無いらしい。
フィアンマは背後のオッレルスの身体を預け、左手で彼の髪を触った。
フィアンマ「…愛の逃避行に憧れたクチか」
オッレルス「そういう文学は好んで読んでいたが、一緒に逃げたい、連れて行きたいと思う様な人間は俺の人生で二人しか居ないな。君と」
フィアンマ「シルビアか」
オッレルス「妹の様なものだからな」
フィアンマ「……、…俺様を、」
オッレルス「?」
フィアンマ「…選んでくれて、…あり、がとう」
自分は、上条とオッレルス、どちらかを選ぶ事が出来なかった、そんな弱い人間だった。
そんな人間なのに、オッレルスは付き合いの長く優しい女性であるシルビアより、自分を選んでくれた。
フィアンマ「…今の言葉は忘れろ」
オッレルス「…>>361」
360:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/23(日) 20:46:45.93:Hc2e2+P4o (3/4)
加速下
加速下
361:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 20:47:48.34:ZLgObi2+0 (2/2)
い~や
い~や
362:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 20:50:35.90:eFTRmwySO (4/5)
すまない、もう胸に刻んでしまったよ
すまない、もう胸に刻んでしまったよ
363: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/23(日) 21:16:44.39:AQEJbZG60 (2/2)
オッレルス「…い~や、だ」
フィアンマ「……」
言うんじゃなかった、といった様子のフィアンマの身体を強めに抱きしめ、オッレルスは楽しそうに笑む。
彼としてはお礼を言われても違和感しか残らない。自分は選んだのではなく、選ばせてもらったのだ。
その謙虚な心同士が全てを満たす愛情を構成しているのかもしれないが、二人は特段気にかける事は無い。
誤魔化す様に、フィアンマは食事を強請った。
食事に拘りは無いものの、食べやすいものが良いとのリクエストである。
パンも残っている事だしサンドイッチ等で良いか、と結論付け、オッレルスはキッチンに移動して調理を始める。
上条やシルビアが居た時は二人に任せてしまっていただけで、彼は料理が出来ないという訳ではないのだ。
調理と配膳が終わり。
歯磨きをしたフィアンマは、落とさない様慎重に食事をする。
落としてしまうと、自らにかかる精神的ストレスが重いものであると知っているから。
もぐ、と頬張りながら時計を見やる。時刻は午後二時半。
昼食には少々遅く、おやつを兼ねた時間だ。
チョコレートが食べたい、と何となしに重いながらも口には出さず、フィアンマは食事を終える。
オッレルスも食事を終えたところで、食休みをとった後、チェスを始めた。
コツ、と駒を置き、全体の配置を眺めながら五手程先を想定しつつ、フィアンマはオッレルスに話しかける。
フィアンマ「平和だな」
オッレルス「そうだな。少なくとも、ここ最近は退屈な程に平和だ」
フィアンマ「…、…幻想殺しと『あれ』は元気だと思うか?」
オッレルス「>>365」
オッレルス「…い~や、だ」
フィアンマ「……」
言うんじゃなかった、といった様子のフィアンマの身体を強めに抱きしめ、オッレルスは楽しそうに笑む。
彼としてはお礼を言われても違和感しか残らない。自分は選んだのではなく、選ばせてもらったのだ。
その謙虚な心同士が全てを満たす愛情を構成しているのかもしれないが、二人は特段気にかける事は無い。
誤魔化す様に、フィアンマは食事を強請った。
食事に拘りは無いものの、食べやすいものが良いとのリクエストである。
パンも残っている事だしサンドイッチ等で良いか、と結論付け、オッレルスはキッチンに移動して調理を始める。
上条やシルビアが居た時は二人に任せてしまっていただけで、彼は料理が出来ないという訳ではないのだ。
調理と配膳が終わり。
歯磨きをしたフィアンマは、落とさない様慎重に食事をする。
落としてしまうと、自らにかかる精神的ストレスが重いものであると知っているから。
もぐ、と頬張りながら時計を見やる。時刻は午後二時半。
昼食には少々遅く、おやつを兼ねた時間だ。
チョコレートが食べたい、と何となしに重いながらも口には出さず、フィアンマは食事を終える。
オッレルスも食事を終えたところで、食休みをとった後、チェスを始めた。
コツ、と駒を置き、全体の配置を眺めながら五手程先を想定しつつ、フィアンマはオッレルスに話しかける。
フィアンマ「平和だな」
オッレルス「そうだな。少なくとも、ここ最近は退屈な程に平和だ」
フィアンマ「…、…幻想殺しと『あれ』は元気だと思うか?」
オッレルス「>>365」
364:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/09/23(日) 21:19:06.82:Hc2e2+P4o (4/4)
加速下
加速下
365:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/23(日) 22:34:24.52:eFTRmwySO (5/5)
さぁ…?彼等ならきっとうまくやってるんじゃないかな?
彼はいい父親をしていたじゃまいか
さぁ…?彼等ならきっとうまくやってるんじゃないかな?
彼はいい父親をしていたじゃまいか
366: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 00:18:48.62:kSVZpUCAO (1/5)
オッレルス「さぁ…? 彼等ならきっとうまくやってるんじゃないかな? 彼はいい父親をしていたじゃま…んん、じゃないか。チェック」
フィアンマ「…あの女と結ばれて『あれ』を育てるのが一番平和そうだな」
王手をかけられるもするりと抜けて守りに入り、手番が来る度に攻め方を変えながら、フィアンマは頷く。
本気で上条を心配している訳ではなく、ただ単に話題として提示しただけらしい。
オッレルスはそれでもうっかり妬いてしまわないよう思考をチェスに集中させ、攻め方を変える。
フィアンマ(…確かに、ヤツも俺様を愛してはいたのだろうが。……何が違ったのか)
自分はオッレルスを好きになり、上条にはもう振り向く気になれない。
ただ一言冷たくされたから、とだけは思えない。 オッレルスのどの辺りが好きなのかといえば、沢山の人間の中からわざわざ自分だけを選んでくれただとか、その辺りだ。結局はどちらを信じたかの問題か、と結論付けて、フィアンマはチェックメイトを宣言する。
フィアンマ「お前は子供好きではないのか?」
オッレルス「嫌いじゃないし、実際勢いで子供を引き取ったというか、助けた事もあるが。子供好きかと問われると、難しいな」
わざわざ幼い子供に冷たくする趣味は無いが、大好きかといえば違う。
曖昧な返答を聞き、フィアンマはチェスの駒を並べ直す。
フィアンマ「…俺様以外を好くのはともかく、愛しいと思うなよ」
実に人間らしく浅ましく、規模の小さな独占欲から、フィアンマはそんな事を言った。
これもまた一種の甘えだろうか、とオッレルスは思う。
オッレルス「…>>368」
オッレルス「さぁ…? 彼等ならきっとうまくやってるんじゃないかな? 彼はいい父親をしていたじゃま…んん、じゃないか。チェック」
フィアンマ「…あの女と結ばれて『あれ』を育てるのが一番平和そうだな」
王手をかけられるもするりと抜けて守りに入り、手番が来る度に攻め方を変えながら、フィアンマは頷く。
本気で上条を心配している訳ではなく、ただ単に話題として提示しただけらしい。
オッレルスはそれでもうっかり妬いてしまわないよう思考をチェスに集中させ、攻め方を変える。
フィアンマ(…確かに、ヤツも俺様を愛してはいたのだろうが。……何が違ったのか)
自分はオッレルスを好きになり、上条にはもう振り向く気になれない。
ただ一言冷たくされたから、とだけは思えない。 オッレルスのどの辺りが好きなのかといえば、沢山の人間の中からわざわざ自分だけを選んでくれただとか、その辺りだ。結局はどちらを信じたかの問題か、と結論付けて、フィアンマはチェックメイトを宣言する。
フィアンマ「お前は子供好きではないのか?」
オッレルス「嫌いじゃないし、実際勢いで子供を引き取ったというか、助けた事もあるが。子供好きかと問われると、難しいな」
わざわざ幼い子供に冷たくする趣味は無いが、大好きかといえば違う。
曖昧な返答を聞き、フィアンマはチェスの駒を並べ直す。
フィアンマ「…俺様以外を好くのはともかく、愛しいと思うなよ」
実に人間らしく浅ましく、規模の小さな独占欲から、フィアンマはそんな事を言った。
これもまた一種の甘えだろうか、とオッレルスは思う。
オッレルス「…>>368」
367:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 00:21:23.11:rPQqsM0go (1/2)
ksk
ksk
368:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 00:22:34.38:E7GQCgsSO (1/4)
ふふ…はっははっはっ心配いらないよ。俺は君以外を愛せないからね
ふふ…はっははっはっ心配いらないよ。俺は君以外を愛せないからね
369: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 07:39:43.42:kSVZpUCAO (2/5)
オッレルス「…ふふ…、はっははっ、はっ…心配いらないよ。俺は君以外を愛せないからね」
そんな気の抜けた笑い声を漏らし、オッレルスも手近な駒を並べ直す。
そして、一言付け加えた。
オッレルス「君以外を愛するつもりもない」
フィアンマ「…そうか。……、…お前は俺様の財産だ。だから、俺様の為に行使する」
可愛げがあるのか無いのか曖昧な宣言をし、フィアンマは駒に手をかけて動かした。
順番決めのじゃんけんを行えば、必ず自分が勝利する事を知っているから。
フィアンマ「…何も考えていない様な顔をして、戦略の組み立てが上手いな」
オッレルス「酷い評価だな。いくらモーション無しに魔術を発動出来るにしても、普段から戦い方については考えてるよ。慢心や油断は敗退に、最悪、死に直結するからね」
フィアンマ「お前の術式は反則的だからな。何も考えていないのかと」
オッレルス「反則的…って、君が言うのか。…流石に全て反射神経でどうにかなる程若くない」
フィアンマ「なるほど。チェック」
オッレルス「あっ」
人畜無害そうな顔をしていて、しかし燃えたぎる情念を持つ男だ、とフィアンマは思う。
だからどうという訳でもない。
それら全てをひっくるめ、フィアンマはオッレルスという人間を愛おしいと感じるのだから。
しまった、という表情を浮かべるオッレルスに、フィアンマはくすりと笑う。
楽しくて、穏やかで、幸せだ。
オッレルス「…ふふ…、はっははっ、はっ…心配いらないよ。俺は君以外を愛せないからね」
そんな気の抜けた笑い声を漏らし、オッレルスも手近な駒を並べ直す。
そして、一言付け加えた。
オッレルス「君以外を愛するつもりもない」
フィアンマ「…そうか。……、…お前は俺様の財産だ。だから、俺様の為に行使する」
可愛げがあるのか無いのか曖昧な宣言をし、フィアンマは駒に手をかけて動かした。
順番決めのじゃんけんを行えば、必ず自分が勝利する事を知っているから。
フィアンマ「…何も考えていない様な顔をして、戦略の組み立てが上手いな」
オッレルス「酷い評価だな。いくらモーション無しに魔術を発動出来るにしても、普段から戦い方については考えてるよ。慢心や油断は敗退に、最悪、死に直結するからね」
フィアンマ「お前の術式は反則的だからな。何も考えていないのかと」
オッレルス「反則的…って、君が言うのか。…流石に全て反射神経でどうにかなる程若くない」
フィアンマ「なるほど。チェック」
オッレルス「あっ」
人畜無害そうな顔をしていて、しかし燃えたぎる情念を持つ男だ、とフィアンマは思う。
だからどうという訳でもない。
それら全てをひっくるめ、フィアンマはオッレルスという人間を愛おしいと感じるのだから。
しまった、という表情を浮かべるオッレルスに、フィアンマはくすりと笑う。
楽しくて、穏やかで、幸せだ。
370: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 07:41:30.14:kSVZpUCAO (3/5)
一方。
上条当麻は、振り回されていた。
懐いたからか、フィアンマとして開花する性質である傲慢さや傲岸不遜がミケーラの内より湧き出でているからである。
上条は学園都市に戻って来てすぐ、インデックスと協力して兎のぬいぐるみを縫い上げ、ミケーラにプレゼントした。
ミケーラは無邪気に喜び、術式を行使する事で大天使を呼び込んだ。
そしてその高圧的な口調を受け継ぎ。
且つ、上条がベッドの下、奥底に隠していた18禁本や学校で使っていた保健の教科書を読み込んだ結果、今。
彼は上条に迫っているのだった。
ミケーラ「こどもつくろう、とうまおにいちゃん」
所詮は6歳の子供が言う事。
可愛い愛らしい、でも無理がある、と流せば良いのだが、上条は日常生活においての押しに弱い。ましてや、初恋の人の面影どころかある意味においての本人に迫られてしまっては、拒否し難い。これがいつも連んでいる悪友であれば突き飛ばしたり、乱闘に持ち込んでしまっても構わないのだが、何分相手は子供である。
病弱でか弱い。
殴るどころか、しっぺ一つさえ躊躇わざるを得なかった。
ミケーラ「おれさまがきらいなわけではなかろう。よいではないか」
上条「時代劇見たな、その最後の言葉は。ダメに決まってんだろ!」
ミケーラ「おれさまがきらいなのか」
丸い瞳に、じわじわと涙が溜まっていき、上条の良心が痛んだ。
上条「う…>>372」
一方。
上条当麻は、振り回されていた。
懐いたからか、フィアンマとして開花する性質である傲慢さや傲岸不遜がミケーラの内より湧き出でているからである。
上条は学園都市に戻って来てすぐ、インデックスと協力して兎のぬいぐるみを縫い上げ、ミケーラにプレゼントした。
ミケーラは無邪気に喜び、術式を行使する事で大天使を呼び込んだ。
そしてその高圧的な口調を受け継ぎ。
且つ、上条がベッドの下、奥底に隠していた18禁本や学校で使っていた保健の教科書を読み込んだ結果、今。
彼は上条に迫っているのだった。
ミケーラ「こどもつくろう、とうまおにいちゃん」
所詮は6歳の子供が言う事。
可愛い愛らしい、でも無理がある、と流せば良いのだが、上条は日常生活においての押しに弱い。ましてや、初恋の人の面影どころかある意味においての本人に迫られてしまっては、拒否し難い。これがいつも連んでいる悪友であれば突き飛ばしたり、乱闘に持ち込んでしまっても構わないのだが、何分相手は子供である。
病弱でか弱い。
殴るどころか、しっぺ一つさえ躊躇わざるを得なかった。
ミケーラ「おれさまがきらいなわけではなかろう。よいではないか」
上条「時代劇見たな、その最後の言葉は。ダメに決まってんだろ!」
ミケーラ「おれさまがきらいなのか」
丸い瞳に、じわじわと涙が溜まっていき、上条の良心が痛んだ。
上条「う…>>372」
371:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 07:49:56.04:PDozzceSO (1/1)
kskst
kskst
372:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/24(月) 08:12:43.14:zGVa+Hl70 (1/1)
嫌いじゃないよ
でも性別的に無理なんだ
嫌いじゃないよ
でも性別的に無理なんだ
373: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 13:43:14.67:kSVZpUCAO (4/5)
上条「う…嫌いじゃないよ。でも性別的に無理なんだ」
ミケーラ「…みー」
やだー、とばかりにじたばた暴れるミケーラを抱きしめ、上条は苦笑しながら宥める。
暴れる内に疲れたのか、上条に乗っかったまますやすやと眠り始めたミケーラをあやし、上条はゆっくりと息を吐き出した。
そもそも、好きとはいえこんな幼い子供に手を出す趣味は無い。
後十年経ったら…いやしかし、それでも上条は25歳、ミケーラは16歳。
犯罪的だ。
上条「…後、十四年位経ったらな」
チェス盤と駒を片付け。フィアンマはオッレルスの寝顔を退屈そうに眺めていた。
昼寝である。
フィアンマ「…、」
羊、或いは犬。
そんなほのぼのとした印象を覚えつつ、フィアンマはソファーで眠るオッレルスの様子を見守る。自分は眠くないので、警護も兼ねて。
オッレルスの見ている夢の内容(アバウト可)>>+2
上条「う…嫌いじゃないよ。でも性別的に無理なんだ」
ミケーラ「…みー」
やだー、とばかりにじたばた暴れるミケーラを抱きしめ、上条は苦笑しながら宥める。
暴れる内に疲れたのか、上条に乗っかったまますやすやと眠り始めたミケーラをあやし、上条はゆっくりと息を吐き出した。
そもそも、好きとはいえこんな幼い子供に手を出す趣味は無い。
後十年経ったら…いやしかし、それでも上条は25歳、ミケーラは16歳。
犯罪的だ。
上条「…後、十四年位経ったらな」
チェス盤と駒を片付け。フィアンマはオッレルスの寝顔を退屈そうに眺めていた。
昼寝である。
フィアンマ「…、」
羊、或いは犬。
そんなほのぼのとした印象を覚えつつ、フィアンマはソファーで眠るオッレルスの様子を見守る。自分は眠くないので、警護も兼ねて。
オッレルスの見ている夢の内容(アバウト可)>>+2
374:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 15:27:48.22:E7GQCgsSO (2/4)
Ksk
Ksk
375:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 15:28:17.55:E7GQCgsSO (3/4)
鷹になって大空を飛んでる。ふと下を見るとフィアンマが泣きそうな顔で見上げている。
何で泣きそうなんだ今側に行くから。すぐに降りて、抱き締める。
でも、フィアンマの頭上で旋回はできても、降りる事ができない。ああ、そういえば自分は今鷹だったな。この腕じゃ抱き締められないじゃないか
下を見るとフィアンマがついに泣き出してる。
おい、何で泣いてんだよ誰だよ泣かしたの。何で降りられないんだよ
気がつくとどんどん風に流されていく。泣いてるフィアンマを置いてきぼりにして離れていく。
鷹になって大空を飛んでる。ふと下を見るとフィアンマが泣きそうな顔で見上げている。
何で泣きそうなんだ今側に行くから。すぐに降りて、抱き締める。
でも、フィアンマの頭上で旋回はできても、降りる事ができない。ああ、そういえば自分は今鷹だったな。この腕じゃ抱き締められないじゃないか
下を見るとフィアンマがついに泣き出してる。
おい、何で泣いてんだよ誰だよ泣かしたの。何で降りられないんだよ
気がつくとどんどん風に流されていく。泣いてるフィアンマを置いてきぼりにして離れていく。
376:夢 ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 19:50:37.44:yIMSeYlQ0 (1/2)
いたく、気分が良かった。
気付けば、自分は外を飛んでいた。
果たして何をどうして飛んだのか、さっぱりわからない。
自分の手があった場所にあるのは、立派な翼。どうやら俺は今鷹と化している様だ。
不意に、下の世界、地面の上へと視線を移す。
無言のまま、泣くのをどうにか堪えた表情で、俺を見上げるフィアンマと視線が合う。
どうして泣きそうなのか。理由はわからないが、今傍に行くよ。
そう思って近づけど、彼の頭上でゆるりと旋回するのがどうにも精一杯。
風に流されてしまわない様に翼を動かしてその上空に留まるだけでどうにもならない。
ああ、そういえば今俺の腕は人体のそれじゃないんだった。
仮に近づいて彼の傍に行ったとしても、抱きしめてはあげられないじゃないか。
歯がゆさに再度地上を見下ろせば、フィアンマの足元が濡れていた。
言うまでもなく、地面を濡らしたのは彼の瞳から滲み溢れた生暖かい体液―――涙のせいに他ならない。
誰が泣かせたのか。何で泣いているのか。
何か苦しい事があるのなら、話を聞きたかった。
手を伸ばしてみたけれど、茶色い羽がはらりと落ちただけ。
届かない。こんなにも近くに居て、彼の涙を拭ってあげる事が出来ない。
その苦しさに息を詰めると、急な突風に抗えないまま、俺の身体は、攫われた。
ダメだ、届かない。
守ると決めたのに。
泣かせたくないと、思っている、のに。
いたく、気分が良かった。
気付けば、自分は外を飛んでいた。
果たして何をどうして飛んだのか、さっぱりわからない。
自分の手があった場所にあるのは、立派な翼。どうやら俺は今鷹と化している様だ。
不意に、下の世界、地面の上へと視線を移す。
無言のまま、泣くのをどうにか堪えた表情で、俺を見上げるフィアンマと視線が合う。
どうして泣きそうなのか。理由はわからないが、今傍に行くよ。
そう思って近づけど、彼の頭上でゆるりと旋回するのがどうにも精一杯。
風に流されてしまわない様に翼を動かしてその上空に留まるだけでどうにもならない。
ああ、そういえば今俺の腕は人体のそれじゃないんだった。
仮に近づいて彼の傍に行ったとしても、抱きしめてはあげられないじゃないか。
歯がゆさに再度地上を見下ろせば、フィアンマの足元が濡れていた。
言うまでもなく、地面を濡らしたのは彼の瞳から滲み溢れた生暖かい体液―――涙のせいに他ならない。
誰が泣かせたのか。何で泣いているのか。
何か苦しい事があるのなら、話を聞きたかった。
手を伸ばしてみたけれど、茶色い羽がはらりと落ちただけ。
届かない。こんなにも近くに居て、彼の涙を拭ってあげる事が出来ない。
その苦しさに息を詰めると、急な突風に抗えないまま、俺の身体は、攫われた。
ダメだ、届かない。
守ると決めたのに。
泣かせたくないと、思っている、のに。
377:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/09/24(月) 19:50:39.04:kSVZpUCAO (5/5)
+
+
378: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/24(月) 19:51:15.82:yIMSeYlQ0 (2/2)
目覚め、自分の顔を見るなりぎゅうぎゅうと呼吸が苦しくなる程に強く抱きしめられて。
困惑しながら、フィアンマはオッレルスの表情を窺った。
フィアンマ「…何だ」
問いかけても、返事は返ってこない。
余程怖い夢を見たのだろう、と判断して、フィアンマはオッレルスの背中を摩る。
オッレルス「…君が、」
フィアンマ「…俺様が、どうした」
オッレルス「泣いている、夢を見た」
フィアンマ「…何故お前が泣く」
自分が泣いた夢を見た。
だからといって、オッレルスが泣く理由にはならないだろうと、フィアンマは首を傾げる。
そして、オッレルスの目の端から零れ頬を伝う透明な液体を、指先で掬った。
オッレルス「君に、近づけなかった。夢の中の状況的に」
悔しかった、とオッレルスは悔やむ。
たかが夢の中の出来事じゃないか、とフィアンマは片付けようとしたのだが。
正夢だったら嫌だ、と仮定に仮想を重ね、めそめそとしながらオッレルスは腕の力を強める。
背骨が折れる、と文句を言いかけ、黙り、フィアンマはオッレルスの髪を撫でた。
フィアンマ「…俺様はそうそう泣かん」
苦しくても、痛くても。
絶叫して憎めば、それで事足りる。
泣いて助けを求める程弱者じゃない。
フィアンマ「…だから、泣き止め」
オッレルス「……、…」
ぐす、と鼻を啜り、オッレルスは段々と落ち込んでいく。
上手い慰めの言葉、或いは叱責の言葉は、とフィアンマは思考を巡らせる。
フィアンマ「…>>380」
目覚め、自分の顔を見るなりぎゅうぎゅうと呼吸が苦しくなる程に強く抱きしめられて。
困惑しながら、フィアンマはオッレルスの表情を窺った。
フィアンマ「…何だ」
問いかけても、返事は返ってこない。
余程怖い夢を見たのだろう、と判断して、フィアンマはオッレルスの背中を摩る。
オッレルス「…君が、」
フィアンマ「…俺様が、どうした」
オッレルス「泣いている、夢を見た」
フィアンマ「…何故お前が泣く」
自分が泣いた夢を見た。
だからといって、オッレルスが泣く理由にはならないだろうと、フィアンマは首を傾げる。
そして、オッレルスの目の端から零れ頬を伝う透明な液体を、指先で掬った。
オッレルス「君に、近づけなかった。夢の中の状況的に」
悔しかった、とオッレルスは悔やむ。
たかが夢の中の出来事じゃないか、とフィアンマは片付けようとしたのだが。
正夢だったら嫌だ、と仮定に仮想を重ね、めそめそとしながらオッレルスは腕の力を強める。
背骨が折れる、と文句を言いかけ、黙り、フィアンマはオッレルスの髪を撫でた。
フィアンマ「…俺様はそうそう泣かん」
苦しくても、痛くても。
絶叫して憎めば、それで事足りる。
泣いて助けを求める程弱者じゃない。
フィアンマ「…だから、泣き止め」
オッレルス「……、…」
ぐす、と鼻を啜り、オッレルスは段々と落ち込んでいく。
上手い慰めの言葉、或いは叱責の言葉は、とフィアンマは思考を巡らせる。
フィアンマ「…>>380」
379:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 20:40:43.90:rPQqsM0go (2/2)
ksk
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380:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/24(月) 23:39:36.37:E7GQCgsSO (4/4)
…いいのか?このままお前が泣いてると俺様も泣くぞ
…いいのか?このままお前が泣いてると俺様も泣くぞ
381: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/25(火) 10:30:54.59:3S4aLqRR0 (1/1)
フィアンマ「…いいのか? このままお前が泣いていると、俺様も泣くぞ」
思い浮かんだのは、やや幼稚な脅しだった。
口に出すには馬鹿馬鹿しい文句ではあったが、それでも、オッレルスに泣いて欲しくないと思ったから。
オッレルス「…それは、…困る」
フィアンマ「…泣き止め」
柔らかな金の髪を幾度も撫で、フィアンマはそう優しい語調で言った。
人の泣き顔を見ていても申し訳ないような気分になるだけで、決して楽しくなどないから。
フィアンマ「夢の中にしても、お前が悪い訳ではない」
オッレルス「…、」
フィアンマ「…俺様が泣いている時に。…お前が傍に居たいと、そう思ってくれているだけで、充分だ」
それだけで嬉しいから、そんなに悔いる必要は無いのだと。
そう囁いて、フィアンマは左腕で強めに抱きしめ返す。
右腕があったらもう少し強く抱いて安心させられるだろうに、とほんの少し残念に思いながら。
ようやく泣き止んだオッレルスの涙やら何やらを手近なティッシュで拭い、フィアンマはため息をつく。
悪夢を見て泣き出すなど、子供でもあるまいし。
ただ、それでも呆れより愛情が勝るのは、それが自分の為の涙だったからだろうか。
オッレルス「…落ち着いた。ごめん」
フィアンマ「謝る必要は無い」
力の抜けた笑みすら零して、フィアンマは、オッレルスの頬へ口付ける。
フィアンマ「現実では夢の様にならないよう、対策していれば良いというだけの話だ」
オッレルス「それは、そうだが」
フィアンマ「そもそも、俺様が泣いて事態の解決を待つ性格だと思うのか?」
オッレルス「思わないな」
フィアンマ「そうだろう。…信じろ」
もし、いつか泣く日が来たなら。
それはこの男の隣か、腕の中が良い、とフィアンマは思う。
多分、泣く日なんて来ないと信じたいけれど。
妙な気恥かしさに沈黙して。
フィアンマはオッレルスに身体を預けたまま、時計を見つめる。
フィアンマはどうする?>>+2
フィアンマ「…いいのか? このままお前が泣いていると、俺様も泣くぞ」
思い浮かんだのは、やや幼稚な脅しだった。
口に出すには馬鹿馬鹿しい文句ではあったが、それでも、オッレルスに泣いて欲しくないと思ったから。
オッレルス「…それは、…困る」
フィアンマ「…泣き止め」
柔らかな金の髪を幾度も撫で、フィアンマはそう優しい語調で言った。
人の泣き顔を見ていても申し訳ないような気分になるだけで、決して楽しくなどないから。
フィアンマ「夢の中にしても、お前が悪い訳ではない」
オッレルス「…、」
フィアンマ「…俺様が泣いている時に。…お前が傍に居たいと、そう思ってくれているだけで、充分だ」
それだけで嬉しいから、そんなに悔いる必要は無いのだと。
そう囁いて、フィアンマは左腕で強めに抱きしめ返す。
右腕があったらもう少し強く抱いて安心させられるだろうに、とほんの少し残念に思いながら。
ようやく泣き止んだオッレルスの涙やら何やらを手近なティッシュで拭い、フィアンマはため息をつく。
悪夢を見て泣き出すなど、子供でもあるまいし。
ただ、それでも呆れより愛情が勝るのは、それが自分の為の涙だったからだろうか。
オッレルス「…落ち着いた。ごめん」
フィアンマ「謝る必要は無い」
力の抜けた笑みすら零して、フィアンマは、オッレルスの頬へ口付ける。
フィアンマ「現実では夢の様にならないよう、対策していれば良いというだけの話だ」
オッレルス「それは、そうだが」
フィアンマ「そもそも、俺様が泣いて事態の解決を待つ性格だと思うのか?」
オッレルス「思わないな」
フィアンマ「そうだろう。…信じろ」
もし、いつか泣く日が来たなら。
それはこの男の隣か、腕の中が良い、とフィアンマは思う。
多分、泣く日なんて来ないと信じたいけれど。
妙な気恥かしさに沈黙して。
フィアンマはオッレルスに身体を預けたまま、時計を見つめる。
フィアンマはどうする?>>+2
382:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/25(火) 10:34:26.48:8JBqXBOvo (1/1)
加速下
加速下
383:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/25(火) 11:10:29.24:XgQUcFLK0 (1/1)
オッレルスの鼻をつまんでみる
オッレルスの鼻をつまんでみる
384: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/25(火) 19:34:54.91:SapyExT70 (1/1)
そしてふとオッレルスに視線を移すと、眼前の鼻を指で摘んだ。
きょとんとしながらもあまり動揺せずに口呼吸へ切り替える彼の様子を見、フィアンマはつまらなそうに指を離した。
フィアンマ「…少しは驚いてみせたらどうだ」
オッレルス「泣きやめと言ったり驚けと言ったり忙しないな君は」
フィアンマ「退屈なんだよ」
すっかりといつもの調子を取り戻して、オッレルスは穏やかに笑った。
この笑顔が好きだな、と思って、フィアンマは押し黙る。
あまり好きだとか何だとか考えると、また呼吸が苦しくなりかねない。
こんな症状を引き起こすのに何だって人は恋愛などするのだろうか、と考え。
そもそも自分ももう既にその中へ組み込まれてしまった人間じゃないか、と心中で笑った。
フィアンマ「…お前は優しいが、弱いな」
オッレルス「…、…」
フィアンマ「だから、俺様が守る」
力量では勝るとも劣らないけれど、自分が泣いた位で泣いてくれるこの男を守りたいな、とフィアンマは思う。
上条が言った意味とは違うけれど、これもまた『世界を知る』ということなのだろう、とも。
自分が何も見ようとしなかったが故に知らなかった、でも無意識下で焦がれたものを、望めば望んだだけ、この男は与えてくれるのだ。
その分返したいと思うのは、悪い事ではないはずだ。
オッレルス「…ありがとう。でも、」
フィアンマ「普段はお前が俺様を守るんだろう。…だから、お前が弱くなった時は、俺様が抱いて支えてやる」
魔術的に、実生活的に、さほど役に立たないこんな左腕でも。
彼の頭を撫でて、背中を摩って、涙を拭えるのなら、充分役立てられる。
オッレルスはフィアンマの頬に触れ、顎を指先で上げ、優しく唇を重ねた。
柔らかい心地良さに目を閉じ、フィアンマは幸福そうな笑みを浮かべる。
フィアンマ「…好きだ」
愛する能力が無いなら、どうにか二人で創っていけばいいと言うから。
その言葉に甘えて、少しずつでも、オッレルスへの愛情を形作る。
この恋心が、深い愛情に変わるまで。
オッレルス「俺も、好きだよ」
優しさの海の中で幸せに溺れていられるのなら、このまま、ずっと。
おわり
そしてふとオッレルスに視線を移すと、眼前の鼻を指で摘んだ。
きょとんとしながらもあまり動揺せずに口呼吸へ切り替える彼の様子を見、フィアンマはつまらなそうに指を離した。
フィアンマ「…少しは驚いてみせたらどうだ」
オッレルス「泣きやめと言ったり驚けと言ったり忙しないな君は」
フィアンマ「退屈なんだよ」
すっかりといつもの調子を取り戻して、オッレルスは穏やかに笑った。
この笑顔が好きだな、と思って、フィアンマは押し黙る。
あまり好きだとか何だとか考えると、また呼吸が苦しくなりかねない。
こんな症状を引き起こすのに何だって人は恋愛などするのだろうか、と考え。
そもそも自分ももう既にその中へ組み込まれてしまった人間じゃないか、と心中で笑った。
フィアンマ「…お前は優しいが、弱いな」
オッレルス「…、…」
フィアンマ「だから、俺様が守る」
力量では勝るとも劣らないけれど、自分が泣いた位で泣いてくれるこの男を守りたいな、とフィアンマは思う。
上条が言った意味とは違うけれど、これもまた『世界を知る』ということなのだろう、とも。
自分が何も見ようとしなかったが故に知らなかった、でも無意識下で焦がれたものを、望めば望んだだけ、この男は与えてくれるのだ。
その分返したいと思うのは、悪い事ではないはずだ。
オッレルス「…ありがとう。でも、」
フィアンマ「普段はお前が俺様を守るんだろう。…だから、お前が弱くなった時は、俺様が抱いて支えてやる」
魔術的に、実生活的に、さほど役に立たないこんな左腕でも。
彼の頭を撫でて、背中を摩って、涙を拭えるのなら、充分役立てられる。
オッレルスはフィアンマの頬に触れ、顎を指先で上げ、優しく唇を重ねた。
柔らかい心地良さに目を閉じ、フィアンマは幸福そうな笑みを浮かべる。
フィアンマ「…好きだ」
愛する能力が無いなら、どうにか二人で創っていけばいいと言うから。
その言葉に甘えて、少しずつでも、オッレルスへの愛情を形作る。
この恋心が、深い愛情に変わるまで。
オッレルス「俺も、好きだよ」
優しさの海の中で幸せに溺れていられるのなら、このまま、ずっと。
おわり
385: ◆2/3UkhVg4u1D:2012/09/25(火) 19:36:27.54:FUW356KAO (1/1)
お付き合いいただき、ありがとうございました!
お付き合いいただき、ありがとうございました!
386:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/09/25(火) 20:05:09.87:AfOAqxNA0 (1/1)
上条さんェ…
乙!
上条さんェ…
乙!
387:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/25(火) 23:16:43.21:fAiTkx2SO (1/1)
エエエェェエエ!!!!!乙!何故いつもいい感じのところで…ちくせう乙
エエエェェエエ!!!!!乙!何故いつもいい感じのところで…ちくせう乙
388:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/26(水) 06:40:13.05:QV6i4Y/R0 (1/1)
乙!今回も楽しませて貰った!
乙!今回も楽しませて貰った!
389:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/26(水) 12:21:21.04:27FRgm4AO (1/1)
乙!
欲を言えば、もうちょい続いてほしかった…
乙!
欲を言えば、もうちょい続いてほしかった…
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