1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)2012/07/31(火) 01:36:22.31I5J2xxWTo (1/5)

タイトルなげえ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1343666182



2 ◆b.oHBDqN/s2012/07/31(火) 01:43:32.44I5J2xxWTo (2/5)

男「あゝ、屋上から見る景色とは、どうしてこうも美しいのか(悦)」

夏目○石作のタイトル風(意味不明)に呟く。
その呟きを聞いている者は誰もいない。
男。一人きり。
……だって今、授業中。
俺、ただいまボイコット中。
話は午後の一限目の授業、その只中に遡る。


3 ◆b.oHBDqN/s2012/07/31(火) 01:52:00.90I5J2xxWTo (3/5)

男「ん~……むにゃむにゃ」

何とも可愛らしい様子で眠る見目麗しい男子生徒。
俺だ。因みに授業中だ。

モブ「おい!男!当てられてるぞ!」ボソボソ

男「何だ貴様ボソボソと!言いたい事があるならハッキリ言え!」

……寝ぼけてました☆
静まり返る教室。担任の一言。
俺はこの退屈な空間からエスケィプする事になった。
一目散に屋上へ走った。

男「以上が状況の説明です!サー!」

誰もいない空間に向かって敬礼。

男「ふー……」

溜息。

男「やめやめ!」

その場に横になった。
背中がめちゃくちゃ汚れた。


4 ◆b.oHBDqN/s2012/07/31(火) 02:01:13.97I5J2xxWTo (4/5)

授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。

男「戻るか」

退屈だ。

男「あっはぁーん!!(喘ぎ)」

退屈だ。どうしようもなく。

男「Ahhhhhh!!!(絶頂)」

毎日が、退屈で退屈で、仕方ない。

そう思ったら。

思った瞬間。

背中を"誰か"に押された。

次の瞬間、俺の体は宙に浮いた。

屋上から落ちる。

成す術など無い。

ルパン泳ぎを試してみようかなぁ……

って考えた瞬間

俺の人生は、終わった。


5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/07/31(火) 02:03:27.13tKSGwnGIO (1/1)

終了(・ω・)
ラノベぶってきもい(・ω・)


6 ◆b.oHBDqN/s2012/07/31(火) 02:14:06.28I5J2xxWTo (5/5)

目を開けると白が見えた。
白い空間。ベッドに横になっているらしい。
体を起こして辺りを見渡す。

男「……」ポリポリ

ひたすらに白い空間が広がっている。
頭を掻いた。
場面が変わり過ぎて意味が分からない。
この俺が、混乱状態だった。

?「ヘイ、ショウネン」

男「え?」

驚いた。
先ほどまで、何も無かった空間に、突然、イスに座った男性が現れた。
金髪で二十台前半くらい。某ゲームのキャラ並にイケメンである。

男「誰だあんた」

?「知ってどうする?」

男「何処だここ?」

?「そりゃあ、知りたいよな」

男「教えてくれ」

?「死後の世界」

男「は?」

?「その一歩手前、神の部屋」

?「ま、神の前に(代理)が付くけどな」


7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/07/31(火) 03:37:20.66wE1/2j5Wo (1/1)

夏休みの宿題に工作でもあったの?
お題は『黒歴史』


8VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/07/31(火) 07:27:00.42L4ErDC6SO (1/1)

ツマンネ。終了


9VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/07/31(火) 07:56:47.30trjNqceOo (1/1)

なんか最近アンチ脇杉じゃね?


10VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/07/31(火) 08:31:58.43i3DUle41o (1/1)

夏ですし


11VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/07/31(火) 11:13:41.61a/PFQHuWo (1/1)

おいおい夏厨如きが喚いてるだけで辞めるなんて言うなよな


12VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/07/31(火) 13:29:22.35ORIj9YjWo (1/1)

意思弱すぎだろ


13VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/07/31(火) 16:54:42.40hOzjdAHIO (1/1)

この状況で続けれたら尊敬するわwwww
絶対粘着されるだろうしwwwwww
依頼出しとけよ


14VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/07/31(火) 16:55:39.11yq90yRm0o (1/1)

夏厨のくせに排他的とか……


15 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 00:28:58.36DByib4Cxo (1/6)

男「はぁ、そうですか」

金髪「随分と理解が早いな。助かる」

金髪は回転イスの上でくるくると回しながら答えた。

男「正直、明晰夢かなんかだと思ってるから」

金髪「ところがどっこい現実だ」

そう答える金髪の右の手のひらに、小さな地球の模型が現れた。

金髪「見ろ」

男「すごい!!」パチパチ

俺は拍手した。

金髪「……そうじゃない。"これ"を出現させる行為を見るんじゃなく」

金髪「こいつ自体を見ろ」

男「はぁ……」

男「地球ですね」

金髪「そうだ、地球だ」

金髪「"君の住んでいた世界"の地球だ」

男「……」


16VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 00:43:33.00LxEsgq/IO (1/2)

これは、あれだ
やれやれ系主人公だ


17 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 00:56:41.52DByib4Cxo (2/6)

男「あの、話を続ける前に聞きたい事があるんですが」

何故か自然と、畏まった口調になる。

金髪「何だ?言って見ろ」

男「俺、死んだんですか?」

金髪「……ふぅむ」

金髪はまたくるくると回る。
二周した後でこちらを向いて止まった。

金髪「その通りだ。君は死んだ」

男「やっぱ「付け加えると」

喋ろうとすると金髪が遮って言った。

金髪「"こちら"が殺した」

"こちら"が、何を意味しているかは分からない。

男「……どういうことですか?」

不思議と頭は冷静だ。ショックも無い。
現実味が無いからなのか。死んでも、どうでもいいと思っていたからなのか。

金髪「我々の仕事は、"核"の回収だ」

男「意味不明だ」

金髪「まぁ、まずは質問せずに聞け」

金髪「ゲームをやった事があるか?領地を取り合うSRGだ」

急に俗っぽい話になった。

金髪「領地を得たければ、敵の親玉を倒しさえすればいい」

金髪「他の雑魚は放っておいていい。とにかく敵の親玉を倒せば、その領地は自分の領地だ」

金髪「話を、我々の仕事についての説明に戻そう」

金髪「世界は領地。"核"は親玉だ。そして雑魚は他の人間」

金髪「そして"核"を潰すと……」

金髪「他の人間は消え、世界は我々のものになる訳だ」

男「侵略者さんですか?」

金髪「変に話を端折ろうとしたせいで、自分でもそう聞こえると思う」

男「わははは」

金髪「ワハハ」


18VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 00:58:34.50LxEsgq/IO (2/2)

良かったな、お前のSSつまらなすぎてアンチすら来ないぜ
しかしどのラノベに影響されたんだ?言ってみ


19 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 01:50:30.01DByib4Cxo (3/6)

金髪「…話を戻そう」コホン

金髪「先程の例えは、置き換えた例だけ憶えておいてくれ」

男「世界が領地。核が親玉。雑魚がその他の人間っていう?」

金髪「ああ、そうだ。話を戻すぞ」

金髪「核は世界の心臓であり、同時に時限爆弾でもある」

男「また意味不明な話ですね…」

金髪「別に隕石が衝突しなくてもいい」

金髪「タイムリミットが尽きるのに、場面は関係無い。例えば氷河期でもいいし、君が屋上で、一人芝居をしている時でもいい」

金髪「タイムリミットが来た時点で、核は世界ごとドカンだ」

金髪「この場合、問題になるのは世界という"領地"の消失では無く、核という"親玉"の消失だ」

金髪「我々の技術では、世界という領地は作製が可能だが」

金髪「核は作る事が出来ない。だからタイムリミットが来る前に核を回収し、他の世界に入れる訳だ」

男「質問良いですか?」

世界を作製とか、気になる事は他にもあったが、とりあえず一番気になった事を聞く事にした。

金髪「どうぞ」

男「どうしてタイムリミットが尽きる寸前の核を、他の世界に入れるんですか?」

金髪「核は一度、世界から取り出すと、時限爆弾をリセットされるんだ」

金髪「だから他の世界に入れた瞬間に爆発という事は無い」

男「変なシステムですね」

金髪「俺もそう思う。そもそも核の存在は謎が多くてな。分かっているのはそれだけだ」

金髪「質問は以上か?」

男「世界を作製ってどういう事ですか?」

金髪「俺は神だから世界を作れる!以上!」

男「ええ!適当だ!」

金髪「色々と複雑というか意味不明だからね、知らない方がいい訳じゃあ無いけど聞くのも面倒臭いし、説明するのはもっと面倒臭いんだ」

金髪「いきなり厚さ10センチの他国語で書かれた量子力学についてのレポートを渡されても困るだろう?」

男「確かに」


20VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 01:59:02.652i82CUzNo (1/3)

>>18がアンチだったりする
これはあれか
まとめみててラノベ叩きするようになった痛い厨房か


21 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 02:00:35.26DByib4Cxo (4/6)

男「取り出した核を元の世界に戻すことは、出来ないんですか?」

金髪「出来ない。核のタイムリミットは世界ごとに存在する。元の世界に入れたら、瞬間ドカンだ」

男「……本当に不思議なシステムですね」

金髪「全くだ」

男「で、話を推測すると……」

男「俺が"核"ってことなんですか?」

俺がそう言うと金髪は急にうな垂れた。

金髪「……そうだ。と言いたいところだが」

金髪「…実は、君」

金髪「核と間違えて回収しちゃったんだ……」

男「ええ!?」

男「じゃあ俺、どうなるんですか!?今から元の世界に戻るんですか!?」

金髪「それは出来ない」

金髪「先程言ったように核は作製する事が出来ない。数が限られているんだ」

金髪「今、君の世界から取り出した核は、既に他の世界に入っている」

男「じゃあ、俺…どうすれば……」


22 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 02:18:11.08DByib4Cxo (5/6)

金髪「そこで、この世界の登場だ」

そう言うと、金髪の左の手のひらにもう一つの地球の模型が現れた。

金髪「これでも、かなり申し訳ないと思っているんだ。君の人生を無茶苦茶にした訳だからね……」

男「……」

果たして本当に、金髪は申し訳ないと、そう思っているだろうか。
そして俺は
人生を無茶苦茶にされた、なんて思っているのだろうか……

金髪「こちらの世界。実は私がちょっとした趣味で作ったものだ」

まるで、実験をしている科学者のような様子で話す金髪。

金髪「そう疑いの目を向けるな。確かに実験じみているかもしれんが、ちゃんと人の意見は尊重する」

金髪「この世界は、恋愛ゲームの世界を再現して作った世界だ」

男「何!?」

金髪「つまりこの世界に入れば」

男「美少女と……」

金髪「ウハウハ出来る!!」

男「素晴らしい!!」パチパチ

金髪「……訳では無い」

オーウ…と残念がるオーディエンス達の声が頭の中で聞こえた気がした。

金髪「実はこの世界、主人公という存在が既にいる」

男「ええー」

金髪「だが、周りは美少女だらけだ!!」

金髪「人生!バラ色!間違い無し!」

金髪「例え、それがモブキャラという存在でもだ!」


23VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 02:29:18.91LyRkgxZIO (1/2)

>>20
このSS見てたら儲にはなれんだろ…(・ω・)
ぽれへの攻撃は置いといて、純粋にこのSS面白いと思える?それが答えだ(・ω・)


24 ◆b.oHBDqN/s2012/08/01(水) 02:38:46.74DByib4Cxo (6/6)

金髪「どうだ?」

金髪「美少女に囲まれて暮らしてみたいだろう?」

男「でも攻略不可なんでしょう?」

そう言いつつも心は決まっていた。

金髪「良い目をしているな、少年。覚悟を決めた良い目だ」

男「そう褒めるな」

悪代官風に遠慮した。

金髪「そんな良い目をした君に、ささやかな餞別を」

金髪「"こちら"から、二名サポートを出そう。向こうでの生活は彼らに頼るといい」

男「でも、初対面の人と話すの…怖い……」

怯えた仔犬の様に縮こまった。

金髪「それでは、一人だけ先に自己紹介を済ませておこう」

何も無い空間から、扉が現れた。
その扉が開く。

?「…呼んだか?」

腰まで伸びた長い銀髪。
幼い体つきに、シンプルな白いワンピースを着た裸足の少女。

金髪「彼女に、君のサポートを頼もうと思うんだがどうだい?」

男「……」グッ

金髪「……」グッ

金髪「話は聞いていた通りだ。いいね?」

?「どうせいつかは罰を受けるんだ。早い方がいい。かまわない」

男「罰?」

金髪「ま、顔合わせも済んだし続きは向こうで頼むよ♪」

何時の間にか、手が空いている金髪が指をパチンと鳴らすと
地面に穴が空いた。

男「ぉおおおおおおおぉ(エコー)」ヒューン

?「……」

無言の少女と共に落ちる。

金髪「行ってらっしゃーい♪」ヒラヒラ

金髪がそう言うと、穴が閉じた。

金髪「ふぅ……」

金髪「用事も済んだし、溜まった書類とデートでもしようかね」

その場でぐっ延びをした後、金髪は部屋から出て行った。


25VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 02:38:51.942i82CUzNo (2/3)

>>23
書きたい奴が勝手に書いて読みたい奴が勝手に読む板だから自分の好みに合わないと思ったら帰れよ


26VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 02:39:20.492i82CUzNo (3/3)

ていうか>>1まだいるのかすまん


27VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 02:45:57.55LyRkgxZIO (2/2)

>>25
嫌だよ…夏だし(・ω・)
その前に、嘘でもこのSS面白いって言ってやれよお前はひどいやつだ(・ω・)


28VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/08/01(水) 08:20:28.63DETUwzudo (1/1)

あーはいはい
アンチしてる俺カッコイイ厨()はとりあえず死んどけks
一々、アピールしなくていいです^^;


29VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 10:46:28.360Obpy6VIO (1/1)

いや、面白いだろ

どこもやれやれ系じゃねえし


30VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/01(水) 12:47:30.42ijW1ARCIO (1/1)

荒れ模様~荒れ模様~


31VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/08/01(水) 21:09:24.70A573t3PMo (1/1)

いつだったか未完に終ったやつだよな
再構成して読みやすくなってる
このまま上達していけばかなりいい感じのになると思う


32VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2012/08/02(木) 00:11:02.86QkgnOU1e0 (1/1)

なんだこれwwww
主人公は精神に重い障害を持っているのかwwwwww
いや、逆に面白いから荒れててもがんばってくれ!俺は見る!ww


33 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 02:53:05.194g3HJZ1Ho (1/14)


……

犬の遠吠えで目が覚めた。

男「どこだ、ここ」

上を向く。
時間帯は夜らしい。星がとても綺麗に見える。
次に辺りを見渡した。
見憶えのない場所だ。

男「…ゴミ捨て場?」

辺りに、大きな白いビニール袋の塊がいくつも転がっている。
廃棄されたらしい車なんかも置いてある。

男「カオスな場所だな」

?「やっと起きたか」

ジャンク車の山から、先程出会った少女が飛び降りながら言った。

男「…なんと!」

男「夢ではなかったとは!!」

?「今更、後悔しても遅いぞ」

少女が言う。
俺は、もしさっきの話が本当なら。
少しも、後悔なんてしてなかった。

男「いやいや全く……」

改めて少女を見る。

男「素晴らしいですよ。先生」

つい空気に話しかけてしまった。

?「よし、それじゃ着いてこい」

男「ま、待ってよぉ~」

ヘタレキャラ(メガネ)になりきって、歩き出した少女に着いていく事にした。


34 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:00:59.844g3HJZ1Ho (2/14)

暫く道を歩いたところで、少女が足を止めた。

男「どしたん?」

?「しまった…私、裸足だ」

少女は出会った時と同じくワンピース一丁(悪意)だ。
俺の脳内コンピュータが、一発で答えを導き出した。

男「ほら」

俺はその場にしゃがみこむ。

?「どうした?」

男「…ふ、踏めよ」

ぶっきらぼうに照れながら言った。
少女が汚いものを見る目でこちらを見た、気がした。

男「オーゥ、ホーリーシッツ!俺とした事が」

額をぺちーん☆と叩いた。

男「このあっしが、お嬢さんの馬となりやしょう」

?「そ、そうか…すまないな」

若干顔が引きつっているように見えるが、照れているのだろう。


35VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 03:08:27.08iSTcA1bfo (1/2)

ジャンク車がジオングに見えた俺は足をなくして来ますね


36 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:12:26.684g3HJZ1Ho (3/14)

男「何処へ向かったらいいんだ?」

背中の少女に語りかける。
俺はもちろん目的地など知らない。

?「暫くはこの商店街を真っ直ぐだ」

ゴミ置き場から歩いて数分。場所はお馴染みの薬局店などが並んだ商店街に移動していた。

男「そういえば……」

?「どうした?私にはあいつの考えは分からないし、質問には答えられないぞ」

あいつとは、おそらく金髪の事だろう。

男「いや、名前。聞いてないなと」

?「名前か……」

?「好きに呼べ、元彼女の名前で呼んでもいいぞ」

男「い、いないよ僕!誰とも付き合った事なんてないよ!」

男「君が、初めてなんだ……」

?「はぁ……そうか」

呆れられた。

男「意地悪しないで教えてくれ」

?「んー、そう言われてもなぁ」

?「生まれてこの方、番号でしか区別されてこなかったのでな」

男「……」

話が重い方向に行った。


37 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:20:31.054g3HJZ1Ho (4/14)

?「だから適当に好きに呼べ。片想いのあの子の名前でも構わない」

さっきから、やたらそっち系の名前を推すなこの子。
ひょっとして俺の彼女にでもなりたいのか?
と、一人妄想に耽っていると少女が口を開いた。

?「おっ、あのトラックの猫。あれなんかどうだ?」

商店街の脇に止まっている、某運送トラックを指差して言った。

男「クロ○コヤマト…」

?「黒猫のような私にピッタリだな」

背中でカラカラと笑う少女。
少女の姿を思い浮かべて反論した。

男「一ミリも黒猫要素無くない!?」

それどころか真っ白だ。

?「腹の中は真っ黒さ。なんてな」

男「わはは」

?「ははは」

取り敢えず棒笑いしあった。


38 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:38:28.464g3HJZ1Ho (5/14)

男「えーと…それじゃあヤマトちゃん?」

?「ああ、それで構わないよ」

男「戦艦みたいで可愛い名前だね~」

?「わはは、そうだろう」

男「…もっと女の子らしい名前にしたいとか、無いのか?」

?「いいじゃないか、ヤマトで。私は気に入ったぞ」

本人がそう言うなら張り合っても仕方ない。

男「よし、それならせめて俺がプリティッシュ(修飾語)ニックネームを付けてやろうではないか」

?「おお、期待していいのか?」

男「任せろ。俺のネーミングセンスは他のDQNペアレントとは一線を画するからな」

?「おお、何だか分からんが凄そうだ」

男「んーっ!んーっ!」

俺はニックネームをひり出す為に、気張った。

?「ど、どうした?催したのか?」

背中の少女が不安そうに聞く。

男「ふぅ……思いついたぞ!」

手で汗だくの顔を拭う俺。

?「おお!」

男「ヤマちゃんだ!!」

?「却下」

却下された。


39 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:50:46.644g3HJZ1Ho (6/14)

あーでもない、こうでも無いと言い争いをしながら歩いていると、ヤマトが口を開いた。

ヤマト「着いたぞ、ここだ。下ろしてくれ」

男「あいよ」

ヤマトを下ろし、目の前を見る。

男「バー…サガルマータ?」

目の前には貫禄のあるバーと、聴き覚えの無い単語が書かれた錆びれた看板。

男「何語なんだこれ……」

ヤマト「さぁ?山の名前らしいぞ」

男「なんでバーって山の名前を付けたがるんだろうな……」

バーなど一軒も知らないが、何故か山の名前を付けるイメージがある。

ヤマト「入ったら挨拶しろよ」

そう言うと、ヤマトは先にカランコロンと音を立てて店に入っていってしまった。
俺も後に続く。

男「お邪魔します」

ヤマト「マスター、ただいま。そいつが今日から世話する男だ」

ヤマトがカウンターに向かって話し掛けた。

ヤマト「私は先に部屋で休んでる。じゃ」

手を上げて奥の扉に入るヤマト。
俺と、
サングラスを掛けた、スキンヘッドのいかつい白人のおっさんだけが取り残された。


40 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 03:51:17.374g3HJZ1Ho (7/14)

>>31
がんばります


41 ◆OMKIIM81fs2012/08/02(木) 04:08:42.794g3HJZ1Ho (8/14)

ここまで


42VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 04:53:09.60tAdNWD4IO (1/2)

エロゲのやりすぎですよ(・ω・)
ぽれ的には台詞が寒すぎるように感じるが、みんなは「ひょうきんな主人公だぜ!面白いぜ!」って感じるの?(・ω・)



43VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 04:56:11.67tAdNWD4IO (2/2)

他にもこいつ下手くそだろ…って感じるのは、一人称にしてるけど地の文が単調すぎ…~した。かれた。だった。たで終わりすぎ。センスねえわ(・ω・)
でもこうやって夏厨が荒らすと同じ夏厨がお前の事庇ってくれるよ。ぽれに感謝しろよ(・ω・)


44VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 08:14:54.06suU9XTZSo (1/1)

(・ω・)


45VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県)2012/08/02(木) 09:51:29.21royCZyKJo (1/1)

変なのに粘着されてるが頑張れよ
俺は応援してる


46VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 12:32:33.13iSTcA1bfo (2/2)

>>1乙、このホットコーヒーは私のおごりだ
         ∧∧ シュッシュッ
         (`・ω・)シュッシュッ
         (つ と彡  /
           /// /
          / 旦 /
         / 旦  /
       / // . /
     /  旦 .. /
    |       |
        旦  

        ガシャーン
     ガシャーン   ガシャーン
       ガシャーン  ガシャーン
               


47VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/08/02(木) 13:43:35.46xtsMhiXAo (1/1)

>>43
ぽれ()にはお前がツンデレに見えるわ(・ω・)


48 ◆b.oHBDqN/s2012/08/02(木) 20:40:47.494g3HJZ1Ho (9/14)

だが、これしきの事で動じる俺では無い。

男「あの、あ、あ……」

男「アーカンザスッ!!」

俺は叫んだ。
なんとか英語(?)に持っていけた。
これでファーストインプレッションは完璧だろう。
ちらっとアメリカ人(推定)のおっさんの顔を伺った。

マスター「……?」

眉に皺を寄せて困惑しているようだった。
そりゃそうだ。
日本人からしたら、初対面の人間にいきなりT取県!って叫ばれるくらいの意味不明さだ。

男「ジャパニーズオーケィ?」

かなり失礼な口調で話しかけた。


49 ◆b.oHBDqN/s2012/08/02(木) 20:41:43.824g3HJZ1Ho (10/14)

マスター「大丈夫ですよ」

カウンターから出てきたおっさんから、低くてダンディかつ流暢な日本語で返された。

男「男です。あ、これ名刺です」

だが俺は動じない。あくまで動じない。
手製のラミネートされた名刺を胸から取り出し手渡した。

マスター「あ、ご丁寧にどうも」

だが一方で、こちらも全く動じない。
素直に俺の名刺を受け取った。

マスター「情報少なッ!!」

因みに、名前と一言コメントしか書いていない。

男「今の時代、個人情報の流失は致命的ですからね」

前髪をふぁさ…とやりながら言った。


50 ◆b.oHBDqN/s2012/08/02(木) 20:42:27.014g3HJZ1Ho (11/14)

マスター「一言コメント……『おはなやさんになりたい』?」

男「幼い頃からの夢です」

言い切った。

マスター「はは…面白い方ですね。では、私からもどうぞ」

おっさんから名刺を受け取る。

男「これはこれは、ご丁寧にどうも」

今流行りの美少女カードゲームだった。(サイン入り)

マスター「おっと失礼。最近ハマっていましてなハッハッハ」

男「…参りました」

俺は、その場で床に頭を擦り付けた。


51 ◆b.oHBDqN/s2012/08/02(木) 20:43:11.034g3HJZ1Ho (12/14)

男「お返しします」

マスター「これも何かの縁です。受け取っておきなさい」

男「…ッ!…ありがとうございます!!」

俺は美少女カードゲーム(サイン入り)を手に入れた。

マスター「それでは改めて私の自己紹介を」

マスター「私の事はマスターとお呼び下さい。立場上、男様の"保護者"という形になります」

男「な、なんと……」

クラスの子たちに自慢出来そうなお父さんができた!
頭の中でファンファーレが鳴った。

マスター「さて、先程の方ですね。もう一人のサポートですが、外見上保護者という訳にもいきませんので……」

男「ま、まさか……」


52 ◆b.oHBDqN/s2012/08/02(木) 20:44:07.364g3HJZ1Ho (13/14)

マスターは無言で一度頷き、続きを話した。

マスター「男様の"妹"という形になります

男「イィイヤッホゥゥウ!!」

俺は目の前のマスターに抱き付いた。
マスターは俺を抱きしめその場で三回転した。
俺は降ろされた。

男「すいません…つい、興奮してしまって……」

マスター「分かります。そのお気持ち」

男「ハッ…!」

そうだ。マスターにも娘が出来たのだ。俺と立場こそ違えど、その喜びは分かち合えるものだろう。
俺たちは硬く手を握り合った。


53VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/02(木) 23:46:35.161c14sccIO (1/1)

句読点の大先生ジャマイカ


54VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)2012/08/02(木) 23:58:56.404g3HJZ1Ho (14/14)

マスター「それではお部屋に案内しましょう」

マスターはそう言うと、先程ヤマトが入っていった扉に向かった。
俺もそれに着いていく。
扉を開けると、まず階段があった。
その階段を登って二階へ向かう。
三つ並んだ扉どうしを、各々向かい合わせて六つの扉があった。

マスター「ここが1号室。彼女の部屋ですね」

入って右側、一番手前の扉を指差した。
彼女とはヤマトの事だろう。次の扉へと向かう。

マスター「ここが2号室。空き部屋です。男様にはここに住んでもらおうと思っています」

マスター「空き部屋は他に2つあります。3、4号室。内装はどの部屋もほぼ同じでがらんどうですが、日当たりの関係もあります故、お好きな部屋を選んで下さい」

マスター「続いて5号室ですね。倉庫です。主に掃除用具などが置かれています。私が鍵を持っていますので、要り用の際はご遠慮なく」

マスター「次、201号室ですね。私の部屋です」


55 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:07:31.033LdfIZI4o (1/7)

急に部屋の番数が飛んだ。

男「何故1,2,3,4,5と来て201なんですか?」

他の扉のプレートには1,2,3,4,5と刻まれているがここだけは201。

マスター「ハッハ、深い意味はありませんよ」

男「ふむぅ……」

気になるが、取り敢えず放置した。

マスター「さて、それでは私は下に戻ります。部屋を選び終わりましたら一階に降りて来て下さい」

マスター「半時間もあれば大丈夫ですね?」

男「夕飯の準備、手伝いますよ」

マスター「それはまた今度頼みましょう。まだ他の説明もあります。今日は説明三昧ですよ」


56 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:11:57.503LdfIZI4o (2/7)

はっはっはと笑いながらマスターは階段が降りて行った。

男「取り敢えず部屋だな」

男「……ふむ」

俺は空き部屋には目もくれず、ヤマトの部屋を目指した。

男「お兄ちゃんだよーっ!!!」

俺は扉を開け放った。

男「な、もぬけの空だと!?」

部屋にはベッドだけが置かれている。
空き部屋だ。

ヤマト「残念でした」

背後から声が掛かる。


57 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:17:04.513LdfIZI4o (3/7)

男「何時の間に!?」

ヤマト「私の部屋な、実は5号室だ」

男「そ、そんなぁ~」

俺はその場にへたり込んでワッと泣いた。

ヤマト「よしよし、泣くな泣くな」

ヤマトが俺の頭を撫でる。
HPがかいふくした!
MP(ムスコポイント)がグッとあがった!

男「おっと」

ヤマト「どうした?」

男「はわわ…元気になり過ぎたわわわ…」


58 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:19:06.883LdfIZI4o (4/7)

ヤマト「?」

男「ふぅ……」

男「いや、何でもないんだ。さっきのは気にするな」

ヤマト「そうか?分かった」

ヤマト「で、どの部屋にするんだ?」

男「ヤマトちゃんのとーなりっ!」

ヤマト「残念ながら隣は物置だ」

男「なら向かい側!」

ヤマト「向かい側はマスターの部屋」

俺はその場で力尽きた。


59 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:24:32.093LdfIZI4o (5/7)

ヤマト「冗談だよ、隣は空いてる」

男「なして嘘つくん…?」

俺は指を咥えて目を潤ませた。

ヤマト「すまんすまん、つい面白くてな……そもそも5号室は真ん中だ。さっきマスターが説明したろ?」

男「そう言えば……」

ヤマト「隣でも向かい側でも好きにどうぞ」

ヤマト「じゃ、私は夕飯を手伝ってくるから」

男「一人だけタダ飯食らいはちと気分が悪いのぅ……」

ヤマト「明日から死ぬ程手伝えばいいさ。じゃ」

そう言うとヤマトは一階に降りて行った。


60 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:32:28.993LdfIZI4o (6/7)

取り敢えず俺は4号室に入る事にした。
入るなりベッドに飛び込む。

男「あはははは!!!」

笑う。

男「最高だ!!!素晴らしい!!!」

男「美少女と同棲!!!おまけに!!!」

男「あはははは!!!」

男「ふぅ……疲れた」

笑い疲れた。

男「取り敢えず下で準備を手伝ってこよう」

部屋から出て、振り返り、プレートを空き部屋から入居中の状態にした。


61 ◆b.oHBDqN/s2012/08/03(金) 00:33:21.403LdfIZI4o (7/7)

ここまで


62VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/08/03(金) 01:08:47.06iqFxW49Co (1/1)


前のと同じ人だよな?


63VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/03(金) 03:56:54.57OhF9khQIO (1/1)

黒歴史確定


64VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/03(金) 08:55:31.2098l9UPeIO (1/1)

このヤマトも攻略不可でどうせ主人公とやらにNTRるんだろ


65VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/08/03(金) 11:16:53.85SHyAN3FHo (1/1)

予想厨死ね


66 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:49:13.639rvEnlzro (1/9)

一階に降りた。
料理の準備は殆ど終わっているらしい。
俺は配膳の役割だけ請け負う事にした。
誰もいない四人がけの客席に料理を運ぶ。
三人とも席に着いたところで、手を合わせ、挨拶。
料理を口にして咀嚼した。

男「セボン!」

俺は叫んだ。
それからしばらく、食事もそこそこに進んだところで、マスターが口を開いた。

マスター「男様には、明後日から地元の学校に通ってもらおうと考えています」

口に含んでいたものを咀嚼してから答えた。

男「学校ですか。良いですね」


67 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:50:14.339rvEnlzro (2/9)

ヤマト「因みに私も通うぞ」

男「最高ですね」

マスター「詳しい話は食事の後に」

マスターはもう食べ終えていた。

因みにメニューはボロネーゼ(仏)だった。

マスター「–––さて、学校についての説明ですね」

マスターがカウンター越しに俺たちに話かける。
食事を終え、その片付けも済んだ後、俺たちはカウンターに移動していた。

マスター「男様は二学年、それから」

ヤマト「これからはヤマトと呼んでくれ」


68 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:52:01.669rvEnlzro (3/9)

そうヤマトが口を挟んだ。

マスター「ふむ……それではヤマト様。これでよろしいでしょうか」

ヤマト「ああ、構わない」

そう言えば番号で呼ばれてたんだっけか。と頭の中で納得した。

マスター「偽名の候補も複数用意していたのですが……」

男「それはどんな……」

美少女カードを名刺代わりに渡してくるような人だ。
候補の名前が非常に気になる。



69 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:53:46.959rvEnlzro (4/9)

ヤマト「それより続きを頼む」

ヤマトが先を促した。
残念ながら候補の名前を聞くのはまた今度になりそうだ。

マスター「はい、男様は二学年。ヤマト様は一学年ということになります」

ヤマト「一学年下か……同学年は無理なのか?」

ヤマトが言った。

男「え!?」

遠回しに、一緒に居たいと言っているように聞こえるのは俺の自惚れか。
突然の申し出に流石の俺も驚いた。


70 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:55:08.529rvEnlzro (5/9)

ヤマト「同学年の兄妹など珍しくないだろう?」

マスター「妹は別学年であるべきです!」

マスターが力説した。

ヤマト「なんだ、その意味不明な自論は」

マスター「と、まぁ冗談は置いておきまして」

マスターが眉間に皺を寄せて唸った。

マスター「ふーむ……」

マスター「ヤマト様。そう意識せずとも良いのでは?」

ヤマト「どういう意味だ?」

マスターがちらりと俺を見た。


71 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:55:54.679rvEnlzro (6/9)

男「なぁに?」

俺は可愛く応えた。

マスター「男様も、話が意味不明すぎて困っていらっしゃいます」

男「確かに蚊帳の外ですね」

ちょっと着いて行けてない。

ヤマト「んじゃまぁ、いいか。一学年でオッケーだ」

フランクに了承した。

男「軽ッ!さっきまで引き下がってたのは何だったの!?」

男「そもそも何故ヤマトは同学年になりたいんだ?」

ヤマト「なんとなく」


72 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:56:35.899rvEnlzro (7/9)

あしらわれた感が強いが、まぁ流しておく事にした。

マスター「続き、よろしいですか?」

ヤマト「すまなかった。どうぞ」

その後、学校について軽い説明をした後、校舎内の写真や地図などを見せて貰った。
そして

マスター「これが制服ですね」

マスターがパンフレットの写真を指差した。

男「コスプレですか?」

素直な感想が口から出た。

ヤマト「可愛いじゃないか」

確かに女子の制服デザインは可愛い。
可愛いが……。


73VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/05(日) 01:56:51.87cEki5GqIO (1/1)

(悦)
(喘ぎ
(絶頂)

くっさ


74 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:57:41.259rvEnlzro (8/9)

男「派手過ぎだろコレ!?!!」

マスターが激しくツッコミを入れる俺の肩に手を置いた。

男「…ハッ」

男「すみません、取り乱しました」

マスター「いえ、誰でも最初は戸惑うものです。私もつい二度見してしまいました」

マスター「取り敢えず試着しますか?」

男「まぁ、取り敢えず……」

試着した。
姿見鏡を見た。
俺はその場で制服を脱ぎ捨てた。


75 ◆b.oHBDqN/s2012/08/05(日) 01:59:43.459rvEnlzro (9/9)

ヤマト「何故パンツ一丁になったんだ?」

男「あっ!やだ!恥ずかしい!でも制服を着るのはもっと恥ずかしい!」

俺は胸を隠して叫んだ。

マスター「ヤマト様もどうぞ」

ヤマト「私はいい、脱いで着なおすのが面倒だ」

終了。

–––説明も終了したところでバスタイムということになった。
風呂の時間だ。
マスターに風呂場まで案内してもらい脱衣所で服を脱ぐ。

男「ふぅ」

俺は生まれたままの姿で一回転してポーズをとった。

男「よし、入るか」

俺はガララと扉を開いた。

男「お兄ちゃんだよーっ!(二回目)」

当然だが誰も居なかった。
ヤマトは一番風呂だ。

男「はっ!」

ダシ、残り湯と言った単語が頭の中をよぎる。

男「だ、ダメだ!ソンナコトダメネ!アラソイヨクナイ!」

結局、俺は何もせず十数分立って風呂を出た。
潜水ごっこをした時に少し口に入ったかもしれないがそれは仕方のない事だろう。


76VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2012/08/05(日) 07:18:45.02PcE6d6Qyo (1/1)

文章は確かに上手とは言えないけど読みにくいわけじゃないし言うほど問題ないだろ、支援
ところで当然比叡ちゃんや榛名ちゃん、山城ちゃん日向ちゃん陸奥ちゃんとかが出てくるんですよね?留学生のメリーランドちゃんとかも


77VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/08/05(日) 09:19:37.55uL7XaVnGo (1/1)

確かに日本語は酷いな

引き下がる≠食い下がる
ボロネーゼはフランス語ではボロネーズ。
フランスではパスタのお湯に塩を入れないでアルデンテを無視からマズイ。

全体的にこのSSはどこへ向かいたいのか分からなくて気になるので続けてください。



78VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/05(日) 19:20:20.43M0Kl2rPIO (1/1)

純粋に頭悪いんだな

国語からやり直せ

まぁ酷すぎて逆に気になる


79 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:15:00.59C8gR14g7o (1/10)

ー2日目ー

男「んっ!んっ!んっ!んーっ!」

ヤマト「はは…ご機嫌?だな?」

俺がご機嫌に鼻歌を歌っていると、隣のヤマトがやたら疑問系で話しかけてきた。

男「こんな昼間から女の子と外歩けてぼかぁ幸せだなぁ!」

俺たちが今こうして商店街を歩いている理由。
それは買い物だ。
俺は着の身着のままでこの世界に来たので替えの服が無かった。
下着も無かった。
家具類も勿論無かった。

男「おら東京さ行くだ」

俺はマスターから貰った万札をケツのポッケに詰め込んで今ここにいるという訳だ。


80 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:15:33.12C8gR14g7o (2/10)

男「付き合って貰って悪かったな」

キザな感じで言った。

ヤマト「土下座までして頼まれちゃあな」

男「はっはっは」

ヤマト「何がおかしいんだ?」

男「この照れ屋さんめ」

ヤマト「?」

因みに土下座したのは事実だ。


81 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:15:59.80C8gR14g7o (3/10)

男「一件目……服屋なかむら…ここか」

俺はその一軒の前で足を止めた。

ヤマト「入るか」

男「あぁ」

ー20分後ー

ヤマト「それだけで良かったのか?」

俺の片手に収まっている荷物を見てヤマトが言った。
服、下着を各種数着ずつ。
合わせても十着にやっと届くといったところだ。
因みにヤマトは一着も買って居ない。「私は既に持っているからいい」とのことらしい。
…服ってそういうものだったか?


82 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:16:31.80C8gR14g7o (4/10)

男「下着を選ぶときにまで着いてこられた時は興奮したぞ。男子力を試されてる気がした」

ヤマト「悪い、(男性が)どんな下着を買うのか興味があってな」

男「そうか」

プラスの方向に解釈する為に一部分は聞こえなかったことにした。

男「……」

ヤマト「……」

次は家具屋だ、気に入ったものがあれば後々買いにこようという話らしい。
……それよりも沈黙が辛い。
キャラじゃない。キャラじゃない。

男「こんな話を知っているか?」

ヤマト「おっ、なんだなんだ?」

男「むかしむかしあるところにおじいさんと」

ヤマト「飽きた」

男「早ッ!」


83 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:17:13.01C8gR14g7o (5/10)

開始二秒経ったかどうかというところだ。

男「現代っ子やねぇ」

ヤマト「最先端行ってますから」

ヤマトがある建物の前で足を止めた。

男「……マジ?」

どう見ても建物の正体はラブホだった。

男「ラブホテル:男性と女性が性行為に及ぶ場所」

ヤマト「随分と説明がおざなりだな」

男「入るの?」

ヤマト「あれ、以外と積極的?」

男「巷ではソロプレイヤーを極めた漢と呼ばれていた」

ヤマト「それは誇っていいものなのか?」

男「ま、冗談は此処までにして行こうぜ」

俺はヤマトの手を引いた。
が、動かない。

男「…ヤマトさん?」

ヤマト「あはは、誰だ?それ」

男「電波ゆんゆん?」

ヤマト「冗談だよ、行こう」

……からかってるのか?

男「中々高等な誘い方をしますな」

ヤマト「いけないな、私の悪い癖だ」

足は相変わらず地面に張り付いたまま、言った。

ヤマト「ちょっと歩き疲れた」

冗談にしてもタチが悪過ぎる。
俺はその場でしゃがみ込んだ。


84 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:18:22.11C8gR14g7o (6/10)

男「乗りなさい」

ヤマト「優しいな。それではお言葉に甘えよう」

そう言うとヤマトはしゃがんだ俺の前を通り過ぎた。

男「えー……」

なんだこいつの行動は。
俺を、苛立たせたいのか?
ただからかってるだけなのか?

男「よしっ!行こう!」

俺は元気良く立ち上がった。
こう見えて幼い頃は気配りのできる子と言われた俺だ。


85 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:18:53.82C8gR14g7o (7/10)

立ち上がって歩き出した瞬間、ふと肩がずしんと重くなった。
頭上から声がする。

ヤマト「肩、借りるぞ」

丁度肩車の格好になってヤマトが瞬間的な速さでそこにいた。

男「我々の業界ではご褒美ですからね。全然気にしませんよ」

男「それにしても凄いねー。昔何かやってた?テレポートとか?」

こいつ
何がしたいんだ?
行動が全く読めない。


86 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:19:55.67C8gR14g7o (8/10)

ヤマト「悪ふざけが過ぎたね。ごめん」

謝られた。
ヤマトがスタッと肩から降りる。

男「いくら自分がスーパーロリだからって、やっていいことと悪いことがあるのは分かるだろ?」

ヤマト「悪い、どうかしてた。二度としない」

男「も、もう!そんな急に素直になったからって許してあげないんだから!」

ツンデレ風に怒った。
先程のヤマトの行動は意味不明すぎて訳が分からなかったが、まぁ水に流しておこう。


87 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:20:27.08C8gR14g7o (9/10)

ヤマト「本当、悪いな」

男「気にせんとき」

男「んー……」

買い物から帰り自分の部屋に入って、先程のヤマトの行動を振り返る。

男「ふむ……」

男「ふむ……」

男「ねむ……」

眠くなった。
取り敢えずベッドに横になる。
そのまま、眠りに落ちた。


88 ◆b.oHBDqN/s2012/08/06(月) 01:21:34.83C8gR14g7o (10/10)

ー公衆電話ボックスー

金髪「痴女?」

ヤマト「確かに思い返すとそう思えるな」

金髪「俺だったらこんな可愛い子に誘われた0.5秒でベッドインしちゃうねー」

ヤマト「なら、作ったらどうだ?」

金髪「冗談キツいねー」

金髪「で、何?さっきの行動。精神崩壊でもさせたいの?」

ヤマト「そんなつもりは無い」

金髪「天然でやったの?あれ」

ヤマト「さあ」

金髪「躱すねー焦らすねー」

金髪「たった一日で情でも移っちゃった?」

ヤマト「ああ、だからさっさと出してやってくれ」

金髪「彼がこの世界に飽きたら出してあげるよ」

ヤマト「人死にが出てそうだ」

金髪「それも面白いかも」

ヤマト「[ピーーー]」

ガチャ、と受話器を置いた。

ヤマト「はぁ……」

今日は、焦り過ぎた。
もう少し、じっくり行こう。


89VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/06(月) 03:08:30.64wDy2zxCIO (1/1)

まだやってたのかこれ(・ω・)
恥ずかしくなるぐらいつまらないぞ?引き下がるってなんだよリアル厨房かよ(・ω・)


90VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県)2012/08/06(月) 07:02:38.15t4adZbjjo (1/1)


俺は応援してるよ


91VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/06(月) 07:38:51.93MJfUqQ7So (1/1)

>>89もういいから勝手に読むのやめとけよ
別に板がヤバイ訳じゃないんだからなぁ


92VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/08/07(火) 00:24:59.22ck77TZWwo (1/1)

リアル中学生が書いてるとしたらより応援したくなるな
頑張って書いてりゃ遅かれ早かれ上手くなるだろ


93 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:22:29.57mxQOGf1Uo (1/17)

ー3日目ー

男「……」

男「あたしの格好……おかしくないですか?」

マスター「やはりコスプレ特有の違和感がありますね」

男「ですよねーっ!」

俺は額をぺちーんっ!と叩いた。

マスター「まぁ周りは同じ服装の学生でいっぱいですし、違和感はすぐ消えるでしょう」

ヤマト「悪い、着替えに手間取った」

ヤマトが上の階から降りて来た。


94 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:23:13.35mxQOGf1Uo (2/17)

男「イエス……マイラブ…!」

俺はV系バンドのメンバーの様に手を拡げて出迎えた。

ヤマト「お、おお……」

引かれた。

マスター「流石、似合いますな」

マスターがヤマトを視姦する。
きっとサングラスの下は凄いことになってるに違いない。

男「そろそろ出るか」

ヤマト「うん」


95 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:24:53.20mxQOGf1Uo (3/17)

揃って店を出る。

男「いやー学校楽しみだわ!期待で胸が膨らんでバスト90越えそうだわ」

ヤマト「……ははは」

俺とヤマトが楽しく会話しながら登校していると

?「ちこくちこくーっ!」

男「ななな!」

女の子が走ってくる。
食パンをくわえている。
因みに時間にはまだまだ余裕がある。


96 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:25:23.20mxQOGf1Uo (4/17)

男「なんだか知らんが、取り敢えずぶつかっておくか」

ヤマト「おい、危ないぞ」

確かにいろんな意味で危ない。

男「俺のことなら心配いらないさ」

ヤマト「いや、お前の心配をしてる訳じゃないんだが……」

男「ははは、照れ屋さんめ」

そうこう言っている場合に女の子はこちらに近づいてくる。
というより俺に近付いてくる?


97 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:25:52.48mxQOGf1Uo (5/17)

ヤマト「おい!避けないと危ないぞ!」

男「離して!このタイミングを逃す手は無いの!このタイミングしかないの!」

俺と女の子が激突するまで3秒前、というところで、
女の子が、ピタッと止まった。

?「あえ?あえれ?」

食パンを咥えた女の子が、俺の顔をジロジロと見てくる。

男「な、なんだよ…そんなに見つめられると…その、照れる……」

?「ひほひらいでひは!じゃあね!きもいひほ!」


98 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:26:21.18mxQOGf1Uo (6/17)

女の子は走り去った。

男「……なんかキモい人って言ってなかった?」

ヤマト「多分言ってたな」

男「追うぞ!」

ヤマト「え」

俺は走り出す。

男「フヒハハハ!!!」

女の子が何事か!という様子でこちらを振り返った。

?「!?」

男「ヘイガーッ!ウェイッ!ウェイッ!」


99 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:27:44.46mxQOGf1Uo (7/17)

女の子が咥えていた食パンを右手に持ちかえて叫んだ。

?「着いてこないでよ変態!」

男「グサッッッッツ!」

俺はその場に崩れ落ちるように膝をついた。

?「メンタル弱ッ!?」

?「じゃ、じゃあ悪いけど私急ぐから!」

女の子は再びパンを咥えて走り出した。

ヤマト「おいおい、急に走り出すなよ……ってどうした?」

男「うぇ~ん!このままじゃ通行人Aのままで終わっちゃうよぉ~!女の子とぶつかりたかったよ~!」

ヤマト「まぁ元気出せ、な?」

撫でられた。


100 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:28:22.52mxQOGf1Uo (8/17)

––––再び学校を目指して歩き出して十数分。
校門まで目と鼻の先というところでヤマトが口を開いた。

ヤマト「何だか騒がしいな」

校門前に人だかりが出来ている。
野次馬根性全開で見に行く事にした。

男「なんだなんだ?」

ヤマト「むぐ…人が多いな」


101 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:29:48.32mxQOGf1Uo (9/17)

ヤマトは背伸びをして何とか先を見ようとしていた。
俺でも無理なのにヤマトに見える訳がない。だがその仕草。

男「イイッ!」

ヤマト「?」

隣の人に何が起こってるのかを聞いてみることにした。

男「これ、何の騒ぎなんだ?」

こんなに人が集まってるなんて。
事故か何かだろうか?

モブ「さぁ、どうせあいつらの痴話喧嘩でしょ?」

男「痴話喧嘩?」


102 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:30:58.50mxQOGf1Uo (10/17)

「本当最ッッ低!!」

「ごふッ!」

女の子の声とパチーンと何かを叩く音の後で、それを囲んでいた人だかりが裂ける。
事を覗こうとしていたヤマトの前へと、導くように道が出来る。
その道を、一人の男子学生がよろめきながら辿ってきた。

男「ちょっとエッチなラブコメ展開!?」

ヤマトはキョトンとしてその場から動かない。
俺は駆け出していた。

男「回収ーー!!」

ヤマト「わわ」

ヤマトを抱きかかえてその場から脱出した。


103 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:31:28.64mxQOGf1Uo (11/17)

男「ふう……」

ヤマトをその場に降ろす。
いい汗をかいた。今までの人生でTOP3に入ること間違いなしの汗だ。

ヤマト「結局なんだったんだ?」

ヤマトが人だかりの出来ていた場を見る。
つられて俺もその方を見ると、人だかりはぞろぞろと解散し始めていた。
そして、一人の男子学生がその場に倒れ伏せて残っていた。


104 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:31:57.05mxQOGf1Uo (12/17)

男「……」

ヤマト「どうする?」

頭の中に二択の選択肢が浮かぶ。

どうする?
関わる
>関わらない

関わらない事にした。

男「スルーで」

ヤマト「スルーか」

俺たちはその場から立ち去ることにした。


105 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:32:36.86mxQOGf1Uo (13/17)

–––––廊下を担任になる女教師と共に歩く。
ヤマトとは職員室まで一緒に行って別れた。

担任「そんなに緊張しなくていい、気楽にいこう。私も初めての時は気楽にイったもんだ」

男「先生スゲー(棒)」

さっきからずっとこの調子だ。
この人は緊張を解きほぐそうとしてくれているのか?
それともただ下ネタが言いたいだけなのか?

担任「ふふん」

ちらりと担任の顔を見る。
ちょっとうまい事言っちゃった!みたいな顔をしていた。


106 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:33:11.28mxQOGf1Uo (14/17)

担任「どうだ、私のウィットに富んだ会話は?緊張が解れただろう?」

男「え、あぁ…ハイ……」

担任「あ、ウェットじゃないゾ☆」

え、えー?

担任「さて、私がHR中に名前を呼ぶから。呼んだら入ってきてね。中に」

男「オス!」

下ネタをスルーして体育会系風に返事をした。

担任「メス!なんちって」

オヤジギャグで返された。

担任「じゃあ、そういうことで、よろしく!」

ガララと音を立てて担任が教室に入った。
一人取り残される。


107 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:34:19.68mxQOGf1Uo (15/17)

男「……」

男「ぽつーん」

–––緊張はしていない。はずだ。
これは緊張感ではなく、高翌揚感。
気分が昂ぶっている。

男「はぁっ……はぁっ…」

興奮する。
今から俺が、この学校に通って。

男「ふーっ」

落ち着け…期待しすぎるな。
それにしても校門前の出来事は興奮した。
危なかった。もう少しで–––


108 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:35:20.11mxQOGf1Uo (16/17)

「それじゃ、男くーん。入ってきてーフォウ!」

変な掛け声と共に担任が俺を呼んだ。

男「あ、はーい」

扉に手を掛けた。
教室に入って教壇まで歩く。

担任「それじゃー挨拶どーぞ!」

男「男です!よろしく!」

拍手と共に教室が沸く。

担任「元気のいい挨拶だねー!先生は元気のいい子、大好きだよ!」

担任「それじゃ、席ね。窓際で片頬が腫れてる男子の隣。分かる?」

男「あぁ、はい」


109 ◆b.oHBDqN/s2012/08/07(火) 03:37:16.06mxQOGf1Uo (17/17)

まあそうだよな。

主「…主人公だ、よろしくな」

気怠げに言う男子学生。間違いなく今朝の生徒だろう。

男「ああ、よろしく」

笑顔で返す。

男「その頬、誰かに叩かれたのか?」

主「あぁ、そこの暴力女が」

そうだ。俺は、一度でいいから

女「だっ、誰が暴力女よ!」

こういう[ピーーー]を

主「今朝、勘違いで俺の頬をこんなにしたのは誰だ?それに……」

[ピーーー]してみたかったんだ。


110VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県)2012/08/07(火) 18:26:55.68FJvezXmjo (1/1)

メ欄にsaga sageで捗るぞ
応援してる


111 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:33:29.61YUQsDLa3o (1/11)

ー昼食時間ー

男「アッッ!!」

俺は拳を振り上げ、叫んだ。
俺が今居るのは学食だ。
デカい。とてつもなくデカい学食だ。
因みに二人掛けの席に一人で座っている。

主「相席いいか?」

主人公が料理の載ったトレイを持ってやってきた。

男「駄目だ、俺と相席していいのは……」

俺はカバンの中から例のブツを取り出す。

男「ポチだけだ…」

男「わんっ」

俺はポチ(ぬいぐるみ)を隣に置いた。


112 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:33:57.30YUQsDLa3o (2/11)

主「お、おう。そうか…邪魔したな。じゃ……」

男「待って!冗談!一人なの!寂しいの!アローンなの!」

俺は主人公の服を掴んで泣きすがった。

主「じゃ、座るぞ」

男「是非お座り下さいませ」

主人公と向かい合う。

主「授業、どうだ?」

男「心配してくれてるの?」

主「一応な」

男「嬉しいなぁ!」

俺はパァァ…と花が咲くように笑った。


113 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:34:23.22YUQsDLa3o (3/11)

主「おぇッ……」

男「え!?なにえずいてんの!?」

失礼なやつだ。

ヤマト「ん?男じゃないか」

男「やぁ、マイシスター」

ヤマトが俺たちの席の前を通りかかった。
隣に二人の女の子を連れている。

会計「先輩がヤマトちゃんのお兄さんですか?」


114 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:34:49.42YUQsDLa3o (4/11)

ショートカットの子が笑顔で話し掛けてきた。

男「そうだぉ!」

会計「……」

笑顔が凍り付いた。

ヤマト「ご、ごめんな。男はちょっと上がり症なんだ」

会計「う、ううん。私、全然気にしてないよ!私、会計です!よろしくお願いします!先輩」

男「ええ子やね、おいちゃんタイプやで」


115 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:40:14.02YUQsDLa3o (5/11)

ヤマト「いいかげんにしろ」

男「あて」

トレイで頭をポコンと殴られた。

書記「…正面に……座ってるの、主先輩」

会計「ホントだ!こんにちは!主先輩」

男「お知り合いでつか?」

主「あぁ、同じ生徒会役員だ」

男「ユーの役職は?」



116 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:40:43.58YUQsDLa3o (6/11)

主「副会長」

男「会長の性別は?」

主「女だ……ってそれがどうかしたか?」

会計「副会長の主先輩以外は皆女子ですよー」

男「……」

男「すげぇ!」


117 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:41:10.08YUQsDLa3o (7/11)

ー放課後ー

男「ヤマトちゃーん。ちょっとちょっと」

一年のヤマトの教室まで出向いた。
アウェー感がなんとも心地よい。

ヤマト「なんだ?」

男「ちょっと学校内を巡ってみないかい?」

ヤマト「いいぞ。ちょっと待ってくれ」

ヤマトが荷物を取りに教室に戻る、

ヤマト「よし、行くか。何処に行くんだ?」

男「屋上」


118 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:41:47.42YUQsDLa3o (8/11)

–––ガタン。

男「ははは、やっぱり開いてる」

ヤマト「おお、凄いな」

夕景色を見てヤマトが感嘆の声を上げた。

男「ヤマトは学校って行ったことあるのか?」

ヤマト「ないぞ」

男「今日どうだった?楽しかったか?」

ヤマト「ああ、友達も出来たぞ」

男「昼食の時会った子?」

ヤマト「そうだ」


119 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:42:16.73YUQsDLa3o (9/11)

ヤマト「男は今日、どうだった?」

口が滑った。

男「俺?俺は……」

ヤマト「いや、やっぱりいいよ」

男「そう言わずに聞いてよ~」

ヤマト「じゃあ家に帰ってから聞こう、ほら。帰ろう?」

男「俺はさー」

ヤマト「……」


120 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:43:02.44YUQsDLa3o (10/11)

男「もう飽きた」

空気がピンと張り詰める。

ヤマト「……」

ヤマト「ま、まだ初日じゃないか」

男「……」

ヤマト「そんな、飽きたって…現代っ子だなぁ…男は…」

男「……」

ヤマト「……」

男「はははははっ!!!」

ヤマト「……」ビクッ


121 ◆b.oHBDqN/s2012/08/08(水) 03:44:08.06YUQsDLa3o (11/11)

男「冗談だよ!冗談!いつもの冗談さ!どうしたんだよ、そんなに慌てて!あははは!」

ヤマト「……男」

男「いやぁー今日は楽しかった!家に帰ってからたくさん話すよ。ほら、帰ろう」

ヤマト「あぁ……」

男「昨日の仕返し♪」

ヤマト「……あれは、謝ったじゃないか」

男「日常を彩る、小粋なサプライズ……これぞエンターテイメントだと思わんか」

ヤマト「なんだそれ、意味不明だ」

くだらないことを喋りながら、俺たちはその場を後にした。


122VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/09(木) 06:04:13.88oJHZt99Lo (1/1)

俺は好きだぜこういうの


123 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:05:01.16tAiMXceoo (1/21)

男「たらいまー」カランコロン

ヤマト「ただいま」

店に帰ると、マスターが女子学生と話しているのが見えた。

マスター「おや、お帰りなさい」

?「お帰りなさいってことは、二人はここに住んでるんですか?」

マスター「ええ、そうですよ」

?「いいなぁ。私もこんなお洒落なバーに住んでみたいです」

男「手伝いますよ」


124 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:05:37.93tAiMXceoo (2/21)

手の空いている時は、なるべく店の手伝いをするという約束をしていたのを思い出した。

マスター「ありがとうございます」

ヤマト「私も手伝おうか?」

マスター「いえいえ、男様だけでも十分過ぎるくらいです。また明日お願いします」

ヤマト「そうか?じゃあがんばれ、男」

男「YES」

そう言うとヤマトは二階にあがって行った。

マスター「着替えなくて大丈夫ですか?」

男「あ、そうですね。でも制服エプロンというのも中々オツなものじゃありませんか?」

マスター「男のそれに需要があるかは微妙ですね……」


125 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:06:05.52tAiMXceoo (3/21)

大人しく着替える事にした。

マスター「それでは食器洗い、頼んで宜しいでしょうか?」

男「はーい」

着替えた俺はカウンターに入り、指示通り流し台で食器を洗う事にする。

?「ふふ」

マスター「おや、どうかされましたかな?」

?「楽しげな方だなぁ、と思って」

後ろの会話が耳に入って来た。

男「良い選球眼をしてらっしゃる」

皿洗いをしつつ話しかけた。


126 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:06:44.36tAiMXceoo (4/21)

男「お嬢さんは何年生?」

?「先輩の一つ下ですよ」

男「エスパー?」

俺の学年を言った憶えはない。

?「ふふ、ここの学校で私の知らない事は一つもありませんよ」

男「そりゃ凄いな」

?「ふふふ、さっきのは冗談ですよ」

?「実は学食で兄さんと一緒にいる姿を見かけたんです」

男「主人公の妹さん?」

妹「その通りです。よろしくお願いしますね。先輩」


127 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:07:24.16tAiMXceoo (5/21)

男「やりましたよーマスター。仲の良い後輩ポジションの子をゲットです」

マスター「どうぞ、サービスです。どうか男様と仲良くしてあげて下さい」

マスターはココアを妹ちゃんの前に置いた。

妹「ありがとうございます。頂きますね」

店内に客は、妹ちゃん以外誰もおらず、静かだ。

妹「これを飲んだら、私は男先輩とはただならぬ関係という事になりますね」

男「男の喜ばせ方をよく知ってるお嬢さんだね~、お兄さん嬉しくて」

マスター「男様」

男「涙が出そうだよー」

出会って5分足らずで下ネタが飛び出しそうになった。


128 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:08:03.65tAiMXceoo (6/21)

妹「さて、それじゃあ私はこれで」

ココアを飲み終えた妹ちゃんが椅子から立ち上がった。

マスター「ちょっとお待ち下さい」

レジの前にマスターが移動し、お馴染みの音を出しながら勘定を済ませる。

妹「先輩。今携帯持ってます?」

カウンターから出て妹ちゃんの前に移動する。

男「あるよ」

俺は、初日にマスターから受け取った折りたたみ式の携帯を出した。

妹「少し貸してもらえますか?」

男「あいよ」


129 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:08:37.34tAiMXceoo (7/21)

携帯を受け取った妹ちゃんが、何やら操作を済ませる。

妹「私の連絡先、登録しておきました」

男「ありがてぇ…ありがてぇ…」

ありがたがった。

妹「ふふ、じゃあ先輩。また学校で」

マスター「またのお越しを」

男「またねー」

カランコロンと音を立てて妹ちゃんが店から出て行った。

マスター「最近の子は積極的ですね」

男「俺も驚いてます」


130 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:09:29.32tAiMXceoo (8/21)

もう一つの意味でも驚いた。
彼女が俺自身に興味を抱いていたらしい事だ。
何でもない事の様に思えるが、
学校に行って初めて起こった、"俺を対象としたイベント"だ。
転校生だからとかそういう理由でもなさそうだ。
少し大げさに捉え過ぎかも知れないが……

男「いやー楽しいものになりそうですよ、学校生活は」

マスター「それは良かった」


131 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:10:17.66tAiMXceoo (9/21)

ー4日目ー

「…兄さん、朝ですよ」

男「……」

「起きないと……悪戯しちゃいますよ?」

男「カマーン!!!」ガバッ

何とも心地よい夢を見た。

男「いやー最高だったよ、今朝の夢は」

登校中、今朝見た夢の話をヤマトにしてみることにする。


132 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:10:52.20tAiMXceoo (10/21)

ヤマト「夢の話か……夢の話ってどう返せばいいんだ?」

男「案ずるな、俺はトークのプロだ。初心者の聞き手にも非常に優しい、返答に困らない夢の話だ」

ヤマト「おお、それじゃあ内容を聞いてみようかな」

男「今朝、敬語の妹に起こされる夢を見たんだよ~。しゃーあわせだったねありゃ」

ヤマト「む」

ヤマト「それは羨ましいな、目覚まし要らずじゃないか」

男「ははは」

ヤマト「ははは」

男「90点」

ヤマト「おお、やった!」


133 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:11:43.71tAiMXceoo (11/21)

ヤマトが嬉しそうな顔をする。

男「いい笑顔だ。+5点してやろう」

ヤマト「おお!」

ヤマト「あと5点は何が足りなかったんだ?」

男「自分の立場を確かめてみるんだ!そこから答えを導き出すんだ!」

普通なら、テメーのくだらねぇ話を聞いてやってんのに何で返答に点数付けられなきゃいけねぇんだよ。
とでも言われそうなものだが。

ヤマト「うーん」

男「素直な子は大好きです」

ヤマト「?」

ヤマト「あ、分かったぞ。男は朝、私に起こして欲しかったんだな」

男「その通りだ!100点だ!」


134 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:12:28.13tAiMXceoo (12/21)

ヤマト「でもごめんな、私は朝弱いんだ」

男「いやいや構わないよ、むしろ俺が起こしてやろう」

ヤマト「や、それはいい」

拒否された。

妹「先輩、おはようございます」

男「あれま、おはよう。主人公も一緒か」

何時の間にか背後に居たらしい。

主「おはよう。通学路、同じだったんだな」

男「可愛い妹と登校なんて羨ましい奴め」


135 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:13:06.13tAiMXceoo (13/21)

妹「ふふ、兄さんは私がいないと朝も起きれないんですよ」

主「…最近はそうでも無いだろ。それに妹と登校してると言ったらお前にも当てはまるじゃないか」

ヤマト「おはようございます、先輩」

敬語のヤマト。新鮮だ。

男「俺も敬語リクエストしていい?」

ヤマト「嫌だ、堅苦しいのは苦手なんだ」

男「えー!さっき使ってたじゃん!」

ヤマト「それは初対面の人に対する最低限の礼儀だ」

ムスッとされた。

男「ねぇどう?この拗ねた表情、凄く可愛くない?」

主「ノーコメントだ」


136 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:13:39.23tAiMXceoo (14/21)

妹「ふふ。妹さんと仲、いいんですね」

男「ったり前だぁよ!」

妹「べらんめぇ口調!?」

ヤマト「そうでもない」

主「妹の方はこう言ってるぞ」

男「ウチの妹は照れ屋さんなんだ。恥ずかしがってつい思っていることと正反対の事を言っちゃうんだ」

ヤマト「む、そんなことはないぞ」

主「噛み合ってないな」

男「さっきから嫉妬してるのか?俺たち兄妹の中を切り裂こうと言うんだな?」

主「凄い想像力だな」


137 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:14:18.07tAiMXceoo (15/21)

男「じゃあ俺はお前の妹をデートに誘っちゃうもんね!妹ちゃーん!今週末にデートに行こうよ!」

妹「いいですよ」

男「おい!OK貰っちゃったよ!どうすんだYO!」

主「妹のこと、頼んだぞ」

ポン、と俺の肩に手を置く主人公。

と、言いつつも内心穏やかでない主人公であった

主「勝手にモノローグを流すな」

男「あだ」

チョップされた。

妹「これからも二人は仲良しであって欲しいです」


138 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:14:43.76tAiMXceoo (16/21)

ヤマト「男と先輩がか?」

妹「ふふ、違いますよ。確かにそれもありますけど…」

妹「男先輩と、その妹さんが、です」

ヤマト「私か?」

妹「ふふふ」

意味深な事を言う子だ。


139 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:15:29.35tAiMXceoo (17/21)

男「OHAYOU」ガラ

ヤマト達と分かれ、主人公と一緒に自分のHRに入る。

モブ「おう、おはよう」

モブ「ていうか、ヤケに挨拶がカタコトじゃなかったか?なんかオヘイユーって聞こえたぞ」

男「悪いな、こっちに来てからまだ日が浅くて…日本語って難しいな」

モブ「え!?お前実は帰国子女だったの!?」

男「……違うよ」

モブ「何だよその間!?微妙なことを曖昧にしてんじゃねーよ!」

何かとオーバーリアクションなモブと談笑していると、教室の扉が開く音が聞こえた。



140 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:16:33.95tAiMXceoo (18/21)

?「失礼する。主人公くんはいるか?」

モブ「あれ、会長だ」

男「ああ、例のハーレム会の」

モブ「なんだよそのいかがわしい会!?生徒会だよ!」

席について女子と親しげに話していた主人公が立ち上がった。
会長となにやら話しているようだが教室の隅にいる俺たちには聞こえてこない。

男「よし、俺の組織仕込みの読唇術で会話をお前にも聞かせてやろう」

モブ「マジかよ、頼むぜ!っていうか組織ってなんだ!?」

男「今日の…放課後……」

モブ「うわ、もう始まってるのか!?」


141 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:17:35.95tAiMXceoo (19/21)

男「誰も……いない教室…で」

モブ「……」ゴクリ

男「……」

モブ「え、終わりか!?」

会長は主人公に手を振って教室から出て行った。

男「いや、続きはあるんだが……これは言ってしまっていいのかどうか」

モブ「勿体ぶってないで教えてくれよ~」

女々しい声を出すモブ。キモい。

男「そうだな……本来ならホニャホニャ円だが、お前のキモさに免じて500円にしておいてやろう」

モブ「それ絶対値段上がってるよね!?」


142 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:18:32.05tAiMXceoo (20/21)

モブ「でもまー仕方ねぇ!払うぜ!」

……まさか本当に払うとは。コイツかなりバカなんじゃないか?

男「お前の素直さには負けた。本当の事を話してやろう」

モブ「ウソついて500円も取る気だったの!?」

男「要約するとだな」

モブ「……」ゴクリ

男「放課後、生徒会室で用事があるから来てくれ。ということらしい」

モブ「さっきまでの実況はなんだったの!?」

男「まぁ詳しい事は主人公に聞けば分かる事だろう」

モブ「えー!やだよ!怖いよアイツ!」


143 ◆b.oHBDqN/s2012/08/09(木) 23:19:00.66tAiMXceoo (21/21)

男「え、そうなのか?」

以外とヤンキーだったりするのだろうか。
確かにそういう奴がやたらモテる場合もある。

モブ「話しかけたら女子に嫉妬されるよ!」

男「そっちかよ!」

主「悪い、ちょっといいか?」

モブ「イヤーッ!ごめんなさい!」

主「……?」

男「コイツの事は気にすんな、それよりなんの様なんだ?」

主「あぁ、実は……」


144 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:37:38.82jQqFoAZYo (1/24)

ー放課後ー

生徒会に来てなにやら手伝って欲しいと事があるらしい。
俺はモブと共に生徒会に向かった。

モブ「何で頼みの内容聞いてないの!?」

男「ハーレム会に一時的に加入出来る事が嬉しくてつい」

モブ「あぁ、本当美少女揃いだよなぁ。お前はもう全員と会った?」

男「今朝の会長、それに会計、書記は見たな。他に何人居るんだ?」

モブ「それじゃあ、たぶん会ってないのはもう一人の会計ともう一人の副会長だけだな」

男「男女比1:5か」


145 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:38:27.02jQqFoAZYo (2/24)

モブ「本当凄いよな。俺だったらプレッシャーで圧死しちゃうぜ」

男「なぁ、やはり生徒会は属性のバーゲンセールだったりするのか?」

モブ「属性ってなんだよ。ファンタジー?」

男「悪い、忘れてくれ」

モブ「お、ここだここだ。やべぇ緊張して来たよ~」

一つ扉の前で立ち止まる。

モブ「それじゃあ……」

男「待て」

モブ「あ、トイレ?俺も行く行く」

男「いや違う。これだ」

俺はコップを取り出した。


146 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:39:07.87jQqFoAZYo (3/24)

モブ「また盗み聞きすんの!?」

男「今日はスパイな気分なの」

モブ「うわ、なんだよその口調!キモッ!」

男「……」

男「まずはローだ!ただひたすらにロー!ロー!」

俺はモブにローキックを繰り出した。

モブ「いてっ!痛っ!」

男「そして相手の意識がローへ行ったところへ!」

モブ「うぉぉぉお!!?」

会計「あれ、お兄さん?」


147 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:39:44.83jQqFoAZYo (4/24)

タイミングの良い所で会計がやって来た。

モブ「お兄さんだと!?」

モブ「おいどういう事だコラ!」

急に俺の胸ぐらを掴んで暴れ出すモブ。

男「うぐぅ…や、やめてよぉ~」

モブ「え!?お前そんなキャラだっけ!?」

会計「せ、先輩!お兄さんが苦しそうですよ!」

モブ「な、なんか納得いかねぇ」

男「ふぅ、助かったぜ会計ちゃん、正直危ないところだった」

モブ「……」


148 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:40:54.19jQqFoAZYo (5/24)

会計「い、いえ……それより生徒会室の前で何してたんですか?」

男「……」

モブ「……」

俺たちは顔を見合わせた。

男「実は君のボーイフレンドに呼び出されちゃってね!ハハッ!(裏声)」

会計「ぼ、ボーイフレンド!?い、居ませんよ!そんな人」

男「…おい」

モブ「了解」

モブがメモ帳を取り出して書き込んだ。

モブ「会計ちゃんは現在彼氏無し…と」


149 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:41:43.24jQqFoAZYo (6/24)

会計「はぅ…」ボッ

男「(お、おい聞いたか今の!確かにはぅ…って言ったぞ!)」

モブ「(や、やべえよ、会計ちゃんファンクラブ会員としては名誉の死を遂げちゃってもいいぐらいだよ!)」

なんとなく予想はついていたが、やはり各役員のファンクラブが存在するらしい。

男「実は主人公に呼ばれたんだ」

話を戻すことにした。

会計「あぁ、アレですか」

男「アレ?」

会計「とりあえず、中に入って下さい。説明しますから」

男「分かった」

モブ「ちょっとその前にトイレ行ってきていい?」

会計「はい、どうぞ」


150 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:42:15.08jQqFoAZYo (7/24)

ー5分後ー

モブ「いやースッキリしたー!」

トイレの前で待っていると、モブがスッキリした顔で出てきた。

男「学校で抜くのはあまり良くないと思うんだが……」

モブ「抜いてねぇよ!?」

再び訪れた生徒会室の前。
俺たちは行動を起こしていた。

モブ「な、何か聞こえるか?」

男「待て、落ち着け」

モブ「……」

室内には主人公と会計だけのようだ。


151 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:43:51.73jQqFoAZYo (8/24)

男「……イチャイチャしてるな」

扉越しに聞こえてくる声はとても楽しそうなものだった。

モブ「なぁ、俺思うんだ。恋愛ゲームやっててもやっぱり主人公自体は別人な訳じゃん?でも興奮できる訳じゃん?そんな感じで、現実でも他人の恋愛を見なが」

モブが急に語るのをやめた。

男「どうした?」

モブの方を振り返ると、そこにもう一人の人物が立っていた。

書記「…先輩達……いいご趣味…してますね…」

その後、結論から言うと
帰らされた。


152 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:44:18.31jQqFoAZYo (9/24)

モブ「今頃あいつらイチャイチャしてるんだろうなぁ……」

モブ「でも胃に優しくないから俺は会計ちゃんとだけイチャイチャしたいなぁ……」

男「妄想が口から垂れ流れてるぞ」

モブ「でもまぁ、久しぶりに色々やれて楽しかったよ!これからも頼むぜ」

こいつは

男「二日置きにエンターテイメントをお届けすることを約束しよう」

これだけのことで満足してしまっているのか?

モブ「間隔短ッ!!」

男「なぁ」


153 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:44:45.45jQqFoAZYo (10/24)

モブ「ん?」

男「お前、会計ちゃんの事好きなんだろう?」

モブ「はは、現実的じゃねえよな」

男「始めから諦めるなよ」

モブ「どうした?やけに真面目じゃねえか」

男「……」

男「悪い、どうかしてた」

モブ「気にすんな、じゃあな」

分かれ道でモブと別れる。

男「ああ、またな」

男「……」


154 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:45:50.83jQqFoAZYo (11/24)

ー5日目ー

男「それじゃあ行ってきます」

ヤマトは今日、日直で早めに店を出たらしい。
つまり今日が俺の登校ソロデビューということだ。

男「緊張するな……俺。練習通りにやれ」

俺は意味不明な気合を入れて登校することにした。

男「フンフフン!」

?「おい、お前……」

優雅に鼻歌を歌いながら登校していると、人通りの少ない道で知らない声に話しかけられた。

男「ッ!?誰だ!?」

?「きゃあ!?」

ワザとらしく大袈裟に振り向いてやると、声の主は驚いて倒れてしまったらしい。


155 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:46:19.32jQqFoAZYo (12/24)

男「あれま」

?「っつつ…いったあー」

モクモクと砂埃が立ち上がる。

男「流石、ドジしてこけちゃった…みたいな感じも完璧ですね」

顔に見憶えがあった。
いつぞやの食パン女だ。

?「フッ……まぁね」

食パン女は得意げだ。

男「何の御用ですか?」

?「ここ2日間……実はあなたの事を監視させて貰っていたわ」

男「え、えぇ!?風呂や就寝中はおろかトイレの中まで!?」


156 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:46:57.53jQqFoAZYo (13/24)


?「そこで貴方に頼みがあるの」

男「……」

スルーされてしまった。

?「今日の放課後、屋上に来て。そこで要件を話すわ」

男「合点承知之助」

そう言うと食パン女は走り去って行った。

男「よし、無視しよう」

なんだか面白そうなので、約束を無視してみることにした。

妹「あれ?今の副会長ですか?」

男「やや、妹ちゃん。おはよう」

何時の間にか近くに来ていたらしい。


157 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:47:38.37jQqFoAZYo (14/24)

妹「先輩、おはようございます。昨日はどうしたんですか?急に帰っちゃって」

生徒会の事だろう。
実はもう一人の会計とは妹ちゃんだったのだ。

男「メールでも書いたけど、ちょっと用事があってね」

間違いなく今後、俺は生徒会室出入り禁止になっただろう。

男「今日は1人で登校?」

妹「ふふ、何時も兄さんと登校してる訳じゃないですよ」

男「いやぁ、嬉しいよ。転校して間もないのに、可愛い女の子と話しながら登校できるなんて」

ちょっと気になったのでカマをかけてみる事にした。

妹「ふふ、先輩こそいつも可愛い妹さんと登校してるじゃないですか」

男「家族と他人はやっぱり違うよ」


158 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:48:37.51jQqFoAZYo (15/24)

妹「あら、他人なんて他人行儀ですね」

男「友達なんて言ったらファンクラブの連中に何をされるか」

妹「ふふ、私は先輩とはもう友達のつもりだったんですけど」

男「嬉しいこと、言ってくれるね」

何かあるのでは、と勘繰ってしまう。
このように出会って間も無いのに積極的に関わってくる女は異常に感じるのだ。

妹「先輩」

男「ん?」

妹「またメールしますね」

男「おお、大歓迎だ」

何を企んでいるか分からない。一応この子は警戒しておこう。


159 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:49:05.39jQqFoAZYo (16/24)

ー翌日ー

?「おい……」

男「そこでさ……だったんだ」

ヤマト「へぇ」

?「おい!」

ヤマトと仲良く登校中、背後から声をかけられた。

ヤマト「誰だ?」

ヤマトが振り返る。
食パン女こと副会長がそこに立っていた。

男「食パン女こと副会長だ」

ヤマト「副会長?ああ、クラスの子に聞いたことがあるぞ」


160 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:49:33.14jQqFoAZYo (17/24)

副会長「あんた一体どういうつもりなの!?」

口調の安定しない人だ。

ヤマト「…怒ってるぞ?」

男「ごめんごめん、昨日はちょっと忙しくて。連絡先も分からないし」

ヤマト「む、約束を破るのは良くないぞ」

男「今日はちゃんと行くよ」

副会長「絶対だからな?絶対来いよ?」

そういうフリなのだと解釈した。


161 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:50:39.22jQqFoAZYo (18/24)

ー翌日ー

副会長「……お"い"」

朝、廊下で声をかけられた。

男「ごめん、昨日は急にバイトが入っちゃって……」

もちろんウソだ。

副会長「…今日は絶対来いよ!?」

男「ああ、絶対行くよ」

男「……」

男「…うん!」

男「よし、今日も放っておこう!」

今日も約束を無視する事にした。


162 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:51:26.68jQqFoAZYo (19/24)

ー翌日ー

副会長「頼むから来て下さい……お願いします……」

ヤマト「お、おい…泣いてるぞ」

男「ふ…ここ数日で随分態度が軟化したな」

ヤマト「なんだかよく分からないがダメだぞ、女の子を泣かせちゃ」

副会長「もう……放課後、屋上で1人寂しく夕日を眺めるのは嫌なんです……」

男「よし、今日は行こう」

副会長「おい、本当だな!?絶対来いよ!?次破ったら凄いからな!?」

ヤマト「そろそろ行ってやらないと可哀想だぞ」

男「今日は行くって」

今日は行く事にした。


163 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:52:02.63jQqFoAZYo (20/24)

ー放課後ー

副会長「ふふふ、やっと来たな」

男「やっぱり帰るわ」

副会長「すみませんすみません!来て下さってありがとうございます!」

ネタの塊のような子だ。

副会長「ほ、本題に入っていいか、ですか?」

男「敬語じゃなくていいよ」

副会長「分かった」

副会長「本題に…入るぞ」

男「OK」



164 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:52:39.40jQqFoAZYo (21/24)

副会長「じ、実は私…す、好きな人が居るんだ」

十中八九、俺に対する告白などではないだろう。

副会長「その人に…その、告白するのを…その、手伝って欲しいの」

男「何故俺に手伝って欲しいんだ?」

副会長「…まず第一にお前は転校生だ、まだ来てから日も浅い」

男「自分に惚れている可能性はまず無いと?」

副会長「う……そうよ。自惚れてる訳じゃ無いんだけど……その、すまない」

生徒会役員全員のファンクラブも出来ているようなところだ。そういう経験もあるのだろう。

副会長「次に、その…私の好きな人と親しそうに話していたから…」

男「あぁ……」

相手は主人公だろう。


165 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:53:12.90jQqFoAZYo (22/24)

男「……」

男「ごめん、今惚れちゃった」

副会長「な、な!?」

俺は副会長に一歩ずつ近付いていく。

副会長「え…待って!そんな…」

副会長は後ずさる。
俺は一歩ずつ近付く。

副会長「ご、ごめんなさい…こんな」

男「なんで謝るの?」

副会長「だ、だって私は……」

俺は歩むのをやめた。

男「冗談」

副会長「え?」

男「冗談ですごめんなさいちょっとやり過ぎました」

副会長「な、な」

次の瞬間、副会長の感情が爆発した。


166 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:53:49.55jQqFoAZYo (23/24)

男「まぁ落ち着きなさい」

副会長「お、お前…よくもそんな事が」

思い切り叫んで疲れたのか、肩で息をしている。

男「手伝ってやろう」

副会長「ほ、本当か!?」

男「相手は主人公か?」

副会長「う…そ、その通りよ」

男「ライバルを出し抜きたいと」

副会長「…あいつらの事は仲間だと…思ってるが……それとこれとは別なの」

男「あいつらとは他の生徒会役員の事か?」


167 ◆b.oHBDqN/s2012/08/11(土) 02:54:54.67jQqFoAZYo (24/24)

副会長「……うん」

男「ふーむ」

副会長「……主人公は、鈍感で…私が勇気を出して遊びに誘ってみても……」

副会長の瞳からジワ、と涙が溢れた。

男「俺はどうすれば?」

何故そんなやつに惚れてるのか?というのは聞かない事にした。
惚気を聞かされるのも面倒だからだ。

副会長「私が直接言っても冗談に取られてしまう…だから、呼び出して欲しい。あと、それとなく私からだということを明かして欲しいんだ」

男「それは手紙じゃ駄目なのか?」

副会長「手紙か……」

副会長「実は一度…手紙は出したんだが……」

副会長「思い出したくない……」

どよーんとされた。

男「よし、いいだろう!手伝ってやろう!」

副会長「お、おぉ!ありかどう!」

男「その代わり!!」

副会長「?」

男「食パンを咥えた状態で俺とぶつかれ!」

副会長「嫌よ変態!」

さっきまでのしおらしい態度はどこへやら。
俺は変態呼ばわりされてしまった。


168VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/08/14(火) 12:28:44.19tf7Rj4qvo (1/1)

見てるぞ

支援


169VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/14(火) 12:51:14.3196RGwy1IO (1/1)

いや

これは期待できない


170VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/08/23(木) 21:31:08.23MG8oEnQpo (1/1)

男「モブの立ち位置なのに主人公なのか?」



171VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/09/01(土) 11:17:23.41y59wnDeTo (1/1)

おーい


172VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/09/26(水) 19:28:03.29bcQo2S3io (1/1)

保守


173VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/10/14(日) 21:14:35.61DpAi18Jso (1/1)

二ヶ月………二ヶ月………


174VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/10/14(日) 21:20:29.63u98VmzCIO (1/1)

これはIO関係ないよな?