349 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 10:52:32.91TzjYcAYH0 (4/11)

垣根「・・・しかも勢い弱いし」

勢いも強め、どうにか使えるレベルに戻す

垣根「ちっ・・・ちゃんと風呂に入ってるヤツのことくらい考えろよな・・・」

少々いらつきを感じながらも垣根が体を洗い出す


ショチトル「ん・・・歯磨きの間にもお湯出しっぱなしはダメだよな」

環境保全というヤツだ、とショチトルが笑う

いいことをしたつもりなのだろう、水道を止める

たしかにお湯は止まったのだが


垣根「って熱い熱い!」

ショチトルがお湯を止めたからか、いきなりシャワーの温度が元に戻る

先程垣根はシャワーの温度を上げたのだ、つまり今の彼に掛かっているのはお湯というより熱湯だ

しかもシャワーの強さも元に戻ったため、勢いよく体に熱湯が掛かる

顔にもバシバシとお湯が当たるため、手探りでシャワーを止める

ヒタヒタと髪から雫が滴る

垣根「・・・は、ははは・・・」






350 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 10:52:59.30TzjYcAYH0 (5/11)

今日は災難によく遭う

自販機といいシャワーといい、彼は電化製品とか生活製品に縁がないようだ

垣根「いいぜ・・・ナメてやがるな、よほど愉快な死体になりてぇと見える」

腰にバスタオルを巻き、風呂から脱衣所に向かう

すぐさまパジャマに着替え、洗面所に移動した

ショチトル「ん?ふふんー、んん」

垣根「・・・」

歯ブラシを動かすショチトルがいた

こいつが元凶か、と垣根は肩を落とす

垣根「あのな・・・人が風呂に入ってる時にお湯を使うな」

ショチトル「ふふんふ?」

垣根「なんでだ?じゃねぇよ!常識で考えろよ!」

ショチトル「はは、ほへほははふはははひ、ほほほふひひはふふほふひへへ」

垣根「だが、俺の未元物質にその常識は通用しねぇ・・・じゃねぇよ!なんだそのだっせぇ台詞!」


垣根「って俺じゃねぇか!」

ショチトル(ベタなノリツッコミだな)


 


351 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 11:16:22.90TzjYcAYH0 (6/11)

垣根「あのな・・・てめぇのその歯磨きのせいで、俺がどれだけ・・・」

ショチトル「ガラガラーペッ!!」

垣根「聞けよ!!」

ショチトル「そんなことより、早く部屋に行こうぜ」

垣根「・・・聞けよ・・・」

ショチトル「泣くなよベイビー」



上条「・・・ん?おかえり」

垣根「・・・お前らはお前らで俺に内緒で菓子食べてるしよ!!」

美琴「な、内緒じゃないわよ?」

垣根「どう見ても勝手に食べてるよな!?」

心理「あなたも食べればいいじゃない」

垣根「マリー・アントワネットだ!!」

心理「え?」

垣根「なんでもないです」

エツァリ「・・・さて、みなさんも揃いましたし・・・明日の計画を立てませんか?」

上条「っと、そうだな」

美琴「今日はあんまり計画を立ててなかったからグダグダだったもんね・・・」





352 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 15:21:25.66TzjYcAYH0 (7/11)

垣根「・・・たしか、ここのホテルにはプールがあったよな」

心理「えぇ、そこで遊ぶ?」

美琴「もちろん!!水着持ってきたし」ワクワク

上条「でもさ・・・それだけで一日は潰せないだろ?」

垣根「明日までは福岡か・・・やっぱり、ホークスの本拠地に・・・」

心理「だから、そんなただのドーム見ても面白くないわよ」

垣根(全国の野球少年涙目)

ショチトル(デジャブか、これが)

エツァリ「となりますと・・・遊園地とかでしょうか」

垣根「あぁ、スペースワールドか」

上条「なんだそれ?」

心理「宇宙がテーマの遊園地だったかしら、ジェットコースターなんかにも結構星とかの名前がつけられてるのよ」

垣根「ザターン、とかタイタン、とかな」

美琴「へぇ・・・」

垣根「ザターンはすげぇよな、時速130kmで高さ65mから落下だぜ?」

心理「フワってした感触がたまらないわよね、落ちる時」

上条「なんだ、二人は行ったことあるのか」

垣根「ないけど」

上条(あ・・・あれ?)





353 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 20:44:54.58TzjYcAYH0 (8/11)

上条「でもさ、夜に行くのはどうなんだろうな」

心理「あら、そもそも午後の5時には閉園するのよ?」

上条「え、そうなのか」

垣根「だから、プールは夜にしようぜ」

エツァリ「夜のプール・・・ですか」

ショチトル「卑猥な響きだな、カルキに混じった淫らな匂い・・・」

美琴「やめて・・・なんかイヤになってくるから」ハァ

エツァリ「・・・となりますと、午前はそのスペースワールドで遊ぶことになりますね」

垣根「そうだな」

心理「その後はプールね・・・なんか素敵」

美琴「うん、優雅な旅行って感じよね」

上条「そうだな・・・今までの貧乏生活からは想像も出来ませんよ!!」

垣根「プールってだけではしゃぐなよ、ガキか」

メモ帳にスケジュールを書き込みながら、垣根が呟く

垣根「・・・さて、大体は決まったな」

上条「何時に起きればいいんだ?」

垣根「とにかく、早く起きるぞ」

美琴「なかなかハードね・・・」






354 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 22:14:35.72TzjYcAYH0 (9/11)

上条「・・・ま、明日は朝早くなるしさっさと寝て・・・」

垣根「あぁ?まだ寝ないぜ?」

上条「な、なんでだよ?」

美琴「何かするの?」

垣根「もちろん、恋の話や趣味の話、あと他にも・・・」

上条「マジかよ・・・」

ショチトル「・・・ちゃんと寝たいんだよ」

エツァリ「そうですよ・・・」

垣根「うるちゃいうるちゃい!!」

心理(・・・なんでそのキャラになったのよ)

上条「・・・まさか、徹夜とか言わないだろうな・・・?」

美琴「そ、それはさすがに・・・」

垣根「いいぜ!!徹夜だ徹夜!!」

上条「いやだぁぁ!!!」

垣根「はっはぁ!!夜はまだまだ続くんだよ!!」

部屋の電気を消した垣根が、全員を一つのベッドの上に集めた

修学旅行のような夜が始まる





355 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 22:19:03.84TzjYcAYH0 (10/11)

今日はここまで

メダロットやりたいです

strike enemyってかっこよすぎますよね

あとカリンちゃんの可愛さが異常

筋肉動画は「ブランドン・カーリー」

ジェイのあとは彼かビクターがオリンピアになる、誰もがそう思っていたのではないでしょうか(もしくはウルフも然り)

 

プロポーションも文句ないんですが、なにせあの「ザ・ギフト」が現れてしまいましたからね・・・


ではおやすみなさい


ダークマター、水を3分の2の量で飲んでたからドロドロだったみたいですww

ふへへ、量を守ったら懐かしいラムネ菓子っぽくて結構美味しかったですwww





356名無しNIPPER2012/01/19(木) 22:37:33.90QL/1rQXAO (1/3)




357名無しNIPPER2012/01/19(木) 22:38:22.64QL/1rQXAO (2/3)




358VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/01/19(木) 22:39:40.62M/1f3cvZ0 (1/1)




359名無しNIPPER2012/01/19(木) 22:42:17.27QL/1rQXAO (3/3)




360VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/19(木) 23:02:01.21pXWoInpoo (1/2)

おっぱい


361 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/19(木) 23:09:10.81TzjYcAYH0 (11/11)

  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『あ、い、う、え、と来て「乙」って来るかと
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  思ったらいつのまにか「おっぱい」になっていた』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 下ネタだとか卑猥だとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________



362VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/19(木) 23:17:39.70pXWoInpoo (2/2)

俺に常識は通用しねぇえええ!!


363VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/19(木) 23:36:36.242ZHL5Mvxo (1/1)

乙なんだよ!


364VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/01/20(金) 00:02:27.98KWFvFyZP0 (1/1)

乙~


365 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:51:00.5310jEmnZn0 (1/22)



垣根「さーて、何の話をしようか」

上条「寝させてくれよ・・・」

心理「・・・諦めましょう」

はぁ、と心理定規がため息をつく

エツァリ「・・・では恋の話などを」

垣根「じゃあベタに、今の芸能人の中で誰が好きか話そうぜ」

美琴「かなりベタね」

ショチトル「・・・まぁ、他にはないからな」

垣根「俺は・・・柴咲コウかな、ああいう凛としたって感じの女性が好きだ」

上条「ふーん・・・俺は綾瀬はるかみたいなほのぼのしてそうなのがいいかな」

エツァリ「自分は断然深田恭子タイプですね」

美琴「うわ・・・なんか三人の趣味が出てるわね」

上条「だってさ・・・一緒にいて落ち着くヤツがいいだろ?」

美琴「それは分かるけど・・・」

垣根「甘いな、ほのぼのしてるヤツに限って性格悪いんだよ」

上条「な、なに言ってんだよ!?大人な女性なんて結局はツンツンしてるだけじゃねぇか!」

エツァリ「その点、妖艶な女性は・・・」






366 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:51:37.3010jEmnZn0 (2/22)

上条・垣根「一番危ないんだよ!」

エツァリ「な、なぜですか!?」

上条「お前達は分かってない、ほのぼの=優しいなんだ!」

垣根「違うな!ほのぼのなんて悪く言えばマイペースだ!」

エツァリ「そうですよ、いっつもマイペースな女性というのは相手にするのが大変です!」

美琴(・・・初春さんとかはそういうタイプかな)

垣根「だから!女性なら自分のことを考えてくれる大人な女性がいいんだよ!」

エツァリ「ですから!あまりに相手が大人すぎると女性の未熟さが露呈してしまってイヤになりますよ!」

上条「そうだそうだ!」

エツァリ「その点!深田恭子・・・」

垣根「だから!一番それがまずいんだよ!」

美琴「・・・なんか熱く語ってるとこ悪いけど」

垣根「なんだよ、邪魔すんな」

心理「私達も一応、好みの男性のタイプとか語りたいんだけど」

垣根「うるせぇ!お前が好みの男の話なんてしてたら妬けるだろうが!」

心理「スタイリッシュにツンデレね」

上条「・・・っていうか・・・あんまりこんな話しても意味ないよな」

上条が呆れたようにため息をついた

垣根「・・・ったくよ・・・じゃあ他に何について話すんだよ」






367 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:52:07.5710jEmnZn0 (3/22)

ショチトル「・・・そうだな、好きなプレイについてとか」

垣根「やめろ」

心理「はぁ・・・じゃあ、あなた達の理想のプロポーズの場所について語りなさいな」

上条「理想のプロポーズ?」

心理「私達だってそろそろそういうことを考えてもいいんじゃないかしら」

ショチトル「そうだな・・・思い出の場所があるヤツはそういうところがいいんだろうけど」

美琴「だったらあの公園かな・・・あのベンチで、指輪を渡されたら・・・//」

上条(覚えておこう)

垣根「俺は・・・あの鉄橋でいいかな」

心理「ふふ・・・あそこが思い出の場所だから?」

垣根「・・・まぁそうなるな」

上条「なんだよ・・・なんか二人だけの秘密みたいだな」

垣根「うるせぇ、お前らみたいなガキの恋とは違うんだよ」

上条「ガキだって!?」

ショチトル「まぁまぁ、大人の恋愛なんて汚れてるだけだ」

上条・垣根「お前が言うな!」

エツァリ「・・・自分はやはりアステカでプロポーズしたいですね」






368 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:52:33.9310jEmnZn0 (4/22)

心理「故郷だから?」

エツァリ「それもありますし・・・ショチトルと出会った場所でもありますから」

ショチトル「たしかに、あそこは故郷だし・・・大事な場所だな」

上条「そっか・・・やっぱり故郷は大切だよな」

自分も生まれは学園都市じゃないんだよな、と上条は考える

美琴と上条の実家はたしか近所だが

上条「・・・引っ越したばっかりなのかな」

美琴「でも当麻の家って昔の家のままよね?」

上条「・・・いや、昔の記憶なんてないからさ・・・中々実家って実感は湧かないんだよな」

エツァリ「色々大変ですよね、上条さんも」

上条「記憶を無くしたなんて実感もないからな・・・」

垣根「当たり前だろ、人間が生まれる前を知らないのと同じくらい当たり前だ」

上条「・・・でもまぁ、美琴と知り合った過去の俺はよくやったよな」

心理「・・・よくよく考えたら、一番格差があるのはあなた達よね」

美琴「うーん・・・一応私は常盤台の生徒だから・・・」

エツァリ「・・・上条さん、一体あなたは何をしたんですか・・・」

上条「忘れましたよ・・・」






369 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:53:04.3710jEmnZn0 (5/22)

垣根「常盤台の、しかもこんな美人を手込めにするなんて相当だよな」

ショチトル「全くだな」

美琴「・・・でも、垣根と心理定規の出会いも結構信じられないわよね」

上条「たしか・・・同僚だったんだっけ?」

垣根「あぁ、まぁな・・・」

心理「でもこの人、最初は私なんかに興味なかったみたいよ?」

垣根「当たり前だろ・・・大体、俺は元は年上好きだったんだ」

一同「・・・へ?」

垣根「・・・なんだよ、その反応」


エツァリ「・・・自分とショチトル、上条さんと御坂さんの年齢差はそれぞれ2歳程度ですよね?」

ショチトル「・・・垣根と心理定規って、3歳以上離れてるよな?」

上条「っていうか・・・テクパトル達の次に年齢差はあると思うけど」

美琴「・・・てっきり、垣根ってロリコンなんだと思ってた」

垣根「待てコラ、心理定規は別にロリじゃねぇだろ」

ショチトル「だが、年齢差は中々じゃないか」

上条「・・・心理さんはどう思う?」






370 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:53:31.4210jEmnZn0 (6/22)

心理「垣根はロリコンじゃないわ、多分」

垣根「多分ってなんだよ!」

美琴「・・・でも、あのロリコンで有名な一方通行さえ番外個体に・・・」

垣根「番外個体は生まれた年月的にはまだ赤ん坊だよな!?せめて一方通行を超えたくはないんだよ!」

上条「超える超えないじゃないだろ・・・」

ショチトル「・・・いやいや、大体垣根はロリコンだ」

垣根「違うからな!」

美琴「・・・心理定規はギャップのある女だから、ロリにもなるし大人にもなるし・・・」

心理「・・・なんか、褒められてるように聞こえて果てしないけなし方よね」

上条「いや・・・でも心理さんはそうだからさ」

心理「・・・垣根、私はロリなのかしら」

垣根「俺はロリコンじゃない!大体そんなこと言ったら上条だって!」

上条「なんだよ!俺は別に・・・」

垣根「貧乳好きじゃねぇか!」

美琴「ひ、貧乳じゃないわよ!」

垣根「貧乳だろうが!年相応だとか言い訳してんじゃねぇよバーカ!最近の女は胸がだんだんでかくなってきてるんだよ、お前は時代に取り残されてるんだ!」

美琴「な、なによ!貧乳じゃないわよ!」






371 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:53:59.1710jEmnZn0 (7/22)

エツァリ「い、いえ・・・貧乳とまではいかない、微乳ですね」

美琴「微乳!?そんなにダメな胸かしら!?」

ショチトル「そこまで怒るな、微妙な加減で美しい乳の略だ」

美琴「そ、そういう意味なの?」

垣根「・・・しかしまぁ、揉み心地は良さそうだ」

エツァリ「感度はどうなんでしょうか」

美琴「アンタ達・・・二人ともぶっ飛ばすわよ」

垣根「揉ませてくれよ!」

美琴「ふざけんなぁぁぁ!」

上条「許さないぞてめぇ!」

垣根「ちっ・・・感度いいんだろうな」

美琴「そんなこと言うなぁぁ!」

エツァリ「いいんですか!?いいんですか!?」

ショチトル「いいのか!?お前、めちゃくちゃ感度良さそうだよな!」

垣根「マジか!?」

心理「あら、そうなの」

上条「だ!か!ら!美琴は別にそんなこと・・・」

美琴「そ、そうよ!そんなこと関係ないじゃない!」

心理「・・・ねぇ、やっぱり男性は胸が弱い女の子が好きなのかしら」






372 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:54:28.1610jEmnZn0 (8/22)


美琴「な、なんでそんなこと聞くのよ」

心理「私、あんまり胸は弱くないのよ」

上条「な、なにぃ!?」

エツァリ「胸が弱くないですって!?」

ショチトル「もったいないな、私は愛撫みたいな生温いのじゃ感じられないが」

垣根「てめぇら!心理定規の体について知ろうなんてすんなよな!」

美琴「・・・でも、胸以外に弱い場所があるなら大丈夫よ」

心理「なら大丈夫ね」

エツァリ「どこが、どこが弱いんですか!?」

垣根「てめぇ!聞くんじゃねぇよ!」

心理「どこか・・・知りたい?」

ずいっ、と心理定規がエツァリの横に移動する

エツァリ「ひぃっ!?」

心理「じゃあ・・・あなたが試してみたら?」

垣根「待て待て!お部屋が真っ暗で先が見えないですがなんかヤバいことになってるだろ!?」

ショチトル「エツァリ!何をどぎまぎしてやがる!」

エツァリ「な、なんだかシャンプーの香が果てしなくエロ・・・じゃなかった偉くまずいんですよ!」

垣根「心理定規ォ!浮気かてめぇ!?」

心理「冗談よ、エツァリ君に体を許すわけないじゃない」






373 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:55:04.8710jEmnZn0 (9/22)

上条「おわぁ!?なんでそう言いながら今度は俺に近づいてきたんですか!?」

美琴「ちょ、ちょっと!当麻に手を出さないでよね!」

心理「あら、出さないわよ?」

垣根「ちくしょお!上条、てめぇ心理定規に手を出すなよな!」

上条「俺は悪くねぇだろうが!」

垣根「知らないなぁそんなこと!御坂!」

美琴「な、なに・・・ってふぁぁ!?」

上条「ま、待った!なんか美琴がセクシーな声を上げてますが!?」

美琴「ちょっと!どこ触ってんのよ!?」

ショチトル「暗闇で友人の彼女を襲うだと!?」

美琴「襲われてないわよ!」

垣根「ふっへっへ!胸を揉ませていただいていますよ!」

上条「揉んでるだと!?」

美琴「揉まれてないわよ!ちょっと突かれただけよ!」

上条「突かれたのかよ!垣根、てめぇぶっ飛ばすぞ!」

心理「垣根、やめなさいよ」

垣根「ははは!修学旅行の夜といえばこういうエロいイベントも必要だろ!」

上条「修学旅行じゃねぇよ!」






374 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:55:33.9010jEmnZn0 (10/22)

垣根「細かいことは気にするな!」

エツァリ「そうですね、乱交プレイと行きましょう!」

一同「黙れ変態」

エツァリ「」



垣根「・・・世の中にはまぁ、色々な法則がある」

垣根が語り出したのは「暗黒物質」についてだった

「ダークマター」という繋がりで彼はそれをかなり気に入っている

メルヘンだから、という理由もある

上条「・・・暗黒物質って、たしか授業で聞いたことはあるな」

ショチトル「なんなんだ、真っ暗闇の物質か?」

心理「理論上は存在する物質・・・よね」

垣根「例えば・・・そうだな、光の速さより速い乗り物があれば、時間の経過は遅くなるって話を知ってるか?」

エツァリ「たしか、浦島太郎現象ですよね」

垣根「その光の速さを超える乗り物だって、ある意味じゃ暗黒物質だ」

心理「・・・そうかしら?あれはもう発見されたんじゃなかったの?」

垣根「まぁ細かいことはともかく・・・理論上の存在を定義付ければ新たな現象を説明できる」






375 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:56:00.9710jEmnZn0 (11/22)

上条「でもさ・・・暗黒物質ってなんで考え出されたことなんだよ」

垣根「銀河の重さが足りなかったからさ」

エツァリ「・・・はい?」

垣根「銀河の回る速さから、銀河の重さを計算出来るんだが」

美琴「よくよく考えたら・・・それ自体が途方もない話よね」

垣根「だがしかし、実際の銀河の重さはそれに全く足りなかった」

上条「銀河の重さをどうやって測ったんだ?」

垣根「計算だよ・・・実際は銀河の重さなんて測れないから、その計算自体が間違ってたかもしれないんだよ」

上条「・・・だったら暗黒物質なんて存在しないかもしれないじゃんか」

垣根「あぁ、だが一応理論上は存在してるのさ」

垣根が呆れたように答える

机の上だけで作り出された法則なんかに意味はあるのか、と悪態をつく

垣根「でも夢は広がるだろ?光を反射しない物質、未だに見つかっていない未知の物質!」

ショチトル「うーん・・・それにときめくあたり、お前は科学の人間だな」

垣根「なんだよ、お前達はワクワクしないのか?」

ショチトル「あまり、な」





376 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 12:56:32.1110jEmnZn0 (12/22)

美琴「・・・暗黒物質の中には星なんかも含まれてるのかしら」

垣根「さぁな・・・ただ、感情も暗黒物質と言えるだろうな」

上条「感情?」

垣根「理論上は存在させることにより人間という存在を定義付けている」

上条「・・・そういうもんかな」

美琴「なんか・・・かなりメルヘンな話になってるわね」

エツァリ「・・・感情とは暗黒物質、ですか」

ショチトル「なにやら新曲みたいだな」

垣根「・・・新曲ってなんだよ」

ショチトル「シングルの題名みたいじゃないか」

エツァリ「全く違いますよ」

上条「・・・はぁ、なんか難しい話になっちまったな」

垣根「・・・俺の話はどうでもいい、他になんか面白い話はないのかよ」

上条「うーん・・・」

心理「・・・そうね、じゃあ私の小さな頃の話を」

一同「・・・はい?」


 
心理「あれは私がまだ・・・幼稚園生の頃だったかしら」

上条「あ、語り出すんだな」





377 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 17:31:56.4910jEmnZn0 (13/22)

心理「私・・・こう見えて、結構病弱だったのよ」

一同「見たまんまだけども」

心理「もちろん、重い病気じゃないんだけど・・・よく風邪になったりしたわね」

ショチトル(風になったのか)

エツァリ(違いますよ)

心理「幼稚園や小学校の頃は・・・よーく休んでたわね」

垣根「それ、サボりじゃねぇのか」

心理「違うわよ・・・」

上条「そ、それで?」

心理「その時、いーっつも届け物を届けてくれる人がいたのよ」

美琴「あ、もしかして男の子!?」

心理「えぇ」

垣根(ちっ)

上条「・・・もしかしてさ、その男の子って垣根だったとかか!?」

心理「違うわよ、大体そんなことがあったなら垣根が覚えてるはずでしょう」

垣根「そうだそうだー」

エツァリ(なんで幼児退行してるんですか)





378 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 17:41:09.5110jEmnZn0 (14/22)

心理「・・・あれは、私が幼稚園の年長組の頃だったわね」

美琴「うんうん!!」

ショチトル「早く早く!!」

男一同(女って・・・他人の恋愛の話とか好きだよな)



心理「・・・はぁ」

あの時、私は雑誌を読んでたのよ

言っておくけどサボってたわけじゃなくてね

でも、そうしてるといつも決まった時間にある男の子が来るのよ

「こんにちはー!!」

心理(・・・また来た)

正直鬱陶しいとも思ってたのよ、当時はあんまり他人と話すのが好きじゃなかったし



垣根「なんだよ・・・早く話せって!!」

上条「気になるだろ!!」

エツァリ「も、もしかしてその後恋に堕ちたとか!?」

女一同(男って・・・)





379 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 17:46:55.2510jEmnZn0 (15/22)


心理「・・・また来たの」

「だってさー、先生が届けろって!!」

その子が持ってくるのはいつも給食のパンだったのよ・・・

そんなもの一々持ってくるのもどうかと思って、いっつも適当にあしらってたのよ

心理「はぁ・・・分かったわ、いつもありがとう」

「いやー!!でもさ、お前の家ってなんか綺麗だな!!」

心理「・・・別に」

子供の頃の家なんて全然覚えてないんだけどね・・・人との話したことはよく覚えてるくせに

心理「・・・ねぇ、あなたってどうしてそうやっていつも来るのよ」

「・・・この家に来たらお前に会えるじゃんか!!いーっつもお前休むしさ!!」



垣根「だぁぁぁぁ!!なんて純情なんだぁ!!」

上条「男だよ、幼稚園生でも男だなぁ!!」

エツァリ「素晴らしいですね!!」

心理「・・・でも、私ってそういう大声出すタイプって好きじゃないのよね・・・」

垣根「あ、そうなの」





380 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 17:52:27.7610jEmnZn0 (16/22)


心理「・・・なんで私に会いたいのよ」

「うーん・・・なんでだろ?」

心理「はぁ・・・」

「あのさぁ、お前ってやっぱりイケメンってのが好きなのか?」

心理「何よそれ」

「知らないの?最近、隣町の幼稚園の男が人気なんだぜ!!」

心理「ふーん・・・」

「かきなんとか君だってさ」

心理「何よ、フルネームで覚えなきゃ意味ないじゃない」

「でさ、そのかきなんとか君がイケメンなんだって」

心理「・・・そう」



上条「かき・・・なんとか?」

エツァリ「・・・垣根さん、あなたって心理定規さんと小さい頃から近所だった・・・とか?」

心理「そうかもね、なんか昔見たことあるし」

垣根(知らねぇよ・・・)





381 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 18:06:57.5010jEmnZn0 (17/22)


「・・・それでさ、お前はどうなのかなーって思って」

心理「知らないわよ、見たことない男のことで一々騒げると思う?」

「すっげぇ!!お前ってなんかすっげぇ!!」

心理「・・・あぁそう」

当たり前でしょ、とも思ってたわね

周りの子より一人の時間が多かったんだから

「・・・なぁ、なんでそんなに大人びてるの?俺達まだ幼稚園生だぜ?」

心理「・・・それで?なんで一々私のところに来るのよ」

「あれ、答えてなかったっけ?」

心理「はぁ・・・」

「・・・俺さ、そろそろ引っ越すんだ」

心理「ふーん・・・どうして?」

「お父さんが仕事で異動になったんだってさ」

心理「・・・それは残念ね」

別に残念なんて思ってはなかったわ、そこまで興味のある相手じゃなかったから



垣根「いやだぁぁ!!俺の彼女ってこんなに魔性だったの!?」

美琴「今更ね・・・」





382 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 18:12:09.6710jEmnZn0 (18/22)


心理「それで、どうして・・・」

「告白に来たんだ!!」

心理「・・・ごめんなさい、無理よ」

「・・・え?」

心理「私・・・あなたみたいなタイプは苦手なの」

「・・・な、なんで?」

心理「うーん・・・私って静かなイメージじゃないかしら」

「そ、そうだけど・・・」

心理「うるさい人は苦手よ・・・ごめんなさい」

「」



垣根「・・・で?」

心理「おしまいよ」

一同「・・・は?」

心理「私はモテるの、そういう話よ・・・あと垣根にちょっとヤキモチを妬かせてみたかったの」

一同(・・・そういえば、この人の昔話は昔からそうだった・・・)





383 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 20:32:00.2910jEmnZn0 (19/22)

垣根「・・・しゃあねぇな・・・誰か他に話はねぇのか」

上条「・・・じゃあさ、この前の俺の出来事を聞いてもらっていいか?」

心理「えぇ、いいわよ」

上条「・・・この前、ある女の子がスキルアウトに絡まれ・・・ってなんで呆れてるんだよ」

ショチトル「・・・いや、続けてくれ」

美琴「当麻・・・」

上条「な、なんだよ・・・」

垣根「・・・続けろよ」

上条「でさ、その女の子を助けたんだけど・・・」

エツァリ「・・・だけど?」

上条「実はその子、能力者でさ」

垣根「まぁ、学園都市なら当たり前だけどな」

上条「それで、自分がスキルアウトを倒せるはずだったのにって逆ギレされたんだよ・・・」

エツァリ「それはひどいですね・・・」

心理「あら、別に助けは要らなかったって言いたかったんじゃないの?」

上条「そうだけど・・・ってなんで美琴は呆れたような顔してるんだ」

美琴(わ、私も前はそんな感じだったわね・・・)





384 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 20:49:12.4810jEmnZn0 (20/22)

垣根「・・・で、それで終わりか」

上条「いや・・・それがさ」

美琴「ま、まだ何かあるの?」

上条「その子に次の日また会って・・・」

ショチトル「ほう・・・」

上条「でさ、またその子スキルアウトに絡まれてて・・・」

エツァリ「ま、またですか?」

上条「んで・・・今度は放っておいたんだ」

美琴「うん、そこはそれが正解よね」

上条「まぁ・・・そうだろ?」

心理「で、どうなったのよ」

上条「・・・なんで助けないんだよ、って逆ギレされた」

垣根「はぁ・・・?」

上条「昨日は助けたじゃないかってさ・・・」

美琴「で、でもその前の日には助けたら文句言われたんでしょ?」

ショチトル「大変だな・・・」

上条「・・・んで、一応助けたんだけどさ・・・」

エツァリ「けど?」





385 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 21:21:01.5710jEmnZn0 (21/22)

上条「・・・そしたら、なんかさ・・・八つ当たりされたんだよ」

垣根「はぁ?なんで?」

上条「いや・・・スキルアウトが自分を狙ってるのが気に食わないって・・・」

心理「いわゆるDQNね」

美琴「・・・それで、その子とはどうなったのよ」

ムスッとしたまま美琴が訊ねる

上条「いや・・・それっきり」

美琴「なーんだ、そうなんだ!!」

心理「あら、嬉しそうじゃない」

美琴「ま、まぁいいじゃない・・・」

ショチトル「・・・というか、私はそろそろ寝たいんだが」

エツァリ「たしかに・・・もう12時を回りましたよ」

上条「・・・どうすんだよ、流石に俺も眠いんだけど」

垣根「・・・分かったよ、寝るか」

心理「よかったわ・・・おやすみなさい」

上条「おやすみ・・・」

一同がそれぞれのベッドに移動した





386 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/20(金) 21:30:52.2310jEmnZn0 (22/22)

今日はここまで

メダロットのアニメ見直してますが・・・カリンちゃんの可愛さが異常すぎてもうダメだ

かなみとカリンちゃんは大人好きな俺が惚れた唯二のロリだ

カリンちゃんの画像を見てるとオラ、ムラムラするんだ



筋肉動画はリーさん21歳、大学でのポージング

  


ではおやすみなさい





387VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県)2012/01/20(金) 21:48:50.36WtFgJJkX0 (1/1)

乙乙乙乙なんだよ!

速さが足りない!


388VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/20(金) 23:22:18.98764zQ+Qzo (1/1)

乙なんだよ!


389VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/20(金) 23:29:06.14cVkBwLru0 (1/1)

乙である


390 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 10:27:47.73LOwXc9gu0 (1/12)



スースーと寝息が響く部屋の中

垣根はまだ眠れずにいた

垣根「誰か起きてるか」

美琴「・・・残念なことに私は起きてるのよね」

垣根「御坂か・・・なんだよ、眠れないのか」

美琴「別に・・・ただあんまり眠る気にならないのよ」

垣根「それを眠れないって言うんだ」

美琴「・・・ねぇ」

垣根「なんだよ」

美琴「・・・アンタは当麻のこと、どう思う?」

垣根「あぁ?まさかてめぇ、ホントは上条のこと好きじゃなかったり?」

美琴「そんなわけないでしょ・・・」

垣根「じゃあなんでそんなこと聞くんだよ」

美琴「・・・当麻のこと、どんな風に評価してる?」

垣根「何度も言ってるだろ、理想のヒーローだ」

美琴「初めて聞いたわよ」

垣根「・・・あいつみたいに正義を貫く馬鹿、今の時代には珍しいな」






391 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 10:28:13.24LOwXc9gu0 (2/12)

美琴「・・・そうよね、私も初めて会った時はびっくりしたわよ」

垣根「・・・あんな正義振り回すヤツ、昔の根性漫画じゃなきゃ見られないよな」

美琴「そうそう、リアルでいるなんて思えない・・・ってそういうことを聞いてるんじゃなくて」

垣根「あぁ?じゃあ何について聞きたいんだよ」

美琴「・・・当麻の不幸体質についてよ」

垣根「不幸体質?」

美琴「うん・・・当麻って、このままずっと不幸なのかな?」

垣根「そうかもな」

美琴「・・・ずっと不幸だったら・・・どうなるんだろ」

垣根「・・・どうなる、か」

頭の中であらゆる不幸を思い描く

まず大学に合格しないのだろう、合格しても単位が足りずに留年だ

留年も一年では済まないだろう、ギリギリまで留年するはずだ

就職だってままならないだろう、そしてやっと決まった就職先でも様々な失敗をするはずだ

はずだ、としか言うことは出来ない

「そんな不幸なんて起きないかもしれない」からではない

「そんな小さな不幸で終わるわけはないかもしれない」からだ






392 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 10:28:52.44LOwXc9gu0 (3/12)

垣根「・・・下手すれば死ぬかもな、すぐに」

美琴「し、死ぬ!?」

垣根「事故にあったり、病気になったり・・・まぁ誰にだってある可能性なんだが」

美琴「そ、そうよね!?」

垣根「だが上条は通常の人間と比べてそういうことになる可能性が無駄に高い」

美琴「う・・・」

垣根「事故をかわしたら、その先の道で通り魔に襲われる、なんてこともあるような不幸体質だ」

美琴「い、いやよそんなの!」

垣根「俺に言われても困るが・・・でもその不幸を本人はそこまで重荷には感じてないみたいじゃないか」

美琴「本当に・・・そうなのかな」

垣根「何が言いたいんだよ?」

美琴「・・・も、もしかしたら重荷に感じていて・・・でも弱音を吐けない性格だから我慢して・・・」

垣根「お前・・・」

美琴「そうだったら・・・力になってあげたいからさ」

垣根「・・・大丈夫だろ」

美琴「なんでそんなこと言えるのよ・・・」

垣根「男には重荷を背負い続けるだけの力がある、女と違ってな」





393 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 17:38:04.75LOwXc9gu0 (4/12)

美琴「・・・そんなのって言い訳じゃない」

垣根「そうか?女に悩み事を吐くのは男として情けないもんだ」

美琴「女としては、相談してほしいものなのよ」

垣根「・・・そういうもんかね」

ふん、と垣根が鼻を鳴らす

心理定規もそう思っているのだろうか

垣根「・・・で、お前はどうしたいんだよ」

美琴「だ、だから!!当麻の不幸体質をどうにか少しでもよくしてあげたくて・・・」

垣根「ならやめとけ、お前にはどうすることも出来ないしそんなことをする必要もない」

美琴「なんでよ!?今まではなんとか生きてこれたけど、当麻は・・・」

垣根「自分の好きな相手のことくらい信じてみろよ」

美琴「・・・好きな相手だから心配なのよ、今日だっておみくじでよくないの引くし・・・」

垣根「はぁ?それで心配になったとか言うんじゃねぇだろうな」

美琴「・・・いっつも、不幸だ不幸だって言ってるから・・・」

垣根「くっだらねぇ・・・」

美琴「なによ・・・」

垣根「上条が不幸だとは言ってもそれがイヤだとは言ったことないだろ」

美琴「あるわよ」

垣根「あれ?」





394 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 17:42:11.87LOwXc9gu0 (5/12)

美琴「・・・ねぇ、アンタって結構幸運なほうじゃない」

垣根「どこが」

美琴「力があって、好きな相手と付き合えて・・・」

垣根「上条だってそうだ」

美琴「それだけじゃない!!アンタはお金だってあるし、それに・・・」

垣根「何が分かるんだよ・・・お前は何も分かっちゃいない」

美琴「あ・・・ご、ごめん」

垣根「いいか、俺だって不幸だと思う経験はしてきた、暗部には堕ちるし仲間は失うし一方通行には負けるし・・・」

溜め息をついてから垣根が続ける

垣根「・・・上条だって、たしかに不幸だ・・・俺達と違って日常の中でもよく不幸が起きるし、事件にだって巻き込まれる」

垣根「だからって、他の人間が全員幸せじゃないんだぜ」

美琴「・・・でも当麻は不幸なのよ」

垣根「他人と比べて、か」

美琴「・・・」

垣根「そうだろうな、他人に比べて成績は悪い、他人と比べて事件に巻き込まれる・・・でもな、それは上条当麻としては当たり前の生活だ」

美琴「・・・不幸が当たり前なんてかわいそうよ」

垣根「そうやって言い訳をされて、憐れまれて・・・そっちのほうが可愛そうだ」





395 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 17:45:22.02LOwXc9gu0 (6/12)

美琴「・・・当麻は幸せになってるのかな」

垣根「お前がいればいいんだろ、そんなの察してやれよ・・・」

美琴「・・・うん、ごめんね」

ゴソゴソと美琴が上条のベッドに移動する

垣根(ったくよ・・・どいつもこいつも真面目になりやがって)

お前が一番そうだ、と言われそうだが別に垣根は気取ってるわけではない

ただこういう場所に来ると自然に引き締まるだけだ

垣根(・・・にしても、御坂は御坂でよく上条のこと考えてるんだな・・・)

垣根(・・・そりゃそうか、恋人だからな)

目を閉じて、心理定規の顔を思い浮かべる

彼女に不満などないし、ずっと愛し続けたいとも思う

垣根(・・・だが、俺は心理定規のことをそこまで深く考えていたか?)

垣根(・・・綺麗な言葉を並べてるだけだったかもしれねぇな)

垣根(・・・いや、どうでもいいじゃねぇか、それが俺の出来る愛情表現だ・・・)


垣根(あーあ、俺って不器用)





396 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 18:52:09.39LOwXc9gu0 (7/12)



垣根「にょわっはっは!!おはようみんな!!」

朝の6時、垣根は一人一人の布団を奪って嬉しそうに笑った

上条「な、なんだよ・・・」

垣根「朝だ!!見ろ、太陽が眩しいぜぇ!!」

ショチトル「もうちょっと寝かせろよ・・・ただでさえ寝るの遅かった・・・」

垣根「だらしないんだよ!!大体今日は遊園地に行くんだろうが!!」

美琴「別にまだ大丈夫よ・・・」

垣根「ならんならん!!」

エツァリ「・・・なんでそんなにハイテンションなんですか、昨日は真面目に・・・」

垣根「昨日は昨日!!昨日の風は今日には吹かないんだよ!!」

上条「なに言って・・・」

心理「垣根、布団を返して」

垣根「やっだよーん!!ていうかさっさと起きて支度しろ・・・」


心理「・・・返せ」ゴゴゴ

垣根「」





397 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 20:09:37.82LOwXc9gu0 (8/12)


垣根「なぁ・・・さっさとしないと朝飯も食えないぜ?」

心理「いいでしょ・・・」

上条「・・・心理さんって、もしかして朝弱いのか?」

垣根「あれだろ・・・どうせ枕が変わったから眠れないとか」

美琴「そんなにデリケート・・・かもね、見た目からして」

ショチトル「色白だからな」

エツァリ「病弱なイメージですからね」

心理「うるさいわね・・・ジロジロ見ないでよ、眠れない・・・」

垣根「むっはー!!」ジロジロ

心理「・・・」ゴスッ

垣根「おふっ・・・」

上条「か、垣根ぇぇ!!」

美琴「・・・心理定規、まだ寝るつもり?」

心理「あと5分・・・10分・・・30分くらいならいいわよね?」

上条「な、なんで伸ばすんだよ」

心理「・・・眠いのよ」





398 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 20:37:26.27LOwXc9gu0 (9/12)

美琴「・・・じゃあ、私達は準備始めましょうか・・・」

ショチトル「そうだな」

エツァリ「・・・ところで、心理定規さんはスッピンでよろしいのですか?化粧にはそれなりに時間が掛かるはずですが・・・」

上条「あぁ、もしかしてあれか?移動に使うバスとか電車の中で化粧・・・」

心理「・・・上条君、あなた今なんて言った?」

上条「電車とかの中で化粧・・・」

心理「ダメね・・・あなた何も分かってないわ、化粧の化の字は化けると書くのよ?人が見ている前でそんなことできると思う?」

上条「あ、いや・・・」

心理「そんなのね、謎の怪盗とかヒーローなんて言われている人が平気で人前で変身してるのと同じなのよ?」

美琴「なんかよく分からない例えね・・・」

心理「いい?化粧に使われるものの中には匂いがきついものもあるのよ、そんなのを他人が乗っている公共の乗り物の中で使うなんて女として・・・・いえ、人間として最低といえるのよ?そういうことをする女は外だけを磨けばいいと思ってるのよ、平気で人前で大口開けて笑ったり足を開いたりするような女よ・・・化粧っていうのはね、必要最低限のものだけを施して自分を少しだけ昇華させるものなのよ、そして内面もその外見に見合ったように磨いて見せようという向上心を生み出すものよ、外だけを磨いて中身が伴っていないなんて、ワイングラスに注がれた苦汁のようなものなのよ、分かるかしら?分からないわよね、私のことをそういうふうな女性と一緒にしたあなたには分からないわよね?」

上条「ごめんなさい」

美琴(なんか・・・心理定規が怖い)

ショチトル(・・・クラスで敵に回したらいけない人ランキング第一位だな、こりゃ)

エツァリ(・・・というか、そんな理論が女性の間にはあるのですか)

心理「・・・仕方ないわね、今からちゃっちゃと化粧は終わらせるから」

上条「あ、あぁ」





399 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 20:47:27.91LOwXc9gu0 (10/12)


垣根「ある朝、俺が目覚めると股間のティンペットが暴れていた・・・」

垣根「いや!!な、何するのよイッキ君・・・はぁっ!!」

垣根「へっへっへ!!カリンちゃん、いいだろ・・・」

心理「・・・もしかして、さっき頭を叩いたせいでおかしくなったのかしら」

美琴「もう重症ね」

上条「・・・垣根、目を覚ませ」

垣根「はっ!!ここはやっぱりヘルシングのエッチな想像のほうがよかったか!!」

ショチトル「ダメダメ、そういうのじゃなくてもっとムーミンとか・・・」

心理「終わったわよ」

上条「は、早いな」

心理「えぇ・・・早くしないといけないんでしょ、あと30分もすれば出かけるみたいだし」

美琴「うん、そうだけど・・・」

テクテク、と心理定規はなぜかまたベッドに向かう

上条「な、何・・・やってんだ?」

心理「おやすみなさい・・・」

一同「アンタも寝ぼけてるのかおい!!!」





400 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 21:01:03.92LOwXc9gu0 (11/12)


垣根「・・・朝ごはんはパンか・・・」

上条「そういう言い方は貧しく聞こえるからやめようぜ・・・」

ショチトル「・・・そうだな、パン以外にも美味しそうなスープやらどっかのジャムなんかもあるし」

心理「・・・愛情のない料理なんて明日のない明後日と同じよ・・・」

美琴「ほら・・・ちゃんとしなさいよ」

エツァリ「というか、一日眠れなかっただけで目の下にクマが出来てますよ?」

心理「うるさいわね・・・ヤンデレとかに見えていいんじゃないの?そうでしょ雄豚」

エツァリ「ブヒー」

上条「心理さん・・・口が悪くなってるぞ」

垣根「あーあーちくしょう・・・誰だよ寝ないで徹夜とか言ってたやつは」

上条「お前だろ」

垣根「・・・ダーメだ、腹が減らない・・・」

ショチトル「じゃあもう向かうとするか?」

垣根「・・・頼むぜ・・・」

美琴「はぁ・・・ったく」


美琴「こんなんで大丈夫かしら?」





401 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/21(土) 21:24:42.20LOwXc9gu0 (12/12)

今日はここまで

筋肉動画はビルダーの増量期と減量期の変化を

ロニーさんの2003年

←増量期

←減量期・・・というかコンテスト時

増量期はガンガン脂肪も筋肉もつけ、減量期で脂肪だけを落とします

コンテストでは体脂肪が3%なんて当たり前らしく、ポージングが終われば舞台裏でバタバタ選手が倒れるみたいですね

しかし、ポージングの少し前に水を飲んだりするだけで仕上がりが変わってしまうため、「さすがにまずいからちょっとパンの一枚でも食べよう・・・」なんてことは出来ないのです

にしてもこの年のロニーはすごい・・・


ではおやすみなさい





402VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/01/21(土) 22:58:45.93kz6CjTdH0 (1/1)

乙~
ここって高級ホテルだよな……


403VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/21(土) 23:33:37.43NbCeq0ELo (1/1)

乙ですの


404 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:14:42.91sAcSkF2K0 (1/8)




垣根「・・・このスペースワールドは八幡製鐵所の後に作られたんだ」

心理「・・・ちなみに、ここは宇宙だからね、決して地球じゃないんだから」

垣根「あぁそうだな・・・スペースワールドだもんな」

心理「そうよ・・・もしかしたら宇宙人に会えるかもね」

上条「おーい・・・」

一同はスペースワールドに辿り着いていた

バスの中で、垣根と心理定規はうたた寝をした

しかしやはり眠気はとれなかった

エツァリ「・・・もうすぐ開園時間ですよ」

ショチトル「・・・だから、二人ともしっかり目を覚ませ」

美琴「おーい・・・」

垣根「・・・なぁ心理定規、最近抱いてやってないよな」

心理「そうね・・・」

垣根「なんならここでやらないか」

心理「あら・・・破廉恥ね・・・」

上条「って待て待て!」

エツァリ「やるんですか!?こんな所でやっちゃうんですか!?」

ショチトル「い、いいな!やってくれよ!」






405 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:15:15.59sAcSkF2K0 (2/8)

垣根「・・・やっぱいいや、眠い」

エツァリ「ね、寝ぼけて言ってたんですか」

美琴「・・・あ、開園したわよ!」

垣根「おぉマジか・・・なんか人がかなり多いんだが」

上条「そりゃGWだからな」

心理「あぁ・・・そういえばそんな季節だったわね」

美琴「これは・・・はぐれたりしそうね」

垣根「携帯の電源はつけとけよ・・・」

言いながら、垣根がフラフラと人混みに入っていく

頼りない足取りは眠気のせいだろうか

上条「お、おい!」

垣根「なんだようるせぇな・・・」

美琴「ちょっと!?そんな適当に歩いたらはぐれるわよ!」

垣根「あぁ適当に歩いてないから大丈夫・・・」

上条「あぁもう!待てってば!」

残りの5人も人混みの中に駆け込む


そして、結局バラバラになってしまった






406 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:15:47.85sAcSkF2K0 (3/8)



垣根「・・・すまなかった、マジで後悔してる」

美琴「・・・なんか、もうこの旅行では当麻と二人きりにはなれそうにないわね」

垣根「・・・俺、昨日はショチトルと二人だったんだけどよ」

美琴「私はエツァリさんとだったわ」

垣根「・・・そうだ、携帯携帯・・・」

美琴「連絡ならもう取ったわよ」

垣根「なんだ・・・上条はどこだった?」

美琴「人混みに流されて遠く・・・ショチトルと一緒みたい」

垣根「あれか、カップル交換か」

美琴「・・・さすがにこの人混みでは動けないわね」

垣根「どうする?」

美琴「垣根と二人で楽しんでくれ、って言われちゃった」

垣根「しゃあねぇな・・・せっかく金払って来たんだから遊ばないわけにはいかないし」

美琴「・・・遊ぶって言っても・・・こんなに混んでるわよ?」

垣根「それでもいくつかアトラクションに乗るくらいは出来るはずだ、行こうぜ」

垣根が美琴の手を掴む






407 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:17:31.33sAcSkF2K0 (4/8)


美琴「あ・・・」

垣根「あぁ?俺に手捕まれるのがイヤか?」

美琴「・・・はぐれないためには仕方ないわね・・・いいわよ別に」

垣根「まぁ今は俺が上条だと思えよ」

美琴「無理に決まってるでしょ・・・」

垣根「まずは何に乗りたい?やっぱザターンみたいな派手なのがいいよな!」

美琴「うーん・・・でもあれってかなり人気なんじゃ・・・」

垣根「列に並ぶのもまた楽しみ!」

ビシッと垣根が親指を立てる

美琴「はぁ・・・仕方ないわね」

垣根「・・・まずはザターンだよな」

美琴「よりにもよって人気なのから行くのね」

垣根「当たり前だろ、ここは敢えてだよ」

美琴「なにがどう敢えてなのよ・・・」

垣根「あれだ、みんなきっと混んでると思って並ばないはずだからな!!」

美琴(どうかしら・・・)






408 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:52:39.30sAcSkF2K0 (5/8)


垣根「・・・世間一般はクズだ、人が多いところに集まろうとする群集心理が働いてやがる」

美琴「・・・ほら、やっぱり混んでるわね」

垣根「・・・クソがぁ!!なんだよこの列は!!」

美琴「・・・並ぶんでしょ?」

垣根「並びたくないでござるの巻」

美琴「はいはい・・・ってきゃっ!?」

垣根「あぁ?どうしたんだよ」

美琴「・・・だ、誰かが私のお尻触ってるのよ・・・」

垣根「・・・なんだと?」

美琴「・・・捕まえた!!」

美琴がバシッ、と痴漢の手を捕まえる


垣根「・・・」

美琴「・・・なんでアンタの手なのかしらね」

垣根「・・・あれだ、ちょっと魔が差した」

美琴「どっかに周りの被害を気にしないでいい広場は無いかしら」

垣根「ごめんなさいごめんなさい」





409 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 20:56:53.05sAcSkF2K0 (6/8)

美琴「・・・アンタね、今度そういうことしたら心理定規に言いつけるわよ」

垣根「いや違うんだよ・・・こんな混んでるだろ、体が押されるんだ」

美琴「まぁ・・・たしかにそうね」

寿司詰めというのはまさにこのことだろう

これでは触られてるのか手が当たっただけなのかさえ分からない

垣根「・・・悪気はなかったんだよ、すまん」

美琴「いいわよ別に・・・」

垣根「お尻触られても平気なんて、ミコっちゃんったら破廉恥!!」

美琴「なにか言った?」

垣根「すいませんもうしません」

美琴「・・・にしても、本当に混んでるわね」

垣根「・・・はぐれないようにしないとな」

垣根が美琴の手を強く握る

美琴「・・・なんか心理定規に申し訳ないんだけど」

垣根「俺だっててめぇみたいなヤツには興味ねぇんだよ」

美琴「・・・言うじゃない」

垣根「・・・やめようぜ、今は喧嘩してるときじゃない」




410 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 21:02:24.80sAcSkF2K0 (7/8)


垣根「よっしゃあ!!やっと俺達の番だ!!」

美琴「へぇ・・・結構頑丈なセーフティーね」

二人の体にはシートベルトと、上から下ろすセーフティーが掛けられていた

垣根「まぁ、これが一番危険なコースターだからな」

美琴「それもそうね」

「みなさん、今日はこの宇宙探検にお越しいただき・・・」

美琴「あ、なんか面白いアナウンスね!」

垣根「スペースワールドでは名物だな」

美琴「そうなの?」

垣根「あぁ、ジョークを混ぜたアナウンスは面白いよな」

美琴「・・・動くみたいよ!!」ワクワク

垣根(・・・こういうところは心理定規と違ってガキだよな)

美琴「?なによ、アンタは騒がないの?」

垣根「ほら、ちゃんと前見てないともったいないぜ?」

美琴「う、うん」


美琴(・・・なんか、当麻と違ってあんまり楽しんでるって感じじゃないな・・・)





411 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/22(日) 22:05:12.68sAcSkF2K0 (8/8)


今日はここまで

最近色々忙しいので亀更新です

筋肉動画は「ジョン・ブラウン」を

 

メルビンの師匠であり、おそらくミスターオリンピアでブレイクダンスをした最初の方です

フィジークが素晴らしいですね

ではおやすみなさい





412VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/01/22(日) 22:25:49.50F2vvL+970 (1/1)

乙!!


413VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/22(日) 22:56:51.911gjaUrwz0 (1/1)

乙ですの


414VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/22(日) 23:15:22.46BkRDIwADo (1/1)

乙なんだよ!


415VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県)2012/01/23(月) 09:36:01.10bddTmdmh0 (1/2)

速さが足りない


416 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 11:01:07.25EvuV10zM0 (1/22)



垣根「・・・スタートしたぁぁぁ!」

美琴「はやぁぁぁい!」

一瞬にして時速は100kmを超えた

レールを走るコースターが縦になる

空に向かって打ち上げられるそれはまるでロケットのように感じられた

垣根「すげ・・・」

しかし、頂上に達したコースターはすぐさま下に向かって落ちていく

地面にぶつかるのでは、と錯覚にさえ陥る

さらにジェットコースター特有のフワリとした不気味な感触

それが心地好く感じられるのはなぜだろうか

セーフティーが無ければ無重力状態になって飛んでいくのだろう

美琴「ふわ・・・」

まともな感覚が戻ってきた頃には、既にコースターは止まっていた

垣根「・・・すっげぇ、すっげぇなおい!」

美琴「すごいわよね!?落ちる瞬間の感覚とかヤバかったわよ!」

垣根「あぁ!あの落ちていくスリルは堪らないな!」

美琴「ホントホント!」






417 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 11:03:15.21EvuV10zM0 (2/22)

セーフティーを係員が外すが、その間も二人の興奮は止まらない

ぎゃあぎゃあと騒ぎながら手足をバタバタとさせる

美琴「なんだかんだ言ってアンタも楽しんでたんだ」

垣根「当たり前だろ!もう一回、もう一回乗ろうぜ!」

美琴「ま、また並ぶの?」

垣根「当たり前だ!行こうぜ御坂!」

美琴「で、でも他のアトラクションに・・・」

垣根「ははは!あの素晴らしい愛をもう一度!」

美琴「いやぁぁぁ!」



垣根「・・・乗りすぎた」ウプッ

美琴「もう・・・酔ってるじゃない」

垣根「酔ってなんかねぇよ・・・ちょっと吐き気がするだけだ・・・」

美琴「それを酔ったって・・・ってちょっと!!なんで口元を押さえて・・・」

垣根「オォオォエェアァエェオォエェアァェェオォ・・・」

美琴「きゃー!!口から未元物質を出しながらアンインストールを歌ってるわ!!」





418 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 11:20:43.06EvuV10zM0 (3/22)



上条「・・・美琴は垣根と二人・・・か」

携帯のメールを確認しながら上条が溜め息をつく

なんというか、どっかの誰かがカップル交換を無理矢理引き起こしてるような気もする

上条(・・・その幻想も殺したかった・・・)

心理「どうしたのよ」

上条「あ、いや」

上条の隣にいるのは心理定規だった

上条(・・・ってことは、エツァリとショチトルは二人なのか・・・いいなぁ)

心理「ちょっと、なにボケーッと突っ立ってるのよ」

上条「・・・なんかその台詞、昔の美琴を思い出すな」

心理「?」

上条「・・・美琴には垣根と楽しんでもらうようにしたけど・・・やっぱり気がかりだなぁ・・・」

心理「いいじゃない、美琴は浮気なんて出来る人間じゃないわ」

上条「垣根は?」

心理「ふふ・・・浮気をしたらどうなるか分かってるから」ゴゴゴ

上条(この人怖い)





419 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 11:23:58.80EvuV10zM0 (4/22)

心理「・・・ほら、だからあなたがエスコートしてよ」

上条「だってさ・・・心理さんってなんかそういうの苦手そうだし」

心理「そういうのって?」

上条「ほら・・・絶叫マシンとか」

心理「わりと好きだけど、どうして?」

上条「病弱で色白なお嬢様ってイメージだし」

心理「イメージってのは先走りするものよ、ほら」

心理定規が上条の手を握る

傍から見てたらただの浮気ものだぞ、と溜め息をつく

こんな光景、クラスメイトなんかに見られたらおしまいだ

上条「・・・心理さんって、結構ガード低いよな」

心理「なによいきなり?」

上条「こうやって普通に手繋いでくるしさ」

心理「それはあなたを信頼してるのよ」

上条「なんで?」

心理「垣根が褒めてた人だから、あなたは」

上条「そこが基準なんだな・・・」

心理「いいから早く」





420 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 11:29:58.96EvuV10zM0 (5/22)

心理定規が向かっているのは「タイタン」と呼ばれるジェットコースターだ

ちなみに「タイタン」というのはギリシア、ローマ神話に出てくる「ティーターン」のことだ

ヘーリオスやプロメーテウスなども「ティーターン」と呼ばれることがある

オリュンポス12神よりも古の神とされているのだが、科学側の上条はそんなこと知らない

上条「・・・これはザターンと違ってそれほど早くはないんだな」

心理「その変わりベタなジェットコースターを味わえるのよ、ザターンは一瞬で終わりでしょ?」

上条「へぇ・・・でも縦ループはないんだな」

心理「横ならあるけど、縦はヴィーナスじゃなきゃないわよ」

上条「妙に詳しいな・・・」

心理「この三つがスペースワールドでも大人気のコースターなのよ」

上条「へぇ・・・」

心理「さっきからそればっかりね・・・もう少しリアクション取りなさいよ」

上条「ど、どんな風に?」

心理「さぁ?」

そんなくだらない会話をしながら、二人はタイタンの列に並んだ

上条(タイタンの列に並ぶって・・・なんか言い方がおかしいけどな)

心理(言わないの)







421 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 12:43:27.50EvuV10zM0 (6/22)

上条「・・・それにしても、心理さんってこういうのって好きなんだな」

心理「えぇ、これでもまだ子供ですもの」

上条(いやいや・・・)

心理「それに、あなたとなら楽しめそうじゃない?」

上条「そ、それはどういう!?」

心理「あなたって不幸でしょ?だから頂上でマシントラブルとか、手荷物が飛んでいくとか、最悪脱線事故とかあるかもしれないもの」ケロッ

上条「・・・そういうのって、不謹慎ですよ」

心理「あら、そうかしら」

上条「・・・なんかさ、心理さんって一言一言が男をドキドキさせるよな」

心理「もしかして私のこと好きになっちゃった?」

上条「・・・いや、そうじゃないけどさ」

心理「なによ、つまらないわね・・・もしエツァリ君だったら面白い反応してたはずなのに」

頬を膨らませながら、心理定規がつまらなそうに呟く

上条(・・・しっかし、こりゃたしかに美人だよな)

こうやってマジマジと彼女を見つめる機会はほとんどなかった

改めて見てみると、本当に綺麗なのだ

見た目だけならば美琴よりも上の類かもしれない





422 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 12:49:02.42EvuV10zM0 (7/22)

上条(・・・というか、俺は今この人と二人きりか・・・)

あまりにレベルが違いすぎて涙が出てくる

美琴と付き合いだしてすぐも、ルックスの差で泣いたことはあったが

心理「なにジロジロ見てるのよ」

上条「あ、いや・・・」

心理「はぁ・・・あらかた、自分と違ってルックス面でも上の上だって言いたいんでしょ?」

上条「そ、それは傷つく言い方だ・・・」

心理「否定しないってことは当たってたのね?」

上条「・・・まぁそうなんだけどさ、美琴と付き合いだしたときもそうだったよ」

心理「あの子は可愛いものね」

上条「それに、人気も高いだろ?結構人助けとかしてたみたいだし・・・それに学校ではお手本の生徒だったんだ、あいつ」

心理(・・・あなたも人助けはするでしょう)

上条「・・・俺もさ、昔先生に美琴は努力の塊だ、だからお前も努力しろって言われたよ」

心理「あら、授業で引き合いに出されるほどなのね」

上条「そんな美琴が彼女だなんてさ・・・なんか夢見たいだよ」

心理「夢だったりして」

上条「ごめん、そういうのって不安になるからやめてください!!」




423 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 12:54:14.93EvuV10zM0 (8/22)

心理「・・・そういえば、上条君と美琴と初めて会ったのは遊園地だったわね」

上条「そうだったな・・・あの時はただの美男美女カップルだと思ってたよ」

心理「私たちのこと?」

上条「そうそう・・・でもあの時はまだ付き合ってなかったんだよな」

心理「えぇ・・・あの時は垣根が帰ってきてすぐだったのよ」

上条「・・・つまり、お帰りのお祝いって感じか?」

心理「そういうこと」

上条「・・・あのとき二人と出会ってなかったらどうなってたんだろうな」

心理「もしもなんて考えないことよ、人生には一つの確率しかないんだから」

上条「・・・そうだな」

心理「ちなみに、私は初めて二人を見たときは羨ましいって思ったわね」

上条「羨ましい?なんで?」

心理「あんなに幸せそうな恋人なんて初めて見たから」

上条「ふーん・・・あの時から心理さんは垣根と付き合いたくてしょうがなかったのか?」

心理「べ、別にそういうわけじゃないけど・・・」カァッ

上条(図星だな)





424 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 15:11:21.75EvuV10zM0 (9/22)

心理「・・・ほら、前進んだわよ」

上条「あ、あぁ」

上条がゆっくりと進む

しかし、進んだと言ってもすぐに自分達の番が回ってくるわけではない

あまりにも退屈なため、前に並んでいるカップル達は手を繋いだり何か話したりして時間を潰している

おそらく、上条達の後ろに並んでいるカップルもそうしているのだろう

上条「・・・俺達はどうしますか?」

心理「あら、私とイチャイチャしたいのかしら」

上条「そ、そういうわけではないですよ!?」

心理「いいわよ、別に」

上条(・・・い、いいのか!?いやいやよくねぇだろこれは!?)

心理「ほら、手は繋いでるんだから・・・」

上条「ってうわぁ!?」

パッ、と上条が手を放す

よくよく考えればただの女友達と手を繋いだ時点でおかしいのだ

ここから浮気の始まり、なんていうエッチな展開は期待していない

そんなことにはなってほしくもないが





425 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 15:14:28.76EvuV10zM0 (10/22)

心理「・・・失礼ね」

上条「あ、いや!!こういうのってダメじゃないですか!!」

心理「あなたって真面目ね・・・」

上条「純情だと言ってほしかった・・・」

心理「本当に純情なら女の子と手を繋いでもなんら違和感なんて覚えないはずよ」

それもそうだな、と妙に納得してしまう

上条「・・・でも、これはやっぱりダメでしょう」

心理「・・・分かったわよ、あなたが嫌がることを無理矢理しても気まずいだけだから」

はぁ、とつまらなそうに溜め息をつく心理定規

そんなことを言われてもダメなものはダメなのだ

上条「・・・そういうことばっかりしてると垣根に愛想尽かされるぞ・・・」

心理「そんなことないわよ、第一こういうことは垣根だってしてるもの」

上条「そういう問題じゃない気がするんだけどな・・・」

心理「・・・本当は垣根と二人がよかったのよね・・・」

上条「俺だって美琴と二人が良かったんだよ・・・」

心理「・・・お互い、なんだか大変よね」

上条「これが不幸ってやつだよ・・・」トホホ




426 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 16:41:34.13EvuV10zM0 (11/22)

心理「あら、私と二人きりなんて世の中の男なら羨ましがるはずよ?」

上条「どこから来るんだその自信は・・・」

心理「世の中はそんなものよ」

上条「あぁそう・・・」

心理「呆れてるのが見て取れるわね」

上条「・・・あ、進んだ」

心理「・・・昨日もあなたと二人だったわね」

上条「そうですね・・・俺は美琴と二人がよかったよ」

心理「・・・それを私の真ん前で言うとはなかなかの度胸ね」

上条「・・・ほら、乗ってる人たち楽しそうだ・・・」

心理(ダメね、現実逃避しだしたわ)

上条「・・・あ、次には俺達も乗れそうだな」

心理「本当ね・・・ねぇ、乗ってるとき手繋いでもいいかしら?」

上条「?いいけど、どうして?」

心理「べ、別にいいでしょ・・・」

上条「・・・もしかして、怖いのか?」

心理「・・・そ、そうじゃなくてね、いつも垣根とこういうのに乗るときは手を繋いで怖くないように・・・じゃなかった、ラブラブでいられるようにしてるのよ」

上条「怖いんですね」

心理「・・・うん」





427 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 16:49:01.63EvuV10zM0 (12/22)

上条「好きなんじゃないのかよ、絶叫マシン」

心理「好きなんだけど怖いのよ」

上条「な、なんだよそれ・・・」

心理「こう、怖いもの見たさみたいなものよ」

上条「いや・・・それとこれとは別だろ」

心理「なによ、こういうのを怖がる女の子は可愛いでしょ?」

上条「恋人じゃないならめんどくさいだけです」

心理「・・・じゃあいいわよ、手なんて繋がなくて」ウルウル

上条「泣くほどなのか!?」

心理「・・・垣根だったら、いつも優しく繋いでくれるのに・・・」グスン


「見て、あの彼氏さん彼女泣かせてるわよ・・・」

「本当に恋人か?なんか格差がありすぎるべ」

「だよねー」


上条(・・・世界なんて嫌いだぁぁぁ!!)

心理定規の手を握りながら、上条が涙目になる

上条(とにかく、手を繋げば問題ないんだろう!!)ギュッ!!

心理(・・・痛い)





428 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 17:30:52.28EvuV10zM0 (13/22)


上条「・・・なぁ、このジェットコースターって・・・足につけるセーフティーだけなんだな」

心理「そうね、下手して滑ったらお空の彼方なんじゃないかしら」

上条(・・・不安だ)

ジェットコースターの最後尾の車両

一般的に一番怖いといわれる車両に二人は乗っていた

それが幸運なのか不幸なのかは分からない

ただ、一つ言えることは二人の心臓は恐怖と期待で押しつぶされそうということだ

心理「しっかり手・・・繋いでなさいよね」

上条「は、はぁ」

心理「つり橋効果であなたに惚れても仕方ないわよね?」

上条「困ります」

心理「どうしてよりにもよって一番後ろなのよ・・・」ブルブル

上条「じゃ、じゃあもう降りれば・・・」

心理「降りれないわよ・・・」

スタート10秒前、というアナウンスが流れる

今更リタイアなんて無しだろう

それに周りの乗客のボルテージも最高潮だ

ここでリタイアすれば空気の読めない客になってしまう





429 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 17:35:06.92EvuV10zM0 (14/22)

心理「・・・上条君、あなた怖くないの?」

上条「・・・正直めっちゃ怖いんです」

心理「な、仲間ね」

ハハハ、と乾いた笑いを浮べる二人

そして、ジェットコースターは動き出した

いきなりの上り坂なんて心臓に悪い

しかも、他の乗客が目の前でどんどん斜めになっていくのだ

ジワリジワリと自分達の番を待つ、まるで処刑台に上らされるかのような恐怖だ

前の客が落ちては来ないだろうか、コースターが逆走しないだろうか、というイヤな想像をしてしまう

最前列の車両が頂上に差し掛かった

ゆっくりとその車両が、坂の向こうに消える

そこで一旦止まるのはお決まりだろう

最前列は下を向きながらずーっと止まっているという状況だ

そして一番後ろは・・・

上条「・・・これ、動き出したらどんどんスピード上がるよな・・・」

心理「恐ろしいスピードで頂上を過ぎることになるわね・・・」

上条「・・・カタカタ言ってる・・・」

一番後ろが怖いといわれるのは、頂上地点を一番速いスピードで通過するからだ

そして、もっとも他の車両より遠心力が掛かってしまう





430 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 17:43:49.89EvuV10zM0 (15/22)

心理「・・・怖いわね」

ギュッと握られた手は、なぜか安心感を与える

恋人がジェットコースターに乗るとさらに愛が深まる、そんなことを信じてしまいそうなほどに

上条「・・・で、出来れば美琴と乗りたかった・・・」

心理「垣根・・・私を守って・・・」

シュワルツェネッガーがターミネーター2のラストシーンであの高熱の炉の中に降りていくときに掴んでいた鎖と同じような「カタカタ」という音

しかし彼らが飛び込むのは重力の狂った世界だ、決して灼熱の炉ではない

上条「う、動いたぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

心理「きゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

目をつぶるとさらに恐怖が増す、という話を聞いたことがあるだろうか

それを馬鹿正直に信じた二人は目を開けたままでいた

グングンと迫る前列の車両、そして地面

上条(・・・こ、これは中々スリルが・・・この後の横回転もすごい怖そうだ・・・)

チラリ、と上条が隣を見る

心理「」

上条(あ、気絶してる)





431 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 18:06:14.70EvuV10zM0 (16/22)


上条「・・・もしもーし」

心理「・・・はっ」

心理定規が目を開けると、そこはベンチの上だった

いつの間にかジェットコースターから降りていたようだ

いや、もちろん気を失っている間に勝手に体が歩いたわけではないだろう

上条「やっと起きた・・・肩貸しながら歩いたこっちの身にもなってくれよな・・・」

心理「・・・私、気を失ってたのね」

上条「まぁ・・・そうみたいだった」

心理「ごめんなさいね・・・はしたないところ見せたわ」

上条(いや・・・目をつぶって寝てるみたいだったけどな)

心理「なに?」

上条「あぁいや・・・もう大丈夫かな、ってさ」

心理「まだ腰が抜けてるわ」

上条「・・・はい?」

心理「歩けないの、膝は笑ってるし」

上条「じゃあなんで乗ったんだよ・・・アンタ地味に天然だろ」

心理「・・・う、うるさいわよ」





432 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 18:21:49.21EvuV10zM0 (17/22)

上条「はぁ・・・大体な、怖いなら素直に怖いって言えばいいものを・・・」

心理「で、でも面白いのよ!!」

上条「気絶してたら面白いもなにも・・・ってあれ?」

上条が視線を前方に移す

彼らが座っているベンチの向かいには、お化け屋敷のようなものがある

もちろん、その中も宇宙人が出てきたりするのだが

上条「・・・あそこに並んでるの・・・美琴と垣根だ!!」

心理「!?垣根ぇ!!」

バン!!と心理定規が駆け出す

上条(こ、腰が抜けてたんじゃなかったのか・・・)



垣根「・・・あぁ?心理定規の声がした」

美琴「気のせいじゃ・・・」

心理「垣根!!やっと見つけたわ!!」

垣根「お、なんだよ近くにいたのか・・・」

心理「よかった・・・もう一緒に回れないかと思ったわよ」

美琴「!!当麻!!当麻がいる!!」

垣根(ガイルがいる)





433 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 19:02:30.73EvuV10zM0 (18/22)

上条「よかった・・・美琴にやっと会えました・・・」

美琴「当麻ぁ・・・なんだか久しぶりな感じがする」ウルウル

垣根「・・・心理定規、なんかグッタリしてないか?」

心理「上条君に無理矢理ジェットコースターに乗せられたのよ・・・」

上条「はぃぃ!?アンタが乗りたいって・・・」

垣根「上条・・・てめぇやりやがったな!!」

上条「違うんだってば!!」

垣根「許さねぇ・・・てめぇは俺を怒らせた!!」

美琴「ねぇ当麻、一緒にコースター乗りましょうよ!!」

上条「あ、あぁ」

心理「あら、四人で回ったら楽しいんじゃないの?」

美琴「ふ、二人きりになりたいの!!」

垣根「やーの!!僕はミコっちゃんと二人がいーの!」

美琴「黙りなさい」

心理「・・・そうね、二人きりがいいならそうしましょう」

美琴「じゃあ、やっとカップル元通りってことね!!」

垣根「じゃあまたな」

上条「おう」





434 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 19:52:44.55EvuV10zM0 (19/22)


エツァリ(・・・今頃、みなさんはカップルで仲良くやっているのでしょうか・・・)

エツァリは肩を落としていた

今、彼は「一人で」ベンチに腰掛けている

ショチトルはいない、どこかにいるのだろうが彼とは一緒ではなかった

エツァリ(・・・まさか、一人でこんな所に残されるとは・・・)

周りのカップル達が羨ましく見える

別にエツァリが独り身なのではないが

エツァリ(・・・ショチトル・・・どこにいるのですか・・・)

こうして一人でいると、とても悲しい

辺りには見渡す限りのカップルや家族連れ

対するエツァリは一人だけ

世界が自分を貶しているように思える

エツァリ「・・・携帯で連絡を取りましょうか」

ポケットから携帯を取り出す

ショチトルは機械が苦手だが、最近やっと最新式の携帯をまともに使えるようになった

エツァリ(・・・鍛錬の成果でしょうか)

ふふ、と笑いながら彼女に電話を掛ける





435 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 20:03:58.23EvuV10zM0 (20/22)


ショチトル(・・・どうしようかな)

ショチトルは一人だった

彼女のグラマラスな体は男の目を引くらしく、何人かの男からナンパされてしまった

そういうのは英語で話して乗り切ったのだが、それもそろそろ限界だろうか

ショチトル(・・・お兄ちゃん・・・どこなのかな・・・)

はぁ、と自然に溜め息がついてくる

ショチトル(・・・こんなみんなの前に放置されるなんて寂しい・・・)



ショチトル(・・・待て、公衆の面前で放置・・・?)

ビクン、とショチトルの肩が跳ねる

ショチトル(・・・そ、そういえば・・・さっきから男ばかりが話しかけてくるが・・・もしかして、そういうプレイだったりするのか?)

ショチトル(遊園地総出で私を・・・お兄ちゃん・・・)ビクンビクン

ショチトル(・・・ま、また男の人が近づいてきた・・・)

「ねぇ、君もしかして一人?」

ショチトル「ひ、一人じゃない・・・」

「ちっ・・・なんだよ」

ショチトル(あぁ・・・見下したような目で去っていく・・・)ビクンビクン





436 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 20:28:58.55EvuV10zM0 (21/22)

ショチトル(ダ、ダメだ・・・もう下半身が・・・)ビクンビクン

震えるショチトルのポケットの中で、携帯が震えた

ショチトル「・・・お、お兄ちゃん!」

急いで通話を始める

エツァリ『あぁ、ショチトルか?』

ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリ『』

ショチトル「・・・もう・・・お兄ちゃんがいなくて寂しいよ・・・」

エツァリ『ま、待て!!どういう状況だ!?』

ショチトル「寂しさが興奮に・・・あぁっ・・・」ビクンビクン

エツァリ『今すぐそっちに行く、GPSで探すから動くなよ!!』

ショチトル「はぁ・・・はぁ・・・」

エツァリの声を聞いただけで下半身が熱くなる

周りの客達は大して気にも留めていないようだが、今のショチトルはすごいことになっていた



エツァリ「ショチトル!!大丈夫か!?」

ショチトル「お兄ちゃん・・・」ビクンビクン

エツァリ(うっわぁ、興奮するぞコレは)





437 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/23(月) 20:39:52.82EvuV10zM0 (22/22)

今日はここまで

やっぱりアステカ二人には変態成分が必要でしょう

筋肉動画は若かりし頃のショーン

 

美しいですね

彼はこういう落ち着いた曲が似合いすぎです、1999年のオリンピアは>>1が見た全てのポージングの中で一番美しかったですね

ではおやすみなさい


僕はロリコンじゃないよ、仮にロリコンだとしてもそれはロリコンという名の変態さ




438VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2012/01/23(月) 22:19:28.20bYpz6j9b0 (1/1)

あれエツァリが敬語じゃないな俺の記憶では始めて見たキガス


439VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/23(月) 23:06:26.85Srze1F0Go (1/1)

乙なんだよ


440VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県)2012/01/23(月) 23:56:08.57bddTmdmh0 (2/2)

乙パトルぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう


441 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:47:06.30yZY4vcrw0 (1/17)

ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリ「な、なんだ?」

ベンチに腰掛けたショチトルの体はビクリと跳ねている

顔は真っ赤になり、何かを欲しているように見えた

ショチトル「もうダメだ・・・お兄ちゃんに放置されたって考えただけで・・・」

エツァリ「お、落ち着け!ここは遊園地だ、さすがに・・・」

ショチトル「・・・ダメ?」

ウルウルと潤んだ瞳で見つめられたエツァリは、胸が高鳴るのを感じた

このままでは理性が無くなってしまう

エツァリ「だ、だが・・・」

ショチトル「トイレなら・・・誰にも見られない」

エツァリ「待て!避妊具を持ってきてはいない・・・」

ショチトル「大丈夫・・・入れなければいいんだから」

エツァリ「」

パキン、と理性が割れる音がした

こうなったらもう止まることは出来ない

大体、トイレの中で恥部を晒け出すのは当たり前ではないだろうか






442 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:47:33.38yZY4vcrw0 (2/17)

それならばその少し先までやってしまっても構わないのではないか

誰かが「変態」だと笑っても関係ない

二人の間にはたしかに愛があるのだから

ショチトル「お兄ちゃん・・・私、もうグショグショだ・・・」

エツァリ「わかった、行こうかショチトル」

ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリがショチトルの手を取る

そして、二人は男子トイレに向かった




上条「・・・」

美琴「・・・」

ドキドキと心臓が脈打っている

それは恐怖からか

二人は今お化け屋敷にいる

お化け屋敷と言っても、出てくるのは宇宙人やらエイリアンやらのSF的なものだが

だがそれだけが胸の高鳴りの原因なのだろうか

いや、きっと違う






443 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:48:02.92yZY4vcrw0 (3/17)

暗い通路を、二人は手を握り合いながら歩いていた

この旅行で、初めて二人きりになったといえるだろう

それが胸を高鳴らせているのだ

美琴「当麻、なんか緊張してるみたい」

上条「美琴だって・・・」

美琴「うん・・・当麻と二人きりなんだもん、緊張してる」

上条「そ、そっか」

恥ずかしい沈黙が流れる

聞こえてくるのは不気味な効果音と、互いの呼吸、そして自分の鼓動だけだ

上条(二人・・・なんだよな)

ここのアトラクションは全て機械だ、人間がエイリアンに扮しているわけではない

つまり、本当に二人きりなのだ

上条「美琴、キスしていいか?」

美琴「にゃっ!?」

上条「あ、いや・・・ごめん」

上条が少し恥ずかしそうに空いている手で髪を掻きむしる

美琴「・・・い、いいわよ」






444 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:48:43.86yZY4vcrw0 (4/17)

上条「い、いいのか?」

美琴「ちょっとびっくりしただけだから」

美琴が上条の肩に頭を乗せる

上条は美琴より背が高いため、上から美琴の唇を塞ぐ形になる

美琴(あ・・・)

ぐっ、と顎の下に上条の指が入り込む

そのまま、半ば強引に唇を奪われた

美琴(あったかい・・・)

上条(美琴・・・なんだかいい匂いがします)

美琴「・・・ぷはっ!」

あまりに熱烈なキスだったため、息をするのを忘れていた

上条「わ、悪い・・・」

美琴「当麻・・・キス下手になったんじゃない?」

上条「そ、そうか!?」

美琴「ふふ・・・冗談」

上条「あ、焦るからそういうのはやめてくれよな・・・」






445 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:49:19.64yZY4vcrw0 (5/17)

美琴「・・・でも嬉しかった、当麻とキスしたの久しぶり」

上条「いや・・・そうでもないだろ」

美琴「う・・・いつも近くにいたいのよ、それくらい察しなさいよね!」

上条「ご、ごめん」

美琴「もう・・・」

上条「・・・」

もう一度、上条がキスをする

今度は触れるような優しいキスだ

美琴「な、なに?」

上条「察してみました」

美琴「・・・馬鹿」

ギュッ、と美琴が上条の手を握る

美琴「ほら、早く出ないと後の人達が来ちゃうから」

上条「あぁ、そうだな」

周りには様々な仕掛けがあるのだが、そんなものに目を奪われることはない

今は互いの姿しか視界には入らなかった

上条「・・・美琴、このあとはどこ行く?」

美琴「観覧車があったでしょ、あれに乗りたい!」






446 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:50:11.55yZY4vcrw0 (6/17)

上条「あぁ、分かったよ」

アトラクションの外に出た二人はとても幸せそうな表情で観覧車に向かった

係員は不思議そうな顔で見ていたが、それも気に留まらなかった


垣根「・・・で、お前はまだ酔ってるのかよ」

垣根がため息をつく

上条と美琴がお化け屋敷・・・というかエイリアン屋敷に入ったため、必然的に二人は別のアトラクションに向かうはずだった

しかし心理定規はまだ気持ちが悪いらしく、ベンチで休んでいた

心理「ごめんなさい・・・」

垣根「あ、いや・・・別に責めてるわけじゃねぇよ」

心理定規の隣に座って、垣根が優しくその肩に手を回す

心理「なに?」

垣根「なんだよ、俺はお前の肩に手を回すのも許されないのか?」

心理「そうじゃないけど・・・」

垣根「だったらいいじゃねぇか、俺と二人きりになりたかったんじゃないのかよ」

心理「・・・よく分かったわね」

垣根「お前の考えてることならな」






447 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:51:02.79yZY4vcrw0 (7/17)

心理「ふふ・・・嬉しいわ」

垣根「それで・・・大丈夫か?なんか飲みたいものとかないか?」

心理「大丈夫・・・まだ気分悪いけど」

垣根「ったく・・・俺と乗った時はそんなにならなかったのにな」

心理「・・・隣があなただったら大丈夫なのよ」

垣根「ん?なんか言ったか?」

心理「なんでもないわ」

ベンチに背を預けた心理定規がゆっくり目を閉じる

垣根「眠いのか?」

心理「違うわ・・・ちょっと疲れただけ」

垣根「なんで疲れたんだよ?」

心理「上条君と二人だったのよ?気を遣っちゃうじゃない」

垣根「そうなのか?」

心理「・・・なんかね・・・彼は素直だから、こっちも優しくしちゃうのよ」

垣根(絶対虐めてただろ)

心理「なによ」

垣根「なんでもねぇよ」






448 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:51:32.72yZY4vcrw0 (8/17)

目の前を歩く客を目で追いながら、垣根がぶっきらぼうに答える

垣根「・・・で?わがままな姫様の気分はいつになったら優れるんだよ」

心理「そうね・・・まだダメっぽいわ」

垣根「はぁ・・・せっかくの遊園地なのにお前とはアトラクションを回れずに終わるのかな」

心理「う・・・」

垣根「だー!ゴメンゴメン!違うんだって、責めてるわけじゃないんだよ!」

手を振りながら、必死に垣根がフォローする

心理「・・・本当に?」

垣根「あぁ・・・悪かった、言い方がきつかったよ」

心理定規の頭を撫でながら垣根が笑う

心理「悪いと思ってるなら、キスしてちょうだい」

垣根「おいおい・・・こんな場所でかよ」

心理「いいじゃない・・・それとも私とキスするのはイヤなのかしら」

垣根「んなわけないだろ」

心理定規の柔らかい髪の後ろに、垣根が手を回す

サラサラとした手触りに少しだけ心が揺らぐ






449 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:52:28.10yZY4vcrw0 (9/17)

胸の高鳴りを抑えながら、心理定規の唇をそっと奪う

奪う、というより受け取ると言ったほうがいいかもしれない

垣根「・・・これで満足か?」

心理「えぇ・・・素敵なキスだったわ」

クスクスと心理定規が笑う

周りを歩くカップル達も、ついその二人に釘付けになっていた

心理「あら、ずいぶん目立ったみたいね」

垣根「お前が綺麗だからじゃないかな」

心理「あなたが素敵だからよ」

幸せそうに笑いながら、二人はもう一度唇を重ねた

こういう遊園地デートも悪くはない、と垣根は思った




ショチトル「・・・はぁっ」

男性用のトイレ、その個室でショチトルは荒い息を吐いていた

エツァリ「・・・こんなことをしてしまうなんて俺はもうお終いだ・・・」

賢者になったエツァリはため息をついていた

偶然、他の利用者がいなかったからよかったようなものだ






450 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:53:07.21yZY4vcrw0 (10/17)

ショチトル「なにを落ち込んでいる、これから出なければならないんだぞ」

エツァリ「それは問題ない」

めんどくさそうに答えながら、エツァリがトイレから外に出る

ショチトル「なんでだよ」

エツァリ「さっき俺達が入ってきてから、誰かが入ってきた気配はなかったからな」

ゆっくりとエツァリが辺りを見回す

エツァリ「よし、大丈夫だ・・・誰もいない」

ショチトル「はいよ」

ショチトルもその後についていく



上条「トイレトイレ・・・」

ショチトル「あ」

上条「あ」

運悪く、不幸な少年がやって来てしまった

エツァリ「か、上条さん!?」

上条「な、なんでショチトルが男子トイレから出てくるんだよ!?」

エツァリ「ま、待って下さい!あなた、御坂さんとは・・・」






451 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 17:55:51.16yZY4vcrw0 (11/17)

美琴「当麻・・・!?ショチトル、なんでアンタそんな所から出てきたのよ!?」

エツァリ(最悪だ・・・)

エツァリが気づかなかったのだが、上条と美琴は普通にトイレに近づいて来ていた

ショチトル「なんだ、上条もトイレか」

上条「俺はちょっと手が洗いたかっただけ・・・じゃなくて!なんでお前がそっちから出て来たんだよ!?」

ショチトル「?なにかおかしいか?」

上条「お前がおかしいよ!」

ショチトル「まったく・・・私が男子トイレを使ったらいけないのか?」

美琴「いけないのよ!」

エツァリ「まぁまぁ・・・ここで再会したのも何かの」

上条・美琴「縁なんかじゃないから!」

ショチトル「この中で私が何してようが関係ないだろう」

上条「・・・何してたんだよ」

エツァリ「ア、アレですよ・・・」

美琴「アレ?」

エツァリ「・・・その、アレ・・・」

ショチトル「愛撫だ」

上条・美琴「」





452 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 19:57:30.89yZY4vcrw0 (12/17)

ショチトル「ん?愛撫くらい知ってるだろう、相手の・・・」

美琴「アンタ達!!ここは遊園地なのよ!?」

ショチトル「あぁ、それがなんだ?」

上条「モラルってもんを持てよ!!あのな、そういうことはこういう場所でやって・・・」

エツァリ「・・・上条さん、それは聞き捨てなりませんね」

上条「は?」

ショチトル「公という空間とプライベートという空間、ここには明らかなる隔たりがある」

エツァリ「しかし、外でそういう行為に及ぶことは非常にその隔たりを薄めるのですよ」

ショチトル「分かるか?他ではできないことだ、私達は何も快感を得たかったのではない」

エツァリ「ただ、神が作ってしまった個という存在と衆という存在の壁を打ち破りたかったのです」

美琴「言い訳しないの」

上条「はぁ・・・お前ら、結局アトラクション乗らないでそういうことしてたのか?」

ショチトル「あぁ」

美琴「ちゃんと乗りなさいよね・・・」

ショチトル「エツァリの上になら乗ったぞ?」

上条「お前らなぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ショチトル「冗談だ」





453 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 20:08:48.59yZY4vcrw0 (13/17)

上条「・・・とりあえず、お前達は俺達と回ろうか」

美琴「えっ・・・?」

上条「な、なんで死にそうな顔になってるんだよ・・・」

美琴「な、なんで一緒に回るのよ!?別に別々で・・・」

上条「いやさ・・・こいつらほっといたらまたエロいことするだろうし・・・」

ショチトル「よく分かってるな」

上条「分かりたくなかったな・・・」

美琴「・・・アンタ達のせいで二人きりになれなかったのよ・・・」ブツブツ

エツァリ「そ、その・・・申しわけありません」

美琴「・・・私と当麻で仲良くデートの予定だったのに・・・」ブツブツ

ショチトル「ごめんな、美琴」

美琴「どうしてアンタ達はそうやっていっつもいっつも迷惑を・・・」ブツブツ

上条「み、美琴・・・いいタイミングでまた二人きりになろうな?」

美琴「ホント!?」

上条「あぁ、約束するよ」

美琴(よっしゃぁぁぁぁ!!!!)

ショチトル(めっちゃ輝いてるな)






454 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 20:53:48.81yZY4vcrw0 (14/17)



垣根「・・・どうだよ、気分は」

心理「まぁまぁってところかしらね」

垣根「アトラクションを回る気分にはなるか?」

心理「・・・遠慮したいわ、まだ少しフラフラするもの」

垣根「飯は」

心理「食べられるわよ、大丈夫」

垣根「そうかい」

ベンチに腰掛けてから、既に1時間近く経ったのではないか

心理定規の体調が戻るまでずっとそうしていた

ようやく、動けるレベルには回復したらしい

垣根「・・・思えば、お前は朝から睡眠不足気味だったからな」

心理「それが大きな理由よ・・・」

垣根「・・・ってことは、間接的な原因は俺にあるのか?」

心理「えぇ、そうね」

垣根「ごめんなさい」

心理「いいわよ・・・ほら、ご飯にしましょう」

垣根「あぁ」






455 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 20:56:51.08yZY4vcrw0 (15/17)

遊園地の中にあるレストランを適当に探す

ある程度混んではいるが、どうにか入ることが出来そうだ

垣根(そういやあいつらは飯食ったのかな・・・)

友人の顔を思い浮かべながら垣根が心理定規の手を引く

そして、レストランの中へと入った



上条「・・・はぁ、やっと飯だ・・・」

そこにはその友人がいた

ショチトル「・・・お兄ちゃん、私も食べてみてはどうだ?」

エツァリ「ショ、ショチトル・・・」

美琴「?お兄ちゃんってどういうこと?」

エツァリ「な、なんでもありません!!!」


心理「あらあら・・・みんなお揃いね」

上条「あれ?二人も来たのか」

美琴(・・・も、もしかして二人きりになれないフラグ!?)

垣根「おうよ・・・さすがにアトラクション回る気にもなれなくてさ」

エツァリ「自分達も、あまりこういうのは合わないようです」

心理「それは残念ね・・・」





456 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 21:14:38.51yZY4vcrw0 (16/17)

上条「そっか・・・かなり混んでるから結構移動も面倒だもんな」

垣根「どうする?昼飯食い終わったらもうホテルに帰るか」

美琴「えっ・・・」

垣根「なんだよ・・・てめぇ、上条と二人きりになりたいんだろ?」

美琴「そ、そうだけど・・・せっかく遊園地に来たのに・・・」

垣根「・・・水着で上条にセクシーアピール、それが効くとは思わないか?」ボソッ

美琴「」ピクッ

心理「・・・まぁ、私も別に構わないわよ」

ショチトル「私はむしろプールがありがたいな」

エツァリ「自分もですね・・・女性の水着は美しいですから」

垣根「・・・で?御坂はどうする」

美琴「いいわよ・・・帰ればいいんでしょ帰れば!!」

垣根(ちょろいな)

上条(・・・美琴の水着姿、久しぶりに見るな)

心理「さぁ、そうと決まればさっさとご飯を済ませちゃいましょうよ」

垣根「あぁ」





457 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/24(火) 21:21:38.58yZY4vcrw0 (17/17)

今日はここまで

ちょっと駆け足でやらないと旅行だけで長くなってしまうので

筋肉動画は>>1の一番好きなビルダー、セルジオ・オリバの息子さん

 

セルジオjr、やはり父親の素質を受け継いでいますね

もっとハードにトレーニングすればすごいことになりそうです

そして「オリバーポーズ」では盛り上がる盛り上がるww

神話は続くものです、かっけぇ

ではおやすみなさい





458VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/24(火) 21:21:53.40p0glnJrzo (1/1)

水着姿の心理タソハァハァ


459VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/24(火) 22:17:03.40Dbc2Nr5W0 (1/1)

水着姿の美琴タソハァハァ


460VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/24(火) 23:29:14.88Rv7DCT4mo (1/1)

乙なんだよ


461VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)2012/01/24(火) 23:34:44.53YZvlNLlbo (1/1)

数ヶ月ぶりに板覗いたらまだやってたwwww
いつ追いつくかわかんないけどログ読んでくる
それにしても29スレとかすげえな


462VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)2012/01/25(水) 00:00:13.29a7T/ELRS0 (1/1)

乙~
これからもずっと続けてほしい!


463 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:05:14.80hiE8buUH0 (1/13)



上条(一体どうしてこうなったんだ・・・)

上条は必死に冷静さを取り戻そうとしていた

遊園地で食事を済ませ、一同はホテルに帰ってきた

その最中は特に変わったことはなかった

垣根と心理定規はバスの中で睡眠を取り、エツァリとショチトルは外の景色を楽しんだ

上条と美琴はプールを楽しみにしていた

そして、今はホテルのバスルームにいる

目の前には全裸の美琴

恥ずかしそうに、大切な部分を手で隠している

水着に着替えよう、ということなのだが美琴が選んだ水着は一人だと着るのが難しいらしい

よって、上条が着せてあげることになったのだが

上条(隠す素振りが可愛いぞ!)

顔を真っ赤にして、チラチラと上条の様子を伺う美琴

その羞恥の表情が堪らない

いきなり抱き着いて驚かせたくなってしまう

美琴「・・・早く着せなさいよ」






464 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:05:51.77hiE8buUH0 (2/13)

上条「下くらいなら自分で着られるだろ?」

美琴「か、隠せなくなるじゃない!」

上条「いいじゃんか、恋人だろ?」

美琴「う・・・アンタ、見たいだけなんじゃないの?」

上条「いやいや・・・」

スッ、と上条が美琴の太ももに触れる

美琴「なっ・・・!?」

スベスベとした肌の感触

適度に引き締まったその太ももは、健康な学生の象徴だった

上条「いいよなぁ・・・自販機蹴って鍛えたのか?」

美琴「はぁっ・・・ちょっと、触り方がやらしい・・・」

上条「ん?」

スーッ、と上から下に滑らせるようにして撫でる

美琴「んっ・・・は、放しなさいよ・・・水着着られないじゃない」

上条「あ、あぁ」

手を放すと、少し恥ずかしそうにしながら美琴が水着の下を着はじめた

上条(・・・は、早くしないと・・・)






465 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:06:29.12hiE8buUH0 (3/13)

次は心理定規が水着に着替えると言っていた

垣根に手伝いを頼まなかったということは一人で着られるのだろう

上条「・・・!?」

次に美琴が水着の上を差し出す

しかし、今まで美琴が愛用していたようなフリフリの水着ではなかった

深紅、セクシーさを引き出すための色の水着

上条「な、なんだよこれ!?」

美琴「い、いいでしょ!?」

上条「周りの男に注目されたらどうすんだよ!?」

美琴「だ、だって当麻は大人っぽい女性が好きなんでしょ!?」

上条「そ、そうだけど・・・」

美琴「・・・アンタが喜んでくれると思ってわざわざ買ったのよ」

上条「」

あぁ、自分はなんて幸せ者なのだろうか

頭をハンマーで殴られたような衝撃を上条は感じていた

上条「俺のためにわざわざ買ったのか・・・」

美琴「そ、そうよ・・・」






466 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:07:20.85hiE8buUH0 (4/13)

上条「・・・可愛いな、お前」

美琴「い、いいから早く着せなさいよ!」

上条「あぁ・・・」

スーッ、と手を伸ばす

可愛らしい胸が自然と目に入る

上条(落ち着け・・・触れてはならない・・・)

そう思いながらも、掌は自然と胸に伸びる

美琴「あぅっ・・・」

上条「・・・い、一回だけ・・・」

美琴「ダ、ダメだってば・・・あっ!」

上条「・・・気持ちいいんだろ?」

美琴「や、やめてって・・・」

上条「でも体はピクピクしてますよ?」

美琴「う・・・」

顔を俯かせるが、それが真っ赤に染まっていることは隠せない

上条(これなら・・・)

イかせられる、と上条が思った時






467 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:07:54.32hiE8buUH0 (5/13)

心理「何してるのよあなた達」

上条・美琴「!?」

いきなりバスルームのドアが開かれた

上条「心理さん!?何いきなり・・・」

心理「あら・・・お楽しみ中だった?」

美琴「ち、違う・・・んっ!」

心理「へぇ、美琴ったら意外と可愛い声出すのね」

美琴「な、なに・・・」

上条「も、もうちょっと待っててくれよ!すぐ・・・」

心理「いいわよ、一緒に着替えちゃえば早いんじゃない?」

上条「・・・は?」

心理「私も着替えるから、いいでしょ?」

上条「ダメダメ!」

そうなったらまずい、と上条が慌てて首を振る

心理「なら早くしなさいよ・・・ショチトルと私が待ってるんだから」

上条「は、はい」

バタン、と荒々しくドアが閉められる

恐らく心理定規は急かすためにあんなことを言ったのだろう






468 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:09:03.70hiE8buUH0 (6/13)

美琴「・・・ほら、とりあえず早く着させてよ」

上条「・・・あぁ」

すっかり熱の醒めた二人は、そのあと何事もなかったかのように着替えを済ませた




上条「・・・女ってさ、Tシャツ脱ぐのに時間掛かるのかな」

プールサイドで上条は悪態をついていた

部屋からプールまで移動するのはもちろん徒歩だ

さすがにその間も水着でいるわけにはいかない

よく使う、水着の上にTシャツとズボン作戦を取ったのだが

女子達はまだやって来ない、ロッカールームで上と下を一枚ずつ脱ぐだけなのに

エツァリ「・・・そうですね、たしかに遅いです」

垣根「・・・水着が一緒に脱げちゃったとかじゃねぇのか」

上条「なんだよそのベタな展開・・・」

垣根「・・・ウォータースライダーもあるんだな、室内なのに」

上条「外にもあるみたいだな・・・ホントにホテルかよ」

気を紛らわすためにプールを観察する

下手な市営プールなんかより立派なものだ





469 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:10:03.31hiE8buUH0 (7/13)

ウォータースライダーはもちろん、人工的に波を起こすプール、さらにはビーチパラソルまである

外では日焼けを楽しむ若いカップルもいた

上条「・・・垣根はどうする?やっぱり心理さんと二人か?」

垣根「うーん・・・お前らと一緒でいいかな、どうせ遊ぶなら」

エツァリ「自分もそれがいいですね・・・ウォータースライダーで競争、なんていうのに憧れますから」

上条「あぁ、いいなそれ」

ははは、と三人が笑う

こんな会話をする季節か、というとそうでもない

このホテルに来なければこんな会話なんてしなかっただろう

上条「・・・にしても女子は・・・」

美琴「・・・悪かったわね」

突然、上条が後ろから抱きしめられる

上条「おわっ!い、いつの間に・・・」

美琴「私が先に脱ぎ終わったから・・・」

エツァリ(言い方がエロいですよ御坂さん)

上条「そっか・・・っていうか、抱きしめられたらまずいんですが」






470 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:10:58.66hiE8buUH0 (8/13)


美琴「な、なんでよ・・・それより、似合ってるかな?」

真っ赤な水着を少し不安そうに美琴が指差す

上条「あぁ、似合ってる」

美琴「よかった!」

垣根「へぇ・・・子供子供って思ってたけどわりとそういうのも似合うんだな、見直したぜ御坂」

美琴「なんかアンタが素直に褒めると怖いわ」

エツァリ「素敵ですよ、御坂さん」

美琴「ごめん、見ないでもらえる?」

エツァリ「」

ショチトル「そんな冷たいことを言ってやるなよ」

垣根「お、お前も来たか・・・」

ショチトルは黒い水着だった

彼女は非常にグラマラスなのだが、さらにそれが引き立っている

もうダイナマイトなんてものではない

上条「お前は相変わらず派手だな・・・」

ショチトル「んん?なんだ、挟んでほしいのか?」






471 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:11:43.36hiE8buUH0 (9/13)


上条「誰もそんなこと言ってないから・・・」

エツァリ「素敵ですよ、ショチトル」

ショチトル「ありがとう・・・お前も中々似合ってるな」

エツァリ「赤いトランクスみたいなものですが」

上条「あれ、お前は赤だったのか」

垣根「俺と上条は黒だな」

美琴「男にとっては無難な色よね」

垣根「他にいい色もないからな」

心理「あら、あなただったらどんなのでも似合いそうだけど?」

垣根「お、来たか・・・」

後ろから聞こえた声に垣根が振り返った

彼の予想では、心理定規は赤や黒といったセクシーな水着を着ているはずだった

彼女は大人な魅力を持っているため、今まではそれを全面に押し出していたのだから

しかし

垣根「な!?」

今日の彼女は違った

男一同「白だと!?」






472 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:12:15.43hiE8buUH0 (10/13)

心理「あら、清楚でいいんじゃないかしら」

ふふふ、と心理定規が笑う

本来、白とは一番清楚な色である

純粋無垢なお嬢様が着ていそうな水着だ

しかし心理定規が着るとどうだろうか

彼女の真っ白な肌と一体になるため、ぱっと見た感じは肌の一部にさえ感じられる

さらに華奢とはいっても中々グラマラスな彼女の体によって、純粋さの中にセクシーさが溢れていた

大人っぽい感じと子供っぽい感じが共存しているのだ

垣根「か、かかかか可愛いじゃねぇかよ!なんだそれ!?」

心理「たまには大人っぽさを捨ててもいいと思ったのよ」

美琴「な、なんて色気なのよアンタ・・・」

上条「・・・」

美琴「!?ちょっと、当麻!見とれないの!」

上条「あ、いや・・・美琴が着てたらもっと可愛いだろうなってさ」

美琴「!」

心理「あら、私と美琴の体を重ねてたのかしら」

エツァリ「中々マニアックなプレイですね、上条さん」






473 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 17:19:05.96hiE8buUH0 (11/13)

心理「ごめん、あなたは見ないでちょうだい」

エツァリ「」

ショチトル「しかし・・・本当にすごい色気だな」

心理「あなたこそすごいわよ?」

ショチトル「ふん・・・体の柔らかさなら私が上だが、雰囲気なら明らかにお前が上だろう」

上条「でも一番可愛いのは美琴だよな」

垣根「ちっ、惚気かよ」

エツァリ「さて・・・みなさん揃いましたし、何かしましょうか」

上条「まずはウォータースライダー行こうぜ!」

美琴「いいわね!」

心理「ふふ・・・じゃあ行きましょう」

垣根「おうよ」



ウォータースライダーのいいところは様々だが、一番の長所は恋人と体を密着させながら滑れることだろう

きゃー、なんて言いながら怖がる女の子を抱きしめながら滑るのだ

上条(よーし!!俺は美琴とイチャイチャしながら滑る!!)

そして、上条はそんな男の夢を叶えようとしていた





474 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 20:22:09.98hiE8buUH0 (12/13)

美琴「?どうしたのよ、ニコニコして」

上条「いや・・・なんでもないよ」

ウォータースライダーの出発点

周りにはそれほど客もいない、ほとんど二人きりに近かった

美琴「・・・にしても、中々高いわね」

上条「それに長いし・・・」

周りをビニールで覆われたウォータースライダーだ、これなら周りの目を気にせずに密着できる

上条(よっしゃぁぁぁ!!待ちに待った二人きりの・・・)

垣根「おーおー、長いなこのウォータースライダー」

上条「・・・邪魔だからどっか行ってくれ」

心理「失礼ね」

ショチトル「ふむ・・・二本しかウォータースライダーはないのか」

エツァリ「では自分達が後で・・・」

垣根「いや、俺たちでいいよ」

ショチトル「いいのか?」

垣根「あぁ」

美琴(・・・なんとなく嫌な予感がするわ)





475 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/25(水) 21:15:07.20hiE8buUH0 (13/13)

今日はここまで

筋肉動画は「ミッシェル」さん

 

ダンスうめぇww

ナチュラルっぽいですね

では




476VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/25(水) 23:04:06.72MGg9E1yCo (1/1)

乙なんだよ



477 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 10:01:01.89ApXeuW3S0 (1/22)

上条「じゃあ先に滑らせてもらうな」

若干の不安を感じながらも、上条が美琴と一緒にウォータースライダーの入口に向かう

かなりの長さがあるため、中々時間が掛かりそうだ

ショチトル「どっちが先に着くか競争するか?」

上条「望むところだ!」

心理「はしゃぎすぎて怪我しないようにね」

エツァリ「大丈夫ですよ」

美琴「じゃあ行きましょう!」

美琴が上条の膝の中に体を入れる

すっぽりと綺麗に収まった美琴の体を、上条は優しく抱きしめる

上条「よし!じゃあ・・・」

ショチトル「スタート!」

二組のカップルが勢いよくスタートを切った

垣根「・・・速いな、もう見えなくなった」

心理「コースが曲がりくねってるから仕方ないわよ」

垣根「さて・・・俺達も行くか」

心理「?まだスタートしたばかりじゃない」






478 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 10:01:30.49ApXeuW3S0 (2/22)

垣根「だからだよ」

コキコキ、と首を鳴らしてから垣根がスタート地点に移動する

垣根「速さってもんをヤツらに教えてやるんだ」

心理「・・・ぶつかるわよ」

垣根「砕けるか、それとも生き残るかさ」

手招きをしながら垣根が答える

心理「・・・もしかして、私も?」

垣根「お前と滑らなきゃ意味ないだろ」

心理「怪我したくないんだけど」

垣根「させないって」

心理「はぁ・・・ちゃんと守ってよね」

諦めた心理定規が垣根の膝の中に移動した

垣根「にしても中々いいアングル・・・」

心理「いいから、早く」

垣根「分かった分かった」

ため息をついてから、垣根が勢いよくスタートを切った







479 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 10:01:58.20ApXeuW3S0 (3/22)



上条「は、速い速い!」

美琴「ちょっ・・・曲がりきらないわよ!」

壁がビニールだからよかった、と二人は冷や汗をかいていた

急な下り坂でスピードがかなり出ている

さらにきついカーブのせいで二人の体はグルングルンと回っていた

怪我をしないように上手く作られてはいるが、少しでも気を抜けばひっくり返ってしまいそうなコースだ

美琴「当麻、しっかり掴んでてよね!?」

上条「当たり前だろ!」

今はコースのどこにいるのか、それさえ分からない

ちなみにまだ4分の1程度なのだが

上条「これならエツァリ達もかなり苦戦してるだろうな」

美琴「なら少しでも差をつけて・・・」

猛スピードの滑降を続けていたが、ふと美琴があることに気づいた

美琴「・・・後ろから誰かが来てる」

上条「はい?」






480 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 10:02:24.93ApXeuW3S0 (4/22)

美琴「・・・レーダーに反応があるのよ」

上条「ま、まさか別のお客さんか!?」

美琴「それなら入口の垣根達が注意するはず・・・」


上条・美琴「垣根!?」

垣根「はははは!ひゃっほー!」

心理「いやぁぁぁぁ!」

二人の後ろから聞き覚えのある叫び声が聞こえてきた

垣根「滑る間に自然と濡れていく愛する人の体、それを抱きしめることによって火照る自分の心!吊橋効果も相まって二人の愛情はより一層深まる!滑って行ったその先には、幸せという名の終着駅が待っている、それがウォータースライダーなんだよ!」

上条「ちょ、なんでお前まで来てるんだよ!?」

美琴「私達がまだ滑り終えてないってことくらい分かってたでしょ!?なんで・・・」

垣根「そこにウォータースライダーがあったからだよ!」

上条・美琴「答えになってないから!」

垣根「ははは!後から滑った俺達に追いつかれるなんてなぁ!」

ぎゅっ、と心理定規の体を抱きしめた垣根

その体が、上手く上条達を避ける

上条「こ、このスピードで体をコントロール・・・」

垣根「速さが足りないんだよぉぉ!」






481 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 10:03:13.33ApXeuW3S0 (5/22)

ビュオン、という不気味な音を鳴らしながら垣根は上条の前に出た

そう、信じられない体のコントロールによって前を行っていたはずの上条を追い抜いたのだ

垣根「あばよ!俺は先に行かせてもらうぜ!」

美琴「ちょ、ちょっと・・・」

心理「止めてぇぇぇぇ!」

上条「お、おい・・・心理さんが」

垣根「ひゃっはー!!!!」

美琴「き、聞いてるの垣根!?」

垣根「ははは!これが俺の速さなんだよ!」

意味の分からないことを言いながら、垣根はカーブの向こうに姿を消した

上条「心理さん泣いてなかったか・・・?」

美琴「!当麻、前!」

上条「おわぁぁぁぁ!」

気を抜いた上条の体が、後ろ向きになる

上条「まずっ・・・」

美琴「にゃぁぁぁぁ!」

そして後ろ向きのまま、二人は更にスピードを増していった






482 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 14:32:13.75ApXeuW3S0 (6/22)



垣根「にゃっはっは!!俺達が一番だ!!」

ウォータースライダーの出口、そこはもちろんプールだった

その中ほどで垣根は誇らしげに腕を組んで笑っていた

周りのおしとやかな女性達がなぜか拍手をしているが、ツッコんではいけない

心理「・・・なんでこんなに速いのよ・・・」ブルブル

垣根「それが!!速さなんだよ、心理定規ォ!!」

心理「・・・あ、ショチトル達が来たわよ」


エツァリ「ゴールしましたよ!!」

ショチトル「よっしゃぁ!!まだ上条達は来てない・・・」

垣根「遅い!!遅すぎるぞお前達!!」

エツァリ「!?か、垣根さん!?」

ショチトル「馬鹿な、どうしてここに!?」

垣根「がっはっは!!俺達がここから滑ってきたのに気づかないとはなぁ!!」

未だ上条達が滑降中のウォータースライダーを指しながら垣根が笑う

エツァリ「そんな・・・上条さん達は!?」

垣根「追い抜いたのさ!!」

ショチトル「そ、そんな技術が・・・!?」







483 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 16:11:51.86ApXeuW3S0 (7/22)

ショチトル「・・・やるな垣根」

垣根「ははははは!!誰も俺に追いつけない!!」

エツァリ「・・・それはそうと、上条さん達が来ませんね」

心理「まだ滑ってるのかしら」

垣根「・・・いや、来たみたいだな」

四人が耳を済ませると、上条と美琴の悲鳴が聞こえてきた


上条「おわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

美琴「な、なんで後ろ向きなのよぉぉぉ!?」


垣根(・・・来るか)

そっと四人が遠ざかる

すごいスピードで降りてくる二人だ、ぶつかったら一溜まりも無い

エツァリ「・・・!!」


上条「ぎゃぁぁぁ!!!」

美琴「にゃぁぁぁぁ!!」

ボーン、と勢い良く飛び出した二人はそのまま水面に叩きつけられようとしていた

上条(こ、このままじゃプールの底に美琴がぶつかる!!)

すっと手を伸ばし、上条は美琴を抱きしめた





484 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 16:14:44.22ApXeuW3S0 (8/22)

美琴「えっ・・・」

心理「!!」

ゴチーン!!という漫画のような馬鹿げた音を立てて、上条の頭が底に当たった

しかし、どうにか美琴は守りきれたらしい

上条(あ・・・意識が・・・)

クラクラと揺れる頭が、さらに揺れている水面を捉えた

美琴「当麻、当麻ぁ!!」

垣根「うっわ・・・こりゃ痛いぜ」

ショチトル「暢気に言っている場合じゃない、早くプールサイドに引っ張っていけ!」

エツァリ「そ、そうですよ!!」

垣根「はいはい・・・」

上条(くっそ・・・体が動かない・・・)

美琴「当麻ぁぁぁぁ!!」

心理「・・・意識が無くなったみたいね」

垣根「とにかく、運ぶぞ」

心理「ほら・・・美琴ったら泣かないの」

美琴「うぅ・・・」グスン






485 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:35:27.80ApXeuW3S0 (9/22)


上条「・・・う・・・」

後頭部の鈍い痛みに顔をしかめながらも、上条はゆっくりと目を開けた

誰かが心配そうに彼の顔を覗き込んでいる

上条「美・・・」

心理「あらよかった・・・目が覚めた?」

上条「・・・あれ、なんか美琴にしては声が澄んでるな・・・」

心理「・・・あのね、そんなこと美琴が聞いたら怒るわよ」

上条「・・・なんで心理さんなんだよ?」

心理「失礼するわね、私だったらいけないの?」

プールサイド、というよりもそこにあるビーチパラソルの下

そこに上条は寝ていた

上条「美琴は?」

心理「今タオルを取りに行ってるわ、あの子ってばかなり焦ってたわよ」

上条「タオル?」

心理「水に浸してあなたの頭を冷やすんですって」

上条「他のみんなは?」

心理「念のため美琴についていったわよ、あの子本当に泣きそうだったんだから」





486 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:38:41.22ApXeuW3S0 (10/22)

上条「そっか・・・」

心理「それで、一番冷静でいられる私が残ったってこと」

上条「地味に自慢が入ってますね」

心理「それよりどうなのよ、まだ痛む?」

上条「うーん・・・多分コブになってるかもな」

心理「ほら、ちょっと後ろ向いてみて」

上条「?」

言われるがままに上条が後ろを向く

心理「あらホント・・・ちょっとコブになってるわ」

上条「やっぱりか・・・どうりでジンジンすると思ったよ」

心理「大丈夫?」

上条「!?」

心理定規が優しく上条の後頭部をさすり始めた

別にいやらしい行動ではないのだが、なぜか上条はドキドキとしてしまった

上条「な、何してるんですか!?」

心理「あら、介抱よ」

上条「違うだろ絶対に!!!」





487 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:43:14.25ApXeuW3S0 (11/22)

心理「ほら騒がないの・・・」

上条「う・・・」

心理「全く・・・ごめんなさいね、垣根があなた達を混乱させたのも原因の一つよ」

上条「いや・・・心理さんは悪くないですよ」

心理「・・・垣根を止めなかったのは私の責任でしょ」

上条「だ、だから心理さんは悪くないんだって!!」

心理「いいのよ、とにかく友人を介抱するのは当たり前でしょ?」

上条「・・・そ、そうだけどさ」

後頭部に触れている優しい掌に、つい意識を集中してしまう

上条「・・・あの、今美琴が来てしまったら勘違いされてしまいそうですよね?」

心理「あら、そんなことないわよ」

上条「でもさ・・・」

心理「・・・なに?もしかして私の母性に溺れたいのかしら」

上条「お、溺れるのは御免ですよ」

先ほどまで水の中をプカーッと漂流していたのだ、今はそんな言葉を聞きたくない

心理「・・・それにしても遅いわね、みんな」

上条「・・・たぶん、美琴が泣いてるのかもな」

心理「はぁ・・・本当にそうかもしれないわね」






488 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:47:03.84ApXeuW3S0 (12/22)

上条「・・・」

心理「・・・」

ずーっと頭を撫でられているというのは気まずいものだ

かといってそれを特別に意識しているような素振りをしてしまうと更に気まずくなる

上条「・・・心理さんってさ」

心理「なに?」

上条「看護師さんとか似合ってるかもな」

心理「いきなりなによ?」

上条「・・・いや、こういうのとか得意そうじゃんか」

心理「・・・あのね、ナース姿の私を想像するのは勝手だけど」

上条「してませんから!!」

心理「・・・それで、少しもよくならない?」

上条「うーん・・・あんまり変わらない・・・」

心理「そっか・・・私じゃやっぱりダメよね」

上条「!!い、いやいや!!心理さんの介抱は最高ですよ!!!」



美琴「・・・へぇ、そういうこと」

上条「」





489 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:51:28.65ApXeuW3S0 (13/22)

心理「あら、お帰りなさい」

上条「み、みみみみみ美琴さん!?」

美琴「そうだったんだ・・・へぇ、心理定規の介抱が受けたくて怪我したわけ、へぇ」

上条「か、勘違いなんだってば!!」

垣根「・・・上条、あの御坂を救ったのは演技だったのか・・・」

ショチトル「すごいな上条・・・」

エツァリ「気づきませんでしたよ」

上条(こ、このタイミングで帰ってくるか!?)

美琴「・・・心配して損したわよ、馬鹿」

上条「えっ?」

ぎゅっ、と美琴が上条を抱きしめる

先ほどまでの怒ったような表情から一転して、本当に安心したような表情を浮べていた

上条「あ、あの・・・」

美琴「・・・本当に心配したんだから」

上条「」


上条(こ、この緩急差はなに!?めちゃくちゃ恐ろしい緩急!?)





490 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 19:57:20.60ApXeuW3S0 (14/22)

美琴「分かってるわよ・・・ちょっとタイミング悪く私達が帰ってきただけでしょ?」

上条「わ、分かってたのか?」

美琴「当たり前でしょ・・・」

目を潤ませながら、美琴が答える

上条「な、なんで泣いてるんだよ・・・」

美琴「・・・アンタが気失うから」

上条「そ、それはその・・・」

美琴「馬鹿みたいよ・・・私を庇わなきゃ、アンタはそんなに怪我しなかったのに」

上条「・・・え、え?」

垣根「はぁ・・・上条、お前御坂がどんだけ心配したか知らないだろ」

ショチトル「まぁ、頭ぶつけて気絶すれば心配もするよな」

エツァリ「・・・そうですよ、本当にあなたは・・・」

上条「・・・美琴」

美琴「なによ・・・」

上条「・・・たしかにさ、俺はお前を庇って怪我したのかもしれないけど、お前は怪我してないじゃないか」

美琴「!!!」

上条「俺が庇ってなかったら、お前も怪我してただろ?それに比べたらこんな痛みなんともないよ」

美琴「」キュン





491 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:02:51.69ApXeuW3S0 (15/22)

ショチトル(な、なんてイケメンなんだ!!)

エツァリ(この人に・・・自分はかつて勝負を挑んだのですか!!)

心理(あら、羨ましいくらいラブラブね)

垣根(チンポジが気になる)

上条「だからさ、泣く代わりに介抱してほしいんですけど」

美琴「メ、心理定規の介抱のほうがよきゃったんじゃないの!?」アタフタ

上条「噛んでる噛んでる」

垣根「・・・甘いな、お前達」

ポン、と垣根が上条の肩に手を置く

上条「あぁそうだ垣根」

垣根「はい」

上条「俺達がバランス崩したのは、元はといえばお前の登場で集中が途切れたからなんだけど」

垣根「・・・心理定規、一緒に波のプール・・・」

心理「行ってもいいけど、まずは謝りなさいよ」

垣根「ショチトルぅ!!一緒に俺とエンジョイプレイしないか!?」

ショチトル「まずは謝れ」

垣根「・・・」

エツァリ「・・・」



垣根「すいませんでした」

エツァリ(え?)





492 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:09:30.59ApXeuW3S0 (16/22)

上条「はぁ・・・いいよ別に、俺だって責任はあるし」

垣根「ま、御坂の介抱があれば大丈夫だろ」

上条「じゃあお前達はもう行くのか?」

ショチトル「あぁ・・・先に行って待ってるよ」

上条「死亡フラグを建てるな・・・」

心理「上条君・・・もしも、もしも何かあったら電話してね」

上条「そういうのもやめてくれ」

垣根「ミコっちゃん、上条のこと頼んだぜ」

上条「そんな呼び方するな!!」

エツァリ「お大事に、上条さん」

上条「美琴、タオル貸してもらっていいか?」

美琴「うん、冷やしてあげようか?」

上条「サンキュー、愛してるよ」

美琴「//」

エツァリ「」

ショチトル「ほら、行くぞ唐変木」





493 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:16:30.34ApXeuW3S0 (17/22)


上条「・・・はぁ、それにしても最近心理さんがやけにちょっかい出してくるな・・・」

美琴「あぁ、たしか垣根にヤキモチ妬かせたいみたいね」

上条「ふーん」

美琴「って、アンタもちょっかい出されてるの?」

上条「?もってどういうことだよ」

美琴「私もなんだかんだちょっかい出されるのよね」

上条「・・・心理さんってさ、やっぱり魔性だよな」

美琴「うん、でもたまにちょっとめんどくさいわよね」

上条「・・・そんなこと言うなよ」

美琴「も、もちろんイヤなわけじゃないわよ!?心理定規は優しいし・・・それに大人だから好きなんだけど、ちょっかいは・・・」

上条「ま、まぁたしかにうざったい時はあるけどな」

美琴「う、うん」



心理「・・・そ、そうなの?」

上条・美琴「」

心理「わ、私のちょっかいって・・・不愉快だったの?」ウルウル

上条「えぇぇぇぇ!?なんでここにいるんですか!?」

美琴「か、垣根は!?」





494 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:22:56.86ApXeuW3S0 (18/22)

心理「・・・上条君の調子がよくなったら来てくれって伝言を・・・言いに・・・」

上条「そ、そうだったのか!」

美琴「あ、あははは!!冗談よ心理定規、その・・・」

心理「・・・不愉快・・・だった?」

美琴(な、なんでこんな泣きそうな顔になってるの!?)

上条(ど、どうして?)

心理「そうよね・・・結局、私とあなた達は友達って言っても他人ですものね・・・」フルフル

上条「そ、そんなこと・・・」

心理「いいのよ・・・私の能力は人の心の距離を操るものよ・・・今までだって、いろんな人との距離を測ってきたわ・・・」

美琴「そ、その・・・」

心理「・・・あなた達も・・・結局、私から離れるのね・・・」

上条(そ、そうだよな・・・心理さんって暗部にいたみたいだし・・・)

美琴(そこがどういう所かは分からないけど・・・きっと、友達なんて作れる状況じゃなかったのよね)

上条「心理さん、たしかに距離ってのは開くこともあるけどさ・・・縮まることもあるんだ」

美琴「・・・そうよ、なにも離れるだけじゃないわよ」

心理「で、でも・・・」

上条「・・・誰だって、離れたり近づいたりを繰り返すけど・・・それが友達なんだよ」





495 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:27:41.70ApXeuW3S0 (19/22)

心理「か、上条君・・・」

上条「・・・心理さんはちょっと友情に不器用なだけなんだよな」

美琴「そ、そうそう!!こういうイタズラとかも愛情表現なのよね!?」

心理「・・・?こういう?」

美琴「え・・・い、今落ち込んでるのも演技なんじゃないの?」

心理「」

上条「み、美琴!!」

美琴「ち、違ったの!?てっきり腹黒心理定規が出てきたのかと・・・」

心理「美琴、ちょっとこっち来てくれない」

美琴「な、なんでそんな物陰を指差し・・・」

心理「来い」

美琴「はい」

上条「み、美琴・・・さん?」

心理「ちょっとだけ借りるわよ、上条さん」

上条「さ、さん!?」

美琴「と、当麻ぁ!!」

上条「あ、謝ったほうが・・・」

そんなことを言っている間に美琴は物陰に連れて行かれた






496 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:36:02.22ApXeuW3S0 (20/22)

上条(だ、大丈夫なのか?)

上条には遠くから声を聞くしかできない

しかし、なにやら面白い会話が聞こえている


美琴「な、泣かないでって・・・ごめん」

心理「ほ、本当に・・・私のこと好き?」

美琴「大好き大好き!友達だもん!!」

心理「でも・・・信じてくれなかったじゃない」

美琴「ちょっと疑っただけよ・・・でも、心理定規のそういうイタズラもアンタのいいところじゃない、可愛いし」

心理「!!!ホント?」

美琴「だから、これからも友達よ?」

心理「うん!!」


上条「あ、お帰りなさい」

美琴「お待たせ」

心理「・・・と、友達・・・」ドキドキ

上条・美琴(なんだこの可愛い子)

心理(・・・フレンド・・・)ドキドキ

垣根(・・・フレンダ・・・)ムラムラ

上条(どこから来た)





497 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 20:49:57.33ApXeuW3S0 (21/22)

今日はここまで

筋肉動画は二人の神話の対面

 

オリバはリーのこと知らないみたいですねw

神話の異名とオリバーポーズを受け継いでいるのはリーですが、二人につながりがあるわけではないですからね

にしても、オリバは老けましたね・・・2010年のオリンピアエキスポにも来ていたようですが、さすがに年には勝てませんか

耳も遠くなっているようですし、なにより彼の体質である「筋腹が長すぎる故に腱が短い」は年を取れば取るほどきついでしょうから

ですが、それでもボディビルの大会にはちょくちょく顔を出しているようで嬉しいです

アーノルドとオリバ、ショーンとケビンは永遠のライバルでありよき友って感じですね

今のオリンピアにはそこまでの浪漫がないような気がします

ではおやすみなさい


心理定規の声、なぜか頭でカリンのときみたいな真綾さんで再生されるときがあるww





498VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/26(木) 21:28:17.30dGz37EMpo (1/1)

心理タソは初めて見たときからマーヤで脳内再生される…



499 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/26(木) 21:43:16.79ApXeuW3S0 (22/22)

>>499 禁書好きな友達は「林原めぐみ」の声で脳内再生されるらしいですが

>>1としてはマーヤさんがいいよマーヤさん

というかね、心理定規の活躍が楽しみでしょうがないですよね

ていとくんもだけど





500VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/27(金) 00:36:23.00mk56SFYIo (1/1)

乙ですの


501VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/27(金) 01:52:43.63oFrMm5Zeo (1/1)

乙なんだよ

心理タソの声の脳内再生はTOVのジュディス声の久川綾だな


502VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2012/01/27(金) 08:57:27.74oqG/ZYddo (1/1)


相変わらず早いな~


503 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:37:19.38QmLASgUh0 (1/12)

上条「なんで垣根まで来たんだよ・・・」

垣根「心理定規の泣いている声が聞こえたからさ!」

心理「な、泣いてなんかないわよ」

垣根「まぁ嘘はおいといて・・・エツァリとショチトルを二人にしてやりたくてな」

心理「あら、あの二人を二人きりにしていいのかしら」

上条「そ、そうだって!二人きりなんかにしたら・・・」

垣根「安心しろ・・・俺はあいつらを信じる、きっとバレないようにヤると」

美琴「なんか信じることが間違ってるわよね」

垣根「まぁ・・・つまり俺も暇だから来たんだよ」

上条「暇だからってな・・・」

心理「そうね・・・せっかく上条君と美琴が二人きりになれるはずだったのに」

美琴「いや、心理定規がいるから結局二人きりじゃないのよ」

心理「あら、私が邪魔だって言いたいのかしら」

美琴「そういうわけじゃないけど・・・」

上条「ほら・・・邪魔とかじゃなくて二人きりじゃないってこと」

心理「それって邪魔ってことよね」

垣根「・・・仕方ないだろ、俺達だって二人になりたいんだぜ?」






504 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:37:46.14QmLASgUh0 (2/12)

美琴「なら二人もどっかに行けば・・・」

垣根「だがなぁ・・・波のプールにはエツァリとショチトルがいるんだ」

美琴「流れるプールは?」

垣根「あそこはいやだ、俺は流されたくなんかない人間なんだよ!」

美琴「なによそれ」

上条「じゃあ遊具がたくさんあるプールは?」

垣根「あそこは子供が遊ぶべき場所だ、俺みたいな男が行く場所じゃないだろ・・・」

心理「となると・・・真面目に泳ぐ、あの競泳プールかしらね」

垣根「あんな場所に行けるかよ!みんな目を輝かせてるぜ、金持ちのくせにスポーツも出来るとかどんだけだよ!?」

美琴「金持ちがスポーツ出来ないってどんなイメージなのよ・・・」

垣根「だからさ・・・結局ここが一番なんだ」

ビーチパラソルの下に四人が集まるのは中々窮屈だ

しかもご丁寧というか、太陽は綺麗に輝いている

屋内プールに逃げ込めばいいのだろうが、ゆっくり上条を寝かせられるのはここしかなかったのだ

美琴「・・・じゃあ仕方ないわよね」

上条「はぁ・・・二人きりにはなれないか」

垣根「ちっ・・・それはこっちの台詞だ」






505 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:38:21.61QmLASgUh0 (3/12)

上条「なんだよ・・・お前さっきから美琴の水着チラチラ見やがって!」

垣根「はーぁ?見てねぇよ、お前こそ心理定規の水着チラチラ見てんじゃねぇかよ!」

上条「はぁ!?見てねぇからな!」

垣根「嘘つくな!そういやお前の理想のタイプって年上のお姉さんタイプだったよな!?心理定規も年上じゃないけど中々お姉さんタイプだもんな!」

美琴「ちょっと・・・あんまり大声出さないでよ」

心理「そうそう、あくまで高級ホテルの中のプールなんだから」

垣根「うるせぇ!男が曲げちゃいけないのは臍と腰と信念なんだよ!」

上条「美琴!水着姿のお前のそばに他の男を置いてはいられないんだよ!」

美琴「え、あ、うん」

垣根「心理定規!てめぇの瞳を見つめていいのは俺だけだ!」

心理「あら素敵」

上条「だから!お前はどっか行け!」

垣根「ふざけんな!俺がどっかに行ったら心理定規の水着姿を堪能するつもりだろ!」

上条「んなわけねぇだろ!俺は美琴に釘付けなんだからな!」

垣根「はー!?そんな見るとこない体のどこがいいんだよ・・・」

上条「言ったな!美琴の体の魅力が分からないなんてお前はまだまだだな!」






506 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:38:52.96QmLASgUh0 (4/12)

垣根「はん!てめぇこそ、心理定規という最強の魅力を目の前にして何も感じないなんて笑えるな!」

上条「美琴のほうが魅力的なんだよ!」

垣根「ふざけんな!」

心理「はいはい、答えの出ない討論はそこまでにしましょう」

美琴「そうよ・・・好みの違いってのがあるじゃない」

二人が、自分の恋人の腕に抱き着いて宥める

垣根「・・・いい柔らかさだ」

心理「?」

上条「中々いい感触だ・・・」

美琴「アンタ達ね・・・」

垣根「・・・だがな、俺達だってここ以外に行く場所はないんだよ」

上条「仕方ないな・・・」

心理「はぁ・・・ったく、二人とも独占欲が強すぎるのよ」

美琴「そうそう・・・ヤキモチ妬いてくれるのは嬉しいけど、喧嘩はダメよ」

垣根「・・・」

上条「・・・」

美琴「な、なによ?」






507 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:39:23.02QmLASgUh0 (5/12)

垣根「お前らが独占欲について語るとはな」

上条「・・・心理さんも中々独占欲すごいよな」

心理「なによ、垣根を独り占めしたいなんて思ったことないわよ」

垣根「」

上条「いやいや・・・」

垣根「俺は常に心理定規を独り占めしたいんだけどな」

心理「そんなこと、面と向かって言わないでよ」

美琴「あ、心理定規赤くなってる!」

心理「うるさいわね・・・」

体育座りになって、心理定規がため息をつく

美琴「・・・にしても、ここじゃ何も出来ないわね」

心理「そうなのよ・・・ここには何もないから」

垣根「何を言う!輝く太陽が浮かんでいるじゃないか!」

心理「それだけじゃ日に焼けるだけよ・・・」

上条「そういえば今日はかなり陽射しが強いな」

心理「・・・焼けるのはイヤよ」

垣根「なんでだよ、お前はちょっとくらい焼けてもセクシーだと思うぜ」

心理「あら、水着の跡が付いた私なんてイヤでしょ?」






508 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:40:01.59QmLASgUh0 (6/12)

垣根(・・・日焼けで水着の跡が付いた心理定規・・・)

美琴「・・・なにぼーっとしてるのよ」

垣根「いい、すごくいいじゃないか日焼けした心理定規!」

心理「なに言ってるのよ・・・」

呆れたようにため息をつきながら、心理定規がプールを見つめる

お金持ちらしい、上品な水着を着た「方々」が上品に遊んでいた

もちろん、金持ちだとしても家族連れや夫婦なのだ、結局は泳いだり体を日に焼いたりするだけなのだが

それが妙に上品に見えるのが不思議で仕方ない

心理「・・・こんな所に、私なんかがいていいのかしら」

垣根「あぁ?」

ポツリ、と呟いた心理定規のほうを見ながら垣根が首を捻る

心理「・・・幸せそうよ、みんな」

垣根「なんだよそりゃ」

心理「・・・あんな幸せそうな笑顔、私には眩しすぎるわよ」

上条「心理さん・・・」

垣根「なら安心しろ!お前も幸せだろ、だったらここにいていいはずだ」

心理「でも・・・」






509 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 10:40:50.52QmLASgUh0 (7/12)

垣根「あー!今の幸せで足りないならもっと幸せにしてやる、お前が笑って過ごせるまで俺は幸せにし続けてやる、だからそんなくだらないことで悩むんじゃねぇよ!」

心理「!」

垣根「いいか!お前の居場所は俺の隣だ、俺が明るい世界にいるって決めたからにはお前にもその場所にいてもらうからな!」

心理定規の顔を指差しながら垣根が笑う

心理「・・・な、なんて自分勝手な・・・」

美琴「でもまぁ・・・垣根らしいわね」

上条「はぁ・・・心理さんもナイーブだな」

心理「私が図太く見える?」

上条「いやいや・・・見えないけどさ」

心理「そういえば、ショチトル達はまだ波のプールで遊んでるのかしら」

垣根「そうだな・・・俺達も波のプール行きたいな」

上条「俺もそろそろ遊びますか・・・」

美琴「もう大丈夫なの?」

上条「あぁ、ちょっと頭ぶつけただけだったし」

垣根「じゃあ行くか」

上条「おぅ!」






510 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 11:37:59.87QmLASgUh0 (8/12)



エツァリ「・・・ショチトル、そんなにハマったのか?」

ショチトル「あぁ!!」

浮き輪に捕まり、プカプカと浮かびながらショチトルは笑っていた

波を人工的に起こすプール、そんなものはもちろんアステカ系統の魔術結社にいた頃は体験できなかった

しかも、そもそもそこまでプールに行ったことがなかったためショチトルにとっては新鮮そのものなのだ

ショチトル「自然現象である波を人間が作り出すんだぞ!!」

エツァリ「まぁ、たしかに不思議なものだが・・・」

風呂場で腕を上下に動かしただけでも波のようなものは起きる

それを非常に大規模で起こせば可能なのではないか

ショチトル「・・・はぁ、上下の運動が気持ちいいぞエツァリ・・・」

エツァリ「そういう言い方をするな・・・」

ショチトル「・・・しかし、さすがに何もしないで浮かんでいるだけだと飽きるな」

エツァリ「今頃か・・・俺はしばらく前から気づいていたぞ」

ショチトル「ん?上条達が来たな」

エツァリ「おや、本当ですね」

ショチトル「・・・もう敬語か」

エツァリ「条件反射ですよ・・・」





511 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 11:47:15.59QmLASgUh0 (9/12)



垣根「よー、どうだった二人きりの時間は」

ショチトル「いざとなると退屈なものだぞ」

垣根「あぁ?」

プールサイドからショチトルを覗き込みながら、垣根が訊ねていた

上条「・・・にしても、遠くから見てると本当にすっごいよなお前達・・・」

エツァリ「?なにがですか?」

美琴「まぁ、たしかに見た目は美形だからね・・・」

ショチトル「見た目も、だろ」

心理「・・・さて、私達もお邪魔していいかしら」

上条「い、いいのかな」

エツァリ「・・・まぁ、どうぞ」

美琴「お邪魔しまーす」

垣根「邪魔するぞ」

ゆっくりとプールに浸かった四人が幸せそうに笑う

上条「はぁ・・・冷たい・・・」

心理「気持ちいい・・・」

エツァリ(今の心理定規さんエロいですね)





512 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 16:59:15.48QmLASgUh0 (10/12)

美琴「ふにゃ・・・プカプカする・・・」

垣根「あぁ、メルヘンだぜ」

上条「・・・でもさ、人が多いからここで泳ぐってのは無理だよな」

ショチトル「そうなんだよ、かといってずーっと浮かんでてもヒマだし」

エツァリ「それが一番の問題ですね・・・」

垣根「・・・もうそろそろ17時か・・・」

心理「明日の計画でも立ててみる?」

上条「ここで?」

心理「えぇ、波に揺られながら幻想的なプランを」

美琴「明日は長崎だっけ・・・」

垣根「出島行こうぜ出島」

上条「明日はあんまり一箇所に留まりたくはないな・・・」

垣根「えー、オランダ物産館は?」

美琴「お土産買ったらすぐ帰るわ」

垣根「ちっ」

エツァリ「長崎の風景を楽しみながら散歩したいですね」

垣根「ぶらり旅か・・・ま、悪くは無いな」

ショチトル(ぶらりってエロい表現だよな)

心理(どこが)





513 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 21:40:19.75QmLASgUh0 (11/12)

上条「・・・はぁ、それにしても旅行って一日が短く感じるよな」

ショチトル「それはあるな」

美琴「今日も、あと夜ご飯食べて風呂入ったら終わりだもんね・・・」

エツァリ「・・・明日で最後ですね、明後日はもう朝には帰りますし」

垣根「そうだな」

心理「修学旅行も、こんなふうなのかしら」

上条「どうだろうな・・・」

美琴「・・・さて、そろそろあがりましょ?」

上条「ん、もうあがるのか」

垣根「しゃあねぇな・・・帰るか」

コキコキ、と首を鳴らしてから垣根が空を見上げる

たしかにもう陽は傾いている、そろそろ夜ご飯の時間だろう

垣根(・・・学園都市のみんなは、何してるんだろうな)

ふとそんなことを考えてから苦笑してしまう

垣根(どうせ、くっだらないことしてるんだろうけど)

心理「ちょっと垣根、早くあがるわよ」

垣根「あいよ」






514 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/27(金) 21:44:22.08QmLASgUh0 (12/12)

今日はここまで

筋肉動画は面白いものを

よく、「ボディビルの筋肉は見せる筋肉」「実践では使えない」なんて言いますね

たしかに、体が重くなりますから動きは遅くなりますし、野球に必要な筋肉は野球のトレーニングでつける、そういうのが一番です

ですが筋肉の表面積が大きければ大きいほど力は強くなるため、ボディビルダーは相当な「瞬発力」を持っています

その証明の一つ、ケビンさんの走る勇姿



100m走に換算すると、11秒くらいだそうで

そんじょそこらの足の速い人よりも速いですよ、しかも体重は110kgを超えてますから恐ろしい脚力です

かっこいいです、ケビンさん


旅行編さっさと終わらせてていとくんの単発書きたいです

長崎って記憶にあるのが出島だけだ・・・どうしようどうしよう


ではおやすみなさい





515VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/27(金) 22:37:39.564Tn3/92DO (1/1)

>>1乙である。
長崎は角煮まんとよりよりというイメージだなぁ


516VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/27(金) 23:39:14.99Ghn8n7xuo (1/1)

乙にゃんだよ


517VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/28(土) 00:38:16.08qznwRFRL0 (1/1)

乙ですの
学園都市やらレベルやらから解放されたら、やっぱみんな年相応の若者なんだなぁ(ショチトル除く)


518VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/28(土) 03:34:32.75y1z1lxpro (1/1)

乙!

長崎で観光するなら出島の近くにはグラバー園、ハートストーンとかいろいろあるきれいなところよ
あと平和関係もあるわよ教会もあるわよ坂本さん関係キリスト関係いっぱいあるよ長崎いいところよ


519 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:47:28.86x+4ugd3f0 (1/14)



垣根「あー・・・いい湯だった」

ユニットバスじゃなければ最高なのだが、と垣根は頭を拭きながら考えていた

風呂上がり

一瞬だが一日の疲れから解放され、素の自分に戻る瞬間だ

垣根「・・・ただいま」

部屋の中に入ると、ベッドの上で美琴があぐらをかきながらテレビを見ていた

垣根「あぁ?他のヤツらは」

美琴「飲み物買いに行ったついでにお土産見てるみたい」

垣根「土産?ホテルで買うのかよ」

美琴「高級なお菓子とかも必要でしょ?」

垣根「土産は心が篭ってなきゃ意味がないんだよ」

美琴「そうかもしれないけど、でも高い物は喜ばれるのよ」

垣根「ちっ・・・反論出来ねぇな」

美琴「・・・にしても、アンタと二人きりになる時間が長いわね」

垣根「今回の旅行か?」

美琴「そうそう・・・当麻と二人きりになりたいのに」

垣根「そりゃお互い様だろうが」






520 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:47:57.05x+4ugd3f0 (2/14)

美琴の言葉に眉をひそめながらも、垣根がドライヤーを取り出す

髪を伸ばしている彼にとって、それは必需品なのだ

美琴「・・・乾かすの?」

垣根「あぁ」

美琴「・・・乾かしてあげようか」

垣根「はぁ?なんでだよ」

美琴「・・・いいから、乾かしてあげるわよ」

無理矢理垣根の手からドライヤーを奪い、美琴がスイッチを入れる

垣根「なんだよ・・・なんか企んでるのか?」

美琴「・・・別に」

鼻を鳴らしてから、美琴が垣根の髪を乾かし始める

別に何かを企んでる様子はなく、ただ丁寧に髪を乾かしているようだ

垣根「・・・ったく、なんなんだよ」

美琴「・・・アンタってさ」

垣根「なんだよ」

美琴「第二候補ってヤツだったのよね」

ポツリ、と美琴が呟く

冷たい、というよりも意図的に感情を押し殺したような声だった

垣根「あぁ、知ってたのか」






521 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:48:23.29x+4ugd3f0 (3/14)

美琴「一方通行に聞いたことがあるのよ・・・アンタ、一方通行がプラン通りに進まなかった時のための・・・」

垣根「代理だったのさ・・・もしかしたら、妹達を殺す実験をさせられたかもしれないな」

美琴「・・・」

美琴の手の動きが止まった

垣根「熱いだろ、ちゃんと動かせ」

美琴「・・・うん」

ドライヤーの音に掻き消されそうなほどの小さな声

自分のクローンが殺された実験なんて、思い出すのも嫌なはずだ

垣根「だったらなんでそんな話を始めたんだ」

美琴「・・・アンタならどうしたか、聞きたかったの」

垣根「もしかしたら、一方通行と違って辞めていたかもしれないってか?」

美琴「・・・」

垣根「だったらそれは間違いだ・・・いや、むしろ俺はその実験を何がなんでも完遂させたはずだからな」

美琴「どういうことよ」

垣根「俺が一方通行に戦いを挑んだのは第一候補になるためだ、もしも妹達を殺し続けて第一候補になれるなら・・・俺は明らかにそれをしていた」

美琴「そんな・・・!」






522 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:48:51.05x+4ugd3f0 (4/14)

垣根「そんなことのために妹達を殺せたか、って?殺せたさ、昔の俺なら」

今はもちろん違う、と付け足した上で垣根は話す

垣根「・・・俺はあの時、どうしても第一候補にならなきゃいけなかった」

美琴「・・・どうして」

垣根「理由はどうだっていい・・・とにかく、そのためならなんだってするはずだった」

打ち止めを狙ったのも、ピンセットを奪ったのも、結局は手段に過ぎなかった

垣根「・・・だから、一方通行よりも俺のほうがお前にとっちゃ恨むべき相手だったかもな」

美琴「・・・」

垣根「・・・今は・・・心理定規のために生きていられるが、昔は違った」

美琴「ねぇ、アンタは・・・私のことどう思う?」

垣根「妹達のことか」

美琴が驚いたような表情になる

今の言い方なら、「美琴を女として」どう思うかに聞こえるほうが普通だ

なのに目の前の男は自分の尋ねたかったことを言い当てた

美琴「・・・私がDNAを提供しなければ、あの子達は生まれなかった」

垣根「そして死ななかった」






523 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:49:16.26x+4ugd3f0 (5/14)

美琴「・・・あの子達も、当麻も・・・他のみんなも、あの実験では誰もが被害者だって言うのよ」

垣根「なるほど、ならそれでいいんじゃないか?」

美琴「・・・でもね・・・たまに、自分が許されてよかったのかって思うのよ」

垣根「・・・」

超能力者ってのは大変だ、と垣根がため息をつく

それであるというだけで実験に利用され、更には周りから距離を置かれる

垣根「・・・人間は誰だって後悔を抱えている、小さなものは朝飯の献立から・・・でかいものは命に関することまで」

美琴「うん・・・」

垣根「お前が悩むのは間違いじゃない、むしろ悩まないのは人間じゃなく猿だからな」

美琴「・・・」

上条とは違うことを言うんだな、と美琴は笑う

上条なら「過去のことをいつまでも思っちゃいけない」と言うはずだから

垣根「・・・お前の場合、たまたま一番でかい悩みが妹達のことだったんだ、過去を引っ張るっていうよりは・・・」

美琴「その誰もが抱える悩みが・・・私の場合は妹達だった、か」

垣根「あぁ、そうだ」

美琴「でもさ・・・やっぱり、私も加害者だと思うのよ」






524 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:49:45.31x+4ugd3f0 (6/14)

垣根「加害者か・・・」

美琴「・・・ねぇ、私って馬鹿かな?」

垣根「・・・いつまでも同じことで悩むからか?」

美琴「あはは・・・当麻に聞かれたら、怒られちゃうから・・・今しか聞けなくてね」

垣根「だから髪乾かすなんて言い出したのか」

美琴「うん」

垣根「・・・同じことで悩むってのは、そのことを真剣に受け止めてるからだろ」

美琴「・・・」

垣根「だったらお前は加害者なんだ、自分で認めちまったんだ」

冷たい現実だが、と垣根が言う

知らない間にDNAを使われたという点では被害者であるが、妹達の立場からすれば加害者にもなる

垣根「・・・でも、お前は罪人じゃない」

美琴「!」

垣根「過ちを認めて、ずっとそれを背負ってきたなら・・・罪人とは言えないさ・・・あいつらにとっては、たった一人のお姉さんだ」

美琴「・・・綺麗事じゃない、結局は」

垣根「綺麗事じゃなきゃお前の曇った心を晴らせないだろ」







525 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:50:12.39x+4ugd3f0 (7/14)

美琴「・・・アンタってさ、どっか当麻に似てるわよ」

垣根「そうか?惚れちまいそうなのか?」

美琴「それは無いから安心して」

ドライヤーのスイッチを切って、美琴が垣根の目を見つめる

美琴「ありがとう、ちょっとすっきりした」

垣根「・・・」

ふと気付いたのだが、美琴の髪も濡れていた

垣根の前に上条と二人で入っていたが、まだ乾かしていなかったのだろうか

垣根「髪」

美琴「ん?あぁ・・・ちょっと面白い番組してて、それ見てたら乾かすの忘れてたのよね」

垣根「乾かしてやるよ」

美琴「い、いいわよ・・・」

垣根「お返しだ、ありがたく受け取るもんだぜ」

美琴「・・・」

少し迷うような表情だったが、やがて大人しく従った







526 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:51:39.67x+4ugd3f0 (8/14)



垣根「・・・お前ってさ、常盤台の中じゃお姉さまって呼ばれてるんだろ」

美琴「なによいきなり?」

垣根「上条にとっては恋人・・・つまり、あんまり年下の女の子として扱われたことはないんだよな」

美琴「それが?」

垣根「・・・いや、なんかお前って妹みたいだなって思ってさ」

美琴「アンタ妹いたの?」

垣根「違う違う、でも感覚的には近いだろ」

美琴「・・・だから髪乾かしてくれてるの?」

垣根「別に」

美琴「・・・ねぇ、アンタはやっぱり心理定規と結婚するわよね?」

垣根「あぁ、お前は上条とだろ?」

美琴「でもさ・・・やっぱり結婚したら色々大変よね、仕事とか」

垣根「仕事か・・・」

美琴「アンタは・・・引く手数多よね」

垣根「でもなぁ・・・能力に頼った人生ってのはよくないと思うんだよな」

美琴「ふーん・・・じゃあどんな仕事がいいのよ」

垣根「そうだな・・・」





527 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 19:55:18.76x+4ugd3f0 (9/14)

腕を組み、垣根が色々と考えてみる

垣根「・・・なんでも相談を請け負う・・・とか」

美琴「な、なにそれ」

垣根「相棒は心理定規だぜ?心のケアなら俺も得意だしさ」

美琴「でも・・・それって儲かるのかしら」

垣根「・・・さぁ」

美琴「ダメじゃない・・・」

垣根「・・・さて、もう乾いただろ」

美琴「・・・ありがと」

ドライヤーを置いた垣根が、美琴をじっと見つめる

垣根「それにしても」

美琴「?なに?」

垣根「お前って、あの美鈴さんの娘だよな」

美琴「当たり前でしょ・・・」

垣根「・・・なんであの胸のDNAは消えたんだ?」

美琴「・・・」



美琴「・・・言いたいことはそれだけ?」ゴゴゴ

垣根「」





528 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 20:03:38.16x+4ugd3f0 (10/14)


上条「あぁ・・・まだこの時期は夜になると冷えるよな」

ホテルのお土産屋で、上条はそんなことを言っていた

さすがに半袖は寒かっただろうか

心理「あら、だらしないわね・・・」

隣にいるのは心理定規だ、よくもまぁドレスで寒くないものだ

エツァリ「・・・にしても、様々なお土産がありますね」

ショチトル「やっぱりお菓子がいいかな・・・」

上条「う・・・かなり高いな」

心理「へぇ・・・材料が豪華なのね」

パッケージを確認した心理定規が、それを持ったまま歩き出す

上条「か、買うのか!?」

心理「あら、ダメかしら」

上条「ダメだって!!そんな高いの・・・」

心理「・・・ダメ・・・かな?」ウルウル

上条「な、涙目上目遣いでも騙されませんからね!!」

心理「ちっ・・・」

上条(なんだか怖い)





529 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 20:21:30.86x+4ugd3f0 (11/14)

心理「・・・あら?」

エツァリ「おや、これは・・・」

心理定規があるお土産を手にした

イケメンの背中に翼の生えた「ていとくんストラップ」と翼の生えた冷蔵庫、「ていとう庫」ストラップだ

ショチトル「ど、どこかで見た気がするな」

上条「な、なんだこれ・・・」

いくらストラップが好きな若者でも、これは買わないだろう

なんというかシュールを通り越して意味が分からない

エツァリ「・・・しかも、中々売れているみたいですね」

ショチトル「本当だ・・・かなり減ってるな」

上条「キモカワイイとかいうやつか・・・?」

心理「・・・」

ショチトル「ま、こんなもの買っても誰も喜ばないさ」

エツァリ「そうですね、他にお菓子とか見ましょうか」

上条「あぁ・・・って、心理さん?」

心理「わ、私・・・」



心理「これ・・・ほしい」

三人「」






530 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 20:21:30.86x+4ugd3f0 (12/14)

心理「・・・あら?」

エツァリ「おや、これは・・・」

心理定規があるお土産を手にした

イケメンの背中に翼の生えた「ていとくんストラップ」と翼の生えた冷蔵庫、「ていとう庫」ストラップだ

ショチトル「ど、どこかで見た気がするな」

上条「な、なんだこれ・・・」

いくらストラップが好きな若者でも、これは買わないだろう

なんというかシュールを通り越して意味が分からない

エツァリ「・・・しかも、中々売れているみたいですね」

ショチトル「本当だ・・・かなり減ってるな」

上条「キモカワイイとかいうやつか・・・?」

心理「・・・」

ショチトル「ま、こんなもの買っても誰も喜ばないさ」

エツァリ「そうですね、他にお菓子とか見ましょうか」

上条「あぁ・・・って、心理さん?」

心理「わ、私・・・」



心理「これ・・・ほしい」

三人「」






531 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 20:30:56.09x+4ugd3f0 (13/14)

心理「・・・」ドキドキ

ていとくんストラップ「俺の未元物質に常識は通用しねぇ!!」キリッ

心理「!!ボイスも付いてる!!」

上条「あ、あの・・・」

ていとくんストラップ「これが未元物質、異物の混じった空間!!」キリッ

心理「し、しかも・・・なんだか顔にもいくつかパターンがある!!」

ショチトル「おーい」

ていとくんストラップ「もう一度ここで絶望しろコラ」キリッ

心理「・・・」ドキドキ

エツァリ「な、なんで赤くなってるんですか」

心理「て、ていとう庫のほうは・・・」

ていとう庫「俺のチルドに高温は通用しねぇ!!」キリッ

心理「」ズギューン


心理「店員さん、これ7つずつちょうだい」

上条「お、おい!?」

心理「やっぱり8つずつ」

上条「おーい!?」






532 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/28(土) 20:50:03.56x+4ugd3f0 (14/14)

今日はここまで

筋肉動画は辛い増量期を乗り越えるためにたまに見ている、ロニーの食事風景

 

どんだけ食うんだよ、と思うでしょうがたしかこれは減量期です

すっげぇ


では



533VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/28(土) 23:57:53.67FPZKcXCfo (1/1)

乙なんだよ


534VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/29(日) 08:23:26.42ShRMkk1IO (1/1)

心理たンちゅッちゅ


535 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:03:31.81K4OUQYu40 (1/24)

上条「明日は長崎か・・・」

美琴「・・・うん、だから早く起きないといけないわね」

垣根「・・・寝るか」

垣根が部屋のライトを消す

ショチトル「・・・はぁ、心理定規・・・そのストラップ本当に買ったのか」

心理「・・・悪い?」

垣根「ストラップ?」

心理「なんでもないわ、寝るわよ」

布団に潜った心理定規が、適当に答える

エツァリ「・・・そうですね、寝たほうがいいです」

上条「・・・なぁ、明日のホテルは二人部屋かな?」

垣根「知るか・・・寝るぞ」

上条「あ、あぁ」

シンとした部屋の中に寝息と寝言が響く

垣根(・・・てか御坂のヤツ・・・中途半端に髪乾かしやがって)

まだ細かいところは濡れているようだ

おかげで枕に埋めた頭が微妙に濡れて気持ち悪い






536 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:04:19.03K4OUQYu40 (2/24)

垣根(・・・やっぱり、髪乾かしてもらうなら心理定規しかいないよな)

上条「・・・美琴ぉ・・・」

垣根「あぁ?上条、起きてたのかよ」

上条「ちょっとなら・・・いいだろ・・・」

垣根「・・・って寝言か」

美琴「当麻ぁ・・・そっちはイタリア・・・ブラジルは左なの・・・」

垣根「何があったんだよ」

ショチトル「あぁエツァリ・・・そっちは違う穴・・・いや、違わないんだけど・・・」

エツァリ「ほらほら・・・お前はバイブが好きなんだろ・・・」

垣根「・・・なんなんだよこの寝言」

心理「全くよね」

垣根「あぁ?お前起きてたのか」

心理「・・・ちょっと眠れなくて・・・そっち行っていいかしら」

垣根「あぁ、構わねぇよ」

ガサガサと、布団を動かすような音がした






537 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:05:09.12K4OUQYu40 (3/24)

ドキドキと聞こえるのは垣根の鼓動だろうか

心理「お邪魔するわよ」

垣根「・・・あ、あぁ」

隣に入ってきた心理定規が、すぐさま垣根の髪の毛に触れる

垣根「・・・?なんだよ」

心理「髪の毛・・・乾いてないわ」

垣根「あ、あれだ・・・御坂に乾かしてもらったからさ」

心理「美琴に?」

ピクリ、と心理定規が眉を動かす

暗闇の中では垣根に見えるわけはなかったが

垣根「まぁあれだ・・・ちょっと乾かし合いしたんだよ」

心理「か、乾かし合い?」

垣根「あぁ、なんだよ?」

心理「・・・羨ましい」

垣根「羨ましい?何がだよ」

心理「・・・私だってあなたの髪、乾かしたかったわよ」






538 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:06:11.69K4OUQYu40 (4/24)

垣根「なんだそりゃ・・・!?」

垣根の体に、突然何か柔らかいものが当たった

恐らくそれは

垣根「お、お前!胸当てるな!」

心理「しっ、みんなが起きちゃうわよ」

垣根「だからってな・・・!」

心理「・・・どう?ねぇ、どうなのよ」

垣根「どうって・・・」

心理「私より美琴のほうがいい?」

垣根「はぁ?いつそんなこと言ったっけ」

心理「・・・なんか最近、美琴にちょっかい出してるみたいじゃない」

垣根「出してねぇよ」

心理「嘘ばっかり・・・髪、乾かしてあげたんでしょ?」

垣根「んな下心無かったって・・・」

心理「・・・それに、なんかよく二人きりになってる」

垣根「そりゃお前だって上条と二人きりになってるじゃねぇかよ」






539 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:07:00.06K4OUQYu40 (5/24)

心理「あれは・・・」

垣根「大体な・・・お前よりいい女なんて俺は知らないんだ、何度も言ってるだろうが」

心理「・・・ホント?」

垣根「あぁ、誓ってもいいぞ」

心理「・・・信じてあげる」

垣根「で?なんで胸を当ててるのか教えてほしいんだが」

心理「私だって女なの、それを教えたくて」

垣根「な、なんだそりゃ」

心理「・・・ドキドキしてるんでしょ?」

垣根「あのな・・・二人きりならともかくみんなだって一応いるんだからな」

心理「恥ずかしいの?」

垣根「・・・あのな、あんまり胸当てるな」

心理「あら、こんなになってる」

垣根「掴むんじゃねぇよ!」

心理「ズボンの上からくらい許してよ」

垣根「・・・誰かが起きたらどうするつもりだよ」






540 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:08:00.77K4OUQYu40 (6/24)

心理「・・・起きないわよ、みんな疲れてたみたいだし」

垣根「・・・いいから離せよ」

心理「・・・なんでよ」

垣根「だ、だから友達が近くで寝てる時にこんな・・・」

心理「・・・いいでしょ・・・」

ぎゅっ、と心理定規が垣根に抱き着く

その優しい暖かさだけで垣根は許してしまいそうになる

垣根「・・・ダメだっての、近くに・・・」

心理「私だけを見て・・・」

垣根「・・・」

しばらく黙っていた垣根が、心理定規の胸にそっと手を当てる

垣根「なんだよ、かなり緊張してるんじゃねぇか」

心理「・・・いいから、早く」

垣根「ここじゃ無理だって・・・明日の二人部屋のホテルまで待とうぜ」

心理「明日が二人部屋だって保証は?」

垣根「・・・ないけどさ」






541 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:08:38.15K4OUQYu40 (7/24)

心理「・・・だったら、ね?」

垣根「・・・やっぱり、ダメだ」

心理「・・・私としたくないの?」

垣根「・・・ふ、風呂場なら問題ないよな!」

心理「いやよ・・・立ったままなんて疲れちゃうじゃないの」

垣根「じゃあ明日まで我慢しようぜ・・・」

心理「・・・」

垣根「・・・ちょっとだけだからな」

クルリ、と向きを変えた垣根が心理定規を抱きしめる

心理「・・・やっとその気になってくれたわね」

垣根「・・・あんまり気が進まないけどな」

心理「私への愛は冷めちゃったの?」

垣根「いや、そうじゃなくてさ・・・」

周りのベッドを気にしながら、垣根が小さな声で囁く

垣根「・・・エツァリ達に変態変態っていつも言いながらさ・・・こんなスリリングなプレイしてるなんて知られたらヤバいだろ」

心理「・・・んっ・・・」






542 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:09:25.73K4OUQYu40 (8/24)

垣根「・・・お前ってさ、結構積極的になってきたな」

心理「・・・垣根」

顔を赤らめながら、心理定規が垣根の唇を貪る

垣根「な、なんだよ」

心理「・・・最近ご無沙汰だったでしょ・・・」

垣根「・・・言っとくけど、最後まではやらないからな」

心理「意地悪・・・」

垣根「う・・・そういう色っぽい声を出すなよ」

心理「ねぇ、私・・・」


ショチトル「・・・」ゴクリ

垣根「・・・」

心理「・・・」

垣根「ショチトル、てめぇいつから起きてやがった」

ショチトル「さ、さっき目が覚めた」

垣根「見てたな」

ショチトル「真っ暗でも見える、ワーオなんて素敵な・・・」

心理「・・・忘れなさいよ」





543 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:28:01.34K4OUQYu40 (9/24)

ショチトル「言っておくが、別に私はそこで二人が何をしようがオカズに出来るから文句無いぞ」

垣根「するな」

ショチトル「ちっ・・・」

心理「・・・冷めちゃったわ、寝ましょう」

垣根「あぁ」

ショチトル「おいおい、私のせいで冷めたみたいな言い方だな」

垣根「そう言ってるんだよ」

ショチトル「・・・」

心理「・・・明日、続きしましょうね」

垣根「二人部屋だったらな・・・おやすみ」

心理「えぇ、おやすみ」

ショチトル(・・・添い寝したままなのは変わらないのか)

ショチトル(・・・いいなぁ、添い寝)

ショチトル(・・・)チラッ

エツァリ「・・・」zzz

ショチトル「・・・」



ショチトル「お邪魔するぞ、エツァリ」





544 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 10:59:34.00K4OUQYu40 (10/24)



垣根「・・・高校生の朝は早い」

心理「・・・おはよう・・・」

上条「おはよう・・・」

美琴「・・・なんだか・・・眠い」

ショチトル「おいおい、だらしないぞ」テカテカ

エツァリ「そうですよ」テカテカ

垣根「・・・なぁ、なんでテカってるの」

エツァリ「昨晩、ちょっといいことがありまして」テカテカ

ショチトル「そうそう」テカテカ

上条「・・・とりあえず朝飯食って目覚まそうぜ・・・」

垣根「そうするか・・・」

美琴「今日は長崎まで移動なのよね・・・」

心理「バスは酔うからイヤなのよね・・・」

上条「我慢してくれ・・・」

ショチトル(・・・みんな疲れてるなぁ)






545 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 11:12:12.35K4OUQYu40 (11/24)


垣根「・・・朝はやっぱりパンに限るよな・・・」

上条「いやいや・・・お米も捨てがたいぞ・・・」

心理「・・・たまにはパスタなんかもいいわよね・・・」

垣根「パスタ作ったお前うぇっうぇっwww」

ショチトル(おかしいぞ垣根)

垣根「・・・ちくしょう・・・眠い・・・」

エツァリ「バスの中でなら眠れますよ?」

垣根「んなことは分かってるけどさ・・・」

エツァリ「さぁ、さっさと食べたら・・・」

垣根「あぁぁぁぁぁ!!!!!!」

上条「な、なんだよ急に・・・」

美琴「周りのお客さん驚くからやめなさいよ・・・」

垣根「き、北九州市は佐藤○奈さんのふるさとだ!!そこを訪れなかったとはどういうことだ!?」

心理「あら、だって生家なんて知らないし行ったことないわよ」

垣根「だけど!!ノータッチってのはどうかと思うぜ俺は!!!」

心理「いいじゃない、だって知らないもの」

垣根「えー!?」






546 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 11:24:08.35K4OUQYu40 (12/24)

美琴「はぁ・・・大体ね、佐藤利○さんって誰なのよ」

上条「・・・なんとなくだけど、お前がそれを言ったらダメな気がする」

美琴「?」

ショチトル「・・・とっても美人な気がする」

垣根「そしてなんろなくエロい気がする」

心理「そして優しそうな気がするわね」

美琴(ど、どうしちゃったのみんな!?)

上条「さて・・・それはともかく、長崎ではまずどこに行くんだ?」

エツァリ「平和記念公園などはいかがでしょうか」

垣根「いいな・・・あとは十字教関連の土地とかか」

美琴「やっぱり長崎は出島関係よね」

心理「あら、カステラも美味しいわよ」

ショチトル「ハウステンボスは?」

垣根「時間の都合上いけません」

ショチトル(ちっ)

エツァリ(・・・長崎となると、真っ先にちゃんぽんを思い出す自分はおかしいでしょうか)





547VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/29(日) 11:39:51.82qpaqL1ZZo (1/1)

セピア色の曇天長崎を思い出したw

支援


548 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 12:41:34.90K4OUQYu40 (13/24)

>>547 シュークリームと納豆w



垣根「・・・」zzz

上条「ふぁぁ・・・」

流れる景色をバスの窓から見つめ、上条はあくびをしていた

美琴「・・・退屈ね」

上条「そうだな・・・長崎まですぐ着くとは言ってもな・・・」

ショチトル「・・・はぁ、長崎って言ったらなんか小さい島国っぽいよな」

エツァリ「長崎県民に謝ってください」

上条「ははは!!そんなこと言ったら九州自体が・・・」

美琴「当麻、消されるわよ」

上条「」

心理「・・・眠い・・・」

美琴「眠れないの?」

心理「・・・なんだかね、こういう時は昔話とか子守唄とか歌ってほしいのよ」

美琴(なにその可愛さアピール)

心理「早く早く」

美琴「ね、ねんねーん・・・ころーりーよ・・・」

垣根「お子ローリーよー」zzz

美琴「寝ながら変な歌歌わないで」





549 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 18:29:52.85K4OUQYu40 (14/24)

心理「・・・眠れない」

エツァリ「そうですね・・・目を閉じてみてはどうですか」

心理「・・・変なことするんじゃないでしょうね」

エツァリ「離れた席からどうもできないでしょう・・・」

心理「・・・あなたなら出来そうだから」

美琴「・・・ねぇ、眠くないの?」

心理「眠いわよ・・・」

上条「でも眠れないのか・・・」

ショチトル「飴でも舐めるか?」

心理「貰っていいかしら・・・」

ショチトル「はいよ」

心理「ありがとう」

上条「俺ももらおうかな」

エツァリ「何味ですか?」

ショチトル「ハッカだ」

心理「・・・」ウルウル

上条(スースーしたんだな・・・)





550 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:06:06.10K4OUQYu40 (15/24)

心理「にゃによこりぇ・・・」ヒリヒリ

ショチトル「すまん、本当はグレープの飴を渡すつもりだったんだが」

心理「そっちをちょうだいよ・・・」

ショチトル「はい」

心理「もう・・・」

エツァリ(ま、またハッカの飴を渡しました・・・)

美琴「メ、心理定規、それ・・・」

心理「はぁ・・・」パクッ

ショチトル(食ってしもうたwwwww)

上条(何してんだよショチトル・・・)

心理「」ヒリヒリ

ショチトル(素・・・素の表情・・・)プルプル

エツァリ「だ、大丈夫ですか心理定規さ・・・」

心理「・・・話しかけないでもらえるかしら」キッ

エツァリ「」

ショチトル(エツァリが八つ当たりされたか)

上条(ならいいや)

美琴(私はオレンジがいいなー)





551 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:09:13.68K4OUQYu40 (16/24)

垣根「・・・心理定規ォ・・・」

心理「・・・あら、寝言?」ヒリヒリ

美琴(まだヒリヒリしてるのね・・・)

上条(水・・・はこういう時は逆効果だよな)

垣根「・・・俺は・・・お前のことが・・・」

心理「な、なになに?」

垣根「・・・・・・・・・・だ・・・」

心理「か、肝心のところが聞こえないわね・・・」

上条(・・・寝ぼけてるのか、垣根)

垣根「お前のことが・・・す・・・」

心理「す・・・好き?」

垣根「すごく・・・」

ショチトル(大きいです?)

垣根「・・・」zzz

心理「な、なによ!?今の生殺しはなに!?」

エツァリ「ま、まぁまぁ・・・」

心理「あぁもう!!ショチトル、もう一個飴ちょうだい」

ショチトル「はい」

心理「・・・」





552 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:11:57.16K4OUQYu40 (17/24)

ショチトル「どうした、食べないのか」

心理「・・・これ、グレープ?」

ショチトル「色を見ろよ」

心理「・・・紫ね、でも紫のくせにハッカ、とかないでしょうね」

ショチトル「ないない、ハッカなわけないだろ」

心理「そうよね」パクッ

ショチトル「それ、ナスだ」

心理「」

上条(心理さん・・・あなたって人は)

美琴(・・・ナス味の飴ってどこで売ってるのよ・・・)

ショチトル(食ってしもうたwwww中々味が口からなくならないあれをwwwww)

エツァリ(ダメですね、ショチトルはなんだかテンションがおかしいです)

心理「・・・」

ショチトル「どうだ、美味しいか?」

心理「・・・こ・・・」

ショチトル「こ?」



心理「こんなの飴じゃないって言ってるのよこのヤリマン!!」

ショチトル「」





553 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:15:06.35K4OUQYu40 (18/24)

心理「アンタ・・・ボケボケボケボケじゃないの!?」

美琴「ほ、ほら落ち着いて・・・」

心理「これが落ち着いていられる!?プライドががた落ちよ、プライドががた落ちよ!!」

上条「な、なんで二回・・・」

心理「大事だからよ!!」キッ

上条「ひっ!?」

ショチトル「ヤリマンじゃないもん・・・」グスン

心理「うっさいわねアバズレ!!」

エツァリ「ほ、ほら・・・貸切とは言っても一応運転手さんは聞いているわけですから・・・」



さだのり「だけどやっぱりママが好きー」


心理「ほら!!ヘッドフォンで音楽聴いてるから聞こえてないわよあの運転手!!」

上条「そ、そういう問題じゃないんですよ!?」

心理「あのねぇ!!私はさっきから飴が食べたいのよ、グレープの飴が・・・」

垣根「ん・・・なんだよ騒がしいな・・・」

美琴「あ、垣根・・・起きちゃった?」

垣根「おう・・・なんの騒ぎだ・・・?」





554 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:18:03.01K4OUQYu40 (19/24)

上条「ショチトルがさっきから変な味の飴ばっかり心理さんに渡すんだ・・・」

心理「ひどいでしょ?怒っていいわよね?」

垣根「もう怒ってるござるよ」

心理「なにか言った?」

垣根「大好きだぜ心理定規」キリッ

心理「ご、ごまかさないで」カァッ

美琴(あ、ちょっと効いた)

ショチトル「・・・だってだって、旅行ならこういう悪ふざけも必要なんだよね」

垣根「あのなぁ、限度ってものを・・・」

ショチトル「うるさい、昨日の夜に二人で添い寝しながら愛撫まで行ってたくせに」

垣根・心理「」

エツァリ「・・・本当ですか?」

ショチトル「あぁ」

心理「久しぶりにカチンと来たわ・・・ちょっと表に出なさいよ」

上条「こ、ここ高速・・・」

心理「あら、地面にこすり付けられてミンチになればいいんじゃないかしら」

エツァリ「おっかないですよ」





555 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:21:02.34K4OUQYu40 (20/24)

垣根「・・・はぁ、何味の飴だったんだ?」

ショチトル「ナス」

垣根「・・・ナス・・・」プルプル

心理「・・・あなた、今笑った?」

垣根「・・・ま、まったくショチトルはふざけやがって・・・」プルプル

心理「笑ってるわよね」

垣根「ふ・・・常識が通用しねぇ・・・その飴俺にもくれよ・・・」プルプル

ショチトル「はい」

垣根「ナス・・・www」パクッ

ショチトル「すまん、そっちはグレープだった」

垣根「」

心理「」



垣根「・・・グレープ美味しいよ・・・」グスン

心理「・・・泣かないの」

垣根「いいもん・・・別にゲテモノとか珍しいものとか好きじゃないもん・・・」

心理「ほら、ハンカチ」

垣根「・・・」チーン!!

心理「鼻水はかまないで」





556 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:24:59.16K4OUQYu40 (21/24)

上条「運転手さーん・・・って聞こえてるのか?」

さだのり「なんだよ・・・こっちは天使の羽根のCMソング聞いてるってのによ」

美琴「あ、あのランドセルの・・・?」

さだのり「で、なに」

上条「あとどれくらいで着くのか気になってさ」

さだのり「・・・あと20分くらいだ、もう少し掛かるし・・・それに平和記念公園だろ?なおさら時間は掛かる」

エツァリ「おや、そんなに遠いのですか?」

さだのり「平和への道のりは遠いのさ・・・」

上条「上手くねぇからな」

さだのり「・・・ゴールデンウィークなんだ、道は混んでるし人も多い」

ショチトル「なるほどな・・・」

さだのり「・・・適当にダベっとけばすぐだろ、こっちは一人で寂しく運転だ」

垣根「じゃあ頼むぜ・・・」ガサゴソ

上条「?なんだそれ」

垣根「知らないか?3つのうち1つだけ味が辛い知事・・・ってそれそのまんま東やがなー!」

心理「そのまんまガムとか言ったわね・・・それをやるの?」

垣根(・・・)グスン







557 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:27:00.23K4OUQYu40 (22/24)

美琴「まぁ、遠足とかではベタよね・・・」

垣根「で、これを二つ用意した」

上条「よし、これでちょうど6個か」

エツァリ「そうですね・・・」

上条「心理さんはどれがいい?」

心理「私はこれ」

ショチトル「じゃあ私はこれな」

美琴「私はこれ」

上条「じゃあ・・・俺はこれで」

垣根「俺はこっちな」

エツァリ「では・・・」

垣根「さだのり、余ったのでいいよな?」

さだのり「サンキュー」

エツァリ「」


エツァリ「・・・えっ?」





558 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:30:03.42K4OUQYu40 (23/24)

上条「よーし!!俺セーフ!!」

美琴「しゅ・・・しゅっぱい・・・」ヒリヒリ

垣根「ひゃはは!!セーフセーフ!!」

さだのり「おー、俺もセーフだ」

ショチトル「・・・心理定規・・・」

心理「・・・別に・・・すっぱくなんかないもん・・・」ウルウル

垣根「当たったんだな」

心理「・・・いいわよ・・・ナスの味が消えるからいいわよ・・・」ウルウル

上条「美琴、大丈夫か?」

美琴「・・・甘いのを想像してからの落差があるから怖いのよねこれ・・・」ヒリヒリ

垣根「はは!分かる分かる!」

ショチトル「たまに当たったのを隠して無理矢理普通に振舞うヤツとかいるよな!」

さだのり「それを利用して、誰が当たったか当てるゲームとかしたな」

心理「・・・すっぱい・・・」ヒリヒリ

垣根「ショチトル、飴心理定規にやってくれ」

ショチトル「わか・・・」

心理「い、いらないいらない!!!」




エツァリ(ふ・・・自分は涙がしょっぱいです)グスン






559 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/29(日) 20:33:17.10K4OUQYu40 (24/24)

今日はここまで

少しエツァリをいじめすぎたけどこれも彼のキャラ作りのためだ、と言い訳をする

筋肉動画はセルジオ・オリバの1981年

 

当時40歳・・・相変わらず恐ろしいまでの筋腹の長さですね、後ろから見たときの腕の厚みとか足の太さが当時としても異例です

では





560VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県)2012/01/29(日) 20:50:35.20hc0q/bRw0 (1/1)

さだのりぃ…辛いのはわかるぜ
出番をもっとほしいんだろ



561VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/29(日) 22:17:24.46qsXR45r+o (1/1)

乙なんだよ


562VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/01/29(日) 23:08:27.79+Xa7M7/X0 (1/1)


さだのり久しぶりだと思ったら向こうも更新されて
向こうもこっちも続き楽しみにしてます


563 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:38:20.05CLEAJkmP0 (1/24)

垣根「・・・長崎か」

バスの窓の外、そこはもう長崎だった

美琴「へぇ・・・なんだか坂が多い気がするわね」

心理「そうね・・・学園都市よりは多いわ」

ショチトル「なんか理由でもあるのか?」

垣根「たしか土地的に窪んでるから、仕方なくじゃなかったか?」

上条「あれ?そうだったっけ?」

エツァリ「・・・そういえば福岡もそうでしたね」

心理「やっぱり、地域によって全然違うのね」

さだのり「そろそろ平和記念公園だ」

上条「お、了解」

美琴「・・・なんだか、緊張しちゃうわよね」

エツァリ「そうですね・・・非常に重要な場所ですから」

垣根「全くもって同感だな」

ショチトル「・・・はぁ、息が苦しいよ」






564 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:39:12.35CLEAJkmP0 (2/24)


上条「・・・こ、こんなに拾いのか」

垣根「資料を収めている資料館と、いわゆる普通の公園に分かれてるからな」

資料館の前で、上条はただただ驚いていた

平和記念公園、というとあの有名な像がある公園だけだと思っていたからだ

心理「・・・入ってみる?」

美琴「うん」

神妙な面持ちになりながら、6人がゆっくりと資料館に足を踏み入れた

かつての惨状を映した悲劇的な写真、被害に遭った被害者の手記、その他にも被害の規模を表した地図

様々な歴史の爪痕が飾られている

上条「・・・出来れば、こんな建物なんか出来てほしくなかったな」

ショチトル「そうだな・・・原爆なんてものがなければ、この建物は必要なかった」

エツァリ「・・・なぜ人は戦争を繰り返すのでしょうか」

小さな子供の遺体の写真を見つめながら、悲しそうにエツァリが呟く

垣根「決まってるさ、戦争を誰もが嫌い、そして恐れているからだ」

美琴「だったら、戦争なんて無くなるはず・・・」

垣根「逆だ・・・戦争を誰もが恐れるからこそ、戦争が一番の脅迫手段になる」

上条「・・・そんな」






565 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:40:25.89CLEAJkmP0 (3/24)


垣根「頭をぶたれるのが嫌いな子供に言うことを聞かせるにはどうすればいい?頭をぶつのが一番早い、それがどれほど残酷だろうと」

心理「・・・悲しいけど、現実よね」

垣根「そして誰もが平和を願ってしまう・・・平和を勝ち取るために戦い、その戦いが憎しみを生む」

かつて使われていた銃弾のレプリカを、垣根が覗き込む

垣根「・・・結局、人間は人を殺す手段ばかり進歩させてしまった」

上条「・・・生かす手段は」

ショチトル「もちろんそちらも進歩したのさ」

エツァリ「ただ・・・殺す手段が余りにも急速に増えすぎました」

心理「・・・私は、平和な世界を望みたいわ」

美琴「誰だってそうよ・・・ただ、それを手にするために戦争を手段にしちゃいけないのよね」

垣根「・・・俺は世界平和なんて興味ないな」

上条「垣根・・・」

垣根「無理だと分かっているからさ・・・知ってるか?戦争に向かう軍人が、なぜ武器を握るか」

ショチトル「なぜ・・・か、それが仕事だからか?」

垣根「・・・誰かを殺したいからではない、大切な家族を守るためなんだとさ」






566 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:41:03.46CLEAJkmP0 (4/24)

美琴「でも守るために誰かを傷つけるなんて・・・!」

垣根「間違ってるな、第三者からすれば」

心理「でも・・・大切な人を死なせるのと、全く知らない人を死なせるのなら、大抵の人間は後者を選んでしまうものよ」

垣根「だからこそ彼等は武器を握るのさ・・・知らない人を殺して、自分の大切な人を守るために」

上条「・・・それでもやっぱり間違ってる」

垣根「・・・そうだな、こんなにたくさんの人間を死なせてまで・・・」

美琴「・・・こんなに小さな子供まで、亡くなったのね」

エツァリ「彼等は・・・平和を願うことさえ出来なかったのでしょうか」

垣根「・・・さぁな」

心理「・・・世界平和が・・・叶うことはあるのかしら」

垣根「無いさ」

上条「・・・綺麗事を言いたいけど・・・きっと、無理だろうな」

垣根「だとすれば、せめて自分だけでも平和になってみようぜ・・・誰も傷つけない方法で」

ショチトル「ふふ・・・誰もがそれを実行出来れば、世界は平和になるだろうな」

垣根「途方もない話だな、それが叶うより先に世界が無くなるだろうさ」

ショチトル「・・・それでも、叶ってほしい」






567 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:41:47.05CLEAJkmP0 (5/24)

エツァリ「そうですね、目指してみることは悪いことではありませんよ」

美琴「・・・うん」

上条「・・・俺達なら世界を変えられる、か」

垣根「あぁ?なんだよそれ」

上条「俺一人じゃ変えられないけど、みんなとなら変えられるんだ」

垣根「そんなに上手くいくかよ」

上条「やってみせる」

垣根「・・・そうか」

美琴「・・・この人達を殺した軍人は・・・何を思ったのかしら」

垣根「後悔を抱えた、何も感じなかった、優越感に浸った・・・様々だろうさ」

心理「・・・戦争に向かったってことは・・・殺される覚悟がなきゃいけないのよね」

垣根「あぁ、自分がたくさん殺したのなら・・・自分が殺されても文句を言う権利はない」

だが、大切な人ともしも再会出来たなら、喜ぶ権利くらいあるはずだ

垣根「・・・行こうぜ、外の公園も見ておきたい」

美琴「うん」







568 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:42:37.77CLEAJkmP0 (6/24)



上条「あぁ・・・この像は見たことあるな」

ショチトル「有名な像だからな」

平和を祈る青年の像、それを見つめながら6人は悲しい笑みを浮かべていた

垣根「平和を祈らなきゃいけない世の中・・・か」

心理「人間は憎み、そしてそれを行動に移してしまう生き物なのよね」

美琴「うん・・・」

エツァリ「・・・愚かなことです」

垣根「だが、俺達だって誰かを憎むことはある」

ショチトル「・・・全く、嫌になってしまう話だ」

垣根「・・・」

上条「・・・垣根、お前は戦争は無くならないって言ったよな」

垣根「あぁ、それが最も手っ取り早い方法だからな」

上条「だとしても、俺は諦めたりしない」

垣根「俺だって諦めないさ」

美琴「私も・・・無理でも、やってみせたい」

ショチトル「ふん・・・私も付き合わないことはないかな」

エツァリ「自分も付き合いますよ」






569 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:43:35.29CLEAJkmP0 (7/24)

心理「・・・平和な世界も中々素敵そうね」

垣根「さて・・・行きますか、いつまでもここにいるわけにはいかないさ」

上条「生きてる俺達は、生きてる時間を楽しまないとな」

垣根「そうだな、俺達はそれをする権利がある」

ポケットに手を突っ込んだ垣根がゆっくりと歩き出す

上条「ま、待てって!」

美琴「あんまり一人だけ先に行かないの!」

垣根「早く来いよ!俺は腹が減ってるんだ!」

心理「はぁ・・・こんな場所でくらい、最後まで真面目に・・・」

心理定規がふと垣根の横顔を見つめる

心理(・・・あなた、なんでそんなに悲しそうなのよ)

垣根「あぁ?なんだよ、俺の顔に何かついてるか?」

心理「・・・垣根、あなたも平和を願っていい人間なのよ」

垣根「!・・・分かってるよ、行こうぜ!」

エツァリ「は、走らないでください!」

垣根「だったら追いつけるように努力しな!」

上条「ま、待てよ!」

心理(・・・やっぱり、あなたは笑顔が似合うわよ)

垣根(・・・うるせぇよ)







570 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:44:31.11CLEAJkmP0 (8/24)



さだのり「おう、帰ってきたか」

垣根「次はどこだったか」

さだのり「出島にでも行くんじゃなかったか?」

心理「あら、出島って何かあるの?」

さだのり「ない、だから散歩でもしてみな」

美琴「はぁ・・・長崎だったら何があるかしら」

ショチトル「そうだな・・・ちゃんぽん」

エツァリ「食べ物じゃないですか・・・」

心理「長崎なら、やっぱり十字教関係じゃない?」

垣根「イヤだ・・・」

上条「・・・散々巻き込まれてるからよく知ってます」

美琴「そうね・・・わざわざ行くほどではないかも」

ショチトル「ならば・・・あとはオランダ物産館とかいう所しかないな」

垣根「さっさと済ませようぜ・・・今日はホテルでゆっくりしたいんだ」

心理「一体誰のせいで昨日はゆっくり出来なかったと思ってるのよ」

垣根「・・・昨日は早く寝られただろ」

さだのり「おいおい、あんまりイチャイチャ見せ付けるんじゃねぇよ」






571 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:44:58.05CLEAJkmP0 (9/24)

心理「あらごめんなさい、羨ましかったかしら」

さだのり「ちっ」

上条「さて!次は出島辺りか!」

美琴「辺りって表現が笑えるけどね・・・」

心理「はぁ・・・どれくらい掛かるの?」

さだのり「あんまり掛からないぜ」

心理「・・・眠れないのね」

垣根「我慢しろよ」

心理「・・・分かった」

眠気に包まれたバスは、ゆっくりと出島付近へ向かった




心理「・・・」

垣根「で、なんでこいつは寝ちまったんだ」

上条「・・・よっぽど眠かったのかな」

美琴「どうする?起こすの?」

垣根「・・・よりによって俺の肩に頭乗せやがって・・・」

ショチトル「垣根、動けないな」

垣根「んなの分かってるんだよ」






572 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:45:59.46CLEAJkmP0 (10/24)

ショチトル「ふはは!いいざまだぞ!」

エツァリ「・・・では、自分達も・・・」

垣根「いいって・・・もう着いたんだし、お前達は先に行っててくれ」

美琴「で、でも・・・」

垣根「連絡は携帯で取れるんだ・・・何も今こいつを起こす必要はねぇだろうが」

上条「・・・じゃあ、そうしていいか?」

垣根「さっきから言ってるじゃねぇか」

ショチトル「悪いな、垣根」

上条「後でちゃんと来いよ!」

垣根「当たり前だ、俺だって長崎の街を回りたいんだ・・・」

美琴「じゃあ・・・後で」

手を振って4人を見送ってから、垣根は大きくため息をついた

垣根「・・・心理定規・・・早く起きないかな」

心理「・・・」

垣根「・・・」

垣根(でも・・・こいつの寝顔見れるなら、悪くはないか)






573 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:47:17.76CLEAJkmP0 (11/24)




上条「レトロな街だ・・・」

美琴「・・・うん、なんだかちょっと不思議・・・」

ショチトル「えっと・・・出島はどこだ」

エツァリ「たしか地図では・・・ここを真っすぐですね」

美琴「真っすぐ・・・?でも海が見える方向には何もないみたいだけど」

エツァリ「すでに出島、という土地は無くなっているため当時の風景を再現した資料館みたいなのがあるだけですね」

上条「えー・・・なんだか幻滅だな」

エツァリ「・・・出島なんて相当昔のものですから、今の時代に残っているわけがありませんよ」

ショチトル「まさにそげぶだな」

上条「はぁ・・・出島の近くにはなんかないのか?」

エツァリ「・・・そうですね・・・」

美琴「・・・別に美味しい店とか聞いてるんじゃないからね」

エツァリ「分かってます・・・歴史的な建築物は見当たりませんね」

上条「・・・長崎って出島だよな・・・オランダとの貿易だよな!?ペリーだよな!?」

美琴「ペリーはアメリカ」

上条「とにかく!昔という過ぎ去った時代との触れ合い、そこに想いを馳せる時代旅行が出来ないってことなんだろ!?」






574 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:48:06.89CLEAJkmP0 (12/24)

ショチトル「うーん・・・ちょっと遠いところには博物館なんかあるぞ?」

上条「修学旅行ならともかくプライベートの旅行では行きたくない・・・」

美琴「えっと・・・長崎だったら・・・」

エツァリ「少し離れたところにはグラバー園なんて物がありますね」

上条「あそこってそんなに面白くないって聞いたぞ・・・」

美琴「そ、そうなの?」

上条「・・・行ってもいいけど、ちょっと地味そうだ」

ショチトル「・・・となると、目的地が無くなるな」

エツァリ「・・・見たい場所自体はたくさんあるんですよね」

美琴「うん、十字教関係だって私達はともかく一般人なら興味あるだろうし・・・グラバー園もあるもんね」

上条「それにオランダとの貿易の資料なんて歴史好きには堪らないんだろうな・・・」

俺には全く分からないけど、と上条が歩きながらぶっきらぼうに呟く

擦れ違う人々は九州美人というか、学園都市で見かける美人とは少し違う雰囲気だった

ショチトル「・・・どうする?昼飯食べてしまおうか」

美琴「だったら一度垣根の所に戻らなきゃ」

エツァリ「・・・いえ、まだ正午にもなってないですからもう少し我慢してみましょう」

上条「?そうか」

エツァリ(垣根さんも、きっと二人きりの時間を大切にしたいでしょうから)







575 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:48:33.43CLEAJkmP0 (13/24)




さだのり(忘れられてる気がするでござる)

垣根「・・・」

じーっ、と心理定規の寝顔を見ていた垣根

その状態が10分ほど続いただろうか

心理「ん・・・」

垣根「よぉ、目が覚めたか」

心理「あら・・・もう着いたの?」

垣根「とっくの昔にな・・・上条達はもう観光に洒落込んでるぜ」

心理「・・・もしかして、寝坊した?」

垣根「お眠な心理定規とか笑えるな」

心理「・・・それで、あなたはなんで残ってるの?」

垣根「肩に頭を乗せながら言う台詞じゃねぇだろ」

心理「動いたら私が起きちゃうから?」

垣根「・・・まぁ、そんなとこだな」

心理「起こしてくれてよかったのに」

垣根「それに、こうすれば二人きりになれるだろ」

心理「あら、中々素敵な考えね」




576 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:49:21.48CLEAJkmP0 (14/24)

垣根「・・・上条達の所、行くか?」

心理「みんなどこを回ってるの?」

垣根「さぁ・・・でも長崎ってふらっと見る場所ってのは中々ないんだよな」

心理「・・・みんな、何も見る場所が無くてうろついてるんじゃないかしら」

垣根「だとしたら・・・俺達が行く必要はないか」

心理「・・・もっと二人きりでいたいってこと?」

垣根「・・・あぁ」

心理「・・・」

垣根「・・・」


垣根(いやいやそこは何かリアクションとるとこだよな!?)

心理(・・・垣根ったら照れ屋ね)

垣根「なぁ・・・いいのか、行かなくて」

心理「ここのほうが楽しいから」

垣根「・・・だけどさ」

心理「それに・・・昨日の夜の続き、ここでなら出来そうじゃない」

垣根「はぁっ!?」

心理「バスとは言っても・・・密閉された空間よ?」






577 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:50:04.80CLEAJkmP0 (15/24)

垣根「いやだ!俺の心理定規が淫乱になった!いやだいやだいやだ!」

心理「違うわよ・・・ちょっとからかってみただけ」

垣根「だ、だよな・・・」

心理「いくら二人きりだからって、いつみんなが戻ってくるか分からないバスでは出来ないわよ」

垣根「冷静に考えたらそうだよな」

さだのり(忘れられてる気がするでござる)

垣根「・・・暇だな」

心理「・・・みんなに戻ってくるように連絡しなさいよ」

垣根「・・・仕方ねぇな」

携帯で短い文章を打ち、すぐさま垣根が目を閉じる

心理「あら、眠いの?」

垣根「・・・ちょっとな」

心理「じゃあ・・・私ももう一寝入りしようかしら」

垣根「・・・勝手にしろ」

心理「素直じゃないんだから」

コテン、と垣根の肩に頭を乗せてから心理定規が小さく呟く






578 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:50:54.73CLEAJkmP0 (16/24)

心理「ホント・・・素直じゃないのね」

垣根「なんか言ったか」

心理「なにも」

垣根「・・・お休み」

心理「えぇ」

さだのり(気まずいでござる)


上条「・・・ただいま」

垣根からのメールを受けてすぐ、上条達はバスに戻ってきた

目的地のない散歩を始めてすぐだったため、正直かなりありがたかった

美琴「あら、二人とも寝ちゃってる・・・」

エツァリ「本当ですね・・・」

上条「疲れてたのか」

ショチトル「ふん・・・寄り添いながら寝るなんて、こいつららしいな」

美琴「あはは、ホント」

上条「この二人っていっつも一緒にいるくせにいざという時には素直にならないからな」






579 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 16:52:15.59CLEAJkmP0 (17/24)

エツァリ「寝ている時は素直になってしまうんでしょうね」

上条「・・・あぁ」

美琴「なんか微笑ましい」

ショチトル「・・・写真、撮るか」

エツァリ「いいですね」

ショチトル「カメラカメラ・・・」

垣根「・・・撮影は禁止だ」

ショチトル「お、起きてたのか!?」

垣根「お前らの気配で起きた」

上条「そ、そっか・・・」

垣根「・・・全員揃ったなら昼飯行くぞ」

美琴「オランダ物産館だったっけ?」

垣根「あぁ、レッツゴー・・・さだのり、頼む」

さだのり「あいよ」

上条(いたんだな、あの人)

さだのり(傷ついたでござる)





580 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 17:53:39.09CLEAJkmP0 (18/24)


上条「・・・これがオランダ物産館か?」

垣根「あぁ」

美琴「な、なんか・・・イメージと違うわね」

ショチトル「普通の建物じゃないか」

上条「・・・もっと大きな建物かと思ってたのにな」

垣根「中では長崎のいろいろなものが食べられるんだよ」

心理「あら、そうなの?」

垣根「ちゃんぽん、皿ヤキソバ・・・」

エツァリ「なるほど・・・それは楽しみですね」

垣根「さぁ!!行こうぜ!!」

美琴「ところで、それって注文式なの?」

垣根「修学旅行なんかじゃバイキングっていうか、好きなの食べられるんだよな」

上条「へぇ・・・」

垣根「今日はその方式にしておこうか」

心理(し、しておこう・・・?)

ショチトル(なんだか誰かの都合のせいみたいだな)





581 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 20:07:23.75CLEAJkmP0 (19/24)


垣根「・・・ということで昼飯だ」

上条「へぇ・・・皿ヤキソバってこれのことか」

美琴「パリパリのヤキソバ・・・」

心理「これって、シナシナさせてから食べる人と堅いまま食べる人に分かれるわよね」

ショチトル「私はカチカチのまま頬張りたいタイプだな」

美琴「変な言い方しないの」

垣根「こっちはちゃんぽん・・・あとカステラ、コノシロの刺身だな」

上条「コノシロ?」

垣根「春秋の彼岸が一番美味しいが・・・ま、この時期でも十分美味しいさ」

ショチトル「生魚は少し怖いな」

心理「あら、中ったことでもあるの?」

ショチトル「ないけどさ・・・」

エツァリ「我々の文化では生魚を食べる、ということはなかったですからね」

上条「ふーん・・・」

垣根「おい、話はそれくらいにしようぜ!!」

上条「あぁ、そうだったな」

垣根「じゃあ、いただきまーす!!」

一同「いただきまーす!!」





582 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 20:44:04.69CLEAJkmP0 (20/24)


ショチトル「美味い!!美味いぞこの皿ヤキソバ!!」

エツァリ「そうですね・・・自分はシナシナさせたいですね」

上条「シナシナさせたいのか?」

エツァリ「えぇ、もう腰砕けに・・・」

上条「分かった、消えろ」

エツァリ「」

垣根「・・・コノシロうめぇ」

心理「あーん」

垣根「い、いいって・・・一人で食えるっての」

心理「・・・あーん・・・」

垣根「だから一人で・・・」

心理「・・・あーん・・・」ウルウル

垣根「・・・あーん」

心理「嘘」パクッ

垣根「」

美琴(心理定規・・・中々やるわね)

美琴「ねぇ、当麻」






583 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 20:59:58.90CLEAJkmP0 (21/24)

上条「ん?なんだ?」

美琴「あ、あーん!」

上条「いいって、自分で食べれるし」

美琴「そ、そんなこと言わないで、あーん!!」

上条「どうせ今の心理さんの真似だったんだろ?」

美琴(バレた・・・!!)

上条「ん、このカステラ美味しい」

美琴「え、ホント?」

上条「あーん」

美琴「あーん!」

上条「嘘」パクッ

美琴「」

上条「あはは、引っかかった・・・」

美琴「・・・」ウルウル

上条「え、えぇぇぇ!?」

垣根「分かるぜ御坂・・・あーんされたと思って騙された気持ち」

美琴「垣根・・・あーん・・・」

垣根「ありがとよ・・・」パクッ

上条・心理「・・・」






584 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 21:14:45.30CLEAJkmP0 (22/24)

美琴「ん、なになに?」

垣根「もしかしてヤキモチか?あぁ?」ニヤニヤ

心理「違うわよ」ムスッ

上条(・・・ちゃんとあーんしてあげればよかった)

垣根「・・・てかさ、ショチトル」

ショチトル「うむ、なんだ」

垣根「お前一人だけで淡々とカステラ食べてるんじゃねぇよ」

ショチトル「だって美味しいんだもん」

垣根「当たり前だろ!!」

美琴「・・・私も食べたい」

エツァリ「はい、どうぞ」

美琴「ありがと・・・当麻と違って、当麻と違ってエツァリさんは優しいわね!!」フン!

上条「も、もしかして拗ねてる!?」

美琴「もしかしなくても拗ねてるのよ!!」

上条「えぇぇぇ!?」

心理「さっきはごめんなさいね、垣根・・・あーん」

垣根「あーん」パクッ

心理「美味しい?」

垣根「あぁ、美味しいぞ」





585 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 21:22:30.68CLEAJkmP0 (23/24)

上条「ご、ごめんってば!!」

美琴「知らない!!」フン!!

上条「み、美琴ぉ・・・」

垣根「おいおい、いつまでも喧嘩してると美味い飯が不味くなっちまうぞ」

心理「そうそう、ここは仲直りの握手よ」

上条「そ、そうだよな!!」

美琴「どうせ仲直りなんて幻想もその右手は殺しちゃうのよ」ムスッ

上条「み、美琴・・・」

ショチトル「全く、美琴ったら意地っ張りで可愛いな、レズプレイがしたくなっちゃうくらいのツンツンだな」

美琴「当麻、仲直りしよう、今すぐに」

上条「あ、あぁ」

エツァリ(ショチトル・・・仲直りのきっかけを作るために、わざわざ変態発言を・・・)

心理(・・・何はともあれ、上条君と美琴が仲直りしてよかったわね)

垣根(ちっ・・・つまんねぇな)

ショチトル(あぁ・・・美琴に冷たくされちゃった・・・)ビクンビクン

垣根(・・・ショチトルがなんだか小刻みに震えているんだが)





586 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/30(月) 21:24:56.18CLEAJkmP0 (24/24)

今日はここまで

筋肉動画はロニーの2000年



この年まではシンメトリーも完璧でしたね・・・

2002年での敗北後、無理矢理な増量でシンメトリーを失いましたが

ではおやすみなさい





587VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/30(月) 23:53:35.74Blcp4Ygeo (1/1)

乙なんだよ


588VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/31(火) 01:32:05.75KborkNrr0 (1/1)

乙なんですの


589 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:21:29.58/1daYad40 (1/22)

垣根「はぁ・・・美味かった」

上条「ちゃんぽんは塩胡椒で細かい味の調整をするのが楽しいな」

美琴「そう?そのままでも十分だと思うけど」

ショチトル「麺が太いからスープと絡まないと思っていたが・・・そんなことなかったな」

心理「そうね・・・魚介類のダシが効いててよかったわ」

エツァリ「カステラも素晴らしかったですね、上品な甘さが最高です」

垣根「カステラは妹達のお土産に良さそうじゃないか?」

上条「そうだな、ついでにテクパトルのもそれで済ませられるし」

美琴「そんな選び方でいいのかしら・・・?」

ショチトル「いいんだよ、テクパトルみたいなヤツには十分だ」

エツァリ「問題は他の方ですね・・・」

上条「削板と白井には・・・ちょっと味の違うカステラかな」

垣根「なんでカステラだけなんだよ・・・」

心理「そうね・・・出島のパンフレットとかは?」

上条「あぁもう!なんか地味なボケはやめてください!」

心理「・・・昨日ホテルで買ったクッキーだけじゃ少ないかしら」






590 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:21:58.66/1daYad40 (2/22)

エツァリ「少し足りない気がしますね」

ショチトル「うーん・・・一方通行達には何がいいかな」

美琴「いいのよあんなヤツ・・・適当に選べば」

垣根「そんなこと言うな、一方通行達にあげる土産ってことは番外個体と打ち止めにも渡るんだぞ」

美琴「!?だったらちゃんと選ばないといけないわね!」

ショチトル(一方通行可哀相だな)

エツァリ(全く・・・)

垣根「・・・一方通行にはそこらへんの子供の写真でいいんじゃねぇか?」

上条「良くないからな!」

垣根「冗談だ・・・他に何かないかな」

心理「平和関係の物とかは?」

美琴「一方通行はそんなのくだらない、とか言いそう・・・」

上条「あぁ・・・なんか分かる」

エツァリ「となりますと・・・キーホルダーなどですね」

ショチトル「一方通行はパンク系の服を着るよな」

上条「ってことは・・・ゴテゴテしたアクセサリーがいいかな」






591 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:22:24.94/1daYad40 (3/22)

垣根「そうか?でもそれだけじゃ番外個体と打ち止めの分を別に考えなきゃいけないぜ?」

心理「・・・ここはカステラね」

上条「結局はそうなるのか・・・」

心理「仕方ないでしょ、コーヒーにも合うお菓子って言ったらそれしかないし」

ショチトル「そうだな、無難なチョイスではあるな」

エツァリ「少し安直ですが・・・」

垣根「はい!カステラをたくさん購入することになりました!」

美琴「はぁ・・・でもお土産を買う段階に入ると、そろそろ帰るって感じがするわね」

上条「明日には学園都市に帰らなきゃならないからな」

垣根「・・・そんなこと言うな、悲しくなる」

心理「・・・でも、早く帰りたいって気もするわね」

美琴「そうね・・・みんなに会いたい気もするわ」

エツァリ「・・・みなさんは何してるんでしょうかね」

垣根「テクパトルの野郎は相変わらず仕事だろ」

上条「白井は風紀委員だよな、ゴールデンウィークだし」

ショチトル「一方通行は引きこもりだろうな」






592 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:22:54.51/1daYad40 (4/22)

美琴「・・・削板は黒子の手伝いね」

心理「・・・妹達はテクパトル君の取り合いよね」

上条「あはは!分かる分かる!」

美琴「・・・帰りたい」

垣根「おいおい、まさかホームシックかよ」

ショチトル「・・・まぁ、明日には帰れるんだから」

美琴「・・・うん」

上条「さて・・・じゃあお土産買ったら次の目的地に・・・」

垣根「で?次の目的地とやらはどこなんだよ」

上条「・・・」

ショチトル「そういえば、長崎で見たい場所なんて他にはなかったな」

エツァリ「そうですね・・・あまり観光地があるわけではないですから」

美琴「ちょっと・・・まさかもうホテルに向かうなんて言うんじゃないわよね!?」

心理「私はそれでもいいんだけど」

上条「いやいや!せっかく旅行に来たんだから観光しようぜ!」

心理「眠いのよ」

上条「・・・お土産買わないといけないんですが」

美琴「そうよ!今から・・・」

心理「でもすぐに買えるわよね?」






593 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:23:21.25/1daYad40 (5/22)

上条「ま、まぁそれは」

ショチトル「この通りの店でカステラもあるんだよな?」

垣根「あぁ、この辺りはオランダ関係の店が多いからな」

ショチトル「・・・お土産買ったらホテルに行こう、心理定規は疲れてるみたいだし」

心理「ありがと・・・じゃあ私、先にバスに帰っとくわね」

上条「あれ、一緒に買い物しないのか?」

心理「お土産を選ぶのはみんなに任せるわ・・・朝早かったから眠いのよ」

垣根「着いて行こうか?」

心理「大丈夫・・・あなたもお土産選んでて」

垣根「あぁ」

手を振ってから、先に心理定規はバスに向かった




心理(・・・眠いわ)

目を閉じているとなんとも言えない心地よさが体を包む

バスの座席はそこまで柔らかいとは言えない

しかしなぜか、周りから孤立した空間というのは安心感を与えてくれる

それが知らない土地ならばなおさらだ






594 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:23:48.82/1daYad40 (6/22)

心理(・・・)

気が付けば、彼女は夢に落ちていた




心理「・・・ここは?」

垣根「起きたか、いきなり寝られたらこっちが困るんだよ」

ゴーグル「全くっす・・・」

心理(・・・ゴーグル君・・・?あぁ、これは夢なのね・・・)

ゴーグル男がいるということはスクール時代の夢だろうか

垣根「ったくよ・・・こっちは真剣に明日の件について講釈垂れてやったのに」

心理「ごめんなさいね・・・ちょっと疲れてたから」

垣根「・・・」

ゴーグル「ま、まぁまぁ・・・そんな不機嫌になることないっすよ」

垣根「分かってる」

心理(・・・そうね、昔の垣根はホントに素っ気なかったわ・・・)

今の彼が優し過ぎるだけに、忘れてしまいそうだった昔の彼

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「あなた、世界平和ってものを信じる?」






595 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:24:14.81/1daYad40 (7/22)

垣根「くだらないな、俺達が暗闇の中にいる時点で世界全てが平和になることはない」

心理「・・・ゴーグル君、あなたは?」

ゴーグル「どうでもいいっすよ、知らない国で知らない誰かが死んでも俺には関係ないですから」

心理「・・・そうね」

冷たい、と感じる人間もいるだろうがこれが過去の彼等だった

綺麗事を言うことを嫌い、ただ現実だけを見つめていた

心理「・・・」

垣根「なんでそんなくだらないことを聞いてきた」

心理「ちょっとね・・・聞いてみたかっただけよ」

垣根「今更明るい世界に戻りたいなんて言うんじゃねぇだろうな」

ゴーグル「無理っすよそんなの・・・第一、そんなことしたら垣根さんに消されますし」

垣根「バーカ、別に俺はお前達がスクール抜けても構わねぇよ」

ゴーグル「あれ、そうなんすか」

垣根「お前らが表で厄介な事をしたなら他のヤツらに消させればいい、スクールは実質俺一人でもやっていける」

心理「あら、だったらどうして私達を仲間にしてるの?」

垣根「仲間じゃねぇ、ただの道連れだ」






596 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:24:43.08/1daYad40 (8/22)

ゴーグル「それもそうっすね・・・地獄を見るならこの三人でしょうから」

心理「・・・あなた達と一緒なら、それはそれで楽しそうね」

垣根「・・・」

心理「・・・垣根、あなた・・・」

垣根「それ以上無駄話はするな」

心理「・・・えぇ」





垣根「おい、心理定規・・・」

心理「んん・・・?垣根?」

上条「やっと起きた・・・もうホテルに着いたぞ」

心理「あら、そんなに寝ちゃってた?」

ゴシゴシと目を擦り、バスの前方にある時計を見つめる

寝始めてからすでに2時間も経過していた

ショチトル「なんだか楽しい夢でも見ていたのか?」

心理「楽しそうだった?」

美琴「うん、ちょっと笑ってた」

エツァリ「・・・何かいい夢でも?」






597 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:25:08.82/1daYad40 (9/22)

心理「・・・」

垣根「あぁ?なにじっと見つめてんだよ」

心理「ねぇ、あなたは世界平和を信じる?」

垣根「・・・なんでそんなこと俺に聞くんだ」

心理「聞いてみたかったからよ」

垣根「・・・知らないな、だが俺が守りたい世界だけは守ってやる」

心理「・・・ふふ」

垣根「なんだよ・・・なに笑ってやがる」

心理「いいえ、あなたは変わったわね」

垣根「あぁ?」

心理「さぁ、ホテルに着いたのよね」

上条「あぁ、もう入るか?」

心理「そうね・・・二人部屋じゃなかったら暴れるけど」

上条「あ、暴れないで下さい・・・」

美琴「じゃあ、二人部屋になってることを祈って!」

エツァリ「・・・なんだかフラグが建ちそうですね」







598 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:25:34.77/1daYad40 (10/22)


垣根「よかったな、二人部屋で」

上条「ひ、一安心だよ・・・」

ショチトル「しかし今日のホテルはそんなに高そうなホテルではないな」

グルリ、とホテルの中を見渡したショチトルが呟く

たしかに、昨日泊まったホテルに比べると小さなホテルだ

美琴「ここは・・・当麻が選んだのよね」

上条「あぁ、友達とか知り合いに長崎でいいホテルを知らないか聞いたんだ」

エツァリ「それがここだったんですか」

上条「まぁ、豪華さでは昨日のには敵わないけど、料理が美味しいらしくてな」

垣根「それは中々期待出来そうだな」

心理「とりあえず私は寝るわよ・・・」

部屋のカードキーをフロントで受け取り、すぐに部屋へ向かう



心理「・・・へぇ、何だかんだ綺麗な部屋なのね」

垣根「そうだな」

二人が自分達の部屋を覗いてから感想を述べる

窓からの景色も中々良く、広さもちょうど良かった






599 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:26:04.74/1daYad40 (11/22)

垣根「・・・ベッドも中々だな」

心理「枕が変わってるから寝付けなさそうだけど・・・」

垣根「お前、そんなにデリケートだったか?」

心理「意外とね・・・自分でも驚いてるけど」

垣根「へぇ・・・大変だな」

心理「おかげでここ二日はあんまり・・・」

垣根「眠れてないのか」

心理「ごめんなさいね・・・本当は昨日の続きしてあげたいんだけど、まだ疲れてるみたい」

垣根「・・・あ、そうだ」

心理「?」

垣根がベッドに大の字になって寝転がる

心理「あなたも眠いの?」

垣根「違う違う」

手招きをしながら垣根が笑う

心理「・・・なに?」

垣根「枕が変わって寝られないんだろ?だったら俺が腕枕してやるよ」






600 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:26:48.76/1daYad40 (12/22)

心理「!い、いいの?」

垣根「俺の腕枕ならゆっくり寝られるだろ」

心理「・・・」

顔を赤くしながら、心理定規が垣根に添うようにして寝転がる

心理「・・・あ、ありがと」

垣根「どういたしまして」

心理「・・・よく眠れそう」

垣根「俺も寝ようかな」

心理「・・・寝ましょう、疲れたもの」

垣根「あぁ・・・じゃ、また夢の中で」

心理「ふふ・・・夢の中で」

目をそっと閉じてから、心理定規が小さく笑う

心理(ホント、あなたは変わったわよ・・・垣根)

心理(・・・素敵に変わったわよ、あなたは)








601 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:27:23.93/1daYad40 (13/22)


上条「おぉ・・・景色が綺麗!」

美琴「・・・よし、壁は厚い・・・」

上条「部屋も値段のわりに広いし・・・」

美琴「ベッドはシングルが二つ並んでて、間に少しの隙間あり・・・」

上条「これなら意外とノビノビ出来そうですね!」

美琴「これならちょっと声が出ても隣には聞こえないわね!」

上条「・・・」

美琴「・・・」

上条「あの、御坂さんはなにを前提に話をされているんですか」

美琴「う・・・す、するんじゃないの?」

上条「しますけど・・・今はまだしないから」

美琴「そ、そうなの?」

上条「今はそれどころじゃないだろ・・・みんなにお土産を振り分けなきゃ」

購入したお土産を、全員分あるか確認する

更に、それに小さなメッセージカードを付ける

自分達だけが楽しい思いをしているのだ、少しくらい丁寧にしないといけない

美琴「へぇ・・・意外とマメなのね」






602 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:27:49.80/1daYad40 (14/22)

上条「友達として当たり前の礼儀だろ?」

美琴「うん!それでこそ私の当麻よね!」

上条「美琴も番外個体のとか妹達のとかに書いたらどうだ、メッセージ」

美琴「よーし!」

美琴が上条からペンを受け取り、カードにメッセージを書いていく

美琴「親愛なる妹達・・・お口に合うかは分かりませんが、良ければどうぞ」

上条「な、なんか堅苦しくないか?」

美琴「いいじゃない、下手に明るく書くよりはマシよ」

上条「・・・番外個体にもそれでいくのか?」

美琴「ううん、打ち止めと喧嘩しないようにって」

上条「あぁ・・・カステラの取り合いしそうだからな」

美琴「・・・一方通行にも一応書いてあげる」

上条「どれどれ・・・二人をよろしく・・・それだけか?」

美琴「だって長々書いても絶対あいつ読まないもん!」

上条「うーん・・・最悪、クシャクシャにして捨てそうだよな」

美琴「だから、あいつには丁寧に書く必要なんかない!」

上条「お前・・・一方通行のこと嫌いなのか?」

美琴「嫌いとは違うけど・・・なんかぶっきらぼう過ぎるのよね、一方通行」

上条「それは生まれ持った性格だから今更どうしようもないな・・・」




603 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 18:28:47.04/1daYad40 (15/22)

美琴「・・・でも、あの二人を世話してくれてることは感謝してる」

上条「それも書いたらどうだ?」

美琴「は、恥ずかしいからいいわよ!」

上条「はぁ・・・素直じゃないよな、美琴」

美琴「・・・アンタはクラスの友達にも買ったんでしょ、それにメッセージ書きなさいよ」

上条「いや・・・みんなで一つのカステラだし、そこまで丁寧には」

美琴(クラスよりプライベートの友達・・・当麻、中々黒いわね)

上条「なんだよ?」

美琴「なんでもないわ」

上条「・・・さて、お土産の振り分けは終わったな」

美琴「う、うん!」

上条「じゃあ」

美琴「は、始めるの!?」ドキドキ

上条「?いや、一眠りしたいんですけど」

美琴「・・・そ、そうよね・・・眠いもんね」ハァ

上条「な、なんだよ?」

美琴「・・・甲斐性なし」

上条「はいぃ!?」






604 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 21:46:58.77/1daYad40 (16/22)


エツァリ「・・・やっと二人きりだな」

ショチトル「相変わらず、その切り替わりの速さはさすがだな」

エツァリ「・・・悪いか?」

ショチトル「いや・・・そっちのほうがいいさ」

エツァリ「・・・それにしても、旅行なんていいながら結局最後はこうして普通に二人で過ごすだけか・・・」ハァ

ショチトル「それでいいだろう、大体ずーっと観光なんてしたくない」

エツァリ(・・・様々な史跡を回れるのは興味深いんだが・・・)

ショチトル「・・・さて、まだ中途半端な時間だし寝るとするか」

エツァリ「夜に眠れなくなるぞ」

ショチトル「大丈夫だ、問題ない」

エツァリ「・・・ま、夜は夜ですることがあるがな」

ショチトル「もう、お兄ちゃんのエッチ」

エツァリ「・・・」ゾクゾク

ショチトル「・・・さて、それでは寝るか」

エツァリ「あぁ」






605 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 21:51:40.70/1daYad40 (17/22)


垣根(・・・腕が痺れた)

心理定規が彼の腕枕を使って寝始めてからすでに1時間半

ジンジンとした鋭い痛みに、垣根は目に涙を浮べていた

垣根(足の痺れと違ってなぜか異常に痛い腕の痺れ!!)

垣根(くそ・・・だがここで俺が腕を引っこ抜けば心理定規は起きてしまう!!)

垣根(・・・よし、そーっと、そーっと抜いてみるか!!)

ゆっくりと、出来る限り心理定規に振動を与えないようにしながら垣根が手を動かす

かなり動かせている気がするが、実際は1cm単位での動きだ

垣根(・・・起きるなよ・・・)

垣根(よーし、手首までは来た・・・問題はこっからだ、掌の凹凸で心理定規の頭に振動が否が応でも行ってしまう)

垣根(だがそれは普通の人間の場合だ・・・俺は垣根帝督、学園都市第二位の超能力者だ)

垣根(・・・考えろ、この場合どうすれば心理定規の目を覚まさせずに済むか)

垣根(・・・指をピンと伸ばせば凹凸は減らせるが・・・それでも変わらない難しさだ)

垣根(・・・下手をすれば、指を伸ばしたときに心理定規の髪の毛に触れてしまう)

垣根(それでこいつが起きたらおしまいだ)

垣根(・・・よし、今の体勢のままやってみるか)





606 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 21:55:22.38/1daYad40 (18/22)

スルスル、と腕を動かすが中々思い通りにはいかない

垣根(・・・起きるなよ)

垣根(大丈夫だ・・・ここまで慎重にやってるんだ、これなら!!)

とうとう掌の中央が心理定規の後頭部を通り過ぎた

垣根(・・・この角度のままいけるか?)

垣根が身を乗り出して腕を覗き込む

その体勢は、ちょうど心理定規の寝ているところに無理矢理キスをするような形だった



心理「ん・・・垣根・・・?」

垣根「」

心理「・・・何してるの?」キョトン

垣根(落ち着け、これは決して寝込みを襲おうとしていたわけではない、それにこいつは俺の彼女だ)

垣根(・・・そうだ、腕を抜こうと思ってそっと動かして、覗き込んだらちょうどお前が起きたって言う説明で大丈夫だ、うん)

心理「ねぇ?」

垣根「抜こうと思って覗いたら、ちょうど起きたんだ」

心理「・・・」

垣根「・・・」


垣根(言い方がまずかったな、これは)





607 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 21:58:19.47/1daYad40 (19/22)

心理「・・・あなた、そんなことしようとしてたの?」

垣根「誤解だ」

心理「ご、五回!?あなたどれだけ元気なのよ・・・」

垣根「元気?いや、元気じゃなくてもうジンジンしてるんだって」

心理「げ、元気だからジンジンしてるんじゃないの?」

垣根「違うって、お前のせいで抜けなかったからジンジンしてるんだ」

心理「わ、私で抜くんじゃないの?」

垣根「はぁ?」

垣根(・・・いや、会話がおかしかったか)

垣根「腕を抜こうとしてたんだ」

心理「・・・あぁ、そういう意味」

垣根「決して、決して下世話な話じゃないんだ」

心理「・・・そう、てっきり昨日の続きがしたくなったのかと思ったわ」

垣根「・・・お前な・・・」

心理「ごめんなさいね・・・腕、痺れちゃったの?」

心理定規が垣根の腕を摩る

垣根「痛ぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!」

心理(あ、ホントに痺れてるのね)





608 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 22:10:41.35/1daYad40 (20/22)

垣根「何するんだよ!?」

心理「あら、ちょっと介抱してあげようかと」

垣根「うがぁぁぁ!!」

垣根がブンブン、と右腕を振り回す

そうしてもどうしようもないが、動かさないでいるとつい痛みを意識してしまう

心理「ちょっと、危ないわよ」

垣根「だって痛いんだよ!!めちゃくちゃビリビリするの!!」

心理「そう言うと美琴のせいみたいね」

垣根「あぁもう!!ちくしょう、腕枕なんてなぁ!!」

心理「私はよく眠れたけど?」

心理定規がズイ、と垣根に顔を近づける

垣根「お、おう」

心理「だから・・・お礼がしてあげたいわね」

垣根「・・・その、今はまだ午後の4時・・・」

心理「・・・美琴と上条君・・・ショチトルとエツァリ君はこの旅行中ですでにしたみたいよ?」

垣根「だ、だからって・・・」

心理「・・・いや?」

垣根「・・・わ、分かったよ・・・」

心理「ありがと」クスクス





609 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 22:14:38.55/1daYad40 (21/22)



上条「・・・さて、晩飯ですよ」

垣根「・・・」

美琴「?どうしたのよ、垣根」

食堂前に集まった6人

その中で、明らかに垣根だけがゲッソリとしていた

垣根「・・・なんでもねぇよ」

ショチトル「なんだか顔から生気が抜けてるぞ」

垣根「・・・あぁそうか・・・」

心理「ふふ・・・ちょっと疲れてるのよね」ニコニコ

エツァリ「?何かあったのですか?」

垣根「・・・何もなかったんだ・・・」

上条「それにしても疲れてるな・・・」

垣根(心理定規の野郎・・・一回だけだと思ってた俺が馬鹿だった・・・)グスン

心理(あら、久しぶりなんだしいいじゃない)

ショチトル(なにやらエッチな雰囲気だぞ)

エツァリ(そうでもないだろう)





610 ◆G2uuPnv9Q.2012/01/31(火) 22:17:19.07/1daYad40 (22/22)

今日はここまで

明日で旅行は終わらせる・・・思ったよりもグダグダになってしまった

今思えば、福岡はともかく長崎の記憶がまったくないですw

その後はていとくんの短いほのぼのギャグというか単発を

筋肉動画はシュワちゃん20才

 

こんな才能があれば、そりゃスターにもなりますわな

ではおやすみなさい





611VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)2012/01/31(火) 23:15:00.73Js5S3ka0o (1/1)


よし垣根、今こそNAS味の飴を食べて回復だ


612VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/31(火) 23:15:59.11AuP7Ybklo (1/1)

乙なんだよ


613VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/02/01(水) 01:35:53.382kjXlshMo (1/1)

シュワすげーーー!!れー


614 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 09:52:51.23zkSiI5YH0 (1/30)



垣根「・・・さて、もう晩飯も食い終わった」

心理「誰に向かって言ってるのよ」

垣根「・・・んでもって、みんなには俺の部屋に集まってもらった」

上条「だから誰に向かって・・・」

美琴「まぁまぁ・・・それはいいじゃない」

エツァリ「それで、なぜ我々は集められたのですか?」

垣根「よくぞ聞いてくれた!」

ショチトル「いや、当たり前の疑問だ」

垣根「だったらそれを口にしろよクソが」

ショチトル「ちっ・・・で、なんで集められたんだよ」

垣根「今回の旅行は非常に楽しかった・・・後半は少し段取りの悪さが目立ったがな」

上条「そうだな・・・もう少し長崎のことを調べればもっと楽しめたはずだ」

美琴「でも、なんだかんだ楽しかったわよ?」

垣根「そこで・・・観光は上手く出来た、土産も買ったし美味い飯も食えた、残るはなんだと思う」

ショチトル「そうだな・・・花火とかか?」

心理「季節が違うわよ・・・どうせトランプ大会とか言うんじゃないの?」






615 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 09:53:23.16zkSiI5YH0 (2/30)

垣根「違うんだよ・・・子供じゃねぇんだから」

エツァリ「垣根さんはたまに子供っぽいことを言うじゃないですか」

垣根「・・・とにかく、今回は違う」

上条「うーん・・・なんだ?」

垣根「写真だよ写真、あんまり記念写真撮らなかっただろ?」

心理「・・・たしかに、観光地の写真は撮ったけど・・・」

美琴「全員の写真は撮らなかったわね」

垣根「悲しくないか?せっかく友達と旅行に来たんだ、最後くらい写真撮ろうぜ」

ショチトル「垣根にしてはマシな案だな」

垣根「垣根にしては、が余計だな」

エツァリ「では・・・ここで撮りますか」

垣根「いやいや、せっかくなら外の夜空の下で撮ろう」

上条「今から外に行くのか?」

上条が時計を確認する

風呂を済ませ、食事を取った後なのだ

すでに寝る人もいるであろう時刻になっている





616 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 09:53:51.70zkSiI5YH0 (3/30)

垣根「あぁ、別に少し写真撮るだけなんだからいいだろ」

美琴「まぁ・・・時間が掛かるわけじゃないし」

心理「明日は朝一で帰るから時間もないものね」

ショチトル「仕方ないな・・・いいよ、付き合ってやる」

エツァリ「では行きましょうか」

垣根「おう」


垣根「ほー、夜空が綺麗だな!」

上条「ホントだ・・・」

満足げに空を見上げながら、一同がしばし口を閉じる

学園都市から見える夜空と違い、星の一つ一つがしっかり目に見える

美琴「・・・なんだか、私達だけがこの夜空を見てる気がするわ」

心理「そうだとしたら素敵ね」

エツァリ「・・・そうですね、我々だけの夜空です」

上条「・・・写真、撮るんだろ」

垣根「あぁ」

垣根がカメラのタイマーをセットする






617 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 09:54:17.22zkSiI5YH0 (4/30)

少しだけ長めにセットしてから、みんなが一列に並ぶ

上条「・・・なんか、長くないか?」

垣根「なぁ、みんな」

美琴「なに?」

垣根「・・・ありがとよ、楽しかった」

ショチトル「なんだいきなり?」

垣根「・・・まぁさ、たしかにちょっと段取りは悪かったし・・・それに色々問題もあった」

エツァリ「まぁ、ショチトルと二人きりの時間は少なかったかもしれませんね」

心理「私も、垣根との時間は少なかった気がするわね」

上条「でも新鮮だったしよかったんじゃないか?」

垣根「・・・昔の俺じゃこんな経験は出来なかったはずだ」

美琴「・・・それはきっと、みんな同じよ」

心理「そうよ、あなただけではないの」

垣根「・・・だから、お前らみたいなヤツらと会えたことを幸せに思う」

カメラのタイマーはそろそろだ

垣根「・・・よかったと思える人生になったのはお前らのおかげだ」






618 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 09:55:40.16zkSiI5YH0 (5/30)

上条「俺もそうだよ」

エツァリ「自分も、みなさんと一緒にいることが非常に楽しいです」

垣根「・・・これからもよろしく頼むな、みんな」

美琴「なに言ってるのよ、当たり前じゃない」

上条「そんな照れ臭いこと言うなって」

垣根「・・・あぁ、そうだな」

カメラのフラッシュが光った

みんな、幸せそうな笑みを浮かべた写真が出来上がった

上条も、今回は目を閉じてはいなかった

上条「よかった!!目閉じなかった!!」

美琴「珍しいわね・・・」

ショチトル「飴でも降るんじゃないか?」

心理「ナス味が?」

エツァリ「それはそれで面白いですね」

一同「それもそうだ」ハハハ




垣根「・・・全く」

垣根「・・・ホントに楽しい毎日だよな」








619 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 10:04:54.92zkSiI5YH0 (6/30)



上条「おはよう!」

美琴「んー、やっぱり二人部屋だと自分達の寝たい時間に眠れて楽だったわね」

ショチトル「大人数だとどうしても遅くまで起きていてしまうからな」

エツァリ「そうですね、それが難点です」

垣根「・・・そうですね・・・」ゲッソリ

上条「?もしかして眠れなかったのか?」

垣根「・・・まぁそんなところだ」

美琴「でも心理定規は元気みたいよ?」

心理「えぇ、そうね」ツヤツヤ

垣根(・・・心理定規の野郎・・・)

心理(申し訳なかったわね)

上条「さて・・・もう帰るか」

美琴「速かったわね・・・」

垣根「楽しい時間は早く過ぎるもんだ」

ショチトル「その通りだな」

垣根「・・・はぁ、リニアモーターカーで帰るとなると・・・正午には学園都市か」






620 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 10:11:53.71zkSiI5YH0 (7/30)

上条「さて!!さっさと向かいますか!!」

美琴「午後にはみんなにお土産配らないとね!」

エツァリ「それはそれで楽しみですね」

心理「そうね・・・早くみんなに会いたいわ」

ショチトル「ふん、ホームシックか」

垣根「・・・忘れたこととかはないか?」

上条「多分ない!!」

美琴「じゃ、帰ろうか」

クルリとホテルに背を向けて、6人が歩き出す

上条(・・・楽しかったな、旅行)

上条(今度はみんなと来れたら嬉しいな)

上条「なぁ、みんな」

心理「なに?」

上条「また・・・来ような」

垣根「おうよ!!」



垣根「今度は来週・・・」

一同「ねーよ」




621 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 10:12:45.54zkSiI5YH0 (8/30)


ていとくんのお仕事編


垣根(俺は素晴らしい人生を歩んでいる、それは断言できる)

垣根(イケメン、高身長、超能力者、金持ち、そしてリア充)

垣根(この幸せを誰かに分けてやりたいくらいだ)

垣根(・・・だが、あいにく今は誰も家にいない)

垣根(心理定規は律儀なことに学校に行っている)

垣根(旅行から帰ってきた次の日の学校くらい休めばいいのにな)

垣根(・・・つまんねぇ)

垣根(テレビでも見るか)


「Aさんがこの占い師、『東京のグランドマザー』の言う通りにしたところ、人生が素晴らしいものに変わったそうです」

垣根(あぁ?占いなんて今でも流行ってるんだな)

垣根(誰かに相談して、そのあと自力で解決するなら好感を持てるが・・・)

垣根(占いなんていう非科学的なものに自分の人生を託すヤツなんか、元々どうしようもないんだよ)

垣根(全く・・・せめて占いじゃなくて、人に相談・・・)

垣根(・・・相談屋・・・!これだ、人の悩みを聞いてアドバイスをする!)

垣根(俺が生まれ持った能力に頼るのではなく、人生で培った考えを人に教え、真っすぐに生きさせる!)

垣根(俺の幸せを人に分けることも出来る!)

垣根(これだ・・・これだ!)


垣根「相談屋を開く!」






622 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 10:37:49.49zkSiI5YH0 (9/30)


垣根(俺には常識が通用しねぇ、だから一々ビルの一角を借りたりはしない)

垣根(公園の真ん中にでも立てればいいだろ)

垣根(・・・もちろん広告なんて出さない、だってそれを見て面白半分で来るやつなんて大した悩みは持っていないはずだからな)

垣根(・・・決めた、俺は公園の真ん中で相談屋を始める)

垣根「・・・」テクテク

垣根(・・・許可とかいるのか?)

垣根(いや、俺には常識が通用しねぇ)

垣根(・・・大体、勝手にやってる露店とかもあるし気にしなくていいな)テクテク


垣根「・・・着いたか」

垣根「早速店を建てる・・・とはいってもテントを張るだけでも十分だな」

垣根「わざわざ大人数を入れる必要はねぇ」

垣根「・・・適当にテントは用意するか」

垣根「問題は、誰がどんな悩みを抱えてくるか・・・だな」

垣根(恋の悩みとかならいいんだけどな・・・離婚相談とかだったらどうしよう)

垣根(・・・その時はそのときだ、テントの用意を始めるか)





623 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 11:13:48.43zkSiI5YH0 (10/30)


垣根「よし、テントの用意は終わった」

垣根「さすが俺だ・・・たった2時間でテントを作ってしまった」

垣根「・・・しかし、さすがにこれだけじゃただの仮店舗って感じだな」

垣根「もっとこう・・・俺って感じを出したいな」

垣根「俺といえばメルヘンだな」

垣根「・・・ある程度人目は引きたい、翼でもつけてやるか」

垣根「つばーさーがーほしーいー・・・」ペタペタ



垣根「・・・テントに翼をつけるとは中々メルヘンな考えだ・・・」

垣根「だが、もう少しパンチがほしいな」

垣根「よし、翼を可動式にしてみるか」

垣根「僕のー視界がーけいけーんをーしたー」ファサファサ

垣根「・・・あれ、なんかワチャワチャしてるな」

垣根「・・・まぁいいか、これなら人目を引く」ウンウン

垣根「・・・さて、あとは客が来るのを待つか」

垣根「コーヒーでも買おうっと」





624 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 12:09:20.53zkSiI5YH0 (11/30)


垣根「・・・誰も来ないな」ゴクゴク

垣根「今思えば、なんでも相談請け負いますっていう看板を出しただけのテントだからな」

垣根「いや、翼が生えてるからメルヘンテントだがな」

垣根「・・・あーあ、ちょっと暇だな・・・誰か来ないかな」

垣根「・・・誰か来ないかなぁ!!」チラッ

垣根「・・・って誰もいないのにチラ見しても意味内科」

垣根「・・・エロ本でも買ってくるか」テクテク



結標「・・・あら?なんでも相談屋・・・」

結標「へぇ、ちょっと入ってみようかしら」



結標「あの・・・」

垣根「うーん・・・やっぱり制服物はダメだな、そういうのは女優が着ててもただのコスプレにしかならん」

結標「・・・あの」

垣根「ん?なんだ、グループの結標か」

結標「元、を付けてほしいんだけど」

垣根「グループの元結標か」

結標「今誰なのよ」





625 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 12:13:20.12zkSiI5YH0 (12/30)

垣根「それで?なんの用だよ」

結標「なんでも相談に乗ってくれるのよね?」

垣根「はぁ?・・・あぁ、そういやそんな店だったな」

結標「・・・私の相談に乗ってくれないかしら」

垣根「いいぜ、どんな相談だ?」

結標「男の子に歳を取らせないにはどうすればいいのかしら」

垣根「は?」

結標「時間とは卑怯よね、悲しい恋心を置いてけぼりにして、現実だけを進めていくのよ」

垣根「待て、お前何が言いたいんだよ」

結標「ショタをショタのままでいさせたいのよ」

垣根(・・・一人目の客がこれか、いやになるぜ)

結標「ねぇ、何かいい方法はないかしら」

垣根「・・・タイムマシンなんてものはねぇ、つまり過去に戻るのは無理だな」

結標「そうよね、それは残念だわ」

垣根「・・・新しいショタを捕まえ続けたらどうだ、一人に執着する必要はねぇだろ」

結標「それじゃ私が変態みたいじゃない」

垣根「違ったのか」





626 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 12:17:06.58zkSiI5YH0 (13/30)

結標「失礼ね、私は別にショタを性的な対象としては見ていないのよ」

垣根「そうなのか?」

結標「えぇ、胸しか見せないし」

垣根「見せるんじゃねぇか」

結標「男の子ってのは・・・ショタってのは単純よ、女の子にも同じものが生えてると思ってるもの」

垣根「同じもの?」

結標「股間によ」

垣根「・・・よーし、俺が生えてないかチェックしてやるから・・・」

結標「いやよ」

垣根「冗談だ・・・そうだな、一人のショタを剥製にするとか」

結標「!!それよ!!」

垣根「いや、冗談だって・・・」

結標「でもそうなったら誰にしようかしら・・・さすがに大人数はまずいわよね・・・タっくんは結構アードが堅いし・・・あーちゃんは明日は用事があるみたいだし・・・」

垣根「そんなにショタの知り合いがいたのか」

結標「えぇ、だって可愛いんですもの」ウフフフフフ

垣根(もうやだ)

結標「!!ボブ君はどうかしら!?」

垣根「頼むからそいつを見せてくれよ」





627 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 12:20:42.89zkSiI5YH0 (14/30)

結標「はっ!!でも剥製にしたらおしゃべりが出来ないわね・・・」

垣根「お前、おしゃべりしたいのか」

結標「当たり前でしょ、何も知らないショタに少しずつ性を教えていくのが楽しいんじゃない」

垣根(ダメだこいつ)

結標「・・・あとね、まだ性に目覚めてないショタのオチンチンをしごい・・・」

垣根「それ以上言ったら追い返すぞ」

結標「あら、お客様よ?」

垣根「・・・いいか、ショタはいつまでもショタじゃねぇが・・・そのタっくんだのあーちゃんだのは、いつまで経ってもそいつ自身だ」

結標「!!」

垣根「お前がショタじゃなきゃ愛せないって言うなら仕方ないが・・・だがな、相手はお前という一人の人間を好きになってくれてるんじゃないのか?」

結標「そ、そうよ・・・きっとみんなは私を・・・」

垣根「だったら、お前はそいつらが大人になっていく様を見守らなきゃならない」

結標「そうよね!!そうと分かったら早速草葉の陰から見守らなきゃ!!」タッタッタ

垣根「お、おい・・・料金は・・・」

結標「出世払いよ!!」


垣根「・・・行ってしもうた」

垣根「っていうか、それってストーキングだよな」





628 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 12:55:34.00zkSiI5YH0 (15/30)


垣根「・・・さて、他のお客さんはまだ来ない・・・」

垣根「・・・エロ本もつまんねぇし・・・」

垣根(・・・携帯の心理定規画像フォルダでも拝むか)

垣根「・・・」ジーッ


垣根「・・・」ハァハァ



ゴーグル「ん?相談屋・・・っすか」

ゴーグル「そうっすねぇ・・・相談相談・・・」ウーン


ゴーグル「失礼します・・・」

垣根「おぉ・・・こいつの寝顔はやっぱり天使だよなぁ・・・」

ゴーグル「・・・」

垣根「しかもちょっと口が開いてる間抜けっぽさも可愛いんだよな!!」

ゴーグル「何してるんすか」

垣根「・・・あぁ?てめぇ、なんでここにいるんだよ」

ゴーグル「いや・・・相談を・・・」

垣根「そうか、帰れ」

ゴーグル「・・・いや、聞いてくださいよ」





629 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:14:56.76zkSiI5YH0 (16/30)

垣根「ちっ・・・なんだよ相談って」

ゴーグル「にしても、垣根さんが相談屋なんて・・・」

垣根「おい、早く話せよ」

ゴーグル「・・・フレンダさんなんすけどね」

垣根「あぁ」

ゴーグル「・・・最近、妙に好き好き光線を放ってくるんすよね」

垣根「誰に」

ゴーグル「いや、俺に・・・」

垣根「それがイヤなのか?」

ゴーグル「違いますよ・・・そうじゃなくて、自分はそういう好き好きとかイチャイチャしたいタイプじゃないんすよね」

垣根「はぁ?」

ゴーグル「・・・フレンダさんのことは結構好きですし・・・でも、彼女の恋愛観と俺の恋愛観ってかなり違うんですよね」

垣根「・・・ちょっと待て、お前らってそこまで進んでたっけか」

ゴーグル「あ、いや・・・」

垣根「じゃあさ、関係ねぇだろ?付き合うわけでもねぇんだし」

ゴーグル「・・・」

垣根「・・・」





630 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:24:52.88zkSiI5YH0 (17/30)

ゴーグル「い、いや・・・でもやっぱりちょっと意識するじゃないですか」

垣根「・・・もしかして、フレンダのこと好きなのか?」

ゴーグル「・・・」

垣根(ほう、二人目にしては中々まともな相談だな)

ゴーグル「・・・ど、どうなんすかね・・・」

垣根「それはお前が決めることだが・・・そうだな、もしもお前がフレンダを好きなら、相手のいろんな性格や特徴を好きになってやるべきだ」

ゴーグル「違う恋愛観を認めろ、ってことっすか」

垣根「ま、上手くいくように願っとくさ」

ゴーグル「べ、べつに告白するわけでもないんすけどね」

垣根「・・・好きなんだろ」

ゴーグル「そ、それは・・・」

垣根「ダメだな・・・素直になれるように努力しな」

ゴーグル「分かりました・・・これ、料金っす」

垣根「ちなみに、多分フレンダは脚が弱いから責めてやれ」

ゴーグル「な、なにの話っすか!?」

垣根「安心しろ、誰だって最初は童貞だ」

ゴーグル「はぁ・・・とりあえず、帰りますね」

垣根「あぁ」





631 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:31:45.16zkSiI5YH0 (18/30)


垣根「・・・ちっ、心理定規フォルダ1も流石に飽きたか」

垣根「次は2だな」

垣根「・・・」


垣根「・・・」ハァハァ



麦野「・・・あぁ?相談屋・・・」

麦野「この翼とか、なんとなく見たことある気がするわね」

麦野「・・・相談、か」


麦野「おい、垣根か?」

垣根「うっ・・・ふぅ・・・」

麦野「」

垣根「いやぁ、やっぱり心理定規は可愛いよな」

麦野「」

垣根「あぁ?麦野か、何しに来たんだよ」

麦野「」

垣根「おい、どうした」





632 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:40:57.34zkSiI5YH0 (19/30)

麦野「て、てめぇ今何してやがった!?」

垣根「はぁ?なに騒いでんだよ、ガキか」

麦野「明らかに賢者だろ今!?」

垣根「で?お前も相談しに来たのか?」

麦野「い、いや!!帰る帰る!!なんかイカ臭いし!!!」

垣根「はぁ?イカ臭くねぇだろうが」

麦野「い、今来ないで!!」カァッ

垣根「あぁ、もしかしてお前処女か」

麦野「」

垣根「そうかそうか・・・安心しろよ、いざとなれば処女膜なんて自分で破れば・・・あぁ、ちなみに処女膜なんてものは実在はしないんだぜ?」

麦野「て、てめぇは・・・」

垣根「で、相談事はなんだよ」

麦野「・・・換気していいか」

垣根「・・・そんなにきついか?」

麦野「そういえば浜面の部屋からもこんな匂いが・・・」

垣根「・・・」

麦野「・・・」





633 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:48:32.25zkSiI5YH0 (20/30)

垣根「で?どんな相談だ」

麦野「・・・最近、脚がさらに太くなってきたのよ」

垣根「さらに?」

麦野「!!ち、違う!!今まではそんなに太く・・・」

垣根「あぁ、気にするなって・・・お前が長いコート着てたり水着の上からパレオみたいなの巻いてるのも太い足を隠すためだろ?」

麦野「・・・」

垣根「でもさ、そんなに太くは見えないけどな」ジーッ

麦野「今はコート着てるからよ」

垣根「じゃあ脱げ」

麦野「」

垣根「まずはどれくらい太いのかを確認しなきゃならねぇ・・・」

麦野「さ、触らないでってば!!」

垣根「ふへへへへ!!まさかその下は全裸なんていうエッチな格好・・・」バサッ



麦野「・・・」

垣根「・・・」

麦野「・・・」

垣根「あぁ・・・たしかに少し太ったな」

麦野「・・・」ゴゴゴ




634 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 13:57:04.83zkSiI5YH0 (21/30)

垣根「・・・いや、でもこれは太いってよりムチムチって感じで逆に色気あると思うぜ?」

麦野「・・・足を見られた・・・」ショボン

垣根「あのな、初心すぎると男が寄り付かないぜ」

麦野「うるさいわね・・・どうすれば脚が細くなるのよ」

垣根「だからな、それはムチムチだからむしろいい魅力になってるんだよ」

麦野「・・・そうかしら?」

垣根「いいか?今の自分に自信を持ってみるべきだ」

麦野「・・・」

垣根「あと、お前は見た目は美人なんだしすぐに彼氏もできるはずだ、そこまで細かいことを気にする必要も無い」

麦野「で、でもさ・・・」

垣根「気にするなって、お前は俺が知る中でも結構上位の女だからな」

麦野「・・・分かった、もう少し太ったらダイエットを考えるわ」

垣根「じゃあな、料金は」

麦野「心理定規の画像で抜いてたこと、みんなにバラそうかしら」

垣根「た、ただでいいですよ」

麦野「そう?悪いわね・・・じゃ」

垣根(してやられたぜ・・・)






635 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:09:27.05zkSiI5YH0 (22/30)



垣根「・・・しかし、中々人が多いな」

垣根「やっぱりこの公園は人通りが多いのか」

垣根「満足満足・・・」

垣根「にしても腹減ったな・・・」

垣根「・・・なんか買ってくるか」


14510「?相談屋さん・・・ですか、とミサカは突如として目の前に現れた謎のテントに視線を釘付けにされながら呟きます」

14510「ミサカもそれなりに悩みはあるのですよ、とミサカは誰に言うでもなく無理矢理大人ぶってみます」

14510「失礼します・・・とミサカは謎のテントの中へと潜入を試みます」

14510「おや?誰もいません・・・」

14510「?置き手紙ですね、とミサカは中にあるテーブルの上に置かれた手軽を読み上げます」

14510「・・・なるほど、お昼ご飯を買いに行ったのですね・・・とミサカは一人納得します」


垣根「あーちくしょう・・・誰だよコンビニのシャケ弁大人買いしたヤツは・・・おかげでガブリチュウしか買えなかったぜ」

14510「おや?」

垣根「あぁ?お前・・・」

14510「14510号です、とミサカは垣根に頭を下げてみます」






636 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:09:53.76zkSiI5YH0 (23/30)

垣根「なんだ、もしかしてお前も相談しに来たのか」

14510「ということはあなたもですか?とミサカは・・・」

垣根「いやいや、これは俺が開いた店だからな」

14510「なんと、そんな秘密が・・・とミサカは驚愕を露にします」

垣根「テントに翼生やしてただろう」

14510「そういえばかなりメルヘンなテントですね、とミサカは納得します」

垣根「だろ?それよりお前もガブリチュウ食べるか?」

14510「怪しい人からお菓子を貰ってはいけないとテっくんが言っていました、とミサカは甘い誘いを断ります」

垣根「俺は怪しい人なのか」

14510「はい」

垣根「・・・ちっ、それで相談はなんだよ」

14510「・・・それがですね、最近どうもミサカ達の間で話題になっていることがありまして」

垣根「あぁ」

14510「ですがミサカだけはそれを知らなくて・・・教えて欲しくても、他のミサカは教えてくれず・・・」

垣根「ネットワークで情報共有出来るんじゃないのか?」

14510「それが、ミサカだけその情報を閲覧禁止にされました」

垣根「はぁ・・・で、どんな話題だ?」






637 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:10:21.63zkSiI5YH0 (24/30)

14510「つかぬ事を聞きますが・・・69ってなんですか?」

垣根「」

14510「?もしかして、垣根も知らないのですか?とミサカは首を捻ります」

垣根「待て、お前以外のミサカは知ってるのか」

14510「はい、みんな一度はやってみたいと言っていましたが・・・」

垣根(・・・こいつらも年頃だし、たしかにそういうのに興味を持ってもおかしくはないよな・・・)

垣根(いやだが・・・こいつの口からそんな卑猥な単語がねぇ・・・)

14510「あの、69とは・・・」

垣根「!そうだ、ちょうどいい物がある」

14510「?」

垣根(さっき買ったエロ本に写真が載ってたでござる)

垣根「これだよ、69の写真が載ってる」

14510「写真ですか?とミサカは垣根から本を・・・!」

垣根「この、互いの性器を舐め合って感じるのが69という行為だ」

14510「」

テクパトル「・・・」






638 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:10:55.36zkSiI5YH0 (25/30)

垣根「あぁ、ちなみにやりたいならそこらの男に上目遣いでねだってみな、私と69をして下さいって」

垣根「お前、見た目は可愛いんだからいくらでもやってくれる相手見つか・・・」

テクパトル「・・・」

垣根「・・・」

テクパトル「・・・」

垣根「・・・な、なんでお前がここにいるんだよ!?」

テクパトル「相談屋という看板が目に入ってな」

垣根「あ、あぁ!お前も客か・・・」

テクパトル「ところで、14510号にずいぶんな知識を与えてくれたようだな」

垣根「あ、あはっ・・・」

14510「テっくん・・・ミサカ、もうお嫁にいけません・・・」

テクパトル「・・・垣根、この責任はどう取る」

垣根「あ、あはっ・・・」

テクパトル「垣根ぇぇぇぇぇぇ!」

垣根「みぎゃぁぁぁぁ!」







639 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:11:37.25zkSiI5YH0 (26/30)




テクパトル「・・・相談というのはな」

垣根「」

テクパトル「聞いてるか」

垣根「14510号、本当にごめんなさい」

14510「い、いえ・・・尋ねたミサカにも非はありますから・・・」

垣根「・・・で、相談は」

テクパトル「お前は・・・心理定規と喧嘩したことはあるか?」

垣根「は?あるぜ、小さな喧嘩なら結構してる」

テクパトル「その時どうやって謝る?」

垣根「はぁ?」

14510「・・・もしかして、19090号と喧嘩したのですか?とミサカは確認を取ります」

テクパトル「・・・まぁ」

垣根「なんで喧嘩なんかしたんだよ」

テクパトル「・・・あいつが、俺との休日は二人きりでデートがしたいって言ったんだ」

垣根「あぁ」

テクパトル「だが俺はみんなと一緒に過ごしたかったんだよ」

垣根「あぁ」






640 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:12:30.54zkSiI5YH0 (27/30)

テクパトル「19090号はそんな優しい俺が好きだって言ってくれて・・・」

垣根「あぁ・・・」

テクパトル「でも俺は、他のミサカに優しくするのは当たり前だって言ったんだ」

垣根「・・・あぁ」

テクパトル「19090号は、たまには休息を取らないと俺が体を壊すかもしれないって心配さてくれたんだ」

垣根「・・・あぁ」

テクパトル「だが俺はそんな心配はないって」

垣根「あぁ・・・」

テクパトル「そしたら、なんか怒ったみたいでさ」

垣根「・・・で?どこで喧嘩になったんだよ」

テクパトル「いや、だから怒ったみたいでさ」

垣根「は?」

テクパトル「ん?」

14510「あの・・・それは惚気では?」

テクパトル「い、いや・・・あいつは真剣に怒ってるみたいなんだよ」

垣根「帰って一回抱いてやれ」

テクパトル「は、はぁ!?」





641 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:19:33.46zkSiI5YH0 (28/30)

垣根「だからな、そこまで怒ることでもないんだよ」

テクパトル「そうか?」

14510「・・・帰って、謝ったらどうですか?」

垣根「謝る、っていうよりはお礼を言わないとな」

テクパトル「・・・あぁ、分かった」

垣根「あぁ、ちなみに19090号に69をしてやれば効果抜群だ」ニヤニヤ

14510「!?」

テクパトル「てめぇ!!」

垣根「ひゃははは!!いいぞ69は、70でもなければ68でもない!!」

テクパトル「だからどうした!!」

垣根「あぁ、14510号」

14510「は、はい?」

垣根「どうしても相手がいないならテクパトルに頼んでみな、こいつならきっと」

テクパトル「しないからな!!」

垣根「ちっ・・・」

14510「そ、それでは・・・」

垣根「あぁ、またな」

テクパトル(・・・この店、こんな調子でやっていけるのか・・・?)






642 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:47:33.81zkSiI5YH0 (29/30)


垣根「・・・森羅万象チョコってチョコがオマケだよな・・・」モグモグ

垣根(・・・しかし、中々繁盛だな)

垣根(このままいけばこの店だけでもかなり稼げるかもな)

垣根(でもさすがに一回の料金が50円じゃ安いかな)

垣根(・・・悩みの難しさによって料金を変えるか?)

垣根(いや、人の悩みに大小はねぇな)

垣根「ちっ・・・あーあ、働くって大変だな」

垣根「・・・にしても、まだ学校は終わらない時間か・・・」

垣根「心理定規はまだ帰ってねぇだろうしな・・・」

垣根「・・・次の客は誰だろうな」

垣根「・・・ヒマだなぁ」

垣根「葉っぱが一枚あーりまーしたー」

垣根「葉っぱかなー、葉っぱじゃなーいよー、伊藤博文だーよー」

垣根「あーっという間にー、かわいーい団地妻ー」

垣根「・・・ちっ、ヒマだ」



垣根「・・・仕方ない、もう少し待つか」





643 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/01(水) 16:49:02.79zkSiI5YH0 (30/30)

今日はここまで

ちょっとした単発ですので、とあるのキャラとその人の相談内容をみなさんに考えてもらえたら嬉しいです

黒子「どうしたら胸がでかくなりますの?」とか


いや、ネタ切れなんですお願いします


では


644VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/02/01(水) 17:31:26.66Jj6POfxGo (1/1)

ショチトルとエツァリで
最近プレイがマンネリ化してきたから新しいプレイを考えてくれとか


645VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2012/02/01(水) 17:40:34.27IRNJsmmCo (1/1)

そぎーで
もっと効果的なトレーニングがしたいとか


646VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/01(水) 17:41:16.078GrJtXfFo (1/1)

色気づいて来た黒子にソギーが時々ムラムラしてしまい、根性でも振り切れなさそうになるから相談とか


647VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/01(水) 18:14:15.54CsKF4EHho (1/1)

乙なんだよ


648VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/02/02(木) 01:52:17.74bFY85XGF0 (1/1)

いい話で纏めた旅行編の前半との落差がwwwwww

シリアスだったら、上条さんにフラグ立てられた女の子(誰でもいいんだけど)で恋愛というか失恋相談、とか
ギャグなら番外個体。内容はなんでもいいけど家族に関することとか


649VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/02/02(木) 07:26:38.28GBn7/ncto (1/1)

>>1が垣根に相談
悩みは何でもいいじゃよ


650VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/02(木) 08:01:28.68F6AYLzUSO (1/1)

☆さんが最近家に居場所がないと相談してくるとか
まさかのこのスレの暗部編のキャラが相談に来るとかww


651 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:08:42.97w7hJhrzw0 (1/39)

垣根「・・・にしても今日は暖かいな・・・外を歩くヤツも多いわけだ」

垣根「・・・はぁ、平和だなぁ」


ショチトル「ん?相談屋・・・か」

エツァリ「・・・ちょうどいいじゃないか、こんなことの相談なんて知り合いには出来ない」

ショチトル「よし、そうだな」


ショチトル「失礼する」

垣根「せっがたーさんしろー、せっがたーさんしろー!せっがさたーんーしろー!」

ショチトル「失礼した」

垣根「待てよ、なにか相談かい」

エツァリ「一体なにのキャラなんですか・・・」

垣根「なんだよ、二人揃って相談か」

ショチトル「・・・垣根がやってるなんて聞いてない」

垣根「言ってないからな」

エツァリ「・・・仕方ないです、ここは入ってしまった以上相談しますよ」

垣根「狭いけど座ってくれよな」






652 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:09:31.49w7hJhrzw0 (2/39)

ショチトル「・・・しかし簡単なテントだな、テーブルと椅子と冷蔵庫しかない」

エツァリ「なぜ冷蔵庫はあるんですか?」

垣根「なんでかだって?フレンド、友達だからに決まってるだろ」

エツァリ「は、はぁ」

ショチトル「・・・さて、本題に入らせてもらおうか」

垣根「あぁ、相談事はなんだよ」

ショチトル「・・・ちょっとした性の悩みなんだがな」

垣根「なんだ、セックスレスか?」

ショチトル「いや、むしろ毎日五回はヤってる」

垣根「いいじゃねぇか、それなら」

エツァリ「それがダメなんですよ」

垣根「はぁ?」

ショチトル「マンネリなんだ・・・毎日毎日ヤっていたら、さすがにプレイも一通り終わってしまったんだ」

垣根「・・・つまり、マンネリじゃなくなるプレイを考えてくれと」

エツァリ「お恥ずかしい限りですが・・・」

垣根「・・・いや、なんだかんだセックスってのは大切だ、愛情表現の一つだしかなり幸せを感じられる」

ショチトル「ほう、私達を否定しないなんて珍しいな」






653 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:10:51.02w7hJhrzw0 (3/39)

垣根「四六時中セックスのことを考えるのはあれだが、まぁ俺だって心理定規を抱いてるし」

エツァリ「・・・そうですか」

垣根「そうだな・・・まぁSMなんてもうしてるよな?」

ショチトル「あぁ、あと幼児退行、青姦、放置、制服系、アナルや玩具責め、焦らしにレイプ紛い」

エツァリ「自分がMの立場になればいいかと思いましたが・・・それはダメでした」

ショチトル「かといって寝取りはダメだからな、自然と選択肢が限られてしまうんだ」

垣根「てかそんなにプレイがあるなんて知らなかったな」

エツァリ「・・・心理定規さんとは普段どのように?」

垣根「俺達は・・・あれだ、ヤってる時間はわりと淡泊かな」

エツァリ「・・・それ、つまらないですよね?」

垣根「いや、その代わりヤる前と終わった後に裸でベッドに入ったまま色々話して・・・」

ショチトル「それ、気持ちいいか?」

垣根「おう、心地いいぞ」

エツァリ「・・・なるほど」

垣根「たまには普通のプレイも新鮮なんじゃないか?」

ショチトル「逆転の発想か」

垣根「まぁな」





654 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:15:43.32w7hJhrzw0 (4/39)

エツァリ「なるほど、悪くはないかもしれませんね」

垣根「だろ?」

ショチトル「うむ、やってみようか」

垣根「ここではやるなよ」

ショチトル「当たり前だ」

垣根「じゃあな」

エツァリ「お代はここに置きますね」ポン

垣根「あいよ」



垣根「・・・今年はこのマフラーが流行る・・・2012夏、か・・・」

垣根「夏にマフラーをつけるなんて常識が通用しねぇ」

垣根「・・・なになに?今の流行は細身のチェックシャツ?」

垣根「太身のチェックシャツのほうが珍しいだろ」

垣根「ふーん・・・ジャガイモ柄ねぇ」

垣根「さだのりとか喜びそうだな」

垣根「・・・いや、保護色になって目立たないか」





655 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:19:38.50w7hJhrzw0 (5/39)


削板「!?俺の右手が真っ赤に燃える、この店入れと轟き叫ぶ!!」ゴゴゴ

削板「そうだ、いつまでも悩んでいては前に進めない!!」

削板「困ったときは相談だ!!!」



垣根「おっとーうさーんおとうさーん!!まっおーうがーほらー!!!」

削板「頼もう!!」

垣根「ん?削板じゃんか」

削板「おぉ、垣根!!お前がオーナーか!!」

垣根「さよう」

削板「ははは!!波平か!!」

垣根「通じたのがビックリだが・・・相談事か?」

削板「あぁ!!」

垣根「どんな?」

削板「最近、テクパトルに筋トレで差をつけられつつあるんだ」

垣根「ほう」

削板「どうすればいい!?根性で今まで負けたことはないが・・・このままでは、人生で最も辛い敗北になる!!」

垣根「・・・根性ねぇ」





656 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:25:53.69w7hJhrzw0 (6/39)

垣根「そういや、お前ってサプリメントあまり摂らないのな」

削板「あぁ、ご飯がいいからな!!」

垣根「・・・なぁ、筋トレって食生活とか睡眠が大切だよな?」

削板「ゆっくり休むだなんて根性が無い!!」

垣根「・・・あのな、もう一度根性だけじゃなくて科学的な側面から見直せ、話はそれからだ」

削板「な、なにぃ!?」

垣根「大体、てめぇは無理しすぎなんだ・・・」ハァ

削板「そ、そうか?」

垣根「毎日マラソン、ウェイトトレーニング、かわら割り、座禅に滝修行・・・」

削板「滝修行は二日に一日だぞ?」

垣根「変わらないんだよ!!白井が心配するだろ!?」

削板「そうだ!!それで思い出した!!」

垣根「あぁ?」

削板「こんな相談をしに来たんじゃなかった!!」

垣根「俺が熱く語った1分を返せよ!!」

削板「最近、黒子が妙に色っぽいんだ」

垣根「・・・はぁ?」





657 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:29:05.25w7hJhrzw0 (7/39)

削板「一緒にいるときも胸元の開いた服を着るんだが・・・」

垣根「あぁ、もしかして誘ってるんじゃないのか?」

削板「誘う?何を?」

垣根「お前だよ」

削板「違う違う、もう俺は一緒に出かけてるんだって」

垣根「だから、性的に誘ってるんだよ」

削板「俺にも胸元の開いた服を着ろって?イヤだよそんなの」

垣根「てめぇボケてるだろ」

削板「それに、なんだか風呂上りも妙に・・・こう、バスタオル一枚だったり」

垣根「あぁ?お前常盤台の寮行ってるのか」

削板「あそこの寮監とは、旧知の仲だ」

垣根「お前達の間に何があったんだよ」

削板「・・・なぁ、どうすればいい?正直根性だけじゃ乗り切らないんだよ・・・」

垣根「抜けば?」

削板「抜く?なんだそれ?」

垣根「オナニーだよオナニー」

削板「そうじゃなくて、どうすれば乗り切れるかを聞いてるんだ」

垣根「は?」

削板「ん?」





658 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:32:33.54w7hJhrzw0 (8/39)

垣根「いや、抜けば落ち着くだろ」

削板「ノンノン!!それは結局性衝動に負けたことになるんだよ!!」

垣根「襲わなければ勝ちだろ」

削板「俺は、そんな方法を一切取らずに、綺麗なままで黒子と付き合っていたい!!」

垣根「白井のほうは多分お前でやってるけどな」

削板「なにを?」

垣根「・・・いや、それで乗り切りたいんだよな?」

削板「そうなんだよ・・・どうすればいい?」

垣根「・・・白井に頼んでみろよ、俺はお前のそういう格好は見たくない、ありのままが見ていたいって」

削板「でもその格好が可愛いんだよな・・・」ハァ

垣根「てめぇ惚気に来たなら帰れよ!!今俺いいこと言ったよ!?」

削板「よし!!ここはとりあえず!!」

垣根「自己解決かよ・・・」

削板「滝修行で気を紛らわす!!」

垣根「だから無理するな・・・」

削板「出世払いだ!!じゃあな!!」タッタッタ

垣根「・・・」



垣根「・・・なんだろう、このあやふやな気持ち」





659 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:36:36.09w7hJhrzw0 (9/39)


垣根「オーチンチン・・・」

垣根「いかん、下ネタは嫌われる行動第三位だ」

垣根「・・・にしても、今日はいい天気だなぁ・・・」

垣根「テントの中まであったかい・・・」



オルソラ「・・・聞いたのでございますよ・・・ここが例の相談屋さん・・・」

オルソラ「わざわざイギリスから来てしまいました」

オルソラ「・・・今日はポカポカ天気が心地いいのでございますよ」



垣根「いくぞ!!半生手裏剣!!」

オルソラ「そこだ、忍法幼児体型の術ーなのでございますよ」

垣根「・・・」

オルソラ「こんにちはなのでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・」


垣根「すまん、ちょっとだけ出て行ってもらえないか?」

オルソラ「?分かったのでございますよ」





660 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:39:57.78w7hJhrzw0 (10/39)


垣根「入っていいぜ」

オルソラ「失礼します・・・」

垣根「・・・」

オルソラ「まぁまぁ、豪華なソファーに豪華なティーセットまで・・・とても綺麗なのでございます」

垣根(ふっ、綺麗な女を迎えるには綺麗なシチュエーションで、ってなぁ・・・おばあちゃんが言っていた)

オルソラ「あの、最近垣根さんはお元気でしょうか?」

垣根「あぁ、オルソラは?」

オルソラ「まぁまぁ、ということはここは垣根さんのお店なのでございますね?」

垣根「ん?あぁ、そうだけど」

オルソラ「とてもいいお天気でございますね」

垣根「おう、こういう日は出かけたくなるよな」

オルソラ「ふふふ、私は元気なのでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・」


垣根(いかん、ちょっとムラムラしてきた)

オルソラ「あの、相談事を・・・」

垣根「なんなりと申せマドモアゼル」

オルソラ「実は・・・恋の悩み、というものでしょうか」

垣根「え」





661 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:44:06.17w7hJhrzw0 (11/39)

オルソラ「・・・上条さんに好意を抱いていたのですが・・・未だにその好意というものは私の心の奥底で燻っているのでございます・・・」

垣根「」

オルソラ「いえ、私だけではなく・・・神裂さんやアニェーゼさん・・・その他大勢が、彼に惹かれていたのでございますよ」

垣根「」

オルソラ「?垣根さん、顔色が悪いようでございますが・・・」


垣根(恋の恋の恋の恋の・・・)

垣根(悩み悩み悩み悩み・・・)


垣根「・・・すまん、ちょっと気持ちを落ち着かせてくれ」

オルソラ「はい」ニコニコ

垣根「・・・そ、それで?お前はまだ上条が好き、だと」

オルソラ「そして、好きだからこそ今の彼の幸せを壊してはいけないのでございますよ」

垣根「分かるぜその気持ち・・・」

オルソラ「・・・あの隣にいらっしゃる、御坂さんの笑顔を・・・上条さんは愛しているのでございますよ」

垣根「あぁ・・・」

オルソラ「・・・上条さんと御坂さんが笑いあっているのを見ると苦しくなり・・・しかし、とても嬉しいのでございます」

垣根「な、なんで?お前は上条が好きなんじゃ・・・」





662 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:49:10.84w7hJhrzw0 (12/39)

オルソラ「私は、恋というものには5つの幸せがあると思っているのでございますよ」

垣根「5つ?」

オルソラ「その人を好きになれたという幸せ、その人とお付き合いできる幸せ、その人と添い遂げられる幸せ、その人に笑顔にしていただける幸せ・・・」

オルソラ「そして、その人が笑顔でいてくださる幸せ・・・なのでございます」

オルソラ「・・・私は、そのうちの3つを叶えているのでございますよ」

オルソラ「上条さんを好きになって・・・彼に、笑顔を守っていただいて」

オルソラ「そして、彼が笑顔でいてくれるのでございますよ?」

オルソラ「・・・5つ全てを叶えられるのは御坂さんしかいないのです、だとすれば私は、彼を見守る側として最高の幸せを手に入れているのでございます」

オルソラ「・・・3つも、幸せを分けていただいたのでございますから」

オルソラ「ローマ成教に捨てられて、途方にくれていた私に・・・救いの手を、その右手を差し伸べてくださったのは上条さんでした」

オルソラ「その手を掴み、そして彼に救われた瞬間から・・・私は、彼の幸せを願ったのでございますよ」

垣根「・・・」ジーン

オルソラ「・・・ズキズキとしたこの心の痛みを癒すことが出来るのは、上条さんだけなのでございます・・・」

オルソラ「だとすれば、私は一生この痛みを抱える覚悟が出来ています」

オルソラ「・・・おかしいでしょうか、垣根さん?」

垣根「・・・」ジーン

オルソラ「?」





663 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:53:19.24w7hJhrzw0 (13/39)

垣根「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

オルソラ「あらあら、男の子が泣いたらいけないのでございますよ?」ニコニコ

垣根「俺は・・・俺は間違っていた・・・」グスン

垣根「愛なんてものはないだの、それは語るべきではないだのと思っていたんだ!!」

垣根「でもな、だったらどうして俺はこんなに泣いているんだ!?」

垣根「心が泣いているんだ、あぁ、この純粋な思いを他になんと名づけようか!?」

垣根「オルソラ・・・辛いだろう、悲しいだろう寂しいだろう!!でもな、俺はお前の味方だ!!」

オルソラ「それは心強いのでございますよ」ニコニコ

垣根「あぁ、お前は天使だ・・・」

オルソラ「・・・それでは、私はそろそろ・・・イギリスに帰らなければいけませんので」

垣根「なぁ・・・お前は、それでいいのか?」

オルソラ「ふふ・・・上条さんとお話しすることが、私の幸せですので・・・きっと、彼と結ばれることは無くても私は彼に幸せにしていただけるのでございますよ」

垣根「オルソラぁ・・・」ウルウル

オルソラ「では、ごきげんようなのでございますよ」ニコニコ

垣根「あぁ・・・」



垣根(・・・上条に・・・オルソラに電話するようにメールしとこう・・・)ピッピッピ

垣根(ちくしょう・・・携帯の液晶が霞んで見えねぇよ!!)





664 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:56:29.09w7hJhrzw0 (14/39)


番外「ん?お悩み相談の店、か」

番外「・・・」ジーッ

番外(翼のついてるテント・・・可愛いなぁ・・・)



垣根「オルソラぁ・・・」チーン!!

番外「・・・なに鼻かんでるのさ」

垣根「あぁ?番外個体か・・・どうした?」

番外「お客様だけど・・・もしかして、ここ垣根のお店?」

垣根「そうだ」

番外「ちょうどよかった・・・友達なら悩みも話しやすいし」

垣根「あぁ?なんだよ、俺は今猛烈に感動してるんだ・・・」

番外「あのさぁ、子供が親の二人きりの時間を邪魔するときってどうすればいいの?」

垣根「」

番外「・・・いっつもさ、あの人と二人でテレビ見て・・・ちょっといい感じになったら邪魔してくる・・・ってどうしたの?」

垣根「俺達が旅行行ってる間に出来たのか」

番外「たった4日で出来るわけないでしょ」





665 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 11:59:10.16w7hJhrzw0 (15/39)

垣根「じゃあ子供って・・・あぁ、打ち止めか」

番外「あの野郎、一方通行のこと大好きだからっていっつも邪魔してくるんだ・・・」

垣根「一方通行にガツンと言ってもらえよ」

番外「あのロリコンモヤシにできると思う?」

垣根「無理だな」

番外「・・・おかげで、最近二人きりの時間が取れないんだ・・・」

垣根「・・・打ち止めを誰かに預けたらどうだ?」

番外「誰に」

垣根「御坂とか」

番外「お姉様ねぇ・・・お姉様って子育て出来るの?」

垣根「お前、すでに打ち止めを譲る気だろ」

番外「そうじゃないの?」

垣根「一日預けるだけだって」

番外「えー、あのお邪魔虫はずーっといなくていいよ」

垣根「ホントか?」

番外「・・・ま、まぁたまにはいてもいいかな・・・寂しいし」カァッ

垣根(あ、ちょっと可愛かったぞ今)





666 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 12:02:30.38w7hJhrzw0 (16/39)

番外「・・・でもさ、一日だけじゃやっぱりなぁ・・・」

垣根「あと、二人でデートしろよ」

番外「それがさ、上位個体ってすぐサーチしてくるから・・・」

垣根「俺から打ち止めに言っておくよ」

番外「ほ、ホント!?」

垣根「その代わり・・・」

番外「その代わり?」

垣根「おっぱい1揉みな」ムニュムニュ

番外「」

垣根「おー・・・やっぱり心理定規とかオルソラとか吹寄には敵わないか・・・」ウーン

番外「」

垣根「でも、御坂よりはでかい・・・」



一方「てェェェいとくゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」バーン!!!!

垣根「ひゃはははは!!来たかよ一方通行!!!」ファサファサ

一方「死体決定だクソ野郎がァァァァァァァ!!!!」

垣根「来いよベネット!!!!」


番外(も、揉まれちゃった・・・)ズーン






667 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 12:06:00.80w7hJhrzw0 (17/39)



垣根「・・・」ボロボロ

垣根「ちっ、一方通行の野郎・・・マジでやりやがった」

さだのり「おい、垣根はいるか」

垣根「あぁ?なんだよさだのりか、お前も相談か?」

さだのり「まぁ、俺は代役かな」

垣根「まぁ入れよ・・・ちょっと荒れてるが」

さだのり「・・・早速だが、こんなお便りだ」

垣根「はぁ?」

さだのり「俺はサトリナが大好きです、それはもう大好きで佐藤利奈、という文字だけでオカズにできるほどです、彼女の声も好きですし少しぽやっとした見た目も好きです、それに雰囲気がまさに年上のお姉さん、俺の理想なんです」

垣根「どこが相談なんだよ」

さだのり「そんな俺ですが、実は最近ロリコンという疑惑を掛けられています」

垣根「あぁ?年上好きなんだろうが」

さだのり「少し下世話な話になりますが、俺が二次元童貞を失ったの相手がロリだったんです」

垣根「うーわ」

さだのり「カリンちゃんです」

垣根(マジだよこいつ)




668 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 12:09:16.00w7hJhrzw0 (18/39)

さだのり「ですが、俺は断じてロリコンではありません、だってサトリナが大好きです」

さだのり「そして、最近はささきのぞみもいいなと思っています」

さだのり「時々見せる眼鏡姿、ポヤーっとした少し眠そうな表情」

さだのり「読書好きなんていう性格は、俺の好みです」

さだのり「サトリナとささきのぞみ、俺は浮気をしてしまいました」


さだのり「どうすればいいですか、教えてください」

垣根「現実を見ろ」

さだのり「・・・ぶっちゃけ、どっちも可愛いけどな」

垣根「知るかよ・・・」

さだのり「ま、回答は現実を見ろ、ってことだな」

垣根「そうだ、そいつに伝えとけよ」

さだのり「あと、俺の悩みも・・・」

垣根「あぁ、なんだよ」

さだのり「最近出番が少ないんだけど」

垣根「俺に言うな」

さだのり「ですよねー」






669 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 12:13:16.35w7hJhrzw0 (19/39)


アレイ「・・・卵と醤油とゲコ太ふりかけだったか・・・」

アレイ「私も、最近は買い物も普通に慣れてきた」

アレイ「・・・いや、そもそも統括理事長である私がこんなことをしているのがおかしい」

アレイ「・・・あの家族は、私を馬鹿にしているのか・・・」

アレイ「そういえば、最近はキッチンで一人座っていても無理矢理引っ張って一緒にソファーに座らせられる」

アレイ「・・・ふふ、上辺の家族と言っても・・・やはり私は・・・」

アレイ「・・・おや、相談屋・・・か」



垣根「あーがり目、さーがり目、ぐるっと回って」

垣根「狩人の目」キリッ

アレイ「・・・」

垣根「・・・」

アレイ「・・・何をしている、垣根帝督」

垣根「よく来たなアレイスター・・・カノッサ機関から、例の死海文書が届いたぞ・・・全く、ヤツらはいつまでタルタロスの」

アレイ「ごまかすな」

垣根「・・・座ってくれよ・・・買い物袋はそこに置いとけ」

アレイ「・・・あ、あぁ」





670 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 15:01:19.07w7hJhrzw0 (20/39)

垣根「・・・それで、どんな相談なんだ」

アレイ「・・・家に、居場所というものがなくてね」

垣根「家?テクパトルの家だろ?」

アレイ「その通りだ・・・一応、居候の身であることは自覚しているよ」

垣根「でも、あいつらってそんなに冷たいか?」

アレイ「・・・そうだな、私はいつもキッチンで読書をしているのだが」

垣根「・・・なんでキッチンなんだよ」

アレイ「落ち着くからだ、だがそうしているといつもキッチンから追い出される」

垣根「それで?」

アレイ「・・・リビングに連れて行かれる、無理矢理ソファーに座らされて団欒に巻き込まれるのだよ」

垣根「・・・はぁ?」

アレイ「それだけではない、私を買い物に行かせて・・・しかも、間違ったものを買うと叱られるのだ」

垣根「・・・は、はぁ」

アレイ「・・・そして、今度からは間違わないように・・・他の妹達が一緒に買い物に来る」

垣根「・・・」

アレイ「ふっ・・・私という者は信用されていないようだな」

垣根「あ、あのよぉ・・・」





671 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 15:04:40.93w7hJhrzw0 (21/39)

アレイ「なんだね」

垣根「つまり、話をまとめると一人でいるときにみんなといさせられて・・・で、買い物っていう家族としての役割を与えられてるんだよな?」

アレイ「・・・その通りだが、それが?」

垣根「・・・居場所、あるじゃねぇか」

アレイ「・・・私は、キッチンが落ち着くのだが」

垣根「それは物理的な居場所だろ」

アレイ「・・・しかし、ときどき冷たくされたり弄られたりするのだよ」

垣根「・・・それは、家族だからだよ」

アレイ「・・・家族?」

垣根「お前さ、興味のないヤツとか全然好きじゃないヤツとそもそも話そうと思うか?」

アレイ「思わないな、興味というものが湧かない時点で意欲さえも消えてしまう」

垣根「にも関わらず、妹達やテクパトルはお前と話すんだろ?」

アレイ「そうだ」

垣根「・・・それに、一緒にいさせられたり、買い物をさせられたりってのも・・・お前が家族の一員だからだろ」

アレイ「・・・」

垣根「もしも本当に居候だとかお客様だとか思ってるなら、お前の周りのことはなんだってやってもらえるはずだ・・・だが、あいつらはそうしてはいない」

アレイ「・・・そうだな」





672 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 15:08:38.99w7hJhrzw0 (22/39)

垣根「・・・お前は、決してそんな他人行儀で接していい相手じゃないって思ってるんだ」

アレイ「・・・だが、妹達を作り出し、彼女達を一方通行の手に掛けさせたのは私だ」

垣根「・・・それをあいつらが知ってないとでも思うか?」

アレイ「・・・いや」

垣根「いいか、あいつらはお前が昔、人間の屑だったと知っている・・・それでもなお、お前を家族として認めているんだ」

アレイ「・・・」

垣根「お前が求めているのは・・・愛情だったんだろ、親愛、友愛、そして恋人に対する愛」

アレイ「・・・私は、そのようなものを求めていたのかな」

垣根「・・・俺にはわからないさ、答えはお前だけが知っている」

アレイ「・・・」

垣根「だけどな、もしもお前が・・・そういうことをされても、あの家に帰りたいって思うなら・・・そこがお前の居場所なんだよ」

垣根「失礼します、とか・・・お邪魔します、って言って帰るんじゃなくて、ただいまと言える場所があるなら」

垣根「そこがお前の居場所じゃねぇか、お前の心もそこに帰るんだ」

アレイ「・・・あそこが私の居場所・・・か」

垣根「そういうこった、難しく考えるな」


垣根「お前は、あいつらが好きなんだろ」

アレイ「・・・その通りかもしれないな」





673 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 15:11:21.60w7hJhrzw0 (23/39)

垣根「だったら帰れ、こんなところにいる必要は無い」

アレイ「・・・ありがとう」

垣根「あぁそうそう、料金は50円な」

アレイ「安いものだな」

垣根「俺が解決してやるわけじゃない、俺はただ手助けをしただけさ」

アレイ「・・・垣根帝督、君は変わったな」

垣根「俺は俺だよ、他の誰でもないし昔から俺だ」

アレイ「自己の確立・・・か」

垣根「じゃあな、少しはみんなと話すようにしろよ」

アレイ「言われるまでもなく、無理矢理付き合わされるからな」

垣根「そうかい」

アレイ「では」



垣根「・・・やっべぇぇぇ!!」

垣根「俺、めちゃくちゃいいこと言っちゃったよ!?」

垣根「あぁ、メルヘンだメルヘンだ!!!」ウキウキ

垣根「ひゃっはー!!これでまた俺の株が上がるってもんよ!!!」




674 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 17:53:05.13w7hJhrzw0 (24/39)

垣根「はー、しかしどんどん俺の影響を受ける人間が多くなっちまうな・・・」

垣根「このままじゃ、世界征服も夢じゃないかもな」



上条「・・・そ、相談屋って・・・」

上条「しかも翼の生えてるテント・・・」

上条「垣根・・・だよな」

上条「・・・ま、まぁ・・・ちょっとヒマだし入ってみるか」



垣根「・・・いらっしゃいませこんにちは、あなたの街の」

上条「やっぱりお前か・・・」

垣根「・・・相談事なら乗るけど、そんな文句を言われるなら帰ってもらおうか」

上条「・・・相談なんだ」

垣根「おぉ、なんだよ?」

上条「・・・今すぐのことじゃないんだけどさ・・・結婚指輪ってあるだろ?」

垣根「あぁ」

上条「あれって・・・やっぱり給料三か月分だよな・・・」

垣根「はぁ?」





675 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 18:22:31.52w7hJhrzw0 (25/39)

上条「・・・美琴と結婚するとなったら・・・給料三か月分だよな」

垣根「君は何を言ってるんだワトソン」

上条「でもさ・・・俺の給料三か月分じゃ、大した指輪なんて買えないからなぁ・・・」

垣根「あぁ、それで悩んでるのかよ」

上条「垣根はどうするんだ?」

垣根「おいおい、俺はもう・・・ってこれは婚約指輪か」ウーン

上条「お前の三か月分はすごそうだな」

垣根「・・・でもよ、別に値段とかじゃなくて愛情が篭ってるかどうかだろ」

上条「そうだけど・・・」

垣根「そんなところで見栄張る必要もねぇしな」

上条「・・・だけど、美琴にはやっぱり高いのを買ってあげたいんだ・・・」

垣根「そうだなぁ・・・」

上条「でも、俺の頭じゃ一流企業なんて無理だし・・・」

垣根「・・・上条、そこまで悩むことか?」

上条「真剣なんだよ・・・」

垣根「お前は何もわかってないな・・・」ハァ

上条「?」





676 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 18:26:16.02w7hJhrzw0 (26/39)

垣根「いいか、給料三か月分なんてどうでもいいんだよ」

上条「ど、どうでもいいって・・・」

垣根「三ヶ月の給料なんてなんだよ、三ヶ月働けば取り返せるんだ」

上条「それは・・・」

垣根「だったら値段でグチグチ言うなよ・・・それにな、上条」


垣根「結婚ってのは、一生の愛情を相手に贈るんだぜ?」

上条「!!」

垣根「給料三ヶ月分の指輪なんてオマケに過ぎないだろうが」

上条「そ、そうか・・・」

垣根「俺はな、結婚には愛情だけで十分だと思うんだ・・・相手の左手薬指に、わざわざ枷を嵌める必要があるか?」

垣根「それで繋ぎとめた愛なんて寂しいだけさ、ずっと手を握り合ってればいいんだからな」

上条「垣根・・・」

垣根「だから、あいつにお前の気持ちを伝えるだけで十分だ、御坂は値段のことを言うようなヤツじゃないはずだ」

上条「あぁ、ありがとう!!」

垣根「今回は特別にタダにしといてやるよ、帰って御坂に優しくしてやれ」

上条「サンキュー、じゃあまたな!!」タッタッタ

垣根(ふっ・・・またイケメルヘンになっちまったぜ)キリッ





677 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:17:31.51w7hJhrzw0 (27/39)


垣根「・・・なるほどなぁ・・・」

垣根「・・・おっぱいはでかすぎてもダメなんだよなぁ・・・年取ると垂れてくるし」ウンウン

垣根「・・・それに、なんかでかすぎると入る服も少なくなるみたいだなぁ・・・」

垣根「はぁ、結局・・・何もかも、ちょうどいいのがちょうどいいんだよなぁ・・・」



佐天「あれ・・・なんだろう、あのテント」

佐天「相談屋・・・かぁ」

佐天「ちょっと怪しいけど、入ってみますか!」



佐天「あのー」

垣根「うーん・・・でも、やっぱりある程度大きいとぐっと来るものが・・・」

佐天「あれ、垣根さん?」

垣根「ん?佐天か・・・」ジーッ

佐天「?どうしたんですか、私の胸元なんか見つめて」

垣根「・・・やっぱり、ロマンだよなぁ」

佐天「?なにがですか?」

垣根「いや、なんでもねぇよ・・・それで、お前も相談か?」





678 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:20:57.50w7hJhrzw0 (28/39)

佐天「あの・・・垣根さんって、昔から超能力者だったんですか?」

垣根「はぁ?」

佐天「・・・つまり、やっぱり才能があったのかなって」

垣根「お前、何のこと言ってるんだ?」

佐天「・・・能力測定で、やーっぱり無能力者だったんですよ・・・」ハァ

垣根「そりゃ、すぐに発現すれば苦労はねぇよな」

佐天「・・・私と垣根さん、そこまで歳は違いませんよ?」

垣根「かなり違うだろ・・・」

佐天「あの、やっぱり垣根さんも最初は無能力者だったんですか!?」ズイッ

垣根「近寄るな・・・いや、俺は最初からLEVEL3か4程度だったな、そっからはすぐ超能力者だ」

佐天「はぁ・・・そうですよね、御坂さんみたいなのは特例かぁ・・・」

垣根「・・・お前、能力がほしいのか?」

佐天「そのために学園都市に来たんじゃないですか」

垣根「そのために、ねぇ・・・」

佐天「?」

垣根「いいじゃねぇか、学園都市で他に得たものはあっただろ?」

佐天「・・・でも・・・」





679 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:23:43.00w7hJhrzw0 (29/39)

垣根「・・・仕方ないな、ちょっと来いよ」グイッ

佐天「ど、どこ行くんですか?」

垣根「テントの外だ」

佐天「?」



垣根「・・・あそこにゴミ箱があるな」

佐天「・・・あそこって、ここからかなり離れてますけど」

垣根「いいから見とけ」ファサファサ

佐天(・・・いつ見てもすっごい見た目の能力だなぁ・・・)

垣根「・・・」

佐天「!!ご、ゴミ箱が吹き飛んだ・・・」

垣根「今のは・・・空中に俺の能力をばら撒き、それを高速振動させて結果的に標的を消し飛ばしたわけだが」

佐天「へ、へぇ・・・離れた位置にまで能力が及ぶなんて・・・」

垣根「信じられないだろ」

佐天「な、なんていうか・・・」

垣根「常識外れか?」

佐天「まさにそれですね・・・」





680 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:28:04.68w7hJhrzw0 (30/39)

垣根「・・・そうだな、超能力者は誰だって人並み外れてる・・・一方通行の能力は有機全てを操るものだ」

垣根「御坂の能力は、科学に関わるものを相手にすれば全て有利に運べる」

垣根「麦野の能力はどんな壁をも打ち砕くし、食蜂の能力は他人の心そのものを狂わせる」

垣根「削板の能力にいたっては、そもそも説明さえ出来ない」

佐天「・・・つまり、超能力者と私とではそもそも住む世界が違う・・・ってことですか」ムスッ

垣根「・・・違うんだよ」

佐天「?」

垣根「・・・俺達超能力者が・・・なんでこんな力を手に入れたか分かるか?」

佐天「それは・・・運命、ですかね」

垣根「そうだな、科学的にはそんなもの存在しないが・・・突き詰めれば、俺達がこの力を手に入れるのは決まっていたことだ」

垣根「・・・こんな力を手に入れなければ、俺達はダメだったんだ」

佐天「どういうことですか?」

垣根「・・・この力はな、誰かを守ることが出来る・・・」


垣根「そして、傷つけてしまうことがある」

垣根「・・・時として、それは無意識に」

佐天(・・・御坂さんの体からは、動物に不快な痛みを思わせる電磁波が発しているって・・・)





681 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:32:39.87w7hJhrzw0 (31/39)

垣根「・・・お前は無能力者を、なんだと思っている?」

佐天「えっと・・・おちこぼれ、ですかね」

垣根「そうだな・・・科学者からすればそうだし、俺達超能力者からしてもそうかもしれない」

垣根「でもな・・・お前達は、普通の人間でいることを許された存在なんだ」

垣根「俺達みたいに化け物になることもなく・・・」

垣根「それでも、幸せな人生を歩めるって認められた存在なんだ」

垣根「俺達は化け物になるしかなかった、そしてそうなってしまった」

垣根「・・・神様の退屈ってやつさ、人間は神様の創造する力を羨ましがるが・・・神は、限界というものだけは創造することができず、結果的に退屈を覚えてしまった」

垣根「望んだものが手に入れば、それは退屈な現実になる」

垣根「お前は、もし力を手に入れたらどうしたい?」

垣根「友達に自慢するか?一人で悦に浸るか?その力で世界を敵に回すか?」

佐天「・・・私は、ただ超能力に憧れて・・・」

垣根「・・・超能力ってのは、使い方によって夢を作るし悪夢をも生み出す」

垣根「無ければいいとは言わないが・・・だがな、お前にだって何かが出来るはずだ」

垣根「超能力なんていうものに頼らなくても、きっと何かが」

垣根「違うか、佐天」

佐天「・・・垣根さん・・・」





682 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:36:02.16w7hJhrzw0 (32/39)

垣根「いいか、いつまでも上を向いて努力しろ・・・」

垣根「空を飛ぶには翼が無ければならない」

垣根「お前はその翼をもう手にしている、あとは羽ばたこうとする気力だけだ」

垣根「努力を怠るな、決して怠惰を許さず、前を向いて空を目指せ」

佐天「は、はい!!!」

垣根「・・・また困ったことがあったら相談に来いよ、今度はお客としてじゃなくて友達としてアドバイスしてやる」

佐天「ありがとうございます!!」

垣根「料金は・・・出世払いで頼むぜ」

佐天「出世できなかったら・・・」

垣根「体で払ってもらうからな、そうならないように努力しろ」

佐天「はい!!それじゃ!!」タッタッタ


垣根「はぁ・・・疲れるな、人の話を聞くってのも」

垣根「・・・そろそろ心理定規も帰ってくる頃か」

垣根「今日は閉店しました・・・明日は朝の8時から、っと」カキカキ

垣根「よし、帰るか・・・」

垣根「うーん、空が青いねぇ」





683 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:38:23.48w7hJhrzw0 (33/39)



心理「あら、おかえりなさい」

垣根「ただいま」

心理「どこ行っていたの?学校にも来なかったじゃないの」

垣根「いや・・・ちょっとな」

心理「ふーん・・・ま、あなたがフラフラしているのはいつものことよね」

垣根「学校はどうだった」

心理「気になるならあなたも来なさい」

垣根「めんどくさい」

心理「・・・結局、そうやってごまかすのね・・・」

垣根「それより腹減った、飯にしようぜ」

心理「はぁ・・・分かったわよ、何がいい?」

垣根「今日は俺が作るよ」

心理「あら、疲れてるんじゃないの?」

垣根「いいって、今日は俺が作りたい」

心理「?」

垣根(・・・いい気分だからな、今日は)





684 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:41:10.09w7hJhrzw0 (34/39)


フレンダ「?ゴーグル、どこ行ってたの?」

ゴーグル「・・・あ、あの・・・フレンダさん」

フレンダ「?」

ゴーグル「俺・・・フレンダさんの愛情表現って、やっぱり回りくどいと思いますよ」

フレンダ「な、なんで!?」

ゴーグル「毎朝ラリアットとかおかしいじゃないですか」

フレンダ「そ、そうなの?」

ゴーグル「食事のときはあーん、ってしてくるし・・・何かにつけて一緒に風呂入ろうとするし」

フレンダ「う・・・」

ゴーグル「あれっすよ・・・」

フレンダ「あ、あれ?」

ゴーグル「・・・俺以外の男じゃ、そんな愛情表現イヤになりますよ・・・」

フレンダ「そ、そうかな?」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「わ、分かった・・・今度から気をつけるね」

ゴーグル「ま、まぁほどほどに頼みます」

フレンダ「・・・」


フレンダ(・・・?ってことは・・・ゴーグルは、イヤじゃないってこと?)





685 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:44:18.81w7hJhrzw0 (35/39)



テクパトル「ただいま」

14510「ただいま・・・」

御坂妹「あー!?14510号とテっくんがおそろいでお帰りです、とミサカは19090号に報告します!!」

19090「お帰りなさいテっくん、とミサカは正妻の余裕を見せ付けます」

20000「あれ、アレイちゃんも今?」

テクパトル「ん?本当だ」クルッ

アレイ「・・・」

10039「あぁ、買い物に行かせたんでしたね・・・ごめんなさい、とミサカはあまり謝る気もなく・・・」

アレイ「・・・そ、その・・・」

17600「なんだ、もしかして間違ったか?」

10033「いいんですよ、少しずつ買い物にも慣れてくださいね、とミサカは・・・」

アレイ「・・・た」

テクパトル「た?」

アレイ「・・・」ハァ



アレイ「・・・ただいま」

ミサカ一同「!!」

テクパトル「・・・あぁ」


一同「お帰りなさい!」

アレイ(・・・こういうのも・・・悪くはない)





686 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:47:25.59w7hJhrzw0 (36/39)


削板「黒子、今日はどこ行こうか?」

黒子「そうですのね・・・まずは、一緒にお食事でも」

削板「あぁ・・・それにしても、最近黒子は大胆な服を着るな」

黒子「こ、これは・・・」カァッ

削板「ははは!!似合ってるぞ、黒子!!」

黒子「ほ、本当ですの!?」

削板「あぁ、最高に似合ってる!!」

黒子「よ、よかったですの・・・てっきり、軍覇さんはこのような服にいい印象を持たれていないかと・・・」

削板「あぁ、あんまりいい印象は無い!!」

黒子「えぇ!?」

削板「でもな、大好きな人が着ていればなんだって好きになるんだ!!」ハハハ!!!

黒子「!」カァッ

削板「いやぁ、今日は非常にいい日だ!!黒子!!」ガシッ

黒子「は、はい・・・」

削板「あの夕日に向かって走ろう!!!!」

黒子「お、お食事はどうなりますのぉぉぉぉぉぉ!!!!!」








687 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:50:54.20w7hJhrzw0 (37/39)


一方「あァ?デートだ?」

番外「そうそう、久しぶりに二人で出かけようかなってさ」

打ち止め「ミサカも行く!!ってミサカはミサカは間に挟まってみたり!!」

一方「・・・そォだな、こいつを一人にするわけにはいかねェだろ」

番外「・・・二人で行きたいの」

一方「あァ?」


番外「ミサカは二人で行きたいの!!」

一方「お、落ち着けよ・・・」

番外「上位個体、さすがに今回だけは譲れないからね!!」

打ち止め「・・・うん、分かった・・・ってミサカはミサカは仕方なしに頷いてみる」シュン

一方「・・・番外個体、お前・・・」

番外「あ・・・そ、そのさ・・・上位個体」


番外「その代わり・・・明日は、三人で出かけない?」

打ち止め「!!うん!!ってミサカはミサカはこの機を逃すまいとして必死に頷いてみる!!!」

一方(・・・ちっ・・・くっだらねェ・・・)


一方(・・・誰だよ、こンなこと番外個体に吹き込ンだやつは・・・)





688 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:53:20.39w7hJhrzw0 (38/39)


エツァリ「はぁ・・・はぁ・・・」

ショチトル「うっ!!」

エツァリ「ショチトル!!!」

ショチトル「お兄ちゃん!!!」


エツァリ「・・・久しぶりのノーマルプレイはどうだった」

ショチトル「あぁ、非常にノーマルだった」

エツァリ「・・・しかし、これが世間のノーマルだ」

ショチトル「人々は本当にノーマルで我慢できるのか?」

エツァリ「ノーマルな人々はノーマルなものが好きなんだろうな」

ショチトル「ノーマルな人生を、ノーマルな生き方で、ノーマルな時間のままノーマル的に生きていくのか」

エツァリ「そうだな・・・きっと、ノーマルチョコが大好きだな」

ショチトル「・・・」

エツァリ「・・・」



ショチトル「やっぱり、私はアブノーマルがいいな」

エツァリ「同感だ」





689 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/02(木) 21:55:42.05w7hJhrzw0 (39/39)

今日はここまで

最後の変態達のせいでダメな話になってしまったけどそれもいいでしょう

筋肉動画はロニー、ナチュラルの頃

 

おそらくステロイドも使っていない、もしくは非常に少量でしょうね

それでこのバルクはさすがです


引き続き、キャラと相談内容を募集中


ではおやすみなさい





690VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/02/02(木) 22:55:46.51JCvn8yKk0 (1/1)

青ピで麦野をデートに誘う方法


691VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/02(木) 23:07:42.71Zy37Q1dJo (1/1)

乙なんだよ


692VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/02(木) 23:51:08.86rpS+KkfGo (1/1)

上条さんと美琴がそれぞれ別々に相談に来るけど
二人とも相談内容が「日頃の感謝の想いを相手に伝える方法」とまるっきり同じ
みたいな展開を


693VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)2012/02/03(金) 02:35:23.24myMksGC20 (1/1)

フレンダの愛情表現は俺的には最高だ


694VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/02/03(金) 03:21:55.186Dd23mCTo (1/1)

一方通行が有機を操るという事に関して少し気になったので長文失礼
ベクトル操作のベクトルとは向きを持った量の概念であり、
それを操作できるという事は物質の動いている向きと大きさを操れる事であって有機とか無機とかは関係が無いんです。

有機物も無機物も分解していけば分子や原子、素粒子の集まり(塊)であって、それぞれの粒子は個々のエネルギーを持っています。
ベクトル操作はそれらの粒子の運動(物質の動いている向きや大きさ)を自由に操れる能力であり、
言い換えれば、存在している粒子の動きを自由にできる能力なのです。
例えば、人間の細胞は分子でできています。ベクトル操作はそれら一つ一つ分子に働きかけ好き放題に動かすといった事ができ、
細胞を作っている分子の動き(運動)を変える事により、分子の繋がりを自由に操ることができて
その気になれば(演算できるのならば)人間を原子分解する事も可能な能力って感じです。





695VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/02/03(金) 06:58:56.72tdu/N/Zlo (1/1)

>>694
そんなガチガチの科学で語るより
メルヘンに「有機を操る能力」って言ったほうがかっこええやん


696VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)2012/02/03(金) 11:00:13.73UBuOyk540 (1/1)

ていとくんも>>694知っててあえて有機を操る能力っていった感じがする
詳しく説明したって分からないだろうし


697 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/03(金) 12:28:11.696320kFnF0 (1/44)

>>696 とりあえず空の住人が来たことに驚きを隠せない


垣根「はぁ・・・開店しますよっと」

垣根「しかし、この時間は学校が始まる時間だからな」

垣根「あんまり客は来ないだろ」


青ピ「?なんや、相談屋?」

青ピ「ふーん・・・変わった店やなぁ」

青ピ「おっと、学校・・・」

青ピ「・・・」

青ピ「・・・やっぱり、ちょっと入ってみよ」


垣根「・・・うーん、朝はコーヒーに限る、もしくはメガシャキ」

青ピ「なんや、垣根やん」

垣根「あぁ?青ピじゃねぇか、なんだ?」

青ピ「垣根、君学校行かないん?」

垣根「あぁ・・・ちょっと飽きてきてるんだよな」

青ピ「小萌センセ泣くで?」

垣根「今度菓子折りでも持って・・・って、お前学校は」






698 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/03(金) 12:28:45.446320kFnF0 (2/44)

青ピ「今向かってるんやけど・・・ちょっとこの店見つけてもうてな」

垣根「なんだよ、相談事か?」

青ピ「そうなんやって・・・ボク、今まで女の子と上手くいったことないやんか」

垣根「お前の人生全ては知らないが・・・たしかに、そうかもな」

青ピ「でもな、やっといい人に出会えたんよ」

垣根「麦野か」

青ピ「あ、やっぱり分かる?」

垣根「で?麦野に告白でもするのかよ」

青ピ「ちゃうちゃう、いきなりそれはハードル高いやん」

垣根「じゃあなんだよ」

青ピ「まずはデートに誘いたいんよ」

垣根「デート?」

青ピ「でも、麦野さんってやっぱりお金持ちやろ?せやからボクみたいな男が行く場所なんか・・・」

垣根「ちなみに、お前はなんて言って誘うつもりなんだ?」

青ピ「デートして下さいって」

垣根「もう一押しだな・・・なんでデートしたいのよ、って麦野は聞くはずだ・・・そこで理由を言っても、後から考えたみたいで悪い印象になる」

青ピ「な、なるほど」






699 ◆G2uuPnv9Q.2012/02/03(金) 12:29:14.296320kFnF0 (3/44)

垣根「先にどうしてデートに行きたいか、理由から言うんだよ」

青ピ「でもなぁ・・・いきなり付き合いたいから、なんて言えへんやろ?」

垣根「もっと柔らかく言っていいんだよ」

青ピ「うーん・・・どんな風に?」

垣根「あなたの笑顔が見たい、もしくはあなたと一緒にいると楽しいから、だな」

青ピ「なるほど・・・」

垣根「だが麦野みたいなタイプは押しに弱いだろうから、絶対に楽しくさせますから、でもいいだろう」

青ピ「うんうん・・・」

垣根「ただしこの誘い方は両刃の剣だな、絶対に楽しませなけりゃならない」

青ピ「・・・そうなんやなぁ・・・やっぱり、行く場所も大切やんかな」

垣根「いや、麦野は今まで、どうせいろんな場所に行ってるはずだ」

青ピ「なら・・・」

垣根「だが、あいつに温もりを与えてやった男なんてそうはいない」

青ピ「?」

垣根「どこに行くかで楽しませるんじゃない、お前が必死にあいつを喜ばせようとする努力があいつを楽しませるんだよ」

青ピ「な、なるほどなぁ・・・」