カチッ。


…………カチ。


薄暗い密室にあるのは、無機質なクリックの音だけであった。


ディスプレイにはこれまた情緒のない灰色の画面。


「はいはいﾜﾛｽﾜﾛｽ、っと……」


マウスをスクロールさせ、クリック。物寂しいその背中からだけでは、性別は判断できない。


華奢な背中に、首元を隠す神秘的な白い頭髪は、この部屋の薄暗さと相まって名状しがたい薄ら寒さを醸し出す。


「はァ……」


くたびれたのか、黒革張りの高価そうなリクライニングチェアーに背をもたれかけさせ、大きく伸びをする。


溜息と共に倦怠感を吐きだし、その人物は再びディスプレイに視線を固めた。


「………」


何を考えているのだろうか？赤い瞳は親の敵とばかりに画面を睨み付けている。


「これは賭けだ。俺のこれからが左右される一世一代の賭け……」


彼、または彼女の外見に似つかわしいとも、似つかわしくないとも取れる声が響いた。


少し息のかかった、それでいて魅力的な声だ。

密室で一人でつぶやくには明瞭すぎる調子ではっきりと、その人物は言い放った。そして。


「…………！！！！」


カタカタカタ、と、慣れた手つきで画面に何かを打ち込んだ。


鬼気迫るその様子は、あたかも目に見えぬ何かに立ち向かっているようだった。


無駄のない滑らかな動作と共に、白いスペースに生まれていく文字の羅列。


そして、白い手はマウスを握りしめた。その人物の人となりを警告しているような赤い瞳は、一層険しさを増す。


「……行くぜ」


カチ。


「…………はァ」


ふらっ、とかの人物の体から一気に力が抜ける。


しかし、一仕事やり切った、という実感もつかの間。再びマウスを手に取り、画面を見やる。


そして。



「っ！！！！！」


彼、または彼女は硬直した。


険しさを纏っていた表情は幼さを取り戻す。この分だと彼の年齢は十五、六であろうか？いや、もっと下かもしれない。


チェアを立ち上がる勢いで跳ねとばし、一歩、二歩、三歩、と後ろに下がる。口から何かが漏れ出ている。一体何だ？



「きひ、ひひひ。ひゃはッ」



笑い声だ。笑っているのか？とっさに口を押えるが、それは溢れることを知らない。何だ？嬉しいのか？

一方通行「いっやァ、まさか警備員よばれるたァ思ってもみなかったな」


一方通行「テンションあがりすぎたわ。ちくしょうあのクソ管理人……俺のダンディズムに溢れるプリシャスバディを拝めたのに通報すンじゃねェよクソ……」


勢いに任せて家を出た彼、通称「一方通行」。本名不明。


１５歳。性別は男？童貞。恋愛経験無し。もやし。


一方通行「アレだな……もうやるせないほど俺の時代だなァ……なンかもういろいろとどォでも良くなってきた。」


一方通行「実験だとかレベル６だとかどォでもいいわ。なンかこォ……アレだアレ……アレだよ……アレになりてェンだよ俺……なンだっけ？」


<ﾁｮｯﾄー　ｱﾉﾋﾄﾌﾞﾂﾌﾞﾂｲｯﾃﾙﾖｰ



一方通行「……まァいい。じきに思いつくな。うン」


一方通行「少なからずアレだ。歴史の一ページに名を残すようなビッグな事をやったるのが目標だ。」


一方通行「中学校の卒業アルバムに田舎のＤＱＮが書くようなチャチなもンじゃァ断じてねェ。ラッパーで例えるなら２ＰＡＣくらいのことは最低レベルだな。」





↑着メロ

アレイスターが(´・ω・`)こうなるような嫌がらせをする

ヒトカラ

ダンスを極める

一方通行「………ヒトカラすっか」ﾊｯ


一方通行「カラオケは三日ぶりだなァ……俺は学園都市最強のぼっちだからな。一人遊びで俺に敵う野郎はいねェ」


一方通行「俺の美声やべェぞ。マジやばい。スティーヴン・タイラーも便所サンダルでコンビニ行くくらいやべェ」


一方通行「よし。とりあえず行くかァ……つゥか俺独り言多いな……」




～移動中～




一方通行「ふゥ……※抜いてません。」


一方通行「さァて一発目は……」




氷室京介- Claudia



一方通行「Claudia！！秘めた恋を～♪」



～熱唱中～

～熱唱中～


しばらくお待ち下さい。




一方通行「……ヒムロックやべェな……最ッ高だ！！！！！」


一方通行「喉かわいたなァ……コーヒー注ぎに行くか」




～ドリンクバー～



一方通行「………乾ききった胸にＫＩＳＳの愛を～♪」←コーヒー注いでる。


一方通行「……さァて行くか………ン？アイツは？」




誰？安価＋２


面識ない人でも良いよ！！！

円周

垣根

一方通行「………アイツも一人で来てるのか？」


一方通行「……うン。そうっぽうな。あの落ち着いた足取り。間違いなくぼっちだ。」


一方通行「誰かと一緒にカラオケ行くヤツはもっと軽やかに、ふわふわとした足取りでドリンクを注ぎに行くはずだ。うン。誰かと一緒に来たことないけど。」


一方通行「……(何か他人とは思えねェ。ちょっくら声かけてみるか。)」


一方通行「(あァ。それがイイ。なンたって俺は２ＰＡＣくらいＢＩＧになるンだからよォ。)」


一方通行「(ここらへンで同じぼっちを仲間にしておくのも悪かァねェよなァ！！！)」



一方通行「すーンませーン。」


垣根「あ？何だよあんた。藪から棒に」


一方通行「おにーさン、一人ですよねェ。」


垣根「あ？一人でカラオケ来ちゃあ悪いのかよクソボケ」


一方通行「いやァー。そンなこと言ってないンですけどォー」


垣根「おもしれえ。愉快な死体になりてえんだな？そうなんだな？」


一方通行「え？何でそーなるンすかァ？」


垣根「こいよやせっぽち！ぶっ殺してっ」


一方通行「なンでそンなに喧嘩腰なンだよクソ野郎がァァあああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！」


垣根「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」



～しばらくお待ちください。ちなみに、店長はホモです。～

垣根「ううう……畜生……第一位がヒトカラとかくんじゃねえよ……」ﾎﾞﾛｯ


一方通行「第二位が言うな。いいか？俺はオマエと違って暇じゃねェンだ。最低で２ＰＡＣくらいの偉大なことをして、歴史にその名を刻むンだよォ。そこンとこ分かるゥ？」


垣根「……おもしれえじゃねえか！！」ﾆﾔｯ


一方通行「……！」ﾊｯ


一方通行「ていとくゥん？ちなみに俺は今同志を探していたところなンだ。カラオケボックスなら適した人材がうろついてンじゃねェかと思ってやって来た。」


一方通行「俺の灰色の脳細胞に狂いは無かったみてェだな。オマエ、俺と一緒にＢＩＧにならねェか？」ｽｯ


そう言って、一方通行は華奢な手を差し出す。


余裕そうに、ふざけた仕草で言い放った言葉であったが、内心は恐怖で一杯だった。



また、拒絶されるかもしれない。


気味が悪いと、虐げられるかもしれない。



最初から彼は一人であったわけでは無い。


望んで一人になった訳でも勿論ないのである。

垣根「………はっ」



自嘲するように、垣根帝督は吐き捨てる。


目の前の白い少年は、全てをかなぐり捨てている。


彼は、何も持ってはいないのだ。


友人も、愛する人も、家族も。


その点、自分とよく似ている。素直にそう思う。


そして一方通行は、最後の砦であるプライドまで捨てたのだ。


ＢＩＧになる？田舎のＤＱＮのを卒業文集かよ？


２ＰＡＣだ？残念ながら俺はbiggy派だ。


目の前の男が何を目指しているのかは知らない。


何故そう思い立ったのかなど知ったことではない。


しかし、目の前のバカは大きく見えた。


現実に絶望し、うじうじ自らの殻に閉じこもる自分が、ちっぽけで、情けない姿に映ったのだった。



垣根「………ふぅ。」



深呼吸をする。


目の前の男は、笑っていた。



垣根「はっ！俺の物語に常識は通用しねえ」「



垣根帝督が、その手を握らない理由など、どこにも無かった。

一方通行「………なァンて格好よく決めたけどアレだ。ノープランだ。」


垣根「ええええっ！！？？オイコラ！！俺の感動を返せ！！」


一方通行「俺達に必要なのは情熱的な物語だ。その気になりゃァ何だって出来るからなァ」


垣根「なんかこう……スポ根的な感動が欲しいよな。うん。あと可愛い彼女！」


一方通行「ていとくン童貞っぽいもんなァ……なンかイイ考えあるかァ？……ＢＩＧになるンだからなァ？そこンとこ忘れンなよ？」


垣根「ふむ……>>20なんかどうだ？女の子にモテモテだぜ？」

ビックリするほどユートピア

女装

自宅に篭ってエロゲ製作

NHKによォこそってかァ

垣根「ふむ…エロゲ制作とかどうだ？女の子にモテモテだぜ？」


一方通行「……アホなンですかァ？モテモテなのはゲームのなかでだろォが！！あとオマエのところに岬ちゃンはこねェぞ！！」


垣根「おい！！エロゲなめんなよ！！エロゲが無かったら今の俺は存在しねえ！！」


一方通行「オマエみたいなのを生み出すなら尚更だわ！！！そもそもろくな恋愛経験がない俺たちが……！！」ﾊｯ


垣根「どうした一方通行？」


一方通行「それだ……」ﾎﾞｿｯ


垣根「あ？」


一方通行「俺たちの偉大な業績！可憐なヒロインとのレジェンダリー・ラヴをエロゲにしちまうンだよォ！！！ぎゃははッ！！！」


垣根「なっ！！！……流石第一位っ！俺の見込んだ男だけあるぜ！！！ひゃっほう！！！関係ないけどお前がラヴとかいうの気持ち悪いな。」

一方通行「さァて振り出しだ……青春っぽいことがしてえな……」


垣根「青春な……サラダデイズだな……」


一方通行「ンー……>>26？とかァ？」



すみません。エロゲきついっすｗｗｗｗｗｗ
最後エロゲにするよ？ってことで？

とりあえず学園都市を占領して太守になる

ksk

農家になる

別の意味でサラダデイズｗｗ

一方通行「ンー……農業？とかァ？」


垣根「それだ！！！話がわかるじゃねえか！！もやしもんもヴィンランド・サガも大好物だぜ！！！」


一方通行「『学園都市のＴＯＰ二人。学園都市の食の大黒柱となる』かァ！！！最ッ高にロックじゃねェか！！！映画化決定！！」


垣根「馬鹿野郎！！エロゲ化！後にアニメ化だクソボケぇ！！！」


一方通行「関連商品、ＤＶＤがバカ売れ！！俺たちは世界一有名な農家だァ！！」


垣根「監督は佐藤順一さんで！！ヒロインの声優はサトリナでぇえぇぇ！！！！」



一方通行・垣根「「はぁ……はァ……」」



一方通行「……よし！！農業やンなら人員が必要だァ！！！」


垣根「おう。金は腐るほどあるからな。最近ＦＸで儲けたぜ。」


一方通行「よし……勧誘に行くか。そォだな……>>３１に行くぞォ！！全速前進ＤＡ！！！」

暗部から人員ぶっこぬき

常盤台

とある高校

一方通行「よし……勧誘に行くか。そォだな……とある高校に行くぞォ！！全速前進ＤＡ！！！」


垣根「yeah!!!」



～とある高校～



とある朝、とある高校の生徒達は、グラウンドに整列していた。


定期的に行われる全校朝会の日だ。学生たちの顔色は十人十色。


倦怠感に溢れる生徒が多数を占めていたが、中には自らを律することを心掛けているような面持ちも生徒も見える。


彼らは皆、壇上に挙がって長々っしい能書きを垂れるであろう教員を待っていた。


決して待ち望んでいたのではない。しかし、それでも待つしかなかったのだ。


何故なら、これを乗り越えなければ朝会は終わることは無いからである。


しかし、そんな彼らを迎えたのは、予期せぬ光景であった。


彼らの待ち望んだ校長ではなかった。壇上に立つのは、高級そうな黒い３ピーススーツに身を包んだ男だ。


端正な顔立ちに、白い髪、赤い瞳。一目見たら忘れられそうもない男である。

「あー。マイクテス。マイクテス。」



さわざわ……と、生徒たちの間に動揺が走る。


ちらほらと、女生徒たちからの黄色い声も聞こえてくる。


しかし、次の瞬間、そんな余裕は無くなった。



一方通行「みっなさァン！！！！！！！！！農業は好きですかァあああああああああああああああああ！！！！！」


垣根(サクラのつもり)「好きでえええええええええええええええええええええええええええす！！！！！！」




人が変わったかのような狂声に誰もが息をのんだ。


後ろの方からなんか一名ほど叫んでいたヤツがいたような気がするが、そんなの気にしている余裕は無い。



一方通行「僕も大好きでェえええええええええええええええええす！！！やったことないけどなァ！！」


垣根「農業サイコぉおおおおおおおおおおおおおおお！！！！yeaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaahhhhhh!!!!!」




なんだ？農業？何言ってるんだ？


生徒たちの間から彼らの言葉に耳を貸すものも現れて来たようだ。


白い男の演説は続く。



一方通行「Foooooooooooooooooooooohhhh!!!!そんな農業を愛してやまないキミたちに朗報だァ！！！！農業に従事すれば推薦の枠と単位が貰える！！！そんな最高の環境をプレゼントォ！！！！！」



おおおおおおおおおおお！！と、生徒たちの反応も悪くは無いようだ。



一方通行「経営、アーンド業務指導はこの俺！！第一位、一方通行と！！！」


垣根「俺！！！第二位！垣根帝督っ」ﾌｧｯｻﾌｧｯｻ


……………ｼｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰﾝ。


一方通行「俺たちがァ！！！」


垣根「常識の通用しねえ農業を！！！」


一方通行・垣根「「教えてやるぜェえええええええええええええええ！！！！！！！」」

青ピ＆姫神

黄泉川と小萌

土御門と上条

上条と姫神

「し、しつれいしまーす」


「失礼する。」



入ってきたのはツンツン頭の地味な男。


そして、幸の薄そうな女だった。



一方通行「それじゃあ、自己紹介をお願いしまァす」


垣根「面接試験かよ！」


上条「一年生の上条当麻です！」


姫神「同じく姫神秋沙。」


一方通行「ふむ。うン。座っていいよ」


上条「……い、イスがないンですけど……」


一方通行「…………」


上条「…………」


一方通行「……それじゃあ、ここに来た理由はァ？三下ヅラから。ハイお願い。」


上条「な、流された！？三下ヅラって！！え、ええと……の、農業が好きだからです！！」


一方通行「ハイ採用ォ。じゃあ二人ともこれにサインしてェ」


上条「はやっ！！」


姫神「あの、私は……」


垣根「サイン済ませたら説明するぜ！！はいっ！ちゃちゃっと！！」


姫神「何たる仕打ち……」

一方通行「俺たちの作る農場は、畜産、酪農、果樹園、穀物から野菜。すべてを網羅する一大農家だ。学園都市、いや世界最強の農家になる。」



語り出す一方通行。その目は本気だ。



垣根「だが最初からそういう訳にも行かねえ。発足社員となるテメエらには、最初の農場の経営者になってもらう。異論はねえな？」


上条「け、経営者……俺たちが……」


姫神「……責任重大」


一方通行「俺たちの農場……いずれ世界に羽ばたく俺たちの城っ！！」


垣根「その名はっ！！！」




安価下、五つの中から農場の名前の候補を選びます。


>>１の一番気に入った農場名にするんだぜ！！！

ザ・ファーム

大祝(おおいわい)農場

登呂遺跡

ミートくン

タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフファーム

一方通行・垣根「「ザ・ファーム！！！！」」



上条「Ｔｈｅ……」


姫神「ＦＡＲＭっ！！！」ｺﾞｸﾘ



一方通行「土地はもう用意してある。まずオマエらには畜産農家をやってもらう」


垣根「飼料は未元物質を混ぜ込み、分量バランスや遺伝子組み換えをベクトル操作した、最高級のものを用意したぜ！！」


一方通行「抜かりがねえなァ」ｸﾞｯ


垣根「当然よ」ｶﾞｼｯ


上条「す、すげえ！なんかやれそうな気がしてきたぜ！！つーかお前ら仲良すぎだろ……」


姫神「……今こそ農業が見直される時代」


一方通行「給料はかなり良いはずだぜ？最初の備品は俺たちが全部用意する。」


垣根「とりあえず場所を変えるか。おい上条。>>49しろ。」






今日はここまでです！明後日くらいに来るぜ！

農業になるとは……勉強しとかねえとな。

感想や直した方が良いところレスしてくれると助かるぜ！！！

タクシー会社に電話

俺たちは飛んで先に行くから、姫神をお姫様だっこ

乙

学校休みだから書く。
投下。

垣根「とりあえず場所を変えるか。おい上条。俺たちは飛んで先に行くから、姫神をお姫様だっこしろ。」


上条「あ、はい。ってえええええええええええええええっ！！？？」


一方通行「伊達に羽根生やしちゃァいねェな」


上条「な、何でおれがそんなことっ！？」


姫神「…………嫌なの？」


上条「い、嫌ってわけじゃ………て、てゆーか姫神！！お前は嫌じゃないのかよ！？」


姫神「わ、私は別に構わない……///そ、それに、社長命令……」


一方通行「おいおいおい？社長は俺だぞォ？」


垣根「命令ってところは違いねえ。ほら、最寄りのバス停に二十三学区行きのリムジンが停まってるから。そこまでな。」


一方通行「俺たちは先に行ってる。さっさときやがれ」


上条「………二十三学区？そ、そこで農場作るのか？」


一方通行「はァ？分かっちゃいたけどオマエ馬鹿なンですかァ？学園都市に場所があるはずねェだろ」


姫神「私たちはどこに行くの？」


垣根「安心しろ。取り合えずは国内だ」


上条「こ、国内の……どこでせうか？」



一方通行と垣根は、にやにやと人の悪い笑みを浮かべている。


そして、大きなため息をつくと、声を合わせてこう答えた。



一方通行・垣根「「北海道」」



上条・姫神「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええ！！？？」」

校内の生徒たちのあるいは奇異の視線。あるいは「またこいつかよ爆発しろ」という視線に体中を刺されながら、上条当麻は急いでいた。


その両腕には、一人の少女が抱えられている。


上条「…………は、恥ずかしいな？」


姫神「…………別に」


先ほどから互いに無言である。それもそうだ。上条当麻は鈍感と言えど、行為の意味くらいは分かっている。


姫神ほどの美少女を腕に抱え、終始冷静でいられるはずもないのだ。


上条「(な、なんでこんなに軽いんだよ！！そ、それにいい匂いするし！！いい匂いするしぃぃ！！)」


姫神「(これは、神様が私に与えてくれたチャンス。………北海道で彼を、ものにする……！)」



最寄りのバス停と言えど、結構な距離がある。空気に耐えかねた上条が、腕の中の少女に声を投げかけた。


上条「まさかこんなことになるとは思わなかったな……。嫌じゃないか？姫神」


姫神「……正直、びっくりはしたけど、平気。興味はあった。………それに……」



上条の腕の中、うつむく姫神。


長い髪も相まって表情が見えにくくなる。


上条「……姫神？」


姫神「あなたが一緒なら、大丈夫。」



少女は意を決した。


この鈍感ニブチン天然タラシ男を、遠い地で必ず振り向かせてみせると。


決意に満ちた声色で、少女は、少年に決意表明を振りかざしたのであった。

上条「(…………う///な、なんだよ……い、いかんいかん。勘違い野郎は気持ちが悪いだけだ！！うん。安心っていうのはきっと安全保障的な意味合いに違いない！！)」


上条「(ていうか姫神さん！！なんでこんな細いのに柔らかいんですかぁっ！！！くぁっ！！上条さんの上条さんがぁ！！！)」

垣根「着いたみてえだな」


一方通行「遅ェ」


上条「わ、悪い悪い………ほぇー」



空港にはプライヴェート・ジェットが佇んでいた。


その足元に立つ二人の男。


一人は、高級そうな黒のスリーピーススーツに身を固めた一方通行。


そして、光沢感のあるダークグレーのスーツを着こなした垣根帝督である。


垣根の方はかっちりとネクタイを締めた一方通行とは対照的に第二ボタンまでボタンを開き、胸元をはだけさせている。


まるでマフィアの若頭みたいだな、などと上条は思った。まったく知識は無いのだが。


姫神「これ、誰の？」


一方通行「俺の。統括理事会脅して買わせた」


上条「き、鬼畜やでぇーー……すぐに出発なのか？一方通行？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ


一方通行「向こうに協力者がいる。説明はそいつから受けろ。あと俺のことは社長と呼ぶんだなァ」


上条「おう！社長！！」


垣根「備品と家畜は用意してある。定期的に向かうが、何かあったらいつでも連絡してくれてかまわねえからな！！」


上条「分かったぜ！！」


姫神「了解した」


一方通行「いいか！オマエらはその農場のいわばＢＯＳＳだ！一国一城の主だと自覚しろ！自覚が足りねェと思ったらブチのめす。クビなンて言う甘い手段は取らねェ！！」


垣根「お前たちは何だ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」


上条・姫神「「Ｔｈｅ　Ｆａｒｍ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


一方通行「Ｔｈｅ　Ｆａｒｍにィィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！」


上条・姫神「「常識は通用しねえええええええええええええええええええええええ！！！！！！！！！！！！！」」



一方通行「よォし！さあ乗り込めェ！！」


上条「あ、社長！ちなみに協力者って誰なんだ？」


一方通行「あァ、>>58ってやつだ」


男性限定。一人。魔術サイドでもＯＫ．

アックア

ksk

ステイル

人いねえｗｗｗｗｗｗ書き込んでくれた人ありがとう！！




一方通行「よォし！さあ乗り込めェ！！」


上条「あ、社長！ちなみに協力者って誰なんだ？」


一方通行「あァ、ステイルっていう奴だ。なンか魔術師だとか訳わからンことほざいてやがったが、農業に目覚させたら大人しいもンだ」


上条「…………何やってんだあいつ………」


垣根「さぁて、お前らが北海道行ったらどうする？一方通行。畜産に必要な飼料と肥料は自社生産するんだろ？」


一方通行「人がまだまだ必要だなァ……」


垣根「こいつらについて行って、細かい指導やらをやるのもアリだな。どうする？」


一方通行「そォだな……」



：アンケート　少し空けます！帰る時までに多い選択肢に決定！


１、とりあえず農場に向かうぞ。ステイルの野郎もきちンとやってるか分からねェしな。

２、人員って言ったら女だァっ！！常盤台に行くぞォ！！

３、あァー……そォいや、絶対能力者実験の件ちゅうぶらりンだわ。ちょっと電話かけてくるわ。

４、オマエ、暗部にツテねェのか？もう丸ごと吸収しちまおうぜ？

２

4

2

4

2

4

2

1

4

2

今戻った。
集計完了。２で行くぜ。
思ってたより見てる人いるんだな。頑張るぜ。
ちょっとまっててなぁ。

一方通行「人員って言ったら女だァっ！！常盤台に行くぞォ！！」


垣根「分かってるじゃねえか。だが常盤台とは……やるじゃねえか、見直したぜ」ﾌｯ


一方通行「こいつらだけがイチャイチャやってんのは気に入らねェよなァっ！！ついでに俺らと同格の幹部候補生を勧誘だァっ！！待ってろお嬢様ァ！！！」


垣根「俺たちの勧誘に常識は通用しねえ！！！」


上条「ええっ！？俺たちは！？」


姫神「………正直不安。」


一方通行「なァに、シベリアに送るって訳じゃァねェ。ステイルとは知り合いなンだろ？上手くやれるさ。」


上条「でもよ……」


垣根「オラ、これ、上手くやったときの給料な」ﾋｮｲ


上条「め、明細……？早いな……どれどれ……？」


上条「…………！！！！！！」


上条「やります」


姫神「……あの子はどうするの？」


上条「あ。………な、なぁ社長？もう一人連れて行っていいか？俺がいないと三日で餓死するヤツがウチにいるんだよ」


一方通行「あァ？ペットか何かか？構わねェぞ。ただしきちんと働かせるンだぞ。ヒトなら社員扱いにしてやる」


上条「マジかよ！！渡りに船だ！こ、これで食費が……」ｴｸﾞｯｴｸﾞｯ


姫神「良かったね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


垣根「………おい。こいつらイチャイチャしててうぜえからさっさと行こうぜ」ｲﾗｯ


一方通行「あいよ。じゃああとは任せる。労働力が見つかったら適宜送るからな。出荷先やら買い手やらは俺たちが何とかしとくから心配すンな。」


垣根「上手くやれよ。姫神」ﾎﾞｿｯ


姫神「ふ、副社長……」ｳﾙｯ

こうして、後々合流した上条の居候と共に、二人は旅立っていった。

一方通行「……はい！って言うわけでェ、やって来ました学舎の園！」


垣根「ＴＶレポーターかよ。……つーか右も左もお嬢様だらけだな。ちなみに偽装ＩＤで入りました」


一方通行「さァてどうする？俺たちには全くツテがねェ。その上ただの学生じゃァ詰まらねェ。俺たちに物申せる筋のある奴を探すぞ」


垣根「……早く方法考えようぜ。周囲からの視線がやべえ……」





クセと棘だらけの風貌を高級スーツで纏った二人の風貌はただでさえ目立つ。


その上ここは「ザ・お嬢様ゾーン」。奇異の視線に鈍感な彼らでさえ、この状況はあまり芳しくなかった。

垣根「そういやさ、お前どんな女が好みなんだ？」


一方通行「あ？いきなりなンだよ……」


垣根「いいから教えろよ～。ほれほれ～」


一方通行「うぜェ………そォだな……」


垣根「巨乳派？貧乳派？」


一方通行「>>76だな。どちらかと言えば」


※二択　巨乳or貧乳


垣根「背丈とかはどーよ？小さいほうが好きなのか？それとも高めの女が好みなのかよ？」


一方通行「>>79がいいなァ……どちらかと言えば……ってなンだよ。要領悪い聞き方だねェ、ていとくゥん」


※二択　高めor低め


垣根「馬っ鹿野郎！親友の好みを聞きたくなった俺の好奇心を汲み取れよ！」


一方通行「オマエはどォなンだ？」


垣根「俺は下は12、上は32までで可愛いならなんでもいい」


一方通行「………飢えすぎだろ」

２

あ、すまん貧乳で

ｋｓｋ

低め

高め

ロリコンじゃないのか

垣根「背丈は高めで胸は小さ目か……スレンダーな美人ってとこだな」


一方通行「俺の好みの話はもうイイだろ。さァて勧誘だ……くききかきけくきかこききくくこかかくき」


垣根「笑い方怖いなお前……どうすんだ？」


一方通行「なァに、騒ぎを起こすンだよ。イイ反応してくれる奴がいてくれると重畳だなァ」


垣根「………アレ、やるか」


一方通行「ぎゃはッ」

御坂美琴は焦っていた。


絶対能力進化実験。そのデータを目にしてからと言うもの、ゲコ太どころではなかった。


実験の詳細を目にしてから三日、研究施設を強襲する覚悟は整った。


被験者の名前は、学園都市第一位の超能力者、一方通行。


実験の中止には、彼を直接叩き潰すのが最も効率的である。


しかし、彼を探すにも、個人的なデータが一切秘匿されていた。


美琴「(……見つけ出せたら簡単なんだけど)」


奴の居場所を突き止めるためのデータが足りない。


自らの力不足と言う問題ではない。探してもデータがないのだ。


顔を判別出来る、書類上のデータは存在した。


しかし、実際足を運んだそこは廃屋であった。


美琴「(そこまでして隠しておきたい存在なのよ……怪しいどころじゃないわ)」


それでも、不可能な手段に拘泥する彼女ではない。プランＢであった、研究施設の破壊による実験阻止に、心血を注ぐことに決めたのであった。


美琴「まぁいいわ……とりあえず今日にも研究施設を―――……ん？」


自販機で買った清涼飲料水に口をつけつつ、遠くで鳴り響く騒音に耳を傾ける。


美琴「(……路上ライヴでもやってるのかな？)」


「少しくらいいいか」という、ほんの気まぐれで騒音の方角へ足を運ぶ。


仕方のないことであろう。実際彼女は疲れていた。


しかし、彼女は知らなかった。知るはずもなかった。












そう、この気まぐれが、彼女の運命を大きく変えることとなることを。

Usher - Yeah




黒く、やたら立派な仮説ステージの上、フル武装の兵隊たちが踊っていた。


ステージの周りは、常盤台の制服で溢れかえっていた。


過激な歌詞だ。スラングだらけだ。しかし、観客は沸いていた。


みな、その中心に立つ、白づくめの男二人に夢中、と言った様子だ。


「忘我」。その言葉こそこの場に相応しい言葉であった。


美琴「(う、歌うっまぁ……お、踊りも凄いわね……ＥＸＩ○Ｅも真っ青だわ……)」


美琴「(あれ、あの男………)」


彼女の視線は、ステージの中心で高音を歌い上げる一人の男に注がれた。


白いスーツ、白い髪。


中性的な顔立ち、血のように赤い瞳。


美琴「(…………あれ？)」




猟犬部隊の皆さん「♪～～♪」←おどってる


一方通行「Yeah, Yeah, Yeah! Yeah, Yeah! Yeaah!」


垣根「Watch out!My outfit's ridiculous, in the club lookin' so conspicuous――」


美琴「ちょおおおおおおおおおおおっと待たんかああああああああああい！！！！！！！！」


垣根「ぐ、ぎゃああああああああああああ！！！！」

美琴の電撃キックが垣根の腹部にきれいに突き刺さる。


垣根はノーバウンドで、猟犬部隊の皆さんを巻き込みながらステージ裏へとすっとんでいった。かわいそう。



垣根「な、何すんだ！！俺の華麗なラップヴァースが始まったばかりだっつーのによぉ！！！あぁ！？」


美琴「ようやく見つけたわよ！一方通行！！」←聞いてない


猟犬部隊の皆さん「は～い。ライヴここまでねー。またやるから見に来てねー」



ｴｰ　ｳｿｫｰ　ﾋﾄﾞｰｲ　　ｻﾞﾜ　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ
　　　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ
ｱｸｾﾗﾚｰﾀｻﾏァ～
　

一方通行「あァ……………？…………！！」


美琴「話は聞いてるわよ！アンタに実験なんてさせない！私と勝負……し……って、何？何でこんなにこっちみてんのよ！？」


一方通行「……………来た」ﾎﾞｿｯ


美琴「………え？」









一方通行「わが世の春がきたァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！」


美琴「は、はあああああああああああああっ！！？？」

垣根「いってぇ……骨折れるかとおもったわ。」


一方通行「おいていとくン！！コイツだ！！」※この一方さんは実験の詳細とか知りません。実験名しか知らないってことで。


垣根「あぁ………？何言って―――」


一方通行「君、名前なンていうンだ？」


美琴「あ、アンタさっきから何言って―――」


一方通行「名前」ｺﾞｺﾞｺﾞ


美琴「ぴぃっ！？み、美琴です！御坂美琴！！」


一方通行「え？オマエ第三位かァ？」


美琴「それが何―――」


一方通行「俺第一位ィ」ﾊｲ


美琴「知ってるわよぉおおお！！だから私と―――」


一方通行「オマエ、採用。ていとくン。後任せた。」


垣根「おい！一方通行！あとって――」


一方通行「俺は個人面接してくるぜェええええ！！！」ﾋｮｲ


美琴「えっ。ええ！？///ちょ、ちょっとお！」ｵﾋﾒｻﾏﾀﾞｯｺ


一方通行「ぎゃはははははははははッ！！！！！ははははッ！！！！！」


美琴「にぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！」


垣根「………行っちまった」ﾎﾟｶﾝ

今日はここまでにします。
一方さんと垣根が完璧超人なのは仕様。
音楽は>>1の趣味。次はまた時間が許すとき来るぜ。
安価に付き合ってくれた優しいみんな。愛してるぜ。
感想とか、安価に対する改善すべきところとか教えてくれると幸せ。

楽しんでるよーおつおつ

乙

一方さん普通に人さらいじゃん

乙

超能力者に常識は通用しねぇ

休みだから投下！
支援宜しくうう

～とあるビルの屋上～



美琴「………はぁ」ｸﾞｯﾀﾘ


一方通行「はァい、最終面接のお時間でェーす。まず自己紹介からお願いしまァす」


美琴「ちょ、あ、アンタふざけ――うぇ……吐きそう」


一方通行「あァ、すまねェ。あまりのアレに、アレがｸﾞｧｰってなったわ」ｳﾝｳﾝ


美琴「アレじゃわかんないわよ！！………はぁ………あっ！そうだった！実験の話よ！」


一方通行「………実験？………アレか。あの……青紫色になるやつ……」


美琴「……それはヨウ素液ね。」


美琴「…………！」ﾊｯ


美琴「ちょ、ちょっと！とぼける気！？アンタが私のクローンを殺してるってことは分かってるのよ！」


一方通行「クローン？[ﾋﾟｰｰｰ]？何の話だ？」


美琴「これ以上アンタの好きにはっ―――………えっ」


一方通行「……………何となく見えてきたぞ」




～説明中～





美琴「う、嘘………信じろっていうの？それ？」


一方通行「………そンじゃ見に行くか？」


美琴「見に？」


一方通行「あァそうだ。ついでにその『妹達』とやらも解放してやる」


美琴「ほ、ほんと！？」


一方通行「………ただし」ﾆﾀｧ



口角をゆったりと持ち上げ、白い歯を覗かせる。


するとそのまま一方通行は、一歩、また一歩と美琴の方へ近づいてきた。

美琴「な、何よ……」



ゆっくりとした足取りであった。


遠ざかろうとすればすぐに逃げ切れるかもしれない。


しかし、その様子はどこか鬼気迫るものがあった。


逃げたい、そう思わせない何かがこの男にはあったのだ。


美琴「ちょ、ち、近い……////」


一方通行「もし、………いや『もし』は存在しねェな。失敗はない。『妹達』を救出したら……」


美琴「し、したら………？」ｺﾞｸﾝ




美琴は、目の前の彼の赤い瞳に吸い寄せられているような錯覚を覚えた。


そうして彼は自分の前に立つ。文字通り、目と鼻の先、息がかかるくらいの距離だ。


何をさせられるんだろう？


そんな期待が胸を打つ。


美琴「(き、期待！？わ、な、何考えて―――////)」



しかし、目の前の男の放った言葉は予想外どころの騒ぎでは無かった。

一方通行「お前は俺の部下だァ！！！！！！！！！！！」ﾄﾞﾔｧ


美琴「…………はぁ？」



大げさな身振りでくねくねと動き出す。


やだ、踊り上手い。


美琴「………こいつ、疲れる」


がっかりしたような、ホッとしたような、複雑な気分で項垂れる美琴。


お嬢様は世間をしらんのです。美琴ちゃん。そいつ悪い男だよ。


一方通行「学園都市の『食』を近いうちに牛耳ることになる、Ｔｈｅ　Ｆａｒｍグループの幹部にしてやる。オマエにはそれをやってのけるだけの力があるからだ！」ｸﾜｯ


美琴「………それは、会社？」


一方通行「そォ。まだ農場ひとつしか持ってないけど」


美琴「ま、まぁそれくらいならいいけど……」


美琴「(『妹達』、助けてくれるんだし、それくらいなら……)」


一方通行「はァい、契約書にサインちょォだーい」ｸﾞｲｯ


美琴「ちょ、ちょっと！///腕っ！放して！自分で書けるから！」


一方通行「はァい、ご苦労様ァ。今日からオマエは俺の専属秘書兼総務部長ね。」


美琴「肩書きながっ！総務って何やんのよ！」


一方通行「あァ？まだわかンね。仕事は後でじっくりな。取りあえず『妹達』ンとこ行くぞ。ぐっとぅごー」ｲﾖｯ


美琴「マイペースね……アンタ……」

一方通行「…………」


美琴「……どうしたの？行かないの？」


一方通行「研究所ってどこにあンの？」ｷｮﾄﾝ


美琴「ええい！そこからか！！！」


一方通行「つゥか、どうやンのが手っ取り早いンだ？」


美琴「………そうね。」



安価。妹達救出編はすぐ終わるよ！戦闘シーンとか飛ばすよ！

２つ出た奴先着で！物語に鬱要素とかないからラクにえらんでね！


1、メインコンソールの役割を果たす個体が居るらしいから、その子を確保しましょ！

2、手当たり次第壊しちゃえばいいんじゃない？考えんのメンドくさいし。

3、アンタに電話してきた研究者に接触してみない？

1が打ち止め含む妹達、2がアイテム、3が天井芳川などの研究者加入フラグかな


ここは2で

2

美琴「手当たり次第壊しちゃえばいいんじゃない？考えんのメンドくさいし。」


一方通行「……お嬢様が手当たり次第破壊って……オマエはどこぞの宝貝人間か」


美琴「う。べ、別にいいでしょ！」


一方通行「まァいいか。俺も最近運動不足だしな」


美琴「あれだけ踊っといて良く言うわね……」


一方通行「なら早急に下準備だ」ﾋﾟﾎﾟﾊﾟ


美琴「ん？携帯なんか取り出してどうするのよ？」ｷｮﾄﾝ


一方通行「部下を呼ぶンだよ。『妹達』を移動させるヤツが要る」



ブゥゥン、と法定速度などクソくらえな速度で、大型の黒いバンが数台迫ってきた。


二人の目の前に停車したバンから、全身黒づくめで、軽機関銃で武装した人間が降り立つ。


統率のとれた動きで一方通行の前に並ぶと、一斉に握りこぶしをこめかみに当て、胸を張った。


きっと敬礼なのだろう。


>>102「害虫駆除部隊こと、業務一課、ただ今到着いたしました！！」


男性限定。

科学サイド、魔術サイド問わず。

木原数多

レイヴィニア＝バードウェイ

木原加群

加群「害虫駆除部隊『猟犬部隊』こと、業務一課、ただ今到着いたしました！！」


一方通行「堅苦しいぜ？加群くぅン？木原くンとは大違いだな」


加群「数多のヤツですか？心配していましたよ。貴方が起業したと聞いて」


一方通行「……ちっ。調子狂うわァ。敬語を止めてくれ。命令な」ﾌｩ


加群「分かった。用件は何だ？一方通行」


美琴「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ！何で害虫処理がこんなに物騒なのよ！？」


一方通行「あァ？害虫処理は総じて物騒なもンだろ？なァ？」


加群「……時と場合によるな」


美琴「時と場合……あー……なるほど……」


一方通行「オマエ達の任務は研究施設から『妹達』を逃がし、北海道の農場に移動させること。今日一日で全部やれとは言わねェ。質問は？」


美琴「質問だらけだわ！アシはどうすんのよ！？」


一方通行「統括理事会のトマス・プラチナバーグが全面的に協力してくれる。心配すンな。細かいことはデータを送る。以上、解散」


美琴「なんでそんな大物が……何したのよ？」


一方通行「知りたいかァ？」ｹｹｹｹ


美琴「い、いや……やっぱいい」

加群「はっ！……ん？おいそこの貴様！！」


猟犬部隊Ａ「Sir,yes sir！！！！！！！！」


加群「今貴様あくびをしたな！！！！！！どうしてだ！！！」


猟犬部隊Ａ「はっ！私がゴキブリの卵にも劣るほどの腐れ蟯虫野郎だからです！！！！！！」


加群「そうだ！！貴様は浮浪者のザー○ンにも劣るゴミ野郎だ！！歯を食いしばれええええええええええ！！！！！」ﾊﾟﾝﾁ！！


猟犬部隊Ａ「ぐぶっ………！！！！」ｺﾞｷﾞｬｯ


美琴「！！！！！！」


猟犬部隊Ａ「……っ！ありがとうございます！！！！！」


加群「他のクソ虫ども！！貴様らも罰だ！！その場で腕立て150回！！！！！！」


猟犬部隊「「Sir,yes sir！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」」


美琴「…………！！！」ﾊﾟｸﾊﾟｸ


美琴「ぶ、ブラック企業じゃない！！！！！」


一方通行「今まで彼らがやって来た業務は主にバックダンサーでェす」


一方通行「それに週休三日だぜ？福利厚生も素晴らしい。これほどいい会社があるかよ」


美琴「…………じゃあアレは何の儀式よ」


一方通行「アレは加群くンの趣味だ。好きな映画は『ジャー・ヘッド』らしい」


美琴「まともなヤツはいないのか……」ﾊｧ


一方通行「おい、そろそろ行くぞ？つゥかよ、『面倒くさいからぶっ壊す』とか言っちゃうオマエも大概だと思うぜ？」ﾆﾔﾆﾔ


美琴「う、うっさい////」

ちょっと急用。また夜に来るぜ。
感想やら書いてくれると生きる気力が増す。


あ、安価で出たキャラは極力大切にします。
加群君みたいに独自設定付けちゃうかも。あんま掘り下げられてないキャラとか。

乙
この加群さんにはマリアンも雲川妹も苦笑いだな

乙ー
ベルシさんなにやってんすかw

このssは超並々ならぬセンスを感じますね。

超期待です。

昨日はこれなくてすんません。
今から投下します、支援宜しくう。

一方通行「すっきだよっと言えずに初恋はァ～♪」ﾄﾞﾝｯ　ｶﾞｯ　ｸﾞﾁｬｯ

研究者Ａ「ひ、ひぃ！！！！！た、たすけ――」

一方通行「振り子細工の心ォ～♪」ﾊﾞｷｯ　ｶﾞｶﾞｯｶﾞｶﾞｶﾞ　　ﾍﾞｷﾞｬ　　ｺﾞｯ


研究者Ｂ「お願い！やめてぇ！！！あ、あたしは―――」


美琴「(片っ端から壊して回りながら歌う歌じゃないわね……)」


美琴「(……それにしてもコイツ、圧倒的ね……どちらにせよ、私が叶う相手じゃ無かったってことかしら)」ｸｽｯ


一方通行「？おい、どォした？腑抜けてンと危ねェぞ」


美琴「あ、ごめんっ。ちょっと考え事よ」


ｵｰｲ。ｱｸｾﾗﾚｰﾀァ。

一方通行「あァ？」


垣根「可愛い女の子かと思った？ていとくんでした！！」ﾄﾞﾔｧ


一方通行「……うぜェ」


美琴「誰？この人」


一方通行「ていとくン。副社長」


垣根「俺の企業経営に常識は通用しねえ。垣根帝督、第二位だ」ｷﾘｯ


美琴「……レベル５ってこんなのばかりなの……？」ﾊｧ


垣根「ブーメランって言葉知ってるか？」


一方通行「研究施設もあと二つ、ここは手分けするかァ。おい、行くぞ美琴」


美琴「あ、うん………って！呼び捨て！？」


一方通行「あ？悪いかよ」


美琴「わ、悪くはないけど……」ｶｧｧ


垣根「………」ｲﾗｯ


垣根「ちっくしょおおおおおおおおおおお！！！！！俺はこっち行くぅううううう！！！おい固羅！ついてくんなよ！！！！」


ﾊﾞﾋｭｩｯｩｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳﾝ………


一方通行「……なンだあいつ。わっけ分かンねェ」


美琴「………いこっか」

>>112

視点変更

次は垣根サイド？一方通行サイド？その他(名前指定、女性限定、科学サイド限定)サイド？

誰でもいいんだろうか？
いけるならむぎのんで

垣根

分かりにくかったね。すまんね。


～垣根サイド～




垣根「くそー。一方通行のヤツ……いちゃいちゃしやがって……」


垣根「こうなったら俺も俺のファム・ファタルを見つけてやる！」


ﾊﾞｷｯ　　ｸﾞｼｬｧ


垣根「ん？物音がすんな。行ってみるか……」

続きはよ

「おいおいおい？だからお前は今なんつったって聞いてるの。答えられないのかにゃーん？」


「ご、っごっほ！ご、ごめんなさいっ！！ゆるしてぇ……」



垣根が除いた施設には、大型のコンソールが存在した。


そこにいたのは、十代後半、見方によっては二十代前半にも見える女性だった。


「私が聞きてえのはそんな言葉じゃねえんだよ。聞こえてんの？『今なんつった？』って聞いてんだよ」


「ひっ。」



その女性は酷く激昂していた。


気に障る言葉でも言われたのか、無抵抗の女研究員を一方的に嬲っていた。


「も、もしそれを言えば、許してくれますか？」


「………そうね。何を言ったかによるけど、どちらにせよ楽にはなるわね」



長い髪の毛先を弄びながら、冷ややかな目線で女は言い放つ。


地べたに這いつくばる研究員は、安堵の色を滲ませる。それは、垣根の位置からでも確認できた。


垣根「(……なんだあれ？………やべ、ちょっとムラムラしてきた)」


前かがみになる垣根。


余裕がないのか、垣根のことは意識の外にあるようだ。

「じゃあ言ってごらん？一字一句間違えずにね？」


「は、はい！」


ひびの入ったメガネを元に戻しつつ、血の泡を口元に蓄えながら研究員は大きく息をつく。


そして、こう言った。


「『ちょっと、ここは関係者以外立ち入り禁止よ、おばさん』」


時が凍った。


「…………」


「………」



弁護の為言わせてもらおう。


その時、女性は後ろ姿でしか確認できず、顔は見ていなかった。


その上、研究員のメガネは度があっていない。視覚的に正確な判断など不可能なのである。


しかし、そんなことは彼女には関係がない。



「………ブチコロシ、か・く・て・いね」


女の周りの空間に、白く輝く、眩い光の球体が出現する。


「き、きひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！？や、約束が―――」


「そうね、確かに私はいったわね」


女の顔が酷薄に歪む。


「―――ラクに、してあげるってね♪」


研究員の言葉は、室内の影と言う影を焼失させるほどの、眩い光によって打ち消された。

――――――

―――

―


「…………なっ！？」


垣根「………」


全てが白に覆われる前に、垣根は動き出していた。


地を這う研究員と、能力者の女性を分かつのは、純白の白い翼。


完全に表情を消し去った垣根は、自らの視界をも塞いでいた翼を翻し、こう叫んだ。



垣根「やめんかぁっ！！！！！！！！」


？？？「っ！？………アンタ、いきなり何しくさってんだよ。邪魔するつもりか？あぁ？答えろよ！！」


垣根「…………」


垣根「………やめんかぁっ！！！！！！！！」


？？？「っ！！？？えっ？だから何を―――」


垣根「やめんかぁっ！！！！！」


？？？「何もしてねえだろうがよおお！！！！[ﾋﾟｰｰｰ]ノータリン！！！！」ﾋﾟｼｭｲﾝ


垣根「ぅ奥義ぃ！！！防御マタぁぁぁっぁあああああああ！！！！！」ｽﾞｶﾞｧ


？？？「な、ふ、防ぎやがった！？………てめえ……何もんだ？」


垣根「俺か、俺の名はアンディ。またの名をジュピター。まぁ、垣根って呼んでくれ」


？？？「け、結局なんて呼べばいいんだよ！？」


垣根「…………」


垣根「………」ｳｰﾝ


垣根「行くぞ。こっから先はR指定だ！」ｷﾘｯ


？？？「今更決めても遅いんだよ！！！おせええええんだよォ！！！！」



沸点をはるかに突破した様子の女(仮)と、垣根の戦いが始まった。

――――――

―――

―


？？？「……ぅう。あ、アンタマジで何もんよ？」


垣根「だから言ってるだろ。垣根帝督。レベル５第二位、『未元物質』の垣根帝督だ」


？？？「いや、アンタそんなの一言もいってねぇからね……」


垣根「そ、そうか……？」


垣根「(……いかん。さっきは緊張やら興奮やらで何口走ってんだか分からなかったわ……変なこと言ってないといいが……)」


垣根「お前、名前なんて言うの？」


？？「あぁ？なんでテメエなんかに教えなくちゃなんねえんだよ。この童貞野郎」


垣根「なっ！？テメエ！！何で俺が童貞だとわかった！！……ま、まさかそれがテメエの能力っ！？」


？？？「さっきのヤツ見てなかったのかよ……麦野沈利。」


垣根「へぁ？」


麦野「私の名前だよ。……ったく、これじゃチームの奴らにでかい顔できないじゃないの……」ﾊｧ


垣根「………チーム？」


麦野「ん？こっちの話。……で？アンタはここに何しに来たの？まさか私に会うために来たわけじゃねえんだろ？」


垣根「テメエに会いにきたんだよ」ｷﾘｯ


麦野「ｷﾓｯ」


垣根「むぐぅ………まぁそれは後だ。研究施設の破壊が目的だよ。さしずめお前はその警備、侵入者の排除が任務ってとこか？」


麦野「へぇ……思ったより勘が良いのね……で？どうすんの？私、さっきから動けねえんだけど？」


垣根「筋肉に命令を与える一部の電気信号を遮断する未元物質を作ったんだよ。今、お前の命は俺の掌の中ってわけだ」

麦野「……ふぅん。……で？どうする訳？結局」


垣根「こうする」



そう言って、垣根は気障ったらしい仕草で指を鳴らして見せた。


麦野を拘束していた未元物質が消失する。彼女を縛るものはもう何もない。


麦野「………どういうつもり？童貞の妄想みてえに好き勝手やられるのかと思ったのにさ」


垣根「無視すんなよ。どうせテメエも経験ねえんだろ？必死で押し殺しても、恐怖ってもんは消えねえもんだ」


麦野「っ！！な、何言って――」


垣根「知ってるぜ。学園都市暗部組織『アイテム』のリーダー。『原子崩し』の麦野沈利」


垣根「お前、いや、お前達の立場もな。」


麦野「………」


垣根「きっともう一つの研究所の奴らも同じ目にあってる。向こうにいる奴は俺より強いからな」


麦野「(『俺より』……ってことは第一位か……こいつら一体……)」


垣根「そんなお前たちに朗報だ」


麦野「！？」


垣根はゆっくりと歩を進め、未だ地を這うような格好の麦野の前に立った。


そして、優しく、赤子に手を差し出すような様子で手を差し伸べる。


垣根「テメエらの命は、『The　Farm』グループが買い取った。少なくとも学園都市のものではなくなったんだよ」


目の前の男は何を言っているのか。


情けで声をかけているのだろうか。その手には、一体何の意味があるというのだろう。


麦野「………っ！！」


言い返そうとする。声が生まれない。出てこない。


のどの調子がおかしい。そうだ能力だ。演算が出来ない。

麦野「(……くっそ！！何だ……何だよこれ！！？？)」


こいつは精神感応系の能力でも扱えるのか？


それともさっき見せれられた能力に恐怖しているのか？


麦野沈利は困惑していた。いや、それは正しくない。


なぜなら、その感情の正体を彼女は知っていたからだ。


垣根「……は、ははっ」


麦野「……んだよ？何がおかしいの？」


垣根「いーや……おかしかねえさ。お前、もう気づいてんだろ？いい加減ラクになっちまえよ。悪いようにはしねえ」


そうだ彼女は知っている。


目の前の男の言っていることが本当だと。


何の根拠もなく、情報の真偽も関係なく、信ずるに足るかも関係なく。


そう、この男なら信じられる。そう思ってしまったのだ。


馬鹿馬鹿しいと思うだろう。お笑いだ。レベル５の超能力者が、出会って間もない男を信じるなんて。


傍から聞いたら何だろう？メンヘラ？ビッチ？良く分からない。


しかしそれでも彼女は信じた。そう。この感情をこう呼ぶのだ。



垣根「『信頼』っていうんだよ。それは」


麦野「……ふふっ。……ほんと、キモいわ。テメエ。……吐き気がするくらいにね」




無意識に動いた手が、自分のより一回り大きい手を握る。


握り返すその手は、汗で湿っていた。

一方通行「……おーいていとくーン」


美琴「ほらっ。さっさと歩く！！」


絹旗「い、痛っ！ち、超痛いです！！捕虜尋問は国際法違反です！！」


フレンダ「結局、レベル５が二人とか聞いてないって訳よ……とほほ……麦野に殺される」ｼｮﾎﾞﾝ


滝壺「大丈夫。そんなフレンダの肉片を、私は回収してあげる……」


フレンダ「た、助けてよぉ！！」


美琴「五月蠅いわね！！ほらっ歩きなさい！！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｯ


フレンダ「ふ、ふぎゃぁあ！！！」


一方通行「……オマエ、さっきから楽しンでんだろ……あ、ていとくンいた。おーい」


垣根「おぉ一方通行。ほれ、新入社員」


麦野「………」


フレンダ「む、麦野ぉ！こいつら強すぎてっ―――ってアレ？麦野？ん？」


垣根「喜べ麦野！お前は『The　Farm』グループの幹部のイスが与えられた！」ﾄﾞﾔｯ


麦野「わー。嬉しくねえ―」


絹旗「え、えぇ！？ちょ、ちょっと麦野！さっきからこの白髪と品のない茶髪貧乳女が言ってること、ホントなんですか！？」


麦野「えぇ、本当よ。『アイテム』飽きたし、会社でもやろっか？」ﾆｺｯ


絹旗「『やろっか？』って！そんな超簡単にいくんですか！？」ｴｪｯ


一方通行「俺たち、『The　Farm』に！」ｸﾈｯ


美琴「じょ、常識はっ///」ｶｧｧ


一方通行・美琴「「通用しねェ！！」」//

フレンダ「………うわぁ」ﾄﾞﾝﾋﾞｷ


滝壺「格好良い……」ﾎﾜｰ


一方通行「おい美琴。オマエ恥ずかしがりやがって！上手く決まらなかっただろォが！」


美琴「し、仕方ないじゃない！普通誰でも恥ずかしいわよ！！」


垣根「つーわけでお前らも社員。麦野は幹部だから俺たちと一緒に行動な」


麦野「……えぇー……？」


垣根「冗談でもやめろ！傷つくだろーが！」


一方通行「おい、サバ金髪」


フレンダ「サバ金髪！？」


一方通行「オマエ、『ベクトル水産』社長。」


フレンダ「しゃ、社長！？」ｶﾞﾋﾞｰﾝ


滝壺「あくせられーた。フレンダには無理」


絹旗「……滝壺さん……超さり気に毒吐きますね……」


フレンダ「むむむ無理だって！！け、結局――」


一方通行「(上手くいけば好きなだけサバ缶製造させてやる。パラダイスだぜェ？)」ﾋｿﾋｿ


フレンダ「！！！！！」


フレンダ「やります」


絹旗「超洗脳！？」


麦野「素人にそんなの出来んの？つーか何する会社よ？」


垣根「とある会社を買収して、合併したんだよ。水産品の加工・生産・販売から、養殖用の餌までやってる」


麦野「……どこにそんな金があったのよ」

一方通行「えェ～？そこ聞いちゃうゥ～？」ｹｹｹｹ


垣根「気になっちゃう～？」ﾆﾋﾋﾋﾋ


麦野「あああーっ！！！いらねえよ！！！うっとおしい！！！」


一方通行「それにだサバ金髪。協力者もいるしなァ。心配は無用だぜ？」


滝壺「……どんな人？」ｷｮﾄﾝ


垣根「>>125って奴。それと>>127って奴だ。」



安価。


科学、魔術サイド問わず。

アレイスター

垣根と麦野の組み合わせいいな

エイワス

アレイスター

>>125は>>126になるの？

>>125は安価下を採用しますね？これからもそうします。>>125レスありがとうね。


垣根「エイワスって奴。それとアレイスターだ」


麦野「統括理事長が協力者とかヌルゲーじゃねえか！！」


一方通行「おふくろのブリの味が忘れられねェンだって」


美琴「ねえねえ。エイワスって人はどんな人なの？」


一方通行「なんかいつもちょっとだけ浮いてる人ォ」ﾊｲ


フレンダ「それはコミュニケーション的な意味で？」


一方通行「物理的な意味でェ」


美琴「怖っ！！何よそれ！！ドラえ○んかっ！！」


絹旗「超不可解です……」


麦野「で？これからどーすんの？私は垣根についてきゃあいいんだろ？」


垣根「おう。一生ついてこい」ｷﾘｯ


麦野「毟るぞ」


垣根「すみません」


美琴「もう決めてあるの？一方通行」


一方通行「……そォだな」



アンケート！！


三つ先着で決定します！この後の展開を定める！


１、初代の農場が気になるなァ……

２、こいつらの仕事場覗いていくか。

３、新規事業開拓だな。次は………どォしよ。

1

1

1かな

１

一方通行「初代の農場が気になるなァ……」


垣根「そうだな。一度も見にいってねえしな」


美琴「北海道かぁ。行ったことないわねー」


一方通行「でもなァ……」ﾁﾗｯ


美琴「……ん？何よ？」


一方通行「何でもないでェす」

黒夜

――――――

―――

―




学園都市からはるか北の大地。


青く、碧い大地。


ここ、『The Farm』グループの経営する農場の第一号、『そげぶ農場』には、多くの家畜がいる。


肉牛に乳牛、豚から鶏まで何でもござれである。


特に鶏はブランドどりとして名を馳せることとなった。


いまや、『垣根コーチン』は高級料理店御用達の高級食材となったのであった。



ステイル「……ふぅ。乳牛の乳の出が悪いね……これは飼料を変える必要があるな」


魔術師・ステイル＝マグナスももはや一農夫だ。


彼の業務態度は恐ろしく精緻で、いまや家畜の状態に一番精通しているのは彼であった。


「すているー！！この牛たちはいつになったら食べられるの！？」


農場には似つかわしくない声が響く。


声の主は、碧い瞳に、美しいプラチナブロンドの頭髪を靡かせる少女だった。


ステイル「インデックス。この牛たちは食用じゃないんだよ。君がいずれ食べることになるのはあっちの方だよ」


インデックス「むむっ！あっちの牛は食べてもいいの！？楽しみなんだよ！」


ステイル「こ、こら……！今すぐ食べられる訳じゃあないからね！」


インデックス「ちぇー。了解なんだよ」


ステイル「まったく……あ、そういえば今日は社長が来るんだったよ。もう到着するだろうから出迎えないと。君も行くかい？」


インデックス「モチのロン、なんだよ！！！！」

牧場の入り口、舗装された道路に出迎えるのは全部で四人だった。


『妹達』が従業員として入社し、人手が一層増加したので、経営に携わる四人は現場に居なくとも何とかなるのであった。


上条「社長達、久しぶりだなー」


姫神「うん。彼らには感謝しないと」


上条は良く日に焼けている一方、姫神の肌は全く焼けていなかった。


彼らは現在の生活に非常に満足していた。


良い給料。充実した生活。美しい風景。


何より食費に困らないのは天国だ。関わる人間が限定されるのは少し寂しいが、日常に潜む不幸が発動することがめっきり無くなったのは何より有り難かった。

ステイル「んっ？来たみたいだ。あの黒塗りの車がそうだろう」


黒塗りのリンカーン・タウンカーのストレッチリムジンが見えてくる。


農場周辺の何もない風景に、驚くほどマッチしていない。


序所の速度を落とし、ゆったりとした速度で車が停車する。


そして、運転席の扉が開いた。

>>140

運転手は誰？

今日はここまでにします。支援してくれた方感謝。
感想とかガシガシ書き込んでくれると>>1のパゥアになるぜ。

お疲れ様でした。

安価は・・・・・・・・・・・・・・>>1さんのカゲムシャということで。

滝壺

絹旗

乙
一方さんは上条さんと美琴の関係知ってそうだな

えっ

まだ会ってないんじゃ

姫神を知ってるなら記憶喪失後だから知ってるだろ

時期的には2巻と3巻の間っぽいしな
まあ>>1が会ってないっていうならそれまでだけど

運転手は浜面がよかった…

きますた。
時系列はめちゃくちゃですまんね。
実験前ならインさんいないよね。姫神もいないよね。そこはご都合主義ってことで。
上条と美琴の面識は安価で決めるわ。投下。

絹旗「超どうぞ」


一方通行「ご苦労」




運転できる年齢とは思えない、小中学生くらいの少女が降車を促す。


車から出てきたのは、白髪の少年だった。


彼の手を取り、茶髪の少女が車から降り立つ。


美琴「わぁ……何もない」


少女は広い農場を見たことが無いのか、圧倒された面持ちだった。


垣根「ほれ麦野、お手をどうぞ」ｷﾘｯ


麦野「いらねーよバ垣根」


垣根「そのリアクション。想定内だ！」ﾄﾞﾔｧ


麦野「お前は私に何を求めてんだ！？」


続いて副社長、そして、長髪を品よく垂らした美女が降り立った。


女性二人はオフィスカジュアルという格好だ。新入社員だろうか？


上条「お疲れ様です！」


美琴「…………」



>>150

安価。
美琴は上条さんと面識ある？

どちらにせよ上条さんにフラグは立たないから安心してね。

ない

一応ある

美琴「……アンタ、何やってんのよ」


上条「うぅお！ビリビリ！？気付かなかった！」


美琴「日サロでも行ったの……？J　SOUL　Brothersみたいになってるわよ……？」


上条「いやぁ～……畜産にはまっちまってな。それにしてもビリビリ、その格好――」


一方通行「緋王絶炎衝！！！！」


上条「ぶっはあああぁぁ！！！！」ﾊﾞｷｨ


美琴「うぇっ！？」


一方通行「あーたいへン。まぁ困っちゃう。上条の後頭部に巨大なオオスズメバチがいたンだ。美琴、オマエも気を付けろよ？」


美琴「う、うん。わかったわ。ありがとね」


上条「………」ﾁｰﾝ


姫神「と、当麻くん！」ｱﾀﾌﾀ


垣根「おういステイル。久しぶりだな」


ステイル「ええ、お久しぶりです。垣根の兄貴！」


麦野「………兄貴？」


ステイル「彼は僕の恩人です。こんな素晴らしい世界に僕を引き込んでくれた！！ああ素晴らしきかな！畜産こそ世界を救う！！」ｳｫｫｵｵｵｵｵｵ！！！！


垣根「はっ！よせやい大袈裟だ」


一方通行「で？上条。なンか変わったことはねェのか？」


上条「あ、はい。なんか乳牛の乳の出が悪いらしくて……ステイル」


ステイル「ああ。稚牛の成長が――」ｳﾝﾀﾗｶﾝﾀﾗ


一方通行「ふむ……なるほど――くるぶしが――いい――牟田口廉也――」ﾅﾝﾀﾗｶﾝﾀﾗ


美琴「………何か難しい話してるわね？」ﾎﾞｰｯ


姫神「……あなたも、社長に勧誘されたの？」

美琴「半ば無理やりだったけどね？」ｸｽｯ


姫神「……私は社長に感謝してる。」


姫神「こんなに楽しいとは思えなかった。」


姫神「……それに、名前で呼ぶこともできた」ﾎﾞｿｯ


美琴「……ふーん。アイツも、なんだかんだ感謝されてるようなことはしてるのかぁ」


広い農場には、多くの家畜の他に、美琴と同じ顔をした『妹達』が従事していた。


あるものは飼料を運び、あるものは乳を搾る。


研究施設で顔を合わせた時よりも、いくらか人間らしく見えた。


あそこで商談をしている男は気付いているのだろうか。


それでも彼は言うだろう。「やりたいことをやってるだけだ」と、「半ば無理やり巻き込んでいるだけだ」と。


それでも、御礼の一つくらいは受け取ってくれても良いはずだ。


美琴「……ねえ、一方通行」


一方通行「あァ？どォした」


美琴「え、あー、その……」


一方通行「なンだよ？」


美琴「あ、ありがとね？いろいろ」


精一杯の気持ちを込めて言葉にする。


上手く言えただろうか？


美琴は自分でも分かっていた。好意的な感情を表に出すとき、自分はなぜか気後れしてしまうことが多かった。


一方通行「……？」


やっぱりだ。


目の前の男はやはりわかっていない。


それでも、美琴は伝えたかった。

分かってくれなくても良い。彼の自分勝手が、様々な人を救うことに繋がったのだと。


自分も含めた、『妹達』一人一人にとって、彼はもう十分「BIG」なのだと。


みんな感謝しているのだと。



美琴「……なぁーんてね。ほら、引き留めて悪かったわね」


一方通行「……訳わかンねェ奴だなァ」


そう言って、背を向ける白髪の男。


やはり伝わらなかったのだろうか。



ステイル「――ああ、終わったか。じゃあ続きを話しますが――ん？社長？」


一方通行「あァ？今度は何だよ」










ステイル「顔が赤いですよ？何か恥ずかしいことでも言われたんですか」

――――――

―――

―




一方通行「さァて、やっぱ俺たちだけじゃ『メルヘン飼料』の手が足りねェな。また誰か確保するか」


垣根「そうだな。研究開発分野で俺たちがずっと出張るわけにもいかねえしな」


麦野「また拉致誘拐？いいねー。楽しそうだにゃーん♪」


美琴「人聞きが悪いわね……」ﾊｧ


一方通行「また派手に勧誘すっかァ」


垣根「そうだな。最近の俺たちにはRock`n Rollが足りねえ」


麦野「Rock`n Roll？」


一方通行「むぎのンノリノリだにゃーン」


垣根「むぎのんだにゃーん」


麦野「……テメエら×××毟るぞ？」


美琴「ふぇっ！？な、何言ってんのよ麦野さん！」


一方通行「そンなカマトトぶってる美琴。オマエに決定権をやる！！！」ﾋﾞｼｨｯ


美琴「か、カマトトぶってないわい！！」


麦野「はいはい、そーゆーのいいからね。で、結局どーなの？」


美琴「ぐぬぬ…………そうね」



アンケート


ちょっと空けるんで、それまでに多かった奴にします。


1、麦野さん達みたいな境遇の人達を、もっと救えないかしら？

2、私の友達がいるんだけど……その子達も誘いたいなぁ……なんて

3、一方通行！男は黙ってRock`n Roll！！でしょ！？

4、それより「ベクトル水産」の様子が気になるんだけど……

4

3

４

1

4

4

2

4

フレ/ンダ

美琴「それより『ベクトル水産』の様子が気になるんだけど……」


一方通行「あァ、サバ金髪か。仕方ねェな、顔出しにいくか」ﾊｧ


垣根「なんだかんだ言って御坂には甘いよな、こいつ」


麦野「同感ね」


一方通行「君たちィ？聞こえなかったンだけど、今何か言ったか？」


垣根「いいや何も」


麦野「垣根の香水がキツいって話をしてたのよ」


垣根「ええっ！？キツい！？うそぉっ！？むしろいい匂いだろうが！！」


一方通行「……まァ、いいか」ｽｯ


美琴「ん？何よそのスイッチ？」


一方通行「ぎゃはッ。こうすンだよ」ﾎﾟﾁ



一方通行は、懐から俗に言う便利スイッチを取り出すと、何のためらいもなくそれを押した。


すると、徐々に何かの回転音が近づいて来た。



一方通行「おい、超窒素チビ。オマエはゆっくり来やがれ」


絹旗「うぇっ！？ちょ、ちょっと待ってください！！私の出番超これだけですか！？」


麦野「落ち着きなさいよ。また車で移動の時出てくるわよ。………きっと」


絹旗「超投げ槍っ！？」



回転音は次第に大きくなり、一方通行達の目の前に、一機のヘリコプターが降り立った。


>>167

運転手は誰？

魔術、科学、男女問わず。

ヅラ

世紀末戦士☆HAMADURA

浜面仕上「待たせたな」

浜面「待たせたな」ﾄﾞﾔｧ


一方通行「遅ェよゴミ面」


浜面「ひでえ！？つーか遅くなかったろ！？」



パイロットは、上条以上の三下ヅラ。


その他大勢。ドラゴンボールに例えるなら変貌前のスポポビッチレベルのどうでもよさだ。


決め顔で親指を立ててみせるが、本当に驚くほど決まっていなかった。浜面の人気に嫉妬。



垣根「『ベクトル水産』の北海道支店に直行だ、アホ面。」


麦野「安全運転ね。揺れたら処刑だから。分かった？クソ面」


浜面「お前ら絶対俺のこと嫌いだろ！？……あんまりだ……酷すぎる」ｼｸｼｸ



これはこれで美味しいポジションだと言うのに気付いていないのだろうか？


しかし、雇われて始めてから驚愕のスピードでヘリの免許を取ってしまうこの男、なかなかに出来る男なのかもしれない。


美琴「ほら、泣いてないで早く出してよ浜面さん。みんなの毒舌は親近感の現れよ？きっと」


浜面「うぅ……御坂ちゃん……君は天使やでぇ～……」ｼｸｼｸ


一方通行「おい。色目使ってンな。魚の餌にすンぞ」ｷﾞﾛｯ


麦野「最終的にはフレンダの胃の中ってか。ド変態の浜面にはお似合いね」


垣根「業が深いな」


浜面「おぅい！！そんな特殊性癖ねぇから！！捏造すんな！！」


美琴「うわぁ」ﾄﾞﾝﾋﾞｷ


浜面「御坂ちゃん信じてるしぃーーーーーーーっ！！！！！」



こうして四人を乗せたヘリは飛び立って行く。


約一名の三下の叫びは、プロペラの音にかき消され、空に響くことすら無かったのだった。

今日はここまでです。
うーむ。今日は書いててなんかキレが悪かったなぁー。不完全燃焼なんだろ。
次回はもっとギャグっぽくしたいね。支援してくれた方々ありがとう。
ではまた！暇なときまた来ます。

乙乙

不完全燃焼と聞いて妹分・巨乳・ヤンデレとフラグが立つ一方さんを幻視した

安価だしこんなに面白くなるとは思ってなかった
末永く続けて欲しい

乙

暇なんで今日も来ました。
愛にあふれたレスありがとう。

株式会社ベクトル水産。


本社は学園都市に存在するが、今日はグループ総帥の視察。幹部陣営は北海道支店に揃っていた。


代表取締役社長であるフレンダ＝セイヴェルンは緊張していた。


その場のノリで社長を引き受けたものの、やってることと言えば商品開発部への口出しばかり。


トップのレベル５陣にどんなお達しが下されるかを考えると戦々恐々、イスに堂々と踏ん反り返っている余裕など存在しなかったのである。


フレンダ「どどどどうしよう！来る！来るって訳よ！！ボス達が！！………特に麦野が！！」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ


滝壺「大丈夫。そんなフレンダの後釜には私がいるから」


フレンダ「えぇっ！？死ぬの！？私死んじゃうのぉ！？」


滝壺「…………」ﾎﾟﾝ


フレンダ「だ、黙って肩に手を置かないでよぉぉおおお！！うえええええん！！！」




大きなミスをしたわけでもないのに、この少女はどうしてこうも怯えているのだろうか？


そんなことを考えつつ、滝壺は窓の外を見やる。


ここ北海道支店は加工用の魚類の養殖も行っている。


海に面した生簀のそばに、金色の髪を潮風に流した人物が見える。


ひときわ目立つ人物だ。どこか浮世離れしているその姿は、後ろ姿だけではとらえにくい体つきをしていた。


その姿は、老人にも、子どもにも、若者にも。女性にも、男性にも映った。


アレイスター「………肉付きが良くなってきた」ｼﾞｭﾙﾘ


生簀の前で舌なめずりを繰り返すこの男こそ、学園都市統括理事長・アレイスター＝クロウリーその人である。


一方通行と垣根帝督の血潮が滾る説得により、「プラン」を方向転換することに決めたのであった。


アレイスター「あぁ。未だ海の中にいるというのに鼻腔を付くこの香しさ……『生』を体現しているかのようなこの姿……」


アレイスター「私の人生はこの瞬間の為にあった、そう思うことすら出来る。素晴らしいとは思わないかね？なあ>>176」


誰？(魔術・科学サイド、男女問わず)

ksk

親船最中

VIPばっかじゃねーかベクトル水産ｗｗｗｗｗｗｗｗ

アレイスター「なあ？親船最中」


親船「………ええ、そうですね」


親船「(……以前のように常に陰謀じみた彼はどこへ行ったのか)」


親船「(『プラン』の全面的破棄。次いで新しい『プラン』の始動と聞いたときは何が起こるのだろうと気を揉みましたが……)」


アレイスター「どうしたおかあっ……////ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ！！！！……どうしたのだ親船最中？健康状態の確認に来たのだろう？」


親船「そ、そうですね……」


親船「(……頭でも強く打ったのかしらね)」


？？？「アレイスター。ブリの様子はどうかね？」ﾕﾗｧ


アレイスター「おおエイワス、貴方か。好調だよ、良い具合に脂が乗ってきている」


エイワス「何？kjdfuiujik………！！！！……こほんっ///興奮してチョミメン語が出てきてしまったよ。ふふふ。養殖漁業とは美しいものだな」ｷﾗｷﾗｷﾗ


親船「………(この人はなんか光ってますね……というかツッコミ不在のこの状況が辛い……私には荷が重すぎる)」ｹﾞﾝﾅﾘ



ﾊﾞﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗ


そんな彼らの耳を打つのはプロペラの回転音。


救世主の到着を歓喜するかのような親船。出迎えの為にフレンダと滝壺も表に出てきたようだ。


到着したレベル５の面子が降り立つのを、社員たちは胸を張って出迎える。

浜面「到着っと………ふぅ、俺もパイロットが板についてきたな」


一方通行「出迎えご苦労だったなァ、諸君」ﾌｩ


フレンダ「お、お安い御用って訳よ……」ﾊﾗﾊﾗ


麦野「あ？なんかアンタ落ち着きなくねえか？」


フレンダ「ききき気のせいって訳よ！！そ、そんなことより現場を見に来たんでしょ？ほらほらどーぞ」ｱﾀﾌﾀ


美琴「………怪しすぎる」


垣根「ていうかここも『妹達』だらけだな……他の業者とかに変な目で見られねえか？」


親船「それはもう見られますよ。ですが、とやかく言われる筋合いはありません。あの子達は私の娘も同然ですから」


アレイスター「お母さん」ｷｭﾝ


滝壺「おかあさん……」ﾎﾟﾜｧ


フレンダ「おかあさんだ……」ﾎｪｰ


一方通行「はッ。そォかよ……で？なンか変わったことはあったのか？」


エイワス「クロマグロの養殖を始めようと思うのだが、特殊な技術が必要なのだ。飼料も含めてな」ﾋﾟｶﾋﾟｶ


美琴「う～ん……それなら新しく研究所が必要ね。やっぱり新しくリクルートが必要なんじゃない？研究専門の人は少なかったでしょ？」


麦野「そうね。それは他のグループ会社にも言えるんじゃない？」


一方通行「そォだな。至急取り計らうわ」


垣根「あ、そうだ。新商品開発はどうなってんだ？看板商品を世に出すんだろ？」


フレンダ「それなら完璧って訳よ！！！ほらっ！名付けて『鯖メルヘン』！！鯖マイスターの私が日に日に改良を重ねて作り上げた至高の一品！これはもうBA・KA・U・RE間違い無しって訳よ！！」ﾄﾞﾔｯ


美琴「へーえ、大したもんねー」


麦野「それ、本当に上手いの？」


親船「味は保証しますよ。社員もみんな絶賛していました」


垣根「……うん。悪くねえな」ﾓｷｭﾓｷｭ


美琴「あっ美味しい」


フレンダ「へっへ～♪自信作だからねー！」

麦野「………ところでフレンダ」


フレンダ「ぎ、ぎくっ」


麦野「社長のアンタがどうしてそんなことしてるのかにゃーん？」


フレンダ「そそそそれはですね……えーと……」ｱｾｱｾｱｾ


滝壺「実質的に社長のやることは私がやってる。フレンダは実質的に商品開発しかやってない」


フレンダ「た、滝壺ぉ！！しーっ！」


麦野「……ふぅん。……どうすんの、社長さんは？」


一方通行「……おいサバ金髪」


フレンダ「ひゃ、ひゃい！！！」ﾋﾞｸｯ


一方通行「オマエ、社長クビね」


フレンダ「そ、そんなぁあーーーー！！！！」


一方通行「……話は最後まで聞け」


フレンダ「………ぐすっ……え？」


一方通行「研究者をいくらか下に置いてやる。オマエは商品開発部長だ。それでイイな？」


フレンダ「………や、やったぁーーーーーーーーっ！！助かったぁ～！良かったよぉ！滝壺ぉ！！」ｳｪｰﾝ


滝壺「……よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


垣根「(元はと言えばこいつが言いふらしたのにな……この女、出来る)」


麦野「おいフレンダ」


フレンダ「ふゃ、ふゃい！！」ﾋﾞｸｩ


麦野「………ちょっとお願いがあるんだけど―――」

――――――――――――

――――――――――

――――――

―――

―


美琴「ねえねえ麦野さん」ﾁｮｲﾁｮｲ


麦野「ん？なによ美琴」


美琴「結局、お願いって何だったのよ？」



夜の空を駆けるプライヴェートジェットの中、麦野沈利は微笑を浮かべる。


窓の外は燦燦と輝くビルの明かり、彼女たちの学園都市はもうすぐだ。



麦野「……ふふっ。内緒っ」




―――

―――――

―――――――



親船「………フレンダさん？こんな遅くまで何をやってるのですか？」


フレンダ「………麦野からのお願いで………」


フレンダの手元の企画書、その文面の頭にはこう記されていた。




『鮭ダウナー』(仮称)

一方通行「おっ次はどォしっましょォかねェーーーっ♪」


垣根「研究者がぁー♪足りないのよぉ～♪」


美琴「む、無駄に良い声！？なんでアンタ達そんなにノリノリなのよ！」


麦野「最近ずっと真面目なノリだったからね……こいつら」ﾊｧ


一方通行「よォし！！決めた！！！」



アンケート！！

少しやらねばならんことがあるから、それまでに一番票が集まった選択肢で。



１、研究者は暗部から調達だァ！文句は言わせねェ！！

２、美琴ォ！オマエ寂しいよなァ！？寂しいだろう？喜べ！お友達をリクルートだァ！

３、休暇だ休暇！最近働きづくめだったからなァ！

1

１

1

1

1

1

一方通行「研究者は暗部から調達だァ！文句は言わせねェ！！」ｸﾜｯ


垣根「ほう……俺も丁度そう言おうと思ってたところだぜ一方通行」


一方通行「さすがだなていとくン」ﾊｯ


垣根「よせやい照れるぜ」ﾊﾊｯ


麦野「……なにこいつらキモい」


美琴「気持ち悪いほど仲が良いわね……」


一方通行「アレイスターから送られてきたデータによると、現在活動中なのは『スクール』に『メンバー』に『ブロック』。そして『グループ』だな……ていとくン。『スクール』はオマエの部下だろ？」


垣根「おうよ。任せろ」


一方通行「俺と美琴は『グループ』を。むぎのン、オマエは垣根と一緒に行け」


麦野「むぎのんゆーな！……ちっ、しょうがないわね……」


垣根「そんなこと言って嬉しいんだろ？そうなんだろ？」ﾆﾔﾆﾔ


麦野「うるせえええ！！！」ﾋﾟｼｭﾝﾋﾟｼｭﾝ


垣根「どわぁぁ！！おい！！ここ飛行機の中！！」


美琴「あ、危なかった……」


一方通行「着陸したら行動開始だ。まァ、上手くやれよ」


安価

>>192

視点変更。

一方通行サイド。または垣根サイド。

ｋｓｋ

かっきー

垣根

学園都市にはやまほど見かける、一見静謐なオフィスビル。


そのワンフロア、学園都市の夜景が俯瞰できるフロアに、学園都市暗部組織『スクール』のアジトは存在する。


泥をすすり、血を浴び、硝煙を嗅ぎ、彼らは生き続けてきた。


生きるということは、[ﾋﾟｰｰｰ]ということだった。


自らの不幸を自慢するという訳ではない。それくらい不幸な人間などこの町にはいくらでもいるだろう。


彼らはそれを嘆くまでもなく、嗤うまでもなく黙って受け入れていた。


自分たちと言う人間がそういう人種だと認めることができたし、生きるために[ﾋﾟｰｰｰ]ということに何の罪悪感も持っていなかったのだ。


『法』が自分たちの存在を許すなら、自分たちの行為は許されてしまうのだろう。


そんな簡単な思考体系を軸に、日々を生きていた。彼らは、彼らの生き方を馬鹿にされるいわれも、憐れまれるいわれもなかったのだ。







……しかし、それも随分前の話になってしまった。


ゴーグル「……暇っすねー」


心理定規「……そうね」



『スクール』のリーダー、垣根帝督が顔を出さなくなって以降、彼らは一度も仕事がなかった。


上層部から連絡はあるのだが、寝ても覚めても「待機」「待機」。


なに？なんなの？俺たち何しに来てるの？状態だった。

学園都市にはやまほど見かける、一見静謐なオフィスビル。


そのワンフロア、学園都市の夜景が俯瞰できるフロアに、学園都市暗部組織『スクール』のアジトは存在する。


泥をすすり、血を浴び、硝煙を嗅ぎ、彼らは生き続けてきた。


生きるということは、殺すということだった。


自らの不幸を自慢するという訳ではない。それくらい不幸な人間などこの町にはいくらでもいるだろう。


彼らはそれを嘆くまでもなく、嗤うまでもなく黙って受け入れていた。


自分たちと言う人間がそういう人種だと認めることができたし、生きるために殺すということに何の罪悪感も持っていなかったのだ。


『法』が自分たちの存在を許すなら、自分たちの行為は許されてしまうのだろう。


そんな簡単な思考体系を軸に、日々を生きていた。彼らは、彼らの生き方を馬鹿にされるいわれも、憐れまれるいわれもなかったのだ。







……しかし、それも随分前の話になってしまった。


ゴーグル「……暇っすねー」


心理定規「……そうね」



『スクール』のリーダー、垣根帝督が顔を出さなくなって以降、彼らは一度も仕事がなかった。


上層部から連絡はあるのだが、寝ても覚めても「待機」「待機」。


なに？なんなの？俺たち何しに来てるの？状態だった。

ゴーグル「……スナイパー。……実家に帰っちゃいましたね」


心理定規「……気持ちもわかるわ」


もう一人の構成員だった狙撃主は国に帰ってしまった。


仕事がなければ金が入らないのだ。生活がかかっている大人には仕方のないことであろう。


ゴーグル「………あ、またこのCMだ」


心理定規「最近多いわね。出来たばっかりなのに、成長スピードが前代未聞らしいわよ？その会社」


マニキュアを手に塗りながら、心理定規が面倒そうに呟く。


ゴーグルの少年は、CMのキャッチフレーズにどこか既視感を感じながら、TVを見つめなおす。


「常識の通用しない食生活を、『The　Farm』」


ゴーグル「……垣根さん、どこで何してるんでしょうねー」


心理定規「さぁね。ま、彼のことだから生きてはいるでしょ。それより今の状況を何とかしないとね」


ゴーグル「そーッスよねー……奨学金だけでも何とか生活は出来ますけど……」


溜息と共に愚痴をこぼしあう二人。


仕事人間という訳でもないので、そこまで切羽詰まってはいない。


しかし、ぬるま湯につかったようなこの状況、充実感にかけていた。



ゴーグル「ん？あの、なんか下の階に車停まったみたいッスよ？」


心理定規「………一応臨戦態勢取っておいてくれる？私、上の方に確認とってみるから」



流石暗部組織と言ったところか、彼らの対応は早かった。


しかし、誰が予想できただろう？

ゴーグル「……垣根さんいないとやっぱ心配ッスね」


心理定規「上に確認とったら、なんかVIPが来るらしいわ」


ゴーグル「VIP?俺たちに何の用ッスかね？」


心理定規「さぁ？ま、会ってみればわかるでしょ」




こうして二人は応接室に向かう。


VIPの正体が、かつての彼らの上司だとは露も知らずに。

連投ごめんね。
今日はここまで。中途半端になってしまったが……
三日くらいこれないっぽいです。
支援ありがとう。ではまた。

乙

乙

来ちゃった。
時間が許す限り投下する。

応接室には明かり一つなかった。


しかしそれでも、何度か足を運んだことがあるので間取りだけは理解できた。


彼らが入ってきた入り口から４，５歩ほどの距離、そこには革張りのイスが置いてあるはずだ。


その場所から、聞いたことのある、懐かしい声が響いてきた。



「久しぶりだな」



「…………」




気さくで、近づくのにためらいを感じさせないような声。それに闇の気配を纏わせるのが恐ろしいのだ。


ゴーグルの男は声の主を知っていた。





「………久しぶりね。長い間顔を見せないと思ったら、今度は何のお遊びかしら？………ねぇ、垣根帝督」


「お遊びだと………？ははっ、またまた随分な言い様だな」


「まあ、間違っちゃいないんじゃないの？」


「っ！？」



完全に失念していた。



革張りのソファの後ろ、そこにはもう一人の人物がいるようだ。


声から判断するに女。徐々に目が慣れてくると姿がはっきりと確認できる。


垣根もその女も小奇麗な格好をしている。いつもの制服姿ではなく、ハイブランドのものかと思われるスーツを纏っていた。



「………か、垣根さん。良かったッス！な、何かあったのかと……いったいどこで何をしてたんスか！？」



「その質問に答える為に俺はここに来たんだ。それを今から………見せてやるッ！！」



バチン、と指を鳴らす合図と共に、室内に黒づくめの男たちが踏み入ってきた。



彼らは手際よくプロジェクタを準備すると、応接室の壁に、映像を照らし出す。

「とくとご覧じな！これが俺が暗部を蹴ってまでやって来たことだ！」



いくらか明るくなった部屋で、垣根帝督は不敵に微笑む。



彼の鬼気迫る様子に気圧されたのか、ドレスの少女とゴーグルの男は息をのんだ。一体何が始まるというのだろう？



この街の闇を又にかけた男の記録だ。目を離すわけにはいくまい。



熱のこもった２つの視線が集まる先、そこに映し出されたのは―――




何？>>204

ksk

プロジェクトXのような何か

：推奨BGM

地上の星　中島みゆき









　　　　　　　　　　　　　　　　　『プロジェクト　accelerator ～超越者たち～』

約一時間。


彼ら二人は、写し出される映像をただただ見つめ続けた。


作成された映像が止まると、明かりが付けられる。


満足そうな表情の垣根と、半ば呆れ顔の女の顔がはっきりと見えるようになった。



垣根「………どうだったよ？」ﾆﾔﾘ



心理定規「>>208」


ゴーグル「>>210」




リアクションの言葉を安価。
お風呂入ってきます。

なんなのこれ？

ksk

なんなんスかこれ？

つまないっス

まぁそういう反応ですよね

心理定規「なんなのこれ？」


ゴーグル「なんなんスかこれ？ 」


垣根「すげえだろ！一方通行と二人で夜なべして作ったんだぜ！」ﾄﾞﾔｯ


ゴーグル「そーゆー意味じゃねえええええええええええええ!!!」ｸﾜｯ


垣根「おう！？……なんだよ、びっくりするだろーが」


心理定規「びっくりするのはこっちよ！貴方何してんの！？おかげで商売あがったりよ！！」


垣根「……何って―――」


ゴーグル「そうッスよ！わりと心配したんすよ！連絡一つ寄越さず消えちゃうから！！マジで何やってんスか！」


心理定規「うぁああああ！！！なんだかちょっとアレな人かな～、とは思ってたわよ！でもここまでイっちゃってる人だとは！」


垣根「だからちょっと――――」


ゴーグル「もっと詳しく説明してくださいよ！何でこんなことやってんスか！！」


心理定規「ホントよ！呆れるを通りこしてムカつくわ！説明によっては―――」


垣根「スタンダぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」


ゴーグル・心理定規「「！！！！！！！！！！！」」ﾋﾞｸｩｯ！！








垣根「…………っぷ」


心理定規・ゴーグル「「………………」」


麦野「…………(スタンダップ？)」


垣根「…………」


心理定規・ゴーグル「「…………………」」

垣根「どうした？続けたまえ」


心理定規「いや、スタンダップって……」


ゴーグル「とうとう頭にウジ虫でも湧いてしまったんスか……垣根さん……」


垣根「………はぁ。お前達にはがっかりだ。落胆のし過ぎで言葉もねえよ」ﾊｧ


ゴーグル「えぇー……」


心理定規「もう言葉が出ないわ」


垣根「いいかてめえら。闇だとか、格好だとかそんなつまんねえモノにこだわってるようじゃただの三下だ」


心理定規「っ！私が言いたいことは――」


垣根「良いから聞け」


垣根「今の映像を見て、何とも思わなかったのか？……まぁ当然かもな。俺はかつて言ったよ。」


垣根「『夢とか希望だとか、友情とか努力だのを信じてるやつはガキだ』とな」


ゴーグル「………垣根さん」


心理定規「………」


垣根「実際その通りかもしれねえ。現実を知らねえ子どもだけが、辛い現実からの逃避として逃げ込む場所なのかもしれねえ」


垣根「百歩譲ってそこは認めてやる。ああガキだ。ガキに違いねえ。そんなもんを信じてやがるのはガキだけだ」


ゴーグル「………」


心理定規「………」


垣根「……でもなあ」

垣根「ガキの何がいけねえ？俺もテメエらもガキだ。楽しいことも、悲しいこともまだまだ知らねえガキだ」


垣根「叱られることも、叱ることも知らねえ。女だって知らねえ。………こんなガキが、何大人ぶってんだって話だ」


垣根「どうせガキなら、ガキらしいことしてみねえか？……俺のやってることは、普通の子供らしいこととは少しズレるかもしれねえがな」



自嘲するような笑みを浮かべる垣根。彼にしては珍しい表情だ。



垣根「それでも、全うな仕事だ。誰にも文句は言わせねえ。」


垣根「無理についてこいとは言わねえよ。だが、これはお前らのリーダーだった俺のケジメみてえなもんだ」


垣根「俺の――……いや、俺たちの会社はまだまだ大きくなる。それは間違いねえ。」


垣根「『THE FARM』っつう名の超特急にはまだ空きがあるって訳だ。………どうだ？乗り込んでみねえか？」ｽｯ



『闇』などというものとは程遠い、年相応の笑顔で垣根は手を差し伸べる。


彼はこの短期間で何を見てきたのか？何を学んできたのだろう？


彼は変わった。どこが変わったのだろうか？何が変わったのだろうか？


ゴーグル「(……そんなこと、どうでもいいことッスね)」


彼は、恐怖心と、いくばくかのカリスマにつき従って来た。


人間としての垣根帝督。それを畏怖することはあっても、尊敬したことはなかったのだ。


しかしこの時、彼は初めて垣根帝督を尊敬した。心から、着いていきたい。そう思ったのだ。



ゴーグル「……垣根さん。もちろんッス！自分は地の果てまでもついて行き―――」


心理定規「あ、私パス」


ゴーグル・垣根「「えええええええええええええええええええええええええええええええええっ！！？？」」

ですよねーｗｗ

垣根「えっ、ちょ、ここで！？普通ここはアレだろ……なんかこう……『感動したわ！ステキ！抱いて！』みたいな」


心理定規「キモいわね……てゆーかイヤよ。面倒くさいし」


ゴーグル「さ、流石ッスね……超フリーダム」


垣根「ぐぬぬ」ﾜﾅﾜﾅ


垣根「うぉい！むぎのん！」


麦野「ふぁぁぁ……ん？何よバ垣根？ヒマだから帰ろうかと思ったわよ。あとむぎのんゆーな」


垣根「プランＢだ！もう拉致監禁してでも社員にする！！」ｸﾜｯ


ゴーグル「ひどい！鬼ッス！悪魔っス！なんか格好よく『無理にとはいわねえ』ｷﾘｯとか言ってたのに！」


心理定規「ちょ、ちょっと！話が違うわよ！」


麦野「やれやれようやく出番ね。………こほん」


麦野「カモンッ！！『猟犬部隊』！！」



猟犬部隊の皆さん「「……………！」」ｿﾞﾛｿﾞﾛｿﾞﾛ



心理定規「い、いやぁ！離しなさいよ！！」


垣根「ふっふっふ……何かこういうの良いな。普段マイペースなテメエが……なんかこう……な……？」ﾑﾗﾑﾗ


ゴーグル「流石っス垣根さん！想像を絶するクズっぷり！そこに痺れる憧れるっス！！」


麦野「おい>>219」


？？？「はっ！」



安価。むぎのんの下僕。未登場キャラ。男性。

ksk

田中

麦野「おい田中」


田中「はっ！麦野様！」ｷﾘｯ


麦野「間違えた。てめえじゃねえや」ｹﾞｼｯ


田中「は゛ぁぁぁぁい゛ぃぃいい」


再安価。>>222

とあるキャラ限定でお願い。田中さんは二度と出てきません。

とあるに田中って居るぞ

あおぴ

田中の上司の刀夜

麦野「おい青ピ」


青ピ「なんでしょうか、麦野様」ｷﾘｯ


麦野「この女を本社に連行」


青ピ「了解や」


田中「……女子高生(？)に蹴られるだけでお金が貰える……なんて幸せな仕事」ｶﾞｸｯ


垣根「これで一件落着だな。ゴーグル、着いてこい」


ゴーグル「了解っす！」

今日はここまでにします。
ごめん、調べたら田中いたね。>>219がむぎのんに踏まれたくて乱入してきたのかと思ったよ。
単行本は13～新約の4、ＳＳの一巻とＳＰ、あとは超電磁砲しか持ってないんで知らなかったんや。
堪忍やでー。ではまた会おう！感想あると嬉しくて泣いちゃう。

otu

垣根ドヤ顔ばっかしてそうだな
そして慌てる心理定規可愛い

スレタイで敬遠してた（ていうか内容が想像できなかった）けど読んでみたら凄く面白かった
またお気に入りのスレが増えちまったな・・・

乙

美琴といい心理定規といいとりあえず人材は拉致るのがデフォか
さすが性格破綻者集団の第一位と第二位やでぇ…

今日もちょっとだけ投下。
不謹慎なネタかもしれないけど許してね。

第十一学区の外端、学園都市の外部と限りなく近いエリアに、The　Farmグループ本社ビルディングは聳えている。


秀吉の一夜城も真っ青というスピードで建築されたこの施設は、いまや都市伝説のひとつとして学生の間でも物議を醸している。


200メートルを超えるその頂上付近、地上４０階、「スクール」の面々二人、そして「グループ」所属の能力者二人は通されていた。


いかにも超高級といった装いの革張りのリクライニング・チェアに腰かけた一方通行は、傲慢な態度を崩さず切り出す。


この男は謙虚と言う言葉が本当に似合わない。



一方通行「えェー、皆さンに集まってもらったのは他でもありません。ここで貴方たちの配属を決めちゃおーって話でェーす」


心理定規「……んーっ！！！んーっ！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ


美琴「………」


ゴーグル「………」


結標「………」


海原「…………」


一方通行「―――配属先は二つありまァーす。一つ目がメルヘン飼料、そしてもう一つはベクトル水産でェす」


心理定規「ん゛ーっ！！ん゛ーーっ！！」ﾓｶﾞﾓｶﾞ


一方通行「配属先は各人の希望を尊重しまァーす。詳しくは――」


心理定規「んんんん゛っーーーーー！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ


一方通行「うるせェぇええええええええええええええっ！！！おい！！ていとくン！！！」ｸﾜｯ


垣根「あいよ」


先ほどから、拘束を解くためにもがくのを止めない心理定規。


話の妨げになる行為に堪忍袋の緒が切れたのか、一方通行は垣根に合図を送った。


ていうかお前たち、無理やり連れてきたんだろうが。

一方通行「アレ持って来い」


垣根「そうなるかと思って用意してあるぜ」ﾍｯ


一方通行「流石だなァ」ﾆｺｯ


垣根「照れるぜ」ｷﾘｯ


美琴「………このやり取りも見慣れたわね」ﾊｧ


心理定規「ん゛ーーーっ！！！ーーーーっ！！！」ｱﾀﾌﾀ


猿轡を嵌められ、手足を縛られた、お子様には大変お見せしづらい光景。


「グループ」の二人と、ゴーグルの男が生暖かい視線で見守る中、垣根帝督は、何かで満たされた大きな釜、そしてありふれたバケツを持ってきた。



一方通行「くけけ……ていとくン、ここは俺がやろう」ｹｹｹｹ


垣根「ふひひ……テメエは本当に外道だぜ」ﾆﾋﾋ


美琴「ちょ、ちょっと！？何する気っ！？」



その笑い方はいけないだろ、と突っ込みたくなるような笑みを口元に湛え、垣根はバケツを一方通行に手渡した。



そして、美琴はそれを覗きこむ。彼女が目にしたもの、それは―――



美琴「っ！！こ、これは――――」













美琴「………うどんね」



うどんだった。太麺。

一方通行「よォし見てろ新入社員どもォ！！人の話を黙って聞けない子にはオシオキが必要ってなァ！！」ｸﾜｯ


一方通行「いくぞていとくン！！」


垣根「おうよ相棒！！」



一方通行が合図を送ると、垣根はバケツの中にうどんを放り込む。そして―――



一方通行「そォい！！」ﾄﾞﾘｬｧ


心理定規「っ！！んーーーーーーーーーーーーっ！！」ﾎﾞﾄﾎﾞﾄﾎﾞﾄ



バケツの中のうどんを心理定規にぶっかけた。



一方通行「はわわっ！」ﾋｮｲ


垣根「軍師ぃっ！！」ﾎﾞﾄﾎﾞﾄ



理解しがたい合図と共に、垣根は次弾(うどん)を装填する。


その手つきは淀みなく、幾度もの研鑽に裏打ちされたものであると容易に推測できた。



一方通行「そォい！！」ﾄﾞﾘｬｧｯ


心理定規「んーーーーーーーっ！！！」ﾎﾞﾁｬﾋﾞﾁｬｧｯ


美琴「ちょっ！何やってんのよ！！マジで何やってんの！？止めなさい！」ｱﾀﾌﾀ


一方通行「黙れ美琴ォ！これは必要な事なンだァ！ぎゃはははっ！！ははっ！！」ﾋﾞｼｬｧ


心理定規「んんーーーっ！！……ひっく…ぐすっ」ｳｪｪｰﾝ


美琴「満面の笑みで言われても説得力無いわぁ！ほらっ！新入社員ﾄﾞﾝﾋﾞｷしてるわよ！いいの！？」


垣根「どけ御坂！これは愛の鞭だ！必要な事なんやでぇー！！」ﾊｧﾊｧ


美琴「呼吸が荒いのよおおおお！！だから説得力ないってば！！この子泣いてるわよ！！？？」

一方通行「はわわっ!!」ﾋｮｲ


垣根「軍師っ！！」ﾄﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ


美琴「人の話を聞かんかぁーーーいっ！！うどんぶっかけるとかどんなプレイよ！！」ｷｼｬｰ


一方通行「……ン？プレイ？」ﾋﾟﾀｯ


美琴「な、何よ……？おかしいの？」


一方通行「えェー？べっつにィー。……でもォ、プレイってどーゆーことか美琴ちゃンの口から聞きたいなァー」ｹｹｹｹ


美琴「えっ？////……それは……その……」ｶｧｧ


垣根「あー。僕も聞きたいー。プレイってー？どゆことー？ぼくちんきになりゅー」


美琴「だから……えと……その、あれよ……///」


一方通行「えェー？何々聞こえないー」


垣根「アレの部分を詳しく」ｷﾘｯ


美琴「………だからっ」ｶｧｧ


一方通行「ンーっ？」


垣根「あんだってぇ嬢ちゃんー？」


美琴「それはっ――////」


麦野「何やってんだぁっ！！？？この痴れ犬どもぐぁあああああああああああああああああああああああっ！！！！！！！！！！！！」ｸﾞﾁｬｧ


一方通行・垣根「「ぐっ、がァああああああああああああああああああああああああああああああああっ！！！！」」


美琴「っ！麦野さん！」ﾊﾟｧｧ


麦野「美琴平気？……ていうかこれ、どういう状況よ………」ｳﾜｧ